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85回国会参議院1978/10/19

地方行政委員会 第3号

発言数
280
登壇者
28
会派数
6
開催日
1978/10/19

会議録

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十八日、田代由紀男君及び熊谷弘君が委員を辞任され、その補欠として、夏目忠雄君及び中山太郎君が選任されました。     —————————————

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 昨日、同和対策事業の特別措置法が衆議院で延長されました。恐らく参議院の方に回ってくると思いますが、この法案が決まったことにつきましては非常に喜ばしいわけですが、全野党が丑年を主張して結果的には三年になったと、こういう報道がけさの新聞でされております。内容から見ますと、実際三年で決着のつくものでは絶体にないわけです。私は、恐らく再延長は必至であろうと思うんですが、附帯決議を含めまして、この問題で政府の窓口となっておる担当省の総理府の御見解をお聞きしたいと思います。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 同和対策事業特別措置法の延長につきましては、ただいま先生からお話しのございましたような経過をたどっているわけでございますが、同和対策事業の現況については、すでに御承知のとおり、昭和五十年におきます政府関係各省の調査で、昭和五十年度以降の各地方自治体が計画しております同和対策事業の概要について調査したわけでございます。その後の予算の対応状況を考慮に入れまして、なお五十四年度以降に相当量の事業が残るという認識を持っているわけでございますが、延長されました期間におきましてこの事業を実施いたし、問題の一日も早い解決に努めたいというふうに考えている次第でございます。  なお、残事業につきましては、この政府調査のほかになお相当の残事業が見込まれるのではないかという御意向もあるように承っておりますが、この関係につきましてはなお私ども引き続いて検討してまいりたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま相当の残事業、政府が出しているのは三千二百億ですか、それ以外に相当の事業があるということですが、どの程度の見積もりをしておるんですか。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 政府が把握しております五十年調査によります事業量は、五十年度以降実施を予定されております事業量といたしまして、いわゆる国費ベースで七千六百四十億円ということで把握したわけでございます。その後の予算の対応状況を差し引きまして、五十四年度以降三千二百六十億円というふうに把握しているわけでございますが、この三千二百六十億円という数字にはその後の物価の変動状況等を含んでおりませんし、もう一つの要因といたしましては、昭和五十年に把握いたしました同和地区の数は四千三百七十四地区でございますが、その後追加報告で上がってまいりました百二十地区がございますが、百二十地区に係る事業量についてもただいま申し上げました数値の中には入っていないわけでございます。この百二十地区に係る残事業につきましても当然対応してまいる必要があるというふうに考えているわけでございまして、この辺を含みまして今後検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 附帯決議がついたんですが、その内容をちょっと言ってください。どういうことですか。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 衆議院内閣委員会におかれまして付されました附帯決議について申し上げますと、三項目ございまして、その第一は、「法の有効期間中に、実態の把握に努め、速やかに法の総合的改正及びその運営の改善について検討すること。」ということでございます。その第二は、「同和対策事業を実施する地方公共団体の財政上の負担の軽減を図ること。」ということでございます。その第三点は、「同和問題に関する事件の増発状況にかんがみ、国民の理解を深めるため、啓発活動の積極的な充実を図ること。」ということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私は、きのう、ちょうど山場に来た国対委員長会議が開かれておるさなかなんですが、大分県の二十三の町村長からこの問題で陳情を受けたわけです。各町村長の主張する内容を聞きますと、政府の無責任な態度、とりわけ総理府のこの問題に対する窓口としての態度に対して、非常に怒りに似た意見が続出しておりました。  その第一は何かというと、適切な指導がない、むしろどっちかといえば寝た子を起こすな式の指導に終始一貫しておる。そのために、大分県の実態を申し上げますと、法律の施行後六年たった一九七五年から本格的な対策事業に入っておる。したがって、七七年までの実態を見ると、五十八市町村の中で二十三町村しか同和対策事業を起こしていない。七八年度、いわゆる本年度ですね、本年度に五町村が加わってそうして二十八町村。したがって、七七年度までに終えた総事業量を見ますと八十七億、本年度が百十二億。そうして七九年度以降の残事業総量というのが見込みとして五百四億。こういう実態になっておるわけです。で、こういう実態というのは、政府はあなたを通じてきちっと把握しておるはずであります。それを把握しておるにもかかわらず、野党が言うならともかく、政府・与党が二年でいいとか三年でいいとか言うようなことは考えられないというわけですね、責任ある者として。こういう実態から見るとどうしても少なくとも七年以上は必要である、大分県の場合を見ましても。少なくとも最低五年なければできないと、こういうことで野党が統一しておるのに、いまの政府の姿勢について、それを支える総理府の態度が基本的に誤っておるのではないか。こういう意味で非常に怒りをぶつけられたわけです。  第二は何かというと、膨大な超過負担がある。これはまあ一昨日向井議員からも指摘されておりました。政府は、いわゆる国の負担が三千二百六十億ですか、残事業として。しかし町村長に聞くと一兆円だと。これは一体どうなんだということで指摘を受けておりましたが、まさにそのとおりで、実態を見ると、確かに法律の中では三分の二負担であるとかもしくは十条適用の問題であるとかいろいろございますけれども、しかし、その単価が実勢単価になっていない。対象にならない。こういうような実態が出されて大変な超過負担になっておる。この問題についても総理府に対しては再三にわたって町村長の行政の立場から要求してきておる。ところが、今回のこの動向を見ると単純延長、いわゆるそこら辺についての十年の経験に基づいた、実態に基づいた修正というのがされていない、強化されてない、こういう強い意向が表明されたわけです。  この問題について、私も全く同感でありますが、総理府並びに自治省のこの問題に対する見解を明らかにしていただきたいと思います。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 同和対策事業への取り組みと申しますか、そのことにつきましては、同和地区の所在する地方公共団体の状況によりまして時期的に多少まちまちの点があったという事実はあると思います。したがいまして、ややその取り組みのおくれたところになお大きな事業が残っているということでございまして、これは先ほど御指摘のありました点でもございますし、私が申し上げました百二十地区が五十年度以降追加報告として出されているということからもうかがわれるわけでございます。  もう一つの超過負担の問題でございますが、これは毎年事業所管省の予算要求にも、超過負担の解消を目指しましての相当の要求が含まれているわけでございますし、それに対応いたしまして財政所管省も大きな配慮をいたしまして毎年改善されているというふうに考えるわけでございますが、なお今後ともこの点については一層の改善に向かって努力してまいるというように考えております。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) 同和対策事業につきましては、基本的に同対法が示しております考え方、趣旨から申しましても当然国が基本的な責任を負って事業の円滑な実施を図るということでなければならぬと私どもはかねがね考えておる次第でございます。そういう意味合いで見ますと、まず同和対策事業として実施しなければならない事業は、原則としてすべて国庫補助負担対象事業として実施をするということがこれは私どもは基本であろうと思うのであります。しかし、現実にいままでのところを見てみますとかなりな部分が単独事業という形で実施せざるを得ない状況にありましたり、また国庫補助負担対策事業でありましても、御指摘のような超過負担が相当額生じておるということでもって、関係地方公共団体としては財政運営上率直に申して大変な重圧になっておるということは否定できないと思います。  そういうふうなことから、私どもといたしましては、いま申し述べましたような基本的な考え方に立って関係各省に国庫補助負担対象範囲の拡大、補助条件の改善及び予算枠の思い切った拡大を毎年度申し入れております。漸次改善されておる部分もございますけれども、端的に申しますとまだまだ不十分な面が多いと思うのでございます。延長されました期間内におきまして思い切ってこの点についての改善を関係省庁に強く求めてまいりたいと、かように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま自治省から思い切って改正案の中でやりたいというような意向があったんですが、たとえば、皆さん御存じのことだと思うんですが、補助率、補助枠の拡大という要求は自治省からもあったと思いますが、各町村長から総理府には何回となく強く要求されてきておると思いますし、私も一遍ことしの六月ごろ、黒川さん、あなたのところにこの問題で行ったことありますよね。  で、問題は、国が責任を持つ事業であるということはもう先ほど自治省の方からも明らかにされましたけれども、それが一向に改善されない。また、この同和事業の用地、事業をやるとすればいま一番問題なのは用地なんです。ところが、国の考え方というのは、これは自治体の行政財産だと、したがって国がめんどうを見なきゃならぬ、こういうことで一歩も前進しない。さらに、こういったことだけじゃなくて運営関係ですね。たとえば同和対策事業の事務費、人件費、自治体の。こういった点についてはほとんど見てない。それから国庫補助金や起債が、通例としては年度末に出される。しかし、現実的には年度当初から事業を自治体でやらなきゃならない。その間の運転というのは自治体ではほとんど行き詰まりのような状態になっている。それから福祉関係の補助、こういった問題についても、国、県、市町村と、それぞれが出される。したがってこの問題についても一本化されてない。  こういう問題については、私は、ここで言われるまでもなく、この十年間に耳にたこのできるようにあなた自身が聞き、そして、この問題について善処しますとか、努力しますとかということを言うてきた問題ですね。こういった問題がどうしてできないのか。今度の法改正に伴って総理府の意向として入ることができなかったのか。また今後どうしようとするのか。これは明確にしてくださいよ。まあ役人答弁として適当な答弁をするのじゃなくて、あなた自身ができない理由はどこにあるのか、そこらについてひとつきちっとした答弁をお願いしたいと思うのです。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 補助単価につきましては毎年改善を見ているところでございますが、なお実情に合わないという御指摘もあるわけでございまして、この点につきましてはさらに改善を図ってまいる必要があると考えております。  それから、御指摘のございました用地の問題でございますが、これも年々対象を拡大しておりまして、たとえば厚生省関係で申し上げますと、本五十三年度におきましては、墓地移転と納骨堂の関係の用地が補助対象になっているわけでございます。来年度の要求といたしましては、火葬場の用地を補助対象にいたそうということで要求が出ているわけでございまして、この関係につきましても拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。  先生御指摘の事柄につきましては、そのすべてに対しまして各省協力いたしまして大いに努力をしてまいるという所存でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなたは、私と会ったときにははっきり言ったんじゃないですかね。言うなら、総理府としてはもう本当に窓口、受付だけです。あとは各省が決めるのです。そこにこの問題の解決できない一番大きな原因があると。そういう言い方を私はしたと思うんですが、そうですか。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 総理府は、いわゆる連絡調整の立場に立っているわけでございまして、まあ俗に窓口というふうにも申しているわけでございますが、そういう消極的な態度ということではなくて、連絡調整のその場におきながら、各省の意見の交換、同和問題に対する共通の取り組みの態度について、積極的に対応できるようにできるだけの努力をしてまいっておるところでございまして、この点につきましてはさらに努力を続けてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、今度の附帯決議もございましたように、延長になった機会に、いままであなたの方で把握しておるこういった問題については、ひとつ責任を持って要求を解決するようにやれると、こういうことについて明言できますか。

