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85回国会参議院1978/10/07

予算委員会 第2号

発言数
445
登壇者
32
会派数
3
開催日
1978/10/07

会議録

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任を行います。  委員の異動に伴い理事一名が欠員となっております。理事の補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に栗林卓司君を指名いたします。     —————————————

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 昭和五十三年度一般会計補正予算  昭和五十三年度特別会計補正予算  昭和五十三年度政府関係機関補正予算  以上三案を一括して議題といたします。  まず、理事会において協議決定いたしました事項について御報告いたします。  審査期間は四日間とし、審査方式は総括質疑方式とすること、質疑時間総計は五百六十二分とし、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議及び日本社会党おのおの百七十五分、公明党八十八分、日本共産党五十三分、民社党三十五分、第二院クラブ及び新自由クラブそれぞれ十八分とすること、質疑順位及び質疑者はお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。  右、理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十三年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁森永貞一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認めます。  なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) それでは、これより質疑を行います。竹田四郎君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 防衛庁長官に伺いますけれども、防衛庁が九月の二十一日でしたか、奇襲攻撃に対する見解というものを発表されたわけでありますが、それはどういう内容でございますか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 奇襲というものは、私はあり得ないようにすることが政治だという考え方で、奇襲というものは平時降ってわいたように出てくるものじゃないことは当然でありますし、そういうような意味から、万万一ということがあるとするならばその辺を研究するということで、絶対ないようにするような方法でいくことが私はシビリアンコントロールの上からも必要だと、こういう考え方を持っておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、防衛庁長官あるいは防衛庁の方々のお話の中では、万々奇襲というものはないんだと、その場合、非常に希有なレアケースについてはこれから検討していきたいということのようでありますが、当面は自衛隊法の範囲内でやっていくと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 自衛隊法の中で私はやれるという考え方も持っておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ところが、総理のゆうべの発言は、そこはやれないと、法の改正を考える、検討させる、こういうことでありまして、どうも私ども、その担当の局の長官の見解と大分違っているように思うんですよ。奇襲攻撃は長官の方は万々ないと言う。総理はその辺にあるからそれに対して対処しなければならぬ。どうも私どもその辺の見解が違っているようでわからないんですが、どうでしょうか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は万万一、万万万一あるかもしらぬというその問題についてはひとつ検討をすると、こういうことは言っておるわけであります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私の考えと防衛庁長官の考えはちっとも違わないんです。私も万万一というよりは万万万一と、こういうふうに万を一つつけ加えておるくらいでございます。しかし、その場合といえども、あったら大変なことですから、それに備えてどういうふうに対処するかということを検討すること、これは政府の責任である、このように申し上げておるわけです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あなたが十月三日、衆議院の予算委員会で答えた場合には、そういうことはしないと、現行の自衛隊法の範囲でやるんだと、こういうふうにおっしゃっていたと思うんですけれども、きのうは大分それを突き出て、自衛隊法の改正を示唆するということが一般の新聞の受け取り方でありまして、私どもも直接はあなたの答弁を聞いておりませんし、速記録も読んでおりませんけれども、受けた印象というものはそれ以外にない、こういうふうに思いまして、どうも福田総理は防衛庁長官よりさらに突っ走っている、こういう感じを国民に与えましたし、これをやっていけば、一番国会で問題になったシビリアンコントロールの問題はおのずと崩れていく、その辺はどうなんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 万万万一の場合、これに対して対処策を検討する、それは政府の責任だと、こういうことを申し上げておるわけなんです。しかし、万万万一の場合に対する対処方策がいまないんです。ない今日の現状におきましては、今日の法制、自衛隊法によって対処するほかはない、こういうことを申し上げておるわけです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 万万万万万一の場合に、あなたは自衛隊の最高指揮官として、いわゆる文民、シビリアンコントロールというのはどういうように守れるんですか。どうもその辺が私どもわからない。  奇襲のあった場合に、現地の自衛隊は、防衛庁の見解では、これは組織的な行動はできない。しかし、あなたの方は万万万一の場合には何か対処したい。その場合に総理大臣の統制、シビリアンコントロールというものの枠から逸脱していくんじゃないか、それがだんだん大きくなって現地軍の勝手な行動が行われるというふうになったのが第二次大戦の始まりです。私はそういうふうになってくると思うんです。どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その万万万一の場合といえども、自衛隊法を——現行じゃありませんよ、もう少し検討いたしまして、そうしてこの対処策を決める、その際の法制の範囲内でやるべきである。その法制が一体どうなるかというと、これは憲法並びにシビリアンコントロールの範囲内にとどまるものである、このように理解しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私の予定は、その問題には特に強く触れる予定ではなかったわけでありますから、あとこの問題には専門家が触れていくだろうと思います。  私は、どうも議論が逆だと思うんです。こういう問題についてよりも、むしろ奇襲が起こらない体制、これをつくることがやはり基本ではないのか。いまはそうではなくて、奇襲が起こる、奇襲が起こる。それに対処する、だから自衛隊をどうしなくちゃならぬこうしなくちゃならぬという議論に私は走り過ぎていると思うんです。むしろ日本の場合には、奇襲の起こる可能性というのは、中川農林水産大臣の常識から比べれば、私ははるかに少ないと思うんですよ。海で囲まれているという情勢、はるかに少ないわけです。ですから、奇襲が起こらない体制をどうつくっていくかということが私は政府の責務であると思うんです。そのことをやらないで、奇襲の問題にだけ走っているということでは私どもは納得できないし、それは国を誤るものだ、こう思うんですが、どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その点は竹田さんのおっしゃるとおりです。  私どもが全方位平和外交と言っておる、どこの国とも仲よくいたしましょう、こう言っておりますのは、まさに奇襲というような事態が起こらない、そのための予防措置である、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理がことしの通常国会の冒頭と、さらに今度の臨時の所信表明演説で防衛体制の増強あるいは防衛体制の強化ということをうたっておる。それから世の中はまさに右回り、きのうだって、沖繩における新しい永野陸幕長のあいさつ等を聞きますと、最近は具体的な議論が起きてきて非常に望ましいと、こういうふうにして鼓舞している。いまそういう時期ですか、そういうことを言わなくちゃならぬ時期ですか。どこに脅威があるんですか、そういう奇襲攻撃があるという脅威が具体的にどこにあるんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 奇襲という事態があるじゃないかと、こういう指摘があるわけです。それに対しまして政府が何とも答えられないと、こういう状態は私はよくない、国民は安心しないと思うんです。万万万一の場合といえども奇襲があり得る、こういうことになりますれば、それに対する備えをしておくということは、これは私は当然だろう、このように思うわけです。当然のことを政府はやっておる、そういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 外務大臣にお伺いしますけれども、ことしの国連総会は軍縮特別総会、こういうことを銘打って最終文書というものが最後にできました。宣言とかあるいは行動とか、いろんなものがありましたが、あの最終文書には日本は同意を与えたんですか、承認したんですか、賛成したんですか、これは。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ただいまの御質問は、全員の話し合いでやったものでございますから、もちろん日本も賛成でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまの、どうも外務大臣あるいは総理大臣の態度を見ますと、国連軍縮特別総会における最終文書というのは目を通しておられないんじゃないですか、どうですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) まことに非才でございまするが、目は通しております。いまの御質問の言葉がわからなかったので尋ねたわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理は目を通されましたか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は国連総会の大体の報告は受けておりまするけれども、文書は見ておりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 外務大臣にお尋ねしますが、ここの宣言にはどういう趣旨のことが書いてありますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 今度の軍縮特別総会において採択された最終文書は、今後の軍縮分野における努力の諸目標を示すためのものでございまして、わが国としては有効な国際管理のもとに実行可能な措置から一歩一歩軍縮措置を実現していくとの基本的立場をとりつつ、これら諸目標に今後軍縮交渉において漸次具体的措置に結びつくように努力していきたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも外務大臣、国連総会に出て核問題を中心に演説もされ、日本から多数の、かなりの大ぜいな人たちが行っているわけです。これがことし決められたわけですよ。それにもかかわらず、片方で有事立法とか何とかという議論があるということは、どうも趣旨が一貫していないんじゃないですか。また国民の要望、世界の要望に私はこたえていない。でありますから、いま有事立法だとか何とか言って声を大きくすることよりも、こうした世界的な国連総会における軍縮の方向をむしろ目指していく、緊張緩和をしていく、軍縮をしていく、このことが日本政府に与えられた責務じゃないですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私の仕事としてはおっしゃることがまさにそのとおりでありまして、私から言うならば、中国との間には友好条約が結ばれたし、それからソ連との間にも逐次友好親善関係を進めていこうという関係にございまするし、朝鮮半島においての対立もただいまのところ激化する可能性はないわけでありまして、そういうことがないように精魂の努力を尽くすのが外務大臣の仕事でございます。したがいまして、私は、ただいまいろいろ議論されておる有事の場合の防衛体制について議論されることは結構であると思いますが、外務大臣としては、そういうことは絶対ないように努力するのが私の仕事であると考えております。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 有事法制の研究という問題につきましてこの席で私はおわびを申し上げたいと思うわけでありますが、有事立法がひとり歩きをするというような状況になって、あるいは奇襲という問題と有事法制の研究というようなものが合体になってひとり歩きしたと、その間、防衛庁の政府委員の中にも誤解を招くような発言もあったわけでありますが、有事があるから自衛隊があるということであります。その有事に対して、自衛隊がこれにどのような対処をするかということは大部分自衛隊法の中に含まれておるわけでありまして、ただ自衛隊は毎日毎日国民の税金をいただいておればいいということでなくて、いざ有事のときは何をするかということだけは当然やることが国民の負託にこたえることだと私は思っておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう一つ外務大臣にお伺いしたいと思いますが、日中平和友好条約では大変御苦労されて、それは感謝し、私どもも喜んでおります。しかし、この喜びと逆に、これが日中米の一つの体制ができ上がって、これが再び覇権に結びつくんではないだろうかというような論評があるように聞いておりますが、そういうことは世界的に若干ありますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 友好条約は、御承知のとおりに過去の結末ではなく、未来にわたるものを規定したものでございます。この条約を両国が実行するについて隔意なき話をしておりますのは二つの点が重点である。  一つは、かつての大東亜共栄圏のような感じをアジアの諸国に与えることは絶対に慎まなきゃならぬ。したがってみんなで協力しながら、日中がアジアの平和と繁栄に努力するように役割りをしようということ。もう一つは、ソ連に対するものではない。米中日がソ連に対する包囲網を築くものではないということは私は具体的にはっきり申し上げておるわけでございまして、そういう批評は他の国々からは聞いてはおりません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 しかし、あなたが国連総会でグロムイコ外務大臣に会ったときには、かなり厳しいことを言われた。それをあなたは打ち消されたと思いますけれども、しかし、そういう考えを持っている国も全然ないというわけじゃ私はないと思うんですが、どうですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いまのソ連に対する米中日の包囲網という批判というものはそれは全然ないことはございません。特にソ連に対しては、そういうことはないということをよく説明をしておきました。ソ連もそこまでは私には言いませんで、むしろグロムイコと私の会談は、今後の問題について友好関係を進めていこうということが後半の結論でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、そういう疑いを持つ国が若干あると、アジアでもそういう国が若干あるといたしますると、せっかくわれわれの希望で結んだ日中平和友好条約が誤解されたもとで進んでいくということは非常に残念です。そういう時期にまた有事立法の問題を総理を初めとして声を大きくして議論をするというのは私は国民が納得することじゃないと思うんです。  国連総会、日中の関係は平和の方向に行こうとするのに、その中で日本が、本当に平和外交を進めていこうという国民の期待に反して、政府側から有事立法だ、何だかんだということを声高く叫ぶということは警戒している国に一層私は警戒心を与えると思うんですよ。私は、そういう意味で今日において有事立法の問題を声高く総理までが叫ぶ必要はないと思う。政治的に非常にまずい、こう思うんですが、あなたは先ほどのこれを見ていらっしゃらないようでありますから、余りぴんときていないようでありますけれども、あなたは発言を慎まれるべきだと、私はこう思いますが、どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほどから申し上げておりまするとおり、基本的には奇襲攻撃、これはもう万万万一の場合だと。その万万万一の場合もないように平和外交を進めることがこれはもう何としても大前提であります。しかし、現実の問題として万万万一の場合があるかもしらぬ。そういうことにつきまして研究をしておく、どういうふうに対処するかと。これは私は政府の責任だ、こういうふうに思うんです。そういう論議があるものですから、私どもも、いまも竹田さんから御質問があるからお答えしているんです。別にこちらの方から声を大にしてそれを言っているわけじゃないんです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、いまの総理の答弁は、国民がいま聞いていると思うんですけれども、私に対する素直な答弁だとは思いませんよ。私は再びあなたにそういう方向の言動は慎んでいただきたいことを最後にお願いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 別に私は、人から聞かれないのに有事立法、有事立法と、こう言っているわけじゃないんですよ。人から聞かれるものですから、有事立法ということは必要なんだと、有事体制ということは必要なんだと、そうして検討すると。そういう検討の結果、立法の必要があるということならば立法もしなけりゃならぬだろうな、こういうことを言っているんです。別に人から聞かれなければ、私も進んでさあ有事立法、有事立法なんて叫び回るというようなことはいたしません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 後はひとつ国民の判断にこの答弁を任せたいと私は思います。  そこで、今度の補正予算、二兆五千億という事業規模があるようですが、これは年度内に終了するのですか、どうですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 二兆五千億の中には来年度に回る分がございます。たとえば債務負担行為なんかもそのとおりでございますし、それからまた一部民間資金につきましても回る分もあるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 今年度で消化される金額は大体どのぐらいになりますか、事業規模で。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 逆に申しますと、あのうちで今年度のGNPに計算いたしております金額は二兆円でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そのうちで、住宅関係八千四百億、七万四千戸ですか、これはどういうことになっていますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 住宅関係でございますが、八千四百四十億でございますが、このうち翌年度以降の財投が三千百六十億含まれております。ですから、民間自己資金が三千六百七十六億でございますから、この一部も翌年度以降にいくかとも思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ私に全然わからないです。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) それじゃ、いま住宅公庫八千四百四十億の内訳を申し上げます。  本年度の財投が千五百九十九……

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 具体的に、三月末までに終わるやつを言ってくださいよ、幾らだか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) それじゃ、その点は政府委員から答えます。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 数字的なことでございますので、私からお答えいたします。  住宅公庫七万三千戸の戸数の追加でございますが、それを個人住宅建設、高層住宅建設それぞれに分けまして、そのうちこの事業規模八千四百四十億でございますけれども、民間資金住宅から振りかわるもの、たとえば個人住宅につきましては二〇%を引くとか、あるいは年内の着工率をそれぞれ事業別に計算いたしまして、本年度内における住宅投資としてGNPベースで五千八百億円でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 戸数ではどのくらいになるんですか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) GNPベースでございますが、七万三千戸のうち、進捗率が個人住宅で二万戸のうち九一%、その他住宅改良についても九一%程度で、その他は六〇%程度で計算をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私どもはパーセントで言われてもわからぬのですよ。今度のこれに計上した戸数が、個人住宅、マンション、住宅改良、三月末までに一体どれだけ消化するのか、このうち。戸数で言ってください。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) お答えいたします。  着工する戸数としては七万三千戸すべてでございます。それが完成するのは一部来年度ということになります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は着工で聞いているんじゃないんですよ。どれだけ完了するかと聞いているのですよ。着工は契約だって着工です、だから私は実際の景気動向との関係でそういう着工だけじゃわからぬ。工事が始まってそうして具体的に物資が動かない限りはこれは景気への影響はきわめて微弱なわけであります。だから具体的に三月末までに何戸を完成するかということを聞いているんです。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 私どもGNPに対する寄与を考えます場合に、竣工ベースといいますよりも、その戸数のうち何%が実際の工事に使われたかというような考えを持っております。したがいまして、先ほど経済企画庁から御答弁申し上げましたように、個人住宅につきましては大体九〇%進捗する、したがいまして大部分は竣工するというふうに考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私はGNPベースでどうだこうだといって聞いているわけじゃないんですよ。三月末までに今度の予算が何戸完成するんだと、これを聞いているんですよ。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 何戸完成するかというような形での試算はいたしておりません。ただ、個人住宅につきましては九〇%工事が進捗するということでございますから、まあ大まかに申しますと八割ぐらいは完成するというように考えてよろしいかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まことに国民がいま住宅で困っているのに、わかりにくい政府の説明で、これは本当に困るわけです。わからないんですよ、これ。  これはひとつきょうの終わりまでに、パーセントじゃなくて、何戸完成するか。いままでだって、住宅公庫にしたってほかのものにしたって、いつもずるずるずるずる延びているのが実態ですよ、またそんなふうにされて数字の上でごまかされちゃかなわぬ。出してください。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 住宅金融公庫から融資を受けてこれから建てますね、そうすると、その建てている過程にあるものが大部分でありますから、そこで七万三千戸に対しての九〇%程度と申し上げておるんであって、それは工事の早いものは建つものもあるでしょうが来年度に越すものもある。おおよそ九〇%見当いけると、こういうことを申し上げておるんで、それを戸数で表現ということは、まあ一生懸命やってみますが、しかし、なかなか私はその戸数は出にくいと思うんですね。だから七万三千戸に対して九割方できるということで六万幾らという、そういう推定をする以外にないんじゃないかと、こう思うんです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そんなばかなことはありませんよ。それでは私は今度のこの住宅公庫の七万三千戸ですか、これはもう全くインチキだと思いますよ。  じゃマンション購入に対しての四万七千戸、これは新規のものですか、全く計画が新しいものですか、どうなんですか。いままでのやりかけのやつに融資をするという、そういうことは絶対ありませんか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) いわゆる個人住宅のほかにマンション購入、それから計画建て売り、民間団地分譲とございます。そのうちマンション購入につきましては、御説のように、現在着工中のもの、これから着工するものに対して融資するということになります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ現在着工中のものに大体どのぐらい融資を割り当てるんですか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 七万三千戸のうちマンション購入資金が一万六千戸でございます。従来の経験からまいりますと、このうち大体九割は着工中ということでございますので、大体一万五千戸分ぐらいが現在着工中のものということになるかと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 去年の個人住宅の年度内完成ができなかったものは何戸ぐらいありますか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 現在資料をちょっと調べておりますので、後刻答弁さしていただきたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは経企庁長官か建設大臣かよくわかりませんけれども、今度の事業規模二兆五千億のうち八千四百億、これが住宅ですよ、三分の一ですよ。これに対してここで答えができないなんていう、それがどういうふうに流れていくか答えができないようで、一体、二兆五千億というこの事業規模が完遂できますか。こんなに、三分の一ですよ、これは。今度の事業規模のうちの三分の一がこういうことで、一体、これほど皆さんが七%できるかできないかと心配しておるのに、一番問題じゃないですか。それがこの場所で答えられないなんてそんなばかなことありますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 私どもは、この第一・四半期の動向を見まして、公的資金による住宅建設の状況、これは御承知であろうと思いますが、七〇・八%進んでおる、これは住宅金融公庫などが中心になりますね。それで民間資金によるものが、昨年に比較して、これは残念ながら一〇・四%マイナスになっております。で、これらを総合すると、第一・四半期で四十一万戸と、前年同期に比べて八・三%増になっておるわけであります。  そしてこの八・三%増の状況というものをもう一つ調べてみますと、いま申し上げたように住宅金融公庫の融資の増が大きいんでありますから、その中身を見ますと第一、第二分位者が増加しておるのでございます、これは大体四五%ぐらいになっております。そうしますと、民間自力階層者以外の者が非常に大きいという傾向を持っておるわけでございまして、公庫融資による新規需要の効果はそれだけ大きかったと、こう見ておるわけでございます。  したがって、先ほどお答え申し上げておるように、本年度の事業規模八千四百四十億円に対して五千八百億円ぐらいが進捗いたし、来年度に二千六百四十億ぐらいなものが残っていくであろう。で、それを竹田委員は戸数で示せということであるが、あるものは完成するがあるものは進行中で、こういきますから、そこでおおよその見当は何%の進捗率ということを申し上げておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 マンションの一万六千戸はすでに着工中のものに対して融資をするというようなお話があったんですが、そうしますと、あとの残りはどうなんですか、これから新規にやるということですか、どうなんですか。新規にやるとしたら、これはやると言ってすぐ建つわけじゃありません。建築確認から設計審査からいろいろなものがあるわけでありますが、現実に土台が打たれるまで設計書から普通三、四ヵ月は早くてもかかるというんですが、どうですか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) お説のとおりでございまして、募集いたしましてから建築確認の審査、それから公庫の設計審査等を行いまして貸付予約をいたしますが、その後着工いたしますので、順調にまいりまして大体四ヵ月程度はかかるかというように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう意味で、特に住宅などは年度の途中なんかにこういうふうに買えと言ったってそう進むものじゃないんです。年度の途中から計画を改めるといっても大変なことなんです。ですから、私は、この八千四百億の住宅金融公庫関係というのは今度の経済成長に対して大きな役割りを果たせない、こういうふうに思うわけであります。  そこで総理に伺ってまいりますけれども、総理は七%成長、こういうことをおっしゃっているんですが、これ約七%だそうですが、あなたがおっしゃる七%成長というのは大体どの辺からどの辺を言っているんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ数字でこう言うわけにもまいりませんけれども、私は約とは言っておりません、七%程度と言っておるわけであります。まあ普通客観的に見て、程度と言えばそう大きく離れたらこれは程度とは言えませんでしょう。しかし、わずかのことでありますれば程度であると、こういうふうに思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理の程度というのと私の程度というのとあるいは予算委員長の程度と、わからないわけですね。だから七%程度というのは大体どの辺を指しているんですか。たとえば六・八から七・二ぐらいのことを言っているのか、その幅を私は聞いている。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ何ですね、二、三%の違いとか、あるいは四捨五入すれば七になるというのを言うとか、いろいろ見方もありますが、(「四から一〇か」と呼ぶ者あり)零ポイントですね、〇・二、三%ですね、あるいは四捨五入すれば七%になると、こういうようなことを頭に描く人もありますが、まあ私は程度と言えば大体展望というかピクチャーがどなたにも大体描けるんじゃないかと、そのように思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大体七%の範囲がわかりまして、まあ大ざっぱに言って六・五%から七・四%ぐらいを七%程度だと、こういうふうに解釈せざるを得ないわけでありますが、そこで、一体、総理は七%、七%と言うんですが、七%程度がいったら国民生活はどうなるんですか、雇用の面はそれによってどうなっていくんですか、仕事の面はどうなっていくんですか、その辺、あなたは七%、七%と盛んに言いますが、七%程度になったら国民生活はいまとどう変わるんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ七%というのは一つは国内的要請からきているわけです。それからもう一つは国際的要請、そういう側面からきているわけです。  そこで、いま国内的の側面でのお話ですが、私は、来年の三月時点、トンネルの出口が見えるようにしたい、こういうふうに言っておるわけですが、そのようにするためには七%成長が必要である、こういうことなんです。つまりトンネルの出口という場合に、いろいろその見方がありましょうが、私は企業の操業度を非常に重視するんです。望ましい企業操業度は幾らだと、こう言いますと、まあ八五ということが通説であります。それより多少上回ってもいいわけでありますが、しかし八五までは持っていきたいということを大方の人が考えておる。そういう際に七%成長をことしでやりますと、来年の三月時点、大体八三%までいくんです。そうしますと来年の展望が非常に明るくなる、来年中にはこれは望ましい企業操業度が出てくる。そうしますと、操業度が望ましい水準に達するというんですから、企業においても設備意欲が出る傾向が出てくるわけであります。それから、そういう状態になりますれば職場がふえるわけです、そういうようなことになって雇用にもいい影響がある、日本経済全体として活力を帯びた状態になる。そういうことなんで、その辺をとらえて私は七%をぜひ達成したい、こう申し上げておるわけです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 じゃ七%成長できたら、来年の三月ごろの操業度は八二、三%ということでありますから楽しみにして待っておりますけれども、恐らくそうは勝手にうまくいかないだろうというふうに私は思いますが、まあこれはお待ちしております、そのときの勝負で……。  もう一つは、経企庁の長官に聞きますけれども、あなたの方の資料ですと、ことしの輸出の実質伸びはマイナス一%、こういうふうに出ておりますね。これはマイナス一%で済みますか、今後一体どのぐらいの落ち方をするんですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 今年度の輸出の見通しでございますが、数量で六・……

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 おたくの資料は実質で出ているから、実質で言ってください。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、まず数量で申し上げますと、六%ないし七%の前年度に対しての減と考えております。それから円で申しますとマイナス八%程度であろうと考えております。ドルで申しますと一四、五%の増ではないかと見ております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は恐らくもっと落ちるんじゃないかと、こういうふうに思いますが、これからの落ち方はもう少し落ちるとなると、いま日本の景気をいままで引っ張っていたのは公共事業と輸出であったわけですね、この輸出が落ちてくる。これはかなり私は厳しい落ち方をすると思うんだけれども、長官、どんなふうにお考えですか、これからの状況というのは。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出は四−六月で、前年同期に対しましてマイナス二・五、七月マイナス七・六、八月は暫定数字でマイナス四・二でございます。明らかに下落傾向を示しておりまして、ただ、この四−六の落ちが一−三の駆け込みに対しての落ちでございましたから、このような落ちる度合いがずっとそのままいわばアクセレレートするとは考えなくていいのではないだろうか。しかし、いずれにしても年度対比では、先ほど申し上げましたように、六%ないし七%、かなり大きな落ちがあると見ております。それをGNPの方で申し上げますと、初めてのことでございますが、マイナス〇・二ぐらいではないか。なお、輸入がふえておりますので、これがマイナス一ぐらいはあろうかと思いますので、したがいまして海外経常余剰でトータルでマイナス一・二とかなんとかということになりまして、これが七%の足をそのまま引っ張るわけでございますから、したがいまして内需として七%を達成いたしますためには七プラスただいまの落ちだけを確保いたしませんと七%が確保できない、こういう計算になります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 消費者物価はことしは大体どのくらい上がるというふうに見ておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは四・九と考えております。年度でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 消費支出はどのくらい伸びますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 実質で申し上げますと、五・三を見ております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 名目ではどのくらいですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 九・九でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は恐らくCPI、消費者物価指数、これの政府の見方が恐らくわざと高く見ているんだろうと、こういうふうに思います。後で結論は申し上げます。  それから消費者の支出の方を見てまいりますと、これはむしろ名目では低く出る。しかしCPI、消費者物価指数が実際は私はもっと低くなる、こういうことで消費者の消費水準というものも恐らく余り伸びていかないだろうと、こういうふうに私は思います。それで、私が計算をした政府の数字をそのまま使った計算でいきますと、どうしても実質で六・四しかなりません。これは電卓を使ったわけじゃありません。ちゃんとモデルを使ってやりました。これを六・七にする、これでも七%程度になりませんけれども、それには一年間のドルの価格が二百十三円台の平均にならないと六・七にならない。そういたしますと、これから一ドルが二百二十円台を推移していかないと六・七%にならないんです。私はどうしても七%にしろという主張じゃございませんよ。どうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) どうですとおっしゃいましても、御計算をいまそれだけ承ったのでは何ともちょっと申し上げられないわけでございますけれども、あるいは竹田委員の方が輸出の落ちを私どもより大きく……

