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85回国会参議院1978/10/17

農林水産委員会 第2号

発言数
246
登壇者
24
会派数
6
開催日
1978/10/17

会議録

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として園田清充君が選任されました。     —————————————

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  中川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川農林水産大臣。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 去る十月一二日の本委員会の御決議に際しましては、衆議院予算委員会に出席いたしておりました関係上、政務次官に政府の所信を申し述べさしたところでございます。  この御決議につきましては、十分検討し、てん菜、大豆等の価格をすでに適正に定めたところであり、さらにサトウキビ及び甘蔗糖についても、価格決定に当たり適切に対処すべく努力いたす所存でございます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 第八十四国会で成立をした国有林野事業改善特別措置法に基づきまして、改善計画が去る九月二十二日閣議で決定をされたわけであります。  国有林の改善については、国会でも長時間にわたって論議がされ、要望意見も出され、そうして当委員会でも附帯決議等もされたわけでありますが、決定をされた計画を見ると、余りに目先の収支均衡にとらわれておって、言うならば、赤字対策そのものであるというような印象を強く受けるわけであります。また、機構を縮小して職員を減らしていくという合理化計画であるという印象も受けるわけであります。私は、国有林にとって赤字問題が当面をする重要な課題であるということを否定するものではないわけでありますけれども、しかし、企業性、能率性のみを優先させるのではなくて、広い視野から国有林の持つ重要な使命を認識をして、国家百年の大計を立てるべきであるというように思います。荒廃した国有林を緑したたる山に回復することが、当面をする最も重要な課題ではないでしょうか。大臣、この改善計画は、山をよくするという計画ではなくて、赤字解消計画であり合理化計画であるというように私はあえて指摘をするものでありますが、改善計画のねらいは何でありますか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 今日の国有林が、最近の外材の輸入あるいは木材の価格の低迷等の事情もありますが、非常に体質が悪くなって財政も遂行できない、財投からの資金の借り入れも千億に近い——全体で三千億のところ、千億は借り入れを、しかも長期にしなければならぬというところから、財政においても先行き非常に悪いと。したがって、緑したたる山にするには、いまの体制ではどうにもならぬということが基本でございまして、この財政も、将来に向かってしっかりした森林経営ができる国有林野にしたい。そのために、一般会計からもこの際資金が導入できると。借り入れはもとよりでございますが、造林、林道等に対しては一般会計からも投入をすると。こういうことにあわせまして、組織あるいは人員等についてもできる限りの合理化を図る。そしてまた、改善計画等内容についてもしっかりした長期的なものを見通すと、こういうことで、昭和七十二年を目標に長期の計画を立て、とりあえず十ヵ年をもってそういった仕事をやっていきたいということが内容でありまして、決して出先を収支の関係から言って縮小する、人員の整理あるいは機構を整備することだけに置いているのじゃなくて、きわめて大きな目的を持った仕事であります。  なお、この合理化は、最近国民の間、国会からも強く要請のあります官庁機構の合理化と、税制改正等をめぐって官庁の仕事は率先して合理化しなきゃならぬというのは、まさに国民の声でもある。そういう点もあわせながら、今度の措置をとった次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣から改善計画の目的について答弁があったわけでありますが、大臣の答弁、満足をいたしておりませんけれども、この問題について論議をしておりますと長くなりますから、私は具体的問題に触れてこの改善計画の欠陥を指摘をし、さらにまた、ある面においては補強をしていくという立場から、以下質問をしてまいりたいというふうに思います。  社会党は、この八十四国会終了後、全国の国有林の実態調査を行ってまいりましたが、私も幾つかの国有林を調査したわけであります。こうした調査に基づいて具体的な質問をいたしますけれども、私のきょうの持ち時間は一時間しかありませんから、答弁は核心に触れてひとつ要領よくしていただきますように、最初にお願いしておきたいというふうに思います。  まず第一に、不良造林地の問題でありますけれども、この改善計画によりますと、「保育・保護の適切な実施」を図るということをうたっておるわけでありますけれども、しかし、きわめて抽象的であります。不良造林地の問題につきましては、さきの国会でも論議をされ強く要望が出されたところであります。そしてまた、この改善計画を策定するに当たっても、わが党は不良造林地を解消するように強く政府に申し入れを行っているところでございますけれども、この改善計画の中におきまして、不良造林地はどのように取り扱っておられるか、林野庁長官の答弁を求めたいというふうに思います。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林事業につきましては、この改善計画の二の「造林及び林道の開設その他林業生産基盤の整備に関する事項」でうたっておりますけれども、当然国有林のこれからの使命が、活力のある森林資源を養成するというところが大前提でございますし、そういうことに立ちまして、造林事業をやはりこれからの国有林の改善の大きな柱としてわれわれも考えております。  そういう意味から、造林につきましては、特にこれからの造林地の進め方、たとえばこれから大体四十七万ヘクタールの人工造林をつくる、あるいは七十万ヘクタールの天然更新を行う。さらには「保育・保護の適切な実施」というところで、全般におきまして、昭和三十年代あるいは四十年代に拡大造林がやられましたけれども、そういう中で、北海道の風害跡地のように、あるいは亜高山地帯の森林のように、やはりいろいろな厳しい自然条件がありまして、そのために必ずしもその方が適切でなかったということも、十分その中で反省しております。そういうことで、こういうことのないような考え方で、それぞれその立地条件に合ったような形で、技術合理性に適してこれからの造林を進めようという考え方に立っております。  なお、先生いま御指摘になりました、先八十四国会でいろいろ御指摘になりました不良造林地等々の問題につきましては、その当時もお答えいたしましたけれども、さらに現在、五十三年度の事業実行の中でいろいろ対応いたしておりますので、そういう事業実行の推進の中で、われわれとしては考えてまいりたいというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いままで国会の論議を通じて、私たちは、国有林の不良造林地は人工造林面積の二〇%、四十万ヘクタールくらいあるというふうに指摘をしたのに対して、林野庁は、生育が非常に悪い面積が一万五千ヘクタール、保育を必要とする面積が三万ヘクタール、計四万五千ヘクタールであるというように答弁いたしまして、意見がかみ合っておらないわけであります。そこで中川大臣は、さきの国会におきまして、不良造林地を洗い直して的確な実情把握に努め、現地の実態に即した合理的な施業を行っていくという答弁をいたしておるわけであります。この不良造林地の洗い直しについて、林野庁はどのような作業を進めておりますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 前国会におきまして、いま先生御指摘になりましたようなことを私どもは御説明したわけでございますけれども、造林地の造林事業につきましては、例年、たとえば下刈り事業につきましては五十年四十一万ヘクタール、五十一年同じく四十万ヘクタール、五十二年三十八万ヘクタール、下刈りでは毎年このくらいやっておりますし、それから、つる切りにつきましても約五万ヘクタール、除伐につきましては約十万ヘクタール、毎年大体実行いたしております。そういうことで、五十三年度につきましても、ちょうど四月からいままでが、現時点ごろまでが造林の最盛期でございまして、そういう間で、いま申し上げましたような事業を実行いたしております。  したがいまして、そういう事業実行が完了いたしました後で、その後の状況がどうなっておるか、その辺についてはわれわれとしても把握したいと思っておりますし、こういう国会で御答弁申し上げましたような不良造林地そのものはつかんでおりますけれども、さらにそういうものもこの事業実行の中でわれわれとしても実行している地域もございますので、五十三年度の造林関係の仕事がある意味で一段落した時点で、その後の状況については十分把握してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 五十三年度の事業を実行した後で不良造林地についても調査をいたしたいということでございますが、これは四万五千ヘクタールであるということに固執をしているわけでございますが、実際どれくらいの面積になるかというのがわかるのはいつごろになりますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 地域によって事情は違いますけれども、たとえば北海道あたりは雪が降ってまいりますし、なかなかその実態がつかみにくい面も出てまいりますので、できるだけ早期にわれわれとしてはその実態について十分把握してまいりたいというふうに考えておりますが、いまここでいつまでということはなかなか申し切れないと思いますけれども、できるだけ早期に対応してまいりたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私たちが不良造林地が多くあるということを指摘をしておることは、ただ漠然と四十万ヘクタールなんという数字を並べているわけではないのです。私たちの調査で、あるいはまた、そこに働く人たちの資料に基づいて、全国の営林署ごとに積み上げた面積かこういう数字になっているわけなんです。  たとえば、私が調査をいたしました木曾の例を申し上げますけれども、木曾には九つの営林署があるわけでありますけれども、そこに働く人たちの調査では、不良造林地が六千二百六十二ヘクタールある。これは幼齢林面積の三八%にもなるわけなんです。ところが営林局当局は、九百九十六ヘクタールで幼齢林面積の六%であるという、こういう資料を出しているわけですね。非常に大きな数字の違いがあります。そこで、私たちが現地で営林署長とそこに働く人たちの両方立ち会わせて、いや、この山はうまくないと、これは不良造林地ではないかという指摘をしますと、当局は不良造林地ではないというふうに言っていたところも、結局、不良造林地として認めざるを得なくなったような個所がずいぶん出てきているわけなんです。  たとえば、つい最近の営林署長が明らかにした不良造林地は、二、三例を申し上げますが、妻籠営林署においては、営林署長は当初四十三ヘクタール不良造林地であったというのが、最近ではこれが六十八ヘクタールだというふうに変更してきた。あるいは坂下においては、百三十四を百八十九に変更した。あるいは野尻におきましては、百五十六を三百に変更した。あるいは福島においては、十一を三十五に変更した。いずれも、当局が当初は不良造林地でないと言ったのが、立ち会って調査した結果、こういうことになってきたわけです。  したがって、私は林野庁が公表している四万五千ヘクタールの不良造林地、このことを認めることができないわけですけれども、あくまでこれにこだわっていかれますか、長官は。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 造林事業の成績がいいか悪いか、この判定は、ある意味では非常に技術的にもむずかしい問題が私はあろうと思います。と申しますのは、やはりこの造林地を今後そのまま仕立てでいったらいいのか、あるいは一部除伐をしていったらいいのか、いろいろ技術的にその限界の分かれる点もあろうかと思います。しかしながら、私どもとすれば、現在われわれが持っております林業技術の中で、合理的な判断からそれぞれの地域におきまして、ここはそのままでよろしい、ここはあるいは今後除伐をしなければいけない等々の一応判断をしておるわけでございまして、そういう意味から、数学のように、一足す一がドンピシャリ二というようにはなかなかむずかしい問題も私は技術的にあろうという気がいたします。しかしながら、われわれなりに技術的な基準をもちまして、ここはそのままに置いておいてもよろしい、あるいはここは改植をする、ここは除伐をする等々の判断をいたしまして、五十二年四月一日で押さえたのが先生がいま御指摘になりました数字でございます。  その後、いま先生の御指摘でいろいろ変わっておるではないかという御指摘ございましたけれども、われわれもそういうことでつかんでおりますから、これが一ヘクタール一切間違いない数字であるというふうには私ども申し上げません。しかしながら、それぞれ現地で事業を実行しております過程、あるいは先生御存じの森林地域施業計画を毎年五年置きに組んでおります。そういう中で、それぞれの実態については十分調べていく、従来からそういう形をとっておりますし、そういうもので対応してまいりたいし、また、先生御存じのように、出先には担当区がございます。当然、自分の管内の造林地の実態というものを把握するのが担当区の任務でございますから、常時そういうパトロール体制をつくりまして、その辺の把握はしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官、不良造林地であるかどうか認定はいろいろむずかしいという話があったわけですけれども、長官が林野庁で認定をするのでなくて、現地の営林署長なり担当区主任がこれまで不良造林地ではないと私たちも言っておったけれども、言われてみれば不良造林地でありますと言って認めておるわけです。ですから、私たちはただそういうこじつけで言っているわけではないんです。私は、このような不良造林地を発生をさした、しかもそれを放任をしている林野庁当局の責任は追及するものでありますけれども、ただそれだけで皆さんをいじめて快しとしているものではないんですよ。不良造林地がなぜできたのか、これを反省すべきは反省をして、そして不良造林地を解消するための対策を積極的に講じて、そうしていい山をつくってもらいたいという期待があるから申し上げているんですよ。  ところが林野庁の答弁も、私どもが現地へ行って当局にいろいろ問いただすわけでありますけれども、言い逃ればかりしておって、私は、率直に言って素直でないというふうに思うんですよ。だれが見ても明らかにこれは不良造林地である、素人が見てもそういうふうに思うところであっても、いや、この山に対しては実は天然林に誘導していくんだとか、あるいはどうなるか観察をしているんだとか、何だかんだ言い逃ればかりして自分たちの責任を逃れようとしておるんですよ。当局は、もっと真剣に素直になって私は対処すべきだというふうに思うんです。  そこで、一つ私は提案しますけれども、先ほど申しましたように、私たちも山に働く人たちも、不良造林地はこれだけあるというたくさんの私は資料を持っているんです。これは現地に基づいて資料を持っている、林班ごとに。この資料と皆さん方の当局の持っておる資料とを突き合わせて、現地において営林署長なり、あるいはそこに働く人たちなり私どもが立ち会って、この山を不良造林地だと、したがって、面積を確認するとともに、それに対して今後どういう施業をしていくという、こういう前向きな姿勢があってしかるべきだというふうに思うんです。こういうことをやって面積を確認してその施業計画を立てれば、私も、何回も何回も不良造林地のことを取り上げないですよ。そういう用意を持っておられますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 不良造林地の問題につきましては、労使間でも前々から論議がいろいろされておりまして、現時点で組合との話し合いで、それぞれ営林局で当局が調べました実態について御説明をするということにいたしまして、現在各営林局にその説明をしております。さらに、組合の調査資料の説明、意見を聞く場も営林局の段階でそれぞれ設けるという形で対応しておりますし、私どもそういう関係につきましては、現地におりますそれぞれの営林局がそれなりに対応を進めておる、今後また進めていくというように指導をしてまいりたいというふうに考えておりますが、本来、造林地の実態がどうであるかということをつかむこの責任は、私は当局の一番大きな責任であろうというふうに考えております。  したがいまして、当局の営林署長はもちろんのこと、営林局の課長あるいは担当区主任が的確に自分の管内の造林地はどうであるかということを把握いたしまして、その認識を持つことがこれからのやはり国有林改善の大きな柱でもございますから、そういう意味で、当局におきまして十分実態を把握いたしまして、造林地の状況がどうであるかということは当局の事業実行の責任という形で十分把握し、対応し、必要なものについては説明をしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 当局は、自分の管理する山がどうなっているかつかむことは当然のことなんですよ。  それで、そこに働く人たちにも説明をしていくというようなことがあったわけですけれども、当局のつかんだ数字と、働いておる人たちのつかんでおる、現場で仕事をやっておる人たちのつかんだ数字ですよ、それとが余りに違いがあり過ぎるのですよ。それは、両方を対立してけんかさせるのじゃなくて、本当にこれが不良造林地であるのか、ほうっておいてもいいのか、やっぱり当局と働く人たちと立ち会って面積を確認し、その施業をどういうふうにしていくかということをやらせるべきだというふうに思うのですが、それはできないですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生御存じのように、造林事業の実行は、主として現場におります担当区主任が責任を持ってやっております。したがいまして、担当区主任が事業を実行する場合には、当然現地におきましてそれぞれの現地の作業員の意見等々も聞きながら造林事業を実行していると思いますし、そういう意味から、私どもか組織を通じまして把握した問題、数字、これは十分その辺の現地の実態をのみ込んだ数字として把握でき得るというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 現場の責任を担当区主任が持つのは当然のことですよ。しかし、担当区主任の施業のあり方等についても、この改善計画にしても、あるいは国有林野における新たな森林施業にしても、こういう指示を皆さんがして、それに基づいてこの施業をしているわけなんですよ。したがって、これだけ不良造林地の面積が違うということになれば、皆さんが指示をして、違う局なり営林署なりよく立ち会って話をしてみろと、計画を立ててみろと、そういうことの指示ができないのですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほども申し上げましたけれども、やはり第一義的な責任としては、当局に私は責任があるという形で私どもの管理責任という立場でとらえますけれども、当然、現場におります方々あるいは労働組合の方の御意見があれば、それについては十分耳を傾けるものも持っておりますし、先ほど申し上げましたように、労働組合との関係でも、組合の方の御意見があれば一応聞きましょうという形をわれわれ言っておりますし、十分その辺は配慮しながら対応していく姿勢は持っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 いまの村沢委員の指摘されておる問題と関連して申し上げたいと思うのですが、実は私も、国会が終わりましてから二、三現実に山を見てまいりました。  一言で言って、とにかく林野庁、経営に当たっている方あるいは職員は、本当に国民の山を預かっているという認識を持っておるのかどうか疑問に思ってきたわけですよ。不良造林地の話は、いま村沢委員のお話しのとおりです。現場に行って、そして営林局の部長等と現場を見て、これは不良だなと言うと、はいそうです。しかし、これは不良造林地という形では数字に上がってきておらないということを確認してまいりました。  ずっと山へ行ってみますると、それは月並みな例を申し上げてみますならば、われわれが行って、大事に育ててきた天然ヒノキと、こう言っているけれども、それを全部皆伐をしてしまう。皆伐をして、林道をつくるのには山の腹を傷つけて水害の種もつくっておる。よくぞこういう施業をしてくれた、何をやってきたのかという感じで、実は憤りの気持ちで帰ってきました。いまの長官の答弁を聞いていますと、なるほどその限りにおいては順序立てて物事を言っているように見えるわけですけれども、そしてまた、それは現地の労働組合に要望があればいろいろと説明しますということでありますけれども、説明をした上に立って、あるいは現地を一緒に踏査して、お互いに認識を統一したということではもちろんないんだろうと私は思うんです。経営権はあなた方にあるということは百も承知で言っておるわけでありますけれども、認定はこれは経営権でございますから、あなた方が不良か不良でないか認定する権限はありませんなどという物の考え方をしておるから、四十万と四万の違いが出てくる。  まあ、とにかく二割や三割の違いだったら話は別でありますけれども、十倍も違うなんというべらぼうな話はないですよ。だから、この問題については村沢委員もしつこく私は追及しているんであろうと思うのでありますけれども、とにかく説明をしたからそれでいいというのではなくて、経営者といえども、職員といえども、国民の山を預かっていることには変わりないんでありますから、同じ人間であるとするならば、その山を見ていいか悪いかということはわかるはずだ。だとすれば、いわゆるまあ言ってみれば、私なんかもあるところを指定して、おたくの方の現場の人と一緒に立ち会って、いいか悪いか一々点検してもいいですよ。しかし、日本全国全部やるわけにはいかぬ。だとすれば、とにかく四十万と四万の数字の差異というものを、これをどうやって統一させるかという努力をしなければ、これは議論にならないですよ。本当の施業計画だってできるはずもない、改善計画もできるはずがない。  そういう立場から村沢委員はいろいろと追及をしていると私は思うのでありますけれども、とにかく経営権があるから話に乗らないとか、労使の問題ではございませんなどということではなくて、経営者も、そこに働く人々も、同じく国民の山を預かっているという立場に立つならば、この山が実際にいいか悪いか、認識の統一はできるはずです。したがって、現場でそれをやる考えがあるかないか、こういうことを言っているわけですから、何も労使の問題であるなどというくだらないことをする必要はないわけでありますから、素直に考えてひとっこれをやってみましょう、いつまでかかるかわかりませんけれども。いずれにしろ、国会に出てくる数字が二通りも三通りもあるなどというばかなことがあってはならないと私は思うんです。その点、どうですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま先生からいろいろ御指摘ございました。私どもも素直に考えて対応したいというふうに考えておりますし、山をよくしたいという気持ちは、先生御指摘のとおり私どもも同じでございます。  そこで、私が申し上げましたのは、やはり管理者として、経営者として国有林を預かる以上、そういうものを的確につかめない管理者であり経営者であれば、これは能力がないと私どもは判定せざるを得ない。当然われわれの責任として、そういうものを把握するのはあたりまえのことでございますから、そういう意味で申し上げたわけでございまして、そういう中で、当然われわれとしては把握してまいります。したがいまして、そういう把握した問題について当然労働組合にも御説明いたしますし、また組合の方の御意見があれば十分承って、やはりお互いに協力しながら山をよくしていこうという姿勢は当然われわれは持っておるわけでございますし、また組合の方にもそういうものを持っていただきたいとわれわれは考えておりますが、そういうことで私どもは今後とも対応していくつもりでございますし、そういう御説明を申し上げたつもりでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そういう説明をしました、の話では、これは話は進まないんですよ。とにかく、それはもう不良造林地を不良ではないごとく報告していた、そういう管理者はいないと思う、とあなたはおっしゃっているんだろうと思うんですがね。それじゃどうですか、現実、このわずかな期間行って、いままで不良でないと言われた所を営林局の部長も行って、これは問題です。と言うような所があった。それをいままで不良でないと認定した現場の責任者を、あなたは処分しますか。例を出しますよ。いいかげんなことでいま私は言っているんじゃない。同じ山を見て同じ人間が、国民から山を預かっているという認識の上に立つならば、その山の見方の認識の統一はできるって言っているんですよ。それをやりなさいと言っている。そうすれば国会に出てくる数字、あなた方が出す数字と現場で働いている人たちが集積した数字というものが違うはずがないんだ、これは。そこはどうなんですか。覚悟して答弁してください。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま先生御指摘になりましたように、同じような考え方で同じように山を見れば、だれが見ても同じような数字が出てくるだろうと私も思います。したがいまして、いま当局側で言っております数字とそれから組合が出しました数字とが大きな違いがあるということは、そこにやはりその山を見る基準がある意味で違っている問題もあるのじゃなかろうかと思いますし、さらに私どもは、いままで林業というものがいろいろな経験を経ておりますし、また学術試験もやっております。そういう技術的な成果を踏まえまして、その基準に基づいて技術、合理的な基準から判断して、この山はどうであろうか、今後どうしたらいいだろうかということを判断してまいりたいということを申し上げておるわけでございまして、そういう点ではこの辺については十分お互いに話し合いをしていけば、私はお互いに了解点に達しながら意見の交換はでき得るものというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 お互いに話し合いをしながら説明をして、そして御理解がいただければそれは認識の統一ができるはずだと、こうあなたいまおっしゃいました。だから、その認識の統一したところで数字をあなた方は国会に出せばよろしいんだ、はっきり言えば。一方的に、あなた方は何を言っているんですかと、私の方ではこれこれこうやって不良だと認めません、話になりません、これは経営権でございますから、ということで突っぱねているから違った数字が出てくるわけなんですよ。だから、言い方はいろいろありますよね。あなたが言ったように、説明をして御理解がいただけるならば認識の統一はできるはずだと。だから、いただけないものがあるから困るわけだ。認識の統一をいたしますということを言えばいいですよ。どういう形かは別にしても、認識の統一をいたしまして数字は一つにして出しますと、こうあなたがおっしゃればそれでいいわけです。そこはどうなんですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほど来申し上げましたように、われわれとすれば、それぞれの営林局、営林署の現地の実態に合った従来からの技術経験を生かした考え方によりまして山の実態を把握し、それに基づいた結果についてそれぞれの営林局、あるいは場合によれば営林署におきまして御説明申し上げ、当然職員の方々も、あるいは組合の方々も、現地においてそれぞれ仕事をしておられる方でございますから、そういう点では技術的その他について御説明をしていけば、十分その辺は理解もしてもらえる問題があるというふうにわれわれ考えておりますし、そういう点で私どもなりに調査したものを十分組合にも説明し、お互いにやはりこれからの山をよくするということについては労使協調してやっていかなければいけない問題もあるということは十分私も認識しておりますし、また、そうしていただきたいというふうにも考えておりますので、そういうことでやってまいりますれば、その辺は十分協調し得るものがあるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官、いま村田理事からも話があったんですが、幾ら現地で説明してもやっぱり納得できないですよ。私ら見ても納得できないわけですよ。だって、そこの山に二十年も三十年も働いている人たちが、やっぱりこの形ではこの山は育ちませんと言っているわけなんですよ。ですから、同じ山を見るんですから、もっと素直に営林署長と働く者の代表なり働く人たちと話をして、やっぱりこれはこういうふうにしなきゃいけないということがやれるような指示ができないでしょうかね。大臣、どうでしょうか。同じことをいつも言っておるんですけれども、そうすれば、私どもは何も不良造林地って毎回言わないですよ。もうちょっと、いま村田理事から話があったように、労使で話をして、こういうものでございますといった自信を持ったものを出しませんかね。どうですか、大臣。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほど申し上げましたように、営林局でも説明し、そして必要なものについては営林署でも十分説明するということを労使間で一応決めておりまして、そういう形の中で私どもの調査したものを説明し、組合の調査されたものを意見を聞き、そしてその中でいろいろな問題点があれば、それは十分われわれとしても聞く耳を持ちながら対応していきたいということをさっき申し上げたわけでございまして、その辺については、先生のおっしゃったことをわれわれとしても同じような考え方でやる姿勢は持っておるわけでございます。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 国有林野の不良造林地が、労働組合側の出したのと、管理者というのですか、経営の責任者が出したのが大きく違うということが、ここにまた林野の問題があるのだろうと思うのです。働く人の考え方と管理者の考え方が十倍も違うような数字をもって相対立しておるところに、今日の問題がある。この辺を、やはり一致できるような管理体制、あるいは労使関係というものを築いていかなきゃ、私は国有林はよくならないと思うのです。そういう意味で、どこに根本的な違いがそんなにあるのか。全部は当面できないにしても、一、二サンプルをもって、労働組合の方も基礎があることでしょうから一ひとつその辺は明確にしておく必要があるだろうと私は思いますので、なるべく早い機会にどこに食い違いがあるか解明をして、両方から見て正しいというものをつくり上げるべきだと、こう思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣の答弁で大分前進をしたわけですけれどもいぜひ、営林局でも営林署でも、指摘しろといえばいつでもその資料はいっぱいありますから、調査してください。よく話し合いをさしてください。  そこで、今後の国有林は四十八年につくった新たな森林施業に基づいて施業を行っていくんだということを改善計画ではうたってあります。これは当然のことだというふうに思いますけれども。しかし、経費を節減をしたり極端な省力化を行っているために、あるいは行ってきたために、いままで指摘したような不良造林地を解消することができないんです。また、新たな不良造林地を出しているわけですね。いい山をつくるには、やっぱり人と金を惜しんじゃできないんですよ。  仮に四十万ヘクタールの不良造林地があるとすると、これを解消するには幾ら金がかかるというふうに思いますか。たとえば一ヘクタール十五人ずつ使うと、六百万人の人がかかるんですよ。これは、いま林野庁の造林関係の雇用量の二年分に相当するんですね。仮に一ヘクタール三十万ずつかかるとしたら幾らかかるか、千二百億ですよ。これは、林野庁の造林関係の予算の一・七年分に相当するんですよ。本当に不良造林地をなくしていくという気持ちがあったとするならば、この改善計画で言うように、現場で作業している人たちを減らしていくんだとか何とかいうことは出てこないというふうに思うんですけれども、一体、不良造林地をなくするために、新しい不良造林地ができないために、もっと金と人をかける用意がありますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 私どもといたしましても、過去において必ずしも十分な技術的な精査ができた上での造林でなかったため、あるいは厳しい気象害等のために、優良でない造林地ができたということは私どもも否定いたしません。これからの十年の改善期間中に、こういうものをやはりいい山に直していくということも、この改善期間中の大きな仕事でもございます。したがいまして、そういうものを今後どうやっていくかということについては、今後真剣に具体的な方法は考えなければいけないというふうに思っておりますが、いまの国有林の財政状況からいいまして、造林地をさらによくするために、今回、前国会で決定していただきました改善特別措置法によって一般会計からの導入も図れる形になっておりますし、さらには財投からも拝借できるという形ができております。そういう問題を含めて、財政的にはやれるだけの努力はしてまいりたいというふうに考えておりますが、ただし、逆に非常に国有林の財政は厳しい状況にございます。  したがいまして、国有林の現在の財政がここ当分の間こういう厳しい状況が続く中で、さらに人をふやして仕事をするということは非常にむずかしい、なかなか困難な問題があるのではなかろうかというふうにわれわれ考えております。したがって、この不良造林地を解消するためには、現在おります職員なり作業員を全員総動員いたしましてその体制をつくり上げていく、そして不良造林地をなくしていくという姿勢に立って対応しなければ、現在の苦しい財政の中では非常に困難ではなかろうかというふうに考えておりますので、具体的な方法についてはさらに今後詰める問題ではございますけれども、いまの国有林の財政から申し上げますと、人を新たに入れてやるということは非常に困難でございますので、何とか現在おります職員、作業員が総動員で、全員がその気になりまして、造林地をよくするという姿勢、山を愛するという姿勢から、この不良造林地の解消を図る努力をすべきではなかろうかというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官の答弁でも、不良造林地をなくするために精いっぱい努力をすると、その熱意は理解をいたします。それと同時に、いまお話しがありましたように、現在の国有林会計のもとでは新しい人をふやすわけにはいかないという話があったけれども、現在の人員の中で総力を挙げてやるという話がありましたから、そういうことなら後から言いますけれども、現場の作業員の定数を減らすなんということはおっしゃらないでくださいよ。  それから次に、改善計画には「国有林野の事業の経営管理の適正化に関する事項」とうたって、要員規模の縮小と組織機構の合理化を強調しているわけです。  そこで、営林署の統廃合について大臣に確認をしておきたいというふうに思うんですけれども、大臣はさきの国会で、営林署の統廃合は、しゃにむに国家権力をもって地元の納得が得られないまま強行するわけにはまいらない、納得をしてもらうように最善の努力を払っていく、という答弁をされております。その後において社会党の申し入れに対しましても、統廃合の強行はしないし計画変更もあり得る、というような見解も明らかにされておるわけです。私は、政治家としての中川農林水産大臣のこの態度は了とするものであります。地元の反対を押し切って強行してはならないというふうに思うんですけれども、この改善計画を見れば、五十三年度において、北海道以外の地域において九営林署の統廃合を図るというふうにこれは明記してあるわけですけれども、そこで大臣に、営林署の統廃合に対して、いままで答弁なさったような見解で変わりがないかどうか、確認をしておきたいと思います。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 国有林経営に当たりまして大事なことは、労使が一体となって働くことと、やはり地域住民の理解と協力がなければいかぬと、こう思います。したがいまして、そうしたことをするに当たりましては、地元の皆さんの理解と納得を得る、こういうことが前提でなければなりませんし、そういうことでいま三百五十一のうち三十五を計画いたしておりますが、とりあえず九営林署について改廃をいたしたいとお願いいたしておるところでございます。  ただ、話し合いの中で納得しようとせず、ただただ反対のための反対というのではこれは困るのであって、十分話し合って、たとえば営林署がなくなれば山が荒れるのだというような認識で反対されたのでは困るので、その辺のところは十分説明すれば、山をよくしたいための合理化である、あるいは人員がもう営林署がなくなっちまえば全部なくなっちまうのだというような間違った、ためにするというのか、反対のための反対というようなことでやられるような態度ではこれは困るのであって、特に労働組合が、合理化は一切反対だという闘争、そして地域をあおるというようなことではこれはもう困るのであって、やはり前向きで話し合うという姿勢、そして前向きで話し合えば私は話し合いがつくものと、こう思っております。  したがいまして、地域との話し合いということは前向きで、よくなるという前提で土俵に立って、十分話し合って納得を得た上で最終判断をいたしたい、こう思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 社会党は、この営林署の統廃合の対象になっているほとんどの地域の現地調査を行っているわけであります。そこで、統廃合をして困るという理由は、それぞれの地域によって異なるものがあるとしても、すべての地域で、政党で言うならば与野党あるいは保守、革新を問わず、地域ぐるみで反対というか、残してくださいという運動が盛り上がっている。御承知のように、全国多くの自治体からこの反対の決議案が皆さんのところへ届いているわけなんです。ということは、反対のための反対じゃないのですよ。営林署の歴史は古くて、地域経済に重要な関係を持っておりますから、また国有林が、先ほど指摘しておるように不良造林地もたくさんある。後ほど指摘しますように、治山の計画もうまく進んでおらない。そういう実態であるから、営林署を統廃合するなんということじゃなくて、もっと強化してやってもらいたいという、この要望の高まりなんですよ。そして、この統廃合するについても、具体的な方針を示さずして何でもかんでもやるんだ。  林野庁は、一月一日実施を目標にして進めていくということを言っておるのですけれども、長官にお伺いしますけれども、一月一日を目途として、すでに統廃合の対象となっているところでは職員の異動調査までやっているんじゃないですか。あなたはあくまで一月一日にこだわってやるんですか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 営林署を統廃合するということは、いま大臣から御説明ありましたように、これからの国有林を改善するためのいろいろな方法論の中の一つの仕事でございますし、そういう意味から、私どもとしては一月一日に実行するという計画を現在立てたわけでございます。現在その計画期間中でございますし、現時点で私どもはその計画が十分地元の御了解なり納得が得られるような努力をしながら、円満に解決できるような努力をさらに進めてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 一月と言っても、あと二月わずかですよね。ですから、私は一月一日というめどを置いて強行してはならないと思うのですよ。一月一日にこだわってはならないというふうに思うのですが、あくまでこだわりますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) いま申し上げましたように、いまの時点では私どもが当初立てた計画を一月一日というふうにしておりますので、その計画が達成できるように全力を払って努力はしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 反対のための反対でなくて、本当に素直な正しい意味における地元の協力が得られない場合にはどうしますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先生の御指摘になりましたように、九営林署それぞれの地域によりましていろいろ反対されておる理由が違っております。その辺につきましては、それぞれの地域の実態、なぜこうなっておるのか、なぜ反対されるのか、その辺を具体的に十分つまびらかにいたしまして、それに対する対応がどういう対応でできるのか、十分こちらの方も検討をし、今後ともその努力をさらに続けてまいりたいというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、大臣も強行しないと言っていますから、あくまでそういう形式的に強行してはならない、このことを指摘をしておきます。  時間がありませんから次の問題に入ります。  いい山をつくるには荒廃した山地を復旧すること、また山が荒れないようにすることが必要なんです。そのために、国有林においても治山工事に重点を置かなければならないというふうに思うのでありますけれども、この改善計画を見ますると、治山工事については「森林レクリエーションその他の各種事業」としての改善の中で、わずかに三行ばかりちょこっと書いてあるだけですね。一体、いま国有林の荒廃した現状の中から治山工事というものをどのように重要視されていきますか。大臣、私は治山工事は大事だというふうに思いますが、大臣の見解をまずお聞きしたいのです。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 森林は、治山ということがきわめて重要な問題であることは言うに及びません。ただし、森林経営だけじゃなくて、治山というものが森林の大きな目的になる。わけても国有林でございますから、治山ということは最大大きな課題であるとして頭の中に入れておかなければならない課題だと存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、私は、治山の問題について私の調査した具体的現地に触れながら質問してまいりたいというふうに思うのです。  まず、国有林の治山工事がおくれている具体的な例として、私は先回の委員会でも指摘したのですが、また調査をして改めて木曾の荒廃地の現状を指摘をして、その対策をぜひ前向きに取り組んでもらいたいことを要請しつつただしたいと思うのです。  ということは、私も各種の国有林を見ておりますけれども、木曾谷の国有林ほど崩壊地が多くてまた復興がおくれているところは、他に例を見ないというふうに思うからであります。木曾谷は、御承知のとおり地形が急峻である、地質も脆弱である、しかもわが国有数の雨量の多い地域であるために、山地の荒廃が起こりやすい。それにもかかわらず、高度経済成長のときに大乱伐あるいは皆伐、林道工事による砂土の切り捨てによって、自然崩壊と荒廃地の増加はますます大きくなってきておるわけなんです。木曾谷の崩壊地の面積の推移を見ますると、昭和三十五年を一〇〇とすると五十三年には五三二になっておるわけであります。しかも、天然林の立木地に対して幼齢林に特に崩壊地が多い。これを見ても、いかに皆伐した結果であるかということがわかるわけです。木曾の荒廃地がなぜこのように進んでいるのか。長官はこのことに対してどのような反省をし、またどういう対策を立てていこうとするのですか、長官にまず答弁願いたいと思うのです。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 治山事業の重要性につきましては、ただいま大臣から御説明ございましたとおりでございますし、そういう意味からも治山治水緊急措置法という法律がございまして、それに基づいて民有林、国有林をあわせた治山事業を、五ヵ年、五ヵ年、計画を立てまして実行しておるわけでございます。そういう中で、木曾に特に崩壊地が多いという御指摘でございますが、私ども木曾谷が、ある意味で今後治山事業を十分投入しなければいけない状況にあることは認識いたしております。  その原因としては、昭和三十年代に伊勢湾台風だとか、あるいは室戸台風だとかいろいろな台風が参りまして、そういうことで相当な風倒木が出たということ。その風倒木の処理と関連いたしまして、特に木材需要が旺盛でございました時代に木曾谷からも成長量以上の伐採をしたということ、そういう関連から、あの地域の地質が非常に脆弱でございますし、そういう点と、さらには急峻であるという観点から、いま申し上げましたような台風なり、その後の降雨によりまして崩壊地等が発生しておるというふうにわれわれ把握いたしております。これについては、現時点におきましては、第五次の治山五ヵ年計画で計画を組んでおりますし、その計画の中で積極的に対応しておりますし、今後もさらに治山事業については十分前向きで対応してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この木曾谷の中で特にひどいのは営林署の統廃合の対象になっている妻籠、つまり南木曾地域であります。私は、ことしになってから二回南木曾の荒廃地の現状を調査しておるわけですけれども、まるで三十六年災害や伊勢湾台風の直後のような現状をいまもって呈しておるのですよ。下流の住民は、国有林に起因をする災害によって今日まで多くの人命や財産を失ってきた。現在でもまくらを高くして眠れないということも、これはうなずけることなんです。長野営林局が昭和四十三年に南木曾特定地域調査報告書というのをまとめました。それから五十三年の九月、ことし最近ですね、南木曾治山プラン特定調査報告書というものをまとめておるのですね。これは、ずいぶん学者や林業土木コンサルタントも入れまして金もかけてつくっておる。これだけのものを予算をとってつくるということは、それだけにこの地域が荒れているということなんです。  この調査書を見ると、こういう工事をすればよくなりますということが書いてある。これは、私は学者の論文であってはならないというふうに思うのですね。現にこの中にあっても、言っていることは、いままでの山腹工事の工法を切りかえて経費節減のために努力が払われているけれども、やはりこのような条件のところでは、当然必要とする手段と経費を惜しんではならないと報告書は言っておるのですよ。  要は、いかにりっぱな報告書をつくったって、これのために金と人をつぎ込まなければだめなんですよ。こんなりっぱなものをつくったんですが、この私がいま指摘した南木曾地域に対して、この調査書に基づいたり、あるいは皆さんの調査でもってした治山の全体計画は一体どのぐらいあるのか、それから年次計画ではなく、五ヵ年計画ではなく、そのためにどういう仕事をやってどんな進捗率を示しているのですか。これは理屈は要りませんから、数字で答弁してください。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) お答えいたします。  南木曾地区の治山事業につきましては、現行の第五次の治山事業五ヵ年計画におきましては一応二十四億円を予定しております。そこで、五十二年度並びに本年度五十三年におきまして予定しておりますところの金額は、合計いたしまして十億円でございます。これは、進捗率を申し上げますと、全国の平均が三〇%、長野営林局の平均が三一%でございますが、この南木曾地区につきましては四二%となっておりまして、積極的にこの地区の治山事業を進めてまいっているところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 全体計画を聞いているんですよ。第五次じゃないです。全体の。こんなりっぱな調査書をつくっているでしょう。この中には、荒廃地をなくすためにはどれだけの面積があって、一体どれだけの金がかかると書いてあるか。第五次だけ聞いているんじゃないですよ。全体計画は幾らで、それから見たらどのぐらい進んでいるか、それだけ聞いているんです。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) 私ども、国有林におきましては、この治山事業の五ヵ年計画を策定する内部参考資料といたしまして、治山の全体調査というのを実施しております。これは、その流域ごとに荒廃の現況とか、あるいは保全対象の状況等を把握いたしまして、あわせて経費の試算を行っているわけでございますが、現段階におきましては、これは南木曾プランを含めた形での全体調査はまだいたしておりません。  なお、この全体調査と申しますのは、あくまでもこの治山五ヵ年計画を策定するための基礎資料という形でとっておりますので、御了承賜りたいと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 営林局は、これはかなりの金をかけてつくっておるんですよ。これは皆さんが出した予算の中からつくっておるんですよ。しかし、この中では、全体計画を把握するためにつかんでいる。なぜわからないのですか。部長がわからなきゃ、私が数字を教えてやってもいいけれども。だから、私は、そのことを聞くということであなたに通告してあるわけなんです。なぜ営林局にそのことをはっきり言わせないんですか。私の調査によれば、全体計画に対していまの進捗率は七・二%だ。砂防防災計画も含めて六・二%です。百年かかっても、この調査に基づけば工事ができないんですよ。一体こんなことで、力を入れているなんていうことが言えますか。  そこで、続いてお伺いしますが、この南木曾地域には不良造林地も非常に多いわけなんです。私どもの調査では、三殿営林署が九百九十四ヘクタール、妻籠営林署が六百七十六ヘクタール、幼齢林面積に対してそれぞれ六一%、六〇%というような不良造林地になっているわけです。こういう不良造林地は、秋山部長も社会党の調査に二回同行された。そこに赤坂さんもおるが、造林の課長さんもおるけれども、現地を見ているでしょう。あなたも私たちと一緒に現地を見たじゃないですか。どういうふうに思いますか。