黒川弘内閣総理大臣官房同和対策室長

○政府委員(黒川弘君) 附帯決議、それから国会のいろいろの場で展開されております御議論にうかがわれるところのいろいろな御主張につきましては、よく誠意をもって検討をいたし、各省共同してその解決に当たってまいりたいというふうに考えております。積極的に取り組んでまいります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まあ大臣でないから、室長としての答弁にも限界があろうと思いますが、いずれにしてもやはり大臣自体がこの問題についていわゆる与党に反映して、自民党自体の、たとえば二年主張であるとか三年主張であるとか、こういう考え方になっておるのは、何といっても実態を知らないところに一番大きな問題があると私は思うんです。ですからそういう意味で、総理府の担当室長として、いまの決意をひとつぜひ大臣にも反映して、そうしてこれから延長後の運営については——私は運営でずいぶん改善できる点があると思います。そういった点は改善していく努力をぜひ要望しておきたいと思います。  以上でこの問題については一応打ち切ります。総理府結構です。  そこで、消防の問題について、時間ございませんから一つ二つほど長官にお聞きしたいと思うんですが、一昨日の本委員会で、林前長官の八十二、八十四国会における発言の中で、うその発言があったということについては議事録を確認の上で自治大臣が明らかにしましたですね。これは本当に国会軽視というか許せないことでございますが、とりわけ人命にかかわる事故の問題ですからね。やはり国会には正しく報告して、そしてそれに適応する措置を直ちにとっていくという態度が私は必要でないかと思うんです。  そういう意味合いからみると、あなたの報告、いわゆる説明の中で、またこれは聞き捨てならぬ問題が一昨日出てきたわけです。時間がなかったものですからこれは私は残したわけですが、たとえば、今年一月からの消防職員の事故について御報告ございました。その中で、四日市市役所の河戸さん、消防士ですか、この事故の問題について、あなたの報告を聞きますと、入院四日。カラビナが外れたのが、それをつけ忘れて、そのため落ちて入院四日と、こういう御報告がありました。恐らくここにおられた委員の先生方は、これは非常に軽いけがなんだろうと、こういう印象を受けたと思うんです。ところが、実際は、家庭療養を含めますと三十四日休んでおるわけですね。休養しておるわけです。八月の四日に出勤しておるわけです。まああなたに対する現地の署長の報告に基づくものなのか、それともあなたたちの調査が不正確なのか、いずれにしましても、こういう三十四日を入院四日という印象だけで打ち切った報告をすること自体に私は作為があると思うんです。  それから、消防庁から私の方に事件の概要のてんまつ書が出てきていますけれども、それを見ると、十センチのマットを置いてあったと。現地に行って調べてみますと——私は七月の六日に入ったんですが、現地に行って調べて見ますと、十センチのマットは確かに置いてありました。ところが、それは、私どもが調査に行くから、その日に四日市高校から借りてきて置いたというのです。それでしかもそれをはぐりますと、その下に出てきたのが事件当時のマットで、これは五センチないんですね。まあその五センチないマットをどこかへ隠しておいて、十センチのを置いておけばいいのに、あわてたものですからその上にかぶせた。はぐってみたら四センチ近いマットが出てきた。これが事件のときのもの。それがあなたの方では、十センチのマットで、したがって入院四日だという印象を連想させるような答弁が出てくる。  それから、事故の当日、この消防士がひどく衝撃を受けた一番大きな理由は何かと言えば、いわゆる競技用というために——訓練じゃないんですね、高所訓練ということならそんなことする必要ないんだけれども、競技会出場用ということで、自分の体重が五十五、六キロだったものだから、不足するということで、自分の体にわざわざ四キロのおもりをくくりつけた。それと一緒に加速的に七メートルから墜落したわけですね。こういった実態が報告されてない。これは故意に報告しなかったんですか、どうなんですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 一昨日、先生の御質問によりまして、本年発生いたしました事故について九件の事例を申し上げたわけでございますが、これらの事例につきましては、現地の消防本部から私どもの方へ報告のあったのをそのまま申し上げたわけでございまして、その裏づけ調査というようなことは私どもやっておりません。したがいまして四日市の関係につきましても、まあ十センチのマットがあり、それに落ちたために、それがクッションとなりまして四日間で済んだのかなというような理解を私どもしたわけでございまして、現地の報告では、四日間入院しその後一週間の休養を与えたという報告になっております。事実は至急照会いたしますけれども、四日市の件につきましては先生御みずからおいでになってお調べになったことでございますので、恐らくそのとおりかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 マットはどうなんですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 私の手元にありますものでは、向こうの報告では十センチと書いてございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 おもりは。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) おもりの件につきましては、報告は私は聞いておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは長官、この問題はもう今度私が一昨日初めてやったわけじゃないんですよね。いわゆる消防職員の問題については、特にこのレンジャー訓練に伴う事故というのは大変各地で頻発しておる。しかも、それが津の警察署長が言うように、何か警察が訓練するために柔剣道をやるときに若干けがするぐらいを一々云々というような暴言を吐いていますけれども、そんなものではなくて、十七メーターとか、七メーターという高所から墜落するという事故で、もう何人も死んでおるわけでしょう。こういった問題に対して、あなた自身、事件が起こったという連絡があったときに、いま聞いてみると報告がそうあったから報告したということで、そういうことで済まされるんですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) まあこちらの手落ちということかもしれませんけれども、大分の事件あるいは熊本の事件みたいに死亡というようなことであれば、これは重大なことだと思います。ただ、四日市の問題につきましては、ただいま私が申し上げましたように、こういうような、私もこれは軽傷であったのだなという印象を受けておったわけでございます。いろいろその背景、この報告の事実と違ったような点もあるようでございますので、至急調べさせていただきたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 まああなたのところは、死亡事故の宮崎の問題でも前長官はうその報告をこの国会で堂々とやってのけると、こういうことですから、そういう無神経さがあるのかしらないけれども、それじゃ済まされませんよ。それなら、あなたが一昨日報告した一連の報告というのはあれですか、全部事実調査をやってなくて、うその報告もあるのかもしれぬという内容ですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 事実調査はいたしておりませんけれども、うその報告を地方団体がするとは、実は私ども思っておらないわけでございまして、それを信用いたしまして、こういうような報告があったということを本委員会に報告申し上げたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、津と松阪の事故についてはいつ報告受けましたか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 松阪の場合、七月の十四日に文書で報告をいただいております。津の方も恐らくそのころであろうと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうでしょう。この事件は二月と三月ですね。なぜこれが報告になったかわかりますか。これはこの四日市事件が起こって、それと関連して地元新聞に暴露されてあわてて報告したんでしょう。そうじゃないですか。もしそれが暴露されなければ、津も松阪もあなたのところには入ってこないでしょう。そうじやないですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 一昨日も申し上げましたように、私ども、消防関係の死傷者者等の事故につきまして、定期的な報告は年一回取っておるわけでございまして、それ以外は、向こうから通常の場合には報告がございません。自主的に、恐らく先生のおっしゃったような背景もあったのかしれませんけれども、それぞれの団体からこの件については報告があったわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 津の場合は三カ月の重傷ですよ、あなたが報告したとおりに、だから、いずれにしても安全対策というのが消防庁も、これは八十二、八十四国会を通じて、おとといときょうの中にも見られるように、でたらめなんだな。本当にあなたたちは消防士の事故について、何とか防がなきゃならぬという真剣な気持ちがあるんですか。まるで見られぬじゃないですか、そんなことでは。そんなあなたふざけたことがありますか。そうだろう。  たとえば安全委員会の問題にしても、労働省の見解が明らかになったように、安全委員会の設置を義務づけられておる事業主体、その平均の事故率から見ると、消防士の事故率の数字は約二倍と言っています。こういう数字が出されて、しかも、安全委員会の設置事業所の指定すらもあなたの方はやってないんでしょう。これは労働省が言うのじゃなくて、あなたの力から見て——労働省の方は、消防関係の監督権がないから消防庁に聞く以外ありませんと、こう言っているわけです。消防庁はこの事故率は知っておるわけでしょう。だったらどうしてあなたたち、法に基づく、労働安全衛生法に基づくところの事業所の指定に入れてもらうように政令改正をやって、そうして安全対策に乗り出すという姿勢にならぬのですか。いまここに報告しているのを聞きますと、衛生委員会など実態を見ると、わずかに八・八%じゃないですか、市区の場合。恐らく広域消防についてはゼロじゃないですか、どうですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 安全委員会につきましては、この前も申し上げましたように、法律で義務づけられておるのは東京消防庁ということで、これは安全委員会及び安全管理者を設置しておるわけでございます。  それからなお、労働省の申します。民間に比べて事故率が多いということでございますが、事実事故率は民間の倍あるわけでございますけれども、これは消防の職務が火災及び災害に対しまして身を挺してできるだけ被害を最小限に持っていくというような職務がございますので、むしろ実態から申しますならば、私どもは、犯罪に対して身を挺して守るという警察職員といったようなものに類似するのではないかというような感じを持っておりますが、御承知のように、警察などに比べますれば、相当事故率は低いわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、相当の事故があることは事実でございますので、こういったものについて安全管理者あるいは安全委員会を設けるかどうかという問題は、労働省の方と今後打ち合わせるべきことではないかというふうに思っております。  それから、衛生委員会の設置率が八%ということでございます。これは自治省の公務員部で集計した数字でございまして、私どもの方も別途現在集めておりますけれども、まだその集計はできておりませんが、恐らく数字としては低い数字だと思います。ただ、これは御承知のように、これまで衛生委員会をあるいは衛生管理者を設置しなければならないところが職員数百名以上ということでございましたのが、ことしの一月から五十名というふうに下げられたわけでございます。したがって、まだその対応ができていないという団体が多いと思います。特に消防の場合には、事業所ごとに計算いたしますので、百名から五十名の間の署というのは私は相当あるんじゃないか。したがって、こういう低いような数字になっているんじゃないかという感じがいたします。衛生委員会につきましては、これ消防だけを別扱いという問題じゃございませんので、地方公務員全体の問題として、消防だけ置かないというようなことがあり得るはずがございませんので、いずれにいたしましてもこの一月一日以降の法改正によりましてこういった低い数字が結果的にあらわれてきたんだと思いますが、ただ置いてないところが相当あることは事実で、違法事態になっているわけでございますので、地方公務員全体の問題といたしまして、自治省公務員部の方と連携しまして今後衛生委員会、衛生管理者を置くように指導してまいりたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あのね、消防庁、いまあなたがおっしゃったように、ことしの一月から法改正になったから云々という言い方しますが、たとえば四日市の場合など、この安全の問題で、いわゆる署長を含めて職員懇談会ですね、その中で再三にわたって安全対策の問題を議論しておる、そうして署長に要望しておる。ところが署長は、いまあなたがちらっと言ったように、消防はもともと危険な職場だと、それがあたりまえだというような態度。まあ私も不安に思う、私も不安に思うけれどもしょうがないと、こういう言い方で終始しておるわけだな。その結果今日のような事件が起こってきた。  しかも、この訓練の指導員というのは、資格はこれはあるのですか。安全衛生に対する資格はないんでしょう。何も持ってない人が訓練指導員をやっている。そういう実態。もちろん三重の場合——あの四日市の場合には安全委員会もなければ、衛生委員会もなければ安全に関する基準もないのです。こういうところでやられておるという現実は、私は前の国会のときにも明らかにしたんだけれども、そのときの林長官の言い方は、そんなことはあるはずがないと、これだけの危険な作業やるんだから、訓練やるんだから、当然何らかの安全基準があるはずだと。どこにあるんだと、こう突っ込むと、いやそれは調べておりませんと。その姿勢が一貫してこういう事故を招いておると思うんです。  問題は、消防職員の場合に、確かに火事の中に飛び込んだり、水の中に飛び込んだり、危険な作業には間違いない。しかし、いま起こっている事故は何かと言えば、私が問題にしておるのは、現場に行ってけがをしたんじゃなくて、訓練のために起こった事故なんですよ。それが三分の一あるわけです。労働省は、この安全衛生法の八条ですね、政令の。いわゆる事故率の高い職場を指定していますね。その全国的な平均から見ると、消防の実態は約二倍だと、こう言っている。これは中身の検討をいろいろしなきゃならぬと思うんだけれども、当然これは消防庁の方から、労働基準法適用しておるわけだから、消防署をこの八条の適用の事業場にしてくれと、これはあなたの方から労働省に持ちかけて話をすべきなんです。そうして、安全管理者も置かなきゃならぬ。安全委員会を設置して万全に、——火事の現場に行った場合に、瞬時に不測の事態が起こることはある程度やむを得ない部分はあるかもしれぬ。しかし少なくとも訓練の段階では万全を期すと、この姿勢が一貫してなきゃならぬと私は思うんですよ。そうじやないですか。そういう観点から見ると、あなたの態度というのはきわめて私は遺憾だと思うんですね。どうですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 訓練に当たっていろいろ事故があると、安全を期するということはもう先生の御指摘のとおりでございます。私どもこの問題につきましては、本年の六月二十八日付をもちまして、昨年に引き続き再度強く、消防訓練時における事故防止について通達いたしまして、関係者の注意を喚起したところでございますが、さらに、御承知のように、この九月十四日には救助操法の基準を定めたところでございまして、これにのっとりまして、一層訓練についての安全を地方団体に呼びかけていきたいと思っております。  それから、労安法の安全管理者あるいは安全委員会の件でございますが、先ほども申しましたように、警察、消防というような関係を事業所というふうに呼んでやるのかやらないのかと、これはまあ一つの政策判断も加わりましょうと思いますし、実は私はこれは労働省を含めての政府全体の問題だと思いますので、労働省ともいろいろ打ち合わせていきたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、いわゆる安全委員会の設置の第八条事業所ですね、これについては労働省と早急に相談をして指定事業場にしてもらうと、こういったことに伴う法令改正について労働省、関係省庁との話を進めていくという確認をしていいんですね。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 先ほど来申しておりますように、労安法の対象というものが、警察、消防というふうな、こういうものを含めるべき性格のものであるかどうかということを含めて、労働省と相談してまいりたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか。労働基準法適用職場であることは間違いないんでしょう。だったら当然じゃないですか。監督権の問題は別にしまして。当然のことじゃないんですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 労安法の規定が、地方公務員でございますので適用になるということは当然でございます。ただ、安全委員会あるいは安全管理者を置くべき事業所というふうにするのがいいのかどうかという点については、これはそのことも含めて労働省と相談させていただきたいと申しておるわけであります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 おかしいじゃないか。おとといは自治大臣が、法律上の事業所に指定するということについて、労働省の見解を聞いた後で、これは早速労働省と相談させていただきますと。しかし、仮にいわゆる八条の事業場の問題がなくとも、安全委員会をつくるところはつくり、万全を期していかなきゃならぬと、こういうことを自治大臣が一昨日明言したじゃないですか。あなたは責任の長官として、私はむしろ言いたいのは、これだけ高い事故率が出ておるという現状の原因というのはわかっておるはずなんです。わかっておる以上、あなたの方から進んでしなきゃならぬじゃないかと言っておるんだ、私は。どうですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 現在の労安法の考え方に基づきますと、事業所として、たとえば消防におきましては車両整備工場といったようなものが指定されるわけでございます。それにつきましては法律に規定ございませんけれども、現実問題といたしまして、人数が規定以下のところでも置いておるわけでございまして、必要に応じてそういったものは置くのが適当であろうと思います。  ただ、消防署というもの、あるいは警察署というもの、これを労安法の中で管理者あるいは委員会を必置義務を課することがどうかという問題もあると思いますので、そういうことを含めて労働省と検討させていただくと申しておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 だれが警察署なんて言ってるんだ。何であなた一緒にするんだ。消防署のことを言っておるんだよ。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 先ほど来申しておりますように、消防職員に事故率が多いというのは、やっぱり消防の職員の職務の性質による点が非常に多いんじゃないかという感じがいたします。したがって、労安法で言っておる一般の危険性が多い事業所というもの、その中には現在のところ消防、警察といったようなものは入っておらないわけですが、消防の職務からいきまして、事故率が多いのは私はむしろ警察における事故率といったようなもの、それも検討の対象になるんじゃないかというような感じがいたしますので、そういったことも含めて労働省と打ち合わせさせていただきたいと申しておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この問題について労働省とは話し合うということだから、その結果でまた問題の追及を保留しておきたいと思いますが、しかし、いずれにしても警察と一緒だという考え方だけは間違いですよ。警察と一緒にするという考え方だけは、ひとつ直さなきゃならぬと思うんです。それはいいですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 警察と同じと申しておるわけじゃございませんで、消防側の火事及び災害に対しまして、体を挺してそれを防ぐ義務を持っておると。同じように警察の場合、犯罪に対して体を張ってそれを防ぐというようなことでございますので、事故率を単に民間の事故率との比較だけではなくて、やはりそういう面におきましては警察も類似しているんじゃないかということで申し上げただけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは、体を挺してやっておるのは、何も警察や消防だけじゃない。たとえばパイロットもそうでしょうし、民間の場合だってたくさんありますよ。そんな理屈は理屈にならぬですよ。一般公務員だって、たとえば災害の起こったときに身を挺してやっていくわけです。そうだろう。事業所にしたってそんな事業所はたくさんございますよ。そんな言い方はあなたしちゃいかぬですよ。  問題は、自分の所管する消防署の中で、しかもそれは労働基準法の適用職員で、当然労安法の適用職員になっておる。しかもその労安法の中で、特に事故率の高いところについては安全委員会を置かなきゃならぬと義務づけられておる。それが八条でしょう、政令の。その平均と対比をしてみると——これはここで労働省が答弁したんですから、厳密な計算じゃないかもしれませんよ、しかし、数字を見ただけで、労働省の見解としては約二倍ですよ。それなら当然、これはあなたの方が進んで法の適用を受けて対象事業場に指定して、安全対策に乗り出すべきじゃないんですか。どうですか。次官、あなたどうですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 繰り返して申しておりますように、そういったことも含めまして労働省と十分相談させていただきます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 次官、どうですか。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○政府委員(染谷誠君) いま長官の発言したように、十分検討していきたいと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それで、いま次官並びに長官の方から、第八条の適用の問題については、これを労働省初め関係省庁と話をして早急に適用事業場に指定する措置をとるという検討をするということでございますから、一応この問題は残して、次にいきます。  問題が起こっておる一番大きな原因を見ると、四日市の場合でもそうですか、どこの場合でも、いわゆる訓練用というけれども、レンジャー大会ですね、全国の。その大会目指しての措置が共通しておるわけですね、各県の。たとえば四日市の場合を見ると、こういうふうにマル秘で、消防庁が出している文書、五十三年五月十三日、消防庁から、消防技術大会出場隊員の推薦についてという依頼を出している。そうして、七月の十一日に三重県の大会をやる、二十日に東海の大会やる、それをもって全国大会に出ると。この全国大会はだれがやりよるかといえば、消防協会ですよね。笹川良一さんの消防協会がやっておるわけです。民間団体が。そのために、各消防署から一名か二名ずつこう引き抜いて、訓練部隊をつくって、そうして特訓をやるわけです。三ヵ月なら二ヵ月。四日市の場合を見ると、期間が六月一日から七月二十日まで。その特訓をやる過程で事故が続出しているわけです。  しかも、あなたが一昨日報告した内容を見ると、いわゆる重傷事故というのはほとんど高所救命の競技ですね。それにもうほとんど集中していますね、重傷事故は。ところが、これはどういう内容かと言えば、たとえばビルで火災が起こっておる、そこで人が助けてくれというので救助に行くというわけでしょう。これは、はしごで行けばね、いまもうはしご車もいろいろありますね、登はん用もあります。ところが、これは発射銃撃って、綱を七メートル高所に撃って、そうして、そこで綱を固定して、カラビナでこうはめて、ワイヤーでおろすという作業ですね。ところが、もう救助者はいま言うように火事で動転しておるわけですね、助かりたい一心で。そこにロープを撃ち上げてそのロープを固定するなんということの芸ができるのかという疑問がある。そのロープはナイロンロープだからね、これは火事で焼けてしまう。まさにこれ実用価値のない訓練ですね。その実用価値のない訓練で事故が続出しておる。しかもそれが民間団体の競技大会用で、時間を争うということで、何分以内、何秒でやったのが一位とか優勝とか。そのために六十キロなければならぬから、五十六キロの人の場合にはわざわざ四キロのおもりを体につける。こんなばかげたことがやられておるわけだ。その結果事故が続出して、あなたが報告しただけでも約六件ほどね。皆高所訓練じゃないですか。重傷事故というのは全部高所訓練ですよ。  これは、私は、確かに民間がやるかもしれぬ。しかし、こういう訓練に対して、基本的に消防庁、いわゆる人命を守るという意味も含めて、安全を含めて、出場すべきじゃないし拒否すべきだと思うと同時に、こういう実際に役立たぬ訓練というものをやっても意味ないと思うんです。いかがですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 実戦に役立てるために訓練の必要なことは先生も御理解願えると思います。ただ、これが時間だけを競うというような競争になっては私もいけないと思っております。問題は、火事でございますので、時間を急ぐということはあたりまえのことでございますけれども、それと同時に、より重要なのは確実性ということであろうと思います。現在のレンジャー大会と称せられる競技におきまして行っております種目が、そういう点において十分なものであるのかどうか、本当に必要なものであるのかどうかという点については、私、御承知のように素人でわかりませんけれども、そういう時間だけを急ぐ、あるいは競技のための競技というようなことになってはいけないという感じを持っておりますので、これを主催しておりますのは御承知のように民間団体でございまして、私どもがこれをどうこうするという問題ではございませんけれども、この会長は御承知のように東京消防庁の消防総監でございます。明年度以降のこういったレンジャー訓練の競技種目のそういったものにつきましてはいろいろ事情も聞いてみたいと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 もう時間もありませんが、こういうたとえば実戦のための訓練ということなら消防庁独自でやればいいじゃないですか。そうして、やっぱりレンジャーとして必要だというのなら、それは消防庁が独自でやって、時間を競うんじゃなくて、できるだけ安全を基本にしながら技をみがいていくということは私はあってもいいと思うんですよ。しかし、これは民間団体がやるということも一つ問題があるけれども、競技会になればどうしたってそれは、安全度というけれども時間が単位になるんですよ、現実に。だから、全国大会の優勝者のあれを見てみなさいよ。何秒何秒と、こう言っているじゃないですか、秒の速いのが入賞しているじゃないですか。そんなことを何ぼ言ったってどうにもならぬでしょうが。だからいまあなたは意見を聞いてみると言うけれども、これはやっぱり、必要なら消防庁自体でやりなさいよ。検討できますか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) こういう消防訓練は、私は、競技会というようなものでも時間だけということではないと思います。御承知かもしれませんが、数日前にこれはポンプ操法の大会を開きまして、従来瞬間本位に非常に偏っておったという反省もございまして、つまり一定瞬間以内にやった場合には加点方式をとっておったそうでございますけれども、そういったのを改めて、正確さという点に今度は重点を置いた。したがって優勝順位等がいろいろ変わったというような話も聞いております。やはりこれは、訓練の種目のとり方あるいは採点方法、そういったものが非常に影響すると思いますので、無用な事故が起きるということは避けるような形でできないものであるかどうか、いろいろその面も検討させていただきたいと思います。  それからなお、こういうような大会がございまして賞を出すということはやはり一つの励みになるということも事実だろうと思いますので、そのこと自体が悪いという考えは、私は持っておらないわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 もう時間がありませんから、私はこの問題はひとつ強く言っておきますが、宮崎の事件にしても熊本の事件にしても、各地で起こっておる、あなたが報告したことしの一月からの事件にしても、全部、言うなら高所訓練である。そこから出来ておる。しかも内容を見ると、ほとんどレンジャー大会のための訓練中にやっておる、いわゆる正規の消防訓練として事故を起こしておるのじゃない。レンジャー大会用という、わずか一、二ヵ月の間に集中的にやるという中でやられてきておる。これだけの現実が出ておるのにかかわらず、あなたは、いわゆる種目の中について、競争だけでなくて、時間だけでなくて正確度が云々と言うけれども、あなた自身がその中に入ってきちっと決める権能というものはないんでしょう。そういうところでするよりも、むしろ労働安全衛生法の適用とあわせて、こういった措置については消防庁自体でやる、競技大会については今後は高所訓練を含めて検討する、こういった立場をひとつ明確にしてもらって、そうしてそういう措置をとってもらいたいということを強く私は要求しておきます。  同時にまた、事故が起こった現状の中で明らかになったように、これはあなたの姿勢ともかかわると思うんですが、少なくとも事故が起こったということについての報告を受けると同時に、それに対して正確に調査して原因を突きとめて正していくという、一片の通達でごまかすんじゃなくて、こういった一貫した姿勢をきちっとしてもらいたいと思うんです。そして、そういった事態について、これからも委員会の中で私は追及してまいりますけれども、そこいらについてあなたの見解があればお聞きして、同時にまた、次官も来ておるから見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 消防は市町村本来の事務でございますので、訓練につきましてもこれは市町村が絶えず行わなければならないということで、それの所要財源というのは地方交付税等によりまして財源措置がなされておるわけでございます。それに加えて、こういった大会というようなことが励みとして民間団体によって行われておるわけでございまして、先ほど御指摘ございましたように、民間団体が行うことでございますので、私から指揮するという立場にはございませんけれども、ただいまも申しましたように、民間団体と申しましても東京の消防総監が会長をやっておる団体でございますし、改善すべき点があるならばいろいろざっくばらんに話し合ってみたいと思います。  なお、消防訓練中におけるところの事故が続発しておるということは先生御指摘のとおりでございまして、こういうことがないように、私どもあらゆる機会をとらえまして、いろいろな手段で事故防止に努力してまいりたいと思います。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○政府委員(染谷誠君) 安全対策の問題につきましては、万全を期してまいりたい、このように思っております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 では、引き続き消防庁関係の質問になろうかと思いますが、私は、これまで身体障害者など、特に肉体的、精神的ハンディキャップを持った人たちの公共物あるいは準公共建築物に対するいろいろなアクセスの問題を中心として、幾つか質問をしてきたところでございますが、消防庁の統計によりますと、五十二年に火災で死亡した人は千九百九人、これは前年に比べて一五・八%の増、戦後最高の数字と、こういうことでございます。中でも、死に至った経過を見ますと、逃げおくれが八百三十二人ということになるわけでございまして、大変レンジャー訓練などをやっている割りには非常に逃げおくれが多いという、まあそのこととは別だと思いますが、そのうち病気とかあるいは身体的に不自由な人たちというのが二百四十四人含まれておりまして、幼児が百二十三人、こういう数字が出ております。全体的に見ますと、身体的弱者が火災の犠牲になっている傾向というのがきわめてはっきりと出ているわけなんですけれども、こうした身体的弱者を守る、いわゆる福祉的消防対策と申しますか、その辺のことをまず消防庁に伺いたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 先生御指摘のとおり、昭和五十二年におきましては千九百九人の犠牲者を出しておるわけでございまして、戦後最高でございます。その中でも、御指摘のように老人の方々あるいは病気の方々、身体障害者の方々、それから幼児、そういったもののウェートが高まっておることも事実でございます。こういう火災、災害、そういったものに対しまして、まあ何と申しますか、一番抵抗力の弱いこういった方々の安全を図るということは最も大事なことでございます。結局においては、やはり周りの者がそういう認識を持って、そういう方々の身の安全を図るためあらゆる機会を通じまして努力するということが必要だろうと思います。  私ども、御承知のように、春秋二回にわたりまして防火運動を展開しておるわけでございますが、特に本年度の秋の火災予防運動につきましては、実施要領の目玉といたしまして、そういう幼児、老人、身体障害者等、恵まれない方々、社会的弱者に対する安全を確保するということをうたい込んでおるわけでございまして、九月一日付をもちまして、私の名前で各都道府県知事に指令を発したところでございます。その中で、具体的には「幼児・老人・身体不自由者等の焼死防止対策の強化」といたしまして四項目挙げておるわけでございます。「防災物品の普及推進」、「簡易型火災警報器の普及推進」、「確実な避難手段の確保」、「家族ぐるみの寝たばこの防止」と、この四項目を掲げまして、今後こういった恵まれない方々の安全を図るためのキャンペーンを展開していきたいと思っております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 そのキャンペーンの内容の中におきまして、やっぱり特にこういう点を考えていかなければならないという消防庁の意見みたいなものがあるわけですか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) ただいま申し上げました四項目につきまして、それぞれ具体化を、各消防署を中心として地域の方々が展開されるわけでございますが、私ども基本的には、やはりこういう人に対して地域ぐるみで保護するという体制というのが必要であろうというふうに感じております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 本当に地域の人たちの理解がなくしてはこういうことはできないと思うわけですけれども、昨年の特筆すべき火災としては消防庁が挙げた六例のうち、二つの例というのが病院火災。二月六日の札幌の火災では、新生児三人を含む四人が死亡しておりますし、五月十三日の山口県岩国市の病院火災では七人の死者が出ているわけですけれども、病院に限らず身体的弱者を多数収容する施設というものは、一たび火災などになりますとこれは一たまりもないわけでありまして、そういう緊急事態が発生しますと大きな犠牲を生むということは、これはもう大変な問題だと思うんです。  ますますビルが高層化していきます。にもかかわらず、後ほどこれは建設省にも伺いますが、建築基準法とか消防法などには出入口の問題というのが全然取り上げられていない。そういうような面から、後ほどその辺は伺いたいと思うんですけれども、避難の面から万全岳期しているというような建築物は非常に少ないんじゃないだろうかというような気がするわけですが、施設設備面あるいは人的な側面、それぞれにつきまして、たとえば高層ビルはこうあるべき、公共物はこうあるべき、準公共物はこうあるべき、学校なんかはこうあるべきというようなものが消防庁の意見としてございましたら伺いたいと思うんです。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) それぞれの建物の種類によりましていろいろな措置を講じておるわけでございますが、先生が御指摘になります病院あるいは社会福祉施設、そういったものにつきましては、やはり社会的弱者の方々がそこに入っておられるわけでございますので、一たん火災が起きたら大変な事故になる。先ほど御指摘になりましたように、五十二年中に起きた主だった事故の事例の中で、半数近くが病院というようなことでございますので、具体的に病院について申し上げますと、まず収容人員三十人——収容人員というのは、これは病床とそれから従業員の方も含めてでございますが、三十名以上の病院それから社会福祉施設、そういったものにつきましては、防火管理者というものを法律によって設置を義務づけております。その防火管理者が消防計画というのをそれぞれつくりまして、一たん火災が起きた場合にはどういう措置を講ずるかということを具体的にその計画の中に規定いたします。それによりまして年に二回訓練することを義務づけておるわけでございます。収容人員三十人以上ということですから、ほとんどの社会福祉施設は私はこれに該当すると思いますが、ただ、先ほど挙げられました事例の中でも、これを確実に守っておらないというために起きた事例もあの中には含まっております。まことに残念なことでございますけれども。私ども、この法に定めるところの防火管理者の設定、消防計画の作成及びそれに基づく実施ということを今後より確実に行うように、各関係地方団体により周知徹底さしていきたいというふうに考えております。  それからもう一点、設備面でございますけれども、四十九年の法改正によりまして、病院とかこういう社会福祉施設につきましては、強化されました消防基準をさかのぼって適用するということにいたしました。その期限が来年の三月三十一日ということになっております。現在私ども総力を挙げまして期限までにその基準を達成するように改造せよということで督励しておるわけでございますが、現在のところまだ、ものによって違いますけれども、七、八〇%程度かと思いますが、明年の期限までには一〇〇%完遂するように何とか努力したいということでございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 病院を出れば当然社会へ出るわけであります。施設からまた社会に出ていく。身障者が社会に出る機会というのが大変昨今広まってきまして、今後あらゆる分野に進出して一般の人たちと区別なく人間として一般社会の中で社会生活を営む方向に進むだろうと思うわけなんですが、そうしたときに、火災あるいは震災等の場合の脱出避難に関して、特に規模の大きな公共性の高い建築物につきまして、ハンディキャップを持った人々に対する配慮がどのようになされているかということも、これは私たちのたとえばスロープをつけてほしいとか、あるいはエレベーターをつけてほしいとかというような運動はさておきまして、やはり消防庁でも、そこにもし車いすの人が入ったら、目の不自由な人たちが入ったら、松葉づえの人たちが入ったら、お年寄りが入ったら、どういうふうな経路が一番避難するのに手っ取り早いであろうか、あのらせん式の階段は当然無理なわけでありますから。そうした場合に、たとえば公共物なら公共物で、一階は必ずスロープがあるようにしなければならないというような、消防庁のある程度の指導というものを私はほしいような気がするんですが、またその辺も消防庁は掌握してしかるべきではないかというように思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 病院診療所あるいは社会福祉施設につきまして、どの程度の消防力を置かなければならないかという消防力の基準につきましては、御承知かもしれませんが非常に詳細に規定しておるわけでございます。病院等につきましては、何階以上の場合にはこういった滑りおりる施設を設けろというようなことも当然含まっておるわけでございますが、そういった新しい基準を来年の三月末までに設置しろということで現在指導しておるということを先ほど申し上げたわけでございます。  それからもう一点は、これも先ほど申し上げたことに関連するわけでございますけれども、それぞれの病院ごとに消防計画というのをつくらせているわけでございまして、その中には病院の種類によりましていろんな方々が入っているわけで、そういう人たちをどのようにして避難させるかということが具体的に計画の中に書き込まれておるわけでございます。年に二回の訓練というのを義務づけている。ただ先ほど申しましたように、それが守られていない点がある、それが残念だということでございまして、守られるように今後より一層関係機関を督励してまいりたいと思うわけでございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 病院とか社会福祉施設じゃないんです。つまり、それは学校であり、区役所であり、市役所であり、あるいは博物館であり、劇場でありということをぼくは言いたいわけです。その辺もやはり消防庁である程度掌握すべき必要があるだろうと、こう思っていま質問したわけです。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 例として病院であるとか社会福祉施設を申し上げましたけれども、人の集まるようなところはすべてそれぞれの区分に応じて消防基準というのを設定してございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 まあこの辺につきましてはどういう配慮がされているかということになりますと、御承知のように、身体障害者にとっては公共物、準公共物は非常に危険である。そうした火災、震災などに際してとにかく逃げられないということが現実の問題なわけです。参議院はおかげさまでようやく、たとえば階段昇降機が議員会館の入り口にできた、あるいは本会議場に入るところにも階段昇降機ができた。もう昨今非常に車いすの人たちが多く来ている。しかし、それを今度衆議院でも一緒に、そのように身障者がいっぱい衆議院にも来るんだからとお願いすれば、衆議院はいま車いすに対する受け入れの時期ではないと、身障者に対することを考える必要はないんだというような、この国会議事堂の事務局ですらそういう感覚なわけですね。その辺におきましても、ぼくはやっぱり公共物、準公共物に対する、いわゆる人命を守るという意味におきましても、厳しく消防庁でも指導していただきたいと思うんです。  この辺は建築基準法あるいは消防法に絡んだ、相互にかかわりある問題なんで、この辺を含めまして、私たちが常々申し上げております。建築基準法の中に、今後つくられる公共物、準公共物に対してはすでに十八ヵ国が建築基準法というものの中に、すべての人たちが川入りできるように、公共物、準公共物は設計、施工されなければならないという一項を設けているわけですから、実は日本もようやくその意見聴取というような形のことが動きとして出ているわけですけれども、まあ建設省にもあわせてその辺の指導、火災、震災等に対しての、今後の公共物、準公共物に対する、障害者に対する配慮というものについての見解を伺いたいと思うんです。

