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85回国会参議院1978/10/19

内閣委員会 第3号

発言数
473
登壇者
34
会派数
7
開催日
1978/10/19

会議録

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。稻村総理府総務長官。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) ただいま議題となりました同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。  政府におきましては、昭和四十四年に制定されました同和対策事業特別措置法に基づき、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等を図るため、当該地域について行われる同和対策事業に対して必要な特別の措置を講じてきたところであります。  しかしながら、昭和五十年全国同和地区調査により把握したいわゆる物的事業にかかわる必要事業量が昭和五十四年度以降も相当量見込まれますので、政府といたしましては、同和対策事業に対して必要な特別の措置を引き続き講ずる必要があると考え、この法律案を作成し提案した次第であります。  その内容は、昭和五十四年三月三十一日に効力を失うことになっております同和対策事業特別措置法の有効期限を昭和五十七年三月三十一日まで三年間延長しようとするものであります。  以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。  何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後刻に譲ることといたします。     ―――――――――――――

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま議題になりました給与法について、きわめて短い時間でありますから精力的に聞きたいと思いますが、その前に一点だけ防衛庁長官にひとつ聞いておきたいと思うんですが、この国会が終われば自民党の内部では総裁公選に本格的に入ると思う。これは野党といわず国民といわず、やがて総理大臣を選ぶことでありますから、勢い関心を持たざるを得ない。どの人がどういう政策をとるかはきわめて重大な問題でないかと思うんです。  そこで、少しおたくの方に立ち入ったことで私も気が重いんですが、あなたは田中派に属して総裁公選では大平さんを支持する側じゃないかと、こう伝えられているんですが、そのとおり理解していいですか、まず。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) なかなかむずかしい御質問でございますが、私は政治は国民のためにあるということでございますから、国民のためになる人を自民党自体が選ぶべきであって、派閥的とかなんとかというような考え方で選ぶということは、これはいけないという私は考え方だから、日本のためになる人を選びたい、こう考えます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私は派閥の問題に入るつもりで言っているんじゃない。ただ、最近、いろいろ立候補される方々の政策というのがちらほら新聞に出てくる。そこであなたは派閥に云々というお話がありましたが、聞くところによれば、田中派に属して田中派としては大平さんでやるんだと報道されるものだから、勢い私どもは推定で言えばあなたは大平さんを将来総理大臣にしたいという考え方でこれから動くんじゃないんだろうか、そういう推定です。  そこで、その上に立って物を言えば、大平さんは有事立法については要らないと、こういう政策を出されました。自衛隊法のいまの規定で十分だという報道がなされました。もしそういう方をあなたが総裁として総理大臣にするということならば、当然あなたの考え方も有事立法については必要がないんだと、いまの自衛隊法で十分なんだという考え方に私は政策でいうならばならざるを得ないんじゃないかと思うものだから、この一点だけあなたの信念として私はまず聞いておきたいと思う。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 大平さんのおっしゃっておることも、いわゆる自衛隊法というものは非常にりっぱにでき上がっておるという考え方でおるわけですから、私もそういう考え方については同じでありますし、さりとて、じゃ福田総理が有事立法に対して大平さんとえらい違った考え方を持っておるかと、私は同じ考え方を持っておると思うんですが、言葉の使い方等にニュアンスのとり方等もあって、いろいろとる向きもあると思うんですが、私の考え方と福田総理の考え方は何ら変わっておるところはないと考えます。  たとえて言えば、いわゆる奇襲の問題につきましても私は奇襲というものはあり得ないと、こういう考え方で、あり得ないようにすることも政治であるという私は考え方を持っておるんですが、世論の中に奇襲というものもあるかもしらぬということでありますから、民主主義のこの日本の国であるというのであるならば、そういうこともひとつあるならば研究してみたらどうだということであって、私自体はあり得ないようにするという考え方、またシビリアンコントロールという立場から言えば、いわゆる総理の権限を一つでも外すということは、シビリアンコントロールにもとるという考え方を私は持っているわけであるが、それと総裁選挙がえらいニュアンスが格段に違っておるという、そういうことですから、私はいま山崎先生のおっしゃっておられることは多分金丸は大平幹事長だろうというようなお話が、向きがあるようでありますが、私は日本のためになる、国民のためになる、こういう人を選ぶことが私は政治家としてやる道だ、こう考えておるわけであります。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この問題はここでそう論ずる問題じゃありませんから、私は深入りするつもりはありません。しかし、一連の言動等から言えば、あなた自身もいまの自衛隊法で十分対処していけるんだ、そういう考え方で今後進むんであろう、こう考えて理解をしておきたいと思うのです。  そこで、本題の給与問題に入りたいと思いますが、人事院総裁にまずお聞きします。  いま一番これから問題になりますのは、五十四年度予算編成をめぐって一体五十三年度と同じように給与予算というものをある程度見込んで編成をするのかということが一つのポイントになってくると思います。そこで、人事院としてはどうお考えになるのか、まず聞いておきたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 給与改善費の先組みの問題でございますが、これは一部新聞等に報道されましたことからいろいろ論議を呼んでおるようでございますが、衆議院でもこういう観点から御質疑もございましたが、そのときに大蔵省からも答えておりましたように、まだこれは大蔵省としても別に決めておることじゃないということを言っておりました。私もいまの段階ではそういうことではないかと思っております。人事院としての見解ということになりますと、これはやはり方針が決められた段階でどう思うかというふうに相なりますれば、これは私は私なりの考えがございますから、申し上げるにやぶさかではございませんが、いまのところまだ決まっておることではないということですから、そういう前提のもとに私がいろいろ申し上げることはかえっていろいろ物議を醸すことになると思いますので、差し控えさせていただきたいと思っております。  ただ、人事院の立場といたしましては勧告を出すということになりまして、それに対してやはり完全実施していただくということが一番の眼目でございます。幸い一般の世論もそうですし、国会関係でも大変御尽力いただきました結果、最近の人事院勧告というものは完全実施ということでずっときておるわけです。この原則は私はあくまで貫いてもらわなければ困るという立場に立っておりまして、むしろ財政的な見地から給与費の先組みをするかどうかということはやっぱりむしろ副次的な問題ではないか、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 総務長官、どうしますか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま人事院総裁が答えられましたように、これは財政当局の問題でございまして、財政当局がやはり先食いをしておくべきであるという、いろいろな財政情勢から考慮されたり、あるいはまたそのときの経済の推移というか、情勢というものを大きく私は考えなければならないのじゃないか、こういうふうに考えております。問題は財政当局の問題でございますから、どういう形になるか、こういう問題については確たる御返事を申し上げるというわけにはまいらぬと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それじゃ大蔵当局どうなりますか。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) 来年度予算に従来どおり五%の給与改善費を計上するかどうかにつきましては、今後の経済情勢の推移も含めまして諸般の事情を総合的に勘案して慎重に検討してまいりたいというぐあいに考えております。まだどういうぐあいにするかということについては全く結論を出しておりませんし、いま申し上げましたような諸条件を総合的に検討して結論を出さなきゃならぬというぐあいに考えておるところでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま三人の答えで共通して一致しているのは、完全実施はそれは守るのはたてまえですからそれは当然だと思います。そこで、それに要する費用について五十三年度同様の措置をとるかということは、財政問題でもちろんあることは承知しています。しかし、私はなぜこの点をお聞きするかというと、これは前に主計局長やられました橋口さんの著書でありますが、これによりますと、大蔵省は十月の一日からすでに予算査定に入っている、そしてこれによるというと査定権は神聖であって侵すべからざるものだというのが、この大蔵省の鉄則になっているようですね、憲法になっているようであります。その中でも、ほとんど予算の九割五分近くは主計局並びに主計局次長あるいは主計局長のもとでもうでき上がってしまう。後で調整財源を幾らか公開をしてやるようにはなっておりますが、実態は大蔵当局によって予算案というのがもうつくり上げられてしまう。そう考えますと、すでに予算査定に入っているわけでありますから、当然人事院についても、この点については人事院の希望としては、やはり五十三年度同様にやってもらいたいという趣旨があってしかるべきではないだろうか。総務長官もまた公務員労働者に対して安心感を与えるというなら、当然それらのことについては総務長官としての見解を出すべきではないか、私はこう思うんです。  それから、大蔵はもちろん予算これからやるわけでありますが、いま申し上げましたような事情からいけば、当然これはもう早晩決定されちゃう、そういういま段階にあると私どもは考えるがゆえに、第一にこれ取り上げているわけなんですが、もう一遍ひとつ人事院総裁、きちんとしたあなたの見解なら見解出してもらいたい、総務長官も閣議でやるならやるというふうにやってもらいたい、受ける大蔵も当然予算査定に入っているんだから、その点については考慮するんならする、そういう答弁私は願いたいと思うんですが、どうですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 先刻申し上げましたように、人事院といたしましての主張なり願望というのは、勧告が出された以上はこれを完全に実施してもらいたいということでございます。幸いにしてこの点は四十五年以来完全実施というレールが敷かれまして、これはひとつ軌道に乗っておるということでございます。それと先組みの問題というものは直接のつながりはないわけでございます。  ただし、山崎先生もよく御承知でございますように、完全実施がなされなかった時代がございます。その段階でやはり一歩でも二歩でも前進をさせたいということで、人事院といたしましては強くやはり予算の先組みというようなことをやることが完全実施の前提として、これ一歩進める一つのてこ入れになるんじゃないかというようなことから、それを主張いたし願望したという時代がございます。そういうことと、要するに総合予算という大蔵省のたてまえとそれが合致して、ああいうような先例が引かれたのではないかというふうに私自身は考えております。  そういう意味がございますので、恐らくこれは望ましいことかどうかと言われれば、私の考え方を恐らくは御了解いただけるんじゃないかと思いますが、要するにいまや完全実施というものは軌道に乗っておると、そのことが予算の先組みいかんの問題によって作用される、左右されるということは私は考えておりませんし、そうあっては絶対ならない、そういう強い決意を持っておるということははっきり申し上げていいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 総務長官どうですか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま人事院総裁が答えられましたように、総理府としては人事院の勧告を尊重する、完全実施をする、こういうたてまえをとっております。そういうような関係から、いま予算の査定中であるからまだ決定までに多少時間があると思いますけれども、私はこれが計上されようとされまいと、人事院の勧告を完全実施する、こういったことがたてまえになっておりますので、山崎さんの御意見は御意見としてよくわかるわけでございますが、やはり財政当局、経済の推移、いろいろございましょうから、こういう問題は財政当局として私は考えてもらう必要があるのではないか、こういうように思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 どうですか、重ねて財政当局。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) ただいま人事院総裁あるいは総務長官からお話ございましたが、先ほども申し上げましたように、五十四年度の給与改善費を従来どおりの形で計上するかどうかという問題についてはこれから先十分検討してまいりたいと思いますが、人事院総裁が申し上げましたように、四十五年以降はずっと勧告が完全実施されてきた。そういう流れについては十分尊重してまいりたいと考えるわけでございますが、先ほど人事院総裁からの答えにありましたように、あらかじめ計上することによって、いわば保証するという、そういう安心感を与えるという意味合いと同時に、御承知のとおり当初予算に五%の給与改善費を計上いたしましたのは、完全実施の前後四十四、五年のころからずっとかなり高率の給与アップがあった、そういうこともありまして、まるごとそれが補正で措置されるということになりますというと、補正要因の金額はかなり大幅なものになるという側面もあって、あらかじめ五%を計上したという経緯もあったのではないかと考えるわけであります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、経済情勢の推移等を考慮しながら、五十四年度どういうような対応をするかということについては、人事院勧告を従来から尊重してまいりましたたてまえを前提に置きながら具体的な答を今後の検討によって決定をしてまいりたい、こういうぐあいに考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いまお三人から答弁ありまして、人事院勧告はもう完全実施いたしますと、これはもう事実だし、コンセンサスですからこれ以上触れません。あとはなるほど技術論でありますが、しかし私は、たとえばことしの勧告一つとってみて最低だと言われても、定昇等入れますというと五・五%ぐらいになる、したがって、来年以降どう見通すかはまだこれからでありますからわかりませんが、そういう点等を考えますと、最低でもそういう状況等を考えると当然国家公務員法二十八条の二項に基づいて勧告が出るということはもう予想されなきやならぬのじゃないだろうか、そういう私どもの考え方です。だから、そういう意味で言うならば、当然大蔵省はそれに対応するように、これから予算査定もあるわけでありますが、ひとつ前進策をとってもらうように、五十三年度同様の措置をとるように強く私はこれ要望をしておきたいと思います。  それから、できるだけ共通点を先にお尋ねいたしますが、次に人事院にお聞きをしておきますが、実は人事院で調査いたしました資料を私はもらいましたところが、国家公務員の長期の病欠者というのが大変多い。この資料によりますというと年間大体二千五百人ばかり休んでおるわけなんです。これは後で概要を説明願いたいと思いますが、私時間がいたましいので私の方で申し上げているわけですが、これをずっと読みますというと、年齢によって多少病気の順位はありますけれども、一致して起きている病気は消化器系統が大半である。多少年齢によって違う点は、循環器系統が一番になったり二番になったりしますが、二番目は大体循環器系統になる。特に一番注目しなきゃなりませんのは、二十歳代三十歳代で神経系統及び感覚器の疾患というのが多い。これが第一位を占めておる。一体これはどういう原因があるんだろうか。これに対して人事院はどういうこれから措置をしようというのか。あわせて人事行政やっております総務長官も、一体この長期病欠者、約二千五百人でありますが、これに対してどういうふうに人事管理上やっていこうというのか。私は、これは余りいい言葉ではありませんが、ことしは勧告が低くてかなり給与予算が余った、国費で大体七百六十億ぐらい余ることになっておるわけでありますが、五十四年度と関連して職員の厚生福利というものについて大蔵省はどう見解をとるのか、特にこの病欠者との関係で健康管理についてどう考えるのか、三人からお答え願いたい。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○政府委員(金井八郎君) 人事院は、昭和三十九年度から職員の健康管理対策の一環といたしまして公務員の死因調査を行ってきましたけれども、なお健康管理を充実させるという観点で昭和五十年から、いま先生御指摘の長期病休者の実態調査を始めたわけでございます。まだ二回ほどしか行われていないわけでございますけれども、年齢階層別に消化器系の疾患と、それから循環器系の疾患の一長期病休者の数を見ますと、確かに若干の差は年度によってございますけれども、職員十万人に対します長期病休者の率を見ますとほとんど差はございません。多少差はございますけれども、まだ前に申しましたように二回程度の調査でございますので、もう少し調査を重ねないとこの間の傾向を論ずることがむずかしいのではないかというふうに感じております。  それから、これら循環器系あるいは消化器糸の疾患に対します対策と申しますか、これにつきましては、胃の検査それから肝機能の検査、血圧の測定、尿の検査等の健康診断を実施し、あるいは成人病管理研究会を開催いたしまして、各省庁の健康管理医あるいは健康管理担当者に対しましても、これらに対する対処の方策等をいろいろお話し申し上げているわけでございまして、こういう点を今後も総理府とも御相談しながらさらに充実さしていきたいというふうに考えております。  それからもう一つ、若年層に精神障害の者が多いという御指摘でございますが、これは確かにそういう傾向ございます。昭和五十一年度の長期病休者の実態調査結果によりますと、職員十万人に対しまして精神障害による長期病休者の率は、二十代で十万人に対しまして二十六・一、三十代で二十四・一ということになっております。これを四十代で見ますと十・八、五十代では六・一ということで、若年層に精神障害が多くなっていることがはっきり出ております。これは、若年層に精神分裂症を中心といたしました精神障害の発現の頻度というものが一般に高いという傾向にあるわけでございまして、国家公務員の場合もこの傾向があらわれたものというふうに見ております。人事院といたしましても精神障害対策の重要性は承知しておりまして、精神衛生につきましては各省庁のやはり健康管理担当者等を集めまして、これに関する研修などを行って対策を講じておりますけれども、今後もなおその点について充実させていきたいというふうに考えております。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) お答え申し上げます。  規則関係は人事院でございますけれども、総理府といたしましても各省の調整という立場もございますし、従来から厚生あるいは福利という関係につきましても、たとえば各省の厚生課長会議でございますとか、あるいは人事課長会議等を通じましてそれの充実のために実行上の措置としてもいろいろ相談をしてまいっているところでございます。たとえばそういう予算にいたしましても、先生十分御存じのとおり前は一人三百円であったと思いますが、そういうのからスタートいたしまして現在年間一人三千七百円というような予算にふくれ上がるように、これも各省でいま言いました課長会議を通じまして統一をいたしまして、大蔵省の方にも御要求を申し上げて逐年ふやしてきているところでございます。その中でも特に健康診断というものについては力を入れましてそういう予算の多くを健康診断の方に割くということをいたしております。今後ともそういう意味で各省通じまして職員の健康あるいは福利という面について十分力を尽くしていきたいというふうに存じております。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) お答え申し上げます。  職員の保健、厚生なり福利関係につきましては直接的な実態につきましては私ども直接的には掌握いたしてございませんが、ただいま人事院、人事局から御答弁がございましたように、それぞれにおきまして職員の実態を掌握されていらっしゃいますので、そういう形で特に人事局が各省庁の実態をまとめられまして、それに対しまして予算上しかるべき措置が必要だということでありますれば、人事局の方から御要求を受けまして、私どもの方で人事局とも相談の上しかるべき予算を計上しているつもりでございます。その実態につきましては、ただいま人事局長からもお話し申し上げましたように逐年充実を図ってきているつもりでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この問題は行政機構論なり、あるいは定数論の問題とも関連してまいります。業務と定数の関係もこれは当然関連してきますから、改めて総合的な議論をしてみたいと思うんですが、いま答弁ありましたけれども、一般的に若い者が精神分裂的だというお話がありました。しかし、公務員の中で特に二十歳、三十歳代が精神障害が一番多いという一体分析をどうわれわれしたらいいのだろうか。やっぱり職場環境等がストレスがたまる、あるいはその他の不満が高ずる、そういう職場環境にあるのではないかと、これは私の推定です。したがってその点について人事院なり総理府はどういうふうに、重ねてお聞きしますが、分析しているのか。  それから中高年齢層に循環器系統がきわめて高い。これもやっぱり特徴なんです。そういうものを一体どうもう一遍見るのか。  それから女性の場合にはこれは筋骨格系及び結合織の疾患が第一となっている。第二が新生物と、こうなってます。これも一体あなた方はどういうふうに掌握をしているのか。  それから重ねてお聞きしますが、第三位に伝染病及び寄生虫というのがありますが、この伝染病及び寄生虫の中でそのうちの九二・九%は結核だというのです。しかし、私は社会労働委員長もやりましたけれども、社労では結核予防法が改正になりまして、ほとんど子供の段階で一年に一遍か二遍調査するだけになっている。ほとんど結核というのはないということになっている。ところがこれ見ますというと、結核患者がものすごく多い。これは一体どういうことなんだろうか。公務員の長欠者の中で結核が多いということはどうわれわれ理解したらいいんだろうか。厚生省でやっております一般的な結核対策と現実はまことに違うんじゃないんだろうか、こういう感を私は持ちます。  そういう意味で、健康管理の問題についてはきわめて私は重大だと思う。そういう意味でもう一遍、あなた方これから一生懸命やるんでしょうけれども、重ねてひとつ人事院はかたい決意でやってもらいたいし、総理府も実際は人事院任せにせずに、これは人事管理上大変な問題でありますから、もちろん行管の定数その他とも関連いたしますけれども、もっとやっぱり積極的にやってもらいたい。それから大蔵は、なるほど一年間に福利厚生が一人三千七百円ぐらいになったそうでありますが、とてもこれであなた健康管理をやるなんということになってこない。運動会の一遍か二遍やったら終わっちゃう。健康診断の一遍か二遍やったら終わっちゃう。だから人事院とあるいは総理府の要求を待ってやると言うが、大蔵としても積極的にやってもらいたいと思うんですね。もう一遍ひとつ御答弁を願いたい。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○政府委員(金井八郎君) まず若年層の精神病系統の問題でございますけれども、これは実は公務員以外のものにつきましての正確な対比できるようなデータというものが実はございません。そこで公務員とそれ以外の一般のものとの対比において論ずることがちょっとむずかしいわけでございますけれども、私ども考えておりますのは、やはりこの分類の中でも十代というのは、これは初級試験で採用されてごくわずかな間、若年層というと大体二十代ということになるわけです。そこで二十代、それから比較的それに近い三十代というのはさらに中高年層に比べますと、やはりこういう精神障害的な傾向というのはどうしても発現が一般に多いということになっているわけじゃないかと思います。これもただいまのところどういう仕事、職種について多いというところまで実は十分にまだ分析いってないわけでございまして、職場の関係でこういう精神障害の発現ということになるのかというつながりについては、十分にその点までの検討が行きわたっていないといえばそういうことになると思いますが、私どもといたしましては、少なくとも先ほど申しましたように、各省庁の健康管理担当者等に、こういうものについて事前にもう少しどういう形で指導するか、あるいはこういうものに対処するのにどういうような方策をとったらいいかということなどをいろいろ御相談、お話し申し上げているわけでございますので、今後ももう少しこういうものにさらに力を入れていきたいというふうに考えます。  それから中高年齢につきまして循環器系、これはやはり加齢現象と申しますか、年齢が高まるにつれまして循環器系というのはどうしてもこれは出てくるので、健康管理対策のうちでも重点事項といたしまして、昨年肝機能検査を加えましたように、今後も検査項目の充実化等について努力し、少しでもこういう健康管理の面で長期病休者等が少なくなるように努力をしたいというふうに考えております。  それから結核の点でございますけれども、全般的に見ますと、結核は従前に比べまして非常にやはり減っているということは確かでございます。一部そういう見方ができる部面もございますけれども、この点についてもなおよく今後分析を進めてみたいというふうに考えております。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) お答えを申し上げます。  確かに健康管理あるいは福利厚生という部分は、人事管理の中では大変じみな分野でございますけれども、一番基本的な大切なことだというふうに思います。先生のいま言われました御趣旨を十分体しまして、各省にそれを徹底をさせる努力をしてまいりたいと考えます。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) 職員の厚生経費につきましては、従来からも充実を図ってきたつもりでございますが、なお先生の御指摘もございましたので、担当であります総理府人事局ともよく相談いたしまして、今後とも適切に処理していきたいと、かように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この問題、本当は数字でいろいろもっと細かに質問すればいいんですが、きょう私時間がありませんので、この程度にとめたいと思うんですが、ただ人事院でも、最後に「特に中高年齢層に対する「循環器系の疾患」を中心としたいわゆる成人病対策並びに若年齢層をはじめとして各年齢層を通じた結核及び精神衛生対策の重要性を再認識させるものである。」と、こうあなた方結んでいます。したがって、福利厚生費だけふやせばそれでいいというものでもないわけです。これは総合対策が必要なことは私も承知いたします。そういう意味ではやっぱり今後公務員の健康管理というものについて十分意を尽くしてもらうように、この点は重ねて最後に要望しておきたいと思うんです。  それからその次にお聞きをしておきたいのは、これは行政職が中心でありますけれども、この行政(一)表を見ますと大体二十四万人でありますから、公務員の大体半分を占めるわけです。そのうち、私の計算によれば五等級以上というのが大体二六%ぐらい、六万三千人ぐらい占めておる。そこでこのいろいろ内容を分析をしてみると、いまの職務標準ともう合わなくなってきているんじゃないだろうか、給与体系というものが合わなくなってきているんではないだろうか、こう私は思われます。なぜかと言えば、四等級は係長、これは主任も含みますが約三千二百人、課長補佐というのが六百六十一人ぐらい、五等級の主任というのが千六百人ぐらい、係長というのが四千四百九十八人ぐらい、これらがこの四等、五等にもうかたまっちゃって身動きがとれない、言うならば昇格との間に乖離が出てきている。だから、人事院は本当に人事管理をやるとするならば、当然この昇格という問題にかなり意を用いなければもはや等級と合わないんじゃないか。突っ込んで言えば、職務標準と等級との間がもはや合わなくなってきているんじゃないだろうかという感じがいたします。その証拠にはあなた方は昭和三十九年に指定職というのをつくって、標準職務表というのは何も変わらないのだけれども、給与法の改定で二等級が指定職になってみたり、一等級が指定職になってみたり、当時の三等級が一等級になってみたり、ただ下級職だけかたまっちゃっていま身動きができないという私は現状でないかと思うんです。そういう意味でこの昇格について一体どういう見解をお持ちなのか、ひとつ聞いておきたいということと、あわせましてお聞きをしたいのは、この行政(一)表だけ見ますというと、大学卒、短大卒が合わせまして約三八%ぐらいになります。言うならば、かつて高校卒の諸君がやった仕事が短大以上の卒業者が担当するようなあんばいになっている。したがって、高校卒以下が中に占める地位というのがきわめて低くなってきているわけです。そういうこと等もあわせて考えますというと、私はこの昇格なり職務標準というものを見直さなきゃならぬ時期に来ているんじゃないかと思うんですが、人事院の見解を聞きたいと思うんです。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げます。  現在の給与法のたてまえは職務給ということでやっております関係上等級制を用いておりますが、これは厳重な職階制によるものではございませんで、モデル的な標準的な職務を裏づけにして、それを標準に模範にしながらやっておりますやや幅のあるそういう等級制職務給である、こういうふうに言えると思います。ところで、職員構成が非常に大ざっぱに申しますと、昭和二十年代といいますのは、大体七等級ぐらいに主力がございまして、やはり戦後大量に行政需要が伸びて、福祉行政が伸びていったときに採用され、復員してきた人、それが非常にノーマルな形でなくて職員構成になっているということは事実でございまして、一方職務の等級といいますと、行政組織法のいわば組織に伴って官職というものが配置されているという基本ルールがある中を、そういう異常な職員構成と申しますか、それがだんだん年とともに昭和三十年代になりますと、これが六等級中心とか、四十年代になりますと、五等級に上がってくるとか、やむを得ない摩擦的なそういう経過をたどってきたことは事実でございます。  その中で過去においてもいますでにもう先生お話しのように、新しく三等級を割り込ましたり、一等級の上の方に指定職をつくったりということが昭和三十九年四十三年と、そういうふうに標準職務表の手直しを含めていままで来たことも事実でございます。しかしながら、標準職務表による運用自体がやや幅があるということも事実でございます。モデルにしてそれに準じてやっておるわけでありますから、それでもなお非常にやはり官職の評価だけではなくて、片や処遇問題というのもありますので、その点は大変気を用いまして、組織以外にも職員の習熟、経験、年齢がたちますとともにそういう実力も伴ってまいりますので、これを評価して専門職的な位置づけも同時に考えながらやってきたということで、最後に先生申されましたように、五等級が非常に中心になっておるという現状でございます。しかしながら、現在そういうまだ異常な集団といいますか、大きなかたまりが四十歳代の終わりごろにまだございまして、五十近くまできております。これは十年も二十年もそのまま続くわけもございませんが、そういうことで抜本的な俸給表並びにモデル的な標準職務表の改正を模範的に改定する時期ではないと思っております。実態が非常にアブノーマルでございまして、やはり本来的な抜本的な制度というのは、やはり自然な職員構成の中に初めてモデル的な制度ができるんだろうと思いますが、やはりそこのところは官職の評価を考えながら、片ややはり職員構成の実態を考えながら毎年よく見ていかなくちゃならぬ問題だと、そういうふうに考えております。それで、学歴もだんだん高学歴に偏っていくということも事実でございます。今日的な課題として今後その点も十分検討していかなければならないと思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 局長の答弁で、私は全部何も否定するわけでも何でもない。ただ私なりに見ておりますというと、たとえば本省の課長クラスは標準職務は二等級ぐらいになっているのだが、これはここ五十三年度予算で見る限り六六%は一等級へいっていますね。ただ問題になりますのは、あなた方中堅が大事だ大事だといいながら、四等、五等だとか六等のところになるとなかなか昇格が困難になってくる。そして、つじつまが合わなくなってくるというと、官職上の問題もありますが、やあ調査官だ、理事官だ、管理官だというライン組織をいっぱいつくって、それは勝手にこれは課長補佐と同格だとか、これは課長と同じでございますという形のものにして、上級職についてはかなりな救済になっている。あなた方が力点を置いておる中堅以下はきわめて厳格で、昇格というものはやっぱりなされてない。したがって、いまあなたも指摘されましたように、四等だの五等だの六等のところへみんなかたまっちゃってだんごになって、ときたま主任をつくってみたり、さまざまなことをやるけれども、もはやどうにもならない。そこへ学歴が高学歴化してきていままでのように五年たったら七等になるものが、いまや初めから七等で出発をしてくる。こういうことが絡んでくるものですから、当然標準職務については、いまあなたの言うような論もありますけれども、私は人事院は見直す時期にきているんじゃないかと思っているんです。  そういう意味で、これは一年や半年で結論出ないかもしれませんが、私は見直してもらいたい、考え直してもらいたいし、それから昇格については実際ぼくら聞いてみますというと、かなり厳格なようですね。そういう資格があっても定数上の問題等が絡んでくるようでありますから、この階級別といいますか、等級別定数については大蔵にも聞きたいと思っているのです。私は等級別定数なんということはやめなさいという論を持っているのですが、一体大蔵は外す考え方があるのかどうか、これは昇格の問題と関連してもう一遍ひとつ答弁願いたい。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 昇格の問題と、それから基本的には処遇の問題というのが基本だろうと思いますが、処遇の問題はまずお金の問題だろうと思います。したがって、そういう、不幸にしてという言葉が妥当かどうか知りませんが、仲間が多いという世代なり年齢層がございます場合に、これはやはり等級別の組織になじまないという、非常に不幸な事態があると思います。しかし、それはやはり処遇でございますので、その点はまず基本的には処遇すなわちお金ということで、当該等級の中で金額を上げるということが基本だろうと思っております。しかし、それはお金の問題であると同時に、やっぱり位置づけの問題も人間でございますので、それはもう自然だろうと思っております。しかし、これはやはり官職評価なり、標準職務なりそういう職務をモデルにしてやっております関係上、限度のある話であろうと思っております。したがって、それをいわば両方考えながらやっておるというのが実情でございます。  それから等級別定数の問題でございますが、これはやっぱり現在の仕組みが先ほどちょっと申し上げましたように職階制といいますか、厳重な職務分析によるそういうやり方でない、いわば標準的な職務というものを一方で置いております関係上、これはやはり一方でそれに予算上の制約としての、あるいは枠組みが必要であろうと思います。完全な職階制でありますれば、これはそのものずばりでいけると思いますが、やはり補強するお金の上の枠組みということと両々相まつのであろうと思っております。組織論もございますが。これは現在の職務給のやり方からいたしましてやむを得ないのじゃないかと考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 大蔵どう。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) いま人事院の給与局長がお答えになられたのと同じでございまして、やはり組織体といたしまして、おのずからそれぞれの職務の分化があるわけでございまして、それに対応いたしまして、それぞれの等級というようなものが対応するものがやはり標準的にあり得るのだと思います。したがいまして、そういうふうな要素から予算上も対応いたしまして等級別の定数を設定するというふうな必要性というものはあろうかと思います。かように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私はきわめてあなた方のやっているのはどう言おうとも上だけは優遇される。中堅以下がきわめて厳格で抑えられている。それは、一つの証拠には指定職俸給表なんぞはもう三倍になりましたよ。発足したときは四百人内外でした。いまや千四有人ぐらいになっています。それからさっき申し上げましたように本省の課長クラスの二等級は五十三年度で予算見る限りもはや七割近いものは一等級へ行っちゃっている。だから上級職についてはどういう私はあなた方理屈をつけているのか知らぬが、ある程度のことは内々あなた方そういうことをやっておる。しかし人数が多いからということもあるのかもしれませんが、大事だという中堅以下になってくると昇格は等級別定数で抑えられ、昇格基準で抑えられ、きわめてアンバランスになってくるものだからここに人がたまっちゃって給与法のいじくりだけではもはやどうにもならぬというところに追い込まれているんじゃないですか。そういう点もありまして、これは人事院は私は謙虚にやっぱり検討してもらいたい。それから総理府も人事管理上も私はこれは謙虚に検討してもらいたい。これはまあ、かなりむずかしい技術論も入りますから、私はきょう強くこれは指摘をしておきますから、そういう意味でひとつ標準職務表の見直しなり、あるいは高学歴化に伴う問題なり、あるいは高年齢層にだんだんなっていくわけでありますが、そういうものとの関係なり、十分考えてもらいたいと思うのです。なぜ高年齢層という問題になれば、たとえば平均年齢をひとつとってみましても、五十二年の勧告のときは四十・八歳、五十三年の勧告では四十四・八歳となる。これは行(一)だけでありますが、勤続年でもやっぱりふえてきている。だから給与上では一定のところにたまっちゃって身動きができない。この点を解消しなければ体系上も私は問題じゃないかと思うから、この点は強く指摘をしておきたいと思います。  それから大蔵政務次官が忙しいそうでありますから、少しあっちこっちとんで恐縮でありますが、大蔵に二点聞いておきます。  一点は、この前給与課長から旅費法の改正についてはいまデーターをとって検討しておりますという答弁がありました。それは一体どういうふうになったのか。それから旅費法については五十三年に間に合わなければ五十四年で改正するというのかどうか、その点一つまず聞きたい。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) 旅費法の改正につきましては、旅費の日当、宿泊料等の単価について従来から消費者物価指数などを勘案しながら実態調査を行って、その結果に基づいて必要があれば改定をしているというのが従来の経緯でございますが、ただいま御質問の現在の調査の段階でございますけれども、いま旅費の実態調査をほとんど終わりまして、その集計あるいは分析の作業に着手をしているところでございます。まだその集計なり分析が終わっておりませんので、その結果を踏まえまして、過去の単価改定時の状況等も比較、検討しながらその時期なりを判断してまいりたい、こういうぐあいに思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いまあなたの方から分析中と言いますから時間かしていいと思うんですね。従来旅費については三年に一遍ぐらい改正しておった。しかし、福田さんが大蔵大臣のときにこれを二年に一遍ぐらいに縮めたんです。ですから、やっぱりいまの経済動向から見てそういうぐらいでこの問題は解決していきませんと大変じゃないかと私思いますから、いまあなたの方で実態調査が終わって集計をしていま分析中と言いますから、早急にひとつ分析してもらいまして、旅費法の改正については五十四年度からできるように強くこれは要望しておきたいと思います。  それから次に、もう一点お聞きしますが、それは先般の大蔵委員会で週休二日制と関連をして銀行法の改正について大蔵は踏み切るような、あるいは踏み切らぬような多少あいまいでありますが、政令で処置できるものなら処置したいという趣旨の答弁であったようでありますが、この週休二日制については、人事院にもお聞きしますが、来年三月で第二回目の試行が切れます。したがって、その後本格的にやるかどうかということと、あわせて銀行法改正をして金融機関が週休二日制に踏み切らなければなかなか日本全体の週休二日制というのは前進しないことも事実です。そういう意味でせっかくの機会でありますから、大蔵はこの銀行法の改正についてどのようにこれから処置をされていくのか、あわせてひとつ聞きたい。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) 週休二日制の問題についてはかねてからずいぶんと議論がされているところでございますが、銀行法の改正を含めて銀行の週休二日制の問題につきましては金融機関が持っております社会全体の経済的な立場から見まして、とりわけ中小企業との接触がきわめて多いということなどもございまして、そのあたりの利用状況なり、利用者の側の立場等を勘案をしながらもっと利用者側のコンセンサスを得るということが必要である。一方では山崎委員が御指摘いただきましたように、思い切って踏み切らなければなかなか前進しないではないかという側面もございます。その両方を検討しながら、いま直ちに銀行法の改正をいつの時期にやる、あるいはその銀行法の改正によって処置をするか、政令の手段によってやるかという結論に到達していないのが現状であります。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 人事院どうしますか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 週休二日制の関係では、御承知のように、現在二回目の再度のテストをやっておるわけでございます。これは本年の四月から来年の三月まで一年間ということでやっておるわけでございます。この試行が終わりました後で結果を慎重に分析をし、検討をした上で次のステップをどうするかということを考えていきたいと思っております。この点は先生もよく御承知のとおりでございまして、私といたしましてはやはり週休二日制というものは天下の大勢である、大きな流れであろうという前提はそれは崩しておりません。そういう立場から実はいまテストをやっておるわけでございます。ただ、次のステップをどういうぐあいにどういう時期からやるかということについては、やはりいろいろな点を勘案して事を決しなければならぬ、大変むずかしい問題がございますので、そういうものを勘案しながら次のステップは第二回の試行が終わった結果を待って決めていきたいというふうに考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 これは早急に人事院もやっぱり実施に踏み切ってもらいたい。私は、外国の例もいろいろありますが、もちろん国情も違いますから一概には言えませんが、先般私はソ連へ行って、ソ連はもう政府要人から一般の工場の労働者まで一年に一月休暇があるんですな、完全にこれは休みます。世界にそういう国もやっぱり存在するわけです。それじゃあ、それによって経済活動なり政治活動その他が停滞するかというと、そんなことはない。やっぱり人間の健康だとか雇用というものに対する考え方が日本と全く違う。うらやましいと思って帰ってきたんですが、一遍にそこまではあなたにやれとは言わないが、せめて世界の趨勢でありますこの週休二日制ぐらいは踏み切りませんとどうにもならぬと思っています。そういう意味で大蔵にも特に銀行法の問題については十分ひとつ配慮してもらうということをお願いをしておきたいと思います。  それから、人事院にもう一点お聞きをしておきますが、今度寒冷地手当の勧告がありませんでしたが、しなかった理由だけきょう聞いておきます。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 寒冷地手当の問題につきましてはいろいろ具体的に検討を進めております。実はこの間の八月の一般勧告のときに同時にやりたいというようなことの目安を持ちまして努力をいたしたわけでございます。  問題点は大まかに言って三つございます。一つは、現在のたてまえでありまする定率、定額制というのがそのままでいいのかどうかという問題。それから第二の問題といたしましては、支給区分の地域の問題。それから第三といたしましては、基準日以降における世帯の変動をどうするかという問題。大まかに言ってこの三つあろうと思います。  だんだん詰めてきておったわけですが、この寒冷地手当というもののできます経緯その他の事情も踏まえまして、やはり関係者にとって十分納得をしていただく必要があるという問題がございます。そういうようなことからいろいろ詰めておったわけでございますけれども、いまの定率、定額の問題というようなものを中心にいたしまして、まだもう少し詰めを行わなければならないというようなことがございまして、そういう意味から調整が少し間に合いませんでしたということから、先般の八月勧告には間に合わなかったということでございます。その後、鋭意調整に努力をいたしております。したがいまして、これらの点を踏まえてできるだけ速やかに結論を得て勧告その他の措置を講じたい、これが現在の私たちの立場でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この問題は改めて私は質問しますが、ただ一つだけ指摘しておきますというと、これは私の計算で、計算上まあ扶養手当を除いて計算していますが、四十三年の法改正以降、仮にあの当時基準になった五等級十三号とりましても、約二五・五%ぐらい下がっている。一等級になりますと三三・二%ぐらい下がっている。百分の八十五がいまや百分の五十九ぐらいにしかなっていない、平均で。私はこれはやっぱりゆゆしい問題だと思うんですよ。ですから、上下の格差縮まったという意味ではある程度効果があったとしても、全体的に寒冷地に住む職員の給与がこれだけ低下している。この点は私はきょうは指摘だけしておきます。  私の時間がもうありませんので、最後になって恐縮ですが、防衛庁に一点聞いておきます。  私が先般の委員会でいろいろ防衛庁職員の給与の矛盾なり不合理について指摘した、防衛庁当局は検討いたしますということになっているんですが、今度のこれ見ると何にもなってない。どういう検討をして、一体どういう点はどういうふうにされるのか、きょうは答弁だけ聞いて終わっておきたいと思います。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) 先般の国会で先生からいろいろ御指摘がございました。私はあのときに実は非常に重要な問題で、直ちに改正はできないという考えもございまして、言葉を選んで将来の研究課題にしたいというふうに申し上げたつもりでございます。実は、先生からも御指摘の問題につきましては、御承知のように、従来長官の私的諮問機関がございまして、これは行政組織法のいわゆる八条機関の問題もございましたし、行管からの御指導もございまして、本年三月に解散をいたしましたが、ただ私どもは非常に重要な問題でございますので、やはり部内のいろいろな学識経験者の方々の御意見も伺いながらやりたいというふうに考えておりまして、その先生方の御意見もお伺いしつつ、先般先生から御指摘がありました問題も全部お話しをいたしまして、御議論いただきまして、調整率の問題、調整手当の問題、将(一)・(二)の問題等々につきまして全部御議論いただきました。非常にむずかしい問題でございますので、現在のところまあこれらを含めて二、三年後をめどに、まあどのような案ができるかどうかちょっと自信がございませんけれども、大体そのぐらいの期間をめどにしてこの問題に取り組みたいというふうに考えておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いいです。時間になりましたから。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 それではまず最初に防衛庁関係について、特に事故問題について二、三お伺いをしておきたいと思います。  まず初めに、四月十一日の参議院の内閣委員会、この委員会において私は、昨年横浜の緑区に落ちた米軍事故に関連して、さらに今年四月、横浜のこれも旭区というところにP3Cの翼の部品の一部が落下した事件を追及いたしました。このときに私は、仮に人命や財産に損害を与えなかった事故であっても、事故分科委員会を開いてその事故の原因の究明をすべきだと、こういうことを防衛庁長官に申し上げました。長官は、時間がありませんからその速記録を読み上げませんけれども、そのとおりだと、実害がなくても事故が起こった場合には分科委員会においてその原因を究明するようにしましょうと、しかし、これは外務省もあることだから、相談をして進めますという答弁をしたわけでありますが、その後つまり生命、財産に損害を与えなかった事故についても事故分科委員会によってその真相究明をする、こういう措置についてどのようになったか、まずお伺いしたいと思います。

