外務委員会 第1号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/12/22
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 このたび、外務委員長の重責を担うことになりました。 本委員会はきわめて重要な使命を有するものでありまして、その責任の重大なることを痛感いたしております。各党のベテランの皆様を前にして、はなはだ未熟であり、素養もありませんので、真剣に、ただただ誠心誠意円満な委員会の運営のために努力をいたしたいと思います。 何とぞ理事の皆様方初め委員の皆様方の特段の御指導と御協力を賜りたいと思います。 簡単でございますが、一言ごあいさつを申し上げます。(拍手) ————◇—————
○塩谷委員長 理事辞任についてお諮りいたします。 理事塩崎潤君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 これは、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。 それでは、委員長は愛野興一郎君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○塩谷委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢に関する事項について研究調査し、わが国外交政策の樹立に資するため、関係方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中国政調査を行うため、議長に対し承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○塩谷委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 国際経済の動向、特に多国籍企業の現状を調査し、必要な措置の検討を行い、わが国外交政策の樹立に資するため小委員十四名よりなる多国籍企業等国際経済に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長は委員長において指名し、公報をもってお知らせいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任並びに補欠選任に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出頭日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————◇—————
○塩谷委員長 本日付託になりました北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。 ————————————— 北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件 日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○園田国務大臣 ただいま議題となりました北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結にりいて承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の二件につきまして、提案理由を御説明いたします。この二件は、それぞれ別個の案件ではありますが、経緯上も内容的にも互いに密接な関係にありますので、一括して御説明いたします。 昨年五月二十七日にモスコーで署名された北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定及び昨年八月四日に東京で署名された日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間は、同年十二月十六日にモスコーで署名された二つの議定書によりそれぞれ延長されました。この有効期間は、ともに本年十二月三十一日に満了することとなっておりますので、政府は、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間にこの二つの協定の有効期間をさらに延長する目的でそれぞれの議定書を締結するため、本年十一月十八日以来東京において交渉を行いました結果、本年十二月十五日に東京において、わが方本大臣と先方ポリャンスキー駐日ソ連大使との間でこの二つの議定書の署名を行った次第であります。 この二つの議定書は、いずれも二カ条から成っており、それぞれ右に述べました協定の有効期間を明年十二月三十一日まで延長すること、両政府の代表者は明後年以降の問題に関して明年十一月十五日までに会合し協議することなどを定めております。 この二つの議定書の締結により、一方では、わが国漁船がソヴィエト社会主義共和国連邦の沖合い水域において引き続き明年末まで操業することが確保されることとなり、他方では、わが国は、ソヴィエト社会主義共和国連邦の漁船が明年においてもわが国の漁業水域においてわが国の法令に従って操業することを認めることとなります。なお、漁獲割り当てなどの具体的事項につきましては、ソヴィエト社会主義共和国連邦の沖合い水域におけるわが方の漁獲についての沿岸国として先方の立場にはきわめて厳しいものがあり、政府は先方と鋭意折衝を行いましたが、明年のわが方漁獲割り当て量として七十五万トンが定められました。他方、ソヴィエト社会主義共和国連邦に対する明年の漁獲割り当て量としては、六十五万トンを定めた次第であります。 この二つの議定書の締結は、互いに相まって、両国の二百海里水域における漁業に関する両国の間の円滑な秩序を確保するものであると考えます。 よって、ここに、これらの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○塩谷委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○塩谷委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡田利春君。
○岡田(利)委員 私は、今回議題になりました日ソ及びソ日漁業協定に関連しまして、きのうの参議院の決算委員会において、園田外務大臣は、わが党の小野参議院議員の質問に対して、今日ソ連の提案している善隣協力条約は受け入れられないが、北方領土問題が含まれれば、善隣協力条約と平和条約の交渉を、同時運行したり一本化したりしていろいろな方法があると考えられるという趣旨の説明が実は行われておるわけです。この見解は、従来の政府の見解と違って、日中条約後の対ソ外交の一つの姿勢を示したもの、こう私は受けとめておるわけです。したがって、この面についてもう一歩突っ込んだその真意について、この機会に説明願いたいと思うわけです。
○園田国務大臣 わが国の外交、特にアジアの平和を願うという意味におきまして、日ソの外交関係を推進することはきわめて大事であると考えておりますことは御承知のとおりであります。しかしながら、日本とソ連邦との間の外交関係は、北方領土の問題などもございまして、なかがかまいりません。いままでのようにただ粘り強く一本やりでやっていくということではなかなか見通しもつきませんので、本年国連総会の時期に、日中友好条約締結後ソ連のグロムイコ外務大臣と私は一時間半にわたって会談をいたしました。その際、わが方の出した平和条約案はあなたの方で持っておられる。あなたの方が出された善隣友好に関する条約はわが方で金庫に入れて凍結の状態にあるけれども、しかし、いまや日ソ両方で心から打ち解けて話し合う必要があると思う。そうしなければ前進をしない。わが方は口では強いことを言っておりますが、必ずしも強い一点張りでやっているわけではありません。平和条約、善隣友好条約、こういうものを一緒にして審議するという方法もあるでしょうし、また同時にやるという方法など、いろいろ方法はあるでしょう。そのためにもつと話し合おうではありませんか。ただし、いまあなたの方から出されておる善隣友好に関する条約は、領土の問題が入っておりませんから、そのまま賛成はできません。こういうことを言ったわけでありますが、私が委員会で発言いたしましたのは、それを踏まえて両方から、にらみ合って凍結した状態では日ソ関係は前進しないと考えましたので、こちらも緩みを見せるから、そちらも緩みを見せてもらいたい、こういう意味で発言したわけでございます。
○岡田(利)委員 端的に申し上げて、ソ連の善隣協力条約案、わが国がソ連側にすでに提示をしている日ソ平和条約案には当然領土問題が含まれておるわけです。したがって、この二つの双方の条約案が同時並行的に審議されるとするならば、率直に言って、わが国としてはこれに応ずる十分な用意がある、こう理解してよろしいですか。
○園田国務大臣 これは、今後わが国とソ連の相互理解と話し合いによって決まることでありますから、いまここでどういう審議をやるかということをお答えすることは適当ではないと存じます。ただ、いろんな方法があり、弾力的な考え方を私は持っております、こういう意思表示の段階がいいのではないか、こう考えます。
○岡田(利)委員 今回の漁業協定は、十一月の十八日から漁業交渉が行われて、きわめて実務的な雰囲気のもとで交渉が行われた。この点が従来と違った交渉の雰囲気ではなかったろうかと思います。しかしわが国は昨年に続き、できれば一年間の暫定延長ではなくして、長期協定を結びたいという希望を当初から出していたようでありますけれども、ソ連側は、国連の現在進めている海洋法会議の結論が出るまでは、あくまでも暫定的な協定で臨みたい、こういう態度を再三表明されたようであります。 こう考えますと、結局日ソ間の漁業協定は、海洋法会議の結論が出なければ単年度協定にならざるを得ない、こういうことが今回の交渉の中で認識できたのではないか、こう思うわけです。したがって来年度以降も、海洋法会議の結論が出ない限り、一年延長というような形で単年度の双方の漁獲量を決めたい、こうならざるを得ないと理解してよろしいですか。
○園田国務大臣 わが方が長期を希望し、ソ連は単年度を主張し、結局一年延長になりましたゆえんのものは、ただいまの御発言のとおり、海洋法会議の動向が未定であること。それから二番目には、ソ連の二百海里というのがソ連最高幹部会の暫定法案であるから、暫定法でいつ、どう変わるかわからぬものを基礎にして長期をやるわけにはいかぬ。さらに三番目には、この海域の資源というもの、それは年々評価されるべきものである、こういう三つくらいの理由でソ連は長期に賛成をしなかった、こう思われますが、明年度からの動向は、いま申し上げることは適当ではないと思いますが、その点については、明年からもやはりそういう主張をされるのではなかろうかと思います。
○岡田(利)委員 今次交渉の若干の背景についてお聞きいたしたいと思うわけです。 今回ソ連側は、いわば余剰配分、等量主義という言葉は、交渉の中では一度も用いなかったと承知をいたしておるわけです。しかし、その発想はやはり余剰配分、等量主義の考え方に立って、ソ連側は交渉に臨んだ、こう理解してよろしいのではないかと思うわけです。したがって、今日まで国際漁業交渉の中で等量主義ということを前面に打ち出して、そういう原則に従って二国間の交渉が締結されたという例は、どういう例があるのか、まず第一点承っておきたいわけです。 第二点は、日ソは二大遠洋漁業国家でありますから、そういう意味で、二百海里時代を迎えて、他国の二百海里内で、ソ連は六百万トン、わが国は四百万トンの漁獲の量を揚げていた、こうすでに統計が発表されておるわけです。したがって二百海里後、日本とソ連の、他国の二百海里で失った漁獲の量は、一体どういう数字を示しておるかという点であります。 第三点は、今年度の日ソ漁業協定による日本の八十五万トン、ソ連の六十五万トンの漁獲の実績でありますが、もう十二月終わるわけですから、今年度の落ちつき見込みが大体推定されると思うわけです。したがって、日本とソ連側の落ちつき見込み数量は一体どうなっておるのか、この点について御答弁願いたいと思います。
○森政府委員 第一に、等量主義ということは確かに言いませんでしたけれども、交渉の過程で六十五万トン、日本も六十五万トンだ、こういうことを言っておったわけでございます。そこで、いま御質問の第一の、等量でそれぞれ漁獲量を決めるということにつきましては、少なくとも私ども水産庁といたしまして、外国との交渉に当たって、そういうことで取り決めた例はございません。 それから第二番目の、それぞれ二百海里時代に入りまして、削減を受けて被害を受けておるということは、ソ連側が実は非常に強くその事実を指摘いたしました。私どもに申しますことは、七七年でソ連は、二百海里によって八十万トンを失った、それから七八年には六十万トンを失っておる、百四十万トンを失った、それに対して日本は、生産量は一千万トン以上を維持しておって、失うものはあったかもしれないけれども、とるものも多かったんではないか、したがって被害を受けているのはソ連側だというような例を引用いたしたわけでございます。私どもソ連の海域で百五十万トンかつてとっておったわけでございますから、それが八十五万トンになり、今回、おまえのところは六十五万トンであるというような経過があったわけですが、最終的には七十五万トン、それからアメリカの水域でも約四十万トン、四、五十万トン失っておりますから、まあ約百万トンわれわれも失っておるというわけでございます。ただ、北洋の資源、底魚関係を中心にそういう事実が出ておるわけでございますが、そういうことはともかくといたしまして、今回の交渉で特徴的であったことは、向こうは先ほど申しましたようなそういう事実を非常に指摘した。わが方について多獲性魚、イワシ、サバ、そういうものについて、おれらに相当枠をくれてもいいではないか、こういう主張が一つ基底にあったというふうに思います。
