P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
87回国会衆議院1979/05/09

決算委員会 第12号

発言数
193
登壇者
15
会派数
4
開催日
1979/05/09

会議録

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件の承諾を求めるの件、及び昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、並びに昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十二年度特別会計国庫債務負担行為総調書、以上二件及び昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。  まず、大蔵大臣から各件について趣旨の説明を求めます。金子大蔵大臣。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その二)外五件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和五十二年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、二千六百二十億円であり、このうち、財政法第三十五条予備費の管理及び使用の規定により、昭和五十二年四月二十八日から同年十二月十六日までの間において使用を決定いたしました金額は、千百二十八億四千八百二十三万円余であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年一月三十一日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百四十四億四千五十六万円余であります。  その内訳は、災害対策費として河川等災害復旧事業に必要な経費等の八件、その他の経費として国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等の十八件であります。  次に、昭和五十二年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、二兆六千五百五十七億五千百五十六万円余であり、このうち、昭和五十二年九月二十日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千六百九十五億四千九百七十一万円余であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年二月二十一日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は、八百十九億九千二百五十四万円余であります。  その内訳は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における調整勘定へ繰り入れに必要な経費、自動車損害賠償責任再保険特別会計保険勘定における再保険金及び保険金の不足を補うために必要な経費等六特別会計の十件であります。  次に、昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条歳入歳出予算の弾力条項の規定により、昭和五十二年五月二十七日から同年十二月十三日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、三百二十四億八千五百七十九万円であり、すでに第八十四回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和五十三年三月三日から同年三月三十日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、三百四十六億五千七百五十五万円余であります。  その内訳は、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額、国立学校特別会計における医療費等に必要な経費の増額等四特別会計の五件であります。  次に、昭和五十三年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は、三千億円でありましたが、補正予算(第一号)により、四百五十億円を修正減少いたしましたので、改予算額は、二千五百五十億円となっております。  このうち、財政法第三十五条予備費の管理及び使用の規定により、昭和五十三年四月十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千三百四十五億一千九百三十五万円余であります。  その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の十八件、その他の経費として、サケ・マス漁業の減船に伴う漁業者の救済に必要な経費等の三十一件であります。  次に、昭和五十三年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は、二兆九千六百二十八億八千三百三万円余でありましたが、補正予算(特第一号)により、百二十八億四千六十五万円余を修正減少いたしましたので、改予算額は、二兆九千五百億四千二百三十七万円余となっております。  このうち、昭和五十三年九月一日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました金額は、六百四十六億五千八百十九万円余であります。  その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における自主流通米流通促進奨励金の交付に必要な経費等七特別会計の九件であります。  次に、昭和五十三年度特別会計予算総則第十一条歳入歳出予算の弾力条項の規定により、昭和五十三年六月二十三日から同年十二月十五日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、百七十一億四千四百九万円であります。  その内訳は、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における国内麦の買い入れ増加に伴い必要な経費の増額等七特別会計の十四件であります。  以上が、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その二)外五件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。  次に、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書外二件の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和五十二年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は、八百億円であり、このうち、昭和五十二年発生河川等災害復旧事業費補助等三件につきまして、昭和五十三年三月三日の閣議の決定を経て、総額九十八億六千二百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  次に、昭和五十二年度特別会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度総額は、六百億円であり、このうち、空港整備特別会計における新東京国際空港用管制施設復旧整備等二件につきまして、昭和五十三年三月二十九日の閣議の決定を経て、総額九千八百二十八万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  次に、昭和五十三年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は、一千億円であり、このうち、迎賓館施設の整備につきまして、昭和五十三年十一月十七日の閣議の決定を経て、総額四億三千四百三十一万円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。  以上が、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書外二件の報告に関する件の概要であります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 速記を起こしてください。  これにて説明の聴取を終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 きょうは予備費を中心の質疑をする日なんですが、同僚の馬場委員から予備費に関しては専門に申し上げます。私からは、北富士における国有財産の払い下げ処分行政に関するその後の問題を取り上げて、最後に大臣からお答えをいただくようにしたいと思います。その後、国債を中心にいたしまして、現在大蔵省が何を考え、どうしているかをお聞きしたいのと、また地震保険についてお伺いをする、そういう順序でお伺いをしてまいります。  最初に、北富士の演習場問題でございますが、いままでもう何回となくこの委員会で論議をしてまいりました。大分前向きの答弁をいただいてはまいりましたが、その実行に至ってはほとんど見るものがないという状況になっておりますので、この点を主にお尋ねをいたしますが、最後に四点にわたって御質問をまとめていたしますから、それは次長なり担当局長で御答弁をいただく、その後五点目に大臣から締めくくりの御答弁をちょうだいする、こういう順序で申し上げますが、特に大臣は初めてだと思いますので、この問題について質問申し上げることをあらかじめ申し上げておりましたから多分予備的には知識をお持ちだと思いますが、私から一応おさらい的に簡潔に経過も含めて申し上げますので、大臣によくお聞きをいただきたい、こう思うわけです。  四月十一日の当委員会におきまして、私は、きょうこの問題を取り上げるということを予告いたしておきました。北富士の返還国有地二百十四ヘクタール、ここで現在繰り広げられております不毛な紛争と申しますか、まことに終わりのめどのつかない紛争がいま行われておりますが、この問題に関する大蔵当局の責任ある答弁をいただきたいというのが、きょうの趣旨でございます。  いま申し上げたように、大蔵大臣にはこの北富士問題は初めてだと思いますので、これまでの大蔵当局の国有財産処分行政の経緯を少しく振り返りつつ、問題点を整理し、現在北富士で惹起しております紛争を速やかに解決し、これ以上拡大させることのないように、具体的な対応策をもぜひ示していただきたいというのが、私のせんじ詰めた質問になるわけであります。  あらかじめお断りしておきますが、先ほど申し上げたように、きょうはほかの問題にも少し時間をとりたいと存じます。どうか答弁なさる際にも、当然の前提となっているような事実や、いままで何回も繰り返しましたあたりまえのことあるいは理論をまくら言葉にされることのないように、ひとつ答弁される側にも十分にお気をつけいただきたいと存じます。私もできるだけ時間をかけないように、質問点はここだというふうに最後にまとめてお伺いをいたす予定です。  さて、御承知のように、北富士演習場返還国有地の二百十四ヘクタールは、昭和五十二年九月に山梨県へ、林業事業を行うためという用途指定を付して払い下げられました。現在山梨県が地元の吉田恩賜林組合と分収造林契約を締結いたしまして、造林事業を行っているものであります。  しかし、この造林事業、具体的には植林でありますが、これが何の紛争もなく円滑に行われたかといいますと、決してそうではありません。暴行、傷害、放火等々の犯罪行為を伴いまして、ようやく形だけは植林が完了したようになっているだけであります。もちろん、これはもう済んでしまったことであるからもういいではないかと考えたいかもしれませんが、これは決してもういいと言って済むものではありません。  と申しますのも、第一に、かかる紛争が惹起することがあらかじめわかっていながら、国有地を払い下げたということに問題があると言わなければなりません。再三にわたって私はこの問題の起きることを指摘してまいりました。  第二に、紛争は惹起したがそれは一過性のもので、これからはもう繰り返されることはないかと言えば、決してそうではなくて、むしろ紛争は日常的なものになっているというように、いまなお紛争が拡大されつつあるところに、速やかに解決を図らなければいけない重大な問題があるわけであります。  それでは、なぜこのような問題が生じたのか、そしてそれがなぜ今日まで継続しているのか、その点について大臣はよく承知されていないかもしれませんので、この問題が惹起されるに至る経緯を確認しつつ質問を行いたいと思いますから、どうか大臣の御答弁も、詳しいことはわからないので後日検討した上で答弁をしたいとかおっしゃることのないように、これから私の確認していきます事実をよくお聞きくださって、直接に私の質問に答えてくださるようにお願いをいたしたいと思います。  さて、そもそもこの問題が惹起するようになった原因の本件国有地二百十四ヘクタールがどうして払い下げられるようになったのかと言えば、現在山梨県と契約を結んで植林を行っている吉田恩賜林組合が、昭和四十一年十月三十一日、国を相手として北富士演習場内における組合有地等に自衛隊を立ち入らせて演習をさせてはならないという自衛隊違法使用排除の訴訟を提起したのに対して、その訴えは取り下げさせ、かつは自衛隊が使用することに応ずることを前提に、それを約束してくれるならば返還国有地を払い下げるようにするということが防衛施設庁との密約によって決定されたのであります。これが事の起こりの初めなんです。私は、その意味で、この払い下げは国有財産を政策の具に供した典型的なケースであると断ぜざるを得ないのであり、まさしく財政法あるいは会計法の精神のじゅうりんでもある。そして、この払い下げが表面上、よしんば昭和四十八年三月三十一日の閣議了解で決定されたかのごときフレームアップを施されたといたしましても、その違法性、不当性は消滅することはないと考えます。しかし、ここでの問題点は、かかる違法、不当な払い下げを再び指弾するというところにあるのではありません。  そうではなくて、この払い下げ先がその後、この吉田恩賜林組合から山梨県に変更されてしまったという事実によって、この吉田恩賜林組合が、よし密約であれ国の約束違反をなじることのできる立場にあり、そのために、国としては強く物を申すことができないような立場になってしまい、この組合のやることなすこと一切を、違法であろうと不当であろうと黙認してきているということにあるのである。  もしそうだとすれば、北富士演習場維持のために払い下げが決定され、その不当性、違法性を指弾されると、その矛先をかわすために山梨県を払い下げ先とした。しかし、そうなると恩賜林組合は黙ってはいない。そこで、山梨県の一時預かりで県が、事態が鎮静化したなら再払い下げをするんだということになるのですが、それも法制上無理であることが明らかとなりまして、そこでそのかわりと言ってはどうかと思いますが、吉田恩賜林組合のやることなすことに一々やかましく物を申さないということで、この組合の顔を立てようとしているのではないかという疑問を持つわけであります。また、山梨県に対しても、実際上は名義人にすぎない、名義を貸してもらって払い下げたということであるならば、大蔵省としても強く物を申すことができますまいし、どうもこの北富士の払い下げにまつわるすべての問題は、この点の不明朗さにあると思うよりほかありません。もっと広い意味で申しますならば、北富士に関連するほとんどの行政は、北富士演習場の維持確保という一つの政策によって多くがゆがめられていると申すほかはございません。  今日、私が問題としている国有財産処分行政上の責任ということも、かかる政策によって大蔵省としては果たしたくても果たせないのか、それともこのような政策とは全然関係なく、本来的に果たさなくてよい、果たす必要すらないと考えているのか、ひとつこれを明確にしていきたいと思うのであります。  と申しますのは、御承知のようにこの二百十四ヘクタールの土地の払い下げの直前の状態というものは、忍草の農民、新屋の農民がそれぞれ牧草地、植林地、畑地として利用している状態だったのですが、これがそのままの状態で山梨県に払い下げられまして、いま申しました吉田恩賜林組合が植林を実行するということになると、これら農民と吉田恩賜林組合とが正面からぶつかり合うことになりまして、たちどころに紛争が惹起するであろうことはだれの目にも明らかであったのであります。  特に第一期植林実施区域とされている土地には忍草の農民の牧草地がありますので、植林者と牧草地を管理育成しているこの忍草の農民との対立は、一番最初に懸念されたところであったわけであります。他の植栽地、畑地はそれぞれ第二期、第三期の実施区域でありますから、その間の円満解決への努力ということも考えられるのでありましたが、この牧草地についてはそんなに時間的余裕があったわけではなかったからであります。  そこで、私は、そもそもこのような紛争をあえて惹起させるかのごとき大蔵省の国有財産処分行政に対しまして、たとえば払い下げをする年の五十二年五月十六日の本委員会におきまして、この払い下げ国有地上の入会権を主張し、現に同地を使用収益している忍草農民の存在していることを指摘いたしまして、これらの農民はいま正しい判断のもとでの解決を待っています。暴力で暴れようとか、血を流すような紛争をしようなどという考えは全然持っていないということになれば、現在問題があることがわかっている限り、この問題の解決をする時期はいつか。私は、これまで何年にもわたって、この国有地払い下げが解決しなかったが、この山梨県への払い下げを機会に、いまこそ問題の解決にレールを敷いてやることが、大蔵省があり、政治そのものがあり、私たち政治家、行政官が存在するゆえんを、大衆に信頼をもって知ってもらうゆえんだと思う。この払い下げを契機にして、この問題に今度は終止符を打たせるように、解決に向かってぴちっとレールを敷こうと努力をすべきである。このように、昭和五十二年の五月十六日のこの決算委員会で主張をいたしました。  申すまでもなく、これら農民は、同地を権利に基づいて利用していると主張しているのであります。本日特に問題としている牧草地に限って申せば、これら農民は入会権に基づいて牧草を育成していると主張しているのであります。すでにこれら農民は、昭和三十六年九月十二日の防衛庁長官の覚書を持ち出すまでもなく、旧来の慣習に基づき梨ヶ原に立ち入り使用収益してきた慣習を持っており、その旨を政府においても確認し、その慣習を将来にわたって尊重すると明言した政府の今日までの答弁でございました。そしてこの慣習が入会慣習であるということも、幾たびも政府は確認をいたしております。  しかし、言葉の上で幾らりっぱな約束をしてもらったといっても、それだけで忍草農民に確実な権利、利益を保障することになるものではありません。近代的土地所有権の確立した今日、入会権という土地所有者とは無関係に存在する権利をかち取るためにも、守るためにも、いつも忍草農民はみずから闘わなければならない状態にありまして、まだ本当にその権利実現のための具体的保障をかち取ってはいないのであります。  当然のことながら、すべての権利はそれが権利として成立するためにはその社会的担い手がなければなりません。その担い手、主体として、忍草農民が忍草入会組合という集団を結成しているのであります。農業をやっていくこと、それで生活ができ、暮らしていけること、これが悲願ですと忍草の人たちは言っています。私はこれは農民として当然の要求であると考えておりますが、御承知のように北富士におけるいわゆる農業環境というものは、高冷、火山灰という劣悪な条件にあり、これを補う採草地、また現金収入源である桑畑も極端に少なく、そこで梨ヶ原に入り会うことによって農業及び生活が維持できた。それが北富士の歴史です。それゆえその梨ヶ原が演習場となり、その利用が阻害され演習が激しくなるにつれて、農業を維持できなくなり、日雇い、土方として生活を維持していかざるを得なかったのであります。  この梨ヶ原国有地の払い下げに当たって、この国有地が忍草に最も近いところにあるせいでもありましょうか、忍草農民は、私たちを土方からもとの農民、百姓に戻してください、返還国有地二百十四ヘクタールを分けてくださいと、雨のそぼ降る東京の大蔵省前に二カ月間も座り込んでいたことは、いまでも私の記憶に新しいところであります。農業をやっていくこと、これまでやってきた農業をこれまでどおりの慣習に従って行いたいということは、余りにも当然の要求であり、正しい要求であると言えないでしょうか。旧幕時代の農山村の封建的社会関係と称される生活形態の中で、忍草農民はその体験と知識から入会権の意識を経験的に身につけ、それを自然なものとして行い、今日までその慣行を継続しているのであって、特定の理説や権威、権力によってもたらされたものではありません。何も抽象的に入会権があるのだ、したがって入会権をもとに別荘を建てて分譲したり、また権利の売買等をやって一もうけの種にしようなどと忍草農民は言っているわけではございません。忍草農民にとって入会権の主張は、農民として働くこと、それで生活ができるようにとの要求を実現する必要不可欠な主張なのであり、それなくしては農業を放棄せざるを得ないという意味において、本質的な要求として主張されているのであります。  言うまでもないことでありますが、法律制度の上で入会権が保障されているということは、必ずしも入会権者が現実に入会権を主張したりあるいは主張し得る条件があるということを意味するものではありません。入会権があっても、これを権利として自覚しない者もあり、自覚しながらも権利の主張をなし得ないような外部的な諸条件があると考えられる場合が世の中には多く存在しております。政府、防衛施設庁は、かかる主張ができないようにいろいろと策動してきたことは事実であります。  それはともかくといたしまして、法律によって保障された権利でも、これを権利だとして自覚し守ろうとする意思が存在しない限り、またこの意思を行動にまで移さない限り、また権利の行使をそれとして承認する社会的条件や社会的意識が存在しなければ、なかなか社会の中に実現され得ないのであります。私は、忍草農民がきわめて困難な条件の中にあって、それにもかかわらず入会権のあることを自覚し、これを主張しようとする意思を持ち、その権利の行使を承認させ、尊重させようとしていることに対して、法治国家である以上、大蔵省は慎重に耳を傾ける義務があると考えておるわけであります。  さて、それにもかかわらず、大蔵省が行政的判断で一方的に該権利の消滅、したがって入会権の不存在を論ずる以上は、いずれが正当な法的判断であるかは結局司法的判断が決定されるまでは不明であります。  そこで、大蔵省がかかる司法判断を得ないまま払い下げるというのであれば、決算委員会としては、去る昭和五十二年五月十九日の議決において「国有財産の処分については、利用権者、地元の意見を十分に尊重すべきである。」とし、大蔵省に政治的公平の見地から政治上の義務を課したところであります。このことは続いて同月二十四日の衆議院本会議で議決をされまして、当時の坊大蔵大臣も福田総理もこれを了承したのであります。  これまでに大蔵省は、払い下げ後いろいろとごたごたが残ろうということは考えられるわけであります、その問題については県が責任を持って対処するからということで、県を相手方として払い下げると、昭和五十二年四月二十日の決算委員会でも答弁がございました。これは吉岡さんからあったわけでありますが、最初は、大蔵省が払い下げることによって惹起するであろう紛争についての国有財産処分行政上の責任を山梨県にすりかえようとし、事あるごとに山梨県が、山梨県がを連発してまいりました。次いで、払い下げによって生じる紛争は、それが予見できる限り生じないように努力しなければならないとする行政上の責任は、大蔵省固有の、払い下げを行う担当省の責任であるとするたび重なる私の指摘に対しまして、何分地元問題は直接大蔵省がやるよりは山梨県がやる方がよろしいであろうという判断が先にございまして、県からもそういう希望がございますと言って、とりあえず大蔵省固有の行政上の責任を認めつつ、その紛争回避への具体的努力というものは大蔵省より山梨県の方が確実にできるであろうという判断のもとに、大蔵省が直接行動をとらずして山梨県に行わしめると明言してきたのであります。この答弁は昭和五十二年八月二十三日のこの決算委員会の記録にございます。  そして、大蔵省固有の責任の果たし方及びその担保として、一つには、払い下げに当たっては、山梨県が円満に地元問題を解決するために万全の努力を払うという条件がついておるし、したがって、山梨県は大蔵省にかわって万全に紛争を生じさせない努力をするだろうということであります。  そして二つ目には、この本地をめぐる種々の地元問題につきましては、山梨県に対して地元関係者と十分に話し合い、円満に解決するように指導してまいりたい、これも五十二年十一月十七日の当決算委員会で坊大蔵大臣から答弁がございました。  つまり、大蔵省としても、直接行動をとってもらうのは山梨県であるが、それは大蔵省のかわりであるのであるから十分指導していくと論じ、この方法をもって十全なものとしてきたのであります。  だが、冒頭申しましたように、紛争は惹起いたしました。暴行、傷害、放火等々。しかも、きわめて重大なことは、払い下げに即して付された林業事業第一次実施区域を牧草地として利用していた忍草農民に一言の話し合いもすることなく、あまつさえ暴力的にブルドーザーで一挙に牧草地を壊滅する挙に出たのであります。ここには、さきに述べた県の円満解決の努力などは一つだになく、万全の努力を払うという条件がついていることなどは白々しい限りと言ってもいいほどであり、また大蔵省が山梨県を、忍草農民と話し合いによるなど円満解決すべく指導した努力の跡も全くないのであります。  一体大蔵省の責任はどうなっているのか。事実大蔵省は何もしていないと思う。したがって、この点についての大蔵省の行政上の責任を私は厳しく追及しておるのであります。直ちに大蔵省が責任を持って忍草農民と話し合いをし、その損失などを補てんするように山梨県などを指導し、さらには忍草農民の利用を、話し合いによって結論がつかぬ以上、紛争惹起前の状態に戻すべきことを要求いたしたいのであります。これが少なくとも大蔵省のとるべき最小限の責任だと思うのでありますが、大蔵当局の答弁としては、この牧草地については円満解決の対象ではないと言って逃げようとするかもしれません。  その根拠とするところは、大蔵省が本件国有地払い下げに当たって国有財産中央審議会に諮問したが、その答申書には、檜丸尾の立木、新屋の農地という地元問題があると言っているので、その点だけをとらえて言っているのかもしれません。そして、これが現在山梨県が諸懸案問題と言っているところのものであるから、もし大蔵省がかかる答弁をするとするなら、それはいわゆる不当分類の虚偽であると私は考えます。  言うまでもなく、大蔵省の負うべき責任の対象は、払い下げによって生ずるであろうと予見される紛争について、それが生じないように努力すべき行政上の責任の対象であり、昭和五十二年九月の払い下げ時点で、農民が権利に基づくものとして利用しているところすべてを含んでいるはずだからであります。払い下げ時点において忍草農民は入会権に基づく利用として牧草を栽培しておりました。したがって、払い下げ時点においては忍草の牧草地すなわち栽培牧草地あるいは採草牧草地及び新屋の畑地という利用状況こそ、植林事業の実施が行われれば明らかに破壊され、紛争になるであろうと考えられたものであります。これがいわゆる地元問題だったのであります。  このことについては、大蔵省も当然の前提として、たとえば昭和五十二年六月八日の本委員会において、吉岡理財局次長は、「忍草の入会権なり新屋の永小作権というものについては、権利としては消滅しておると考えております。ただ、そこに植林された樹木があり、開墾された畑があるという事実は承知しておるわけで、ですから、それについて地元問題として県が円満な解決に努力するよう、国としても十分に指導していかなければならぬと考えておるわけでございまして、それを、権利がないから切り捨て御免でいいんだというふうに考えておるわけではございません。」 決算委員会の記録の二十六号の十四ページに吉岡さんのはっきりした答弁がございました。  また、払い下げ直前の五十二年八月二十三日の本委員会において、同じく川崎理財局次長は、二百十四ヘクタールには土丸尾地区の耕作地、檜丸尾地区の牧草栽培地、植林地が存在している事実を承知しているのかという私の質問に対しまして、事実は知っているが権利はないのでといままで主張してまいりましたのが大蔵省の立場でございます、事実は認めますが権利はないといまも考えていますと言って、これは決算委員会の記録の二号二十八ページにございますが、当然のことながら、この牧草地が円満解決の前提となっていることをはっきり言明いたしておりました。  ところが、山梨県等が一挙に忍草の牧草地を有無を言わせずに暴力的に壊滅させてしまったので、この始末をいかにしたら大蔵省が責任を負わないでつけることができるかどうかということで、大蔵省は払い下げ前に論じていた地元問題と、払い下げ後に山梨県が審議会の答申書に沿ったものと称し植栽地と畑地だけとする諸懸案問題と称しているものとを、同一なものであるとして、地元問題の内容を諸懸案問題にすりかえんとしているかのごときであります。そう見るより方法がないと私は存じます。  あるいはまた、牧草地には仮処分が下っていたということを理由とするかもしれません。だが、この仮処分の申請は昭和五十一年五月十五日、決定は同年六月十日ですが、いずれも中央審の答申前のことである。そして、その決定の内容は、忍草農民が入会地と主張している梨ヶ原で開墾、整地、耕作をしてはならないという現状不変更の命令である。既墾の部分について牧草の収去を命ずるものではございません。牧草の除去権を国に与えるものでもございませんでした。しかも、牧草収穫はこれを忍草農民ができるということについての法的障害になる決定でもございません。逆に言えば、牧草を適法に除去しなければ山梨県は適法に植林を行えるものではないということが明らかになったのであります。紛争を惹起することなく適法に植林を実行せんというのであれば、山梨県はどうしても忍草農民との話し合いによって除去してもらう以外に道はなかったのであります。したがって、この仮処分の決定が存在することをもって、牧草地を地元問題から外して、地元問題は現実的には中央審の指摘した諸懸案問題であるということにする根拠には全くなり得ないのであります。  以上を前提といたしまして、大蔵省の責任と今後の具体的な対応策を、次の項目に即して明らかにしていただきたいと思うのであります。  