奥山正也防衛施設庁総務部長

○政府委員(奥山正也君) 本件につきましては、その後関係省庁と今後の処理ぶりにつきまして意見を交換いたしましたところ、関連の合同委員会合意の一部を見直しをしていくということにつきまして前向きに検討するということになりました。外務省を中心にいたしまして、日米合同委員会におきまして去る六月二十九日、分科委員会を設置いたしました。そこにおきまして、見直しにつきましての必要な検討が行われておるという状況でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 われわれ国民の側からすれば、飛行機が落ちた場合に生命、財産に損害がなくても、ひとつ真相を究明することによって事故を避ける、そういうことになると思います。政府の前向きな姿勢を信頼して、ぜひこれは完全に実施をしていただきたい。  次に、自衛隊にかかわる事故も最近発生をいたしておりますし、あるいはまた、まあ自衛隊では低空飛行と言っておりますけれども、新聞では遊覧飛行を自衛隊の飛行機がやったということで大変騒がれておりますけれども、この点について一、二お伺いをいたしたい。  自衛隊の墜落事故を起こした場合に、この事故調査は一体どういう組織で検討しているのか。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) 航空事故の調査につきましては、防衛庁の訓令がございまして、この訓令に基づきまして各自衛隊に設置されております航空事故調査委員会というものが行うわけでございます。この狭山の事故につきましても、航空自衛隊に設けられたいわゆる航空事故調査委員会が調査を行って報告書を作成し、これを航空幕僚長に提出するというふうな手順になっております。そうして、幕僚長は調査報告書を受けました自己の所見をつけまして長官に報告する、こういう順序になっております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 この際、私は長官にお伺いをいたしたいと思います。  先ほども触れましたように、長官は米軍の飛行機については、生命、財産に実害を与えなくても、事故分科委員会を開いて真相を究明する、そういう答弁をされて、いま前向きにそういう方向に進んでおるということを聞きまして、私も長官の努力に敬意を表したいと思います。この米軍機の事故分科委員会においては、昨年の横浜市における墜落事故を契機にいたしまして、いわゆる密室による調査ではなく、国民の前に開かれた調査をしたい、こういうことでまあ第三者がこの委員会の委員に入って、開かれた中で事故を究明するという措置がとられてきたわけであります。この点も、私は大変結構な措置だろうと思うわけであります。  しかし、残念ながら、いま自衛隊の事故の調査の方法は、自衛隊内部で究明をする、それを長官に報告するということになっておりますね。したがって、まあ今回の事故も、今後事故がないことを私たちは期待をしますけれども、しかし、全然事故を皆無にさせるということは、これは不可能でありましょう。そういうことからすれば、私はこの自衛隊の軍用機の事故についても、その真相を国民の前に明らかにする、むしろそういうことをやった方が私は自衛隊としてもいいのではないか、そういう意味から、自衛隊の事故調査についてはいわゆるこの第三者、自衛隊以外のそれに関する技術的な学者でもいいでありましょう、あるいはその墜落をした自治体の関係者を入れるなり、そういう事故究明の組織というものをつくるべきではないか、その方が私は国民に理解を求める、事故の真相というものが開かれた中で行われるということで好ましい体制ではないかと思うんです。米軍機については第三者を入れておるわけでありますから、私はこの際自衛隊も開かれたこの中で真相究明が行われる組織にすべきだと思うんですが、この際長官の見解を承りたい。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) ただいまの御提案につきまして、まあ密閉した調査ということではこういう時代にふさわしくないという私も御提案には同意でございますが、一応私はこの問題は今後の問題として、ひとつ開かれる事故調査会になるような努力をしてみたいと、こう考えております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 米軍機に対して第三者の人を入れるということになったんですから、私はむしろ積極的に自衛隊の側から進んでそういう措置をとるべきだと思うんです。まあいま長官はひとつ重要な問題として検討したいということでありますから、これは前向きにぜひ検討していただきたい。私はその方が自衛隊のためにもなる、そういう言葉はおかしいんでありますが、開かれた自衛隊としての措置の一つになるのではないかと思うわけであります。  それから、まあ新聞紙上では自衛隊機が遊覧飛行をしたというようなことで、超低空飛行も横浜であったわけでありますが、この真相といいますか、それから責任をどういうふうにとったのか。時間がありませんから、もうごく簡潔にお答えを願いたいと思います。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) 本件は、海上自衛隊の対潜哨戒機――これはS2Fという飛行機でございますが、厚木におきます第四航空群の所属の航空機が、去る九月七日の夜、計器飛行訓練を実施中に東京の夜景に誘われまして衝動的に東京上空を無灯火、低空で飛行したというようなことから都民を騒がせたということで、まことに申しわけない事件でございましたが、この東京上空を飛行した理由につきましては、機長本人が東京の夜景に誘われまして衝動的に決意したというふうなことを述べておりまして、個々の隊員の自覚の問題であるというふうなことから、われわれ厳粛に反省している状況でございます。  今回の事案にかんがみまして、今後ともあらゆる機会に隊員がこの自衛隊の使命を自覚しまして、規律を持った、専心職務に遂行できるような、そういう心構えを徹底するように十分教育していくというふうなことが現在のわれわれの立場でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 たまたま低空飛行という程度で済んだわけでありますけれども、いわば超法規的行為ですよ、これは。そういう点について、もしもっと別な意味で出先が勝手な行動をやるということになりますればこれは大変なことであります。この点はひとつ厳重に、今後再びこういうことがないように措置を願いたい。  以上で午前の質問を終わりたいと思います。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後は一時から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時一分休憩      ―――――・―――――    午後一時六分開会

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 今度の人事院勧告に基づく給与改定については、人事院の勧告があった時点においてこの委員会で相当基本的な問題その他について突っ込んだ質疑が行われました。また、先ほど山崎委員からも今回の給与改定のいわば基本的な角度からの追及が行われましたので、私はごく具体的な問題について二、三お伺いをしたいと思います。  その第一番目は、今度の給与改定において、いわゆる特別給を〇・一減額をしたわけでありますが、その理由は、民間の給与実態調査に基づくと〇・一削減するのが適当だというようなことであるようです。これは、いままで特別給というものについて減額をしてまいりましたね。過去二回ですか。何年と何年、何を減額したか、ちょっとこの際お聞かせいただきたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 特別給の減額はいつ、どの程度であるかというお尋ねだと思いますが、過去に、昭和五十年の不況を反映いたしましてその民間の実態を調査の上五十一年の勧告において〇・二切り下げたことがございます。それまで五・二月ございましたものが〇・二減にいたしまして五・〇に相なったわけでございます。そのときには、その〇・二月分の内訳でございますが、期末手当〇・一勤勉手当〇・一、〇・一ずつ半々にして減にした、そういうことでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 今回さらに〇・一を減にいたしますと合計〇・三ということになるわけですね。これはいま平均賃金で一体どのくらいになりますか。概算で結構ですけれども。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 非常に大ざっぱな話でございますが、ベースが大体十九万といたしまして、それの〇・一でありますと一万九千円でございます。一〇%でございますので。それの〇・三といいますとその三倍――ちょっと時点が違っておりますが。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 時点て言ったっていま現在三〇%削減されているんだから合計、〇・三。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) はい。それの三倍でございますので、五万七千円ということに相なります。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 庶民にとって五万七千円というのは相当の金ですよね、これは。一遍に〇・三削ったということでないですから、実感としてはそういう感覚が、あるいは必ずしも大金ということにならぬと思うけれども、削減された合計が〇・三、世が世であれば六万円近い金が減らされずに済むということでありますから、これやっぱり大変なことであるということを私は人事院も政府当局も認識をしていただきたいんですよ。ただ単純に民間との対比でこうだということだけではなくして、受ける庶民、公務員労働者にとっては大変な額である、六万近い金ということになりますれば、これはその家計にとってのウエートは決して小さくない。そういう認識を私はやっぱり上に立つ者といいますか、給与担当者は絶えず念頭に置くべきであろう。そういうことがなければ公務員全体にもっとしっかりがんばれというようなことにはならぬと思います。これは特に私はこういうことを痛切に感じますので、最初に申し上げておきたいと思います。  それで、今回はこの期末手当の方を削ったわけですね。これは何か理由があるんですか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 今回は〇・一でございますが、これを期末手当から減にいたしましたのは、現在、公務員の特別給の内訳でございますが、勤勉手当が一・一それから期末手当が三・九、合わせて五・〇と、こういうことになっておりまして、期末手当の割合の方が非常に大きいということが片やございます。それから、〇・一減ということでありますので、この際はやっぱり全職員に一律にがまんしていただくということでそれが適当だろうということでもございまして、期末手当の方から減ずることにしたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 期末手当と勤勉手当の差というものは私が申し上げるまでもなく、額が若干違うわけですよね。ですから、しかも一・一と三・九に分けておるのも私は詳細にわかりませんけれども、それなりの理由があると思うんですよ、恐らく。二つに分けて、その比率が一対大体四に分けておる一つの何か理屈があるわけでしょう。しかし、いまお答えによると、三・九の方が多いからこっちから差っ引いたということじゃ私はちょっと納得いきませんね、そういう言い方は。御承知のように、これは勤勉手当に比べて期末手当の方が計算からすれば〇・一の額が違うわけでしょう。多い方を削ったわけでしょう。ただ一・一と三・九で三・九の方が多いからそっちから差っ引いたということでは――〇・一の計算が全く同額ならいいんですよ、勤勉手当と期末手当が。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 期末手当と勤勉手当は支給いたしますときの支給の仕方が違っております。勤勉手当の場合には期間率、成績率――成績率というふうなものが勤勉手当の場合には入ってまいりますが、しかしお金の枠組みといいますか、全体の原資的に見ますと、両方とも同じ考え方でございます。配分の仕方に傾斜があるかどうかの違いでございまして、〇・一と言います場合には同じでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 しかし、計算は違うんじゃないですか。勤勉手当の〇・一と、扶養手当を入れるとか入れないとかあるんでしょう。全く同じですか。同じならいいんですけれども。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 全体の原資的には同じ考え方でございますが、支給いたします支給の仕方、計算方式といいますか、基礎給与のとり方、それに対する係数の掛け方、それは違うと思います。支給いたしますときには、勤勉手当の方は扶養手当相当の分が緩みになりまして、それが傾斜配分の要素となるというようなことで、分け方が違うということはございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 ですから、ずばり言えば期末手当の方がいいわけでしょう、個々の〇・一を仮にもらう場合には。扶養手当が計算の基礎にならぬわけでしょう。それはそういうことですよ。勤勉手当と期末手当の計算の仕方は違って、どこが違うかといえば扶養手当が計算の基礎にならぬわけですから、額が違ってくる。ですから私が言っているのは、もちろん額に差があるし、いま言ったように多い方から単純に削るというような行き方では、ちょっとわれわれの側からすれば理解ができない。この点は一つ私の方で指摘をしておきたいと思います。  それから次に、教育関係の給料表、今度の改定案について二、三、これもなかなかわれわれとして理解しにくい点がありますのでお聞きをしたいと思います。  その第一番目として、校長の特別調整額、これは学級数によって、つまり教員数三十五人以上、学級数は、小学校三十、中学校二十一、高等学校十五以上の校長に対して調整手当の額を二%増額することになっているわけですね。これはどういうことでそこに線をお引きになったのか、これもひとつ理論的に御説明いただきたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) これは学校の規模によって線を引いて校長、教頭の管理職手当を増額したということでございますが、これは最近やはり教官定数、教員定数の増強とともに学校の規模というのが非常に大きくなりましたし、教育内容あるいは学校全体の管理運営が非常にむずかしくなってきたということも事実でございます。それで管理職手当は、特別調整額でございますが、特別調整額はもともと管理、監督の特殊性ということに着目して支給をいたす、そういう給与種目でございますが、こういう管理、監督の責任の大きな要因としては規模ということがございます。これは現在一般的に申しますと、行政職の場合にはそういう管理、監督の責任の中で幾つかの段階を設けまして、特にその中で規模という要因が大きく影響して差をつけておるということが事実でございまして、同一の職務の段階でもそういうふうに規模に着目して区切りをしてやっておるということを踏まえまして、それで学校規模の増大でありますとか、教官定数の増加に対応して大規模校が特に困難な管理、監督というそういう場面にございますので、校長、教頭のうちの一部についてこういう措置をした、こういうことでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 この一定の基準を引いているわけですけれども、何かそこに根拠があるのかということなんです。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 大体行政職の場合との均衡を考えておりまして、全体の中のそういう段階、管理、監督の責任、それと行政職とやはり教育職というようなそういう、教育職だけではございませんが、公務員の中の各職種間の交流でありますとか、いろんなやはり給与上の措置のバランスもございます。その中で管理、監督の責任についてもやはり共通の理念がございまして、そういうバランスを考えながら、それから教育職の中の校長、教頭の特殊性を考えながらその均衡を保つということでやったわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私はずばり言って、小学校三十というのは何か根拠があるのかということなんですよ。たとえば役所で言えば、大体三十人を超える場合には等級が上になっているとか、あるいは課が五つ以上の部長と三つの部長とは調整手当に違いがあるのかどうなのか。そういうことは現実にはないんでしょう。ぼくも県会議員をやって県庁の人なんかにずいぶん――同じ部長であっても十の課がある、あるいは八つの課があるからといって八つの課の調整手当が低いということはないんですよ、それは。ですから、そういうもし根拠があるならばその説明をいただきたいし、いやそうむずかしい根拠はないんだと、何となくどんぶり勘定でこの程度だというんならそうお答えになって結構なんですよ。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) これはいろんなバランスがございますが、もちろん行政職とのバランスもございますが、大体現場といいますか、具体的な均衡の一番わかりやすい例で言いますと、税務署の課長でありますとか、それから労働基準監督署の署長とのバランスとか、そういう具体的なバランスを考えて、大体大きさ、それに対する特別調整額の規模、高さ、そういうものとの均衡を考えながらやっております。こればかりじゃございませんが。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これはしかし非常に多くの問題を残しますよ、校長にこういったいわば差別をつけるということがね。三十になれば二%ふえる、二十九だったらだめだっていうことになりますからね。一体二十七じゃどうしてだめなんだと。それじゃ二十八になれば学校運営がやさしいのかといえば、決してそういうことじゃないんですよ。そういう教育の実態というものを、これは文部省も悪いんだけれども人事院ももっと――まあいまの文部省の考え方はちょっと狂ってますからなかなか人事院もむずかしいと思うけれども、そういう教育の実態というものを考えてみなければ、これは別の意味で大変、まあ混乱という言葉は大げさかもしれませんけれども、そういうものを及ぼしますよ。これは大学だって同じでしょう。学部の数によって差をつけてますか。そういうことじゃないでしょう。やっぱり大学の学長となれば、学部が三つであろうと四つであろうと五つであろうと大変な仕事だと思うんですよ。まあ単科大学の場合はいざ知らず、そういう数によって給与に差別をつけるということについては非常に問題を起こす。特に教育界の中においては別の意味の大きな格差といいますか、そういうものをつけるわけですから。これはそのまままた人事異動にも関係するわけですよね。いままで大きな学校から――まあその昔は大きな学校がいい学校だ、格からすれば上だなんていうことが戦前はあったんですが、いまはそうじゃないんですよ。私は横浜に住んでいますけれども、私の周辺はいわば人口急増地帯ですからみんな大規模校です。率直に言って。市の中心部は戦前の呼称からすれば一流校ですが、これはもう小規模校ですよ。そういった面での人事異動についても今度は非常に大きな問題を投げかけるわけですからね。私はりっぱな校長であれば何もそんな大規模校に行ったから賃金について云々という校長はいないと思いますよ。のみならず、むしろ大変な問題を投げかけるというそういう点についての心配の方が私は大きいと思いますね。この点について、まあこれは文部省の示唆があったかどうかは知りません。しかし私はそういうことは考えたくないんですよ。少なくとも人事院がこの使用者側という立場を離れて客観的に公務員の給与を決定するというような立場にあれば、文部省が何を言おうと、もう少し私は客観的な立場に立って給与というものを決定すべき立場にある。これについて私は大変理解に苦しむんです。この問題によってさらに教育界において別のむずかしい問題を投げかけるという点での責任はきわめて重大であると思うんです。  立場を変えてちょっとお聞きいたしますけれども、一学級当たりの生徒児童数、一つの基準がございますね。仮に四十人としましょう。しかし現実には四十人以上の子供たちを教えている教師も、学校もたくさんありますね。これについては何かお手当は別に出ておりますか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 一クラスの児童数についての差ということによるそういう付加するものという考え方は用いておりません。一クラスの中に同時に入ります学年が違っておるというようなことに対する、そういう学級を担任しておられる先生に対する手当はございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 一人の先生が受け持つ授業時間数も一定の基準があるわけでありますが、仮に二十五時間としましょう。しかし二十五時間の授業を超えて、いろんな関係で、授業をやっている先生がたくさんおりますね。これについて何か手当はあるんですか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 教員の場合には勤務時間の給与上の評価の仕方として特段の措置を用いておりまして、教職調整額という、四%、本俸的な措置をとっております。これは勤務時間として計算をして時間当たりの給与を支給するという超過勤務手当になじまないということで、そういう非常に平均的な把握の仕方で支給しておるというようなやり方になっておるわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 つまり校長さんだって勤務時間があるんですよ、四十四時間という。そうでしょう。ですから、校長の場合には三十学級以上の場合には手当をもらえる、いわば管理者の側は。おれは三十以上の学級だからもらうよと、おまえなんかは平の教員だから基準の四十人の学級が四十五人になったってそれはだめだよ、週二十五時間の授業が二十八時間になってもそれはやれと、しかし手当は出さないよと、こういうかっこうでしょう、これは。校長さんの場合には学級数が多くなったってそれによって勤務時間が義務的に長くなるわけじゃないんですよ。むしろ私は学校運営とか全体をまとめていく場合には逆にすべきじゃないですか。そういう点にまず配慮をして、その上に立って上に立つ者が一歩おくれてそれじゃ私ももらおうかということになれば、それはなるほどというふうにみんな理解すると思うんですよ。しかしそういう措置をやらずに――私は四十人が四十五人になったからすぐそれは賃金を上げろとかなんとかということを言っているわけじゃありません。そんなこといまの先生は言わないと思いますけれども、一つの比較の対象として、そうした――これは教職員ばかりじゃありません、一般の公務員、すべての労働者がそうだろうと思うんですよ。一定の基準よりもやっぱりよけい仕事をしなきゃならぬ。つまり同じ勤務時間の中においても、生徒児童数が多ければ、授業時間が多ければそれだけ苦労するわけですからね。そういった人たちに対しては何ら手当を出さずに、温かい配慮をしないで、まず校長だけに手当てをするというのはこれは逆じゃないですか。私が文部大臣だったらまずそういうことは考えませんね。やるとしたら逆にしますね。まあ文部大臣になれないからしようがないけれども、それはそういうことですよ、人事というのは。そう思いませんか。もし思わなければそれはちょっとどうにかしていますね。文部省がもしこういうようなことを言ってきたとすれば、それは文部省が本当にもう狂ってる証拠ですよ。直接現場で働いている教職員あるいは公務員、そういう者に対して温かい配慮をまずやる、上に立つ者はその次にやっていくということでなければ人事がうまくいくはずがないじゃありませんか。私の考えは間違いですか。人事院総裁にこの際ちょっとお聞きしたいんです。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 考え方の方向あるいは基本的な姿勢というのは、これは片岡委員も本当の専門家でございますし、実務の経験もおありの貴重な経験からお話しになっておることでありまして、私もその基本的な姿勢なり方向というものについては全く同感でございます。そういうことは常に配慮しながら給与行政にも当たっておるつもりでございます。いまお話しになっております管理職手当特別調整額の問題でございますが、これはもう先生十分御承知のように、校長あるいは教頭というのが部下を持ちまして、これのやはり管理監督というようなことをやっていかなきゃならぬ、その職責の重要性というものに着目をいたしまして、しかもこれは超勤というようなことにはなじまない。一般の公務員もそうでございます。そういうことで、一般公務員の場合にもそういう措置が講ぜられたということもございましてて、管理職手当に当たる特別調整額というものを支給して今日まで来ておるわけでございます。ただ、一般の教員につきましても、これは一般の公務員とは違いまして、いま御指摘もございましたように、そう超過勤務とかなんとかというようなこととは関係なくて、やるべきときはやらなきやならない、そういうこともございますこともありまして、これは国会でもいろいろ御論議をいただいた結果、いわゆる調整額、超勤に一般的には見合うようなことで、超勤制度にはなじまないということで調整額制度というものが創始されたわけでございます。それとの対応で特別調整額というものがあるわけでございますが、これは現在――従来までは規模にかかわりませず一定率の管理職手当というものが支給されておったわけでございます。ただ、今回人確法に基づく第三次後半ということで一応最終的な措置ということに相なりまして、その際にやはり専門の文教をあずかっております文部省の方からぜひともこういう点についてひとつ配慮してもらいたいというような要望も出されておったこともございます。そういう点、いままでの第三次前半までの締めくくりをいたしまして、総括的にもう一遍見直して、その上でやはりこの点についてはもう少し手当をした方がいいんじゃないかという結論でもって今回の管理職手当の増額ということを打ち出したわけでございます。この考え方自体は、いままで一律的でございましたもののほかに、やはり職員数が多いというようなことになりますと、それ相当な苦労度というものも違うものがございます。個々具体的に見ました場合には……

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 簡単に頼みます。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) はい。いろいろその人の特殊才能もございましょうし、いろいろ問題がございましょうけれども、しかし、やはり一般的に言って規模が大きいということについては苦労度も多かろうというような点に着目をいたしまして、一定規模以上のものについては管理職手当の若干の増額をしたらどうかというのが今回の措置の理由ということに考えております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私が聞いているのはそういうことでないんです。その内容じゃないんですよ。一定規模について考えるんなら、現場の人たち、同じような条件で一定規模以上の生徒児童数を抱えて教育をしなきゃならぬ、そういう先生がたくさんいるじゃないか、あるいは一定規模の一週間の時間数を超えて授業をやっている先生だっているじゃないか、そういうものは何にもしないで、校長さんだけ――私は校長さんの仕事も大変だと思うんですよ、それは。しかし、まず上に立つ者から先にやるというのは逆じゃないですかと言っているんです。そうでしょう。そういう現場で働く人たちのことはさておいて、まず校長さんということについてはこれはもう逆だと言うんですよ、やり方が。もちろんこういう一定規模以上ということではっきり格差をつける、こういうことにももちろん問題がありますがね。この点はひとつ人事院でも深く再検討をしていただきたい。  次に、もう一つ幼稚園の問題についても同じようなことが言えると思うんですね。義務教育教員特別手当を今度は国立の幼稚園にも出した、ところが半分ですよと、こういうことです。二分の一というのはこれはどういうことなんですか。ちょっと答弁が長いから、なるべく簡潔にずばり言ってください。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 幼稚園の教員に対する特別手当の支給でございますが、これも長い間宿題になっておりまして、これは当初から附帯決議をいただきました中にも均衡を考慮しながらやれ、検討するということになっておりまして、それで今度の三次の後半の最終段階にやっと踏み切ったという経緯でございまして、それにつきましても人事院がやっております国立の幼稚園に対して悉皆調査をいたしまして、それで結果的に簡単に申しますと人材確保の面で多分に小学校教員と競合する面があるという結論に達したために、これは義務教育そのものではない、したがって、人材確保法の趣旨そのものではないけれども、そういう附帯決議の趣旨も踏まえて、かつ実態の競合点も意識した上で均衡上二分の一と、こういうことにしたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 均衡上ってのはどういう――義務教育でないからということですか、均衡というのは。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) まず、基本的には義務教育そのものではない、人材確保法の目的とする義務教育教員の水準を上げるというそのものではないということで、まず前提条件としては外れるわけでありますけれども、均衡上ということで検討した結果やるということで、その競合しております点などを見まして、同じといえば同じ面もございますが、違うといえばそういう意味でたてまえが違っておるということもありますので、それで二分の一ということにしたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 これは高等学校だって義務教育じゃないですからね。これはもうほぼ平等に適用するようになっておるんでしょう、高等学校の場合には。  そこで、人事院勧告でも国立幼稚園の場合には「幼児の保育に関する研究協力、教育実習指導等の教育研究活動を担当しているという特殊性もあって、」というようなことが言われておりますね。いわゆる幼稚園であれ、小中学校であれ、高等学校であれ、教育活動の中におけるいわば研究という分野、これは重要な柱ですよね、これは小学校だって中学校だって。どうやって教育効果を高めようか、絶えず教職員は研究活動を集団で、あるいは個人的にいわば教師としての基本的な任務だろうと思う。これは国立幼稚園だけの問題じゃないんです。幼児の保育に関する研究努力、これはもう幼稚園たると何たるとを問わず教師の基本的な任務ですからね、そうでしょう。ただ、「教育実習指導等の教育研究活動を担当している」ということに、これはまあ一般の教職員と違うかもしれません。もしそういう特殊の任務に与えるということになりますれば、これは義務教育教員特別手当の性格からおかしいんじゃないですか。つまり、義務教育教員特別手当というものは、いわゆる教育関係者に対してその職務内容にかかわらずすべてに平等に、平等というか、すべての教職員に対して、教育担当者に対して与えるというのがこの教員特別手当じゃないですか。この先生はむずかしい何々を教えているからこの手当を出すと、この先生は体育の先生で大変肉体労働があるから出すという性格のものじゃないでしょう。すべての教職員に対して出すという性格のものですから、その職務について出す性格のものではない。とすると、「教育実習指導等の教育研究活動を担当している」ということに対する支給ということについてはおかしいんじゃないですか、これは。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 教員養成の中で付属ということで高校、中学、小学校、それから幼稚園、それぞれの教員養成の、大学全体としての教員養成に協力するということで、また教育活動、研究活動のそのものの場になるということで、これは一体であろうと思っておりますので、そういう表現になっておるわけでございますが、まず基本的に申しますと、人材確保法の趣旨がまず義務教育ということに焦点を置いております関係上、その義務教育とどういう、仕事の上で、あるいは一体性なり、あるいは職員の構成なり、人材確保の面でどういう競合をしておるか、そういうところから入っていったわけでございます。それで均衡の程度がどうかと、こういうことになろうかと思いますが、そういう考え方をそこに報告で書いたわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 つまり教育研究ということは学校種別を問わず、教師の基本的な任務ということは、これはだれもが認めるわけであります。教育実習ということになれば、これは付属の小学校、中学校もあるわけですよね。義務教育教員特別手当の場合に、小中学校の場合には、大学の付属の小学校、中学校だけに支給しているというものではありませんね。すべてのものに出している。もし教育実習という仕事が別にあるならば、これはそういうものに対して別に手当を支給すべきじゃないですか、もしそういう必要があれば。ですから基本的に義務教育との均衡ということを考えていけば、これは幼稚園を差別するということは理論的にできないんじゃないですか。そうでしょう。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) やはり特別手当を支給するかしないかという入り口の話でございますが、これはやはり義務教育教員等特別手当は全く義務教育の教員の水準を上げるということで現在給与法上規定がございます。したがって、それをどういうふうに考え方を及ぼすかどうかということでございまして、したがってどうしても義務教育の教員の勤務の実態なり現状がまずありまして、それとの関連においてどの程度なのかという入り方になるわけでございます。前提条件にそのまま入るということにはどうしてもならないと思いますが、それでどういう関連で給与上均衡を要するかという、その均衡の要因をそこに書いたわけでございます。しかしながら、そこで出てきました結論として、今回二分の一ではありますけれども支給をするということをそこに書いておりまして、それで国立についてはそういう考え方をそこに示したということに相なっているわけでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 なるほどこの人確法については義務教育ということが一つの法律の趣旨になっておりますけれども、これは人事院自体だって、この人確法に基づく教職員の賃金改善については、他の公務員との均衡も考えなきゃいかぬ、絶えずそういうことをおっしゃっていますね。私もそれはそのとおりだと思いますよ。ですから他の公務員の均衡とも考えなきゃならぬ。ましてやこの幼稚園は小中学校との関係を考えるのは当然じゃないですか。あるいは高等学校、大学についてはある程度その均衡を考えて改善をしてきたことは事実でありますからね、そういう既成の事実からすれば、幼稚園に対してまあこういう言葉を使わしてもらうならば、やっぱり差別ですよ、半分というのは、理論的根拠がないわけですから。まあそれはそれとして、時間が切迫してまいりましたので、幼稚園までに拡大をしたということについて一定の評価があると思うわけでありますけれども。  これはひとつ自治省の方にお伺いをいたしますが、国立の幼稚園は非常に少ないわけでありますけれども、幼稚園といえばむしろ公立の方が圧倒的に多いわけですね、県立、市町村立。この今回のいわゆる幼稚園への特別手当の拡大について、当面今度は地方の問題として出てくるわけであります。自治省としては当然これに見合って公立の幼稚園の教職員の給与改善という措置を講じなければならぬ立場にあるわけでありますが、自治省としてどういう姿勢でこの問題に取り組んでいくか、お答えをいただきたいと思います。

