運輸委員会 第4号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1979/03/02
会議録
○箕輪委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。 理事山本悌二郎君が去る二月二十七日委員を辞任されましたのに伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○箕輪委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に山本悌二郎君を指名いたします。 L2
○箕輪委員長 国際観光振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案について、本日、国際観光振興会会長佐藤光夫君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○箕輪委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○箕輪委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関谷勝嗣君。
○関谷委員 最初に、三点ばかり大臣にお伺いをいたしたいと思うわけでございます。 政治も経済も文化も、あるいは社会一般のすべてのこと、これか社会の流れとともに変遷するのは当然のことであるわけでございますが、この観光というものも、特に最近は時代の影響、たとえば日本人が海外へ出ていくのが非常にふえてきた、そういうような一点をとっても、大変な変遷があるわけでございます。今後も、そういった大きな変化は出てくるわけでございますが、この観光と国際関係、国際協調というもの、その関係をまず最初にお伺いいたしたいわけでございます。 いままでは、国際的な連帯というのは、物の協調あるいは物の交流といいましょうか、金銭的なものが中心であったと思うわけでございます。ところが今日のように、もう日本は資源がゼロに等しい国であるわけでございますから、国際関係をうまくやっていくといいましょうか、スムーズな関係を維持しながらいろいろな資源も輸入してくるというようなことが必要であろうと思うわけでございますが、そういうようなことを考えましたときに、どうも観光というものを通して日本人が海外を十分に理解していない、また外国人も、日本の観光旅行者あるいはそういう団体を見て、非常にいやな経験も多々しておるようでございます。 ですから、この観光というものに対して、大臣は今後、どういうような姿勢で取り組んでいこうとしておるのか、まず、国際協調という角度から見て観光をどういうふうに進めていこうとしておるかということをお伺いいたしたいと思います。
○森山国務大臣 関谷委員からお話しのとおり、国際協調の重要性につきましては全く同感でございまして、この国際協調は、相互理解に深く根差さなければ実効を期することはむずかしいと思います。個人と個人の直接のコミュニケーションを可能とする国際観光の果たす役割りはきわめて大きくなってきております。政府といたしましては、このような国際観光に関する基本的な認識のもとに、次の三点を重点施策として推進をしてまいりたいと思います。 第一に、円高状況下において訪日外客が伸び悩んでいる状況にかんがみ、外客誘致の促進を一層図る必要があります。このため、今後とも、国際観光振興会を通じて海外観光宣伝活動を強化するとともに、外客の旅行費用の低廉化に留意しつつ国内受け入れ体制の整備を図っていく考えであります。 第二に、近年、日本人海外旅行者が急増して種々問題が生じておりますので、日本人海外旅行の円滑化を図る必要があります。このため、国際観光振興会法の一部を改正いたしまして、国際観光振興会に日本人海外観光旅客の旅行の円滑化に必要な業務を現地で実施させるとともに、旅行業者に対する指導監督を強化していく所存であります。したがって、この法案をただいま御審議願っておるわけであります。 第三に、発展途上国からわが国に対する技術援助等の要請が観光の分野においても増加しておりますので、わが国といたしましては、これらの要請にこたえるため、今後とも、観光関係の国際協力を強化していく所存であります。 以上の施策は、政府、地方公共団体はもとより、民間の関係業界等との緊密な協調のもとに、官民相まって強力に推進していく必要があると考えておる次第であります。
○関谷委員 もう少し大臣の私見というものもお聞きをいたしたいと思うわけでございます。観光といいますと、どうもわれわれ昭和二けた生まれの者にいたしましても、あの終戦の生活難というものをよく知っておるわけでございますから、旅行に行くとか、ましてや海外に出かけていくなんというのは、ぜいたくだというような感覚を持っている人が非常に多いわけでございます。ところが、先ほど言いましたように、国際交流であるとか、あるいはまた、現在は二百億ドルの国際収支の黒字というものがありますけれども、今後はこれがいつまで保っていくことができるかわかりませんし、後進国におきましては、観光というものを通して国際収支の収益をふやしていこうというふうに非常に努力しているところもあるわけでございます。日本がまたそういうような状態にならないとも限らないわけでございます。 そういうようなことで、観光というものを国民一般がもっと真剣に考える、運輸行政においても観光というものの裏を——その地位の向上というと恐縮でございますが、予算案を見ましても、陸海空の予算がずっと並んでまいりまして、最後に観光部分がちょっと載るのが大体の流れでございます。そういうようなことで、大臣にも、観光というものに対してもっと積極的な姿勢をとっていただくといいましょうか、重要視していただく、観光部長もそういうようなことで、陸海空の中でも国鉄並みに、国民が注目をするようになる、そういうような運輸行政、また社会情勢というものをつくっていかなければ、海外から外客が来ましても、それに対して日本国民の対処の仕方というものも非常におろそかになってくると思うのです。観光というものを国が重点施策としているのだということがもっと社会通念として広がっていきますと、外人と町でばったり会って道を一つ教えるにしても、もっと丁寧に教えるのではなかろうか、自分が国際協調に努力しているのだというような自意識を国民一人一人が持ってくる、そういうような社会にしていかなければ、この振興会法だけでどうこうやろうと言っても、無理であろうと思うのですが、運輸大臣の私見を、その書いてあるものじゃなくして、ぜひ頭の中からひとつお願いしたいと思います。
○森山国務大臣 私は、栃木県の出身でありまして、地元には日光とか那須とかいう観光地を控えております。それらの国内観光だけではなくて、外国からもたくさんお客さんが来るわけでありますし、国全体としていろいろ文化的な遺産、そして自然の景観、それから人情の豊かさ、そういう意味で、わが国がまさに観光立国としてやっていくだけの底力は十分あると思っておりますので、もう少し観光に力こぶを入れていかなければならないではないか、私も、その意味ではあなたと同感でございます。 そして最近は、海外に渡航をする日本人もまたふえてまいりました。昭和五十一年以来、石油ショックが済んだ後、一〇%台の伸び率で五十二年には三百万人の大台に乗せ、五十三年は三百五十万人を超えている、今後も着実にふえていくということであります。日本人が海外に出ていくということも、これまたきわめて重要なことであります。いろいろな用があって海外へ行くことも必要でありますが、外国を見物すると申しますか、観光ということで見て回るということも、日本の将来にとって大事なことだと思っております。 そういう意味で、外国からお客さんを迎えるという意味においても、それから日本人が海外に旅行するという意味においても、日本人はもっと観光マインデッドでなければならないというふうに思うわけであります。 しかしそれにしても、どうも陸海空の後ろの方に観光というのがちょびっとくっついているような予算上の印象を受けるというお言葉でありますが、率直に言えば、前に観光局というのがあったのだそうでありまして、行政改革で観光部になったということであり、予算につきましても、もっと伸ばす余地が大きいというふうに私も考えておるわけであります。というよりはむしろ、運輸省というところは観光を扱っておる役所だと思っておったのでありますが、大分私の予想よりは観光を扱う精力の割き方が必ずしも十分でないというのを運輸大臣として着任をして痛感した次第であります。
○関谷委員 大臣から非常に積極的な御答弁をいただいてありがたいわけでございますが、そんなことで観光というものがもっともっと脚光を浴びる、国策として重要視される、その方向にぜひ進めていただきたいと思うわけでございます。 早速この法律の内容に入るわけでございますが、いままでの振興会法というのは、とにかく外客を招く方に力を入れておった、ところが、今回の一部改正の主眼といたしますところは、日本人の海外旅行者が非常にふえてきた、五十二年度で三百十五万人ほどにもなっておるわけでございまして、そういう方々にも情報を提供しようというわけでございます。 部長にお尋ねしたいのでございますが、その内容を詳しく御報告いただきたいのと、もうこの振興会法ができましたのが昭和三十九年でございますから、すでに十五年の歳月が流れておるわけでございます。ということは、四十七年度から見ましても、日本人の海外旅行者数は百三十九万であったのが五十二年度には三百十五万になるというように、年々どんどん、一〇%前後ふえておったわけでございます。いままでも聞くところによりますと、海外でこの事務所へ情報の提供といいましょうか、尋ねてくる方も多々あったようにも聞いておるわけでございますが、いまごろになって急に、海外に旅行に行っておる日本人にも情報の提供をしようというのは、遅きに失しているのじゃなかろうか。もっと早くそういうことがなぜ出てこなかったのだろうか。そういうところに私は日本の政策、行政の欠点があると思うのでございます。もうやむを得ないところまで来ないとなかなかこういうような動きができない。本来五、六年以前にこういうようなことが当然あってしかるべきではなかったのであろうか。われわれ一年生でございますから、われわれ出てくる前にそういう法律の準備があったのかもしれませんが、もしそういうようなことがありましたら、そういうようなことも含めて経過、内容、そしてどうしてこれがいままでおくれてしまったのか、そのことを御答弁いただきたいと思います。
○山元政府委員 お答え申し上げます。 まず、順序が逆になりますけれども、国として日本人の海外旅行対策をなぜもっと早く実施しなかったのかという点でございますが、先生からも御指摘のように、日本人の海外旅行は、このところ急激にふえておりますし、今後も着実に増加が見込まれるところでございます。そしてその数がふえるということだけでなくて、海外旅行者の中で四〇%程度が数次旅行者で占められるというような状態になっておりますし、また、三百五十万人程度の海外旅行者のうち個人の旅行者が百万以上にもなってきたという点もございます。また、パックツアーでも従来は団体で行動するという形態が多かったわけでございますが、最近は現地でのフリータイムということで、個人が自由に行動するという態様もふえてまいっております。このように旅行の形態が従来と大きく変わってまいっておりますので、旅行業者が旅客の方に対しまして説明会を従来行ってきておりますけれども、その説明会に参加しない方々がふえてきているような実情にございます。 こうしたような最近の実情を踏まえまして、昨年の十二月に総理府にございます観光政策審議会におきまして、「当面講ずべき国際観光対策について」ということで総理大臣あてに意見具申が出されたわけでございますけれども、その意見具申の大きな一つの柱といたしまして、日本人の海外旅行対策を講ずべきであるということを提言しておられるわけでございます。そこで私どもは、この提言を受けまして、今回、国際観光振興会法の一部を改正する法律案を提出さしていただいた次第でございます。しかしながら、先生御指摘のように、もっと早くそうした対策を実施すべきではなかったかという点につきましては、私どもも、多多反省すべき点があると存じております。 それから、国際観光振興会が実施いたします業務の内容でございますけれども、国際観光振興会は海外に十六の事務所を現在持っているわけでございます。したがいまして、この組織とか従来の経験を生かしまして、日本人の海外旅行の円滑化に資するような業務を行わせたいというぐあいに考えているわけでございます。 その業務の内容といたしまして、大きく分けまして二つに分かれるわけでございますけれども、まず情報提供の業務といたしましては、現地の生活習慣など旅行のマナーの改善に役立つ情報だとか、あるいは治安状況等旅行の安全に関する情報だとか、あるいは法制とか商慣習とかそうした特殊な点についてトラブルを防止あるいは解決するために役立つ情報だとか、こうした海外におきます注意事項を、空港だとかホテルだとかあるいは事務所で、日本人の海外の旅行者の方々に提供しようという点が第一点でございます。 それから、第二点といたしまして相談案内業務でございますけれども、旅行者の個人に関しますトラブルの解決に役立つような判断材料、たとえばどのようなところへ行けば問題の解決に役立つとかあるいはどういう手続をとればいいのか、そうした情報を日本人の海外旅行者に提供いたしまして、旅行者自身がトラブルを解決することの手助けを行おう、こうしたことを行うことを予定いたしているところでございます。
○関谷委員 これを提出される前にちょっと聞いたことでございますが、いままでの海外における情報の提供というのは、外務省、大使館でやっておったというようなことで、まあ外務省でいろいろ打ち合わせをしたわけでございましょうが、この法律と大使館の業務と多少抵触する点があるのではなかろうかと思うわけでございますが、そのあたりはどういうふうな話し合いといいますか解決ができておるのか、御報告をいただきたい。
○山元政府委員 先生御指摘の領事館業務との関係でございますが、この点につきましては、領事館の業務と申しますのは、その権限に基づいて行いますところの邦人の保護あるいは国を代表して行います外交事務といったようなものが中心でございますが、国際観光振興会が行いますところの業務は、単なるサービスの提供といった事実行為でございまして、これを国際観光振興会の海外事務所が行うことについては何ら問題がないわけでございます。 先生の御指摘の点については、すでに政府部内で検討済みでございまして、十分調整がついておる問題でございますので、御理解いただきたいと存じます。
○関谷委員 振興会に所属する方の、海外で旅行者に対するその対処の仕方というものについて、いまの部長の答弁の中から強く感ずることがあるわけでございますが、大使館と振興会のやっておる内容というものが、先ほどの部長のお話のように、明らかに違っておるというその一つの違いというのは、大使館あるいは領事館関係の方の情報と違って、この振興会の方々は旅行者に対するサービスであるわけでございますから、その振興会の海外へ出ております方、また、あるいは現地で雇っておる方も大ぜいいるわけでございますが、私は、そういう方々の一番必要なことは、本当の親切さというものがこの根底になければならないと思うわけでございます。 〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 いまの部長の御答弁の中でそういうようなことを強く感じますので、きょうは佐藤さんも御出席をしていただいておるわけでございますが、何と言いましても、海外へ行った者は、団体旅行ではなくしてパーソナルといいますか個人的にしておる者は、いろいろ困ったことも出てくるし、心細い要素も多々あるわけでございますから、ぜひ親切にいろいろなことを教えてやるというようなことを、質問途中でございますが、これだけをまず佐藤さんにぜひお願いしておきたいと思うわけでございます。 それで、部長にお尋ねしますが、旅行業者は、日本人が海外へ出ていきます前にいろいろ説明会というものをやっておると思うわけでございますが、いままでの説明会といいますのは、どうしてもコマーシャルベースというようなものになりまして、旅行に行く方はただ旅行だけではないのですよ、あなたは日本人の一人として国際交流、そしてまた外人が日本人はどういうものであるかということをあなたからも吸収するのですよという、そういう教育というものがなされていないと思うわけでございます。 ですから、運輸省が海外渡航者にはこのパンフレットは絶対渡してくれというような、そういうようなパンフレットが今日まで旅行業者に渡されておるのか、あるいはそういうことが指導をされているのであろうか、もしそういうことがないとすれば私はぜひやってもらいたい、必要であろうと思うわけでございますが、そういうような現状と今後のお考え方をお伺いいたしたいと思います。
○山元政府委員 先生御指摘のように、日本人の海外旅行者のマナーの問題は一つの大きな問題だと存じます。従来からも、旅行業者としても、旅行者に対しまして一応の説明はしておりますし、また運輸省も、旅行業者に対しまして十分に説明が徹底するようにということを注意いたしてはおりますけれども、やはり旅行業者の事前説明と申しますものは、営業優先の結構ずくめの説明に終わりがちでございまして、マナーの問題等につきましては、周知が十分行き届いていないという点がございます。 したがいまして、運輸省といたしましては、五十四年度の予算におきましては約四百万程度の予算を計上しているわけでございますけれども、その中でマナーの改善等に役立つ調査を行い、あるいは資料等を作成いたしまして、御指摘のように一層徹底するようにやってまいりたいと考えております。
○関谷委員 ぜひそういうような点を運輸省全体が努力して、国民一人一人が自意識を持って海外渡航をするという方向に努力をしていただきたいと思うわけでございます。 それと、海外の事務所が現在三十四名でやっておる、現地の雇用が三十三名ということでございまして、六十七名というようなことでございますが、その六十七名で、いままでは受け入れるための努力をそれだけの人数でやっておった、そうなりますと今度は、日本人が海外へたくさん出ていくわけでございますが、そういう方々への情報の提供サービスということをやるわけでございまして、この人数ではとても私はやっていけるものではないと思うわけでございますが、その人数的な問題を、今後どういうふうにしようとしておるのか、お答えをいただきたいと思います。
○山元政府委員 海外の事務所に配置されている職員の数は、先生の御指摘のとおりでございますが、一応これまでにそうした組織ができ上がっておりますし、知識、経験のある職員が配置されているわけでございますので、こうした組織、職員を効率的に活用していきたい、そのほかにも、日本人の来訪者が多いと見込まれるような事務所につきましては、数カ所新たに雇員を一名ずつ増加させて、情報提供等の業務が円滑に行われるようにいたしたいとは考えております。 しかしながら、先生御指摘のように、果たして従来の体制にプラスアルファというような配置数で必要な業務がりっぱに遂行できるかどうかという点につきましては、問題があろうかとは思いますので、実施の状況を見ながら、今後さらにその体制づくりについては、十分に配慮をしてまいりたいと考えております。 〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕
○関谷委員 予算面も、伺いますと財源としては二千三百万程度、いろいろ関連業者等からも集めまして努力をするというふうにお伺いいたしておりますので、財源的にもまた努力をしていただいて、十分なるサービスが得られますようにぜひお願いをいたしたいと思うわけでございます。 それと、収支のバランスというものを見てみますと、今日まで日本が、五十二年度におきましても十七億ドルの赤字であるというようなことであるわけでございますが、ただ、国際収支全体として二百億ドルの黒字があるからというようなことでのんびり考えている点もあるかもしれませんが、先ほど言いましたように、やはり観光の収入というものを真剣に考えなければならない時代が私はやがてやってくると思うわけでございまして、そういうようなものに対する布石を、もうすでに今日の時点から十分に注意をしてやっていただきたいと思うわけでございます。 それで、日本に外客を受け入れるということを考えましたときに、いろいろ大きな問題点があるわけでございます。日本のホテルは非常に高いというような宿泊施設の問題、それから外食費、交通費なども非常に高いわけでございますが、こういうようなことは外人に対して、たとえば物を買ったときには税制上の特別な措置がなされておるわけでございますが、そういうふうに外客に対して特別なる措置をするということを、もっとあらゆる角度からやっていかなければならないと思うわけでございまして、ホテルの値段にいたしましても、そういうことができるのかどうか。 それから、きょうは時間がございませんので長く触れませんけれども、円高の問題によりまして、御承知の航空運賃、日本で買うのと外国で買うのとではどうだというような問題が出たりもいたしておるわけでございます。こういうようなことに対しても、これは非常に微妙な要素がありますので、正確な、確固たる答弁が出るか出ないかわかりませんけれども、こういうようなことも国民に与える影響というのは非常に大きいわけでございます。 そういうことで観光に対してもまた真剣に考える要素があると思いますので、そういうふうに特別なる優遇制度というものが外客に対してもっとほかの分野でできるのかどうかという質問がまず一つ、それと、航空運賃の値段の差がああいうふうにあるわけでございますが、そのこと、この二つの御答弁をいただきたいと思います。
○山元政府委員 先生が御指摘のように、国際収支は長期的な立場でながめた場合には、バランスがとれるようにすることが望ましいわけでございまして、そのような観点から申しますと、貿易外受け取りの一つでございます外客の誘致ということは、基本的に非常に大事な問題だと存じます。 そのような角度から考えますと、現在円高で外客の来訪が伸び悩み、また日本に来られた外人の方は非常に困っておられるというのが実態でございまして、そのために、どのようなことをすればいいかということを、私どもは真剣に考えているわけでございますが、一つは、ホテル代金の高いという点がございます。この点につきましては、中級クラスのホテル、旅館あるいは民宿、そうしたところに語学ができるような従業員が配置されるように研修をするとか、あるいは研修までいかない場合には、先日、国際観光振興会で発刊いたしましたガイドブック、日本語と英語とで問いと答えとを併記したような資料を作成いたしておりますが、これによって語学がしゃべれなくても十分外人の方と応接ができるというような、そうした会話集をさらにりっぱなものにしていくとか、そうすることによって中級の宿泊施設に外人の方が安心して、しかも快適に泊まれるというようなことを進めていきたいと思っております。 それからもう一つ、食事の問題でございまして、これも非常に外人の方々が困っているわけでございますが、現在、国際観光レストランの中で一定の基準を満たすものにつきましては、運輸省推薦という制度をとっております。この運輸省推薦の国際観光レストランにつきましては、必ずツーリストメニューというものを備えつけることにさしておりまして、それによって外人の方が安心して、しかもほぼ満足できるような食事ができるというようなことをやっておりますけれども、こうした制度をさらに普及するようにしたいというぐあいに考えております。 それからまた、交通費の問題でございますけれども、この点につきましても、周遊の割引運賃というようなものについてこれから検討してまいって、少しでも外人の方の負担が軽減されるように努めてまいりたいというぐあいに考えております。 それから、民間の方に対しましても、もしできることならば宿泊料金を割り引くといったようなことを指導してまいりたいと考えております。 それから現在、外人に対します物品税の免税の手続につきまして、免税点の紹介とかその手続が十分に外人に広く周知されていないというきらいもございますので、少しでも外人の方々が正規の手続によって免税を受けられるというような点につきましても、PRをしていく必要があろうかというぐあいに考えております。 それから、第二の航空運賃の問題でございますが、これは私の所管でございませんので、正式にお答え申し上げる立場にはないのでございますけれども、私が承知いたしております範囲内で申し上げますと、先生の御指摘のように、日本人が海外へ出る場合と外人が日本へ来る場合と運賃の負担を比較いたしてみますと、円高のために日本人が海外へ出る場合が、特に個人の場合には割り高な運賃になっているという点はございます。そのような状態にでございますので、すでに二月から個人の往復運賃につきましては、日豪間が一五%、日欧間が一〇%の割引を行うという運賃を設定いたしております。 それからさらに、アペックス運賃と申しまして、事前購入周遊運賃という制度につきまして、すでに航空局は認可済みでありまして、現在、他国の政府の認可待ちであるというように聞いているところでございまして、運輸省としても、そうした日本人の海外渡航に伴う運賃負担の割り高の是正という点につきましては、逐次具体的な施策を進めているというように私は航空局から聞いているところでございます。