松谷蒼一郎建設省住宅局建築指導課長

○説明員(松谷蒼一郎君) お答え申し上げます。  地震時の問題につきましては、建築基準法の規定によりますと、通常の関東大震災ぐらいの程度の地震であれば一応安全であるということになっております。したがいまして、特に地震に伴う火災の発生がない限りは、私どもとしては安全であろうというように考えております。  ただ、地震に伴いまして火災が発生をいたしますと、大規模な公共性の高い建築物に対しては危険でございますので、これにつきましては建築基準法あるいは消防法によりまして、特に避難の問題を含めまして厳しい基準が課せられております。たとえば火災が発生いたしました場合に、消防法によるスプリンクラー設備等の設置でありますとか、あるいは建築基準法では火災を局部に限定することを目的といたしまして、内装制限あるいは防火区画、排煙設備等の設置の規定を設けております。  ただ、こうした対策がございますが、そうした対策があるにもかかわらず身体障害者の方が火災に遭遇した場合には、やはりまずは付近の方が助け合っていくということ、それからさらには消防法に基づきます消防計画が定められているわけでございますので、従業員等の適切な避難誘導等が期待できるのではないかというように考えております。なお、万が一建築物内に取り残された場合でありましても、建物の外部から公共の消防隊による救出を行えるよう非常用の進入口を設けるようにしております。  なお、火災という非常事態におきまして、自力で避難が期待できない人々の安全に対する事柄というのは大変重要な事柄でありますし、今後さらに種々検討をする必要があるのではないかというように考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 ですからいまお答えの中で、非常に現段階では安全であるということでありますけれども、これはやはり健康な人にとっては大変安全であると私は思うんです。ただそこで、あの建築基準法の中でも出入り口に関してはどうしたらいいかというようなことは、これも触れられていない部分が多いわけですね。たとえば、まあ出入り口をなるべくスロープにしていただければ、これはもうお年寄りも車いすの人もあるいは目の不自由な人も、あらゆる人たちが便利を享受するのに、たとえばいざそういうときに階段だと転げ落ちてしまう。あるいは、周りの人に幾ら助け合っていく精神を啓蒙したって、それはやっぱりこういう緊急時に一番犠牲をこうむるのは体にハンディキャップを持っている人であるということは、これはもう大体五十二年度の火災死亡のその犠牲者の数を見ても、そのパーセンテージを見ても明らかなわけでありますので、そうした点ではやはり今後も建築基準法の中に、公共物、準公共物、大ぜいの人たちが入るところは、これはもう健康な人たちばかりじゃないわけでありますので、そうした中にやはり身体障害者が出入りすることは今後ますます盛んになるわけですから、そうした面でのスロープ化とか、あるいはまたそうした面での建築基準法の一部を改正するような、そういうお気持ちというものは建設省にはないんですかね。

松谷蒼一郎建設省住宅局建築指導課長

○説明員(松谷蒼一郎君) ただいまの御質問の件につきましては、建設省は中央心身障害者対策協議会の第三プロジェクトチームにおきまして、法制化の必要の有無を含めまして種々検討中でございますが、その中で避難脱出の面を含めて検討をした方がいいのかどうかということは、基本的な問題がある程度片づきまして後に技術的な具体的な問題についての検討が行われると思いますので、その点で検討をしていきたいというように思っております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 それが、あした初めて会合が持たれるというようなことをちらっと漏れ伺っておりますけれども、まあいろんな面でとにかく公共物、準公共物に今後心身障害者たちがたくさん出入りするようになるんだし、またそれが一つの自立あるいは生きがいという場を求める、社会性をより広めていく一つの問題であるにもかかわらず、なかなか公共物、準公共物には出入りできないというような大変な大きな問題を抱えているわけでありますので、今後もひとつ全面的に前進して解決を心からお願いしたいと思うわけです。  この項目からはちょっと離れますけれども、先般の予算委員会でも下村委員が、来年度からいわゆる有料道路の身体障害者の逆転する単に対する減免対策というのを打ち出して、ほぼ来年実施というような明るい見通しが出ているわけでありますが、その辺につきましてもう一度詳しく御説明をいただきたいと思います。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○説明員(沓掛哲男君) 身体障害者の有料道路通行料金に対する優遇措置につきましては、歩行機能が失われているため、自動車をみずからの足がわりとして運転せざるを得ない身体障害者が、有料道路を日常的に通行する場合において、この身体障害者の社会的、経済的、自立を阻むことのないようにすることを趣旨としておるものでございます。  この措置の円滑な実施のため、省内に有料道路の事業主体も含めた身体障害者の有料道路通行料金に関する検討会を設けまして検討を進めているところでございます。現在の検討会の中心課題はこのための具体的な実施方法でございますが、有料道路の事業主体も多く、それぞれの料金徴収方法も異なっていることや、この措置の円滑な実施のためには、身体障害者の利便はもちろんでございますが、料金徴収貝のこととかあるいはその他の利用者にも配意する必要がありまして、これらの総合的調整を検討会で現在鋭意進めているところでございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 鋭意進めているその状況というのはどんなぐあいですか。たとえばこういうぐあいになるんだというようなある程度の見通し的なものは出ているわけですか。もう実際されるということは間違いないわけでしょう。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○説明員(沓掛哲男君) これは、優遇措置は実施する方針で検討会を設けて検討しておるわけでございまして、現在までにいろいろな課題を検討してまいりました。たとえば割引率をどういうふうにするとかあるいは対象者をどういうふうにするとかいろいろあるわけでございますが、現在実施方法を中心課題として検討しております。  この実施方法には、いま申しましたように、有料道路の事業主体というのはたくさんございますし、それぞれがまた別々の料金徴収方法を行っているなど、固有のいろいろな問題がございます。こういう人たちを検討会に呼びまして、入れて、いろいろ総合調整を図っておるわけでございます。いろんな仮定の場合がたくさんございまして、ここでそれを一々申し上げるほど全部が熟しておりません。これらは相互に非常に関係がございまして、仮にこの方法をとるとすればこういう問題がいろいろ出てくるとか、仮にこういうふうにするとこういう一長一短があるとか、そういうものでございまして、私たちは基本的には身体障害者がこれを円滑に利用できるということを第一義的の目的としていろいろ検討しているんですが、円滑にやるためには、どうしてもやはりゲートにいるところの徴収員のことも考えられなければならぬし、またその他の利用者のことも考えないと円滑にできませんので、そういうものを総合的に考えながら、この趣旨であります身体障害者が円滑に有料道路を優遇措置を受けながら利用していけることを検討しておる次第でございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 いままで高速道路も利用したかったんだけれども、どうも高速道路は利用できなくてね、どうも高くてだめなんでねというような人たちが、今度割引になると、そうだ、いよいよおれも高速道路へ乗れるようになるということで、車はその人たちにとっては補装具であるわけですから、大変社会参加の面で喜びとしているわけです。  しかし、せっかくおやりくださるわけですから、どうも情報では利用者が十分に喜べる方法ではないと。それは、つまりつづりを何枚か買わなければだめだとか、その窓口が交通公社だとか、まず福祉事務所へ行って証明書をもらって、それから交通公社へ行って割引証をもらって、たとえば東名から首都高速へ入るにいたしましても、両方の割引証を別々の形で申請して、その割引証をつづりで何十枚か買わなければ利用できないんだというような方法もちらっと伺っているわけです。ですから、せっかくみんなが喜ぶ一つの方法なわけですから、その方法が手段の中で、ずいぶんむずかしい順序を踏まなければ買えない、利用できないということになりますと、せっかくのこうした喜びも何かつかの間のようなそんな感がいたしますので、十分利用者の立場を考えて、あるいは身体的な立場を考えて御配慮をしていただきたいと心からお願いしたいと思うわけです。いかがですか。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○説明員(沓掛哲男君) いま先生の言われました実施方法は、確かに検討会で検討された一方法ではございます。検討会といたしましてまだいずれについても結論を出しておるわけではございませんので、そういう場合においてはこういう問題がある、それからまた別の方法についてはこういう問題があるということでいろいろ検討しておる途中でございますので、先生の言われました趣旨を次回の検討会において十分説明いたしまして、さらにそういう方向も含めて検討さしていただきたいと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 せっかく高速道路の話が出ましたのでもう一つ伺いますが、いわゆる高速道路における長距離運転の場合には、やはり途中で休まなければならないという個所、そのためにサービスエリアというものがあるわけですけれども、サービスエリアがいま八ヵ所ぐらいしか、いわゆる身体障害者のために利用できるような施設改善がなされていないということですが、今後はどういう見通しでございましょうか。

沓掛哲男建設省道路局有料道路課長

○説明員(沓掛哲男君) これは、担当は高速自動車道課長の方でございますが、日ごろからよく打ち合わせいたしておりますので、有料道路課長でございますが、かわってお答えさしていただきます。  いま先生言われましたように、確かにいまのところにおいて身体障害者の方々のみならず一般の人々に対しても、そういうトイレその他が十分でないのでございますので、そういう施設を設けることをいろいろ検討いたしております。その際におきまして、身体障害者の方も使われるような施設もあわせて当然のこととして検討いたしております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 東京近郊も何ヵ所かそういうところがあるというので伺いました。たとえば一つの例が足柄でございます。足柄には車いすの人たちのために配慮がなされているというので、私自分で運転して行ってまいりましたが、下りの方には全然ないんですね。帰ってきて、ないじゃないかと言ったら、実は上りの方にあるのだというようなことですから、そうした場合には上りも下りもやはり一緒に考えていただくということが大切だと思うのです。これは何も身体障害者専用とかというものじゃなくて、そうしたトイレがあるところは足の不自由な人も、お年寄りも——車いすで使えるトイレがありさえすればいいわけでありますので、どうもレストランなんかも段差がどこもかしこもずいぶん高い。あるいは二段ぐらいのところに、まあ階段にげた履き的でもいいからスロープが、木でも用意してあればいいのだけれども、そうしたちょっとした気持ちも何か配慮に事欠くところがあるわけですので、まあ十分ひとつ御指導をしていただきまして、みんながそうした公共物は利用できるように、やはり高速道路のサービスエリアの方も御指導願いたいと思うのです。  そんな意味も込めまして、いろいろな施設は、やはりすべての人が利用できるということが大変ふさわしいわけでありますが、教育文化施設に対する身体障害者あるいは身体的弱者に対する配慮についてということにも触れたいと思うわけです。  来年度から養護学校の義務化に伴って、障害児は何が何でも養護学校に入らなければならないという誤った傾向が生じかねないわけですけれども、この問題について、別の機会に養護学校の義務化の問題については質問さしていただきますけれども、今回は学校施設の問題につきまして文部省に御意見を伺いたいと思うのです。  すなわち、肢体不自由児であっても、一般の公立小中学校で教育を受けた方が適当と思われる児童、生徒が数多く存在するわけでありますけれども、こうした生徒たちはこの養護学校義務化に伴って、たとえば次の年度から養護学校に転校を余儀なくされるというようなことはないんでしょうね。まずその辺から伺いたいと思います。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 御説明申し上げます。  心身障害者に対しましてもその障害に応じた適切な教育を行うということから、義務化がおくれておりました養護学校も、ようやく五十四年四月一日から義務制が施行されることになるわけでございます。   〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 それでこの義務制の趣旨に従いまして、この八月に学校教育法の施行令等の法令の改正を行いまして、心身障害児の障害の種類、程度等の判定を総合的かつ慎重に行い、適切な教育措置を講ずるということから、学齢簿の作製、就学児の健康診断の時期を繰り上げると、そのような措置を講じたところでございます。また、保護者の意見も聞き、専門家から成る就学指導委員会に諮問いたしまして適切な就学指導を行うという体制の整備も図るように各教育委員会を指導しておるところでございます。  ところで、いまお尋ねの、障害児であればすべて養護学校に入学すべきであるのかというお尋ねでございますが、養護学校がその設置をする対象としておりますような障害の程度であれば、来年の四月一日からすべて小学校一年から中学三年まで義務制が施行されますので、養護学校に就学をするということになります。その際には十分慎重な就学指導の上で就学を決めるということになります。  ただこの際、一つ特例を設けまして、現に小・中学校に就学しておりまして特別な事情がある者につきましてはそのまま小・中学校の在籍を認めるという特例措置を設けまして、現に在学しております小・中学校の教育で適切であるというような判断を持たれる者につきましては、その学校またその学校を設置しております教育委員会等の判断によりましてその小・中学校にそのまま在籍をするという特例事項を設けております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 その特例事項というのがちょっとやっぱり気になるところですけれども、実は、これ新聞に載っていたものをちょっと引用させてもらいますが、たとえば東久留米のある会社員の長男が、いわゆる車いすで普通の小学校に通っていていま五年生だと。で、「入学以来、母親が毎日付き添って、階段の昇降や用便の面倒をみ続けてきたが、いまでは四五キロにもなった子供を背負って四階の階段をあがるのは大変な労働だ。「子供は嬉々として通学していますが、家内の疲労は堆積する一方で、今後のことを考えると途方にくれる思いです」」という、まあ一つの新聞への投書だったわけですね。つまり、「学校にエレベーターをつけてもらうことはできないだろうか、」ということになるわけです。   〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 これは、まあエレベーターを学校につけるというのはなかなか問題もあろうかと思いますけれども、しかし、このお父さんのさらに心配するということは、五十四年度からの義務化に伴って、いまお母さんがひいひい言いながら四階まで四十五キロの子供を背負っていく。しかし、養護学校というものができたんだから、もう学校側では養護学校へ行ってくださいということを一やはり気持ちの上では、子供は喜々としてその一般学校に通いたいのを、特例という形の中で養護学校というところへ転校を余儀なくされると、そういうようなケースになると、やはり本当に自分たちが教育を受ける場を自分達が選んでしかるべきものを、何かそうした新しい法のもとに養護学校の中へどんどん障害児たちをまとめて、いま就学している子供たちも送り返してしまうというような危険性が私は大変生じてくると思うんです。その辺はどうなんですか、たとえばこういう一つの例をこう取り上げてお聞きになってみてですね。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 学校教育制度におきまして障害児に、それぞれの障害に対応いたしまして盲学校、聾学校、また精神薄弱、肢体不自由、病弱、これらを対象とする養護学校、それぞれの障害を克服するということを考えまして、専門的な教師また施設設備を整えて特別な教育を行うということでいまの学校の教育制度ができておりまして、できるだけその子供たちの障害を克服するという観点から適切な教育を行うことが必要であるということで現行制度ができておりますので、そういうことでの充実を図りつつその義務制を果たしていくというふうに進めたいと考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 ですから、たとえば学校にエレベーターが無縁なものだというような常識ではなくて、もう学校にもエレベーターはつきものなんだというような常識になってくれさえすれば、やっぱりこのお母さんも四十五キロの子供を背負って四階まで行くことはないわけですね。  で、学校のいわゆる施設設計指針というものがこう出ておりますけれども、これなんか見ますと、やはり学年別に、一、二年生は一階で、二、三年生と高学年になるに従ってだんだん二階、三階、四階へと行くんだと、原則として高学年は上に行って低学年は下だというような、ここに指針の内容に盛り込まれておりますけれども、こうした中で、文部省がそういう方針なんだから、小学校の一年生のときには一階だったけれども、それはもう六年生になっても一階に置くわけにいかないんだ、それがつらかったら養護学校へ行けというようなやっぱり強い姿勢が当然学校側にも出てきてしまうと思うんですね。  ですから、そういう学校の中にもどんどんエレベーターをつけていくような、やっぱり文部省の今後の学校施設設計指針の中にももう繰り込んでもらって、肢体不自由の人たちでもできる限り一般の学校に、健康な子供が行く一番近い学校に自分たちも行けるというような、やっぱりこの学校施設の面での改善も今後文部省で取り上げていただきたいと思うんですが、その辺の見通しはどういうものでしょうか。

大井久弘文部省管理局教育施設部指導課長

○説明員(大井久弘君) ただいま御指摘の、高学年の児童、生徒を上の階の方に入れるということにつきましては、これは一般的な通常の学校につきまして、児童、生徒の高学年の場合が体力、判断力にまさっているというような点からそういった指導をしているわけでございます。しかしながら、特殊学級が設けてあるというようなことで身体障害児が在学しているというような場合におきましては、当然この身体障害児等の生活の便宜等を考慮して、たとえ高学年の児童が在級する特殊学級でありましても低層の階に配置するというような配慮をするということは必要なことであり、また望ましいことであるというふうに考えております。  設計指針のことを御指摘ございましたけれども、これにつきましては現在改正を検討しておりまして、そういった身体障害者に対する施設面の配慮といった点につきましては十分御指摘の点も含めまして検討してまいりたいというふうに考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 なかなか自治体も財政難でございますので、たった一人のためにはエレベーターはつけられませんということですが、やっぱりたった一人のことを考えなければ百人のことはまた考えられないと思う理論も成り立つわけでありますので、町田市などではそういう点では、今後つくられる学校には必ずスロープもつくると。それから洋式の、特に車いす、肢体不自由の子供が使えるようなトイレも配備するんだと。あるいは三階、四階の場合にはエレベーターも設置してもいいんだというふうなことで、超過負担の問題はどうかと言ったら、最初からそういうことを考えていさえすればそんなに超過負担になるものじゃないんだというような意見も聞いているわけであります。  ですから、一般の学校に肢体不自由児、ちょっと足が自由だとかあるいは車いす程度の形の子供たちならば、やっぱりそうした姉さん兄さんたちが学んでいる近い学校で、教育の場で勉学をさせるということも、今後身体障害者が社会で自立する上に、一般の人たちにいかに理解を持ってもらうかという、いろんな意味においても大切だと思うわけです。まあ私の友人で、強引に校長先生も教育委員会も反対して、車いすで小学校に入学したポリオの子供がおりました。その人も、やはり何があっても学校は一切責任は持たないということで、持たなくてもいいから私たちが送迎するからということで、お父さんお母さんが責任を持って学校へ行きまして、いまその子も大学一年までに成長していったわけです。その仲間たちが、一番学校ですばらしかったことは、やはり車いすの彼と一緒に勉強できたことだったということをクラスメートが述べているように、どうも健康な子供は健康な子供たちの社会の中で、あるいは障害を持った子供たちは障害を持った子供たちの社会の中、いわゆる養護学校あるいは施設という形の中で、そこが終わってしまうと、さあ自立です。社会は雇用促進法が改正されて、門戸を開いています。身障者をどんどん企業は待っていますと言ったって、実際問題なかなか社会の中に出れないというのが現状なわけですので、つまるところは教育問題ということになっていきますので、なるべく健康な子供たちの中にまじって障害児たちも教育できるように、今後つくられる学校の施設の改善、その辺の検討も十分考慮していただきたいと思うわけです。  ところで、聾唖者の問題で、いま手話という問題が出ておりますけれども、手話を文部省で認めないというのは、これは何か特別な理由か何かあるわけなんですか。その辺をちょっと伺いたい。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 聾学校での教育は、口話法を中心として従来行ってきております。これは先生もよく御承知なわけですが、ただしそのために手話を全く排除しておるということではございません。特に、最近におきましては聾学校に就学する者の中にも、重複障害者等がございまして、なかなか口話法だけでは実態にそぐわない面もあるということでございまして、私どもの指導といたしましても、コミュニケーションの手段をできるだけ多様なものを総合的に行うということで考えております。  しかしながら、学校教育としての方法なり内容なりの検討という面で、まだ十分でない点がございます。したがいまして、現在、国立特殊教育総合研究所、これは文部省の付置研究所でございますけれども、ここにおきまして言葉のない者についてのコミュニケーションのあり方について、特別研究等も行っておるところでございます。また、このようないろいろな手段を総合的に用いるという場合に、手話等につきましてもどのように検討したらよろしいか、そういうことで現場の人たちにも集まっていただきまして、来年はこの研究所で研究協議等も行っていただこうかと、いま事業を一つ計画を立てようとしておるところでございます。  そのようなことから検討していきたいと思っておりますが、何分にも手話というものが自然発生的なもので用いられておりますもので、地域によってもそのサイン等も異なるということから、なかなか学校教育として組織的に行う上で、非常に問題が多いものでございまして、その点が学校教育の中でどのように位置づけていったらいいのか、これから関係者等にも検討していただこうかと、このように考えておるところでございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 確かに手話も大変なまりがありましてね。  ところが、労働省は労働省で手話というものに予算を計上する。厚生省も手話サークル、手話のいろんな助成費を出している。ところが、文部省がようやく検討段階なんということじゃね。もし、各地域によって地域差が手話の中にあるとしたら、それをどうしたらいいのか、あるいは統一できるものはどのように文部省の教育の中でやったらいいかということを、やはりぼくは真剣に取り上げてもらいたいと思うんです。そうしないと、幾ら手話サークル活動が盛んになった、手話の人を銀行の窓口にも置け、あるいは聾唖者に対する面接にも手話の人がいる、あるいは福祉事務所もいまは手話ができる人を採用するようになっていると、そういうところにいろんな手話の人たちがいるんだけれども、これがやっぱり文部省の教育サイドでしっかりと理念が打ち出されておりませんと、なかなか、川崎と東京でもう手話の形が一部違うようなものがあったりする。それのやっぱり原因は、ぼくは聾教育の中にあると思うのですね。ですから、ようやく検討という段階、何か非常にお粗末な気がするんですが、今後は文部省として手話ははっきりと方向づけをするというふうに理解してよろしいでしょうか。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 先ほど申し上げましたように、これは聾唖者のコミュニケーションの手段でございまして、文部省が聾学校の教育の中で、聾唖者の言葉として、コミュニケーションの手段として手話というものを仮に定めたといたしましても、聾唖者がそれを用いなければ社会でのコミュニケーションの手段にならないわけでございまして、やはり聾唖者自体が共通的に使うものが定まって、それを文部省が教育の上でどのように子供たちに総合的な手段の一つとして位置づけるかということになろうかと思います。やはりその点は文部省がやるべきだというお言葉でございますけれども、なかなかそこはむずかしい問題があろうかと思います。  それから、労働省や岸生特等が、現に社会人になっている人たちのコミュニケーションの手段としての手話ということがあるわけでございますけれども、学校教育におきましては、まず、耳から言葉が聞こえないために、子供たちが言葉を身につけていない。その日本語というものが身についていない者に、やはり知識、理解ということからどうしても日本語というものを身につけさせる、そのためには、手話では意思の交換はできても日本語が身につくというところまでまいりません。その日本語を身につけさせるというところが学校教育でございますので、やはりそれの最も有力な、最も教育方法として確立されておるのが口話法でございまして、やはり口話法というものは中核になると思います。  しかし、それだけではいろいろ問題もございますので、できるだけいろいろな手段を、たとえば指文字とかキュードスピーチとか、いろいろな方法がございますが、それらのものも統合いたした形で、どのように位置づけていったらいいか、そういう形で検討を進めたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 もちろん口話法を否定しているわけじゃないわけですが、実際社会に出ると、ぼくは口話というようなものはそんなに役に立たないと思うんですね。コミュニケーションの場といいますが、口話でもって、人聞くちびるから言葉を読み取るなんというのは、これはもう至難のわざですよ。本当に近い距離で一メートルぐらいの範囲で相手と対話する上にはこれは口話でもって十分役に立つかもしれませんけれども、国会、あるいはいろんな講演会などに行って、人間遠くから口話でもって、くちびるの読みで、すべてその人の言葉が把握できるかといったら、これはもう手話に頼るほかないわけですね。手話そのものだってまだ二千字ぐらいしかないわけですね。  やはり、もっともっと新しい手話を文部省の教育の中で確立していけば、ぼくはりっぱに日本語を手話という形の中で覚えることもできるでしょうし、やはり社会に出て何よりも手話というものが、一般の人たちのコミュニケーションの場とすれば、口話法よりもむしろ手話の方に主力をだんだん注いでくるという多くの実践の例があるわけです。ですから、この中で口話法とともに手話教育ということをも聾学校の中で文部省で位置づけていく必要があるというふうに思うんですけれども、いかがですか。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 先ほどから御説明申し上げておりますような形で、来年度におきましては予算案にも計上いたしまして、国立特殊教育総合研究所で研究協議等のことを行おうと考えておるところでございますので、先生の御意見も十分尊重さしていただきまして検討を進めてまいりたい、このように考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 よろしくお願いいたします。  そこで、また教育文化施設の問題になるわけですけれども、この間ちょっと電話で聞きまして、国立科学博物館、国立博物館、国立近代美術館、国立西洋美術館、国立劇場等国立の文化施設、やはりこの辺も、文化こそすべての人たちがともに享受できるようなものでなければならないと思うわけでありますが、残念ながら国立国際美術館、五十三年五月完成のものだけが身体障害者の出入りはオーケーであるというようなことで、あと国立科学博物館、国立博物館、国立西洋美術館、国立近代美術館、京都国立近代美術館、こうしたものがなかなか車いすでも入れません。ましてや車いすでも使えるトイレもありません。京都の近代美術館などは非常に高い階段がありまして、中に入れば大丈夫なんですけれども。とにかくせっかく見に行きたいすばらしい文化も、ただマスコミで知る程度というようなことでありますが、この辺のいわゆる改善策みたいなものはいかがでございましょうか。

