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86回国会衆議院1978/12/14

大蔵委員会 第2号

発言数
200
登壇者
18
会派数
7
開催日
1978/12/14

会議録

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  この際、金子大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。金子大蔵大臣。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 今回、はからずも大蔵大臣を拝命いたしました。  わが国経済は現在、国内、国外の両面にわたり非常に重大な局面を迎えております。このような時期に財政金融政策の運営の任に当たることとなりまして、その責任の重大なことを痛感いたしております。今後、政策運営に誤りなきを期すべく全力を尽くしてまいる所存でございます。  わが国経済の現状を見ますと、円高の国内経済に与える影響が懸念されておりますが、公共事業の拡充、施行推進の効果は着実に浸透し、企業収益の改善、物価の安定等を背景に設備投資や個人消費は手がたい回復傾向をたどっております。一方雇用情勢は、最近において求人数が増加するなど改善の兆しも見受けられまするけれども、総じて厳しい状況にございます。また国際収支は、昨年来の大幅な円レートの上昇等により輸出数量は減少傾向にあり、他方、輸入数量は製品輸入を中心に堅調な増加を示しておりまするが、ドルベースで見た国際収支の黒字は輸出価格の上昇により依然高水準にございます。  かような情勢のもとにおいて経済運営の基本は、物価の安定に配意しつつ、景気の着実な回復を図り、国民生活の安定を確保するとともに、対外均衡を回復し、わが国経済を安定成長路線に円滑に移行させることにあります。  このため政府は、先般の総合経済対策を着実に実施するなど、引き続いて景気回復に努めるとともに、世界貿易の拡大を目指す東京ラウンド交渉の妥結、輸入の拡大等の対外経済対策を推進しているところでございます。  同時に私は、いまこそ中長期的な視点に立ちまして、財政、雇用、国際収支等の各分野において、均衡のとれた経済社会の実現に積極的に取り組まなければならないときであると考えております。特に財政の危機的な現状を放置しては、均衡のとれた成長は望めず、経済そのものの活力を失わしめるものと考えます。  すでに御案内のとおり、来年度予算は、財源面から見てきわめて厳しい状況になることが予想されております。このような情勢のもとで、財政の健全化に努めつつ真に緊要な財政需要にこたえていくためには、歳出歳入の両面であらゆる努力を傾注する必要があり、歳出の節減合理化、制度、執行を通ずる税負担の公平の確保に従来にも増して積極的に取り組んでまいりたいと考えております。さらに今後、福祉その他の面で国民の期待にこたえつつ、財政体質の改善を図るためには、国民の皆様に一般的な税負担の引き上げをお願いせざるを得ないと考えられ、このような観点から、一般消費税の早期導入を真剣に検討する必要があると考えております。  皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げる次第でございます。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 次に、先般新たに就任されました林大蔵政務次官及び中村大蔵政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。林大蔵政務次官。

林義郎自由民主党大蔵政務次官

○林説明員 今般、はからずも大蔵政務次官を拝命いたしました林義郎でございます。  大変なときでございますし、職責の重大さをひしひしと痛感しております。浅学非才、微力でございますが、全力を傾けて職務の遂行に当たる所存でございます。よろしく御指導、御鞭撻のほどを心からお願い申し上げます。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 中村大蔵政務次官。

中村太郎自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○中村説明員 このたび、はからずも大蔵政務次官を拝命いたしました中村太郎でございます。  大変むずかしい時局にかんがみまして、自重自戒し、職責の遂行に誤りなきを期してまいりたい所存でございますので、よろしく御指導を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 金子大蔵大臣からいまごあいさつがありましたように、大変な時期でございますし、従来のような手法では、いまの経済危機を乗り切るのはなかなか大変なときだと思うのであります。そういう意味で、大臣に就任をされて大変御苦労さまと申し上げますとともに、これから一時間ばかり質疑をさせていただきますけれども、日本の財政あるいは経済の運営の仕方というのは、その意味では非常に分かれ道に来ているのではないか、その分かれ道をどういう道を選ぶかというのは、私は後世に大変な決定的な要因を残すのではないかと思うのであります。  そういう意味におきまして、若干質疑を申し上げたいわけでありますけれども、その前に、その前提といたしまして経済企画庁に若干お伺いをしていきたいわけであります。  経済企画庁の方で七月から九月の成長率と申しますか、経済状況について発表があったわけでありますけれども、新聞の報道するところでは、この七−九の国民所得統計、QEによってことしは七%成長は無理だ、どうしゃっちょこ立ちしましても、これからの十−十二、一−三という数字をとってみましても、超高度成長をしないことには七%成長は無理だという結論のようでありますけれども、私は、経済成長だけがひとり歩きをすることは非常に好ましいことではないと思っておるわけであります。そのことは後でおいおい申し上げますけれども、皆さん方の発表した国民総支出の変動要因、これを若干説明をしていただいて、最近の成長率がどういうふうになっているか、そして少なくも今年度の成長率はどういうふうになりそうか、その点について若干御説明をいただきたいと思うのであります。

廣江運弘経済企画庁調整局審議官

○廣江説明員 経済企画庁経済研究所の発表いたしました国民所得統計速報について最初にお答え申し上げたいと思います。  五十三年度の七月から九月、七−九のいわゆるQEに基づきます実質国民総生産を季節調整系列で申し上げますと、総体で前期比一・〇%の増でございます。なお、名目では二・六%になります。  これを少し内訳で申し上げますと、国内需要が一・八%で、うち民間需要、民間部門が一・一%になると思います。なお、これをもう少し区分けをして申し上げまして、成長要因を内訳と申しますか、増加寄与度で申し述べますと、民間最終消費支出が〇・八%、民間住宅がマイナス〇・二、民間企業設備が〇・三、民間在庫がほぼ横ばい、公的支出が〇・八でございまして、その内訳は、政府最終消費支出が〇・一で、公的固定資本形成が〇・六になります。  これまでを内需として見ますと、総体で一一七になると思いますが、そのほか、経常海外余剰が総体でマイナス〇・七で、差し引き一%の前期比増、こういうことになろうと思います。  続きまして、お尋ねになりました今年度の成長見通しはどうか、こういうお尋ねでございますが、いま御説明いたしましたとおり、内需の面では、それぞれの項目につきまして大体いい線と申しますか、堅調な線をたどっていると思います。消費にいたしましてもそうでございますし、またなかなか出てこないと言われました民間企業設備投資にいたしましても、このところの指標は堅調な姿を見せておると思います。ただ、海外余剰の部門につきましては、円高の影響等もありまして輸出が数量の面で減少いたしておりますほかに、輸入が製品輸入等を中心にいたしましてかなり増加をいたしておりまして、こういうもののデフレ効果が景気に対して足を引っ張るといいますか、成長に対しましてマイナスの効果を持ってきておるということも否めないと思います。そういうことを勘案いたしまして、この十月に補正予算の御成立を御承認をいただいたわけでもございますし、その進捗をいま見守っておるわけでございます。  いずれにいたしましても、かなり厳しい面が出ていっているということは否めない状況にあるとは思いますが、来年度予算編成の際につくります五十四年度の経済見通しの作業と並行いたしまして、目下本年度の成長はどうなるのかということを鋭意検討しておる段階でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それはいま御説明がありましたように、逆に言えば、もし経常海外余剰がマイナス〇・七になっているのがせめてゼロになりますと、単純に計算をしても最終的には一・五のプラスになるわけですね。そういう意味で、いまお話があったように、もし経常海外余剰のマイナスが足を引っ張らなければ、ことしはその他の部門では七%成長はできた、できたかできないかの意味は別といたしまして、できた、こういうことにはなるわけですね。

廣江運弘経済企画庁調整局審議官

○廣江説明員 七月−九月のいわゆるQEで見ますと、内需は一・七%くらいのプラスになっているのです。それに経常海外余剰部門がマイナス〇・七で、総体一と申し上げたわけでございますが、一%は瞬間風速で申し上げますと大体四%強くらいになると思います。この九月に見通しを改定いたしましたときの見込みでも、経常海外余剰は一%強くらいのマイナス要因にはなると思っておりまして、それを内需でカバーして大体七%と見ておったわけでございます。  いま経常海外余剰が大体とんとんにいけば七%できたか、こういう御質問でございますが、七−九の数字から見ますと、大体そんなことが言えると思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それと、非常に重要なのは、七−九だけの数字ではなくて、たとえばここにあります五十二年度の四t六からずっと見ましても、公的支出が占めるウエートは非常に高いわけですね。ウエートと申しますか、正確に言いますと増加寄与度、これが非常に高い。たとえば五十二年度の四−六が〇・七、七−九が〇・七、十−十二が〇・五、一−三が〇・一とちょっと下がっておりますけれども、五十三年度の四−六が〇・八、七−九が〇・八ということで、経済成長をとにかく今日まで引っ張ってきたのは公的支出、とりわけ公的な固定資本形成だったということで、その意味では、財政規模を大きくすれば成長率だけは上がるというふうに理解してよろしいですね。

廣江運弘経済企画庁調整局審議官

○廣江説明員 先生お話しのように、民需が弱いところを公的支出が大いに補ってきたということは否めないと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 否めないと思うという表現はむずかしいのですけれども、逆に言えば、この公的支出、とりわけ公的な固定資本形成がなければこれだけの成長率は達成できないということも言えるわけですね。

