外務委員会 第2号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1979/02/20
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土井たか子君。
○土井委員 自民党の方の御出席がまことに悪いようでありますが、委員長の方から御指名がございましたから、質問を始めたいと思います。 十七日の日に御存じのとおり、中越国境で衝突が起こりまして、これに対してはすでにかなり前から懸念されていた問題でありましたけれども、とうとうこういう状況を迎えたわけであります。昨日わが党は、国際局長名ですでに談話を発表いたしております。きょうは、この問題についてまず外務大臣にお尋ねを進めたいと思います。 この中越紛争のきょうまでのいろいろな情報と、この紛争は何がゆえに起こったかという外務大臣なりの御認識をひとつお聞かせくださいませんか。
○園田国務大臣 中越国境で緊張した状態があり、かつまた、両国に対しわが方はアジアの平和という観点から自重されるよう申し入れをしておったところであり、鄧小平副主席が先般訪日の際にも、総理から副主席に、私から外務大臣に自重方を申し入れたところであります。その際、中国側の発言は、何らかの行動を起こすのではないかと想像されるような発言があったことは御承知のとおりでありますが、二月十七日未明国境全般にわたって中国の正規軍がベトナムの方に入ったわけでありまして、その後山岳地帯で、深いところで国境から二十キロ、浅いところで十キロくらいの地点で中国は停止をいたし、ここで戦闘が継続的に行われておったところであります。一方、昨夕来から中国は撤退を始めたという情報があるし、ベトナムの正規軍はハノイ周辺から山間地帯北部に向かって軍を進めたという情報がありますが、いずれも不確認な情報でございます。 一方、わが方は中国に対してさらに即時停戦、軍の撤退を申し入れて、平和的に解決されるよう申し入れをいたしました。これに対して中国の黄華部長の返答は、中国はやむを得ずやったことであり、話し合いをしたいと思っているという返答でございます。一方、ベトナムに対しては、カンボジアに対する即時停戦、撤退を同様申し入れ、アジアの平和のために平和的な解決をされるよう申し入れをしてございます。 なおまた、昨日総理から、一昨日私からポリャンスキー・ソビエト大使に対して、このインドシナ半島の紛争が大規模な紛争になり、拡大せざるよう自重と協力を頼むという申し入れをしてございます。ソ連は、戦争反対、戦争不拡大の一貫した方針であるという返答があっているところであります。 一方また、中国はやむを得ざる自衛反撃であると称し、ベトナムの方は中国の侵略は明々白々たる事実である、こういうように主張しておるところであり、これに対して国連では、安保理事会は雪その他の関係もあってまだ開かれない状態でございます。 以上でございます。
○土井委員 ただいま非常に細かい点にわたってまで外務大臣から情報についての御説明がございましたけれども、ただいまの御返答の中には、何がゆえにこういう中越紛争が引き起こされたか、特に中国側の態度について何がゆえにという理由説明をお伺いすることかできませんでした。 そこで、少し質問の様子を変えてこの点再度お尋ねをいたしますが、今回こういう状況になってまいりますと、場合によっては中国の行動を国際世論が批判するかもしれません。このことを中国側は十分承知の上だと私は思います。知ってはいるけれども、しかもそれを恐れずに中国側は踏み切ったということが考えられると思うわけでありますが、そういう中国側の意図はどの辺にあると外務大臣はお考えでいらっしゃいますか。
○園田国務大臣 ただいま紛争の最中でありますから、私が中国並びにベトナムの真意を推測することは軽卒であるかもわかりませんけれども、私の判断では、中国はもともと何らかの行動を起こそうという気持ちがあった。その気持ちがあったというのは、ベトナムと中国の経緯から中国の面目がつぶされた。いまの時期を選んだというのはいろいろあるかもわかりませんけれども、一つは、ベトナムの総理がカンボジアに参りまして、カンボジアの救国戦線とベトナムの方が友好条約を結ぶということで、ここに踏み切ったのではないかと推察をするところでございます。
○土井委員 いま外務大臣から御見解を承ったところでありますが、そこで、そういう御認識であるならば、日本として、こういう問題に対する今後の見通し、また日本として何をなすべきか、何をなすべきでないかという問題はひとつはっきりわきまえられなければならないと思うのですが、先ほどの御答弁の中にもおっしゃいましたとおり、鄧小平副首相が訪米されたその節も、今日あるような気配がすでに察知をされていたわけでありますし、帰途日本に寄られて大平首相、もちろん園田外相にも会われていろいろ話をされた中にも、今日あることが予期できた状況でございました。したがいまして、事前に外務大臣とされてはこういうことになるかもしれないということもお考えになっていたはずであります。 そこで、本会議場で外務大臣演説を承りましたが、あの中で「アジアの平和と繁栄に積極的に寄与することは、わが国外交の最も重要な課題の一つ」であるということをはっきりお述べになっていらっしゃる部分がございます。それでは、今回のこの問題に対しましてわが国のなすべき役割りというのは、あの外務大臣演説の中身から考えて具体的に何なのであるか。積極的な役割りというものがないのであれば、日本として積極的な役割りを果たすということが困難なのであれば、対中、対ソということの関係からわが国がしてはならない役割りというのがあるであろうと思うわけでありますが、してはならない役割りという問題も含めまして外務大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。
○園田国務大臣 ベトナムに対してはわが国はいろいろ申し入れや要請をいたしております。中国に対しても同様でございます。この際、わが日本としては、この紛争に対して一方的な加担をしたり一方的な協力をしないで、両国が平和的に解決するよう関係諸国とも連携を保つ、特にASEANの国々と歩調をそろえつつ、平和、停戦、撤退、こういう方向に進むように努力をすべきである、これに逆らうようなことをしてはならぬと考えております。
○土井委員 一方に加担しないということは、具体的に言うと、今回の場合にはそれじゃどういうかっこうになるのですか。米中国交樹立、その後の鄧小平副首相の訪米、その後に今回のこの状況、しかも日本側は、今日こうなるかもしれないということは十分に察知し得ていた。こういうことからいたしますと、米中同盟の印象を非常に強く世間では受けている面もあるかと思うわけでありますが、そういう状況に対しまして、日本としては積極的に果たすべき役割りというものが片やあるはずでありますけれども、それが強く打ち出せないのならば、これだけはしてはならないという側面があろうという意味で先ほどお尋ねしたわけであります。一方に加担しないとおっしゃるのは当然のことでありますけれども、再度具体的にいまお考えになっていらっしゃる中身をもう少しいまおっしゃっていただくわけにはまいりませんか。
○園田国務大臣 インドシナ半島の紛争に対するわが国の態度というものは、日中友好条約あるいは米中の三国が共同体制をとっておるのではないということを明瞭に示す一つの時期でもあると存じます。したがいまして、中国には、ベトナムに対する態度はわれわれは根本的に違う、第一あなた方は敵と考えておるが、われわれは敵とは考えていない、ただ、紛争を力で解決をし、あるいは軍を進め、戦闘によってやることには反対である、こういうことを強く申し入れ、覇権についても、覇権の判断、行動は独自の体制であって、中国とわれわれは相談をしてやるべき筋合いではない、こういうことを言っているわけであります。ベトナムとわが国は話し合いのできる少数の国でありますから、ベトナムとの話し合いはいまも続けておりますが、この話し合いはそのまま続けて、両国に対して平和的解決を望むことが日本のやるべき道であると考えております。
○土井委員 現段階におきましてはこれは非常にお答えしにくい問題でありますから、突っ込んで具体的なことをお尋ねしても、それに対するお答えというのはピンポンの球のようには返ってこないだろうというふうに私は察知をするわけであります。 そこで、これはずばり聞くよりも少し観点を変えたかっこうで聞く方がただいまの時点ではいいのではないかという配慮もしながらお尋ねをいたしますが、国家間の紛争というのは今後も起こり得るわけなんですね。その紛争を解決するためにはまず平和的な方法を考えるということがどうしても至上命題でございます。しかし平和的な方法というものについて、これをとることができずに実力を用いるという方向も万やむを得ずとられる場合がある。これは言うまでもなく、私たちが過去の歴史の事実に徴してよく認識をしているところでありますが、しかし、国際社会の平和というものを維持するためには武力闘争にまで拡大させるべきでない、そういう意味も含めて、国連憲章というのはそのための種々の規定を置いているわけでありますが、今回中国軍の侵攻の理由を見てまいりますと、自衛のための反撃ということが問題にされております。最初の外務大臣の御答弁からいたしますと、中国は自衛のためであったというふうな向きのことも推測として考えていらっしゃるわけでありますが、国連憲章の五十一条という条文を見ますと、自衛権についての規定があるわけでありますが、今回の中国側のいろいろな立場というものは国連憲章五十一条から考えまして、わが国としては、そうして外務大臣としてはどのような御判断をされておりますか。
○園田国務大臣 ベトナムのカンボジアに対する態度、中国のベトナムに対する態度、こういうものを侵略であるとか、あるいは覇権であるとか、そういうことできめつける段階ではなくて、経緯、事のいかんを問わず軍事行動には反対である、こういうことで一貫した態度をとることがわが政府としては賢明であると考えております。
○土井委員 それはどうもいま私がお尋ねしたことに対する御答弁にはなっていないわけであります。大臣御承知のとおり、国連憲章の五十一条には自衛権についての規定があるわけなんですね。つまり「自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。」というふうな中身も含めて、「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。」というこの条文は、「国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」という前提でいまの規定がございます。この国連憲章五十一条という条文から考えて、外務大臣は今回の中国のとった措置並びに現状に対してどのような御認識をお持ちでいらっしゃいますかというお尋ねなのです。いかがでございますか。――これは条文解釈じゃないのです。国連憲章五十一条に照らしてどのようにお思いになっていらっしゃるか。これはやはり外交的側面から考える政治問題でございますから、どうしても外務大臣からの御答弁が必要かと思われます。
○園田国務大臣 御承知のとおり中国は文書をもって安保理に申し入れをいたしております。そこで安保理事会がまだ開かれない状態にありますけれども、その判断は、われわれはその関係諸国とも相談をし判断すべきことであって、ただいまお答えすることは避けたいと存じます。
○土井委員 これはまだ安保理事会も開かれない、そういう動きを国連自身がまだ示していない、それぞれの関係諸国とのいろいろな折衝という問題もあるに違いない。それはわかりますけれども、しかし日本として、特に外務大臣、これは鄧小平副首相が日本に立ち寄られたときの話の中にももう具体的に出ている問題なんでしょう。これについては外務大臣としてはもうすでにこういうふうに考えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに判断することがいま適正じゃないかというお考えはおありになるはずです。この点はいまの時期、非常に言いづらいかもしれませんけれども、やはり日本の国としてこういう考えでこの問題には臨みたいという、あくまで国連中心主義と言われるのですから、この問題に対しての見きわめというものがなければならないと私は思うのです。国連に頼るということが間違っているなら間違っているとこの節おっしゃっていただきたいですよ。だから、そういうふうな五十一条を中心にした外務大臣の御認識をここで伺わせていただきたいと思います。
○園田国務大臣 国連の安保理事会における議論も相当これは複雑であると考えますが、いま私がこれに対する判断を申し上げることは、これまた直ちに各方面に非常な影響を及ぼすわけでありますから、私は慎重に模様を見てから判断をしたいと考えております。
○土井委員 日ごろの外務大臣らしからぬ大変慎重な態度でこの問題に臨んでいらっしゃるわけでありますけれども、これ以上この紛争を拡大させるべきでない。これはいまお考えになっていらっしゃる基本的な姿勢、態度と申し上げてもいいと思うのですが、そのためにいまどういう措置をお考えになっていらっしゃいますか。
○園田国務大臣 関係諸国とも緊密に連絡をしながら、この事態が拡大しないよう、かつまたなるべく早く停戦、撤退が行われて平和的な話し合いに移るようにありとあらゆる努力をしたいと思います。
○土井委員 非常に抽象論ばかりの御答弁にこれはなるかもしれませんけれども、非常に聞きにくい、またお答えしにくい問題を最後にひとつお聞かせいただきたいと思います。 日中平和友好条約を締結したことは、米中正常化の引き金にもなったし、われわれ日本にとってもアジアにとっても平和に大きくこれが寄与するものであったことをわれわれは強く確信しています。そこで、今回の中越紛争に関しまして、日中平和友好条約というのは安全保障条約じゃもちろんないわけでございます。第四条の精神からいたしまして、条約上わが国が中国に対して何かなすべき義務が生ずることがあるのかないのか、この点が一つ。 それと、同じく日中平和友好条約の二条に言うところの覇権の問題について、今回中国、ベトナムそれぞれの行動について、政府としてはどのようにこの問題を解釈していらっしゃるか、以上二点についてお尋ねをいたします。
○園田国務大臣 友好条約を締結したわけでありまするから、中国と日本の間では友好的な諸問題で協力する必要があると存じます。しかしながら、何かの場合に義務があるわけではありません。特に覇権行動について、これが覇権であるかどうかを中国と相談をしたりあるいは同一行動をとるということは絶対にないということは、ベトナムに対するわが国の態度と中国の態度が違うことで明瞭であると存じます。また、それを堅持することが、日中友好条約が本当にアジアの平和に役立つ道だと考えております。
