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85回国会参議院1978/10/12

予算委員会 第5号

発言数
83
登壇者
19
会派数
8
開催日
1978/10/12

会議録

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和五十三年度一般会計補正予算  昭和五十三年度特別会計補正予算  昭和五十三年度政府関係機関補正予算  以上三案を一括して議題といたします。  これより下村泰君の質疑を行います。下村君。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 私のお尋ねすることは、各大臣方にそれほど肩を怒らせてお答えいただくような内容じゃございませんから、気楽にお答え願いたいと思います。そのかわり、いいかげんじゃ困ります。  まず、総理に伺いたいのですけれども、高度経済成長のときというものはわりかた目立ちませんけれども、あのオイルショックによりまして、それ以後低成長時代と言われる時代に入っております。そうなりますと、人間というのはもう不平不満というのがだらだら出てくるわけです。まして財源難でございますから、一般消費税の導入にことに総理は魅力を感じているとおっしゃっていました。もう国民の間ではこれはえらいことになるという悪寒ですね、予感じゃなくて悪寒が先に立っています。今年度のそういうさなかに、四月十九日付の読売新聞のアンケートの結果を見ますと、「あなたが払っている税金に比べ、不当に軽いと思うのはどれか」という問いに、六五%が「開業医」と答えている。お医者さんですな。東京、大阪などの大都市では七一・五%が開業医の医師優遇税制は不当であると答えているわけです。今国会でもたびたびこの医師優遇税制は今年度限りであると総理はおっしゃっておりましたけれども、本当におやりになる気があるのかどうか、まず伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 医師税制の特例問題、これは長い間の論議の的になっておるわけですが、私もずいぶんこの問題をどうするか考えてきておるわけなんですが、まああれができたいきさつというものもあるわけなんです。私はそのいきさつもよく承知しております。それらを踏まえて、そろそろもう踏ん切りをつけなけりゃならぬ時期に来ているなあと、こういうふうに考えておったのですが、幸いに自民党の方でも、もうあの優遇税制と言われる特例措置はこれは本年度限りだと、こういうことを言っておるわけです。そして、いまそういう際にどういう次の措置をとるかということの検討を始めておるわけであります。私は、その検討の推移を見ながら政府としても善処いたしていきたい、このように考えています。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 いままでも再三再四出ているお話でございますので、これ以上言う必要はないかもわかりませんけれども、もちろんあの法案のできた推移も勉強させていただきました。その裏で暗躍したのが武見会長であるという活字も拝見しました。私が心配するのは、ここのところ物すごい医師会の強硬発言が目立つわけです。私らの言葉で言うと、いちゃもんをつけているのが多過ぎる。歴代の厚生大臣は、ばか、無能呼ばわり。それから大臣の籍を離れた前厚生大臣の渡辺美智雄氏が医師会の横暴ぶりに腹を据えかねましてその体験談を語れば、あの渡辺さんの御家族ぐるみでお世話になっている主治医の方から、渡辺さんの奥さんにその医者が、先生はもう大臣をやめたのだから医師会とけんかをするのはやめてくれ、そうでないと県の医師会からいじめられるからというふうに泣きついているというんですね、医者が。  そうかと思いますと、この月刊「現代」という雑誌がございます。この中に書かれているのを見ると、これは物すごいものですな。私でもこんなことは言いませんでしたよ。相手の大臣の名前は挙げませんが、「あなたみたいな、ハレンチな大臣は相手にしません」「不正直で官僚の走狗に終始した男のみならず精神病者」「ナチスのアイヒマンとおなじ人間だ。絶対にゆるせない」「小利口な技術屋で、小心翼々たる人物である」「歴代厚生大臣のうちで史上最低の大臣だ」ここにいらっしゃる外務大臣、元厚生大臣をおやりになった園田さんは「カンの良い男だが、やったことは社会部記者へのごきげん伺いにすぎぬ」、こう書いてあります。まあこの辺はまだジョークとして片づけられます。「自民党はもう落第坊主である。年老いてボロボロになっている」それはまあ年齢層から見ればそういう感じも受けますけれども。「厚生省、および厚生官僚は、国家予算という総枠の中で医療をしめつけ、医師の収入を低くおさえこみ、法律によって医師の技術や薬を規制し、国家統制をもっとも好む赤色官僚だ」「二流、三流の伴食大臣に医療行政などわかるわけがない」と、こういうような文句が並んでいるんです。  そこへもってきまして、今度は九月二十四日の毎日新聞に、これはもう総理もごらんになったと思いますけれども、今度の衆議院選挙が行われたら、当落線上の自民党候補を五十人落とすというんですね。しかも、医師会と表裏一体になっている日本医師連盟――これも委員長が武見会長なんだそうですけれども、「武見会長は「ほうっておいても(積極的に支持、推薦しないでも)当選する候補はともかく、当落線上の候補を当選させるのはむずかしく、落とすのは簡単だ」」と言って、もう五十人のリストができ上がっている。しかも、一方にはこういう言葉があります。これは前厚生大臣の渡辺さんの言葉なんですが、「ただひたすら、総理の決断だけよ。総理さえやる気なら、一ぺんにできる、ただ、歴代どの総理もやりたがらないんだね。総裁選にまで、医師会はからんでくるからね」というと、いま目の前にこれ総裁選があるわけだ。そうしますと、総理がいままでおやりになる、おやりになるとおっしゃっていますけれども、もしこれができないとなると、一本自記党という政権を預かっている政党は医師会の何なのだと、ひもつきコントロールされているのかと、こういう観念を持つ。医師会だけが優遇されてあとの国民はかすみたいなもの。苦労するのはみんな同じなんですから、こういう不況時代に。それを向こうだけが優遇される。いま自民党でけなげにも反抗しているのは青嵐会だけなんです。それで、もしこれができないなら、これは全国民注視の中ですから、これができないとなる一と、総理と言わず自民党の威信にかかわると思いますが、本当にやれますか、再度お尋ねします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ人さまざまでございますから、いろいろな意見を言う人があります。それにはあえて触れませんけれども、この医師税制、これの特例措置の廃止というか改正というか、これは次の国会でぜひやってみたいと、このように考えております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 余りこれを突っ込んでいきますと、ここにいらっしゃる諸大臣の中で、一部の方の丈夫な方を除いてあとの方はのべつ医者に御厄介になる方だと思います。どこかで一服盛られると大変ですから、この辺でやめておきます。  次に、心身障害者のことでいろいろとお尋ねしたいと思いますが、これは厚生省並びに労働省の方の管轄になると思いますけれども、授産所、共同作業所、福祉工場、それぞれどういうふうな内容になるんですか、この区別が私はいまだにはっきりしないんですがね。授産所、共同作業所、福祉工場。