廣江運弘経済企画庁調整局審議官

○廣江説明員 そうだと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで大臣、いま経済企画庁とのやりとりでもおわかりと思うのでありますけれども、とにかく今日まで経済を引っ張ってきた大きな要素は公共事業であることは私は間違いないと思うのであります。ただ問題なのは、それじゃいつまでもこんなことを続けられるかということだと思うのですね。私は、公共事業をゼロにしろと言っているわけじゃないし、適度の数字は当然、公共事業の中身自体が必要なものでありますからこれ自体は否定はしませんけれども、いまの経済成長はいわゆる公的な固定資本形成、つまり公共事業を主体とするもので初めて達成しているということに着目して来年度予算の性格づけを考えなければいかぬのじゃないか。  つまり、これは五十三年度全部出たわけじゃございませんから数字的にはまだ違うにいたしましても、とにかく五十三年度は、十三カ月分の税収を使い、そして十一兆円の国債を発行して、公共事業を国だけで約五兆円ちょっとを支出した、それがここにあらわれてきた。しかし、これを除いてしまった場合には、決して日本経済の自力はないのではないだろうか。ここが、これからお伺いします来年度予算を組むときの来年度をいわゆる景気刺激型にするのか財政再建型にするのか、まあ簡単にどちらか一方ということじゃありませんけれども、いまの経済状況をどう見るかによって来年度予算の性格づけは非常に変わってくると思うのでありますけれども、後半の部分は別といたしまして、前半の、いま経済企画庁から説明があった、とにかくここまで成長しているその大きな要素が公共事業を初めとする政府の固定資本形成にある、逆に言えば、これを除いた場合にはがくっと日本の経済は成長率が下がるだろう、もっと逆に言えば、これだけげたをはいてやっとここまで来ているんだということにならざるを得ないのではないかと思うのでありますが、この認識については大臣いかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 お話しのとおり、本年度の予算では、政府の公共投資等を中心にして相当経済全般を押し上げる方針をとり、しかもある程度それが成功した、内需に関する限りはある程度それができたと思っております。  しかし御承知のとおり、もう財源面から、まだ来年度の経済見通し、企画庁でできておりませんからこの段階で議論するのは少し早いかもしれませんけれども、租税収入の方は五月分の取り込みというような問題もありますから、恐らく現状では来年度の租税収入もせいぜいことし程度、それから公債の方も多少消化にかげりが出てきているというような現状でございますので、なかなか思い切った大規模の景気刺激型の財政規模に持っていけるかどうか、また持っていくことがいいのかどうか、そこら辺は私は大変慎重に考えなければいかぬと思います。  ただ、現在の内需、相当伸びておりますから、この程度の経済成長は何とかして達成するように、いわば安定成長路線に乗せるように努力しなければいかぬと思いますが、それにつきましては、歳入歳出両面にわたって相当の工夫をこらし努力をしてまいらなければならぬと考えておる状況でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、外へ出て経済の話をするときに、日本の経済というのは、いま輸血をしているから幾らか顔色がもっている状況じゃないかとよく説明するのです。いま大臣のお話でも、確かに表面的には——表面的にはという言い方はおかしいのですけれども、かなり財政の制約から公共事業自体できないということであります。逆にもっと端的なことを言ってしまえば、ことし七%成長ができたと仮定しますね、成長率だけ言うのは余り意味がないと思うのですが、できたとします。そうすると、来年は少しそれを減らしても景気はよくなる方向に自力の体力がついているんだろうかということになると、その認識はいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変それはむずかしい問題でございまして、いまのところやっと消費の方もある程度回復してきておりますし、企業の投資意欲も出てきておる、まあこの程度の状況は何とか続けられるんじゃなかろうか。全面的に公共投資を外しちゃって財政のために経済を犠牲にするようなことは、私はあってはいかぬという感じを持っているのです。しかしさらばといって、経済のために財政を犠牲にしちゃいかぬ。やはり健全財政のめどだけは明年度の財政運営におきましても考えていくべきだ。ちょうどいまその曲がり角に来ておるというような感じで考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしたら、大臣の方でも数字を言われましたのでもう少し具体的にお伺いしますが、いま大臣のお言葉の中にも、税収は大体ことしぐらいではないか、ことし十三カ月分事実上使っているわけですが、二十一兆五千億ぐらい、来年も大体これぐらいではないか。数字の面ですから後で高橋主税局長の方からお答えいただいても結構でございますが……。それから税外収入も、たばこの値上げを二〇%ぐらいしたいということで、それも含めましてもどう多目に見積もっても約二兆じゃないか。それから、いま大臣もお話がありました国債の消化の率から言いましても、大体どうしゃっちょこ立ちしても、資金運用部資金が一兆円ぐらい引き受けたにいたしましても、これも若干問題があるわけですが、ひっくるめても十四兆から十五兆、まあ十四兆がいいところじゃないかというのが実態ですね。あるいはこれ以上やりますと財政インフレを起こす危険性がいま証券市場その他にあるわけですね。  そういったことを見ますと、いま申しました数字を足しただけで三十七兆五千億という数字になるわけですね。しかし、これは目いっぱい国債発行をしてしまっているわけですから、財政再建という角度から言いますと全然第一歩になっていないわけですね。そこで大平総理が、この財政再建か景気刺激かという問題については、どちらに重点を置くと聞かれても適正におさめていくとしか言いようがない、ぎりぎりの網渡り、苦渋に満ちた決断が迫られると記者会見で言われているようでありますけれども、その意味では私は、オール・オア・ナッシングの選択ではないと思うのです。ある意味では両にらみをしなければいかぬと思うのであります。しかし、いま申し上げましたような数字が正しいとするならば、これは私は財政再建に一歩もなっていないんじゃないかと思うのであります。大臣の言われます大体いまほどの経済は実現をしたいというと、大体六%台、成長率だけが私は意味があるとは思いませんけれども、六%台は何とか財政が主導して引っ張っていきたいということだと思うのでありますけれども、一体大臣は、そういうことになっていきますと、予算規模というのは、いま申しました要素を含めましてどのくらいを頭に置かれ、それは景気を刺激するという観点と財政再建という観点とから言ってその点はどういうふうににらまれてそういう数字になるのか、その辺はいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 数字のことは事務当局から説明してもらいまするけれども、景気刺激か財政再建かということになりますると、とにかく本年度で非常な公債発行が財政の足を引っ張る段階に来ておりますから、これも短期決戦ですぐそれじゃ百八十度財政の姿を切りかえられるかというと、それは現実問題としてそんなことはできるはずがございませんから、ある程度中長期の立場に立って、これから財政の健全化を進めるために何から手をつけてどういう段取りでやっていくかということを来年度の編成を通じて真剣に考えていきたい、こういうことでございます。  あと事務当局から数字について申し上げます。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 五十四年度の税収の見積もりについてのお尋ねでございますが、現在経済見通しと呼応しまして見積もりの作業を急いでおります。いまこの段階で数字的な見込みを申し上げる段階に来ておらないわけでございますけれども、先ほども委員からお話のございましたように、五十三年度は二兆百四十億という来年五月分の税収を取り込んでおります。それが五十四年につきましてはなくなりますので、それを取り戻して二十一兆四千五百億ということしの当初予算の税収と同じ税収が見込めるかどうかということになりますと、いままでの五十三年度税収の収納状況、これが十月末で〇・九ポイント進捗率で前年を下回っております。それで、五十三年度の税収の実績を見積もりまして、その上に五十四年の経済見通しの成長、それから経済活動等を積み上げて推計するわけでございますから、二十一兆四千五百億円という五十三年度当初税収よりも上回るということはまずなさそうである、いまの感触で申し上げて大変恐縮なんでありますけれども、率直に申し上げますと、確保できるかどうかが危ぶまれるというのが私の感じでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 せっかく数字の話まで少し入ってきましたので、主計局にちょっとお伺いしておきますが、私が申し上げた、税外収入はどう大きく見積もっても二兆、それから国債の消化の面から言って約十四兆、数字だけ言うなら幾らでも出せますが、消化の面から言ったらそんなところが限度じゃないか。そうなりますと、どう足してみても、いまの高橋さんのお話を聞いても、合計して三十七兆五千億にしか歳入の面からはならぬわけですね。しかし、いま大蔵省が予算のいろいろな査定をしている段階では、三十九兆円の攻防戦だと言われているわけです。この辺のところでまだ一兆五千億という大変大きな額の差があるわけであります。これは一面では増税ということも当然あると思いますけれども、数字的にかなり三十九兆というのは無理があるのではないかという気がしてならぬのです。その辺のところはいまの段階では、なかなか他省をにらむにいろいろ手段があるのでしょうから言いにくい点もあろうかと思いますけれども、いま申しましたように総枠としてはどういうことになっているのですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 いま鋭意作業が進行しておりまして、新大臣のもとで最終的な議論の過程にあるわけでございます。したがって現実の作業の帰趨というのは、率直に申して定かでないわけでございます。仮に、もうこれは各方面で御説明しておりますが、先ほどございました五十三年度の税収をイコールとして、特例債の依存度二四、公債の依存度三七というのでありますと、大体七・七、八%の予算規模の伸びになる。片や、二月に国会にお出しいたしました財政収支試算のCケースというもの、これが大体一五・二の伸びでございますが、この歳出をそのまま使うというようなことでありますと、問題は公債の依存度が四一%ぐらいになってしまう。こういうような一定の自動的な前提を置きまして想定してみるという、そういうアプローチももう一つあるわけでございます。  そっちの方からのアプローチをいたしましても、いまの二つのケースというのは両極端でございます、現実は、最初に申しましたミクロの積み上げ作業、それから別途、経済計画なり経済見通しなりのいろいろな諸般の情勢を見た収斂によって現実の規模が決まっていくわけでございますが、率直に申していまの二つの、後の方で申しましたアプローチの両極端のケースのいずれかの間に入ってくるんではないかと考えます。それで、具体的に伸び率なり規模なりというのは、いま申しました作業過程にございますので、私率直に申してわからないというところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 何が出てくるのかと思って聞いていれば、答えになったようなならないような感じなんですが、作業中ということでありますからその辺はある程度わからないわけでもないわけでありますけれども、私が当初問題にしたいのは、予算規模だけ大きくする、それは、税収なり税外収入がある程度一定ならばますます国債依存度を高めなければいかぬという結論になるわけです。その際に、税収の増税ということをどうしていくかは次の問題としてお伺いしますが、それ以前に、支出のあり方として、確かに公共事業自体が景気の下支えをする、あるいは内需の支えをしているという点は私も否定はしません。しかし、財政でこれだけ大きな負担をしていつまでも公共事業を、国の予算だけでことし五兆幾ら、来年度も六兆、七兆とこの面だけどんどん進めていって、本当に日本経済というのが自力回復できるだけの体力ができるのかどうなのか。それは冒頭私が経済企画庁にお伺いしたように、これは七−九だけで数字を申し上げるのは問題でありますけれども、ここでもし公的な固定資本形成を除いた場合には経済成長は非常に落ちる。その意味では逆に、公共事業というのは私は否定しているわけじゃないけれども、公共事業だけやっても、いまのような過剰設備を抱え、構造不況業種を持っている状況の中では、波及効果が大変落ちているということから申しますと、予算規模だけ大きくして、そうして公共事業を中心とする来年度予算を組んでみても、それによってまた来年確かに七%成長できるかもしれない、できても、では再来年もその先も絶えずこういうことをやらなければ、大臣が言うようにいまの程度の経済状況というのは続けられないということになるんじゃないだろうか。  私は、たとえは悪いかもしれないけれども、予算をどら息子にたとえてみて、確かにそのどら息子にお小遣いをたくさんやる、どんどん使いたいだけ使いなさいとやる。親がやれるうちはいいけれども、子供が本当に自活できる道、手に職を持ったり何なり、まだ自活できる道にそれがつながればいいけれども、公共事業は確かに物は残りましょう、しかし、片面では借金だけ残っていく。そういう状況から申しますと、私はいまの言われているような来年度のポイントを、公共事業だけに置くんじゃなくて、いま最大の問題になっている雇用の問題、このところにポイントを移して、公共事業を若干減らしてでも雇用の確保というところに予算を使っていかないと、決して長期的に日本経済の回復というのはあり得ないんじゃないか、こういう感じがしてならぬわけでありますが、その認識について大臣はいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 財政全体というか、予算規模の経済に及ぼす影響というものは、やはりだんだんとウエートが低下してきておると思うのです。それだけ最近の日本経済は急速に構造変化を来しつつあるのじゃないか。そういう意味で私どもは、もう一度これからの財政の運営のやり方を見直してみなければいかぬと思うのです。  ただ、いまお話しのあの公共事業が大きな役割りを果たしたことは事実でございます。しかし同時に、いま御指摘の雇用の問題、これはこういう時代になりましたから、やはり政治としては当然重点を置いて考えなければいかぬことでございます。雇用問題に対する対策としては、単に景気刺激型の予算を組むだけではなくて、個別対策をしっかりやっていくというようなことでどの程度のことができるか、そういった点をいま研究してもらっている最中でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それから、もう一つ大臣の言われた景気刺激型か財政再建型かという、これはオール・オア・ナッシングじゃありませんから、そういう質問自体が正確を欠くかと思いますけれども、いま申しましたように、私も公共事業自体を否定しているわけではないし、それが持つ効果というものも否定をしているわけではないわけであります。ただし一体、大臣のお言葉の中に来年度を財政再建の第一歩としたいというお話がありましたが、それは片面では、税のあり方自体をどういうふうに変えていくかという問題にも通じてきますし、もう一方では国債をできる限り減らしていく。そういう意味では、長期的にあるいは中期的に日本経済の自力回復する道、それは、構造不況業種なりあるいは雇用の面で雇用の創出なり確保なり、長期的に日本経済が自立できる道を探っていくという点に、公共事業をたとえば若干減らしてもそちらに向けていくという、そういう認識がおありなんでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 中期的なあるいは長期的な立場で財政再建をしなければいかぬ。その方策として、あるいは税についていろいろ負担の増加をお願いしたり、あるいは歳出についても、たとえばいままでの補助金を見直すとかいろいろな行政のやり方の中身を見直すとか、そういうこと全般を絡めていませっかく洗い直しをやっている最中でございまして、公債発行をどこまでことしのように続けられるかというような問題についても、これからの公債管理政策と絡めてもう一度見直してみたい、こういう気持ちでおることを申し上げておきます。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それに関連するのですけれども、公債依存度の歯どめの問題ですね。これは去年から、経常部門と投資部門とに分けておのおのパーセンテージを出してきているというふうに変わっているわけであります。ことしは全体で言えば四〇%を超えるのではないかという大変なことも言われているわけでありますけれども、この歯どめのやり方について、三〇が意味があって四〇が意味がないとか、そういう問題ではないことはお互いに知っている者といたしまして、一体歯どめの議論と申しますか、これはどういうふうに考えていらっしゃるのですか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 大臣が御答弁される前に技術的なことをちょっと御説明さしていただきますが、歯どめにつきましては、もう佐藤委員御承知のようにいろいろな説がございます。利払い費が税収に占める割合とか、あるいは公債の依存度、要するに歳入に占める公債の発行額、あるいはGNPに占める公債の残高とか、いろいろな議論がございますが、率直に申してそういう計量的な歯どめというのはなかなか理論的にも困難でございます。たとえばアメリカの場合、カーター大統領が三百億ドル以上の公債を出さないという、言うならば私どもの三〇%というような感じ、これは理論的に、それではしからば三百一億であったらどうしてだめなのか、三一%ではどうしてだめなのか、こういう議論になるわけでございますが、したがって、計量的な歯どめというのはなかなか率直に申して困難だと思います。  財政法の四条の精神でございますが、経常部門の収支均衡というのは図らなければならない、これは法律的に担保されておりまして、これは一番強い歯どめだと思います。ところが現在、再三毎年、大平大臣の言葉をかりますと、汗をかきかき特例法をお願いしておるわけでございますが、そういう状況下にある。したがって歯どめとしてはとりあえず、セカンドベストとして特例債を何が何でもある一定の期間内に歳入歳出両面からの努力あるいは経済の力によって解消しなければならない。その後にいわゆる歯どめ論というようなものが再度見直されるのではないか、こんなふうに考えます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 その辺のところはある程度お互いにわかったつもりで大臣にお伺いしているのですが、去年から経常部門、投資部門ということで変えられてわれわれに説明があるわけでありますけれども、ことしの場合には具体的に理論的にはこれはないということは私もわかるわけです。わかるのですが、少なくとも何らかの歯どめというか取り組みというのかこれがないことには、先行き大変なことになると思うのですが、その辺のことについて大臣の御所見はいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 少なくとも経常部門についてバランスがとれるような財政運営をやっていくのは、これはもう何よりも真っ先に考えなければいかぬことだと思います。明年度の予算編成につきましては、そこら辺十分考えてやってまいりたいと考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 時間も大分ありませんので、少し先に進ましていただきます。  そこで、財政再建の第一歩にしたいということでありますが、一般消費税の問題が大変大きな問題になっているわけであります。大臣のきょう読み上げられたものの中には、恐らく大蔵当局が書いたのだと思うので、かなりはっきりと言われているようでありますが、記者会見では、五十五年一月からというのはそこまでできればむしろうまい方ではないかということで、大分事務当局から苦情だか何だか来たという話でありますけれども、きょうは少し、幸か不幸か、われわれにとっては不幸でありますが、前向きになられているわけです。  そこで、内容についてはきょう税調の会長も来ていただきますので詰めますけれども、不公平税制を是正をしてから、国民にこれだけやるべきことはやりましたと言った後に一般消費税の問題を投げかけるのが筋だし、順序ではないか、また、そうしないと国民の間にも受け入れられないのじゃないか。大臣も御就任の前には自民党の税調会長をやられまして、九月十二日に発表になったいわゆる税調の特別部会の試案なるものの反響というのはある程度御存じだと思うのでありますけれども、この反響というのは一体どういうふうに大臣としては認識され、そしていまでも五十五年の一月からはぜひ一般消費税を導入したいというふうに考えていらっしゃるのか、その点についてはいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 一般消費税の問題につきましては、ただいま政府と党の税調で御審議の最中でございます。その結論を待って決断を下したいと思っておるのですが、何といっても国民世論の動向も十分考えながら判断すべきことと考えますが、私自身の気持ちを申しますならば、消費税課税に日本の風土がまだ十分いままでなれてきておりませんから、ある程度国民の皆さんに協力をいただき納得をいただく時間的余裕を持つのがしかるべきではないかという気持ちで、いままでいろいろなことを言ってまいったわけでございます。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 しかも、いま佐藤さん御指摘のとおり、こういうシャウプ税制以来の大改正をやりますためには、とかく従来から取り上げられておった不公平税制と申しますか、すでに役割りを果たした幾つかの税制もまだございますし、それから、やはりチープガバメントと申しますか、企業や個人の家計には相当の減量経営をお願いをしてきております。政府自体も、そういう点について切り込める点はできるだけ考えていかなければいかぬ。そういうことをやることが一般消費税導入の前提であると私はいまでも考えておるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、財政再建の手がかりをつかんでいこうと考えます場合に、やはり五十五年の一月くらいならば何とか皆さんに御納得いただける時間的な余裕は十分あるんじゃなかろうか。そういう意味で、五十五年の一月ということを前大蔵大臣も言っておりますし、私もそこら辺まで持っていけば、財政当局としては財政再建の手がかりをつかむ上において大変うまくいくんじゃなかろうか、こういう気持ちでおるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは大臣だけの判断ではなく、自民党の税調あるいは政府の税調も関連してきますのでなかなかむずかしいとは思うのでありますけれども、大臣が言われた、消費税というのはなじみがないということで、その前に不公平税制の是正ということ、まさに私はそのとおりだと思うし、それをしなければいかぬと思うのでありますが、いま最後の方になりますと、また五十五年一月という話がちらちら出てくるわけであります。五十五年というと再来年のように思いますけれども、現実には来年はすぐそこに来ているわけで、その意味では、五十五年一月にたとえばもし大蔵省の方でどうやってもこれは入れたいということになりますと、現実には二十二日から始まります通常国会に法案でも出さないと、これはかなり各業界その他に説明が要ります。具体的には総売り上げから仕入れ額を引いてと言ったってそう簡単にはいかない業界もあるわけですから、説明が要るので、準備期間が要るんだと思うのですね。その意味では五十五年一月ということは、来るべき通常国会には、それが三月から出すか四月から出すかは別として、法案を出さなければいかぬというところまで来ているということですよ。  結論的に言うならば、そこまで話を詰めるには自民党や政府の税調とも相談をしなければいかぬということなんでしょうが、大臣の気持ちとしては、もう一度お伺いしますが、その点についてはどうなんでございますか、法律までつくって国会に出す、いまは試案という形で国民の皆さん方に皆さんPRをなさっているわけだけれども、これはさらに具体的にもう少し詰めて法案までつくって国民の批判を受ける、あるいは皆さん方PRするということまで先に進められるおつもりですか、その点はいかがでございますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 大臣からお答えを申し上げる前に、現在までの私どもの方のいろいろなPRと申しますか、税制調査会で各案の細目の詰めの御審議をお願いしている状況をあらまし申し上げておいた方がよろしいかと存じます。  たびたび申し上げておったことでございますが、九月十二日の税制調査会の特別部会試案につきまして、私どもはそれをもととして各業界、それから各地域、各方面、かなりの回数を重ねて、百五十回くらいになりますが、いろいろの御意見を伺いまして、その中でその大部分は、制度の業種別の組み立て、また専門的な取引の実態に応じた御質問というようなものでございます。それらを整理して現在政府の税制調査会の特別部会で、それを法律として組み立てる場合にどういうふうに構成するかということについて十分な御審議の詰めをやっていただいておるわけであります。  それで、いま委員からお示しのございましたように、五十五年一月実施という場合には、関係の納税義務者、また一般の税負担をいただく国民の皆様、そういう方々に対するPRなり御協議なりということも必要だと思います。それから執行の準備ということも必要だと思います。そういうことから、それ相当の準備期間が必要でございますから、法案をお出しするということになれば、通常国会に審議のお願いをせざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ですからしたがって、少なくも大臣のお考えとしては、通る通らないは別といたしまして、通常国会に出すお気持ちがあられるのか、あるいは法案だけはつくってなおかつ国民へのPRなりあるいは批判を受けられるのか、その点のお気持ちはいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 冒頭に申し上げましたとおり、ただいま政府並びに党税調で審議をし、その導入の時期等についても御議論をいただいている最中でございますので、結論を待って措置したい。ただ、五十五年の一月からでもということになりましたら、通常国会にやはり中味をさらけ出して皆さんの御批判をいただき、議論すべき点は詰めて、五十五年の一月からということになろうかと思いますが、いますぐこれをやりますよとか、中味はこうですという段階に至っていないことだけは御承知おきいただきます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、不公平税制と言っているときに、せめて五十二年の税調答申、この中に盛られていることぐらいは少なくも手をつけないと、私は不公平税制の是正ということにならぬと思うのであります。とりわけ、これは前大蔵大臣のときにも質問したのでありますけれども、法人税の問題ですね。これは、五十二年の税調答申の中で、きわめて素直に負担の増加を求めている部分だと思うのであります。これについては税調の答申でも、「我が国の水準は主要諸外国のそれに比べてやや低いと認められるので、今後適当な機会をとらえて法人税に若干の負担の増加を求める余地があると考える。」若干というのは、二、三%なのか五、六%なのかは別といたしまして、法人税のところについては非常に素直に負担の増加を求めることを言っているわけでありますけれども、法人税については増加をさせるという意思はおありでございますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 政府の税制調査会で五十四年度の税制改正の包括的な御検討を現在進めていただいておるわけでございます。これについてまた会長からお答えがあると思いますが、その中に、ただいまお示しのございました中期答申の線で法人税の負担水準の若干の増加を求める余地があるということについて申し上げまして、五十四年度がその適当な機会かどうか、目下検討をいただいておるところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ですから、それは事務当局はそうでしょうけれども、少なくも政治である限りは、不公平な税制を是正しないことには一般消費税という話にならぬということも大臣言われているわけでありますから、その意味では、少なくも税調の答申の中に出てくることぐらい全部済まさぬことには、これは私は次の段階に行けないと思うのです。それは確かに手続的には高橋さんの言われるとおりになると思いますけれども、政治論としては、そうしたら五十四年やらなければこれはもう次の話に私は行けないと思うのですよ。非常に素直に法人税のところだけは、若干の負担の増加を求めるというふうに答申が出ているわけでありますから、その意味では、こういったものに一つ一つ手をつけていかなければ、私は一般消費税なんかとんでもないという話になると思うのです。大臣、いかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま御指摘の点も含めて、政府、党税調で御議論をいただいておる最中でございますから、もうしばらく結論が出るまでお待ちいただきたい。お願いします。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そういうことになりますと、その結論が出ないことには、委員会で審議をしてもちっとも意味がないことになるのですが、もう一つお伺いをしておきたいのは医師税制の問題です。  これは大蔵大臣も長いことこの問題におつき合いがあるからおわかりだと思いますけれども、くどくど何も申し上げません。時間もありませんので中味は省きますけれども、長い長い経緯といろいろな理由と医療の持つ公的な使命、そういったものもあるわけですね。言われているのは、あれは五十年度の税調答申だと思いますけれども、収入別、段階別に医師の経費率を設定するという税調案を実施をという話があるわけでありますが、片面では、厚生省の方で医療体系の見直しという話があり、またその動きがある。しかもこの税制の問題というのは、これは税だけ独立している問題ではなくて、医療体系全体の中の一つの問題として、社会保険診療報酬の適正化との関係もあるわけですね。これについて大臣はどういうふうに解決と申しますか対処されるおつもりでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 大変長い経過のある問題でございますが、本年度の税制改正の際に、来年の三月限りで現在の制度は廃止することをはっきり決めております。それじゃ一気かせいに経費率を認めないというようなわけにはいきますまい。ある程度の経過措置を講じながら、国民世論が納得していただけるような線で結論を出してもらうように目下鋭意努力をしておる最中でございます。いろいろな話が今日出ておりまするけれども、診療報酬全体を見直すのを待ってということですとなかなか進行いたしませんから、それはそれとして、税の問題だけはこの際片づけたい、こういう気持ちでおります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは社会保険診療報酬の適正化、このこととは全く無関係に税の方は税の方として、まあいろいろなやり方があると思いますが、一応たたき台になっているのは税調案がなっているわけでありますけれども、そこに依拠するかどうかは別といたしまして、いまの大臣の御発言は、社会保険診療報酬の適正化の問題あるいは医療体系の全体の問題とは切り離して、税の問題は税の問題というか、この医師税制の問題は対処されるということでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 これは全面的に切り離して議論もできないと思うのです。やはり関連はあると思いますが、現在の診療報酬の状況もにらみ合わせて必要な措置を講じてまいりたい。また予算上、たとえば救急医療体制についてどうするかとか、学校の集団健診についてどうするかという予算措置を要する問題もありましょう。そういった問題はそれぞれの立場で措置をするようなことで了解、納得を得るように努力するつもりでおります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 時間もありませんので、もう二問ばかりお伺いしておきたいのであります。  