公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/02/13
会議録
○木原委員長 これより会議を開きます。 この際、環境政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。
○山東政府委員 昨年暮れ環境政務次官を仰せつかりました山東昭子でございます。これからは長官の補佐役として、公害の防止を初め、自然環境の保全を図るために、微力ではございますけれども、全力を尽くす決意でございます。委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手) ────◇─────
○木原委員長 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。 まず、国務大臣から環境行政に関する所信を聴取することといたします。上村環境庁長官。
○上村国務大臣 第八十七回国会における衆議院公害対策並びに環境保全特別委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 環境問題は、私たち国民の健康と生活に密着した重要な問題であり、この問題を取り扱う環境行政は、国民の健康と生活を侵す公害を防止するとともに、一たび破壊されると容易に回復できないかけがえのない自然環境を保護し、さらに、より快適な生活環境を創造するという重大な使命を持っております。 これまでのわが国の環境行政は、激化するに至った公害の防止、あるいは急速に失われつつあった自然環境の保護に全力を挙げてまいりましたが、公害対策基本法制定以来十余年を経た今日、国、地方公共団体、国民の一体となった努力の結果、かつての危機的な状況の克服には、かなりの成果を上げることができました。 今日では、このような経験と環境の現状を踏まえつつ、将来のよりよき環境を求めて、長期的展望のもとに総合的な環境政策の展開が図られなければならないとの認識が深まりつつあると思います。 私は、このような環境行政の新しい展開のため、力強い一歩を進めてまいりたいと考えておりますが、まず基本となるべきことは、環境汚染の未然防止を第一義として環境の改善を強力に進めていかなければならないことであります。 現在、公共事業の大幅な推進を含め、各種の大規模な開発事業が進められておりますが、これらの実施に当たっては、その環境に及ぼすさまざまな影響について、環境影響評価の実施等により、環境保全に万全の配慮をしていかなければならないことは当然であります。 また、交通公害の問題や閉鎖性水域における水質保全の問題が現下の重要課題となっておりますが、これらに適確に対処していくためには、これまでのような生産活動に対する規制はもとより、日常生活や公共的な活動をも考慮した総合的な対策の推進が必要であります。 これら現下の重要事項につきましては、全力を挙げて総合的に取り組んでまいる所存でありますが、さらに、もう一つの柱として、将来をも見通して、人間の心に潤いを与える快適な生活環境を創造し、自然との親しみ、そのきずなを一層強くしていくという面にも力を注いでまいりたいと考えております。 また、さらに、現在検討が始められております田園都市構想は、環境保全行政とも密接なかかわりがあることから、これにも対応しつつ、潤いに満ちた環境づくりを目指して、努力してまいりたいと思います。 私は、環境庁長官として、以上のような基本的認識に立って、次のような事項を重点として、環境行政の推進に最大限の努力を払う覚悟であります。 第一は、環境保全の長期的、総合的展開であります。 長期的、総合的展望のもとに環境保全行政を推進するため、今後の環境政策のあり方を展望すべく、望ましい環境像の把握のための調査等を行うとともに、快適な環境に関し、広く検討を進めることとしております。 また、環境管理の推進を初め、自然公園や長距離自然歩道の適正な整備を図る等、田園都市構想に対応する環境保全施策の展開を図るとともに、環境問題の国際的な広がりにかんがみ、この分野における国際的な協力の強化にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 第二は、環境影響評価の制度化及び実施の推進であります。 各種の大規模な開発事業の実施に当たって、環境影響評価が必要であることは、だれもが認めるところであり、すでに各方面において環境影響評価が行われているところでありますが、これにつきましては、法制度化を図るべく鋭意努力いたしておるところであり、また、さらに、その実施を一層効果的に推進するための体制を整備することとしております。 第三は、複合大気汚染総合対策等の推進であります。 各種大気汚染物質については、鋭意その削減対策を進めてまいり、今日までにかなりの成果を上げ得るに至っておりますが、今後の大気保全を考えれば、各種汚染物質対策を最適な手順で推進し、大気汚染を総体として抑制、制御していく総合的な政策の展開が重要であります。