○関谷委員 最後に、一つお願いしたいわけでございますが、日本人は、諸外国の人々が日本人というものをもう十分に理解しておる、あるいは日本という国の内情といいましょうか、そういうようなことを十分に理解しているように思っておるわけでございますが、それはとんでもない話でして、外人で日本をよく理解しておるというのはもうごく一部でございます。 そんなことも含めて、ぜひ日本を理解してもらうために、外客を招くための各般にわたる努力を今後ともしていただきたいのでございますが、その一つとして、国際会議を日本でぜひたくさんやってもらいたいと思うわけでございます。 ところが、この国際会議をやるにいたしましても、京都のような国際会議場、あれが日本で一つだろうと思うのでございますが、東京にすらああいうものはない。国際会議をやっておりますのは、全部ホテルでやっておるというわけでございまして、そういうことでは、外客はどうしてもホテルの中ですべてのことを済ましてしまうというようなことで、外の本当の日本人と言うとおかしいのですが、たとえば普通歩いている日本人とちょっと会話を交わすとか、そういうようなことをする機会も非常に少ないと思うわけでございます。 そんなことで、ぜひ私は、東京だとか大阪だとか、そういうようなところに国際会議場というものをつくってもらいたいと思うわけでございますが、これはこの観光政策審議会の意見具申の中にもそういうようなことが載っておりますけれども、そういうようなことをぜひ早くもっとやっていただきたい。そして日本で大いに国際会議が開かれるように努力をしていただきたいのでございます。 そこで、この振興会の予算を見てみますと、国際会議誘致事業費として約二千万が載っているわけでございますが、実際にどういうような国際会議誘致のための努力をいままでしておったのか、どういう行為をしておったのかということをお教えいただきたいのと、その国際会議場をつくるというようなことに対して運輸省がどういう姿勢であるか、この二つのことの御答弁をお願いしたいと思います。
○山元政府委員 現在、国立の国際会議場といたしましては、国立京都国際会議場がございますが、このほかにも東京を中心にいたしましてホテル等で多数会議場を有しているものがふえてきております。しかし、いずれも非常に採算がよくないというのが現状であるわけでございます。しかし御指摘のように、わが国の国際観光を振興していくためには、やはり国際会議を誘致するということが非常に大事なことだと存じております。したがいまして、国立京都国際会館を積極的に活用していくことはもとよりでございますけれども、首都であります東京とかあるいは西の中心である大阪とか、そういうところにつきましても、今後の国際会議の開催の見通しだとか、あるいは建設の費用だとか用地の問題とか建設に関連する諸条件につきまして、十分に調査研究をいたしていきたいと思っております。 それから、第二の予算の問題でございますけれども、そういう国際会議が日本で持たれるようなことのPRに主として使っているところでございまして、今後とも、運輸省としてもそうした面のPRをさらに強化してまいりたいというぐあいに考えております。
○関谷委員 終わります。
○箕輪委員長 関谷君の質疑は終了いたしました。 田畑政一郎君。
○田畑委員 今度出されております法律の改正案でございますが、この改正案は、これは出ておるわけでございますから、どこかでそういう要求といいますか、要望が起こったのだと思うのでございますが、どういうところで要望が起こってきたのかということを簡単に……。
○山元政府委員 日本人の海外旅行がふえているのに伴いまして、旅行先で種々のトラブル等に巻き込まれるケースが生じておりますので、旅行の円滑化を図っていくための対策を実施しようというのが、現在御審議をいただいております法律改正の主たる目的でございます。 それで、これはどこからの要望かということでございますけれども、直接的な動機といたしましては、先ほど来お話が出ております総理府におきます観光政策審議会におきまして、慎重審議の結果、昨年の十二月に「当面講ずべき国際観光対策について」という意見具申が総理大臣あて提出されたわけでございますが、この中に三つの柱があるわけでございまして、その三つの柱のうちの一つといたしまして、日本人の海外旅行対策を早急に実施すべきであるということを提言しておられるわけでございます。これを受けまして、私どもは、予算面あるいは法律面の措置を講じてまいりたいというぐあいに考えた次第でございます。
○田畑委員 この法律改正は、条文的に見ますと、まことに小さく見えるわけでございますが、しかし、在来ありました国際観光振興会の業務の性格をかなり大きく変更しよう、拡大変更しようとする内容を持っておるというふうに思うわけでございます。 〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 ところで、そういうような重大な変更に対しまして、特に振興会が重点を置いて指導しておられますところの業界でございますね、こういう業界からは、こういう日本人海外旅行者に対するサービスといったようなものを振興会の業務に加えてほしいという積極的な要望があったのかどうか、お聞きしたいと思います。
○山元政府委員 旅行業者を監督いたしておりますのは運輸省でございますので、ただいま先生の御提起の問題につきましては、私からお答えさしていただきたいと思います。 先ほども申し上げましたように、国際観光振興会によります日本人海外旅行対策は、観光政策審議会という、国民の中から学識経験者を委員に選びましたものでございますが、そこから広い立場での御意見を伺い、御提言をいただいたものに基づいております。旅行業者そのものにつきましては、特にその要望を持ってきたわけではございませんが、しかし、今回の対策を実施するに必要な財源の大部分は、航空会社あるいは旅行業者からの賛助金でございまして、この対策について十分に協力をしていきたいという気持ちは持っているところでございます。
○田畑委員 実は、それで私はお聞きしているわけでございますが、この予算を見ますと、結局のところは業界の賛助金に依存しよう、こういう性格のものなんですね。在来とってまいられました方式は、人件費は全部国が持つという考え方でした。ところが、今度は全部人件費は業界で持つ、その業界から賛助金を集めるというんですね。だから、業界は本当にこれを要望しているのかどうか、そこをちょっと聞きたいのです。業界が賛成しているとか賛成していないとかいうのは別だ、こういうことでは、これは私、どうかと思うのです。だから、その点をひとつきちんとしてほしいというのが質問の一点です。
○山元政府委員 旅行業者の中に海外旅行を扱います一般旅行業者は、現在三百八十七社ございます。そのうち十数社は海外に支店、駐在員を置いておりますけれども、三百七十社はほとんどが現地にそうした出先、駐在員を置いていないわけでございます。客観的に見た場合にはそのような状態でございますので、国際観光振興会の事務所を活用いたしまして、中小企業の旅行業者が扱う日本人についても、十分に情報提供をしてあげるということは非常に役に立つことだと思っております。そういう意味もございまして、旅行業界としては賛成をしているところでございます。
○田畑委員 これは賛成しているとおっしゃいますけれども、私が調べたところでは、必ずしもそうでもないわけでございまして、結局、簡単に言いますと、お上のつくること、問題はそのことのために賛助金がふえてきている、こういうわけです。賛助金は、これはすでに海外において日本人旅客を取り扱うということを前提にして、本年度は賛助金は昨年の、それは業界によってでございましょうが、対象になっておる業界、そこの業者は二倍ないし三倍割りつけされておる、約束をとっておられる、こういうふうに聞いておりますが、間違いございませんか。
○山元政府委員 今回の場合には二千万円を、航空会社と主たる旅行業者から協力を得たいというぐあいに考えているわけでございます。したがいまして、それぞれによって幾らの倍率になるかということは一概には言えないのでございますけれども、現在一億円の賛助金がございまして、それを提出していただいている、全員の方々から協力を得ようということではございませんので、ある部分に限定されますので、その伸び率は少し高い場合もあり得るかと思います。
○田畑委員 御案内のように、最近の国際的状況あるいは日本的状況を見ても、観光業界におきましては過当競争の傾向が強いのでございます。これは御案内のとおりです。結局、いままで政府が出しておりましたものを、これを業界に割り振るということになれば、これは簡単に言えば、業界の負担がそれだけ増すということになるわけです。その増した負担というものについては、業界はこれを一体どのような方法で解決するのか。金を出すのですから、さあ、その分だけもうけなければならぬということになる。それがいわゆる旅客に、お客さんに転嫁をされるということになれば、結局はこれは業界の競争力を落とすということになるのじゃないかというふうにも思うわけでございます。 と申しますことは、これはことしの場合は人件費六人分二千万円でございますけれども、将来のことを考えると、そういう懸念というのは十分あると思う。大体二千万円にしましても、在来の一億円に対する二千万円でございますから、二割の大幅値上げということは間違いないわけでございます。そういう点を、本当に業界がもろ手を挙げて賛成をした上でこの法律を出しておられるのかどうかということは、私、大変疑問に思うのでございます。 それから、観光業界の今日の競争関係というものをどう理解しておられるかということについても、多少疑問に思うわけでございます。と申しますのは、これは人件費は国が持つということを振興会は原則にしておるのです。それを抜本的に変えるといいますか、大幅に修正しようという案でございますから、なぜそうならざるを得ないのかということの理由を私は明確にお聞きしたい、こう思うのでございます。
○山元政府委員 国際観光のうち外客誘致という点につきましては、各国もそうでございますけれども、それぞれの国がいろいろな外人の方々にその国のよさを、あるいは歴史的な遺産を十分に理解してもらって、協調の関係を維持していこうということが主たるねらいでございまして、主な国におきましては、外客誘致については、程度の差はございますが、国から積極的な助成が行われているというのが実情でございまして、日本におきましても、国会の御審議を経まして、外客誘致については御指摘のように人件費について高率の補助が行われているということでございます。 しかしながら、自国民の海外渡航につきましては、どこの国も、われわれの承知している範囲におきましては、国が直接的な助成を行っているという制度はないのでございまして、それはそれぞれの個人なり旅行業関係のそれぞれの機関において対処されるべき問題だというのが、国際観光におきます一つの常識であるわけでございます。したがいまして、私どもも、今回日本人の海外旅行対策を行うというのは、その円滑化を図るためでございまして、その円滑化によって利益を受ける方々、航空会社、旅行業者あるいは最終的には旅行者の方々、あるいはそういうことによりまして円滑化が図られれば、国といたしましても国際親善の増進というメリットがあるわけでございますから、そうした関係のものの方々から相応の負担をしていただこうというのが基本的な考え方であるわけでございます。 何とぞよろしく御理解をいただきたいと存じます。
○田畑委員 私、議論しようとは思いませんが、外国におきましては、自国の旅行者に対するサービスというか、これは国家的にはしていないわけですね。わが国がこれを初めてやろうとするんですよ、実際問題として。これから初めてやろうとするのですから、いまあなたがおっしゃったように、やってないのじゃない、外国にはないのです、日本で初めてこれは創設するやり方なのです。だから今後、こういうものは全部業界の負担で持っていくということになりますと、これは私、なかなか先は大変なんじゃないかという感じを持ちます。業界が多少顔をしかめるのもやむを得ないところがあるのじゃないかなという感じを持つのでございます。 そこで今回、本法が施行されますと、六人の人間を増員することに相なっておるわけでございます。一人は東京に置くのでございますが、海外在住というのは、どこどこへ置くのでございますか。
○山元政府委員 従来からも日本人の海外旅行者の方が事務所に来ておりますが、それらの実績を勘案いたしまして、これからどの個所に配置すれば最も効率的かということを詰めてまいりたいと考えております。
○田畑委員 そうすると、六人入れるけれども、まだどこへ置くかということは決まっておらないのですか、大体頭の中にないのですか。それで審議しろと言うのですか。
○山元政府委員 現在、国際観光振興会の方と事務的に検討しているところでございます。
○田畑委員 振興会会長、いかがでございますか。
○佐藤参考人 運輸省からお話がございましたように、われわれの方のいろいろな現在の人員の配置、予想される事業量等勘案いたしまして、運輸省といま具体的に御相談をさしていただいておるところでございます。
○田畑委員 率直に申しまして、五人ないし六人程度の人員を配置いたしましても、これは私、各海外事務所に一人ぐらいのものだと思うのでございます。配置されたところでも一人ですね。それで果たして日本人のいわゆるサービスにこたえることができるのでございますか。 私は先般、この法律が出ましたので、国際観光振興会の東京案内所を見てまいりました。スタッフは六人でございますね。そして一年間のいわゆる来訪者は三万一千人、それから電話あるいは書類による照会者数を加えますと四万件処理しているわけですね。一日に百三十件ある。そのほか、日本の家庭を見たいというような者に対するサービスなど加えますと、まだまだこれは多くなるんですね。このほかに、東京空港と京都案内所がございますが、これらを加えますと、電話、書信、それから来訪者だけで年間八万二千七百という数になっておるわけでございます。 ところで、わが国の方で海外に出かけられますのは、これは外国からお客さんが来ておられる三倍半になっておるのです、数字で言いますと。しかも、全然言葉が通用しない、これは日本人特有の性格でございますが、言葉が通用しない、生活様式が違うというところへ行って旅行するわけでございますが、もしこの国際観光振興会というものが、ここにパンフレットがございますけれども、こういうパンフレットで実は一定のサービスをするということを御案内になりますと、これは相当私、押しかけるのじゃないかと思います。外国へ行って物を聞かれて、その聞かれたことに答えられない、サービスが悪いということになりますと、これは日本の国内で道を聞いたり家を聞いたりするのと違いますよ、相当恨みは強くなります。よそでのそういう拒否に遭いますと、相当な憤慨をして日本国へ帰ってこられるということになります。 私は、こういう問題についておやりになるのは結構だと思うのです、正直なところ言いまして。ある意味では非常にいいことです。しかし今日、日本人の海外旅客数といいますか、あるいは海外におけるところのいわゆる日本人特有の性格、いわゆる生活様式が違いますから、そういうことを考えますと、ちょっと手を出してみるというようなやり方は、これは私、いかがかと、こう考えるのですが、その辺どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。だから私、実際はこの法律が出てまいりましたけれども、一体何をおやりになろうとしているのかということがよくわからないのです。なるほど、ここに一行か二行書いてございますが、具体的に一体何をやろうとしているのか、そんな漠然とした大きなふろしきを広げてもできませんよ。だから、ここまで法律を出される以上には、これは観光部長なりあるいは振興会においてきちんと、ここまでしかできないという、いわゆる業務内容の明確化というものはなされておるのだと思うのですが、それをなされていないでただ出すだけでは、私、だめじゃないかというふうに思うわけでございますが、その点の御回答をいただきたいと思います。
○山元政府委員 お答えする前に、先ほど御質問のございました海外事務所におきます増員の個所でございますが、まだこれは私どもと国際観光振興会と検討中でございまして、一応の案でございますけれども、サンフランシスコ、ホノルル、香港、バンコク、ロンドン、この五カ所に現地の雇員を増員したいということで一応の案はできているところでございます。 それから、ただいまの御指摘の問題につきましては、現在の組織なり配置人員を効率的に活用していく、そのほかに、ただいま申し上げたような個所に新たに雇員をふやして対処してまいりたいと考えておるわけでございます。しかし、先生御指摘のように、日本人の海外の旅行者が相当の数になっておりますし、また、これからもふえるので、それで十分やれるかどうかという点は、将来の問題としてはさらに検討すべき重要な問題であると思います。しかし、さしあたりは現在も、五十二年の実績でございますが、日本人の海外旅行者が十六の海外事務所に約六千人ほど相談に参っているわけでございまして、そういう方々の現状というものを頭に描いたわけでございますけれども、将来の問題としては、さらに検討し、必要な措置をとっていく必要があろうかと思います。 それからもう一つは、御指摘のように、何から何までやるという点につきましては、これはまた実務上問題が残りますので、国際観光振興会におきまして、現在どこまでの業務をやるのかという、そういう限界につきまして検討がされているというぐあいに報告を受けているところでございまして、その点についても十分な措置を講じて、職員の方々に過重な労働にならないように配慮してまいりたいと考えております。
○田畑委員 振興会会長にお伺いいたしますが、去年の春、おたくの労働組合というのですか職員組合というのですか、労働組合との間に労働争議が発生いたしておりますね、その内容を聞いてみますると、一つは、いわゆる運輸省の天下り人事に対する件についての紛争、もう一つは、労働過重問題に対してのいろいろな意見が出ているはずでございます。 私の調べたところによりますると、海外何カ所かございますが、案内所でございますね、観光宣伝事務所、ここに配置されておる人間は、ニューヨーク五名を先頭にいたしましてホノルルの一名に至るまで、各所に配置されておるのでございますが、これがここ十年間何ら変更されておらぬというじゃありませんか。旅行者の数はここ十年間に飛躍的に拡大いたしました。海外旅行者にいたしましても、ここ数年間に一・七倍に及んでおる。それからまた、日本人旅行者にいたしましては、これまたここ数年間に倍以上に及んでおる。それだけふえておるのに、海外におけるところの駐在員の数は変わっておらない。そこへもってきて、今度いまおっしゃったように、わずか一名ずつ五カ所に配置をして、三百五十万の日本人旅客をさばこうというわけです。もちろん、これは限界があるでしょう、そんなものできないと私、思いますけれども、そしてその人件費は全部業界から取ると言うのですけれども、これいかがですか、会長さん、去年の労働過重に対して、何とかしてもらいたいという職員組合からの要望があったはずです。これに対してあなたは担当者として、これを実施できるだけの自信がありますか。
○佐藤参考人 昨年、国際観光振興会労働組合との間に労使紛争がございましたことは、先生御指摘のとおりでございます。 その主な点は、特に具体的に人員の増加ということよりも、人員の配置の問題についての論争であったわけでございます。ただ、海外の観光宣伝事務所の要員が増加していないことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、現在のわれわれの仕事量は、配置された人員をもって十分消化し得るように努力をしてがんばっておるという状態でございます。 したがいまして、今回、新しく国際観光振興会の従来の活躍を大いに評価されて、観光政策審議会において大いに振興会を活用してやったらいいじゃないかということで、非常に感激しておるわけでございまして、それにこたえまして大いにがんばってまいりたい、したがって、与えられた人員、予算の範囲内で最大限に効率を発揮して、国民の皆さんの信託にこたえるようにしてまいりたい、こう考えております。 ただ、具体的に問題が起こった場合にどの程度処理できるかという御指摘でございますが、これはいろいろな個々の具体的な問題について、なおよく運輸省等の御意向を承って、海外の事務所に処理の仕方について十分指針を与えるように持っていきたい、こういうふうに考えております。
○田畑委員 いまおっしゃったように、やはり少しも人間がふえていないということは事実なんですね、旅行者は倍近くになっておるけれども。そこへ日本人旅客をもう一遍かぶせるのです、これは無理でしょう、運輸大臣いかがですか。 しかも昨年、いわゆる労働紛争の原因となりました一つの原因は、実は国際観光振興会に対して運輸省から、これは天下りと言っちゃなんでありますが、派遣の職員が行くのでございますね、そしてニューヨークであるとかあるいはシカゴであるとかあるいはサンパウロであるとかというところに派遣される。これは二、三年行ってこられるのでしょう。ところがそれは、もちろんそういうところに派遣される方でございまするから、全然語学ができないとは言えないのですが、しかし、余り十分でない人を派遣している。ようやくぺらぺらしゃべれるようになると、今度は運輸省の方に戻ってくる。いわゆる中間職制と申しますか、そういう者を運輸省から相当出しておられる。これに対して、わずか二名とか三名しか配置されておらないところの海外駐在事務所におきましては、これはたまったものじゃないという不満の声が上がったわけなんですよ。 私は、こういうことを繰り返しておって、本当にいわゆる海外の観光宣伝事務所というものがうまくいくのかどうか、そこへ日本人旅客まで持ってきてうまくいくのかどうか、これは大変疑問に思いますね。いかがでしょう大臣、この問題は、私は、ただちょっと出しているような気がするのです。しかし実際は、これは予想されるところは非常に大変な問題なんです。しかも、こういう人事などももっと適正に取り扱ってもらわなければならぬと思います、国家の方においては。こういう点について、大臣はいかがお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○森山国務大臣 日本に観光旅行に来る人の便宜を計ろうということで、いままで振興会の海外事務所があったわけでありますが、それに対して今度は、日本から行った人の案内といいますか相談にも乗る、こういうことでオーバーワークじゃないか、こういうお話ですが、現実に昨年度ですか、世界じゅうの海外事務所十六カ所で六千人ぐらい来ておるというふうに聞いておりますから、それは実際問題として、日本から行った人がわざわざ訪ねてきたのに、どうも法律によってあなた方のお世話は、御相談には乗るわけにまいりませんと言うのも問題でございますから、したがって、日本人の海外旅行者がふえるに従ってそういう必要があるので、今度の法改正になったというふうに考えております。 それじゃ、人が足りるのかという点につきましては、人が足りる、足りないよりは、とにかく相談をかけられたときには乗るという仕組みをつくろうというのが今度の改正であったと思いますので、そういう体制が今度はできておるわけでありますから、海外に出かけた日本人の相談に乗り得るに必要な陣容が量的にあるかどうかということについても、十分ひとつこの機会に検討さしてもらいたいと思います。 それから、その役所の関係者の天下りというのでもないが、出向者は総員三十四名中十四名だ、運輸省八名、国鉄三名、大蔵省二名、自治省一名ということでありますが、その人選については、語学力を含めた知識経験等考慮して行っているというふうに私のところには報告があるが、果たしてそういう点で十分かどうかという点は、私も検討さしていただきたいと思います。
○田畑委員 いまおっしゃったように、この文書には何も書いてないんですね、日本人海外旅行者の案内は。それでも六千人あるのです。これ書いたらどれだけ来るか、宣伝をしたらね。しかも、その人件費は全部業界から集めている。そうすると、将来どんどん人が来るということになると、人をふやさなければならない。そうすると、さらに人件費は業界から集めなければならないということが出てくる。 そこで、一番心配になることはどういうことかと言うと、これは本法の改正によって新しい方法を試みる、しかし、試みるが実際やってみたらとても手に負えない、業界もそれに応ずるだけの金は出せない、それじゃもうやめておこうかということで、逆戻りをするのではないか。この観光行政については、いままでもしばしば組織の改組などが行われたわけでございますが、また再び逆戻りをする。日本だけが、世界に先駆けて特殊なことをやらなければならぬことはないのではないかということで、逆戻りする可能性がある、そういう不安も実はこの関係者の中にはあるのです。大臣、一たんやった以上、これはもとへ戻すようなことはないんでしような。
○森山国務大臣 そういうことがないよう十分注意をいたします。
