外務委員会 第7号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1979/04/26
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件及び市民的及び政治的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 私は当委員会の所属ではありませんので、いままでの経過もよくわかりません。したがって、大臣に一言だけ、この委員会としては論議をされた問題だと思いますけれども、一言だけ聞かせていただきたいと思います。 この今回提案をされた趣旨あるいはまた、実を言うともっともっと早くこれは提案さるべきであったと思うのでありますが、なぜ今日までこんなに延びてしまったのか、それから今後どうする見通しか、あるいはまたこれを批准をした場合に、日本の国内法には手をつけるような問題が幾つもあるのかどうか、あるいは現行法の中で賄っていくのかどうかというような点を概括的にちょっと聞かせていただきたいと思います。
○園田国務大臣 本人権規約A、B両件の提案がおくれましたことは御指摘のとおりでありまして、政治の根幹であり日本国憲法の中、心であるこの条約というものは、もっと早く提案して審議をお願いすべきはずでありましたけれども、国内関係省庁との調整のためにおくれたわけであります。この条約はA、Bとも世界人権宣言の内容を敷衍、条約化したものであり、わが国の日本憲法のよって立つ基本でもございますので、本条約を御審議、御採択願った後は、その趣旨に従って、いまなお不十分なもの等もございますから、一歩一歩と完全な方向へ持っていきたい、国内法もしたがって現国内法でお願いをしておりますが、今後漸次、これも漸進的に、変えるべきものは改正していくべきものだと考えております。
○西宮委員 今日まで遅延をした原因は、政府部内の各省庁の意見の調整にあったというような話でありますが、実は私の本籍は法務委員会でありますので、ちょっと伺いたいのでありますが、これは五十年の十二月二十二日、朝日新聞の社説欄でありますが、「国際人権規約への加入を急げ」、こういうタイトルで書かれた社説でありますが、その中に、法務委員会の私として非常に気がかりになりましたのは、「とくに法務省は、B規約十二条1項の「移転の自由」が出入国管理令と抵触する、」とかあるいは「十五条2項で戦争犯罪処罰を想定した部分」であるとか、その他等々例を挙げまして、要するに、法務省がおくれているということを指摘しているわけです。さらにこの社説の一番最後の結びは、「検討は慎重にすべきだが、法務省の態度は後ろ向きすぎる。関係諸省の、やる気を強く望んでおく。」こういうことで結んでおるのでありますが、特に法務省に問題が多過ぎた、あるいは法務省の態度が後ろ向き過ぎる、こういう指摘がされておるわけでありますが、外務大臣の立場で見て、やっぱりそういう点に、今回遅延してきた原因の多くが法務省にあったかという点、どういうふうに認識をしておられますか。
○賀陽政府委員 御批准のための御提出がおくれましたことにつきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、国内官庁の調整、協議に枚挙にいとまない人権がここに記載されておりますので時間がかかったことでございます。特にまた第四条に、「この規約に合致するものとして国により確保される権利の享受に関し、その権利の性質と両立しており、かつ、民主的社会における一般的福祉を増進することを目的としている場合に限り、法律で定める制限のみをその権利に課することができる」という、いわゆる合理的制限の条項もございますので、権利の確保とこの条項とのバランスその他につきましてはいろいろ考えなければならない点があったわけでございまして、特に法務省のどの協議が長引いたということではございません。
○西宮委員 特に法務省が障害になって遅延したのでないということでありますから、法務委員会に所属する私としてはその点はいささか安心をしたわけですが、実はこういうことを言われましたので、私も何回か、この審議を急ぐべきだということで法務省を鞭撻してきたわけであります。 そこで今度は法務省にお尋ねをいたしますが、そもそも法務省という役所はどういう役所なのか。 法務省で出した文書の中に法務省は「人権擁護の府」であるというふうに書かれているわけです。これは実は入管局で出しているいわゆる俗に言う入管白書の中にうたった文句であります。私は「人権擁護の府」であるという考え方を入管局が特に指摘しているという点に実は大いに意義があると思うので、入管局のやり方がそういう「人権擁護の府」に十分合致している、そういう行政がなされておるかどうかという点について後でお尋ねをしたいと思うのですが、いわゆる「人権擁護の府」であるということを強調している入管局長に、大臣がおられれば大臣に聞きたいのでありますが、きょうは法務大臣がおりませんから、入管局長にその認識についてお尋ねをしたいと思います。
○小杉政府委員 お答え申し上げます。 私案は、ただいま先生御指摘の入管局の文書の中に法務省が人権の府であるということを明記した一文があるというお示しでございますが、残念ながらそれを読んでおりません。しかしながら、私ども入管局の行政というものは、外国人とのつながりという意味におきまして、あらゆる面で外国人の人権の尊重ということを念頭に置きながら行政をしなければならない、一つの国と国との接点、最も現実的な、日常的な接点である行政を担当しておるものでございますので、そのような点については十分なる配慮を従前とも行っております。その意味で、法務省が人権の府であるということは、単に入管のみならず、刑事局あるいは民事局、人権擁護局はもちろんのことでございますが、あらゆる行政の面において人権の尊重というものが非常に大きな行政上のテーマになっておるということは事実でございます。
○西宮委員 いまの言葉は入管局で出しているいわゆる入管白書の中に書かれた言葉なので、それを所管の局長が読んだことがないというのは大変残念なんです。しかし法務省の中に人権擁護局という局があって、人権擁護という看板を下げた部署はほかにはどこにもないわけですね。そういう意味では、何も人権擁護は法務省の専売特許ではない、これは明らかだと思うのだけれども、しかし法務省は特に人権擁護に立脚をしてこれをやらなければならぬ、人権擁護という役所はほかにはないのだから、そういう意味ではきわめて大事な責任を担っているというふうに私どもは理解をするわけですが、人権擁護局長で結構です、そういう法務省としての基本的な態度をまずお聞きしたい。
○鬼塚政府委員 日本国憲法によりますれば、基本的人権の尊重というのは国政の基礎でございまして、法務省に限らずすべての国家機関、地方公共団体、そういう公の機関が人権擁護を基礎にしてすべての行政をなすべきことは明らかだと思います。 ただ、特に法務省には、御指摘のように人権擁護局というところがございまして、これは法務省設置法によりますと、人権思想の普及、高揚、いわゆる啓発活動、これが使命とされているわけでございます。その他これに関連いたしまして、いわゆる人権侵犯事件、これは強制は一切伴わないのでございますけれども、粘り強い啓発によりまして具体的な関係者に人権思想を会得させる、あるいは人権に関するいろいろな相談を扱うということで、具体的には法務局に人権擁護関係の機関を設けまして、人権擁護委員とともに日夜努力をしているところでございます。 こういうことでございまして、ただいま入管局長が言われましたように、人権擁護局は法務省の中の一部局ではございますけれども、その責任者として法務大臣がおられるのでございますから、他の関係各局もそういう基礎的な考えに基づいて行政をされているというふうに考えております。
○西宮委員 要するに「人権擁護の府」と言われる法務省が、特に私は、そのことが入管局の公の文書に書かれているということに意義があるということを言ったのでありますが、人権問題について果たしてそれほどまで強い信念を持って法務省の行政をやっておられるかどうかという点に私は若干の疑問を感ずるのですよ。 それは、入管局の高級な役人、ただしこれは大分古いので現在は入管局ではなく他の部署に転任をしておりますが、この人が昭和四十年に、要するに外国人に永住権を与えるかどうかというような問題をみずから一問一答の形で書物を書かれておるわけです。その中にこういうふうに表現をしているわけです。「何度も言った通りで、日本政府の全く自由裁量に属することとなる。国際法上の原則から言うと「煮て食おうと焼いて食おうと自由」なのである。」こういう言い方をしているのですね。つまり外国人の地位というのは日本においては煮て食っても焼いて食ってもそれは全く自由なのだ、日本政府の自由裁量だ、こういう言い方をしているわけですね。たとえばごく最近国会図書館で出しておる「外国の立法」の中にフランスの人権差別禁止法というのが紹介されているのです。フランスではアルジェリア人であるとかあるいはその他労務者としてたくさんの外国人が入ってきて労働に従事をしている、こういうことから、いわゆる人種差別というような問題が起こるのだろうと思うので、それに対処するために特別にこういう法律をつくったんだと思うだけれども、とにかく大変周到な規定を設けて人種差別は一切禁止をする、こういうことが法律で決められておるわけです。そういうのに比べて、私がいま申し上げたように、日本にいる外国人は、日本政府としては煮て食っても焼いて食っても自由なんだ、こういう考え方が基本にあるということはまことに重大だと思う。その点はどういうことなんですか。
○小杉政府委員 ただいま先生御指摘の点でございまするけれども、外国人の入国、滞在というものを許可するか不許可とするか、要するに許否の判断というものは各国主権の自由裁量にゆだねられているというのが国際法の一般原則でございまして、その意味で、確かに先生がいまお読みになられました、煮ても焼いても何してもいいというのは、いささか表現としては不適当かと思われますけれども、事の本質から申しまして、外国人の入国及び滞在に関する処遇については主権国が自由に判断できるという原則に関する限り、私どもそれは国際法の一般原則であるというふうな理解をいたしております。
○西宮委員 このことは単に表現だけではなしに、同じような思想がこの書物の中ではたびたびあらわれてくるわけです。単にこれは言葉の問題というんではないのです。そういう考え方が基底にあるということはとうてい看過できないことだと思う。これは古い書物で、あなた方の先輩が書いたんだけれども、もしそれが誤りであるというのならば当然訂正するとか、昭和四十年に書いた本だから、それから十四年もたっているので、その間にそれは訂正するとかあるいは謝罪するとか、当然そういうことはなさるべきであったと思うんだけれども、いま考えてみてどうなんですか。
○小杉政府委員 ただいま御指摘のその書物は個人の著作でございまして、法務省の正式の見解を表明するたぐいの文書ではないという点、その点ひとつ御了承をいただきたいと思います。 確かに煮ても焼いても何しても構わないという、それは何と申しますか、一般にわかりやすく物事の実態を説明するための一種の比喩としてその著者がお使いになられた言葉であろうというふうに私は理解いたしますが、その事の本質は国際法の一般原則というものをわかりやすい形で説明したということであるように私は理解をいたします。
○西宮委員 わかりやすく説明するために、煮ても焼いても何でもいいというようなことをわかりやすく言ったと、それは余りにも局長自身詭弁じゃないですか。そういう考え方、これは間違いだと私は思う。しかし、それは全く私人が出した本ですよ。何も公に法務省として出したものではないんだけれども、入管局の局付検事であり、同参事官である、こういうことをうたって書いている書物なんだから、それは明らかに入管局の高級の役人が書いた書物なんで、わかりやすく説明するために使ったというようなことはとうてい許されないと思うんだ。もう一遍その点を明確にしてください。こういう表現をしたのは大変間違いだ、それはまことにけしからぬ、先輩のやったことだけれども、それは間違いだから取り消す——取り消す資格はあなたにはないだろうけれども、そういうことをわれわれの先輩がやったことは大変残念だからおわびをするというふうな態度ならば、私もこの問題はこの程度にして、内容について質問をしたいのだけれども、いまのようなことをわかりやすく言うためにそういう表現を使ったというような態度では、あなた自身も同じような態度なのじゃないかというふうに言わざるを得ないと思うのですよ。どうですか。
○小杉政府委員 個人の著作においてそのような比喩が使われたということ、その比喩をどのように解釈するかというのは、それぞれ各個人によって判断の仕方が異なろうかと思いますが、必ずしも適切な表現であったかどうか、確かに御指摘のような問題点があろうかと存じます。