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 政府の資料で。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の資料で申しますと、私どもはただいま申し上げましたような計算になっているわけでございますけれども……。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私はそういう意味で、恐らく政府がこれだけのことをやっても七%にはならない。ただ、七%にするマジックがあります、マジックが。GNPデフレーターという物価を、だから私は恐らくCPIは現実にはもっと安くなるだろう、下がるだろう、それを高く見過ぎている、こういうふうに申し上げたわけです。そうすれば、GNPのデフレーター、これは一番その中に大きな役割りを占めるのは、国民消費指数五十数%を占めているわけでありますから、それに低いCPIを掛ければ、これはその他のものを含めてGNPデフレーターは小さく出ます。それで割り返していけば、数字をちょこっと直せば、実際は数字の上で七%になってしまう。実質は私の計算したこれだけのことをやっても六・四%の成長率しか達成できない。私はこのように計算をしております。これはいまこれ以上議論をしても、現実の数字が出てきていないわけでありますから、これは議論にはならないと思います。そういうマジックを使わないと、総理、来年のサミットに対して責任が重くなりますね。責任が重くなれば、また国民生活が圧迫をされていく、こういうことになると思うんですね、どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 物価指数が見通しより下がる、こういうことになれば実質成長率は上がってくる、こういうことに影響するわけです。しかし、そんなマジックを使うという意図を持ってCPIの展望をしているわけじゃないですよ。これは幾らでも詳細に、展望がこういうふうにできているんだということは御説明申し上げますけれども、マジックなんか使っておる、そんな小細工は弄しておりませんから、その辺はひとつ誤解のないようにお願いします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 恐らくマジックを使わないと七%にならない。しかし、国民はこのマジックというのはなかなかわかりませんからね。ですから、恐らくそういう事態に私はなるだろう。これはぜひ経企庁の方ではそういうマジックを使わないでほしい、こういうふうに思います。  それから、次に総理にお尋ねしますが、総理は石油ショックの後は新価格体系ということを盛んにおっしゃいましたね。新価格体系だから公共料金も上げるんだ、何々も上げていかなければだめだ、ここで何回新価格体系という新しい言葉をお使いになったか、これはわかりません。今度は為替相場で輸入のものが非常に安くなってきた。今度はちっとも新価格体系ということはお使いにならない。原油の価格はこれはドルベースで同じにいたしましても、この為替相場で当然入ってくる原油は安くなっているはずです。なせ今度は、あなたは前にあれほど使った新価格体系を今度使わないんですか。  これは三菱銀行の調査でありますけれども、あなたが新価格体系を盛んに言ったときは、卸売物価で、四十八年の九月から四十九年の九月一年間、卸売の理論値で七・六%、実績値では実に三〇・六%上がっている。CPIの方では、消費者物価の方では、理論値では五・二%上がるべきものが実績値では二三・七%上がっている。これはあなたの新価格体系のおかげです。ところが今度円高で見まして、これは一年間でありませんから、この数値は五十一年十二月から五十三年の六月です。理論値では卸売物価で五・四%下がらなくちゃならないのが実績値では二・一%しか下がってない。消費者物価では二・〇%下がらなくちゃならないのが実に七・八%上がっている。上げるときには理論値よりうんと上がっている。下がってくるときには理論値が下がっているのにそれ以上はるかに高い。これおかしいんじゃないですか、あなたの新価格体系論からいきますと。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) あのときは、ショック後一年間に卸売物価が二六%上がったのです。これは実績です。二六%も卸売物価が上がりますと、これはもうどうしても新しい物価水準というものが出てくるだろう。ところが、今度は下落でありまするけれども、過去一年間に三・六%のマイナスである。その程度のことでありまして、価格水準全体として大きな変動があるというふうには考えません。石油ショックのときはそんな大きな変動でございまするから、私は新価格水準だということを申し上げましたが、今度はそこまで声を大にする大きな要素にはなっておらぬ、このように見ております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それで企画庁長官は日本の消費水準は上がったと、こういうことを円・ドル換算で盛んに言っております。いま日本の賃金は世界で一番目か二番目だ、しかし日本の国民の買っている牛肉は一ドル千円ですよ。米だって一ドル六百円ですよ。日常生活が一ドル四百円ですよ。これはいろんな数字が出ております。それで物価が理論値よりもはるかに高い、おかしいじゃないですか。当然新々価格体系だから値段を下げなさい、円高差益があるんだから、円高差益を物価で還元しなさいというのがこの前のあなたの新価格体系の第二版でなくちゃならぬでしょう。おかしいと思うんです。もっと値段を下げさせなさいよ。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 円のいわゆる対内的購買力と対外的購買力が非常に違うということはしばしば言われることでございますし、また円高差益というのをできるだけ還元をいたさなければならないのは仰せのとおりだと思いますが、しかし事実問題として、わが国の経済がいわゆる工業製品の生産に強く、農産物あるいは土地等の価格形成には弱いということは、いろいろな経済の実態あるいはまあとことん申せばわが国のあり方から出てくるものだと思いますので、農業の持っております制約あるいは土地の持っております制約等々から生まれてくる部分が非常に多いのではないかと思います。で、円高差益の還元には十分努力をいたさなければなりませんが、そういう基本的な事情がございますので、やはり円の対外的な価値と対内的な価値という議論がいろんな機会に出てくるのではないかと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 上げるときは政府が旗を振って上げさせる、下げるときにはいろいろ事情があるから下げられません、これじゃ私、国民は納得できないと思うんですよ。円高メリットはちっとも国民に還元されてない。そして大きな企業は、もう五%の成長で私どもはようございます、これでもう十分二けたの経常利益があります、こう言っているでしょう。おかしいじゃないですか、大体。なぜそういう努力をしないんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国の貿易構造が非常に異質なんです。つまり輸入の八割までが原材料である。原材料の買い入れ価格が下がってきた。そこで、これはすぐ卸売物価に響くわけです。卸売物価は現に一年間にマイナス三・六%という大幅な値下がりをしているわけです。消費者物価になると、これは四%程度の上昇ということになっておりまするが、そういう卸売物価の影響等がなかりせば、これはそう低くはならなかったと思う。それからその二割の完成品、これにつきましても政府においてはいろいろその値下げの指導をしておる。そういうことがその四%の上昇にとどまるという、CPIに大きく影響しておると、このように考えます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあわが国の特殊事情と、こういうふうなわけですが、このぐらいCPIとWPIが乖離している国は世界でないですよ。まさにこれは私は国民を収奪するやり方だと。私は、もっと政府が一生懸命、この前の新価格体系の反対のことをここで政府が旗を振れば、やはり円高差益は一あの電力会社だって私どもが一番先に円高差益を言って出さざるを得なかったでしょう。ほかにだってこういう問題は幾らでも私はあると思うんですよ。経企庁長官どうですか、もう少しCPIを下げるための旗振りをしませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 卸売物価と消費者物価の乖離がわが国で大きいということは言われるとおりでございます。で、CPIは下げる努力をいたさなければならないこともおっしゃるとおりでございますが、この乖離の一番大きな原因は、私はやはりもしわが国の食糧の価格が仮に全く国際水準であり得る場合、それからもう一つ申せば、いわゆる労働も十分にヨーロッパの国のように外国労働を取り入れ得るような場合、いずれにしてもわが国としては成り立ちがたい前提だと思いますが、それらのことが消費者物価と卸売物価の乖離をもたらしておる一番の原因ではないか。もちろんそれらについてもいろいろ改善をしなければならないことがありますことは存じておりますが、そういう基本的なわが国の経済のあり方というのがやはり乖離をもたらしておる一番大きな原因ではないかと私は考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大変重大な発言をされておりまして、食管制度はこれをなくしていけという意味だろうと思います。で、労働者の賃金は安くしろということを言っている、こういうふうに思います。いま問題はそこにあるんじゃないんですよ。円高差益をひとり占めしている連中がいるわけです。そこを吐き出せと言っているだけです。そういう何というんですか、的外れの答弁をされては私は困る。その問題は円高とは直接は関係ありませんよ。  それで、国税庁が円高の利益を調査しているというんですが、どういう状態ですか。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 国税庁の円高差益を亨受している企業に対する調査について申し上げますと、御承知のように、本年の八月の上旬に全国の国税局長会議を招集いたしまして、その席上で指示したわけでありますが、特に円高差益を亨受しておると思われる企業について調査の充実を図るということにしておるわけであります。  具体的に申し上げますと、石油精製卸売業、それから電力供給業、ガス供給業、そういったところに対します調査の重点、それから円高に関連があると思われます貿易業、それから外国為替取引の多い金融業、銀行業、それから証券会社、そのようなものについても調査を進めております。それからさらにまた、それ以外の高級輸入物資、それからコーヒー豆、そういうことについても調査をしておるわけでありますが、いずれにいたしましても調査の終了いたしますのは、重点企業につきましては年内、その他の業種につきましては年度内ということで調査をいま鋭意やっておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その点は御苦労さまだと思いますが、それは発表はいつごろになりますか。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 調査の結果につきまして積極的に発表するということは私たち通常やっておりませんけれども、国民の方々の御要望あるいは国会におきます御質問等ございましたら、それにつきまして総体としての調査結果の報告をさせていただきたいと、かように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 長官、ひとつその点はなるべく早く作業を終わって、早くひとつみずから発表をしてほしいと、こういうふうに思いますが、お約束いただけますか。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 総体としての発表はさせていただきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 日銀総裁、お見えいただきまして御苦労さまでございますが、まあ国債は売れない、企業の投資はちっとも伸びていかない、こういうことでありますけれども、公定歩合についてはいま三・五%ですけれども、これはどうなんでしょうか、このまま行っていいんでしょうか。これを下げていかないと、来年にことしの経済の成長が続いていかないような事態というものが起きてくるんじゃないだろうか。それには、金融が財政の失敗をかぶるというのはこれは大変気の毒でありますけれども、しかし、やはり財政金融一体となってやらなくちゃならぬときでありますから、公定歩合についてはどんなお考えですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) 公定歩合の操作につきましては、そのときどきの経済情勢に即しまして、弾力的、機動的に処置しなければならぬことは当然と心得ております。現在その必要があるかということになりますと、いまはその必要がないのではないかと考えております。その理由といたしましては、内需の方はそこそこの回復をいたしておる。その足を引っ張りますのが輸出関係、いわゆる円高の影響いかん、マクロ的、ミクロ的な影響いかんということでございますが、その辺のところの見きわめがまだ的確にはつかめないわけでございます。政府におかれましても、今回の補正予算を中心とするいろいろの対策を講ぜられまして、その効果がどう出てくるかというようなことも冷静に見きわめなければならない時期であると存じます。  金融の方では、御承知のように金融機関の貸出金利は月を追いまして既往最低記録を更新して、低下に向かっていることは御承知のとおりでございますし、また量的な面でも私どもの短期経済観測等の結果にかんがみましても、企業の資金繰りは大変暖和されておる、また金融機関の貸し出し態度も大変楽になっておるというようなことがございまして、この金融の緩和はかなり浸透しておる。そういう現状でございまして、金融面から経済成長を阻害するような要因は現在のところ見当たらないわけでございます。その意味でいまは公定歩合をすぐに下げる必要はないと思っておりますが、もちろん経済は生き物でございますので、今後の経済情勢のいかんによりましては、弾力的、機動的に処置しなければならないと思っておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総裁、最近の、特に長期の国債が非常に額面価格が下がって利回りが高くなっているという不均衡、これが出ておりまして、なかなか国債の消化が大変だと、しかも大量の国債がこれから出ていくんじゃないかということでありますが、場合によっては公定歩合を引き下げないと国債が消化できないんじゃないかという一部の声もありますが、総裁のお考えで、大変大量に発行している国債が、今後の消化という面で何らか難関にぶつかってきそうな感じを私どもは持っておるんですけれども、そうなったならば入る金が入らなくなってくるわけですから、これは大変でありまして、恐らく日銀が政府に金を貸し付けるというような形にならざるを得ないと思うんですけれども、いまのどうも国債の管理政策というのは私は余り適切ではないと思うんですけれども、こういう時期にひとつ総裁の国債の管理政策についての御意見を承りたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) 御指摘がございましたように、国債の市価が低迷し、発行利回り、発行時の利回りに比べて市場の流通利回りが〇・四近く乖離しておる、そういう現状でございます。その理由はいろいろございまして、一つは、一時的な原因が重なったということだと思います。たとえば金融機関における国債価格変動引当金制度が導入されたのでございますが、それに備えて銀行筋が利の乗っておる国債を売ってこの準備金の積み立てができるようにという意味での売り急ぎが一時ございました。あるいはまた、外人の債券投資が、このところ政府による短資流入の規制措置等もございまして一時ほどではなく、むしろマイナスに転じておるというようなこと。さらにはまた、証券会社が個人向けの消化予定額を大分ふやしておりましたのが、少し荷もたれになりまして、そのストックの処理の売りが出てきたこととか、いろいろな一時的な原因があるわけでございますが、基本的にはやはりこの金利の底値感から、長いものにしばられた投資がいやがられたという面があるような気がいたします。短期市場では、先ほども申し上げましたように大変緩和しておるわけでございますが、長期のものに対する投資がちゅうちょされまして、どちらかといえば短期ものに需要がシフトしておる。それともう一つは、ことしになりましてやはり国債の発行額がだんだん増加してきておるという、そういったいろいろな意味の需給関係が今日の状態をもたらしておるかと思います。  しかし、それも一ころに比べますとようやくおさまったような感じでございまして、このところは少し強含みに推移いたしております。その裏には、政府におきまして、こういう事態における国債の発行額そのものを調整される努力をしておられることも寄与しておるのではないかと思っております。  私といたしましては、一時見られましたような国債市価がどんどん下がっていくというような事態は、今後はそんなに心配は要らないと思いますが、しかし基本的に申しますと、やはり国債は市中の金融市場の実勢を反映するような、マッチするような形での商品をできるだけ発行するような努力が必要なわけでございまして、たとえば先ほど申し上げました短期資金にシフトしつつあるこの現状から考えますと、やはり十年ものに少し偏り過ぎている国債の発行を短期のものにかなりの部分をシフトするというようなことも必要ではないかと。現に政府におかれましては、三年ものの発行であるとか、あるいは資金運用部引き受けでございますけれども、二年ものの発行を考えておられる。その辺もやはりいまのような情勢に応ずるものではないかと思っておる次第でございます。  国債の増発は直ちにマネーサプライの増加に影響をするわけでございまして、今日マネーサプライの数字そのものは余り心配するような動きにはなっておりませんけれども、一ころに比べますと少し高くなっております。昨年の秋ころから年初にかけまして一〇%、一一%ぐらいの前年同期比でございましたのが、このごろは一二%ぐらいになっております。私どもこのマネーサプライの四半期別の予測をこの七月ごろから発表することにいたしまして、七−九は一一%台、まあ高くふえても一二%そこそこと思っておりましたのが、七−九の実績、まだ九月がわかりませんけれども、一二%を少し上回ったような感じで、高まっておることは事実でございますし、またその中での国債の寄与度、国債発行に伴うマネーサプライの増加という要素が少し高まっておることは事実でございますけれども、何しろ金融機関に対する産業資金の需要がまだ鎮静しておりますし、そのこともございましてマネーサプライ全体としては余り心配がないような状態にあるわけでございますが、今後景気がよくなりまして、企業の資金需要が出てまいりました場合にどうするかという問題もあるわけでございますが、要するに公共、民間両面の資金需要をどう調整していくかという問題があるわけでございまして、民間の資金需要の調整につきましては、私ども金融政策の面からいろいろ対処しなければならない面が多いわけでございますが、国債につきましても、やはりときどきの市中の情勢を反映した形での形態なり金利なり発行条件が定められていくというようなことが、やはり金利機能を発揮する上において必要であると思っておるわけでございまして、量的な面でも市中の情勢をよく勘案しながら調整していくというようなことが、将来非常に大切なことになってくるのではないかと思っておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもありがとうございました。  大蔵大臣はどんなふうに最近の国債の価格の動き、それから今後の国債発行、九月も大分少なくしたようでありますけれども、今後どんなふうに考えておられるのか。特にいまおっしゃられた市場の実勢を反映するような発行利回り、それから種類あるいは量というようなものが必要になるだろうと思うんですが、どうでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 基本的な認識につきましてはいま日銀総裁がおっしゃったのと大体同じでございます。特にやはり金利の底打ち感からして短期ものの方に大体選好が行われておるのでございます。そういったことでやはり乖離があることが事実でございますので、公債の発行の仕方、国債の発行の仕方につきまして、やはり非常に工夫が要るなということでございます。一つは、やはり期間について多様性を持たせるということが必要でありましょうし、あるいは発行形式について、場合によりますと入札方法でやるとか、あるいはシ団引き受けの方法でやるとか、それも多様的に持っていかなければならないでありましょうし、また金融は絶えず動いているわけでございますから、発行するだけでなくて、時によりまして、金融情勢によりまして運用部が逆に買い入れるとか、そしてまた消化しにくいときはそれは買い入れていく。逆に買い入れていく。少し条件が整ったところでシ団引き受けをやっていくとか、そういうふうに非常にバラエティーを持たしていく必要があろうかと思っているわけでございます。そういう観点からいたしまして、ことしは三年の利付債を発行いたしましたし、そのうちの約一兆円ぐらいのものは公募入札制度で売るということでやっております。なお、二年ものを近く出したらどうであろうかというふうに考えております。いままでそういう金融の実勢に合わせまして運用部が買い入れたものも相当あるわけでございまして、そういう異常な、微妙な金融情勢にマッチしながらやっていかないと、これからなかなか公債の消化は容易ならざるものがあるということでございます。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 森永参考人には御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきましてありがとうございました。御退席くださって結構でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵大臣、国債のこれからの消化がどうなるかということは、これは大変大きな問題でありますし、大蔵省もいままでの問題にこだわっていないで、やはりこの問題、抜本的にやらないと、来年は国債発行をするんですか、しないんですか。恐らく発行するでしょう。そうなってくると、私はやはりその国債の管理政策というものをもう一回考え直してもらわにゃいかぬと、こう思いますから、特に要望しておきます。  次に、一般消費税について導入が来年か再来年か、あるいはその先か、いろいろ言われているんですが、導入の時期というものはどんなふうに考えていらっしゃいますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) しばしば申し上げておりますように、現在の財政状況から見ますと、やはり一般的な増税は中長期的に見て避けられない。その場合に、やはり一般消費税というものは一つの大きな問題になるであろうということが第一に前提でございます。現在やっておりますのは、いつ導入の必要がある場合でも対応できるようにいま諸般の準備を進めているわけでございます。しかし、具体的にいつ導入するかという問題は、そのときの経済情勢をよく見ませんと非常にむずかしい問題がございます。第一は成長との関係でございます。第二は物価との関係があるわけでございますので、予算編成の段階でそのときの現状並びに今後の見通しをつけまして、それで決定したいと、大づかみに申しますとそういうスタンスで進んでいるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 物価と成長が消費税制度を導入する大きなウエートだと、こう言っているんですが、それは大体どのぐらい考えたらいいんですか。物価はどのぐらい下がる、成長はどのぐらい伸びる、どんなふうに考えているんですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) もう一つ忘れましたが、もちろん財政収支の均衡という問題も考えておりますし、その問題の中には、単なる計算上の収支の問題ではなくて、公債の消化状況も含むことは当然でございます。そういったものを前提に考えておるわけでございますけれども、物価に及ぼす影響は大づかみでございますが、大体税率の半分ぐらい響くのではなかろうかと、消費者物価に対しまして、それぐらいのところでいま大体目算を立てておるわけでございます。成長の問題から申しますと、一時的にそれはやはり一種の、ある種のそうでない公債を発行している場合に比べましてはデフレ要因になるわけでございますので、その辺の兼ね合いの問題だろうと思っているのでございます。それと財政収支の均衡の問題はどれぐらい急がれるか、その問題。特に公債の消化が一体どうなるのか、そういう計算上の数字の問題と現実の問題と、そういうものを総合的に勘案して決めるべき筋合いの問題であろうと、こう思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これには私はかなり準備が要ると思いますね、先進国でもかなり導入のための準備はしているわけでありますから。そうしますと、来年度は導入しないということですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) まだそれを決めている段階ではございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃこの問題はまた後でだんだん詰めていくということにいたしまして、不公平税制を是正しなくちゃならぬということは、これは国民の世論でございます。特に医師優遇税制については来年度から改正をすると、これは総理もそういうようにおっしゃっておりますが、これは必ずやりますか。どうですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) わが自由民主党でしばしば申し上げておりますように、この現行の制度は本年度限りにいたしますと、それに対応して諸般の必要な措置を考えますということは決めております。政府・与党一体でございますので、政府もそれに呼応いたしまして本年度限りにいたしたいと思っているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それは間違いありませんね。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) そのように思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それから、不公平課税の第二番目は、利子配当課税でありますけれども、これはいままでのお話ですと、五十五年度から廃止をするということでありますけれども、これも間違いありませんか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) いまそういうつもりで諸般の準備を進め、検討を進めておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それはお約束できますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) この方法につきましては総合のやり方が非常にむずかしいわけでございます。われわれといたしましては、ぜひ国民並びに大方の理解を得ることによりまして、そのようにやりたいと思っているのでございます。ただ、総合のやり方はかなりむずかしいと、その総合のやり方等について皆様方の御理解を得たいと思っているのでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この二つの是正ということは私はかなりむずかしい問題であろうと、こういうふうに思っておりますが、やると言うんですから、これは必ず実行していただきたいと思います。  それから、税金の中で中古住宅を買った場合の税金というのは、登録税を含めましてこれは大変高いわけです。新築住宅の場合には大体二十何万。それが中古の場合には七十万ぐらい負担がかかるわけですが、五十万ぐらい差がある。これは建設省でもお気づきになっているようですが、まず建設省はこの中古住宅の税金はどういうふうに考えているんですか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 既設住宅の有効活用という見地からいたしますと、現在三倍近い既存住宅の住宅取得控除あるいは登録免許税、不動産取得税になっておりますから、これが軽減を図って、そして既存住宅の流通をよくするということは、いまの住宅状況からして必要なことではないか。したがって来年度の税制改正に際しては、建設省としてはこれが軽減措置をお願いしたいと、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは大蔵大臣どう考えておりますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) いまの住宅に関します税制上の特例というのは、やはり経済成長と関連いたしまして、そしてまた全体として戸数をふやすというところに主眼があるわけでございます。したがいましてやはり、ということは、逆に申しますと、住宅を買うことによって可処分所得が減るから、それで軽減しているという立場ではないのでございます。やはり新規住宅をふやさねばならぬ。これは全体の、そのことによって住宅事情が中古を含めて結果的によくなるであろう。またそのことは、日本のこれからの需要の大きな項目をなしておるわけでございますので、そういう政策的観点から実は住宅についての特殊の税制をやっておるわけでございます。したがいまして現在のところは、新規住宅に限られておるということは御承知のとおりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理、新しい住宅を建てた人は、国の成長政策のために二十数万払えばいい。しかし金のない人は新しい住宅つくるわけにいきませんから、古い住宅を買うときには七十万くらいの税金を払わなくちゃならぬ。これはいかにも不公平じゃないですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま大蔵大臣から申し述べましたように、いまの税制はこれは住宅の戸数をふやすということが主眼であったわけであります。そういうことでありますので、中古と新築と、これは差別がありますが、これはなおこの住宅政策、宅地政策、いろいろ考えなけりゃならぬ問題がありますから、その一環といたしまして検討いたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 検討するというのは安くなるということですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 安くなることを含めまして検討いたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは新しい住宅だけが私は問題じゃないと思うんですよ。やはり古い住宅が消化されていかなければ新しい住宅だってできないと思うんですよ。しかも新しい住宅というのは大変高いですよ、いま。千五百万から二千万出さなければマンションに入れない。一戸建ての住宅というのはもっとかかるわけですから、勤労者は私は幾ら住宅が困っていても新しい住宅買えないと思うんですよ。そういう意味では、これはぜひひとつ均衡をとってもらわなければ困ると思いますよ、ぜひそういう意味で検討していただきたいと思います。  建設大臣にお伺いしますが、いま公団住宅の入居者と公団の側とで大変な問題が起きているわけであります。これは必ずしもいまの家賃を据え置きにしろということを言っているわけじゃ私はないと思うんです。公団のその家賃の適正であるかどうかということを十分話し合った上で決めようじゃないか、こういうふうに私は言っていると思うんです。これは拒否をされないでやはり話し合うべきです。こういうふうに思いますが、どうですか。私どもはその間しばらくは家賃の値上げは中止をしておいて、話し合ってその結果値上げをしていけばいい、こう思いますがどうですか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 竹田委員はいろいろ御承知の上でこう御質問ではないかと思うんですが、建設委員会で衆参ともにずいぶん論議をいたして、最終的には決議もちょうだいして、そうして公団側が予定しておった値上げ時期もたしか三ヵ月ぐらい延ばして、そうして九月一日の値上げということになったと思うのであります。  なお、その決議の中ではよく周知徹底するようにと、こういうことで私ども監督官庁の方からいたしますと、その決議の趣旨が十分であるかどうかということが、現在われわれのチェックする立場だと、こう思うんです。それで延ばして、そうして実施するまでに相当周知徹底が行われておると、また敷金などにつきましても、これは衆参両院の決議に基づいて据え置くようにしようというような諸般の措置をとっての実施になっておるわけでございますから、この上もとへ戻ってまた話し合うというような、そういうことは現在建設省の方からは考えられないことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私はやはりいままでの話し合いというものが不十分の中で、双方がそういうふうに突っ張り合いをやっておると、こう思いますから、そうお考えでしょうけれども、私はやはり話し合いをしていかなければおさまらぬ、そういう点で話し合いをしていただきたいと思います。  総務長官、同和対策特別措置法は、これは今年度で恐らく切れると思うんですけれども、今後延長をしていかれるんですか、どうなんですか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 措置法の延長問題でありますが、これはしばしば総理も答えられておりますように、また私もあらゆる機会にお答えをいたしておりますように、これは延長すべきものである、こういうふうに考えております。ただ問題は、各党の合意に達することを期待をいたしておるというのが現在の状態であります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 委員長、関連。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 関連質問を許します。野田哲君。

