公害対策並びに環境保全特別委員会 第5号
- 発言数
- 340 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/03/23
会議録
○木原委員長 これより会議を開きます。 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
○馬場(昇)委員 昨日、水俣病の刑事裁判で元社長、元工場長二人に対して有罪の判決が出ました。これはもう政府も御承知のとおりだろうと思うのです。 そこで、まず長官にお聞きしたいのですけれども、この刑事裁判の判決が患者に対してどういう効果をもたらすのか、水俣病問題の解決に対してこの判決がどういう力になるのか、この点について長官の御感想、御見解を聞いておきたいと思うのです。
○上村国務大臣 昨日、水俣病に関連します刑事事件の判決が熊本地裁でございました。私判決書をよく拝見をいたしたというわけではございませんが、テレビとか新聞とか、またいろいろな他の情報その他で拝見をいたしました。環境庁といたしましては、刑事事件の判決でございまして、環境庁と結びつくという面が直接的には薄いかとは思いますが、環境行政を進めていくに際しましては、重要な一つの資料であり判断であるというふうに受けとめておるわけです。 と申しますのは、昨日夜分、NHKで十一時から十一時四十五分にわたり水俣病に関するいろいろな放送が行われました。あのとおりであろう。また私どもも、この前馬場委員に対してもお答え申し上げましたように、水俣病というものは公害の原点でもあるし、史上まれに見る大きな公害である、しかも、幅も広いし深さも深いというわけですから、環境庁としましては、あらゆる声に耳を傾け、そして資料も参考にし御意見も承って、環境行政について万遺漏のないようにやるという姿勢でございますので、今度の刑事事件の御判断も、私どもにとりましては大きな一つの資料である、こういうふうに受けとめております。
○馬場(昇)委員 有罪になりました元幹部二人は、もう現在はチッソと何ら関係がございませんで、老齢で隠居をなさっておられる身でございます。患者さんたちはこう言っております。この裁判は検察の体面づくりのためにやったんだ、検察の後始末的な意味しか持たない、そしてまた、これが交通事故並みの扱いの過失致死傷罪になっておる、この判決が出たって自分たちの苦しみが何ら変わるわけではない、こういうような見解を患者さんたちはこもごも言っておるわけでございます。 実は、いま大臣も直接には関係が薄いというようなことをおっしゃったわけでございますが、本当に遅かった、むなしかったと私は思います。いま私が言いました、この患者の心というものをやはり知って水俣病行政をやっていただきたい。この刑事判断も、今後の環境行政の判断材料だと言われましたが、これを受けて患者たちが反応したその心、そこが大切じゃないかと思うのです。その心を大臣は胸に刻み込まれて今後行政をやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○上村国務大臣 そのとおりだと思っております。
○馬場(昇)委員 そこで、かつて昭和四十八年に民事の判決が出ました。これにつきまして当時の環境庁長官の三木さんは、チッソが控訴するかしないかという問題にかかわりまして、控訴しないでこの判決に服して、チッソは反省をして責任をとるべきではないか、こういうような態度をとられました。この判決に対しまして、会社側は控訴するという動きがあるようでございますが、控訴問題に対する長官の御見解を聞いておきたいと思うのです。
○上村国務大臣 環境行政としまして、私は、この患者の方の心を大切にしていくということ、またこういうことが二度と起こらないように防止をしていくこと、それから起きた方々に対する救済措置というものを十分徹底してやるというようなことが大きな目的だと思うわけであります。心を十分に察していくという意味につきましては、いま馬場委員がおっしゃるお心の内はよくわかりますが、法制上これを控訴するかしないかという問題につきましては、これはおのおの法律上あるいは憲法上保障されておるものでございまして、行政関係の者がこれについてとかくここで意見を吐くということはなじまないことであろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 控訴問題についてはまだ言いたいのですけれども、時間が限られておりますので、患者の心を体しながらこの問題にも対処していただきたいと思うのです。 そこで、法務省にお尋ねしたいと思うのです。いろいろ議論をしたいものですから、基本的なことを聞いておきたいのですけれども、刑事政策の目的というのは何だということを、私はこの判決を聞いて思わざるを得ないわけでございます。私は、刑事政策の目的というのは、犯罪を防止するということ、そして犯罪者を改善させるということじゃなかろうかと思うのです。この判決が、またこの起訴したという刑事政策が水俣病を防止し得たのか、犯罪者であるチッソを改善できたのか、これについて法務省の見解を聞いておきたい。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 大変むずかしい質問でございまして、刑事政策の目的が那辺にあるかということにつきましては、古来りっぱな学者がいろいろ議論をしておるところでございますが、ただいま先生御指摘のように、一つは、社会秩序の維持にあることは間違いなかろうと思いますし、もう一つは、犯人の更生にある。これはわれわれ一般予防的な効果あるいは特別予防的な効果、こういうふうに呼んでおりますけれども、その両者の適切妥当なかみ合わせに刑事政策の目的があるのだろう。 極端な言い方をいたしますれば、治安だけを考えていきますれば、やはり犯罪者の人権というところで問題が起きましょうし、逆にまた、犯罪者の更生、保護、人権だけを考えていきますれば、治安の面からの対策がおろそかになる、こういう御批判も出るところでございまして、われわれといたしましては、常にこの両者を車の両輪というふうに考えてよろしいかと思いますけれども、車の両輪が適切に走り回るような適正な刑事政策ということを念頭に置いて公訴権を行使しておるということで御理解をいただきたいと思います。
○馬場(昇)委員 原則じゃなしに、私は具体的に最後はお聞きしたのです。企業幹部を起訴した、そしてきのうこういう判決があった。このことが、この刑事政策が水俣病の防止に役に立ったのか、水俣病の犯罪を犯したチッソの企業をこの政策が改善させることができたのかどうか、このことを聞いているのです。
○佐藤説明員 一つの事件を処罰いたしまして、それによってその関連の社会事象をすべて除去できるというほどわれわれは実は、大変変な言い回しでございますけれども、思い上がった考えは持っていないわけでございまして、やはり一つ一つの事件を綿密に処理していく、そういう刑事政策と行政施策とが相まちまして、社会環境の保全が図れるのではなかろうかというふうに考えております。たしか公害犯罪処罰法の第一条におきましても、他の行政施策と相まって目的を達するものだということがうたわれておりまして、刑事罰則が物事解決のすべてであるというふうにわれわれは考えておりません。
○馬場(昇)委員 この刑事政策が水俣病の防止の全部とは言っていないのです。一つになったかどうかと聞いているのです。それはどうですか。
○佐藤説明員 ただいま申し上げましたとおり、他の行政施策との関連においてそれなりの効果をおさめておるということは、担当検事も十分理解しておりますし、またそのような理解がないところには、検事の努力もむなしいことになるわけでございますから、われわれといたしましても、それなりの効果がおさまるものだということを確信といいましょうか、信念を持って日ごろの職務を行っておる、こういうことでございます。
○馬場(昇)委員 いまから具体的に聞いていきたいのですけれども、公式に発見されてから二十三年ですよ。そして、あとまた環境庁に質問しますけれども、今日発生していないという見解をいま環境庁は持っているのですが、私は発生しておると思うのです。いま判決が出て、水俣病防止にどういう効果があっていますか。一つもあっていないじゃないですか。きのうの判決、二年半の裁判の中でもですよ。 そこで、お聞きしますが、昭和三十一年、三十二年ごろに熊本大学の研究班や熊本県の衛生部が、水俣病の原因は、工場の排水にあるということを発表しておるのです。昭和三十一年、このときに刑事介入はできなかったのですか。どうですか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 大変恐縮でございますが、一般原則から御説明させていただきたいと思いますけれども、刑事訴訟法上、第一次捜査権は警察当局が持っておりまして、知能犯ないしは会社犯罪のような事件につきましては、御案内のとおりロッキード事件、ダグラス事件、その他検察当局が……(馬場(昇)委員「一般論はいいんですよ」と呼ぶ)いえいえ、大事なことでございますので、大変恐縮でございますが。本件につきましても、警察当局はそれなりのやはり対応を講じていたものと思われます。その辺のところにつきまして検察当局もいろいろ助言、指導していたということは聞いております。しかし、いずれにいたしましても、大変法律解釈上もむずかしい、あるいは事実認定上もむずかしいというところでいろいろな問題があったわけですが、結局のところ、警察はその難関を突破いたしまして、五十年の十一月に事件を送致した。検察当局といたしましては、その事件送致を受けまして、翌五十一年の五月に公訴を提起したというところで、検察として事件の対応ぶりに怠慢と申しましょうか、いろいろ問題があったというふうにはわれわれ考えておりません。
○馬場(昇)委員 全く現地の患者なり住民からとりますと無責任きわまる御答弁だと私は思うのです。いまの答弁によりますと、昭和三十一年に警察は動いておったかもしれない、しかし、検察の方には報告がなかったというようなことを言われたわけでございますが、たとえば、その次の昭和三十四年にこういうことをやっておるのですよ。熊大の研究班のこれは世良さんという医学部の先生ですけれども、この人は熊本の検察庁に対して、われわれの研究によれば、水俣病の原因は工場の排水ですよ、そして、その人の発言をきのうテレビでもやっておりましたけれども、川や井戸に毒物を投げ込んだら犯罪になるんじゃないですか、何で捜査しないのですか、こういうことを言っておられるのです。これに対して検察庁は、いや、それは八代支部の管轄だから、こういう答弁をしておりますので、当時の熊本地検の八代支部長の山田検事に対して、また世良先生が、水俣病の原因はチッソの排水だ、調べてみなさいよ、こういうことをやっているのです。 それとちょうど同じ時期に、漁民が、工場の排水をとめなさい、補償しなさいと言って工場に乱入しております。これに対して熊本地検は捜査をやっております。そうして八代地検のいまの山田さんが現地に一カ月も二カ月も行って捜査をしているのです。そのとき調べられた漁民が、われわれだけ何で調べるのだ、チッソの排水に原因があるのにこれをなぜ調べないのだというようなことを言っているのです。これに対して、よけいなことを言うなというようなことを言っている。聞かぬようなことは言うな、こういうことを言っているし、あなたは会社の犬かと漁民から言われて、ばかなことを言うな、こういうことをやって、一方的に漁民だけを調べて五十五人かを起訴し処分したけれども、会社は、調べなさいと大学の研究班の先生が言ったのに、漁民も調べてくれと言ったのに調べていない。これは通常なことと考えていいのですか。
○佐藤説明員 まず、当時の状況につきまして私も最近調査いたしましたが、熊本地検の、ただいま先生から御指摘の、さような申し出があったということは全く確認されておりません。 それから、刑事事件の捜査の問題でございますけれども、これもまたいささか一般論になるようでございますが、刑事事件と申しますのは、逆な意味で当該被告人の人権ときわめて密接にかかわるものでございますので、やはり厳格な証拠に基づいて、一つ一つ事実を積み上げて証拠を認定して犯罪を確定していくというのがわれわれに課せられた仕事でもございますので、患者の救済その他についてわれわれ全く考えないということではございませんけれども、それは行政措置として、また国の別個な機関において対応さるべき事柄でもございまして、われわれといたしましては、場合によりましては、両罰規定によって会社の責任を追及することもございますけれども、刑法犯におきましては、あくまでも個人の刑事責任を厳格な証拠によって追及していく、またそれがわれわれに課せられた仕事であるというふうに理解しておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 これは世良さんがそういうことを言わなかったというようなことを言うのですが、本人は言ったと言っておるのです。 そこで、三十四年ごろ補償問題が片づきましてから、行政が、これは終わったのだというような態度をとりまして、しばらく問題が表に出なかったのですが、三十七年に日本の労働運動史上特筆すべき水俣のチッソ工場の安定賃金闘争というのが起きております。これに対して熊本地検は、池田検事正を争議の責任者としてこれに対応しておるのです。ところがちょうどそのころ、昭和三十八年に熊大の研究班が有機水銀を検出しておるのです。これに対して、この検出した事実を池田検事正に新聞記者の人が持っていったら、池田さんは強い関心を持っておるというようなことも言明はあっておるのです。私は、遅くともこのときぐらいに刑事介入してやったならば、排水はとめられたのじゃないか、このような悲惨な水俣病は起こらなかったのじゃないか、こういうことを思われて残念でならないのですけれども、このときにも全然警察、検察の介入は行われておりません。 それから、また五、六年たちまして四十三年に、ようやく政府が公害の認定をいたしました。四十三年に公害の認定を政府がしたときも、熊本県警の本部長は、熊本県の県会で、態様は業務上過失致死傷罪だが、すでに時効にかかっておる、こういうことを言って動かなかったのです。ちょうどこのころ、四十四年に国会におきましても法務省の刑事局長は時効だという答弁をしております。 そこで、お聞きしたいのですけれども、何を根拠に熊本県警の本部長が時効だと言うし、そしてまた刑事局長も何を根拠に時効だということをそのとき国会で答弁したのか、その根拠を聞きたい。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 まず、警察の本部長がいかなる答弁をいかなる考えでしたかにつきましては、私ども確認できる立場にはございません。 それから、四十三年当時の刑事局長、たしか川井刑事局長ではなかったかと思います。その当時、われわれといたしましても、この問題につきまして検討研究を重ねたわけでございますが、そのとき現在におきましては、まだ理論の十分な成熟を見ていなかったあるいはまた事実関係も判決認定の事実とは違っておりましたので、われわれ、それを前提にいたしまして、当時の川井局長がさような答弁をしたものであるというふうに理解しております。
○馬場(昇)委員 熊本県警の本部長も、すでに時効にかかっておると言いますけれども、具体的な事実が出たら、また調べてみますということも言っているのです。 ちょうどそのころ、四十四年に患者が死亡しております。そして田中敏昌君という胎児性患者も、これは四十四年に死亡しておる。その死亡事実というものがあったら、直ちに私は捜査してよかったのではないかと思うのです。そして四十八年に民事裁判の判決が出た後も、熊本県警は立件の可能性は薄いと言い通してきたのですが、結局三十一年からずっと四十八年まで、このような態度を検察、警察当局は取り続けてきたのです。 そこで、この問題で余り長く触れませんけれども、では最後に聞いておきたいのですけれども、水俣病のこの事件をいつあなた方は犯罪として認識されたのか。いつ犯罪と認識されたのか、それを一言言ってください。
○佐藤説明員 公的には警察が捜査を開始した時点でございます。ただ、捜査を開始するに至ります過程におきましては、大変むずかしい事件でもございますので、いろいろな意味で調査研究を重ねてきた、その集積が今回の有罪判決に結びついたというふうにわれわれは考えておりまして、今回の有罪判決も、刑事裁判の上におきましては、やはり特記さるべき画期的な判決である。こういうふうな判決の積み重ねによりまして、結局それがまた公害防止の一環にもつながっていくのだろうかというふうにも理解しておるわけでございます。
○馬場(昇)委員 警察が捜査し始めたのはいつですか。
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたとおり、五十年の十一月に警察から検察庁に送致されております。その警察がいつ捜査を開始したかは、私ども確認する立場にはございません。
○馬場(昇)委員 結局、警察、検察は、この歴史を見た場合、二十数年間動いていないんです。傍観者であったわけですよ。五十一年の五月に、三十一年に発生してからちょうど二十年たって、患者が殺人罪で告発をしたわけです。そして熊本検察審査会は、殺人罪で起訴すべきだという見解を出した。にもかかわらず、警察、検察は、過失傷害致死罪で起訴をしたわけです。いわゆるあなた方が刑事政策としてやらなきゃならぬことを、そういう種類の事件を、患者の告発ということによってしか動くことはできなかった、こういうことだろうと私は思うのです。これは私は明らかに検察の不作為の行為だと断ぜざるを得ません。私はその責任というのを追及さるべきだ、こういうぐあいに思います。そしてこの判決を見たって、チッソは何ら実質的に制裁を受けていない。またこんなに遅くなったから、十五年もたったからといって、刑が軽くなっておるという理由にもなっております。 私は、もうあなたに答弁を求めませんけれども、反省だけを求めますけれども、検察も、私はいまから行政のことを言いますけれども、行政も、この構造型犯罪の加害者の役割りを果たしたのではないか。この責任、責めというのは、この判決を見た後、皆さん方十分反省しなければいけないのではないか、こういうぐあいに思うのです。このことについては、時間がきょうはございませんので、さらに具体的事実でもって検察のこれまでの動きについてもただしていきたいと思います。 次に、判決の中に、長官、こう書いてございます。「監督行政官庁である通産省幹部において厚生省と連絡のもと速やかに適切な行政指導をしていれば被告人両名においてもこの様に安易な態度に終始することはなかったであろうといえる」こういうことが判決文に書いてございます。 そこで、これは環境庁——実は厚生省に関係あるのですけれども、すべて厚生省のこの関係は環境庁が引き継いでおるわけですから、環境庁に聞くのですけれども、昭和三十三年に厚生省の公衆衛生局長がいわゆる要請を出している。そのとき、昭和三十三年に、国会でも厚生省の公衆衛生局長がチッソの排水に原因があると発言をしておるわけです。私は、そのときに、行政指導として、この水俣病は排水に原因があるということを厚生省の局長が言っているわけですから、国会でも答弁しているのですから、そのとき排水をとめさせたならば、第二水俣病の新潟も起こらなかった、これだけ六千人も一万人もというのは起こらなかった、こう思うのです。このときに排水をやめさせる行政指導が行われるべきであったと私は思うのですけれども、これは厚生省を引き受けられた環境庁、そして通産省から、見解を聞きたい。
○上村国務大臣 先ほどお答えを申し上げましたように、今度の刑事裁判の判断というものにつきましては、私ども重要な判断として受けとめておるわけです。そして現実にこれだけの水俣病が広がりと深さを持っておる際におきましては、いま御指摘のような裁判所の判断につきまして、国としても謙虚に反省していく必要があるであろうと思っております。
○滝沢説明員 お答えいたします。 そういう病気の重要性というような認識が必ずしも通産省において十分でなかったという点は反省いたしておるところでございまして、先生が御指摘のような時点で、そういうことを十分認識しておれば、早期にこの問題が解決していただろうというふうに私どもも反省しておるところでございます。
○馬場(昇)委員 いま通産省の方、認識しておればとおっしゃいますけれども、公衆衛生局長からそういう通達を出している。これで認識していないということは言えないのじゃないかと思うのです。 そういう点で、私は、さっき検察にも申し上げましたけれども、この水俣病がこんなに広く深く、世界の公害の原点、歴史上かつて見ないような悲惨な事実、これが起きたというのは、やはりいま一つ例を挙げましたけれども、行政の不作為の行為がこういうことを引き起こした、こういうことだと思うのです。そしてまた、今日の裁判でも、このあなた方がやらなかったということ、このことが刑を軽くする理由の一つになっているのです。こういうことから考えますと、行政の責任というのは非常に重い。責任は重いだけじゃなしに、これは行政も共犯だ、こういうことがこの水俣病では言えるのではないか、こういうぐあいに私は思います。ぜひその点を反省してもらいたいと思う。 そこで、通産省にお聞きしますけれども、チッソがアセトアルデヒド製造に伴って塩化メチル水銀を排出した時期は、いつからいつまで排出したのです。
○児玉説明員 チッソがアセトアルデヒドの生産をしておりましたのは、昭和七年から昭和四十三年まででございます。その間に触媒として水銀を使っておりましたから、ほぼその時期が先生の御質問に当たる時期であろうと思います。
○馬場(昇)委員 そこで、私は地元ですからよく知っていますけれども、あそこは大正十年にアセトアルデヒド酢酸工場をつくっているんです。十四年に魚がとれなくなったといって、十五年に漁民に千五百円の補償を出している。いま昭和七年と言われましたのは、この工場を増設した年です。そして昭和十七年には、さらに水俣病の、いまで考えると患者らしきものが発生しておるんですよ。そして十八年にはまた漁民の補償交渉がありまして、当時の金で十五万二千五百円支払っているんです。いま昭和七年からとおっしゃいましたけれども、私は大正十年ごろから流しておるんじゃないかというぐあいに思うのですが、これらに対する見解と、いま七年から四十三年まで流したと言われますが、これは長官、公式発見というのが三十一年ですよ。公式発見されてから、三十一年から四十三年まで流したというんですから、十二年間流し続けておる。その間どれだけ患者が発生したかということは、想像にかたくないわけでございますが、この辺に大きな問題があるわけでございます。とにかく何トン流したと通産省は考えておられるんですか。昭和七年から四十三年まででも結構です。何トン水俣湾に流したか。
○児玉説明員 ただいま申し上げましたように、昭和七年から四十三年まで、大変長い期間にわたっておりまして、昔の資料も十分にはないわけでございますが、チッソ株式会社から昭和四十七年十月に熊本県の方に水銀の使用状況に関する資料を提出いたしております。それによりますと、アセトアルデヒドの生産に際しましての水銀の使用総量は、この間約千百八十五トンでございます。そのうち九百八十トンは回収されておりまして、排水中に流出した水銀の量は約八十一トンというふうに推定されております。
○馬場(昇)委員 残念ながら通産省は自分では調査をしていないようでございまして、熊本県の報告ですけれども、これは前の長官の三木さん、私、沢田知事なんかが立会人になりまして四十八年につくった補償協定、この中に、会社はその資料なんかは全部——「チッソ株式会社は、過ちを再びくりかえさないため、今後、公害を絶対に発生させないことを確約するとともに、関係資料等の提示を行ない、住民の不安を常に解消する。」そして「汚染されている水俣周辺海域の浄化対策について、努める。」というぐあいにあるんです。だから、資料はみんな出すという約束もしておりますから、私はこの数字はおかしいと思うのです。だから、ぜひチッソから正しい数字を通産省が求めていただきたいと思います。 そこで、また法務省に聞きたいわけですけれども、裁判所の判決は、あなた方の努力もあったかもしれませんけれども、画期的なものがたくさん出ております。その中に公訴の時効問題がございます。この判決による時効論に従いますと、五十四年二月現在で認定患者が大体千五百二十三人ぐらいおります。そのうち死亡者が、少し数字は動きますから、二月現在二百九十八人ぐらいだろうと思うのです。申請者が現在五千八百人ぐらいまだ審査を受けずにたまっております。だから、いまの千六百人近い認定患者、そして亡くなられました二百九十八人、こういう人たちに対する公訴時効問題はどうなっておるんですか。どう考えればいいんですか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 実は、大変むずかしい法律議論がその根底にございまして、御案内と思いますが、憲法三十九条後段には、何人も同一の犯罪について二度と処罰されてはならないという規定がございます。われわれこれを一事不再理の原則、こういうように呼んでおります。問題となっております水俣病事件につきましては、われわれといいましょうか検察当局は、三十三年から三十五年までの排水につきまして、これに過失があるという認定で公訴を提起したわけでございます。したがって、この排水と受傷ないし死亡の因果関係の認められるものにつきましては、今回の判決が仮に、どこの段階で確定するかわかりませんが、確定した場合は、少なくとも同一被告人につきましては、同一の行為について再度公訴を提起するということは憲法上できないわけでございますので、公訴時効の云々を議論するまでもなく公訴提起はできない、こういうふうになるわけでございます。 それから、もう一点は、最近認定された患者についてどうかということでございますけれども、問題は発病の時期でございまして、数年前あるいは十数年前に発病しまして、それが最近認定されたということになりましても、新しい事態が発生したわけではないので、受傷の時期はやはり十数年前ということになれば、一般的に言いますと、公訴時効は完成しているということになろうかと思います。
○馬場(昇)委員 これは、いま通産省から、昭和七年から四十三年まで流し続けたという答弁があったわけでございます。今度の裁判は三十三年から三十五年まで、この関係において、もう一つは、いま患者がいわゆる傷害の時効に来ておるということですが、この人が死亡した場合、また公訴権が生ずるという判決でございます。今後死亡した人、これはやはり公訴権が生ずるのか、それからいま言ったように、七年から四十三年まで流し続けたこの関係について、二つ答えてください。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 検察当局は、起訴に当たりまして、要するに大変長い間の排出行為の中から証拠上きちっと死亡ないし受傷と因果関係の認められる三十三年から三十五年までの排出に限定いたしまして、かつ患者数もたしか七名であったと思いますが、その公訴事実を掲記したわけでございまして、この公訴事実にかかわった被告人が工場長と社長、こういうわけでございます。 長い間の排水行為につきましては、その間の管理責任者もるる変化しておるわけでございますので、だれが一体責任者なのか必ずしも確定しがたい、あるいはまた、どの排水によって受傷したのか、これも確定しがたいといういろいろな問題もございまして、一番明白に証拠上認定できます三十三年から三十五年の排水につきまして、かつ二名の被告人に限定いたしまして公訴を提起をしたわけでございます。 したがいまして、先ほど私が御説明申し上げましたこの二名の被告人に関します排水行為につきましては、仮にそれと因果関係のある死亡者が発生したということになりましても、この判決が確定いたしたという時点におきましては、公訴提起はできないということになるわけでございます。それが現在の刑事裁判上の基本的な考え方であります。
○馬場(昇)委員 では、たとえば今後死亡される、また死亡した者がまだ三年たっていない、こういう人は公訴権はあるのですか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 公訴権と申しますのは、どの被告人と結びついた公訴権か、あるいは公訴時効かということで考えらるべきことでありまして、仮に昭和七年ごろに排水されたその排水によって死亡が生じたということになりますれば、今回の被告人とは関係がないわけでございます。抽象論といたしましては、今回の公訴事実以外の排水によりまして死亡ないし傷害が新たに発生したということになりますれば、その時点でその当時の担当責任者を捜し出して処罰するということも可能かと思いますけれども、実は、その辺のところも、今回事件を起訴するに当たりまして、昭和七年まで検察としてもさかのぼりまして、排水と行為者とそれから被害者と、この三つの結びつきを証拠に基づいて鋭意検討しましたが、いずれにしても、長い期間のことでもありまして、結局厳格な証拠によって認定できるのは、今回起訴いたしましたあの事実に限られるということが、当時の検察の基本的な考え方でもあったわけでございます。