内田茂文化庁文化財保護部管理課長

○説明員(内田茂君) 国立の博物館、美術館、国立劇場などにつきましての身体障害者用の設備につきましては、先生ただいま御指摘ございましたが、身障者用のトイレとかあるいは車いすのためのスロープ等を設けておるところも相当ございます。しかし、ただいま御指摘ございましたように、未整備のところもございまして、こういうところでは現在エレベーター、一般に乗客用には用いていないようなものでございますが、そういうエレベーターの利用とかあるいは施設の職員の介添え等の方法によりまして、身体障害者の方々の観覧にも支障のないように措置してまいるということでやっておるところでございます。  それから、これらの未整備の施設につきましては、現在すでに整備を進めているところもございますけれども、整備一般を促進するように指導してまいりたいと考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 お電話をいたしますと、たとえば介添えの方がいらっしゃれば階段は大丈夫だとか、あるいは守衛の方とか係員がお手伝いをしますということになりますけれども、それは大変ありがたいこと、確かにそういうことも大切なんです。大切なんですが、やはりそこは、やってもらった、やってやるという、どうしても何か気まずい人間関係というのがあろうかと思うんですね。ですから、そこにやっぱり最低スロープぐらいがあって、しかしそのスロープを登れない人も中にはいるわけですから、そういう方々こそ係員の方がお手伝いするというような形でありませんと、こうした美術の秋でもありますので、多くの障害者も文化的な面でも今後やっぱりがんばっていかなければならないというように思うわけです。ぜひとも早急にこうした国の美術館、博物館、劇場というようなものはすべての人が利用できるように御配慮をいただきたいと思うわけです。  そして、実は東京にいろんな障害者がよく集まってくるんですが、一番よく使われるのがオリンピック記念青少年総合センターでございます。これが今度文部省の直営となるわけでありますが、実はオリンピック青少年センターというのは、大きな集会場はこれはもう階段でどうにもなりませんし、車いすでも使えるトイレというものもございませんし、なかなか使いにくいわけでありますけれども、この辺の改善策みたいなものは、文部省に直営が移行したことを一つのきっかけとして、改善策などございましたらお伺いしたいと思うんです。

佐藤次郎文部省社会教育局青少年教育課長

○説明員(佐藤次郎君) オリンピック記念青少年総合センターにつきましては、先生が御指摘のとおり現在特殊法人が設置、運営をいたしております。これを来年の四月から国の直轄の施設にしたいということで、現在国会にその法案を提出をいたしているところでございます。  現在のオリンピック記念青少年総合センターは、昭和四十年に設立をされまして、その設置しております施設の主要部分をなしております宿泊棟や研修棟につきましては、あれは昭和二十九年に米軍将校宿舎として建設されまして、昭和三十九年にオリンピックが開かれたときに選手村として活用され、その後現在の、宵少年のための施設に政府から出資をされたと、そういう経緯がございまして、いま申し上げましたように施設自体は転用の施設でございまして、もともと青少年のためにつくられた施設でないということがございまして、身障者のための利用が必ずしも十分でないというのが現状でございます。  しかし、オリンピック記念青少年総合センターにおきましては、身障者の利用も考慮いたしまして、従来からこの面について改善の努力をいたしておりますが、宿泊の一部の施設につきましては、便所あるいは浴室の手すり等の改造をすでに行っております。さらに各施設の出入り口につきましてスロープ化を進めておるわけでございます。本年度も引き続きまして、いま申しましたような形で、特に女子宿泊施設でございます三号棟の浴室とか便所等の改造を行っていきたいと、こういう予定で考えておりますし、今後ともそういった面につきまして逐次改善をしてまいりたいというふうに考えております。  なお、この施設は先ほど申し上げましたようにかなり老朽化しておりますので、いずれ施設の全面改築を進めたいと思っております。その際には身障者の利用を十分配慮してやってまいりたいというふうに考えております。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 いろいろと身体障害者の問題につきましてお伺いしたわけでありますけれども、まあいろいろ火災予防運動、また秋の運動が行われますが、やはりそうした面でも、出入り口にスロープがあるのとないのとでは、これはやっぱり身障者のいざというときの避難にはもう大変な差が出てくると思うんですね。その辺もひとつ長官、今後関係公共物、準公共物に対して厳しい御指導、御指摘を切にお願いいたしまして、まあ将来は建設省でもいよいよ建築基準という問題に対して、公共物、準公共物をすべての人が利用できるようにつくられなけりゃならないという方向に徐々に移行しつつあるということは大変すばらしいことだと思いますので、長官のお言葉をいただいて私の質問を終わりたいと思います。

近藤隆之消防庁長官

○政府委員(近藤隆之君) 建物の構造につきましては、基本的には建築基準法の問題があることは御指摘のとおりでございます。建設省と相まちまして、私ども、建物の構造その他によって死傷者が多く出るというようなことがないように特に留意していきたいと思います。  それから、先ほど来申しておりますように、ことしの秋の火災予防運動のメーンテーマを身障者その他恵まれない社会的弱者の方々の保護という点に置いておりますので、できるだけ精力的にこれを行いまして、国民の間にそういった気持ちを喚起するよう努力してまいりたいと思います。

前島英三郎各派に属しない議員

○前島英三郎君 ありがとうございました。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十五分まで休憩いたします。    午後零時四十六分休憩      —————・—————    午後一時四十六分開会

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣、私は十一日の予算委員会で、染谷政務次官のパーティーに暴力団の幹部が列席をした問題について、いま公安委員長を初め末端の警察官に至るまで暴力団対策に非常に腐心をしておられるし、また、国民もこれに大変な関心あるいは期待を寄せているときに、内閣の準閣僚がそのような行為をとったのでは、全く威信もないし説得力もないし適当でない、非常にまずいことだということで、責任ある対処を要求をしたのでありますが、その後どのようになっておりますか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 予算委員会でも御質問に若干お答えをいたしたのでありますが、内治政務次官が後援会に開いてもらいました出版記念と激励パーティーに暴力団の幹部が出席をいたし、かつまた全日警のいわゆる内部紛争に関連をいたしまして、その秘書が席を連ねておったことは、まことに遺憾千万なことでございます。パーティーが開かれましてしばらくしましての新聞記事を見ましたので、直ちに政務次官を呼びまして、と思っておりましたら、その前に私のところへやってまいりまして、いろいろ弁明もし事情も聞いたのでありますけれども、しかし、疑惑を受けますようなことがありましたことはまことに遺憾千万でございまして、私から厳重注意をいたしますと同時に、また、その概要を官房長官にも報告をいたしたのでございます。  そのときに、私に対しまして、自分が全く知らなかったとはいいながら、本当に相済まぬことでございました、今後えりを正して、かようなことが絶対にないようにいたさなければなりません、この決意をかたくいたしております。なお、板倉秘書が、いわゆる内部紛争に関与しておったことは、私の知らないこととは申せ、これまた本当に相済まないことでございますから、直ちに秘書を罷免いたします。かようなことで、現在はその秘書は島根県の郷里に帰っておると、かような報告をいたしております。  さようなことを中心に予算委員会でもお答えをいたしたのでございますが、私はその後政務次官に対しまして、さらに今後えりを正すように厳重に注意を直ちにいたす予定でございましたが、地元の市長選挙のことなどもありまして、まず電話で話をいたしまして、そして、かようかようなことだよ、さらにえりを正さなきゃなりませんよ。なお総理なり官房長官に会って、十分に釈明もしなきゃならぬし、かっまた、わびなければなりません。政府としては全力を挙げて暴力団対策に日夜努力をしているさなかであるし、まことに遺憾千万なことだと、かようなことを重ねて申したようなことでございます。その後政務次官は、総理に直接会う機会はないままになっておるようでありますが、総理の意を体しまして官房副長官に会い事情を述べますと同時にまた陳謝もいたしたと、かように承知をいたしております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ疑惑は遺憾千万というので厳重注意をして、官房長官にもその旨報告をしたということでありますが、そのことはこの間も予算委員会でも厳重に注意するというふうに総理も言っておったし、大臣からもそれに絡んだ報告を受けたのでありますが、それ以降、少なくともこういう事実が公の場で公開をされ、政府は政府なりの対応を迫られる、こういう場所を経たわけで、それから後の対応を私は聞いているわけですよ。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) いま後半のことを若干はしょって申し述べたのでございますけれども、十月十一日に予算委員会での御質問がございまして、公の職にあります者が、公の場において論議をされますことそれ自体にも深い反省をしなければなりませんし、私も厳重注意はいたしておりましたものの、その後何回か会いますたびに政務次官に対しましてはこのことを話題にもし、注意の喚起をいたしておりましたが、予算委員会後におきましても直ちに電話で話をいたしますと同時に翌日呼びまして、きのう予算委員会でかようかような質問もあり、さらにえりを正して対処してまいらなければなりませんよと、かようなことを重ねて何回も厳重に注意をいたしておる、かようなことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私は、政治家ですし、今度はまあ大臣の立場をちょっと変えまして、国家公安委員長とすれば、本当に末端警察官ぐるみ一生懸命にやっているときに、後援会ぐるみ大したことをしてくれたものだという、特に第一線で暴力団に体を張っておる諸君からすればね、それは何とも泣ききれぬような憤慨をした心境にもあるだろうと思うのですよ。そういう状況等を考えれば、幸い——幸いだ、あなたは自治大臣だ、あなたの政務次官が不始末をしでかして内閣の信を失う。末端で一生懸命にやっておる諸君の労を無にする。どこから見たってほめられることは何一つもしておらぬのでありますから、君やめろよと。政治家としての出処進退を明らかにすることが、この際故意であったか過失であったかは抜きにして、そのような不始末をしでかしたことの責任の取りようだと、そのことが威信の回復を含めて後遺症が残らぬ方法だと、こう考えるのが、仮に総理がかばおうとしても、自治大臣、あなたはそう言わなければならぬのじゃないですかな。そのように総理にも罷免を進言をすべきじゃないですか。いかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 六月二十二日のパーティーの後間もない時期に新聞で報道されまして、その際、政務次官と長い間いろいろ話をいたしました。その際、政務次官からは私に進退伺いの内相談のような形におきまして、どうしたらよろしいでしょうかと、かようなことでございました。私はいろいろ事情を聞いてみましたところ、この前も答弁いたしましたように、出版記念激励パーティーに、もし暴力団が出席するようなことがわかっておりましたら私は絶対にそういうことのないように阻止すべきでございましたが、しかし事後においてそのことがわかりまして、私自身も本当に残念でございますと、激励会に初めから壇上に上がっておりましたので、だれがどういうぐあいに入って来るか私には全くわからないままになってしまいましたことが本当に残念至極で、責任の深いことを痛感をいたしておりますと、かような真情の吐露でございました。なおかつ、全日警なるものの内紛に秘書が介入いたしておりまして、その事実は本人も認めました。秘書に聞きましたらそうでございましたということを申しておりまして、率直に認めまして、しかし、自分が全く知らなかったとはいいながら、かようなことをしでかしたことは、私としても本当に迷惑千万ですから、直ちに秘書を罷免いたしますと、かようなことで、罷免をいたすことも明確にその段階でなったものでございますから、それで私はどうしましょうかと、こう言いますから、まことに残念至極なことだと、自分としては自治大臣と同時に国家公安委員会をもお預かりしておって、警察を挙げて暴力団対策に一生懸命なんだと、そういう中であるだけに本当に残念だ、あなたに全く過失がなかったとは言えないけれども、しかし、知り得なかった事情だけはよく私にもわかったし、また板倉秘書のやったことがよろしくないということを反省してあなたも秘計を解任すると、かようなことだから、ここで私から官房長官にその事情を伝え、なおかつどのように処すべきかを一応相談してみようと、かようなことであったのでございます。  そのときの私の気持ちは、最近新聞紙上に政務次官と話をいたしました内容などが記事になっておることを承知をいたしておりますが、しかし、長い間の話し合いでございますから、あるいはその話し合いの中に、君、大変に災難だったなあという言い方もあったでございましょうし、あるいは絶対にこういうことが今後あってはならぬよというきつい言い方もあったでございましょうが、そういうことを総合いたしましての短い表現でございましたので、私のあのときに話しましたこととは若干ニュアンスの違いますような表現にも相なっております。  私は、単に政務次官の責任問題云々ということだけではございませんで、私自身も上司といたしまして本当に残念なことであり、そしてかようなことを契機にいたしまして、さらに私自身もえりを正していかなければならぬと、かような決意を新たにいたしているようなことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大臣、答弁が長いわりにはさっぱり要領を得ないんですが、あなた、十二日付の朝刊各紙における染谷さんのコメントにもちょっと触れられたようであります。まあこれぐらいならやめることもないだろうと、こう慰留したという記事もあるし、いずれにしてもそれは長い間の話であるからということを言っていますが、しかし結論とすれば、あなたの話を総合して聞くと、まあわからなかったこととはいえ余りできのいい話じゃないのでというので進退伺いがあった、その進退伺いを大臣は慰留をしたということになるわけだ。それはそう確認していいんですね。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 進退伺いは私になすべきものではございませんで、筋としては内閣になすべきものだと、こう私は判断をいたしまして、そして、進退伺いを出すか出さないかについての私への内々の相談だと、こう私は受け取ったのでございます。  そこで、長い話はいたしましたが、結論的には、なるほど注意の足らない点もあったし、そして過失が全くないとは言えないけれども、結果としては残念なことであった、けれども知らなかったことだし、かつまた秘書も罷免すると、かようなことなら、さて進退伺いをなすべきかどうかなと、かような疑念を持ちますような言い方をしたのは事実でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いや、こういうときにはやっぱり、これはまずかったなというのならまずかったように後を処理する方がむしろよろしいのでありましてね。ですから、染谷パーティーに暴力団が出た、そこにはさまざまな者がおったらしいけれどもね。そのこと自身が非常に非常識だと思うが、しかし、そういってみればまずかったなというので、やめようかと思って大臣に相談をした、この感覚はわりあい正常だと思う。それに対して、やめぬでもいいだろうと言うた大臣の方がよっぽどこれまた非常識だ。結論はそうなりますよ。大臣、それはやっぱり正常じゃないですよ。自治大臣兼公安委員長。公安委員長とすれば本当に腹煮えくり返るでしょう。そういうのが、閣僚の端っこの方だか真ん中に座っておって、気がついてみたらもう一方の立場の自治大臣、それの副大臣だという。これはあなたが一番激高すべきなんですよ。総理あたりが、まあまあそうは言ってもあっちこっちとつながりがあるから、まあ加藤君って言って総理が抑えても、それなら私がやめますよと、こんなのであなた公安委員長勤まるかと、こう言って振る舞うのが、私はむしろあなたの役割りだと思う。  私は決して重箱のすみをつつくような形で予算委員会に出したんじゃない。むしろ政府がこういう問題を通して、あえて泣いて馬謖を切っても暴力団対策に毅然とした態度を示す、私はむしろその場を提供したつもりなんだ。それが何ですか、皆寄ってたかって逃げの姿勢に回って、あったこともないように言って、秘書を罷免したとかしないとか。罷免は秘書の方じゃないんだ。大臣、これはいまからでも——私は後ほどまた暴力団対策の問題聞きますけれども、あなた自身の個人的な自分の部下の政務次官というようなそういう問題じゃない。人間的なそういう情とかそんなものを私は私人の血液で否定をしているんじゃないですよ。染谷さんにしてもあなたにしても、いま立っている世界はそういうものが入らない、暴力団に向かって、まさに情を断ち切って立ち向かわなければならぬ立場にいるんですよ。その加藤さんに私は身の振り方を、大臣としての振る舞い方を求めているんですよ。いかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 警察が挙げて暴力団対策に全力を傾注しておるさなかにおきまして、まことに遺憾千万なことでございました。しかし、先ほど来るる申しましたような事情でございましたので、私といたしましては、進退を伺うことにつきまして官房長官にその趣旨を伝えるにとどめまして、私自身は、慰留とまではまいりませんまでも、その責めは負うべきではあっても、そこにまでまいる必要は、この段階ではないのではないかという判断をそのときにいたしたのでありますけれども、しかし、その後七月に入りまして京都でもいわゆる「ベラミ」におきまする事件等もございまして、ますます暴力団のしょうけつを思いますときに、あるいはあの時点でということを、いまも振り返って反省すべき点もございます。ございますけれども、しかし、事ここに至りまして、いま直ちに進退伺いをと、かような取り運びをいたすことはいかがであろうかと、かような現在の心境でございますことの御了承を願いたいと、かように思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 この問題だけで時間をつぶせないわけですが、私は、この問題、総理自身に内閣の首班としての対処を求めたが、不幸にしてそれを聞く機会にはまだ恵まれていない。そこで、私はこの際大臣に要望しておきますが、十一日以降さらにきょうの委員会で、衆議院でも御議論があったようでありますが、こういう強い要望があったということを踏まえて、総理にもこの模様を伝えると同時に、私は、願わくは私があなたに求めたようなそういう態度で、総理とこの問題の扱いを相談をするべきだ、してほしい、そう思うのですが、いかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 十月十一日以後、総理に直接会う機会がないままになっておりますが、ただいま御指摘の点はよく心得て、総理と話をしてみたいと、かように思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 では、そのように要望しておきます。  刑事局長、私はあなたにこの委員会では初めての対面でありますが、十一日の予算委員会でこの染谷パーティーの問題に関連をして、二、三の質問をいたしまして、私はどうもあなたの答弁の姿勢について納得ができなかった。そこで、改めて二、三の点について聞いておきたい。  その一つは、私は暴力団というのは、警察庁が特に組織暴力についての絶滅を方針の第一に掲げるぐらいに熱心なことであるから、全国第二と言われるような組織暴力団の動静は、当然のごとく常時監視の態勢下に置いているものだと。また、犯罪の端緒をつかむには、そういうふうにしなければならぬわけであります。そのことで、パーティーでの確認を求めた。それについて、あなたは二度目の答弁で、「出たか出ないかというようなことにつきましては申し上げることを差し控えたい、」という答弁をしています。  第二、福田総理が暴力団住吉連合のことを余り知らなかったようでもあるので、あなたの私に対する答弁を通して福田さんにも承知してもらおうと思って、住吉連合そのものについて聞いた。そのときにあなたは、最後に、「ここの事務所は新橋にあるように聞いております。」と答えている。  第三点は、いわゆる全日警に絡みまして、先ほど、まあ私が聞いたんじゃないんだけれども、大臣は、内紛問題について秘書の介入等も御答弁ありましたけれども、そういうものをこれから取り上げていくために、告訴、告発等のたぐいなものがあるだろうと言って聞いたら、ございませんと言った。  この三つの答弁はいまでも正当な答弁だと思っていますか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 予算委員会で私が申しましたことが、非常に簡略にしようという意図がございまして、言葉が足らずに十分御理解を願えなかったことを大変残念に思う次第でございますが、暴力団の問題につきましては、当然警察といたしまして検挙、予防をするという立場から、情報というものの収集を行うわけでございます。しかしながら、本件につきましては、犯罪に直ちに関係をすることではない、むしろまた特定の個人にかかわる問題でもございますので、答弁を差し控えさしていただきたいということを言ったわけでございます。これは私ども頭に刑事訴訟法の訓示規定と申しますか、こういうものがございまして、被疑者の名誉あるいは捜査の妨げになるようなことをやってはいかぬと、そういうことを注意しろという規定があるわけでございます。そういう意味では、犯罪捜査の面におきましても秘密の保持あるいは個人の。プライバシーの保護というような面で、公の席で言うことを差し控えることが多いわけでございます。ましてやこの問題は犯罪捜査に直接に関係がないというふうに判断をしたものでございますから、そこで差し控えをさしていただきたいと、こういうふうに申し上げた次第でございます。そういうような意味でございます。  それからもう一つの、事務所がどこにあるかというので、「新橋にあるように聞いております。」と、こういうことを言ったわけでございますけれども、これは私が直接に新橋の事務所を調べたわけでございません。もちろん、こういうような報告を聞いておるというような意味で申し上げたものでございます。決して他意を持って言ったわけではございません。  それから、告訴、告発の問題でございますけれども、今回、白石という人が告訴、告発をしてないかということで調査の話がございまして、警視庁の捜査二課にその旨で聞いてみますと、この問題は、八月の二十九日の日に神奈川県の藤沢市の白石さんという方から警視庁の方に告訴の相談がありましたけれども、関係資料が整っていないために警視庁においてはいまだ正式に告訴を受け取っていないということのようでございます。以上のために、当時は告訴も、調査をいたしましたけれども、なかったということの返事をいたした次第でございます。  以上でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私は、この問題で時間を取る気はないんですよ。いまの答弁を聞いても、何とも、言いわけをしてその場を通り抜けよう通り抜けようというその姿勢を、今後当委員会はもちろんのこと、警察当局からそういう姿勢をむしろ取り除いてもらえぬかという意味で言っている。それはあなたは、答弁をしたことを合理的にするために、いろいろ後で答弁をすることもできましょう。しかし、第一番目の、確認を拒否をしたというのは、あのときに確認したという事実はあるわけだ。警察当局が、はい出席をしておりました、会長以下これこれですというふうに言うか言わないかということは、結局内閣というか、染谷さんの政治的立場というふうなものを不利に追い込まない答弁として、あなたはあのときにそういう判断がそれに働いているわけなんですよ。  それから事務所の問題について、部下からそういう報告受けていると言うが、それは大臣以下、自分で直接やっている者なんかありはせぬのだから、みんな報告を聞いてやっておるんですよ。私が言いたいのはそういう言いわけのことじゃないんだ。暴力団問題を、挙げて、みんなして取り組んでおるそのときのいわば刑事局長ともあろう者が、全国第二の暴力団の事務所がどこにあるかも知らないで、「聞いております。」というふうなそういう答弁の姿勢を実は私はあのときいぶかった。何かそんな暴力団あるそうですか、何でも事務所はどこどこにあるそうですね、という、そういう答弁が、これが刑事局長の答弁だろうかとは私はいぶかった。これが一体、暴力団を絶えず目をさらのようにして見守っておる人かという意味で私は少しいぶかったということを申し上げる。  で、告訴、告発の件、あなたの報告がありました。私はなぜこのときの告訴、告発の件ということを言うかといえば、全日警という会社について実はさまざまな問題があって、内輪のトラブルがあるんだということを実はあすこで聞きたかった。そうすれば、あなた方の普通の答弁からすれば、そういう相談があったが、実はこういう指導をして、まだ待ってますという答弁だってできるわけだね。できるわけだ。  私はこの答弁、長い答弁のうちですから、三つを引用しましたのは、やっぱり局長初めてのお目見えですから、これからもいろいろおつき合いを願わなきゃならぬ。それがそういう、何か隠そうとか、あるいはどこかの、まあ与党だな、あるいは政府だ、そういうものの政治的な立場をできるだけ害さないようにしようとかという、そういう偏見でわれわれに接するというのであれば、これやっぱりそう構えてかからぬといかぬですよ。そういう意味で私はこの質問をしておる。私の質問の意味についてどうお考えですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) いまおっしゃいましたようなことはもう毛頭私は考えずに答弁をいたしております。そんな他意を持って、故意にあの答弁を曲げたような気持ちで言ったものは一つもございません。暴力団につきましては私は体を張って取り締まりをやっておるつもりでございます。これは私が三十年間警察におりまして、そうしてほとんどのものを犯罪捜査にささげてきたつもりでございます。だから、そういうような感じといいますか、そういうものは全然持っておりませんので、ここで改めて私の所信を表明さしていただきます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ぜひひとつそういうことで今後も御精進をいただきたい、こう思います。  そこで、暴力団対策につきまして、何と言うんですか、皆さんの方ではネット作戦とでも言うんですかね、そういうものを展開をなさっておるようでありますが、その暴力団対策の現状、できれば暴力団の実態や取り締まりの重点ですね、ということについて、あらましの御報告をいただきたい。簡潔で結構です。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) この七月以来、山口組対反山口組、主として松田組と称する組でございますけれども、これの対立抗争事件が激化をいたしまして、そうして大変国民一般の方々の不安が増勢したということにつきましては、私ども本当に遺憾に思っておる次第でございます。しかしながら、これに対処しましてこの三ヵ月の間、とにかく拳銃の摘発の捜査、あるいは犯罪の被疑者の捜査、それから資金源の封圧というような三本柱で検挙をやってまいったわけでございますけれども、なおかつ十分という形にまいりませんので、今後はこれらの直接抗争事件を起こしておる暴力団を中心といたしまして、とにかく検挙を大量にやるということによって抗争事件を防遏しようということで進んでいくつもりでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 これは一歩誤るとまた別なことにもなるわけですが、まあ皆さんの方は暴力団という組織の性格から見て、まず頭を抑え込んでしまおうという作戦をとっておるわけですね。しかし、なかなか頭がつかまらぬで下っ端がつかまったりするのでありますが、その頭になるには、下っ端のうちからだんだんつかまりましてね、つかまっては出てきて、お帰りなさいというんで箔がついて、またつかまってはまた出ていくうちにだんだんこう出世していくわけですね、これ。そうすると、つかまえておることは、何かそいつの箔をつけるようなね、逆に出世さしておるような形、この辺に何か皆さんの方で矛盾を感じたり、仕組みの上で手だてを検討したりしていませんか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 逮捕の繰り返しと申しますか、そういうことになるのでございますけれども、まさにおっしゃいますように、警察の捜査というものにはこれは限界があるわけでございます。犯罪があれば検挙をするというのが警察の基本的な姿勢でございますから、ただそれを繰り返すことだけで暴力団がなくなるとは思わないわけでございます。  しかしながら、検挙をいたしましてそうして刑に服すというようなことがありますと、本人たちは収入の道を閉ざされるわけでございます。そういう意味で、そういうことを繰り返しておって、こういうことをやっておったらとても自分は食っていけないというようなことで正業についてもらうというのが、警察側から言えば——大変気の長い話になりますけれども、やれることの主要なことだと思うのでございます。  したがいまして、それ以外に行刑の面で御協力を願うとか、あるいは国民一般の協力を願うと、その他関係官庁の総合対策というようなことを考えまして、そういうものの推進と相まって暴力団を正業につかせる方向に追い込んでいくと、こういうことを考えないといけないんじゃないかというふうに私は思っておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 何か余り名案がないようですね。これはいずれまた、息の長い話でありますから……。世の中にもそういう暴力を容認をする——染谷次官を初めとして、容認するような、あるいはまた中にはかっこいいなと言って英雄視をするような、そういう世代だってないわけではないわけでして、そういうような相互的なものなのかもしれませんが、つかまると箔がついていくというのは何ともいまいましい。それに有効な手が打てないということを日ごろ考えているものですから申し上げてみたわけであります。  次にお伺いします。  ウィンチェスターM92モデルガンに関する捜査事件についてお伺いしますが、事件全般ですと少し幅が広くなり過ぎますので、特にこのMGC協会代表の神保氏の逮捕の事件について報告をいただきたい。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 神保氏の事件についてのお尋ねでございますが、これの事件の端緒になりましたのは、ことしの……