秋山智英林野庁業務部長

○説明員(秋山智英君) 私も現地についてまいりまして御説明申し上げたわけでありますが、先ほど長官から御説明申し上げましたとおり、昭和三十四年以降の風倒木並びにこれに関連いたしまして、木材需要の増大に対処しまして、昭和三十年代から四十年代の前半にかけまして、相当の伐採をしたことも事実でございます。風倒木の発生いたしました個所が標高千二百メーター以上、高いところは千五百メーターというふうなところも出ておりますので、この地域につきましての造林は非常にむずかしい面がございます。  そこで、私どもは、現在新しい施業方法の考え方に立ちまして対処しておりますのは、標高千二百メーターまでは、これはヒノキの造林が可能でございますので実施すると。それから、それから上につきましては、先駆樹種といたしましてカラマツを造林し、ある段階を経た後にヒノキ等を造林するというふうな方式をとり、さらにまた、千五百メーター以上になりますと、これはなかなか人工造林というのは至難の個所でございますので、こういう地域につきましては、カバ等の誘導を図りながら、漸次森林造成をしていくという手立てが必要であるというふうに考えております。過去のいろいろの造林事業の問題点は率直に反省いたしまして、よりよい造林ができるように今後努力してまいりたいと、かように考えているところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 こうした荒廃地をほうっておいて、あるいは不良造林地を今後考えていくという話ですけれども、いままで放任しておって、そうしてまた、これに対して将来どうしていくんだというこの具体的な実施計画も示されずして、営林署を統合しますからぜひ協力してくださいと言ったって、地元が納得するはずはないのですよ。そうして営林局がこの話し合いの条件として示した、営林署業務の運営についてという資料も私持っていますけれども、こんなお粗末な考え方でもって営林署を統合しようたって、これは無理な話。治山の問題にも触れますけれども、営林署、南木曾地区の治山プラン特別調査報告書をつくりましたから、ひとっこれが私どもの治山計画でございます——これは学者の論文なんですよ。どういうふうにして治山をやっていくなんということは書いてないのですよ。それに対してもあなた、これは全体計画としてどういうふうに進めていくという答弁はできないじゃないですか。これでもって営林署の統廃合を強行するなんということは、これは絶対私は許すことができないと思うのですよ。やっぱり統廃合をするのだったら、もっと真剣にならなければだめなんですよ。長官、どうですか。これでもやりますか。強行しますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 治山事業の具体的なものなり造林の具体的な問題については、いま業務部長からお答え申し上げましたが、南木曾町を中心にいたします妻籠営林署の治山なり造林の問題につきましては、私どもとすれば、それなりに今後の国有林の山を見、現地の実態を把握いたしまして、十分その山に合った形で対応してまいりたいというふうに考えておりますし、さらに今後改善計画の中におきましても、妻籠営林署管内の国有林については、妻籠営林署の管内として必要な治山事業等については十分重点的に今後の事業を実行していく姿勢をとりながら対応していき、そうして営林署が合併された暁におきましても、従来以上の治山事業なり造林事業が進めるような姿勢をもって対応していく必要があろうというふうに考えております。そういう意味からも、現在われわれが考えております治山につきましては、治山五ヵ年計画なり造林は、それなりの計画によって今後とも前向きで推進してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そんな抽象的な、強いて言うならば官僚的な答弁でもって地元を説得するなんということはだめなんですよ。この治山事業について言うならば、この地域は二十五年四月まで直轄事業でやっておった。二十八年六月に営林署の管轄になった。これではまたできないということで、三十五年の四月直轄事業になった。そうして五十一年度の四月、また営林署の管轄になった。治山事務所をだんだん廃止して、荒廃地がますます大きくなって仕事が進まないから、地元が納得しないのですよ。あなたが言うように、積極的にやるという程度の答弁では地元が納得するはずはない。これだけの計画がありますから、こういうようにやりますという具体的な数字を示せますか。示せないでしょう。そんなことでは私はだめだと思うのですよ。ですから、十分検討してください。私は納得しません。  それから、だんだん時間が迫ってまいりますから、木曾谷のことについて、このことは大臣にひとつ聞いておきたいのですが、私は、この委員会で何回か木曾谷の国有林のことを取り上げてまいったわけであります。ということは、単なる私の地元ということだけではなくって、木曾谷はわが国国有林の中において、いいにつけ悪いにつけて国有林の代表的な私は存在であるというふうに思うのです。と同時に、木曾谷にわが国国有林の実態があらわされているというふうに思うのです。その昔は、木曾ヒノキを中心とする木曾の五木によって、そうして国有林会計にも多大の貢献をしてきたのです。ところが、この二十年間を見てみますると、成長量の五倍に達するような伐採、ときには八倍、九倍もの大乱伐を行った結果、結局木曾は崩壊したのです。木曾ヒノキを切ったあとには、ほとんどカラマツが植えてあるのです。木曾ヒノキは今後二十年たたずしてなくなってしまうのですよ。こうした結果、不良造林地も多くなった。そうしてまた、地元に災害を起こらした。また、国有林が衰廃することによって地元が過疎になってしまったのですよ。私は、いまや木曾の国有林というのは不良国有林の代表的な存在になりつつあるというように思うのです。  したがって、こういう地域に対しては特別な対策を立てて、りっぱな施業をして、それから先人の守ってきた山を守って、これからの後の人に引き継いでいくという、やっぱり基本的な方針を立てるべきだと思うのですけれども、こうした地域に対して、大臣どうですか。これからこういう地域はこういうふうにしますという、林野庁挙げてりっぱな計画を立てて、そうして地域の住民に安心してもらうりっぱな国有林をつくるという大臣の英断を私は求めたいと思うのですが、どうでしょうか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のとおり、木曾谷はわが国にとってはもう歴史的に見ても代表的な本当に大事な山であることは承知いたしております。したがいまして、そこの将来についてのあるべき姿をしっかり描いて、それに向かって着実に事業を実施していくと。きわめて大事だと思いますので、そのような方向で対処いたしたいと存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そのような方向で対処するということは、私は林野庁でもって何か特定地域のやっぱり調査をして、どういうふうにしようという作業も進めておるなり、あるいは考え方を持っておるように聞いているんですけれども、木曾谷もこの中の一つとして特定地域としてどういう施業を行ってくのか、そういう将来にわたってのプランを近く立てる気持ちがありますか。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 木曾谷につきましては、いま大臣からお答えいただきましたように、非常に歴史の古い有名林業地でもございます。したがいまして、私どもといたしましても、この木曾谷が未来永劫にそういう林業地であるような努力をしていかなければいけないというような観点から、すでに特定地域の森林施業基本調査というのを進めておりまして、この調査を現在まとめ中でございます。それを五十三年度中にまとめて——まあ、たまたま木曾谷の森林施業計画を現在五十二年から実行いたしておりまして、五ヵ年目でまたこれが改定になるわけでございますし、そういう時期には、十分この精神を取り入れた木曾谷の森林施業計画をつくってまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、特定地域の調査を五十三年度中に木曾谷についてはまとめて、以後はその調査に基づいた方針によって山を守っていく、そういうことでいいですね。  最後に一点だけお伺いいたします。この改善計画の中で言われている、職員の合理化の問題であります。改善計画では、定員内及び定員外の職員の適正化を図っていくというきわめてきれいな文句をうたってありますけれども、しょせんは職員を減らしていくという計画には変わりはないんです。計画では具体的な数字は言っておりませんけれども、新聞の報道するところによると、十ヵ年間に二万五千人の職員を減らすんだということ、これが改善計画の骨組みだというようなことを言っている新聞もあるわけです。恐らくこの数字は林野庁が明らかにした数字だというように思うんですけれども、あなたたちはこの国会の答弁でも、何人減らすなんというようなことは一言も言わずして、あるいは職員の問題ですから組合との関係が一番大事であるのに、組合にも示さずして、新聞を通じて何人減らしていくんだ、こういう発表をする意図は何ですか。  しかも、先ほど指摘しておりますように、不良造林地にしても治山にしても、あるいは実行形態にしても、これからどういうふうにしていくんだというその具体的なものは出さずして、ただ伐採量に見合って職員を減らしていくんだ、これはまさに本末転倒ではないですか。仕事を本当にやっていくんなら一いま幾ら職員か要るかということがわからないでしょうが。それが仕事を実際にやっていくためにはこれだけの職員が要るんだと、その数字をはじき出して、いまの職員は減らしてもいいんだという考え方ならば別として、最初から数字を出していくのは何ですか、あれは。長官にお伺いいたします。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 今回の改善計画の内容の中におきまして、要員規模をどうするかということは、それなりに改善計画の中に考え方をうたっておるわけでございますけれども、国有林がこれから改善を進めるに当たりましてどういう要員規模が必要であるかということについては、これからの事業のあり方あるいはそれぞれ事務等の改善、合理化の進め方、そういうテンポに合わせまして適正な対応をしなければいけないというふうに考えております。  そこで、私どもは現在組合との間で取り決めております高齢者の退職勧奨の制度、この促進を図るということ、そういう中で、一方できるだけ新規採用を抑制するという考え方に立ちまして、要員の適正化を図ってまいりたいというように考えておりますし、定員外の職員につきましてもほぼ定員内と同じような考え方で対応すると同時に、やはり現場で作業する場合にはその能率というものも十分考えなきゃいけませんし、そういう能率を考えた中で、厳正に対応した作業員のあり方というものを、事業規模に見合って考えていかなければいけないと思っております。  そういう観点から、私どもは今後の適正な人員配置というものも考えておるわけでございまして、決して新聞に出ましたような数字をやるということを言ったわけではございません。これはいま申し上げました退職勧奨制度、一応五十九歳という形で取り決めておりますけれども、こういう形でこれが順調に進んだならば、現在おります定員内外合わせましての六万五千人の方々がこの程度この退職勧奨制度の年齢に達しますよという話をした数字が、一応新聞の方に載ったというふうにわれわれは考えておりまして、決して私どものこういう将来の削減計画ではございません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、二万五千人というのは、いま一人も採用せずして高齢者にやめてもらっていくというのならこういうことになるということだけであって、二万五千人は新聞によると定員外で何人、定員内で何人と細かく出ているんですね。そういうふうにやるということじゃないんですね、確認しておきますが。

藍原義邦林野庁長官

○政府委員(藍原義邦君) 先ほど申し上げましたとおり、勧奨制度がスムーズに遂行されればそういう数字が出てぐるということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 きょうは、私が実は要求いたしておりました時間の三分の一に持ち時間が減ってまいりまして、したがいまして、いま質疑のありました国有林野管理に関する林野庁の考え方の問題だとか、さらにはまた、農林水産省の同和対策事業の関係あるいは漁港の建設計画にかかわる問題、これら実は質疑をしたかったわけでありますが、これは次回に譲って、きょうは漁業無線の関係、さらにカツオ・マグロを中心にいたしました、これからの二百海里時代に対応する日本の漁業政策という立場で、問題をしぼって考え方を伺っていきたいと思います。  まず第一に、昨年の十月二十八日に当委員会で私自身が質問をいたしました漁業無線に関しまして、特に小さい海岸局でありますが、DSBの関係あるいはSSBの関係でありますが、それに対して同一周波数が近隣の最寄りの海岸局で使われておって、それがために船舶局相互間で幾つかのトラブルが発生するので、電波のいわゆる周波数の割り当ての問題について再検討をすべく指摘をしたわけでありますが、同時にまた、海岸局の運営自体が今日幾つか問題が指摘をされておるわけでありますから、その運営に対する改善の要請も行ったわけでありますが、それらについて当時の考え方というのは、具体的な合理化計画等も含めて検討をするという、そういう立場で答弁があったわけでございますが、それらの検討結果、具体的にどのように改善をされ、さらに対策としてどういうふうに実行されてきているのか、まずそのあたりから説明をいただきたい、こういうふうに考えます。

仙波康之郵政省電波監理局無線通信部航空海上課長

○説明員(仙波康之君) お答え申し上げます。  ただいま御質問のございました漁業無線通信の再検討でございますが、先生御承知のように、漁業無線の中で沿岸に使われております二十七メガ帯のいわゆるDSB一ワットの無線局を装備する漁船が非常に近年ふえております。その結果、漁業通信の混雑というものが一層増大しておりまして、私ども郵政省といたしましては、これに対処するために周波数割り当ての改正をいたしました。  漁業通信用の周波数でございますが、大きく分けて二つに分けることができます。一つは陸船間でございまして、陸上の海岸局と船舶局との間の通信でございます。もう一つは、沖合いにおける船舶相互間の通信でございますが、まず、前者の陸船間通信につきましては、私ども約十年前の四十二年六月以来、全国を六ブロックに編成いたしまして、五十六波という電波を使いまして運用してまいりました。その後、先ほど申し上げましたように、当該周波数帯を使用いたします無線局が非常にふえておるということから、昨年の秋、九月でございますが、十年ぶりに周波数の使い方の再検討をいたしました。ただいま申し上げました全国六ブロックを三ブロックに三編成をいたしまして、ブロック相互間で共用できる周波数の捻出をいたしました。  二、三例で申し上げますと、たとえば北海道で使っております周波数が関東管内の神奈川県で使えるとか、あるいは近畿管内のものが九州で使える、そういった技術的な検討を十分に重ねました上で、実質的に波数にいたしまして六十四波増加という措置を陸船間波につきまして行ったわけでございます。  第二点目の、沖合いにおきます船舶相互間の……

