ロッキード問題に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/12/12
会議録
○廣瀬委員長 これより会議を開きます。 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 ロッキード問題に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○廣瀬委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○廣瀬委員長 ロッキード問題に関する件について調査を進めます。 先般就任されました古井法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古井法務大臣。
○古井国務大臣 一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、はからずも法務大臣を拝命いたしました。浅学非才、いたずらに馬齢を加えたのみでありまして、いまさらのように職責の重さをひしひしと感じておるようなわけでございます。誠心誠意みずからの良心に問いつつ職責を尽くしていきたいと思いますので、どうか皆さん方の御鞭撻、御指導、御協力をお願い申し上げます。 まことに簡単でありますが、よろしくお願いいたします。(拍手)
○廣瀬委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。箕輪登君。
○箕輪委員 ことしの七月に、このロッキード特別委員会から、与野党交えて、ヨーロッパ、アメリカを回りまして、このロッキード問題をめぐる調査をいたしてまいりました。 七月十七日に調査団はロッキード社を訪問いたしたのであります。ツウミイという法律担当副社長、カレンバーという国際事業担当の副社長の二人がわれわれと会いました。このお二人に対してわれわれはいろいろな質問をしたわけでありますが、その中で、ツウミイ法律担当副社長が非常に重大な発言をされたわけであります。それは、質問に答える形で、答えをしゃべっている途中で突然出て参りました。その後調査をしてみると、どうもわが社の中で着服した者がある疑いが非常に濃厚になってきた、こういう発言であります。そこで、私はさらに質問いたしまして、その着服した者に、コーチャン、クラッター、エリオットなどの日本関係担当者がその中に含まれておるのかということを申し上げましたら、証拠がないので名前を挙げて御返事するわけにはいかないと、これはもうがんとして口を閉じて言わない。ただ、日本関係者はその中に含まれていないということを一つも言わないのであります。このことについて、日米司法取り決めもありますから、法務省ではこの問題について聞いておりますか。
○伊藤説明員 まずもって御理解いただきたいと思いますが、司法取り決めに基づいて提供されます資料というものは、所定の目的にしか公にしてはならないこととされておりますので、司法取り決めの内容としてそういう情報を得ておるかどうかという点についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 なお、司法取り決め以外の問題として、私が知っておる範囲で申し上げますと、そういう点についての詳細な報告は、私は検察当局から受けておりません。
○箕輪委員 そこで、私どもがロッキード社を去るに当たりまして、ロッキード社内で調査委員会をつくってこの究明をやってきた、その成果の一部をいただいてまいりました。こういう分厚いものであります。これを翻訳し、さらにしさいに内容を見ておりますと、重大な問題が出てまいります。これはロッキード社の調査委員会がつくった報告書であります。「一九七〇年二月二八日に領収された一、四〇〇万円をまかなうために〔明細表〕の九行目の訂正が必要である。」これは、シャッテンバーグという経理担当の責任者でありますが、それがクラッターに出した手紙が残っていたのであります。その手紙の一部でありますが、もう一度読みます。「一九七〇年二月二八日に領収された一、四〇〇万円をまかなうために〔明細表〕の九行目の訂正が必要である。一三行目で繰越残高が一、三三〇万円であることに気付かれたと思うが、一九七二年二月二八日付の貴方の手紙では繰越残高は一、一〇〇万円となっている。私が二三〇万円の差額分について領収書を紛失したのであろうか?」その手紙には、さらに続けておりまして、「私は二億三、五〇〇万円にみあう領収書が必要だ」こういうことが書かれております。その他、読むと時間が非常にかかりますので省略いたしますが、二、三カ所に、帳じりを合わせるためにクラッターとこのシャッテンバーグという経理担当の者との手紙のやりとりがこの報告書に載っております。さらに、この報告書はこういうことも書いております。「シャッテンバーグの明細表はロッキード社の子会社の財務担当役員によって保管されたが、当委員会は」この会社内の委員会のことであります。「この明細表をロッキード社の通常の財務記録の一部とは考えていない。」これはつくったもので、これは通常の財務記録ではない、こういうふうに言い切っております。「それに加えて、その真否も疑わしい。」こういうふうに書かれております。つじつまを合わせるために非常にいろいろな操作をやっていたことが明らかであります。私は考えるのでありますけれども、いかがなものでございましょうか、今回日米の司法協定で嘱託尋問の形でこの容疑者であるコーチャン、クラッター等の供述書を手にしたわけでありますが、考えてみますと、日本人の人権というものが全くこの協定で守られていない、私はそう考えるわけであります。証人にはちゃんと弁護士もついているのであります。ところがわが方は被疑者もその代理人である弁護人も一切入らないところで、免責というものを与えて、そうしてつくったのであります。しかも、いまここで申し上げましたように、その人方は着服の疑いがあると言われているのであります。問題はここにあるのであります。着服の疑いのある者が、免責を与え、しかもそれらの人の人権を守るために弁護士もつけて一方的にしゃべったものが、私は、証拠能力、あるいはその信憑性において、全くこれは信じがたいものだと思うわけであります。こんなことが許されるならば、私は大変な問題になると思うのです。たとえば、ある企業が日本の企業をつぶそう、ある陰謀家が日本の現内閣をつぶそうと考えるならば、何でもできるわけです。外国人を使って、ある程度の証拠になるようなことをそろえておいて、ぽんぽんしゃべってしまうと、わあっと新聞が書く。検察は協定をする、協定に基づいてやる。こちらの人権を守る者はだれも行ってない。許されることでしょうか。その後に起きたあの韓国の金炯旭さんの問題がありましょう。金炯旭がアメリカで発言をしたんですね。どうしても朴東宣を調べなければならない。アメリカから検事が韓国に行きました。そして政府ぐるみで、何とかしてあなたにアメリカに来て証言していただきたい、そういうことの約束を取りつけた上で検事が調書をつくった。約束どおり朴東宣はアメリカに行って、しかも朴東宣には弁護人がついて反対尋問でも何でもやれる形で証言をさせたわけです。韓国とアメリカはそうやっているのにもかかわらず、まあその以前に起きた問題ではありますけれども、わが国とアメリカとの司法取り決めにはそれがないのです。 大臣、聞いてください。あなたはおなりになったばかりで、問題を知っているかどうかわかりませんけれども、わが国の法務省はわが国国民の人権を守るという立場で考えなければならない役所なんです。人権を守る役所は法務省なんです。これがアメリカと約束したときには、全くこっちの反対のことも何も言えない立場でやっている。こんなことをやったら、私は今後の問題があると思うのです。内閣を倒そうとかあるいはあの会社憎たらしいから、ライバルだからつぶしてしまおうと考えるならば、ある外国人を使って外国でもって何か発表させればいいんです。反対のことも何も言えない。それを証拠として申請する、証拠採用されたわけですが、一体こういうようにうそをつく者が——ウォーターゲートだってそうじゃありませんか。宣誓をしたから大丈夫だというけれども、当時の司法長官のミッチェルなんかはやはり宣誓して証言していながらいま服役中じゃありませんか。うそなんです。ですから、アメリカ人でも宣誓したならば絶対うそはないんだ、コーチャンも宣誓してやりました、クラッターも宣誓してやりました、そういうことでは私はわが国国民の人権を守ることはできないと思う。 ずいぶん長いことしゃべってしまいましたが、これについて法務大臣は、いまの司法協定、司法取り決めが韓国とアメリカの司法協定から見てはるかにおかしな形で行われたということをあなたはどのように考えるか、お答えをいただきたい。これは法務大臣からお願いいたします。
○古井国務大臣 私も就任早々でありまして、詳しい正確なことを十分承知しておりませんので、お話を胸に置いて、どういうことになって、十分か不十分かよく検討したい、そう思います。
○箕輪委員 法務大臣が検討したい、こうおっしゃいますので、これ以上のあれはいたしませんけんども、私は、アメリカの司法省とわが国法務省との取り決めでございますから、これは法務大臣の専管事項だと考えるわけでありまして、それについて法務大臣が考えよう、こういう答弁でございますから、これ以上の追及はいたしません。しかし、こういう問題が国際的な陰謀等でこれからも行われることがないとは言えない。ですから、この問題について法務省が検討しよう、こういう法務大臣のお答えでありますからこれ以上申し上げませんが、時間がありませんからもう一つ御質問いたしたいと思います。これは刑事局長で結構であります。 刑事局長、九月の初旬に日本の検事さんがお二人、ロサンゼルスに出張しておりますね。これは何の目的で出張されたか、さらにまた、その目的を達成するための成果が得られたかどうか、この二点についてお答えをいただきたい。
○伊藤説明員 お尋ねの時期ごろに一東京地方検察庁の検事二名などがロサンゼルス空港へ行きまして実況見分をいたしました。これは主としていわゆる小佐野ルートと言われております関係の立証の必要上、行ったわけでございます。その内容は、必要に応じ今後当該公判で明らかにされると思いますが、帰ってまいりました直後に私のところへあいさつに参りまして、ちょっと表現が不謹慎でございますが、にこにこしておりましたから、所期の目的を達したのではないかと推察をいたしております。
○箕輪委員 それでは松永君に譲ります。
○廣瀬委員長 松永光君。
○松永委員 いわゆるロッキード事件が起こってから約二年十カ月たっておるわけでありまして、国会にロッキード調査特別委員会が設置されてからもう二年と七カ月たっているわけであります。政府は、ロッキード事件が起こった直後の二月二十四日に、東京地検の高瀬検事正を長とする捜査本部を設けて、いわゆるロッキード事件に関してロッキード社から航空機の売り込みに関して日本にどれだけの資金が流入してきたか、流入してきた資金がどのように流れていったか、その過程において犯罪行為があったかどうか、そういう点を鋭意捜査されたわけです。そうしてその捜査の経過と結果については二回にわたって当委員会に報告がございました。第一回の報告が五十一年十月十五日、第二回の報告が五十二年二月二十四日、こうなっておるわけであります。 第一回の報告は、主としていわゆる丸紅ルート及び全日空ルートについて、ロッキード社からの資金の流入状況、そしてその流入した資金が流れ出していった状況、その過程においての犯罪行為はあったかどうかということ、こういったことを中心にした報告がなされて、結局丸紅ルートに関する資金の流れ、それから全日空ルートに関する資金の流れが解明された。そして全日空ルートの関係では、全日空ルートに流入した資金は二億五千三百万で、そのうちの五千七百五十万が十三名の国会議員に渡った。それから残余の点については、これは報告書自体ではなくして報告書の提出された日のロッキード特別委員会における委員の質疑に対する答弁として、当時の安原刑事局長から、残余は全日空に現に保存されている、こういう答弁があったわけでありまして、その関係からいけば、いわゆる丸紅ルート、全日空ルートについては、報告されたことですべて資金の流入状況、流出状況、これはもう明らかになったというふうに私どもは理解したのでありますが、今日においてもそのように理解してよろしいのでしょうか。まずその点を明らかにしていただきたい。
○伊藤説明員 御指摘のとおりでございまして、第二回の御報告を法務大臣が申し上げました後にも、昭和五十二年十二月十四日に、児玉譽士夫に対する議院証言法違反の告発事件について不起訴処分をいたしました。そうして捜査本部も解散して、鋭意公判の維持に努めておる、これが現状でございます。
○松永委員 次は第二回報告ですが、これは先ほどおっしゃったように五十二年二月二十四日になされたわけでありますが、これでいわゆる児玉ルートについての詳細な報告があって、その直後の参議院のロッキード特別委員会における質疑において、当時の安原刑事局長が、いわゆる児玉ルートとして児玉に流入した金は、捜査当局の報告によれば国会議員に渡されているという事実は認められない、こういう答弁があったわけです。そうして、その後まだ捜査本部は残っておって、結局は五十二年十二月ですか、解散になったわけでありますが、第二回の報告後、捜査本部が解散されるまでの間の捜査を積み重ねた上でも、五十二年三月十四日の安原刑事局長の答弁のとおり、児玉に流入した金は国会議員に渡されているということは捜査当局としては認められない、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○伊藤説明員 そのとおりでございます。