○馬場(昇)委員 どうもこのことは、水俣病の患者側から見ますとおかしい限りでございます。 そこで、余り議論をしようと思いませんけれども、やはり昭和七年から四十三年までですから、そしていま言われましたこの排水というのは、百間港に流したあるいは水俣湾の河口に流した事実もわかっております、はっきりしておるのです。その間だれが工場長であったか、だれが社長であったかということもはっきりしておるのです。これについては、こういう画期的な判決を踏まえながら検察も対処していただきたい、こういうことを申し上げておきたいと思うのです。 そこで、これは検察行政についてお尋ねしたいのですけれども、いま他の公害事件というのはいっぱいあります。たとえば薬害によるスモンの公害の事件もあります。食品公害による事件もあります。レントゲン禍みたいな事件もあります。私がこの間国会でも取り上げましたけれども、注射による筋拘縮症という事件もあるのです。こういうものの刑事訴追というものは、たとえばこの判決を得、これに対処されました検察当局の考え方ということから考えますと、こういうものに対する刑事訴追というのをどう考えておられるのかということと、ここのところであいまいな態度をとるということは、水俣病二十年の空白と言われておるものを、こういうものでもまたつくり出し、被害を大きくするのじゃないか。 たとえば、私の地元の熊本の天草というところの五和町に、筋拘縮症二百十五人というのがこの間集団発生しておるのです。これは注射によると厚生省も言っておるわけですけれども、まあ頻度その他ありますけれども、こういうのを早く行政指導をやり、検察の態度というものをはっきりしないと、また第二の水俣病を引き起こしてしまうと思うのですけれども、こういうものについて、他の公害の事件についての刑事訴追というものについてどう考えておられるか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 実は刑事訴訟法の前におきましては、公害事件、ロッキード事件あるいは一般のどろぼう事件というふうな区別は一切ございません。われわれといたしましては、常にあらゆる事件に対しまして厳正公平、不偏不党ということで厳しい態度をもって臨んでいるということでございます。
○馬場(昇)委員 これは水俣病に対する態度と、こういうような公害事件に対する態度は全く同じだというようなことでございますので、どちらの方が同じかということを私は聞きたい−何もしなかったというのが同じであっては困るわけであります。今度のこういう画期的な判決は、努力してやった、ここが同じだというような態度で臨んでいくべきじゃなかろうか、こういうぐあいに思います。 そこで、これは環境庁にお聞きしたいのです。 現在、ヘドロは水銀をまだたくさん含んでおりますが、水銀は四十三年にたれ流しをやめたと言っておりますけれども、水俣病はこのヘドロにたまった水銀、これが魚介類に行って、それを摂取する、こういう形で、微量ですけれども、これが蓄積して現在でも水俣病が発生しているのじゃないか、こういうことを言う学者もおるのですが、環境庁はどう考えておられますか。
○本田政府委員 すでにメチル水銀の排出がとまった現在において、新しい患者が出ておるということは大変なことであるわけでございます。そんなことはないと確信いたしております。確かに現在も認定は続いてはおります。私どもいろいろ専門家の意見を聴取いたしておりますけれども、このチッソ水俣工場がアセトアルデヒドの製造を中止いたしました後に、いわゆる魚介類の水銀の蓄積量とか、あるいは漁獲規制をやっておられますけれども、住民のその間における摂食状況でございますか、そういったものを勘案いたしまして、現在水俣病患者が発生し続けているということはとうてい考えられません。
○馬場(昇)委員 もう時間が参りましたけれども、最後に一つだけお聞きしておきたいと思うのです。 私は、先ほどから断片的に言っておりますけれども、チッソ企業の構造犯罪として裁判所の判定が行われたわけですが、これに対しまして私は、政府も共犯、と言えば言い過ぎかもしれませんが、まあ共犯と言っていいと思うのです。そういうものとして裁かれた、こういうような姿勢をとるべきだと思うのです。判決文にもそういうことは書いてございます。だから、このチッソ企業との構造犯罪の共犯として裁かれた政府としては、もう言葉で何を言うよりも、水俣病問題の解決ということを具体的に示すことによってしか罪を償えないと私は思います。そういう意味において、いま一番患者が望んでいるのは金じゃないのです。裁判で相手が刑を受けることじゃないのですよ。本当を言えば、亡くなった命は返りませんけれども、いま生きている人の病気を何とかして治していただきたい、これが最大の願いなのです。 そこで、やはり水俣病の総合治療研究体制というものを一日も早く築き上げるべきだ。水俣病センターをつくっているけれども、予定よりもずっとおくれて、研究するお医者さんも集まらない、こういう状態ではだめだと思うのです。また研究センターだけではだめなのです。総合的な治療研究センターにしなければならぬ。こういう問題について、こういうぐあいにして治療体制をつくるのだという青写真を出していただきたい。 次に、不作為の違法です。六千人いまたまっておるのに、これが認定審査も受けられないという不作為の違法状態があるのです。これはあなた方は裁判で違法状態だという判決を受けている。だから、六千人を具体的に何年の何月に何日ぐらいやって、こうやってこれは解消いたします、こういう具体的な年、月による計画を示すべきだと思うのです。 また、ヘドロ処理の問題でも地元が二次公害を心配して反対しておる。これと話し合いをして解決しようという努力もしていないじゃないですか。また現在、国家賠償法であなた方は訴えられておる。それでいろいろな要求があるのに、誠意をもって交渉に応じていない、こういう問題もあります。そうして基本的なこの水俣病の深さ、広さを調べる総合調査もやっていない。こういうもろもろのことをあなた方はやっていないし、逆に水俣病を押しつぶそうとする動きさえある。私は、この共同正犯というようなかっこうで裁かれた環境庁としては、いま私が言いましたことについて、特に不作為違法、これは何年ぐらいで解決しようとするのかという具体的な答弁を部長から聞きたいのですが、長官から、いま言いました幾つかのことについて、具体的青写真、スケジュールを後日資料として提供していただきたいと思います。
○上村国務大臣 この水俣病に対する取り組み方というものにつきましては、私ども本当に謙虚な心持ちであらゆる努力をしなければならぬというふうに思っておりますが、委員も御承知のとおり、政府関係においても一生懸命にやったと私は思いますけれども、しかし、何しろこの経過、結果を踏まえますと、この刑事判決によりまして指摘されたということは、国として謙虚に反省しなければならぬ、こう思っております。御指摘の点につきましては私、前向きに全力を挙げていきたいと思います。 なお、具体的な問題につきましては、担当の者から説明をさせます。
○本田政府委員 御指摘のように、現在未処分者が約六千名ございます。これをどういった計画によって処分していくのかということでございます。私ども、この不作為と申しますか、こういった状況は、できるだけ早くこの処分をするということが認定業務促進、患者救済のたてまえでございますので、絶えずその辺は気にしておるわけでございます。現在いろいろな試算がございますけれども、私、やっておりますが、現在の熊本県における百五十人検診、百二十人診査、それから新しくつくっていただきました臨時措置法におけるところの診査の状況等を勘案して前進させる必要が大いにあろうかと存じますけれども、それを前提といたしまして試算してみますと、大体四、五年、つまり現在から四、五年でございますので昭和五十七年、遅くとも五十八年度中には処分ができるのじゃなかろうか、かように見積もっております。
○馬場(昇)委員 終わります。
○木原委員長 土井たか子君。
○土井委員 兵庫県の尼崎、西宮、芦屋にわたります港湾計画、さらには県の方の埋め立て計画を策定するのに当たりまして、瀬戸内海環境保全臨時措置法の第十三条「埋立て等についての特別の配慮」という条項がございますが、この十三条並びに第三条の瀬戸内海の環境の保全に関する策定について留意しなければならない項目に拘束をされると存じますが、この点いかがでございますか。
○鮫島政府委員 大変失礼いたしました。いま入ってまいりまして、前半の先生の御質問がわかりませんので、恐れ入りますけれどもお願いいたします。
○土井委員 兵庫県の尼崎、西宮、芦屋港の港湾計画並びにそれに関連する兵庫県の埋め立て計画は、いま申し上げた瀬戸内海環境保全臨時措置法の条項に拘束をされますかという質問なんです。
○鮫島政府委員 大変失礼申し上げました。 尼崎、西宮、芦屋地区は瀬戸内海の中に入っておりますので、当然おっしゃるとおりだと思います。
○土井委員 それでは、環境庁の方にお尋ねしたいのですが、いま運輸省からは、当然瀬戸内海の範疇に入るから拘束を受けるという御答弁なんですが、そうしますと、兵庫県は言うまでもなく、この免許申請を受けて免許を認可する省並びに環境保全について責任ある庁、これはやはりいまの瀬戸内海環境保全臨時措置法の条項に拘束をされますか。いかがでございますか。
○上村政府委員 拘束されると考えます。
○土井委員 そこで、特に尼崎、西宮、芦屋港全体の中で、具体的に問題になる個所をきょうは明示してお尋ねを進めたいと思います。 それは、西宮市内にございます浜甲子園埋め立ての問題なんでございますが、埋め立て計画について五十二年段階で県の港湾修正計画がございます。この問題を中央港湾審議会の方で審議をされたという経過がございますが、そういう事実がございますか、いかがですか。
○鮫島政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○土井委員 そのとき、環境庁もその中央港湾審議会の席に御出席でございましたか。いかがでございますか。
○上村政府委員 出席いたしております。
○土井委員 その席で、環境庁から計画承認の条件について運輸省に申し入れられたという事実があるはずでありますが、いかがでございますか。
○上村政府委員 港湾審議会の幹事段階におきまして、環境庁の見解は申し上げております。
○土井委員 幹事の段階だけでございますか。幹事段階の見解以外にはございませんか。いかがですか。
○上村政府委員 幹事会における見解と申しますものが、港湾審議会の計画部会において環境庁の見解として認められることになるわけでございます。
○土井委員 幹事会段階で、見解の要旨というのを六月の十六日に示された、これはいまのお答えの内容だと思いますが、再度、さらに計画を具体化するまでに詰めるべき問題について表示されたことがございませんか。
○上村政府委員 港湾審議会で環境庁が述べました見解は六項目あるわけでございますが、この見解に対しまして、港湾管理者がいろいろ追補したもの、その項目ごとにさらに十分でないという判断がございまして、それを運輸省港湾局の方に連絡してございます。
○土井委員 それはいつのことですか。
○鮫島政府委員 六月十六日段階で、環境庁の担当の課長から港湾局の計画課長あての文書をちょうだいしております。五十二年でございます。
○土井委員 いまのは運輸省からのお答えでありまして、先ほど、六月十六日について私が申し上げたとおり、いま運輸省のおっしゃったことは、港湾審議会幹事段階での環境庁見解の問題だろうと思うのです。この環境庁の方から港湾審議会の幹事段階での見解をお示しになった以外に、今後さらに計画の具体化までに見解を詰めるべき内容について表示をされたということがございますかと申し上げたら、先ほどの御答弁だった。それはいつのことですかというのに対して、まだ環境庁からの御答弁をいただいてないのです。港湾局長に私はお尋ねしているわけじゃないのです。環境庁はいかがでございますか。
○上村政府委員 正確に申し上げますと、幹事会で環境庁が見解を申しまして、そして、それにつきまして、正式の港湾審議会の計画部会において港湾管理者が追補したものが示されまして、さらにそれにつきまして不十分であるという判断を港湾局の方に示したわけでございますから、その示した時点というのは、第七十八回の計画部会のありました五十二年の六月であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○土井委員 そうすると、五十二年の六月十六日の先ほどの幹事段階での環境庁見解を示された後に、この日でなく、その後に、同じ六月中に再度そのようなことがあったというふうに理解をさせていただいてよろしゅうございますね。
○上村政府委員 幹事会で示し、さらに港湾審議会の計画部会でいまお話しになりましたようなことを申し上げたというふうに御理解いただいて結構でございます。
○土井委員 六月二十三日になりますと、運輸大臣から県知事に対して、港湾計画を認可されるに当たっての付帯条件が付されております。同時に、その日に環境庁は兵庫県知事に対して、公有水面埋め立て手続の再開など、計画の具体的な実施段階以前において特に配慮すべき事項というのを示されております。その内容は、いまお答えになりました、港湾審議会の幹事段階でお示しになった運輸省に対しての環境庁見解、さらに詰めるべき内容に対して、その十六日以降に再度運輸省に対して申し入れられた内容、これと六月二十三日の内容は同様でございますが、いかがでございますか。
○上村政府委員 港湾審議会の後、企画調整局長名で兵庫県知事あて示しました項目は同じでございます。
○土井委員 その内容を見ますと、「予定している土地利用に係る計画策定に当たって、その妥当性を判断した根拠を明らかにすることが必要である。」という前提で、「次の事項についての資料を明らかにすること。」と始まって、西宮について、それからいまの問題の浜甲子園を含めて、十四項目の問題が指示をされている内容であります。このことに対して、兵庫県から具体的に環境庁に対して、この内容にこたえるべくどういう努力をいままでなされましたか。環境庁としては、いままでの県の努力を十分というふうにお認めになって今日に及んでおりますか。いかがでございますか。
○上村政府委員 その後、兵庫県から大阪湾の湾岸道路の問題、それから周辺地域の道路に関する環境影響の問題、水質汚濁の予測等、私どもの方から述べました意見に沿いまして説明があったわけでございますが、いまの時点ではまとまった報告は受けておらないわけでございます。
○土井委員 まとまった報告を受けないままに、これは先月の二十三日に認可申請が運輸省にあって、西宮の方についてはもうすでに運輸省としては認可されてしまっているという事実があるわけですが、この認可申請に当たりまして、すでに環境庁としては、先ほど来私が問題にしておりますこの中央港湾審議会の幹事会の段階において、またその後において公にされてまいっております六項目、さらには十四項目の内容に対して、県は十分に守るという前提で申請をされるべきであるということが考えられるのですが、この点は環境庁としてはどのように御認識をされておりますか。
○上村政府委員 環境庁としましては、今月の末までに兵庫県から詳細伺う予定にしておるわけでございます。
○土井委員 今月の末までにとおっしゃるのは、それはもう遅いのじゃないですか。二月の二十三日にすでにもう西宮に対しては認可されちゃっているのですよ。それ以前に、そういうことの事情を十分に兵庫県からお聞きになったということがないわけですからね。したがって、これは環境庁としては認めるわけにいかない認可内容になっていくというかっこうじゃありませんか。
○上村政府委員 本件、いまお話しになりましたのは、公有水面埋め立てのかつての許可に対する変更でございまして、先ほど来港湾審議会で環境庁がいろいろ意見を申し上げておりますのは、この尼崎、西宮、芦屋港の港湾計画についてでございます。
○土井委員 港湾計画に関連する埋め立て事業についても、これは問題でしょう。いかがでございますか。
○上村政府委員 今回変更になりましたのは、すでに許可があった埋め立てを縮小するというふうな内容であると聞いておるわけでございます。
○土井委員 縮小であれ拡大であれ、計画変更に従っての認可申請じゃありませんか。したがって、これは拡大であれ縮小であれ、それ以前のアセスメントが不十分だという認識のままで環境庁は今日まできておられるわけであります。縮小なら縮小について、環境庁が示されておる六項目、さらには十四項目に対して、県としてはこたえるべきことが義務としてあるんじゃないでしょうか。このことに対して、お聞きになっていらっしゃらないということが現実の問題としてあるわけでしょう。いかがでございますか。
○上村政府委員 現実の問題として聞いておらないじゃないか、公有水面埋め立ての許可の変更について、そういう御指摘でございましたら、そのとおりでございます。
○土井委員 そうすると、これはちょっとおかしい話になるのじゃないでしょうかね。せっかく港湾審議会の場所に出席をされている環境庁とされて、環境庁の立場から六項目、さらには十四項目という内容を提示して、そして運輸省に対して申し入れられている。兵庫県に対してもそのことを付帯条件として具体的に示されている。そのことが守られていないというふうな状況だというふうに認識ができますが、違っていますか。
○上村政府委員 繰り返しになりますけれども、すでに免許を取得されました埋め立てを、計画を変更して縮めるということと、この港湾計画全体について環境保全の観点から環境庁が申し上げた見解というのは、切り離して考えられるのじゃないか、港湾計画が具体化される過程の中で環境庁の見解というものを十分反映してもらうように——したがいまして、先ほどお答えいたしましたように、今月の末に兵庫県を呼びまして、いろいろ事情を聞くということを考えておるわけでございます。
○土井委員 具体的に計画される段階でといまおっしゃいましたね。認可を申請される段階というのは、具体的計画の段階には入らないのですか。
○上村政府委員 本件、最初に港湾審議会で港湾計画の決定がありましたのが四十二年、それから埋め立ての免許を取得しましたのが四十六年でございます。その四十六年の埋め立ての免許の取得について、それを縮小する許可をとられたということでございまして、議論の焦点になっておりますのは尼崎、西宮、芦屋港の港湾計画そのものである。 普通の筋合いで申し上げますと、最初に港湾計面というものがございまして、港湾審議会で審議される。その結果、港湾計一画というものが承認されますと、それに従いまして、必要な場合には公有水面の埋め立てというのが行われるという段取りになってまいると思うわけでございますが、本件は、すでに免許が取得された公有水面の埋め立ての内容の変更、しかも、それも縮小にかかるものでございますので、手続的には、私の方から申し上げますよりも、あるいは運輸省の方からお答えになる方がいいかもわかりませんけれども、旧法の手続を踏んで行われているものだというふうに私ども理解しているわけでございます。
○土井委員 非常に苦しい御答弁なんですがね。これはすでに免許を得られているとおっしゃいますが、今回は、免許期間が切れて、さらにこれに対する伸長という内容もあるのですよ。それと同時に、港湾計画に伴う公有水面埋め立て計画の一部変更という、この免許に対しての申請を同時にやっていらっしゃるのです。そういう内容なんです。環境庁はそれは御存じないですか。いかがでございますか。 先ほど来、具体的にお尋ねをした御答弁を承っておりますと、どうも環境庁は具体的事実に対して把握が不十分なように私は思います。せっかく中央港湾審議会の席に出て、環境庁の立場から、冒頭に私が申し上げた瀬戸内海環境保全臨時措置法というこの縛りの中で、埋め立て問題、港湾計画の問題に対しても、環境保全ということを重々考えなきゃならないという側面で、六項目なり十四項目を運輸省に対して提示されているわけですね。私、これは非常に大事なことだと思っているのです。提示は結構ですよ。そのうち、この提示されたことがどのように守られ、どのように具体的にされていくかというところが肝心じゃないですか。その肝心の段階でどのようにチェックされているかということが、いま御答弁を承っていると、まことに不確かだという感想を私は持ちますね。環境庁長官、これはどのようにお考えになりますか。
○上村国務大臣 いま土井委員からの御指摘をずっと承っておって、私、実はいま初めて承ったようなかっこうなんでございます。瀬戸内海の問題につきましては、委員が御指摘されましたように、瀬戸内海環境保全臨時措置法の十三条に「埋立て等についての特別の配慮」というのがございます。そうして「第三条の瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない。」というふうになっております。それで「瀬戸内海の特殊性」というのは、世界に比類のないりっぱな自然環境である、これを後世までずっと残す意味において、あの本当にりっぱな自然景観を保全するとか、あるいは水質の保全を図るとか、それから水産資源を確保するとか、いろいろな御指摘がございます。私は、本当にこれはそうだと思って、きちっとすべきだというふうな感じは持っておりました。それですから、いま土井委員の御指摘をずっと承っておりまして、もっとしっかりやらねばいかぬなという感じをつっと直感的に感じたわけでございます。 なお、瀬戸内海における埋め立て免許の実績などを、実はちょっと検討してみますと、この瀬戸内海環境保全臨時措置法ができましたのは、御案内のように昭和四十八年十一月二日に施行になっておりますか、要するに、いわゆる旧法時代と申しましょうか、そのときと昭和四十八年の十一月後というのを区別して、実施前と実施後を見ますと、施行前の埋め立て件数を一〇〇としますと、施行後につきましては六三%というふうに、ずっと立法の趣旨が生かされておることは間違いないです。それから施行前の埋め立ての面積を一〇〇としますと、施行後は二九・三%というふうに面積はずっと下がっておりますので、非常に法律の効果は出ておると思いますが、御指摘のように、しっかりやっていきたい、こういうふうに思っております。
○土井委員 いま環境庁長官のおっしゃったのは、面積そのものなんですね。面積は確かに減っているかもしれませんが、その埋め立ての手順と申しますか、埋め立てをする仕方でございますね、これが非常に大事なポイントだと私は思うのです。いませっかく環境庁から運輸省に対する埋め立て問題、港湾計画についての審議の席上での申し入れというのが十分に効を奏しないようなかっこうで、埋め立て計画についての、港湾計画に対する運輸省側からの認可が出ようとしている。私、これは大変問題だと思うのですよ。一たん認可が出ると、県が免許をおろしたらそれで終わりです。港湾管理者というのは、御承知のとおりに県でございますね。施行者も県でございます。だから一たん運輸省から出てしまえば、もうこれはお墨つきをいただいたとばかりに、いませっかく環境庁が県に対して付帯条件として出していらっしゃる中身に対しても、十分な答えをしないままで県がやってしまったって、これは抑えようがない。そういうことを考えると、運輸省が認可をする前夜というのは、環境庁にとっても、運輸省とのお互いの連携で、具体的に内容が十四項目の内容として満たされているかどうか、申し入れた六項目が果たして運輸省によって十分に守られてきたという経過があるかどうか、これをお考えになる非常に重要な段階だと私は思っているのです。長官、そうお考えになりますね。
○上村国務大臣 土井委員の御指摘は、これは環境庁として十分検討して意見は出されておると思うのです。ところが、意見だけ出したからといって、それが守られておるのをフォローするとかチェックするとか、そういう努力が足らぬじゃないか、しっかりやれというふうに受けとめまして、よくその趣旨を体してやるようにいたしたいと思います。
○土井委員 いま環境庁長官、それについては説明を受けていると思うがとか、意見を言っていると思うがというふうな御理解で御答弁になりましたが、それならば、私は長官に申し上げておきたいことがございます。 二月二十七日の予算の第五分科会の席で、私は、この港湾計画、埋め立て計画に従って、そこにやがて考えられるべき港湾道路計画、湾岸道路ですね、湾岸道路計画を問題にいたしました。この節、西宮の港湾計画に対して運輸省の方が二月二十三日に認可をされてしまっているわけでありますが、環境庁としては、この件については兵庫県から再三説明は受けたけれども、この処分の段階において私どもは説明を受けておりませんとはっきりお答えになっているのです。いろいろ説明をお受けになっていらっしゃらないのですよ。ですから、こういうことからしますと、甲子園の埋め立て問題に対して後に残ってしまう。西宮はもう認可されてしまったのですからね。浜甲子園の認可に先立って、環境庁と運輸省との間での協議、お互いの連絡、内容に対しての検討、これが必要だと思いますが、長官、どのようにお考えになりますか。
○上村国務大臣 先ほど申し上げましたように、瀬戸内海の環境保全臨時措置法の趣旨を体しまして——私は、これを守っていくべきだと思いますから、その実効が上がっていかなくてはなりませんから、御指摘の点についてはよく留意してやらせるようにいたしたい、こう思っております。
○土井委員 さらに、これでもう一つ確認をしておきたいのは、五十二年の十一月十四日、これは中央港湾審議会の審議がもう終わりまして、県に対して付帯条件をつけて出されてから後の話でありますが、この十一月十四日の運輸委員会、建設委員会、公害対策並びに環境保全特別委員会の連合審査の席で、当時の田村運輸大臣がこういう御答弁をされたわけであります。「地元の意向、もちろん、それは住民の方々の御意向をも含めてでございますが、十分お聞きして判断をいたすつもりでございますので、それまでは事実上、現状のままで事業そのものを保留いたしておきたい、このように考えております。」おっしゃっている中身は、これは西宮の港湾埋め立て事業についての御発言なんです。今回、運輸省に認可申請がなされておりますこの浜甲子園の問題について、当時の田村運輸大臣が御答弁をされているわけですが、この御答弁の趣旨は、今日も生きていると私たちは理解をいたしておりますけれども、そのとおりに理解してよろしゅうございますか。
○鮫島政府委員 当時の田村前運輸大臣がお答えした内容は、ただいま先生のおっしゃるとおりでございます。そして、それに対しましてその後いろいろな情勢がございます。そういうようなものを含めまして、いまの大臣の線に沿って判断をしていくべきだと考えております。
○土井委員 いろいろな情勢とおっしゃいますが、ここでの田村前運輸大臣の御答弁の中で、「住民の方々の御意向をも含めて」、地元の意向を十分お聞きして判断をいたすつもりだとおっしゃっているところが実は大変大事なことでありまして、地元の「住民の方々の御意向をも含めて」とおっしゃる、その住民の方々に対する県からの説明なり、さらにはその了解を求める努力が、ただいまのところまではまことに不十分だということを言わざるを得ません。 現に、環境庁に対して県が持ってこられる内容も、環境庁としては不十分だといって県に返していらっしゃるということが、今日ただいままで過去の事実としてあった限りで、あります。だから、そういうことからすると、県の努力も喚起しながら、また住民の意向を十分にこの中でくみ取った上で、具体的に事を処さなければいけない、こういうことが基本原則だと思いますが、このことの努力をされて、環境庁としてはこの問題について運輸省との話し合いをお進めになる、こういうことで理解をさせていただいてよろしゅうございますか。環境庁長官、いかがですか。
○上村国務大臣 御趣旨はよくわかります。いまの環境アセスメントの関係の制度確立化で、私ども法制化を考えております。というのは、いろいろアセスメントの制度の積み上げ方式がありまして、考え方がいろいろあるのですね。私ども、住民参加の方式というようなものも勘案しながらと言ってやって、そしていま極力調整をしているようなわけでございます。そういう点は、委員も御了解していただけると思います。御指摘の点はよく頭に入れましてやっていきたいと思っております。
○土井委員 この問題については、計画を実行することを急ぐ余り、悔いを後に残すようなことがあってはならないと思うのです。これに対する住民の方々の御理解が不十分なままで事を先に進めますと、かえって時間と経費を大変にむだ遣いする。そして事をスムーズに進めるということもむずかしくなる。こういうことは過去のいろんな事実が示している。 そういうことばかりでなく、やはり環境庁としては、環境保全ということを一にも二にも考える立場にいらっしゃるはずでありますし、いままでの経過からすると、まことにその点が生かされていないという過去の経緯がございますので、ひとつ十分御留意の上、運輸省との詰めをやっていただかないと、この認可に対しては、運輸省はお出しになるべきではないだろうというふうに私ども理解しておりますので、これは確認をさせていただいてよろしゅうございますね。環境庁長官は一生懸命うなずいていらっしゃいますから、私は、それは環境庁長官に対して確認をさせていただくということでよろしゅうございますね。環境庁長官、一言、はいとおっしゃってください。