○恩田政府委員 わが国漁船が、ソ連の水域内において与えられたクォータについてどれくらい漁獲しているか、こういう御質問であろうかと思います。これにつきましてはいろいろ漁船からそれぞれの通報機関を通じて先方にやっているわけでございまして、われわれそれは一応わが方も受けて集計はいたしておりますが、全体の通報機関が非常にございまして、はっきりした数字が現在までつかめていないということでございますが、ただやはり魚種の中では、たとえばカニとかエビについてはほとんどノルマに達していると考えておりますし、一部スケソウなんかにつきましてはいま現在十一月、十二月が腹子を持っている時期でございますので、この時期に集中して漁獲が行われておるということで、これらの魚種は相当なところまでいくと考えております。ただ、イカとそれから二丈岩におきますイカナゴ、こういうものにつきましては本年漁況がきわめて悪かったために低い率になるのではないか、特に二丈岩のイカナゴにつきましてはほとんどゼロに近い数字であろう、このように考えております。
○岡田(利)委員 私の記憶では、国際的に等量主義ということを前面に出したのは、ECとソ連との間における交渉でソ連六十万トンに対してECが六万トン、十対一の関係でこれを等量にする、これが国際漁業条約で初めての等量主義の提案であったのではないか、こう記憶しております。それと同時に、いま次長から答弁がありましたけれども、一般的に言われておるのは、ソ連の六十五万トンは、これも空漁場が多くて実際は六割程度より漁獲ができないのではないかということが言われておるわけですね。日本の場合は、たとえば樺太沖のタコ漁の場合は、これは恐らく操業はゼロ。したがって、その間魚種別に考えて八十五万トンの漁獲は無理だというのが常識なわけですね、本来的に言えば。残念ながら落ちつき見込みの数字が発表にならなかったわけですが、今次交渉ではソ連側は六十五万トンのクォータに対してどの程度の漁獲ができると述べられたかどうか、この点お聞きしておきたいと思います。
○恩田政府委員 今回の交渉を通じましてソ連側が一番強く要求してまいりましたのはマイワシ及びサバでございます。私どもいろいろソ連の状況を見ておりまして、やはりソ連の各地域ごとの船団が幾つかございますが、その中でも一部の船団については相当漁獲をしているように聞いておりますが、全体としては現在それほど大きな数字ではなかろうというふうに考えております。
○岡田(利)委員 今次交渉においてソ連側は、従来の実質主義の日本側の主張に対して等量主義的発想で交渉に臨んできた。客観的に言いますと、ソ連側の今回の交渉の総括というものはいわば等量主義、相互主義の立場を原則的には貫いたと評価しておるのではないか、こう私は思うわけです。日本側として今次交渉をそういう面からどういう評価をしておるか、この機会に承っておきたいと思います。
○森政府委員 先生の御質問は恐らくソ連側が六十五万トン、日本側が七十五万トンになったけれども、当初六十五万トンと六十五万トンと言っておった、それで七十五万トンまで認めたけれども、今後やはり等量ということを念頭に置いて交渉してくるのではなかろうかという御質問と思います。私どもも確かにそういうことは一応今後のソ連側の態度として考えられないわけではございませんが、今後一体その六十五の方になるのか七十五の方になるのか、向こうがどういうふうな考え方をするのかということにつきましては、これまた定かに私ども判定はできないわけでございます。もちろん六十五万トンに引き寄せてくるということも考えられますし、逆に今回の特徴は、その割り当て量に対しまして実際に漁獲できる量が確実にとれるような方法、すなわち操業水域の問題あるいは規制の問題、そういうことにつきましての緩和措置を求めてきたわけでございまして、それに対応して私どももそういう態度で応酬をしたということでございますから、むしろ中身を濃くしていくといいますか、そういう考え方で、あるいは今後出てくる可能性もあるし、今回はまさにそういう態度であったということでございまして、今後言わないという保証もございませんが、私どもはやはりこの七十五万トンというのは減船しないで操業できるという線でございますから、これは一歩も譲りたくないというふうに今後も考えていきたいと思っております。
○岡田(利)委員 私に言わせれば、日本側はソ連側の東樺太及び二丈岩水域の若干の漁場の拡大、それと最終的に七十五万トンのクォータ。これを確保する代償として日本側は、第一にはマイワシ、サバの十三万二千トン、これを重点的にふやしたという点、第二点は北海道太平洋岸のオッタートロール禁止ライン内の棒受け網漁業の十—十一月の解禁、第三点はまき網漁業の十一月の解禁、第四点は津軽海峡東部地域での中層トロール及びまき網漁業の十一−十二月の解禁、この四点にわたって譲歩した。実は交渉の結果を総括するとこういうことになるのではないかと思うわけです。 そうしますと、これは沿岸漁業を一つの犠牲の代償として、最終的に七十五万トンの減船を食いとめるクォータを確保したことになる、率直に言えばそういう表現ができるのだと思うわけなんです。ただ私は、これを契機にして今後の交渉の中で着底トロールの問題もあるでしょうし、クォータの問題もあるでしょうし、来年度以降の交渉の中ではさらにこれを風穴として沿岸漁業に重点がかかるとすれば、わが国の漁業政策からいって非常に重大だと思うわけです。そういう点について率直な、交渉を総括しての見解を承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 答弁をする前に一言ごあいさつを申し上げます。 今回、農林水産大臣を拝命いたしまして、今後とも何分よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。 ただいまの御質問でございますが、政府といたしましては、わが国沿岸漁民の利益を犠牲にして単一割り当て量の確保を図った、こういうふうには実は考えておらないわけでございます。今回の交渉における総漁獲割り当て量の交渉に当たりましては、去年とことし引き続きまして減船を回避する、こういうことにわれわれとしては最大の眼目を置いて交渉をしてきたわけで、そこでできる限りの割り当て量を確保していこう、もう一つは操業水域並びに水域別、魚種別の配分の改善ということに努力してまいったところであります。特に漁獲割り当て量の交渉に当たりましては、ソ連側は、いまお話しのように、当初実質的な等量ということをかなり強硬に言っておったことも、これも事実でございます。しかし、これに対しまして日本側としては、資源評価の問題というようなことなどを挙げましてソ連と折衝して、そのためにかなり長く難航してしまった、これも事実でございます。七十万トンから七十五万トンに増加をさせる経過において、確かにソ連側から漁船の操業期間の緩和要求ということがあったのも事実でございます。しかしこれは相手のあることで、全然全部一切いかないというようなことでは、長くなったほかだまた何も得るところがない、こういうようなことを総合考えまして、わが国としては、沿岸漁業者の操業に極力影響を与えない、こういうような観点から交渉全体のバランスも考慮いたしまして、最小限度のものにつきましてはこれは御指摘のように一部期間等のことを受け入れた、こういう経過でございます。
○岡田(利)委員 特に東北海道沖の漁場は、この解禁した期間、サケ・マスの裏作として多数の漁船のサンマ漁業の行われる時期であるという点、同時にこの十月の時期は、韓国の大型漁船が無謀な操業をこの海域で行う時期である。したがって、今回ソ連側に譲歩した漁業と韓国の大型漁船による操業、それにわが国のサケ・マスの裏作のサンマ漁業、この海域にも集中するわけです。したがって、この混乱というものは容易に想像がつくだろうと思います。したがって、漁網の被害等が発生することも当然憂慮されますし、だからこの協定を結ぶに当たってそういう事情について十分政府は把握をされておるわけですが、これが対策については当然考えられただろうと思うのです。もしこういう被害が出た場合には当然補償も伴うものと思いますけれども、この点一体どういうような対策を考えられて最終的な協定に至ったのか、この間のいきさつを説明願いたいと思います。
○森政府委員 確かに、新たにソ連漁船が操業する期間なり区域ができたことは事実でございますが、最初に北海道沖のトロールの禁止区域内におきますまき網あるいは棒受け網の問題でございますが、これはいずれも小型千トン以下の漁船で操業するもの、しかも二カ月ということを棒受け網については認めた。それからまき網につきましても千トン以下で七月から十月までのを十一月まで期間を延ばしたということでございます。それからもう一つは、トロールの禁止区域外の海域につきましてはまき網、中層トロールにつきまして七月から十月までの間認めていたのをさらに十一月、十二月にも操業を延期して認めたということでございます。したがいまして、最初に申し上げましたサンマの棒受け網を除きましては期間が若干延びたということでございますが、いずれもまき網なり棒受け網の問題は、漁法からいたしまして刺し網なりはえなわ漁業との間で問題を起こすということは余りないのではないだろうかというふうに判断をいたしておるということが一つでございます。 それから第二の中層トロールなりまき網につきまして、特にトロールでございますが、トロール禁止区域外で十一月と十二月に操業を認めたわけでございます。これは先生よく御承知のとおり、十一月は向こうも言っておったのですが十一月の前半程度、要するにイワシ、サバの回遊の時期というのがそのくらいで南下してまいるということがございます。それから、ソ連側も実はしけが非常にあって、操業の水域が非常に期間が少ない。しかしソ連側は、大型だからともかく実験的にやってみたいということを申しておったわけでございます。それならば、たっての御要望ですべて円満に片づくというなら、それもひとつ最後の判断として認めたらどうだろうかということで踏み切ったわけでございますから、そういう事情があっての話し合いが行われたということでございます。 しかし、そうは申しましても、先生御指摘のように漁業者に不安を与えるということにつきましては、確かにそのこと自身は心理的な影響をも含めて私はあろうかと思います。そこで、私どもとしましては、そういうことがないよう、取り締まりをともかく来年につきましては強化をする、そして無用なトラブルが起こらないようにする。それから、当然日ソの操業協定に基づきます協定を先方に遵守してもらう、それは強く要請をいたしまして操業上のトラブルなり漁具被害が発生しないように最大の努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○岡田(利)委員 今後毎年交渉するわけですが、私は今回の漁業交渉の結果を見て、この沿岸漁場の開放、これはもうぎりぎりのラインだと思うのですね。これ以上もし他の漁法において、沿岸漁場を代替として日本側が譲るとすれば大変な事態を招くだろうと思うわけです。そういうぴしっと歯どめ、決意があって今回の妥結に至ったものと思うのですが、この点明確にひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○森政府委員 ただいまの御指摘、考え方として私ども同感でございます。今回若干の、強いて言えば確かに譲歩はしたわけでございますが、実はそのかわりといってはあれでございますけれども、千島のオホーツクあるいは太平洋岸あるいは若干日本海も入っておりますけれども、沿岸漁民用のソ連の二百海里におきます枠を、たしか五千トンないし六千トン増加をしております。逆に申しますと去年よりはふえておるわけです。しかも底魚につきましてソ連は非常に抵抗したわけでございますが、その事情を説明いたしましてその枠の拡大に努めたということもございます。しかし、したがいまして考え方といたしましてはできるだけ、もうなるだけあるいは皆無に近いぐらいに、これ以上譲歩はしたくないというふうに考えておるわけでございます。
○岡田(利)委員 問題は、ソ連との場合には棒受けとかまき網でありますけれども、韓国の大型トロール船は、おととい、きのうのテレビにも出て、もう漁船が包囲やして、そしてかぎを韓国漁船にかけて漁民がこれにはい上がって乗り移った、こういう場面がテレビで放送されておるわけです。いま襟裳沖でそういう状況にあるわけです。十月は道東沖においても大体二千トンクラスが十五隻程度操業して、もう日本の方は一番大きいのでも百二十五トンですから、そういう集団的な操業をしておるところに警笛を鳴らして二千トンの韓国漁船が突っ込んでくる、そのために逃げなければ危険にさらされるという状況で操業しておるわけです。本件は、今年の予算委員会でも韓国漁船の問題は私が質問をいたしておるわけですが、ここまで来れば、いままで民間交渉だとかあるいは前の岡安長官が韓国に行って話したとか、向こうの長官が来てこちらとも話をしたとか、そういう次元をもう超えて、政府間協定を結んで政府間交渉をして、そしてこの問題は解決する段階に来ている政治問題だと思うのです。これをこのまま放置しておくことは政治不在だと私は言わなければならぬと思うのですね。この点について、一体政府はどうこれに対処するのか、この機会に明確に答弁願いたいと思うのです。
○柳谷政府委員 外務省といたしましても、この北海道沖の操業問題については非常にその重要性については自覚しているつもりでございまして、その一日も早い解決を望んでおるわけでございます。私どもはやはりこの日韓間の漁業秩序全体ということもございますので、この問題は日韓両国の水産当局の間で、またそれを受けて両国の業界の間で一次的にはお話し合いがあり、解決の道が開かれるということが基本的には望ましいと思っておるわけでございます。伺うところによりますと、明年一月に水産当局間の協議が再度開かれると聞いておりますので、当面はその結果を承知したいと思っておりますけれども、その進みぐあい等を伺いまして、外交ルートにおける話し合いが必要だと考えれば、私どもとしてもこれに真剣に取り組みたいというのが現在の考え方でございます。