その第一は、忍草の牧草地、すなわち栽培牧草地、採草放牧地の問題について、大蔵省は責任を持って今後再び紛争が起こらないように指導すべきだと考えますが、その指導をしていただけますか。いままではやっておりませんでしたがいかがでしょうかが、第一点であります。  二つ目に、指導がない限り必ず不毛な紛争が継続いたしまして、植林もできなければいわゆる入会利用もできないといった、全く無意味な不毛な状態が続くと思います。したがって、指導しないというのであればその理由をお聞かせいただきたい。指導をするとすれば、その調整の基準をどこに置くのか、これもまたついでに明らかにしていただく。  この二点をまず先にお答えをいただきたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  まず最初に、牧草地の問題といわゆる諸懸案というのは違っておるということを申し上げたいと思いますが、この二百十四ヘクタールの払い下げの前提となりまして県の方で責任を持って円満に解決をするという諸懸案には、牧草地の問題は入っていないわけでございます。それが一つでございます。  しからばどうして入ってないかということでございますが、諸懸案にいたしております檜丸尾と土丸尾の問題でございます。この地区には現在では権限はないと考えておるわけでございますが、かつては国が一時使用許可をした。そういうことに基づきまして耕作をしあるいは赤松を植えたというその時点では、適法に行われておったわけでございます。しかしながら、国管法の規定によりましてその権利は自動的に消滅をしたわけでございますが、現状としてはそういう状態が続いておる。そういうような経緯を踏まえましてこの二つの問題につきましては諸懸案といたして県の方で円満に解決をしてもらう、こういう前提で払い下げをしたわけでございます。  御指摘の梨ヶ原地区の牧草地の問題でございますが、これは御承知のように五十一年の四月に忍草入会組合が入会権があるという主張のもとでその一部を開墾して種をまいた。このときに、国といたしましては口頭あるいは文書をもってそれを中止するように求めるとともに、先ほどお話がありましたように仮処分申請をして、仮処分決定があったわけでございます。したがいまして、諸懸案は当初は適法な状態で耕作あるいは植林をしたというものとは性格が異なるわけでございまして、牧草地の問題はいわゆる諸懸案ではない、こういうふうに考えておるわけでございます。  それで、この牧草地の問題をめぐりましていろいろなトラブルが起きたということは承知しておるわけでございますが、全く権限なくして——ここで入会権があるかなしかという問題はあるわけでございますが、政府といたしましては従来から入会権は存在しないという考えできております。そういう権限のない状態で開墾、播種をされたとしますと、生える牧草というのは、民法の規定で当然土地の所有者のものになるということでございます。  それから、そういう播種、開墾をしたということで、そこに民法で保護される占有という状態が生じたかということでございますが、単に開墾、播種したというようなことでは、民法で保護するような排他的な占有権というものは生じていないと考えておるわけでございます。  したがいまして、山梨県が植林に当たって法的手続をとらずに牧草地を開墾したということは違法ではないと考えておりますが、この問題につきましては現在仮処分から本案訴訟になっておりますので、国としてはその判決に従ってこの問題を解決せざるを得ない、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 私、前段にも言っているのだが、次長は居眠りして聞いていたのかどうか知らぬけれども、ぼくが聞いたことにずばっとそのまま答えてもらいたい。いまぼくに対して何を答えたのだ。何も答えてないじゃないですか。指導するかしないか、しないならしないと言って、理由は何だ、こういうふうに答弁してもらいたい。何も答弁してないじゃないか。いままでの答弁は全部が納得できないのだけれども、それに一々反駁する時間はない。従来ここでやりとりしてきた記録をもう一遍よく見てもらいたい。私自身もまた質問をしなければいけない事項が出てきました。  しかし、二つだけちょっと言っておきたいのは、この牧草地等は諸懸案事項の中に入っていない、これを一方的に決めつけるのだけれども、現に牧草栽培を行っていた事実のあることが紛争の種になっていた。その牧草地というものが諸懸案事項の中に入らないというはっきりした理論的な根拠というものが一体どこにあるのだろう。大変一方的な勝手な独善的な解釈なんだというふうに考えざるを得ないのが一点です。  もう一つは、入会権の問題は認めない、しかしながら、現に牧草栽培その他を行ってきた慣行に対しては永久に尊重するということを政府自身が何回となくはっきりと言明しているこの事実を、一体どうして一方的に否定をなさるのか。全然それがないなんというばかなことはない。この慣行というものは入会権とは別に永久に尊重をするということを、あらゆる機会に政府が言明をしている。それを次長が一方的にネグった考え方の答弁をされている。これも納得ができない。  そのほかいろいろ納得できない問題がありますが、それはさておいて、いま私が申し上げたような、一つ二つに分けたいわゆる不毛の紛争が現在起きていることは事実であります。  御存じでしょうが、昨年の植林はすでに大半が実際植林の状態になっていないのです。もうすでに植林を再び行う時期が来ています。その植林が満足に植林という状態で育つという保証を求めることは、昨年の経過から見て全然不可能だと思います。事実、去年のああいった大きないわゆる不当と考える側からの反撃というものが決してことしは行われないという保証は全然ありません。私は、私の立場で個人的に言うならば、間違いなくもう一度行われるだろうと思う。来年もそうだと思うのです。  暴行、傷害、放火等を伴うようなあの事件がまたことしも起きる時期がやってきた。本来ならその前に、払い下げのときに私が忠告したように、山梨県、山梨県で逃げてしまわないで、大蔵省自体の責任で解決して後に山梨県に払い下げをすべきであったと何回も指摘しているように、当然そうしなければいけなかった。それをしない。私が起きますよと言ったとおり、こういった事件が起きる。起きてからも、とにかく山梨県が責任を持って地元問題、諸懸案は解決すると言っているから大丈夫だ、山梨県に任した方がいいと言って、大蔵省は自分の責任を全然とらないで山梨県に肩がわりさせて、しかも指摘したとおりの事件が起きている。その事件がまたぞろことしも起きる。こんなことが予見され、しかも現実に昨年経験をしている。それと同じかそれ以上の大きな紛争が再びことし起きる時期が来た、植林の時期が来たというときに、その紛争が起きないように、山梨県に対して国としても責任を持って十全な指導をすると言った払い下げ時における条件を、いまこそ実行する責任を大蔵省は負うべきだというのが私の指摘なんであります。  紛争が起きるであろうことが予見されているのに、去年の起きたときにもその前に指摘したのに、そんなことはない、心配ないと言わんばかりの答弁で、山梨県がうまくやります、円満にやるはずです、こう言ってやってさておいて、実際にはとんでもない事件が起きた。いま私がまた同じように二度指摘をする。ことしの植林時にまた起きるということが予見される。ちっとも事態は好転していないのだから同じことが繰り返される。ばかげたこの不毛な紛争というものが予見される。一度予見されているのに見送って遂に紛争を起こしてしまった。しかも、それは山梨県の責任だ、山梨県を指導いたしますと言ったまま適切な指導が行われていない。またぞろ同じことを繰り返す。こんな法治国家がありますか。少なくとも政府があるなら、このような予見される事態に対しては、しかもそれが全く同じような経験を昨年経ていてまた行われることが予見される、その再再度の予見を前にいたしまして指導をすべきだと私は言うのです。  その指導を適切に行うのかどうかを答えていただくのが第一問。  二つ目には、もし指導を行わないというなら、指導を行わないという確たる理由をここではっきりしていただきたい。  それが第一、第二の質問でございますから、それにだけ答えていただきたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 いわゆる諸懸案とは違うということを前提としてお話をしたいと思いますが、払い下げの前提となって県が責任を持って地元問題を解決するという事項の中には入ってないということが一つでございます。しかしながら、この植林作業が円滑に行われるという点から見ますれば、いろいろな問題がそのほかにもあるかと思いますが、それについては一般的にいいましてトラブルがなく、円滑に話し合いでいくということが非常に望ましいわけでございますので、その面から山梨県の方を指導してまいりたいと思います。  しかし、その内容といいますか本質的な問題は、土丸尾、檜丸尾の問題とは違うということを前提としてのわれわれの考え方でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 第一問の指導をするということはやる、こうおっしゃったわけですね。しかし、前提として違った立場で、再度繰り返して、この牧草地が諸懸案事項の中に入っていないのだというたてまえはとります、こういう説明でございますね。  そこで、植林そのものを行うことが目的で国有財産の払い下げを県に行った、県が植林を行うことが目的で行ったその払い下げに付随して起きるいろいろな紛争、まだ起きない以前に私が指摘したときに、植林というものを目的にして払い下げを行う、そのこと全体にかかわり合って起きる紛争その他に対しては、まず山梨県が責任を持つと言うから大丈夫だ、国は十全の指導を行います、こういったことを別個にいままでずっと言明をしてこられた答弁の内容と、いまの問題が諸懸案事項の中に入るかどうか、いま答弁されたことはどういうかかわり合いになるのか、これをひとつついでに、時間がないからもったいないけれども、これだけはおもしろいから聞いておきたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 当時の速記録を読んでいませんので、どういう答弁をしたかはっきりはわかりませんが、当時から牧草地があるという事実はわかっておりました。しかしながら、それは権限なくして牧草が植えられたものであるということもありますので、それを前提として事柄を処理したいということが従来の考え方であったと思いますので、それにつきましては現在も同じでございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そのことを質問したのじゃないが、またついでに言わざるを得ないのだが、そういうことになると、いま言ったように、永久にその慣行は尊重するという大前提がある。一方的に、大蔵省はこう考えます、こういう立場でございます、片方の側からいたしますと、永久にその慣行は尊重するという大前提がある、国家のお墨つきがあるのです。したがって、それをやっている中で、いまの忍草の牧草地に対する入会権の問題あるいはまた仮処分の問題等が後で発生いたしましたが、永久に尊重するということが慣行として認められてという前提にあるのですから、片方の側から言えば、当然の権利としてそれを行っているのを含めて国有地全体二百十四ヘクタールの払い下げを行う、しかも植林が目的だといったときには、牧草地だけは植林が行われるときにどんな問題が起きようとこれは別個なのだということを、あの払い下げの時点でいずれも解明をしたり、分析をしたり、明言をした事実はない。いままでの記録ももう少し整理をして、あなたにも読んでいただくし、私もこの問題に関してはもう一度大蔵省に対して私の考えを明らかにして、はっきりとけじめをつけるようにしたいと思います。  指導をされるというその事実があるから、一応時間的な都合で指導をしてもらうことにいたしますが、今後のこともありますから、ここで大蔵省の見解を明らかにしておいていただきたいのですが、一般論として、現状不変更の仮処分が決定された場合に、係争地上にある債務者の物を債権者が破壊することが法的に許されるものかどうか、どう考えておられるか、その法的根拠を示してその理由を明らかにしていただきますと非常にありがたいのです。これはいま係争中の問題ですが、重要なことにもなりますから、いまのような現状不変更の仮処分が決定された場合、係争地上にある債務者の物を債権者が破壊することが法的に許されると考えられるかどうか、考えられるとしたなら、その法的根拠を示して、その理由を明らかにしてもらうと大変都合がいい、こう思います。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 具体的な問題とは別といたしまして、現状不変更の仮処分があった——この件につきましては、現状不変更ではございません、開墾してはならないという仮処分でございますので、現状不変更とはちょっと違うと思いますが、一般的に現状不変更の仮処分があったということであれば、まさに現状不変更でございますから、変更することは許されないのだ、こういうふうに考えます。  しかし、本件は現状不変更ではないという、開墾してはならないという仮処分でございますので、念のため申し上げます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この仮処分の決定を現状不変更ではないと考えるのも一方的なんです。これを、専門家がきっと大蔵省にもいて検討しているのだと思うのですが、現状不変更というふうに解釈する方が正しいと私は信じている一人なんです。しかし、それをそうではないのだという解釈でおやりになる、あるいは対処していく道もあると思います。それはあなたの方の勝手ですが、これは現状不変更の決定なんだ。新たに開墾してはいけないということを意味することも一面あると思います。開墾そのものをいけないという意味ではない。そういう広い意味の開墾をしてはいけない、いままでやってきたことをそのまま開墾と見るなら開墾をしてよろしい、いわゆる現状不変更だというふうに解釈すべきだというのが私の立場ですから、したがってこれもその解釈に対してどのような解釈をするかはおのおの違って、今後の問題としていく以外にはありません。ただ、いまのように不変更だということになれば許されるものではないという答弁がありましたから、それはそれで結構でございます。  そこで大蔵大臣に、最初から申し上げたように、締めくくり的に御答弁をちょうだいしたいのです。これから申し上げますが、まずここで総括的にさらってみたいと思います。  去る昭和四十五年、米軍演習場から自衛隊演習場への使用転換が喫緊の政治日程に上りますと、政府、防衛施設庁は、北富士演習場の林野に関係する権利者で構成された権利者協議会の解体分断をはかりまして、同権利者協議会の中心的存在であった恩賜林組合への国有地百五十ヘクタール以上の払い下げという密約を結びました。あるいは借り上げ料の近傍類似の賃借料に比べまして破格の大幅値上げを実施するなどいたしまして、その目的を達成したのであります。  そして、その達成がされますと、一方的に入会補償たる林雑補償金を、補償金ではなく見舞い金であると宣言をしました。入会権の確立を悲願とする忍草入会組合の闘う姿勢に対しては、個人への見舞い金を入会組合のものとして使用しているとして、立件不能とわかっているにもかかわらず、家宅捜査、任意事情聴取と称して刑事弾圧を行わしめました。それでもなお忍草入会組合員がほとんど一体となって入会権の確立、擁護を主張してくると、山梨県が実質上主導する北富士演習場対策協議会、演対協の会長に白紙一任をしなければ林雑補償金は支払わないとする処理要領になるものをつくり出しました。忍草入会組合には交渉拒絶をもって報いまして、すべては演対協を通じてでなければ話し合いすら行わないということを宣言しました。さらには、林雑補償金の支払い拒絶をもって忍草入会組合の分裂を促進し、忍草入会組合脱退者グループの団体結成を好意をもって迎えまして、忍草入会組合と脱退者グループとの間の差別を積極的に促進しました。そして現在に至っているのであります。現在本件土地に入会権の存在を主張しているのは、ひとり天野重知氏を長とする忍草入会組合のみであります。  これを世上忍草三十年の闘争と言います。みずからの要求こそ正当であるという自覚の伴わないところに闘いは起こらないし、継続いたしません。いまもって忍草の闘いは入会権確立のための闘いであります。忍草農民は、北富士梨ヶ原に入会権があると自覚し、これこそ日本民法典のうちに制度的に認められている入会権だという自覚を持って、その権利の擁護、確認を求めているのであります。いわば古き権利ないし古き慣行の維持、回復を目指す保守的な闘争であります。したがって、大蔵当局が、適当にあしらっておけばそのうち何とかなるだろうと考えているとするならば、それはとんでもない間違った判断であります。まことに、古きよき慣習が一朝一夕に成らぬと同様に、一たん成立した慣習が深く農民の現実の生活と結びつき、それが命となっている以上は、忍草農民が一人でも生きている限り、いかなる力をもってしても絶対に消滅させることができないと私は信じています。  再び植林紛擾一周年の五月、いまその月を迎えました。ここでまた昨年と同じ轍を踏み、不毛な紛擾を繰り返さないためにも、大蔵省が積極的にその国有財産の処分についての行政責任を果たされるように強く要求したいと思います。  すなわち、払い下げによって生ずる紛争は、それが予見できる限り生じないように努力しなければならないとされている大蔵省固有の行政責任を正当に果たし、この牧草地、つまり栽培牧草地と採草放牧地についてすでに果たすべき行政責任の対象であると明言しておきながら、一たん事が起こるや、ここは国の行政責任の対象ではない、そのことは諮問機関である中央審議会の答申に明示されていなかったからだというがごとき問題点のすりかえを行うことは、断じて許されるものではありません。繰り返すまでもなく、払い下げ以前には大蔵省自身この牧草地問題の解決を、檜丸尾植林地、土丸尾農地の解決と同様に明言したはずであります。ましてや本委員会での議決もあります。そしてこれは衆議院としての議決でもあり、大蔵省、総理大臣もこれを了としたはずであります。どうかこの払い下げの原点に立ち返って、真っ正面から大蔵省がこの問題に取り組まれて、一日も早くこの陰うつな、陰湿な、しかも命をかけた不毛の闘いを再び起こすことのないように対処していただきたいことを心から要求してやまないわけであります。  この点について、いままでのやりとりもお聞きになった大蔵大臣から、誠意ある前向きの積極的な答弁をいただきたいと思うのであります。  いずれにいたしましても、一日も早くこの不毛の紛争、まだ起きることが予見される不毛の紛争を何らかの形で起きないようにするという、これは政治家たる私たちあるいは国の行政責任者の当然の義務だというふうに私は考えておりますので、この点を強くきょうは大臣の決意を聞いて、一応終わっておきたいと考えています。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いまお話しの問題は、長い経過といろいろな交渉の過程があったようでございまして、私も就任してまだ半年足らず、実は内容をよく承知いたしておりません。あなたの御指摘の点を今後もひとつ十分見直してみたいと思うのですが、問題の国有地はすでに国有財産審議会の議を経て払い下げになっておることでございますし、問題は、今後発生すると予想されるようないろいろなトラブルを極力食いとめることが一番大事だと思いますので、そういう点につきましては山梨県とも十分ひとつ打ち合わせをして、どういう対策があるか検討さしていただきたいと思います。  法律問題がこれに絡んでおって、忍草の入会権が法的にないという考え方の前提に立って大蔵省の払い下げが行われたわけでございますので、その問題を絡めていま訴訟になっているようでございます。そこら辺のいきさつも私十分また検討さしていただきまして、極力円満にこの問題が片づくように希望し、また努力をしたいと考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 大臣、実は入会権の問題が中心ではないと見ていいのです、もうここまで来ますと。入会権の問題は司法の判断を待つ以外ないのじゃないかと私も思うのです。しかし、入会権にかわるものとして古き慣行というものを尊重し、これを認めるというのが大蔵省の今日までの、否総理なりあるいは国としての答弁で過ぎてきたわけでございますから、したがって、これも先ほど次長からはああいう答弁がありましたが、私が申し上げたようにこちらの側の主張、考え方、正しいと主張し、命をかける主張に対し、また大蔵省が少しく違った見解を持つ、これもあっていいと思うのですが、いずれにしてもその問題を早期に解決する責任はだれにあるかというなら、国有財産を払い下げるときに、円満に地元の問題は解決をして問題ないようにいたします、山梨県に任せれば大丈夫だと言って決断を下して大蔵省が払い下げた、その大蔵省にあることは間違いない。したがって、大蔵省主体で、その後、払い下げ後に起きた行政上あるいはその他の問題に対しては何とかして解決をするための大蔵省、国としての責任ある行動が急遽ここで持たれなければいけないというのが私の主張でございますから、ぜひ大蔵大臣も、いままで余りお聞きになっていない問題をいきなりきょう話をされて、それでぴしっと返事を求められても、私だっていまいきなり聞かれたってわからないのですから、ひとつ十分に検討をしていただきますが、十分に検討するその検討も半年かかったり一年かかったのじゃもう事はまたどんどん進んでいきますので、ぜひまた次の機会がありましたら、十六日に総理に対しての質問の時間がありますから、総理に対してもぴしっと、もし大蔵大臣から事前にこういう問題に対してはこうだという回答があれば、それに対しての総理の見解をまた聞くこともできると思いますが、できる限り、大蔵省と私どもの間で問題の解決へ向かって一歩でも二歩でも前進できるような努力を、私にもはっきりとわかるように大蔵大臣としてもそれをお示しいただくように。これはもうむしろ私は長い間やってまいりまして体ごとずっぷりこの問題につかっております立場からも、ぜひ早期に、いま目前に起きる問題であるこの問題に対しては何らかの手を打てるように対処していただくことを切に要望して、終わりたいと思います。よろしゅうございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 原さんのいまの御要望十分承りました。私どもとしましては誠意をもって最善の努力を尽くしたいと考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それではこの問題はこれで終わります。  そこで、最初に地震保険の件に関してちょっとお尋ねをしておきたいのですが、きのう実は大規模地震対策特別措置法を中心にいたしまして、近く六県、百五、六十市町村の線引きが行われることを前提として、国土庁長官にもいろいろと質問をいたしてまいりました。地震予知を中心にいろいろ質問をしたわけでありますが、それと関連をいたしまして、私、気になっておりますのは、地震保険というものはどうもあることはあるのですが、実際には大衆の信頼する地震保険になっていない。大蔵省は大蔵省でこの問題を、宮城県沖のあの地震を契機にしただろうと思うのですが、保険審議会で検討をずっとしてきて、もう恐らく何らかの対策が、検討の結果が出ていると思うのですが、一体いままでのような地震保険、たとえば損保会社と農協の比較があの宮城県沖の地震以来出ておりますが、どうも実際に保険をかけている人間の立場から言うと、農協の方はとにかく損害があればそれだけに応じてくれるのだが、損保会社の分は八〇%以上の被害、全損といわれる形にならないと発動されない、これでは困るというようなことに対して、何とかしょうという大蔵省の老婆心での検討がされていたはずですが、その後どうなったか。たとえばいままでの限度額がどういうふうに変わるのか、ないしは保険料のいままで積み立てておりますものが損保会社自身が五百億ですとかあるいは政府がこれに対応して六百何十億とかというようなものもできておりますし、また恐らく被害の何十%程度までは損保会社自身でやる、被害がある程度以上になってくると損保と国とがどのくらいの割合で持つ、ほとんど全滅的な打撃を受けたときには政府が五〇%めんどうを見てやると言っても限度があるというようなことまで論議をされて、地震保険に対するある種の改正というような案ができているのではないかと思うのですが、その案がどういう方向で進んでいるかをひとつ御説明をいただきたい。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 お答えいたします。  御指摘のように宮城沖地震で世人の批判を浴びまして、私どもは早速この地震保険を改正しなければいかぬということで、昨年の十一月に大蔵大臣の諮問機関でありますところの保険審議会に付議いたしまして、その後大体一カ月一、二回のペースで審議が行われておりまして、三月の末に一応審議が一わたり終わりまして四月の初めに取りまとめの段階に入ったわけでございます。  その骨子を申しますと、いま先生御指摘のように、全損しか持たないという点を改めまして、建物につきましては半損までこれを保険の対象にしよう。  それから家財でございますが、これは建物以上に非常に査定がむずかしいわけでございますが、これも全損だけでそれ以上見ないというのは保険としていかにも貧弱ではないかということで、相当フィクションを加えまして、全損に至らなくてもある程度の金額を払ったらどうかというようなことで、審議会がほぼそういう方向で進んでおります。  それから、金額に入ります前に、現在付保制限というのがありまして、元の契約の三〇%しか払えないようになっておりますが、これではいかにも貧弱であるということでそれを上げようではないかということで、いまの案ではでございますが、大体三〇から五〇くらいまで上げようではないか、ただし御指摘のように保険料の負担も増しますので、その間で契約者の選択の余地を残す。金額ベースでやったらどうか、三〇とか五〇とか確定しないで、上限をつけまして、その間で契約者の選択の余地を残したらどうかというのがいま一つの案でございます。  そういうふうに半損まで持ちましたりそれから付保割合を増したりしまして、いよいよ限度額の問題になりますと、当然いま御指摘のような、民間がどのくらい持つか、それから政府がどのくらいまで持てるかという財政の負担力、民間の負担力の問題になりますので、いま金額につきましてさまざまなモデルケースをつくりまして、御指摘のようにいま二百四十万でございますね。それを倍に上げたらどのくらいになるかというようないろいろなモデルケースをつくりまして、財政当局ともぼちぼち折衝に入るような段階になっております。  審議会の日程を行政の方から縛るわけにはいきませんが、早急にこういう案を固めまして、また審議会を再開いたしまして、なるべく早い機会に答申をいただきたい、答申を得次第成案を得たい、そういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 一度の地震の被害というものが四百五十億円以内なら全額損保で持つ、それ以上だったら二千二百五十億円までは国の方で考えるとか、あるいは一兆二千億円以上の被害だったら国が九五%持つとかという、財政側からいままでそういった一応の取り決めがあったようですが、それはどうなるのですか。今度変わるのですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 そこがまさしく問題でございまして、いろいろのモデルケースによりまして民間の負担限度額がどのくらいになるか、政府がどのくらいまで持てるか、これはいろいろ判断の問題がありますが、そういうスキームはいまのところ変えるつもりはございませんが、その金額がどうなるかは今後の話だと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 それをいつ一ごろ決めますか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 財政当局との話し合いの問題でございますので私からお約束できませんが、私の希望としては五月いっぱいには決めたいと思っておりますが、財政当局もここに来ておりますので私からそれを余りはっきり申し上げることもできないので、御勘弁願いたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 主計局長さんおいでになっているが、五月いっぱいにはそれをお決めになる。大規模地震対策特別措置法による線引きが終わって、各自治体からの作業計画も上がってきて、これがきちっと告示をされて実際に発動されていくというのが大体の目安としてはことしの末、十二月には発動する、こう言ってきのう答弁があったのですが、地震はいつ起きるかわからないのですね。したがって、線引きが実際に発表されますと、線引き内に入った人々はまた地震保険というものに対する大変な関心を持ってくると思うのですね。  ところが、従来どおりではなくて、いままでとは変わって五月いっぱいまでには半損まで何とかする、あるいはいままで三〇%までだったものを五〇%にするためには負担する料金も多くなるというようなことにしても、五月いっぱいに大体の案ができていつ実施するかわかりませんが実施する、実施をした途端に、いやなことですが地震が起きたということがあると、八月いっぱいに予算の骨子が大体できるような報道がされていますが、予算面でも、新たに改正された地震保険料の裏づけをある程度ぴしっとするということは前提になっているのでしょうか、なっていないのでしょうか、これはどうなんでしょうか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 私の答弁がちょっと舌足らずでございましたので補足させていただきますが、私は、五月いっぱいには何とか財政と話をつけたいというだけで、それから保険審議会の答申というのははるかにおくれます。はるかにと言うと申しわけございませんが、恐らく六月の半ばくらいになるかと思いますが、それから改定作業に入るわけでございまして、これは法律改正の問題がございますのでそういう手続を踏んでのことでございますので、一応の日程はそういうことになっていることを補足させていただきたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 なるほど、そうすると、法律問題もあるからちょっとことしいっぱいに間に合う予算づけをするというようなわけにはいきそうもないですね。どうですか。