○土井委員 状況がだんだん推移していっている最中でございますから、それに対して臨機応変な動きということも外交上必要でございましょう。基本的なことをここでお伺いいたしましても抽象的な御答弁にしかなって返ってこないだろうと思います。 そこで、その問題は少し状況を判断しながら、また再度の機会を得て御質問することにいたしまして、先日、二月の六日でございますが、予算委員会の席で、質問に先立って特に外務大臣が断られて、そしてアメリカ局長から、ハワイ会談におけるE2Cのアメリカからの購入要請を、日本側も同席した話し合いの席で、こういう具体的なことが聞かれたという、そのグリーン発言について、特に当外務委員会の理事会の席で一月二十三日の日にアメリカ局長が答えられたのとはまるで違った御答弁が出たわけであります。外務委員会については頭越しにこれが出たわけでありますから、私たちとしては、外務委員会に対して、特に理事会の席で中島局長がお答えになったことと非常にこれは違う、前言をこれは全面的に否定される、新しく言われたに等しいというふうに考えているわけでありますが、きょうは、その中身に入ってるるお尋ねするよりも、まずこのことに対しての状況整備をしておく必要があると思って、これから申し上げたいと思うのです。 まず、これは当外務委員会に対して、一たん中島局長は、理事会の席ではありますけれども、御説明をされたといういきさつがあるわけでありますから、これを変更されることに対しては、委員長なりしかるべき場所においてあらかじめこれに対して申し入れをなさる必要があったのじゃないか一こういうことを私自身は思うわけです。最近どうも外務省というのは、いろいろの手続について、ダグラス、グラマン問題についてお尋ねをしたり、また資料要求をしたりする節、何だかごまかされるような点が目立つわけでありますけれども、こういうことに対して、きちんと、当外務委員会に対して、おっしゃったこととはまるで違うことをこれは予算委員会で出されるわけでありますから、その点の措置が必要であったように思うわけでありますが、いかがでありますか。
○園田国務大臣 いまの問題に対して、当委員会に対する申し入れ手続と、礼を失した点は深くおわびを申し上げます。しかし、局長が理事会で申し上げたことと後のことは、逐次わかってきたことを追加して報告したわけでありまして、全然逆行した変わったことではございません。
○土井委員 そのアメリカ局長の予算委員会における御発言の中で、アメリカの「国務省として調査した結果、このほどハワイ会談記録のうち、日米経済関係に関する討議の報告書の末尾にE2C航空機への言及部分を見出した。」ということで始まる部分がございます。これはアメリカ側に正式にお尋ねになった結果、向こうから文書でもっての回答が出てきたはずだと思われるわけでありますが、もちろん国務省として記載されている原簿をこちらに対してそのまま見せる、渡たすというわけにはいかないかもしれませんが、日本側は正式に問いただされたのは文書で問いただされたのかどうか、そして文書でこちらに返答が戻ってきているはずだと思われますけれども、それがあるのかどうか、まずこの点の確認をしたいと思います。いかがですか。
○園田国務大臣 事実の経過は、正確を期するために、事務当局からお答えをいたします。
○中島(敏)政府委員 わが方の、アメリカに対する、そのアメリカ側の記録を調べてくれという依頼は、口頭で行いました。そしてアメリカ側の回答も口頭で参ったものでございます。ただ、アメリカ側は、向こう側の会談記録そのものは秘密扱いになっているので、それを渡すわけにはいかない、しかしながらその概要はこれこれこういうことであるということが口頭をもって回答されたわけでありまして、わが方の在米大使館のそれを受けた人間は、事の重要性にかんがみまして、そのアメリカ側の口答の回答をきわめて注意深く聴取いたしまして、その内容に誤りのないように、その場で先方に念を押した上で、それを本省に報告してきた、その内容がいま先生の御指摘の、私が予算委員会において読み上げましたアメリカ側の回答そのものということになるわけでございます。
○土井委員 そうすると、口頭の回答をきわめて念入りに何遍も念押しをした上、それを日本としては文書化されているわけでありますね。口頭で答えてこられたものを、日本としてはそれを入念に聞き取りながら文書化されたというかっこうになっているわけでありますね。その文書によってアメリカ局長は予算委員会の席で報告をされたというかっこうになっているわけですね。そうでしょう。
○中島(敏)政府委員 文書化とおっしゃられる意味がわかりませんが、私どもの在外大使館との連絡は、大使館からの報告が電報という形になって本省に入ってくるわけでございます。その電報の内容が、いま申し上げましたように米側から受けた口頭の内容を注意深く書き取って、それをわが方に電報で報告をしてきた。その報告された電報の内容をそっくりそのまま、この前の予算委員会で私がお読み申し上げた、こういう経過でございます。
○土井委員 それじゃもうあと一点。 同じそのときの園田外務大臣の御発言の中に「いま報告いたしましたハワイ会談の後、七三年の二月、ハワイ会談から半年くらい経過した後でありますが、ここでエバリー米通商交渉特別代表と鶴見外務審議官との会談において、日米貿易の不均衡を是正するためという観点から兵器の購入について増額するよう要請されております。」云々という部分がございます。これはワシントンにおいてなされたはずだと思いますが、鶴見・エバリー会談において日米貿易の不均衡を是正するために兵器購入についての増額、さらにこれに対しての応酬は具体的に文書化されていると思いますが、いかがですか。
○中島(敏)政府委員 お答え申し上げます。 鶴見・エバリー会談はその年の二月に東京で行われまして、これは文字どおり会談でございます。したがいましてその会談の記録というものはあるわけでございますけれども、何分にも先方との関係がございますので、その会談録そのものをお示しするわけにはいかないわけですけれども、その内容につきましては、その鶴見・エバリー会談のありました翌日から日米の通商協議が行われることになっておりまして、その通商協議の取り進め方、それから米国の新通商法をめぐる諸問題、それからガット閣僚レベル会議の東京開催問題、国際通貨面を含めた貿易収支不均衡……(土井委員「そういうことは結構です」と呼ぶ)
○土井委員 「その後五月に在京インガソル米大使が鶴見外務審議官に対して、日米貿易不均衡是正の観点から兵器問題に触れたことがあります。」というこの御発言も同じく園田外務大臣の御発言としてあるわけですが、「その際はE2C、P3Cが例として言葉の中に出されておると承知いたしております。」というふうにおっしゃっています。このことについても具体的に文書があるはずだと思いますが、いかがでございますか。
○中島(敏)政府委員 お答え申し上げます。 一九七三年五月の鶴見・インガソル間の接触は会談そのものではございませんで、インガソルさんからメッセージが鶴見外務審議官に届けられたということでございます。
○土井委員 外務大臣にちょっとお尋ねいたします。 先般来、ダグラス、グラマンの問題をめぐりまして、疑惑究明に当たって全面的にこの疑惑究明に対しては協力をするという大平首相の御発言がございます。もちろん官僚の一人として、というよりも外務大臣ということになりますと、事この問題に対しては直接かかわり合う部面というのは非常に多い担当省の大臣だということになります。そこで外務大臣もただいまのこのダグラス、グラマンの疑惑究明に対しては全面的に協力するとおっしゃることが当然だと思いますが、これは当然のことでありますけれども、確認をひとつさせていただきます。いかがですか。
○園田国務大臣 当然であると考えております。
○土井委員 そこで申し上げますが、いま、この二月六日の日のアメリカ局長発言に次いで、さらに具体的に外務大臣がお述べになったこの点は、一九七三年二月のワシントンにおける鶴見・エバリー会談、これは実は二月九日に会ったことをここでは外務大臣おっしゃっておりますが、その次にもう一回、五月の七日という日に会ったのには何ら触れていらっしゃいません。同じく五月七日という日にも、これはワシントンにおいて鶴見・エバリー会談があったやにわれわれは記憶をいたしております。その席から日本に帰ってこられたのが、たしか八日か九日ですね。そして十日、この先ほど言われましたインガソル氏からのメッセージが来ていて、鶴見氏はそれを見られている。したがって五月の十日ぐらいに、この外務大臣御発言の「五月に在京インガソル米大使が鶴見外務審議官に対して、」云々のところが内容だと私は思うわけであります。いま申し上げました二月九日、五月七日、これはワシントンにおける鶴見・エバリー会談、五月の十日、これはインガソル書簡、インガソル・メッセージと言ってもいいと思いますが、そういう中身になると思うわけでありますが、それぞれの部分につきまして外務省が所管されております文書並びにメッセージ、これをひとり当委員会において御提示いただけますか。
○中島(敏)政府委員 まず第一点として、先ほど申し上げましたように、この前外務大臣が予算委員会でお触れになられました一九七三年五月の鶴見・インガソル間の接触というのは、いま申し上げましたように、メッセージという形でインガソルから来ておるわけでございますが、先生もいまお触れになりましたように、鶴見外務審議官は当時外国に出張しておられて、帰られたのが、私どもの記録で見る限り、九日になっております。ですから恐らく鶴見外務審議官がそれをごらんになられたのは、九日になって帰られてから見られたのだろうと思います。その間に鶴見外務審議官がアメリカに行きましてエバリーと実質的な会談をやったというような記録は、私どもには全くないわけでございます。旧知の間でございますから、表敬ぐらいのことはやったかもしれませんけれども、いまおっしゃられた五月七日の日に何か鶴見・エバリー会談があったというような性質のものは、私どもとしては特に捕捉をいたしておりません。御指摘もございますから調べてはみますけれども、少なくともこの問題に実質的な関連のあるような議論がその場で行われたというふうには私どもは承っておらないわけでございます。 いずれにいたしましても、ただいまの二月の会談録にいたしましても、それからメッセージの内容にいたしましても、何分にも外交上の文書でございまして先方との関係がありますので御提示はお控えさせていただきたいと思いますが、中身につきましては御質問に応じましてできる限りの御説明はもちろんさせていただくというつもりで、いままでもおります。――記録そのものをお出しすることはできないということを御了解いただきたいと思います。
○土井委員 この五月七日の日のことについていまおっしゃいましたのは、ワシントンにおける通商交渉だと思います。通商協議だと思います。ひとつお調べいただきたいと思うのですね。これはそのようには承知していないという、いま御答弁でありますが、ひとつ調べてください。 それと、これは外交文書であるからそれを提示するわけにはいかないということでありますが、それは写しになったらどうですか。そのものは、それは困るでしょうけれどもね。内容に対しての写しだったらいかがでしょう。
○中島(敏)政府委員 五月七日の会談につきましては、いま申し上げましたように、私どもは本件との関係で調べた限りでは、全く浮かんでこなかったわけでございますけれども、御指摘がございましたことですから調べさせていただきます。
○土井委員 それで一つ確認をしておきたいのは、インガソル書簡、インガソルさんから来ていたメッセージ、恐らくは鶴見さん五月十日に読まれたのであろうという御答弁がさっき出ましたけれども、このメッセージの日付は何日になっておりますか。
○中島(敏)政府委員 七日になっているそうでございます。
○土井委員 法務省がまだ来られないので、入管局長が来られてからあと少しこの点について補足的にやらなければいけませんから、入管局長が来られるまでちょっとここで質問を待たせていただきます。
○塩谷委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 私が外務大臣にまずお伺いいたしたいのは、今回の中国、ベトナムの問題については大変残念なことだと思うのです。それで、中国のとった行動それ自体を覇権行為だという認識に立たざるを得ないような私自身の気持ちなのですが、外務大臣、いかがですか。
○園田国務大臣 中国は、今度の行動をやむを得ざる自衛反撃行動だと言い、ベトナムは、侵略行為であることは明々白々たる事実であると、両方から真っ向から意見が対立をいたしております。いまの段階で日本の外務大臣がこの行動をどちらかときめつけることは適当ではないと考えます。
○井上(一)委員 外務大臣、決断というものが必要なのですよ。中国はみずからのその行動を是とし、ベトナムはベトナムでそれに対応した見解を持っておるわけなのです。わが国の外務省はあるいは日本政府は、今回の中国の行動に対してこれをどういうふうに位置づけておるのか。いま言うことがどうだこうだというのはおかしいじゃないですか。主体的な日本の外交というものを考えていけば、こういう中国の行動はこういうふうに位置づけたい、こういうふうに答えるべきだと思うのです。私は、覇権行為に見えて仕方ないのですよ。私自身にはそう映る。明確に言っておるのですから、どうなのですか。
○園田国務大臣 ベトナムのカンボジアに対する行動、中国のベトナムに対する行動、これをどのようにやるかということよりも、現実に現在の紛争が停止をされ、軍が撤退をされ、平和的に解決されることが日本としては大事でございまするから、御意見は十分承りましたが、私としての判断はまだやるべき時期ではございません。
○井上(一)委員 中国の人民とわが国の国民との友好を私は切に願い、かつまたそのことについてはずっと子々孫々に至るまでその友好を強めていかなければいけないことは当然であるわけなのですが、今回の中国の行為は非常に理解に苦しむ。日中条約を締結した折に、覇権を求めないのだというお互いの意思表示をしているわけなのですよ。 外務大臣、くどいようだけれども、そこで確認をし合った覇権行為というのは一体どんなことを指すのか、今回の行為は日中条約を結んだときの覇権行為から外れるのかどうか、もう一度このことについて外務大臣のお考えを聞かしてください。
○園田国務大臣 御意見は十分わかりますが、現在これは覇権であるとか、侵略者であるとかということを認定することよりも、現実に平和的な解決、平和の回復が肝要であって、それを認定することが必ずしもそれによい影響を与えるとは考えません。御意見は十分承ります。 なお、中国との覇権の問題、御承知のとおり覇権の判断、行動は、自主的に中国と相談しない独自の立場でやる、こういうふうになっております。