これも税調でというお話になっちゃうかと思いますが、大臣も非常に税に詳しいので、私は常々、一般消費税だめだという限りは他の財源を探さなければいかぬということでいろいろ税の勉強をしてみますと、いま突き当たるのは、高度成長時代からのいわゆる企業会計原則という範疇だけでは増税がなかなかむずかしいのではないか。たとえば、これは私何度も大蔵委員会で話をしているのでありますけれども、退職給与引当金の問題ですね。これは非常に意味がある引当金でありますけれども、たとえば七万人もおる会社のうちの三万五千人分の退職給与を税法上全部認めてやる必要があるかどうかという問題は、国が財政上窮迫をしているというときに、実際に七万人の会社のうちの半分の人がやめる、そういった状況が起こったら、これは社会問題になるし、あり得るわけがない。そこまで大きく積ましていく必要があるだろうか。  この論議をしますと事務当局は、企業会計原則上と言われるわけでありますが、私はこれは企業会計原則という話だけではなく、この財政難の中ではこれ自体も少しさわる。つまり、企業会計原則上は認められるけれども税法上は認められないものは、たとえば交際費課税だってあるわけですね。本来ならこれは経費で全部落とすものでありますし、退職給与引当金だって、そんなことを言うならば全額、一〇〇%積み立てていいはずでありますけれども、そうじゃないということは、税法と企業会計原則というのは必ずしも一致しないものは幾らでもあるわけですね。そういった意味で、少なくも大蔵省の方で税調に諮問をする場合にはそこまで踏み込んで諮問をしないと、私は、財源というのは全く直ちに短絡的に一般消費税という大衆課税ということになっていくことになってしまうと思うのであります。その点についての認識はいかがでございますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 退職給与引当金につきましては、長い問いろいろな御意見をいただいておりまして、私どもはそういう御意見を踏まえて税制調査会に御審議をお願いしておるわけでございますが、ただいまの委員の御質問の中でちょっと気のつきましたことを申し上げさせていただきたいと思うわけでございますが、退職一時金を払うという社会慣行、これは日本に一番顕著でございまして、諸外国にその例がございませんので、退職給与引当金というような負債性の引当金を設けておるというその制度が少ないわけでございます。ただ、私どもが調べておりますと、日本の会社がADRを発行する際に、たとえばアメリカならアメリカのSECに提出する財務諸表がございますが、そこでSEC基準で財務諸表を作成していくわけでございますけれども、日本の退職給与引当金を税法による損金算入限度まで、つまり二分の一まで計上してSECに提出いたしますと、それは必ず期末支払い額の全額の計上ということが求められるということのようでございます。  ただいまその税法上と企業会計上とかけ違ってもいいではないかというお示しがございました。たとえば法人税でございますが、利益処分で払わるべき法人税、これはもう経費ということでありましょうけれども、私どもは税法上は益金という扱いをいたします。交際費につきましても、いろいろな経済政策上の配慮、社会政策上の配慮からこれを課税するということをやっておりますけれども、ただいま申し上げましたように、負債性引当金であります退職給与引当金につきまして私どもは、将来払われる時期、それからそれまでの割引率等を勘案いたしまして、三十九年でございますか以来退職給与引当金を二分の一税法上損金算入を認めておるわけでございまして、この点につきまして、たとえば従業員に対する退職金の支払いの確保上必要な機能を果たしておるかどうか、そういう点の検討は必要であると思いますが、いままでお答え申し上げておりますように、この引当金の積み立て限度をさらに圧縮すべしということにつきましては、税制調査会の御意見もそうでございますと思いますが、積極的なお答えができないという状況であります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これは時間がありませんからそれ以上申しませんけれども、二分の一まで圧縮してきたわけでありますから、その意味で私は、従業員数別にある程度ランクを設けても一向に構わないと思うのであります。これはまたの論議にいたします。  最後に、大平総裁がいわゆる田園都市構想というのを出されて、大蔵大臣も大平派でありますから恐らくPRをされたのだと思うのでありますけれども、どうもこれは聞いてみるところ、福田内閣が昨年の十一月に閣議決定した三全総の中の定住圏構想と中身はほとんど一緒である。大平総理自体もことしの一月に、「私の構想はその後ようやく各方面の理解を得るところになり、三全総の定住圏構想となって国土庁から発表され……」ということを述べられておるわけであります。それですでに国土庁の方でも高次都市機能整備計画とか農村定住条件整備検討調査とか、あるいは自治省の方が地方定住構想推進調査研究費補助事業、建設省が日常生活圏中核地区総合整備計画策定、あるいは国土庁の定住圏モデル事業、建設省のモデル地方生活圏事業、農林省の農村地域定住促進特別対策事業と、これはどうにかならぬのか、もう少し統一できないのかと思われるくらいばらばらに、いわゆる定住圏構想に基づいたところの予算というのはつけられているわけです。  そういうことになってきますと、いま前提で申し上げましたように、総理の言われるような田園都市構想というのが定住圏構想と同じであるならば、さらにこの田園都市構想というものに金をつけてみても私は意味がないと思うのでありますね。内閣ができるごとに何か国民に目新しいことを言わぬと、その内閣は何にもしないようにとられるものだから、三木内閣もライフサイクル構想とか言ってみたり、その都度その都度二年ごとに新しい構想で調査費だ、予備費だ、審議会をつくるなんという話をすること自体非常に私は国民にとっては迷惑な話だと思うのです。  それでお伺いをしたいのは、この田園都市構想と言われるものについて、一体予算の中で具体的にこれはどういうふうにされるおつもりなんですか。細かい話はいいので、どういうふうにされるおつもりかだけ、予算をつける、調査費をつけるあるいは審議会をつくる、そんなようなことを実際にやるのか、あるいはその定住圏構想の中に吸収されるのか、どういうふうにされるのかお伺いをしておきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま佐藤さんから御指摘のありましたとおり、いろいろな構想が各省から打ち出されておりますが、田園都市構想と言っても、哲学的には定住圏構想と大体基盤を同じゅうしておるように私どもも考えております。都市に対する流入をある程度抑制するために地方に適正規模の人口の文化、産業を兼ね備えた都市をこれからつくっていきたいということでございますので、そういうものを総合して一本の構想にまとめて予算的にも措置していきたい。とりあえずは来年は、まだこれも主計局、事務的にまた答弁させますけれども、構想が固まっておるわけでも何でもございませんが、予算措置としては調査費をつけてそういうものを総合してやれるようなふうに持っていきたい、こういうふうに考えております。細かい点は事務当局から答弁させます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 いいです。これで結構です。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 時間もありませんし初めてでございますので、大変表面的な問題だけに終わりますが、簡単なお答えをひとついただきたいと思います。  まず最初に、かつて田中さんや福田さんのときは、総理にもなられたわけですが、当委員会におきましても明快なお答えがいただけました。その後、新大蔵大臣もこの座席においでになりましたからいろいろお気づきだろうと思います。単に歯切れが悪いということだけではなくて、どうも的確な答弁がない。ということは、単に大蔵事務当局が困る、こういうことだけではなくて、本委員会の権威をやはり低からしめたと思うのです。そういう意味におきまして、今度もややともすると、大変大臣には失礼ですが、大蔵委員会も大平総理の直轄だというようなことがマスコミにも書かれております。今度はそういうことがないように、金子新大臣には責任を持った大蔵行政を、この重大な時期にぜひひとつ実力のほどをお示しいただきたいということを要望いたしたいと思います。  そこで、早速そういうことの中で、小坂さんや江崎さん等との食い違いが出ております。あるいは時間があれば、自民党総裁選挙の争いの中で出てまいりましたいろいろな皆さん方の主張の食い違い、こういうこともただしたいところですが、きょうはそこまで遡及し論及する時間がございませんので、また別の機会に譲りたいと思いますが、新内閣発足以来だけでも通産、経企、一言に言うならばこの人たちの拡大型の経済展望、経済施策というものと、大蔵大臣を中心とする、あえて均衡縮小とまでは言いませんが、堅実型の経済展望というのが食い違っております。閣内の不一致といいますか、どういうふうに調整をされる腹づもりであるか、まずお聞きをいたしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 只松さん、閣内の意見が食い違うとおっしゃるけれども、まだそこまで行っていないのですよ。考え方は皆さんいろいろございます。結局は日本の財政経済の現状認識の問題だと思うのでございますが、いませっかく関係の経済閣僚は勉強しておる最中でございまして、だんだんとこれは調整できる問題であると考えております。  ただ御指摘のとおり、ことしと同様に来年も景気刺激型の予算を組めばそれでもう事足れりという時代は、私はもう去ったと思うものですから、歯切れが悪いとおっしゃいますけれども、大変苦渋に満ちた財政編成をいま心がけておる最中だ、こういうふうに御了承いただきたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 食い違っていないと言うが、将来的には、一致しなければ大平内閣は瓦解するわけですから、これは一致するだろうと思いますが、少なくとも当面言っていることは、相当というか、ある意味では根本的に違うようなことを通産あるいは経企あるいは党の政調会長等はおっしゃっておりますね。しかし、大蔵の事務当局というか大蔵大臣は当然に、先ほど佐藤委員からもいろいろ質問をいたしましたが、こういう収入の中でそんな景気のいいことが言えるはずはない。したがって、そういうものをどう調整していくかということは、いまから予算編成に向けて一番大事なことだと思うのですね。税収の見通しさえも十分立っておらない、あるいは消費税をどうするかさえの腹も決まっておらないというときに、国民に無責任に景気のいい話ばかりぶち上げる、そういうことが大平内閣の一つの人気のよさになって支持率が高いのかもしれませんが、そういう予算が組めなければがたりと落っこちて、あるいは福田さん以下になるでしょう。そういうことはさておきまして、とにかくいまからの予算編成に大変な問題を及ぼしてくるわけでございます。  そこで具体的に話を進めますが、いままでの財政主導型の予算編成をなさるつもりかどうか。桜田さんの報告等によりましても、もうそういうものは限界があるということを言っております。大臣もそういうことをおっしゃっておりました。ところが、依然として国民あるいは財界、特に財界の中には財政主導型を希望しておる、願望しておるという面が非常に強いのじゃないですか。そうすると、当然にそれが最後には増税の問題かあるいは公債増発かという問題にもつながっていく。依然として財政主導型の予算をお組みになるつもりであるかどうかをお聞きしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 短期的には、景気調整のために財政が積極的役割りを果たすことができる時期があると思います。そういうときには、財政主導型の予算を組んだらいいと思うのですけれども、今日のような段階になってまいりますると、やはり中長期のことを考えていかなければいけませんから、中期の立場、長期の立場から考えた場合には、やはり民間の活力を最大限に発揮するようなことを念頭に置いて財政の果たす役割りを考えていくべきである、こういうふうに考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 自由主義経済のもとにおいて皆さん方は経済を運営なさっておるわけであります。この桜田さんの報告にも、政府は富を生産するところではない、こういうことを書いております。民間である。ところが、いままではややともすると、よく福祉が高い高いと言われるが、福祉はそんなに高くはない。私たちから言えば、むしろ政府が富を生産する役目を相当担ってきたということを言いたいと思うのですが、しかしそういうことではないということがようやくにして言われてきておる。自由主義経済であるならば、あくまで富の生産は民間に任すべきであって、政府が率先してやるべきではない。ところがもうけているときは、自分たちがもうけている、あるいは後で聞きますけれども、脱税やなんかもどんどんやって税金は余り納めない。ところが少し不景気になってくると、やれ設備を買い上げろ、こういう補助金をしろ、何をしろということで、しりぬぐいは国民が納めた税金に求めてくる。こういうものの一つが、公債の増発になり、あるいは一般庶民を苦しめる一般消費税の創設、こういうことになってくるわけですね。だから私は、予算の性格あるいは財政の果たすべき役割りというものを明確にしていく必要がある、こういうふうに思いますが、大臣のお考えはどうでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 最近の経済情勢の変化に応じて財政の果たすべき役割りもだんだん変わってきておる、そのちょうど切りかえの時期に来ておりますから、大変むずかしいことでございまするけれども、極力そういうことを御認識いただくようにこれからも努力してまいりたいと考えておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そうすると、五十四年度予算のフレーム試算の中にもいろいろ出てきておりますが、あえてこれを大型、中型、小型と言いますと、大臣の考えは中型、こういうことになるのですか。小型では不景気になるだろう、大型では金がない、中型だ。どういう表現でなさいますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 先ほどの佐藤さんの御質問にもお答えをいたしましたように、財政のために経済を犠牲にすることがあってはなりませんし、また経済のために財政を犠牲にすべきではない、そのバランスをどうとっていくかというようなことでいかざるを得ないと考えております。大変むずかしいことでございまするけれども、先ほどお話しのちょうどその真ん中ぐらいをいければいいのではなかろうかと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 さらに具体的にしますと、たとえば七%成長の三十六兆、一四%成長の三十八兆、あるいは一六%成長の四十兆、こういうところで、中型、真ん中ほどということになりますと、大体一四%前後の成長で三十八兆円ぐらい、こういうふうに見てよろしゅうございますか。何だったら主計局の方から……。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 先ほど佐藤委員に申し上げましたように、確たることを申し上げられる段階にまだございません。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 只松さん、まだ経済見通しも経企庁は出してきていない段階でございますし、いま歳入歳出の両面にわたって数字を洗っている最中でございますので、ちょっと見通しを申し上げるのには早過ぎる段階でございますので、その点は御了承賜りたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 数字までなかなかお答えいただけないだろうと思いますが、中型ということできょうはひとつおさめておきたいと思います。  次に、来年東京サミットが行われるわけでございますが、ことしもそうですが、来年もまたそういうことで七%の経済成長が迫られると思うのですね。実質上はさっきからいろいろ論議があったように容易でない、こういうことですが、先進国首脳会議にどういう態度で、福田さんがおっしゃったように、今度は大平さんにかわったといえども自民党の内閣ですし、あるいはそれを引き継いでおられるわけですから、これは国内問題じゃなくて国際的な問題として、どういうふうな成長率を提示され、あるいはしたがって、どういう予算規模等をお話しになるか。私は国内の面からしたのですが、国際的にも一つの問題があるわけですけれども……。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 七%成長が前内閣以来の公約であったことは十分承知いたしておりますが、七%という数字自体よりも、むしろ内需を振興して外貨を減らしてくれなきゃ困るというところにやはりポイントがあったと思うのでございます。そういう意味で、いろいろな政策手段を駆使して、それこそ額に汗してここまで持ってきて、外貨もだんだんと減るような状況になってまいっておりまするから、その点は私は十分国際的にも納得を得られるのじゃないかと考えておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 それから、これも先ほどからあいまいな答弁に終始されておるわけですが、いずれにいたしましても、多少減っても公債の増発は避けられない。このまま続けていくならば、来年地方債と合わせて百兆、やがては国債だけで百兆を超す、こういう事態になっていくわけでございますが、この歯どめというのは、福田さんが大蔵大臣で第一回にここで提案されたときに、本会議でも私は反対討論に立ったわけです。必ずこういうふうになっていきますよ、あのときはいろいろな歯どめはおっしゃったけれども、とどまりませんよ、こういうことで論争をしたわけです。今日こういうふうになって、とどまることができなかった。一般消費税でも大幅にかけて、やがて二〇%もぶっかけてくると多少とどめることができるかもしれないけれども、それも先ほどから言いますように財界等が、景気はなかなかよくならないということになると、また増税はしながら公債も増発を続けろということの要望が強まるだろう。  そういういろいろなことを考えますと、何としてもどこかで歯どめをしておかないと、私たちは子孫に対して大変な誤りを犯していく、こういうことになると思うのですが、いろいろな抽象的じゃなくてやはり具体的に——確かに三七%か四〇%かという数字じゃなくて、もう三七%それ自体が問題であるし、四〇%ならばさらにそれが問題である。こういう公債の増発というのは、日本の歴史上も世界でも、軍事的な体制下を除いて例がないわけですね。それが、先進国と言われ、あるいは経済的な運営では優等生だ、こう言われる日本国家において公然と行われている、公然と。しかも、これをそう大声を上げて批判したり、前方に立ち上がって阻止する勢力がないということで、ある意味では昂然というか傲然と行われている。私たちはこれは将来に対する大変な誤りを犯す。どこでどういうふうに歯どめをかけるか、具体的な策を、きょうなければ検討するということでも結構でございますから、新大臣のお答えをいただきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 先ほども佐藤さんに申し上げたことでございますが、とりあえず経常収支部門での均衡だけは何としても新年度予算で回復してまいりたい。いまのような状況で推移いたしますならば、税収の面あるいは国債消化の面で、これはもうゆゆし事態になると思いますので、十分慎重に配慮してまいりたいと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 慎重に配慮じゃなくて、こういうことである意味じゃ機関を設けて検討するとか、私は具体的に歯どめの方法をお考えいただきたい、こういうことです。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 予算審議の過程を通じて結論を出してまいりたいと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 次に、公債とうらはらに税収のこういう状態の中で、一般消費税の新設が構想をされている。少し前にあなたが自民党の税調会長としてヨーロッパにおいでになり、「付加価値税の制度と執行状況」というものを報告されております。一方私たちの方も、山田君が団長になりまして欧州に調査に参りました。この双方の報告書は相当の食い違いがあるわけです。大臣に言えば、いやおれの方が正しい、こうおっしゃるのでしょうけれども、いろいろなところで大きな食い違いが起きております。これは別な機会にまた審議を進めたいと思いますけれども、この中で多少一致している面は、やはり事前に十分なPRなりあるいは国民の納得を得なければならないということをおっしゃっていますし、私の方でもそういう報告をなしておるわけです。ただあなたの方では、英国では一年のPR期間と言っていますが、山田君のあれでは三年間のPR期間を置いた、こういうあれで、そういう納得の期間でもやはり相当の食い違いがあるわけです。いずれにいたしましても、そういうことで国民に納得させなければいけない。  さらに根本的に違うことは、欧州のEC諸国の消費税というのは、いままでに付加価値税以前に仕入税、取引高税、売上高税あるいは一般物品税という形で存在をしておった。これの統合をし、さらに旧税の持つ欠陥を是正したもので、額も旧税と同額、ある国では減収にさえもなったということなんですね。それと、日本の場合には全くなじみがない。かつてちょっと取引高税というのがあって、これは非常な反撃を食った。そういう中で、戦前も戦後も全然なじみがない。そういう中で出されるわけで、この前から私たちが論議しても、いや一年間あります、こういうことですが、いわゆる西欧諸国や何かのそういう間接税というものが、もうほとんど日常化されておって、それをむしろ統合したり簡易化したりなんかした、あるいはフランスのようにフォルフェを半数以上の納税義務者が適用されている、こういう形態と違って、全く新しく導入をされる。しかも後で予想される、午後税調会長に来ていただいて中小企業や何かの記帳義務等の問題もまたただしますけれども、いまの日本の税務調査報告からいって非常に厳しいものになると思います。  そういうことを考えますと、せっかくあなたが行ってこういうものを出されておりますけれども、この一致している点でまずお伺いをいたしますが、五十五年一月というのはほぼ固まってきつつあるようでございますが、大臣は、そういうことも考えて五十五年度からと、別に一月一日ということはおっしゃらなくて、もう少し先ということが恐らく頭にあったのだろうと思う。しかし大蔵大臣になられてから、こういう財政状況を見て、これはやはり一月一日からしなければならないのじゃないか、こういうふうになられつつあるのじゃないかと思いますが、私は当初の考えどおりひとつ貫いていただきたい。そういうことで一番最初も、自主性のある大臣になってもらいたい、こういうことをお願いしたわけですが、そういうところのお考えはどうです。いまも変わりありませんか、やはり変わられたということですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 只松さんのおっしゃるとおりに、とにかく日本ではなじみのない税金でございますし、ほとんどの企業者が、免税点をどうするかによって変わってきますけれども、この税にかかわり合いを持ってもらうわけですから、やはり相当理解と納得を得なければうまくまいらぬと思います。そういう意味で、今年の九月に私が参りました、それで帰ってきた報告書でも言っておりますように、あの当時から言えば五十四年年末まで考えれば一年半ございますから、その間にもっと内容をしっかり詰めて天下に公表して、正すべき点は正してやったらどうかという話もしておったわけでございまして、五十五年の一月ぐらいからと申しておりますのは、これは明年度の税収の問題その他大変苦しい状況にありますから、まあ少しでも早くという財政当局としてはやむを得ない話だろうと思います。その点は、いつ導入するかという点についての結論待ち、税調にも預け、これは総理の御判断も要ることでございまして、目下その判断を税制調査会等における結論待ちという段階でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 こういう大変な税制を新設するということになると、いまある私たちが繰り返し言ってまいりました不公平税制の是正、このことをしなければならぬ。ところが、これにもいろいろな問題があります。社会保険診療報酬の問題にいたしましても、どうも橋本君が大臣になったら大分雲行きが変わってまいりました。大蔵当局も困っておるようでございますが、こういう問題をどういうふうに処理されるかということがまず第一点。  それから、私が繰り返し言っておりますが、利子配当の総合課税問題、この問題一つ取り上げましても大変なことでございます。私が勉強のためにいただきました資料をちょっと見ましても、金融機関の預金口座数というのは、全国銀行、相互銀行、信用金庫等で三億五千一万口あります。あるいはその中の少額非課税というのが一万八百六十三口あります。あるいは郵便貯金は二億八千二百九十七万口あります。郵便貯金をたとえば四千万人の貯蓄人口といたしましても七口、金融機関を三千万あるいは法人を二百万ぐらいといたしましても十・六口になります。そのほかに農協、信用組合、労働金庫、これ等合わせますと約十億ぐらいになるのじゃないですか。そうすると、貯蓄人口によりますが、三十五口前後の貯蓄がなされておる。これの完全な捕捉なくして所得の完全な捕捉はできないのですよ。これをすると一挙に飛躍して、私たちも全面反対じゃないけれども背番号制と言う。ところが、これを私たちが富裕税やら財産税を提案いたしておりますが、すぐ背番号制を結びつけられる。ところがフランスにおきましては、たとえば預け入れるときに身分証明書みたいなものを発行して、それがないと銀行は預からない、こういうことをやっておりますね。非常に合理的に諸外国はやっておる。それで全財産の捕捉をいたしておる、こういう努力、確かに努力が要るのですよ。ところが日本の主税当局、国税当局というのは非常に安易でございまして、そういうことをほとんどしておりません。こういう不公平税制の是正。  さらにたとえば第一次産業の農漁業というのはほとんど税収は取れません。それで第二次産業、それで働く勤労者を主体。ところが、いまは第三次産業にいろいろな資金も流れていっておりますし、その面の開拓が行われている。大企業といえどもそういうところへいっておる。第三次産業以外にも、私は問題にしております公益法人であるとか、あるいは直接教育、医療、そういう人間に金をかける、そこで収益を得る、だからもう医療ではなくて医療産業、あるいは学校じゃなくて学校産業、こういう形のものが第三次産業として行われておる。こういうものの税は全額非課税でございます。捕捉されておらない。こういうものに対してどう税制を改めていくかということを私はたびたび提案しているけれども、あなたたちは見向こうともしない。こういうことを考えていかないで、ただ安易な一般消費税をぽんと持ってこようとする。国民の納得を得るためにはそういうことを政府と行政当局は努力すべきである。そういう努力をなさないで、まして私たちがたびたび言っておる、こういう簡単な問題を政治問題化して、一人の会長ががあがあ騒ぐくらいのことで処理もし切らないで、それで不公平税制を一向直そうとしない。  私がいま一、二例を挙げましたが、さらにもっと前向きの税制というものを研究していかなければならない段階に来ておる、産業構造からいっても。ところが、現在の中の不公平税制も直そうとしておらない。これに対して勇気を持ってやってくださいよ。このことだけは断固として、午後から聞きますが、最低税調から答申があったものぐらいはやります、こういう明言をいただきたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま御指摘のございました医師の優遇税制の問題はもちろんことしから手をつけたいと思います。それから利子配当の総合課税の問題は、明年度限りで期限到来しますからその機会にということで、財政当局も準備を進めておるような次第でございますので、御趣旨のとおり、これは何とかやれるんじゃなかろうか、やりたいと思っております。  その他のいろいろの問題につきましては、主税局長から御答弁させます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 時間がなくなってきましたから、主税局の答弁はまた午後からお聞きします。  それから、ここで一、二聞いておきたいと思いますが、簡単なお答えで結構でございます。  税理士法の改正問題も大変煮詰まってまいっておりまして、これをどうするかということは、単に税理士さんだけじゃなくて、関係諸団体あるいは納税者全部に非常な関心が示されておるわけでございますが、次期国会に御提案の準備が進んでおるかどうか、お答えをいただきたい。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 税理士の日本税理士連合会、ここからいろいろなお話がございまして、現在、連合会と国税庁及び私どもの間で事務的な検討を進めております。具体的な検討会を一わたり終わりまして、相互に意見を出して問題点が出てまいったわけでございますから、その問題点を踏まえてまだこれからさらに意見交換を続けていきたい。  この際、一番重要なことと申しますか、税理士、それから納税者の皆様、税務行政、この三者にとって客観的で何が一番改正に値する実績のある問題かということの発見でございますが、専門家の世界でございますから法改正ということになりますと、税理士業界の中の意思の御統一がまず必要でございます。それから関連する業界、たとえば公認会計士、青色申告の団体、その他の関連の業界との調整も必要でございます。現在、そういうものをさっき申し上げたような考え方でやっておるわけでございますが、これが詰まり次第成案を得ていきたいと思っておりますが、次期国会に間に合わせることができるかどうか、いまの段階では話し合いの進行を待っておる状況でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 最後に、この前からたびたび質問いたしておりましたソウルの地下鉄の問題でございますが、私と大島両議員の質問に、十二月いっぱいには結論を出したいという国税庁長官からのお答えをいただいております。それは新聞等で拝見をいたしますと、完全な帳簿が蒸発しておる、こういうことで、本当は銀行局長等も来ていただいてそういう経緯等を聞きながら論議をしようと思ったのですが、きょうは時間もございません。どういう状況になっておるか、また、そういう蒸発しておるような遺憾な事実等が発見されたのかどうか、そうするならば、そういう事態の中でどう対処するか、十二月じゅうに結論が出せるか出せないか、進行状況とともにそういう点をお答えを賜りたい。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊説明員 いわゆるるソウル地下鉄に関連する税務調査の問題でありますが、これは十一月の二十一日に当委員会で大島委員の御質問に対して、その段階における調査状況について御答弁申し上げたところでございます。  その後の調査の進展状況と申しますと、何分にも五年程度の昔のことでありますし、それからまた御承知のとおり、資金については個別に特定することができないというふうなこともございます。そのためになかなか具体的な進展というものがまだ出ていないというのを残念に思っております。  特に、いま先生が御指摘になりましたように、韓国外換銀行の帳簿書類等の保存状況というのは、必ずしも良好とは言えない状況でございます。したがいまして、担当の東京国税局におきましては、そういった帳簿書類等もさかのぼっていろいろと調査しておるわけでありますけれども、それと同時に、韓国外換銀行の責任者に質問いたしまして、それによって調査の補足をしていく、あるいはその事実の究明をやっていく、そういったような状況であります。  なお御承知のように最近、フレーザー委員会のアペンディックスが公表になりましたので、それを私たち入手いたしまして、それを分析しながら、その中に新しい事実あるいは有力な手がかりというものがないかというところを現在分析し、また勉強いたしております。この結果、また次の段階の調査に進みたい、かように考えておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 この前のとおり、年内にできるかできないか。できなくなったのかどうか。