○西宮委員 こういうことでいつまでも議論をしておると時間がなくなってしまうけれども、それが適切な表現であったかどうかというような程度の認識では、私は法務省がいわゆる「人権擁護の府」であるというようなことを大きな顔をして言えた義理ではないと思う。これは速記録を見ながら法務大臣に後で意見を聞くことにします。 この人は、たとえばいまのように、単にそこだけ言葉がきつかったというのではなくて、たとえば強制退去をさせられるというような問題等について問答の形式をとっている中で、一遍入国した者がなかなか出ない、いろいろ政府に要請したりあるいは裁判を起こしたりいろいろなことをやっている人がたくさんあるわけだ。そういうのに対して「あたかも、泥棒に入った男が家の人に見つかって逆に脅かして、飯や酒を出させて朝方までねばるいわゆる「居直り強盗」のようなもので、祖国の独立国としてのプライドを無視し」云々というような言い方で、一遍入国した者がさらに在留を継続させてもらいたいというような請願をしたりいろいろそういうことに対してこういう表現、これなどもずいぶん乱暴きわまると思うのだけれども、要するに、夜から朝までがんばっている居直り強盗みたいなものだというのは全くひどいことだと思うのだけれども、それを含めてこれは法務省の基本的な認識の問題として改めて大臣にお尋ねをしたいと思うので、ここではこの程度にとどめておきます。 それでは、今度この条約が通った際に、いろいろ国内法との矛盾というか、そういう問題が出てくるであろう点を、法務省の問題に限ってお尋ねをしていきたいと思います。たとえば国家賠償法の第六条によると、「この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する。」こういうことになっているんだけれども、そういうことになると、今度の人権規約によるところの法のもとの平等というような点とかそういう点が問題になってくる。したがって、外国人と内国人、日本人との間にいろいろそういう差が出てくるというようなことも問題、だと思うが、これはどうですか。
○香川政府委員 国家賠償法のただいま御指摘の規定は、今回の人権規約の批准の関係で確かに問題の一つでございますが、やはり私どもとしては、国家賠償制度というのは原則的には相互主義を貫くべき問題だろうというふうに考えるわけでありまして、この点の改正をいろいろ検討することは相当むずかしい問題があるわけでございまして、なかなか容易にはできない問題だろうと思うのであります。さればといって、そのために人権規約上この関連の規定を留保するとか、あるいは批准がおくれるということも決して好ましいことではございません。したがって、現在の人権規約が批准されましてもそれとは抵触しない。ただし方向としては、各国のいろいろの相互主義等の動きを見て、将来の問題として国家賠償法の改正を検討したい、かような考えでおるわけでございます。
○西宮委員 今後国家賠償法を改正する、再検討する、こういうことでありますから、ぜひそうした矛盾がないようにしてもらわなければならぬと思います。 それから、さっきもちょっと言った、いわゆる強制退去をさせる、これは入管局ですね、強制退去をさせるという場合に、審査庁の令書によってこれが行われるわけですね。これは日本の国内で日本人が自由を制限されるという場合には裁判所が行うわけです。それに対して単なる行政官にすぎない審査官が同じことをして、たとえば大村の収容所に収容するとか、あるいはさらに強制退去をさせるとか、そういうことが行政官である審査官によって行われるということは全然次元が違うので、したがってこの批准の後にこの問題について問題が起こる可能性があると思うのだが、どうですか。
○小杉政府委員 ただいまのお尋ねの点はB規約の九条に関連してのお尋ねであろうかと存じますが、この九条というものをよく読んでみますと、人身の自由を剥奪する場合に、逮捕はもとより抑留、拘禁等についても司法機関の許可または命令を必要とするのであって、行政機関のみの判断、決定によって行うことを許さないという趣旨については全く言及がないわけでございます。私どもといたしましては、ただいま御指摘がございました退去強制令書あるいは収容令書によりまして本条の違反の問題が起こる余地はないというふうに考えております。特にこの九条の四項をごらんいただきますと明らかになるのでありますが、裁判所による事後審査によって不適法な自由剥奪からの救済というものを規定しておるわけでございまして、これは行政機関が司法的な抑制を受けることなく適法に自由を剥奪することができる場合があるということを前提にした規定であるというふうに考えておりまして、私どもとしては、主任審査官により発付される令書によって身体の拘束を行っても規約B第九条の違反にはならないというふうに考えております。
○西宮委員 その自由の拘束が裁判所によってなされるかあるいは行政官によってなされるかという違いの重大な点の一つは、その当該の人間がその行政措置について争うことができるかという点にあるわけだけれども、裁判所ならば裁判のそれぞれの審級に応じて争っていくというやり方があるわけだけれども、その点がこの審査官の令書によって行われるという場合には、その当該の本人は争う余地が全くない、争う機会が与えられないということになるじゃないですか。その点は大変な問題だと思う。
○小杉政府委員 ただいまの点でございますが、現行の出入国管理令における手続の面におきましても、具体的な手続が進行する過程において十分当人の意見を開陳する機会もありまするし、最終的には法務大臣に救済を求める手段等もろもろの手続が定められておるわけでございまして、その意味におきまして、十分に当人の利益あるいは人権というものが保障されるような機構に現在の態様はなっておるわけでございます。さらに裁判所への提訴の問題あるいは人権保護法による救済の問題等々、もろもろの保障関係の法規がかぶってきておるわけでございますので、ただいま御指摘のような点についての御心配はないのではなかろうかと存じます。
○西宮委員 それでは、実際にそういう審査官の令書によって行われる収容なりあるいは退去なり、それに対してそういう異議の申し立てその他をやって、それに対して法務大臣がどういう裁決をしたか、そういう件数はいままでどのくらいあるのか。言われるように、そういうことが十分に本人の利益を守るという立場で完全に行われているということが証明できる程度の件数があるのかどうかというのを私は知りたい点なんだけれども、現実はどうなっていますか。
○小杉政府委員 まことに申しわけございませんが、具体的な資料を持っておりませんので即答いたしかねますが、後刻御説明申し上げます。
○西宮委員 私はそのことを聞きたかったのは、恐らく現実にはほとんどそういうことがなされておらないのじゃないかという点を懸念するわけですよ。つまり行政官の権限としてそういうことをきわめて乱暴にやっているのではないか、それに対して救済措置はほとんど講ぜられていないのじゃないかという感じがするわけです。 これはさっきも言った法務省の入管局の役人が書いた書物の中にこういうふうに言っている。「だからどんな理由をつけても(国際法上はその理由すらいらないとされている)追い出すことはできる。」こういうふうに言っているのですよ。「だからどんな理由をつけても追い出すことはできる。」こういう言い方をしている。これはちゃんと解説書の中に書いておる。 だから、こういう態度ならば、恐らくもう簡単に令書一本で追い出してしまうというようなことが行われているのじゃないか、現にその担当の参事官がそういうことを書いているんだから。「どんな理由をつけても追い出すことはできる。」と。だから、そういうことで簡単に扱っているというのが現実じゃないかという気がするのだが、どうですか。
○小杉政府委員 ただいま先生がおっしゃられたようなことには相なっておりません。私ども個々のケースごとに十分慎重なる検討を行い、あとう限りの人道的な配慮等、情状酌量の余地があればそれを最大限に行使することによって物事を処理しておりまして、ただいま先生の御指摘のようなことはございません。
○西宮委員 それでは、これも数字その他具体的な実例は後で知らせてくれるということですから、そのときにそれをもらって、その上でまた改めて法務委員会等で問題にしたいと思います。 次は、いわゆる職業選択の自由に関連する問題ですが、日本人の場合には職業選択の自由は憲法に保障された当然の権利ですけれども、入国した外国人が職業を変えると退去を強制される原因になるわけですね。無論許可を受けて職業を変えるという場合もあるようだけれども、多くの場合職業の変更は許されない。これは入国する外国人にとっては大変厳しいことだと思うのですね。なぜなら、日本の事情もよくわからないで来た、したがって、そのときに選んだ職業が、日本の国に来てみて事情が違うということでいろいろ変更しなければならぬという問題等が当然あると思うのだけれども、そういう際に、当該の人にとっては大変重大な問題だと思う。その点について、いわゆる職業選択の自由との関連性はどうなんですか。
○小杉政府委員 ただいま先生からのお尋ねの点にお答えするに先立ちまして、私どもの一つの基本的な考え方と申しますか、基本的な認識で、実は先ほどもちょっと触れた点に関連するわけでございますけれども、申し上げたいと思います。 国際人権規約と出入国管理法令とのかかわり合い、特に抵触、矛盾という問題を考えていく場合の基本的な考え方でございますけれども、この国際人権規約のA規約には、外国人の入国、滞在という問題について、これを認めるか認めないかに関しましては何らの規定がないということ、さらにその姉妹規約でございますB規約につきましても、十二条の二項において出国の自由についてだけ定めておる。したがいまして、入れることあるいは滞在中のことについては何らの規定がないということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、外国人の入国、滞在の許否というものは各国主権の自由裁量にゆだねられるという国際慣習法でございますが、このような国際法の一般原則は、今回の国際人権規約によっていささかも修正または制約されるものではない、そういう考え方をとっておるわけでございます。入国、滞在の許否が各国の主権にゆだねられて自由であります以上、入国または滞在を許可する場合について、合理的なものである限り一定の条件とか負担を課するのも自由であるというふうに考えております。これが基本的な考え方でございまして、このような考え方はわが入管局だけがとっておる考え方ではなくて、今規約に加盟しております諸外国によりましてすべて一様にとられておる考え方でございます。 この考え方に立って申し上げますが、確かに出入国管理令の上では、わが国に入国、在留する外国人は、すべて令に定めます在留資格を持って上陸し在留するものとされておるわけでございまして、付与された在留資格で許容される活動の範囲を逸脱いたしますれば、処罰または強制退去処分を受ける、確かに先生御指摘のとおりでございます。しかし、このような法制、すなわち在留資格制度それ自体は、先ほど申し上げました私どもの基本認識のもとで明らかなように、この規約には抵触しないと解釈いたしております。 A規約の六条でございますか、労働の権利、自由に選択する労働によって生活費を得る機会を求める権利ということが規定されておるわけですけれども、これも外国人に関しましては、入国等に際して与えられた在留資格の枠の範囲内において、ということを当然の前提とするものであると私どもは解釈いたしております。 なお、この規約に加入しております諸外国におきましても、在留資格制度であるとかあるいは個別的条件制度というようなものによりまして外国人の在留活動を規制しておりまして、このような規制自体が本規約に抵触しないものという解釈が行われ、かつ運用がなされておるのが現状でございます。
○西宮委員 そもそも外国人を日本に入国させるという点については、日本の政府としての基本的な態度はどうなんですか。つまり、なるべく入ってこないように抑制しようという考え方なのか、あるいは入ってきた者もなるべく早く自国に帰ってもらいたいということを基本的な考え方にしているのか、そういうそもそもの基本的な態度はどうなのかということをちょっとお尋ねしたいと思う。
○小杉政府委員 これは実は相矛盾する二つの要素が絡み合うわけでございますが、一方におきましては国際交流の拡大と申しますか、活発化と申しますか、そういう意味でわが国の国益に合致するような外国人につきましてはもちろんその入国を大いに促進し、入国手続等も緩和していこうという一つの考え方がございます。他面、わが国益に合致しないようなタイプの外国人についてはその入国は可能な限り抑制しよう。大きく申しましてそういう相矛盾する二つの考え方の中間と申しますか、総合的な姿で入国管理が行われておるわけでございます。
○西宮委員 私がそういう質問をしたのは、やはりさっきの例の参事官の書物でありますが、日本は領土も狭いし人口も多い、だから「外国人が入って来て外国人としての権利や有利な地位を利用して、自分勝手に好きな活動をやられたのでは、日本人の社会活動の分野がそれだけ食われてしまう」、こういうことを言っているわけです。そういう面もときによったらないわけではないかもしれないけれども、日本人の活動分野が外国人に食われてしまうという思想のもとに、入国はなるべくシビアな扱いをする、あるいはなるべく抑制する、そういう考え方に立っているというふうにしか思われないわけだけれども、お尋ねしたいのは、そういう基本的な考え方で審査に当たっているかどうかということです。