このような観点から、複合大気汚染に対する総合的な対策を強力に推進してまいりたいと考えております。 特に、窒素酸化物については、環境基準を達成、維持すべく、固定発生源から排出される窒素酸化物について総量規制を導入するとともに、トラック、バス等の第二段階の規制強化に向けて引き続き技術評価を進める等、その対策の強化推進を図ることとしております。 第四は、交通公害対策の総合的推進であります。 自動車、航空機、鉄道等交通機関の運行に伴い発生する交通公害の問題は、周辺住民の日々の生活に著しい支障を及ぼす深刻な問題となっております。 この問題の抜本的な解決を図るには、たとえば道路交通公害にあっては、自動車の排出ガス及び騒音の規制強化にとどまらず、交通規制、道路構造の改善、沿道環境の整備等が必要であるように、広範な施策を強力かつ総合的に推進していかなければならないことは、言うまでもありません。 このため、長期的な展望のもとに総合的な交通公害対策手法の開発を始めるとともに、交通公害激甚地区においては、当面緊急に必要な対策の事例検討を進める等、交通公害対策の確立に向けて精力的に取り組んでまいりたいと考えております。 第五は、水質保全対策の推進であります。 閉鎖性水域における水質保全を図るため、さきの通常国会において、水質総量規制の制度化及び瀬戸内海環境保全対策の抜本的拡充を内容とする法律改正が行われたところであります。 この法律改正による水質総量規制については、これを実施に移すべく鋭意準備を進めているところであり、また、その円滑な実施を図るため、発生負荷量の管理、水質監視等の体制の整備を進めることとしております。 次に、瀬戸内海環境保全対策としては、瀬戸内海環境保全基本計画を踏まえつつ、法律改正により新たに加えられた富栄養化防止、自然海浜保全等の対策を含め、総合的かつ強力な施策の展開を図ってまいりたいと考えております。 また、赤潮については、近年内湾や湖沼等において多発し、漁業等に被害を惹起していることから、赤潮発生機構の総合解析、淡水赤潮対策の調査の実施等その対策の強化を図ることとしております。 以上のような諸対策のほか、地盤沈下防止対策を初め、騒音、振動及び悪臭対策、廃棄物対策及び海洋汚染防止対策、土壌汚染防止対策及び農薬汚染防止対策についても、一層の充実強化を図るべく、たゆみない努力をしてまいりたいと存じております。 第六は、環境保健対策の推進であります。 公害による健康被害を受け、苦しんでおられる方々に対して、その迅速かつ公正な保護に万全を期することは、私たちの務めであります。 このため、公害健康被害補償制度の円滑な実施に一層の努力を傾注することとしております。 また、水俣病対策については、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の施行等により認定業務の促進を図るとともに、国立水俣病研究センターの研究体制の充実強化を図ることといたしております。 さらに、化学物質による環境汚染の未然防止を図るため、化学物質についての安全性の総点検調査に取り組んでまいりたいと考えております。 第七は、国立公害研究所の充実強化であります。 複雑多様な環境問題に適確に対処し、将来をも見通した環境行政を展開していくためには、質、量ともに充実した科学的知見の蓄積が基盤とならなければなりません。 国立公害研究所は、このような公害、環境の分野における基礎的研究を行う機関としての重責を担っており、現在まで逐次整備を進めてまいりましたが、さらに、この分野における世界有数の研究機関とすべく、その機能の一層の充実強化を図りたいと考えております。 最後に、自然環境の保全であります。 わが国の自然環境の状況を適確に把握するため、現在第二回の自然環境保全基礎調査を行っているところでありますが、引き続きこれを鋭意推進し、十分な成果を得たいと考えております。 また、私たちの心を豊かにし、その微妙で複雑な営みをもって多くのことを教えてくれる自然の恵みは、私たち及び後の世代によって分かち合っていかなければならないものであります。 わが国の世界に誇る自然景観を守り、これを正しく利用していくには、私たち一人一人の日常の心がけが不可欠であると考えますが、環境庁としましても、自然公園の美化清掃等その保護管理の充実及び利用の適正化に一層力を入れることとし、その一方策として、自然公園の美化管理のための財団の設立育成を図ることといたしております。 さらに、自然との交流、健全な野外レクリェーションの場を提供するため、自然公園等における施設の整備を推進するほか、国設鳥獣保護区の保護管理の強化等鳥獣保護の充実及び狩猟の適正化にも力を入れてまいりたいと存じます。 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政の推進に当たっては、十分に国民の声に耳を傾けていかなければならないことは言うまでもありません。 環境行政の新たな展開に向けて、私としましては全力を挙げてまいる決意でありますが、本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