野田哲日本社会党

○野田哲君 長官は、この九月の十一日であったと思うんですが、神戸市の現地を調査をされているというふうに聞いているわけですが、また長官の手元には全国の多くの自治体から特別措置法の延長についての要請や陳情が出ていると思いますし、そうしてまた当然総務長官としては担当大臣として同和対策事業の残事業の状態についても承知をされているはずであると思うんです。そこで、この特別措置法の延長はどのぐらいの期間が必要であると考えておられますか、この点をまずお答えいただきたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 野田委員からも、しばしば、現地を一回調査をしたらどうだということを言われておりました。そういう意味で、この政策実行と申しますか、進捗状態をやはり見ておく必要があると、こういうことに考えまして、兵庫県の某市、某地区に行ってまいりました。大変その地区は模範的と申しますか、でき上がったところと、それから工事中であるものと、それから未着工のところと視察をさせていただきました。完成をされたところは私も想像はしておりましたが、大変すばらしく完成をいたしております。そういう意味でこの同地区の中で、こういう格差というものは一日も早く解決をしていく必要があるという、こういう認識に立ちました。地域の住民の方々からも、とにかく一日も早くあの環境の中に入りたいという、こういう切実な願いを地元の方々らとの間の対話の中で受けてまいりました。そういう意味からこの期間の問題については触れるというわけにはまいりませんが、住宅問題を一つ取り上げても、まずその地区からの引っ越しの問題があります。引っ越しをするときには一時的でも仮住宅というか、仮住まいと申しますか、仮移転と申しますか、移転をしなければなりません。そしてまた完成をしたならば、またここに入居をしていただくと。それからまた、そういったパターンを繰り返していくとするならば、私は年月のことは申し上げるわけにはまいりませんが、きめ細かく実施をしなければならぬものであるという、こういう考え方を強く受けてまいりました。特に残事業も相当残っております。また追加地区の指定の要請も、百二十地区追加要請がなされておりまして、私は早く各党の合意に達することを心から期待をいたすものであります。そういう意味でどの期間かということになりますると、この法案の、やはり最初の四十四年当時のいろいろな情勢から判断をして、議員立法的な性格を持っておったと、それが内閣提出に変わったという、この経過等々も踏まえて、各党の速やかなる合意を心から期待するということを申し上げておきたいと、こういうふうに思うわけであります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 各党の合意ということを期待されていると、こういうことでございますけれども、この特別措置法の延長の必要性については、すでに国会で何回も政府の見解も表明をされておりますし、そして前国会の経過からしてこの具体的措置については、今度の国会で決定をすることになっていると思うんです。ところが、この各党合意という点については、これは政府の与党である自由民主党の方がまだ明確な態度を決めておられないところに各党の合意の得られないネックがある、こういう状態は承知をされていると思うんです。  そこで、まず総理に伺いたいと思うんですが、この自民党の総裁として、そしてまた行政の責任者である総理として、今国会の予算委員会が終わりますと、委員会の審議の日数は、非常に限られた日数しかないわけであります。総理、総裁としてのこのいまの各党合意が進まない状況に対してどのように対処されようとしているのか。この点を総理に伺いたいし、あわせてまた総務長官に伺いたいと思いますが、内閣委員会で衆議院では小委員会の設置の協議がされておりますが、参議院の内閣委員会でもまた協議を進めてまいりたいと思うんですが、小委員会なり理事会で各党協議をして法案の内容について提出方の要請があれば、法案の内容は提示をすることができますかどうか、この点あわせて伺いたいと思うんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 同和対策特別措置法につきましては、そのいきさつ私もよく承知しておるんです。私、つい先日も自民党の主要役員に対しまして、この問題はできたらひとつ今国会で決着をつけたいと、こういうことを申し上げているんです。主要役員の方もぜひそういうふうな方向で努力しますと、こう言っておるわけです。率直に申し上げまして各党合意と、こういうことを総務長官が言いますが、その中で一番自民党の中に問題があるわけなんで、自民党の方の意見調整を何とか早くに急がせまして、そして今国会で決着をつける。私はそういうことを希望しておりますが、なおこの上とも努力をいたします。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 小委員会等もできるようでございまして、大変うれしく思っております。要請さえあれば積極的に出席をさせていただきまして、現状の説明をいたしたいと思います。また内閣、衆参両理事会に対しても御要請がございますならば進んで出席に応じて説明をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。  法案の提出でございますが、これはいつでも提出の要請さえあれば直ちに提出できる準備はしてございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 予算委員会で、この八月、山陰の方へ行ってまいりましたけれども、シイラづけその他の被害というものが出ているわけでありますが、農林水産大臣、どのぐらいの被害が出ているか。どのくらいその被害をつかんでおられるか、ひとつ農林水産大臣から。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) シイラづけの被害につきましては、本年の漁業被害として島根県が約百九十戸、三百万円、山口県が千百五十戸で約六百万円、こういうふうになってございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その他ソ連漁船等による被害はどうですか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 私ども韓国の漁船による被害というふうに思っておりますが、韓国側はいまのところそれを否定しておると。したがいまして向こうからすればどこの船かわからないという主張はしております。私どもの方は韓国の漁船ではあるまいかというふうに思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これに対して外務省なり水産庁なりはどんな構想をしていて、それはどんなふうになっているんですか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) いま長官が答弁申し上げましたように、これは韓国漁船による被害であると、こういうふうに見ておりますので、韓国政府に対して水産庁から被害補償するようにという申し入れをいたし、この四日、五日でございましたか、水産庁、両国の次長会談がありまして申し上れましたところ、被害を与えたのではないんじゃないかと思うけれども調査をしてみたいと、こういうことで両国の政府間で話し合いをいたしておるところでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この問題は竹島に絡んで私はよけい被害が多くなっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、この間も日韓の閣僚べースの会議があったと思いますが、その辺ではこれは話題になってないんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 竹島周辺の安全操業については私と外務長官の間で話をして合意ができたわけであります。いまの問題については出ませんでございました。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは早急に解決してもらわないと私はいけないと思うんです。ただ話し合いをいつまでもしていて責任をなすり合っているようなことではこれは困るんですがね。中川農林水産大臣、これは早速解決してもらわなくちゃならぬ問題だと思うんですが、どうですか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 全くそのとおりでございますので、いままでもやってまいりましたが、今後も鋭意御趣旨に沿うよう、早急に解決するように努力したいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 国土庁にお伺いをいたしますけれども、地価公示法の第一条、第二条というのはどういう意味なんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 地価公示法におきましては、正常な価格を示しまして正常な取引の基準にしたいという趣旨が書いてございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 正常な価格とはどういう意味ですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 土地の取引の中には売り急ぎの場合、買い進みの場合等がございます。たとえば売り急ぎと申しますのは、とにかく早く売りたいという場合でございます。それから買い進みという場合は、どうしてもこの角地がほしいということで、少し高くても買いたいという場合でございます。そういうふうな売り手市場、買い手市場というふうなのがございますけれども、そういうものを捨象いたしまして、当該地の正常な取引であったらこうであろうという価格を標準地として示すというものでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それが公示価格でございますか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 公示価格と申しますのは、そういう正常価格を示しますために、鑑定士が鑑定をいたしまして定めるわけでございます。その場合にはやはりいろんな資料も収集いたしまして、その付近の売買実例も参考にいたします。それから収益還元法と申しまして、その土地を一番うまく使った場合はどうなるかというようなものを収集もいたします。それから造成費が要る場合には造成原価法というのを使います。それらのものをそれぞれの地域につきまして応用いたしまして、売り手市場でもない、買い手市場でもない、一番正しい価格であろうというものを示すのが公示価格でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、公示価格と実勢価格は一体いまどのぐらい乖離をしておりますか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 実勢価格と申されます意味が実は私よくわからないんですけれども、私どもは標準地の正常価格は実勢価格をあらわしておると思っておるわけでございます。ただ実際の取引をいたします場合には、地価公示法によりますと、十一条を見ていただきますと、地価公示を規準とした価格で取引をしろというふうになっております。そこの規準の「規」というのは、基礎の「基」ではなくて「規」という字を使っております。ことさらに十一条に「規準」とする意義というので一条設けております。これはたとえば地価公示価格がここは十万円だという場合に、十万円前後で売りなさいという趣旨ではなくて、その土地からどれぐらい位置が離れておるか、広さはどれぐらいか、環境はどうかということで、均衡をとるようにしろという意味でございます。したがいまして実際の取引価格の中には、その当該基準地からもっと駅に近いとか角地であるとかいうことで非常に高いものもございます。二倍、三倍の場合もございます。逆に申しましてその基準地からもっと遠い、造成費がうんとかかるというようなところでその基準地から比べればうんと安いというところもあるわけでございます。それが実際の取引の実態でございまして、われわれは地価公示価格というのは、たとえばその示しました時点の正常な取引価格を示しておるものというふうに考えておる次第でございます。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時から委員会を再開し、竹田君の質疑を続行いたします。  これにて休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十三年度補正予算三案を一括して議題といたします。  まず、午前中に留保された建設省関係の答弁を求めます。櫻内建設大臣。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどの御質問で答弁を留保した三点につきましてお答えを申し上げます。  まず第一は、本年度の住宅関係追加戸数七万三千戸のうち年度内完成戸数は幾らか、これは推定で約二万五千戸程度でございます。個人住宅につきましては、完成率は約七五%、二万戸でございますが、分譲住宅については、中高層のアパートが中心になりますので、完成率は約一〇%、五千戸程度と考えております。しかし、需要効果という観点から考えますと、さきに申し上げたとおり、過去の実績を踏まえて個人住宅九〇%、分譲六〇%の進捗率を見込んでおり、これらを勘案すると、総事業費八千四百四十億円のうち約五千八百億円が年度内の需要になると考えます。  なお、五十二年度の竣工戸数はどうだったと、こういうことでございましたが、竣工についての統計は持ち合わせておりませんが、工事の竣エパターン等で推計いたしますと、個人建設の一般募集に係る契約戸数二十三万七千戸に対し約十六万三千戸となっております。  それから、マンション融資は景気対策につながらないのではないかという御質問にお答えが十分でなかったと思います。追加戸数一万六千戸のマンション融資につきましては、これから着工するものもあり、着工中のものについても工事が促進され、また新規の次の建設計画に着工することとなりますので、需要拡大につながると考えます。  以上でございます。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) それでは竹田君の質疑を続けます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ただいまの御答弁についてはまた後刻質問したいと思いますが、大蔵大臣に伺いますが、相続税のときの土地の評価というのは公示価格で出すんですか、それとも他の計算で出すんですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 相続税の課税標準は、税務署の方で調査いたしましたやはり通常の取引価格を基準にして出すわけでございまして、普通やっておりますのは、前年一ヵ年の標準取引価格を基準にいたしまして、そして翌年度以降それを適用するということで、大体一年おくれになるだろうと思っています。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 自治大臣、固定資産税や不動産取得税の土地に対する課税の評価はどういうふうにしてやっているんですか、公示価格を中心に考えているんですか、どうなんですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 不動産取得税につきましては、先ほど大蔵大臣が相続税について報告をいたしましたような基本の考え方で算定いたし課税いたしておる、かように承知をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、自治大臣、その相続税の評価と固定資産税の場合と同じ額ですか、同じぐらいですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 相続税の評価と不動産取得税の評価、固定資産税の評価——固定資産税の評価は御承知のようなことでございまして、実際の取引よりも相当低い価格になっておるのでありますけれども、不動産取得税につきましては、ほぼ相続税の評価と同様であると理解をいたしております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 公共用地を取得する場合には、公示価格で取得しているんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 公示価格で買うということではございませんで、先ほど申し上げましたけれども、公示価格を規準とした価格で買うということが義務づけられております。要するに一等三角点でございます公示地点、それから地価調査地点等を引きまして、関連づけた値段で買うということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 規準とするというのはどのぐらいの差を言うんですか。いま私どもの調査では、私の近くの港北大曾根町の二百八番地の、公示価格で言えば地点三ですけれども、これで言いますと、公示価格は平米当たり八万七千円です。ところが取引価格は二十万一千三百十円なんです。そうしますと、この開差が二三一%あるわけです。規準というのはどういうことですか、どのぐらいの公示価格を規準として買うという数字になるんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 規準と申します意味は、法律の十一条に書いてございますように、その標準地との間に位置が違う、広さが違う、環境が違う、そういう点につきまして、それぞれの地点ごとに出すわけでございます。したがいまして取引価格は千差万別でございます。したがいまして当該取引について一件ごとに確かめないと本当のことがわからないという仕組みになっておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もちろん、公共用地が公示価格を示す地点にぶつかるわけではないでしょう、もちろん。その地点を規準にしてどれだけ離れておるかによって決めていくわけでしょう。だから、大体、そういうことでいくとどのぐらいの開差になるのか。規準というんだから、その二倍も三倍もの値段じゃ私はこれは規準にはならぬと思うんです。どうですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) あくまでその規準と申します意味は、「基」という字を使って、大体それをめどにという意味じゃございません。あくまでたとえば標準地が十万円でございますと、駅に近いから十五万円だと、さらにその前に道が広いから十六万円だというふうなことでするわけでございまして、二倍とか三倍とか一概には言えないわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ公示価格って一体何のためにあるんですか、わからぬじゃないですか。たとえば私が聞いているのは、あんたのように港北の三という地点が八万七千円で、新宿の価格を算定するのに港北の価格を規準としてやるわけじゃないでしょう、その近くでしょう、基準点があるんでしょう。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 現在、大体都市部でございますと一平方キロに一地点ぐらいございます。したがいまして、その一平方キロの中の一地点でございますから、大体自分のところから見ますと周りに二つ三つはあるわけでございます。それぞれとの間に関連をつけて均衡を定めて買うということでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも公示価格の意味がよくわからぬですわな。価格がたくさんあるわけですよ、相続税の評価のための価格、固定資産税のための価格、それから公示価格、それからいまおっしゃるような公共用地を買うときの価格、実勢価格——何を基準にしてわれわれは地価を考えたらいいんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 私はあくまで地価公示の公示価格が基準であるというふうに考えております。ただ、現在のところ地価公示の地点数は全国で一万五千五百八十地点でございます。ところが固定資産税評価のための自治省の分は三十万六千地点くらいでございます。それから相続税の評価額の方の国税庁の分は約十万地点でございます。したがいまして、今後、地価公示の密度をうんとふやしていきまして、さらにそういうふうな固定資産税とか相続税評価と一本になるようにするのが一番望ましいと思っておるわけでございますが、現在のところ、関係省庁間でそういうものについての研究を進めておるという段階でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、何も公示価格を高くしろということじゃなくて、公示価格を安くして、それでしかもそれが実勢価格と同じくらいにやっていくのが公示価格だと思うんですが、公示価格はどういうふうにして定めていくかということですけれども、恐らく不動産鑑定士に依頼してやると思うんですけれども、その不動産鑑定士というのはどういう計算をするんですか、具体的に。先ほどあなたが三つの点を言ったんですが、どういう計算をするんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) まず詳細な資料の収集を行います。その場合には、付近の売買実例、それから実際に造成地がございますと造成にかかった原価、それから、その辺のいろんな最高の利用されております場所の収益還元、それらの資料を全部広く集めるわけでございます。で特に地価公示地点の鑑定につきましては不動産鑑定士には重い責任が負わされております。虚偽の鑑定をした場合には六ヵ月以下の懲役、五万円の罰金というふうな、責任を持ってやっているわけでございます。したがいまして選ばれました標準地につきまして二人で鑑定をしていただいております。しかし、さらにその二人の間で意見が合わないという場合には第三鑑定というのを全然別な方にまたやってもらっております。その最終結果を独立機関でございます土地鑑定委員会が認めて公示をしておるというものでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう二人で不動産鑑定をやるんだそうですけれども、一地点に対して委託費はどのくらい出していますか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 一鑑定点につきまして四万五千二百円がことしの単価でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 二人で大体何点ぐらいを委託するんですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 失礼いたしました。四万六千二百円でございました、千円間違いました。  それから、やはり場所によって守備範囲が違うわけでございますが、平均でも二十地点は超えないということになっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 不動産取引業者が不動産取引をいたしますと、建物がついている場合に、これは恐らく県にそれを届け出をすると思うんですけれども、そのときには届け出の地価、建物の価格、総体平米当たり分けて届け出をするようになっていると思うんですが、どうですか、間違いないですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 通常の場合は、分けて申告されるのが通常でございます。その場合に、たとえば上物を幾ら見るかというふうなことにつきましては、お互いにいろいろと違うわけでございますが、最高四二%まで割り増しでやっております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私ども調査いたしますと書類が出るわけでありますけれども、これは新しい分譲もあるいは中古の取引も同じでありますけれども、土地の価格は公示価格に近いものを書かないとこれは文句を言われるわけです。したがって実際の土地の取引はたとえば二十万円とすれば、公示価格が十万円とすれば、地価の方は十万円で書かなくちゃならない、あとの十万円の分は建物にぶっかけて、そして全体として売る、こういうのがいまの取引を実際にやっている人の形です。でありますから、いま大企業といえ、小さな企業といえ、全部建て売り住宅でないとそういうことを操作ができない。全部これをそういうふうにやっているわけです。したがいまして上の家屋へ地価の一部をぶっかけるわけであります。ここには当然便乗の価格評価が出てくるわけであります。そういう意味で、現在高い高いと言っているその建物をよけい高くしてしまっている。これは私は一つは公示価格のやり方、その取り扱い方、そうしたものがこういう形で出てくるんだと、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいますように、現在たとえばミニ開発というような問題がございます。ところが、お屋敷町で相続が必要だから直ちに売らなきゃならないという場合に、たとえば売り急ぎで売ります。片一方の方は小さいところにたくさん建てればもうかるということで高く買います。そういうような取引がございまして、実際問題としては、その画地そのものについては売れない、したがって建て売りでなきゃ売らないというのが最近の建て売りの小さい方の実情でございます。  そういう場合に、実は、公示価格の場合には、そういうふうな取引は先ほど申し上げました正常価格の範囲でないということで参考にはいたしておりません。しかし、先生おっしゃるような取引があるのは事実でございます。したがいまして、そういう点につきましても高く買うということについてはよくないことでございますし、また、売られる場合に、土地は幾らで売ったということもよくないことでございますので、やはり適正価格の範囲内で審査をしておるということでございます。適正価格で認めております範囲はいろいろございますが、通常やはり先ほど申し上げました公示価格を規準とした価格、それの大体二割程度までは認めておるのが各都道府県の実態だと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 国土庁はわざわざ公示価格だけを低くする、取引価格が高くなるのは、これは野放し。しかも国民の住宅に困っている人には、そういう形で地価を組み入れた便乗価格で国民に売っている、これが実態だと思います。  そこで、不動産鑑定士の調査の前に、不動産鑑定官というのがその席へ出て所感を述べ、先ほど申しましたとおりに、一地点当たり四万六千円ということになりますと、これは小さな県におきますと不動産鑑定士の収入というのは公示価格の調査による収入というのが一番多いわけです。ほかの方は余りないわけです、仕事が。そういたしますと、どうしても土地鑑定官が集めて所感を述べたのに、皆さんがそのとおりの価格にする。たとえば神奈川県はことしは三%の引き上げ程度だ、こういうことを言いますと、不動産鑑定士は大体それにパーセンテージを掛けていろいろな諸条件を勘案して大体それを守る、それはちゃんと届けを出すわけです。そしてもしそれが正常なその辺の、先ほどの三条件に基づく価格に基づいてやった人はチェックをする、その次の年の公示価格の調査員にはさしてもらえない、これが実態です。  私は、そういうことをして、あえて役にも立たない公示価格というものを大変な委託費を出してやって、何にも役に立たない、しかも逆にこういうことをするために土地価格に大きなひずみを出している、こういうあり方というものは私はむしろ改めるべきである。もう少しこの乖離というものをなくしていく総合的な土地政策というものを考えていかなけりゃいけないんじゃないか、まさに国土庁の言うままの公示価格に低く置いても意味がない、こういうふうに思いますけれども、これは国土庁長官どうですか、もう少し改める必要ないですか。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 竹田君、時間が参りました。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど山岡局長の方からも申し上げましたように、私どもも完璧だとは思っておりません。しかしながら、この公示価格によりまして、竹田委員はもうすでに十分御承知のところだと思うんですが、公共用地の取得の際の規準価格あるいは収用委員会の補償金算定の際の規準義務、地方公共団体の土地開発公社等が土地を買い取る際の規準義務、そういうものにこれは使われておりまして、私はそれなりの効果を持っておると思うんです。  ただ、実勢価格と乖離しておる点を御指摘でございますが、それにつきましてはそれぞれの事情もあることは、先ほど御説明を局長が申し上げたとおりでございまして、今後におきましても取引事例比較法、収益還元法、原価法を勘案して正常な価格を算定する、その方針は御了解いただけると思うんであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 開き過ぎているから問題にしているんですよ。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) ただ、開き過ぎておるという点について、あるいはその取引の実態についての御指摘については、私どもとしても、そういうような事態にならないようその努力をしなければならないと思いますけれども、しかし、必ずしもいまの公示価格全部がそういうことにはなっておらない、いろいろ例を挙げればおっしゃる点もある。したがって、われわれとして改善に努力することはやぶさかでございません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もう一問。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 簡単に願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 あなた、そういう私が言ったような例は少ないと言うんですが、私が言っている例の方が多いんですよ、とんでもないですよ。そういうことで国土庁の地価政策というのは私は大いに誤っておると思うんですよ。また、この公示制度というものは都市の近くが中心なんですよ、法律にもそう書いてある。だから、全国的に、先ほどの何か基準地価格の話とは比較にならぬですよ、そんなもの。ですから、全体的に私は公示価格の問題も見直して、土地価格全体としてもっと引き下げて安く住宅を国民に提供する、そういう施策をこれから打ち出すべきだ、こういうことを私は申し上げているんですよ。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 例外的な方が多いというふうにおっしゃるわけでございますが、私どもとしてこの公示価格を実施しておる立場から言うと、必ずしもおっしゃることではないと思いますが、しかし、御指摘のような例のあることを否定しておるわけではございませんから、その点は改善するにやぶさかでない。  それから、先ほど土地局長が申し上げておるように、いま国及び県段階の調査地点が四万三千点ぐらいでございます。したがって、そういう調査個所をもっと多くする。それから先ほど御指摘のような相続税、固定資産税との関係など、こういう点についてはせいぜい努力して改善するようにいたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 終わります。ありがとうございました。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上をもちまして竹田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、宮田輝君の質疑を行います。宮田君。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して政府に御質問申し上げます。どうかひとつわかりやすく御答弁をいただきたいと思います。  政治の国民のものだと信ずるものでございます。その政治と国民の暮らしというのがもしも離れているというようなことがあったら、これは大変なことでございます。私は、そういうような場合、近づける、この距離を縮めるということも大事な仕事の一つにしているものでございます。  私のところにいろんな御意見を寄せられる方がございます。それを聞いたり拝見したりしておりますと、どうも政府の説明が足りないんではないかということも常々感じるものでございます。政府は、特に国民の毎日の暮らしあるいは将来の暮らしを考えて、国民とよく話し合う姿勢が大切だと思うわけでございます。  ひとつ手紙の一部を読ましていただきますけれども、非常に思いやりのあるいい方々が多いこの国だと私は思うんです。これ一部でございますけれども、   宮田さんにお願いしたいのは、国中には、たくさん古米が有ると云うのですから、困っている人に無料で上げてくれる様に福田総理に云ってくれませんか。せっかく作ったお米がくらの中で、ねむって居るのは、お米も可哀そうだと思います。  こういうことなんでございます。非常にやさしい心根を私は感じるものでございます。  確かにそうだと思うんです。一生懸命丹精込めてたんぼをきれいにつくって、いいお米がたくさんとれるようになった、それが減反というふうなことで御協力をいただいているわけでございます。それはそれとして、私はいろいろ国民ともっと話し合っていただかなければならない、こう思いまして、あえて総理の政治姿勢などとは思いません、総理の所信演説も本会議場で伺いましたけれども、あれをもっとかみ砕いて、これから私たち国民の暮らしは一体どうなるのかと、米の問題ばかりではございません、先ほど来いろいろここで審議されている問題も多うございますが、これからの国民の暮らしについてわかりやすくまずお話を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 非常に大事な点の御指摘ですが、やっぱり政治は国民の心と密着しなけりゃならぬ、私は常々そう考えております。そういう立場でこの世の中を見てみまして、大局的に申し上げますと、私は衣食、この問題はわが国とするとかなり整ってきておる、このように思います。問題は住宅じゃないか、そのように思います。  この住宅問題は、土地の制約、こういうことがありまして、なかなかむずかしい問題でありますが、しかし、そのむずかしさを乗り越えて、とにかく生活の城ですから、これを国民の皆様にそう不満のないような状態に早くしなけりゃならぬ、このように考えていますが、同時に、一人一人の国民がその城であるところの住宅だけを持っても、これは私は御満足のいくような生活にはならない。住宅が整いましても住宅関連の諸施設、これが私はまた大事だと思うんですよ。住宅は生活の城でありますが、その住宅、さらに広くは生活関連の諸施設、これが整うことが必要である、このように考えます。道路でありますとか、それから下水の施設でありますとか、あるいは学校諸施設、幼稚園でありますとか保育所でありますとか、あるいはちょっと病気になったという際の医療諸施設だとか、いろいろそういう生活関連の諸施設、これも整えなけりゃならぬ。そうすると非常に国民全体は落ちついた気分になってくると思います。  しかし、それだけで国民、民心が安定するかというと、やっぱり生活の質が問題でありますから、この質を低下させてはならない。そういう意味から言いますると、やっぱり景気をある程度よくして、そうしてみんながふところが幾らかずつ楽になっていく。同時に、楽になるというか、名目的な所得がふえるばかりでなくて、物価の安定ということが大事でしょうね。使いでのある円、こういう状態を進めていかなきゃならぬ、そういうふうに思いますが、国民の心を推しはかりながら、できる限り満足いただけるような政治をいたしていきたい、このように考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 満足してもらえるような政治をぜひ進めていただきたい、こう思うんでございます。高度成長から低成長へと言われますけれども、お話を伺っていますと、何かめでためでたのというような感じもしないわけではないわけでございます。私は、かなり厳しい将来があるんではないか、こういうふうに考えるものでもございます。  米がちょっと出ましたので、中川農林水産大臣にきょうは本職の方で御答弁をいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 海外援助の問題、私の所管でございますから私からお答えをいたします。  余っているお米を足りない国にやったらどうだと、こういう話はごもっともでございます。そこで、しばしば私も農林水産大臣と相談をしておるわけでありますが、海外にやる場合には、飢饉で米が足りないからくれという場合と、それからベトナムその他のように洪水その他の災害で食い物が欲しいという場合とあるわけであります。そこで、飢饉の場合はこれまた別でありますが、一つは、日本でできておるお米というものは米の足りない方々の国と好みが違う。違うけれども、困っているわけでありますから、これをただで差し上げるとか有償で差し上げるということは結構なことでありますが、ただ、日本のお米の値段が国際価格に比べて六倍以上も高いわけであります。したがいまして、場合によっては、差し上げようと言うと、米じゃなくて金でその分だけくれと、こういう話もありますし、それからまた、国内では、農林水産省の方では食管会計が非常に赤字でございますので、その国際価格より高い値段をやはり財政当局が補充をしてくれなけりゃならぬ、こういうことで非常におくれているわけであります。しかし、まずベトナムから来ておりますのには、近々災害救助はやって、その上に農林水産大臣、大蔵大臣と相談をして古米を援助しよう、こう考えておるわけでありますが、今後、そういう方向で努力をしたいと考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 外務大臣が困っている人に米をということですぐ外国のことを連想されまして御答弁をいただいたわけでございますけれども、おっしゃるように、余っている米を何とかしなきゃならない。大蔵大臣は財政のことを考えていらっしゃるでしょうから、米を外国へ出しても決して日本の黒字が減るわけではないし、これは国民の負担にかかわってくると大きな問題だと思いますので、ただ、外務大臣が前向きに財政当局とも相談して考えていらっしゃるということを伺いました。ぜひひとつ御検討をいただきたいと思います。  そして、お待たせいたしました、農林水産大臣。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 宮田さんからわかりやすいお尋ねでございます。米が余っているから困った人にただで差し上げたらいかがですか、米も喜ぶでしょうと、私どももずいぶん考えたこともあるんですが、これ問題は二つあるわけです。  困った人というのはどこで線を引くのかと、生活保護法の人なのか、あるいはお年寄りにだけはただでやったらいかがかと、こういうような声もあるんです。どこが困った——線引きをするのに非常に問題があるということが一つと、もう一つは、困った人にあるいは線引きができて差し上げても、それじゃ米が余らなくなるかというと、ただのお米を食べるだけで、ただでない米は余ってしまうということで米が余る解決にはならない。ただでやるから三倍、五倍食べてくれたと、こういうことであれば、これは在庫が減るんでございますけれども、その辺に問題があって、この問題に踏み切れないでおりますが、過剰時代でもありますから、またひとつ研究をしてみたいと存じます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 中川農林水産大臣は、いつでしたか、毎日国民が一杯ずつよけい御飯を食べると生産調整はしなくても済むんだと、こういうことをおっしゃいました。計算上そうなるんじゃないかと思いますが、ちょっと御説明ください。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) もっと細かく言いますと、一食について三口食べていただければ米が余らぬ、こういうことなんです。大体三口を食べていただくと、三回食べていただくと一杯になる。その一杯の米を国民の数に計算して三百六十五日を掛けますと約百七十万トンぐらいになる。そうすれば単年百七十万トンになりますから、どうぞ御協力ください、こうお願いしているわけで、計算上から何グラムという細かいことを言えばあれですが、そういう計算でお願いしているわけでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 ところが、なかなかそうはいかないわけでございます。  アメリカでいま牛どんがはやりかけているということが一つあります。それからニューヨークへ参りますと、御承知のように日本のおすし屋さんが大変繁盛しております、あるいは日本料理店が繁盛しております。彼らは御飯と魚を食べている日本人は年をとっても太らない、こういうことを私は何人かの人から聞きました。米について、あるいは御飯について間違った考えを持っておられる方もおいでになるんじゃないかと思うんでございます。この点はいかがですか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 私も全くそのとおりだと思うんです。今度アメリカへ行きましたが、牛どんを食べたい人がふえておる、それは美容食だということをアメリカへ行って聞いてきたわけなんです。アメリカの人も、ソビエトも今度行ってきましたが、お年寄りになると女性の方は例外なくお太りになっていらっしゃる。米を食べておる日本人はお年寄りになっても世界じゅうで一番スマートじゃないか。それを端的にあらわすのは、新潟、秋田は美人が多い、米どころに美人が多い。北海道もわりあい美人が多いのはその辺ではないか。これはまあ男性は別のようでございますが、男性は質実剛健になるのではないか。戦後外国から麦が入ってきたころ、何か米を食べると太ってどうのこうのという間違ったことが消費を減退させているんじゃないか。