○田畑委員 そこで最後に、残り時間が少のうございますので別の質問をいたしたいと思うのでございますが、運輸省が調査をされた日本人海外旅行の調査資料によりますると、どうもマナーの悪いのは東南アジアへ行った方が悪いというんですね。アメリカ、ヨーロッパはわりとみんな節度を考えているそうでございますが、東南アジアが非常にマナーが悪い。しかも日本人の海外旅行者の恐らく三分の二は東南アジア方面への旅行者なのです。だから私は、日本人の案内についても、いまおっしゃったけれども、重点的に配置をする必要があるのじゃないかと思いますが、そのことは質問いたしません。 ただ問題は、いろいろな事件が起こっておるわけでございまして、たとえば賭博をやってくる、あるいはまた妓生観光なんという非常に悪い名前がわれわれの間には流布されておるわけでございます。こういうようなことを計画しておるところの、あるいは容認しようとしておるところの業者でございますね、こういう者に対して、一体運輸省はいままで何か登録の取り消しとかあるいは停止とか厳重な処分を行ったことがあるのかどうか、これはいかがですか。
○山元政府委員 旅行業法に違反するようなケースにつきましては、ここ二、三年は処分はいたしておりませんけれども、過去においては何件か処分いたした事例はございます。
○田畑委員 そしてやはり旅行業者の関係でございますが、ここ数年間では一般旅行業者は大体二倍半、二五〇%になっている。非常にふえています。これは運輸省がどんどん認可されておるわけです。そのためにここに過当競争というのが起こっておる。値段を安くしようとするわけです。値段を安く契約いたしまして、そして向こうへ行った人を、たとえばいま私が一、二例を挙げましたようなところへ連れていくとか、あるいは特定の契約をしておる商店へ連れてまいりまして買い物をさせて、そしてマージンを業者が取る。いわゆる旅行価格では安く競争するけれども、そういうマージンを取ったことによって旅行業者がそこで利益を得るというような価格競争の激化に伴う商法というのが現在行われているわけです。この実態について、運輸省は調べたことがありますか。あるいはまた、それに対してもっと鋭い、いわゆる説得といいますか、注意をしたことがあるのかどうか、こういう点をお伺いしたいと思います。
○山元政府委員 現在の旅行業法に基づきますと、旅行業務の実施は、登録によって行われることになっております。登録は一定の基準に該当する場合には登録をさせるということでございますが、その基準につきましては、厳格な審査を行っておるつもりでございます。 しかし御指摘のように、過当競争の面がございまして、その結果、質のよくないツアーを発売するというようなケースが間々あるわけでございます。したがいまして、運輸省といたしましては、旅行業者に対しまして、不健全な旅行に関与しないこととかあるいは添乗員を初め従業員の研修を強化するとか、そういうことにつきまして何度となく指導監督をしてきております。また、旅行業者の団体でございます日本旅行業協会におきましても、旅行業者の行動基準として旅行業綱領とかいうものを制定したり、あるいは不健全な旅行をやらないということで自粛はしているところでございます。しかし、先生の御指摘のように、依然として不健全な旅行が後を絶たないという点もございますので、私どもは、旅行業者の過当競争を排除するという点からいきますと、経営基盤を強化するということが必要でございますので、登録基準を強化するとか、あるいは営業保証金の額を引き上げるとか、そういうことによりまして体質の改善を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○田畑委員 これは大臣にお伺いしたいと思うのでございますが、一昨年わが国におきまして、いわゆる国際観光会議、東南アジアですかの国際観光会議というのが開かれたわけでございます。その際、台湾の代表の方が、どうも日本の旅行業者あるいは旅客はマナーが悪い、非常に台湾の風紀を乱している、そこで発言をしようということになったわけでございます。ところが、日本の会議でそういうことを発言されちゃ困るということでこれを抑えた、こういうことがございます。この観光会議は、ことしでございますか、また開かれることになっているんですね、観光部長。また開かれる。こういうように、いわゆる日本人旅客のマナーが悪いということを率直に訴えようとするのを、それは品格を傷つけるからといって無理やりに抑える、その抑えたことに対して、運輸省は一遍ぐらい何か注意したことがあるのですか。恐らくないでしょう。 先ほどから言われましたように、いろいろな文書に、これは日本人のマナーが問題だ、そのためにも海外駐在員を置かなければならないということだけれども、一方においてそういう正式な会議で発言しようとするのを無理に抑えているのでは、これは言っておることとやっておることが違うのじゃないですか。どうです大臣、こういう事実がある、だから、こういうように本法を改正しようとして出される以上は、そういったいわゆる悪い業者、あるいはまた、そういうような国際会議において率直に批判しようとする者を抑えようとする行為、そういうことのないように、公明正大に日本は観光行政をやるのだというような不退転の決意がなければいかぬと私は思うのでございますが、いかがでございますか、その点について……。
○森山国務大臣 私も、大臣着任前にそういう事実があったのを新聞で見ました。その背景について私はつぶさに承知しておるわけではございませんけれども、ただいまお話がありましたように、こういう問題については公明正大な態度をもって臨む、臭い物にふたをするということは適当ではない、そのように考えておりますから、もし本年同じような事態があるとすれば、従来のような形ではなくて事を処理するように指導いたしたいと思っております。
○田畑委員 これをもって終わります。
○佐藤(守)委員長代理 田畑君の質疑は終了いたしました。 久保三郎君。
○久保(三)委員 いま田畑議員からお話がありまして、私は余りつけ加えることはありませんが、一つは、これは運輸大臣に、田畑議員の質問に関連して申し上げた方がいいと思うのですが、私どもは、本法の改正の趣旨については別段に異議はありません、やるべきことをやるのでありますから。ただ、田畑議員からも話があったように、これで事足りるのだろうかという問題が一つある。姿勢の問題を問われていると思うのです。そういうことで、一つは海外事務所、いわゆる観光宣伝事務所の要員の問題ですが、先ほどお話があったように、運輸省初め自治省、大蔵省、国鉄、そういうところから所長として大体行っておられるのが多いんですね。しかし、こういうのは検討するじゃなくて、はっきりおやめになったらどうか。運輸省から出て行かれる方なりその他の方は、昔は留学制度があったけれども、いまは留学制度がないから、ひとつ三年ぐらい留学のつもりで行こうじゃないかというのが実際は多いのだろうと私は思うのです。だから、帰ってきてから観光行政なり、その方面に活躍しようということで行っているわけではないのです。そういうことが当然のごとく行われるところに問題があると私は思うのです。本当に観光の宣伝なり、あるいは今度提案されるような日本人旅行者の、言うならば相談にあずかり、案内をしようというようなことなら、やはり専門にたたき上げた者をやることが一番いいのであります。 もっとも中には専門に、いまはどうかわかりませんが、たとえば数年前に私がホノルルに行ったときに、あそこの宣伝事務所の所長というか、一人しかいませんから所長なんでしょうが、その人を呼んで話を聞いてみたら、この人はあそこに長いこといるらしいのです。だから、そういう人は別なんですが、あとの、たとえばサンフランシスコとかニューヨークとかシカゴとかロンドンとかジュネーブとか、そういうようなところは大体が役所から、あるいは国鉄から行っているわけですね。これはおやめになったらどうか。大体国鉄から行って何の足しになるのだろうか、自治省から行って何の足しになるのだろうか、大蔵省から行って何の足しになるのだろうか。運輸省から行ったって観光部へ戻ってくるわけじゃないのです。よその方に行くんですね。これはやめたらどうか。検討しますじゃなくて、おやめになることをひとつ考えていただきたいと思いますが、どうですか。本当にこの仕事を海外でおやりになるというなら、いま申し上げたように、そういう腰かけ的な人間の配置はやめたらどうですか、いかがでしょう。
○山元政府委員 事務的にまずお答えさせていただきたいと思いますが、先生の御指摘の天下りの問題、これは一般的な問題が根本にあるわけでございますけれども、天下りという意味とまた別の角度から見ますれば、いろいろな知識経験を持った方々が観光振興会の仕事に携わり、中には出先の長をする方もあるということは有意義かと思うのでございます。しかし一面におきまして、生え抜きの方々のさらに活躍したいという場がふさがれるという点も問題がないわけではございませんので、すでに運輸省あるいは国際観光振興会におきましても、職員の方々の御要望にできるだけ沿うように、いわゆる天下りの人数を減らすような方向で努力をいたしているところでございます。
○久保(三)委員 これは観光部長からお聞きしようと思っているのではない、大臣にお聞きしようと思っているのですが、私は天下りとは言っていないのです。横滑りか、ちょっと腰かけかということなんですね。天下りというのは下ったままでいるわけですから。これは途中で適当な時期に帰ってくるのですから、横滑りというか、腰かけですね。しかも人数が足りないというか、少ししかいないところで腰かけで仕事をやるということはどだい無理ですよ。大体出向するもとの役所は何の関係があるのだ。大蔵省は何の関係があるのだ、自治省は何の関係があるのだ、国鉄は何の関係があるのだ。運輸省だって観光部だけでやっているなら別ですが、別な方から行って別な方へ戻るような者は何のために行ってらっしゃるのか。 そういうものでありますから、この際はっきり断ち切った方が、それぞれの役所や国鉄のためにもいいし、観光振興会のためにもいいのではないかというふうに私は思うのですが、大臣いかがでしょう。
○森山国務大臣 天下りという表現は適当じゃないですね、交流ですな。やはり運輸行政という角度から、運輸省には観光もあれば、陸海空それぞれ国際的な関係の仕事もいろいろありますから、そういう意味で広い角度から運輸省の人が、適任者がいれば、国際観光振興会の海外事務所に勤めるのをあながち全部いかぬとは言えないのじゃないか、こういうふうに私は思いますが、いろいろ予算その他の援助も受けておるわけでありますから、大蔵省の方も一口乗っけろというようなことできっと入ってきているのじゃないですかね、大蔵省の方は知りませんが。しかし、運輸省や国鉄なんかの方は相当理由がある。これが全部一概に悪いというふうなこととは言い切れないと私は思います。 しかし、いまあなたがおっしゃるように、一時的な腰かけみたいなつもりで、仕事に本気に取り組まないで、そして外国の人に日本の事情をお話しするという本来の任務について、あるいは今度新しい任務で日本から来た方々に対して、その土地の事情等の相談に乗るという趣旨に本腰になって取り組まないような人が選ばれないようにするということは必要だと私は思っております。 天下りというのは、まあ観光部長はボキャブラリーが豊富じゃないですね、交流としてはあながち否定はできぬ、こういうふうに私は思っております。(「適材適所で……」と呼ぶ者あり)そのとおりであります。
○久保(三)委員 大臣の答弁とも似合わない答弁ですが、何かやろうという気持ちで運輸大臣になられたのだろうと思うので、せめてこのくらいはおやりになっていただきたい。運輸省なり国鉄なり、あるいは大蔵省はもう関係ありません、自治省も関係ありません。関係あるとすれば運輸省と国鉄も多少あるかもしれませんけれども、国鉄は海外事務所を幾つか持っているのです。運輸省からおいでになるというなら在外公館においでになるのが筋なんです。いわゆる外務省の出先、大使館なり領事館なりにおいでになることが筋なのでありまして、こんな変則なやり方はおやめになることが観光振興会のためにも、役所のためにもいいのではないかというふうに思うので、きょうは御答弁はなかなかむずかしいだろうから、後でぜひお話をしたいと思う。 それからもう一つは、観光振興会の従来というかいままでの仕事が不完全であるということですね。先ほどもお話があったように不完全である。特にわれわれが外国を回ってみて海外事務所からいろいろ聞きますが、その中で共通する点は、観光宣伝費が足りない、というのは刊行物が足りないということ、刊行物のいわゆる予算というか、そういうものの配当が足りません。刊行物がたくさん来てません。だから、そういうことでわれわれは困るという話、これは従来からずっとそのままになっているんですね。そういうものを本当に直すつもりがあるのかどうかということが一つと、そういうところで今度は邦人の海外旅行者のめんどうを見るということは、これは田畑議員じゃないが、大変無理な仕事じゃないかと私は思うのです。 それからもう一つは、観光宣伝事務所の出先で、いわゆる邦人の旅行についての問題点は全部わかっているのです。観光振興会にそういう情報がたくさん伝わってきていると思うのです。ところが、情報は観光部にも恐らくいったかいかないかわからぬのですね。ましてやそれが正しく行われていない。たとえばマナーがどうだとか旅行業者がどうであるとかいうようなことは全部来ているはずです。新しい仕事をしようとするならば、むしろ向こうで、現地で案内するというような大それたことを考えるよりは、国内にそういう情報を集めて、旅行業者を通ずるなり、一般国民にやはりこれを宣伝していくということが主だと私は思うのです。要員を一人か二人ふやしたところで、目的はそう簡単には達成できないと思うのです。これはいままで全部来ているんですね。審議会に諮って答申をいただくまでもない。こういう問題点は全部わかっているのです。それを処理できなかったところに問題があるのですから、それをどうやって処理するかが、これからの問題解決の方向だろうと思うのです。これは意見として申し上げておきます。 いずれにいたしましても、そのあらわれが今度は五千万の出資、出資だからこれは運用益である程度やるわけです。お話しのように、あとの人件費その他は業界から賛助金として取るということだそうでありますが、いままで指摘があったように、その取り方にも実際言って問題があろうかと思うのです。だから、こういう点については、もう少し詰めて物事を考える必要があるというようにわれわれは思っているわけです。 それからもう一つは、船舶振興会なるものから寄付をいただいているようだが、これはこれからもいただくのでありますか。船舶振興会と観光振興会は余り関係がないはず、これはどうなんですか。
○山元政府委員 国際観光振興会は特殊法人でございますので、現在まで船舶振興会から賛助金をもらっておりません。今後ももらうような考え方は持っておりません。
○久保(三)委員 もらってないのですか。もらっているような話だが……。
○山元政府委員 国際観光振興会はもらっておりませんけれども、たとえば旅行業者の団体でございます日本旅行業協会、これはごくわずか船舶振興会から補助金をいただいております。
○久保(三)委員 私の方が違ったが、旅行業協会がもらっている、これは余り関係ないからもらわないようにしなさい。もらう必要はない。だから、賛助金など取る前に、そういうものをよそからもらってくることについてとめた方がもっと効果的かもしれません。 時間がありませんから先へいきましょう。 さっき海外における旅行者のマナーとかあるいはツアーのあり方についても御指摘がありました。マナーについては、日本人をどう教育するかの問題、一人一人の教育になりますから、これはそれぞれの向きでやる以外にないと思います。ただ、直接に問題になるのは、旅行業者が販売するツアーの中身、さっきもお話が出たように、その中には最近賭博ツアーとか売春ツアーとかというようなものがあるわけです。もちろん表向きで販売しているわけじゃないので、そういうものを暗黙の了解のうちにツアーの中に組み込んでいく、あるいは現地であっせんをするというのが出てきている。旅行そのものは大変安くなっているが、そういうものに対して、今度は法外な値段を取りながらもうけようという魂胆、そういう賭博ツアーとか売春ツアーをやっている業者があったとしても、いまの旅行業法では処罰はできませんね。これは観光部長に……。
○山元政府委員 結論から申し上げますと、先生の御指摘のとおりでございます。 付言いたしますと、俗称言われている賭博ツアーにつきまして、たとえば韓国の場合には公認のカジノが認められております。それから日本の刑法はそれに適用がないということでございます。俗称言われる売春ツアーにつきましても、これが現地で行われる限りにおいては日本の刑法の適用がない。法律上は先生の御指摘のとおりでございます。
○久保(三)委員 いま申し上げたような極端なツアーばかりじゃなくて、現地へ行ってのオプショナルツアーといいますか、そういうもので荒かせぎをしようというのもありますね。こういうものを含めて、言うならば旅行業者としては不誠実なツアーだと思うのです。不正ではないが、誠実でない、まじめでないツアーを販売するわけです。あなたは、こういうものについては、日本の法律の適用がないからだめだと言いたかったのでしょうが、日本の法律を、直ちに売春禁止法を適用するとか賭博の行為に対しての云々というようなことはもちろんありません、しかし、販売する旅行の中身として、そういう旅行を販売した者は日本の旅行業法によって処分するというか処理する、これは当然だと思うのです。それは不正というのではなくて誠実を欠いた不良な旅行、ツアーの質が悪い、悪いものを販売したときには登録の差しとめ、あるいは取り消し、こういう処分をするように旅行業法を変える必要はないのかどうか、いかがです。
○山元政府委員 先生御指摘の不健全な旅行に旅行業者が関与するということは、法律上の問題はさておきましても、きわめて好ましくないことでございます。したがいまして、運輸省は、従来からも旅行業者に対しまして、不健全な旅行に関与しないこととかあるいは添乗員を初め従業員に対する教育研修を強化するとか、そういう点についての改善に努めております。また、旅行業者の団体であります日本旅行業協会におきましても、旅行業者の行動基準であります旅行業綱領を制定いたしまして、その中で、不健全な旅行をしないということを目標としておりますし、また、不健全な旅行の自粛の申し合わせばいたしております。しかし、先生の御指摘のように、私どもも、そうした不健全な旅行が行われることは、国民の期待にも沿えないことでございますし、また、国際親善にも非常にそごを来す重要な問題でございますので、現在、旅行業法の改正という問題につきまして、事務的な取り組みはいたしておりますけれども、その中におきまして、今後、法的にもどういうぐあいに措置していくのか、十分に検討さしていただきたいと存じております。
○久保(三)委員 それじゃ、旅行業法の検討をなさるそうでありますから、次にいきましょう。 次には、観光政策審議会からの答申の中で、一つには添乗員の資質の向上ということに言及されております。この添乗員の資質の向上、これは当然望まれることでありますが、ここに言及している中には、悪いというか適格性を欠いた添乗員は排除する必要があるということで排除の方に力点を置いているわけです。大体、この適性を欠く添乗員をつけておく旅行業者に問題があるわけです。先ほど申し上げたように、販売するツアーの質にも問題がある。それから旅行業者がつける添乗員そのものにも問題がある。結局、これは旅行業者が責任を負わなければならぬ。排除する前に旅行業者をどうするかという問題を考えなければならぬ。 ところが、ここにはおもしろいことが書いてあるわけです。「モニター制度の活用等により不適格な添乗員を排除するような制度を検討する」、これは恐ろしいことを考えたと思うのです。もとの方をさわらないで結果だけ排除しようということなんで、大体、添乗員の行動というか職責の最終的な責任は、当該の旅行業者が責任を負うことなんです、そうでしょう。そうだとするならば、不適格な添乗員をつけた旅行業者がまず第一に責められなければならぬ、排除されなければならぬ、そういうふうにとらざるを得ないのですが、観光部長はどういうふうに考えますか。
○山元政府委員 先生のいまの御指摘の意見具申では「モニター制度の活用等により不良な添乗員を排除する」というぐあいにうたわれておりまして、それは方法論の一つを例示したものかと思いますけれども、基本的には、先生の御指摘のように、旅行業者がいかにすべきかということが根本にあろうかと存じます。
○久保(三)委員 これは方法の一つではないんですよ。これも方法の一つと言うのはおかしいですよ。問題は、旅行業者が販売するツアーの質の問題が一つある。それから、そこに添乗員をつける旅行業者の態度があるわけですね、体質がある。だから、二つの面からこれは考えないといけない。添乗員に不適格な者を乗せる業者自体に問題がある。だから、この答申からいくと、どうもわれわれは解せない。方法の一つではないんですよ。モニター制度をつくるのも結構です。ただし、それによって具体的な添乗員がけしからぬからあれは排除しようということで、単純にストレートにそこへ持っていくことは、旅行業法のたてまえから言っても、それは違うのではないかというふうに思うのです。そういうことを言っているのですが、いかがですか。
○山元政府委員 確かに、この添乗員の問題につきましては、旅行業者が作定しますツアーの質の問題なり、あるいは旅行業者が添乗員をつける態度の問題だという点につきましては、先生の御指摘のとおりだと思います。
○久保(三)委員 それでは、これは業法を改正しますか。
○山元政府委員 この問題につきましては、非常にむずかしい問題があると思います。したがいまして、法律上手当てをするということになりますと、旅行業者に対してどのような規制の仕方をするのか、あるいは規制の仕方のいかんによっては添乗員の資格制度というようなことも起こりまして、法律上どうするのか、ちょっといまの段階では判断がむずかしい問題だと存じております。 しかし、先生の御指摘の趣旨はよくわかりますので、今後十分検討はさせていただきたいと存じております。
○久保(三)委員 業法の改正は別として、それは検討すると言うから、御検討をまさしくお願いしたいと思うのですが、問題は、添乗員の資質の向上ということは、やはり別個の問題として考えなければいかぬと思うのです。 それで、あなたはいま資格の問題と言うが、この資格というのは、通例何とか試験とかいうようなことになるわけでありますが、これは実際の実務でありますから、やはり単純に語学がどの程度できる、算数がどの程度うまいとかいうようなことでは割り切れない問題があるわけですね。 〔佐藤(守)委員長代理退席、委員長着席〕 むしろいま望まれるのは、添乗員の資質向上のための職業訓練を軌道に乗せるということが一番だろうと思うのですが、その職業訓練がいまどういうふうになっているのか。いわゆる添乗員の教育というか研修の問題は、言うなら旅行業協会の仕事の一つになっているわけですね。これをしさいに見ると、言うなら旅行業者の希望というか考え方によってその講習を受けさせるということになっていると思うのです。そしてやはり講習に要する費用は、個別にそれぞれの業者が持たねばならぬ、当然かもしれませんが、そういうふうになっている。やはりそこに問題があると思うのです。だから、一定の講習なり職業訓練を受けた者、あるいは何年たったならば再教育を受けるとか、そういうような制度でやはり職業訓練を制度化することが先だろうと思うのですが、制度化するためには、旅行業者に対してある程度添乗員のそういう職業訓練に対する責任を持たせるということが先だろうと思うのです。 御承知かもしれませんが、英国あたりでは、そういう職業訓練のための訓練庁という役所ができているそうです。それで、その運営については、いわゆる官民それから働く者、そういう三者構成で運営されている。それからもう一つは、課徴金制度と補助金制度を組み合わせて、業者に対して添乗員の職業訓練を半ば強制的なものにしているという方法をとっているそうでありますが、先ほど申し上げたように、わが国では旅行業協会がこれを担当している。添乗員の訓練なり研修は、それぞれ旅行業者の恣意に任せるということでありまして、これでは資質の向上にはほど遠いのではないか、言うならば、現在の業界の実態からいってむずかしいのではないかというふうに思うのでありますが、そういう訓練制度を新しく検討する用意はありませんか。
○山元政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在は日本旅行業協会において添乗員の研修を実施しておりますが、旅行業者の希望が反映するという面があるかと思います。したがいまして、添乗員の資質の向上を図っていくということは非常に大事な問題でございまして、この問題は旅行者にとって大変に大事なことでございますし、ただいま先生から御提案のございました官民労の三者の共同による職業訓練の制度化ということは、一つの非常に検討すべき構想かと存じますので、今後十分に研究をさせていただきたいと存じます。
○久保(三)委員 それじゃ、次にお尋ねしたいのは、ツアーコンダクターの会社があるそうですね、これはそれ専門の会社なんだそうですが、御承知でありますか。そしてどういうふうに指導というか考えておられますか。