磯邊律男国税庁長官

○磯邊説明員 そういった様子でございますので、年内に結論を出すということはむずかしいと私は考えております。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 まず、大蔵大臣の御就任のお祝いを申し上げたいと思いますし、こういう時期でございますので、誤りなきようひとつお願いをしたいと思うわけでございます。  先ほどからいろいろの議論を聞かせていただいておりましたけれども、全然具体的な話が出てこなくて、まことに抽象論に終始をしておるわけでありまして、何を聞いたらいいのかという戸惑いを感じているわけでございます。きょうは大蔵大臣の顔見世興行ではございませんで、大事な予算編成を前にいたしましての大蔵委員会でございますので、大蔵委員会の権威にかけましても、ひとつもう少し実りのあるお答えをいただきたいと思うわけでございます。  きょうぐらいになりますと、あらあらの骨格は皆さん方の頭の中に描かれているはずでございますから、実はこういうふうに考えているのだけれどもどうだろうかという論戦を張っていただけるものときょうは思っていたわけでございますけれども、どうも優等生が自分の試験用紙は私だけ、人には見せませんというような態度で、全然手のうちを見せようとなさらない、まことに残念でございます。したがって、先ほどお答えにならなかったものを、私が余り細かなことを聞きましてもお答えになるというためしはないのでありまして、もう少しひとつ抽象的なことでも違った角度からお聞きをしたいと思うわけでございます。  先ほどの佐藤議員との議論にもいろいろございましたけれども、五十二年もそうでございましたが、五十三年も決定的に目標といたしました経済成長率は達成できないという段階になってまいりました。この五十二年、五十三年、その前にさかのぼってもいいわけでございますが、毎年達成できないできたわけでございますが、とりわけことしは何が何でもという大きな意気込みがあったはずでございます。先ほどからも議論のありますような大型の赤字国債も発行されまして、超一級の公共事業投資がなされたわけでございますけれども、それでもなおかつここにこういう結果を招いてきた、その達成できなかった原因というものについて、大臣はどのようにお考えになっているのかということをまずお聞きしたい。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 御激励をいただいたりおしかりをいただいたりして大変恐縮なんですが、坂口さんにお断りしておきますけれども、まだ予算編成の準備に入った段階でございまして、数字を詰める段階までとてもいっていないのです。その点はひとつあらかじめ御了承おきいただきたいと思います。  いまのお話の五十三年度の成長率の目標が達成できなかった一番大きな原因は、輸出が鈍化してきた、国内の消費なり民間の投資は少し伸びてきたけれども、それを大きくオフセットしてしまったということでございます。それからやはり考えなければいかぬのは、だんだんと日本も経済構造が変わってきましたから、財政主導で大きく経済を押し上げるという力が私はだんだんと弱まってきておるのではないかという感じがいたしております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 直接の原因としてはそういうことも一つであろうと思いますが、そういうふうな外的要因等が起こってまいりましたのも円高の問題等が起こってまいりましたのも、結局は内需の問題にこれは関連しているわけでありまして、角度を変えて質問をすれば、内需拡大がなぜできなかったか、ことしの昭和五十三年度の予算編成との絡みにおいて、なぜ内需の拡大がいかなかったのか。この大型の予算を組んで、そして公共事業一本やりでいこうというこの姿勢に誤りがあったのかなかったのか。もしもこれが誤りがなかったとするならば、それを施行する段階でどこに誤りがあったのか、その辺のところはどうお考えになっておりますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 公共事業一点張りという考え方で来たことは、これは置かれた環境からいって私はそれが正しかったと思いますし、減税なんぞにとても振り向ける余力もございませんでした。しかも、それはある程度効果を上げてきたと思うのです。上げてきたと思うのですが、やはり集中的にそれをやっても、資材の高騰も出てまいりますし、人手不足もありますし、おのずからそういう点での制約があったことは事実であろうと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 前総理は、ことしも後半になりまして、来年度予算については、公共事業ということも大事だけれども「第三の道」ということを言われましたね。前回のこの委員会におきまして私は前大蔵大臣にもこのことをお聞きをしたわけでございますけれども、「第三の道」といいますとえらい新しいことのように思いますけれども、われわれがいままで主張いたしておりました、教育でありますとか福祉でありますとか、そういう施設により効率的な配慮をということを言っておみえになるようでございますが、前総理あるいは前大蔵大臣も掲げられましたその考え方は、来年度予算に対しても継続されるお考えでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 福祉に重点を置き、教育に重点を置き、あるいは生活環境と言った方がいいかもしれませんが、お互いの生活環境の整備に予算配分の重点を置いて、予算全体をコンパクトなものにして生活に密着した方向に持っていく、その方向づけは、明年度の予算編成においても徹底してやってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 与野党ともに雇用の創出ということについては意見が一致しているであろうと思いますし、来年の予算編成に当たっていかにしてこれを高めていくかということは最大の目標になるのではないかと思うのです。そういうふうな意味とも絡んでくると思いますが、この「第三の道」の考え方も含めて、これをどういうふうにしたらいいとお考えになるのか、その辺もあわせてお聞きをしておきたいと思うのです。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 失業の防止をやり雇用を高めることは政治として大事な眼目でございますので、こういう点に重点を置いて予算編成をしなければならぬことは当然でございますが、景気刺激型の予算をつくるだけで雇用が高まるかというと、私は必ずしもそういう時期ではないというような感じがするのです。むしろ私は、個別対策に重点を置いて、たとえば中高年層の職業再訓練でございますとか身障者のあれでございますとか、それから同時に企業城下町とか構造不況業種に対する個別対策、これはことしもいろいろやってまいっておりまするけれども、そういう点に最重点を置いて予算編成をしてまいりたい、こういう気持ちでおります。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 先ほども一般消費税等も含めて議論があったわけでございますが、どういたしましても財政難ということから、新しい税体系というものについてのお考え方が皆さん方からも出されているわけでございます。これも先ほどの議論と重複は避けますけれども、一般消費税については大臣は、国民の理解を得なければならない、こういうことを言われたわけでございますが、この国民の理解というのは、どういうふうにやりますよという細かな技術的な理解のことを指しておみえになるのか、それともそうじゃなくて、一般消費税を導入するけれども、それによって得られた財源はかくかくしかじかのことに使いますぞ、こういうことの理解を得たいと考えておみえになるのか、理解を求めるとおっしゃる意味はどういうことなんでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 理解を求めなければいかぬと申しておりますのは、今日の日本の財政が置かれた現状、経済をさらに大きく落ち込ませないように持っていくためには、やはりある程度の経常的な歳入が必要でございますから、そういった財政経済上の御理解をいただくとともに、中身はもちろんでございますが、今後それによって得た財源は、御承知のとおり社会福祉予算が歳出がどんどん伸びてきておりますから、今後やはりそれをカバーいたしますためには、どうしてもこういう種類の新税が必要であるということもあわせてやることが大事なことであると考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 そういたしますと、先ほど大臣の御答弁では五十五年一月というのは、目標であるような、あるいは希望であるような、あるいは心の中では決定しているような、まあいずれとも判断できるような御答弁でございましたけれども、そういういまおっしゃるような国民の理解を得ようと思いますと、かなりな日時がかかることは私事実だと思うのです。特にそういう意味で、新しく得られた財源というものがどういうふうに使われていくのかということにつきましては、一般消費税の大蔵委員会の中のこの議論だけではなしに、これは福祉の問題にも関係いたしましょうし、あるいはまた建設の方にも関係いたしましょうし、あらゆる面にこれは関係してくることではないかと思うわけでございます。そういった意味で、新しい税制のあり方というものをもう一遍議論をし直して、そして理解を得るということであるならば、私はその議論を受けることにやぶさかではございませんし、また必要なことではなかろうかと思いますけれども、しかしそういうふうなお考えであるならば、五十五年一月というのは少し急過ぎやしないか。来るべき二十二日から始まるところの通常国会に法案を提出なさるというのであるならば、それまでにそういった議論をある程度しなければならないということになるわけでございまして、それはいささかするだけの日時が少な過ぎるのではないか、こう思いますが、いかがです。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 やはり国会の場においてそういう問題についても、仮に提出するというようなことになれば大いにひとつ御議論いただきたい。まだとにかく出すか出さぬかの最終結論を得る段階まで至ってないものですから、隔靴掻痒の返事になるかもしれませんけれども、ただいま政府並びに党税調の答申待ちという段階でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 これは聞きましてもどうも何も出てこぬようでございますので次に進みますが、国債発行の問題とも絡みまして、最近マネーサプライの状況ということにつきましていろいろ議論が出ておりますし、また非常に重要な局面を迎えていると思うわけでございます。日銀総裁あたりも折に触れて過剰流動性の問題に触れておみえになりますし、果たして現状このままでいいのかという問題があるわけでございますが、この現状をどのように理解をしておみえになるのかということをまずお聞きをしたいわけでございます。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 最近のマネーサプライの伸び率は幾分高まっておりまするけれども、過去の緩和期に比べればまだ落ちついた水準ではないかと思っております。しかし、今後の動向には十分注意してまいりたい。  数字的な問題につきましては、事務当局からさらに詳しく申し上げたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 マネーサプライの動向につきましては、いま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、M2の前年比の伸び率は、一昨年の半ばから本年の初めまでは低下傾向をたどっていたわけでございますが、ことしの一月には前年対比一〇・六%でございましたけれども、その後漸次上昇の傾向にございまして、これは国債の発行等も要因になっていると思いますけれども、一二%台になっているわけでございます。ただしかし、これは御承知のとおりマネーサプライ、特にM2の伸びというのは、経済の名目成長率が一つの目安になるわけでございまして、本年度の予想される名目的な成長率等を勘案いたしますと、過去の水準等に比較いたしましても、まだ落ちついた水準にあると言えるわけではないかと思っております。  ただ、先行きがどうなるかということでございますが、企業の資金需要も現在落ちついた姿になっておりますので、このマネーサプライが当面急上昇するということは余り予想されないわけでございますけれども、しかしながら先生御指摘のとおり、マネーサプライの動向というものは、インフレその他との関連もございまして非常に大事な問題でございますので、今後の景気の回復過程においてマネーサプライが仮に急増するようなことがございますれば、適時適切に手を打っていくということが必要ではないかというふうに考えているわけでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 名目成長率が一つの目安であるというお話、この前も出たわけでございまして、大体その目安のところにあるわけでございます。これを心配が要らないというふうに判断をするか、あるいはいささか心配の水準になってきたというふうに判断をするか、これは判断のむずかしいところだというふうに思うわけでございます。どちらかと言いますと、いま楽観的な御答弁でございましたけれども、決して楽観できるような状態ではない、むしろ来年あたり非常にインフレを呼ぶ可能性を含めた数字ではないかというふうに思うわけでございます。そういった意味で、来年の国債発行等との問題もございますし、どういうふうにこれに対処をしていくかということにつきましては、もう少し大蔵当局としては慎重な態度で、そしてそれに対する手だてというものは考えておかれてしかるべきではないかと思うわけでございますが、その辺のところについては、御答弁が若干少なかったわけでございますけれども、こういうふうにしたいということがあればもう少しつけ加えていただきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 今後のマネーサプライの動向につきましては、先生御指摘のとおり、インフレその他の関連から非常に大きな問題でございますので、大蔵省としてもこれを慎重に見守っているわけでございまして、日銀券の発行につきましても、いままでことしの前半は一〇%を割っていたわけでございますけれども、八月あたりから一〇%台になりまして、十一月には一二%に上っているということもあるわけでございます。そういう意味で、個々の内容についてはわれわれとしては十分に配慮を払っているわけでございます。  今後、仮にこれが急増するような情勢が見えますならば、日銀その他を通ずる金融政策、量的な金融政策あるいは質的な金融政策によりまして、これを事前に適正な水準に導くように各般の手を打っていきたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それから、この問題に関連をいたしまして、インフレ等との問題をにらみましたときに、金利の自由化の問題をどうするかというのが非常に大きな問題にまたなってこようかと思います。これにつきましては、いままでにもこの委員会でも何回か議論もございましたし、また大蔵省からもいろいろな答弁もあったと思いますけれども、しかし、こういう現状を迎えるに当たりまして、この金利の自由化の問題が一層大きな題目として脚光を浴びてきたというふうに思うわけでございます。このことについて新大臣はどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 御指摘の金利の自由化の問題でございますが、資金の効率的な配分と景気調整の有効性確保の観点から見て、金利機能を一層活用していくことが適当と考えられますけれども、金利全般をいますぐ自由化することについてはやはりいろいろな問題がございますので、当面、必要な規制を残しながらできるだけ金利の弾力化を図っていきたい。現在、いろいろな弾力化を進めるための施策を講じておりますし、また講じようとしておりますが、その具体的な内容につきましては、銀行局長から答弁をさせます。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 先生御指摘のとおり、これから経済情勢はいろいろな局面を迎えるに当たりまして、金利機能の活用ということが非常に大事なことでございますが、一挙に自由化することには問題がございますので、いま大臣から御答弁申し上げましたように、弾力化ということを主体にいろいろな施策が行われているわけでございまして、国債金利を含めた債券の発行条件の弾力適用、それから中期国債の公募入札発行等もその一環でございます。また、日銀の国債等の買いオペに当たっての入札制採用も実施しておりますし、運用部による国債の入札制の売却、買い入れ等も実施されているわけでございます。また最近、コール・手形市場などの短期金融市場におけるレートの弾力化あるいは期間の多様化も進められているわけでございまして、特に先生御指摘の景気調整機能という面で申しますと、短期金融市場における金利の動向ということが非常に重大になってくると思われるわけでございまして、この点につきましては、仮に金利の自由化ということが進められることになりますと、この第一歩は恐らく短期金融市場が中心になるのではないかと考えているわけでございまして、その方面の施策もさらに今後進めてまいりたい、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 一部では、預金金利の自由化等の問題も議論に上っているようでございますが、その辺はいかがでございますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 金利の自由化の一番基本的な問題は、預金金利をどのようにするかという問題でございますが、確かに預金金利の自由化ということは、金利の自由化にとっての一つの一番大きな問題と言えるわけでございます。ただ御承知のように現在、預金金利は弾力的な方向で動かしているわけでございますけれども、これを仮に自由化いたすということになりますと、各般の金利体系に大きな影響があるわけでございます。それからまた、たとえば大口の預金金利に比べて小口の一般預金金利が低くなるというようなことも出てくるわけでございますし、それから、中小金融機関等の経営に与える影響等も非常に大きなものがあるわけでございます。また一方、郵便貯金の金利の問題もあるわけでございまして、預金金利の自由化につきましては、これは各方面に対する影響を考えますとかなり慎重に考えなくてはならないのではないか、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 各方面に非常に多くの影響を与える問題でございますので、ひとつ慎重にお願いをしたいと思います。  それから税制の問題といたしましては、先ほど一般消費税の問題をお聞きをしたわけでございますけれども、そのときの議論でも少し触れましたが、いずれにいたしましても、そういった新しいものを導入するということになれば、その場合にいわゆる現状における税制の改革というものが必要になってくる。先ほどの御議論でも、たとえば法人税なら法人税の話にいたしましても、それは一般消費税の導入ということになるならば、その以前に法人税なら法人税の改革ということは踏み切られるかどうかということについても、非常にあいまいであったわけでありますけれども、その内容だとか細かなことは申しませんが、しかし手順としては、やはり消費税なら消費税の導入ということを考えられるのであるならば、それ以前にそういった問題というのは一応の決着をつけられるということが順序ではないか。それも先ほど何かはっきりしなかったわけでございますが、もう一遍念のためにお聞きをしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 それははっきり申し上げたつもりでございます。これだけの大きな税金をやろうと思えば、その前に障害となるいろいろな特別措置等がございますから、それだけは片づけないと国民の理解は得られない、こういう気持ちでおります。だから、明年度の税制改正ではできるだけそういうものに重点を置いて片づけてまいりたい、こういうことでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それから、これも先ほど触れられましたが、いわゆる医師税制の問題、社会保険診療報酬に係ります特別措置の問題でございますが、これは国税庁の方にその資料等をお願いをしましたところ、国税庁の方ではそういう資料がない、いままでにもとったことがないし現在もない、こうおっしゃるわけでございます。五十年でございましたか、税調からも一応段階的なものが出ましたし、ああいった段階的なものが出ます以上は、それの基本になる資料というものがあってしかるべきだと思うわけでございます。これは国税庁にはないけれども大蔵省にはあるということなんでしょうか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 所管がちょっと違いますので、詳細そのときの御答弁の経緯を私いま承知いたしておりませんので、正確なお答えが申し上げられないわけでございますが、昨年でございましたか、五十一年度の会計検査に際しまして診療報酬の収入の多い医師の方々について、七二%の課税特例を選択されておる場合の収支についての資料の公表がございました。私どもはいまそういうものも手がかりにして作業を進めておるわけでございますけれども、実態に近い経費率ということで五十年の税制調査会で、収入金額五千万円以上の場合には五二%を適用するということも言っております。  資料等を国税庁で把握しておりませんとすると、私どもの方ではそういうものを持ち合わせておらないわけでございますが、よく国税庁とも打ち合わせをいたしてみたいと思っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 社会党の佐藤議員から、会計検査院から出ました資料につきまして前回議論がございまして、一千万以上の人でしかも経費率が七二%以下の人の平均はどれだけかということを出したものである、こういう前大蔵大臣の答弁があったわけでありまして、少し統計のとり方等がむずかしい形になっているわけでございますので、ぜひひとつわれわれにもはっきりとしたものをお示しをいただきたい、これは要望でございますがお願いをしたいと思います。  それから、最近の新聞等を見せていただきますと、いわゆるサラリーマン金融に対する規制の問題で、出資法の改正という形で決着がつきつつあるような記事が出ているわけでございます。前回銀行局長さんにお聞きをしましたときには、この問題はまだ法務局との間で折衝中であって、どういう形で法案をつくるかということが明確でないということでございましたが、それから進展をして一応大蔵省の方で出資法の改正ということで決着をつけることになったのかどうか、まずそれをお聞きしておきたい。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 サラ金の規制の問題につきましては、各省庁に関係するところが大きいわけでございまして、六省庁の連絡会議でいろいろ議論しているわけでございます。サラ金に対して規制を強化すべきであるということにつきましては各省庁の意見が一致しているわけでございますが、いろいろ具体的な技術的な問題もございまして、いまそういう問題の詰めに入っているわけでございまして、大蔵省といたしましては、いままでの各省庁の意見を取りまとめまして一つの案をたたき台としていま連絡会議に提出しているところでございます。  ただ、その提出した案につきましては、内容がまだ確定しておらないわけでございまして、法形式として出資等の取締等の法律の改正という形をとるか、あるいは別途の法律をつくるかという点につきましては、まだ現段階におきましては結論が出ておりません。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 どうもここで議論をいたしますと、いつもまだ解決が出ていないということでございますけれども、マスコミ関係にはかなり確定的なニュースが流れますので、私どもも混乱をするわけでございます。  そういたしますと、現時点においてはまだそこまで煮詰まっていないということだと思います。そうしますと、これは大体いつごろまでに煮詰められますか。大体いつごろになりましたら大蔵省初め関係省庁との間の結論が出ますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 こういう重大な社会的な問題でございますので、できるだけ早急に結論を得たいということでいま精力的に検討を行っているところでございますが、何分にも年内余り日がございませんので、あるいは来年一月にある程度最後の詰めとしてはかかってくるのではないか、このように考えております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 大臣御就任早々でございますから細かな問題でございますが、このサラ金規制の大まかな問題といたしまして、いまあります出資法の改正という形で片をつけるのか、あるいはまた特別にサラ金だけの別の法律をつくるのかということ、これはいろいろほかに与える影響もあると思うのです。たとえば質屋さんの問題でございますとかいろいろ影響もあると思いますが、大臣、感じとしてはどうでございますか、出資法でいった方がいいというふうにお感じでございますか、その辺、もしはっきりしなければ結構でございます。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田説明員 この点につきましては、規制のポイントといたしましては、高金利の規制の問題、それから登録制あるいは免許制等の移行の問題、それから行為規制の問題、この三つにしぼられると思うわけでございます。その辺をどのように規制するかという規制の内容の実体を固めまして、その実体に一番合った形の法律の改正をしたい、このように考えているわけでございまして、その実体の内容を固めてそれにふさわしい形をとりたいというのがわれわれの考え方でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 高橋高望君。