八木哲夫厚生省社会局長

○政府委員(八木哲夫君) お答え申し上げます。  身体障害者の福祉更生という観点から、一般の職業あっせんなり雇用の問題につきましては労働省でやっておりますけれども、一般の雇用関係になじまないという身体障害者の方々に対しまして、生活訓練なりあるいは職能訓練を行う。あるいはある程度のお仕事の場を考えるというような意味で、授産施設なりあるいは福祉工場というような措置を現在厚生省の方で行っているというような状況でございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 実際のこと言って、聞いていてちっともわからないですけれどもね。先般の社労委員会のときに、労働でもって藤井労働大臣にお伺いしておきましたけれども、厚生大臣と八月の十一日にお会いになって、作業所の方と授産所の方という区別があるけれども、そういうのを何とかして一つにまとめて御心配いただけないかということを私が申し上げましたら、厚生大臣とお会いして話し合うとおっしゃっていました。そのお話し合いの結果どういうふうになっていますか、伺わしてください。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○国務大臣(藤井勝志君) 一応話し合う機会はございましたけれども、まだ結論が出ておりません。と申しますのは、労働省の関係は、いわゆる身障者の納付金制度というこの制度の上に立って施策が進められておるわけでございまして、納付金制度というのはすでに御案内だと思いますけれども、事業主が社会連帯の責任に基づいて、そして事業主相互間で、身障者を雇い入れない方の事業主から負担をしてもらって、それを身障者を雇い入れる事業主の方にこれを渡す、これによって身障者の雇用の拡大を図るという制度でございますから、やはりこの雇用関係というのが前提でございまして、したがって、この共同施設関係にいきなりこれを結びつけるということは法律制度的に不可能である。また納付金制度の本旨から見ても適当でないということで、現在事業主の協力を得て、共同事業的なものをひとつ工夫して何とか同じように身障者の立場にある人たちが一緒に働きながら、そして生きがいを持って生涯仕事に励むと、こういう工夫ができないものかということで、労働省と厚生省は密接な連絡をとって今後に対処したい、このように考えておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 厚生大臣に伺いますけれども、厚生省の方としてはどういうふうにお考えでしょうか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 身体障害者の雇用促進につきましては、一般的に労働省がいろんな割り当て数を決めたりそれを督励したりいろんな対策をやっておるわけでございますが、私どもの方は、先ほどお問い合わせがありましたような更生施設としての授産施設、授産施設と言いますと、これは福祉面からとらえた、そして技能を習得をしていただく、自立を助けるための施設でございます。福祉工場の方はそこで働いてそして一定の賃金等もそこで得うるというような施設になっておるわけでございますが、そういう一般の工場、事業所あるいは法人の事務所等になかなか就職が困難だろうというような人たちに私どもが自立のための援助なりあるいはその仕事場を提供する、これが私の方の仕事になっておるわけでございまして、この点はなかなか地方が負担が多いものでございますから、地方財政が逼迫しましてからはなかなか進んでおりませんので、この点はできるだけ私どもも地方に対する援助を拡充強化いたしまして進めていくようにしたいと、かように考えておるところでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 実はここにこういった品物を数々持ってきたんですが、いま労働大臣もおっしゃいました、あるいは厚生大臣もおっしゃいました、授産所であるとか作業所でつくらされている対象物なんですけれども、ここに電線がございます。これは目黒区にあります上目黒福祉実習所というところ、二十三区の中で比較的目黒区というのはこういうことに関心を持ってやってくれているところなんですけれども、十七名で月にこれが二トンですね、二千キロの量をこなすんです。二トンというとばかに多いように感ずるんです。ところが、これを機械でやりますと一人で一日でできちゃうんです。機械を使いますと。機械でこれをぼすんと圧縮しますとこの被覆線がこう割れるんです。これを全部機械でやると、すぽんととれるようになるんです。ところがそれをやってしまったんでは、脳性小児麻痺のお子さんですとかあるいは精薄のお子さんが仕事にならないわけです。で、わざとこういうふうにつくってある。これをきかない手でこれを落としていくんです。そしてつくるんです。この工賃がわずかなものなんです。これ一本約二百グラムあります。五本で一キロで二十円の賃金なんです。こういう作業をしております。大体そうですね、一カ月働いて一番できる子で五千三百二十円。全然動けない子ですと五百五十六円にしかなりません。  そうかと思いますと、これは小平市にある「あさやけ作業所」というところなんですけれども、ここは作業所をつくるために「あさやけ債券」というものを発行して三千五百万円の借金をしょって土地を自分で購入して、ことしの三月作業所を建てたんです。自分たちの手でやったんです。ここでつくっておるのですけれど、これは何でもないんです。ただ単にこういう箱だけなんです。この三つの箱、これはくつ下の箱なんですけれども、これを入れるんです。これを入れてふたをするだけなんです。これが一個五円なんです。これが一日一生懸命働いてもまず千箱しかできず、月間通じましても一人が大体六千円いけばいいところですね。ですから、もうほとんどこれは生活費にもなりません。  それから東京コロニーというのがある。これはもう総理もあるいは御存じかもわかりませんが、ここも身体障害者の印刷所ですが、ここはりっぱなこれだけの製品をつくるんです。ですから、もし諸官庁で少しでも――厚生省なんか一番私はあれだと思いますよ。それから労働省もそうですよ。労働大臣、聞いていてくださいね。本当に一部の仕事を回してくだされば、この東京コロニーなんか満足に仕事ができて、しかも身体障害者の方々が重い足を引きずり不自由な体を寒風にさらしながら営業して歩くのですよ。いままで何で厚生省や労働省がこういうことをほうっておいたのか私は不思議でしようがないんですがね。そうすると、余りめんどうを見ると怠けるからと、それはうそですよ。怠けるというのは法律をうまく利用して、そして失業保険とかその他で怠けている人はいるでしょうけれども、こういう人たちはそんなことのできる器じゃないんですよ。毎日生きるのに一生懸命な方々なんです。ですからこういうこともひとつ頭の中に入れておいてこれからともお願いしたいと思います。  それからいまの納付金のことですけれども、労働大臣、確かにそれは使い道としては事業主が提供したものですから、一般会計の方から、あるいは労働省の方から、それをむやみやたらに出すわけにはいかないでしょうけれども、せっかく集まった納付金は、何かこれを見ますと、確かにこれは理屈としてはわかるんです。ところが住宅を建てるんだって、三分の二出すけれども三分の一はおまえが持てというわけでしょう。三分の一の銭が出せればそんなに困らないと思うんですがね、それだけの銭が出せるような人間ならば。非常にこれ何か不便なんですね、読んだんですけれども。実際に納付金制度を利用して、たとえば雇用促進事業団ですとか身体障害者雇用促進協会とか、こういうところが相諮って労働省と何とか、共謀と言うとぐあいが悪いですね、両方でお互いに共同して、そしてそのお金で作業所をつくって、そういう方たちのために何とかするという方法はできないものですかね。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 納付金を原資として作業所等をつくれないかと、こういうお尋ねでございますが、現在の身体障害者雇用促進法の中の規定によりますと、この納付金の使い道というのは事業主が雇用した場合に、その雇用に係る経費負担に使う、こういうことに限定されておりますので、直接的に作業施設等をつくることについては現在の助成金の対象外ということに法律上明確になっておるものでございますので、現時点におきましてはそれはできないと、こういうことになるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 ちょっと待ってくださいよ。つまりその納付金というのは、事業所が身体障害者を雇用した場合に、その金を助成金として使うというのでしょう。ところがその事業所が使わないから納付金制度をつくっているんじゃないですか、どうなんですか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 先ほど大臣から申し上げましたように、事業所で法定の雇用率に達してないところからその納付金を取りまして、その取った納付金を原資としまして、新しく雇い入れる、そういう事業主の方、あるいは法定率を上回って雇っておられる方、そういう方々に調整金なり助成金というかっこうで支給をすることによって、一方が負担を免れ一方が過重負担になっているのを、負担の調整を図るということで現在の納付金制度というものはできているわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 じゃ伺いますが、決められた率よりもオーバーしている事業所はどのぐらいありますか。で、いままでどのくらいその助成金は使われましたか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 六十七人以上の常用労働者を使っているところについての統計でございますが、現在達成している企業の割合は五二・七%でございます。  それから、納付金に基づき集まった金の使用状況でございますが、五十二年度におきましては約九十六億円納付されまして、これが十七億円支給をされておるわけでございます。五十三年度におきましては、現在までのところ納付金が約八十八億円入っておりまして、これに基づきまして調整金、報奨金、助成金合わせまして、現在で合計約三十三億円ということで、すでに昨年の二倍ぐらいになっているのでございますが、なお現在申請受け付け中でございますので、今後さらに増加するという見込みでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、使われない金の額の方がはるかに上回っているんじゃありませんか。年間を通じて、この間もいろいろお尋ねしましたが、たしか百五十九億七千万、この五十三年度は。それで、いまあなたのおっしゃったような額を差し引いても、膨大な額が残りますね。果たして使い切れますか。いまも申し上げたように、雇うべき率に満たないから納付金を納めているのだから、その納付金の活用法というのがあるはずじゃないですか。それを雇った方へ助成する助成するといったって、雇われないから、よけいこれが積もっていくわけでしょう。だから理屈が合っているようで実際の中身が合っていないということなんですよ。あとどうなりますか。