貝塚敬次郎大蔵省銀行局保険部長

○貝塚説明員 少なくとも今国会に提出することはむずかしいという段階でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 とにかくこれは大至急に進めていただいて足並みをそろえていただくように、できるだけひとつ大臣にも注意を払ってもらいたいと思うのですね。いつ起きるかわからない地震ではありますけれども、せっかく線引きも行われるということがもうすでに発表されていますから、そして十二月末にはぴしっとこれがスタートするわけですから、その前後に地震なんかが起きたときでも、ぴしっと改正の新しい地震保険によってできる限り救済をしてやるというようなことができるようにしてやってもらいたいと思うのです。臨時国会があるのかどうか知りませんが、そこへ出したら一気にわれわれ協力をしたいと思います。できるならその線引きを実際発動をして、そしてこの年末にこれがスタートをするといったときに間に合うように、何か地震保険だけがおくれないようにしていただいたらと思うのですが、大臣、どうでしょう、ひとつ協力いただきたいと思うのですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 せっかくいま保険審議会でいろいろ議論をしていただいておりまして、結論の出次第早い機会に国会で御審議いただきたい。お話にございますように地震はいつまでも待ってくれておりませんから、私ども早く出したいという気持ちでございますが、まだいつの国会というお約束ができないのが大変残念でございますけれども、ひとつ早急に提案申し上げたいと考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 そこで、地震問題はそれで結構ですが、国債の問題について少しく大臣のお答えをちょうだいしたい。  国債消化、これはいま大変な問題になっているのですが、このために七項目の国債管理政策を大蔵省がまとめました。長期を中短期のものに変更する、これが骨子になっているのですが、この七項目が行われたからといって国債消化は大丈夫だとは私は考えないという前提でお伺いをするのですが、一つには、基本的には国債減額、全体的ないまの国債を減額していくということを考えることが大前提だと思うのです。これに対してはどうお考えになっているか。  二つ目に、長期の十年ものについて償還期限を六年から七年に短縮を考えているという新聞報道がありましたが、これは既発行の分の短縮、これからの十年ものに対する短縮、どちらかわかりませんが、やるとしたらいつごろからどのくらいの額を考えているのか。  三つ目に、私募国債の導入を検討するということがありますが、私募国債の導入が本当に検討されているのか。これをうっかりやることになると、財政当局というのは安易に資金調達にこれを利用する、そしてかえって悪循環で市場を撹乱するというようなことも起きてくる心配があると私は考えますが、私募国債の導入を本当に考えているのかどうか。  四つ目に、国債価格が、いまは暴落と言っていいのかどうか知りませんが、もっと落ちるといったようなときの市況てこ入れといいますか、そのために国債整理基金が一応準備されているわけですが、それが発動されたからといって、市場が安定するような効果があると言うにはタイミングなり金額なりの点で大変問題があり、疑問が多いのですが、一応五十三年度末でたしか一兆三千億円かの残高があると聞いておりますが、これは効果があるというのでそういった準備をこれからもするのか。私はむしろ、時によっては一兆三千億円もあるものが何かほかに使われることを通じて国債消化に間接的、直接的に役に立たせるとか、国債の減額に役に立たせるとかにある程度の検討を加えていい時期が来ているのではないかという気がするのですが、どうお思いになりますか。  まず四つ、簡単で結構ですから大臣からお答えいただきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 第一点の、国債は減らさなければなかなか安定しないじゃないか、お説のとおりでございます。私どもといたしましては、今後極力減額してまいりたい。今日の国債の発行状況では来年度は大幅に国債に依存する予算は組めない、思い切った減額をやっていく必要があるということを考えております。  それから、順序不同になるかもしれませんが、第二点の十年債を六、七年債にいつの時分から切りかえてどれくらい出すかという点は、これはまだシンジケート団との話が進んでおりませんから、金額、時期等については決まっておりません。  それから第三点の、安易に私募債に頼るなという点でございますが、私もそのとおりに思います。ただ、業界によりましては、私募債になりますと長期安定で私どもの方も好都合でございますし、向こうも多少金利が高くなるわけでございまして、そういう希望の向きもあるわけでございますので、これは今後の話し合いによるわけですけれども、そう大きな金額で、それこそ何兆というような金を消化できるわけではないと思っております。ただ、これは原先生御承知のとおり、ヨーロッパ各国でも相当使っておりますので、日本もそういうことを考えてみたらどうかということでございます。  それから最後に、国債整理基金での買い支えの問題。これはたとえば預金部資金もすぐ使わないで余裕を持つ場合もありますから、そういったものを利用して——いま一番国債の価格の足を引っ張っているのは、去年発行いたしました六分一厘債なのです。これを時期を見てある程度買い支えることが必要なので、それ以外の、その後上げたものはいまのところはある程度安定的に推移いたしております。問題は六分一厘債が足を引っ張り過ぎるということ。これの買い支えをいま言ったようなことでやっていったらどうだと考えておることを率直に申し上げておきます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 第一の基本的に減らさなければだめだという問題に対して御答弁があったのですが、確かに大臣も減らすことは必要だとお考えになっている。政府は来年一般消費税の導入を考えている。与党の一部にもこれは反対だという声が近ごろ上がってきたのですが、一般消費税を前提にして考えている場合と、消費税がどうも思うようにいかない、ちょっと実行できないという場合とを考えたときに、いずれにしても減額というものは前提なのだ。少なくとも来年度予算、これから編成する予算の中には、一体前よりもふやしていくのかあるいは減らすことを前提にした予算の組みをやっていくのか、こういう点はどうでしょうか。いま一般消費税が導入される、されないという大変なクリチカルポイントにあるようですが、これも大蔵大臣としては頭の痛い問題でしょうけれども、それも含めたときにどういうふうに減額というものを考えられるのですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 予算の枠というものは、賃金も上がりますし、物価も若干上がりますし、それからたとえば社会保障費なんかは自然に上がる部分が出てくるわけですから、これは予算としては相当大きくふくらむ要因になるわけでございますけれども、そういうことを考慮に置いて国債を思い切って減額して予算が組めるかというと、それはとうてい不可能であります。思い切って歳出をどこか切るか、歳入をふやすかでございますが、歳入をふやす手といたしましては、いまお話のございました一般消費税によるか、あるいは所得税、法人税を思い切ってふやすか、あるいは各党からいろいろ御指摘のありましたような、たとえば各種積立金とか引当金を思い切って圧縮したり再評価税をかけたり富裕税をかけたりすることによって捻出するというような、三通りの道があると思うのでございますけれども、いまの各党からの御提案では言われておるほど大きな財源にはなりません、これは計算を一々きょうは申し上げませんけれども。それから所得税はもう限界に来ているのです。千五百万円から二千万円以上の累進度というものは先進国で日本が一番高いのです。これをふやそうと思えば、税金のかかっていない層、課税の最低の層に相当思い切った課税をしなければむずかしいのです。しかも、これはやはり限界がございましょう。特に、今日のような高度成長から中成長に変わりました時代には、所得課税ではなかなか税収を確保することがむずかしゅうございますので、結局、世界各国のやっておるような、消費に担税力を認めてある程度の課税をするというような方向に行かざるを得ないんじゃなかろうか。これは好むと好まざるとにかかわらず、だんだんとそういうことをお互いに真剣に考えていかなければいかぬと私は思っておるわけでございますが、いろいろ抵抗もございますから、ひとつそこら辺の事情を御理解いただけるように、これからまた一生懸命国民の皆様に訴えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 最後に二つだけお伺いしますが、二つ一遍に答えていただきたい。  一つは、税の増収が思ったよりよけいというか、初めからちゃんと計算してあるのかどうか知りませんが、いろいろいま喧伝されていますが、これはやはり国債未発行の分を手控えるというようなものに使うのかが一つ。これははっきりお答えができると思うのです。  それからもう一つは、国債の消化などを含めて、前から金融機関や証券会社が言っているような金利の自由化ですね、こんなものをいま考える時期ではないかという気がするのですが、この点どうでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 国債の増発を機会に金利の自由化を考えたらどうか、これはお説のとおりでございまして、すでにことしに入ってもう二回、ある程度国債の金利を引き上げておりますし、これからも公募債はやはりそのときそのときの金融情勢によって金利が決まることになると思うのでございます。全般的に金利の壁を取っ払うというわけにはまいりますまいけれども、そのときそのときの市場の実勢に応じた金利を決めていくということが金融政策上の一番大事なことであると考える次第でございます。  それから、自然増収が出ました場合に国債の減額に充てるか、真っ先に充てるべきだということでございますが、それはそのとおりでございまして、昨年度末で大体六千億くらいの国債の減額ができるのじゃなかろうかということで、まだ最終の出納整理期間が経過いたしませんけれども、私どもはそれは国債の減額に充てるのだ、こういうことで考えておりますので、ことしの経済見通しは六月のOPECの値上げを控えてどういうことになるかわかりませんけれども、仮に増収が出ましたならば極力これは国債の減額に充てるように持っていきたい、そういう気持ちでおります。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 どうもありがとうございました。終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。     午後零時二十四分休憩      ————◇—————     午後一時四分開議