高橋高望民社党

○高橋委員 新しく大臣に御就任をなさいまして、各同僚議員からいろいろお祝いやら激励やら申し上げましたけれども、本当に大変な時期で、いろいろと誤りのないかじ取りをひとつお願いをいたしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 ありがとうございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 そこで、今日の情勢認識ということについて、大変失礼かと思いますけれども、現在の財政状況を招いた主因ですね。今日の国際社会でございますから、国際関係を無視してわが国の国内だけでの政策の失敗、成功が今日の状態を招いたとは思いません。国際関係の中でのいろいろの状況のもとに今日の財政状況ができてきたかとは思いますけれども、新大臣にまずお伺いしておきたいのは、今日の財政状況を招いた主因をどのようにとらえていらっしゃるか、またそれが逆に言えば、これからの大臣の政策の柱にもなろうかと思いますので、まずこの主因についてお考えになっていらっしゃるところをひとつお示しいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 今日のような状況になりました一番大きな原因は、やはり石油ショック以来世界の経済状況がすっかり変わってきたのだ。日本の場合で申しますると、従来の高度成長時代から中成長と申しますか、低成長というところまではまだ行っていないと思うのですが、中成長に大きく変わってきた。したがって、税収が従来のような状況で入ってこなくなった。高度成長時代でございますると、直接税中心の租税制度で自然増収がどんどん生まれてまいっておりまするけれども、もうそれは望めなくなったというところに、今日の一番大きな財政危機が来ておるのだろうと思います。そういうふうに私は考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 いきなり石油ショック問題をお取り上げになられたのですが、私たちの立場からすると、これも本当に大きな原因だと思いますけれども、現在までの政権担当のお立場でやってこられた大きな柱の中に何かやはり欠陥があったのではないか、また、その欠陥をこの際はっきりと認識なさって、そして新しい方向を見出されるという必要があるのじゃないか、私はそう思うのです。たとえて言うならば、重化学工業尊重主義が、今日のいろいろな諸税制の上での展開の中で不公平税制を残しているという点もあろうかと思うのですね。そういうことを私はあえてお尋ね申し上げたいのは、あくまでもこれから先の財政のあり方としての進路を決める上に、どうも石油ショックが原因だと一口でお片づけになられると、なかなかこれから先の方向づけというものが私はずれるのじゃないかというふうに判断いたしますが、その辺はいかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 高橋先生御指摘の点も、もちろん考えなければいかぬ問題でございますけれども、基本的には経済の構造変化に、これは世界各国ともそうでございましょうけれども、十分財政が適応できなかったというところに問題があろうかと思うのです。とにかく短期的に一時的な景気の落ち込みならば、もちろん景気刺激的な財政を運営することによって、大きな大型の予算規模のものを組むことによって切り抜けられるかもしれませんけれども、やはり構造変化に伴って高度成長から中成長へだんだん落ち込んできているのですから、それにマッチした財政運営をやっていかなきゃいかぬ。今日までそこのところの考え方が、少し私はやはり切りかえられなきゃいかぬのじゃないか、基本的にはそういうことを考えておるのであります。これからの持って行き方といたしましては、中成長の時代にふさわしいバランスのとれた財政運営をやっていくということが大事なことだと思っております。そのためには、歳出歳入の両面にわたってこの際徹底的な見直しをやりたい、そういう気持ちでおるわけでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 歳入歳出の見直し、こう一口でおっしゃられるのですけれども、歳出については私は大蔵省として、関係省庁全体に対する見直しといいましょうか洗い直しを、より強烈にやっていただかないと困ると思うのです。これは実はもう毎年、あるいは大変失礼ながら総理大臣が新しく就任されると必ずおっしゃるのですけれども、まずこれができないし、ましてや税制面で、こういった意味での歳出の洗い直しということがなかなかできない。そして、金がないから仕方ないだろうという立場からのいろいろの案というものを国民に押しつけてきがちである。ことしから来年にかけて私は、非常にいろいろな意味でのそういった税に対する国民との問題が起こる年じゃないか、こういうふうに考えるわけです。  そこで、要望になりますけれども、どうかひとつ来年度の税制の展開に当たっては、歳出面で特にいわゆる行政の見直しという意味でのより徹底した方向づけをしていただきたい、まずそのことを大臣の御決意として承っておきたいと思いますが、いかがでございますか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま財政当局から各省に、徹底的にスクラップ・アンド・ビルドのやり方で歳出予算を見直してくれよということを要望しております。それは、財源の関係から政策選択の幅が非常に狭まってまいりましたから、これをやらないと身動きがならぬということでございます。特に先ほども申しましたように、経常収支の関係では何とかバランスがとれるように持っていきたいというようなことで、極力努力をしておる最中であることを申し上げておきたいと思います。

