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85回国会参議院1978/10/19

農林水産委員会 第3号

発言数
293
登壇者
27
会派数
5
開催日
1978/10/19

会議録

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  これより請願の審査を行います。  第二九号農畜産物価格安定対策の拡充強化に関する請願外三十七件を議題といたします。  理事会におきまして協議いたしました結果について、専門員から簡単に報告いたさせます。竹中専門員。

竹中譲参議院事務局常任委員会専門員

○専門員(竹中譲君) 今期国会、本委員会に付託されました請願は、お手元に配付いたしました付託請願一覧表のとおり、三十八件でございます。  理事会の協議の結果を御報告いたします。  第二九号と第四一号は採択すべきもの、第七三号は保留とすべきもの、第七四号採択、その次第六一四号保留、第六三九号採択、第七三四号保留、第一二三四号保留、第一五四五号保留、第一五四六号採択、第一五四七号採択、第一五四八号保留、第一五四九号以下第一五五四号まで四件とも採択でございます。  以上でございます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) それでは、第二九号農畜産物価格安定対策の拡充強化に関する請願外十一件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第七三号米穀政策確立に関する請願外二十五件は、保留とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、カモシカの対策についてお伺いいたします。  カモシカによる被害は、森林だけでなく最近は農作物にまて及んで、さらに年々拡大をしております。私は、長野県の下伊那地方だとか、木曾谷あるいは岐阜県の小坂町等を調査してまいったわけでありますけれども、ところによっては造林木が壊滅的な被害を受けている場所もあるわけであります。私の調査した資料によりますと、長野県の民有林についての被害状況を見ますると、昨年の三月、被害面積が千五百五十五ヘクタールであったわけでありますが、本年の三月には二千八百三十九ヘクタール、被害金額は同じく五億六千六百余万円であったものが、九億二千五百万円というふうに激増をしておるわけであります。  また、岐阜県の小坂町をとってみますると、この一つの町だけで見ても昨年の三月には百四十二ヘクタール、ことしの三月には百六十四ヘクタール。被害金額は、昨年は一億七千百余万円、ことしは二億七百余万円というふうにふえておるわけであります。これは、民有林だけの数字であります。国有林も、同じように被害を受けているわけであります。  このようなカモシカによる被害については、毎年拡大をされておるわけでございますが、全国的に見てどういう状態になっておられますか。関係する県だとか面積、金額、拡大状況等について、まず林野庁から答弁してください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) ただいま御指摘になりましたように、カモシカの被害が近年ふえておりますことにつきましては、私どもも非常に憂慮しておる事態でございます。  年度別に申し上げますと、森林の被害でございますけれども、昭和五十年度におきましては民有林で千四百九十四ヘクタール、国有林で四百五十七ヘクタール、合計いたしまして千九百五十一ヘクタールが被害を受けております。それから、五十一年度になりますと、民有林が二千百五十七ヘクタール、国有林が三百八十六ヘクタール、合計で二千五百四十三ヘクタールと増加いたしております。それから、五十二年度でございますけれども、ただいま統計整理を行っております段階で、まだ正確な数字は出ておりませんけれども、大体三千ヘクタール程度ではないかというふうに見込んでおりまして、依然として増加の傾向にございます。  これは、県別に民有林について見ますと、五十一年度では十県で被害額が発生しておりまして、長野県が千二百八十ヘクタール、岩手県が三百六十ヘクタール、岐阜県が三百五十ヘクタールと、この三県で民有林被害面積の大体九二%を占めております。国有林の方では青森営林局で百九ヘクタール、長野営林局で八十七ヘクタール、国有林全体の被害に対しまして、この両局で大体半分を超える五一%というふうになっております。  それから、被害金額の方でございますけれども、被害金額につきましては、国有林については五十一年度で約二億六千万というふうに言われ、私ども一応試算いたしておりますが、民有林につきましては算定が非常にむずかしゅうございまして、非常に申しわけございませんけれども、金額としての把握は困難でございますので、現在把握いたしておりません。  以上でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま全国的な数字の発表があったわけでありますけれども、私の調査によるたとえば長野県あるいは岐阜県の一つの町の数字を申し上げたんですけれども、この数字と、いま林野庁長官からお話のあった面積にしても、あるいはまた、金額はおっしゃらなかったわけでありますけれども、かなり被害金額があるわけですけれども、皆さんはあれですか、林野庁として単独の調査をしているんですか。これは府県から上がってきたものを皆さんが集計したものか、あるいは被害金額にいたしましても、県だとか町村におきましては被害金額までやっぱり調査しているわけなんですよ。皆さんが府県から上がってきたものを集計したものだとするならば、当然被害金額だってわかっているわけなんですが、それはどういうことなんですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 国有林につきましては営林局が自分で調査したものでございますが、民有林につきましては県から上がってきた数字でございまして、これについてはなかなかその被害金額がつかみ得ないということで、数量だけ上がってまいっておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 府県では、岐阜県でも長野県でも、被害金額を発表しておるんですね。明らかにしておるんですから、つかみ切れないということはないというふうに思うんですね。しかもまた、この数字も、皆さんの言っている数字はきわめて古い数字で、林野庁がカモシカに対して何とかしなければならないといういままで取り組んできた姿勢はわかるけれども、そういう姿勢があるとするならば、県の方ではこういう調査をしているんですから、それをもっと早くやっぱり吸収して、文化庁なり環境庁とも話をするだけの資料にしなければいけない、私はそういうように思いますけれども、これはひとつ今後そういうことにしてください。  それから、環境庁、文化庁、林野庁とも、カモシカの生息分布状況調査ですね、これを行ってきておるわけであります。生息調査を行うというととは必要でありますけれども、毎年多くの国費を使って、しかも同じような目的を各庁ごとにばらばらに行っている、こうしたことを統一してやらないことにも、お役所仕事と言われるゆえんがあるというふうに思うんです。この仕事もすでに二年、三年続けてきたんですから、かなり生息分布状況やカモシカの個体数についても把握ができてきたというふうに思うんでありますけれども、この調査結果について、これは環境庁ですが、環境庁の方からひとつ報告してください。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) 環境庁といたしましては、全国におきますカモシカの生息状況を把握しなければいかぬということで、その生息数を把握すべく昭和五十二年度及び今年五十三年度、二カ年をもちまして、全国的なカモシカの分布等の調査をしているところでございます。したがって、五十三年度でそれは一応結論が出るわけでございますが、その中で特に岐阜県につきましては、非常に問題が多いということで五十二年度でもって調査を終了いたしまして、その結果に基づきまして岐阜県当局がいろいろと推定をされました結果、岐阜県下のカモシカにつきましては、約二千頭であろうという結果が出てございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この生態調査も、これは環境庁も、あるいは林野庁も文化庁も、それぞれシステムは違うけれどもやっておりますが、同時に、県なんかもやっておるわけですね。私は、ここに幾つかの生態調査の調査表をいただいておりますが、たとえば、県によっては大学へ委嘱をしたり、調査グループをつくったりして、かなり現段階ではやれることができる精密なものができているわけなんです。だから、五十三年度で終わるということでありますから後ほどまた聞いてまいりますが、たとえば、長野県におきましても千五百三十頭というのがはっきりしている。もちろんこれは推定も含まれますよ、カモシカですからね。あるいは岐阜県は、お話があったように、二千頭ということでありますが、岐阜県当局が発表しているのは二千二百二十一頭という細かい数字まで発表しているわけですね。こういうふうに頭数もかなりわかってきておるわけでありますから、これに対する対策をもっと積極的に立ててもらわなければならない。そのことは、これからだんだん申し上げていきます。  そこで、林野庁長官にお伺いしますが、なぜこんなにカモシカがふえてきたかということですね。ある人や、ある団体に言わせると、国有林が奥地の山を切り過ぎたから、カモシカがすむところがなくて里山まで出てくるようになってきたと言っておる団体も多いわけです。最近の国有林はきわめて評判が悪いけれども、カモシカもやっぱり国有林のせいだというわけですね。国有林だけでなくても、林野庁は林政全体をつかさどっておる庁でありますから、やっぱり林業施策が悪いからこういうことになったんだというふうに言われる人たちもあるんですよ。私は、カモシカがふえたのは全然とらないからふえたと、一口に言えばそういうことにもなるというふうに思うんですけれども、森林行政とカモシカがふえたという原因は、どんなふうに関連性を林野庁は考えておりますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) カモシカがどうしてふえたかということを実際に専門的にお調べいただくのは、環境庁あるいは文化庁かと思いますけれども、私どもも、森林行政上カモシカの問題がゆるがせにできないということでいろいろ検討を進めておりますけれども、第一義的には、いま先生もおっしゃいましたように、やはりカモシカは文化財ということで保護されておるというところに、カモシカがふえたという原因があるのではなかろうかという気がいたしております。確かに、森林を伐採いたしまして造林地になりますと、カモシカが好んで食う草あるいは一部樹木等々が非常にふえるということもあろうかと思います。そういうために、カモシカのえさがふえたという問題もあるのではなかろうかという気はいたしておりますけれども、科学的にはっきり詰めたものは、林野庁としては現在持ち合わせておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 このように頭数もふえてきておる、しかも被害も増大してきておりますが、ニホンカモシカはお話があったように天然記念物でありますので、勝手にこれをとることはできない、まさに手も足も出ず放任しているような状態であります。カモシカの方も、人間につかまらぬことを知っておるかどうか知らないけれども、最近はどんどん里山の方へ出てくるわけです。私もこの八月、木曾の国有林調査に行った際、長官御存じの木曾の美林と言われる赤沢のあの宿泊施設のあるすぐそばの林道へカモシカが出てきておる。これは秋山部長も一緒に行ったので確認したんですけれども、そこまですでに出てきておるわけです。そこまで出てくるカモシカに危害を加えれば、加えた人間が罰を受けることになるわけです。昔は犬公方様と言ったときもあったようですけれども、いま現地の人たちはカモシカ公方と言っているんです。昭和元禄のカモシカ公方、そこまで言われているわけなんですよ。私は、カモシカはいまや幻のけだものではなくなったというふうに思うんです。  いま林業を取り巻く情勢が、申し上げるまでもなくて、木材価格の低迷だとか外材の輸入によって大変厳しくなってきておる。林業に対する魅力がなくなってきておるときに、そこに加えて、せっかく造林をした林木がカモシカの被害によって壊滅的になってしまう。これでは林業なんてやっていく気持ちにならないということを、その地域の人たちは言っているわけです。また、国有林においても、先日も指摘しましたように、不良造林地が問題になっているわけです。私も現地を見ましたが、不良造林地の一部にはカモシカ被害によるものもあります。しかし、これはカモシカにかこつけちゃいけないんですよ。カモシカに食われたから不良造林地がまた多いなんて、そんなことは言わせませんが、それは四十万ヘクタールのうちのわずか一部ですよ。それに国有林もふえている。こうした状態の中から、カモシカに対する抜本的な対策を立てなければならない、その時期が来ているというふうに思うんですけれども、環境庁は五十三年度までで調査を終了するというお話があったわけですけれども、それではこのカモシカに対する抜本的な対策を一体いつお立てになるんですか。これは環境庁の部類に属しますか、文化庁ですか、どっちですか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) ただいまの質問につきましては、まず文化庁側から御答弁申し上げたいと思いますが、すでに国会等でも御報告申し上げておりますように、カモシカ問題につきましては、昭和五十年からそれぞれ関係の文化庁、環境庁、林野庁三庁におきまして課長レベル及び局長レベルのいろいろな話し合いをいたしておるわけでございまして、それらのお話し合いの中で合意をしてまいっておる考えといたしましては、抜本対策の必要性をそれぞれ認めまして、先ほど来からのお話のような、五十一年度から五十三年度までの間において、それぞれ各省庁分担してカモシカの分布、生態等状況をまずつまびらかにする、その中で恒久対策を打ち出してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  ことしの九月、三省庁の局長レベルの会合を持ちまして、そのときにおきましては、特に被害の著しいいわゆる裏木曾地方につきまして恒久対策の一環としての対策を打ち出そうということで打ち出しておるわけでございますが、抜本的対策全般につきましては、これは五十三年度までの調査結果を待ちまして立てたいというようなことでございます。その時期につきましては、まだいつまでということはございませんが、三省庁会議で適時その話し合いをいたしておりますので、早急にそこらあたりの対策の時期等につきましても、お話し合いをいたしたいと考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 カモシカの被害が言われてから、ずいぶんもう年月がたつわけです。しかし、まだ抜本対策を立てる時期については言えないなんという答弁なんです。  私は、カモシカ問題というのは、保護か、あるいは捕獲か、こういうことでマスコミでも盛んに騒がれておるわけでありますが、ある面で言ったら社会問題化をされておるわけでありますが、これは林業関係者と自然保護団体との対立的な争いの問題ではないというふうに思うんであります。森林の持つ多目的な効用、あるいは資源を確保する問題と、鳥獣を保護するという行政にかかわる問題だと思うんです。どこかでこれは調和がとれる問題と思うんです。調査をしたけれどもいつこの抜本的対策を立てるかわからない——それじゃ、被害を受けた人はこのまま泣き寝入りしておれということなんですか。何のために調査をしたんですか。いつ立てるんですか。はっきりしてください。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 先ほどお話申し上げましたように、この問題の対応につきましては、三省庁がずっと話し合ってまいっておるわけでございまして、ただいまのところでは、三カ年、五十三年度までの調査結果を待って立てるということでございますが、当然、早急に立てなくてはならないということで、それぞれ各省庁その準備をされておるわけでございますが、先ほどちょっと敷衍いたしましたように、抜本対策のその一環としての裏木曾地方の対策につきましては、すでに九月段階で合意を見ているというふうなことでございまして、私どもの態度といたしましては、できるだけ早く適切な対策を立てたいというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 どうも納得できませんね。裏木曾の問題は後ほど私も指摘しますが、これは恒久的対策であるかどうか、私は後から明らかにしますよ。だってあなたたちは、地元の人たちが陳情に来ると、調査をして五十四年には何とかしますとか、五十三年末には何とかすると陳情者には言っているじゃないですか。どうしてそのことがはっきりここで言えないんですか。やるつもりないんですか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 私、御答弁が少し明確を欠いておるかもわかりませんが、五十三年度末の調査の結果に従って五十四年度に立てるべくわれわれ話し合ってまいっておるわけでございますので、五十四年度におきまして、しかるべく早い時期までに、三省庁それぞれ会合を重ねまして立てるようになるのではないかというふうに思いますし、また、そういたしたいと、私ども文化庁としては考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、五十四年度のなるべく早い時期に抜本的対策を立てる、文化庁はもちろんでありますが、環境庁も林野庁も関係ありますから、そのように私は聞いておきます。理解しておきます。  それから次は、カモシカの所管ですね、いまお話がありますように、環境庁あるいはまた文化庁、林野庁、三庁に関係しているわけですね。被害の大きい団体やさらに町村では、すでに八年も前から数十回にわたって関係官庁へいろいろと要請しておるわけです。国会におきましても、参議院のこの農水では余り論議をしたことがないようでありますけれども、衆議院の委員会、決算委員会だとか、あるいはまた、いろいろな委員会におきましてかなり論議をされておる。それに対しても、どうもいままでの答弁、余り前進をしないですね。だから、このお役所仕事に、もう地元は本当に憤りに燃えておるのですよ。関係官庁が全然手をこまねいてきたとは私は言いませんよ。しかし、いままで余りに消極的であった。三庁はどういう連絡をとり、どういう対策組織を持っておられますか、その組織の問題について聞いておきたいんです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) カモシカにつきましては、基本的にはこれが文化財でございますので文化庁の方からお答えがあろうかと思いますけれども、私どもはある意味で被害者という立場から、それから環境庁におきましては、有害鳥獣あるいは鳥獣保護という問題からそれぞれ御検討いただいておりまして、関係課長を中心にいたしました会議を数回持ち、さらに局長レベルの会議も持つという形、また最終的には、農林水産大臣から環境庁あるいは文化庁の長官にそれぞれお願いをする、そして御要望するという形で、従来三省庁の連絡をとってまいった次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 林野庁長官、あれですか、林野庁は被害者という立場、それも理解できます。被害者である林野庁が文化庁や環境庁にお願いをして集まってもらって、それからやってもらうということなんですが、このカモシカ問題については三庁がある、三庁の中で中心的な窓口というか、そこはどこなんですか。そういうものはないですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) まず、林野庁の考え方を申し上げますと、林野庁といたしましては、いま申し上げましたように被害者であるという意味を含めまして、またある面ではカモシカの生息地でございますから、そういうカモシカの家を抱えておるといいますか、そういう立場にもございます。したがいまして、カモシカに対してどうしてほしいというお願いを文化庁なり環境庁の方にしておるわけでございまして、その辺の担当につきましては、文化庁なり、あるいは環境庁の方からお答えがあろうかと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 お願いをするって、一般の被害者、県なり地方自治体なり団体が皆さんのところへ行ってお願いするのとは違うんですよ。同じ政府の中の役所じゃないですか。皆さんが、林野庁長官がぜひ文化庁長官お願いします。環境庁長官お願いしますと、そのお願い事でいままでやってきたんですか。三庁が連絡機関をつくってあるとすれば、どこかがやっぱり窓口になってなきゃいけないと思いますが、何かありますか、それ。ないですか、そういうことは。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) これは環境庁さんの方からお答えいただけばいいかと思いますが、ただいまのところの私どもの了解では、広い意味での環境行政といいますか、環境問題でもございますので、環境庁の自然保護局の方で、何といいますか窓口といいますか、一応お世話をいただいておるわけでございまして、環境庁を中心にいろいろお話し合いを進めておるわけでございます。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) ただいま文化庁の方からもお話ございましたように、このカモシカ問題に関します三省庁の会議につきましては、その幹事役といたしまして環境庁が会議を開催させていただいております。しかし、事柄の内容につきましては、三省庁それぞれの個別の問題でございます。特にカモシカにつきましては、特別天然記念物ということでございますので、これの取り扱いということについてはやはり文化庁になろうかと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それぞれ所管はあるけれども、全体的な対策を立てていく窓口、幹事役は環境庁である、そのとおり私は理解しておきます。  それから、関係官庁も今日までかなりの国費を使って、防護さくだとか、あるいは忌避剤、生け捕り作戦等をやってまいりましたけれども、私に言わせれば、防護さくを除いてはほとんどと言っていいくらい成果はなかったというふうに思うんであります。防護さくはある程度の成果は認められるといたしましても、雪の多い地域や急傾斜地では、結局防護さくを作っても、このさくを乗り越えたり、あるいはさくも、ただ鉄線を張っただけなら鉄線の間をカモシカがくぐり抜けて入ってしまう、あるいはまた、イノシシがさくの下を掘って、そこをまたカモシカの通路にしておる、こういうところが各地に見られるわけです。そうして、カモシカの食害を受けやすい小面積の植林が各地に点在しておるわけですから、こういう小さい面積の植林を防護さくであっちこっち囲むなんてことは、実際問題不可能なんです。それじゃ、うんと山全部囲ってしまえばいいじゃないかということもありますけれども、とても万里の長城のように何百キロも防護さくで囲み切れるものではないと思うんです。  そしてまた、公有林ならまだまだ何とか施策もできますけれども、そうでなくても森林の保育だとか、あるいは手入れに意欲を失っている現在、とても多額の投資をしてこのカモシカ防除のためのさくをつくって植林を守っていくなんていう気持ちには民有林はなれないんですよ。したがって、防護さくも限界があるというふうに思うんです。  次に、カモシカがきらうであろうと思われる薬剤を使う、あるいはテープを木に巻きつける、こういうこともやってみたけれども、こういう忌避対策は、雨や風に遭うと一週間か二週間で効き目がなくなって、これも決定的なものが確認をされてない。それじゃあ今度は幼齢木に網をかぶせる、ポリネットをかぶしたらいいということでやってみたが、これもやりおおせたものじゃないですね。これもできない。それから、環境庁と文化庁が岐阜県の小坂町ほか二町一カ村で七十五頭のカモシカ生け捕りを許可して、大がかりの生け捕り作戦をやった。岐阜の巻き狩りをやったわけですね。ところがこれは、一頭のカモシカも捕えることができなかった。昨年、文化庁の直接の指導等も含めて、これはわなによって生け捕りをしよう、こういう作戦も四回ばかりやってみたんですが、これも小坂町で一頭とったきりですね。ことしの一月から三月まで、それでは百頭の捕獲を今度は許可した。しかし、結果はゼロだった。小坂営林署が、それではおりによって捕らえると言っておりをつくってみたが、これもだめだった。まあいろいろやってみたけれど、結局その成果はなかったということなんです。防護さくはある程度あったかもしれぬが。  それで、各省庁にお伺いするけれども、今日までカモシカ対策として一体こういう種類のものに幾ら金を使って、その成果はどういうふうに上がったと思うのか、その結果をどういうふうに見ていますか。各省庁答えてください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生いまいろいろと御指摘になりましたけれども、林野庁といたしましては、調査といたしましては、防護さく、あるいは加害防止のための忌避剤の散布、さらには造林木にポリネットの被覆をする、また、塩によりますカモシカの誘引、こういうことをやっております。それでまあ、これにつきまして実態調査その他、五十一年度に約二百九十万、五十二年度に同じく二百九十万、五十三年度にも同じく二百九十万をかけております。  それから、林野庁の方からただいま環境庁あるいは文化庁に検討をお願いしております事項といたしましては、こういうことでやっておりますけれども、あわせまして、現在の種指定によります保護を将来は区域に限って保護する方法に改めていただけないであろうか、あるいは保護区域以外のカモシカにつきましては、被害防止上必要な場合には有害鳥獣として駆除できることにしていただけないであろうか、三番目には、保護区域内において林業経営に損失が生じる場合には適切な補償を行っていただけないであろうか、こういうことにつきまして文化庁なり環境庁に検討をお願いいたしておる次第でございます。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化庁といたしましては、このカモシカの被害防止対策といたしまして、主としていわゆる防護さくによる対策を講じてきたわけでありまして、特に、青森県の脇野沢村におきましてはこれを計画的に現在実施をいたしております。  なお、岐阜県につきましても防護さくを実施したわけでございまして、それに要した予算といたしましては、国費といたしまして五十年度約一千百万円、五十一年度一千四百万円、五十二年度一千五百万円ばかりでございまして、本年度もなお二千五百万円ばかり補助金を用意いたしておりますが、この防護さくにつきましては、先ほど先生御指摘のとおり、地形上の制約等、あるいは天候、雪等の条件にかなり左右されるようでございますが、青森県の脇野沢村等におきましてはかなり成功しておると考えるわけでございますが、岐阜県等、地形の急峻なところにおきましてはこれが十分に効果を果たしていない。したがって、他のいろいろな方法を、現在、その生態等に即して検討を三省庁会議等におきましてもいたしておるところでございます。この点につきましては、また詳しく先ほど林野庁からのお話もございましたが、私どもといたしましても、また並行的に検討をいたしておるところでございます。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) 環境庁といたしまして、カモシカ被害に関します予算の執行の状況について申し上げます。  まず、カモシカの被害対策調査費といたしまして、昭和五十一年度に五百二十五万円、五十二年度は五百八万円、本年は四百九十万円ほどを予定してございます。また、先ほど申しましたように、全国的なカモシカ分布調査でございますが、これにつきましては、五十二年度が一千二十万円、本年はほぼ同額を予定してございます。また、カモシカの被害を防ぐための防護さくに対しまして、これは岐阜県と長野県に対して補助金を出してございますが、その国費を申し上げますと、昭和五十一年度で七百二十四万円、五十二年度で七百十六万円、本年はこれにつきましては九百十五万円を予定してございます。  なおまた、カモシカをどのようにして捕獲するかという調査の一環といたしまして、薬物によりますカモシカ捕獲方法に関する研究委託をしてございまして、これは昨五十二年度が約百八十万円、本年度は百七十五万円を予定してございます。  以上でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま数字も述べてもらったんですけれども、私は計算してありますが、ざっと見てもかなりの額になりますね、国費として。一億ぐらいになるんですか、そこまでいくかどうか——かなり近い数字ですね。かなりの国費を使っておるんですから、やっぱりこれはやりっ放しじゃいけませんわね、何か成果が上がることにしなきゃ。そのことはまた後ほど対策を聞いてまいります。  文化庁にお聞きをしますが、このカモシカというものは、文化財保護法の規定による、これは文化財保護法では、その指定だとか定義いろいろ書いてあるんですが、この保護法から見て、どういう指定を受けてどういうふうにしなきゃならない動物でありますか、基本的な問題についてひとつ聞きたいんです。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) カモシカにつきましては、この最初の指定は、戦前の、昭和九年でございますが、このカモシカにつきましては、日本に特有な種類のカモシカであるわけでありまして、当時、日本の林野におきましてカモシカの数が非常に減ってきたというようなことから、この特有な日本産のカモシカというものをぜひ残すべきであるということで、天然記念物に指定されたわけでございます。その後、戦後におけるところのいろいろ社会の状況等もございまして、さらにその状態がはなはだしくなるということで、昭和三十年にさらに特別天然記念物に指定をされておるわけでございます。私どもは、過去におけるそういうような事態の中で、天然記念物ないし特別天然記念物に指定されてまいっておるわけでございますので、これらの日本列島の上にすむところの特有のカモシカが、それぞれ適切な状態で日本の林野の中で生息していくという状態が、私どもの保護する目的であるというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 特別天然記念物というのは文化財保護法による重要文化財ですか、それとは違うわけですか、その辺を……。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化財保護法上の扱いといたしましては、文化財といたしまして有形文化財あるいは民俗文化財等ございますが、このカモシカはいわゆる記念物であるわけでございまして、「文部大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物に指定することができる。」という文化財保護法第六十九条に従いまして指定をいたしておるわけでございまして、いわゆる美術工芸品とか建造物のような有形文化財のうち指定された重要文化財とは、ジャンルを異にした指定のものでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 重要文化財とは若干違っておるというお話があったんですが、それでは天然記念物であるこのカモシカを管理をするのは一体だれになってまいりますか。カモシカは所有者ははっきりしていませんね。管理責任というのはどこになってくるんですか、法律上から見ても。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化財保護法上の管理責任といたしましては、所有者管理の原則というのを文化財保護法の第七十四条で明定をいたしておるところでございます。したがって、記念物の中でもいわゆる所有者のあるものがありますが、これらにつきましては、原則として所有者が管理をするということに相なっておるわけでございます。ただし、文化財保護法上、所有者がないか、ないしは不明、あるいは所有者に管理を任していては適切でないというような場合には、地方公共団体等、その当該者の同意を得まして管理団体を指定するということができることに相なっておるわけでございまして、管理団体を指定して管理をさせておるところのものも多いわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 まあ、私はカモシカの所有者はないという部類に入るというように思いますが、それでよろしいですね。——その所有者がない場合には管理団体を指定をすることができる、また、しなければいけない。管理者が文化庁でないとするならば、地方公共団体等に指定をして、やっぱり管理をする団体を決めなければいけない。すでにお話がありましたように、特別天然記念物になったのは昭和三十年ですか、これほど重要なものですね、皆さんから言わせると。まあ重要だというふうに思いますけれども、それを三十年に指定をして、二十数年間もこの管理をする者を決めないでおるという、この責任は一体どういうことなんですか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 実は、管理団体の制度のことにつきましてただいま申し上げましたわけでございますが、カモシカにつきましては、昭和九年の指定ないし昭和三十年の特別天然記念物の指定、いずれも種として指定をいたしておるわけでございます。このいわゆる管理団体の指定につきましては、従来はこれをしてきていないという状況であるわけでございます。もちろん、私どももいろいろ被害の問題が生じました段階で管理団体の指定も検討をいたしたわけでございますが、管理団体の指定のためには、いろいろ当然にはカモシカが生息する当該市町村と話し合いまして、その同意を得て指定するというのが制度でございますが、それよりも、この被害状況そのものに即しましてどのように対策を講じていくかというようなことの対策にいろいろと追われてまいったというようなこともございまして、管理団体の指定ということをしないまま、それぞれの市町村とお話し合いの上、同意を得ていろいろな対策を、県等も援助しながら進めてまいるというようなことを全国的に、青森県、長野県、岐阜県等行ってまいったわけであります。  この点につきましてはまた後で御質問があろうかと思いますが、私どもといたしましては、種の指定ということはいわゆる保護の対策としてはまだ十全でない状態ではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、今後いわゆる保護の措置といたしましては、この地域指定という対策も恒久対策の中でいま検討いたしておるわけでございまして、地域指定ということを通じて、その地域の市町村を管理団体として指定することによって、はっきりした保護体制というものを恒久対策の中で樹立するような方向でやってまいりたいというふうに考えるわけでございますが、先生御指摘のとおり、昭和四十八、九年当時からいろいろ被害の状況が出てまいりました。それらに対する調査なり、あるいは対応というようなことに当面追われておりまして、まだ種の指定のままで、もちろん管理団体の指定ということも法的には可能でございますが、対策の面に追われながら、まだ管理団体の指定というものにつきましては、先ほどのような恒久対策の上でこなしてまいりたいということで検討しているというのが実情でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 実情は説明でわかったわけですけれど、カモシカの被害のある地域では、被害者なり被害団体は、まず市町村に対して何とか対策を立ててくださいと、市町村もかなりの金を出していますよ、後ほど申し上げますが。市町村はどうすることもできないから、今度は県へ持ち込む、県も金を出している。そこで、市町村でも県でも、カモシカは特別天然記念物でありますと、私どもの手には負えませんと、これは文化庁さんですから私ども幾ら言われてもどうすることもできませんというのが、これが実態なんですよ。そうであろうというふうに思うんですがね。   〔委員長退席、理事青井政美君着席〕  そこで、いまお話があったんですけれども、管理団体の指定にはずいぶん手続も要ると。手続が要るったって、あなたたち県なり市町村に相談したことがあるんですか、一回ぐらい、あなた管理団体になってくださいと。そんなことはやってないでしょう、全然。だから、管理団体をはっきりして、そうしてその人たちがやっぱり補助金を国からもらうなり取るなり、あるいは村から出すなりやらなきゃ、やっぱり対策になってこないと思うんです。私は、何をどういうふうに弁解しようとしても、特別天然記念物に指定をして二十三年間も管理する団体がないなんていうことは無責任だと思うんですよ。先ほどお話がありましたように、五十四年度の早い時期に恒久対策を立てるという話があったんですが、そのときにはあわせて管理団体もはっきりしますか。——してください。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 天然記念物は、カモシカ以外にも種としての指定をするという限度で、あるいはその方法で保護しているのもございますが、カモシカにつきましてはこのような被害というものが現実に発生してまいり、それらを防止するということの対策と保護の対策とを調和しながら進めてまいるという必要がございますので、保護措置につきましても当然従来の体制を改善したいというふうに考えるわけでございまして、そのためには地域指定等の方向というものを現在検討いたしておるわけでございますが、地域指定をすると同時に、その地域についての管理責任として関係市町村に管理団体をお願いしてまいる、これは当該市町村の同意も得る必要があるわけでございますので、こちら側の一方的考え方ではまいらぬわけでございますが、カモシカの保護のために国と都道府県、市町村、それぞれ一体となってこれを進めてまいる必要はさらに増大しておりますわけでございますので、そういう点についての十分な話し合いをした上で管理団体を指定してまいる方向で、せっかく努力をいたしたいというふうに考えるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 このカモシカについては、皆さん一生懸命やっておってくれるけれども、当然、文化庁は文化財を保護しなきゃならないという立場で、かなり厳しいわけですよね。これはやっぱり皆さんが手に負えないからといって、法律がそういうことになっているからといって、市町村に押しつけちゃいけないと思うんですよ。それほど重要なものだったら、文化庁がみずから管理団体になっていいと思うんですよ。どうですか、その気持ちはありませんか。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化庁は、御承知のように、国全体の保護行政を所管をいたすわけでございまして、もちろん、その責任は免れるところではございませんが、いわゆる日本列島の上に、全国にわたってこのカモシカの具体的な保護の措置につきましては、これは文化庁だけがやるということはとうていできかねるわけでございまして、その点についてはいろいろ行政上あるいは必要な財政上の措置等も講じながら、関係地方公共団体等におきましてもこの管理の責任を分担していただくという必要があろうかとも思うわけでございまして、その点につきましては十分関係地方公共団体と話し合って、御協力を得るようにしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この管理主体の問題についても、きょう始まった問題ではない。先ほど話ししましたように、国会でも何回か、もう何年も前から言われている問題。ですから、ここですぐ即答はできないといたしましても、先ほど申しましたように、五十四年度に決定をするであろう対策の中で、このことも含めてぜひはっきりしてもらいたい。それは皆さんが政府の中でやるか、地方公共団体がやるか、それはいろいろ話し合いになってくるというふうに思いますけれども、よろしいですね。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化庁といたしましては、その点については十分積極的に検討し、十分努力をしてまいりたいというふうに考えます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次に、先ほど来文化庁からお話があります中部山岳南部地域におけるカモシカ被害対策ですね。最近、環境庁、文化庁、林野庁でもって合意に達したというものがあるんですが、この内容について、時間も余りありませんから、簡潔にひとつ説明してください。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) では、御報告申し上げます。  三省庁で合意をいたしました中部山岳南部地域におきますカモシカ被害対策について申し上げます。特に、造林木の被害が非常に激甚であるという岐阜県及び長野県の特定地域におきまして、幾つかの恒久対策の一環として考えたものでございますが、そのうち主要なものについて申し上げます。  まず、この対策の対象とします地域は、岐阜県においてはおおむね飛騨川、宮川から東に存在する市町村の区域、長野県におきましてはおおむね木曾川から西の方に存在いたします市町村の区域を対象といたします。   〔理事青井政美君退席、委員長着席〕 で、この地域におきましては、造林木の被害の対策といたしまして、御岳及び乗鞍地域と申しまして、おおよそ面積は約一万六千八百ヘクタールほどでございますが、これを、国有林の中におきましてカモシカが安定的に繁殖し得る地域というものを保護区域として設けまして、それ以外の地域につきまして被害防止上の必要な措置を講ずることにいたしたわけでございます。  で、その内容につきましては、このいま申しました保護区域におきましては、カモシカの捕獲は原則として認めないということにいたしますが、その他の地域におきましてはカモシカの捕獲を認めることにいたしました。これは、必要な頭数につきましては捕獲を認めますが、そのためには麻酔銃を使用して、県あるいは市町村というような公的機関が行うものを対象といたしますが、これにつきまして文化庁が、その捕獲あるいは管理につきましての必要な助成措置を講ずるというふうなこと、これが主な内容でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この対策の対象となる地域は、いま御説明によると、岐阜県の一部と長野県の一部でありますが、さっき林野庁長官の報告にもありましたように、このほかにも被害県があり被害地域があるわけですね。今後このように保護地域を設定をして、対策を立てていこうとされておりますか。  同時に、あわせてお伺いしたいんですが、その場合、国有林をすべて保護地域とするわけにもいかないというように思う、地域によっては。民有林を保護地域に設定する場合においては、これに伴う補償もしなければならないというように思いますが、補償の問題について。それが第二番目。  それから、林野庁長官にもあわせて答弁してもらいたいんですが、国有林は主として保護地域にならなきゃならないというふうに思うんですが、全国各地で保護地域をつくっていって、国有林みんなそうしていいですかね。地域によると、国が余り対策をとってくれないからカモシカはみんな国有林へ追い込めと、そういうことを言っている人があるんですね。それならそれも結構ですけれども、そういう形で国有林をどんどんしていっていいのかどうかということ。  それから、環境庁にもう一点お伺いしますけれども、たとえば長野県であっても、木曾川以西に所在する市町村はこれは対象になっている。それよりもっと被害の大きい、環境庁も御承知のように、長野県における下伊那地域等はこの対象になっていないと。この原因はどこなんですか。あわせて答弁してください。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) 今回三省庁で合意いたしましたこの地域につきましては、特に被害が甚大であるということと、特に岐阜県におきましてカモシカの生息数の調査結果が得られまして、それらに基づきましてこの対策を行うことにしたわけでございます。それ以外の地域につきましては、さきに申し上げましたように昨年から本年にかけましてカモシカ生息数の調査をしてございますので、これの結果をひとつ見るとか、及び今年からこの中部山岳南部地域におきましてカモシカ対策を講じますので、これの結果を踏まえまして、文化庁の方でまた林野庁、環境庁とも御協議いただきまして、そして対策を考えていただくことになると考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ちょっと答弁まだ落ちていますから。私がお聞きしたのはそのことと、それから民有林を今後指定する場合においては補償も伴ってくるというふうに思いますが、その問題。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) ただいま先生御指摘の問題につきましては、文化庁からお答えいただいた方がよろしいかと考えております。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 民有林を保護区域として指定をするということにつきましては、いわゆる地域指定の問題としてこれから検討するところでございますが、保護法上、たとえば私人の所有する土地を史跡に指定するというふうなことも常に行っておるわけでございますが、指定そのものが直ちに国民の私権の制約を伴うものではないわけでございまして、指定された後当該私人の所有地にたとえば家を建てるとか、これにつきましては当然現状変更の許可申請が要るわけで、これが不許可になるとか、あるいは許可に条件が付せられるとかいうようなことで、あるいは損害がその段階で発生するというふうに考えるわけでございまして、指定そのものによって、直ちに指定の効果として損害が生ずるものでは法的にはないと考えるわけでございます。したがって、保護法上は、指定そのものにいわゆる地権者等の同意は要しないということでできておるわけでございます。  しかしながら、指定後におきまして、そういう現状変更の許可申請をめぐるいろいろ私権の制約等の問題は当然に発生するわけでございましょうから、指定の段階で地権者あるいは権利者等のできるだけの同意を得て行うというふうな配慮を指定段階でいたしているわけでございます。したがって、この民有林を将来地域指定をするというところにおきましても、当該地域指定内におけるところの山林の所有者等は、当然その指定についての理解を得るというふうな措置は必要ではないかと考えるわけでございます。  で、私どもの方におきましては、そういうような際における所有者、地権者等のできる限りの御了解を得ながら円滑な地域指定ができてまいるようにまず配慮いたしたいというふうなことを考えるわけでございます。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 国有林の中はどこでも指定していいのかという御指摘だろうと思いますけれども、今回、岐阜、長野県を中心にいたします中部地区に一応決めております区域につきましては、林野庁の方におきましても、国有林の経営と十分調和をとりながらやっていただけるであろうかどうかということを文化庁なり環境庁と御連絡をし、主として禁伐、択伐地域を中心にあの面積を決めております。そういう観点で、もし今後、中部地区以外の個所におきましてこういう状況があります場合には、今回指定いたしましたものが、どういう状況になるか、十分検討を踏まえながらそれぞれの地域の適地であるかどうかの有無、それから国有林の管理運営上等の支章の有無、この辺も十分私ども検討しながら対処してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 文化庁に申し上げておきますが、カモシカ保護地域に指定をして、そこはカモシカをとっちゃいけない。したがって、カモシカの食害に遭うわけですね。あなたたちは了解を得なくたって指定ができると言いますけれども、民有地を勝手に指定をして、幾らここはカモシカに食われたっていいんだって、そんなことは法律上はできるとしても、できる相談じゃないと思いますから、私は申し上げておきます。  それから次に移りますけれども、今度の対策で特徴的な問題は、麻酔銃を使ってカモシカを捕らえていく。さきには鳥獣保護法の改正もしてこんなことになったわけですけれども、果たしてこの麻酔銃によって効果を上げていくという大きな期待を持っていいかどうか。簡単にお聞きをしますから、麻酔銃を使用できる地域と、その使用期間、何丁の銃を使ってだれがそれを撃つのか。それに要する費用はだれが負担をするのですか。これはきわめて数字的な問題ですから、簡単に答えてください。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) その点、文化庁から便宜お答えしたいと思いますが、今回、この秋以降実施する計画で現在話し合いを進めておりますのは、実施主体といたしましては岐阜県が行うわけでございまして、現在、岐阜県は、環境庁長官及び文化庁長官に捕獲の申請手続中でございます。  実施期間といたしましては、大体本年の十一月何日になりますか、その手続が済み、かつ現地の実施体制のできぐあいによりますが、できるだけ早く十一月中には進めてもらいたいと思っております。一応期間といたしましては、今年度末——三月末を予定をいたしておるわけでございますが、現地側におけるいろいろな状況等にかんがみまして、できるだけ早く実施と同時に効果が上がるようなことにいたしたいものだと、念願をいたしておるわけであります。  それから、具体的にこの麻酔銃を使用される方は、現在各町村ごとに捕獲班というものの編成をいたしておりまして、その中で猟友会の会員の方を主体といたしまして、麻酔銃でカモシカを撃つという体制をとるように伺っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この麻酔銃は射殺が目的ではなくて、麻酔銃を撃って昏睡状態にして、ふらふらしたのをつかまえてどこかに持っていくという目的ですね。それは皆さんがいろいろテストをした動物園やそこいらにおるシカを撃つなら撃てますね、どこへも当てられますけれども、百メートルも五十メートルも離れたシカを撃って、果たして昏睡状態になったのをつかまえてきてうまくできるかどうか。そこまで麻酔銃の技術がいっているかということと、あわせて伺いたいことは、これは法的の問題じゃなくて三庁の申し合わせですね。つまり、普通ならばこの動物は殺してはいけないわけですね。もし麻酔銃を撃ったために、カモシカなんというのはショックには非常に弱い動物です。どこに当たって、頭に当たるかわかりませんね。死んだ場合の責任というのはだれがとるのですか。法律の取り締まりになりませんか、これは。警察庁の方は厳しいですね、警察は。いいですか。麻酔銃で死んでもしょうがないですか。確認をしておきます。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) この効果があるかないかの問題につきましては、環境庁の方で捕獲テストを実施されておりましたので、そちらの方からもいろいろ御答弁があるかと思いますが、結局、効果があるかないかは、麻酔銃を使用する距離と薬量の問題のように伺っておるわけでありまして、もし薬量が多くかつ距離が短くて、当たった場所によりましては、あるいは先生指摘のような事態が全くないとは言い切れないというような話もいたしておるわけでございますが、そういう点につきましては、十分に注意の上、起こらないようにいたすほかないと思うわけでございますし、万一起こったらどうするかということにつきましては、これにつきましては三省庁の会議等で十分今後さらに検討し、よく協議をしたいというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この種の動物を捕獲して殺したということは、これは皆さんが取り締まるんじゃなくて、警察当局が取り締まるんですよ。大変厳しいですよ。三庁でお話し合いをして、死んだら三庁で何とかする。いいですか、それで。警察当局の方と話ができていますか、法律的に言って。もしそれがないとすれば、麻酔銃を使う人はありませんよ。麻酔銃をやって撃ち方が悪くて死んだと、死んだら撃った人の責任になるという場合は、だれも撃つ人ないですよ。はっきりしてください。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 今度、麻酔銃による捕獲を実施する主体が岐阜県でございますので、岐阜県当局を通じまして岐阜県警とはすでに連絡をとっておるわけでございまして、そういうふうな問題等の対処の仕方についても、十分さらに県警とよく相談をして実施させるように、ひとつ指示したいと思うわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 微妙な問題ですからそれ以上言いませんけれども、ただ申し上げておきますことは、麻酔銃を使用したと、せっかく麻酔銃でやってもらったと、その人がカモシカを殺した場合に、警察へ引っ張られることのないように十分責任を持ってくださいね。申し上げておきますよ。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) その点については、私どももすでにその旨、県を通じて岐阜県警に話をしておるわけでございますが、さらにその点について十分慎重を期したいと思うわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 さて、時間も大分迫ってまいりましたので、あとはこの補償の問題についてお伺いしますが、この種の重要な特別天然記念物ですか、こういうものをやっぱり保護していくためには、法律によってもこれを補償しなければならないと思うんですね。つまり、被害が起きたらその被害を補償しなけりゃいけない。国は補助金を出しておりますが、防護さくにしても、いま申し上げた麻酔銃にしても、これは補助率は二分の一ですね。こんな補助率ではなくて、補助率も上げなきゃいけない。この被害に対する補償については、先ほど林野庁長官も被害に対する補償を文化庁の方へお願いしておるという話があったんですけれども、どんなふうに考えているんですか。指定はしてりっぱにこれを保存をしていると言うけれども、被害は幾ら受けたってしょうがないということなんですか。補償について、基本的な問題について言ってください。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 文化財保護法上の補償制度といたしましては、現行制度では文化財保護法の第八十条の第五項に規定があるわけでございまして、その規定は、いわゆる文化庁長官に現状変更の許可を申請をした場合に不許可になったと、ないしは許可につきまして条件がつけられたという場合に、その許可を得ることができなかったこと、ないしは条件をつけられたことによって通常受けた損失については、これを補償しなきゃならないというふうになっておるわけでございます。  で、不許可等によって通常生ずべき損失ということに次は相なるわけでございますが、これにつきましては、法律的には、カモシカの場合について申し上げるならば、カモシカの捕獲が許可されなかった場合に、その不許可等と被害の発生との間に相当因果関係がある場合に、その範囲内の損失を補償するものというふうに私どもは考えるわけでございます。しかるに、カモシカのような野性動物がえさとして農作物を食べておるために生ずる損害を補償するための根拠として、当該因果関係というようなものを立証したり、あるいは当該因果関係が金額としてどの程度あるかというような算定をするということは、きわめて通常困難ではないかと考えるわけでございまして、いわゆる現在起こっておるような意味での補償の一般的な対処法の一つとして運用することにはいささか困難があるのじゃないかと考えるわけでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、とにもかくにも食害というものが今後にわたって生じないようにする対策がまず基本ではなかろうかということで、将来のこの被害を根絶させるというような対策の樹立を進めてまいったのでございますが、もしも万一にもさらに被害があった場合の補償についてどうするかという問題、これにつきましては、文化庁といたしましては、野性動物全般にかかわる問題でもありますので、今後とも関係省庁と連絡をとりながら検討していかなくちゃならない必要な課題だというふうには考えるわけでございますが、直ちにどうするというような点についての具体的な対策として文化庁限りで出すということには、ややむずかしい問題があるということを御理解いただいたならばありがたいと思うわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は持ち時間がぼつぼつ終わりますから、補償の問題についてはいずれ改めて皆さんに要請をし追及したいと思いますが、いまの文化庁の答弁ではとうてい納得することができないんですね。  それでは、重ねて一点だけお伺いしますが、あなたはいま被害の程度がわからないから補償ができないということも言われたんですが、被害の程度はわかっているんですね、皆さん方の見方と現地の見方と違うかもしれないが。はっきりすれば補償するという気持ちがあるのかどうか、はっきりしても補償しないのか。私は、補償しなければならないと思うんですよ。  そのことを一点答弁してもらいたいということと、それからもう一つ、岐阜県の小坂町ほかのカモシカ被害対策同盟は、もうがまんができないと、麻酔銃を使って五頭や六頭とったって効果は上がらないと、ですからこれはいよいよ自分で罪をかぶっても実力手段に訴えるんだと、そういうことを言っているわけですよ。その申請も、環境庁ですか、出していくということを言っているんですが、こういうのをどういうふうに対策していきますか。有害鳥獣として射殺をさせてくれという申請を出してくる、そういう動きがかなり活発になってきていますね。それに対しての見解。  それから、きょう政務次官に最後にひとつ答えてもらいたいんですが、お聞きのとおり、カモシカ対策もやってはくれているけれども進んでおらない、余り。しかも、先ほど私が何回も聞いたように、三庁で連絡機関は持っているけれども、事務的な問題である。この種の問題を判断をするには、事務的段階ではやっぱりだめだと思うんです。大臣なり、あるいは政務次官のクラスにおいて、来年は何か恒久対策も立てるというお話でありますから、それが促進をするようなもっと強固な政治的レベルにおける対策のスタッフをつくってもらいたい。  そのことを要請をし、同時に答弁も要求いたしまして、時間が来ましたから、私の質問は終わりたいと思います。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いまカモシカの話をるる聞いたわけでありますが、天然記念物として指定しておるものの、なかなか被害が大である。それから、五十一年ごろから各三庁で予算を組んだ総額をざっと計算をしてみますと一億三千五百万、あるいはまた、このほかに県もしくは市町村が出した金も莫大であろうというふうに考えるわけであります。したがって、そういうふうなことでありながら、非常に民有林を持った方あるいは国有林も被害を調べれば莫大なものになる。これをこのまま放置することはこれはいけないというようなことで、かねてから私どもも事務当局から聞いたことを率直に取り上げて、三庁間でいろいろと協議をしたわけでありますが、いま答弁を聞いておりますと、なかなかその所在のはっきりしたことが答弁が出ておらない、そこに先生は非常に御不満な点があろうかと思います。  したがって、私どもといたしましても、やっぱりこれはもう高度な政治判断によってその責任の所在を、こういうところはこうすべきであるというような方向を立つべきであろう。幸いにして五十三年度末には調査結果も出ようということでありますので、五十四年度からはいま先生がおっしゃったようなわからない点を簡明にして、それで筋を通してこの対処をどうするかという方向に持っていきたい、かように考える次第であります。