○上村国務大臣 いま承っておるわけで、実は、初めてここで承ることが多いのでございます。先ほど御答弁申し上げましたような趣旨で、しっかりやっていきたいと思います。
○土井委員 時間でございますから、あとちょっと確認をしたいことがありますので、確認をさせていただきます。 昨日は大塩課長大変御苦労さまでございました。実は、大分の方から大分新産都八号地埋め立て計画に対して陳情の方々が来られまして、それに対して具体的にいろいろと環境庁なりの考え方をそこで披瀝していただいたようでございますが、昨日お聞かせいただいたいろんな御見解のほどは、環境庁の公式見解として受けとめさせていただいてよろしゅうございますか。いかがでございますか。
○上村政府委員 私、別の会議がありまして、昨日留守しておりましたが、大塩課長から当日の模様は聞いておりまして、そのように御理解いただいて結構でございます。
○土井委員 そうすると、これは環境庁の公式見解ということで私たちは確認をさせていただいたわけですから、さらに具体的にお聞かせいただく必要もないと思いますが、一点だけ確認をしておいて終わりたいと思います。 それは、四十八年当時の八号地計画中断を解くためのアセスメントとして、現在環境庁は大分県との間で合意したアセスメントをお進めになっているわけではない。もう一度言うと、五十三年八月に、環境庁と大分県の両者で合意をされた結果、現在実施されているアセスメントは、四十八年五月の段階で八号地計画の中断を決めたことを解除するためのアセスメントではないというふうに、環境庁は認識されているというふうに確認をさせていただいてよろしゅうございますね。
○上村政府委員 いま大分県から御相談を受けながらやることにいたしております環境アセスメントというのは、八号地そのものに即したものではございませんで、大分県の持っております全体の計画について、基礎的に調べようというのがねらいでございます。
○土井委員 そういたしますと、当時二期計画から八号地計画というものが分離され、さらに中断されたかっこうで今日に至っておりますが、この中断を解除するためのアセスメントでは断じてないということだけは、確認をさせていただいてよろしゅうございますね。
○上村政府委員 中断をいたしましたときに、アセスメントをやるというのが一つの条件になっておったことは御案内のとおりでございます。いまやっておりますのは、そういう意味のアセスメントではない。したがいまして、直接には、このアセスメントによって直ちに八号地の計画に結びつくということにはならない、こういうふうに考えております。
○土井委員 ありがとうございました。終わります。
○木原委員長 この際、午後零時五十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ────◇───── 午後零時五十四分開議
○木原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 アセスメント法案のことを少ししつこく環境庁を激励する立場から質問をしてまいりたいと思います。その誠意にこたえていただきたいと思います。 最初に、通産省に伺いますが、ここ数年間電源立地に絡む事業者と住民の紛争がふえているわけでありますが、五十二年あるいは五十三年、今年に入ってからも含めて、その状況について概括御報告を煩わしたいと思います。
○豊島政府委員 ただいまの先生のおっしゃいました五十三年につきまして、われわれの手元にあります資料では、行政訴訟八件、民訴四件、行政不服申し立てが四件という数字で、十六件ございます。
○岩垂委員 それは全体の中のどのくらいの割合を占めているか、もしできたら五十二年度もお聞かせいただきたいのですが、どうしてもなければ結構です。
○豊島政府委員 全体についてはただいまちょっと手元にございません。
○岩垂委員 紛争のあるところとないところのバランスですよ。
○豊島政府委員 ただいま御質問の趣旨は、ちょっと私がいまお答えしたのと違うかもしれませんが、いま申し上げたのは行政訴訟の問題でございますが、恐らく先生は、電源立地をめぐっていま現にいろいろ起こっておるところがあるのかないのかということだと思います。その点につきまして、ちょっと思い当たりませんが、現在電源開発が、電調審その他として非常に差し迫ったものとして起こっておるものとしては、たとえば中国とかあるいは関西等でございます。それからすでに電調審は通っておりますが、これから建設工事に入るものとして、たとえば、最近解決しましたが、女川の漁業問題あるいは渥美の火力発電所問題、そういうふうにいろいろありますが、何らかの形でいずれかのところで、程度に非常に差がありますし、簡単に解決がついたのもございますが、いろいろな形で起こっていることは事実だと思います。
○岩垂委員 三月の電調審はいつお開きになりますか。もう決まっているでしょう。
○豊島政府委員 この点につきましては、経済企画庁が最終的に決めるわけでございます。いまのところ正確な日取りは決まっておりませんが、月末までに一回はお願いするということで話を進めております。
○岩垂委員 月末と言ったってもうすぐ終わりでしょう。だから、日は大体決まっているのでしょう。それは言えないのですか。
○豊島政府委員 まだ正確なところは決まっておりませんが、下旬の後半ということになろうかと思います。
○岩垂委員 下旬の後半って一体どういうことか見当もつかないのですが、大体見当つけてみましょう。 その電調審にかけられる、いま予想している議題を御報告願いたいと思います。
○豊島政府委員 ただいまのところ、私どもの審査を終えて環境庁の方へ協議をしておりますのは、たしか十件程度あると思います。 具体的に申しますと、北海道の砂川火力四号、関西の相生火力一、二、三号、岩手県の小さい県営ですが、北ノ又水力、沖繩の牧港火力九号、勿来火力八、九号、鹿島共同火力の三、四号、御坊一、二、三号、大崎一号、竹原三号等でございます。
○岩垂委員 いまお話しになりましたが、大崎、竹原、竜島、相生、これらはほとんど紛争が起こっているところですね。
○豊島政府委員 先生御指摘のような、紛争という言葉が適当かどうか、私どもよくわかりませんが、たとえば竜島等につきましては、まだ説明会が一部の地区で開けないとか、あるいはその他の地区で、御坊では最近大体ほとんど周辺地区市町村の話し合いがついたというふうに聞いておりますが、そういう地元との話し合い等において最終的に詰まっていないというものもいまのところございます。
○岩垂委員 いまお伺いしただけでも、電調審にかかる十のうちの五つ以上、つまり半数以上が事業者と住民の間にトラブルが起こっているわけです。 環境庁に伺いますけれども、住民と事業者の関係の中で、必ずしも住民だけが悪いとかいいとかいう判断はなかなかしにくいと思うのですが、事業者が持つべき責任の分野というのはわりと多いと私は思うのです。その辺について率直にお答えをいただきたいと思うのです。
○上村国務大臣 事業をやる、開発行為が行われるという立場でございますから、事業主体の方からよく地元の方々の御了解を得るように努力すべきものだ。またそういう姿勢であるべきだ。私ども環境庁が考えております環境アセスメントの一つの大きな柱は、住民参加であることに間違いございません。
○岩垂委員 私が伺っているのは要するに、いまトラブルがある、トラブルをどういうふうに呼ぶかは別として、そのトラブルの中で、どちらかといえば事業者にいろいろな意味で住民の不信というものを招くような事柄があって、事業者の責任に帰するべき大きな要素というものを無視することはできない、そのことを私は言っているのでありまして、恐らくその辺のところを環境庁は細かくお調べになっていらっしゃると思うから、一体どっちが多いか少ないかということは伺いませんけれども、事業者に帰すべき多くのトラブルの原因があるのだという認識にお立ちになりますか。
○上村国務大臣 多少の事件については承ったことがございますが、担当の政府委員から説明させていただきます。
○上村政府委員 事業者が環境影響評価をしたことについて、それが必ずしも十分ではないというふうな反応があるというのがあると思います。それから説明会が行われた、その行われ方についての不満がある場合もあると思います。私ども、事業者に即して問題点がどういうところにあるかというふうなお話になれば、そういう点じゃなかろうかというふうに思うわけでございますが……。
○岩垂委員 環境庁に引き続いて伺いますけれども、いまのやりとりで、紛争が起こっているそういう地域のことが、結局今度のアセスメントの法制化に関連して、そういうものがますます多くなるから慎重を期すべきだ、あるいはそういうトラブルが大きくなるおそれがあるから法案化に対して慎重であるべきだというふうな意見が通産省あるいは自民党の内部でも起こっていますね。御存じのとおりです。それに対して、皆さんはどういう立場で説得をなさってこられているのか、その辺をこの際ちょっとお尋ねしておきたいと思うのであります。
○上村政府委員 いま御指摘になりましたように、現に幾つかの地点でトラブルがあるから、法律ができる場合にはよりトラブルが多くなるのではないかというふうな意見があることは事実でございます。これに対しまして、私どもの考え方は、先ほど大臣から申し上げましたように、環境アセスメントというのは、調査し、予測し、評価をするという技術的な側面と同時に、その内容というものを人々に知らせて、説明をして、意見を求め、理解を求めるという手続もまた大事なものであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう手続を踏むこと自身がアセスメントをやるために必要なことであるから、一つの考え方としては、少々トラブルがあっても、それは恐るべきものではないというふうな考え方ができると思いますし、同時に、トラブルのないように住民に説明し、理解を求めるのが、この制度の一つの面でもあるというふうに思うわけでございます。ただ、トラブルというのは、一つの社会的な事象の面も持っておるわけでございますから、全然なくなるとかあるいはどうかというふうなことまではちょっと説明するのはむずかしい点があるわけでございます。
○岩垂委員 私もいろいろなことを、話を伺ったりあるいは新聞などで拝見をしていますと、どうも事業者の側がいろいろな意味で住民に対する対応に不十分さがある、非常にいろいろな問題を起こしている。その意味では、事業者は非常に大きな反省をしなければならぬという感じがするのでございます。そのことと、アセスメント法ができればよけいトラブルが多くなるという議論をぶっつけて、アセスは反対だ、あるいは慎重を期すべきだという考え方で、自民党の中にあるいは政府の部内にそういう意見があるとすれば、それに対してはもっと積極的な説得というものを環境庁としてしていかなければ、問題の解決にはならぬのではないだろうかという感じがするのであります。だから、先ほどからちょっと長ったらしく前段を伺っていますけれども、その辺について環境庁の率直な見解をもう一遍、いま大体聞きましたけれども、自民党のそういうアセスに対する批判を持っている人たちに対して、どういう説得をして今日まで来ているかということを言ってください。そのあなた方の熱意にかかっていますからね。
○上村国務大臣 ただいままでの経過だけを率直に申し上げておいた方がかえって環境庁の姿勢もよくわかると思いますので、申し上げさせていただきますが、実は、私、環境庁に参りました際に、環境影響評価法案というものは非常に必要なものであるという認識のもとに立ちました。そして、そのためにずっと調べてまいりますと、昨年の五月十八日に自民党で政調会の決定が行われておるのです。その決定の文章は、実は客観的な、科学的な指針というものがまだ確立していない、多分、温水や何かを言っておるのじゃないかと思いますけれども。それから法制化は時期尚早であるというふうに決定されておるのです。その後段の方で、環境アセスメントの制度を確立するということは既定方針である、だから党と政府が一体をなして日本の風土に合う実効性のある制度を検討すべきであるという決定がなされておるわけです。それで、それを踏んまえまして、私、昨年の暮れに、とにかく時期尚早ということは現実の問題、各省庁間の調整がまだできていないとか、あるいは各種団体との間の調整とか、党内調整とかいうものができていないということで時期尚早というふうに見ていいかと言ったら、そうだということになりまして、それであれば、私どもは必要であると思うから、精力的にこの調整に入るからということで、従来ちょっといわば凍結状態にあったのが動き出したという始末であります。 そこへもってきて、昨年、暮れでございますので、予算編成に入る、それから予算審議に入るということでございますが、法案としましては、とにかく提出予定法案にリストアップしてもらうということでそれが決まったわけです。そうしたところが、予算関連法案以外の法案は三月十六日までということを大体閣議でめどをつけておりました。でございますが、いま言ったような関係でございますので、党の方の、特に与党の方の環境部会では精力的に検討を始めたわけです、いままでのいきさつがございますから。それの動きも見ており、それとともに、必要な資料は環境庁としては精力的に提出をしてまいりました。それから各省に対しましてもやっておるわけです。 それで、一番大きな問題は、結局客観的な指針という問題があるだろう。そういうことで、三月十三日ごろかと思いますが、党の部会にとにかく環境庁がまとめました指針を提出し、発表したわけです。もちろん、それにつきましてもきっと論議が進められると思いますけれども、一方、そういうことについて資料としては出していかなければ論議が進まないというふうに思いましたから、そうしました。それから法案の骨子、また環境庁が考えておるような条文というものも御提出するということでやっておるわけです。党としましても、精力的にずっとそれを進めておる。まだ結論は出ない。それからこの環境アセスメントのあり方あるいは考え方につきましては、中央公害対策審議会に諮問をしておるわけです。これの答申というものがまだ出ておりません。出ておりませんが、近いうちに出るというわけです。そういうことでございますので、それも見、アセスという問題につきましては、一歩でも二歩でも確立の方へ進めていきたい。 というのは、基本的な物の考え方で二つあるわけですね。いままで、四十七年度のときに閣議了解事項としまして、国の公共事業あるいは国が認可、許可するような事業につきましては、アセスをやれということになっております。それで各省庁もずっとアセスはやってきております。けれども、要は、いま御指摘にあったような問題につきまして、どうも統一的になっていないのですね。それで私どもは、この際だから、国の全体の統一的な法律規制でいった方がいいという観点のもとに法案を進めておる。ところが、そうでない御意見の方は、いまのやつを積み上げながらいった方がいいじゃないか、こういう見解が出ておるのです。この調整がまだついていない。 それから、特に大きな問題としましては、いまの住民参加のあり方、方法、こういうものが大きな柱であることは間違いございません。そして従来の長い間の経過を踏んまえられまして、そうは言うけれども、こうだというような意見が出ておるということで延びておるというのが実情でございます。 それで政府の方に対しましては、三月十六日の提出期限が来ておりますが、いま鋭意やっておりますから、それを延ばしておいてもらいたいということで言っておりますが、それがおのずから今国会に対する物理的な状態が来ることはあると思います。けれども、私ども、アセスメント制度の確立のために、一歩でも二歩でも前進させようというのが環境庁の現在の姿勢でございます。
○岩垂委員 長い答弁をいただいたのですが、結局、率直なところ間に合うと思っていらっしゃるのですか。鋭意検討です、検討です、やっています、やっていますと言ったって、毎日日がたっているわけでありまして、十六日はとっくに過ぎたわけですけれども、環境庁長官、率直な見解をお聞きするのですが、いままでの作業の過程の中で間に合うとお考えになっていらっしゃいますか。
○上村国務大臣 これは非常に厳しい状態であることは率直に認めなければなりません。けれども、私どもの考え方は、とにかくアセスメントというものにつきまして一歩でも二歩でも後下がりせずに進めていきたいというわけでございますので、いままで出ておる問題点について、環境庁としてなすべきことは積極的に提示して進めていく、こういう姿勢でやっておるわけでございまして、環境自体としましては、現在の国会におきましても、統一地方選が入ってくるとか、あるいはいわゆる対立法案というものが論議をされてくるという国会の現実の審議を見てまいりますれば、御指摘のようになかなかむずかしい条件があるということは率直に認めざるを得ません。けれども、姿勢としましては、一歩でも二歩でも前進させていく、そういう体制でいま進めておるわけでございます。
○岩垂委員 私も実は対決法案と言われる内閣委員会の理事をしているのですけれども、法案関係の問題というのは、政府がもっと積極的に取り組んでいけば、やる気になれば私はできると思うのです。だから、いま長官が今国会はむずかしいという率直な御見解を言われたことは、大変遺憾だと思いますけれども、率直な見解だと私は思うのです。 これは、通産省に伺いますけれども、いま長官がおっしゃった技術的な指針なりあるいは法律体系などの整備を議論しているのですが、通産省はいつごろまでにまとめるつもりなんですか。
○原田政府委員 大体本月の中旬ごろに環境庁の方から技術指針につきましての考え方が提示されてまいりました。御案内のとおり、この技術指針の項目というのが非常に広範にわたっております。大気ですとか水ですとか、あるいは自然景観ですとか——大気と申しましても、中にはたくさんあるわけでございますから、現在そういう項目につきまして、通産省の中で関係部局の協力も得まして検討しております。多少若干の時日を要するのではないかと思っております。
○岩垂委員 これも率直に伺いますけれども、多少若干のと言ったってわからないので、非常に広範囲にわたっているということがあるので、技術指針というのを一遍見せてもらえないか。これは環境庁にもお尋ねしたいと思うのです。若干の多少のというのは、今月いっぱいで上がりますか。四月末までかかるでしょう。通産省、その辺はどうですか。
○原田政府委員 ちょっといまのところ何とも申し上げかねますが、場合によれば、中間的な意見といったようなかっこうで環境庁ともすり合わせをするということも考えられるのではないかと思っております。
○岩垂委員 通産省がそう言っておりますよね。つまり中間的な形で法律はできませんからね。だから、これは前向きに検討する検討すると言って、努力なさっていないと私も言いませんけれども、今国会に間に合わない。ということは、大衆をごまかしているということになってくると私は思うのです。やります、やりますと言って、結局できませんでした、またできませんでした、またできませんでしたと繰り返してきているのですよ。これは環境庁がもうちょっと積極的に、たとえば総理大臣なら総理大臣を中に入れて、きちんと閣内で各省庁をまとめて、いつまでにまとめていくぐらいなことをなさった方がいいだろうと思うのですよ。私はこの前も大変強く要請をしたのですが、長官、総理を含めて最終的にまとめていく努力をなさるおつもりございませんか。
○上村国務大臣 委員も御承知のように、私も率直に申し上げておるわけでございまして、昨年のいきさつもございますし、いろいろなことがございまして、本当に私ら精力的にやっておる所存でもございますし、総理にもこの経過は一々申し上げておるわけです。そういうわけでございまして、この前向きな姿勢だけはひとつ御了解を賜りたい、こう思います。
○岩垂委員 私も、後ろ向きだ、横向きだと言っているのじゃないのですよ。だけれども、国会の答弁というのは、前向きに検討しますというのは、何もやらないことだというようなことも先輩から教わったこともあるけれども、実際問題として、前向きに検討するということは、何もやらないことと同じような意味に今国会に関する限りなってしまっているだろう、こう指摘をせざるを得ないのです。 また、後ほどその問題はお伺いをしたいと思うのですが、通産省は、先ほど三月末の電調審——これは環境庁で結構です、電調審を控えて、環境庁はどの程度審査をやっておられますか。
○上村政府委員 いま電調審に予定の候補地につきましては、先ほど資源エネルギー庁の方からお話がありましたものが、環境庁の方にそれを持ち込まれておるわけでございます。順を追って持ち込まれておりまして、持ち込まれた順に審査をしておるのが現在の状況でございまして、電調審の日取りは、先ほどお答えがありましたように未定でございますけれども、その日を目指しまして、持ち込まれた案件についての審査は精力的に進めておるところでございます。
○岩垂委員 三月に入って出てきたのは何件、どこですか。
○上村政府委員 芸南の火力発電所でございます。
○岩垂委員 御坊はどういう形で対応していらっしゃいますか。
○上村政府委員 御坊の火力発電所に関します資源エネルギー庁の審査報告書というのは、二月の十五日でございますが、環境庁の方にいただきまして、現在環境審査を行っておるところでございますが、この審査に当たりましては、和歌山県の環境保全上の検討結果を聞くほかに、現地調査をやっておるところでございます。昨日、きょうと、私の方の審査官ほか一名現地に参りまして、いろいろと事情も聞いておる、そういう状況でございます。
○岩垂委員 これは一般的に言えませんけれども、一つの、一件というか、それを審査するのに、かなり時間がかかるでしょう。大体どのくらいかかっていますか、いままで。
○上村政府委員 持ち込まれました発電所は、大きなものから小さなもの、いろいろあるわけでございますが、これには企画調整局が窓口になりまして、環境庁の残りの三つの局の専門の審査官を動員してやるわけでございまして、どのくらいの日時というのはなかなか一概に言えないわけでございますが、連日夜遅くまでやりまして、相当厳しい日程であることは事実でございます。
○岩垂委員 一カ月ぐらい問題のあるところはかかるでしょう。実は、私はちゃんと知っているのですよ。
○上村政府委員 要するに、その間に照会をし直しましたりするようなことがございますから、場合によりますと、そのぐらいの期間かかることがございます。
○岩垂委員 そうしますと、竹原とか大崎とか、あるいはいまの御坊ですね、これはこの三月の電調審に間に合うとすれば不思議ですね。どうです。たとえば御坊のごときは、きのう、きょう調査に行っているわけですよ。
○上村政府委員 受け付けまして、いろいろ審査をして、審査の過程で必要な場合には、現地に行かない場合もございますけれども、行くということでございますから、ある地点はいまの時点で無理だというふうに一概に決めるということはできないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○岩垂委員 しかし、いまの伺った日程や調査の仕方なんか考えてみますと、物理的に無理ですよね。もしそれが通ったとすれば、それはまさに手抜きが行われているとは言わないけれども、純技術的でなくて非常に政治的な処置になっていると言わざるを得ないですね。その点はどうですか。
○上村政府委員 いまの時点で、先ほどお答えいたしましたように、一概に無理であるというふうなことが言えないと申しますのは、この審査に当たっております審査官、相当根を詰めてやっておるわけでございます。
○岩垂委員 三月というのはもう一週間しかないのですよ。電調審が三月の一番下旬にとたとえば言ったとしますよ。一週間しかないのですよ。それに根を詰めてやっても非常にむずかしい日程であることはもう言うまでもないと思うのです。非常に困難な状況にある、あるいは厳しい、むずかしい状況にあるということは言えるでしょう、あなたおやりになってみて。いかがです。
○上村政府委員 相当多くの地点が持ち込まれておりますので、全体としました日程というは、相当厳しいものがあることは事実でございます。
○岩垂委員 それ以上言っても答えられないと思うのですが、やはりもしこれが電調審に、環境庁がまとめて、それで通過したというようなことになれば、日程的にまず非常な無理がこの中にあるということを私は認めざるを得ないですよ。これは御無理なさるのかなさらないのか、見詰めてみたいと思いますけれども、その点は非常に困難なむずかしい日程だということだけ承って、次に移りたいと思うのです。 通産省は、さっき長官も言われましたが、発電所の温排水問題について、去年の七月に公益事業部長が環境庁に対して暫定的指針を早急につくるという申し入れを行っていますね。それはできていますか。
○豊島政府委員 現在までのところまだできておりません。
○岩垂委員 たしか昨年いっぱいで出すというおつもりじゃなかったのですか。そしていつごろそれはできるつもりなんですか。
○豊島政府委員 鋭意検討いたしておりますが、四月以降環境庁と協議をいたしたい、このように考えております。
○岩垂委員 四月以降というのは、もうできたのですか。
○豊島政府委員 四月になりましたら協議できる段階に来ております。
○岩垂委員 自分の方でやると言っておいて、十二月が三月いっぱい、四月になるというふうな形になっている。しかも五十四年度から五カ年計画で電事連と一緒になって技術開発、技術手法開発をするという、たしか三千万円の予算もついているはずですが、電事連に国がここまで金をつぎ込んでいく義理が一体あるのですか。五カ年計画といったら、それがまとまるまではアセスメントはだめということと同意語とは言いませんが、同じような意味を持ってくるのですよ。これはどうするのですか、お答えをいただきたい。
○豊島政府委員 温排水問題につきましては、いろいろな、温排水の広がりを見るとか、そういう問題のほかに、それが具体的にどういう影響を与えるかということにつきましては、いまだ余り技術的に確立したものがございませんので、これにつきましては、相当根を詰めて新しいことをやっていかなくてはいけないということで、時間はかかるのはやむを得ないと思いますが、その中においても、一つ一つの例を積み上げて、われわれとしては現実の環境審査に役立てる方向で鋭意努力しておるところでございます。
○岩垂委員 続いて、通産省なんですが、環境審査顧問会の性格と内容についてもう一遍尋ねたいと思うのです。これは前回も聞きました。設置理由並びにその根拠を明らかにしていただきたいと思います。
○木内説明員 お答え申し上げます。 環境審査顧問会の性格でございますが、まず環境審査に当たりまして、資源エネルギー庁に任命されております環境保全審査官、これがございまして、その者が電力会社から提出されました環境影響調査書につきましてそれぞれ詳細に審査をするわけでございます。それによって審査をした結果につきまして、環境審査顧問の先生方の御意見等を承る、このような実情でございます。いろいろ環境問題についてそれぞれの専門家の御意見を踏まえまして再度検討し直し、また顧問の先生の意見を伺う、こういうような実情で審査を進めておるというような状況でございます。
○岩垂委員 だとすれば、事業者が出した資料の信憑性というものをチェックするというか確認をする、それが仕事ですね。 その次に移りますが、要するに、国がクロスチェックを水力、石炭火力、原子力を含めてやられることになっていますね。そして国が予算を組んで専門の先生方に委託をしますね。もし、その委託をする先が、国がクロスチェックをする先が、そこの人たちが電力会社から頼まれてアセスをやっているという状態になったら、一体それはどうなりますか。
○木内説明員 お答えいたします。 環境審査に当たりまして、電気事業者から提出されましたデータ等が間違いがないかどうか、国としても確認する必要があると考えております。
○岩垂委員 国として確認をする必要があるという、その確認をする団体と、電力会社から頼まれて環境審査を行った団体とが同じだったらどうなりますか。たとえば、ここで言います、私はおたくから取り寄せた五十一年からの予算を見た。電力中央研究所というのがある。ここの人たちが環境審査顧問会の中に数人入っているのです。それは、たとえば日本水産資源保護協会だとか日本気象協会というところも含めて言えますよ。つまり、この間私に顧問会の名簿を出してほしいと言ったら、あなた方はいろいろな理由をつけて出さなかった。出さない理由があるのですよ。電力会社の委託を受けてアセスメントをやった、そのデータを持ってきて、クロスチェックと称して審査をするその顧問会の委員の先生と同じ会社の職員がチェックしているんですよ。どろぼうと警官が一緒のようなものだと言わなければならぬ。この点は、率直に申しますけれども、顧問会の名簿をきちんと出していただきたい。これは率直にきょう申し上げておく。出せるか出せないか。(「委員長を通じて請求させるんだ」と呼ぶ者あり)まず最初に答弁を得てからやります。