石山努自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(石山努君) 公立幼稚園の給与の問題でございますが、教員の給与改善につきましては、これまでにおきましても国の措置と同様の措置を講ずるということで一貫して指導してまいっておりまして、今回の給与改善につきましても同様の考え方で指導をしてまいりたいというように考えております。その場合に公立幼稚園の教員に係る特別手当につきましても同様の考え方でございまして、人事院勧告の趣旨に沿って同様の措置を講ずる、これが基本的な考え方でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 わかりました。そういたしますと公立の幼稚園につきましても、教職員の特別手当を幼稚園に支給をしたという今回の国の措置をそのまま基本的には公立の幼稚園にも拡大をしていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

石山努自治省行政局公務員部給与課長

○説明員(石山努君) 今回の国立幼稚園の教育に対する特別手当につきましては、いま御質疑の中にも出てきた問題でございますけれども、国立幼稚園における実態、そういうものから小学校との権衡上一定の措置を講ずるという考え方が勧告の中にも明らかにされております。そういうことから公立幼稚園につきましても同様の考え方で同様の措置を講ずるということで、国立幼稚園と同様の実態のある幼稚園につきましては同様の措置を講ずるということになろうかと思います。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 何かちょっと抽象的でよくわかりませんけれども、同じ幼稚園で国立の幼稚園は手当をもらえた、県立や市町村立の幼稚園は格が低いから手当がもらえないなんというようなことにならぬように、そういう格が低いというのは現実の問題じゃないんですよ。低いから出さないんだというような印象を与えるような行政措置というものは絶対になさらぬように、これもやっぱり今後大きな問題になりますので、国が措置した以上、公立の幼稚園についてもそれなりに一生懸命がんばっているわけでありますから、平等の原則で拡大をぜひしていただきたい。そういう前向きのお答えがありましたのでこれは了といたしまして、ひとつ御努力をいただきたいと思います。  次に、これもいままでずいぶん附帯決議で出されております学校事務職員の給与改善の問題であります。これは学校事務職員について同じ屋根の下で教育活動を支えている重要な役割りを果たしているわけでありますが、人確法の関係で教職員の方が相当額の改善を見た。しかし、事務職員が取り残されている。これは事務を担当するんだから別だと、理屈はそうでありましょうとも、しかし学校職場にある事務職員というものは私はそうではないだろうと思うんです。私もささやかな経験がありますけれども、事務職員といえども子供が泣いていれば黙ってそこを通るわけにはいかぬ、どうしたの……。あるいは子供が困っていれば先生のかわりをする。時には、子供が病気になって先生は忙しいから事務職員が家庭に送り届ける。まさに教師と一体になって教育活動を推進しているわけでありますから、そういう点から、先ほどの人事院の御答弁ではありませんけれども、教職員との関係の中でもっと配慮してしかるべきだろうと思うんです。再三の附帯決議にかかわらずこの面が大変立ちおくれている、このように私も感ずるんですが、これに対して今後どういう方向で附帯決議の実現に向かって努力をしていくのか、お答えをお聞かせいただきたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 事務職員問題でございますが、これは附帯決議もいただいておりますし、私どもも皆さんから、職員の方々からそれについての実情をよく伺っております。ところで、この問題につきましては、国立の場合には、これは任用配置の問題と非常に関連のある問題でございますが、公立のことについて人事院として申し上げるすき間はございませんけれども、国立の場合では問題がないと、そういうふうに私ども思っております。しかしながら、この問題については、やはり何かいい知恵がないかということで、一次改善以来この問題に一生懸命取り組んだことも事実でございます。それで人確法の一回目の改善勧告のときにこれについて任用配置を含む問題としてそういう問題提起、解決の方法がないかということを説明のところで特にこの点に触れたことがございます。その後それについて関係省の方で御指導なさっているというふうにも伺っておりますが、現在、それにもかかわらず、何かいい知恵がないかということは依然として問題としては十分頭に持っておるつもりでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 知恵がなければささやかな知恵だけれどもおかしいたしますから。やっぱりこの問題は教育現場という、大きなこういう巨大な官庁のような職場でないですからね。小さな一つ一つの学校の中で二十人、三十人が集団として教育活動をしているその一員でありますから、この点はもっと知恵を――人事院は知恵者の集まりですから、その点は私は信頼しますので、どうぞ知恵を出して大いにやっていただきたいと思うんです。  最後に、今度の給与勧告について、いろいろ問題点があります。先ほど指摘したとおり、これは山崎委員さんも指摘いたしました。全体的に言うともうきわめて低い勧告であるということは、もういまさら言う必要はないと思うんですけれども、この内容を見てもたくさんの矛盾をはらんでいるわけですね。ずばり言って上の方の人の救済措置というものは非常に手厚くやられておるけれども、そうでない人たちの手当てというものが比較的不十分であるということ、私もいま指摘したとおりであります。そういうことが言えるわけでありまして、またやっぱり人事院というのはもう少し客観点な立場に立って、ずばり言って文部省の下請機関じゃないんですから。しかし、人確法に基づく主任手当の問題等について、果たしてこれ人事院が中立機関としての存在価値があるのかなという疑いさえ持たれるこの主任手当の問題等について、率直に言って私も大きな不満を持っているわけであります。文部省は文部省なりに一つの考えを持つでしょう。しかし、事給与については人事院はもっと客観点な立場に立って、文部省がきわめて意図的な改定を強行しようとしておりますけれども、そういう点についてはブレーキにもなって、現場で働く教職員、現場で働く公務員の給与改善にもっと真剣に、というよりももっと温かい配慮をしていっていただきたい。このことをひとつ最後に申し上げまして、時間が参りましたので終わりたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 官房副長官に伺いますが、この公務員の給与の問題を閣議決定されたときに、この第四項として三公社五現業、公庫、公団等の「特別給は労使間の団体交渉で決定すべきものではあるが、これまでの経緯にかんがみ、国家公務員の例に準じて措置されるよう期待する。」こういう文章があるんですが、これは権限外のことを、一言よけいなことを言っているんじゃないかと思うんですが、これはどういう意味ですか。

森喜朗自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(森喜朗君) 三公社五現業等におきます特別給は、公労法等によりまして団体交渉事項となっております。当局と組合の団体交渉にまつことになっているわけでありますが、政府といたしましては、一般職の国家公務員に準じて改定されてきたというこれまでの経緯等にかんがみまして、円滑に三公社五現業等の給与も直接の交渉によりまして国家公務員の例にならって措置されますように期待をいたしたものでありまして、決して野田先生のおっしゃるように団体交渉権を侵害いたしたものではございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 過去の経過を調べてみたんですが、経済の上昇過程で公務員の特別給が増率といいますか増額といいますか、ふえるときのこの措置を決めるときにはこんなことは全然触れられていないんですよ。そして率が下がるときになってからこういう項目がつき始めているんです。どうして公務員の特別給がふえるときに一言も書かないで、下がるようになってから書くようになったのか、そこのところがどうも私は納得いかないんで、副長官は期待をしているということであって、交渉事項にまっているんだということでありますけれども、私は増額のときには一言も言わないで、減るようになってからこの項目がつき出したことは非常に不自然だと、こういうふうに思うわけなんですが、特に、この三公社五現業、公庫、公団等は、それぞれの組合が労働組合法なり公労法によって交渉権によって労働条件を決める制度になっているわけですから、期待をするといってもこれは実質的にはガイドラインをそこに設けて交渉に立ち入る、交渉の上限をくくってしまう、こういう実質的な措置と私どもは見るわけですけれども、そういう意思はないということがはっきり言えますか。

森喜朗自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(森喜朗君) いま先生もお読みになられましたけれども、「いわゆる特別給は労使間の団体交渉で決定すべきものではあるが、」と、こうあえて申し上げておるわけでありまして、あくまでも三公社五現業等の給与は団体交渉事項であるということを十分承知をいたしております。したがいまして、あくまでも私どもは民間準拠という、これに期待をしたということでございまして、それをガイドラインで設定をしたとか枠をはめたとか、そういうような考え方は持っておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 団体交渉権を尊重しそれにまつということであれば、この文章の中から、団体交渉で決定すべきものであると、そこで切っておけばいいんで、「が、」以下は要らないんです。これは。  では具体的に伺いますけれども、ガイドラインではないと言われているけれども、大蔵省の方はこの三公社五現業の予算について何か――一・九ヵ月分以上の予算は組まれているわけですけれども、年末については二ヵ月分組まれているとのことですが、そのうちの〇・一ヵ月分については凍結の指示を大蔵省から出していると、こういうふうに聞いているんですが、その点いかがですか。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) ただいまお尋ねの三公社五現業の期末手当の財源につきましてでございますが、特段の指示なり措置をとってはおりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、この予算が現に計上されている。そしてこの決定については団体交渉の中で出た結論によって協約、協定等によって実行という制度になっているわけですが、そういうふうに進めていくということで大蔵省はそれについては一・九を超える場合があっても一切の干渉はしないと、こういうことを確認をしていいですか。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) 先ほど九月一日の閣議決定、期待をしている云々については森官房副長官からお答えがありまして、従来の経緯から見て一般の国家公務員に準じてずっと続けられてきているので、そういう形で妥結することを期待しているというぐあいに答えられました。しかし、これはあくまでも労使交渉によって決定するというたてまえを侵すものではないということを述べられました。先ほど給与課長が申し上げましたように、大蔵省としては〇・一のカット等の具体的な措置をいたしておりませんし、特別の指示もいたしておりませんので、その決定によって処置をするというぐあいに考えているわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それでは交渉の過程において当局側は大蔵省の了解が得られないとか、あるいは大蔵省の指示によって云々と、こういう言葉は一切出ない、出たとすればそれは当局側のごまかしか、あるいは大蔵省が介入をした、こういうことになるわけで、そういうことはあり得ないと、こういうふうに理解をしておいていいですね。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議大蔵政務次官

○政府委員(井上吉夫君) 大蔵大臣閣議のメンバーの一人として九月一日の人事院勧告に基づく措置についての閣議決定について参画をいたしておりますので、その際の期待するという取り決めの内容なり、性格については官房副長官から説明がありましたが、閣議の構成メンバーとして答えました大蔵大臣の立場、それを越えて大蔵省自体がみずからの立場において予算上なり、その他の理由によって大蔵省からカットを指示するという立場はとりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 公社、公団等についてもこれは三公社五現業よりももっと労使間の問題については労働組合法の適用団体でありますから、この種のいままで議論したようなケースは全くない、全く自主的に団体交渉によって決定されればいいと、こういうふうに理解しておいていいですね。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) 公団とか、それから事業団を指しておるのかと思いますが、それらにつきましてはいま労働法上は先生御指摘のようなことになってございますが、別途予算、財政上の問題といたしましては、主管大臣がそれらの主要な予算の項目につきましてチェックをすることになっておりまして、そのチェックをするに当たりまして大蔵大臣が協議にあずかるというふうなたてまえになってございます。したがいまして、その限りにおきましては協議大臣といたしましての予算措置上の意見を差しはさむということはあろうかと思いますけれども、それはそういう意味でございまして、決して直接的に労使交渉そのものに対して介入するというふうな立場でないことは三公社五現業の場合と同様でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 チェック、協議という立場で労使間の交渉の結果に対して大蔵省として介入し得る立場にあるんだと、こういうことですけれども、そのチェック、協議というのはあくまでも労使間の自主的な交渉というものについては尊重する立場に立つと、こういうふうに理解をしていいんですか。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) 公団、事業団等につきましては財政上政府資金等に依存する部分が非常に多うございますし、なおかつ事業の内容も政府の事業と非常に類似しております公共的な性格を持っております。そういう観点から予算上等のチェックを受ける形になっているわけでございまして、そういう点におきましては私どもといたしましては理事者側に対しましてできる限りその公共性等にかんがみまして公務員等に準拠した形での団体交渉が行われるように期待するというふうなことになろうかと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 期待をするということですから、それなりに受けとめておきたいと思います。  労使間の自主的な交渉の経過あるいは結果あるいは使用者としての当事者能力には特に制約を加えない、こういうふうに考えていいですね。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) 団体交渉そのものに対しましては、大蔵省といたしましては何ら制約を加える考え方はございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはまあちょっと所管は自治省になるんですが、全体の決定をされた各省にまたがる事項ですから森副長官にこの問題の最後に伺っておきたいと思いますが、公労法それからいまの公社、公団等の問題についていま伺ったわけですけれども、地方自治体には公労法と同じ制度によって成り立っている地方公営企業関係の地方労法によって組織されている団体があるわけです。公営交通とか水道事業とか。この地公労法も公労法と同じような形での法体系になっているわけですから、地公労法の関係についての労使間の問題もやはり同様の趣旨として理解さしておけばいいと、こういうことですね。

森喜朗自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(森喜朗君) あくまでも公労法等によりまして自主的に当局と組合とが話し合って決めるものであって、私どもとしてはそれに枠をはめたり侵害するというような態度をとる考えはありません。あくまでも私どもは政府は期待をするという程度にお考えいただければと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 終わります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 私の質問時間五十分になりましたので、実は一昨日に続いて特に防衛上非常に重要な継戦能力、特にその中の弾薬の備蓄の問題、抗たん性の強化の問題、こういったような問題についてもまずお聞きをするつもりでありましたが、これ時間がありましたら後からお聞きさしていただきたい。  まず初めに、きのうの朝の日本経済新聞に載っておりました、ここには「五次防」というような表現で書いてございますが、五十三年度の中期業務見積もり、これについてお伺いしたい、こう思います。これは、去年の四月に出された防衛計画作成に関する訓令に基づく中期の統合防衛見積もり、そして中期の業務見積もり、これに関連をしたこの内容だと、こう思っておるわけですが、この統合中期防衛見積もり、そして中期業務見積もりというものは、いつごろから作業を開始され、いつごろまでに終わられる予定で作業を進めておられるか、まずそれをお聞きしたいと思います。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいました計画大綱の中で私どもは中期業務見積もりをやっているわけでございますが、これは各幕との間で具体的な中期業務につきまして、ことしの春から作業を始めております。そして五十三年度末、すなわち来年の三月末までに一応防衛庁の計画というものをつくり上げたいと考えているわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 いまのは中期業務見積もりの問題ですね。統合中期防衛見積もりの方はどうなっておりますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは中期業務見積もりと関係があるわけでございますが、この方はことしいっぱいに計画の作成を終わる予定でおります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 この訓令によりますと、「統合中期防衛見積り」で、内外の諸情勢その他を十分に見積もる、そして防衛力整備の基本構想、重点等を明らかにして中期業務見積もりの作成等に資するんだと、また「中期業務見積り」のところを見ますと、統合中期防衛見積もりを参考として、主要な事業及びそれに要する経費の概略見積もりを行って、年度業務計画の作成等に資するのが目的だと、こう書いてございます。そうしますと、統合防衛見積もりの方が当然先行しなきゃならない。これらを受けて中期業務見積もりというのがつくられるべきものであり、当然それでなければ統合中期防衛見積もりの存在価値もなくなるんじゃないかと、こう思うんですが、その辺はどうでございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) もちろんそのとおりでございまして、統合中期防衛見積もりの方が先行いたしております。これは、統幕で主としてやっておられるわけでございますが、それを受けまして各幕が中期業務見積もりというようなものを作業を始めておりまして、こちらにつきましてはいわゆる年度の業務計画との関連におきまして深いかかわりがあるものでございますから、おくれた形で進んでおりますけれども、まあ全く別個にやって、そしてそれが終わらないとできないというものでもないと考えておるわけでございます。  と申しますのは、中期業務見積もりというのが、いままでの四次防までの形と変わっております。変わっておりますということは、防衛計画の大綱におきまして防衛力の規模というものは一応定まっておるわけでございます。したがいましてその中の主要装備品等の近代化の計画あるいは更新計画というものがどうしても中心になるものでございますから、いわゆる防衛力の量、質ともにふやすといういままでの長期の防衛力整備計画と違いまして、そういう意味では新たな構想がそこに出て、そしてどういうものが必要だという分野がかなり狭くなっているわけでございますので、そういった意味では、かかわり合いはあるわけでございますけれども、年度の中期の防衛計画ができなければ業務見積もりができないというものでもないというふうに考えておるわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 確かにそういう面が多いんだろうと思います。と思いますけれども、統合中期防衛見積もりの最大のねらいの一つは、やっぱり情勢判断をすることじゃないかと思うんですね、対象とする年度が結局五十五年度から五年間ですか、この訓令によりますと。そうなりますと、その間の情勢判断をして、それを受けて、そしてあるものは防衛計画の大綱にもはね返る、こういう面もあるんだろうと思うんですね、当然。そういう意味においては、それでは情勢判断というものは、少なくももう長官の決裁までいただかれて、そしてそれに基づいて作業をしておる、このように理解してよろしゅうございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) もちろんこの情勢判断というものが防衛計画大綱まで動かすような場合には、当然内閣の決定を経なければならないと私どもは思っているわけでございます。現在におきます情勢判断につきましては、これは毎年年度の業務計画においても判断を仰いでおるわけでございますが、この見通し得る五年間、中期業務計画の五年間というものを見通しまして、防衛計画の大綱を変更するような要因はないという判断のもとに報告をいたしているわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 それは防衛局長の御意見ですか、統幕が長官に答申をし、承認を受けた判断でございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これはもちろん統幕の作業の結果でございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 新防衛計画の大綱に、情勢判断上の枠組みがはっきり決められておりますね。それで、大体日米関係あるいは中ソの関係あるいは朝鮮半島の情勢、こういつたような骨組みが変わらなければ、大体この計画を変えないでいいんだと、こういう基本的なお考えかとも理解しておりますが、それはそのように理解してよろしゅうございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 防衛計画の大綱をつくりました以降の大きな情勢の変化をもたらす可能性のある要因といたしましては、在韓米軍の撤退の問題がございます。それからやはり極東におきますソ連軍の増強の傾向というものがございます。それらを情勢判断の際に各幕僚監部あるいは統幕などで十分将来のことを検討しながら、やはりこの極東におきます軍事情勢というものは、いわゆる三極構造というものになっておるわけでございまして、大きな紛争が起こる要因というのは、まあ見通し得る五年間にはないだろうという判断をいたしているわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 まあここで私は何も情勢判断論争をしょうなんという気は毛頭ございません。ございませんけれども、少なくもこのことしの防衛白書でも防衛庁の方で言っておられますけれども、われわれの周辺諸国の軍事力、特にソ連の海軍力なんというものは、異常なまでの質的、量的な増強を来しておる。これに対しまして、これは防衛庁は余りお認めにならぬわけですが、アメリカの太平洋地域に対する軍事プレゼンスといいますか、これは大きな傾向としては、そう何といいますか全く心配せぬでいいと言えるような方向にはないと、こういう問題が一つあるだろうと、こう思っております。その上に、ここで私はお聞きしておかなきゃならないんですが、この夏アメリカへ行きました。行きまして政府関係当局者ともいろいろと意見の交換をしました。また上下院の軍事委員会、外交委員会のメンバー、さらにはブルッキングス研究所初めいろんな研究所の所員等とも意見交換をしたわけですが、その中で一つ、去年の暮れに上院の軍事委員会の中に西太平洋地域の軍事調査小委員会というのがつくられて調査活動を始めておる。これはもう御承知のように、NATO地域の軍事調査委員会、これが結成されて、二年間の検討の結果アメリカあるいはNATO諸国に対する軍事政策の提案を行った。同じような目的のように私は理解をしたわけです。これがNATOと同じような状況でございますと、来年の暮れごろまでには、インド洋を含むところの太平洋地域のアメリカ及び関係各国の軍事的な責任分担、こういったような問題についての検討と提案も行うんじゃないかと、こう思うわけです。アメリカの軍事政策そのものがこの提案に大きく左右されましたし、またNATO諸国もこの影響を受けておることはもう御承知のとおりでございます。で、これらの軍事委員会の提案がどういう提案になるかわかりませんけれども、それらによってはやっぱりこの新防衛計画の大綱を手直しをするといったような事態、これも私はアメリカに言われたからというんじゃなくて、実態の把握の上に立ったそういう問題も起こるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 軍事委員会の調査団というのが各地のアメリカの軍事力その他について調査をしておるのは、去年新たに発足したということをいま先生おっしゃいましたけれども、常時そういうことばやっているようでございますし、また私どももその報告は受けているわけでございますが、ただ、このいわゆる議会の調査がこうだったから直ちにそれに対応するようなものというふうには結びつかないかと思います。それがアメリカの政府の政策となり、そしてまたその範囲において日本として検討しなければならないことがあるとするならばしなければならないと思いますけれども、いま直ちにそういうことが行われるから見直さなければならないというふうには考えておりません。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 どうも私の言ったのが正しくは御理解いただけなかったようでございます。私の言ったのは、特にアメリカの場合議会の権限が強いことはもう御承知のとおりであります。影響力が強いのも御承知のとおりであります。それらによって影響を受けるアメリカの軍事政策というもの、これは私は、好むと好まざるとにかかわらず関係各国についてもやっぱり波及をしてくるというのが自然の流れじゃないかと、こう思うわけです。そういう場合においては私はやはりこの新防衛計画の大綱を見直すという一つのファクターにもなるんじゃないだろうかと、こういうことを言っておるわけです。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それはその報告によりアメリカの政策がどういうふうになるかということを見なければ何とも言えないと思いますけれども、それはそういう場合が絶対にないというふうには考えておりません。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 そこで私は、中期業務見積もりを確かに統合中期防衛見積もりの方が先行しているんだろうと思います。それを受けてやっておられるんでしょうが、具体的にこの見積もりをつくられる上においてどういうような前提条件あるいは枠をはめてつくっておられるのか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは特に枠をはめるというようなものではございません。統合中期防衛見積もりの方はこれは全く軍事的合理性の面からいわゆる統幕が中心になってやっておられるわけでございます。それを受けまして中期の業務見積もりを各幕にやっていただきまして、そしてそれを全体としてまとめるというような形の作業でまいりたいと思っているわけですが、これによって枠を設けるというようなことは考えておりませんので、これは防衛計画の大綱に決められている規模というものが一応の枠というふうにお考えいただければいいと思います。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 いまおっしゃいました新防衛計画の大綱に決められておる枠といいますと、この前も防衛庁の方でどこかの委員会で申されたと思いますけれども、大体ここ数年間はGNPの一%以内でいいんだと、それでやっていけるんだと、こういうお考えもあったように思いますが、そうしますと、五十五年度から五年間にわたるところの中期業務見積もりの作業も大体そういう枠組みの中でやっておられると、このように理解すべきでございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それは閣議の決定がございまして、当面GNPの一%という枠がございますので、それを一つのめどにしながら作業をやっているというのは事実でございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 それから、いわゆる従来の四次防までの計画と新防衛計画はずいぶん変わったわけでございますね。それで四次防までの計画ではもう予算の枠をぴしっと決めてあった。それがぐあいが悪いから新防衛計画では枠は余り決めないでやるんだと。そこで、そう言ってもある程度の枠が必要だから当面一%以内ということが決まったと。今度の中期業務見積もりは、私はいままでの四次防までとはやはり性格が、似ているところもありますけれども基本的には違うんだということになりますと、当面一%以内という考え方、これは相当幅を持って防衛庁としては考えられるべき性質のものじゃないかというふうに思うんですが、当面というのが五十九年までつながるんだということになりますと、いろんな問題が起きてくるんじゃないかという気がしますが、いかがでございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま私が申し上げましたのは一%以内というようなことが閣議で決まっておりますので、それをめどとして現実的に毎年のたとえば建艦計画そのほかについて検討しているということでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 私は一昨日もいろんな防衛上の問題で言いましたけれども、また後からも申し上げることになると思いますけれども、いろんな防衛政策を推進していく上において、防衛庁自体が余り――確かに政府で決めたものですからこだわらなきゃいけない、それに拘束されるのはあたりまえだと思いますけれども、しかし当面というのをいつまでとるかというような問題は、これはもう私は防衛庁が現在の国際情勢なり、そして防衛力の実態を考えられて積極的にいろいろと提案をされてしかるべき問題じゃないかと、こう実は思うわけでして、結局いまのお話を聞きますと、五十九年までいまのままで、いまのようなパターンでずうっと行ってしまうのかなというむなしい気持ちさえするわけですが、その点いかがでございますか。

原徹防衛庁経理局長

○政府委員(原徹君) 私ども国会でも御答弁申し上げておりますように、当面ということでございますけれども、あの当面というバックグラウンドとして五十年代前期経済計画というのがあって、それでは、大体今後五年ぐらいは実質六%の成長をするであろうと、そういう前提があったものですから、そういう前提といいますか、バックグラウンドがあるということで考えますと、F15もつくりP3Cも買っても一%以内でできるであろうと、そういう判断をいたしたものですから、そういうふうに御説明をしているわけでございます。いまの中期業務計画をつくるについて、それじゃ五十九年までどのくらいかというのは実はいまございませんですね。政府の方でいろいろまた中期経済計画考えているようでございますけれども、そこはいまのところわかりませんので、私どもは、そうかといって急に変わるかどうかということもわかりませんものですから、大体六%ぐらいの成長を今後は前提として物を考えていると、そういうことでやってみれば、いまの話の一%という閣議決定の線もございますが、そういう線でほぼ近代化計画、今度の何といいますか、防衛計画の大綱というものを前提にした艦船なら艦船の老朽をそれをリプレースすると、その際もちろん近代化もいたしますと、そういう前提で物を考えればある程度のことはできるであろうとは思っております。そういうことで、いまの中期業務見積もりというものがその作業が進められていると、そういうことでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 もっといまの問題を詰めたいんですけれども、どうしても時間内に私は奇襲対処と有事法令の問題を申し上げなきゃなりませんので、まずその方に移さしていただきます。  この夏以来国会の内外におきまして奇襲対処、有事法令の論議が大変活発に行われてまいりました。私自身は、何とか当局が冷静にこの問題に対処していただきたいもんだと、そして正しい方向を打ち出していただきたい、祈るような気持ちで大きな期待感を持って今日まで見守ってきたわけでございます。そして、九月の二十一日でございますか、統一見解をお出しになりました。この統一見解をつぶさに見さしていただきました。で、この統一見解によりますと、私、大いに評価できる面があります。もちろん、後ほど申し上げますように、私自身問題だと考えている面もあるわけですが、評価できる面も大いにあるわけでございます。その評価できる面の第一は、いわゆる奇襲対処の問題について言いますと、法的側面を含めて検討をすると、こういうふうに言っていただいております。ところが、けさの新聞を見ますと、これはサンケイでございますが、きのうの衆議院の内閣委員会で公明党の市川議員の質問に対して防衛局長からもいろいろお答えがあっておるようであります。私自身は、このお答え非常に簡単でございまして正しくは理解できないわけですが、少なくともこの統一見解で言っておられる奇襲対処の問題についても法的側面を含めて検討するという基本姿勢は、防衛庁側は毫末も変わっておらないもんだと、こう信じておるんですが、いかがでございますか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は有事法制の問題あるいは奇襲という問題、これが混同いたしまして、たびたび使っておる言葉でございますが、ひとり歩きをしてしまったということ、こちらの意のあるところを歩いてくれたということでないということを申し上げておるわけでありますが、そのようなことで非常に意見が混乱してまいりまして、これは防衛庁としての確たる見解をはっきりした方がよろしいということで統一見解というものをつくったわけであります。  私は、奇襲という問題については、奇襲というものはないようにするということが政治だと、私は降ってわいたような奇襲というものはあり得ない、ないんだと。ないんだけれども、あるかもしらぬという制服の考え方もあるし、国民の世論の中にもそういう考え方がある。あるとするならば、その点についてはひとつ研究することも必要だという考え方であります。  また、有事法制の研究につきましては、自衛隊は有事を仮定するから自衛隊というものがあると、有事がないということがはっきりすれば自衛隊というものは要らないという私は考え方を持っておるわけであります。そういうことでありますから対処法令、有事になったらどうすればいい、そういう研究はやることが当然だと、遅きに失したという私は考え方でありまして、ただ一つ私はいつも申し上げているように、シビリアンコントロールとは戦前の日本にしてはいけないということであります。もし総理の権限を一つでも譲ったら、それは将来どういうことになるんだろうという私は心配もいたしておるわけでありまして、そのこと自体が政治家が、いわゆる戦前の日本にしないというためには、勇気ある政治家が気持ちを持ってもらわなければ、シビリアンコントロールというものは確保できないという私は考え方の中で申し上げておるわけでありまして、統一見解というものはそういう考えのもとにつくったわけであります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 いまの長官のシビリアンコントロール確保の基本的なお考え、これはもう全く私も同感でございます。ただ、具体的にそれじゃシビリアンコントロールを確保するという基本的なレーンの上に立ってどういう面があるかということを法的側面を含めて慎重に検討すると、こうおっしゃっておるんだろうと私は思うわけです。ところが少なくもこの新聞の記事で見ます限り「奇襲はほとんどあり得ないし、全くないとさえ言える。奇襲対処の研究の結果(新たな措置が)必要ないとの結論が出るのではないかと思う」もう一つの方向が、このとおりだとするならば言われているように思うんですが、それじゃちょっと慎重に検討するということとは違うじゃないかという気がするんですが、いかがでございますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま大臣から御答弁申し上げましたように、文民統制の原則とそれから部隊行動を本旨とする自衛隊の特性、これはある面におきましては非常に相反するものでございます。いわゆる自衛隊の部隊行動を中心とした特性を十分生かそうといたしますと、どうしても文民統制の手を縛るというような危険もあるわけでございます。したがいまして、ここら辺が非常にむずかしいところでございまして、法的側面を含めて検討するわけでございますけれども、いわゆるある日突然に敵があらわれてくるというようなケースというものは、実態を調べていきましても……