吉久勝美文化庁次長

○政府委員(吉久勝美君) 先ほど来から林野庁等からいろいろ被害額の概略の数字のお話がございましたが、いま私どもが具体的な補償の問題ということになってきますと、不許可もしくは許可のためにつけられた条件によって通常生ずべき損害、損失というものの相当因果関係にあるものが議論の対象になるわけでございまして、私ども、被害者同盟の方からの申請に対しましても、不許可ではなくて条件つき許可ということでこの三月まで実施してきたつもりでございます。それらの条件を付されたことによって、通常生ずべき損害として相当困果関係にあるのはどれだけなのかということにつきましては、かなりこれは算定がむずかしかろうと、いろいろ問題もあろうかというふうに考えるわけで、そういう角度から御答弁申し上げたわけでございます。  カモシカとみなされるものの全国的被害状況の概略の数字というのは、これまた別途それぞれの筋から御調査に相なっておるわけで、これとはまた別個の話ではないかと思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 環境庁に。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) カモシカの保護と、それに伴います被害対策の問題につきましては、先ほど来いろいろ御指摘ございますけれども、三庁の会議をますます今後とも積極的に詰めまして、そして本年からまた一部実施をしていくというようなことによりまして、早急に対策を講じなければならないと考えて努力いたす所存でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ちょっと答弁になっていませんから。私が聞いたのはそういうことじゃなくて、具体的に岐阜県の被害者同盟から、もうがまんができないからひとつ有害鳥獣として駆除してくれというような動きが非常に活発になってきている、申請されたかどうか知りませんが。それに対してどういうふうに考えていますか。