○豊島政府委員 ただいまの点でございますが、この顧問会につきましては、創設いたしましたときに、委員の先生方の率直な意見を伺うということを前提といたしまして、その際、氏名は公表しないということでできております。しかし、先般来ほかの委員会でも同じような御質問がございましたので、われわれといたしましては、よく検討いたしまして、委員の先生方の意見も承りまして、前向きで対応いたしたいと思っております。
○岩垂委員 ごたごた言ったってぼくは持っているんですよ。しかも、これは雑誌に出ているのですよ。電力中央研究所、メンバーの人たちがたくさんいますよ。それが実はあなた、顧問会のメンバーが電力会社から金をもらって調査しているんですよ。これはどうなんですか。私が試験の答案を書いて私が採点するのとこれは同じですよ。こんなことをいつまでも許してはいかぬと思う。委員長、前向きとかなんとか言っていますが、私はここで二回言っていますので、ぜひ委員の名簿を提出するように、委員長からも要請をいただきたいと思います。
○木内説明員 クロスチェックの関係について御説明申し上げます。 クロスチェックにつきましては、資源エネルギー庁としては、中立機関である産業公害防止協会に委託してございます。その産業公害防止協会がさらに専門の機関にそれぞれ委託するわけでございますが、私どもといたしましては、その電気事業者が調査を行わせた事業者と、それから産公防がさらに専門機関に委託するものとの関係におきましては、できるだけ違う会社に行わせるように指導いたしております。
○岩垂委員 委員会としての機能を持っているんですよ。個人個人がやるだけじゃないのですよ。顧問会という会が一つの結論を出すわけですよ。そのメンバーの多くの——多くとも言いませんけれども、その人たちが、たとえば電力中央研究所、これに国から予算がいっている、そしてそのメンバーが顧問会のメンバーになっているわけですよ。こんなばかなことを認めておるというのは、さっき言ったように、本当にどろぼうと警官と一緒にいるようなものですよ。 時間が来ましたからやめますが、名簿の提出をぜひ約束をしていただきたいと思います。委員長から御指示をいただきたいと思います。隠す理由はないのです。
○木原委員長 よろしゅうございますか。
○豊島政府委員 ただいまの提出の件でございますが、先生たちの了解をとった上で、なるべく出すように最大限の努力をしたいと思います。
○岩垂委員 最後でありますけれども、いまのように企業から頼まれてアセスメントをやる、そのアセスメントをクロスチェックと称して審査をするその顧問会のメンバーが、実は同じだったらどうなるかということですよ。こういうことははっきり直しなさい。
○豊島政府委員 ただいま先生の御指摘の点についてでございますが、顧問会は個人として参加していただいて、われわれの審査したものにつきまして意見をいただくということでございます。 なお、電力会社が、たとえば電力中央研その他に委託しますのは、そういう機関としての調査を委託しておることでございまして、われわれとしましては、顧問会には意見を聞く、こういうことで、たてまえは違うということはおわかりいただけると思いますが、先生の御指摘された点も、われわれとしては理解し得る点もございますので、その点につきましては、今後の問題としていろいろととかくのことがないように慎重に再検討してみたいと思います。
○岩垂委員 もう時間ですから、やめます。
○木原委員長 坂口力君。
○坂口委員 いまも環境アセスメントの問題が出ましたが、私も引き続いてこの問題に入らせていただきたいと思います。 最初に、環境庁長官にお伺いをしたいわけでございますが、この環境アセスメント法案につきましては、もうこの数年来の懸案でございまして、先ほどからお話を伺っておりますと、鋭意検討中ということでございますけれども、しかし、すでに検討しなければならないことは、粗々もう終わっている時期であろう。にもかかわらず、なおかつ検討中というお話でございますけれども、私はこの内容によりけりだと思うわけです。たとえば環境庁が絶対にこの線だけは譲れない、そういう線をお持ちになっていて、そのことを各省庁に理解をさせるためにどうしても日程を必要とするのだというのであるならば、これはおくれているのならばおくれているで、またそれなりの意義はあると私は思うわけであります。しかし、その辺がはっきりせずに、ただおくれているということでは、どうも納得しかねるわけでありまして、そういう意味で、なぜおくれているのか、おくれているのにはこれこれの理由がある。たとえば住民参加なら住民参加という問題がございますが、環境庁としては、この住民参加だけはどうしても盛り込みたい、それは譲れないから、そのことについての理論が一つまとまらないので、そのことをいま鋭意やっているんだ、それがまとまるまでひとつ待ってほしい、こういう話ならばこれまたわかる。その辺のお話をひとつ伺いたいと思うわけであります。
○上村国務大臣 先ほど岩垂委員に詳細に申し上げたわけですが、これは私、他でも申し上げておる事実を申し上げておるだけです。それで環境庁がいま出しておるものは、まとまればどんなところへいってもいいのだという、こういう関係ではございません。環境庁は環境庁としての考え方を持っておるわけであります。しかしながら、いま検討と言っておりますけれども、その検討と申し上げております内容は、要するに時期尚早であるというような関係になっておる。それは各省庁間なりその他団体関係の調整がまだうまくついていないというように判断をされておる。こういうことを踏んまえまして、いま鋭意折衝をやっておるわけです。そんなことせぬでも、決めたらすぐ法案が提出できるじゃないか。これはまあ坂口委員も御承知のとおり、一つのプロセスがございまして、私の方で考えてすっす出せるという仕組みにはなっておりません。そういう関係でございますので、環境庁としましては後向きになるわけにいきませんから、けれども、しかし、一歩でも前進をさせよう、こういうことでやっておるわけです。後向きにならぬという線につきまして、住民参加の問題が入っておることは間違いございません。
○坂口委員 時期尚早という言葉がいま出ましたけれども、しかし、時期尚早というのは、私はもういま使うべき言葉ではないと思うわけであります。 おいおいお聞きをしていきたいと思いますが、いま世界で環境アセスメント制度を実施している国はどこでございますか。
○上村政府委員 統一法を持っておる国は、アメリカ等が一つございます。それからイギリスのように個別法でアセスメントをやることを規定しておる国々もございます。それからドイツのように閣議決定でアセスメントをやっておる国もあるわけでございまして、大方の先進国は何らかの形でアセスメントを現に実施し、アセスメントに関する制度を持っておるというふうに考えていいのじゃなかろうかと思います。
○坂口委員 米国を初めスウェーデン、カナダ、豪州、フランス、西ドイツ、この辺のところは粗々やっているというふうに考えていいのではないかと思います。それで、その中で特にアメリカは、一九七〇年から国家環境政策法を施行しておりますが、ことしになりましてから、伝えられるところによりますと、米国の海外事業に対しても、このアセスメントを義務づける大統領命令が出されたということでございます。このことは御存じでございますか。
○上村政府委員 存じております。
○坂口委員 アメリカにおいては、自分のところの国のみならず、自分の国以外の国においても、自分のところの国のかかわる企業等がいろいろなことをするときには、そのことを当てはめようという、そういう積極性をここに示しているわけであります。一方、日本は、自分の国の中の問題においてすらなかなか前進をしない。それも、もう三年あるいは四年あるいは五年という年月を経ているにもかかわらず、なかなかこれがまとまってこない。このことについては、政府は大きな責任を感じてもらわなければならないと私は思うわけであります。 そこで、もう一つ長官にお聞きをいたしますが、間もなくパリにおきましてOECDの会合がございますね。このOECDの第二回環境閣僚会議がございますが、これには御出席になりますか。
○上村国務大臣 国会の御都合もございますので、許せば出席をする予定でございます。
○坂口委員 大臣がもしも御出席になれないというときには、どなたかかわりの方がこれは御出席になるわけでございますか。
○上村国務大臣 閣僚レベルの会でございますので、閣僚が出るのが本筋でしょうけれども、どうしても国会の都合がつかないということになりますれば、かわりの者が出るような運びになるかもわかりません。
○坂口委員 ここで今回問題になりますのが、いわゆる環境アセスメントに関するものであることは御承知のとおりでございます。このOECDの中でどういう議論がされるかわかりませんけれども、しかし、その中で、各国が環境アセスメント制度というものを導入していこうという、こういう方針が打ち出されることだけは事実だろうと思いますが、これに対する日本の態度、そういう議題が正式に出るのか出ないのか、私もよく存じませんけれども、いわゆる環境アセスメントなるものを制度化していこうということが議論になって、出るといたしましたら、そのことを推進していこうという側に回られるのか、それともいま国内におけるように、ちょっと待ってくれということを言われるのか、その辺いかがでございますか。
○上村国務大臣 OECDの環境委員会、閣僚レベルの会合が五月にあるようです。そういうことと、それから御承知のように、環境アセスメントの問題につきまして、国際的に大きな関心を持っておることであることは確かでございますので、私もいま率直に意見を申し上げましたような精力的な姿勢、姿勢だけでなくて考え方を打ち出していくわけでございます。その間に起きてまいりますのは、いま答申が出てくる、その動き方、あるいは与党でも非常に精力的にこれを御検討されておりますし、その御意見あるいはこの委員会の諸先生方の御意見、いろいろなものを踏んまえながら次第に煮詰めていきたい、こう思っておるわけでございます。
○坂口委員 環境庁がやろうとなすっていることはわかるわけでございますが、これは前向きにやろうとしてもらっていなければ困るわけでございまして、現実問題といたしまして、これは五月にあるわけでございます。大臣が御出席になれるかどうかはわかりませんけれども、しかし、あることだけはもう間違いなくあるわけです。そこでいわゆるOECDの勧告なるものがまとめられるのであろうと思います。そこで各国が寄りまして、環境アセスメントについてのいろいろの議論をして、そして一つにまとめる場合に、日本はより積極的にこれをやらなければならない立場にあるとぼくは思うのです。 たとえば、日本の国内だけではなしに、日本の企業は世界のあちこちにおきましていろいろ工場等も持っております。特に東南アジア等におきましては、日本は企業を輸出をしてきて、それだけでなくて、公害を輸出してくるという言葉さえあるわけでございますから、そういう世界の目をどうしてもこの際に見直しをしてもらうためにも、日本はより積極的に進んでこの環境アセスメントなるものはやらなければならないということを主張しなければならない立場じゃないかと私は思います。その日本の国が、自分の国の中でもまとまらない。そしてまたこの国際会議に出ていっても、後向きの発言をするというようなことになりましては、これはもう何ということだということになるわけでございまして、その辺、先ほど大臣にお答えいただきましたけれども、いささかあいまいもこといたしておりまして、どういう態度で臨まれるのかよくわからない。もう少し明快な態度で、この日本の国の中もかくかくしかじか、現在まとまっていないけれども、まとめつつあるのだ、世界に先駆けて日本はこういうことを言いたいと思うということをおっしゃるのかおっしゃらないのか、その辺もう少し明快にひとつお願いをしたい。
○上村国務大臣 日本の国内でも、私、再三御答弁申し上げているのですが、環境アセスメントの制度を確立すべきであるということはコンセンサスができているというふうに思っているのです。ただ、いま法律でどういうふうな程度で、どういうふうにしていくか、またそのあり方、これがいろいろ論議されていると思うのです。 それで、この環境アセスメントの問題について、この前フランスの議員の方々が見えました。そして二日間ぐらいございましたから、私、いろいろとよく御懇談いたしましたが、フランスの実情でも、日本が抱えているような諸問題を抱えているようでございます。それからこの前西ドイツの議員の方々が見えましたので、御懇談をしました際にも——いろいろと問題点を各国々が持っておると思うのです。 ただ、基本的姿勢としましては、特に日本の場合につきましては、この前OECDのレポートが出ております。それも詳細に私ども拝見しております。その中には、現在の日本の環境行政を高く評価している部分もあれば、足らぬ部面も指摘されております。でございまして、私は、いま坂口委員がおっしゃるそのお心持ちは十分よくわかるわけであります。そして日本でも、環境アセスメントが不必要だと言っておられる人はないと思うのです。ただ、この議論の過程がいろいろ変わっておる。でございますから、とにかく姿勢はいまのような姿勢とともに、国内にいろいろな意見があるが、それが言われたからといって、各先進国といいますか、欧米関係の人らもみんなそういう問題点を含んでおりますので、日本の恥にはならないというような感触を私は得ているわけです。けれども、いまの必要度を強調していく姿勢は当然だと思っております。
○坂口委員 私は、大臣が非常に誠実な方であり、そして学問的にお考えになる方だということを存じ上げておればこそ、こういうことをお聞きしているわけでございまして、ぜひひとつこの辺のところは、学問的な立場で国際的にも御発言をいただきたいということを思えばこそ言っているわけでございます。 いまも御答弁をいただきましたけれども、確かに環境アセスメントが必要だということについてのコンセンサスは得られている、そのとおりだと思うわけです。ただ、そう漠としたものではなしに、もう少しその中を詰めたものが出なければならない時期であり、それを日本の国だけではなしに、国際的にも声高らかに言わなければならないときに来ているということを申し上げているわけでございまして、その辺のところがいささか物足らないわけでございます。 伝え聞くところによりますと、今度のこのOECDの会合におきましては、住民参加ということがそこに強く求められるであろうということなんです。さてそのときに、これは日本として一体どうするのか。これは大臣の個人的なお考えでも結構でございますが、この住民参加ということについてはこうしたいと思うという御意見があれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○上村国務大臣 住民参加という問題は、これはいろいろな態様、いろいろなことがあると思います。けれども、住民参加というそのことは絶対に必要である、アセスメントの場合にはそうです、こういうふうに考えております。
○坂口委員 先ほどからいろいろ議論もございましたが、今国会で環境アセスメント法案なるものが出てくる可能性というのは、先ほどからの議論を聞いております限り非常にむずかしいというふうに思わざるを得ないわけでございます。これはいや出すのだというふうに思ってみえるかもしれません。それを出ないというふうに決めてしまうのは、まことに失礼なことかもしれませんけれども、もし、国内において環境アセスメント法案なるものが今国会で提出されなくて、そしてOECDの会合があったとしますね。OECDの勧告がどういう形でまとまるか知りませんけれども、とにかくそこでまとまってくる、こういうことになりましたときに、日本の国としては、外国からそういうものを突きつけられて、初めていろいろの批判を浴びながらやらなければならないというまことにつらい立場に立たされることは事実だと思うのです。いま私が申しましたような仮定のことが残念なるかな起こったといたしましょう。ちょっとそう仮定してください。そのときに、そうしたらどういう手をとられるのか。 たとえば、政府の方はいま公共事業については環境評価をするということになっていますね。これは何年でございましたか、私、忘れましたけれども、とにかく閣議決定しておみえになるわけでありますから。こういったものも、もしも私が申しましたような手順になれば、法案ができないということになったら、早急に見直しもしていかなければならないし、大変なことになるのじゃないかと思うわけです。いやいや出すのだ、いやまだ可能性は十分にあるのだというふうに思っておみえになるのに、こういうことを申し上げては大変失礼かとも思いますけれども、そういうことになりはしないかと私は危惧するわけでございますが、どうでございますか。
○上村国務大臣 私が比較的具体的なことを申し上げられないのは、近いうちに答申が出るということですね。その答申も踏まえなくちゃなりません。それから党の方もとにかく一つの見解なり討議したことが言われると思うのです。こういうことも踏まえる。それから私どもの環境庁としても考え方を持っておる。それからOECDの閣僚レベルの環境委員会へ出席するに際して、私が個人的なことだけを述べておったって意味のないことですから、出る際には、あるいは総理なり関係閣僚の御了解も得て行かなければならない。言ったことはとにかく日本としましてある程度これを守っていく責任を生ずる、こういうようないろいろなことが考えられますので、いま具体的なことを控えさせていただいておるだけでございまして、出席するに際しまして、漠然と出るようなことはいたさないし、またいたすべきでない、こういうふうに思っております。
○坂口委員 大体わかりましたが、それでは、これだけもう一遍重ねてお聞きをしておきたいと思います。 それは、いま申しましたように、いろいろこれから検討しなければならないこと、いろいろ具体的な問題はあると思いますけれども、しかし、OECDのこの会合の中で、少なくとも他の諸国の足を引っ張るようなことは断じてしない、積極的にこの必要性をその中で強調するということだけは確認させてもらいたいと思います。
○上村国務大臣 この環境アセスメントの問題の必要性につきましては、ずっと前に発展途上国などで、多少環境アセスメントよりも経済開発行為を優先すべきだという意見も出ておりましたようですが、最近はすっかりその意見がなくなっておるようです。ですから、OECDに集まられる方々としましては、私は環境アセスメントというものについて高く前進すべきだというのが総意であろうと思います。その中でも、この環境問題については、日本は相当熱意を持ってやっておるのだというレポートもあるわけですから、それを汚さないようにやってまいるつもりであります。
○坂口委員 それでは、この問題はそのぐらいにしておきたいと思います。 先ほど岩垂委員の質問に対して長官は、対決法案ということをちょっと口にされたと思います。これはどういう意味でおっしゃったのか、私がある程度聞き違えてとっているのかよくわかりませんけれども、しかし、この環境アセスメント法案につきましては、野党の側がいままでずいぶん言ってきたことでございますし、内容がしっかりしているものであれば、これは対決法案になる可能性は全くないわけでございます。対決法案ということを口にされるということは、かなり後退をしているということにも受け取れるわけでございますけれども、私がちょっと聞き違えておりましたら失礼でございますが、もう少しその辺のところを、どういう御趣旨でおっしゃったのか、お聞きしたいと思います。
○上村国務大臣 それはまるっきり言葉が違いまして、この法案が対決法案だなんという意味で言ったわけではございません。岩垂委員が、今国会のスケジュールを見て、物理的になかなかむずかしい条件があるのじゃなかろうかという御質問でございましたが、私どもは、いまこの法案が提出されるように一生懸命になっておる、しかしながら、御指摘のむずかしい条件といいますれば、これは統一地方選というものが行われますし、またどれが対決法案かわかりませんけれども、いろいろと、いわゆる対決法案だと言われておるような法案の審議が行われようとしておるし、そういう厳しい審議日程を見ますというと、なかなかむずかしい環境にあることは御指摘のとおりだ、しかし、私どもの方としましては、いま党としまして、この法案につきまして専心討議しておるし、近いうちに中公審の方からも答申が出るというようなことでございますから、鋭意やっていくつもりです、こういう意味で言っておりまして、この法案が対決法案だとか、そんなことでしたら、そういう意図は全然ございません。ただ、岩垂委員から今国会のいろいろなむずかしさのお話がございましたから、そういう意味において率直にいろいろな問題を検討しますというと、物理的な審議の問題ということです。というのは、三月十六日までに予算関連法案を提出するという予定のものが、こういうふうに延びておるということも一つの厳しい条件であるということだと思います。 そういう意味で申し上げておるだけであって、また、どれかいわゆる対決法案だとかいうような具体的なことを申し上げたわけではございません。まして、この法案がそんな法案であるということは、私は全然思っておりません。
○坂口委員 通産省の方にお聞きをしたいと思いますが、通産省はこの法律が出たら対決法案になるとお考えでございますか。
○原田政府委員 現在、環境影響評価法案の取り扱い等については、環境庁と協議中でございますが、対決法案になるかどうかというのはよくわかりませんが、私も、ただいま環境庁長官が答弁されたような、大体そんな感じではないかというぐあいに思っております。
○坂口委員 ことしの一月十六日に通産省から自民党の先生方に出されたものだということを承っておりますけれども、「環境影響評価の法制化については、昨年五月の自民党政調会決定のときと何ら事情変更がないにも拘らず、今直ちに法案の提出を云々すること自体が問題であり、サミットを控えた新内閣の最初の国会に、与野党対決の材料を提供することになりかねない。」云々、こういうのを、私ある先生からいただいたものですから、先ほど大臣のお言葉から対決法案ということもちらっと出たものですから、皆さん方の方としては、対決法案という形でお受けになっているのかなという感じで実はいまお聞きをしたわけであります。いま私がお読みしました一月十六日のこれは、通産省から出たのでございますか。
○原田政府委員 その文書がどこから出たのかよくわかりませんが、私どもも環境影響評価問題は非常に重要な問題だと思っておりますから、従来から省内でいろいろと検討をしております。その中で、私どもの立地公害局だけではなくて、いろいろな部局で検討しておりますから、あるいはいろいろな部局で検討している中の一つの素材としてそういうものがあったのかもしれませんが、自民党の環境部会等にそういう文書を配付したということはないと私は思います。
○坂口委員 別に深追いをするつもりはございませんけれども、皆さん方の方から自民党の先生方の方に出たものだということでございますので、直接いただいたものですから、私のいただいた方が間違っておれば、これは間違いだということになりますので、深追いはいたしませんけれども、そういうことで、私もいただいたものですから、いま見解を伺ったまででございます。 この中には、さらに「現在、一応平穏裡に手続き実績を積み重ねつつある電力に関する環境審査は、省議決定によるものではあるが、実体的に「環境影響評価法案」で予定している手続をほぼ包含し、電調審に前置しているため、住民、自治体、環境庁等から広く意見を聴く制度となっている。」こういうことになっております。これは通産省から出たものかどうかわからぬということをおっしゃるわけでありますから、さらにお聞きするのはあれでございますけれども、これと一応別にしてお答えいただいていいと思いますが、現在ございます電力に関する環境審査といういわゆる省議決定、この中に粗々環境影響評価法案というものはある、だから、これで新しいものは別につくらなくとも電力に関してはいい、こういうお気持ちをお持ちでございますか。 もう一つ重ねてお聞きしておきましょう。これまでも工場立地調査法というのがございますね。これに基づきますところの産業公害事前調査、これで通産省の方は十分だというお考えでございますか。それとも、これは十分ではない、新しいものが必要だというふうにお考えなのか、その辺もあわせて御答弁いただきたい。
○原田政府委員 まず電力でございますが、電力は五十二年のたしか七月に省議決定いたしまして、電力が立地をする場合の環境影響評価の仕方、調査のやり方あるいは住民の方々に対する理解、協力を得るためのいろいろな説明の仕方、そういうものをつくっております。それで電力はやっております。電力でそういうことをやっているということと、環境影響評価制度をどういうものとして国全体として考えていくか、どういうものとして構築していくかというのは、私は一応別個の問題ではないかと思っております。電力は電力として現状の中で最善を尽くしてやっている、こういうことではないかと思います。 それから、工場立地法でございますが、これは御案内のとおり、四十八年の工場立地法の改正によりまして、先生がいまちょっとおっしゃいましたような、そういう制度は入っておるわけでございますが、これは主として大気と、それから水の関係でございまして、大規模工場立地をする場合に、事前に大気あるいは水等につきまして調査をしまして、それで後そこに個々に企業が立地する場合には、その立地企業に対して適切な指導を行っていく、場合によれば命令も出せる、こういうような制度でございます。電力も当然この法律の中に入ってくるわけでございますけれども、電力は、先ほど申し上げましたように、省議決定で別途また広範な調査をやっているわけでございますから、環境影響評価の仕事自身、それが工場立地法があるからそれで十分だということにはなっていないのじゃないかというぐあいに私は考えております。 ただ、工場立地法の方は、かなり規模の小さいものまで対象になっております。これは御案内のとおり、たしか建物の建築面積で三千平方メートル以上のものが全部対象になりますから、私は、そういう意味では環境問題の事前評価という点につきましては、非常に大きな役割りを果たしているというぐあいには考えております。
○坂口委員 通産省の方が一番御心配になっているのは、この電力の問題ではないかと思います。私も電力の必要性というものを痛切に感じている一人であります。そして、やはり厳しいアセスメントをやらなければなりましせんけれども、その中で、なおかつ電力というものがより必要だというふうに感じている立場で私は申し上げているわけでございますが、電力というものに余りにもこだわり過ぎて、そうして何かアセスメント法ができれば、そこから訴訟が相次いで起こってくる、そういったことを余りにも危惧され過ぎているのではないかという感じが私どもするわけでございます。これはやはり通産省もひとつ気持ちを新たにして、この環境アセスメント法案なるものについてはお取り組みをいただかないと、何となく通産省が反対をしているからできないんだみたいな感じにもなりかねないわけでございます。私は決してそう申し上げているわけではございませんけれども、そういう感じになりかねない現状にもあるわけでございます。ですからひとつ、環境庁がこれはどこまで一生懸命言うているのか、私、よくわかりません。通産省や建設省あたりの意見が強過ぎて、そして環境庁の方が弱いのか、あるいは環境庁は強く言っているんだけれども、それ以上に通産省の方が強いのか、よくわかりません。よくわかりませんが、しかし、通産省だけとは申しませんけれども、通産省がこの法案の提出についてはかなりいろいろの面で注文をつけておみえになることだけは事実でございます。 最後に、この法案をつくるということについて、いろいろ通産省の立場はあろうと思いますけれども、そのことに最終的には御協力なさるのか、もしもどうしても協力できないというのであるならば、通産省として独自にどういうものを御用意なさるのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○原田政府委員 現在、この環境影響評価法案の取り扱いにつきましては、目下環境庁と事務的に協議しているわけでございます。私どもの基本的な立場は、日本の自然あるいは社会的な風土に合った、そういう環境影響評価制度はどうあるべきかという視点でございまして、そういった視点から、環境庁とも今後とも鋭意協議を続けてまいりたい、かように思っております。