細野正労働省職業安定局長

○政府委員(細野正君) 納付金と調整金、助成金等との関係について申し上げますと、納付金の方は、調査によります身体障害者の方を雇うことに伴う経費を算出しまして、そのコストというものから、雇わなかった場合に生ずるであろう、その免れた経費というものを徴収する。それから調整金その他の支給をする方につきましては、やはり同じ調査によりまして、一人当たり雇うことに伴う経費の負担増をそれによって補う、こういう考え方に立っておりまして、したがって、いわばコストを免れる分とコストの過重になる分との調整を図ると、こういう仕組みでございます。したがいまして、雇用率を達成しない場合には、収入と支出の間にそれだけの差が生ずるという、もともとそういう性格になっているわけであります。ですから、これがバランスをすれば、普通の保険なんかのように収支がもともとバランスするという考え方で作成をされている制度ではないわけでございます。  ただ、それにしましても、御指摘のように相当の余剰が出ている点について、これを活用すべきであるという点は先生の御指摘のとおりでございまして、したがいまして、本年度におきましてもすでに要件緩和、あるいはその助成額の引き上げ、あるいは助成率の引き上げ等の大幅の改善をいたしておりますが、その結果、先ほど申しましたように前年度に比べればかなり支出の方は伸びつつあるわけでございますが、さらに、先ほど大臣からお答えがございましたように、これをもっと活用する方法を今後とも考えてまいりたいというふうに思っているわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 労働大臣に伺いますけれども、たとえばこの納付金制度を活用する方法で、納付金を納めなくてもよろしい、そのかわりこういう作業所や何かにつてのない、どうにもこうにも仕事の量がないようなところへ仕事を回すことによって納付金のかわりにするというのは考えられませんか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○国務大臣(藤井勝志君) 局長からお答えを申し上げたように、納付金制度の仕組みが、やはり身障者を雇い入れていない事業主に負担をさせる、そして雇い入れる方の側に雇用促進の意味においてこれが助成をすると、こういう雇用関係というものを前提にしているという法律の仕組みになっておりますから、いまのところ法律を改正しなければどうにもならないという点もありますが、同時に私は、この前社労の委員会で御指摘がございまして、いろいろ内輪でも工夫をさしておる最中でございまして、やはり何とか共同雇用をする、そしてそれに対して、雇用関係を踏まえてこれに助成することによって、同じような身障者の立場の人が働き場所を得て、そして仕事をしていくという工夫はできないものであろうかということで、現在事務的に検討させております。  そして、この問題はやはり厚生省と私は緊密な連絡をとって、そして新しい分野を開拓をするということが必要ではないか。納付金制度というのは、本来はやはり身障者の雇用の促進ということに法律の大前提がありますから、その大前提を踏まえて、現在の法律の仕組みでなじまないところは何とかひとつ運用上の工夫によって御指摘のような方向に沿えるような方途を見つけたい、このように考えておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 もし法が不備ならば、この国会というところで法を改正して、少しでもそういった力のない方々のために喜んでもらうべきが私は政治家の務めであり、労働大臣あるいは厚生大臣のお務めじゃないかと思いますが、総理いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) よくこれは検討というか相談をすることにいたしましょう。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 ありがとうございました。これは大変どうもお願いばっかりで申しわけがないとは思っておりますけれども、しかし受けて立つ側なんですから、一生懸命ひとつ私の言うことも聞いていただきたいと思います。  次に、今度は身体障害者の有料道路の使用についてお伺いしたいと思います。身障者に運転免許取得の道が開かれましたが、大変ありがたいことです。昭和三十五年で、これまでに約八万五千名の方が、これは警察庁の調べでございますけれど五十二年末現在免許証を取得しております。身障者にとって車というのは生活の必需品で足と同じでございます。ところが聞きますところによりますと、建設省道路局有料道路課では下肢、体幹障害者は半額割引を検討中ということですけれども、これはどの辺までお話が進んでますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 現在、省内に身体障害者の有料道路通行料金に関する検討会というのがございまして、ただいま下村委員がおっしゃるように、大体料金の半額にする方向で早晩結論が出る予定でございます。そういう進行状況でございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 建設大臣、これは建設大臣の所管かどうか、おわかりにならないかもわかりませんが、これは半額にするとえらいコンピューターの設備やなんかに大変銭がかかると聞いたのですが、それだけの予算があるんですか。予算がとれるんですか、このコンピューターシステムを導入するというと大変なお金がかかりそうですね。交通公社やツーリストに委託する委託料金も相当な額になるというのです。それだけの予算があるのですか。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。  有料道路には高速国道のようにカードでいたします料金徴収のようなやり方、それから回数券で一枚一枚切って通行するというようないろいろなシステムがとられております。日本道路公団あるいは首都高速道路公団、阪神高速道路公団といったような首都高速のやり方。地方道路公社におきますやり方等々いろいろあるわけでございますが、検討委員会の場で料金徴収のやり方、身障者の方々にどういうやり方をすれば一番よろしかろうかということについていろいろ検討をいたしております。その結果に基づいて必要な予算措置は講ぜなければならぬと、かように考えております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 いや実は、これはどのくらいかかるか私はもちろん知りませんし、一番いいことは、むしろこれは無料にした方が一番いいと思うんです。無料にすればこれはコンピューターの設備も要らないし、いまさら何ぼ何ぼこれだけの設備が要るからというややこしいことは何も要らないんです。で、そのときにじゃどういうふうにするかといったら、こういうのがちゃんとあるんですね。これは建設省の方はおわかりでしょう。こういう駐車禁止除外指定車というのがあるんです。ちゃんと。しかもこれは身体障害者本人でなきゃもらえないんです。それからここに身体障害者の手帳もあります。こういうふうに本人の写真が、これちょっとべろべろになっていますけれども、こういうふうに写真も張ってあります。こういう写真とこれの二つを出したち、はいどうぞとただで通してもらえるようにしたら一番いいんじゃないですか、予算がかからないで。どうですか建設大臣、そんなに数がいるわけじゃありませんよ。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 下村委員は無料を前提にしてこういうものを活用できるじゃないかと、大変お考えとしては承ることができるんですが、有料道路のたてまえですね、何で料金を取るのか。それは建設費を回収しておるわけですがね。そこで、現在有料道路で無料の場合があるかと、こういうことを考えてみますときに、緊急自動車のようにその通行が公共目的のためになされる、これはやむを得ないことだろうと思うのです。それから有料道路に対して代替道路があると、しかしその代替道路が火災とか地震とかいろいろな事故のために使うことができない、やむを得ないから有料道路を無料にしようというようなことで無料の場合があるわけでございます。そうすると身障者の方に、この身体が不自由で生活上不可欠の自動車である、こういうことを考えましても、さあ有料道路を使う場合にそれは公共目的であるかと、こうなるとそうでない。こういうことになる。あるいは代替道路をお使いになってもいい場合があると思うんです。強いて有料道路でなくてはならぬということでもないというようなふうに考えてまいりますと、これを果たしてもう最初から無料にする、そのためにはこういう方法があるというふうに物事を進めていくわけにいかない。どの程度のところがいいかということが、御質問にもあったように、まあ半額程度のことを考えようかと、それには料金の徴収についてはどういうふうにしようかということを現在省内で検討をしておる、こういうことなのであります。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 これは何回押しても無料にはなりそうもありませんね、目下のところでは。しかしずいぶんだだに近い、もう償却しちゃっている道路もあるのにいまだに銭を取っているんですからな、第三京浜なんというのは。  それから建設大臣に考えてほしいんですが、首都高速を使う場合ですね、これは三十枚つづりしか売らないんですよ。しかもその三十枚つづりを買うに行くには場所に制限があります。交通公社ですとか、それから福祉事務所ですか、そういうところへ行って買わなきゃならない。ところが月曜日から土曜日、朝九時から五時までと時間制限があるから、おいそれとは間に合わない、こういうような非常につまらない障害があるんですよ。これ何とかならぬものですかね。しかもこういう障害者というのは、三十枚ずつつづりを買うといったらえらい金になるんですよ。ですからいまも言ったように、こういうものを出して一枚すうっと売ってくれるという方法は考えられないものですかね。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。  先ほどいろいろな料金徴収方法についてちょっと触れたところでございますが、やはりこの場合、各事業主体におきましていわば統一性のある方法にすることが利用者の利便を図る上で望ましい、とりわけ身障者の方にそうでございますので、現在その具体的な方法についていろいろ検討をすすめているところでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 その具体的な検討というのは、いま私が申し上げたような方法になるのかならないのか、そこのところをはっきりしておいてください。一枚ずつ買えるのか、具体的な検討というのは。あなたにお聞きしてもだめですか。