○松永委員 それからもう一つだけお伺いしておきたい。それは、いわゆるコーチャン調書の内容に関することでございますが、コーチャン氏の証言調書によりますと、他からのまた聞きによる供述ではございますけれども、四十七年十月五日ごろ、政府がDC10を全日空に、L一〇一一を日航にという決定をしたとか、あるいは決定する直前の状況、そういうことがあったんだという、そういうことが載っておるわけでございます。 そこで、政府といえば担当は運輸省と思われますが、四十七年十月五日ごろ、運輸省でそういう決定ないしは決定に準ずるような事柄があったのかどうか。運輸省について調べられたかどうか、調べられたならば運輸省の報告はどういうことであったか、それだけをお聞きして、持ち時間が終了しましたので終わりたいと思います。
○伊藤説明員 その辺の事柄につきましては、現在公判で立証しておりますことの周辺事項でございまして、その意味でここで検察当局の捜査の内容についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、本年十月二十日の参議院のロッキード特別委員会で、私、聞いておりましたら、その問題につきまして運輸省の航空局長がそういう日本政府の決定というものはなかったというふうな御答弁をいたしておったようでございます。
○松永委員 終わります。
○廣瀬委員長 横路孝弘君。
○横路委員 きょうは中曽根証言関係が質疑の中心になりますが、その前に、大平内閣が誕生いたしまして、新しい法務大臣として古井さんが決められたわけですが、世の中でいろいろとこの大平内閣の成立に伴って、その成立にとりわけ田中派が協力をしてできたんだ。したがって、田中派が大平内閣成立に協力したのは、現在進行中の元田中角榮総理の裁判を有利にするためだというような話があって、それだけに世の中でも一体法務大臣をだれにするのか、その法務大臣がどういう方針を持つのかということについては非常に大きな関心が持たれておるわけでありますが、新法務大臣として、ロッキード事件というものについて、まず一人の政治家としてでも結構ですが、どういうお考えを持っているのか。裁判のことは別にしてロッキード事件についてどういうお考えを持っておるのかという基本的なところの見解を明らかにしていただきたいと思います。
○古井国務大臣 あのような事件が起こりましたことは本当に遺憾千万なことだと思います。起こりました事件につきましては、皆さんが百も御案内のように、刑事事件なるものは裁判所に持ち込んで、いまのように訴訟を、刑事事件として進行しておる、こういうことであります。また、刑事に当たらない問題については当委員会で御審議をいただいておるという状況であります。起こりました事件については、そういうことできようまできておるように私は承知しておるわけであります。それに関連してああいうことが再び起こるということがあっては困る、それは大方の世論でもありますし、再発防止については、これも前々内閣以来いろいろ検討されて対策を考えられたようであります。その結果刑罰法規の問題も出てくる。しかし、それだけのことではむろん不十分であろうし、選挙あるいは政治資金などについても、もっと幅を広げて突っ込んで検討しなければ、再発防止ができないんじゃないかという議論は従来から残っておると思います。こういう問題につきましては、いままで検討してきました結論、法律を変えようということになったものなどは、既定方針どおり実現を図っていくことが至当だと思うのでありますし、そのほかにも不十分だ、本当にみんなで共同の問題としてもっと問題を検討しなければいかぬということであるならば、これは当局の者のみならず、国会全体あるいは国民全体の問題としてよく検討していくべきだろう、私はそう思っております。 はなはだ抽象的でありますけれども、以上お答えいたします。
○横路委員 いまの発言に関連してもう一問御質問させていただければ、つまり、この事件のいわば再犯防止という側面からとらえれば、いま言った刑罰の贈収賄関係をもう少し厳しくするとか、再犯防止等の措置について、つまりこれからまだやらなければいけない課題というのがあって、その課題というのは法務省としても考えるし、国会ともいろいろ議論しながらやっていきたい、こういう方針だというように承ってよろしいですか。
○古井国務大臣 私も従来直接関係いたしておりませんし、いままでの経過というものは二内閣時代、検討したあげく刑罰法規の改正というのが具体問題になってきた。それだけで再発防止ができるのかどうか。直接の責任者としてはいままで検討したことが十分ありませんね。一政治家としては関心を持っておるということは申すまでもありません。その辺のことについては想像のことでもありますので、確たることを無責任に申し上げるわけにもいきませんけれども、本当にああいうことが起こらぬようにできぬものかという気持ちはやまやまありますので、十分考慮し、研究してみたいものだという気持ちを持っております。
○横路委員 自民党の中には、今回の自民党の総裁予備選挙というのは、ロッキード事件で批判をされた金権体質というものが再び露呈をして、ロッキード以前に戻ったのだというような意見が、自民党の総裁予備選の後に自民党の中から声が出ておるようでありますけれども、法務大臣としてその辺はどういうぐあいにお考えでしょうか。
○古井国務大臣 私が申し上げるのは適切かどうかわかりませんけれども、前に逆戻りをするものかせぬものか、これはこれからの実情をよく見ていただいて、逆戻りをするというようなことになるかならぬか、私はそうはいかぬと思っておりますし、いかせていいものと思うわけではありません。これは話だけではなしに、実際どういうふうになっていくものかの実情をひとつ見ていただいた上で判断していただくのが一番よいのじゃないかと思っておるわけでございます。
○横路委員 このロッキード事件に関して、大平総理大臣との間に何らかの意見の交換、あるいは法務大臣としての任命を受けたときに何らかの発言あるいは指示というのはあったのでしょうか。
○古井国務大臣 別に包み隠すわけでも何でもありませんけれども、このロッキード事件についてこうだああだということを、意見も希望も私は聞いたわけではありません。 それから、法務大臣としましては、任せられた以上は自分の職責の範囲内ではこっちの責任ですから、何を言われようが——いままではないですけれども、これはこっちで責任を持って考えさせてもらうほかはない、私はそう思っております。
○横路委員 そこで、法務大臣の責任の範囲の中にある問題なんですが、従来から灰色高官の中には、ロッキード事件における検察の捜査に対する不満というものを口にし、その報復とまでは言いませんけれども、ややそれに類似したような発言をする者がおるわけであります。 大平内閣の成立について田中派の協力というものが、世上言われるような側面というものがもしあるとするならば、これはやはり大変なことでありまして、検察庁の人事について法務大臣として、これは私としては法務大臣がそうだということを言っているわけではなくて、世の中でそういう心配があるから、法務大臣にその方針を承りたいわけでありますけれども、灰色高官の中に確かにそういう報復めいたものを口にする者がおって、その辺が大変心配なわけでありますけれども、その辺について、法務大臣の毅然とした態度というものを承りたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○古井国務大臣 いままで時間もありませんし、そういう私自身が働きかけを受けたこともありませんが、しかし検察の人事というものは、これは国民が信頼するように公正にやらなければならぬことは申すまでもありませんので、私も大方の期待を裏切らないように、公正な人事を守っていきたい、そう思っております。
○横路委員 念を押すようですが、つまりそういう疑惑を持たれることのないように、これは当然のことでありますがお考えだろうと思うのです。 もう一つ、つまり、いま公判が進められておるわけですが、この公判における検察庁としての方針というのが新内閣になって変わるのかどうか、変わらないのかというところもちょっとお伺いをしておきたいところでありまして、そういう心配があるものですからお尋ねをするわけなので、真相解明と、真実を明らかにするための公判維持という従来からの立場に立って公判の維持活動をやられるのか、内閣もかわったし、少しその辺のところを考えてみようということなのか、そんなことはないと思いますが、法務大臣と刑事局長の答弁をちょっと念を押しておきたいと思います。
○伊藤説明員 ただいま御質問を伺っておりまして、私の考えの範囲をはるかに超えた御質問でございまして、当惑しておるわけでございます。 およそ内閣がかわって検察方針が変わるというようなことは、私も三十年間役人をやっておりますが、いまだかつて考えてみたこともございませんでした。みんなそういうつもりでやっておると思います。
○古井国務大臣 刑事局長がいま申しましたけれども、これはだれが考えてもそうなんでありましょうし、現に内閣がかわったから変わったという事実もありませんし、そういう要素もいま一つも起こっておりませんし、これは検察は検察として一貫して、やはり正しいことのために働いていく、そういう基本線は守っていく、あたりまえでありますし、そうするのが職務だろうと思っております。
○横路委員 それは、法律制度あるいは裁判制度の枠組みから言えば、いまのような質問ということにはならないわけですけれども、ただ、大平内閣成立のときの国民の反応というのを、町の声なんかをテレビで見たり、新聞なんかで見ていますと、そういう心配をしている人がたくさんおられるわけです。それは逆に言うと、検察に対して、この裁判をしっかり検察の立場で進行していってもらいたいという希望の、ある意味で言うとうらはらなわけですけれども、いまの法律制度上そういう心配はないとしても、しかし、何となく何かやるのではないかという不安感みたいなものがあって、それに検察庁が人事権を通して何か巻き込まれてしまうのではないかというような一般の心配があるので、法務大臣就任に当たって質問を申し上げた次第でありまして、そんなことのないように、ひとつ法務大臣としても毅然とした態度でやっていただきたいと思うわけであります。 国会の方は、ロッキード事件発生以来二年ちょっとたっているわけでありますが、現在裁判が進行しているわけですね。同時に、私たちとしては政治的な責任というものを明らかにすると同時に、できるだけ残された真相解明をしていく、裁判を見ておっても非常に弱いのは、児玉ルートと言われるものの解明がどうも——一体あれだけのお金をもらって児玉が何をやったのかという、そのやった部分がどうもまだはっきりしてこないという点が残された問題としてあるわけです。 それから、この事件の再犯防止という立場に立って、国会で調査してきたことも含めて、これは残された課題としてあるわけです。そのこともだんだん法務大臣としてもひとつ了解をされて、御協力をいただきたいというように思います。 そこで、二、三お尋ねをしたいのでありますけれども、一つは、中曽根問題に入る前に、三十ユニットと九十ユニットの関係で質問したいのでありますが、依然として灰色高官ということで言われた人たち、福永さんを除いて否定をしているわけでありますけれども、つい先月、先々月の裁判の中で、全日空の若狭証人の取り調べの中に、いわゆる検察官面前調書の一部が法廷供述との矛盾という形で何か明らかにされたようでありまして、その中にも実は金銭の問題についての状況が少し出てきておるようでありますので、どういうことなのか、本人たちは金をもらったことを否定しているわけで、直接渡した証言はすでに出ているわけでありますけれども、全日空サイドからの初めての証言といいますか、若狭証人のいわゆる検察官の取り調べの状況が明らかになったわけなんです。その辺のところを、どういうことなのか、明らかにしていただきたい。
○伊藤説明員 若狭得治証人は、いわゆる丸紅ルートで三回証言に立ちましたが、その証言の骨子を簡単に申し上げますと、昭和四十七年十月二十八日、トライスターの採用を決めた幹部役員会の後で、藤原氏に対して「このような大きな商売がまとまるのだから、当然丸紅は各方面へ挨拶するであろう。丸紅が自由民主党の主だった方々に挨拶をする際には、全日空からもよろしくと一言申し添えてくれるように丸紅に話してくれ」と指示をした。全日空からもよろしくと申し添えてもらう先としては、自由民主党幹事長、交通部会長、運輸大臣、運輸政務次官、官房長官といった方々を考えておった。全日空として、これらの政治家に金を贈ることまでは考えていなかった。このとき藤原と具体的な金額の話をしたことはない。要旨このようなことを述べましたので、この証言を弾劾いたしますために、検察官面前調書の一部を引用して質問をしております。 その内容は、まず第一点として、若狭の供述として、「私は機種が決定したので、橋本氏らにお礼として金を贈ろうと考え、その旨藤原氏に話し「資金は丸紅からでもロッキード社からでも構わないので、丸紅に話してください。全日空からのお礼だと云うように丸紅に伝えておいて下さい」と指示した」、こういう供述をぶつけて弾劾尋問をいたしております。 それからもう一つ、当時藤原に対して、金額につきまして「三〇〇万円、五〇〇万円といったところかな。丸紅と相談するように」と指示した旨検察官に供述しておりましたので、これもぶつけて聞きただしておる、こういう状況であります。