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。馬場猪太郎君。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 「予備費は、大蔵大臣が、これを管理する。」と財政法三十五条で決めておりますが、その中で、各省庁の長は積算の基礎を明らかにしてその調書を作製し、そしてそれに基づいて所要の調整を加えて予備費を使用する、こういうふうに財政法の中に載っておりますけれども、「調整」というのはどういうふうなことをやるのでしょうか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、財政法三十五条には、各省各庁の長が予備費の使用を必要と認めるときにはその理由等を明らかにいたしました調書を作製いたしましてこれを大蔵大臣に送付をする、それで大蔵大臣はこの要求を調査してこれに所要の調整を加えてというふうに規定がございます。  そこで、しからばその「所要の調整」とは何かというのがお尋ねでございますが、法律的に申し上げますれば、要求がございました予備費の使用につきまして、その予備費の使用を必要とする理由が、財政法に書いてございますように、「予見し難い予算の不足に充てる」という予備費使用の要件に該当するものであるかどうか、あるいはまた経費の性質から見まして真に緊急性があるかどうか、あるいはまた要求に係ります金額、いろいろ積算がございますが、その積算が果たして適正妥当なものであるかどうか、そういった点を検討いたしまして、もし要求に変更を加える必要があればこの変更を求めるというのが法律上の調整の意味である、かように考えております。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 それでは、五十二年度あるいは五十三年度で使われたこの予備費の使用について、どれか一つ二つ具体的に調整があったかどうか、そういう問題があったらひとつ例をもって示していただきたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 先ほど申し上げましたのは財政法にいいます調整の意味について御説明申し上げたわけでございますが、実際の取り扱いが現にどうなっておるかということをちょっと御説明をさせていただきたいと思うのでございます。  何分にもやはりあくまでこれは各省各庁と大蔵大臣との間の、いわば政府部内の調整に係る問題でございます。したがいまして、でき得ますならば各省各庁の長が大蔵大臣に要求書を出す前に事前に調整をいたしまして、予備費の使用要求それ自体が適正なものであるということが望ましいわけでございます。そういうような趣旨に立ちまして、現実には予備費使用の要求が行われます事前に、事実上各省各庁と私どもとはよく御相談をいたしまして、実質的な事実上の調整をした上で正式に各省各庁から要求書をお出しいただくというやり方をとっているわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のように具体的に正式に要求書が出され、それに対していかなる調整が加えられたかという、いわば法律上の要求に対する調整というようなものは実際問題としてはないわけでございます。  そういう意味におきまして、ただいま具体的に調整の例はどうかというお尋ねでございますが、ただいま申しましたような事情から、実際には要求の事前に事実上調整が終わっておるということでございますので、例をお示しして御説明申し上げられない、こういう事情を御理解いただきたいと存じます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 これはことしに限ったことじゃなしにずっとそういうふうな方法で、調整というのは法文には書いてあっても事実上はそういうことはずっとないわけですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 はなはだ不勉強でございまして、終戦直後から全部、私、点検をいたしているわけではございませんが、私が現在記憶し知り得ております範囲内におきましては、御指摘のように事前に調整が行われて要求をされている。したがって、財政法に基づく法律上の調整が現実に行われたということはなかったというふうに記憶をしております。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 事務的に事前に調整に相当するようなことをやるわけですね。そうすると、関係省庁にしてみれば、結局事務ベースでもうすでに予備費というのは決まったようなものになりますね。そうなれば、大蔵省がこれを管理するというけれども、本当に文字どおり大蔵省の管理によって左右されていて、実態というのは本当はわからないのじゃないですか。  たとえば、よく予算編成の場合に、この中で見ても予備費を使っているのは退職金が非常に多いのです、予定以上に退職者が出たときのために。ところが、不用額の方も、ほかの省庁を見ても退職金がわりあい多いのです。そうすると、不用額の方は、予想しただけの人がやめなかったので余っている、片方は予想した以上にやめられたということで、そういうものを決める場合に、どうも退職金などはそれぞれの省庁から上がってくるのではなしに、大蔵省の方で定年に相当する年代の人は大体このぐらいだということでお決めになっているというふうに聞いているのですが、そういうふうな決め方をなさっているのですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 あるいは先ほどの御説明の仕方が舌足らずであったかと思いますが、大蔵省が一方的に予備費の使用の内容あるいは積算を決めるということは実態的にも全くございませんで、あくまでそれぞれの予算につきまして第一次的責任をお持ちになっております各省各庁の長から、具体的に積算の基礎あるいは要求の理由、それらをそれぞれ私ども伺わせていただきまして、その各省各庁の方々と御相談の上、この点については見込み方が甘いのではないか、あるいはまた見込み方が少なきに過ぎるのではないかというような意見調整をいたしまして、政府全体として、これが現時点においては適正な見積もりであろう、こういうような合意をいたしまして要求書をお出しいただく、こういうのが実態でございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 事前に相当厳密にお互いに話し合いをする、ですから余り不用額とか不執行というようなことは少ないわけなんですが、どうもこの予算を見ますと、たとえば雇用改善事業費で、十三ページに出ておりますが、七十六億八千二百七十八万二千円を予備費から雇用保険法の特会へ繰り入れをいたしておりますね。繰り入れをいたしておって、それで最後を見ますと、五百十九億六千百七十四万余円、これだけの不用額を出しておりますね。これだけの不用額が出るのに、予備費からこれを繰り入れるというのはどうも納得がいきがたいのですが、これはどういうふうに積算を検討されて、こういう結果になったのでしょうか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 御指摘のとおり、これは昭和五十二年度でございますが、雇用保険特別会計の雇用保険勘定でございます。私ども俗に雇用四事業と申しておりますが、雇用安定あるいは雇用改善、いろいろな事業をやってございますが、この四事業にかかります五十二年度の決算の結果、御指摘のように不用額が五百十九億ときわめて多額の不用額になってございます。  御指摘は、結果的にはそんなに大きな不用額が出ているのに、それに先立って予備費まで使って、一般会計からこの特別会計へ入れているではないか、一体その予備費を使用するときにはどんな見積もりでやったのか、こういう厳しいお尋ねでございます。  私どもも、先ほども申し上げましたように、予備費使用をいたします場合には、専門家である要求官庁の意見も十分お聞きいたしまして、できるだけ誤りのない見積もりにするように常に努力をしているわけでございますけれども、何分にも、これはやや言いわけがましくなるかと存じますが、先生よく御承知のとおり、雇用保険特別会計で実施をいたしております雇用安定事業というものの性格が、たとえば景気の停滞によりまして一時休業をされます場合に支払います雇用調整給付金でございますとか、そういったようなものが大宗をなしているわけでございますが、景気の微妙な変動によりまして、それぞれ企業の雇用調整に対応いたします対応の仕方も種々変わってまいるわけでございます。そういうかなり不確定的な要因を本来この事業が持っているということも一つございます。  しかし同時に、それだけでは申し開きには必ずしもならないわけでございますが、何分にもこの雇用安定事業が、やはり雇用の安定に資するために不測の事態に備えて、万が一予算に不足を生ずるというようなことがあれば、これはまた大変なことになるわけでございます。現に、昭和五十年度でございますが、予算の不足を来したという苦い経験もございます。  そこで、そういう感触も踏まえまして、五十二年度の予備費の使用につきましても、そういった頭で要求官庁とも種々御相談をして予備費使用をしたわけでございますけれども、結果的に非常に大きな不用が出たということは、事業の内容の性質もさることながら、やはり私どもこれから予備費使用に当たりましては、もっとさらに的確な見通しを立てて、余りにも大きな不用が出るというようなことがないように、さらにさらに努力をしていかなければならないというふうに反省をいたしている次第でございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 この予備費の執行を決定されたのは五十三年三月十五日なんです。五十三年三月十五日ということは、五十一年度の決算も五十二年度の決算も皆出ているのですよ。これは一年だけじゃないのですよ。五十年度だけが例外であって、五十一年度は雇用改善給付金が五百五十七億に対して九十二億しか使っていないわけでしょう。一七%しか使っていないのです。不用額が八三%です。この間労働省のときに調べてわかりました。それから五十二年度も同じく五百八十五億に対して九十二億で、四百九十三億、八四%が不用額に出ておる。ずっと傾向として出ておるのです。そしていまの中間報告によれば、五十三年度も同じような傾向で、三年ずっと続いているのです。ですから、この大蔵大臣が決定をされた時点では、二年分がもうわかっているわけです。  もちろん不用になるということは、それだけ雇用不安の面で予想した以上に失業者が出なかったのか、まあいい面にも解釈できますけれども、しかしその制度が生きていなかったという面もあると思うのです。そういう意味では、さっき言われたけれども、厳しいのでも何でもなしに、余っておるのに、そして予測がつくのに予備費を使って、そしてまた最後に余らすというのはまことに不自然で、これは会計の、経理の専門家でなくても、だれが見ても、余ったところに予備費を入れるというのは不自然に映るのはあたりまえじゃないでしょうか。  だから、大蔵省の査定というのは厳しいと聞いておりますけれども、三年続きで同じような傾向が続いておるにもかかわらず、あえてこういうふうに予備費をお使いになっている意図がどうもわかりかねるのですが、もう一度お答えいただきたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 実は私、予備費の問題とそれから雇用安定に関します不用の問題と、省略をいたしまして簡単にはしょって御説明申し上げたわけでございますが、やや詳しく申し上げさせていただきますと、五十三年三月に予備費使用をいたしまして一般会計からこの特別会計に繰り入れましたのは、実は同じ特別会計でございますが、失業給付費の財源として実は入れたものでございます。それで、先ほど来御指摘がございます多額の不用額が出ておりますのはこの失業給付費の関係ではございませんで、いわゆる雇用四事業に係る分でございます。そういう違いはございますにしても、先ほど来御指摘のように、その雇用四事業に係ります不用額が著しく大きいということはまさに御指摘のとおりでございます。  そこで、五十二年度について申し上げますと、これも事業の内容の大宗が、先ほど申しました雇用調整給付金、あるいは、実は五十二年度には特殊の事情がございまして、五十二年の十月から事業転換等訓練給付金という制度を新設をいたしまして十月から始めたわけでございますが、先ほど先生からも御指摘がございましたように、制度の創設ということにつきましてなかなか周知徹底を欠いておったということも確かにあったかと思います。そういう事情もございましてなかなか利用がされなかったという事情がございます。そういう点もある意味ではやむを得ない事情があったというふうに御理解をいただきたいと思います。  それから、日にちを追ってのお尋ねでございます。そうは言っても予備費を使用したのは三月に入ってからじゃないかという御指摘でございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたが、一般会計から予備費を入れましたのは失業給付費の方でございまして、その問題と直接は実はかかわりはないというふうに御理解を賜りたいと存じます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 それにしましても三年続いてずっと不用額をたくさん出しているような状態でしょう。そうすると、少なくとも一年、二年新しい政策だとか何かでPRが行き届かないとか制度的な欠陥があるとか手続がむずかしいとか、そんな理由があったとしても、同じことが三年続いているとしたらこれはちょっと不審に思うのが、そちらの方が自然じゃないでしょうか。  ですから、これは次の五十三年度の予算もそうですし、五十四年度までそういう状態が続いておりますね。そういうことで、何か甘いというか、確かに雇用問題については緊急性を要するし、相当な予算を割かなければならぬことはわかりますし、われわれもその点については賛成します。しかし、どうもその中身が実情に合わない。そのために不用額が多く出るというような結果になっていると思うのですが、どうも不自然でならないのですが、いかがでしょう。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 大きな不用額が出ました事情につきましては先ほど来御説明を申し上げている次第でございますが、確かに毎年毎年不用額がたくさん出ているということでございますので、私どもは、毎年度予算編成に当たりましては、やはり前年度あるいは前々年度以前の実際の使用の実績を十分予算編成の際の重要な参考のデータといたしまして、的確な予算編成、必要にして十分な予算額を確保するというふうな態度で今後とも一層努力をしていきたいと存じます。  それからなお、やはりこれは何分にも雇用に係る問題でございますので、単純に前年度使われずに不用額が出たから減らしてしまうというようなことでは必ずしもなくて、実際に使用されなかった事情も十分関係省庁において検討をしていただきまして、やはり事雇用に関する問題でございますから、いわゆる改善すべき点があれば仕組みの中で改善をしていくというような工夫や努力も一方でやる必要があるだろうと思います。  いずれにいたしましても、大きな不用が出るというようなことは決して好ましいことではございませんので、今後本当に努力をしていきたい、かように存じます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 これはもう例外だけかと思っておりましたところが、農林関係の予算の中でも北洋漁業救済対策費というのがございますね。これも七百九十六億五千万の予備費を使っておられるのですが、そこでもやはり三十四億七千万ばかりの不用額を出しておりますね。これもやはり不自然だと思うのですが、ほかにはいまのところは見当たりませんけれども、やはりこういうふうに一つ、二つ出てまいりますと、予備費の使用が非常に甘いような感じがいたしますが、この北洋漁業対策費の予備費はどういうわけでこういうふうに不用額を出したのですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 ただいま御指摘の北洋漁業対策費につきましてはやや特殊な事情がございますので御説明をさせていただきたいと存じます。  御承知のとおりかと存じますが、この北洋漁業対策費は、五十二年の春にいわゆる日ソ漁業交渉によりまして北洋漁業の一部につきまして漁獲割り当てが減少したことに伴いましてかなり大がかりな減船を余儀なくされたということに基づきまして、いろいろな対策を講ずるために予備費使用の決定をいたしたわけでございます。  そこで、予備費使用を決定いたしましたのはたしか五十二年六月の末ごろであったかと存じますが、その当時では幾つか不確定要因がございました。一つは、これはやや詳細にわたりますが、いわゆるエビかご漁業が問題になっておったわけでございますが、エビかご漁業につきましては、その日ソの漁業交渉の結果、それまでこの漁業に従事いたしておりました漁船の全部がいわば減船の対象になるというふうに考えまして、そのとおりの予算の積算をいたしまして予備費の使用を決定いたしたわけでございますが、その後国内でさらにいろいろ調整の努力が続けられまして、沿岸漁業との調整の結果、一部の漁船につきましては減船をしないでも済むというようなことになったわけでございます。そのために、一たんは全部対象になると考えておりましたものが一部対象にならなくなったというような事情の変更もございまして不用が生じたというのが、一つの大きな要因でございます。  さらにまた、ただいま申しましたのは交付金の関係でございますが、そのほかにもいろいろ事情がございます。たとえば、これも日ソ漁業交渉の結果でございますが、いわゆる北方転換、北転船の五隻につきまして漁場転換をしていただくというような水産庁としての結論に従いまして予算上の措置をいたしたわけでございます。ところが、その後、五十二年秋になりまして再び日ソ漁業交渉がございまして、その結果、北転船のうち従来どおりの漁場で操業をしてよろしいというような隻数がふえてまいりまして、結局転換すべき漁船の隻数が少なくて済んだという事情がございます。そういうこともございまして、これもその関係で約八億円弱の不用になっているということがございます。  何分にも日ソ漁業交渉に伴います善後措置でございますので、地元の関係者の方々の衝撃、ショックあるいは不安というようなものも十分考慮いたしまして、やはり速やかに予備費使用というような形で予算上の措置について万全を期するということも必要であったということもございますので、その時点におきましてできるだけの的確な見積もりをしたというつもりではございますけれども、その後、何分にも国際交渉のことでもございますので、いろいろ先ほど申しました事情の変更等がございまして、きわめて大きな不用が出たということに相なったわけでございます。この点につきましては私どもも十分に反省をいたしまして、類似の経費が五十三年度におきましても予備費使用になっているわけでございますが、少なくとも翌年度の五十三年度にはかくのごときことがないというふうに私どもいま自信を持っているわけでございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 そういう不用額を出したりしないために、事前に財政法上に言うところの調整をやるわけなんでしょう。それをやっていることが意味ないじゃありませんか。事前にやって、いろいろの積算、時間もかけてやられるわけでしょうから、ですから予備費を使う段階に至ったときにはもうほとんど何もかも最後の情勢というのは見きわめついたときに出しているわけですから、事前に関係省庁との調整をやって、事実上の調整をやられるところの意味は、こういうふうな不用額を出し、不用額を出すにもかかわらず予備費を使うというようなことを認めるようなことをやらなくて済むようにするためなんでしょう。それでは事前にやっている意味がないんじゃないですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 調整の意味はまさしく御指摘のとおりで、的確な積算がなされているかどうかということが一つの大事なポイントでございます。そこで、御指摘のように結果的にせよ大きな不用額が出るのでは調整の意味がないではないかというおしかり、私どもまことに厳しく受けとめなければならないと存じます。  私どもも少なくとも予備費使用の決定を各省各庁と相談をいたします時点におきましては、これがベストだというふうな見積もりをしてやるわけでございますけれども、結果的に大きな不用が出ることはまことに残念でございます。やはり調整の意味をあらしめるためにも、予備費使用の決定に当たりましてはさらに慎重、的確を期していかなければならない、かように存じます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 大臣、いまお聞きになったとおりで、人間のやることですから過ちもそれは生じるかもわかりませんけれども、どうもやはり一般にだれが考えても納得のいきかねるような不用額を出しておる、その不用額を出すような情勢のところに予備費を出すという考え方について、やはり大臣としても厳しく臨んでいただかなければならぬと思いますので、ひとつ大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 ただいま御指摘のありました予備費の積算の根拠等につきましては、必ずしも実情に合わない問題が後から出てくるような点が多いようでございます。今後大蔵省の調整については十分配慮してやってまいりたいと考えます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 それでは、続きまして法定外公共物の管理についてお伺いをいたしたいと思います。  検査院の方でわざわざ国有財産の管理についてお調べをいただき、その結果がこの表をいただいておりますが、この概要をまず検査院の方からお話をいただきたいと思います。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○松尾会計検査院説明員 昭和五十一年度の決算検査報告に特記事項として挙げました法定外公共物の管理について、概要を説明いたします。  法定外公共物につきましては、いろいろの原因がございまして、非常に管理がむずかしいということがございます。たとえば、法定外公共物につきましては地番もなくて、土地登記簿にも登載されていない。それから管理は都道府県が行うこととされておりますが、責任の所在が明確でない。それから市町村が事実上これを管理している。法定外公共物が非常に小規模であること、それから全国に散在していること、それから歴史的経緯があって所在確認、境界確定がきわめて困難であるというような事情がございまして、こういうような状況から、実際に管理に当たっております地方公共団体におきましても、管理を徹底するという意欲は非常に乏しい。そのため形状が変更されたり無断で使用されたりしているなどの事態があってもそのまま見過ごす例が多いということがあります。それから公共の用に供されなくなっている現状を把握しましても、用途廃止の上普通財産として大蔵省に引き継ぐという処理がとかく円滑を欠いているということがございます。管理体制が整備されてないという状況がございます。  このような状況から、検査院としましては一昨年、五十二年中でございますが、当委員会で馬場先生の御指摘もございまして、東京都、大阪府それから千葉、神奈川、愛知各県の市区町村につきましてその現況を調査したわけでございます。調査しました件数が千三百十三件、面積が六十六万五千平米でございましたが、そのうち半分以上の七百四十八件、三十八万五千平米につきまして、無断で形状を変更され、使用されている状況が判明したわけであります。  全国的にこのような事態があるのではないかという問題を提起したという意味合いを込めまして、特に掲記すべき事項として検査報告に掲記したものでございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 いま述べていただきましたような七百四十八件、三十八万五千平方メートルに及ぶ不法な占拠であるとか使用とかそういったものがある。それについてこの特記事項が出てから以後にこの五月一日現在で幾分改善されておるものがありますが、この改善は、担当は建設省でしょうから、建設省がやったのですか。事実上こういう是正の方法、是正を具体的にやる仕事、実務を進めているのはどこでやってまいりましたか。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○松尾会計検査院説明員 先ほど説明したとおり法定外公共物の管理につきましては都道府県が責任を持っておるということでございまして、先生ただいまお話がありました現在処理が済んだもの、是正処理したものというのは、都道府県がやったものでございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 先ほども御説明の中にありましたように、予算もついておらない、権限もない、事実上都道府県とか自治体がやっている、こう言われたのですが、そういう予算だとか人とかというのはこれはどこが持っているのですか。ある程度国なり、建設省なりあるいは大蔵省なり何らかの予算措置が講じられてやったのか、それとも単独で、独自でやったのか、その点はどういう方法を用いておりますか。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○松尾会計検査院説明員 実際に管理に当たります地方公共団体では、その管理費用につきましては都道府県分担金としまして管理の経費を要しているわけでございますけれども、国の助成は非常にわずかなものでございまして、たとえば五十一、五十二年度に年間総額一千万円程度が交付されているという状況でございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 国の助成がわずか一千万程度では、これだけの調査をやり、そして改善をやるだけでも、それだけもうとっくに要ってしまうのじゃないですか。そうしたら、国からについてはもう事実上ほとんどないと一緒ですね。それでは単独でそれぞれの都道府県なり市町村なりがあとの出費は出しているということですか。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○松尾会計検査院説明員 御指摘のとおりでございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 いままで述べられたようなことが結局法定外公共物と言われるこの国有財産が野放しになっておる大きな原因だと思うのですね。  これは当然道路だとか里道だとかあるいは水路だから建設省の所管だと言われるかもわかりませんが、大蔵省としても国有財産についての統括の責任があるわけです。大蔵省としては、建設省とこの特記事項に基づいて何か協議をなさって具体的にこの解決の方法をお考えになった経過がございますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  法定外公共物について検査院の掲記もございましたし、それ以前においても非常に実態がはっきりしないということで問題があるということは、十分承知しておるわけでございます。いま先生おっしゃいましたように、第一義的には法定外公共物の管理の責任は建設省にあるわけでございますが、大蔵省といたしましても、総括大臣という立場から決してこれに責任がないわけではございません。そういう面もございますので現在建設省におきまして公共用財産管理制度調査会というのを設けておりまして、ここで多年の懸案である法定外公共物の管理の適正化についていろいろ議論をしてその適正化を図ろうではないかという会をやっておるわけでございます。大蔵省もそのメンバーの一員になっておりますので、その調査会において早急に適正な結論が得られるように大蔵省といたしましては協力、努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 そういう委員会はいつごろできて、それはどういう性格のものですか。法律的に裏づけされたものですか、あるいは任意のものですか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 この調査会は法律に基づくものではもちろんございません。できましたのは五十三年度、昨年度でございます。構成メンバーといたしましては、学識経験者二人、大蔵省が二人、自治省が二人、建設省が四人、地方公共団体が三名、そういうようなメンバーでいろいろ協議をしている問題でございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 五十三年のいつごろかわかりませんけれども、今日までに何か具体的な案というのは出てきておりますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 この問題は非常に根の深い問題でございまして、簡単に結論が出ないわけでございます。まず実態がよくわからないではないかという議論から始まるわけでございますが、この実態も全国的に悉皆調査をやったのはございませんし、検査院の方も調査をされておりますが一部である。そういう実態把握ができないということから、なかなかすぐにはこれという結論は出ないわけでございますが、公共物管理法といいますか法律をつくったらどうだろうかという議論とか、いろいろそういう議論がなされておるわけでございまして、これといった結論は現在のところ得ておりません。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 いまに始まったことじゃありませんし、相当長期間にわたって問題は提起されているはずです。三十年代から問題意識というものはあったと思うのですが、今日までなかなかそれが前に進まないと言っている間に、検査院がお調べになっただけでも七百四十八件の不法占拠があるわけでしょう。それこそ本当に氷山の一角だと思うのですね。結論が出ないからといってじっとおくれている間にも、人口がふえていっている地帯ではこういう問題が次々起こっているわけですね。ですから、やはりとりあえずいますぐやらなきゃならない問題と抜本的に改正しなければならない問題と二つ分けてやらなきゃならないと思うのです。  差し当たって、この前、もうおととしになると思いますが、河川局の方、建設省の方へ私が質問したときには、非常に簡単なことを言っているのですね。地元が用途廃止をしてそして使うということになれば、これは普通財産に移してそして地元に払い下げるようなことを簡単に考えますと、こういうことを言っているのですが、果たしてそんなことが簡単にできるのでしょうか。手続的な問題というのもあると思いますし、そう簡単に建設省から用途廃止をして普通財産にして大蔵省に移管をして、そして地元に払い下げるというような方法というのは、簡単にできるものでしょうか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 手続的には、用途廃止をして普通財産にして大蔵省に引き継いで大蔵省がそれを売る、非常に簡単なんでございますが、要するに法定外公共物自体公用が廃止をされた、そこが不法に占使用されておる、そこでいざ引き継ごうとするとその境界がまずはっきりしない、それを確定するのにも相当時間がかかる。手続的には言えば非常に簡単でございますが、実際にいざやろうとなりますと非常に手間がかかるということでございます。実際に大蔵省に引き継いでおるのは、毎年八千件ないし九千件ぐらいは引き継いでおるわけでございます。それを逐次処分をしておるわけでございますが、現実にあるのは何十万といいますか、はっきりはわかりませんが相当な数でございますので、なかなか全部を消化するにはむずかしい。しかし実際には八千件か九千件ぐらいは大蔵省が引き継いでおります。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 八千件から九千件というのは比較的簡単なやつなんですよ。そうでなしに、むしろ出てこないのは皆不法占拠しているのじゃないですか。私が自分の周辺だけで見ても、はっきり不法占拠がわかっているのだけでも何百とあるのですから。ですから、上がってきているのは比較的にっちもさっちもいかない、それがなければどうにもならないとか、あるいは手続的には簡単だというような問題だと思うのですね。ですから、上がってきていない不法占拠を許しているようなものをどうするかということだと思うのです。  たとえば、よく建築確認をとる場合に、いわゆる民間と民間同士であれば立ち会いで比較的簡単にできますが、民間と公の場合、これの建築確認の道路明示をもらうだけでも普通どれぐらいかかるか御存じですか。普通、道路明示をもらうだけでも三カ月ぐらいかかりますね。そしてその道路明示をもらうのに、申し込んでおいて順番が回ってきてそして調べてもらっても、今度は先ほど言われたように境界が確定しない。そうすると、境界を明示してお互いに官民そしてその隣同士、全部話し合いがつくのには、確認の場合でも大体一年ぐらいかかるのですよね。ですから、そこに不法占拠物があったりいろいろしますと、これの立ち退きをさせたりそしてまた公用廃止の手続をしたりということになったら、少なくとも二年ぐらいかかるのじゃないですか。その間の測量の費用であるとか立ち会いの費用であるとかということを考えますと、これは市町村なり府県なりは予算も権限も何もないわけですから、つい不法占拠を許しておくという形になりますね。それが不法占拠を許しておるということの現状だと思うのです。  そして、なおかついまも一歩も前進してないわけですから、取り得だという観念がありますね。現に私らの見ている範囲内でも、検査院がお調べになって警告を出されてそれから以後でも、こういう土地が滅失している例を数限りなく私は知っております。ですから、何とか取り得だという観念を起こさせないための応急的な措置というものをお考えになるような気持ちというものはございませんか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お話のように、不法占拠をして自分の物にしておるというのは非常に多いわけでございます。われわれの方で調査をしたのも無断占使用というのがほとんどでございまして、非常に問題であると思います。  これを排除するというのはまたなかなかむずかしゅうございますが、とにかくいま考えておるのは、そういう状態を新たに生じさせないような手段をまずやるべきではないか、現にそうなっておるものを立ち退かせるというのは、これはなかなか手間がかかるけれども、新しくそういう状態を発生させない必要があろうということをわれわれ考えておるわけでございます。  最初に申し上げましたように所管大臣は建設省でございますので、先ほど申し上げました調査会あたりでもまず新しいそういう事態の発生を防ぐということを重点に考えていくべきではなかろうか、すでに発生しておるものをどかすというのはこれは時間がかかりますが、新しくそういうものを発生させないように、こういう考え方でわれわれも調査会でいろいろ意見を言いたい、こういうように考えます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 まさにそのとおりだと思いますよ。後追いじゃなしにこれからのものを発生させないように、不法占拠を許さないようにする、そのためにはまずこれが公有地だという地籍簿だとか登記簿だとか、これをきちっとやらなければいかぬわけでしょう。大蔵省の手でこれはできませんわね。あるいは建設省の手でできませんね。結局、府県に委任をし、府県がさらに市町村に委件をするというような形に実際はなってくるのじゃないでしょうか。具体的にやろうと思ったらそういう形しかないんじゃないでしょうか。直接おやりになるようなそういう機構でもおつくりになるような考え方をお持ちなんでしょうか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 国の行政は設置法でやっておりますので、設置法の定めるところによれば建設省がやるということになるのですが、建設省がいざ出先でそういうことをやれるかというと、これはなかなかできないので、国有財産法に基づいて都道府県に管理事務を委任しておるわけでございますので、実際にやるとすれば、現在の法律では都道府県でやってもらう以外にはない。そこへ新しく機構というのはちょっと唐突な感じがいたしますので、やはりやってもらうとすれば都道府県ではなかろうか、こういう感じがいたします。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 責任は建設省だということもよくわかっておりますが、しかしこれは農林省の問題も含まれてくるでしょうし、ほかの問題も全部含まれてきますし、統括的、総括的な責任をお持ちになる大蔵省がある程度方針をお固めにならないと、ほかの省庁もなかなかそうはいかないと思うのです。  そこで、いま言われた都道府県にそれをやらせるとしたら、大体いま都道府県は、どれだけの人を抱えてどれだけの予算で現状の道路明示等だけでもどれぐらい追われているかということを御存じですか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 都道府県がどのぐらいの人員でやっておるかということを具体的に私は知りませんが、私が県におった経験から申しますと、実際に担当しておるのは一人か二人かということで、極端に言えば片手間まではいきませんが、実際の仕事の量に比べますと非常にわずかな人員でやっておるというのが現状でございます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 そんな現状ということになると、結局、言うけれども野放しで無管理状態がずっと続くということになりますね。