山根孟建設省道路局長

○政府委員(山根孟君) いまその点を実は検討をしている最中でございまして、まだ結論を出しておりません。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 これは早く出していただかないと困るんです。こういう方たちは、われわれのように簡単にすっ飛んで歩くわけにいかないんですから、そういう体の持ち主なんですから。やっぱりそういうことも考えてあげてほしいと思います。  それから今度は国鉄の方をちょっとお伺いします。運輸大臣とは浅からぬ仲ですからいい返事がいただけるんじゃないかと思いますけれども。この間東京都のお知らせにこういうのがございまして、「9月1日から戦傷病者の国鉄の特急料金が無料になりました。この取扱いを受けるときは「戦傷病者急行券引換証」を駅の窓口に提出してください。」、こういうことが出ておりました。これはもちろんこういう方々にとっては朗報であり、またこういうふうでなければいけないと思います。ところが身体障害者ですね、普通の身体障害者の場合なんですけれども、これは困ったことに、この方たちのいま利用されているのは普通急行券、これが半額ですね。ところが身体障害者の方々が実際に利用できるという駅は特急関係なんですよ、新幹線、一番利用しやすい駅は。その新幹線の方にはこの半額がないんです。これを何とか新幹線の方も半額にしていただけませんか。そんなに数多く乗るわけじゃありませんよ。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) お話しのように、戦傷病者に対しましては九月一日から無料ということに特急券をいたしております。おりますが、実は正直に申し上げますと、二年ほど前にこの参議院におきましても、法案を通す際に附帯決議をしていただいておりますことに、こういうような公共割引をする場合において、政策部門を担当するところで負担するように努力する、そうしろというように決めていただいておる。国鉄としてはありがたいんです。国鉄は赤字を出すこと相ならぬと言ってうんとしかられる、これはしかられてあたりまえだと思います。そのしかっているやつにもっとただにしろというのをやたら言われたんじゃこれは国鉄もかわいそうだ、こういうわけなんです。気軽に答えろということでございますけれども、余り気軽にうっかり言ってしまってもここのところむずかしいのでございますが、そこで戦傷病者に対しての措置は、これから生ずるであろうところのそういうような負担につきまして、実は国鉄にそれを皆かぶれと決まったわけじゃない。しばらくの問、五十五年ぐらいになるのじゃございませんか、にはしかと決めるが、それまでの間しばしとりあえず無料にしとけと、こういうことなんです。  こういうときに、よくとりあえずというのがそのままずっときて、国鉄に結局負担しろというようなことになることも過去においてはなかったことはないんでございますが、そういうことにされたんじゃ困るので、私はしかと、これは受益者のために早くしてやらなきゃいかぬからそうしました。しかしその負担ということにつきましては、国庫において御心配いただく、そういうことでなければならぬ。いま下村さんのおっしゃるのも、そういうことにいたしますと相当金もかかるわけでございますし、率直に申しまして、運輸大臣限りにおいて、それではただにいたしましょうとか何割引きにいたしましょうというわけに、そう幾ら気軽に、気楽にいかないんです。そこで私どもも、せっかく御熱心に下村さん御主張のことでもございますし、すでに国会からの御注意等もいただきつつ、関係閣僚会議等でこういうことの相談もいたしました。それじゃ学割については文部省が心配してやろうとか、身体障害者等については厚生省が心配してやろうとかということはなかなか言ってくれない、無理もないと思うんです。大蔵省もそれだけの金を出してやりましょうとなかなか言わない。しかしそうはいってもやっぱり国が何とかしなきゃならぬということについては、これはみんなで考えなきゃならないと思います。私もしばしば関係閣僚会議でそういう主張をいたしておりますし、これからもいろいろいたしますが、ただいまのところ、せっかくではございますが何割引きにいたしますとはすぐには言えない、この点を御了承いただきたいと存じます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 いよいよ時間もおしまいでございますから……。しかし、近き将来には何とかしていただけそうですね、いまのお話の内容ですと。  ところで総理、来年度の予算の中で今度は国民の生活に密着した予算を組んでいくということをおっしゃっていました。福祉の方も大分お力を入れてくださると思いますけれども、ことに日の当たらない方々のためにどのようにお心をお配りくださいますか、ひとつ御存念をお聞かせください。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 日の当たらない人に特別の配慮をする、これはもう当然そう考えなきゃならぬわけです。ただ、いまの下村さんからお話の交通料金問題、これなんかはそういう方向では考えておるのです。おりまするけれども、さてそれを具体的にどういうふうにするかということになりますと、これはいわゆる横並びというようないろいろな問題があるわけです。  それからさらに、その料金を引き下げる、あるいはただにする、それによってその交通主体といいますか、交通機関の方に穴があく、その穴をだれが埋めるのか、こういうような問題、この交通料金をただにするという方向で身体障害者のために取り計らうということでなく、身体障害者に対して全体的、総体的に一体どういうふうにするかというような問題もあり、具体的にどういうことをするかというと、ここでお答えはなかなかむずかしいんですが、身体障害者など日の当たらない人、それに対しまして手厚い配慮をする心がけでやるということははっきり申し上げます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 どうもありがとうございました。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で下村君の質疑は終了いたしました。      ―――――・―――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、有田一寿君の質疑を行います。有田君。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 私は、新自由クラブを代表して、総理初め関係各大臣の方々に、主として国土計画についてお尋ねし、二、三の提案をいたしたいと思っているわけでございます。これは衆参通じて私が最後でありますので、国土計画に対する夢を論議してみたいということで、別にお役所を責めるとか告発するとかそういうことは毛頭ありませんので、どうかひとつおおらかな前向きの姿勢で一緒に論議をしていただきたいと思うわけでございます。  特にここ十数年来、二十一世紀のビジョンだとか、あるいは超長期計画あるいは未来問題、そういう言葉で日本の将来への期待、願望等がいろいろな立場でいろいろな場所で論議されております。特に人口、食糧、エネルギーの開発あるいは備蓄、そういう問題につきましてはこれはもう当然日本民族が生存する上で喫緊不可欠の問題だと思います。同時に、これらの問題を解決するための基本政策として、海洋国家であります日本としては海を取り入れた国土計画、土地政策ということについての長期展望がなければならないと思うのであります。総理は所信表明の中で、新たな技術革新の時代を招来するとして、美しい国土を守る技術というようなことを言っておられますが、単に国土を守るというだけでなく、国土、領土を新たに創造するということについて御発想をお持ちでしょうか、最初にお伺いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はいつでありましたか、一年ぐらい前ですか一年半ぐらい前ですか、有田さんとお目にかかりまして、そのとき有田さんから国土二倍造成論というのを拝聴したわけです。これはすばらしい、雄大な発想だなあ、少しそれを具体的に話してくれませんかというようなことを申し上げたことを記憶しておりますが、その後有田さんがそういう考え方をさらに突き進めまして、そして最近それを著述にして世に問うというようなことになられておるので、私もそれをざっと拝見はいたしております。非常に夢に富んだ発想でありまして、政府としても耳を傾けなきゃならぬなあというような感じがしておりますが、とにかく私は戦後の三十三年を顧みてみますと、これはやっぱり世界は非常に発展、繁栄しました。それは世界がとにかく大局的に平和であったこと、それから科学技術の進歩、この二つが背景にあるんじゃないかと、こういうふうに思うんです。ただその科学技術の面は、この戦後の科学技術の発展が一つの段階に来たんじゃないか。戦争によって培われ、そして戦後これが花を咲かしたという形の今日の科学技術、これ一つのピリオドのような時期に来ておるのじゃないか。これから思いを新たにした新しい技術革新の時代に入りませんと、世界全体の進歩、繁栄、発展というのが望み得ないんじゃないかというような感じがいたしまして、そういう感じのもとに私はとにかく人づくりだと、そういう技術革新を行い得るような日本人をつくる、こういうことが非常に大事なことになってくると。それに成功すればこれから先々いろんな有為転変があっても日本民族は大丈夫だと、こういうような感じを込めまして所信表明でもあのように申し上げたわけでありまするが、いま政府の方では三全総、新全国総合開発計画、これを進めております。それから近く長期経済計画を策定しますが、そういう中であの有田さんの構想、これもよくそしゃくいたしまして、取り入れ得る面につきましてはできるだけ取り入れるという姿勢でやっていきたいと、このように考えます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 国土庁長官にお伺いいたしますが、いま総理が言われました三全総のほかに長期の、あるいは超長期の計画がおありでしょうか。それだけをお示しいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私が申し上げましたのは、いま企画庁を中心にいたしまして経済審議会にお諮りいたしまして、昭和六十年までその七カ年にわたる計画をいま作成しようとしているんです。もとよりそれは七年だけで終わるものじゃありません。先々を展望いたしまして、そうしてその中でその七カ年の計画を策定する、そういう性格のものでございます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 そしたらあと一つ、まとめて国土庁長官にはお伺いをすることにいたしまして進めます。  経済問題につきましては、十年あるいは二十年を展望すれば、それであるいは十分かもわかりませんし、それ以上は無理だと思いますけれども、国土の経営を考える場合、三全総のように十年ないしせいぜい十五年ということの計算は、これは非常に不十分ではないか、仮に百年ぐらいの単位で考えるという超長期の展望があってしかるべきではないかと思うのです。その場合、超長期の国土計画を考えるとすれば、まず考えていくべきことは人口問題だと思います。現在でも超過密で住宅地が不足していることでありますから、これ以上人間がふえるということになれば、住宅地だけでなく環境保全上あるいは産業立地上、将来重大な局面に逢着するということは考えられます。  厚生大臣にここで伺いますが、終戦時から今日までの人口のふえ万、一々推移をおっしゃっていただく必要はありません。そして今後何年ぐらいたったとき静止人口になるかということをお伺いしたいのです。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 御承知のとおり、昭和二十五年まではいわゆる多死多産という傾向で推移してきました。非常に亡くなる方も多いのですが出生も多かった。二十五年以降は少死少産という傾向が始まってまいりまして、大体昭和三十年以降はずうっとその傾向が続いているわけでございます。大体私どもの計算では現在一億一千四百万、これが二十一世紀初頭、すなわち昭和七十五年、一億三千四百万人といまのところ推定をいたしております。それからさらに、五十年ぐらいたちまして昭和百二十五年になりますと一億四千万。大体そこで静止人口に移るだろう、こう考えられております。ただ、実は最近の出生率の低下がちょっと私は少し下がり過ぎている傾向ではないかと思いますので、この昭和百二十五年の一億四千万という数字も、少しやはりこれからあらゆる検討を経まして修正を若干要するのではないかなというふうに考えております。大体そのころが静止人口になりまして以下推移していくだろうと、こういう見込みを持っておるところでございます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 この厚生省の人口問題研究所で出した資料もいろいろ拝見しておりますが、いま大臣がおっしゃったようなことでありまして、これは両様の見方がございますけれども、まあ大体一億四千万から一億四千五百万になるであろう。それが七十二年後ということであろうかと思います。ということは百万都市があと三十以上必要になるということでもあります。当然土地需要も増大しますが、これに対してなかなか三全総では対処できないし、最近ハーマン・カーンが四全総ということを提案しております。これはそうすれば一二%経済成長ができるし、その後十年間は平均七から九%経済成長を日本は続けるんだと言っておりますけれども、これはただ私は難点があって、日本の国土をよく御存じない意見だと思って反論は後で申し述べますけれども、三全総、四全総ではなかなか対処できないのじゃないか。  それから、いまの産児制限をするか、人口をふやさないために。あるいは長寿、いま世界一の長寿国になったようですが、長寿してもらわぬ、これは大変な暴論ですけれども、理論上の問題として六十ぐらいで大体死んでもらうというような――まあ理論上の問題なんです。それか移民か、あるいは山まで開発するかということですけれども、まだ内陸は三全総があるように開発できます。しかし手軽だけれども、これは権利関係の複雑さ、あるいは文化財が非常に日本は多い、埋蔵文化財が多いということから丘陵地帯から山にかけてこれをどんどん開発するということは非常に危険であります。ここで海の活用を考え、それに挑戦すべきではないかというのが私が提案申し上げたいことであります。  先の話ですからお尋ねする方が無理と思いますので、一人語りになって恐縮ですが、私がちょっとここで提案を申し上げてみたいと思います。わが国の国土面積は三千七百万ヘクタール。言いかえれば三十七万平方キロですが、これになかなかなれませんので、私は以下坪で申し上げますけれども、千百十億坪が全面積であります。そのうち有効平地面積はこの十八%の二百億坪であります。二百億坪の中の八割は農地、河川等ですからこれを除いた四十億坪がいわゆる有効居住地面積であります。