○井上(一)委員 だから、私は日本独自の判断として、今回の行動を覇権的行為だと私なりには判断しているのですが、いかがですかということを言っているのですよ。平和的解決を求めるというのは百も承知だし、私もそう願っておるわけなのです。しかし、その行動がどういうふうに映っているのかということをお聞きしておるので、煮え切らない答弁は、外務大臣、本当にあなたに似合わないですよ。そして日本の外交というのはそんなのですか。常にそういう姿勢で取り組むのですか。
○園田国務大臣 おしかりをいただいて、煮え切らなくても、私は現実の解決方法としてはその方が賢明であると考えております。
○井上(一)委員 何をなすべきか、あるいはじっと黙って、あるいは何も言わないことが平和的解決に役立つのだという外務大臣の苦しい答弁なんですけれども、私は、日本の考えというものをもっと明確に打ち出していくべきだ、それが中国に対する友好の証左だ、こういうふうに思っているのです。この点はさらに私なりに質問を続けたいのですけれども、時間の関係がありますので、次に進みます。 過日、北方領土問題の解決促進に関する決議が沖特でなされたわけです。本日の本会議でもこれが上程されるわけです。 択捉、国後については多くを私から申し上げる必要はないかと思いますが、ソ連が恒久的な軍事基地を設置しているということが確認をされているわけです。外務省はこの問題についてどの程度実情を承知していらっしゃるのか、独自の調査によるのか、あるいはどこからかの報告を受けて承知をしているのか、まずこの点をお聞きしたい。
○園田国務大臣 北方四島の軍事基地の兵力の増強その他については、外務省はこれを調査する機関を持っておりませんので、御発言のとおり各種の情報を総合して判断をしているところでございます。
○井上(一)委員 各種の情報、防衛庁は防衛庁なりの独自の調査がなされたわけなんですね。私は、外務省としてはアメリカから、平たく言えば米軍が入手している情報をすでにもう受けている、こういうふうに判断しているのです。いかがですか。
○園田国務大臣 御推察は結構でございますが、私としては、どこから情報が入ったかということは、今後の情報入手に困難を来しますので御勘弁を願いたいと思います。
○井上(一)委員 それじゃ情報源は別として、日米安保条約という形の中で当然アメリカからそういう情報提供を受けてしかるべきじゃないかと私は思うのですよ。当然だ。私自身は日米安保条約については多くの疑問を持っておりますけれども、アメリカから受けることが日米安保条約の中での一つの取り決めにもなっているのではないかと思うのです。何らアメリカに気がねすることないじゃないですか。アメリカからこれだけの情報を受けているということが言い切れる外交でないといかぬと思うのです。大臣、いかがですか。
○園田国務大臣 われわれ個人の間でも国の間でも、やはり情報等は入手先を言わないのが礼儀であり今後のためだと存じます。
○井上(一)委員 さらに、その決議を受けて外務省は何をなされたのですか。
○園田国務大臣 ただいまのところ委員会の決議であって、これが本日は衆議院で、続いて参議院で院の決議になるそうでありまするから、院の決議になってからこれを正式にソ連に申し入れ、こちらの要望を強くいたす所存でございます。
○井上(一)委員 具体的にこういう形がとられたら、当然、院の決議がなされていくわけなのですが、それは手順として一定の時間がかかるかもわかりませんが、外務省としてもうすでに、こういうことをソ連に申し入れをしたいのだとかあるいはこういうことを考えているのだという一つの何か腹案というのか、当然次に移る何かがなければおかしいと思うのですが、そういうことはどうなんですか。ただ強く抗議をする、これは何回も外務大臣おっしゃっていらっしゃるのですよ。報道されているのですよ、強く抗議すると。具体的にどういうふうな形で、まあ時によれば大臣自身が訪ソして、本当に日本国民の総意を伝えてくるのだとかあるいは国会の決議の意を伝えるのだとか、それぐらいのお考えを持っていらっしゃるのかどうか。これは一例ですけれども、何をなさるのですか。
○園田国務大臣 御発言のとおりいろいろ準備はいたしておりますが、まだ相手に申し入れない先に、こういう文句でこういう方法で申し入れますということは言えないところでございます。
○井上(一)委員 私は、日本の自主的な外交が何か非常に薄らぎつつあると思うのです。カーター大統領から大平総理に親書が参っております。参っておりますね。私、親書の中身についてはここで尋ねようと思いません。なぜ親書が来たのか。外務大臣、なぜあなたは積極的に大平総理に訪米を促さなければいけない状態なのか。私は、日本の外交というものを非常に憂うるわけなんです。福田総理がサミットでいろいろと経済成長七%約束してきた。大平さんが、ただそれを福田さん個人のスタンドプレー的な認識でもってこれをほごにしよう、あるいはできっこないのだというような、少しでもその意思を表したとたんに、今度はカーターから、まあ伝え聞くところによると、もし、日本の外交的な国際的な約束事が打ち破られるならば、次回のサミットの出席すら危ぶまれるということを聞き及んでいるのですよ。外務大臣いかがですか。カーター大統領の親書の意味、大平さんの訪米の意味、そういうことから日本の外交というものをもっとしっかりときっちりと継続すべきだと思うのです。福田さんから大平さんにかわって基本姿勢が変わるようなことがあってはいけないので、その点も含めて、この点についてひとつ外務大臣からお考えを聞かせていただきたいと思います。
○園田国務大臣 日米の間はきわめて緊密でありまして、大統領からの親書もたびたび届いております。その内容は申し上げられませんが、どの親書にもサミットへの出席は困難であるなどということを書いてあった事実はございません。 大平総理が訪米されたがよかろうというのは、日米間にいろいろな問題ありますけれども、その問題ではなくて、新しい大平内閣の基本的な政策及び日米の現在と将来にわたる問題等で渡米なさるべきであると私は考えておるからであります。
○井上(一)委員 時間がありませんので、私は最後にもう一点、外務省並びに関係省に、私が予算審議の中で航空機の導入に絡む問題で質問をいたしております。とりわけ中近東における淡水化プロジェクトのミスター・ハリー・カーンとの契約は擬装である、航空機隠しであるということを指摘しております。中近東における淡水化プロジェクトの実情というものは外務省は把握しているのかどうか。いかがですか。
○千葉政府委員 お答え申し上げます。 突然の御質問でございますので、ただいま手元に資料を持っておりませんか、早速取り寄せましてお答え申し上げたいと思います。
○井上(一)委員 ぜひ淡水化プロジェクトに関する資料を私に提出していただきたいと思います。 それから法務省に、これに関連して三井物産関係者から事情聴取をされたことがあるのかどうか、この一点を聞いて私の質問を終えます。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 具体的な捜査の内容にわたる事柄でございますので、いかなる者を関係者として取り調べをしておるかということにつきましての御答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
○塩谷委員長 渡部一郎君。
○渡部(一)委員 委員長、時間どおりちゃんと守ってください、議事運営を。 歴代の自民党内閣の外交方針は、表現に差がありましても、米国との友好関係がわが国外交の基軸であると言い続けてきたわけであります。 それは、日米間の第一期、占領政策の直後の体制が継続している時代、特にアメリカの極東政策そのものが日米安保体制を中心として運用され、それに日本側が安易に取り込まれるという形で運行した時代かありました。しかし、このようなやり方は、安保の危険な側面、つまり戦争の勃発ということを防ぎ得ない、むしろ果敢に米ソ対決の枠を越えて等距離平和外交を達成すべきであると私どもは主張してきたわけであります。 ところが、近年、日米間は第二期を迎えまして、米ソ両国間の緊張緩和政策の推進、特に経済面における多角化政策が起こるに従いまして、米国の後ろに隠れているだけの外交では外交全体が経済を中心として破綻に瀕するということが明らかになってまいりました。そこで政府は全方位外交などと福田内閣時代は唱え、対中、ASEAN交渉等にも乗り出すようになりました。これは一つの前進と認めるのにやぶさかでありません。 しかし、いまや日米間は第三の時期を迎えつつあります。日米間の友好は、日中接近、米中接近以来危殆に瀕していると言ってもよい。日米安保体制はある意味の空洞化が行われておりますが、米国内には、それを上回り、日本離れから始まって対日批判の大波があらわれようとしているのであります。日本側の甘えの構造というのはある意味で突き放され、若干の不協和音どころか、猛烈な摩擦が予想されておりまして、すでに表明されておりますように、両国の間には、電電公社の物資調達の問題をめぐり、また在日外国銀行の活動の制限に関する問題をめぐり、なめし革の輸入制限をめぐる問題につき、いろいろな形で日米関係の合意というものがゆさぶられている状況にあります。これは去年ミカンの問題についてあるいは肉の輸入について大きな波が洗っていたときにすでに経験済みのものであるというふうにわれわれは思っておりましたけれども、問題は、そのレベルを越えて、要するに百六十億ドルに上る膨大な、日本側から見れば輸出超過、アメリカ側から見れば輸入超過という問題が生々しく取り上げられ、これに対して一体どうするのだという形で問題がきわめて大きくなっているのを感ずるのであります。 歴史をひもとけば明らかなように、日米関係は常に日本側の楽観に始まりアメリカ側のいらいらか極点に達するところから大きな歴史的困難を迎えたことは明らかであります。すでに大東亜戦争の勃発の以前、こうした貿易関係、対米貿易の大きな摩擦が一つの引き金になり、やがて排日法の施行となり、やがて急傾斜して両国関係が悪化したという歴史的事実も存在するわけであります。 われわれは、アメリカが世論の国であればあるほど、こうした問題については事前にその災禍を取り除くため全力を挙げてなすべきことはまことに多いと思うのでありますが、まず大臣の御所見を承りたい。
○園田国務大臣 日米関係はいろいろ問題があるわけでありますが、政治的にはきわめて緊密にいっているわけでありますが、煮詰まったところ、ただいま御発言の政府調達の問題、いわゆる電電公社、それから関税の問題、この二点に煮詰められてきております。またその前提として黒字幅圧縮の問題があることは当然でありまして、これは決して楽観しているわけではありませず、行政府、さらに国会、さらに国民感情というふうに相当緊張すべき状態にあると私は憂慮をいたしております。したがいまして、この問題については、われわれは義務を果たすべきものは果たし、そしてまたアメリカに要望すべきものは要望し、努力をしながらこの問題を早急に解決しなければ、現に具体的にはサミット、その前の東京ラウンド、こう考えてまいりますと、一方的には時間的にも相当追い詰められている、こういう状況で、いま最大の懸念と努力をしておるところでございます。
○渡部(一)委員 アメリカ政府の発表によりますと、アメリカの貿易の赤字は五十二年度二百六十五億三千四百六十万ドルに対して二十億ドルふえ、五十三年二百八十四億五千万ドルに達し、そのうち日本との貿易による赤字が五十二年八十一億六十万ドル、五十三年は実に一・五倍もふえて百十五億七千二百万ドルに達しております。これは米国の貿易の赤字の四〇・七%を占めており、楽観を許さぬものがございます。五十四年度は改善すると言うかもしれませんけれども、この数字そのものが、どれぐらいひどいいらいらを生じているかは想像にかたくないのであります。 昨年末、来日いたしましたアメリカ上下両院議員たちは、むしろ率直に排日、反日感情のものよりも、日本政府のやり方に口をきわめて非難をして引き揚げていったわけであります。わが国は、今年上半期にもこれらの対策を真剣に考慮いたしませんと、日米関係は重大な局面になるのじゃないかと思われます。 米下院歳入委員会貿易小委員会のジョーンズ委員長は、一月三十一日、米日貿易に関する報告書を発表し、その結論として「双方の経済に本格的な改革が行われない限り、近い将来、両国間に深刻な貿易危機が起こるだろう」と述べております。そして、特にその委員会の報告では、日本の農産物などに関する輸入制限並びにコンピューターなどの高度技術産業に対する日本政府の補助政策に問題があると指摘をいたしておるわけであります。わが国における新聞の報道は、今日グラマン問題を中心として国民の視聴を集めていることは事実でありますけれども、これは新聞の報道の見出しの大きさと関係なく、両国関係で大見出しで訴えられなければならぬことであり、重点を置かなければならぬことだ。それに対する政府の御努力は弱過ぎたのではないか。私は大きな心配を持っているものでありまして、この点に対する御見識を承りたい。
○園田国務大臣 日米間には、緊密であればあるほど、個々の利害はあるわけであります。そのような問題を政治化しないようにやるのがわれわれの責任であると考えておりますが、いま御発言のとおり、非常に緊張すべき状態で憂慮すべき状態、ややもするとこれが政治問題に化する、したがって、全力をふるってこれが政治化しないように何とか両方の意思の疎通を図り、妥結の道を講じたいと考えております。
