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87回国会衆議院1979/04/11

決算委員会 第6号

発言数
167
登壇者
16
会派数
4
開催日
1979/04/11

会議録

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより会議を開きます。  昭和五十一年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、裁判所所管及び法務省所管について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  裁判所所管の審査に関し、国会法第七十二条二項の規定による最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明する旨の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 それでは、順次概要説明を求めます。  まず、裁判所所管について、概要の説明を求めます。牧最高裁判所事務総長。

牧圭次最高裁判所事務総長

○牧最高裁判所長官代理者 昭和五十一年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。  裁判所所管の歳出につきましては、当初予算額は千三百七十一億五千九百九十三万円余でありますが、これに、大蔵省所管からの移しかえ額五億六千七百八十七万円余、昭和五十年度からの繰越額八億七百五十八万円余、予備費使用額二億百三万円余、予算補正修正減少額七千六百八十万円余、差し引き十四億九千九百六十九万円余が増加されましたので、歳出予算現額は千三百八十六億五千九百六十二万円余となっております。  これに対しまして、支出済歳出額は千三百四十七億五千九十三万円余であり、歳出予算現額との差額は三十九億八百六十八万円余であります。  この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は二億二千六百五十八万円余であり、不用額は三十六億八千二百九万円余であります。  不用額となった経費は、人件費三十六億五千五百二十一万円余と、その他の経費二千六百八十八万円余であります。  裁判所主管の歳入につきましては、歳入予算額は八億五千五百八十万円余であります。これに対しまして、収納済歳入額は九億六千八百五十九万円余であり、歳入予算額に対し一億一千二百七十九万円余の増加となっております。  この増加は、相続財産で相続人不存在のため国庫帰属となった収入金等の増加によるものであります。  以上、昭和五十一年度裁判所所管一般会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。藤井会計検査院第二局長。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 昭和五十一年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次に、法務省所管について概要の説明を求めます。古井法務大臣。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 昭和五十一年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。  法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は六百十九億六千六百二十万円であります。  これに対しまして、収納済歳入額は六百六十七億三千六百十万円余であり、予算額に比べ四十七億六千九百九十万円余の増加となっております。  この増加しました要因は、罰金及び科料三十三億千四百三万円余、刑務所作業収入十一億四百六十三万円余が増加したことによるものであります。  次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は二千五百三十四億七千五百七十六万円であります。これに予算補正追加額六億四千三百二十八万円余、予算補正修正減少額三億千六百二十五万円余、前年度からの繰越額二十億八千七百八十万円余、予備費使用額四億三千四十九万円余、差し引き二十八億四千五百三十二万円余が増加されましたので、歳出予算現額は二千五百六十三億二千百八万円余となっております。  これに対しまして、支出済歳出額は二千四百九十八億三千三百五十六万円余であり、その差額は六十四億八千七百五十二万円余となっております。  この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は五億五千四十四万円余であり、不用額は五十九億三千七百七万円余で、不用額の主なものは人件費であります。  支出済歳出額のうち、主なものは、人件費二千四十五億四千九百三十七万円余、外国人登録事務処理経費七億二千三百三十四万円余、登記事務等処理経費三十五億千八百四十八万円余、検察事務処理経費十六億二千五百六十七万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費百四十二億八千三百七万円余、補導援護経費二十四億四千四百十六万円余、出入国審査及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費三億七千七百九十六万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費十五億千八百六万円余、施設費九十五億六千三百二十五万円余となっております。  以上、昭和五十一年度法務省所管一般会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。  よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。藤井会計検査院第二局長。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 昭和五十一年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これにて説明の聴取を終わります。     —————————————