国土全面積の三・六%に当たります。つまり四十億坪造成することができれば実質的に日本の国土の有効居住面積は二倍になるということであります。  具体的な内容について申し上げますが、すでにこれは衆参両院議員の方々、約七百人ぐらいの方々には骨子をお配りして御批判を仰ぎつつあります。またこれは一年余りかかってつくった本当のたたき台、一案ですけれども、これは局長以上の方の御意見は聞いておりません。いろいろ政治的御配慮がおありのようですから、これは若い技術官僚の方々にいろいろお手を煩わしました。それから土木学者あるいは研究所等の御意見も聞いて今日に至りましたけれども、しかし、いずれにしてもたった一つのたたき台にすぎませんので、これはお笑いくださろうと御批判くださろうと御自由ですけれども、その場合は何か代案をお持ちかと、代案をつくる気持ちがおありでなければ、これは政府は無責任だと私は思うわけです。  この方法というのは、現在の海岸線から約五キロ程度離して人工島をつくる。水深は四十メーターから五十メーターまで。この人工島方式によって新しい国づくりが可能だと思われる海域は北海道から九州まで三十五億坪になります。ただし、東京、大阪、伊勢の三大湾と瀬戸内海と沖繩は除いております。二百年で造成するとして年平均千七百万坪、高度成長期の最大埋め立て量は年間千二百万坪でありましたから、それより四割多い量に当たります。従来の埋め立て方法を仮にとるとして、わが国の沿岸水深五十メーターまでべた埋め立てでいくとしますと二百四十億坪の国土ができます。しかしながら、これはなぎさがなくなる等いろいろな環境上の問題もございますので、値段は三分の一で済みますけれどもこれはとりません。この三十五億坪を完成させたとして、百年間の土地需要の増し分の三百七十六万ヘクタールの三分の一にすぎません。ましてハーマン・カーン氏がいま丘陵地を四億坪宅地化すると言っていますけれども、これは二百五十万人しか収容できません。これを四全総と称しておるわけであります。それでも現在五十万から百万未満の大都市の人口密度は百ヘクタール、つまり、もうヘクタールは使いませんが、三十万坪当たり平均二千五百人ですから、これと同程度の人口密度の都市を新しい国土に建設すれば二千八百万人が収容できる。技術的方法としては、山土をベルトコンベヤーに載せて落としていくいわゆる神戸のポートアイランド方式、あるいはオランダのような干拓方式、あるいは浮き構造、俗に言うフローティングアースと呼ばれている方式等がありますけれども、それぞれ欠点があって全面的には採用ができないようであります。山を崩して海を埋めていくという方式は一石二鳥のようですけれども、災害につながるおそれがあります。大自然は生き物であって何万年、何千年かかってできた大自然と、特に水道は二、三百年たつうちにもとに戻ろうとする動きを示す。そしてそれが大災害につながるんだということを言われております。山を崩すことは危険であります。特に生態系、環境系を基本から崩すことになりますので、これは国土を当たる場合気をつけるべきことかと思います。  運輸大臣にもここで伺いますが、オランダはどれぐらいかかってどれぐらいの土地を埋めたのでしょうか。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 私は先年、友人にオランダの議長がおりますので行ったときに、干拓記念日だからそれに出ないかとこう言う。毎年あることだから大したことないと思ったら、そのときあたかもオランダ干拓の百五十年だったか二百年の記念日でありました。先ほどあなたは百年の計をいろいろおっしゃいました。大いに敬意を評しますが、私はそのときに、五カ年計画とか十カ年計画というのはたくさんあるけれども、国土をどうするかというようなことについては、私は正確にそのとき百五十年だったか二百年だったか覚えておりませんが、これを要するに、そういう長い歳月をけみして民族が苦しい事情の中で国土を何とかしてふやそうとしてきた。いまそのオランダの干拓の歴史は何年くらいだという御質問でございますが、事ほどさように古いものであって、要するに民族がそういうことに一生懸命にならなきゃならぬということを言えというお気持ちであろうと思うわけであります。  そういうわけでございますから、いまおっしゃいましたこと等につきましては私自身も深く敬意を表しております。戦後三十年間にわが日本民族がそういうことでふやした面積は十二万ヘクタールと言われておりますが、このくらいなことではどうにもならぬと思います。そこで私もフローティングの空港をつくったらどうかというようなことを、あなたほどではございませんが、やはり同じような構想から言い出しておるようなわけでございます。現在わが国は、たとえばアマゾンに丸ビルの五、六倍くらいの大きさのフローティングプラントといいますか、あんなところで下から資材を持っていって工場なんかとてもつくり切れないのを、日本がそういうものをつくって海を越して持っていって、そして置けばそこに製紙プラントができるというようなことを進めております。大変私は結構なことであると思いますが、そういうことをいろいろやっていくことが必要だ。正確に何年前からオランダの干拓が起こりましたということをお答えできないことを遺憾といたしますが、必要なら調べておいてもよろしゅうございますが、そういう気持ちであることをお聞き取りをいただきます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 私の方でお答えいたしますけれども、オランダは八百年かかって国土の四分の一を造成したわけでありまして、最後のプロジェクトが一九一八年、いまから六十年前に取りかかって、あと数十年かかって完成するということです。二百年と言えば長いようですが、短いと言えば短いと言うことができる。  ここで外務大臣にお尋ねいたしますが、海面に人工島方式によって国土を造成した場合、国際法上領海は当然に外洋に向かって拡幅される、広げられると考えてよろしいでしょうか。できれば規定の条文をお示し願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 残念ではございますが、人工島は領海の拡大にはならぬことになっております。その条文は「国際法上領海を有し得る島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。」という領海条約第十条に規定してございまするから、したがって、そのような条件をそろえておっても人工的につくったものはそれには合わない。これは国際会議において、海岸線からの距離のいかんにかかわらず、これを許しておけば人工的な島をつくって無制限に各国が領海を拡大するからということでありまして、ただいま行われておりまする海洋法会議の草案においても同様なことでございます。ただし陸地を埋め立てて延びた場合には、これはまたやや趣を異にするようでございます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 いまの大臣のお答えですが、これは私も法律の専門家ではありませんので今後教えていただかなければわかりませんけれども、国家領域変更の一つの態用として添付ということがあって、これは新しい土地の形成による領土の増加をいう。このいわゆる新方式により現在の海岸線から五キロ程度沖合いに人工島――埋立地となっていますが、をつくることはまさにこの添付に該当し、そこに新しいわが国の領土がつくられることになる。したがって、領海幅測定のための基線は、新しい埋立地(人工島)の水際線となり、その分だけ領海は、従来より拡幅されるというふうに私は了解しております。しかし、ここで法律論争をしても大臣も専門家でない、私も専門家でありませんから、これはいずれ専門の方に伺いたいということでございます。  それで、埋立地の前面海底からサンドポンプ方式によってポンプアップすれば技術的に問題はありません。しかし、既存の国土もかなり開発しなければなりませんから、その際発生する土砂を利用すれば全量を海底から採上する必要はない。百年後の土地需要を満たすためには、これでもなお七十九億坪程度は原野森林を宅地化しなければなりませんので、その土砂の利用を考慮しているわけでありまして、これは昭和四十七年現在、存在している山を含む原野や森林面積の一〇%に当たります。それで一平方メートル五万円として、坪十七万五千円、三十五億坪造成するのに五百七十兆円、予備費を見て六百兆円という試算であります。新島との間にできる水路の利用価値あるいは都市化の進行による既存の地価の上昇等を総合的に勘案すれば、坪十七万円は高くはないと思います。陸地から二千メーター程度でよい、ある学者は千メーター程度離してもよいと、程度だけでよいという議論もありますが、これを二千メーター程度でよければ、坪単価は十万円以下にこれはなります。北方領土、それから歯舞、色丹、得撫、国後の総面積は十五億坪でありまして、納沙布岬から七キロの距離にあります。国防的意味を別にすれば荒蕪地であります尖閣列島も百万坪です。したがって、わが国としてぎりぎりの深さのところに、私は人工島をつくり上げることによって領土と領海は広がり、漁業専管水域も外洋に向かって広がると考えておるわけで、これはまた改めて、法律的なことは専門家に検討を願いたいということであります。  日本には大小四千の島がございます。しかし、これは平地でありませんし、海岸線から遠いので実際はわりに役に立たないということです。三百五十万坪の島ならば千個、一千万坪の島なら三百五十個をつくることになります。領土を自助努力と近代技術によってつくり上げるということでありまして、ただこのときに、日本海沿岸ではなく、太平洋沿岸に主力を置かなければこれは何にもならぬ。したがって格差は残ります。残りますが、この格差是正は別途の角度から検討すべきであって、無理にいま運輸省が計画しやっておられるように、福井、新潟、富山等新港をつくって数百万坪の土地をつくっておられますけれども、これは遊んでいるんじゃないかと私は思うんです。遊んでいるんじゃないかと。言いかえれば、やはり経済性を考えなければならないと思います。  この技術的の問題ですけれども、釜石の防波堤はマイナス六十メーター、すそは二百メーターの幅になっております。捨て石は普通の山の石です。提案している人工島方式は技術的には可能です。海底土砂による埋立地の地耐力は内陸地帯よりも締まっていて強靱であります。あの上に発電所をつくっても、数カ月後には発電所でもってびくともいたしません。普通考えますと、埋立地の方が弱くて既存の陸地の方がかたいように思いますけれども、これは何千年のいろいろな震動と申しますか、地殻変動によって空隙ができている。埋立地は水締めと昔から言われましたように水で締め上げてあるわけでして、これはかたい地耐力を持っているということはお互いに認識したい。オランダの干拓の場合に締め切りの捨て石で苦労して、これは玄武岩をドイツとベルギーから輸入した。ところが日本には石が十二分にございます。だからこれは日本ははるかに容易である。幅員五キロといえば遠いようですけれども、時速五十キロの車なら六分間、一部べた埋め立て方式をとる地域もあります。この場合の造成単価は三分の一以下になります。  ここで国土庁長官に伺いますが、建設省と国土庁の役割りはどういう主として違いがございましょうか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどの御質問、長期の国土政策があるかと、こういうことでございました。限られた国土資源のもとで増大する人口と経済社会の変化に対応しつつ、国民の安定した生活を保障することはいつの時代におきましても国土政策の基本だと思います。そして、国土資源や人口は短期的に調整を行うに困難でありますから、人と国土のかかわり合いを長期にわたって展望する国土政策の必要があると思います。  ただいま有田委員よりの百十四万ヘクタールの土地造成構想、人工島をつくるお話を傾聴いたしたわけでございますが、有田委員より国土庁にはそういう超長期の構想があるかないか、こういうことでございましたが、多分御承知でありましょうが、底辺都市圏構想などというものもございます。また有田委員の御主張も私どもすでに承知をしておるわけでございますが、三全総におきましても、これは十年計画を立ててはおりますけれども、すでに土地、水等の国土資源の賦存量というものは限界に来ておると思うんです。したがって、そういうことをも頭に置きながら、一方まだ東北、北海道地域には二十一世紀にかけて予想される人口増加に対応する余地があると、こういうことで三全総の中においてはそういうことを一応頭に置きながら十年計画を立てておるわけです。  それから、ただいまの御質問は、一体建設省と国土庁はどう違うかと、これは国土の基本計画をただいま申し上げたような十年計画、三全総を持っておる。これは十年間で二百四十兆円の社会資本を投じようと、こういうわけでありますが、この長期の計画を頭に置きながら建設省においては具体的に道路五カ年計画あるいは住宅五カ年計画、下水道また公園等それぞれ五カ年計画を持ってそして施策を遂行しておるわけであります。また他省庁にわたりますが、漁港あるいは港湾の五カ年計画などで施策が進められておることは御承知のとおりでありまして、基本的な国土政策を国土庁はやると、それを受けて具体的にこれを処理していくと、そういう関係ではないかと思います。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 願わくは、国土庁としては基本的な超長期計画をぜひともお立てを願いたい。  次に、通産大臣にお伺いをいたしますが、この提案を申し上げているのは、海水の淡水化ができるというのが大前提になっております。この見通しはいかがでしょう。実用化される見通しはいかがでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○政府委員(石坂誠一君) 海水を淡水化する方法といたしましては、その方式によりまして蒸発法とか逆浸透法とか電気透析法とか冷凍法とか数種類がございます。これらにつきまして民間を含めまして各所において研究開発が行われておりまして、一部の方式は実用化になっております。各方式は実施上それぞれ特徴がございまして、淡水化の規模だとか立地条件等によりましてどの方式が一番いいかということが決まるわけでございます。通商産業省におきましては、昭和四十四年度から昭和五十二年度までの九カ年にわたりまして大型工業技術研究開発制度、いわゆる大型プロジェクト制度におきまして、蒸発法の一種で大規模でかつ経済的に淡水化が可能な多段フラッシュ蒸発法というものの研究開発を行いまして所期の目標を達成いたしました。この技術は現在中近東を中心といたしまして実用化されております。また小規模の場合におきましては、省エネルギー型の技術であると考えられております逆浸透法という方法につきましても技術の開発に努めております。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 何年ぐらいたったら実用化になりますか。