○小池説明員 確かに、コンダクターを扱っている会社というものがあるのは承知しております。たとえば成田への送迎とか、そういうことを兼ねまして、あるいは外国における添乗、こういったことを扱っている会社が存在する、こういうことは承知しております。
○久保(三)委員 あることは承知していると言われるけれども、その対策というか、このあり方について検討する必要があると思うのです。というのは、旅行業者の責任で添乗というか、ツアーコンダクターはつけるものだし、また、運送約款によって決められるものだと思うのです。そうだとするならば、やはりいまの旅行業法の中で処理しなければならぬ。ところが、ツアーコンダクター専門の会社があるということは、これはどういう形態になるのか、むずかしい問題が出てくると思うのです。これはひとつ検討を加えていくべきだと思うのです。そういう点について観光部長は知らないで業務課長が知っていただけだから、これからひとつ検討してもらうほかないな。
○山元政府委員 御指摘の問題につきましては、研究なり検討をさせていただきたいと存じます。
○久保(三)委員 それじゃ次に、話は前後しますが、たとえば日本人の旅行の問題、これ一つとっても、大きくは過当競争が問題なんですね。この過当競争は、航空会社も入り組んだ話になりますけれども、過当競争をいかにして抑制していくかという問題が抜けていたのでは、旅行の質を向上したり何かをすることは非常に困難ではないかというふうにも思うので、この過当競争を鎮静化させる方法はどういうふうに考えておりますか。
○山元政府委員 先生御承知のとおりに、現在の旅行業者は、登録という制度で業務が行えることになっておりまして、登録に当たりましては、登録基準に基づきまして、厳重な審査を行ったり、あるいは営業保証金、純資産につきまして基準を設けて処理をいたしておりますが、一応、そういうものに該当するものは登録を認めるということでございます。しかし、現在の情勢では相当変化もございますので、現在、営業保証金の引き上げ等を含めまして、りっぱな旅行業者が健全な旅行業務を行えるようにやってまいりたいというぐあいに考えております。
○久保(三)委員 お尋ねする方も抽象的だが、お答えになる方も抽象的で、あたりまえの話をしているようなもので、何かくつの上から足をかいているような話なんですが、もう少し業界の実態にメスを入れて対策を立てなければならない大きな問題だと思うのです。だから、私の質問することが単純であなたの答弁することも単純で、何か簡単にできるような御答弁だが、これはなかなかむずかしいと思うのです。 ついてはその陣容を、この答申にも不良業者を徹底的に摘発しろということを言っているのだが、そういう能力は、いまの観光部を頂点にした都道府県の観光課ですか、そういうものを取り締まるというか、そういうものはなかなかできないのではないかというふうに思うのです。取り締まりについて運輸省観光部は通達一片を出せばいいかもしれませんが、通達一本ではこういうものはなかなかできないと思うのです。それには一つは査察が必要なんです。それから情報は振興会なり旅行業協会にどんどん来るわけですから、これをもとにして摘発する。そういうことをしなければ全然痛くもかゆくもありませんから、そういうものは直らぬということです。 そこで、そういうものをひとつ考えてもらいたいと私は思うのですが、別に御答弁はいいでしょう、決意のほどだけを聞きましょう。
○山元政府委員 御指摘のとおり無登録の業者が問題を起こしている点がございますけれども、現在の陣容とか法律制度では不十分でございますので、現在、旅行業法の検討を加えている中におきまして、たとえば立入検査権を認めるようにしてもらう、あるいはそれに必要な体制をとることは一つの重要な課題かと思いますので、今後、一つの大きな問題として検討させていただきたいと存じます。
○久保(三)委員 時間がなくてあっちへ飛びこっちへ飛びになって恐縮ですが、いまの話に関連して不良な業者というのは、たとえば賭博ツアーなどを持ってくる業者は不良の業者とわれわれは考えるわけなんですが、先ほどお話しのように、いまの旅行業法ではこの業者は処罰の対象にはならない、こういうことなんですね。だから、そこに問題が一つあるわけですから、十分検討を急いでもらいたいというふうに思うのです。 時間がないので、最後になりましたが、これは航空局が中心でありますが、先ほど来もお話がありましたように、言うなら航空運賃の自由化の傾向というのがアメリカの政策として出てきているわけです。特にノースはもうすでにIATAを脱退したし、パン・アメリカンも先般脱退を宣言しておりますから、そうなりますと、IATAはいままで国際航空運賃のカルテルの機構として存在しているわけですが、このカルテル機構を脱退した場合には、二国間協定によってそれぞれの国において承認されるものが航空運賃として適用されることになろうかと思うんですね、それについて特にアメリカが仕掛けてきている、ところが、さっき話があったように、アペックス運賃なども、これはアメリカの方ではまだ渋っている、それをやるのなら、ノースの方の運賃引き下げを言うなら承認せいということでやっている、かたがた日本航空の方は、円高差益の問題もありましょうが、円高によるところの為替レートの変動によって、こちらの方は値下げするが向こうは値上げしろ、こういう要求をしている、これはなかなか話し合いがつかないと思うのです。 そこで、これは今後、どういうふうに持っていく所存なのか、航空局長おいでですから、専門的なことですから、航空局長からお聞きましょう。
○松本(操)政府委員 先生の御質問、非常に広範な問題を含んでおるわけでございますが、まずアメリカがIATAの機能をやめてしまえ、これに反対するというショー・コーズ・オーダーというのを出しております。これがもし物になりますと、いま先生がおっしゃったように、二国間の話し合いといいますか、相互の認可という形で運賃を決めなければならないということになるわけですが、国際運賃というのは、御承知のように第三、第四の自由のほかに第五の自由と申しますか、よその国から飛んでくるものも入るわけでございますので、簡単に二国間でこの話を決めるということは実務的には非常にむずかしい。そこで、アメリカのショー・コーズ・オーダーに対して、四十二カ国がすでに反対の意向を表明しておりますし、ICAOも反対の決議をしております。米国内の国務省もどうも余りやり過ぎではないかというふうな意見を出しておるようでございます。 したがって、この行方は、いまここで私、結論を言うところまで判断をつけかねるのでございますけれども、いずれにしましても、対米関係の議論では、従来のIATAの場というものの役割りがある程度落ちてきているということは、現実問題としては否めなくなっております。 そこで、そういうことを踏まえて、いま御指摘のありました、まず方向別格差の是正の問題につきましては、これは向こうを四%上げ、こちらを四%下げるというのを、IATAの協定としてアメリカ政府にも出してあるわけですが、いまのようないきさつがあってアメリカ政府がうんと言わない、それでは、大臣の御指示もございまして、思い切って日本発往復運賃を割り引いてしまえ、こういうことで、すでにヨーロッパの一〇%引き、オーストラリアの一五%引き、カナダの一五%引き、これは全部発効してしまったわけでございますが、アメリカについてのみまだこれが発効していない。アメリカの理由は、運賃格差というものは日本側にとっては意味のあることであっても、アメリカ側のドルが動いたわけじゃないのだからというふうな理屈を一方でこねておるようでございます。そう言いながら今度は、別のいわゆる低運賃政策というものに乗った形で、これも先生いまお話のございましたノースウエストの距離比例制運賃と申しますか、短いところは思い切って安くしてしまうというふうなのを持ち出してきているのが、先ほどおっしゃいましたノースウエストのシアトル発の三五%引きでございます。ところが、日米間だけで議論をいたしますならば、仮にここに一つの理屈があるにいたしましても、シアトルのすぐ向かい側はバンクーバーでございますので、バンクーバーと東京の間の運賃についてアメリカ側がとやかく言う立場にない。カナダと日本の間で仮にこれを議論しようといたしますと、アメリカがさっさとこれを三五%下げてしまうということになると、カナダというものは非常におかしな立場に置かれてしまう。したがって、これは日米だけで論じ得る問題ではございませんので、当然カナダも巻き込んで議論をしていかなければならない、こういうことになろうかと思います。 米国がどういう理由で、われわれが提案しております方向別格差というものについて難色を示しておるのか、正確なところはなかなかうかがい知れませんけれども、しかし、先生もおっしゃいましたように、自分の国が提案しております低運賃政策というものを押し込んでいくための手段方法としているのではないかという疑いはないわけではございません。 そこで、私どもの方としては、今後の問題として、まず方向別格差というものは、これは当面の是正策としてどうしてもやっていかなければならない問題だと思いますので、たとえば東南アジアとかそういったところについても、この往復割引のようなものは拡張していく。それから、いまお話の中で出てまいりましたアペックスのようなものは、まさに方向別格差にとどまるのではなくて、これは本格的な低運賃政策のはしりでございます。これを初めとする各種の低運賃をたくさん取りそろえるということによって、旅客が自分の旅行の都合に合わせましてどれかの低運賃を採用していくということによりまして、いまよりもはるかに合理的に旅行ができるように持っていくという考え方でいきたいと思っております。 ただ、いずれも二国間の問題が絡んでくるということでございますので、IATAの機能がいささか低下をしたのではないかと思われるような現状で、特にアメリカに対してこれをどうやって押し込んでいくか、この手段方法としては、いろいろございましょうが、先ほどもちょっと申し上げましたように、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダといったような大きなところについてどんどんと話を進めていく、アメリカだけが自説に固執して孤立無援の形になっていくということで、国際世論の場においても十分にたたいていけるような形をつくり出しながら、また別途、直接アメリカに対してもいろいろと注文をつけていくというふうなことの組み合わせによりまして、できるだけ速やかに私どもの考えております方向で進んでいけるようにいたしたい、このように思っております。
○久保(三)委員 時間でありますから最後に、いまの航空局長の答弁に関連してですが、対米交渉は単に運賃ばかりじゃなくて、前の委員会でも申し上げたように、日米航空協定の改定が根底にあると思うのです。これは中断したままになっているのですが、運輸大臣の御方針としてはどう処理されるつもりでおりますか。いまの運賃の問題を含めて、ベースになる航空協定についてやはり改定をしなければならぬ、当然な話なんですが、結局いまデッドロックに乗り上げたままでいるわけですが、いかが考えておられますか。中断したままで一年になるじゃないですか。
○森山国務大臣 運賃の問題につきましては、私自身も方向別格差運賃の是正ということでアメリカ、カナダ、豪州一五%引き、ヨーロッパ一〇%引き、そういう形で実施に移し、アメリカを除いては日本及びそれぞれの地区でもう実施に移されておる、アメリカだけがうんと言わぬというような動向であります。そのほか、先ほどあった、相手方が四%上げてわが国が四%下げるとかあるいはアペックスの運賃とかいろいろなことがありますが、そういう問題についてアメリカは認可を一向におろさないで、そして一方、ノースウエストは、会社独自の立場ということでありますが、昨年の五月か六月ごろ、こちらの方から路線がないということで却下になっておるシアトル−東京間の運賃三五%引きをぽんと出してまいったわけであります。 それで、私としましては、実はこれは内部のことでいかがかと思いますが、あれは一月の二十九日ごろでしたか、きわめて事務的にぽんと持ってきたものではありますが、私の目についたのは、新聞にそういう記事が出ていてびっくりしまして、これはお恥ずかしい話でありますけれども、それをただ、いままでのような事務的にこの前断ったのだから断ればいいというような簡単な問題ではない、一年前と今日とは大いに事情が変わっておると私は考えましたから、単に一年前と同じようにこれを却下するのみにとどまらず、先ほどお話がありましたように、バンクーバーの方は並行路線であるから、これはカナダの方がどういう考えか調べてみろということ、あるいはアメリカの方がこの時期に一体何を考えているのだ、こちら側が申請してある運賃の問題に返事をしないで、新しいというか、昨年出した要求ではあるけれども、三五%のものを出してくるというのは一体どういう意向であるか、改めていまその事情を調査しておる、だから今度は、いままでのように、ただ事務的にぽんとだめだという措置ではありません。これはカナダの基本的な考え方、アメリカ側の基本的な考え方を十分調べた段階で運賃問題に対処する態度を決めていきたいと実は思っております。 それは御説のとおり、日米航空交渉というものと全く無関係だということではないというふうにも考えておるわけでありますが、この日米航空交渉がいま中断した形になっております。これから日米間の不平等是正という見地からいろいろなやりとりをいたします際にも、日本側の国際空港事情、キャパシティーというものが、成田の現状がああいうことでございますから、すでに三十三カ国から航空協定の締結を申し入れられていますが、それらの国々から飛行機が入ろうとしてもなかなかこたえられないと同様に、アメリカとの関係で路線問題等の議論をします際に、日本の現状は余り余地がないということにも悩みがあるわけでありますので、私などは、どちらかと言えば、そういう問題に本腰で取り組んで解決のめどはつけたいとは思っておりますが、どうもわが国の今日の国際空港のキャパシティーという観点から見て、現段階としては果たしてどんなものだろうかということで、先般の委員会でございましたか、久保委員からもう廃棄するつもりでやったらどうだということでありまして、私も、廃棄というのが将来にわたっての日本とアメリカの間の航空交渉の一つの方法であると思いますし、かつて英国がやったように、日本もそういう方法があることは承知しておりますが、現段階においてそういう術策をとることが、局面打開にとってよりいい事態を招くか、得策であるかどうかという点なども心中ひそかに考えておりまして、現在の段階では、この問題はきわめて重要であると考えておりますが、それ以上のアクションをとるということについては、考えておると申しますか、はなはだ私らしくない表現だとお思いかもしれぬが、慎重に考えておるということであります。 しかし、運賃問題はほうっておけませんから、したがって、ただ事務ベースで、去年だめだからことしだめというような扱いではなくて、一体どういうつもりでこういうことをやっているのかということをよく確かめまして、そうなればあなたのおっしゃるような日米航空協定の基本にも関係があるようなことがまたバックにあるかもしれませんし、いずれにしても、去年だめだからだめというような扱いではなくて、この段階において十分に調査し直して、慎重に対処したいというのが率直な私の態度であります。また、そういうつもりで対処しておるわけであります。
○久保(三)委員 時間ですからこれで終わりますが、いまの大臣の御答弁の中で、国際空港のキャパシティの問題もある、私も、それは否定しませんけれども、日米航空協定そのものの改定について、わが方が平等性を回復することについては直接的な関係はないのではないかと思うのであります。 それからもう一つは、運賃の問題が多少関係あるかもしれないというお話ですが、多少どころか、言うならば向こうは自由化、不平等の上に乗って自由化で来ておるわけでありますから、そういう問題を含めて、この際は日米航空協定の不平等是正というか、そういうものを進める必要があると思うのです。それからもう一つは、国際情勢というか国際関係の問題でありますから、単純なわけにはいかないと思うのでありますが、航空協定に限定して考えれば、わが方は失うものは何もない。だからこの際は、けじめをつけるためにも勇断をした方がいいのではないかというふうに私は思うのです。別にけんかしろということでけしかけて言っているわけじゃありませんけれども、そういう情勢を踏まえながらやらぬと、じんぜん日を送って既成事実が築かれてくることは、いままでの例がありますから、これは警戒しなければいかぬと思うのです。そういう意味で申し上げているわけであります。 以上で時間でありますので終わります。ありがとうございました。
○箕輪委員長 これにて久保三郎君の質疑は終了いたしました。 薮仲義彦君。
○薮仲委員 国際観光振興会法の一部を改正する法律案について若干の質疑を行います。 私は、いままでいろいろ御質疑がございましたので、具体的な問題でお伺いしたいのですが、まずその前に、基本的なことを何点か確認さしていただきます。 今回の改正案は「海外組織を有する国際観光振興会を活用して、急増する日本人海外旅行者に対し、海外での旅行事情に関する情報の提供と旅行の相談に応じ、海外での事故やトラブルを解消するため」とされておりますけれども、このように理解してよろしゅうございますか。
○山元政府委員 そのとおりでございます。
○薮仲委員 それでは、この法案の中身をお伺いいたしますけれども、この法案の中身にこうございます。「日本人海外観光旅客に対する旅行に関する情報の提供その他日本人海外観光旅客の旅行の円滑化に必要な業務」云々、こうございますけれども、ここで言う「円滑化」について確認をいたしますが、先ほど来ございましたように、観光政策審議会の意見具申によってこのようになったと思うのでございますが、その中にこういうことが書かれてございます。「近年、日本人海外旅行者の急激な増加に伴い」「旅行中に種々の事故やトラブルが発生している」「旅行者が旅行先で特に盗難、詐欺、急病、現地人とのいさかい等の事故やトラブルに遭遇するのは、旅行者が現地の社会事情、習慣、衛生状態等について十分な知識を持っていなかったり、外国人と異なり、言葉の障害があることに起因する」として、「これらをなくすために援助体制を確立する」、こうなっておりますけれども、この「円滑化」ということは、いまここで書かれていることを意味していると理解してよろしいですか。
○山元政府委員 「旅行の円滑化」とは旅行に関する情報を積極的に提供することによりまして、日本人の海外観光旅客に生ずるトラブルを未然に防止し、何らかの支障が生じた場合におきまして、相談に応じて、その支障を取り除くために必要な知識、手段を教示することによりまして、日本人海外旅客の旅行の円滑化を意味するわけでございます。
○薮仲委員 私の言ったことにすぱっと明確に答えてください。私の言っているのは、この中のことを読んで言っているのですから、重ねて読まないで……。 ここで言っているのは「盗難、詐欺、急病、現地人とのいさかい等が起こったとき」、こうありますけれども、これを含むのですねと聞いているのです。間違いございませんか。
○山元政府委員 支障を取り除くために必要な知識、手段の教示でございまして、その紛争そのものを解決するわけではございません。
○薮仲委員 よくわからないのですけれども、私は意見具申の中に書かれているとおり読んでいるのですから、これはやるのかやらないのかで、ぽんと答えてください。ここに書いてある「盗難、詐欺、急病、現地人とのいさかい等の事故やトラブルに遭遇する」、これに何らか役に立つのか立たないのか、どちらなんですか。
○山元政府委員 役に立つ情報は提供しますけれども、盗難とか殺傷事件とか、そういうものは領事館業務でございますので、その解決そのものは当事務所が行うものではございません。
○薮仲委員 役に立つのか立たないのか、余り定かでございませんけれども、それでは、もう少し具体的にお伺いします。 この改正をするのはどのようなためにやるのかということを、もう一度確認しますけれども、たとえば日本の旅行客が海外に出ていろいろ困ったことが起きた、そのときに「国際観光振興会の事務所に行けば、いろいろと相談に乗ってあげますよ、気軽にお出かけください」、こういうことなんですか。
○山元政府委員 旅行者の方が最終的に判断し、みずからか他の人の力によって解決するわけでございますが、そのための判断材料を振興会の事務所が提供するという趣旨でございます。
○薮仲委員 観光部長の話を聞いていますと、何のためにわざわざ改正をしてこういうことをやらせるのかよくわからないのですけれども、それでは今度は、もっと具体的に聞きます。 これは旅行業者の出している海外のガイドブックですが、ここの中にこういうことが出ておりますから、中途半端なことを言わないで、もう少しすかっと答えてください。ここの中には「旅券等の紛失のときには外務省もしくは領事館に行きなさい」、こう書いてあるのです。これは、いまおっしゃったように、確かに領事館事務であるから当然です。ただそのときに、一つは、このガイドブック等に「今後この国とこの国とこの国」、さっき十六カ所とおっしゃったけれども、「十六カ所については国際観光振興会の事務所がございますよ、ここでは適切な情報が提供されます」ということを、このような日本航空とか一般旅行業務を扱うところが出しているパンフレット、ツアーの紹介などに明確にお書きになるのか、これが一つ。それから「何かトラブルがあったら、御相談に窓口にお出かけください」ときちんと書かせなければ、何のために法改正したのかわからなくなってくる。法改正をして、一般旅行業者や日航等のこのような紹介の中にちゃんとそう記載されるのか、重ねてお伺いいたします。
○山元政府委員 御指摘のとおり措置する考えでございます。
○薮仲委員 それでは、ちょっと具体的にお伺いします。 いまのガイドブックの中に「パスポートを紛失した場合には、大使館ないしは領事館においでなさい」ということが出ております。この問題で窓口に来たときに、どのような手続をしてくれるのか。さっき同僚の委員の方から、大使館との連携はとれておりますかと質問がございましたら、大使館との連絡はとれておりますということでしたが、ただ大使館の場所を教える程度であれば何ら法改正する意味合いもない、わざわざここに記載する意味合いもないと思うのです。そこに相談にお見えになった方に対して「かくかくしかじかの方がこれから大使館ないしは領事館に行きますよ、いまここで受け付けました、大使館の方の取り扱いをよろしく」というような親切な取り扱いまでやってくれるのですか。
○山元政府委員 事案によりましては、電話で、旅客の求めに応じて紹介をするとかあるいは連絡をするということまで含んでおります。
○薮仲委員 もう少し具体的に伺いますけれども、海外でパスポートを紛失しますと、普通再発給まで最低一週間かかるのじゃないかと思います。その間、たとえばパスポートのみならず、いわゆる旅行の小切手、金銭等も一緒に盗難に遭った、紛失した、それで私は、パスポートもなくしましたけれども、滞在費にも困りますし、帰る旅費にも困ります、このような問題に遭遇したときには、たとえば具体的に何かこの事務所は役に立つのですか。
○山元政府委員 費用の立てかえは、領事館業務の一環として法律で手当てがされております。したがいまして、たてまえとしては事務所が立てかえをするということは考えておりますせん。しかし、従来事務所を訪れた方で非常にお困りになった方に対して、事務所の職員が個人でめんどうを見てあげたというような事例はございますけれども、今回の法律によって立てかえ払いを行うという趣旨ではございません。
○薮仲委員 この法案の条文を見ますと、業務内容についても、先ほど来御答弁聞いておりますと、非常に抽象的かつあいまいもことしておって、どこまでが業務権限の範囲なのか、お仕事をどの程度やっていただけるのか、まだ定かでない、今後その辺を明確にお教えいただきたいと思うのでございます。 と同時に、この法案はいつごろから役に立ってくるかと言いますと、ここにありますように、公布のときから、こうなっております。これは予算を伴っておりますので、予算措置ないしは政省令等の関係、法令の手続等もありますけれども、この改正案が施行されるのは、大体めどとしてどの程度を考えていらっしゃるのですか。
○山元政府委員 国会の審議が終わりまして、公布をされた日から体制を実施したいと考えております。と申しますのは、現在でも、先ほど大臣からもお話がございましたように、年間六千人程度の旅客の方々が御相談に見えているという事実もございますので、公布の日から正式な御相談を行うということにしたいと思っております。