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。國場幸昌君。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 まず最初に、戦後有余年にわたり敗戦の中から内法、国際法ともにまだ不備の点も多々ある中で、今日まで諸法に対して管理される法務大臣以下法務省の諸皆様方に御苦労の意を表するわけでございます。  まず第一に、法秩序の維持ということについて古井法務大臣の所信を承っておきたいのでございます。  昨年十二月に就任されました法務大臣の所信表明の第一に述べられましたことは法秩序の維持ということであり、私もまた、法務行政の使命は法秩序を維持し、善良な国民の権利と生活を守ることにあるということを承知しております。また、わが国は法治国家であり、その法の制度あるいは制定、改廃は、国の唯一の立法機関であるところのわれわれ国会であることは申すまでもございません。  以上の観点から、本決算委員会の法務省所管の審査に当たり、法秩序の維持ということについて担当の国務大臣としての抱負及び指針について、まずその所信を承っておきたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 お尋ねの問題につきましては他の機会にも申し上げたわけでございますけれども、われわれの社会の平安、それから善良な国民の立場、これを守りますためには最低限度法秩序はどうしても守らなければならない。これがなければ崩れてしまうわけでありますので、これがわれわれの一番の大きな責任だと思っております。  そういう考え方が根本でございますが、同時に、これは善良な国民なり平安な社会の秩序を守るのが主眼でございますので、これを乱す者がありました場合、その人間を憎むというよりも、善良な国民を守りたい、社会を守りたいということでありますので、やはりこれは心を鬼にしても職務をやっていきますけれども、しかし、守らない人間の人を憎む気持ちはなるべく持たぬようにして、いわゆる罪を憎んで人を憎まずという気持ちだけはやはり一方において持っていかなければならぬ、そういうことをあわせて思っております。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 では次に、現行出入国管理令に基づくわが国の出入国管理行政についてお伺いいたします。  出入国管理令は二十数年も前の昭和二十六年に制定されたいわゆるポツダム政令であり、その後実質的改正は一度もなく、最近の文化及び経済の諸外国との交流の進展並びに国際間の相互理解と親善の要請等、その後の諸情勢の変化に必ずしも対応していないところがあると指摘されております。法務省も過去四回、すなわち昭和四十四年の第六十一回国会、昭和四十六年の第六十五回国会、昭和四十七年の第六十八回国会、昭和四十八年の第七十一回国会に法律案を提出したが、すべて不成立に終わったため、やむなく行政上可能な限りその運用によって現状対応措置をとってきていると承知しております。  昭和二十六年、政令第三百十九号として制定された現行の出入国管理令についての現情勢下における問題点並びに省内における新立法制定についての検討作業の概要について、当局から腹蔵のない率直なる説明を承りたいと思います。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 お答え申し上げます。  現在の出入国管理令は、ただいま國場先生から御指摘がございましたように昭和二十六年に制定されました、ポツダム勅令の形で制定されました法令でございまして、確かに古色蒼然たる法律であることは事実でございます。その後の国際的な交通あるいは運輸手段というものに画期的な変化が見られております昨今、特に航空機を中心といたしまする国際交通の発達した現状というものに照らしますると、確かに現状にそぐわない点というものが多々あるのは事実でございます。したがいまして、過去四回にわたりまして改正法案を提出したという経緯があるのでございますが、これまでの経緯その他諸般の情勢にかんがみまして、私ども現在法案の提出につきましてはきわめて慎重に検討中であるというのが実情でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 近年における在留外国人の資格外活動事件の摘発件数が急激に増加しているとの指摘があり、またその内容も多様化しており、昨年五月には東京新宿で手首を切り落とすという不良外人同士のきわめてショッキングな抗争事件がある一方、成田に居住している反対闘争を支援するという外人部隊のような者もいると言われておる今日でありますが、各当局からその摘発状況並びに潜在的な資格外活動の実態について、把握している限りの説明をお願いいたします。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 ただいま資格外活動についてのお尋ねでございましたが、私ども資格外活動ということで具体的に立件いたしました数を申し上げますと、昭和五十年には七百八十件、五十一年には九百六十二件、五十二年には七百五十五件、さらに五十三年には千六十四件に相なっております。これらの資格外活動で立件いたしましたもののうち、結局強制送還ということに相なりましたる者が五十年には二百三十七名、五十一年には二百三十二名、五十二年には二百十三名、五十三年には二百六十八名というような実態でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 昨年の十月四日、最高裁大法廷においていわゆるマクリーン事件についての判決があったと承知しております。この在留期間の更新不許可処分の取り消し請求事件の概要について、各当局から次に述べることに対しましてお聞かせをいただきたい。  その第一点は、法務大臣が更新を認めなかった理由。その第二、第一審以来の争点及び裁判経過並びにこれに要した期間。第三、法務省当局は最高裁判決の意義をどのように受けとめているか。以上の諸点に対して御説明をお願いいたします。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 お尋ねの順番に即してお答えできない点がございますが、ただいま御指摘ございましたように、昨年十月の最高裁のいわゆるマクリーン判決は、外国人の出入国及び在留管理に関しまする私ども法務省入国管理局の基本的な考え方というものを司法の最高権威が全面的に肯定してくださった判示、判断であるというふうに私ども了解いたしておりまして、私どもといたしましては非常に心強く思い、かつ高く評価しておるものでございます。  現行の出入国管理令は、先ほども申し上げましたが、昭和二十六年ポツダム勅令として制定され、きわめて古色蒼然たる法律でございますけれども、このマクリーン判決によりまして実証されましたように、今日依然として十分有効に機能しているというふうに考えておるのでございます。特に在留外国人の政治活動という問題をどのようにとらえるべきであるかということは、確かに出入国及び在留管理行政の上できわめて重要な問題でございます。  しかし、今回のマクリーン判決を見まするに、最高裁の判示におきまして、結局わが国の憲法が定めておりまする基本的な人権の保障というものは、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除きまして、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきであるという考え方が示されておるわけであります。さらに政治活動の自由につきましても、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみてこれを認めることが相当でないと解されるもの、これを除きまして、その憲法上の保障というものが及ぶものという判示がなされておるわけでございます。したがいまして、外国人の政治活動そのものを一般的に直接禁止もしくは規制するというようなことは、憲法のたてまえ上できないのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。  しかしながら、政治活動をいたしておりまする外国人の在留期間更新等法務大臣がその許否を判断するに当たりまして、その外国人の政治活動の事実というものを消極的な事情としてしんしゃくすることは憲法も許容するものであるということが明確に判示されておりまするので、このような在留管理に関する諸制度の運用を通じまして、私ども在留外国人の管理の適正を期したいと考えておるわけでございます。  さらにまた、政治活動をするおそれのある外国人というものもまたあるわけでございまして、このような外国人につきましてはその入国を根本的に根元から拒否するということも、この判決によりまして明確に支持されておりますので、このような外国人の入国を認めないことによりまして、外国人の本邦での政治活動というものを未然に防止するよう努めておるわけでございます。  さらに、現行法令におきましては、外国人の政治活動というものがわが国の利益もしくは公安を害するというような場合には、この外国人を退去強制することができることになっておりまして、このような事態が起こりますれば、私どもとしては断固たる処置をとるつもりでおるわけでございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 わが国の国益を守り、法秩序を維持するため、わが国にとって好ましからざる不良外国人の入国を断固として排除し、また何らかの口実で入国した後不法な活動をしている者の退去強制を執行する最高の責任者は法務大臣である、私はこう考えるわけでございます。  まず、この人たちの、たとえばただいまのマクリーン氏の入国のときには、確かにあれは許可に対しての問題でございますが、目的そのものは大学の教授だとか、こういうような全く政治活動というものはなくして入ってきたということの記録を見ております。にもかかわらず、目的以外において私ども国内における政治活動というものに走り、あまつさえ国策とするところのいわゆる成田空港問題あるいはその他においての彼のなした活動そのものからすると、これは入国に対する許可に対しての違反であるということは、私は法律家ではございませんが、素人にいたしましても常識的にもかようなることに対しては一寸たりとも許すことはできない、強制的な退去をさせなければいけないと思います。  私ども沖繩におきまして二十七カ年間琉球政府という不自然ながらも行政の中にあったわけでございますが、入国するに旅行でもない観光でもない、ある一定期間において許可を得られるという目的そのものに外れた場合には直ちに退去命令というのが執行されるのがしかるべきであると考えますが、しかし法廷闘争になりまして、違反しておるというのを知りながらもへ理屈をもって、これがいや再審だ、どうだ、上訴だ、あまつさえかようなる目に余る活動をしつつもそれがまた上訴するによって釈放されている。釈放されてそれが結審つくまでには、マクリーン事件に対しましては五カ年と七カ月も要しております。その五カ年と七カ月も要するという期間においてこれがそのまま放任されておるということになりますと、これはどうなるか。  これを見ました場合に、今後において法の改正すべきものに対しては法の提案をし、それに対するわが法治国としての秩序を正す、これをしっかりと守るというのは法務大臣の責任だ、こう考えますが、今後においてもかようなる問題の取り締まりに対しましては、欠点のある法に対しては整備するというのがわれわれ国会でございますので、その点に対しての法務大臣のお考え方、将来において秩序あるところの法治国として社会をりっぱにし国民の安全と安泰を期すためにいかなるようなお考えをお持ちでありますか、お聞かせをお願いいたします。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 根本的に出入国管理令を改正するという懸案があるわけでありますが、御承知のような経過でなかなか簡単にもいかないということできょうに至っておるわけでありますが、国際情勢が変わってくる、それにぴったり合う一体いまの法令かどうか問題の点もありますし、それから複雑になってきますので、なかなか運用の上でも苦労したり難儀をする問題もあるのでありまして、できるだけ運用がしやすくなるようになれば非常によいことだと思いますが、ずいぶんまたいろいろな議論も伴う問題でありますので、このままいつまでもほっておくわけにもいかぬと思いますけれども、よく検討を尽くして改正すべきものか、またいつやるものか、よく検討を尽くしてみたいと思っております。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 重要な問題でございますので、いやしくも独立国家としての法治国としまして、国籍を持たない他外国人が政治活動をして国内におけるあらゆる問題に対して介入し扇動する、こういうことはポツダム政令という不自然な敗戦のための、憲法にしても御案内のとおり押しつけ憲法だ、いや骨抜き憲法だ、敗戦憲法だ、こういうことで不備の点があるのは、私一人のみならず国民においても、かようなるわが国においての不備な点が多々法的にも憲法的にもあるということは御承知のとおりでございます。わが国は民主主義国家制度であります関係において、やはり自由主義国家といえども国家に対する秩序を乱す者に対しては、ましてやそれは国民でなくて他外国人がかようなる行動をするというものに対しては、毅然とした態度をもってそれに対しては法整備をするという気構えがなくてはいけない。また気構えのみならずして、それを制度に移すというようなことで、法務大臣、今後においての法を管理する立場におきまして、要望でございますが、どうぞその腹構えを持ちまして今後に対しての法務大臣としての職責を果たしていただきたいことを希望して、次に移ります。  沖繩に在する混血児が、国籍を持たずわが国に生まれまして、国籍に登録することのできない混血児がいま百何名も沖繩におります。このことに対しましては、聞くところによりますと本土におきましても二件ほどその問題に対しての提訴があるということで、まだ未解決だということを聞いております。この問題に対しましてはやはりわが国における国籍法、御承知のとおり進駐軍、すなわち敗戦後におけるところの米在留軍人軍属、そういうような中にありて母親が日本人の籍を持っておる。わが国の国籍法はやはり父系の方が籍を持つ国で、わが日本人が父であり、母親は外国人であっても、父が日本人であるということに限り国籍を登録されるというような法律になっておるのは大臣も御承知のとおりでございまして、国籍法第二条、父系優先血統主義、こういうことであるが、しかし憲法そのものの第二十四条から見ますと、個人の尊厳と両性の平等という憲法の趣旨とはこれはまちまち、相互いにどうも納得のいかない点があります。よって、この百名余にわたる混血児に対しまして入籍をさせんとする沖繩における福祉団体がございまして、その福祉団体の手を通じてこれに対しての国籍をというようなことでやっておりますが、やはり国籍法がかようなる法でございますので、どうにもできない。混血児にしましても、国際人権宣言からしまして、国籍を持つという資格に対しましては全国共通したところの問題ではございますが、しかしこれがいまだに解決を見ておらないわけでございます。  この問題に対しまして、大臣でなくてもいいのですが、やはり百名余りもおる、恐らく本土にも相当そういう立場にある方々がおると私は考えるわけでございますが、いかような状況であるのか。その国籍法に対しての改正の考え方があるのかどうか。いずれにしましてもこの問題は解決しなければいけない問題でございますので、それに対する考え方をお聞かせいただきたい。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 沖繩の混血児のうちで無国籍者が相当数おるということは承知いたしておりまして、これは結局国籍法の観点から考えますと、無国籍者が生ずるということは決して好ましいことではないわけでございますけれども、それぞれの国におきまして自国民にする者はこういうことだということで法律を制定いたしておりまして、その法律間のいわゆる整合が十分図られていないということから、無国籍という問題が生じてくるわけでございます。  沖繩の混血児について申し上げますと、アメリカ人と日本人女の間に生まれた子供につきまして、正式に結婚していないいわゆる非嫡の子であります場合には、母親が日本人でございますので、わが国籍法によりましてその子供は日本人ということになるわけでございます。正式に結婚いたしておりますと、原則的には、アメリカの国籍法も例外的に父系主義をとっております関係から、その子供はアメリカ人になるわけでございますけれども、アメリカの国籍法におきましては、まず父親の要件といたしまして、一方の親が外国人である場合にはアメリカ合衆国あるいは海外属領において十四歳から十年以上アメリカに住んでいなければその子供についてアメリカの国籍を与えないということにいたしておるわけであります。他方、子供につきましても、二十三歳に達する前にアメリカに移りまして、そこで五年間居住しなければアメリカの市民権を失うということになっております関係から、御指摘のような沖繩におけるアメリカ人男と日本人女の間のいわゆる混血児で無国籍者が生じてくる、こういうことになるわけでございます。  この点につきまして、私どもといたしましては、ただいまのところ父系主義は国籍法としては維持すべきである。これは御承知と思いますけれども、子供の国籍を決める場合の基準でございまして、男女平等の憲法の問題のらち外である。さらに申し上げますれば、両親のいずれかが日本人である場合にその子供に日本国籍を与えるということにいたしますと、他の国から見てその子供は自国民だというふうになる関係からいわゆる二重国籍が生ずるわけでございまして、二重国籍は、その子供のために考えますと、これもまた決して好ましいことではないわけでございます。したがって、国籍制度のあり方といたしましては、二重国籍はできる限り防止しなければならぬという要請が一方にあるわけでございます。さようなことから現行のわが国の国籍法も父系主義をとっておるわけでございまして、これはそう簡単には改むべき問題ではないと考えております。  そこで、具体的に今日の沖繩における無国籍である混血児につきましての処遇の問題でございますが、わが国の国籍法によりますと、母親が日本人である場合の外国人である子供につきましては、居住要件さらに生計要件あるいは年齢要件等の一般の帰化を認める場合の条件を全部取っ払いまして、非常に簡易な手続での簡易な帰化を認めておるわけでございます。したがいまして、大半の方は現在沖繩、つまり日本に住んでおられるわけでございまして、母親が日本人でございますので、無国籍になっておりましても帰化の申請をしていただければ比較的容易に帰化の許可がされる、つまり日本人になれるという法律になっておるわけでございます。  ただ、そういうことになっておるわけでございますけれども、何分帰化の許可申請をいたしますのにはいろいろの書類も要るわけでございまして、手続をそれなりに要するわけでございますから、私どもとしましては、先ほどお示しのありました福祉団体等とも沖繩の地方法務局が協議をいたしまして、できるだけ希望のある方にはいろいろの便宜を図りまして手続をしやすくするというふうなことで話し合いを進めてもらいたいというふうに指示いたしておるわけでございまして、その線に沿ってやっていただきますれば、さほど手数、費用も要せずに容易に帰化の許可がされる、つまり日本人になれるというふうに思っておるわけでございますけれども、ただ帰化の問題というのは、私どもが余り差し出がましくいわば強制的に聞こえるような指導というふうなことをやるべき性質のものでもございませんので、あくまでも御本人の希望によってやるということにせざるを得ない面もあるわけでございまして、その辺のところを現地において円滑に手続が進められるようにいろいろ配慮してまいりたい、かように考えておるわけでございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 ただいまの説明によりますと、国籍法のいかんを問わず、父がたとえ非日本人であるにしても、本人の希望によってこれを選択することができる、こういうような御説明だと理解してもよろしゅうございますか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 先ほども申しましたように、混血の子供がアメリカの市民権を持っております場合には、日本で帰化の許可をいたしますと二重国籍になりますので、これは認めるわけにまいりませんけれども、アメリカの市民権も失っておる、いわゆる無国籍人になっておるということでありますれば、簡易に帰化を認めることができる、かような趣旨でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 混血児というのはやはり持って生まれた皮膚の色というのがありますので、本人といたしましても、母親にいたしましても、これは日米間においての混血児の無国籍解消に対しての問題として選択権をというようなことでありますが、陳情そのものは社会福祉沖繩事務所というところがございまして、そこからの強い要請でございますが、いまさっきおっしゃったようなことではない。いまおっしゃった百名余りに、まだ適用を受けることのできないような、国籍法に従って、事務的出先はやはりそれにひっかかるということで入籍することができない、こういうことと、またその混血児の立場になると、やはり父親のもと、アメリカに国籍を持ちたい、こういうことでございましても、いまさっきおっしゃったような条件これありでこれもできない。でありまして、この問題に対して、抱える母親としましては、本当に路頭に迷うというようなことで、何らこれに対する政府の救済策もないので、いずれにしても、国籍はそれじゃその選択に対しての自由を与えてもらいたい、一方、こういう立場にあるのは何とかひとつ国の方においても救済策を講じていただきたい、私はたびたび陳情に接しまして、いま自転車振興会あるいはまた船舶振興会、こういうところにお百度を踏んでお願いということで、幾ばくかの施設に対しての援助をお願いしておるわけであります。  でありますので、いま局長さんのおっしゃったようであればいかにも容易なことであって、これは手続さえすればできるよというように解したわけですが、なかなかそういうわけにはいかぬようですよ。だからもっと根を掘って、この問題に対して那辺に問題点があるのか、子供の将来というものも思いやるところの——国籍もないような立場にあるので、私は念を押して聞いたのですよ。そこでは二重国籍なんというものはとてもとても話の中からは出てこない。どちらか一方の国に国籍を入れてもらえばというようなたっての嘆願なんです。  でありますから、いま母親が日本人であった場合には二重国籍でない以上においては国籍を登録することができる、こうおっしゃったのですが、どうもその辺なんですね。医療問題とか奨学問題に対しましては、法のいかんを問わずいま国民としてのなにはやっておるそうです。ところが、大学とかそういうところに入るにおいても、結婚するにおいても、いまのようなことでは人としての、また国民としてのあらゆる問題について一生この社会制度を享受することができない。こんなことがあってしかるべきかというようなことで、これは、西ドイツとかフランスは一九七三年、七四年にこういう問題は解決したそうです。だから日米間においても、本人の選択によりいずれにしても国籍を入れることができる、ただし、ここには制限は、二重国籍はいけないよというようなことだそうです。  でありますので、これは外務省の管轄か知りませんが、しかしいずれにしましても最後的にはやはり法務省が扱う問題でございまして、これは日米間においてかようなる悩みの問題があり、承りますと、二件ほど本土においても提訴されておるという事件もあるということを聞いております。それだけに、悩みの問題が未解決であるということであれば、やはり外務省と合議の上でこの問題に対して日米間において詰めて、そういう不幸なる子供に対して前途に道を開き明るい希望の持てる人生を切り開くべく講じてやるのも、また国の責任ではないかと思うのですよ。生まれた子供を殺すわけにはいかない。やはり人間としての生きる権利あるいは国籍を持つ権利、これはもう国際人権宣言にもあるとおりですからね。だから私は、憲法の趣旨に従ってもそれだけのめんどうは見てしかるべきではないかと思うのですよ。本人任せで、こういうことであるからというそこに大きな食い違いがあるのですね。いま法務省局長さんのおっしゃった、いや、母親であっても大目に見てやっているよと。ただ大目に見てというようなことで、これに対しての法的な裏づけもなくして、それでもってあらゆる問題でつかえて前に歩むことができないというようなことであれば、人間としての生きる権利に対するあらゆる問題について、社会制度が享受できるように考えてやるというのがやはり責任ではないかと思うのですが、かような問題に対してはどういうお考えでございますか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 アメリカの方の法制度といたしまして、先ほど申しましたような無国籍の混血児が生ずるというのは、アメリカの移民及び国籍法で子供の居住要件を厳格にいたしておることからくるわけでございまして、これは沖繩の実態から言いましでとても無理な話でございますので、私どもとしても問題を提起してまいったわけでございまして、遅まきながら、昨年の十月十日だと思いますが、子供の方の要件だけは法律上削除されたようでございます。したがって、子供が沖繩にずっと住んでおることから無国籍を生ずるという事態は今後生じないというふうに考えておるわけでございます。  そこで、すでに生じておる無国籍の子供の問題でございますが、実は数年前からこの問題は沖繩の地方法務局においても簡易な帰化が認められるのだということのPRに努めるようにということでやってまいっておるのでありますが、福祉協会の担当の方にも私お会いいたしましていろいろ実情を承ったこともございますが、やはりいまちょっとお触れになりましたように、成年に達した子供につきましては、いろいろの理由があると思いますけれども、必ずしも母親が日本人であるからということで日本に帰化することを希望していない子供もあるようでございます。これは御本人の選択の問題でございますので、ずっと沖繩に住み母親が日本人であるからといって、ぜひともひとつ帰化の許可申請をしなさいというふうに指導するわけにはまいらないわけでございます。十五歳未満の子供につきましては、母親が法定代理人として、子供が日本人になることが幸福だということであれば、母親が子供にかわって申請できるということになっておりますから、問題は結局、母親が日本人にしたくても、十五歳以上の子供については本人が希望しないということであればこれはいかんともしがたいわけでございます。  ただ、希望する子供につきましても、先ほど申しましたように、法律ではっきりと、簡易な要件、簡易な手続で帰化ができることが明定されておるわけでございますけれども、やはり帰化の申請をしていただかなければならぬ。向こうの方で申請をしていただかなければ役所の方でいかんともしがたいわけでございますから、申請のための申請書を出したり、必要な書類を提出するという面で、福祉協会の方と法務局で十分連絡を密にして、手軽にしかも金もかからぬ形で申請手続ができるようにというふうに私ども十分配慮しておるつもりなんでございますけれども、ただいま承りますと、必ずしもうまくいってないという御指摘でございますので、さらに実態をより承知いたしまして、しかるべき措置を講じたい、かように考える次第でございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 時間もありませんので、最後に。  アメリカに帰化したフィリピン人とかシナ人の父親を持つのも三十名ほどおるわけなんですね。いまさっきおっしゃったような条件のもとで、父親が十カ年以上アメリカに在住し、十四カ年以後において五カ年間をアメリカで生活をしなければいけない、こういう条件に適応する者に対して、アメリカは国籍を受け入れをするということのようでございますが、いま言うフィリピン人とか、また若い兵隊が沖繩に十八や十九歳くらいでたくさんおります。そういう連中が子供を生み落として、本人たちはアメリカに逃げてしまって、それを抱える母親が物すごく苦労しておるのです。父親の住所も全部わかっておるにしても、それに対する扶養の要求もできない。また、生まれたところの子供というのは、白人であったら目玉も色も全部白人であるので、いまさっきおっしゃったように日本に国籍を置くということは、やはりひがみがありますものですから、それじゃ私は父親のもとへ行きたい、こういうような人たちが、いま三千二百名のうち百名余りおるというわけなんですね。三千二百名のうち百名というのは、いまおっしゃったような手続でもって不自然ながらも大目に見ておるからということで国籍を入れたでありましょう。しかし、いまの立場からして、アメリカに籍を持ちたいんだ、こういう人が大半だと私は察するわけでございます。  もう一点は、私は沖繩の社会福祉事務所の方に二回も三回も電話しまして、それではこの連中が日本に籍を置くということであればその道を講じればいいのか、それでもよろしゅうございますということに対して、何か局長さんの言うのとは食い違っている。那辺にこの問題があるかをもう一度確かめようとは思うのですが、しかし、いまさっきも申し上げましたとおり、生まれた子供の選択権、それに対して、父親がアメリカ人であったとした場合に、その選択に従ってアメリカに登録ができるかと言えば、国家間の話し合いがないと、いまはできないわけなんですね。局長さんは申請すればそれはできるようになっておると言うが、それは決してできないようになっておる。フランスとかドイツとかイタリアとか、そういうところでも二次大戦において同じ立場にあるような児童がおりまして、双方の国家間において問題を解決して、生まれた子供の選択権に沿うような協定ができた、こういうようなことでありますから、他の国ができるのにわが国ができないということは通らないと私は思うのですよ。この面に対して道を開くべく、私がさっきから申し上げますように日米間においてこれを協議して、その人たちに希望を持たせて人生を送らすように、ひとつ道を講じていただきたい。  これと同時に、社会福祉面において、そういう子供たちは母子福祉家庭としての扱いとか、そういう恩恵を全然受けておりません。こういうことですから、これは関係ないかもしれませんが、しかしこれも国籍から生まれてくる問題なんです。だからこういうものに対してはもっと真剣に日米間においても折衝すると同時に、沖繩の出先の方でも、こういう問題が国会の方で持ち上がってきたが、内容はどうだ、真実はどうなんだということでこれをもっと調査してやっていただきたいと思いますが、その点ひとつ、やりますならやります、やらないならやらないと、それでもって質問を終わりますので、ひとつそれに対する回答をどうぞお願いします。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 実はその問題と関連しまして、先ほど申しましたように昨年の十月に子供の方の要件の廃止の関係で、過去の場合はどうなるのかということを、いま外務省を通じてアメリカの方に問い合わせ中でございます。経過規定が私ども入手できないものでございますから、過去のものはどうなるのかということがまだつまびらかになっておりません。そういうものを含めまして、これは直接法務省の所管のことではないと思いますけれども、御指摘のような問題もございますので、外務省にも十分お願いいたしまして、アメリカとこの問題についてより協議を進めるように配慮していただくようにお願いしたい、かように考えます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 最後に、さっきの局長さんの答えにおいて、いま言うアメリカの選択権というものがある一方、いつまでもそのままにしておくわけにいかないので、せめてわが国の国籍だけはひとつ登録できるような道を講じていただきたい、こういうことですから、さっきの局長さんのお答えは、その方は本人の申請があればできるということでありましたが、それでは国籍を持つというのであれば、男女を問わず、社会均等、また平等に、わが国家制度におけるあらゆる社会福祉を享受することができるか、また現に受けておるのかどうか、この問題に対してひとつなにしてください。どうもいろいろな規制があって、学校へ入るのさえも、保険を適用させるにおいても、物すごく苦労しておるのですよ。現実が現実なんだから、特別配慮でやろうというようなことではだめなんです。特別配慮でもそれを受けてないというのです。たとえば母子家庭に対するわが国家の福祉制度の面においても全然恩恵を受けていない。そういうようなことで、いまおっしゃるようなことであったらこれは結構なんですが、事実向こうの方ではそういう国民としての社会制度による恩恵を受けることができないようなかたわみたいな立場にあるという母親の苦しさ、日常生活においてもとても困っておるので、その問題はぜひ早急に解決していただきたい、こういうことです。  これはどうもここの場において局長さんそういうことをおっしゃるのですが、真実とは違うはずです。うそは言わないはずなんです。この辺どうですか。それはお調べの上ですか。おっしゃるように登録すれば、国民としての権利もあれば義務も生まれてくると思うのです。ところが、その連中にはそれは与えられておらないというのですよ。そこに問題があるのですが、その問題は自信を持って、私が言うことは間違っておりますよ、国民の一人としてわが国において享受される社会制度による恩恵を受けておりますよと言い切ることができますか。私はそれがないからこんなにがあがあ言うのですよ。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 現在学校の問題とかあるいは社会福祉の関係、医療等の問題につきましては私どもの所管でございませんので、沖繩において実際無国籍の子供がどうなっているかということは私つまびらかにいたしておりませんが、私の申し上げているのは、法律ではっきり、母親が日本人である無国籍の子供については帰化の許可申請さえしていただければ簡易な手続で簡易に許可ができるようになっております。したがって、申請をしていただきたいというふうに申し上げているわけでございます。  ただ、私ども承知しております限りにおきましては、日本人になりたいという方については大半は申請はもうされておるわけでございまして、いま残っておる方が全部そうかどうかは私存じませんけれども、先ほども申しましたように、迷っておられるといいますか、あるいは父親がアメリカ人であることから、できることならば、アメリカに渡ってアメリカの国籍を取得したいと考えておる子供さん方も相当おるようにも聞いておるわけでございます。したがって、日本人になりたいという希望の方は、申請していただければ希望に沿うようには簡単にできるということを申し上げるにとどめたいと思うのでございます。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 最後ですが、それじゃおっしゃるものを信じまして、母親がその希望であり本人もそういうことであれば、日本国籍を持つことに対してはあらゆる問題に対して平等なる国民としての扱いを受けることができるということを確言されたわけですから、それは信じて、それじゃいまおっしゃるように、百名というのは多分アメリカの父親のもとに籍を入れたい、こういう立場にあると思いますので、その問題に対しましては、ドイツやあるいはフランスあるいはまたイタリアのように、やはり本人の希望によって選択権を与えて、それで日米間においての協議の上にその道を開いていただきたい。そのことに対して努力をしていきますというようなことと私は解しますので、その点をひとつ今後ともぜひ実現に持っていくべく努力していただきたいということを希望申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最初に、大臣にお尋ねいたしますが、サラ金地獄とかサラ金事件といったサラ金にまつわる自殺、心中事件等が後を絶たないわけでございますけれども、こうした現象といいますか事象に対しまして大臣はどのような御感触を持っておられますか、まずお尋ねしたいと思います。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 サラ金問題につきましては、やはりああいうことが起こってくるのはそういう必要が一方にあるから起こっておるんだと思いますけれども、しかし、いかにも現状はあのままでは問題が多過ぎる。何かここに規制を加えていかなければいかぬ。結局そこになってきておるように思うのでありまして、この問題は御案内のように、関係当局の間で前向きに解決しようというので検討をしておるという状況でありますので、これの実現を早くしたいものだと思うのであります。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 特にことしに入ってからのサラ金に関係した事件というのが非常に凶悪な事件が多いわけでございます。  大臣も御存じのとおり、ことしの一月二十六日、あの大阪の三菱銀行で起こった事件にしても、やはりサラ金から百万円前後借りて返済に困っていた結果、ああいう凶悪犯になった、こういうことでございますし、二月十九日、東京の上野の新潟相銀に包丁を持って押し入って二百八十三万円を奪った男も、やはりサラ金から約十七万円借りていた。さらに同じく二月十九日、札幌で事件が起こった病院長の長男の誘拐事件、これもサラ金から六十万円借りて返せなかった。  いわゆる従来悲しいそういう自殺とか心中とかと違ったこうした事件がことしは非常に多いわけでございますけれども、この特筆すべきといいますか、新たな事件が持ち上がったような感じがするわけでございますけれども、こうした点を大臣はどのようにお考えになりますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 やはり問題が多いですから、早くサラ金規制の問題を関係のところで話をつけて、弊害を除くような道を実行するしかないんじゃないか、問題は消えてしまわないですから。そっちの方をやるしかない、こういうふうな気持ちがしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで違法なサラ金の業者を取り締まるサラ金規制法というのが立法化される動きがあるやに聞いておりますけれども、どの辺まで進んでいるのか、お尋ねしたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 サラ金の規制の問題は一刻も早くやらなければならぬということは私ども一致した考え方でございまして、現在中心となりますところが大蔵省でございます。大蔵省を中心に成案を得るべく鋭意詰めておるところでございまして、私、率直に言いましてほとんど詰まってきておるんじゃないか。問題は、サラ金規制に関する新しい立法で利率の上限をどうするかというようなところがあと残っておるんではないか。法務省といたしましてはすでに態度を明確にいたしておりまして、利率の上限につきましては、実態をよく把握しておられます大蔵省その他の当局によりまして、この程度まで下げても庶民金融が根絶やしになることもなくかつ不当な負担を利用者にかけることがない、そういうような利率というものをお示しいただけば、法務省としては罰則適用の関係でございますけれども、上限を何%にするかということにはこだわらないということで、現在全面的にその作業に協力しておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 大蔵省中心にいま進めているということでございますが、新聞報道によりますと、政府提案を断念されて新たに議員立法で出てくる動きがある、このように報道されておりますけれども、これはどちらの方で出てくるんですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 恐らく最終的には総理あるいは官房長官のところで御裁断になると思いますけれども、率直に申し上げましてどちらかというと政府提案で何とかいけたらいきたいという方向で動いておるのは事実でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いま刑事局長はネックになっている問題は要するに金利の問題、利率の問題である、このようにおっしゃいましたけれども、それ以外にも届け出制の問題があると思うのです。これは報道等によりますと、従来の届け出制を登録制にするという形になっておりますけれども、この登録制で従来みたいな悪質な業者を完全に締め出すことができるか疑問も起こるわけですね。こういう点ではどのようにお考えになっておりますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 登録制にするかあるいは免許制にするかという点は必ずしも私どもの所管ではございませんけれども、やはり現実に届け出制のもとで十万を超えるという業者がおられるわけでございまして、私の知識でも、かつて宅地建物取引業の場合も、最初登録制から発足をして、漸次不良業者を払い落として、そして最後に本来のすっきりした姿にした、こういう経過もあるようでございまして、私は当面登録制ということで発足するのが第一段階としてはベターではないかと思うわけでございます。  登録制にいたしますれば、仮にあくどいことをやりまして処罰を受けたような者につきましては当然登録の取り消しの問題が出てまいりますし、また登録の際にはそれぞれの官庁におきまして厳格な審査ができることになります。そういう意味で一応のサラ金業者の規制の目的は当面達せられるのじゃないか、かように考えておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 当面の規制としてはいいかもしれませんけれども、やはり抜け道も多いわけですね。たとえば主人がやっていたのを主人の取り消しによって奥さんの名義に変えるとかいろいろな形がございますので、やはり許可制とかまた免許制というのがこれは本筋じゃなかろうかと思うのですね。法務省としてはいわゆる登録制では弱い、許可制ないし免許制にすべきである、これは従来から強く主張されておりましたよね。ところが大蔵省の方が、そこまで行ったらうちとしてはとてもじゃないがめんどう見切れない、こういう形で最終の折衷案という形でこうした登録制になっておるのじゃないかと思いますけれども、当面は登録制でやるけれども、将来としては法務省としてはこれでは満足しない、許可制ないし免許制にしたい、このように理解していいわけですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 サラ金を含めた貸金業というものをどう見るかという本質論はさておきまして、私自身としては、率直に言えば将来の方向としては許可制のような形ですっきりした方が規制はきちんとできる、こういうふうに思いますけれども、先ほど申しましたような実際上の数、それからいままでの届け出制を一挙に切りかえます際にいきなり許可制あるいは免許制ということにいたしましても、事務能力が伴わなければ結局しり抜けになってしまいます。そういった点を考えますと、やはり登録制ということと、それからそれに並びまして条件の明示義務でありますとかいろいろな書類の作成義務、こういうきめ細かい施策と一体となりまして業界の姿勢を正していく、こういうことが早道と申しますか、将来のことはさておきましてとにかくやらなければならぬことであろう、かように思うわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 当面の措置としてはわかるわけです。  そこで、ここに大蔵省の課長さんがお見えになっておりますので大蔵省の方に聞きますけれども、こうして登録制にする、金利の面でも漸次下げていく、業者の規制等もやっていくとなれば、いま数が十万以上おるけれども、本当に半分以下になっていくのじゃないかという見方もあるわけですね。そこで、数が多いから現在登録制でやむを得ないとなるけれども、将来そういう数が減ってきた場合においてはこれは許可制なり免許制にしてもいいという考え方に立つのかどうか。これは大蔵省の方に聞きたいと思います。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 現在届け出済みの貸金業者の数は約十七万でございます。したがいまして、ただいま刑事局長からお話がありましたように、行政能力等を考えますと、これを監視していくということはなかなかむずかしい問題がございます。したがいまして、まずは現在の自由営業制というところを登録というところに持っていくことが現実的ではないかということで、私どもも、実際に担当することになります都道府県等の意見もそうだと思います。  将来どうするかというお話でございますけれども、これは今後登録なりあるいは行為規制なりあるいは高金利の是正ということを通じまして、貸金業の実態がどうなっていくか、その辺を見きわめてから最も現実的な方向を考えていきたい、こう思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 届け出は十七万でございますが、実際活動しているのは三分の二くらいでございまして、そうないと思うのです。  そこで、推移を見たいということでございますけれども、課長さんでどこまで答弁できるかわかりませんけれども、もし数が減ってきた場合、従来の数から半分、三分の一になった場合、これはそういう許可制なりまた免許制を考えられますか。ちょっと大蔵省の方に聞きたいのです。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 現在私ども金融行政といたしまして監督しております金融機関の数というものは、たかだか千足らずだと思います。したがいまして、今後貸金業者がどのような経路をとるかわかりませんけれども、数万というような数になりますと、これはなかなか、免許ということで全面的にこれを現在の金融機関と同じような密度において監督していくことが果たして可能かどうか、この辺は十分検討しなければいけないということでございますので、先ほどの繰り返しになりますけれども、今後の貸金業者の内容、推移ということを見て考えたい、こう思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 将来はそういう方向に持ってきていただきたい、このように要望しておきます。  そこで登録制にした場合、都道府県に委託するわけでございますけれども、従来に比べて非常にそういう形で都道府県のウエートが大きくなってくるわけですね。そういう面で大蔵省としては、十分なる予算の配置とか、これに伴う都道府県に対して委託する際の補完的な措置というのは考えておられるのですか。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 現在まだ法案の内容を各省とともに検討している最中でございまして、具体的に細部まで詰まっているわけではございませんが、十分細部まで詰まりましてこれを執行する段階において、これが円滑に執行できるように考えていきたい、こう思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 次に、金利の問題でございますけれども、現在最高取っているのは日歩三十銭でございます。ほとんどの業者がこれを取っているわけでございますけれども、大臣はこの日歩三十銭、年一〇九・五%、これに対してどのようにお考えになっておりますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 一応私から経緯等について御説明しておきますが、日歩三十銭というのは、出資法ができましたころの業界の趨勢、これを見まして、余り高過ぎるところを切ってみた、そのあと残りの数字を達観で決めておるわけでございます。しかしながら、申し上げるまでもなくその後の金利の趨勢はずっと低下してまいっております。確かにこの三十銭という金利というものは現在の貸金業の観点からしますと高きに失することは間違いないわけでございます。したがいまして、それを何ほどまで下げていくか、こういうところが問題であろうと思うわけでございまして、大臣としてもそういった達観的な観点でお考えいただいておると思うわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで、議員立法の案によれば、この日歩三十銭を当面日歩二十銭にして、三年ないし四年たった後日歩十五銭にしていく。日歩十五銭でも年率に直したら五四・七五%になるわけでございますけれども、これでもやはり非常に高いという感じがするわけですね。たとえば外資系のサラ金、アブコ等におきましては五〇%を割っておりますし、四八%以下でやっておりますし、またいわゆる正当な金融業、小口金融業のそういう新しい金利の案でも、これも四八%以下ですか、こうなっておりますし、十五銭でもまだ高いという感じがするわけでございますけれども、この点につきましてはどのようにお考えになっておりますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 私どもは、この金利の理想は利息制限法の利息だろうと思うのです。社会の変動につれて金利というものはほうっておけば動くものでございますが、それを次第に規制しながら理想的な利息制限法の利率まで持っていくというのが永遠の理想であろう。そのためには、ただいま御指摘になりましたような二十銭とか十五銭というような段階を通ることが必要だと思いますけれども、そのために庶民金融がぱったりとまってしまうということではなりませんので、その点も考慮しなければいけませんし、また、私の立場で申し上げるのはどうかと思いますが、一般の市中金融機関ももう少し奮発していただいて庶民金融をやっていただくということになりますれば、この外資系の庶民金融の金利の低さというものと相まちまして、いわゆるサラ金業者も高い利率では商売をいたしかねる、これを超えて妙な金利を取ったり、あるいはあくどい取り立て等をしまするとサラ金規制法が効いてくる、こういうようなことで、永遠の理想と申しますか、利息制限法所定の利率を目指して漸次軟着陸をさせる、これが理想的な姿だろうと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 これにつきましては大蔵省の考え方を聞きたいと思うのです。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 ただいま御指摘の二十銭ないしは十五銭という話はいわば刑事罰を伴う上限の金利でございまして、これは金融という観点もさることながら、社会的に見てどの程度の金利ならば妥当か、それ以上は許されないか、こういうふうな上限を決める話であろうと思います。  そこで、現在一体サラ金の金利がどれくらいかということでございますけれども、若干時点は古くなりますけれども、昨年の秋に各都道府県知事を通じまして実態調査をいたしました結果によりますと、たとえば消費者向けの無担保の貸し出しでは、十万円以下という小口の場合には平均で二十三銭、つまり八四・五%という金利になっております。最近はこれよりも若干下がってきているとは思いますけれども、まだかなり高いのが実態でございます。  そこで、これを一挙にたとえば刑事罰を付したものとして下げてしまうということは、これは実態にも即応しませんし、これを強行しますとかえってもぐってしまうという危険もあって、何のために一体規制をするのかわからない、規制の功も奏しないということにもなりかねませんので、この辺のところは現実もよく考えながら、かつ規制の目的に沿うようにという方向でもって考えていくのが適当ではないか、こういうふうに思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 だから、議員立法という形で段階的に日歩二十銭、十五銭という形で出ていますね。これについては大蔵省はどのようにお考えになっているのですか。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 先ほどお答えいたしましたように、いわば社会秩序という観点から考えられるべき金利でございますので、金融当局としてこれが一番正しいとか、これが一番いいというふうに一概には決められない性質のものでございますけれども、現在各党も含めましていろいろこの点につきましても御相談いただいているわけでございますが、二十銭から出発してしかるべき時期に十五銭に持っていくというあたりは一つの考え方ではないかというふうに思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最大のネックは、先ほどからも御答弁ございましたように金利の問題だと思うのですね。関係六省庁が集まってできなかったということは、結局この金利の問題がやはり大きなネックになっていたのじゃないか。大蔵省は金融業者を守る立場である程度高い面をやはり主張されるでありましょうし、法務省としては利息制限法の二〇%を守るために主張する、このようなお互いの折衷でこういう形になってきたのじゃないかと思いますけれども、いずれにいたしましても日歩三十銭、十五銭というものは高いという感じがいたしますし、外資系がそういう形で四八%以下でやっておるわけでございますから、外資系でやって国内でできないことはないわけですから、そういう方向に進んでいただきたい、このように要望しておきます。  さらに問題なのは、利息制限法では年率二〇%になっておりますけれども、これを超えた場合、いわゆるグレーゾーンでございますけれども、判例におきましては、借り手が訴えれば返還要求ができるという最高裁の過去の判例もあるわけです。ところが、今回の案によれば、借り手が任意で支払った場合においては有効であるという新しい解釈が出てきているように感ずるわけでございますけれども、この点、従来のいわゆる最高裁の判例と、議員立法で出てきそうな今回の案と、この辺に若干違いがあるわけでございますけれども、どのように理解したらいいのか、法務省としてはどう考えているか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 利息制限法におきましては、御承知のとおり、制限利率を超過して任意に支払ったものについては取り戻しができないというふうに明文の規定があるわけでございますが、この規定の解釈につきまして御指摘のような最高裁判例、これは債務者保護の観点が非常に強く出ておる判例だと思うのであります。  それはそれといたしまして、貸金業の場合に最高裁判例どおりの理論を貫くということになりますと、果たして営業が成り立つかどうかというふうな点が問題になっているのだろうと思うのであります。そういうことから、制限の利率は利息制限法よりは高いところに罰則の限界として置くといたしまして、利息制限法の面からは特例的に、任意に支払ったものは取り戻しできないということをはっきりさせるというふうなことも一つの立法政策としては考えられることだというふうに思っておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 本人がいわゆる任意で支払った、納得して支払ったというこの解釈でございますけれども、これは非常にむずかしいと思うのですね。借り手の方は利息は安い方がいいわけでございまして、いわゆる納得するはずがないと思うのですよ。生活難、緊急のそういう費用のためにやむを得ず借りるわけでございまして、従来からの利息制限法の年利二〇%、この最高裁の判例というのは遵守しなかったらいけない。だから、そういう形でやれば、これはもうある程度二〇%を超えてもいいということになれば、この利息制限法の法そのものがなし崩し的に崩れていくのじゃないかという感じを持つわけですね。そういう点では、この判例の基本精神というのは必ず遵守していく、こういう考え方に立つのが筋じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○香川政府委員 先ほども刑事局長から答弁がありましたように、純粋に考えますと、利息制限法についての現在の最高裁の判例というのは、それなりに非常に合理的な面もあると思うのでありまして、そういうことになるのがあるいは理想かもしれないと思うのであります。しかし、やはり今日サラ金業者ならサラ金業者が利息制限法所定の利率以上の利息の支払いを受けても、それが結局無に帰するというふうなことになりました場合に、果たして今日の段階で営業が成り立つかどうかということもやはり考えなければならない問題だろうと思うのであります。つまり、庶民の側でそういった金融需要があることからサラ金業というふうなものが生まれてきておるわけでございますから、そこのところをやはり考えないと、幾ら理想でありましても、そういった線を強行するということはいかがなものかという感じを、率直に申しますと持っておるわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そうした考え方は、大蔵省が持つのは当然でございますけれども、法務省としてはやはり過去の最高裁の判例を守っていく、これに徹するべきじゃないかと私は思うわけでございますけれども、時間の関係でこの問題はそれぐらいにしておきます。  次に、業者の規制でございますけれども、過去の出資法第五条違反の事件の件数がございますね。受理の件数と起訴された数、それから不起訴にされた数、これを年次ごとに説明していただきたいと思います。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 過去五年間について申し上げます。  四十九年が、検察庁で出資法五条違反事件として受理しましたのが四百三十九、このうち起訴しましたのが二百六十二。五十年が、受理が七百九十、起訴が五百七十七。五十一年が、受理が一千百二十八、起訴が六百七十六。五十二年が、受理が一千十七、起訴が七百八十九。五十三年が、受理が一千八十九、起訴が八百七十一ということでございまして、漸次上昇しておりますが、特に五十年から五十一年にかけての上昇が顕著でございました。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この起訴された中身を分けて、公判請求と略式と両方ございますけれども、ほとんどが略式で終わっておるわけですね。この略式の場合の罰則というのはどういう内容なんですか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 ただいま御指摘がありました起訴の内訳として、公判請求と略式命令請求でございますが、最近の受理事件の上昇に伴いまして最近では公判請求が漸次ふえてきておりますが、それはそれといたしまして、お尋ねの略式命令請求で処理いたしますのは、最高罰金二十万円、こういう処理でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 二十万というのは非常に安いというか軽いという印象を私たちは持つわけでございますけれども、どうでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 現在の出資法五条のいわゆる法定刑の罰金の方の上限が三十万円になっております。一方、刑事訴訟法で略式命令の請求ができるのが二十万円限度になっております。そこでただいま申し上げたような処理になるわけでございますが、一般に罰金の額が低過ぎるのじゃないかという印象は皆さんお持ちでございまして、私どもも法改正のございます都度手直しはしておりますけれども、なかなか一気に三十万円を三百万円とか一千万円というふうにもいたしかねておる次第でございます。それはすなわち、きのうまで三十万円で済んだものがきょうから三百万円、一千万円というわけにもいきませんので、その辺を法改正の都度手直しをしておりますけれども、やや罰金の上限が一般的にごらんいただいて低いのではないか。そういう意味で、今後なお罰金額の問題については検討していかなければならぬ、かように思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 結局この辺が一つの隘路になっているのじゃないかと思うのですね。そういう点で、法改正を順次やっておられますけれども、この二十万円になったのも昭和四十七年の四月一日からでございまして、すでに七年たっておるわけでございまして、当時からいったら社会情勢は大きく変化している。こういう点からも罰則の強化が一つはやはりサラ金の地獄という事件の解消にもなると思うのですね。  そういう面では、すでに相当年数も経過しておりますので、この辺のことも十分考えていただきたい、このように思っておるわけでございますが、大臣、この点どのように思いますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 ただいまの問題は、私がすぐ見解を申し上げるほど用意しておりませんので、よく研究いたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 それから、サラ金というのは貸す方もそういう問題がございますけれども、借りる方も問題があるわけでございまして、現行制度は、極端なことを言ったら保険証一つでもって借りられる、こういう形になっているわけですね。そういう点で、今回の改正規制案の内容を見ても、いわゆる届け出制を登録制にする、それから金利の面、業者規制、こう大きく三つの柱に分かれておるわけでございますけれども、さらに、いまのたやすく借りられる、こういう現行制度の安易さ、これもやはり考えていかなければいけないのではないかと思うのですね。  そういう点で、生活苦、緊急の費用で借りる人は別としましても、内容的に見ても遊興費に使ったとか、むだなお金を借りている方が非常に多いわけでございますから、そういう点からいっても保険証一つで借りるというのではなくして、ある程度身元調査もきちっとやった上のいわゆるサラ金である、こういう形のことが必要ではないかと私は思うのでございますけれども、この点どうお考えになりますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 確かに一つの考え方であろうと思いますけれども、現在サラ金がこれほどまでに繁栄してまいりましたのは、一般の金融機関と違って右から左に借りられるということで伸びてきておりまして、また、消費者の立場からしますと、御主人が失職をした、奥さんがちょっと借りにいくというような場合にいろいろ調べられても困るというようなこともあって、繁盛しておるのだろうと思うのでございます。  そこで、現在のやり方、一部の業者ではほとんど何も調べないで貸してしまう、こういうことはやはりある程度自粛していただかなければならぬと思います。さりとて余り細かく調査をしなさいということになってもいけないわけでございまして、統計的に見ますと、相当な部分がレジャー費あるいはギャンブル費の借り受けになっておるわけでございまして、それらの点はやはりわれわれ役所の立場としましては、サラ金を安易に借りるとこうなりますよというような啓蒙活動、これをもう少し力を入れて立法と並んでやらなければならぬのじゃないか、かように思っておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 このサラ金規制法が成立した場合の監督官庁というのはどこになるのですか。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 この点につきましてもまだいま各省と相談中でございますけれども、現在の出資取締法は大蔵省と法務省、こうなっております。したがいまして、その延長ということで物を考えるのかあるいはどうするのか、この辺のところを今後詰めていきたいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 法務省としてはどう考えますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 お尋ねが業界の、業者の監督ということでございますれば、当然大蔵省でおやりになることだと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この法案が今国会に上程されるのか、上程された場合にはいつごろからこれが実施されるのか、その辺の見通しはどうなんですか。