いましきりにお願いしておりますが、幸いアメリカ等でそういう空気が出てまいりましたから、この辺は国民の皆さんに、厚生省もひとつ御理解いただいて、御協力いただければ、米の問題が解決できるとお願い申し上げておる次第でございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 どうも米の消費について奇手妙手はないかもしれませんけれども、ずいぶん新聞広告の大きなものもこのごろはよく拝見いたします。もっともなことが書いてあるんでございますけれども、なかなか食べていただけない。農家の方はまた生産調整と言われても、狭いたんぼでもよけいとれるというようなことをすぐお考えになる。なかなか効果があらわれないわけでございますけれども、たとえば大豆だとか麦だとかソバ、なたねなんという戦略作物を農家に奨励されております。ことに冬作の小麦だとか夏作の大豆がいいとか言われるわけでございますけれども、これは輸入との関係もあろうかと思うわけでございますね。  これからの農政について、私は農家の方々の精神の荒廃が一番心配されることだろうと思うんです。本当に一生懸命やっておられる方が、つくっちゃいけない、あるいは余って余ってしようがないと恨まれるような立場にある。それから消費をふやそうとしても、大臣がおっしゃるように、なかなかふえない。いま秋祭りが盛んでございますけれども、片方で黄金の波打ち、そして祭りの方はワッショイワッショイと表向き大変景気がいいわけでございます。きょうも長崎の「くんち」の模様がテレビで放送されましたけれども、しかし、農村の方が本当に心からこのとれ秋を祝うことができるんだろうか、そういうことを考えます。それからまた消費者の立場も当然考えるわけでございますが、これからの農政を大臣は一体どういうふうにお考えでございますか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) いま農業で問題が二つあるわけです。一つは、御指摘ありました日本人の主食であり、神代以来つくっておりましたお米が、豊作になれば困ったなあという考えたこともない事態ができておる。したがって消費拡大ということをお願いしておりますが、なかなかいかないとすれば、これは減反していただくより仕方がないというので、一番気候、風土に適しております、しかも生産性も高いお米をやめていただいて、外国から輸入をしておる他の農産物、すなわち大豆とか飼料作物あるいは麦類、こういったものをつくって国民に供給をする、こういうむつかしい仕事が一つございます。  もう一つは、外国から、この間アメリカに行って、アメリカでは安い日本の自動車を買っているんだから、アメリカの安い牛肉やオレンジを日本で買ってもらっていいじゃないか、こういう素朴な声がアメリカのみならず国際的にあるわけです。それが今度のMTNの交渉でございます。そこで、外国から今度入ってまいりますと、せっかく大豆つくった、麦つくった、あるいは果樹つくったといっても、外国のものにやられてしまうといういわゆる内圧外圧が農政の上にある。また消費者の間からも、外国のものを食った方が安いからいいんだ、牛肉安くしてください、米の配給や統制は撤廃して安くしてくださいという、これは外国だけじゃなくて消費者からもいま声があるわけです。それじゃ外国やあるいは消費者の言うことを聞いて外国の農産物を入れたらどうなるかというと、農村が荒廃をする、あるいは長期的に見れば大事な安全保障とも言うべき食糧を外国にお任せしていいのかどうかという問題が一つございます。  もう一つは、やはり農村というものは今日の日本の社会形成の大事な役割りを占めている。もちろん緑だとかいろいろな問題もありますが、農村が崩壊して私は日本の健全な社会はない。もう一つは、社会の形成だけじゃなくて、人間形成にとって農村からはしっかりした人ができる。都市からもできますけれども、農村からはいろいろなそういった人が出やすい自然条件、環境、仕事の内容、こういう立場から、農業というものは単に安いからということだけでは解決できない。  そこで消費者には、余ったものは外国からいただきますが、国内で生産するものは国内で消化をしていただく、若干高いけれども御協力願いたい。また農村も、大事なものをつくっているんだから、何でも米はうんと高くというような姿勢じゃなくて、やはり消費者にも対応できるという努力をして、農村が生きがいと誇りを持って大事な仕事をしているんだ、国家に貢献しているんだ、こういう農村づくりをやっていきたいということで、生産性の問題や、あるいは環境整備あるいは価格対策等万般非常にむずかしい問題でありますが、そういった方向で取り組んでおるわけでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 ことに農村の若い人々に、希望を持って大地と取り組むということができるようにぜひ進めていただきたいと思うんです。やむを得ず減反、本当にやむを得ないことでございますけれども、消費をふやす。これから先一体どうするのか考えますと、非常に心配でございます。これは心ある国民みんなそう思っていることでございますので、農林水産大臣の御所管の面だけではないと思いますが、これはどうかひとつしっかりやっていただきたいと希望するものでございます。  いずれにいたしましても、財政にかかわるということがほとんどでございますが、国の台所はこれは当然税金であり、また国債ということになるわけでございますが、今度の補正では三千億円の国債発行が予定されております。今年度は十一兆二千八百五十億円、残高約四十三兆円としますと、国民一人当たりの借金が四十万円、こういう計算になるわけでございます。先進各国も石油ショックに直面したときに国債依存率が高まったわけでございますけれども、しかしヨーロッパでは昭和五十年、アメリカでは五十一年を頂点として依存率は着実に減っているわけであります。日本だけがその後も増して、先進国中いまや最高でございます。これは戦前の国債乱発時代に匹敵する水準ではないか、こう思われるわけでございますけれども、この前の国会で出されました大蔵省の財政改善試案、昭和五十七年は発行の六〇%が利払いないし償還へ回るということでございます。五十七年の予想、ケースCを仮にとってみますと、発行額が十兆七千七百億円、残高実に九十三兆六千億円、こうなっているわけです。国民にとっては大きな借金でございます。これの歯どめを一体どこに置いていらっしゃるか、どうお考えか、大蔵大臣に御所見を伺いたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) ただいま宮田委員の挙げた数字は、試算ではございますが、大体そのような数字になるわけでございまして、これは容易ならぬことだと思っているのでございます。容易ならぬということの意味は幾つかございますが、このままずっと続けてまいりますと、一つは税収の方の増加はおよそ見当がつくわけでございますので、歳出の伸びがこれ以上行きますと、その分は赤字公債であれ建設公債であれ、ほとんどもう公債で埋めてしまわざるを得ない。その利払いその他を考えますと、だんだん新規政策ができなくなってしまう。新しい需要はこれからどんどん出てくると思うのでございますが、財政的にそれに対応ができなくなってくる時期がやがてもう近づいているわけでございます。  第二番目は、さらに危険なあれでございますけれども、われわれは民間の企業の資金需要が出てくることを当然望んでいるわけでございます。やがて稼働率が上がり、設備投資資金意欲が出てまいりますと、財政の方も金が要る、民間企業の方も金が要る。これ全部日銀の方で賄ってくれということになったら、一体どういうことになるのであろうか。それはまず民間のやつを引っ込めるのか、これはまた大変なことになる。両方満足させようといたしますと、この前のような、四十七年、八年に見られたような過剰流動性の問題が出てくるわけでございまして、日本は何遍も過剰流動性から財政インフレを経験しているわけでございます。その危険がすでにもう目の前に追っているということをあの収支試算で示したつもりでございます。  第二点は、したがってどんな歯どめをやるのかということでございますが、われわれはやはり公債、借金に依存する割合をできるだけ減らしていく。特に私は赤字国債の依存度を減らすべきである。なぜならば、財政法は本来赤字国債を許していないのでございます。本来の財政法の考えで読みますれば、必要がある場合には、それは資産が残る場合にはまあやむを得ないだろう。しかし、人件費あるいは年金あるいは医療費の補助、そういったものを借金でやるということはきわめて危険である。これは企業会計原則においても同様のことが言えるわけでございまして、いまうちは赤字だからひとつ金貸してくれ、銀行はみんな断るだろうと思うんです。設備資金ということになれば、それは将来の見込みに照らして貸すかもしれぬけれども、これは私は家計であろうが企業であろうが財政であろうが、その基本的な経済原理には変わりないと思っているのでございます。したがいまして早く赤字国債から脱却するということがまず第一必要であろう、そういうことでこの前の試算をお示ししたのでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 そこで、ついこの間も国債が少し売れ行きが鈍っているような話も聞いたわけでございますけれども、これからすぐに国債をやめるというわけにもいかないんじゃないか。このまま推移して国債の新規発行が決定的な壁にぶち当たったら、これは大変なことでございますけれども、どんなふうにお考えでございましょう。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) いまの状況は、国債の売れ行きが少しまあ悪くなりまして、七月、八月、九月、それぞれ発行予定額を少し減らしてやっているとか、あるいはまた金融情勢を見ながら運用部の方が逆に資金繰りを見て買っておるというようなことでその時期的な調整をしているわけでございます。  基本的に見ておりますと、やはり金利がこれ以上どうも下がらぬのではないかということが一般に浸透しておると申しますか、その中で投資家が短期の方に資産を運用しておる、長期の方に資金を寝せるということはやはり危険だ、こういう短期選好の方に動いていると思うのでございます。したがって、当面の問は、その金融情勢を見ながら短期ものを出していくとか、あるいはシ団引受形式だけではなくって、一般に公募方式でやるとか、あるいはまた場合によりまして運用部が資金需要を見て買ったり売ったりしながら公債の消化をやっていく、こういう金融情勢に合わしたやり方でいまやろうとしているわけでございます。  しかし、これがだんだんどういうことになりますか、さっき私が申し上げたような意味の壁にぶつかりますと、私の言ったのはもっと深刻な壁なんでございますけれども、民間の資金需要が出てきたときには一体どうするのか。そのとき私は建設国債の方はわりとこれは発行を抑えることはできると思うんです。つまり民間設備でやるか公共投資でやるかの選択の問題でございますから。ただ、赤字国債のときは、そのとき減俸をやるとかあるいは年金を減らすということができないだけに、早くなくしておく必要がある。だから、そういう意味の壁であるんなら、いまから計画的に準備していかなければならぬ、かように思っておるわけでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 そうすると、勢い税ということになるわけでございますけれども、あんまり借金をするというのも、国民一人一人の考え方としては、それほど借金した方がいいというふうにも思ってないんじゃないかと思いますし、税金も、いわゆる不公平税制というようなものはちゃんとやっていただけば、で納得がいけば、応分の負担はしましょうというところが私は多くの人々のお考えじゃないかと思うわけですね。  で話題の一般消費税でございますが、試案では税率五%から一〇%と、こういう線が出ておりますけれども、税制面で配慮されるというような話も伝わっております。たとえば売上高一千万円以下の事業者は免税とするとか、あるいは食料品はその中に入れないとか。一千万円の売り上げというのは利益にしたらどのくらいでございましょうか、私は大変むずかしいところじゃないかと思いますが、仮に売上高一千万円以下の事業者免税、食料品を除くと、これで全体としてどのくらい国としては税収を見込むことができますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) この前税制調査会の試算がございまして、これは五十一年度ベースで計算したものでございますが、仮に一千万円以下の売上者を課税対象から除外するといたしますと、一%で、たしか四千五百億円ぐらいだと思います。ついでに申し上げますと、二千万円にすると四千三百億円ぐらいだと。五十三年度ベースにしますと、それに約一千億足せば大体いいところだと聞いております。五十三年度ベースは、だから四千五百億というのは五十五、六百億、それから四千三百億というのは五千三百億ぐらい、このようになると聞いております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 そうしますと、一%で四千五百億ですか、それから二千万円にすると四千三百億。で五%というと二兆一千五百億、こういう数字は出てくるわけでございますけれども、一方、これはただ浮いて出てくるわけじゃないんで、国民が負担をしなきゃならぬ。いまその不安がいろいろ言われているわけでございますけれども、たとえば税率五%とした場合に、標準家庭ですね、夫婦子二人の標準家庭の場合、負担増はどのくらいになりますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 負担増というのは、実はこれは消費税でございますので、税は価格という形で取るわけでございます。つまり、それは価格の中に織り込まれる。ですから、どれぐらい消費者物価が上がるか、こういう観点でお答えすれば、どれぐらいの負担になるかというのはおわかりだろうと思いますが、大体五%だとすれば、この前の概算でございますが、二・五%ぐらい、ちょうど半分ぐらい消費者物価が上がるのではないか。もちろん、これはこういう税でございますから一年限りでございまして、やった年それだけ上がる、翌年以下はずっとそのままでいきます、こういうことになるわけでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 つまり中小零細業者あるいは家庭の奥さん方は、おっしゃるように、たとえば物価がかなり上がるんじゃないかと、まあ便乗値上げということも考えられるかもしれませんし、とにかく上がるんじゃないかと。その青写真をやがて発表していただけるものだと思いますけれども、税の負担はこういうぐあいになる、いま売り上げということをおっしゃいましたけれども、やっぱり高くなるということは、それだけ負担感がふえるわけでございますから。それから物価はどうなる、こういう国民生活レベルで理解できるような、きょうは御答弁をいただいております大蔵大臣は非常に話がいつもよりさらにわかりよくて感謝を申し上げるわけでございますけれども、はっきりしたものを私は早目に出していただくということが大事なんじゃないかと思うんです。お願いいたします。いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 承知いたしました。できるだけわかりやすく出さないとなかなか論議が浸透しないということを私も痛感しておりますので、この上ともできるだけわかりやすいような、試算でもよろしゅうございますから、国民が一番関心を持っているような形で答えてまいりたいと思っております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 やはり理解できないと協力できない、これはもう当然でございまして、先ほど大臣のお話にもございましたけれども、私たちの家計の場合ですと赤字が出ればまず何かで切り詰める、こういうことを考えるわけでございます。入る方もそれは一生懸命入るように努力はいたしますけれども、支出の方を考える。これは企業でも同じことでございまして、民間企業も血のにじむような減量経営をしているわけでございますね。いろいろ切り捨てたり、あるいは働く人の配置転換なんかもございましょう。そうしなければ生きていけないわけでございます。  ところが、ひとり超然としているのがお役所というのがもっぱらの評判です。これは役所の統廃合というのは依然として進んでいないわけでございます。この前の八十四国会は打率九〇%と総理は胸を張られたわけでございます。つまり提出法案が大分あったわけでございます。八十二件ですか、成立が七十四件、打率九〇%、結構でございましたが、たった一件だけ廃案になったのがある。それはオリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案、こういうことなんです。特殊法人を改組して文部省直轄にする法案だったわけですけれども、審議未了。提出法案中廃案になったただ一つのものということなんですが、役所の統廃合はこれはなかなかむずかしいと思いますけれども、おやりになると言っていらっしゃる。これは行政管理庁長官、いかがでございますか。中央官庁あるいは特殊法人などの統廃合についての決意をひとつお聞かせをいただきたいと思います。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) お答えいたします。  そのとおりでございまして、大変なことなんです。行政は簡素化し、いまのお話のようにわかりやすい方法でなくちゃいけない。同時にまたむだ遣いをしないようにする。昨年いろいろななにがあって、各省の統廃合というようなことがありましたが、この省庁の廃止というような問題、あるいは統合というような問題、これは行政の骨格でありまして、一つやり損なうと大変ないろいろの問題が起こります。しかし、できる限りこれを推進しなくちゃならないということは当然でございます。  それで昨年、まあこれは総理がお答えする問題であろうと思いますが、農林水産省にしたというような問題もあるし、あるいは対外協力というような相もつくったのもありますし、それから建設省と国土庁を一人の大臣が管理するというような問題、こういうものをあわせて鋭意やっておりますが、不況の対策、もう一つは雇用問題、いろいろの問題がありまして、行政改革がそういう問題に支障のないようなことをしていかなくちゃならない、こういうことでございます。残念ながら前国会におきましてオリンピック記念青少年センターというのを文部省が提案しておりましたが、文部省に持ってくるというのが廃案になりました。これ残念なことだと思っておりますが、ぜひひとつ進めてやってもらいたいと文部省に私の方からお願いをいたします。  なお、昨年の十二月二十三日の閣議で決定をいたしまして、五十一の課及び室、官といいますか、五十一を整理するのでいま着々進めております。これを廃止するということで進めております。なお、これはいろいろな問題もありますが、まあスクラップ・アンド・ビルドというのですか、取りかえるということですね、新しい局、部というものは廃止したところと取りかえるということでなければならない。大変ないろいろな問題がありまして、たとえば中南米局というような問題もあります。確かに必要であることは私もよく存じておりますが、そういうようなのも何とかひとつ入れかえをして、新しい局をふやせば人間がふえますから、そういうことをやって努力しておるわけでございます。  なお、特殊法人というのが統計的に見ますと国家公務員より多いのです。これは人口千人に対して国家公務員が七・七ですか。特殊法人は八・三です、千人に。これは思い切って整理統合あるいは廃止というようなことをやらなければなりません。そこで、電力用の石炭の販売会社がありますが、これは切ります。八郎潟の問題もこれも事業団を廃止いたします。なお、いま十四の特殊法人を整理してやっておる最中でございます。  それから、地方においては千ヵ所の出先を整理統合する計画でありますが、いま六百の目鼻がつきました。あと四百を鋭意やっている状況でございます。  私は、大変な仕事で、こんなことでいいかどうかという問題。そこで、御承知のように去年からで四年間、昭和五十二年から四年間、ことしを入れてあと三年ですが、二万八千人の公務員の削減をするように閣議で決定いたしました。着々いま進んでおります。  それから参考に申し上げますが、昭和四十三年から定員削減、国家公務員の削減をして、十一年間に十二万人削減をしております。ただし昭和四十三年から四十八年、この間非常な好況であります。石油ショックまでは非常な好況でありまして、たとえば国立大学を各県に一つずつつくれ、いわゆる医者の学校をつくれ、それから各県に国立病院をつくれというようなことで、これはかなり大幅に人間が要るわけでございます。一つの医科大学で大体千人、そういうようなのでありまして、これはなかなか大変ですが、その上に航空機がジェットエンジンになりました。そこで航空保安上、人間をふやしました。それから、なお一億総不動産屋みたいになりまして、そこで登記所が非常に繁雑になりまして登記所をふやした。そこで十二万人削減をいたしましたが、そういうような問題からいたしまして、まあここに増員をどうしてもしなくちゃならないということ。で、差し引きましてとにかく十一年間に一万一千人の削減をしたということだけははっきり申し上げておきたいと思います。  それから、なおもう一つ聞いてもらいたい。そこで税金のむだをしないというためには一体どうしたら人間を削減できるかというので、外国の例も考えてみなくちゃならないので、アメリカへ八月に一週間ばかり行ってまいりまして、アメリカの行政管理予算庁長官というのと話し合ってまいりました。ところが、アメリカではなかなかこれ日本よりまだ成績が悪いんですよ。日本は国家公務員が人口千人に対して七・七、地方公務員が二十六・三人、なお国鉄、電電公社の特殊法人というのが八・三です。それからアメリカの方と比べると、アメリカは連邦政府が二百八十万人、千人に対して十三人。それからいわゆる各州ですが、州が三百万人、これは千人に対して十四人。それから市町村で言えばシティー及びカウンティーと称しますが、それが八百八十万人で千人に対して四十一人。合計千人に対して六十八人使っている。日本は特殊法人を加えて四十二・三人でございます。だからなかなかどこもうまくいってないんだなあと、こういうことを考えまして、しかしそれを日本にサンプルにするわけじゃありませんから、大いにひとつ一生懸命税金のむだ遣いをしないようにやります。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 急行をとめた大臣でございますから、やろうと思えば何だってできると思うのです。  総理に一言。総理は、おやりになるという福田内閣であるわけでございます。ぜひひとつやっていただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 行政改革は、これはわが国が当面している非常に重大な問題だと思うのです。そのねらうところは、一つは税金の安上がり、こういう問題があります。それからもう一つは、時勢が非常に変化しておる、その変化に対応した組織でなければならぬ、こういう立場があります。  その二つの立場を踏まえまして、私は昨年いろいろ検討したのです。その結果、いま行管長官がるる申し上げましたとおり、暮れの行政改革大綱というものができ上がったわけであります。とにかくあの大綱では地方の支分部局を千カ所以上整理しましょう、こういう相当思い切ったものです。それから定年制も導入しましょう、こういう方向も打ち出しておる。それからいままでいろいろ言われた渡り鳥だとか、そういう問題にもメスを入れる。こういうようなことで、いろいろの重要な改革を行っております。ただ中央機構はこの改革大綱では手をつけておりません。これはいま行管長官がお話ししたような実行上の措置として逐次手をつけておりますが、しかし私どもはこれをもって行政改革は終わりだというふうには考えておりません。なおこれから先も、いろいろいま行管長官が検討しておりますけれども、その検討に従いまして精力的にこの問題に取り組んでいく。  ただ問題は、これは総論は皆さんが賛成してくださるのです。ところが、オリンピック青少年センターに見られるがごとく、一つ一つの問題になりますと非常に抵抗が多いのです。いろいろ改革をしますときには国会に法律案の改正というようなことで御審議を願わなければなりませんが、その節は何とぞよろしくお願い申し上げます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 精力的にぜひやってほしいと強くお願いを申し上げておきます。いずれも国民の負担で賄われるというところでございますので、一人一人の国民の皆さんが強く関心を持っているわけです。  同じように公務員の給与がよく話題になります。これはいろいろな調べがあるようでございますけれども、日経連の調べによりますと、生涯賃金というのは、支払い給与、年間の臨時給、退職一時金、年金、この四つを合計したものが、民間大企業で約一億八千万円、民間の中小企業で約一億六千万円、公務員が約一億九千万円と、こういう数字が出ているわけです。  いま就職戦線がたけなわでございますけれども、日本リクルートセンターの調査によりますと、大学生の就職動機、官公庁志望が五三%、公務員志向はまことに顕著であると思うわけでございます。昔は、役人は月給は安いけれども恩給がつくからと、こういうことを言われたように思うのでございますが、いまやどうして結構ずくめというふうにとられているのが実情でございます。で、円高や構造不況で苦しんでいる中小企業の人たちなどにとってみれば、これは月給だけじゃなくて、勤務条件などまさに雲泥の差があると言われるものでございます。  そこで、政府は調査をされていらっしゃいますでしょうか。官庁とそれから民間会社の格差についてそれぞれいろいろな主張があると思うのですけれども、たとえば毎月の支払い給与、それから年間の賞与一時金、退職金、年金、これらを調査されて、格差があるとすればどういう格差がございますか。人事院、総理府、大蔵省にお伺いいたします。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) いま御質問のございました給与の中の毎月支給されます月例の俸給、それから各種の手当並びに賞与は私どもの所管でございますので、これについてまず申し上げたいと思います。  これは宮田委員も先刻御承知でありますように、人事院といたしましては、公務員の給与を決定する一番準拠すべき適正な水準といたしましては、官民の格差を正確に把握して、それの格差がある場合はこれを埋めていくということが一番いいという方針で従来やってきておって、大方の賛同を得て今日まで定着をしてきておると思いますが、ことしの場合も同じ方式でやりました。  企業数といたしましては七千六百程度の企業数で、その従業員は約五十万人、これを統計的に引き延ばしますと、全国の各企業の従業員の六割以上を網羅するという結果が出るわけでございますが、これについて公務員とそれぞれの企業の従業員との間で職務の内容であるとか、あるいは責任の度合い、その他同じようなところを突き合わせをいたしまして、その結果出てきた格差というものをはじき出します。これがことしの場合は民間も非常に景況が惑うございましたことを反映いたしまして三・八四ということに相なったわけでございます。したがいまして、この三・八四を基礎といたしまして、なお格差があるということでこれを埋めていただきたいという意味の勧告をお出しして、今国会に関係法案を御審議いただいておるということが現在の実情でございます。同じことでございまして、大体四月現在で調査をいたしますが、それは昨年の五月から四月までの一年間ということで、賞与として支給されたものを全部調べまして、それを民間の場合は月数に直して幾らであるかということを打ち出します。これはことしの場合は四・九ということに相なりました。現在公務員の場合は五・〇でございますので、その差額が〇・一あるということで、これはやはり民間もそうなっておるから、やむを得ずごしんぼう願いたいということで、〇・一削減をするということで、これも同じく関係法案として御審議をいただいておるということでございます。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 退職金の問題でございますが、官民格差の問題はきわめて大切なことでございますので十分留意をいたしております。四十八年の改正の際には、民間企業その他を調査をいたしまして所要の改正を行ったわけでございますが、現在では均衡がとれておるものと思っております。しかしながら、大分時間も経過をいたしておりますので、近い機会に、今年中に調査をいたしたいと、その結果を踏まえて十分検討いたしてみたいと思っております。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 私の方から年金についてちょっと御説明したいと思います。  まず、実績で申し上げますと、五十二年度末の平均支給年金額でございます。これは月額でございますが、国家公務員の場合は十一万一千円、一人当たり。それから厚生年金の場合が七万六千円でございます。ただし、国家公務員の平均勤務年数、つまり平均加入年数を見ますと三十年でございます。厚生年金の方は二十二年でございまして、全く期間が違うわけでございます。そこで、厚生年金で三十年としたら幾らもらうであろうかということを計算いたしますと約十万円になります。月に十万円。だから、十一万一千円対十万円ということになります。しかし、御承知のように、いまもらっております国家公務員の支給実績の中には恩給部分が含まれているわけでございます。いずれは恩給法の適用がなくなって、年金だけもらう人がやがていま出てくるわけでございます。  そこで、年金だけをもしもらう場合にはどんな仕組みになっているのかということを、これはモデル計算でございますが、それで計算してみますと、私たちがとりあえず想定しましたのは、高卒十八歳で就職者が受け取るべき年金額でございます。二十年勤務した場合、それから二十五年勤務した場合、三十年勤務した場合と、これは今度は年額で申し上げます。厚生年金は、二十年の場合には年額で七十七万九千円、それから国家公務員の共済年金の場合は七十六万四千円、つまり厚年の方が少し得でございまして〇・九八になります。それから、二十五年になりますと、厚生年金が百一万二千円、それから国家公務員の場合が百六万三千円、この場合はちょっと逆転しまして一・〇五になります。三十年の場合になりますと、厚年が百二十六万九千円、それから共済年金が百四十五万三千円、一・一五になるわけでございます。これは年金の仕組み、もう御承知のように定額部分がずっと厚年の方が多くて比例部分が小さくなっている。それから片方は比例部分になっておりますので、短期の場合は大体厚年が有利である。年月を経ると、いまのところは若干国家公務員の方がよろしいと、こういうことになるわけでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 自治省の調べによりますと、地方公務員は中央に比べますと給与水準が七・九%上回っている、こういうことでございます。で、地方と中央、これは官官といいましょうか、給与とか退職金、年金、これは一体どうなっているんでしょうか。官庁と民間会社が官民でございますけれども、中央と地方の公務員は官官の格差と、ランラン、カンカンだったらほほ笑ましいのでございますけれども、こちらの方は自治大臣から。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 御指摘がございましたように、地方公務員につきましては、昨年四月一日現在の調査で国家公務員を一〇〇といたしました場合に一〇七・九と、かようなことでございますが、ただ数年前は一一一近くの数字がございましたが、だんだんこの幅が狭まっておりまして、本年度の調査はまだ正確にはいたしておりませんが、さらにこの幅は狭まっておる、こう理解をいたしております。  それから、期末、勤勉手当につきましては、国と同様がたてまえでございますけれども、しかし、三千数百の地方団体のうち約二百の団体におきましては、若干上回る処置をしている団体がございます。  それから退職金につきましても、これまた国と同様であることがたてまえでございますが、しかし、たとえば東京都、名古屋といいますように、役付職員等につきましては上増しの処置をやっておりますので、この限りにおきましては、それだけ退職手当が高くなっておる、かようなことでございます。  それから、大蔵大臣から年金のお話がございました。大蔵大臣は国家公務員の月平均で申されましたが、年に直しますと百三十三万三千円、これが国家公務員の共済年金でありますけれども、地方公務員の場合は勤続年数が国家公務員よりは若干長い平均がございますのと、給与が若干高い、この二つが影響いたしまして平均百四十四万九千円、かようなことで国家公務員よりも約十一万円高くなっておる、かような結果であります。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 給与あるいはその他の年金とか、あるいは退職金を比較するにしても、自治大臣あるいは大蔵大臣、人事院、総理府というふうにいろいろなところでこれまたやっているわけでございまして、これらの機関がプロジェクトチームをつくっておやりになる、少なくとも調査を一本化するというようなことは、これは考えられないものでございましょうか。総理いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘の点は大事な問題でありますが、これ、財政当局である大蔵省、これなんかが中心になりまして三つの部門ですね、官官と申されましたが、官公ですか、それからもう一つは民と、民間ですね、この三つの部門につきましていろいろ連絡がとれるように検討はいたしております。特に、官と民につきましては、人事院が中心になりまして相当精細な努力をしておるんです。しかし、御指摘の点はもっともでありますので、なおひとついろいろ検討してみたい、かように考えます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 とにかく税負担感というものにつながるわけでございますので、よくひとつ人々の納得のいくように調査を進めていただきたい、こう思うわけでございます。  ところで景気でございますが、きょうも七%、七%とずいぶん伺いました。今年度末七%程度の成長を達成したとして、産業全体の操業率でございますね、五十年を一〇〇として八月現在一二二・五でございますか。それから完全失業者、いま百二十一万ということでございますが、年度末これはどうなりましょうか、実態としてお示しをいただきます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 石油危機以後の事態に対して、わが国は諸外国の中では一番うまく対応した方だと一般に言われておりますが、それでも、ただいま宮田委員の御指摘のように、いろいろな問題が残っておりまして、安定成長に行きますまでのいま過渡期でございますので、七%の成長ができましてもいろいろ問題が残ります。  その一つは、ただいま御指摘の完全失業の問題でございます。大体三月末で百十五万人ぐらいの完全失業が残るのではないか。もっともこれは今年度内に就業がふえなかったという意味ではありませんで、新しく社会に出られた人を中心に八十万余り雇用がふえますけれども、根っこにございます失業は、実は余り大きな改善が今年度内だけでは見られないと存じます。  それから操業率でございますが、いま八〇%ぐらいと見ております。実際上の運転率、操業率でございますが、それが来年の三月ごろに八三ぐらいまでいけるのではないかと、こんなふうに考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 マクロで七%という政府目標が達成されたとしても、個別にはいろいろ問題があるんじゃないかと思うんです。総理も、所信表明で業種、地域間の景気、不景気の格差が見られると、こう述べていらっしゃるわけでございます。七%は、経済活動の私は目標ではないかと思うのでございますが、余り七%という数字にこだわり過ぎていらっしゃるんじゃないかと、そんな感じも持つんです。問題は、七%ではなくて中身が大切ではないか。確かに国際公約かもしれませんけれども、諸外国としては、意図はあくまで黒字減らしなんではないかというふうに思うのでございます。政府は、今後ともじみちに生産水準を回復し、国民生活を守るためにいろんな面で手当てをしていかなければならないと思います。七%がその結果の数字であると考えておりますけれども、総理いかがでございましょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはまことに御指摘のとおりであります。国際社会では黒字減らしを要請しておると、その手段として内需を拡大してもらいたい。それには七%というような他の国よりも高い成長を実現してもらいたいということでありまして、外国から見ますと、七%が本当の目標じゃないんです。黒字べらしというのが期待する目標であると、このようなことでありますが、それから国内的に見ますと、やはり雇用を改善いたしますとか、あるいは企業の収益を改善いたしますとか、いろいろ実現しなけりゃならぬ問題がある。そのためには七%程度の成長をしなきゃいかぬだろうと、こういうことで七%と、こう言っておるんで、いずれにいたしましても、七%は、お説のとおり結果としてそういうことが期待されるということであり、私どもの真のねらいはただいま申し上げたところにあると、このように考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 不景気や円高で輸出が大変厳しくなりました。一部の企業は、輸出しても円高のために入るお金が少なくなってしまいまして輸出品の価格を上げて対処しておりますけれども、すでに数量が減っていることはこれは明らかであります。輸出数量の減少は、生活水準の低下を意味するわけでございます。企業は、これからさらに新規採用を減らしたり、あるいは採算のとれない部門を廃止したり、いわゆる減量経営に踏み切る可能性が大きいと思うわけでございます。現状としては、たとえば鉄鋼の場合いま生産能力の七五%を生産しているということでございますが、これは輸出の減少が鉄鋼の売れ行きを鈍化させた。そとで鉄鋼会社では、社員を取引先である自動車会社に転出させて、自動車会社の方はラインに一人人員を追加したりしてやっていると、こういうところもあるわけですけれども、これも限度に来ているということでございます。で、公共事業ということになるわけでございますが、この公共事業の雇用効果はどうなっておりますでしょうか。雇用効果について各省庁の話し合いはどういうふうになされているでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 公共事業対策推進本部で計算をいたしておりまして、本予算の分につきましてはすでに申し上げましたが、このたびの補正に伴う分はほぼ十六万人ぐらいではないかと見ております。ただ、これは計算上マンアワーで計算いたしまして、それを割っておりますので、現実に十六万人プラスがあるという意味よりは十六万人分の新しい雇用が出る、それだけ残業になったり、転換になったりしておるかもしれませんが、一応そういう計算をいたしております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 産業の撤退とか、あるいは減量経営によりましてはみ出した人たち、それから雇用機会が狭くなった新しい卒業者をどういう職場で吸収することになるんでしょう。いろいろ聞いてみますと、第三次産業という声が多いんでございますね。レストランなどの外食産業とか、あるいはスーパーなんかの小売業、あるいは病院とか、スポーツ施設、教育産業、レジャー産業、こういうところが挙げられておりますけれども、こういうところで第三次産業、当面どのくらいの受け入れが見込まれるんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 今年度だけで申し上げますと、先ほど八十二万ほど新規の雇用の増があると申し上げました。その中で建設関係が三十五万人ぐらいプラスでございます。それから製造業では、通じまして五万人ほどマイナスではないかと思われますので、したがいまして、残り五十二万がその他ということになりまして、それはほぼ第三次産業と思われますが、ただ、これは急場のことでございますので、従来の三次産業でございますが、少し将来を展望いたしますと、もっと広い意味での医療であるとか、教育であるとか、社会保障であるとか、新しいそういういわばプロフェッションが生まれてくると、そこで大きな需要があると、こういうふうに将来としては考えるべきではないかと思います。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 おっしゃるとおり内需不足の埋め合わせと、こういう観点から脱却して将来を見通した生産構造、就業構造の環境づくりについて今後の政府の強力な指導力が求められると思うのであります。もはや雇用というのは、労働省だけの問題ではないんじゃないかと思うんですね。雇用を国全体の政策の中心に据えて、たとえば総理を長にした関係省庁のチームを編成して取り組むと、こういうような意気込みはございますですか、総理。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 経済企画庁が中心になりましていま準備をしておる長期計画、これはまさに雇用というような点を主としてにらみながらやっておるわけであります。いま長期計画、昭和六十年までの七ヵ年を展望いたしまして長期計画をつくりますが、これは相当大がかりな調査をするわけであります。もう政府機能、経済関係の機能を挙げて努力を傾倒してやるんで、新たに仕組みをつくる必要はないと思いますが、この経済計画におきましては、雇用を中心に今後の展望を精細にいたしまして、そしてこれから先々の経済運営を誤りなくし、また雇用も改善をすると、そういう方向の施策を進めていくと、こういうふうに考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 政府は、構造不況に悩む企業城下町の中小企業対策として、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案を今国会に提出しております。不況地域の地域指定に当たりましては、いわゆるボーダーラインを十分配慮していただきたい、これは強く要望しておきます。