○小杉政府委員 ただいま先生の申されましたように、わが国は国土が狭小でございますし、人口もきわめて稠密な社会でございます。その意味でわが国に職を求めて入ってくる外国人、これはおのずからわが国の労働市場を圧迫する要因にもなりまするし、その意味で抑制的と申しますか、わが国の労働省を初め政府諸機関の労働政策の一環としてやや制限的な措置をとっておるという点は事実かもしれませんけれども、たとえば学術の交流であるとか観光客、そういったたぐいの方々、いわゆる国際的な交流を促進するようなタイプの外国人の入国については、何ら制限するという考え方は私ども持っておらないのでございます。
○西宮委員 次に、国籍の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 これは法務委員会でもたびたび取り上げられた問題でもあるし、社会党では国籍法の改正について党の案を出して検討してもらおうということになっているわけですが、何といっても、二重国籍の問題その他むずかしい問題がいろいろあることはわれわれも承知をしているのだけれども、現実に外国人の男性と結婚をした日本人の女性、そこから生まれた子供、これが日本の国籍を取得できないということで非常に因っているということを訴えておる例がたくさんあるし、またこれを裁判に訴えて、子供に日本人の国籍を与えてほしいというようなことを訴訟で解決をしようとしている、そういう例もあるわけです。この問題について何とか解決の方法はないのかということです。つまり、これは私から申し上げるまでもないことですけれども、日本人男と外国人女が結婚した場合には、そこで生まれた子供は当然に日本人の国籍を取得する。それが男女が逆になった場合には日本人の国籍を取得できない。そういう点で、現に日本の中に住んでいる日本人の女性が、これは男女の平等の大原則に反する、こういうことで大変そのことを問題にしておるわけです。日本の憲法でもすでに男女平等だということがうたわれているのだけれども、今回この条約を批准することによって、さらに一層男女の平等ということが強く強調されることになるわけですね。その際に何とか考える方法はないのかという点でどうですか。
○香川政府委員 御指摘のとおり、わが国の国籍法はいわゆる父系主義、日本人男と外国人女の間に生まれた子供は日本の国籍を取得いたしますけれども、外国人男と日本人女の間に生まれた子供は日本国籍を取得しないという父系主義をとっておるわけでございます。これは人権規約と関連して問題になるよりも、すでにわが国の憲法におきましては男女平等の原則をうたっておるわけでございまして、そのもとにおきましても、私どもとしては憲法上問題ないというふうに考えておるわけでございます。一つ男女平等の原則の働く場面と申しますか、日本人男の子供として生まれたそれが男性であれば、男の子であれば日本国籍を与えて、女の子であれば日本国籍を与えないというふうなことであれば、これは完全に男女平等の原則に違反することだろうと思うのでありますが、生まれた子供の国籍を決める基準として父系主義をとっておるということは、これは男女平等の原則のらち外の問題ではなかろうかというふうに考えるわけであります。 したがって、憲法論としては問題ないといたしましても、いま御指摘の例のように外国人男と日本人女の間に生まれた、したがって日本国籍を持っていない子供が現に日本に住んでおるというものについて、日本国籍を取得したいというケースは多数あるだろうと思うのでありまして、この場合に、一つは御指摘のような立法論として、父系主義を捨てて、両親のいずれかの両方の国籍を取得できる、日本人男と外国人女の間に生まれた子供は、父親の日本国籍と母親の外国国籍を両方持てるということにする立法論も確かに検討すべき問題だろうと思うのであります。その場合に私ども一番心配いたしますのは、いわゆる二重国籍の防止ということは国際間の一つの基本的な考え方であるわけでございまして、二重国籍を与えてそれを放置いたしておきますと、子供自身につきましていろいろ国際間の衝突があるわけでありまして、いろいろの法制が違う国の両方の制約を受ける関係も出てまいりますし、かえってそのことが子供の不幸をもたらすゆえんではなかろうかというふうにも考えられるわけであります。 したがって、そういった二重国籍を出生によって認める場合に、そのことから生ずるいろいろの弊害を防止する手だてがあれば、御指摘のような立法論も十分正当なものということになろうかと思うのでありますが、この二重国籍によって生ずる弊害を防止するということは、わが国だけではなかなかできないわけでございます。したがって、国際的な一つの機運といたしまして、そういった条約と申しますか、二重国籍から生ずる弊害を防止するそういった国際間の一つの規約というふうなもの、条約等ができてまいりますれば、十分可能なことだと思うのでありますけれども、そういった動きが現在のところないわけでございます。たとえばドイツにおきましては、御指摘のように父系主義を捨てて、父及び母の両方の国籍を取得できるというふうになっておりますけれども、その二重国籍による弊害を防止する立法措置は何らないわけでありまして、ただいま私どもとしてもドイツにおけるそういった弊害の関係あるいはその是正、そういったことの実績をも見きわめてこの問題を検討してまいりたい、かような考えでおるわけでございます。
○西宮委員 二重国籍の問題は確かに困難な問題だと思います。しかし、たとえば成年に達したら、その成年に達した子供がみずから選択をするというようなことにして、成年に達するまででも二重国籍のままにしておくということは、それほど大した弊害は起こらないのではないかというふうに思うのですがね。あるいは、いまドイツの例を話されたが、アメリカは属地主義ですね。そういう点など参考にしたら、いまのように現実的な解決策があるのではないかと思うのだが、どうですか。
○香川政府委員 ただいま御指摘の成年に達した場合の選択で解決すればどうか、これも確かに一つの方法だと思うのでありますけれども、選択を強制するわけにもまいらない問題があろうかと思うのでありまして、選択してくれなければどうするかという問題があるわけであります。したがって、いろいろの手だてにつきまして検討しておりますけれども、まことに勉強不足のせいもございまして、いまだなかなかいい手だてが発見できない次第でございます。しかし、わが国の国籍法におきまして、母親が日本人である場合の子供の帰化につきましては、それなりの優遇と申しますか、帰化を容易にする運用がされておるわけでございまして、したがって、未成年の子供であればその親権者の申請によりまして、あるいは成年に達すれば本人の申請によりまして、帰化の方法で日本国籍を取得してもらうというやり方があるわけでございまして、その運用をいろいろ工夫してこの問題を解決していこうというのが当面の考え方なのでございます。
○西宮委員 前に法務委員会で私が質問したときにも、ドイツの例などを参考にしながらさらに検討したいという答弁があったので、その後どういう検討がされているかと思ってお尋ねをしたのですが、前に質問したときと余り変わってないようです。この国際結婚の例は、いまのような世の中になってくるとだんだんふえる傾向にあるのじゃないかと思うのだけれども、正確な数字を持っておられますか。
○香川政府委員 国際結婚の数字は現在持ち合わせておりませんし、国際結婚全般の数字の把握は私どもの所管でもございませんので、あるいは後刻関係のところで調べていただいて御報告申し上げたいと思います。
○西宮委員 では、この質問は、ここでは不適当、だと思います。 いまの、外国人男と日本人女が結婚した場合とか、そういうときには戸籍に入らないという問題があるわけですね。これもまことに気の毒な気がするわけですね。結婚したということは記録に残る、戸籍に登載される。しかしその名前は全然載らない。だから、何か聞くところによると、欄外に書くのだという話だけれども、戸籍簿の欄外に書いておくというのもずいぶん失礼だし、困るんじゃないですか。
○香川政府委員 戸籍簿に登載されるのは、これは日本国民に限るわけでございますから、外国人男と日本人女が結婚いたしました場合に、外国人男の方は日本の戸籍に載らないのは当然でございます。その場合の日本人女につきましては、外国人だれだれといつ幾日結婚したということをその人の身分事項欄に登載するわけでございまして、欄外に書くというふうなことはやっておりません。
○西宮委員 私は、その欄外に書く、それが実際に扱われている実例だというふうに聞いておったのですけれどもね。いまのような場合でも、そうすると、たとえば外国人男と日本人女が結婚したというようなときには、その外国人の男が、それが何人も子供が生まれていくということで、それの奥さんがだれであるかということは全然載らないわけですね。戸籍簿には載らない。その父親と子供たちというだけしか載っていない。母親については一切そういう公簿の上には明示されないということで、そういう際に欄外に書くのだというふうに私は聞いているのだけれども、まあこれは実際問題だから後で調べてください。後で返事をしてもらっても結構です。そういう失礼な扱いにならないようにしてもらいたいというのが私の言い分ですから、その点だけ考えてもらえば結構です。 それから、さっき入管局長にお尋ねをして、日本に入ってくる外国人の問題を、いわゆる抑制するのか歓迎するのかというようなことをお尋ねをしたわけだけれども、局長の答弁もわかりますが、それと性質が違うのは、日本の国内にいる韓国人あるいは朝鮮人というような、そういう人たちだと思うのですね。これはいわば本人の意思に基づいて日本にやってきたというのではなしに、歴史的な背景から言えば全くいわば強制的に日本に連れてこられたとか、そういう人が大部分であり、かつその子供たちは日本において生まれたというのが大部分。したがって、今度のこの人権規約の批准に当たって問題になるのは、要するに朝鮮人、韓国人、これが問題の大半だ、これさえ円満に処理できれば、恐らくほかには大した問題はなかろうというようなことが言われているほどで、その点が問題だと思う。 私は、そこで、お聞きをしたいのですけれども、たとえばさっき職業選択の自由ということを言ったけれども、同じように居住移転の自由ということも日本人にはあるわけですね。ところが外国人の場合にはそれが制限をされる。制限というか、変わったら届けをする。届けをするという点については日本人もその義務を負っていますけれども、それを怠った場合等については大変な法的な強制を受ける。法的に強制されている。つまり大変な重い刑罰で罰せられるというようなことで、格段の相違があるわけですね。そういう点などは大変に不合理だ。特に、いま申し上げたように、本人の意思ではなしに入ってきた人の場合には、不適当だと思うわけです。 時間がありませんからこれで終わりにしなくちゃなりませんが、いわゆる本人の意思に基づいて日本に入ったのではないという点については、あなた方の大先輩の入管局長、かつての入管局長で八木正男さんという人の書いた論文の中にも、「自己の意思によることなく、日本に移住を余儀なくされた朝鮮の人々」こういう言葉を使っているわけですよ。だから、これはあくまでも本人が好んで日本に来たわけではない、こういうことを局長みずからが承認をしておる。だから、そういう人については、いまのような問題なとも——私はもっともっとこの問題について聞きたかったのだけれども、時間がなくなりましたから、これだけの問題にいたしますが、いまの住居移動についての制約について、日本人の場合とは格段の違いをもって、違反した場合の処罰に大変な差がある。そういうことで法的に強制されるという問題について、どういうふうに考えていますか。