日下部甲太郎環境庁長官官房参事官

○説明員(日下部甲太郎君) まだ、私ども環境庁の方には法律に基づきます申請は来てございませんが、その問題につきましては、やはり天然記念物の現状変更の問題にも絡みますので、やはり文化庁等と御相談いたしまして、その問題には適切に対処しなければならないと考えます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 今回、林野庁において策定をされました国有林経営改善計画は、いろいろな問題点があると思います。短い時間で議論し尽くすことはできないわけでありますが、特に今回は営林署の統廃合問題等が関連して発表されておりますだけに、その問題に集中をされた傾向があったことはまあやむを得なかった、こう思います。しかし、これからも継続して公式、非公式に詳細にわたってたださねばならないし、再建の方途を立場のいかんを問わず真剣に考えなければならない時期であろうと、私はそう思います。そこで、きょうはわずか三十分の時間でありますからすべてに言及するわけにはまいりませんから、私自身が基本的な問題だなと思うある部分について触れてみたいと思います。要領よくひとつ答弁をしてもらいたい、こう思います。  まず、国有林は従来もしばしば議論されておりますから、改めてここで申し上げる必要はないと思いますけれども、自然保護の、あるいは国土の保全の上に、治山治水、よい環境の保続、強化を図り、木材の安定的供給を図って地域の振興に寄与する。最近では、国民のレクリエーション施設等についてもかなりの寄与をしておると、こう私は思いますけれども、目には見えないような部分も含めて、きわめて重要な任務を持っておると考えます。これは改めて私が申し上げるまでもなく、何びとといえどもこれを否定する者はないと思います。しかしながら、最近の経営の状態、山の実態あるいはまた財政事情の悪化等考えますると、その施業のあり方であるとか、まさに慨嘆せざるを得ないという状況だと、こう思います。  なぜこういうふうに追い込まれたのかという点について、私の率直な気持ちといたしましては、これまで経営の責任に当たってまいりました人々について、遡及をしてその責任を追及したいような気持ちであります。まあ端的に申し上げまして、このような実態になりましたのはどういうわけなのか、あるいはまた、反省するものがあるのかないのかという点について、まず長官からお伺いをいたします。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 国有林の現在の状況が、ただいま先生御指摘のようないろいろな批判を受けておるということは私どもも十分理解いたしておりまして、まず財政的に非常に厳しくなりました理由を申し上げますと、これは損益計算上の問題と現金収支上の問題が二つあろうかと思います。  損益計算上の問題から見ますと、まず収入の面でございますけれども、これはやはりいま先生も御指摘になりました、戦後復興のために木材資源中心の国有林経営を強いられたと言っては語弊がございますが、そういうことによりまして国民の復興あるいは生活を維持するために木材を伐採したという時代から、公益的機能を重視するという時代に昭和四十年の後半から変わっておりますし、そういうために伐採量が非常に限界が出てまいったということでございます。そしてまた、木材需要構造の変化によりまして、過去におきましては国産材が中心であった木材需給が、外材が入ってきた等々のために価格が非常に低迷してきたということ、このために収入面では収入が落ちてきておるということ。  それから、費用の面で見ますと、先ほどちょっと申し上げましたけれども、過去においては相当な伐採をいたしましたときと大体似たような管理部門を現在維持しておりまして、そのために管理部門が肥大しておる。そのために、人件費の増大あるいは固定化という問題が出ております。それから、公益的機能を維持するために林道等の開設あるいは伐採のあり方等々に相当諸経費の増高が出てきたというようなこと、こういうようなために費用面では費用が大きくなっておる。このために、損益計算上損失が発生しておるというふうに理解いたしております。  また、現金収支の方で見ますと、御存じのように、国有林はただいま森林の造成過程でございます。そういう観点から、造林、林道といった投資的な経費、こういうものが非常に最近中心になって大きくなっておりますので、こういう観点から収入と支出のバランス、費用支出の方がふえてまいる。また一方、収入の方は、先ほども申し上げましたけれども、急激な経済変動等のために木材需給構造の変化、こういうような関係から木材価格も低迷しておる。これも、国有林野の管理運営の関係で非常に問題が出ておる。さらには、国有林野の管理運営に当たります場合に、企業的能率性の面でそれに十分対応する面に不足する面もあったのではないかというふうにも考えております。  それらこれらいま申し上げましたけれども、総じまして、こういうような状況に十分なかなか対応できなかったということ、これについては私ども国有林を管理する人間といたしまして、十分その辺は反省しなければいけない問題があろうというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあ、いろいろ言われましたけれども、言ってみれば計画性がなかったと、一言で言ってそういうことも言われるんじゃないかと思いますけれども、一々言われていることについて反論すべきものもありますが、それをやっておる暇はありませんからそれは今後に譲るにいたしましても、とにかく反省点は余り出てこないわけですね、いまのお話を聞いてみましても。  それはなぜかと言うと、まあ失敗でございましたということはなかなか言いにくいかもしれないけれども、現実を見る限り、どう考えてみてもやはり過去に経営の失敗があったと言わざるを得ない。そして、その原因を考えてみると、技術屋がおるわけでありますからある程度の計算をすればわかるはずでありますけれども、外材の影響等認めざるを得ないにいたしましても、これほど急速に今日の事態を招くということは実は考えられないわけであります。そういうことを考えてみますと、これまで経営に当たっておりました方々が、国有林は国民から預かったものであるという考え方というものが不足をしていたと認めざるを得ないわけです。  時間ございませんから、皆さん方からもいろいろ弁明があろうかと思いますけれども、あるいは良心があってもそうせざるを得なかったという事態もあったと思います。しかし、いずれにいたしましても、責任を持ったやり方であったというわけにはどうも認めがたい。いろいろな資料ございますけれども、そこまでいま追及をしている時間がございませんから多くは言及いたしません。  そこで一つ伺いたいのでありますけれども、民有林の造林補助金、あるいは林道補助金、治山補助金等々、五十三年度予算でかなりの部分が支出をされておるわけでありますけれども、その数字、恐らく承知をしておると思いますから、ひとつお出しをいただきたい、こう思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 五十三年度におきまして、民有林関係の造林補助金は三百十九億でございますし、それから林道の補助金は六百十一億、治山の補助金は千百二十八億となっております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それからまたお伺いいたしますが、前国会で成立をいたしました特別措置法によって、財投資金が国有林でも使えるということになっておりますが、それは今年度は幾ら出ていますか、あるいは来年はどうですか、そしてまた、その利用の条件はどうですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 五十三年度に財投から国有林に入っておりますのは九百七十億でございます。それから、一般会計から補助としていただいておりますのは約四十億でございます。これらにつきましては、造林、林道という基盤整備を中心に使うことになっております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 それと対比するわけじゃございませんけれども、いま利用の条件等にも触れていただきたかったわけでありますが、それはいいでしょう。民有林に対する造林とか保育、あるいは融資制度等もあるわけでありますが、その点について、これまたちょっとお知らせをいただきたいと思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林につきましては、先ほども申し上げましたけれども、三百十九億ということになっておりまして、融資額につきましては、ちょっといま調べますので、少々時間をいただきたいと思います。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあ後でそれはちょっと数字を言ってもらえばいいわけでありますが、いずれにいたしましても私の申し上げたいことは、民有林については助成措置も、補助金の面あるいは融資の面、かなり長期にわたって手厚く措置されておることがわかります。まあそれをもってしてもまだまだ足りないから、もっと強化をしてほしいという請願は今日いまもって出てはおりますけれども、かなり措置をしてきておるわけですね。で、考えてみますと、民有林といえども国有林といえども、これは同じであります。同時にまた、国有林の場合はむしろ保護林であるとか保安林であるとか、そういうものの面積も抱えて、またこれに管理の費用もかかるわけであります。管理の費用は幾らかかるというような議論もしてみたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、まさに国有林は民有林よりもすぐれて公益的機能というものを十分に持っておる。とすれば、対比して、私は国有林に対しても国民の責任として、その経営に不可欠な費用であるならば分担してもよろしいと私は考えておりますが、長官の見解はどうでございましょうか。同時に、この点は政務次官にも政府の態度としてひとつお答えをいただきたい、こう思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま先生から、民有林と比較して国有林の考え方の御指摘あったわけでございますが、御存じのとおり、民有林はそのほとんどは零細所有者でございます。したがいまして、国有林と比べますとその規模に非常に大きな違いがあるということ。さらに、民有林は森林の造成状況を見ますとその大半がまだ二十年生以下の造林地でございます。したがいまして、伐期に達しておる造林地というのは非常に少ないという状況、そのために国有林以上にいろいろな意味での基盤整備をしなければいけない状況にございます。一方、国有林につきましては、御存じのとおり明治以来、全国の相当な面積、現在で約七百五十万ヘクタールを管理しておるわけでございまして、そういう意味からも、国有林については規模としても大きな規模でございますし、さらに伐採する量につきまして、民有林に比べれば伐採し得る量を相当抱えておるわけでございます。そういう観点から、戦後、昭和二十二年に国有林については企業的運営をするということで、独立採算制の特別会計がしかれたということでございまして、基本的にはこの線に沿って国有林は経営すべきであろうというふうに私は考えております。  ただ、最近に至りまして森林の持ちます公益的機能、こういうものの発揮が相当要請もされております。さらにはまた、国有林の財政も非常に厳しくなってきた状況の中で、先般の国会で成立をさしていただきました特別措置法、これによりまして、国有林の自主的な努力を中心にいたしまして、一般会計からの繰り入れ、あるいは財投の補助をいただくという制度をつくっていただいたわけでございまして、私どもはそういう精神に沿って今後とも国有林を経営してまいりたいというふうに考えております。  それから、民有林の融資関係は、造林につきましては五百八十九億でございます。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) まあ、国有林は国の金でやるわけでございます。民有林は民間の資金を使うわけであります。したがって、その差というものは、やっぱり私どもが考えた場合に、民有林も国の立場からできるだけ助成していくべきである。補助その他についても考えるべきではなかろうかというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 語尾がはっきりいたしませんでしたが、民有林は国の金で助成をする、国有林は国の金でやる、こういうふうに私は聞きましたが、それでよろしゅうございますか。——  そしてまた、国の金でやると、こう言いますけれども、特別会計をもって運営をされてきたということですね。特別会計で運営されるという大前提でこれを考えるとするならば、木は育つ周期があるわけでありますから、まさに切って安定的に供給をする、これが六十年なり八十年なり計画が可能であるとするならば、これは木材需要にこたえて、あるいは外圧に屈して多く切ったなどという事実というものは発生しないはずだ。ところが、それがやはり政治のその時点における要望ということになりますか、とにかく乱伐したということはこれは紛れもない事実であります。外材の問題とか外材の価格の問題は別に論議しなくてはならない、あるいはその他の問題についても論議しなければならない部分はたくさんありますけれども、なべて言うならば、そういうふうに言わざるを得ないと思うのですね。  だとすれば、とにかく切るものがなくなった、切るものがなくなったからもう山はどうでもよろしいんだというような考えに立つとすれば、これは大変な問題であるわけでありますから、そういう意味で私は民有林と対比しながらも、民有林の助成は助成でそれは結構でございます。もちろんやらざるを得ませんが、しかし国の金でやるんだと言うけれども、とにかくことしは七十億財投も出る。しかし、財投の条件もこれは民有林の金融とは比べものにならないような条件でもある。助成の金額も比べものにならないほどの金額である。だとすれば、当然に国が責任を持って、これは国民の山を守るというために支出も大幅にしなくてはなるまい、こういう議論であるわけでありますから、そのつもりでお答えをいただきたい、こう思います。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 詳しいことは私は余りよく勉強しておらないわけでありますが、要は、民有林にいたしましても、計画を立てて伐採その他もするだろうと思います。したがって、いま民有林は国有林と違って育成している途上であるように聞き及んでおりますから、できるだけ国費も十分にそういう気持ちを体して補助すべきではなかろうか、こういう考え方をしておるわけであります。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 この議論はまだ続くわけであります。詳しいことを知らないなどというような答弁は聞いておるわけにはまいらぬわけでありますが、今後また具体的にやりましょう。  時間がございませんから次に移りますが、これは一昨日の村沢質問とも関連をするわけでありますが、若干整理の意味で質問をしてみたいと思うのでありますが、造林方法についてであります。私の手元には資料がございますが、その資料によりますると、国有林と民有林あるいは県公社などの方法というのは、かなり違うように見受けるわけですね。  一例を申し上げますと、時間がございませんから、すべて申し上げるわけにはいきませんけれども、五十二年度で言いますならば、地ごしらえ、県の投下人工数は五十四・七人、森林組合は六五・〇人、営林署は十四・一人、これは私も木曾谷平沢に行ってまいりまして、そこの実態も承知をいたしております。この数字は、これは全国平均されたものと私は理解しておるわけでありますが、その他下ごしらえ、除伐、枝打ち、間伐、つる切り、すべて見ましても、そのやり方はかなり簡略化されておるということがわかるわけです。いま私は地ごしらえの例をのみ申し上げたわけでありますが、私が申し上げました数字が間違いであれば間違いだと言ってもらっていいわけでありますけれども、まあとにかくこれは後でいいです。時間がございませんから。  いずれにいたしましても、ここは明確にひとつしていただきたい。そして、これは違いがあるという前提で申し上げざるを得ないのでありますが、これは先日も問題になりました不良造林地の面積、これを現場で働く人々、それから管理者側が言う数字というものを統一してもらいたい。これについては大臣も具体的に答弁をしておりますから、それは急いでやってもらいたいと、こう思います。私も提言をいたしておいたわけでありますから、それはやってもらいたい。  と同時に、やはりこの造林の方法、実際に県やあるいは森林組合や、あるいは営林署がやっておるそのことに違いがあるのかどうか。これはいま数字が恐らく長官の手元では明瞭には言えないかもしれませんけれども、それは後でその数字をよこしてもらいたいし、同時に、概括的に見て違いがあるのかないのか、それをひとつ答弁をしていただきたい。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林事業と申しますのは、先生御存じのとおり北海道から九州までございますし、また、それぞれの一つの流域をとりましても、里山の方面、それから奥山の方、あるいは険しいところ、緩やかなところ、いろいろ地形によりまして違いますし、また樹種によっても違ってまいります。  そういう観点から、必ずしもそれぞれの比較はできないと思いますが、特に地ごしらえにつきまして国有林と民有林の違いを一、二、例で申し上げますと、民有林の場合ですと、比較的小さな木が多いところを伐採いたしておりますし、それから国有林の場合ですと、伐採に際しましては全幹集材等と申しまして幹ごと一応枝を払って出してくるという形、そういうために、伐採しました後が非常にきれいになっておる。したがって、地ごしらえにかける人手も少なくて済む。それに比べて民有林の場合は、どうしても切りました後が今度木を植えます場合に人手をよけいかけなきゃいけない、こんなような林地の状況もございます。  したがいまして、地ごしらえについては特にその差が出ておるというふうにわれわれ理解いたしておりますが、そういう点で基本的には造林事業でございますから、同じ場所で、同じ条件で、同じ状態である山ならば、これは同じような形になろうと思いますけれども、いま申し上げましたようにそれぞれの違いがございますので、その辺の関係が違いが出てくるというふうにわれわれ考えております。  それから、不良造林地等の問題がございましたが、これにつきましては先生にも先般お答え申し上げましたし、大臣からもお話ございましたように、私どもが調査した問題等々と組合の方が調査されたという問題等につきましては、先般、組合との話し合いの中でそれらの説明の仕方については話を決めておりますし、また大臣がおっしゃいましたように、その基準等のあり方について事例をもって説明するということについては、私どももそれを意を体して十分進めてまいりたいというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 どうも、間違いがあるのか、いや実際に私が言ったのが本当かどうかということだけ言ってもらえばいいんですよ。そんな細かいことを言われたってわからないんだ。私もちゃんと山を見てきてわかっているんだよ、そんなことを言ったって。そんなでたらめ言ったってだめですよ、それは。こっちは誠心誠意をもって現状をどうしようかと思ってやっているんだから、それをいいかげんにごまかそうたってそれはだめですよ。  まあいずれにしろ、これは時間がないわけです。その問題は後に譲りましょう。しかし、あなた方のそういう精神はわかりました。そのつもりでこれからやります。これから具体的にやってまいりますけれども、とにかくいまのようなごまかし答弁をやっておったんでは承知しませんから、それだけを言っておきます。時間ですからやめます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 午前の調査はこの程度とし、午後一時再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十一分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、坂倉藤吾君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 一昨昨日、十六日の日に、私は決算委員会で水田利用再編対策についてもお聞きをしたところです。きょう衆議院と並行審議をやっておって、大臣とか食糧庁長官という最高責任者が見えておらないわけです。しかし、一応責任ある政務次官以下がお見えになっておりますから、そういう点で幾つかの御質問を申し上げたいと思っているんです。  それで、水田利用再編の問題については、原則的な点で一昨昨日の大臣答弁では、第一期三カ年の目標については変えないという答弁があったわけです。  そこで、私はすでに来年度予算編成の時期にも入っておりますので、その観点からしても、実施をされてきた、あるいは推進をされてきたいまの計画がどういうふうな状況になっておるのか、この実施状況についてまずお尋ねをしたいと思うんですけれども、各都道府県別の割り当て目標面積があるわけですけれども、それと転作等の実施面積なり達成率がどういうふうになっているのか、各作物別に調査をされておると思うのですが、それらについて農林水産省としては一応各県からの報告を求められていると思うのですが、それがまとまっておるのかどうか、まずお聞きをしたいと思うのです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策、この辺の実施状況というものが十分まとまっているのかどうかというお尋ねでございますが、水田利用再編対策、これにつきましては、大体六月末現在で農家の方から転作等の実施計画、こういうものを一応出していただくというのがございます。これは一応の集計はできております。  それから、過般今国会に補正予算等をお願いをいたしました。それは、九月の初め県の方に確認調査等をやっている段階でございますけれども、その段階で把握できるものを極力把握してということで、一応いただいたものがございます。余り詳しいものまではあれですが、一応の概数はここでつかまえたのがございます。それからさらに、九月の十五日現在でもう一回確認調査の関係を調べるというのがございます。これの取りまとめをやって、あと発表するというのには若干時間はかかると思いますが、そういうのがございます。  それからもう一つは、裏転作というのを認めております。したがいまして、秋冬野菜の作付を裏転作としてやったかどうかという確認は、これはまた来年の二月一日現在でやります。したがいまして、それの取りまとめというのがございまして、それを取りまとめた三月ぐらいに入れば最後の確定版ということになろうかと思いますが、現段階では、先ほども申し上げました最終的なものでございませんけれども、六月末現在の農業者の転作等実施計画というものの暫定集計といいますか、積み上げでございますが、これが一応あるというのと、その後確認調査をやっておる段階で補正予算編成の都合上、いろいろ県の方から報告を受けたというものとがあるということでございます。  そこで、そういうような数字について申し上げますと、一つは先生御案内のとおり、転作等の目標面積、これは三十九万一千ヘクタールということでございますが、これに対しまして九月初めに県の方から受けた報告では大体一一一%の達成率と。したがって、面積的には四十三万六千ヘクタールというのが、その段階での実施見込みでございます。  それから、地域別にながめますと、北海道が一〇二%ということでございまして、そのほか内地の方につきましては各地域、各ブロックでございますが、ブロックとも目標を一〇%以上上回ると。東北あるいは北陸というそういうかっこうで見ますというと、どの地域も一〇%以上上回るという実施が見込まれておるということでございます。  それから、作物別にはどうかというお話でございますが、転作の全体のあれはただいま申し上げましたような一一一%でございますが、作物別ということになりますと六月末の暫定集計、これでしか具体的な物別にはございません。それで申し上げますと、特定作物でございます飼料作物、これが十一万一千ヘクタール、麦が四万三千ヘクタール、大豆が六万七千ヘクタール、てん菜が四千ヘクタール、ソバが一万七千ヘクタールというようなことで、大体特定作物というのは二十四万四千ヘクタールぐらいに相なります。  それから、永年性作物にまいりますと、果樹の方が八千ヘクタール、桑が七百五十ヘクタール、その他の永年性のもので千二百ヘクタール、小計いたしますと一万ヘクタール程度でございます。で、永年性作物は、このほかに若干五十三年の定着分というのが少し上乗せになるわけでございますが、そういうのがございます。  それから、一般作物では、野菜が七万八千、豆類が一万一千、花卉種苗が一万一千、たばこが六千、その他作物等が一万五千、小計で十二万三千ということで、転作等ということで見ますというと、この六月末の暫定集計では三十七万八千ヘクタール程度になります。このほか通年施行とか、あるいは管理転作とかという問題があるわけでございますが、大体大ざっぱに申し上げますとそういうような状況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまずっと一応の数字を述べられたわけですけれども、最終的にはあれですか、いつの時点のものをまとめられるつもりなんですか、各都道府県からの報告は。最終的な数字というのは、いつの時点のものをまとめられるつもりなんですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、裏転作を認めておりますもの、それを除きますれば大体十一月半ばには一応の結果が得られると。裏転作のものを入れますと、来年の三月初めぐらいになろうかと思います。そういうことでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 早急に取りまとめていただきたい。というのは、予算に関係するんですよ。そうでしょう。早急にやっぱり取りまとめてもらわないと論議もできがたいという点がありますから、そういう点でいまお聞きをしているんです。それと、今後のというよりも、転作なり水田再編に絡んでいろんな問題点が出ているわけですよね。そういうものをやっぱり正しく把握をするためにも、この実施状況というものについて、早急に取りまとめてもらいたいと思うんですね。それで、全部集約が終わってない段階ですからお答えはできない、あるいは抽象的というか中途的なものになると思うんですが、四点ほどこれに絡んでお聞きをしていきたいと思うんです。  いまのお話でも大体全国的には一一〇%を超えていると、こういう話ですが、私はもう一一五%は超えるんじゃないかと、そういう感じがするんですよ。感じですよ、これは。なぜかと言うと、反対をやっている新潟県ですらもう一一〇%を超えているわけですからね。そういうことで、同じ新潟県内でももっと条件のあるところというのは一二〇%を超えておりますし、条件のないところはもうとてもそこまでいかないと、半分にもいかないという市町村もあるわけですよ。ですから、非常にアンバランスが出てくるわけですけれども、しかし、新潟県全体として見ると、もう一一〇を超えているわけですから、全国的に見るならば一一五を私は超えるのじゃないか。予想以上の達成率を示すんじゃないか、これはあくまでも推測ですが、そういうふうに考えられるわけです。  そこで、三年間は固定をしていくんだと、変えないんだということですけれども、これはあれですか、各市町村への配分というものはこれは知事の権限でもって割り当てることになっているわけですね。それで農林水産省としては、未達成市町村に対する指導を今後も強めて、あくまでも本年度割り当てた目標というものを達成せよということで指導されるのか。そうではなくて、すでに都道府県ごとには達成をしておるし、上回って達成をしているわけですね。したがって、各市町村に対する割り当てというものについては、これは県知事の判断でその実態、初年度やってみたら無理な割り当てがあった、ここはまあほぼ予測したとおりの状況で実施をされたということになるわけですね。つまり、アンバランスというのは、当初机上でもって考えたとおりにいかなかったということなんですよね。一二〇%、一三〇%の達成率のところもあれば、五〇%割っている、あるいは五〇%そこそこというところもあるわけですよ、具体的には。ですから、さらに未達成市町村に対してはあくまでもやれということになるのか。  もう一回言いますと、各都道府県としては達成をしているんですから、もうそれは各県知事の判断で、逆に言うならば、割り当ての変更という措置というものをとるということが当然考えられるわけですね。その点についてはどういうふうにお考えになっていますか、それを。質問の意味わかりませんか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 大体わかりますので、一応お答えさせていただきます。  まず、全国的には、先ほど申し上げましたような現在段階での実施見込みとしては一一一%ということでございます。そこで、県別に見ますというと、一県ぐらいがどうも一〇〇を切りそうなところがございます。で、当初から申し上げておりますように、公平確保措置というものがございますので、国ベースの問題としては、やはりそういう県が出ますれば、そこに対しまして補正措置といいますか、上乗せ措置というものをこれはやらざるを得ないかと、かように思っております。  ところが、ただいまのお尋ねの方は、むしろ新潟県等におきましては一一〇%、一一一%ぐらいいくのじゃないかと聞いております。したがいまして、県ベースということで見たときには、これはもう相当御努力いただいて達成をしておる、こういう姿になっておるわけです。  問題は、その新潟県等におきましても——まあ、よその県もあるのでございますが、県ベースで相当達成をしておる、十数%以上達成をしておる。しかし今度町村ごとにながめました際に、一〇〇%達成までいってない未達成の市町村、こういうものがあるというのは、相当の県がございます。そこで、国の方は、先ほど申しましたように、県単位で見まして、最低限の公平確保措置という角度で、ああいう上乗せの措置を考えるわけでございますけれども、そういう県につきましては、国としてはやらないわけでございます。必要がないわけでございます。  問題は、今度は県の方で、たとえば知事さんがそういう面の公平確保措置をやるかという話になりますと、これもいろいろ県によりまして、非常にやろうという前向きのところと、とにかく県ベースにすればもう一割も上回っているんだから、町村ごとには達成、未達成あるけれども、そこはそこまでいかなくてもいいではないかという向きもございます。これも、県々によっていろいろございます。したがいまして、じゃ農林水産省の方はそういうのに対してはどう臨むのかということになりますと、ただいま申し上げましたように、県によりまして相当違います。とにかく県内の配分というものは、これは知事さんにお任せをしておるわけでございますから、あと今後さらにいまのような事情を踏まえて県独自の立場から知事さんの判断でやろうというようなことは、これも県の方にお任せしてあるといいますか、当然知事さんの御判断でやられることではないかということで考えておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃ、各市町村別の割り当ては知事の判断でやっているんだということですから、要するに、国に対する目標達成というものが至上命令ですわね。だから、そういう点では、市町村ごとの変更というのは、当然一年やってみたら無理なところも出てくるし、甘いというところも出てくるでしょうから、これは知事の判断で変更だってあり得ると、こういうことですね。そこを確認してよろしいわけですね。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) はい。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そこで、それはそれとして、実は私どもがよく言っているペナルティ、罰則と言いますかね、こういうもので締めつけて無理やりこの目標達成をしていくんだということで、ある市町村によっては、目標を達成しない農家に対する村八分的なそういうことが行われているという報告もあるのです。それは、余りにも強い県の指導がそういう結果を生んでいるのじゃないかということも言われておるんです。そして、その村八分的な状況が出てくる一つの原因として、いわゆる各種事業資金や制度資金について、未達成のところに貸すなということではないんだ、ただ、達成市町村に対して優先的に貸し付けるという、こういう表現ですよね。聞いたところはいいんですよ。達成した市町村に優先的に貸し付けるんだ、達成してない市町村に貸し付けるなということなんか言っておりませんという、こういう言い方を県がやっているのですよ。  ところが、現実にはそうでなくて、明確な差別が行われているんです。この事実はあるのですよ。これは私どもこの前も調査に行って、その事実をつかんできたんです。これは農林水産省としては、そういう差別というのは認めるのですか。達成できなかったということで、従来の水道資金だとか各種いろいろな事業をやっていますよ。そういう差別というものを認めるのですか。いま具体的にどこの県のどの市町村に対してということは言いませんけれども、これは報告を受けているのです。私ども行って、現に聞いてきているのですよ。皆さんのところにはもちろんそういう報告はいっていないかもわかりませんが、農林水産省としてはそういうことが仮に行われておったとしたら、それは当然だという考え方ですか、それはやっぱりよくないという考え方ですか、どっちですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 実は、農林水産省の方におきまして、ことしの四月六日付の次官通達というのでこういう表題の通達を出しております。「水田利用再編の促進のための各種事業等の積極的活用について」という次官通達というものを出しております。これは水田利用再編対策、これが今後わが国の農業生産を再編成するという、そういう角度に立ちまして非常に大事な事業でございます。そういうことからいたしまして、農林水産省の各種の施策につきましても、それぞれの事業の性質等に応じましてできるだけこの転作の推進に役立てたい、活用してまいりたいという、そういう観点に立ちまして以上のような通達を出したわけでございます。  この通達の趣旨は、限られました補助金なり、限られました融資枠なりというもので執行をやるわけでございます。したがいまして、他の条件にして等しければ、水田利用再編の促進が図られますそういう市町村に優先的な配慮をしようということで、こういう通達も出しておるわけでございまして、この考え方は一応妥当なものであろうと、こう思っておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 通達の説明を聞いているのじゃないのですよ。私の質問には全然答えていないじゃないですか。そんな通達ぐらい知っていますよ。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 答弁を待ってから発言してください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) で、そういうことでございまして、その各市町村段階におきまして、目標達成の市町村と未達成の場合に、ただいま申し上げましたような考え方の優先的な配慮という問題はあろうかと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 最後のところがちっともはっきりしないじゃないですか。現に達成していないということを理由にしてそういう差別が行われてよろしいのですかと聞いているのですよ。たとえば、いままですでに貸し付けが行われてきた事業についても本年度は削りますとか、来年度は認めませんよというふうなことが言われたら、それはどういうことになるのですかと聞いているのですよ。継続事業がある。そういうものについても今後は、来年度はもう打ち切らざるを得ないというふうなことが言われてきたらどうなるのですかと、こう聞いているのですよ。そんなことは許されますかと聞いているのです。そんな一般的ないまの通達の説明を聞いているのじゃないですよ。質問の意味がわかりますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいまもいろいろ御説明申し上げましたように、他の条件にして等しければやはり水田利用再編の推進が図られる、そういう市町村を優先にしていくということでございますので、先生おっしゃるあれの具体的なものはよくわかりませんけれども、どうもいま伺っている範囲ではそういうことも当然あり得るのではなかろうか、こういうふうに実は思うわけでございます。詳しくは事情はよくわかりませんが、一応そう考えます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 あなた、それで本当によろしいですか。たとえば、土地基盤整備事業をやっておるとするですね。いいですか。何カ年計画でやっている。ところが、達成をしないから来年度は打ち切りますよということを言うとしたら、どういうことになりますか。許されますか、それ。そういうことを許されるのですか。たとえば、土地基盤整備事業というものが行われている。それについての補助金だとか融資というものが出ている。ところが、水田再編対策について目標を達成していないということで、来年度は打ち切りますよ、達成しなければだめですよというふうなことを言ったら、それはどういうことになりますか。認められるのですか、そういうことを。言っている意味がわかりませんか、質問の意味が。じゃ、あなた自身は、その通達は何のために説明したんですか、私のいまの質問に答えられなきゃ。その通達をあなたはどう理解しているんですか、それは。わかっちゃいないんだね。論議できないじゃないの。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) いわゆる継続事業などでやっておられる際に、いま先生がおっしゃるように、継続事業でやっておるのがまだ途中の段階のものを打ち切っちゃうというところは、これは非常に問題であろうかと思います。ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、限られた予算の中でいろいろ配分をやるわけでございますから、継続事業についてのたとえば配分の際など、その辺の優先の問題といいますものは一応あるのであろうということを、先ほど申し上げていたわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次官、きわめて重大な答弁なんですよ、それは。そんなこと、あり得ていいですか。三年なりのたとえば事業をやってきた、本年度は二年度目ですと、来年度は三年度目ですと。ところが、目標を達成してないから、じゃ来年度打ち切ることはあり得ると言っているわけでしょう。その事業はだめになりますよ。いいんですか、そんなことで。あなたは何を答弁しているんだね、いま。とんでもない答弁なんですよ、それは。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いま私が聞いた範囲は、たとえば基盤整備をやって、継続事業をやっておる。ところが、その地区は水田転作について非協力であったからそれを打ち切ると、こうは言うちゃおらぬわけです。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 あり得ると言っているんです。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いや、それは言うておらない。言ってないのでありますから、改めて局長から答弁をさせますから、誤解のないようにしてもらいたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ですから、先生からのお尋ねで、継続事業でやっておりますものを、まだ完成もしていないのにそれを打ち切るという話は、それは不当ではありませんかということを申し上げたので、ただ問題は、限られた予算というものでございますから、これの継続事業分もたくさんあるわけでございます。地区も。したがって、これを配分する際に、打ち切るとかではなくて、配分予算の面で、その条件が等しければ、達成市町村の方に優先的な配慮をするということは当然でありますと、こう申し上げたわけであります。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次官、誤解してもらっちゃ困る——私は誤解なんかしていませんよ。何を言っていますか。私は誤解していませんよ。私が誤解しているんじゃないかという発言はどなたですか。取り消しなさい。私は何も誤解していませんよ。私の質問にまともに答えていない。あなたは、途中まではいいんですよ。ただしというその段階がよくない、後段が。しかし、配分に当たっては予算に限りがあることですから云々という以下のところは、どういうことになるんですか。すでに事業計画が決まって、必要予算が決まって現に事業が進行してきているのに、途中でもって打ち切ることはないだろうけれども、しかし予算額の配分について、次はあるいは減らされることがあるかもわからぬようなあなたの答弁なんですよ、それは。そしたらその事業はどうなるんですか。すでに予算も決定し、事業も決定し、継続事業でやってきているのに、年度途中でもって変更があり得るというふうなあなたの言い方なんですよ、それは。そんなこと許されますか、あなた。私の誤解でも何でもないです。あなたはそうはっきり言っているんですよ。そんなばかなことが許されますか、あなた。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 扱いはこういうことになっております。「転作を実施する農業者等の要請に応えて転作作物の農業経営における定着化に資するよう、新規地区の採択及び継続地区等への予算配分に際しては、原則として、水田利用再編対策による転作の目標が達成されている市町村又は転作の目標の達成がその事業の実施により確実と認められる市町村の要請に優先的に配慮するものとする。」と、こういう扱いにいたしておるわけです。ですから、先生の打ち切っちゃうというような話は、これはそこまでの話ではないと。ただ問題は、いま言った予算配分は、これは新規だけでなしに、継続地区の方もただいま読み上げたようなかっこうで対応をしておりますと、こういうことを申し上げたわけです。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 あなたの答弁じゃ、これはお話にならぬ。答弁になっていないし、そんなものを読んだって、どうしてそんなことが言えるんですか、あなた。すでに事業は、計画は決定しているんですよ。承認を受けているんですよ。現に承認を受けて、その事業が発足をして、予算も幾ら、この事業は幾ら、たとえば五百億なら五百億、まあ、そんな大きくなくともいいですが、三十億でもいいですよね。三十億の事業計画で来た。初年度十億、各三年間平均して十億ずつ来たと、決定をしているんですよ、すでに。それが何ですか、あなた。年度途中で再編利用の目標を達成してないのだから、来年度の予算を打ち切るというのはひどいけれども、ただし来年度の予算配分や融資等については、達成していないところは、ほかの達成した県を優先するのだから、場合によっては減額あり得るかもわからないという、そんなことで変更できる性格のもんじゃないでしょう、それは。そんな大事な答弁、あなたに聞いたって——大変な内容を言っているのですよ。  これは次官、あなた聞いていてわかりませんか。そんな答弁でいいんですか、本当に。すでに決定をしているんですよ。その事業というものが承認も受け決定をしているのに、それをいまの水田利用再編計画の達成率で、途中から予算額を変えていいんだなんて、そんなばかなことが許されたら大変ですよ、これ。わからなかったらわからぬでもって、検討するなら検討すると言いなさいよ、そんな間違いだらけの答弁ばかりしておらないで。何言っているんだ、質問の意味もよくわかってないじゃないか。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 速記を始めて。  ただいまの吉田君の質問に対する答弁、次回の委員会まで十分に検討されて、確たる答弁をすることを期待いたします。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、いま委員長の方からこの取り扱いについておっしゃったとおりなんですので、私の方からも要望しておきたいのですが、事務当局のそういうふうな——私が誤解しているのではないですよ。あなたの答弁を聞いていれば、みんなそういうふうに受けとめちゃう。そういうことで各都道府県におりていくから、いま言ったようなまさに無謀とも言えるようなことが、平気で県当局によって指導というか、おどかしと言ってもいいほどのものが各市町村で行われるのですよ。いいですか。それはあなたのいまの答弁を聞いて、ははあ、なるほど、これだから県段階にいくとそういうことが言われたりして、市町村に行われるのだなということがよくわかりましたよ。そんなことは許されることじゃないですから、そういう点で、次回までにひとつ明確に、そこのところをきちっと整理をされて答弁をしてもらいたいと思うのです。  ところで、いま一方で、そういう罰則というふうなことを厳しく言いながら、実は県の指導や、やっていることに対して、またとんでもないことが起こっているんです。きょう午前中衆議院で、新潟選出の松沢議員の方からも指摘があったと思うんですけれども、たとえばこれは私もこの前の委員会でちょっと触れたんですけれども、県の方から転作用の大豆であるとか、あるいは大麦である等の種豆とか種もみのあっせんをする。ところが大豆については、ことしはあっせんしたものがもうおくもわせもみんなごっちゃになったというか、いろんなものがまざった大豆種が、配給じゃないが、あっせんされたんです。めちゃくちゃなんです。商品なんかなりませんよ、全然。一方で、達成しなければ罰則だという厳しいことを言っておきながら、転作に応じたら県があっせんをした大豆が全然お話にならぬ、商品にならぬ、こういう実態が出ているんですよ。これは新潟県に現にあるんです。そういうのは一体責任はだれが負うんですか、それは。やれやれやれと言って、やらなかったら罰則だ言いながら、それじゃというわけで転作した、大豆に変えた、その大豆というのがめちゃくちゃです。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕 とても商売になるもんじゃない。そういう責任はだれがとるんですか。どういうふうにお考えになっていますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま、新潟県におきまして大豆の種子、これにつきましていろんな品種のものがまじっておったということではないかという御指摘でございます。この面につきましては、新潟県におきまして一億二千七百万ほどの予算をもちまして、この大豆等特定作物の種子の無償配布等の助成を行うことにしたわけでございます。  県の方では、当初、農家の手持ち等を考慮しまして、埼玉県の方から八・六トンほど確保しましたけれども、配布希望数量が非常に増加の一途をたどったということがございまして、五十三年の一月に宮城県の方から九・六トン、それからその後岩手県の方から四十七・九トンほど確保をしたということがございます。その際に、ただいま先生御指摘のような、宮城県産と、それから特に岩手県産のものでございますが、これにつきましては、いわゆる調整販売用大豆というものから種子用に転用するということにしたものでございまして、品種混入というものが認められたということでございます。いずれももちろん同じ大豆でございますが、同じ大豆でも品種が若干違っておったということでございます。性状は全く同じだというふうに県は申しております。  そこで、これを県の方で発芽試験をやって、その上で入っているというものがわかったわけなので、チラシの方では混入しておりますよということをあらかじめ農家の方にも話しまして、それでも欲しいということであれば御配布をしますよということで配布をしたということでございます。あと、県の方で、この異品種の混入割合なり、混入品種の特性なり、また収穫時期になりましての留意事項というようなものを市町村なり普及所にも通達をしまして、その辺に手落ちのないように努力をしたというふうに聞いております。  五十四年の方は、これは相当採種圃等も広面積設けることにしたし、長野県の方からも相当、種の手当てもしておりますので、そちらは心配ないというようなふうに県の方からも報告を聞いております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 質問に答えてくださいよ。長々と説明要らないんですよ。いいですか。あなたのは事情説明ばっかりやっておって、私の質問には的確に答えてない。時間ばっかりどんどんたっているんですよ。そういう点で、もうちょっと質問に簡潔に答えてくださいよ。事情を聞いているときには事情を詳しく説明してくださいよ。事情を聞いたときには、余り事情ははっきりしない。先ほどの、転作のことしの実施状況を聞かしてくれなんて言ったら、さっぱりわけのわからない、要領のわからない説明をやっている。実態ちっともわかってないですよ。それで、今度いまのようなことになると、要らない説明ばっかり長々やって、責任をどうするんだというそこのところは、ぼけて何を言っているかさっぱりわからないですよ。  もう一つ、大麦だ。これは九月二十日付の新潟県農林水産部長から各市町村長殿あてに出された公文書です。これもあるいは衆議院でけさやったかもわかりません。話としては出たかもわからぬが、この中でこういうことを言っているわけです。いいですか、「水田利用再編対策に係る大麦種子の配布について」ということで、「下記事項について」というその記の第四項の中で、「正種子でなく転用種子のため発芽力が若干低いことと、混種があることは避けられない。」と、こうなっているんですよね。こんな無責任なことがありますか、あなた。「発芽力が若干低い」というのはまだがまんできますよ。いい種類はなかなかそろえられなかったと言うならいいけれども、「混種があることは避けられない。」と、こうなっているんですよ。  そんなものを県が責任を持って、転作でもってあなたたちは大麦をつくりなさいと言いながら、その県の世話する種麦が、もみが「混種があることは避けられない。」しかし、ほかにはないのだからこれでやれと言うんですから、こんなばかな水田再編対策というのがありますか、転作指導というのが。こういうのを無責任体制と言うんですよ、無責任体制。これについては次官、どう考えられますか。こんなばかな指導が許されるんですか。どういうふうに考えていられるのか。これは現にあるんですからね。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 端的に答えますと、考えられないことです。私どもが常識で考えられないことをしておるなとしか答えられません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まさに常識では考えられないことが、現に行われているんですよね。ですから、常識では考えられないで済まされない問題なんです。これは。したがって、こういうものしかないんですよ、現に。そうやって転作でもって押しつけられて、これをまいて一体どういうことになるんですか、混種のもみをまいて。だから、どういうふうに農林水産省としてはこれについて指導され、具体的にはどういう対策を講ぜられるつもりですか。役に立たぬですよ、こんなものまいてみたって。どうされるんですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま政務次官からもお答えございましたように、常識では考えられないということが起きたわけでございますが、水田利用再編対策初年度ということで、転作するために農家の方の転作意欲といいますか、そういう面もございまして、種の手当ての面等におきまして不手際が大豆なり麦についてあったということは、はなはだ遺憾であると思います。その点は、われわれの方といたしましても、これの今後の指導という面につきましては万全を期していきたいというふうに思っておるわけです。  ただ、先ほどの大豆の点等につきましても、県の方では一応、異種のものでございますけれども、性状が同じなので、問題は、収穫時期がやはり品種によって若干違うという問題がございます。まざっておりますから。そういう面で……