○薮仲委員 きょうは余り観光部長さんを突っ込んでもしようがないのですが、私がなぜ確認したかったかと言いますと、先ほども御指摘がありましたように、現在三十四名ないしは現地の方を入れて六十名そこそこ、七十名そこそこの方でおやりになる、そうしますと、いままでやっておった業務にそれ以上大変な業務が一つ加算されるわけでございますから、この三十四名の方に対して、業務の内容を徹底し、かつ、そのエキスパートにするために教育訓練等に相当な、相当と言わないまでもある程度の日時を要するのではないか、現在の体制の中でやっていくのはなかなか大変だなという感じを受けるわけでございますが、そういう点をきょうここで余り突っ込んで聞くのもいかがかと思いますので、そういう点は業務内容等を含めてここまではできますということについては、利用する側に十分周知徹底させる必要があろうかと思いますので、その点は遺漏のないように、形だけの法改正ではなく、実質の伴った体制を御検討いただきたいと思うのでございます。 次の問題に移らせていただきますが、先ほど来何回か旅行マナーの問題が指摘されております。先ほども御答弁の中で、一般観光業者の方の指導あるいは添乗員の方の教育訓練ということが指摘されております。しかし、いままでもおやりになったと思うのですが、いままでやってきてこのような結果になった、では、今度新たに何か周知徹底をされるために新しい手続ができるのか。先ほどもありましたように、一般旅行業者の方は商売ですから、お客様に対して厳しい指摘等ができるのかできないのかになりますと、大変問題があると思うのです。いままでやってきてこうなった、しかも現地に行ってからはフリータイムで皆さんどこかへ行ってしまう、こういうことになりますと、マナーがこの中でも指摘されながら、何らそこで具体的な指摘がないまままたお出かけになるということがあるわけです では、いままでと変わってこのように改善し、こういうことをやりますから、旅行のマナーの徹底は大丈夫ですという何か新しい施策をお持ちなんですか。
○山元政府委員 旅行マナーの問題は、先ほどからの御指摘の中にもございましたように、個人の問題であり、日本の非常に長い歴史の中で培われてきた問題でもございまして、早急にこれを解決するというのは非常にむずかしい問題かと思います。したがいまして、運輸省としても、これまでも旅行業者に対していろいろの指導はしてまいりましたし、旅行業者の団体もみずから自粛はしてきております。今回の対策の一つは、旅行マナーの改善という点にあるわけでございますが、運輸省としても、多少の予算を持っておりますので、その実態等をよく調べまして、それに対応する対策について着実に進めていきたいと考えております。
○薮仲委員 私の聞いている質問に的確にお答えいただきたいのですよ、限られた時間の審議ですからね。 そんな金があるからといってできるものじゃないし、何を具体的におやりになるのですかと私は聞いたのです。このようにやりますという御答弁が何にもない。ということは、今後おやりになるということを期待してきょうはこのくらいにしておきます。余り最初から観光部長さんを問い詰める気持ちはございませんので……。 ただ、私は一つ提言しておきますが、観光部長、これは一つの例ですけれども、一般旅行業者が出すツアー紹介のパンフレット、こういうものがいろいろ出ておりますが、私がここの中をずっと見ておりましても、どこで出しているのでもいいですからごらんになってください、この中には、たとえばマナーについてはほとんど書かれてないんですよ。書けないという立場もわかります。しかし、この中にも出ておりますが、これは運輸省の表現にしてはなかなかいいなと思ったのですが、運輸省のポスターには「あなたも親善大使、正しいマナーで海外旅行を」、そしてパンフレットには「習慣の違いが思わぬ誤解を招きます」と書いてある。ポスターの中にそういうのがあったら、このパンフレットの中にも大きく「あなたも親善大使、正しいマナー」と一行書かせるぐらいの御努力をなさったらどうか。そして国々によって特にトラブルを起こすのが、アメリカではこういう点ですよ、香港ではこういう点ですよ、中国ではこういう点ですよと、たくさんは書けないかもしれませんけれども、一行ぐらい、一つぐらい、基本的な問題についてマナーをここに掲載するという指導があれば、ちょっとは見るのじゃないか。たとえばあなたも親善大使というイメージが旅行者の中にあれば、ああそうだ、私も日本の代表として行ってくるのだというところまではいかないにしても、少なくともないよりは意識が喚起できると思う。 そのような意味で、こういう紹介の文献であるとかパンフレットの中に一行でも二行でもマナーをよくしようと書く姿勢が見られてくれば、私は、少なくとも一歩前進だと思うのでございますが、運輸省はマナーを改善するためにこの程度おやりになる決意はございませんか。
○山元政府委員 従来からも観光部で資料、パンフレットを作成するとかあるいは政府広報を通じてPRするということをやっていたわけでございますが、ただいま先生から貴重な御助言がございましたので、ぜひ実行したいと考えております。
○薮仲委員 それも一つであってすべてではございません。日本の国民の評判が海外でよくなるかならないかの問題でございますので、観光部長の御努力をさらにお願いいたす次第でございます。 次の問題に移らしていただきますけれども、最近は海外から日本の国に来訪する方々がふえてきた、そう言えばなるほどそうかなと思うのでございますが、では、具体的にどうなんだと思って数字を見てみますと、日本の国にお見えになりますのは、北アメリカ州ではアメリカ、欧州ではイギリス、アジア州では中国と言っても台湾、あとは韓国、この程度が大勢であって、あとの国からはなかなかお見えいただいていないというのが数字の示す現状だと思うのです。やはり今後の日本の平和外交を推進する上で観光というものは非常に大事なウエートを占める、そうなってきたときに、たとえば観光部としてヨーロッパに対しては日本のこういうところを紹介したい、あるいはまだ来ていないこの国にはこういうことを紹介したい、このような具体的な考えをお持ちなんですか。
○山元政府委員 確かに先生御指摘のように、来訪者の数の多いのはアメリカ、中国、韓国、英国というぐあいになっておりますが、ヨーロッパの関係の方々は比較的数が少ないというのは非常に残念なことでございます。したがいまして、これからECなどといろいろ経済的な問題で調整を図っていく上からも、ヨーロッパの方々にも日本のいいところをよくわかってもらい、あらゆる分野で協調が保てるように施策を進めていきたいと思っております。ただ、国ごとによっていろいろ違いますので、国別に応じたきめの細かい施策が必要だと思います。従来からも国際観光振興会がそれぞれの事務所に応じて施策を行っておりますので、そうした点の推進をさらに進めてまいりたいというぐあいに考えております。
○薮仲委員 観光部長、重ねて具体的にお聞きしますけれども、観光部でいただいた国際観光振興会のお出しになっているパンフレット、いろいろなお国のことがあって一々ここで広げませんが、ただ、私がなぜこれを申し上げるかというと、きのうちょっと出かけていって、オーストリアの観光局で出しているパンフレットをいただいてきたのですが、オーストリアは国でやっているから当然かもしれませんけれども、日本観光協会だって特殊法人ですから、国がしっかり責任を持たなければならないと思うのです。オーストリアでやっているのは、たとえば「紹介の仕方」とか「社会協調」とか「社会保障」とか「国と政治」とか「国際上の位置」というようにオーストリアの国の置かれた立場、あるいは音楽を売ろうとして「ウイーン」というパンフを出して、音楽についてはこうですよ、また、それだけではなく、スポーツをやりたければ「スキーにいらっしゃい」、さらには「ウイーンのケーキのつくり方」、こんなのまであるんですね。ところが日本のパンフを見ますと、そうとばかり言えませんけれども、出てくるのは奈良の大仏あるいは富士山、空手、柔道、日本髪、大体もう決まっているのです。それはわかるんですけれども、ただ今後、日本の国をどのように売っていくかとなったときに、たとえばヨーロッパ、アメリカ、中国、いろいろなニーズがあると思うのですが、このようにケーキのつくり方とかスポーツについてはこうですよというようないろいろなニーズに合わせた観光の提供、たとえば日本の歴史あるいは文学あるいは観光地、温泉をと、日本の国をいろいろな角度で縦割り、横割りに考えていけば、日本の国を、少資源の中で資源を高く売る、あるいは有効に利用できる面があるのじゃないか。 そのような意味で私は、先ほどから各国のニーズを調査したのですかと言っているのです。ニーズに合わせて、こちらも日本の国はこうですよとやったらどうか。観光部長もアメリカの観光局へ行ってごらんなさい。「どんなことが知りたいですか、鉄道の問題だったら言ってください、すぐ資料を提供します、何を知りたいですか、オレンジですか、すぐ提供いたします」、このようにアメリカの観光局へ行ったって、窓口に行った人のニーズに合わせて何でも提供いたしましょうということで、喜んでにっこり笑って出してくれます。 そこまでやれとは申しませんけれども、少なくともおやりになるのでしたら、このように本腰を入れて、同じ形のパンフレットがいけないとかなんとか私は言っているのじゃないのです、もう一歩開いて、お役人のお仕事という悪い表現ではなくして、本当の意味で日本を広く海外に知らしめて、友好親善とかいろいろな意味でこれが役に立つのじゃないかと思うので、このような努力をするお気持ちはないかどうか、ちょっとお伺いしたいのです。
○山元政府委員 従来からも総理府でつくっております、政治、経済、社会、文化等各般にわたる日本の全体をまとめた資料がございますが、それの概要を国際観光振興会で英文にいたしまして日本を紹介しているということもやっております。したがいまして、先生もお手元にお持ちの京都、奈良を紹介するというだけではございません。しかし先生御指摘のように、やはり国によりまして、あるいは訪れる外国人によりまして、それぞれのニーズが違いますので、さらにきめの細かい資料を作成して、そのニーズにこたえていく必要があろうかと思いますので、今後さらに努力をしてまいりたいと考えております。
○薮仲委員 私は、こうやってちょっと一部分だけ挙げているのですけれども、事ほどさようにこのことは本気になればなるほど業務が物すごく、やることが多いのじゃないか、この法案が成立しまして、本来の業務にいままで以上のことがプラスされる懸念もあるわけですね。そうすると、ただ法案は改正しました、このパンフに一行加えました、変わったけれども役に立ちませんでしたということにならないように、人員の配置等を含めまして、本気になってやるとなれば大変なことですよという御指摘をしておきたいのであって、どうかそういう点での対応についてさらに御努力をいただきたい、こう思います。 それでは、また次の問題を指摘させていただきたいのですが、これも出ておりますけれども、航空運賃とか宿泊費用それから食べ物、この三つが阻害要因ですと、この答申には出ておりますね、その中で航空運賃は、先ほど久保先生から御指摘ございましたのでこれはやめまして、私のお伺いしたいのは、いわゆるホテルの受け入れでございますが、観光部長は中級のホテルを用意したい、このようなことをおっしゃっておるわけでございます。おっしゃるのは結構ですけれども、具体的にたとえば東京はこのホテルとこのホテル、四国はこうですよ、九州はこうです、きちんと具体的な素案をお持ちなんですか。
○山元政府委員 私の考え方としては、中級ホテル、旅館を外人の方が気軽に、しかも快適に宿泊し得るような体制にしたいと思っております。しかし、まだ個々のホテルについてそれを外人の方々にPRできるという段階には至っておりませんが、できるだけ早く個々の旅館、ホテル名が確定するように努力したいと存じております。
○薮仲委員 大臣が参議院の本会議へ行かれるそうでございますので、大臣にちょっとまとめて質問させていただきたいのですが、ただいま私が質問しましたのは、今度の法改正の部分でございまして、この部分を含めまして私が運輸省、特に観光部を含めまして運輸大臣にお願いとこうあるべきじゃないかということは、先ほども指摘されましたように、資源小国の日本で観光資源というものは先祖古来といいますか、非常にとうとい貴重な資源であり、ある意味では世界に誇れるいろいろな文化遺産等を含めてあるのじゃないか、そういうものを今後、日本の行政の中である意味では保存と開発という非常に大事な役割りを観光というものは担っているのじゃないか。 そこで、先ほど大臣は、栃木出身とおっしゃって那須のことをおっしゃった、観光部長は余り国内旅行はいたしませんということで、ほとんどいらっしゃっていないので、ぜひ国内の観光地をぐるっと回っていただきたいのですが、那須に行ってもトテ馬車があるのです。これは大臣もよく御存じだと思うのです。私が子供のころ行ったトテ馬車というのは、トランシーバーを使っていないのです。いまはもうタクシーと同じでトランシーバーを使っていらっしゃる。ですから、もうムードも昔とは全然違う。これがいいとか悪いとかは別問題として、私の言いたいのは、日本の観光地、温泉というものがほとんど同じ雰囲気になってきてしまった。どこへ行ってもビルディングが建っている。ビルが林立するような感じの温泉観光地が多くなってきた。特色がなくなってきた。何となくひなびた温泉宿なんというものはなくなってきてしまっている。なぜこうなったかと言うと、御承知のように国際観光ホテル整備法、これによって形の同じようなホテルがどんどんできてきた、こういうことで温泉地に個性がなくなってきて、特色がなくなってきた、これではもったいないのじゃないかなと思います。 そういうことを含めまして、この観光部の予算を、先ほど数字の上では聞いてみたのですけれども、国内に対する予算というのはほとんどないのじゃないか、そう考えますと、この法改正と同時に、受け入れる日本の失ってはならない大事な観光資源、外貨獲得に大いに役に立つでしょうし、国際親善に役に立つ観光資源というものを、大臣の時代に新しい方向づけというか何か総合的な対策を考えていただけないか。箱根あるいは関西いろいろな観光地がございますけれども、その地域地域の将来の展望を含めた日本の将来像というものを何とかつくっていただきたい、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。
○森山国務大臣 先ほど来あなたのお話を伺っておりまして、大変示唆に富むお話で有益でありました。特にお金がなくても知恵さえ働かせればできること、それをやっているかどうかというお話でございまして、きょうは振興会の会長さんも同席でありますから、あなたの話を傾聴したであろうと私は思っております。 最後にあなたがお話しになられた個性ある観光地づくりということでありますが、私もまさに必要だと思います。先ほども申し上げましたように、私は栃木県の出身でありまして、「やすらぎの栃木路」というキャンペーンを昭和五十三年と五十四年、新年度も続ける。これは東京鉄道管理局の北局というのですかね、その北局で、アイデアマンがいまして、その人が中心になって、鉄道だけではなくて観光全般にわたってそれをオーガナイズしまして、非常にりっぱな成績を上げました。ですから、アイデアを持って実際やれば、かなりお金はかかりますけれども、相当な成果を上げることができるということであります。 役所の方で調べたところを受け売りいたしますれば、内閣総理大臣の諮問機関である観光政策審議会、五十二年十一月に「望ましい観光地づくりの方向」ということについて報告を提出されたとのことでありまして、その内容の具体化について日本観光協会に対して検討を依頼しておるということであります。どういう成果がいま出ておるか私は存じませんが、観光地づくりにおける地方公共団体の果たす役割りは、この報告でも強調されているというところでありまして、政府も、この点について十分留意して個性ある観光地づくりに努めてまいりたい。これは地方公共団体だけじゃなくて国鉄の管理局、その中で局長さんも御熱心だが、その下でアイデアマンがいれば、県を挙げての新しい観光体制を打ち出すことができているというようなことで、あなたの御提言につきまして十分留意して進んでまいりたいと思っております。
○薮仲委員 それでは、先ほどの続きを観光部長さんにお伺いさせていただきますが、いまは旅館のことでしたが、次は食事のことであります。観光部長にお伺いいたしますが、国際観光レストランをやっておりますということは非常に結構でございます。しかし、それも言葉で聞くとなるほどそうなんでございますけれども、ここに出ております具体的な数字を挙げるとなかなかそうはいかない。運輸省推薦のお店はどのくらいあるのですか。北海道二店、東北一店、北陸四店、九州二店、四国一店、こういう勘定ですね。大きいところはちょっと外して小さいところだけ読み上げたのは悪いかもわかりませんけれども、いずれにしろ百四十店です。これで受け入れ体制が万全とは、よもや観光部長もお考えにはならないだろう。この中で指摘されておりますのは、その食事の高いことが指摘されております。やはりこれも本腰を入れて、この国際観光レストランを育成しなければなりません。 さっき、あのような形でホテルをどんどんつくられたと申しましたが、私も静岡でございますが、新幹線でお通りになればわかるとおり、熱海へ行きますとビルの林立ですね。ただ温泉が出るだけで余り雰囲気が変わらないような、まあ、ああいうのも一つの温泉地かもしれませんけれども、あのような形になったのも一つの方向でありましょうが、それなら私は、この国際観光レストランを育成し拡大するために何らかの助成措置を講じることが必要だと思うのでございますが、助成措置を講ずることを考えていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいのです。
○山元政府委員 現在、国際観光レストラン協会に加盟しておるものは約三百六十社ほどございますが、そのうち百六十社ばかりが、運輸省の推薦ということで外人の方々に十分に御利用できるような体制をとっております。そしてこの運輸省推薦店を今後、着実にふやしてまいりたいと思っております。そういたしまして、外人の方々が食事の面におきましても低廉で、よい食事ができるような体制をつくりたいと思っております。そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○薮仲委員 私が聞いたのは、助成等を考慮しておりますかということですが、的確に御答弁をお願いしたいのです。
○山元政府委員 国際観光レストラン協会から、たとえば税制につきまして国際観光旅館、ホテル並みの軽減措置をとってほしいという要望が出ております。また輸入牛肉の特別枠の割り当て、現在、国際観光ホテルにつきましては、低廉で質のよい牛肉が年間三千トン特別に割り当てておられますけれども、そうした面についても、運輸省推薦のレストラントにつきましては、ぜひ新しい制度をつくってほしいという要望が出ております。これはいずれも外客の接遇に対しまして、できるだけ負担を軽減しようということでもございますので、運輸省としては、そうした制度あるいは税制の軽減ということについて、関係官庁といろいろ相談し、努力をしておるところでございます。いろいろむずかしい問題がございますけれども、一つ一つ着実に改善を図っていきたいというぐあいに考えております。
○薮仲委員 どうか着実に改善をお願いいたしておきます。 では、もう時間がございませんので御答弁は簡潔にお願いしたいのですが、五十三年度予算実績で総額幾ら、国際観光振興会に幾ら、残り幾ら、ぽんぽんぽんと三つお答えください。
○山元政府委員 五十三年度の観光部関係の予算は約二十二億でございます。そのうち国際観光振興会に対する補助金が十七億三千万円、それから観光レクリエーション施設整備、補助が二億四千万程度……(薮仲委員「残りだけ言ってください、時間がないから」と呼ぶ)以下は細かいものでございます。
○薮仲委員 いまこの数字を言われておわかりのとおり、予算のほとんどは国際観光振興会に行ってしまうんですね。残りはもう本当に数億です。これで国内観光をやろうと言っても、ある意味では私はできないのじゃないか、こう思うのです。 それで、先ほど来申し上げてきましたように、日本の観光をどうするのですかというのは、やはり予算をしっかり持って、日本の観光を将来どうするかということを、そろそろ運輸省観光部が真剣にならなければいけないでしょう。このようなことをやっておりますと、いまこの中にありますように、日本観光協会、これは地方自治体等が入って日本の観光をどうするかということをいろいろ御苦心なさっていらっしゃるが、その社団法人日本観光協会は年に一回の総会を開かれる、やはりここで、日本の観光の進路というものの具体的な方向づけが少なくとも運輸省からなされなければ、各地域地域では具体的に非常に困っていらっしゃるのです。観光部長は、日本の温泉地はほとんどここ数年行っていらっしゃらない、お忙しくて大変だ、お気の毒ですが、今度運輸大臣に要請して、北海道から九州、沖繩まで行っていらっしゃって、なるほど日本の観光のためにこうすべきだというようなビジョンをお持ちになることが大事です。この大事な国内観光資源を、本当に運輸省が本腰を入れてりっぱにして見せようという決意が観光部長にございませんと、形だけでは、いつまでたっても日本の国はよくならない。このままほっておきますと、日本の観光地がどんどんだめになるのじゃないか、こういうことも懸念されます。 それと同時に、私のところは地震県でございますから、地震のことも一言言っておきますと、たとえば下田等は地震によって観光客ががたっと減った。なぜかというと、道路の改修がおくれているからです。これでお客が来ないのです。バスが朝に出て夜中に着くのです。これでは観光誘致と言ってもだめなんです。ですから、そういうときに観光部長ないしは運輸大臣が建設大臣に、あの有料道路はただにしたらどうだとか、道路の改修の促進を運輸省観光部長が先頭になって、観光開発のために努力するとか、そのような決意がなければいけないと私は思うのです。 そういう意味で、予算の獲得と今後日本の観光を含めてしっかりがんばるという御決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
○山元政府委員 観光関係の予算は、先ほど申し上げましたのは一般会計の予算でございますが、そのほかに財政投融資として四百五、六十億、税制の減税も約二百七十億程度ございます。しかし御指摘のように、一般会計予算での額が非常に少ないわけでございまして、私は、国内観光につきましてもさらに充実するように、予算の獲得あるいは対策の充実ということに全力を挙げていきたいと思いますので、今後ともよろしく御指導いただきたいと思います。 それから、第二の下田の問題でございますが、これは施設だけでも三十数億の被害を受けている状態でございまして、現在、道路が全線開通していないために大変な影響があるようでございます。私どもは、県、市、関係業界とよく相談しながら、入り込み客の増加が図られるように、できる限り努力をしていきたいと思っております。したがいまして、宿泊施設の増改築等を希望する旅館に対しましては、積極的に政府関係の金融機関から融資が行われるようにあっせんをするとか、あるいは関係官庁ともよく相談をしてまいりたいと思っております。
○薮仲委員 終わります。
○箕輪委員長 薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 午後一時五十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ────◇───── 午後一時五十一分開議
○箕輪委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。太田一夫君。
○太田委員 では、観光部長からお尋ねをしていきます。 あなたは観光部の仕事というのはそんなに長くないわけでありますから、細かいことを御存じかどうかわかりませんが、きょうの議題である国際観光振興会法の一部改正というものは、国内の旅行業者、いわゆる旅行代理店の業務あるいはその活動、その影響、そういうことに非常に関係の深いことであります。 そこで、ちょっと伺いますが、現在どのようなセット旅行——たくさんおっしゃらなくてもよろしいけれども、ホールセーラーが扱っておりますセット旅行というのはどんなものがあるかということを御存じですか。現在のあなたの常識と申しますかベースからちょっとお伺いしておきたい。
○山元政府委員 ホールセーラーは旅行業者の一つの態様でございまして、ツアーを企画し、卸す立場にございます。小売業者はそのホールセーラーからツアーを買い取りまして、これを商品として発売するわけでございますが、多くの商品は団体を組みまして、通常の場合にはその団体に添乗員をつけ、渡航先におきまして種々の観光を行うというのが典型的なものでございます。それにはブランド名がいろいろございます。ジャルパックとかルックとかそういう名前がつけられておりますけれども、基本的には同じような旅行形態でございまして、現在そういうブランド名として名の通ったものが六種類ぐらいあるというぐあいに聞いております。
○太田委員 だれかほかの人でもいいけれども、専門家の人、ちょっと答えてください。現在売られておりますホールセールのブランドを、一番大きい順に大体Aクラス、Bクラス、Cクラスくらいで十ぐらい並べていただけませんか。
○山元政府委員 交通公社が発行いたしておりますルック、これが取り扱いの人員にいたしまして約十一万、それから近畿日本ツーリストが発売しておりますホリデー、これも大体十一万程度、そのほかはかなり数が少なくなっておりますけれども、日本航空の子会社であります旅行開発が発売しているジャルパックは約九万六千、それから世界旅行が発売しておりますジェットツアー、これが一番大きゅうございますが、十四万七千というところでございまして、そのほかのものはわりかた取り扱い人員が小そうございます。