ですから、事務委任をして都道府県にやらせるとすればそれだけの予算をつけるとか人を入れるとか、それだけの措置を考えてやらなければできないんじゃないでしょうか。モデル的な地域だけでもそういうことを考えて公有地の管理ができるように、そういうことをひとつ考えていくというようなお考えはございませんか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 また建設省の話をして申しわけございませんが、これは建設省の所管事務でございますので、大蔵省がこう考えるからこういうふうにやれというのはなかなか当方の立場としてはむずかしいと思います。先ほど申し上げました調査会がございますので、そこでいろいろな意見を言う、早くしないとどんどんそういう不法占拠が発生しておるではないかという現実でございますので、そういう現実を踏まえましてその必要性といいますか、管理の適正化という必要性を大蔵省としては建設省に申し入れたい、こういうふうに考えます。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 いや、所管が違うということもよくわかっていますよ。しかし、建設省だけじゃなしに、私わざわざ言ったでしょう、農林省もあるでしょうし、その他の省庁も関係があるところがある。やはりそれを統括しているのは大蔵省ですから、基本的な考え方というものは、大蔵省がある程度指導的な立場を持っているんじゃないでしょうか。そういう意味で言っているのです。建設省に言えば、建設省は必ず公用を廃止してもらえばいつでも払い下げますよという回答しか返ってこないのです。ところが、その手続が大変だし、先ほどの繰り返しになりますけれども、その地域の確定をするだけでも大変ですから、事実上できないということを繰り返しているわけですから、やはり一定のルール、どこの省庁にも通用するような方法というのは考えられないものでしょうか。  そしてまたその土地によっては、これは公有地としてできるだけ払い下げずに残さなければいけない土地もあるでしょうし、半端な土地で使い道がないからむしろ払い下げた方が有効な土地もあるでしょうし、その払い下げる方法も、これはいまのままでは市町村だって非常に調査費をかけ、人をかけ、そして赤字を生むようなことだったら積極的にやりませんわね。ですから、そういうことを言わずに市町村が喜んでやれるような、補助金が出せないなら、調査費だとかそういうのは自前でやった場合には手続も非常に簡単に市町村に払い下げをする、あるいは府県に払い下げをするというような制度をつくるとか、そういうようなことを何か考えないことには、結局非常にむずかしい問題だむずかしい問題だということだけで見送っているうちに、公有地がどんどん侵奪されていく、これが現状ではないでしょうか。  そういう意味で、建設省のことはわかっておりますけれども、やはり大蔵省がそういう点で指導的な役割りを果たしていただくわけにいかないかと言っているのです。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 先生いまおっしゃったように、実際にそういう法定外公共物の処理をすればその市町村に譲与したらどうか、こういう議論もございます。そうすれば市町村も管理を適正にして、自分の金になるわけでございますので、しっかり管理をするんじゃないか、こういう議論もございます。そういうことも調査会の中で議論になるわけでございますので、現在国有財産法二十八条に御承知のように譲与の規定がございます。それは公共物の維持、保存に要した費用の範囲内で譲与するということになっておりますが、国有財産法の立場から何かそれ以上の規定をつくればこの管理が適正にいくかという問題は、御指摘のようにあると思いますので、そういう問題も含めて検討をいたしたいと思います。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 これは建設省、建設省と言われるけれども、建設省だけではなしにほかの省庁、たとえば農林省あたりとも共通の問題がたくさんあると思うのです。ですから、そういう意味では広い意味で内閣全体として基本的なルールというものをおつくりになる必要があるんじゃないでしょうか。建設省は確かに道路だとか河川敷だとか多いでしょうけれども、全般に通用する問題として何か考えないことには前へ進まないんじゃないかと思うのですが。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 法定の公共物というと河川法とか道路法とかそれぞれその省庁の所管法律で別個に規定をして管理をしておるわけでございますが、それに載っかってない法定外の公共物を、農林省も建設省も含めた統一的な法律をつくって管理をするというのはちょっとむずかしいんじゃないかと思います。ほとんどの法定外公共物は建設省所管の法律でございますので、まずそこの方から手をつけていくのが最も一現実的な方法ではないか、こういうふうに考えております。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 それは関係省庁と専門的な立場で御検討いただければいいわけですけれども、いま言いましたように、結局むずかしいからということで長引けば長引くだけいま言われる不法占拠のものがふえていくわけですから、なお大都市周辺では依然としてどんどんと法定外公共物の不法占拠になるような地域が開発され続けておるわけですから、二道考えていただきたいですね。応急措置、とりあえずはどういうふうな管理をするのか、調査なら調査をするということと、抜本的な対策と、二つともやりませんと、抜本的な対策だけ考えていって、三年も五年もたっている間に歯どめが効かなくてどんどんと侵奪されていきますよ。そういう二つの方法というのは考えられますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 応急的な措置と抜本的な措置とおっしゃるわけでございますが、応急的な措置というのは要するに新しくそういう不法占拠の状態を生じさせないということではないかと思うわけでございます。基本的なと言えば、現在不法占拠をされておるものをどういうふうに処理をしていくかという御質問の趣旨ではないかとは思うのですが、その応急的な措置といいますと、これは現在、先ほど申し上げました調査会の方で、これは応急とは言えないので、新しいものを生じさせないというのはやはり基本的な措置だと思いますが、それを検討しておるということでございまして、余り応急とか基本的というようなものはないのではないか、こう思います。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 応急という言葉は不適当かもわかりませんけれども、とりあえず発生させないように、いまたくさん起こりつつあるような地域をモデル地区に選んで早く確定をするとか、そういうことを言っておるのですが、言葉としては応急というのは適当ではないかもわかりませんけれども、いまちょうど開発しつつあるようなところがあるでしょう、河川敷が多いようなところ。そういうところなんか選んで先手を打って、侵奪されないような手を打つ、そういうようなことは、やれるべきことは、たとえば、いま渡っていない調査費を渡して、そういう地域に限ってモデル地区を選んでやるというような方法ですね。検査院がモデル地区を選んで検査をなさったようなそういう方法を考えてでも、まず警告をするということも必要じゃないか、そういう意味なんですね。そういうこともできませんか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 確かに、都市開発が進んで都市化しているところが不法占拠が多いわけでございまして、その辺が問題がある、そういうところを特定をして、まず調査をして境界を確定したり不法占拠状態を是正するというのは、一つの考え方だと思います。そういう御提案でございますので、建設省の方とも十分協議をしてまいりたいと思います。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 二線引き畦畔の問題をお聞きしようと思いましたが、もう時間がなくなったのですが、いまやはり二線引き畦畔の問題については、大蔵省としては、これはもう国有地だという考え方には変わりはないわけですね。そして、そういうことであれば、二線引き畦畔についての今後管理の方法というようなことは考えていらっしゃいますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 二線引き畦畔は国有だというような考えは依然として同じなんでございますが、これもこの生じた原因というのは明治初年の地租改正までさかのぼりまして、非常に狭長なのが、これこそ法定外公共物以上に零細なのが非常にたくさんあるわけでございます。  これは法定外公共物と違いまして、不法に占拠をされていくというものではございません。隣の田畑の所有者が使っておるわけでございますので、これを積極的に調査をして管理をしていくということになりますと、非常に膨大な予算と人員が要るということでございますし、まあ法定外公共物と違いまして不法に占拠をされていくという問題でもございませんし、現在、二線引き畦畔につきましては時効取得という制度も行政上とっておるわけでございますので、それで処理がしていける問題でございますので、特に二線引き畦畔について人手と金をつけて改めて特別な管理をするということは考えてはおりません。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 土地所有者側から言えば、やはりこれはもう自分のものなんだ、本来付属物なんだという考え方ですし、いまのままの時効によって取得を認めていくといういき方であれば、それだけの費用がかかるわけですから、やはりその点も何らか前向きの姿勢で考えていただく必要があると思いますので、そういう点、要望だけ申し上げておきたいと思います。  最後にひとつ大蔵大臣から、法定外公共物の管理について積極的に大蔵省も乗り出していただいて、管理のルールというものを決める方向を早く決めていただきたいということを御要望申し上げたいと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま野放しになっておる実情であることは十分承知いたしておりますけれども、建設省とも相談し、また調査会の議論もしてもらうことになっておりますので、せっかく早くルールづくりをするように努力いたします。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 大蔵省にお尋ねいたしますが、大蔵省は五十五年の予算編成につきまして、総理の意向を受けまして、従来は八月から編成していたのを約二カ月間早めて六月ごろより着手すると聞いているわけでございますけれども、その意図はどういう考えなのか、最初にお話しいただきたいと思うのです。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 あるいは大臣からお答え申し上げるのが適切かとも存じますが、前もって事務的に御説明させていただきたいと存じます。  新聞等にも報ぜられました次第でございますけれども、御案内のように、現在非常に厳しい財源事情にございます。そこで、例年でございますと、各省各庁から八月末までに翌年度の概算要求をお出しいただきまして、大蔵省で九月からヒヤリングをし、査定を加えていくというような作業の筋道になるわけでございますけれども、今年度もそうでございましたが、来年度は今年度よりももっと一層厳しい財源事情に直面するであろうというような認識のもとに、概算要求という正式の要求を待つまでもなく、できるだけ前広に来年度の予算編成上問題になるであろう事柄、いろいろございますが、いろいろな問題点につきまして、できるだけ早目に関係省庁と意見のすり合わせをして突っ込んだ議論をし、そして、でき得べくんば、そういった厳しい財政事情を踏まえた上での概算要求を八月末にお出しいただく。そうすれば、九月からのいわゆる査定の作業も、厳しい財政事情に即応したものに持っていくことが比較的楽になるのではないか。そういった感じもございまして、大臣からも、できるだけ早目に関係省庁との意見のすり合わせを突っ込んでやっていくようにというふうな御指示を、私どもいただいているわけでございます。いずれにいたしましても、来年度以降の厳しい財政事情を特に重視されましての大臣の御指示というふうに私ども受けとめまして、まだ具体的には関係省庁と話し合いを始めるには至っておりませんけれども、できるだけ早くそういった段階に入っていきたい、かように考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 一般的には、財政の見直しとともに、その腹には一般消費税導入の作業に入るんじゃないかと、こういう言われ方もされておるわけでございます。  そこで、一般消費税につきまして若干質問を展開してまいりたいと思うのですが、この一般消費税、地方選の前は静かになっておりましたけれども、選挙が終わるや否やにわかに騒がしくなってきたような感じがするわけでございます。そこで、現段階における一般消費税の導入の基本的な考え方をまず大臣にお尋ねしていきたいと思うのです。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 御承知のとおり、最近特に国債の消化がむずかしい段階になりました。昨年十一兆、ことし十五兆、さらに来年十兆とか十五兆というような、毎年毎年大量の国債を増発したって消化できないことは目に見えて明らかでございます。景気がぐっとよくなって自然増収がずっと入るようになればまた別でございますけれども、下期の情勢はどういうことになりますか。OPECのプレミアムがどうなるかによってある程度変わってくると思います。あるいはアメリカ等の景気の状況も相当影響するでしょう。  そこで、来年度ある程度国債の発行を減額してやるということにすると、どうやって予算を編成するかということですが、各省庁の予算を相当削減しなければなりますまいし、それにいたしましても自然増収だけではとうてい財源をカバーできるわけではございませんので、ある程度の新税の創設を考えなければなりますまいと思います。一番いいのは、すでにできております所得税、法人税体系の増税で財源の不足を賄うことができれば、これはもうそれにこしたことはないのでございますけれども、正直言って、所得税も相当急カーブの累進税率になっておりますし、法人税を仮に増税してみても、大した金額は捻出できないと思います。また一部に言われているような再評価税とかあるいは富裕税等もおのずから限度がございますので、何兆というような財源を調達するとなればやはり一般消費税というようなものを検討しなければならないんじゃなかろうかというふうに私どもは考えておる次第でございます。  御承知のとおりまだ最終的な成案を得るに至っていないものですから、内容について御検討をいただくまでに至っておりませんけれども、予算委員会を初め大蔵委員会等におきましてもいろいる御論議をいただいておりますので、どういうやり方をしたら最も合理的な来年度の予算編成、あるいは来年度以降と言った方がいいかもしれませんが、予算編成ができるかという点に重点を置いて、私ども作業を進めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いまの大臣の御答弁では来年度以降という形でお話がございましたけれども、大臣としては、大体いつごろをめどに導入するつもりなのか、国会上程は大体いつごろになるのか、その辺の腹といいますか作業といいますか、その辺はまだ明確に決まってないんですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 来年度のなるべく早い時期ということに自民党も党議で決めておりますので、でき得べくんば四月一日ということでございますが、最終的な法案の詰めを待ってそこら辺は決定さしていただきたいと考えておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで、大平首相は常々この導入に当たりましては国民の合意が必要であると再三言っておられるわけでございますけれども、国民の合意とは具体的にはどういう意味なのか、どう理解していいのか、これは直接総理に聞くのが本当だと思いますけれども、それに近い大臣に御答弁いただければありがたい、こう思うわけです。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 やはり何よりも大事なのは、国会における御審議を通じて、新税の導入についてこういう財政状況ではやむを得ないな、しかもそれにかわるものがほかに何もないなということをよくおわかりいただくことが大事でありますと同時に、一番大切なことは、政府もこれだけの既定経費の削減をやり、歳出の削減をやり、財源あさりもやって、やはりもうほかに道はない。ほうっておいたらこの予算を編成できないんだぞということをおわかりいただくことが一番大事でございますので、そういう努力を明年度の予算編成を通じてしっかりとやってまいりたい。国会の席におきましても十分その点を御説明いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いまの答弁聞きますと、私なりに解釈しますと、政府部内でしっかり努力する、いわゆる財政の見直しをやる、歳出の見直しをやる、またPR等もやる、これで終わりであってはならないと思うんですね。やはり国民的な合意というのはあくまでも——いまいわゆる商売人の方、企業の方、一般国民もそうでございますけれども、大多数が反対でございますし、私たちはそういう署名を受けて、それを国会へまた陳情しているわけでございますけれども、本当にいま客観的に見て大多数が反対であります。そういう国民大多数の意見をやっぱり吸い上げる、これが大事じゃないかと思うんです。  国としてはこれだけ努力をやったから認めてほしいという一方的なやり方では、これはみんなは納得しない、国民は納得しないと思うんですね。そういう面でのいわゆる国民的合意というのは、少なくともそういうアンケートをとるなり国民大多数にPRした、政府なりもやった、それによって何らかの反応を示して初めて私は国民的な合意じゃないかと思うんです。いわゆるこちらだけは一生懸命努力して、これ以上財源ございません、何とか協力してくださいということで、いわゆる国民的な合意を得ないままに走っていく。私は総理の意向というのは決してそういうことじゃないと思うんですね。  この点、大臣はどう御理解になりますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 そういう意味で私どもはなるべく早い機会に、現在の政府の税制調査会でおまとめになった骨子だけじゃなくて中身の詰まったものを、具体的な課税品目、非課税品目、それから課税のやり方等についての具体的な内容をしっかりと詰めてパンフレットならパンフレットにして、こういう課税のやり方になるのですよ、この程度の負担になるのです、こういうことでいかがでございましょうかという問いかけをやっぱり各業界を通じてやらなければいかぬと思っております。その準備をいま進めておる段階と御承知いただきたいのであります。  新しい税でございますから、抜き打ちにばっさりとやれるような筋合いのものじゃございません。各国でもそれぞれの日数をかけておりますし、わが国でも、仮に来年の四月一日にいたしましてもまだ十分の時間はあるのですから、それだけの努力はできると思います。非常に早くやった例ではスウェーデンが三月ぐらいでやっておりますけれども、これは何といっても納税者の数が少のうございますし、従来のある程度の実績がありましたからできたのでございますが、私はやはりそれは十分に納税者の御理解と納得を得られるように、税金を新しくかけられるのですからなかなか賛成だとはおっしゃられないかもしれませんけれども、ああこの程度のことかというその理解をいただく努力だけは、私どもとしてはするつもりでおります。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そういう点から言ったら、法律が通ってからも少なくとも半年ないし一年間のいわゆるPR期間といいますか、説明期間が要ると思うんですね。となれば、今国会は会期が迫っていますから恐らく無理でしょう。ところが、五十五年の早期となったら、四月一日からもしやるとすれば九月の補正か十月ぐらいになるかもしれませんけれども、そのあたりに上程せざるを得ないと思うんですけれども、現段階ではそういう九月ないし十月の補正予算に持っていきたい、こういう腹は固まっているのですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 政府といたしましては、党ともそこら辺は十分調整しなければいけませんから、提出する時期につきましてはまだ確定いたしておりませんけれども、いつでも出せる準備だけは着々と進めておると御承知いただきたいのでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 自民党内でも選挙の前は非常に不利であるからということでいろいろ論議があるみたいでございますけれども、それはさておきまして、もう一点だけ確認しておきたいわけでございますが、一般消費税を導入することによって、税調では大体五%税率ということで出ているみたいですね、年間三兆円の税金が入ってくるわけでございますが、当然国税庁の職員の体制がそれに伴って対応を整えなくてはいけないわけですね。そういう点からいったら、現体制では相当無理をしておりますし、足らないと思うのです。そこで、一説によるとこの一般消費税を導入すれば二万ないし三万人の職員が必要じゃないかという意見もありますし、そんなに要らないという意見もございます。  何といいますか、この職員をふやす件ですね、これは総定員法というような枠がございますし、いま行政官庁では行政改革の一環として職員はなるべくふやさない、かえって削減する方向にいっているわけでございますが、この辺の絡みはどうお考えになりますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 春田さんも御承知のとおり、極力政府の機構は簡素に、定員はふやさないという方向で私ども進みたいと思います。そういう点に合うような税制でなければ困る。つまり、わかりやすくて、何というか手間のかからない税法ということで、今度の一般消費税は基本的には所得税、法人税と一緒に、大原則として所得税、法人税の課税標準をそのまま使って申告できるような体制をとっております。したがいまして、私は、内部整理するような程度の人はある程度ふやさなければいかぬかもしれませんけれども、一時世間に伝えられたような何万なんという増員をするつもりは毛頭ございません。若干人の内部整理の人員で十分執行できる程度のものを基本として作業を進めてもらっております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いずれにいたしましても、この一般消費税は物価上昇を招き、国民の生活を大きく圧迫するわけでございまして、そういう点から国民の十分なコンセンサスを得ないままに中途半端で採用しては決してならないと私は思います。私自身としては一般消費税は反対でございますので、それを表明してこの問題については終わりたいと思います。  そこで、本日は予備費の問題で質疑を展開しているわけでございますが、大蔵省にお尋ねします。五十二年から五十四年までの当初予算額と予備費、一般会計と公共事業費の予備費がございますけれども、それぞれ年度ごとに数字を挙げて御説明いただきたいと思うのです。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 五十年度以降の予備費につきまして御説明申し上げたいと存じます。  まず五十年度、いずれも当初予算ベースで申し上げたいと存じます。(春田委員「五十二年度だけでいいです」と呼ぶ)  五十二年度から申し上げます。五十二年度の一般会計の当初予算の総額でございますが、これが二十八兆五千百四十二億七千万円でございます。そのうちいわゆる予備費が二千八百六十五億六千五百万円ということでございまして、予算総額に対します割合といたしましてはちょうど一・〇%ということでございます。  次は五十三年度でございます。当初予算の総額が三十四兆二千九百五十億一千百万円でございます。五十三年度の場合には予備費総領が五千億でございますが、内容といたしましては一般の予備費が三千億、公共事業等予備費が二千億、合わせて五千億でございます。この五千億が予算総額に占めます比率といたしましては一・四五%ということに相なってございます。  それから五十四年度でございますが、当初予算の総額が三十八兆六千一億四千三百万円でございます。一般の予備費三千五百億円、公共事業等予備費が二千億円、合わせまして五千五百億円でございますが、予算総額に対しましては一・四二%になるわけでございます。  以上でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 ただいま御説明があったように、五十四年度は予備費は一般が三千五百億、公共事業等が二千億、合計五千五百億出ておりますけれども、これを設定した理由といいますか、これはどういう形で積算されたのですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 先生もよく御承知のとおりかと存じますが、予備費につきましては通常の歳出予算とは異なりまして、いわゆる積算基礎といったようなものはございません。ございませんが、これも御案内のとおり、予備費というものの性格が、憲法あるいは財政法に明記してございますように、予見しがたい予算の不足に充てるという性格のものでございますので、そういう性格に即しまして、毎年度予算を組みます場合に、従来の各年度の予算において組みました予備費のいわば実績と申しますか、それぞれいままで一般会計予算総額の中で予備費がどの程度のウエートであったか、あるいはまた現実に従来毎年度いわば追加的な財政需要としてどの程度の金額が予算編成後発生してきたかといったような事情を総合的に勘案いたしまして、そのときその時点で相当と認める金額を毎年予算に計上さしていただきまして、国会で御審議をいただいているということでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この予備費の設定というのは非常にむずかしいと思います。要するに過去の実績といいますか経験を踏まえて組まれるみたいでございますけれども、特に五十二年度の予備費の実績を見た場合に非常に使用残が多いわけですね。補正で二百四十五億減額しておりますが、なおかつその使用残額が一千百四十七億という形になっておりまして、当初予算の予備費の額からすれば約四割近くが残っているわけです。こういう点からいったら、過去の実績、経験というのが五十二年度はほとんど参考になっていない、生かされていない、こういうことが言えるのじゃないかと思うのです。  そういう面では確かに非常にむずかしいと思いますけれども、こうして先ほどからも論議があるように、使用残が多いということは十分なる実績の分析をされているのかどうか非常に疑わしいという点があるわけでございます。なぜ五十二年度にこのように多額の額が使用残額として残ったのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 御指摘のとおり五十二年度の場合には予備費の最終的な使用残額が千百四十七億ということで、ここ数年、五十一年度以前の使用残額と比較をいたしましても、やや異例に近い大きな使用残額になってございます。そこで、なぜそういう大きな残額になったのかというお尋ねでございますが、先ほど先生も御指摘になりましたとおり、当初予算では二千八百六十六億の予備費を組んでおったわけでございますが、五十二年度は実は二回、補正予算がございました。一次の補正で、これも御指摘のように二百四十六億円を減額をいたしまして、二千六百二十億円にしたわけでございます。これが第一次補正の姿であったわけでございます。  その後、五十二年の暮れになりましてから、いわゆる第二次補正予算の編成に入ったわけでございますが、その第二次補正予算の編成の過程におきまして、この二千六百二十億の予備費をそのまま予備費として残しておくべきかどうかといったような点も私ども十分に検討をしたわけでございます。ところが、そのとき、その時点におきまして前年度以前の予備費の使用状況を実はいろいろ検討したわけでございますが、ちょうどその前々年度、五十年度でございますが、五十年度の予備費使用の実績を見てまいりますと、五十年度の場合には、五十年度の十二月の下旬以降に、実は千六百億円を上回るような予備費使用の実績が五十年度としはあったわけでございます。これも十二月以降でございますから……。  そこで、私どもといたしましては、やはり五十二年度の第二次補正予算を編成いたします際に、これは第二次補正でございますから、万が一さらにまた第三次の補正予算をお願いをするというようなことはできるだけこれはやはり避けるべきであるということもございました。それから一方、先ほど申しましたように、五十年度に十二月以降に千六百億を上回るような使用実績もあったということも踏まえまして、当時二千六百二十億の予備費の予算額であったわけでございますが、すでにそのときまでに使用して使用済みのものがございますから、実質的にはその十二月の時点では千四百九十億円が使用残として残っておったわけでございます。そこで、この千四百九十億円ぐらいの使用残は、五十年度の経験をも参考にいたしますれば、やはりそのまま留保をしておくのが至当であろう、こういうような判断のもとに、二次補正におきましては、予備費につきまして減額の措置をとらなかったわけでございます。  ところが、その後五十二年度の予算の執行の状況は、これは御案内のとおり、いわゆる災害の関係あるいはもろもろの義務的な経費いずれもいろいろ不足をしてまいりまして、その後予備費も使用したわけでございますが、予備費を使用いたしました実績といたしましては三百五十億程度で相済んだということでございまして、これはある意味におきましては、それだけ留保をいたしたものが使わずに済んだということで私ども喜んだわけでございますけれども、そういうことで、例年に比べまして義務的経費等の不足を生ずる金額が小さかったということもございまして、五十二年度は千百億を上回るような使用残が出た、かようなことでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 それは、要するにお金が残るというのは使うよりいいわけですからわかりますけれども、しかし、やはり予算編成の段階で、効果的に機動的に使うという面の予備費の性格からして、使用残が残るというのはよくないと思うのですよ。  ただ、いま御説明がありましたように、五十年度のいわゆる決算のときに、かなり、十二月ですかに一千六百億出たので、それを参考に五十二年度は若干残したということでございますけれども、五十年度は石油ショックの後遺症がまだぐっと残っておるわけでございまして、いわゆる失業対策とかまた生活保護者がふえたとか、そういう義務的経費がふえたと聞いておりますが、五十二年ではそういう要素が非常になくなってきたと思うのですね。そういう面ではやはり見通しが甘かったのじゃないか。五十一年度は七百十三億しか残っていないわけですから、こういう点からしたらやはり五十二年度は非常に使用残が多いわけです。そういう点では、今後の予備費の流用について十分配慮する必要があるのじゃないかと私は思うですよ。  さらに五十三年度は、この公共事業等の予備費二千億組んでおりますけれども、これは補正で全額取り崩しておりますが、どういう理由なんですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 御指摘のとおり、五十三年度でございますが、当初予算で計上させていただきました公共事業等予備費二千億円を、補正予算を編成いたしました際に全額これを減額をさせていただいたわけでございます。御承知のように五十三年度におきましては当時の経済情勢を背景にいたしまして、やはり年度後半にかけまして公共投資を中心といたしまして財政的ないわば追加によりまして景気の回復を支えていく必要があるということで、いわゆる総合経済対策が決定をされまして、その最も中核をなしたのがいわゆる公共投資の追加であったわけでございます。そこで、これも当時の補正予算でございますが、公共投資といたしまして一般会計ベースで約四千億程度の歳出予算を補正予算で追加をしてございます。この、直接ひもつきではございませんけれども、補正予算の組み方といたしましては、補正で追加をいたしました公共投資の追加の財源に当初予算で組みました公共事業等予備費を財源的には充てたという形になっているわけでございます。法律的にもちろん結びつきはございませんけれども、財源といたしましては年度途中に生じました公共投資の追加という追加財政需要の財源として充てるという意味におきまして、この公共事業等予備費を歳出の面で減額をしたという処理になっているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 まあ景気が悪かったからいわゆる公共投資、公共事業に全部ぶち込んだということでございますけれども、そういう論点からすれば今後景気が上向いてきた場合、この公共事業等の予備費というのは全然要らないと、そう理解してもいいわけですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 公共事業等予備費でございますが、これは予算総則にもお示しをしてございますとおり、予見しがたい経済情勢の推移等により公共事業等の予算に不足を来す場合に使用を許されるという性格のものでございます。そこで、おっしゃいますように景気の回復がはかばかしくなくて、いわば景気対策としてどうしても公共事業等の追加措置が要るということももちろんこの使用の要件に該当するわけでございますが、同時にまた、景気対策だけがこの公共事業等予備費の使用要件ではないわけでございます。これも御案内のとおりで、災害復旧等につきましてもこの公共事業等予備費は法律的には充て得る性格のものでございます。  そこで、まあそれにいたしましてもお尋ねは、しからば五十四年度のあるいはお話かとも存じますけれども、五十四年度で五十三年度と同じように二千億円の公共事業等予備費を組んでおるが、五十四年度の経済情勢の推移いかんによって景気が回復すれば当然この公共事業等予備費は要らないのだから、それは減額すべきものであろう、まあこういう御指摘かと存じます。  申し上げるまでもなく、まだ五十四年度予算は先般成立をさせていただいたばかりでもございます。それから経済全体につきましてもまだ年度が始まったばかりでもございます。そこで、具体的に五十四年度の公共事業等予備費の取り扱いをどうするかというふうなお尋ねではございますが、現在の段階では、まことに申しわけないわけでございますが、何とも申し上げられないというより申し上げようがないということを御理解いただきたいと存じます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 五十三年度、五十四年度、公共事業等予備費が約二千億ほど出ておりますけれども、これは災害復旧費にも使えると理解していいわけですね。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 法制上はそのとおりでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 となれば、五十三年度一挙に二千億全額取り崩すということは、これは十月の補正でやったのでしょう。それで、聞いたところによると、十月九日ですか、閣議決定していると聞いておりますけれども、それ以後もし台風とかいろいろな災害が来た場合に、この公共事業等予備費を全部取り崩して景気対策に持っていったら残りは全然ないじゃないですか。どこから手当てするのですか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 御指摘のように、五十三年度の場合には補正予算で公共事業等予備費は全額減額をしたわけでございますが、別途一般の予備費が当初予算で三千億組まれていたわけでございます。それで、補正後におきましても一般の予備費が二千五百五十億保留をされていたわけでございまして、この補正予算を編成いたします時点におきましては、その後災害等がございまして災害復旧等に要します経費を追加する必要が生じました場合には、この留保してございます一般の予備費によって賄い得るであろう、そういうような見込みのもとに公共事業等予備費の方は減額をさせていただいた、こういうことでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 法的には一般会計の予備費を使ってもいいと思いますけれども、そこら辺をやはり明確にする必要があるのじゃないですか。要するに、景気対策用として公共投資のいわゆる公共事業等の予備費をそっちへ回すけれども、災害復旧の場合は全然使わないで一般会計の予備費を使うというのが私が大体いままで説明を受けた感じだったのですけれども、両方とも公共事業等予備費が使えるとなれば、やはりその辺を明確にする必要があるのじゃないかと思うのですよ。  時間がございませんのでそれは今後の課題といたしまして、いずれにいたしましても、予備費の問題は非常にむずかしいと思いますけれども、やはり効果的に機動的に使う面からして、やはり予算もシビアにしてひとつ使用残高が残らないように、そういう配慮をすべきじゃないか、こういう点を要望いたしまして、この予備費の問題につきましては終わりたいと思います。  それから、さらに五十三年度決算にはスモン訴訟の和解に対しましての損害てん補金が出ておるわけでございますけれども、これは五十二年度、五十三年度それぞれ出されておりますけれども、どういう理由で出されているのか、御説明いただきたいと思うのです。