戸塚進也自由民主党・自由国民会議

○戸塚進也君 委員長、関連。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 関連質疑を許します。戸塚進也君。

戸塚進也自由民主党・自由国民会議

○戸塚進也君 私は、ただいまの宮田委員の中小企業対策に関係いたしまして、緊急かっ重要な中小企業対策を三点お伺いいたします。  一点目は、ただいまもございましたが、本院の予算委員会で九月二十七日、静岡県清水市へ視察をいたしました。不況のオンパレード、にもかかわらず、この適用条件の中の常用求職倍率というこれだけが若干足らない、雇用保険をもらっている受給率は指定を受けた地域よりももっと高い、失業者は多いのに、このお化けみたいな数字がだめだというんでいまだに指定にならない。非常に委員の各位も与野党を問わず、これは大変なことだと、こういうふうに認識を新たにされておられました。また北海道の室蘭のように、不況地域に指定されても工業再配置促進法に基づく誘導地域から除外されている、こういうふうなことから工場の新増設が仮にあったとしても財政上の国の援助措置が受けられない、こういうことで非常に困っている。こういう問題等についてやはりきめ細かな配慮をしていただく必要があるんじゃないか、仏つくって魂入れずでは困りますから、前向きに検討していただくよう答弁を願う。  二点目は、大店法の改正ということで、いま衆参通じて真剣に国会審議に取り組んでおります。当然のことだと思いますが、政府も今国会で大店法が改正されるように最善の努力を払うべきであると、こう思うが、その決意を伺いたい。  同時に、この法律が今国会で改正されても六ヵ月間という、実は効力の発効しないその六ヶ月間があります。その間に、いま大きなスーパーや何かがどんどんと駆け込んできている。駆け込み出店によって地方の中小零細小売業は本当に悩んでいます。どうかひとつ、今国会でこの法が改正されて、六ヵ月の間、地方で紛争のある分については、一時新法が効力を発効するまで凍結すべきだと、こういう強力な行政指導が必要と思うが、どうか。  最後に、これは総理に伺いますが、中小企業専任大臣の設置、いま不況の時期こそこの声が中小企業から非常に多いんです。常に閣議で、寝ても覚めても中小企業の問題に取り組む大臣が欲しい。五百三十万軒、三千二百万の中小企業者がいます。国民三・五人に一人が中小企業者であります。どうかひとつ、この中小企業者の悲痛な声に対して、積極的なその御発言を願いたい。もしやっていただけるということならば福田内閣のムードは上昇すると、私はこう思います。いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま地域指定の問題が出ましたが、御案内のように、先ほど来操業率のことが話をされておりますが、日本の場合は、平均の操業率八〇%といいましても、非常にいい業種は一〇〇%操業をやっておるわけです。非常に悪い業種は六〇%とか五〇%という惨たんたる状態になっておるわけですね。その平均よりもはるかに悪い業種のことを構造不況業種と呼んでおります。そこで、この構造不況業種が地方地方の産業の中心であります場合には、それに関係する中小企業のみならず、その地域全体の中小企業が非常に困っております。そこで、地域指定をいたしまして、その地域全体の中小企業を救っていこうというのが今回の法律の趣旨でございます。ただ、事は急を要しますので、この国会で法律をお願いをしておりますが、八月末に行政措置でとりあえず非常に深刻なところを十六カ所指定をいたしまして、これは行政措置で救済を始めております。法律を通していただきましたならば、その法律に従いまして、さらに政令をつくって、相当数追加をするつもりでございます。追加の基準等はまだ決まっておりませんが、できるだけふやすようにしたいと考えております。なお、経済は刻々に動いておりますので、現時点では条件に合わないために指定されないというものがありましても、そのうちに悪くなれば、いずれまたその条件に合致するという場合もありましょうし、やっておりますうちに非常によくなったと、こういう場合もありますから、臨機応変に対処していきたいと考えております。  それから、いま室蘭の話が出ましたが、室蘭は、工業再配置法によります誘導地域にはなっておりませんけれども、不況地域に今度指定をいたしましたので、この不況地域に指定をいたしますと、工場誘致をする場合にはいろいろ助成をすることになっております。でありますから、この点はある程度やれると考えております。  それから、スーパーの問題でありますが、前国会で法律を出しましたが、現在継続審議になっております。ただ、この法律が近く成立するというこの現状におきまして、どんどんどんどん幾らでも申請が出ますと非常に困りますので、前国会での御決議もございましたので、当分の間申請を自粛するようにと、こういうことでいま抑えております。申請はずいぶん減っておるつもりでございます。  なお、この法律は急を要しますので、これもぜひ今国会で成立さしていただきますようにお願いをしておるところでございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中小企業専任大臣を設置すべしというお話は、この前の国会でも戸塚さんから承ったのです。そのとき余り私は明快なお答えをいたさなかったのでありますが、いま企業といいますと、大企業もあるし、中企業もあるし、小企業、零細企業とあるのです。いまの行政の仕組みでは、その企業の種類別、業種別によりまして所管省が分かれております。通産省関係は通産省がやっておりますが、それから農林関係、水産関係につきましては農林省、それから運輸・交通関係につきましては運輸省、また雇用問題等につきましてはこれはもう労働省と、こういうふうになっておりますが、さて、そういうことで各省に分かれて、責任大臣がおって、責任官庁がおって、それぞれ仕事をしておる。そこへ中小企業専任大臣を置けと、こういう話なんですが、どういうことをそういう際にするんだろうということを考えてみますと、これは各省に分かれておるそういう仕事の連絡調整をやれと、こういうことじゃないか、そのように思うのです。そうでない、その連絡調整以上に一歩踏み込んで中小企業の仕事を全部統括してやりなさいと、こういうのだったら、これはまあ大変な仕事になるわけであります。これはたとえば通産省の仕事をその専任大臣のところへ統括する、農林省の中小企業関係はそこへ統括する、運輸省の仕事はそこへ統括する、雇用関係はそこへ統括すると、こういうことになると、いままでの官庁ですね、主管官庁との間の連絡調整、これは非常にむずかしいです、業種を中小と大企業に分けちゃうのですから、同じ業種を。そういう問題がありますが、そうじゃなくて、恐らく連絡調整のための大臣を置けと、こういうことだろうと、こういうふうに思いますが、まあその場合にも、どうも何らの権限はない、ただ関心だけを持っておる、そうして飛び回っておると、こういうことで、何か屋上屋みたいな感じがしてならないのですがね。しかし、役所をみんな各省から切り離して一つにせいというよりはまあ考えやすい問題なんでありまして、なお、しかし非常にこれはむずかしい問題でありますので、今後といえどもこれは検討すると、こういうことにさしていただきます。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○国務大臣(藤井勝志君) お答えをいたします。  このたび、特定不況地域離職者臨時措置法案の地域指定の条件でございますが、まあ労働省の立場から言いますと、まず第一に、大変多数の離職者が現にあると、あるいはまた必ず近い将来に多数の離職者が出るであろうと、同時にまた雇用の機会が非常に少ないと、こういつた条件を踏まえて決定をいたすことにしておりますが、これは法律ができ上がった後、政令によって決定をいたします。その政令によって決定をいたします場合は、通産省の特定不況地域中小企業対策臨時措置法案と両方で、共同で地区指定をやるわけでございますが、したがって、法律が成立後、その地域の経済、雇用状況、まあ社会、経済は生きて変動しておるわけでございますから、法律の精神を踏まえて、十分具体的な実情に沿うように配慮しなきゃならぬと、このように考えておるわけでございます。