○岡田(利)委員 いまの外務委員会でも北海道に北方領土の視察等に参りますけれども、そのときの陳情の一番多いのは、この韓国の漁船の不法操業の問題が一番多いのです。そういう意味で、いま政府から答弁がありましたけれども、とてもその程度の答弁では私は納得ができないわけです。私は北見大和堆における、向こう側が漁網被害に対して網を無理くり日本漁船に押しつけた、こういう証拠も持っております。そのときには水産庁の係官も立ち会っておるわけですね。そういう事件も起きている。ですからもういろいろな事件がこれから起きて、日本の漁民の生命にかかわる問題も発生する状況にずんずんなっていくだろうと私は思うのです。 したがって、韓国の漁場においては、わが国は規制ラインで韓国の二百海里の大体四割近くは日本の漁船は操業が規制・されておるわけですから、外交の相互主義の立場からいっても、いま日本と韓国の間には漁獲の量からいっても大体等量もしくはもう逆転の状況にあるのですから、この段階でなおかつ政府間が、政府レベルでこの問題を解決する方針を持たないということはきわめて遺憾だと思うのです。外務大臣いかがですか。
○園田国務大臣 政府間交渉でいま農林水産省はやっているわけでありますから、農林水産省と緊密に連絡をしながら、御発言の趣旨も考慮しつつ検討したいと考えております。
○岡田(利)委員 後日、また改めてこの問題は重点的に質問いたしたいと思いますので、政府の明確な方針のもとにこれが解決を強くこの機会に要望いたしておきたいと思います。 そこで、今次交渉の中でさらに懸案事項として残っているサケ・マスの漁業交渉等については、何らかの接触を持って話し合いが行われたのかどうか、そういう点について第一点お伺いいたしたいと思います。 同時に、わが党の飛鳥田委員長がいま訪ソいたしておりましてソ連側と会談を持っています。この中で貝殻島のコンブ漁業及び日ソの共同事業について双方合意をしたことは、すでに外務省もこの状況については情報を得ている、こう思うわけです。したがって、この面について、今後政府のいわば許可を必要とするわけですが、前向きで積極的に対処する姿勢が当然望まれるわけですが、この点についての感想をこの機会に承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 情報としては得ておるわけでございますが、正式にまだ詳しく聞いておりませんので、正式に聞きました上で慎重に対処したい、かように考えておるわけでございます。
○森政府委員 前段のサケ・マスの公海漁獲の問題につきまして御答弁を申し上げます。 サケ・マスにつきましては、今回時間的な制約もございまして、直接この問題については話し合いは行われませんでした。ただし、この問題につきましては明年の漁期以降、当然漁業協力協定に基づきます共同委員会の開催なりとあわせまして、明春でも協議を開始する必要があるということで、今後外交ルートを通じまして具体的なスケジュールを決めていきたいといりふうに考えております。
○岡田(利)委員 小型サケ・マス船の水増し事件がことし出漁で表面化いたしまして、最近北海道庁と農林省との間においてこの処理について合意をされた、こう承っております。したがって、以東船は十トン未満のものを二十トン未満、十九・九九に格上げする、五トン未満については十トン未満にこれを格上げする、そして四分の一、すなわち二五%の減船を行う、こういう方針が決められたようであります。一体こういう状況はなぜ発住するのでしょうか。大きいのは五十トンぐらいあるのですよ。三十五トン前後なんというのはたくさんあるわけです。五トン末満が十七トンも十八トンもあるのです。いままではわれわれもこれは慎重に対処してまいりましたけれども、表面化した問題でありますから。そういたしますと、漁業者が勝手に船をつくってやっているんだ、こういうことになるのでしょうか。少なくともこれは国際漁業でありますから、毎年道や水産庁の監視船や指導船がこの海域に派遣されておるわけです。素人だって十トンの船か四十トンの船か見たらわかるわけです。それがここまで破局的な段階を迎えて、ことしは大変なてんてこ舞いをやって、来年に備えて道庁と水産庁はこの問題についていま私が述べたような結論に達して、以東船は九十一杯減船する、以西船については五十八杯減船をする、こういう結論を出したわけですね。しかし、これは漁業者の責任だ、だから漁業者で問題はすべて消化をしなさい、そのかわり船の安全操業の問題を考えたり、あるいはサンマの免許の場合には二十トン以上でありますから十九・九九で抑える、こういうような線で一応押しつけたんだろうと思うのです。しかしこれは行政の責任はないのですか。もちろん道並びに水産庁の責任はないのでしょうか。ないとすれば行政不在だ、こう言い切ることが私はできるんだと思うのです。四分の一減船をすれば乗組員は失業するわけです。したがって、私は何らかの形において行政の一端の責任は果たすべきではないのか、こういう感じがしてならないわけです。融資も全然行わない、すべてやらない、こう言うのでありますから、それはもう行政の責任の全面的回避である、こう言わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
○森政府委員 今回の——今回といいますか、今年起きました小型サケ・マスの増トン問題につきましていろいろ問題を起こしましたことにつきましては、私ども深く反省いたしておるわけでございます。ただ——ただと言うのはおかしいですが、二十トン以上は運輸省で、二十トン未満は道庁が責任を持って測度をするという体制でやっておりまして、たまたま小型サケ・マスの裏作としての底はえなわ漁業でソ連の二百海里内で問題を起こして罰金という事件があった、そこでいろいろ調べてみたところ、トン数の水増しが大幅に行われておるということで、いろいろな事件がその後発生をいたした。それにつきまして先ほど先生御指摘のように、ともかく事実は事実として素直に認めて、ただ本来の趣旨であります能力につきましては、これも妥協でございますが、四分の一減船ということでともかくわれわれも踏み切ったわけでございます。 いずれにいたしましても、道に対しまして芹、ういう指導をしながらここに至ったわけでございますが、その場合に、減船につきまして特別に、このためにある制度を設けて補償するということは、私どもちょっと世間に対してもなかなか主張しにくいのではなかろうか。ただし、現在経常維持安定資金あるいは近代化資金、相当いろいろな制度がございます。その既存の制度につきましては、私どもは現実の漁民の実情を考えますときに、そういう問題につきましては温かい気持ちで融資枠等は必ず確保いたしまして、むしろ自主的な減船が円満に実施できるということにつきましては万全の応援をしたいというふうに考えているわけでございます。
○岡田(利)委員 この機会に二点について、要望いたしておきます。 一点は、特に雇われ船及び漁船も大型化されていますから乗組員も数が多いわけですね。その分が減船対象になるわけです。十九・九九未満に改造できない船が減船の対象になる、これが実態だと思うのです。したがって、乗組員も多いわけです。ですから特に乗組員の生活対策、雇用問題が今国会の最大の焦点になるわけですから、この面については十分配慮をして対策を講じてほしいというのが第一点。 第二点は、どうしても十九・九九に改造できないいわゆる大型船は、どうにもならぬということになれば使えないわけですから、そういう意味で今後登簿船の指定というものは当然出てくるわけですから、これらについても十分実情を考えて対応してほしい。この点、二点申し上げておきますけれども、よろしゅうございますか。
○森政府委員 大変むずかしい問題でございますけれども、先生の御要望のことにつきましては十分検討をさせていただきたいというふうに思います。
○岡田(利)委員 今回、サケ・マス漁業が終わって、サンマ漁業の場合には無理な改造で二隻沈没をしている、こういう事件も発生いたしておりますので、特にこの間の指導をきちっと行われるように要望いたしておきたいと思います。 時間もございませんから、次に三点ほどちょっと伺っておきたいと思うのです。 かつて根室でカニ漁業のペーパー減船補償が、これは解決されましたけれども問題になったことがあるわけです。いままでの漁業補償の中に名義貸しの船の補償やペーパー補償はないと断言できるでしょうか。これが第一点です。 それから第二点は、このサケ・マス漁船に見られるように許可トン数と実際トン数の問題が表面化したわけですけれども、これ以外について問題がない、こう断言できるでしょうか。 第三番目は、いま行われておる第六次サケ・マス定置網漁業の免許について協業化の方向が指導されておりますが、これはスムーズに行っていると水産庁は認識されますか。もし答弁がしづらかったら後でもいいですけれども、イエスかノーかで結構です。
○森政府委員 第一点の名義船というペーパーの船主、そういう問題があってああいう問題が起こったかという御質問でございますれば、私どもの調べた範囲ではそういうことではなかったようでございます。また、そういうものにつきましては意識的に救済金は支払わないという指導をわれわれはしておったわけでございます。そういうことで、今回確かに不明朗な問題ではございますので、しかるべき措置をとるべくただいま道庁と協議をしておるということでございます。 それから、今後そういうことがあろかないか、またほかにそういうことがあったかどうかということでございますが、一つは、業界が話し合って減船をするというたてまえをとって、それに対して政府が救済金を支出するというやり方をやっておったものですから、そういうことにつきまして今後私どもはもうないと思います。また、今後ニュージーランド等に対する減船問題につきましては、むしろ個別的にいろいろ事情を聞いた上で今後支払うべきものは支払っていくことを考えたいと思っております。私どもといたしましては、こういう不明朗なことは絶対あってはならないし、したくはないし、またそういうふうに指導もしてまいりたいと思っておるわけでございます。 第三点につきましては、次長から御答弁申し上げます。
○恩田政府委員 三番目にございました定置の協業化の問題でございますが、これにつきましてはサケの人工ふ化がきわめて良好に推移いたしまして、その効果が現在あらわれているわけでございます。そのために一部の定置業者に非常に偏った収益が上がっておるということもございまして、今回の切りかえにつきましてそれをできるだけ広範に分配するようにということで、特に北海道庁に対して私ども協業化を強く指導してまいったところでございます。現在各地で切りかえの作業が進んでいるわけでございますが、この中で全く問題がないとは思いませんが、方向といたしましては大体うまく進んでいるものと私どもの方は伺っております。
○岡田(利)委員 水産庁長官、私がこの二点について、質問で特に触れたという意味をひとつ十分かみしめておいていただきたいと思うわけです。ここで具体的な問題を提起する気持ちは私はございません。特に本件に触れた意味について、ひとつ十分そしゃくしておいていただきたいということだけを私は申し上げておきます。 最後に、問題は二百海里時代を迎えて、結局自分たちの庭を大事にするということだと思うのですよ。したがって、水産庁の方でも沿岸漁場の開発計画の見直し、強化、こういうものもいま進められておるようでありますが、やはりもう一歩進んでわが国の漁業圏の整備、見直しをする、あるいは漁業の編成がえをしなければならないところはその対応策をとり始める、こういうことが大事ではないかと思うのであります。そして、二百海里の時代でありますから、共同漁業の発展の方向を目指して協力友好関係をそれぞれの二国間で進めていく、また、わが国の優秀な技術を援助や輸出はする。そういう点では、その場その場の対応策で一、二年間推移をしてきた。本格的な二百海里段階に入って、経済水域についても国際的にもう合意に達しているわけでありますから、そういう新しい時代に対応する一つの政策展開、このことがまだ不十分だ、私はこう思うわけです。そういう点について、いままでも検討されておると思うのですが、御所見を承り、特にこの点についての早急な検討の開始、本格的な検討の開始を私は期待をして最後の質問といたしたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 まことに御説のとおりでございまして、新しい二百海里時代ということになってまいりますと、いろいろと考え直していかなければならない点が多々ございます。したがいまして、私どもは、基本的には水産物の安定的な供給ということをまず念頭におきまして、わが国の周辺水域の見直しをしなければならない。それから、沿岸、沖合い漁業の振興もやっていかなければならぬ。そのために漁場の整備あるいは新沿岸漁業構造改善の促進あるいは栽培漁業、サケ・マスふ化放流事業の推進、養殖事業の拡充、こういうものをも積極的に取り組んでいかなければなりません。漁港の整備の問題も同様であります。 それと同時に、やはり海外における漁業外交といいますか、これを積極的に推進をして、新しい漁場の開発、新資源の確保をこれからは特にやっていかなければならないと考えております。 もう一つは多獲性魚、イワシとかサバとかというものの消費の拡大、それから加工技術の開発、こういうようなところに力を入れて、沿岸漁業の担い手の育成というようなことを総合的に、やはり水産問題は日本の半分の重要なたん白資源でございますから、大いに力を入れていきたい、こう考えております。
○岡田(利)委員 終わります。
○塩谷委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 日ソ、ソ日漁業交渉について外務大臣並びに農林水産大臣に質問いたします。 外務大臣にお伺いしますが、日ソの協定の有効期間の延長に関する議定書の第一条二項には「千九百七十九年十一月十五日までに会合し、協議する。」と協定しているにもかかわらずイシコフ漁業相の来日は健康上の理由から、十一月に入ってから日本側からの呼びかけにもかかわらずソ連側は何ら具体的な対応を示さず、一時は東京会議は無理との推測がなされ、十一月十日になってイシコフ漁業相から魚本駐ソ大使に対し、交渉はモスクワで開催したい旨が伝えられたが、結果的にはイシコフ漁業相のかわりにクドリャフツェフ漁業省次官が代表として、予定よりも三日間おくれての十一月十八日開催となったわけであります。その理由としてはイシコフ漁業相の健康上の問題ということのようでありましたが、このことは議定書の協定に反し、かつ外交上の信義にももとるものであり、まことに遺憾と私は考えるわけでございます。 まず、外務大臣はこのことについて、今後将来にもこれは交渉が続くわけでございますので、どういうふうに見解をお持ちであるか、冒頭御答弁を求めるものであります。