○木原委員長 以上で国務大臣の所信表明は終わりました。 次に、昭和五十四年度環境庁関係予算の説明を求めます。正田官房長。
○正田政府委員 昭和五十四年度の環境庁関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十四年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百二十四億九千七百四十三万円であり、これを前年度の予算額三百八十八億三千一万九千円と比較すると、増加額は三十六億六千七百四十一万一千円であり、その増加率は九・四%であります。 次に、予算要求額の主要な項目について御説明いたします。 第一に、公害対策について申し上げます。 まず、環境保全企画調整等の経費については、環境影響評価制度を確立推進するための経費生活の質等、長期的環境政策のあり方を検討するための経費のほか、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費及び公害防止計画策定を推進する経費等、これらを合わせて四億一千二百三十六万円を計上いたしているところであります。 次に、公害健康被害補償対策費については、公害健康被害補償制度の円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として百七十五億五千六百五十三万円を計上しております。 公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十五億五百七十四万円を計上しております。 次に、大気汚染等防止対策の経費については、窒素酸化物対策として、総量規制を実施するための総量削減計画の策定について助成を行うとともに、健康影響調査を行うなど、大気汚染物質対策の推進を図ることとし、また、交通公害対策を抜本的に推進するため、新たに総合的な対策モデルの開発、交通公害激甚地区における対策の検討を行うとともに、従来に引き続き自動車公害、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するための調査を行うなど、六億九千三百九十二万円を計上しております。 水質汚濁防止対策の経費については、水質総量規制を実施するため、総量削減状況の調査を行い、汚濁負荷量管理調査について助成するほか、新たに赤潮対策として、赤潮発生機構の解析調査、淡水赤潮対策調査を行うとともに、従来に引き続き、富栄養化及び水質管理についての対策等を推進するための調査を行うなど、九億一千五百三十一万円を計上しております。 このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費として一億一千五十九万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として二億百八十九万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を行うほか、新たに水質テレメーター監視システムの整備を行うこととし、これらの経費として十一億九千二百十万円を計上しております。 公害の防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一層促進するため、総額四十四億九千百七十五万円を計上しております。 このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として三十二億四千八百四十四万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進を図ることとしております。 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然環境保全等に関する調査研究費として九億八千五百一万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として二億五千八百三十万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として三十七億一千四百六十万円、国立水俣病研究センターに必要な経費として五億一千五百八十一万円、公害研修所に必要な経費として一億三百二十万円を計上しております。 第二に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等経費については、五十三年度に引き続き、自然環境保全法に基づく自然環境保全基礎調査を実施するほか、国立公園の管理方針の検討調査及び利用の適正化についての調査を行うとともに、自然公園の美化清掃活動、公共施設の適正な管理等のため、新たに、自然公園美化管理財団(仮称)の設立育成を図ることとし、これらの経費として十億六千百七十八万円を計上しております。 このほか、交付公債による民有地の買い上げ制度の運用に必要な経費として八億五千九百四十三万円を計上しております。 鳥獣保護については、国設鳥獣保護区の管理強化を図るほか、従来に引き続き、特殊鳥類等の保護事業及び渡り鳥の保護対策を推進するなど、一億六千六百八十五万円を計上しているところであります。 さらに、自然公園等の整備を図るため必要な施設整備費として三十二億四千八百九万円を計上しております。 以上が環境庁予算の概要でありますが、このほか、建設省所管予算として、国立公害研究所等の施設整備のため二十三億七千六百九万円、国庫債務負担行為二十一億二千三百七十二万円がそれぞれ計上されております。 以上をもちまして、昭和五十四年度の環境庁関係予算の御説明を終わります。