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 その辺は簡単でいいですよ。

仙波康之郵政省電波監理局無線通信部航空海上課長

○説明員(仙波康之君) ということでございまして、船間波につきましても、大幅に増加いたしております。地方におきましては、こういった方針に従いまして、それぞれのローカル事情に応じました運用を図っておるというのが基本的な方針でございます。

恩田幸雄水産庁次長

○政府委員(恩田幸雄君) 海岸局の運営につきましては、昨年もいろいろ経営上の問題から御指摘があったわけでございます。これにつきまして、特に昨年からの二百海里の実施によりまして、各種の漁船につきまして一部地域で減船等が行われまして、海岸局の運営についてはさらに苦しい立場に追い込まれているというのが現状でございます。  それで私どもといたしましても、これに対する対策といたしまして現在検討を進めているわけでございますが、技術的に見ますと、最近におきます通信技術の進歩によりまして大分省力化いたしまして、陸上のファックスあるいは電話等を十分利用いたしました通信網で、ある程度合理的な配置を考えながら省力化、合理化ができるのではないかということを考えておる次第でございますが、なお、これに要します経費その他につきましてまだいろいろ問題もございますし、各海岸局のそれぞれの従来の経緯その他もございますので、これらにつきまして、現実の問題として今後検討を進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 質問の要旨がわからなかったのか、ポイントを全然外れていまして答弁になりません。  昨年、私はごく具体的に提起をしておるわけであります。両方ともですね。現実問題として私が例示をいたしましたのは、昨年の場合も、海岸局の隣接をしているところで、答志、波切、古江、これが二七九三一の波を使っている。それから、磯津、伊勢湾西部が二七九〇七、和具、錦が二七六六〇、こういうふうに、近接をしている海岸局で同じ周波数を使っていることがトラブルの原因じゃないのか、それは一体どうなっているんだということを尋ねておるわけでありまして、したがって、それがどう波が変わったのか、あるいは変わらないとすれば、それらのトラブルを解消するために一体どうしたのか、この辺が明確に答弁がいただければ問題はないんです。やってないのなら今後いつやるおつもりか、やる見通しがあるのかないのか、この辺を明確に答弁をしてもらいたい。  それから次に、海岸局の運営の問題については、これも前回指摘をしているんですけれども、いわゆる経理が独立をしておるわけですね。したがって、その経理というのは、漁業協同組合からいわゆる寄付の形で受け入れる、そういうもの、それから会員から会費として徴収をするもの、これしかないんですね。あるいは補助があればその補助金を受け入れる、これでもって独立の経営をしておる。しかも、この海岸局の局長というのは、御承知のように大体漁業協同組合の職員がやっておる。言うならば、使われる身であります。そういう立場の中で現実に運営をしていくときに、使われている人になかなか物が言いづらい。あるいは、この電波を使っている船舶局の中でも、これは組合の会員であって、したがって自分はむしろそういう人たちに、雇用関係は直接ないけれども、現実にはやはり会員の皆さんに使われている。  こういうことになってまいりますと、運営としてなかなか無理が言いにくいし、本来こういうふうにしてもらいたいということもなかなか上がってこない。しかも、経費は大変厳しいから、結果的に従事をしている人の大きな負担になってきている。だから、海岸局全体の運営をどういうふうに維持を図って強化をしていくのか、そういう立場に立って、これは当然協同組合課の責任でしょうけれども、漁業協同組合、海岸局を持つ組合との具体的な話し合い等もしながら改善をしていくという対策が講じられていかなければいかぬのじゃないのか、その辺の問題を私はずばり聞きたい。で、さっきも言いましたように時間がありませんから、状況をごたごた言われなくても、状況は私の方がよく知っていると思います。したがって、ずばり答弁してください。

仙波康之郵政省電波監理局無線通信部航空海上課長

○説明員(仙波康之君) お答えいたします。昨年十月御指摘いただきました当該伊勢湾地区でございますが、先ほど申し上げました総論に従いまして、担当の出先機関では、たとえば伊勢湾地区につきましては、従来電波の割り当てを一ブロックにまとめてやっておりましたのを、細かく三グループに、小ブロックに分割をいたしまして、それに従いまして先ほど申し上げました陸船間、船間両方につきまして、地元の海岸局の団体等に御説明し、御了解をいただきながら措置をいたしております。  一例を申し上げますと、所属船舶が七百局もございます豊浜につきましては、すでに、従来陸船、船間波共通でございましたのを分離いたしまして、特に混雑の激しい船間波の混信の削減を図ったとか、そういうことでございまして、先生御指摘ございました和具であるとか、白子、錦、そういった伊勢湾海域における周辺の海岸局につきましても、地元の御要望を十分承りながら御趣旨に沿うよう取り運び中でございます。これによりまして、改善が期待されるものと私どもは考えております。  その他の海岸局につきましても同様でございまして、三重、愛知地区以外につきましても、全国的に同様の方針で取り運んでおる、そういうことでございます。

恩田幸雄水産庁次長

○政府委員(恩田幸雄君) 単協の行っております無線業務につきましての経理の問題でございますが、これにつきましては、御指摘のとおり寄付あるいは会費等で運営しているわけでございますが、やはり会費につきましてはそれぞれの漁業者の負担の限界の問題もございますので、なかなかむずかしい問題でございます。漁協自体の経営についても、いろいろな問題がございます。したがいまして、私ども、全体の方向といたしましては、先ほど申し上げましたように統合、合理化の方向で進めながら、その中で個々の職員の待遇につきましては、現在の状況よりよくなるようなかっこうで物が考えられるような状態にいたしたいということで指導しているわけでございます。ただ、給与その他の処遇の問題につきましては、これはあくまでも当事者間の問題でございます。私どもとしては、その基盤をまずつくるということの方が先ではなかろうかと考えている次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 電波監理局の方はまあいまの説明で、相当努力をされているということのようですから、いままで共通の波数のところが一体どういうふうに変えられたのか、ひとつ具体的に示して   これは後ほどで結構です。時間があればここで聞きますが、どうも調査をしてないようですから、具体的にいままで私が指摘をしました、たとえば二七九一二をどういうふうに変えたのかというふうなことを、ひとつ近いところだけで結構ですから、表にして後で提供いただきたいと思うんですが、よろしいですか。——  それから後段の方は、まさに条件づくりの問題でしょうが、具体的に全国的に共通している課題なんですね。しかも、今日の二百海里時代を踏まえながら、沿岸漁業、あるいは遠洋漁業も含めまして、無線のきわめて効率的な運営ということは大変重要な柱になっているところだろうと思うんです。昔は無線がなくてたくさん遠くまで行っておったんですけれども、今日それがなかったら商売になりません。そういう状況の中で大きな柱になってきているわけですから、少なくとも海岸局の運営について具体的にそれが見劣りがしないと言うとおかしいんですけれども、うまく運営ができていって、そしてそこで働く人々がよそと比較をして、労働条件その他から余り無理をしないような形にまで運営のできるように、ひとつ十分にこれは話を詰めていっていただくようにしてもらいたいと思う。そのためには、先ほど指摘をしましたような経費的な問題も幾つか加わってくるわけでして、それはおまえたちのやることだと言ってけっ飛ばしているんじゃなくて、強化をしなければならぬという一つの方針があるとするならば、それにどういうふうなてこ入れの手段があるのか、この辺はぜひひとつ検討おきをいただきたいと思うんですが、よろしいですか。——首を振っていますから両者とも了解をいただいたというふうにして、先へ進めたいと思います。  次に、ロランAなんですが、これはロランAの関係につきまして、硫黄島の局が廃局になりましたですね。この廃局になったことによって、九州の南部から四国、それから和歌山、三重、この沖合い一帯がきわめて難聴が訴えられておったわけでありまして、聞くところによりますと、宮崎あるいは和歌山、徳島、それから三重の錦ですね、ここで具体的に船を使って状況調査をされたというふうに聞いておるわけですが、その総合結果が一体どういうふうになっておるのか。海上保安の見解としては一体どうなのか。この辺、簡単で結構ですから、ひとつ問題点だけ、こういう状態があったから障害があったんだ、あるいは、こういう障害はこういうふうにしていけばなくなるんだというところを、ポイントを決めてひとつ御答弁いただきたい。

豊福滋善海上保安庁燈台部電波標識課長

○説明員(豊福滋善君) お答えいたします。  ただいまの御指摘にありましたように、硫黄島のロランA局が廃止になりまして、四国沖あるいは九州の東の方の海上で従来よりもロランAが聞きにくくなったという訴えがございまして、私どもの方では、まずその実情を調べたいということで、海上保安庁の船舶を出しまして、実際に海上で測定を実施したわけです。その結果、硫黄島以外の現在日本で運用しておりますロランA局というのは十一局ございますけれども、それらの局を使えば、大体その海域でも利用ができるということが判明いたしました。  ただ、これは海上保安庁の船舶で実施いたしましたので、実際に漁船の利用者の皆さん方に必ずしもそのデータだけで利用できるということを納得していただけないというふうにわれわれは考えましたものですから、地元の漁業組合あるいは県の方と連絡をとりまして、地元で実際の船を使って、それから実際に繰業する海域でどのくらい受信ができるかということを調べたいということで、そのときに、漁船にロランAの受信機がどういうふうな状態で装備されておるかということもあわせて調査をするということで、各漁業組合ごとに日にちを分けまして、当庁の職員とそれからロランA受信機の製造業者と代表を出しまして調査をしたわけです。  その調査の結果、漁船のロランAに対する装備状況というものがどうも不完全であるということがわかりましたので、そういう状況を、改善といいますか、完全な状態に、正常な状態にすれば受信が一応できるのだということを漁船の皆さんに実際に見ていただきまして、その結果を踏まえまして、漁船の皆さん方に集まっていただきましていろいろ説明をしたわけです。それで、今後装備方法についても改善をしていただければ、それから、ここの海域ではここのロラン局を使えばこの程度に位置が出せるというふうなことを御説明をいたしまして、一応納得をいただいたということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私がポイントを決めてというふうに言いましたのは、具体的に調査をした結果、たとえば機械が正常に取りつけられてなかったというんなら、どういうような形のところが取りつけられてなかったのか、その辺を明確にしてもらわないとわからぬのじゃないんですか。たとえば、アースをしなければならぬのがアースがなかったとか、いろんな問題点があるわけですね。そうしますと、少なくとも無線機を取りつけるという話になれば、当然その無線機を取りつけるメーカー、物を販売してそれを船に取りつけるわけですから、当然完全なものにして取りつけなければならぬのが、なぜ不完全になっておるのか。船を見て、これは漁船として大丈夫だというふうにして沖へ浮かべていくわけですから、ここのところは一体どこが責任をとるのでしょうか。また、それに対する指導なんというのは一体どうなるんでしょうか。アースなんてきわめて初歩的なものが、今日、船にほとんどついてない。それが難聴の原因だと、こういうわけですから、調査をして指摘をされたことは結構なんですが、それらの課題について一体どういうことに、どこが具体的に指導をやるんでしょうか。  私は、こういうことをあなた方に物を言うのはおかしいんですけれども、筋違いじゃないかというふうにあなた方言われるかしらぬけれども、こういうのを海上保安庁が出しておりますね、第五管区海上保安本部。これもそうです。「航海の安全のために  電波の燈台の利用を」、海上保安庁。しかも、これらはメーカーの商品の値段まで全部入っているんです。このパンフレットに。いいですか。そうしますと、漁船に対しまして電波の使用を奨励をして、それは大いに結構なんですが、それと同時に、あなた方は業界まで、機械の問題にまで立ち入ってこれを宣伝しているんですよ。ということになれば、当然あなた方責任を持って、機械はこういうふうに正常に取りつけられなければならぬというところまでやってもらわなければならぬということになるんじゃないですか。その辺、いかがでしょう。

豊福滋善海上保安庁燈台部電波標識課長

○説明員(豊福滋善君) 御指摘のとおり、受信機が、漁船あるいは漁船でなくてもですけれども、船舶に正常につけられでなければ、受信機がそれだけの機能を発揮しないというのは確かでございます。で、これにつきまして、われわれとしましては、そういうものは当然正常につけられておるということで判断しているわけですけれども、こういう具体的な取りつけということについては、業者とそれから実際のユーザーとの間のいろんな問題があると思います。  それで、ただそれを製造業者とそれからユーザーとの間に任せておいただけではこれはやはりぐあいが悪いということで、私どもとしましては、こういう事態がはっきりしました時点で、ロランAの受信機の主なメーカー、主なと言ってもほとんどこの四社に限るわけですけれども、四社のメーカーに対しまして、受信機を販売し取りつける場合には、そういうアースの問題であるとか、あるいはアンテナの取りつけであるとか、そういうことについては十分注意をして、いわゆる手抜きをしないというふうなことをやってほしい、そういうことを指導を十分徹底してほしいということで、私どもの方としては、一応各業者に対しての協力の依頼の文書をことしの六月十五日付で出してございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 まあ一片の文書指導でそれが徹底するというふうに思っているところに、私はやはり官庁としての問題点があるというふうに思います。そういう事態が発生をしたときに、それを皆無にしていく、なくしていく、こういう立場をやはり具体的に徹底しなければならぬ。あなたのところの所管でなかったら、あなたのところが調査をしてそういう結論が出たんなら、所管のところに明確にその辺を指導させるべき手を責任を持ってやっぱりとってもらわなければならぬ。これは御指摘を申し上げておきたいと思います。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  それからさらに、硫黄島の廃局になったことによりまして、当初から、硫黄島を廃局すればどの地域が難聴帯になるか、あるいは使用不能になるのか、これは当初からわかっておったんじゃないのですか。たとえばサービスエリアの縮小の問題として、北緯三十度から二十度、て東経百三十八度から百五十度、大体この周辺ですね、これは当然エリアが縮小されてしまう。こういうことは、硫黄島を廃局をすることによってはっきりしていた問題じゃないのですか。どうでしょう。

豊福滋善海上保安庁燈台部電波標識課長

○説明員(豊福滋善君) 御指摘のとおりです。この海域について、硫黄島のロランA局が廃止になることによって、主として硫黄島よりも南の海域についてはほとんど使えなくなるということはわかっておりました。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 その場合、使えなくなったその地域を、じゃどういうふうにそれにかわるべきものとして指導されるんでしょう。

豊福滋善海上保安庁燈台部電波標識課長

○説明員(豊福滋善君) 実は世界的な趨勢に関連があるわけですけれども、現在ロランA局というのは世界的にほとんど廃止されつつあるわけです。それでなぜ廃止されつつあるかと申し上げますと、ロランA局にかわるシステムとしてオメガシステムというものが開発されたわけです。オメガシステムといいますのは、大体地球のどこでも利用ができるということで、その測位の精度につきましても、大体ロランAと同等あるいはそれ以上であるというシステムでありますので、ロランAがだんだんその存在価値がなくなってくるということで、将来はロランAというものはオメガにかわっていくのだというふうに考えておったわけです。  それで、日本におきましても、硫黄島が廃局されるに伴ってオメガというのが実際に運用を始めまして、それから使えるようになってまいりましたので、将来は一応こういう海域ではオメガを使えば船舶は位置を出すことができる、こういうふうに考えておったわけです。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 硫黄島の廃局と同時に、具体的に言いますと、サイパン、グアム、ヤップ、アンガウル、この線のいわゆるロラン局がこれまた廃局になるという動きもあったわけですね。いまあなたの御答弁になりましたように、将来ロランAが全局的に廃止の方向に向かいつつある。こうなってまいりますと、これからの対策の問題としては、たとえばデッカの関係、これは近海ですね。それから遠距離の場合にはオメガ、こういう二つの形が想定をされるわけですが、問題は、ロランAがなくなったから全部オメガに切りかえなさいよとか、あるいはデッカにしなさいよとか、こういう形を言えば大体それで済むんでしょうか。海上保安の立場から言えばそれだけの話なんでしょうが、それに伴う対策というものについて、たとえば水産庁との話その他は一体どういうことになるんでしょうか。これは、水産庁の方もひとつ答弁いただきたいんですがね。

豊福滋善海上保安庁燈台部電波標識課長

○説明員(豊福滋善君) ただいま先生の御指摘の中には、ユーザーのいわゆる経費の問題が一応含まれておるのではないかと思います。経費の問題を除きますと、ロランAよりもデッカの方がはるかに有効であるし、それからオメガの方が実際に航海する上に便利なわけです。それで一応経費ということを考えますと、実はロランAの受信機といいますのは、いま一番安い受信機というのは大体四十万程度で一応手に入ると思います。で、このロラン受信機が、いまから約二十年ほど前、日本で実際に漁船に使われるようになりましたころは、大体その当時の価格で二百万から二百五十万はしておったわけです。それが技術の進歩と、それからユーザーがだんだんふえてきたということによっていまの値段にまで下がった。それでオメガの受信機につきましても、約一年ほど前でありますと、オメガの受信機の値段は大体百八十万から二百数十万ぐらいしておったわけです。現在は、もうすでに百三十万ぐらいからの受信機が出てきておる。  それで、受信機の価格というのは、ユーザーがふえてくれば、いわゆるメーカーの方の量産効果というものが出てまいりますので、これについてはある程度下がっていくだろう。それからロランAの方につきましては、これはユーザーがだんだん減ってくるに従って、相対的にロランAの受信機の製造コストというものは上がってくるのではないか。こういうふうに考えておりますので、いわゆるユーザーがオメガあるいはデッカの方に移るということを、われわれとしては期待しておるわけです。

恩田幸雄水産庁次長

○政府委員(恩田幸雄君) 硫黄島のロランA局の廃局につきましては、私ども事前にお話を伺っておりまして、これにつきましては、関係漁業者とも十分いろいろ打ち合わせいたしましたが、何とかこれを残すようにということで、いろいろ海上保安庁の方にはお願いしたわけでございますが、まあ米軍の関係もございまして、残念ながらどうにもならなかったということでございます。  その後、ロランAの廃局によりまして一部地域で難聴が出ているということでございまして、私どもとしては、先ほど御指摘のありましたFRPのアースの問題とか、そういう技術的な問題のほかに、機械といいますか、その機械網全体の関係といたしまして、やはりロランAからロランC等に移行するということを考えざるを得ないのではないかということでおりますか、それにつきましては、一応現在のところ、近代化資金によりましてその手当てをいたすということに相なっているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 もう少し具体的に、船舶を持っている人たちにきちっとそうした方向づけなり、それから対策というものが事前に立てられて、そして無理なく流れていくような形で、この切りかえ等について措置ができるように十分な配意をしてもらいたい。これは昨年の場合も私指摘をしまして、簡単に法律を変えたらよろしい、ここを廃局したら機械を変えればいいのじゃないかというような簡単なかっこうでは、これはもう大変迷惑ですよ。資金的な問題からいきましても、大変な被害になるのです。したがって、それらの見通しを明らかにしつつ、無理なく、たとえば新しい船を建造していくときに、大体それに切りかえられるような対策というものをふだんから指導してもらうように、ぜひお願いをしたいと思うのです。  さらに、これは海上保安庁のパンフの例を挙げますと、これもめちゃな話なんですが、たとえばオメガにつきましても、この値段としまして百三十万から二百三十万、百万の違いがあるのです。優秀な機械をつけなさい、悪い機械をつけなさいと、こういう話じゃないんでしょうけれども、少なくとも私は機械選定に当たっては、大体標準の機械についてはこの程度のものはいいんじゃないかという示唆ぐらい行われていいんだろうと思うのです。たくさんのメーカーができてくることによってそれは幾つかの競争ができることについては、私は優秀なものというより安くできることは、それは大いに結構な話なんです。  しかし、少なくともそれを全部取り上げてまいりまして百三十万から二百三十万、百万の違いのあるようなものを、海上保安庁の堂々としたこの。パンフの中に載せている。極端なのは、いいですか、五十万から二百万の差がある。それが同じだけの価値を発揮できるのかどうかですね、私は大変問題だと思うのですよ。少なくとも目的に従ってその機械が有効に活用できて、この程度のところへ行くならこれでよろしいとか、そういうものをある程度私は指し示していって、具体的に漁民の、言うならば船主の大きな犠牲の伴わないようなそういう立場の配慮というのは、ぜひやってもらわなければいかぬのじゃないかというふうに思います。  この表を見ますと大変です。四十万から百五十万、同じロランにしましてもね。オメガは、いま言いましたように百三十万から二百三十万、無指向のビーコン等については三十万から百二十万。三十万と百二十万という機械はどう違うのでしょう。私は機械を扱ってきた経験からいきましても、大変問題があると思うんですよ。これはメーカーが悪いとか何とか言うんじゃなくて、あなたの方で、じゃこういうメーカーが非常に良心的であるという立場を明らかにしてもらうような、そういう検討をぜひ加えておいてもらいたいというふうに思います。  さらに、一つだけこれは指摘をしておきますが、五十二年の三月九日付で、五二水海第一千六十五号、水産庁の次長が漁船協会会長にあてて、二百海里時代に対応するいわゆる「漁船の船位測定装置について」ということで、研究を進めておりますね。それの報告書が五十二年の十二月に出されていますね。こういう研究は大いに結構なんですが、少なくともこういう研究をしたことについての成果というものを水産庁が指導方向の中に明確に取り入れてもらって、そして、いま私が申し上げましたような事柄等を踏まえながら、一つの漁船に対するところのいわゆる無線の政策的なもの、基本的なものをやはりきちっと私はつくり出してもらいたい。そして、それに指導をされながら、間違いのない漁船の運営ということについて、経営ということについて、やっぱりお互いが努力ができるように、その流れをぜひともつくり出してもらうようにひとつ要望をしておきたい。  時間があれば答弁を聞きながらもう少し突っ込みたいんですけれども、ありませんから次の問題に移りますが、いま世界の海洋国と言われるのが約百ヵ国ぐらいというふうに言われておるんですが、そのうち経済水域あるいは専管水域という立場で、事実上二百海里の宣言をしたところというのは、本年の一月現在で五十一ヵ国というふうに承知をしているんです。その後、南太平洋フォーラムの関係だとか、あるいはその他二、三の動きがございましたのですが、今日現在としては、一体二百海里を宣言しているのは何ヵ国になるのか、これをちょっと聞かしてください。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 七月一日現在で、外務省の海洋法本部の調査でございますが、六十五ヵ国。内訳としまして、領海二百海里設定国が十三ヵ国、漁業水域二百海里設定国が二十ヵ国、経済水域二百海里設定国が三十二ヵ国ということで、百四ヵ国のうち約三分の二弱ということになっております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 その三分の二程度になるいわゆる二百海里宣言国、その中に占めます日本の漁業の実情といいますか、たとえば昭和五十一年の漁業の生産というのは一千四十五万トン。このうち、大体三五%を占めます約三百五十万トンというのが、諸外国の二百海里内で操業しておった実績になっておるんですが、五十二年実績、さらには五十三年の動向というのは、一体どういうふうに分析をされておりますか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 全体としての数字は五十一年まででございまして、あと二百海里の設定に伴いまして、その後五十一年に対しまして五十二年がどうかということを申し上げますと、ソ連の海域で約三割減、四十七万トン減、それから米国水域での海域で約一割、十六万トン減、計算によりますと、いろいろ若干数字はございますが、この両国が全体の七四%を占めておりますので、そういう大きなところで二百海里の影響が出ておる。最近の数字としましては、これも五十三年になりますが、ニュージーランドが二百海里宣言をすることによって、十六万トンから九万八千トンの割り当てというようなことで、五十三年についてはそういう影響が出てきておるということでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、二百海里に対する、特にカツオ・マグロに集中をいたしますが、いわゆるその水域内に入る条件の問題が幾つか出ていますね。たとえば、パナマの場合ですと一隻当たり約三十万、しかし実質的には現地人をいわゆる雇い入れをしないと入れないとか、あるいはまたペルーの場合には、一隻当たり大体五百八十七万円というような数字が出ていますね。各国によってこの条件というのは、たとえばエクアドルの場合にしても、あるいはインドネシアの場合にしても、あるいは米国、カナダの場合は、漁獲報告手数料の形態だとか、幾つかそれぞれの国によって全部二百海里内に入る条件というのは異なってきておりますね。これらに対して、具体的に今日現在、遠洋カツオ・マグロを中心にしました支払いの形態というのは一体どうなっているのでしょうか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) いろいろ形がございますのですが、現在、カツオ・マグロの関係で政府間でいろいろ入漁料の取り決めを行っておる国がございますが、たとえば米国やカナダ、それから南太平洋諸国はそういう入漁料を支払うという形になっております。  特に、カツオ・マグロが関連いたしますのは、パプア・ニューギニア、それから全部これは最近締結した国々でございますが、ソロモン、ギルバート、それからニュージーランド、これはまだ実施に入っておりませんが、一応そういう協定を結ばれたわけでございまして、そういう国々がございまして、こういう国々が、それぞれ支払い方法が違いますが、一つの特徴としましては、一括のランプサム方式というのが出てまいります。ちょっと言葉があれですが、要するに一括して入漁料を払う。とれてもとれなくとも、ともかくそれだけ取られてしまう。また、取らないと入れない。そういうような形でございますとか、それから基本の漁獲量に対して幾ら、それからそれを超過するものについて幾らという取り決めをするとか、それから船がいろいろと多いという関係、それからまた、確認が非常にむずかしいということもありましょうが、要するに割り当て量で入漁料を取るとか、そういういろんな形態が、少ない経験の中からずっと出てきております。ことに南太平洋の諸国でそういう傾向が出ておりまして、非常に私どもこの対応に頭を痛めておるというのが現状でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで頭を痛めてもらっておっただけでは困るんでありまして、問題は、それにどう日本政府として、あるいはこれは農林水産大臣の仕事かもしれませんが、よく行かれて話をつけてくるわけですから、つけてきた側のこれは責任でして、そこに魚をとりに行く者があなたのところと交渉して、個別に決めるという筋合いのものじゃないのですね。国と国との間で、おれのところの条件はこうだということを、それを確認をしながら行くという話になるんですが、その辺に対して政府としては、この入漁料の支払いの問題について、どうすればいいというふうにお考えになっているのでしょうか。まだ考え方はまとまってないのでしょうか。それはもう魚をとってくるやつの勝手なんだと、こういうことなんでしょうか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 私がいま申し上げましたように、また先生からも御指摘があったのですが、要するに南太平洋みたいなところになりますと、一ヵ国でなくて、二、三ヵ国に入漁をするという形がこのカツオの漁業の一つの特徴だと思います。そういう問題からいたしまして、先ほども私が申しましたように、要するに実際にとらなくても取られるということ、それが一つの国でなしに、まだ宣言してない国もありますが、今後宣言するところを考えますと二、三ヵ国に及ぶという、そういうこと。それから、一括して先払いをしなければいけない。それから、漁業の特徴として、その国に行かないのに先にやっぱり行く計画で払っておかなければいけないというような形があると思います。  その辺のことをいろいろ実はいま検討しておりまして、現在まだ成案を得ておりませんけれども、近く追加の形で大蔵省に予算要求をするつもりでおります。まだ成案を得ておりません。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 具体的に幾つかの形があるにしましても、基本的には入漁料の支払いがそれぞれの船主、あるいは経営をする会社なり、あるいは漁業組合、これが支払いをしておりますと、たとえば御承知のように、会社経営のところは少し違うと思いますが、とってくる方の側は、市場力を挙げましても、魚の場合はその値段を売り手の方でつけるわけにいかない仕組みですね、特に生の場合は。これは、冷凍のものも大体同じようなことでしょう。そうなりますと、支払った入漁料は、今日のいろんな状況の中でまともに赤字ふやしにつながるわけですね。そこで、これは検討いただいて何とか善処を頼みたいというふうに思うんですが、生産者の中では、少なくとも国が入漁料の三分の二ぐらい、あるいは二分の一でもいい、それと同時に、県あるいは市もこれらの問題については社会的な立場で受けとめて、何とか支払いができないだろうかという声がずいぶん強いわけです。  これは、今日現在、直ちに結論を出す時期ではなかろうというふうに私も思いますが、少なくともそうした声を生かしながら、先ほども言いましたように、この生産者自体が関与をしないで決められていく入漁料の関係だとか、ただとれるという条件をとるための話なんですね。しかも、そこへ入っていかないとこれはもう仕事にならぬわけですから、どうしても入らなきゃならぬ。そこで、財政的な問題から言って、全部これが今日の段階としては当然生産者の負担だというふうに割り切られておるようですが、割り切るんじゃなくって、ぜひともひとつ、その辺の口あけを検討の材料の中に入れてもらいたい、こういうふうに思いますが、これは大臣、大臣の政治的手腕でひとつ検討を約してもらいたいんですが。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) そのことに関しましては、非常に漁民の間から強い要望のあることもよく承知いたしております。これはなかなかむずかしい問題で、検討するのはやぶさかではありませんが、いまここでこれに対して政府が助成をする方向でというわけにはまいりませんが、われわれの考えとしては、やはりこれは操業経費の一部であるということの基本線で対処しており、これをぶち破るということはなかなかむずかしいかなあということではございますが、検討もしないという性格のものではありません。検討はしてみますが、なかなかむずかしいと申し上げるほかないわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 むずかしいのは承知の上で私も物を申し上げておるわけでして、そこができなければ政治じゃないと思う。ぜひともひとつ、政治的手腕を発揮のできるようにお願いをしたいと思います。  特に、そういう意味合いからいきますと、いまのカツオの魚価というのは大変低迷をしているわけですね。しかも、今日の生産手段としての船あるいはその他のずっと原価をはじいていきますと、私の手元にありますのが船によって全部違います。これは古い船、新しい船その他によって違いますが、やはり平均をしますと、おおむね二百六十円程度はないと困る。これが御承知のように百七十円台ですから、これは航海をするごとに大変な赤字を生ずる、こういう話に実はなっている。これはもちろん船を出していって、そして当然二九九型あたりですと百五十ないし百六十ぐらい積んでこないとお話になりませんが、それがいろいろな漁場の関係で、えさの関係その他からいってそれまで積めない。  そうした原因も加わってくるというふうに思いますが、たとえばこれは枕崎の資料でいきましても、これは組合の自営漁船なんですが、第十二協洋丸、これは新造船でありまして、昨年の十一月に進水をしている少し型の大きい四九九型であります。これの場合も二百八十三円。原価をずっとはじいていきますと、保険料からドックその他ずっとやっていきますと二百八十三円。それから第一協洋丸、これは古い船でありまして、四十九年の九月に進水をしている船なんですが、この場合ですと二百九十六円。それから第十一協洋丸、この場合は四十七年九月十一日の最も古いやつですが、それでいきますと二百五十五円。そういうふうに差はありますが、いずれにしても二百六十円、七十円の実は魚価にならないと採算がとれない。残念ながら、私ども三重の方で一つ倒産をしました。これが今日の状況であります。  そうなってまいりますと、この赤字の事情の中で何らかの対策を講じていかないと、二百海里時代を迎えて大変重要だ、重要だと言いながら実は衰退をしてしまうし、しかも、いま申し上げましたような赤字が続いているということになりますと、そこに乗り組む漁労者自体が大変これは問題になるわけですね。生産を上げてその配当で中心的な生活をしているのが、いわゆる基本給だけになってしまう。しかも御承知のように、船員保険はきわめて高い。こういう事情の中で、乗り手がなくなってくるというようなところにまで追い込まれてくるわけです。それらの課題を、やはり総括的に私はこの際見直して検討すべきではないのかというふうに考えるのですが、その辺はいかがでしょうか。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 非常にカツオの問題につきましては、いろいろことしに入りましてから問題が出てまいりました。ただ、一時よりは値段が若干回復をしてきておるわけでございまして、先生御承知のように生産調整ということを行う、また、それに対して政府が低利融資を行うということで、いま生産調整の態勢に入っておるわけでございます。近く政令で生産調整組合の設立が行われ、すでに生産調整は実施に入っているということでございまして、基本的に値段の問題について先生御指摘ございましたけれども、これは全体の従来からのいろいろ経営の問題、それにつきまして一応償還期限の延長の措置、それから据え置き期間の延長の措置もすでに講じたところでございます。あとは、やはりいろいろカツオの需要問題についてももう少しいろいろ考えていかなければいけない。また、それについての手も徐々に打っておるつもりでございます。  それから、供給面について、いまのようなことでどの程度価格に影響を与えることができるのか、これはやってみないとわかりませんが、その成り行きを見まして、適正な価格に回復できない場合はまたその段階でいろいろ対策を講ずる。いま先生御指摘の数字というものがいいのかどうか、ちょっと私どもさらに検討をさせていただきたいと思いますが、そういう考え方で対処をしてまいりたいというふうに思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、もう一つの観点というのは、流通の問題がございますね。昨日これはいただいたんですが、「水産物流通統計」五十三年七月の農林水産省の統計速報、これは「五三−二三四(水統−二八)」号、これの十五ページに卸売、仲卸、小売のカツオの値段が出ているわけですね、七月の傾向としまして。これをながめていきましても、浜値の形と引き合っていきますと、たとえば六月の場合には浜値が百八十六円、それが六月の段階で東京、大阪、名古屋とこれは違いますけれども、卸売がたとえば東京の場合には三百二十六円だった。仲卸が四百三十六円、小売になりますと千二百六十八円。キロ当たりおかへ上がったときは百八十六円のものが、小売に行きますと千二百六十八円という、これは政府公表の数字ですからね。さらに、われわれの口へ入るとなるともっと違った形になる。  この問題は、ぜひ農林水産省として直接これは流通のかかわりの問題ですから、何とか私はこの問題は検討しなければならぬというふうに思います。たとえば七月の場合でいきましても、浜値二百七十三円が、御売になりますと、たとえば和歌山の場合は四百八十三円、仲卸が五百十七円、小売が八百八十円、所によって若干の相違があるにいたしましても、私は流通の問題も含めてカツオ・マグロの場合には、マグロは少し持ち直しておるようですけれども、きわめて問題ありというふうに指摘をせざるを得ない。  もう時間が来ておりまして、具体的には生産計画の問題、あるいはいま申しております魚価についてのいわゆる政策的な提起、さらにはまたカツオ自体の、カツオは大変有資源だと、こう言っておりますけれども、現実問題、いままで一本釣りが中心であったから資源があるんじゃないのか。いま政府が許可をしております十四隻のまき網、これらがフルに活動し始めると一体どうなるんだろうかという心配もある。言うなら、一本釣りの漁船の方では将来の見通し、たとえば借金をしたけれどもその借金は返せるんだろうか、こういったところまで今日心配をせざるを得ないような状況になっておりまして、これはまた改めて私は少しお聞きをしなきゃならぬというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、流通問題を含めて、そして魚価対策としての生産者の価格の保障の対策、こういうような問題としては、政府がひとつ調整の意味も含めて、いままでアメリカへ輸出をしておったかん詰めの分に相当するぐらいの量は買い上げてくれないだろうかとか、幾つかの意見が出ております。  必ずしも全部が全部私はそうなるというふうには思いませんし、政策全体を考えなければならぬ課題ではありますけれども、ともかく、いま現実にこの携わっておる人たちが経営困難で倒産をしなきゃならぬという状況が出てきておるわけでありますし、そしてまた、私がお邪魔しました枕崎の方では、もしこのカツオがいまのままで続いていきますと、市の財政に対して五分の一強の影響力を持っている、町ぐるみ大変なんだという課題にまでなっておるわけでありまして、業者の人々は、市長も含めまして、できれば特定不況の地域指定をしてもらいたいという気持ちはたくさんあるけれども、ここまで来ておるんだけれども、不況地域に指定をしてもらうことはきわめて恥ずかしい、だから何とか自分たちの努力で地域指定は受けなくてもがんばることができないかという悲痛な叫びをしておるわけでありまして、それにこたえるような対策を、ぜひとも真剣になって検討をいただきたい。  こういうふうに申し上げて、それら総合的な立場で、最後に締めくくりの温情ある大臣のひとつ御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) カツオ・マグロが昨年来非常に厳しい状態にある。マグロは幸いにしてだんだん明るい方向に来ておりますが、カツオがいまなお厳しい状態になっておることはよく承知いたしております。そのために市場開拓とか、あるいは調整保管もやっておりますし、特に生産調整をやろうということに対して政府としてもそれなりの対応をし、あるいは融資措置を講ずる等、いろいろな措置を講じて何とかこの苦しさを切り抜けたいと。政府買い上げの話もありましたが、こういった魚を買うということはなかなかむずかしい問題もあります。できるだけの対応をして、一日も早くこの暗さから脱出できるように最善を尽くしてまいりたいと存じます。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分再開することとし、休憩いたします。    午後雰時十六分休憩      ————◇—————    午後一時二十分開会