吉居時哉大蔵省銀行局中小金融課長

○吉居説明員 サラ金を含む貸し金業者の規制につきましては、一日も早くこれを実現しなければいけないという認識は皆持っているわけでございます。そういう意味で、現在鋭意関係者の間で相談しているわけでございまして、何とかしてこの国会において御審議されることになりますように、いま細部の詰めを行っているところでございます。これが成立いたしましてもいろいろな準備が実はございます。そういう意味で、実際にこれが施行されますまでにはやはりかなり、半年ないしはそれ以上の準備期間がないと円滑な施行ができないのではないか、こういうように考えております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この点については法務省としてはどう考えますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 法務省で幾ら考えましても、主管のお役所でお出しにならなければしようがないわけでございまして、予算委員会等で伺っておりますと、官房長官あたりは今国会に出したい、そういうめどで作業を進めておるとおっしゃっておりますし、大蔵大臣もほぼそれに近いお考えのようでございます。そのように伺っておるわけでございまして、私どもとしては一日も早く日の目を見るようにしたいものだ、こういうことで協力を申し上げておるわけでございます。  なお、施行の問題につきましては、いま大蔵省からもお話がありましたように、やはり届け出制を一挙に登録制に切りかえます際には半年程度の余裕は見ないと混乱が起きるのじゃないかというような感じがいたします。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最後に、伊藤刑事局長はこれは大蔵省である、大蔵省の方は、課長さんでございますけれども、どうも法務省と共管でやりたいような意向を持っておられるようでございますけれども、これはもうこれ以上聞いても非常に発言にそれだけの制限があると思いますので、最後に法務大臣にお尋ねしますけれども、法務大臣としてはこの監督官庁はどことお考えになりますか。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 この問題は先ほど来関係の方からも申し上げておるとおりに、主管というか一番中心は大蔵省だと私は思っております。われわれの方は罰則の関係はこっちの方でありますので、どんな法律つくっても罰則つけるときは罰則はこっちがやるのですから、本体の方はそれぞれの所管が扱うのがこれは筋でありますから、こっちはこっちで担当の範囲はやりますが、まあわれわれは先ほど局長が申しましたように早いことをむしろ希望しておる、早い方に、ブレーキはいたしません、足を引っ張る方はいたしませんで、ほかが早く進行するように希望しております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そうしたことも含めて、いままで六省の、特には大蔵、法務の間に当然意見の衝突があったと思います。それが今日までの遅延だと思いますし、いずれにいたしましてもこれは国民は待っておりますので、早急な法案の成立を望むものでございます。  以上でサラ金の問題は終わります。  次に、入国の管理の問題です。  この問題につきましてお尋ねしたいと思いますが、外国人による違反事件がここ数年非常に多くなってきておりますけれども、出入国管理令がありますが、これによる退去強制された外国人がございますが、これは年次別に理由別に一応説明をしていただきたいと思います。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、出入国管理令の第二十四条に退去強制理由が定められておりまして、これに該当するものとして退去を強制されたもの、違反態様別に申し上げてみます。  昭和五十年度から五十三年度まで四カ年を申し上げます。  五十年度の強制送還されました総数が千二百十二人。その態様でございますが、不法入国が五百六十、不法上陸五十三、資格外活動二百三十七、不法残留三百四十四、仮放免逃亡とか刑罰法令違反で送還されましたその他が十八でございます。  五十一年度につきましては総数が千三百九十二。内訳を申しますと、不法入国が六百九十七、不法上陸が四十三、資格外活動が二百三十二、不法残留四百九、その他十一でございます。  それから昭和五十二年度でございますが、総数が千三百五十九。内訳は、不法入国が六百八、不法上陸が三十四、資格外活動が二百十三、不法残留が四百九十七、その他七でございます。  最後に昭和五十三年度でございますが、総数が千六百五十二。内訳は、不法入国が五百十四、不法上陸が五十三、資格外活動が二百六十八、不法残留が八百十一、その他六、以上でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いまの数字は強制退去された数でございますけれども、それ以前、この「退去強制事由別引渡件数」からいったら非常に多いわけですね。国内から強制退去された数でございますけれども、いずれにいたしましても、この中で不法入国が非常に多いわけです。  そこで、検挙ないし送還された数はこれだけでございますけれども、これはあくまでも検挙された数ないし強制送還された数でございまして、潜在している数はもっとすごいと思うのです。そういう点からいったら非常に軒並みふえてきておりますけれども、どういう原因なのか。それから国籍別で言った場合どこの国が多いのか、この辺ちょっと御説明いただけますか。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 お答え申し上げます。  結局立件いたしております違反件数というものを見ますと、必ずしも増加しておるとは言えないのではないかと思います。たとえば立件数で申し上げますと、五十年度、これは総数だけ申し上げますが、三万六百十八、五十一年が三万六百五十五、五十二年度が三万一千五百九十八、五十三年度は若干減りまして二万八千五百五十九というような数字になっておるわけでございます。  さらにお尋ねの国籍別でございますが、これは立件数によりまして申し上げますと、五十三年の一月から十二月までの暦年でございますが、総数で二万八千五百五十九のうち、韓国、朝鮮が一万七千百五十五、中国が三千五百九十二、その他七千八百十二というような形になっておりまして、韓国、朝鮮の占める比率がきわめて高いということが言えると思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 確かに五十年から見た場合は横ばいになっておりますけれども、四十五年からの表をずっと見てみますと、この辺からぐっと上がっているわけです。五十年ぐらいから横ばいになっている。それまでから比べたら相当な伸びです。その辺を言っているわけでございます。  そこで、これに対する対策でございますが、対策の中でもいろいろあると思いますが、まず検挙する場合水際検挙と潜在検挙があるわけです。そちらの方から表をいただいておりますけれども、たとえば五十年で引き渡し件数が一千九十二件あるわけでございますが、この中で水際検挙が九十五件、潜在検挙は九百九十七件ということで、水際検挙がきわめて少ないわけでございます。五十三年をとってみても、七百三件のうち水際検挙は二十三件、潜在検挙は六百八十件、こういう形になっております。  したがって、一たんもぐり込んで、いろいろな調査をし、住民からのいろいろな情報、こういう形で検挙する数が多いわけでございますが、上陸寸前の逮捕というのは非常に少ないわけです。この辺を今後押していかなかったら、一たんもぐったそういう外国人というのはなかなかつかまらない、こういう感じがするわけでございますけれども、この水際検挙に対しましてどういう対策をとっておられるのか、お尋ねしたいと思います。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 私どもこの種の違反対策といたしましてやっておることを申し上げますと、先生御指摘のとおりいわゆる水際で摘発するというのが最も効果的な手段であるということは事実でございます。私どもといたしましては現在のところ年に一度関東以西、主として密入国者が入ってまいりますのは関東以西の地域になるわけでございますが、関東以西の入管、警察あるいは海上保安庁、検察庁等々の関係機関の担当者の会議を開催いたしまして、不法入国者摘発の具体策等について協議をいたすというようなことをやっておりまして、その協議結果に基づきまして適宜摘発月間を設けるというようなことをいたしまして、この種の事犯の摘発に努めるほか、常時これら関係機関との連絡を密にいたしまして、相提携して不法入国者の水際検挙に努めておるというのが現状でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 この不法入国の実態の中でいわゆる上陸地点でございますが、以前は山口県とか福岡、長崎が多かったのですけれども、最近の実態表を見ますれば、特に関西関係の大阪港が一番多いわけです。五十三年度で見ますれば、大阪港で百三十八名、神戸港が七十八名、ナンバースリーが下関港の六十一名、ナンバーフォーが横浜港の四十六名、こういう形になっているわけですね。  そこで、ここに配置する警備官の問題になるわけでございますが、非常に警備官の数が少ないわけです。大阪港では警備官が七名、神戸港では十五名、下関は九名、横浜で十五名ということでございますけれども、出入国の人数からしたら非常に警備官が少ないわけですね。したがって、こういう形で水際検挙が非常に少ない、それで潜在してしまう、こういう悪循環を繰り返しているような感じがするわけでございますけれども、確かに予算的な面、人員も定員の枠等があると思いますけれども、年々こうした不法入国が非常にふえてきている。  そういう点からして、この警備官の配置というのは、こういう重要地点には若干やはり数をふやさなかったらいけないんじゃないかという感じを持つわけでございますけれども、非常に手薄である、こういう感じを持ちます。局長としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、確かに警備官の数がもっともっと自由にふやせるものであれば、水際検挙その他在留管理行政全般にわたりまして非常に大きな改善が行われるのは事実であろうかと思われます。警備官の数というものは、お説のとおり違反事件の摘発であるとかあるいは防止の万全を期するためには十分な定員が欲しい、また定員が確保されることが望ましいというのは事実でございまして、その増員の実現につきましては、定員法の関係あるいは国家財政の許す限度内におきまして鋭意努力しておるというのが現状でございます。  ただ、入管が所管いたします外国人の退去強制事由その他不法入国、不法残留、資格外活動等々、いずれも刑事罰の対象とされておるわけでございまして、警察その他の捜査機関と密接な協力関係をとっておるという意味で、私どもの警備官の数プラス警察というものがこの種の違反事案の発生ないしは防止に相協力しておるというのが現実でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 警察の協力を得ることも大事ですが、これは潜在した場合に警察からの情報等があるわけでございまして、水際検挙の場合は警備官がないわけですから、この点ももっとふやすべきじゃないかと思うのです、重点地域については。関西地域の中にも和歌山港とか舞鶴とか下津港とかそれぞれございますけれども、わずか一名という、そういう非常に貧弱な体制になっているわけですね。  また、大臣も御承知だと思いますけれども、この違反調査費というのがあるわけでございますけれども、非常にこれも少ない。昭和五十年に一千百四十三万でございました。五十一年では一千百一万ということで下がっているわけですね、違反調査費が。五十二年度一千九十七万で若干回復した。ところが、五十三年度は一千七十五万でまた下がっているわけです。だから、だんだん数はふえてきているが予算の面においては何かカーブを描いてふえたり減ったりして、そして五十四年につきまして一千五百五十六万ということで五百万ぐらい追加されて、やっと五十四年度は予算が増加されたような感じがしますけれども、いずれにいたしましてもそういう警備官の予算の面につきまして、この不法入国その他資格外、こういうものを含めて外国人のこういう違法な問題については配慮が足りないように思うわけでございます。  大臣も十分御認識なさっていると思いますけれども、こういう点で先ほど國場先生がおっしゃったような新宿事件、新宿に行ったらそういう国籍のわからない青年がうようよしているというのですね。そういう事件を防ぐためにも、またひいては国際親善友好関係を保つためにも、こうした問題を重視していかなければいけないのじゃないかという考え方を持ちますけれども、今後それらについて相当力を入れていただきたい。名うての超ベテランの大臣でございますから、こういう点につきましても特段の御配慮をいただきたいと思いますけれども、どうでございましょう。