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 神保氏そのものの逮捕のところで結構です。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) はい。  五月に、暴力団員相互間に、このモデルガンを装ったウィンチェスターM92型銃を売買しておったというような事件を端緒にいたしまして捜査を進めたわけでございます。その販売元を手繰っていきましたところが、大阪天王寺区にございますモデルガン販売店の上六ガンアンドホビーで買ったと、こういうことになったわけでございます。そこで、その元を追及していったところが——これは、今後関係者がいろいろ出てきますが、敬称は便宜上略さしていただきたいと思うんですが——ウェスタンアームズの代表国本圭一とそれから国際産業株式会社の代表の荒井茂、この二人が銃をつくろうではないかということで相談をいたしまして、田組精密の田組忠弘に頼んで二百十七丁をつくったわけでございます。こよをそれぞれ各販売店あるいは卸業者に売りさばいておった。その中の一丁が先ほど申し上げました暴力団相互間の売買になったわけでございます。そのうちに、警察の調べでは三十丁が神保勉——御質問の神保勉のところに売られておるという事実がわかったわけでございます。令状を取りまして、令状によって本人の逮捕及び捜索を実施いたしたということでございます。  これは、その後の状況を申し上げますと、検察庁に送致をいたしまして勾留請求をしたわけでございますが、勾留は却下になりまして釈放され、その後検察庁の処分結果は起訴猶予と、こういうことになっております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ端的に聞きましょう。この神保勉の容疑、何とか法とかというそういう漠然としたものでなくて、具体的に何の容疑であったんですか。何を容疑にして逮捕したんですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 銃刀法の、銃砲の不法所持の禁止違反ということで逮捕いたしたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 すると、ウィンチェスターM92は銃砲と認定したわけですね。真正銃として認定をして、それを不法に持っておるということで逮捕したわけですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 先生御指摘のように、真正の猟銃ということを認定して、これを不法に所持しておったということで逮捕したわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 その押収した銃はどういう状態の銃でしたか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 現在、三十丁のうち全部は領置しておりませんけれども、領置いたしました銃は、撃針等を外して、銃口にもこれが使えないように金属性のものを詰めて、いわゆる真正の銃として使えないように改良した、そういう銃でございました。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 押収したものはそういうものだったんだから、銃砲ではなかったわけでありますが、このM92を銃と認定をして逮捕に踏み切ったというのでありますが、これはモデルガンじゃなかったんですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) これは、名目としてはモデルガンとして販売をしておったわけでございます。しかしながら、銃身の中に非常に薄い金属性の板を挿入いたしましてネジでとめておるんですが、ネジを外せばもうすぐそれが簡単に取れると、取れれば真正の銃である、こういう状態の銃でございまして、私も現物を確認をいたしております。私の目から見ても真正の銃だというふうに思われるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ですから、あなたの方では、そういうM92というのが五十一年の十二月ごろから出回っておることを知る機会もあったわけでありますから、その当時からM92は真正銃として警察は認定しておったんですか。モデルガンとして扱っておったんですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) これを警察が認知をいたしましたのは、昨年の暮れに、雑誌の名前忘れましたけれども、モデルガンの関係の雑誌がございます。そこに広告が出ておりまして、モデルガンということで出ておりましたけれども、モデルガンの銃にしては比較的値段が高いということを言っておったわけでございますが、それとあわせて、先ほど申し上げましたように……ということでこの調査を始めたわけでございます。それと同時に、先ほど申し上げましたように、滋賀県に端緒を発しまして、暴力団間のウィンチェスターM92型の売買が行われておった。これを端緒に検挙をいたしましたところが、これは全くの真正銃であったと、こういうことから捜査に踏み切ったという状況でございます。  私どもは、法律の規制も昨年の八十回の国会で強化をしていただきましたし、まさかこういう真正の銃がモデルガンとして売られておるということは考えてもいなかったわけでございますが、しかしながら私どもとしても、万が一にもこういうものが出てはいけないからということで注意は払ってはいました。そういうことで、先ほど申し上げました機関誌を発見をして調査を始めたということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 部長、それは少し事実が違うんじゃないんですかな。昨年の暮れごろ、「GUN」という雑誌の広告で承知をしたと言うが、これが「GUN」という雑誌の広告に載ったのは一昨年の昭和五十一年です。五十一年の暮れ。そして、五十二年、当委員会で法改正の議論をいろいろいたしましたが、そのときの昭和五十二年五月十七日、衆議院の地方行政委員会で吉田保安部長は、これはモデルガンとして認めているじゃないですか。認知していなかったじゃなくて、モデルガンとして認知をしているじゃないですか。五十三年の五月十七日の衆議院地方行政委員会でモデルガンとして認知をしている。モデルガンとして認知をしておるM92を所持をしておったゆえをもって逮捕をされたということになる。しかも、私は時間がないから申し上げませんが、逮捕をするまでには、どういう銃が何丁出回っておるとか、それにはこういう安全の措置を施してあるとかということを、逮捕をした当人と、当人が警察に協力するという形でね、いろいろとこうやりとりをなさっておるといういきさつがあるようです。  いずれにしても、私が直接お聞きしておるのは、真正銃として認定をして、それの所持違反でつかまえたというのは、警察庁としてはどうも一貫をしておらない。ここで言う限りはね。現場の京都府警の担当者がその辺のめんどうないきさつわからぬで勘違いしたかどうかは別としまして、ここでのやりとりで言えば、五十二年五月十七日に、吉田保安部長が、衆議院の和田さんの質問に答えて、「ウィンチェスターモデルが十六万八千円、それから、」以下云々というふうに答えた、これですよ。したがって、出先まで徹底したかどうかは別として、ここでのやりとりの限りはモデルガンだったじゃないですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 確かに先生御指摘のように、この広告は五十二年の一月に出ております。しかしながら、この発売は、昨年の十二月初旬に発売ということで、この現物は十二月にしか出てないわけでございます。この広告によりますと。したがいまして、この吉田部長がお答えをしたウィンチェスターM型のモデルガンというのは、一応話で聞いただけでの判断であるというように私どもは承知しておるわけでございます。しかしながら、ここに十二月初旬発売と、予約受け付け中と、こういうふうな内容になっておりますが、この現物が出てないわけでございますから、ですから、現物を見たところろが真正の銃であると。ではこれは鑑定に回してひとつしっかりせにゃいかぬと、はっきりしなければいけないと、こういうことになったわけでございます。   〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕  その結果、発射機能等についても鑑定をやったわけでございますが、専門家の意見を聞いてもこれはまさに真正の銃であると、こういう認定を受けて、そういうものを根拠にして強制捜査に踏み切ったと、こういうことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 この十二月発売というのは、五十二年の十二月という意味ですね。これは五十三年一月一日発行です。このガン雑誌はね。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) はい。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それにしても、これ、警察というところはなかなか一遍やると弁明をしないからあれですが、私も腑に落ちないからお聞きをしているのですが、神保さんが代表になっておるこれはモデルガンの協会ですね。協会と警察庁当局との関係は非常に友好的であって、いままでもこういうものが出回ると、相互に情報を交換したり、あるいはまた、必要な改善を当局から求めたりあるいはまた自主的な措置を報告をしたりと、そういう関係にあったわけですよね。ですから、このガンについてだけ何らの情報を警察当局は持たず、あるいはまた協会の方がこれだけは極秘にしておったというものではない。仮に広告の上にせよ、それはモガルガンというその認定というか理解が、ある時期破局責任者にもあったわけです。で、そういう状況からいくと、所持をしておる側もこれはモデルガンという理解でいただろうし、あるいはまたモデルガンを所持しておってもいい法律上の期限内。去年の十一月いっぱいまでの間でありますからね。しかも、こういう事件が発生をして、いろいろ、この銃どこへ出回っているんだろうかというようなことが心配になってこの逮捕された当事者との間にもいろんな情報の交換なども行われておるという状況から見ると、私はいかにも逮捕が唐突のようなんです。事実これを勾留しようと思ったら、まあ簡単に言えば被疑事実がどうもないようだし、あるいはそのことの認定に触れないにしても、そのガンはいろんな措置を講じてあって、何もつかまえておかなければならぬというものでもないようだという裁判所の認定もあったわけですよね。皆さんそれに抗告をしたけれども。これは検察庁の方ですけれども。検察庁の方ですからあなたに聞いてもしようがありませんけれども。裁判所の認定などの、ずっとその後の措置を見ると、私はどうも一番最初につかまえた出先ですか、それを指揮をした直属ですかな、その辺に少し判断の誤りがあったんじゃないかと思うんだけれども、いかがです。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 確かにモデルガン協会と警察との関係というのは、以前は緊密な連絡をとりながらやってきておったわけでございます。特に法改正の問題についてはいろいろ意見を聞いてやっておる。で、それについて、こういう型式の仕様の銃であればいいかというような相談も受けております これはあくまでも本当に法に適合した仕様のものでございまして、こういうものではいいじゃないかという答えをしたこともあります。しかしながら、このウィンチェスターM92型の今度の事件になりましたものについては、これは相談は受けておりません。もちろん、こういう現物を持って相談に来れば、その時点で私どもは、これは違法であるという認定をしたはずでございます。  それから着手の際にちょっと不適切な点があったんじゃないかというふうな御指摘でございますけれども、これは確かに神保氏は起訴猶予になっております。で、この逮捕した後、勾留請求の際の却下理由につきましても、これは大変重要でございますので、要点だけちょっとここで申し上げますと、これは真正銃であるという認定が前になされております。裁判所で。この銃を。——それでは、その前からお読み申し上げます。これは、関係被疑者の荒井茂と平田貞夫、この二人に対する勾留却下の決定がございましたが、その理由書の中にこういうことを書いてあります。   なお、弁護人は、右銃はモデルガンとして販  売していたものであり、被疑者らにおいて銃刀  法第二条の銃砲に該当するとの認識は全くなか  つたと主張するが、右一件記録によれば本件銃  はモデルガンとして販売していたというが、一  部部品の簡単な取りはずしにより金属性弾丸を  発射する機能を持つに至るものでありかかる本  件銃の構造及び被疑者両名がモデルガン販売を  目的とする国際産業株式会社の代表取締役及び  直営店店長であり、モデルガンに関しては専用  的知識を有していたこと、その他モデルガン規  制の改正銃刀法の施行を控え行政指導を受けて  いたことなどの事情を重ね合せれば被疑者両名  において同法第二条の銃に該当するとの認識を  有していたと認められるのが相当であり、ということで弁護人の主張を退けておるわけでございますが、ということは真正の銃ということを裁判所は認めているわけでございます。それを前提にしましてこれらを、神保勉がこれを買ったということについては事実を認めながらも、しかしながら本人は、  銃身及び撃針部に安全のための改良が加えら  れ、現に全く危険性のない形態のものにされた  ことが窺われ、そうとすれば前記のように被疑  者が本件銃を十一月四日を含め改良するまでの  数日保管した目的ではむしろ右銃の安全性を調  べて改良を加えるためその準備期間として保管したということも十分可能であって、 ということで、まあわれわれの判断では違法性がないということでこれは却下されたというふうに思うわけでございます。  そのように、私どもも逮捕に至るまでには、十分な専門家による鑑定もやって、真正銃だという認定もし、それからその後の経過を見ましても、裁判所もこの銃が真正のものであるということも認めてきているわけでございます。私どもの本件について捜査に着手したということは、決して妥当性を欠くものではないというふうに確信をしているわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私、きょう当不当の断定をしておるのではない。あなたの方に判断間違いはないかと聞いておる。警察は人の身柄まで拘束する権限を持っているのでありますから、それだけに絶えず慎重でなければならぬ、そういう意味で申し上げておるんですが、私はどうもこれは少し見解の違いじゃないかと。もしこれが真正銃だというのであれば、少なくとも広告が出てから、出たのはずいぶん前でありますから、これが真正銃であるかどうかを確める端緒は幾らでもつかんでおったわけでありますから、それを怠っておった警察側の責任だってある、これは。あるいはまだ、これが真正銃だというのであれば別の訴訟、起訴猶予とかなんとかに対して別に争う方法だって、本当に真正銃だといって争う方法だってある。しかし、そのことはきょうは申し上げませんが、私が何となく少し不愉快に感ずるのは、このモデルガンの製造組合と警察当局とはそういう意味では相互協力関係にあった。しかし、去年の当委員会でも、銃刀法の改正のときに、何もかにも、一から十まで個人の趣味の領域にまで立ち入ってモデルガンまで規制すべきかどうかという議論があり、それらと前後して例のおもちゃ狩り裁判と言われる裁判が起きて少し仲が悪くなった、本当のことを言うと。仲が悪くなったのでぱくってやろうかというね、そういう前後の事情、時間的なつながりから見ると、そういういささか不愉快な推測が成り立つような逮捕の仕方であるということを、これ率直に言って非常に懸念をしています。しかし、訴訟にもなっていることでありますから、いずれこれは明らかにされるでしょうし、いずれまた機会を得てお伺いをしたい。  時間ですが、済みません、最後に一つだけ。——行政局長でいいんですが、予備自衛官というのが地方公務員にいるとして、これに防衛招集、訓練招集等があったときに断れますか。

砂子田隆自治省行政局公務員部長

○政府委員(砂子田隆君) いまお話しございました、地方公務員であります予備自衛官に関しまして、防衛庁長官から自衛隊法七十条の規定による出動を命ぜられるということになりますと、この七十条の二項に、その招集に応じなきゃならぬという義務規定がございまして、それが地公法の三十五条に言うところの職務専念義務免除の中の例外規定の法律であるというふうに読めますので、任命権者はその地方公務員を出動させるということになると思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 そう自動的には、一方には職免もあるでしょうに。職務専念義務もあるでしょう。

砂子田隆自治省行政局公務員部長

○政府委員(砂子田隆君) 三十五条の規定というのは職免の規定でございまして、その規定に従いまして、この自衛隊法七十条の二項が法律で定める別の場合というふうに該当しますので、その規定による職務免除によって地方公務員が出動に応ずるということになっております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 だから、自治体の長は職務免除を拒否できるかどうかということですよ、職務免除をしないと。