○坂口委員 時間がなくなりましたので、もうこれ以上お聞きはいたしません。ひとつぜひ積極的にお取り組みをいただきたい。これは私どもがこういうことを言わなくとも、先々やっていただくのが環境庁でありますから——どうも環境庁は何となくこのごろは元気がなくて、全体の中で押されっ放しである。一生懸命やる局長さんがおみえになると、その人の首まで飛びかねないという状態では、皆さん方が一致団結して当たれないというのも当然でありまして、これは一にかかりまして長官の心一つにかかっていると思うわけであります。ぜひひとつ前向きなお取り組みをいただきたいと思います。 それから、あともう二、三分でございますが、もう一つだけつけ加えさせていただきますと、地盤沈下法案の問題がございます。これもなかなか進まない。何遍言うても進まないのが地盤沈下法案でございます。アセスメントと同じように進まないわけでございます。特に長官は愛知県の御出身で、濃尾平野という最も地盤沈下の激しいところから出ておみえになるわけでございまして、今度は、この新大臣のもとでは、多分これはできるであろうという大きな期待をしているわけでございます。やらなかったために、長官自身の地盤が沈下したということのないようにひとつがんばっていただきたいと思います。このことにつきましても御意見、御決意を承って、終わりにしたいと思います。
○上村国務大臣 アセスの面につきましては、先ほど申し上げたとおりです。 地盤沈下につきましては、私ども地元でもございますし、また坂口委員にも御関係のある三重県にも起きておるわけです。私ども、一国会議員としまして知事やその他地元からいろいろな要望を受けておりまして、何とかしなければならぬという立場です。それで環境庁へ参りまして、一体どうなっておるんだというわけですが、御承知のように、工業用水法あるいはいわゆるビル用水法その他によりまして、いろいろな対策を講じてやっておる。ただ、ここで問題なのは、かわりの水を供給していくとかいろいろな問題もあるし、そんなようなことで各省庁間の調整がなかなかうまくいっていなくて、実際上これをおやりになるのは建設省か国土庁ですかな、この法案は。直接はそういうふうですが、七公害の一つに入っておりますからね。ですから、直接に当たられる、準備されておる省庁は別だと思いますけれども、内容は環境庁です。ですから、ひとつ全力を挙げようということで言っているのです。 いまの点につきまして、担当からいまの経過だけを申し上げます。決意だけは、私は何とか近いうちにやりたい、こういうことで言っております。
○馬場政府委員 地盤沈下の法制化の経過でございますが、御承知のとおり、長年の懸案でございまして、典型七公害の一つでございますし、また現在の法制度が工業用水法なりあるいはビル用水法で必ずしも全体を覆っていないというような問題がいろいろあるようでございます。 そこで、私どもも、中公審の答申もこれあり、やはり総合的な法制度は必要であるという認識に立っておるわけでございまして、私どもも何とかやりたいということで進めておるわけでございます。ただ、先ほど長官が申し上げましたように、この問題につきましては、利水面の問題なりあるいは水資源の確保の問題あるいは地下水の公的管理の問題、それぞれいろいろ問題がございまして、また各省それぞれ所管行政を抱えておるわけでございまして、その辺の調整等が難航していることは事実でございますが、私どもも、何とかそういう面で調整をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○坂口委員 もう最後にいたしますが、長官、先ほどの御答弁だと、よその省庁の所轄の問題で、これは環境庁の問題でないみたいなお話でございましたけれども、とんでもないことだと思うのですよ。おっしゃったとおり七公害の一つでございますし、これはやはり環境庁でひとつまとめてもらわなければならないものです。それを国土庁だとかよその庁でまとめてもらうべきもので、私どもはお手伝いをしているだけだみたいなお話でございますけれども、決してそんなことはないと思う。もう一遍それだけを答弁していただいて、終わります。
○上村国務大臣 いま私、ちょっと勘違いしまして、実は今度地盤沈下の法案が提出予定法案に入ってないのです。 それでぼくは、この点についてはどうなっておるかということを聞いたわけです。その際に、いま局長が御答弁申し上げましたように、各省の意見がまとまっていない、またいろいろな対策の法案も各省庁も考えておる、こういう頭がございましたので、いまのようなことを申し上げたわけです。もちろん、地盤沈下は七公害の一つですから、これは御指摘のとおり、環境庁が中心になってまとめるべきものであり、またその方針でやっていきたいと思います。
○坂口委員 それでは、これで私の質問を終わります。
○木原委員長 次に、瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 水俣病判決について、環境庁長官並びに法務省当局に質問をいたします。 私は、今時水俣病の判決は、空洞の二十年と言われますように、まさにむなしい結果になっております。しかし、判決の内容については評価すべきものもございますし、いろいろわが党でも検討をいたしてまいりましたが、要するに、患者の心を大事にして、今後いかに水俣病患者救済に政府が積極的な最大の努力をしていただくか、またそうあらねばならないという観点から、環境庁長官並びに法務省当局の反省を含めた御見解を、将来のためにも数点ぜひ承っておきたい、かように思うわけでございます。 メチル水銀を含む工場排水を熊本県の水俣湾にたれ流し、水俣病患者を発生させたとして、チッソの元社長吉岡喜一及び元水俣工場長西田栄一の二人に対し、業務上過失致死傷罪に問われていた水俣病刑事裁判の判決公判が昨二十二日熊本地裁で開かれて、被害者七人のうち二人に対する業務上過失致死罪で、それぞれ禁錮二年、執行猶予三年の有罪判決が下されたのであります。これは富山イタイイタイ病、四日市ぜんそく、新潟水俣病等を加えた四大公害事件で公害企業幹部の刑事責任が認められた初めての例で、きわめて注目すべき判決であったと同時に、わが党としても、この有罪判決の審判はきわめて当然のこととして評価するものであるが、環境庁長官は、この判決に対してどういう評価をし、感想と反省を持っておられるか、まずその点からお伺いしたいのであります。
○上村国務大臣 このことにつきましては、午前中馬場委員にお答えをいたしたことと同じようになりますが、今回、水俣病に関連する刑事の判決が熊本の地裁から昨日ございました。判決文を詳細に読んだわけではございませんが、あるいは新聞、テレビその他庁内の情報、そういうものでよく承知しております。 それで、この判決におきましては、重要な問題をいろいろ判断をされておるわけです。この判決は刑事事件の判決でございますが、環境庁としまして直接にすぐつながるというわけにはまいっておりませんが、しかし、水俣病は非常に根の深い、幅の広い、いわば世界的にも公害の原点と言われておるようなものでございます。そういうようなことでございますから、私ども、実はあらゆる方面の意見なりあるいは資料なりを参考にして、そして今後の環境行政につきまして過ちのないようにしなければならぬ。そういう意味からいたしますと、今度の判決というものにつきましては、私どもの行政を行う際におきまするところの非常に大きな判断資料になる、こういうふうに思いまして、私どもはこれを大きく受けとめておるというわけでございます。
○瀬野委員 法務省当局にお伺いしますが、今回の判決は、水俣病の第一号患者発見から実に二十三年、水俣病の公害認定から十一年を経過し、さらに因果関係や企業責任を初めて法的に確立した民事判決からでも六年がたっております。この長過ぎた空白は、もはや取り返しがつかないわけでございまして、その意味では、社会的影響の大きい公害事件として、その判決の効果がこれほど無意味に思える裁判も珍しいわけであります。検察庁当局も、激流に飛び込んでやっとこさで向こう岸にたどりついたと感想を述べておりますが、確かに裁判の主な争点であった公訴時効の起算点、胎児に対する傷害罪及び予見可能性などにおいて検察側の主張が全面的に認められるなど、検察側の努力には評価すべき点が多いものの、公害犯罪史上未曽有の惨禍をもたらした水俣病の刑事責任を問う裁判として、きわめて遅きに失した点で、検察側として十分に反省すべきであると私は思うのでありますが、法務当局の見解をまず伺いたいのであります。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 今回の水俣病事件につきましては、五十年の十一月に熊本の警察から熊本地検の方に事件送致がございまして、翌五十一年五月だったと思いますけれども、熊本地検が公訴を提起しておるわけでございます。したがいまして、検察がこの事件を扱いましたのは数カ月のことでございますが、事件の重大性あるいは内容の複雑性等から考えますれば、決して検察の対応がおくれていたということはなかろうかと思います。むしろお尋ねは、警察の捜査がもっと早くやれる方法はなかったのかということではなかろうかと思います。 私、警察当局の立場を代弁する資格はございませんが、いろいろ推察をいたしまするに、御案内のとおり、公害犯罪というものはきわめて新しい態様の犯罪であろうかと思います。われわれが伝統的に親しんでおりました窃盗罪、横領罪、殺人罪等のように、理論も捜査技術もそれなりに確定した犯罪とは全く態様を異にしておるわけでございます。文字どおりコペルニクス的な転換を行わなければ、この種犯罪に対しまして昔のデカ根性で取り組んでみても、何ら益のないことでございますので、検察官としても、法律技術のみならず、それ相応な科学技術を身につける必要もございましょうし、このことは、一線の捜査担当であります警察官においても同じことであろうと思います。いずれにしても、警察におきましても、そういう世論の動きは十分注視、注目しつつ、必要な資料等の収集あるいは研究、分析等を行って、五十年になりまして捜査を開始したものと思っております。
○瀬野委員 法務省当局にはまた後で数点触れますが、環境庁長官にお伺いいたしますけれども、昭和三十一年十一月、熊大が水俣病重金属説を発表し、かつ、昭和三十三年七月には、厚生省が水俣病はチッソの工場排水中の化学毒物による中毒性脳症との通達を出しております。同年九月段階で、工場排水に含まれる何らかの化学物質が水俣病の原因と予見できたわけでございます。この時点で排水を全面停止すべきだったのに、これを怠ったわけです。このことが地元では大変くやしがった批判として常に言われているわけで、環境庁長官もこのことはしばしばお聞きになっていると思うのです。私は、ここに重大な問題があった、かように指摘するわけですが、この点については、いまさらながらとはいえ、当然の処置をすべきであったと環境庁長官は認められるのか、その点についてお答えをいただきたい。
○上村国務大臣 午前中の馬場委員の御質疑の際にもお答えをしたのですけれども、昨晩十一時から十一時四十五分まで、NHKでございましたか、ずっと過去二十年間の水俣関係の放送がございました。私、昭和四十三年に、いまの外務大臣の園田さんが厚生大臣のとき、御一緒に水俣へ行きまして現場を見たことがございます。そのときに、結局水俣病の原因があのチッソの排水にあるのだということを政府発表したと思います。それから考えてみても、はや十年たっておるわけですから、ずっといまから考えてみますれば、なるほど今回の刑事判決の中でいろいろと指摘をされておられる点につきまして、国としても謙虚に反省をしていかなくちゃならぬという感じが強いわけでございます。
○瀬野委員 法務省当局にお伺いします。 いま環境庁長官は、当時のことに対して、謙虚に反省しなければならぬ、こういうふうに言っておられます。法務省当局も、何も一般論でお答えするのじゃなくて、これほど世界の注目を浴びた水俣病の問題であったわけですから、経過は十分御存じのとおりであろうと思います。そういった意味から、ただいま環境庁長官にお伺いした点に関連して法務省当局としても、昭和三十三年厚生省が通達を出した時点で、少なくともこの段階で刑事責任を追及すべきではなかったかと思うわけです。こういったことについては、現場の警察がやることだと法務省当局はおっしゃろうかと思うが、同じ国民として人間として、これほど大きな問題になった水俣病に対して、私は、法務省当局としてももっと温かい反省がなければならぬと思うのですけれども、この点については、どういうふうに反省をしておられるか、見解を承りたい。
○佐藤説明員 検察官と申しますのは、言うならば個人の刑事責任の追及を職業としているものでございます。いわゆる公害防止上検事がどういう役割りを果たし得るか、こういうお尋ねがありましても、われわれとしては、われわれの法律で許された範囲内におきまして、ときには強制力を行使して刑事責任を追及するということに尽きるわけでございまして、患者の救済あるいは公害防止の一助となればという気持ちはございますけれども、それ以上にわれわれが範囲を超えまして、行政責任がこうあるべきであるとか、あるいは行政が十分な措置を講じていないので、警察権を発動すべきであるとかいう考え方はいささかも持っておりません。 その点が、反省がやや少ないというおしかりを受けるのかもしれませんが、いずれにしても、われわれは強制力を行使する公権力の頂点にある者として、おのずと謙虚な立場で、新しい時代に相応した新しい技術を身につけつつ可能な限りの努力を払って国民の期待にこたえていくのがわれわれの仕事、使命である、こういう理解でおります。
○瀬野委員 いま法務省当局から答弁がございましたが、おっしゃるようなことはわれわれもよくわかるわけです。これにはまた当時からの経緯、経過というのがあるわけです。それを全部ここでやっておる時間も、いとまもございませんけれども、しゃくし定規的におっしゃればそういうことになるかと思うが、実際には当時からの経過があるのですから、それはまた時間があれば後ほど触れて見解を承ることにして、環境庁長官にまたお伺いします。 判決の中で、監督行政官庁である通産省及び厚生省が速やかに適切な行政指導をしておればとして、すなわち行政指導の誤り、立ちおくれが水俣病被害の拡大をもたらした、こういうようなことを述べておられます。そういうことがあれば、両被告も安易な態度に終始することはなかったと思う。そこで水俣病に関する行政の安易な姿勢を示し、国の責任を指摘されておるわけでございますが、この指摘に対し、環境庁長官は、判決文の内容等は十分承知だと思いますけれども、国民の前にどのように反省を表明されるのか、あわせて御答弁をこの機会にいただいておきたい。
○上村国務大臣 いま御指摘のようなことが判決文にあるように新聞も報道されております。当時、通産省にしましても厚生省にしましても精いっぱいやっておったと思いますけれども、しかし、いまからずっと振り返ってみますと、これはよく反省し、謙虚な考えで将来に対処していくべきであろうという感じが深いわけでございます。特に環境問題、公害問題については、なるほど甘い態度だということは、結局、いかに誠意を示しておりましても、どこかに手落ちが出てくるおそれがありはせんか。だから、厳しい態度で臨んでいかないと過ちが起きる可能性があるんだということを、あの判決、その他昨晩の放送などを見まして、私は感じた次第であります。
○瀬野委員 環境庁長官は率直な反省を述べておられます。そこで、先ほど法務省当局から答弁をいただいたことに関連して、さらに私はお伺いします。 いまさらではありますが、原因不明の奇病患者が初めて報告されたのは昭和三十一年でありました。その二年後の三十三年七月には、厚生省が公衆衛生局長名で、水俣病の発生源は水俣工場の排水との通達を出したのであります。このとき直ちに排水をとめ、検察が捜査に乗り出していたならば、これほど深く、広い公害病とはならなかったであろうし、新潟水俣病の発生にも抑止力ができたと考えるのであります。まことに遺憾と言わざるを得ません。のみならず、その後も検察の腰は重かったのであります。 水俣病闘争のリーダーの一人であります川本輝夫氏の暴行事件で、東京地検が有罪判決を下したことに怒った患者側が、チッソ幹部を未必の故意による傷害、殺人罪で告訴して、初めて捜査が開始される始末であったわけであります。企業寄りの姿勢、職務上の怠慢と言われても仕方ない姿勢、であると私は言わざるを得ません。このことは、川本氏の傷害事件控訴審で、東京高裁が捜査の手おくれで水俣病が拡大した点を指摘し、国側も加害者であり、川本さんの暴行事件だけ法廷に持ち込むのは公訴権の乱用であると明快に述べておりますが、このことは十分御承知であるかどうか、またこれをどういうように受けとめたのか、御答弁を承りたいのであります。
○佐藤説明員 最初に若干訂正させていただきたいと思います。 ただいま東京地検が有罪の判決を下したというお言葉がございましたけれども、検察庁は有罪を下すような立場にはございませんので、その点、東京地裁の間違いかと思います。 次に、川本氏に対します傷害事件につきまして、先生御指摘のような判決が、東京高裁の寺尾判決と俗に言われておりますが、そのような御指摘がなされたことは事実でございますが、この判決につきましては、検察側としても承服できない点が多々ございますので、現在上告をいたしまして最高裁に係属中であり、まだ確定しておる状況ではございませんので、私から論評を下すようなことは適当でないと思います。
○瀬野委員 いま控訴中で論評を下す立場にないということでございますが、事実このようなことがあったわけであります。こういったことから、やはりまさに遅きに失した。このときに、昭和三十三年当時にこういったことを捜査に踏み切っておれば、こんなに拡大しなくて済んだ、また患者を救うこともできた、こういうふうに私は思うわけです。そういったところは、まさにいまさらながらといいながら残念でなりません。 さらに、法務当局にお伺いしますが、水俣病の刑事裁判は、患者に悲惨な結果を与えたチッソ関係者の行為を刑法の枠内でどうとらえるかが一つの焦点であったわけです。適用罪名は業務上過失致死傷罪であるが、この罪が成立するためには、因果関係、予見可能性、結果回避義務などの要件が立証されなければ——水俣事件ではさらに時効の起算点をどう解釈するかが新しい論点となってきたことはさきに述べたとおりでございます。これらの要件は相互に関連し、どれ一つ欠けても同罪の成立は認められない重要性と複雑さがあったと思います。判決は被告二人を有罪と認定したが、各争点のうち、時効についての法的解釈は、刑法上の新分野に踏み込んだきわめて特筆される判断であります。裁判所の法律解釈は、とかく法の安定性を保つという考え方から、伝統的に弾力性に欠ける傾向がありますが、熊本地裁の判決は、現行解釈論から思い切った脱皮を試みた結論を示したことになり、判決の背景に、水俣病の惨状と加害企業チッソの重大な怠慢、過失があり、裁判所もそれらに対する被害者感情をより深くくみ取ったと本員は理解しておりますが、この点については、法務当局の見解はどうでございますか。
○佐藤説明員 本件の判決文は、まだ私、正式に入手しておりませんので、この段階で論評を加えることは適当でないと思いますが、聞くところによりますと、検察側の主張がほぼ全面的に受け入れられておるということでございますので、その限りにおいてきわめて意義深い判決であろうというふうに考えておる次第でございます。
○瀬野委員 そこで、検察側が展開していた時効や胎児への傷害についての新しい法律解釈が採用され、さらに公害を発生させた生産には直接関与していない社長まで刑事責任を認めたことは、将来他の公害、薬害、医療過誤などの刑事責任追及に可能性を開くことになると本員は理解しておりますが、この点についてはどうですか。
○佐藤説明員 この判決自身は、恐らく被告人側からの上訴によりまして高裁あるいは最高裁において争われることになろうかとも想定されておりますが、いずれにいたしましても、確定前の状態でございますので、この中で示されました数々の理論をどのように受けとめるべきかということは、まだ正式に御答弁申し上げる段階ではなかろうと思います。 ただ、先ほども申し上げましたとおり、われわれ検察側が苦心しましていろいろな理屈あるいはまたドイツの学説、先例なども引用いたしましていろいろと主張したことを、裁判所がそのままおくみ取りいただいたということにつきましては、高く評価いたしておるわけでありますし、かつ、今後のこの種事件の処理の上におきましても、相応の参考、先例となるものではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○瀬野委員 その点については一応理解をいたします。 そこで、環境庁長官にあと数点お伺いをいたしますが、水俣病の解明は遅々として進まず、患者救済の足取りも重いわけでございます。患者の認定作業に至っては、昭和五十一年十二月に熊本地裁が長期にわたる認定滞留は不作為の違法であるということで判決を下してから、いまもなお約六千人に近い滞留者があることは御承知のとおりです。そのため受けるべき補償も受けられず、心身の労苦を強いられておられる患者の皆さん方は大変気の毒でございます。国や県の怠慢というそしりを免れないわけでございます。そういった意味で、環境庁長官はこういった患者に対して、国や県の怠慢ということについて、これまたどのように感想をお持ちであるか、また見解を有しておられるか、重ねてひとつお伺いしておきたい。
○上村国務大臣 まず真っ先に申し上げておきたいことは、患者の方々が本当に苦しんでおられる、そういう方を何としても早く救済をするという基本的な姿勢は当然とるべきだというわけでございます。この医学的な問題その他のこともあったり、いろいろな初めて起きておる水俣病でございますから、その解明が遅々としてなかなか進んでいないというようなことは、これは現実でございます。そういうような意味で、国会でもいろいろ御論議になっておるわけです。また過般も認定業務促進につきまして議員立法がされたというような、そういう経過を見ましても、これは何とか急速に処理をしなければならぬということだと思います。 また、認定業務に関連しまして、不作為の問題の御判決があったことは確かです。私は、その際に全部を見たわけじゃございませんが、要点だけちょっと拝見しますと、三つぐらいの点が挙げられておるようです。たとえば、医学的に非常にいろいろ問題が多い、そういうわけだからおくれた、要するにおくれた理由を被告の側から出しておる点だと思います。それから第二番目は、急にずっともう一遍に認定の申請がふえてきたから多少おくれた、こういうこと。もう一つは、認定促進について、いわゆる住民運動と申しましょうか、いろいろな問題が絡んできて、そして促進が妨害されたとかいうようなことが述べられておるようです。そういうことで、それについての判断などをされておられるようですが、とにかく不作為の責任は追及をされておるということも、もちろんこれは謙虚に受けとめていかなくちゃならぬ、こういうふうに思っております。いろいろな理由はきっとあると思いますけれども、それをいろいろと解決して、そして何とか一刻も早く患者の方々が完全救済をされるようにしていきたい、こういうふうに思っております。
○瀬野委員 環境庁長官からただいま不作為の問題が出ましたが、約六千人に近い不作為の違法状態をいつまでに解消するつもりで環境庁としては検討を進められておりますか、その点はどうですか。
○本田政府委員 御指摘のように、現在未処分者が約六千名ございます。できるだけ早くこれを処分していくということが、つまりは認定促進であるわけでございます。それを第一に私ども考えております。ただ、現在の検診の状況、審査の状況——これは一番未処分者が多いのは、主として熊本県のことだろうと思いますが、現在月に百五十人を検診し、百二十人を審査にかける、こういう体制で進んでおります。それからまた一方、先刻成立をしていただきました臨時措置法、これによりますところの国がみずから行う旧法分の処分というのもございます。そういったものが大体どういうふうになっていくかという、まだ未確定の分野もございますけれども、そういったことで、私自身ざっといろいろな試算をいたしてみますと、大体六千名の未処分者は四年ないし五年で処分ができるのじゃなかろうか、このように踏んでおります。
○瀬野委員 最後に、環境庁長官にお伺いしておきたいと思いますが、私、冒頭申し上げましたように、この判決はまことにむなしいものであるが、一部評価できる点もあるわけでございまして、今後に残された問題も多々あるわけです。この判決が出たからと言って、これで終わりでなくて、いまからいよいよ新しい決意で始まる水俣病対策である、かように私は自覚しております。また環境庁もそういうように自覚していただきたいと思うのです。この判決を契機にチッソは改めて水俣病発生の企業責任を強く自覚し、被害者に対する誠実、迅速な補償、救済を行うことは当然でありますが、政府においても、こうした悲惨な公害犯罪を絶滅するために、患者の心を第一に大事にし、公害規制、防止及び監視に今後さらに全力を挙げていくべきであると思うのであります。と同時に、水俣病補償、救済に対する支援、助成等も強力に行うべきだと思いますが、今後の政府の対処方針をこの機会に最後にお伺いをしておきたい、その決意をひとつ長官から述べていただきたい、かように思います。
○上村国務大臣 午前中の馬場委員の御質問にもお答えしましたけれども、この問題につきましては、患者の心というものを十分くみ取っていくということが解決を前進する基本になるだろうというふうに思います。 それから、いろいろな補償関係につきましては、御承知のように、チッソと患者との間にいろいろ協定が行われておりますね。そういうものもし、また熊本県の方の県債の問題もございますし、国もこれに対して円滑にその目的が達せられるように協力をするというふうな姿勢になっております。何と言いましても、環境庁はこの公害対策の中心的な任務を持っておる官庁でございますので、しっかりやっていきたい、こう思っております。
○瀬野委員 じゃ、時間が参りましたので、以上で終わります。
○木原委員長 中井洽君。
○中井委員 先ほどから議論に出てまいりましたけれども、私も、アセスメント法について、二点大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 先ほどからの御答弁、大変具体的にどういう状況であるか、お答えをいただきました。あるいはまたアセスメント法を国会へ提出するために大臣がいろいろと御努力をいただいておったということも、私どもは間接的ではございますが、聞かせていただいております。しかし、その後半の、非常にむずかしいけれども、鋭意努力する、ここからのことにつきましては、私どもが承っておりますところによりますと、もう今国会は出せないんだ、ただ、国会対策上というかいろいろな事情で、出します、これからも努力します、こういうことで一致をしておるだけだ、こういう話も聞くわけでございます。私自身国会へ出さしていただいて、これは三回目の通常国会でありますが、三回とも環境庁から予定法案、真っ先にアセスメント法というのを聞き、そしていつもどうなっているんだという質問をしてというような感じ。実にむなしいというか、環境庁のこのごろは何か熱意さえも少し疑わなければならない、残念な状況であるわけでございます。 そこで、うわさされるように、今国会、法案として出されない、こういうことである、あるいはこういうことが決まったなら、環境庁として、この次の通常国会に法案としてまた予定をし、努力をするのか、あるいはもう法制化ということを見送って、先ほど環境庁長官がお答えになった中にありましたように、制度としてコンセンサスが得られておるんだ、こういう面で環境庁が新しい方向を見出していくのか、そういったことをお考えになっておるのか。この点について、どちらの道をとられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○上村国務大臣 環境影響評価法案というものが今国会の提出予定法案にリストアップされておることは、御承知のとおりであります。そのいきさつにつきましては、先ほど率直に経過を申し上げておるわけです。環境庁としての考え方としては、環境アセスメントの制度の確立ということについては、そのコンセンサスができておると思っております。それがどのような形であるかということについて、まだ論議がされておる。環境庁としては、これを法制化する、法律でやっていくという方針であります。ですから、この方針はずっと続いていくべきである、こういうふうに思っております。 それで、そういう関係でございますので、私どもは一歩でも二歩でもこれを前進させなければならぬというわけで、いま全努力を挙げており、また党としましても、これに鋭意努力をしておる。それから近いうちに中公審の方からも答申が出る、こういう状態でございます。しかも、国際的に見まして、この五月には環境アセスに関連しまして閣僚レベルの会議が催される、こういうことです。私も国会の御都合がつきますれば、これは出席しなければならないという状態になっておる、こういうふうな立場でございまして、こういう全体を踏んまえながら、私ども自分らの責任を何としても果たしていきたいというのがいまの姿勢でございます。