戸塚進也自由民主党・自由国民会議

○戸塚進也君 それでは、通産大臣に一点だけ。  室蘭のことはわかりました。この予算委員会で取り上げた清水市については、きょうの日経にも常用求職倍率について考え直すというふうなことが書いてありますが、前向きに検討していただいている、そう解釈してよろしゅうございますね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まだどこを指定するという結論は出ておりませんが、十数カ所を候補地としていま検討中でございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 都市公園についてお伺いいたします。  大都市の人口それから産業の過度の集中を抑制し、地方都市への移転を促進することは、大都市のためにもまた地方都市のためにも大事なことだと考えます。  大都市内の工場敷地を公共事業である都市公園事業で買収するということは経済的にも内需の拡大に有効ではないか。また、地方都市はこの移転を受け入れることによりまして雇用機会を増大させることになります。一方、移転した跡地を都市公園にすれば、大都市の生活環境改善や災害のときの避難拠点が確保されます。一石三鳥の施策ではないかと考えられますが、建設大臣にお願いいたします。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 大工場などが地方に移転した跡をいろいろ利用しております。   〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕 東京で言うと鐘紡の跡、白鬚地区、防災地区などをやっております。あるいは日立工場の跡に下水道の施設をつくったりしておりますが、おっしゃるように、いまの都市の状況からいたしますと、魅力ある都市づくりの一環として都市公園を整備促進するという必要性があると思います。  建設省の計画として、住民一人当たり二十平方メートルの都市公園を確保しようと、こういうことで緑地の整備及び保全に関する諸施策の長期的指針として緑のマスタープランの策定を推進しておるところでございます。現に、第二次都市公園等整備五カ年計画におきましても、計画年度末までに四・五平方メートルに引き上げることを目標として整備を進めておるわけでございますが、その程度では諸外国に比べ著しくまだ差があると思いますので、せっかく御趣旨の線に沿いまして公園の整備を進めてまいりたいと、こう思います。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 一般に都市公園の整備というのは魅力ある都市づくりにつながると思うんです。特に地方都市におきましては、スポーツとか文化活動の拠点として考えることも当然必要なことだと思います。政府のカルチャーパーク構想というのは、私は大賛成の一人でございますけれども、先ごろから政府が進めております天皇陛下御在位五十周年記念の公園のその後の事業の進捗状況はどうなっておりますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 御在位五十年を記念する昭和記念公園につきましては、昭和五十一年十一月四日の閣議におきまして首都近郊に建設することとしており、建設省としては五十一年の五月三十一日及び五十二年十一月三十日の二度に分けて返還された東京都下立川基地跡地を有力な候補地として関係省庁に対し要望しているところでございます。この跡地は大蔵省が管理しておりまして、同省は現在国土庁の方と共同して、同跡地の全体の利用方針について意見の調整を行っておる次第でございますが、その調整がつき次第、国有財産中央審議会の審議をお願いすることになっております。  また、公園の具体的な計画につきましては、仮称で、昭和記念公園基本問題懇談会を設置いたしまして、この懇談会で公園建設の基本的な事項について広く各界からの御意見をいただきながら成案をまとめているところでございます。  私としては、本公園開園の時期は、今上陛下の御在位五十年記念事業であることを考慮いたしまして、早期に着工し、できるだけ早く国民の利用に供したいと考えております。幸い今年度の予算の上では五億円の予算が計上されておるところでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 本当に天皇陛下御在位五十周年記念でございますから早くつくっていただきたい。お願いを申し上げます。  先進国と比べ整備の立ちおくれが目立っております日本の社会資本でございますけれども、特に都市公園は私はおくれているように思うのです。人口一人当たりの公園の面積ですけれども、東京が一・六平方メートル、ニューヨークが十九・二、ワシントンが四十五・七、こういう数字がございます。また、政府の都市公園に対する投資割合も道路などのほかの公共事業に比べて低いように思います。投資効果というのはいろいろ調べてみると大体同じぐらいということも出ておりますので、今後は抜本的に都市公園整備というものに取り組んでいただきたいと思いますけれども、国民の暮らしにかかわることでございます、総理に一言。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国は、公園につきましては先進諸国の中で非常な立ちおくれです。特に都市におきましてその傾向が非常に、大都市においてそれが顕著なんであります。これは土地の問題がありましてなかなか容易なことではありませんけれども、先ほど申し上げました新長期計画を立てるということを考えておりますが、公園の整備、もとよりこれは念頭にあるわけであります。これからも困難な問題でありますが、これは強力に推し進めてまいりたい、このように考えます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 困難かもわかりませんけれども、どうかひとつ国際社会の中で先進国と言っている日本でございますので、何とか近づけてほしいと思います。  厚生大臣、実はこういう電話を八十八歳のお年寄りからいただいたのです。内容をかいつまんで申しますと、年寄りでも福祉関係の仕事を手伝っている人とか、本当に体が悪くて病院に通う人などには無料のパスをやってください。その他の年寄りにはせめて回数券でも上げたらどうでしょうかというのです。そして本当に困っている人にそのお金を回してください。私も八十八歳の米寿を迎えた年寄りですけれども、一部の老人には甘えるなと、お役所には甘えさせるなと言いたい。非常に健康な感じのおばあちゃんでございましたけれども、よほど目に余ることが周りにあったのかもしれません。  社会保障でございますけれども、ことにその老人福祉、これはなかなかこれから大変なことだろうと思います。しかし、中にはお年寄りなんかはまた別にいたしまして、福祉というのは政府に何かしてもらうものだと、地方公共団体に何かしてもらうものだと、そういうふうに考えている向きもあるようでございますが、そういうことではなくて、みんなが実は福祉を支えているんだと、そういう気持ちがあるという、こういうお年寄りもおいでになるわけでございますが、これからの福祉について、昭和七十五年には国民所得に対して給付費が一九・三%になると、こういう試算も出ているわけでございますが、これからの福祉について一言聞かしていただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 国が福祉について予算を計上いたしましても、その負担は全部国民でございます。二十一世紀になりますと、確かに国民所得の中でいま御指摘のように社会給付費は一九・三%になる。現在、この二十一世紀並みに老齢化が進んでいるほかの先進国の場合は、社会保険の保険料にいたしましても、税金にしましても、合計して四割を下っているところはほとんどないわけでございます。したがって、これから二十一世紀を考えました場合には、日本は急速に老齢化社会にまいりますから非常な国民の負担増が出ます。   〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕 また同時に、社会保障に対するニードも非常に増加してくるわけでございます。したがって私どもとしては、少なくとも今年度いっぱいぐらいかけまして、将来の見通しを、医療なりあるいは年金なりについての見通しを十分つけまして、その負担についても国民の理解を求めるということにいたしていきたいと考えまして、現在あらゆる学識経験者を網羅しましたいろんな懇談会、審議会等の意見を聞きつつあるところでございます。  私は、いま直ちに将来の方向をここで申し上げるものをまだ持っていないことははなはだ残念でございますけれども、いずれにしましても、やはりある程度国民が高福祉を望むためには高負担に耐えるだけの御理解をいただいていかなければいかぬじゃないか。ただ与えるだけじゃなくて、国民全体が自分のものとして考えていくようなものでなければならないと考えておりますので、いろいろ政府としても、もちろん福祉全体の経費について、現在の厚生省予算は全予算の一九・二%にもなるわけでございますから、むだのないように、合理的であるように、本当に困ったところへ金がいくように、われわれとしても十分心して運営しなければいけないと、かように考えます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 全く心してやらなければならないということでございますが、国民の中には、先ほど御紹介したおばあちゃんのように、非常にしっかりした考えをお持ちの方が私は多いと思うんでございます。したがって、給付と負担について、ひとつ十分国民の気持ちを吸収されて、これから本当の意味の福祉が充実するように、これはお願いしておきます。  それから外務大臣、日中平和友好条約が締結されて新たな日中時代となったわけでございます。中国との取引でございますが、輸出面で、精密機械プラントを中心として成約あるいは成約見込みが現在百億ドルの大台を突破しようとしているということであります。いま就職の時期でありますけれども、外国語大学などに聞いてみますと、中国語専攻の学生の求人が倍増したということです。国内の景気低迷ということもございまして、企業の中国傾斜はまことに顕著なものがあると思われます。しかし、考えなければいけないことが私はあるんじゃないかと思うんです。ただ売り込めばいいという考えで、いままでありましたように、総理がよくおっしゃいます集中豪雨的な輸出をして同じ愚を日中で繰り返したらどういうことになりましょうか。将来の日中にとって必ずしもよい結果とはならないと思います。ギアをいきなりトップに入れるということなく、大人相手の貿易でございますので、節度ある姿で整然とやることが大切ではないか。政府の指導が必要だと思うものでございます。通産大臣ですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の日中貿易は往復で約三十五億ドルでございます。ことしは約五割ぐらいふえまして、五十億ドル前後になるのではないかと思いますが、いまアメリカの貿易は往復で約四百億ドル弱でございます。したがいまして、中国の貿易は現在五十億ドルということになりましても、往復のことでございますから、日本の貿易全体から見ますとさほど大きな金額ではない。せいぜい全体の、全貿易の三%ぐらいでございます。しかしながら、将来は、これは飛躍的な拡大の方向にいくものと私どもは考えておりますが、この場合に、日本は貿易のバランス、均衡をグローバルな形、世界全体の立場から均衡すればよろしい、こういう考え方でございます。二国間ですべてを均衡させるということは非常にむずかしい状態でございます。だから、二国間で一部不均衡がありましても、世界全体で考えた場合には均衡をしておる、こういうように日本の貿易を持っていきたいというのが基本的な考え方でございますが、とは言いながら、やはり二国間で余り大きな不均衡になりますとこれはトラブルが生じますので、できるだけそういうことは避けなければならぬと考えております。  中国との貿易も、どんどんといろいろな物が、機械とか建設機材などが出ていきますけれども、向こうからもできるだけたくさんの物を買わなければいかぬと思っております。たとえば石油とか石炭とか、その他幾つかの商品がございますが、そういうものをできるだけ買いながら、日本からも先方の必要とする物をどんどんと輸出をしていく、そしてできるだけ均衡がとれるように工夫と努力が必要だと、このように考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 いままでお取引をいただいていたという国、そういう国もございますし、新たに開けるというところもあるわけでございますので、おっしゃるように、均衡がとれたといいますか、グローバルという考えでぜひ慎重にこれもおやりいただきたいと思うわけです。  で、防衛論争が盛んでございますけれども、防衛の目的、任務というものは、一国の平和と安全をどういうふうに確保するかということであります。それには、お話がございましたように、当然外交努力によってどこの国とも仲よくする、つまり国際協調を図っていくことが重要であると思うのでありますが、同時に、現在の国際軍事情勢を十分把握する必要があろうかと存じます。  戦後三十三年、一切の戦争、紛争に巻き込まれることなく、平和と繁栄を確保して、いまや自由世界第二位という国力を持つようになった日本でございますが、この原因は、申すまでもなく日本人の努力によるもの、また、アメリカとの安全保障条約によるものと思われます。アメリカでは、国力の充実した日本が安保ただ乗りをいつまで続けるのかと強い批判もあります。自国の防衛はまず自己努力を全うすることにあると思うのでありますが、総理は今後のわが国の防衛力整備についてどう考えておられましょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、全方位平和外交ということを言っておるわけでありますが、とにかく、経済大国になった日本です。経済大国になると世界の歴史ではみんな軍事大国になったものですが、わが日本は軍事大国の道は歩まぬという選択をしておることは御承知のとおりであります。  そうなりますと、やっぱり世界平和がなければ、基本的にはわが国の平和というものは非常にむずかしくなる。ですから、わが国はわが国の経済力を基盤といたしまして世界平和に貢献をする、これへ全力を尽くさなければならぬと思います。そういう世界の平和への努力と同時に、わが国自身が、個々の国との交わりにおきましても、これを敵視するとか、そういうことがあってはならぬ。どこの国とも御指摘のように仲よくしていくという姿勢をとるべきである、このように考えておるわけであります。  そういうたてまえの日本でありまするから、防衛力につきましては他国を脅威するというような、そういう軍事力を持つべきではなし、また憲法もこれを認めておりません。したがって、専守防衛といいますか、わが国を守る軍事体制、これに限られるわけでありますが、しかし、それにしても、いまその体制ではわが国がわが国の安全を図ることはできない、こういうので日米安全保障条約を締結しておるわけでありますが、とにかく、外国から侵略があった、攻撃があったという際には、わが国は、アメリカの協力を得ることはもとよりでありまするけれども、とにかく全力を尽くしてこれを毅然としてはねのけるという力を持たなけりゃならぬと思います。足らざるところはアメリカが補うものの、なるべくそういうことは自分でやってのけるという気概を持って自衛力、防衛力の充実に努むべきである、このように考えております。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 そこで、これからの日本の生きる道でございますが、どうしても、前にも何度か申し上げましたけれども、相互理解が深まらないということには、日本を知ってもらう、あるいは日本が相手国を知るということをもとにしないと、国際社会の一員とは言えないんではないか。政府もいろいろ努力されているようでございますけれども、私はもっともっとやってほしいということがあります。  外務省の資料によりますと、たとえば文化事業、海外広報、日本を知ってもらうために私は大事なことだと思う。誤解されないためにも大事なことだと思うのですけれども、この予算が一九七七年、去年でございますが、アメリカが七百七十八億円、それからイギリスが五百六十四億円、西独が四百二十五億円、これらに比べて日本は幾らかといいますと、七十三億円です。この数字をどういうふうに受け取られましょうか。私は十分お考えをいただきたい、こう思うものでございます。  西ドイツのシュミット首相の来日も間近でございますけれども、去年私も西ドイツのボンに参りました。ボンの市当局の方にラインのほとり、これから公園にするというところへ連れていかれました。ここで一九七九年に公園ショー、パークショーですね、公園展示をやるので日本も出展してくださいよというような話を実は聞いたのでございますけれども、その後、政府間交渉ということになったようでございまして、これに参加することになりました。私は、決断されました大蔵大臣、総理大臣に敬意を表するものでございます。もう仕事が始まっているということも聞いております。非常にいいところでございまして、日本庭園の分は二千平方メートルということですから、そんな大きくはございません、六百坪ぐらいでございますけれども、これは訪れる人に日本を感じてもらう。その展示が終わってから、永久にボン市が維持管理に当たるということでもございますので、こういう文化交流といいましょうか、文化進出といいましょうか、これは私は大変大事なことではないか、いいものができてほしいと、いま待望をしているところでございます。直接は建設省がおやりでございますけれども、現況どうでございますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) このガーデンショーへの出展は、政府としましては異例の措置をとりまして、予算を閣議了解でつけていただく、また民間の協力を得ると、こういうことで出展の費用は準備されました。ちょうど首脳開議がボンで行われた折でもございまして、この機会に両国友好親善の上にも役立つと、こういう趣旨で、前向きに進めてまいってきておるわけでございます。  現在、日本庭園の中心となる池の部分の掘削工事を完了いたしまして、日本より送った石を用いて滝及び流れの石組み工事を進めており、おおむね順調に進んでおります。十一月中に全体事業の約八〇%を完了いたしまして、冬季間の工事を休止した後に、明年三月に植栽工事を主とする残工事を実施し、ガーデンショーの開催時期までに完工させる予定でございます。  この庭園は、ただ単にこのショーに出展するということでなく、永久にボン市で保存されると、こういうことでありますので、私ども関係者は、積極的にこの出展に取り組んでおる次第でございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 大変いいことだと思うんです。私も本当に完成を楽しみにしております。  相互理解のためにはいろいろ努力をしなければならないと思うわけでございますが、品物の行き来も大事なことでございます。それから、人間の往来もまたこれは大変大事なことでございます。仕事やあるいは観光で日本においでいただいて、日本をよく知っていただくということは、国際社会の中で本当に私は重要なことだと思うんです。日本が地理的に世界から離れたところに位置している、各国から離れている、遠いというそのむずかしさもございましょうけれども、もっともっとお客様に来ていただきたい、私はそう思うんです。これは経常収支が黒字であるとか、あるいは貿易外収支が赤字であるとか、そういう観点からではございませんで、あくまでも国際社会の相互理解、人と人との心の通い合い、こういう点で私は申し上げているわけでございます。メード・イン・ジャパンという品物は世界の各地で見られますけれども、日本がどこにあるのか知らないという人がまだまだかなり多いのですね、これ。大変残念なことでございますけれども、八月十四日の朝日新聞の夕刊にこういう記事があります。慶応義塾大学の岩男寿美子教授の、アメリカやタイ、台湾などで調査した日本に対する認識についての報告なんでございますけれども、その中で、ボストンの高校生の答えの部分を引用さしていただきますが、御承知のように、ボストンというのは、アメリカの中でもかなり教育文化水準が高いというところでございますけれども、そのボストンの高校生が、日本の位置という問いに対して、日本がどこにあるかという問いに対して、中国にあると答えた人が二三・六%、ヨーロッパにあると答えたのが八・一%ということ、それから、日本の首都はどこかという問いに、香港だと答えたのが一三・一%、北京だと答えたのが一三・八%でございます。こういうことを考えますと、私はもっともっとやはりお互いに理解する努力がどうしても必要だということを申し上げざるを得ないわけでございます。  ちなみに、日本人の海外旅行者は五十二年で三百十五万でございます。四十七年から比べますと二倍以上になっております。ところが、海外から日本においでくださる方は、昭和四十七年に七十二万、五十二年、去年が百二万でございますから、伸び率は四〇%、出かけるのは二〇〇%、おいでいただくのは四〇%、これは何とかたくさん来ていただいて、日本をちゃんと理解していただくという、そういう受け入れ側も体制を整えなければならない、こう思うのでございます。外国人の日本へおいでになった、あるいは向こうにいるときの日本旅行の希望、そういう条件だとか、あるいは日本の受け入れ体制について、運輸大臣にうんちくを傾けていただきたいと思います。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) うんちくということになりますと長くなりますので、簡潔に申し上げたいと思います。  御説のごとく、昭和五十二年をとらえてみましても、外国から来るのが約百万、日本から出るのが三百十五万というわけでございますが、それにいたしましても、まあ戦後間もないころから考えますと、百万以上の人が来るようになったことはまことに結構だと、こう思いますが、お話しのように、ぜひうんとこっちからも出るし、向こうからもうんとこっちへ来てもらう、言うなれば全方位平和観光というか、そういうようなことにいたしたいと思うわけでございますが、まあ施設面とか、あるいは世界の人々にいろいろ理解してもらうというようなことで、うんとうんと方策を講じなければならないと思います。  具体的に小さな問題等もちょっと申し上げてみますと、いま日本へ来るには、円で考えると、これを換算すると大変金がかかるというようなことを向こうで申します。そのとおりでございます。だから、したがって一流ホテルのうんと高いところでなくとも、もっと真の日本を理解しながら泊まれるような安いところというようなところを、外国人が喜んで来るようなことに仕向けなければならない、きわめて卑近な例でございます。そういうようなこともございますし、相互によく理解していかないと、ひでえことをするなあというようなことを相互に、いま日本と外国の場合、経験している幾多の事例がございます。そういうようなことでも大いに教育等もしなければなりませんし、いずれにいたしましても、せいぜい物的にも精神的にもその種の方策を講じて、ぜひうんと多くの人に来てもらうと、こういうようにいたしたいと思うわけでございまして、日本国民として、ぜひそういうことが必要であろうと、こういうように存じます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 確かに日本は設備万端整い、あるいは日本へ来て言葉の不自由もしない、そういうハイクラスの旅行者もおいでになるわけですけれども、多くの人は、やはり円高もございますけれども、日本は高いということを言っていらっしゃる。ですから、ホテルへ泊まっても外へ出てラーメンを食べるというようなこともあるやに聞いておりますし、中級のホテルとか、あるいは日本旅館とか、泊めてくれという照会をすると、うちでは実は言葉の点で困るとかいうことで断られるというケースもあるようでございます。したがって、大臣がおっしゃるように、そういう言葉の点、あるいは設備——設備はこれはもうトイレだけだということも聞いております。そういう整備についても、ぜひひとつお骨折りをいただきたいと思うんです。いわゆる資源に乏しい日本でございますけれども、日本は四季の移ろいのある大変自然のすばらしいところでございます。その上また人情もまことに細やか、これが大事なところだと思うんですね。そうかといって、新しいものもあれば古いものもあるという、いろいろと盛りだくさんにすばらしい私は近代国家であろうと思うんです。安全であるということも、われわれの誇りにしていいところだろうと思います。どこの国へ行っても、女性はハンドバッグに気をつけてくださいなどと注意を受ける現状で、日本だけがとにかく安全である。こういう魅力のある国は、私はちょっと少ないんじゃないかと、こう思うんですね。ということを考えると、お客さんがおいでにならない方がむしろ不思議な感じがいたします。したがって、整備をひとつ十分にやっていただく、それから先ほど近代設備のこともちょっと申し上げましたけれども、たとえば新幹線が大変評判がいい。伺いますと、これからさらに磁気浮上の大変スピードの速い新新幹線構想があるということを伺っております。あれは宮崎県の日向でございます。神武天皇御東征の地あたりでございますけれも、そこで最新技術の実験を行っているということでございますが、これをちょっと大臣、よろしゅうございますか、新新幹線構想について。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 新幹線につきましてはぜひ凍結状態を解除して、全国民の皆さんに喜んでいただけるように何とかいたしたいという施策を進めつつあるところでございますが、あえて「新新」という表現をお用いになりましたが、私も実は、新幹線は非常に世界で評判がいいのでございますが、願わくは数年後にはこの新幹線でなくて、さらにもう一つ新しい新新幹線というようなものを実現することが必要であろうと、こう思います。  数年前、東京で列国議会同盟会議がありましたときに、私は世界各国の千人近い議員等のお客さんを新幹線で京都に案内をいたしました。その車内で、「いま二百二十キロくらいなスピードで走っておりますが、遠からず日本は五百キロくらい走る列車を開発いたします。」と言ったら、大変どうも、それを放送いたしましたら、みんなが集まってきて、喜んで、ぜひやってくれというようなことを言っておりましたが、そういうようなことにするということ等もあわせ考えまして、ぜひいまのリニアモーターの開発等もうんと急ぎまして、新幹線は新幹線でいままでの考えを延長して進めるのではありますけれども、同時に、間に合えばその新新というようなものをこういう方面に使うことができればと、こういうふうに考えております。そういうことを総合的に実現することによって、ぜひ日本が世界により一層、日本というやつは相当なやつだということを言われるように、私どもの面からも努力をしてまいりたい、そのように存じます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 速ければいいというわけではないという意見もありますが、それも当然わかります。ただ、速いのも持ちたい。ゆっくり自然の美しい中を、昔のように急がない人はゆっくりお歩きになるということも大事だし、そちらの方の整備ということも、私は日本の観光の場合に忘れてはいけないことだと当然思います。日本航空も実験をしております。これはそんなに五百キロというようなお話は伺いませんでしたが、三百七キロという実験の話を聞きました。私も乗せてももらいましたけれども、そのときも非常に短い区間、千二百メートルぐらいのところで二百キロ以上のスピードが出たということでございます。これらは、いずれも観光ともつながるわけでございます。全方位観光といういい言葉を使っていただきましたけれども、そういう言葉をつくっていただきましたが、きょうはいろいろ言葉の勉強もさせていただきました。スクラップ・アンド・ビルドなんという外来語もございましたけれども、全方位観光、これは本当に世界に誇るべき日本の自然である。それから総理は人づくりをおっしゃいますけれども、日本人の魅力というのは私はかなり大きいんじゃないか。本当に心のある、心豊かな人たちのいる日本でございますので、そこに歴史と伝統があり、さらに最新の科学技術がある。そういう速い乗り物で、あるいはゆっくりした乗り物で古都を訪ねるなども、これは日本の魅力になるんではないか、こう思うんです。せっかく全方位観光という言葉も出たんですから、私は本当の意味の観光立国というのをこの辺で考えてもいいんではないか。日本は軍事大国ではございません。ましてやエコノミックアニマルではない。これから日本がいくためには、心の美しい人たちの国である、つまり道義国家といいましょうか、そして観光立国などはお考えいただきたい一つでございます。総理、いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 戦後、わが国は諸外国との間に非常に接触が高まってまいりました。しかし大観いたしまして、この接触は大体経済関係です。物と金を通じての接触である。これは私は本当の接触じゃないと思うんです。まあ金の切れ目は縁の切れ目にも通ずるわけですからね。やっぱり金と物を使うつながり、これはもとより大事なことでありまするけれども、さらにその基盤といたしまして、いま宮田さんからもお話がありましたが、心と心とのつながり、これを考えなけりゃならぬ。そういう意味から言いますと、これはわが日本は外国をかなり知っております、日本人は。かなり知っています。アメリカのことでもヨーロッパのことでも、その他の地域のことでもよく知っていますよ。ところが外国の人が日本のことを知らないんですな。案外ヨーロッパの人なんというのは日本のことについての認識、これはもう乏しいような感じがしますがね。私は、一つは言葉の問題があると思うんです。これが壁になっておる。この問題を何とかして打開する必要があるように思いますがね。とにかく、わが国というものを外国に理解してもらう、これはもう大変大事なことであろうと思いまして、先ほど強調されました文化外交、これなんかは大いに進めるべきだと思うんです。また観光政策というようなお話がありましたが、これにも心すべきものである。とにかくこの日本を知ってもらうということについて、いろいろな方途を講じまして努力してみたいと、このように考えます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 もうおっしゃるとおりでございまして、御理解をいただいたものと思います。どうかひとつ、具体的に進めていただきたいと思うんです。  総理大臣のお話は持ち出したくございませんけれども、やはり外国へ先国首脳会議で行かれて、それで顔写真が違ったのが出ていたなんということになったら、これは私は問題だと思うんでございます。新聞社の方も大ぜいおいでになります。放送局の方もいらっしゃるけれども、新聞社の整理部のデスク、あるいは放送局にしても、先進国首脳の顔と名前と一致しないなんということはまず考えられないことでございますので、私は相互理解、そして日本をもっと理解していただくために、ぜひ国として御努力をいただきたい、こう思うんでございます。  いま、ちょっと総理が触れられました、外国からお客様を迎えるにしても、人づくりということは大変大事なことだと思うんです。いまは御承知のように教育過熱の時代と言われております。特に大学とか短大などの高等教育では、過去十五年間に進学率はおよそ四倍、いまでは十人のうち四人までが大学に進学するようになったわけです。高学歴化が進み、より多くの人々がより高い教育を受けるようになったわけです。こういう変化に伴ってさまざまな問題もまた生じております。学歴獲得競争が過熱して、豊かな人間性を養う教育がなおざりにされているというようなこともよく聞きます。NHKテレビで放送いたしましたドラマに「夫婦」というのがありましたけれども、これが大変なヒットをいたしました。これは夫と妻、親と子、社会と友達、人間関係がいかにむずかしいか考えさせられたものであります。いまや人間としてどう生きたらいいかと、つまり人間の心の問題が、総理がおっしゃるようにこのごろ大きくクローズアップされてきたと言うことができると思うんですね。人々は悩み出してきた。心の問題に直接政治が介入することがいいとは思いませんけれども、たとえば教育について、マル・バツの試験を受けていい学校に入り、いい会社に就職するのが人生の目的のようなそういう教育だとしたら、これはゆがんでいるということが言えると思うんです。政治でこういうものは直すことができるんじゃないかと、そういうふうに、教育ばかりではございませんが、人づくりはまさしく心と心の接点で可能になるんではないかと、こう思うんでございますが、総理、人づくりについて。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は人づくりは国づくりの礎であると、こういうことを強調しているわけです。日本の歴史を顧みてみましても、近代日本ができたのは私は教育の成果だと思うんです。これから先を考えましても、このまま世界情勢は非常に変動の多い時期だろうと、こういうふうに思いますが、資源小国である日本が生き伸びる道は私はあると思うんですよ。やっぱり人づくりだと思う。人間開発、これに成功すれば、私はもう日本はいかなる世界情勢が出てきましてもそれに対応することができると、このように考えるわけでありまして、やっぱり教育の機会均等、この原則ですね、これは守り抜く必要があると思うんです。そして、全国民の教育水準というものを高いものにする。同時にこの機会均等というものが、これが機械的な機会均等でありますると、これは悪平等になります。ですから、義務教育課程なんというのは厳重な機会均等の方が私はいいと思う。しかし、もっと高い学校、機関になりますると、これは私は能力別といいますか、習熟度別といいますかね、そういうような学級編制、そういうものも考えて、その与えられた能力を最高度に発揮するというための配慮、これが必要になってくるんじゃないか。  それから、御指摘がありましたが、心の問題です。知識水準だけではいかぬです。やっぱり健康、それから同時に情操豊かな人間をつくらにゃならぬ。そうすると、これは何と言ったって徳目という問題ですね。これに着目する必要があるだろうと、こういうふうに思います。それから、これから資源有限時代を生き抜く日本とすると、やっぱり科学技術の能力の開発ですね、これに私は一段の工夫をしてみる必要があると思うんです。これは主として生涯教育の分野に属しますが、とにかく私は日本は人づくりだけちゃんとしておけば、もう心配するところはないというくらいに考えています。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 心のある人間として育ち、それから科学技術、これを大いに勉強するのも結構でございますけれども、基礎的な勉強もおろそかにはできないと私は思うのです。昔から日本では読み書きそろばんと、こう言うわけでございますけれども、いまアメリカでそろばんの研究が大分すそ野が広がってきております。この前、官房長官にもお会いいただきましたけれども、南カリフォルニア大学の教授を団長とするそろばん研修団が日本にやってまいりました。それから、読み書きについては文部省も大分書く方に力を入れているということも伺っております。それらはいずれも大事なことなので、一生懸命やっていただきたい。  それから、高年齢者の離職の問題もございますけれども、大体先輩各位、高年齢者というのは、世の中の熟練者でいらっしゃる。私はこういう方の持てるものを後世に伝えていただくために、もう一回お役に立っていただくためには、教えていただきたい、つまり先生になっていただくというようなことは考えられないか。一種の産業教育であり、人間教育ということを考えますと、これもまた大事ではないかと思うんでございます。  それから、文部大臣に幾つかお尋ねをしたいんですが、いまのこともそれでございますけれども、先月の五日に文化庁が民謡を記録保存する六ヵ年計画、「全国民謡緊急調査」というのを発表されたわけでございます。これは大変大事なことでございまして、古くから伝承された数多くの民謡が日本にはあるわけでございます。それぞれの地域の歴史や風土に根差して、人々の生活信条や生業等の姿を伝える本当に大切な民俗文化財であります。わが国の伝統文化の基礎の一つとして今後とも伝えられていくべきものであると思うわけでございますけれども、これ緊急調査というわけでございまして、これについて伺いたい。  それから、文化行政に対する基本理念をお聞かせいただきたいと思います。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) お答えいたします。時間ぎりぎりいっぱいで大変たくさんの御質問でございます。  読み書きそろばん、いずれも改定をいたしました学習指導要領改定の中でも特に重要視をいたしまして、いままでのそろばんの習熟度が落ちないように図っているところでございます。  高齢者のお話がございましたが、高齢者にもその長い間の経験から持っておられます技術であるとか、たとえばおばあちゃまの知恵だとか、そういうことを社会的な役割りを果たしていただこう、こういう考え方からそういう高齢者を募りまして、すぐれた知識や技術等についてもう一遍レッスンを受けていただいて、子供たちのクラスであるとかあるいは青年グループ、婦人学級等の場で教える側に立っていただこう、そういう事業をことしから地方公共団体に対しまして補助をして新しくスタートをいたしました。この仕事が活発になってまいりますことを実は期待をしているものでございます。  民謡のお話がございましたけれども、御指摘のとおりに、民謡がだんだん時代時代に伴って歌謡曲調に変わってきたり、それはその方がいいんだという御意見もありますけれども、正統民謡はやはりテープなどにちゃんと正確に記録をして保存をしたい、そういうことから調査を始めたわけでございます。  文化行政の基本的な姿勢とおっしゃいましたけれども、やはり本来日本の国民というものは、自然、伝統を生かし、美しいものや心の豊かさを志向をしてきた民族でございます。戦後、やはり経済活動のるつぼの中でこれを失いがちでありましたけれども、生活が豊かになりますにつれて、文化、芸術、芸能、スポーツというものが国民生活の中に占めるウエートというものは様変わりになってまいりました。大変ありがたいことだと思います。少々行政がそれについていっていない反省をしなければなりません。先ほど御指摘のとおりでございます。しかし、日本の持っております文化というものはまさに全方位文化であって、先祖伝来のみごとな伝統芸術等も持っておりますのと同時に、輸入芸術、輸入文化というものも若い世代の人たちは自分のものにしてきているわけであります。伝統文化を保存、継承しつつ新しい文化の創造を目指す、これが基本的な考え方でございますので、十月の一日から芸術祭が開かれましたけれども、オープニングは朝比奈さんの大阪フィルに来ていただきました。日本人の作曲家による曲と、日本の海外で活躍しておられるバイオリニストをお帰りをいただいて、ブラームスの協奏曲をやっていただく。民謡祭りもまた芸術祭の主要な文化庁の自主番組にいたしました。邦楽等も自主番組で上演をいたしまして、締めくくりもジャズ、フォーク、ロックとクロスオーバーのコンサート、そういうことで締めくくる。伝統文化を守りつつ新しい芸術の創造をしていく、それが文化行政の基本的な心構えでございます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 一層のお骨折りをお願い申し上げます。子孫に美田を残さず、こういう言葉がございますけれども、私はいい意味で山紫水明の美しい環境、あるいは人情細やかな日本人のよさはいつまでも変わらずに残ってほしい、また残さなければならないと思うものであります。ことに心、人間の心を大切にしたい。いま日本は厳しい情勢の中で世界に貢献する立場にもあります。こういうとき、政府は一層国民の理解と協力を得て、勇気を持って、できることを果敢に実行していかなければならないと思うんです。申し上げるまでもなく、政治にはタイミングと決断が必要だと思います。最後に総理に、これからの日本の生きる道について一言お伺いして質問を終えたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) とにかくわが国は、三十三年前、あの終戦の日に夢にも思わなかった日本国を今日実現をしておるわけです。わが国は、この今日の立場、もう一独立国日本じゃありません。世界の中の日本というところまで来ておるわけであります。私はその立場を踏まえまして、世界に貢献する、世界の平和、世界の繁栄、発展に貢献する日本国、それがまた日本国の繁栄、また平和につながってくるわけでもありまするけれども、とにかく世界を支える一つの大きな力である、そういう日本国に仕上げていきたい、このように考え、もうあらゆる努力をひとつしてみたい、このように考えます。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 ひとつしっかりお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 以上をもちまして宮田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 次に、和田静夫君の質疑を行います。和田君。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まず、行政改革の問題で質問いたします。  福田総理は、総理になられて間もなく、行政改革の推進ということを強く打ち出された。私は、この点、非常に関心を持ち、かつ期待をした者の一人であります。行政改革は言うはやすく行うはがたし、歴代の総理にできなかったことがなぜ福田総理にできるのだろうか、できるわけがないというような大方の見方もあった。しかし、私は、行政改革のむずかしさというものを前提とした上で、なおかつ総理の行政改革に関心と期待を持ったのであります。それはどういうことかということをいまから若干申し上げたい。  第一に、それはほかならぬ総理みずからがあえてそれを言い出したということであります。あたかもそれがみずからの政治的使命であるかのように、総理就任後ほどなくその推進を言われ始めたことに私は注目をいたしました。言うまでもなく、行政改革は、なまやさしいことではありません。政府・与党の中の実力者の中の実力者が本当にやる気になって、それこそ政治生命をかけてやろうとして、それでなおかつできるかできないか、それほどのことだろうと思うのであります。総理も御存じでしょう。大蔵省が内閣補佐官制度の導入で本当に危機感を持ったことがある。あれはたしか実力者を自称した川島正次郎氏が行政管理庁長官のときでありました。行政改革とはそういうものであります。そういう意味で、総理みずからがやる気になったということに私は注目し、期待をいたしました。  第二に、総理が政治的立場の損得勘定を離れて——私はそう信じていますが、あえて行政改革をやると言い出した。とすれば、何かやるだろう、メンツにかけてもおやりになるだろう、私はそう考えたわけであります。そして、どうせそう大きな改革はできないにしても、何か一つでも機構が動く、極端な話それが何であってもいい、その動くことに私は期待したのであります。もちろん、何であっても動きさえすればいいのかという反問が出ましょう。しかし、私は、行政改革問題が閉塞状況にある現時点で、何も動かないよりは、一つでも動いた方がいい、そう考えるものであります。と申しますのは、機構が一つでも動くということになれば、それをめぐって官僚の間で広範に真剣に議論がなされるであろうと考えたからです。行政に直接携わる行政官が、変に政治的にならずに、行政のあり方について専門家の立場で真摯に討論することは必要なことである。政治は、その中から、行政改革の現実的な一あえて私は現実的なと申しますのは、とかく一般受けする行政改革の論議には実は非現実的なものが余りにも多いからであります。現実的な行政改革の方策をぜひとも政治は見出すべきである。私のこういうささやかな福田総理に対する期待は完全に裏切られました、今日までは。  最近、ある役所の幹部は、福田総理がせっかくああ言った以上、何かおやりになるだろうと考え、それに備えて準備して理論武装したのだががっかりしたと言っておりました。がっかりしているのは、ひとり私のみならず、心ある行政官の中にさえそういう人がいるということを総理はぜひ知っていただきたいし、行管庁長官はこの辺を熟知してもらいたい。行政改革がむずかしいなどということは、いまさら言わなくてもとうにわかっていたはずであります。にもかかわらず、あえて総理は行政改革をやると言われた。その言われたゆえんは何であったのか、どういう目算があって言われたのか、そしてその目算はどのように外れたのか、今後の参考のためにその辺をビビッドにお話しいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私が行政改革を言い出したのは、一つは、これからの財政というようなことを考えますと、やっぱり行政改革がそういう意味において必要である。つまり、財政整理というような意味合いです。そういう意味もありますが、基本的には、もうとにかく石油ショック、あの前後から日本社会というものはもう基本的に一変してきております。そして、これを経済的側面から見れば、もう高度成長時代は終わって安定成長を志向しなければならないと、こういうような時代に立ち至っておる。また、全世界は挙げて資源有限時代に入ってきておる。そうすると、いままで戦後三十三年来たこのあり方、これはもう、個人の家庭におきましても、企業におきましても、あるいは官庁等の機構におきましても、これはもう時代のそういう変化に対応するという備えをしなければならない。まあ、しかし、家庭にそういう時代が変わったんだという認識を求める、あるいは企業に大勢変化に順応するということを求めるということもあれば、官庁がまず率先してその対応を示さなければならないと、こういうふうに考えまして行政整理ということを重大に考えたんです。  そこで、昨年の十二月に行政改革大綱というものを決定いたしましてこれを発表しておりますが、ここで私はたった一つ、当初考えた問題を落としておるわけです。それは何かというと、中央省庁の再編成と、こういう問題であります。これは、私、実行しようかと思ったんですが実行しなかった。なぜかというと、相当中央省庁で混乱が起こっちゃうんです。時あたかも予算編成を前にしておる。また経済界は不況である。その不況対策をしり目に経済官庁の間に混乱が起こる、こういうようなことでは困るなと、こういう配慮をいたしまして、この問題だけは私は取り上げないことにしたんですが、しかし、実行上は建設大臣と国土庁長官の兼摂を実現をする、あるいは非常に強く求められておりました海外経済担当大臣を設置するとか、そういうことを既存の機構の枠内において実現したということで、これはひとつその点は御評価願いたいと思うのでありますが、とにかく部局の整理なんというとなかなかむずかしいものでありますが、支分部局千以上を整理をする、あるいは、公社・公団、つまり特殊法人につきましても、渡り鳥の問題等にメスを入れるとか、あるいは給与体系を正すとか、いろいろな改革を加える、あるいは定年制の導入の方針を決定いたしますとか、いろいろな改革を決定しいま実施の過程にあるわけでありますが、そういうことで、中央省庁、これの点だけ見送りにした、これは私は心残りなんです。  しかし、私はあの昨年暮れの行政改革、これが終わりだとは考えておりません。これからさらにいろいろ周囲の環境を直視しながら行政改革の実を上げていきたい、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 行政管理庁長官の荒舩さんは、先般の衆議院の予算委員会で、行政改革の場合、どうしても総論賛成、各論反対、各論部分で議会の協力を頼むという趣旨の答弁をされた。あなたの答弁は確かに行政改革をめぐるある実態を示していると私は思う。しかし、そんなことは、言ってみれば当初からわかっていたことで、事態を一歩でも前進させようと考えるならば、それこそどういう各論があって、そのそれぞれについてどういう反対があってできなかったのかということを明らかにしなきゃなりません。福田内閣のもとで行政改革をめぐってどういう各論があって、そのそれぞれについてどういう議論があったのか、ここでお示しください。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) ただいま御意見がありましたとおりでございます。まあこれはむずかしいからできないと申し上げてはいけませんが、しかし、なかなか具体的になりますと反対も多くて、いまのたとえば雇用の問題に関係があったり、あるいは不況対策に関係が起こってきたり、そういうことはひとつ大いに考えながら行政改革をしていかなくちゃならないと、こう思っておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 各論がどんな論議で行われたのかということを具体的に示してもらいたい。私は各大臣に各省のことを全部聞くつもりでいますから。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私、もう去年の春から暮れにかけての問題でありますので定かにいま記憶しておりませんけれども、重要な点だけは覚えておりますから、それを申し上げます。  第一、中央機構です。中央機構につきましては、これは最終決定はしなかったんですよ。しないが、政府内部におきましては、国土庁と建設省を統合する、こういうこと。それから第二に、それで浮く大臣一人を海外経済担当国務大臣にするということですね。それからもう一つ、エネルギー問題が非常に大事な段階になってきた。このエネルギー関係の部局を、通産省にいま多いわけでありますが、それと切り離して、科学技術庁と統合いたしまして資源エネルギー省とも言うべき部局を設置すると、こういうようなことが論議をされておったんです。論議をしてなかなかこれはむずかしい問題でありますのでまだ結論が出ないという間に新聞紙にそれが報道された。そうしますと、これは官庁間で非常に議論が沸騰する。そして、見ておると、大事な不況対策、そういうようなものがたな上げされまして、まあサボタージュ状態と言うと過言かもしれませんけれども、そんなような状態が出てくる。そういうようなことで、私大変心配いたしまして、先ほども申し上げましたが、この中央省庁はちょっとこれは待った方がいいと。しかし、いずれこれはどういうふうにするか結論を出すにしましても、つなぎとして実行上ひとつ私の考える筋を実現しようというので、その一部が先ほど申し上げたとおり実現をされたわけであります。  それから第二に論議されましたのは、これは中央省庁の中の部局を一体どういうふうにするかと、こういう問題であります。そういう中で、まあ局の整理というのはいま直ちにむずかしいのじゃないかというので、これを課の整理にとどめると、こういうので、五十何課かですかの整理を行うということにいたす。  それから今度は中央官庁の出先です。これは非常に重大な問題でありますが、これはさあ方針を打ち出すというそれだけでも相当の反響を巻き起こす問題であります。これは中央省庁と同じような性格を持った大きな問題でありますが、これを一体どうするかと。この点につきましては、現実性のあるものとすると林野庁とかそういう程度のことにとどまらざるを得ないような判断をいたしまして、特に営林局が北海道で多い、これをひとつやってみようと。  それからこれは中央省庁の方の問題でありますが、世論なんかでは、北海道開発庁、沖繩開発庁、こういうものを整理すべしというような意見が相当強かったんです。しかし、これはいろいろ考えてみまして、まだ時期尚早というか、この段階で取り上げることはまだ妥当でない、こういう結論にいたしたわけであります。しかしながら、地方の出先機関の根幹となる地方局ですね、これは林野庁以外には整理はしないが、しかし、支分部局につきましては、これは現実的な問題として整理を進めようというので、先ほども申し上げたんですが、千ヵ所以上これを整理すると、こういう方針を決めたわけです。  それから今度公務員のあり方というような問題につきましていろいろ論議が行われました。そういう中で定年制の問題というのをこれはずいぶん論議をいたしたんです。結局、これは相当重要な問題であり、多年の論議の対象であった問題でありますが、この公務員の定年制を導入するという方針を決定し、これを二年以内に立法化するということとし、これは政府が自分で手がけるというのは妥当な問題じゃないんです。これはやっぱり人事院に検討のお願いをするということが妥当であると、こういうふうに考えまして、その基本的な考え方を示しまして人事院にお願いをすると、こういうことにする。  それから定員の問題です。定員の問題につきましてもいろいろ議論をいたしましたが、これは前から定員整理の計画があり、これを厳重に実行していくということが現実的であろうと、こういう結論に到達したわけであります。  それからさらに、政府関係機関といいますか、特殊法人ですね、これはいろいろ問題があるわけであります。先ほどもその一端を申し上げましたが、その給与体系をどうするか、特にいま批判の多い退職金につきましてどうするとか、それから人事管理をどうするかとか、そういう問題につきまして検討いたし、それは現実的に実現可能であるというものにつきましてその方針を打ち出す。同時に、その整理統廃合、それはずいぶん議論をいたしましたが、これは大きな成果は、成果というか前進はなかったわけでありまするけれども、まああの際としてはできる限りのことをしたと、こういうふうに思っておりまするけれども、整理統合の方向を打ち出すと、こういうようにしたわけです。  その間、いろいろ論議のありました特に大きな問題は、住宅公団と宅地開発公団との統合の問題とか、こういう問題が相当論議をされたということを申し添えておきます。  それから地方の自治団体、これは地方自治団体にお願いするほかないじゃないかと、こういうことで、それに関連して許認可事項の整理でありますとか、中央、地方の権限の分配問題ということを論議いたしましたが、結論はあの大綱に示されたところになっておる、こういうようなことで、論議された大体の問題点はそんなところかと、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私たちの見解は別な機会に述べますが、中央省庁の問題について落とされたということを自己批判をされています。したがって、私はきょうは地方出先機関の問題にしぼってなお若干の質問をいたします。  財務局財務部の問題でありますが、地方債の許可事務が大蔵省の系列と自治省−都道府県という系列との二つにまたがっているという二重行政、この二重行政によっていかに地方公共団体が迷惑をこうむり、かつ、そのことが地方自治の侵害になっているか、はかり知れないものがある。このことについて私はかねてから主張し続けてきたし、まあ七、八年長い論議を重ねて、前国会で大蔵省との間では若干の合意は見た、若干の改善はした。しかし、基本的な問題は依然として残ったままである。大蔵省が地方債の許可権を留保しておきたいという根拠としている金融政策上の問題、これは起債計画や資金計画を大枠として自治省と協議して決めることで十分解決済みである。なぜ財務局理財部融資課や財務部財務課が起債許可に当たって地方団体に対し自治省が要求する以上の資料提出や説明を要求し、保育所をどうするとか学校をどうするとかといった個別の行政に関与しなければならないのか、このことを、地方自治の問題だと思うから、大蔵大臣はどう考えているか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 国は、運用部の資金を通じまして一つは管理者の立場にあるわけでございます。また、一般的に申しまして、資金の調整の立場にあるわけでございます。ただ、おっしゃるのは、市町村については府県が十分見ているじゃないか、あるいは起債枠は決まっているじゃないかと、こういう点についてのお話であろうと思いました。その点につきまして大幅に改善を加えまして、補助裏のようなものについては一切市町村は少なくとも財務部の方に接触をとる必要はない、県を通じてやりましょうということにいたしたわけでございまして、事実上はほとんどいま県を通しましてその行政をどのように回っておるか、そういうところを見ているわけでございますので、事実上その問題は両方とも手続は簡素化し、われわれは県を通して大体にらんでおることによって責任を果たすということで解決したと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは基本的には解決していないんです。大蔵大臣の認識はその程度のものだということはわかりました。  時間がありませんから大変早口でやりますが、この起債の許可の事務を行うに当たって、財務局の融資課や財務部の財務課の連中は、あたかも補助金でももらいに来た者に接するような態度で地方公共団体の職員に接してきたのであります。地方公共団体は、自分の判断で住民の福祉増進のために返さなければならない金をあえて借りようとしているのに何事かと、これはもう本当に怒っている。財務局財務部のこの仕事というのは、ある意味では全く不要であります。そうでしょう。大蔵省の組織規程第六十一条によれば、財務局理財部主計課の仕事として、「国の予算の執行に関し報告の徴取、実地監査及び指導を行うこと。」とあって、予算の実地監査盲あるいは総括予算監査官というのが多数いるんですね。この人たちは、要するに、地方団体に対し補助金の使い方の審査をする仕事をしているわけでありますが、これは会計検査院との重複の行政ですよ。行管庁長官、そうですね。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) そのとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 非常にはっきりしています。そこで、ローマ法の番人の番人という思想に基づいて会計検査院というものが厳然とある。この機能が不十分だということで番人の番人に番人をつけろというのであれば何をか言わんやであります。あらゆる行政機関にあり得る千に三つの悪をあげつらって、その機能を別の機能で補完しようとする限り、行政はふくそうし、切りがなくなります。財政をつかさどる大蔵省こそ、そういう態度を改めて行政簡素化の範をたれるべきなんです。行管庁長官、先ほどの答弁とのかね合いにおいて、ここの部分は明確にあなたが行管庁長官時代に整理されますね。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) お答えします。  なかなか各省間のいろいろな問題がありますから、大いによく研究してやります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかく先ほどの答弁とのかね合いにおいてここのところはきちっとしてください。よろしいですね。