○小杉政府委員 この居住移転の自由に関連いたしましては、結局、外国人登録法上の登録の問題というのが絡んでくるわけでございますけれども、この人権規約上の問題点としてこの問題を見まする場合に、この規約というものは、各主権国家が併存しておるという現在の国際的な社会構造というものを前提にして制定されておるものでございまして、自国民と外国人との間の基本的な地位の相違というものに由来する取り扱い上の差異がございましても、それが両者の地位の相違に基つく合理的な範囲内のものである限り、これは許容されるものであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。 わが国は、自国民に関しまして戸籍制度であるとかあるいは住民登録制度というものを持っておるわけでございますが、外国人に対しましては、これとは別にいわゆる外国人登録制度を設けておるわけでございます。この外国人登録法のもとにおきまして、外国人に対しまして諸般の義務が課されておる。しかし、これは、わが国が、何と申しますか、近隣からの不法入国者が実は後を絶たないで次々に入ってくるというふうな情勢あるいはわが国に滞在しておりまする外国人の大半を占めておりまする、先ほど先生御指摘の方々は、旅券を所持することなしに在留しておるわけでございます。そういうようなわが国固有の事情というものを考慮した上で、在留外国人の公正な管理に資するという目的のために、必要な義務を課し、罰則を設けておるわけでございまして、合理的な理由に基づく必要な措置を定めたものというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○西宮委員 私が強調したいのは、要するに朝鮮人あるいは韓国人、これは歴史的な沿革があって、いわば本人の意思ではない、本人の選択ではなしに日本に住まざるを得ない、そういう立場にある人です。だからこれは一口に外国人といっても、そういう歴史的な背景が全く違うのだから、あくまでも別に考えなければならぬ。これは全く日本人と差別がないようなそういう扱いをしなければならないというのが私の基本的な考え方なんですけれども、その一々についてはもう時間がありませんからやめます。また改めて他の場所ででも、この問題はさらに質問もしたいし、また私の意見も述べたいと思うのです。 いずれにしても、この法務省関係の問題だけを見ましてもかなりいろいろな問題があると思います。私がかつて法務大臣に、この人権規約の批准に伴っていまの国内法で賄えない問題が出たらば法の改正をするかということをお尋ねしたらば、それはそのときに応じてやります、こういう答弁を法務大臣はしておるわけですが、だから、そういうことも含めてぜひ、このせっかくの人権規約の批准をするわけですから、これはまさに画期的な問題だと思う。ひとり日本だけではなしに、いわば世界全体にとって、あるいは国連の三十四年ぐらいになりますかな、その歴史の中でもまさに画期的なことだと思う。だから、この際ですからぜひ日本の国内法もそれに合わせて、むしろ改正をしてこれに近づけていくということを、そうすべきだということを主張して、要望して、これで終わりにいたします。
○塩谷委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。私は、実はきょうは大変皆様方に申しわけございませんけれども、日ごろ社会労働委員会に所属いたしておりまして、特にかねがねこの国際人権規約の問題について非常に深い関心を持っておりまして、本外務委員会で審議をされるということで、ぜひともその審議に参加をさしていただきたいというので、差しかえてきょうは発言をさせていただくわけでございますので、改めて関係の皆様方に御了解を得ておくわけでございます。 いまもお話がございましたけれども、この世界人権宣言に法的拘束力を持ったこの国際人権規約が国連で採択をされてから、これは非常に画期的なことでございますが、かなりの年月がたってようやくわが国では批准に踏み切る、こういうことになったわけでございます。実は日本のようなすばらしい平和憲法というものを持っておる国にいたしましては、これがおくれておるのではないかというのが私どものかねがねの意見でございますけれども、ようやくこういうことになったわけでございますが、一つは政府の中でもぎりぎりに部内調整に大変時間がかかったということが伝えられております。そういう部内調整で外務大臣として大変御苦労があったと思うわけでございますけれども、非常におくれた形の批准について、提案趣旨にもございますように果たしてどのような他国に対する効果というものがあるのか、あるいはまたすでに締結をしておる国々の内容をアップするというのですか、中身を高めるという意味でどのような影響があるのか、ひとつお伺いをしたいと思います。
○園田国務大臣 人権規約がきわめて重要であり、かつまた非常におくれておりますことは、御発言のとおり私も反省をいたしております。これがおくれました理由は、先ほどから御質問、発言等にもありますとおり、いろいろな法律体系あるいはその他からなかなか提案にいかなかったわけでありますが、これ以上おくれることはもう許しがたいことだ、こう考えまして、関係各省庁、与野党の方々のお力添えをいただきまして提案の運びに至ったわけでございます。立ちおくれはございますけれどもこの規約の御審議を願い、これに加入いたしました暁は、逐次国内体制等も漸次これに向かって検討して、改善すべきものは改善していく、こういうことであれば、これに加入の国々も日本の誠意については十分認識されるところであろう、こう考えております。
○草川委員 いまのそういうお話でございますけれども、実際上先進諸国の中でも英国、ソ連あるいはまたドイツ、アメリカ等もすでに一昨年の大統領署名というのがあるわけでございますから、フランスの方も、いまさらこういうような批准をすべきではない、わが方が本家じゃないだろうかというような意思もあるようでございます。先ほど触れられたように国内法との関係でございますが、昭和二十八年にILO八十七号条約の批准の際だと思いますが、閣議決定があるわけでございますが、国内法との関連で、条約の締結の場合は国内法、国内慣行が完全に合致しないと批准できないという閣議決定があったわけでございますね。そういうような閣議決定は、今回の場合政府の方としては順次これから整備をする、まず批准をすることが優先という立場でございますから、私はそれを支持するわけでございますが、二十八年の閣議決定と今回の決定、批准に踏み切られたものとの間に若干の違いというのでしょうか、割り切り方というのでしょうか、その点についての考え方はどのようなお考えであったのでしょうか。
○園田国務大臣 憲法については、憲法の柱がこの人権規約の条約と全く一致していることは御案内のとおりであります。国内法についてはいろいろ問題ありますが、今度提案をいたしましたものは、各省庁が現在の国内法でやっていけるというところでやったものであります。したがいまして、加入後は時勢の進展その他に伴いまして、逐次改正等必要があれば検討していく、こういうことで提案をしたわけでございます。
○草川委員 いまおっしゃられたように憲法九十八条では、条約を誠実に遵守するという、こういう原則があるわけでございますし、いまも言われたように逐次国内法の整備をするという方向はそれでいいのですけれども、実際上これはもう与える影響が非常に大きいわけでございますし、準備というものも相当あるわけでございますね。だからどちらかというと、国際的ないろんな関係からいって、日本の国内の人権というものの考え方というものは非常におくれておるのではないだろうかという国際的な一つの非難というものがある。そこで外務省がとにかく手っ取り早くやるだけやろうじゃないかという形で押し切って、後、国内法整備という形になってまいりますと、かえって、実際強い期待というものがあるわけでありますから、これは後ほど少し触れていくところでございますが、その点について私は一つの心配があるわけでございますが、外務大臣としては十分国内の各省庁に対する今後のフォローというのですか、点検というのでしょうか、実施状況というものについては十分自信があると判断してよろしゅうございますか。
○園田国務大臣 現在提案いたしたものは各省庁が納得をされたものでありまして、現国内法このままで何ら違反はない、こういうことでありますが、将来についてはまた社会の必然性というものがありますから、こういうこと等考えながら、卵が先か鶏が先かという議論になると思いますけれども、私は、この規約を提案をし、加入をして、そして国内法を漸次進めていくという方法をとったわけでございます。
○草川委員 いまの外務大臣の答弁を聞いて、私は非常に安心をするわけでございますし、また、そういうような非常に強い御判断でこれから各省庁に働きかける、あるいは省庁としても十分対応できる、こういうような御答弁がございましたので、それは大変りっぱなことであるという確認をして、進めていきたい、こう思います。 そこで、今度は細かい内容になりますが、けさの資料を拝見させていただきましても、実は各国の留保一覧表があるわけでございますが、ずいぶん大小というのですか、留保の数が大きいのと、数が二、三とかという違いがあるわけでございます。A規約の場合には英国では十の留保条項がございます。それからBの方ではオーストリアが十三でございますか、オランダが十二、英国二十二、こういうようにございますが、これはどういうように受けとめておみえになるでしょうか。
○賀陽政府委員 留保の中身の問題でございますが、御質問の趣旨は、恐らくイギリス等の留保が非常に多いではないか。これは、御高承のように、属領関係の留保がかなりございまして、総体として英国ということだけでは判断できないというふうに思いますけれども、属領を含めた英国の留保が比較的多いということは御指摘のとおりでございます。
○草川委員 属領関係で留保が多いということでございますが、各国の中身の水準を今後平準化するというのでしょうか、今後の国連の場における検討というのでしょうか、修正というのでしょうか、レベルを上げていくというのでしょうか、そういうような今後の展望はどうなんでしょうか。
○賀陽政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、各国の水準を高めていくということにつきましての制度といたしまして、御承知のように報告制度というのがございまして、各締約国は批准を了しました場合には、若干の手続は違いますが、A規約、B規約とも、進行状況というものを国連に報告をするわけでございます。A規約の場合は経済社会理事会が主体であり、B規約の場合はB規約に基づく人権委員会というのが主体でございますが、そこに報告をする。その場合に、もしこの権利の実現について遅滞を生ずる、あるいは障害があるというような場合には、これもあえて記載をして報告をする。これに対しまして、両規約につきまして、それぞれのただいま申し上げました機関が審査をし、遂行が十分でない点につきましては、状況によっては勧告、意見等を付しまして、またこれを送り返してくる、あるいは国際的世論という一つの力を用いまして、各加盟国に対してその遅滞を、さらに促進するように求める、これが両規約における権利推進を担保する制度の中身でございます。
○草川委員 伝えられるところによると、いま言われた報告をし、それぞれの委員会で検討するということの会議はいまだ行われていないというお話がございますが、これで日本が批准をするということになりますが、いつごろその第一回の会合が開かれることになりますか。
○賀陽政府委員 A規約につきましては、経済社会理事会の審議というものがすでに行われておりまして、B規約につきましてのB規約に基づく人権委員会の審議というものもすでに行われております。ただ、実際問題といたしまして、その報告が各国に還流していくという場合には若干時間がかかるというのが現状でございます。
○草川委員 私は、還流していないというのを聞き間違えて、審議していないというふうに受け取ったかもわかりませんけれども、実際は一つのレポートなり提案ができるまでにはかなり時間がかかるのじゃないだろうかと思いますが、その点は、どうでしょうか。
○賀陽政府委員 この点につきましては御指摘のとおりでございまして、時間的にはある程度の手間はかかるということでございますし、恐らく各締約国の権利推進の実現を図るための国連からの指示の仕方というものはいろいろ工夫を要するという面もあろうかと思いますので、時間がかかると思いますけれども、わが国としては、これらの機関、特に経済社会理事会等におきまする審議におきましては、こういったことにつきましては促進の方向で努力をするということになっております。
○草川委員 ぜひその促進方を基本的な態度として臨んでいただきたいとお願いをするわけです。 そこで次に、シリア、イラク、リビアの三国は、A、B規約の今回の加入についてイスラエルの承認を意味するものではないという旨をわざわざ表明しておるわけでございます。 そこで、これは私がぜひ聞きたいことでございますが、今回のエジプトとイスラエルの単独講和は、中東和平の一歩前進と外務大臣は見られるのか、見られるとするならば、それはどこに理由を置かれるのか。特に穏健派の旗頭だと言われておりますサウジアラビアまでエジプトと断交した現実をどう把握をされるのか、大変重要な問題でございますので、お聞きしたいと思います。
○園田国務大臣 今般のエジプトとイスラエルの和平調印というもの、米国の努力というものは、中東地域の和平工作の第一歩を踏み出したということについては評価をいたします。しかし、問題は、これが今後どのような手段で、どのような方法で包括和平につながるかどうかということが問題でありますので、わが政府としては、いままで主張しておりました国連決議二四二の趣旨に従って包括和平というものを期待し、これに対するわが方の役割りを果たしたいと考えております。