古井喜實自由民主党法務大臣

○古井国務大臣 しばらくの間法務省でやってみておって、出入国の問題はなかなか問題も多いし、実際またどんどん問題がふえていく傾向にあるのじゃないかという気もするのであります。また、扱いもなかなかむずかしい事件があることを感づいております。これはよく考えていかなければいけないと思っております。  ただ、さっきもお話しでしたけれども、警備官をふやすとか金を若干ふやすとかしたところで、現在が十分じゃありますまいけれども、ふやしたところでなかなか追っつかぬので、やはりほかの機関の協力なども得まして、警察やその他の機関の協力を得てやっていくという考え方でいかないと、こっちだけでやっていこうと言ってもどうも及ばぬのじゃないかという感じがしております。といってこっちが十分だと言っておるわけじゃありませんから、そのあたりはよく研究したいと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 大臣もそれは承知の上でそういう発言をなさっていると思いますけれども、現場の人の声を聞くと非常に手薄であるという声があるわけですよ。そういう点では、当然大臣としてはそういう面で十分な配慮をしていかなかったら、現場の人たちはいつまでたっても、それは他の関係機関の協力を得るのは当然でございますけれども、当面の主管は法務省でございまして入管事務所等がやっているわけですから、この辺にはやはり温かい配慮が必要じゃないかと思うのですよ。時間がなくなってまいりましたけれども、それら資格外活動等も数がふえております。  そこで最後に、こうした本人も悪いわけでございまして、不法入国してくる、不法残留していく、資格外活動をやる、そういう外国人も悪いけれども、また一面それを承知の上で雇う雇用主、この辺もやはり規制をやっていかないとならない。外国人のほとんどがいわゆる観光という名目で来ます。六十日のビザがあるけれども、それを何かうまいことやりまして、そして経営者がホステスや中には売春等の不正な行為をやらしている。こういう悪質な雇い主もおるわけでございますから、こうした雇い主に対して現在の罰則は非常に軽いと聞いております。こういう点でも厳しい罰則をつけるべきであると思いますけれども、この点どうでございましょう。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 御承知のとおり、現在の出入国管理令の規定によりますると、外国人がいわゆる資格外活動を行おうとするときは、所定の手続によりましてあらかじめ法務大臣の許可を受けなければならないことになっておるわけでありますが、これに違反した外国人に対しては、管理令の規定によりまして六カ月以下の懲役もしくは禁錮または三万円以下の罰金を科するということになっておるわけでございます。  ただいまお尋ねの資格外活動者を雇った雇用主に対する罰則につきましては、現在の出入国管理令の中には規定はございませんが、法務大臣の許可を得ないで違法に資格外活動を行っている外国人というものを、その情を知りながら雇用した者に対しましては、刑法の規定が適用になってくる。刑法第六十二条に定める幇助犯として処罰の対象になるというふうに私ども理解しております。この点、諸外国の立法例といたしましては、たとえばアメリカの場合でございますが、アメリカの場合におきましては、米国内において稼働する資格を有しない外国人というものを雇用すること自体を独立の犯罪として定めるというような例もございます。この問題につきましては、法律の改正をも含む問題でございますので、諸外国の立法例等も十分参考にしながら、慎重に現在検討を加えておるというところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 刑法第六十二条の幇助罪、これが適用されるわけでございますけれども、これも非常に、何といいますか回りくどい間接的なものでございまして、非常に弱いわけですよね。そういう点で、現在管理令という形で昭和二十六年から据え置かれたままになっておりますから、この辺の問題もあると思いますけれども、いずれにしましても何らかの形で経営者についても厳しい罰則を科すような方法を考えるべきだ、こう思います。  最後に、入管白書というこういうものがございます。「出入国管理 その現況と課題」ということで、五年に一回出されているみたいでございますけれども、最近は昭和五十年度版が出されております。しかし、こうして出入国というものが、何といいますか、これから国際化時代になりまして非常に重要になってくる段階で、五年に一回ではどうも何というかさびしいような気がするわけです。大体白書というのは毎年出しておるのが非常に多いわけでございますので、これはどうして出さないのかと言ったら、予算の面でというような声も聞きましたけれども、こうしたいわゆる日本が小さな島国でこれからは諸外国との友好関係をつけていかなければいけない、そういう点から考えたら、いわゆるこの出入国管理というものは非常に重要になってくると思うのですよ。そういう点では毎年発行できるような予算的な措置も必要ではないか、こう思いますけれども、最後にこの点を大臣にお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。

小杉照夫法務省入国管理局長

○小杉政府委員 ただいまの先生の御示唆は非常に貴重な御示唆として拝聴いたします。私どもといたしましてもその可能性を十分検討したいと考えます。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 この際、午後二時まで休憩いたします。     午後零時四十三分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 きょうは、ひさしぶりに北富士問題を中心にお伺いをいたします。  防衛庁あるいは大蔵省からも来ていただいていますが、現在の状況から言うと、この北富士問題の派生するところ、法務省に大変厄介になる事態が起きてくると思いますので、いままでの経過を二つの件に関していろいろ申し上げますから、法務省もお聞きおきをいただき、なお途中で告発、告訴問題、それから警察庁からも来ていただいていると思いますが、放火事件についてもその後の経過をお伺いするというふうに進めてまいりたいと思います。  現在、北富士問題というのは二つの大きな課題を抱えているわけです。俗に言う林雑補償問題、それと二百十四ヘクタールの払い下げ地の問題、相次ぐ紛争が起きていますが、この二つについてきょうはお伺いをしてみようと思います。  林雑補償については、検査院の実地検査あるいは調査宣言が五十三年六月一日にされていますが、にもかかわらず年度末を控えまして防衛施設庁は従来どおりこの林雑問題の支払いをするようなことを聞いていますが、払い下げ地の紛争については、払い下げ地上に権利を主張する忍草入会組合あるいは県との間のどろ仕合いといいますか、植林着手前に円満解決をせよとの払い下げ条件が履行されていないために起きている紛争というように私は考えますので、いよいよまた再植林期が来ていますから、この問題もここで取り上げておきませんと大変時期を失すると考えますので、あえて申し上げる。  本来もう少し声がいいのですが、御存じの東奔西走で声をからした後、大変寝不足をしていて声がちょっと治らないものですから聞きにくい点があるだろうと思いますが、この点はひとつ許していただいてお聞きを願いたいと思います。  最初に林雑補償について、両方の問題ともそうですが、これまでかつて前例がないほど北富士演習場に係る諸問題を継続的に私は取り上げてまいりました。その結果、一体何が問題とされているのか、事実は明らかになっているものと考えますが、きょうは北富士の喫緊の問題として林野雑産物損失補償金支払いについての問題と、払い下げ地二百十四ヘクタールについての問題の二点について、これまで本委員会で何回も質問をした際、後日報告をするとして答弁を保留された点の答弁を含めて、関係当局にお答えをいただきたいと思っています。  まず第一に、林雑補償金支払いの問題ですが、これについて予算執行者である防衛施設庁は、いわゆる実損ある個人に給付される見舞い金であると勝手に解釈して、その趣旨で、法的に支払い義務があるわけではないが、行政裁量によって実損の額を確定してその度合いに応じて支給するものだと言って、現在まで支払ってまいりました。  私はここでは、かかる解釈が許されるかどうかを問題にいたしません。予算だけが存在し、その執行を許容する法律が存在しないでも、合法的な予算の執行ができるのかどうか。しかも、従来は文字どおり損失補償として予算の執行をしてきたにもかかわらず、途中で実はこれは見舞い金と解して予算を執行する方が演習場を円満かつ安定的に使用するために都合がいいということで解釈を変更するなど、憲法上も、解釈の恣意という点でも、重大な疑義が存在していることは否定できないと思っておりますが、しかし、予算の目的の第一次的解釈権とそれに基づく執行権が予算の配賦を受けた省庁にあるというたてまえからしますと、その意味においては防衛施設庁の解釈を第一次的には尊重しなければならないかとも考えています。  そのような留保をつけた上で、これまで防衛施設庁に数点質問してまいりました。すなわち、林雑補償金という予算が見舞い金であると言っても、その見舞い金を支給する根拠が実損の存在であるという点については、防衛施設庁もこれを認めているのであります。したがって、実損がない以上は林雑補償という名の見舞い金は支払えないということについては、防衛施設庁に異論はないはずであります。  これまでの争点はただ一点なんです。実損がないにもかかわらず見舞い金が支払われているのではないかというところにあったわけでございます。しかも、この点はきわめて重大な点でありまして、この実損がないことを防衛施設庁は百も承知の上で、北富士演習場における演習を円滑にするためにあえて支給してきたのではないかということであります。実損がないのに払ってきたのだ、何回も私はこれを指摘してまいりました。実損がないにもかかわらず、それを知らずして見舞い金を支払うのは職務怠慢だと言わざるを得ない。万が一これが逆に実損がないことを承知の上で見舞い金を支払うというなら、これは不正なんです。間違いなく不正だと思う。一体実損があるのか、あるとすれば当然その根拠を示さざるを得ないのでありますが、防衛施設庁はその実損の根拠として、見舞い金を受領せんとする各申請者がその申請に添付している損害額の算定のいわゆる基礎資料を明らかにしてくれない。幾ら見せろと言っても明らかにしてくれない。しかも、個人のプライバシーにかかわるとの理由をつけて拒否しているのであります。  しかし、公権力の発動として相手方の意思いかんを問わずに強制的に収集した刑事事件上の証拠のごときもの、もしくはそれに類似する性質をもって収集した税法上の申告書のごときものであればともかく、申請者が自分はこれだけ損失をこうむったので見舞い金をくれと言っている場合に、かかる損失証明の書類がどうしてプライバシーという法的保護の対象になり得るか、ここに問題がある。ましてやその書類が真実に反する疑いがきわめて濃厚なんです。同じく書類といっても、強制もしくは強制的手段によって収集されるものと、みずから積極的に提出し、それによって国民の税金からいわゆる金銭的給付を受けんとするための書類とでは、その法的保護が異なるのは当然だと私は思う。  かかる法の論理を故意に間違えるというのであれば、国会を愚弄するものだと思います。もし知らずして犯すというのであれば、無知だと言わざるを得ない。  さらに問題なのは、申請者がみずからの資料を公表されても全然かまわない、いやむしろ公表してほしいと言い、かつは自分に幾ら見舞い金が来ているのか教示してほしいと要求さえしているのに、これさえ拒否して今日に至っている。もうこれにはプライバシーの侵害という拒否の理由さえつけられないのに、なおかつその書類の提出を拒んで今日に至っているのが防衛施設庁であります。これらについては昨年六月一日の本委員会においてすでに問題にしたところですが、そのときの答弁はきわめて納得し得ないものだ。かつ、そのとき答弁した防衛施設庁の施設部長は、後で報告しますということで終わったのですが、あれは決算委員会の会議録の第十三号を見ていただくとわかる。五十三年六月一日、十二ページです。その後の調査、検討の経過を踏まえて、次の四つに分けてまず質問したい。  防衛施設庁は、現在林雑補償という見舞い金支給の要件たる実損が各申請者に存在していると確信しているのかどうか、これが一つ。二つ、見舞い金申請者が実損の根拠として提出した書類が、真実に合致すると言えるかどうか。三つ、その書類を資料として提出するかしないか。いままで要求して、出さなかったのです。再度伺いますが、出すかどうか。四つ目に、各申請者に幾ら給付したかを明らかにするのかしないのか。この点もずいぶん要求してきたのですが、いまだに出していない。  まず、いま申し上げた四点について納得のいくような報告をしていただきたいのであります。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 お答え申し上げます。  国が実施をしております林雑補償は入会権に対するものではない。現在自衛隊あるいは米軍が使用しております林野におきまして、米軍が使用を開始する時期までに継続的にその林野雑産物を採集していた者で、その演習場に立ち入って林野雑産物を採集する農業経営上の必要性が現在も存続をしておる、かつ立ち入り制限等によりまして演習場内の林野雑産物の採集が阻害されている事実がある者を対象といたしまして、その者の申請に基づいてその阻害の程度に応じて補償をしているというのは、再々御説明申し上げたとおりでございます。これは、いわば関係住民の民生安定を図り、演習場の安定的な使用を確保するための行政措置ということでございます。したがいまして、立ち入り制限下における個々の農家の……