砂子田隆自治省行政局公務員部長

○政府委員(砂子田隆君) それは大変むずかしいと思います。というのは、自衛隊法七十条の二項の規定というのは広く国民一般に通ずる規定でございまして、特に、自衛官になっているその人に対しましては初めから義務を課しているということになっておりますので、その義務を課している部分に知事が反対だと言うことはむずかしかろうと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 時間切れですから、これはいずれやりましょう、あなたの不勉強だと思いますので。それはまあいい。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 私は、何点かお尋ねをしたいと思いますけれども、特に硫黄島の復興計画と旧島民の帰島問題について、これは地方行政の立場から自治大臣、それからまた開発の面からは国土庁に二、三聞いてみたい、こう思います。なお、この後、赤字に苦しむ地方公営企業、これらの問題についてお尋ねをしてみたいと思います。  さしずめ硫黄島に関する問題をお尋ねをしてみたいと思うんですが、この問題についてはわが党の二宮議員が今月の十四日の日に十四項目にわたる質問主意書を提出しました。ですから、そこには、十四項目にわたっているんですから、硫黄島に関するもうあらゆる角度から、旧島民が、あるいはまた国が関心を持っている問題、それらを含めてこの十四項目の中に入っておりますので、その点については、その詳細についてはそれらに譲るということにいたしますけれども、しかし、国務大臣である加藤大臣が出席されておりますので、いい機会なので粗々そのどれだけかをお尋ねをしていきたい、どういうお考えを持っているか。こう思いますのでお尋ねいたします。  硫黄島は、御承知のように昭和四十三年小笠原諸島が日本に復帰した。そして東京都の小笠原村の一部として発足したわけですね。それから数えますと、とにかく戦後から数えれば三十三年、そして復帰後といえどももう十年たっている。そういう中で、いまだに旧島民の帰島が許されていないという現状ですね。この辺は、いわゆる地方行政という立場からしてもいろいろと考えていかなくちゃならない問題点じゃないかと私は思いますね。そこで、旧島民とすれば、これは自分の生まれ故郷でもあるし、また墳墓の地でもある。当然帰島したいという考え方、これはもうだれしもしかるべきだろうと思う。しかし、にもかかわらず、なかなか帰島できない。ですからそこに大きな悩みといいますか、郷愁というか、いろいろなものがあると思います。こういった旧島民の心ですね、そういうものを大臣、国務大臣としてどういうふうにお受けとめになっておられるか、その点からまずお尋ねをしてみたいと思いますがね。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 硫黄島に住まっておられました方々は、昭和十九年に離島をいたしまして、生まれた地でもございますし、また墳墓の地でございますから、ぜひ帰りたいという願望を強く持っていらっしゃいますのが人情であろうと思うのでございます。そこで、十年前に復帰をいたしましたので、一日も早く硫黄島に帰りたい、かような強い願望を持っていらっしゃる、このことは私としてもよく理解ができますし、また帰島の一日も早からんことを願いまして今後も努力をすべきだと、かように考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それで、大臣がそういうお考えであるということ、一日も早く帰島できるようにしたい、こういうことなんですが、いまも申し上げたように、戦後三十三年、復帰してから十年、大臣がそういうふうにお考えになっているということはまことに結構ですけれども、現実の問題は、そういうふうに長い年月を経ながらいまだに帰島できないでいるわけです。ということは、なぜ帰島できないのかという疑問が残るわけです。その辺はどういうことになるんですかね。これだけの年月を経過しながら、いまだに帰島がかなわない。幾ら大臣が心の中でそう思う、心情的にこう思うと言っても、現実の問題を踏まえずして幾ら考えだけこうだと言ってもこれは始まらぬので、その間にいろいろな手も打たれたかもしれぬけれども、それらもこれから聞いてみますけれども、まず、なぜ帰島できないのか、この点を、これは大臣でなくても結構ですが、お聞かせ願いたいと思います。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 小笠原諸島の硫黄島は、御案内のように第二次世界大戦の激戦地でございましたことから、同島の復興に当たりましては、すでに御承知のように遺骨の収集とか不発弾の処理という特別な事情を考慮する必要がございまして、また、同島の立地条件の特殊性といたしまして、火山活動につきましての安全性の確認を前提として開発の可能性を検討することが必要であったところでございます。  現行の小笠原諸島復興計画におきまして、御案内のように硫黄島につきましては、帰島及び復興計画の当面対象といたしておりませんのは、いま申し上げましたような事情につきましてそのめどを得るに至っていないというふうなことのためでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあ話とすればね、爆弾があるんだよと、また遺骨の収集問題が解決されてないんだよと、いろいろとおっしゃいましたけれども、まあ感じの面からいえばそういったこともわかる。だけれども、実態はどうなのか、実態は。それだけのことをおっしゃるからには、やっぱり国土庁として相当な調査が、確実なそして堅実な調査が行われた上でいまの御発言だと思うけれども、どういうそれらを解決するための調査、あるいはまたその調査をした時点はいつなのか、そしてその後どういうそれに対する手が打たれたのか、それらをちょっと聞かしてもらいたい。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  硫黄島の現況につきまして、不発弾処理の未済という状況がなお引き続いており、しかも、火山活動による地盤隆起という自然条件のもとにあることにつきましてはいま申し上げたとおりでございますが、昭和四十九年から五十年にかけまして、硫黄島について現地調査を実施いたしましたところでございますし、また火山活動につきましても四十七年、五十年、それに五十三年、現年度においてもその状況についての調査を行っているところでございますが、そのようなことにかんがみまして、先ほど申し上げましたようなそういう特別な状況がなお引き続いており、安全性の確認というのがどうもまだ得られないというふうなことから、現時点におきますところの帰島につきましては慎重に対処すべきものであるというふうに考えている次第でございますので、御了承いただきたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 その調査、何年と言いましたかね。ちょっともう一度聞かしてください、そこだけ。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 現地の総合調査につきましては、昭和四十九年から昭和五十年にかけて行ったところでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 まあ結論的に言えば安全性が確保されていないと、こういうことだということですね。  それじゃ、たとえば戦前、硫黄島、名前のごとくですね、硫黄島というのは。ですから、地盤の隆起とかそういう問題についてはこれはいま始まったことじゃないと私は思う。戦前どのぐらいの人が住んでいたのか、そういう中で。そのときに何も手が打たれないで、戦後になって、同じような現象が起きている、そういう中で今度はだめだと。何か納得できないですよね、そういった言い方だけでは。だから、やっぱりその辺がもっともっと、戦前ではどうだったんだと。やっぱり戦前だって隆起はあったはずですよ。特にいまになって隆起がどうだこうだと。じゃ戦前といまとどのぐらいの差異があるのか。戦前よりももっといまの方が隆起が激しいんだと、それともう全く住むにたえないところであると、こういうような調査結果が出ているとするならば、それはそれとして納得する面もありますがね。その辺が明らかでないと、そんなことはもともと決まったことじゃないかと、こういう感じがするわけですがね。どうですか、その点は。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 火山活動によります地盤隆起の例として、数字を間違いましたら訂正いたすのでございますが、たとえば、明治四十四年以降の年平均の隆起量というものが十一センチ、昭和四十三年から四十七年にかけての年平均の隆起量というものが二十八センチ、昭和四十七年から五十年にかけての年平均の隆起量というものが三十六センチと、こういうふうなデータの例もございますので、御了承いただきたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そうすると国土庁は、年度別にいま言ったけれども、年々その隆起のいわゆる差が激しくなっているということですね。だからこれからどうなるかわからない、だからそれが続いている閥は、幾ら旧島民が帰島を求めても、安全性の立場からそれは絶対に許されないのだと。また、もちろん火山帯ですからいつおさまるということはわかりませんからね。そういうデータによれば、そういったことでだんだんだんだん隆起の状態が激しくなっていると、そうすると、それが続く限りはこれはもう絶対に帰れないんだと、こういうことになりますね。  じゃ、一体その隆起の状態が終息する、あるいは低下する、そういたところがどのぐらいになったら帰れるんだという見通しをつけているんですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  まことに申しわけございません。どのぐらいになればというのはちょっとお答えしにくいんでございますが、先ほど申し上げましたように、地盤隆起の現状が先ほどから申し上げてきた状況でございますし、何といいましても安全性の確認ということはこの硫黄島の問題を考える上に当たっての大事な前提だろうということから、現時点における帰島については慎重に対処すべきではないかというふうに考えている次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それは説得力ないんだ、そんなことじゃね。やっぱりあなたがそう言う以上、あなたがいまデータをもって、こういうふうに隆起が激しくなっておりますよと、こういうこと言ったわけだね。言ったんでしょう。ですからその状態の中ではとても帰ることは無理ですよと、安全性の立場から。ここまではわかるんだ。ここまではわかります。ここまではわかるんだけれども、それでは、いつおさまるかわからないんです。これはね。そうでしょう。またもっとひどくなるかもしれないんです。だから安全性の確認というものは現時点ではできない。だけれども、さっきから言っているように、戦前からそういう問題、明治時代からあるわけです。そうでしょう。それならば、いま言ったように、旧島民は一日も早く墳墓の地、いわゆる自分の生まれ故郷に帰りたいんだというその願い、これを踏まえて、こういう状態になったならば——あなた科学的にこうこうこうだということ言ったんだけれども、それじゃどういうふうな状態になったらば、いわゆる地象というか地質変動というか、地殻変動というか、そういうものがこういう状態になったときには帰れますよという、そういったものが出てこなくちゃいけないんじゃないですか。あなたが科学的にそういったものを分析した結果を私に言って、だからと、だからだけじゃだめですよ、じゃその先どうするんだというところまでいかなければ。それでなければ納得しませんよ。また、そういった考え方を科学的にこうこうこうだから、だからこの時点ならば帰れますよということを少なくとも、それだけ求めている人がいるんだから、そういう人たちの期待にこたえるためにもそこまでやっぱり考えもし、研究もし、そしてその成果というものを発表すべきじゃないですか。そこのところがわからないで、それじゃ雲をつかむようなものだ。いつまでたったって帰れないじゃないですか。いつまでたったって宙ぶらりんじゃないですか。  だからそこのところをね——私はどっちでもいいんだ。そういう方たちの立場を踏まえていま政府はどう考えているんだということを聞かしてもらいたいと、こう思っているわけですよ。だから、それが安全性の立場から帰れなければ帰れないで仕方ないんです。しかしその先が、いまこうですからだめです。それはわかる。だけどそれから先どうなるか、どうなったら帰れるんだと、そこまで言ってあげなさいよと言うんです。どうですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたが、現地調査の結果、安全性の確認の一つの例としての火山活動に伴う地盤隆起等の現象等についてを一例として申し上げたわけでございますが、硫黄島の問題につきましては目下検討しておるところでございますが、引き続き各般の事情を勘案の上、将来の問題を含めまして十分検討してまいりたいと存じますので、御了承いただきたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 答えにはなっていないね、答えになっていない。だからね、いやなんですよ、ぼくはね。この前も委員会で、こんなことがあったんですけれども、出てきてくれる限りは、ある程度やっぱり責任を持って答えてもらえるようでなくちゃ困るんで……。私は決して無理言ってないんですよ。いまこうこうですから無理ですよというあなたの発言、それはよくわかると言うんですよ。それならばどういう状態のときに、三十六センチ隆起した、そういう状態は危険であると。じゃどういう状態ならば、どういう状態になれば帰れるんだと、そこまで、あなたそのぐらいのことは言えなくちゃならぬですよ。それをいわゆるお得意の、前向きで検討しましょうと言うだけじゃね。私は具体的にお話を伺いたいと思ってそれでお聞きしているわけですから、それは困りますよ。強いいわゆる熱望ですね、帰りたいという。やっぱりそういう国民がいるわけですから、そういう立場を踏まえてもっともっと、私は国土庁がその任に当たるならば、やはりその人たちが納得できるようないわゆる方向性というものを明らかにしてあげるべきだと、こう思うんです。だからこそ聞いているわけです。  これじゃ、幾らこの先聞いても、これとてもとても答えになりそうもありませんけれども、地盤の隆起の問題についてはいま始まったことじゃないと、あなたがデータを示してこう言ったんですけれども、それでは、いわゆる自衛隊の基地があるでしょう、自衛隊も行ってますね。それからあれも行っているんです。アメリカのロラン基地、あるわけですよ。そんなものは構わないのかな。そういうものは隆起しようが何しようが構わないということか。あるいはそこだけ不思議に隆起しないということなのかな。それはどうなんですか、その辺。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 自衛隊あるいはアメリカのコーストガードというのは、何と申しますか一般の住民と異なりまして、特別なそれぞれのそういった任務につかれておるわけでございまして、それぞれの必要上と申しますか、から同島に滞島していらっしゃるというふうに存じまして、いわゆる一般の住民の方々に対しての国土庁としての生活の見通しの安全性と申しますか、基礎的な安全性というような点では、若干異なる点がありはしないかと、かように感ずるところでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いけませんねそんなことでは。私が聞いたのは、あなたは特殊な任務だからしようがないと言われるわけですよね。特殊な任務だからしようがないと、こっちは住民だからいけないんだと。そんな言い方というのはありませんよ。  もう一つは、あなた任務の問題を言っている。私は隆起という問題をいまお尋ねしたんでね、隆起とは何だと。隆起が激しいからと言うものですから、ですから、そういったら、いわゆる基地ね、滑走路だとか相当な範囲を持っていると思うんですよ。そういったところは全然支障がないのか。少なくとも隆起が激しければ物の用に立たないんじゃないか。ですから、そういったところは隆起はしないのかどうか。それじゃ、調査の結果どういうところが隆起しているのか。この辺が隆起しているんだと、だからこの辺に住むのは危ないんだと。飛行場の近所は隆起がないからこの辺は安全だと。そういうふうに詳しく今度は聞きたくなっちゃうんですね、いまの答弁ですと。そんなことを求めてもちょっと、飛行場だけが大丈夫ですなんて言うわけにいかぬでしょうからね。だからそこのところを詰めてみたたところでしょうがないかもしれませんけれどもね。そこで、そういうことなんですよ、問題は。ですからただただ安全性、安全性と言うけれども、現にそういうものがあるわけですからね。ですから、それはいわゆる任務を、そこにおっていろんな施設を持って任務を果たしているわけですから、果たすことができるわけですから、そういう状況下にあるということは、やっぱりそれを踏まえて、それじゃ住民の住むにはどうなのかという点も考えてみなきやならぬでしょう。私はそう思いますね。ただ大ざっぱですよね。隆起、隆起、隆起と言うけれども。まあどっちにしても簡単に答えにはなりそうもありませんので……。  いわゆる小笠原の復興計画が始まって、これは昭和四十五年ですね、ですからもうそれから八年たっている。その中で、あなたがいま言っているように、硫黄島というのはそういう状況の中にあるからこうこうなんだという話。で、そういう状況を踏まえてやっぱり当然やるべきことはあると思うんですよ、国土庁としては。ということは、小笠原の復興計画が立てられた、その復興計画から、そういう状況の硫黄島であるにもかかわらずこれは除外されているというその考え方はどういう発想なんですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 現行の小笠原諸島復興計画におきまして帰島及び復興計画の当面の対象から硫黄島を除いておりますのは、先ほども申し上げたかと存じますが、硫黄島の特別な衷情を考慮する必要がある。すなわち、遺骨の収集とか不発弾の処理問題、それに先ほど申し上げました立地条件の特殊性としての火山活動についての安全性の問題、こういった事柄、そういった特別な事情につきまして、前提あるいは考慮して、同島については当面の帰島及び復興計画の対象とせず、「開発の可能性を検討」というふうな扱いに現行小笠原諸島復興計画においてはなっている次第でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 またこれは話はもとに戻ってきたんですよね。硫黄島が小笠原の復興計画から除外された理由としては、遺骨の収集あるいは不発弾の処理ができてない、そういう中でこの復興というのは無理だと。いま地盤の隆起という問題は口にしなかったけれども、その二点について言いましたね、あなたは。その二点について、遺骨収集の問題、それから不発弾の処理の問題についてどういうふうに強力な手が打たれてきたのか。調査とともにそれを取り除くため、あるいは遺骨を収集するためにどういう対策が講じられ、またそれが実施されてきたのか。その点ちょっと聞かしてくれませんか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 国土庁として私から申し上げる事柄じゃないかと存じますが、お許しいただきまして例として申し上げますと、手元にデータをちょっと持っておりませんので間違いましたらおわびいたしますが、たとえば遺骨収集につきましては、八回にわたって約五千柱、それから不発弾の処理につきましては過去二十トンないし三十トンのものの処理がされたというふうに記憶いたしております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 それは一応の、三十トンにしてもこういうふうに処理されましたよという、それはいわゆる結果ですね。だからやってますよということになる。私はそんなことを聞いているんじゃない。どういう強力な手が打たれたのかと聞いている。それを早く取り除いてあげなくちゃいけないんだからね、そこが問題なんだから。そのためにどのくらい人力、労働力を投入し、また機械も投入し、あるいは自衛隊の爆弾処理班が出てどうした、そういうことをやらなければ早く取り除けないでしょう。どういう強力な手を打ったかということなんです。その点聞いているんです。何回行ったかというんじゃないんです。遊びに行ったんだってやっぱり行ったんだよね。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 先ほどもお断り申し上げましたが、遺骨の収集とか不発弾処理について、直接私どもタッチいたしておりませんので、私の頭にあった点について申し上げたことでございまして、ちょっとその点について御答弁いたしかねますので、お許しをいただきたいと思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 委員長、本当に困るんですよ、こういうことじゃね。せっかく聞こうと思ったって何も答え出てきませんから。もうこれ以上聞きません、それで。これ聞いても、私の方がまた後でお恨みを受けても困りますので、これ以上聞きませんけれども、しかしね、聞くところによりますと、離島した方たち、いわゆる旧島民ですね、その旧島民の方たちがやっぱり何回も行っているわけですよ。それで、向こうの不発弾の処理はどうなっているかということも当然心配ですから調査しているわけです。それによりますと、もう不発弾の場合には、アメリカ軍が占領中にほとんど処理されているというんですね。こう言われているんです。それで、穴蔵だとかそんなところに何かこうばちっとコンクリートでもってふさいじゃってね、そんなところはどうにもならないようですけれども、実際は、生活するについてはそれほどの危険性はないんです。ほとんどアメリカ軍が……。それはそうでしょう。復帰したのが四十三年。ですからそれまでアメリカがいたんでしょう。アメリカだって、不発弾処理しなくちゃ、あんたそこでおちおち生活できないんじゃないですか。やっぱりアメリカ人というのは日本人よりも命を大切にする国民かもしれない。そういう人たちが、自分たちが終戦以来二十数年住んできているのにね、不発弾の処理も全然しないで、もういわゆる薄氷の上を歩くような思いで生活をしていたとは思えない。当然全力を挙げて不発弾の処理をやってきた。だから旧島民の言っていることは正しいかもしれないですね。そういう旧島民との話し合いなんかはやったことあるんですか。私の方はそこまで関与しておりませんからわかりませんというんじゃなくて、   〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 いわゆる主管官庁として、やっぱりそういったところの責任はあるはずなんですよ。だからそこのところを、やっぱりそういう人たちの話も聞かなければいかぬ。そういう話し合いなんということはいままでやったことありますか。どうですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 間違ってたら失礼ですが、私の……

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) もうちょっと声を大きくしてくれませんか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 私の記憶の範囲で、所管して以来はなかったというふうに思っております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで、そういう意見があるので、やっぱりそういったものを聞く機会を設けた方が私はいいんじゃないかと思います。どう思いますか、その点。私は責任者じゃないから、その点まで触れると後で差しさわりがあるといけないなんというような心配をしないでね、ずばり、その方がいいと思うというならそういうふうにお答えいただきたい。そうすると喜びますよ、みんな。何でもないことですよ、これは。本当に硫黄島のことを考えるならば、当然やっぱり国土庁の方も、そういう話し合いをするとかそれらの人の話を聞いてみるという必要があるんじゃないですか

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 直接お話を、何といいますか、承ったことはございませんが、間接的には、たとえば東京都などで研究していらっしゃる硫黄島問題研究会などからお話のようなことはいろいろと伺っておりますし、私どもが直接そのお話を承るというにつきましては、検討さしていただきたいと、かように考えます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 はい、わかりました。それじゃね——またこれも出ないでしょうね——やっぱり物事にはきちっとした計画を立てて、そしてその計画に基づいて物事を進めるというところに効果が上がってくるんですね。そうでしょう。こんなことあんた、小学校の子供に教えているみたいなことを言ってまことに失礼なんですけれども、そうだと思うんです。  それでは、不発弾処理、遺骨収集、それは、こういう計画のもとに大体いつまでの間にこれを処理するんだというこれに対する考え方、これはどういう考え方を持っているんですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 遺骨収集及び不発弾の処理という問題につきましては、まことに申しわけございませんが、私ども国土庁そのものの、何といいますか、直接のタッチ事項でございませんので、その計画につきましては、私の方から申し上げることができません。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 あなたがそんなこと、言うから、今度は大臣にいっちゃうんですよ。  国土庁では、それは関係がないので言えませんと、こういうわけです。少なくともいま申し上げたように、物事には計画性というものがなかったらだめでしょう。国がでたらめに——これ、話が全く違っちゃうんだけれども、われわれ国に一兆円減税やれと言ったって、やっぱり財政的な計画があるからそれはできないんだということでこれ、だめになった。それは国の計画があるから。いわゆる財政計画があるから。やっぱり計画に基づいて物事は進んでいるんだ。やっぱりそれと同じように、硫黄島というものが日本に復帰してきた、そして小笠原村の一部になったと、こういうことでしょう。で、この復興についてどうするかという計画は、私は当然必要だと思うんですよ。いままで無人島ならばそのままでいいんです。だけれども無人島じゃないんだよ。もう干幾らという人たちが戦前住んでいたわけでしょう。それが戦争のいわゆる飛ばっちり食って、そして軍属だ何だといってあそこで命を失った。そして疎開してきた人たち。そういう人たちが、生まれ故郷に帰りたい、いわゆる墳墓の地に戻りたい。もう当然じゃありませんか。そういう心を踏まえてどうするかという問題。それは開発とかなんとかいう問題を抜いても、これは硫黄島がアメリカ占領地である場合には手のつけようがないだろうけれども、日本に返ってきたんですから、日本のいわゆる一部分です。一地域です。それは地方行政に大きなかかわりがある。ということは、自治省に大きなかかわりがあるということです。そんな状態になっているのを、自治省は、私は知りませんぞと、それは国土庁がやっているんだよと、そんな顔していられないと思います。そこには住民も住んでいた。また、いわゆる土地の所有権も持っているわけです。いろいろな問題があるんだ。そういう問題を踏まえてどんどん突っ込んでいけば、自治省にも大きな責任があるということを私は言える思う。  そういう見地から大臣もこれは、いままでは国土庁と上林とのやりとりだということではなくて、そういうことなんで自治大臣としても、いわゆる国務大臣として、いま問題になっているのは不発弾、遺骨収集。隆起の問題もあるけれども、隆起の問題は天然現象だからこれはどうにもならぬかもしれない、一歩譲ってどうにもならぬとしても、いわゆる遺骨収集と不発弾処理というこの問題については、早く取り除く、早く取り除くことによって硫黄島というものが一地方として、いわゆる自治省が管轄する一地方として、そこがよみがえってくるんじゃないですか。そういう立場から、私はいつそれをやろうとしているのか。それは当然自治大臣として、早くここを復興させるというためにやっぱり自治省の管轄としてどうあるべきだと。いま論議の中で不発弾と遺骨収集が問題になっているんだから、それをいっときも早くやらそう、そのためにはこういう計画だと。いま計画は立たないかもしれないけれども、少なくともそのくらいの考え方があってしかるべきだと私は思う。だから、その点についての大臣の考え方をひとつ聞かしていただきたい。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 自治省の所掌ではございませんけれども、自治省といたしましても非常な関心を持っておりますし、最初に申しましたように、早く帰島できますような客観情勢をつくり上げていく努力をしなければならぬと、こう思います。遺骨の収集は厚生省が所掌しておりますので、あとどの程度残っておりまするか、あるいは完了いたしましたのか、つまびらかではございませんけれども、もし完了しておらないといたしますならばなるべく早く完了すべきが至当であると思いますし、また、不発弾の処理につきましてもできる、だけ早く進めていくべきだと、かような基本の考え方を持ちます。  なお、天然現象としましては、いま話がありましたように、島の隆起が毎年ひどくなっておるようでありますから、ですから果たして一般の島民の方が居住に耐えるかどうかと、このめども科学的にただしていかなければならぬでありましょうし、また、聞くところによりますと、水が非常に少ないというぐあいに聞いております。戦争前の生活と今日のわが国民の生活水準から対比いたしまして、果たして十分な水が確保できるのかどうかと、かような点も民生の観点からよくやっぱり吟味しなきゃならぬ、こういう感じを強く持ちます。  で、東京都庁の中に研究会があるようでございますから、ですから研究会におきましてもそういうことを鋭意進めてもらわなければなりませんし、また国土庁の中にも、伺いますと小笠原諸島復興審議会というのがあるようでございますから、そういう審議会の場などを通じまして早く事の解決を図っていくべきだと、かような感じを強く持ちます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 この問題については最後にしますけれども、いまの大臣の話、前向きに取り組んでいこうということですが、水の問題だとか、いまいろいろ出たんですけれどもね、水の問題といったって、あそこでもって井戸を掘るなんていうわけにいかないでしょう。そうでしょう。戦前はどうやって水を取っていたんだと、これは雨水でしょう。沖繩でもそういうところありますよね。だからそれがいわゆる水の問題です。あそこはね。ですから、それでもって住んでたんですよ、あそこは。それを承知の上でもって早く帰りたいというわけですから、それだけが一つの理由にはならぬだろうということですね。ですから、いま東京都にはこういうものがある、あるいは国土庁にはこういうものがある、こういうお話でした。そういうものがあっても進まないというのが現状なんです。そこを大臣よくわかってもらわなくちゃ。そこでもって進んでるんなら、私何もここでこんな大きな声を出してお話しすることはないわけです。そういうものがあるにもかかわらず進まないところに問題があるわけでしょう。そこをどうするかということですね。  ですから、最後に私は、これは提案ということになるのかもしれないけれども、各省庁——国土庁も言いましたよね、これは私の所管ではありません、私どもの所管じゃありませんよと。ということはよその省庁に関係あるということですよね。ですから、いわゆる各省庁から成る総合調査団、こういうものを編成をして、いま言ったような問題についてのいわゆる解決策、それをやっぱり早く進めていくべきではないか、こういうふうに思うんですが、この点について、国務大臣の立場からこういう考え方についてどうお考えになるか、また当然そうあるべきだと、こうお考えになるのか、その点ちょっとお聞かせを願ってこの問題は終わりたいと思うんですがね。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 国土庁が所掌しておりますために、私が余り出しゃばった言い方をいたすのはどうであろうかと、かような感じはいたしますものの……

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 だって、国土庁何にもわからないんだよ。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 国土庁におきましても、いま上林委員のお考えなりお説を十分に拝聴しておったはずでございますし、また自治省といたしましても深い関係がございますので、調査団を派遣しますかどうかのことはやはり国土庁がイニシアチブをとるべきだと思いますけれども、しかし関連のあるわが省といたしましてもさような体制をとることの努力はぜひしなきゃならぬと、こう思います。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 いまこういう調査団をと、言ったことについてはどうなんですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 国土庁が所掌しておりますためにわが方がイニシアチブをとりますことはいかがであろうかと、かような感じを持つのでございますけれども、しかし自治省といたしましても非常に関係の深いことでございますからそういう方向へ事が進みますような努力をいたしてまいりたい、かように考えております。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 わかりました。それじゃ次に行きます。この問題終わります。国土庁ありがとうございました。  あと、地方の公営企業について二、三お尋ねいたします。もう時間もなくなりましたからね、せっかく来ていただきましたけれども、時間もわずかで、お尋ねしてお答え願う問題がうんと小さくなってしまった、狭まれてしまった。本当にせっかく来ていただいて申しわけないんですけれども、この次、またゆっくり聞かしていただきます。  公営企業は、水道、交通、病院、下水道、いろいろあるわけですけれども、住民のサービスとして大きく寄与してきているわけです。だけれども、そういうものが御承知のように大変な赤字になって苦しんでおるということなわけです。これがいま問題になっておる。そこでこれらの状況ですね、一応さわりみたいなものだけれども、状況について、簡単明瞭にお答え願いたいと思うんです。

関根則之自治大臣官房審議官

○政府委員(関根則之君) 最近の公営企業の経営の状況でございますが、まだ実は五十二年度の公営企業につきましての決算の総括的な取りまとめが終わっておりません。しかし、速報という形で私どもの方でまとめました数字によりますと、昭和五十二年度末で法律を適用しております公営企業の中の、いま先生おっしゃいました主要なものの累積欠損金は、八千億を超えまして八千十九億になっております。昨年よりも三百三十四億円ほど多くなってきておる、こういう状況でございます。一方、一般に言われております不良債務、これは実質的には資金不足額でございますが、この額は五十二年度末で四千五十七億でございますから、昨年度に比べて三百六十億ほど減っております。したがって不良債務の面からいきますと多少よくなったかなという感じはいたしますが、累積欠損金ではふえてきておる、しかもその額が八千億を超えたというような状況になっておりまして、特に一番ひどいのは交通関係の事業でございますが、自動車運送事業等によりますと大体六割を超すものが単年度の赤字を出しておると、こういう状況でございます。病院事業につきましても相当厳しい状況にあるということが言えると思います。ただ、おかげさまで水道事業につきましては比較的採算が、このごろ料金改定等が順調に進みまして、比較的よくなってきたということが言えると思います。もちろんまだ楽観は許しません。  以上でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 そこで問題をちょっとしぼりまして、公営バスなどの交通事業、これは四十八年に八百七億円の再建債の発行による不良債務のたな上げをやりましたね。こういう措置をとった。また病院については四十九年度五百六十九億円。それにもかかわらず、現在バス事業では千二百六十三億円、それから病院では一千六十億円、この不良債務が生じてきたわけですよ。こういうふうにね。不良債務を四十八年、四十九年にたな上げをして、これで新たに発足してやっていこうと、何とかなるだろうと、こういったことで出発したんだけれども、相変わらずまたこうやって不良債務ができた。この原因はどういうところにあるんですかな。