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 いまそんなことを聞いてないんです。その内容だけ聞いているんです。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) ですから、なかなか具体的には余りないだろうというようなことを申し上げたわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 そうしますと、奇襲の可能性があるかないかというお答えだったということで、一応の方向がこういう方向だろうというふうに言われたわけじゃないんで、やはりいろんな相反するむずかしい問題はあるけれども、慎重に検討するんだということについては間違いないと、そのように理解していいんですね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それはそのとおりでございます。いま慎重にいろんな態様について検討している最中でございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 また私この奇襲対処の防衛庁の統一見解で長官も再々言っておられますけれども、情報及び通信機能等の強化を含む防衛体制の高水準整備が基本である、これはもうきわめて当然だと、私自身そのように思っておるわけでございます。ところが一昨日いろいろと情報能力の問題で私お聞きしたわけです。ところが偵察衛星それ自体にも限界があるんだというようなお話でもございます。また情報能力の現状というものは必ずしも満足すべき状況じゃないんだというようなことも申されておるわけであります。私はむしろ満足すべき状況じゃなくて、寒心にたえない状況じゃないかと実は思っておるわけです。ところがこれもおととい私申し上げたんです。そういう状態、そういう実態に立てば当然金丸長官のお気持ちから言うならば、すでに八月の末に出された概算要求、これに情報関係の追加要求をされてしかるべしじゃないかと、このようにも申し上げたんですが、まあいまのところそういう御計画もないと、こういうようなことでございまして、したがいまして、確かに情報通信機能等の強化を含む防衛体制の高水準整備が本当に満足すべき状況になれば、ある程度奇襲の可能性というものはないかもしれない、少なくなるかもしれない。けれどもそういう基本的な、何といいますか実態と、それからその実態に即するところの努力と、それからこういった物の考え方が余りにも遊離してしまっているじゃないかということを、私自身は一つは大変に懸念をしておるわけであります。  それからもう一つ、これはもうぜひとも私は長官に申し上げねばならないと思うことがございます。  長官は終始一貫して自分は奇襲はもう現在の情勢では万万一もないんだと、万万一どころか、この前の本会議では万が五つつけて言われたわけでございます。ところがいまも長官おっしゃったように制服は必ずしもそう言っておらない、こういうことでございます。私のもう生涯というものは、軍人、自衛官として今日までやってまいりました。私の知識、私の能力から判断しましても、私はいかに軍事技術が発達しようとも、この奇襲というものがないんだなんということは、とてものことに言える問題じゃない、私はそう思っております。いろんな評論家が自分の考えで言うのはいいと思うんですけれども、長官どうか、長官がそういうことを言われるのだけはひとつ、個人で思われるのはもうしょうがありませんけれども、長官としてそういうことを言われるのだけは、私は何とかやめていただきたいものだと、これはもう私の心からの念願でございます。政治の最高責任者、防衛の最高責任者がこういうことを言われることの影響力というものは、もう国の内外に対して非常に大きいと思うわけです。どうかひとつこの点いろんなお考えあると思いますけれども、よくおくみ取りいただきたいものだと、もう念願をしてやみません。  次に、有事法制の研究の問題について私申し上げたいと思います。  総理は、自衛隊は有事のためにこそあるのだと、有事法令を研究するのは当然だと、このように言われました。長官ももうきょうもそう言われました。再々そのように申しておられるわけでございます。これはもう当然過ぎるほど当然のことだと、こう思います。しかし、現実的には、二十九年に自衛隊が発足して今日までもう二十数年たちましたが、具体的な整備が放置をされておるという、独立国家としては異常な事態にあるんだということは私はまずはっきりと認識しておかなきゃならない問題じゃないかと、こう思うわけでございます。その意味で平時から研究をしよう、平時こそ研究をする場なんだと、このように統一見解でも言っておられることはもうもっとものことだと思いますし、またおとといの委員会でも、逐次国民のコンセンサスを得るために次の通常国会では研究したものを一つ、二つはぜひとも出したい、このように言っていただきました。私はきわめてこういったような考え方、持っていき方というのが大切なんだと、こう思っておるわけでありますが、問題の第一は、私はこの有事法令に取り組む姿勢の問題だと思います。この統一見解の有事法令の二のところに、「なお残された法制上の不備はないか、不備があるとすればどのような事項か等の問題点の整理が今回の研究の目的であり、近い将来に国会提出を予定した立法の準備ではない。」このように言っておられます。私は実は二十七年に当時の警察予備隊に入りました。そして自衛隊を退職しますまで直接、間接にこういった問題にタッチをしてまいりました。防衛庁が自衛隊の発足のとき以来内部的にどの程度これらの問題に取り組んできたかということを私は知っております。私は、この慎重に対処すると、こう言っておられる、下手をするといままでとまた同じような蒸し返しになるんじゃないかというようなむなしい気持ちさえも実は持つわけでございます。特に去年の夏、三原長官の指示で有事法制の研究を開始されてもう一年以上経過しました。この間に何を研究されたかということを思いますと、やっぱりもう少し防衛庁の責任においてこの問題には真正面から取り組んでいただく責任があるんじゃないかと、こう実は私は思うわけでございます。慎重にやられることは大切なことだと思いますけれども、やはり真正面から真剣に同時に取り組んでいただきたい、こういうことでございます。  第二の問題は、実は有事対処のリードタイムの問題であります。現在の法令では、もう申し上げるまでもございませんけれども、防衛出動が下令されなければ自衛隊は具体的にはほとんど何も行動できません。待機命令によっては施設内におけるところの準備でございまして、予備自衛官の招集さえもできないのはもう言うまでもないことでございます。もちろんおそれがある場合にも下令ができるんだと、したがって相当のリードタイムがあるんだと、準備はできるんだと、こういうお考えのようにも思うわけでございます。また、平時からの即応体制の整備、これがもうもちろん基本である。だからこれを優先をするという考え方、これももちろん納得できるわけであります。しかし、先ほどもしましたけれども、GNPの一%以内という現在の考え方、姿勢で、それじゃいつの日になったならば平時からの即応体制というのはできるんだという懸念を実は持つわけです。  そういう意味において私はもう毎回この委員会の質問では、もっとひとつ元気出してやっていただけないかということを申し上げておるわけであります。これはもう即応体制を向上するという以外の何ものでもございません。私は広範多岐なかつ相当の時日を要するところの対処準備の期間というものと、これはよく言われます陣地構築の問題ひとつ考えてみてもそうでございます。この防衛出動下令になって、そして現在の状況でございますと土地の収用、これはもう政令等で決まりました。ちゃんと整備できました段階においても収用をやる、資材を運ぶ、そしてそこでもって初めて陣地をつくる。そういうことではやっぱり実際の場合とマッチしない事態が起こる可能性が強いんじゃないかと、こう思うわけであります。もちろん私が言うまでもなく防衛庁その辺のことは一番よく御承知でございますが、長官も私は年度防衛計画の報告等を聞かれてこういった問題点というものは十分に御承知になっておられるんじゃないかと、こう思うわけでございまして、ひとつこういう意味でいま防衛出動下令後から有事があるんだと、有事法令の研究はこの防衛出動下令後の法令を整備するんだというこの有事の概念というものをもう一度やはり真剣に考えて実効性のあるものにしていただかなければならないんじゃないか、こういうようなことを強く考えるわけでございます。蛇足でございますが、そうでなければ訓練精到な自衛隊もまた有事事態に対処できない存在となってしまうということを実は恐れるわけでございまして、きょうはもうこの問題についてはこれ以上申し上げる気はございません。私いまるる申し上げましたこの点につきまして長官の総括的な御所見を承らしていただければ幸いだと、こう思うわけでございます。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) ただいま堀江先生から奇襲という問題について、それに対処する方法は寒心にたえないような状況がいまの状況じゃないか。まさに私も寒心にたえない状態であることは認めざるを得ないと思います。しかし、私はきょうこの時点で日本が他国から脅威を感じておるというような感覚は持っておりません。まさに平時だろうと思うわけであります。また、きょうの日本のいわゆる防衛という問題は日本ひとりだけで日本の国を守るということでなくて、日米安全保障条約というものがある。この大きな戦力が抑止力になっていることは御案内のとおりであります。私は、その抑止力の日米関係の日米安全保障条約がある中で、また一方には当面一%と、防衛の大綱とか基本方針、そういうものが国民の前に提示されておって、それを無視してこの際どんどん予算をふやしたらいいじゃないかという考えについては、私はまことに慎重居士のようなことを申し上げて恐縮でありますが、防衛という問題は二十七万の自衛隊だけで守れるわけじゃない。いざというときには一億一千万国民のいわゆる力をかりなければ日本の国の防衛はできないということを考えてみれば、防衛という問題は国民一人一人のいわゆるコンセンサスを得ながら積み上げていくところに防衛の基本があるだろうという私は考え方を持っておるわけであります。  そういう意味で、この平穏な平時においてこの大綱に従い、中央指揮所の問題や、あるいはマイクロ回線とか、そういうような準備も順次いたしておることでありますから、じゃその間に来たらどうだということになるといろいろ問題もあると思うんですが、私は日米関係というものは信頼性を深く信じておるわけでありますから、この平和なときにそういう準備を順次計画に従ってやっていくところに国民の納得が得られるだろうという、こういう考え方でございますし、また有事の問題につきましては、もう三原長官が昨年の八月出した、どんどん国会へそういうものをつくったら出したらいいじゃないかというような御質問でありますが、私は憲法の範囲内ということ、また平和憲法というもの、この憲法のもとにわれわれ国民は従わなければならなぬことは当然だと私は思うわけであります。私はたまたま有事立法、奇襲問題等で憲法を改正やるべきだというようなことが、いわゆる平穏の中でこの有事法制の研究等も進んでおったんだけれども、憲法を改正し、そういうようなことが、そして有事立法もつくっていくというような、いわゆるとげとげしい、いわば憲法なんかどっちでもいいんだというような考え方の中でそういうものが推し進められたということは、いわゆる防衛という問題について国民が非常に理解を持ってきてくれた、順次その機運もあるにもかかわらずまさに水をかけたという私は感じもいたしておるわけであります。  そういう意味で有事法制の問題については、私は憲法の範囲内でひとつ対処する方法を十二分に考えてほしいということで、三原長官の後を受けまして防衛庁がやっておるわけでありますが、しかし二十、三十、一遍にそんな研究ができるものじゃないんですから、一つのこれとこれとこれとこれと、こういう憲法の範囲内のものをやりますというようなものはぼつぼつ出てきてもいいんじゃないかという私も考え方を持っておりますし、またそういうものも中間報告をしろといえば国会へ中間報告して、シビリアンコントロールとは政治優先ということでありますから、国会議員の先生方に十分な御審議をいただくという方法をとることが妥当な方法だと、こうも考えておるわけでありまして、堀江先生のおっしゃられることは私も身にしみてよくわかります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 いま長官からいろいろとお答えをいただいたわけでございます。大体基本的には長官のおっしゃったこと、私も理解できますし、私の言ったこともおわかりいただいた上で含みのあることをおっしゃったんだなと、こう私は実は思うわけですが、もう二分ほどございますから、一、二だけ申させていただきたいと思います。  確かにいますぐここでどっかの国の侵攻があるという事態じゃないだろうと、私もそのように思います。けれども、戦後今日までの日本を取り巻く情勢といま日本が置かれておる、今後置かれようとしておるところの情勢とは相当違ってくるんだろうという認識は、これは国民も持っております。はだで感じておりますし、もう防衛庁当局も、もちろん口には出して言われませんが、よく認識しておられるところだと私は思うわけでございます。それであるならば、やっぱり国民のコンセンサスを得るためにはやはり積極的に言うべきことは言っていただいて、そして国民の期待と信頼、コンセンサスを得るようにやっぱりやっていただきたいものだと、これは私の心からの願いの一つでございます。  それから、有事法令の問題、私はどんどん国会に出せといったようなことは毛頭申しません。検討されたものから逐次コンセンサスを得るために出していただきたいということでございます。ただ、本当にやろうという防衛庁の気構えがあるならば、相当早期にいろんな問題が出せるはずですよということを私は申し上げるわけですね。その辺にひとつこの上ともお考えをいただきたいと、このように思う次第でございます。  これで私の質問時間が来ましたから終わらしていただきます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私はまず給与法案について質問をいたしまして、時間が余りましたら防衛一般で質問させていただきたいと思います。  まず、本年の人事院勧告は、官民給与較差が五%以下でも勧告がなされる新事例となったということがひとつの特徴でございます。  二番目は、指定職俸給表が据え置かれたということ。  三点目は、本俸改善に対する配分率が従来よりも若干低減したことなど、幾つかの特徴があるようでございます。  今回提出された一般職給与法改正案は、この勧告を受けて提案されたわけでございますが、私は八十三国会においても官民較差の是正の実施と人材確保法に基づく教員給与の改善とは別個に処理すべきであることを指摘をいたしました。それにもかかわらず、今回も両者を一体化して改正案が提出されております。まず、その理由及び人事院勧告後、本法案提出までの経緯について御説明をお願いいたします。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) ことしの夏に出しました一般勧告の内容、それの特徴というものにつきましては、いま和泉委員が御指摘になったとおりでございます。そういった特徴を盛り込みながら勧告を出したということに、私自身も考えておるのでございます。  第二の点でございますが、実は、人確法に基づく勧告は従来三回にわたってやってまいったのであります。今回は第三次の後半というふうに言われておりますが、いわゆる財政的裏づけを伴う計画的な改善ということにつきましては、最終的な勧告であるというふうに一般にも言われておりますし、われわれもそういうふうに理解をいたしておるのであります。実は、第三次後半分の勧告は、財政的裏づけといたしましては、実は五十二年の三月分から措置をされておったということでございますので、それ以前に勧告を出さなければならぬということに相なっておったと思います。ところが、第三次前半の勧告におきましてはいろいろ問題点がございました。なかんずく、主任手当の問題等を中心といたしまして、いろいろ論議がございました結果、この関係法案の審議が大幅におくれまして、これが成立をいたしましたのは去年の暮れということに相なった次第でございます。  ところで、最終の勧告をいたしまする際には、申し上げるまでもないことでありますが、いままでやってまいりました勧告の結果がどうなっているかということを相対的にながめまして、足らざるところはそれを補っていく、全体で整合性が得られているかどうかというような点を検討する必要がございますので、そういう意味で慎重な検討をしたわけであります。ところが、昨年通過させていただきました法案は、その後地方の段階において、大体ことしの六月ごろを中心にして県会等でこれが具体化をしたというような現実になっておるわけでありまして、われわれといたしましてはそれらの落ちつき先をながめておったわけでありまして、大体落ちつき先が見きわめがつきましたので、その時点において最終的な勧告についてどういうふうにやっていくかということを慎重に検討いたした結果、これを今回一般勧告と同時に出すということに相なったわけでございます。時期的にちょうど一緒になったということでございまして、われわれといたしましては、この勧告を一本化しなければいけないとか、一般勧告と同時に出すのが至当だとか、そういうような考え方を前提にしてやったわけではございません。ちょうど時期的に同時期になったということでございまして、それ以外の他意はないということを申し上げておきたいと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次はベア財源の当初予算の計上問題についてお伺いしますが、これは先ほどもございましたが、八月十七日の当委員会において大蔵省から本年度の給与改善費の当初予算計上額は一般会計で二千六百三十億円、それに対して人事院勧告完全実施に要する経費が千九百十億円で、差し引き七百二十億円の余剰が出る旨の説明がございました。昨今のような逼迫した財政事情においては、給与改善費の組み方について種々論議があるところは皆さん御承知のとおりでございますが、しかしながら、総合予算主義のたてまえ以外に人事院の勧告が労働基本権の制限に対する代償措置になっているということを担保するという観点からは、いままでのやり方はそれなりの理由のあるところと思われます。一方、経団連からは、この方式は取りやめるべきであるとの申し入れがなされ、安倍官房長官は再検討の意向を示したと言われ、また去る十月二日には政府は計上しない方向に方針をかためたとも、このように言われております。私は従来の経緯にかんがみ、この問題は慎重に取り扱うべきであると考えておりますが、五十四年度予算編成を控えて政府は現時点ではどのように考えておられるのか、取りやめる方向でおられるのかどうか、はっきりしていただきたいと思います。

日吉章大蔵省主計局給与課長

○説明員(日吉章君) ただいま御質問いただきました給与改善費の来年度予算におきます計上問題でございますが、これにつきましてはいろいろ御議論をいただいておりますように、種々の観点から検討する必要がございますので、ただいま慎重に検討しているという段階でございまして、先般、一部報道されましたように、取りやめを決めたというふうなことは事実ではございません。ただ、従来非常に高率の勧告がございましたときに、五%の給与改善費を計上しておったわけでございますが、その後最近に至りまして経済情勢が当時と著しく変わってまいりました。かつまた財政も非常に厳しい状態にございます。そういう中におきまして、来年度予算におきましてどのように取り扱うのがよいかという点につきましては、新しい要素も入れまして慎重に検討いたしたいとかように考えておりまして、現在慎重に諸般の情勢を勘案しながら検討しているというところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、八月十五日の衆議院内閣委員会において、わが党の鈴切委員の質問に対して人事院総裁は、給与の決定は毎月の生活費が中心、官民給与の較差を薄める、退職手当、年金制度を別個の角度から検討を進めなければならない問題である旨の答弁をされております。本筋はそのとおりかもしれませんが、昨今の民間の賃上げパターンを見ますと、その一つに第二基本給にウエートをかける傾向があるようでございます。今回の勧告を見ても、本俸への配分率が従来より若干落とされ、八五%が八二%となっております。賃金決定と本俸配分との人事院の基本的な考え方、並びにいわゆる生涯賃金に対する考え方についてお答え願いたいと思います。  また、昨今の民間の賃上げ方式、いわゆる第二基本給、この方式に対する人事院の分析及び評価についてお答え願いたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げます。  本年の勧告の大きな特徴は、まず全体の引き上げ率が非常に低かったこと、結果的に大変低いものが出たというところにございます。したがいまして、私どもは原資的に見まして少ないものを非常に効率的に、実質賃金といいますか生計費等を頭に置きながら、実質的な配分をするにはどうしたらいいかということに大変頭を使ったということは事実でございまして、まずそれにはやはり世帯持ち層がおります実質賃金が一番問われる階層に重点的に配分すべきであるというようなことから始まりまして、それは俸給表である。俸給表の中でも平板的ではなくて、世帯持ちといいますか、結婚して子供ができてそれが二人になってというような三十歳代から四十歳代の初めぐらいまでのところに特に重点的に配分をしようと、こういうことを初め考えたわけでございます。しかしながら、そういうふうな俸給表の中の制度的な、制度年齢に合わして世帯層をねらい撃ちするような配分をいたしましても、たとえば子供ができます三十四、五歳ぐらいが子供一人ということになって二人にかかるあたりでございますが、俸給表の上で幾ら措置をしましても、その辺でひとり者もまじっておりますので、結局それ以上の効率的な配分は手当にならざるを得ないと、そういうことになりまして、手当としては最も扶養手当でいくのがそれこそ効果的である、配偶者に幾ら、子供に幾らと個別具体的にいきますので、なけなしの原資を配分いたしますにはこれが一番効率的、有効であるということを特に考えまして、そういう点で本年の配分は扶養手当に大変重点がいっております。それが結果的には給与構成を見ました場合には例年にない本俸から手当に重心が移ったような形になっておりますが、それは本年のやはり全体の較差が少ない、これの有効配分ということで考えたそういう事情でございます。しかしながら、これは第二基本給的なお話もいまございましたが、公務員の現在の給与構成を見、かつ民間の給与構成を頭に置いて両方比べました場合に、民間の例で申しますと、ここ十年ぐらいの経緯の中で、大体基本給の比率が全体の九割ぐらいあったものがだんだんだんだん民間では下がってまいりまして、大体八五%に非常に近くなっております。それで私どもの給与構成でまいりますと、大体ここ十年近い間八四、五%でほとんどそのまま維持してきておりまして、その辺の関係を見ましても、民間と比べまして余り大差がない状態にだんだん近づきつつある、そういうことでございますので、給与構成すなわち第二基本給的な考え方から考えましても、民間と大体同じぐらいの感じに近づきつつあるというようなことではないかと思っております。  それから官民比較、給与を比較いたしまする、月給で比較いたしますほかに、いま御質問の中に生涯給的な年金あるいは退職金を含めてどうなのかというようなことが世上最近特に問題になっておりますが、それについてのお尋ねもございましたが、私どもはやはり官民給与を比較して公務員の給与水準を検討するに当たりまして、やはり人事院は公務員の労働基本権の制約の代償機関でございますので、まず春闘という場面で、春の賃上げの関係で出てまいります――これは月給が主になってございます。給与ベースを引き上げろ何%というのが民間における春闘の中心テーマでございますので、それを早く調査をして受けとめると、それで均衡を回復するというところから入ってまいりますために、月給ということにまず基本がございます。したがいまして、勧告も月給を最重点にして、まあボーナスもございますが、そういうことで均衡させることを至上命題に考えております。しかしながら最近の傾向といたしまして、退職金あるいは年金についての問題がございますが、これはそれぞれ関係省庁が御所管なさっておられますけれども、広い意味で賃金と言う場合には大いに関係のある問題だと思っております。私どもが、まあ感じで申し上げるわけではございませんが、世上言われております高さ、それぞれの重さといいますか、年金あるいは退職金についての民間との関係が言われておりますが、これは非常に官民比較をいたしますのがむずかしい問題でございます。月給の場合でございますと、ただいわば単純に申しますと重さを比べれば大概断面でわかるわけでございますが、年金の場合にはもちろん掛けてそれで給付する、こういう関係になっておりますのが非常に違っておりますし、退職金にいたしましても、これは一体どういうモデルをとって、あるいはどういう実態でどういう性質の、あるいは大きさの会社をとらえるか、とらえ方をどうするかといういわば調査の対比の前提条件から始まっている問題でございます。したがいまして私どもはやはり給与調査の専門機関として考えました場合には、大変その点について、見識というほどではございませんが、比較の手法としては大変むずかしい問題だなあという、そういう問題意識を持っておりまして、これについても技術的な調査その他でいろいろ検討しておるというのが事実でございます。しかしながら、一番大事なのは、やはり生涯賃金といいましても特に夏の、八月の勧告の前提となりますやはり四月の、春のベースアップということが基本になるだろうと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 非常に丁重な答弁でありがたいんですが、時間の関係がありますので、ひとつ今後は簡潔にお願いをいたします。  次は、指定職の俸給表について、今回の改正案では指定職俸給表が据え置かれております。「給与勧告についての説明」の中でも増額改定を見送ることには問題なしとしないと、このように言っておりますが、まずここで指定職の給与表の意義と改定見送りの理由についてお答え願います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 簡単に申し上げますが、指定職の俸給表といいますと一般の行政職あるいはほかに同列の俸給表がございますが、一般の俸給表と違いまして、民間で申しますればいわば役員、重役に該当するクラスでございます。それで、これはやはり私どもは調査をいたしますときに一般の従業員のほかに役員は役員として調査をいたしておりまして、それとの均衡をとりながら、かつは一般の俸給表の一番上、一等級との均衡を考えながらそれで均衡をとりながら従来やってきておりますが、本年は民間の調査をいたしました。較差は若干ございます。昨年以後伸びてはおります。しかし全体的に申しますと伸びは非常に鈍いと、役員につきましては、そういう状態もございます。したがいまして、そういう従来からの均衡、調査の結果から見まして、やはり改定をすることが妥当であるとは思いますけれども、しかしデータから申しますればそうでございますが、本年の全体的な状況から考えますと、やはり全体が五%未満の、三・八四というようなわずかな、五%を割る勧告をいたしております。これは生計費等の関係があって一般にはやるべきことであると思いますが、民間のやはり重役に対応するいわば使用者に該当するクラスの関係でございますので、この際はそういう諸般の事情を考慮いたしましてそれで現行の額に据え置くと、こういうことにしたわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いまいろいろお話しされましたが、問題の一つには行(一)表との均衡問題があると思われます。行(一)の方は今度上がるわけでございますが、八月十七日の当委員会で給与局長は逆転はないと、逆転はないようでございますが、ある場面では逆転に近い、間差が非常に縮まったというような状態も現出しておるようでございますが、この均衡問題についてはどのようにお考えでしょうか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 逆転はございません。ただ、行政職との間、行政職とその上に乗っかる指定職という関係で見ますと逆転はございませんが、指定職の俸給表は行政職以外の教育職の(一)表、あるいは医療職のお医者さんの関係からも指定職に抜けていきます場合がございますが、医療職のような、病院の院長さんのような場合でありますと非常に高い号俸から指定職に抜けられるという場合がございます。これは年齢が非常に高いところまで勤務なさっておるという関係もございますが、そういう場合には例外的には起こらないこともございませんが、一般に申しますと現在の各行政職の各等級の昇格に見合うような余裕はとってございます。  それからもう一点は、ことしは行政職の一等級のほうのそのベースアップ自体の幅を小さ目にしております。したがいまして、下と上との関係のこのあたりというのも非常に少ない関係になっておりますので、大体その辺は大丈夫であるということで、逆転現象は生じないと、こういうことを申しております。しかしながら、先生いまお話しのように、従来の大体これで妥当であるという相対間隔よりはずいぶん詰まった関係にございます。それは事実でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次に、指定がえについてお伺いをいたします。いわゆる指定がえは行(一)等級との均衡を考慮して行われているわけでございますが、今回指定職は十二月の期末手当〇・一ヵ月の削減とも合わして、一層行(一)表との均衡上の問題が強くなっていると思われますが、そのためには指定がえをするということが必要ではないかと思いますが、このお考えはございませんか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) ただいまの先ほどの御質問の中にすでに出ておりました、伺っておりますように、逆転はしないという関係にございまして、これはもちろん年間給与ということを考えて逆転しないかどうかと、逆転するかどうかということの検討もいたしております。それで、先ほども申しましたように、行政職の俸給表の中の、等級相互間の中のあるいは上の方の昇格に見合う程度の有利性は持たしてございますので、指定職を据え置きましても、その指定職の若い号俸の方でまあ当たるか当たらないかという問題はございますが、そこのところは指定がえをせずとも大丈夫でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 じゃ、初任給についてお尋ねをいたします。今回初任給については抑制をされ、初任給調整手当も原則として廃止の方向が打ち出されております。民間の動向を見ますと、そのようにした趣旨は理解はできるわけでございますけれども、第七十四回国会でも衆参内閣委員会の附帯決議の趣旨にも照らしても、たとえば高卒初任給を引き上げ幅のみ三公社に合わして千七百円としたことは、私は片手落ちじゃないかと思われます。初任給の定め方についての人事院の基本的なお考えをお述べください。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 初任給につきましてはここ数年さま変わりの状態――民間でごさいますが、さま変わりの状態に相なっております。初任給は給与のほかの部分と違いまして、非常に労働力の需給の接点になるところでございます。現在のように雇用情勢がさま変わりになっておりますのをもろに反映いたしまして、もちろん附帯決議の趣旨はかつてのものとしてはございますが、現在のそういう雇用情勢を踏まえまして、ことしは特に民間の採用された初任給を調査する以外に雇用調整等一般の宿題の中で、問題の中で調べましたところによりますと、民間ではこういう景況を反映いたしまして新規採用を停止したり、あるいは採用をしておりましても初任給を去年のまま据え置きにしたりというところが、全体の一五%ぐらいもあるということが一方でわかっております。したがいまして、従来のように初任給の実態調査表に頼って、これとの均衡ということを離れまして、そういう採用しないところ、見送ったところもあるということでございますので、それから離れたわけでございます。それから一方で、先ほど来申しておりますように、そういう雇用情勢、公務においても当然それの反映でございまして、公務員における採用試験の応募状態も非常に急増いたしておりますので、その点も考えまして、両方民間の均衡とも考えながらそういうことをしたわけでございます。  そこで、いわばもう一点といたしますれば、標準生計費、生計費的な観点で初任給がどうかということもございますが、これはもう十分満たされた状態になっておりますので、正直申しまして、ことしの初任給の決定はいわば中途半端なかっこうで、中間でぶら下がったようなことになってございます。プリンシプルとしてはそういうことになっておりますが、今後の方向といたしましては、やはりこれは入り口ということではなくて、二人、三人世帯あるいは標準年齢一人前給与からの逆の延長としての入り口の金額はいかがなものかというようなことをよく勉強してみたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 初任給の場合は、私が一例を挙げた高卒の場合は、三公社の方が一万円ぐらい高いんですよ。ただ上げ幅だけこうやられたというのは片手落ちじゃないか。これは検討をしていただきたいと思います。  次は、期末手当についてお伺いいたしますが、改めて今回十二月支給の期末手当を〇・一ヵ月削減をした理由を伺いたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 特別給の関係は月給の場合と比較の仕方が違いまして、これはいわばざっと申しまして過去一年間、去年の五月からことしの四月という関係でございますが、そういう長い期間の約一年間の中の民間で実際に支給しましたものをとりまして、それをことしの四月時点でこちらの合計したものを十二で割っておりますが、それをこちらのものと比べると、こういうかっこうにいたしておりまして、その結果判明いたしましたのは、昨年の民間の景況を反映いたしまして、現在公務員ですと五・〇月でありますものが民間の実績として四・九、厳密に申しますと四・八九八というような、現在の公務員の支給月数を割り込んだかっこうになりましたものですから、これとの均衡ということで、一年おくれではありますが〇・一減にすると、そういうことをいたしたわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 人事院が現在民間における特別給の支給割合の把握の仕方というのはいまおっしゃったとおりでございますが、民間の給与の諸手当込みの平均給与月額を基準に算定をしておられます。これは、寒冷地手当とか住居手当、そういうやつが全部入っておりますが、時間外手当はこれは削除されておりますが。一方、公務員の場合は、期末、勤勉手当の算定の基礎となる手当は、寒冷地、住居手当はこれは入っていないと理解をしております。扶養手当、調整手当等、きわめて限られたものとなっております。そのために、民間の給与割合を公務員ベースに直しまして算定をされた場合には、四・九よりは少し上がってくるんじゃないか。支給割合は高くなると思います。こういう点を考慮して、今回の〇・一ヵ月分の削減することには、私はきわめてその算定の基礎に疑問を抱くわけでございますが、人事院の御見解を伺わせていただきます。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 算定基礎の問題でございます。先生いま申しておられますその算定の給与構成、手当の関係はそのとおりでございます。それで、これは現在は何ヵ月と、何・何ヵ月という月数で表現いたしておりますが、まあボーナスの関係は、民間で言いますと額で支給いたしておるというのが一般の状態であろうと思っております。たとえばボーナスが夏でありますと三十万と、何月分というのはまあ結果でございますが、結局は額だろうと思っておりますので、どちらかといえば、もしそういう算定基礎の問題がありますれば、ストレートに額でもって比較する方がもっと具体的で詳しいわけでございます。  で、そういうことで、いま先生御提案なさいました問題点があるということは、この前〇・二減にいたしました五十一年以来の宿題になっておりまして、そういうこともありますものですから、私ども問題意識を非常に持っております。ことしの民間給与の調査をいたしましたときに、いま申しましたように、額でもってとらえるということが実際の調査として技術的に可能なのかどうかということをテストしてみたことも事実でございます。わかりました結果で申しますと、やはり月給よりもさらにボーナスの場合には調査がしにくい、考課配分をいたしておりまして秘密事項、秘扱い事項にしているところが非常に多いということがわかりました。特にそれは大きな企業でそういう困難があるということがわかりまして、この方法が一番いいとは思ったんですが、結局はこれはむつかしいということがわかった次第でございます。しかし、問題点は依然として残っておりますので、引き続いて何かそうは言ってもそれに見合うような策がないかと、これは精力的に検討していきたいと思います。  しかし、一方、問題はどうしてこういうことになったかということもございますが、まず通勤手当とか住居手当が一方の分母には入っておって片っ方にはないという関係にございますが、ことしの民間の調査などを見ておりますと、こういう手当はだんだん給与構成の中でウエートが少なくなっていくというような傾向がございますので、今後そういう乖離がますます広がっていくというようなことはないだろう、こういうふうに一方では思っております。しかし、いずれにしましてもこの問題は、問題としては大変大事な宿題でございまして、精力的に検討していきたいというふうに思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま申し上げたとおりの、私に言わせると矛盾を含んでおるようでございますので、ひとつ的確な数字の把握に努められて、そしてできるだけ早く妥当な線をお出しになるように特に要望しておきます。  次は教員給与の改善についてお伺いをいたします。  教育職第日表はいわゆる人材確保法に基づき財政上計画的に改善が図られてきたわけでございますが、今回が最終的措置という考えなのか伺いたい。特に今後教育職の優遇措置について文部省及び人事院はどのように考えているか、御見解をお聞かせ願いたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 人確法に基づく義務教育教員の待遇改善の問題でございますが、これは先刻も申し上げましたように、法律の命ずるところに従いまして第三次にわたって措置を講じてまいったわけでございます。財政的裏づけを持つ計画的な改善措置というのは一応今回をもって終わりであるというふうにわれわれは受け取っておる次第でございます。そういう角度から今度の第三次後半の最終的な勧告を打ち出したということでございます。しかし、法律がまだそのまま残っていくということは事実であろうと思います。したがって、その精神は残っていくものと存じますので、これからもわれわれといたしましては主管官庁でありまする文部省の意向をも十分参酌をしながら措置をしてまいることにいたしたい。勧告自体は今後一般公務員の勧告もあることでございまして、それの一環として当然この問題が取り上げられてまいるというふうに理解をいたしておるつもりでございます。

高石邦男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(高石邦男君) ただいま人事院の総裁からお答えいただいたように、計画的な改善は最終でございます。ただ、人材確保法の第三条に規定してありますように、教員の給与につきましては、「一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」という法律があるわけでございます。したがいまして、その法律の趣旨に従って今後とも優遇措置が、その水準が維持できるように努力してまいりたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 教員の給与の改善は昭和四十七年度の給与ベースにおいて二五%引き上げることを当初計画としていたようでございますが、三次にわたる改善でどの程度の引き上げがなされたのか、具体的な例で説明願いたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局審議官