原茂日本社会党

○原(茂)委員 ちょっと待って。途中ですが、そういうことは全部いままで行ったり来たりしている問題なので、それは要らないんだ。ぼくが端的に聞いている問題。私、言ったでしょう。いわゆる実損があるというふうに確信しているかどうか、これが一つです。それから、いわゆる見舞い金の申請者が実損の根拠として提出した書類が本当に現地とぴちっと合っているかどうか。それから、いままで私が要求した書類を資料として出すか出さないか。各申請者に幾ら支給したかをはっきりと私に出していただけるかどうか。この四点だけ、そのものずばりで結構ですから。いままでのところ、そんなものは五回も六回も、お互い聞き飽きた問題なのです。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 その実損の問題でございますが、先ほど申し上げましたことに引き続きまして、われわれの立場として、そういう関係者の方々が、立ち入り制限のもとにおきまして個々の農家の事情から林野雑産物の採集を行っていないというような状況にございましても、具体的に農業経営上の必要性が存続しておる、そういう必要性があるというその事実認識に立脚いたしまして、住民の方から請求があれば阻害の程度に応じまして行政措置をしているということでございます。実損のあるなしというよりも、そういう必要性が続いておるかどうかというその事実認識に立脚して、お支払いをしているという性格のものでございます。  それから、第二点の資料が正確かということでございますが、これは、私ども、関係者の方にアンケート用紙を配りまして必要な記入をしていただく、その上でさらに横浜局の職員が一々関係者から聞き取りをいたしまして、その記載事項が正確かどうかということをチェックする、あるいは公的な資料でそれを補完するというようなことをできる限りやっておるわけでございまして、この点については正確を期しておると私どもは考えております。  それから、第三の資料の問題あるいは第四の各人別の金額の問題。これにつきましては関係者も多数ございます。一部の方からはそういう御要望があるかもしれませんけれども、そういう資料を出すあるいは各人別の資料を出すというようなことにつきましては、演対協その他とも十分相談をしておりますけれども、地元の混乱を招くということもございますので、御容赦をいただきたいと考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 第一の問題について、あなたは部長さんで長官じゃないから本当の責任を言ってどうかと思うのだけれども、少なくとも国会でそういうはっきりした答弁をあなたもした。いままで施設庁がずっと答弁をしてきました。当時はまだお伺いしていないが、きょうはあなたに聞いておきたいのだ。万が一あなたの答弁がうそだったらどういう責任をとるか、その点をはっきり言ってください。うそだということを証明したときにあなたはどういう責任をとるか。実損がないのに払っているのだということがわかったらどうするのだ。そのときの責任のとり方をここではっきり……。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 お答えいたします。  実損の問題、これは先ほど私が申し上げましたように、現在も農業経営上の必要性が継続をしているという事実関係に立脚をしてお支払いをしているのでありまして、そういう点についてはわれわれの考え方は間違っていないと考えております。もし絶対に私の言うことは間違いであるということが立証されたというようなことになりますれば、私も御答弁を申し上げた責任上、上司とも相談をいたしまして、しかるべく対処をいたしたい、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いまあなたがまたこの前とはちょっと違うような答弁をぬけぬけとしているのだけれども、私が言っているのは、林野雑産物損失補償という従来からずっと支払われてきたその内容が支払いに値しない、実損がなかったというときに、あなたは、いま言ったように上司と相談をして責任をおとりになる、少なくとも、私もここで質問するのにいいかげんな質問をしていませんから、あなたもいいかげんな答弁をしないで、いま言った責任をおとりになるという前提で、そろそろこういう問題のけじめをはっきりつけていくようにしたいと思うから、あえて聞いたのです。  それから、演対協に相談したらどうもいろいろな支障があるから一々資料はお出ししない。どういう意味でしょうね。何の支障があるのか。また後でその問題専門に聞きますが、きょうはそれを専門に聞くのじゃないから聞きませんが、そういう答弁でずっと終ろうとしても、そのうち不可能になるのじゃないかと私は思うのです。一体何で大ぜいの人の迷惑になるのか。何の支障が来すのか。自分がこれだけの損失を受けております、だからお支払いくださいという請求書を出した、その内訳を出した、それによって支払いがされる、本人がこれだけ損がありますから支払ってくださいと言って出したその書類が、どうも他に迷惑をかける。他ではずいぶんうそを言っている者がいるのに、一人だけまじめにこう言われたのではうそ言ったのがばれるから困るのか、ほかはみんなまじめなのに一人たまたまうそを言っているやつがあって、そいつがばれるから迷惑になるのか、いずれか知れませんが、この問題はまた後でせんさくをします。  また、いわゆる新屋の入会組合に属している人たちが、自分がこれまでどのような積算根拠で幾ら受領してきたのかわからないので教えてほしい、また公表しても構わない、いや、むしろ公表を望みますという人々、横浜の施設局にもその旨申し入れたはずですし、私がその委任を受けていることも通告したとおりなんです。一体、各年度ごと、各個人別にどのように実損があると見積もり、どれだけの額の見舞い金を給付をしてきたのか、いつまでに明らかにされるかについて答弁を——永久にだめなのか。とにかく私に委任をした多くの人は、こんなことはプライバシーも何もありません、いままで幾らもらったのか知りたい、これからどうなるのか知りたいので、一切その資料を公開してもらうように委任をしますということで、委任をされた。この委員会でも言ってあるのです。それをも拒む理由は何ですか。期限を切って出してもらえますか。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 お答え申し上げます。  先生がおっしゃいましたようなことを要求される方々だけではなくて、あの地域にはたくさんの入会組合、たくさんの関係者がおるということでございます。現在その大部分の方々が演対協のもとにまとまっておる、これはもう先生御承知のとおりでございます。一部につきましてもそういう資料を公開するということにつきましては、地元に混乱を招く、ひいては演習場の安定的な使用ができない、こういうことにもつながりますので、私どもとしてはぜひ御容赦をいただきたい、このように考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 昔から陋習という言葉がありますが、悪い陋習をもってそして間違った行政が行われている。ある少数の人の意見が後になって正しくて、それが実行されたことで多くの人の過ちが是正されるという事例はたくさんある。またそれも、政治の場では非常に重要視しなければいけない。あなたは実際のことを知っていて、何か数が多い演対協という側にくみしていればまあまあ事なかれ主義で済む、こう考えて答弁をしているのかもしれませんが、あなたの言う、その私に委託をした人の資料でも私に公開するということはやがて他の多くの人に大変な迷惑を及ぼすという答弁がいまあったのですが、その迷惑を及ぼすというのはどういう迷惑なのか、その原因とは一体何か、何が原因でこの種のものを公にすることが他に迷惑を及ぼすのか、その迷惑の種類はどんな内容のものか、これを後で文書で出してもらう、こういう要求をしておきますが、委員長、ひとつそれを諮ってみてください。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 整理をいたしまして提出をいたします。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 さらに、これら公表を望む新屋の人たちは、昨年五十三年十月七日に、五十一年度分林雑補償金不払いに関する行政不服審査の申し立てを行っています。知っていると思いますが、この行政不服審査の申し立てについて、防衛施設庁はいっこの申し立ての送達を受け取ったのか、一つ。その後この申し立てをどのように取り扱ってきたのか、二つ。そして現在はどのようになっているのか。こういう三つに分けて答弁してください。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 お答えをいたします。  審査請求を受理いたしましたのは昨年の十月十一日でございます。現在、その請求につきましては当庁内でいろいろ慎重に検討していることでございまして、できるだけ速やかに措置をしたい、このように考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 ちょっと多田さんに委員長からお尋ねいたします。  原委員から希望のございました資料の提出は、あなたいま承知をなさいましたね。その時期はいつでございますかおっしゃいませんでした。時期をお答え願いたい。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 二週間程度御猶予をいただきたいと思います。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 わかりました。  原委員にお尋ねいたします。  二週間程度のかすにもって時間をということでございますが、質問者はそれで御承知ですか。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 結構です。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 それでは質疑を続けます。原茂君。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いまのお答えも、無期限で検討されるような答弁なんですが、これも少なくとも二週問以内には、どういうふうに処置するのかをついでに検討して、はっきりした返答のできるようになりますか、どうですか。

多田欣二防衛施設庁施設部長

○多田政府委員 この問題につきましては、さらに慎重な部内検討が必要だと思います。もう少し時間がかかる、このように考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 他に影響するところ波及が非常に大きいから、そう簡単にいかないのでしょうな。  また、この点につきましては、地元の旧十一ケ村の入会を守る会の会長の渡辺孝基という人が、地元の入会組合長は、実損の存在こそ林雑補償支給の要件であると知っていながら、あたかも実損があるかのごとく装って申請書を提出し、林雑補償金を詐取しているが、それは詐欺になるのではないかと警察署に告発するなど、数通の告発状が出されていると記憶しています。林雑の受領者のみならず、林雑補償の支出負担行為担当官及び山梨県の演習場対策協議会の会長などをも告発していたと思いますが、それはどのように処理されているのか、その処理の結果と理由を法務省当局から明らかにされたいと思います。  順次、もうちょっと先まで聞いた方がいいと思いますから、ここで北富士問題にまつわるその他の告発についてまとめて尋ねておきたいと思うのですが、その一つは、忍草入会組合のいわゆるジャガイモ畑荒らしの告発があります。二つ目に、同じく忍草入会組合の牧草地荒らしの告訴があります。三つ目に、渡辺孝基さんの恩賜林組合長の自然公園法違反についての告発はどうなっているのか。  これらの処理及び結果とその理由を明らかにされたい、こういうふうに思います。  次に、告訴あるいは告発がなされているかどうか定かでありませんが、北富士では三つの放火が立て続けに起こっております。これは警察庁にお伺いするようになるかもしれませんが、一つは、忍草入会組合の断食小屋の放火、これは焼失してしまいました。二つ目は、同じく忍草入会組合の桧丸尾管理小屋の放火、これも焼失。三つ目に、同じく忍草入会組合の梨ケ原にある入会地管理小屋の放火。  この三つの放火事件について、一体どのように捜査は進行しているのか、否、そもそも捜査しているのか。一向に進まない犯人の逮捕に、被害者は当局に対する不信を隠していない。どのような進行ぐあいなのかを明らかにしていただきたい。まずこれだけ尋ねておきたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 順次お答え申し上げます。  まず最初に御指摘になりました事件は、恐らく昭和五十三年四月六日に富士吉田市在住の渡辺孝基氏から甲府地方検察庁に対してなされました告発の件であろうと思われます。この事件は、被告発人四名ございまして、まず北富士演習場対策協議会会長有泉亨氏は、いわゆる林雑補償金の交付申請をするに足る実害がないのに実害があるように装って横浜防衛施設局長に申請をいたしまして、昭和五十二年四月、約二千七百十八万円の林雑補償金の交付を受けて詐欺をした、こういう事実でございます。  第二の事実は、横浜防衛施設局長菅原竹雄氏を被告発人とする背任の件でございまして、当該施設局長はただいまの林雑補償金の交付申請の内容が虚偽であることを知りながら、任務に違反して昭和五十二年四月に約二千七百十八万円の林雑補償金を交付した、こういう背任の事実であります。  第三に、元北富士演習場対策協議会会長小林昌治氏と先ほど申し上げました現会長有泉亨氏を被告発人とします業務上横領の件でありまして、この事実は、昭和四十八年五月ごろから五十二年四月ごろまでの間、林雑補償金昭和四十二年度ないし昭和五十年度分合計約一億九千万円を受領して保管中、その一部を着服、横領した、こういうものであります。  第四の事実は、被告発人を新屋入会組合組合長小俣英一氏とするもので、業務上横領の事実であります。すなわち昭和五十年十二月ころから五十二年四月ごろまでの間、防衛施設局から受領した昭和四十八年度ないし五十年度分の林雑補償金を保管中、その一部を着服、横領した。  こういう四つの事実から成り、四人の被告発人を対象とするものでございます。  これにつきましては、現在甲府地方検察庁におきまして関係書類を取り寄せ、あるいは多数の関係者から事情聴取をいたす等いたしまして鋭意捜査中でございまして、御承知のとおり背景並びにこの事実関係もなかなか複雑でございますし、取り調べるべき関係者も多数でございますので、まだ結論が出ていない状況でございます。  次に、二番目に御指摘の忍草入会組合のジャガイモ畑荒らしあるいは牧草地荒らし等の件でございますが、これは昭和五十一年五月に忍草母の会会長渡辺喜美江氏、同事務局長天野美恵氏の両氏から富士吉田警察署長に対して氏名不詳者を被告発人として器物損壊に当たるという告発がなされたわけでございます。警察庁からは昭和五十四年、ことしの二月七日に甲府地方警察庁に事件の送付がございましたが、依然として犯人の特定、割り出しがまだできておりませんので、所轄警察署を指揮いたしまして犯人の割り出しに努めている現状でございます。  三番目のケースは、自然公園法違反の告発事件であります。これは昭和五十三年五月十六日、先ほど申し上げました渡辺孝基氏が告発人となりまして、富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合組合長渡辺武氏を被告発人といたしまして、富士吉田警察署長に対して自然公園法違反、すなわち南都留郡山中湖村大字山中字梨ケ原のいわゆる北富士県有地内に深さ三メートルないし四メートルの縦穴十四個を掘って土地の形状を勝手に変更した、こういう自然公園法違反で告発がなされまして、これが同年七月十七日、甲府地方検察庁に送付されております。  これにつきましては、現在参考人の事情聴取等をやっておりまして、近く処理の見通しでございます。  最後にお挙げになりました三つの小屋の焼失事件、これにつきましては、富士吉田警察署でお調べと伺っておりますが、検察庁にまだ送致、送付等がございませんので、警察からお聞き取りいただきたいと思います。