高橋高望民社党

○高橋委員 それでは私ちょっと細かなことになろうかと思いますが、大臣並びに関係の局長の御意見をいただきたいと思いますが、私は、片方でこうした金のかからない行政、役所のあり方と思う反面、どうしてもやはり日本人の今後を考えた場合に、かせぎ出さなきゃならないという点もあろうと思うのですね。ですから、片方でこれから先、増税論議が行われる。同時に私は、やはりかせぎ出すための減税というものも、これは同じような重要性を持って考えなきゃならないと思う。そこで来年度にかけて、恐らく減税の目玉というかそういうものはもうほとんどなくなっているとは思いますけれども、こういう状態であればあるほど、付加価値を生み出す仕事に対しての国の施策というものははっきりとした優遇策をとらなきゃいかぬ。  そこで、大変長いあれでございますけれども、産業転換の投資促進税制というものがいま検討されているやに伺っております。産業転換投資促進税制、これについて大臣、まず基本的にどのように御理解なすっていらっしゃいますか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 高欄委員からお話のございますように、産業転換投資促進税制を設けてはどうかという御意見があります。内容は余り細かく申し上げてもあれですが、要するに、中小企業と特定産業と申しますか特定の不況業種に属する事業でございますが、そういう事業が特定事業以外の事業の用に供する投資をした場合に、ことし五十三年度一年間やっております投資税額控除をやめまして、そういう場合についてもう一年ですか、そういう投資税制を設けてくれ、こういう御要望でございます。  そこで、これについてどう考えるかということでございますが、ただいま政府の税制調査会でこの問題も含めて、五十四年度の税制改正の御検討をいただいておるわけでございますから、いまここで軽々に税制当局のお考えを申し上げるのもいかがかと思うのでございますけれども、御質問でございますから……。  一つは、そういう投資促進税制というものを設置して民間の設備投資をかき立てるということが、五十四年度全体の経済運営の中で必須であろうかという問題がまず最初にあろうかと思います。経済企画庁でやっております法人企業の設備投資動向調査というので見てまいりますと、ことしの当初計画では二・九%のプラスであったのが、いま九月に調査しますと一四%というふうになってきておりまして、先ほど大臣からも御答弁がございましたように、投資、消費、すべての面でやや正常な水準というものが出かかってきておるというか、出つつあるわけでございます。その中で五十四年度にかけて税制面で、いまもお示しがございましたように一般の税負担の引き上げをお願いする、したがって減税の余地はないという中で、そういう政策に踏み切るかどうかという基本的な認識をどうするかという問題が一つ。  それから、こういう税制の効果でございますが、五十三年度の投資税額控除につきましても、五十三年度は非常に低調と見られておりました投資の歯どめと申しますか、後ろへ滑っていくのを歯どめする、それから次年度に計画されております投資を繰り上げる、そういう意味の歯どめまたは前倒し、こういった時期的調整の効果というものがそもそも期待できる限度であろうかと思います。税制で一般的に投資についてプレミアムを与えるということによって恒常的に投資の水準を引き上げていくということについては、諸外国の先例からしても大きな継続的な効果があるかどうかという点で疑問が提起されていると思いますので、五十四年度のそういう制度要求といたしますと、投資の促進対策としてどこまで効果があるかという点について私は、疑問を差しはさまざるを得ないということをまず二つ目に申し上げたいと思うのです。  三つ目に、繰り返しになりますけれども、現在の財政事情のもとで、税負担の公平確保ということが強く要請されているということから、いま申し上げたような政策的なねらいまたは政策的な効果というものについての疑問があります政策税制に、大きな財源を費やすことはむずかしいのではないかというのが、率直に申し上げて現時点で持っております私の考えでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 大臣が冒頭にいろいろお話しになったように、経済と財政のあり方というので非常にバランスがむずかしいというふうにおっしゃっておられたのですが、ただ私は、これは日本の国の中長期的な立場、それから目前の問題としても、いま局長の御答弁のようにどうもむずかしいのではないかというとらえ方をなさると、悔いが残るように思えてならないのですね。ですから、これはひとつ中長期的な立場というとらえ方であると同時に、目前の雇用の問題も含めて、この投資促進税制というものをどうかお考えになっていただけないか、このように考えるわけです。御承知のように他の国々、特にアメリカなどは、設備投資というものはここのところ二年半か三年くらい大変積極的に取り組んでいるわけですから、気のついたときには非常に陳腐化した、老朽化した機械だけが日本の国内に余ってしまう、あるいはもう用をなさない、その目的を達成できないような機械類だけがあふれるといった状態にしないという意味からいっても、何かここで絶えず刺激策を講じておいていただかないと私は悔いが残るような気がしてしようがないのです。ですから、これは今後の問題として一つのお願いになろうかと思いますけれども、お考えおきをいただきたいと思うのです。  もう時間が来ましたので、これに絡めてもう一つだけ大臣のお考えを聞いておきたいのは、例の陸上公共輸送整備特別会計です。この特別会計に対して大蔵省の基本的なお考え方をちょっとお示しいただきたい。局長あるいはその他の方でもいいですが、どうぞその辺をお願いいたします。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 歳入歳出両面の問題があるわけでございますが、税の方は主税局の方から御答弁があるかと思いますが、私どもが見ましてもなかなか問題があるように思います。それから歳出面でございますが、財政法の特別会計設置の要件、こういうような基準に照らしまして妥当であるのかどうか、そういう歳出歳入両面の問題もいろいろ検討しておりますが、関係する分野も広範にございます。そういうようなことで、各般の諸条件を十分検討してみなければいかぬと思いますが、どちらかといいますと、いろいろ問題が多いのではないかというような感じを持っております。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 歳入の関係で、この陸上交通整備特別会計でございますかそれに、公共輸送整備税とでも名づけるような自動車を客体とする課税を行って特定財源を生み出したらどうかという御提案がございます。そのほかに、道路の建設財源として揮発油税の引き上げをしてはどうかという御提案もございます。それらは、いわゆる目的財源として税の客体と税の使途との間の対当関係が適当かどうか、それから自動車、自動車の燃料につきまして、現行の負担水準の上に乗るわけでございますから、そういうものが税の面から見て負担水準として適当かどうか、こういう点いろいろ問題もございましょうし、ただいま、これまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、税制調査会において御審議を願っておるわけでございます。その審議の結果を待って私どもも結論を出していきたいというふうに考えておるわけでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 残念ながら時間が参りました。私がきょうまとめて新大臣にお願い申し上げておきたいことは、とにかく日本の国の場合には、付加価値を高める仕事に対して国策としてこれをしっかりと見守るという姿勢をずっとおとりいただきたい、このことだけを申し上げておきたいと思いますが、いかがでございましょう。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 お話の点は十分検討させていただきます。税制調査会でいろいろ議論をしておる段階でございますので、確たることをいまこの際申し上げるわけにまいりませんけれども、お話の趣旨はよく了解いたしておるつもりでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 終わります。どうもありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 大変重大な時期に大臣に御就任なさいまして、御苦労さまでございます。こんな時期だからこそ国民の政治に対する期待も非常に強いものがあると思います。ぜひ誤りなきを期して御努力のほどをお願い申し上げておきます。  時間も限られておりますので、早速ですが二、三お尋ねしたいと思います。  第一は、財政破綻の問題であります。今年度の国債発行は十一兆二千八百五十億、国債依存度で三二・八%、実質三七・六%、来年度も十五、六兆円の発行が行われる可能性さえあるというように考えられるわけでありますが、このめちゃくちゃな借金財政は先進諸外国にも例のないもので、財政破綻の状態にあるということは明らかだと思います。  ところで、このような政府の国債増発政策について大臣はどうお考えになっておるのか、よかったと考えられるか、それともよくなかったと考えられるのか、まず端的にお答えをいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 よかったよくなかったの問題ではございませんで、とにかく国民経済を安定させるためにここまで努力しなければいかぬぞという気持ちで血みどろになって財政当局、政府当局も努力してきたわけですが、残念ながら残ったしりはこういうことになった。したがって、これはいよいよ、このままほっておくわけにいかぬから、何とか再建の手がかりだけはつかまなければいかぬぞという気持ちでおるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、従来の大蔵財政当局の責任はお認めにならないといいますか、それなりに努力をしてきたんだというおっしゃりようになりますと、現在の状態は何か不可抗力のように聞こえるわけであります。もちろん大臣は、そういう不可抗力となれば手当てのしようもございませんから、これはやむを得なかったということは、与えられた条件の中ではというただし書きがつくのだろうと思います。その与えられた条件というのが、つまり歳出歳入の枠といいますか、それを与えられた枠として考えた場合に、血みどろになってやってきたけれどもこうなったんだということになろうかと思います。それから、私どもは実はやむを得なかったと思っておりませんけれども、まあ大臣のお答えの中身はそういうことになるだろう。  この問題につきまして、前の高橋委員から主な原因について質問がありまして、石油ショックの問題など外因の話やなんかされましたけれども、どうも私どもは、歳入の見込みも立たないのに国債増発をあえてした、当てにして予算を急膨張させてきたからにほかならないのじゃないか、こうした借金財政は政府、大蔵省が組んだ予算の遺物である、こういうふうに言わざるを得ないと思うわけですが、諸外国の例を見ても、日本のような国債を乱発して予算を膨張させた国はないわけであります。わが国の財政運営方針そのものがいわば無責任なものであったのではないかという反省についてはいかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 決して無責任な予算を組んだとは私は考えておりませんが、これほど大きな経済構造の変化が日本にも押し寄せてきたんだという認識について欠けることがあったことは、私どもも大いに反省しなければいかぬ。経済学者の間にも政治家の間にもいろいろな議論がございましたけれども、やはり方向として高度成長時代はもう終わりを告げかかってきたんだぞという認識だけは、もう一度改めて認識し直さなければいかぬという気持ちでおります。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 責任問題はともかくといたしまして、ところで、現在の財政の事態をどう改善するつもりか、再建の目途をどう立てるつもりか、ひとつ決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 これは大変むずかしい問題でございますが、それじゃ一遍にきれいに再建できるかというと、そういう状況にはございません。やはり中期的な計画を立てて、あるいは現在経済企画庁で中期の経済計画と申しますか経済見通しを立てておりますが、そういう計画と表裏一体として、財政につきましても中期の財政計画を立てるというようなことで、中長期の視野から漸次バランスのとれた財政に持っていくように努力したい、その足がかりをとにかく一日も早くつかみたいというのが、私のいまの気持ちでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 次に、一般消費税の問題につきましては、先ほど来同僚委員が質問されておりましたけれども、坂口委員の質問の手順の問題です。一般消費税を導入するとすれば、こういう大きな税金の導入の前に法人税などの改革、そうした問題をやらなければならぬ、こういうことをはっきりお答えいただいたと思うのですが、そうしますと、先ほど昭和五十五年一月に導入したいようなごあいさつもあったようですが、これとの関係はどうなりますか。そうすると、それまでの間に法人税の改革が全部終えられるということの確信がおありかどうか、お伺いしたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いろいろな整理をしなければならぬ問題、税制改正があると思うのです。それを片づけることを前提にして導入ということを考えるべきで、たとえば医師の問題あるいはその他の不公平税制と言われるものの幾つかは、とにかく今度は税制改正案として御審議をいただきたい、こういう気持ちでおるわけであります。中には、利子配当のように再来年期限が来るものがあるものですから、それはそれで方針だけは決めて、これはいつからやりますよというようなことでお願いすることになろうかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、先ほどごあいさつにあった五十五年の一月というのにはこだわらずに、その手順を尊重するということははっきりお答えいただいていいと思いますが、いかがですか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 導入の時期については、これは政治判断を要することでございますし、単に一大蔵省だけではなく、やはり政府、党の税調なりあるいは国民世論も十分見きわめてやらなければいかぬことでございますので、われわれとしては五十五年の一月に導入できればと考えておりますが、しかしいま調査会の審議もまだ済んでない段階でございますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 次に、財源対策上とるべき施策は、私どもも幾つか提案しておりますが、きょうは不公平税制の是正の中で各種引当金、準備金制度について若干伺いたいと思います。  まず、税法上の各種引当金、準備金について、わが国に比して主要諸外国がどういう制度をとっているか、明らかにされたいと思います。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 ただいま不公平税制というお言葉の中に引当金ということでございましたが、私どもかねがねから申し上げておりますように、引当金というのは企業会計における企業収益計上の考え方に従ってできているものでございまして、これが不公平税制に含まれるというふうに考えておるわけではないのでございます。ただし引当金につきましては、税法上損金算入をするということを企業会計に対応して認めているわけでございますが、引当金の中には実績でなくていわゆる繰入率をもって示しておるというものもございますので、その繰入率基準というものについて時々刻々取引の実態、経済の実情に即して見直してまいるという趣旨でお答えをしておるわけで、引当金であるからこれを全部つぶしてしまって、それによって不公平税制の是正を図るというお考え方には、にわかに同調することは残念ながらできないということは御了承願いたいと思います。  それで、外国の引当金、準備金制度というものの企業会計上の取り扱いは、証券局長から所掌に従って申し上げるわけでございますが、私ども税務上いろいろ調べておりますところで申し上げますと、アメリカ、イギリス、カナダでは、税務上負債性引当金の設定ということは認められておらないようでございます。ドイツ、フランスでは、税務上合理的な負債性引当金の計上を認めるということになっておるようでございます。これに対して貸倒引当金でございますが、大体は、たとえば経験率と申しますか実績率で繰り入れを認めるということでございまして、諸外国で貸倒引当金の設定は認めておりますけれども、あらゆる業種に対して概算率繰り入れをやれというような制度をとっている国は日本以外にはない。ただし、実績率ないし経験率によって引き当てを認める諸国でありましても、金融機関については、非常に債務者の数が多いものでございますから、多かれ少なかれ概算率繰り入れという特例を認めておるのが諸国の通例のようでございます。  企業会計上の取り扱いにつきましては、証券局長から続けて御説明いたします。     〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○渡辺説明員 引当金等につきます企業会計上の諸外国の実態でございますが、企業会計の会計処理の基本的な考え方は、主要諸外国もわが国と基本的には変わらないわけでありまして、発生主義の原則、それから収益費用対応の原則というのが基本的にあるわけでございます。したがいまして諸外国におきましても、まだ現実には支出をしていない費用でございましても、発生することが確実である、あるいは金額的にも確定し得るという場合には、必ずしも引当金、準備金という名称をとらないで、資産の控除項目という場合もございますし、また直ちに経費として落とす場合もございますけれども、そういうようなものはわが国の引当金、準備金と同様に経費処理を認めているというのが実情でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 いまの御答弁でもわかるように、アメリカ、カナダ、イギリスなど主要諸国の引当金制度といいますか、これは税務上は非常に厳しいということは明らかだと思います。  一九七四年の政府税調に出された「各国の引当金と税制の関係」という資料がございますが、これは大蔵省が出された資料だと思いますけれども、どういう資料なのか。毎年私ども予算委員会にこの種の資料要求をしているけれども、一向に大蔵省は出してこないようですが、どうしてでしょう。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 いまお話しのございました引当金の国際比較の資料は、税制調査会に私どもの方が提出した資料であろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、引当金というものの制度そのものが諸国の会計慣行の上に乗っております。したがいまして、負債性の引当金を各企業が会計の原則に従って計上した場合には税務上も認容されるという事例が、ドイツ等の場合にあると申し上げました。そういうことを、たとえば通達、それから企業会計の慣行ないし原則、それから税制、そういうことに照らしまして一々詳細にまだ承知しておりません。その資料は、貸倒引当金、つまり取り立て不能見込み額の計上の方法、それから負債性引当金として私が先ほどあらまし申し上げたようなこと、それにつきまして、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、それだけの調査済みの国につきまして記載したものでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 正式に予算委員会でこの資料要求をしておりますけれども、何か一向に、これは大蔵省が責任を持って調べたものではないなどということを話しているということを聞いておりますけれども、大臣にお伺いいたしますが、いま主税局長の答弁にありましたように、細かい各国の引当金制度の背景になるべきものとか基盤になるべきものが違う、それをまだ詳細に承知しておらないという答弁があったわけでありますけれども、これは大変重大なことだと思うのですね。国民の世論と意見を気になさる大臣と承っておりますけれども、一般消費税などというしろものに取りかかる前に歳出歳入を全面的に見直す、国民とともに歩む新内閣ということでありますならば、わが国の現在の税制の仕組みを、それはわが国独自の行き方ということもあろうかと思いますが、少なくとも国際的にもどうなっているかという資料を国民の前に詳細に明らかにして検討さるべきであると思うが、どうでしょうか。一般消費税の導入については、わざわざ外国に出張して非常に細かくお調べになっているようでありますが、各国のこうした引当金制度などについて細かい点は承知しておらないということもありますので——いや、出しているか出してないかはともかくとして、大臣に伺いたいのですが、そういう方をまず先に研究を十分され、そういう細かい資料まで出して国民の前に各国との比較を明らかにされるべきじゃないか。いかがですか。

高橋元大蔵省主税局長

○高橋説明員 先ほど申し上げました資料は、すでに三回にわたってお出しをしておると思います。そういうふうに私どもの方の記録はなっております。五十一年の一月二十八日に御提出をしておると思います。「法人所得の計算方法」という名前の資料でございます。  それ以上の細かいことをもっと調べてお出ししろという御要求でございまして、私どもも勉強はいたしておりますけれども、何分にも先ほど申し上げましたように、単に税法の各国比較だけでもまた事が済まないわけでございまして、会計原則なり会計慣行まで上らなければならない。それから、たとえば退職給与などのようなものでございますと、先ほどほかの委員にお答えいたしましたように、日本の場合しか退職一時金というものが大きく会計上の問題になっていないというようなこともございますので、そこはいろいろ違っておると思います。なかなか詳細に調べ切れないというのが現状でございます。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま安田さんから御指摘のありました各国の引当金、準備金等の資料につきましては、すでに提出をしてあると言っておりますが、これはやはり国民の前に提出して、引当金、準備金等の今後のあり方等についても十分検討していただいて結構だと思うのです。ただ、いまも話が出ておりましたように、いま会計原則や商法の上に乗っかって日本の企業がいろいろな経営をやっておりますから、そこら辺全体をどういうふうに持っていくかということは、これはまた別の観点から十分に検討してもらわなければいかぬと考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 いや、私が申し上げているのは、時間が来ましたのでこれ以上言いませんけれども、税務上の取り扱いと企業会計上の取り扱いとは必ずしも一致しなくてもいいのじゃないか。これは先ほど同僚委員からの発言もございましたけれども、そういう観点に立って、一般消費税の導入を図る前に、こうした各国の法人の社内留保のあり方なり何なりを税務上の立場から洗い直し、資料を国民の前に明らかにすべきであるというふうに思うわけでございまして、時間が来ましたのでその点詳しく申し上げませんけれども、要するに、最後の結論ということになりますが、法人留保と資本減耗引当の対GNP比率が非常に日本は高いということで、三井銀行の「調査月報」なんかも、これはナンバー四七六を見ますと、「その理由は、租税特別措置法を中心とする税制上の各種の優遇措置に求めることができよう。」ということで、いろいろ比較が書いてございますけれども、まさにそのとおりでございまして、一般消費税導入という前に十分こういうことについて御検討いただきたい。しかも、それは詳細国民の前に資料を明らかにしつつ、議論を公の場で、当然のことながら国会の場でちゃんと詰めていただきたいということをお願い申し上げまして、時間が参りましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員長代理 永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 新自由クラブの永原でございます。よろしくお願いいたします。  先ほど大臣のいろいろなお話を承りまして、まだ抱負経綸という段階には行っていないと思いますので、その点については後日また所信表明なり何なりお聞かせいただいて質問したいと思いますが、当面の問題として私はここで、五十二年の通常国会で予算の修正権をめぐって三権分立論が非常に熱烈に闘わされたことを思い起こします。これは行政府の独立というような観点に立つときには、議院内閣制の問題まで及びますので憲法論議になってしまいますが、それは場が違うと思いますからこの場ではいたしません。機会を改めて意見を伺いたいと思いますが、そういう中で、やはり行政府の独立、こういうことを考えた場合に、行政は継続性を持っている、こういうように思いますけれども、こういう点について大臣はどういうようにお考えになるでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 永原さんおっしゃるとおり、行政は継続性を持っている、当然であると考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 五十三年度の予算編成に当たって特に強調されたのは、目標として七%の経済成長、また経常収支六十億ドルというような数字が示され、それを達成する手段として公共事業の拡大とか構造不況対策の充実、内需の拡大、そういうことが主張されております。九月の補正予算で補完措置をして、七%を維持するんだというようなことで政府は一生懸命おやりになったわけですけれども、大臣の最初のいろいろなごあいさつの中で、公共事業の成果も逐次浸透してきている、民間設備も内需も、また物価も安定して非常に明るいような印象を与えるお話がございました。雇用は、求人数はふえていても問題がある点を御指摘になっておりますが、そういう中で七%の成長は、国内的な問題は別として、国際的な問題において、輸出入の関係で不調になり達成ができないというような状況になりつつありますけれども、この政府の目標を達成するために補完的な政策を考える必要があるかどうか、その点についてはいかがでしょうか。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 その点は、大変残念なことでございまするけれども、七%成長は事実上不可能だという結論に最近達しました。しかし、今日の経済の実情から言えば、これ以上無理して補正を組んで、それでしりを赤字国債に持ち込む必要があるかどうかという判断だろうと思うのです。それは私はこの際、これ以上赤字国債をふやさなくて、むしろ来年度、五十四年度の予算を暫定なしに通すようにお願いをしてやっていった方がいいのじゃないかという気持ちでいまやっておる最中でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 少しずつお考えが変わってきて、これは情勢の変化に対応する施策の変更だと思いますので了解できます。  そういう中で、来年度予算のことですが、先ほどから各委員から御質問が出ておりまして、大臣のお話を承っておりますと、経済計画もまだ確立してない、予算編成も進行過程、大臣のお心が揺れ動いている、そういうふうに御答弁を承っていたわけですけれども、こういう中で、先ほど歳入歳出とも従来にも増して厳しく検討するというようにおっしゃっております。特に、歳入について先ほどから論議が交わされているのですけれども、歳出の面で大蔵省は前大臣時代、一三・何%かの増分主義の概算要求をお求めになりました。それでいきますとやはり三十七、八兆円、概算要求の数字はあの当時三十九兆に及ぶように発表されたと思いますけれども、こういうような一三%の増分主義の予算編成方針をあそこでお示しになったということは、その財源についてもある程度お考えの上だったのかどうか、財源の腹案をどういうようにして一三%というのが出たのか、その辺のいきさつを伺いたいと思います。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 ただいまのお話は、毎年七月の末でございますか、翌年度の概算要求の基本的な考え方を内閣で御了解いただきまして各省に連絡をいたすわけでございますが、その際に、経常的な経費はゼロ、増加なし、政策的な経費は前年同率というようなことで、それを合成いたしますと大体一三・四、五になったわけでございます。その中で、たとえば年金などのように制度的に当然増になるものがある、こういうようなものは別に乗っけてきてもいいというような基準がございます。こういう合成いたしましたものを八月三十一日に各省が概算要求を出してまいりまして、それを集計したものを、たしかことしは九月十二、三日だったと思いますが閣議に報告いたしたわけでございます。その中の数字が、ただいまちょっと正確に数字を覚えておりませんが、たしか伸びが一五%くらいの数字で、三十九兆何がしだったと思いますが、その数字のお話だと思います。  これはあくまでも行政府部内におきます予算編成の作業の一過程でございまして、財政法の十七条、十八条に書いてございますが、毎会計年度、各省大臣は概算の見積もりをつくって八月三十一日までに大蔵大臣に提出しなければならない、こういうものに基づくものでございます。その後御承知のように、九月一日から大蔵省の方が各省から概算の説明を聞きます。そうしまして、いまだんだん作業が最終段階に参っておるわけでございます。したがって、御指摘の数字と来年度の予算の数字とは、各省の概算の見積もりであるという意味で非常な関連がございますが、大蔵原案あるいは政府原案、そういうかっこうででき上がります予算とはある意味において違うわけでございます。それが第一点でございます。  それからもう一つは、増分主義の方針というような御指摘がございましたが、七月二十八日の閣議了解の概算要求についての基本的な考え方の中にも、既定経費については根っこから洗い直してくれというような基準が書いてございます。そういう意味で、これはいろいろ御批判がございますけれども、いわゆる増分主義、インクリメンタリズムの予算編成をわが国の場合やっているじゃないかという御議論が評論家やなんかの中でございますけれども、私どもとしては毎年、特に最近におきましては、各種の経費を根っこから洗い直す、言うならばゼロベースのレビューというような考え方を強く各省に求めておりますし、内部作業におきましてもそういうような考え方でやっております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 そういうような方法で歳出の削減がどれだけできるかわからないのですが、先ほどのお話からも増税ということが避けられないような事態にあることは、まあ表現の強い弱いは別にして短絡的に受け取れる、そういうようなお話がございました。現実に歳出を見ていった場合に、いわゆる三Kといわれる食管、国鉄、健保、これだけを入れても三兆数千億の累積赤字が出てきている。こういうものに対する対策を立てなくて、ただバケツに大きな穴があいているような状況の中で増税、こう言っても国民にはぴんとこないのではないか、こういう気がするわけです。いかにもその数字が大きい。  庶民の本当に単純な感情でしょうけれども、一般消費税の内容をいろいろ説明しますと、国鉄の赤字はそのままにしておいて、国鉄のために増税になってしまうじゃありませんかというような反発すら返ってくるような状況です。これはそれぞれ主管省があるので責任はそちらにあるということになるでしょうけれども、財政当局としてもこういうものに対して何らかのお考えがあるのではないかと思いますけれども、大臣はこういう三K問題についてはどういうお気持ちでお臨みになるでしょうか。