○中井委員 先ほども坂口委員の御質問の中にありました地盤沈下法につきましても、三年ぐらい前には、環境庁は法案として出したいんだ、予定法案ということで出てまいりました。環境庁という庁が、私が理解いたしておりますのには、ここ数年こういった法案をつくり上げる、このことを大きな目標としてやってこられたと思うわけであります。一つのアセスメント法案をつくり上げるということは、環境庁の一つの大きな目的をなし遂げることである、私はこう思っておったわけであります。これができないということであるならば、あるいは先ほどの地盤沈下法等もできないということであるならば、いろいろ理由はあるでしょうけれども、やはり各省庁の縦割りの権限の強さ、こういったものに押し切られ、環境庁がつくられた本来の調整能力というものを発揮できない、こういうことになるのじゃないか。逆に言えば、環境庁の存在自体おかしなものになるのじゃないか、私はこんな気がいたします。過去にやってこられたことについては大変評価をするわけでありますが、こういった法案が環境庁の力ではもうつくり得ないということでは、環境庁の存在自体が何かおかしなものになってしまわないか、こういう心配をするわけでございます。ひとつぜひとも御努力をいただきますように、重ねてお願いを申し上げておきます。 それと同時に、このアセスにつきまして、たとえば過日東京都では何か議会の方に条例という形で提出をされたというようなことを聞いております。また私どもの郷土三重県でも、県が各方面に説明に歩いておる、こういったことを承っているわけであります。国がやらないならば、各地方地方で独自にやるんだ、こういった動きについて環境庁はどのように御判断をなさるのか、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○上村国務大臣 環境アセスメントの必要性につきましては、日本の国民的なコンセンサスができておる。ですから、各地方自治団体もその線に沿っておると思います。この前NHKで世論調査をされたものが発表されておりますが、その統計を拝見しますと、四県が時期尚早という御意見で、あと全部がこの法制化の促進を要望しておるというふうに報道をされておりました。そうであろうと思うのです。 この環境保全という問題につきましては、現実に、基本的には各地域の特殊性というものがきわめて重要な立場に立っておると思います。だから、一律ということがいくものもあればなかなかいきにくいものもある、こういうふうに思いますので、その条例が一もちろん条例は適法、適正で成立するものであるし、またそういうふうに行われる場合におきましては、これは当然尊重さるべきものだと思います。しかし、ある一面におきまして、ばらばらになっていくという場合に、その多様性ということも尊重しなければなりませんが、道路一本通すにしても、数県にまたがる場合も幾らでも起きてくる、そうすると、ちぐはぐになってくる場合はかえってまずい場合も起きてくる。ですから、地域性を尊重すると言いながらも、統一さてれたものが必要であろう、そういう段階に立っておるから法制化する、一本化する方がよかろうという線です。要は、それがいま環境庁がとっておる姿勢なんですね。そういうふうなところがただいまの考え方でございます。
○中井委員 それではほかの問題に移ります。 去年国会で、この委員会で激しく議論をされましたNO2の規制値の引き下げの問題であります。私は、科学的知見に立つ以上大いに賛成である、こういう形で議論をいたしたわけでありますが、過日千葉県の方で、この動きに合わせて県の審査会等に図って日平均〇・〇四PPmという数値を決めた。あるいはおとといですか、私の郷里三重県でも県の公害対策審議会が知事に対して日平均〇・〇四PPm、こういう数値でいきなさいという答申をいたしております。それぞれの審議会、りっぱなメンバーでおやりをいただき、十分御研究をいただいた、こう思うわけでありますが、環境庁の〇・〇六PPmから〇・〇四PPmという幅の数値、そして地方では下限をとるという動き、この違いというものをどのようにお考えになるのか。いま上村長官からアセスを各県各県おつくりになるのは当然であろうけれども、ばらばらでは困る、こういうお話がございました。こういったものが各都道府県あるいは各地方地方が国のものに上乗せさえすればいいんだという形で出ているとは私は申し上げません。しかし、ばらばらであるというのも大変都合が悪いことであろうと思うわけであります。この点について環境庁の見解を承ります。
○山本(宜)政府委員 お答えいたします。 先生も御承知のように、千葉県におきましては、三月二十二日の専門委員会におきまして、一般の地域は六十年までに〇・〇四PPmを達成、沿道地域は六十年までに〇・〇六PPmを達成、こういうようにしておりますし、三重県におきましても、県の公害対策審議会におきまして、年平均値として〇・〇二PPm、私どもの環境基準は、御承知のように日平均値で言っておりますので、これは〇・〇四PPmに相当するわけでございますが、こういったようなことを答申しておるわけでございます。 〔委員長退席、向山委員長代理着席〕 私ども、昨年二酸化窒素の環境基準を改定いたしました際に、その運用について局長通知をいたしておりますが、その中では、現状として〇・〇四PPmから〇・〇六PPmまでのゾーン内にある地域にあっては、原則として都市化、工業化が余り変化が見られない場合には、現状水準程度を維持する、または都市化、工業化が進む場合には、これを大きく上回らないように努めるものとする、ということは、安易に〇・〇六まで濃度を上昇させてもよいというのではない、現実的に可能な無理のない範囲内の努力によって、現状の水準をゾーン内において改善することを否定するものでもない、こういうような指導をしているわけでございまして、三重県の場合におきましても、先生御承知のように、現状の三重県の二酸化窒素の汚染濃度は、五十二年のデータと存じますが、一番悪いところで日平均値〇・〇三九というような数字でございますので、そういった現状を踏まえて、県といたしまして〇・〇四PPmというのを目標にした。千葉県におきましても、同様に現状を踏まえて、県としての努力目標を定めたということでございますし、そういった点におきましては、特に問題がない方法ではないか、かように考えておるわけでございます。
○中井委員 局長の答弁、ちょっと私は違うのだと思うのでありますが、〇・〇四PPm、大いに結構なんですが、あれだけ議論をした、環境庁の新しくお示しになった基準〇・〇六PPmというのが地方によって打ち消されておるではないか、これを環境庁はどう考えるのだ、こういうことを申し上げているわけでございます。 ここに三重県の新聞がございまして、三重大学の吉田先生の話等も載っております。このお話を見ると、〇・〇六PPmは妥当でないのだ、あるいは疫学的にこれをとるのは間違いだ、こういうことをはっきりおっしゃっておるわけであります。 しかし、環境庁は、あの当時私どもの質問に対して、これは世界的な水準の学問あるいは学問の集積からそういう数値を出したのだ、〇・〇六で絶対間違いないのだ、国民の健康にとって間違いないのだ、こういう御答弁をされたわけであります。こういう環境庁の考えと、地方の審議会等の考えの違いというものをおいでおいでいいのかどうかということを、私はお尋ねを申し上げているわけであります。
○山本(宜)政府委員 今回報道されましたのが、千葉県と三重県のケースでございますので、それに即したお答えをしたわけでございますが、昨年の改定のときにもいろいろと前局長から御答弁申し上げましたように、健康を守るという意味では〇・〇四ないし〇・〇六というゾーン内で問題がない、こういう答えを申し上げているわけですし、私もそのように信じておるわけでございます。千葉県の方をひとつごらんいただきますと、自動車の沿道におきましては六十年までに〇・〇六PPmを達成というような考え方も出しておりますし、私どもも、今回の環境基準につきましては、すべての測定点、一般環境大気測定局においても沿道の測定局においても、六十年までに〇・O六PPmを達成、こういうことを目標にしておるわけでございまして、そういう意味では、今後各地域ごとの汚染状況を踏まえまして、〇・〇六PPmを超えている地域、ゾーン内の地域、ゾーン以下の地域、こういうぐあいに私ども、地方の自治体と相談の上、地域を区分しまして、その方向を示してまいりたい、かように考えております。
○中井委員 違うんです。あなたはそういう答弁をするから、大変失礼だけれども、どこやらの住民団体の人に何にもわかりませんと言うて判を押さなければならなくなるのです。 私の言うていることを聞いてください。〇・〇四から〇・〇六PPmという数値でいいんだということでさんざん御答弁をなさった。私自身も、環境庁あるいは中公審等の学問を信用して、それでいけばいいじゃないか、こういうふうに言うた。しかし、地方の審議会では〇・〇六PPmではだめなんだ、はっきり結論を出しているのです。〇・〇四PPmだと言うてやっているわけです。規制値をつくるわけです。国と地方と全く違うじゃないか、これはだまっているのか。〇・〇六PPmというのに本当に自信を持っているなら、各地方をきちっと指導なさったらどうです、こう申し上げておる。そんなに自信がないなら、去年の答弁あるいは去年のあれは全部間違いでした、国も〇・〇四PPmにします、こういうふうにしたらどうですかということを私は申し上げておる。どっちですか。大臣どうです。
○山本(宜)政府委員 私ども〇・〇四から〇・〇六PPmの日平均値というので健康上問題ないという点については、さように信じておるわけでございますし、地方自治体におきまして、それぞれの行政目標値を今後も私どもと相談しながら定めていくという中で、三重県の場合には、現状を踏まえて〇・〇四PPmということを決めておるわけでありますし、吉田先生が新聞の関係にどのような発表をされましたか、私どもまだ詳細をとっておりませんが、私どもといたしましては、三重県の場合には、現状を踏まえて県としての目標値を定められた、こういうように存じておるわけでございます。
○中井委員 三重県は、現状を踏まえてではなしに、環境庁の〇・〇六PPmなんというのは疫学上とれないのだ、だめだと否定しているのですよ。〇・〇四PPmを目標と定めるのだ、こういう答申をしているのです。こういうことについてどうなんだということを申し上げているのであります。環境庁は否定されているのじゃないのですかと、こう申し上げているのです。あるいは中公審の大気の部会の御答申が否定されているんじゃないか、こういうことであります。 どちらも学問上ということを使って、科学という言葉をお使いになっておられる。私ら素人はどっちを信用していいのかわからない、はっきり申し上げたらそういうことであります。こういう動きは、これからも各県次から次へと出てまいろう、それを環境庁としてどういうふうに見られるのか、あるいはそれは因ると言われるのか、いや地方は地方で〇・〇四結構ですよ、環境庁は環境庁としてその幅だったらいいと思っています、こう言うてほうっておかれるのか、どっちなんです。
○山本(宜)政府委員 三重県の今回の県の審議会がいろいろと御議論された点につきまして、私、県の部長から電話で様子を聞きまして、正式の発表文等につきましては、その後送りますということで、まだ実は手にしておりませんけれども、私どもといたしましては、県が県の実情を踏まえてこの数値を決められた、こういうぐあいに聞いておるわけでございます。県の審議会の方で〇・〇六を否定したというようには私は聞いておりませんが、もし、さようなことであるならば、それなりの科学的なデータをもってお話されるということなら別でございますが、私どもといたしましては、中公審のあの先生方の議論の中で決められたことに即した行政をしていただきたい、かように思っているわけであります。
○中井委員 たとえば三重県は〇・〇四PPmをとる、そしてもうこういう規制については、固定発生源については大分やってきたんだ、あとは移動発生源だ、特にディーゼルだ、六割ディーゼルじゃないか、その分は県でやることじゃない、国に要望しなさいと審議会が答申したわけであります。そしたら三重県から、その〇・〇四PPmという形を三重県で守るためには、六割——三重県を走っている自動車なりディーゼルの問題をやってもらわなければならぬ、こう言うてきたときに、国は何と答えるのですか。〇・〇六PPmでもいいというのに、何でそんな〇・〇四PPmで無理やり持ってくるんだ、こう言うんですか。こういうことになるわけでしょう。三重県だけが独自で固定発生源だけを対象にやるということじゃないのだ、国に対して、〇・〇四PPmを守れるように、三重県の自動車の規制あるいはディーゼルの規制というものをやってください、こういう要求を突きつける、こうなっているわけであります。そういうことでいいのかどうか、こういうことであります。
○山本(宜)政府委員 全国的な汚染の状況を見ますと、御承知のように、〇・〇六を超えているところは六地域ないし七地域ほどございます。しかし、それ以下の地域におきまして、当然のことながら四日市は、沿道におきましてもまた一般環境測定局におきましても、その汚染の状況を踏まえて考えられたというぐあいに私どもは理解しておりまして、そういう意味では問題ないと思っております。また県の方で、沿道につきまして、今後のディーゼルの規制というようなこと、ディーゼル、大型車でございますが、これは私どもの方として、それぞれの移動発生源の規制はしていこう、こう思っておりますが、三重県の場合におきましては、沿道におきましても、その〇・〇四にほぼ近い数字でありますし、そういう意味では、私は、問題ないと思って、先ほどのようなお答えをしたわけでございます。 千葉県の方を申し上げますと、沿道地域は六十年までに〇・〇六PPmを達成しよう、こういったようなことを考えておりますし、そういう意味で、地方地方の実情を踏まえた、そしてまた先ほども私が読み上げましたように、現状程度の汚染を高めないという方針でいかれるということについては、私どもは、それを否定しませんし、結構ではないだろうか、こう思っておるわけでございます。
○中井委員 そうしますと、大臣、一度お答えをいただきたいのでありますが、私は三重県がいい、環境庁がいい、どっちがいいと言っているわけではありません。どちらがより科学的なのか判断に苦しんでいるだけなんでございます。科学では、こういうふうに発達して、ここまでわかったから、こういうように決めたんだといってやった問題を、また片方の科学では、もっときつくしなければならないんだ、あるいはこっちでは違うんだというようにばらばらに出てくるような問題というのを、環境庁は、それはそれで結構じゃないですかということで見ておっていいのかどうか、混乱が起こらないのか、そういったことについて大臣はどうお考えでございますか。
○上村国務大臣 できるだけ混乱の起きぬ方がいいわけでございます。それで、公害問題というものは非常にいろいろな行政判断、もちろんそういうものはある。また国民の感情というものがある。四日市では、あの四大公害の一つである四日市の総ぐるみのぜんそくとかというような問題がありますから、その地域感情というものは私どももよくわかるわけでございます。こういういろいろな問題がありますが、基本的には、公害の問題は科学的判断というものが中心になる。だからこそ公害対策基本法第九条第三項に、常にその科学的判断というものをよく頭に入れて、そして改正に努力していけという規定があるわけです。といいましても、科学的判断と言ったところで、こっちでやった科学的判断と、こっちでやった科学的判断が違っていったのではますます素人でもわからなくなる。このためには、どうしても何か中核的な科学的な判断について、みんなが信頼し得るものをつくることが先決だ、こう思いまして、国立公害研究所を充実して、そして世界的なレベルへ持っていきたい。そしてあの法からいいましても、情報の交換もありますし、自然科学だけでなくて人文科学、社会科学まで取り入れてやっておるわけです。名前が国立公害研究所になっておりますが、実は内容的に言いますれば、環境科学研究所みたいな内容になっておるわけです。それでこれを何としても充実をして、各地方にある研究所——地方にあるからりっぱなものでないとかどうとか、決してそういう意味で申し上げるわけではない、あらゆる科学的な施設とか人材というものを集結させる必要がある、こういうことでやっておる。こういう始末です。 ですから、長期的に見ますれば、そういう科学的判断については一本化されていくことが望ましい。けれども、現実にまだばらばらになっておる際にどうするかということになりますれば、先ほど局長が述べましたように、〇・〇四PPmから〇・〇六PPmのゾーン、それ以下ということに新基準をしてある。こういう際に、要はよりきれいなことが望ましいわけである、こういう意味から言いますれば、そのうちで、これは一旦平均値でございましょうが、〇・〇四PPmを三重県の公害審議会でお出しになられたことにつきましては、より以上きれいな標準を示されておるということでございますから、これは尊重していくべきだという考えになっておるのではなかろうか、こう思うわけでございます。
○中井委員 それなら何も去年あれだけ大騒ぎして〇・〇二PPmを〇・〇四PPmから〇・〇六PPmというゾーンに変えなければいいのであります。よりきれいで置いておけばいいじゃないですか。そうでしょう。〇・〇二PPmは、全くナンセンスとは言いません、つくった当時には意義があったものだけれども、その後科学的知見の集積があって、〇・〇四PPmから〇・〇六PPmのゾーンという形で国民の健康の偏りすら大丈夫である、こういうのが環境庁の答弁であったわけです。したがって、科学的な知見に基づいてこれを直す、こう言ってやられたわけであります、そこにいらっしゃる皆さん。そうであります。そうしておいて、他方、地方が、いや、その〇・〇六のやつは違うんだといってぽんとけったら、それはそれで結構でございます、そんなばかな話はないですよ。それなら環境庁自体の基準も〇・〇四PPmになさったらどうなんですか。私はそういうことを申し上げているのであります。それは、私の意見は公害のいろいろな運動を経てこられた皆さん方から見ると若いかもしれませんが、私はどうも少し納得できない。三重県がやったことが悪いとか千葉県がやったことが悪いとか、そういうことではありません。ここらで、国がやることについては地方も信用するんだとか、国がやることについては地方の科学も、地方のいろいろな人たちも十分信頼してもらう努力をして、統一的なものでやるとかしないと、いつまでたっても国よりちょっときつくするのが地方自治体の進歩的な姿だ、こういう感じだけが残って、政治があるいは行政が残念な方向に行く、私はそんな気がするわけであります。そういう意味で御質問をしたわけでありますが、何か答弁とすれ違うようなので、もういい加減に、適当にやめておきます。 それでは、一つ聞きます。過日公害防止事業計画をまた延長みたいな形で五十三年から五十七年まで実施をしていただく、これは七つの地区そのままお残しをいただいたわけであります。この計画の中に、やはり新基準のゾーンを維持していく、こういうことが一つの目標として事業計画がつくられてあると私は思うわけであります。四日市は〇・〇四PPm、三重県は〇・〇四PPmにしちゃった。こうなると、そこのところの兼ね合いがどうなるか。こういった公害防止事業計画をつくるときには、地方とも相談をして、大気汚染の基準をここに置いて、これが守られる範囲での防止事業計画をつくるわけです。そうでしょう。五年間かかってやる。ところが県は県で違う基準をぱっとつくる、こういうことでは、この公害防止事業計画自体を考え直さなければならないことになるのではないかと私は思いますが、この点いかがでございますか。
○山本(宜)政府委員 私どもの方で申し上げますのは、今回の七地域の防止計画の承認でございますけれども、先ほども申し上げましたように、ゾーン内におきましては非悪化の原則を守ろう、こういう精神がございまして、その地域が、今後都市化、工業化が進まないところでは、現状を守るという状況でいったらいい。若干都市化、工業化が進むところにつきましては、ゾーン内で大きく上回らないように、こういう精神で指導したわけでございまして、そういう意味では、今回の七地域についても問題がない、かように私は思っておるわけでございます。
○中井委員 それじゃ、この問題はこのくらいにいたしますが、ゾーンで答申して、それの厳しい方をとったのだからいいじゃないか、そんな単純な問題じゃない、私はこのことを重ねて申し上げて、時間がございません、最後の質問に移らせていただきます。 先ほどから、きのうの判決を受け水俣病のことが盛んに質疑されているわけでございますが、これもまた去年国会で一週間ほど理事の皆さん方徹夜のようにしてつくり上げました臨時審査会の状況、過日メンバーが決まったという御報告を受けたわけでありますが、その後どういう状況になっておるか、熊本から患者さんが審査という形で来ておるのかあるいは熊本県への説明等が十分行われたのか、そういったことについて御報告をいただきたいと思います。
○本田政府委員 先月、二月十四日に臨時措置法が施行になりまして、同日付で十名以内と規定されております臨時認定審査会の委員をお願いしたわけでございます。その後一カ月余たっておるわけでございますが、私どもいろいろ書類、たとえば申請書の整備、それの印刷等々の時間がかかりまして、現地には一応の手続は示しておりますけれども、たとえば患者団体、それから経由すべき市町村、そういったところの説明がまだ完全に至らずに至っております。ただ一回だけ、去る三月十二日でございましたか、環境庁から四人ほど現地に出かけていきまして、患者団体に対する、この法律のできた経緯それから今後の申請のあり方、仕方、そういったものを説明すべく現地にお邪魔したのでありますが、いろいろ意見が出まして、結果的には、二時間ほど予定していたのが四十分ぐらいでだめになりまして、説明できないままその説明会は不成功に終わった、まことに残念な結果に相なっております。 これだけでPRが済んだというわけでは決してございませんで、今後いろいろな機会、たとえば市町村を通じましてこの法律の目的その他を説明することによって、何とか患者さん方の理解を得て、申請者が一刻も早くたくさん来ていただくように努力したいと思います。 そういう状況でございますので、現在環境庁に届いた申請者は一名もございません。
○中井委員 終わります。
○向山委員長代理 次に、東中光雄君。
○東中委員 昨日、いまもお話がありました水俣病に関する刑事裁判の判決がありまして、昭和三十一年の水俣病公式発見以来実に二十三年目であります。有罪とはなりましたが、昭和三十三年に厚生省自身が工場排水に疑いありと述べてから、その後も国、県は適切な手を打たなかった、むしろ原因究明を故意におくらすようなことまでしたと言えると思うのです。とりわけチッソに至りましては、工場排水によって水俣病となったネコの実験を握りつぶすということまであって、昭和四十三年まで水銀を含む廃水を流し続けてきた。この結果が未曾有の大被害になったのでありますが、業務上過失致死、禁錮二年、執行猶予三年といっても、有罪になったのでありますけれども、被害者の多くは納得していない。きのうのテレビでも、そういう感情がみんな出されておったと思うのでありますが、長官に、こういう事態についてどのようにお考えになっておるか、御所見を承りたいと思います。
○上村国務大臣 いろいろと前の委員の方々にもお答え申し上げたわけでございますが、今回刑事判決が言い渡されたわけでございます。それで、刑事判決でございますので、直接に環境庁につながりを持つというような点は薄いかもわかりませんが、しかし、水俣病という公害に対しますこの幅の広さ、深さというものは、十分われわれは認識をし、そしてこういう問題につきましては、どうしてもあらゆる意見なり資料なりを本当に謙虚に検討し、お聞きして対策を立てていかなければならない、こういう立場でございますので、重要な判断を含んでおります今回の刑事判決、謙虚にこれを受けとめて、そして今後これをよく頭に入れながら過ちのない環境行政を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○東中委員 刑事判決としては、業務上過失致死ということでありますけれども、社会的に見れば、私は大量の殺人あるいは大量の傷害致死事件、こういうふうに言ってもいいと思うわけであります。といいますのは、白昼公然と大企業が、人を死に至らしめるかもしれないような、そういう毒物の流出を継続してずっとそのまま続けてきた。それは刑法的に見れば、犯罪行為だという評価を受けるということでありますから、たまたまぽっと起こったというような問題じゃないわけですね。大問題が起こっておって、なおそれがずっと長年にわたって続けられておった。その中で死者が出ておるのだ。それも大量に出ておるのだということでありますから、刑事事件、犯罪行為が長期にわたって公然と大企業によって続けられておった。それが国によっても放置されておった、あるいは、当時は厚生省でありますけれども、それを容認していくというふうな状態が続いておった。これは人道的に見ても、それから法治国家として見ても、犯罪ということの確定は後からでありますけれども、そのときすでに犯罪行為だったのですから、その点で非常にこれはゆゆしい問題であるのだ。ですから、被害者の人たちが非常にやりきれない気持ち、有罪判決が出て、なお納得しないどころか憤慨を感じておるというのは、私はそこにあると思うのであります。そういう点で、水俣病の被害者というのは犯罪行為被害者、しかもそれが公然として国さえも容認するような、長年月にわたってでありますから、そういう事態で起こった被害者であるのだ。だから、これに対する救済というのは、国は、企業はもちろんでありますけれども、本当に全力を尽くしてやらなければいかぬ性質のものではないか、こう思うわけであります。 それで、昨年の水俣病認定業務促進臨時措置法ができて、いわゆる旧法時代の申請者である千四百三十九名が国の審査会で認定審査を受けることができるようになった。ことしの二月十四日から対象者のうちほぼ半数について受け付けが始まったということでありますが、先ほどの御答弁を聞いておりますと、一カ月たちますが、まだ一件の申請もない、こういうことであります。患者の理解を得たい、あるいは協力を得たいという趣旨のことを、先ほども発言されたわけでありますけれども、患者側が説明会でいろいろ意見を言うておったということをいま保健部長は言われましたけれども、いろいろ意見じゃなくて、どういう意見を言っておったのですか、お伺いしたいと思います。
○本田政府委員 せっかくできました国の審査会に何とか早く実質的な審査が始められますように、そのためには申請者の方々の御理解が必要であるという観点から説明会をやったわけでございますけれども、臨時認定審査会の委員十名の任命に当たりまして、患者の意見を尊重するという附帯決議をいただいておりますが、尊重していないじゃないかという意見が中心でございまして、この審査会の委員を解任せよ、それができなければ聞く耳持たぬ、こういう議論であったわけでございます。
○東中委員 私は、昨年この法案の審議に際して、深夜にまでわたってずいぶん皆さんと一緒に、これは自民党の議員立法でありますけれども、環境庁も一緒になって論議をしたわけでありますが、最終的に私は、これは結局患者切り捨て促進策になってしまうのじゃないかということを申し上げたわけであります。そういう点で、共産党は賛成できないという態度を表明したのでありますが、これは議員立法ではあるけれども、閣議了解を得て、政府としてもそういう方向でやるのだということがそのとき言われておったわけでありまして、そういう点で言えば、政府の方針、環境庁の方針でもあったわけであります。ところが実際にやってみれば、一カ月たって、促進というのですから、本来なら殺到するようになるべき性質のものなんでありましょうが、一人もないという事態について、環境庁長官どういうふうにお考えになりますか。
○上村国務大臣 この認定業務の促進につきましては、国会で非常に御苦心をされ、また環境庁としても、当然そういう考えで何とか促進しなくちゃならぬというふうに思っておったことは事実だと思います。 と申しますのは、あの認定業務につきまして不作為の責任を問われておる判決も出ておりますから、当然そういう姿勢であるべきだ、こう思っているわけです。やってみますと、なかなかむずかしい問題が出てきた。それだけ私は、患者の心持ちというものがわれわれが想像する以上に複雑であるとともに、また水俣病というこの公害問題の深さと広さ、いろいろな問題が関連しておるというふうに感ずるわけでございますが、何としましても、法律の趣旨に沿いましてこの目的が達成されるように、鋭意努力をいたしたいと思います。