関根則之自治大臣官房審議官

○政府委員(関根則之君) 交通事業につきましては、この前不良債務のたな上げ措置を講じまして、現在二十三団体が再建を実施中でございます。今年度中にそのうち三団体につきましては再建を完了して一応経営の健全性が回復するというめども立っております。したがって、実は、お話にもございましたけれども、不良債務そのものは、たとえば自動車運送事業におきましては、五十一年度末で千二百六十五億ありました不良債務が、五十二年度の末では九百五十億に減っております。これが今年度、五十三年度末にはさらに六百億程度に減るんではないかというふうに私どもは期待をいたしておりますし、まさにそういう再建計画をつくりまして現在努力中でございます。したがって、路面電車事業そのものにつきましては、いまやっております再建をひとつわれわれも一緒になってその達成に努力をしていきたいという考え方で、来年もその延長線上で努力をしていきたいということを考えております。  それから、病院事業につきましては、確かに不良債務の額も多少ふえている傾向にあるわけでございます。そして、これがどうしてそういう形で病院事業の不良債務がふえているのかということがございますが、やはり一番大きな問題は、最近病院がいわば両極化してきておるということを申し上げておるんですが、比較的中都市以上の人口稠密なところにあります。たとえば二百五十床なり三百床なり一定の規模を持っている以上の大きな病院は、わりかしよくなってきております。しかし、一方僻地だとか山村だとか、この辺にありますいわゆる僻地病隣というようなものが相変わらず経営状況は厳しいと、こういういわば両極化してきておる現象が出てきていると思います。  そこで、僻地関係の病院がどうして悪いのかというと、一つにはやはり医師の確保等が、患者の数に見合ってうまく確保できないと、あるいは地元の住民が希望する診療科目が、整形外科がないとかあるいは眼科がないとか歯科がないとか、そういうようなことで需要に応じられないと、そういう体制をつくることができないという面が非常に大きな問題があると思います。それから、もともと僻地病院というのは不採算の面を担当することを余儀なくされる性格のものでございますから、企業環境としては非常に恵まれていないと、こういう而もあるだろうと思います。  それから、やはり病院事業全体を通じましてやはり基本的にいえます問題は、診療報酬の改定が必ずしも人件費のアップであるとかあるいは諸経費のアップに見合っただけの診療報酬の改定がなされていなかったんではないかと、こういう問題があったと思います。ただ、最近は、昨年とことしと二年続けまして診療報酬の改定がなされましたし、また、反面人件費等のアップ率が比較的低く済んでおると、こういうような状況もございますので、私どもとしては、診療報酬の改正がある程度企業の採算をとるためにぐあいがよくなってきたと、そういう環境がよくなってきたんじゃないかという考えを持っておる状況でございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 一時的な現象として、いま申し上げたように、バスにしてもそれから病院にしても、いわゆる不良債務をたな上げをして、その後にいま申し上げたようなまた不良債務が生まれておると。そのうちバス事業については多少これは解消しておると、こういうお話。病院についても、問題点はあるけれどもまあまあというようなお話だったわけだけれども、これは一時的な問題ではない、長く続いてきた問題ですね。だからこそ途中でもって不良債務のたな上げなんかして再建を図ろうとしたわけだ。しかし、それがうまくいかなかった。多少、いまのお話ですと上向きになってきたと。多少上向きになってきたからといって、こういう流動する経済社会にあって、またどういうような形でこれは落ち込むかわからない。そういうところまでにらんでいるかどうかわかりませんけれどもね。そこでわれわれのいままでの常識からするならば、地方公営企業というのは独立採算制というような形ではとても賄っていけないんだと。もっともっと一般会計からのいわゆる投入ですね、地方における。また同時に、それが国の交付税等を考慮しながらこれを運営していく、こういった方法をとらなければどうにもならないじゃないかと、こういうようなことを考えられ、また言ってもきた。  そこで、これからの地方公営企業をどうするかという問題点ですね。いわゆる独立採算制——もう結論言っちゃうんです。まだ細かいのいっぱいあるんだけれども。独立採算制という旧来の行き方をとって、それでいわゆる地方公営企業というものは、不良債務を解消してそして堂々と一本立ちできるような状態に今後なるのかあるいはならないのか、この点の考え方が大事ですね。もしならないとするならば、これは完全に不良債務の解消というのはそれはとても無理だと、いわゆる独立採算制というのは無理だということになれば、国の援助というものが、補助というものが大きく問題になってくるわけです。ですから、いずれの行き方をとるのかというその考え方、二者択一、どっちか一つの方法を選ばなくちゃならない、そういう時期が来ているんじゃないかという感じがするわけですよ。いつまでもいつまでも小手先のやり方でなくて、いわゆる基本的にどうするかという考え方が確立されなくちゃならない、そういう時期がいま来ているんじゃないかと、こんな私感じがするわけですよ。それはもう年がら年じゅうそうやって地方公営企業については赤字赤字ということで問題になってきているわけですから。その原因もはっきりしているわけです。いまあなたがおっしゃった以外の原因もあるわけですよ、病院にしたってね。また交通、バス問題にしたってね、ますます交通事情というのはふくそうしてくるという可能性があるんですから、そういう中で公営バス事業というものが繁栄できるかどうか、生き残れるかどうかという問題があるわけです。もういろいろな要素を踏まえて、今後どちらの行き方——独立採算か、国はもっと大きくこれを支えながらこれを運営を図っていく、このどっちの行き方を選択するのかと、こういう私は時期に来ているんじゃないか、こう思うんです。そういう意味でひとつ考え方がありましたら。——これはあなたよりも大臣にお願いしたいですね。あなたをばかにするわけじゃないですよ。やっぱり大臣いらっしゃるから大臣にお話伺った方がなお鮮明だろうと思うのです。お願いします。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 公営企業にはいろいろございまして、いま説明がございましたように、それなりに経営の非常な苦しい面やまた苦労があるわけでございまして、一律には論じがたい面もございますけれども、しかし公営企業それ自身はやはり独立採算制を基本にいたしておるのでございますから、ですから、企業みずからが独立採算の考え方を持って対処して努力をしてまいらなければなりませんし、同時にまた国として助成処置等のなすべき多くのことがあるのでございますから、そういう処置に力を入れまして、両々相まって赤字を解消し正常な姿に戻るように努力をしていかなければならぬと、こういうぐあいに考えます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 最後です。  そうしますと、いまの大臣のお話ですと、これまたその問題については前向きにとにかく国が片棒担ぐところはしっかり担ぐ、そして独立採算制、いわゆる企業努力は企業努力としてしっかりやらせるんだと、そして両々相まって、何とか車の両輪、これを支障なく転がしていくんだと、こういうふうにお聞きしたんですが、私が申し上げた問題提起は、いままではそういうふうにやってきたんですよ、いままでも。いままで、まあ多い少ないはあったけれども、援助の仕方が。あったけれども、考え方としてはいま大臣が言ったような考え方でやってきたわけです。私の言ったのは、現時点を踏まえて、そういったことを繰り返してもどうしてもいわゆる赤字解消というのはできない。このままでは、いわゆる地方だけに任しておいたんではこれは解決できない。だから、思い切って国がもっともっと乗り出して、どんなに赤字が出ようが地域住民のサービス機関として、どんな赤字が出てもこれは心配のないように運営できる、それだけの措置はとりましょうと、そういうことは国が、いわゆる独立採算制、形はそういう形であっても、国がもっともっと全面的にその問題に取り組むということは、財政的な措置、そういったものに取り組むということは、これは独立採算制の形はとっているけれども、これはいままでの国の考え方と全くそこは変わってくるわけですよ。いままではちょびちょびちょびちょびやっていたんですからね。バスの問題だって半分は補助しましょうと。それは結構なことですよ。半分は補助しましょうと。それも切れちゃうんだな。切れちゃうでしょう。もう切れちゃったんだ。ことしは特別な措置でもってやっている。これを続けるかどうか。それもあるし、それから十五団体ぐらいにしぼられちゃうらしいね、それをどうなんだと。その理由だとかということ最後に聞いておきたいんたけれどもね。——これもちょっと時間がないものですから。だれが時間をこんなふうに設定したのかね、まあそれあなたに関係ないんたがね。——で、大臣、そういったことで、もっともっと強力に援助しなければ成り立っていかないということはもう事実なんですよ。だから、その辺だけ、もっと強力に援助していきますよと言うならば、それはそれなりに私はわかりましたということで下がります。それと同時に、これ、最後ですから、バスに対する補助が切れますね、その点は延長するかどうか。その点だけ聞いて終わります。

関根則之自治大臣官房審議官

○政府委員(関根則之君) バス構入費補助金つきましては、先生おっしゃいましたように一応五十二年度でおしまいということになりましたものを、五十三年度、暫定的に一年間だけ補完的な措置を講じております。それで、大蔵省との約束では一応これでおしまいということだったんですが、現在の、特に地方のバス事業の経営の状況というのは、とてもいままである補助金をやめてしまえるほど楽な状況ではございませんので、大蔵省に対して五十四年度におきましても引き続き実質的に似たような補助制度をこしらえてくれと、こういう要求をいたしまして現在折衝中でございます。対象団体につきましては、財源との兼ね合いもございまして、大都市のバスにつきましては一応現在のところ無理かなという考え方をいたしておりますが、いずれにしろその問題を含めて現在大蔵省と交渉を続けているところでございます。

上林繁次郎公明党

○上林繁次郎君 ありがとうございました。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 きょうは、五点について質問いたしますので、答弁は簡明にひとつお願いしたいと思います。まあ失礼なことも言いますけれども、大臣、ひとつ簡明にわかりやすくやっていただくようにお願いしたいと思います。  まず第一の問題は、雇用問題です。不況対策法案がこの臨時国会で一つ成立をすることになっておりますが、実際にこれを運用するのは地方自治体であります。したがって、その点での関連で少し自治省の考え方を聞いておきたいというように思います。  それで、中小企業の法の方も、それから離職者法の方も、どちらも特定地域の指定があります。中小企業の関係の方は市町村長が認定業務などを行うことになりますが、したがって、その点の事務費及び財源保障、これは一体どうなるのかという点。  それから、離職者法の方は、第二条の二項に関連をして知事の意見を聴取をして指定をすることになっておりますが、当然市町村の意見はこれに反映をされると思いますが、この点についての自治省の指導の方向、まずこの点についてお伺いしたいと思います。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) まず前段の、特定不況地域中小企業対策臨時措置法第三条に基づきます認定業務のいわゆる事務費の問題についてお答えいたします。  この認定業務につきましては、申請の受け付け、審査、あるいは帳票の作成、通信連絡というふうないろんな事務がございます。私どもは、この経費の性格上国庫によって措置していただくというのが筋であろうというふうに考えておりますし、また所管省に対しましてその旨の申し入れも行っております。やっぱり所管省で所要の財政措置をぜひ講じるよう努力をしていただくものと、こういうように承知をいたしております。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 第二点目の問題でございますが、この離職者対策法の第二条によりますところの特定不況地域の指定につきましては、自治省といたしましても労働省と十分に協議をすることにいたしておるわけでございますが、この中の都道府県知事の意見を聞くという点につきましても、その点は全く同じでございます。  ただ、私どもは、通産省なり労働省なりの法案とともに、私どもの総合対策要綱によりまして地域を指定してまいりたいと思いますが、この要綱につきましては現在検討中でございますが、私どもといたしましては都道府県が市町村長の意見を聞いてその指定をし、また内容を決めていく、このように考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 関連をして、いまの点ですが、通産省それから労働省がそれぞれ地域指定やりますね。これがかぶさる場合もあるし、かぶさらない場合もある。通産省はわりあい狭いようですから。しかし、実際に今度は自治体で運営をする場合にはそれよりもさらにもう少し広い指定を、あるいはそれに準じた対策なり措置の要請が当然出てくるであろうし、そのことは自治省の方もお考えになっているんじゃないかと思いますが、この点は、したがって自治省の考えている対策要綱の中では、相当広範囲に自治体の側の要求にこたえられるような、そういう内容にする方向ですか、お伺いしたいと思います。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 私どもの総合的な対策要綱の内容につきましては、企業の経営の安定でございますとか、あるいは雇用安定対策、あるいは公共事業の活用、あるいは単独事業の実施、地域事業の振興と、かなり広範囲の政策につきまして総合的、計画的に実施をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その次、中小企業法の方の関係の七条二項ですね。税の減免等の措置があります。この問題と、それからもう一つは、自治体で、公的料金ですね、保育料とか教育費。これらについて助成をする、あるいは減免をする、そういうことがすでに議論になっているところや準備をしているところもあります。こういうのに対する特交その他による財源保障といいますか、こういった点はどうなるでしょうか。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 中小企業関係の措置法ににつきましては、御承知のごとく税の規定があるわけでございますが、私どもといたしましては、その規定に基づきまして地方税法を改正いたしまして、認定中小企業者が純損失または欠損金を生じた場合におきまして、所得税なりまたは法人税の繰り戻し還付に係る期間の延長の措置の適用を受けた場合につきまして、道府県民税なり事業税なりあるいは市町村民税に係る純損失あるいは欠損金の繰越控除に係る期間を延長することといたしております。また、私どもの独自の対策要綱につきましては、租税債務の履行が当面困難となったと認められますところの特定不況地域における特定不況業種の事業者等につきまして、地方税法第十五条の規定によりまして、当該団体の徴収金の徴収を猶予することができる旨の指導を徹底してまいりたい、このように考えている次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 公的料金は。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) ただいまのところ考えておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは、実際には、不況地域で職を失う人たちその他について、仕事がない方々ね、生活困窮の状態に陥っていくという、そういう時期に教育費の免除、保育料の減免措置、これらの措置について、実際にはどれだけの自治体で行われるかわかりませんけれども、それらの市町村で対策要綱をつくって、あるいは議会の承認を得てやろうという計画が進んでおりますから、この二法と同時にそういうことが自治体独自でもいろいろ考えられた。そういう自治体の側の地域の条件に応じて、必要に応じてこれは自治省としても十分実態を把握をして、そしてしかるべき財政保障、財政負担、こういったものを、少なくとも検討する余地は残してもらわないと、いまのところは考えてないというのはわかりますけれどもね、その点はひとつ、これから要綱をおつくりになるそうですから、検討してもらいたいと思うんですが、いかがですか。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 私どもの総合対策要綱は、各省の施策がどちらかと申しますと業種の対策でありましたりあるいは離職者に対する対策であるのに対しまして、総合的な政策でありますとともに、地方公共団体が行うという面につきまして対処してまいりたい。あるいは、業種としてとらえるのではなくて地域社会としてとらえてまいりたいと考えておる次第でございます。したがいまして、先ほども申し上げましたように、とられる政策といたしましても総合的な政策をとりたいということと、地方自治体の実態というものに即応して行ってまいりたいと、このように考えている次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまの答弁はどうなのかね。そういう点は検討するということになるのかね。たとえば、地域社会を面的な面で考えるわけでしょう。だから、そういうところで倒産をして失業して教育費が払えなくなってくる、教育を続けることができないような状況が起こったり、あるいは保育所にそのまま子供をやることができないような状況になる。そういう場合に、減免の措置なりあるいは助成なりの措置を考える、これは地域社会の問題ですよね。だから、そういう問題も含めていまのお話の検討するということになるのかどうかということですよ。むずかしい言い回しはやめて、さっとこう言ってもらいたいな。

森岡敞自治省財政局長

○政府委員(森岡敞君) いまの不況地域について、かなり広範囲な対策を各地方団体が行います場合に、これは非常に多様にわたるだろうと思います。地域の実情に応じまして。法律上の、たとえば租税の特別措置は、先ほど申しましたように、繰り戻し還付とか繰り越し控除でございますから、当面本年度の減収に直ちにつながっていくという問題ではございません。しかし、御指摘のようないろんな問題はもちろんあると思うのでございますが、私どもといたしましては、そういう各般の特別の財政需要が生ずるものにつきましては、少なくとも本年度は特別交付税でかなり措置をしてまいらなきゃならぬだろうと思っております。しかしその場合には、全体としての不況の状況とかあるいは対策の動向を総合的に考えて、やはり一定の客観的な物差しで考えていきたい。同じような業種について、たとえばある団体は税の減免をやられるところがあるかもしれません。しかし、それはやらないというところもあるかもしれませんから、各地方団体がやったものを直ちにフォローアップしていくということも措置としてはいかがかと思いますので、やはり公平に客観的にいきますように、一定の物差しを考えまして、しかし内容といたしましてはかなり手厚い措置はやっていきたいと、かように思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 わかりました。その次へいきます。  次は、就労の問題ですがね。労働省見えていますか。離職者法の方の十一条で、公共事業への就労促進が規定をされております。これについてお伺いするんですけれども、現実に公共事業への就労、特に失業者の吸収ですね。機械化それから省力化がずっと進んできていますから、昔のように大量に失業者を吸収するというのはなかなかむずかしくなってきている。この点で、四〇%という一応の吸収率を決めてやっているけれども、現実にはそれに到達をしていないというような話を先日も聞いたんですけれども、これらについて一体どういう手法、あるいはそれに対する財政措置をお考えか、お伺いしたいと思います。

小野進一労働省職業安定局失業対策部企画課長

○説明員(小野進一君) 先生御指摘の、公共事業への失業者の吸収制度は、現在全国四百八十一の職業安定所がございますが、そのうち十三道県の七十四の安定所の管内で、法律に基づいて実施しているわけでございます。これまでの実績、五十三年四月から八月までの実績は、事業主から公共事業の施行通知書をいただきました件数が七千百七十件。そしてそれにかかわります無技能者の吸収の人員は、延べで百七万六千人目ということで、実人員にいたしますと一万一千二百人ほどになります。  地域別に見てまいりますと、確かに御指摘のように、その地域によって事業量が違ったり、あるいは工事の種類がいろいろありますし、また業者が手持ちの労働者を持っておりますので、それらに左右されまして、吸収の度合いに違いがございますが、いずれにいたしましても、公共難業は公的に創設されます雇用の機会でもありますので、特に雇用機会が著しく不足しておりますこの特定不況地域における緊急雇用対策の一環として、これからも関係の省庁あるいは自治体と連携に努めまして、雇い入れの励行に努めてまいりたいと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それではこの点で自治省の方に聞きましょう。  中小企業の法の方の第十一条で、自治体の地域経済安定総合対策についての努力規定があります。これは大臣の話ですと、自治省が特に挿入をさせたと、こういうお話でしたけれども、この内容、それからそれに対する国の援助措置ですね、こういったものについて、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 私どもの総合対策上要綱につきましての行財政措置でございますが、まず地方自治体が総合対策要綱を作成する、あるいは実施をするに当たりましては、地方団体の協議に応じますとともに適切な指摘をしてまいりたいと考えております。  次に、財政上の措置でございますが、公共事業あるいは大規模な改修事業を含む単独事業につきまして、地方債の弾力的運用を図ってまいりたいと思っております。また、この総合対策要綱に即しまして実施をいたします中小企業の経営安定対策、あるいは雇用安定対策、あるいは地域経済の構造改善対策、そういうようなものにつきまして特別の財政需要がある場合につきましては、特別交付税の算定に当たりまして適切な配慮をしてまいりたいと思います。そのほか、先ほど申し上げましたように、租税債務につきましてこの徴収猶予というような措置を講じてまいりたいと、このように考えている次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、少し具体的になりますが、先ほど労働省にいわゆる公共事業への就労の促進の問題でお尋ねしたわけですけれども、実際問題としては民間の企業にやらすわけですね。そうすると、民間の企業には働いている労働者がおるわけですね。それの首を切ってそして失業者を雇うというんじゃこれはだめでしょう。ですから実際問題としては、四〇%以上の失業者の吸収率といっても、なかなか現実にはむずかしくなってきているんですね。  もう一つは、補助が、まあこれは用地費が含まれるか含まれていないかという問題がありますが、公共事業の方ですと二分の一補助ですね。しかし同時に、例の中高年法の方の特別開発事業、特開事業ですね、これになりますと補助率が三分の二になります。労働省の話を聞きましても、これは民間に仮にやらす場合でも、そういうことで八五%ですか、八五%の就労率を要請をして、これの方はまだそうたくさん事業はやっていませんけれども、そういう方向ができる、そういう方の指導も強められる要素を持つんですね。不況地域のところは、税収も減ってきますし、それから実際に解雇された人々の仕事をどうやって見つけ、そしてそれらの人々を吸収をするかと。そして、そうしながら一方では職業訓練もやり、新しい職場を見つけていくと、そういうことをやらなきやならぬわけです。これが大体非常に急がれていると思うんですよ。  それで、雇用保険をもらっている人たちも、大体この秋から来年にかけて、この冬の間に切れる人がずっとふえてくるわけです。舞鶴なんかで見ましても非常に、八月の資料によりますと、就職希望者が三千二十八人あって、有効求人数は八百六十八人で、紹介件数は百十六人、実際に就職した人はわずか八十三人という状況です。こうしますと、どうしても公共事業なりあるいはさらに自治体が適当な事業があればこの特開事業をやるというような方法を考えることが必要ではないか。ですから、この点はひとつ自治省の方で労働省の方にもそう話をしてもらいたいと思うんだけれども、こういう不況地域に指定されたところについては、中高年法の特開事業を適用できるようなそういう採択基準、基準の緩和ですね、それらを含めて、自治省の考える地域経済安定の総合対策ですか、これらの中の手法にも入れられるような、そういう検討をひとつやる必要があるんじゃないか。具体的に現地に行って京都の副知事の荒巻さんなりあるいは舞鶴の市長なり、そういう人たちの意見を聞くと、そういう意見も出てきておりますから、その点ひとつ御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