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 私は、基本農政そして食糧政策、いま一つは強い体質の農業確立、この三点について、大臣並びに事務当局にお聞きをいたしたいと、かように存ずる次第であります。  まず第一に、昭和四十八年以後といいますか、高度成長の時代から低成長に変わってきた。この変化に対して、農政上政府は、あるいは農家、国民全体が十分まだ理解をしていないのではないか、この点明らかにしていただきたいと、かように考える次第であります。  その第一は、まず国民とのコンセンサスが得られる農業政策であることが重要な課題だと、かように考える次第であります。  私は、先日農林水産大臣に同行いたしまして、アメリカに参りました。牛場大臣もおいででございましたが、日米の交渉がございました。アメリカの農林大臣といいますか、長官並びにストラウスに会いまして、大臣がアメリカと本当に交渉をしておる姿を私は見ました。このときに私は、中川大臣の姿勢というか、日本農業に対する熱意というか、責任というか、この態度には本当に感服をいたした次第であります。そのときに、大臣の農政の姿勢という一端を私は受けたと強く感じておるわけでございます。  さて、そういう諸般の情勢の中で、すでに農業というものは国際化をしてきた。国内だけではない、もう農業は国際化してきた。このときに一体どのような農政対策をするのか、これについてお聞きをいたしたいわけでございますが、意見を若干申し上げてお聞きをいたしたいと、かように存ずる次第であります。  先ほどから申し上げましたように、高度成長から低成長に変わってきた。農業の内部は、不況という諸般の情勢から、労働市場が非常に減少をいたしてまいったのであります。兼業農家を中心に、農業所得に依存する度合いが非常に高まってきておる、こういう情勢に変わってきておる。いま一つは、帰農する青年あるいは新卒者の就農、いわゆる農業再建の機運が高まってきておる、こういうように理解をいたしておるわけであります。一方、農産物市場の拡大するテンポは、非常に鈍化をしてきておるわけであります。米の過剰など、非常に困難な問題に直面をいたしております。  一つ一つ申し上げますと、食糧の自給率向上ということは言っておりますが、当然これに全力を挙げなければなりませんが、一方、二、三の例を挙げましても、たとえばバレイショ、馬でんが大変余った。あるいは豆について申し上げますと、北海道は主産地でございますが、いずれも一年分の豆が全部余っておる。一年越しで消費がされておる。これまた、大変な問題であります。さらに、牛乳の問題あるいはその他につきましても過剰ぎみである。消費が大変だ。また一例を挙げますと、ビール麦につきましてもしかりであります。生産、いわゆる転作に伴う増産をしよう、奨励作物だ。ところが、ビール会社がこれを買わない。そういうような、非常に過剰ぎみというか、農政に大きな不安が実はあるわけであります。  しかし、一方御案内のように、この間アメリカへ行って感じた点を申し上げますと、国内において日本の国内の食糧は非常に高い、したがってわれわれは自由化をするんだ、日本は自由化に対して対応するのは当然だ、こういうようなことをアメリカが言っております。また、国内において消費者は、御承知のように国内の生産する物は高い、そして、何とか安い食糧を入れるべきだ、こういう議論も実はあることは御案内のとおりであります。そういう本当に厳しい、私はまさに厳しい農業だというように理解をいたしておるわけであります。  しかし、ここで国民とのコンセンサス、これが必要だ。私は、いみじくもアメリカにおいて農林水産大臣がストラウスに言われた本当に高い姿勢というか、厳しい姿勢で言っておった、あなたの言葉が思い出されるのであります。それは、食糧が安全保障の上でどうしても必要なんだ、安全保障の上で食糧がなければ、生産がなければ国民は安定した生活ができない、そういう上からして足らない物は買うが余る物は買えない、こういうように私は大臣が言っておられたように聞いておるわけであります。しかし、いろいろだだいま申し上げましたように、非常に厳しい諸般の情勢の中で、日本の農政はどう位置づけしていくのか、この基本的なことについて、農林水産大臣の御所見をお伺いいたしたいと、かように存ずる次第であります。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 今日の農政は、幾つかの点で非常な厳しい曲がり角に来ていると思います。  一つは、御指摘がありましたように、安定成長に変わってきて労働力が外に出なくなってきた。あるいはUターン現象も若干見られるというような、いままでにない現象でございます。また、市場が縮小はされませんけれども伸びない。その結果であるかどうかは別として、米を中心にして数多くの品物が過剰傾向になってきたということが一つ。その上に、外国から自由化をすべし、外国の安い農産物を買うべしという声が出てきた。それにまた対応して、国内からも安い物が食べたい、こういう幾つかのむずかしい問題がいま一遍に投げられておるというのが、日本の農業の現状だろうと思うのでございます。  そこで、これから一体どうするかということについて、国民の間にも、また農民の間にも当然不安が出てきております。私としては、農業というものはそういう一時的なことで動揺すべきではない、農業というものは食糧を安定的に供給していくという、これは国家安全保障上の問題でもあるとアメリカにも言って、あなた方を頼りにしておって当てにできない場合があるじゃないか、たとえば大豆の輸出規制をやったろう、そのときにはもう日本の国内は大混乱になったのだと。外国に頼っておるとそういう結果になるから、やすやすとあなた方の物を買うわけにはいかぬのだということを言ってきたのと同じように、やはり食糧というものはまず自国で生産をすると、こういうことが基本でなければ国家として安全でないという議論を、やはりこの際、再確認をしなきゃならぬと思います。  それから、農業はもう一つ、日本の今日の社会形成あるいは人間形成とまで言い得るだろうと思うのですが、健全な地域、健全な人間というものは農村から出てくるのだと。農村がおかしくなったときには社会もおかしくなるし、人間もおかしくなってしまうという高邁な原点があるということをこの際振り返るべきではないか、こういうことで農業というものを見直すべきだろう。農業基本法をひとつ検討しようというのも、単なる食糧あるいは農家経済をよくするということではなくして、そういった高度な目的を持つものであると、こういうことを国民的合意、認識が必要ではなかろうか。そういう中にあって農業が位置づけられると同時に、農業もまた反省をしなければならぬのではないか。消費者のことを考えない向きかあったのではなかろうか。エゴになって、自分だけよければいいというのでは、これは通用しない。やはり足腰の強い、あるいは消費者に対応するサービス精神に燃えた、あるいは国家目的に沿う、そういう意味での農村の対応ということが必要であろう。  簡単に言うならば、価格政策にのみ明け暮れるような農政ではいけない。やはり健全な農政、農業というものをやっていかなければいけない。それには、農業基盤の問題であるとか、あるいは構造改善だとか、あるいは流通問題の改善であるとか金融制度の見直しとか、あるいはまた共済制度というような、農家みずからはもちろんでありますが、国の政策もそういった足腰の強いものに持っていくべきだと、こんなふうに考えて、お互い理解し合ってこれからの農業というものを守り育てていく、こういう姿勢で農政に取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 基本農政というか、日本の農業は、国民の食糧というか安全保障の上からもまことに重要なものだと、日本農業を守っていかなきゃならぬ、あるいは国民全体の、健全な国民を育成する上からも必要である、こういうようにお話をお聞きをし、また消費者とのコンセンサスはまことに重要だ、かように御答弁をちょうだいいたしたわけでございますが、要望といたしましては、御承知のように農業に非常に厳しい世論がある。学者の中に、あるいはいろいろ消費者の中からも農民をかばい過ぎるでないか、過保護でないか、こういうような意見もあることは御案内のとおりであります。また、最近の新聞を見ても、農林水産省は一番悪い省であると、外務あるいは通産、大蔵等から言わすと農林水産省は悪者にされておるようであります。農林水産省は農民を守り、あわせて、いまお話しがありました国民の食糧を確保していくという上からも、非常に重要な省だと私は理解をいたすわけでございます。今後とも大いにひとつ努力をしていただきたい、かように考えます。  しかし、農民——食糧生産者か社会的に孤立するような情勢にありますし、また消費者に対しても、農漁民に対しても、適切な指導、国民的合意を得られる政策を展開していかなければならぬと、かように考えるわけで、この点、御要望を申し上げる次第であります。  次に、わが国の食糧政策の基本対策についてお伺いをいたしたいと、かように存ずる次第であります。  今日、食糧問題については国民の世論はいろいろあります。三つあると、こういうように考えます。一つは、国際分業論であります。いま一つは、食糧危機説であります。いま一つは、世界の食糧は過剰基調と見て、食糧危機を否定するという説もあります。こういう三論があるわけでありますが、今後中長期的に見て、かつてアメリカが大豆について行ったように、食糧を戦略的武器として用いられることか今後もあり得ると私は思うわけであります。政府は、世界の食糧事情について、現状と将来についてどのように見ておるか、また、それに対してわが国の食糧政策をいかに考えているか、これについてお伺いをいたしたいと、かように考える次第であります。  若干意見を申し上げたいと、かように存じます。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  「農産物の需要と生産の長期見通し」によれば、目標年次六十年には食用農産物の総合自給率を七五%にしようとしているが、その中で卵は一〇〇%、牛乳は九四%、肉類は八六%、畜産物の自給率が最も高い目標となっています。しかし、自給率の高い目標を持っても、畜産物もその生産は輸入飼料によって支えられていることは御案内のとおりであります。飼料の輸入を相殺すれば、わが国の食糧自給率は半分程度になってしまう。飼料輸入の六十年目標が千四百七十七万トンでございますが、もうすでに千四百万トンになってしまっております。こういうように輸入をしていることから見ると、輸入飼料を国産か国内産でできるだけ多く充当する努力が必要と思うが、このまま今後も輸入に依存していくことはきわめて危険である。そのためには、麦、大豆など穀類の国内での生産を指導し国内生産を増加させる必要がある。麦、大豆の反当収量の低いことが奨励のネックになっている。  大豆の例を申し上げますと、いまから十年以前でございますと、品種改良につきましても専門家がいましたんですが、いまはほとんどこれらに携わる人はいないわけであります。専門家がいない。いま反当たり二俵程度、生産が。たまたま北海道はことしは四俵ぐらいと言っておりますが、これは異常気象であります。私は品種改良、これらの試験研究に大いに努力をすべきだと、かように考えておるのであります。  たとえば、米の話をちょっといたしますと、北海道で米をつくる必要はないじゃないかというお話があります。北海道の米の品種改良は、実は武器で言うならば、本州の米が大砲であるとすれば、北海道の米はアポロだと言っても過言でありません。それは、節か片一方は四つあるが、北海道のは三つの節にした。片一方は日照時間によってやる。片一方は温度によってやる。全く実は変わった品種に変わっておるのであります。これは試験場の大変な御努力であります。私は一これらの品種改良に大いに努力をするならば、大豆も五俵、六俵も必ずとれる、そういう研さんを積むべきでないだろうか。耕種栽培の技術だとか、初歩的な技術対策いろいろございますが、試験場等で大いに麦、大豆の専門家が研さんをして、そういう上から自給率あるいは農家の所得を保障していくというか、そういう考え方が必要でないだろうか、かように考えるわけであります。  いずれにいたしましても、自給率を高めるのにはかなりの財政投資が伴うが、長期的にきわめて有効な施策と考える。ぜひ早急にこれらの問題を、取り上げて実行に移していただきたい、同時に、飼料の自給率についても再検討を願いたいと思いますが、御所見をちょうだいいたしたいと思う次第であります。

松本作衛農林水産大臣官房長

○政府委員(松本作衛君) ただいま食糧問題の所在につきまして、特に自給率向上を果たすべき課題につきまして詳細御質問いただきましたが、まず第一点の国際需給の見通しについてどのように考えておるかということでございますが、食糧の国際的需給につきましては、短期的な問題と長期的な問題があろうかと思いますが、短期的な問題につきましては、つい四、五年前においては非常な食糧不足が起こり、世界的に食糧不足が叫はれたかと思いますと、最近においては、むしろ食糧の過剰傾向がアメリカ等の主産地においても見られるというようなことで変動がございますので、当面の短期的な事情としては、必ずしも世界的に食糧の危機が起こるというような事情ではなくて、むしろ過剰的な傾向があるかと考えております。  しかし、より長期的に考えてみますと、需要面から考えますと、今後世界の人口が年々伸びていくと、さらには所得水準の向上に伴いまして食糧の内容なり質的な向上というようなことも考えますと、特に畜産物に依存をするような消費形態が増大いたしますと、それに必要な穀物が非常に多く要るというようなことが考えられまして、今後の世界的な食糧の需要は長期的に見て相当伸びてくるのではないかというふうに考えられるわけでございますが、一方におきまして、世界の食糧供給というものは、現在いわゆる農業先進国において行われておるわけで、分担されておるわけでございますが、これらの国における生産能力、生産規模というようなものについても限界がございます。さらに、今後世界的に食糧供給を増大するというふうに考えましても、そのテンポは必ずしも早く達成するとは考えられないというようなこともございまして、やはり世界的に長期的な食糧需給というものは、決して安心を許さないものではないかというふうに見ておるわけでございます。  このような前提に立ちまして、先ほど大臣もお答えいたしましたように、わが国の農業としては、最小限度の国民食糧の安定確保というものに努めていかなければならないというような考え方に立って、従来も六十年度の長期見通しを立てまして、この長期見通しの中におきましても、国内で生産可能なものはできるだけ国内で生産をする。一方において、輸入に依存せざるを得ないようなものについては輸入に依存をしていくというふうな仕分けをいたしまして、できる限り自給度を高めるような方向を打ち出しており、この方向に即して農政を進めておるのは御案内のとおりでございます。  そういうふうな全体の方向の中で、ただいま御指摘がございました輸入飼料なり大豆なりというようなものについて、さらに自給度を高めるような必要があるのではないかというお話がございました。この点は、私ども農林水産省といたしましてもこれらの作物は今後需要が増大していく、しかもこの需要の増大にあわせて国内の供給を図っていかなければならない重点作目というふうに考えておるわけでございます。今年から実施いたしました水田利用再編対策の中におきましても、特に麦、大豆、飼料作物というようなものは、重点作目として奨励金の単価も上げて推進をいたしておるところでございます。  この自給度を上げるための具体的な内容につきましては、畜産局なり農蚕園芸局等におきまして具体的な対策を講じておるわけでございますが、御指摘がございました大豆等につきましては、試験研究の成果というものと、実際の農家の生産水準というものとは非常に格差がございます。このような試験研究で開発されました技術を、できるだけ農家に早く普及浸透させるということが、非常に大きな課題であろうと考えております。いずれにいたしましても、御指摘のような方向で今後自給度の向上に一層努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 食糧政策の概要についてお聞きをいたしましたが、食糧政策というのは政治の中でも最も重要な問題でありまして、高い次元で位置づけしていかなければならぬ。わが国の基本政策として、きちっとした考え方を持っていただきたいということを要望いたすわけであります。  先日、日本経済新聞に一いろいろ出ておると思いますが、農政転換への中期計画というものを農林水産省は近く諮問をするという中身が出ておるわけでございますが、いろいろ議論があると思いますが、私は国民の食糧に対する高級化、多様化の要求もございますし、また基本的に食糧については、海外農産物に比して多少高くても、自給を原則として国民に正しく理解を求めていく必要がある。これは農林水産大臣が、先ほど申し上げましたアメリカでも確かにストラウスに言っておりました。  日本の総合農政という上からは、先ほどお話がありましたように、自国の食糧は自国で賄わなければならない。足らないものは買う。しかし、日本の食糧は高いではないかと。これに対して、ただいま申し上げました観点からは、高くてもこれは日本国民は理解をしていかなければならぬのだ、こういうように大臣は言われておったと、かように私は理解をするわけでございます。しかし、消費者にも十分それらの内容について理解をしていただく必要があるんじゃないだろうか、かように思うわけであります。それらの点について、今後ともひとつ御努力を願いたいと、かように存ずる次第であります。  次に、漁業による食糧供給についてお伺いをいたしたいと思います。  今日、二百海里の問題が単なる漁業問題ではなく、食糧需給の問題として改めて厳しく考えねばならないと私は思っております。長期見通しによれば、一日一人当たりの供給たん白量は八十三・三グラムとしておりますが、そのうち魚介類からは二四・七%を供給する見通しをもって、それぞれ食糧計画が組み立てられていると考えるわけでございますが、この目標計画を策定した以降に、二百海里水域体制で漁業を考えねばならないことになってまいったわけであります。二百海里水域体制のもとで、魚介類によるたん白質の供給目標がどの程度に変化をするのか、また漁業の期待する食糧需給の見通しについてお伺いをいたしたい。これは概要で基本的なことだけでよろしゅうございますので、お答えをちょうだいいたしたい、かように存じます。