○渡部(一)委員 私は、きょうはこうした基礎的な問題をあえて述べますのは、通常以上に重大問題だと思いますので申し上げますわけでありますが、大平総理大臣のやり方について、私どもはまだ整理してこれを批評する段階には至っておりませんが、目下のところ、対米関係を見ただけでも、発足当初からアメリカ政府の感情を逆なでにした大平さんということについては、アメリカ側のマスコミは一致して報道しております。また、昨年ボンで開かれた主要国首脳会議において福田首相が公約した実質経済成長七%を、就任早々、達成できないという印象を与えるように発表したということが大きな衝撃を与えたことは事実であります。また、十二月二十二日カーター大統領からの親書が到着して、日本がボンで公約した今年度の実質七%の経済成長の目標を断念したことは遺憾だ、米国はインフレ抑制とドル防衛に努力し、西ドイツも景気追加策を講じている、日本も公約を守るべきだという抗議があったということが新聞にリークしております。確かに西ドイツと日本とアメリカがあのボンのサミットの際に約束したテーマは、おのおの非常に困難があることを認めておりましたし、西ドイツの総理大臣は、あの際に、ボンのサミットの終わった直後の記者会見において、西ドイツは景気追加策を講ずるということを約束したけれども、そんなことはとうていむずかしいことだというふうにそのときから述べておりました。ところが、そう述べていたにもかかわらず、公然と七%という数字を引きおろしたという印象は、日本一国が悪い札を最初に引き当てたという印象が濃いのであります。 その後も、米政府は主として日本政府に対し、景気刺激策を促すように公然あるいは非公然に印象を与え続けております。ヒギンボーサム国務貿易補代理、ブルメンソール財務長官、ストラウスSTR総務代表まで、メジロ押しにいま日本にやってこようとしておる。こうしたことは、事態が非常に重大なことを示しております。 アメリカ側が、自分がデフレ政策をとりながら、日本に対して景気刺激策を講ずるように要請するというのは、筋違いだろうと私は思います。また、アメリカが油の輸入量を一方的にふやしながら、自分の油の輸入量については顧みることもなく、日本に対して攻撃を加えるというのはおかしいということは言えます。しかし、これは論理的にはそう言えるかもしれませんけれども、日米間の両国の持つ経済的その他の実力を考えるとき、こうした要求がどれほどひどいものになってはね返るかはもう明らかであります。そして、そのうちのあるものは論理的に論破はできたとしても、あるものは論理的に論破できるものではない。したがって、私どもは難癖をつけられる部分を削除する外交を行わなければいけない。少なくとも福田首相が約束したことを大平総理の代になって一発で切り落としたように見えることは、外交上の継続性、外交の継続という一番大事な外交のプリンシプルさえ犯すものではないかと私は憂慮しておるわけであります。 そして、ボン・サミットで福田前首相が全くむちゃな公約を迫られて、そうして無理やりにこうやらされたのだと説明するなら説明するで、その言い方があろうと思います。それを継続するというなら継続するだけのやり方はあろうと思います。しかし、福田前総理は、七%達成は困難だと思われる時期にもかかわらず、いつでも七%は達成すると言い続けてこられました。国会の会議録はそれを示しております。 こういうふうに言い続けた前総理の時代があり、そしてあっさりと今度はそれをたたきつぶした今度の時代がある。期限のぎりぎりまで努力をすると表明するならともかくとして、こうしたことは絶対に大きな失敗ではなかったかと私は思うのです。それが誤解だということを大平さんは確かに小さな声でもごもごとどこかで表明しておられる。記者会見なんかでちょびちょび、あっちでちょびちょびというふうに表明しておられる。しかし、そんなものは表明したことにはならない。これほど大きな誤解を生んだら、大平さんは直ちにアメリカでも何でも飛んでいって、直接直談判で説明するなり、特別の記者会見を催して外人記者を集めて表明するなり、あるいは大使館を呼んでそれに対して意向を表明するなり、外交の対応策が明瞭に出てこなければいけない。大きな傷を受けたのに対して、その傷を克服するのにばんそうこうをもってするのと同じである。私はこういうようなやり方では日本外交の前途は憂慮すべきものだと思うのですが、大臣、どう思われますか。これでよいのですか、こういうやり方で。
○園田国務大臣 非常に貴重な御発言をいただきまして、私もそのような方向で努力をし、また、大平総理もそういうようなことをするよう、ただいま検討しておられるようでございます。
○渡部(一)委員 大平総理は、いまアメリカ行きをようやく決断されたようで、外務省の皆様方がさんざんおっしゃって、行かれるおつもりになったようです。新聞によると、五月に大平さんが、四月に外務大臣が行かれるという話がぽつぽつ漏れております。それは本当でございますか。どういう御計画でおやりになるのですか。
○園田国務大臣 それまでもいろいろ努力しなければならぬと思いますが、私の気持ちから率直に言いますともっと早く行きたいわけでありますが、国会の御審議の関係等もございますので、大体その見当でなければ出かけられないのじゃないか。できれば、私は国会のお許しがあれば、もっと早く行きたいと考えているところでございます。
○渡部(一)委員 私は飛んでいかなければいけないと思います。総理が自分で飛んでいかなければいけないぐらいな問題です。アメリカは下から積み上げていかなければならぬ国でありますけれども、重大な問題のときはトップが交渉する、トップマネジメントの国です。だからこれほどの大きな誤解を下部交渉に任しておいてじめじめじわじわやればやるほど混乱する、私は予言しておきます。この問題は先方の国会の大統領選挙の材料にも使われるし、そして大統領が国民に表明したことを覆すのは容易ではない。これを覆すのはよほどのものが必要である。ところが、いま役人がやっておられるのは何かと言えば、せいぜいなめし革の輸入品をどうするかとか、電電公社の入札をどうするかということを両者で協議しようなんというじめじめした話だけをやっておる。それでは決定的に印象を変えることにはなり得ない、それは全くやり方が間違っておると私は思うのですね。小細工というべきものだと私は思うのですね。いま必要なのは大細工なんじゃないでしょうか。大平氏のこういう言動に対してアメリカの高官筋はこう述べているそうです。大平氏の言動を見守るワシントンの雰囲気はシカゴの寒気のように冷たい。また一月五日、六日の両日、英、独、仏、イタリア、アメリカの各国は、サミットのメンバーからわざわざ日本を外してカリブ海のグアドループ島で首脳会議を開きました。実質上のサミットであると言われています。そのときに彼らはどう記者たちに表明したかというと、事実上のサミットは終了した、来年サミットは必要ないとある者は述べた。また、日米間貿易不均衡がこのまま進むなら、東京サミットは日本側の希望どおり開催できないという発言が米政府筋から、しかも米政府高官筋から堂々とリークされ、報道されております。この述べた人の名前は皆さんはもう恐らくおわかりでございましょう。これについてどう感じられておられますか。
○園田国務大臣 先般の首脳者会議というのは参加の方々から詳細会議の模様は承りましたが、サミットは経済だけの問題でありまして、先般の会議は経済外の問題を討議したということであります。なおまた、サミットに対する招請状は昨年十二月すでに発送してございますが、米国からも主催国としての日本の労苦を多とする、サミットが成功するためには準備会議でそれぞれ準備、話し合いを進めていこう、こういう返事が参っておりますので、準備会議等も逐次進めておりますから、そのようなことはないと存じます。
○渡部(一)委員 いま外務大臣のおっしゃったことで安心できる状況だと信じてもいい。信じてもいいが、グアドループ会談の席上において米国側は、ブレジンスキー補佐官が同席して米国の対中政策について説明したということは報じられております。その中でブレジンスキー氏は、米国の対中政策は米ソ対決をもたらさぬ、西欧諸国を米ソ対決に巻き込まぬということを公式に表明しました。特に鄧小平副首相は、世界は平和と言うにはほど遠く、むしろ戦争の危険は目に見えて増加していると述べ、さらに、ソ連は世界支配を目指していると述べておりますけれども、これに対して、絶対に米国は米ソ対決はしない、西欧諸国を米ソ対決に巻き込まぬというふうに二つのプリンシプルを公然と表明したことは、非常に大きな重点的な意味がある。今回の中越紛争においてもそれは明らかに出ておりますけれども、このプリンシプルが単なるプリンシプルではなくてファクトであることを示しておる。したがって、対ソ外交に対する姿勢は、まさにわが国が予想していたよりも日中間で結ぶということが厳しい状況を迎えることを示していると私たちは思うのです。そうすれば、グアドループ会談から外されて、日本側のいないところで、対中政策がヨーロッパ諸国に対して説明されたこの意味というものは、事実上において日本側をサミットから外して、そうして外交の一体化を米欧間において行い、また、外交政策の調整を行い、そしてまた、当然話題になったであろう経済問題を話し合ったことは疑う余地はないと思う。これほどまでにあほう扱いされ、世界の大事な会議からはオミットされている状況の中で、グラマン問題に狂奔するだけで、こうした主要問題に対して適切な手を打たないということは、日本外交の近年まれなる大失敗ではないかと私は憂慮するのですが、いかがですか。
○園田国務大臣 御発言の趣旨に基づいて努力すべきことは大事であると考えておりますが、会議の模様が必ずしも日本をオミットし、そして日本を除外視をして世界経済問題を論議したとは考えておりません。ヨーロッパ並びに米国のソ連に対する動向は、大体御発言のとおりだと私も判断しております。
○渡部(一)委員 また大平内閣では、福田内閣当時評判のよかった対外経済相のポストを廃止いたしました。行政管理のたてまえから言えば、不要なポストは廃止するのは当然です。しかし、行政管理の一番大事なことは、要らないものは捨てると同時に、いいものはふやすというのでなかったら何が行政管理であるか。行政管理はいいものも悪いものも一緒くたにしてちょん切る役所ではありますまい。それが対外経済相ポストというのをぱんと外した。牛場対外経済相は対米、対EC、対東京ラウンド等の経済問題の難問に対して大きな貢献をされました。しかも二元外交になるという懸念に対して、園田外相との間はきわめて密着した態勢によって日本の経済外交というのを進めたということがあります。 ところが、うわさによれば、対外経済相ポストを外したというのは、自民党議員に対して大臣ポストを確保するために外したという報道さえ行われております。こうしたことは一体何のために、どっちを向いて外交をされておるのか、きわめて疑わしいのであります。第五回国連貿易開発会議はマニラにおいて、先進国首脳会議は東京において開かれ、大変問題になるわけでありますが、牛場氏は東京ラウンドの政府代表ともなっております。こうしたことは余り巧みな外交とは言いがたかったのではないかと思われます。 そして、その経済外交の実力というものを下げた、日本の取り組みの姿勢を疑わしめたというところに重大な失敗があった。これをまだ感じないのだとしたら私は問題であると思います。では、外したポストをつくり直せと言っているわけではないけれども、それにかわる適切な処分、処置を行う、全省を挙げて行わずして何の外交であるかと私は思う。まさに危機的状況ではないか。グラマン問題を片づけるためには適切な配置が必要なことは事実です。しかし、グラマン問題の陰に隠れて、日米問題をこれほどまでに放置しておけばどういうことになるか、私は全く理解に苦しむのでありますが、大臣もほとんど私の意見に同調の意見を表明されました。大臣は恐らく最近おかげんが悪いので、こういうことを大声で言うチャンスがおありにならないのではないかと私は悲しく思っておるわけであります。大臣にその政治生命をかけて、ここのところの大きな外交の取り組みの姿勢を変革していただいて、レベルアップしていただくよう希望したいのですが、いかがですか。
○園田国務大臣 牛場さんの功績については高く現在も評価をいたしております。その他については十分拝聴をいたしました。
○渡部(一)委員 このたびの五十四年度予算の中で開発援助予算の総枠は七千二百十七億円と聞いておりますが、そのうち従来の前例にかんがみ執行レベルを上げ、最高度の八〇%程度が執行されるといたしますと、七千二百十七億円の八〇%、五千七百六十億円になります。これを二百円レートで換算いたしますと、二十八億八千万ドルとなります。昭和五十一年度実績の十四億二千四百万ドルと比べますと、政府公約の倍増を今年実現できるというおめでたい話になるわけであります。しかし問題は、DAC諸国の合意であるGNP比で見ることです。対GNP比で見ますと、倍増が達成されたという場合においてさえもわずか〇・二五%にすぎず、DAC目標のGNP比の〇・七%という国際公約の半分にも達しない。日本を除くDAC諸国平均の〇・三三%、これは一九七七年の実績でありますから二年前のも一のでありますが、それにさえ遠く及ばないというのが冷厳な事実であります。 こういうことで一体いいのかどうか。私がつけ加えて申し上げるまでもないと思いますが、総理の所信表明の中にもこの現状を憂えるものはなかったし、過去の政府の業績に引き続いて目標を達するというだけの表明しかありませんでしたから、こうしたことでは、東京サミットを前にいたしまして、日本の経済協力、経済援助のベースの低いことが発展途上国側の非難の的にもなり、決して賢明ではない。この際、お金を出す問題は後になるかもしれませんけれども、政府の方針として援助倍増、あるいは三倍増等の方針をむしろ積極的に打ち出されるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○園田国務大臣 御指摘のとおり倍増が達成いたしましても実績で〇・二七、ただいま御審議願っている予算面の数字で〇・三一でございます。国際平均の〇・七にははるかに及ばないところでございますから、さらにこの上とも努力をして、御指摘の方向にやりたいと考えております。
○渡部(一)委員 大臣、これは国際平均に到達する、あるいは過去の内閣の倍増計画というものに基づいてそれを達成する、それがもうすぐできる、そう言っていいと思うのです。私が問題としているのは、これからもう一息倍増しなければいかぬという計画です。この二つを混乱させずに、ひとつ政府の方針を決めていただきたいとお願いをしているわけでございますが、これは政府の方針をよほど調整をし直さなければならぬ問題でもございましょうし、日本の経済的ないろいろな難問のある中で、経済援助の枠を取るということ自体が大きな問題であります。しかし、日本国が、日本国民の行動全部が非難の的の中では商売をすることはできない。日本のあらゆる経済行動の基礎づくりをするためには、この問題についての毅然たる方針を出さなければならないというところに来ているわけであります。土台をつくらなければ家は建たないときに、土台づくりの話をするのと一緒であります。したがって、こうした問題を政府の閣議の主要テーマとして、この問題に対しての明快な方針をなるべく早急に出していただきたいと私は思うのですが、重ねてでございますが、いかがでございましょうか。
○園田国務大臣 御発言を誤解して承っているわけではありません。倍増ができたからといって満足するものではなくて、さらに〇・七の目標に向かって計画をつくり、これに努力するという趣旨のことでございますから、これが具体的にまいりますように、早急に努力をいたします。
○渡部(一)委員 お見受けするところ、外相はお体のおかげんもこの間から大変だと私は拝見しており、心を痛めておる一人であります。どうか、十分の療養のできる時間もない重責でありますので、心配もいたしているのでありますが、なるべく体を休め、そしてこの重大期に当たる日本外交の精力的な前進のために適切な御処置をおとりいただきますようお願いいたしまして、私の質問といたします。 終わります。