○草川委員 きょうはその問題の趣旨のことではないから、私の方も申し上げませんが、たとえば一つの人権規約に加入をする場合に、いま言いましたように、シリア等の各国は、わざわざ、こういうものはイスラエルの承認を意味するものではないというくらいに、私どもがここで考える以上に中東和平のものについてはかなり重大な問題があるわけでございます。その点についてはこれ以上触れませんけれども、ひとつぜひ慎重な対応策というものを考えて進んでいただきたい、こういうようにお願いをするわけでございます。 そこで、今度は留保というものについて、この外務委員会でも何回か論議をされておみえになるわけでございますが、留保つきで賛成か反対かの二者択一というのでしょうか、いわゆる留保条項を条約審議の場合に多数決で否決できる性格のものかどうか、これは何回か論議をされておられると思いますけれども、改めてこの留保の内容を、これから非常に重要な問題点があるわけでございますからお伺いをしたい、こういうように思います。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 今回の人権規約の御承認をお願いいたしておりますように、留保を付して締結することについて御承認をお願いいたしております場合には、政府といたしましては、条約の特定の条項の一部の法的効果を排除した形で条約を締結することについて御承認をお願い申し上げておるわけでございます。 その留保の内容につきまして、もしくは条約自体の内容につきまして当委員会でいろいろ御議論があることと思いますし、国会の方として、もちろん御意見はいろいろあろうと思います。しかしながら、最終的にもしその留保について、たとえば留保をしない形で御承認という議決があったといたしました場合には、政府といたしましては、御承認を求めた形での御承認はなかったというふうに理解せざるを得ないと考えます。
○草川委員 この点は非常にむずかしい問題だと思いますし、実際上どういう形で条約の審議がなされておるか、あるいはまた国民的な合意をどのように取りつけながら、留保条項があってもこの規約を速やかに批准することが大切だという、その度合いの問題もあると思うので、私どもは、最終的な段階でどういうように評価をするかという非常に重要な問題もございますが、留保条項の問題についての各国の実例、いま言いましたように、たくさんの大きい小さいというのがございますが、日本のように基本的な三点、特に団結権の問題といったような三つの問題もあるわけでございますが、先進国の間でこのような基本的なというか、基本的というよりも、七条の(d)項だとか八条の1(d)の規定だとか、あるいは十三条の2(b)、こういう日本的なもので先進国で留保条項をつけておるところはございますか。
○賀陽政府委員 留保についての各国の例でございますが、たとえば、わが国が今回留保を付しております有給休暇、公の休日の点でございますが、この報酬の問題につきましては、先進国ではデンマークとスウェーデンが留保しておるわけでございます。それからA規約八条一項(d)の、ただいま御指摘の同盟罷業をする権利ということにつきましては、先進国というふうに限定いたしますると、ノルウェーとオランダが留保をいたしておるわけでございます。さらに、団結権、同盟罷業等の制限の八条二項でございますが、これにつきましては、特に先進国の留保はございません。それから教育の無償化の点でございますが、これはルワンダが留保しておりますが、先進国の留保はほかにございません。 以上でございます。
○草川委員 そういうことになりますと、この留保条項の問題点がかなり浮かび上がってくるわけでございますが、先進国というふうに限定をしたことがいいかどうかは別といたしまして、日本の政府の態度として、批准に至るぎりぎりの部内調整というところで外務省として一番苦労をされた問題は一体どこですか。非常に苦労をされた問題点は、どの省になるわけですか。
○賀陽政府委員 人権規約は枚挙にいとまない人権を内容といたしておりますので、きわめて広範多岐な問題でございますし、その意味で各省との御協議が非常に重要であったわけでございますけれども、特に苦労をしたとか、特に時間がかかったというところは恐らくございませんで、まんべんなく御協議をしたというのが現状だと思います。
○草川委員 大変御結構な答弁でございまして、あしたの朝、労働大臣も何かお見えになるというお話でございますので、労働大臣にもそのような御感想を一回聞きながらまた質問を進めさせていただきたいと思うのです。 次に、実は解釈宣言という言葉があるわけです。私も全く素人でございますのでわからないのですが、解釈宣言という言葉が一体どういうような法的拘束力を持つのか、一方的な宣言なのか、あるいはこれは国際的にも認知をされておる言葉なのか、いろいろあると思うのですね。特に、署名の際に園田大臣より国連事務総長に出された書簡の中で、いわゆる日本政府の留保のところに「「警察の構成員」には日本国の消防職員が含まれると解釈するものであることを宣言する。」というのがあるのですが、これはどの程度のものか、いまの点についてお答え願います。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 まず解釈宣言の意味でございますが、一般に多数国間条約の場合におきましては、その特定の規定に関しまして、自国の解釈をあらかじめ明確にしておくことが適当であると考えるときに行われておるものが解釈宣言でございます。したがいまして、解釈宣言と申しますのは条約の規定の適用を変更するものではございませんで、規定に内包されております解釈の幅の中で自国のとります解釈を明確に確認するとともに、記録にとどめておくという意義を有するものでございます。 それで、先生御指摘のように、わが国が消防職員の件に関しまして宣言を行っております。これはA規約の第八条とB規約の第二十二条に軍隊、警察云々というところがあるわけでございますが、そこの解釈といたしまして、わが国の消防職員はそれに含まれるものであるということを、わが国政府の公式見解といたしまして特定して確定しておる、そういう効果を持っておるものでございます。
○草川委員 そういう効果が後でトラブルの原因にならないのかどうかということなんです。特に、これはILOの関係も出てくるわけでございますが、それではILOの審議状況はどうなっておるのですか。ちょっと途中になりますけれども、お伺いします。
○坂説明員 ILO八十七号条約におきましては、軍隊と警察は条約の適用の例外であるということでございます。そこでこの条約を批准するときにいろいろ検討されたわけでございますが、国内的には労働問題懇談会条約小委員会というところにおきまして、国際的な条約における警察というのは必ずしもその警察という文字にとらわれるわけではない、それは国の治安確保のための機能を発するという点を考えれば、わが国におきます消防のいきさつだとか従来の経緯とか、それからその行います機能とか、そういう点から考えて、これは八十七号条約における警察の概念に含まれるべきものであるという結論を得たわけでございます。それから、その後のILOの結社の自由委員会におきましても、二度にわたりまして、わが国の消防職員は団結権に関しては警察と同視するべきものである、することができるというような結論を得たわけでございます。 そういうことを前提にいたしまして八十七号条約が批准されたわけでございますが、その後第三次公務員制度審議会の答申がございました。そのときに消防職員の団結禁止につきましては、従来の経緯にもかんがみ、当面現行制度によるけれども、今後ILOの審議状況等に留意しながらさらに検討するという答申があったわけでございます。 また一方、ILOの結社の自由委員会ではございませんで、条約勧告適用専門家委員会というのがございますが、それがやはり昭和四十八年ごろに、わが国の消防職員について団結権を与えていないのはどんなものだろうかという疑問を提示してきたわけでございます。その後、政府といたしましては、ILOの場におきまして、なぜ消防職員に団結権を与えないかというわれわれの考え方をよく説明いたしまして、それでずっと審議が行われたわけでございますが、昭和五十二年、ILOの第六十三回総会の、これは総会における条約勧告適用委員会というのがございますが、そこにおきましては、この問題は本質的に国内問題である、日本の国内問題で、日本国内で解決すべき問題であろうというような趣旨の結論があったわけでございます。これは、総会にはほかの関係でこのレポートは承認されていないようでございますが、いまのところそういうような審議状況、経過になっております。
○草川委員 ということになりますと、いまの局長の御答弁では、これはいまのILOの報告を聞いておりますと、推移があってずっと変わってくるわけでしょう。だから、国内の消防職員の方々は、いまのILOの話を聞いておるとますます団結権あり、こういうふうになってきますね。また、組合の関係の方々もそれでいくわけでしょう。さあ、そこでこの人権規約でいまのような宣言を外務省はなされるわけでございますね。一体その効果は、かえって大変な混乱を起こすことになりませんか。当該の方々がまたILOへ行かれるということになっていくのではないでしょうか。
○賀陽政府委員 ただいま自治省から御説明がございましたけれども、現時点における私どもの見通しは、この消防の問題につきましてこの人権規約に対してわれわれが行おうとしておりますところの解釈宣言という方向で日本の立場というものが相当理解されておるというふうな認識でございます。特に本年度の、先ほど御披露がございました条約勧告適用委員会の経緯等につきましては出席者等から詳しく聴取いたしましたけれども、日本の事情というものについての理解が進んでおるように思いますし、十一月、今秋のILO総会におきましては、この団結権の問題が重要な議題になりますけれども、私どもの見通しとしてはこの解釈宣言という方向で、特に混乱ないし困難が起きるという事情を予見しておりません。
○草川委員 それは全く局長が自分個人がそう思ってみえるのにすぎないのであって、客観的には、私は、これはまさしく素人の立場から、第三者的に見ておっても、トラブルの原因を後へ残すのではないか、こう思うのですね。 それからもう一つお伺いしたいのですが、宣言のところで、大臣の書簡の中で、「4 日本国政府は、」というところで「同条約第九条にいう「警察」には日本国の消防が含まれると解する旨の立場をとったことを想起し」、これはいわゆる「結社の自由及び団結権の保護に関する条約の批准に際し」てというわざわざ前の一項目を入れておりますね。なぜこれはわざわざ入れたのですか。
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。 先生いま御指摘になっておりますように、この人権規約Aの八条とそれからB規約の二十二条、これがILOの八十七号条約と密接に関連しておるという事実がございます。それはA規約第八条の第三項、それからB規約第二十二条の第三項にもこの八十七号条約に関する言及があるということからもうかがえると思います。したがいまして、政府といたしましては人権規約のこの関係部分と八十七号条約とはやはり非常に密接に関連のあると申しますか、そういうILO八十七号条約というものも頭に置いて入れられたという経緯があるので、したがいまして政府のこの両条約に対する態度というものは一貫したものであるべきである、そのような見地から八十七号条約のときにとりました政府の立場、これは先ほど自治省よりも御説明のあったとおりでございますが、その立場が現在維持されておるという見解に立ちまして、同じ解釈を今回明確にいたすわけでございますので、その関連で引用したということでございます。
○草川委員 それは、いまの局長の答弁は答弁なりでいいのですが、わざわざそういうものを入れなければいけないほど実は政府の立場が弱かったともとれるのですよ。それは後の項だけで結構なんですよ、本当にいまの消防職員のことについては一つ宣言をするだけなら。しかし、わざわざそれまで追加をしながらくどいようにこう入れていかざるを得ないところに、私はかえって将来この解釈宣言というものはいろいろとトラブルの原因になるのではないだろうかということをくどくここで申し上げておるわけであります。その点についてもう一回、絶対トラブルの原因にならぬと言い切れるかどうか、お答え願います。
○賀陽政府委員 ただいまの再三にわたる御指摘でございますが、現在のところ、現在の時点におきましては、ILOの状況等は労働省、外務省その他いろいろ熱心にフォローしておりまして、消防のわが国の解釈宣言を今回いたしましたがために、困難に陥るとか障害を生ずるという状態を現在の段階では私は予見しておりません。
○草川委員 それは、外務省は直接の当事者でないからそういうことを言うのでしょうね。だけれども、実際当事者は、後でこれは大変困ることになりますよ。だから私どもはこの条約のことについては、留保事項のことについても、事前に関係者の方々に十分納得を得ながら、ある程度の合意を得ながら、ぜひこういうものを積み上げていきませんと、私は何もこれは足を引っ張るために言っているわけではないですよ。後のトラブルを少なくするために、くどいようにこのようなことを発言をしておるわけです。 では、これ以上時間もあれでございますから前へ進みますが、今度は、これも第九条の方に非常に関係をしてくるわけでございますが、いわゆる「権利の完全な実現を漸進的に達成するため、」というところがあるわけですよ。これの解釈でございますが、この漸進的に達成をするというような言葉は、日本的には非常にわかりやすいような言葉ですけれども、具体的にこれを詰めていきますと、これも非常に重大な問題になってくるわけです。そこで、私は、これは本来内閣法制局あたりの意見を聞かなければいかぬことでございますけれども、それよりは外務省にこの言葉をどのように理解をされたのか、あるいはこの言葉についてどういうような意味合いを込めて関係各省に働きかけをして批准に踏み切らせたのか、同意を得たのか、そこらあたりをまず第一番目にお聞きします。