○横路委員 いまのお答えでも、つまり全日空サイドからもこの三十ユニットの金銭の状況というものを推定できる話というのが出てきたわけです。 そこで、これは委員長の方にちょっとお尋ねしたいのですが、この前の委員会でも、いわゆる福永さんの国会における証人喚問をめぐって、その時期を委員長としては考えておられるということでしたが、もう十二月になってしまったわけですね。これは一体どのくらいになるのか。大体福永関係の問題についてはそろそろいい時期ではないかというように思うのですけれども、これは委員長としてどのようにお考えでしょうか。
○廣瀬委員長 では、まず私からお答えします。 その公判に支障のない時期ということにつきましてはかねがね申し上げておったとおりでございますから、私もときどき法務省の方にも伺っておりますけれども一、先般聞いたところによりますと、年内にはその時期は到来しまい、年を越すだろうというようなことであります。いまのところそういうことであります。
○横路委員 そうすると、年が明けてからということになるわけですね。通常国会の問題になろうかと思います。 そこでもう一つ、九十ユニットの関係なんですが、前からの質問に対して、いずれにせよその金は、金の使い道として裁判の進行の中で明らかにされるのではないかということでかなり期待を持たせる答弁を刑事局長はなさっておられるわけですが、この九十ユニットというのは裁判の状況の中でどうなっているのか、さっぱりその辺の——つまり全日空が全日空のためにこの裏金をプールし、航空路の路線そのほかの目的のためにそれを伐った、あるいは政治家のつき合いとして使ったというあたりは、今後の裁判の中でどうなるのか。これはまだ明らかになる可能性があるのか、ないのか、その辺のところはいかがでしょう。
○伊藤説明員 この九十ユニットの関係は、外為法違反で起訴されて公判係属中であるわけでございますが、その九十ユニットというものがどこへ入ったかということは当然立証しなければならぬ事実でございまして、それが裏金のプールの中に入ったというところは検察官において今後順次立証していく、こういうことになると思います。 ただ、今度は九十ユニットの入ったその裏金プールから金がどこへ出たかという点につきましては、弁護人側でその裏金の性格を争ってまいりますと立証する必要が生じてこようかということでございまして、まだその辺の出方がよくわかりませんので、出方によっては明らかにする必要があろう、こういう段階だと思います。
○横路委員 つまり、それは裁判の進行によって明らかになる場合もあるし明らかにならない場合もある、こういうことなんですか。
○伊藤説明員 裏金プールの一つ一つの使い方、これについては明らかになる場合と明らかにならない場合と両方考えられる、こういうことでございます。
○横路委員 これも重要な点でございまして、これは国会の方の問題でもあるわけで、今後検討していきたいと思いますが、そちらの方の裁判の進行状況というのは大体順調にいっているのでしょうか。その辺のところの見通し、全日空のその関係ですね、九十ユニットの関係、これはどんな進行状況になっていますか。
○伊藤説明員 ロッキード関係のいわゆる四つのルート、三つに数える方もありますけれども、その中で一番回数を重ねておりますけれども、ややおくれぎみなのが全日空ル−トでございまして、御承知のように、橋本被告人がけがをされるというような出来事があったりいたしまして、ああいう被告人を分離したり併合したりして進めておるわけでございます。したがって、立証の内容も、たまたま全員がそろったときには全員に共通する証人をやるというように、でこぼこと進んでおりますので、九十ユニット関係につきましても、一部立証し、まだ一部残っておる、こういう状況になっております。
○横路委員 それでは、ちょっと中曽根関係に入りたいと思います。 一つは、中曽根さんは国会の証言の中で——主に児玉との関係についてお尋ねしたいと思うのですが、児玉とのつき合いについて、昭和三十六年ごろ、河野さんが新党をつくろうというようなときに何かちょっと顔を会わせた程度がある。それから昭和三十七年に大刀川というのを紹介されて、その大刀川を介してのつき合い程度だ、こういう話で、さらにそのときの中曽根さんの証言ですと、児玉を人に会わせるというようなことは東郷さんのときが多分初めてだったのじゃないかというような証言をされているわけです。ところが、児玉譽士夫自身が吹原産業事件の第一審で何回か証言をしているわけです。第十八回公判、四十二年の四月十二日、それから五十八回、四十三年の十一月十一日に証言をしておりまして、その証言の中で中曽根氏との関係を証言をしているわけですね。この要旨について、つまり中曽根氏とどういう関係だったのか、これは特に、ある会社の乗っ取り事件に関連することで大橋富重との関係について、知り合った経過等の中でそのことの証言が行われているわけなんですが、これは公判、公の場で証言されたことでありますので、ひとつ、中曽根氏と知り合った経過そのほかについて、この証言の要旨について御答弁をいただきたいと思います。
○伊藤説明員 いわゆる吹原・森脇・大橋事件と言われます事件で、御指摘のように児玉譽士夫氏が二回にわたって証人として証言をしております。その証言は、主として児玉氏が大橋富重氏と知り合った経緯を述べているわけですが、その中にこういうことがございます。昭和三十六、七年ごろ、神田の弘文堂という出版会社を救済するについて、中曽根氏とそれからある読売新聞の記者の方から協力を依頼され、お互いに金を出し合って弘文堂を救済することになったけれども、その際、赤坂の「金竜」か「チューシン」というところで中曽根氏から大橋氏を青年実業家として紹介され、大橋氏にも三百万円か五百万円出資してもらったことがある、こういう供述をしておるようでございます。
○横路委員 つまり、その大したつき合いがないと中曽根さんが言っている昭和三十六年に、ある会社の、いま何と言いましたか、援助のためにと言いましたか、会社のごたごたに関連して、児玉、大橋という紹介をしているわけですね。つまり、ここでちょっとお尋ねしたいのですが、これはどうなんですか、つまり中曽根氏がある意味で言うと、児玉の力をやはり利用する、それからもう一つは、大橋さんの金の力というものをそれにつなげた、こういうようにこの証言というのは理解していいのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○伊藤説明員 私は先ほど御答弁申し上げたように理解しておるわけで、それから先は推測になろうかと思います。
○横路委員 その証言についてお尋ねしますけれども、中曽根氏から児玉に対して依頼があったのでしょう。違いますか。
○伊藤説明員 中曽根氏とある新聞記者、その二人から依頼をされた、こういうことのようでございます。
○横路委員 そうすると、この前の国会証言の、昭和三十六年ごろそんな大したつき合いはない、三十七年に大刀川を介して若干のつき合いができたという程度のこの前は証言だったわけですけれども、そうじゃなくて、そのある新聞記者は別にして、ともかく中曽根氏の方から児玉のところにそういう事件について何か依頼をするというような関係が昭和三十六、七年ごろすでにあったのだということで言うと、私はこれは別に法務省にお尋ねするわけじゃありませんが、中曽根氏の証言の一つの偽証性みたいなもの、ここではやはり児玉との関係を避けて国会で証言されたということではないだろうかというふうに一つ思います。 それからもう一つは、東郷さんとの関係なのですが、これはちょっと検察庁の方にもお尋ねしたいのですが、いわゆる東郷民安氏が昭和四十八年ですか所得税法違反事件で起訴された。そしてある意味ではこれにかかわり合いを持つような形で児玉の秘書の大刀川が強要罪ということで起訴されて、この二つの事件というものが、東郷裁判については一審の判決があるわけなのです。この東郷の起訴事実の中には、百万株の売買について、この百万株の操作というのは被告人の取引で、売買益は被告人の所得に帰属するのだということで検察庁が起訴されているわけですね。それに対して、いや、それは被告の所得ではないのだということで、被告弁護団の方は主張されたわけです。一審の判決そのものはどうかというと、その辺については、被告の方の主張を認めて検察の方の主張というものを認めたわけではないわけです。実はそこのポイントのところに中曽根さんがかんでいるわけです。つまり、自民党総裁選をめぐっての金をつくるという形でかんでいるわけで、これについて中曽根さんは、東郷というのは学校時代の友達の名前をあっちからもこっちからもかりて、われわれは名前をかしただけで、結局東郷は自分の計算でもってそういう操作を行ったのだということを国会で証言をされているわけです。東郷氏の方は、そうじゃないのだ、中曽根氏の方から頼まれて、これはいろいろな経過があるわけでありますが、自分の計算でやったことではないのだということを国会でも証言されているし、裁判の中でもどうもそういうことのようであります。ここのところで私の言うことにまず間違い——大体経過はそのとおりだと思うのですが、中曽根さんの証言というのは、どっちかというと検察庁の東郷起訴のときの検察側の主張にわりと似ているのです。それから東郷さんの証言というのは、一貫して自分の立場を主張している。国会でも証言している。つまり、そこで東郷証言と中曽根証言というのは相矛盾するわけです。この事件について検察官の方で控訴していますね。どうでしょうか。
○伊藤説明員 東郷民安氏にかかわる所得税法違反については、第一審で無罪の判決がありまして、これに対し検事控訴をしております。
○横路委員 つまり、検察官の主張というのはそこで認められなかったわけですね。問題は、不思議なのは、この東郷さんの事件で、百万株の売買で一番中心になっている中曽根さん自身の検察官の面前調書も出てこないし、どうも公判でも呼ばなかったようなのですが、もし控訴されて裁判を維持しようと思えば、どうしても中曽根さん本人に出てきてもらって皆さんの主張を裏づけてもらうということがあるのじゃないですか。これは検察官の方で中曽根さん本人に、事情聴取でも取り調べでもいいですが、どうして聞かなかったのか、それから法廷に呼ばなかったのか。これは大変不思議なことなのですが、この辺はどういうことなのでしょうか。差しさわりのない範囲内でひとつ。
○伊藤説明員 殖産住宅の株式を上場しました際に、同社の株を操作をして五億円ばかりの売買益を上げた、そういう問題をめぐる話でございますが、これはいま一種のやぶの中のような話になっっておるわけでありまして、検察側の当初の主張は、殖産住宅株の売買というものは、東郷民安氏が自分の計算において行って、もうかった中から五億円を中曽根氏に政治献金をしたのだ、こういう認定でございます。これに対して中曽根氏の御証言は、先ほど御引用になったとおり名前をかしただけだという御証言のようでございます。東郷氏はしゃべる時期によって二段階に分かれておりまして、最初の段階は検察官の主張に似たような供述でございましたが、最終的な公判における弁解といいますか主張は、中曽根氏から頼まれて、もうけてやったのだ、簡単に言えばそういう話になっておるわけでございます。そういう事実問題をめぐって、これは所得税法違反のうちのごく一部の問題ですけれども、事実認定で無罪の判決があり、これに対して検察官は控訴しておりまして、事実関係の確定には全力を挙げなければならぬケースでございますので、いろいろなことが起こり得ようかと思います。
○横路委員 そこの含みでそれは引き下がってもいいのですけれども、しかしこれはやはり不思議なのですね。どうしたって一番肝心の主張の大もとの事実のところでしょう。その事実のところを確定するのに欠かせない人間を全然聞いてもいなければ調べてもいないということでこれを裁判に持ち込もうというのも、それこそ、先ほどどなたか人権人権と言っていたけれども、東郷さんの人権を考えてみれば大変問題な点でありまして、一応控訴した以上は、そこのところを検察官としては立証していかなければいけない。同じようなことをくどく言うわけですが、検察官としては立証しなければならぬということでしょう。控訴する以上は、そこを何らかの新しい証拠で補わなければいけないということに常識的にはなるのじゃないかと思いますが、どうでしょう。
○伊藤説明員 検察当局が全力を尽くすであろうと思いますが、私の承知しておる限りでは、中曽根氏そのものではなくとも、もっとかわりの、その金に近しい関係にあった方を十分調べた上で処理をしておったようでございますが、一審公判の後の方の過程におきましていろいろなものが出ておりますので、控訴審ではまた検察当局もそれなりの対応をするのじゃないかと思います。
○横路委員 そのことば、大刀川の東郷に対する強要罪の裁判の中でも、どうして中曽根さんの話が全然出てこないの、どうして調べてないのというような話が、公判の席上でも裁判所の方から検察庁に対してあったように私たち聞いているのですけれども、これは何か聞いておられるのでしょうか。