森整治水産庁長官

○政府委員(森整治君) 御指摘の水産物の需給の見通しにつきましては、農産物の長期見通しを作成する際の参考として作成をしたものでございますが、食糧の需要につきましては、中高級魚を中心になお伸びる、そういう見込みを立てておりまして、いま御指摘のように、二十・六グラム、二四・七%というものを見込んでおるわけでございます。  これにつきましては、今後の見通しということになりますと、水産物の供給、そのまた価格の動向にもよると思われますけれども、長期見通しで見込んだほどの生産の増大、魚介類では約四十七年基準で申しますと、百四十万トンその後生産が伸びておりますから、百万トン以上でございますが、そういう生産の増大が、現在の漁業をめぐります国際情勢から必ずしも容易ではないかという問題はございます。  しかし、二百海里時代に入りまして、いろいろな施策を進めております中心の問題というのは、課題というのは、わが国の周辺の水域、それの見直しと、その漁業の振興を今後積極的に図るということでございまして、沿岸整備事業初め各種の施策をいろいろ展開していく。それからもう一つ、ただいま生産が上がっておりますのは沖合い、沿岸漁業、またその中でも多獲性魚の問題でございます。これは非常に食用に化される比率が非常に低い。イワシで三〇、サバで四〇、そういう食用比率、あとはえさに回っておる、こういう問題もございます。こういうものをいろんな加工技術の開発等によりまして、水産物の高度の利用を図っていくということによりまして、供給の確保をさらに図っていくということも一つの考え方でありまして、今後とも非常にむずかしい問題ではございますが、そういう考え方で対処すべきものではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 漁業の問題は、二百海里という新しい時代を迎え、特に農林省も農林水産省という名前に変更して、漁業に向かって積極的に対応しようという姿勢に相なっておるわけでございます。来年のことを言ってあれですが、来年の水産省の予算が何か三千億を下回ると、こういうふうに聞いておりますが、水産省にしたからには、画期的なひとつ予算を組んで漁業に対応してもらいたいものだと要望をいたす次第であります。  次に、米の問題について若干お伺いをいたしたい。  まず第一に、農林水産大臣にお聞きをいたしますが、毎日新聞に北海道の米は値下げを来年度からしたい、こういうような、実は農林水産省の発表だというように大きく見出しに出ておったわけです。翌日、小さく取り消しのあれが出ておりましたが、この点、北海道の農民が大変心配いたしておりますので、これをまず明らかにしていただきたい。いかがに考えておられるか、お聞きをいたします。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 先般、毎日新聞でございますが、何か来年から米価を下げて、中でもまず北海道と青森から下げていくというような記事を見まして、私はびっくりしたのでございますが、しかも最近決めたというようなことになっていますから、北海道の人が驚くのも無理はない。北海道選出の北先生がまた御心配なさるのも無理はないと思う次第でございますが、実は全くそのようなことはございませんで、米価をいま議論すべき時期でもありませんし、また下げなきゃいかぬということを決めたわけでもないし、ましてや、北海道と青森を下げるなんということは、憲法上から言っても地域を限って下げるということはできませんで、そのようなことは全くないと。あれは訂正したのではなくして、そういうことがなかったという意味であって、どうか御心配になりませんように。ただ、米について全般として厳しいということだけは言えますが、引き下げるとか、北海道、青森に限って下げるということはまずまずない。絶対考えておらない。記事だけがどこからどうして出たのか飛び出しておった、こういうわけでございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 違法であるということがわかりましたので、確認といたしました。  次に、米の非常にむずかしい諸般の情勢についてお伺いをいたしたい。  ことしは豊作でございまして、御案内のように六百万トンとか、あるいは六百三十万トンとか余り米が出る、この余り米に対しては政府は七ヵ年計画でこれに対応したい、これはできたことでございますから、それは当然対応していただけるものと、かように存じますが、私はいまの農林水産省の政策というか、いわゆる備蓄米の問題について若干疑義があるんです。足らないものを備蓄をするというのはこれは適切であるが、余るものを備蓄するというのは、これは若干問題があるんでないだろうかと、私はそういうように理解をいたしておるわけであります。そこら辺、大臣はどうお考えになっておるか。  それから米の問題でございますが、これは十年間生産調整をして三年ごとに見直していく、こういうことでございますが、十年後の話をしてはあれですが、農家に不安を与えない、こういう上からは、いまから十年間の間に十分対策を考えていく必要があるんでないだろうか、私はかように考えておるわけであります。そして、農民に不安のないような対策をしていく必要がある、かように思うわけであります。たとえば、いまの本州と北海道と若干違いはあるわけですが、水田経営面積というと三町から五町歩ぐらいが北海道の経営面積であります。   〔理事山内一郎君退席、理事青井政美君着席〕 で、生産調整が終わったから即水田にかわれ、あるいは北海道の稲作はかえて畑作にしてはどうだ、畜産にしてはどうだと、こういう意見もありますが、三町や四町で畑作にかわったんではこれは経営にならない。所得がない、食っていくわけにはいかないわけであります。  畑作ということになりますと、二十町ないし三十町の経営がどうしても必要だ、そういう環境を与えて、そうしてかわるというならば、これもあり得るわけでございますが、ただ転作をしなさい、これだけでは策がないのではないだろうか。今後北海道と言わず、全国的にそういう転作について経営形態をかえていくというならば、農民が安心して自主的にできるような態勢、こういうことが必要でないかと、かように思うわけでございます。   〔理事青井政美君退席、理事山内一郎君着席〕 この点についてどういうように、まあこれは長い話でございますから、これから十分検討をすると思いますが、そういう稲作農家に不安を与えないというこういう見地から、長期的な安定した政策を考えていくべきだと思いますが、その点いかがでございましょうか、お伺いをいたしたいと存じます。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) まず、第一番目に備蓄の問題でございますが、備蓄については、米の場合、六、七十万トンもあれば日本ではまあまあいいのじゃないかというのが、昭和四十五年ごろの米の余った後での考え方だったわけでございます。ところが、その後過剰傾向が強くなってきて、繰越米が百万トン、百五十万トン、二百万トンになった。いや百万トンぐらい持っておくべきだ、いや二百万トンぐらい持っておくべきだということになって、二百万トンが繰越米として持つべき、備蓄として持つべき米だろう、こういうことになって二百万トンが定着をいたしておったわけでございます。ところが、二百万トンをオーバーして三百万トン、四百万トン、ついに五百万トン、来年の暮れでは六百万トンをオーバーする、こういうところまで来たわけでございます。  ところが、今度は備蓄を二百万トンからいたしますと、その分毎年更新していかなきゃいけませんから、備蓄した古米を配給せにゃいかぬということになり、過剰の時代に古米を配給するとは何と知恵のない連中だというので、今度は備蓄をしなさいと言っておった人が先頭に立って新米を食わせろと、備蓄なんていうのはどこへいったのか忘れたような議論に最近はなっているわけなんです。そこで、消費を拡大するためには、やはり新米を食わせろというのが一つの提案でもありますから、今年度からなるべく新米を食べていただくと、こういう仕組みにして、したがって、備蓄については二百万トンぐらい持っておっても、二百万トン全部消費に回さないような何かいい知恵はないかというので、備蓄と新米を食うために消費拡大とはまさに相反することでございますが、それをどの程度にするのが一番妥当であるか、いま検討をいたしておるところでございます。非常に考え方についていろいろ議論のあるところだと存じます。  次に、水田利用再編対策の十ヵ年計画ですが、前の生産調整は、臨時的なものとして、とりあえず七百万トン米が余るので過剰ができないようにすると、こういう思想でありましたが、今度の稲作転換対策は、十ヵ年間で需要に見合った生産を行うという基本的な体質改善をやろうという前とは違った農政の転換と、こういうことでございます。  そこで、十年間でやるのですが、三年間ごとに一回見直していこうと。たとえば生産調整の奨励金がこのぐらいでいいだろうか、あるいは転換面積は百七十万トン見合いのものでいいだろうかというようなことを、三年ごとに見直してはいくことにしておりますが、長期的には十年間で転換をしていこう。そこで、北海道のようなところでも三五%現在休んでいただいているわけで、この三五%に見合うものは長期的に若干今後増減はあるかもしれませんが、大体それを基本にして転換をしていただかなきやならぬ。  その場合、地域地域によって畜産に転換する人、あるいは畑作に転換する人、あるいは野菜に転換する人、いろいろあろうと思いますが、その場合経営面積が少ないのでなかなかやりにくいという話もございます。この点については、農地取得資金によって土地を拡大するという方法もありましょう。しかし、土地が拡大できない場合でも、利用権の集積というようなことでやはり長期的に畑作なり、あるいは畜産なり、米以外の農業に地域地域のプランを立ててそういう方向に持っていき、十年間で固定すると、こういうような方針で御協力をいただきたいと思っておる次第でございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 米のいまの問題につきましては非常に重要な問題でございますので、十分検討をいただいて、農家が喜んで協力のできるような体制をひとつつくっていただきたいと、かように存じます。  次に、農畜産物の価格の問題、大臣一番答えたくない問題だと思いますが、農民は非常に期待をいたしておるわけであります。しかし、諸般の情勢は非常に厳しい情勢に相なっておる。ここ一、二年、まあ言うならば、そんなことはないと大臣言うかもしれませんが、一般には大体据え置き、据え置きという形で来ておることでございますが、物価の上昇あるいは他産業との格差、いろいろこれは出てくるのではないだろうか。これに対して、言うならば、農村の所得確保対策をどういうふうに考えてやろうと思うのか。この点ひとつ明確にしていただきたい、かように思うわけでございます。まあ簡潔にここはお聞きをいたしたいと思います。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 米価は来年のことでございまして、まだ議論の段階ではございませんけれども、基本的な考え方から言えば、所得補償方式は貫かなきゃならないと、そして再生産が確保されなきやならないという場合、据え置き論というのもありますが、据え置きというよりは、こういう時代には国民に必要な米をつくる方々が所得が確保される。何でもかんでも、必要でない米全部の所得が確保されるという仕組みじゃない。現実に合った対応の仕方をとらざるを得ないのではないか。ことしの米価もそういうことで対応したところであり、そこで昨年の方式に比べて下がった分上がり得なかったと、結果は据え置かれたと、その分は生産調整に協力してくれた方に奨励金という別の形でおこたえをしたという仕組みになっておりますが、明年どういうことになりますか、従来どおりの過剰傾向を刺激するような米価が決められるかどうか、その辺が問題のところになろうと存じます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 次に、農業の体質強化についてお伺いをいたしたい。  農業の置かれている諸情勢は、先ほどから大臣のお話のとおりでありますが、私は、日本の農業は基本的に農業の体質が弱いところが問題である、こういうように思うわけであります。御案内のように、国際競争に耐えられる生産性の高い農業を目指していく必要があるんでないだろうか。外国から輸入される農産物に対しては、波際で競争し得るだけの生産性の確保をしたい気持ちであります。それには農業の体質強化が大事であると、かように考えるわけであります。体質強化には、農用地の拡大方策を初め、生産構造の改革、あるいは技術革新対策、金融対策、この一連の対策が必要であり、関連法案の整備に当然着手しなければならないと考えるわけであります。大変変わってきた今日の農業情勢の変化に対する政府の農政の考え方についてお伺いいたしたい、かように考えておるわけでございます。体質を強化するにはどうしたらいいか、この点についてお考えをお聞きをいたしたいと、かように存ずる次第であります。

松本作衛農林水産大臣官房長

○政府委員(松本作衛君) 農業の体質強化の問題は、必ずしも一律にはいかない非常にむずかしい問題であろうと思いますし、地域の実態によっても非常に差があると思いますが、やはり基本的には、実質上の農業経営規模の拡大ということが必要になってまいるかと思います。  で、従来からこの規模の拡大のためには農地の利用権の集積、利用権の流動化という対策を進めてきておるわけでございますが、こういうふうな形で規模の拡大を図っていくということが第一番目に必要であろうかと思います。それとともに、農業生産の内容がより能率的なものでなければならないという点がございますので、この点につきましては、生産性の向上を図るような技術ないしは資本装備というものの強化が必要になってまいると思うわけでございます。それぞれの作物によってもこの体質強化の内容は異なってまいると思いますけれども、それらを含めまして、今後とも経営規模面ないしは生産性の向上面というようなことで、この体質強化を図っていく必要があるだろうというふうに考えております。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 私は農家であり、どんな農業をしたいか、やはり経営の安定した規模のしっかりした農業をやりたいというのが、私の自分の人生の中でこういう農業をやりたいという中で、規模拡大というのが念願であったわけであります。また、個々の農家に話をお聞きしますと、このごろは御案内のように近代化してきた。あなたはいま何を望むかと言うと、いや、うちは規模が小さいのでもう少し面積が欲しい、こういうのが実直な農家の意見であります。そういう上から、私は自立農家の経営規模拡大の方策についてぜひひとつ努力をしてもらいたい。二種兼業農家の耕作する土地が自立農家に集積されることのできるように、耕作権の流動化促進を図るために所要の法令の改正を考えてほしい、これについてはどうか。あるいは耕地の所有権の安定を確約するために、耕地の賃借希望者との間に公的機関の介在を考慮する必要がないか。  なお、耕地に限らず、いま御案内のように市街化区域だとか調整区域、農振地域、いろいろございますが、これらについても毅然とした姿勢でやっていただきたいものだと、これは土地の高度の利用の上からひとつ考えていただきたい、かように考えるが、この点はどうか。私は、国土の高度利用の要請が高まってきている、また土地の無秩序な利用を全面的に禁止いたしまして、そういうことをする者に対しては、違反者に対しては罰則強化と原状回復義務を含めて法令を整備して、現行の土地関係諸立法が土地の高度利用という目的に向かって機能するよう配慮してもらいたい、こういうように思うわけでございますが、この点どうか。  いわゆる申し上げましたのは、兼業農家に対しても、そういう福祉農業というか、集積して一部の者に移管をしてやる、そして土地を預けた者は安定してというか、心配のないように公的なものを入れていく必要があるんでないか、その他いろいろ高度利用する必要があるんでないか、こういう意味でお聞きをいたしておるわけであります。  さらに、いま調査をいたしますと、おじいさん、おばあさん——息子は学校を出て他の職業につく、潜在失業農家という、失業というか、離農農家もこれはずいぶんいるんです。ところが、離農した跡地について、土地を拡大しようとするとなかなか金がない、買えない、容易でない、こういう対策についても、自立農家あるいは体質強化という上からは、思い切った土地対策をとる必要があるんでないのか。まあ四十年二分ぐらいの金利でやるという、そのぐらいの決意で集積をさせていくというか、ただし意欲のある人ですね、農業を熱心にやろうという、そういう意欲のある人についてはそういう対策をしてはどうか、かように思うんですが、そこら辺どうか、お聞きをいたしたい、かように思います。

大場敏彦農林水産省構造改善局長

○政府委員(大場敏彦君) 土地利用の問題は、結局、農業内部の問題と、それから農業と非農業的利用との接点の問題と、二つに分かれるわけであります。  そこで、農業内部の問題は、いま御指摘のありましたように、中核農家に二種兼農家等の土地を集積する、利用を集積する、そういったいわゆる構造政策を進めることが農政の基本的な課題であるわけでありますが、私どもの考え方といたしましては、所有権ということにこだわらず、広い意味での利用権ないしは利用ということまで含めて利用の集積という形で進めていったらいいと思っております。  ただ、その場合に基本になるのは、結局やはり農地の供給対策、需要対策という二つを踏まえた対策が必要で、需要対策としては、その需要側のつまり中核農家、そういったものの育成、定着化を図っていくということと、それから供給対策としては、ただいま申し上げましたように、二種兼農家等が農地をできるだけ貸しやすくする条件整備をする、そういった基本的な方向で政策展開をしていく必要があるだろう。いろいろ法制の問題につきましては、たとえば四十五年の農地法の改正、これは統制小作料撤廃であるとか、農地保有合理化法人だとか、そういった制度をつくりましたし、それから五十年で農振法を改正して農用地利用増進事業というものをいたしておりますが、そういった中で、われわれはいま農用地の利用増進ということを進めております。  また一方、そういった法制度だけではなく、いま御指摘になりましたように、規模拡大のための資金的な手当てですね、総合施設資金とか、あるいは農地等の取得資金、そういった制度もしておりますし、いろいろ申し上げるわけでありますけれども、新しく展開しようとしている農業構造改善事業につきましても、やはり中心は、いま先生が御指摘になりました利用権の集積というところに課題を置いているわけであります。そういったもろもろの対策をいませっかく展開中であります。そういったものの実績を踏まえて、またそういったものの効果というものを見定めて、整理分析した上で新たな政策展開、制度の改変が必要であれば、それについては努力していくつもりであります。  それから、非農業との接点につきましては、これは御存じのとおり、都市計画法に基づく市街化区域あるいは市街化調整区域もありますし、あるいは農振法に基づく農振地域、こういったゾーニングというものがつくられているわけでありますから、私どもは立場としては優良農地はあくまでこれは確保する。しかし、一方において、都市政策との接点で都市的な利用に供すべき土地はこれはそうした方向で促進をする、そういった形で、都市政策の意味からも、あるいは農地政策の意味からも、スプロール化ということは避けて、きちんとした土地利用区分に立脚した形で優良農地を守っていきたい、かように考えている次第であります。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 いろいろ基本的な政策について御質問をいたしましたが、適切に御答弁をちょうだいし、大いにひとつ御努力をいただいて効果を上げていただきたい。  最後に、先ほどから議論をいたしておりますとおり、相当農業施策というか、情勢が変化をしてきておるわけであります。高度成長から低成長という情勢で。したがって、この農政転換の中期計画云々という話があるが、この政策に当たっては、ただいま議論をしたような施策について十分考えていただきたい。  さらに、農業基本法も昭和三十六年以来変わってないわけです。私は中身は相当変わってきておる、こういうように考えておりますが、農業基本法の見直しについて政府は考えておるのかどうか、この点だけをひとつ確認をして、私の質問を終わりたいと思います。

松本作衛農林水産大臣官房長

○政府委員(松本作衛君) 先ほど御質問がございました中期計画につきましては、私どもの方でただいま中期計画という形で計画を策定しておるわけではございません。ただ、ただいまも御指摘がありましたように、農業を取り巻く諸情勢が昭和六十年を目標といたします生産目標をつくりました時点と大分変わってまいっておりますから、新たに長期目標を設定し直す必要があるのではないだろうかというようなことを考えておりまして、検討をしたいと思っておるところでございますが、その長期目標を改定いたしますに当たりましては、ただいま御指摘がありましたような諸点を十分勘案をいたしまして、検討を進めてまいりたいと思うわけでございます。  なお、農業基本法につきましては、私ども農業基本法が掲げております基本的な考え方なり具体的な施策等につきまして、大筋においては現在においても十分に通用できるものというふうに考えておるわけでございますが、ただいま御指摘もございましたように、農業のあり方、農政の方向づけについて、全体として見直す必要が生じておりますので、その全体的な見直しの中で、この基本法の問題についても含めて検討をしてみたいというふうに考えておるわけでございます。

北修二自由民主党・自由国民会議

○北修二君 終わります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 私は、農業機械化をめぐるさまざまな問題点について、きょうは政府の見解をただしてみたいと思います。  最初に、関係省庁の政府委員の方を要求していますので確認をしたいと思いますが、大蔵省。——通産省。——経済企画庁。——それから公正取引委員会。——皆さんおそろいですので、順次お尋ねをしたいと思います。  農業機械は、経営規模の拡大と農家の皆さんの労働負担、これを軽減するために農業生産資材の中で不可欠な重要な位置づけを持つようになったんですけれども、その反面、過剰投資や効率利用されていないという点からいわゆる機械化貧乏、こういう言葉も生まれてきましたし、農家の経済を非常に圧迫しております。最近になって、国としても農業機械銀行の国際会議を開いたり、また農業系統組織でも機械センターなど施設づくりに取り組んでおられるんですが、この効率利用運動がさらに推進され、農業経営をさらに安定させる必要があるという観点から御質問したいと思います。  最初に、農業経営費に占める農業機械費の比率なんですが、近年どんな推移を一体たどっているのかお示しをいただきたいし、また、特に大規模農業の行われている北海道の比率はどうなっているのか、数字で明らかにしてもらいたいと思います。また、過剰投資として認められる数字は、耕地面積から見て概略何%ぐらいと農林水産省当局としては見積もられているのか。  まず、以上の点をお答えいただきたいと思います。