○賀陽政府委員 御指摘の条項は第二条だと存じますが、「漸進的に達成する」ということでございますが、これはA規約に規定する経済的、社会的、文化的権利を完全に実現するために段階を追って次第に実現の程度を高めていくということでございます。それでは漸進的な達成ということに具体的な期間があるかどうかということでございますけれども、これは必ずしも達成が早いとか遅いとかというスピードをとうとぶものではございませんが、私どもといたしましては着実に、かっ加速的に前進を図る必要があるものと考えておりまして、この趣旨で御説明をしておるわけでございます。
○草川委員 今度はまた、これは私全く法律の素人ですから聞きますが、条約の中で、いろいろな条約があると思いますが、こういう漸進的というのは、グラジュアリーという言葉ですか、何かそういう言葉が使われておるというお話でございますが、こういう言葉を使われた条約というのはあるのですか。
○山田(中)政府委員 この規約ではプログレッシビリーという言葉を使っておりますが、私、いまほかの条約でこれと同じ意味合いでそのような言葉を使った例をちょっと思い当たりません。ただ、このA規約と申しますのは、一般に申しまして社会権を規定した条約でございますので、やはりプログラム的な内容の条約でございますので、この規約の審議が行われました際に、そういうものにみんなが入ることを容易にするためにはやはりこういう規定が必要であろうということで入ったものでございます。
○草川委員 ちょっと私いまの答弁、どういうことを言っておみえになるのか余りわかりませんけれども、いま局長の方で、漸進的というのは加速度的にひとつ進んでいくことを期待するというようなことをおっしゃられましたけれども、この際でございますからお聞きをしますが、抽象的な言葉でなくて、その実施状況について、これは非常に多くの方々が関心を持っておることですから、私はうぬぼれてそれを代弁して聞くわけでありますが、加速度的にとにかく速やかにやっていくことだということは、常識的には五年ぐらいの範囲内ですか。
○賀陽政府委員 先ほど申し上げましたように、この条約の解釈といたしましては、具体的な期間を特定しておりません。したがいまして、漸進性というのは言葉としてはプログレッシブという言葉を使ってあるようでございまして、読んで字のごとく、これは絶えざる進歩がなければいかぬという意味でございますので、段階を追いますけれども、目的としてはこれは完全実現を目途として達成を図ってまいるということでございますが、五年とか六年とか、三年、四年というようなことはこの条約が求めているところではないわけでございますが、その締約国の判断によって、あるいはまた国連の先ほどの審査制度、そういったものともにらみ合わせながらやってまいらなければならないというふうに存じております。
○草川委員 五年以下じゃない、しかも完全実施ということを頭に置くならば、五年以下じゃないけれども、じゃ、一体、それはまさか十年とか二十年とか三十年なんということを考えてみえるわけじゃないでしょう。どうですか、その点は。
○賀陽政府委員 この点は、草川委員の御指摘がございますけれども、A規約の方は社会政策的な政府の施策というものを前提とした規約でございますので、そこにやはり漸進性が各国の特殊事情からなければならない。さらに第四条を見ていただきますと、合理的な制限とかあるいは公共の福祉とのバランスとかいうことで、そういったバランスも考えてやってよろしいという趣旨がございますので、その辺はやはり包括的に考えますると、特定の年数で、五年であれば早過ぎるとか、十年であれば遅過ぎるということは、条約からは申せないのではないか。ただ、今後の政策の推進ということに当たりましては、いろいろな具体的目標を立てるわけでございましょうから、その段階においては大体この程度の期間でやるというようなことが現実問題としては出てまいると思いますけれども、条約の解釈としては何年ということはないわけでございます。
○草川委員 じゃ、こういうように質問を変えます。 条約そのもののことよりも、今度の締結に踏み切る場合に国内の関係各省を説得されたと思います。説得をされた場合に、この漸進的ということについて全くいまのような話で私は説得したわけじゃないと思いますよ。当然相手側の関係省庁も、私の方はどうしてもこの完全実施のためには計画はこれくらいかかるだろう、だけれどもとか、いろいろな話し合いがあったに違いないと思うのです。そういう話し合いがなくてこんな締結なんかできっこないわけですから、どう説得をされたのでしょうか。
○賀陽政府委員 関係各省との話し合いにおきましては漸進的ではございまするけれども、真剣にこれらの問題に取り組んでいただきたいということを申し上げてございまして、関係各省の御了承を得ておるわけでございます。そういう意味で、実際問題としてはかなり着実かつ加速度的にこの目標に向かって施策が進められていくということを外務省としても信頼し、確信をしておる次第でございます。
○草川委員 そんな簡単なことで条約の締結なんかできるわけないし、真剣に考えろといったら、普通は真剣に考えてないのですか。普通だって役所は真剣に考えておるわけでしょう。普通だって真剣に考えておるのだから、特別に条約を締結するという場合に国内法規との食い違いがたくさんあるわけですよ。それを説得したわけですから、ひとつその大きな期間というもの、目標年次というものは、私大きな争点になっておると思うのです。だがしかし、その争点をここで国民の皆さんの目の前に明らかにさせておかないと、実際期待していますよ、多くの関係者は。さあ、これで締結したら各省庁にやってくれということですよ。そのときに外務省はいやいや、おれの方はもう締結したのだから、後は君たちの方でということでも困るでしょう。だから、それをもう一回篤とはっきりさせていただかないと、後の方の質問で私どもも困ると思うのです。
○賀陽政府委員 御指摘の点でございますが、われわれといたしましては、その人権規約の権利の実現のために、漸進性の規定はございますけれども、これは外務省として御批准を願いましたら、それで外務省の任務が終わるということではございませんで、各省とも緊密に御連絡いたしまして、恥ずかしくない実績を示さなければなりませんので、この点については御趣旨を体しまして、一生懸命努力するつもりでございます。
○草川委員 いや、そのことはいいのです。私がどうのこうのということよりも、各省庁に漸進的という期間をどういうように説得をされたのか、それをお聞きしているのです。
○賀陽政府委員 再三の御指摘でございますけれども、これからこの施策を進めていくに当たりましての問題点は、必ずしも一様でございませんで、多岐にわたっておるわけでございます。したがって、この多岐にわたっている問題に一律の期間を特定するとか、そういうふうにはまいらないことも現実的には認識をしなければならない。問題は、完全に目的を達成するというところにあるわけでございますから、完全な目的達成というものはこれは絶対に外すわけにはいかない。ただ、完全に目的を達成するためには、いろいろな手段をいろいろな角度から尽くしていただくという必要があるわけでございますので、この点については年限については御答弁はできませんけれども、できるだけ早い期間にそういうものが行われるべきであるという外務省の立場は、御批准を願う段階においては変わらないわけでございますので、そういう意味で、漸進的であるから必ずしも遅速を問わないというような考えで外務省がおるわけではございませんので、その点は鋭意権利の実現に向かって今後とも各省と御協議を進めてまいりたいと思っております。
○草川委員 大変恐縮ですが、私は非常にくどく言っておるようですけれども、私どももそれぞれの規約を受けとめて、今度は各省庁にいろいろと働きかけをしなければいかぬわけでしょう。各省庁の方もいま言われたように前向きの姿勢で取り組むということはもう明らかになっておるわけですから、だけれども、期間をどう詰めていくのか、予算上の問題もあるでしょう。あるいはもっと予算をふやしてもらわなければいかぬという場合もあるだろうし、まだほかのいろいろな多岐にわたる関係法規等の手直しもしなければいかぬということが山ほどあると思うのです。だけれども、それがいまのような程度では非常に抽象的になっておるわけですから、私は絶対抽象的ではない、各省庁がオーケーのサインを出した以上は、ある程度の見通しなり山というものをつけておるに違いない。もしも本当にそれがないということなら、悪い言い方ですけれども、外務省が、とにかく外がうるさいから、外圧が多いからとにかくやつちゃえ、やつちゃえ、後はもういいじゃないか、そう問題ないから、国連社会理事会の方もそんなにうるさくないからというようなことになって、もしもこの種のものが締結をされたとすると、後で国内の関係団体に大変迷惑をかけることになりますよということをくどく言っているのです。これは大臣からひとつこの点のあからさまの経過を一遍聞かせてくださいよ。
○園田国務大臣 この提案をする過程においてはいろいろ問題がありましたけれども、まとまらないままにとりあえず出そうではないかということではなくて、相当真剣に討議をいたしております。そしていろいろ問題があった各省庁の間でも、この人権規約についての相当の理解は深まってきたと存じておりますので、今後ともその点はまじめに誠意を持って、社会の必然性と相まって各省とお話をどんどん進めていきたい、このように考えております。
○草川委員 これ以上この期間のことについて申し上げてもかえってあれだと思いますから、それはこれで終わりますが、私は、せっかくこういうことになって、批准をするわけでございますから、やはり影響が非常に大きいだけに、これは外務省も関係各省も、実際はフォローをどうしていくのか、そしてどこに問題点があるのかということを真剣に取り上げていきませんと、国際的にもあるいは国内的にも問題が出てくるわけでございますので、これはぜひ条約締結後も何らかの形で連絡会議を持たれるなりして、実施状況を把握していただきたい、あるいはまた、督励をお願い申し上げたいということで、次の方に移ります。 実は、私のところに在日韓国人の方から非常に切々たる訴えの手紙を寄せられたわけでございます。先ほども御質問があったと思いますけれども、戦前の植民地時代に意に反して強制的に日本に連れてこられて、そして戦後は、非常に困難な中で地域的にも職業別的にもいろいろな差別を受けながら、苦しい生活を続けてきた、そして、ようやく子供を、歯を食いしばってかなり高い学歴もつけるようになったけれども就職差別を受けざるを得ないとか、あるいはまた、三年に一回の外国人登録の再登録をする場合にも、自分のかわいい娘さんが公衆の面前というのですか、役所で指紋をとられなければいけない、犯罪人扱いではないだろうかとか、あるいは日韓地位協定にもございますように、本当に日本の国民と同じようにまじめに生活をし、税金も納めながら一体として生活しておるのだけれども、国民年金の受給資格はないとか、いろいろな訴えを見まして、私も非常に心が痛むわけでございます。 法務省の方にお伺いをいたしますけれども、B規約の十二条に「合法的にいずれかの国の領域内にいるすべての者は、当該領域内において、移動の自由及び居住の自由についての権利を有する。」ということがあるわけでございますが、そこで、外国人に対して、住所を移転した場合に十四日以内に届け出義務が課されておるわけでございますが、これは日本人の私どもも同様でございまして、住民登録の関係で住所変更届をしなければなりません。日本人の場合は住民基本台帳法の関係で、違反をすれば二千円以下の過料ということになります。これが外国人の場合は、これに違反した場合には一年以下の懲役で刑事罰の対象ということになるわけでございますが、これはB規約の第二十六条の「すべての者は、法律の前に平等であり、いかなる差別もなしに法律による平等の保護を受ける権利を有する。」ということと明らかに食い違うわけですよね。これは一つ調整の対象になると思うのですけれども、その点はどういうお考えでございましょうか。
○藤岡説明員 在留外国人が住所を移転した場合に、十四日以内にいわゆる変更登録の申請をしなければならない。その申請を怠った場合には一年以下というような重刑が科せられることになっていて、それは、日本人が住民基本台帳法に基づくいわゆる住民登録の申請期間を徒過した場合に行政罰であるところの過料が科せられるにとどまるのと比較しておかしいのではないか、アンバランスではないか、B規約二十六条にいうところの法律の前の平等の趣旨、精神に反するのではないかという御指摘だと理解するわけでございますが、結論的に申し上げまして、そもそも外国人登録制度と住民登録制度とは、その目的、それからそれに期待される機能において明らかな違いがございますので、その違いに対応した合理的な罰則の違いである。一言をもって尽くせば合理的な理由による区別でございますので、B規約の二十六条の趣旨、精神に反するものではない、かように理解しておるわけでございます。