○伊藤説明員 今回の御質問の内容というものを私なりに想定をいたしましたし、また昭和五十二年五月十一日のこの委員会で正森委員の御質問に答えて東郷証人がいまの御指摘と同じような趣旨のことを述べられた記録がございましたので、殖産住宅事件及び大刀川の関係の事件の公判立会検事に問いただしてみましたが、裁判官がさようなことを述べたことは一切ない、こういう回答でございました。
○横路委員 しかし、東郷の裁判に対して控訴審で新たな立証が必要だということになりますと、それとの絡みの中で言うと、大刀川の強要罪でも、どうなのでしょうか、やはり必要になってくるという必要性がこっちの裁判にも出てくるのじゃないでしょうか。その辺のところはいかがですか。
○伊藤説明員 その辺までの細部についての立証計画あるいは事実関係を承知しておりませんので、後で検討しておくことにいたします。
○横路委員 もう一つ、四十七年十月五日のことなのですが、中曽根さんの証言によると、この日、例の児玉が電話をかけたと言われている日の行動については、新潟の方に行っておって、それから上野に汽車で帰ってきて真っすぐ家に帰ったから、児玉が電話をかけたと言われている時間帯に彼が家にいたことは間違いないのですけれども、検察庁としては中曽根さんの当日の行動についてもいろいろ調べられたと思うのですが、東郷の国会における証言を見ておりましたら、四十七年十月五日に中曽根氏本人に会ったという証言があるのです。十月六日、つまり十月五日の次の日の十月六日に、東郷氏の方から中曽根氏の秘書あてに五億円というお金が政治献金として口座の中に振り込まれているのは事実なわけで、その情状が確かにその直前であったというのもこれまた事実なんですが、これは事実関係なんですけれども、疑惑の対象になっている中曽根氏の当日の行動についてはどうなんですか。どっちであろうとも、ともかく児玉が電話をかけたという時間帯に中曽根氏本人が家にいたことは間違いないと思うのでありますけれども、その過程の中でちょっと二人の証言が食い違っていますので、その辺のところはどうなんでしょう。
○伊藤説明員 たしか中曽根氏の自宅ではなくて、砂防会館の事務所の話だと思いましたが、国会の証言では、御指摘のように十月五日の夕刻というふうに述べたように私も拝見したのですが、その点もちょっと聞いてみましたら、東郷民安氏の事件の関係における東郷氏の供述は、十月四日の午後五時というような供述でございました。
○横路委員 そうすると、そこのところは一日のことですから、勘違いがあるのかもしれませんね。 中曽根氏の行動の方はどうなんですか。やはり新潟に行って戻ってきて、あと家に帰ったということは間違いないのですか。
○伊藤説明員 ただいまのお尋ねの方は、問題はロッキード事件の関係になりますので、これはひとつ将来公判で明らかになるかどうかを見ていただきたい、こう思うわけでございます。
○横路委員 いままでの質疑のやりとりの中でも、中曽根さんのこの前の証言について、東郷氏との関係についてこれは国会の両者の証言間に食い違いがあるということは、刑事局長、両方読まれたでしょう。価値判断は別として、両者に食い違いがあるということは事実でしょう。
○伊藤説明員 国会での御証言を右と左に並べてあれこれ検討申し上げるというのも大変失礼なことでございますが、私ども法律屋の感覚からしますと、両者の証言が食い違うのを浮き彫りにするような御質問が必ずしもなされておりませんので、全く御趣旨が違っておるようにも感じませんのですが、いずれにしましても国会での証言のことでございますので、御勘弁いただきたいと思います。
○横路委員 この中曽根証言のときは十月五日の行動が中心になっていますからね。東郷さんとの関係の質疑はそこは余り重点的に行っていないわけです。いないけれども、さっき言った政治献金に至る経過、逆に言うと、百万株の事件の方で言うと、その売買のところですね。そういうようなものについて、あるいは児玉と会った経過、これはつまり東郷氏の方は何だかわからずに、ともかく児玉から呼ばれて行ったらそこに中曽根さんが出てきたという主張ですし、それから中曽根さんの方の主張は、ともかく東郷氏に頼まれて児玉と話をつけてやったのだ、こういう主張になっているわけでしょう。そこのところはいろいろ押さえなければならない点はまだあるとしても、事実としては違っているということは言えるのじゃないでしょうか。
○伊藤説明員 先ほどもちょっと別の観点から申し上げましたが、東郷氏と中曽根氏の話というものはところどころ一致しない部分がございます。これらは東郷民安氏に対する控訴審の裁判あるいは大刀川関係のロッキード裁判等において、裁判所がしかるべく適正に認定してくれるのじゃないかと思っております。
○横路委員 そこのところでは中曽根さんの証言が検察官の方の主張と一緒になってしまうので、その辺のところいろいろあろうかと思います。いずれにしても東郷関係の裁判、大刀川を含めて中曽根さん自身が問題の焦点でありながら、皆さんの方が事情を聞いていないというのはやはり大変遠慮があったのではないかと思うのです。ロッキード事件に関連して児玉との関係というところが中曽根さんの場合は大きな問題になっているわけで、中曽根さん本人の証言によると、二度ほど皆さんの事情聴取を受けたということなんですが、そのときに背景の事情として児玉との関係について大変いろいろと皆さんの方でお聞きになったと思うのですけれども、そのときは東郷の関係というのはもう抜いているのですか、事情聴取の中でこの事件のことは余り頭になかったのですか。
○伊藤説明員 現場の捜査を担当しました検事の頭がどうであったかということを必ずしもつまびらかにいたしませんが、東京地検の特捜部としましては、東郷民安氏の事件を処理してそう年月もたっておらないわけでございまして、その当時の捜査に従事した者も残っておるような関係もございます。そういう関係から、私、推察いたしますと、聞きたいことは全部質問させていただいておるのではなかろうか。これは中曽根氏が国会で証言されまして、二回ほど取り調べを受けた、こうおっしゃっておりますから、そうだとすればそういうことであったろうと思っております。
○横路委員 中曽根さんの証言には、そんな意味で、児玉との関係あるいは東郷との関係でやはり相当事実と食い違う点があるのではないかというように私、考えております。そんな意味で、法務大臣、まだいろいろ問題が残されておりますので、最終的な事実が確定、裁判が終わって真実が明らかになる、それから再犯防止の措置がきちっととられるというところまで国会としてやらなければならない点もたくさんございますので、将来とも法務大臣としてこの真相究明のために国会に協力をしてもらいたいと思うのですが、最後にその一言だけお伺いして終わります。
○古井国務大臣 国会で御審議になります上において、われわれの協力すべきことは十分協力したいと思っております。
○廣瀬委員長 池田克也君。
○池田(克)委員 公明党の池田克也でございます。 最初に、今度のロッキード事件に関連いたしまして、議院証言法違反で逮捕、そして取り調べた人たちは何人いるのでしょうか。
○伊藤説明員 ロッキード事件に関連いたしまして検察当局が議院証言法違反で告発を受けました者が七名でございます。そのうち、議院証言法違反という罪名で身柄を逮捕勾留いたしました者が四名でございます。なお、告発を受けました七名のうち六名を起訴し、一名、すなわち児玉譽士夫の不出頭罪を不起訴にいたしております。
○池田(克)委員 もし議院証言法違反以外だったとすれば、どういうことで起訴したりあるいは取り調べをしたりすることがあったか。まあこれは仮定の問題であります。
○伊藤説明員 それは一人一人の被告について見なければなりませんが、議院証言法違反のみで起訴されている被告人もおるわけでございまして、その者たちにつきましては、御告発がなければ簡単に身柄を逮捕するとか起訴するとかということにはいかなかったかもしれない、こういうふうに思います。
○池田(克)委員 要するに、いま伺っておりますと、国会でこの問題が取り上げられた、そして証人が呼ばれてそこで証言がなされ、その問題をめぐって実態が明らかになってきた。私は、国会が果たしたこのロッキード事件の解明における役割りというのは非常に重いのじゃないか、こういうふうに今日の時点で思っているわけでありますが、法務大臣、その認識はいかがでしょうか。
○古井国務大臣 この特別委員会に対する大方国民の期待も大きいことでありますし、注目していると思いますし、またずいぶん熱心に御審議になっていると思っております。
○池田(克)委員 私たち、法務大臣にこれから期待をしたいわけでありますが、先ほども横路委員から国会に協力してほしい、こういう発言もあったわけでありますが、正直申しまして、私がロッキード委員会に席を置かせていただいて、今日までの率直な感想は、法務当局のこのロッキード委員会に対する協力というものは十分だっただろうか。先ほど大臣もおっしゃったように、国民の期待は非常に大きい。しかしながら、裁判という局面になってからは、すべては裁判ということで、刑事局長も差し控えさせてほしいと答弁を控えられたこともしばしばであります。法務当局が国会、特にロッキード委員会に対してこれから一体何をしていくのか。たとえば報告などにしても、いままでロッキード委員会に法務大臣が報告をしたのは何回あるのでしょうか。
○伊藤説明員 法務大臣からの正規の形での御報告は二回でございます。
○池田(克)委員 二年間たっているわけでありますが、その間二回。一番新しい報告はいつでしょうか。
○伊藤説明員 当院の特別委員会の関係は、昭和五十二年の二月二十四日でございました。
○池田(克)委員 五十二年の二月二十四日以降、もう二年近い年月がたっていて、その間何もないわけです。私は大臣にお願いしたいのでありますが、裁判の進展に即してもっと頻繁にロッキード委員会に対して、つまり国会に対して、この事件がこういう状況で進んでいる、見通しはどうだ——私たちが一つ一つ、児玉被告の病状であるとか小佐野被告の病状であるとか、詳細にわたってこの席でお伺いをしなければ何一つとして新しい事態は発表されてこない。もしも裁判を傍聴していらっしゃるマスコミの方々が相当の精力をつぎ込んで報道をしないならば、国民の目には事態は全くわからない。私はこの問題が新しい法務大臣になって大きく改善されることを期待したいわけであります。大臣就任に当たって、いまの時点でロッキード事件がどのように進展をし、どこまで解明され、どうなっているかということを報告されるおつもりはありませんか。
○古井国務大臣 できるだけ御審議に協力しなければなりません。これは適当だ、必要があるということでありますれば何回だって御報告した方がよいと思いますし、実際必要がないのに中身のないことを立ってしゃべっても仕方がないですし、これは実際の必要に応じて御協力する、こういう考えで進めたいものだと思っております。
○池田(克)委員 その必要の有無はだれが判断するのでしょうか。
○古井国務大臣 これは私どもの方も考えていかなければなりませんが、委員会からの御意見もあろうと思います。委員会のことですから、法務省だけを相手にせずに、もっと独自に調査されるのが至当だというぐらいに私は思っておりますので、それもよし、またお求めいただくならお求めいただく、こういうことにすべきじゃないかと思っております。
○池田(克)委員 いまの発言は、ロッキード委員会が法務省だけを相手にしないで独自に調査をしろ、こういう御発言のように私は受け取りました。ということは、法務大臣としては、ロッキード委員会というものはこの事件解明に必須のものである、なくてはならないものであるという認識に立っていらっしゃる、こう理解してよろしいでしょうか。
○古井国務大臣 この委員会をおつくりになったということは、国会が必要と認めてつくったことでありますし、それからまたこれに対して国民の方も期待をかけておると思うのでありますから、委員会は委員会としてせいぜい調査をしていただくのがよいのじゃないかと私は思っております。
○池田(克)委員 ですから、いまのお話はさっきのお話の繰り返しなのですが、大臣としては事件解明についてロッキード委員会は必要だとお考えかということなのです。これは、大臣も国会議員でいらっしゃる、そういうお立場から、就任早々で、いままでいわゆる議員という立場で事件を見ていらっしゃったと思うのですが、その生々しいところなるがゆえに私は伺いたいのです。
○古井国務大臣 必要と認めるか認めぬかなんという御質問は実はいまさらの質問のような気がしますので、国会が必要と認めておるものを私どもが不必要だと思う理由はないし、それからまた国民も期待しておるのでありましょうから、必要と認めるか認めぬかという御質問の方が私にはわからない、実を言うとあたりまえのことじゃないかと思うのです。
○池田(克)委員 いや、私の伺っているのは——それは確かに大臣のお立場としてはそうでしょう。反面、議員という立場も大臣はお持ちでいらっしゃる。形を変えて御質問いたしますが、今回の新しい政権について、当然大臣は総理とお会いになっていらっしゃる。総理に対してロッキード事件の問題に触れてお話し合いになる、こういうおつもりはあるでしょうか。
○古井国務大臣 私に任せられた範囲のことについて、こっちが必要と認めればそれは相談もしましょうけれども、きょうまでのところは必要と思ったことがありませんし、それから向こうから話をしようとしたこともありませんし、これからも同じことで、こっちはこっちの責任を尽くさなければなりませんから、そう必要以上のことを話したり言われたり、そんなことは無用だというか、私、考えておりません。