○木原委員長 次に、各省庁の昭和五十四年度環境保全経費等について、便宜環境庁から説明を求めます。上村企画調整局長。
○上村政府委員 各省庁の昭和五十四年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。 まず、歳出予算について御説明いたします。 昭和五十四年度における環境保全経費の総額は一兆千二百五十三億円であり、前年度の当初予算に比べ二千五百七十二億円、二九・六%の増加となっております。 このうち、一般会計分は一兆二百二億円であり、前年度の当初予算に比し二千二百二十七億円の増加となっており、また、各特別会計分は千五十一億円であり、前年度に比し三百四十五億円の増加となっております。 次に、事項別に主要な項目について御説明いたします。 第一に、各種基準等の設定としては、環境庁の大気汚染防止対策費二億六千四百万円、水質汚濁防止対策費一億二千八百万円など、総額八億九千六百万円を計上しております。 第二に、監視取り締まりの強化のため、総額六十五億二千七百万円を計上しております。 このうち主要なものは、環境庁の公害監視等設備整備経費十一億九千二百万円、環境庁、厚生省及び通商産業省に計上されている化学物質安全確保対策費四億七千九百万円、運輸省の自動車公害審査体制の強化費十四億九千九百万円、海上公害監視取り締まり体制強化費二億七千百万円、警察庁の公害関係事犯の取り締まり強化費三億五千五百万円などであります。 第三に、公害防止事業助成のため、総額百五億三千万円を計上しております。 このうち主要なものは、環境庁の公害防止事業団助成等経費三十五億六百万円、農林水産省の漁場環境保全対策費十七億千七百万円、養殖共済赤潮特約事業費六億二千四百万円、畜産複合地域環境対策事業費二十七億六千八百万円、通商産業省の金属鉱業事業団事業運営費八億六千九百万円などであります。 第四に、公害防止関係公共事業等の推進のため、総額九千四百七十億百万円を計上しております。 このうち主要なものは、建設省等に計上されている下水道事業費六千八百三億五千万円、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費七百四十億一千万円、農林水産省等の公害防除特別土地改良事業費十四億五千九百万円、運輸省の港湾公害防止対策事業費二十一億三千九百万円、海洋環境整備事業費二十七億千八百万円、通商産業省の休廃止鉱山鉱害防止工事費三十五億四千七百万円、建設省の公園事業費のうち緩衝緑地整備事業費五十二億四千八百万円、防衛施設周辺及び公共用飛行場周辺における騒音問題に対処するため、防衛施設庁の六百八十三億五千万円、運輸省の七百五十五億七千四百万円、地盤沈下対策として農林水産省の地盤沈下対策事業費六十億七千二百万円、通商産業省の工業用水道事業費三十八億四千八百万円などであります。 第五に、公害防止調査研究の推進のため、総額三百五十四億九千百万円を計上しております。 このうち主要なものは、環境庁の国立機関公害防止等試験研究費三十二億四千八百万円、国立公害研究所に必要な経費三十七億千五百万円、通商産業省の大型工業技術研究開発費八十三億九千四百万円、新エネルギー技術研究開発等経費七十億五千九百万円などであります。 第六に、公害被害者保護対策の充実のため、環境庁の公害健康被害補償対策費百七十五億五千七百万円など、総額で百八十三億千三百万円を計上しております。 第七に、自然保護対策の推進のため、総額千七億九千五百万円を計上しております。 このうち主要なものは、環境庁の自然公園等施設整備費三十二億四千八百万円、文部省の史跡等の買い上げ及び整備費七十七億八千百万円、建設省等の公園事業費七百五十八億千二百万円、運輸省の港湾環境保全施設整備費三十一億二千八百万円、建設省及び北海道開発庁の古都保存及び緑地保全事業費二十三億五千五百万円などであります。 第八に、その他として、文部省の公立小中学校児童生徒健康増進特別事業助成経費五億三千百万円など、総額で五十七億九千百万円を計上しております。 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。 昭和五十四年度における公害防止関係財政投融資は、貸し付け規模等において、総額一兆三千四百三十一億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ、千四百億円の増加となっております。 