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そんなことを聞いているんじゃない。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 農家には問題を投げかけておるので、その辺は十分今後とも注意するということを申しております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 あなた、要らぬことを答える必要はないんですよ。そんな、理屈にならぬでしょうか。収穫時期が違う——時期なんか違いますよ。各地によって若干違いがあるでしょう。そんなことあたりまえの話ですよ。適期播種時期というのは、新潟県でも多雪、中雪、少雪地帯によって時期はみんな少しずつ違いますよ、そんなことは。米だって何だって違うんですよ、これは。そんなこと混種の理由にならぬでしょう。言わずもがなのことをあなた言っているんですよ。私の聞いていることにちっとも的確に答えてない。現にそんなものをまいてどうなるかということなんですよ。それをまいた結果どうにもしようがない、そういう責任をどうするのかということなんです。大豆もそうですけれども。  このもみのあっせんについては、農林水産省はこれに関与しなかったんですか。また、各県に対してはどういう指導を行ったんですか、転作をやるについてですよ。ただ転作やれ転作やれと言ったって、降ってわいたようにもみが出てくるわけじゃないんですよ。そういう点でどういう指導をされたんですか。また、具体的にはどういう措置を講ぜざれたんです。手だてを。単に口先の指導でなくて、具体的にはどういう手だてを講じられたんです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) たとえば、五十三年産の大豆を例にとりますれば、採種圃産の種子、これは当然大豆の種子でいいわけでございますが、そのほかに、転作ということで相当種子の需要が出たわけでございますが、この不足分につきましては展示圃産、これが大体千カ所ぐらいございます。全国的には。その辺の展示圃産の種子、それからもう一つは交付金大豆と普通言いますが、要するに全農等が調整販売をやっておりますその大豆、そういうものからできるだけ品質のすぐれたもの、これを県の方の要請もございまして、そういうものを手配をしたということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 全然質問に答えてないんですよね、経過とか事情の説明ばかりであって。私が一番聞きたいのは、そのことによって出てくる事態の責任をだれが一体どういうふうに負っていくのか、結末に対する措置をどうするのかということが、一番聞きたいところなんですよ。答えられますか。答えられなかったら答えられないで、また大臣と相談して答えますとか言いなさいよ、あなた。わけのわからぬこと、ぐじゃぐじゃと長々聞いたってしようがないんです。それは。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 結果的にその穀物がどういうふうに取り扱われるか、また事の成り行きは、いま聞いてみますると、転作の初年度でもありいろいろ手違いもあったと思います。それで、私が先ほど答弁したとおりに、常識では考えられないような指導をしておる。したがって、県と私どもとよく話し合って、それでその処置については、県と話し合った上で結論を出したいと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃ要望しておきますけれども、県からのあっせんによる大豆や、いまの大麦、県みずからはっきり言っているんですからね、「混種があることは避けられない。」なんてね。こんなばかなことを、堂々と押しつけてやらせているわけですよ。ですから、そこから出てくる事態について、損害を受けるとか補償をしなきゃならぬという事態があるいは出てくるかもわからないわけですから、それについてはやっぱり農林水産省の方から県に対して、協力をしてあげたが損害を受けるなんというんじゃ話にならぬわけですから、そういう点で適切な措置を県がこれらについてとるようなやっぱり指導というものをきちっとやってもらいたいと思うんですが、それはよろしいですか。  それで、長いわけのわからぬ要領を得ない答弁が長々続くものですから持ち時間がどんどん減ってくるんで、きょうやっても無理のようなどうも顔ぶれと見ざるを得ないような感じもするんですけれどもね。  それで、次の点は、十一月のまた中旬ころに閉会中にも当然委員会が持たれると思いますから、それまでにきちっとまとめて資料として提出をしてもらいたいと思うんですよ。これは、先ほど申し上げました水田利用再編対策の実施状況を詳細に各都道府県別。それから次の五県については市町村ごとにどうなっておるか、北海道、新潟、三重、香川、鹿児島。全部の県欲しいんですが、これは市町村別というと大変ですから、この五県くらいについて市町村別にどういうふうになっておるかという資料。  それから、この再編対策の推進事務費とか確認事務費を各都道府県別に国から補助として出しているわけですね。その各都道府県別の割り当て額というか、割り当て支給額といいますか、支給額。  それから、いま言った五県における各市町村にどういうぐあいにそれがまた県から配分をされたかという、その市町村別配分額。  それから、各都道府県が独自に県単としてこの再編計画に伴う予算措置を講じておるわけですから、その予算額、こういうものをひとつ一覧にして資料として出していただきたいと思いますね。  これがなければ、一体ことしの一年間の実態がどうだったのかもわからないで来年度に向けての予算論議ができないわけですから、そのことを早急にひとつ取りまとめていただきたいと思うんです。これ、よろしゅうございますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、最終的に固まりますのが来年の三月、裏転作の方は除きましても十一月の半ばごろになるというような見通しでございます。したがいまして、極力先生がただいま申されましたそういう御趣旨を体しまして、資料は調製をして提出したいと思いますが、完全なものというところまでいくかどうか。その辺は、極力そういう線でやらしていただきたいということでございまして、提出をいたします。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 その辺、委員長が心配の声を出されておるようですけれど、できないものを出せと言っていないでしょう。来年の二月にならなきゃわからぬような、裏作がどうとかなんて、そんなものなんかいま出せるわけないでしょうが。言わずもがなのことを言う必要ないんですよ。しかし、わかるものはわかっているんですよ、すでにもう稲刈りも終わっているんですからね。そういう点で、そういうものについて出してくださいと、こういうことなんです。おわかりでしょう。  そこで、時間の関係がありますから、どっちから先にやりますかね、時期が時期ですから。実は、五十四年度食管予算についてもお聞きをしたいんですが、時間がありませんから、次に、サトウキビの問題について若干お伺いしたいと思うんです。  一昨々日の十六日の決算委員会でも喜屋武委員の方からこの問題について大臣に質問がありましたし、一昨日ですね、十七日の日にも本委員会でこのサトウキビの問題が取り上げられておるわけですけれども、私の方でも若干の点お聞きをし、見解をお聞きしたいと思うんです。  それで、まず当初に、十月三日ですかの本委員会において「昭和五十三年産畑作農産物の価格安定等に関する決議案」というものが全会派一致でもって決議をされたわけです。このところで「てん菜、甘しょ、さとうきび、馬れいしょ及び大豆の生産者価格については、」云々ということで来て、「前年度の農家手取価格を基礎として最近における労賃、物価等の上昇を適正に織り込み、農家の所得及び再生産が十分確保できるよう引き上げること。」という決議が行われたわけですね。そして、一昨日の委員会の冒頭、大臣が、この附帯決議については尊重して誠意を持って実施をしたい旨の答弁をされているわけですね。  そこで、お聞きをしたいんですけれども、サトウキビの生産費、これが五十二年の分についてもすでに出されていると思うんですね。生産費なり、あるいは労働時間あるいは家族労働報酬、こういうものについて五十一年までのは私もあるんですけれども、五十二年のものについてもすでに出ていると思うんです。そのことで、まず最初にお聞きをしておきたいと思うんですが、サトウキビの価格、これは農家手取りが五十二年が一万八千三百七十円となっておるわけですね。それから、サトウキビの生産費が沖繩の場合、五十一年が一万九千三十円です。それから、沖繩と鹿児島の平均が一万九千八百六十九円となっておりますが、ここのところは五十二年はそれぞれ幾らになっておりますか。

柳井昭司農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(柳井昭司君) 私の方から生産費について申し上げますが、五十二年のサトウキビの生産費でございますが、十アール当たりで十四万四千二十四円、これを一トン当たりの生産費にいたしますと、平均で一万九千百十二円、こういうことでございます。それから、一日当たり家族労働報酬は三千七百六十九円。それから、労働時間でございますが、労働時間は百七十・五時間、こういうふうなことになっております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 もうちょっと親切に答えてくれませんか。私は、サトウキビの生産費は沖繩というのと、沖繩、鹿児島の平均というのをそれぞれ言っているわけでしょう。あなたの言ったのはどっちなんですか、その一万九千百十二円というのは。

柳井昭司農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(柳井昭司君) いまのは平均を申し上げましたので、鹿児島県と沖繩につきましてそれぞれ申し上げます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いや、私が言っているのは、沖繩と、それから沖繩、鹿児島の平均というので皆さん方がこれを出されてきているわけですから、それについて聞いているんですよ。いいですか。

柳井昭司農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(柳井昭司君) 十アール当たり生産費でございますが、沖繩が十五万一千七百八十六円、鹿児島が十二万九千二百五十一円。それから、平均は十四万四千二十四円。それから一トン当たりの生産費でございますが、沖繩が一万九千九百六十四円、鹿児島が一万七千四百七十八円、平均が一万九千百十二円。それから、家族労働報酬でございますが、一日当たりの家族労働報酬は沖繩が三千七百三十六円、それから鹿児島が三千八百六十八円、平均が三千七百六十九円でございます。それから、労働時間でございますが、労働時間は沖繩が百八十五・六時間、鹿児島が百四十一二時間、平均が百七十・五時間、こういうことでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると、いまの数字でも明らかなように、サトウキビの価格というのは五十二年が一万八千三百七十円ですね。これは農家手取り。それから、生産費が平均で一万九千百十二円、ですから、したがって価格の方が生産費を下回っておるわけですね。そうすると、附帯決議では「再生産が十分確保できるよう」ということがやっぱりきちっとうたわれておるわけです。そういう点で、私はてん菜の価格がつい最近決定を見たわけですけれども、最低生産者価格というのが生産奨励金二千八十円のうち半分を価格に織り込んで、農家手取りが一・九%アップでもってこの前決定を見たわけですね。サトウキビにおいては生産奨励金が現在二千九十円であるわけですが、私はいま言ったような実態というものを見ますと、サトウキビの場合の労働がてん菜の場合の四倍という数字が出ておるわけですね。そういう点からしても、生産奨励金というものは当然全額価格に織り込んでいくべきではないかというふうに思うんですが、この点についてはいかがですか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) お答え申し上げます。  先ほど先生が御指摘になりました奨励金の問題でございますが、これはてん菜の場合と同様でございまして、糖価安定制度のもとでこの奨励金を最低生産者価格に織り込むことにつきましては、五十三年産のてん菜の場合には二分の一織り込んだわけでございますが、やはり制度の仕組み上、全額を織り込むことは困難かと考えております。  なお、てん菜と同じように、サトウキビの場合につきましても、二分の一織り込むかどうかにつきましては現在検討中でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 検討中だということなんですけれども、パリティのアップ率でもってやっていったんでは、てん菜、サトウキビの格差というのはこれは縮小できないわけですよ。したがって、私どもとしては、再生産という点がきわめてやっぱり重大だと思うんですね。再生産できない、生産費の方が価格を上回っているというこういう状況もあるわけですし、その格差を埋めていくという観点からしても、再生産を確保できる生産費所得補償方式というものをこの価格決定に当たっては考えていく必要があるのじゃないかというふうに思うんですよ。その点については、そういう方向で検討される意思というのはあるんですか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) お答えいたします。  ただいま御指摘のように、五十二年産のキビの生産費と昨年の農家の手取り価格、確かに生産費の方が上回っております。この点につきましては、サトウキビの場合におきましては生産費調査によります生産費が、先生御案内のように、天候なり、あるいは土地条件等によりまして年によって大きく変動いたしますのみならず、経営規模でありますとか、あるいは作型等、栽培形態の違いによりましても大きく異なることでございますので、年々の生産費調査によります生産費をもちまして生産者価格の算定の基礎とすることには問題があると思っております。したがいまして、五十三年産のキビの価格決定に当たりましても、従来と同様、糖価安定法の規定に基づきまして、パリティ価格を基準にいたしまして、物価その他の経済事情を参酌いたしまして、再生産の確保に支障のないような適正な価格に決めたい、このように考えておる次第でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまやっぱりパリティというものを基準にしながらというふうなことを言われているんですけれども、昨年の場合は本価格に七十五円、それから奨励金に七十五円ということで百五十円を加算をしたわけですね。その場合、じゃ、その理由というのは、私はやっぱり再生産というか、生産者価格というものを、生産価格というものを考慮したというその配慮の結果じゃないかと思っているんですよ、昨年の場合。これはどうなんですか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) 昨年、確かに百五十円てん菜に比べまして加算をいたしたわけでございますが、この百五十円につきましては、サトウキビの生産者価格は、加えまして前年の一〇七・四%になったわけでございます。てん菜につきましては一〇六・六%と。で、なお五十年産の価格におきましてもてん菜とサトウキビで百円の格差があったわけでありますが、このときのサトウキビの価格は前年の一〇七・三%、それからてん菜は一〇六・七%でございまして、本来パリティ価格を基準として定める価格といたしましては、この格差を設けるときのこのパーセンテージというものが一つの目安ということで、百五十円を加えた次第でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 ことしもやはりパリティアップでもって決めていくのが中心になるということだとすると、いま皆さんの方から出された資料を見ても、決して高いものではないということがはっきりしているわけですよね。そういう点で、私はやむを得ないとするならば、さっき言った奨励金全額を織り込むことができないということになるならば、やっぱり大幅な加算を行っていくべきじゃないかというふうに思うんですが、その点はどうなんですか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) パリティ価格を基準といたしまして、なお物価その他の事情を参酌をいたしまして、再生産の確保が図れるような適正な価格決定を行うべく現在検討中でございますが、ただ先生御指摘になりました生産費の結果でございますけれども、これもすでにただいま統計情報部長の方から申し上げましたように、五十二年産の生産費、これは全国平均でいきますと、五十一年産よりも下がっておるわけでございます。そういうこともございますし、先ほど私が申し上げましたように、生産費調査による生産費は非常に反収等によりまして大きく振れますので、そういうことから、やはり農家の所得と支出が一定の割合を示すという意味におきましてパリティ計算というものも一つのメリットがあるだろう、こういうふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 このサトウキビは、ちょうど本土における米に匹敵する産物なんですね、沖繩や奄美等では。そういう点で、土地基盤整備というものを拡充をして、そして現行補助率というものをさらに引き上げていく必要があるんじゃないか。そしてもう一つは、奄美と沖繩の補助率がいま違っているわけですね、これをやっぱり同じにしていく必要があるのじゃないかというふうに思うんですが、この点についてはどうですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 沖繩の基盤整備事業につきましては、沖繩振興開発計画の基本方針に沿いまして積極的に推進をいたしておるわけでございます。特に、沖繩あるいは奄美等も同じでございますが、島嶼部でございますから、農業用水の確保がまず先決でございますので、ダムのできるところにはできるだけダムをつくる。しかしながら、なかなか適地も少ないわけでございますので、あるいは地下水の利用あるいは渓流水の利用、場合によっては飛行場の滑走路に降った水まで集めまして、そういう用水源の確保に努めておるわけでございます。そのほか、畑地灌漑施設も当然これは整備をしなければなりませんし、畑作改善のための圃場整備あるいは農道の整備等に努めておるわけでございます。五十三年度の予算案は、当初が総額百四十七億一千万でございまして、これは前年に比べまして一四九・三%、平均をはるかに上回る予算を組んでおりますし、今回の補正におきましても、補正後の前年対比で申し上げますと、一五五・九%と、特別の予算措置を講じて事業の積極的な推進を図っておるわけでございます。  なお、補助率につきましては、沖繩の補助率は、事業によっても違いますけれども、本土と比べまして二〇%ないし三〇%高くなっております。奄美につきましては、それよりも若干低いわけでございますが、逐次改善を図るように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 現地の製糖企業というのは、非常に悪条件下にあるわけですね。そういう点で、これらに対する対策を今後どういうふうに強化をしていくのかということと、それからサトウキビの生産合理化の緊急事業ですね。たとえば、トン当たり五百円程度の補助、こういうぐあいにさらに拡充していくことが必要なのじゃないかと思うんですが、それらについてはどういうふうに考えておいでになりますか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) サトウキビのいわゆる製糖企業、これについての手当てはどうかという御質問かと伺いましたが、先生すでに御案内のように、本年の二月からいわゆる砂糖の売り戻し特例法、これによりまして糖価その他、あるいは需給事情、非常に安定しておる現状でございます。そういった際におきまして、現在のところ、このサトウキビの製糖企業につきまして特別の何かをするということは、ただいまのところ考えておりません。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) サトウキビ生産合理化緊急対策事業というのがございまして、五十二年度から予算を十億に増額をしまして、三年間引き続き交付をするということで、五十四年度も交付を予定をいたしております。  この十億の事業につきまして、さらに増額ということが考えられないかというお話でございますが、一応これは三年間継続して、五十四年もそれで出すということで、金額の面も大体この十億ということで一応決めておるという経緯でございますので、これの増額は困難ではなかろうかと、かように考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まあ、困難だと言ってしまえば、それで味もそっけもない話になっちゃうんであれですけれども、しかし、本当にこのサトウキビというのは、沖繩・南西諸島の皆さんにとっては大変なやっぱり問題なんですよね。そういう点で、私はいままたここで、どれだけに引き上げるべきだなんて具体的な数字で申し上げることもないと思うんですけれども、とにかく一歩でも改善していくという、引き上げていくという方向で今後も当局の私は努力を強く要望して、このサトウキビの問題については、これで一応終わりたいと思うんです。  それで、まだ若干時間がありますから、次に——次の委員会では、もうちょっと予算問題で質問をいたしたいと思うんです。  そこで、当面、食管予算について次の点だけお聞きをしておきたいと思うんです。五十四年度概算要求として、食管会計の調整勘定へ調整資金の繰り入れとして六千九百六十四億円の要求を大蔵省に行っておりますね。これは、今年度当初予算案より六百五十一億円の増額であるわけですね。しかし、米価を据え置いたからといっても、その他の諸経費というものがやっぱりかさんでくるわけです。たとえば、自主流通米への奨励金の増額であるとか、その他の諸経費が当然かさんでくるということです。そういう点で、六百五十一億円という数字が出てきた根拠というのがどういうことなのか、示していただきたいということと、また外麦等の差益ですね、円高差益というものをどういうふうに組み込んでいるのか、この点を明らかにしていただきたい。  それから次に、こういうことを聞いておるんですが、これはどうですか。財源の見通しが立たないということで、消費者米価の引き上げによって財源を確保することが必要なんだという大蔵省の農林水産省当局に対する約束ですね、こういうことが言われておるんじゃないかと、こういうことを聞いておるんですよね。いや、そんなことはあっても、軽々にありますなんては言えない性格のものだろうということはわかりますが、しかし、火のないところに煙は立たずで、そういうことが執拗、強引に農林水産省当局に行われているんじゃないか、こういうことを私は聞いておるわけです。しかし、もしそうだとすると、そういう裏約束をすることによって、食管会計に、じゃこういうものを積みましょうということになったならば、これは大変なことだと思うんですね。そういう点で、私は、消費者米価の値上げなんというものは行うべきじゃない。軽々に大蔵省の単なる財政優先というそういう立場での不当な要求に、私は農林水産省は屈してはならぬと思うんです。こういう点で、どういうふうに農林水産省当局は考えているのか。大蔵省農林水産部であっては困るわけですよね。そういう点で、ひとつ責任ある答弁をお聞きをしておきたいと思います。  それからその次に、古米処理費というものを五十四年度予算で見込むつもりなのかどうか。これは、私はこの前、古米処理についていろいろお聞きをした中で、食管法じゃなくて特別会計法というものについては、必要があるならばそれは直していく必要があるのじゃないかということを申し上げたんです。ただ、古米処理についての基本的な方針が決まっておらなきゃどうしようもないわけですけれども、そういう点で、五十四年度予算の中でこの費用というものを見込むつもりなのかどうか。逆に言うならば、この処理の方針というものをどういうふうにお考えになっているのか、この点をお聞きをしたいと思うんです。  それから、農林水産省全体の予算ですけれども、一般会計に占める割合というものを見たり伸び率というものを見ますと、たとえば今年度予算の場合でも、一般会計の伸び率が二〇・三%になっているにもかかわらず、農林水産予算は一五・八%なんです。これは、国債費を除いてもどうも低いのじゃないかというふうな点が考えられるんですね。少なくとも今後の食糧ということを考えた場合、やっぱり農林水産省予算を単に数字を何%にすればいいという機械的なことで私は申し上げているんでなくて、いままでの予算内容というものを考えた場合に、少なくとも一割程度の予算というものにやっぱり持っていく必要があるんじゃないかというふうに感ずるわけですね。  きょうは時間がありませんから、詳細に内容の細かいことまではお聞きをしなくていいんですが、以上の点について、概略いまここで答弁がいただけるならば答弁をしていただきたいと思いますし、きわめて重要な問題で、まだ省内で検討がされていないということであるならば、いつごろそういう検討結果が出るのか。もう予算要求、現に概算要求をやっているわけですし、あと本予算の編成まで幾らもないわけですから、そういう点でいつごろ明らかになるのか、その時期も含めて、簡単でいいですがお答え願いたいと思います。  以上で質問を終わります。