依田智治警察庁警備局警備課長

○依田説明員 お尋ねの三つの放火事件でございますが、まず断食小屋の放火事件、昨年の五月十二日二十二時四十分ごろ発生した事件でございます。警察としましては、通行人から通報を受けて直ちに捜査を開始しまして、翌日実況見分、被害者等からの被害届を受理いたしまして、その後富士吉田署の、警備と刑事合同で捜査を続けておりますが、いずれにしましても犯人に結びつく遺留品等が全くないという状況で、全焼しておるわけでございまして、いまのところなお捜査中でございますが、手がかりがないという状況でございます。  次に、梨ケ原管理小屋の、これはカヤべいが一部焼失したという事件でございますが、これにつきましても聞き込み等により事件を認知したので、富士吉田署員等が中心に実況見分、被害者からの被害届を受理して今日捜査中でございますが、これにつきましても遺留品、目撃者等がないという状況で、その後捜査が進展してない、依然として現在引き続き捜査中であるという状況でございます。  最後の桧丸尾管理小屋事件、これは燃えた後に草が生えているというような状況で、十日以上後に通りかかった人が発見しているというような状況で、発見がおくれているというような関係もありまして、その後警察としては富士吉田署を中心に捜査を進めておりますが、これも全然遺留品、目撃者なく、こっちは全焼しておる状況でございまして、いまだに犯人に結びつく資料が得られないというような状況で、いずれの事件も現在引き続き捜査中でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 課長さん、これでお引き取りいただいていいのですが、ちょっと一つ注意しておくんだけれども、ヒノキマルオなんという、もう少し地名ぐらい調べてきた方がいいんだな。これはヒノキマルビ。ぼくも三年前に知っただけですがね。  次に、会計検査院にお伺いしますから、いまの放火事件その他の関係者はどうぞお引き取りいただいて結構です。  担当庁というのは別にしまして、本件は会計経理の取り扱いに関する問題でもあり、その限度では会計検査院の権限と責務において検討すべき重要な問題を含んでいる前提で、検査院の方でも特段の注意を払うべくこれまで事態の把握と解明を強く要請してまいりました。何回も要請してまいりました。  問題は、防衛施設庁の一職員が公金を不正に流用したかどうかの次元の問題ではありません。そのような場合であれば、それは防衛施設庁みずからそれをただすこともできる自浄機能といいますか、それを持っているものと私は信じていますから。しかるに本件は、さきにも述べたように、防衛施設庁みずからがあえて不正を承知で、演習場の円滑な使用のためという大義名分のもとに不正な申請書を提出させ、形式だけ整え、予算の執行を行っているのではないかという疑いがきわめて濃厚なんだ。  私はかかることを真実として認めたくはありません。しかし、この疑惑解明のための必要不可欠な資料をみずから有していながら、これを先ほどもやりとりしたように、提出をしてくれない。またその提出拒否の理由も、あえてプライバシーを理由にするとか大ぜいの迷惑になるとか、そもそも本件に関係を有しないいわゆる牽強付会の論をもって提出拒否の理由としているとしか私には思えない。こうなると、防衛施設庁ぐるみの不正な予算執行ということにもなりかねない。また、そうだとすると、かかる不正な予算執行についての自浄機能を防衛施設庁自体に求めることはきわめて困難だ、いまのような答弁、いまのような考え。つまり、本委員会で幾ら防衛施設庁に答弁を求めても、その答弁はただみずからの行為を正当化するためだけである。しかもその理由たるや、とうてい世人を納得せしめることのできない的外れな論となる。そういうこともいたし方がない。何かがある、それを隠そうとしている。だからつい的外れの、世間の常識では通用できないというような言い方になるのはやむを得ないと思う。  それで、私は本件について会計検査院がその本来の使命を全うすべく強く要求してまいりましたが、検査院におかれても本件については特段の注意を払っていただいたものと思います。会計検査院としては、予算配賦を受けた防衛施設庁が、当該予算を見舞い金と解しているがそれが許容されるのかという基本的問題から、さらにそのように解するとすれば事後はその見舞い金を受領したという申請者個人と防衛施設庁つまり国との契約の成立いかんの問題となるのですが、一体契約締結の資格要件としての、実損をこうむっていると言えるのか言えないのかという契約締結者の適格性有無の検査が当然されているはずですし、要求してもまいりました。私はその実態調査も含めて会計検査院に、公正な予算の執行が行われるよう検査を要求した、それが以上申し上げたような防衛施設庁ぐるみの不正な事情が推測されるだけに、防衛施設庁が提出する書類というのは形式上はむしろ整然と整えられているということも申し述べておきました。しかし、その書類のつじつまが合っているかどうかは論外で、この書類が真実なる記載なのかどうなのかをきちんと検討してほしいということも要求してまいりました。いわゆる肩越し検査という方法でも、任意検査に応じてほしいということでもいいんですが、とにかく実態調査をきちんとやるべきであるということでは、検査院の方でも了解されていたと思います。したがって、先般来の調査、検査を踏まえて次のことをお伺いします。大体六つに分けてお伺いします。  一つ、防衛庁はこれまでどのような調査に基づいて各申請者の実損の存在を認定してきたのか、その調査内容と方法はどのようなものであったか、それが一つ。  二つ、実損算出の基礎となっている現況耕地面積等についての実況見分の結果はどうであったか、特に山中部落のごときは観光立村ということで現況耕作地は書類上のそれとは大変食い違っているはずなんだが、どう見てこられたか。  三つ目に、富士吉田市、山中湖村、忍野村の三市村に関係する農業共済組合、食糧事務所等農水省関係機関などに現況耕作地面積について照会を行ったはずですが、その結果はどうだったか。  四つ目、野草、そだ採取状況につき富士吉田市の上吉田入会組合長藤井徳次氏、新屋開懇永小作権者連盟代表の堀内清太郎氏など、これまで野草、そだ採取の事実を否定しあるいはかかる状況についてその調査に協力をいたしますという旨の意思表示を再三されている者から一度でも事情をお聞きになりましたか。これらから聞いてくださいとも私から何回も言ってあるのだが、事情聴取をこの人々からされたか。  五つ目、北富士演習場林野雑産物補償関係実態表から任意抽出し、林雑採取の有無につきその実態表に即して聴聞をされたかどうか。  六つ目に、いままでの五点は直接調査権限の行使として行えないとしても、任意には行えることであり、かつ協力すら表明されている場合でもある。これは契約締結者の資格の問題として、どうしても検査せざるを得ない実損の有無にかかわる重大な問題でもあります。その総合的帰結として、各申請者の実損はほぼ誤りがなかったかどうか。誤りないと判断をされたのか、誤りがあると判断をされたのか。  以上六点について、まずお答えをいただきたい。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  第一番目の、防衛庁が申請者からどういう書類を取り、どういう決定をしているかという点でございますが、申請者から馬匹の関係あるいは各耕地の関係の申請をいただいておりまして、そのほかに防衛施設庁が実態調査を行っております。それとつき合わせることによって防衛庁が調査をしておる。私どもはこれにつきましては関係証拠書類をほとんどいただいております。そのほかに、実地に参りまして、防衛施設庁の手持ちの資料、それから説明等を聴取いたしまして、これを見ているような次第でございます。  それから、実損の基礎その他でございますが、実のところ、昨年六月に私ども課長以下二ないし三名の班を組みまして、三日間にわたりまして関係団体の協力を得まして事情聴取し、また横浜防衛施設局の検査もいたしたわけでございます。その結果でございますが、御案内のとおり検査権限の問題もございます。したがいまして、若干の制約があったわけでございますが、たとえば野草あるいはそだ類の採取状況、こういったものにつきましては、その関係農民が演習場から採取した事実があるかどうか、あるいはいつ、あるいはどこであるかということにつきましては、残念ながら確認できなかったわけでございます。ただ、一般的に申し上げますと、恐縮でございますが、農業経営が続いているという限りにおきましては、地力の維持ということを考えますと、有機肥料あるいは堆肥といったものの使用が必要ではなかろうかというふうな判断をいたしたわけでございます。  なお、いわゆる実損あるいは面積等の実態調査でございますが、これにつきましてはいろいろと関係団体と折衝はいたしたわけでございますが、いろいろな事情がございまして、個々に当たることはできなかったわけでございます。  なお、一部でございますが、関係者の方から聴聞をしたわけでございますけれども、その点につきましては十分な成果が得られなかったということをお断りしたいと思います。  以上でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 検査院の答弁が、何か去年の七月にやりました、ぴっちりと目的をつかみましたというのでないのにそのままずるずるっと、十分目的がつかめなかった、いろいろな事情があって個々の事情聴取はできなかった、あるいはまた残念ながら確認はできなかったというようなことですが、実はこれが一番この問題の中心であり、大事な問題です。防衛施設庁が、インチキをやっているのか、不正をやっているのか知りながら、ばかげた支払いで国民の税金をむだ遣いをしているのかということがはっきりする一番の中心が、いまお答えをいただいた権限なわけです。それを去年の七月から今日まで、実態はつかめません、個々にどうも面接できません、十分に調査ができませんでした、おととしもそう、去年も同じ、一体それで検査院の責務が果たせるとお思いになりますか。  いつまでにはやるか、ことしなのか、去年できなかったその中心的な一番大事なことがみんなわからないのですから、それをぴしっとどんな手だてを講じても、こんなに長い間一生懸命に論議をし、今日まで追及をし、答弁もいただいてきて、時間的にも大変な努力をわれわれがした跡をごらんいただいただけでも、去年これもできなかった、不十分だった、何もできなかったというのを、だからもっと積極的にその経験に照らして今度はこういう陣容で、こういう時期にこういうふうにやって、私から指摘をしている問題の核心の解明を今度はぴしっと出そうというような計画をお持ちになって、それを至急に実施していただかないと、大変無責任な会計検査院という印象を私は持つのですが、いかがでしょうか。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 まことにおっしゃるとおりでございますが、実は補償の相手方まで私たちが乗り込んでいろいろ事情聴取するということにつきましては、相手方の十分な協力を得なければならないということが第一点でございます。したがいまして、その協力のためにはずいぶん時日は費やしましてお願いしたわけでございますけれども、具体的に個人の家に立ち入るとか、個々の所有である田んぼなんかを見るということにつきましては、なかなか協力を得られなかったと申し上げた方がよろしいかと思います。  なお、先ほど申し忘れましたけれども、私たちがいただいております関係書類、それから防衛施設庁に参りましていろいろなケースを検査いたしました結果、その計数的な面につきましては、相当突き進んだ検査を実行しておる次第でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 せめていま私が申し上げた藤井徳次さんなり渡辺孝基さんなり、この周りに多くの人々がいるのですが、この人たちは現地で幾らでも調査に応じます、進んで協力もいたします、だからこの人たちの協力も得たりしてほしいということも要求してきたのですが、どうもそれをまだやっていないように思うのです。  施設庁に言わせると圧倒的に数の多い演対協を隠れみのにして、正しいと思う少数の人間を何とか問題にしないように抑えつける、防衛施設庁はそれのみにきゅうきゅうとして今日まで来た。そんなことで済むはずがないし、済まさない決意ですが、検査院も、何も数多いものの意向、その案内、数多い方の組合の個々の協力、面接ということだけでなくて、進んで協力を申し上げましょう、私は林雑補償金もらっておりますが実損はございません、ないことをごらんいただきたいと言っている人が三十人でも五十人でもいるのですから、これらの人々も参考に案内をしてもらって、実際に損害がないという訴えも調べてしかるべきじゃないかと思うのですが、これはどうですか。すぐにおやりになりませんか。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  非常にむずかしい問題ではございますが、十分検討さしていただきたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 会計検査院がもっとぴっちりしてくれると問題というものは日本からずいぶん少なくなるのだが、どうも非常に隔靴掻痒というよりは、もっと悪い感じで私は物足りなさを感じます。大至急にやっていただくように強く要請して、自今私は機会あるごとにどうなっているかをお伺いします。林雑補償は一応これで終わります。  二百十四ヘクタールの国有地の払い下げ、これを通じていま紛争が起きておりますが、これについて今度はお伺いしてまいります。  御承知のように、返還国有地二百十四ヘクタールというのが、昭和五十二年九月、山梨県に払い下げられています。しかし、その払い下げ後の実情というのは、大蔵省が払い下げ直前に国会で答弁したこととは全く食い違っているのです。  大蔵当局は、この二百十四ヘクタールにおのおの入会権や永小作権を主張する農民が存在し、それぞれの主張する権利に基づいて同地を使用、収益している事実は認めるものの、それらの権利は存在しないと判断して、そのままの状態で山梨県に売却したわけです。その売却の際に私はあえて次のような意見を申し述べて、この払い下げの不当性を非難いたしました。  すなわち、仮にこれらの農民の皆さんが主張している権利がないとしても、大蔵省が山梨県に売却したからといって、この使用、収益していることをやめはしまい。やめることはない。ましてやこの払い下げは、財政法、会計法、なかんずく随意契約の適格性を規定している予算決算及び会計令に明らかに違反するので無効だ。大蔵省は使用協定を速やかに締結するための政策の道具として国有財産を処分せんとするものであるから、この無効なことは、会計法の契約制度の本旨にもとるものである以上明白だ。しかし、かかる法制度の根本原理を幾らここで論じてみても一向にらちが明かないと思われるので、この点をいまあげつらおうとは考えていない。これは留保しておくこととして、特に払い下げ後にこれら農民と植林事業を行う山梨県などとの間で紛争が生じないような形で払い下げるべきであると主張してきたのですが、特に第一期事業実施区域となっている山中湖村村道の一帯は、忍草入会組合所属の農民の皆さんが、入会権が存するとの確信のもとに、開墾、整地、耕作をしている牧草地があるので、仮に大蔵省の主張が正しいとしても、歴然とした牧草地ですから、これを実力で壊滅させることはできない。結局植林の用に供すべしとする用途指定期日までには話し合いもつくまいから、逆に県としても用途指定違反とならざるを得ないと思うという指摘をしました。  また、牧草排除等の仮処分も、現行法制度上、必要性、緊急性をいずれも満たすことはできないので、牧草をいわゆる棄滅することなく植林を実施することはできないことになるので、牧草を棄滅することは違法であり、適法に行わんとすれば、いま述べたように仮処分によって牧草を排除し、これを執行官に保管させること以外に手段はないはずである。しかし、それが無理である以上は、法的にも無理な用途指定となるということになるのではないかということの指摘を強く何回もしてまいったのであります。  だから、払い下げる以前に忍草入会組合の人たちはりっぱな牧草地としてもうすでに使っていた、牧草地としていたのですから、裁判所決定の仮処分もいわゆる開墾、整地、耕作を禁ずるということだけで、立入禁止もその収穫も禁じていない仮処分がおりたのであります。要するに現状不変更の仮処分だったわけですね。したがって、牧草によって該地が忍草入会組合によって占有されていることはこれを否定することのできない事実であるということが、これによってなおさらに明らかになったわけであります。  このことは、昭和五十二年八月二十三日の本委員会会議録に明らかですが、大蔵省当局も認めているところでもあります。ここで再度確認をとる必要はないと思いますから、時間の都合であえて確認はとりませんが、大蔵当局は私の指摘に対して、事情はそうだが、いろいろの事情があって山梨県が買い急ぐので、しかも用途指定といっても、その実は買受人である山梨県の申請をもとにそれをほとんどそのまま用途指定とするのである以上、とにかく山梨県がそれらの問題を円満に解決するということにほかならないだろうし、現に連絡協議等を行った際にも山梨県がそのように明言していたのだから、その申請、その言を信用してもよいという立場で、二百十四ヘクタール上での紛争、少なくとも物理的抗争や刑事事件等に発展するような、あるいはまた乱闘が生ずるようなそんな可能性はまず全くない、こういうふうに答弁をされて今日に至りました。  言うまでもなく、法治国家の住民としては、よし自己が正当な権原を有するとしても、その権利を実力をもって実現することは厳に禁じられているところ、これは私も承知しております。当然だと思う。  まして、その主体は地方公共団体であるゆえに、法の厳守は当然に期待されてしかるべきものだと思う。そのほかならぬ地方公共団体たる山梨県が、その申請、その言をもって事態の円満解決を大蔵当局に約したというのでありますから、大蔵当局がそれを信用するに足るものとして、私の指摘を杞憂として一蹴されたことも、あえて不当だとは言えませんと思っています。  あるいは山梨県選出の国会議員のあっせん案というものも前に出されました。それが法的にどのような拘束力があるのかは別としても、いわゆる当該牧草地問題の円満な解決が前提となっていたことは事実であり、さらにこれらの事情に加えて、事態の円満解決ということなどは、当委員会での議決、衆議院としての議決、それに対する大蔵及び総理大臣の尊重いたします旨の発言、諮問委員会の答申など、そのすべてが払い下げ契約前に明文をもって要求していたのであります。  しかるに、山梨県は、この用途指定期日を逆手にとって、この期日までに植林を完了させないと大蔵当局が土地を取り上げるか、少なくとも違約金を要求するということになってという、これを唯一の口実にして、一挙に忍草入会組合の牧草地を実力をもってブルを入れて壊滅せしめて、植林を敢行したというのが実情であります。  それと相前後して起きたいわゆる暴行傷害、先ほどの放火等については、ここで縷言する必要はないと思います。まさしくかかる事態の発生は、払い下げ直前に答弁された内容と全く食い違っているのであります。  そこで、大蔵当局並びに会計検査院に伺いたいのですが、まず先に、当事者ではない会計検査院に一般原則論をお尋ねしておきたいと思います。  御承知のように、国有財産についての売買契約は、原則としてすでに決めてあるいわゆる契約書ひな形に即して決定されていくものだということはもう常識ですからわかります。  したがいまして、本件のごとく特殊な問題をはらんでいる土地の売買契約にありましても、それはこのひな形に即して契約条項を決定していく以上、その特殊な問題を解決するために合意されている事柄をあえていわゆる条項化しない場合があると思いますが、このような場合に、契約書の文字面にかかる特殊問題をどう取り扱うかについての合意内容が記されていなければそれは有効な合意と言えないのか、それとも、契約の合意内容の確定には必ずしも文字化しておかねばならないというのではなく、契約が成立するに至った経緯、背景等から合理的に合意が存したと判断する場合には、書かれざる条項としてなおその合意は有効と言えるのか。  私は、少なくとも近代市民法が諾成の原則を採用し、本契約が大蔵省の言う私法上の契約である以上、当然その合意にこそ法的拘束力が付与されているものと考えております。したがって、書かれざる条項もまた法的に有効な契約内容と言わざるを得ないと思いますが、その点をまず明らかにしていただきたい。これは検査院に。

