科学技術振興対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1979/05/30
会議録
○大橋委員長 これより会議を開きます。 日野市朗君外五名提出の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。日野市朗君。 ————————————— 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○日野議員 私は日本社会党を代表しまして、ただいま議題となりました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 日本の国民が、たん白源の多くを依存している水産物は、いわゆる高度経済成長の中で、すでに重金属や合成化学物質等により、深刻に汚染されております。水俣病のようにその影響が短期間に激しく顕在化した場合もありますが、問題はそればかりではありません。PCBが南極でも検出されるほどになっている状態で、これから長期的に見て、私たちや子孫にどのような遺伝的影響があらわれようとしているか、またがんを初めとするさまざまな病気の発生率にどのように影響していくのか、解明はこれからの課題であります。 今日、日本の政治に課せられている重要な任務の一つは、海洋のこれ以上の汚染を確実に防止しなくてはならないということであります。 もしこの上に、放射性廃棄物が海に投棄されるようになれば、それを許したものは、後世の者から必ず強い非難を受けることとなるでしょう。 政府は、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の批准を契機として、国内法を整備し、放射性廃棄物の海洋投棄を大々的に開始しようとしております。 しかし、その安全性評価の根拠として使われている、一九七六年八月に科学技術庁から出された試験的海洋処分の環境安全評価に関する報告書を見ると、底層流の調査は最大二週間の記録にすぎません。しかも全体としてきわめて不十分な、欠陥の多い調査しかなされておりません。それをもとに、あとは不正確な仮定を積み重ねて、放射能は広大な海洋に拡散し、希釈され、魚類にはほんのわずかしか吸収されず、人体に影響はないとされております。プランクトンから小さい魚へ、さらに大きい魚へという食物連鎖による濃縮汚染は軽視されております。この報告書の論理によると、あの有機水銀ももう少し深い所に捨てておけば、水俣病は発生しなかったことになります。 トンガ海溝等、世界の十二の海溝を詳しく調査したソ連のクレプス教授等によると、深海底の海水の動きはかなり早く、海溝の底に沈められた廃棄物は必ず海面に達することが確かめられ、海水中のこの放射性物質は遅かれ早かれ植物に吸収され、それをえさとする魚類の体内に入ることが報告されております。 前述の条約の第四条には、「この条約のいかなる規定も、締約国が廃棄物その他の物であって附属書1に掲げられていないものの投棄を自国について禁止することを妨げるものと解してはならない。」と規定されております。日本が低レベル放射性廃棄物の海洋投棄を禁止するのは、この条約の精神と規定に反しないばかりか、むしろ公害先進国であり水産国である日本の、世界に率先してとるべき道であると言わねばなりません。 日本社会党は、このような状況にかんがみ、この法律案を提案する次第であります。 この法律は、放射性物質またはそれによって汚染された物を、船舶、航空機もしくは人工海洋構築物から海洋に廃棄し、または船舶もしくは人工海洋構築物において廃棄する目的で燃焼させてはならないことといたしております。 なおこの法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして、御説明申し上げました。 この法律案は、全国民にとっての、いや世界諸国民にとっての切実なる課題であることを十分に配慮され、御審議の上、速やかに御可決されんことを切望いたします。(拍手)
○大橋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、明三十一日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十五分散会 ————◇—————