○園田国務大臣 御発言のとおりでありますが、イシコフ漁業相が健康上の理由であったことは間違いのないようでございまして、今後こちらも十分注意をしてそういうことがないようにしたいと考えております。
○瀬野委員 私は、これは仮に日本側がこのような状況でおくれたとすれば、向こうから大変な指摘を受けたんじゃないかと思うのですが、日本外交の弱さというか、向こう側は一方的にこのような日にちをおくらせ代理を派遣したということになっております。まことに遺憾であります。来年も再来年も長期協定がなかなか困難な中において一年一年の協定を結ぶということになりますから、十分この点については今後外交上の信義にもとらないようにひとつ注意して交渉を進められるように特に私は要望し、またお願いをしておきます。 さて、今回の交渉に先立ちまして大日本水産会は農林水産省に、わが国の実績確保についての要望書を提出しております。外務大臣もまた農林水産大臣も十分御承知のとおりであります。 その骨子は、一つ、日本漁船のソ連二百海里水域での操業安定化のために長期協定を締結すること。二つに、漁業割り当て量は昨年の八十五万トンを下回らないこと。三、ソ連側は昨年、かけまわし式トロール漁法の禁止を主張した経緯があるが、わが国のかけまわし式トロール漁法は伝統的な底魚を対象とした操業形態であるわけでございますから、五十四年度以降もこれまでどおりの漁法で継続操業できるよう配慮してほしい。この三つが骨子としてわが国の立場を代弁したとも言えることでございました。これに対して、三番目のかけまわし式トロール漁法については、一応解釈の相違があったということでソ連側としてもこれを認めたということになっておりますが、私たちもこのことについては十分承知しておりますけれども、このことについても事前の説明が十分なされていなかったという残念な点がございました。それはそれとして、以上三つの点に対して、ソ連側は等量原則で対抗し、わが国は、サハリンの南側水域、二丈岩水域の西側で新たに操業可能となったものの、漁獲量は昨年より十万トン減となり、特にわが国にとっては重要魚種であるスケトウダラ四万五千トン減、カレイ九千四百トン減、メヌケ七千三百トン減、マダラ一万四千六百トン減、イカ三千五百トン減に対して、ソ連は昨年と同量の割り当てであり、ソ連にとって重要なマイワシ及びサバはソ連の要求どおり四十五万トンの割り当てを認め、中層トロール、まき網、棒受け網についての禁止期間についても部分的に緩和しています。時間の関係で詳しく細部は申しませんが、このようなことから、二百海里体制の中において日本側のこの交渉は後退に次ぐ後退でありまして、まさに弱腰外交と言わざるを得ません。これについて農林水産大臣はどういうふうに受けとめ反省をしておられるか、大臣から御答弁をいただきたい。
○渡辺国務大臣 大日本水産会から御要望のあったことはよく承知をいたしておりますし、私どもも極力そういうような線に沿って交渉をしてきたわけであります。特に、昨年に引き続きまして本俸の交渉においては、先ほども答弁をいたしましたように、減船を回避する、これを最大の眼目といたしまして交渉いたしました。できるだけ割り当て量も確保をする、こういうようなことに努め、操業水域とそれから水域別の漁獲別配分の改善ということにも努力をしてまいったわけであります。しかしながら、交渉が非常にこちらの要求も強く難航いたしまして、それで長引いたわけで、さらに越年をするというようなことになって現実に支障を来すということになっても困る、これらの点も考えまして、沿岸漁業者の操業への影響というものが極力少ないような配慮をしながらソ連に対しては説得に努めて今回の妥結に至ったものである、かように御了解を賜りたい次第でございます。
○瀬野委員 そこで、ソ連側に対していわゆるマイワシ及びサバはソ連の要求どおり四十五万トンの割り当てを認めたわけですが、あえて私はお伺いしておきますけれども、マイワシやサバについて農林水産省はどの程度資源の科学調査に基づいてソ連の増量を認めたのか、その根拠をこの機会に明らかにしていただきたい。
○恩田政府委員 マイワシ資源につきましては、これはある程度長期的な大きな変動をしている資源だと私どもは理解しております。特にマイワシにつきましては、昭和四十一年でございますか、一万トンを割っていったわけでございますが、これが五十一年には百二十万トンを超すような状況で、現在まだ相当高位な水準にあるというふうに私どもは理解しているわけでございます。一方、サバにつきましては、大体伊豆七島の産卵場を中、心といたします太平洋北部サバ群につきましては、従来大体百万トン以上の生産をずっと連続続けてきておりまして、現在の段階ではまだ安定的に推移している、そのように私どもは考えているわけでございます。
○瀬野委員 現在では安定的に推移しておるとおっしゃるが、水産庁も十分御承知のとおり、マイワシ、サバ等の魚種は昨年来豊漁を続けていることは十分承知しておりますけれども、このマイワシ、サバは、豊かなときととれないとき、豊凶の変動が激しいものであります。そこで、長期的な資源調査が必要である、かように思うのですけれども、その点はどういうふうに対応しておられますか。
○恩田政府委員 サバなりイワシ類の豊凶につきましては、その一番根源になりますのは、やはり産卵、さらにふ化いたしましていわゆる稚魚期、ここらの時期にどの程度が損耗するかということが一番の問題になるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、マイワシあるいはマサバの産卵期にはその主要産卵場において産卵量あるいは発生稚魚量、こういうものについて定点的に採取をいたしまして、一応その資源水準を毎年推定して現在やっておる次第でございます。
○瀬野委員 時間の制約があるのでいろいろ細かく聞く時間はございませんが、こういった資源の調査というものを継続的にやっていかなければ、ことしソ連要求の四十五万トンをのんだわけですが、来年、再来年とまた要求が来ますと将来にわたって資源の問題で大変心配をする時期が来る、かように私は思うわけです。その点は十分心して資源調査を図って対応してもらいたい、かように思うわけです。 次に、千島列島等の操業区域は現状のままとされたわけです。これもいろいろ残念でありますが、昨年八十五万トンのクォータは、その割り当て量の六〇%ないし七〇%ぐらい漁獲量というものが見込まれておるんじゃないか。すなわち、枠があっても操業を許された水域や期間には魚がいなかったりして消化されていないというのが現状であります。漁民は水だけもらっても仕方がない、こういうふうに言っております。どのような状況になっているのか、実際に八十五万トンのクォータの消化の見通しがあるのか、その辺を当局はどうつかんでいるか説明を願いたい。
○恩田政府委員 わが国漁船が本年ソ連水域で割り当てられました数量は先生御指摘のとおり八十五万トンでございます。このうち一応主なものはスケトウダラ、イカ、そのほかサンマ、イカナゴ、マダラ等いろいろございます。私どもの方といたしまして、一応いま現在、当然漁期の関係がございますので、すでに漁期の終了したものもございますが、先ほども御答弁いたしましたように、カニとかエビ類、ツブ類、こういうものについてはすでにクォータを十分とっております。ただ、スケトウダラにつきましては、十一月、十二月がちょうど卵を持った抱卵期でございまして、比較的魚価が高いということがあって、いままでこの高い時期にとろうということで漁獲をセーブしてきたという傾向もございまして、現在一生懸命とっている状況でございます。なお、イカとかイカナゴ、特にイカナゴにつきましては本年二丈岩の漁況がきわめて悪くて、ほとんどとっておりませんのが現状でございます。それからまた、本年はイカにつきましては資源量が幾分低かったような傾向もございまして、これらについては漁獲量の達成率はそれほど高くないということが現状でございます。
○瀬野委員 その達成率は大体どのくらいと推定しておりますか。一説には八〇%くらいという話もあるけれども、われわれは六〇%、七〇%くらいにとどまるのじゃないか、かように思っておりますが、どうですか。
○恩田政府委員 私どもがソ連の水域でとりました漁獲量につきましては、先ほど申し上げましたように、それぞれの漁業者の通報団体からソ連にそれぞれ漁業種類別に通報しているわけでございます。これの集計が当然こちらにも参りますが、やはり非常におくれます関係で集計がまだ十分できてない。したがいまして、つい最近の資料は持ち合わせておりません。ただ、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、とり得る魚につきましては非常にいま馬力を挙げてとっておるという実情でございます。
○瀬野委員 日本の二百海里内におけるソ連側の漁獲実績はどのくらいと推定しておられますか。
○恩田政府委員 ソ連の日本水域内におきます割り当て量は先生御存じのとおり全体六十五万トンでございますが、本年はそのうち三十一万八千トンがマイワシ及びサバでございます。ソ連はどうもこの辺に重点を置いてとっているようでございまして、私どもに入っている通報団体別の状況からいいましても、一部の地区のまき網船につきましては相当高い達成率を出しているというところもございますが、それ以外のところにおいてはまだ相当低いような達成率であるように考えておりますが、ちょうどいま金準山から常磐にかけましてマイワシ群を追っている段階でございますので、その状況いかんによって今後の達成率がどうなるかがはっきりすると思っております。
○瀬野委員 農林水産大臣、いまお聞きのとおりですが、この八十五万トンのクォータを消化できないということはまず明らかだと思うのです。というのは、漁場も悪いし、また魚のいる時期等の期間の問題もあるわけです。要するに水だけもらっても仕方がないという漁民の声のとおり、まさにこういった要望する漁場からずいぶん離れているというところに問題がある。 そこで、今回の交渉に当たっては漁場確保にもっと力を入れて交渉すべきだと私は思うのですが、その点は大臣としてはどういうふうに交渉なさったか。また今後の交渉のこともあるわけですから、その辺大臣のお考えを改めてお聞きしておきたい。
○渡辺国務大臣 過去のそういう経験にかんがみまして、クォータだけとりましてもとれなくては何にもならぬわけですから、実際にとれるように十分に配慮をしていきたい、こう思っておるわけであります。今後の交渉に当たりましても、とれない割り当てよりもとれる割り当てをもらうように、そういう点に注意をしてやっていきたい、こう思っております。
○瀬野委員 さらに歯舞、国後、択捉、色丹等のいわゆる四島周辺におけるケガニ、ハナサキガニ等について今回の交渉ではどういうふうに交渉なさったのか、なぜこの漁場確保ができなかったか、その辺の理由をひとつ明らかにしていただきたいと思う。
○渡辺国務大臣 細かい魚種別の各地域での交渉の状況については、実際にそれを担当した事務当局から答弁させます。
○森政府委員 これはかつて五十二年、五十三年と連続して減船を余儀なくされて全面禁漁になっている問題でございますが、本年は特に要望はございませんでしたので、特に話し合いは行われなかったわけでございます。
○瀬野委員 対日割り当て量七十五万トンは漁船の減船を回避できるぎりぎりの線と私は推測いたしております。現在六千七百十隻の漁船があるわけでございますが、これについては当局もことしは減船を回避した、また報道によってもそういうふうに言われております。この回避できたことはまことに結構で喜ばしいことであります。 念のためにお聞きいたしますけれども、事実減船の必要はない、改めて私は確認の意味でお尋ねしておきます。どうですか。
○森政府委員 そのとおりでございます。
○瀬野委員 一方、ソ連側のわが国二百海里内の操業隻数について、昨年の五百三隻に対し三十九隻多い五百四十二隻の大幅増加を日本側は認めております。これはいかなる理由で認めたのですか、お答えいただきたい。
○森政府委員 ソ連側がマイワシ、サバにつきましてその漁獲量を実際にとれるように枠をふやしてもらいたい、異常なほどそれに固執をいたしました。したがいまして、全体の折衝で四十五万トンを認めるということに相なったわけでございます。その関係で主として千トン以下、たとえばまき網も千トン以下でございますし、そういう船を十六隻、それから中積み船と申しまして途中で来て運んでいく船それから加工船を十八隻、あと五隻は別でございますが、こういうことで三十九隻の増枠を認めたわけでございます。 簡単にもう一回申しますと、そういう関係でイワシ、サバを中心にしてそれを能率的に動かしたいということの隻数増加はやむを得ないだろうということで認めた次第でございます。
○瀬野委員 日本側は来年は減船の必要はないというものの、ソ連側に対しては三十九隻の増船を認めている。これは来年また一年一年の交渉になるわけですが、ますます日本外交の弱さというか、ソ連にしてやられたというような感じがしてならぬ、私たちは残念に思っております。こういったことも十分踏まえて今後の交渉にも強力な強腰で当たっていただきたい、かように思うわけです。 さらにお伺いいたしますが、日ソ漁業共同事業がことしソ連の都合で取りやめになったことは御存じのとおりです。このいきさつと五十四年度の対応はどういうようにお考えであるかお答えいただきたい。
○渡辺国務大臣 日ソ漁業共同事業につきましては、本年ソ連から提出された案件のうち、五件について政府としてもこれを認める方向で進めてまいりました。しかしながら、最終段階に至りまして、ソ連側の内部の調整がつかず本年は出漁できなかった、こういうことであります。 この事業については民間ベースで進められるべき性格のものでございますが、今次交渉では協議をされませんでした。クドリャフツェフ次官の表敬訪問の際に、私からもまた森水産庁長官からも、会議を通じて、この五件についての関係漁業者が多額の経費を出して出漁の準備をしておったのですが、できなかったことはまことに残念でありました、この検討をぜひとも継続をしてくださいということをお願い申し上げると同時に、また漁業相に対してもよくお伝えください、こういうことも申し上げたつもりでございます。今後とも、政府間交渉との関係また漁業者相互間の調整、そして事業内容の公正さ等から十分これについては検討を進めてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 農林水産大臣から御答弁をいただきましたが、日ソ漁業共同事業については検討を継続してやる、今後十分検討して進めるということのようです。 そこで、私は老婆心ながらあえてこの席でお伺いしておきますけれども、枠外を認めるということになればクォータが減らされるという心配が片一方ではなきにしもあらずということで、政府はこれを懸念してこの日ソ漁業共同事業の交渉に弱腰になっているのじゃないか、かように思うわけです。そういうことにならぬように、ひとつ強い姿勢で進めてもらいたい、かように思うのですが、さらに重ねて御答弁をいただきたい。