柳井昭司農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(柳井昭司君) 全国の農家一戸当たりの農業経営費に占める農業機械の割合でございますが、昭和四十五年二三%でございまして、五十年に二一・七%、それから五十一年度が二二・三%ということになっております。  それから、北海道におきましての比率でございますが、比率で見ますると四十五年が二一・〇%、それから五十年度は二一・七%、それから五十一年度は二三・六%、こういうことで、年次によりまして必ずしも北海道の方が高いとは言えない、こういうのが最近におけるところの農業経営費に占める農業機械費の推移でございます。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 過剰投資の額がどのぐらいになっておるのかというようなお尋ねでございます。  問題は、その過剰投資ということでございますが、実はわが国の農業の場合、これは水稲作が全国的に見れば中心になっております。しかも、非常に規模が零細であるということでございます。したがいまして、たとえば耕地面積当たりの馬力数というようなことを一つの指標として考えられないわけではございません。ただ、この場合におきましても、農地面積当たりということで見ますというと、一九七五年のFAOのプロダクション・イアーブックというようなもので見れば、農地一ヘクタール当たりということになれば、これはアメリカなり、あるいはイギリスなりフランス、こういうものに比較すれば非常に高いわけでございます。ただ、草地等を含めた耕地一ヘクタール当たりというようなことで見ますれば、必ずしも日本が最高であるというわけではないということがございます。これは、統計上のFAOの数字で申し上げたわけでございます。  問題は、結局、非常に農業機械の導入がわが国の場合が濃密であるということは、これは言えると思います。ただ、過剰投資かどうかという話になりますと、やはり農業機械を入れるということによりまして適用作業が確実にできることになるとか、あるいは重労働から解放されるというような役割りもあるわけでございます。そして、その際に、その浮いた労働力というものを何に振り向けるか。農業内部で他作物の栽培に振り向ける、あるいは他産業に就業するというような、そういうことによりまして、また経済性の判断も変わってまいるわけでございます。したがいまして、一概に過剰である、その部分は幾らかというのを金目で出すということは、これは至難であろうかと思います。  ただ、私たち一般的に見まして、非常に機械の導入が濃密であることは事実でございますので、その効率利用というような問題につきましては、やはりこれは行政の面として積極的に推進していきたいと、こういうふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いまおっしゃったように、日本の農業経営における農業機械のあり方、非常に濃密であるということは間違いないと思うんですが、実際農業経営をやっていらっしゃる農家の皆さんの実感としては、また一家の家計の面から見て、農業資材が非常に負担になっているということは事実だと思うんですね。  順次お尋ねをしたいと思いますが、ところで、昭和四十七年からですか、農業機械の過剰投資を解決しようということが目的になっているのだと思うんですが、農業機械銀行の振興策、これが打ち出されてきたと思うんですけれども、東京で開催された第四回の農業機械労働銀行国際会議、これから日本としてはどんな点を学び取ったんでしょうか。また、その成果を基礎として、昭和五十四年度以降この農機銀行の助成措置としては一体どういうような方針を打ち出されるおつもりなのか、具体策があったら示していただきたいと思うんです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 四十七年以降農業機械銀行、これの振興といいますか、推進策をとってまいっております。ただいま先生からお話がございましたように、七月四日から第四回の農業機械労働銀行国際会議というのが東京で開かれたわけでございます。で、その際にいろいろ話があったわけでございますが、わが国の場合は、どうも全般的に見ますというと、西欧諸国のように畑作で比較的大きい経営規模であるというのとは大分違うわけでございます。一部北海道の十勝等はそれに類似したような規模があるわけでございますが、全般的に見れば違うわけでございます。  それから、先ほども申し上げましたように、水稲作が中心で零細経営だ。そこで、機械銀行というものを四十七年から推進をやってまいっておりますけれども、どうもこの農作業のあっせんが春と秋に非常にわが国の場合は偏っておるということが一つございます。それから、あっせんが小規模でございますので、非常に事務が西欧の場合と比べますと繁雑である。それから、あっせん手数料をこれは機械銀行の方でもらわなくちゃならぬわけです。ところが、お金を徴収するということにつきましては、どうもその経済合理性が農村に浸透しづらい。そういう何か慣習といいますか、雰囲気があるということで、そういう機械銀行の成立の基盤が脆弱なわけでございます。  で、ただいま先生からお話がございましたように、七月の四日にやりました会議の際、これは西ドイツなり、あるいはオーストラリア等々、相当の国が参加したわけでございますけれども、その際には機械銀行か発展過程——ドイツなとは、大分前からマシーネンリングというような形で非常に発展をしてきておる。その辺の発展の過程なり、それから農業機械銀行の運営の問題でございますが、この面で非常にマネジャー、これに対する教育ですね、これを非常に西ドイツ等なども力を入れておるということ。それから長年にわたります農家への普及の実践活動というような面がいろいろ紹介されまして、そういう面で得るところが非常にあったわけでございます。そういうことで、今後はわれわれといたしましては、農業機械の効率利用というような面を強力に進めるという観点に立ちましても、やはりこの機械銀行方式というものを普及し、さらに定着さしていくということが大事であるというふうに、この会議を通じてつくづく感じさせられておるわけでございます。  したがいまして、いままで三十七年以降やってまいりました実績というものを踏まえ、さらにまた国際的な情報も踏まえて、この銀行方式の拡充、定着化というものを進めていきたいということでございます。五十四年度の予算等におきましても、こういう設置個所数も非常に広げていく、あるいは受託者のグループの育成というような面にも力を入れていくと、それから作業受託を通じて中核的農家への集積等も考えていくというようなことで、農業機械作業広域調整促進事業というようなことで、十億ほどの金でもございますけれども、相当飛躍的にふやしまして、そういう面でさらにこの国際会議の成果等、それから過去のやってきた実績というものを踏まえながら強力にそういう面を強化していきたい、こう考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ただいまおっしゃったうちの農作業の委託、それから受託業務、これを中心に農業銀行政策をおやりになっていくというんですが、これとまた別に、農協なんかの系統組織でも農業機械サービスセンターというものを設置して、今後大いに組織づくりや施設づくりを推進しようと、このように努力されているのですけれども、農業組織が行うこの農機の効率運動に対してもっと国の指導や助成措置、これを強化する必要があるんじゃないかと、こう考えるんですが、この点についてはどういうお考えですか。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま先生お話ございましたように、農協組織の面におきましても、農業機械サービスセンター等を設置をいたしまして、組合員のために共同利用の推進、機械の補修というようなことをやっておるわけでございます。こういうものに対する指導助成というものを強化すべきじゃないかというお話でございますが、サービスセンターの設置というような面につきましては、現在農業構造改善事業におきまして、農業機械修理施設に対する助成の道を開いております。こういうことによりまして、農業機械の修理施設の整備が今後さらに進められるものと考えております。  ちなみに、大体そめ現在の状況を申し上げますと、農協全体で四千七百六十農協ございますが、サービスセンターを設置していますのはその五二%、二千四百九十二農協ということで、半分はもう整備をしておるというような状況でございます。  それから設置運営なり維持管理、これらの面につきましては、農協が本来の仕事だという一つの購買事業でございますが、その一環といたしましてやっておるところでございまして、したがいまして、実情に即して事業が適切に行われるようにこの面につきましては指導を十分行っていきたい、こういうことで考えておるわけでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 この運動を推進する重要な対策として、私は、農業機械機具のメーカーに対して第一点は、不要不急なモデルチェンジの規制をする必要がある。それから第二点目として、部品供給の保証をきっちりさせること。それから第三点として、安全性や耐久性の強化指導、これを徹底しなきゃならないと思うんです。この三点についてこれまでの取り組み、それから今後どういうことを実施されようとしているのか、明らかにしてください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) モデルチェンジと農業機械の部品の確保、それから農業機械の性能、耐久性等の問題でございますが、まず最初にモデルチェンジでございます。  で、モデルチェンジと言います際に、二種類あろうかと考えております。一つは、性能、耐久性等の面で安全防護対策の強化などによります構造変更を伴うそういうモデルチェンジ、それからもう一つは、メーカー等が大いに売り込もうということで、まあ一つの販売促進上でございましょうか、実質的な改良は余りなくて、色を変えるとか、そういうようなことでやるモデルチェンジがあるわけです。ただいま先生からもお話ございましたように、この二番目に申し上げましたモデルチェンジ、こういうものは好ましくないと、こう思っております。  したがいまして、これはメーカーの方の所管もしております通商産業省の方と従来からも密接な連絡、連携をとりまして、この種のモデルチェンジというものは行われないようにということで指導もしておるわけでございます。また、機械化研究所の方でいろいろ型式検査なり安全鑑定というものをやっておりますが、それをやります際にも、メーカーに対しましては、こういうような不急不要のモデルチェンジというものは行わないようにというような指導をやってまいっておりますし、今後ともこういうような指導は十分やっていきたいというのが第一点でございます。  それから、部品の関係でございますけれども、これはやはり農業機械の効率利用というような観点、長期に使用していくというような観点からも、部品の確保というのは非常にこれは大事だというふうに認識をいたしております。これにつきましては、これまでも通産省を通じましてメーカーに対して、そういう部品の確保というものを指導をしてまいっております。直接また農林水産省の方からもメーカーに、じかにお願いもしておる、要請もしておるということもございます。で、大体主要メーカーでは、農業機械のその該当機種の生産を停止した後でも、法定耐用年数経過後一定期間はやはり部品はそろえる、供給し得るというような体制を整えておるというふうに見ております。この面につきましては、今後ともさらに通産省と連携の上に、その辺の円滑化は十分努力をしていきたいというのが第二点でございます。  それから、第三点の農業機械の性能、耐久性、安全性といいますか、そういうような面につきましては、これは農業機械化研究所におきまして型式検査、それから安全鑑定というようなものをやっております。そして、国の方の補助事業などで導入される機械というのは、こういう型式検査なり安全鑑定をパスしたものの中から選ぶと、こういうように指導をいたしております。したがいまして、こういう安全性なり耐久性の一定水準以上のものが、流通をするという形にするように努力をいたしておるわけでございます。今後ともさらにこういう面については指導を強化していきたいと、こう思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林水産省としては通産省とよく連携をとってと、こういうお答えなんですが、直接担当の通産省としては一体どのような取り組みをされてきたんでしょう。また、今後の方針があったらお聞かせいただきたい。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 農業機械メーカーに対しましては、かねてより農村の方々の需要、特に品質の向上、性能の改善あるいは安全対第の実施、この辺につきましては強い指導をやってまいっておりまして、農林水産省から御説明ございましたと同様に、われわれ農林水産省と十分連絡をとりながら万全の体制を進めている次第でございます。  最初のモデルチェンジにつきましても、品質の向上なり、あるいは安全対策という面でのモデルチェンジは、これは当然ではございますが、単なる価格引き上げにつながるような不要不急のモデルチェンジは厳にやるべきではないと、こういう態度で指導してまいっております。  部品の供給につきましても、実際上仕事というのはある時期に集中いたします。そういう時期に、部品が十分普及されないということは適当ではございません。部品の供給センターというものを十分整備させまして、必要なときに必要な部品が早急に届く、こういう体制をつくってもらっておる次第でございます。また、実際上製造が中止されたような機械につきましても、製造中止後一定期間必ず部品を補給して、必要な部品は供給できるような体制、こういうものにつきましてかねてから指導しているところでございます。  最後の安全性につきましても、農林水産省ともども特にこの点につきまして注意しておりますし、われわれJISの中にもそういう面を取り入れていきたいと、かように考えている次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ことしから実施された新しい稲作転換で転換される対象作物のために、新しい農業機械を農家は戸別に購入しますと、いわゆる過剰投資傾向につながるおそれがあるわけなんですが、これの予防のためには、一定の地域ごとに統一作目を集団化するやり方、こういったことで水田利用再編対策と農業機械の効率利用、この有機的な機能の発揮に欠かせない政策であろうと思うんですが、ことし一年を振り返って、稲作転換のために新しい機械投資で稲作農家が経営的に圧迫されてないかどうか、こういう点を調査されたのかどうか、また今後されるおつもりがあるかどうか、この点いかがでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策におきまして、増産が必要な麦なり、あるいは大豆なり等を主体に転作を指導をいたしておるわけでございます。その際に、こういう転作農家が小型の機械等をそれぞれ入れるというようなことになれば、過剰投資になるのではないかというようなお尋ねかと思います。  問題は、ことしのこの水田利用再編対策当初の目標に比べますと、大体一割アップというようなことで実施見込みがなっております。非常に農家の御努力によりましてそういう姿になっておるわけですが、その際に、こういう機械導入等によって農家の負担が非常にふえておるかという問題につきましては、十分実情はつまびらかにいたしておりません。いろいろブロック会議なり等で県の方などからいろんな事情等は事例的には聞いてはおりますが、実情は十分つまびらかにいたしておりません。ただ、この転作作物の作付に当たりましては、転作の定着化、機械の効率利用というような観点から、いわゆる今回の水田利用再編対策では地域ぐるみの計画加算の制度といいますか、仕組みというものを、これを打ち出しておるわけでございます。これも現在の実施見込みで申し上げますと、七五%の方が転作のこの地域ぐるみの計画加算の地区になっておるわけです。これは、まさにその集団化等をやるわけでございます。機械の運行なり、あるいは圃場の条件、排水がいいか悪いかというようなそういうものも考えて、地域ぐるみの転作をむしろ集団的にやってもらう、それが七五%のウェートで転作の中では占めておるということでございます。  したがって、相当その面は農家の方も十分考えて効率的にやっていただいておると思うわけでございますけれども、なお転作をやる際も、稲作用の機械が相当耕うん等においては使えるとか、あるいは裏作の麦の場合においては、さらに収穫期のバインダー等も使えるというようなことで、何かそういう面も十分活用をしてもらおうと、こう思っております。今後ともそういう面については、農家の機械費の負担軽減という角度もこれも非常に重要でございますので、その辺も水田利用対策の推進の際にあわせて指導してまいりたいと、こう思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 米過剰の時代に来ていると、こう政府はおっしゃって、稲作転換はますます今後強化されるんだと思うのですけれども、その点、専業農家の特に機械に余力のある人たちですね、こういう人たちが兼業農家の人たちの経営受託といいますか機械を活用する、こういった方向で、規模を拡大しながらさらに経営の安定化を図っていく方法、これについても十分指導していただきたいし、またこの兼業農家の人たちの機械化貧乏追放、こういうことについても一層きめ細かいひとつ対策を練ってやっていただきたいと思うのです。  次に、私は、国の農業構造改善政策の高性能の農業機械導入基本方針によって促進されてきた大型機械のうち、輸入農業機械、これの円高差益の還元について取り上げたいと思います。これは、末端ユーザーである農家の皆さん方に輸入価格の低下の効果が十分反映されるような措置が必要じゃないか、こういうことで、関係各省にその対応策をただしていきたいと思うのです。  最初に、通産省からお聞きしたいのですが、農業機械の輸入統計として、たとえば農業用トラクター及びトラクター用の作業機械、これの主なものについて、最近五ヵ年間の輸入台数、これはどれぐらいあったでしょう。数字をまず示してください。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 農業トラクターの最近五ヵ年間の輸入台数でございますが、傾向といたしましてはやや増加傾向にございます。四十八年が約四千八百台、四十九年が約七千六百台、五十年が約八千台、五十一年が約七千台、五十二年が約六千三百台、本年に入りまして、これは一−七月の中間的な合計でございますが、五千八百六十台、こういう推移でございます。トラクターに使いますプラウにつきまして申し上げますと、これは余り多くございませんが、四十八年八十台が四十九年百三十台ぐらい、五十年百台、五十一年に八十台、五十二年に百三十台、本年に入りまして一−七月は五十四台、こういう傾向になっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それじゃ、トラクター含めた輸入農機の過去五年間の輸入価格の推移についてはどうなっているのか、数字を示してひとつ御説明してください。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 輸入トラクターの価格につきましては、日銀の輸出入物価指数が一応公式でございますので、それに従いまして御説明いたしますと、四十五年を基準にいたしましてこれを一〇〇といたします。これは農業用トラクターの輸入段階の価格指数でございますが、四十六年に一〇二・四、四十七年で一〇〇・九、四十八年が九三・四、四十九年が一〇五・〇、五十年が一三一・一、五十一年が一四五・一、こういう形になっております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 確認の意味でもう一度お尋ねしますが、輸入農業機械はこの一、二年間にしぼると価格は上がっているのか、あるいは下がっているのか、もう一度具体的な数字でお答えください。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) ただいま御説明いたしましたのは、四十五年基準の物価指数でございます。最近、数年間につきまして申し上げますと、五十年を基準にいたしました指数がございますので、それにつきまして御説明いたしますと、昭和五十年を一〇〇にいたしますと、五十一年が一一一・七、五十二年が一一〇・二、約一割この二年間に上がっておりますが、本年に入りまして、五月ぐらいまでは同様のレベルで参っておりますが、六月が下がり九七・八、七月が九四・八と、このように最近に至りまして低下が見られ始めております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そうしますと、いまの通産省の説明のように、円高による輸入農機は差益が発生していることは明らかになっておりますが、これに対して通産省としてはどういうような差益還元策を講じられているのか。通達が出ていると思うんですけれども、それについて詳しく説明してください。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 円高によります輸入価格の低下を国内の消費者価格に反映させるべきである、これは国会でも御議論いただきました基本的な考え方でございまして、私どもといたしましてもそのような方向で関係業界を指導するということで、主要な団体に対しまして具体的な指導をやってまいっている次第でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 外国製の農業機械を取り扱っている商社、それから国産メーカー各社の最近この二、三年間の企業収益、それから株主配当、それから設備投資について、この不況時代の他の機械産業に比較して一体どんな推移を示しているんだろうかということをぜひ知りたいと思ったんですが、通産、大蔵、経企、農林水産省どこも把握をしていらっしゃらないのがいまの現状なんですが、今後その動向を把握する必要性をお感じになっているのかどうか、伺いたいと思います。通産省、どうですか。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 国内の主要農機具メーカーにつきましては、御存じのとおり、一般的な財務諸表が上場会社につきましては公表をされております。これにつきましては私どもとしては把握できると思いますが、現在手元にございますので申し上げますと、主要メーカーにつきまして昨年の収益状況は、売り上げ高利益率で二ないし四%程度でございます。しかし、農業機械自体に対します国内需要が御存じのとおり大幅に低下しておりまして、生産水準は昨年に比較いたしますと本年は約二割ダウンぐらいのレベルで推移しておりまして、相当収益が悪化しているやに聞いております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林水産省としては、五十二年、それから五十三年にわたって輸入農機の円高差益については何回ぐらい実態調査をされているんでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 円高差益について調査をやっておるかということでございますが、実は、この面について若干ちょっと申し上げてみたい点があるので、お許しいただきたいと思います。  それは、一般的なグレープフルーツのようなものと違いまして、こういうものは輸入価格が下がりますと当然円高という問題が相当出ると思います。ただ問題は、輸入農機具の場合はどういう仕組みになっているかといいますと、ただいま通産省の方からも輸入の機械の指数が、日銀の指数がこう下がっておるというお話があり、そのとおりなんでございます。ただ問題は、その輸入農機具につきましては、これが重要な農業生産資材であるということで、系統の農協、全農がまずトップに立つわけでございますが、そこが輸入商社等と、ディーラー等といわゆる価格交渉というのをやるわけでございます。  したがいまして、現在はどうなっておるかといいますと、現在は昨年の十二月からことしの十一月までの価格、これを価格交渉を個々にやりまして一応設定をするわけでございます。そして、その設定をしたときには、昨年の十二月以降ことしの十一月までの分は、対前年度の価格に対して〇・三%の値下げをやったわけでございます。やって、今度の価格を一応取り決めているわけでございますが、その際にどのぐらいの為替レートになるであろうか、あるいはどのぐらい輸入して売れるであろうかというようなことをいろいろ話し合うわけでございます。そして、そこで一応の想定の為替レートというものをベースにしまして価格の大体の線を決めまして、これが標準小売価格というような形で単協の方までおりていくと、こういう姿勢でございます。  したがいまして、円高というような差益の問題はその価格交渉の際に十分反映をする。そしてまた、先行きも見るわけでございますね。ことしの十一月まででございますから、そういうような円高の推移も見るということでございます。したがって、どのぐらいその後差益が出ているかという問題になりますと、その価格交渉をした際のある想定した為替レート、これを相当下回った線であれば、これは円高差益というのは相当また出てくるわけでございます。ところが、輸入農機具の場合は大体十二月から三月、この辺で七割方輸入農機具を輸入をいたします。特にトラクターでございますが。と言いますのは、やはり春の運行といいますか、そういうことも考えて、余り早々と輸入をしますと金倉がかかるという問題もあろうと思います。それが七割方輸入をするわけでございますが、その際には、むしろその想定したレートよりは円安であったということがあるわけでございます。で、最近になりますと、ただいまのお話しのありましたように、七、八月などは相当下がってきておるわけでございまして、輸入量としては少ないのですが、その時点においては下がってきておるという姿になっております。  問題は、そういうことでございまして、なお円高差益というのはその後余りその想定したラインよりは発生してないのではないかと。万一それが出てくれば、当然またことしの十二月から来年の十一月までの価格交渉というのを近いうちやるわけでございます。その際に、その円高差益というものを踏まえて織り込んだかっこうで価格の取り決めをやっていくと、こういうようなことになるのであろう、こういうふうに思っておるわけでございます。  したがいまして、そういう仕組みで全農が、いろいろな為替の動きなり、あるいは供給先の価格が今後値上げかあるのか、ないのかというようなこと、フレートの関係がどうとかいろいろな問題を考えて、それで農家のために、組合員のために価格交渉をやるわけでございますので、農林水産省自身がその辺の実態調査というものはやっておりません。むしろ全農等を大分呼んで、その辺の事情等はいろいろ聞いております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 輸入流通ルートの一つの仕組みをいま御説明になったと思うのですけれども、輸入農機の末端小売価格について聞いていきたいと思うのですけれども、農機の国内流通経路は、輸入商社及びその系列販売店によるいわゆる業者ルートと、それからいまおっしゃった全農などの農業組織などによる農協ルート、こう二つに分かれると思うのです。販売経費、それから販売方法が全くこれは違うのですね。そうしますと、全く同一メーカーの同一機種であっても、ユーザーの手に渡る場合、当然に末端小売価格に差額が生ずると思うのですけれども、農林水産省としては、この末端小売価格について一体どのように把握されているのでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいまも御説明申し上げましたように、輸入農機のユーザー渡し価格、これは全農と輸入農機ディーラーとが交渉を行って、標準小売価格といいますか、一つのめどの価格でございますけれども、そういうものを取り決めるわけでございます。そうしますと、その商業者の系統はどうするかといいますと、やはりこれも大体その線でもって小売価格というものを考えて売ろうということになるわけでございます。  ただ問題は、具体的に言えば、非常に最近農業用機械の需要が低迷しているというようなこともございますし、また商業者の場合は相当シェア競争といいますか、そういうことで販売競争等もやるわけでございます。そういうことで、新しい顧客をつかもうとかいうようなことで、大体その辺のめどの価格というものは十分承知しておりますけれども、さらに値引きをするということで売り込むというようなことは、これは当然あるわけでございます。  農協系統の方はどうかといいますと、まあ系統組織内の平等というような原則を守りまして、余り販売上混乱を起こさぬようにということで、標準小売価格というものがむしろ軸になって対応をしておるということでございます。ですから、その辺は相当値引きというものが、商業者の場合は商行為として相当販売競争のためにやるということがございますので、その辺から比べますと、農協系統の方がやや高いという場合が往々にしてある、こういうふうに考えております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そうしますと、農家が輸入農機を導入した場合に、農協ルートを通って購入した場合と、直接業者である農機ディーラーから購入した場合、同一機種において差異がある。じゃ、五十二年の場合とことしの場合と、小売価格にどれぐらい差がついているかについては、数字的につかんでおられますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) これは、個々にどの程度の値引きをやってどうなっているかというのは、やはりいろんな販売業者にもよるでしょうし、その地域の状況もございましょうし、いろんなケースがございますので、その辺の実態は十分つかまえておりません。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 一遍実態を聞いてみてくださいよ、農林水産省として。  それで、農家の人が機械を導入される場合三つの方法があると思うんですが、一つは、国の構造改善対策による補助事業で共同仕入れ体制による場合があります。それから二つには、近代化資金として制度資金などの利用による場合。それから三つには、全く自己資金か、あるいは販売商社のローンを利用する場合。こういう三つのケースがあるんですけれども、このケースの違いによっても同一機種であっても価格がまちまちなわけですね。このうち、どのケースが円高差益の還元を受けやすいのか、農林水産省としてはおわかりでしょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 補助事業でやる場合なり、あるいは制度資金による場合なり、いろんな形態で農機具が購入されるわけでございますが、ただその際に、補助事業でやっております際に、大体補助事業で機械を補助するという場合は、これは共同利用というようなものがたてまえといいますか、中心で考えておるわけでございます。したがいまして、トラクターならトラクターといいますものの場合におきましても、その辺の付属作業機等につきましては、相当広地域を対象にしてその機械が運行されるということから、そういうものもさらに整備するとか、あるいは安全性の問題なり、いろんな面で堅牢な装備というようなこともあるわけでございまして、そういう面では個人が入れる場合よりもやや高いという場合が、これが大いにあり得るというふうに考えます。  それから、円高差益の還元を受けやすいのはどうかという話でございますが、これは、先ほども申し上げましたような輸入農機につきましては、全農との価格の、標準小売価格という一つの目安ではございますが、価格取り決めがされ、商業者の方もそれに大体準じたやり方でやっている。ただ、いろんな競争の関係がありますので、現実の商行為としては値引きをやっているということは往々にしてあるわけでございますけれども、したがいまして、先ほどその仕組み等についても申し上げましたように、円高差益というものをむしろ踏まえたかっこうで価格取り決めをしていく。それが予想より狂ってまた出そうだというのであれば、次の価格交渉の際にまたそういうものも踏まえて価格の取り決めがやられるというような形でございますので、農家の方が個々に入れられました場合は、共同の機械よりも安いということがあろうと思いますけれども、それは必ずしも円高差益の分と言えるかどうかということについては、私たちも断定できないというふうには思います。多少補助事業の機械の場合に、付属品との絡み等もあって高い場合もあろうかと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 ちょっと大臣にお尋ねしますが、ここに農業機械の標準小売価格表としてホクレンから発行している、通称赤表紙価格と言われているんですが、価格表がございます。ことし、五十三年度からは、いろんな都合があったんでしょう、白い表紙に変えてございますけれども、中川さんは北海道の御出身なんでよく御存じかと思いますが、このホクレンの価格表の存在については、従来からお知りになっていたでしょうか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 残念ながら、私、初めて知りました。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農家の方の機械導入方法なんですが、先ほど私言いましたように、一つは国の補助事業を利用する場合がありますし、また近代化資金を利用する場合もございます。地域の農協の窓口を通して書類申請をするんですけれども、その場合、このホクレンの赤表紙、あるいはことしから白表紙ですね、この価格を記入していないと書類審査が通過しない、このように農家の皆さんから私どもお聞きするわけです。このホクレン価格に拘束されていますと、円高で安くなった機械も恩恵が受けられないのじゃないかと思うんですが、もし本当にそうだとすればこの実態は改めさせなきやならないと思うんですが、農林水産省としてはどのようなお考えでいますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 先ほど来申し上げておりますように、全農が標準小売価格を決める、それは一つの目安価格でございますから、当然ホクレンの方でも北海道の場合は、さらにそういうことで一応目安というようなことでこういう価格表というものをつくって単協の方まで流しておるわけでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、これは一つの目安価格だということでございます。ただ、農協の場合にはなかなか組合内の、組合の平等という考え方もございましょう。商人系の場合と違って、ややその辺は弾力性は欠くやに聞いておりますが、性格としてはあくまでも目安だということで、実行上はこれも下回る場合もあり得るわけでございます。  ただ、ただいま先生からお話ございましたように、近代化資金の申請の場合に、この価格といいますものが一つの参考になるということはこれは事実でございます。そういうことで、参考としては大いに利用されておるということでございます。したがって、これは、これでもってあれせぬと貸さないよという、そういう強制的なものというふうには実は聞いておらないわけでございますが、その辺がもしも強制的にそういうことを相当やっておるということであれば、よくその辺は実情調査をさしていただきまして善処したいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 北海道はホクレンさん——さんと、こうさんづけで呼んで大変親しんでいるんですが、ホクレンのこの問題に関しましては、五十二年の三月に、米麦用包装用品の容器である故麻袋と農機具の販売について勧告が出されたんですが、その経緯と問題点について御説明いただきたいと思います。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(奥村栄一君) 御説明いたします。  まず、第一点の米麦包装用故麻袋でございますが、公正取引委員会におきまして、五十二年三月三十一日に勧告をしているわけでございます。  違反の概要を申し上げますと、ホクレンは、米麦包装用故麻袋の傘下の農協に対する供給をすべてみずから行うために、ホクレンの承諾なしに単協等に販売してはならない、そういった条件をつけまして故麻袋業者と取引をしているわけでございます。一応、当委員会の方では、拘束条件つき取引であるというふうに考えまして、不公正な取引方法に関する一般指定八に該当する、独占禁止法十九条違反ということで勧告をしたわけでございます。排除措置といたしましては、拘束条件の破棄を命じております。  農業用機械の方につきましては、違反の概要といたしますと、ホクレンは農業機械の販売業者が傘下の単協や農家に対しまして農業機械を直接販売することを制限する、あるいは直接販売する場合には、ホクレンの定めた価格で販売すること等の条件をつけて農業機械の販売業者と取引している、このように公正取引委員会の方では認めまして、勧告をいたしたわけでございます。一応、違反法条として考えておりますのは、拘束条件つき取引である、一般指定の八該当、独占禁止法十九条に違反するということでございます。これも同じく故麻袋と同様に、拘束条件の破棄を命じております。  故麻袋とそれから機械、いずれもこの勧告に対しましてホクレンの方では勧告に応諾をいたしまして、審決を五十五年四月二十一日にいたしております。  以上でございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 そこで、先ほど局長御答弁のように、参考価格表である、これはあくまで参考程度だということならいいんでしょうけれども、この小売価格の維持を、おっしゃるように強制的にといいますか、余り強行されますと、いま公取の方からおっしゃった昨年四月に行われたこの審決に反しないかどうか、大変心配しているわけですが、この点について公取としてはどんな御見解を持ちますか。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(奥村栄一君) ホクレンが、自己の取り扱うトラクター等農業機械につきまして、先ほどお話ありましたように、参考価格表をつくっておるということはもちろん承知しておるわけでございますが、仮にホクレンが農業機械の販売業者などに、自己の作成した参考価格を強要してなお守らせているとすれば、もちろん問題があるというふうに考えるわけでございますが、事実関係は私の方としてはただいま明確でない、現段階では明確でございませんので、意見は差し控えたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 大臣、ここにトラクターのパンフレットがあるんです。ごらんになるとわかりますけれども、九種類ありますが、どれも性能その他いろいろ細かく説明が書いてありますけれども、金額は一つも入ってないわけです。私は、物を販売するパンフレットに金額が入ってないのは、このトラクターの輸入農機具ですか、これのパンフレット以外には見たことがないんですけれども、大臣、価格表の入ってないパンフレットをごらんになったことがあるでしょうか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) あんまりパンフレットを見ませんのでよくわかりませんが、入っているのが常識じゃないかと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 公取の方も、昨年四月の勧告が守られるように、いま一度やはり御注意をする必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

奥村栄一公正取引委員会事務局審査部第一審査長

○説明員(奥村栄一君) 事実関係を明確にするために、調査については検討させていただきたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 農林水産省の公団管理室の方へお尋ねしたいと思いますが、農用地開発公団では濃密生産団地事業などに対して補助を行っているわけですけれども、導入する機械について機種選定委員会で予定価格を決める場合に、ホクレンの参考価格表に依存しているんじゃないでしょうか。それから公団が導入された輸入農機というのは、五十二年と五十三年はそれぞれ何台になっているのか。また、円高差益が通産省としてはあると、このように判断しているわけですから、その還元策を要求すべきではないかと思うんです。公団側としては、この件については一体どういう見解に立っているんでしょうか。

大場敏彦農林水産省構造改善局長

○政府委員(大場敏彦君) 農用地開発公団で農機具を選定し、それを購入する場合でありますけれども、その予定価格の決定に当たりましては、いまお話がありましたように、一般的なユーザー団体である全農、北海道の場合にはホクレンが決めました値段というものを、これはあくまで参考でありますが、参考にして予定価格を決定している、こういう状況であります。  それから、五十二年、五十三年、農用地開発公団が輸入いたしました機械は、主なものを申し上げますと、トラクターで五十二年度は三十七台、五十三年度は三十一台、それから自走式フォーレージハーベスター、これは両年とも七台ずつであります。その他作業機を含めまして五十二年度は百七十八台、五十三年度は百三十二台、こういった購入の状況であります。  それから、第三点の輸入差益が発生すればそれはどうやって還元するのか、あるいは還元すべきではないか、こういう御指摘でございますが、それにつきましては、輸入差益、輸入価格が下がれば公団の購入価格もそれに応じて下がる、こういった場合には、当然それは公団の行う事業費等の縮小という形になって、ほかの要件が変わりません場合には事業費の縮小という形になって地元農家の負担軽減、こういった形になっていくと、こういうふうに理解しております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 構造改善事業の中で、輸入農機については二分の一の補助がつくんだと聞いていますけれども、国庫から二分の一補助されているのは間違いございませんね。

大場敏彦農林水産省構造改善局長

○政府委員(大場敏彦君) 農業構造改善事業はいろんな事業の総合事業でございまして、その中に農業機械の補助事業も入っております。それに対しましては、補助率は、いまお話がありましたように二分の一以内であります。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 いろいろ御答弁いただいたんですが、結局補助事業のやりっ放しで、この円高差益の還元が十分に生産農家に反映されていないんじゃないかと思うんですね。やはり敏速に指導の手を差し伸べないから、差益分があったとしてもそれは輸入商社の方へ吸収されちゃう、こういう形になっているんじゃないかと思います。そうしますと、この国費投入の補助事業については国費のむだ遣いがあるんじゃないのか、こう指摘されてもやむを得ないと思うんですが、円高傾向はまだ当分続きそうですし、今後農林水産省としてもきちっとした差益還元措置というものを講ずる必要があると思いますが、いかがでしょう。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 先ほどもお話し申し上げましたように、全農と輸入ディーラーとそれぞれ価格交渉をやりまして、その線に沿って、一つの目安でございますが、標準小売価格というものを設定をしておるということでございますが、これにつきましては、またこの十二月から来年の十一月までの新価格年度か来るわけでございます。したがいまして、この新価格年度の価格交渉といいますものの際には、当然その後の輸入の農機具の輸入価格の推移、先ほども七月ぐらいまでの推移は話があったわけでございますが、その後も為替レートの姿なり輸入価格の推移というものかあろうと思います。そういうような状況等も踏まえ、価格交渉の際に十分円高というものがあれば、それを反映させ吐き出した姿で価格の折衝をするというようなことを、強く農林水産省としても全農等を指導していきたいと、こう思っております。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 輸入農機関係について最後の質問をいたしたいと思いますが、それは関税の問題なんですが、現在一部の大型機械については免税になっているのですが、すべての輸入農機について関税五%を撤廃して、その分経営困難な農家の方に安い形で供給してあげるべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。農林水産省、通産省、大蔵省からそれぞれ御見解を聞かしてください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からもお話ございますように、牧草処理機とか、そういう特殊のもの、こういうものにつきましては免税措置が現在あるわけでございますが、それ以外の一般的な農機具、これにつきまして関税が設定されておるわけです。で、現在実効的に働いております税率は、トラクター五十馬力以上の場合は五%、それから五十馬力以下が六%、その他のトラクター以外の農業機械、これが六%というのが現状でございます。  問題は、この五十馬力以上のトラクターでございますけれども、これは大規模経営農家、北海道等のそういう農家なり、あるいは都府県の方に参りますと、これは共同利用というような姿で使用されることになりますけれども、やはり生産機材の中では非常にウェートの高いものでございますので、この辺の価格安定を図るということが大事であるという観点。それからもう一つは、五十馬力以上のトラクター、これはどうもいままでの実態等も見ますと、ほとんど輸入機械に七、八割方、この五十馬力以上でながめますと、むしろそれに依存しているといいますか、それを需要しているというのが実態でございます。したがいまして、この関税率を下げてほしいというようなことで、これは従来からも大蔵省なり、その面に要請をしてまいっておるというような次第でございます。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○説明員(鈴木直道君) 関税率の現状につきましては、農林水産省から御説明がございましたとおりでございますが、やはり農家の方々の実情を踏まえまして、実際の協定税率は一〇%でございますが、特に五%という低い税率が適用されておりますし、大型機につきましては、御存じのように重機械免税制度もございますので、それを大いに活用していただくというのが基本だろうと思います。  長期的にどうするかにつきましては、国内の供給体制との関係、あるいは国際ラウンドが進行中でございますので、それとの兼ね合いも考えつつ慎重に検討したいと思います。