藤井健太郎会計検査院事務総局第二局長

○藤井会計検査院説明員 実はこの関係の、売り払い関係の経緯につきまして私担当じゃございませんで、いままでの経緯というのはほとんど存じ上げておりません。したがいまして、その経緯が明らかになりませんので、ちょっとお答えができにくい状況でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いままでの経緯を知った上で判断をする、これも一面あります。しかし、こういった一般論的な、原則論的な法解釈の問題は、恐らくいままでのケースに沿わないと解釈できないという筋のものではないと私は思いますが、一応局長のそういう答弁ですから、私はそういうものがあるという考え方でおりますことだけ申し上げておいて、あとはひとつ検討をお願いするよりしようがない。  いわゆる書かれない合意事項もまた有効に成立するというのであれば、私はそう思いますから、さきに述べたように、大蔵省が山梨県を全面的に信頼してその申請を受諾し、そのときの山梨県の言をもって払い下げることにしたということになるのだから、そのときの山梨県の言ったこと、言質、言葉こそ円満に事態を解決するということであったので、したがって、山梨県と大蔵当局、すなわち国との間に払い下げ地上のいわゆる占有者などとは円満に解決するという合意が有効に成立していると考えるべきだと私は思う。  この点については検査院、次いで大蔵当局の答弁をと思ったのですが、特に大蔵当局は、払い下げ直前までは、私の質問に対して、山梨県が山梨県がというのを連発いたしまして、その一切を山梨県が解決するとしてきたのですから、よもやいまさら知らぬとはおっしゃらないと思いますが、どうでしょうか。この点は山梨県との間に、円満に山梨県が問題の解決をした後に植林その他をやると言った、そういうことを、大蔵省も山梨県の言うことを信じて、そうしてやはりきちっと国と山梨県との間にはそういった合意が成立しているもの、このように解釈しているかどうかをお答えいただきたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  例の国有地二百十四ヘクタールの払い下げの前提で山梨県といろいろ話し合いをいたしました。そのときに、いわゆる地元の諸懸案と言っておりますが、これは二つございまして、土丸尾と桧丸尾の点でございますが、詳しいことは先生御承知でございますから言いませんが、この問題については地元、県で責任を持って円滑に処理をする、そういうことを前提として大蔵当局といたしましては払い下げをした、売買契約をした、こういうことでございます。  ただ、契約書に書いてあるかないかという、ないのでも有効ではないかというお話でございますが、突然の御質問でございますが、やはり現在の定型的な契約書にはそういうことは書いてございません。ただ、地元の申請書にはそういうことを、責任を持って解決をするということが書いてございます。したがいまして、山梨県当局としてはやはりこの地元諸懸案につきましては円満に解決をしていただきたい、こういうふうに考えております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この払い下げを決定した答申書の一番末尾に——それによって契約したのですが、その末尾には、地元問題は円満に県が解決をする、ただし国もこれに対して手助けをすると書いたか援助をすると書いたか、何かしなければだめだよというのが一番末尾に書いてあったのを思い出しますが、知っていますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  先生おっしゃるのは国有財産中央審議会からの答申だと思いますが、その末尾に「地元問題の円満な解決のため、払下げ相手方である山梨県が、現地の実情を十分勘案して、適切な措置を講ずるよう、国としても十分指導を行うこと。」こう書いてございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 国も責任を免れるものではない、それはそう解釈すべきだと私は思いますよ。繰り返し同じことを指摘するのはやめますが、この二百十四ヘクタールの払い下げ以前に、これはかくも円満解決を論じなければならない特殊な問題が存在していたことは事実なんで、これはいままでの経過を見ればよくわかる。しかしてそれはまさしく権利義務の存否もしくはその範囲、態様に関し、当事者互いにその主張を異にする場合なんだ。国は入会権を否認するのに対して、農民は入会権等の存在を主張している。その主張も全く異なっている。山梨県はそれを十全に了知していたことはここで指摘するまでもない。それを了知した上で、その争いを円満解決すると言い、大蔵当局はそれならばということで山梨県に払い下げることにしたという経過である。  にもかかわらず、山梨県はそれをどのように果たそうとしたのか。第一期林業事業実施区域には、忍草入会組合の牧草地、いわゆる採草放牧地があります。山梨県は、一体忍草入会組合のだれに、争いをやめ当事者が互いに譲歩して円満解決をしようなどと働きかけたと言うのか。電話一本、はがき一枚、かかる円満解決のために山梨県は何もしていない。したがって、このことは法的にはさきの円満解決の書かれざる合意条項違反であることは明白です。否、むしろ山梨県はあえてこれを怠り、実力をもって自己が取得した所有権の実効を最初から企図していたとしか言いようがないようなその後の紛争状態なのです。  しかし、そうなると、忍草入会組合の人たちも入会権があるとする、それに基づいて、いわゆる牧草等を所有しているとして断固権利の主張を行い、その権利擁護のために身を挺して闘うはずである。これは現象的にも当然なのです。権利を持っているのだという確信があればあるだけ、その主張も強くなるのは当然なのです。そうなると、円満解決どころではなくなって、法的にその権利の存否について黒白をつけざるを得なくなる。しかし、さきにも述べたように、牧草排除の仮処分はほとんど不可能でありますから、適法に植林はできないはずであります。したがって、山梨県は違法な植林を敢行したと言わざるを得ません。まさか大蔵当局が、山梨県の言うがごとく用途指定期日を盾に直接、間接に強要することに目をつぶるなどして、そんな行為を許容したとは私は思いたくない。  また本年の植栽期が間近に迫ってきています。再び昨年と同様な、否、むしろ一段と激化した形で不毛の争いが生ずることは、現在の状況では必至であります。いまからでも遅くはありません。大蔵当局は、事態の円満解決のために山梨県をして忍草入会組合と互いに譲歩をなさしめ、その間に存する争いをやめるよう強く指導すべきだと考えます。そうして、これは単なる行政指導というのではなくて、さきに申しましたように、大蔵当局は契約上の権利として山梨県に対しその履行を法的に要求できる立場にあると私は思います。  要するに、二百十四ヘクタール払い下げ契約書面には書かれざる合意事項が存し、円満解決のために努力をすべきであるといういわゆるなす債務を山梨県に負わせているのでありますから、現在の不毛の争いはこのなす債務の不履行、違法な植林行為によって惹起しているものと言わざるを得ません。それで、これは再び植栽期を間近に控えているにもかかわらず、履行されていない債務なのでもあります。  私があえてこういうことを言うのは、もうここらでとにかくだれかがイニシアをとって問題の本当の解決をさせるか、こういう不毛な争いを、血まで流した、もっと大きな血が流れるかもしれない、火がつけられる、放火をされるというようなこの事件、植林をしてまた抜かれる、抜いた者もまた摘発する、抜かれた者もこれに対してやはり力で対決をする。去年一年で、私はこれはもう大変だ、もう予想した事態が来た。大蔵省に、防衛施設庁に強く、こうなるよと言って、そうならないようにこうすべきではないかと言ったことを国の方はやらないままに、とうとうそのことを繰り返し繰り返しやってきたのだ、それがもっと拡大されてまたことし行われますよ、だれが見てもそう思う。そんな事態を放置しないで、だれかがここで本当の意味の解決に向かって努力をしなければ、余りにもいわゆる政治というものの力のなさを私たちが自分で思い知らざるを得ない。こんなばかなことをいつまでもほうっておいては困る、わかっているんだから。前に指摘した。そのとおりになった。それがまた拡大されようとしているのにまだ拱手傍観していいか。そうはいかない。何とかしなければいけない。だれがやるんだ。私ではない。幾ら一議員が咆哮してもだめなんだ、過去の例からいって。やはり国なんだ、大蔵省なんだ、防衛庁なんだ。  この国の立場がやはりもっと真剣にこの問題と取り組まない限り、ことしまた同じことが起きますよ、去年よりももっと拡大されて、もっと深刻に。何回それを警告しても何にもできないで、ついに私の言ったとおりのことがどんどん起きてくる。またことしも起きるという事態になれば、だれがやるかというと、私は国の立場がまず先に真剣に考えるべきだというのであえて言っているのです。  したがって、ぜひとも大蔵当局にあっては、再び昨年のごとき不毛の争いを繰り返さないように、契約解除も辞さない強い態度で山梨県に要求すべきであると考えますが、この点についての大蔵当局の見解を明らかにしていただきたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  五十四年度に植林が来るのは土丸尾地区だと思いますが、ここに限らず、本問題については円滑に、円満に、早期に解決をしたいというのがわれわれの、県もそうだと思いますが、考えでございます。そういう意味で、現在山梨県、当面五十四年度の植林予定の土丸尾地区でございますが、御承知のように、地元の関係者で構成いたしております懸案処理対策協議会というのがございます。そこにおいて県は昨年来数回にわたっていろいろ協議をしておるようでございますが、現在私どもが聞いておりますのは、地方選でしばらく開かれなかったけれども、それも終わったので、近くこの懸案処理対策協議会を開催して、そこでいろいろまた協議をしたい、こういうことを言っております。こういうものをお互いに実力行使をして、お互いに暴力事件というか、そういう事件を起こすのは非常に好ましくないと思いますので、大蔵省といたしましては、この処理対策協議会においてお互いに十分議論し合って円満に解決をしてほしいということで、県当局を強く指導してりまいたいと思います。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 いま答弁のあった諸懸案処理対策協議会というのが払い下げ後できたのですね。それをいま言ったのでしょう。そうですが。いまの諸懸案処理対策協議会というのは、払い下げ以後できた協議会をいま言ったのですね。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げました協議会というのは、山梨県富士吉田市恩賜林組合、これは土丸尾でございますから新屋開拓協同組合、こういうものが構成をして払い下げ問題で五十二年にできたわけでございますが、その後この組合で、いわゆる諸懸案の問題、懸案事項についてどう処理をするかということをこの協議会でいろいろ議論をしております。したがいまして、あそこの永小作権問題、そういう問題につきましてここで処理を協議をしておるという協議会でございます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 迫田さんは余りいままでの経過は、まだ十分は知っていないのか知っているのか知りませんが、そこで改めてお伺いしますけれども、いまの処理協——処理協と言っているのですよ。その処理協のメンバー、処理協のいわゆる協議会規約というようなものをごらんになっていますか。メンバーがどういうものか、どういう資格でメンバーは入っているのか、それから規約は一体どういう規約なのかというものも承知した上での答弁かどうかを、ちょっとお伺いしたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  払い下げ国有地諸懸案(土丸尾)処理対策協議会規約というのがございます。「協議会の委員は次に掲げるものをもって組織する。」というので、富士吉田市長、市議会議長、富士吉田市の演対委員長、恩賜林組合長云々の十二、三名をもって構成をされております。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 時間のむだなんだけれども、少しちょっと言わなければいけないが、この処理協の中にたとえば入って、いまのこういった牧草地の問題なり永小作権の問題なりの解決をするように、払い下げ契約をするときには、山梨県は、県が問題のある団体なり個人との間に円満な解決をするように必ずいたします、県が主体で、県が問題のある個人なり団体との間に問題の円満な解決をいたします、それを大蔵省は信用しているから原の心配は杞憂にすぎない、心配するな、こう言ったのです。いままでの記録をよく見てもらうとわかる。県がやるんだ。  そのいまの処理協というのは一体県ですか、何だとお思いになる。そこに集まっている者は、いま言った二百十四ヘクタールの払い下げを受け、それによっても利益を受け、植林が敢行され、その植林によっても敢行されたがゆえに利益を得るという団体とか個人とかが集まっているメンバーなんです。なぜそういう処理協ができたかというと、山梨県は、もともとこの二百十四ヘクタールの払い下げを受けるときに、これはいつまでもいわゆる何々協とか何々組合のものではない、山梨県が再払い下げを受けるもの、最初は知事もそういう答弁を議会でしていたんだ。再払い下げを受けるのだ、山梨県のものになるんだ、こういうことをずっと長い間田辺知事が県会でもどんどん正式に答弁をしているのです。そういう記録を読んだり見せたりして、いままで私は論議をしてきたのです。  そこで、山梨県はいまだに再払い下げを受けられる、山梨県は受けるんだという前提に立って、再払い下げを受けたときに、地元の人間が集まって問題があったら協議しようじゃないかという形の処理協をつくったのです。だから、山梨県はその処理協のメンバーなのかオブザーバーなのか。山梨県が問題解決の衝に当たりますよ、山梨県が円満に問題の解決をしますよ、だから払い下げてください、二百十四ヘクタールの払い下げはそれによって行われた。それをいままで論議してきたのです。  にもかかわらず、山梨県はどこかへ行っちゃった。山梨県はまるでオブザーバーなんだか本当のメンバーなのか、それもはっきりしないまま、県が円満解決をなすべきその方法を、再払い下げを受けたときに地元の者同士で問題があるなら解決をしようというので処理協という形をつくったのです。恣意的に、作為的につくったのです。  そこのメンバーはどうか、九割がいまの牧草地の入会権の問題なりあるいはまた永小作権の問題なりに反対の諸君なんですよ。万が一、ごくわずかな数の者が、忍草の諸君が、永小作権の諸君がそこへ入ってごらんなさい。何十対一ぐらいのメンバー。そこで決議をしましたという変な名分をつけられまして、その決議に従わないからあれは間違いだ、けしからぬと言われるだけだ。そんなのは世間によくありますよ。いやというほど日本じゅうにそのことは行われているのだ。そんな中にのこのこと入っていって、自分が正しいと思う、ずっと今日まで血を流して守ってきた入会権が、それはないのだと、たとえば九十九対一で決定をされます。それに従わなかったら、そのメンバーである人間がいやしくもその処理協の決定に従わなかったということで、またそこへ指弾が来、知らずの間に、正しいと考えて長い間血を流してやってきた入会権を守ろうという主張というものが、一敗地にまみれるよりは、流れてしまうという作為的な処理協なんだ。山梨県が問題の円満解決をすると言う。それなら山梨県はどこに行っているのか。ということをもう少し検討をしていただかないと、いまの答弁では答弁になっていないのであります。そんなところに呼ばれたからといってのこのこと出ていって、メンバーはわかっている、九十九人が、断固正しいと主張する忍草その他の主張に反対の諸君で、何とかして忍草の諸君なり永小作権の主張をする諸君をとにかく踏みつぶして、自分たちの意向に従わせようとして今日まで闘いをやってきた。その片っ方のメンバーが九十九人いて、一人だけ、処理協でございますという中へ入っていけるか。いけないのがあたりまえです。作為的だから。  しかももっとおかしいのは、山梨県はどこに行っちゃったのだ。県が円満に解決をすると言った山梨県はどこへ行った。その中に山梨県はどこにありますか。山梨県が主体的に問題の解決をするという約束で国有地の払い下げが行われたにもかかわらず、それを実行しない隠れみのに処理協を使い、そこにオブザーバーのような、メンバーでもあるかないかわからないが、何となく発言をし何となくそれを指導するような、そういう形がとられているのが処理協なんだ。それは二つの点でいま指摘したように私はおかしいと思う。したがって、その問題だけ言ってもしようがないので、それは私がいま申し上げたように、問題の解決を山梨県が一生懸命やりました、話し合いをするように努力をしましたということには決してならない。  私がこの北富士問題を取り上げてからはや数年になろうとしていますが、全くいやになるほど歯がゆく思わせられるのは、一国会議員としての法制上の限界ということもさることながら、何よりも増して行政省庁の国民に対する責任と思いやりのないことであります。北富士の歴史を一度でもいいから振り返ったことのある人であれば、だれしもそこには物すごいまでに緊張した農民の生きるための闘いの歴史をかいま見ることができたはずであります。  忍草農民は、農民がすでに民法の中に確立させた入会権を土地所有者に対して守るために、全精力を傾け続けてまいりました。国、山梨県等地方公共団体は土地所有者として、その所有する強大な権力を背景として自己の完全なる所有権を確立させようとし、一方的に入会権の存在を否定してきたのであります。  ここに忍草農民は、かかる権力から押しつぶされることのないよう、いわゆる大声を上げ、わめき、どなり、もだえ、訴え、泣いてきたのが現状なんです。この意味では、北富士における忍草農民の主張はきわめて保守的であり、おのが権利を守るための闘いの歴史であり、権力から押しつぶされないための訴えの歴史であると言って間違いありません。  しかるに、半世紀にわたって北富士問題が未解決の状態にあるという事実は、これまでいかに行政が不在であったかということを示している。ある意味では、法に基づくべき行政そのものが日本においていまだ確立していないということの証明であるかもしれません。  それに拍車をかけるがごとき今回の払い下げとそれにまつわる一連の行政。行政の基礎にあるべきものが一体合理性にあるのか、正義の実現にあるのか、はたまた一般意思にあるのか、それともそのすべてを含むのかの論議はともかくとして、少なくとも大蔵省の行政が北富士農民の自発的服従を呼び覚ます力を持つためには、暴力と威圧、子供だましみたいな言葉の羅列に終始することなく、それらに取ってかわって論証と説得とがここでの問題解決の最高の原理であったのであり、また近代行政の原理でもあるはずだと確信をしています。  決して、山梨県をして率先して有無を言わさぬ実力行使を行わしめ、農民の丹精した収穫直前の牧草地をブルで壊滅させ、その力をもって農民の主張を圧殺するように行政指導することでもなければ、この払い下げ地上に権利を主張する農民に対し山梨県が一方の当事者として話し合うべしということは決して折り合いがつかないだろうから、山梨県としては直接農民と話し合わず、これを農民が居住している市村に任せてしまえと行政指導することでもないはずであります。  なるほど諸懸案問題処理協議会、先ほど言ったいわゆる処理協の方法であれば、市村で農民を呼び出し、植林実行主体たる恩賜林組合及び分収造林促進を主張している人々、さらにはその植林によって利益を得る行政主体などと同一テーブルにつかせ、植林を速やかに実現するにはどうしたらいいかという議題のもとで会議をさせて、それを多数決で決定させるというのですから、すべてが思いどおりにいくということになるでしょう。しかし、かかる方法が農民にとって全く無意味であること、否、むしろその会議に参加することによって、会の一員である以上会の議決には従うべきであるとの論法で、自後その主張すら抹殺されかねないということは、あえて説明を要しないものであります。先ほど言ったとおりです。かかる方法をもって山梨県が払い下げ地上に権利を有すると主張する農民と話し合いを行わんと努力していると言うのは、子供だまし以下で、詭弁とも言えません。  これまで多くの学者等によって明らかにされている前近代における行政の研究によれば、中近世の行政のいわゆる最大の特徴は、領主が人民に対して最大限の支配力を得ておいて、それから若干のいわゆる寛仁さを示しつつ実施上の手心を加えていくことを理想としていたということは、間違いありません。その結果、寛仁さの程度、この寛仁さを要求する領民の反抗力等によって行政のあり方、内容そのものが異なってきたということであります。中世の領主は、この意味ではまさに専制君主でありました。しかし、その領主をもって専制君主たらしめるか、体裁のよい略奪者たらしめるかの問題は、実に領主と人民との実力がどこでつり合いをとったかにかかっていたのであります。  私は、この国有地払い下げの行政が、あたかも中世の専制領主の行政であるかのごとき錯覚を感ぜずにはいられないのであります。  大蔵省当局は、専断的にこの土地には入会権がないとし、それを山梨県に完全な土地として払い下げ、問題の処理はその反抗の程度いかんで山梨県が適当に寛仁さを発揮するようにと行政指導をしているとしか思えない。しかし、その状況いかんでは実力行使も構わないというのでありますから、これはもう中世の専制下の行政と何ら異なるところはないと言わざるを得ません。否、国民は法的に実力行使を禁じられている現代にあっては、これらはむしろ絶対専制的であると言わなければならないのであります。  しかし、少なくとも現代の日本を法治国家として自認する以上、その行政は絶対専制下の行政原理とは異ならざるを得ません。まさしく、ここでの行政の基礎は、偏見と独断を排除し、暴力と詭弁とにかわった論証と説得であるはずです。私は、暴力の時期から詭弁の時期に、詭弁の時期から論証、説得の時期に現代の行政は到達していると確信をしています。  大蔵当局は、忍草農民が事実として述べていること、単に事実を事実として述べるだけでなくて、事実を事実として信じない国、山梨県に対して、非力な力を振りしぼって、その事実を法的にも行政的にも尊重するよう主張していることに耳を傾けなければならないと考えます。  そして、仮にその主張が法的にも行政的にも通らないというのであれば、その旨の論証と説得を行うべき義務があると考えるのであります。もちろん、行政は決して俗論にこびへつらう必要はありません。しかし、俗論にへつらわないことは、農民の生きるための権利の主張に対し耳を傾けないことを意味するものではありません。  私は、現在の国政のレベルでこの北富士問題がいかほどに大きな問題であるかを論ぜんがためにかくも執拗に論を立てているのではありません。むしろ、この問題は他の多くの政治課題に比してじみであり小さな問題であるとすら言えるのであります。しかし、この北富士の問題には、決してないがしろにすることのできない国家と地方自治と国民の関係から生じている諸矛盾が一世紀にわたって解消されることなく存在し、むしろ演習場とのかかわり合いにおいて増幅されつつ今日に至っているものと考えています。その意味において、これをどのように解決すべきかはきわめて重大であり、今日の日本政府の行政のあり方がどの程度にまで法治国家におけるいわゆる政府たり得ているのか、その試金石ですらあると考えています。  私は、政治家として、政治の本来の中心は、大きなことのためならば小さなことは犠牲にしてもよいという立場をあえて否定してきました。むしろ反対に、社会におけるごく小さな問題であっても、それが国民の権利のいわゆる権力によるいわれなき侵害であるという主張である限り、それらの人々の当然有すべき権利を守らなければならない立場を代表する者として政治に携わってまいりました。その意味でも、この問題はさらに審究していきたい点がなお多く存在いたしております。  ここで、大蔵当局として、本年の植栽期を直前に控えまして、山梨県に対し、今後払い下げ条件に即して忍草農民と話し合いを行うなど事態が円満に進捗するように、法的要求あるいは行政指導等を行うかどうか、再度明らかにしていただきたいと思います。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 お答えいたします。  先ほど処理協の点でちょっと説明不足かと思いますが、処理協の中には山梨県当局が入っております。事務局は山梨県でやっておる。その目的でございますが、「払い下げ国有地諸懸案処理対策協議会は払い下げ国有地に係る諸懸案を処理し、」これは土丸尾でございますが、「林業整備計画の推進を図る。」これが規約でございます。ここを中心にといいますか窓口として、県は諸懸案問題の解決を図っていきたいということで、昨年以来数次にわたっていろいろ説得なり意見を聞いたりやっておるわけでございます。五十四年度の植栽期が参りますので、大蔵当局といたしましてはやはり物事は話し合いで解決をするというのが第一義だと思いますので、県当局も払い下げ申請のときには円満に地元問題は解決をするという約束をし、われわれはそれを指導するということで払い下げをしたわけでございますので、その方針で今後とも指導してまいりたい、こういうように考えます。

原茂日本社会党

○原(茂)委員 この間この問題の裁判に出た山梨県の職員が法廷で、話し合いなどする必要ないと上司から言われておりますので話し合いはいたしませんでした。ブルを突っ込んで牧草地を壊滅させて、これが中心で裁判が起きていることは御承知のとおりであります。そこで出て行った山梨県の職員、これがみずから話し合いはいたしません、上司から話し合いは必要ないと言われています、大蔵省とはちょいちょい時に応じて協議をいたしております、私ども県の上司からは話し合いなどする必要はないと言われておりますということを裁判所で証言しているのです。話し合いなどするどころか電話一本ない、はがき一本なしで、いきなりブルを突っ込んであの牧草地を壊滅したのです。ふざけるなというので植林したのをまた抜いているのですよ。それを繰り返し繰り返しいまやっているのでしょう。  そういう処理協があるから、話し合いをすべきであるからということを実行していないじゃないかと言っているのです。処理協という形がもし山梨県の代弁だ、事務局を置いているのが山梨県だ、だから山梨県が考えていると同じだと考えるとしたら、この牽強付会はない、ばかげたことだ。先ほど言ったように、山梨県というものが入っていった資格は何なのだ、どういう資格で山梨県が入っているのか。対等なのか。県というものが主体でチェアマンで、下において処理協は諮問機関なのか。そうじゃないのだ。それならまだ少し意味がわかるのです。山梨県はそれをやっていないですよ。まるでメンバーであるかオブザーバーであるかわからないような形で先ほど言ったようにぴょんと一つ入っている。事務局を山梨県が置いているからしたがって山梨県そのものだという解釈は成り立たないですよ。規約から言っても成り立たない。  しかも裁判所へ出ていった者が証言をしてそして答弁しているのに、上司に諮ったら話し合いは必要としない、ここに書いてある。山梨県の職員の名前は、山梨県演対室長丸茂幸也さんです。あなたは話し合いをいかにも山梨県がやったように思っているのだ。理想的には話し合いをしなければいけませんよ。早くやってもらいたい。だが現実にはやってないのですよ。やってないどころか、じゃんじゃんブルを入れた、何をやったというときの裁判で、この間丸茂幸也さんがはっきり言っているのです、大蔵省とは時に応じて協議をしています、話し合いをしています、だがこの地元の農民と話し合う必要はないと上司から言われていますと証言をしているのですよ。証人喚問の証言をきちっとやっているのですよ。それでこういうことを言っているのです。  だから事実は、あなたが考えているような山梨県の誠意ある話し合いのいわゆるモーションが起きていない、アクションがないのです。いままで行われていないどころか、がんがんやっちゃったくせに、後からおまえどうして地元に一片の通告なしでやるのだと言ったら、裁判所で証言をする室長さんがそう言っているのだから間違いない。そういうようなことも大蔵省自身もつぶさに反省しなければ、払い下げのときの契約書にあるもの、あるいは国会における大蔵大臣なりまた総理大臣なりの答弁ないしはいわゆる答申が出している条件、あるいはこの委員会を通じて大臣なり担当局長なりが答弁をしたいままでの内容等も、国会で言ったことは別だ、契約書の一字一句だけでやるのだというわけにいかない。これも先ほど言ったように隠された契約条項と言って間違いない。そのことを大蔵当局も施設当局もみんな私に答えておきながら、やります、必ず地元で円満に解決をいたします、山梨県と地元の円満解決は信じてよろしゅうございますと言ったものが、できていないからいま問題が起きている。しかも話し合いなんかされてない、話し合いのアクションも起こしてないということは、大蔵省も反省しないと、ただそのときのあれで何とかうまく過ごして、そのうちには数の少ないやつは泣き寝入りするだろう、つぶれちゃうだろう、数の多い方に従うだろう。台風の来るのを待つような無政府状態なんです。  こんな考えに大蔵省が現在もなっているしいままでもなっていたから、指摘したとおり、この問題が起きているんだ。それがこれからまだ拡大されようとしている。同じようなことが行われる。わかっていたらそれを未然に防ぎなさい。防ぐためには、法的に強制権を持つ契約条項の不履行ではないか、それでは契約解除をすると言わんばかりの大蔵省の強い態度、本当に解除をするというのではない、そういう強い態度で大蔵省が臨む。ところが、大蔵省がもう事なかれ主義で、何となしに日を過ごしていれば数の少ないやつはつぶれちゃうだろう、何とかこの委員会も過ごしていれば、また何カ月かたつ間には一歩、二歩数の多い演対協を中心にして前進して小さい方はだんだんに下がっていくだろう、こういうようなずるい考え方、官僚的な考え方、これが実はいつまでたっても無事の大衆に対する迷惑を除去することができないのであります。  きょうは法務大臣にずっとこの山梨県の北富士問題を聞いていただきました。やがて冒頭申し上げたように、法務省の御厄介になる事態が非常に大きく起きてくるだろう、いまの状態ではそう思う以外ありません。今日までも起きています。したがって、それを未然に防ぎたいという意味もありますが、こういった事件が起きないように大蔵省なり施設庁なり会計検査院にも特に私からいまの段階で強くもう一遍復習しながらお願いしておかないと、また同じようなことをずっとやって拡大して、ただただ政治に対する不信というものを地元に駆り立てるような、血を流しむだな労力とむだな暴力を使わせるようなことのないようにするという責任が私たちにはあると考えるから、気がついた者が提案をしたわけです。  法務大臣にはいままで聞かして大変気の毒だったような気もしますが、しかしこういう政治の一面もあり、そのことが私の指摘したとおり法務省の御厄介になる事件が数多く起きてきて、なおそれが拡大されようとしているというこういう大きなマターのあることをも法務大臣としてもお聞き願った上で、今後また北富士の問題が閣議等で論議をされることもあり得ると思いますが、そのときには古井さんの良心に従ってどうかひとついい方向にこれが進むような法務大臣としての協力もお願いしたいと思います。  大蔵省から次長さんおいでになったのですが、あなたに幾ら言って責任を問うても仕方がありませんので、やがて予備費で大蔵大臣に、最後に締めくくりで総理も来ていただきます。そのときには、この問題にもう少し進展があるかないか、あるいは私の主張が間違いで、大蔵省、あなた方の主張が、防衛庁、会計検査院の主張が正しいというなら、そのときまでに正しいという主張を私にちょうだいするか、ないしは予備費のときに大蔵大臣にこの問題を私が専門に聞きますから、そのときにもう一歩、二歩進んだもっと深い論議ができるようにしていただく。ひとつ責任のある答弁ができるように、きょうのこの私とのやりとりをよく速記録で見て、早く決着をつけたいと思うのでまた必ず私は質問をしますから、せっかくおいでいただいた大蔵省の次長には全責任を持ってこれに対する準備をしていただく。  防衛庁も防衛庁長官に、やはりもうちょっと突っ込んだ林雑に対する問題を次の防衛庁のときに必ずやります。早くけりをつけなければ、こんなことがわかっていて何年も同じことをやっているなんてばかなことをお互いにすべきではない。みんな知恵があるのですから、もっと謙虚にどうするかをよく真剣に考えれば、おのずからこうすればという案が出てくるはずです。それを出し合うという誠意すらなくなっている事なかれ主義に、私は大変なふんまんを持っていまぶちまけているわけです。  ひとつ会計検査院にもお願いをしておきますが、ずいぶん古い、しかも私の指摘したいろいろな問題の一番中心だと思うものを、手が足りません、なかなか案内人が思うように案内をしてくれません、資料は施設庁からもらうのですがそれを一つ一つ調べるというようなことがなかなかできません、個々の面接ができません、何ができません、どうも思うようにいきませんだけで、これも何年も過ぎています。問題の本質を取り上げてみると、どれか一つでも進歩したかというと決して一つも進んでいない。検査院もある意味では力がない。いわゆるスタッフがないというようなこともおありでしょうが、私は、もう少しぴしっと検査院がこの問題の解決をする一つの大きなエポックをつくっていただくように、そういうメーカーになっていただくようなことも切にお願いしたいと思うのです。  どこかがやるかというとどこもやらない。いつまでもこんなことをやっていたんでは、余りにも私たちは自分で自分が情けなくなるわけです。その点も大蔵関係、防衛関係、会計検査院の関係にも十分に配慮していただいて、次に私が防衛庁、大蔵省、総理に、この問題の決着をつけるつもりでもう少し整理して問題点だけをえぐってまいりますから、それにぴしっと期限つきで回答ができたり、こういう処置をします、あるいはおまえの言うことはこの点で違うからこうだというようなことをはっきり言っていただくような答弁を準備していただくようにお願いをしておきまして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 安藤巖君。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 私は、裁判官の採用の問題について最高裁にお尋ねをします。勝見人事局長さん、新任の裁判官の研修からかけつけていただきまして御苦労さんです。  第三十一期司法修習生のうち裁判官に採用されたのが六十四人で、裁判官希望者が六十九人あったけれども五人が採用されなかったと聞いておりますが、そのとおりですか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 最終的には判事補志望者が六十六人、簡易裁判所判事志望者が三人、合計六十九人が裁判官を希望いたしました。     〔委員長退席、森(美)委員長代理着席〕 四月六日の閣議で六十一人が判事補に、三人が簡裁判事に任命する決定をいただきまして、四月九日付で発令されたわけでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 結局五人が採用されなかったわけですね。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 仰せのとおりでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 その五人が全員青法協の会員であるということを知っておりますか。知っておるとすれば、それはいつから知っておみえになるのですか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 全員が青法協会員であるという報道を拝見しておりますが、全員が青法協会員であるかどうかについては私どもといたしましては確実にはわかっておりません。ただ、一名につきましては、御承知のように新聞報道がありまして、当該教官との間のやりとり等につきまして司法研修所から報告を受けましたので、御指摘のとおり会員であろうというふうに推測しております。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 裁判官に採用するに当たっての最高裁の考え方はしばしば当院の法務委員会でも述べられておりますので、いま改めて聞いても同じ答弁の繰り返しになると思いますのであえて質問はしませんが、念のために思想、信条、特定団体加入問題について、前任者の矢口人事局長さんの答弁で確認だけしておきたいと思います。これは第七十二国会衆議院法務委員会での昭和四十八年十二月十八日の議事録ですが、「思想、信条あるいは特定団体加入というようなことを、いわゆる拒否の一つの理由にすることはしないということはしばしば申し上げておるところでございます。」こうなっておるわけですね。これはほかにも、昭和四十九年二月二十二日の当院の法務委員会でも同じ趣旨の答弁があるわけですが、そこでいま読み上げました答弁の次にこういうのがあるのです。「裁判官になっておられる方々が、やはり裁判の公正らしさを担保するためにできるだけ特定の団体等に加入しないほうがいいという裁判官のモラルを説いたこととは、これはあくまで別個のものであるということはしばしば申し上げておるところであるわけでございまして、」というふうにあるわけですが、といたしますと、裁判官でもある司法研修所の教官が、任官希望者で特定の団体、青法協に加入していると見られている人に対して、脱退をした方がよい、あるいは脱退すべきだというふうにいわゆる脱退工作をするということはあり得るし、あってもおかしくはないということになるのですか。そうして、それは裁判官への採否とは別の問題だということになりましょうか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 前局長の矢口が申し上げたことにつきましては、現在も私どもは同一の見解でございます。  なお、司法研修所教官のいわゆる青法協会員の脱退工作という点でございますが、大変言葉のことで恐縮でございますが、いわゆる脱退工作というものをしておることはございません。ただ、教官と修習生は、特にクラスの教官と修習生は、安藤委員つとに御承知のように非常に親密な間柄でございますので、いわゆる進路指導として裁判官のあり方等について話し合いが行われる、その際に裁判官のあり方として、最高裁事務総局がとっております見解を当該修習生に伝えるということは当然あり得るであろうというふうに考えております。     〔森(美)委員長代理退席、委員長着席〕