下村健厚生省薬務局企画課長

○下村説明員 スモン訴訟につきましては、国といたしましては患者の早期統一的な救済を図るという見地から、法律上の争いは別といたしまして、和解によって解決するということを基本方針にして臨んできているわけでございます。  これまでに東京地裁を中心にいたしまして、岡山、高知、大阪というふうな四地裁で合計千三百名余りの患者との和解が成立しているわけでございますが、和解がどういう形でいつごろ成立するかということにつきましては、現在スモンの裁判というのが二十三の地裁と四つの高裁に分かれてそれぞれ裁判が進行しておりまして、その裁判の進行状況に応じましてそれぞれ違ってくるわけでございます。  また、和解ということであります以上、患者さんの方の意向によって和解を希望する患者がどの程度あるかというふうなこともなかなか把握しがたいわけでございます。  それから、もう一つの条件といたしましては、和解の前提といたしまして裁判所の方で鑑定を専門医の方にお願いをいたしまして、鑑定結果が出たものについて和解をするというふうなことになっておるわけでございますが、その鑑定の進行状況もなかなかまちまちであるというふうなことがございますので、どの程度和解が成立するのかということはなかなか正確に把握できないというふうな状況でございます。  したがって、その年度における和解についての所要額がどの程度になるのかということについて所要額の見込みを立てることがきわめて困難であるというふうな状況でございますので、和解金の支払いについては予備費で対処せざるを得ないというふうに考えてこのような措置をとっているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 全国でいま裁判が何カ所か行われておりますけれども、その裁判を行っている患者数は全体で何名なのですか。

下村健厚生省薬務局企画課長

○下村説明員 四月二十六日現在で患者の総数が四千百六十六名、中に遺族が含まれておりますので原告の数にいたしますと四千七百二十名ということになっております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 和解しておるのが千三百人でございますから、約三分の一強が和解に応じているわけでございますが、昨日の新聞報道によりますと、いままでかたくなに拒否していた田辺製薬が一転してあのように可部方式を認める、国の方針に従う、こういうことで和解の意向を強めたと聞いておりますけれども、この内容、それから調停する時期、これは大体いつごろと見込んでおるのか、その辺が明らかになればお答え願いたいと思います。

下村健厚生省薬務局企画課長

○下村説明員 先日、厚生大臣のところに田辺製薬の松原社長がお見えになりまして、ただいま先生がおっしゃいましたような内容の申し出がありまして、昨年の十一月末以来田辺製薬を和解のテーブルに着かせるということでいろいろ努力をしてまいったわけでございますけれども、その経過において厚生省が裁判所と田辺製薬との仲介をするというふうな立場にございましたので、厚生省側から東京地裁の方に田辺製薬のそのような意向を伝えまして、目下細部についての詰めを内田裁判長のもとでいろいろ行われている状況でございます。その詳しい中身につきましては、実はそういうことで裁判所の手に移ってしまった問題でございますので、ただいまの時点で私どもの口から申し上げることについては、そのような事情でございますのでちょっとお許しをいただきたいと思うわけでございます。  実はそういうことでまだ詰めをやっている段階で、和解の期日が指定されるところまでは至ってないようでございますが、私どもといたしましては、数日中にもこの問題が解決するということを期待している状況でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この田辺のいわゆる態度変更といいますか、そういう事情で和解になった場合、いま全国で約四千名の方が争っているわけでございますが、これは全国への波及にも大きな影響があると思いますけれども、この田辺の態度変更というのは厚生省としてはどう見ているのか、いわゆる今後の裁判によっては大きく和解の方向に進んでいくと見ているのかどうか、その辺の推移……。