古橋源六郎大蔵省関税局企画課長

○説明員(古橋源六郎君) 農業用機械の関税率につきましては、一般的な考え方でございますけれども、内外の価格差あるいは品質の格差、こういうようなものを勘案いたしまして、さらにまた、国内メーカーに非常に悪影響があってはいけないということ、そしてさらにまた、利用されておる国内農家の方々の負担の軽減ということも十分考慮いたしまして、従来から適正な関税率の設定ということに努力しておるところでございます。  今回のトラクターの問題につきましては、今後とも利用者たる農民の方々の負担軽減ということと、それから製作者であるメーカーという方々の利害の調整ということにつきまして、農林水産省、通産省、両省からの意見を十分聞きまして、適切な関税率の設定という方向に努力いたしたいと思います。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 それじゃ、関係省庁の方結構でございます。御苦労さまでした。  あとわずかの時間しかございませんので、大臣にお尋ねしますが、九月に大臣は事務当局に対して、農政の見直しの指示をされたと聞いているのですが、その内容について具体的に何と何について見直しを行おうとするのか伺いたい。  それから、農林水産省として今後新しい日本農業の中期計画あるいは長期計画、これを策定されるのかどうか。また、そのために、正式に農政審議会に諮問をするのかどうか。日本農政の将来のプログラムを新たに示す用意か大臣としておありになるのかどうか、この際はっきり御答弁をいただきたいと存じます。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) まず、農業基本法が大変に年数がたっておる。新しい農政といいますか、これから厳しい農政に対処していくに当たり、農業基本法が妥当であるかどうか。大筋ではそう支障のあるものとは思いませんけれども、年数もたっておることであり、農業事情も変わっておることであるから、ひとつ検討してみてはいかがかと。これは農業団体等においてもそういう意見がありまして、団体や、あるいは学識経験者等もひとつ検討してみよう、こういうことで、何と何をどうしようということではありません。  また、農政審議会にかけるかということでございますが、検討した上で、基本的に改めるところが出てくれば当然かけなければなりませんが、いまかけることを前提にしてやっておるわけではありません。  もう一つは、六十年の需要と生産の見通しについても、作成段階からかなり年数もたちましたし、生産の事情も最近また変わりつつある傾向もあるというふうなところから、見直してはいかがかということで、いま検討段階に入ろうといたしておるところでございます。

相沢武彦公明党

○相沢武彦君 これは今後将来の大きな課題なので、私の持ち時間がなくなりましたので、これはまた後日、大臣といろいろと見解を示し合わせたいと思います。  以上で終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まず最初に、商品取引問題についてお尋ねいたします。  古くて新しい問題だと言われておりますけれども、商品取引の基本的な機能といいますか、これについては、一般的には生産、流通、消費と直接それにかかわっている人たちが、公正な価格形成ということを中心にして行っているのだと、こう言われています。特に、生産段階にある人たちが先物買いということになりますから、六ヵ月先のものが現物で下がったにしても、商品の方で買っておいた場合には、逆に言えばもうかるというふうなことでつなぎ保障的な性格もあるのだと、こんな御説明を聞くわけですけれども、最近特に大衆玉といいますか、一般の素人の方も含めたその商品取引への参加が全体の中で六、七割を占めているというふうなことで、大変問題が起きているわけです。  御承知のように、こういうふうな円高の不況という状況の中でネズミ講、さらにはサラ金問題と、次々に社会的な問題になっているわけなんですが、この次は相場かというふうなことも新聞あるいはその他のマスコミ等で騒がれているときです。で、金もうけの甘い言葉にだまされるな、サラ金の次は相場自殺かとまで言われているわけなんですが、せんだって、御承知だと思いますけれども、実は大分空港で東亜国内航空機の中で焼身自殺を図った森下という方、この方が、実は陰で商品取引でもって六千万円損した、その穴埋めに実は使い込みをして焼身自殺を図った。もし仮にこれが爆発でもしていたら大問題になったんではないかという、こういう大きなことを引き出しているわけです。また、このことにつきまして、これはもう黙っておれないということでもって、特にマスコミ関係では農業新聞と、あるいは日本経済新聞等でもいろいろ報道されております。特に七月十八日付の「農村に横行 悪徳商取勧誘員」というこういう見出しがあります。  この農業新聞を見て、次々といろいろと訴えてこられる方が多いというのが現況でもあると思うわけなんですが、この問題につきまして第一にお尋ねしたいことは、まずこの昭和五十年に法律改正議論がされて、五十一年度から新しい商品取引所法に関係していろいろ買売がやられているわけですが、依然としてこういう紛議が絶えない。それどころか、ますます悪化して、本当に多くの国民がだまされ、しかも非常に地獄のような苦しみを味わっている人たちが全国に無数にいるということのこの実態についてどうお考えなのか、担当局長にまずお尋ねしたいと思います。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 商品取引をめぐります委託者紛議が、五十一年以降増加をしてまいっております。このことは、御指摘にもございましたが、私どもも非常に頭を痛めておるところでございまして、商品取引の本来の経済的な機能を持つことをむしろそのことが足を引っ張るといいますか、そのことによって商品取引制度自体に対する存立にかかわるような事態にもなりかねないということで、非常に遺憾な事態であるというふうに考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大変遺憾な問題であると。商取りそのものの仕組みにまでいろいろと議論をしなければならないという御認識であるというお話であったと思うんですけれども、それは困ったもんだなだけでは解決しないわけでして、具体的に以下お尋ねしたいんですが、第一に、農林水産省が担当している取引所と申しますか、全国で十二あると思うんですね。そして取引員と言われる会社が全国で二百十一あると思いますけれども、ここ数年間の紛議申し立ての状況を、ひとつ農林水産省のお持ちの数字でまずお知らせください。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 農林水産省所管の商品取引所にかかります紛議の申し立てでございますが、商品取引所に申し立てがございました件数は四十八年度が七十四件、四十九年度が五十六件、五十年度が三十四件、五十一年度が五十四件、五十二年度が七十五件、五十三年度は年度途中でございますが、四月から六月までの間におきます件数は三十四件ということで、先ほどお答えいたしましたように、五十年度までは低下傾向でございましたが、それ以後、再び増加傾向にあるということでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大変増加傾向にあるということをお認めの上で報告ございました。特に五十三年度は年度途中ですけれども、四、五、六の三ヵ月間で三十四件というふうなことでございますから、この中でこの紛議の申し出件数、これが実態であって、そのほかいろいろとお困りの方がほかにも多いのじゃないかと思うわけなんですけれども、その点では、すでに農林水産省の方に昨年十一月結成されました商取り関係で泣かされている被害者の会、その被害者の会の会長である平本さんという方からの全国から寄せられた訴えですね、ことしに入って二月ごろで何件ぐらい訴えの資料が届いているのでしょう。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) ことしの三月まででございますが、百四十名の方からの申し出があったというふうに聞いております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ということは、農林水産省がいわゆる紛議申し出というかっこうでつかんでいた数字と大変違うわけですね。その辺の問題は何だとお感じでしょうか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 商品取引所に申し出かないものも含まれておると存じますが、ことしの三月までで、その前にさかのぼってからの時点を合計したものというふうに理解しておりますので、私が先ほどお答えした件数と、いまの百四十名の方からの申し出とがどのように符合するのか、その辺は定かではないというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いまの答弁、ちょっと問題だと思います。現に、被害者の会の方から百四十名についての申し出があるんです。その差がどうしてなのかということについての原因が定かでないなんていうことは、所管である農林水産省がそういったことについての認識を非常にはぐらかしている、これほど社会的な問題であるにもかかわらず。その問題についてのしっかりした認識を改めていただきたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 私が先ほどお答え申し上げましたのは、取引所に申し出があった件数でございまして、取引所までに申し出がないいわゆる紛議が、先ほどお答えいたしました件数以外にあるということであろうというふうに考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最初からそうならわかるんです。農林水産省でつかんでいるのは、取引所に紛議として正式に出されたものだ、しかしそのほかの人たちは、そういう申し出手続だとかなんかもとれないままに泣きに泣いていたんだと。会ができて、その多くの人たち、被害者が、それはということで、いま会長の平本さんを通じて農林水産省に届いたという経過だと思う。ですから、その違いが定かでないなんていう御認識は私は問題だということで指摘をしたわけです。それで、農林水産省がつかんでいたさっきの紛議実績が決してこれだけじゃないんだという実例もいま言ったわけですけれども、具体的な例でお話ししたいわけです。  これは、いまある会社と現に双方で、当事者間でいま示談が進んでいる途中なんですよ。言ってみれば、取引所にも上がってこない、もちろん正式の調停にも入らないケースですね、当事者同士の示談ですから。それが進行中でございますので、あえて会社名、個人名は控えておきます。しかし、こういうかっこうで勧誘がされ、問題が起きているんだという例でございます。  昨年の二月、福島県のAさんという方です。これは部落じゅうに電話がかかってきた。そのとき、そのAさんも電話を聞いている。その二月では断ったんです。三月、雪の深いある日、もう仕事もできないでうちで休んでいたら、また電話がかかってきた。大変話が専門的に及んでいる。たとえば、ゴムの話なんです。どういう点で専門的かと言うと、世界的な経済相場から説明しているんですね。原油価格が一五%ことしじゅうに値上げになる、ゴムの原産国では生産調整をしていると、だからこれからゴムが足りなくなるから値が上がる。いま買っておくともうかるよという話なんです。それで、いままでそんなこと全然聞いたことはないけれども、それじゃとついつい話に乗って、最初三百万で契約した。最高はどこまで出せるということで、まあ家を改良した途中であったりいろいろあるわけですが、三百万を持っていったわけですね、翌日。そうしたら、いや五百万やったらいいと。帰って、また農協から借りたんです。そして、あと二百万持っていって五百万にしたら、いや、いま一番もうけどきだ、一千万にしたらいいということで、今度また農協から三百万借りて、きょうだいから二百万借りて、一千万ぽんと……。最初から、ですから一千万のゴムの相場、商品を買ったわけです。こういうことです。  さあ、そしてゴムが一たん上がりました。ところが、一ヵ月もたたないうちに損しちゃった。二百三十万損した。いや、これはどうも見込み違いだと、ゴムは問題だから、荒っぽいけれど大豆に切りかえようじゃないかと言って、残りの七百七十万を今度はばんと大豆にかえた。同時に、乾繭、粗糖と、一斉に始まった。その間に、もう心配したけれどもどんどん下がっていく。それでどうなんだ、どうなんだと言っているうちに、追い証といいまして、もう次のお金を入れなかったらばだめになっちゃうよという話になって、夢中でもって部落じゅうから借り集めたお金が二千五百万です。そして、とうとう手元に残ったのはたった五十万、全部だめになっちゃった。二千五百万は部落じゅうからどうやって借りたかというと、親戚の者が交通事故になったと。で、三、四十日たったら入るからと言って借りたわけですが、入らないわけです。大変な問題になって、部落じゅうから大変たたかれた。そこで農協の副組合長が中に入った、農協でも五百万貸しているわけですから。たたいたって物は取り返せないと、返済計画を立てようじゃないか。  そして、どういう返済計画を立てたかというと、個人に対しては利子は後回し、元金から払っていこうということで一年間に二百二十七万円、農協に対しては利子を据え置くというわけにはいかないから、一年に六十五万ずつ払うという返済計画を立てた。どのくらいかかりますかと言ったら、三十年かかると言うんです。それでも払えるんですかって聞いてみたら、たばこ三十アールで粗収入が百二十万しか入らない、養蚕五百キログラムで百万だと、お米はといったら、大体六十万程度にしかならない。粗収入で二百八十万にしかならない。どうやって返すんですかと言ったら、娘が農協で一ヵ月八万円、御自分は夜十時から朝の五時まで働いて、そこで何とか十万円もらって帰る。毎晩もうほとんど寝てないような状況が続いてきた。周りでどうなるか、そのまま死んじゃうよと。死んじゃったら大変だということで、もし死んでも後で保障がつくようにということで、今度は家族や周りの親威の人も含めて、おまえ、一千万の生命保険に入れという話になった。なぜならば、十年前に同じような形で亡くなっちゃったという例があるというんです。これが手口なんです。  こういうことがやられているということについて、大臣、これは何としてでもそれなりの行政措置を見直ししなければならないと思うわけなんですが、いかがでしょう。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 御指摘の点まことにもっともなことだと思いますし、今日までも指導してまいりましたが、今後も一層指導を徹底してそういうことのないように措置したいと、こう思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 基本的には指導しますという大臣のお言葉でしたから、具体的な指導をするに当たって、その具体的な指導のことについて以下お尋ねしたいんです。  まず最初に、新規委託者の保護、言ってみればいまのように全然わからないような人もどんと大口で加入してしまって、次々借金を強いられてどうにもならないというふうなことを抑えていくために、昭和四十九年四月十七日、産業構造審議会の答申で確認されていること。すなわち、商品取引に参加する人は一般素人はいけないということで、その基本となる十分なる資金と、十分なる商取りに関係する知識を持っている者という、このことについての考えは変わってないと思うんですが、念のために。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 基本的な考え方は、そのとおりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ここの中での一つの問題なんですけれども、それでは十分なる資金とは何を称して言うかということなんです。最近、実は農村において役場職員、学校の先生、公民館長、こういつた人たちがたくさんねらわれてきています。もう農協の職員であろうと、新聞社であろうと、無差別に電話がかかってくる。それじゃ、十分なる資金とは何を称して言うかということで、農地を持っていながら働いている人たちというのは大変ねらわれている。こういうのが一つの大きな問題になっております。で、その事例は、たとえば長いこと農協の組合長を務めていた勲五等の叙勲までいただいたというような人まで、実は農地を担保にしてすっかり取られてしまったという例等もあるのです。  それで、こういうことで十分なる資金というのは、いわゆる農地を持っているからということでこれは資金とはみなされない。農地を担保にして借金するという、その行為は十分なる資金とはみなされない、こう思うのですが、その確認を。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) やはり十分な資金と申しますのは、自己資金を中心に考えるべきであって、借入金に依存するというもの、たとえば農地をもってそれを担保で金を借りて商品取引に入るというのは、十分な資金を持っておるというふうには考えられないと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 全く私どももそう思います。ところが、実態はそうじゃない。被害が相次いでいるということですね。  次に確認したいことは、これは申すまでもないのですが、念のために確認いたします。商品取引所法の第九十四条には、「(不当な勧誘等の禁止)」ということがありますね。これは細かくは申し述べませんけれども、必ずもうかるよなどということでやっちゃいけない、それから売買を一任しちゃいけない、無断売買はよくない、こういうことが主な事項になっているかと思います。で、さらにこの法律を受けて施行規則もあると思いますが、法律でこうして禁止しているのとあわせまして、同時に、会員の相互の連絡会である全国商品取引所連合会、略して全商連、この会が昭和四十八年に、みずからが、言ってみれば「商品取引員の受託業務に関する取引所指示事項について」ということで、禁止事項を十二項目挙げていると思うのです。御存じだと思いますが、読んでいただけませんか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 十二項目について申し上げますが、第一は、無差別の電話勧誘の禁止。第二は、経済力のない客等に対する勧誘をしない。第三は、「(見込客の訪問制限)」、「見込客」と申しますのは、十分事前にその人がやるかどうか確認されない、お客になる見込みという見当をつけて、それに対する訪問を早朝または深夜等に行う、これを禁止をする。それから第四は、「(投機性等の説明)」でございますか、先ほどの断定的な判断と関連いたしますが、投資であるとか利子であるとか配当等の言葉を用いて、投機的要素の少ない取引であることを錯覚させるようなことをしてはならない。それから委託追い証拠金があるのだぞということを説明しないで勧誘を行うということ。これが、投機性等の説明についての禁止事項であります。  第五番目は、融資のあっせんを行うことについてこれをしてはならない。第六が、「(一口制の勧誘)」、いわゆる売買単位を明示しないで、一口と称してそれが取引の最低単位であるかのごとく説明をするということで、大口の取引を勧誘するということをしてはならない。第七は、無意味な反復売買をしてはならない。いわゆる転がしの禁止であります。第八は、過当な売買取引の要求をしてはならない。第九は、不当な増し建て玉をするようにしむけてはいけない。第十は、「(両建玉)」と申しまして、同一商品、同一限月について売り買いを同時、あるいは時期を接近してやるということはしてはならない。それから第十一が、外務類似行為を外務員以外の者が社内研修中ということでしてはならない。それから第十二が、「(協定事項の違反行為)」でございまして、商品取引員またはその使用人が、全国商品取引員協会連合会というのがございますが、その定めた協定事項に違反してはならない。  以上が十二項目でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、以下私が読みます方については、当然これはやっちゃいけないことを無数にやられていますから、私が読んだ後で、ぜひこの方の問題解決のために、農林水産省、所管が誠意を持って解決に当たっていただきたいということを前置きして、お手紙を読ませていただきます。これは実は、十月十日付で共産党の商工委員であります衆議院の工藤議員のところに来たお手紙です。手紙を出された方は、佐賀県神埼郡神埼町大字的 佐野さんという方なんです。以下、重要なところだけお読みします。   〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕  私は、五十一年の二月双葉商事の勧誘を受けた者でございます。四ヵ月の間に、四百五十万円の大金を取られてしまいました。主人を亡くし、てんかんの子供を抱えた私は、病院で十五年の間、保清婦業をして、一生懸命働いた血と汗と涙の結晶です。私も早や六十一才の年にて、退職の勧告も再三受けて居りますので、一生を託した掛け替えのないお金でございます。本当にばかな者とお笑いでせう。私も自分の愚かしさに言い尽くされない腹立ちで一ぱいでございます。駐在所でも仕方がないですネと取り上げて下さいません。半ば諦めて居りましたが、冷静に考えますと、これは大きな詐欺としか考へられません。  商品取引所、其の間の双葉商事会社の店長、主任と経営している人が悪いと思います。農林省の肩書きを楯に証券と言う大きな名前の隠れ簑を着た詐欺師です。巧妙な手口、非常に巧みな言葉で人を誘い込み、後では人をおどし、何ケ月の間に莫大な金を取り上げ、商品取引として当り前の事と大きな顔をして一流の背広を着、外車を乗り廻してゆうゆうと世の中を渡って行く、これで良いでせうか。田舎者は騙しやすいと巧妙な言葉で今もどれだけの人々が私の様な目に遭って泣いていられるか、そう思いますと、やはり黙ってはいられない、腹立ちで一ぱいでございます。  最初勧誘にこられた時は、夕方六時より十一時迄ねばられ、自分は何十年もの経験がある、決して損はさせないから安心してついてきて下さいと、商品取引の相場は上っても下っても損はしない方法が有る、自分が良くアドバイスをするからと言はれ、又、十人の内九人迄は素人の人ばかりで、神埼でも幾千万円と儲けさせた一人もいる、安心してやってごらんなさいと、非常に巧みな弁舌に私はすっかり巻き込まれ、信用しきって、言はれるままに、七月切りの五十枚二百五十万円の契約書を作ってしまわれました。  私は、元金は、十万か、二十万くらいだろうと思って居りましたので、二百五十万と云はれた時は、本当にびっくりしました。それで五十枚でなく十枚か二十枚ではいけないだろうかと申しますと、皆さん百枚か二百枚で五十枚は最低ですよと言はれました。それから取引委託のしおりを渡され説明なさいましたが、少しも解りませんでした。ただ勧誘にこられた人を信用して契約してしまいました。  それからは無断売買と等しく、月一回の報告が有るのみでした。三月五十万円の臨時増証拠金を請求され、又、五月五十万円の臨時増を請求されました。私は暫くほっておきましたところ、早く入れないと、元金が無くなりますよ、と云はれ驚いて送りました。  色々と悪い噂を聞き恐ろしく成りましたので、四月には止めたい旨を申しましたところ、昔は色々な事も有りましたが、今は農林省の認定も受けているし悪い巡査も居れば良い巡査も居る様に、私の会社は決して其の様な事は有りませんから安心してついて来て下さい、七月迄はやる様にと言はれ、両立が良いからと、両立にして、やめられない様に持って行かれました。   〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕  以下ずうっと続きますけれども、その間一たんやめているんですけれども、また来ていろいろというようなかっこうでやられているわけです。私はここで時間もないんで簡単にこちらから言いますが、これはやっていけないことをやっています。次々に。第一に、障害児を抱えた未亡人で、いわゆる新規取引不適格者です。最初から誘っちゃいけない人です。それを誘っているんですから、一〇〇%これは戻すべきだと思います。それから母子家庭でもあります。間もなく退職になって、年金生活者になるでしょう。第二番目、過当な勧誘に相当する六時から夜の十一時過ぎまで母子家庭の家に座り込んで説明をする。問題です。三番目、安心して任せなさいというかっこうで利益保証をしています。四番目、最初五十枚だと言っていますが、十枚か二十枚かにできないかと言っているのに、それを受け付けていません。五番目、月一回だけの報告、無断売買にも等しいと思います。六番には、追い証の説明もしてない。そして、七番目に両建てやっている。どれから見たって、やっちゃいけないこと、いま読んでいただいた十二項目の中で、重点的なことをみんなやっているわけです。この点について十分なる調査をし、一〇〇%返されるように手だてをとっていただきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) ただいまお話しのことにつきましては、その事実がどのようになっておるか、またその解決につきましては、商品取引所自体の機能といたしまして、紛議の問題について調停をするということがございますので、商品取引所のまず機能を十分発揮させるように私ども指導をしてまいるというふうに考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 取引所の指導だけでは解決しません。行政指導でしっかりやると大臣もさっき言っているわけです。これだけはっきり禁止事項をやられているんですから、取引所に任せるではなくって、農林水産省が責任を持って調査もし、取引所と連絡をとって解決するという御答弁をいただきたいと思います。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) このような委託者紛議の発生については、私どもは行政的立場といたしましてそのような事案が発生しないようにすることがまず第一。紛議が発生した場合におきましては、会員組織である商品取引所においてその解決を図るということを基本的なたてまえにいたしておるわけでございまして、しかし、具体的な事案について農林水産省にもお話はございます。そういう事案につきましては、取引所あるいは取引員に連絡をいたしまして、その解決について公正妥当な処理をするように指示をいたしておるところでございます。  本件につきましての具体的な事実の確認が必要となると思いますけれども、そのような事実の確認につきましては、やはり専門的な立場も必要でございますので、いま申し上げましたような具体的な事案としてお持ち込みがございますれば、関係取引所の方にその事案の処理をするよう指示をし、また、その報告を求めるということにいたしたいと考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 問題でしょう。いま持ち込んでいるんです。すでに被害者の会からも、百四十名の方も行っているわけです。持ち込めばではないんです。持ち込んでいるんです。ですから、きちんとおやりなさいということなんです。  それから専門的な知識云々と言いますが、一番農林水産省が、行政指導なんですから専門的な知識をお持ちなのは農林水産省でしょう。それをあたかも取引所みたいなかっこうで言われていて、どうしてりっぱな行政指導をなさることができますか。そこに私は、行政指導をきちんとやると言っておりながらやれない農林水産省の姿勢、問題があると思うんです。担当者として、そういう点は改めるべきだと思います。  特に、この農林水産省の行政指導が強化されなければだめなんだということで、ちょっとお話ししたいんですけれども、実はこの紛議についてのやり方には、双方の示談と事務局あっせんと、それから正式な調停に持ち込むのと、一般的に三つのやり方があるわけですけれども、今後は双方の示談はなくしていこうという中でもって、事務局あっせんか、あるいは調停かと、こう言われているわけです。  ところが、その事務局あっせんそのものについても、つい四、五日前に私、取り扱った例なんです。福島のBさんの例ですが、事務局あっせんを頼みました。あっせんのところに顔を出したのは、事務局から二名、会社側五名、紛議申し立てしたのは一人、この五対一の中で話をやられる。どうしてきちんとした話が成り立ちますか。  しかも、借金で始まったことを知っているだろうと、こう言ったら、セールスマンは知っていたかもしれないけれども本社は知らなかったよと、こうくるんです。二、三倍もうかるよという話をしたじゃないかとこう言うと、いまどきそんなもうかる話があるか、大体そういう話に乗ったあんたが悪いよと、こう言われる。それから、客を勧誘しようというときに、もうかるかと言われてもうからないと言う人があるかと、こう言うわけです。それから、売りから始めて、売りなんということを知らなかったというふうに、こう言ったら、わからなくてもとにかく商品取引やるよと言って契約書に判を押したのはあんたじゃないか、こうやられる。追い証の説明なかった、こう言うと、これもあなたはしかし契約をしている。で、六月に手じまいしたいと言ったときに云々なんというかっこうで、全部かぶせられてしまうんです。しかも、事務局の人は何と言っていると思いますか。得すれば知らぬ顔だけれども損すれば文句を言ってくる、あなたが損しているということは、もうかっている人がいるんですよと言う。  このもうかっている人がだれかという話は最後にしますけれども、だから、いろいろ聞いてみると会社にも落ち度があるだろう、じゃ謝らせるか、こういう話。いや謝らせるんじゃない、金もらわなきゃ困る。幾ら欲しい、八百万は欲しい。八百万なんて会社は出せっこないよ、そうしたいろいろ話があって、せいぜい百十五万だな、こう言うわけです。たまたま私が相談を受けていましたから、どんなになっているかなということで途中で電話を入れていたんですよ。そうしましたら、その後、じゃ、もう一回おれの顔で泣きついてみるかと言って出て、戻ってきた、目を手でやりながら。いや泣きついて二百万まで出させた、これで決着つけようじゃないかと言う。こんな事務局あっせんありますか。何が基準です。農林水産省、こういう場合どういう指導をするんですか。指導するといったって指導できないでしょう。  ですから、私はここで具体的な提案を二つしたいわけですが、一つは、農林水産省に、さっきおっしゃったように、それは取引所ですよと言うんじゃなくて相談窓口を設けてください、これが一点です。二つ目に、クーリング・オフといって、契約した後の冷却期間とでも言いますか、訪問販売等に関する法律第六条なんかでは一定のこういう決めもされているわけで、契約してから一週間ないしは十日間ぐらい、実際に売買が始まるまでの間に、考えられるそういう期間を設けていただけないかという点です。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 紛議の処理につきましては、先ほど申し上げましたように、取引所自体であっせん、調停をするということで現在実施をいたしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 できるかできないかだけでよろしいです。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) それで、農林水産省が窓口を設けるということになりますと、この個別事案につきまして行政庁が最終的な責任を負うということが期待されまして、取引所のあっせん、調停の内容まで行政が介入をするということになりますと、取引所によるあっせん、調停の仕組み自体を否定することにつながる、これは商品取引制度自体のあり方として基本的に考えなければならない問題であろうと考えます。  ただ、具体的な事案としてお話がございましたので、それらの関連を考えながら検討すべき問題というふうに考えております。  それから、クーリング・オフのお話でございますが、これは訪問販売あるいはマルチ販売におきまず現物の取引におきます……