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 話を具体的にさせていただきたいと思います。  日本弁護士連合会が、いま私がお尋ねしておる問題について第三十一期の修習生の人たちの聞き取りをしまして、それをまとめたものを私はいま持っているのですが、これは幾つかあるのですがそのうちの一つを披露いたしますけれども、D君の場合というのがあるのです。このD君はクラスの刑事裁判の教官から呼び出しを受けて、三月の十二日に約一時間四十分にわたっていろいろ教官の話を聞いた。主として刑事裁判の教官が、できるならば三月十五日までに、遅くとも三月十九日までに青法協を脱退するように迫って、青法協に対し脱会の内容証明郵便を送り、その写しないし控えを提出するように求めた。そして、この内容証明郵便を出すことはあくまでも事務的なものであるけれども、最高裁に青法協脱会の資料として提出する必要がある、単に青法協を脱会したと言っても最高裁には信じてもらえないんだというふうに述べて、そして最高裁の採用面接、これが三月の二十二日と二十三日とあったのですが、そのために資料を送らなければならないという意味では自分も君と同じ立場にあると、重ねてこのD君に脱会の決意を迫ったというのが、この日本弁護士連合会の聞き取りにあるのです。  だから、こういうことになりますと、先ほど言葉がどうのこうのというふうにおっしゃったのですけれども、これは明らかに脱退の工作であり強要であり、裁判官に採用するためには青法協の脱退が必須条件になっている、こういうようなことではないかと思うのです。  D君は結局はそれに応じなかった。そしてD君は採用を拒否されております。青法協の会員であるということでこれが拒否されたということははっきりしていると思うのですが、そうじゃないですか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 繰り返しになりますけれども、特定の団体に加入しておるということの理由で採用をしなかったということではございません。  なお、ただいまのD君の話でございますが、恐らく新聞に報道されたケースではなかろうかというふうに考えます。私どもといたしましては、司法研修所を通じましてその間の事情を聴取いたしました。先ほど申し上げましたように、この教官と修習生のやりとりはある意味ではプライベートな問題であって、いわゆる身の上相談といいますか進路指導という面でございますので、その間のやりとりの言葉が果たして正確に伝えられているのかどうかという点につきましては、私どもといたしましてはやや疑問に思うわけでございます。特に、最高裁に内容証明郵便を送らなければならないと言ったというふうにされておりますけれども、当該教官はそのようなことは言っておらないというふうに聞いておる次第であります。現に私どもといたしまして、従来採用前に本人から内容証明郵便で脱会の事実を明らかにさせたというようなことはございません。  ただ、内容証明郵便云々の問題につきましては、従来青法協会員であった方が考えるところありまして脱会した場合に、現実に内容証明郵便で脱会通知をしたというようなことがありますので、恐らく当該教官はそのことを当該修習生に対して言ったのではなかろうかというふうに考えております。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 いま私が日本弁護士連合会の聞き取りの内容を披露したのですが、これはプライベートな修習生と教官との間の話し合いどころの問題ではないということははっきりしていると思うのです。内容証明郵便云々の問題については、前にそういうようなことで脱会をした人があるのでしたのじゃないかというふうに言いわけをしておられるのですが、これは第二十二期の司法修習生の人たちの任官問題のときにも、教官の方から内容証明郵便を出せという話を聞いたということも私は記憶しておるのです。だから、そういううそのことを日弁連に行ってD君が言うということは考えられぬと思うのです。  そこで、それは正確ではないのではないかという御答弁でしたので、ではそれが正確であるということの担保のためにさらに申し上げるのですが、この問題についてその三日後の三月十五日に、十四人の修習生が当該刑事裁判の教官と話し合ってそのやりとりをした経過を書いたのを私は持っておるのですが、修習生の方から内容証明郵便をなぜ出す必要があるのかということを教官に聞いたところ、教官は、好ましくないとされている以上、内容証明を出すというのは有利な事情だ、青法協に入っていないことは有利な事情だ、有利な事情は最高裁に送るんだ。そして、このD君との間に十九日という日が話題となったということまでこの刑事裁判教官は認めておられるのですよ。  そうなると、いま私が日弁連の聞き取りを披露したのですが、それは全く架空のものではないということは実にはっきりしているのじゃないですか。まさに青法協加盟が好ましくないと最高裁が考えている、このことは実にはっきりしてきていると思うのですが、これでも団体加入は好ましくないというのと採否とは別個のものだと言うことができるのでしょうか。青法協加入が採用の拒否にそのままつながっているのではないか、まさにその実態だと思うのですが、どうでしょうか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 先ほど内容証明郵便について申し上げましたのは、最高裁に提出するとかどうとかという問題でございまして、そういうことについてはなかったと聞いておるというふうにお答えしたわけでございます。  ただ、内容証明郵便という言葉自体が出たかどうかにつきましては、あるいは出たかもしれない。当該教官の意見として、脱会の事実がはっきりすればそれは本人にとっては決してマイナスではないのじゃないかというようなことを述べたというふうに聞いております。  なお、三月十五日に教官宅云々のことでございますが、この点はそのとおりのようでございます。ただ、十九日とかその他確定的な日にちの問題と採用面接の日にちとの関係についてのお尋ねがございましたが、当該修習生は当該教官に前の時点からいろいろ相談を持ちかけておったようでございます。なお、当該教官は十八日まで出張ということでありまして、そういうことをしたのならば十九日云々という日にちが言葉の中に出たようでございます。したがいまして、採用面接そのものとこの十九日云々という問題とは、当然に結びつけて教官が言ったというふうには私どもは承知していないわけでございます。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 その問題をやっておると時間がなくなりますけれども、日にちのことをいろいろ強調されておられたのですが、最高裁の採用面接のための資料として送らなくてはならぬのだ、それはD君、あなたもそうだけれども、自分も、刑事裁判教官の自分も同じ立場にあるんだ、だからこれは最高裁から義務づけられているんだということまで言ったというのですよ。そんなことを言った覚えがないと言うなら、言った、言わぬの話になりますから、私はあえて三月十五日の十四人の修習生立ち会いの話の記録をいま一部披露したわけなんです。  その前日の三月十四日にも、今度は民事裁判の教官と十二名の修習生の人たちが会談をして、修習生が、青法協に加入していると任官できないのかという質問をしたのに対して、教官の方から、事務総長の見解——これは前岸事務総長の昭和四十五年のときの見解だと思うのですが、これがまだ生きていると考えている。生きている以上、会員であることが資料になる。会員であることが採用の障害になる可能性がある、こういう事実もあるのですよ。  となると、これはいよいよもって前の岸事務総長の好ましくないの発言がそのまま採否の問題となって、司法研修所の教官を通じて司法修習生に対して加えられている、青法協脱退という条件を満たさなければ裁判官には採用されないぞよという最高裁判所の考え方がそのまま強く伝わっている。だから、脱会しなさいということになっているという事実じゃないでしょうか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 最高裁の人事当局といたしまして、研修所の教官方に対して教官方から資料を出させているという事実は全くございません。  それから、事務総長談話の件でございますが、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、これも繰り返しになりますけれども、裁判官のモラルとして特定の政治的色彩の濃い団体に加入することは好ましくないという考え方は従前と変わりございません。修習生と教官の間でその種の話になりました場合に、教官が事務総長談話の点に触れることは当然あり得ることだろうと思いますし、その際、ただいま御指摘のような言い方で言ったかどうかは別といたしまして、当該教官が、事務総長談話にあるとおり自分としても好ましくないと考えているというふうに言ったことはあると思います。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 いや、それが任官と関係がある、障害になる可能性があるというふうにこの民事の裁判教官は言っているということを、三月十四日に立ち会った十二名の司法修習生の人たちの証言で、私はお尋ねしているのですよ。  しかも、先ほど言いました三月十五日の刑事裁判教官との話し合いの席上で修習生の人たちが、最高裁はどうしてだれが青法協の会員かわかるのかという質問をしたのに対して、教官の方から、まあ事実上いろいろとある、諸事情で知っているのだ、こういうふうに答弁しております。そして、修習生の人の、教官は最高裁にだれが会員か報告しているのかという質問に対して、教官は、各個々人の諸事情は報告している、一応修習生のことを一番よく知っているのは教官だから——それは先ほども局長さんがおっしゃったことなのですが、だから修習生のことは報告しているのだ、そして青法協の会員であるということは知っているのだ、いろいろの事情でわかるのだというようなこと。このやりとりを客観的に見れば、だれが青法協に加盟しているのだということを教官は最高裁に一々報告しているということになるのじゃないですか。  そうすると、これまで最高裁は、任官希望者がどういうような思想、信条を持っているかとかどういうような団体に加入しているかというようなことは一切調べておらぬ。これは第七十二国会の当院の法務委員会、ここでもそういう趣旨の答弁を矢口前人事局長がしておられるわけですけれども、これは全くうその答弁ということになりはせぬのでしょうか。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 私どもといたしましては、思想、信条に関する事項、特定団体に加入しているかどうかについては一切調査しておりません。ただ、研修所における青法協の活動というものは、御承知のとおりビラ等を施設内でいろいろ頒布したりしておりますのでたまたま入手することがあり得ます。その際に名前を出している修習生もあるわけでございますので、その限りにおいてこの修習生が青法協に加入しているということは当然判明するわけでありますけれども、私どもの方から研修所教官に対して一々具体的にこの修習生は青法協会員かどうかというようなことの報告は一切求めておりません。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 人事局長はいまいろいろと答弁をなさっておるのですが、いま私が、刑事裁判教官と修習生の人たちとの間の話し合いの内容、それから日弁連の聞き取り書き等々いろいろ披露いたしましたけれども、これからすると、人事局長いろいろ強弁をしておられるけれども、事実は、最高裁の方が教官を通じてだれが青法協に加盟しているのかということを一々報告をさせる。しかも任官希望者について特に報告をさせているというようなのが、これ事実としてずっと挙がってきているんじゃないかと思うのですがね。強弁をなさるのですが、いま私は具体的な事実を挙げましたから、事実で勝負すれば、そういうことはないないというふうにおっしゃるのですが、そうすると、この刑事裁判教官は司法修習生との会談の中ではうそを言ったというようなことにもなりかねませんよ。裁判官がうそを言うということはとんでもないことだと思うのですが、どうなんですかね。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 先ほどの十五日の教官と修習生の接触の問題は比較的詳しく事情を聞きました。いま御指摘の十四日につきましては、どのようなやりとりがあったかについては知悉しておりませんけれども、教官から自分のクラスの修習生の青法協加入の有無について報告を求めているというようなことは一切ございません。繰り返しになりますけれども、そういうことはやっておりません。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 くどいようですが、そうするとこの刑事裁判教官は、いま私が言ったことからすると、各個々人の諸事情は報告をしている。そしてそれは、修習生の方から教官は最高裁にだれが会員か報告しているのかという質問に対して、そういう答えをしておるということになっているのですよ。だから、いまあなたの方でそんなことは絶対ないないと言い張っても、事実はこういうふうにきちっと記録をされておるのです。だから、それはあくまでもあなたの方のたてまえの上での強弁じゃないかというふうにしか私は思えないと思うのです。それをやりとりしておっても時間がありませんが……。  ところで、青法協は憲法と平和と民主主義を守るということを目的としてつくられた。いろいろビラなどを配布されておるということをいまおっしゃったんですが、青法協のいろいろな出版物あるいは特に「青年法律家」という月刊の機関誌も出ております。恐らくこれは入手をされておられると思いますけれども、知らないとは言わせません、入手をされておられると思うのです。これは釈迦に説法ですが、憲法七十六条の三項では、裁判官は憲法及び法律にのみ拘束されるということになれば、憲法と平和と民主主義、これを守るためにいろいろな研究をしたり諸活動をしているという青法協の会員こそまさに裁判官たるにふさわしい人ではないかというふうに私は思うのです。しかも前の矢口人事局長は、いろいろ国会の答弁の中で、だれが見ても裁判官にふさわしいという人こそが望ましいんだということも言っておられたのを私も記憶しております。五人の任官を拒否された人たちは、これはすべてが修習生の中では非常に信望の厚い人だというふうに評判になっている人たちだということを私は聞いております。こういうことからしても、この人たちの裁判官への採用を拒否したということは、まさに青法協の会員であるということのみを理由として拒否されたものとしか考えられないわけであります。  だからこそ、今回の任官の拒否に当たっては、多くの修習生が問題を重視しておりまして、御承知のように日弁連が三月二十二日に最高裁判所へ要望書というのを出しておられるのを知っておられると思います。もちろん全部は読まなくてもおわかりだと思うのですけれども、とにかく今回の措置はきわめて遺憾であるということと、「いやしくも成績・全人格的評価に名を籍りた、思想・信条・団体加入・性別等を実質的理由とする任官拒否を絶対にしないよう、また事前に団体加入の自由に干渉するものと疑われる行為がないように強く要望いたします。」こういう要望書まで出しておられるわけですね。  そしてさらに、その次の四月九日に、これは新しく日弁連の会長になられた江尻平八郎さんの会長談話として、これも全部は読みませんけれども、「実質的に思想・信条・団体加入をその一つの理由としての任官拒否の疑いが強く、まことに遺憾といわざるをえない。」として、「当連合会は、最高裁判所に対し、再考を促すとともに、本人の希望に従い不採用の理由をすみやかに本人に説明し、あわせて国民の納得する公正な採用基準と手続の確率を求めるものである。」こういうふうに会長談話まで発表をしておられるわけなんですよ。  日本弁護士連合会は、御承知のように法曹三者のうちの一つなんです。この法曹三者のうちの一つから、こういうような意思表示がこの問題についてなされているのです。これに対してどういうふうにこたえていこうとしておられるのか、お答え願います。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 まず、青法協という団体につきまして、私どもといたしましては望ましいとか望ましくないとかということは、とうていコメントする立場にないわけでございますので、ただ先ほどから申し上げておりますのは、青法協はやはり政治的色彩がある、そういう団体に裁判官が加入することは好ましくないという考え方を持っているというふうに申し上げているわけでございます。  なお、御指摘の日弁連だけでございませんで、各単位弁護士会等々から抗議文、要請文等多数参っております。その中身は、ただいま御指摘のとおりの内容でございます。  それでは具体的に不採用にした理由を明らかにせよという御趣旨でございますけれども、事具体的な人事に関しまして採用の理由を明らかにすることは、これも毎度申し上げておりますけれども、人事のあり方としてはやはり差し控えさせていただくべき問題ではないかというふうに考えております。

安藤巖日本共産党・革新共同

○安藤委員 なかなかまともな答弁をしていただけないんで、時間も参りましたから、最後に一つ要望を申し上げて私の質問を終わりたいと思うのですが、「任官拒否と現行落第制度に反対する三一期の会」というのができたんですが、その創立宣言にこういうような文言があるのですよ。私は傾聴に値すると思うので、あえて局長さんに聞いてほしい。  ごく一部分なんですが、「私達は、修習を通じて、裁判にはある程度の時間と慎重な熟慮が必要不可欠であること、そしてこれに携わる者は、深い社会に対する認識と人間への理解を持っていなければならないことを学んできました。しかし最高裁は、これに誠実に応えようとする者を裁判官として不適格とし、更に研修所は、小手先の法律技術や迅速な事後処理を修習生に押しつけ、これを法曹適格の基準としています。これらのことに想いを至すとき、任官拒否、落第の真の被害者は、実は、裁判を受ける被告人や当事者、裁判を受ける権利を持った国民であり、深い憂いを感ぜざるをえません。」  こういう視点から、いま任官拒否に対して反対をしている人たちは活動しているのです。こういう点から、国民を被害者にするなという観点から、裁判官に物を申しておるのですよ。その辺のところをしっかり踏まえて、日弁連も言うておりますような再考してほしいということを重ねてもう一回お尋ねして、私の質問を終わります。

勝見嘉美最高裁判所事務総局人事局長

○勝見最高裁判所長官代理者 具体的な採用の理由を明らかにせよという御趣旨でありますれば、先ほどお答え申し上げたとおりでございます。  ただ、裁判所全体に対しましていろいろな御批判がございます。私どもといたしましては、謙虚にその批判に耳を傾けまして、改むべきところは改めていきたいというふうに考えております。先ほど御指摘の研修所の研修の内容等々につきましては、これは当然改めるべきところはすぐにでも改められることであります。  なお、私どもといたしましては、司法部に裁判官にふさわしい優秀な人材を多く採用いたしたいと考えておりますので、十分憲法の趣旨に従って人事の運用を担当させていただきたいというふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤委員長 次回は、来る十八日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十分散会

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