○東中委員 説明会を開いて、説明を聞かないどころか、逆に追及会のようになった、地元の新聞はそういうふうにまで報道しています。不作為違法状態についてのいわば責任のがれ用にこの法律はつくられたにすぎないのじゃないかというふうな意見もうんと出ておるわけでありますが、こういう状態が続くようだったら、これは一カ月たっておるわけですけれども、たとえばことしじゅうこういう状態が続くようなことがあれば、これはもう当然被害者の立場に立っての救済の認定業務推進という立場での何かの手を考えなければいかぬのじゃないかというふうに思うのであります。この前、審議の過程で私も申し上げましたが、現地では、現地の審査会を二班にして、増員をしてということで、具体的な提起もしておるわけでありますけれども、そういうような方法について検討されるかどうか。少なくとも何にも申請してこないような制度をつくって、これで促進策をやったんだと言うとるわけにはいかぬと思うのですけれども、別途の方法を考える用意がおありかどうか、お伺いをしたいと思います。
○本田政府委員 まあ一カ月たったわけでございますけれども、法律が施行になりまして一カ月といいますと、まだまだ短い期間だと存じております。と申し上げますのは、その間に申請書の印刷をやったり、それから市町村に配ったり、そういった手間がずいぶんとかかったわけでございます。ようやくこういった制度ができたということをこの十二日に第一回の現地説明会をしたわけでございますけれども、今後申請者の理解を得るための努力というものは続けていかなければいけないし、おいおいとこの審査会に対する御理解も深まってくるだろうと思います。現在はゼロでございますけれども、もうしばらく様子を見ていただきたいと存じます。 それから、御指摘の第二点目の現地の審査会、たとえば、熊本県の審査会を二審制にしたらどうだということにつきましては、現地の熊本県ともおいおいと相談をいたしております。しかしながら、現状は現地で審査委員を確保するということがなかなか困難でございますが、今後ともそういった努力は当然私どもも続けていかなければいけないというふうに理解いたしております。
○東中委員 その問題はその問題としてひとつ置いておいて、いま、いわゆる第二次訴訟の判決が迫ってきているわけですね、二十八日でしたか。そういう予定になっているようですが、この裁判は、一度認定審査で棄却された人がチッソを相手に損害賠償の請求を行っているわけであります、しかし、この原告の最終準備書面を見てみますと、本件の争点はまさに審査会の結論の当否である。これは審査会の結論の当否について争うことになるのだ。もちろん裁判は行政裁判じゃなくて、チッソに対する直接の損害賠償請求でありますけれども、そういうふうにこの最終準備書面にも書いてあります。そういう性質のものだと思うのですが、環境庁、この事件については当然関心も持っておられるだろうし、そういう状態になっておるということを御承知だと思いますが、いかがですか。
○上村政府委員 いまお話しになりました第二次訴訟の判決が今月の二十八日にあるわけでございまして、その判決の言い渡しが行われます前に、判決の内容を予測いたしまして、いまここで言及することは適当ではないのではないかなというふうに思うわけでございます。
○東中委員 そんなことを聞いているのじゃないのですよ。要するに、審査会の結論の当否が民事裁判で争われておるのだ、客観的にはそういうことになるんだということの認識をお持ちでしょうと言っているのであって、それならば、当然関心をお持ちだろうと言っているわけですが、局長はちょっと問題をそらした答弁をされておりますが、そこに私の質問の中心点があるわけではありませんから、次に進みますけれども、結局審査会の問題が問題になって、そこでその審査会の内容がこの裁判の中でも明らかになってくるわけですね。そしてチッソ、会社側が申請した椿鑑定人によっても、五人が水俣病である、また水俣病を否定できないという鑑定をされております。この五人は、審査会で棄却された人たちばかりについてでありますけれども。環境庁は、四十六年の事務次官通知以来昨年の新事務次官通知まで、審査会の判断条件は何も変わっていないと言っておられますけれども、その裁判の原告患者十四名中、一名は認定制度のできる前の昭和二十九年死亡であり、二名は一度棄却の後に逆転認定されていますから、実質的に問題となるのは十一名ですが、その棄却された十一名のうちの五名が、被告の申請した鑑定人によってさえ水俣病または水俣病を否定できないというふうにしているわけですから、突発的な何かの誤りがあったというのじゃなくて、十一名中五名までが、会社側申請の鑑定人によってさえ水俣病は否定できないあるいは水俣病であるというふうに言っておるわけですから、審査会の審査のやり方あるいはその判断条件に根本的な問題があるのじゃないかというふうに私は感じるのであります。そういう点について、環境庁はもう何にもノータッチということでいままでいらっしゃったのじゃなかろうと思いますので、あえて聞くわけですが、審査会の審査のやり方またはその判断条件に根本的な問題があったかどうかということについて、検討しておられるかどうかということをお伺いしたい。
○本田政府委員 審査会におきますところの判断というものは、これは判断条件に基づきましていろいろな意見が当然あると思います。そういったものの集約といたしまして、審査会が認定、棄却を判断するわけでございます。そういうことでございますし、現在の判断条件というものは、現在の水俣病に関します医学の集約であると私どもは存じておりますので、その判断条件に基づいて審査会が御判断なさることは、その時点においては最も正しい判断じゃないかと存じております。裁判のことにつきましては言及すこぶるしにくいわけでございますけれども、どういう時点でどういう検査に基づいてとらえるかということによって、これは当然違ってくるわけでございますから、そういうこともあろうかと解しております。
○東中委員 非常に官僚的、形式的答弁であると私は思います。被害者の立場に立ってみたら、水俣病であると言われるのかあるいは棄却と言われるのか、これはもう決定的に違うわけですね。現に審査会で棄却された人たちが裁判という大変な手続に及んで、そういう中で鑑定人が、会社側の鑑定人さえ水俣病であるあるいは水俣病を否定できないということを認めるような事態が起こってきているのに、審査会の否定的な結論を出したやり方なり判定基準なりについて何の反省もしないのだったら、これは患者の立場に立ったなんてとても言えるものじゃないと私は思うわけであります。事柄の性質は、一番最初に申し上げたように、公然たる犯罪行為の犠牲者なんですから、そういう点で見なければいかぬのじゃないかというふうに思うわけであります。 それで、臨時措置法に基づく国の認定審査会委員十名が先月任命されましたけれども、患者さんは、これは患者切り捨てにらつ腕をふるってきた人たちばかりだ、あるいは人たちが多いという趣旨のことを言っています。現にチッソ側、要するに会社側の証人としてこの第二次訴訟に出てきている人、永松さん、あるいはチッソ申請の鑑定人である椿忠雄さん、こういう人たちを任命しているわけですね、最高の権威かどうか知りませんけれども。そういう形での任命がされている。だから、原告の立証とは全く逆の立場の人を委員に任命しているということで、これで患者の立場に立って本当に科学的に高度の学識、豊富な経験と本田部長よう言われますけれども、そういうことになっておるのかどうかということについては、疑問に思わざるを得ない。少なくとも現場では反発をしているじゃないですか。説明に行って追及を受けているじゃないですか。それについて何の反省もしていない。この新聞を見てごらんなさい。「説明会は一転追及集会」と書いてあります。横見出しの大見出しです。そういう姿勢で一体いいのかどうかということであります。委員の任命について、患者側の意見についてどのように対処をし、今後改めようとしておられるのか、あるいは突っぱねていままでどおり突き進んでいくということなのかどうか、お伺いしておきたい。
○本田政府委員 委員の任命に当たりましては、患者さん方の信頼を得るという配慮は、これは附帯決議にもございますとおり、当然尊重して、私ども留意してまいりまして、幾つかの機会を通じまして御意見も聞いたつもりであります。直接聞いた場合もあるし、あるいは県がしょっちゅう患者団体とも会っておられるので、そういったところから患者の意向を探るというようなこともやってまいったわけです。 それから、委員の任命というのは、何も私が申し上げるのじゃなしに、法律にも、水俣病に関する高度の学識、豊富な経験と委員の任命のところにございます。そういったことにも着眼しなければいけないと思います。そこで、委員中名の任命に当たりましては、とにかく現三県一市の審査会の委員であること、それが中心であれば、現委員でございますので、患者の信頼を得られるのじゃなかろうか、そういったこととか、あるいは神経内科、耳鼻科、眼科というのがこの水俣病の臨床的な面での中心になる、そういったことも配慮し、結局は総合的に判断いたしまして、現在の委員にお願いして同意を得たわけでございます。 そういったことでございますので、委員をかえるというようなことはあり得ないし、考えておりません。そういった状況でございますので、ひとつお含みおきいただきたいと存じます。
○東中委員 こういう救済制度が一応できておって、そして棄却をされて、そして裁判を起こさなければいかぬという立場に立たされておる被害者側の立場にどうしても立たないというのだったら、これはもう環境庁は何のためにあるのだと言いたくなるわけですが、そうじゃなくて、いまなお裁判という費用と時間と苦痛を伴うこういう手段に訴えなければ救済できない、救済されない人がおるのだという事態というのを本当に直視しなければならぬと思うのであります。 と同時に、そういう裁判をやって、審査会の決定が覆されるということが起こってきた場合に、この二十八日に判決があるわけですから、私は全部が全部かは知りませんけれども、少なくとも棄却決定が覆されるということが起こり得るというふうに考えておりますが、そういう事態が起こった場合に、審査会の判定基準なりあるいは判断条件なりあるいは審査会のあり方なり、そういう問題について謙虚に再検討されるべきだというふうに思うのでありますが、長官、その点についてのお考えをお示し願いたい。
○上村国務大臣 二十八日に判決があるわけでございまして、それに環境庁が重大な関心を持っておるということは間違いないと思います。ただ、関心は持っておるけれども、具体的な意見というものは、判決前でございますから、東中委員も専門家でございますからよく御理解賜ると思いますが、ちょっと控えておいた方がいいという見解を局長は言っておりますが、これはそうだと思います。 それから、その判決の結果の内容でございますけれども、これはその後いろいろよく検討しまして、そして処置すべきものは、また考えるべきことは謙虚に考えていくというのが正しい考え方であろう、こういうふうに思っております。
○東中委員 時間ですから、終わります。
○向山委員長代理 次に、島本虎三君。
○島本委員 けさほどからの質疑の中で、環境庁のいまの姿勢はもう一回検討して、いわば正すべき時期なのだ、こういうようなことを私、率直に感じたわけであります。 本問題に入る前に、まず朝からの質疑とその答弁の中で、たとえば瀬戸内海環境保全特別措置法、これはもうできて機能しておるはずなのでありますけれども、埋め立て問題なんかでは運輸省が主導して、環境庁は、せっかく環境庁があるのでありますけれども、形式を通す、そういうような点にすぎないような姿、残念でありまして、したがって、認識は不十分である。アセスメントの点、各委員からもいろいろ追及ありましたけれども、通産省自体業界と一緒になって策謀、その結果がもうアセスメントは死に体になっているような状態、これは他省の判断に振り回されている、こういうような点を私、率直に感じたのであります。 また、内部でもNO2の環境基準の問題でいろいろ意見はあり、聞きました。いままで十分聞いていますが、少なくとも地方自治体の行政の中に混乱を持ち込んだのは事実でありまして、こういうような点からして、環境庁は、せっかく環境庁設置法第六条の二項で、資料の提出や説明を求めることもできるのですよ。第三項では、勧告することもできるのですよ。第四項では、また報告も求めることができるのです。五項では、内閣総理大臣に対してその措置をとるように意見の具申をすることもできる、こういうような設置法を持っておるのです。やろうと思えばできるのに、何かしら他の省庁に振り回されて、何か最近はみすぼらしいわけです。職員の中にも憂いを抱いている人もいるということを聞くのです。気を締めて他省庁に振り回されない、いわば主導性をきちっと発揮すべき時期であり、そういうような必要がいまにしてある、つくづくそう思ってきたわけであります。これは環境庁長官、あなたを通して、私は、環境庁全体の姿勢の問題として、これを問いかけるのです。いまにして、その姿勢に対してきちっとした一本筋を通しませんか。まず、この点の決意を聞いておきたいと思います。
○上村国務大臣 長年公環特の方をずっとおやりになっておられる島本委員でございますから、この動き、いろいろよく御存じだと思います。そういう目で見ておっしゃることですから、それは私どももよく謙虚に反省をしていかなくちゃならぬと思います。他の省庁から振り回されておるのじゃないかという感じ、これは私は環境庁へ参って一まだ時間が少なくはございますけれども、みんな非常に一生懸命にやっておると思うのです。思いますけれども、そういうふうな感じを与えておるということは、われわれはよく、反省しなければいかぬ、こう思っております。 それから、島本委員も御承知でございますが、環境行政そのものも一つの大きな転機と申しましょうか、一つのしっかりせなければならぬ時期に入っておる。これは実は世界的にもそうだろう、こういうふうに思います。と申しますのは、最初は公害対策としまして環境行政が出発し、それから自然環境保全に入り、最近はアメニティーというような特殊な要請というものが入ってきた。こういうのが一挙に来ましたので、この際、環境行政についてひとつ筋の通った一本のものを確立すべき時期である、こういう御意見につきましてはよくわかります。
○島本委員 いまのは長官に直接私はお伺いしたわけですが、その証拠の一つに、前回この委員会で二回にわたって、あるいは資料の提供あるいはまたこっちの説明の要求、こういうようなものもしたのです。経済企画庁と自治省は来たのですが、あと来ないじゃありませんか。きょうになったら急にまた資料が一つ私の手元に届いた。これは環境行政そのものが軽んぜられているからだ、こう思いませんか。私個人が軽く見られるのは構いません。しかし、環境行政そのものが軽く見られているという点は、これはやはり大問題だと思うのです。私はそういうような点から、前回二月二十七日、三月二日の二回にわたってやっているのですが、資料もまだ、説明も不十分、こういうような点で、その抜けたところについて補筆して、筋を通すもの、こういうものはきちっとする、踏むべき手段はきちっと踏んでおいてもらう、事を急ぐ余り、あるいはまた金があるから、財界であるからということでその意向に振り回されて、やるべき手続を無視してやるようなことがあってはいけない、こういうようなことだけは初めに当たってきちっと私から申し上げておきたい、こう思います。 まず、地元の同意の問題。この問題についていろいろ不信があり、また私どもに不十分な点に対しての考え方が届いておりません。それは、国の電調審での個別地点の電源立地を認める場合、これは地元の同意の存在が必要だ、これが条件でしょう。そうですね。ところが、この地元の同意の中身がこれまでいつでもあいまいにされて、行政側のそのときの都合のよい解釈で運営されてきていなかったか、あるいはまた運用されていなかったか。そこで、この点について前回質問した御坊の例をとって確認したいわけです。 経済企画庁、この前の私の質問に対して、地元の同意の中身、それは発電所の立地に対する知事の総合的判断がそれに当たる、こういうふうに答弁なすっておるわけであります。そうですね。しかし、この答弁は非常にあいまいなんです。総合的判断とは一体何でしょうか。より具体的な説明が必要です。前回もこの点に対してもっと深くということを言ってあったはずであります。具体的な説明をしてみてください、総合的な判断の。
○高木説明員 お答えいたします。 電源開発基本計画の立案に当たりまして、電源開発促進法に基づいて関係省庁あるいは都道府県において御検討いただいておるわけでございますけれども、その関連からいたしまして、都道府県知事の総合的判断といたしまして私どもが考えておりますことは、やはりその一つは、発電所の立地に際しまして、当然都道府県知事あるいは地方公共団体におかれまして法律なりあるいは条例等に基づきます行政処分の行為が行われる。その行為が行われませんと工事に着工はできないわけでございますから、そういった行政処分の行為の関係、この調整をどうするか。さらにやはりさまざまな……(島本委員「行為の関係ですか」と呼ぶ)後に行われます法律ないし条例等の行政処分との関係についての御判断、これが一つあると思います。 それから第二に、漁業権といいましたような諸権利なりあるいは諸権益、そういったものとの調整の問題、さらに都道府県知事として国土の利用なり保全といったものとの関係におきまして広域的な諸計画等を持ち、行政に携わっておられるわけでございますから、そういったものとの調整、そういったものを踏まえまして、地元の情勢を考慮の上、総合的な御判断を求めているわけでございます。
○島本委員 そうすると、これはたとえばいま問題になっている関西電力の、前回からの問題の御坊火力の例で見ますと、御坊火力の場合は、当該地元の市町村は御坊市でありますね。御坊市の隣接市町村には印南町だとか美浜町、日高町、川辺町の四町がございます。さらに、周辺市町村としては広川町に湯浅町がございます。市町村以外に関係漁業協同組合、この同意ということでは一つ重大な問題もあるわけです。その関係漁業協同組合としては、御坊市漁業協同組合、その中に名田地区漁業協同組合と塩屋地区漁業協同組合があるわけであります。和歌山県知事は、地元との交渉で、いま私が申しました市町村、そのうちの一つでも、また関係漁業協同組合の同意がない以上、知事はその計画に同意しない、これははっきり言っているわけであります。現在地元の状況は、印南町が反対、これは町議会が反対し、議決があるわけであります。それから美浜町では有権者の過半数の反対があるわけであります。さらに名田漁協もほぼ全員が反対しているわけであります。そうすると、知事が漁協の同意がなければ同意しない、こういうようなことに対しては、こうした実態では、地元が同意しているという条件が当たらないということになる、こう思いますが、経済企画庁、これはどういうふうな見解をお持ちですか。
○高木説明員 県知事が最終的に総合的御判断なされます場合のその手続等については、私どもから特に県知事に対しましてこうしてくれという注文は出しておりません。したがって、県知事の意向に基づいて、地元情勢を考慮した総合的御判断が御提出になるものと思われますが、まだ現段階におきましては、県知事からそういった御同意の関係はいただいておりません。
○島本委員 現地住民にそれをきっちりと知事が約束しているわけであります。そうしてみんなはそれを信じ込んでいるわけであります。知事が皆さんの方へ言ってくる、こない、これは私ども関知いたしません。しかし、地元では、こういうような状態で反対がある以上やりませんという、この知事が同意する条件の中に、現在、印南町の議会も挙げて反対している、そして美浜町では有権者の過半数の反対がある、さらに漁業協同組合でも名田漁業協同組合もほぼ全員が反対している、こういうような実態である。こういう実態なのに、知事が反対があるならやりませんよ、上げませんよというのに、これが上がってきている状態だとするとおかしいわけであります。こういうような点もきちっと整備しておかないとだめだということです。こういうことを無視して、ただ上がってきたからこれは手続上いいんだ、こういうような安易な考え方じゃだめなんであります。経済企画庁もいま言ったような条件、これを住民は信じていますから、この点で、こんなことがあるのかないのか、これはきちっと調べてみるべきです。もし、知事が言ったとするなら、これはすでに経済企画庁としては、この問題を取り上げる要件に欠けているということになるわけであります。この点きちっとすべきだと思いますが、しませんか、しますか。
○高木説明員 ただいま県知事の方におかれましても検討中であると私どもは承知しております。したがって、まだ県からの御意見はいただいておりません。そういうことで、県に対してもいろいろ事情は聞いてみたいと思います。
○島本委員 それでは次に、資源エネルギー庁にお伺いしておきたいと思います。 それは、昭和四十八年十二月三日に電気事業者へあてた環境アセスメント実施の際の提出書類に、「周辺地域の範囲」というその意味について、大気の場合には原則として半径三十キロメーター以内にわたって調査すること、そういうようになっておりますが、これはそのとおりですか。
○豊島政府委員 そのとおりでございます。
○島本委員 それでは、先ほどの地元の同意というようなのも、やはりこの三十キロ以内に入る市町村の同意がすべて必要だということになるわけですね。
○豊島政府委員 ただいまの点につきましては、環境調査をやる範囲ということで、いろいろとその状況に応じて範囲を決めておるわけでございますが、具体的に同意を得る範囲というのは、一応県知事の判断にお任せしてあるということでございます。
○島本委員 影響があるから、これは資源エネルギー庁では、電気事業者へあてた環境アセスメントの実施の際の書類に、「周辺地域の範囲」ということをきちんと決めてやっておるわけです。影響のあるところならみんな影響があるわけです。影響のないところまで調査するようなことになっていないでしょう。そうだとするならば、地元の同意というようなことは、三十キロ以内に入るということは当然じゃありませんか。これでも御坊市だけであって、他は関係ないんだ、こういうような考え方で皆さんの方では指導なさるのですか。ちゃんと三十キロでもってやるようにあなたの方では指導しているでしょう。半径三十キロ、これでちょうどいいんでしょう。それが影響する範囲でしょう。影響する範囲だから、そこを調査するのでしょう。したがって、周辺地区の範囲がそれであるならば、地元というようなものの同意も、影響する範囲である。これでいいじゃありませんか。
○豊島政府委員 環境調査の範囲につきましては、できるだけ影響のありそうなところは調査するということでいたしておるわけで、大気については三十キロ、温排水とかいろいろ範囲を決めるわけでございますが、具体的に同意を得るかどうかという点につきましては、その地方の実態その他もございますので、われわれとしては、従来都道府県知事がどの程度まで周辺地区としてあれするかという点につきましては、一応都道府県知事の御判断にお任せしてあるというのが実態でございます。
○島本委員 今回の質問で、私が一番後に出たのは、大臣がいなくなり、他の人に迷惑を与えるようなことがあっては困るし、質問の順序から言って、これは大臣に初めやってもらって、あとはいいというようなことで、最後を待ったわけであります。うっかりしていましたが、十分から参議院の方に招集されているそうでありますので、どうぞお立ち願いたいと思います。 そうすると、この周辺地域の範囲というような点、煙の場合には三十キロ、これは当然認めていいから、煙の場合の周辺地域の範囲、これはやはり三十キロであり、出る煙、この影響をやる場合の地元の同意も三十キロ以内だ、温排水は別、こういうような考えは筋が通るのじゃありませんか。
○豊島政府委員 調査の範囲といたしまして、大気につきまして三十キロということでありますが、そういうところまで影響があり得るということで広げておるわけでございますが、具体的に影響があるかどうかということはわからないわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほどから同じことを申し上げておるわけでございますが、どの程度まで同意を得るかということにつきましては、一応一義的には県知事の御判断、県知事がそこまで同意をとるべきだというふうにお考えになれば、その御判断でそこの住民にもお話しになると思います。実際のものとして、特にその必要はないとお考えになれば、それで県知事が御判断になる、このようになっております。
○島本委員 資源エネルギー庁ではそういうように考えるのですが、問題の、経済企画庁は電調審を扱う立場から重要なポイントを占めるわけでありますが、経済企画庁はこれに対してどう思うでしょうか。まず、環境アセスメントの際の周辺地域と、電調審での地元の同意が必要だという場合の地元、これはやはりイコールにして運用すべきが正しいんじゃありませんか。
○高木説明員 通産省におかれまして環境影響調査、影響評価をやられる場合に、それの調査範囲等の設定につきましては、環境影響調査のその目的の趣旨にのっとられて行われるべきだと思いますが、先ほどの都道府県知事の事情聴取に際しまして、地元の情勢も御勘案の上お聞きしているわけでございますけれども、その場合に、地元として、私ども思いますのは、一般的に考えますと、それぞれのプロジェクトの性格もございますけれども、さらにそれぞれの地域の社会的あるいは経済的、あるいは自然環境上の地域の特性というものとの関連によっても判断されるべきだと思いますし、さらにまた、県におかれましては、開発行政というものに対するやり方に対する県の方針というものもあるわけでございますから、そういう意味で、県に対しまして、地元というものを私どもから特に一律的に示して、意見を申し述べるということはいたしておりません。
○島本委員 これは両方とも知事待ち、こういうようなことのようであります。知事の方では、皆さんの考え方よりもっと厳しいのですよ。これは関係町村や漁協の同意がなければ知事は同意しないと言っているのですよ。同意させる条件としてか、あるいはまた、そのための科学的な一つの手法を用いてやったのが、いま皆さんがおっしゃったような四十八年十三月三日の電気事業者へあてた環境アセスメント実施の際の提出書類の中に書いてあるこの問題じゃありませんか。こういうふうに科学的にやるからいいんだぞという一つの科学的な資料を皆さんの方で知事にあてているようなことになるんじゃありませんか、これをやってきちっとしているのに何ですかということになるのでしょうから。そうすると、これは地元の同意も周辺地域の範囲も、これは同じことであり、もう全然それは反対だと言ったらやらないと知事が言っているのですから、まして電調審の場合には、ことにこういうような点をきちっとしてやらないと、行政のそのときの都合のいい解釈で運用されるものである、こう言われてきているのですから、それをまた裏づけてしまうことになるわけです。ここにきちっとするのは、いわゆるオーバーラップするものだという、この考え方が私は正しいんじゃないかと思うのであります。影響があるのですから、影響があると思うから調査するのですから。そしてそれを周辺だと認め、その同意が必要だと言うのですから、それはちょうどオーバーラップされるのじゃありませんか。これも経済企画庁とエネルギー庁で、またそれが別々だ、こういうようなことになったら困るのであります。その点では、私はオーバーラップしても差し支えない、こう思うのでありますが、両方から簡単に御意見を聞きます。
○豊島政府委員 再々お答え申し上げておりますが、必ずしもオーバーラップする必要はないんじゃないかと思います。県知事が関係市町村の同意を得てという関係市町村の御判断は、県知事が何を関係市町村とお考えになるかによって決まると思います。
○高木説明員 電源開発調整審議会に付議するに当たりましては、県の同意を得るということを一つの要件といたしております。そこで、そういうことで都道府県知事が、いわゆる地元の情勢等に対しましても、地域の状況等を御判断の上判断されるというふうに私どもは考えております。
○島本委員 これは企画庁では知事の意見、さすが通産省では、行政のそのときの都合のいい解釈をとって運営しようとする姿がありありとあなたの言葉の中に出てきましたね。もうそんな態度はやめなさいと言うのです。きちっとした一本の線によって、物差しに当てはめてやりなさいと言うのです。そういう時期が来ているだけじゃなしに、あなたたち自身も、この問題については昭和五十二年七月四日の「発電所の立地に関する環境影響調査及び環境審査の強化について」、こういうような省議決定を出しているでしょう。省議決定は、これによってきちっとやれというのをやってない。やってないけれども、これは科学的に新しい知見として調査する以上、調査の範囲、これも周辺と認める、こうだったらオーバーラップするじゃないかと言うのです。これぐらいやらないでどうするのですか。通産省姿勢悪いよ。いつでも住民にけんか売っているようなものだ。物差し、これでやったならばうまくいくと教えても、都合のいいようにやって、また電力業者と一緒になってやるんでしょう。だめです、そんな態度では。だめなのはわかっていますけれども。それでもこれは電源三法によって交付される交付金、これを出す市町村の定義と電調審の際の地元というのと、これは一致していますか、一致していませんか。両方から……。