小野重和食糧庁管理部長

○説明員(小野重和君) 食管特別会計の予算につきましては、これは例年のことでもございますけれども、概算要求時点におきましては、当年産米の生産状況がまだ十分に把握できないとか、あるいはその影響もございまして、どのぐらいの政府の売却、あるいはそれに関連して古米在庫がどうなるかというような未確定要素がいろいろございます。それからまた、特に最近は外麦の価格変動、これも著しいというようなこともございまして、概算要求時点では、いわば暫定的な形の予算要求になっております。  で、先ほどの数字六百五十億でございますが、これは主なものは調整勘定の繰り入れでございます。これは調整勘定の繰り入れにつきまして、七百三十億の増の要求をいたしております。この七百三十億というのは、調整資金が昨年度の末に比べまして、ことしの年度末でございますが、七百三十億減るわけでございます。去年の年度末が七百八十億でございますが、それがことしの年度末使い切りまして、五十億にとどまるということでございまして、その調整資金の減というものがございますので、その分は必ず来年少なくともふえる、来年の一般会計繰り入れはふえるということでございまして、その分をまず要求いたしておる。そのほか、過去の過剰米処理の損失分とか、あるいは沖繩の県産米の損失とか、はっきりしている要素がすでにありますので、その分だけを要求するということで、それが六百五十億ということでございます。  したがいまして、今後いろんな米なり麦の需給事情等、これが確定いたしまして、それからまた、先ほど御質問のございました米麦の売り渡し価格問題この問題をどうするかというその辺がはっきりした上で予算の編成をする、こういう形になるわけでございます。  そこで、消費者米価のお尋ねでございますが、これは実は、ことしの七月の末でございますが、生産者米価が決まった後で、ことしの消費者米価といいますか政府の売り渡し価格、これをどうするかということが政府で議論がされまして、これは二つの意見があるわけでございます。一つは、五十一年末大幅な売買逆ざや、これを段階的に解消していくという方針を今後も続けるべきである、また現在の非常に苦しい国家財政の中で、食管の財政は、また過剰米の問題とか、先ほど申し上げました調整資金の問題とか、いろいろふえる要素がいっぱいあります。そういう意味で、消費者米価というか、米の政府売り渡し価格を引き上げるべし、こういう考え方も一方にあるわけでございます。しかし、一方では、現在の米の需給事情の中で米の消費拡大を図らなければいけないというこの時点で、政府の売り渡し価格、これを上げるべきではないのではないか、こういう実は両論ございまして、そこでこれについてはさらに引き続き検討する、引き続き検討するというのはその検討の結果が出るまでは当面据え置く、こういうことでございます。  じゃ、その結論をいつ出すのかということでございますが、これは財政状況を見ながら、また米の需給事情を見ながら、いずれにしても、これは麦の売り渡し価格の問題もあるわけでございますが、本年内といいますか、には遅くとも何らかの結論を出すということになろうかと思うわけでございます。  それから、古米処理と申しますか、過剰米処理の問題でございますが、これは、いま申し上げられるのは、検討中であるということでございます。いろいろ問題もございますが、詳しいことは申し上げませんが、いずれにしても、過剰米処理についてなかなかむずかしい問題、環境があると思います。一つは財政状況でございますし、さらには、たとえば輸出という問題をとらえましても、現在は全般的に申し上げまして、この前の過剰処理のときに比べますと、国際需給は緩和いたしております。そういう意味で、環境はよくないという問題もございます。いろいろ問題もございますが、そういう点も含めまして、現在検討しているということでございます。  私どもといたしましては、保管経費の問題とか品質の問題がございまして、なるべく早くその過剰米の処理に着手したいと思っておりますが、何分にも大きな財政問題でもございますので、財政当局とも相談しながら、どうするかということを予算編成の際に決めるということになろうかと思います。  それから、処理方式という問題でございますが、これは、いずれにしましても、本格処理ということになりますと、特別会計法を改正いたしまして損失繰り延べということをやらないと、財政的にちょっと対応できないわけでございます。ある年に何十万トンか処理しまして、その年にその処理に伴う損失をすぐ補てんするということになりますと大変な額になりまして、これでは財政的に処理できないということで、この前の過剰米処理のときには七年繰り延べたわけでございます。こういう具体的にどうするかは問題でございますが、特別会計法の改正というものを伴うこういう方式をいま検討いたしておる、こういうことでございます。  それから、農林水産予算全体の伸び率の問題、私、食糧庁でございますので、ちょっと私からは答弁を控えさせていただきます。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 五十四年度の農林水産省の総予算の現段階において省議でまとめて大蔵省に要求しておるのは一一三%増、したがって、三兆四千五百四十五億を要求しておるわけでありますが、これを総力を挙げて獲得するように努力いたしたい、そういうことでございます。一一三%の伸び率であります。

原田立公明党

○原田立君 本日の読売新聞の報道に、畜産振興事業団の経営問題が取り上げられているわけでありますか、会計検査院の方おいでですか。——この内容についての調査を行った理由及び現在までの経過を御報告願いたい。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。  畜産振興事業団の検査をするに当たりまして、本年私たちはその重点を指定助成対象事業の実施及び経理と、この事業につきましては事業団からの調整金が原資となっているわけでございますが、この回答に基づきまして検査を実施いたしたわけでございます。  先生お尋ねの件でございますけれども、いま申し上げた検査の一環といたしまして、現在なお検討中のものでございます。したがいまして、大変失礼でございますが、お答えするのに若干制約はございますけれども、申し上げられる範囲でお答え申し上げたい、こう存じ上げます。  畜産経営改善資金融通事業につきましては、北海道につきましては本年の六月と九月に三十四の農業協同組合を検査いたしました。また、群馬県につきましては十五の農業協同組合につきましてそれぞれ検査をしたわけでございますが、その結果、北海道につきましては三十四のうち十六の農業協同組合におきまして、また、群馬県につきましては十五のうち二つの農業協同組合におきまして問題が起こったわけでございます。したがいまして、その後、私の名前をもちまして、八月と十月に三回にわたりまして畜産振興事業団に対しまして照会を発しまして、現在、相手方の見解等を確認中でございます。  その内容につきましては態様は幾つかあるわけでございますが、つまるところは、利子補給の対象とならない貸し付けに対しまして利子補給をしているという事態でございます。この事態につきましては、今後当局の回答を待ちまして、本院内の所要の審議を重ねまして大体十二月の中旬に結論を得たい、このように考えている状況でございます。したがいまして、それ以上の内容につきましてはしばらく御猶予賜りたい、このように存ずる次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 いまもお話があったことが、新聞記事に出ているわけであります。北海道の三十四農協、群馬県の十五農協を対象に行い、そのうち北海道で十六件、群馬で二件の貸し付けなどに疑問な点があったと指摘しているわけでありますが、新聞報道では牛の頭数をごまかしたり利子補給額を多く請求していたり、あるいは結婚資金として農協から金を借りておきながら、この新制度が発足したのを知って経営改善のための貸付金に切りかえたりという、こういうふうな事実関係が三件出ております。三例出ているわけですけれども、これは間違いないんですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) そういう内容につきましては、私どもどうしてそういうことが新聞に出たのか理解に苦しんでいるわけでございまして、仮にそういう事態がありましたとしましても、今後、内部の審議を経てその事実の確認をするわけでございますので、できますればいましばらく御猶予賜りたい、このように考えるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 当委員会は国会なんですから、余り遠慮なさらないで、十二月には粗々結論が出せるというのでしたならば、また現にやっているんでしょうから、途中の段階で制約があるのは十分承知しています。だけれども、そんな木で鼻くくったような答弁では私は引き下がりませんよ、もう少しはっきりした返事をしてもらわなければ。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) せっかくの御質問に対して大変失礼でございますけれども、たとえばいまもおっしゃいました結婚資金と、そういうことにつきましては私どもの方では把握をいたしておりません。事態としては、相当のものがあったことは御披露申し上げます。

原田立公明党

○原田立君 では会計検査院としては、どういう点に問題があるとして十八農協を調査をしているのか。その点はいかがですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 畜産振興事業団の問題につきましては、いろいろと御要請ございまして、たとえば昨年は価格の問題その他に力を入れたわけでございますけれども、なかなか制約がございましてできなかったわけでございますが、国会の方からの御要望もございまして、本年は、先ほど申し上げましたように、指定の助成事業に重点を置いて見てみようと、調整金の行方はどうなっているかということを追おうということで、そういう観点から仕事をいたしたわけでございます。  こういった指定事業は、柱といたしまして十三の柱があるわけでございますが、私どもがいま取り上げましたのは、その中の一つのものでございます。したがって、この場合でございますが、事業団からの助成資金が社団法人の中央畜産会に基金として参りまして、その基金から各農協が畜産などをされる方に対してお金を貸される場合に、九分程度の利子を想定いたしまして、これに対して四分の補給をしていると、そういったものでございますが、そういった貸付金の行方と申しますか、それがどうなっているかということを現地について見たわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 次官、こういう問題が発生する背景は一体どこに問題があると考えているのか。制度上か、あるいは運用面にあると思うのか。この問題をどのように受けとめておられるのか。きょうの新聞、読売新聞ですけれども、ごらんになったですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) ちょっと見ましたね。私も読売をちょっと見まして特に懸念するのは、結婚資金云々という記事が出ておったわけであります。それで、このことについて会計検査院等も院の立場からいま検査をした結果を答弁される範囲内において答弁したと思いますが、この欠陥はやはり運営上の問題ではなかろうか。したがって、資金不足等からこういう問題が起こるのではなかろうかと、私なりに解釈をいたしております。

原田立公明党

○原田立君 会計検査院として、こういう問題が発生する原因として、どこに問題があり改善を要すると思われるのですか。ただいまの次官の発言では、資金の不足によってこういう問題が起きたんだと、こういうふうなお話なんだけれども、ちょっとそうじゃないんじゃないかなというふうに私は思うのですけれどもね。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) こういった原因の解明につきましても、現在、照会でただしているわけでございますけれども、いまわかっている範囲内では、やはり趣旨が十分徹底してないのではないだろうか、そういった点を感じているわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 趣旨が不徹底って、どういう意味ですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) この助成事業を受けました場合の借り受け者の対応と申しますか、どういった内容の貸し付けのものであるか、またどういったことを原資としてされるものであるか、そういったものの趣旨の徹底が欠けていると、こういうふうに考えるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 十二月にはきちっとしたものが出るんだろうと思うけれども、粗々調査をなさって、どこに改善すべき問題点があったかという、その点はいかがですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 改善となりますと相当広い範囲で物事を考えなくちゃならないと、このように考えているわけでございますが、冒頭に申し上げましたように、本年初めて検査をいたしたわけでございます。この種の事業は非常に多うございまして、全国津々浦々にそういった事業をなされているわけでございまして、北海道は確かに多いシェアでございますけれども、北海道と群馬県だけでございますので、まだその原因究明とこの制度全体の見直しにつきましては詰めてない状況でございます。したがって、いまのところはこれはあくまで不当な態様であると、不当な事態であると、個別的に処理を考えております。  先ほど先生の御質問に対して大変言葉が足りなかったのでございますが、若干進めまして内容を申し上げますと、たとえば借入金を実際よりも水増ししているものに対して農協がより補給をしているとか、そういう事態があるわけでございます。若干このあたりは水増しということがございますので悪意があるかと思いますけれども、全体の制度の見直しはもう少し手を広げてみてからにしたいと、このように考えている次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 会計検査院ではことしは北海道、群馬、兵庫を対象に調査、このうち兵庫は時期的に問題があり、実質調査は北海道、群馬の二カ所であったそうでありますが、その二カ所とも貸し付けなどに疑問があるわけであります。これは全国的に同様な問題があるのではないか、こういうふうな疑いを抱くのは当然のことと思うんでありますが、御所見はいかがですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 私としましては、いま申し上げたように、非常に狭い範囲の検査であると、そして、金額的にも新聞の記事がどうやって出たか知りませんけれども、大して伸びてないわけでございます。それで大ざっぱに言いまして、新聞の記事はおかしいと私は思っているわけでございますが、そういうことでございますので、私としましては、今後とも引き続き来年以降も三の種の検査を続けてみたいと。そして、制度的に問題があれば、私たちはやはり改善という方向で処したいと、こういうふうに考えている次第でございます。できますれば農林当局においても御答弁を願いたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 おかしいとあなたは言いますけれども、会計検査院として十八農協に返還命令はお出しになったんでしょう。だから、その点ははっきりしているんでしょう。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) その点につきましても全く腑に落ちないわけでございまして、検査院が検査して直ちに返還をしろということは余り言ったことはないわけでございまして、これは行政庁がみずからとるべきことでございます。したがって、返還命令という言葉を使った覚えはございません。また、私の名前で出しました照会も、こういう事実の確認、内容の確認での照会でございますので、どうかという質問をしているわけでございます。返還をしろと言ったことは一度もございません。

原田立公明党

○原田立君 農林水産省としては、会計検査院が二カ所調査した結果、二カ所とも疑問を指摘している、これは全国的に調査し、国民に対して疑いを晴らすべきだと思うんであります。これは早急に調査して公表すべきであると思いますが、いかがですか。

杉山克己農林水産省畜産局長

○政府委員(杉山克己君) 大変恐縮でございますが、会計検査院の方へお尋ねいただいた問題の中で制度問題に関する部分がございましたので、私からその点一言補足させていただいて、いまの御質問にさらにお答えさせていただきたいと思います。  この資金は、まさに四十八年、九年、石油危機等に伴って畜産経営が危殆に瀕しました。そのときに、畜産農家が多額の借金をいたしたわけでございます。それがその後も経営を圧迫する、なかなか回復ができないというようなことでございましたので、それらの資金についてできるだけ金利負担も軽減する、肩がわりをするというようなことで、経営改善資金を融資することといたしたわけでございます。実際のこの畜産振興事業団からの助成は、そういう融資をした場合に、金利について九分資金を四分助成するということで行うこととしているわけでございます。規模はかなり大きゅうございまして、五十二年度の融資の実績は八百六十三億円ということになっております。対象農家数も三万四千九百八十五件となっております。そして、これは趣旨といたしましては、制度といたしましては、まさに畜産農家が安定的な経営を維持していく上でぜひ必要な資金である、全国の畜産農家の強い要望にこたえて五十二年に実施し、五十三年にもさらに若干その手直しを行ったところでございますが、引き続いて融資事業を行っているところでございます。  したがいまして、制度として融資自身は有効なものであるし、必要なものであると考えておりますが、ただ、御指摘のように、新聞に出ましたそのことがそのまま事実であるかどうかは別といたしまして、その運用について、実際の貸し付けについて貸し付けるべからざるものを対象にしておったと、そして助成も行っておったということになりますと、これは問題でございます。事実関係につきましては、会計検査院の方から御指摘がありましたように、現在畜産振興事業団において検討し、会計検査院と御相談といいますか、照会にお答えをしつつあるような段階でございます。最終的な処理は、それらの確定を待った上で返還を要するものは返還をさせるというような措置をとることも必要であろうかと考えます。  ただ、私どもせっかくこういう農家の要請にこたえる私どもいい事業と信じておるわけでございますが、いい事業が、実際に貸し付けの段階でもって趣旨が徹底しない、十分な指導が行われないということのために趣旨に反するような使い方がされる、そして疑惑を招くというようなことがあれば、これははなはだ残念でございます。この事業の実施に当たりましては、指導を徹底させるため都道府県の畜産会でありますとか、都道府県の中央会等による畜産経営改善指導事業というものを並行して行わせているところでございますが、さらにそういった趣旨が徹底するよう、これらの機関を督励、指導するということと同時に、畜産振興事業団みずからが、それはすべてという場合には全国数多いものに回り切れるわけにはまいりませんが、直接督励の意味を兼ねて監査に出向くというようなこともさせたいと。今後そういうような疑惑を招くことのないように、十分努力したいと考えております。

原田立公明党

○原田立君 結局、国民に対して疑いを晴らすべく調査をいたしますと、こういうことでよろしいですね。  それでは、畜産振興事業団には毎年多額の調整金——差益がプールされているわけでありますが、五十年度からのプール金は一体どれぐらいになっているかと思いましたらば、この新聞の報道によりましても五十年には百五十一億、五十一年には三百八億、五十二年には三百九十二億と、非常に多額な繰り越し金というものがあるわけでありますが、こんなにたくさんあるならばもっと消費者に還元したらばいいんじゃないのかとか、あるいはまた、出資額は一体どのぐらいになっているのかと、こういうふうなこと等が、はたと疑問に思うわけであります。この点はいかがですか。

杉山克己農林水産省畜産局長

○政府委員(杉山克己君) 牛肉におきましては、国外から輸入をしました場合、それを国内価格に合わせましてこれを畜産振興事業団が売る、その間に差益が生ずるわけでございます。この牛肉の売買に伴う差益、これは牛肉勘定から助成勘定へ繰り入れが行われます。五十一年度は百四十四億三千九百万円、五十二年度は三百七億七千百万円、五十三年度は三百九十二億六千三百万円ということになっております。若干差はありますが、大体いま新聞で出された数字とほぼ近いものでございます。  そこで、これらの金がどう使われるかということでございますが、新聞の記事の中で誤解がありますのは、当年の収入がそのまま当年の財源として支出に充てられるというように理解しているようでございますが、これは前年に発生しましたところの牛肉の売買に伴う差益、これは翌年の予算でもって受け入れまして、それを財源として翌年の支出に充てるということにいたしておるわけでございます。その意味から申しますというと、五十二年では二百九十八億円の助成を行っておりますが、この五十二年において前年発生した差益で受け入れられたものは三百七億円でございます。ほぼ見合いの額が支出に至って、補助なり出資なりに使われたということでございます。五十二年の補助の額は二百五十七億四千二百万円、出資の額は四十億五千万円でございます。  それから、五十二年でもって発生しました三百九十二億のこの金は、これはすでにことしの三月におきましてその大部分の使用を決めておるわけでございます。全体としてほぼそれに見合うような三百七十五億という金が、先ほど問題として取り上げられましたところの経営改善資金でありますとか生産対策、それから流通改善のための対策等に支出が予定されているわけでございます。全体の使い方として、最近特に生産対策もさることながら、流通改善、消費者に直接とはいかないまでも比較的近い形で還元する対策を考えるべきであるという御指摘をいただいております。五十二年におきましても、さらに五十三年におきましては一層そのような観点から消費者への還元のより近い方策、たとえば特別販売事業でありますとか、あるいは東京都で行っておりますところのいわゆる朝市、安売りのための措置あるいは産直販売店のモデル設置というようなそういう事業により多く使ってまいりたい、かように考えております。

原田立公明党

○原田立君 会計検査院としてもたまたま新聞に出た、私の方は発表してないのにどこで漏れちゃったんだろうかだなんていうふうなそんな消極的な姿勢でなしに、やっているならやっていると、実際うそならうそ、本当なら本当、はっきりして、監査の立場にあるのがあなた方の立場なんですから、もっと厳然とした姿勢で事の処理に当たってもらいたいと思うのです。それを受けて、また農林水産省としてはきちんとしてやるでありましょうけれども、こういうような天下の公器である新聞に載ると、いろんな影響というのは大きいんですから、ましてや、また会計検査院でこれをやったというようなことが出ているならば、むしろもっと当委員会なんかに率先して報告し、発言すべきであると思うのですよ。その点、いかがですか。

岡峯佐一郎会計検査院事務総局第四局長

○説明員(岡峯佐一郎君) 事態の内容につきましての吟味はやはり相当正確を要するということで、私どもの体制上、十二月の決算検査報告にまとめるのがシステムでございますけれども、いま先生がおっしゃった点は十分考えて行動してまいりたいと存じます。

原田立公明党

○原田立君 次に、農地の構造改善事業等に関してお伺いするわけでありますが、わが国の穀物自給率は四〇%台を低迷し、今後の食糧事情を考えても自給率の向上は必要欠くべからざる立場に追い込まれております。しかしながら、政府の長期見通しでは、昭和四十七年度の四二%に対して六十年見通しでは三七%と、逆に五%低い見通しとなっております。  国民食糧の安定的供給の確保と並行して農業の健全な発展を図るためには、生産体制の強化充実に努め自給率の向上を進めることが最も基本とされるところでありますが、日本農業はこの土地政策なくしては考えられないことであります。昭和四十四年の調査では、農地の開発可能な面積は百五十万ヘクタールあり、このうち五十七年度までに七十万ヘクタールの開発を行うことになっております。しかし、現状は、地価の高騰や工事費の増大など、計画どおりに進んでいないのが実態だと思います。具体的問題に入る前に、現在の農地開発の実態と今後の見通しについてお伺いしたい。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) ただいま御指摘のありました五十年に閣議決定されました「農産物の需要と生産の長期見通し」におきまして、六十年におけるところの必要な農用地五百八十五万ヘクタール、これを確保するために四十八年から六十年までの十二年間に相当転用を抑制をしたとしても七十万ヘクタールぐらいの壊廃が見込まれるということでございますので、その期間内に八十六万ヘクタールの農用地造成が必要であるということになっております。このような目標に照らしまして、従来から各種の農用地開発事業の促進に努力をしておるところでございます。   〔理事山内一郎君退席、理事青井政美君着席〕  ただ、最近の開発予定地はだんだん奥地化してまいりまして、道路その他の工事費もよけいかかる。また、団地規模も比較的小さいものしかとれないというふうなこともございますし、また、自然保護の要求の高まりもございますし、各種の防災施設を相当完備する必要があるというふうなこともあり、また、農業外との土地利用の競合等によります用地調達がなかなか困難だというふうないろいろな問題がございまして、新規開発はなかなか容易でない状況でございます。このため、最近における農用地造成面積は年間三万ないし四万ヘクタール程度でございますが、一方、農用地の壊廃面積は、最近は経済基調の低迷等に伴いまして相当減少をしつつある、そういう傾向にはございますものの、年間なお六万ないし七万ヘクタールと、新規造成面積を上回るような壊廃がある状況でございまして、このような傾向からいたしますと、農用地五百八十五万ヘクタールの確保はなかなか容易ではないということが現状でございます。しかしながら、御指摘のように、食糧自給力の維持向上を図るためには農用地の確保、造成が基本でございます。  したがいまして、現在やっております国営農用地開発事業あるいは農用地開発公団の行います事業、その他各種の事業の拡充推進に努めるほか、国有林野の積極的な活用とか、あるいは農林地の一体的な開発整備あるいは各種こういう開発事業の採択条件の緩和等によりまして、所要の農用地の確保を図るべく努力してまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 要するに、自給率の向上を進めることが最も基本的に大事であると、その点ははっきりしていますね。ところで、六十年における農地面積は、農業生産の展望及び今後における壊廃、造成を考慮して五百八十五万ヘクタール程度と見込まれる、あるいは壊廃面積がいま言ったように七十万ヘクタール、造成面積は八十六万ヘクタール、そうすると、差し引きずると、四十八年から六十年までの間、わずか十六万ヘクタールしか実質的な伸びがない。だから、結局は壊廃面積を小さくいかに抑えるかということが重点の大きい一つの課題であろうと思うわけなんです。この点について具体的にどう対策を講じていくか、お伺いしたいと思います。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 先ほども御説明しましたように、七十万ヘクタールの壊廃を十二年間に見込んでおるわけでございますが、これを確保するためには、現行の農地法あるいは農振法等の規定をフルに活用いたしまして、この範囲内に壊廃をとどめることによりまして、八十六万ヘクタールの造成と相まって五百八十五万ヘクタールの農用地を確保するべく努力をいたしたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 だから、壊廃面積を小さく抑えることが大事でしょう。その点についてはどういうふうに御処置なさいますか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) ただいま申しましたように、農振法によります農用地地域の確保あるいは農地法による転用規制等を十分活用いたしまして、できるだけ壊廃面積を減らしていく、一方でできるだけ造成面積をふやす、こういうことによって所要の必要な面積の確保に努力をいたしたいということでございます。