○草川委員 それはそういう言い方をされればそれきりで終わりですけれども、だからこそ、逆に人権規約というようなものの審議がいま始まっておるわけでしょう。そうじゃないですか。だから、いまのような御答弁だと、結局外務省が基本的な、世界的な約束事、人権あるいはまた本当に平等というものをお互いに確認しようということが全く意味がないということになりますが、いまのような御答弁を聞かれて一体外務省の方はどう考えられますか。こういうことこそ調整の対象になるのでないですか。局長、どうでしょう。
○賀陽政府委員 この人権規約、A規約、B規約とございますが、この解釈について採択の段階でいろいろ議論もございました。人権規約の触れておる部分、触れてない部分等についての論議があったわけでございますが、一般的に外国人の出国、入国、滞在の問題については人権規約は特に触れていない、これはもっぱら従来の国際法的なあるいは確立された慣行ということで各締約国とも運用をするのであるという一般的な了解は、どうも審議経過から見るとあるようでございますし、そういう意味で、この分野がやはり批准をいたしますそれぞれの国の判断にかなり任せられている分野であるということは審議経過から言えるというふうに考えております。
○草川委員 だから、そういうことになりますと、結局人権規約を鳴り物入りで私どもが本当に国民の皆さんから期待を受けながら審議をしても、とんどん、どんどん——いまたった一つの事例でしょう。たった一つの事例でもそれとは別だというような形になっていきますと、これは意味ないですね。かえってそれはぼくが言うように混乱のもとになると言うのですよ。だから外務省も、いまのようないろいろと調整をしなければいかぬ国内法規のことについて本当に知っていてこの種のものを提案しておるのかどうか、私はその真意を伺いたくなるわけですよ。どうでしょうね、その点は。 あるいはまた、もう一回法務省の方にお伺いしますが、たとえば出入国管理令のことについて法務委員会でも、これは政令ではないか、政令だけれども、法律同様の効力を有するという形で法務省の方も押し切っておみえになるようでございますけれども、政令でありながら厳しい罰則規定があるということを言っておりますが、こういうことについても、私はこの人権規約の中にいろいろなところを探せば直さなければいかぬ点があると思うのですよ。出入国管理令を人権規約との関連で整備をするというようなお考えは持っておみえになるのかどうかお聞きします。
○藤岡説明員 出入国管理令は御指摘のように名称、形は政令でございますが、御案内の昭和二十七年法律百二十六号によりまして法律としての効力を有するものとする、法律百二十六号の法案につきましては、出入国管理令の内容にわたる審議を経た結論としてこの政令は法律としての効力を有するものとする、当然こういうことに相なっておるわけでございます。 なお、第二点の今回の国際人権規約批准に際してと申しますか、批准を契機として、この出入国管理令の中に規約の関係規定ないしは趣旨、精神に照らして手直し、改正を考えている点があるかないか、こういうお尋ねのように理解するわけでございますが、結論的に申し上げますと、現行の出入国管理令の中には、ここを改正しなければA規約ないしB規約いずれかの規約のいずれかの条項と矛盾する、抵触する点はないというのが私どもの結論でございます。ただ、必要であるか否か、つまり改正、手直しをしなければ矛盾、抵触するということであれば改正が必要でございますが、矛盾、抵触はしないけれども、規約の趣旨、精神を尊重する立場から手直しをする方がベターであるかもしれないようなポイントがあるかどうかという問題がございます。この点につきましてはまだ御披露する段階でございませんけれども、やや検討の余地のある点もあろうかというふうに考えておるのが現段階でございます。
○草川委員 藤岡さんの答弁は私も二、三回聞いたことがありますけれども、非常にガードがかたいけれども何かいばった答弁ですね。胸張っていて、そんなことは関係ないのだが、さりとて一遍考えてもいいのだというような答弁なんです。私の方も素人ですから素直に質問しているわけですから、人権規約があったのだからある程度変えるのだ、そういうところもいま披露してもいいけれども、とにかく考えておるのだということを言いたいなら言いたいで、素直にざっくばらんに言ってもらった方が国民は喜ぶと思います。関係者は、藤岡さん非常にりっぱだということになるので、どうでしょう、その点、もう一回言ってくださいよ。
○藤岡説明員 辞を低くしてお答えいたします。 せっかくの御指摘でございますので、入国管理局を担当いたしております官房参事官のレベルで頭にあることということでお聞き取りを願いたいと思うのでございます。 たとえば、しばしば国会論議において問題になりますところのいわゆる亡命者、政治難民、こういう人を迫害の待っている国へ向けて送還してはならないという、いわゆるノンルフルマンの原則でございますが、このノンルフルマンの趣旨、精神というものは、今日、現行の出入国管理令の運用の実際において私どもはかたく堅持し、実施してまいっておるわけでございまするけれども、現行出入国管理令の条文、規定の上では何らそのような保障はないわけでございます。このノンルフルマンの原則は一九五一年の難民条約において規定されているところでございまして、今回の人権規約の中には何ら言及されていないわけでございます。ただ、B規約の方には、何条でございましたか、何人も身体の自由及び安全についての権利を有するとか、あるいは生命の尊重を受ける権利を有するとか、そういうふうな条項が二、三あったようにいま頭にございますが、その辺には、人権規約はノンルフルマンの原則を規定しておりませんけれども、基底に、底に流れておりまするところの考え方、思想はやはり難民条約におけるノンルフルマンの原則と共通するものがあろう、かように私どもは理解しておるわけでございます。その意味で、現行の出入国管理令につきましてはいろいろな角度から改正の必要がございまして、私どもは長年いろいろと多角的に検討しておるわけでございますが、将来その改正が日の目を見る、実現の運びとなる段階においては、いま申しましたノンルフルマンの原則を法律の条文の上に明らかに示すというようなことを考えていいのではなかろうか。たとえばそういうことでございます。
○草川委員 それは一つの前向きの形でぜひ具体的になされるようにお願いを申し上げておきたいと思いますが、いまお言葉もございましたので、外務省にこの難民条約のことについて……。 これはいませっかく出たわけでございますので、この兼ね合いについても必然的に議題に上るのではないだろうか。これは他の委員会でも若干出たようでございますが、本条約に関連してこの難民条約の問題について外務大臣の御見解を賜りたい、このように思います。
○園田国務大臣 御発言のとおりでありまして、これはぜひやりたいと思って検討しておるところでございます。
○草川委員 全度は文部省の方にちょっとお伺いします。お見えになっていますね。 小中学校の就学通知というのはそれぞれの教育委員会から来るわけでございますが、永住権を持つ外国人の場合は自己申請になっておりますけれども、一つの差別というのですか、こういうようなこと等について文部省は一体どのようにお考えになられますか。
○倉地説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、従来から、在日の外国人につきましては必ずしも外国人の方々が日本の公の小中学校にすべて来られることを希望されるわけではございませんので、希望される方につきまして公立の小中学校へ入学されるよう市町村に対して指導していた次第でございますけれども、とりわけ在日の大韓民国の国民につきましては、いわゆる日韓協定とその合意議事録によりまして、そうした方々が日本の公立の小中学校へ入学することを希望する場合には、それを認めるように市町村に対して指導している次第でございます。そういった事情がございますので、こうしたたてまえにつきまして当面にわかにこれを変更するというようなことは私どもとしては格別に考えていない、そういうことでございます。
○草川委員 文部省にもう一つ聞くわけですが、いわゆる国公立大学の正式の教員への道ということについてある程度特別措置を考えておみえになっておるというような話を聞いておるわけでございますが、いわゆる公務員に関する当然の考え方として、公権力の行使または国家意思の形成への参加に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするとの解釈があるわけでございますが、国公立大学の教員への道を今後どのように考えておみえになりますか。
○遠藤説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、公務員に関する法律という考え方がございまして、現在国公立大学におきましては、外国人の方を教員として受け入れる際には、一般職の教授、助教授というようなポストではございませんで、個人的な基礎に基づく勤務の契約という形で、国立大学の場合には外国人教師という名称で呼んでおりますけれども、そのような形で受け入れて、教育または研究に携わるようにお願いをしているわけでございますが、さらに一般職の教授、教員としても受け入れが可能になるような法的な措置を講じようかということで、現在検討を続けているところでございます。
○草川委員 ぜひこれは、二、三報道にも出ておるわけでございますが、この規約の批准に伴って、かかる措置というのも速やかに措置をされたいと要望しておきます。 それから、今度はまたちょっと外務省に、いま子供の話が若干出たのであわせてお伺いをしますけれども、昨年の国連総会で、三三−一一二という決議ですか、出ておるのですね。いわゆるパレスチナ難民の中に非常にすぐれた学生とか青年が多くいるけれども、留学生あるいは技術研修生として受け入れる、各国がそういうようなことを言っておるようでございますが、日本政府もこれには賛成をしております。百三十六対二で、たしか反対はアメリカとイスラエルだと思いますが、私はぜひそういうような措置をしていただきたいと思いますし、それから、これもついでに要望でございますが、ことしは国際児童年でございまして、外国の方からも、国際児童年に日本に積極的に来たいというような要望も、子供を派遣したいという要望もかなりあるようでございますが、私、これはいろいろと関係先にお願いをしておりますけれども、全然そういう予算もないし、受け入れということについてもむずかしいというような話を聞いておりますが、ひとつこういう機会に、大人だけではなくて、子供の段階で交流ができるように、ある程度そういうふうな申し込みがあるならば、それを受け入れることができるようにしていくということが本来のこれからの、権利の問題についても、あるいは市民としての世界的な平和を愛する交流にもなっていくんじゃないだろうか、こう思います。ちょっとそのことだけ。
○園田国務大臣 ただいまの第一番目のパレスチナ難民の研修生の問題でありますが、これは国連決議にもあることでございますし、わが国も当然賛成しているわけであります。具体的な問題が起これば、この国連の決議を踏まえつつ検討したいと考えております。 二番目の、児童年に関するいろいろな行事に対する参加の問題でありますが、これは、ちょっと日にちは忘れましたが、閣議でも、総務長官が所管しておりますから、そういう話が出たことがございますけれども、わが外務省にもいまのところはまだ希望は出てきておりません。なおまた、希望が出てくれば当然そういうことに向かって検討する所存でございますが、一部には、開発途上国から参加する者については何か費用を負担してくれという、これもただ単にニュースの段階でありまして、そういうことがあれば、これも十分検討したいと考えております。
○草川委員 ぜひその点については、具体的な声も若干来ておるようでございますから、またお願いを申し上げたいと思います。 そこで、時間が迫ってきましたので厚生省関係に一つお伺いをいたしますが、例の、先ほど来から問題になっております、第九条に言う「社会保険その他の社会保障」というものは具体的に何を意味するのか、また、ここに言う「社会保障」に該当するわが国の法制度というものは一体どういう範囲になるのか、簡単で結構ですが、お答え願います。
○金田説明員 お答えいたします。 国連におきますこの第九条の審議に際しまして、社会保障を具体的に定義することが非常にむずかしいということで、定義の仕方によっては多数の国に棄権を強いる結果を招くおそれがあるという意見が支配的であったというように聞き及んでおります。したがいまして、第九条では社会保障をどういうふうに観念するかということについて明文の規定がないわけでございます。わが国内におきましては、先生御案内のとおり、憲法の二十五条第二項の規定では、社会保障を社会福祉及び公衆衛生を除いた狭い範囲のものというふうに規定しておるわけでございますが、一方昭和二十五年の社会保障制度審議会の勧告では、社会保険それから国家扶助、公衆衛生及び医療、社会福祉と、こういった四部門を含めた広い範囲の概念として社会保障を定義しておりまして、したがいまして、国内でも統一的な基準があるわけではございません。私どもとしては、この人権規約九条で言う社会保障については広義のものと解して差し支えないのではないかと、その場合に、いま国内の関係法規といたしましては、社会保険としていろいろあるわけでございますけれども、主なものとしては健康保険法、厚生年金保険法、国民年金保険法等がございますし、国家扶助では生活保護法、次に公衆衛生、医療の分野では、これも非常に法律が多いのでございますが、結核予防法、精神衛生法等の関係法規がございます。最後に社会福祉といたしましては、老人福祉法とか児童福祉法、その他数多くの法律がございます。