○説明員(高石邦男君) 今日までの改善計画では、予算的には当時の給与水準を二五%引き上げるということで給与改善のための予算措置を講じてきたわけであります。そこで、他の公務員との比較では給与表自体を異にしますので、直ちに正確な比較ができませんが、初任給であるとか二十年在職というようなところで比較してみますと、まず初任給につきましては、教職員の小中高とも教員は初任給が十万六千六百円であります。で、行政職上級乙、これが本俸が九万五百円ということでございまして、約一万六千百円の初任給のアップという状況でございます。  それから教員で申しますと、大学を卒業して二十年、年齢で言いますと約四十二歳の時点で比較いたしますと、府県の課長級の給与が二十一万四千七百円でございまして、教員のそれに対する額は二十三万六千百円ということであり、大体府県の課長級と部の次長級の中間に二十年ぐらいの教職の経験を持つと給与が保障されるということでございます。同様に、教頭、校長につきましても、それぞれの県の部次長、校長につきましては、県の部長級をやや下回るというような形で給与改善を行ってきたところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は高齢者問題についてお伺いをいたします。  今回報告の中で、「昇給の停止を含め、高齢層職員の給与について早急に適切な措置を講ずる必要があると考える。」と、このように言っているが、問題点の一つにいわゆる逆較差が指摘をされております。逆校差の実態は参考資料の第十七表によってわかりますけれども、逆較差の等級別、号俸別人員の実態はどのようになっているのか御説明を願います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げます。  官民給与を年齢階層別に比較をいたしまして、逆較差になっておるということを概括的に把握いたしますと、五十歳以上ということがまず言えると思います。したがいまして、五十歳以上の階層ということで、それで人数を申し上げますと、行政職(一)表で申しますと、総人員約二十四万五千人でございますが、二一%、それが五十歳以上の階層でございます。  それから行政職の(二)表、これは技能、労務職でございます。技能、労務――庁務関係の俸給表でございますが、総人員四万九千人おります。その中で五十歳以上の階層は四四%強でございます。  それから等級別にという御質問でございます。等級別、号俸別と、大変細かい数字で恐縮でございますが、その五十歳以上階層の行政職(一)表の場合で申し上げますと、五等級と四等級に主力がございます。それで、その五等級の方が三八%弱でございます。それから四等級が三五%強でございます。したがいまして、行政職の俸給表の五十歳以上の階層を一〇〇といたしました中で、その両方でほとんど八割近いという数字になっております。  それからそれぞれの等級の中で、今度は号俸別にというお尋ねでございますが、前者、すなわち五等級の方を申し上げますと、過半数が五等級の二十号俸以上ということになっております。それから四等級の場合で言いますと、号俸関係で申しますと、過半数が十七号俸以上ということに相なってございます。  それからもう一つの俸給表でございますが、行政職の(二)表、技能、労務関係の職種でございます。これは等級で申しますと、全体の中で三等級と二等級にほとんど重心がございます。五十歳以上の場合でございます。それで、その前者の三等級の場合で申しますと、行政職(二)表の中での五十歳以上を一〇〇といたしまして、三等級の方は三七%強おります。二等級の方にも三七%ぐらいおります。両方同じぐらいの占め方になっておりますが、両方で大体四分の三、八割近いかっこうになっております。  それぞれの等級の中で今度は号俸について申し上げますと、初めに申しました三等級の方では過半数が十八号俸以上になっておりますし、二等級の方は過半数が二十一号俸以上と、そういう分布に相なってございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 今回は高位号俸者の昇給間差額を抑えて、かつまた号俸延長措置も行われておらないのが実態でございますが、高位号俸者が即高年齢者というものでもないわけでございますので、今回の措置と高年齢者との実態との関係について説明を願いたいと思います。  また、今回号俸延長をしないことによって行(一)表で新たに枠外者となる者の実態はどのようになっているか御説明願います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げますが、俸給表の構造でございますが、各等級を通じまして高位号俸は、すべてこれはある程度の号俸以上は高年齢者であるとは言い切れないということはおっしゃるとおりでございます。  しかしながら、大体標準的な形あるいは現在の実態から来るもの、制度的にも実態からも両方見ましたところによりましても、八等級制になっておりますが、その中で八等級、七等級は別といたしまして、六等級から高位の等級、一等級まではほとんどの等級を通じまして最高号俸から大体五号俸ぐらい手前のところはほとんど高齢者層と、結果的にそういうことがわかっております。したがいまして、ことしは俸給表を改定いたしましたときに、各等級を通じまして、かつ各俸給表全部でございますが、一応そういうパターンを頭に置きまして高位号俸の昇給額を少なくしたということはそういう考え方でございます。しかし、それは、その中には例外者もまじっておりますので、先生申されますように、それはそんなにドラスティックな形でやると例外者に当たるわけでございます。したがいまして、それはほどほどにはいたしております。どちらかと言いますと、そういうこともありますので、もう一点、そういう高位号俸、高齢者ということではなくて、年齢だけの昇給の問題点をもう一つ提起したというのはそういうことでございます。  それから、いま先生御質問の中の号俸延長を今度やめたということに伴って、枠外の関係がございます。これは人数的に申しますとわずかでございます。行政職(一)について申しましても全体で二百人もおりません。まあそういう関係でございますが、特に本年はそういうふうに高齢者の場合に、年齢階層別の官民比較をやりました場合に、非常にこちらが高いという関係の一番問題になりますのが、枠外者のところが非常にそういう関係になっておるということもございますので、そこのところを調整したと、こういうことでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 今回早急にと、このように言っておられますが、人事院の高齢者対策に対する今後の方針について御説明願いたいと思います。  また、あわせて定年制の検討状況についても御説明願います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 定年制の問題もございますので私からお答えを申し上げます。  第一の問題、高齢者対策でございますが、実態はいま御説明を申し上げたようなことでございまして、なお私たちといたしましては、これの具体的対策をどうするかということについては実態をもっと詳細に、慎重に検討をしながら対策をできるだけ早く打ち出してまいりたいという考え方でございます。いま検討に着手をいたしております段階でございますので、いつこれを出すのかということについては、今日の段階ではまだその時期を明示申し上げる段階には至っておりません。  それから定年制の問題でございます。これは本年の二月に総理府総務長官の方から定年制の導入ということが昨年の十二月に閣議決定をなされたということを踏まえまして、事柄は公務員の分限、身分に関する重要な事項であるから、人事院の意見をひとつ聞かしてほしいという書簡を出されたのであります。われわれといたしましては、いままでもやはり定年制というのは公務員の退職管理についての重要な方策であるという認識に立っておりますので、それなりに各方面から検討は続けてまいっておったことは事実でございます。正式に総理府の方から書簡が参ったということで、事柄は正式の議題に上ってきたということでございます。したがいまして、これを受けまして本格的な検討にいま入っておるのでございますが、事柄はきわめて広範にわたり、また問題自体が深刻な問題でございます。何分にも一般の公務員については明治以来定年制というものがなかったという現実がございます。そういうこともあり、いろいろ掘り下げていかなきゃならぬ問題があるわけでありまして、現在は各省庁の職員構成、年齢別構成あるいは退職勧奨の実態が第一の点。それから民間における定年制の実態がどうなっているか、大体わかっておりますけれども、それをさらに詳細に掘り下げる必要があるということで、その面の検討、さらには外国の実態はどうなっているかと、そういった諸般の問題にわたって検討をする必要があるということで、いま鋭意これらの問題に正式に取り組んでおる状況でございます。この問題につきましてはそういう点の検討を終わった上で、正式の意見を求められておることでもございますので、意見を述べなければならぬ時期が当然来るわけでございまして、これにつきましてもいまのところはいつごろどういう形でということを申し上げる段階ではございません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は週休二日制についてお尋ねいたしますが、週休二日制については現在再試行に入っておりまして、人事院は来年四月以降結果を集めて結論を出すことになっております。しかしながら、各国の情勢やら民間の動向をここで改めて申し上げるまでもなく、もはや実施の時期を定め、その具体化のためにどうするかを検討すべき段階であると思いますが、人事院の今後の方針及び総務長官の決意のほどをお伺わせ願いたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 週休二日制につきましては、私自身はやはりこれは大きな見地から言えば世界の大勢であるというふうに考えております。わが国の場合におきましても、民間におきましても普及率は着実に伸び、しかも定着を見せておるという状況であろうかと思います。ただ、公務員につきましては、これはほかならぬ公務を執行するということでございますので、これをやりますために公務の運営に支障が生ずるということは、これは厳に避けなければならぬという一つの問題がございます。そういうことで問題点がどこにあるんだろうかと、仮にあったとすればどういう対策を必要とするんだろうかということを把握する必要がございますので、昨年に引き続いて本年も第二回の試行をやっておるという段階でございます。この試行は御承知のように本年の四月から始めまして来年の三月まで一年ということに相なっております。試行期間が終わりました段階において各省庁から詳細な報告を得まして、これを総合的に勘案をいたしました結果、次のステップをどうするかということについて具体的に検討をしてまいりたいと、かように考えております。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 国家公務員の週休二日制の問題でありますが、四月一日より全省庁に――過去一回やりましたのは、参画をしなかった省庁もございまして、今度は全省庁参加による週休二日制の実態調査ということを四月一日から来年の三月三十一日にかけてするということになっておるわけであります。もちろん、この結果人事院の方から報告がございますならば、民間の普及状態あるいはまた経済の推移の状態、あるいはまた予算の問題、あるいはまた定員増加の問題等等含めて慎重に検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、特別職の給与に関して質問をいたしますが、今回提出された特別職の職員の給与法案で、特別職の職員のうち、秘書官の給与のみについて一般職の職員の給与改定に準じて引き上げようとされておるわけでございますが、改定の対象を秘書官だけに限った理由について簡単にお答え願います。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) お答えを申し上げます。  特別職の給与法の適用者は、先生御存じのように、総理大臣を初め高給者が非常に多うございまして、そういう意味におきまして、今回は一般職の法律の方におきましても、指定職相当以上の者はこれを据え置きという人事院勧告に基づく措置を法文化をいたしておりますので、経済の状態も厳しい中でございます。いま言いましたように指定職は一般職では一人も上がっていないということでございますので、指定職並び以上の者、すなわち大臣初め秘書官を除きますすべてがそれに当たりますので、そちらには手を触れなかったわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 今回の秘書官の俸給月額の改定に必要な予算は約二百万円計上されておるようでございますが、そこで現在秘書官は全体で大体何人ぐらいおられるのか。さらに本法第三条に規定されている別表第三にある一号俸から八号俸までの秘書官の分布状態について説明してください。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) 秘書官の総数は五十名でございまして、総理大臣の秘書官が三名、国務大臣の秘書官が二十名という、そういうふうな数字で合計五十名でございますけれども、いま御指摘のございました特別の別表第三の枠外と申しますか、特別の号俸を受ける者は特の一号と申しますか、一段階上の者が八名で、二号俸上の者が七名、両方で十五名でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 さらに本法第三条第五項による特別号俸について尋ねますが、この条文規定によると、特別の事情により特別号俸を設けられることになっているとあります。そこで、ここで言う特別の事情というのは具体的にはどのような事情を指して言うのか。さらに特別号俸の適用者は何人おられるのか。さらに今回の改定でどのような改善がなされるのか、その増加額をあわせて説明してもらいたい。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) お答えを申し上げます。  なぜそういう特号俸があるかということでございますけれども、秘書官の俸給表は別表第三にございまして、一号俸から八号俸になっておりますけれども、したがって八号が頭打ちでございますけれども、人によりましては、たとえば現職の課長さんでかなり高いところから秘書官に任命されるというような方もございまして、そういう意味でその方が八号俸という一番高い号俸に持ってまいりましても降給になってしまうというようなこともございますので、そういうことも考慮いたしまして、そういう場合等につきましては八号の上に、俸給表の上にはございませんけれども、七号と八号の差額を一号上に積む。さらにそれにも入らない方にはもう一号を積むということでございまして、数字は先ほど申し上げたような数字でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、防衛庁関係についてお尋ねをいたします。  防衛庁職員に適用される参事官等俸給表、自衛官俸給表とも一般職給与法に規定する俸給月額を基準としつつ、それにさまざまな特殊要因を加味して、きわめて複雑な算定方式を使って俸給月額が定められております。したがってそこには多くの問題点をはらんでおります。ここでは参事官等俸給表を設けた理由、調整率の根拠、私傷病療養費の意味、営内居住費控除の是非及び対応等級のとり方の五点にしぼって質問をいたします。  まず第一に、事務次官、参事官、書記官、部員といった内局職員に一般職給与表の行(一)表を適用しないで、別に参事官等俸給表を設けて、これを適用している理由について伺いたい。  自衛官の二十四時間勤務体制に呼応して、参事官等の内局職員も二十四時間勤務体制をとらざるを得ず、そのためには行(一)をストレートに適用するのではまずいという考えに立ったと思われますが、有事の際ならともかく、平時にあってそのような考え方は妥当性を持つものであろうか。だが、実際上参事官等の内局職員の勤務実態を眺めたときには、それは他の一般の内局職員とどれだけ違ったものなのか、あるいは他省庁の公務員の勤務の仕方とどう異なるのか、恐らく大同小異に違いないと思います。さらに、自衛官以外の隊員の勤務時間及び休暇に関する訓令を見ても、官以外の職員の勤務時間は一週四十四時間で一般公務員と同じになっております。それにもかかわらず、二十四時間勤務体制と称して参事官等俸給表を別建てとする理由は乏しいのではないかと思います。こうして見ますと、参事官等にも同じ防衛庁内に働く一般事務員と同じく一般職給与の行政職(一)表を適用した方がすっきりするのではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) 先生ただいまおっしゃったように非常に防衛庁職員の給与につきましては、複雑な体系をなしております。これは先生いまおっしゃいましたように、自衛官は常時服務体制にある、有事即応体制にある、そのために常時勤務をしなければならないという体制にございます。これは自衛隊法にも定められておるところでございます。そこで、勤務時間の問題をおっしゃいましたけれども、部隊等に勤務する自衛官につきましては、勤務時間という概念ではなくて課業時間、日課というものを定めております。これは訓令によって定められております。時間的にはそれほど大差はございませんけれども、観念的には勤務時間という概念とは異なるという考え方を私どもは持っております。  それから、幕に勤務する自衛官は一応私どもと同様に、内局に勤務する文官と同様に勤務時間というものがございます。そこで有事即応体制になければならない。したがって、幕に勤務する自衛官と部隊に勤務する自衛官との間において一体性を保つ必要がある。そのために警察予備隊発足当時に、公安職にリンクをいたしまして自衛官俸給表というものを定めました。そのときにまあ常時服務体制にあるということから超過勤務という観念はなじまないということで、超過勤務手当という制度を廃しました。しかしながら、二十四時間まるまる寝ずに働いておるというわけでもございませんので、何らかの見返りのものが必要であろうということから、当時公安職の超過勤務時間、平均的な時間をとりまして、それを一定の率に換算いたしましたものを本俸に繰り入れて自衛官俸給表というものをつくり上げたわけでございます。  そこで、参事官俸給表はどうかということでございますけれども、参事官、書記官、部員こういう官にある者はいわばシビリアンコントロールというものを果たす重要な機能の補完をなす者というふうに私どもは考えております。したがいまして、内局に勤務するこれらの官にある者はやはり自衛官と同様な服務管理に服すべきだろう。したがいまして、自衛官と同じような一体性を保つという意味から、同じような調整率というものを用いて本俸に繰り入れて特別な参事官俸給表というものを用いておるものでございます。これは非常に沿革的なものでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 時間がまいりましたのでこれで質問は終わりますが、防衛問題等については次の機会で行いたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 防衛庁長官、ロッキード問題と言いましてもいま公判中ですから、私もそれをそんなに審理の過程に述べることはできないと思いますが、P3Cのけさの報道、これ一番最近、本年の一月二十日の本院のロッキード問題調査特別委員会、金丸大臣は「ロッキード事件について、防衛庁にはいささかの疑惑もないと考えている次第であります。」と。それと、「調達を含む防衛行政の適正化になお一層努めてまいりたい」と思うと。これはいままで何もこの時点だけではありません。そう繰り返し言われてきたんです。  いままではコーチャン回想録の伝聞という形で中曽根総務会長、あるいは迷惑だったかもわかりません、わかりません真偽のほどは。国会でも当人、自分なりに弁明したわけであります。しかしながら、けさの報道に接しますと、すでに公判でコーチャン回想録の伝聞を根拠にせよ尋問調書に出てくる。こうなりますと、疑惑の段階であるにせよ、公判中であるにせよ、さらに疑惑が深まったのではなかろうかという私は情報に接して感触があるんですが、長官はけさの報道に接してどういう感じをお持ちですか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は、私の在任中の事件ではありませんから、たまたま昨年の十一月、防衛庁長官に就任いたしまして、この問題について防衛庁でいろいろ内容を聞いてみたわけでありますが、ただいま黒柳先生が速記録を読み上げたような御答弁を申し上げたわけであります。  ただいま、けさの新聞を見てどう思うかと、こういうようなお話があるわけでございますが、この問題はまだ裁判中でありますから、私はあれこれ申し上げる段階でない、こう思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 法務省の刑事局長、伊藤さんですね、――廊下でお聞きになったと思うんですけれども、刑事局長もロッキードの調査特別委員会、いろいろ発言してます。一番最近のあれは、金の流れを追って求めていきましたところ、御指摘のような政治的な問題と申しますか、そういうものに結びつくものはなかったと、こういうことでございますと、こういう断定的なことを申しておりますけれども、少なくとも尋問調書に――いまも申しましたんですが、コーチャン伝聞録を通じてのものであれ、あるということは政治的なものはなかったと断言はできないと私は思うんですが、いかがでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 御質問の前段をちょっと聞き漏らしておるかもしれませんので、多少見当が外れるかもしれません。御容赦いただきます。  先般の嘱託尋問調書採用決定におきまして、嘱託尋問の請求の際の被疑事実というものを明らかにされたわけでございます。その中に被疑事実といたしまして、氏名不詳のいわゆる政府高官数名に対する贈賄容疑というものが入っておりまして、その贈賄の趣旨としてトライスターの売り込みと、それからP3Cの売り込みという二つの趣旨が挙げられております。  当時といたしましては、どういう被疑事実について疎明資料を裁判所に提出したかということは、捜査上の秘密ということで申し上げられませんが、察するに、ちょうど司法取り決めによりまして合衆国司法省から所要の証拠資料が届いた後でございます。したがって、児玉譽士夫とロッキード社との間の秘密代理契約書が検察の手中にあったものと思うわけでございます。それを見ますと、P3Cの売り込みに関する秘密手数料も書いてございます。そういったことから、当時の疎明資料となるべきものを総合勘案いたしますと、ロッキード社からわが国内へ流入したお金の中には、P3Cの売り込みに関連するものがあるというふうに疑うべき相当な理由があったと、こういうことではないかと思います。いわば俗な言葉で言えば大きく網を張って、そして嘱託尋問を請求した。それと国内捜査の関係とを有機的に連関づけまして、今度は日本へ入ってきた金の行方を詳細調べてみた。その結果、P3Cの売り込みに関して政界その他へP3Cの売り込みのための趣旨で動いた金はないということが判明した。そこで贈収賄に該当する部分だけを訴追をして捜査を終えた、こういう状況であると思うわけであります。

黒柳明公明党

○黒柳明君 状況はけさの報道で若干わかりました。それについてプラスアルファのお話も承ったわけでありますが、そうすると、嘱託尋問調査の公判が終われば、すべてまとめて国会で報告いただけますか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 従来から私どもとしては、ロッキード調査特別委員会に関しては全面的な御協力を申し上げるという立場をとっております。したがいまして、嘱託尋問調書の取り調べがあとまだ採用決定がないほかの二部がございます。それらの各部におきまして証拠調べが終わりますれば、御要望があればその要旨をロ特の方へお出しする心づもりをしております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 本日も公判廷で何かこう公開されているかと思いますけれども、いまがいまですけれども、もしいまの時間でわかれば、それまあ、もしきょうで、この時間でわからなければ、果たして今後調査尋問調書の中、尋問調査書の中、公判廷で当時の官房長官とか主計局長等も出る可能性はあるんでしょうか。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) 私どもも嘱託尋問調書を読んでおりませんので、どういうことになるかわかりません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 先ほどちょっと御答弁がそれるかわからないというようなことで、ちょっと最後に一言お聞きしたいんですが、政治的な問題点はなかったと、こういうふうに断定した発言につきまして、なかったとは断定できないんじゃないか、これから政治的な問題点が出る可能性なり疑惑なりというものが出てきたんじゃなかろうかと、この答弁いかがでしょう。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○政府委員(伊藤榮樹君) どうも私どもには政治的な問題というのはよくわかりませんので、従来お答えいたしましたのも犯罪として検察当局が追及すべきものは一切発見できなかったと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、そのような政治的な問題につきましては、しかるべき分野で御論議になることだと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 ちょっと時間が短いんで、具体的な問題、そのほかの問題をやりたいんですが、外務省来ていらっしゃいますか。――在日米軍基地百三十数カ所ですかありますね。この在日米軍基地はもう言うまでもなく、特別の米軍の許可がなければ立ち入りできません、日本人はオフリミット。国会で調査するつたってやっぱり相当の期間がアメリカ大使館を通して事前に申し込まないと許可おりてこないと、これは厳しいところです。治外法権ですね、ある意味では。当然その基地の中で日本人がPXのもの、これは安うございますが、行政協定十五条で在日米軍あるいはその家族について特恵、特別の待遇を与えられる。その基地の中に入ってもしそういうものを買ったとすれば、これは見つかれば処罰されるわけですね。そういうところであるということは私いまさら申すまでもないんですが、それは問題ないと思うんです。  ところが、円高ドル安の中で米軍の人たちが安くて困っているというようなことは、たびたび社会的な報道として出ておりますが、そういう米軍基地の中に入って、それで行政協定で決められている、しかも、それを破ってできる方法があるんです。これは米軍が要するにそれをやらせればできるわけですよ、米軍がオーソライズすれば。そういうケースというものは、在日米軍基地百三十数カ所で外務省はあったという事実つかんでいますか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ただいま先生が言及なさいました問題は、歳出外資金の諸機関といわれております一般に言えば海軍の販売所であるとかPXであるとか食堂とか社交クラブ、そういうところでの利用の問題でございまして、これは地位協定上第十五条でこれを規定しておるわけでございますが、私どもは実態そのものにつきましては別に調査をしておりませんけれども、協定の解釈という観点から先生の御質問にお答えしたいと思います……

黒柳明公明党

○黒柳明君 そうじやない、そうじやない。実態論でいいの、実態論で。そういう事実があったかどうかということについて、知らないなら知らない、あったならあった。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 外務省としては存じておりません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 当然これはいろんな問題にも発展してきて自治省にもお尋ねしなければならないんですけれども、まずその一つですよ、沖繩の金武村にハンセン基地、これは海兵隊、マリーンの基地ですね、五千名ぐらいいる。ここで七月の十四日から二十八日、八月の十一日、二十五日、九月の八日、二十二日と連続で外部の、日本人は外部ですな、それを米軍が、基地がオーソライズしていて、そこのクラフークラブといったってそこの銀座にあるようなすてきなクラブじゃないと思います。基地の中ですから。スタッフクラブ、そこに入れまして、それで日本人に安いクラブのビフテキとか、要するに飲み食いをさせている、こういう事実がある、これ全然知らないですね。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 存じ上げません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 もしこういう事実があったとしたらこれはどういうことになりますか。アメリカ軍が、これは日本人がやっているんじゃないんですよ。ゲートのそばにアメリカ軍専用の車を置いて、ゲートは入れません、日本人は。ただしクラブ、ゲートから三百メートル、近いですから。その車に乗っけてクラブに連れていく、こういうことです。しかも、円じゃ買えませんからそのゲートの前ではちゃんと円とドルとかえてくれる、こういうシステムなんです。こういうことをやっている。アメリカ軍自体が国内法違反をやっていることになる、こういうことになると思うんです。さらに、中の飲食、これは無税ですからもう飲食税法にひっかかるのか。さらに、中にはギャンブルのスロットマシンがある。現金が出てくる。これはアメリカの基地の中ですからそこに日本人が行ってギャンブルやっている、こういう実態が明らかなんです。もう一回言いましょう。この事実御存じない。時間がありませんから詳細に述べられるかどうかわかりません。いまお聞きになった範囲の中でこれはどういう法的に問題点があるのか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) その実態の詳細は存じ上げませんので、いわゆる法解釈の点から御説明したいと思いますが、そういう諸機関においてどういう人間がこの諸機関を利用できるかということがまず第一の問題でございます。地位協定第十五条はその利用者の範囲としてまず「合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族」というものを挙げ、さらにしてもその特殊契約を結んでおる者、それからアメリカの外交官のような者、そういう者はこの諸機関を利用することができるというふうに書かれてあるわけでございます。それではこの諸機関の利用はこれらいま申し上げた者に厳密に限られるのかどうかという問題になりますと、それは必ずしも厳密にそうではなくて、たとえばアメリカ軍が地域住民との間の友好を促進するため、あるいは政府の職員との間の事務を円滑にするために親善を目的として招待するとか、こういうことはある程度地位協定も排除をしてはいないのではないかというふうに考えるわけでございます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 その招待やなんか私も知っています。長年基地の問題よく調べていますから。あの練馬のあれでも開放してやったり、幾らも開放していますね。そうじゃなくして、これは七月の十四日から始まったんです。第二金曜と第四金曜の夜。それでこのクラブの中で、当然クラブですからいろんなバンド入っていますな、ギャンブル装置もありますな。そこで長官、かんビール五十セント、百円、それから十二オンスのニューヨークステーキ七ドル二十五セント、三百二十グラムのステーキ千四百円ですよ。ホテルから八千円のが千四百円。これは安いわけですよ。さらにハンバーガーステーキが三ドル、それからアイスティーが二十セント、四十円ですよ。非常に安い。いろんなものが安い。これはあながち巨大なアメリカが何もここで日本人毎晩二百五十人で金を使わしたからといってドルの蓄積にということには何にもなんないと思いますけれども、問題は姿勢だと思うんですよ。特殊な友好親善について開放する、基地の中を見てくれ、やましいことはないんだと。これはもう従来やっている。そうじゃなくして、これにつきましては地元の商店街やなんかは怒っているわけです。やめてくれと、こんなものは。ただでも沖繩は失業率が多いんだと。ただでさえ物が売れない。しかもこんなものをやっていて全部引っ張っていかれちゃう。これはもう厳密に言いますと、円とドルを門の前で交換するなんというのは外為法違反じゃないですか、十四条の。外為法違反をアメリカがやっている。さらに、いま言いましたように、無税のものをあれしたら飲食税違反じゃないですか。そのように十五条の行政協定の上を越して国内法違反をアメリカ軍だけがやっている、こういうこと。この事実つかんでなかったら、いま言ったこととは違うという認識は持ってください。持てますか。いまあんたがおっしゃったこととは違うと、友好親善とは全然違うよと。これだけの認識ははっきり持ってください。そんなものを先行して、いままでになかったケース、知らないケースについて、いや友好親善ぐらいじゃないか、また公明党の黒柳、まあふだんはおとなしいけれども委員会のときちょっとひねくれているからなんて考えてこれをお聞きになるととんでもないですよ。友好親善の基地内の立ち入りとは全然違いますよ。金使わせている。どうですか。ゲートでドルを交換するなんということはないでしょう、友好親善の基地の開放には。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ただいま先生がおっしゃいました事実につきましては、もしそれが事実であればいろいろ問題はあると思います。ただ、私どもその事実をつかんでおりませんので実態を調査してその上でまたいろいろ関係のところと協議してみたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 だから、つかんでないなんというのは遅過ぎるのよ、そんなことは。  長官、まあ米軍の思いやりも結構ですよ、二百億ドル、やられることも結構、ある場合にはですよ。しかしながら、ここまで長官思いやりをかけて、基地内のドルに対して何とか円をということはまさか考えないでしょうね。まあ事実関係政府が知られませんから話が進まないで非常に私もやりづらいんですが、私は事実を曲げて言うことはありません。調査したその事実関係だけを言っているだけであります。こういう米軍基地内のそれは円高ドル安に対する何ぽかの補てんと、こういうことにせよ、これは法的に全くうまくないですよ。これは思いやりの範疇があることは当然。これに対してはまあ範疇は違いますけれども防衛庁長官としてはどうお考えですか、こういう事態。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私はその内容のいかんは存じませんが、お互いに法治国に住む者は法律は守らなくちゃいかぬということでありますが、この問題は守備範囲以外ということで御理解をいただきたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 だから私言ったじゃありませんか、守備範囲じゃないけれどもどうお思いですかって。  施設庁、どうですか、この事実知っていますか。

亘理彰防衛施設庁長官

○政府委員(亘理彰君) 突然のお尋ねで、私もよく承知しておりませんのでよく調査してまたお答えしたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 これは皆さん方が突然ということじゃないの。もう一ヵ月ぐらい前から地元ではオープンになっている。オープンになっているんです。いいですか。そのオープンになっている事実をまあどういうふうにいくかと私若干見ていましたが、こういう余りにもはでなことをやっているので、きょうはこんなものを取り上げるつもりなかったんですけれども、ちょっと時期的にもう取り上げた方がいいかなと、政府を督促した方がいいかなと――ちょっと外務参事官、そんな、こんなことをやってないで、ちょっと真剣になってあれよ。どうもぼくは目がいいもんでね、あっちこっち目移りするの。もっと真剣になって聞きなさいよ。いいですか、ゲートの前で円とドルの交換、外為法十四条違反、――そんなわざとらしく書くなんというのはあんまりこうすっきりしないなあ。  それから、自治省来ていますね。こういう基地の中で、まあ安いことは結構です。行かれる人というのはそんなに、失礼ですけれどもそういうところで一晩ゆっくり遊ぼうと、向こうが開放するのですから何の罪の意識もありません。ましてこれは治安国家にいる。国内法どうだ、行政協定十五条どうだ、わかりません。だから、そういう観点ではなくして、いずれにせよ、そういうところでノータックスのものを飲んだり買ったり食ったりするということは、これはやっぱり地方税法違反じゃないですか、飲食税法違反じゃないですか、こういう事実。

津田正自治省税務局企画課長

○説明員(津田正君) 事実関係実は私どもも承知しておりませんので、よろしくお願いいたします。  法律的に申しますと、先ほど外務省からも答弁ございましたように、地位協定の十五条によりましてPX等の軍人用販売機関等につきましては租税は免除すると、租税を課さないと、こういうことになっておりまして、これを受けまして地方税法の臨時特例法というのがございまして、このようなところには遊興飲食税を課さないということになっております。ただ、先生御指摘のように、おっしゃった事実が軍人用販売機関等の行為として適切なのかどうか、そこいらが問題かと存じます。

黒柳明公明党

○黒柳明君 適切じゃないのよ。適切じゃないことをやっている、だからどうなのかと聞いたんだ。いま外務参事官おっしゃったのは、特別の友好を温めるために交流はあるという、だけれども、こういう事実については聞いたことがないと、ただし、事実であるとすれば、とおっしゃったでしょう。事実を知らない。これは事実であるとすればということについて、私は自治省の方も、これはやることが、こういうことについての実態がもしあるならば消費税法どうなのかと、こういう答弁をいただきたいんですよ。飲食税法。

津田正自治省税務局企画課長

○説明員(津田正君) 法的にはそういうことでございますが、私どもの解釈も、いわゆるゲストとして日本人が利用する場合、本来はその軍人、軍属、家族というものでございますが、その方々のゲストとして日本人が利用するような場合には、まあこれは料飲税、この法律どおりに課さなくてもいいんじゃないか。しかし、それを超えるようなものは問題かと、こういうふうに思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 だから何回も言うように、ゲストじゃなくして、円高ドル安の中で――これはもうどこかの司令官が、カーター大統領がということじゃ当然ないと思いますよ。というのは、クラブは独立採算ですから、御存じのように。その独立採算の中で、少尉さんであるか曹長さんであるかわからないけれども、それがやっているケースだろうと、私こう思いますよ。ハンセン基地の司令官の許可だってあるかどうか私は調べなけりゃ疑問だと思います。私たちそんなこと調べる責任ないです。それは皆さん方の責任ですからね。こういう実態というものはうまくないだろうということで私やっているわけですから。だから何回も言うように、これはそういう交流とか親善とかではないということ、もしそうであったらばこれは違反じゃないですかと、こう言っているんであって――まあいいや、結構です。  総務長官、お休みのところ済みません。沖繩問題です。これは。いま考えていらっしゃったとは思うんですけれども、どうですか。もう思慮、考えていらっしゃったと思うんです。沖繩で――まあこれも守備範囲じゃないなんておっしゃらないでくださいよ。こういうことが起こっているんです。現実に。これはいま一つのハンセン基地だけを言っているんですよ。どうですか、こういう実態聞いて。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま突然の質問で……

黒柳明公明党

○黒柳明君 みんな突然だな。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) そのようなことを聞いたことはございませんので、まあいろいろ関係者に調査をさせてみたいと思います。

黒柳明公明党

○黒柳明君 調査じゃなくて、こういう事実、私がこういう具体的に言っているのを全くでたらめだということを言って前提で聞くことは失礼じゃないですか、もしそれが事実ならばとかなんとかということを仮定をつけるにせよ。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) これも全く守備範囲以外のことでございまして、確答を申し上げることができないで、大変申しわけございません。

黒柳明公明党

○黒柳明君 どういうふうにお感じになりますかということ。そういうことが行われてどういうふうにお感じになりますかということ。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま申し上げましたように、先ほど来からお聞きしておりますと、ドル円を交換をしながらこうやっておるというふうなこの事実関係をおっしゃいまして、事実そういったことがあるとするならばきわめて遺憾のことではないかと、こういうふうに思っております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 それだけ、遺憾一言言うのに三回も往復して、時間のロスだよ、あなた。もう終盤国会ですから、対決法案もありませんから、いい意味でひとつ仲よくやった方がいいと思うんです。  施設庁長官、それから外務省、これはハンセン基地だけじゃないわけです。いいですか。問題はそこにある。金丸長官、そうでしょう。稻村長官。ただ単に沖繩の一つの基地だけの問題じゃないんです。これはどうなるのかな、外務省ですか。これは、正式にやっぱり米軍にこの実態調査して速やかに何らかの処置を講ずる、この問題については、いいですな。と同時に、百三十数カ所の基地については全部やっぱり調べてください。大変だ、調べなかったら。こんなことがあったんじゃ。いいですね。法治国家ですから。法治国家を今度はアメリカがみずからどこのレベルにせよこれを破るようなことをやっていたんじゃこれはうまくない。いいですね。もしかしますとこのことが内部には日本の警察権力が立ち入りできなくても、外に出たときには警察権力は行使されますよ。当人は知らなかった、米軍はこう言っているからいったんだ、にもかかわらずノータックスで物を買って出てきた、これはもう違反として取り締まる対象になるんですよ。そんなことになったら大変じゃないですか。ひとつ施設庁も基地の一つの担当である。正式には外務省の交渉の守備範囲である。一つはこれは全基地やっぱり総調査しまして、至急に、いいですか。それで、その実態に伴って外務省もこの一つの実態、これも含めて調査になるでしょうな。速やかに米国に対してこの適切な処置を講じてもらいたい、どうですか。

亘理彰防衛施設庁長官

○政府委員(亘理彰君) まずおっしゃるとおり実情を調べましてできるだけ早く御報告いたします。その上で実情に応じて是正すべき点があれば是正の措置を講ずる、これは私どもの所管以外の各省庁の関係があるかもわかりませんが、関係省庁とも協議いたしましてそのような実態の調査と必要に応じた是正措置を考えたいと思います。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 施設庁の方で実態を調査されまして、そうしてそれはまた関係省庁でいろんな問題があるというようなことでありましたら、そのときは外務省がアメリカの方とこの問題を話をいたします。