下村健厚生省薬務局企画課長

○下村説明員 スモンの問題につきましては、厚生省としてはできるだけ早く統一的に解決をしたいということで和解を前提にして進めているわけでございますが、和解によってこの問題を解決する場合の最大の障害が、先生御指摘のとおり田辺製薬が和解を拒否してきたということであったわけでございます。そういうことで田辺製薬が和解のテーブルに着くということでまず第一の難関は突破できたというふうに私どもとしては見ているわけでございます。  それで、スモン問題については、実は和解条項の一つに患者の恒久対策というふうな要求が出ているわけでございます。患者側の要求としては、一時金だけではなかなか患者の抱えているいろいろな問題が解決できないので、ある程度長期にわたっていろいろなニードにこたえるようなことを考えてほしい、こういう話が出ておるわけでございます。それで国といたしましては、昨年の十二月からそういうふうな要望にこたえるというふうな意味で、はりきゅうの実施等の問題を含めましてある程度の対策を実施したわけでございますけれども、民間側がこういう恒久対策についてどのようなことをやっていくのか、この点は実は白紙のままで現在までのところ残されている。その場合にも、実は田辺製薬が参加していないために、これまで和解に参加しておりました武田あるいはチバガイギー両社の方からもなかなかその恒久対策についての具体案を提示するのはむずかしい、こういう状況があったわけでございます。したがって、田辺製薬がまだ和解の調印をするという段階には至っていないわけでございますけれども、もしもこの和解が成立いたしますと被告側の足並みがそろうわけでございますから、恒久対策についてある程度具体的な進展が期待できるという状況になるんではないか、これがまず一つ、私どもとしては、スモン問題解決について田辺が和解に加わるということ以上に問題解決にもう一つ大きなプラスになってくる点であろうというふうに思っております。  それからもう一つは、患者側が、和解によって解決をするというふうなグループと、それから通常判決派というふうに呼ばれておりますけれども、ある程度判決をかち取った上でその判決を土台にして問題解決を図りたい、こういう考え方の患者さんのグループがあるわけでございます。そちらのグループの患者さんの方も恒久対策問題というものが一つの問題として出ておりまして、こっちの判決派と呼ばれる患者さんのグループとは、裁判所を通じてではなくて、ある程度直接交渉によって解決をしたい、こういうことがあるわけでございます。そのために、実は田辺製薬も加えましてそういう直接交渉の場を一遍厚生省としては設けたわけでございますけれども、実際問題としては、被告側がただいま申しましたように田辺製薬だけが異なった立場を堅持しているというふうな状況がありまして、余り内容的には進展がなかったわけでございますけれども、この面についても田辺が他の被告と足並みをそろえるということによりまして問題解決の基盤がある程度でき上がるというふうに私どもとしては見ておりますので、早急に田辺製薬の和解が成立した上でスモン問題全般の解決についての早急な進展を図っていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで五十二年度から予備費が流用されておりまして、五十二年度が閣議決定が二回されております。五十三年度が八回ですかされております。きょうの五十二年度(その一)でも閣議決定が五回されているわけでございますけれども、こういう点からして、確かに和解しなかったらこれはてん補金が出ないわけですから、非常に予見しがたいという論法で今日まで来られたと思うのですけれども、甘い見方かもしれませんけれども、田辺の態度がそういう形で二、三日の後にわかると思いますけれども、そういう和解が成立した場合、今度いわゆる損害てん補金というのは、患者数を読んで事前にある程度把握できるのではないか。したがって、要するに予備費を流用しないで、五十四年度は無理かもしれませんけれども、五十五年度以降くらいある程度その辺で、正確な数は出ないとしても、いわゆる当初予算で予算化できないだろうか、不可能でもないのじゃないかという感じを持っておるわけでございますけれども、その辺の感触はどうですか。

下村健厚生省薬務局企画課長

○下村説明員 実は私ども直接の事務担当者といたしましても、和解の都度予備費の使用によってこれを処理していくということは、事務的にも大変手間がかかるかっこうになるわけでございます。大蔵省の主計局側からも、実は何らかの形で予算計上できないかということはかねてから要望されておりまして、私どもとしてもできるならそうしたい、気持ちとしては実は持っておるのですけれども、現在までのところそれではどうすればいいかということについて具体的な解決策をどうも思いつかない、こういうふうなかっこうで推移しているわけでございます。先生の御指摘もまことにごもっともでございますので、私どもとしてもできるだけ今後も具体案を考えてみたいというふうには思っておりますが、ただいまのところそれでは直ちにこれから先こういうかっこうで処理いたしますというところまで申し上げるほどの自信がないという状況であるということで、御理解いただきたいと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 このスモン訴訟の和解の損害てん補金につきましては、大蔵省としてはどのようにお考えになっておりますか。予備費で流用している、使用しているという点で、今後当初から予算化できないかという問題ですね。これについてはどうお考えになっておりますか。

吉野良彦大蔵省主計局次長

○吉野政府委員 先ほどから厚生省の方から御説明がございましたように、現在におきましてはやはり患者数等につきましての的確な把握がなかなか困難であるという事情等もございますので、私どもといたしましても予備費によって対処することは現在においてはやむを得ない措置であるというふうに考えております。  ただ、これも先ほど厚生省の方からお話がございましたが、もしも現実に予算を組みます場合に、的確な見通しを立て国会での御審議にも耐え得るような積算をして歳出予算に計上することができるということでございますれば、それはやはり歳出予算に最初から計上することが望ましいことは間違いないことでございます。  ただ、所管官庁でございます厚生省の方で果たしてそのような予算計上が実態的に可能かどうか、さらに検討していただきまして、厚生省ともよく御相談をしていきたい、かように存じます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 次に、有料道路の問題についてお尋ねしてまいりますけれども、有料道路といってもいろいろございます。そこで観点をしぼりまして、地方有料道路、事業主が地方公共団体と地方道路公社、二通りございますけれども、これの現在供用中の路線、全体の路線数、それから採算状況、黒字路線がどれだけ、赤字路線がどれだけ、これを簡単に説明していただきたいと思うのです。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○沓掛説明員 説明させていただきます。  地方公共団体及び地方道路公社の管理している供用中の一般有料道路百二十五路線のうち百十九路線について、昭和五十二年度の収支状況を有料道路課において調査いたしましたところ、五十二年度単年度についてでございますが、六十九路線について実績収支差が計画収支差を下回っておりました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いわゆる百十九路線のうちの六十九路線ということですから、六割強が赤字路線になっているわけですね。こういう点で、五十二年度単年度だけでございますけれども、この全体の路線の中でもうどうにもならない路線というのがあると聞いております。料金の値上げをやったとしても経営の合理化をやったとしても、とてもじゃないが採算が合わないという路線がかなりある。いわゆる重症路線といいますか、これがかなりあると聞いておりますけれども、その路線というのはどれくらいと把握されているのですか。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○沓掛説明員 御説明いたします。  この六十九路線が赤字でございますが、このうち非常に重症と申しますか、自分だけの事業主体の自助努力によっては非常に困難なものが、この約二、三割を占めておりました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 二、三割というと非常に抽象的でございますけれども、数はわからないのですか。—時間がございませんから結構です。  三割としても約二十路線があるわけですね。事前のレクのときたしか五十三年度に五路線、五十四年度に五路線、合計十路線を国として手当てをしたということを聞いております。手当てというよりも無利子の貸付金の枠を広げる、こういう形で助成なさっておりますけれども、この地方有料道路については国の補助金はないわけですね。いわゆる無利子の貸付金を貸して助成している、こういう形になっておりますけれども、六割以上が赤字になっているということで、これは将来二十五年なり三十年お金を返還した時点で無料開放というのが原則になっておりますけれども、非常にその将来が採算状態が悪いものですから、無料開放になるかどうか危ぶまれているわけですね。  こういう点で、私は建設費とは言わないけれども、少なくとも管理費の補助ぐらいはやったらどうか、こうしなかったらいつまでたっても無料開放なんてできないと思うのですよ。半永久的な有料道路になっていくのではないかという考え方を持っていますけれども、この点どうお考えになりますか。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○沓掛説明員 御説明させていただきます。  いまほど相当の赤字の路線があるということを申し上げたわけでございますが、ちょうどこれは石油ショックを受けた直後の五十二年度の状況でございまして、これらの路線の大部分につきましては料金等の改定、損失補てん引当金等の充当、プール制の実施等、有料道路事業主体の自助努力によって収支を均衡させることができると思っております。いま二割程度と申し上げましたのは、この六十九路線についての二割程度で十本少しというような意味でございました。  そこで、先生いま管理費について補助をしてはどうかというお考えを提案していただいたわけでございますが、現在地方公共団体あるいは地方道路公社が管理しております有料道路に対する国の助成策といたしましては、これは国の無利子貸付金の貸付措置が講じられているところでございます。有料道路についての採算性を見た場合に、何といっても建設費が一番多うございまして、また建設費が借入金でございますので、それに伴う利子負担というのが非常に多いわけでございます。したがって、一番多い費用を軽減するには、この建設費に対する手当てが一番適当でございまして、これに対して補助をするか、あるいは国の無利子貸付金を貸し付けるかということがこの無利子貸付制度が発足した四十三年度にいろいろ議論されたわけでございますが、有料道路と申しますのは、建設資金を借入金で行い、その借入金を料金によって償還していく制度でございますので、その趣旨も生かしておき、かつ採算性の改善も図っていくという面では国の無利子貸付制度が一番好ましいのではないかということで、この制度を導入さしていただいたわけでございます。  当時は一律に無利子貸付率が一五%でございましたが、現在は採算状況等を勘案しながら路線の性格等もいろいろ勘案いたしまして、四五%まで無利子貸付制度の道が開かれておりまして、こういう面で採算性の改善をいろいろ図らしていただいておるわけでございます。  そういうところから、この一般管理費について補助制度を導入していくということについてはなかなかむずかしいのではなかろうかというふうに考えておりますが。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 無利子の貸し付けでもこれは将来返すわけですからね。あくまでもこれは借金なんですよ。そういう点で、確かに建設費が高くなったということがございます。しかし、もう一点大きな原因としては、交通量が、非常に計画と実績が差がありますね。出していただいた資料の中で、ワーストセブンの中で特に新神戸トンネルというのは、計画時では一日当たりの台数が一万一千八百六十六台通る予定が、現実は五千台しか通っていない、半分以下になっています。山口宇部道路なんというのは、一万八百三十一台の計画で実際二千三百台しか通ってないのですね。約二割しか通ってない。こういう状況からして本当に採算が持ち直してくるかといったら非常に心配な面がございます。  特にことしからまた第二の石油ショックと言われるように非常に石油危機が叫ばれておるわけでしょう。ある人に聞きましたけれども、最近ディーゼル車が非常にふえてきておるわけです。ディーゼル車は御存じのとおり軽油ですから、ガソリンの半分で行けるわけですけれども、このいわゆる軽油でも一見客にはあるスタンドではもう売らないというところまで来ておるというんですね。そういう点からいったら非常に車の減少は今後さらに加速的にふえていくんじゃないかということで、採算が合わないんじゃないかという気がするわけです。  そういう点では、いわゆる将来無料開放という点からいけば、現在の採算が合わない面で、建設費は無理としても、やはり管理費の一部負担はある程度していく必要があるんじゃないか。要するに国の補完的な事業としてこの地方有料道路をやっておるわけですから、これは本来国がやるべきなんですよ。  時間がございませんので、最後にもう一点聞きまして終わりたいと思いますけれども、そこでこの予備費が災害復旧のときに使われておるわけです。これは災害復旧のときだけは国のお金がぶち込まれておるわけですね。助成率で三分の二ですか、補助がされておるわけでございますけれども、そういう日常のいわゆる経営そのものが非常に赤字になっておりますから、少なくとも災害が起こった場合はこの補助率三分の二を四分の三とか五分の四にしてなるべく負担を軽くしてあげる、こういう点の配慮も必要ではないかと思うのですよ。そういう点で国の道路整備の一端として地方公共団体、地方自治体がかぶっておるわけですから、そういう点で建設省としては十分それだけの監督官庁として責任を持つ必要があるんじゃないか、こういう考え方を持っておるわけです。この点明確な答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○沓掛説明員 御説明させていただきます。  有料道路につきましても、地方公共団体が管理しております一般有料道路において災害が発生した場合には、これは無料の道路の災害の場合と同じように、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法が適用されております。地方道路公社が管理しておる一般有料道路において災害が発生した場合には、地方道路公社法第三十条の規定に基づき補助をしておりますが、補助率の適用に当たっては公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の負担率との均衡を図って補助率を定めさせていただいておるわけでございます。有料道路の先ほど御説明申し上げましたような制度の趣旨等から見て、有料道路に災害の場合に補助率を特別アップしていただくというのはなかなかむずかしい問題ではないかというふうに私考えておりますが。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 以上で終わります。ありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 時間が短いですからごく簡明に御答弁いただきたいと思うのです。  そこで一つは、同和関係企業連の年間における減税の件数はどれぐらいになっておりますか。それから、減税の金額はどの程度になっておりますか。これをまずお聞きしたいと思うのです。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 私ども、いま御質問がございました大企連関係の課税の実績あるいは減税と申されたのはその趣旨がよくわかりませんが、そうしたものについて統計的に把握しておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、どの程度の範囲で減免が行われておるか、それは全然御承知ないわけですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 大企連関係の個人あるいは法人の課税状況でございますが、ただいま先生おっしゃられましたどの程度減免がなされておるかというようなことでございますが、これにつきましては特別に法律に基づくもの以外の減免というものは私どもは何も行っておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま大企連とおっしゃったが、大企連だけではない、東企連もある。そのほか全国にこれは敷衍されております。  そこで、これは現実の事態を見ますと、三〇%減免というものが一般的に行われておるということになっております。     〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕 これは関係団体の報告書などにも出ておりますし、社会的な認識になっておるわけでありますが、これは国税庁は御承知ないわけでしょうか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 同和地区関係者に対する課税につきましては、四十五年に国税庁長官通達がありまして、同和問題の歴史的に形成された経済的、社会的ないろいろな困難な問題があるので、同対審の答申等の趣旨にかんがみまして、実情に即した課税を行う、こういうことでございまして、この通達の線に沿って私どもは課税を行っておりますが、いま委員の御質問にありましたように一律三〇%控除というような事実はございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 国税庁の長官の通達が出ておりますが、この通達の意味はどういうことなんでしょう。「今後とも実情に則した課税を行なうよう配意する」となっておりますが、一般には実情に即した課税を行っていないということなんでしょうか。具体にはこれはどういう意味なんですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 税務当局が課税を行うに当たりましては法令に基づきまして課税するわけでございますが、個々の法令の適用に当たりまして実情をよく把握してその実情に即して課税する、これが大原則でございまして、すべての納税者にそういう態度で税務当局は臨んでおるわけでございます。  特に長官通達を出されたゆえんは、当時長年議論されましたその結果、四十年に同対審の答申が出まして、同和問題の困難性、特殊性、そういうものからこの問題の解決は国の責務であり、また国民的課題である、こういうふうな答申が出ております。また四十五年にはこのための特別の法律も制定されたわけでございます。それを契機にこの同和問題の意味をよく職員に徹底させるとともに、とりわけそういうむずかしい問題であるから、その意味できめの細かい実情に即した課税を行うようにと特に明示したわけでございまして、その趣旨というのは、実情に即して課税するというのは、他の中小企業、他の納税者と何ら変わるものではございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 一般的な原則を改めて通達として出すというのは一体どういうことなんですか。ここにつまりトリックがあるわけなんです。この通達というものは徴税の原則であって、事新しく通達など出す必要はないものだ。それをこういうものを出して、そして表面的には一定の敏腕を試みながら実態においては一律減免などが行われてきておるというところに問題があるわけです。  そこで、あなたは同対審の問題などとおっしゃいましたね。その問題は私の専門でありますが、同対審の答申というのは審議会ないし委員会などの答申にすぎないものであって、それを行政行為に移す場合に実定法が要るのでしょう。その実定法は何を根拠にしておやりになっているのですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 同対審の答申が出されたこと、あるいは同和対策のための特別の法律が出されたこと、これを契機に、われわれとしては同和問題の認識を深めて、実情に即するような課税を行うように、こういうことでございまして、それを機に出した、こういうことでございます。  それからもう一つ、特に実情に即した課税を行うのは一般のどの納税者に対しても同じでございますが、同和地区には特別な経済的、社会的ないろいろな問題がある。たとえば譲渡所得の計算一つとりましても、そのためにいろいろ他の地区に見られないような経費がかかったり、あるいは金利の場合でもなかなか高い金利で借りたり、あるいは売る場合の手数料等も他の場合よりはよけい取られるといったようないろいろな他の地区と違ったような実情もございますので、そうした問題もよく頭に置いてやるように、こういう趣旨でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまおっしゃいましたことでありますが、そういういろいろな格別な事情などというものが税の算定に影響するという場合には、その実情に基づいてやっていくべきものであって、それはあながち同和控除という問題にはなってこない。ただし、同和控除が必要でありますならば実定法を当然おつくりになるべきだ。そのことを団体も要求している。同和対策租税特別措置法というものが要求されているわけです。税というものが法律主義に立ちます限りは、当然そういう措置をとります場合、必要がある場合には法律をつぐっていくというのが本来の姿であって、法律もつくらないままで恣意的にこういう通達を出して、しかも大阪だけでも四千五百件というものがこの減免の対象になってきている。これは団体の報告書によりますと三〇%減免、そういう状況になっておるわけでありますが、そういうことが税の公正の面から見て妥当でしょうか。  あわせてお尋ねしますが、私はこの間参議院の予算の分科会のあなたの御答弁を見まして大変危惧の念を持ったわけでありますが、いわゆる七項目の協定書というのがあるわけであります。この協定書については国税庁の方は全く関知していない、認めていない、そういう要望があっただけだとこうおっしゃっている。ところが、この七項目というものは全部実現されているじゃないですか。神谷委員が質問しましたのは、そういう確約事項があったかなかったかということよりも、それが実際に実施されているかどうかということが問題なんです。あなたはそういうことを確約していないとおっしゃっている。単に要望を整理しただけだとおっしゃっている。ところが、実際の措置を見ますと、この七項目は全部実行されている。そういう状態でありながら、これは確認したものではないとか、あるいは相手方の要望にすぎないとか、そういう全く奇怪な遁辞を設けていらっしゃる。大変姿勢に公正性が足りない。七項目で実施されていない項目がありますか。あれば説明してください。     〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 御質問の第一点でございますが、三〇%の一律同和控除があるような御質問でございます。私どもは同和控除というものは認めておりませんし、まして各申告から経費として一律三〇%見ているということはいたしておりません。先ほど申しましたように、その地区の実情、諸慣習等のいろいろの特殊事情があるので、その実情をきめ細かく配慮するように、こういう趣旨で課税を行っているわけでございます。  それから、第二の点でございますが、いわゆる七項目の確認事項、四十三年の問題だと思いますが、これは当時いろいろ問題がございまして、解放同盟の方々からいろいろ陳情なり要望がございまして、それを国税局サイドが十分意見をお聞きしたことがございます。その際、解放同盟の方々がそのときのいろいろの要望を取りまとめたものがありまして、これについてわれわれがそれを確認し文書を交換し合ってこれを全部実行するというふうな約束をしたものではございません。あくまでこれは相手側が要望を取りまとめたものでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 相手方が取りまとめたとおっしゃいますけれども、この確認事項はいまの税務行政の中に全部実現しているのじゃないですか。  一つ目は別です。これは措置法の立法化でありますから何も税務当局の関係ではありませんが、その次の「同和対策控除」、それから立法化をするまでの間の処置として「局長権限による内部通達によってそれにあてる。」現に内部通達も出ている。そしていまだこれは法制化ができておりませんから、その内部通達によりまして三〇%減免というものが実際にやられておるという社会的な認識になっている。  それからその次の、窓口の問題がありますが、これも青、白を問わず自主申告について全面的に認める、国税局に特別窓口を設けまして、いわゆる金ラベル案件という扱いがなされている。これが三つ目の案件。  四つ目は、同和事業については課税対象としない。これも実行されておるそうであります。  五つ目が窓口の問題でありますが、これは三つ目の問題を実施しますための方法として、五つ目の窓口を設ける、いわゆる金ラベル案件であります。  それから六つ目は、これもこのとおり実際に実施されておる。ただし、この問題につきましてこれ自体が税に関係するわけじゃありませんが、実施されておることは間違いない。  七つ目も実施されておるというふうに団体側から聞いております。  そうしますと、あなたは、この七項目の確認事項というのは相手側の要望であって何ら国税庁が確認したものではないとおっしゃいます。しかし、実際にはそれが全部現実の行政手段として施行されてきておるということが問題であって、だから、あなた方は約束したものではない、相手側の希望だとおっしゃいますが、希望が全部実現してきているという問題なんです。そこに確認の蓋然性がはっきり出てきているわけだ。そういうごまかし的な答弁や処置ではだめだということを言っているわけだ。  どうです。これが実現してないとおっしゃるのですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 このいわゆる確認事項なるものは、私どもは、あくまで要望事項を取りまとめたものだ、こういう認識は変わっておりません。またそういう態度でこの問題には臨んでおるわけです。  ただ、先ほど申しましたように同和問題は非常にむずかしい問題でありますし、できるだけその地区の納税者の実情に合った課税をする、こういうわれわれの基本的態度に基づきまして、要望の中でもできるものは実行していく。これはいかなる要望に対しても同じでございます。ただ、税法の許す範囲におきましてできるものを実行していく、こういうことでございます。たとえば窓口をつくっていろいろの実情を聞いたりするとか、あるいは必要な研修を行う、こういうことは私どもとして行うのは当然のことだと思ってやっておるわけでございますが、いま委員のお話にありましたように、特別の同和控除を認めろ、こういうものに対してそれを認めているとか、あるいは企業連が指導してその窓口を通じて出されたものについては全面的に認めることにしているとか、あるいは同和事業について課税対象にしないとか、こういう問題につきましては、われわれは現在の税法に照らしましてできないものはできないということで処理しているわけでございまして、現在でもこの窓口を通じて出されたものについて修正申告をとるなり、あるいは更正決定を打った例は幾らもございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまいろいろおっしゃっておりますが、おっしゃっていることを突き詰めていきますと、結局は一般的に扱っていくべき税の徴収に係る基本原則というものをここで強調しながら、しかも一方におきましては、大変むずかしい問題であって答申がある、こういう事情をおっしゃっている。そして特殊性をそこで強調されておる。そういう特殊性を一方において強調しながら、七項目の確認事項につきましても、やっていないものもある、こういうことをおっしゃっておる。ですから、おっしゃっていますことが首尾一貫していないのだ。大変欺瞞的なといいますか、問題をすりかえるような態度が絶えず一貫して見られます。  それでお尋ねしますけれども、これについて大臣の見解もお尋ねしたいわけでありますが、法制上存在しない減税はできないことは当然のことなんです。しかし、存在しない、存在しないと言いながら特殊性を盛んに強調されておる。そして特別な窓口もできているわけです。いわゆる相談に乗って納税者の意思を十分にそんたくするという問題は一般的な問題であって、何も同和問題だけに限ったわけじゃない。ところがそれを盛んに強調される。そしてそれは特別な扱いはないとおっしゃっている。そこの論理が非常にあいまいなんです。そして実際の処置と変わっている。  一体何ぼぐらいの減免件数を国税庁は御承知になっていますか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 いまの御質問でございますが、私どもが特別扱いをしないと言いながら実は特殊性を強調して特別扱いをしているじゃないか、こういうふうな趣旨だと思います。やはり非常に特殊な問題でございますので、きめ細かくその実態に応じた取り扱いをする、しかしそれはあくまで税法の許容される範囲、税法に定められた範囲におきまして、よくその地域の実情を反映させるような課税を行う、こういうことで、その点については私は矛盾はないのじゃないかと思っています。  それから、いま幾ら減税しているか、こういう意味でございますが、特別の控除、あるいは特別一律控除等はしていないものでございますので、そういう特別の減税というものはあり得ないと思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 金ラベル案件についての特別な減免はない、こういうことなんでしょうか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 いまの金ラベル案件という特別の案件があるような御質問でございますが、これは特別なものではございませんで、同和関係の申告が出てきますと、なかなかむずかしい問題でありますので、こういうものをよく実情のわかったベテランに取り扱わせるという意味で、税務署がいろいろの区分の方法として、黄色いラベルを張ったりいろいろその他の方法をやっているわけでございまして、何か特別なそういう案件というものはございません。  したがいまして、いまそういう黄色いラベルを張りましてベテランが調査をするわけでございますが、その調査に当たりましても、先ほどからお答え申し上げておりますように、やはり税法の許す範囲内でよく実情に即した課税を行っている、こういうふうに理解しております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまおっしゃいました説明というものは実態とかなり遊離しております。私どもが税務署の内部の方の話を聞きましても、それから団体の報告書、総会議案などを見ましても、あなたのおっしゃいますのとは大変違っている。ただ、われわれは税務の担当者じゃありませんから、それは一つ一つ具体の指摘はできません。ただ、大きな利益を上げながら税金が大変安いという事例につきましては、幾つかを握っております。しかし、これをいま申し上げる時間がありません。  それは税金というものは所得に対する課税でありますから、旧身分に対する制度ではないわけであって、旧身分のいかんにかかわらず所得のいい方には税がかかる、そうして一般地区住民でありましても所得の低い人に対してはそれ相応の処置があり得るものだ。そういうものであってこそ初めて同和問題というものが国民的な理解の中で解決できるものであって、あなた方のお話を聞いておりますと、どうも何か非常にむずかしい特殊な事情があるようにおっしゃっておりますが、そういうものはありません。  ただ、同対審答申が出まして、それに基づく実定法としましては同特法が成立しております。この同特法の中に税の問題などはないわけであります。同和対策事業はいろいろと指摘されておりますけれども、税金の問題までここに包含して処置するというふうなことにはなっていないのであります。ですから、もしもそれが必要でありますならば、税のための実定法をつくるべきである。少なくとも四千五百件からの減免税があるとしますならば、これは当然そういう処置をとって、国会やあるいは国民の民主的な管理のもとに置くべきである、そういう統制のもとに置くべきである、これが税の法律主義のたてまえになってきておる。恣意的に国税庁の長官やあるいは国税局長の意思によってそれをかげんをするという性質のものであってはならぬということは言うまでもないわけでありますが、こういう点につきまして、私は会計検査院がお越しになっておれば御意見をお聞きしたいと思う。  それからもう一つ、もしも同和地区というものが、おっしゃいますように非常に複雑な要素があるということでありますならば、これは同和地区住民すべてに対して均てんしてその制度が行われるというのがあたりまえであって、特定の団体だけが対象になるということでは、これは法の公平性、公正性に反すると思いますが、その点はどうでしょうか、会計検査院の御意見を聞きたいと思います。