○草川委員 いま言われましたように非常に多岐にわたりまして、名前を挙げるだけでも大変時間がかかる関係法規があるわけでございますが、その漸進的ということについては先ほど来から論議をしておりますからこれは避けますが、第九条の「すべての者」という言葉があるわけですが、男子、女子、これは当然「すべて」という言葉の中に入るわけでございますが、性別によるいかなる差別もなしに行使をされることを保障するということになりますが、社会保障の中で男女平等の権利を漸進的に認めていくということについてずいぶんいろいろな問題があると思いますが、その点について厚生省の方ではどういうようなお考えを持っておみえになりますか。
○金田説明員 お答え申し上げます。 社会保障制度におきましては、男女それぞれのニードに応じましていろいろな制度の仕組みがとられておるわけでございまして、私どもとしては、従来からも、この人権規約の趣旨を体しまして、かつ、やはり男女それぞれのニードに対応した、そういう形で社会保障制度を実施をしていくというようなことで努めてきておるわけでございます。
○草川委員 これから具体的なことになりますけれども、年金制度の中で、いろいろと食い違いというのですか、いまの趣旨についていけない問題があるわけですね、現実には。これは一つの例でございますけれども、サラリーマンの奥さんは国民年金に任意加入をしていないときは、障害になったときには何の年金もない、こういうことになりますね、掛けてないからあたりまえだと言えばそういうことになりますけれども。また、ある程度高齢で離婚したときには、これもいま問題になっておるところでございますが、やはり何の年金も受けられないということになってきて、非常に地位が不安定ですね。そういう意味でも、これは一つの例ですけれども、女性の平等ということにはなじんでないわけです。あるいは御主人が亡くなったというような非常に不幸な場合でも、遺族年金の額は現在半分である。受け取るべき年金額の二分の一になっておる。これも若干修正をしようというような声もあるようでございますけれども、こんなようなこと、これはひとつ婦人の地位という問題についてずいぶんひっかかってくる点があるわけでございますが、どういうようなお考えでございましょうか。
○長尾説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生からお話がございましたわが国の年金制度におきます婦人の問題でございますが、御承知のようにわが国の年金制度、幾つかの制度に分かれておるわけでございますけれども、先生の御指摘のような問題点が起こります原因の一つは、被用者年金というものが、夫が働きまして妻がその場合被扶養者という形で生活をされるというような実態に着目をいたしまして、御主人を被用者年金の被保険者といたしまして、その御主人の拠出というものに結びつけました形で年金の給付を考えていっておるという基本的な仕組みに関係がある問題であると思うわけでございます。サラリーマンの奥様につきましては現行の制度におきまして、国民年金の制度、これは被用者以外の方々、自営業者でございますとか無業の方々につきまして適用をいたしております制度でございますが、この制度に任意加入をされるという方向を開いておるわけでございます。現在のところ、この国民年金の任意加入の適用を受けておられますサラリーマンの奥様の数は大体七百万を超えておりまして、サラリーマンの妻と言われる方々の七割強、ある推計によりますと八割程度に及ぶのではないかという実態でございます。したがいまして、現段階におきまして、先生が御指摘になりましたような、奥様が不幸にして高齢になりまして離婚をされるというような実態、または障害になられました場合の給付ということにつきましては、国民年金の体系でその対応をいたしておるというのが実態でございます。 もう一つの遺族年金の問題でございますが、現在の遺族年金は各被用者年金におきましてほぼ共通いたしまして、御主人がお受けになるはずであった老齢年金の半額という形で制度を仕組んでおるわけでございます。先ほど、私どもの大臣の私的な諮問機関でございます年金制度の基本構想懇談会におきまして、年金制度全般にわたる御意見をいただいたわけでございますが、その中におきまして、いま先出御指摘になりました遺族保障の問題、これがわが国の年金制度の中で諸外国に比べて立ちおくれている問題点であって、今後遺族年金の充実については十分に配慮するようにという御指摘をいただいておるわけでございます。この遺族年金の問題を今後充実していきます場合におきましては、ただいまちょっとお話を申し上げました国民年金にサラリーマンの妻が任意加入をしております制度を、今後どういうふうに考えていくのかという問題と深くかかわっておるわけでございます。 遺族年金の受給者、これも大きく分けまして、若いうちに御主人が亡くなられましてお子様を抱えておられるような若齢の寡婦の方と、それからお年を召されまして御主人が先にお亡くなりになったという高齢の寡婦の方と、いわば二段階の遺族の問題があるわけでございますけれども、前者及び後者、いずれも国民年金に任意加入をされておりますと、前者の場合は母子年金が、後者の場合は老齢年金が出ると、こういう仕組みになっておるわけでございます。任意加入という制度でございますので、加入されてない方もあるということでございまして、こういうような制度間の調整をどういうふうに持っていくかということがこの問題について基本的に考えなくてはならない問題点であるというふうに御指摘をいただいておるわけでございます。 任意加入の問題、実は基本懇でも大きな検討課題として相当な時間を割いて御検討いただきましたように、わが国の年金制度の中の今後を考えます際にきわめて大きな問題であると思うのでございますが、先生御指摘のように、婦人の年金の問題、今後わが国の年金制度の中で幾つか残されております非常に大きな課題であるというふうに承知をいたしておりまして、この充実には努力をさしていただきたい、こういうふうに承知しておるわけでございます。
○草川委員 ぜひ、これもこの批准に伴って、特に厚生省関係の場合は留保というものが何にもないわけですね。過日も私厚生大臣に質問しましたが、留保なしでこれを受けて立とうと、こういう姿勢でありますし、これは私は非常にりっぱだと思うので、それだけに先ほどのお話ではありませんけれども、そう簡単にあしたできるものではないということもわかるわけですが、一定の段階的なスケジュールも立てて、やはり前向きの形で体制をとっていただきたい。これは特に年金の問題あるいは婦人の地位の問題もあるわけですから、お願いを申し上げたいわけであります。 時間がございませんので、行ったり来たりになって申しわけございませんけれども、在日外国人の方々、韓国人の方々あるいは朝鮮人の方々も入るわけでございますが、いわゆる社会保障制度をどういうように適用をしていくのか。本当に厚化省の方はスケジュールを持ってみえるのであろうか。私が先ほど来から漸進的ということで期待が非常に大きいよというのは、ここにも一つあるのです。すべてじゃございませんけれども、これらの方々も、この規約が批准されるならば、国民年金の適用も受けられるのではないだろうかというような当然期待が出るわけでございますが、いまのような点について厚生省はどう受けとめられておられますか。
○長尾説明員 お答え申し上げます。 ただいま私どもの厚生省全般といたしましては、国際人権規約の批准というものにつきましては、その御趣旨に賛成でございまして、その御趣旨に沿うように今後とも努力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 この場合、いま先生御質問の国民年金の外国人適用の問題でございますが、私どもの国民年金、これは日本国民であるということを一つの被保険者、国民年金制度、社会保険方式でやっておるわけでございますが、日本国民であるということを被保険者集団として規定をするという形で制度を仕組んでおるわけでございます。この場合に、外国の方をこの国民年金を適用していくということでございますが、国民年金のサイドから申し上げますと、外国人一般の方につきましては、もちろんさまざまな態様の方がおられると思うのでございますが、一般には短期に日本に在住しておられるというケースでございますので、国民年金最低二十五年の拠出期間を必要といたします。老齢年金の場合が中心になるわけでございますけれども、最低二十五年という長期間にわたりまして保険料を拠出していただくということが必要な仕組みでございまして、このような仕組みの原則から考えますと、適用し、かつその方の権利を保全していくのをどういうふうにしたらいいかということを十分に考えていかなくてはならないと思うわけでございます。こういったことを踏まえまして、私どもも人権規約の趣旨に沿うように努力してまいりたいと思うわけでございます。現段階におきましてこういうような方向でということを申し上げられる段階ではまだないわけでございますが、この点につきましては、人権規約をすでに批准しておられます諸外国の年金制度、これは実はさまざまでございまして、被用者グループしか制度を持っていない国もございますし、被用者グループを含めまして全国民を単一の年金制度でカバーしている国もございます。それぞれの国によって、いま申しました被用者であるか、または無業者も含んだ全国民を対象にしておるか、それからまたその場合の拠出要件に私どもの二十五年というような長さを必要としているかどうかというようなさまざまな仕組みによって、対応の仕方も実は技術的に異なってくるという問題があるわけでございます。たとえば全国民を対象としておりますスウェーデンの場合におきましては、私どもが承知しておる限り、国籍要件を原則として問うておりまして、社会保障協定を結びました国の方に限りまして外国人に適用するという方式をとっておるようでございます。私ども、外国の方を適用いたします場合には、その国の年金制度とたとえば通算をしていくというような二国間の問題を考えていくというのが一つの方向ではないかという気はいたしておるわけでございますが、この点につきましては十分時間をかけまして検討させていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○草川委員 実はそのほかに建設省の方、大蔵省の方もお呼びをしておったわけでございますが、残念でございますが時間が来てしまいましたのでこれで終わりますが、最後に一言厚生省に申し上げます。 いわゆる外国人ということの中に、先進国の他の国の例も言われましたけれども、日本の場合でいま非常に強く期待をしてみえるのは戦前からの歴史的な経過のある在日韓国人の方々であり、朝鮮人の方々なんですね。そういう方々は、いま一般的に言われるようなひょこっと日本に来て永住を希望される外国人と全然質的に違うわけですね。そういう方々の非常に強い期待がこの人権規約にもある。そして先ほどから私がくどいように言っているのですが、具体的に一体どれくらいの期間があったらこの適用が出てくるのかということについて非常に強いものがあるわけです。私が建設省をお呼びしたのは、住宅についても、住宅ローンを金融公庫から借りたい、ところがそれはまず日本人が優先で、余裕があったら後は君たちである、こういう話ですが、そういうような仕打ちはがまんがならぬじゃないかというところからきておる。そこへこの人権規約だ。すごいじゃないか、さあ、ということになると、そこでぐちゃぐちゃとなってしまう。これは私はかえって罪だ、こう思うのです。だから私どもは、とにかく一定のスケジュールを立てて、こういうような時期が来たらやりますよとか、あるいは先ほど触れたように教育の面についてはこれぐらいの期間がかかるから全力投球をするよとか、国民年金についてはいま言われたように二十五年の長期だからこれこれしかじかだ、しかし児童手当については批准をすぐでもやれる、あるいは市町村でもう八割くらいやっているのだから、あとの足らないところは直ちに児童手当はやろうじゃないかというようなクイックアクションをぜひ厚生省は起こしてもらいたいし、外務省は督励をしてもらいたいと思うのですよ。それをやらないと、せっかくこういうものができても、何とか魂入らずで、かえって混乱の原因になる。ILOの問題についても非常に中途半端な形だと、ではまたILOに提訴をしようじゃないかということが出てくるということになってはいけないと思うので、くどくこの旨を申し上げて、最後になりますけれども、本当にせっかくお呼びしておいでを願って、残った質問ができなかった省庁の方々には大変申しわけないので、おわびをしながら、私の質問を終わりたいというように思います。どうもありがとうございました。
○塩谷委員長 明二十七日金曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十五分散会