加藤隆司大蔵省主計局次長

○加藤説明員 大臣の御答弁の前に最初に事実関係を御説明させていただきたいのですが、経費の削減、御指摘のようにこういう大きな経費のかたまりとその他のものとございます。その他のものは、先ほどちょっと舌足らずでございましたが、新規施策についてはスクラップ・アンド・ビルド、それから前年予算同額主義というような考え方で対処する。それから御指摘のような大きな経費につきましては、具体的な御指摘がございましたので個々に申し上げてみますと、健保につきましては御承知のように、医療保険制度全体の見直しの第一次着手といたしまして、保険給付と負担の適正化を図るための改正法案を現在国会に提出して、継続審議だったと思いますが、次の通常国会におきましても十分御審議の上早期の成立をお願いしたいと思います。  それから国鉄でございますが、これも多年にわたりまして議論がございましたが、現在三つの考え方で対処しようとしております。一つは、利用者負担の適正化ということで、過日運賃法の成立を認めていただきまして、この方策をどうとるかという問題がございます。第二点は、徹底した経営の合理化を迫るというような問題、特に地方のローカル赤字線というような問題に対して経営の合理化は緊要の条件だと思います。三番目が、にもかかわらずやむを得ない場合には、やはり国として応分の助成をしなければならない。この三本柱でやっておりますが、先ほど申しましたように、昨年末の臨時国会において国鉄運賃法の改正によりまして、運賃改正が認可制を認められております。本年の十月にも貨物部門を中心といたします要員削減を推し進めております。こういうようないろいろな対策を、立法の手続を必要とするものあるいは立法を要しなくてもやれるもの、関係者の間で細かく議論をしながら進めようとしております。  それから三番目の御指摘の食管でございますが、これも生産者米価、消費者米価、このバランスをできるだけ図っていきたい、同時に、特会の管理部門についての合理化というようなものも相談しながら進めていきたいというようなことを考えております。  もちろん必ずしも十分でないところはございます。私どもとしては、御指摘の三つ以外にもこういう大きな経費のかたまりがあるわけでございますから、そういうものについて、そのものの合理化、あるいは環境問題の解決、あるいは財政面からの手だてというようなことを考えながら構造的な問題にメスを入れないと、こういう大きな経費はなかなか合理化が図れませんですから、関係者の中で大いに議論しながら、最後は結局立法というかっこうになろうかと思いますが、国会におかれましても、そういう際にはできるだけお認めいただけるような方向でお願いしたいと思うわけです。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 それぞれ大きな問題ですので、議論し出すと切りがありませんから、時間がありませんので、これも別の機会に譲らざるを得ないと思います。  いまたまたま食管会計の管理部門についてのお話が出てまいりましたけれども、大平内閣ができて、地方分権の強化のような方針が打ち出されております。そういう中で、いろいろ見てまいりまして、定数のやりくりなど非常に大蔵当局も御苦労なさっているでしょう。特に一般消費税などが導入された場合には、法人税や所得税と同時期に申告納付するというようなことになった場合に、非常に問題が大きいだけに五万人の国税職員は非常に追いまくられると思う。増員ということが当然出てくるのではないかと思いますけれども、総定員法がある。そういう中で、行政機構を見ていった場合に、たとえば北海道開発庁とか沖繩開発庁とかあるいはいまお話の出た食糧事務所、こういうところを三つ挙げただけでも三万二千人近い職員がいる。こういう人たちの配置転換ということなり何なりしなければ、恐らく複雑化していく行政需要に対応できないのではないか。まして地方分権の強化というときに、道の上にそういう開発庁があって、あるいは県の上にそういうものがあって、本当に仕事の実態を見ていけば、これは本省と直結していても何ら支障ないような状態になっている。こういうものを見るときに、やはりチープガバメントというような観点から徹底的に洗い直すという必要があろうと思うのです。何かそれぞれ大きな抵抗はあると思いますけれども、思い切った措置をしないでいきなり増税と言っても国民感情が受け入れない、こういうように思いますので、そういう点についてのお考えをひとつ承りたい。  もう一つは、地方分権という言葉に関連しまして、地方交付税を現在見てまいりますと、基準財政収入額と基準財政需要額との関係で生まれる財政力指数、これが五〇以下というような県が三十三県ございます。もう本当に、シャウプ税制で確立した現行税制ですけれども、国税、地方税を通じて租税体系を全体洗い直す必要があるのではないか。地方分権と言いながらも財政的に見ていくと、財政力指数は二〇幾つというようなそういう弱小県すらある。こういう中で果たして分権強化、どういうようにお考えになっているのか。全租税体系の中で洗い直すというようなお気持ちがあるかどうか、そういう二点について大臣のお気持ちを伺いたいと思います。

金子一平自由民主党大蔵大臣

○金子(一)国務大臣 いま永原さんから御指摘の国と地方との関係ですが、やはりお互いに役割りを協力しながら果たしていくという意味においての地方の分権の強化は、漸次これから図っていかなければならぬという考えでおります。したがって、行政機構をこれからいじる場合におきましても、そういう点を十分配慮しながらやっていくべきじゃないかという気持ちを率直に持っております。  それから、地方にそれぞれの仕事をその責任においてやっていただくということになれば、当然やはりその収入の問題が伴いませんと、地方分権の実が上がらないわけでございますが、大変むずかしい問題でございます。それじゃいますぐどうこうするということじゃなくて、やはり将来そういう姿に持っていったときの国税、地方税のあり方全体がどうあるべきかというような問題については、これはやはり緊急に手をつけなければいかぬと考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

小泉純一郎自由民主党

○小泉委員長代理 ただいま税制に関する件について、参考人として税制調査会会長小倉武一君が御出席になられております。  小倉参考人には、御多用のところ御出席をいただき、厚く御礼を申し上げます。  質疑を続行いたします。只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 会長にはどうもたびたび御苦労さんでございます。  いま午前中からずっと一応お聞きになったと思いますが、いろいろ論議をいたしましても、税収がはっきりしない、それは税調の答申がまだ出ないからだ、こういうことで万事新大臣も逃げの一手でございます。肝心かなめの税調の答申につきましてひとつお尋ねをいたしたいと思います。  いま税調の全体の進捗状況についてまずお伺いをいたしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税制調査会の進捗状況というお尋ねでございますが、来年度の税制の改正に着手いたしましたのは比較的最近でございまして、その間今日まで総会を三回、特別部会を三回、この特別部会と申しますのは、これは一般消費税についての検討をいたすためにかねて設置されたものでございますが、その特別部会を三回、それから、総会で来年度税制のあり方につきまして一わたり各項目について御検討願った上で臨時小委員会というのを設置いたしまして、来年度税制につきましての方向といいますか、あるいは最後にはまた答申案の取りまとめといったようなことをお願いするための臨時小委員会、これを三回開いております。  こういうのがこれまでの経過でございまして、今後各項目、検討項目多々ございますが、来年度の税制改正に当たって基本的な考え方から始まりまして、一般消費税あるいは所得税、租税特別措置あるいは自動車、石油関係の税金あるいは地方税、これまた固定資産税から始まりまして住民税等々ございますが、そういったものが審議の項目になっておりまして、来年度の予算案の編成とも関連をいたしまして、年内編成は無理だけれども翌年、年が明けると早々内示をして、暫定予算案がなくても済ませるようにという政府のお心組みのようでございますので、税制調査会では答申はできれば年内にいたしたいというつもりでおりますが、大体目途は二十七日ごろというようにおおよそ考えております。  以上のような審議の段階でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大変御苦労さまでございますが、しかしこれが決まらないと予算は組めない。特にその中で一番問題は一般消費税、財政上もそうでございますけれども、国民がこの問題にきわめて重大な関心を持っておることは御承知のとおりでございます。この内容は、さきに報告をされましたものと大綱において変わらないかどうか、あるいは変わったとすればどういうところがその後検討されているか、大綱についてお示しをいただきたい。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 さきに一般に公表されました試案と大綱においてどう変わるかということを中心にしたお尋ねでございますが、大綱というものの考え方にもよりますが、そう大きく変わるということはないのではないかと思います。     〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕  もっとも、この大綱の中のさらに大綱と言うべきもののような、御承知のとおりの税率でございますとかあるいは最低限の問題でありますとか等々については、この前の発表の素案の中には含まれておりませんので、これらを詰めていくということが一つの仕事でございます。  もう一つは、試案が発表された後に役所の、大蔵省の方が主でございましょうけれども、各方面の意見の聴取あるいは質疑というようなものをいろいろ集められまして、これについてどう処置するか。大小さまざまございまして、全部が税制調査会の審議事項になるとも思いませんが、その中での重要事項についてのおおよその考え方は、やはり税調としてもこうであろうというようなことを含んで、表現はどうするか別にしまして、一般消費税を導入するとすればこんなことだろうかというような、もう少しこの前の案よりは具体化したものが審議の対象になりまして、さらにそれをめぐりまして、御承知のとおりの一般の財政の状況でありますとかあるいは経済の状況でありますとか等々を考慮して、消費税を導入するのが最終的に税調として可であるのか否であるのか、可としていつがいいのかというようなことがこれからの主要な議事になることと思いますが、まだ審議の途中でございまして、特別部会からの報告もまだ受けておりません。役所の方で各方面から寄せられました意見あるいは疑問点についてのものをある程度整理したものの紹介、またそれについての一応の考え方等は、総会としても聴取し一応の審議をしたわけでありますが、以上の点についてまだ本格的な審議に入っておりませんので、もちろんこの一般消費税の問題はお話しのとおりの重要問題ですから、一般消費税のことを取り上げるということを正式の議題にしていない総会でも随時一般消費税についての意見の開陳がございましたりなんかしますから、絶えず審議しておるというようなものでもございますが、そういう経過を経まして、たしかこの十八日か十九日の総会で一般消費税の問題を主としてといいますか、もっぱら一般消費税を審議するというふうな予定にただいまなっております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 事実はそういうところだろうと思いますが、残念ながら本年内は大蔵委員会はきょうが最後でございます。また正月早々もないわけです。いわゆる国会で論議をする時間のないときに皆さん方の方から答申をされ法案化をされる、こうなってくる。それでたびたび来ていただいているわけですが、二十七日に出しましてもわずか二週間足らずなんですね。したがって、たとえば税率にいたしましても七、八%とかいろいろありましたけれども、大体五%だろうというようなことがほぼ煮詰められている。あるいは課税最低限、これは多分会長もその程度だろうというようなことを前におっしゃったと思いますが一千万円、限界控除が二千万円というようなお話もあったかと思います。もし会長からこういうことだというような話ができなければ、いまから私が順次そういうふうに聞いていきますが、税率なり課税最低限はそういうことだということでほぼ間違いがないかどうか、まずその二点についてお伺いいたしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 その点はまだ決めておりませんので、しかとこうだというふうに申し上げるわけにはまいりませんが、税率は五%ということがしょっちゅう話題になるといいますか、例として大体五%というようなことが前提にされた議論が多くなってまいっておることは事実でございます。  それから課税最低限度は最近、最近といいますのは、この試案を発表して税調が開かれてからの話でございますけれども、大体二千万ぐらいでどうだろうかというようなことが話題になるということでございます。しかとそれでいこうというふうなおよその合意があったとかというわけでもございませんが、大体その辺を中心にして討議が進められておるというふうに御了解願いたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 限界控除が二千万でなく、課税最低限が二千万という話が出てきておる、そういうことでございますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 そうです。