下田京子日本共産党

○下田京子君 説明を求めているんじゃないんです。できるかできないかです。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 下田さん、勝手な発言はやめてください。答弁者の方も、答弁は簡潔にしてください。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 商品取引は、御承知のように日々刻々価格は変わるわけでございます。したがって、一定の期間解約権を留保するというクーリング・オフの制度はなじみにくいと考えます。要は、新規委託者が十分知識を持って入る、事前に十分説明をするということで対処すべきものというふうに考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いま委員長から私、注意を受けましたが、答弁者は質問していることに的確に答えてください。  いまの御答弁ですけれども、最初の農林水産省が窓口を置くことについては、行政介入ということでまあ心配はあるけれども検討してみるというふうな向きのことととらえたいと思うんですが、クーリング・オフはちょっとむずかしいと言われました。  ここで、ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、行政指導ということについて、いろいろ実際に問題が起きたらばそれはもう取引所だよ、問題が起きないようにするについても一応いろいろやっているんだからと言いますけれども、具体的にどういう形でいま私が提案したことも含めてお考えいただけるでしょうか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 個々の問題について扱えと言われても、行政庁はそこまではできないのがこれは筋だと存じます。相手ももうけようと思ってやったことであって、それがまずかったからということで一々そういうことはできません。しかし、そういうことが、不当なことが行われるという仕組みはいけませんから、そういう仕組みがないように徹底もしますし、あるいはまた、そういう紛争が起きた場合取り次ぐくらいのことはいたしますし、そしてまた、制度が悪ければ改めなければならぬし、あるいはまた、やり方が悪ければ指導監督をする、こういうことで対処し適正な方向に持っていきたいと存じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 もうかるつもりでということなんですけれども、実は商品取引というのは、私が言うまでもなく、売りが百だったら買いが百なければならないわけですね。売り百に買い三十しかなかったら、あとの七十をどこからか持ってこなければならない。そこで大衆玉と言われる一般投機家、素人も含めたそういう人たちがそこに入れられるわけですよ。そこに当たっては、たとえば商品取引員ですね、会社、ここは手数料と、それから自己玉と言って全体取扱高の一〇%、百枚以内で利益を上げているわけですが、問題になっているのはダミーといういわゆる替え玉問題ですね、こういうこともあるわけなんです。ですから、そういうところまでしっかりとメスを入れて、農林水産省が指導してほしいと言うんです。  特に、五十五年度一月十三日付でもって更新時期が切れると思いますね。それまでに、こうした全国の二百十一社の会社のそれぞれの更新を審査するいま時期だと思うんです。すでにこういう審査の過程で、これは「商取ニュース」等にも出ておりますけれども、農林水産省が四社を処分したということで、たとえばBIC通商、西興通商、富士商品、オリエント貿易、こういったところが出ています。しかし、今後とも、さっき言ったようないろいろな問題があるところは、大臣、大いにこういう形で処分もすべきです。それからまた、本当に注意をしても聞かない、社会的に見ても問題だ、同時に、商品取引そのものの機能も逸脱してきているということがはっきりわかるような会社に対しては、更新をすべきでないというふうな立場で厳正に臨んでいただけるかどうか。  特に最後につけ足したいのは、これは十月十一日付の夕刊読売でございますけれども、公的な取引の場である証券取引ですね。証券取引であっても、これはヂーゼル機器株の銘柄なんですけれども、ピンクのライトがつくようになったと言うんです。すなわち、ピンクのライトがつくということは、これは買い占められている株ですよ、銘柄ですよというかっこうなんだそうです。そうすると、一般投機家は注意をしてそこには手を出さないというかっこうになるわけです。これで具体的に名指しをされたのは、例の笹川良一氏の三男である笹川陽平氏がやっている日本トーターというところだそうですけれども、こういうかっこうで証券取引においてもお互いにこういうことがやられるようになっているわけですから、厳正なる厳しい態度でもって臨まれるように、そして同時に、農協であるとか、それぞれのところにはこういった問題等が起きないようにという、場合によっては通達と話し合いも私はすべきでないか、こう思うんですが、その決意のほどを最後にお聞かせください。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 個々の案件についてシロ、クロの認定はできませんが、そういった誤ったことを注意しても聞かないというようなことがあれば、仕組みのできる範囲内において取引を停止するというようなことは当然しなきゃならないと思いますし、またそういうことが通例になって社会悪であるというならば、先ほど局長も当初申し上げたように、この仕組みの存立にまでいくぐらいの気持ちでこの問題には対処したい、こう思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大まかな大臣の姿勢みたいなのは出たわけですが、再度私からの要望ですが、個々の問題についても、さっきの確認で、それは時と場合によって相談にも乗るしというかっこうで対処していただきたい。それから、根本的な仕組みそのものについても別の機会にまた論じなければならないと思いますし、考えていただきたいということを要望いたしまして、この商取り関係の質問は終わりたいと思います。  次に宅地並み課税問題で御質問いたします。  自治省おいででしょうか。——自治省にお尋ねいたしますけれども、昭和四十四年の都市計画法が制定されて以来、いろいろと税問題について議論されてまいりました。そして、昭和五十一年度の税制改正のときに、A農地、B農地等についての減額措置等、これはことしで切れるというふうな話になっていたかと思うんですが、とすれば、来年度はこのことについてどういうふうにおやりになるつもりなのか。

渡辺功自治省税務局固定資産税課長

○説明員(渡辺功君) ただいま御指摘ありましたように、市街化区域農地に対する課税の制度につきましては、四十八年から負担調整でだんだんふやしてくると、負担調整しながら税負担を求めるという姿でやってきております。それとあわせまして、五十一年から五十三年度までの固定資産税につきましては、この農地につきましては減額措置ということが行われるということが、そういう道が条例によってとられることができるという、そういう道を開いているし、法律上そういう制度になっております。これは、したがいまして、五十三年度で切れるわけでございますが、ただいまのところ法律的には五十三年度で切れれば、評価額によって課税するという本来の姿に戻るということになります。  ただ、御指摘のように、市街化区域農地に対する課税の問題は、全体としての土地税制全般の問題でもありますので、この問題も含めまして関係各省庁の御意見も十分承りながら、今後検討する課題の中にこれまた入っておる、これが現状でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 自治省は検討課題であって、まだ態度を明らかにしていないということです。  大臣にお尋ねしたいのですけれども、仮に来年その減額措置が切れたといたしますと、これは全国で平均して、三大都市圏の場合ですが、固定資産税あるいは都市計画税含めて一〇%アップと見た場合、これが合わせて二十六万円になるんです。A農地で平均しまして、十アール当たりです。十アール当たり二十六万円の税になる。そうすると、二十六万円の税金を払うために一体何をつくったらいいのかというかっこうになるわけなんですよ。東京国税局の神奈川県の農業所得標準額、五十二年度のあれですけれども、見てみますと、水田で十アール当たり七万七千二百四十六円しか収益がない。普通畑は十万四千三十九円、それから野菜畑で二十万一千六百八十六円、どれをつくっても税金を支払うこともできないということになります。  問題は、そういう形でもって税が払えない、一体何をつくったらいいんだろうかというふうなのが農家の皆さんの声なんです。言ってみれば、土地を売ったとき所得が入って、それでお金を払うのがいやだと言っているんじゃないんです。農業を続けていきたいと。なのに、そこにずばっといわゆる宅地並み課税がかけられてしまったら、農業を続けたいというのに税金も払えないようなかっこうになるんじゃないか。どうするんだ、何をつくればいいんだということなんです。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 宅地並み課税については、御承知のように、一般市民の宅地の供給を図ろうと、そのために市街化を促進しようという、言ってみれば追い出し税的な意味も含めて仕組まれた四十八年にできた制度でございます。したがって、高いということもありますが、逆にまた、安い税金で農地だということで税額を逃れて、そしていいメリットだけを取ろうという面もあるというところから、現実市街化できそうなところについては御協力願うという仕組みでやっておりますが、来年一体どうするか、いま自治省とも相談中でございますが、市街化の進行状況あるいは農家の方が本当に農業をやりたいというものを追い出すというのも、これもまたいかかかと思いますので、その辺は線引きの見直しを含め、実態に合うように対処したい。  御指摘の点よくわかりますので、頭を痛めて、宅地化もしなきゃならない、農業も守らなければいけない。われわれとしては農業を守る立場ではありますが、全体としては宅地も促進しなければいけない。そこでどういうこれまた線引きといいますか、調整を図るか、苦慮いたしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 宅地供給のための追い出し税である、こうはっきり認められている。宅地の問題も考えなければならないけれども、農林水産省としては農地をどう守っていくかということで頭を痛めていると。で、大いに頭を痛めていただきたいわけですが、その際に大事な問題は、言ってみれば、都市農業の重要性についてどれほど御認識するかということだと思うんです。  私が申すまでもないと思うんですけれども、これは三大都市圏の農業の傾向について農林水産省から資料をいただきました。その結果によりますと、これは市街化区域内の野菜の作付面積約六万四千ヘクタールで、全体の一割になっている。それから花卉の作付面積が約二割。それから家畜等の状況か、たとえば乳用牛だと全体の五%、等が一割というふうな全国的なものはいただきました。ですが、さらに具体的に首都圏と言われるところを見てみたいと思うんですが、東京の場合ですと、野菜の供給割合が全体の約一一%、そして都民が全体一千百六十万人のうち百二十五万人分に相当するわけです。同時に、これら都内の農業がなくなった場合に野菜は二、三割高になるだろうと、こう言われています。それから神奈川県の例で見てみますと、野菜が四六%、鶏卵三六%等というかっこうで、三、四割がその県内で生産される。それから大阪の場合には大体二割、それから特産的なかっこうで言えば、京都の宇治茶だとか、名古屋コーチンだとか、こういうのがあるわけですね。  こういうふうなかっこうで、都市農業の重要性というものをもう一度ここで見直してみる必要があるんではないか。とすれば、より都市農業を発展させていくという立場からの積極的な施策を考えられる必要が、いま一方では迫られているんではないだろうか。この点、大臣いかがですか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 市街化区域内における農業が果たしている役割りも大きい、これはもう事実だろうと思います。しかし、土地を求めたいというのも、これまたそれ以上に大きな要請である。そこで、市街化の状況その他も勘案して、しかるべき線だということで四十八年に仕組まれて線引きが行われたのです。したがって、線引きの中に入っております地域は、そういった農産物の供給よりは、むしろ十年をめどに宅地化される方が社会的、国家的に必要だということで線引きをされておるわけですが、地域地域によっては情勢が変わっておった、あるいは間違っておったというようなことで、五年ごとに線引きは見直すということになっておりますから、もしそういったことで農業として利用するのが妥当であるという判断が出ますれば、これは町村長さんや知事さんや皆さんの意向を聞きながら変更することもやぶさかではない、こういうことで対処するわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 地域によっていろいろと実情が違うから、そこを調査してみて意見を聞こうという姿勢は、私どももそれはもうぜひやってほしい。ただ、だからといって、線引きで見直しして相も変わらず宅地並み課税というものが是認されるということについては私は問題があるという点で、次の点での矛盾点を指摘したいわけなんです。  第一の矛盾点は、水田転作がらみでいままではたとえばいろいろと一定の短期間のあれはありましたね、施策というものはやったと思うんですが、長期的には見なかったという、そういうのがあると思います。しかし、いろいろと転作がらみでは灌漑排水の整備もやるようになったし、それから近代化資金の融通なんかでも運用の緩和がされているだろうし、こういうかっこうで、もう当然宅地並み課税と矛盾するようなことがやられているというのが一点。  それからもう一つは、税の関係から見ても、相続税の問題ですね、これは二十年農業を続けていくというふうなかっこうの方には納付の猶予があるわけですね。ですから、もしこの宅地並み課税がかけられるなんていうようなかっこうになった場合には、大変なことになるわけですよ。こういう幾つかの矛盾が現にあるということ。  それから、いま時間だということなので、同時に後継青年の皆さん方ですね、農業を続けたいと、こう言ってきているわけです。そういう意向を持っている皆さんの意思を無視して、宅地並み課税というものをかけられるということについては、やっぱり問題があると。これは根本的に宅地並み課税を撤廃する方向で考えていただきたいということを、お願いしたいと思います。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) これは国会の議を経て市街化あるいは宅地化が必要だということでできた仕組みであって、仕組みは私は間違っておるとは思わないのです。ですから、これは撤廃するわけにはまいりません。しかし、いまも御指摘があったように、農業を長期的にやりたいと、少なくとも私は、十年やりたいというようなことの農家の人に追い出し税的なものをかけるのは問題があると。そこで、緩和措置としてそういったものをどう救済するか頭を痛めておるというのが、まさにその点をどう救うか、制度をなくすということではなくて、制度の中でどう救うことができるかということをいま考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 残念ですけれども、終わります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、沖繩県と鹿児島県の共通の問題でありますサトウキビの価格決定について、きのうの決算委員会で農林水産省に質疑をいたしたわけですが、時間が短い関係上、大事な点を取りこぼしてありますので、その点を中心にまずお尋ねしたいと思います。  お尋ねしたい第一点は、昭和五十二年度のサトウキビの生産費は幾らになるか、このことをまずお尋ねしたいと思います。

柳井昭司農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(柳井昭司君) 五十二年産のサトウキビの生産費でございますが、十アール当たりの生産費は十四万四千二十四円ということで、前年に比較いたしまして七・三%のアップ、それから一トン当たりの生産費にいたしますと一万九千百十二円ということで、これは九六・二ということで三・八%ダウンしておりますが、これは十アール当たりの収量が、前年に比較いたしまして、前年が七千百四十キロでございますが、七千五百三十六キロ、こういうことで約一二%増加したと、こういうことでございます。その結果、一年当たりの家族労働報酬といたしましては……

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それでいいです。で、生産費は一万九千百十二円ですね。それじゃ価格はもう結論が出ましたですか。あるいはいつ出るんですか、価格は幾らですか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) サトウキビの五十二年度の最低生産者価格は、トン当たり一万六千二百八十円……

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いや、五十三年度を聞いておるんです。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 五十三年度でございますか。五十三年度の価格につきましては、これから今月の下旬に決定するところでございまして、まだ決定を見ておりません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの時点では、公表はいたしかねるということはお察しできるわけです。ところが、いままでの年度の経過からしますと、生産費と価格に大きなずれがある。ずれがあるということは、生産費以下に価格が抑えられてきたというのが実情であります。五十一年度で押さえますと、この表によりますと、価格が一万七千百円に対して生産費が一万九千八百六十九円、マイナス二千七百六十九円、こういう数字が出ておりますが、百歩譲って、少なくとも生産費を上回ることが当然であって、下回ってはいけないと思うが、どうですか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) サトウキビの生産費につきましては、毎年の収量及びその生産に要した経費が変動をいたします。そこで、他の価格の場合も同様でございますが、単年度の収量、生産費だけでこれを見るということは必ずしも適切ではない。そこで、サトウキビにつきましては、非常に年度間の振れがある。また、生産者の経営内容につきましても技術条件等からの差異があるということで、生産費をもとにして価格を決定するということは必ずしも適切ではない。そこで、御承知のようにパリティ方式で算定をいたしておるのでございます。したがって、生産費と価格とをその年の生産費だけをもって直接にそれを比較するというのは、必ずしも適切ではないというふうに考えます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いや、お立場上どう弁解されようが、説明されようが、少なくとも生産費の差額は補償すべきである、これが私は当然だと思うんですが、それは間違っていますか。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 法律の仕組みが、パリティをベースにして、そして再生産が確保されるようにと、こういうことが書いてあるわけでございます。したがって、生産費を補償する仕組みにはなっていないわけなんです。生産費も再生産を確保する一つの条項ではありますが、すべてではないということで、あらゆる農産物についていろいろありますが、生産費を上回るものもあるし下回るものもあるというような中に仕組まれておりますので、これだけを生産費を償うものに決めろと言われましても、法律の趣旨からいって、はい、そうですかとはなかなか言えない仕組みであることを申し上げておかねばなりません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃお聞きしますが、推定生産費の計算方法はどのようにして出されるのですか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 価格決定に当たりまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたようなパリティ方式でございますので、推定生産費がどのようになるかということについては、これを公式に決めるということはいたしておりません。推定生産費というのは公式に計算はいたしておりませんが、毎年の生産費を基礎にいたしまして、それで、過去にさかのぼりましてそれを物価修正をするということで推定をするということをやっております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 物価指数だけではないと思いますけれども、いつも問題になっております労働時間ですね、その労働時間の評価が一番大きなウエートを占めておると私は判断しておりますが、その労働時間の中で、収獲の占める割合が五六・二%を占めていますね。五六・二%、五十一年度。そうしますと、問題がここにあるということがはっきりいたしますならば、当然きのうもこれは申し上げたつもりですが、結局、機械化の問題、収獲機械の開発研究、どのようにそこをカバーする具体的な政府の計画、態度を持っておられるか、これをお聞きしたい。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) サトウキビの収穫期の機械開発の関係のお尋ねでございますが、収穫機械のうちまず小型の方でございますけれども、これは当然歩行型になるわけですが、これにつきましては四十二年以降機械化研究所の方で開発研究が進められまして、これはもうすでに実用化されておりますし、相当の台数が導入されております。そこで、その次には歩行型ではなしに、今度は乗用型という要請がございますので、この乗用型のいわゆる中型機械といいますか、これにつきまして四十七年度から四十九年度まで一応三年間、国からの委託費で機械化研究所で開発試作をやったわけでございます。大体これは完成をいたしまして、一部地域にも入れてございます。  問題は、入れました際に、現地におきまして一応刈り取りは進むと。しかしその際に、刈り取ったものがうまく結束されるとか、あるいは結束しやすいように束ねて刈り取られるようにしてもらいたいとか、いろんなそれぞれの現地におきましての希望といいますか、そういう要請がございます。その面につきましては、さらにそういうものに対応するような改良といいますか、そういう面をやっていく必要があろうということで、この面につきましても機械化研究所の方に研究を急いでやるようにということで、いろいろいまやらしておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 具体的にこの年次計画をどのようにどう進めていくという、そういう具体案を持っておられますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) この開発の関係の方の面につきましての年次計画というお尋ねでございますが、この面につきましては、ただいまも申し上げましたように、一応機械そのものはほぼ完成ということで、これも導入を現地にしておるわけでございます。現地に入れた場合に、それがいろんな地域的な条件その他で現地適応といいますか、そういう面でいろいろ農家の方からの要請なり、こうしてもらった方がさらに使いやすいとかという話があるわけでございますので、その面については改良といいますか、手直しをしていきたいということで、これはなるべく早くそういう面にも対応できるように研究を進めるということで、機械化研究所を督励をしておるということでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 まだ抽象論の域を脱せぬような気がいたしますが、パリティの前提にはどうしても基盤整備を強化拡充して、そうして生産性を向上さして、サトウキビを質量ともに増産するという、こういう前提でなければいけない。そういう面から、特に沖繩の現状あるいは奄美の現状をこの機械化と結びつけて考えた場合に、どうしてもまだまだ乗っかからない隘路がいっぱいあるわけです。このことをひとつ特に、十分承知しておられると思いますが、そのピッチを上げて何年までに必ずこうすると、こういう具体的な計画を示して、意欲的にひとつ生産者、農民を激励、しりをたたいてもらいたい、こう要望するわけですが、大臣いかがでしょう。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) サトウキビにつきましては、まず値段の問題、先ほど申し上げたのでちょっと補足しておきますが、復帰ごろは六千円であったものを一万円にし、一万五千円にし、一万八千円まで来たということで、ここ六、七年で三倍になったわけなんです。まだ生産費は償ってないと言いますけれども、できた製品なども国際価格等に比べると、もうけた違いというような状況でもあります。  そこで、価格についても努力したいのですが、何といっても労力がかかり過ぎると。これは、鹿児島に比べても非常に高いというぐらい非常におくれているわけです。ですから、機械化を促進して生産費を下げる、こういうことがきわめて重要でございますので、今日までもやってまいりましたが、さらに一段とこの機械化によって合理化をするということについては最善を尽くしたいと存じます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、沖繩全体として問題を抱えております含みつ糖の問題についてお尋ねしたいと思います。  ことしのサトウキビが二千トンないし三千トン増加の見込みである、こういうことが言われておりますが、政府としてもそれを一応お認めになりますか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 含みつ糖の生産につきましては、ここ数年一万トン程度でございますが、ことしは若干これが増産になるというふうに聞いております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いや、沖繩のキビ作ですね、二千トンないし三千トンの増収が伝えられておるわけですが、その中で特に沖繩の離島図、多島圏小さい島々に、特にサトウキビが基幹作物として大事になっておるわけですが、この増収が予想されておるにもかかわらず含みつ糖の消費が横ばいの状態である。こういういわゆる増収と消費のバランスの問題、そのアンバランスは予想しておられますか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 含みつ糖の需要は、消費者の嗜好の変化等から、ここ近年減少傾向をたどっております。見通しといたしましては、今後消費量が増大するということは、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 離島の生産者農家といたしましても、できるだけ含みつ糖から脱却したいと、こういう意図が十分あるようです。ところが、やっぱり財政的にも限界がある、このこともまた事実であります。そこで、どうしても離島といたしましては、あるいは沖繩といたしましては生産の合理化対策あるいは販売の努力、この生産の合理化と販売努力、こういうことがない限り、離島の含みつ糖の問題は解決できない。こういうことが実情でありますが、その対策を政府としても持っておられるかどうか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 含みつ糖の需要の動向につきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、生産量を現在以上にふやすということは、なかなか需要の面でむずかしいのではないかというふうに考えまして、今後の考え方といたしましては、生産コストをできるだけ低減をする、品質の改善をさらに図ってまいる、そういうことによりまして独自の需要分野を形成をし、かつまた、販売機構の確立などで有利な価格形成が行われるように努めてまいるという方向で指導をしてまいりたいと考えております。  なお、従来から分みつ糖化が可能な地域につきましては、分みつ糖化を推進をするということは、基本として考えておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの含みつ糖そのものに対する国の保障施策がまず要望されるわけですが、ところが見通しとしましては、生産農家にしましても、それから県当局にしましても、できるだけ含みつから分みつへと、そういうことを検討しておる時期にもう来ておるわけなんです。ところが、壁は、やはり分みつに切りかえる場合に、どうしても施設設備、これが県自体では、あるいは島自体では、生産農家自体では解決できない、こういう壁があるわけなんです。その援助の必要をどうしても政府に認めてもらわなければ、この問題は解決しない。この点、いかがですか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 分みつ糖にする方向を進めてまいります場合に、その分みつ糖製造工場が必要になりますが、これは言うまでもないところでございますが、やはり一定の原料確保がございませんと、そのような工場の成立ということがなかなか困難でございます。そこで、分みつ糖化を進める場合に、やはり一定の生産数量が確保できることが第一前提。それから、さらにそのようなことが可能である場合につきましては、現在は融資制度がございますが、融資によりまして工場の建設を図るということがあるわけでございます。しかし、それだけではなかなか困難だということも県当局から聞いております。これは、今後の検討課題であろうというふうに考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 これはぜひひとつ、そういった生産者の要望を当局の方向、これで裏づけていただくように、私からも強く要望しておきたいのですが、もう一つ聞きたいのは、政府として含みつ糖を必要とするということなのか、それとももう含みつ糖はできるだけ解消して分みつ一本でいきたい、こういう方針なのか、どっちなのか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) 含みつ糖自体につきましては、現在も固定の需要分野がございます。そういう独自の需要分野というのは、やはりある程度は確保されるものというふうに考えております。  一方、分みつ糖化を図るといたしましても、先ほどの集荷範囲等からいたしまして、どうしてもそれができない離島がございます。そういうような地域におきましては、今後も含みつ糖生産を続けざるを得ない。そのためには、やはり生産の合理化を図っていくということが必要である。そのような方向で、生産の面におきます合理化を図る。さらに、先ほどもお答えいたしましたが、販売面におきまして有利な販売ができるような機構をつくるということによりまして、含みつ糖独自の生産、流通、消費という分野を確保してまいるというふうに考えておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そうしますと、いまの答弁は含みつ糖も必要だと、しかし基本的な方向としては分みつの方向へいくと、こういうことなんですね。そう受けとめていいんですね、いまの御答弁は。一〇〇%できれば分みつに持っていくと、こういうことなのか。含みつも必要である、そして分みつへできるだけと、こういう意味なのか。両方認めるという意味なのか、どっちなんですか。

犬伏孝治農林水産省食品流通局長

○政府委員(犬伏孝治君) ただいまの需給関係からいたしますと、やはり分みつ糖化の方向に進めるというのが基本でございます。しかし、そのような分みつ糖の製造工場等の設置を考えますと、どうしても限界がございます。そういうところにつきましては、含みつ糖のままで残らざるを得ない。それにつきましては、できるだけ生産合理化を図るということを、お答えした次第であります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それでは時間が来たようでありますので、もう一、二問お願いしたいんですが、それじゃ分みつにすると、あるいは含みつも必要だと、こういうことを前提にして、もし沖繩で、あるいは島で転換のできるサトウキビ以外の転換作物が考えられるかどうか。具体的に転換するとするならばこういうものがあるんじゃないかと、こういうことも具体的に検討しておられるかどうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 沖繩におきますサトウキビでございますが、もちろん沖繩は、ただいま先生お話ございますように、本島初めたくさんの島々があるわけでございますが、ここのサトウキビの作付面積、収穫面積というのは、大体三分の二を占めておるわけでございます。したがいまして、本土で言えば米に相当するそういう大きな作物でございます。まあ地域地域によりまして多少野菜なり、あるいはパインというようなものもありますけれども、サトウキビにかわり得るような作物ということになりますと、具体的な問題としては、この亜熱帯地域に即したものとしてはやはりパインが非常に適するわけでございますので、具体的にはなかなかいい作物がないということが現実であると、こういうふうに考えます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 最後に大臣に一言お尋ねして、時間が参っておりますので、終わりたいと思います。  いま含みつ糖の問題を中心に取り上げましたのは、特に糖安法による保護が分みつの場合にはなされているわけです。含みつの場合にはそのらち外に置かれて、そのたびごとに不安を生産者が持っておるのです。ですから、完全に分みつに切りかえた後ならば別といたしまして、見通しとしては、ここ当分はどうしても沖繩の離島各地におきましては含みつ糖を継続していかなければいけない。その場合に、糖安法に基づく制度を確立してほしい、法の裏づけをほしい、こういう強い要望があるわけなんですが、それに対する大臣のひとつ御見解を求めて、時間が参りましたので終わります。

中川一郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(中川一郎君) 沖繩における含みつ糖の問題が非常に重要であることは、よく承知いたしております。  先般、サトウキビの原原種農場に参りましたときにも皆さんから意見が出ております。工場ができればいいのですが、工場はある程度の原料がないとできないという問題がありますし、さて、政府の助成といっても融資が精いっぱいだということで、非常にむずかしい問題でございますが、生産費と取引価格との間の差額の三分の二を助成するという仕組みも講じておりますので、これらを強化し、今後の推移を見て、われわれも十分何とかひとつという気持ちでやっておりますが、いま具体的案は持ち合わせませんが、十分われわれも頭を痛めていきたいと思っております。

久次米健太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(久次米健太郎君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十三分散会      ————◇—————

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