黒柳明公明党

○黒柳明君 長官、最後に。  要するに調査するという――ほかを調査してもらうんで、ここの基地の実態というのは間違いなくこうなんです。もう長官、長いつき合いで私がうそなんて言うことはない男だということはよく御存じでしょう。それでお聞きになっているんでしょう。ですから、このことについての調査と全基地についての調査、これはもうやってもらって、速やかに、しかるべくもう大会議をやってもらいたい。一方その米軍への長官の思いやりというものがあるわけですよ。この思いやりも、思いやりがあればあるほどこういうものを日本の国内でやっていることについては怒りが、やっぱり坊主憎けりゃけさまでもという原理、もう数倍にならざるを得ない。ですからこれは事実関係みんな御存じないんで、私たちが先行して調べてつかんだ事実にせよ、こういう過程のことは間違いないですから、これを踏まえていま調査する――施設庁、厳重にとは言わなかったな。すぐしかるべく処置をする。防衛庁長官も米軍のこれ制服との関係ですから、こういうことについてはしかるべくやっぱり断固たる態度を示さないと、ただ単に思いやりばかり先行してうまくないですよ。それと、総務長官も、先ほどは、私の守備範囲じゃないなんてとんでもないよ。沖繩というのは総務長官の守備範囲、みんな関連あります。日本人のことじゃないですか。従業員のことじゃないですか。これは私は関係ないなんというわけにいきませんよ。ですからそういう面でこのことについては総理府としても重大な関心を持つと同時に、また独自にひとつ実態というものについて耳をそばだてていくと、是正すると、少なくとも沖繩の基地だけでも、そういう態度があってしかるべきだと、私はこう思いますよ。ひとつ両長官。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 黒柳先生、この公の場で私も長年のおつき合いでさらさらうそを言うとは考えていません。そういう問題につきまして、ただいま施設庁長官も申し上げているとおり、ひとつ一日も早くこういう問題を解明したいと、こう考えております。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 米軍軍人、軍属、その家族、やはり日本に駐在する限りにおいては、日本の法律を守っていただかなきやならぬと思います。そういう意味で、沖繩開発庁長官という立場で至急にこの実態の調査をさせなければならないと、こういうふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 初めに防衛問題について伺います。  一昨日の質疑に引き続きまして防衛協力小委員会の問題について伺いたいと思います。  日米安保協議委員会のガイドラインの合意の中には「極東における事態で我が国の安全に重要な影響を与える場合の諸問題」という部分が入るのかどうか、その点を初めにお尋ねをいたします。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ただいま先生がおっしゃいました、極東における事態でわが国の安全に重大な影響がある、そういう問題についての、そういう場合の日米間の協力というものについて、協議、検討を小委員会でもいたしております。したがいまして、その結論が出ましたときには、日米安全保障協議会において報告するということになります。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 一応ガイドラインについては大体終局に達したという先日の御答弁もありましたし、そういう報道にもなっておりますが、いまのお話によりますと、このガイドラインを承認する安保協議会までに、さらにこの極東における事態での問題を協議をさらに詰めて、そしてそれが含まれることになると、こういう御趣旨でしょうか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) そのとおりでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、現在は安保条約六条関係の結論が出てはいないけれども、これから次の協議会までに詰めたいと、このように承りましたけれども、現在その合意がないということの背景は何であるのか、どういうことが問題になっているのかお聞かせいただきたいと思います。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) このいわゆる私ども六条事態の問題と考えておりますが、この問題は、先生御承知のように小委員会におきましては、まず五条事態の問題ないし日本に武力攻撃が行われる場合あるいはそのおそれのある場合、この問題についてずっと詰めてまいったわけでございまして、別に六条事態に問題があっておくれておるということではなくて、順序のあれとして六条事態のものがいま話し合っておるという段階でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それでは、先日ちょっとはっきりしなかったので重ねてお尋ねをしたいんですが、いずれにしても安保協議会までの間にもう一度さらに防衛協力小委員会を開くという段取りになると理解をしておりますけれども、それはいつごろ開かれて、それで安保協議会がいつごろのめどで開かれてガイドラインのオーソライズということになるのか、ちょっと時期的なことも含めてお聞かせをいただきたい。大体の見当でも結構でございます。いままでの御答弁の中ではことしの秋というように防衛庁からの御答弁もありましたし、伊藤防衛局長からも九月ごろという一時お話もあったし、秋という表現の御答弁もあったわけでございますので、そこの点をお尋ねいたします。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 防衛協力小委員会につきましては、近い将来の開催を考えております。  日米安全保障協議委員会の開催につきましては、これはもう二年以上も開催されておりませんので、いずれこれも開催したいと思っておりますけれども、時期は未定でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、いままでの防衛庁の御答弁の中でも秋とか九月とかというお話があったんですけれども、その点については、たとえばことしじゅうのめどにとか、というふうなことについても、全然まだかいもくプログラムの見当はついていないということでございましょうか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 安保協議委員会の開催につきましては、ことしじゅうの開催ということをも含めまして、いまその日程を、まだ決めておりませんけれども、そういう日程を考えておりますけれども、まあそうしますとSDCすなわち防衛協力小委員会はその前に開くということになるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 先ほどの御答弁でも、日米防衛協力小委員会で安保条約六条関係が余りはっきりしていないというように承りましたけれども、実際の可能性として朝鮮半島有事の際に、米軍が、米本土からも当然ございましょうけれども、日本の基地からも緊急に出動するということになると思います。アメリカは、たとえば九日間戦争を考えているというようにも言っておりますし。こうしたときに自衛隊基地を使わせるということを検討されているのですか、されるのですか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 六条事態と申しますのは、極東において日本の安全に重大な関係のある事態が生じた場合ということでございまして、私どもとしては、特定の地域というものを頭に置いて考えておるわけではございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 米軍の自衛隊の基地使用ということについては、すでに御答弁があっているわけですけれども、そのことはいまのお話だと、そういう際に自衛隊基地を米軍に提供するということは全然ないというように承ってよろしいですか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 安保条約におきまして、米軍は極東の安全と平和を維持するために日本の中にある施設、区域を使用することができるということになっております。したがいましてこれは当然アメリカ軍が日本の中の施設、区域を使うということについては、もう何も防衛協力小委員会で検討する以前からできることになっておるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうすると、いま私が申し上げましたように、いわゆる朝鮮有事の際、米軍の行動として自衛隊の基地を使って出撃するということもあり得るということがあり得るということになりますね。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 先ほども申し上げましたように、私どもとしては、朝鮮半島とか、そういう特定の地域を考えて、この協力を考えておるわけではございません。一般的に米軍は、先ほども申し上げましたように、六条事態の発生の場合には、日本にある施設、区域を使うということはできるわけでございます。ただ、日本の基地を基地として直接の戦闘作戦行動に入るという場合には、これはもちろん事前協議の問題になるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 特定の地域でないというふうにおっしゃっているけれども、いままでの議論の中でも、朝鮮半島での紛争というのは十分考えられる一つのケースであるということは、防衛庁伊藤防衛局長も答弁されていることで、私はだから何も朝鮮有事のときだけに出撃するのかと申し上げているわけじゃないんですけれども、当然のことながら、そういういままでの政府側の分析に立った上で、質問申し上げておりますので、その点をもう一度申し上げておきます。  それと同時に、いまの外務省の答弁も、もちろん朝鮮半島有事の際は除いてということでは当然ないという御答弁だと思います。その点はそれでよろしいですね。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 朝鮮半島と、そういうような特定の地域を考えておらないということを申し上げたまででございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 現行の地位協定でそういうことはあるというお話ですけれども、実際問題として自衛隊基地を米軍が使うというような場合には、いろいろすることがあるでしょうね。そのまますぐぱっと米軍が来て使えるということにならないんでしょうけれども、技術的な面も含まれますけれども、どのくらいかかるものでしょうね。いまの自衛隊基地を結局米軍も使うと、こうなった場合に、そのまますぐぱっと使えないでしょう、いろいろありますから。それはどのくらいの見当でしょうね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは使い方によっていろいろ違うと思います。たとえば滑走路にただおりて飛び上がっていくということであれば、これはすぐ使えるわけですけれども、それはその使い方によって決定される問題だと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 だから、私はいままでの御質問の中で、たとえば朝鮮有事というような場合に、米軍がそういう趣旨でもって日本の自衛隊基地を使って出撃をするというような場合にということでいま質問してきたわけですから、そのぐらいのことは考えて教えてくださいよ。いろいろな場合がおありでしょうけれども。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これはやはりその手続なんかもございますし、それから実体的に準備をする使い方、そのやり方等もございますから、一概に申し上げるわけにはいかないと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうすると、米軍が日本の国の有事ではなくて、極東の平和と安全のためと、六条でということで日本に来る場合、日本として自衛隊基地を使用させるということは、先ほどからもお話がありましたけれども、地位協定上の提供形態、これは根拠を含めてどういうことになりますか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ただいま先生が六条事態の場合に米軍は自衛隊の基地をいつでも使えると、こういうふうな御発言があったように承りましたんですが……

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 使うような場合ということです。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ええ、そういうことでは――地位協定上は日本における施設、区域を使用することはできるということでございまして、それは自衛隊が管理しておる施設の場合に、第二条四項(b)によってアメリカ軍がその一部をあるいはその一定期間使うとか、そういうことがあらかじめ決まっておる場合ですね、そういう場合。あるいは二条一項(a)によりまして新しくそれを施設、区域としてアメリカ軍が使うという場合が決まっておる場合でなければ、それはそういう手続を経ませんと、何でも自衛隊の基地を米軍がいつでも使えると、そういうものではございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それではちょっと確認をしていただきたいんですが、現行地位協定以外のものでもって考えられるということではないと、現行地位協定によっての提供以外にはないということでよろしいですか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 私ども防衛協力小委員会においてずっと検討してまいりましたものは、これはすべて安保条約、安保関連取り決め、それから国内法の枠内においてどういう協力ができるかということを考えてきたわけでございます。そういう枠外のことを考えておるわけではございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 日米防衛協力小委員会においていまの極東における事態でわが国の安全に重要な影響を与える場合の諸問題ということで、日本が有事でなくてもアメリカが朝鮮半島における紛争で日本を中継基地として出撃する場合、自衛隊の基地を使うということが地位協定上の手続なりその範囲で行うという問題に関連するわけですけれども、その場合に自衛隊の財産というんですか、その自衛隊基地の自衛隊のものを米軍に提供すると。基地を、とにかくそこの場所を使用させるというだけでなくて、いろんなことが考えられてくると思うんですけれども、そういうことはどうなんでしょう。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 先ほど申し上げましたように、第二条四項(b)において合衆国軍隊が一定の期間を限って日本の施設、区域を使うことができるということはこれはあるわけでございますが、具体的などういうものをどういうふうに使うかということにつきましては、防衛施設庁の方で御答弁いただきたいと思います。

亘理彰防衛施設庁長官

○政府委員(亘理彰君) 私どもは、ただいま外務省から御答弁がありました地位協定に基づく施設、区域の提供業務をやっておりますが、これは施設及び区域ということでございまして、土地及び建物、工作物等の不動産に関して一定の手続を経て提供すべきものを提供するということでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、先日も伺ってもう一つはっきりしなかったんですけれども、自衛隊の基地提供以外の後方支援と一口に言いますね。たとえばどういうことが考えられるか、補給のための労務提供とかいろいろあると思いますけれども、そういうことは一切ないということですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいましたのは、多少私が御説明申し上げました五条の関係と紛らわしいところがあると思うんですが、私どもが後方支援の関係で御説明いたしましたのは、五条で共同対処をする場合でございます。したがいまして、六条につきましては先般も御答弁申し上げましたように、自衛隊としてはやることはもうほとんどないだろうというふうに御答弁したと記憶しております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それはこの前そういう御答弁あったんですけれども、実際問題として考えて、自衛隊の基地を米軍が使用するというときに、米軍はみずから自分たちの施設、部隊等を配置しているわけじゃありませんから、当然のことながらいま申し上げました補給の労務提供だとか、そういうものについては当然自衛隊が協力をすると、常識的に考えて。常識的というのはいまの状態のままで、そういうことはでも一切ないと、一切ないんだということは明言なさるわけですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは実はガイドラインの中でそういうところまでは出ないと思います。そういった問題を今後研究することになるのじゃないかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、自衛隊がやるということはほとんどないだろうというふうには考えておりますけれども。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 今後研究すると言われても、私も、現在の自衛隊法に基づいても自衛隊は日本の有事のためにあるわけだと繰り返しおっしゃるわけですね。基本的な議論は横に置きますけれども、いずれにしても法的根拠はないと思います。もし、そういうことに踏み込むようになるとそれは明らかに根拠のないものについて踏み込んでいくということにならざるを得ないし、また、それだけ、その問題だけでなくて、いまから、先ほどから申し上げていますように、当然のことながら日本の基地から米軍が出撃するというような問題の基本的な問題というものも出てまいります。そのことについての見解は私がいま申し上げたことでよろしいですか。つまり、自衛隊法上の根拠はないんだから、法的根拠はないんだから、一切、基地提供以外にはいろいろな後方支援に関する労務なり物資の提供はないと、自衛隊の財産なり。そういうことはそれでよろしいわけですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いずれにいたしましても安保、それから関連取り決めの枠内でしかできないというふうに私どもは考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 これも一昨日ですけれども、北村参事官が、ガイドラインについて現在字句、法制上の整備をしているというお話でございましたけれども、法制面の整備というのはどういうものでしょうか。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) ガイドラインは防衛協力小委員会の下部機構である部会から一応案として上げられてきたわけでございまして、これはその字句はもちろんのこと、いろいろ国内法とのあれから見て、果たしてそういうことを、法を整備するということじゃなくて、問題があるかないか、そういうようなことを一応法制面、法制の観点から一応チェックすると、そういうことを申し上げたわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますとガイドラインの内容によって、現行法制上ではできないので、新たな法制の整備をしなければならない、ないしは新法をつくらなければならないということが含まれた法制上の整備ということではなくて、そういうことは一切なくて、現行法のチェックという関係のみだということでございますか、その範囲の中で。

北村汎外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(北村汎君) 先生のおっしゃるとおりでございます。私どもといたしましては最初に防衛協力小委員会の作業を始める前に、これは私どもとして現在のこの法制の枠内において何ができるかできないかというようなことを検討しておるわけでございます。ですから、その結論は決していまの現行法制の枠に出るものではございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 この問題で、私は朝鮮で紛争が起こった場合と再三申し上げてきましたけれども、それがそれだけの合理的な背景と分析と理由があって国会でも論戦になってきているところです。この際に日本の基地を米軍に提供するということは、日本としてその戦争に積極的に協力することになるという重大な危険と問題があるということは繰り返し指摘をしてきたところです。国連の決議でも侵略の定義をこのように言っているわけですね。第二十九回国連です。「他の国家の使用に供した領土を、当該他の国家が第三国に対する侵略行為を行なうために使用することを許容する国家の行為」と、侵略行為としてこういうように規定をしている。私はまさに日本の基地から米軍が何らかの軍事行為、侵略行為に立つということにつきましての危険な問題というのがそこにあると思います。あらかじめガイドラインで、日本の基地を紛争の時点で新たに提供するという、ガイドラインも含めてそういうことを決めておくということは、現行法制の問題でももちろんありますけれども、それは自動的にアメリカの紛争に協力することを約束するということにならざるを得ないし、それから場合によっては侵略者として国際的に責任を問われると、国連の決議の趣旨から言ったってそういうようなことにならざるを得ないと思います。私は、ガイドラインの問題も含めて、先日伊藤防衛局長から、拘束するという明言はなかったけれども、全然参考とかそういうことではなくて、かなりな程度の、拘束という意味も含めてそれは何らかの影響を受けるもので、相対的な関係になってくるものだという御趣旨の説明がありましたので、私はその危険を強く指摘をして、そうした体制、方向をやはりやめていくべきだということを強く主張をして、指摘をしておきたいと思います。  それで、次に先日の予算委員会で野田委員もお取り上げになった問題なんですけれども、実は私も予算委員会で時間があればと思って防衛庁から事情をお伺いしました。それは教範の問題です。結果的に予算委員会では時間がなかったものですから、ちょっと二、三、きょうの機会に伺っておきたいと思います。教範というのは定義は何なのか。教範というのは何のためにつくられているのか。そこのところを初めにお伺いいたします。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) 教範といいますのは、自衛隊の教育訓練を円滑かつ効率的に遂行するために、部隊の運用であるとか隊員の動作であるとかいうふうなものについての教育訓練のいわゆる準拠というものを示すための資料でございまして、いわゆる隊員の個々を拘束するような規範的命令とは種類の違う文書であるというふうに思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私はこれを調べたときに防衛庁に伺ったんですが、そうしたら、教範というのは訓令に基づいてつくられているものだという御説明がありました。そしてその訓令をいただきました。で、見せていただきました。そうしましたらこうなっているのです。目的の第二条で、「教範は、自衛隊の行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施するために、部隊の指揮運用、隊員の動作等に関する教育訓練の準拠を示したものとする。」と、こうなっているんですよ。「教育訓練」だけじゃない。「行動」となっている。これは長官の訓令ですよ。どうですか。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) あくまでも自衛隊が教育訓練をする場合には有事に備えての訓練でございまして、当然有事に際して自衛隊がどう行動するかということについての教育訓練上の準拠を示したものであるというふうに理解しております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 長官の訓令を勝手に理解しちゃだめなんですよ。長官に伺いますけれども、「自衛隊の行動及び教育訓練を」となっていれば、行動と教育訓練二つでしょう。どうですか。――長官に聞いている。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) この教範に関する訓令一を正確に読ましていただきますれば、教範の定義として、「教範は、自衛隊の行動及び教育訓練を「適切、かつ、有効に実施するために、部隊の指揮運用、隊員の動作等に関する」ここからが肝心なんですが、「教育訓練の準拠を示したものとする。」というふうに書いてございます。そのとおりわれわれ理解しております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そういうごまかしをするからいけないんで、明らかに「行動」となっているじゃありませんか。それで問題は、そこで水かけ論をしていても仕方がないんですけれども、やはり私が問題にしたいと思ったのは捕虜の問題なんです。それで外務省に具体的に伺いますけれども、日本には捕虜の扱いに関する法律はないですね。

小西芳三外務省国際連合局社会課長

○説明員(小西芳三君) ジュネーブ四条約の中の一つに捕虜の待遇に関する条約というのが確かにございまして、その条約の関連での国内法ということでございますけれども、私どもとしましては現在の平時の法令及びいろんな行政措置でもってこの捕虜に関する条約で規定されていることにつきましては、その大部分が実際上カバーできるというふうに考えております。それから一部のものにつきましてはあるいは予算措置あるいは新たな立法というようなことが必要かと思いますけれども、それはそのようなことが必要になった時点で検討したいというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ちょっと一つ前へ戻って、もう一度夏目参事官に確認したいんですけれども、先ほどあなたが御答弁になって、それはかなりすりかえをやっていらっしゃるんだけれども、その上でも教範に基づいて自衛隊が教育訓練され、有事の際にはこれに準拠して行動すると、こういうことにはなるわけですね。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) 教範といいますのは、先ほど来申し上げておりますように自衛隊の教育訓練の準拠を示したものであって、いわゆる一般的な、ある一定の条件を設けた上での一般的な考え方、心構え、そういったものを決めているわけでございまして、このとおりにどうこうしなければならないというふうな規範的な性格を持つものではない。その場その場に応じて臨機応変にこれを参考にして行動の準拠にしなさい、こういうふうに決められておるものでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 やっぱり行動の準拠にするわけですよね、有事の際の。そのための教育訓練をしているということですね。  ところで、その捕虜の問題にまた戻りますけれども、捕虜収容所というようなものはできるんですか、そうしたら。

小西芳三外務省国際連合局社会課長

○説明員(小西芳三君) それはもちろんそういうことが必要になった事態において考えるべきことだということがまずあると思います。いまの時点からそのようなことを検討する必要はないと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は検討しろと言っているわけじゃなくて、だからないんでしょうということなの。そういう法律も何にもないですよね。

小西芳三外務省国際連合局社会課長

○説明員(小西芳三君) ございません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 これは捕虜問題だけではありません。で、捕虜の問題に関しても収容所の問題だけではありません。しかし法律にもないというその捕虜収容所を教範で規定して、そしてその収容のための訓練を行うということが書いてあるし、現実に法的根拠が何にもないことがいろいろ書かれてあるわけですね。で、実際にその問題が教育訓練の基準になって、準拠であって、そしてそれが有事に際しての行動に関して準拠となる。こういう結果になってくれば、まさに私は有事立法の先取りだと。あなた方は法制上の不備だ不備だとおっしゃって、それを研究するんだと、こうおっしゃるけれども、実際にはそういうことがすでに行われている。この前私は十三師団の演習の問題についても申し上げましたけれども、この教範の問題に関してもそういうことがすでに行われている。これはまさに有事立法の先取りだと言わなければならないと思いますけれども、長官この点はいかがでしょうか。