○森政府委員 御指摘の点はごもっともなことでございまして、当初、中川前農林大臣とイシコフ漁業相との間のこの問題につきましては、私ども中川前農林大臣から枠について削減するということは困るということにつきまして、イシコフ漁業相もそれはそのとおりであろうということで話し合いを始めたわけでございます。
○瀬野委員 次に、貝殻島民間コンブ協定についてでございますけれども、御承知のように五十三年度からストップになっているわけでございます。一説にはソ連漁船の日本の港に寄港する問題等がその裏にあるということでいろいろ懸念されておるところでございますけれども、この貝殻島民間コンブ協定について今後どういうふうな方針で進めていかれるか、見通し等を簡潔でいいですからお答えいただきたい。
○森政府委員 これも中川前農林大臣とイシコフ漁業相との間で四月から話し合いが始められました。当時、大日本水産会の会長も同席をいたしまして、大日本水産会とソ連側との間で交渉をやるということで七月に会長が訪ソをいたしましたときにほぼ合意が成立したというふうに私ども理解をしておったわけでございますが、最終的な回答がなくて今日に至った。再びまた来年の漁期に対しまして会長から、七九年、すなわち来年のコンブ漁につきましても同じやり方でやりたいということで、すでに書簡も発せられておりますし、われわれもその線で至急来年のコンブ漁が再開できるように、早い時期に再開できるように善処いたしたいというふうに考えております。
○瀬野委員 さらにお伺いしますけれども、スケトウダラの漁獲量を見ますと、昭和四十八年が三百二万一千トン、四十九年が二百八十五万六千トン、五十年が二百六十七万七千トン、五十一年が二百四十四万五千トン、五十二年は百九十三万一千トン、五十三年はまだデータは出ていませんけれども、この率でいけば恐らく百五十万トンくらいになるのじゃないかと見ております。 そこで、スケトウダラのすり身の需給の動向と加工業者用のスケトウダラ輸入について、原料が少なくて加工業者が大変困っております。こういった日ソ漁業交渉の結果を踏まえて、年々こういうふうに減ってまいりますので、今後割り当てはどうするのか、輸入量の拡大ということについても十分考えていかなければならぬ、かように思うのですが、この点についてもお答えをいただきたい。
○森政府委員 御指摘のように、スケトウが、漁獲割り当てが大幅削減をされたということに伴いましてすり身の問題が非常に大きな問題になったわけでございますが、すり身の歩どまりを向上させるというようなこと、それからすり身の代替の商品が出てきたということ、またかまぼこの消費が落ちるとかいうようなことで、需給がむしろ緩和した状況が一時ございました。しかし最近やや需給か持ち直しているわけてございます。 そこで、加工用のスケトウにつきまして今後どうするかということでございますが、これにつきましてはある程度の輸入がすでに行われてはおります。しかし、なお不十分ということでございますので、本年度から加工用スケトウダラにつきまして新たな割り当ての枠を設定いたしました。 今後とも、すり身を使います加工業界が原料に不自由するということのないように細心の注意を払ってまいりたいというふうに考えております。
○瀬野委員 農林水産大唐にお伺いしますが、北海道の沿岸漁民にとって、対ソ関係の中に韓国漁船による日本の二百海里内の操業で厳しい問題が再三指摘されております。新聞報道等でも十分御承知のとおりであります。政府としては、これに対しどういう対応をとっておられるのか、伺いたいのであります。 また韓国との話し合いを持っておられるか、この点も、時間がもう迫ってまいりましたので、簡潔でいいですから政府の対応のあり方についてお答えをいただきたい。
○渡辺国務大臣 いままでも日韓両国の水産庁同士の話し合いをしてまいりました。来年一月にまたこの話をして、そういう問題の起きないように極力詰めていきたい、こう考えておるわけであります。
○瀬野委員 日韓の問題については十分対応していただきたい、かように要求しておきます。 最後に外務大臣にお伺いしますが、日ソ双方の割り当て量は年ごとに急速に開きを縮め、等量へあと一歩のところまで追い詰められたと言えるのであります。ソ連が今後とも等量主義を持ち出してくることは明らかであります。来年は七十五万トンを確保したとはいえ、価値のあるスケトウダラ、カレイなどの割り当てが、いまも申し上げましたごとく、大きく削減されて先細りとなっております。 一方、ソ連の要求するマイワシ、サバの割り当てを見ましても、これは大幅にふやすなど、わが国二百海里内でも大きな代償を払う結果になったわけであります。 このように毎年繰り返される漁獲割り当て量の変動や減船、出漁問題の不安は、日ソ間の交渉だけに限らず資源ナショナリズムを背景とした国際交渉に共通する問題でもあります。もちろん水産外交については、相互互恵、平和共存に基づく総合的な外交政策を進める中で、漁業実績と安全操業の確保が図られるような取り組み方が不可欠でありますが、今回の日ソ漁業交渉における反省と昭和五十五年度以降の対ソ外交の方針等について、最後に外務大臣の決意を伺っておきたい、かように思います。
○園田国務大臣 今回の交渉でいろいろ御批判、当然でありますけれども、直接交渉された農林水産省の交渉を、私、じっと拝見しておりました。政治的な問題を絡めずに実務的な雰囲気でこの交渉が行われたわけでありますけれども、しかし、ソ連の交渉態度はなかなか厳しいものでございます。これは先般から申し上げますとおり、ECそれからアメリカ関係からソ連が漁業の実績をうんと詰められて、そしてこのためにいまの地域でソ連というものも厳しくならざるを得なかった、こういう点から明年度以降の交渉もいまおっしゃいましたとおり相当厳しいものと私も見通しをつけます。そういう覚悟のもとにさらに日ソの間に相互理解を深め、お互いに相談し合い、お互いに助け合う、こういうことを考えながら日本の漁業を守るように農林水産省と緊密に連絡をしてやるべきであると考えております。
○瀬野委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
○塩谷委員長 渡辺朗君。
○渡辺(朗)委員 漁業協定問題に入ります前に、外務大臣に私、お伺いをしておきたいと思います。 先日の外務委員会で外相は、米中の国交正常化によって台湾をめぐる事情というものは変わってきた、日米安保条約の第六条、極東の範囲、これに台湾を含める必要かなくなったという見解を表明されました。このことについてもう一度外相のお考えをお聞きしたいと思います。 私は米中の国交正常化、これによりまして極東の範囲の中で台湾の扱いに論議が起こるのは当然のことだと思います。だが、わが国として、その論議の論拠が、台湾地域で紛争が起こる可能性がなくなったとする論議であるならば、これは大変に即断ではあるまいかという点を懸念いたします。特に率直に言いまして、中国の路線がいつ何どきどのように変わるかわからない、あるいはまた最近のように伝えられる台湾水域でのソ連の動き、特にソ連の太平洋艦隊、こういったものの増強の動きというようなものがある、このことはわが国の海上輸送路、これに対するやはり大きな脅威にならざるを得ない、こういった問題があるときに、外務大臣、どのように考えたらよろしいのか、この点をひとつもう一度聞かさしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 先般の当委員会で私が、米中正常化に伴って台湾地域というものが極東の範囲から外されるべきであるとか、あるいは極東の範囲に台湾が入る必要性がなくなった、こういう発言は私はいたしておりません。速記録をよく読んでいただくとわかりますが、台湾地域において米中正常化で声明あるいは話し合い、こういうことの経緯からして台湾地域に紛争が起こるという事態は、ほとんどという言葉を使っております。本当は私は全くありませんと言いたいところでありましたが、慎重に、ほとんどという言葉を使ったと覚えておりますが、ほとんどなくなりました。そこで、一年間は米倉条約は続くわけでありますから、一年間は問題がありません。これがなくなった後極東の範囲から台湾が除外されるかどうかということは、関係国の米国及び中国ともいろいろ米中正常化の実態を聞き、かっこれについては相談をした上で決めるべきことである、仮にこれを外すとしても条約をいじる必要はなかろう、こういう趣旨のことをお答えしたわけでありますが、速記録を読んでいただきたいと存じます。
○渡辺(朗)委員 次に、もう一つ外務大臣にお聞きして確かめておきたいと思います。 それは、これもまた先日の他の委員会での御発言でございますが、日ソ平和条約、ソ日の善隣協力条約、この二つのものの同時審議の方針というものをお持ちであるやに聞いております。このことが果たして今日の、先ほども漁業交渉の問題でもあらわれた日ソ間の交渉の厳しさ、こういうものを打開するために、あるいはまた領土問題、こういった問題を打開していくためにも何らかの解決の展望、こういったものを外務大臣はお持ちでそのようなお考えを打ち出されたかどうか、そのような展望がありましたらお教えいただきたいと思います。
○園田国務大臣 この問題についても発言が繰り返すことになりますが、先般の国連総会、いわゆる日中友好条約締結後初めてグロムイコ外務大臣とニューヨークで一時間半お会いしたわけであります。そのとき、いろいろ経緯はありましたが、向こうからは、基本としては、日中友好条約締結後日本がこれを使ってソ連に敵対行為をするものではない、あくまでソ連とはソ連ということで友好関係を進めるということであればその姿勢を見守るという趣旨の発言がありましたが、その際、善隣友好条約を検討をやったらどうだ、向こうはどうしろこうしろという具体的なことではなくて、善隣友好条約はどうだ、こういう話がありました。 そこで、もっと詳しく申し上げますと、私は、わが方からは平和条約の案を出しておる、しかしあなたの方はこれを受け付けない。まあ突っ返しはしない。わが方も、あなたの方から出された友好条約の案は、突っ返しはしないけれども、これを受け取って検討するわけではありません、こう言った。にもかかわらず、外交慣例を無視してあなたの方は案を発表された、こう言ったら、グロムイコ外務大臣は、発表しないとは約束しなかった。これはもちろんされなかったわけでありますから、私は笑いながら、日本とソ連の間、ちょっと停滞をしたかっこうになっておるけれども、今年の一月、モスコーへ行ったときに意見が全く食い違った。それにもかかわらず、飛行場であなたは、いろいろ困難な問題があるけれども、何回も会って話し合えば解決するよと私の肩をたたいたじゃないか、いまこそ日本とソ連は、お互いに相手の立場を理解し、お互いに相互理解を深める、こういう意味で何回も話し合うべきときだと思う、ぜひ話し合おうじゃありませんか、あなたは今度日本においでになる番で、来るということを約来しておられるが、これはもうだめなんですか、こう言ったら、いや、約束したことはやる、ただし、いまここでいつ幾日と日にちを言うわけにはいかぬ、こういう話がありましたから、その際、私は、いろいろな問題で話し合いたいと思う、日本は率直に話し合いたい。そこで、いまあなたがおっしゃった善隣友好条約の案についても金庫の中にしまっておいて、これは検討いたしませんと突っぱねてきておりますけれども、本当に話し合えばいろいろ方法があるじゃありませんか、お互いに相互理解ができて話し合いができればその次にはいろいろ方法があるじゃありませんか。たとえば善隣友好条約は絶対に受け付けぬという一方的な考え方は持っておりません、かたくなな考え方は持っておりません、ただし、いま出されておる友好条約には反対であります。反対でありますが、善隣友好条約と、あるいは平和条約と、両方やるとか少しおくれてやるとか一緒にやるとか、いろいろ方法はあるじゃありませんか、こういう趣旨のことを私はグロムイコ外務大臣に申し上げました。 そこで、私が申しましたのは、これから交渉することでありますから、これを並行してやるとか同町にやるとかあるいは一本にまとめてやるとかいう具体的なことをお約束したのではなくて、決してかたくなな、固定的な考え方ではなくて、話し合いができればいろいろ弾力的な方法もあるし、そういうことも考えぬではない、こういう趣旨のことを言っておるわけてあります。
○渡辺(朗)委員 大変くどいようで申しわけありませんが、いまの弾力的な方法もあるではないか、そこら辺を具体的にいま何かお持ちでございましたら、ひとつ教えていただきたいと思います。
○園田国務大臣 日本とソ連がいろいろな問題で相互理解を深めるために、心を割って話し合うということが大事であります。その話し合いができた先に具体的な問題が出てくるわけでございますので、いま具体的に並行審議をするつもりがあるとか、あるいは一本にするつもりがあるとか、、そういうことを申し上げる段階ではない。ただ、かたくなに拒否し続けているわけではありません、いろいろ方法はあるじゃありませんか。この程度がいまの段階でソ連と話し合おうという、ソ連に対して弾力的な姿勢を見せた、こういうことで私はいいのじゃないか、これ以上の具体的なお答えはしない方がいいのじゃないか、こう思います。
○渡辺(朗)委員 それでは漁業交渉の問題に入らせていただきます。 このたびの交渉は当事者は大変御苦労されたとは思いますが、日中両国の平和友好条約締結後初めて行われた日ソ間における政府の漁業交渉であったという意味合いがあろうと思います。そしてまた同時に、私どもは、円満な妥結ができるだろうかという心配をしておりましたが、いまのような内容で妥結された。 私、まず知りたいのは、この交渉の過程で、ソ連側から日中平和友好条約に関連しての反発というようなものはなかったのであろうか、どうであろうか、そういうものとは完全に切り離された実務的な段階だけに終始したのであろうか。これはこれからの来年度の交渉あるいはその他の案件にも非常に関連のあるところでございますので、どなたかにお聞かせいただきたいと思います。