加地夏雄行政管理庁行政管理局長

○政府委員(加地夏雄君) 先生御指摘の財政法の関係の監査でございますが、これは財政法に基づきまして政府部内のいわば内部監査の問題でございまして、それと御指摘の監査の関係は全然性質が違うわけで、政府部内で検討を十分やってまいりたいと、こういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣の答弁があったんですから、それとのかね合いにおいて検討すると言うなら、整理を急ぎますね。どういう形で順序をやるんですか。いま大臣の答弁とのかね合いでどういうように仕事をするんですか。大臣と相談してみてくださいよ。

加地夏雄行政管理庁行政管理局長

○政府委員(加地夏雄君) ただいま大臣がそのとおりでございますと申し上げましたが、そのときに申し上げればよかったのですが、いま私が御答弁申し上げましたように、この二つの制度上の監査は性質の違うものでございまして、政府部内として十分検討もしてまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは大臣と調整してくださいよ。そんなばかな答弁はない。審議にならないですよ。これは後で相談していただいてそして統一的に返事をしてくださいよ。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 速記を起こして。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここの部分は、いま行管庁長官の答弁がそのまま残っておりますから、そのままで踏襲しながら、委員会運営に協力する意味で私は質問を続けます。  それじゃ、大蔵大臣ね、そういうむだがあるんですが、あなたは、地方団体が資金運用部資金を借り入れようとする場合に借入申込書に添付する資料に何と何と何があるか、知っていますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) まあいろいろの書類があるだろうと思いますが、その点は後から事務当局から言わせます。  いまおっしゃっている問題が、財政上の問題、あるいは起債上の問題、どちらの話をされておるのか実はよくわからなかったのでございますが、私は起債の問題だと思って話したわけでございます。  財政の問題につきましては、言うまでもなく、財政当局は最終的には全部見る責任があるわけでございまして、その意味で補助金制度があり、交付税制度があるわけでございますので、その執行が適正に行われておるかどうか、これは当然また大蔵省が見て、国の全体の財政をやはり見ていく必要があるわけでございまして、必要な資料は−むだの資料をとるわけではございませんけれども、必要最小限度のものはやはりチェックする必要がある。会計検査院は、別途、大蔵省を含めて別の角度からそれが適正に執行されているかどうか、これは検査する必要があることは当然でございます。  それから運用部の——私は運用部の問題だと思っておるのでございますが、運用部の問題につきましては、言うまでもなく、やはり国庫の、あるいは郵便貯金の金を運用部の責任において借りて、そして債権者の立場でそれを運用しているわけでございます。それはまた同時に民間金融と関係しておりますので、資金需給の状況もあわせて国庫部内において考えねばならぬ、そういう意味からチェックしているのでございますけれども、昨年問題になりましたのは、そういう基本的な問題ではなくて、それをやるにしても、いまの市町村の問題について言えば、府県がある程度みんな目を通しておるのだから、少しむだなところがありはしないか、こういう話で話が起きたわけでございまして、その点について私は申し上げて、自治省とも相談の上、補助事業、補助裏の問題については一切府県から話を聞くことによりまして省略をいたしました、こう言っているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 済んだことを言っていないんですよ、済んだことを。私の質問に答えてくださいよ。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) いや、だから質問に概括的にお答えを申し上げているわけでございます。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 資金運用部資金を地方公共団体に貸付をいたします際に従来求めておりました書類の種類について申し上げます。  一つは起債許可書の写し、二番が当該地方公共団体の予算の抜粋、三番が事業費支出状況、四番が事業実施調書、五番が契約状況調べ、六番が写真、七番が図面、八番が補助金調べ及び繰越計算書、九番が施越し決算調べ及び未払い金調べという九種類の書類の徴求を求めておりましたが、本年三月自治省と合意いたしましたところに基づきまして、これらのほとんどを廃止もしくは簡素化することにいたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 市町村の問題は解決したんですから、私は解決していない部分について言っているんですから。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) 先ほど大臣が答弁をいたしましたのは、起債の許可、協議にかかわる問題でございまして、これにつきましては、市町村債につきましては補助裏債でございますとか全額民間資金債について大蔵省との従前の協議交渉としては改める、こういう簡素化を行ったものでございます。ただいま私が申し上げました資金運用部資金の融資に際しまして徴求する書類と申しますのは、市町村、都道府県、指定都市にかかわらず全部適用されるものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうです。そうだから、府県、政令都市の部分をこれからどうするんですか。私はそんなことは大変要らぬことじゃと言っているんですよ。それを、あなたは、解決した部分のことばっかりえらそうなことを言っている。そんなものは長い論戦を通じて前国会で終わらせた部分です、法制局長官の法的見解まで煩わして。残っている部分について質問しているのに、あなたは過去のことを言われたって困る。大蔵大臣だってそうですよ。

田中敬大蔵省理財局長

○政府委員(田中敬君) ただいま申し上げました書類九種類の提出につきましての廃止、簡素化は、すべての地方公共団体に適用いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは一事業について数百件あるんですよ。簡単に九と言っていますけれども、それにこうずっと付属していくと。したがって取り上げているんです。すべてこれを廃止すると。もうここのところは余り時間をとりたくありませんので、総理ね、これはたくさんの論議をしなければいかぬのですが、論議を聞いていただいたように、いろいろ大蔵省は言いますけれども、すべて後につけた議論なんですよ。たとえば財務局や財務部が地方財政に関する調査を頻繁に行っておる。これは地方団体がそれに協力しなければならない法的根拠は、法制局長官、ありましょうか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 全く突然のお尋ねでございますのでちょっと即答はいたしかねるのですが、いずれよく調べましてお答えしたいと思いますが、いまの私の感じでは、そういう協力の義務はないのではなかろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうです。はっきりしている。法制局長官が言われるとおり、ないんです。そして、自治省は調査しているんです。何で大蔵省と自治省が協議すれば終わることをまた大蔵省が特別にやらなきゃなりませんか。むだでしょう。総理、お聞きになってそう思いませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま伺っていますと、大体九項目廃止したんだと、こういうふうに伺いましたが、なお問題があるんでしょうか。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこばかりじゃなくて、全体を言っているんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ大蔵省は大蔵省として国の財務を統轄すると、こういう立場にあるわけです。ですから、その統轄国庫省としての立場から、いろいろ、財政資金をあるいは資金運用部資金を運用する、あるいは補助を出す、あるいは貸付をする、そういう際におきましてある程度の実情を把握しておく必要があるじゃないか。それが度を超えましてそして必要以上のものを徴求するということは妥当ではないのではないか、私はそんな感じがいたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 くどいことは言いません。法制局長官が述べられましたように法的根拠がない。法的根拠がないのに、行政管理庁長官、大変なむだがたくさんありますよ。その辺をまず整理することが先なんですよ。中央省庁のことを落としましたと言って済まされる問題じゃないんです。そこからまず手をつけてください。いいですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 別に私は権限争いをやっているつもりではちっともございませんが、大蔵省が膨大な国庫支出金を出していることも御承知のとおりでございます。それから交付税を出しておることも御承知のとおりでございます。また、膨大な利子補給をやっていることも当然のことでございます。したがいまして、そういうことを自治省とお互いに相談するにいたしましても、実情を知っておく必要は当然あるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そんなに自治省を信用できないんですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) そしてまた——自治省を信用しないということではございません。お互いに議論をする場合には、やはり超過負担があるというようなことを言う場合には、自治省は当然それはまた国に対して言うことでございましょうし、交付税が全体として財源不足があるという場合には、やはりお互いに同じ土俵の上で話をしなければならぬわけでございます。そのときに、一方通行で自治省だけが知っておってそして大蔵省がもし知らないということになれば、国・地方を通ずる財政制度あるいは金融制度、その合理化は得られないと思います。両方がよく知っておく必要がある。そして、やはりお互いに全体の国のために、地方とか国とか狭い意味ではございません、国全体としての制度の合理化をどうしたらいいのか、それをやるためにはお互いに実情を知っておく必要がある。だから当然のことではないかと私は思うのでございます。ただ、むだなところはおっしゃるように省いていったらよろしい。恐らく、昨年決定されましたのも、大体いままでわかってきたから、それではその分はもうやめましょうと、こういうことになったのではないだろうか、基本的に私はそう考えております。

