災害対策特別委員会災害対策の基本問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1979/05/31
会議録
○高鳥小委員長 これより災害対策の基本問題に関する小委員会を開会いたします。 今般、御推挙によりまして私が小委員長の重責を担うことになりました。 皆様御承知のとおり、過去、当小委員会におきましては、昨年の国会を例に見ましても、活動火山法の大幅改正、災害弔慰金制度の充実等、数々の実績を得たところであります。 お手元に配付いたしました小委員会検討事項のとおり、今国会におきましても地震対策、災害救助法の見直し等を中心に審議を進め、実りある小委員会といたしたいと存じます。小委員各位の特段の御協力をお願い申し上げます。 災害対策の基本問題に関する件について調査を進めます。 本日は、地震対策及び個人災害対策の一環としての地震保険制度の改善について政府から説明を聴取することといたします。大蔵省貝塚保険部長。
○貝塚説明員 地震保険につきましては、昨年の秋以降、大蔵大臣の諮問機関でございます保険審議会で鋭意審議が進められておりまして、実は一昨日の二十九日に答申の起草小委員会というものを終了いたしまして、六月の初めに部会に報告をいたします。そうしまして最終的な答申を六月の半ば、いまのところ十四日を予定しておりますが、十四日の総会で正式な答申をいただく見込みでございます。いままでの審議経過を申し上げますが、いずれにいたしましても保険審議会の答申がまだ出ておりませんが、その点をお含みの上お聞きくださればありがたいと思います。 まず、地震保険制度はいろいろ欠陥があるということでかねて御指摘を受けておりましたその大きなものの一つに、全損だけ担保するという点がございました。これにつきまして種々審議いたしました結果、まず建物については全損と半損を担保する、全損については地震保険金額の全額を支払う、半損の場合には半額を支払うわけでございます。 半損の場合、半額支払うのは当然ではないかという御意見もあろうかと思いますが、この場合の全損、半損の概念は、全損といいますのはたとえば建物の八割以上が損傷を受けたものを全損としております。したがいまして、八割以上の場合は一〇〇%支払う。半損はその八割に満たない、八割未満で、いまのところの予定では大体三〇%から四〇%くらい以上の損傷度、その間について半額を支払うことといたします。本来ならば、農協がやっておりますように損傷度に応じてきめ細かい支払い保険金をなすべきでございますけれども、地震というのは非常に量的に拡大しますし、質的にも査定が困難でございますのでいま申し上げましたような簡便な方法をとらざるを得ないという結論でございます。 それでは半損、すなわち三、四〇%に至らないものはどうするかということでございます。これについてもずいぶん議論いたしましたけれども、現段階では査定が非常にむずかしいということで、今度の答申では半損に至らない一部損壊は保険の対象とはしない方向で答申が出される見込みでございます。 次は家財、すなわち生活用動資産でございます。 これについても全損の場合は当然保険金額の全部を払います。半損でございますが、家財の場合は半損という判定が非常にむずかしゅうございます。 話がちょっと前後いたしますが、いま一部の地方公共団体からは罹災証明書というものが発行されております。これは義務ではなくて地方自治団体の住民サービスという点で出ております。これに基づきましていろいろな統計その他も出るわけでございますが、それは建物についての全損、半損しかございません。家財については、そういう罹災に関する証明書が出ないわけでございます。 どうしてそういう話をするかと申しますと、査定が量的、質的に非常にむずかしいので一部そういう罹災証明書の力をかりて支払いをしよう、それから当然のことでございますが、地方公共団体が出しますそういった罹災証明書の内容と損害保険会社の査定とは今後内容が一致するようにいたしますので、したがって、建物については整合性があるわけでございます。 話が家財に戻りますと、家財についてはそういう罹災証明書がございませんので、そういう簡便な方法に頼るわけにいきません。しかし、だからといって家財について半損を見ないのも片手落ちでございますので、先ほどの話を続けますと、全損の場合は保険金を全部払いますが、半損の認定に建物の半損の認定を借りてまいりまして、建物が半損以上の場合を想定いたします。それで、何回も申し上げますように家財が全損の場合は保険金額の全額を払いますが、全損に至らないものについては一律に、地震保険契約金額の一〇%を支払う。これは保険金というよりもむしろ給付金という形になると思います。こういう措置は、建物と家財と若干バランスを失するかと思いますが、いまるる申し上げましたとおり、家財については査定が困難なのでそういう簡便な方法によって一〇%払う。 ちょっと話を先走りますが、いままで非常に評判が悪かったのは、地震保険の限度額が非常に低いという御指摘がございました。建物二百四十万円、家財百五十万円でございますが、後ほど詳しく申し上げますが、建物については一千万円、家財については五百万円ということで答申をいただく見込みでございます。したがいまして、先ほどの話に戻りますと家財が半損状態、いわば半損状態がある場合には最高は五百万円の一〇%、五十万円を支払うような形で審議が進められております。家財の五十万円といいますと決して低い額ではないと保険審議会、特に消費者から出ていらっしゃいます委員の方々もこれで大体御満足いただいているやに拝察いたしております。 話をちょっと戻します。 それから、引き受け方法。地震保険は独立で売りませんで、既存の火災保険にくっつけて売っております。現在は強制的にくっつけるものとそれから任意にくっつけるものといろいろございますが、今度は原則的に全部自動的にくっつきます。要するに、普通の火災保険に入りました場合には原則として自動的に地震保険がくっついている。しかし、料率はまだ計算しておりませんが、先ほど申しましたように、分損も持つあるいは限度額も上げますと、料率は当然若干アップせざるを得ませんので、それを全部強制するのは問題でございますので、契約者に選択の余地を残す。すなわち、黙っていれば入るようなかっこうになっているけれども、よく説明いたしまして、それでは私は入らないという契約者には入らないような選択の余地を残すという方法をとるつもりでございます。 