○宮澤政府委員 今回の漁業交渉は、私が日本側の団長といたしまして、ソ連側のクドリャフツェフ漁業省次官、これが団長でございますが、この交渉団と交渉をいたしたわけてございます。 二つの作業グループをつくりまして、一つは法律問題委員会、一つは実態問題委員会、それぞれ委員長を設けまして審議を重ねたわけでございます。約四週間にわたりまして交渉をいたしました。交渉そのものは、実態におきましても、それから協定の延長問題につきましても、ただいま大臣ほか政府委員から御説明申し上げましたように、大変につらい、苦しいものでございましたし、結果につきましてはまたそれなりの御批判もあるかと思いますが、ただ、私ども、実際交渉に当たりました当事者といたしましては、きわめて実務的に、事務的に事が運んだわけでございまして、ソ連側から日中関係に言及するということはもちろんでございますが、それを暗示するような、あるいはそれを感じせしめるような、そのような政治的なものは全く感じられなかった。これは水産庁におかれても同じであったと解しております。
○渡辺(朗)委員 五十一年度の漁業実績というのは日本は百五十万トン、ソ連が六十六万トン、それがどんどんと減ってまいりまして、日本側の実績というのは大変少なくなってきている。そして従来の実績に基づいて日本側は九十万トンを下回らない量、これを要求したというふうに聞いております。それが七十五万トンになってしまった。これらの経緯から見ますと、七十五万トン、非常にがんばって、減船をしないで済むようだというところで非常にがんばりをされたようでありますけれども、しかし、この数年来の経緯から見ると大変な後退だということが言えるが、そのように考えてよろしいでしょうか。
○森政府委員 確かに百五十万トン、二百海里以前にはとっておったわけでございますから、それがクォータが八十五万トンになり、今度七十五万トンになったということにつきましては、私ども厳しく反省をせねばならないというふうには思っております。 ただ、いままでの過程で、北洋の一千隻に及びます減船を外構なくされたという今日の事態から見ますと、ともかく七十五万トンの判り当てを確保して減船をこれ以上避けたということは、二年連続減船してきたわけでございますが、来年につきましてはともかく現有勢力で操業できるということにつきましては、今後ともその体制を維持してまいりたいし、強く要請をしてまいりたいと思いますが、これが限界であろうとわれわれも思っておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 実績主義というのはもう通らない、こういうふうに認識しなくちゃならないと考えてもよろしゅうございますか。
○森政府委員 ソ連に対する御質問と思います。そこで、ソ連側は日本に対して実績ということは余り言わないのでございまして、ともかくソ連側の物の言い方は、自分らも二百海里によってよその国からクォータを削減をされて、したがって自分たちには余剰はないのだ。しかもほかの水域で操業できない漁船を持っている。それからとる技術も持っておる。したがって自分の水域を開放しなくてもいいんだけれども、ただ漁業をいろいろやってきた日本との従来の長い歴史、それから隣国におきます相互の、要するに大水産漁業国としての友好関係という言葉を私どもは聞いたわけでございますが、そういうものを総合勘案して、ソ連二百海里水域についてもそのクォータを認めましょう、こういうことでございますから、何と申しますか、ともかく私どもは確かに実績は主張はしておりますけれども、実績をそのまま認めるというようなことは言っておらないわけでございます。その辺の意見の食い違いといいますか、そういうことは私も交渉をやりながらはだで感じておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 時間がだんだんなくなってまいりましたので、お聞きしたいこと多々ありますが、あと一、二だけ聞かしていただきたいと思います。 この交渉の実態が、そういう言葉がいいのかどうかわかりませんが、いわゆる等量主義に近づけば近づくほど、わが国の漁業著聞の話し合いというのが大変深刻になってくる、その利害調整というものが水産当局の大きな課題になっていると見ております。これは大変大きな問題でございます。したがいまして、繁木的な方針なりそういったところだけで結構ですから、農林水産大臣、ひとつお考えを聞かしていただきたい。どういう方向でこれから調整しようとしていかれるのか。私は、たとえばソ連二百海胆内で漁獲量の割り当て景の増を図れば、沖合い漁業者は利益がふえるでしょう。しかしながら、同町に、日本二百海里内でソ連漁業の規制緩和が行われれば沿岸漁業者の利益が減ってくる、こういった問題が非常に深刻になってきてます。ここら辺について、基本的な考え方だけでいいですから、ひとつ大臣おっしゃってください。
○渡辺国務大臣 御主張のとおりでございます。これは非常にむずかしい問題でありまして、対ソ関係ばかりでなくて、何分二百海里の全世界的な時代に入ってまいりますと、一千万トンからの魚を必要とするわが国漁業というものを一遍全体的に考え直さなければならぬ。したがって、漁業の外交もこれから大きな柱になってくるわけです。 それから、沿岸漁業を初め、われわれの水域での漁獲という問題についてももう一遍考え直さなければならぬ、栽培漁業の問題も考え直さなければならぬというようなことなど、新しい時代に対応して、いま言ったような現実もあるわけですから、こちらで幾ら強く主張しても、そうかといっていつまでも日宿送って、それで漁期を失することもできないという悩みもあって、今回は、満足とは言えないがまずまずのことであった、こう思っておるわけです。これをいい経験として、日本の漁獲高を守るためのいろいろな方途について考えていきたい、こう思っております。
○渡辺(朗)委員 最後にもう一つ、ちょっと実務的なことでお伺いいたします。 ソ連船による漁具の破損であるとかといった問題が起こっていると聞いております。これらのトラブルに対して、その処理の期間が非常にかかる、こういうこともまた聞いております。この実態についてどうであるのか、そしてまた政府の方針はどうなのか、ここら辺をお聞かせいただきたいと思います。
○森政府委員 ソ通船との関係につきましては、日ソの漁業操業協定が五十年の十月に発効になりまして、モスクワと東京にそれぞれ漁業損害賠償請求処理委員会というものが設けられております。そこで、日本の海域で起こりましたトラブルにつきましては、東京の委員会で受理をいたしましてその審査に当たって、それをモスクワに送るということでございます。現在、東京の委員会で四十三件をモスクワに送付いたしておりまして、一応軌道に乗っておると思っております。 ただ問題は、モスクワに送付されましたものがまだ一件も上げられていないということでございまして、この問題につきましては、魚本大使を通じまして、あるいはこのたびのクドリャフツェフ次官に対しましても、大臣から特に強くこの点を申し入れをしておりまして、向こうもこれについては誠意を持って善処をしてまいるという回答は得ております。いずれにせよ早くこの解決を促進してまいりたいと思っておるわけでございます。 最近におきましては、この操業協定ができましてから事件の発生は非常に激減いたしておりますが、なお若干の事件は発生いたしております。ただ、この問題につきましては、この処理委員会を通じましてむしろ適確に処理されていくものというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○渡辺(朗)委員 その点、早期解決のためにひとつ大いに進めていただきたい、これを要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○塩谷委員長 寺前巖君。
○寺前委員 かなりいろいろ突っ込んで質問もありましたから、できるだけダブるような問題は避けて、抜けているような問題なりあるいは基本的見解なりの問題について主としてお聞きをしたいと思います。 千島周辺の操業問題について考えるということになったら、やはり領土問題は切り離すことのできない重要な問題ではないかというふうに思います。今度の協定を結ばれるに当たって、海洋法会議の動向なりソ連の二百海里暫定決定なり資源の問題なりをめぐって、とりあえず一年間の延長という実務的な処理をしたのだ、いわばそういうような御説明であったと思います。こういう形で次々に実務的な協定だけをやっていったならば、領土問題の実効支配の問題と関連してこれが一つの固定的なものになってしまうということは、だれもが心配する問題であるでしょう。そこに外務大臣として今日、大平内閣のもとにおいて新たな決意を持って臨まれる態度は一体何か、私はみんながその点を求めていると思います。先ほど、るる、国連総会をめぐってお話し合いになったソビエトとの態度の問題を聞かしていただきました。そしてその中で、弾力的な方法でもって今後接触をしていきたい、まずは話し合いをやっていく必要があるだろうというのが外務大臣のお話でした。私は新しい内閣のもとにおいて、外務大臣は、それではこの問題をたな上げにせずに具体的にどういう形でいまから話し合いをされるのか、その具体性について御説明をいただきたいと思うのです。
○園田国務大臣 私が申し上げたのは、弾力的な方法でやろうということではなくて、弾力的な心構えがありますということを申し上げた、こういう趣旨であります。一番問題になっております北方の領土の問題について、政府は一貫していままでの方針を貫いていくわけでありますが、今後、どのような具体的な方法でやるかということは、交渉を前にして申し上げるべきことではないと存じます。
○寺前委員 この問題について外務大臣が来年早々にでもソビエトに行くという計画を持っておられるのか、あるいは総理大臣なりが来年の国会が終わった直後にでも行くと言われるのか、そうでなかったらまたたく間に、十一月の十何日までに次の話をしようと言うて、またこの実務的レベルだかに流れていくことになるのではないだろうか。現実的に足を踏み出すのか、踏み出さないのか、ここの問題が私は重要な位置を占めると思うのです。その辺について、どういう展望で打開を図っていこうとされるのか、相手の動きを待っておって、相手の動きがない限り私は知りませんという態度をとられるのか、そこのところはどういうふうに足を踏み出すのか、踏み出さないのか、説明をいただきたい。
○園田国務大臣 外務大臣同士の話し合いでありますが、これはすでに約束ができておって、そしてこの問題も含めてソ連の外務大臣が今度は日本においでになる番であり、これは向こうは了承しているわけであります。ただ日にちが決まらぬだけであります。今後さらにこれを具体的に詰めていきたいと考えております。 総理の訪ソについては、いまのところはまだ計画や検討はいたしておりません。
○寺前委員 農林水産大臣にお聞きをしたいと思うのです。 千島周辺のこの操業問題について、領土問題が解決をしないからといっていまのままでいいのだろうかどうだろうか。日本の領土としての態度を持っておられるならば、特別にこの地域に対する新たな何らかの提案というものを積極的にソビエトの側にしたい、操業問題をめぐって何か考えがありますか、それとも従来の延長線上をいつまでもこの姿でやっていかれようとするのか、そこのところの態度をお聞きしたい。
○渡辺国務大臣 われわれとしては一刻も早く領土問題を解決したい。これは日本の領土なんですから、そこの話がつけば一番いい話なんです。相手があることであって、外務当局も一生懸命やっておっても、現実にはなかなか解決がつかないということになりますと、やはり日本は北洋漁業あるいは千島周辺の漁業ということは大問題でございますから、残念ながらこれは次善の策として毎年交渉せざるを得ない、そういう状況であります。したがって漁獲高を極力減らさないような形で、しかし、われわれとしても科学的な資源問題ということは無視するわけにはいきませんから、そういうようなものには相談に乗りながら、毎回交渉を続けておるという実情であって、これは当面いかんとも仕方のないことであります。私は一刻も早い解決を望んでおるわけです。
○寺前委員 千島周辺については、わが国の領土という立場から共同の海域として特別な扱いを領土問題の関連のところは提起をするというようなこととか、あるいはまた歯舞、色丹については北海道の一部分下ある、これは軍事占領がそのまま続いている地域である、したがってこの問題については別途取り扱いをやろうではないかとか、領土の問題を含めてそういうことも改めて提起をするという具体的打開策というものは考えられないのか、農林大臣、どうでしょう。
○渡辺国務大臣 これは私がお答えをするよりも、むしろ外務当局の所管事項でございますから、外務省の方から答弁をさせていただきます。
○宮澤政府委員 いわゆる北方四島は、わが国固有の領土として終戦後一貫しましてわが国がその領土権を主張しておるところでございます。ただ現実はソ連がそこを占領いたしまして、わが国の施政権が妨げられておるという現状でございます。日本政府といたしましてはこのような状態を一刻も早く解決して、このいわゆる北方四島の祖国復帰を実現することが最大の眼目でございますが、遺憾ながらソ連が現実に施政を行っております現在の状況下におきまして、日本漁民がその伝統的な操業を安全に行い得るために、ソ連がそこで現実に漁業上の取り締まりを行使しているというそのような実態に即して、いわゆる日ソ漁業協定をつくったわけでございますので、根本は領土問題の解決にあるわけでございますから、それにつきましてソ連が応じません限りは、ただいまのような状態を続けていくほかはないと考えております。
○寺前委員 私は、千島問題についてはちょっと見解が違います。北海道の歯舞、色丹について、この問題は、軍事占領はきわめて明確に国際的にも位置づけられる問題であろう、位置づけられている問題については不法な状態をいつまでも続けておくことはない。あとの領土問題については検討を要する問題がお互いの国際的な約束上の問題からあるだろうけれども、少なくともこの二つの軍事占領については新たな提起をすることがあってしかるべきではないだろうか。外務大臣、どうですか。