○池田(克)委員 国民が大平政権に対して、特にロッキード事件ということに限って言うならば解明の姿勢がいままでより後退するのじゃなかろうかという疑念を持っている。これは新聞その他でも報ぜられ、先ほど横路委員からも指摘があったわけです。予算委員会が始まる、当然この問題はまた代表質問等でも出るかと思いますけれども、この事件に対する総理としての発言というのはいまだ公になっていないわけであります。そして、古井法務大臣が就任されたときにも、法務大臣の立場というものが大変注目されてきている、このことを記者会見でも仰せになっていらっしゃる。当然ロッキード事件というものについての認識をお持ちだろうと思います。そういう国民の関心事について、早い時期に総理とお会いになってこの問題に触れる、そういうことも必要じゃないか。いま大臣必要じゃないというふうにお答えでしたが、私はそう思うのです。これは日本全体のために必要なことだと私は考えておるのですが、重ねて法務大臣の御見解を伺いたいと思うのです。
○古井国務大臣 さあ、話し合いをする必要があるのかないのか。大平内閣になって変わりはしないかとか世間で言っておる、そういうことも知っておりますけれども、きょうまで変わったとも思っておりませんし、それからまた変わるのですか、そんなことを話し合いする必要は一つもないので、相変わらずで一貫してやっておればよい、私はそう思っておりますので、こっちの方で一番適正に職務を尽くせばいい、一々総理大臣と相談する必要はないと思っております。そんなつもりでおります。
○池田(克)委員 先へ進みます。 コーチャンの嘱託尋問調書が証拠採用されたわけでありますが、この嘱託尋問調書の中で昭和四十七年十月五日、つまり事態を急変させたという児玉から中曽根氏への電話ということが改めてクローズアップされてきたわけであります。この件に関して法務当局としては捜査をしていらっしゃるかどうか、お伺いしたいと思います。
○伊藤説明員 ただいま御指摘のように、いわば一つの劇的な出来事をめぐる事態でございますから、検察当局としては恐らく所要の捜査を尽くしておるものと思います。
○池田(克)委員 この嘱託尋問調書をいろいろ読んでみますと、いわゆる陰謀という問題がある。その陰謀を変化させる、つまり陰謀というものがあった上に何らかの政治的な工作というものがあった。この陰謀の存在と、それから政治的な工作と、この二つに分けられるというように私は思うのです。 そこで刑事局長にお尋ねするわけでありますが、「この陰謀は政府高官らの誤解に基づくものと考えられる。この点について、」これはコーチャンの嘱託尋問調書であります。東京新聞に載った文を私引用したわけでありますが、「この点について、私は」——コーチャンが「クラッターに説明、書類を作らせた。これをあとで児玉に渡し、こんごの処理について検討することにしていた。」こう述べておるわけです。つまり十月五日の事件というものは、コーチャンにとって驚天動地の事件であったし、それがまた一夜にして事態を変えたというようなこともまた彼にとってきわめて印象的なことであったし、後々のことを考えたのであろうかと思いますが、書類をつくらせて、後で児玉に渡し、今後の処理について検討することにしていた、こう嘱託尋問調書に出てくるわけであります。この書類を検察当局は入手しているでありましょうか。
○伊藤説明員 一般論をまず申し上げて恐縮でございますけれども、検察当局が捜査段階でどういうものを入手したとかいうようなことはちょっと申し上げかねるところでございますが、いずれにしても客観的に申し上げられることは、そういう書類と思われるものは、まだ公判には出されていない、こういうことでございます。
○池田(克)委員 さらにコーチャンの著書である「ロッキード売り込み作戦」、再三この委員会に出てきているわけでありますが、これの中の記述によりますと、十月五日の夜八時に銀座の塚本素山ビルにある児玉事務所をコーチャンが訪問しているわけであります。そのときに福田氏も一緒だったわけでありますが、守衛の目を逃れるために非常階段を上っていった。ずっと上がっていって、それで、児玉の事務所のある階段の非常口のところに出るのです。そこはかぎがかかっていて入れない、非常に当惑をする。どうしようか、それでさらにもう一階上の非常階段まで行くのですね。そこに掃除夫がいるのです。その掃除夫に対して、締め出されちゃった——夜の八時ですからヒルの大半は出ているわけです。締め出されちゃったとうまいことを言ってその中へ入り、一階階段をおりて児玉事務所へ入っていく、と非常に詳細な記述があるわけですね。いままで国会でもこの問題はずいぶん出ているわけでありますが、非常に詳細でビビッドである。決してこれはないがしろにできないんじゃないかという印象を私も持つわけでありますが、この掃除夫なる人物を検察は捜し出して事情を聞いたというような、こういうことがありますか。
○伊藤説明員 コーチャン回想録につきましては、ただいまも御指摘のようにそれが出ました当時、非常に生き生きとした描写がなされておるものでございますが、検察当局も当然詳細それを読んでおるわけでございまして、関連して補充捜査を要する点は十分捜査をしておると思いますが、その掃除夫を見つけ出して調べたかどうかという点について、実は報告をまだ受けておりませんが、そういう掃除夫らしい人が公判で証人に出たということはまだないようでございます。
○池田(克)委員 ですから、何を聞いてもこの委員会には全くやぶの中、委員会そのものも国民の前に明らかにならない、実に推理が推理を生んでいくという恐るべき事態を私は心配するわけであります。 先ほど私がちょっと触れましたが、陰謀があったかどうか、つまり中曽根氏も、この十月二十六日ですか、法廷で話が出て、そのときに陰謀というのはない、御自分でも運輸省とかあるいは日本航空、全日空等に調べたけれども、ない、このように述べていらっしゃるわけでありますが、運輸省が行政指導をしている、これは実は私、以前に本委員会、五月十日でありますが、運輸省の航空局長においでをいただいたときに、運輸省における行政指導というものは一体どういうものか、これをお尋ねしたわけであります。明らかに行政指導というのはある。つまりそのときの高橋航空局長の私に対する答弁でございます。きょうお見えになっていらっしゃるでしょうか。航空局長いらっしゃいますか。——おかわりになったのですか。失礼しました。前の航空局長の答弁でございました。 先ほどの説明の補足が若干要ることになるわけでございますが、エアラインが原則的には機種を決め、機数も決めるわけでございますけれども、実際に外国の航空機でございますから、これを購入する手続に入りますと、通産省に対して外貨割り当ての申請をエアラインがする必要があります。そうすると、通産省はこの航空機に対して外貨を割り当てることについて航空政策上どういう判断であるかということを、これは事務的な連絡でございますけれども、聞いてくるわけでございます。そのときに私どもは、各社の経営計画だけに任しておいた場合に過剰な機材の購入をするおそれがある——各社はそれぞれ自分のところの会社で需要をみんな食ってしまいたいと、潜在的にそういう拡大意欲を持っていますから、ほうっておきますと、各社合わせますとかなりだぶついた機材を手当てすることになってしまう。それはやはり需要との関係で過大投資になって、高い運賃をお客さんに払わせる結果になるというところから、原則的にはエアラインの判断に任せつつも、余りにも過大なものであるかどうかということにつきましては私どもチェックいたしまして、現実には通産省から外貨割り当ての申請があったときの行政判断を求められたときに、これは無理がない、大丈夫です、あるいはこれは若干問題だからしばらく抑えた方がいいとかいう返事をする、これはルールになっているわけでございます。したがって、その段階でいわばこれは行政指導ということが発揮されることになると思います。 こう答弁されておるわけです。つまり飛行機を買うというときには、通産省と運輸省と相談をしている。これはルールになっておる。したがって、いわゆるコーチャンが言っている陰謀ですね、どこの飛行機会社がどういうものを買う、じゃこっちがこういうものを買うというような問題は、通産省と運輸省との間で相談が行われるとすれば、通産大臣である中曽根さん、そして当時運輸大臣であった佐々木さんというものに対して何らかのアクションというものがある。コーチャンがそういうことをかぎつけて、陰謀というものはあるんじゃないか。この実態はまだわかりませんが、陰謀説というものが出てくる根拠というものは、こういうことに出てくるんじゃないか。この通産省と運輸省のこういう事情について検察当局はお調べになり、その事態を掌握していらっしゃるでしょうか。
○伊藤説明員 当然捜査当時関係の方々から事情を聞いておることと思います。
○池田(克)委員 つまり陰謀というもの、これはコーチャンが陰謀と名づけているわけでありますが、この外国からの航空機の売り込みに関して、日本の行政官庁の仕組みというものを彼らが見た場合に、これは何らかの政府当局に強力な発言力のある人、これによって工作をしなければならない、こういう印象というものを彼らは受けると思うのです。ここに一つ大きな問題がある。時間がありませんので、私はそういう面の調べが進んでいらっしゃるというふうに思うわけでありますが、ぜひともこの問題をさらに別の機会にこの委員会で詰めていかなければならない、こんなふうに思っているわけであります。 次に、東郷民安氏をここに招いてあれした問題、あるいは中曽根氏を証人として喚問した問題について若干触れてみたいと思います。 中曽根氏は児玉被告と浅からぬ関係を持ち、中曽根氏から児玉被告へも重要な頼み事をした、こういう関係から、ロッキードの代理人として児玉が時の通産大臣に事態の変更を要請したであろうということを私たちは推察するわけであります。先ほどの横路委員の質問の中にも弘文堂事件もありました。また前にも触れましたように、殖産住宅の乗っ取り事件に関して、「千代新」という料亭で児玉が介入して、中曽根氏もそれに同席した、こういうこともある。さまざまな形で中曽根氏と児玉被告との関係があり、そこに依頼関係があった。逆にその貸しを取り返すということではないかもしれませんが、ロッキードの秘密代理人という立場にあった児玉被告が、コーチャンからの要請に対して、通産大臣である中曽根氏に要請をしたのじゃないか、これはさまざまな資料からそういう疑惑が出てくる。これはやはり解明していく、これは私たちこの国会の一つの使命だと思うのです。 この問題については、先ほど大臣がおっしゃっていましたように、裁判で取り扱われている問題は法廷で、それ以外の問題についてはこの国会の委員会で、こうおっしゃっていらっしゃった。いま私が指摘をいたしました児玉、中曽根、この問題についてはどちらに分類されることになりましょうか。
○伊藤説明員 簡単に申し上げますと、それらの諸問題のうち、現在公判継続中の事件の立証に関係するものは公判の問題であり、そうでないもののうち、さらにこれを二つに分けまして、捜査の秘密を漏らすことになるようなものは法務省としてはお答えをいたしかねますけれども、当然公判以外の問題として裁判以外の場で明らかにされる、こういうことが可能な事柄であろうと思います。
○池田(克)委員 裁判以外の場で明らかにされる、そうなりますと、この委員会がその役割りを持つということだと思うのです。私は、この問題の状況を詰めるために、昨年から殖産住宅の脱税事件をめぐって、これに注目をしていろいろと質問をしてまいりました。 法務省にお願いしたいのですが、この殖産住宅の脱税事件の判決が第一審でなされておりますが、この判決文の要旨をお聞かせいただきたい。
○伊藤説明員 きわめて簡単に申し上げますと、約三十億になんなんとする脱税事件でございますが、検察側は、これを東郷民安氏が個人として株式売買などをしてもうけた利益である、こういう認定で起訴をしましたところ、第一審裁判所は、東郷氏が会社のためにした売買によって得た利益であると認定いたしまして、所得税法違反には問えないのだ、こういうことで無罪にしておるわけでございます。
○池田(克)委員 先ほど刑事局長からも、この脱税事件について東郷氏の証言というものが前後二つに食い違っている、こういうふうに指摘があったわけです。これは非常に重大なことだと思うのです。本来、東郷氏は中曽根氏に大変友情を持っておった。本委員会でも、いみじくも私に対する答弁の中で中曽根氏は、同窓であり、夢とロマンの友情関係にあった、こうおっしゃっていたわけです。ですから、東郷氏としては余りこの問題について触れたくなかったわけでありましょうが、脱税容疑で告発をされ、一身上の問題として大変危険になってきた。そこで、その金の問題は実は政治献金としてこれをつくろうとした、結果としてその金は中曽根氏のところに入らなかったわけでありますが、その動機というものが政治献金であった、総裁選をめぐる政治献金であったということを法廷で思い切って発言をし、それが認められて無罪になっている、こういう経過だと私は理解をしているのですが、それに間違いはないでしょうか。
○伊藤説明員 全体の脱税の中の一部に、一時中曽根氏の周辺の方の名義の預金口座に入りました五億円というものがあるわけでございます。その五億円をめぐっての裁判の経緯というものは、細部はともかく、おおむねいま御指摘のようなことでございます。