石坂誠一工業技術院長

○政府委員(石坂誠一君) 実は現在すでに日本の国内におきまして、いろいろな、塩水を真水にするプラントの容量、大きさでございますね、一日にどれくらいつくれるかという容量を足し合わせますと七万トンをもう超えておるわけでございます。全世界におきましては、昨年の一月の数字で申しますと三百七十万トン一日につくるプラントが世界に設置されております。ですから、考えようによってはもう実用化の時代に入っておるというように考えております。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 結構です。ただ、私のお尋ねしておるのは、コマーシャルベースに合うかどうかということをお尋ねしているので、値段をかけてよければ現在できておるようでございます。しかし十五年たったらできるということを私もお聞きしていますので、テンポは合うのではないか。  文部大臣にお尋ねいたしますが、埋蔵文化財が三十万カ所もあると言われておりますが、開発と将来競合するということが考えられませんでしょうか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) 有田委員御指摘のとおり、埋蔵文化財包蔵地を現在で全国に約三十万カ所と私どもも考えております。公共事業が増大をいたしますにつれまして、開発との関連で埋蔵文化財の保存との調整が必要になる。また、そのための努力を尽くしていかなければならない頻度がふえてくることは当然予想されているところでございます。文化財保護法に決めております事前協議、これを利用いたしまして事前の調整をやることが大切だと考えまして、文部省としては埋蔵文化財包蔵地の地図を作成いたしまして、開発関係機関、地方公共団体すべてに配付を終わっておりまして、新しいものが発見されるたびにそれぞれの機関でその地図に書き入れていただいているわけでございます。こういうものを利用していただいた事前協議、事前の調整というものが非常に多く今後出てくるであろうということは予測をいたしておりますが、有田委員の御発言の百年、二百年を目指した雄大な御構想、埋蔵文化財もまた何千年の民族の大切な歴史でございますから、文化財保護のためには特段の努力を続けてまいろう、かような決意をいたしております。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 有田君、時間が参っております。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 いろいろお伺いしたいと思いましたが、時間でございますので、最後に総理に締めくくっていただきたいと思います。  今後、海流、気候、地震対策、あるいは水の供給、内陸地帯との連結等を研究しなければなりません。陸地との幅員は一キロないしあるいは二キロでよいかもわかりません。造成費はその場合安くなります。それにしても、最大限六百兆円で二百年と考えると年三兆円。問題は資金であります。ただ、運転しますから、できたところから利用されていくので、投下資金全量はいまのとおりでありますけれども、運転資金はもっとはるかに安くなるのではないか。子孫に借金は残しても同時に国土資産は残すわけでございます。国にはどうしてもそういう国家としてのビジョンというものが欲しい。なければならない。そのために、多少の消費を抑制しながら前向きに進んでいくということが日本の今後の一つの姿勢ではないかと思いますので、国土、領土の創造、すなわち国づくり、その上で人づくり、これは車の両輪であるのではないかということでございまして、これを先ほど申し上げましたように笑うもどうするも結構ですけれども、そうではなくてひとつこれをたたき台として前進するという方向に進んでもらいたいと思うわけでございまして、ほかの労働大臣、環境庁長官にもお伺いしたいと思いましたけれども、含めて総理から最後に御見解を伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大変貴重な御意見を聞かしていただきましてありがとうございました。  やはり政治は、当面の問題も大事でございまするけれども、先々をにらんでその中の当面の政治ということにしていかなければならぬだろう、このように思います。そういう立場から見ますと、有田さんの国土二倍造成論、これは非常に魅力のあるお話でございます。政府におきましても相当広範な検討を要する問題でありますのでしかと検討してみたいと、このように考えます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 終わります。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 十秒で結構でございますからお答えをさせていただきます。  先ほど有田さんのお気持ちもわかりましたが、委員会で大臣から話を聞いても専門家から話を聞かなければならぬという言葉に逆らうわけではありませんけれども、一言申し上げておきます。  仰せられました添付ということは確かにございます。しかし、その添付というのは、距離にかかわらずつくった人工島と内陸とつながっていなければだめであって、つくった人工島が自然につながるかあるいは後でつながった場合に添付ということになるわけでありますから、以上お答えをいたしておきます。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 一秒だけ……。  そのつくった人工島と陸地はもちろんつなげるわけですね。先ほど連結と申し上げましたのはそういう意味で、これを石で連結するか橋で連結するか海底トンネルで連結するか、もちろん延長線上の人工島である。またそうでなければ活用できません。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) そのとおりです。