加地夏雄行政管理庁行政管理局長

○政府委員(加地夏雄君) 先ほどの会計検査院の検査と大蔵省の会計法に基づく検査の関係の考え方を申し上げます。  会計検査院の検査は、御承知のように国会に対して責任を持つ検査でございまして、そういういわば政府部内の外から国会に対して責任を持つための検査をやると、こういうことでございますが、大蔵省の会計法に基づく検査、いわゆる四六検査と言われておりますが、これは、いわゆる大蔵省が、先ほどからいろいろお話がございますように、財政なり会計の執行上の問題としていわば部内監査をやる問題でございます。そういう意味で、確かに監査という点では共通でございますけれども、本来、制度上の目的も違いますので、全然異質の検査であると、こういうふうに考えておるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あなた、そんなことを言っていいの。去年解決した問題は、ずっと誤りを犯してきたから解決したんでしょう。じゃ、何であれを残しておかなかったのか。そんな論理はないでしょう。あなた方が間違っていたのじゃないか。間違っていたから改めたんでしょう。その間違いは残っていますよ、こう言っているのに、間違っていませんということになるでしょう。そんなのは答弁にならぬですよ。ちゃんと議事録を読んで一遍整理してみなさいよ。ここではそれ以上のことは言わぬですから。そんなここだけごまかせばいいというような答弁じゃだめですよ。  そこで、総理ね、私は財務部ができたときの経緯をちょっと考えてみると、総理はよく御存じなわけです、この辺は。満鉄とか、総督府とか、大東亜省とか、終戦によって存在できなくなった役所の幹部職員がふるさとに帰ってきた。そして、一部は県庁に入り、一部は財務部長になった、こういう経過があるでしょう。そういうことで財務部というのはできてきたわけですね。そして、現在これはどうなっているかといったら、主計局を中心として大量に存在するノンキャリアの人たちが故郷に帰っていくんですよ。そして、地元の信用金庫なり信用組合等に就職して組織から離れていくまでの滞留場所なんですよ、これは。大蔵省は財務部を廃止することができないといって固執するのはここにあるだけなんです。大蔵省に限らず、どこの省についても、行政改準には必ずこうした問題がついている。だからむずかしいんです。したがって、行政改革を本当に行おうとするならば、こうした問題の処理をこそ同時に考えなきゃならない。総理が本当にもし行政改革を推進しようとするのであれば、その本音のところでの議論を含めて議論できる場を総理が率先してつくっていただく。いまのように追い込まれれば別のことで答えて別のことでごまかして糊塗していこうというようなことになったら、共通の場で行政機構の改革の問題を論議しようと思っても進まぬじゃないですか。この姿勢は、総理、改めてもらいたいと思います。よろしいですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その辺の事情はよく承知しておるんです。そこで、先ほど申し上げましたように、地方局、またはその下部機構、そういうものの整理問題を検討してみたわけなんですが、大蔵省のいま問題にされておる財務局につきましても篤と検討いたしたわけでありますが、なかなかこれは長い間のいきさつの結果がいま御指摘のような問題をはらみながら今日に至っておるわけでありましてそう簡単な処理もできないと、こういうことで、昨年の十一二月段階の政府の措置としては大体見送ると。北海道の財務部のあれは一つですか入っておったかと思いますが、その他は見送ると。一局ぐらいは何とかとも思ったんですが、まあこれは大蔵省だけの問題でなくて、やっぱり均衡をとって各省庁の地方局の問題ですから、局となると、なかなかこれは問題があるだろうと、こういうことで、昨年の十二月段階はこの問題はそう大きな手はつけなかったんですが、先ほども申し上げましたとおり、この行政改革の問題というのは御指摘のようにいろいろ問題がある。そこで、十二月の行政改革大綱をもって終わりとせず、これからも粘り強く取り組まなけりゃならぬ問題であると、こういうふうに考えています。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、実は、きょうはこの地方の出先機関をめぐって各省といま大蔵省と闘わせたような議論を各大臣とやりたかったんです。総理が有事だとかいろいろのことを言うものだから、結局そこをやらざるを得なくなってきましたから、残念ながらここのところはこれでやめておきますが、ただ一点だけ基本的なポリシーの問題として総理にぜひ申し上げておきたい。行管庁長官、運輸大臣に申し上げておきたい。  たとえば陸運局ですが、三方ぐらいの市でその構内タクシーの認可されている数は二、三十台でしょう。これらの活動範囲はほとんど県内です。にもかかわらず、なぜそのタクシーの数まで国の認可事項でなければならないのでしょうか。県知事であってなぜいけないのだろうか、私はどうしてもわからない。これは自治大臣もよく聞いておいてもらいたい。それで自治大臣は閣議の中でもっと積極的にやってもらわないと困ると思うんです。今度何か出ておる法律案ね、継続審議に残っている、あんなでたらめなものが出てくるようなことじゃ困るわけです。この認可タクシーの数という利権には、日本の風土では地方自治の千に三つの悪としてあるいは地方議員の利権が絡むことがあるかもしれぬ。しかし、そんなことを言ったら、国のレベルだって同じ問題であるはずであります。あるいは食糧事務所です。私は食管会計が存在するということと食糧事務所の存在の必要性とは決してストレートには結びつかないと思っている。要するに、総理、私が申し上げたいことは、都道府県というものが地域を統括する機関として厳然として存在をしています。しかも機関委任事務というものは広く活用されている。このことを軸にして考えるならば、地方出先機関というものはほとんど整理できると思われる。したがって、私は最近そういう意味で自分でちゃんと出しましたよ、世に問う、論議をしてもらうということで。戦前では都道府県知事に委任されておったことを思いますとこのことは明らかでありますから、こういうことを強く私はここの部分で要求をしておきます。  次に移ります。  一週間前の十月一日に、最古の歴史を持つ京都市の市電が廃止されました。八十三年間にわたって市民の足となってきたのでありますが、モータリゼーションの波に押し流されたわけです。京都市では、市電にかわってバスを運行するとともに、地下鉄網を建設する計画を立てた。この京都市の電車の物語からわかるとおり、市電、バス、地下鉄の変遷とモータリゼーションとの間に明らかな因果関係がある。自動車は市電を駆逐し道路の大部分を占拠しているのでありますから、単純な因果を求めるとすれば、自動車がいわば立ち退き料を支払うべきであります。しかし、もちろんそれでは自動車という交通手段が余りにも割り高になってしまいます。そこで、財政等企業外でこれを負担して公共交通手段を確保していく。この企業外負担の原則が欧米では確立をしている。地下鉄建設費は全額企業外負担で、現在では運営赤字をどうするかという段階に入っておる。しかし、日本ではそういう原則はなく、理論的にもきわめて混乱しているんですね。  そこで、総理ね、こういうような公営交通事業の置かれている状況について感想を求めたいのであります。たとえば地下鉄の建設費はだれがどのように負担していると思われますか。思いついたところでちょっと答弁願います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 地下鉄ですか。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 はい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 地下鉄は、これは都営の分と営団の分と二つありますが、いずれも都が主体になっておるのじゃないかと思いますが、それに対して国が助成をしておる、それから資金運用部がその資金について協力をしておると、このように承知しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 細かいことを言うと、頭金一〇%、間接費五%を引いた残りの七〇%を国と自治体が折半している。すなわち、約三割程度なんですね。そうすると、実際には実効率はさらに低くなる。余りにも乏しい現状で、欧米と比べて考えてみて改善が必要だ。地下鉄のトンネルというものは都市の構築物である、都市の一部であるという理念が根底になかったならば私はいかぬと思うので、この点は欧米に照らして再検討し、理論を確立しなきゃならぬと思いますが、総理の御見解は。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いまの仕組みにつきましてそう私どもは悶着があるとは聞いておりません。いまの仕組みの中で補助金をふやしたらどうだろうと、こういうような要請はありますが、仕組み自体について再検討したらどうだという説は余り聞いておりませんから、したがって、その仕組みをどうするかということについて余り考えたこともありません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それはちょっと違うんですね。自治大臣、どうですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 地下鉄は都市におきます大量輸送機関としてきわめて重要でございますし、また路面が限られておりますので今後の大量輸送にはきわめて必要であると、かような基本の認識に立っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 運輸大臣の方は。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 先ほど総理からも言われた折半してというあの程度が適当であろうというのが関係の多くの人々のいま意見でありまして、直ちにもってあなたの言われるようにごっそり国がというようなことではない、現行制度が私はまあ現在のところおおむね適当であろうと、かように考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、自治大臣、そこのところです。そこのところは自治大臣もそう考えておったら困るんですよ。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 御承知のように本年度から助成処置を強化してまいったのでありますけれども、しかし、地下鉄の大部分は地方公営企業としてやっておるのであります。もとより営団もございますし、また、ごく一部民間もございますけれども、大部分が地方団体でございまして、地方団体の公営地下鉄につきましては非常に苦労いたしておるのでありますから、本年度処置をとりましたことで事が足りると、かようなことではありませんで、今後もさらに努力が要ると、かように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこを努力してください。  ところで、公営交通の再建団体にはこれまでバス車両購入費補助が出ていたんです。来年度はこれが打ち切られて新しく五大都市を除いたバス車両の更新費補助が設けられた。五大都市を除くというのは理論は明らかではないんです。つまるところは、合理化が足りないというおどし以外の何物でもないように感ずるんです、私は。五大都市の公営バスは住民の足としての役割りを持っているのですが、突然の打ち切りはきわめて異常事態であります。補助金は政策誘導であるとともに財政援助でありますから、中央政府がこれをもって自治体をおどかすというようなことは、結果的にですよ、そんなことは許さるべきじゃない。総理はこの問題についてはやっぱり再検討を指示してもらいたいと思います。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 総理の命により私から申し上げます。  私は先刻ああいうように申し上げました。現行法制のもと、それから現行のいろいろ関係者の協議のもとにおいてはこうだと思います。しかし、運輸省とすれば、あなたの意見はまことにありがたい御意見なんです。本当はちょっと飛びつきたいところでございますけれども、なかなか関係するところがいろいろございまして、再検討をしないかというお話につきましては、再検討に値する問題ではないかと私は考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここはやっぱり再検討はされるんでしょう。そんな気むずかしい、最後のところをこんなひねることはやめて。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 再検討をするに値すると思うと申し上げました。さような問題でありますから再検討することもあり得べしと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、もう時間がありませんからあれですが、運輸大臣ね、私はとにかく臨時総理までお務めになる、運輸大臣が副総理格なんというのは大変珍しい内閣ですから、あなたに一つだけ注文をつけますが、「朝日新聞」十月二日号の社説で、  なにより、都市交通を総合的に計画調整できる大幅な権限のある機関がほしい。市民生活に密着するものだけに、首都圏なり近畿、中京圏の自治体連合が中心になるべきではないか。全国的な総合交通体系の確立と同時に、地域的にも都市交通をふくむ生活圏交通を整備していくべきだ。 という社説がある。それで、地下鉄建設費補助、バス購入費補助、行政バス路線など、いま若干触れましたが、検討すべきものがいま言われたとおり非常に多いんです。そこで、事務局レベルで各省間の研究がかなり進んでいますけれども、私はあなたが運輸大臣のときに関係閣僚懇談会ぐらいのことはこれでつくるべきだと思うのです。どうです、それぐらいの約束はできるでしょう。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) いまおっしゃったようなことにつきまして、設置するかどうか等も相談してみたいと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは私の趣旨を生かして相談してください。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) なるべく御趣旨に沿うようにいたしたいと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この国会中にその結論を私に持ってこられますか。

福永健司自由民主党運輸大臣

○国務大臣(福永健司君) 何分にもこの臨時国会は会期が短いのでいかがなるかと思いますが、せいぜい急いでやってみたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あんまり深追いするばかりが能じゃありませんから、期待をしておきます、ここは。私が会いたいと言ったら、いつでもあなた体をあけて会ってください。  総理はしばしば全方位外交という言葉を使って、先ほど運輸大臣、文部大臣にまで伝染をしていくという状態でありましてわが国の外交方針を説明しておるわけですが、しかし、この言葉は不正確で、適切ではない。第一に、外交というものはあらゆる国との関係改善を図るという意味では常に全方位であるのは当然のことで改めて言うべきことでもない。第二に、もし全方位という言葉が等距離を意味するのであれば、それは正確ではない。対米、対中、対ソ関係は現在等距離ではない、あなたの内閣において。ところが、全方位という言葉は等距離という印象を与えている。したがって、総理が全方位外交という言葉で外交方針を述べられることは正確な表現ではないという意味でおやめになった方がよいと私は思うが、この言葉に特別の意味があるのならば具体的に説明してください。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国は、先ほども申し上げましたが、軍事力につきましてほかの国と違った立場をとっておる。経済的には力はあるにかかわらず強大な軍備を持たぬ。他国を侵略するか脅かすとか、そういう軍備は持たぬというたてまえです。そうすると、どうしてわが国の安全を保障するかというと、これは第一は世界が平和であること、これはもうもちろんであります。同時に、わが国がいずれの国をも敵視せず友好関係を結ぶという方針をとらざるを得ないんです、これは。私は、このたてまえは、わが国のいまとっておる国家体制の当然の帰結であると、このように考えておりますが、そのことを一言で言うと全方位平和外交と、まことにいい言葉だと、こういうふうに思うわけでありますが、私は、これを何も変える必要はない、非常に端的にわが国の外交の基本的な立場を表明しておると、こういうふうに思うのです。  それからいま和田さんが、これは等距離外交かというような御趣旨でありましたが、そうじゃないんですよ、これは。わが国と相手国との関係ですね、それは相手の違うに従いましてこれはもう厚薄いろいろの差異があります。しかし、どういう差異があろうとも、わが国は友好親善の関係だけは維持していきたい、こういう意図を表明しておると、このように御理解願いたい。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあ要するに外交の新しい次元を形成したものじゃないということは大体わかっていますが、わかりました。  日中平和友好条約が締結されましたが、これを世界史の上で見るならば、冷戦後のいわゆる多極化の過程との関連で見ることが私はできると思っていますけれども、外務大臣、総理がパワーポリティックスという考え方を持っておられるのかどうかはよくわかりませんが、この条約の締結が世界及びアジアの情勢にどういう変化をもたらしたか、すなわちパワーバランスのどういう変更が引き起こされたと御認識なのか、これは総理にちょっと。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国の平和友好条約を中国と結んだということにつきましては、私は、大方の国々が歓迎をしておると、こういうふうに見るわけであります。歓迎しない国が出てくる、そういうことは好ましくないことなんです。そこで、この条約は、ずいぶんこれはまあ時間もかかった。なぜ時間がかかったかというと、世界中のいずれの国に対しましてもわが国が全方位平和外交を堅持しておるという姿勢について疑う余地のないものにすると、こういうことで苦心もあり、また時間もかかったと、こういうことでありますが、一部にこの条約につきまして好ましからざる条約だというような見方もありますが、わが国といたしましては心外に思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 アジアのために欠かせないのは、私は、日中の平和友好はもとよりでありますが、米国、ソ連の政治、経済、軍事上の影響力をいかに平和的なものにするかが問題であろうと思うわけです。米ソ関係はさておくといたしまして、米中及び日ソ関係改善が重大な問題であるはずであります。  まず米中関係でありますが、来年にも国交正常化が行われるという見通しをする専門家がたくさんいらっしゃいますが、政府はこれはどういう予測を持っていますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 米中関係は、先般の正常化以来、双方が努力をしておるように承っておりますが、当事者でありませんので、この見通しについては申し上げない方がよいと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そのときに、たとえば中国、アメリカとの関係において、どういうことが条件になると日本の外務省は見ていらっしゃいますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) これも現在進んでいる段階でありますから、私が具体的に申し上げると誤解を招くと存じますけれども、私の得た情報では、やはり台湾をめぐる問題がこの条件になるのではなかろうかと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、台湾をめぐる問題、三つぐらいの条件になるようでありますが、そこを踏み切ると見ますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) それ以上は私の口から申し上げるわけにはまいりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日ソ関係については、日中条約の締結によって関係が冷却化したように言われていますが、この関係改善について政府はどういう形で進みますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日ソ間については、先般ニューヨークでグロムイコ外務大臣と条約締結後初めて会談をしたわけでありますが、ここで率直に意見を交換した結果、結論としては、向こうは、友好条約締結によって日本とソ連の関係が冷却をしたから改善と、こういう言葉を使うし、私は、依然として以前どおり一貫した方針で日ソ関係は進めたいという、言葉の相違はありましたけれども、両方が日ソ関係の友好関係を推進していくということには合意をいたしました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 北方四島について、軍事的位置づけが問題になると思うのでありますが、政府はどういう位置づけをしているんですか。また、返還後、たとえばの話でありますが、軍事利用の問題についてどう考えていますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 軍事上の問題については、米ソが力による抑止力を両方でやっておる段階でありますから、御承知のとおりでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いやいや、北方四島についてですよ、北方四島について。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私も北方四島のつもりで御返答申し上げたつもりであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 返還後……。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 返還につきましては、私がグロムイコ外務大臣に申し上げたのは、未解決の問題、いわゆる北方四島の問題を含んで平和条約の締結ということから話を進めていきたいと。先般正月に参りましたときに、今度向こうからおいでになる順番でありますから、ぜひ年内においで願いたいと、こういう話をしましたら、行くという約束はそうであるがまだここでいつ行くということは言えないと、こういうことでございました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いいえ、北方四島が返ってきた場合に、日本は軍事利用することを考えていますかどうかということです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 返ってきた場合にどうするかということは、今後の交渉の重大な問題でありますから、そこは申し上げない方がいいと思いまして、私とあなたの意見はそう変わりはないと腹の中では考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日本社会党の考え方がよくおわかりの上で答弁されたことでありますから、そこのところは私も含んでおきます。  平和五原則をうたう日中平和友好条約と軍事協定である日米安全保障条約とは矛盾することが予想されますが、どう認識していますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 友好条約と日米安保条約については、先般の国交正常化の際、共同声明がこれにかかわりなくやられたと同様、今度の友好条約もこれについてはかかわりなく締結をされたものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう言われても、たとえば台湾で武力衝突があったとしますね。そのときに、アメリカは、米華安保条約で防衛義務を負っている。この場合に在日米軍基地を使用すると、安保条約の六条及び交換公文によって事前協議の対象になりますね。政府は基地使用を認めるのか認めないのか、これは、総理、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 日中平和友好条約ができましたけれども、安保条約の関係に何らの影響はございません。ただ、ただいま御指摘の日本の基地から米軍が台湾海峡に向かって飛び立つと、こういう問題、これが提起された場合には、私は、御答弁といたしましては、これはイエスもありノーもあると、こういうふうにお答え申し上げますが、しかし、平和友好条約ができたこの今日の実際の段階から見ますると、これはその辺を配慮してイエス・オア・ノーを判断すべきであると、このように考えています。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 防衛庁長官、どうですか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) その問題は外交問題でありますが、いま総理がおっしゃったとおり私も考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 反覇権条項は忠実に守られますね。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 反覇権条項はどこへ……。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 忠実にお守りになりますね。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 忠実に守ります。反覇権条項は、まず第一に中国と日本がお互いに覇権を行わない。私の方は、アジアの国々にとって重大な問題は、将来中国が強大になった場合に不安がないかということ。中国の方は、私の方に軍国主義復活をアジアも中国も恐れておると。したがって、この二つを両方が実行していくことが大事であると、こういうことから、お互いに覇権は行わない、この約束が大事でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、この覇権とは、政治、軍事にとどまらず、経済、文化にも及ぶと思います。かって反日デモがタイなどで起こりましたが、そういう事態を引き起こしたのも、相手国では日本及び日本人の態度を侵略的、覇権的であると考えた。今度私は北朝鮮創建三十周年の記念集会に党代表で行ってきましたが、そこで金日成は御存じのとおりに支配主義という言葉で世界に喚起を促しましたね。そういう支配主義的であるというとらえ方がある。ここのところを通産大臣はどうお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日本は経済的の覇権というようなことは一切考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっとあなた、居眠りしていてそんな答弁はだめですよ。いわゆるタイなんかで反日デモが起こったそういう感覚というのは、そういうふうにとらえられたからでありまして、そういうものについてあなたはどういうふうにやっていこうとされていますか。態度です、これからの。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先般のタイの問題は、私は誤解に基づくものだと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 今後そういうことが起こらない状態で努力をしていくということですね。そういう姿勢でお臨みになるということですね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日本も誤解を起こすようなことをよほど注意しなければならぬと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 中川農林大臣が昨日答弁をされました。まあいろいろ言っていらっしゃいます。言いわけもあります。総理が奇襲対処は憲法内でと答弁しているのとどうも相違をしているように思われますが、中川農林大臣が奇襲対処は憲法の枠でできないかもしれないとお考えになる、その場合には憲法改正もやむを得ないと考えている、こういうことですか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 社会党その他の意見でそういう法律をつくることは憲法違反だという意見がありますから、どうしてもできないならば憲法を改正してもやるべきだという意見があるから、十分意見を聞いて考えるべきだということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 憲法違反であるという意見はある、その意見に対しても耳を傾けるべきである、その程度のことですか。総理、そういうふうに理解していていいですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 中川農林大臣はそのようなことを申し、なお、耳を傾けるべきであるが、いずれにしても総理の決断に従うと、こういうふうに言っておるんです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総理の決断に従うということは、奇襲対処は憲法内でという総理の答弁の姿勢を尊重していくと、こういうことになりますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私はそのように理解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日本の自衛隊の基本方針というのは専守防衛であると言われてきましたが、これは、総理、そうお考えですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、ここのところは、憲法上ないし法律上、自衛隊は専守防衛であるという解釈が成り立っていると考えてよろしいですか、法制局長官。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) ちょっと御質問が早口で聞き取りにくかったんですが、もちろん憲法は専守防衛を前提にしておりますし、仮に将来、本当に仮に将来憲法改正ということが行われることがあったとしても、専守防衛といういまの考え方がよもや変わるとは私は思っておりません。(発言する者あり)

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと、法制局長官ね、自衛隊はいかなることがあっても国外の基地、艦船などを攻撃することは憲法上できない、そう確認できますか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) ただいまの御質問も、かつて国会で問題になったことがございまして、通例は、おっしゃるとおり、わが自衛隊がたとえばアメリカの軍艦なり船を護衛するというようなことは考えられませんが、仮に安保条約の五条が発動されまして、そして共同の敵に対して対処をしていると、そういう業務に従事中のアメリカのたとえば艦艇が日本の自衛艦の目の前で攻撃を受けているというときに、これを援護するということはあってしかるべきことだというふうな趣旨のお答えをしたことがございます。(発言する者あり)

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっとわからぬですね、いまの答弁は。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 自衛隊が敵の基地をたたくことができるかという御質問につきましても、かつて同じような質疑応答が国会でございまして、理論上の問題としては、仮に日本が敵からミサイルの攻撃を受けると、しかもそれを防ぐためには他に方法がないと、さればといって日本国民が座して死を待つべきことを憲法が命じているということもなかろうから、そういう場合には、理論上の問題としては、その敵のミサイル基地をたたくということも自衛権の範囲として認められるのではなかろうかという答弁をしたことがございます。(「超憲法的な発言だ」「超憲法じゃないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 委員長ね、いまいろいろ不規則発言があるように、憲法改正の問題について一つ前提的に法制局長官が意見を述べていますけれども、これは取り消しておかなければならないでしょう。そんなものを私はいまここで論議を巻き返そうと思いませんが、いまのままの状態でいかれるつもりですか。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 速記を起こして。法制局長官。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 先ほどの私の答弁のうちの前半の部分におきまして、私は、仮に憲法改正が行われることがあったとしても日本の自衛隊の性格が専守防衛ではなくなるというようなふうになるとは私は思っておりませんと、こういう趣旨のことを申し上げましたが、非常に質問者のお気にさわるようでしたら取り消させていただきます。(「お気にさわるじゃないよ」「これは取り消さなきゃだめだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)——重ねて申し上げます。先ほどの私の答弁のうちの前半の部分、つまり憲法改正云々に多少ともかかわった部分は取り消させていただきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 有事立法問題について、政府は、なぜ今日の時点で問題にし始めたんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは今日の時点ではないんです。昨年のあれは夏ごろでしたか、三原防衛庁長官からそういう話を聞いておるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほどの総理の程度というのの解釈と一緒でありまして、何もきょうに限ったことじゃありませんが、この一年間ぐらいで特別に問題にされてきたのは何か意味がありますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昨年の夏ごろそういう話が出た、その背景、経緯は私はよく承知しておりませんけれども、防衛庁といたしましては、自衛隊は何のためにあるんだと言えば、これは有事のためにあるんですから、有事にいかに自衛隊が対処すべきかということにつきましては、これは常時検討しておかなけりゃならぬ問題だと考えます。私は、その研究は昨年始まった、それまでは何もなかったと、こういうふうには考えません。前から恐らくそれとなくいろいろ勉強しておったと、こういうふうには思いまするけれども、昨年の夏、三原防衛庁長官が、防衛庁長官の指揮のもとに組織的に有事の検討を始めたと、こういうことはこれは妥当な措置であったと、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まあ余り答弁になっていないですが、この問題は私は単に法律解釈論では済まない。国家理念の転換を大きくあなた方はやろうとしているわけですから、非常にそこに重要な問題があるんですが、そこで、私は、まず具体的に、わが党の見解を少し離れても、実体論議をやってみたいんですが、まず伺いたいのは、奇襲とは何ですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 奇襲につきましていろいろ御議論がございます。しかし、この奇襲につきましては、それぞれのお考えのもとに奇襲という概念を印されているような向きもございますので、私どもが考えております奇襲というものの概念と申しますか、そういうものを申し上げてみたいと思います。  一般的に申しまして、わが国に武力攻撃がなされるというような状況は、非常に国際状況が緊張した状況であろうと思います。したがいまして、国際情勢が緊張してまいりまして、日本に武力攻撃をしようとする国が仮にあったといたしますと、これは当然のことながら奇襲というものを目指すわけでございます。これは攻撃をする側にとりましては奇襲をすることによってその攻撃の効果を上げるということになりますし、また、防御する側にとりましてはそれをやらせないための努力ということによって被害を局限しようとするわけでございます。したがいまして、そういった意味の奇襲というものは当然考えられるわけでございますけれども、こういった意味の奇襲に対しましては、現在の自衛隊法上は、七十六条の防衛出動の下令によりまして、特に情報が的確につかめ、そして総理の判断が的確に適時行われるとするならば、それはほとんどのものは避け得られるというふうに私どもは考えているわけでございます。しかしながら、なおかつそれであっても奇襲というものがあり得るかということになりますと、これはやはり絶無とは言えないだろうというのが考えられるわけでございます。こういった奇襲というものが一つあると思います。  それからもう一つは、現在のような平和なときに、突然降ってわいたような奇襲があるのではないかという議論がございます。しかし、これは、私どもの情勢判断からいたしますと、今日のような状況の中において突然降ってわいたように青天のへきれきのようにそういった奇襲があるということはほとんど考えられないと思います。しかし、理論的に申しますならば、これもまた絶無とは言えないかと思うわけでございます。こういうような平和なときに突然起きたというような場合には、当然のことながら防衛出動というものは下令されていないわけでございます。したがいまして、そういった場合に自衛隊としてそういった事態に応急措置として対応措置としてどういうことができるかということを現在検討をいたしておりまして、法制面も含めて慎重に検討を進めてまいりたいと考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは偶発事件とは違うわけですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま後段で申し上げましたようなのが、ある意味の偶発的なものだというふうに考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 防衛庁長官ね、奇襲は国家意思が働いている、偶発は国家意思が関与していない、いいですか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私はそういうことは関係はないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ということはどういうことですか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 国家意思はないということであります。−国家意思の有無には関係がないと、こういうことであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここははっきり、総理、どうですか、あんなのは答弁になりませんよ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 偶発的事件というのは、別に国際法上の言葉でもありませんし、あるいは何か法律による言葉でもありませんし、それに対して正確な定義をというのは、ちょっと無理じゃないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、防衛庁長官ね、そんな答弁をされていますが、奇襲は国家意思が働いていますよ。たとえば、挑発に乗って武力衝突をして国際上重大問題に発展することがある。防衛庁のスクランブルにおける内訓というのは、これはどういうふうにこの辺を区別するのですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 防衛庁がとっております領空侵犯対処というのは、これはあくまで平時の領空侵犯に対する警戒の行動でございます。これは八十四条によりまして平時の警察行動としてこの任務が与えられているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 どういうふうに区別するんですか。(「委員長、発言者は立ってやれよ」と呼ぶ者あり)答弁になっていないから。ちゃんと答弁すれば立ちます。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま申し上げましたのは、平時におきます警察行動でございます。  それから七十六条に基づきます総理の命令によります防衛出動といいますのは、いわゆる空に対しましては防空作戦という形になりまして、航空機、それからナイキ、ホークを含む防空作戦を行うということになるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 前段の問題で防衛庁長官の答弁であれでいいんですか、国家意思の問題。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま私が御説明いたしました最初の分野でございますが、緊張が高まりながらあり得る奇襲というもの、これは多くの場合はほとんど国家意思に基づくものだろうと思います。  それから後の偶発的なものにつきましては、国家意思が働く場合もありますでしょうけれども、国家意思が働かない、まあ組織的な計画的な侵略という形でない場合の奇襲というものもあるのではないかというふうに考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、後段の部分で、内訓はやっぱり国会に提出をして、予算委員会がたとえば秘密会議でもいいから論議をする場を持つべきだと思うのです。これは、総理、お出しになりませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国益を考えまするときに、非常にそれは困難な問題であると、このように報告を受けております。(発言する者あり)

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかく、この問題は、いまの答弁では不満であります。理事会で協議してどうしてもこれは出してもらって、秘密会議にしてでもわれわれはやっぱりシビリアンコントロールの立場から論議をさせてもらう。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 理事会において後刻協議いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 前統幕議長の栗栖さんがつい最近出されました「私の防衛論」という本の二百二ページですが、  独断専行というのが軍隊の特質と言われておりますね。自衛隊も特定の条件下にいざという場合には独断専行をやるんだ、という教育をやっているわけですからね。まあ、それに期待するということになるんじゃないでしょうか。甚だ無責任なやり方だと思いますね、中央としては。 そこで、自衛隊内で独断専行教育をして、これでは幾ら法律論でシビリアンコントロールがどうかを議論しても完全にむだである。自衛隊は事あらば独断専行して既成事実をつくり上げる可能性がある。総理、ここのところはどう考えていますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはそこだけ読んだんじゃ私も判断しにくいですからね。これは恐らく前後相当ある本のようですね。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこが重要なんです。前後はないですよ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは前後をずっと読まなければわからぬです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁にならない、いまのは。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は、独断専行ということは、いわゆる総理の出動命令が出た後、いわゆる部隊長がいなくなった、そのときどうやるか、そういうときの行動だと、こういうように承知をいたしておるわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そんなふうに言っていない。それはちょっと読んでみてください。そんなはぐらかしの答弁で済ましていくなんという、そんな簡単なもんじゃないですよ。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 一般に、独断専行というのが、全く勝手な行動をやっていいというふうにわれわれは教育しているわけではございません。しかしながら、防衛出動が下令されまして一つの作戦を実施します場合に、ある局面におきまして、いわゆる指揮官の意図を体してそれぞれの下級指揮官がその作戦を最も有効にするために行動するという場合があるわけでございます。その場合には独断専行ということがその上の指揮官の意図のもとに行う形で行われるわけでございます。そのことを独断専行と言っているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう言っていないです。読んでないじゃない、あなたは。やめだ、きょうは。あさって。読んでもらいましょう。

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 暫時休憩いたしまして理事会を開きます。    午後五時三十三分休憩      —————・—————    午後五時四十七分開会

町村金五自由民主党・自由国民会議

○委員長(町村金五君) 予算委員会を再開いたします。  和田君の残余の質疑は都合により後日に譲ります。  次回は明後九日午後十時から委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十八分散会      —————・—————

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