○池田(克)委員 ですから、中曽根氏はこの「千代新」での会合について、それじゃおれが児玉氏に頼んであげよう、会ってみなさい、こういうふうに言って頼んだのですね。頼んだというふうに証言をしていらしたわけです。「私は東郷君に、こういうことだから会ったらいいでしょう、そういうことで、私も紹介した以上は、電話のしっ放しで私が立ち会わないというのは非常に失礼だから、もし時間があれば行きますよ、」こういうふうに証言をしていらっしゃるわけです。ところが東郷氏の方はそうじゃなくて、大刀川氏から電話で三月二十日午後九時に「千代新」に呼び出されて、「私自身は、」「どういうわけで私が初めてお会いする児玉先生に呼ばれたのか、児玉先生からお話があるまで一切わかりませんでした。」と。東郷氏の方はわからない、中曽根さんの発言は、頼まれたから紹介をしてやった、こんな大きく食い違っておるということが一体あるか。私は、ここのところは非常に大きな問題だと思うのですね。 しかも、本委員会において中曽根さんが私に対して答弁をされたことにおいても、その五億円という金が、どういうふうないきさつだったか、殖産住宅が上場するときに親引け株を使って金がもうかるという話を聞き、それをつくろう、そして東郷氏もそれを承認をする。そのときに、その親引け株の元金になる金は一体どこから出るのだということを聞いて、これこれという人だということを言ったら、東郷氏が、それはおれの会社を乗っ取ろうとしているやつだ、それはだめだということになっておじゃんになったのだ、こういうふうに本委員会で証言をしていらっしゃるわけですね。つまり、その時点ですでに中曽根氏とその金をよこした人間との非常に深い関係、つまり殖産住宅を乗っ取ろうとしておる人間と深い関係にあった、こういうことが明るみに出ているわけです。 一方、この「千代新」での会合の内容については、中曽根氏の証言によれば、東郷さんの会社が危ない、危ないから救済してやろうという意味で児玉被告を紹介をしている。つまり中曽根さんの立場というものは、東郷さんにしてみれば非常にびっくりするような内容であった。味方かと思っていた中曽根さんが実は敵だった、敵の、乗っ取り側の人たちとかんでいたのじゃなかろうか。後になって東郷さんに私はあるメモを示しました。そのメモを示して本委員会で東郷さんに質問をいたしましたときに、東郷さんの答弁は、相手方である小佐野あるいは戸栗、長田という人たちと深いつながりがあるということが類推できる、このように東郷さんも私に対して答えておられたわけです。 つまり、今回この事件をずっと調べていきますと、中曽根氏と児玉被告との関係というものは非常に深い。しかもそれが、友情関係でずっとつながってきた東郷氏を逆に裏切るようなかっこうになってしまった。であるから法廷で二段の大きな証言の食い違いが東郷さんの口から出てきた。 私は、時間がありませんので以上で終わりますが、この問題をもっともっと詰めていくということが、先ほどお話がありましたように、法廷外でやっていかなければならない真相究明の一環だ、こういうふうに理解をしているわけでございまして、きょうは以上にいたしますけれども、ぜひ今後この問題について、本委員会でまた検察当局のさまざまな資料を要求したいと思います。御協力をしていただきたい、こう思うわけであります。 以上で終わります。
○廣瀬委員長 残余の質疑は、本会議終了後直ちにこの場所で行うことといたしまして、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ————◇————— 午後一時十七分開議
○廣瀬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中野寛成君。
○中野(寛)委員 新しい大臣をお迎えいたしまして、基本的に幾つかのことを確認する意味でお尋ねをしたいと思います。 今般の政権交代に伴います国民世論の中に出されました懸念につきましては、先ほど横路委員からお尋ねがあったところでございます。私どももやはり同じ気持ちを持ちながら、しかし、大臣が大臣でございますので厳正にやっていただけるものと期待をしつつこれからも臨みたいと思うわけでありますが、特に再犯防止のことにつきまして大臣は今日までの御発言の中で触れておられると思うわけであります。 私は再犯防止の最も大切なことは、単に法律を強化したりその他のことを整備したりすることによって再犯が防止されるというよりも、現在の進行しておりますロッキード事件に対する結末を遅滞なくかつ厳格に処理するということが再犯防止にとって最も効果的なことであろうと考えるわけであります。どんなに法規制その他を強化いたしましても、本事件があいまいなままに終わるとするならば、それは、結局何をやってもいつのまにか政治が絡むことはうやむやにされるという国民の不信を買うでありましょうし、同時にまた再犯防止にもならないと考えるからであります。 そういう意味で、現在裁判が進行しております田中被告を初めとする件、それから中曽根議員に対する疑惑、そして二階堂氏や福永一臣氏を初めとする三十ユニットに関連する問題、それぞれがはっきりとかつできるだけ早期に真実をきわめるために、いいかげんなことがなされてはなりませんけれども、しかしと言って、これがいつまでも滞っているということでは、何のための裁判であるのかわからないと思います。 私は、そういう観点から、新しい法務大臣のもとにおいても、その刑事責任を中心とする本事件の処理というものが、厳格にかつ遅滞なく、熱意を込めて処理されることを心から念願をするわけであります。就任に当たって大平総理から何かあと話があったかという先ほどのお尋ねに対して、何もなかったという御答弁でありましたけれども、それはそれで結構でありますが、しかし、本来は新しい法務大臣に対して総理みずから、国民注視の的でありますこのロッキード事件の処理に対して、むしろそういう前向きの要望の一言でもなされて当然なのではないだろうかとさえ思うわけであります。それがなかったことをいまとやかく言おうとは思いませんが、この私どもの念願としておりますことに対して、改めて大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○古井国務大臣 無論私も人間でありますし、欠陥の多い人間でありますから、それは過ちを犯さぬとも限りませんけれども、さっきもごあいさつ申し上げましたように、誠心誠意自分の良心に問いつつこの職責を尽くしたいと思っております。 それから、繰り返す必要はありませんけれども、何にも話もありませんし、言われたって聞くほど融通のきく私でもないことは御承知だろうと思いますので、こっちはこっちで職責はりっぱに守り尽くしていく考えでありますから、そういうふうに御了解願いたいと思います。
○中野(寛)委員 きて、政治責任も刑事責任も、ある意味では政治責任そのものも、訴訟の結末を待たなければ結論の出ない部分があることは論をまたないと思います。そういう意味で、公判がスムーズに運営をされて、そして刑事責任の所在というものが明確にされることは、国民がひとしく望んでいることであります。いやしくも刑事責任を問われている人が、新内閣発足に当たってのバックにあり、そして最も大きな影響力を与えたかのごとき印象を常に国民が持ち続けるということは、決して日本の政治にとって望むべきことではないと思います。 そこで、私は現在のこの裁判の進行というもの、それから同時に、その進行に伴いつつ、ロッキード問題の最終報告を、単に刑事事件としてではなく、内閣の責任による全体報告としたいというふうに前法相が公約をされていると思うわけでありますが、その公約というものは継承されるのかどうかを含めましてお尋ねをしたいと思います。
○古井国務大臣 御質問を正確に受けたかどうかわかりませんが、事案の処理の進行状況などを見まして、そしていままですでに起こった事件に対する結末、それから再発防止などについて、これは必要に応じて、法務大臣のみならず、もっと次元の高いところで何らかの意思表示をする必要があるかもしれませんが、これは私が、いま自分で勝手に言うわけにはいきません。私に関する限りでは、必要と認めるときに、また適当と思うときには、過去の区切りをつけるため、また将来のために、考えをはっきり申し上げたい、そう思っております。 以上のようなことでありますので、御質問にぴったり当たるかどうか知りませんけれども、お答えといたします。
○中野(寛)委員 単に裁判の結末を経て、そしてその判決をもって報告にかえるということではなくて、そのてんまつに基づいて内閣としての見解というものが明確になされなければいけないだろう、こう考えるわけであります。私はそういう意味で、刑事事件の結末を迎えた、だれそれがどういう判決を受けた、それでおしまいでは済まされない問題だと思います。政府としての、全体を総括しての報告というものがなされなければならないわけでありまして、そのお気持ちを新しい法務大臣自身がお持ちである、こう私は受けとめたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○古井国務大臣 いま政治責任などの問題をひっくるめて、日本の政治全体について、高い、広い立場から何かの考えを明らかにするとか、その問題につきましては、私、法務大臣として決めるとか意見を申し上げるには、ちょっと超えますもので、こっちの持ち場においては、おっしゃっておる気持ちは、やれるだけのことはやりたい、こういうことで思っております。
○中野(寛)委員 次に、将来再発しないようにするにはどうすればよいのか、よく研究して努力をしたいという御発言が、大臣の今日までの御発言としてなされております。また、政治責任は十分に解決していないと思うという御見解も、今日まで発表されております。単にそれが御感想でありますのかどうか。むしろ大臣として、今日までこのロッキード事件の推移を見てこられた中において、この問題をどういうふうに、将来結末をつけるとすればなされるべきとお考えか。今日の御発言についての、その裏づけとなる真意について、改めてお聞かせいただければありがたいと思います。
○古井国務大臣 再発防止の方策につきまして、過去二代の内閣時代にいろいろ検討をし、とどのつまりは賄賂罪の刑罰を重うするということを立法化することになっておるかのように思うのでありますが、これは長い間論議し、検討してそういうことになったんでありましょうから、このことは私も尊重しなければならぬと思っております。そうもとに戻って繰り返すということは、いまになってどうこうという問題ではないと思います。これで十分かどうか、これはそういうふうになってきておるのでありますから、十分であるかないかを私が言っていいかどうか知りませんけれども、これはめいめいの政治家の立場で、これで十分か不充分かを考えてみるほかはないと思うのです。 まあ、端的に気持ちを言いますと、それだけのことで一体こういうふうなことを将来起こさないようにできるのか、もっと突っ込んで、広範に突っ込んで検討しなければならぬ問題じゃないだろうか、この政治汚職の問題の根源を洗って、そう私は思うのですよ。法務大臣の仕事と申すわけじゃございませんけれども、一政治家として——だから、ああこれでもういきますよ、対策は立っておりますよと言い切れるほどの気持ちは私は持ちません。政治家としての意見であります。 それから刑事責任のことについては、われわれかかわりを持ちますもので、起訴したのが検察当局でありますし、政治責任の問題は、法務省が政治家の政治責任を中心になって議論するなんというのは、これは私はちょっとどうかと思う。そうなってもおらぬし、だからこれは国会で審議をされるのが至当なんで、こういう委員会をつくられたのもそこに理由があるだろうと思うのです。ですから、大いに皆さんの委員会で、国会でそういう面は審議をしていただくことが私は筋だと思います。 なお、その再発防止についても、これは国会で大いに広範に議論されるべきじゃないかと私は思うのですね。ですから、そんなふうでありますから、皆さんの方の御審議もどうぞひとつよろしくお願いをいたします。
○中野(寛)委員 本委員会において政治責任の問題等、大いにこれからも論議をされるべきものと大臣の御見解をお聞きしたものとして、今後とも本委員会をなお一層この結末が得られるまで継続をしていきたい決意を私どもあえて新たにさせていただきたいと思います。 次に、中曽根議員の問題につきましてお尋ねをいたします。 先ほど池田委員からも御質問、お尋ねがありましたけれども、先般の嘱託尋問等明らかにされたその中から、また今日までの出てまいりましたいろいろな資料等から考えましても、帰着するところ、あのコーチャン氏の前で児玉が中曽根氏に電話をしたとされているくだり、これは結局児玉氏が芝居をしたのか、中曽根氏が偽証をしているのか、このどちらかの選択しかないと私どもも思うわけであります。このことにつきましては、むしろこの裁判においてそのどちらが真実であるのか、これが明らかにされることが当事者にとっても、また国民にとってもどうしても必要な問題ではなかろうかと思います。今日まで中曽根氏からその問題について確認をとられたのかどうか、そしてまた現在検察としてはどちらの心証を持って当たっておられるのか、またそのことを明確にされないとするならば、今後公判で明らかにされるのかどうか、そのことについて局長にお尋ねをしたいと思います。