原田立公明党

○原田立君 土地改良事業について若干質問したいと思うのであります。  国営土地改良事業について若干質問したいと思うんでありますが、国営土地改良事業は、計画よりかなりおくれが目立っているわけでありますが、五十三年度現在六十七地区で事業が進められている中で、四十地区が特別会計事業となっております。事業関係者の立場になれば、少しでもおくれを取り戻したいと考えるのは当然でありますが、今後の方向として、残りの二十七地区については特別会計の繰り入れを図るのか、それとも現在の一般会計で進めていくつもりでいるのか、その点はいかがですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 五十一年度に土地改良法の改正によりまして、農用地開発事業が特別会計の対象事業になりました。これによりまして、相当、特別会計で実施します事業範囲が拡大したわけでございます。それによりまして、先ほど御指摘のありましたように、四十地区を現在特別会計で実施しておるわけでございます。  残る二十七地区でございますが、このうちで約十地区につきましては、もう完了間近い事業でございまして、二、三年のうちには間違いなく完了するという地区でございますので、これについては現在の一般会計のままで進めてまいりたいというふうに考えております。   〔理事青井政美君退席、委員長着席〕 残る十七地区につきましては、これは地元の御要望、これは特別会計に移行するためには、やはり地元の受益者の同意をいただかなきゃいかぬわけでございますから、そういう地元の御意向あるいは県の意向等を聞きまして、地区の内容等を十分勘案いたしまして、特別会計で実施した方が適当なものにつきましては、逐次特別会計に移行して促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 次長、ちょっと問題点があるんですね、一般会計で扱うか特別会計でやるかという点に。そんなことはもう専門ですから御承知だろうと思いますが、一般会計での事業費負担は、国庫の補助率が六〇%、これに対して特別会計では五八%、だから逆算すれば、一般会計では地元負担が四〇%、特別会計では四二%と二%増になるわけでありますが、なるほど工事の短縮のメリットはありますけれども、この二%の地元負担増と借入金の利息という二面の重圧を背負うことに実はなるわけなんです。早期完成のメリットといっても、大幅遅延の原因は挙げて政府の計画、見通しの甘さによる点が多いと思うんです。地元は責任があるとは私は決して思わない。もっと責任を感じて一般会計並みの負担にするとか、あるいは借入利息の肩がわりをする等、何らかの対策を考えて当然だと思いますが、いかがですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 御指摘のように、特別会計にしますと建設利息がかかってまいりますし、また二%の国費の差額がございます。したがいまして、若干地元負担はふえるわけでございますが、事業の内容によりまして、非常に促進することによって効果が上がるものにつきましては、多少負担増になってもできるだけ早く完了するということが、すなわち地元負担軽減につながるのではないかというふうな考え方を持っております。また、たとえば水路の改修等の事業になりますと、必ずしも早く完了することよりも、緊急性の高いところから逐次工事をやりまして、ある程度時間がかかっても、それによって全体がそういう地元負担の高くなるような利子負担なり国費率の差額を負担しないでもいいというふうな地区もございます。したがいまして、そういう点につきましては、やはり地元の関係者の御意向を十分お聞きしまして、その方々の同意を得た上で、特別会計への移管というふうな処置をとっておる次第でございます。  なお、負担軽減につきましては、たとえば償還期間を延長するとか、あるいは据え置き期間を延ばすとかいうふうな償還条件の緩和等につきましても、これから財政当局とも十分協議をしてまいりたい、そういう面で努力をしてまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 一般会計並みに国庫補助率を六〇%、あるいは借入金の利息の肩がわり、こういうことはいかがですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) これは、特別会計が発足しましたときのいろいろな経緯がございまして、特別会計によって財投資金を導入して早期に完了を図るということ、そういうメリットがあるということもございますし、農業用水利事業につきましては二%の差額、農用地造成事業につきましては一%の差額があるわけでございまして、これをいま直ちになくすということはなかなか困難ではなかろうか。それからまた、負担金の借りかえにつきましても同様だと考えております。

原田立公明党

○原田立君 七十七国会で土地改良法の一部を改正し、その時点においては七地区を特別会計事業に組み入れて事業の促進を図ることになっておりますが、この七地区における事業計画はどのように計画変更をし、工期の短縮を図るつもりですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 五十一年度の土地改良法改正以後、兵庫県の東播用水、徳島県の吉野川北岸、福岡県の耳納山ろく、佐賀県の上場、宮崎県の美々津、三重県の青蓮寺、福井県の坂井北部、この七地区が特別会計に移管したわけでございますが、たとえば東播用水で申しますと、四十五年にこの地区は着工したわけでございますが、当初は五十二年度に完了する予定でございましたが、石油ショック以後の資材、労務費の異常な値上がり、あるいは総需要抑制による予算規模の縮小等によりまして、その着工予定時期を延ばさざるを得なくなった。そこで、五十二年度に特別会計に切りかえまして、現在、六十年度完了目標で事業の進捗を図っておるところでございます。

原田立公明党

○原田立君 だから、いまの話のあった東播にしても、四十五年着工で五十二年完了の予定が、現在、特別会計にして六十年にしている。いまあなたが言ったとおりです。五十二年ないし五十三年及び五十六年に完成する予定のものが、長いので八年、短いので四年、これは全部ずれ込んでいる。こういうずれ込みなどは、これはちょっとずさんな計画と、厳しい言葉で言うとそういうことになるんでありますけれども、私たちはそう思うんです。こういうようなことでは、かえって地元が非常に不安感を増すのではないかと、大変心配するわけです。だから、特別会計にして何とか六十年には完了しようと、こういうふうに考えておられるようだけれども、これを一年でも二年でも、またまた三年でも早くでき上がるように、もっとがっちりとした体制を組むべきであると、こう思いますが、いかがですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) この七地区につきましては、いずれも完了年度までに十分完了できる。現在の残事業費の傾向等からいたしましてもそういうことが言えるわけでございますが、もちろん、できますれば、今後の予算の伸びいかんによりましては、それ以前に完了すべく努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。

原田立公明党

○原田立君 次官、七十七国会で七地区を特別会計にして六十年には何とか仕上げようと、こういうふうになっているわけでありますけれども、いまそれは説明があったとおりですけれども、福岡県の耳納山ろく地区にあっても、本年度で竣工するのが当初計画であったのが、これが現在ではまだ四七・八%しか達成してない。要するに半分以下ですよ、まだ。——失礼しました。耳納山ろくが三一・一%、東播用水が四七・八%、吉野川北岸が三九・九%。これじゃあんまりひど過ぎはしないか、私はこう思うんでありますけれども、いかがですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いま進捗率を個々に述べられたわけでありますが、六十年度になると、五十四、五、六、七、八、九、七カ年あるわけです。いま計画しておる当局においても期間内には必ずでかすというような意気込みでありますので、私どもも皆さん方の決議を十分尊重して、予算の増額等を配分いたしたいと思います。

原田立公明党

○原田立君 予算の増額を強力に推進すると、これは固くお約束できますね。実際問題、耳納山ろくは四十七年着工で五十三年完成なんですよ。それが六十年に次にまた変わっているわけですよ。七年も延びるんですからね。こんなことではなしに、いまも政務次官は極力資金を取ってもっと早くでき上がるようにしたいと、こういう力強い御返事だったから、これはしかとお承りしておきます。  私も耳納山ろくの土地改良事業の現地には何度か足を運び、その実態をつぶさに見てきておりますが、地元農家の方々の声は、この事業で大きな期待を持っている反面、余りにも工期のおくれが大きいために事業意欲をなくしているというのが農家の偽らざる声であります。五十三年完了が、今度は六十年になった。また六十年が何年延びるかわからないというような、こういうことを言っているんですよ、事実お百姓さんたちは。政府がもっと本気になってやってほしいという意見であります。六十年に終わればよいというのではなく、先ほども申し上げましたように、一年でも二年でも早く事業を完了させるような努力をして、初めて農家の方々の声にこたえ得る道だと思うんであります。いかがですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いまも答弁したとおりに、六十年には間違いなく予算その他の増額を確保いたしたいということを申し上げましたが、できれば一年でも半年でも早くでき上がるように予算の上積みをいたしたい、かように考えております。

原田立公明党

○原田立君 国営事業のおくれは、関連する県営の灌排や圃場整備事業にも大きく影響を及ぼし、関連事業に制約を加えることになるわけでありますが、農地開発もようやく六〇%に達したにすぎず、未造成地の農家の営農意欲にも影響することからも、十分この点を踏まえて事業推進に当たっていただきたいと思うんであります。  細かい点になりますけれども、開発造成のおくれている四〇%近くの未造成地は、石が多く出たり、急傾斜など、造成に向かないのではないか等と心配されているのでありますが、この点についてはどうお考えですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 御指摘のように、耳納山ろく地区には六百ヘクタールの農用地造成が含まれておるわけでございますが、そのうちで五十三年度までに三百八十ヘクタールにつきましてはすでに造成を終わっております。残っておりますところが二百二十ヘクタールございます。これにつきましても、できるだけ早い機会に造成を完了したいというふうに考えております。  ただ、御指摘のように、この二百二十ヘクタールの中には、急傾斜のところ、あるいは礫の多いところが若干ございます。これにつきましては、十分、利用される受益者の方々とも相談をいたしまして、御納得のいくような工事をしてまいりたいと考えておりますが、どうしても急傾斜でまずいというふうなところ、そしてまた、地元の方々の御要望があれば、代替地との振りかえというふうなことも含めまして今後考えてまいりたい。それから、礫の多いところにつきましては、この地域は大体樹園地として利用されるというふうな計画になっておるわけでございますが、そういうことをも勘案しまして、また地元農家とも御相談の上、一応十センチ以上の礫については農用地造成事業でこれを除去する、それ以下のものにつきましては利用者の方々で処置をしていただくというふうなことで、現在、鋭意進めておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 要するに、きめの細かい処置を十分考えてやってもらいたいと思うんです。  工期の遅延と並行して大きな問題は、地元負担が増大する一方だということであります。どの事業地域でも言えることですが、福岡県の耳納山ろくの場合、当初計画では総事業費百十億円、これが五十三年の時点で二百七十四億円と二倍以上の大幅な事業費となり、それだけ農家負担も大きくなっている。そのため国庫の負担割合、補助率の引き上げを強く要求しているのであります。少しでも負担軽減を図るのが、政府の温かい施策と私は思うんであります。  事業の大幅なおくれにしても、負担のアップにしても、決して地元市町村や農家に原因があるのではなく、先ほども指摘しましたが、政府の計画のずさんさというか、手の打ち方の遅さというか、そこに直接の原因があると私は思うのであります。このままでいけば、ますます農政に対する不信は強まるばかりであります。この点を率直に反省し、負担率の軽減と——先ほどはそんなことは余りできないみたいなような話だったけれども、十分取り上げて、何らかの軽減と負担率の軽減とを図られるよう努力してもらいたいと思うのでありますが、これは次長並びに次官、両方にお伺いします。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) 耳納山ろく地区につきましては、御指摘のように計画当初は百十億で、この場合の地元の反当負担金が四万六千円余りでありました。年償還額にしますと四千四百円ほどでございましたが、これが現在は総事業費が二百七十四億、反当地元負担金が十一万六千円、年償還額が一万二千円ほどになっております。ただ、時点の差がございますので、この間の物価修正をいたしますと、年償還額が、計画当時のものを現在に物価修正をいたしますと九千百円ほどになりまして、三割ぐらい確かにふえるということになろうかと思います。  この内容は、先ほど申しました特別会計に移管することによります利子の増、あるいは国費比率の減、あるいは内容的に事業工事の内容を改善しました結果が負担の増につながっておるわけでございます。これらの年償還額をできるだけ減らすというふうな努力は、今後ともしてまいりたいというふうに考えております。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 工事がおくれたから地元負担が増加するのじゃないか、この責任は地元にはない、国にあるのだ、したがってその増額分の補助を何とか考えられないかということでありますが、非常にむずかしい問題であります。これは、土地改良基盤整備事業の補助率アップ等とも関連すると思いますので、いま私がここで、はい、そのように処置いたしたいとは答弁ができません。したがって、こういうことがある事情は大臣ともよく話して、何とか考慮させたいということでございます。

原田立公明党

○原田立君 非常に不満のある返答でありますけれども、実際問題として申し上げるんでありますが、吉井町の上尾谷団地、これは二十六・五六ヘクタールあるわけでありますが、このうちの七・六ヘクタールに九戸の農家が入植する予定で町有林の払い下げを受け、ことし八月から造成工事が始まったわけでありますが、やり始めたらば直径一、二メートルもの巨大な岩石がゴロゴロしており、ひどいところでは表土がわずか十センチほどしかないところもあった。あるいはまた、開墾地が急傾斜のため、払い下げてもらった土地の五〇%程度しか農地にならないという、これはあなたがさっき言われたとおり。このため、せめて表土となる土をよそから持ってきて入れてほしい、あるいは石がたくさん出ているのだから、それを使ってのりを石垣にしてくれれば、石の置き場をつくる必要もなく、農地の部分がそれだけ広くなる、こういうふうに関係者は言っているんです。現場の工事事務所へ行っても、このことを農林水産省は、現場は取り上げてくれない。  この点ぜひ取り上げてもらうように、また農家のこういう実際の苦情、計画と実際とは違うんですから、実際やってみてマイナスであるようなところは、大いにその意見を参酌してやる、くみ取ってやる、こういうふうにしてやるのが温かいきめの細かい施策ではないかと思うのであります。先ほどの急傾斜のところなどは、一たび集中豪雨でもあれば大災害になりかねないということで、不安感を持っている。それでまた、農家の人たちがほとんど平均二百十万円ないし二百五十万円の借金をして、造成予定地の町有林の払い下げを受けております。その上、造成工事費の一部が受益者負担として農家の肩にかかってくるため、岩ばかりの農地ではどうしようもありませんと、こういうふうに嘆いて言っているわけです。これらに対しては、もっと具体的に現場の農家の人たちの声を聞いてあげるようにきちっと指導してもらいたいと思うんですが、いかがですか。

岡部三郎農林水産省構造改善局次長

○説明員(岡部三郎君) この耳納山ろくの農用地造成地区は、御承知のように、耳納山の山ろくの未墾地の開発でございまして、非常に傾斜の厳しいところ、きついところが相当ございます。先ほども申しましたように、特にこれから開発いたします二百二十ヘクタールの中には、そういう地域が五十ヘクタールぐらい含まれておるということも私ども十分存じております。それからまた、礫の多いところもございます。これらにつきましては、先ほども申しましたように、やはり農用地造成は、何といいましても、できた畑が生産に役立つようなものができなければ何にもならぬわけでございますから、そういう面で、利用される方の意見を十分お聞きしまして、御相談の上に具体的な工法を決めてまいりたいというふうに考えております。  ただいま御指摘の地区につきましては、私どもは直接現在聞いておりませんが、現地に言いまして、十分調査をさせまして善処させたいと考えております。

原田立公明党

○原田立君 また、今度は別な問題になるわけでありますが、農機具の事故問題でお伺いしたいわけであります。  最近、農作業中の事故が年々増加し、農業機械の大型化、高性能化に伴って、その事故も死亡や機能障害を残すほどの大きな事故が続発し、深刻な社会問題にまで発展しております。  そこで、農業機械の安全性の問題が国会でもしばしば取り上げられ、国もその対策に取り組むようになって数年になりますが、現在までどのような安全性に対する措置を講じられてきたか、具体的な対策とその実効をお伺いしたい。  それで、大変済まぬけれども、私、四十分までしか時間がありませんから、答弁は簡潔にしてください。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 農業機械等による農作業の事故は非常に重要な問題でございまして、私どもこれの改善にいろいろ努めているわけでございますが、まず、事故の起きる原因を見てみますと、やはり一つには、機械装備などの構造上の欠陥というふうなものがございますし、それからまた一つには、農業者自身が機械にふなれであったとか、あるいは知識、技能が未熟であったとか、あるいはまた不注意があったとかというふうな、人に起因する問題等もございますわけでございますので、そういう人の問題と機械の問題とともどもの対策をいままでも打ちつつあるわけでございますが、特に人に対する問題といたしましては、四十年以降都道府県の段階で安全運動の推進本部をつくって、春秋の農繁期に安全運動の推進月間を設けて、大いに安全に関しての農家側の意識の高揚を図っていくと。  ポスターやチラシを配ったり、巡回指導を行ったり、あるいは移動教室を行ったりというふうなことで、そういう都道府県段階で安全運動を進めているわけでございましたが、そのほか五十一年からも、市町村段階においてもこういうふうな安全運動を強く進めて、部落座談会を開催したり、あるいは安全作業の実演講習会の開催を行ったり、また、農作業をやる際の危険個所の作業環境をチェックして改善していくというふうな働きかけをしたりというふうな、こういう市町村段階においても安全運動の推進を行っているわけでございます。  このほか、中央の団体でもいろいろやっているわけでございますが、またそのほかに、農家の技能の向上を図るために、都道府県等に機械の研修施設をつくりまして、そこで機械の技術の研修を行うようにということで、都道府県への機械の研修施設の設置についても助成を行っているところでございます。  それから、機械自体の安全性の向上対策ということもきわめて重要な問題でございますので、私ども農業機械化促進法に基づきまして行っております農機具の型式検査、これを昭和四十九年度から一部改善いたしまして、この中で安全性に関する事項をつけ加えたような基準に改正いたしまして実施するようにしておりますし、そのほかにも、五十一年から特に安全性に着目いたしまして、型式検査で実施しているものを含めまして、主要な農業機械二十二機種について安全鑑定を実施するというふうなことで、安全な農業機械が提供できるように措置し努力してまいってきた次第でございます。

原田立公明党

○原田立君 農業機械使用中のものがほとんど事故の原因になっておりますが、農業者の不注意が約七〇%、残りの三〇%の原因が欠陥機械あるいは整備不良の農業機械と言われております。  そこで、いまあなたの言われておったのは、農業者の不注意、未熟さによって起きる事故、これに対してはポスターや何かを使ってやろうと言うのだけれども、そんなポスターぐらいじゃ事故は解消しませんよ、あなた。  それからまた、問題はもう一つの面の欠陥機械、これに対しては検査制度は一体どのような方法で実施されているのか、その点についてお伺いしたい。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 先ほどお話申し上げました農業機械の型式検査は、農業機械化促進法に基づいて、メーカー等からの依頼によって実施しているわけでございますけれども、まずその第一に、型式検査を行います対象の機種、それからその型式検査を行う主要な実施方法及び基準、これにつきましては、農業機械化促進法に基づいて設置されております農業機械化審議会の御意見を承った上で農林水産大臣が定めておるわけでございます。  それから、検査の内容といたしましては、農業機械の性能、それから農業機械の耐久性、それに農業機械の操作の難易、それから農業機械の構造、この四点について行っているわけでございますが、四十九年度からこの構造の中に安全面のチェックを入れて安全装備ができているかどうかと、たとえばベルトだとかプーリーだとか、そういうところにカバーをかけて巻き込まれないようになっているかどうかというふうな点についてのチェックを行うようにしておるわけでございます。それから検査の実施主体でございますけれども、やはり法律に基づいて設置されております農業機械化研究所が検査を行い、検査基準に照らして合否の判定を行って依頼者に通知するわけでございます。それから、農林水産大臣は機械化研究所の理事長からの報告を受けまして合格機の型式名等を公表するほか、必要と認める場合には合格機について事後検査を実施するようにいたしております。  最近におきましては、農用トラクター(乗用型)あるいは自脱型コンバイン等九機種を対象といたしまして年間二百台、これは二百型式に相当するわけでございますけれども、二百台前後を実施しておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 先ほどあなた二十種類ぐらい型式検査、この対象になっていると言ったけれども、いまの話じゃ二百種類になっているけれども、それはどういう違いなんですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 私、先ほど二十二機種と申し上げましたのは、これは型式検査でなくて、安全鑑定というもう一つ別の型式検査の中の安全装備のチェックというふうな、そういう部分だけを取り急ぎ行うような鑑定でございまして、これが二十二の種類の機械、二十二機種と申しますとたとえばトラクターだとかコンバインだとかバインダーだとかハーベスターだとか、そういう機械の種類が二十二の機械の種類でございます。  それから、ただいま申し上げました農業機械の型式検査で年間約二百台あるいは二百型式と申しましたのは、同じトラクターという機種の中でもA社のトラクター、B社のトラクター、C社のトラクターというふうに、そういう型式が違うトラクターなり型式が違う機械を一つ一つと、一型式あるいは一台というふうに勘定して、年間二百型式前後というふうになるわけでございます。九種類の機械で年間二百型式前後というふうになっておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 それから、先ほどあなた説明の中に、これは依頼による任意制でありというお話があった。依頼による任意制ということは強制力はないわけですね。その点はどうですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 農業機械化促進法に基づきます農機具の型式検査は、先生ただいま御指摘のとおり、依頼者からの依頼による検査でございます。

原田立公明党

○原田立君 それでは非常に片手落ちと言うか、ちょっと安全性から言ってそれでは非常に手落ちになるのではないかと、こう心配するんですけれど、どうですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 私ども農業機械の事故がわりあいに起きやすい機械といたしましては、高性能、高馬力の農業機械がやはり中心になるかと思いまして、そういうふうなものを中心にいたしまして農業機械化促進法に基づきます農機具の型式検査を九機種について実施しているわけでございますが、これだけではまだ十分でないということをわきまえまして、五十一年からその型式検査とは別に、もう一つ安全鑑定というふうなもので特に先生御指摘のように、安全面の装備が十分なされているかどうかというところのチェックを、やはり同じく機械化研究所の方でやらせておるわけでございます。で、そういうふうな二十二機種の安全鑑定をこの五十三年からさらに一つふやしまして二十三にいたして実施しておるわけでございまして、この安全鑑定と型式検査とこの二つで、現在流通しておる型式のうちのかなりの部分をカバーしているというふうに理解いたしておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 かなりカバーしているだなんというのは、とんでもない話だと思うのですよ。普通の一般自動車などにおいては車種の検査とか、そのときに講習とか受けて、そのときにきちっとした人の訓練も行い、また改良もするというようにしておる。ところが、農機具についてはそんなことをやる機関がないじゃないですか。いまあなたの話の中にもあるように、まだ依頼による任意制のものなんです。強制力がないでしょう。だから事故の発生状況は、ある新聞の報道によれば、普通の一般自動車がぐっと低下したけれども、農業用機械による事故発生はぐんぐん急増しているじゃないですか。これは一体どうなさるんですか。  具体的に、数字で言えば、自動車一万台当たり死亡者は三・五人なのに、トラクターは九人、負傷者数で見ても自動車千台当たり十一人に対し、トラクターは十四・五人、こういうふうなデータが出ている。この事故の発生をもっと未然に防ぐようにするためには、任意制による検査なんて、そんなのんびりしたこと言っていたらば、ますます機械は大型化していくし、複雑化していくし、訓練する場所もないし、訓練受ける場所がないし、どんどんどんどん事故は多発していきますよ。どうなさるんですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 先生ただいま御指摘のように、農業機械による事故が多いのは私どもも非常に頭を痛めているわけでございます。ただ、事故の起こり方を見ておりますと、やはり人に起因する場合と、それから機械に起因する場合と、ともどもあるわけでございまして、機械に起因するものにつきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、安全なものをということで、現在の検査制度をもって検査、鑑定制度で対応しておるわけでございますが、それから、やはり先生御指摘の技能者の訓練をすることも、農業者の訓練をすることも非常に大切でございますので、訓練の方につきましても私ども県の研修——農業機械の研修施設というのが県に置かれておりますけれども、そこを整備拡充して、そこで十分なる訓練ができるようにということでさらに努力を重ねておるし、市町村段階でも安全運動ということを大いに展開してもらって、この総合的な対策を講じておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 たしか農業機械士という制度があるはずですけれども、この実施状況はどうですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○説明員(芦澤利彰君) 先生ただいま御指摘になりました農業機械士制度というのを設けておりますが、これは都道府県の農業機械研修施設である一定の研修を受けた人たち等を対象にいたしまして、その人たちに一定の認定事業、いわばテストに近いものでございますけれども、一定の認定事業を行って、認定事業に合格した人たちに都道府県知事が農業機械士という称号を授けるようにしておる制度でございまして、昭和四十六年度からこの事業を実施、この認定制度というのを実施して農業機械士制度を進めておるわけでございます。現在、約二万人の農業機械士の誕生を見ておるわけでございます。