○太田委員 日本旅行のマッハはどうなっておるですか。
○山元政府委員 約三万人弱でございます。
○太田委員 いまおっしゃった四つとマッハを入れて五つ、五大商品というのは、これは名の通ったものでありまして、そのほかにも東急、京成、京王観光でやっておるキングツアーあるいは阪急交通社のグリーニングツアー、東急観光のトップツアー等がBクラスにその後続いておるわけですが、いまおっしゃった名前を伺いましても、海外旅行の主たる代理店というのは明らかに大きな資本でございますね。したがいまして、信用度というのは高くなくてはいかぬと思うのでありますが、このごろ、これら大手が扱った団体旅行でさえも、国外においていろいろトラブルを発生して各方面に迷惑をかけておりますか。
○山元政府委員 大手会社の発売している名の通ったツアーにつきましても、時としては誤ったことがないわけではございません。したがいまして、そういう場合には、当該会社の責任者を呼びまして注意を喚起しているところでございます。
○太田委員 部長の答弁は、先ほどから伺っていますが、優等生の答弁で、どうもちょっと味気ないのですけれども、ないと言えばうそだしあると言えばうそだと私は思う。大きな規模の旅行社が扱った商品というのは、大体濃密な計画のものが多いと思いますから、それは添乗員もしっかりしておれば、現地においても代理店、何か支店を持っておるというところもあるわけですから、そんなに大きくいままでどこかに御迷惑をかけたということはないのじゃないか、私はそう思いますが、先ほど観光部長がお答えになった中でこういうことを言っていましたね、領事館業務との関係についてお答えになって、領事館というのは邦人の保護、国を代表する外交が中心である、したがって、個人旅行はこの法律によってサービスの提供を行い、観光宣伝事務所においていろいろと案内をするのだ、こういうように先ほどお答えになりました。 そこで、海外の実情をちょっと承りますが、観光部長の考え方では、この十六事務所によって、これからは主としていろいろなトラブルの解決の衝に当たる、案内をするということにするつもりで、言うなら領事館にはお世話になりません、こういうお気持ちがあるのでありますか。
○山元政府委員 国際観光振興会の海外事務所で今後行います業務は、先ほど来申し上げておりますが、二つございまして、一つは、狭い意味での情報の提供業務といたしまして、現地の生活慣習等旅行マナーの改善に役立つ情報とか、治安状況等旅行の安全の確保に役立つ情報とか、あるいは法制、商慣習の特殊性に基づくトラブルの防止、解決に役立つ情報とか、こういう注意事項に関する情報を提供するということが一つ。それから第二は、相談、案内の業務といたしまして、旅行者個人にかかわるトラブル等の解決に役立つ判断材料、たとえば何か問題があったときにどのようなところに行けば解決に役立つか、あるいは手続はどうなっているかというような情報を提供いたしまして、旅行者自身がトラブルを解決することの手伝いをするということでございます。 したがいまして、いずれも広い意味の情報の提供でございまして、解決自身は旅行者みずからがやるか、あるいはそれが領事館業務に属することであれば領事館の方においでいただいて御相談いただく、こういう趣旨でございます。
○太田委員 そのことは、あなたの方が幾ら海外旅行を専管する部署であると言っても、この十六のわずかの事務所だけでいまの何百万人という外国旅行者を世話するとかめんどうを見るなんてできっこない。従来は領事館がやっておったでしょう、やるたてまえになっておったと私は思うが、外務省来ていますね。——あなたから答えてください。従来、旅行業者に対しては何をやっていらっしゃいましたか。何もおやりになりませんでしたか、今後はどうするおつもりですか。
○池田説明員 お答えいたします。 海外観光旅客を含む在外邦人の保護等を行うことは、外務省設置法第四条というのがございまして、これに基づいて本来外務省の権限でありますとともに、設置法第二十三条という条文に基づきまして在外公館の権限ともなっておるわけであります。これらの設置法の規定に基づきまして、在外公館におきましては、従来から邦人保護の業務の一環としまして、情報の提供とか相談業務とか、旅行者も含めました邦人の広い意味での保護をやっておるわけですが、たとえば昭和五十二年度の数字で見ますと、広い意味での相談業務というものが実に八万七千百九十二件と、全世界にわたってやっておるわけであります。 今次の国際観光振興会法の改正によりまして、振興会の海外事務所が情報提供等の業務を行うことになったわけでありますけれども、外務省及び在外公館の、先ほど申しました権限につきましては、何ら影響がないことは言うまでもありません。したがいまして今後とも、観光事務所がないところにおきましては、本来どおりの邦人保護の業務を在外公館が行ってまいりますし、それから観光事務所がある場所におきましても、最近の観光客がふえてきた状況にかんがみまして、観光事務所が海外渡航者に対しまして在外公館と密接な連絡及び協力のもとに情報の提供等の業務を行うことは非常に意味のあることでありまして、在外公館といたしましても、協力してやっていきたいと思いますが、一言で申しますと、従来の在外公館の役割りというものには影響がありませんで、今後とも、適切な観光旅行のために在外公館の職務を行っていくという考えであります。
○太田委員 観光部長、いまの話をお聞きになってどうなんですか。在外公館の任務は変わりないでしょう。変わらなかったら、いまのこの法ができたから、これによって案内をするの、情報提供をするの、いろいろな相談に応ずるのなんと言っても、これは二階から目薬という、ものですから余り大した効果が上がりませんね。だから、在外公館の任務は変わらない、権限は変わらない、やはり同じことをやって相談相手になってもらえるのです。ただ、そう言って外務省の肩を持つわけにはいかぬ。なぜいかぬかというと、在外公館というのは大使館、公使館はもとよりのこと、領事館に至るまで、一般国民の旅行者に対して非常につれないですね。にべもない返事が電話でもされるわけです。そんなこと一々やっておられないよ、人手が足らないよ、大体そういうことになる。ですから、親切にやっていただけないだけの欠陥はありますが、領事館は結構相談に応じておっていただけるわけですね、パスポートの場合はもちろんのこと、一般的な問題についてですよ。 だから、あなたの方は十六カ所をつくるけれども、そんなものでこれは役に立つなんて思って自負してもらっちゃ困る。だれが思いついたか知らぬが、ずいぶんつまらぬことを考えたもので、先ほども御指摘がありましたが、海外旅行者の一番行き先の多いのはアメリカ、そのアメリカにあなたの方の事務所は五カ所ございますね。その次に多いのは韓国、台湾ですが、これはゼロ、その次が香港ですが、香港にはあります。その次イタリアですが、ローマにはありません。マカオですが、これもありません。その次はフィリピンですが、これもありません。その次は、八番目にイギリスが来ましてロンドンにある。その次シンガポール、ありません。その次のタイとカナダは一つずつあります。その次スペインがございません。その次、十三番目がオーストラリアですが、ここにある。こんなようなぐあいにベストテンの行き先の地域を対象にして見ても、その事務所のないところが半分近く入る。そう考えてくると領事館の任務は重大だ。 だから私、きょう外務省に来ていただいたのは、領事館は国会議員とかお役人とかがいらっしゃったときには非常に機能を発揮してくださるが、その他には冷淡だという世評に反省をして、その権限、任務というものをもう少しうまくやってほしい、このことは要望しておきますが、観光部長もそのことをあなた知っておらなければいかぬよ。こんな二階から目薬という法案で海外旅行者のトラブルがなくなったり、相談事、悩み事が解消するなんというのはとんでもない間違いだと私は思う。 そこで観光部長、あなたなぜ韓国台湾、イタリア、マカオ、フィリピン、シンガポールあるいはスペイン等の多客訪問国に事務所を増設するということをお考えにならないか、あるいはお考えになる予定であるか、それはどうですか。
○山元政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、国際観光振興会の事務所がない場所に日本人の海外旅行者が数多く渡航している先がございます。特に韓国、台湾につきましては問題があろうかと思いますが、しかし、国際観光振興会には宣伝嘱託員という制度が、事務所の置かれていない個所十六カ所についてございます。これは主として日本航空に嘱託をいたしておりまして、宣伝業務をやってもらっているわけでございます。その個所には、たとえばローマとかシンガポールとかマニラとかモントリオールとか、いろいろとございますので、まずは宣伝嘱託員制度を活用するということを考えていきたいと思いますし、また宣伝嘱託員制度がない場所については、さらにそれをふやすかどうかということで対応を考えていきたいと思います。 それでなおかつ効果が上がらない場合にどうするかという問題がございますが、この点につきましては、将来の問題として十分に研究をする必要があろうかと存じております。
○太田委員 大臣に最初に大事なことを聞いておきますが、あなたの御提案によりますと、本法改正案の趣旨説明の中に「日本人の海外旅行者は現地の旅行情報に不足するとか、あるいは事情の不案内でとかくの問題が生じているので、こういう改善がきわめて重要な課題だ」、こうなっていますが、この「とかくの問題」というのは珍しい表現だと思うのですが、だれがお書きになったか知りませんが、この「とかくの問題が生じている」の「とかく」とは何ですか。部長が言われたようなそういう問題を指すのですか。
○森山国務大臣 提案理由説明の中の「とかくの問題」とはと、こうかみしもを着てお尋ねになられると、ちょっと窮屈なのでありますが、日本人海外旅行者が現地で事故やトラブルに遭遇したり、その行動につき批判を招く等のことであると考えております。 事務局でこの「とかくの問題」ということで、例として参考事項がございますので、これを読み上げますと、海外旅行経験者を対象に日本旅行業協会が昭和五十二年に行った調査によると、旅行者の一五%が盗難、急病、詐欺、交通事故、異性とのトラブル等何らかの事故に遭遇しておって、旅行中事故に遭わなかった者が八五%程度になっておる。また旅行者の半数が、日本人旅行者のマナーの悪さを自覚しており、具体的にはホテルのロビーやレストラン等での声高な会話や呼び合う声、みやげ物を買いあさる態度、服装の乱れや過度の飲酒等が見苦しいと批判をされている。なお外務省領事移住部の資料によると、五十二年に同部が把握した海外における死傷、疾病者は在外生活者を含め三百六十人となっておる。こういう種類の問題を総括いたしまして「とかくの問題」、こういうふうに書いたわけであります。
○太田委員 「とかくの問題」が生じているのが非常に重大だということは、わが国辱につながることが多いのじゃないかと私は思う。個人がけがしてちょっと手当てがおくれたとか、行く先がわからなくて迷ったというようなことは、そのうちの最重要問題じゃない。わが国の信用、国の恥辱に関することが案外発生しておるのじゃないですか。私はそれを心配する。マナーというような言葉で簡単におっしゃるが、それは御飯を食べるレストランのマナーとは違うのじゃないですか。国民のお行儀と申しますか、日常生活の対応じゃありませんか。 それでは、ちょっと伺いますが、ある雑誌出版社が五十二年の六月に出した海外旅行の案内書があるのです。それを私、何げなしに読んだのですが、その中にこういう章があるのです。「レジャーはこうして楽しもう」、ちょっと気になるところを読んでみますよ。「その土地を知るにはその土地の女性を知れというたとえもあるように、女性との触れ合いをためらうと、味気ない旅行になってしまう」と書いてある。そして途中若干省略いたしまして「町角に立つ、それと思われる女性に幾らでと聞くだけで通じるのである。お金の交渉を事前にきちんと行えば、あとは先方がホテルとか自分のアパートに連れていってくれる。」、こう書いてある。 これが活字となって一般の本屋さんで海外旅行の手引書として五十二年の春から売られておる。こういう書き方をしておるのは一般のまじめな出版物には珍しいが、まじめな出版物であるだけに心配だ。そんなことは何やら信用のおけないものに書いてあるならよろしいけれども、まじめな本屋さんのまじめな書棚に乗っていて、旅行案内というものを買ってきて読んでいたらそう書いてある。レジャーで旅行する観光旅行が、もうすでにパーセントとして絶対多数を占めておるときに、こんなものが書いてある本が手引書として売られるとは何事であるか。 それで、先ほども御指摘があって、運輸省か何かがおつくりになったなかなかいいものがあるそうですが、観光旅行者そのものは、どういうものを出しておるか、私もそうですが、知りません。それにはそういうことが書いてないということの御指摘が先ほどあったが、もうちょっと国内の旅行代理店業者に対する指導監督に重点を置かれる必要があるのではないかということを私も痛感する。部長、どうですか。
○山元政府委員 ただいま御指摘の印刷物につきましては、寡聞にして私、読んでおりませんけれども、そのような不健全な旅行を勧奨するような記事が出回るということは好ましくないと思っております。われわれは従来からも、旅行業者に対しまして不健全な旅行に関与しないように注意いたしておりますし、また旅行業団体におきましても自粛をしているわけでございますけれども、この機会にさらに政府みずからもPRに努めるとか、あるいは旅行業者に対して、不健全な旅行が広がらないように、やらないように、さらに徹底をするような指導をいたしたいと思います。
○太田委員 そこが重点だと思いますね。もとでたたくべきであって、末端でつかまえようということは無理ですよね。 総理府にお尋ねいたします。この観光振興会法の一部改正は、あなたの方の観光政策審議会が昭和五十三年十二月十二日に意見具申なさって、それに基づいて改正をされておる。先ほどから三つのねらいがあるとおっしゃったけれども、本当はその三つの中で一番の重点は何であったのか。海外観光開発の問題、海外へ行く人の問題、あるいはこちらの方へいらっしゃる外国人の問題、この三つの柱があるわけですね、この三つのねらいの中でどれが一番大事だと書いてあるのですか。
○野尻説明員 お答えいたします。 国際観光問題につきましては、昭和四十八年に観光政策審議会から「国際観光の意義と政策について」という答申が出されまして、その後、オイルショックを契機としまして国際観光をめぐる情勢が激しく変化をした、こういった情勢変化を踏まえまして、昨年の十二月に「当面講ずべき国際観光対策について」という意見具申がなされたわけでございます。 いま先生おっしゃられましたように、この意見具申は三つの柱からなっておりまして、その第一は訪日外客の対策の問題、第二番目は日本人の海外旅行者対策の問題それから三番目が観光をめぐる国際協力の問題、この三つの柱になっております。審議会の審議過程におきましては、この三つの柱のうちのどれが一番大切か、あるいはまたどれが一番大切でないかということではなしに、いまお話し申し上げましたように、四十八年の答申以来これまでの間のオイルショックを契機とした国際観光をめぐる経済社会の変化に対応した対策として当面講ずべき問題ということで、この三点にしぼった対策を検討いたしまして、昨年の十二月十二日に意見具申の形で出されたものでございます。
○太田委員 三つともやろうということになると、国内観光法の何か改正も出てこなければいかぬと思うのですが、それがない。 ちょっと後でついでに国内観光のことも伺いますが、国際観光のマナー、国民性に関係をいたしまして、若干警察庁にお尋ねをしておきます。 それはいまのお話で、こちらにいらっしゃる外国人よりもわが国から出ていく方が多いのだから、出る方があちらこちらで不作法なことをやっているとなれば国辱ものです、それは確かに。警察庁に伺いますが、軽犯罪法というのがありまして、その中でたんつばを吐くことは、確かに公衆の集まる場所等においては禁止せられておる。道路停車場、劇場、百貨店、集会場、公園、こういうことになっていますね。海外旅行の案内書などには、まじめな案内書には旅先でのエチケットとかマナーとして必ず書いてあるんですよね。路上につばを吐いたり紙くずやたばこの吸いがらを捨てないこと、また裏通りでも路上での放尿は厳禁である、これは全くそのとおり、大抵まじめなものには書いてありますが、このとおり実行されれば問題はない。でも、わが国内は軽犯罪法という法律はあってもそれは罰せられない。それでそのまま、いやそんなことは大したことなかろうという軽い意識で向こうでついうっかりということになるのではないか。その軽犯罪法二十六号の規制はどうしていらっしゃるわけでありますか。
○柳館説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のたんつばの吐き捨ては、軽犯罪法第一条の二十六号違反ということになるわけでございます。日ごろどうしているかというお尋ねでございますけれども、軽犯罪法にもいろんな条項がございますけれども、このたんあるいはつばの吐き捨てにつきましては、原則としては指導、警告にとどめる、悪質な場合にはこれは検挙をしなさいというような指導をいたしておるわけでございます。 もともとこうした問題は、本来マナー向上に関する一種の啓蒙活動が先行されるのが本筋ではないかというぐあいな考え方もございまして、原則としていまのような指導、警告をしておる、こういうことでございます。
○太田委員 まあ指導、警告ということで、指導を受けたこともなければ警告を受けたこともない小便マニアとかたんつばマニアがいっぱいいるんですよ。これは国鉄の駅に行って、あるいは飛行場も含めまして路上とか舗装された広場というところに、自分の持っている手荷物を気持ちよく置ける日本人というのは少ないですよ。皆汚いのだからという先入観がある、だから、机の上に置いてしまったりベンチの上等に外国に行けば置くようになって、ひんしゅくを買うわけだ。したがって、もうちょっと国内でしっかりと取り締まり当局もやって、せっかくの法律を余り空文にしないようにしてほしいと思う。そういうことが常態として身につけば、外国へ行って恥をかくことはないですね。日本の国民も品性が高まってまいりますよ。 それはそれとして、運輸省にもう一回お尋ねいたしますが、五十二年度の国際旅行収支は、帳じり十七億ドルの赤字ということになっていますね。元来、その帳じりの改善を目指して観光基本法もつくられておるぐらいでありますから、なぜ来ないかと言えば、外国の人が一番いやだとお考えになっていらっしゃる理由は、宿泊費、食事費交通費の高いということでしょう。それで、総理府の意見具申等によれば、国民宿舎はもちろんのことユースホステル、ペンション、民宿までも外国人が泊まれるように案内書に書いたらどうかと書いてあるか、それなら運輸省も登録制度——登録旅館、ホテルなんというものは、これはもう何の意味もないじゃありませんか。あんなものはやめたらどうですか、あなたの仕事がふえるだけだから。その辺はどうですか。
○山元政府委員 国際観光ホテル整備法に基づきまして、登録旅館、登録ホテルの制度がございますが、これはこれなりにやはり外客の方々のための施設として役割りを果たしてまいりましたし、これからもその必要はあるかと思います。 しかし一面におきまして、御指摘のように、円高の状況のもとにおいて、外人の方は日本の宿泊費が高いということで悩んでおる方々もおられるわけでございますので、先ほど来申し述べておりますように、中級のホテルあるいは民宿、ユースホステル、こういうものにも外人の方々が安心して泊まれるように、従業員の中に英語がしゃべれる者を置くように研修をするとか、あるいは英語、日本語を並べた簡易なガイドブックを、すでに国際観光振興会がつくっておりますけれども、こうしたものをさらに充実していくとか、そういうことによって低廉な宿泊ができるような体制も並行してやっていく必要があろうかと存じております。
○太田委員 別にそれが悪いとは言わないが、それならそんな高い、寄りつかないようなホテルや旅館に登録制度なんというものをむやみにふやしていく必要はないじゃないですか。やるならもっと幅広くやって登録を権威あらしめたらどうですか。登録ホテル、登録旅館というものの権威というのはいま失われておる。もっともホテルの数で言えば千三百九十七ホテルのうち三百七十三が登録、旅館では二万三千七十六あるうちで千五百五十が登録旅館ということになっておる。それは統計として出ておりますが、それほどの価値のあるものなら、もっと徹底した内容の充実を図らせなければだめだ。 そこで、厚生省に聞きますが、衛生監視体制や食品の試験研究体制の充実強化を図るのは、数年来のあなたの方の観光政策の目でありますが、そういうことを実際にやっていらっしゃいますか。現実に相当、第一線のホテル、旅館等においてはどうかということについて立入検査はしていらっしやいますか。
○七野説明員 お答えいたします。 この国際観光ホテル、それから旅館、レストラン、これらは食品衛生法上ではいわゆる飲食店営業という形の許可対象業種になっております。 そこで、いまお尋ねの件でございますが、都道府県、政令市、これに食品衛生監視員を設置いたしております。世間一般に食品Gメンと言われている方々でございますが、これが現在、全国で六千四百十五名各都道府県に配置されておりまして、いま申し上げました飲食店営業、もちろん国際観光ホテル、それから旅館、レストランも含めてでございますが、それの監視、指導を行っております。もちろん、この立入検査その他も行っております。さらに、試験検査体制につきましては、各都道府県の衛生研究所、それから保健所の試験施設の充実強化を図ってきております。これにつきましては、毎年のように私たち全国の主管課長会議、ことしは二月七日に開催をいたしましたが、この各全国の主管課長会議の席上でも、試験検査体制の拡充強化、さらには監視員の増員、さらには機動力の強化による監視業務の強化を指示いたしてございます。今後ともさらに、食品衛生監視員の増員、機動力の強化等に力を注いでいきたい、かように考えておる次第でございます。
○太田委員 それは登録ホテルであろうが一般のホテルであろうが、あなたの方の場合は一緒だ。観光部長、食品衛生からいったらどちらも一緒ですよ。何も差がない。何か差があるのですか。ないね。登録制度というものは、私は有名無実のような気がしてしようがないが、だんだんふえてきておりますので、これは充実を図っていただくことが望ましいのであります。 そこで、ちょっと建設省にお尋ねいたしますが、外国のお客さんが日本にいらっしゃるのは、日本本来の自然の風景美、自然の景観がすぐれておるところに非常に魅力を感じていらっしゃるわけです。どこへ行っても日本は公園のごとくきれいである、山紫に水明らかだ、であるけれども、最近は建設省はダムをつくることに一生懸命になって、水というものが商品扱いになりましたね。工場の方には潤沢に行くかもしれないが、渓谷美をなす谷川には水がない、これでは山紫に石明らかなるところであって、水がないのです。だから、自然美を尊重する精神が建設省にあるのか。同時に、あなたの方には、ダムサイトを何かひとつ人工の美を考えて名所にしようという気持ちがあるようですが これはあくまでも人工美です。自然美の方にあなたの方は重点を置かれるのか、人工美の方に重点を置かれるつもりであるのか、政策の基本をお答えいただきたい。
○堀説明員 お答えいたします。 ダムの建設は、河川の洪水調節、水道用水、工業用水及び灌漑用水という流域の治水利水上きわめて重要だということで建設省は実施しておるわけでございますが、この場合に、自然環境への配慮につきましては、自然公園法による国立公園あるいは他の環境関係の法律あるいは天然記念物、こういうようなことによりまして規制されているところにつきましては、関係行政機関と十分連絡を図り、またダム下流の維持流量の確保、工事計画のレイアウトあるいはダム完成後の緑化等の環境保全対策について十分配慮を行っているところであります。また、ダム事業については、昭和四十七年の各種公共事業に係る環境保全対策についての閣議了解に従って、必要な調査をいままでもやってきて対処したところでありますが、昨年からは湛水面積二百ヘクタール以上のダムについてみずから環境影響評価を行うということを決めておりまして、御指摘の渓谷美等の自然美についても、この中で十分配慮していくということにいたしておるわけでございます。