岩井毅会計検査院事務総局第一局長

○岩井会計検査院説明員 おっしゃることはごもっともでございまして、法律の規定によらずして一律に税の減免をするということは、これはあってはならないことと存じます。  また、一部の団体についてのみ適用するのはおかしいではないかという御質問でございますが、まあこの法律に基づかない減免となりますと、一部の団体のみならず、すべてに対してもこれは適当でないというふうに考えております。  なお、おっしゃるような三〇%一律減免というような事態は、私どもの検査におきましては、いまだ把握はいたしておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの団体の点について、国税庁はどうお考えでしょう。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 私どもも、いま会計検査院からの御答弁がありましたように、特別の団体について特別の取り扱い、特に課税上の特別の取り扱いというようなことは一切すべきでないと考えておりますし、また、してないと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、一般の同和地区の住民の方が、いまの国税局の特別窓口に出かけていって申請をするという場合には、どのような扱いをされるという意味なんでしょうか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 いま委員の御質問の窓口の問題でございますが、これは各国税局に同対室というものを設けて、同和問題の職員に対する認識を深めたり、あるいは研修を行ったりする窓口でございます。ここが課税上の窓口ではございません。  ただ、恐らく委員の御質問の趣旨は、特定の団体はここの窓口に申告書を出している、ほかのところの方々がこういうところに出した場合にこれを受け付けるのかどうか、こういうふうな御質問じゃないかと思いますが、私どもといたしましても、申告所得税なり法人税なりの申告書は、これは国税通則法に基づきまして、その納税地の税務署長に出す、こういうのが原則でございます。ただ一部のところは国税局のそこへ持ってきておるわけでございます。こういう形が私ども好ましいと思っておりません。  ただこれ、持ってきたから、これはだめだと突っ返すことは、きめ細かい納税者に対する姿勢ではないと思います。確定申告の際にも、よく間違えて局へ持ってきたり、隣の税務署へ持っていったり、いろいろする場合がありますが、これは一応私どもは付せんをつけまして正しい税務署に回付することにしております。そういう意味で、私どもとしては、そういう問題が生じたときにはよくPRしまして、できるだけ所轄の税務署へ持っていくようにということにいたしております。まあ一応間違って持ってきた場合あるいはいろいろの事情で持ってきた場合には、これは付せんをつけてそちらの税務署へ回すようにしておりますが、できるだけ良識を持ってこういうものは納税者のサイドも申告をしていただきたい、こう考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまのお答えにはずいぶんすりかえがあって困るのだ。いま、本来税務署に行くべきだけれども、国税局に来た場合には帰ってもらうのは気の毒だから受け付けをしておるとおっしゃっておりますが、そうでないでしょう。いま申しました四千五百件というものは全部、これは国税局の対策室というのがありますが、ここで受け付けをして、そうして統括官というのがこれを全部扱っている。下の現場の税務職員には全くこれは見せない、そういう状態になってきておる。そういう運営がなされておる。だから、あなたがおっしゃいますように、本来税務署に行くべきだけれども、紛れ込んできたからやむを得ず扱っているという性質のものじゃないのだ。  それがもしも同和地区住民であります方に認められますならば、これはすべての未解放部落住民に対して認めていくべきだし、それが間違っておるのであれば全体が現地の出先の税務署において申告手続をするというのが当然の処置じゃないですか。それが行政の公平性の問題じゃないですか。

米山武政国税庁次長

○米山政府委員 先ほど申し上げましたように、国税通則法で申告は納税地の税務署長にする、こういうのが原則でございます。私どもそうあってほしいと思っておるわけでございますが、持ってきて受け取ってくれ、こういうふうな場合には、持って帰ってくれと言うわけにいきませんので便宜上受け取っている、こういうことでございます。国税局へ出したからあるいは税務署へ出しやから、国税局へ出した方が得だというような筋のものでもございません。ただ持ってくる、こういうふうなことでございますので、便宜的に受け取っているわけでございます。これを受け取った場合には直ちに所轄の税務署に回付いたします。ですから、その段階ではもう全く同じ申告書の扱いになるわけでございます。  それから、それを受け取った後の措置でございますが、先ほど申し上げましたように、これは下の方に一切見せないというような問題でなくて、むずかしい問題であるからなるべくベテランの税務職員に取り扱わせる、こういうことを行っているだけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 あなたのお答えは実態と違っている。がしかし、きょうは時間がありませんから、これ以上はお尋ねできませんが、大蔵大臣、お聞きになりまして、大体の私どもの質問の本旨はおわかりでしょうか。もしも必要があれば特別措置法をつくるべきだ、そしてまた当然それは国会や国民の統制のもとに置かれるべきだ。そして扱う場合は特定の団体だけでなしに、これはすべての未解放部落住民の皆さんが同じ条件にあるわけでありますから、それも扱っていくのがあたりまえであって、そこに差別が存在してはいけないということを申し上げたわけですが、それについて大臣の所見を承っておきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 税法の前にはすべての人が平等であるべきで、執行官庁の手によって特別の控除が行われるようなことがあってはならないと思います。  ただ、それはいま米山次長も申しておりますし、また会計検査院の局長からもお話のありましたように、調べた限りにおいてはそういう事実は見当たらないと言っておられますけれども、なおあなたのいまの御質問もありますから、十分私としても調べてみたいと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これにて質疑は終了いたしました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件及び昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件について討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、賛成の意を表したいと存じます。  予算は、歳入、歳出の見積もりであり、いかに正確になされても、実際に予算を実行するに当たっては、過不足の生ずることはやむを得ないことと思われます。  歳出に見積もった経費に不足を生じた場合、または全然見積もられなかった経費を必要とするに至った場合には、その金額が大きくかつ重要なものであれば補正予算を提出して措置すべきであるが、国会の会期中ならともかく、国会を召集してまでもする必要のないようなものについては、その不足を補うために憲法、財政法上、予備費を予算に計上し、内閣の責任において支出できる制度が定められていることは申すまでもありません。  すなわち、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書(その2)の使用総額は、国民健康保険事業に対する国庫負担金の不足を補うために必要な経費等三百四十四億四千五十六万二千円、特別会計は、自動車損害賠償責任再保険特別会計等八百十九億九千二百五十四万六千円、特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額は郵便貯金特別会計等三百四十六億五千七百五十五万二千円となっております。  昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書(その1)の使用総額は、サケ・マス漁業の減船に伴う漁業者の救済に必要な経費等一千三百四十五億一千九百三十五万五千円、特別会計は、食糧管理特別会計等六百四十六億五千八百十九万三千円、また、特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額は、道路整備事業特別会計等百七十一億四千四百九万円となっております。  これら予備費の使用は、いずれも予見しがたい予算の不足を補うための経費と認められます。  ただし、昭和五十二年度予備費の歳出予算額二千六百二十億円に対し、使用額は一千四百七十二億八千八百八十万円となっており、差し引き一千百四十七億一千百二十万円の不用額を生じております。  今後このような多額の不用額を生じないよう、予算編成に当たっては、なお一層適切な配慮を望みます。  以上、一言希望を申し上げまして、賛成の討論といたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 馬場猪太郎君。

馬場猪太郎日本社会党

○馬場(猪)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、反対の意を表明したいと思います。  わが党は、予備費の予算額の計上、各省各庁の長の使用要求額、所要の調整額、使用額、支出済額、不用額等について検討いたしますと、次の諸点について今後明確にすべき事項または改善すべき事項が散見されるのは、まことに遺憾であります。  以下、その主な実例を申し上げます。  すなわち、昭和五十二年度予備費の歳出予算額二千六百二十億円、使用額千四百七十二億八千八百八十万円、不用額約四三%、千百四十七億千百二十万円となっています。  農林水産省所管水産庁の北洋漁業救済対策費の予備費使用額七百九十六億五千三十二万余、不用額三十四億七千百十四万円余となっています。  労働保険特別会計は一般会計予備費から七十六億八千二百七十八万円余を繰り入れているが、五百十九億六千百七十四万円余の不用額を生じています。  このように多額の不用額を生じている実例にかんがみ、今後予備費を歳出予算に計上する場合はより現実に即した積算に努めるとともに、使用決定の際はなお一層審査を厳格にし、予算執行の効率的運用に努めるべきと思われます。  財政法第三十五条の規定によると、大蔵大臣は各省各庁の長の要求を調査し、これに所要の調整を加えて使用額を決定しているが、十分調整の機能を果たしていません。各省各庁の積算基礎を厳密にただし、予備費を認めながら不用額を出すことのないよう留意すべきであります。  申すまでもなく、予備費の使用は、財政民主主義の原則の例外として政府の裁量に任せられた権限でありますので、より一層厳正を期し、再びこのような指摘を受けないよう注意されたいのであります。  以上、反対討論といたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書等の承諾を求めるの件について、不承諾の意思を表明するものであります。  その理由は、過ぐる八十国会に提出されました予備費案件審査の際、予備費使用について、財政の国会議決主義の原則にかんがみ、予備費の新項設定と予算修正権の関連や予備費使用の分の不当事項等の有無の明確化など、予備費使用の基本的かつ重大な問題を数点にわたり指摘し、さらに八十四国会における予備費案件の不承諾の意を表明した折にも再度指摘したにもかかわらず、政府は依然として従来の姿勢を保持していることは遺憾と言わざるを得ません。  さらに、予備費の使用に関しまして、政府の姿勢を指摘しておきたい。  昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書(その2)及び昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)における賠償償還及び払戻金のうち、スモン訴訟における和解の履行に必要な経費の予備費使用は、五十二年十一月には二億八千六百六万二千円が使用され、五十三年二月には一億三千四百十七万三千円、五十三年六月には十六億二千五百七十三万二千円、五十三年八月、二億六千九百四十四万六千円、同じく九月、二千四百二万八千円、同じく十月、七億五千百十三万四千円、同じく十一月、十一億一千九百五十四万円が使用されているのであります。  キノホルムによって被害を受けた方や、また痛ましい犠牲になった遺族の方に思いをはせれば当然のことであり、予備費使用の性格は賠償にあると思うのであります。  スモン病のキノホルム原因説はこれまでの金沢、東京、福岡、広島の各地の裁判の結果明らかにされ、因果関係は明白であります。  しかしながら、国がこれまでの判決に対しすべて控訴している現実は、因果関係が明らかであるにもかかわらずその責任を全面的に負おうとしない、責任回避の姿勢と断ぜざるを得ません。  また、昭和五十二年度一般会計予備費の決算を見ると、一千百四十七億一千百二十万円もの巨額の一般会計予備費の不用額が生じており、財政が逼迫している現今の予算編成として検討を加える必要があると思うのであります。これは予算の編成のあり方と予備費使用のあり方の基本に関することとして承服できないところであります。  以上の理由から、予備費使用等の承諾を求めるの案件につきましては不承諾の意を表明いたしまして、反対討論といたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、予備費等承諾案件のうち、昭和五十二年度特別会計予備費使用調書、同年度特別会計経費増額調書を除く四件については、不承諾の意を表明いたします。  予備費使用の多くは、漁船減船対策費や社会保障関係費、糖価安定対策費、災害復旧費、国内麦買い入れ費、各種保険金等であり、なお不十分なものや当初予算で十分措置しておくべきものなどの問題はありますが、いずれも必要な経費であり、その使用目的は承諾できるものであります。  同時に、本調書中には、わが党が認めることのできない幾つかの予備費使用等が含まれております。  たとえば、福田元総理の米、欧、中東訪問は、日米軍事同盟体制と日本の責任分担を強め、新たな危険な役割りを買って出るとともに、国民への犠牲の転嫁をさらに強化したものであります。総理の外国訪問について、恒例的に予備費を使用することも、予備費制度の本来の趣旨を逸脱するものと言わざるを得ません。  訟務費の中には、金沢、東京、福岡のスモン判決に対する国の控訴費用が含まれておりますが、国の責任を認め、被害者への謝罪と救済に全力を挙げることこそせめてもの政府の償いであり、不当な控訴は直ちに取り下げるべきであります。  例年多額の予備費を使用しておる国内米管理費も、食管制度の改廃、農民分断を図る奨励金自体の不当性とともに、このように恒例的経費を予備費で措置する財政運営は、予備費制度の性格に反するものであります。  また、当初予算で目未定のまま計上し、年度途中に各特別会計等に配分する国土総合開発事業調整費も、大企業本位の大規模開発の推進経費であるというだけでなくて、財政運営の手続上も、国会の予算審議権を狭める不当なものであります。  以上、幾つかの点を指摘いたしましたが、毎年予備費制度の厳格な運用を厳しく要求しているにもかかわらず、制度の趣旨を逸脱した使用が続けられておるのはきわめて遺憾であります。特に今回は、特殊な項の新設を幾つか予備費使用で行っており、また予備費使用とあわせて流用を行いつつ、流用額を上回る不用額を出しておる例が見られるなど、厳格さに欠ける財政運営についても、強く反省を求めるものであります。  なお、昭和五十二年度特別会計の予備費使用調書及び経費増額調書は、いずれも必要な経費であり、使用目的においては特に問題はないと認め、承諾をいたします。  以上で討論を終わります。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより採決に入ります。  まず、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決いたします。  本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和五十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)及び昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上二件について採決いたします。  二件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 起立多数。よって、二件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和五十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その一)、以上三件について採決いたします。  三件はそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 起立多数。よって、三件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十二年度特別会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その一)について討論に入るのでございますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決に入ります。  まず、昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書、昭和五十二年度特別会計国庫債務負担行為総調書、以上二件について採決いたします。  二件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 起立総員。よって、二件は異議がないと決しました。  次に、昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その一)について採決いたします。  本件は異議がないと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 起立総員。よって、本件は異議がないと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。〔報告書は附録に掲載〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次回は、来る十六日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