原田立公明党

○原田立君 そんな数を聞いているんじゃないんですよ。もう少し、もっとそういうように機械を取り扱う人たちがふえるような処置を講じよと、そして農業機械による事故をなくするようにしろと、こう言いたいんです。これが指摘しておきたい点の一つ。  それから、要するに中古の機械ですね。これが農家同士で交換されるということがあるんですね。そういうようなのが事故の原因になる場合もあるんです。アフターケアがはっきりしないものだから。この点をもっときちんとしなければならないと、こう指摘しておきたいんです。  時間がありませんからもうこれでやめますけれども、また次の機会にこの農業機械の扱いについてはもっと徹底して議論したいと思うんです。十分な処置を期待したいんでありますけれども、政務次官いかがですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 農業機械によっての負傷という事件が起こることは、非常に農家経営においても支障があるわけなんで、したがって機械の整備拡充あるいは検査にいたしましても、鑑定にいたしましても、やっぱり農林水産省自体がもっと真剣になって私は指導すべきであろうと、かように考えます。したがって、今後はそういう検査あるいは鑑定の実施体制の整備充実に力を入れていきたい、それで先生のおっしゃるようなことにこたえていきたい、かように考える次第であります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最初に、釣り行政の確立を早急に図ってほしいという点から御質問申し上げます。  さきの八十四通常国会においても、今度の八十五臨時国会におきましても「「釣り人課」(仮称)新設に関する請願」が、百三十万人というふうな大変多くの人たちの署名をもって国会に提出されているのは御承知のとおりだと思います。この請願をお出しになった「日本釣振興会」並びに「全日本釣り団体協議会」、さらには「日本の水をされいにする会」などの団体の皆さん方が、請願を提出するに当たりましてその当初の趣旨の中に、それぞれ各政党本部や、また議員の皆さんにもアンケート等でお願いをした。各政党は皆さん御賛同いただいているんだけれども、衆議院においては前回の国会でこれが採択され内閣に送付されているわけですけれども、本参議院においては、この「課」ということについて名称をめぐって等々いろいろ議論がありまして、先ほどの請願採択等については保留というふうな結果になったわけでございますが、私たち共産党といたしましては、これは次のような理由からして早急に行政の立場からも考えていくべきではないか、こういうような点から御質問申し上げているわけです。  特にその理由と申しますのは、釣り人口が一千七百万人とか、あるいは二千万人と、こう言われております。これだけの釣り人口がおるわけですから、健全なるレクリエーションの場として大きく育てていくという、そういう施策があってしかるべきですし、また充実されるべきではないか。また同時に、それはなぜかと言えば、特にこの釣り関係において、いろいろと今回の質問に当たってもお話を伺ったところなんですけれども、農林水産省の所管の方では、主な事業としては遊漁対策振興事業といったもの程度しか見当たらないんですね。そういうようなこともあってだと思いますけれども、大変釣り環境が悪いわけです。特に、片や乱開発、公害問題と相まって生活環境が悪化していく、下排水の処理施設も十分でない、こういうふうな事態でありますし、同時に、二百海里時代に入って漁民の皆さん方は死活問題にまで追い込まれている、こういう状況ですから、いろいろと釣り人と漁業者の間にトラブルも絶えないという実態であることは御認識だと思うわけなんですけれども、その点、政務次官、いかがですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) いま遊漁についてお話があったわけでありますが、この請願書には一千五百万人以上おると。いままあ一千七百万人以上おるのではないかと言われておりましたが、現在、私どもは、沿岸課の中に調整第二班を設けて遊漁行政に対応しており、現在直ちに先生のおっしゃるとおりに釣り人課を設けるということはいま考えておりません。しかしながら、請願書の中をずっと見ますると、昨今の国民の生活の実態からしてきわめて望ましいことではなかろうか、健全な遊漁の発展のためには釣り人のモラルの向上あるいは遊漁者に対する指導、資源の保護及び漁業との調整、こういうようなものを考え合わしたときに、まだまだ私どももそのほかに釣り場をつくってやったり、あるいはまた魚礁の設置、こういうことも十分考える必要があるな、かように考えるわけでありますので、今後とも遊漁対策を積極的に推進してこれに応じて考えていきたいということでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 「釣り人課」という課を設けるかどうかについては、いますぐということは考えられないけれども、しかしその趣旨については十分対策をとらなければならない、こんな御答弁だったかと思いますが、じゃ問題は、その趣旨に沿った形での現在体制があるかということなんですよ。  具体的にこれは担当の局長にお尋ねしたいんですけれども、遊漁対策振興事業、こういったものを大いに拡大いたしまして、釣り場の整備であるとか安全施策の充実だとか、本当に子供さんも体の不自由な方も、みんなが安心して釣りができるような、そういう施策を一つは講じようという具体的なお考えがあるかどうか。  同時に、これは釣り人と漁業者が統一して願うことは、何よりも海や川をされいにすること、そして、そこにたくさんお魚が泳いでいるという、こういう状況をつくり出していただきたいということだと思うのです。そういう点からいけば、ヘドロだとか、ごみだとかがたくさん詰まっているような釣り場、少なくともこういったところはすぐさま国または大企業、そういった公害を出しているところを厳しく指導し、そして取り締まっていくような、そういう大規模な漁場をされいにしていくような施策が必要ではないだろうか、こう思うわけなんですが、この二点、いかがでしょうか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) いま先生の御指摘になりましたことは、遊漁、釣り人問題に限らず、漁業全般に関しまして当然の施策であろうというふうに思っております。ただ問題は、まあ釣りという言葉をお使いになりますが、釣りということで申し上げますと、漁業者の方では遊漁に対しまして、先ほどいろいろ問題があるというふうにも御指摘ございましたけれども、事実いろいろ調整問題というのが出ておりますが、遊漁をいたずらに排斥するという態度はいけない。それから釣る方にしましても、漁業者の漁業の操業に支障を来さないという、こういう両々相まっていろいろ調整を図っていかなければならない。その中で遊漁につきましていまお話がございましたけれども、遊漁の対策の振興事業というのをやっております。こういうものを今後も積極的に活用をいたしまして、遊漁が十分にできるような対策をあわせて講じていきたいというふうに思っているわけでございますけれども、地元地元でいろんな事情がございます。そこで、そういうところで調整のつく、またつけながらそういう事業を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、公害等に対しましては、当然各種の沿岸整備事業等でも保全事業等ございます。そういう事業を通じまして、いろいろな海をされいにしていくということは、遊漁のみならず漁業を守っていくという立場から今後とも当然進めてまいりたいというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大変苦しい、一般的、抽象的な御答弁をいただいたわけですが、いま御指摘の中で、ひとつ遊漁対策振興事業を大いにやりたいというお話なんですけれども、といいますと、具体的にお尋ねしますが、五十二年度では一億六千万円の事業費予算を組んでおられた。五十三年度は一億八千万円ということですけれども、これはすべて個所づけ等は同じで、全国で三カ所、九年間の計画でおやりになっているという御説明を事務当局から伺っているんです。いまのお話ですと、具体的にこれを拡大していくというふうなことと承ってよろしいんでしょうか。  同時に、各自治体でいろいろ施策をやられているということですが、そのいろいろやられているという自治体独自のことを聞いているんではなくって、私は国としていかなる事業を考えているのかと、こう聞いているわけです。特にこれ、お写真見てください。これを次官のところに持っていっていただきたいんですが、これはついこの前の日曜日なんですけれども、千葉市の郊外、花見川の潮留橋付近で釣りをされている人たちなんです。もうぶくぶくのあわですよ。風にもうあわが飛び散るような、こういう状況なんです。ですから、一般的なお話では、これは対策にはならないと思うんです。いかがですか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 私は、海なり川なりの環境全般をよくするということは、水産の立場からして当然の措置である、釣り人のためにそういうこともあるでしょうけれども、全般としていま御指摘のようなことがあることは非常に残念だということで申し上げたわけでございまして、遊漁の問題につきましては、今後いろいろ栽培漁業が、実は一方で漁業全体としてそういうとる漁業からつくる漁業という方に変わってまいっております。そういう中で資源を維持管理培養、増殖、そういうことをしながら漁業を進めていかなければならない。その中でいろいろ釣りとの、遊漁との関係も当然将来問題になってくるでしょう。また、現在でもいろいろ問題がある。  そこで、私どもとしましては、できるだけ早い機会に遊漁問題全般につきましての検討の場を設けたいと思っておるわけでございます。その中で、現在の当面をしておりますいろいろな振興対策の問題なり漁業との調整の問題なり、そういうものを積極的に取り上げてその今後のあり方というものを検討をしてまいりたいと、こういうふうに実は考えておるわけでございます。その中で、いろいろの振興対策も取り上げてまいりたいというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ただいまの答弁は先ほどより具体的になってまいりまして、いろいろと問題が多いので早い機会にそうした遊漁問題も含めた沿岸漁業の振興等ということとも関連して検討できる場をつくりたい、こういうお話でした。私、その中にぜひ検討していただきたいことを、以下具体的に二、三お願いしたい。  その一つは、ただいま申し上げました遊漁対策振興事業の問題なんですけれども、いままでの実施地域状況をいただきましたところが、四十八年から五十年の間には岩手県、兵庫県、長崎県の三県、四十九−五十一年のこの間には福井、島根、大分、そして五十年から五十二年の間に宮城県と新潟県、五十一年から五十三年に岩手県、島根県、また五十二年−五十四年、新潟県、兵庫県、大分県、五十三年からこれは五十五年度までの計画も含めて、一部着工でしょう、山形県、新潟県、宮城県、こういうことなんです。こうしたところをさらに、たとえば東京近郊も含めた、先ほどの写真で見ていただいたようなところも含めて、もっと漁場をつくっていくということでさらに検討いただきたい、こういうことです。  それをなぜ申し上げるかと言いますと、神戸の場合、神戸市の農政局がお出しになった資料によりますと、これはいまの事業を予算を受けてやったわけですけれども、大変補助金額は全体の額からいけば少ないんですが、それでも五十二年度でここの神戸市立海づり公園、ここに入られた方が入場総数で十八万人、そして、うち釣り人が八万八千人、こういう状況であります。ですから、いかにそれらが一方では求められているかということを物語っているのではないかと思うんです。ここにパンフレット等もいただいてありますけれども、こういった施設は、これはすべてのところに同じようにということにはいかないと思うんですよ。いろいろ景観もあるでしょう。漁場の実態もあるでしょう。ですから、そういうところも踏まえて請願人の皆さん方は四項目の中に、生物環境を考慮の上で、海または内水面に各種釣り場造成、魚礁設置等、その管理及び魚族の保護増殖ということもうたっているわけなんです。  私たち日本共産党におきましても、昨年、沿岸漁業の振興政策、二百海里時代における漁業のこれからのあり方等含めた政策の中に、この釣り問題についての政策も出しておるわけなんですけれども、釣り場造成あるいは宿泊施設の問題、そうした人を指導するいろんな体制、こういったこともいま非常に重要なんだということを含めてお願い、御要望したいわけですが、この点、御検討の項目に加えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) いま御指摘ございましたように、神戸の例というのは非常に私どももりっぱな事業をやられたものというふうに高く評価をしておるわけでございまして、ただ問題は、受け入れるその場所の市町村、それと、そこの漁業あるいは漁民、漁民の団体、それと、遊漁者との今度いろいろ調整なりができ上がったところで、いろいろな話し合いで事業が行われてくる、こういうことでございますから、一概に全部押しつけるわけにもまいりません。そういう問題がございまして、できる限り私どもは、やはりこういう事業というものをよく周知徹底をさせるということが必要なのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。そういう中で、いまの釣り人のための各種の施設、現在もいろいろ取り上げてやっておりますけれども、そういうものを充実をしてまいるということにつきまして、当然今後の検討の課題の中に含めてやってまいるつもりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 当然検討課題に入れるということでした。ただ、その際に、地元との受け入れ体制のお話がありましたが、その予算をこれまた聞いてみましたところ、漁場利用調整協議会というのがありまして、その会費等も予算が少ないですけれども一定出されている。そして、そうした関係する県が琵琶湖を抱えている滋賀県を含めて四十県と聞いているわけですけれども、その中では、釣り人が二人、それから漁業者関係から二人と、学識経験者三人と、合わせて七名でそういう会も審議会のようなかっこうで設けられているというお話でしたが、また片一方、関係者に聞きますと、この機能を十分発揮していない、こんなお話です。ですから、十分発揮できるようなことも考えあわせて、本当に総合的な施策が講じられるように検討していただきたいと思うわけです。  さらには、具体的な漁場利用の知識普及活動の事業なんかなんですけれども、時間の関係もありますから細かくは言いませんけれども、一定の予算は組まれているわけですね。たとえば、漁場をクリーンアップしようなんていうことで、こういうのもつくっていたり、それから「楽しい釣りをしよう」ということで、こんなパンフレットもつくられているんですね。このパンフレット、どのぐらいの値段で何冊ぐらいどういうかっこうで渡っているのか聞きましたところが、このパンフレットは中身が大変いいことを書いてありますね。「知っておきたい漁業制度」だとか、それから「禁じられている漁具と漁法」だとか、同時に「禁漁期間早わかり」だとか、「事故防止のために」だとか、同時に、「知っておきたい知識」として「磯釣り」「投げ釣り」「船釣り」「ヘラブナ釣り」、そういうそれぞれの釣りの「ルールとマナー」だとか、いろいろ出ているわけなんです。  で、どのくらいの値段だと言ったら、一冊が三十八円なんだそうですか、何と出ている部数が三万部だそうです。全国で一千七百万人からの釣り人口、大体団体に組織されている人はどのくらいいるんですかと言ったら、少なくとも三十五万人と。いまどのぐらい最低でも欲しいですかと聞いたらば、十万部いただければと、こういう具体的な御要望まで出ているわけです。  ですから、本当にやっぱりこういったことにこたえられるような話し合いというもの、それから検討の中身というのは、いつも議論になりますけれども、ただ検討するというんじゃなくて、前向きに、そして実効あるものにしていくような検討をいただきたいと思うわけなんです。その点、いかがでしょうか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 御趣旨の点については、私ども前向きに検討をしてまいるつもりでございますが、ただ一つだけ問題は、やはり各県で一番悩んでおりますのは、釣り人が非常に不特定多数でございまして、その県に所在をしておらない、あるいはいまマイカーで、車が非常に発達をしてきている。そういう人たちとの調整を実際しようと思っても、要するにある意味では、言葉は悪いのですけれども、ふりの客みたいな形で、しかも地元にいろいろむしろ公害をまいていくという——公害という言葉はちょっと言葉か悪かったら訂正しますが、いろいろごみを捨てていったりそういう問題がございまして、その調整問題に非常に悩んでおるということでございまして、私どももそういうものをどういうふうにしてやってまいるか。確かに、いま先生おっしゃいましたように、マナーということをまず心がけていただかないとなかなか問題が解決しない。  したがいまして、こういうところにももちろん力を尽くしてまいるというのは当然だと思います。できるだけ予算措置についても私ども努力してみたいというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私が聞いたことは、検討するかどうかだけだったんですが……。  また、いまマナーの問題が出ました。そのマナーの問題も含めて、だからこそ総合的な制度、体制が必要だということなんです。請願の中にも出ています。三番目なんです。釣り人のモラル向上及び釣り舟の指導による海難防止等も含めた対策と、はっきり言っているわけなんです。ですから、聞いたことだけお答えいただいて、同時に、総合的な施策の必要性にきちっと答えていただきたいわけです。  最後に一点、簡単でいいです。九月の三十日の毎日新聞に「海釣りに「使用料」?!」というふうなことで「水産庁「来年度から検討」」などという報道がされまして、いろいろ関係者から意見が出ているところです。私どもは、内水面など増養殖の問題について、ある一定のお金がかかっているところにはもうすでに実施されているんですが、一般的な入漁料、これはしかるべきだと思いますが、海にまでそういったものを適用するということは問題であると思うんです。しかも、その意図が「「二百カイリ時代」に入って、国内の沿岸漁場の維持、拡大にやっきとなっている水産庁は二十九日、その財源対策として新たに「海洋利用料」の創設について、検討を開始した」、こんな報道なんですが、これが事実かどうか。それから、そうしたことが起こらないように心配しているんですけれども、これはあってはならないと私は思うんですが、いかがですか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 新聞に報道されました海釣りの使用料徴収については、現在、具体的な構想を固めているわけではございません。恐らくその記事は、先ほど私ちょっと申し上げましたように、今後つくる漁業を進めていく、そういうやはり資源を保護する、また増殖をしていく、そういう全体の中で費用負担をどういうふうに考えていったらいいのだろうか。そういう場合に、全体の考え方の中で釣り人の方々にもいろいろ協力を求めていかなければなるまい。その求めていくやり方としてはどういうことになるんだろうか。こういう課題というのは、今後、われわれが検討すべき問題だというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 この釣り人の皆さん方に対する総合的な対策の質問は以上で終わりたいんですが、ただ先ほどからいろいろ検討なさっているようですけれども、その検討テーマの中にいま言ったようなことも含めておやりになられているようですが、とにもかくにも、いまの体制ではとても一対応できない。人員増だとか予算増だとか含めて検討されていると思うんですが、その点はどうですか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 最初に、政務次官が申し上げましたように、全体の検討の中で、今後の組織も含めまた全体の対策も含めて検討をしてまいりたい、こういうふうに思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 次に移ります。  米問題です。もう全国各地で秋の取り入れが済んだところが多くなってきているわけなんですけれども、ことしも超過米の全量買い上げ問題がまた大きな社会問題になってきているわけです。一貫して政府は、超過米はこれは自主流通米ルートでだと、こうおっしゃっておりますけれども、ずばりお尋ねいたしまして、生産調整の目標を一〇〇%やり上げた、そこでなおかつ生じた超過米というのは、これは基本的な点を譲ってでも達成すべきではないか、政府が買い上げるべきではないか、こう思うわけなんですが、政務次官いかがですか。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) お答えをいたします。  生産調整に協力して、しかも天候の関係でことしは増産である、その余り米についてはどうするのだということでありますが、これは従来どおり自主流通米を通じて売らせる、買い取っていくように指導しております。だから、買い上げるということとほとんど同等な意味をなすものと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ただいまの政務次官のお話ですと、政府米として買い上げると同じような処理だと考えると、こうおっしゃっておりますけれども、食糧庁そうでしょうか。  いま全農で、いわゆる仮渡し価格として超過米等については一俵一等で一万三千円、こういうことでやられております。政府米は買い上げ一万七千二百三十二円、ここに差が生じないと言い切れるでしょうか。

小野重和食糧庁管理部長

○説明員(小野重和君) ただいま政務次官がお答えいたしました趣旨は、自主流通米ルートで販売させるわけですが、その場合に、その販路というものはちゃんと確保する、売れるようにする。その手法は、政府の私どもの配給計画の中に組み込みまして必ず売れるようにする、こういうことで、必ずその販路を確保する、そういう意味で申し上げたわけでございます。値段の問題になりますと、これはおっしゃるように、自主流通米ルートの場合には政府売り渡し価格、これがベースになりまして、あとは助成問題等もありますから、具体的な手取りということになりますといろいろございますけれども、政府売り渡し価格が一つのベースになるということになると思います。  いまお尋ねの趣旨は、政府が買い上げるとすれば、政府の限度数量内、いわゆる基本米価と言っております一万七千円台の額であるべきではないかという御趣旨かと思いますが、超過米について政府買い入れをした例はないわけでございますが、仮にそういう場合があるとしても、価格問題はまた一応別の問題であるというふうに私ども考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 買い上げということについては、自主流通米ルートであるけれども、それはもう完全に政府の責任において指導もし、優先的に政府米に先立って買い上げるような体制を組んだと、こういうふうにおっしゃっているんだと思うんですけれども、そうですね。

小野重和食糧庁管理部長

○説明員(小野重和君) 具体的な流通のさせ方でございますが、自主流通米ルートで販売していただく場合に、実際に、具体的にはたとえば全農が卸のお米屋さんに売るという形になるわけですが、その場合に、政府の配給計画の一環でございます。したがいまして、具体的にどうするかということなのでございますが、それはその分だけ余り米といいますか、超過米の分だけは政府の政府米を売り控える、政府米に置きかえるという形をとりますので、これは必ず売れるようになるという趣旨でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 必ず超過米というのが売れるような仕組みになっているし、また考えているということですけれども、結果として逆にいけば、政府米の方がまた残る、そうですね。同時に農家の皆さん方は、さっきの仮渡し金額と政府買い上げ価格の中で、平均的に見積もってでも四千円損失が出るわけです。一俵当たり。これがざっとことし五、六十万トン超過米が出るんじゃないか。数字的にはまだ確定してないんではないかと思いますけれども、一般的に五、六十万トンと言われています。仮に五十万トンとしたら、全国の農家に対して与える損失分というのはどのくらいになるか、三百億を超えるわけなんです。こういう事態があるわけですから、私は再度申し上げます。  私の手元に、福島県の県議会の議長さんから、これは意見書並びに請願の提出というかっこうで、こういうところに出していますよというのが来ております。これには、超過米の全量買い上げに関する意見書として、いま私が申し上げたような、いわゆる水田利用再編対策に全面的に協力したところは政府米並みに買い上げよというふうな趣旨のことが、総理大臣、大蔵大臣、農林水産大臣、食糧庁長官あてに出ているはずです。これは食管制度を勝手に解釈しまして、必要なお米は全量買い上げるけれども、それ以外のものは自主流通米でなどというかっこうで、四十六年から政令でもって予約限度数量というものを決めて、そして、その予約限度数量を上回るもの以外はこれは勝手に売りなさい、そういうことを決められたことそのものがやっぱり間違いなんだ、私はそのことを再度指摘しておきたいと思います。  これは答弁要りません。次に移ります。  ベトナムにお米の援助をしてほしいという声が非常に広がってきていると思うんですが、これは私自信もベトナム大使館に直接お電話を差し上げましてお尋ねもしました。それからいろいろな新聞報道等も見たりして、以下具体的に、これはどうしても現在日本の国が、内閣が進められている全方位平和外交という立場から見ても、それからまたベトナムの国情、いわゆる大雨と台風というそういう中で、もう飢え直前だというふうな事情、そういうものについて具体的にこたえていく必要がこれはあるのではないかと思うわけなんですが、その点で具体的に外務省にお尋ねいたします。  緊急援助というかっこうで、いろいろと外務省ルートでいま国連、日赤等を通じてお話し合いがなされているということなんですけれども、これは一億円という金額、それからその品目がどうなのかという点、どの辺まで話が進んでおるんでしょうか。

三宅和助外務省アジア局次長

○政府委員(三宅和助君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、一億円相当の物資をこの災害救恤に充てるために、十月十一日に決定いたしまして、現在いかなる品目が最も適当であるかということにつきまして、日赤とベトナム赤十字との間で現在詰めている段階でございます。一般的にベトナム政府が各国に要請した物資は、米、かん詰め、ミルク、砂糖などの食料品と、医薬品、布地、かやなどでございます。金額の関係からいきまして、また、向こうがいかなる品目を最も必要とするかということは、先方側の希望それから各国の援助の見合いその他で、あくまでもベトナム側の希望をかなえていきたいということで現在検討中でございまして、近く最終的に決まると思います。決まり次第実施の運びに持っていきたいと、こう考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 具体的な品目等については検討中で、そう遅くない時期に決められるというお話でしたが、仮に一億円全額をお米に振り向けたとしますね。そうすると、ざっと私計算しましても一千五百トン程度にしかならないのじゃないか、こう思うんです。そうすると、これではとうてい十分な援助にならないんじゃないか。聞けば、もみベースでも二百六十万トン減収されたということだし、四百万トンからのお米がほしい、あるいはもう多ければ多いほど幾らでもいいと、一握りでも日本の国民の皆さん方に理解してほしいと、切実にグエン・ザップ駐日大使も話されておりますし、さらには浦辺駐ベトナム大使館の参事官も途中戻ってきて報告されていると思うんですけれども、この緊急援助をさらにふやすということはいかがなものでしょうか。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕

三宅和助外務省アジア局次長

○政府委員(三宅和助君) 現在の予算の中に十億円の災害等援助費というものがございまして、予算の枠というものがございますが、これとは別に、現在当面のベトナムの食糧需給状況、それから各国の食糧援助の状況等、いま現地でいろいろと調査中でございます。その結果を踏まえまして、わが国といたしましては、先生御指摘の点も含めまして、いかなる形で、またいかなる協力が日本として適当であるかということを現在検討を始めており、今後大いに検討して、しかるべき結論を出したいと考えているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 外務省としては、さらに緊急援助というそのことも含めて調査に基づいて考えていくというふうなお話でしたが、すでにいままでやられている、KR援助と一般的に言われている食糧援助政策ですね、一九七一年にケネディ・ラウンドの小麦協定の一部の中に入れられた援助だと思うんですが、これは今年度の予算枠すべてもう配分が決まっているんでしょうか。援助義務額としては年間一千四百三十万ドルというふうに聞いているんですけれども、この点どうですか。

大鷹弘外務省経済協力局外務参事官

○説明員(大鷹弘君) 本年度のいわゆるKR食糧援助のために予算に計上されました額は、先生御指摘のとおり千四百三十万ドルでございます。ところで、このうちすでに千三百八十万ドル分につきましては使い道が決まっております。これらの千三百八十万ドルは、恒常的に食糧不足の発展途上国に向けられます。ベトナムはその中に入っておりません。残りの五十万ドルは、世界食糧計画と緊密な連絡をとりながら、いわゆる世界食糧計画のための緊急リザーブとして割り当てられております。この五十万ドル分の具体的な使い方はまだ決まっておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 先ほどの外務省の検討のことなんですが、いまお話しいただいたように、あと五十万ドル分というのは世界食糧計画、言ってみればWFPですか、そこと相談して考えられる余地があるというお話だと思うんですが、これは五十万ドルというと、円相場を一ドル二百円で見てもこれは一億ですから、とすると、やっぱり仮にこれが協議して全部振り向けられるというふうなかっこうになっても、なおかつやっぱり一千五百トン程度というふうな事態だと思うんですね。そういうことも含めて、外務省当局でもいろいろと検討をいただきたいということを再度要望したいわけなんですが、絡めて今度は農林水産省所管の方にお尋ねしたいと思います。  いま外務省に尋ねましたのは主に無償の援助だと思うんですが、さらに有償でも外務省ルートで円借款との関係であると思いますね。これは二国間のいろいろな資金援助等もあって、前例ではインドネシアに約十万トンですか、やられたことがあると思うんですが、これは別としても、農林水産省でひとつ、これはよっぽどベトナムと相談しなければならないと思うんですけれども、貸与方式といいますか、貸し付けですね、こういったものが考えられないかどうかという点なんですが、この点いかがでしょうか。

小野重和食糧庁管理部長

○説明員(小野重和君) 貸与方式というものについてどうかという御質問でございますので、それについてだけお答えいたします。  かつて私ども第一次過剰時代と、こう言っておりますが、七百二十万トン処理いたしましたときに、その最初のころ韓国、パキスタンに対しまして貸付方式でお米を貸したことがございます。これにつきましては、お米を貸すわけでございますから、お米を返してもらわにゃいかぬという、そのお米はどういうお米であるかとか、あるいは返してもらったときに一体どうするのだという問題とか、そのほか条件をどうするとか、いろいろ問題があったわけでございます。そこで、私どもの方は当時やはり延べ払い方式、これが一番望ましいということで、これは特別の立法をいたしまして、その後はこの延べ払い方式を適用して輸出した、こういう経緯がございます。その経緯を踏まえて考えましたときに、貸与方式というのはやはりいろいろ問題がある、やはり延べ払い方式をとるべきではないかというふうに思います。財政問題等いろいろございますが、一応その方式についてだけお答えいたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ただいま御説明のあった貸与方式については、現物問題なので四十五年のときに緊急に二カ国にやって、それ以来は延べ払い方式に変えてきているというお話ですが、そういう意味で、私もこれはもし現物貸し付けとなれば、相当ベトナムと話も必要だろうということを言っておるわけなんです。  同時に、ただ、これですと食管法の第七条の第一項を受けて、いろいろやり方によっては考えられるだろうし、それから延べ払い方式になれば、これは金利が二、三%ぐらいの低いもので十年据え置きで三十年間で払っていけばいいというものだから、また、これも大変魅力のあるものであると思うんですね。こういったことも含めまして、トン当たり、現在のいろいろ金利、倉敷といいますか、保管料等計算すればおよそ十五万円ぐらいの食管財政負担になるわけですけれども、しかし、それらも含めて、あえていまの緊急事態というようなことについて、農林水産省も外務省とよく相談して、あらゆる方法でこたえられないだろうかということで検討をいただきたい。そのことについて、政務次官、お答えいただきたいと思います。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 私も、最初、ベトナムが非常に餓死状態にあるので何とかというような記事を見ました。それで、私は私なりに食糧庁の方に、せっかく日本が米もあることだから何とか考えられないのかということを言ったこともあります。よく聞いてみますると、食管制度の米の価格は国際価格というもののこれは五倍にもなるわけですから、やっぱりそういう点が非常にむずかしいのではなかろうかと思うわけなんです。しかしながら、現在のような事態を、やっぱり人間という、人間性というものを考慮した場合には、なるたけ前向きで検討する必要がありはしないかと、こう考えますので、大臣も恐らくそういうことは考えておるだろうということで、前向きで検討を進めたいということで御了解を願いたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 前向きで検討する、しかも、これは人道上の問題、命にかかわる問題だから十分検討するというお答えをいただきましたので、あえてそれが実現できますことを再度希望いたしまして、この点についての質問を終わります。  次に、干ばつ対策について質問いたします。ことしの干ばつというのは史上最高であったことは、これは農林水産省の調査結果で明らかでありまして、全国被害が一千三百八十二億円というふうな事態であります。で、こういう史上最高という事態にあって、かつて行ってきました応急干害対策事業、これを今回の干ばつに当たって実施するつもりがあるかどうか、まず、その点お尋ねいたします。