○塩谷委員長 渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 中越紛争に関連いたしましてお尋ねをしたいと思います。 新聞、ラジオ、テレビ、そういうのを見ておりますと、実は事態の進捗状況、これについての報道が大変ばらばらと言ったらあれですけれども、見通しについて大変に困惑をいたします。ある報道では戦闘は継続中だ、こう言っておりますし、あるいはまた中国とベトナムの停戦が行われたのではないか、こういう観測も報道される、中国軍は一部撤退も始めたようではないか、こういうようなことも言われる。あるいはベトナム正規軍が北上中である、いろいろなことが言われております。それだけに国民の方は大変憂慮していると思います。いま予想を立てるということは大変むずかしいかもわかりませんけれども、現状においての推移、ここら辺についてもう一度外務大臣に御見解をいただきたいと思います。
○園田国務大臣 御発言のとおり、ただいま中国は国境を越えて、深いところで二十キロ、浅いところで十キロくらいベトナムの領土内で軍を進めているわけでありますが、その場所は北部山間地帯でありまして、ここはなかなか大変なところであります。霧等も深くて、人工衛星、航空偵察、航空写真の撮影等というものがなかなか困難な状態にありますので、各種の情報を総合して判断している程度でございますけれども、大体わかっておりますところは、いままでの十キロ、二十キロの山間地帯における中国正規軍とベトナム正規軍の本格的な戦闘というものはほとんどなかったという状態で、民兵と正規軍の一部との間に戦闘があったりやまったりしている、停滞の状態である、こういうことが正しいことではないかと考えております。 なお、中国が一部撤退を始めたとか、あるいはハノイ周辺で一山間地帯にベトナム正規軍が前進して中国の正規軍と真面目なる戦争をやろうという気配ではないかと見ておりましたが、これが北に動いたという情報もありますが、撤退の情報も、北に動いたという情報も不確認情報でありまして、確かだという情報ではないと存じます。 大体いまのような状態でございます。
○渡辺(朗)委員 大変困難な見通しを立てるということ、これをまたお願いするのは酷かもわかりません。しかしながら、私思い出すのですけれども、昨年の暮れでございました、外務大臣にイランの情勢を聞いたことがあります。そのときには間もなく平静になり、事態は回復するでしょうとおっしゃいました。ところがその後逆転をいたしまして、あのような新政権の樹立という事態にまで発展をしたわけでございます。そのことはまた結果といたしまして大変に大きなエネルギーの需給関係、こういう見通しの問題ということに狂いも生じてくるという事態が生じている。見通しというのはなかなか立てにくいことかもわかりませんけれども、少なくともこういう五里霧中みたいな状態の中に国民が置かれているということは何とか避けなければならない。ある一つの方向づけみたいなものを指し示していただきたいし、それからまた、この方向に持っていくのだという日本政府の姿勢というものが、国民に対するせめてもの安心感だと思います。そういう立場で一、二質問をさせていただきたい。 先般、外務大臣はポリャンスキー大使にお会いになってソ連側の自制を求められております。いま私どもが心配するのは、たとえば防衛庁の情勢分析、その結果や何かを言っておりますのは現状膠着状況だ、こういうような見方をしております。いま大臣も大体そのような見解を述べられました。こういう事態が推移するならばソ連が参戦するのではあるまいか、ソ越友好協力条約、こういったものの発動があるのではあるまいか、この心配であります。これについて大臣はいまどのような見解を持っておられますでしょうか、お尋ねをいたします。
○園田国務大臣 昨日、総理、それに先立って私からポリャンスキー氏に、このインドシナ半島の紛争が拡大をしてアジアにおける混乱、戦争などにならないように協力を頼む、自重をお願いする、こういうことを申し上げたわけでありますが、これに対して向こうの発言は、非常に穏当で、しかもなかなか慎重であるという印象を受けました。言葉そのものは、ソ連は一貫して戦争に反対、戦争拡大防止ということは一貫しておる、こういう返答でありました。しかしまた、当初はソ連の方はこの事件に対してなかなか意図を表明いたしませんでしたけれども、その後、われわれはベトナムと友好条約がある、その義務がある、その義務を果たすと言って中国に警告を発しておることは御承知のとおりであります。米国は御承知のとおりに中国その他に対して当初から自重を求め、停戦、撤退、平和的解決を進めておりまするし、ソ連に対しても、内々そういう方向で協力方を申し入れているのではなかろうかという気配もございます。また、ソ連も中国に対しては警告も発しながらも、これが戦争になるような、直接武力介入などというのはいまのところはないのではなかろうか。ただ問題は、雨期とそれから山間地帯ということから考えますと、どうも中国は、私が判断するととかくまた批判が出てまいりますけれども、中国とインドの紛争解決のことが頭の中にあるのではなかろうか。第一の前進目標まで入ってそこで話し合いをしたがインドが応じなかった、そこでさらに進んで第二前進目標まで前進して両方が話し合いができた、こういうことを考えられておるのではなかろうかと思いますけれども、果たしてそれが中国の考えどおりにいくかどうか。雨期は四月であります。もうあとしばらくすると行動も困難になってくる。山間北部地帯に中国が陣を張りましたけれども、ベトナムは話し合いには応じない、こう言って正規軍は後ろの方に奥深く控えておるような感じがいたします。そうすると、中国が山間地をおりるか、あるいはベトナムの正規軍が北に向かうかということにならなければ、第二の紛争の新しい面が出てこないわけでありますから、それに応じない場合には、中国としてはどうやってこれのかっこうをつけるのか。日本の申し入れに対して中国からは、やむを得ずやったことだ、われわれはベトナムと話し合いたいという穏当な話でありますが、ベトナムが果たしてその話し合いに応ずるかどうか、こうなってくると、現在の様相が、これが長期になって複雑化してくるのじゃなかろうか。ただし、これが発展をしていって本格的な戦争になったり、あるいは中ソの対決になったり、あるいは米ソの対決になるということは、これはそのおそれは余りない、このように判断をいたしております。
○渡辺(朗)委員 外務大臣のそのような御発言、私も希望としてそういう事態にならないように期待をしているのですけれども、果たしてどうなるのか。特にいまも御指摘のあった、ソ連政府が発表いたしました声明の中で、ベトナム、ソ連の友好協力条約に基づく義務を遵守するというところに、私、大変に心配と懸念を持っております。こういうような問題が発動しないような状況、こういったものを早急につくる必要があるのではないかと思います。 関連いたしますけれども、ソ連とベトナムが結びました友好協力条約の性格というのは、外務大臣、どのようにごらんになっておられますか。一番最初、たしか十一月でございましたか、これが結ばれたときには、外務省の見解は、これは軍事的条約、軍事的同盟ではないというふうに言っておられました。いまも同じような見解でございましょうか。
○園田国務大臣 純然たる軍事同盟ではないと思いますものの、その条約の中には危機にさらされたる場合には協力するということが入っておりますから、その点は十分注意してみる必要があると思います。
○渡辺(朗)委員 その点、特に第六条のところ、これはやはり大変注目しなければならない条項であろうと思います。 さて、この中越紛争が起こりました、そしてまた中国側のベトナム領内侵攻が始まった、そのときに、各国政府は声明を出しております。ある意味では声明の応酬合戦が大変国際的にいま行われている。日本政府はまだ声明は出しておりませんですね。外務大臣の談話が発表された、こういうふうに理解しておりますが、いかがでございますか。
○園田国務大臣 そのとおりでございます。
○渡辺(朗)委員 その談話は、きわめてこの事態は遺憾であり、北京、ハノイ双方に平和的方法で事態を収拾するように申し入れる、これを在中国大使、在ベトナムハノイ大使、これを通じて相手側政府の方に申し入れるよう訓令をしたということになっている。なぜ談話だったのでしょう、なぜ政府声明ではなかったのでしょうか。声明とするには時期尚早だったと判断されたからでしょうか、あるいはやがて政府声明が出るのでしょうか。さらに、談話と声明ということでは相手に与える印象が違うからあえて談話を選ばれたのでございましょうか。
○園田国務大臣 外務大臣の公式見解というものは、これは重要な国際問題や重要な外交案件についてやるものでありまして、政府の見解発表に比べて重要性は変わらないと解釈をいたしております。 なおまた、今回のことで例を御報告申し上げますと、政府声明を出しました国はベトナムが政府声明を出しておる、それから中国が政府声明ではなくて新華社声明を出しました、ソ連は二月十八日になってから政府声明、それから豪州が政府声明で、他は声明を出しておりません。
○渡辺(朗)委員 私、この問題で大きく論議をしようとは思っておりません。ただ私は、遠く離れたルーマニアにいたしましてもキューバにいたしましても政府声明という形で出ている。一番近いところにいて、しかも大変に利害関係もあるそういうところにおいて、別に外務大臣談話がいけないというのではございません、やはり日本政府からこの問題について声明を出すということが国際世論に訴えてわが国の立場も明らかにし、そしてまた効果というような面からも強いのではあるまいか、こういうふうに考えたからいま申し上げたような次第でございます。 さて、これにまた関連をいたしますが、きのうでございましたか、外務委員会ではなく予算委員会の方で、中国への申し入れは、抗議ではなくしてこれは遺憾の表明であったと訂正をされたというふうに、外務大臣の談話に関連いたしまして記事が載っておりました。これは真意はいかかなものでございましょう。外務大臣は、中国側の今回のベトナム侵攻に対しては、抗議、これを込めての遺憾の意であったと思いますが、いまどのような御見解をお持ちでございますか。
○園田国務大臣 ベトナムに対しても、それから中国に対しても、抗議を申し入れたわけではなくて、見解、意思、要望を申し入れた、こういうことになっておるわけでありますが、なかなか流動的であり、しかもベトナムとも話が通じており、中国とも御承知のような関係がありますので、今後事態をずっと見守りながら、あるいはいまの問題でも声明を出す時期が来るかもわかりませんし、あるいはその他さらに進む状態があるかもわかりませんが、なるべく過早にならないように、早過ぎないように、じっと模様を見ながらASEANの国々とも相談をしておるところであります。 ちなみに、ASEANの国々は、今度の事変について、動乱についてASEAN外相会議をやろうかという意見もあるようでありますが、いま議長格はインドネシアでありまして、インドネシアの外務大臣はただいまASEANを全部ずっと回って、あす、あさって日本に来るわけでありますから、こういう模様もよく検討してみたいと思っております。
○渡辺(朗)委員 前にベトナムがカンボジアを侵攻した際に、やはり日本政府の立場というのは遺憾の意の表明でございました。はっきりとした抗議ではなかった。だから、今回中国側が懲罰的な意味を持って、中国側の発表によればそうでございますが、懲罰的な立場からベトナムに侵攻した場合、同じく日本側としては抗議ができない、こういうことになっているのではあるまいか。 また、私、先ほどの懸念を申し上げましたけれども、ソ連が国境線でいろいろと介入への動きが出てきたとか、あるいは牽制的な動きが出てきたとか、そういう場合に、またこれは遺憾の意を表明するだけであって抗議もはっきりできない。つまり、外務大臣はこの問題について平和的な解決のために全力を注ぐと言っておられる。ところが、その布石が全部全力を注ぐための布石にはならないで、むしろ自分の手足を縛ってしまって、どっちかというとやさしい言葉で遺憾の意を表明というところで終わってしまう、そういうことになりはしないだろうか、こういうふうに心配をいたしますが、この点いかがでございましょう。
○園田国務大臣 見解を表明しただけではなくて、きわめて遺憾である、そうして即時停戦、撤退を強く要請するという趣旨の申し入れでございますから、抗議という文句があろうとあるまいと、私は最大限の意思の表明であると存じます。なおまた、今後の状況に応じて日本の自由な平和への努力をするためには、その方がよいと考えております。
○渡辺(朗)委員 私、いろいろ御努力を本当にしていただかなければ、国民の方が心配で大変だろうというふうに思いますので、ぜひ御努力をこれからお願いをしたいと思います。 その際に、平和的解決、紛争の処理に全力を挙げていただく。これは具体的に日本側として何か調停でも買って出る、みずからそういうような行動をとるという用意をお持ちでございましょうか。その点、いかがでしょう。
○園田国務大臣 調停というのも、思い上がって飛び出すと、これまた恥をかくことになりますわけで、調停というのは、両方が困り、両方が新たな展開を求め、そして日本に協力を頼むという意思が若干でもなければ大変でございますので、そういう場面が来れば努力をしたいと考えておりますが、いまのところはまだそういう段階ではございません。
○渡辺(朗)委員 ちょっと昔のことに返りますけれども、昔といってもついせんだってでございます。私、この委員会で外務大臣にお尋ねをしたことがございます、ベトナム側はアメリカとの国交樹立を求めているのではあるまいか、そうした場合に日本政府としては調停する、それをあっせんするという用意はあるのであろうかと。外務大臣はそれに対して、ぜひやりたいと思っている、こういうようなことがございました。繰り言みたいになりますけれども、もしそういう手が早目に講ぜられていたら、また事態も変わっていたのではあるまいかと思います。タイミングというのが非常に大事だろう。その場合に、いま抽象的におっしゃいましたけれども、どんな条件ができたときには調停とかあっせんとかいうような具体的な行動をとる、そこら辺のめどはお持ちでございましょうか。
○園田国務大臣 ベトナムと米国との間の問題でありますが、これは公開の席上でどういうふうにやったということを申し上げるわけにまいりませんけれども、努力はしておった最中でございます。両方の意思は通ずるところまでは参りました。今後どういう場合に調停に出るか、これは一に中国とベトナムの両国がどのような気持ちでどのようになさるかということで決まるわけでありまして、今後事態を見守っていきたいと考えております。
○渡辺(朗)委員 いまのあっせんというようなことの一つでございますけれども、国連というのはやはりもうちょっと重要視しなければいけないだろうと思います。中国側は国連の介入を断っておりますけれども、やはり中国も国連の一員でございますから、当然国際法秩序を尊重すべきだということで、日本政府側として、たとえば改めて中国に対して国連のあっせんを受け入れろとか、こういうような形を働きかける用意はございますでしょうか。中国の国連介入に対して反対、拒否という立場に対して、外務大臣はどのようにお考えでございますか。