○豊島政府委員 電源三法につきましては、法律上当該発電所のできる市町村とその周辺、それから都道府県が特に認めた場合は、さらにその隣接と隣々接まで入るわけでございます。電調審の場合は、必ずしもそういう行政、法律的な規定はないと思います。
○島本委員 電調審の際は、あなたには求めておりません。
○高木説明員 電調審におきます都道府県知事の意見聴取の場合の地元の聴取につきましては、先ほどのとおりでございますが、一方、電源三法につきましては、隣接市町村等に対する交付金の問題でございまして、必ずしもそこが一致する必然性はないものと思っております。
○島本委員 これは電源三法の交付金を発電所立地に賛成する市町村に多く配分する、こういうような方法を乱用するからいつでも混乱が起きるだろうし、やり方を意図的にそういうふうにしてやるから、これもまたオーバーラップしない。賛成してくれる方にはよけいやりますよ、反対する方にはやりませんよ。これは意図的にやる、やるような姿勢、これはいいものでしょうか。エネルギー庁、どうなんですか。
○豊島政府委員 電源三法におきましては、その市町村とそれから隣接市町村は当然入るわけでございますが、さらにそれから外の隣々接が入るかどうかは、都道府県知事が、その隣接地域に経済的、社会的に見て当然そこも一緒に入れて整備計画をつくることがいい、こういう御判断に基づいてやるわけでございまして、電調審に賛成するか、賛成しないかということは、直接判断には入ってないと思います。そういうことはあり得ないと思います。
○島本委員 判断に入っているのですよ。判断にきちっとそういうようなのが入っていって、みんなを賛成させるようにしむけて、その電源三法によるところの交付金、これをきちっきちっとやってある。まあこの問題では余り深く——本当はこれは、やはり電調審の際の地元というようなのとオーバーラップしているのだという考え方がいいと私は思うのですが、今度はそれとは別だというのです。今度はもう通産省の方、幅広く認めてやっているという。幅広く認めてやっているのは、賛成する方に近くやって、そっちの方によけい落としてやろうとする魂胆なんでしょう。やっぱりそんなことしない方がいいですよ。ここでも一つ通産省の癒着に対する考え方がちょっとわかってきましたね。 今度は環境庁、これは環境庁はどう考えますかな力直接関係しないからいいというような考え方のようだけれども、事業者の行った環境アセスメントを環境庁がチェックする際に、やはり最低限半径三十キロメートル以内の町村の環境に与える影響を重視して、しかも地元が問題なく了解しているかどうかを重視してチェックすべきだと思うが、この問題はもう大きい問題ですが、どう考えておられますか。
○上村政府委員 先ほど来お話に出ておりますのは、四十八年の資源エネルギー庁の通知でございますが、三十キロ以内というふうに指示されていますのは、御案内のように、既汚染の状況を調べるのが三十キロ以内、それに新しくボイラーの排ガスによって付加があるわけでございますから、ボイラーの排ガスによって付加される結果、環境に大きな影響が及ぼされるのはどの地域かということは、必ずしもオーバーラップしないのじゃないか。要するに、既汚染地域として調べる地域と、それからボイラーの排ガスによって環境に対する影響が付加される地域とは、必ずしもオーバーラップすることはないかもわかりません。あるかもわかりませんが。 そこで、重要なことは、付加される影響がどうであるかということについて予測し、評価をすること、それからその地域の人々にこのことを知らせる、意見を求めるというのがわれわれが考えているアセスメントでございますが、その場合に、どこまで影響があるかということを一次的に知るのは、私は事業者だろうと思うのです。事業者だろうと思いますが、往々にしてそこにいろいろ見解の違いが出てまいる。そうなりますと、先ほど来の答えと若干オーバーラップすることになるかもわかりませんけれども、現在の仕組みでは、電調審に案件を上程します場合に、地元の同意というのが立地基準になっておりまして、この場合に関係知事の意見を聞くという仕組みをとっております限りにおきましては、最終的には知事の判断に従うというのが、いまの仕組みから考えました結論になるのじゃないかなというふうに考えるわけでございます。
○島本委員 知事のそこまで必要だなんていうことは聞いていませんよ。ただ、三十キロ以内というような市町村を対象にする。それがすでに汚れた地域だ。それならば、新たにやったらそれ以上また汚れるのだから、最低三十キロにしても、今度五十キロになるかもしれないというようなのが環境庁の考え方だとすると、あなたの考え方は私より厳しいですよ。私も、すでに汚れているこの半径が三十キロ以内だ、その市町村もこれは環境に与える影響は重視してやるのだ。新たに設置して、その汚れている中へまた汚すのですから、もっと広まる。広まる点を考えるというならば私は賛成ですがね。すでに汚れている点が三十キロ以内ならば、汚れているのですから、今度設置したらそれ以上汚すのですから、もっと広がるわけでしょう。狭まる理由はないでしょう。したがって、せめて明確に、私の考えている以上になる、三十キロ以上になるわけ、そういうような可能性があるでしょう、いまあなたの答弁では。いいのかな。
○上村政府委員 あるいは若干言い足りない点があったかもわかりませんけれども、既汚染の状況を調べられますのが三十キロ以内ということで、それに新しくボイラーをつくられることによって排ガスが出て汚染されるのは、やはりその三十キロ以内がプラスになるわけでございますから、付加されるのは。したがって、そこでどういう影響があるかというのは、新しくつくられますボイラーの能力等によって、三十キロメートルに及ばない場合もあるし、三十キロメートルの中といいますか三十キロメートルのところまでいく場合もある。したがって、既汚染の状況を調べる地域と、その新しいボイラーの排出によって汚染が付加される地域とは、必ずしもぴったりしない、そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
○島本委員 それならば、やはりチェックする際には、最低限三十キロ以内の町村の環境に与える影響、こういうようなものを重視して、しかも地元が問題なく了解しているかどうか、これも重視してチェックすべきだ。これに対して、イエスですか、ノーですか。
○上村政府委員 影響があれば当然だと思います。
○島本委員 それで、これはいろいろ問題があるのでありますけれども、資源エネルギー庁、これはあなたの方の指導でしょうか。急ぐ余り、全くいろいろな手続が省略されたり、あるいは欺瞞に満ちたような資料ややり方をとっているようであります。やはりこれは資源エネルギー庁の指導なんですか。電調審の方が急ぐ余り、経済企画庁から何かそういうような指示でも流しているのですか。でたらめきわまりないやり方をしている。それでもいいと言っているのですか。一体この問題はどうなんでしょうか。一つ一つ例を挙げなければなりませんが、まず先に聞きます。
○豊島政府委員 現在の電気の需給状況、特に五十年後半の需給状況を考えますと、電源開発の促進ということの重要性はいまさら申すまでもございませんが、それはそれとして、環境審査、調査につきましては、十分万全を期するということは当然のことでございまして、そのために調査ないしはわれわれの行う審査がゆるがせにされていいということでは決してありません。
○島本委員 この問題に対して三月十三日公益事業部から出された「関西電力御坊発電所に係る環境影響調査について」というのがきょう私の手元に入りました。これを私自身よく読ませてもらいました。これはどういうことをおっしゃっているのですか。読めば読むほどわからなくなるのでありますが、これで言わんとするのはどういうことなんですか。
○豊島政府委員 先般来二度にわたりまして島本先生から、関西電力の御坊発電所に対します環境調査は御坊市がやったもので、関西電力はやってないのじゃないか、そういうものは、関西電力が環境調査をやってないということで省議違反ではないか、こういう御指摘ないしは御質問があったわけでございます。 それに対しまして、私どもとしては、この委員会の場を通じまして、先生の御指摘のような点については、いろいろと誤解される向きもあるかもしれないけれども、この調査は関西電力の負担と責任でもってやったものであって、御坊市は、自分が関西電力が行う調査を十分チェックするために、納得のいくデータを集めるという観点から、事前にデータ集めの調査につきまして、諸先生を集めて企画、立案し、関西電力を指導したということの役割りを果たしておるので、実質的に関西電力がちゃんとした環境調査をやったものであるということを申し上げたわけですが、それについて一応整理してみたというものでございます。
○島本委員 これで見ると、御坊市の調査によるものが大分多いのですね。多いのでありますけれども、実質的に関西電力がやったとするならば、これとは別に御坊市の方の調査報告はあるはずですが、これは自治省、きちっとやっているのですか。
○中村説明員 御説明を申し上げたいと思います。 関西電力の御坊発電所の関係につきましての環境調査の問題でございますが、先般の先生のお尋ねもございましたので、和歌山県から事情を聴取いたしたわけでございますけれども、それによりますと、環境影響調査は、本来関電が企業としての責任と負担で実施すべきものであるけれども、企業のみの調査では住民の信頼を得られがたい実情にあったので、環境調査の公正を保ち、住民の信頼を得るために、調査すべき内容や手法あるいは測定基準等を定めた事前調査計画書を策定して関電に示すとともに、調査現場で指導監督を行い、調査結果のチェックを行ったものである、こういうことでございまして、県のそのような事情説明から徴します限り、関西電力におきまして調査が行われておるというふうに考えております。
○島本委員 それだったら、御坊市の調査報告書は、あるのですか、ないのですか。
○中村説明員 私どもは、その点につきましては事実を確認いたしておりませんが、関西電力が行ったその調査の報告書であるというふうに県からは聞いておるわけであります。
○島本委員 それはわかっている、さっき言ったとおり。だから、通産省の方では、そうじゃなく、これは全部関西電力がやったものだ、こうやってこの文書はこっちへ来ているのです。それならば、御坊市の方がやっているのですから、やったこのアセスメントは別にあるはずだ。あるのかと聞いているのです。
○中村説明員 先ほど来お答えを申し上げておると思いますけれども、調査は、御坊市の方におきましていろいろ企画をいたしまして、それに基づいて関西電力が行ったということでございますので、調査は関西電力のものだというふうに存じております。
○島本委員 それは大分違っていますな。困りましたな。そんな認識しかないんじゃ困るんです。 では海上保安庁、昭和五十三年四月二十四日に、何か市が行う調査に反対の漁民が逮捕、拘束されたということを言われておりますが、これは事実ですか。
○村田説明員 お答え申し上げます。 関西電力の御坊火電建設に伴いまして、五十三年一月末から二月にかけまして冬期の補完調査が実施されたわけでございます。そのとき、この火電建設に反対する一部の地元漁民の方たちが、調査実施に際しまして、小型漁船を動員しまして調査船の周囲を取り囲んで海上デモを行い、そのような紛争事犯が起こったわけでございます。いま先生お尋ねの、そういう事件があったのかということでございますが、二月一日の午前八時に調査が開始されるとともに、抗議船も徐々に出動し始めまして、作業船周辺で抗議行動を始めたわけでございます。それで、午前十時三十分ごろに至りまして、反対派の漁船が警備実施中の借り上げ漁船と接触し、また十時三十八分ごろ、反対派漁船の投網した刺し網が作業船に付属するモーターボートの推進器に絡みまして、一時航行不能に陥る、そういう事態が発生したわけでございます。当庁は、とりあえず当日の調査を中止するように勧告いたしまして、とりあえず事態を収拾したわけでございますが、それと同時に、捜査も開始いたしまして、後日、六月三十日でございますが、往来危険罪容疑で被疑者二名を和歌山地検田辺支部に書類送致したわけでございます。 以上でございます。
○島本委員 これは公害問題で、それも環境破壊、公害というような問題で、強行する方がむしろ手続を踏んでないんです。いま聞いていたでしょう。また違法と思われる行為をしているんです。それでもそれに反対する人は悪人なんですか。自分の生活の場所、これは漁業権のその場所でしょう。そこへ勝手に入ってきてやろうとする、それに反対する人は悪人なんですか。あくまでも強行しようとしてやる御坊市の方は善人なんですか。海上保安庁の立場はどうなんですか。もう一回ちょっと聞かせてください。何か反対すれば悪人のようにちょっと感じられましたから。
○村田説明員 言葉が足りなかったかもわかりませんが、反対するとか強行するとかいう立場の問題ではございませんで、海上保安庁といたしましては、厳正中立の立場、これはもちろんでございます。ただ、このような海上の紛争事犯というものは、海上の特殊性から見まして、人命に危害が及ぶというおそれが非常に強うございます。したがいまして、人命尊重という立場から海上における人命、財産の保護とともに、治安を維持するという両方の立場から、紛争の発生が予想されるような場合に巡視船艇を配備しておるわけでございます。 なお、当然のことでございますけれども、そのような警備を実施するに際しては、人命、船舶の安全確保ということをまず第一に主眼に置きまして、繰り返しますが、厳正中立の立場で極力説得、警告というふうなことで、お互いに違法行為を未然に防止するという方針を対処方針としております。
○島本委員 違法行為、違法行為と、自分らが逮捕するために相手を違法者と決めつけるようですね心そして罪名は船舶往来危険罪ですか、その場所は船舶が往来する場所ですか。それほどの不特定多数の船が通る航路なんですか。そしてまた船を妨害するというなら別だけれども、普通の船の入ってこない共同漁業権のある場所、むしろ勝手に入ってきたその船の方が悪いじゃありませんか、調査するとかなんとか言って。なぜ話し合いをしてからやらぬのですかね。話し合いをしたかどうか。きちっとそういうようなのをさせたらいいでしょう。何もやらないで先に行くんだそうですね。保安庁の方が行くと、必ずその後から市の方が来るんだそうですね。市の方じゃないといま答弁あったんですが、これは調査していたのは市ですよ。どうなんですか。これは言っていることとちょっと違うじゃありませんか。これは市の要請に基づいて出動したんですか、黙っていて出動したんですか、保安庁は。
○村田説明員 この事前調査というのは、五十二年の夏から調査が実施されておりまして、それまで情報として、いろいろ海上における紛争事犯が勃発しそうであるという情報を入手しておりましたので、先ほど来申し上げましたような、不測の事態を未然防止するという意味で巡視船艇を配備しておったものでございます。
○島本委員 では、船舶往来危険罪というのはどういうところに適用するんですか。船舶往来ですよ。これは船舶の往来する場所じゃないですよ。航路じゃないですよ。漁業権を設定し、漁師がそこで生計を立てる場所ですよ。不特定多数の船が通航するところなんですか。船舶往来危険罪というのはどういう意味ですか。
○村田説明員 これは適用法律で申しますと、そのようなかた苦しい法律になるわけでございますけれども、刑法百二十五条でございまして、普通海難等を起こした場合に適用される法律でございます。したがいまして、この場合衝突あるいは漁網を投げ網いたしまして相手船のスクリューに絡ませる、そういう行為がこれに該当したわけでございます。双方の船を厳正に捜査した結果の処置でございます。
○島本委員 ちょっと来てみてください。そのとおりの写真、これを見てください。どっちがどうしていますか。 それは共同漁業権の場所ですよ。そこへ調査に来る、関西電力じゃないですよ。御坊市ですよ。関西電力でやっているってうそじゃありませんか。御坊市の要請で出てきたのでしょう。村田さん、聞いてくださいよ。海上保安庁は本来公害から漁業を守ること、これも一つの大きい目的に入っているんですよ。そのために油濁防止法の担当省庁、これはもうあなたの方になっているのですよ。おわかりですね。それがこういう役目をちゃんと引き受けているわけです。原子力船「むつ」の出港、入港に際しての漁船の抗議行動に対して逮捕はなかったのですよ、あれほど激しいと思われているのに。きのう判決が出まして、きょうもいろいろ質疑がありました水俣、この水俣の反対漁民の水俣湾での海上封鎖、これにも海上保安庁は逮捕も拘束も、こういう手段をとらなかったのですよ。これほどひどい、これほど知れ渡っているのに。なぜ御坊市のこれにだけ出ていって、それも共同漁業権のところに入っていって、それを無理して船舶往来危険罪なんていって逮捕するのですか。一方的じゃありませんか。こういうようなことをやって電調審の方を急いで、そうしてこれをまたかけようとしているわけです。それにあなたは協力しているのだ。教唆しているのだ。同罪ですよ、これは。せっかく公害関係の貴重な使命が、あなたに、保安庁にあるのです。それがありながら、それを守る漁民を逮捕している。本来の意義を忘れていませんか、保安庁。やはりこれを忘れてはいけないと私は思うのです。したがって、これはもうかつてこういうことはなかったのに、急にこれをとり始めたということ、なぜ御坊市でこういう行動に出たのですか。
○村田説明員 繰り返して申し上げておりますように、双方の安全を確保するという見地から出動いたしましたもので、なおお言葉を返すようでございますけれども、当日逮捕という挙には出ておりません。当日から約三カ月か四カ月置いた、その間綿密に捜査いたしまして六月三十日に書類送致したということになっております。
○島本委員 村田さん、それならば、あの熾烈な原子力船「むつ」の出港、入港に際しての漁船の抗議行動、それと同時に、いま問題になっておる水俣病、それを防ぐための反対漁民が水俣湾での海上封鎖、これには出ていない。それと異なって、こっちの方には暴力行為やそういうものが起こるという可能性はどこにあるのですか。むしろ皆さんの方が虚像を描きながら、何かおののきながら、後から追われるようにして逮捕しているじゃありませんか。そんな保安庁の実態じゃだめです。まだ何かそういうようにしているようでありますけれども、その写真でもわかるように、別にどうということない、やめてくれ、やめてくれと回って歩いているだけじゃありませんか。武器を持っているわけじゃない、船でこうやって歩いているだけです、やめてくれと。なぜ話し合いをさせた上でないとやらないようにというように、あなたの方で勧告できないのですか。公害環境の主管庁の一つでしょう。油濁防止法の実施官庁ですよ。それで公害紛争が起きている、それに対してなぜ一方的に拘束なんかするんですか。いまでもまだ間違いないと思っていますか。これは重大なことですよ。共同漁業権のある場所であり、漁民の生活を支える漁場でしょう、そこは。海上保安庁が反対運動を弾圧しようとする仕組まれた行動じゃないのですか。いまあなたがおっしゃったように、中立を旨とする保安庁としては異例ですよ。行き過ぎですよ。どう思いますか。少しは反省ありますか。
○村田説明員 やはり先ほど来繰り返して申し上げておりますように、「むつ」の場合、たしか、記憶でございますけれども、人身事故あるいは器物損壊その他これに類したことは発生しておらなかったと思います。今回の場合は、先ほど申し上げましたように、船体の一部が破損し、あるいはスクリューに漁網が巻きつき航行が不能に陥るというふうな具体的事実が発生したことに伴って、このような捜査がなされたものであろう、このように思います。 なお、今後ともこの種の警備には、海上安全あるいは人命尊重の立場から警備を行うとともに、厳正中立な警備を行いたい、このように存ずる次第であります。
○島本委員 以前にも同じようなことがあって、あなたは御存じないのですかね。昭和五十年一月二十二日の朝七時三十分に、北海道の伊達市で不祥事件が起きたのです。これもやはり保安庁が出ていってやっているのです。その当時、通産大臣は河本敏夫さん、それから官房長官が井出一太郎さん、それから環境庁長官が小沢辰男さん、総理大臣は三木武夫さん、ともにこういうようなことを起こさないために十分下部にまでそれを浸透させ、伝えて、二度とこういうようなことは起こしませんと断言したのですよ。それも、この委員会で。進んでやっているじゃありませんか、あなたの方で。これはいけませんよ。以前に、こういうようなことをやらせません、二度と繰り返しませんと井出一太郎官房長官、これもわれわれの目の前でがっしり言ったのですよ。市の要請にこたえて、軽はずみですよ。自分の本来の仕事である油濁防止法という環境問題、公害問題、これを扱っておる省庁の一つであるということを忘れていなさいますよ。とんでもないことですよ。 そして、この調査そのものだって市の方がきちっと申し入れてやっているじゃありませんか。これは通産省、いいですか、「本日申し入れのありました補完調査中止申し入れについて回答いたします。今後の調査については、市の責任において合法的に実施いたしますので過激な行為等しないよう御協力をお願いします。なお万一不慮の事故が生じても市にその責任のない事を念のため申し添えます。」これは市長の方から漁業協同組合の方へ行っているのです。市の責任において合法的に実施するというのです。どうしてまた市が忽然として入ってくるのですか。これは全部関西電力だけでやったのだと言っているでしょう。また市の責任でやっているじゃありませんか。幾らやっても、それはよろいの上から着た衣みたいなものじゃありませんが、ぼろぼろと出てくる。全く私どもの方としては、いかにこれをやっても、どうもこういうような違法なようなことをそのままやらせるような指導をしてはいけませんね、今後はね。 それで、この問題だけはきちっとしますが、指定寄付金ということとツケを支払わせた問題、これは釈明ありましたから、あの程度で理解しておきますが、二億九千万円を関電が寄付し、それを御坊市が予算書にあてにして組んでいる。しかしながら、節度が必要だと自治省の方で言ったのですが、この節度というようなものの内容はどんなものですか。こういうようなのがりっぱな節度でしょうか。そしてこの中で、調査が完了するまでの迷惑料として、二千万円を関西電力株式会社からあなたの方に支払わせることを確約いたします。確約しているのが市長ですよ。おかしいじゃないですか。この節度というようなのはどういうのが節度なのですか。そしてその節度、それもはっきりこの際聞いておきたいのでありますけれども、それを受けて、それをほとんど飲み食いに使ってしまう、こういうようなものも節度ある行為だと自治省の方では見ますか、自治省。
○中村説明員 御説明を申し上げたいと存じます。 節度ということでございますが、これは前回の委員会でもお答えを申し上げたとおりでございまして、特に法律用語として申し上げておるわけではございませんで、通常使われる一般の言葉ということで申し上げておるところでございます。したがいまして、今度の件に即して御説明をいたしますと、前回もお答え申し上げたところでございますけれども、市が地方公共団体の使命、性格あるいは立場等に照らして、本来保持すべき適切な範囲または程度ということでございまして、具体的に申し上げますと、寄付につきまして、目的でございますとか使途あるいは金額等が妥当であること、また予算その他財務会計上の処理が適正であること、また当該事件に関して、当該団体の判断の自主性に支障を来さぬことといったようなところが主な常識的と申しますか、社会通念上と申しますか、そういった判断の要素ではなかろうかというふうに存じております。 それから、この予算計上の問題でございますが、これは市の方の事情を県を通じて聞いたわけでございますけれども、関西電力の方といろいろと項目別に話をいたしまして、めどがついたので計上したということでございまして、その計上の時期なりあるいは見込み等につきまして、十分その的確な根拠があったかどうか、その辺のところにつきましては、今後なお事態の推移にもよるところであろうかと思いますけれども、少なくともある程度の話をいたしまして計上がされておるということでございますので、それにつきまして、特に私の立場から違法云々の問題を指摘することはないというふうに考えております。 ただ、その使途等につきまして、私ども逐一承知をしておるわけではございませんけれども、こうした経費につきましては、いろいろと問題を醸す可能性のあるものでございますので、十分注意をいたしまして、いやしくも疑義を招かないように用いる必要があるというふうに考えておるところでございます。
○向山委員長代理 島本君に申し上げます。 お約束の時間が過ぎましたから、この辺でおまとめください。
○島本委員 これでまとめますが、節度ということ、物見遊山の予算や法外の金額が使われていること、こういうようなことが節度に入るか。私どもの方では汚職と同じような状態、買収と同じような状態じゃなかろうか。これだけの法外の金、そういうようにしてやられているわけです。同時に、このような手続を無視して強行した行為、これは環境庁にアセスメントをつくらせないように働きかけている電力業者と、みずからの通達を守らないで電力業者と癒着して行動をとる通産省、それからそれを見守っている自治体、この態度、こういうようなものは私としては完全に了解できませんし、りっぱなアセスメント、これは必要でありますから、これをりっぱにやり直して堂々と電調審にかけるべきだ。どういうふうな圧力にも屈せずに将来のために筋を通すべきだ。そしてかりそめにもこのもののために将来に禍根を残す、こういうようなことをしてはならないと思います。このような状態の中でも、無理やりにこの問題を通そうと考えるのか、これは経済企画庁。 同時に、こういうようなことがやられておる状態をそのまま見ている環境庁。大臣はいませんけれども、いま言ったような状態。ただ反対されているだけではないじゃありませんか。つくらせないように裏へ回って行動されているじゃありませんか。そしてみずからもりっぱな環境影響評価をやりましたというていたらくがこれじゃありませんか。これは私が通産省を攻撃するのじゃない。環境庁の無力さをそのままさらしたことになるのです。りっぱな設置法を持ちながら、その設置法によるところの行動もできない。弱体化している。この機会にきちっとこの問題に対して反省すべきです。それと、いま言ったように、手続を無視するようなことをさせないくらいきちっとチェックしておくべきです。 最後に、これでも無理やりにやろうとするのですか、もっときちっと筋を通して将来のためにきちっとするのですか、この点、両者からお言葉をもらってやめます。
○高木説明員 この案件につきましては、現在関係省庁で検討中の段階であります。また県知事においても御検討と聞いております。そういうことで、そういったものの検討が終わりました段階で、幹事会におきまして電調審に付議するかどうか、最終的に決定することになります。そういう段階でございますから、現在の段階ではまだ結論は出ておりません。
○豊島政府委員 関西電力の御坊発電所に関する環境調査、評価につきましては、先般来るるお答え申し上げておりますように、形式的にも実質的にも関西電力がやったものであるということは言えるわけでございまして、省議決定違反でもなく、かつ自治法その他にも違反しておるというふうには思っておりません。 ただ一言申し上げますと、先生から再三このような御指摘を受けておること自身、非常に誤解を招いておるといいますか、やり方にやや問題があったということについては、ここで問題になること自身がすでに好ましいことではないわけでございまして、今後も、たとえ違法でないとか省議決定違反でないということであっても、それでよいということではないと私は思いますので、今後そのような誤解を招くあるいは行き過ぎがあるということのないように、今後の電調審案件につきましては、もう少し慎重に考え、工夫をして、やり方を改めることがあれば改めるということでやっていきたいと思いますが、御坊に関して、これが特に違法とか違反ということではないので、あと環境庁その他と協議をして進めていきたいと思っております。
○上村政府委員 いま両省庁からお話があったわけでございますが、先ほどの御質問にもお答えいたしましたように、きのう、きょうと私どもの方から係官を現地に派遣をいたしておりますので、現地の人々から聞いてまいりましたことも頭に入れまして、現在協議を受けております環境影響審査書というものを中心に検討いたしまして、結論を出したいというように考えておるわけでございます。
○村田説明員 海上における特殊性から、人命尊重に主眼を置いて厳正中立的な警備を実施したい、このように考えております。
○島本委員 終わります。
○向山委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会