機関別の内訳としては、公害防止事業団が契約規模で七百八十億円、日本開発銀行が貸し付け規模で八百六十億円、中小企業金融公庫が貸し付け規模で五百三十億円、国民金融公庫が貸し付け規模で七十五億円、農林漁業金融公庫が貸し付け規模で三十億円、金属鉱業事業団が貸し付け規模で二十八億円、日本私学振興財団が貸し付け規模で七億円、大阪国際空港周辺整備機構が事業規模で六十二億円をそれぞれ予定しております。 また、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため、地方債計画において一兆千五十九億円を予定しております。 最後に、環境保全関係税制改正措置の主要なものについて御説明いたします。 まず、国税関係については、都道府県立自然公園の特別地域等で一定の要件に該当するものの地域内の土地が地方公共団体に買い取られる場合に、その譲渡所得について千五百万円の特別控除措置を新たに適用することといたしております。 また、租税特別措置で適用期限が到来するもののうち、公害防止用設備、無公害化生産設備及び廃棄物再生処理用設備の特別償却制度については、対象設備を縮減した上、適用期限を一年ないし二年間程度延長し、公害防止事業団から事業協同組合等が譲り受けた土地を組合員等に再譲渡する場合の登録免許税については、軽減税率を引き上げた上、適用期限を二年間延長するほか、電気自動車について物品税の軽減措置を二年間延長することとしております。 地方税関係では、もっぱら放鳥獣された狩猟鳥獣の捕獲を目的とする猟区内のみで狩猟を行う者について、狩猟免許税を二分の一に軽減し、入猟税を非課税とする措置を設けることとしております。 また、適用期限が到来する特別措置のうち、公害防止用設備等の固定資産税の減免措置については、対象設備を縮減した上、適用期限を三年間延長するほか、電気自動車について自動車税、軽自動車税及び自動車取得税の軽減措置を二年間延長することとしております。 以上をもちまして、昭和五十四年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
○木原委員長 以上で予算の説明は終わりました。 次に、公害等調整委員会の公害紛争の処理に関する事務の処理概要等について説明を求めます。小澤公害等調整委員会委員長。
○小澤政府委員 ただいまから公害等調整委員会が昭和五十三年中に行いました公害紛争の処理に関する事務につきまして、御説明申し上げます。公害等調整委員会は、公害紛争処理法の定めるところにより公害に係る被害に関する民事上の紛争についてあっせん、調停、仲裁及び裁定を行うとともに、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うこととなっており、これらの事務の概略は、次のとおりであります。 第一は、公害紛争についてのあっせん、調停及び仲裁であります。これらはともに、紛争解決の基礎を当事者の合意に求めるものでございますが、当委員会が管轄する公害紛争は、人の生命、健康に重大な被害を生じた公害に関する紛争、農作物や魚介類など人の生活に密接な関係を有する動植物またはその生育環境に五億円以上の被害を生ずる公害に関する紛争、新幹線鉄道及び航空機の運行により生ずる騒音に関する紛争並びに被害地、加害地が二つ以上の都道府県の区域にまたがる公害に関する紛争でありまして、いずれも、社会的に重大な影響を有し、かつ、広域的な見地から処理することが適当と考えられるものであります。なお、当委員会の管轄に属しない公害紛争につきましては、公害紛争処理法に基づいて全国の都道府県が設けております都道府県公害審査会等が行うあっせん、調停及び仲裁の手続によって処理されております。 第二は、公害紛争についての裁定であります。これには、責任裁定と原因裁定の二種類があり、ともに訴訟手続に準じた手続によって紛争を処理することとなっております。このうち、責任裁定は、公害による被害について損害賠償に関する紛争が生じた場合に、被害者からの申請に基づいて、その相手方の損害賠償責任の有無及びその範囲について判断するものであり、原因裁定は、公害紛争における被害と加害行為との間の因果関係について、当事者からの申請に基づいて、その有無を明らかにするものであります。 第三は、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うことであります。住民から申し立てられる公害に関する苦情の数と内容は、その地域の環境問題の指標的な意味を持つと同時に、公害苦情は公害紛争の前段階的な性格を有しておりますので、その適切な処理を図ることは、公害紛争の事前防止という面におきまして、きわめて重要な機能を果たすものであります。このような公害苦情の適正な処理の重要性にかんがみ、公害紛争処理法においては、これに当たるべき地方公共団体の責務を明らかにし、公害苦情相談員の制度を定めておりますが、公害等調整委員会は、この地方公共団体が行う公害苦情の処理について指導、助言、協力等をすることとなっております。 次に、昭和五十三年における当委員会の具体的な事務処理の概要を御説明申し上げます。