○太田委員 これは観光部長よりも運輸大臣に言っておいた方がいいと思いますが、総合的に各方面の意見を聞いておりますと、観光政策というのは、白書等が国会に出されるわりあいには、各省ともほんの日常の業務の一握りという程度にしか扱っていらっしゃらない。あなたの方も観光局というのはないので、観光部でしょう。別に局をつくらなければいかぬというわけじゃないですから、昔あったものを合理化されたわけで、その方が進歩的だろうというので部になっておるわけですが、しかし今日のように、外貨獲得のための観光政策であるのか黒字減らしの観光政策であるのかわからぬようになってきたり、相手の権限だかこちらの権限だか私の権限だかあなたの権限だかわからないことがたくさん出てきたり、何とかやっていくよりしようがないというような混迷した政策が入りまじっておっては困ると思うのです。日本国内の観光資源の尊重、これを大事にして、開発なんて大それたことを考えるべきじゃない。開発よりは自然美の尊重です。そういう点は大いに気をつけていただきたいと同時に、あなたの方も、今度の基本法との関係のことをお尋ねしたいと思いましたが、時間がないのでやめますが、基本法では、海外に行く人のために運輸省の観光部は全力を挙げよなんということはどこにも書いていないわけです。ひとつその点は考えていただきたい。 最後に、大蔵省と振興会の会長さんにともにお尋ねいたします。 国際観光振興会というのは、大蔵省では長年これはない方がいいじゃないかという意見が非常に高く大きくみなぎっておったと私は聞いております。今日大蔵省は、国際観光振興会というのは必要なものだから大いに大きくしなければならぬと考えていらっしゃるのか、それとも在来どおりどうもこれは余り好ましくない子供だなと考えていらっしゃるか、その点をお答えいただきたいし、そういう意味から佐藤会長には、あなたは将来この会をどのようなところまで伸ばすつもりであるか、決意をひとつお聞かせいただきたい。
○小粥説明員 お答えいたします。 特殊法人の整理、合理化の問題は、特に五十年以降行政管理庁を中心に政府部内で検討されてきたことは御案内のとおりでございます。大蔵省といたしましても、財政効率化の見地からこの検討に参加をしてまいりましたけれども、結果といたしまして五十二年の十二月閣議了解という形で特殊法人の整理、合理化については一応の結論を見ておりますが、当振興会はその整理、合理化の対象になっておりません。大蔵省といたしましても、お尋ねのように、この振興会が不要であるというような意見は持っておりません。現在の形で着実に業務を推進していかれるべきだ、かように考えております。
○佐藤参考人 国際観光振興会は、政府の方針を受けて今後、大いに積極的に観光政策の現場で実施の推進に当たりたいと思います。
○太田委員 終わります。
○箕輪委員長 太田君の質疑は終了いたしました。 小林政子君。
○小林(政)委員 今日の国際観光振興会法の一部改正は、国際観光振興会が従来行っておりました業務、特に外国人旅客に限定されていたものを今回日本人観光旅客を含めて行おう、こういうことでの改正でございます。現在すでに各委員からもいろいろと角度を変えての質問が行われておりますので、したがって、私は、できるだけ重複を避けて御質問をいたしたいと考えております。 とりわけ日本人の海外旅行者が増大をしている、しかもその中でいろいろとトラブルが起こっている、また事故が起きている、あるいは不健全性云々と言われるような社会的な問題にまで発展しているという事態も起こっている、したがって、旅行業者に対して今回事前に情報の提供やあるいは相談にも応じていく、こういう趣旨が述べられているわけでございますけれども、まずお伺いをいたしますのは、日本人向けの業務の範囲、この限界というものはどのようなことを定めているのか。先ほど来の質疑を伺っておりましても、必ずしも明確ではございません。私は、この点について、その内容も含めてお伺いをいたしたいと思います。
○山元政府委員 お答えいたします。 国際観光振興会の海外事務所が今回行います日本人海外旅行対策としての具体的な業務の内容でございますが、分けて二つございます。 一つは、情報提供業務でありますが、これは現地の生活習慣等旅行マナーの改善に役立つ情報だとか、治安状況等旅行の安全の確保に役立つ情報とか、契約関係の法制、商習慣の特殊性等トラブルの防止、解決に役立つ情報とか、海外における注意事項をパンフレットにいたしまして、日本人の海外旅行者に積極的に提供する、これが一つの業務でございます。 それから二番目は、相談、案内業務でございますが、旅行者個人にかかわりますトラブル等の解決に役立つ判断材料、たとえばどのようなところへ行けば問題の解決に役立つか、手続がどうなっているか、こういうようなことを日本人の海外旅行者に提供いたしまして、旅行者自身がトラブル等を解決するための手助けを行う、こういうことを業務の内容にいたしております。 したがいまして、両業務とも広い意味での情報提供の業務でございまして、先ほど来お話がございました領事館業務に該当いたします傷害とか盗難とか、そういうものの解決を仲立ちする、そういうような業務は行わないわけでございます。
○小林(政)委員 御承知のとおり、海外旅行を行います旅行者の実態というものを調べてみますと、観光旅行を行う者三百五十二万人のうちの九〇%近くが旅行業者を利用して海外へ出ているわけでございます。したがって、もちろん今日のように急速に日本人の海外旅行、観光旅行というものがふえている現状の中では、何らかの形で旅行業者と国の関係機関が協力をして、国外で不自由な状態になっている人たちや、あるいはまた事故その他の防止のために協力をするということは、私は当然のことだというふうに思います。ただしかし、海外旅行者の相当数がいわゆる観光旅行業者を通じて海外へ行っている、そうしますと、情報の提供だとか、あるいは旅行先で何か事故が起こったとか、そういったような問題については、当然、その旅行業者が責任を持って解決を図っていくということが原則ではないだろうか、このように思うわけでございます。 したがって一体、この業務の範囲というのがどの程度までなのかという点は、いままでの論議を聞いていましても、どこがやるのか、旅行業者がやる範囲、あるいはまた観光振興会の行う業務、こういうものが非常に不明確なんです。そこで、この点について明らかにしてもらいたいというふうに思いますし、その関係はどうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○山元政府委員 先ほど太田一夫先生からも御指摘があったところでございますか、今回行います日本人海外旅行対策は大きく分けて二つございます。 一つは、旅行業者に対する指導監督の強化の問題、それから二つ目が、今回御審議をいただいております国際観光振興会によります海外事務所を中心とした対策、この二つに分かれるわけでございます。 それで、先ほど太田先生からも御指摘がございまして、ちょっと時間の関係がございましたので御説明が不足したのでございますが、再度の御指摘でございますので説明させていただきます。 まず、旅行業者に対する海外旅行対策の問題として幾つかあると思いますが、一つは、旅行業者がお客に対しまして、事前に海外の情報を的確に提供するということをさらに励行させるようにしたいと思います。それはたとえば、外国におきます保健衛生の状況とか治安とか風俗習慣とかマナーとか、そういう関連の情報でございます。 それから第二番目は、お客に対し契約内容等の事前説明を徹底させることであります。これは具体的には、旅行日程とか旅行に関するサービス内容とか法定の取引条件とか、そういう点の事前説明の徹底であります。 それから三番目は、旅行業者の経営基盤を強化させる点でございますが、先ほど来も過当競争の一問題の御指摘があったとおりでございまして、この問題の解決を図る一つの方法として営業保証金とか純資産制度の限度額を引き上げるというようなことを今後検討してまいりたいと考えております。 それから四番目には、先ほど御指摘があった点でございますが、添乗員の資質の向上、改善ということでございます。現在、旅行業協会で添乗員の研修を強化するというようなことをやっておりますけれども、さらに新しい制度を創設するかどうかという点も検討を加えてまいりたいと考えております。 それから、国際観光振興会が行います現地での情報提供の問題は、主として現地と旅行者との関係になるわけでございますが、旅行者と旅行業者との間のトラブルという問題が別にあるわけでございます。この点につきましては、現在、日本旅行業協会の法定業務といたしまして苦情相談業務を行っております。したがって、その面での制度の改善が必要がないかどうかということをさらに検討したいと思っておりますし、それから、旅行業者みずからが、そうした苦情につきまして誠意を持って処理するということにつきましても、運輸省はさらに指導監督を徹底していきたい、このように考えております。
○小林(政)委員 観光客を海外に送り出しておりますこういう旅行業者が、当然の責任として行わなければならない事前の情報の提供だとか、あるいはまた、さまざまなトラブルについて、積極的に問題を解決していく、こういう問題と、それからまた、今回のこの国際観光振興会が行っていくそういう業務との関係というのは、私は、やはり一体となってやられていくべき性格のものであろう、このようにも思いますし、必要な体制というものも当然旅行業界がつくっていかなければいけないのじゃないだろうか、このように考えております。 運輸省としては、こういった振興会と旅行業界が当然行わなければならない義務との関係について、どのような見解をお持ちになっていらっしゃるのか、この点について明確にお答えをいただきたいと思います。
○山元政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、振興会の対策と旅行業者がみずからやるべきことと、車でたとえれば両輪の関係にあるかと思います。したがって、いずれもちぐはぐになっては旅行の十分な円滑化という目的が達せられないわけでございますので、運輸省としては、両者が足並みをそろえて、日本人の海外旅行の円滑化に資するように指導監督をしてまいりたいと考えております。
○小林(政)委員 私は、そういう立場からまた二、三お伺いしたいと思いますけれども、これももうすでに先ほど来委員の方から同趣旨の問題での御質問がございましたけれども、現在、振興会が設置している海外事務所のこれまでの事業というものが、外人客を誘致するということが主たる任務でございましたために、日本人の海外観光客の現在行っております旅行先、ハワイ、グアム、韓国、台湾、香港、マカオ、フィリピンなど、日本人観光客の全体の八割をこの地域が占めているというようなところに対しては、先ほど来御指摘がございましたとおり、ハワイ、香港、バンコクの三カ所にしか事業所がないという問題が出てきているわけでございますけれども、こういうところに対しても、先ほどの御答弁ですと、日航の中にお世話をする人がいるから、そういうところはその人員をふやしていくという意味の御答弁でございますけれども、全体の日本の旅行客の中でも八割を超えると言われているような人たちが行っておりますアジアだとかグアム、ハワイ、こういう地域に対しての対策というものは、今後も特別の措置をおとりになるつもりはないのでしょうか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○山元政府委員 御指摘のように、先ほど来問題になっております国際観光振興会の事務所がある場所と、日本人の多く行く海外旅行先とは必ずしも一致しないという点でございます。この点につきまして、旅行対策をどのようにやるべきかという問題は一つあるわけでございますけれども、さしあたりは宣伝嘱託員制度というものをできる限り活用していきたいし、仮に宣伝嘱託員制度がない場所、端的に言えば韓国の場合、あるいは台湾の場合にはどうするかという問題がちょっとあるのでございますけれども、そういう点につきましては、宣伝嘱託員制度を新たに創設するとか、そういうことで現在の制度をできる限り活用していくということでやっていきたいと思っております。 しかし、なおそれでも十分でないという場合にどうするかという問題がございますので、この点については、新たに事務所を設けるのかどうか、将来の問題として検討いたしたいというように考えております。
○小林(政)委員 いずれにしろ、宣伝嘱託員制度というのですか、そういうものをふやしていく、あるいは必要に応じて今後、日本人の多数が参加をするような地域については事務所を設けていく、こういうような方向もおとりになるのではないだろうか、このようにいまの御答弁から推察をいたしますけれども、いずれにしろ、この問題は、現状では問題の解決と言ってもなかなかむずかしい問題を持っておりますし、したがって今後、予算措置等についてもこれをふやしていく、こういうお考えがあるのかどうか、その点についてまず伺っておきたいと思います。
○山元政府委員 宣伝嘱託員制度の拡充ということにつきましては、予算上比較的問題が少ないかと思いますけれども、宣伝事務所を新たに設けるということになりますと、いろいろな問題を検討する必要があるかと思います。その意味で、先ほど、将来の課題として研究をいたしたいと申し上げた次第でございます。
○小林(政)委員 五十四年度の国際観光振興会の予算を見てみますと、従来、外人観光客を誘致する、こういう事業の性格ということで、ほとんど九〇%国庫補助によってこれが行われております。出資金と国庫補助が大部分の財源になっておりますけれども、今回の海外旅行対策事業の場合は、逆に業界から賛助金として二千万円を徴収するということです。そうしますと、約八七%が賛助金ということになるわけでございますし、本来の予算とは全く逆転をする内容になっております。この問題について、何と言っても、私が先ほど来申し上げておるように、本来観光客を送り出しているのは旅行業者であって、そのうち千名以上の従業員を持っております大手旅行会社が約七社ございますけれども、この全取扱旅客の数は全体の四割を占めていると言われている点から考えますと、こういうところからも当然、負担金や分担金という形でこれを徴収をすることが正しいのではないだろうか、どう思いますか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○山元政府委員 今回行います国際観光振興会の海外観光旅客対策でございますが、これによって直接的には旅行者個人が利益を受けるわけではございますけれども、間接的には航空会社あるいは旅行業界も利益を受けるわけでございますので、そういう観点から、応分の負担を求めるということでございます。 しかし国もまた、本対策を実施することによりまして、健全な国際観光の発達を図るという行政目的にも沿うところでございますので、基本的財産を創設するというような趣旨から、追加出資五千万円を行うというものでございます。 なお、旅行業界等からの拠出につきましては、現在のところは主として大手の業者から拠出を予定いたしておりますが、大手のところから拠出されたからといって、中小が取り扱う旅客を国際観光振興会の事務所において取り扱わないということではございません。その点は御理解いただきたいと思います。
○小林(政)委員 そうしますと、大手の大体何社ぐらいからこの賛助金を徴収される予定なんですか。
○山元政府委員 おおよそのめどといたしましては、六、七社ぐらいを念頭に置いております。
○小林(政)委員 私は、やはりそれらの、いろいろと取り扱い旅客を送り込んでおりますこの大手の観光業者、あるいはまた国際線を一元的に運航している日本航空だとか、あるいはまたチャーター便を運航しております関係から全日空、こういったところから、当然、やはり今回何らかの応分の措置がされているのではないか、あるいはされるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山元政府委員 五十四年度におきましては、賛助金としておおよそ二千万円を予定いたしておりますが、そのうち一千万円は航空会社、残りの一千万円は旅行会社ということを目安にいたしております。
○小林(政)委員 私は、こうした賛助金という性格のものではなくして——賛助金と言いますと、何かその趣旨に同意して協力をする、こういう意味に受け取れます。したがって賛助金とは、業界が当然その一部を分担するとか負担するとかというような性格とは性格そのものが違うのではないだろうか。極端に言えば、民間で言う寄付にも等しいような、気持ちがあるから出すというような、そういうものが賛助金、あるいは賛同する意味で提出をするということが賛助金だというふうに思うのです。ですから私は、こういった問題については、当然、これは負担金としてやはり位置づけをしていく必要があるのではないだろうか、このように考えておりますけれども、今後一層増加する経費についても、この業界との負担割合などを今後検討するという、そういうお立場に立っているのかどうか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
○山元政府委員 今回、航空会社あるいは旅行業者に対しまして賛助金を提供いただく趣旨は、対策の実施によって利益を受ける方に応分の負担をしてもらってもよいのではないかという考え方でございまして、応分の負担をすべきであるという義務的な考え方に基づくものではございません。したがいまして、分担金という制度は法律上はとり得ないと思うわけでございまして、従来どおり賛助金という形で協力を求めたいというぐあいに考えているわけでございます。
○小林(政)委員 少なくとも、日本の旅客を海外に送っている大手と言われております七社は、全旅客数の約四割を占めているわけですから、したがって、相当やはりこの点については責任を持つべきではないだろうか。私もかつて小学校の教師をしておりましたけれども、自分が責任を持って遠足に連れていった生徒、これは帰ってくるまでやはり学校の責任であり、教師の責任なんです。したがって、飛行機に乗せて海外にまで旅行客を送り届ける、そして帰ってくるまでは、その旅行業者が一定の責任をちゃんと持つということはやはり当然のことじゃないか。 したがって、そういう立場から考えても、賛助金などというような性格というのは、今後予算が、もうこれで固定しているならいいですが、先ほどからのいろいろな御意見を聞きますと、これからはもっと事務所もふやしていくような方向もとらざるを得ないかもしれない、あるいはまた、嘱託員制度というようなものももっと強化していかなければならないという方向が出てくるのではないか、その場合に、じゃこの二千万円というのは固定したものなのか、一定の割合も定めずに今回と同じような措置が来年度も、予算がふえたとしてもそういう形で残るのかどうなのか、こういう点についても、この際やはり明確にしておく必要は当然あるのではないだろうか、このように考えますけれども、その点について御検討されたことがあるのか、これは大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○山元政府委員 大臣から御答弁いただく前に、事務的にまず御説明をさせていただきたいと思いますが、旅行業者は先ほど申し上げましたように三百八十七社、一般旅行業者が三百八十七社ございます。このうち十数社は海外に支店あるいは駐在員を持っているわけでございまして、残りの三百七十社は海外に何らの要員も置いていないというのが現状でございます。そして今回、大手の旅行業者六、七社が中心になって賛助金を提供してくれるわけでございますが、この業者たちは本来海外に支店、駐在員を持っておりますから、多少営業中心な点の難点はあるにいたしましても、一応のことはやっているわけでございます。しかし、六ないし七社の大手の旅行業者が、国の政策に協力し、その結果においては、同業の中小企業の旅行業者の取り扱う旅客の方々の旅行の円滑化にも役立つという観点から協力をしていこうという申し出があったわけでございますし、また今後、必要に応じてその拠出金についても十分に検討いたしますということを申しておりますので、私どもといたしましては、分担金ということで法律上義務を課することがいろいろむずかしい問題もございますので、そうした旅行業者の誠意ある申し出を受けまして、今後所要の財源を確保していくように考えてまいりたいと思っております。
○森山国務大臣 ただいま観光部長からお話がございましたように、五十四年度は約二千万円の賛助金を予定しており、関係業界がこれに対して協力する意向を示しておる。今後とも物心両面にわたりまして、この協力の姿勢を伸ばして、今回の改正の意思を十分達成するように努力してまいらなければならぬと考えております。
○小林(政)委員 今回のこの賛助金ということで、これを変えていく意思はない、こういう御答弁でございますけれども、私は、やはりこの問題については、今後さらに検討を加えていかれるように強く要望をいたしておきたいというふうに思います。 それから、私が準備をしておりましたのは、各委員がもうほとんどやっておりますので、ダブらないようにということで、一点だけお伺いをいたしたいと思います。 それは、いわゆる不健全な行為についてという先ほど来強調されている問題についてでありますけれども、やはり一部の旅行者や旅行業者が海外でいろいろな不健全行為を行っている、そしてそれをあっせんしたりしている風評というものは、早くから新聞などでも取り上げられて、そして問題にされておりましたけれども、とりわけ台湾の業者が夜の観光批判の意見広告を出しました。それは「恥という字をご存知ですか」という意見広告でした。この問題について、運輸省としては何らかの形でこの問題を重視して取り上げられたという、こういう調査をするというようなことがありましたかどうか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
○山元政府委員 ただいま御指摘の問題は、先ほども御質疑があったわけでございますけれども、当時運輸省としては、その問題について一つの大事な問題だという立場で、日本旅行業団体からも話は聞いておりますけれども、しかし、一面だけの話であってはいけませんので、台湾に詳しい関係の向きからの話も聞いてみましたが、まあ両方に言い分があったというような状況でございます。
○小林(政)委員 私、いろいろお話を聞いてみますと、普通外国の例などを聞いてみますと、外国では御夫婦がそろって海外旅行に出かけるというような例が非常に多いそうでございます。日本の場合には、老夫婦がそろって、あるいは若い新婚の人たちが御夫婦そろってということよりも、集団で旅行業者と一体になって出かけていくという事例が多いわけでございますけれども、とりわけその中でも男性の旅行者の圧倒的に多いという地域が、ベスト・ワン、ベスト・ツーとずっと並んでいるのですが、一位が韓国ですよ。これは男性が九四・三%、第二位は台湾で、九三・一%が男性です。三位はフィリピンの八四・三%、四位がタイで八一・七%という数字が明らかになっています。 私は、こういったこれらの国へ日本から行く団体、男性の旅行者が非常に多いということは、これらの国に、やはり何らかの不健全と言われるようなものがあって、旅行業者の計画の中にそういうものがある程度組み込まれている、こういうことがやはりこういう結果を生んでいるのではないか、これは個人対個人ではないと思います。 ですから、こういった問題などについて、実際問題としてこの仕事に携わっております局長はどういう御感想をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。
○山元政府委員 御指摘のように、不健全な旅行あるいは好ましくない旅行というものはなくすべきであると思います。これは日本の国民自身の問題でもあり、また国際間の信用の問題でもあるわけでございます。したがいまして、運輸省は従来からも、不健全な旅行に旅行業者が関与しないように指導いたしておりますし、また旅行業者の団体でございます日本旅行業協会におきましても、旅行業綱領を定めるなどいたしまして、そうした不健全旅行の排除ということに努めているわけでございますが、それでもなおかつ後を絶たないという点はございますので、今後、そうした不健全旅行が行われないように、さらに旅行業者に対する指導監督を強化してまいりたいというふうに考えております。
○小林(政)委員 業界が自主的に旅行業綱領を出してからもうすでに相当の年数がたっています。この間、これらの問題が具体的にどういうふうになって減少していっているのか、あるいはまたその点についてきちっとした統計をとって調べていますか。
○山元政府委員 これの実態を把握するための統計というのはなかなかむずかしいわけでございます。しかし、私が勉強した範囲内では、やはり少しずつそうした面の改善が図られつつあるというぐあいに理解しているわけでございますが、根絶はされているというわけではございませんから、そうした不健全旅行が現実になお存在する面につきましては、それがさらになくなるように一層指導を強化してまいりたいと考えております。
○小林(政)委員 これも一応先ほど来から論義があった問題でございますけれども、やはり業者の出しておりますこうした非常にお金をかけたはでで豪華なパンフ、こういったものの製作費だけで日本全体でどのくらいかかっていると思いますか。すごくはでで豪華なパンフを各旅行業者が競ってつくっているのです。海外向けですが、年間どのくらいの経費がかかっていると思いますか。
○山元政府委員 御指摘のように旅行業者の数も多うございますし、したがいまして、かなりいろいろのパンフレット、資料を作成いたしておりますことは事実ですが、その金額が幾らになるかは、ちょっと私も実態を把握いたしておりません。