○園田国務大臣 中国は、今回の中越国境問題を取り上げるべきではない、こういう主張をいたしております。なおまた、カンボジア問題と中越国境問題をあわせて同時に審議することにも強く反対をしております。しかしわれわれとしては、国連の場所というのは平和的解決の一つの場所でありますから、他の国々ともよく相談をして努力をしてみたいと考えております。
○渡辺(朗)委員 最後に、これは質問ではございません。御要望申し上げます。 本当にたびたび繰り返しますけれども、いま国民の方で、日本という国はこれから大丈夫だろうか、取り巻く情勢がこういうふうに激変してきている、その中で見通しを立てろと言われてもなかなか立てにくい、こういう状況であることはもう重々わかります。しかしながら、繰り返しますけれども、外務大臣、やはり自分たちの国はこういうふうにしていくのだという行動の指針、そしてまたそういう心構えというものを常に表明していただく、そのことで安心感が幾らかでも増進するのだ、深まるのだ、こういうことをお考えいただいて、御努力のほどをお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 寺前巖君。
○寺前委員 私は、きょうは中国のベトナムに対する侵入について幾つかの問題を聞きたいと思います。 まず最初に、鄧小平中国副首相がアメリカや日本にやってきて、その活動を通じて今日予想できることを言っておったと私は思うのですが、外務大臣はそういう認識を持っていましたか。
○園田国務大臣 中越の国境問題、中国の行動については、アジアの平和のために自重されるべきであるということを前々から要望しておったところでありますが、それに対する鄧小平副主席の発言等はきわめて微妙ではあったが、何かこういうことが起こるのではなかろうかという、予期される状態ではございました。
○寺前委員 一月三十日の米国上院外交委員会主催の昼食会でベトナムへの懲罰が必要だという発言をやっておるようですし、明くる日の三十一日に一部記者団との昼食会でもさらに強めるような発言をされて武力行使を示唆をしておった。それから二月七日に日本へやってきて、大平総理と会談をやっておりますが、この会談でベトナムの行動にはある程度必要な制裁を加えなければならないということを日本の総理にわざわざ言っている。さらに同日、田中元総理との会見の席上では、侵略者に対しては必要な懲罰を与えなければならない、そうしないと今後またいろいろな連鎖反応が起こる。懲罰発言が一連こうやってアメリカ、日本にやってきて公然とやられておったわけであります。 そこで私は聞きたい。 外務大臣は、この鄧小平副首相の発言というのは不当な発言と考えられるのか、それとも正当な発言と考えておられたのか。
○園田国務大臣 わが方は、総理も私もそれぞれ強く、そういう事態になるとそれはアジアの平和を撹乱する、事のいかんにかかわらず力をもって紛争を解決するようなことは断じて反対であるということを強く要望したことからいっても、中国の言ったことをこちらは賛成をしたり肯定をしたりしていないことは事実でございます。
○寺前委員 反対をした、賛成もしていないし肯定もしていない。ということは、きわめて不当、不法なことだ、そういう強い立場に立っておられたと理解してよろしいですね。
○園田国務大臣 いずれにいたしましても、わが日本は力をもって紛争を解決し、軍を動かすことは反対であります。
○寺前委員 十七日の午前五時に中国の正規軍が国境線千キロ以上にわたって二十六カ所からベトナムの領土深く侵入したという事実は否定のできない事実だと思うのです。それは他国の領土を侵している、きわめて明確な事実だと思いますが、この事実は否定することはできませんね。
○園田国務大臣 事のいかんを問わずベトナムに対する中国、同様にカンボジアに対するベトナム、同様であると考えております。
○寺前委員 私は、他国の領土を侵しているという事実については否定できませんねと聞いているのです。中国がベトナムに対して行っている行動は、他国の領土を深く侵している。いいですね。
○園田国務大臣 質問の趣旨がはっきりわかりませんけれども、中国の軍隊が他国に入っていることは事実でありますから、これは否定できないと存じます。 ただし、ベトナムも中国もこれを侵略しているのかどうかということは、お互いに言い分が違う。中国が言っていることは、ベトナムの国境侵犯に対する自衛反撃だと、こう言っているし、ベトナムは明々白々たる侵略である、こう言っているわけであります。
○寺前委員 ベトナムの領土深く入っているということは否定できない事実だ。とすると、それは明らかに領土を侵しているということになるではないか。 私、その次にいきます。 国連憲章は前文であるいは第一条、第二条で平和と安全の維持の目的なり原則なりを指摘しております。その第二条の第三項では、国際紛争を平和的手段によって解決しなければならない。あるいは第四項によって、加盟国は「武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立」に対しても慎まなければならないという指摘があります。あるいは第六章の第三十三条では平和的解決の義務が指摘をされております。そうすると、中国が今日とっている態度というのはこの原則に反しているのではないだろうか。反していると見るのか反していないと見るのかお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 しばしばお答えいたしますとおり、事の経緯、理由のいかんを問わず、力をもって紛争を解決し、他国に軍隊を入れることは反対、こういう意思は表明をいたしております。
○寺前委員 私の質問にお答えをいただきたい。日本の国も国連に加盟をしております。加盟国の一員として加盟国の中で起こっている問題です。 そこで聞きます。 この国連憲章の原則に反している行動を中国がとっている、いや反していない、どちらの立場を日本加盟国としてはおとりになりますか。
○園田国務大臣 反対、即時停戦、軍の撤退、これを強く申し入れているところでありますから、それで御判断を願えれば結構であります。
○寺前委員 率直に言えないというところは一体どこにあるのか、私はそこに問題があると言わなければならないと思いますが、次にいきます。 日中平和条約の前文あるいは第二条に、中国がとっているこの態度あるいは行動というものは反しているというふうに私は言わざるを得ないと思うのです。すなわち「国際連合憲章の原則が十分に尊重されるべきことを確認し、」というのが前提にあります。原則の問題です。それから第二条では「アジア・太平洋地域においても又は他のいずれの地域においても覇(は)権を求めるべきではなく、」「覇(は)権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。」この第二条に、現実的にこの行為、態度というものは反する態度であり、行為だと思いますが、外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○園田国務大臣 わが国のとっておる態度は、ベトナムに対しても中国に対しても、ベトナムのカンボジアに対する行動、中国のベトナムに対する行動、これは完全に一貫した方針で要望し、反対をしているところであります。中国だけに言えないからおかしいというわけじゃありません。と申しますことは、現に軍を他国に入れ、力をもって紛争を解決しようとすることに反対でありますから。ということは、ベトナムと中国の間の平和的解決こそわが日本が望む問題であります。だとするならば、何もそういうことをきめつけることよりも、両方に話ができる態勢にあることが大事であると思うから私は現状で反対、軍の撤退、停戦ということをベトナムにも中国にも言っておるわけであります。
○寺前委員 私はそれでは聞きます。 今日の起こることを予想される一連の事態があったことをお認めになっている。そして総理との会談があった。その会談のことに対する報道を見ますと、日本側のとっている態度は、あくまでも自重だという態度をとっておられるようだ。本当に話し合い解決をするということになるならば、前提として、他国を侵すというようなことに反対だ、抗議をするという態度をとられるとするならば、この段階においてそういう行為をとられるべきではなかったのか。とられたのか、とられなかったのか、御説明をいただきたい。
○園田国務大臣 自重を要望するということは、戦争行動を起こしたり、他国に入ったり、軍の力をもって紛争を解決しようとすることは慎まれたいという意味であります。
○寺前委員 先ほども話がありましたが、日本の政府は中国に対して停戦と速やかな撤退を要求されたようだ。これに対して、中国側は了解をして、わかりましたという態度をとられるのか、とられないのか、一体そこはどうなっているのです。
○園田国務大臣 中国の返答は、やむを得ずやったことであり、ベトナムと話し合いをしたいと思っている、こういう返答であります。
○寺前委員 この回答でよいと考えているのですか。
○園田国務大臣 平和的解決、停戦、軍の撤退、こういう方向にわれわれは今後引き続いて努力するつもりでございます。
○寺前委員 中国かとっている態度は、直ちに停戦をし撤退するという態度をとっていない。この行為なしに直ちに話し合いというのはできないのではないか。とすると、この行為を、日本政府としてはこれを申し入れている以上、このことが基本であるという態度で中国に対して臨まなければならないとするならば、了解をこのままで時を許しておくというわけにはいかないのではないか。日本政府としてこの問題こそ焦点だというならば、もっと強い行動があってしかるべきではないでしょうか。一体、そこはどうされるつもりですか。
○園田国務大臣 中国のことだけおっしゃいますが、わが方はベトナムに対しても中国に対すると同様の一貫した態度をとっておりまして、ベトナムに対しても、カンボジアから停戦、軍の撤退、中国はベトナムから停戦、軍の撤退、これを強く要望しておりまして、今後ともこれは絶えず強く要望するつもりでございます。
○寺前委員 時間がないから私はカンボジアの問題は次の機会に、予算の総括でもやります。これは見解が違います。 いま起こっている問題はベトナムと中国との問題です。もしも中国があえてカンボジアのことについて言って、だからわしは行くのだという立場をとっているということになるならば、ここで引き続きその問題を論じなければなりません。しかし、中国のアメリカや日本に来て言っているときの言葉と今度の侵入の言葉は、確かに言い方は変わってきています。それは現実の国境線の問題として彼らは提起しているからであります。国境線の問題として提起するならば、これは明らかに武力の行為をやることを直ちにとめさせなければいけないじゃありませんか。あるいはカンボジアの問題を云々することによって中国の行動があるとするならば、それはきわめて覇権主義の遺憾な行為だと言わなければならぬことになるのじゃないでしょうか。いずれにしたって、私は中国の言い分は成り立たない言い分だ、不法な言い分だと言わなければならないと思うのであります。 そこで聞きます。ベトナムが中国の正規軍の侵入に対して反撃の行動を起こしている。この反撃の行動は不当な行為とおっしゃるのか、それは正当な、国際法上も認められるところの自衛の行使と言われるのか。一体、外務大臣はどちらの立場をおとりになりますか。
○園田国務大臣 現実の問題として米国が中国に撤退、停戦を申し入れしております。それからソ連の方も、これを拡大しないようにやるのだ、こう言っております。それでも現に戦争は直ちにやむわけにはまいりません。これは現実の問題であります。それをとらまえて、どちらが悪いか、どちらがいいかということは、今後国連の安保理事会あるいはその他で話し合うことでありまして、いま直ちにどっちが悪いかいいかというようなことは、私はそれは現実の解決には資さないことだと存じます。
○寺前委員 私はもう一度あえて聞きます。 ベトナムは侵略を受けている、侵入を受けている。これに対して反撃をするということは、国際法上も自衛権の行使として当然許されることではないのでしょうか。それを待ったをかけるということを日本政府は言える義理でしょうか、言える性格のものでしょうか。ベトナムに対して待ったをかけることができますか○園田国務大臣 私の知る限りにおいては、ベトナムに反撃してはならぬと申し入れをしたことは一つもございません。カンボジアに対する問題を申し入れしているだけであります。両方の言い分は全く違っております。日本の外務大臣として、中国の言い分をここで言う必要もなければ、ベトナムの言い分も言う必要はないわけでありますので、私はこれをじっと見守りながら平和解決の方向に努力をする、こういうことであります。
○寺前委員 私の質問にお答えをいただきたい。中国とベトナムの国境紛争、中国が侵入をしてきた、ベトナムは当然のことながら、向こうに攻め込むという話じゃない、自分の身を守るために反撃をする。そのことは正しいことは正しい、正しくないことは正しくないということを、国連の加盟国としては当然言ってしかるべきである。だから私は、両方とも停戦をしなさい、やめなさいという話ではなくして、ベトナムの反撃は当然の権利としてある、中国が侵入をすること、している事実、これに対して、直ちに戦争をやめて、そして全軍隊の撤収をやって、話し合いをやりなさい、いますべての前提は、中国が戦争をやめて全軍を撤収させる、これこそが話し合いの前提になる、こういう態度を日本政府がとるということが、重要なアジアの平和にとっての必要な見解ではないか。私の見解のどこに間違いがあるか、御指摘をいただきたい。
○園田国務大臣 寺前さんの意見は十分聞いておるわけでありまして、私は、ベトナムが中国の侵入してきた軍隊に反撃することを、反撃してはいけない、これに刃向かってはいけない、黙っておれなんという申し入れをしたことはございません。それだけで結構だと思います。国連の場所で論議されることをいまここで、どちらが国連憲章に従っているか、従っていないか、そういうことは、何の目的かわかりませんけれども、現実に両方に話しかけをして平和的解決を進めていきたいという日本の立場から言えば、反撃することに反対はしていない、やめろと言っていないのですから、それだけで結構だと存じます。
○寺前委員 さっき外務大臣が中印紛争のときの問題をお出しになりました。一九六二年のことであったと思います。中国側がある時点まで軍を出して、そしてそこで話し合いを呼びかける。それで聞かなかったから、もう一度さらに出ていく。そこで話し合いを提起していく。常に武力の威嚇、武力の行使を背景としてやっていくというやり方がとられました。右手で殴って左手で握手を求めるというようなやり方のように私は思います。こういうやり方は解決の道筋のあり方だと外務大臣はお考えになりますか。