有田一寿新自由クラブ

○有田一寿君 はい、これはまた後日。  以上で終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上で有田君の質疑は終了いたしました。  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。昭和五十三年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) それでは、これより補正予算三案に対する討論に入ります。  討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、御発言の際は賛否を明らかにしてお述べ願います。竹田四郎君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、日本社会党を代表し、昭和五十三年度補正予算三案に反対の討論を行います。  まず指摘されるべきは、福田内閣の経済政策の失敗であります。六カ月前の当初予算審議に際し、政府は五十三年度経済成長率七%、経常収支の黒字六十億ドルの達成を約束し、折からの円高により追加補正必至とのわれわれの指摘に対し、追加補正無用との主張を強調しました。  われわれ日本社会党は、政府見通し実現の困難性を指摘し、国民福祉本位の財政政策への転換、すなわち一兆円減税、福祉年金の大幅かさ上げ、生活関連事業の増額こそが政府のとるべき道であり、それなくしては政府の目標達成もあり得ぬことを再三にわたって指摘したはずであります。  しかるに、福田総理は、公共事業の景気誘発効果を過信し、われわれの主張を退けたばかりか、逆に財政危機を逆手にとって一般消費税の増税攻勢を国民にかけるなど経済と国民生活の先行き不安をかき立てたのであります。果たせるかな、政府の景気回復宣言にもかかわらず、経済は低迷を続け、首切りは激化し、六月以後輸出数量の落ち込みを引き金に日本経済が大きく崩れることを政府自身が認めざるを得なくなったのであります。  福田総理が経済政策の責任者となって以来四年、春暖秋冷の景気パターンを三度も繰り返していることは、福田総理の公共事業中心にこり固まった誤れる経済認識と政策の失敗に起因するものであります。  以下、反対の理由を申し述べます。  その第一は、本補正によってもなお政府目標の成長率七%が困難なことであります。政府は、今回の補正によって二兆五千億円のGNPの創出を期待していますが、最も力を注いだ住宅投資の追加について、民間自力建設分が公的資金に入れかわるだけという難点のほか、わが党が明らかにしたごとく、新規住宅建設のための認可手続等で半年程度の期間を要することから五十三年度内着工戸数が少ないことなど、多くを期待できないことが指摘できるのであります。  そもそも、七%成長は、昨年の経済政策の失敗から海外の批判を避けるために福田内閣が意識的にかさ上げをした幻の成長率にすぎません。経済の実体は今回の追加によってもせいぜい六・四%が上限であり、あえて七%に近づけようとすれば、意図的な手段や政策によらざるを得ないでありましよう。  反対の第二の理由は、相も変わらぬ公共投資一辺倒で、国民が要求している一兆円の所得減税を行わないことであります。公共事業が地域的な偏りと特定産業にのみ効果を持つのに対し、減税は国民一般に均てんするものであります。それゆえに、英、米、西独で代表的な景気対策として重視されているのであります。公共事業一辺倒の政策が限界に突き当たっている今日、やり方によっては公共事業と同様の効果を持つことが政府のモデルでも証明されている所得減税の実施は不可避な手段であります。これを無視し、公共事業一本やりの財政運営は時代錯誤もはなはだしいものと言わざるを得ません。  反対の第三の理由は、福田総理が提唱した国民福祉充実のための第三の道の施策が十分に行われていないことであります。確かに、公共投資追加の中に、文教・社会福祉施設や病院の建設など、国民福祉向上の予算が計上されていますが、わずかに一千三十七億円という公共投資総額の三分の一にも満たないのであります。鳴り物入りで宣伝したわりには内容、規模も国民の要望にほど遠く、羊頭を掲げて狗肉を売るの感を抱かざるを得ません。  最後に、私は今補正審議に際して見られた福田内閣の反動的姿勢に強く反対するものであります。栗栖解任を機に推進されている有事立法の検討は、いわば平和憲法に対する福田内閣の挑戦であり、しかも防衛庁内部はもとより、閣僚間にさえ混乱が起きているのが実情であります。福田総理は速やかに有事立法の検討を中止することを要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、糸山英太郎君。

糸山英太郎自由民主党・自由国民会議

○糸山英太郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十三年度一般会計補正予算三案に対して賛成の討論を行います。  賛成の第一の理由は、総合経済対策の実施により、景気振興が図られることであります。わが国経済は、本年初め以来、緩やかながら上向きとなり、個人消費や民間設備投資などの国内需要が拡大傾向を示して、次第に明るさが広がりつつありますが、昨年来の急激な円高や経常収支の黒字縮小のための輸出の自粛により、中小企業を初め関連産業に大きな影響を与えておりますほか、雇用情勢にも依然として厳しいものがあります。このような経済情勢のもとで、景気と雇用の回復を図るには、何よりも内需の拡大が必要でありますが、民間需要が停滞しているときは、まずもって起動力としての財政の果たす役割りには大きいものがあります。このため政府では、先ごろ総合経済対策を発表し、事業規模二兆五千億円の公共投資の追加を行うほか、当面の緊急課題である構造不況業種や、中小企業の円高対策、ドル減らし、円高の差益還元などの対策を積極的に講ずることが決定され、すでに一部は実施に移されておりますが、今回の補正予算において、財政面の必要措置がとられておりますことは、景気へのてこ入れの効果が期待できるとともに、また、総理の提唱されている国民の健康、教育、福祉の第三の道に積極的に予算が計上されておりますことは、社会資本の整備充実が図られ、将来の豊かな環境づくりに寄与するものとして適切な対応であり、新しい政治志向として評価いたすものであります。  第二は、財政の健全化のために、減税を行わなかったことであります。  五十三年度の公債発行額は、補正後で十一兆二千八百億円、実質依存率三七%、累積発行額は四十兆円を超えるという、諸外国にも例を見ない厳しい財政事情の中で、野党諸君より一兆円の減税要望があったわけでありますが、今日の困難な経済情勢のもとで、ただ消費を喚起するための減税を行えば民間設備投資が動き、景気が上昇するというなまやさしいものではありません。欧米のように、すでに社会資本の整備が進んでいるのなら、減税も考慮すべてでありましょうが、単なる消費のために減税財源を赤字公債の増発に求めることには反対であり、政府がこれにくみしなかったことは、財政の健全性を保持する上からも当然のことと思うものであります。  そのほか、今回の補正予算は、所得税の減税により、地方交付税交付金の減少補てんのための特別措置が講ぜられておりますほか、米の転作奨励金等の追加、発展途上国の経済開発のための無償資金協力の追加などの措置が行われており、これらは当初予算作成後の事態の変更に伴う当然の措置であり、また、政府開発援助の三年間倍増という国策上の要請によるものであります。  最後に、政府に一言申し上げておきます。  私は、減税をしなかった政府の態度を是とすると申し上げました。私も、でき得るならば公共投資と減税の両方をてことして、景気の早期回復を図るべきだと考えるものでありますが、わが国の財政が余りにもピンチであるがゆえに、減税財源が赤字公債にならざるを得ないことから反対いたしたのであります。公債依存度が重く、長引けば、財政インフレは必至でありましょう。私は、できるだけ公債依存から脱却して財政本来のあるべき姿に戻るべきであり、そのためには、政府はいま以上にチープガバメントに徹して、行政の体質改善と簡素合理化に努めるべきであると思います。いつの日にか一般消費税の導入を図らなければならない時期が来るとしても、それ以前に、国民の十分なる理解と納得が得られるような正しい姿勢の確立に一層努めることを要望いたしまして、補正予算三案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、多田省吾君。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十三年度補正予算三案に対し反対の討論を行います。  政府は、今回の補正予算を中心とした総合経済対策によって実質七%程度の経済成長を確約しておりますが、わが国内外の経済状況を見るとき、それほど楽観視できる状況にはありません。民間の経済活動や個人消費も一向に盛り上がらず、最近は極端な円高のため輸出も大幅に後退しております。もし適切な景気対策が講ぜられないとすれば、さらに雇用情勢は悪化し、中小零細企業の経営危機は深まり、国民生活の不安は一層高まることは必至であり、一方、巨額な黒字対策も具体策を実行しない政府の姿勢は、再び国際社会の非難を浴びるとともに、円高危機を呼ぶことは必至であります。このように厳しい状況にもかかわらず、政府は野党が強く要求した一兆円減税を無視し、旧態依然とした公共投資一辺倒であり、三年連続下期停滞のおそれは十分であります。私は、このような政府・自民党の独善的な姿勢を厳しく糾弾するものであります。  以下、補正予算案に反対する主な理由を申し上げます。  反対の第一の理由は、一兆円減税を無視した公共投資一辺倒の姿勢であります。  政府は、減税より公共投資の方が乗数効果が大きいという誤った判断のもとに、高度成長時代の幻を追って相変わらずの公共投資一辺倒の予算編成にこり固まり、われわれの主張する減税の効果に耳をかそうともしません。公共投資はその局地性、波及効果の破行性、地方財政の超過負担等、もはや大きな壁にぶつかっていると言わざるを得ません。これ以上従来型の公共投資をふやしましても、その効果はそれほど期待できません。一方、減税はそうした公共投資の偏りを是正し、GNPの半分以上を占める個人消費を刺激し、内需の拡大を図るものであり、これ以外によい方法はないのでありますが、政府はかたくなにこの減税を葬り去ったことはまことに遺憾のきわみであります。  反対する第二の理由として、今回の補正予算の内容についてでありますが、事業規模二兆五千億円と言われながら、その内容を見れば、一般会計でわずか一千四百五十億円の追加にすぎないのであります。総合経済対策で盛り込んだ住宅対策費の八千億円も年度内消化は五千数千億円にすぎません。また、総理の言う第三の道も、従来われわれが主張してきた生活、福祉関連諸施設への投資であり、決して総理の新しい発想ではありません。のみならず、その中身は長期的展望に欠け、補助率の引き上げもなく、その予算額にしましてもわずかに一千億円程度では全く第三の道などとは名前ばかりの施策であり、全く国民を愚弄するものと言わざるを得ません。  反対する第三の理由は、雇用対策、構造不況、中小零細企業対策が不十分である上、福祉対策に全く配慮がないことであります。当面する厳しい状況のもとでは、きめ細かな雇用対策、中小零細企業対策が必要であります。とともに、生活苦にあえぐ社会保障給付受給者に対する温かな施策の実現を要求するものでありますが、今回の補正予算ではまことにお寒い限りであります。  以上、反対する主な理由を述べましたが、このように政府・自民党は、われわれの真剣な要求に耳をかさず、若干の小手先対策によってこれを封じ込めようとしているのであります。一兆円減税と生活並びに福祉関連公共投資を柱にした細かい施策の実行以外に七%成長を達成し、また国民生活を守り、景気を回復する道がないことを指摘し、最後に、改めて一兆円所得減税を強く要求するとともに、それを踏みにじった政府・自民党の独善と国民無視の姿勢を糾弾し、最後に憲法に違反してますますエスカレートする自民党政府の有事立法の考え方に反対いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、内藤功君。