いま保険料率の話が出ましたが、いま申しましたように、全体の仕組み、まだ答申をいただいておりませんので、私どもまだ作業を命じておりません。したがいまして、どのくらい上がるのかということをいまの段階でははっきり申せません。 ただ、たてまえで申しますと二つ問題がございまして、いま建物と家財とは保険料率が一本になっております。これは非常に簡便過ぎるというか、イージー過ぎますので、今後は建物と家財とは料率を別建てにいたします。恐らく家財の方の料率は建物に比べて低くなることが予想されます。 それから、いま全国を三つの地区に分けまして、一等地、二等地、三等地と分けて三本の料率体系になっております。これはきめが粗過ぎます。それから契約者が選択いたしますので、これをもう少しふやそうではないかということになっております。 これを何本建てにするかはまだ決まっておりません。いま保険審議会では大枠の話しかしておりませんで、細かいことは後ほどといいますか、答申あるいは法律ができましてから行政と業界とやるようになりますが、いずれにしろ答申ではいまの建物と家財と一本というのはきめが粗過ぎる、それから全国三本建てというのも少しきめが粗過ぎるから、これをもう少しきめ細かくしろという答申が出る見込みでございます。 政府がこれにかんでおりますことは御承知と思いますが、従来どおり政府は再保険でこれを補完するような形になると思います。 それから一たん事あるときに損保会社がいま千八百億円の責任限度を持っておりますが、実際にたまっているお金は八百億くらいでございます。したがいまして、一千億というのはいわば空の負担、空という表現が適当かどうかわかりませんが、そういう負担をしておりますので、資金に事欠くことがあるかもしれないことが予想されます。そうでないように指導はいたしておりますが、いつも流動性を確保することも困難でございますので、そういうときには政府は、その八百億の中であっても、すなわち、八百億持っておるといいましても現金で持っておるわけでございません。株で持っておりましたり社債で持っておりますので、換価困難な事態も生じようと思いますので、そういうときには政府は資金の融通であるとかあっせんについて努力をするというようなことも答申にうたわれますし、法律でもはっきりさせたいと思っております。 それから現行の地震保険で非常に評判の悪い一つは、先ほど申しましたように主契約にくっつけますが、主契約の三〇%で頭打ちしております。頭打ちした上で建物二百四十万で、いずれか低い方ということで非常に低い金額になっております。例をとりますと、一千万円の家でも三割でございますから、三百万円しかつけられない。しかし二百四十万円といずれか低い方でございますので、一千万の家を持っておりますと二百四十万しかつけられないことになっております。これでは補償が非常に少ないという批判がございましたので、今後は上限を五〇%にいたします。そして下限を三〇%にいたします。その間に契約者の方々に選択の余地を残しまして、たとえば一千万の家を持っていらっしゃいます方は三百万と五百万の間の金額で選択できる。自分は四百五十万地震保険をつけたい、自分は四百万つけたいというふうに選択できますが、しかし五百万を限度とするということになると思います。 それは一千万円の家でございますが、先ほど限度額は住宅一千万円、家財五百万円と申しましたが、これをもとへ引き直しますと、二千万円の家、それから一千万円の家財の保有者までがこの地震保険をつけられる。それで二千万円の家の人は一千万円から六百万円の間で選択のできるような方法になると思います。 実は、この一千万円、五百万円を決めるまでに非常に紆余曲折があったわけでございまして、打ち明け話をいたしますと、いま二百四十万でございまして、業界の方はせいぜいこの倍くらいということを言っておったわけでございますが、それではなかなか世人の要望に沿えないということで一千方円ということにいたしましたが、これには財政当局も一時難色を示したことがございましたけれども、どうやら時間をかけまして、建物一千万円、家財五百万円、それから契約金額は主契約の三〇から五〇の間の選択ということで、行政当局の中では決着がついております。 繰り返しになりますが、答申が六月の半ばでございますので余り確定的なことは申し上げられませんが、まずこの金額で答申をいただくことは間違いないとわれわれは期待しておる次第でございます。 あとはいろいろ技術的な問題がございますが、たとえば苦情処理機関を地方別に設置しろ——苦情が非常に多くなろうかと思います。実は損害保険会社もいつ起こるかわからない地震のために多くの人数を抱え、査定をいつも訓練するというのは理想論でございますが、なかなかいきませんので、恐らく地震が起こったときに各社が共同でミーティングをやりまして、それで一斉に罹災地へ向けて共同査定をやることになると思いますが、ふなれなためにいろいろ苦情も起こると思います。そういうときには公正な第三者を含めた苦情処理機関をあらかじめ地区別につくっておきまして、とにかくまず払う、それから苦情は後ほどというような体制をとろうと思います。 最後は、話がちょっと異質になりますが、大規模地震対策特別措置法というのがございますのは私よりも先生方御承知だと思うのですが、警戒宣言というのがございます。警戒宣言が発せられた後にかけ込みで保険の申し込みがあったときどうするかということが問題になりました。これは審議会の意見では、そういうのをやっていたら善良なといいますか——善良でないとは申しませんが、一般の契約者に迷惑をかけるのではないか。警戒宣言——線引きでございません、警戒宣言が発せられた後には何か契約を拒否できるようなことをやってもらわないと、業界もたまらぬし政府もたまらぬということで、これは立法は非常にむずかしいと思いますが、何らかそういう措置をとるべきではないかというのが審議会の大方の意見でございます。 以上、大ざっぱな御説明ですが、現在までの保険審議会の審議状況を御説明申し上げました。
○高鳥小委員長 以上で説明は終わりました。 この際、懇談に入りますので、暫時休憩いたし ます。 午前十一時二十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