○伊藤説明員 御指摘のように、いわばコーチャン証言の中の一つのドラマチックな一場面でございます。そういう意味におきまして検察当局も十分関心を持って必要な捜査は遂げておるというふうに聞いておりますので、いずれ公判廷でその辺のところも逐次立証していくことになろうと思いますが、ただいまここで検察当局がどういう心証を持っておるかというようなことをお尋ねいただきましても、検察の心証などというものはつまらぬものでございまして、要するに裁判所がどういう心証を持つかということが重要なのでございまして、そういう意味もございまして検察当局の心証というような点については御容赦をいただきたいと思います。
○中野(寛)委員 今後公判で明らかにされると思うがとおっしゃられたことは、そのことについてはいずれかに決着がつけられる、公判において明らかにされるというふうに私ども期待をしておっていいということでございましょうか。
○伊藤説明員 裁判の結果は判決という形で出ろわけでございまして、判決で認定すべき争点事項というふうに裁判所が思いますかどうですかそれはわかりませんけれども、その点をめぐって検察が手元に持っておる資料というものが逐次公判任に明らかにされるでございましょう。したがいまして、裁判の結末に近づくにつれてどの程度の資料があって、結局察するに検察はどんなことを考えて、いわば仰せになります心証を持っておったのであろうかということがおわかりいただけるようなことにはなるのじゃないかと思っております。
○中野(寛)委員 次に三十ユニットの関係も含めてでありますが、重ねた質問になるかもわかりませんけれども、またこれは裁判の一当事者にしかすぎない法務省にお尋ねすることだけでは酷かもわかりませんが、この真実が明らかにされ、一つの結論が見出されることが政治責任を明らかにし、かつまた国民の納得のいく結論を得ることにつながると思うわけでありますが、現在の訴訟の段階と判決の時期の見通し等につきましておおよその判断がといいますか、これは一方的な判断になるだろうと思いますけれども、お聞かせいただきたいと思います。
○伊藤説明員 三十ユニットの関係ということでございますから全日空ルート中心のお尋ねと思いますけれども、逐次御報告申し上げておりますところからもおわかりのように、現在証人を次々と調べてもらっておる段階でございますが、これまた先ほど他の委員の御質問にもお答えしましたが、検察官の取り調べ当時と若干異なった供述をする証人が出ております。したがいまして、今後の方向としては、おおよその見当ですけれども、証人調べが一段落いたしました段階で、それらの人たちが検察官に供述をしました検察官調書というものを裁判所に提出をして採用してもらって取り調べをしてもらうというようなことがどうしても必要になってくる事案じゃないかと思っております。その時期が、年が明けますと順次そういういわゆる書証と言われますものの取り調べを裁判所に請求していく、かつ採用してもらうような段階になるのじゃないか。その中の一つには例の嘱託尋問調書等も入るわけでありまして、そういう手順を経まして検察側の立証を終了していく、こういうことでございますが、これまたちょっと申し上げましたように、全ルートの中で全日空ルートだけが被告人の負傷された等の事情もあって、ちょっとおくれぎみでございます。検察当局の念願としてはこういう事件は早く裁判所が結論を出して国民の前にこれを明らかにするということが望ましいことは言うまでもありませんから、もう複数の年を重ねるということもない程度になるべく早く結論に達していただきたいものだ、こういうことで努力しておる次第でございます。
○中野(寛)委員 ありがとうございました。
○廣瀬委員長 正森成二君。
○正森委員 私はまず第一に古井法務大臣に、法務大臣として御就任になりましたが、当ロッキード委員会でも一番中心的な大臣でございますから、大臣の政治姿勢をお伺いしたいというように思います。 大臣は就任に当たっていろいろなことを言っておられますが、たとえばロッキード事件についても、「ああいう事件が起きた以上、究明して行くのは当然だ。」「それに対して圧力を加えることはすべきではない。また仮に首相が何とか言ってきても、私が聞くヤツでないことぐらいは首相は承知のうえだ。」というように発言しておられますし、あるいは弁護人の問題については、「率直にいって大体いまの時代に弁護人のいない裁判なんて考えうることかということに一番疑問を持つ。」というように言っておられます。また大臣がつとに日中国交回復のために松村謙三先生と一緒に先駆的役割りを果たされたということは周知の事実でございまして、そういう意味から言いますと非常に失礼な言い方ですが、私は、お名前は古井法務大臣ですが、実際は新しい法務大臣だというように考えておるわけでございますが、こういう問題についての所信を承りたいと思います。 多少質問が抽象的でございますから、さらにお答えやすいように具体的に問題を一つだけ設定して質問させていただきたいと思います。 昨日のある新聞の夕刊にも記載されましたが、たとえば衆議院の大蔵委員会で十一月の十日あるいは二十一日に質問されましたソウル地下鉄事件につきましては、いろいろの銀行を通じて最終的に韓国外換銀行の東京支店に金が入ったということになっております。ところが、大蔵省でそれを聞いておるようですが、その帳簿類についてどうもはっきり外換銀行だけが提出しないということになっておるわけですね。 そこで、その問題について国税庁が来ておられましたらごく簡単で結構ですから、現状把握の状態についてお答え願いたいと思います。「ここはロッキードをやるところでしょう」と呼ぶ者あり)いや、政治姿勢の関連で一つだけ聞いているのです。深入りしませんから。(「これはロッキード委員会でしょう」と呼ぶ者あり)わかっています。
○西野説明員 お答えいたします。 いまお尋ねの点でございますが、現在調査中でございますので、具体的な調査の実情を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、韓国外換銀行の当時の帳簿等の保存状況は良好とは言えない状況でございまして、したがいまして本件の全貌について解明し得る程度の帳簿等についていまだ把握するには至っていないという状況でございます。国税庁といたしましては、帳簿等の検査にとどまらず、相手側の責任者に尋ねるなどの調査を行っておるところでございます。
○正森委員 そこで、法務大臣に政治姿勢として伺いたいわけですが、韓国外換銀行は他の銀行がすべて帳簿類について協力しておるのに協力をしていないということが報ぜられているわけですね。それには恐らくその資料をどこかへ隠してしまっているという問題もあるかもしれないということなんです。そうしますと、これはソウル地下鉄問題というのは贈収賄があるかもしれない、あるいは少なくとも所得税法違反問題があるかもしれないということになります。そうしますと刑法の百四条で被告事件について証憑を隠滅した者は一定の処罰が行われることになっております。また判例によりますと、その被告事件というのは現に起訴された事件だけでなしに被疑事件についても証憑隠滅をしてはならない。さらに大正二年二月七日の判例、昭和十年九月二十八日の判例では、これから捜査を開始前の事件も含むということになっておるわけです。ですから私は、大臣としてはこういうわが国の主権にかかわる問題の法秩序の維持については、要件が備わる限り毅然たる態度をとるべきである、それが法務大臣としての政治姿勢の一つのあらわれである、こう思いますがいかがですか。
○古井国務大臣 抽象論としましては、もし法に反するような事実がありますれば、それに対応してわれわれは職責を尽くすのはあたりまえだと思っております。 ソウル地下鉄の問題はいろいろ取りざたされておる問題ですね。しかしながら、いま正確に具体的な内容をつかんでおるわけでもありませんし、いまそれぞれの議論はありますけれども、それに応じてまた犯罪になる、ならぬの問題にもなりましょうし、その辺については疑惑は大きにあるようでありますけれども、具体的な事実とか、法にどう触れるかとかいう問題をいまはっきりこう言うことができる段階かどうか。しかしながら、間違ったことがあればやるだけのことはやっていくということはあたりまえですから、そういう気持ちを持っておることはもう間違いございません。段階がそういうことであります。
○正森委員 補足がありますか、刑事局長。
○伊藤説明員 ありません。
○正森委員 それでは次に、中曽根康弘氏関連について伺いたいと思いますが、先ほど同僚委員からもお話がありましたように、昭和四十八年の三月二十日ごろに東郷民安氏が赤坂の料亭「千代新」に中曽根氏に依頼をした上で児玉に会いたいというので会いに行ったのか、それとも全然そういえことがないのに突然児玉譽士夫から呼び出されたのかというのは、この間の、昨年の当委員会の中曽根康弘氏及び東郷民安氏の証言でも重要に食い違っている問題であります。これはある意味では殖産住宅事件についても非常に大きな関連を持ちますし、また大刀川氏の強要罪の問題にも大きな関連を持つわけですね。 この問題について法務省に伺いたいと思いますが、私が手元に持っております「大刀川恒夫に対する冒頭陳述書要旨」、昭和五十一年九月三十日付ですが、それを見ますと、「被告人は、」——被告人はというのは大刀川のことですが、「昭和四八年三月二〇日ごろ、児玉の指示により、東郷を赤坂の料亭「千代新」に突然呼び出した。」云々、こう書いてありまして、検察庁のこの強要罪における見解から見ると、東郷氏が中曽根氏に頼んで児玉氏に会うというようにしたのではないという証拠を握った上で、こういう冒頭陳述をしておられるというように見受けられますが、いかがですか。
○伊藤説明員 ただいまお読み上げになりましたように、大刀川は児玉の指示によって東郷を「千代新」に突然呼び出した、こう書いてございますので、検察当局は、この冒頭陳述は検察官が証拠によって立証しようとしますことの明細でございますから、検察当局としては突然呼び出したということを立証するものと思います。
○正森委員 いまのお答えでほぼ明らかになったと思いますが、先ほど、たしか池田委員であったと思いますが、問題提起された点については、検察側の手に持っておる証拠というのは明らかに東郷民安氏の主張に沿うものであり、中曽根康弘氏は東郷氏とのかかわり合いあるいは児玉氏との関連について明らかに事実に反することを言って自分の立場をよくしようとしておられるというように見られてもやむを得ない点があるのではないかというように思います。 次に、東郷氏は昭和四十九年の三月十七日の第三回公判において弁護団を全面的に入れかえて弁護方針を一変されたというように伺っておりますが、それは事実でしょうか。また、そのときに弁護側はこれから弁護側として展開しようとする弁護方針を朗読したはずであります。それはどういうような内容であり、そしてその大筋、特に料亭「一条」におけるやりとりあるいは五億円を中曽根氏に献金するに至ったいきさつについて、それが中曽根氏の要請に基づくものなのかどうか、それとも東郷氏が勝手にやったものなのかどうかという点については、どういうように主張し、そしてそれは判決で認められたのかどうかについて、ごく簡単で結構ですからお答え願います。
○伊藤説明員 東郷民安氏に係る所得税法違反事件の第三回公判で、従来の弁護人を全部解任しまして新しい弁護人が選任されました。それを契機に新たな主張が始まりまして、その主張が結局判決においてほぼ入れられた形になって無罪となっております。 その主張を簡単に言いますと、東郷氏が株式の売買で上げた利益というものは、実は個人のためにやったのではなくて会社のためにすべてやったことであるということでございます。その中の五億円の問題については、検察側が、東郷氏が株式でもうけた金のうちから五億円を中曽根氏に政治献金をしようとしたものであるという認定でございましたのに対して、その当該弁解といいますか新たな主張の方は、中曽根氏が、あることで金が要るから、いわゆる殖産住宅の上場に当たっての親引け株でもうけてほしい、金は用意をする、こういうことであったという主張でございました。その後者の主張が結局は第一審判決で認められた、こういう事実関係のようでございます。
○正森委員 もちろんまだ終局判決ではございませんが、先ほどから刑事局長が、検察側の心証というのは程度の低いものであって終局的には裁判所の判断によるのだというように言われましたが、たとえ一審と言え裁判所がそういう判断をして東郷氏を無罪にすることによって東郷氏の法廷供述等の方に軍配を上げたということは、去年四月、五月のわがロッキード委員会での証言内容を検討するに当たっても重大な関係を持っておるというように言わざるを得ない、私はこう思います。 それに関連してもう少し伺いますが、そのときの法廷の供述では、中曽根氏が十分この問題を知っていたということに関連して、たとえば昭和四十七年の八月二十四日に砂防会館の事務所に東郷氏は中曽根氏を訪ねて、野村証券の北裏社長に依頼をしたという事実を告げた。あるいは八月三十日に北野アームスの事務所へ行って中曽根氏に、百万株の割り当てを受けたことと、その操作方法など、野村証券の豊田常務と話したことの全部を伝えたという問題。あるいは五億円を中曽根氏の秘書の上和田名義で預金するに当たっても、九月六日に預金をしたわけですが、その二日前の九月四日の夕方の五時ごろにやはり北野アームスに行って、中曽根氏の了解を得た上で、その指示に基づいて秘書の上和田氏の預金に入れたわけであり、勝手に上和田氏の名義を使ったものでないというような点がいずれも法廷で証言され、それがほぼ判決で認められているはずでありますが、いかがです。