只松祐治日本社会党

○只松委員 それから、何と申しましてもこの消費税を導入した場合に、一番問題になるのは国民でございますけれども、納税義務者というのが一番関連を持ってくるわけでございます。自民党のものはお読みになったと思いますが、社会党のものはお読みになったかどうか知りませんが、社会党も調査団を派遣いたしました。ここで午前中に大蔵大臣とも一、二問答したのですが、欧州各国ではこういういろいろな間接税になじんでおる。その個々の間接税、売上高税やそういうものを統合したり何かしていま見られるような付加価値税になってきた。日本の場合は、そういう間接税というものはほとんどなじんでおりませんで、取引高税をかつてやっても、それは国民から非常な反撃を受けてやめた、こういうことです。いわば初めて導入されると言ってもいいと思う。そういたしますと、これも自民党の調査団の報告では、一年くらいのPR期間があったということになっている。社会党の調査団では、イギリスあたり三年間の猶予期間があった。あるいはベルギーではスライドをつくりまして国民一人一人にほとんど周知徹底をさせたというようなことがいろいろ明らかになってきている。  要するに導入するには、後でただしますけれども、不公平税制等の問題とともに、やはり新税を国民に理解してもらうということが必要です。特に納税義務者に納得をしてもらうということが最も大事になってきた。ところがいまの状態でいきますと、まだ期間を聞いておりませんが、仮に大蔵当局の要望のように五十五年一月一日実施となればわずか一年そこそこしかないわけです。この間に全くの新しい税制を導入するということになれば私は相当の混乱ができる、想像以上のものが起きるだろうと思うのです。そういう点に関して、特にPR、国民に納得——百五十回懇談会をやったとかやらないとか言っておりますか、その程度のことで国民が納得したなんというのは、私たち自身大蔵委員でさえ十分これを知らないわけですから、まして町の中小企業者なんかに話しにいきますと、とてもじゃないがほとんど知りません。こういう税制を導入するということと、すれば税調は知ったことじゃない、あとは国税当局なり主税局がやるのだろうということでは済まされない。する以上は皆さん方もそれは重大なる責任がある。まあさっきから言いますように、何かするときょうの新大臣は、いや税調が、税調がと言って全部逃げ回るわけですが、そういう点に関してどういうふうな手だてといいますか、お考えになるか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 そういう手だてについて特に税調として審議をまだいたしておりません。無論、当然それは相当程度の周知徹底といいますか、最近よく使われる言葉で言えば、一般的増税ですから国民的合意というようなことはむずかしいかと思いますが、そういったことであるとかいうようなことについて必要であるということはこれはもう大前提でありますことは申すまでもありませんが、しからばそれをどうするか、どういうふうにそういうことを進めていくかということはまだ十分審議いたしておりません。と申しますのは、導入するしないというその問題自体もまだいわばペンディングに、そのこと自体が討議の事項になっておりますので、当然導入を前提にした話を余り集約的にもできかねるというようなこともございますが、しかし、だんだんと日が詰まってまいりますわけですから、いまのお話のような点も十分踏まえた議論あるいは審議を今後していただかなければならないというふうに考えております。  特に外国との比較でお話がございましたけれども、間接税が付加価値税を導入する以前から相当のウエートを持っておった国と、日本のようなだんだんとむしろ物品税等のウエートが減ってきているような国とでは、大分事情が違うということもあろうかと思います。それだけによけいそういう点についての配意が必要であろうという御注意もこれはごもっともだと思います。私よく存じませんけれども、ただヨーロッパでもイギリスは、どちらかというと大陸の方と違って所得税といいますか直接税中心の国だったのが、比較的短い期間に間接税、付加価値税をEC並みに導入したというようなこともございますようで、そこの関係がどう違っておるのか、イギリスでどういう手段を講じたのか存じませんけれども、そういうこともあるいは参考になるかと思います。  わが国でも、付加価値税導入は、別に政府で決めてこれから何年というようなことは、まだどの程度が適当かということは申し上げるようなあれにはございませんが、すでにもう付加価値税の導入は必要があるのではないかという趣旨のことは、税調としては一年前からおおよそのそういう必要性の指摘はいたしておりまして、またその大まかな考え方も示しており、さらにまた先般、いわゆる試案を発表するというようなこともやっておりますので、いま唐突にこの付加価値税ということが新しく言われるということでもございませんので、だんだんと御心配のような点についてないようなことにできる基盤が多少は整ってきておるというような気はいたしております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そこで、PRとただ口で言ってもあれですから、それに伴う予算ですね。これは主税局長もお見えになっておりますが、そういうものや何かも相当組んでおかないと、ただ単に、私がいつも言うように税調は職員一人もいない、こういう中で号令かけて、小倉さんも常勤じゃないわけですから、PRしろPRしろと言ったってこれは空念仏に終わると思う。だからぜひひとつ、私は別に推進派じゃないわけで、そういうことじゃないけれども、とにかく十分な手だてというものを考えてもらいたい、唐突な実施というものはやめてもらいたい。  それから、その中で一番問題になるのは、これも繰り返しになりますが、記帳義務という問題ですね。これも記帳義務は必要としないということを繰り返しおっしゃっていますが、西欧諸国でEC諸国でも余りそれは強要しておりません。特にフランスはフォルフェが五〇%を超しておる。こういう中におきましても、やはり調査に行くと結局は正規の記帳義務に基づいて納税しなければならなくなってきている。これがいまEC諸国は一五%ぐらいに大体税率を定めようということで各国は努力していますね。そういうことになればなるほど記帳義務というものは非常に大きなウエートを占めてくるわけです。当初はそういうことでありましょうとも結局は記帳義務ということになりますが、そうすると、これは大企業は人を持っておりますからいいが、中小零細企業は人がいない、どうしてもそれ専用の人が要る、こういう問題も出てまいります。当初のときはそれほどじゃないと思いますが、EC諸国や何かの調査に行った結果を見てもそういうことだ。しかも、外国は日本の国税庁のような非常な厳しさじゃないですね。いろいろ聞きますと、フランスのフォルフェを初めとしていろいろな簡易方式がとられている。にもかかわらずそういうことになってきている。そういう点についてはどういうふうにお考えになっておいでになるか。  それから、ついでに言っておきますが、たとえばそういうことの一つの日本的な便法として、少なくとも三年間は猶予期間のようなものを置いて指導や何かに当たって、その間はとにかく一切の調査をしない、強制調査をしないというようなこと等をして、その間に多少の脱税が起こるか何かは別といたしまして、とにかくこの消費税に関する限りは三年ぐらいは指導期間として積極的に指導を図る、強制調査等をやらないというようなこと等を、これは知恵をつけるようで私の本意ではないのですけれども、何らかのそういうものをしていかないと、余りにも中小企業者は、いま大蔵省が志向しているような再来年の一月一日から実施するということになると大変だと思う。そういう点について、いろいろただ押しつける。後で税制の大綱も変えていかなければならないと私は思うが、それはそれとして、現在討議されておる皆さん方のこの消費税という問題について論ずるならば、そういうことが言えよう。いまの枠内でも考えていただきたい、いかなければならない、こういうふうに思うのですが、そういう点について、記帳義務を中心とする中小企業者の問題等についてどういうふうにお考えになっておりますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 その問題は確かにお話しのとおり重要事項の一つでございまして、中小、まあ零細の方はできるだけ除くという思想、考え方でございますが、その上の零細あるいは中小等でありますと、どうしても記帳の問題が生じてまいりまして、簡易な方式を考えるということは考え方として決まっておるわけですが、具体的にそれをどうするかということは今後詰めて、これは特に税務当局でひとつ詰めていただきたい、こういうふうに存じますが、その際、お話にございましたようなことも、なかなかおもしろいアイデアと申しましては失礼でございますが、あるいは参考になるかとも思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 納税義務者の場合は、いろいろありますが一番そこが問題になるだろう。それから一般国民としては結局、間接税が導入されると物価の上昇、これは大蔵省と社会党の上昇率の計算の仕方にも食い違いがあるようでございますが、社会党の場合は三・三%から三・六%、このくらい上がる、こういうふうに見ておるわけでございます。勤労者の勤労所得税の平均負担率が二・八五%ですが、したがってそれを上回るもの、したがって逆進性が強い、こう私は言っている。そういう点は、見解の相違だとお片づけになりますか、いや社会党の方はもっともだ、こういうふうにお考えになりますか、物価との関連、税率との関係をお尋ねをいたしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税率の定め方の問題、それから非課税の項目をどうするかというようなことも多少はまた関係してまいりますので、ここで、税率も決まらず非課税品目もまだこうだとはっきり決めたわけでもございませんので、しかと申し上げるわけにもまいりませんけれども、物価に対する影響というのは非常な重要な要注意事項といいますか、一般消費税導入ということになります場合の考慮を要する事項でございまするので、その点の影響の度合いについてはさらに審議を進めることにいたしております。  ごく粗っぽく申しますと、計算はなかなかむずかしいようですけれども、たとえば税率五%とすれば半分くらいの割合で物価が上昇するということはやむを得ないんじゃないかというふうに、一応そういったおおよそのことを前提にして議論をしておりますが、なおもう少し検討をあるいは必要とするということかもしらぬと存じております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 一方、今度は大企業で、たとえば輸出を中心としている企業を見ますと、蔵出しのときには税金がかかる。いきなり会社が商社をもって輸出をやるとする。しかしこれが輸出に回った場合にはそれが還付される、戻し税となってくる。しかし、おそらくこういうときでも、初めのやつは大体原価計算に入れるだろうと思う。もし原価計算に入れて戻し税があると、膨大な収益を生むということもこれであるわけですね。こういう他の税との関連、あるいは特に日本の場合は輸出に重きを置いている企業というのは非常に多いわけです。こういうことはお考えになっておりますか。いやそれは当然のことで、戻し税で来るのはあたりまえ、会社がもうけるというのはしようがない、こういうふうなことですか、それともそういうことに関してはやはり何らかの手当てを考える、こういうことでございますか。大企業、特に輸出との関連について御検討をなさっておるかどうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 輸出につきましては、消費税でございますのでかけないというたてまえが原則だろうと思いますが、したがいまして、輸出についてすでにかかっているもの、これについてはすでにかかっている税を戻すということをするということになるというのが考え方であります。その際、現在の一般消費税の考え方の仕組みから申しますと、前段階あるいはその前段階にかかった税というのをはっきり記帳するというような義務づけは必ずしもいたしておりませんので、概算的な控除をするということに考え方としてはなっておるのも御承知のとおりかと思いますが、したがってその概算というものをどういうふうにするのか。これはやはりいまお話しのようなことが起こるということでは困りますので、そういうことの起らぬような方法を講じていただくということで、御指摘のようなことが起こってもこれは仕方がないのだというふうに割り切っておるわけでは無論ございません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 初めは処女のごとく後は脱兎のごとくということがあります。国債も出すときは、福田さんは初めは、いやそう心配ないから、しかし今度手に負えなくなってきた。一般消費税も、先ほど聞くと五%前後、こういう話ですが、EC諸国を見ますと、いろいろあって一五%を目標に足並みをそろえる、将来二〇%もある。日本のいまのような放漫な財政、あるいはいまの日本の民主主義の度合い、あるいは変えれば別としていまの税制、そういうものをいろいろ勘案いたします。そうすると、どうしても安易なものに頼っていくというのがいまの税制のあり方。そういたしますと、初めは五%が一〇%、一五%、二〇%になる。いやそのときはぼくは税調会長なんかやってはいないから知らないよということでは済まないと私は思います。導入されたときの小倉さんの責任はきわめて重大だと思います。将来上がっていくとお思いになりますか。まさか下がるということはないが、どの程度まで上がっていく、あるいはまた導入されたあなたとして何%ぐらいにとどめるべきだ、これ以上上がってはならない——まさか一〇〇%ということはあり得ないわけですけれども、そういう点について、導入のときの責任者といたしましてどういうお考えをお持ちでございますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お答えが非常にむずかしい御質問でございまして、先の話のさらに先の話でむずかしいのですが、考え方といたしましては、お話しのように初めは処女のごとく云々ということで考えておるわけでも毛頭ないので、そういうことでない証拠に、むしろ税率を一〇%に決めてしまう、ただし当面は何年間は五%であるとか、その次何年間は七%であるということにしたらどうかという意見も実は出ておるのでございます。したがいまして、仮に五%に決めたものが、未来永劫五%で一〇%にならぬということも申し上げにくいのですが、さらばと言ってヨーロッパのある国のように、二〇%という高率の一般消費税がわが国で適当であるというふうにも思ってはおりません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 ぜひひとつ、そこまで文章で書くのはどうかと思いますが、少なくとも導入に踏み切られるならば、導入されたときの責任者としてその点を相当強くだめ押しをしておいていただきたい。  それから今度はそういうことの逆の面として、そういう一般消費税なんというのは一番取りやすい。ところが、その前提となる不公平税制、これは取りにくい、いまの自民党政権じゃなかなか取りにくいわけですね。したがって取れない。そういうものの一つに、医師優遇税制もありますが、いまの所得税で一番脱漏の多いのは利子配当の問題だと思う。これも午前中私もちょっと指摘したのですが、銀行あるいは相互銀行、信用金庫、郵便局、それで口座数は七億四千四百三十六口あるのです。それから、これに農協や信用組合や労働金庫等を合わせますと約十億前後じゃないかと思うのです。そうすると、貯蓄人口を、法人数や事業所数等いろいろありますから、そういうものを合わせて仮に四千といたします。そうすると二十五口、国民やそういう法人が持っておる、こういうざっとした勘定になります。これは大変なことです。これ一つ、こういうところから見ても大変というより不思議、不思議というのは、ここに大きな問題点があるということを意味しているのです。  このごろは時間がないから証券問題は当委員会でほとんど論じませんけれども、株の問題、たとえばきょうの読売ですかトップ記事として、医療法人が四千万株、百億円も朝日麦酒の株を買っている、これは何たることかと私は言いたいのです。こういう事態というものが公然と行われている。これは暴力団のばくち場じゃないのですから、いわゆる政府が認めた公正なる証券取引所においてこういうことが行われている。こういうことの把握がなされていない、あるいは完全な課税というのがなされておらないのです。そういうことをしないでおいて、取りやすいところから取るというのが現在の政府のあり方、あるいは税法だと思うのです。これは何としてもやはり改めていかなければならぬ。  ところが、午前中も大臣が何とかやりますというような話をしていますが、どうも橋本君が厚生大臣になると風向きが変わってくる。あるいは利子配当課税の問題にいたしましても、どこまでおやりになるか、ひとつお聞きをしたいと思うのですが、こういう不公平税制というものを直さないで一般消費税導入に踏み切ったら、よけい大変なことになると私は思うのです。だから、この不公平税制は現在どの程度まで手がけておられるか。一般の租税特別措置まで全部は時間がないとお答えいただけないが、おおよそ大きい問題について、その前提となる不公平税制をこういうふうにするという覚悟のほどをひとつお聞かせいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 例として社会保険診療報酬のこと、あるいは利子のことをお尋ねになりましたけれども、いわゆる不公平税制というのは一体どういうものであるかということについて無論、問題もございましょうけれども、そういうものは、期限が来るなり必要性がなくなり等々を契機にしまして、できるだけ整理していくというのが従前からの税調の考え方でございました。そういう考え方で現在もやっておりますし、将来もそういうふうなことかと思います。  したがいまして、これは一般消費税導入の有無にかかわりなく進めていくべきことかと思いますが、一般消費税というような一般的増税というのを国民の皆様方にお願いしなければならぬということになる節には、従来にも増してそのことの合理化といいますか、整理、縮小、縮減に努めるというのが当然基本的な考え方になろうかと思います。具体的にどれをどうするということは、速急に結論を来年度の税制改正として出したい、こう思っていますが、個々のものについてどうするかということについてはまだ結論を得ておりません。  無論、基本的な考え方として、医師の優遇税制については改善を図るということになっておりますし、利子については総合課税に移行するということについてのおおよその合意ができております。その他の準備金なりあるいは引当金等につきましても、できるだけ整理をしてまいりたいというふうな考え方でおります。逆に申しますと、こういう際でもございますので、また不公平税制というようなことが言われるような租税特別措置を新しく起こすということは原則としていたさない。全くいたさないというふうにした方があるいはいいかもしれませんけれども、まだそこまで討議は十分進んでおりませんので、しかとしたことは申し上げにくいのですが、私どもの気持ちとしては、原則的に新しい租税特別措置は起こさない、こういったような気持ちでいま審議を進めておる最中でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 どうもいまの問題になると余り歯切れがよくないのですが、もう少し私は、不公平税制ぐらいは税調の方でこういうふうにやるというお答えを賜りたいと思います。きょうはそれにいたしましても、ぜひ明確に進めていただきたい。  そういうものを明確に進める、こういうことで、たとえば私がいまちょっと問題に出しました約十億ぐらいの口座が金融機関にある、こういうことです。そのためにすぐ背番号という問題が出てくる。私たちも無条件絶対背番号反対ということを言っておるわけじゃありませんが、費用やらその他いろいろなことを考えまして、プライバシーの問題等を考えると、たとえばフランスにおきましては、身分証明書の提示を預金口座の場合には義務づけておりますね。そういうふうにすれば、これは背番号にしたってアメリカでも必ずしも全部捕促できるわけではないのですね、架空のやつをすれば。したがって、悪は悪でどこかに抜け道を考えるわけでございますから、そういうベターというものをする場合にどうかということになりますと、そういうことも考えるべきだと思う。だから私はいつも言うように、どうしても安易に限られた人員でする国税庁なり主税局の技術的な税制改正というものにこだわらないで、もう少し税調というものは本来的な発想をして、そういう問題等もひとつやっていただきたい、こういうふうに思うのです。  時間がありませんから、ついでにそういうことで申しておきますと、私は常々言っておるように、これも医療の問題、医療でも医は仁術なりと言われておりましたが、そういう精神訓話ではいまとどまらない、医療産業ということが産業界の中でも言われております。医者だけが例外ではあり得ない。あるいは学校にいたしましても教育産業と言われておる。そこに膨大な資金資材が動いております。あるいは宗教でも、宗教産業とさえ言っている人があります。こういういわゆる直接人体にかかわり合いのある問題、いわば第三次産業と言われております。この第三次産業の面に産業経済機構も動いていっておるし、いくことはこれは必然でございます。日本の場合は特に、第二次産業も、日本は設備投資までこんなに限界に来ておる。それならば第三次産業へ移行する。第三次産業の資金の問題からまして税制の問題はほとんど立ちおくれを来しておる、こういうことですね。  したがって、税調はそういう面等につきましてもやはり本来的な検討を進めていく。どこでやるかと言えば、それは私たち全体もやるけれども、何かするとすぐ政府は税調、税調と逃げるわけですね。だから私たちから言えば、税調で何とかそういう方向を出さないことには、私たちが国会でしてもなかなか容易でない、こういうことになります。そういう不公平税制の明確とともに、そういう新たな産業構造に伴う税制、徴税の問題についても、ひとつ御検討あるいは意見具申をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ただいまの御趣旨でございますけれども、すでに御承知のとおり、利子の総合課税という問題から発足いたしまして、いかにすれば総合課税ができるかという、総合課税のたてまえは前提にしながらもそれをテクニカルにこなしていける方法というものを、実は税調としても検討を重ねてきておりました。そのための特別部会も設けておったわけでありますけれども、たまたま来年度の税制の改正という時期になっておりますので、その方面の特別部会の審議は中断をしておりますけれども、来年度の問題がある程度めどがつきというような段階になりますというと、いまお話しのようなことも含めまして、税制そのもののあり方もさようでございますが、徴税上の不公正も是正するというような手段方法というようなものも、これは当然重要事項として、納税者番号もその一つでしょうけれども、それだけにとらわれないで検討を進めていくという必要性があるかと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 最後に、私は二年前に、男女平等の逆差別なんということで男やもめの問題を取り上げました。いまの大倉次官が主税局長のときに、明年から努力いたします、こういう答弁をいただいたのですが、去年所得減税が一つもなかったものですから、これだけ所得減税するのはどうかということで、御勘弁をということでありますが、ことしはそれのあるなしにかかわらず、こういう税制の大きな変動のときですから、国会のこういう要望として出ているわけですから、ぜひひとつ男やめも減税答申をしていただきたいと思いますが、出ておるかどうか、お聞きをしておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 男やもめの特別控除についての先生のかねての御意見を拝聴しておりますし、今回の税調の審議事項の中のまた所得税の中の一つの項目として、その問題を掲げてございます。したがって討議もされるということかと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 岐阜県ではもう一歩進んで父子手当というのを出している町があります。ぜひひとつその、実現をお願いいたしたいと思います。  シャウプ税制以来、ある意味ではそれ以上の、財政状態を勘案いたしますと重大な税制の変革期に差しかかってきております。ぜひひとつ国民の声に十分耳をかしていただきまして、りっぱな答申をお出しいただきますよう心からお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 先ほどちょっと私、思い違いをしておりまして、お答えを間違えましたけれども、いわゆる納税者番号を中心にする利子の総合課税の問題について、特別部会がすでに発足したようなことを申し上げましたが、発足させるという心づもりを私がしておって、まだ総会に諮って発足したという段階ではございませんので、ちょっとその点を訂正しておきます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 どうもいつもお越しをいただきまして申しわけございません。十分ばかりの短時間でございますので、三点ぐらいにしぼってお聞きをしたいと思います。  一つは、いまもお話がございました一般消費税でございますけれども、会長は、導入するかしないかもペンディングという言い方をされましたけれども、しかしながら、一応昨年も必要性を指摘されましたし、そして試案も発表になっているわけでありますから、この導入の方向に進んでいることは間違いないわけだと思うわけです。  そこで、きょう昼前にも若干議論があったわけでございますけれども、これを導入いたしますのには、他の法律との間の体系の問題をどうするかという問題があるわけでございますが、別々に、たとえば法人税をどうするとか、あるいはまた租税特別措置をどうするかというような個々の問題ではなしに、一般消費税との関連において、これを導入するためにほかの税制がこうあらねばならぬというような、たとえば所得税なら所得税の課税最低限をどうするとか、一例ではございますけれども、そういった他の税制との絡みの議論がされているかどうかということをひとつお聞きをしたいのと、それからもう一つは、物価の問題が非常に重要でございますけれども、どの程度になるかは別にいたしまして、一般消費税の導入によって若干物価が動くことは事実のように思われます。そこで、たとえば来年なら来年も過剰流動性とかいろいろの問題がいま懸念されている状態でございますので、その導入時期というものと物価上昇というものとの関連について議論がされているかどうか、この二点についてまずお聞きをしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 一般消費税の導入につきまして、他の税との関係の御質問でございますが、一番問題は、既存の物品税とどう調整をとっていくか、物品税のほかにたばこの問題もございますし、あるいは酒税の問題もございますし、あるいはまた地方税の問題もございます。そういう問題をどうするかということがございますが、これについてのおおよその考え方は、国税の物品税につきましては、長期的な観点ではあるけれども、できるだけ一般消費税の中に吸収してまいりたい。ただし、たとえば俗にぜいたく品と言いますか、税率も相当高いというようなものは特別の税として残すというふうな考え方はどうだろうかというふうなこと、それからまた、ガソリン税その他は特別の税目でございますから、また税率も相当高いですから、こういうものを吸収するというわけにはまいらぬだろうけれども、それにまた一般消費税も重ねて併課するのかどうか、そういった問題、そういうたぐいのことは十分審議をいたしております。  それからもう一つ、お話のような消費税あるいは間接税そのものではなくて、所得税との関係でございますが、意見としては確かに、一般消費税を仮に導入するならば、低所得層の所得税、あるいは住民税の方がむしろ重要かもしれませんけれども、それを軽減するようなことを考えたらどうかという意見の方もございます。また他方、しかし今日所得税というのは、むしろできれば増税をしたらどうかというような議論もございます。一般消費税を導入するよりは、どちらかというと、低所得者も含めまして所得税の負担はむしろ軽いのだからという意見もございまして、その際に一般消費税を導入するからといって、その税率が特に高ければ別でしょうけれども、税率との関係を見れば、その関係で所得税を軽減する必要はなかろう、こういう御議論もございまして、税調の中でもまだこうという結論は出ておりませんが、いまのところ所得税の減税というのは、一般消費税との関係のみならず、こういう財政の時期でもありますので、できるだけ原則的には考えたくないというような気持ちの委員の方が多いのではないかというような感じがいたしております。しかし、それが絶対の原則というわけでもございませんので、なお今後審議を進めていく過程で、お話しのようなことがさらに討議されるかと思います。  それから物価との関係でございますが、これは導入の必要な時期ということも無論ありましょうが、導入時期の経済状況、財政状況というふうなことも重要なことになるわけですが、特に物価だけに限りますれば、そのときの経済状況、物価の様子というようなことが非常に考慮を要するかと思います。これについては、これはどちらかというと私見みたいになって恐縮ですが、いまのような時期がむしろ物価に対する悪影響は余り考えにくいという時期じゃないかという気がいたします。先がどうなるか無論わかりませんが、お話のように過剰流動性の問題というものがそろそろ心配になってくるというような意見の方もございまして、国債の消化の状況なりあるいはマネーサプライの状況なりから見て、少し要注意ではないかという御意見の方もおられるようですが、物価自体の状況から申しますと、どちらかというと安定をしている状況でもございますし、一般消費税を導入して、それでそのときに便乗値上げが直ちに起こる、それによって便乗値上げが促進されるというような状況ではないというように考えられるのではないかと思っております。無論、導入そのものによって直接消費者に転嫁されてしかるべき部分が物価上昇となってあらわれるというのは、これまたやむを得ないというような考え方をしております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それから、一般消費税とは別にいたしまして、法人税の引き上げ等の問題、これはどうしても決着をつけなければならない問題だということをきょう午前中大蔵大臣も御答弁になったわけでございます。この法人税の引き上げの問題。それから、これは新聞等を見せていただきますと、土地税制の問題でかなり議論を呼んで、どちらかと言えば土地税制の改正については否定的な御意見が多いというようなニュースが流れておりますが、この辺につきましてのお考えを、簡単で結構でございますのでお述べいただけたらと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 法人税の増税も確かに一つの重要審議事項でございますが、これまた今日の景気の問題とも絡みましてなお検討を要することかと思います。取り扱い方もまだ決まっているわけではございません。  それから土地の問題でございますが、土地税制についての緩和策、宅地供給という趣旨、宅地供給を円滑ならしめるために土地税制、譲渡所得、保有課税含めまして緩和するという御意見が国土庁なり建設省なり等から出てまいっております。税調でも、そういう関係官庁の局長さん方のお考えもお聞きした上で討議を進めております。新聞紙等に伝えられたように、無論ある程度そういうことを考えたらどうかという御意見の方もおられるでしょうけれども、どちらかというと、この際、この際と申しますのは、むしろ増税を一般的にお願いしなければならぬというときに、土地を持っておるという、どちらかというと資産家に当たるわけですが、宅地促進という大義名分はあるにしても、そういう方の税が安くなるというのははなはだ好ましくないじゃないか、こういう意見の方が相当おられましたことも事実でございます。結論はまだ今後のことかと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 それから、法人税に関連してでございますけれども、会長のお考えとして、この法人税の改正抜きにして一般消費税の導入があり得るとお考えになりますか、その辺も会長のお考え方だけで結構でございます。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 これはちょっとむずかしい御質問でして、たとえば法人税に限らず、ほかの——法人税は不公平税制とも言えないかもしれませんが、中には不公平税制と言われるものも含まれておるんでしょう。そういうものを是正して法人の負担が上がるということは当然あり得ることで、これはいわば消費税導入のために特に必要であるというわけでもありませんけれども、当然なすべきことだけれども、一般消費税の導入ということで特にそういう点に配慮をするというふうに考えておりますが、一般の法人税率を上げるということについては、そこをすぐ一般消費税の導入と絡みまして、それが同時並行でなければ一般消費税の導入はできないとか、またすべきでないというようなことの御議論は、まだ税調の中ではございませんし、私まだそこまで深くは考えておりません。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 時間があともうわずかでございますので、これはもう半ばお願いでございますけれども、私は、大蔵委員会におきまして何度か年金課税の問題を取り上げまして、前大蔵大臣から、次の税調においてはこのことも一応諮って御議論いただきましょうというところまで実は来ていたわけでございます。この年金課税も、まるまるこれを無税というわけにはこれはいかないと私も思いますけれども、控除率の改正はどうしてもなされるべきではないか、こう考えておりますので、この点もひとつお含みの上で、御議論の中で進めていただければありがたいと思うわけでございます。もしも現在までのところ、この辺何かございますればお答えをいただきたいし、なければこのままにさせておいていただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 議題というか、討議事項の一つに、所得税の項目の中になっております。しかし、討議はまだ進めておりませんので、どういうような意見になりつつあるかということを申し上げることができないのは残念でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 じゃ、ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 小倉参考人には、御多用のところ御出席の上貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時十七分散会

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