○園田国務大臣 先ほどの発言を言っておられるわけでありますが、私は先ほどは渡辺さんの状況判断について、判断を率直に言っただけでありまして、その場合には、第三者として、自分の思想や、自分の気持ちや、希望や、そういうことは言わずに判断しただけであります。中国がいまやっていることはそういう手なのか、そういうことを考えてやっているのではなかろうかなということは言いましたけれども、あるいは中国が言っているように自衛反撃なのか、こういうことはもう少し事態を見守る必要があるからお答えはできない、こういうわけであります。
○寺前委員 そういうやり方がとられてきた場合に、外務大臣はそういうやり方でよろしいという立場をとられるのか、武力の行使を背景とするそういうやり方は、国連憲章の精神から見ても、あるいは今日までのいろいろな問題から考えても正しいやり方だとは考えないという、その考え方の立場を明確にしておいていただきたいということを私は聞いているわけです。
○園田国務大臣 私はしばしばお答えしているわけでありますが、国連安保理事会その他でみんなが相談し合って、この行動はどうであるこうであるという事態で結構であって、国連に出た場合には、日本はベトナムの方の味方だとか、あるいは中国を非難する立場だとか、いまあわててそういうことを答弁をする時期ではない、こう言っておるわけであります。
○寺前委員 けんか両成敗的なあるいはどちらにも加担をしないという言い方、これは正しくないと私は思うのです。自主的な判断というのは、正しいものは正しい、正しくないものは正しくない、これこそ日本外交の基調にすべき性格だと思います。そういう点では、外務大臣の先ほどからの発言というのは歯に衣がかかっているように聞こえるというのは、そこに最大の問題があると思います。 私は重ねて要望します。いまけんか両成敗的な立場をとるのではなくして、中国の軍隊の即時無条件の停戦と撤収こそが、話し合いをする上においてもすべての前提条件になるものである。ベトナムが反撃するのは当然の、それは国際法上も許されるところの自衛権の行使である。日本政府はこういう態度をきちっととって、積極的なこの解決に、国連加盟国の一員としても、あるいは日中平和条約を結んでいる当事者としても、中国の覇権行為に対して抗議をすべきであるという態度を強く外務大臣に要望して、発言を終わります。
○塩谷委員長 依田実君。
○依田委員 きょうは主に日米間の経済摩擦の問題についてお尋ねをしたい、私こう思っておったわけでありますけれども、中国とベトナムとの問題 一つのトピックスでございます。この問題について一、二だけ外務大臣のお考えを聞かせていただきたい、こう思うわけであります。 御承知のように、日中条約につきまして外務大臣御尽力をいただいたわけであります。われわれその交渉の過程で、中国の持っておる基本的な性格、中国の国の性格というものをわれわれなりに考えておるわけでありますけれども、今度のベトナムとの問題が出てきて、われわれが日中交渉の中でややもすると目をつぶっておった、わかっておるけれどもそちらの方に目をつぶっておった中国の特質というものがはっきりあらわれてきたのじゃないか、こういう意味で一つの危惧を持つわけであります。 御承知のように、中国というのはどちらかというと事大主義、権威主義、こういう国でございます。昔から、毛沢東のときから、自分から武器は使わない、こういうことをたびたび宣言しておったわけでありますけれども、今度のような事件が起こりますと、私たちが中国に持っておる歴史観というものの中の一つの事実を見せられたのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。中国の中のいろいろ政情不安定、そういうものがこういう事件になってあらわれてきたのかどうか。あるいはまた、昔から中国というのは外交交渉が非常にうまいようで、肝心なところで一つミスをする、こういうのが中国の長い歴史の中にたびたびあるわけであります。今度も中国の首脳が世界各国を回りましていろいろやっておったけれども、しかしこういう事件が起きると、肝心なところで一つポカをしたのじゃないかというような感じを私は抱いておるわけであります。 そういう意味でひとつ外相に、今度の事件が起こった、その上で、これまで外相が中国に持っていらっしゃった中国観というものがいささかも変わらないのかどうか、この点についてお伺いをしたい。
○園田国務大臣 今度の事件によって、まず第一に日本の国民それからASEANの人々が中国に懸念を持ったことは争えないことだと思います。 御承知のごとく、米国においても中国に対する国民の感情が少し向いてきたのが、またこれで少し足どまりをしたというのも事実であると存じます。そういうことも私は中国には懇々とお話しをし、ASEANの国々が懸念を持つようなことは慎まれたいということを言っているところであります。しかし中国そのものに対する考え方は、私はいまでも変わりません。
○依田委員 中国に対する外相の基本的認識が変わらない、こういうことでございますけれども、それに関連いたしましてもう一つだけ。 新聞などの伝えられるところによりますと、海外の反響の中に、中国にいろいろ武器を輸出するとか、そういうものについてこれからチェックしなければならぬだろう。日本の国はそういうものは売っていないけれども、しかしソビエトから言わせると、日本というのは間接的に中国の軍事力を増強することに肩を持っておるのじゃないか、つまり経済交流をすることによってそういうことをしておるのじゃないか、こういうことを言っておるわけであります。われわれは、それは聞く耳を持ちませんけれども、しかしいまこの事件が起きた中で、対中国経済交流について、いままでどおりいささかも変化なくやるつもりかどうか、この点についてお伺いをしたい。
○園田国務大臣 中国に対する貿易経済、経済交流、こういうものについて軍の強化にならないように十分注意することは大事だと思います。しかし中国との経済交流は政府間交流ではなく援助でもなくて、主として民間交流でございます民間の貿易問題というのは実際にやってみると、御承知のごとく少しは熱が冷めてきたようでございまして、中国と日本の貿易が至上最高のものであるという考え方はだんだんに認識を改められてきたのではないか、こう思います。 今後ともベトナムに対する日本の経済援助、中国に対する経済交流、その点は十分注意しなければならぬと考えておる次第でございます。
○依田委員 以上、二点だけ今度の事件について外務大臣にお尋ねしたわけでございます。 本論に戻させていただきまして、日米間の経済摩擦の問題についてお伺いをさせていただきたい、こう思うわけであります。 御承知のように、いま国会でもいろいろこの問題が出ておりまして、特に電電公社の問題を中心に議論が行われておるわけであります。しかしわれわれが不思議に思いますのは、昨年ストラウス特使とあれだけやりました。そして一年間に近い日時が経過をして、ここでこれだけ日米間の経済摩擦が大きくなってきた、つまりアメリカの中の日本に対する感情が変わってきた。といたしますと、その一年間に何が原因で日米間の経済問題についてこれだけ摩擦が大きくなってきたのか。その原因について外相はどういうふうにお考えになっておるか、その点をお聞かせいただきたい。
○園田国務大臣 いろいろ複雑な要素が絡み合っておることは御承知のとおりでありますけれども、だんだん日米間の問題が東京ラウンド、MTNその他で煮詰まってきて、最後の段階になってきてアメリカの行政府と議会の力関係というものが非常に複雑になってきた。選挙があった、議員の方々の意見は非常に強くなってきた。こういう問題と、もう一つは黒字圧縮の問題がなかなか、一般国民から見て圧縮の方向に向いているというはっきりした徴候が見えないなどということがありまして、だんだんこれが煮詰まって緊張すべき状態になってきたと判断をいたしております。
○依田委員 外相からいろいろお話がございまして、向こうの国内事情もこれあり、こういうことだろうと思うのでありますけれども、われわれは、しかし基本的には、この一年間日本側が、言ったことをやはり守らない、日本というのはアンフェアだ、こういうことに尽きるのじゃないかと思うのであります。御承知のように、日本とは真珠湾の事件がございまして、ただでさえ、日本という国は、日本人というのは、言うこととやることが逆だ、こういう印象がアメリカの中に根強くあるのではないかと私は思うのであります。この一年間、例の七%の問題につきましても、結局、要するに口をぬぐう、こういうことになったわけであります。言うことは言うけれども、しかし実際において、じゃ日本は門戸を開放して本当にアメリカの物を入れるようにしておるのかどうか、どうも口先だけで本質は相変わらずアメリカに門戸を閉ざしておるのではないかという気持ちが積み重なりまして今回のこの現象になっておるのじゃないか、こう思うのであります。ですから、アメリカ側のいろいろ国内事情を責めるのも結構でありますけれども、しかし日本として、基本的にわれわれが本当に口で言ったことを実行しているのかどうか、この辺について考えないといけないのじゃないか、こう思うのであります。 今度の電電公社の問題につきまして、これからちょっと御質問いたしますけれども、この問題についてこれだけ国会で議論になる、これだけ政治問題化する、私はその前にもっと早い段階でこの問題には手を打つべきだったのではないかと思うのでありますけれども、電電公社の方へ、つまり安川さんなどが行っていらっしゃいまして、この問題は並み並みならぬ問題だということを十分説得しておるのかどうか、お話をしているのかどうか、この辺についてお伺いしたい。
○園田国務大臣 安川代表が訪米をいたしました目的はいまの問題ではなくて、大平内閣の基本的な政策、将来にわたる経済運営の方針等について理解を求めるために行ったのが目的であります。したがいまして、安川君の報告では、政府、議会、財界等の有力な方々と会談をしてその目的は大体理解されたと思うが、自分の目的でなかった点でこういう点は大変であるということで、いまの政府調達の問題、関税の問題等は、安川代表が帰ってきて強く言っているところでございます。
○依田委員 この問題は、私も、電電公社のいろいろ言い分というのはよく伺っておるわけであります。その言い分の中でもっともと納得する点も多々あるのであります。たとえば、よく言われておりますように、この問題はつまりカーター政権の中のIBM、この勢力のいろいろやっておるところじゃないかとか、あるいはまたいまの電話システム、これは即コンピューターシステムになっておるわけでありまして、そこへアメリカの電子計算機メーカーの進出、こういうものは将来の日本の通信網あるいはまたそういう技術の基本に関する問題でとても譲れない、そういうようないろいろな意見につきましては私もそれなりに納得しておるところでありますけれども、しかしこの問題はもうすでに政治的問題になっているのじゃないかと思うのでありまして、そういう意味で外相、この問題については政治的な決着をお図りになる意思があるのかどうか、この点についてちょっとお伺いしたい。
○園田国務大臣 この問題は御発言のとおりに政治問題化しつつある、こういうふうに判断をいたします。わが方から言えば、東京サミット、その前の東京ラウンド、こういうことを逆算してみますと、時間的にも相当追い詰められた状況でございます。したがいまして、この問題は、電電公社並びに日本の優秀な電気技術というものを守ることも必要でありますけれども、貿易障害というものをわれわれの方ではなるべく取り除いていきたいという政治的な判断をしなければならぬ時期ではないかと考えております。
○依田委員 私も結局そういうふうになると思うのでありますけれども、この間うちから国会においていろいろ議論がされておりました。特に予算委員会などである政党の方は、こういう問題、アメリカからいろいろ圧力を加えられる、そういうものははね飛ばしてしまえ、いかにも威勢のいいようなことを言っておるわけでありまして、その政党は昔日米安保に反対しておったのでありますから、そういうこともおっしゃるのでありましょうけれども、しかし、私はこの問題をもし政治的に解決をなさるのならば、余り国内の議論がそういう方向へ行かないうちに早く収拾を図るべきじゃないか、こういうふうに思うのであります。そういう意味で、けさ関係閣僚会議が開かれたということでございますけれども、その時期と、けさの閣僚会議の中でどういうお話になっておるのか伺わせていただきたい。
○園田国務大臣 きょうの閣僚会議は、まず安川代表と牛場代表の向こうに行ってきた模様等及び将来についての報告があり、これについて関係閣僚は牛場君を中心にして何とかこれをまとめるように努力をしようということで、結論までは出なかったわけであります。
○依田委員 結局、門戸を開放するについて二つぐらい方法があるのじゃないかと思うのであります。 一つは、電電公社が六千幾らの調達をしておるわけでありますけれども、その中の総量のパーセンテージで要するに解決を図っていく。つまり一〇%なら一〇%、あるいは一五%なら一五%の門戸を開放する、あるいはまたもう一つの方法は、先ほども申しましたように、いま電話システムというのは電子交換機になっておるわけでありまして、そういう意味では、非常に大事なこれからのコンピューター戦略の基本にかかわる問題でありまして、いわゆる中心部品を買うのではなくて、末端部門、たとえば部屋の中の受話器だとか途中の電線とかそういう部門で解決をしていくのか、二通りあるのだろう、こう思うのであります。これは外交交渉でありますから、その手のうちを見せられないかもしれませんけれども、その辺のお考えについて何かあるかどうか、ちょっと伺わせていただきたい。
○園田国務大臣 貴重な御発言として今後解決するための参考としたいと存じます。
○依田委員 この問題は、いずれにいたしましても何らかの形で政治的決着をおつけになる、こういうふうに思うのでありますけれども、ここで大事なことは、アメリカがなぜ日本にこういう状態になってきたかということをぜひこの問題でもお考えをいただきたいのであります。ただ数量何%、門戸を開放した、競争入札にした、実際問題としてやったところがその入札にアメリカは入れなかった、結局アメリカから電電公社への物資調達というのは依然として門戸か実際として狭かった、こういうことじゃ困るのであります。と申しますのは、向こうから出しております例のジョーンズ報告などを見ておりましても、日本という国は形の上では自由化しても、実際いろいろ各種の制限条項を設けて、アメリカか入り込むことについて実際問題としてシャットアウトしている、これが向こうのいろいろな不満の大きな原因になっておるわけであります。 きょうはたまたま大蔵省の方にも来ていただいたと思いますけれども、向こうが挙げておる外国銀行の日本における活動制限あるいはコンピューターメーカーに対する補助金、こういうような問題について向こう側は非常にクレームをつけてきておるわけでありますけれども、この辺の日本側の言い分についてお聞かせをいただきたい。