○小林(政)委員 私どもいろいろ聞いたところでは、こういった製作費だけで二十億円からの経費をかけているというふうにも言われております。非常に豪華で、内容もただ売らんかなみたいなこういう宣伝でありまして、先ほども御指摘がありましたように、旅行の健全化だとかあるいは旅行のマナーだとかあるいは自覚を高めていくというような内容は、この中にはどこを探してもないのです。こういうお金をかけて、しかも豪華なパンフをつくりながら、そういったものが実際にどこかのページに少しでも出ているかしらと思って見ても、そういうことは全然書かれていないのです。運輸省はこういう問題に対して、今後どのように指導をされるのか、この点明確にしていただきたいと思います。
○山元政府委員 旅行業者が旅客に対しまして提供するパンフレット、資料等の作成につきまして一定の基準を設けてございますけれども、今後、そうしたマナーにつきまして、その点の徹底が図られるように措置をしてまいりたいと考えております。
○箕輪委員長 小林政子君の質疑は、これにて終了いたしました。 佐野進君。
○佐野(進)委員 すでに朝から長時間にわたって審議が続けられておるわけでありますから、重複を避けて質問をしてみたいと思います。 大臣にまずお聞きをしたいのですが、午前中も審議が続けられている中で私、強く感じておることなんですが、観光行政というものが、わが国の産業に与える影響の上においても、あるいは世界諸国に対する影響においても、きわめて重要であることは、もう言うまでもないと思うのであります。にもかかわらず、一局削減の影響で、運輸省は観光局があったにもかかわらず、それを観光部に格下げをした。そういうことの中で感ずることは、いま法案を提案して、国際的な環境の中でわが国から外国へ行く旅行者の数が飛躍的に増大していくという情勢、そういう情勢に対応するならば拡充すべきであるときに削減をしていった、こういうことを私は強く感ぜざるを得ないのであります。いわゆる政府の見通しの誤りであるから、今回は法律改正によってその方針を改める、こういうことは、政府としては見通しを誤ったということの責任を強く感じてもらわなければならぬと同時に、これは運輸大臣がそうだったと言うのじゃないのですが、運輸省としては、この際、観光局を復活して、観光行政に対してひとつ抜本的な対策を立て積極的に対応をしていく。大臣は、あちらへ行ってもこちらへ行っても、大変威勢のいい、思いつきが大変活発な大臣でございますから、ここいらでひとつ思いつきを飛躍的に前進させて、観光局を復活するために体を張ってがんばる、こんなような決意がもう出ているのではないかと思うのですがどうかと、これを質問に入る前に聞いておきたいと思うのであります。
○森山国務大臣 観光行政がきわめて大事であるということ、御説のとおりでありますし、特に海外から日本に参ります観光客は円高を初めいろいろむずかしい問題がありますし、他方、日本から海外に出かける人たちが激増しておる、それについて先ほど来るる御質疑がございましたようないろいろな問題があるわけであります。それに対応する政府の姿勢は、観光という仕事は非常に多方面にわたっておりまして、一運輸省だけの仕事ではないというふうには考えますが、そういう仕事を活発にやっていくために、一種の官僚機構というところは課よりは部、部よりは局の方が確かにいいには違いないのでありますが、そして、かつて観光局であったものが観光部になったというその当時の事情を私は存じませんけれども、それは部より局の方が結構だとは思いますが、しかし、それではその部を局にしたら観光行政が大いに活発になるのかどうか、これはまた必ずしも同じように考えるわけにはいかぬ、機構として国の行政のキャパシティーさえ許すならば、それは部よりは局の方がよろしい、しかし、観光行政を活発にやっていくためにはそれで足りるものではない、そういうふうに考えております。
○佐野(進)委員 私は、大臣の言うことを否定しません。そのとおりです。しかし、それには裏づけがあってそういう答弁をしなければだめですね。観光部で使う予算が、先ほどの答弁で年間四億しかない。部より局の方がいい、しかし、部であってもそれに伴うものがあればいいと言うならば、四億円しか予算がないなんというのは何にも伴わない。その点、財投まで含めて答弁したってだめですよ。やはり部自体の財政的な裏づけがあって初めてその仕事がなし得るわけですからね。 大臣、いまここで「佐野さんの言うこともっともだから、私は局をつくるために運動しましょう」なんて大臣だから言えないでしょうけれども、少なくとも、きょう朝から質問が続けられたのだから、あなたは観光行政というものに対して各委員がどう考えておられるかということをよく御判断になられ、重要でないなんて一人も言っていないのですから、私は、そういう意味で、大臣からもっと積極的な、前向きの答弁をいただけるものだ、こう考えて、若干おだてたけれども質問をしてみたのです。おだてに乗ったつもりになって、もっと勇気のある答弁をしてくださいよ。
○森山国務大臣 今朝来、きわめて有益なる御意見を拝聴いたしましたので、その御意見を体し、拳々服膺いたしまして、観光行政の発展のために努力いたす所存であります。
○佐野(進)委員 そこで、国際観光振興会の会長さんおいでになっておられるわけですが、先ほど来、あなたもじっとそこでしんぼうして聞いておられるわけで、法律が通ればしんぼうのしがいがあるわけですから、座っていてもそれは苦にはならないと思うのですが、私、感ずるのに、この国際観光振興会が、それぞれの条件の中で飛躍的に業務を展開する上で大きな後ろ盾を、この法律を改正することによって得ることができる、そういうような感じがするわけです。しかし、その飛躍的に業務を展開することができると感ずるわりに、この振興会の業務の内容が、さっきの賛助金、分担金その他の中にもあらわれているように業界に依拠する、単なる行政の拡充によってそれぞれの事務所に人員をふやすことはできたとしても、新事務所の設置あるいはそれに伴うところの新方針の導入、その導入に基づくところの日本人の旅行者が安全かつ快適に旅行をそれぞれの地域において行うに対しての取り組み、そういうものに対しては、私は遺憾ながら、いままでのこの質疑を通じ、あるいはあなたの姿勢を通じ、あるいは法律の内容を見て何か感ぜられない。いわゆる多くの人たちをここへ採用する、そして機構拡充のための今回の法律の改正であるような感じがするわけですが、そうであってはならないということで、あなたの方からひとっここで、積極的な意味を含めて御答弁をいただきたい。
○佐藤参考人 けさほど来運輸省から御説明がありましたように、海外旅行をされる日本人旅客は飛躍的に増加をいたしまして、それに伴って事故、トラブル等の発生は、比率として約一五%というような数字も出ておりますし、われわれの方の事務所に、いろいろ現実に問い合わせに来ておられる方も現在相当数あるわけでございます。今回の法律改正によりまして、私どもは、その法律的の基礎を明確にしていただき、また必要な予算等の御手配もいただきまして、この与えられたものを十分生かして、なるほどりっぱないい仕事をしていると、来訪された日本人のお客さんに十分親切に対応できるように努力をしてまいりたい、こう考えております。
○佐野(進)委員 佐藤さんの答弁では満足しませんから観光部長に聞きます。 私のさっき質問した趣旨はわかりますね、結果的に機構のために法律を改正し、機構の中で安住する体制を築き上げよう、こういうような感じがしてならないという批判は私はあると思うのです。しかし、あなたの方ではそうではないと思うので、ここで時間がないのでまとめて聞いてみますけれども、今回の法律改正によって国際観光振興会の海外事務所はどういうような業務の拡充を行うのか、そしてこの振興会は、その予算規模に対応してどのような業務体制で日本人の海外旅行対策を行うのか。 〔委員長退席、佐藤(守)委員長代理着席〕 現に、さっき太田さんが質問されておられたからいまさら聞く必要はないのですが、海外事務所のないところにおいては、それぞれのセクションで対応していると言いますけれども、将来それぞれのセクションに対して、どの程度事務所を設置し拡充していくか、こういうことについては、この法律が通った後における措置としてお考えになるのか。この三点をひとつ明らかにしていただきたい。
○山元政府委員 まず、国際観光振興会の海外事務所が行います業務は、先ほど来申し上げておりますが、簡潔に申し上げさせていただきますと、まず旅行に関する規制的な情報を積極的に流すという行為と、もう一つは、窓口あるいは電話で照会がございましたら、その御要請に応じまして、いろいろ持っている情報あるいは知識を活用いたしまして、その求められたことに対する情報を提供するということを主たる内容としておりまして、場合によりましては、電話で紹介をしたり、あるいは電話で取り次いであげるという行為まで行う予定でございます。 それから、二番目の財源の問題でございますけれども、とりあえずは二千万円の賛助金と、それから国から出資いたします五千万円の運用基金による利息約三百万円、合計いたしまして二千三百万円をもってやっていこうということでございます。 やる内容といたしましては、現在の組織、定員をできるだけ活用する、これは行政簡素化の時期でもございますので、いたずらに機構、定員をふやすということでなくて、現在の機構、定員をできる限り活用し、それでなお不足する個所につきましては、数カ所で現地雇員をふやしていくということでございます。 それから第三の、現在、観光事務所がない場所につきまして、日本人の海外旅行者が非常に多いところがあるわけでございますが、この点につきましては、宣伝嘱託員制度というものをできる限り活用いたしたいと思いますし、その宣伝嘱託員もいないような場所につきましては、さらにそれを置くように進めてまいりたいと思っておりますが、それでもなおかつ足りないというようなものにつきましては、事務所を新たに設置するかどうかという点につきまして、将来の問題として検討さしていただきたい、このように考えております。
○佐野(進)委員 将来の問題として事務所設置等も積極的に考えていく、こういうような見解であり、それぞれ三点については一応お聞きしたわけですが、そこで、それに関連して、結果的に二千万円の賛助金を出してもらって、それぞれの今後の運用に充てる、こういうことでございますが、これは結果的に言うならば、大手と称せられる業者の方々から出すのであって、三百数十社と言われる中小の業者の方々からはほとんど出されないということになるわけです。 私は、これから後の問題、国内の問題についても若干触れてみたいと思うのでありまするが、観光業者は大手と称するのはきわめて少なく、ほとんどその大部分は中小の観光業者であります。結果的に中小の観光業者がそれぞれの業務をつかさどるわけでありまするから、大手に比較いたしますれば、この振興会のそれぞれの事務所に頼らざるを得ない部面が非常に多くなっている。頼らなくても済む大手が金を出して、頼らなければならない中小が金を出さない。出さなくてもいいということは、これは大変いいのですが、結果的に中小の業者が取り扱う日本の観光旅行者の振興会の事務所に行くことがきわめて消極的にならざるを得ないというようなことになり、かつまた海外事務所は、大手に対しては極力サービスをするが、中小に対しては冷淡であり、時によればほとんど鼻もひっかけないと言われるような状況の中で対応していくのじゃないか、こんなような気もするわけです。 したがって、いままでの取り扱いの中で、海外のそれぞれの事務所が、中小業者と大手業者とに対応した場合、中小業者に対するそれぞれのお世話というか、業務の対象として処置されたのは何対何の割合であるかということについて、おわかりであればお知らせをいただきたいし、さらにまた、それを今後はどう考えるかということについて、この際明らかにしていただきたいと思うのであります。
○山元政府委員 現在手元に、海外事務所で日本人の方々がおいでになった中で大手の取り扱いが何割、中小の取り扱いが何割という資料はございません。しかし、いままで国際観光振興会から報告を受けている限りにおきましては、国際観光振興会はあくまで政府の全額出資の特殊法人でございまして、中立的な立場でございますので、いかなる旅行業者の扱いにいたしましても、旅客に対しては公正、平等な立場でいままで情報を提供し、御相談に応じているというぐあいに聞いているところでございます。 したがいまして、今後におきましては、仮に賛助金の提供者が大手業者が中心であるにいたしましても、窓口での業務につきましては、一切不公正な扱いはしないつもりでございまして、むしろ中小の旅行業者は現地に駐在員すら置いてない現状でございますので、どちらかと言えば中小旅行業者の取り扱われた旅客の方は本当に御不便を感ぜられるでございましょうから、むしろそちらの方を御親切にしてあげる、大手の関係の方は支店駐在員制度がございますから、物によってはそちらの方に御紹介するというようなこともあり得るかと存じます。
○佐野(進)委員 これは佐藤さんにその点もう少し突っ込んで聞いてみたかったのですが、時間がないから次へ進みたいと思います。 私は、いま申し上げたような見地からこの法律が改正せられ、それぞれ業務の対象が拡充せられて、海外事務所におけるところの役割りも、あるいは国内におけるところの本務も、それぞれ飛躍的に業務が前進していくということを感ずるわけです。 〔佐藤(守)委員長代理退席、堀内委員長代理着席〕 そうした場合、どうしても日本の社会の通例として中小よりも大手の意見が先行する、結果的に大手の思うままになり、われわれの意図する、あるいはいま観光部長のお話しになったようなことが実施されないということがあってはならないと思いますので、そういう点については、ひとつ振興会の責任者も積極的に今後対応していただきたいと思うわけでございます。 そこで、大手七社とか十社とか言われておりますけれども、それを除く三百数十社はほとんど中小でありまするし、あるいはその事務所の中においてもほとんど数人しか事務所員がいないというような実態になっておるわけでございまするが、これらの業者の健全なる発展育成、その発展育成を通じてこの目的を達成する上に必要な措置を講じなければならないと思うのでありますが、運輸省としては、どのような措置をこれら一般中小業者に対して措置せられておるか、簡単で結構ですからひとつ答えてください。
○山元政府委員 日本の海外旅行客の旅行の円滑化を図る施策の一つは、国際観光振興会によります窓口業務でございますが、もう一つは、旅行業者をして徹底させる幾つかの問題がございます。 特にその中で、中小企業関係の業者につきましては、さらにいろいろと運用上工夫をこらしていただく必要があるかと思います。これらの点は、たとえば事前に旅行情報をできるだけ徹底するとか、あるいは契約内容について事前に説明を徹底させるとか、あるいは添乗員の資質の向上についてもさらに努力をしていただくとか、それからこれは業界全般の問題でございますけれども、経営基盤のより強化ということが必要でございますので、営業保証金とか純資産の限度を引き上げまして、そうした体質の強化を図っていくということを措置してまいりたいというぐあいに考えております。
○佐野(進)委員 日本旅行業協会いわゆるJATAを初め、国内の全旅協等々関係業者の強化発展、これは大手はそれぞれの協会の責任者になっておられるとしても、実質的にはそれを構成している業者は大部分中小でありまするから、この中小業者の健全なる育成と発展の中にこそ初めて安全快適な海外旅行も、国内旅行も営むことができると思うのであります。しかして、それに対するところの行政の責任は、またこれきわめて重要であります。 そこで私は、二、三の点について質問をしてみたいと思うのでありまするが、四十六年に改正されて以来、旅行業法はそのままの状態の中に置かれており、幾つかの点において、今回の法律改正とは違った意味において改正すべき条件があらわれてきている、こういうように考えるわけでありまするが、旅行業法の見直しについてまず一点お伺いしたい。 時間がなくなりましたから引き続いてやりますが、この旅行業法の見直しに関連をいたしまして、幾つかの点について、私どもはこの際、健全なる中小業者を育成するという観点に立ってそれぞれ抜本的な措置を講ずる、そしてそれは現在の行政指導の中においてもその措置を講ずることができるのじゃないかという点を指摘いたしますので、お答えをひとつしていただきたいと思います。 まず、今回の法律改正に関連する問題でありまするが、私は、これはいわゆる国際旅行の問題でありまするから、今日、先ほどお話のように、国際旅行者が飛躍的に増大し、五百万から六百万にも及ぶという趨勢にあるわけでありまするから、結果的にわが国の全旅行人口に相対比いたしましても、海外旅行の占めるウェートはきわめて高くなりつつあるわけであります。それに対して一般旅行業者、いわゆる三百八十数社がこれを処理いたすわけでありますが、ところが、旅行者の数、国外国内を合わせれば数千万人と称せられる人たちのそれぞれのお世話をし、快適な旅行をしていただくということについては、もう組織機構の改革を初め、いろいろな点についての状態の変化に対応する措置を講じなければなりませんが、その点について、それから今度は二番目ですが、国内旅行業者が国際旅行、一般旅行の取り扱い業務の中において、パック旅行等特別の目的を持って募集し旅行を行うような場合、一般旅行業者と相提携し、それぞれの一定段階における業務を分担させる等のことは、今日の事態の中においてはもはやしなければならない事項ではないか、こういうぐあいに考えるわけでありまするが、この点について、以上二点にわたっての見解を、これは局長から……。
○山元政府委員 先生御指摘のように、現在の旅行業法は、当初二十七年に旅行あっ旋業法として制定されまして、その間何回かの改正はございましたけれども、四十六年に大改正が行われております。その際に、旅行者の保護を強化し、旅行業の質的な向上を図るという観点から、旅行業の登録制度を強化するとかあるいは旅行業協会に対して法律上のいろいろの権能を与える、そういう制度が整備されたわけであります。しかし、それからかなりの年月を経ております。その間国民の方々の旅行に対するニーズというようなものも変わってきております。そのほか旅行業界を取り巻く環境は大きく変化してきておりますので、現在、旅行業法の見直しにつきまして、関係者の御意見を聞くなど、鋭意検討を進めておりまして、その結論が出ますれば、大臣にも御相談いたしまして、適切な措置を講じていきたいというぐあいに考えております。 それから、第二の問題でございますが、国内の旅行業者にも海外旅行業務の一部を取り扱わせてはどうかという点の御指摘でございますが、現在の法律は、一般旅行業、国内旅行業及び旅行業代理店業ということで三種の区分がされておりまして、それぞれの業務の範囲が定められております。現在、国内旅行業者から、先ほど御指摘のございましたセットされた包括の海外旅行を取り扱いたいという希望が出ているわけではございますけれども、海外旅行を取り扱うということになりますと、出国の手続とか、国内旅行では必要としないいろいろな手続等、特別な知識経験ということが必要でございます。したがいまして、そうした海外旅行業務の一部を行わせるということについては、実体的にも問題があるのではないかというぐあいに考えております。それではパンフレットだけでも陳列させてくれ、こういう要望が出ているわけでございますけれども、この点につきましても、事海外旅行に関しましては、単にパンフレットを置くというだけで済まない問題でございまして、それから派生いたしましていろいろと誤解が生ずるということになりますと、海外旅行をなされる旅客の方に御不便をかけるといいますか、トラブルが生ずるということにもなりかねませんので、第二の御指摘の問題につきましては、慎重に検討することが必要か、かように存じております。
○佐野(進)委員 慎重に検討する必要というのは、やりたくありませんということのような答弁のようでございますが、さっきあなたは、旅行業法全体の見直しを必要とする時期に来ておる、いわゆる国民のニーズも変わってきており、その他いろいろな問題の発展的変化の中でそういうことになりつつあるということを言っておられるわけだから、いまの問題についても、それぞれ講習を受けるなりあるいは指導するなり等々の中でその措置を講ずることは決して不可能ではない、慎重に検討ということを、やりませんということではなくて前向きに検討しますと、こういうぐあいに置きかえて答弁していただけば結構だと思います。 さらに私は、今度は法律事項じゃないのですが、行政指導の面で言えるのですが、私も関係しておるのですが、実際上の問題として、国内の業者の取り扱いの中で、いわゆる三年更新の際における登録更新があるわけですが、この登録更新の際におけるところの取り扱いが都道府県で差があります。きわめて東京都等においては機械的に厳しい。そういう機械的に厳しいということの中で、まさに怨嗟の声すら上がろうとするほど厳しい条件があるわけです。これは何も法律を変えろとかどうとかじゃなくて、運輸省の行政指導の中でもうすでに十年、十五年やっている人たちが、改めて更新する際、まさにイロハのイからやろうとするような状況の中で対応しているということは不合理ですよ。不合理だけではなくて実態に合わない。しかもアウトサイダーは厳として存在を許しているわけでありまするから、登録業者の中におきましても、それぞれの状態の変化というものは画然として存在するわけでありますから、それぞれ対応する上において実情を正しくとらえながら対応していくということはいいのですが、まさに機械的に厳しく観念的に処置をするということは、全く役人の姿勢だけとしか考えられない。 〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕 私は、小役人根性だなんて、そんなことを言うと言葉が下劣ですから言わないのですけれども、そういうぐあいにしか判断をされないような状況が多々あるわけです。 これらについては、行政指導をもっと的確にやる、そういう中で、やはりその既存業者というか健全なる業者に対しては、それらの仕事がやりやすいような状況で対処してもらう、こんなことが必要じゃないかと思うわけです。 そういうことについて、大臣からは旅行業法の改正の問題、部長からはいま言った二点の問題時間がないから簡単でいいですが、それを聞いて私の質問を終わります。
○森山国務大臣 旅行業法につきましては、あなたばかりでなく今朝来他の委員の方々からもしばしばこの問題について触れられました。もうできたのが昭和四十六年ということでありますから、間もなく十年になろうとしておりますので、できるだけ早い時期に改正の方向に踏み切れるかどうか検討をして、改めてまた御報告をいたします。
○山元政府委員 旅行業者の更新登録の手続の問題につきましては、確かに先生の御指摘のように、すでに一定の期間旅行業をきちんと営んできたという実績があるわけでございますから、この点につきましては、十分勘案いたしまして、手続の簡素化を図っていく方向で現在検討を進めております。早い時期に実施いたしたいと思っております。
○箕輪委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ────◇─────
○箕輪委員長 次に、船舶整備公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。森山運輸大臣。 ─────────────
○森山国務大臣 ただいま議題となりました船舶整備公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 船舶整備公団は、昭和三十四年設立以来、国内旅客船の建改造、老朽貨物船等の代替建造、貨物船の改造のための融資等の業務を行うことにより、内航海運等の発展に大きく寄与してまいりました。 内航海運は、国内貨物輸送において五割を超えるシェアを占め、その大動脈として重要な役割を担っております。しかしながら、内航海運業界は、中小零細事業者がほとんどであり、近代化を進める上で必要な老朽貨物船等の代替建造のための資金調達はもとより、日常の資金繰りにも困窮する状態にあります。このような実情にかんがみ、内航海運事業者が金融機関から借り入れる代替建造資金等について船舶整備公団による債務保証制度を創設することにより、内航貨物船の近代化の促進と内航海運事業者の経営の安定を図ろうとするのがこの法律案の趣旨であります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、船舶整備公団が行う債務保証業務の基金として、政府は、昭和五十四年度に同公団に対し二億円の出資を予定しておりますので、追加出資に関する規定を整備し、その出資額により資本金を増加できることとするものであります。 第二に、老朽貨物船等の解撤等を行って近代的経済船を建造しようとする海上貨物運送事業者または貨物船貸し渡し業者がこれに要する資金を金融機関から借り入れる場合及び船舶整備公団と費用を分担して建造した貨物船を同公団と共有している海上貨物運送事業者または貨物船貸し渡し業者がその事業継続に必要な資金を金融機関から借り入れる場合、これらの借入れについて同公団が債務保証を行えるよう業務の範囲を拡大するものであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○箕輪委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十一分散会 ────◇─────