夏目晴雄防衛庁参事官

○政府委員(夏目晴雄君) この教範の第七章に捕虜の規定というか、項目がございますが、これはわが国が当然批准しておりますジュネーブ条約あるいは陸戦条約というものを尊重して、いわゆる捕虜については人道的に取り扱うというふうな趣旨からこれらの条約を遵守するという基本的な考え方を示しているわけでございまして、わが国を防衛する場合には当然捕虜の問題等も出てくるであろうというふうなことから、将来そういった法制が整備されることを予測して一般的な考え方を述べている。あくまでも捕虜は人道的に取り扱わなければならないというふうなことを教育しているわけでございまして、このための特に取り扱いについての具体的な訓練は現在のところしておりません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そんなことじゃないの。防衛庁長官が、秘密でも何でもない、防衛庁の売店で売っているとおっしゃったから、私の方は早速取り寄せました。それでよく見ました。そんな夏目さんがおっしゃるようなことじゃなくて、具体的な扱いを全部細かく書いてあるんですよ、時間がないから一々私いま申し上げませんけれど。ですからまさに収容所なんというのは、外務省が言われたように法律もない、そういうものをあるかのように、できるかのように書いて、そしてそれで教育訓練を行って、そしていざ有事の際の行動の準拠にするということは、まさにこの問題になっている有事立法の実際上の先取りじゃないか、私はこのことを申し上げている。もう夏目さんけっこうです。長官、答弁願います。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私はいま夏目参事官が申し上げているように、一般的な想定の中でそういうことは述べているというように解釈をいたしております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そういうことでは論理的にもなってないですよね、おわかりだと思います。引き続きこの問題は追及をしていきます。教範の中にはもっとたくさん問題があります。重大な。そのことだけを指摘しておきます。  次に、給与の問題に入りたいと思います。今回の一般職職員の給与改定はすでに議論がされておりますけれども、定期昇給分が非常に低いということと、それから、すでに国会決議でも早急に復元するようにと決議されているにもかかわらず、さらに〇・一ヵ月削減する、期末手当ですね。という内容であるし、労働組合、公務員の労働組合や労働者がこれに不満を表明しておられるのは当然のことだと私どもも考えています。また、主任手当の支給対象も拡大するとか、校長、教頭の管理職手当の増額も行おうとするということで、学校の管理体制の一層の強化をねらっているという問題で、きわめて不当なものだと言わなければならない、これが私どもの基本的な考え方です。  そして、具体的にお伺いしますが、けさほど山崎委員の方からも質疑が行われておりましたが、最近の報道によると当初予算の先組みですね、これについて五%の原資分を来年度から予算編成から計上しないというようなことが、政府が方針を打ち出したかのような報道もあります。  で、給与担当大臣である総務長官にお尋ねをするわけですけれども、この当初予算にベースアップ分の計上をするという問題について、しないという動きがいま出てきているという報道、これらのことについて基本的にどういう見解を持っていらっしゃるか改めてお伺いをしたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 政府部内にそういう動きはありません。過去五%給与改善費として計上してきたわけです。これはやはり高率で給与改善がなされてきたというような関係から、当初財源を準備をしておくという形であったと思います。  そこで、ことしはこれはどうかという、こういう問題ですが、これは財政当局のことになりますけれども、財政当局の援助をするというわけじゃありませんけれども、大変この経済情勢と申しますか、財政情勢が厳しいときでありますから、どういう形になっていくかという問題はいま査定中でありますけれども、決定は恐らく末ごろになるんじゃないかと思います。  また、総理府の立場といたしましては厳正中立公平な人事院の勧告を尊重するという、こういうたてまえをとっておりますので、人事院の勧告を完全実施するというこういうたてまえで臨んでまいりたいと、こういうふうに思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 いろいろな報道がありますけれども、日経連がこれを決議をして、九月二十二日、大蔵省に申し入れをしたということは事実ですか。大蔵省、きょうはお願いしていないんですけれども、総務長官その辺の事情は御存じでしたら教えていただきたい。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) まあ大蔵省の方からそういうことを聞いておりませんけれども、新聞紙上であるとか、その他の関係でそういう報道があるということを聞いております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで、その報道の一つに、これは十月二日の読売の夕刊のようですけれども、安倍官房長官がその日経連の要望に対して、「一つの見識だと思うので検討したい」と、このように発言したと報道されております。いま政府部内では一切そういうことはないんだというお話でしたけれども、そうするとこれは全くの誤報ということですか。安倍官房長官がこういうことを何か言われたとすれば、何らかの、閣議でということでないにしても、何らかの問題提起なり、話し合いなりが行われたと理解するのが常識的だと思いますけれども、その点はいかがですか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 官房長官はどういう発言をされておるかということについては私は聞いておりませんが、先ほど来、官房長官がどういう発言があったとしても、まだ政府の部内にそういう動きがないと、こういうことだけを申し上げておきたいと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、当然のこととして、給与担当大臣である総務長官が、そういう後退については、それは後退させるのではなくて、積極的に当初予算において確保していくという態度をとっていただけないのは大変心外に思っているわけですけれども、これとの関連でちょっと具体的にお尋ねをいたします。  現在三公社五現業は仲裁裁定が出てベースアップという、そういうパターンというか、コースになっていますね。そしてそれは六、七月ごろに実施される。当然当初予算に計上されないと、補正予算が国会で通らないと実施が不可能ということになってしまいます。この点については政府関係の特殊法人も同じで、いままでも人勧体制を盾にしてなかなか有額回答を出さない。そういう状況があるにもかかわらず、やはり一生懸命労働組合でもやってきているわけですよね。当然労働三権が認められている特殊法人です。こうしたところが連動されて補正予算が組まれなければ結局ベースアップができないというような事態に追い込まれるということは考えられるんじゃないですか、その点はいかがですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) いまのお尋ね、総理府の場合にはちょっとお答えがしにくい問題でございますので直接お答えはできませんけれども、一般職の非現業を扱っている私たちといたしましては、やはり総務長官が先ほどお答えになりましたように、この問題は非常に従来の高率なベースアップが行われた場合におきましてそれ相応の効用と申しますか、そういうものを果たしてきたというふうに思っております。したがいまして、来年度の状態においては、経済状態その他から考えてどういうことになるのかということは現在の段階ではとても云々できる時期ではございませんので、そういう予算編成の過程におきまして十分いろんな面から財政当局が中心になると思いますけれども、協議をして決めていく問題であるというふうに思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それでは基本的な総理府の考え方として、三公社五現業、政府特殊法人、これらは当然のことながら団体交渉権、労働三権、公労協と――公共企業体、五現業とそれから特殊法人と若干の違いがあるにしても、それは当然保障されているものだと、その上に立って自主交渉で決着を図ってきているわけですから、人事院勧告のあれを、補正予算を待たないで。そのことは基本的に当然尊重される、そのことは保障されなければいけないということははっきりしているわけですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) いまのお尋ねもどうも総理府として直接お答えしにくい問題でございますけれども、原則的にはいま先生が御指摘になりましたような交渉権を持っているグループでございますので、そういう交渉の中でそういうものが妥結をされていくということは当然だろうと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 総務長官そうですね。それは私は常識的に当然のことだと思います。そうすれば、三公社五現業、特殊法人がそういう形で決められていくと。そして一方ではその五%の先組みがいままでずっと行われてきたにもかかわらず、公務員については当初予算で組み込まれないような結果になったとすれば、それは公務員労働者にとっての大変大きなマイナス、後退ということにならざるを得ないわけです。私はぜひ総理府総務長官に給与担当大臣としてそのことについてはそういうことにならないように努力もしていただきたいし、閣議の中でもどうせ大蔵省がいろいろ言うんでしょうけれども、毅然とした立場で公務員労働者の利益を守るという観点で、こうした後退はやらせないというその決意のほども伺いたいし、お約束もいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 給与担当大臣ということで後退ということのないようにということでございますが、もちろん私は先ほど来申し上げましたように、まあ厳正中立、公平な人事院の勧告と、これは完全実施するという、こういうたてまえでございますから、仮に過去のように五%という給与改善費を仮に計上、財源の中に当初予算を組まないとしても、これは完全実施することは、できることは当然のことであります。まあしかしながら、いまお説の問題、三公社五現業、こういう問題はこれは当然団体の交渉によって決められていくわけでございますから、われわれの方は口をはさむなんて、そういうことはできるものでもありませんが、ただいろんな推移から見まして、先ほど来から再三強調されましたその五%、こういう問題のできるだけ過去と同じように、長い歴史があるわけでございますから、経済情勢の変化はあったことも私は認めますが、できるだけそのような形であらゆる角度から御指摘の点についてひとつ十分配慮しながら臨んでまいりたい、こういうように思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 さらにつけ加えて指摘をいたしますと、これは地方公務員にも及んでくるし、その結果地域の中小零細企業の労働者の賃金にも影響してくるという大変重要な内容を含んでいるものです。ですから、結局日本の低賃金を支えるおもしになる役割りを果たす結果になるということは強く指摘をしておきたいと思います。で、政府の意思がどうであっても、結果としては、経過として日経連が決議をして持ってくる、あるいは新聞報道にさまざま伝えられているような内容でもって、そうした財界の圧力に政府が屈するということになりかねないわけですから、その点についてはいま申し上げました先組みの問題はするかしないかは別としてということではなくて、後段におっしゃいました積極的な姿勢を断固貫いていただいて、そして長い間の慣行を後退させることのないようにがんばっていただきたい。もちろんそのために総理府としてもすでに来年度の予算要求に向けて五%の概算要求なさっているわけでしょう。その新たな財界や日経連から問題提起されたわけではないとおっしゃるならば、概算要求を組んだ時点といまと何か物すごく天下がひっくり返るような大きな条件の変化が生じたわけじゃないわけですから、当然のことながら、この初志は貫徹していくべきだと思っておりますので、再度の御意見を承りたいと思います。総理府としてはもうすでに組んであるということも含めてですね。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 政府の決定がどうあろうと、これは私も政府の一員でございますから、政府の決定に従わなきゃならぬと思います。しかしながら、日経連とか、あるいは財界等々のまあその圧力といま言われましたが、その圧力に屈するようなことは絶対ありません。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 言い方はどうであっても、実際上はもしそういうことになれば財界の圧力に屈したことになるではないかということを私は指摘しております。  次の問題に入りますけれども、各省庁の人事担当課長会議が人事院へ要望書を出していらっしゃいます。これを見せていただいたんですけれども、国公労連や労働組合などが要求しているのとかなり共通するところがあるわけですね。ちょっと二、三例を申し上げますと、俸給月額の引き上げ、号俸数の増加とか調整手当の率の増加、支給地域区分の改定、住居手当の増額、沖繩県地域の職員の手当新設、こうしたことについては各省庁の人事課長の要望と、課長会議の要望と労働組合の要望が完全に一致しているわけです。で、こういうことは当然のこととして双方が要求している問題だから、すぐにでも実現できるものだし、実現しなければいけないこと。これが実現できないというのは、その双方が要求している、一致している当然の要求を実現させない壁に結局人事院が逆になっているということにもなりかねないと思っておりますけれども、こうしたものを積極的に実現していくということの約束をいただきたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 各省庁の人事担当課長さんの会議がございまして、これは毎年給与勧告の前にいろいろ協議をして、まとまったところを人事院に御提出をなさる、現実に私のところにも参られまして、その説明を詳細になさいます。私もその段階で詳しく聞きまして、それについての考え方というものも一応御説明を申し上げておるというのが例年の例になっております。各省の人事担当課長は、御承知のように各省人事行政をつかさどっている中心でございますので、日ごろいろんな人事行政をやっていく中で、給与問題等中心にして当然のこととしてそれぞれの組合との接触もございます。――簡単に申します。そういうことで、当然一致をする問題もあるわけです。したがって、そういう点は組合側の意向も十分承知をいたしておりますけれども、各省庁の人事担当課長の要望というものも非常にきわめて重視してこちらとしては取り扱うことにいたしております。できるものは積極的にこれを取り入れるという態度でもって従来もやってきておりますし、今後ともそういう姿勢でまいりたいと思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そのできるものはじゃなくて、両方の共通の要求で、結局人事課長会議というものは総理府でもって取りまとめていらっしゃるわけだから、そういいかげんなものを人事院に――できるものはやりますけれどもというふうなことで、現実にだからできてないわけだから、そんないいかげんなものを出していらっしゃるわけじゃないでしょう。そこのところを私は総理府にも見解を伺いたいし、また人事院にも、できるものはということでサボるんじゃなくて、当然のことながらそういう両方で一致する内容についてはすぐに実現できるわけだから、できるからこそ人事課長が責任持って、そんな無責任な提案をしているわけでも何でもないでしょう。そういうこともはっきり言明をしていただきたい、このように申し上げておりますので、ひとつ簡単に。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 無責任なことを持ってくるはずがございません。私たちもそういう意味でこれを受け取っております。詳細な点もしも御要請があれば局長からも具体的に申し上げますが、一般の問題といたしましては、しかしながらその中でもおのずからやはり事柄の優劣、順序というものがございまして、全部が全部即刻これを受け入れることができないものも中にはございます。全体の格差など配分の問題もございますので、それらの点が一つの壁として、あるいは限界としてございますけれども、その範囲内においてでき得ることは積極的にひとっこれを取り組んでやっていくという方針は今後とも貫いてまいりたいと思っております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 最後の問題になりますけれども、かねがね私どもは提起をしているんですけれども、いわゆる人確法に基づく教員の給与改善ですね、これは教員に優秀な人材を確保するために教員の給与の特別優遇措置を決めるもので、現行法制上は各職種間の俸給の一定の均衡の上に組み立てられている一般職給与法体系、そうですね、一般職給与法体系というのは一定の均衡の上に組み立てられているわけです。その中に人確法に基づく給与改善を取り入れること自体が無理があると、教員の給与の特別措置を決めることを目的として制定されたいわゆる給特法、教員の給与特別措置法の体系の中で行うことの方が趣旨からいっても、また具体的にいってもより合理的であると私どもはかねがね思って主張しておりますけれども、これをなぜ人事院は一般職給与法の体系の中で措置するように勧告されたのか、そこのところをちょっとぜひ伺っておきたいと思います。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 一般職の給与法でございますが、教員と言いましても一般職でございますので、まず一般職の給与法の中で定めるということが望ましいと存じております。教員の給与改善といいましても、たとえばその中に俸給表で直すものとか、それから一般のほかの手当で直すものとかいろいろ総合的にやっております。これは基本的には一般職である教員についても一般職給与法の中ですべていままで基本がございます。したがいまして、そういうことで、またこれを特例法に持っていきますと、大体一般職の中の整合的な運営に非常に困ります。手当の部分的な広がりがございます。そういうことで私どもはやはり一般職給与法の中の改善、そういうふうに考えておりますが、いま先生御指摘の特例法でございます。これは教職調整額を決めましたときの特例法ということでございますが、これは給与の問題だけでございませんで、勤務時間を含む、超過勤務手当の処理問題を含む処理としての教職調整額、そのための特例法ということでできた法律でございまして、これは勤務態様の特殊性に基づくという要因も含んでございます。そういう意味で今回のように、たとえば特別手当のようにもっぱら給与水準の問題ということに限りますと、それはまして一般職給与法の中で十分であると、こういうふうに考えてございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そこにはやっぱり矛盾があるんです。というのは、あなたが後段におっしゃった給特法は法律自体をよく読めばそうなってないわけですよ。だから、それは十分教員の給与改善は給特法の中でできるんです。そうしないから、一般職の方でするから、だからいま給与局長もおっしゃったように俸給表を、本来俸給表を改正しなきゃいけないものを手当でもって対処しなきゃならなくなると。だから、実際上これ以上引き続いて教員給与改善を一般職の給与体系の中でやろうといったってなかなかもう無理になってますでしょう。限度が来ているわけですよパンクするでしょう、これ以上進めていったら。そういうような矛盾を生み出してきている。一方で、主任手当だとか管理職手当、こうしたものの増額が規則改正だけでできるようにしてきていると。私は、人事院のそうした姿勢というものがいまの主任手当の問題に対するさまざまな根源をつくり出しているし、前回の内閣委員会で人勧問題についての質疑の中でも申し上げましたけれども、そういう基本的な姿勢を改めて、こうした問題を根本的に解決をするというところに一歩前進をしなければならないということを重ねて指摘をいたしまして質問を終わります。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 私は質問を防衛庁に集中いたしますから、あとの皆さんはごゆるりとなすってください。  防衛庁に伺いますけれども、尖閣列島周辺に対して対潜哨戒機P2Jの定期飛行を行っていたという事実はありますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 尖閣列島を目指してということではなくて、付近の、日本の周辺の海域のいわゆる監視のための飛行をやっているのは事実でございますが、尖閣列島を特に目指してやっているわけではございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 だから、尖閣列島も含まれているんですね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 沖繩周辺、すなわち東シナ海、そういうところは監視のため飛んでおります。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 伊藤さんの答弁は現在形で「いる」となっていましたが、それは中止されたんじゃないですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは、私は中止されたということは聞いておりませんけれども、二日に一回、あるいは一日に一回、これは場所によって回数が決まっておるわけでございますけれども、それは続けていると思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 その答弁はかなり不正確であると思いますから、調べていただきたい。これは尖閣問題が起こった後、防衛庁長官名で、いかなる配慮かは知らぬが、定期的飛行は中止せよという命令が、あるいはどういうふうな区分になっているかわからぬが出ているはずなので、伊藤防衛局長が御存じないとすれば、長官御存じですか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私はそういう命令を出した覚えはありません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 私はそのような心証と裏づけを得ていますので、いかなる目的、いつまで行われていたのか。じゃ、だれの命令で、どういう通達が出されて中止されたのかは、私はいまの答弁では、知りません、いや、そんなはずはないと言うんだけれども、納得がいきませんから、もう一回調べていただけませんか、現実になお行われているかどうかを含めて。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 長官からの命令をいただいたことはございません。したがいまして、中止されているとも思っておりませんが、なお調べてみます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 念を入れますけれども、その尖閣を含めた周辺に対する定期的飛行は、最初のお答えが定期的、後は二日か三日に一回というふうにやや微妙に変わりつつあるけれども、それはどんな目的なんですか。どんな名目なんですか、また。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これはいわゆる監視飛行というのをやっておりまして、いわゆる艦艇等が日本の周辺において行動しているものにつきまして監視をしているわけでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 いまあなた方の法のたてまえでは、また正当な解釈では、索敵行動などはゆめできませんな。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 索敵行動ではございませんで、調査活動としてやっているわけでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 大変言葉の天才でいらっしゃる。困ったことがあると、訓練という手もありますしね。ミグ25のように、訓練ですといって弾薬庫を開くこともできる。大変それはあなた方としては応用問題の解き方が上手であると思うが、この場合も、じゃそういう名目で。その場合に、たとえば仮想敵ソビエト――言葉を使わぬだけで。ソビエトの原子力潜水艦を発見して、その音紋をたまたま採取したというふうな場合には、自衛隊が保管するだけではなくて、それは米軍に通報しているというふうな事実はありますか、連絡通報。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 音紋をとって、それを直ちに米軍に通報するということはございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 直ちにとは言っていません。私は時間を限定していない。ケースとして、あり得ているのか、そういうことはあるんですかと、こうやわらかく聞いているんですが、そういうことはあったんですね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それは、情報交換の中でそういうこともあり得ると思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 日本の対潜能力はそれほど貧弱ではない。かつて私は厚木航空集団を見学に行ったときに、ある高級幹部は、ばかにしたものじゃありませんよ、かなりな音紋はわが手にありますと。ポケットに入っているという、イン・マイ・ポケットという表現をとりましたけれども、その場合、だからそれを米軍に通報することは、それは日米防衛協力、あなた方としては当然の協力体制でしょう。そういうことを私は云々しているわけではない。ただ、あり得ているんですね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 先ほどの御質問で、とったものは全部渡すという、まあちょっと私の受け取り方が悪かったかもしれませんが、義務的な関係にあるかというようなことでございましたので、そういうわけではない、情報交換の中でそういうことはあり得るということを申し上げたわけでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 その情報交換に関連してちょっと伺っておきたいんだが、現在日本を中心、あるいは日本を含め、日本、韓国、アメリカというふうな三国にまたがった軍事業務協定のようなもの、あるいは軍事業務協定そのもの、それに類したもの、これは存在しますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) ございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 あなたはもちろん防衛局長ではなかった。一九七五年十月二十八日、衆議院予算委員会、三木内閣当時、長官は坂田氏。丸山氏が公明党の山田委員の質問に対して、秘密区分極秘、トップシークレットの軍事業務協定の存在を、しばしば答弁に行き詰まった末、何回も往復して、ちゃんと議事録の十一ページに、コードナンバーAKAA二八三を初めAKAC六二を含めた三種類の文書の存在を丸山氏は、政府委員は確認している。ここに記録がありますから、後でお見せします。だから、あなたはそれに類したものは一切ないなんて自信を持って言われたが、かなりこの議事録と、歴史的事実と違っていますよ。もう一回頭を冷やして答えてください。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) いま突然のあれでございますけれども、私もやや記憶いたしておりますのは、日本と米軍との間の何といいますか、記号の取り決めの文書というものがございます。それをたまたま米軍が韓国の方とも使っておったというようなことが議論された、その内容だと思いますが、軍事取り決めというようなものでは全くございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 それは非常に初歩的な答弁にすぎない。文書は三つあったんです。AKAA二八三というのとAKAA二〇〇二というのがあって、それはあなたの言ったようにごく手軽な、ADIZを出入りする、防空識別圏を出入りするアメリカ、日本、韓国のそれぞれの敵味方信号、これを間違うと困りますから、取り交わしていた。これはマル秘の文書にすぎません、それは。ところが、三番目が大事であって、AKAC六二というのはトップシークレットであり、それが軍事業務協定であるということを、これお見せしますから、後でゆっくり読んでおいてください。――ぼくは三十分しかないから繰り返すのはいやなんだが、存在をはっきり認めているんだ。行政は一貫的でしょう。あなたの前の前の前の前の防衛局長だって、あなたもやはり責任を持たなきゃいけない、防衛庁は、防衛行政として。だから、事実としてこれを確認してもらいたい。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それは全く、いま先生がおっしゃいましたのは、軍事協定というものはございません。これは私ははっきり申し上げられると思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 丸山さんに聞いてください。まだあの方次官だから。ただ六本木と往復している時間がないからこれ留保しますよ、この質問は。そしてただはっきり三木さん自身も答弁しているんだが、これは軍事業務協定であり、区分は極秘であると、トップシークレット。したがって、米軍の了解を得なければ提出できないと、こう言ってるんです。いいですか。これは後でゆっくり読んでください。私はだからあなたから答弁が得られないから、これ以上は。のれんに腕押しだからやめますけれども、ただやめたくないのはこの質問について納得ができないということ。それからもう一つは、仮にあなたがどう手軽に装おうとも議事録に掲載されているんだ。それを否定していないんだから、丸山さんは。確認をとった上で軍事業務協定というふうなものは一体どういう範囲のことを取り決めているのか、これが一つ。年度ごとに更新され、手直しをされているのか、これが二つ。そしてごく最近手直しされた事実があるかどうか、これが第三。これをしかと後刻回答願えますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) その軍事協定と、いま先生がおっしゃっている内容自体も私にはわかりません。そしてまた、そういうものがあるかどうかも私は知りません。したがいまして調べましてお答えできるものであればお答えいたしますけれども、そのときにもトップシークレットで特に外には出せないということを御答弁しているようでございますから、出せないものは出せないと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 念のために控えてください。七五年十月二十八日衆議院予算委員会議事録の七ページから十二ページにわたっていますので、確認の上、丸山さんに確かめた上で出せないものは出せないというふうな答弁ではなくて、どういう、私がだから丁寧に言っているでしょう、三つにわたったことをしかとお答えくださいと。トップシークレットがいきなり内閣委員会に出るとは思っておりませんよ。内容、どんなことを取り決めているのか。毎年どうしているのか。これをしかとお答えいただきたいというのだから、重ねて確認のために答えてください。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 調べた上で御説明いたします。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 やはり日本と韓国にまたがります。アメリカにまたがりますが、これも確認しておきたいんだが、現在おたくと自衛隊と韓国の軍部の間、統幕というランクか各幕というランクかそれは知らぬ。知りませんけれどもそういうトップレベルの定期協議というようなものはありますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 定期協議というものはございません。しかし、日本の自衛官の人々が軍事情勢の視察に行き、その際軍事情勢について意見を交換するというのが毎年行われてはおりますけれども、トップレベルというものではございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 統幕議長が入っていなければ各幕の責任者は入っていますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 各幕の責任者というのが幕僚長という意味でございましたら、幕僚長は、韓国でございます建軍記念日か何かのときに毎年大体交代で招待されているようでございますけれども、そのときには、そのいわゆる協議とか意見の交換というものはないように聞いております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 少なくともしかし定期協議の定期は外しても協議は行われているんですね。緩やかであろうがタイトであろうが、協議は行われている。その事実はあるわけですね。どんな人々が話し合っているのか明らかにしてくれませんか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは部長クラスが軍事状況の視察に行きますときに、意見の交換はやりますけれども定期協議という名前で一定の時期を決めてやるというようなことはやっておりません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 あなたは非常にふところが深いからずっとそういうふうに手を出してくるんだけれども、定期協議ではないが、年に一回ぐらいやっています。最初の答弁。これは忘れちゃ困りますよ。統幕議長ではないが、各幕は加わっている。ちょっと退いて部長クラス、現にそれはあるわけでしょう。もう一遍確認してください。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 各部長クラスは大体毎年一回ぐらい向こうに行っております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 何のために行っておるのか。最近それでまたちょっと調べてみると、一佐とか二佐クラスの訪韓日程が非常に頻繁になっているような感触があるのだが、二、三年の数字で結構だから、また一番最新のものを含めてどんなランクがどういう交流をしているのか、何を一体話し合っているのか、ちょっと言うてください。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) ちょっとただいま手元にあります資料だけで恐縮でございますが、韓国に出張した自衛官の数を申し上げますと、五十年度に十三名、それから五十一年度に十一名、五十二年度十七名という数字でございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 ランクはどうですか。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) ランクはいろいろございまして、将、将補、一佐、それからこの数字の中には競技大会なども含まれておりますので、曹クラスの者も含まれておりますし、尉、士クラスの者もございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 競技会なんていうのはカムフラージュのためにやっているんですから、これは厚化粧にすぎない。やはり話し合い自体に意味があるから行くのですからね。だんだん年々ふえているのですね。一体何を目指したものなのか。これは私は知りたいんだけれども。いままでの話し合いで防衛局長とお二人でお答えになって結構だから、どんなことが一体毎年毎年話し合われて積み重なっているんですか。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) 必ずしも年々ふえているという状況ではございません。それから中身は軍事施設等の視察あるいは広報関係についての連絡とか、そういうものが主なものでございます。それからさらに防研の研修員が卒業したときに現地研修ということで行くというようなものもございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 今年度末で完成する統合骨幹回線、完成しますね。あれは直接たとえば南韓国のチョンサンならチョンサンとコネクトしている事実はありませんね、その計画も。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 骨幹回線がことし全部は完成いたしませんで、ことし完成いたしますのは北の半分でございます。将来にわたって韓国とコネクトするというようなことは考えておりません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 いま福岡の板付ですね、それから南韓国のチョンサンの間に直通二十四回線のOH通信、これはあることは御存じですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 米軍の通信系があるということは承知いたしております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 米軍のでいいんです。それから佐賀と福岡の県境にある背振山ですね、あれはおたくの四十三警戒群が配備されているが、あの背振で、では韓国の航空管制組織と背振の基地、レーダーサイト、これは定期的に情報交換をしているという事実はありますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは日本と米国とが交換しているという事実はございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 韓国と言っているのです。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 韓国と日本としているという事実はございません。ただ米軍と韓国の通信施設の端末があの背振山に来ているというふうには聞いております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 事実関係としては背振の山で米軍と自衛隊の通信回線系統が、したがってドッキングしているという言い方は許されますね。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それはそういうことではございませんで、たまたま米軍の通信系の端末があそこにあるというだけでございますから、それが直ちに自衛隊の通信線とドッキングしているということはございません。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 しかし何か必要が生じた場合にはOH通信の板付-チョンサン間、それから端末が入っているんだから、米軍に依頼すればチョンサンとの間の通信は可能。つまり日韓米はつながっていくという理屈になりますな。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) これは御承知のように第五空軍の隷下の部隊は日本とそれから韓国にあるわけでございますから、米軍の通信系というのは、まさに韓国にも、それから日本にも通じているわけです。したがいまして、その米軍の通信回線を使えばということになりますと、これは物理的に可能であるということでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 背振の四十三警戒群とチョンサンの間の情報交換は行われていないと明言されたんだけれども、六六年の春以降、そういうことが日常的に繰り返されているという私の疑問に対して、もう一回調べた上で、先ほどと同じですが御精査の上答えてくれますか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) それは絶対にないと思いますが、先生の御質問でございますから、調べてまいりたいと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 今度は長官お待たせしました。長官、栗栖解任というのをもう一遍、私はあえて顧みる必要があると思うのです。栗栖解任。これはトルーマンのマッカーサー将軍解任に比すべき、スケールの大小は問わず、ケースとして非常に重大な出来事であったと思うんです。それで、これはシビリアンコントロールのあり方を論ずる場合、考える場合にも避けて通れない大きなテーマであったと、出来事であったと私は思うんです。それは恐らく御同感されると思うが、あの解任に至るまでにあなたは、防衛庁長官は総理に対し、あるいは要所要所に対しどんな手順を一体尽くされたんでしょうか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は、あの発言が私の目に入ったわけであります。そこで、総理と相談をいたして総理の了承をとって、その後防衛庁に帰りまして、事務次官にこの問題は私は重大に受けとめておると、ひとつ事務次官これに対処してほしい、こういう話をいたしまして、解任ということになったわけであります。  なお、その解任なりにつきましては御本人から進退伺いが出てまいりました。その進退伺いが出ましたから、それを受け取りましたらすぐ御本人が辞表を出したということであります。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 時間を節約するために私の方から申し上げますが、あなたはお親しい保利議長にはお電話ないし面談、恐らくお電話であろうと思うが、相談をされたと私は思う。丸山次官は、大平さんと中曽根さんに根回しに行かれた、これは面談であったと、総理とはじっくり話し合われたという記憶をお持ちですか。かなりあわただしくお話をされたんじゃないですか。本当に短い時間、違いますか。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は、その席には官房長も官房長官もおったわけでありますが、いま時間は記憶しておりませんが、あわただしくということでなくて、いろいろの検討もあったわけでありますから、二十分ぐらい話し合いはいたしたと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 私は、あの措置の是非については、あの措置は是とするというもちろんそういう立場に立っているんだけれども、いやしくも、このシビリアンコントロールをして十全に機能せしむるためには少なくとも、たとえばトルーマンがマッカーサー氏を解任したときには、まず国防関係者、それから共和党、民主党のいわゆる院内総務クラスから上、上下両院議長、要所要所くまなく意見を徴し、しかる後結論を出している。あなたは二十分とかなんとか言われますけれども、私自身の得たあれでは、やはりこれは総理とは大変短い時間にすぎなかったし、閣議での報告もしたがってかなりビジネスライクであった。しかも栗栖氏本人に対しては択捉以来の宿縁もあり、やはり辞意の表明があったからという前提で総理に話されたのではないかと私は思う。しかし長官、これは大事なことなんですが、あなた方は今回はしのいだ。金丸さんはふだんは必ずしもお早くはないけれども、今度はすばらしく早かったという評価もある。しかし私をして言わしめれば、薄氷の上を電撃スピードで通り抜けたから氷は割れなかっただけなんです。今後少なくとも私は、内閣委員会の一員としてあなたに要望したいのは、破廉恥罪で懲戒処分になったんじゃないんだ。一国の安全保障にとっては重大な見解の相違によって解任された、そうでしょう。国会議員が懲罰委員会にかかる場合でも一身上の弁明というのがあるんですよ。本会議場だろうが委員会だろうが、一身上の弁明があるんですよ。ところが、非常に既成事実をつくっておいて辞意の表明があったから総理いかがでしょう、どんな総理だってよきに計らえ、やむを得ない、これはあたりまえですよ。そういう意味で私は措置については是とするけれども、手続その他について非常に粗漏があったと、もっと慎重にもっと厳重に取り組むべき大きなケースではなかったのか。少なくとも衆参両院議長、衆参両院の内閣委員長、与野党の理事クラス、そして各野党の幹部クラス、与党の幹部クラス、これには十全の根回しをして当たるべきケースではなかったのか。今後は繰り返さないという保証ないのだから、シビリアンコントロールを守り抜くためには、そのためには私はやっぱりこれは自衛隊法ではないと思うが、規定を、基準ですね、手順、これをもっと厳密につくり上げておく必要があると思うが、これは長官どうでしょう。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 私は、この問題についてただいま栗栖君から辞表が出たから総理に話をしたということじゃなくて、その前に総理に相談をいたしたわけでありますが、その点は逆になっておることは御理解いただきたいと思います。また、先ほど保利議長という話も出ましたが、保利議長にも私も相談をいたして、保利議長からもそれは重大なことだと理解を得たわけでありますが、いまおっしゃられるように、自衛隊法とかなんとかということでなくて、シビリアンコントロールということはまた本人の統幕議長のそういう立場からいえば重大な一つの事件ですから、国会でも国会議員が除名されるというような重大な問題のときは一身上の弁明が十二分にできる時間もあることであります。それとこれとは幾分違うとは私は思いますが、そういう万全を期すということは必要だという私も感じがいたします。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 今後どうされます。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 今後そういう問題について検討してみたいと思います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 これは厳重に検討してください、安直な問題ではありませんぞ。いまユニホームがいかに内局を冷えた目で見ているか、うまくいってやしません。不協和音だらけ、ぎくしゃくしている。改めてぎくしゃくしている、そうですよ。もっとそういう声をやはり聞いてみる必要があるのではないか。いまシビリアンコントロールなんかではありませんよ、内局統制です。それにすぎないと私は思うから言っているのです。これは内相をつくるか規定をつくるか言葉はどうでもいいがら長官、検討なんというその辺の方に聞いた言い方じゃなくて、長官の信念を、魂を込めてやっぱりこれは厳重なことだと、重要なことだと、こう対処するという答弁、もっと積極的な答弁をいただいておきたいのだが、どうです。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 事まことに重大でありますから、私は十二分にひとつあなたのおっしゃる精神をくんで検討したいと、こういうことであります。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 竹岡官房長、おいでをいただいたんがが、あなたともやがて当委員会ではお別れしなければならないかもしれません。だからこそあえて伺っておくのですが、失礼を省みずあなたでなければ答えないこれは問題なんです。あなたとあなたの答弁、あなたの基本的な認識、これが今国会における有事法制問題をきわめて多彩にして豊富にしたと私は思う。これをショック療法と言う人もある、悪質な世論誘導という見方もあり得る。いずれも当たっているかもしれない。しかし、ユニホームの人がこれを見ると、幹部の人なんかの意見を仄聞すると、何で内局はあんな粗雑な、あんな粗漏な、あんなにつんのめった前のめりの姿勢で取り組んだんだろうか。取り組んでみて相手の手ごわさにたじろいだと、これでは柔道の試合にならない。えりを取り合ったら瞬間もうだめ。あなたの答弁が相当当委員会においても一つの大きな焦点になって推移してきた。しかし制服の多くのさめた目というのは、内局は何であんなに粗漏に急ぐのか、有事法制なんというのは研究はよろしいけれども、また事実ある程度以上研究しておるけれども、立法化になれば国民の支持や理解が大前提だと、そんなことがわかっているはずのエリートたちが何でこんなに粗末な対応しかできないんだろう。これはあなた、一つの大きな声ですよ。  そこで、竹岡官房長にあえて伺いますが、今国会における有事論議を振り返って、いま改めてあなたは拙速に過ぎたという自省はないのか、粗漏であったという自戒はないのか、それを含めて有事法制の来し方を振り返って行く末はもうないんだから、だんだんつぶされていくんだから、改めてあなたからお考えをお聞かせ願いたい。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま竹内潔君、斎藤栄三郎君及び原文兵衛君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君、田原武雄君及び成相善十君が選任されました。

竹岡勝美防衛庁長官官房長

○政府委員(竹岡勝美君) 防衛庁が有事法制の研究を昨年八月三原長官の指示によりましてやることになりまして、先生御承知のとおりにそれ以降、参議院の内閣委員会等で御指摘もございましてで、できる限り私もその場で政府答弁したときもございますが、主として原則的には憲法の範囲内であるということを中心にして御答弁申し上げてきたわけでございますが、私の言葉足らず、そういった点で非常に御迷惑をおかけしたことを深く反省をしておるところでございます。去年の八月の答弁は憲法の範囲内、そしてあくまでも有事法制の研究の段階だ、こういうような答弁をしてきたわけでございますが、言葉未熟のために大きな疑惑を招くというようなこともございまして、深く反省しておるところでございます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 竹岡君に注意をします。もう少し大きい声で答弁を願います。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 今後、西ドイツの場合でも十一年かかっている、有事法制。あなた方のような粗雑な取り組みではほとんど期待はできない、またわれわれもそれを許さない。  最後に、あなたに対する質問については最後だけれども、やはり今後の国会の防衛論議のあり方、防衛庁の取り組み方について簡潔に、あなた相当反すうされたでしょうから、それをぜひ伺わしてください、有事法制について。

竹岡勝美防衛庁長官官房長

○政府委員(竹岡勝美君) 今後の取り組み方は、先般防衛庁で出しました有事法制に対する防衛庁見解、これに尽きておるのではないか、このように思っております。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 これで最後、時間ですが、防衛庁はたしか渡邊さんの御担当ではないかと思いますが、栗栖解任にこりて自衛隊幹部の外部に対する発言は慎重にするようにという意味のこもった通達をお出しになった事実があるかどうか、高級幹部ですね、これはもう、つまりあつものにこりてなますを吹くとは言いたくはないが、そのような細かいビジネスライクなシビリアンコントロールは非常に手数多くなさるが、肝心なことができていないという前提でお尋ねしているんだが、そんな事実ございましたか。

渡邊伊助防衛庁人事教育局長

○政府委員(渡邊伊助君) 栗栖前議長の件につきましては世間に大きく報道されたということもありまして、隊員一同も事情がよくわからないということでびっくりしているという向きもございました。そういうこともありまして、七月の二十九日付で事務次官の名をもって防衛庁長官所信というものを全部隊、全機関に流しております。その要旨は、有事法制等の検討については近年までいろいろ問題があって進捗しなかったけれども、非常に重要な問題であって、長官としてはこの推進を指示してきた。「防衛問題は、国家国民の大事として国民的基盤に立つとともに、」「自衛隊員諸君の英知と経験を汲み入れるべきものと考えている。」「大いに建設的な意見の交換を行い、有効適切な有事対処の施策の推進に寄与してもらいたい。」長官としては、「国を想う真剣かつ切実な意見を期待し、歓迎するものであるが、外部に向かって公の立場において意見を述べるに際しては、一般公務員と同様に、おのずから守るべき節度があることを忘れてはならない。公務にある者の言動は、その立場を踏まえて行うよう求めたい。」こういう趣旨で、いたずらに動揺することなく冷静に職務を遂行せよと、こういう趣旨のものでございます。

秦豊社会民主連合

○秦豊君 とにかく長官、いま本来的な意味のシビリアンコントロールは機能していないんですよ。これは幻想なんですよ。言葉だけが、それこそあなたの表現をかりればひとり歩きしている。シビリアンコントロール、国権の最高機関、国会がシビリアンコントロールの最高機関であるなんて、これ幻想です。もっといまはやっぱり、ぼくは制服を激励するためにここに立っているわけではない、しかし栗栖解任のもたらしたあの大きな後遺症はいやされていない。だから必ずこれは厳密な手続をつくってもらいたいということを重ねて特にあなたに御要望申し上げて質問を終わりたいと思います。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 秦委員のおっしゃること、先ほども申し上げたわけでありますが、全く重大な点だと思います。十二分にあなたの精神を踏まえまして検討いたしたいと思います。

井上計民社党

○井上計君 皆さんお疲れのようであります。先輩議員から質問時間を短縮するようにという強い要請がありましたので、防衛庁の方には質問いたしませんからひとつおくつろぎをいただきたいと思います。  人事院にお伺いしたいと思いますが、五十三年度の職種別の民間企業の実態の調査をされております。それにつきまして若干お伺いをいたします。  産業別、規模別の調査事業所数でありますけれども、合計が七千百九十六事業所、その内訳は、五百人以上の事業所が二千四百四十一、百人から四百九十九人が四千六十八、五十人から九十九人が六百八十七事業所と、このように人事院月報で報告されておりますけれども、なぜ五十人以上九十九人という事業所の調査数が少ないのか。  それから、なぜ五十人以下の事業所については調査をされていないのか、この二点まずお伺いをいたします。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) お答え申し上げます。  この調査対象の企業の事業所の大きさ刑の表はいま先生お話しのとおりでございますが、これはまず第一点について、最初の方の御質問についてお答えいたしますと、この実際の七千百九十六の内訳はこれは実際に調査をした事業所の数でございまして、それぞれの事業所はその母体になる母集団がございます。その母集団からそれぞれの数の多寡に応じまして抽出する率がございまして、その抽出した結果がこういうふうになってございます。で、私どもはこれはわが国の民間企業の産業別、規模別の実態をそのまま反映するようにということでございまして、非常にその母集団が同じ産業の同じような規模のところにたくさん会社の数がございますと、これは抽出率を非常に大きく掛けるというようなことをいたしております。したがいまして、問題はこの表にあります事業所の数ではございませんで、母集団そのものでございまして、母集団そのものはわが国の民間の状態をそのまま反映しておりまして、その間に手かげんをしたとか、どうという作為はございません。それが第一点でございます。  それから、第二点のそれより小さいところが落ちておるじゃないかというお話でございますが、私どもの調査は職務と責任という柱を立てまして、現在の給与法が職務給のたてまえをとっております関係上、したがいまして民間の調査をいたしますときにも、ただ年齢、学歴、性というものに対するたとえば月給というような結びつきでございませんで、部長とか課長とか係長とか、私どもと職務内容が類似のところに限ってではございますが、そういうところのそういう職務段階に応じて、それで特定の年齢の、学歴の、性別の値が幾らであるかと、こういうとり方をいたしております。  ところで、規模の問題との関係で申しますと、実際問題全体に対してそういう調査をするということが理想的かもしれませんが、実際問題調査をいたしました結果で申しますと、小さいところといいますか、事業所規模の小さいところにまいりますと結果的には係因子が出てこないと、調査の結果でございます。公務に類似しているようなそういう職務と責任に見合ういわば部下の数とか組織がございますが、そういう条件に見合う調査が空振りになってしまうということがございます。したがいまして、限られた期間に春闘をできるだけ早くとらえたいというようなこともありまして、調査効率の点もございますが、そこのところを勘案しまして効率のいい調査をするということでこういうことにいたしております。で、それにつきましても、わが国の民間の状態といいますのは、給与の状態は規模別に給与水準に相当開きがあるということも事実でございます。しかしながら、大体これでもってわが国全体の民間の従業者といいますか勤労者の六割ぐらいはカバーできておるというようなことでございまして、大体こういうことで一貫してまいっておりますし、この関係は昭和三十九年でございますが、三公社五現業の関係で仲裁裁定をなさいますときの民間の規模の基準もそこに民間準拠という線をお出しになりましたとき以来そういう基準でおやりになっておりまして、大体公務の現業、非現業という関係のつながりもございますが、そのとき以来特にそういう関係で両方合っておるということも事実でございます。

井上計民社党

○井上計君 決して作為的に規模の小さなところを省略をされたというふうには毛頭思っておりません。ただ、いまお答えでありますけれども、確かに具体的な調査をやる場合に、技術的には規模の小さなところの調査、非常に問題が多いということは承知をいたしておりますけれども、やはり規模の小さなといいますか、現在わが国の中小企業の実態からいきますと、一番多いのは実はむしろ二十人から三十人ぐらいであるわけでありますから、それらの事業所等についても、困難ではありましょうけれども、やはり調査を行うということが今後のひとつ課題ではなかろうかというふうに感じますので、これはひとつ提言をいたしておきます。  それから、それに関連してお伺いいたしますが、まあいろんな具体的な調査をされております。特に実質的な賃金の支払い等についての調査がなされておりますが、このような調査の中で、いろいろと調査項目ちょうだいをしておりますけれども、労働密度といいますか、要するに従業者の、問題はその仕事に対する取り組み方ということについては、これはもちろん調査は困難でありますけれども、しかし、出退勤等の時間が果たして守られておるかどうかということ等について、それとの比較ですね、公務員との、そのようなことについては全く調査されていないのかどうか。  それから、社会保険等の負担率、事業所と要するに本人との負担率がかなり公務員の場合と一般民間給与とは、ばらつきがありますが、相当差があるというふうに聞いておりますが、その点についての調査はされたのかどうか、簡単にお答えいただけば結構です。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○政府委員(角野幸三郎君) 私どもが給与勧告の前提としてやっておりますこの調査の中では、いま先生がお話しの出退勤の状況としてはとらえておりません。それから、社会保険料の負担率等についてもこの中では調査をいたしておりません。

井上計民社党

○井上計君 きょうは大蔵省にはお越しをいただいておりませんので、総理府からおわかりであればお答えをいただきたいと思いますが、年度当初の予算に大体公務員のベースアップ分、今年度もそうでありましたが、従来は慣例として五%程度のものをいわば予想して積み上げて予算編成がされております。ところが、最近は当然これはこのような情勢の中ではまずゼロから出発すべきであるという論議が非常に高まっております。そこで、明年度の予算編成については各省庁概算要求でそれらのものはどのようにされておるのか。あるいはまた、その中で、もし給与改定相当額についてはこれを加算をしないで概算要求されておるとすると、その場合、定期昇給相当額についての予算計上はどうされておるのか、おわかりであればお答えをいただきたいと思います。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) ただいまのお話は予算の問題でございますので、総理府として直接お答えをする立場にございませんけれども、承知をしておりますことを申し上げますと、五十四年度の予算におきましても、これは八月の段階でございますけれども、前年度と同じ額の要求を各省ではやっておるように見ています。  それから定期昇給につきましては、これは個々別々、各省の実態に即してでございますけれども、もちろん新陳代謝がございますので上がる分も下がる分もありまして、それを相殺をして各省は予算要求をしているように聞いております。

井上計民社党

○井上計君 時間がありませんからこれ以上この問題については質問をいたしません。そこで、これも総理府にお伺いしたいのでありますが五十三年、今年の九月一日の閣議決定で、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」というものが閣議決定でなされておりますが、その中で「4 なお、三公社、五現業、公庫、公団等については、その役員等の給与はこれに対応する特別職等に準じてすえ置くこととし、また、いわゆる特別給は労使間の団体交渉で決定すべきものではあるが、これまでの経緯にかんがみ、国家公務員の例に準じて措置されるよう期待する。」こういう閣議決定があります。そこでお伺いしたいんですが、これについては団体交渉権の侵害にはならないんですか、その点ひとつお答えをいただきます。

菅野弘夫総理府人事局長

○政府委員(菅野弘夫君) 私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、このときの考え方といいますか、そういうものを申し上げてみたいと思います。  ここに書いてございますように、団体交渉で決定すべきものであるということは当然でございますので、そのことを書いた上で、しかしながらこれまでの民間企業並びに一般の公務員も今度ボーナスを減らすという、そういういきさつがあります。これらの従来からのそれに準じてきたいきさつもございますので、そういうふうになることを措置されるように期待をするという表現をとっておりますので、団交権の侵害ということはもちろん思っておりませんし、この表現自体もなっているとは思いません。