佐々木富二農林水産大臣官房審議官

○政府委員(佐々木富二君) 干害応急対策事業というのがございまして、これは過去四十二年、四十八年当時、全国的に干ばつの年に自主的に水路の掘削でありますとか、それから機械の購入、借り入れ等が行われた、そういった事態に対処して助成をした事例がございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 中身はいいですよ。

佐々木富二農林水産大臣官房審議官

○政府委員(佐々木富二君) 今回の干ばつにつきましては、先ほど御指摘のような被害状況でもございますし、私どもとしては、助成をする方向でこれから大蔵省その他とも協議をしてまいりたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 干害応急対策事業について実施していきたい、そういう方向で大蔵省とも詰めたいという御答弁だったと思うんですが、これはもうぜひやっていただきたいわけで、先般第一班で北陸三県調査に行ったときにも、これは石川県知事からの御要望もあった点ですし、それから福井県からも御要望のあった点であります。これは委員会の調査報告結果でも皆さんにお知らせしたところなんですが、さてこの実施に当たって、四十八年の干害応急対策事業ですと補助対象として二つに分かれていて、一つは水路の掘削だとか、井戸の掘削だとか、動力線の架設だとかあるわけですけれども、同時に二つ目には、揚水機及び揚水機の付属部品の購入及び賃借に必要な経費、大きくいってこういうふうにその対象が分かれているわけですね。  同時に、補助率にありましても、たとえば田畑にやる場合、これが自治体で全体として行うときには四〇%補助をすると、しかし何人かの共同の場合には二五%だと。それからまた、果樹にあっては、自治体が全体でやるときには三〇%で、二、三人とか部落共同だとかというときには二〇%になる。それぞれ補助率も違うわけですね。これについて福井県では、特に知事からも強く要望されたところなんですが、干害応急対策事業に対する助成措置とあわせて同事業の補助率を一律四〇%とすることというふうな御要望が大変強いわけなんですけれども、この点についての改善も含めて御検討をいただいているかどうか。

佐々木富二農林水産大臣官房審議官

○政府委員(佐々木富二君) 四十八年当時助成しました際に、ただいま御指摘のような補助率の差異があることは事実でございます。こういった補助率の差異は、たとえば果樹園につきましては一般の畑作に比べまして収益性が比較的高いとか、それから共同施行の場合について機械の購入、借入費の補助率が低くなっておりますのは、共同施行の場合にはこれは機械は汎用性があるわけでございまして、地方公共団体とか土地改良区のようなこういった公的な団体が管理をしているものは、汎用性があってもそれなりに一定の目的に使用されるということがある程度保証されておりますけれども、共同施行の場合には必ずしもそういった保証がないとか、そういった理由によりましてこういう補助率の差等が設けられておるわけでございます。  補助率の問題につきましては、これはなかなかむずかしい問題があるわけでございまして、これからいろいろ財政当局とも相談をしてまいりたいというふうに思いますけれども、たとえば果樹園の補助率が一般の畑地に比べて特に低いというような点については、これは補助率の整理統合というようなことも含めて検討をしてみたいというふうに思いますが、補助率の引き上げというのは御承知のように非常に困難な問題でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 補助率引き上げは非常に困難であると、しかし補助率の統合というふうなことも含めて、ただいま果樹園については具体的なことも踏まえて検討していくという御答弁をいただいたかと思うのですが、同時に、自治体全体でやる場合と共同施行の場合との差についても、財政当局との兼ね合いもあると思うのですけれども、干ばつというものはそのときにやらなければならないわけですから、もう部落ごと集団でも何でもいい、とにかく個人でなければ、いまの個人に対する補助ということになると制度上なじまないということはわかるわけですけれども、とにかく干ばつというのは、応急性が必要ですから、すぐさまやるというそういう事態をよく考えていただいて、検討の課題の中に入れて再度詰めていただきたいということを希望いたします。  その絡みでなんですけれども、この応急対策というのが実は過去どのくらいやられていたのかと思ってずっと私も調べてみましたら、過去十回もやっているんですね。昭和三十三年が最初であって、三十五、三十六、三十七、三十九、四十、四十一、四十二、四十三、そして四十八年というふうな、これだけやられておれば、私は応急対策という域ではなくて、本当にもう恒久的な形でもって、いまその応急対策としてやられている事業を一つのレールに乗せていく必要があるんではないか。そのことも含めて御検討いただけないか。

佐々木富二農林水産大臣官房審議官

○政府委員(佐々木富二君) 干害応急対策事業は、御承知のように、ほかの災害対策と違いまして、これによって被害の防止を図るということを目的にしておるわけでございます。ほかの一般の災害対策は、これは直接、物的な被害を受けたという場合に、その救済を目的として行うということでございまして、干害応急対策のように被害の予防のために行うというものとは若干性格が異なるという点がございます。  ところで、一般に損害の防止を行うということは、これは通常ある程度までは作物栽培者の義務といいますか、モラルでもあるわけでございまして、そういう点から言いましても、原則としてはこれは自主的な努力によってまず被害の防止を図るべきではないか。そういう観点から、非常に被害が全国にわたるとか、大規模になるとかいうような場合に限りまして、臨時的、特例的に助成措置を講ずる、こういうことでまいっておるわけでございます。  そういう点で、確かに何回か過去にやってまいりましたけれども、これを将来に向かって恒久的な制度とするにつきましては、先ほど申し上げたような干害応急対策とその他の災害対策との性格の違いでありますとか、そういったいろんな基本的な問題についてどう考えるかというような問題もございまして、なかなか私ども困難であるというふうに考えております。むしろ干害に対する……

下田京子日本共産党

○下田京子君 それでよろしいです。答弁途中で切って済みません。時間がないんです。  ただいま干害応急対策の事業ですね、過去十回やっているということを見ても、性格的からなじまない、恒久的な形には乗せられないというお話だったんですが、私はこの問題も含めて恒久対策というかっこうで検討していただきたいということを重ねて要望します。  同時に、恒久対策のことについてさらに要望しておきたいんですけれども、五十三年七月三十一日付で発表されておりますが、昭和五十二年度の「生産環境別耕地面積調査結果の概要」、この中で、いわゆる畑地灌漑施設の設置状況別の面積を見てみたんですね。恒久対策ということが抜本的にはやっぱり考えられなければならないわけなんですが、見て驚いたんです。普通畑で四・九%しかやられていない。それから、樹園地でもって一一・四%というふうな実態ですから、全国で普通畑百二十一万ヘクタール、樹園地六十万ヘクタールあるという中で、こうした施設がこのような低い数字であるということについては、やっぱり根本的な恒久対策問題というものを考えていただかなければならない時期だと、真剣に取り組んでいただかなければならない時期だというふうに思います。  それは要望しておきまして、次に最後になりますけれども、実はことしの干ばつ、これが実は病気とダブルパンチで大変な被害を受けているのが山形県のブドウなんです。これは私も何度も行っておりますし、実は昨年の九月二十二日、当委員会でも同じものを質問をしております。政務次官、これまた大変ですが、写真見てみてください。晩腐病にかかったブドウがどうなっちゃっているか。この山形県の場合、三千七百六十ヘクタールがブドウ園なんです。うち、デラが三千百ヘクタールつくられているわけなんですけれども、大変な減収になっております。当地では農家の皆さん方も、県も、たとえばかさもかけたと、それから休眠期防除もやってきたと、それからビニールテントなんかも張っていると、まあいろいろとやられているわけです。  一つ一つそれらを出しますと、ちょうどかさかけの時期が遅かっただとか、あるいは休眠期の防除が徹底していなかっただとか、あるいはビニールテントにしてももう少し対応を広げる必要があるだとかいうことで、一つずつ出すと、その時期的なことでの対応になっちゃうんですよ。しかし、もう本当にばっと雨が降ってばっと蔓延するというようなそういう事態があって、根本的には打つ手はもういろいろ打ってきたというのが、皆さん口をそろえて農家の方は言われております。県当局も言われております。  それで、最後に残る点は、いろいろやっているけれども、本当にこのブドウの晩腐病に効く新農薬の開発を考えてほしいということなんです。もう時間ありませんから議論をしませんから、私はお願いしたいんです。現在、ネオアソジン剤乳液というものをやっていると思うんですけれども、かつてモンニュー剤を使ってきた。このモンニュー剤の方がよく効いた。もしまた使えたらと、こういうお話もあるんですが、いまは製薬会社がつくってない。いろいろな費用があったりしてつくれないんだと、こう言っているわけなんです。ですから、これはこれらのことも含めて、具体的に出ているのがモンニュー剤の効力が大きいというわけですから、こういった具体的なかつて使われた農薬の効果、同時に、その人的被害がないかどうかということなんかも含めまして、現在行っております新農薬開発促進事業、これはいままではリンゴの腐乱病、落下防止等の問題と、現在新たにまた二品目考えているというお話だったんですが、その中に加えて検討いただけるかどうか、強く要望して、質問を終わります。御答弁いただきます。

栗田年代農林水産省農蚕園芸局植物防疫課長

○説明員(栗田年代君) ただいまのブドウの遅腐れ病につきましての新農薬開発についてのお答えをいたします。  ただいま先生御指摘の新農薬開発促進事業、これは新しい農薬の開発をしようということについて、これは企業ベースでやるというのがわが国の本来の形になっております。その中で一部の試験につきまして国が援助の手を差し伸べるということでございますが、今後このブドウの遅腐れ病の山形県における発病はもとよりでございますが、全国的な発生動向——と申しますのは、ことし山形県だけがひどいのでございまして、ほかの県は平年並みか、あるいは平年以下、全国ブドウを方々でつくっておりますが、そういうような状態でございます。でございますので、全国的な発生動向とか、それからいまいろんな農薬になる以前の化合物が試験されております。その中でどういうものが対象になり得るかというようなこと等も十分調査いたしまして、これは専門家の立場においてまたいろいろと御意見をお伺いいたしまして、全体を含めて検討したいというふうに考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、サトウキビの値段の問題、それからサトウキビ生産合理化緊急対策事業の継続実施の問題、それから含みつ糖の問題につきましては、去る十六日の決算委員会、それから十七日の農水委員会、それから本日、先ほどもその問題について質疑があったわけですが、私は特に含みつ糖の問題を中心にしてこの問題を締めくくりたい。専売公社、見えておりますか。——  締めくくりと申しますのは、第一点は含みつ糖も分みつ糖同様、国産糖として明確に位置づけ、早急に法制化による長期安定的な保護措置を講じてほしいというのが第一点、それから、その間、含みつ糖に対する助成措置は引き続き継続してほしい、第三点が、国内産含みつ糖の優先消化が図られてないのでそれを図ってほしい、この三点が含みつ糖に対する締めくくりでありますが、特に第三点の優先消化に関連して専売公社にお尋ねいたしたいと思います。  と申しますのは、国民の愛煙家の対象となっておりますたばこの第一香料として白糖と含みつ糖が使用されておるということが、実は私たばこを吸わぬものですから最近わかったわけですが、その白糖並びに含みつ糖がたばこに第一香料としてどのように利用、活用されておるのであるか、その実態を承りたいと思います。

西村忠弘日本専売公社製造本部部長

○説明員(西村忠弘君) 私、専売公社の製造を担当しております西村でございます。  ただいま先生の御指摘のございましたたばこ製造におきます糖類の使用についてでございますが、従来、一般的には、日本のたばこには白糖が主として使われてまいりました。ところが、昭和四十五年ころから、公社のたばこにもアメリカタイプの本格ブレンドを製造しようということで、非常に濃厚なソースを使うというふうに転換をしようということになりまして、その当時、御指摘の含みつ糖、先生のおっしゃる含みつ糖は私どもは黒糖と読みかえて説明さしていただきますが、黒糖の使用を始めたわけでございます。  なお、沖繩産の銘柄が復帰当時四銘柄ございまして、その中のハイトーンというたばこには非常にこれは民営時代から濃厚なソースが使われておりましたので、公社に復帰いたしました際にその濃厚なソースと同じ成分、同じ性質、キャラクターを持っております黒糖を使用するということで使ってきたわけでございます。  現在、この黒糖が使われておりますのは、ただいま申し上げましたハイトーンとそれから国内製品では——先ほどの本格ブレントには途中で黒糖の使用を中止いたしまして、現在使っておりますのは、ハイトーン以外ではパイプたばこ——桃山、ロックンチェア、ビッグホーンというようなものに使っております。  なお、使用量でございますが、ハイトーンは昭和四十九年の数字で言いますと約五億本の製造で、その後沖繩の四銘柄の中では徐々にハイトーンの消費が増加をしてまいりまして、現在九億本になっております。そんなような事情から、いままではだんだんふえてきたわけでございますけれども、大体沖繩のハイトーンの需要も、これは沖繩島だけで消費されているわけでございますので、この辺が大体山場かなあというような見方をしております。  そのほかのたばこにつきましては、日本のたばこはどちらかと言いますと、先ほどのアメリカンタイプと言いましても、そういうわりと濃い味のものよりは、淡白で軽いセブンスター、マイルドセブンのようなものがよけい売れておりますので、そちらの方にはなかなか味の濃い含みつ糖の使用はむずかしいというふうに思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 量にして含みつはどれぐらいですかな。

西村忠弘日本専売公社製造本部部長

○説明員(西村忠弘君) 黒糖の昭和五十二年度の数量で申し上げますと、全都で十四・五トンでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 十四・五トン、すごく少ないですね。

西村忠弘日本専売公社製造本部部長

○説明員(西村忠弘君) はい。  それで、沖繩県の工場でつくっておりますハイトーンを主とする製造には、そのうちの十三・二トンでございます。先ほど申し上げましたその他のパイプたばこ、それに一・三トン、全体の使用量としてはごくわずかな量であります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この白糖と黒糖の比較ですね、御承知かと思うのですが、健康生活の上から、いわゆる健康上、それから食料、調味料の上から、白糖よりは黒糖がいいんだ、こういうことが言われておるわけですね。私もそう信じております。白糖はなるべく使用しないで、調理にも、それから生のものを食べるにも黒糖は非常に健康上もよろしい。また調味にも非常によろしい、こういったことが最近自然食、公害食の論点からも非常に強調されております。このたばこに使用される場合に、いままで使用されておった白糖はそういった観点から黒糖に、含みつ糖に切りかえるということはいかがでしょうか。

西村忠弘日本専売公社製造本部部長

○説明員(西村忠弘君) 御指摘のようなお話は、たばこではなくて、砂糖を甘味料の食品として使用する場合のお話かと存じますが、実はたばこに使っております糖類というのは、これが燃えることによって煙を豊富にする、喫煙感を満足するということを、もう一つは、カラメライズされました非常に甘いにおいと言いますか、そちらの方に主眼がございまして、そういうことから言いますと、どうしても甘味というよりは、その香り、味に来るたばこのうまさという方の影響を重視いたしております。そういう意味で、先ほど申し上げました日本のたばこづくりの中で、できるだけ加工度を高めたアメリカ型のたばこをつくろうということで、使い始めた当時は、私どもも大変アメリカンブレンドの研究が進んでおりませんで、初めは黒糖を使ったわけでございますけれども、だんだんいろいろ研究してまいりますと、どうしても黒糖よりは赤糖の方が喫味の上でいいという評価が出てまいりまして、実は転換をしたような次第でございます。  そのほかにもう一点、喫味が第一の理由なんですけれども、黒糖は大変大きな固まりで溶解度が悪いという点と、それからどうしても來雑物が多く入っておりまして、たばこのような一本の刻みの中に均一にかからなきゃならないという場合に、ノズルが詰まって不均一になるというような作業適性上の問題等もありまして、以上三点のような理由から、やむを得ずだんだんそちらの方に転換をしていったという経緯でありますが、私どもの仕事といたしましては、やはり従来の喫味——皆さんに愛好されております喫味のパターンというものが大きく変化をしないということを最も大きく取り上げておりますので、使っているものは困難性があっても継続をしておりますけれども、ほかの銘柄にそういうものをふやしていくという点については大変問題がございまして、なかなか困難であるというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 まあ、痛しかゆしの面もありますが、というのは、含みつ糖のよさを奨励して、それでどんどんたばこ人口をふやしていただきたいということになりますと、今度は反面、ニコチン公害からどうも——政務次官もすぱすぱ吸っていらっしゃるわけですが、そういった面から、うんとたばこを奨励してくださいと言うわけにもまいりません。  ところで、味とか香りとかいうものは、これは個人差もあり、嗜好品でありますから、選ぶ権利は消費者にあるわけですから、これはやむを得ぬと思いますが、できることなら、黒砂糖、含みつ糖は健康上もよりいいんだ、そういった啓蒙宣伝はぜひひとつやっていただきたい、こう思っておりますが、見通しといたしましては、いま現在使用しておられる量がもう限界で、それ以上期待する、こういうわけにはいかないというのが現状でありましょうか、あるいは見通しでありましょうか、どうでしょうかな。

西村忠弘日本専売公社製造本部部長

○説明員(西村忠弘君) 御指摘の点でございますが、ハイトーンにつきましては、もうこれ以上はなかなかふえないかなというふうに思っております。それから、国産のパイプたばこにつきましては、ふえるというよりは、むしろ最近年々減少してきておりまして、私ども新製品等幾つか用意いたしまして需要の回復には努力をしておりますけれども、これはなかなか期待が薄いのではないか。世界的にどうも最近そういう傾向が見えておりますので、非常にむずかしいこではないかと思っております。  ただ、御指摘のような点で、私どもも全然将来見込みがないかと言えば必ずしもそうではありませんで、お客さんの層は大変いろいろ多様化された選択の幅の広い商品というものを求められているわけでございますので、今後開発する新製品等につきましては、黒糖等の使用の可能性も全然ないわけではないというふうに思われますので、なお今後の研究の中では十分検討させていただきたいというふうに思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ひとつ、少しでも多くこの含みつ糖をいかにして優先消化させるかということは、これは沖繩の離島振興の立場からも、沖繩の農民の第一の基幹作物であるわけですから、特に離島振興の立場からもこれを少しでも消化していくという、このことがもう非常に重大な問題でありますので、それであの手この手で根掘り葉掘りお尋ねし、また要望もいたすわけでありますが、そのようにひとつの今後も御配慮をお願いいたしたいと思います。  で、このたばこに関して、私は吸わないと宣言しましたが、私は愛煙家をきらうものではありません。決して敵視する意思は毛頭ございません。と申しますのは、私は、存在するもの意義を有すという、こういう哲学と申しますか考え方を持っております。それで、人並みには吸うてみようという努力はいたしておりますけれども、なかなか身につきません。だから、吸わないのではない、吸う意思はありますけれども吸えないのであると、このように理解くださって、よけいなことを申し上げましたが、どうぞ御安心になって吸っていただきたい。  次に、沖繩の農業の第一の基幹作物の一つでありますパイナップルについてお尋ねいたしたいと思います。  特に、沖繩のパイナップルについてはこの一、二カ年間やや定着して、安定状態にあったわけなんです。その以前は、三、四年前は波乱があったわけですが、ところがその安定のさなかに、最近またまた一大変化が、激変が起こって大騒ぎしておるのであります。それは、ドル安、円高に関連して外国から冷凍パインが輸入されてきた。これが今度はわが国のパインに対する大きな混乱を、そしてその生産地であるところの沖繩のパインに大きな打撃を与えつつあるのが現状であります。  それでお聞きしますが、いま冷凍パインがどれぐらい外国から入っておりますか。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○説明員(畑中孝晴君) 昭和五十二年には約一万三千トンでございまして、ことしは、いま統計の出ております一月から八月までの累計で約一万七千トンでございます。そのうち、全部がかん詰めになるということではございませんで、大体半分から六割ぐらいがかん詰めに回るというふうに理解しております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 その一万八千、約二万トンですね、変動はあるでしょうが。その一万八千トンは、かん詰めにするとどれぐらいのケースになりますか。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○説明員(畑中孝晴君) 全量をかん詰めにいたしますと、十五万トンで百万ケース近いものができますので、かなりの量になりますが、大体八月まででかん詰めに加工されたものは、いわゆる沖繩等で通常使っておりますケースの単位で申しますと、六十万ケースぐらいであろうというふうに思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それでお尋ねしたいことは、そのような現状認識の上に立って、政府とされてはこれに対するどういう対策を持っておられるか。また、それを実行しておられるか。これは、私は高度の行政指導をどうしても伴わなければこの混乱は鎮静しない、こう思っておりますが、まずその基本態度については政務次官にお尋ねして、具体的な対策についてはまた別の方で結構でありますから、お願いします。

初村滝一郎自由民主党・自由国民会議農林水産政務次官

○政府委員(初村滝一郎君) 沖繩ではほとんど主生産品、生産物としてはパインがあるわけでありますが、冷凍パインを自由化しているものですから、それがどんどん入ってくるわけです。そこで、冷凍パインで入ってきたものを今度はパイナップルかん詰めに製造するわけなんです。そういうことじゃいかぬということで、大体どうしたらそれをとめる手があるかということで、まず関税をひとつ上げようじゃないかということで、昭和五十年の四月に従来二〇%の関税を三五%に上げたわけであります。しかしながら、こういうことばかりやっておる理由には、最近のパイン生産が若干減少してきたという点も一つあるわけです。それから、魚肉及び他の果実等のかん詰めの販売不振等によって、冷凍パインを原料としたかん詰めの製造が増加しておるのじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。  そこで、これは手を打たねばいかぬということで、去る十月の十三日に日本のかん詰めの協会の関係者を呼んで、冷凍原料使用のかん詰めについて無秩序な製造をやっちゃいかぬ、自粛してもらいたい、そうして表示、マークをつけるよう徹底指導をしたわけであります。今後ともパイナップル製造の流通に悪影響を及ぼさないように、これはかん詰め業界に指導をとくとしておるわけであります。以上のことで大体抑えはきくのじゃなかろうかと私どもも考えておるわけでありますが、その結果がどういうように出ますか、できるだけの手は打っておるつもりでございます。  その他のことは、課長から説明をさせます。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○説明員(畑中孝晴君) いま政務次官からお答えをいたしましたので大体それに尽きるわけでございますが、そういう国内で冷凍パインを輸入してかん詰めをつくっている人あるいは冷凍パインを輸入する人、そういう方々についていろいろな指導をするということと、従来は台湾から入ってまいりましたのが大半でございまして、向こうの国ともいろいろ民間ベースで話し合いを持っております。しかし、ことしは特にタイからの輸入が圧倒的に多いということで、相手国も変わってきましたので、また先方ともそういうふうないろいろな話し合いを持ってみたいというふうに考えておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そうしますと、政府の基本姿勢としましてはその冷凄パインの輸入を規制する、抑制する、こういう御態度を持っておられると解していいですね。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○説明員(畑中孝晴君) パイナップルのかん詰めにつきましては、沖繩産のものを優先するということで、そのほかの輸入物あるいは冷凍パインからできてきますパイかんというような物全体で需給のバランスがとれるというようなことを基本にしてやっておりますので、いま先生のおっしゃったようなラインで対処をしておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それから、もっと具体的な問題になると思いますが、この冷凍パインによるかん詰めと沖繩の新鮮なパインによるかん詰め、その市販の物をはっきり区別する、見分けるという、こういうことに対する何か具体的なことは考えておられませんか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) 冷凍パインを原料といたしましてかん詰めにいたしたものにつきましては、五十年の五月に、日本農林規格及び品質表示基準を設定をいたしました時点から、「冷凍原料使用」と、商品名の近くにわかりやすく表示することを義務づけております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そのわかりやすくという何か具体的なあれはありますか。ただわかりやすくという……。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) 商品名のすぐ下あたりに「冷凍原料使用」という文字をはっきり書くことを義務づけておりまして、一般の消費者が購入される場合に、それによって冷凍パインからつくったかん詰めであるかどうかということがはっきりわかるようにいたしておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまおっしゃるように、基本姿勢としての冷凍の輸入の抑制と、それから国内に出回っておる物のはっきりした識別、その識別を、いまおっしゃるのを具体的に繰り返すようでありますが、品質表示基準、「冷凍原料使用」の表示の大きさを明確にして、これが沖繩産である、これが冷凍輸入製品である、こういうぐあいに一目瞭然にわかるようなことが非常に大事であると思うんですね。それから、新鮮な沖繩産のパインかん詰めと区別が、取り締まられる皆さんもそうですか、消費者自体が、これが新鮮な沖繩の物であるということをすぐ見分けがつくように、区別して見やすいようにしていただくということが大事かと思うんですね。それから、食品添加物を使用したものは品質の表示基準がありますね、それを食品添加物の使用の表示を義務づけるといいますか、義務規定を十分に遵守させる、こういうふうにきめ細かく実行に移していただきたいと思いますが、いかがですか。

藤田英一農林水産大臣官房審議官

○政府委員(藤田英一君) 御指摘のとおり、冷凍原料を使用した物と、そうでない新鮮な生果からかん詰めにした物と、消費者が購入する際にはっきり区別がつきますように、私どもといたしましても、現在果実かん詰め及びびん詰めの日本農林規格、いわゆるJASと言っておりますが、及び品質表示基準の改正を検討中でございます。この改正に当たりまして、ただいま申し上げました「冷凍原料使用」という文字の大きさを従来よりも大きくしたいという点が第一点。さらに、添加物につきましてお話がございましたが、この際あわせて、品質表示基準につきましても見直すことといたしておりまして、新たに着色料等を使用する場合にはその旨を表示することを義務づける、こういう方向で現在検討中でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 非常に沖繩の場合、もうやっとこれが定着したと、こう思うやさきに、いま申し上げるようなことがひょいひょいありまして大混乱を起こす。そこで、ずばり申し上げて、沖繩のパインも、どちらかと言うと従来は質的に争えない状況であったことも事実なんです。ところが最近は、生産者が非常に意欲的で、そうして品種の改良をやる、非常にパインそのものが向上しておるし、それからかん詰め製品にしましても、非常に好評を博しておるということはよく御存じだと思うんですね。そういうふうに新鮮で製品も非常に質もよくなっており、われわれ自信を持って勧めることができる、ここまで来ておりますので、どうかひとつ、経済原理はいい品を安くということがたてまえでありますので、悪い品を高くということはこれは通らぬ話でありますので、そういう品質も非常に向上しておりますので、そこをひとつ十分御理解くださって守っていただきたい。  それで、余剰米の問題についても時間があればお尋ねするつもりでありましたが、もう時間が来たと、こういうことでありますので、その問題につきましては、後日に譲って、これで終わりたいと思います。よろしくお願いします。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時十五分散会      —————・—————

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