○伊藤説明員 細部はともかく、大筋においてそのとおりでございます。
○正森委員 そうだといたしますと、昨年の当委員会における中曽根康弘氏の証言内容というのはやはり重大な事実に反する面がある、その発言については重大な疑問を感ぜざるを得ないというように私は思います。 では、時間がございませんので、もう一問だけ伺います。 私どもが調べたところによりますと、コーチャン氏を一度取り調べた上で、改めて昭和五十一年の八月三十日と三十一日にお調べになっているようであります。私どもが承知しておるところでは、これは八月の二十一日から二十三日まで朝日新聞で、いわゆるコーチャン氏の、後ほど回想録と呼ばれるものが連載されましたので、その点については検察がまだ調べていなかったので、その問題について集中的にお調べになったというように承知しておりますが、いかがですか。
○伊藤説明員 回想録に書いてありますことの大筋はコーチャン氏の上院委員会における証言で出ておりましたから、当初から検察側としては詳細な尋問事項を挙げまして嘱託尋問のお願いをしたわけでございまして、その尋問事項に従ってコーチャン氏の証言がまず行われたわけでございますが、その後、御指摘のように回想録というのが出てみますと、細かい点がいろいろの記述がございます。そういう関係から再度尋問を細かい点についてしてもらったのではなかろうか、こういうふうに思っております。
○廣瀬委員長 加地和君。
○加地委員 それでは最初に古井法務大臣に……(「新しい法務大臣だ」と呼ぶ者あり)失礼しました。古井法務大臣という名前でございますが、きわめて新しい感覚の法務大臣に、ロッキード事件に取り組む政治姿勢について特にお尋ねをいたします。 まず第一に、ロッキード事件というのは三木内閣のときにアメリカの資料に基づいて日本国内で大きな問題になってきたわけでございますが、私は、戦後の構造的腐敗というものをなくしていくために徹底的に真相を究明しようとなされた三木内閣の姿勢を高く評価するのでございますが、法務大臣はどういう御感想でございましょうか。
○古井国務大臣 私も率直に感想として、あの三木内閣の姿勢を当時評価いたしておった一人でございます。
○加地委員 私も三木内閣のときにはまだ国会議員でございませんでした。福田内閣のときから私はロッキード委員になったわけでございますが、内閣総理大臣がかわった途端に、このロッキード事件について取り組む積極的な姿勢がなくなってきたような気がするのです。今度また大平内閣ができまして、やはり内閣がかわるたびにこのロッキード事件についての取り組む姿勢が変わってくるのでなかろうかというのを国民は非常に心配しておるわけでございます。こういう重要な問題でございますので、大平総理から特に法務大臣にしつかりやってくれとかというような、ロッキード事件についての指示というか相談というのか、何もなかったのでしょうか。やはり内閣一体でございますから、古井法務大臣、気持ちも新しい方でございますので、人がどう言うてもおれは聞く性格でない面もあるというようなこともおっしゃいましたけれども、私は、福田内閣当時のロッキード事件についての真相究明の取り組みについての御感想と、それからまた大平内閣の一員として法務大臣が取り組まれる姿勢についてちょっと感想なり御意見を伺いたい。
○古井国務大臣 福田内閣になって、さあ、内閣の考え方であったのかそうでなかったのか知りませんけれども、まあちょっと調子がダウンしてきたような感じは私も持ちました。ひとりでにそうなったのか、そうしたのか、それは知りません、感じですね。それから大平内閣になって、それじゃこれ、もっと調子を下げてしまうか。それはどうもあるようにも思わぬし、そうしてはならぬ、こう思っておるようなわけでございます。
○加地委員 現在裁判は進行中でございますが、立法、司法、行政という三権分立のたてまえからして、司法の権限を立法府が侵してはならぬという一つの考え方もありましょう。しかし、憲法にははっきりと、国権の最高機関が国会であるとうたわれておりまして、先ほど私は、刑事局長の御答弁の中に、ロッキード事件以外のことはぺらぺらとしゃべられたが、これはロッキード事件に関するから余りしゃべれないというような御答弁のくだりがちょっとありまして、それじゃ一体何の委員会かという非常に奇異な感を持ったのです。ですから、私はやはり立法府は立法府、衆議院のロッキード委員会はロッキード委員会として、裁判の進行と並行してどしどし真相究明のために資料も出してほしいし、答弁もしてほしいし、また、それを怠っておる官僚機構というものがあれば、法務大臣は叱咤激励して真相究明のために大いにハッパをかけていただいてもいいのじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○伊藤説明員 まず、私の発言について、いまおしかりの言葉ではないかと思われる御発言がありましたので、釈明いたします。 私はほかのことをべらべらしゃべったと仰せになりましたけれども、すでに第一審判決があった事件につきまして、その公判で顕出されたところについてはお尋ねがあればできるだけ詳細にお答え申し上げるというのが私の信条でございまして、お約束しておるとおりに対処しておるわけでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○加地委員 大臣の御答弁を……。
○廣瀬委員長 ありますか。
○古井国務大臣 特別にありません。また、重ねてお尋ねがあればお答えいたします。
○加地委員 大臣にお尋ねしたいのは、裁判進行中であっても、国権の最高機関としてあとう限りの真相究明の努力がこの委員会でもなされるべきだし、また委員からの質問に対して、資料を開陳したり答弁なりをいままでよりももっと積極的にやるべきがたてまえでなかろうか、新任の大臣はいかが考えられますかというのが私の質問でございます。 先ほど刑事局長の発言の一部を取り上げたのは、ちょっと解釈の違いがあったかもしれませんが、真意は、この委員会でロッキード事件の肝心のところに行くと、もう裁判でだめだとか、どうとかこうとかという点がいささか腑に落ちない、そういう趣旨でございますから……。
○古井国務大臣 国会は、いまおっしゃるとおり、また申し上げるまでもなしに国権の最高機関ですから、国会の立場で大いに機能を発揮されることは当然でありますが、ただ、当然のこととして、裁判にかかった事件、これは裁判の独立で裁判所が中心になってやるものであって、いわんや行政権がやたらに容喙すべきものでもないでしょうし、これは裁判所にかかる限りは裁判所で責任を持って処理する、こういうことであります。政治責任の問題は裁判所ではないですし、しかし、法務省なんという一役所がどうこうというのではない、これは国会で、高い立場でお扱いになることですし、当委員会もそれだと思うものでありますから、そういう意味では、法務省だけを相手にしてやりとりばかりやっておるというようなことでなしに、この委員会自体としてしっかり最高機関の面目を発揮されるようにしてもらいたい、こういう感想を持つわけでございます。
○加地委員 非常に高い税金を法務省という組織に何がゆえに国民は与えておるかということも御勘案いただきまして、法務大臣を先頭とする司法当局のいわゆる責任を果たしていただきたい、かように思います。 それでは、観点を変えまして、例のコーチャン回想録に出てくるところの十月五日の児玉事務所から中曽根さんの方へ電話をしたという場面についてなんですが、実際に中曽根さんの方へ電話がなされたかどうか、あるいは、その明くる日の十月六日に、言われておるところのロッキード社が日航の注文を取るようになったという、ロッキード社側にとっては非常に不利な陰謀というものをはね返す努力がなされたかどうかということについて、コーチャンは別の角度からチェック活動をやっておると聞くのでございますが、刑事局長、この点については真相はいかがでございましょうか。
○伊藤説明員 再々お答え申し上げておりますように、一つの、非常に関心を引く出来事に関する事柄でございますので、検察としてもその周辺の事情については十分調べておるはずでございまして、それが今後必要に応じつつ公判廷へ明らかにされることになると思います。その段階でまたいつでも御報告を申し上げますけれども、ただ、先ほども申し上げましたが、先般の参議院のロッキード委員会において私が承っておりましたところでは、運輸省の航空局長が、当時、その伝えられるような政府決定はなかったというふうに御答弁になっておったようでございます。そのことだけ申し上げておきたいと思います。
○加地委員 ロッキード社が日本国内でトライスター販売促進工作のために総額二十億円ほどの経費を使っておるようでございますが、その割りにはこのトライスターという飛行機は十機ほどしか売れていない。売上額五百億円程度であって、この販売実績からするとちょっと販売工作費が、賄賂もひっくるめてかかり過ぎておるのでなかろうか、こういうことも一部報道をされております。このトライスター機はロッキード社にとって、一機販売することによって大体どのくらいの利益を生み出した商売なんでしょうか。——運輸省の方、来ておられますか。通産省の方ですか。
○廣瀬委員長 運輸省の航空局長が見えております。
○松本説明員 お答え申し上げますが、一機売ってどのくらい利益があったかという点につきましては、私ども調べようもございませんし、大体飛行機を売る、つくるという方につきましては所管でもございませんので、申しわけございませんが、よくわかりません。
○加地委員 トライスターをよその国でも買ったところがあって、そこらのドル建ての価格などと比較すれば、日本のが高かったか安かったかということぐらいはある程度わかりませんか。
○松本説明員 そちらの方でございましたらば、一応私どもの調査によりますと、全日空が四十八年の暮れから四十九年の秋ごろにかけて六機発注しておりますが、これはまとまっておりますのでそのグループを一応とったわけでございます。これが平均しまして、ドル建てで大体千八百万ドル、その前後の価格でございます。それに対しまして、大体同時期に購入されましたアメリカの数社におきます価格を見てみますと、千八百万ドルから二千万ドル、端数はございますが、の間にまたがっております。したがいまして、いずれも全日空の平均購入単価よりも高い価格で買っておるようでございます。ただ、航空機の価格というのは、裸の価格の場合もございますし、部品その他がいろいろとくっついておる場合もございますし、そこら辺のことを詳細に見なければ、単純にどうこうということはいかがかと存じますけれども、しかし大体航空会社が出しておる数字が似たものだという前提で考えますと、いまお答え申し上げましたように、全日空の購入価格は、その同じ時点で購入されました米国の数社の平均価格に比べまして、数%ないし一割程度安く買っておるというふうに見ていいのではないかと思います。
○加地委員 刑事局長にお尋ねします。 ただいまお答えがありましたように、よその国で売れたよりも安い価格、しかも販売工作費がいろいろとくっついておりまして、普通の商売感覚からいくと、果たしてこれはトライスター売り込みだけの工作費であったのかどうかという疑問が国民の中に出てきておるのは当然なんでございますが、いままでの捜査で、ロッキード社がトライスター売り込み前後に使った工作費というのは、トライスター販売のためのみのものでしょうか、あるいはP3Cに絡むような工作費も出ていたのでなかろうかという疑問も出てきますし、それからまた、もう一つ一緒に聞いておきますけれども、現在、トライスターの売り込みということで賄賂の収受があったとなっておりますが、これが公判のずっと最後の方になって、賄賂を受け取ったけれどもトライスターの売り込み用じゃなしにP3Cの売り込み用なんだというぐあいに被告側の供述が変わったりした場合に、トライスター関係では無罪になり、P3C関係では時効完成というような事態が起きてくるというおそれは現在の刑法、刑事訴訟法ではないんでしょうか。ちょっと二つのことを聞いておきたいのです。
○伊藤説明員 お答えします前に、事実関係でちょっと合点がいかないところがありましたから申し上げますが、トライスターを買いました機数は、十機じゃなくて二十一機じゃないかと思いますが、それはともかくといたしまして、ロッキード社から流れてきました金の行方はしさいに追いかけたわけでございますが、すでに一回目、二回目の法務大臣の御報告で申し上げておりますところ、また、そこに記載しました趣旨以外の犯罪に関係のある金というものは全く把握されなかった、こういうことでございます。 それから、最後にお尋ねの、非常に仮定の御議論でございますが、全く観念的な理屈を言いますと、一応贈収賄罪として公訴が提起してありますその事実と同一性があります限り、授受の趣旨の変更がありましても、たとえば訴因の変更をいたしますれば当然時効完成ということはなく有罪になるわけでございます。 ただ、これは理屈の問題でございまして、検察官がトライスターの趣旨の金であるということを一生懸命立証しておりますのに、最後に裁判所がこれはP3Cだったというような心証を持つような、そういう立証では有罪になるはずもないというふうに思いますので、大変恐縮でございますが、余り実益のある議論にはならないのではないかと思います。
○加地委員 終わります。
○廣瀬委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時十二分散会