井上計民社党

○井上計君 はい、お答えはわかりました。  そこで人事院総裁にちょっとお伺いしたいんでありますが、これはもう御見解を承れば結構であります。このことについてはあるいは国鉄なりあるいは運輸大臣なりにお伺いすべきであろうかと思いますが、人事院総裁としてのひとつお考えを承りたいと思います。  今度の給与改定については非常に低率であるということについて、それぞれの人々からいろんな意見が寄せられております。その中で特に期末手当の〇・一削減については反対である、相当これはまた強い反対運動といいますか、要請といいますか、参っておりますけれども、そこで私はそれについて、それがいいとかどうだとかということは別にいたしまして、すでにこの期末手当の削減に反対をして国労が――これだけの理由ではありませんけれどもストの予定を実は組んでおる、こういうことがもうすでに新聞で報道されておりますけれども、これについて人事院総裁、どうお考えですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 国鉄の関係でございますから、私から見解めいたことあるいは感想めいたことも申し上げることは適当でないかと思いますけれども、せっかくのお尋ねでございますので、考え方だけを申し述べさしていただきますと、期末手当あるいは勤勉手当を含みまするこの特別給、いわゆる賞与というものにつきましてはいろいろ御論議をいただいております。私たちといたしましても一昨年に〇・二を削ったと、またそれに引き続いてことしも〇・一%削減せざるを得ないということは、実にこれは心ならずもと申しますか、大変苦慮をいたしたような次第でございます。指定職等につきましては、今度は全体の引き上げ率が少ないということもございまして据え置きで何ら措置は講じないということにやむを得ずやったわけでありますが、しかし、この期末手当等につきましては、そういう給与引き上げの措置が講ぜられないにもかかわらず削減措置だけはかぶるということで、非常にこれはお気の毒の次第でございまして、大変苦慮をいたしました。苦慮いたしましたが、しかし、たてまえといたしまして民間給与の実態調査をやった結果答えが出たということでございますので、これはやはりその問題そのままにして通るわけにもまいらないのではないかということでこういう措置を講ぜざるを得なかったということでございます。そういうことで御審議をお願いをいたしておる次第でございます。  三公社等につきましては、これはたてまえ上は団交の対象事項になっておるわけでございますが、従来のたてまえ上一般公務員とひとつ歩調を合わせてやることが望ましいと、そういうたてまえ論で従来からやってきておるようでございます。いまどういう交渉になっておるか、そういうことについては私、内容は存じ上げておりませんですが、これもやはり一般公務員について期末手当削減の措置を講じたことに対する、それの一つの余波と申しますか、それの影響ということの一環として出てまいっておる問題であるという認識は持っておりまして、その点一般公務員の期末手当削減の問題と同じような感触でもって考えておるということでございます。

井上計民社党

○井上計君 藤井総裁のお答え、実はちょっと要領を得ないなあという、同僚委員からもそういう御発言があります。私もぴんときませんが、時間がありませんので、お考えはその程度承ったということにしておきます。  ただ、私は率直に申し上げまして、確かに期末手当、若干でも削減ということについては、公務員の人、あるいはそれに準ずるという形になりますと、三公社五現業等の人たちについてはお気の毒だという感じはいたします。しかし、ただ現在の国内の各産業界、企業の実態を見ますと、期末手当が果たしてもらえるであろうか、もう完全に見込みないという企業も非常に多いわけでありまして、したがってそれらの人たちのことを考えるときに、このような期末手当が〇・一削減をされる、けしからぬ、反対である、そこでストをやるというふうな姿勢は厳に慎んでいただくべきだというふうに感じております。これは人事院総裁の権限ではないわけでありますけれども、やはりそれらについても十分御配慮をしていただくとい・うことを強くひとつ要望をいたしておきます。  特に総裁が、人事院月報九月号に総裁のごあいさつが出ておりますけれども、「例年に比し低位にとどまっているが、この勧告は、生計費の動向その他諸般の事情を慎重に検討のうえ、これを埋めて官民給与を均衡させることが適当であるとする趣旨のもとに行われたものである。」同時に、「公務員諸君におかれては、公務に寄せられる国民の切実な期待と要請に応えるため、更に全体の奉仕者としての使命に徹して、一層職務に精励されるよう要望する。」と、ごあいさつで述べておられますけれども、ぜひそういう現在の国内の情勢、民間企業の情勢、特に不況業種等、あるいはまた多くの失業者が出ておるという実態をひとつ十二分に踏まえていただいて、これらの点についてはさらに周知徹底をしていただくように強く要望をいたします。  そこで、時間ももうありませんので、本当はたくさんあるのですが、あとこれで最後、これは要望にしておきます。  御承知だと思いますが、去る十三日にアメリカ議会におきまして公務員制度改革法が実は成立をしたということが伝えられております。これはある新聞の記事、ここで若干読みます。   この法律に正式に署名したカーター大統領は「仕事をしてもしなくても、待遇は変わらないというのは悪平等。今後は市民の苦情をすみやかに処理するスマートな役所に生まれ変わることを期待している」と述べている。   ひるがえって、わが日本の国家公務員はどうかというと、定年なし、クビ切りなし、給与も下がることなしという、アメリカ以上の“役人天国”。   カーター大統領じゃないが、日本の公務員制度は仕事をしてもしなくても給与面などの待遇が同じという悪平等がまかり通っているわけ。   そこでアメリカが、百年ぶりに公務員制度を大改革したのを機に、「日本でもダメ役人を処分する法律を作れ」という声が庶民の間から一斉に出始めているのだ。こういうふうなことが書かれております。  さらに、「米国並みにやれば減給、降格者ゾロゾロ」という見出しで、公務員制度の大改革、実はアメリカ以上に必要なのがわが日本。   定年はないわ、降格人事はないわ、給料が下がることはないわ、という“親方日の丸”にあぐらをかくダメ役人がバッコ、まさにアメリカ以上の役人天国なのだ。   いちばん問題なのは、年功序列と悪平等ですね。   日本の公務員の場合、ロクに仕事なんかしなくても、特に刑事事件でも起こさない限り、毎年給料は上がっていく。実は年に二回、役所ごとに考課表を作るんですが、これはあってないようなもの。以下略しますけれども、こういうようなことがずっと書いてあります。  そこで、「有能な人ほどヤル気なくす」ということ。これは私どもも十二分に承知をいたしておりますが、「よく働く人と働かない人の給料がほぼ同じというのでは、働く人もだんだん意欲を失って、いずれ能率は低下する一方でしょうね。」こういうことがずっと新聞に記載されておりますが、これが現在多くの国民の声であり、また実は批判となっているというふうに思います。先ほど総裁に強く要望いたしましたけれども、全体の奉仕者としての使命に徹して、一層職務に精励されるようにさらに厳重に総務長官も、人事院総裁も政府を挙げてそのようなひとつ努力をしていただきたいと思います。最後に要望して、もし総務長官御所見があればひとつお伺いをいたしたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) アメリカの信賞必罰主義と申しますか、公務員改革法ができたということは新聞報道で承っております。日本の場合も法制上と申しますか、能力主義あるいは信賞必罰主義と、こういったことを原則といたしまして、あるいは表彰問題あるいは給与問題あるいは任用問題その他いろいろな制度がございまして、しかし御指摘の点につきましては、私といたしましても今後厳正に行っていきたいと、こういうふうに考えております。

井上計民社党

○井上計君 終わります。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。  ただいま片岡君及び山中君から、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、それぞれ委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。  この際、両修正案を便宜一括して議題といたします。両君から各修正案の趣旨説明を願います。片岡者。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案についてその趣旨を御説明申し上げます。案文はお手元に配付しておりますので、朗読は省略さしていただき、その要旨を申し上げます。  この修正案の内容は、十二月に支給する期末手当の支給割合の引き下げをやめさせることであります。公務員の特別給につきましては、かつて佐藤人事院総裁が衆議院内閣委員会において、民間の特別給は景気に左右されるが、公務員の方は法律で規定されて固定的な形となり、民間が下がっても、それに応じて下げるわけにはいかないと言明しており、また一九七六年十一月二日には、当委員会で、「特別給については、公務員給与制度の特殊性にかんがみ、民間の動向を考慮し、可及的速やかに従前の支給割合に回復するよう努めること。」との附帯決議を全会一致で付しているのであります。しかるに人事院は、従前の支給割合に回復するどころか、一九七六年勧告に続いて、今回も期末手当を〇・一ヵ月分削るよう勧告しているのでありまして、このことは佐藤前総裁の言明をないがしろにするばかりか、国会の意思をも無視するものと言わなければなりません。本年の人事院勧告の資料でも明らかなように、特別給の支給総額を基準内給与で除して民間の支給月数を算出して、公務員の特別給と比較しているのでありますが、しかし公務員の特別給は、本法、扶養手当、調整手当の三者だけで算出されることとなっているのでありまして、通勤、住居、寒冷地などの諸手当を含めた基準内給与で算出されることにはなっていないのであります。このような特別給算定の基礎となる給与の官民の相違並びに一九六〇年以来官民比較に際して、コンマ以下二けたが削られてきた累積が〇・九七月分にも達していること等を考慮しても、〇・一カ月分の引き下げは断じて許すことができません。  以上が修正案の内容及び提出の理由であります。  何とぞ委員各位の賛成により可決されますようお願い申し上げます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 山中君。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は日本共産党を代表して、一般職給与法改正案に対する修正案の趣旨説明を行います。  修正案本文はお手元に配付してあるとおりでありますので、その内容と提案理由の概要を御説明申し上げます。  修正案の内容は、第一に、期末手当〇・一ヵ月削減の改定条項を削除すること。  第二に、一般職給与法第十三条の特殊勤務手当に関する規定に「教育に関する業務についての連絡調整及び指導助言に関する勤務は特殊な勤務と解してはならない」との規定を同条第三項として加える改正条文を追加する。  第三に、教員特別手当に関する一般職給与法第十九条の五の規定をいわゆる教員の給与特別措置法の体系に移すとともに、同手当の支給月額の最高を政府提案どおり増額すること。  以上三点であります。  次に、提案理由を申し上げます。  修正案の第一は、作為的な官民比較を口実にして期末手当を一方的に削減することに反対し、その中止を求めるものであります。  修正案の第二は、同条に第三項を加えることによって主任手当の支給対象拡大の人事院規則改正ができないようにすると同時に、すでに支給されている主任手当そのものを廃止するとともに、今後も特殊勤務手当の条文を根拠にして主任手当を支給することができないようにしようとするものであります。  修正案の第三は、教員特別手当の支給根拠法を教員の給与特別措置法の体系に移し、法体系上、より合理的な姿に是正するとともに、人材確保法に基づく教員の給与改定を教員の給与特別措置法の体系の中で行うようにすることによって、一般職給与法体系の中では不可能に近い引き続く教員の給与改善を可能ならしめ、あわせて人事院規則の改正だけで主任手当の支給や校長、教頭の管理職手当の増額ができないようにしようとするものであります。  なお、本修正案では、教員特別手当の増額を政府提案どおり実施するものでありますが、これは以上の措置をとることにより、法律改正事項と人事院改正事項との連動一体関係を完全に断ち切ることができるので、すべての教員の待遇改善になる同手当の増額を拒否する必要がないからであります。  以上が、日本共産党提案の修正案の内容と提案理由の概要でありますが、本修正に要する経費は約百億円であります。本修正案に御賛同いただき、関係者の切実な要求実現のため速やかに可決されるようお願いして説明を終わります。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいまの片岡君及び山中君提出の両修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から意見を聴取いたします。稻村総理府総務長官。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、ただいまの両修正案に対し、質疑のある方は、順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、直ちに討論に入ります。討論は三案及び修正案を一括して行います。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私は日本社会党を代表して、給与三法案について、政府原案並びに日本共産党提出に係る修正案のうち、第十九条の三を除く部分に反対し、日本社会党提出の修正案に賛成の討論を行うものであります。  反対の理由の第一は、特別給について〇・一ヵ月の切り下げ措置がとられていることであります。  特別給の取り扱いについては、一九七六年十一月二日に当委員会において「公務員給与制度の特殊性にかんがみ、」「可及的速やかに従前の支給割合に回復するよう努めること。」という趣旨の附帯決議を全会一致で決定しているところであります。その際の審議の中で明らかになった点は、人事院が毎年行っている特別給の官民比較ではコンマ以下二けたが切り捨てられており、この累積が〇・九七ヵ月分、すなわち約一ヵ月分に達していることであります。この点について、当時の佐藤人事院総裁は、民間の特別給は年ごとに決められているので、その年ごとの景気の動向に左右されやすいが、公務員の特別給は法律で定められているので固定的な形となり、その年々で毎年変更するわけにいかない。すなわち民間の特別給が下がるときに、直ちにそれに合わすわけにいかないので、二けた以下は切り捨てているという趣旨の答弁をされています。  また、特別給の官民比較についても、民間企業の特別給の算出基礎と公務員の特別給の算出基礎との整合性についてもなお検討を要する点があるのではないかと考えられます。  以上の点から、今回の特別給の切り下げ措置は、かつての当委員会における人事院総裁の答弁の趣旨に反し、また二年前の当委員会の附帯決議の趣旨に反した措置と言わなければなりません。  次に、共産党提出の修正案のうち、第十九条の三以外の部分については、教職員に対する手当の制度を改正することになっておりますが、中教審路線に基づき三次にわたる教職員に対する手当の増額措置は教育現場にさまざまの混乱を生んでいるばかりでなく、教職員の大部分が地方公務員であるために、地方公務員全体の給与制度に大きな混乱を生じており、このために抜本的な見直しを必要と考えており、その立場からこの修正案には賛意を表しがたいものであります。  以上で反対の討論を終わります。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ただいま議題となっております。一般職給与法改正案、特別職給与法改正案及び防衛庁職員給与法改正案に対し、日本共産党を代表して討論を行います。  一般職給与法改正案は、法案それ自体としては一定の改善案ではありますが、第一に、消費者物価上昇率や民間の春闘相場を下回る低水準の改善を押しつけるとともに、一昨年削減した期末手当を、作為的な官民比較をもとに、さらに〇・一ヵ月削減するなど、公務員労働者の要求に十分こたえるものになっておらず、第二に、主任手当支給対象の拡大や、校長、教頭の管理職手当の増額など、学校の反動的な管理体制の一層の強化を図ろうとする企図が不当に連動させられ、第三に、わずかばかりの賃上げと引きかえに、高齢者の昇給ストップなどの合理化を強行する意図や、財界の意向に沿って五%の給与改善経費を当初予算に計上せず、公務員労働者の賃金をてこに、日本の労働者階級全体の低賃金構造をより強固に支える意図を公然と打ち出すなど、重大な問題があり、賛成できるものではありません。幼稚園教員に対する教員特別手当を中小教員の二分の一にしたことにも問題があります。  特別職給与法改正案は、一般職の指定職対応以上の高級官僚の給与改定を一般職と同様に据置き、秘書官の給与改定だけに限っていますが、これは当然であります。本案には、秘書官とその家族の生活を防衛する立場から賛成するものです。  最後に、防衛庁職員給与法改正案についてでありますが、一般職の指定職対応以上の高級軍人の給与改定を一般職と同様に据え置いたことは当然であります。全体の給与改定は、従来からの一般職との対応関係を保持しており、曹士隊員とその家族の生活を防衛するという点では反対すべきものではありません。しかし、対米従属、憲法違反、人民弾圧の軍隊の隊員の給与改定に単純に賛成できるものでもありません。したがって今回も、本案に対しては棄権の態度をとるものであります。  以上で終わります。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、修正案について採決いたします。  片岡君及び山中君提出の両修正案には共通部分がございますので、まず、この共通部分を問題に供します。  片岡君提出の修正案中、第十九条の三の規定の削除及び山中君提出の修正案中、第十九条の三第二項の規定の削除は、いずれも期末手当の〇、一ヵ月分の減額を行わないこととするもので、この点が共通しております。  本共通部分に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 少数と認めます。よって、両修正案中の共通部分は否決されました。  ただいまの共通部分の否決に伴い、片岡君提出の修正案は否決されました。  次に、山中君提出の修正案中、ただいま否決されました共通部分を除く修正案全部を問題に供します。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 少数と認めます。よって、共通部分を除く山中君提出の修正案は否決されました。  それでは、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  林君。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○林ゆう君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案にかかわる附帯決議案を提出いたします。  附帯決議案を朗読いたします。    一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府並びに人事院は、次の事項について善処するよう要望する。  一、特別給については、公務員給与制度の特殊性にかんがみ、民間の動向を考慮し、可及的速やかに支給割合を回復するよう努めること。  一、学校事務職員については、具体的実効を伴う給与改善措置を検討すること。  一、幼稚園教員の給与については、義務教育諸学校の教職員の給与との均衡を考慮して引き続き改善措置を検討すること。   右決議する。  以上でございます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしましました。  ただいまの決議に対し、稻村総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。稻村総理府総務長官。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 長時間にわたりまして御審議を賜り、深く感謝いたします。  ただいまの附帯決議につきましては、政府として今後とも努力し、検討を続けてまいりたいと存じます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決されました三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案を再び議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 一応各党合意によってこの措置が政府から提出されたものでありますから、簡単に政府の考え方についてお聞きしておきたいと思います。  今回の措置は三年ということになっているわけでありますが、前回の通常国会以来、この延長の問題をめぐっては各党間にいろいろ協議をした経過があり、政府との間でも、当委員会あるいは予算委員会等で何回もこの問題で審議をした経過があるわけです。そういう点から、今回は三年ということで提出をされておりますけれども、三年を経過した段階で、なお残事業の状態によっては政府としても自後の措置について各党と協議をして善処をする必要がある場合も起こり得ると思うんですが、総務長官としてはこの点についてどういうふうにお考えになっているか、まずその点を伺いたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) きのう衆議院を通過をいたしました。そのときに附帯決議が付されております。そういう意味で、このたびの三年間の延長というのは、これをもって打ち切るという、こういう意味合いのものではありません。そういう意味で、この三年間で中で今後同和対策事業をどう進めていくか。たとえば基本的な問題、あるいはまた人権的な問題、教育問題等、こういったことがこの三年の中でいろいろ研究をしていただいたり、あるいはまた現地の実地をいろいろ調べていただいたりして、そしてこの三年間の中でこれから同和対策事業というものをどう進めるかと、こういうことで今度の三年の延長の私は意義があると思っております。そういう意味で、きょうは、延長するかしないかというこういう問題については、その結論がきわめて大切なことでございまして、いまここで御質問の点についてはお答えをするというわけにはまいりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 三年という提案がされているわけでありますが、いまの私の質問に対する答弁で、三年で打ち切りというような立場で出したものではないと、こういうことでありますから、そのことを一応了としておきたいと思うんです。  そこで第二点としては、本日の総務長官の趣旨説明によりますと、この法案の目的、そして今回のさらに延長する目的として、同和地区の経済力の培養、住民の生活の安定、福祉の向上等を図るためにと、こういうふうな趣旨説明がされているわけであります。もちろんこのことは重要なことでありますけれども、この問題だけにとどまらない重要な問題があると思うんです。具体的な事例として申し上げますと、社会的にも非常に問題になった地名総鑑などというものが企業間に出回っている、そういう状態の中で就職の機会が非常に狭められている、こういう事例が数多く現にあるわけです。あるいはまた、そのことが婚姻の障害になっている、こういう事例も数多く今日なおあるわけであります。この問題は単に経済力の培養とかあるいは住民の生活の安定、福祉の向上、この範囲にとどまらず、就職の機会均等を保障する雇用の確保の問題、あるいは教育の問題、婚姻の問題、これらの数多くの問題がまだこれから残されておるわけであります。こういうような問題について、特になかんずく今日の非常な雇用不安の問題、これを特に重視をしなければならないと思うわけであります。雇用問題を初めとしたこれらの問題について、総務長官どしては、担当大臣として関係各省庁と連絡をとって十分な対応策を立てるべきではないか、こういうふうに考えるんですが、長官の見解を承りたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) きのうは小委員会で各省庁、関係省庁が全部出席をいたしました。いまの問題についても大変長時間かけて論議をされたわけです。もちろん経済力の培養であるとか、あるいは生活環境の整備とかいろいろな問題が出ましたが、やはりその中でも一番問題は、事業量というものはその事業が終われば完結をするわけでありますが、いま御指摘の点について、教育問題あるいは婚姻問題、雇用問題と、こういった問題は相当これは重要な問題である、こういう受けとめ方を私もいたしましたし、また各省庁のそういう意見が出されておりましたので、そういったことをあれこれと含めまして三年の延長というのはここに意義があると、こういうふうに受けとめていただければ結構だと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 同和対策事業の特別措置法について御質問申し上げますが、この法は、昭和四十四年のたしか七月に制定をされてから、もはや九年になるわけでございますが、来年の三月末をもって時限になるわけで、同和対策事業については政府としてもかねがね力を入れておられることは承知しておりますけれども、その進捗状態、これはどういう状態になっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 四十四年にこの法案が、議員立法的な性格を持っておる、各党間で、やはりこれは社会的格差というか、やはりこれをなし遂げることこそが日本の民主主義の大きな意義がある、こういう意味でこの法案がつくられていったと私は思います。その進捗の状態でありますが、これは現在も三千二百六十億と、こういう金額が残されております。残事業として。これはもちろん物価上昇率の換算もありません。そういう意味で国費が七千数百億でその中の三千二百六十億円と、こういうことでございますから、まだ相当の量が残事業として残されておる、こういうふうに受けとめていただければ結構だと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いま御答弁のとおり、相当な量の残事業が残っておるわけで、全国的に見てもやはりいまなお部落差別の厳然として残っておることも感じられますし、数多くの部落が依然劣悪な環境下にある現状であることは御承知のとおりでございますが、あと三年でこの残事業三千億円以上のものが消化できるとお考えでしょうか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) これは来年度は皆さんの大変な御協力によりまして、二千六百三十億、多少半端がありますけれども、概算要求としていたしております。そういう意味で、事業はやろうと思えばこれは皆さんの協力ですね、簡単にやろうと思っても相手があることです。地主の関係もあれば借地権の関係もあれば、そう簡単にわあっとやってしまうというわけにはいきませんが、やはり全体の協力があるとするならば、これはやれないというわけはないと思いますが、私はいろんな諸情勢を考えますと、そう簡単に地域住民が現在そこで住居しておられるわけでありますから、住宅問題を一つ取り上げても、なかなか私は事業量は仮に予算化したとしても、執行の面においていろいろ問題の差し支えが出てくるのではないか、私はいつも申し上げておりますように、この種の事業というのは太く短くというわけにはいかない、やはりきめ細かく実施をしていかなぎやならぬということは国会の中で御答弁を申し上げておるとおりでありますが、そういう意味からこの三年間の延長というのはいろいろなことを含めて大変意義のある三年間であると、こういうふうに受けとめていただければ結構だと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 同和対策審議会の答申によりますと、やっぱり完全実施ということを答申をしておるようでございますし、この三年は切り捨てというようなことは考えないということになりますと、この三年間でこの残事業が消化できないということになったときの対応を総務長官、どのような決意でお臨みになりますか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま申し上げましたように、この三年間でいろいろな問題、いま野田委員がおっしゃったように、事業ばかりでなくいろいろな問題が、この三年間によって各省庁で研究をしていただくということよりか、むしろ前向きにこれからの政策と申しますか、政策をつくり上げていただくということになりますか、やはりこの三年間によって今後の同和対策事業というものの基本的なものを考えていただくのがこの三年間であると、こういうふうにお考えになっていただけばいいと思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 今回の法案は三年間の時限の延長で内容の改善というのはほとんど図られてないようでございますが、地方公共団体の方は財政難で負担に相当苦しんでおるわけですが、第七条の特別の助成の助成率ということは、将来その三年の間にお考えになる予定であるのか。三分の二ということでありますが、これを五分の四ぐらい高率にするというお考えはないのかどうか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いまここで発言をしますと、また問題が起きてもいけませんので……。きのうの衆議院の小委員会で自治省も出席しておりまして、大変前向きな、私は耳をそばだてて聞いているぐらい前向きな発言がございましたので、その議事録を読んでいただきますと、財政当局の考え方がはっきりと御報告をされております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ごく基本的な二、三の問題についてお伺いします。  未解放部落の住民の社会的、経済的地位の向上を不当に阻む諸要因を解消するということを目標に、国と自治体に同和対策事業を制度的に実施させる根拠となってきた同和対策事業特別措置法は、制定後九年間行われたわけですけれども、生活環境の改善や所得格差の是正、教育の充実などで一定の成果を上げている。このことは当然のことでして、しかし九年間の経験は、同特法自体が持っている弱点と結びついてやはり重要な問題も示していると思いますので、まず第一に、同特法が国の責任をきわめて不明確にしか規定していない。そこに私は問題があると思いますし、またこれと結びついて、歴代の自民党政府が責任をすべて自治体に転嫁しているということであります。このために自治体の超過負担は大変大きなものがあって、自治体ごとの事業実施のアンバランスなども生み出されている。  そこでお伺いしますが、同特法の延長に当たって、政府は地方公共団体における残事業総量、残事業量を含めて残事業の総体を明らかにし、延長期間内にその基本的な解決を図るとともに、同和対策事業を実施する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図る具体的措置を講ずべきであると考えておりますけれども、すでに触れられた部分もありますが、総務長官の基本的な考え方をお伺いいたします。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 地方財政、地方自治体の財政圧迫と申しますか、負担というのは、大変重いというふうに各地方自治体からの陳情を受けております。そういう意味で、先ほど来も申し上げましたように、衆議院では小委員会が設けられまして、その中で財政当局の、自治省の基本的な考え方をきのうは、いろいろ追及という言葉よりか、むしろ質問という言葉の方がいいと思いますが、そういう意味で、今後の自治省の財政負担に対する見解というものは申し述べておりました。  そういう意味で、きのうときょうのことですから、そうかと言って、私は自治省の分までここで――ただ私の場合は、総理府総務長官というのは、各省の調整機能を持っておりまして、予算を持たずに、皆さんにいつも言われるので答えようがないわけでありますが、しかしながら、その衝にある限りにおいては責任を持っていかなければならぬということで、きのうは財政当局の大変前向きな発言がありまして、大変喜んでおるわけでございまして、この三年間の中でその問題も私は解決をできるのではないかと、こういうふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 第二の問題は、同特法が、公正で民主的な同和行政の執行を明記していない。この点を利用して、特定団体が行政に介入支配して、同和対策事業を私物化、利権化しているというこの実態があります。窓口一本化で、部落の中の思想、信条、所属団体の違いによる新しい差別をつくり出すと、そういう状況も生まれてきています。  したがって、私どもはこれらの点に抜本的なメスを入れるべきであるということを主張をしておりますけれども、政府として、同和対策事業の公正、民主的な実施を図るため、法の有効期間中に速やかに法改正及びその運営の改善について検討すべきであると考えておりますが、この点についての総務長官の決意のほどをお伺いいたします。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま山中委員が、公正、民主的に行われていないというふうな言葉がありましたが、私は、少なくとも国の政策で実行しておる、一般会計から導入されておると、こういうふうな関係から、私は公平、厳正に行われているものであると、こういうふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 大変時間が限られていますから、私どもは、再三総理府にそうしたことについても申し上げ、関係者からも訴えをしてきていただいて、その事実をお認めになっているケースも再三あります。そこのところは現状をよく客観的に、そして正確に把握をされる必要があるということを重ねて指摘をしておきます。  それから三点目には、そうした立場に立ちまして本改正の検討に当たっては、少なくとも私がいま申し上げる四つの点について検討すべきだと考えておりますので、それを提起申し上げますので、一括して申し上げますから、ぜひ漏れのないように総務長官の見解を聞かせていただきたいと思います。  第一は、国の責務をちゃんと明記する。現在の努力条項ではなくて明確な義務規定に改めるとともに、内閣に対して同和対策事業の進捗状況を毎年国会に報告することを義務づける。そういう立場から国の責任を明確化するということが第一点です。  第二点は、同特法の目的として同和問題の解決に寄与することを明記して、同和対策事業の目標が一般地区との格差を是正することにあることを明確にする。そして、同和対策事業の一環として行う個人給付や貸し付けなどは、困窮度等を無視して一律的、機械的に適用してはならない。そういうことをはっきりさせて法の目的と範囲を明確にする。このことが第二点です。  第三点は、公正で民主的な法執行を保障するために、次の明文を規定をするべきであるということの一つは、国及び地方公共団体が同和対策事業をみずからの判断と責任において公共かつ民主的に行わなければならない義務を負う。それから対象地区住民が、本法に基づく施策を等しく受けかつ思想、信条、所属団体等によって差別されない権利を有することを明記すること。  次に、現行の国民の責務についての規定は、同和対策事業の実施に際し国民の無条件的な協力を強いる法的根拠として悪用されているという面がありますから、現行の同和対策事業の円滑な実施に協力しなければならないという規定の「円滑」の前に、公正かつ円滑に、ということで誤解の余地がないようにする。  この三つの点を具体的に公正、民主的な法執行を保障するためのものとして明文化すること。以上が第三点。  四点目には、関係者の意見が公正かつ総合的に反映するように同和対策協議会を民主的に改組、強化すること。  この申し上げました四つの点を私がいま提起いたしましたけれども、当然のことである。現状を踏まえて、そして当然のこの私が申し上げたことについて、総務長官としての基本的な見解をお聞かせいただきたい。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 御指摘の点につきましてごもっともなところと、こういう表現がいいかどうか知りませんが、そういう点がございますならば改善をいたしてまいりたいと思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 ごもっともじゃないですか。

井上計民社党

○井上計君 自治省お見えですか、自治省の方にお伺いしたいと思いますが、同和地区の非常に密度の高い市町村があると思いますが、それらの市町村については一般起債総額の中に占める同和起債の比率についてどうなっておりますか、おわかりになっている程度で結構ですが、お答えをいただきたいと思います。

野村誠一自治大臣官房参事官

○説明員(野村誠一君) お答え申し上げます。  きょうはちょっと急いで参りましたので細かい個々の市町村についてのデータは持ち合わしてございませんので申し上げられませんが、市町村全体といたしまして起債の現在高、その数字はわかっておりますので申し上げたいと思います。  五十一年度末でございますけれども、全体で七兆八千百七十五億円、端数を切り上げておりますが。それからそのうち同和対策事業債が二千六百八十三億、比率は三・四%でございます。そのうち十条適用分が六百六十一億、その他が二千二十二億。十条分が同和対策事業債のうち約二五%、こういう状況になっております。  いずれにいたしましても、同和関係人口の非常に比率の高い市町村においては、この公債費比率は全国的に見ますと三・四%でございますけれども、かなり高いところも出ているというふうに考えております。

井上計民社党

○井上計君 私が聞いておる範囲では、特に関西の密度の高い市町村においては総起債の四〇%以上が同和起債で占められておるというふうなところもあるようであります。したがって、この起債の償還は、当然のことでありますけれども、税金によってなされるわけでありますが、同時にまた今後も同和対策事業を継続していくということになりますから、したがって、これらの自治体の財政事情はさらに一層悪化をするということが懸念をされるわけであります。したがって、これらの自治体に対しましては地方債発行に対する利子補給、それから地方自治体の実施するすべての同和対策事業に要する経費の地方分担分の全額に起債を認めて、法十条を適用するとともに、その全額について基準財政需要額に繰り入れることを認める等の特別措置が必要であるというふうに考えますが、どのようにお考えになっておられますか。

野村誠一自治大臣官房参事官

○説明員(野村誠一君) ただいま御質問あったとおりでございますが、確かに同和人口の非常に多い、あるいは大きな同和地区を有しているそういう市町村にとりまして、またそういう同和関係の事業のために相当公債費がかさんでいて財政を圧迫しつつあるという現状は私どもも承知しているところでございます。  ただ、自治省といたしましては、基本的には同和対策事業というものは国の責任でやはり推進すべきものではないだろうか、そして事業が基本的に国庫補助事業としてできるだけ採択されていく、そういう中で地方負担が軽減されていく、それがやはり基本であり、また先決ではないかというふうに考えているところでございます。そういう意味で、そうした措置がされる中で起債を充当し、十条の指定を行っていくということで問題が解決していくんじゃないかというふうにいま考えているところでございます。  ただ、現実にはそういう国庫補助制度というものはまだまだ不十分であるというふうに私ども考えておりまして、毎年そういう補助基準の改善であるとか、補助対象範囲の拡大であるとか、その他そういう補助制度全般のとにかく大幅な拡大強化ということを各省にかねてから要望をしているというところでございます。ただ自治省といたしましても、かねてからそういう市町村で行います同和対策事業につきまして、地方債の増額というものを図っております。たとえば五十二年度でございますが、地方債計画で九百八十億の同和対策事業債を計上しております。それから五十三年度でも千三百億、こういうことで大体ほぼ需要を満たしているんじゃないかというふうに考えておりますが、そのほか良質な資金も確保するということで近年は全額政府資金でもって措置をしているということでございますし、そのほか貸し付けの条件の改善といったような措置も毎年努めているところでございます。  それからそのほか同和対策事業に掛かりますいろいろな特別の財政需要があるわけでございますが、そういうものにつきましても特別交付税でもって所要の措置を講じているところでございます。五十二年度におきましては特交原資全体としては一〇%の伸びといいますか、増加でございましたけれども、同和分につきましては二五%の増額を図ったというような努力もしておるわけでございます。特に同和関係につきましてそういう団体の規模に比べまして同和関係者の人口が非常に多いといったような市町村におきましては、非常に財政的にも厳しいものがあるわけでございますので、今後そういう同和関係人口比率の高い市町村につきましては、そういう特交算定の特にそういう面についての強化を図っていくというような措置でもって対応していきたいというふうに考えております。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。別に――御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  片岡君。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、新自由クラブ、社会民主連合共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  附帯決議案を朗読いたします。    同和対策事業特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、同和問題の重要性にかんがみ、この問題の早急な解決を図るため、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。  一、法の有効期間中に、実態の把握に努め、速やかに法改正及びその運営の改善について総合的に検討すること。  一、同和対策事業を実施する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図ること。  一、同和問題に対する国民の理解を深めるため、啓発活動の積極的な充実を図ること。   右決議する。  以上でございます。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) ただいま片岡君より提出されました附帯決議案を議題といたします。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 委員長。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 山中君。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私はただいま議題となりました附帯決議案につきまして一言申し上げます。  附帯決議案第一項の法改正及びその運営の改善についての総合的検討には、公正で民主的な観点が含まれ、第三項は法に基づく適正な啓発活動を意義し、特定の団体の啓発活動であってはならないという当然の理解の上に立って賛成するものであります。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) それでは、本附帯決議案の採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 全会一致と認めます。よって、片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、稻村総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。稻村総理府総務長官。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。どうもありがとうございました。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) これより請願の審査を行います。  第一号旧国際電気通信株式会社等の解散前に退職した社員に対する恩給法等の期間通算に関する請願外六十件を議題といたします。  請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知を願いたいと存じます。  これらの請願につきましては、先ほどの理事会において協議いたしました結果、第一号旧国際電気通信株式会社等の解散前に退職した社員に対する恩給法等の期間通算に関する請願外九件は、議院の会議に付することを要するものにして、内閣に送付することを要するものとし、第一〇三号元号法制化促進に関する請願外五十件は保留とすることといたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  国の地方支分部局及び自衛隊の業務運営並びに国家公務員制度の実情調査のため、閉会中に委員派遣を行うこととし、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(桧垣徳太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時五分散会      ―――――・―――――

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