○平澤説明員 ただいま先生御指摘のように、最近におきまして米国の関係方面等からわが国におけるいわゆる外国銀行の活動等の状況に当たって行政等の面で厳し過ぎるという指摘があるのは事実でございます。しかしながら、これらの指摘につきましてわが方でも具体的にいろいろ検討してみておるわけでございますけれども、事実認識におきましてかなり食い違いがある点もございますし、それからわが国の法制上向こうの言うようにやるのが困難な点もあるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、そういう事実認識等が食い違ったまま双方でいろいろ意見を言っているというのは問題でございますので、この点につきましては十分に向こうと意見を交換しながら、納得していってもらうということで努力をしていきたいと思いますし、アメリカ側の指摘の中でもっともな点がございましたら、それは是正していくという方向で処理していきたい、このように考えます。
○依田委員 外銀の活動問題一つとりましても、大蔵省で伺うと、向こう側は、支店の開設について制限を加えておるのじゃないか。しかしこれは実際問題としては、日本側でも、日本の銀行についても同じように支店の開設については制限を設けておるのだ。あるいはまた向こうの言い分は、向こうから進出してきた中小の外銀でうまくいかなかった、そのために支店長クラスがその言いわけとして、要するに日本という国はこういうふうに活動制限をしておるために私が業績を上げられなかった、本国へこういうことを言っておる。大蔵省の方はいろいろそういうお話をなさるのでありますけれども、しかし、事実としてアメリカ側がそういういろいろなクレームをつけておるわけでありまして、日本側が幾ら、私の方は正しくやっているのだと申しましても、向こうが納得しなければ仕方がないのでありまして、そうなりますと、その辺、いわゆるコミュニケーションギャップといいますか、一番大事な本当の話し合いというものが行われていないじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、その点、外務省いかがでしょう。
○手島政府委員 ただいま大蔵省の方からも答弁がありましたように、私ども外務省の方としても、日本における為替管理をめぐる問題あるいは銀行関係につきましての問題点を外部から指摘されまして、それに対する要望が出てまいりましたときには、誤解のあるものについては十分説明するようにしておりますし、また、私どもでは処理し切れないむずかしい問題につきましては、大蔵省とも十分相談をしながら、先方に対する回答ぶりその他を準備をいたして、先方に誤解のないように説明をしておるところでございます。
○依田委員 時間がありませんから最後に一言。 きょうは日ソ問題に触れる予定でありましたけれども、時間がございませんから省きますけれども、いずれにしても、日本とソ連との関係、最近の情勢を見ておればよくおわかりであります。頼るところは、やはり日米という一番太いきずなをいかにして長く丈夫に保つか、こういうことに尽きるのだろうと思うのであります。そういう意味では、国会の中のいろいろな議論を聞いておりまして、向こうもわれわれの国会の議論をよく聞いておるだろうと思うのであります。そういう中で日米間の経済摩擦というものがこれ以上に発展をいたしまして、日米間の国交について少しでもそごを来すようなことがあると困る、こういうふうに思うわけでありまして、いまの経済摩擦の問題については、外相として早い段階で解決を図られたい、こういうふうに要望させていただきたい、こう思います。 以上であります。
○塩谷委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 グラマン・ダグラス事件にしぼって質問をいたします。 時間が十分しかないそうですから、問題指摘をすることが多いと思いますが、まず、四十七年八月三十一日と九月一日のハワイ会談において軍用機なり民間機の具体的な名前が出たのではないかということが再三論議された際に、外務省はそういうことは一切ないという答弁をしてきた。ところがグリーン氏の発言からやっとE2Cという問題が提起されて、これがはっきりしてきました。 昨年七月五日から七月十九日までわが衆議院のロッキード調査団が訪米をいたしました正式の記録がここにまとめられております。この五十一ページにこういう報告がある。調査団の問いと答えということで載っておりますが、「当派遣団は七月一四日証券取引委員会において、ロッキード事件について、同委員会ロッキード事件主任調査官ぺルリス氏と会談を行った。」つまりSECのロッキード事件の主任調査官ペルリス、この人に派遣団はこういう質問をしております。「日本の裁判では、検察側は「田中・ニクソンハワイ会談においてトライスターの輸入についての話しがあった」ということを言ったかどうかが、問題になっている。事実かどうか答えていただけるか。」これに対してペルリス氏は「私はロッキード社に関する事件調査を直接担当しているので、その間にお答えするには、裁判所の非公開命令によって制約を受けているので、証拠に基づいて事件の内容についてコメントすることはできない。しかし、個人的感想ということであればその話は当時の背景事情を考えると、高度に確実性があるとは言える。それは当時ロッキード社は多額の債務をかかえて財政的に非常な危機にあったこと、一方、同社は米国の重要な企業の一つであり、同社の軍需産業としての重要性を考慮するならば、大統領であったニクソンが同社のためにそのような話をしたであろうということは、一般的には高度に確実性のある話である。」ロッキード事件のSECの主任調査官の答弁であります。「高度に確実性のある」ということは「一般的」ということは言っておられるけれども、確実にあるということですね。裁判所の非公開命令という制約を受けているからということになっておりますが、私はこれは法務省にお伺いしますけれども、ハワイ会談のこのくだりの資料は司法共助によって日本側に渡っておりますか。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 今般の司法取り決めに基づきまして、いわゆる米側資料というものはつい先般わが検察当局が入手したのみでありまして、ただいま鋭意分析、検討中であるということでございますが、いずれにいたしましても司法取り決めによって入手いたしました資料の具体的な内容は、取り決めの条項に従いまして一般に公にすることは禁止されておりますので、何分御了解いただきたいと思います。
○楢崎委員 つまり、当然トライスターの話も出ているのですね。 それから、インガソル氏はついこの二月九日に日本の特派員にこういうことを言っています。「優先順位がE2CよりもP3Cの方がずっと高かった。日本がE2CよりもP3Cを買う見通しの方がずっと強いということで、七二年から七三年にかけての一連の日米間の会談では、米側は私も含めて、」つまりインガソル氏も含めて「はっきりP3Cの名をあげて、日本への提案や要請を続けた。」こうインガソル氏自身が語っておる。私はこれはグリーン氏がE2Cの話を持ち出したときに外務省がお調べになったと同じように、このくだりについてはぜひ外務省がインガソル氏に対して確かめていただきたい。どうでしょう。
○中島(敏)政府委員 インガソルさんの発言があったことを私どもも新聞で拝見いたしましたが、インガソルさんにつきましては、この前予算委員会で外務大臣からも御答弁申し上げましたように、七三年の二月、これはエバリー・鶴見会談でございますけれども、これにインガソルさんも同席しているわけでございます。それから、先ほどもお話がありましたその年の五月にインガソルからのメッセージが来ておって、これにはE2CのほかにP3Cということも例示として挙げているわけでございます。そういう意味で、インガソルさんの言っていること、P3Cにも力を入れていたということはそこらからも推測はつくわけでございまして、これ以上私どもは、インガソルという人がもうすでに民間の人になっていることでもあり、調査をするというような問題ではないのではなかろうかというように考えております。
○楢崎委員 つまり私が申し上げておるのは、ハワイ会談では軍用機と民間機の名前が具体的に出たということですよ。P3CとE2Cとトライスター、そういうことを私は言っておるのです。 もう一つ問題を指摘しておきます。 五月十日にインガソル書簡を鶴見さんが見た、その月の、五月二十九日から三十日にかけて第八回の日米安保事務レベル会議が行われた。ここにマル秘の判を押した書類があるのですが、これはそのときに日本側の態度として話をされたものをまとめたものです。これはまだ白紙還元されて専門家会議がつくられる前です。そのつくられる前に、すでにこう言っていますね。「四次防で研究開発を進め、それ以降において取得を予定している装備については、性能、経費、効率等を勘案してケース・バイ・ケースで検討することとなろう」四次防で研究開発に入っている主なものは、いわゆるPXLとAEWなんですね。だから、専門家会議が開かれる前にもうすでに輸入の方向で話が行われているのです。マル秘資料です。問題だけ指摘しておきます。 それから次に、いわゆる海部メモの件について、時間がありませんから一括してお伺いしておきますが、まず第一番は、この海部メモの重要性というものは、中身が信憑性があるかどうかという問題なんであります。それへのアプローチの仕方としてワン・オブ・ゼム、一つの方法として筆跡鑑定が言われておるのでありまして一だから信憑性に迫るやり方はそれもありましょうが、中身ずばりに切り込んで調査をすることからも真実に近づくことができる、真相解明ができる。 このいわゆる海部メモのうち、ジュッセルドルフのドレスナー銀行の口座番号、これはAUSLAENDER KONTO、これは外国人の口座でしょう。普通ならばAの上にウムラウトがつきますね。しかし、タイプを打つときに、ウムラウトがない場合はAEと書く。Eを余計入れるのですね。これは私は相当ドイツ語のわかった人だと思うのです。だからこれはEが一つ多いということは間違いじゃないのです。むしろ専門的な知識がここに出ていると私はまず思うのですよ。そして、この口座番号はあるのですね。十年前もあったし、いまもある。 それからスイスのユニオン銀行の方です。これは十年前、この四十一年当時はあった。いまは回答がない。あることははっきりしています。それがだれの口座かは正確に言ってわかりません。証人喚問のときにどなたかが、このスイス銀行のは海部さんだとおっしゃっておったようですが、私はそれはまだわからないと思う、それが真実だと思う。これの調査の方法について大蔵省と法務省にお伺いしますけれども、どういう調査の方法がありますか、それが第一点です。 それから次に、これの信憑性に迫る問題として、このシアトルのオリンピック・ホテルのメモに書かれた内容について、F4ファントムのライセンス生産、これのメーカーは、メインは三菱重工になっておるけれども、三菱重工が川崎重工に下請させておるでしょう。それは表面に出ていない。これはこの内容と関係のある問題ですよ。これはシェアがフィフティー・フィフティーになっている。一体真実はどうなっているか、これが二番目です。 それから三番目に、ここにいわゆる横書きの一つの文書がある。これはプルタミナのストーさんが海部さんにやったいわゆるインドネシア石油、LNGに関するもので非常に重要な内容を持っている。つまりインドネシアの石油利権に関係する問題、これは海部さんは英語でサインしておる。これもまた信憑性が問題になるかもしれない。だから私は外務省にかねてからパスポート関係で、たとえばパスポートの申請書、これは日本語と英語で自分でサインを書かなければいけませんから、その資料をぜひひとつ真相解明のために、目的はもう限られておる、この問題の真相の解明のためにのみこれを資料として提出をしていただきたい。以上です。
○平澤説明員 ただいま先生お話かございました外国の銀行の海外にございます預金口座、これにつきましてわが国の行政当局のいわゆる調査の権限が及ぶかどうかということになるのではないかと思いますが、現在のいわゆる国際法上の関係といたしまして、行政法規というのは属地主義ということで、原則として国内に適用されるということでございますので、海外のそういう点につきましては、現段階では残念ながら調査できないということになろうかと考えております。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 いわゆる海部メモなるものにつきましてまずもってお断りしておきたいことは、このメモ自体がかなり古い時代のもののようでございまして、仮に真実性があるというふうに認められましても、そのこと自体にかかわる犯罪はおおむね公訴時効が完成しておるということで、検察当局としてはそのメモ自体を対象として捜査を進めるということは、なかなかできかねる問題でもあろうかと思います。 しかし、今回のいわゆるダグラス、グラマンの問題にこのメモがかかわりを持つと、やはりその内容を解明する必要があるということに相なりますれば、その段階におきまして検察としても所要の措置を講ずることに相なろうかと思いますが、具体的な条項につきましていかなる捜査方法をとるか、あるいはまたどの程度調べるか、このこと自体捜査の具体的な内容にわたる事柄でもございますので、大変恐縮でございますけれどもお答えは遠慮させてただきたい思います。
○塚本政府委員 お答え申し上げます。 三番目の旅券申請書に記載されているサインでございますが、省内で十分熟議をこらしたのでございますが、旅券を取得するために出されました申請書でございますので、その目的以外にこれを出すことは現段階においてはできない、こういうことでございますので御了承願いたいと思います。
○倉部政府委員 第二番目に申されましたF4EJの生産担当会社の問題でございますが、主契約社は三菱重工業で、協力社として川崎重工業かございます。おおむね三菱重工が六、川崎重工が四という割合で分担いたしております。
○楢崎委員 時間がなくなりましたから一問だけさせてください。 この真相に迫るもう一つの問題として、これは後で土井委員の質問とも関連すると思いますが、昭和四十年七月の、海部氏と岸さんの元秘書の中村長芳氏とそれから有森氏、それともう一人、自殺して亡くなられた島田さんは、その当時シアトルの日商の支店長であった。だから島田さんの出入国の関係について御報告を承りたい。 以上です。
○藤岡説明員 お答えをいたします。 お尋ねの日本人の出入国の状況は判明いたしません。と申しますのは、日本人の出入国の記録は昭和四十五年以前、つまり昭和四十五年の十二月三十日以前のものはすべて廃棄済みでございまして、これを把握する方法が今日ございません。あしからず。
○楢崎委員 全然協力する姿勢かないですね、国政調査権に。それだけ申し上げておきます。
○塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時一分散会