○園田国務大臣 千島の問題については、政府とあなたとの意見はやや違っておるわけであります。北海道所属の島々については御発言のとおりであると考えております。
○寺前委員 だから、特別にこの問題については即刻解決をするということを打って出てしかるべきではないか。これをいつまでも打って出ない。例の貝殻島その他の問題もそれとの関連で即座に影響を持ってくる問題であるだけに、この問題だけは急速問題提起をしていく性格のものじゃないだろうか。そういう積極策を提起される気はないのですか。
○園田国務大臣 いままでも、不法占拠であるということを根拠にして、われわれは言っているわけであります。
○寺前委員 ちょっと時間の都合もありますからそれはもうここでおきまして、先ほどの説明の中で漁獲割り当ての根拠の問題でいろいろありました。資源状況についていろいろ質問もあったわけですが、ちょっと端的にお聞きをしたいのです。 こういう交渉をやるときに、ソビエトの側からも日本の側からも、資源の状況が悪くなったとか、いけるとか、抽象的な一般論的な話があって、先ほども、四十一年がこうだったからと、いろいろな話がありました。しかし、考えてみると、魚の動態については、たとえばマイワシやサバは豊漁だから大丈夫だ、こういうお話でしたけれども、昭和四十年のようにマイワシが急にとれなくなってくるという事態も生まれるわけですよ。これが沿岸沖合い漁民の現実の心配になっているところだから、したがって、こういう問題について科学的な根拠を持ってお互いに話をしていく、そういう誠実さが、政治論一般ではなくて、こういう資源問題について論ずるときには必要だというふうに私は思うのですよ。同時に、したがって日本自身も自分の沿岸のこういう資源についての資料をきちんと整備をして提起をするという態度が要るだろう。これは一体どうなっているんだろうか。今度の交渉に当たって、向こうからどういう資料をおもらいになったのか。もらわれたら、その資料を見せてほしいと思うのです。こっちはどんな資料を向こうに渡したのか、どんな資料を出したのか、その資料を見せてほしい。本当に科学的な調査に基づいて資料交換をやるのか、それとも概数的な話で、いけまっせえとか、いけませんでえというような握った話で仕事をしていいるのか。私は、今後、将来にわたって真剣に魚族の保存ということを考えるならば、科学的なデータを出し合うという姿が必要だと思うのです。 そこで質問は、具体的な資料を交換し合ったのかどうか。したとするならば、その資料を全部出して見せてほしい。なければ、今後、そういう科学的なやり方で交渉をやるという態度に日本側から改善をする必要があると思うが、その辺の見解はどうなのか、お聞きしたいと思います。
○恩田政府委員 従来、日ソの漁業交渉に際しましては、それぞれ対象資源につきまして、資源の状態がどうであるかということを毎年双方で議論し合ってきたわけでございます。さらに本年も、時間的関係その他で十分な話し合いができませんでしたが、一応それぞれの資源状態についてお互いの議論をやっております。それからサバ、サンマにつきましては、従来から共同調査ということで一応毎年一回、日本あるいはソ連にそれぞれの両国の科学者が集まりまして、現在のサバなりサンマなりの資源状態について議論を十分行い、さらに交換もやってきておるところでございます。ただ、二百海里時代になりましてから、わが国の調査船がソ連水域に入ることにつきまして、やはり一部の魚種につきましては、ソ連側で調査するからということで、わが方の調査船の調査を認められていない経緯がございます。 ただ、私どもといたしましては、御指摘のように、このような漁業の交渉につきましてはあくまでもそれぞれの資源の問題が一番基礎でございますので、今後さらにソ連側と十分話しながら資源の解明を行い、さらにその上に立っての配分ということに努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○寺前委員 具体的に資料を文書でちゃんと交換しているのですか、してないのですか。それはどうなんですか。今後するのですか。
○恩田政府委員 現在、サバ、サンマにつきましては向こうから毎年資料をもらい、わが方からも提供いたしております。ただ、それ以外の資源につきましては、特に細かい資料の提供は必ずしも行ってない場合が多うございます。
○寺前委員 今後そういうのはきちんと資料を交換し合って検討するという態度をおとりになりますか、こちらからやるべきだと私は思うのですが。
○恩田政府委員 私どもといたしましては、従来から十分な資料を交換して議論をしたいということは向こうに申し入れてあるわけでございますが、現実の段階では十分な資料の提供は受けてないわけでございます。ただ、協力協定に基づきます委員会が来年開かれます。その際にいろいろ資源状況を議論することになっておりますので、さらに従来にも増して十分な資料をお互いに交換するように、そしてその上に立って議論をするようにぜひ働きかけていきたい、こういうふうに考えております。
○寺前委員 北海道にこの日ソ漁業なりソ日漁業について調査に行きましたら、先ほども出た問題ですが、必ず韓国漁船の話が出てきます。私はこの問題について本当に軽視をすることができないと思うのです。日韓の政府間で、民間の交渉も含めて、五十一年の一月以来三年間にわたってこういう問題についていろいろ話し合いをやってきた、こう言うのですが、一部を除いてほとんど進展していない。特に操業水域規制については韓国が頑強に拒否しているというのが実態だということを言われます。先ほどお話を聞いておりましたら、外務省は一月の水産庁の交渉に期待をしているというような発言でありました。水産庁長官はこの問題については、来年に次長会談もあるので、このときに決意を持って対処するというふうに、決意という言葉を使っておられますが、従来の推移から見て、一体どういう解決をするつもりなのか。日本とソビエトの関係においては、緩和をするという問題についてこれだけ大問題になっている。日本の漁民に対しては自主的規制が日本の国民の問題として行われている。ところが、国際的にも国内的にも、そういう資源を大切にしながらやっていこうということをやっているところに第三国の韓国がやってきて、好きほうだいのことを、五十倍も百倍もあるような大型船でもってかきまぜられた日にはたまったものではないというのは、私はそれは漁民の率直な意見だろうと思うのですよ。こういう国際条約を国内的にも大切にしていきたいという気持ちを逆なでにするような第三国の行為に対して、三年もやってきて話のつかなかったものが一月に果たしてうまいこといくのだろうか。どう決着がつくのか。決着をつけられなかったときにはどうするのだ。私は厳しい態度で臨まれるべきだと思うのですが、決着がつかない場合にはどういう態度をおとりになるのでしょうか。これは外務大臣なんでしょうか、農林水産大臣なんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは非常に事態が重大なものですから、いままでの経過を見ましてもいろいろ交渉をやっておるのです。北海道沖の操業についいては三つ問題点がある。操業水域の問題、安全のルールの問題、それから被害処理の問題、この三つの問題がございまして、このうち被害処理と安全操業の問題については、民間の団体の協議で、ある一部を除いて大体合意ができておる。ところが、九月に過去に受た沿岸漁具の被害の処理を中心にして民間レベルで具体的な議論をいたしましたが、これがまだ結論が出ていない。したがって、今後ともこの問題については両国水産庁の間で実務的に話をひとつ煮詰めていこうということになっておるわけです。 先般の日韓閣僚会議においても、中川農林水産大臣と韓国の張長官との間の話し合いによって、この実務著聞の話し合いで至急にこれを煮詰めていくということで去る十月の四日にも会議が行われた。その続きを極力詰めていこうというのが、一月を間もなく迎えるわけですから、そういうところで詰まっていくと、ただ一方的にこっちだけが強行手段をとると言っても——強行手段といったって何するんだと言ったら、これは現実の問題は力というわけにいかないわけです。韓国の周辺でも日本の漁船はたくさんとっているわけですから、向こうの方が強行やられたのではこっちは——こっちは強行ができない、向こうが強行されても実際問題として困る。したがって、平和的に話す以外にはないということで、私は詰まると思いますが、農林省だけやって詰まらぬ場合には当然これは外務省のお出かけも願わなければならぬ、こう考えているわけです。実務的にその前に詰めたいということで鋭意努力をいたしておりますということでございます。
○寺前委員 詰まったら結構なことだと思います。詰めていただきたいた思います。 ところが、現実に詰まらぬ話が韓国との間にはまだ残っている。たとえばあの竹島の問題ですよ。一体どうなっているんだ。九月の日韓定期閣僚会議の後の記者会見で園田外務大臣は、竹島周辺水域の安全操業問題について、「両国は紛争防止の精神に立って対処することを確認した」と言明しておられる。ところが、韓国外務省スポークスマンはその後で、この問題で両国政府は何も具体的合意をしていない、こういう公式見解を発表しています。双方が合意した正確な内容は、この問題で深刻な紛争が生じ、民族感情を刺激するようなことは両国の友好関係のために望ましくないということだったということで、この問題について一向に解決しようという態度じゃない。私が外務大臣にお会いしたときに、こういう問題については文書できちんと申し入れをやらなければいかぬ、それはそうだと外務大臣おっしゃっておる。ところが、一向にそういうこともおやりになった形跡もない。こういうこの九月の日韓定期閣僚会議の後のスポークスマンの話を見ておったって一向に進みそうもないのに、期待をしているような発言をさっき農林水産大臣やっておられるけれども、ほんまにいくのだろうか。 この際、私は韓国の問題に対して外務大臣に改めて聞きたいと思うのです。一体九月の日韓定期閣僚会議以後に、前から問題になっている竹島周辺の安全操業問題で何回折衝されたのか、どのレベルでやられたのか、具体的にまずお答えをいただきたい。
○園田国務大臣 先般の日韓閣僚会議で竹島周辺の漁業操業問題について私が声明を発したということでありますが、それは事実にやや違いまして、韓国の外務大臣と私が同席をした共同記者会見でございますから、私が一方的に言ったわけではございません。その後いろいろな問題があり、紆余曲折があります。時期がおくれておりますが、こちらは積極的にその話を起点として詰めておる段階でございます。
○寺前委員 いや、具体的に何回折衝があったのか、どのレベルでやられたのかをちょっと説明してほしいと思う。
○園田国務大臣 これは文書、口頭、あらゆる方法でしばしばやっております。具体的にいま申し上げる段階ではございません。
○寺前委員 九月五日でしたか六日の新聞報道を見ておりますと、竹島十二海里内での日本漁船の操業問題は協議の対象になり得ないというニュースが新聞に出ています。韓国筋から流れてくるところのこういう情報を見ておったならば、本当にあの竹島問題で毅然たる態度でやると外務大臣おっしゃっておったけれども、現実には少しも進んでいないじゃないか、現実に操業はできない事態のままで来ているんだ。外務大臣、こういう問題について本当に解決するめどをお持ちですか。
○園田国務大臣 両方の責任者が約束したことであり、紆余曲折があっておくれてはおりますが、私はその方向に話がつくと考えております。
○寺前委員 次の漁業の操業時期ですね、竹島周辺でいつもやられる五月ごろですか、あの時期までには解決するめどはお持ちですか。
○園田国務大臣 解決したいと考えております。
○寺前委員 さきの農林水産大臣の話といい、希望的観測だけであって、韓国との問題については少しも進まないように私は思うのです。 ちょっとこの際に聞いておきたいのですが、本当にそういう被害を受けるのは漁民の側です。馬取や島根の三十名ほどの漁業関係者が十月二十七日に水産庁長官のところに陳情にお行きになったようです。そのときに、鳥取の方は一億五千万円とか島根の方は一億円とか、非常に大きな損害を受けたという話を言っておられます。こういう漁業の損失が生まれてきているということに対して一体水産庁としてはどういうふうに対応をしようとしておられるのか。自分の漁場が奪われてひどいことになっている、それが放置したままになっていくとすれば、国家の責任において補償しなければならないという事態が生まれてくるのと違いますか。水産庁あるいは農林水産大臣として、その損害の補償について、言われてきている問題についてどういうふうに対応されるつもりなのか。私は、具体的事実を解決することなしに、相手国にいつまでも期待を求めているようなことを言っているだけでは無責任に終わるように思うのです。どうですか、農林水産大臣。
○森政府委員 竹島周辺の漁業の操業の問題についての補償措置はどうか、こういう御質問でございますが、竹島を含めまして大きく操業しておりますのがイカ釣り漁業でございまして、結局、日本海全体あるいは場合によりましては沿海州までイカを追って漁業をやっておる。その場合に、竹島周辺で先般いろいろ問題がございましてそこへ入れなかったということは事実でございますが、全体のイカ釣り漁業がどうであったかということでわれわれは判断をいたすべきものというふうに考えておるわけでございます。そういう意味から申しますと、確かに当時いろいろ問題がございましたが、全般的に見ると最近は竹島には漁場が形成されてない、ほかのところでいろいろ漁業が行われているということで、そう大きな影響があったとは考えておりません。また、国といたしましても外交ルートを通じていろいろ交渉しているさなかでございますから、こういう問題につきまして私ども政府が補償措置を講ずるということは考えてはおりません。ただ、こういう実態上、もしこの地域の操業に伴いましていろいろ影響があるとすれば経営の維持安定が困難であるという場合には、私どもとしては特別に長期、低利の融資を融通するということも考えてまいりたいというふうに思ってはおります。