昭和五十三年中に当委員会に係属しました公害紛争事件は、調停事件百三十七件及び裁定事件三件の計百四十件でございます。 その内訳は、不知火海沿岸における水質汚濁による水俣病調停事件百十三件、大阪国際空港騒音被害に関する調停事件二十四件、富山市におけるビル工事に伴う地盤沈下による建築物損傷責任裁定事件二件、東京都新宿区における地下鉄工事に伴う騒音、振動等による賃料等損害責任裁定事件一件でございます。このうち、昭和五十三年中に新たに係属しました事件は、調停事件五十二件でございます。 昭和五十三年中に紛争処理が終結しましたものは、調停事件七十九件及び責任裁定事件三件の計八十二件でございます。 調停事件で終結しました七十九件の内訳は、水俣病事件七十二件、大阪空港事件七件でございます。これらのうち水俣病事件は、水俣病と認定された患者に対するチッソ株式会社の損害賠償義務について、患者個々人ごとに具体的な支払い金額等を定める調停を成立させたもの等であります。大阪空港事件は、申請人九グループのうち一グループについて、同グループの居住地区に、当委員会の調停に基づき騒音防止対策の一環としての共同利用施設の完成を見たため、十月に申請の取り下げがありました。なお、大阪空港事件は、騒音防止対策について五十年秋に一部調停が成立しましたが、その後も残された問題について精力的に手続を進めました結果、三月に申請人と被申請人との間に空港周辺整備対策の推進等について一部調停が成立いたしました。 責任裁定事件で終結いたしました三件は、富山市におけるビル建築工事に伴う地盤沈下による建築物損傷事件二件及び東京都新宿区片町における地下鉄工事に伴う騒音振動等による賃料等損害事件一件でございます。これらについては鋭意審理を進めました結果、富山市における建築物損傷事件は、ビル工事と建築物損傷との間に因果関係が認められず、申請を棄却する旨の裁定を下し、また、新宿区の賃料等損害事件は、当委員会が紛争の早期解決という観点から、当事者双方の事情聴取を行う等積極的に当事者間を仲介して紛争解決に努めました結果、和解が成立し、申請は取り下げられました。 その他終結を見ていない事件につきましては、目下鋭意手続を進めているところであります。 次に、昭和五十二年度の全国の公害苦情の実態について申し上げます。当委員会の調査によれば、その総件数は、約七万件となっております。この苦情件数は、昭和四十二年度から昭和四十七年度までは引き続き増加を続けてまいりましたが、昭和四十八年度からは毎年減少しており昭和五十二年度においては前年度より〇・四%の減となっております。これを市町村別に見ますと、人口十万以上の市で〇・一%増、その他の市で〇・四%、及び町村で四・八%それぞれ減少しております。 昭和五十二年度の公害苦情件数を公害の種類別に見ますと、騒音、振動に関する苦情が最も多く三五%を占め、次いで、悪臭二三%、大気汚染一五%、水質汚濁一五%の順であり、これらで全体の八八%を占めております。 以上の結果を踏まえ、当委員会といたしましては、公害苦情相談指導者研修会等の研修を実施し、また、公害苦情処理の参考資料を作成、これを第一線において苦情処理に当たる公害苦情相談員等に提供し、あるいは個別の事案について指導、助言を行う等地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について、鋭意指導等を行っているところであります。 引き続き、昭和五十四年度の公害等調整委員会の予算案につきまして、その概要を御説明いたします。 昭和五十四年度の総理府所管一般会計歳出予算案のうち公害等調整委員会の予算の総額は、三億四千二百九十七万六千円でありまして、これを前年度の当初歳出予算額三億三千六百十八万二千円と比較いたしますと、六百七十九万四千円の増額となっております。予算案の内容は、当委員会に係属する事案の審理及び一般事務処理のための経費四千四百五十三万千円、公害紛争の処理について都道府県等と連絡協議するための経費五百二十二万七千円、公害の因果関係の解明に要する調査のうち、特に専門的、技術的要素の強いものを外部の研究機関に委託するための経費千七百二十七万四千円、公害苦情の実態を調査し、その処理について地方公共団体の職員に対する研修指導等を実施するための経費二千三百八十六万三千円のほか、人件費であります。 以上が昭和五十三年中に公害等調整委員会が行ってまいりました公害紛争の処理に関する事務の概要及び昭和五十四年度の予算案の概要でございます。 なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和五十三年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、追って所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 以上で公害等調整委員会の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十一分散会