内藤功日本共産党

○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十三年度政府補正予算三案に反対の討論を行います。  以下三点にわたり反対理由を申し述べます。  反対理由の第一点、この補正予算は大企業本位高度成長型の本年度本予算の延長にすぎないことであります。長期不況と円高、深刻な失業と倒産など、今日の経済危機をもたらした根本の原因が発達した資本主義国にも類を見ない低福祉、低賃金を土台とした大企業本位の高度成長政策とエネルギー、食糧危機や国際通貨政策に典型的にあらわれているわが国経済の深刻な対米依存にあることは、わが党の繰り返し指摘してきたところであります。したがって、今日の危機を打開する最良の道は、この低賃金、低福祉の体制を打破して国民の所得を向上させ、不況と円高の原因を取り除きながら、経済の仕組みを国民本位の自主的で民主的な仕組みに転換させる以外にはありません。しかるに、この補正予算案は、これとは正反対の大企業本位、高度成長型のものである本年度本予算の単なる延長にすぎません。このような予算が今日の国民生活と日本経済の危機を打開するものではなく、かえってこれを一層深刻なものにすることは明白です。  以上が反対理由の第一点であります。  反対の第二の理由は、この予算案が国民に対しては冷酷であり、大企業に対してはきわめて温かい内容のものである点にあります。わが党は衆議院で低所得者のための住民税減税を含めての一兆円減税と老齢福祉年金二万円への引き上げなどを内容とする組みかえ案を提出いたしました。特に一兆円減税は他の野党も主張する国民共通の要求であったことは言うまでもありません。ところが政府・自民党は、一部の党の協力によってこの減税要求を圧殺し、政府原案に固執してこれを成立させようとしておるのであります。  公共事業費一つとってみましても、一般会計歳出追加額の約五割、三千五百十七億円が新幹線、本四架橋、石油備蓄基地等の建設に振り向けられる一方で、総理が第三の道と宣伝しています文教・社会福祉関係整備費などはその三分の一以下にすぎません。大企業の減量経営を口実とした大量首切りを野放しにし、十分な雇用対策も講ぜず、倒産防止対策や不況地域対策もおざなりなものにすぎません。  反対の理由の第三は、政府が依然として国民に重税とインフレをもたらす国債増発政策をとり、近い将来国民に対して大増税を行わんとしているところにあります。  国債の依存率が三七%を超えているにもかかわらず、政府はさらに三千億円もの長期国債の増発を盛り込んでおります。国債発行残高は今年度末には予算規模をはるかに超え、四十三兆円を超えるに至ると予想されます。このような状態が必ずインフレ高進、大増税の原因となるものであることは議論の余地がありません。ところが総理は、魅力ある税制などと称して、最悪の大衆課税というべき一般消費税の導入に積極的な姿勢を示しております。これはみずから引き起こしたいわゆるサラ金財政のツケをすべて国民に回そうということであり、断じて許すことができません。  以上が補正予算案に反対する三つの理由であります。  わが党は八月三十一日、政府に対して補正予算と円高差益の還元に関する申し入れを行い、また、九月十九日には経済危機の現局面と当面の経済政策を発表し、不公平税制の是正、不要不急の経費の徹底的圧縮などによって三兆九千億円の財源を確保できることも指摘しております。これこそが今日の財政、経済危機を真に打開する国民本位の道であると確信いたします。この方向に沿って、政府が経済、財政政策を根本的に転換させることを私は強く要求するものであります。  最後に、私は本予算案の審議の過程で有事法制の制定をたくらむ政府の危険きわまりない意図が明白にされたことに一言触れておきます。  特に総理は、機密保護法の制定、これを考えているということ、その際一般国民に対しても機密探知などを理由とした罰則制定も検討対象にするという驚くべき答弁を行っております。総理がどれほど憲法の枠内での研究だと強弁されましても、有事法制の研究が憲法を踏みにじるものに至らざるを得ないきわめて危険なものがこの答弁で明らかになったと思うのであります。  私は最後に、福田内閣のこの危険な企てを厳しく糾弾するとともに、いま進められている日米共同作戦研究、それと不可分の関係にある有事法制研究のすべてを直ちに中止することを強く要求し、討論を終わるものであります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 最後に、井上計君。

井上計民社党

○井上計君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十三年度補正予算三案に対して、以下の理由により反対の意向を表明いたします。  長期にわたる深刻な不況の影響は、国民各層並びに各方面において容易ならざる状態が起きつつあります。まじめに一生懸命働いてきた勤労者が損をしたと叫ぶほど、相次ぐ政府の政策の失敗のしわ寄せをもろにかぶっております。大幅な収入減や賃金カットにも耐え忍んで雇用を守る努力をしている勤労者が多くいることを直視しなければなりません。中小企業経営者の多くも明日への希望を失いつつあります。政府の言うことを信用して、近代化、合理化の努力を続けてきたのにもかかわらず、答えはすべて裏目に出た。こんなことになるのなら国の指導に従うのではなかったと恨みを述べる経営者も数多く出てきているのであります。  加えて、異常な円高によって生じた輸出関連企業、構造不況地域の窮状はまことに悲惨としか言わざるを得ません。ドル安のせいによる円高であると政府は常に言い逃れをしているようでありますが、実力以上の円高相場をつくり出した大半の責任は、福田内閣の失政であったこと、これまた明白な事実であります。  このような情勢を考えるとき、今回の補正予算原案では、七%の成長達成はとうてい不可能であると断言することは当然でありましょう。  七%成長達成の公約を実現するためには、思い切った財政政策をとらなければならないことは、わが党を初め各野党がいち早く主張しているばかりでなく、権威ある民間の調査機関のすべてが一様に指摘をいたしておるのであります。しかるに政府は、この国民世論に目をつむり、耳をふさぎ、わが党の主張を無視して、わずかに実質一千四百五十億円程度の歳出増のみの政府原案で押し切ろうとする姿勢は、まことに独善的と言わざるを得ないのであります。公共投資一辺倒の政策を相も変わらず続けていくのでは、この不況から抜け出すことは不可能であります。このことは、昨年来の政府の施策が失敗している事実によって証明されているではありませんか。  本年四月、わが党は五十三年度当初予算審議において、大幅減税の実現を強く要求いたしました。あのとき総理がわれわれの主張を採用しておられたならば、不況の様相はかなり改善されていたことは間違いないのであります。しかしあのときも、福田内閣の硬直的な考え方によって拒否されてしまいました。今回の補正予算審議に当たっても、この硬直的な考え方は一向に改められておりません。  責任野党の立場を堅持するわが党は、従来も政府提案でありましても国民の立場に立って、よいものであれば積極的に賛成し、協力をいたしてまいりました。しかし国民世論に背を向けるものについては、断固反対の立場に立つことは当然であります。五十三年度当初予算に反対したのもこの理由によるものでありましたが、いままた同じ理由でこの補正予算案に対し反対せざるを得ないことは、責任野党としてはなはだ残念と言わざるを得ません。福田内閣は国民の叫びにいま一度耳を傾けるべきであります。いまからでもまだ間に合います。直ちに政策の大転換をされるよう強く要望して、私の討論を終わります。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上をもちまして討論通告者の発言はすべて終了いたしました。よって、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  昭和五十三年度一般会計補正予算、昭和五十三年度特別会計補正予算、昭和五十三年度政府関係機関補正予算、以上三案を問題に供します。三案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 多数と認めます。よって、三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後四時三十四分散会

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