○寺前委員 時間があれなんで残念なんですが、農林水産大臣に私いまの件についてもう一言だけ聞いておきたいと思います。 漁業の損失問題について、全体的な観点で見たら損害というものは大したことはないのだといういまのお話だったと思うのです。ところが、現地の人はやはりそうは言わないのです。ですから、鳥取、島根の漁業関係者とよく協議をして、どういう対応をしたらいいのかということをもう一度検討してみるべきである、大臣、どういうふうに思われるか、それが一つ。 それから、いまも経営上の問題について特別に考えるとするならばというお話がありました。やはり特別な事情下にあるのだから、せめて無利子、長期償還の融資を考えてくれぬかという問題提起を現地の人がしておられるのです。これについてぐらいの責任はおとりになってもいいのじゃないだろうか、私は大臣にこの二つの点をお聞きして、韓国の問題に対して積極的な態度で臨んでいただきたいということをお願いしたいと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 基本的にはそういうようなトラブルが起きないようにすることが一つ。 それから、部分的な問題については先ほど長官からお答えをいたしましたような救済措置といいますか、経営の確保のための援助、こういうものをやっておるわけであります。
○寺前委員 時間が来ましたので終わります。
○塩谷委員長 伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 ことしの九月に、本外務委員会で北海道へ北方領土問題の視察に参りました。現地でずいぶんいろいろな強い要望が出されまして、零細漁民のわれわれだけがなぜこんなに長い間苦しまなければならないのか、政府の北方の漁民に対する指導的な役割りをもっと積極的に果たしてほしいという要望が非常に強くありました。その中で特に重要な点、その後も依然として進まない重要な点だけ御指摘をして、今後の方針をお尋ねしたいと思います。 昭和五十年の十月に日ソ漁業操業協定が結ばれました。これは、わが国の沿岸水域におけるソ連漁船団の操業に伴ってわが国の沿岸漁民の漁具等に多大な被害が続出をして、事故の防止あるいは事故被害の円滑な処理を図るために結ばれたわけであります。この協定に基づいて損害賠償請求処理委員会というものが東京とモスクワに設置をされたわけであります。この八月現在でわが国漁業者からの損害賠償請求の申請は九百七十五件、七億七百三十六万円相当、東京での審議件数は二百七十六件、モスクワへ送付した件数は二十九件ということになっておるわけでありますけれども、実際に解決を見たものは実はいまだ一件もないわけでございます。特に地元の漁業者は、賠償が一日も早く解決されるように外交的な努力をしてほしい、特に現地の経済的な打撃はきわめて大きい、こういう要望が出ているわけでありますが、政府はこの問題について今後どのように対処するか、お答えをいただきたいと思います。
○森政府委員 ソ連に対します漁業賠償請求の問題でございますが、ただいま御指摘の数字、若干新しい数字で申しますと、私どもが東京委員会で現在までに受理しているのは九百七十五件、そのとおりでございますが、三百五十七件を審査いたしまして、補正の上四十三件をモスクワにいま送付しておるというのが一番新しい数字でございます。ただ、結論として、モスクワの委員会におきましてすでに二年近く経過したけれどもまだ第一号、第二号案件が現在まで解決に至っていないということは確かに御指摘のとおりでございます。そこで、この問題につきましては再三ソ連側にこの促進を要請いたしておりまして、魚本大使を通じて促進方をイシコフ大臣に申し入れたことが一つ。それからもう一つは、ごく最近、日ソ、ソ日の漁業交渉で来日しましたクドリャフツェフ次官に対しまして私どもの大臣から特に強く要請をいたしました。向こうもイシコフ大臣にかたくこの旨は伝えて善処するという確約を得ておるわけでございます。したがいまして、今後この問題につきましては、私どもは事態の解決につきましては相当進展をするというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 貝殻島周辺の海域におけるコンブ漁については、いろいろきょうも実は御議論がありました。当該地域でのコンブ漁によって、昭和五十年には五億八千六百万円、五十一年には七億四千八百万円の水揚げ高があった。これはもう地元の漁民にとってはまさに死活の問題でありまして、一日も早く操業ができるようにしてほしいという要望が強く出ているわけでございます。これは政府としては、今後どういう形で具体的に取り組んでいくのか。 時間がありませんから、私はもう一点あわせて。社会党の飛鳥田委員長の訪ソ団の会談の内容について報道がされているわけでありますけれども、日ソの漁業共同事業も来年は実施をするという二つの了解の上に立って、コンブ漁、共同事業ともに、今後は社会党が中心となって組織する団体を窓口にして行うことを確認をした、こういう報道がされているわけでありますけれども、政府は今後どのような態度で臨むのか、基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
○森政府委員 コンブ漁につきましては、非常に長い歴史がございまして、貝殻島の優良なコンブ、零細な漁民のことを考えていろいろやってもらってきたわけでございます。しかし、昨年の漁業交渉の際に、領土問題をめぐりましてこれが中絶になってしまった。そこで、ことしのサケ・マス交渉の際に、中川前農林大臣から強くこの問題について申し入れを行いました。イシコフ大臣も、大日本水産会と向こうの責任者と話し合いをさせるということで交渉が再開されまして、ほぼ妥結を見たというふうに私どもは考えておったわけでございますけれども、現実にはついに実現を見なくなったということでございまして、非常に私どもも残念に思っておるわけでございます。しかし、この問題につきましてはこの再開を早くするようにいろいろ申し入れを行いまして、今後別の障害のない限り、再開は私どもは達成されるものと期待をいたしておるわけでございまして、一日も早く再開できるように、六月の十日からの大体漁期に相なろうかと思いますが、それまでには何とか円満に解決をいたしたい、または努力をいたしたいというふうに考えております。 飛鳥田委員長の交渉の問題につきましては、大臣からお答えをいただくのが適当かと思います。
○渡辺国務大臣 社会党委員長とソ連の担当者との会談の内容については、情報として聞いておりますが、具体的なことを正式に聞いたわけではございませんので、いずれ具体的な正式な話を聞いた上で、それらについて検討をしていきたい、こう思っております。
○伊藤(公)委員 前任者の中川農林大臣は、大日本水産会を窓口にして協定を結んでほしい、こういう方針できたわけでありますけれども、大臣としては今後どういう態度で臨まれるのでしょうか。
○渡辺国務大臣 いままで大日本水産会を窓口としていろいろ交渉があったわけでございますが、中断をされておる。したがって、どうなるのか、どうなったのか、今後ともこちらとしてもいろいろ話し合いをしてみたいと思っております。
○伊藤(公)委員 関連をして、ソ連はかねてソ連船の燃料補給あるいは船員の休養等のために日本に寄港させてほしい、こういう要望を出されてきたわけでありますけれども、この問題については今後どういう姿勢で臨まれるのでしょうか。
○森政府委員 外国漁船のわが国への寄港につきましては、外国人漁業の規制に関する法律がございまして、緊急避難ですとか、外国の積み出し漁獲物の証明があるというような場合を除きまして、農林水産大臣の許可が必要ということになっておるわけでございます。そこでソ連の漁船の寄港につきましては、従来は御承知のように、本州なり北海道の沿岸におきましてソ連漁船との間に漁具紛争が多発いたしましていろいろ問題が出ました。しかし昨年の七月からわが国の領海が拡大されたということ、それから八月にソ日の漁業協定ができまして、日ソ岡の漁業の操業につきまして秩序ある体制ができ上がったということもございまして、昨年の十一月以降、ソ連漁船の修理だけを目的といたします寄港につきましては、直接わが国の港へ入って帰るというような場合にはケース・バイ・ケースでこれを認めるという態度できておるわけでございます。したがいまして、単なる寄港ということにつきましては、私どもはその必要性は認めておらないというのが現状でございます。
○伊藤(公)委員 いろいろ問題があるということはよくわかるわけでありますけれども、ソ連側のこの要求に対して、やはり弾力的にこちら側も応じていくということが、今後の日ソ間の問題を解決していく上にも大事な問題ではないかというふうに思うわけでございます。あわせて、社会党の訪ソ団が提案をしている修理をするという場合に限っては寄港を認めたらどうか、こういう提案をされているようでありますが、こうした点も含めてどういう形で進められるのか、基本的なお考えだけを聞いておきたいと思います。
○森政府委員 私どもは、いま御指摘の問題に対しましては、ソ連の港から直接にわが国の港に参りまして修理終了後ソ連の母港に帰るということなどができるならば、それはケース・バイ・ケースとして認めていくという方針で処理をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 ソ連の二百海里漁業専管水域の実施をされた後、北洋海域を締め出された韓国の大型トロール漁船団が北海道沿岸にわたって禁漁区域あるいは禁漁期間の規制を無視して操業していて、漁民に非常に大きな被害を与えている。これは実はことしの九月、われわれが北海道に行きましたときにもこの問題はずいぶん要請をされたわけでありますけれども、韓国の北洋漁業振興会と協議を重ねているけれども、民間レベルでは解決ができない、政府に対して再三対処方を要望してきたけれども、まだ進展を見るに至っていないという実情を訴えているわけでございます。いままで政府はこの問題に関しては御議論もありましたけれども、どのように対処してこられたのか、御説明をいただきたいと思います。 続けて御質問をします。 韓国側は、この規制区域は公海上であるから、日本の国内法の規制は受けない、こう言って強く主張しているわけでありますけれども、もちろん法的には確かにそのとおりであると思いますけれども、漁業資源の保護という立場からいいますと、規制を双方が尊重していくということが両国の漁業関係を円滑に運営をするということになると思いますけれども、今後政府はこの問題に対してどう対処していくか、お考えを聞きたいと思います。
○森政府委員 先生御指摘のように、確かに九月の時点まででは民間のレベルでのいろいろな折衝を行っておったわけでございますが、先般の日韓閣僚会議におきまして中川前農林水産大臣と張長官の話し合いで水産庁ベースの話に、一種の政府ベースではございますが、民間に対しまして政府ベースの話をさせよということで両者合意に達しまして、十月にその交渉が行われた。さらに来年一月にはこの第二回の会談を行うということで問題を詰めたということを言っておるわけでございます。 問題は、いま公海というお話が出まして、法律上の問題につきましてはさておきまして、領海の外につきましては二百海里の適用を韓国にはしておりません。それから韓国の漁船、漁民に対しても二百海里を適用していないという事態で、ソ連の北洋から締め出された韓国漁船の一部が北海道沖で操業をしておる、いろいろトラブルを起こしておる。そこで、私どもがいま折衝をしておりますことは、オッタートロールの禁止ラインには入らないでほしい。これは日本の漁民も守っている区域であるからそうしてほしいということと、それから禁止期間も守ってほしい、これも日本の漁民が守っているわけであるからということで強く申し入れを行っておるのが現状でございます。それを今後どういうふうな——そうは申しますものの、先ほど大臣も申し上げましたように、現実の問題として韓国の漁船が、理由のいかんを問わず、ともかくそこで操業をしておるという事実を全部消し去ることができるのかどうかということは残っておる問題でございます。これに対してどういうふうな解決方法を求めていくか、これはお互いの話し合いの問題であろうかと思います。あと形式等いろいろございましょうけれども、いま私どもが折衝しておるのはそういうことで、そういうラインを向こうにどうやって認めさせ得るかということについて、いろいろ今後検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 衆後に、今度政府はソ連のブレジネフ書記長の訪日を要請されたわけでありますが、このブレジネフ書記長の訪日ということは、田中総理の訪ソの今度は見返りでこちらで招待するというものであるのか、あるいはもっと積極的に、具体的な議題を掲げて招待するということなのか、現状の中でお考えになっている、また明確にできる範囲内でお答えをいただきたいと思います。
○園田国務大臣 日本からソ連の最高首脳者訪日の招請は、田中元総理が向こうへ行かれた後、数回にわたって招請をしておるわけでありまして、外交上の例からしても一国の総理が相手国を訪問すれば、相手国はこれにまたお返しの訪問があるのは当然で、そういう外交上の問題と、それから実質上、ソ連の最高首脳者の訪日によって日ソの友好関係を促進し得る、こういう両方の意味でございます。
○伊藤(公)委員 終わります。ありがとうございました。
○塩谷委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○塩谷委員長 これより両件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決いたします。 まず、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩谷委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 次に、日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩谷委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十八分散会 ————◇—————