久世公堯自治大臣官房審議官

○説明員(久世公堯君) 先ほど労働省の方からお答えがありましたように、雇用対策問題につきましては、第一義的には雇用対策なりあるいは失業対策を所管する労働省の方において検討されるべき問題であると考えております。しかしながら、私どもは関係地方団体に対しまして、総合的計画的な対策というものをやっていただきたいと考えているわけでございまして、ただいま御指摘の十一条に基づく吸収率の問題につきましても、確かに御指摘のような事情はあろうかと思うわけでございます。しかし、私どもは、こういう吸収率の適用がある場合でありましても、あるいはない場合におきましても、公共事業なりあるいは単独事業なり、そういうようなものの実施につきましては、可能な限りはこの離職者等の就業の促進というものを図ってまいりたいと考えておる次第でございます。  しかしながら、また同時に非常に地域的にも多様な実態でございますので、それぞれの地域におきましては、すでに御承知のごとく、たとえば地域雇用対策協議会というようなものを設置をいたしまして、労働省の公共職業安定所なんかの参加も求めて、そしていろいろ情報を交換したり、あるいは連絡調整を図る、そういうような、地域の実態に応じて地方公共団体がやっておるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう地方自治体の実態というものに即した指導をしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ですから、それぞれのところで、地域的な特殊な条件というのは多様な形で出てきます。ですから、現行のいろんな法律をそれぞれの条件に応じて多面的にひとつ活用して、そして、その地域の不況対策を円滑に進めることができるように、そういう地方自治体の意見を十分聞いて、まあ労働省がやるんだけれども、労働省の方にもそういう注文をつけて出してもらうというようなことを、私、特に要請をしておきたいと思います。この問題は以上で終わります。  次に、硫黄島の問題について質問したいと思います。  まず、戦後三十三年たっていますし、硫黄島の島民の方々が強制疎開をさせられたのが昭和十九年ですから三十四、五年というもう長年月硫黄島に帰れないという状況になってきています。この点について、まずその理由について、これは国土庁の方からお答えいただきたいと思います。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  小笠原諸島の硫黄島につきましては、御案内のように、第二次世界大戦の激戦地でもございましたことから、不発弾の処理でありますとか、遺骨収集という特別な事情を考慮しながら、その「復興の方途を検討する。」ということにして、当初の復興計画におきましても、当面の帰島及び復興の対象としないということにされておりましたが、それに加うるに同島の火山活動に伴いますところの地盤隆起などの問題もあり、現行小笠原諸島復興計画におきましても、同局につきましては、「不発弾処理及び火山活動についての安全性の確認を前提とし、遺骨の処理状況を考慮しつつ、開発の可能性を検討する。」ということにしているところでございます。  この間、昭和四十九年から五十年にかけて現地調査などを実施いたしたりいたしましたが、また火山活動についての資料収集なども行っているところでございますが、硫黄島の現況につきましては、先ほど申し上げたような状況がなお引き続いておりまして、安全性の確認も得られないところから、現時点におきますところの帰島につきましては、慎重に対処すべきものであるというふうなこととしているところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは、小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律案ですか、これが沖繩及び北方問題等に関する特別委員会に付託をされて、この法案の審議がなされております。四十三年の五月九日の委員会の記録を見ますと、政府側は、「みんな一緒に帰れるようにするということがいいのでありましょうけれども、しかし、現実に二十年間のブランクの間にジャングル化していて、人が住める態様ではない。」と、したがって、「直ちに帰れるとすれば父島である。」と、それから母島やあるいは硫黄島、これらを「非常におくらすということではないのであって、帰島される方々の数だとか意識だとかというものを勘案しながら、それぞれの場所がその帰島態勢ができるようにしむけていくという責任は当然政府にあるわけでございますから、われわれとしては、そう長期的に全部に及ぼすということではなくて、できるだけすみやかにそれらがそれぞれ住めるような態勢に持っていかなければならぬ」と、こういう答弁しているんですよ。もう十年たっているんですね、十年たっています。だから、これはそのときにはそういう答弁をしながら、実際には今日なお十年たっても帰ることもできないし帰る見通しもないと、いまのお話ですと。隆起が続いているのだからと。これじゃ、この法案が審議をされた国会における政府答弁というのは、この法案を通すための、まさに何といいますか、言い逃れといいますか、適当に答弁をしているということになるわけだと思うんですが、この点はいかがですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  硫黄島に帰島されたいという旧島民の方々の声につきましては、私どももかねがね存じているつもりでございますが、小笠原諸島の復帰後いままで、国といたしまして、硫黄島への帰島を計画するに至らなかった事情につきましては、先ほど申し上げました硫黄島の特殊な事情と申しますか、特別な事情といったものが引き鈍いているということでございまして、帰島につきましては、やはり何といいましても安全性の確認などを含めまして慎重に対処しなければならないというふうに考えている次第でございます。  御質問の、当時でございますが、同島におきます火山活動の状況などにつきましても、昭和四十七年時点、昭和五十年時点と、地盤隆起などの現象が大きいと申しますか、そういった傾向がありますし、そのようなことにかんがみて、直ちに帰島というのはどうも無理であると、したがって、慎重を期さなければならないのじゃないかというふうに考えている次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 隆起の問題は、四十七年及び五十年の調査でそういう心配が出てきたわけでしょう。四十三年から四十七年までの問は、不発弾の処理なり遺骨の収集なり、これやろうと思ったらできるわけですよ。そのときはまだ隆起の問題は問題になってない。早く帰ってもらおうと思ったら、まずそれを処理せにゃいかぬと、そうなっているわけでしょう。しかも、この法律の第二条には、「国及び地方公共団体は、小笠原諸島の復帰に伴い、旧島民ができるだけすみやかに帰島し、生活の再建をすることができるように配慮するとともに、この法律の施行の際現に小笠原諸島に住所を有する者の生活の安定がそこなわれることのないように努めなければならない。」ということで、速やかに帰島することを国及び地方公共団体の責任として義務づけているのですね。法律を守ってないわけです。政府自身がつくった法律を。そして後から、四十七年、五十年になって、隆起をしているという状態を見て、それがまた帰島できない理由につけ加えられている。そういうことになるわけですよ、いまの話ですと。調査をされたのがそれなんだから。いかがですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  私、たまたま火山活動に伴います地盤隆起のデータの一例として四十七年、五十年というのを申し上げましたが、それまでにおきましても、実は明治四十四年ごろからの、終戦時までだったかと存じますが、年平均十一センチばかりの隆起というようなデータもございます。したがいまして、四十七年、五十年というのはそのデータの例として申し上げたわけでございまして、御了承いただきたいと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ、隆起については四十三年にこの法案を審議したときにはわかっているということでしょう、それなら。そういう危険があるということはわかっていると。生活ができるかどうかわからない危険があると。わかっておりながら、政府の答弁は、速やかに帰れるようにしますと、こう言っているんじゃないですか。そうしたら、法案を通すための詭弁だったということになるんですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  現行小笠原諸島復興特別措置法制定時におきましては、何と申し上げましても、復帰した小笠原諸島に帰りたいという旧島民の方々の声を実現に結びつけるという方向に向かうべきは当然であり、またその方向で取り組んでまいったところでありますが、先ほど申し上げましたような特別な事情、要因と申しますか、それらについてのめどというものがいまに至るも得られるに至っていないというふうな点でございまして、御質問にありましたようなことではないというふうに存じております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ことしの七月の四日の衆議院の決算委員会で、硫黄島の基地問題が議論になっています。防衛庁の伊藤防衛局長は、「硫黄島が防衛上必要であるということは間違いございません。」「船団を護衛します場合にも、必ず対潜哨戒機、がその船団の前方で潜水艦の動きというものを把握しながら船団というものは進んでいくことになるわけでございますから、そういった意味で硫黄島が海上自衛隊の基地としてP2Jあるいは将来P3Cというものがあそこを根拠にしてオペレーションをするということは、海上防衛のためにはきわめて重要なことだと私どもも考えております。」と。さらに、六月六日の読売及びサンケイ新聞に、「自衛隊訓練場計画」、これが出てます。それに対して夏目防衛庁参事官は、同じ日の決算委員会で、「航空自衛隊の訓練空域が非常に制約を、受けております関係上、」「その一環として硫黄島における訓練ということも事務的には検討しておりますが、」「具体的な形としてはまだ何も決定しておりません。」というように言っています。だから、硫黄島を、旧島民の人が帰ってくる、しかしそこを自衛隊としては使いたい。さらに、P2JあるいはP3Cの根拠地にしたい。あるいは航空自衛隊の訓練空域としてあのところで訓練をすると。こちらの日本列島の方ですといろいろ問題が起こってきますから。空域が狭いという問題があります。ニアミス問題がしょっちゅう起こりますからね。だからここでやろうと。そういう願望が、実は島民が復帰できるような、不発弾の処理なりあるいは遺骨の収集をもっと急いでやるということをやらない、サボっているということになっているんじゃないですか。島民が帰らない無人島ならば、無人島のままにしておけば、しかも土地問題がいろいろ複雑な問題がありますから、そういうことにもかこつけてうまく金で解決をすれば、島全体を自衛隊の基地にすることもできるし、そしてロランC基地としての米軍の基地を担保することもできると、こういう意図をも含まってこの十年間あんた方はサボってきたんじゃないですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  御質問にございました防衛庁系統からの御発言等につきましては、私どもそういうことを防衛庁から公式の意思表示として承ったことは実はございませんし、私、国土庁が申し上げるのはどうかと存じますが、決して政府としてそのような意図が、硫黄島の問題につきまして今日に至るも帰島が実現していないということの根底にあるというふうには存じていない次第でございますので、御了承いただきたいと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それではもう一つ指摘しましょう。  硫黄島には三千メートルの滑走路を持つ飛行場があります。先ほど言いました四十三年五月九日の委員会では、政府側は、父島の飛行場はいま使用できない状況にあるので、したがって最も合理的な航空路の開設を考えるとすれば硫黄島なんだと、したがって、その点で目下早急に検討いたしておる段階でございますと。検討してますということですが、この検討はどうなりましたか、結論は。十年たっています。結論出ておるでしょう。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) 硫黄島には、おっしゃいますように海上自衛隊の飛行場がございますし、その飛行場の民間機との共用と申しますか、この点につきましては、実は私ども国土庁が直接の所管ではございませんので、ちょっとここではお答えいたしかねるところでございますので、御了承いただきたいと存じます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 国土庁はそうやって各省庁に責任を転嫁をしているんですよね。国土庁が連絡調整をしてこの決定した法律の内容を進行さす責任があるんですよ。先ほど言いました小笠原法の第二条、速やかに島民が生活できるような、復帰できるような、そういう体制をつくらなきやならぬ、それが国の責任ですと。その国の責任を具体的に進めていく担当官庁と言えば国土庁になっているわけですね。それで厚生省なり防衛庁なりは、不発弾の処理なり遺骨の収集なりやらにゃいかぬ。それで、この法律で規定しているそういう国の責任にふさわしいようなスピードでどんどんと仕事をやっておるのかどうかということを点検をし、そしてそのことを問題にし、あるいは国土庁長官を通じて閣議の問題にするということで進行を図らなければいかぬわけですね。それが防衛庁の管轄で私は知りません、あるいは運輸省の管轄で私は知りません、それは厚生省の関係で私は知りませんと、そんなんだったらね、一体何をするんですか。この法律の実現の責任は一体どこの省が時っているんだと、こうなるでしょう。そういう、何といいますか、役所の縄張りとかあるいは縦割り組織というか、そういうものがおくれている一つの要因であるというようにも私は思うんですよ。どうですか。

平岩金一国土庁地方振興局特別地域振興課長

○説明員(平岩金一君) お答え申し上げます。  私の御説明の仕方あるいは申し上げ方が、舌足らずあるいは少し、何といいますか、おっしゃるような消極的縄張り根性ということになるかもしれませんが、私が申し上げましたことは、質問事項としてございました、自衛隊の民間機との共用問題というふうな点について、私どもの方から面接責任を持って申し上げるのはちょっと申し上げかねるということを申し上げたつもりでございまして、国土庁といたしまして、おっしゃいましたように、小笠原諸島の復興事業の推進ということにつきましては、私どもが責任を持ち、推進の役にあることはおっしゃるとおりでございまして、その点舌足らずないし申し上げ方がまずかったかと存じますので、御了承いただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう時間の関係がありますから、最後に大臣、ちょっとこの問題で所見を聞きたいと思うんですが、とにかく明治以来親子三代にわたって硫黄島の開拓を進めてこられた。名前も硫黄島とありますように、外国の名前で言うと火山列島という、英語ではそういう名前で言ってるんです。昔からそういう島であった。その島を開拓、開発をして、そして昭和十九年まで平穏に千二百名の方々が生活されていた。ところが、小笠原諸島に対する砲爆撃が始まった。そこで栗林兵団の命令で強制疎開をさせられる。しかも十九歳以上ですかの男性はそのまま残って軍属として手伝えと、こうなって、女、子供だけが、あるいは老人だけが強制疎開させられる。そうして御承知のように、その一部の人は帰った人もありますけれども、しかし、本土の方に引き揚げてきた人はそういうことですから女子、子供が圧倒的に多いわけですね。そうして玉砕をしたんですから。そういう状況なんですね。ですから、この人たちが帰島をしたいという要求があってもなかなか大きな力にならない。そういうことで、言うなれば見捨てられてきているわけですよ。それで、小笠原の方は、父島、母島はずっと進んできたけれども、しかし、いまだに硫黄島については、いまお聞きのように、十年たってもさっぱりらちが明かない。担当官庁の国土庁は、たとえば自衛隊の使っている飛行場は、防衛庁の方は民間機との共用はよろしいと、そういうことをちゃんと詰めたのかどうかもはっきりしておらぬのです。それは防衛庁に聞いてくれと。無責任です。帰島できる。島民の人を受け入れる体制をつくらなきゃいかぬじゃないか、早いとこ。ずっといろいろ進めてきたと、しかし、隆起の問題で危険だというなら、科学者を動員をして、あるいは島民の人もその点で一緒に入ってもらって議論もしてもらう、納得を得ないかぬから。しかし、そういうことは一切やらない。片一方防衛庁の方は堂々と、国土庁は知らぬと言うけれども、国会で答弁しているんですよ。そういうことを非常にいま期待をしているということを答弁しておるんだ。だから、うがって、われわれひがんで、ひがみっぼいからね、言うんだけれども、不発弾の処理でもさっぱり進んでおらぬと。自分の自衛隊が住んでおるとこだけはやったと。しかし、あとはさっぱりやろうともせぬ。あるいは遺骨の収集も、まあ八回ほど行ってますよ、確かに。しかし、二割ほどしかまだ収集が進んでない。それで、自分たちはやらぬでおいて、自分たちの怠慢をたなに上げて、それを理由にふるさとへ帰れない、墳墓の地に帰れない。私はこれほど非人間的な行為はないし、またきわめて政治的にも重大な問題だと思うんですよね。  で、こういう住民の生活権、居住権、これを保障し、その環境を整備をする点で自治大臣としての責任があるわけですから、直接の担当の大臣じゃないけれども、私はこの問題ひとつ国土庁長官とも話をしてもらって、そうして促進をすると、必要であれば調査団も出すと、あるいは島民の人を含めた調査団をやって、一緒に調査もしてみるというようなことも含めて、この問題の解決のためにひとつ万般の努力をやってもらいたいと思うんですが、この点についての見解を聞きたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) かつて硫黄島に住まっていらした方々や、また、何といいますか、その後お生まれになった、墳墓の地として硫黄島であります方の、一日も早く帰りたい、かような強い願望のありますことは御指摘のとおりでございましょう。そこで政府といたしましても、早く帰り得ますような環境をつくってまいりますことが必要であることを痛感をいたしております。  調査団の派遣につきましては、先ほども答弁いたしましたように、国土庁が主管官庁でございますので、私の方からはイニシアチブをとりますことはいかがかと、かように思いますけれども、しかし、早く帰り得ますような体制をとります上で、自治省も関係を持っておるのでございますから、今後努力をしてまいりたいと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあこれひとつ大臣、通り一遍の答弁にしないで、全面的にあらゆる方法を講じていただきたいという点をお願いしておきたいと思います。  次に、警察の関係に移ります。  暴力団の対策問題です。山口組の田岡組長狙撃事件によって一段と激しくなってまいりました山口組と反山口組系と言うんですか、松田組との対立抗争に見られるように、暴力団相互できわめて残忍で凄惨な殺傷事件が繰り返し起こっています。しかも、その報復劇が市民の生活の場で行われるという点で、暴力団の無法ぶりを私は許すことができないと思います。警察はこの暴力団壊滅のためにどういう作戦で臨んでおられるか、まずお伺いしたいと思います。簡潔にひとつ頼みます。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 山口組と松田組との対立抗争事件はただいまお話しのとおりでございますけれども、実は三年前、五十年の七月に山口組の組員が……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう経過はいいですよ。どういう対策をこれからとるのか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) はい。——そういうことで、賭場荒らしから始まったわけでございますが、御承知のように不安を与えておるわけでございます。  そこで私どもの方では、この抗争事件を起こしておる団体が所在する府県、これは二十六府県ございますが、ここの捜査員を動員いたしまして集中的に取り締まりをしたいと、そういうことによりまして、続発する犯罪を防遏したいというふうにいま方策をとっております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 検挙など、そういう力で制圧するというやり方と同時に、暴力団を社会的に孤立化させていくということも非常に私は大事じゃないかと思う。それを進めていく上で、一般市民の協力を得るということは欠かせないことだと思いますが、この市民の協力についてどういうようにお考えか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) もとより市民の協力が大変必要だというふうなことで、各警察署を動員をいたしまして暴力の排除運動というようなものを起こしてまいっておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 五十三年度の警察白書を見ますと、暴力団が商店街や住宅密集地に公然と事務所や居宅を構える、で、対立抗争事件などの際に、周辺住民に被害を与えるというケースもあって、各地で暴力団の事務所や居宅の撤去を要求する運動が起こっていると述べられています。  そこでお伺いします。たとえば平穏な住宅地域に暴力団がマンションとかアパートを建てる、それで経営をする。それに組員が入ってくるというような場合、周辺住民が平穏な生活環境を守るために暴力団排撃を決意をして運動を起こすと、こういう活動が起こってくる。こういう暴力団孤立化のための具体的な市民の活動、これは私はきわめて有効であろうというように思うんですが、警察の方はどういうように評価をされているんですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) そういう運動につきまして、できるだけ援助を与えていきたいというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 できるだけ援助を与えると言われるんですが、具体的にはどういう内容になりますか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) もし、その暴力団が暴力をもってその運動をつぶしにくるというような場合に、その暴力から市民を守るというような方策だと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 警察白書の中には、昨年においても暴力の排除活動がより具体的で継続的な運動で定着しつつあり、各種住民団体などが暴力追放を目的とする自主的な連合組織を結成し、幅広くかつ恒常的な活動を展開しているというように評価をされているのですが、ここでいうその「各種住民団体」というのはどういう団体をおっしゃっているわけですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 恐らく防犯団体等を中心にいたしましてある団体であろうと思うんですが、これを書いた意図がちょっと私わからないのですけれども、そういう団体を意味しておると思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 白書には、「各種住民団体」それからそのほか町内会、「防犯協会」というように書いてあります。ですから、しかも、いま読みましたように、自主的な住民自身が運動体をつくっていくということを評価しているんですね。  そこで、そういう自主的な、自然発生的なといいますかね、その地域で、町内会単位じゃなくて、そういった広い地域というか、そういう運動が起こる。で、警察が、そういう暴力追放、暴力団排撃を目的とする運動であっても——私は聞きたいのですけれども、たとえば防犯協会とか、そういう官製的な団体なら力を入れてやるけれども、いま言いましたような自主的な、自発的な市民運動については余り支援をせぬとか、あるいはその住民団体の中に警察の気に食わぬ連中が入っておったらもう支援しないというようなことは、私はあってはならないと思うんだけれども、どうでしょうか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 具体的にどういう問題があったのか私は存じませんけれども、とにかく自然発生的に行われる団体の活動でありましても、暴力を容認するというような形のものは許されないと思うわけでございます。これにつきましても……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、暴力に反対する、暴力団追放の運動。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 追放でございますけれども、その暴力団が暴力をしかけてくると、それを警察が傍観しているというようなことは許されないというふうに思うわけでございます。したがいまして、そういう意味での警察の警戒といいますか、運動そのものが行われるような警戒は十分にするべきだと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 もう一つお伺いしますが、結局だからそういう自生的な住民運動、いわゆる町内会とか防犯協会ということでなくても、暴力追放で市民が自主的に集まってそういう運動を起こすということは、この白書から言いましても、警察等にとっては非常に歓迎をする運動で、それの中に気に食わないやつがおるからこれはもう応援をせぬとかね、そういう町内会とは通うから知らぬ顔をするとか、歓迎をしないとかということではないというように理解していいですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 自然発生的に行われる運動につきましても、警察側としてはいいと思うわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、ちょっと具体的に一つ問題を提起します。これはきょう申し上げますから、すぐここで判断するというわけにはいかぬと思いますから、御調査していただいたら結構だと思うんです。  山口組の本拠地である兵庫県で、山口組若頭補佐でもある山口組系竹中組の組長が、夫人名義で姫路市内の住宅地にマンションを建てる。で、最上階に自分たちも住むという計画が起こったわけです。したがって周辺住民は、組員の出入りやあるいは抗争事件などの心配から、生活環境を守るため暴力団マンション建設反対の住民組織をつくり、運動をしているわけであります。しかもこの運動は、したがってそういう市民運動になりますから、その地域に住んでおられる各党の市会議員さんですね、具体的には六名の市会議員さんもこれに協力をして参加をされています。あるいはこの間の選挙で河本通産大臣がその地域に選挙事務所を置きましたから、そういう関係で河本通産大臣の秘書も、こういう暴力団の巣になりかねないマンションの建設について、何とか配慮してもらいたいという、そういう働きかけもなさっています。こういう運動が起こっています。したがって、当然これはマンション経営を、暴力団の資金源という面から言いましても、それからそういう抗争事件を起こして住民に不安を与える危険という点から旨いましても、こういう孤立化作戦の本旨から言いましても、警察の言っている孤立化作戦の面から言いましても、私は警察としてはこれはきわめて勇気のある市民運動として歓迎をされてしかるべきだと思うんです。  ところが、兵庫県警の方では、こういう市民の自主的な暴力団排撃の運動を、好ましくないと、好ましいものとは見ないで、本年八月二十九日に姫路市で開かれました暴力追放市民大会、これにこの団体が参加を申し出たのに、立場が違うと言って参加を拒否されています。で、その理由というのが、この反対運動の一員に、同じその地域に住む共産党の市会議員——婦人の議員ですけれども、これが一人加わって活動していると、したがって、この住民組織は共産党によって指導されているからだと。そうみなしている。そういう推断を行っているわけです。いま言いましたように、この住民組織には、共産党だけでなしに、社会党も、公明党も、民社党も、大体各党六名のその地域の市会議員さんが参加しているし、そして一諸に運動をやっておるわけですね。  そうすると、これはどうもその地域の住民にとってはおかしいじゃないかと。衆力を見たり聞いたりしたらすぐ一一〇番せいと言うてあちこちに宣伝をされておって、そういう勇気のある市民の協力を呼びかけておきながら、そういう市民が集まってマンション建設に反対をする組織をつくって運動していると、それは共産党の市会議員が一人入っておるからそれでだめなんだと。おまえらは気に食わぬと。こういう態度は、私はきわめて、先ほどから局長が答弁されている点から言いましても、ちょっと理由が成り立ちがたい、筋道が違う。いわゆる警察法の「不偏不党」の点から言いましても、これは重大な問題ではないかというように思うんですよ。  これは私がいま指摘をしました。したがって、調査をしてもらって、もしそれが事案であれば、先ほどの御答弁のような方向で正しく対処するように指導してもらいたい、こういうように思うんですが、いかがですか。

小林朴警察庁刑事局長

○政府委員(小林朴君) 純然たる無色透明の住民運動ということであるのならば、そういうふうに善処をいたしたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ調べてみてください。いま言いましたように共産党だけが参加をしている運動じゃないんです。その地域の各党の——大体そういう住民運動というのは、その地域の選出されている議員さんというのは要請される。入ってくれと、協力してくれということで入らざるを得ぬのですよ。それは活発な活動をするかどうかは、いろいろ協力の仕方はあるでしょう。だからその現象形態だけを見てやられたのでは、実際にまじめに暴力追放の運動をやっている市民に対してはね、何だ警察はということになるわけでしょう。だからこの点はひとつ、まあ答弁はいいですから調査をしてもらって善処してもらいたい、こう思います。  その次の問題、同じく警察の問題です。これは事前に申し上げておきましたから、まず報告を求めたいと思いますが、愛知県の師勝町ですか、十月の十五日十一時四十五分ごろ、同町のわが党の婦人の町会議員の早川さんの家に右翼の暴力団が乗り込んできて暴行を働きました。この点についての報告をまず簡潔にひとつ伺います。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) お尋ねの事案は、十月十五日愛知県の西春日井郡の師勝町でございますが、ここに事務所を持っておりまする日本青年国士会という団体が、友誼団体の中部育成塾という団体の支援を受けまして、車二台、六人で街頭宣伝を行っておった途中に、おっしゃるとおり、十五日の午前十一時五十分ごろ、同じ春日井町にございまする師勝町町会議員の早川里子さん方の前を通りかかった際に、全員が車からおりまして、口々に国賊外に出てこいと、まあこういうふうなニュアンスの言葉のようでございましたが、そういうことを叫びながら、この早川さんの敷地内に入ったようでございます。で、そのとき、早川町会議員の夫が窓をあけて顔を出しまして、国賊とはどういうことかと、おまえたちこそ戦争をやれと言った国賊ではないかと、こういうふうなことの言い合いがありまして、日本青年国士会会員の二人が駆け寄りまして、窓越しにこの早川町会議員の夫に飛びかかって、胸ぐら、腕を引っ張るというふうな暴行を加えた。さらにこれをとめかかりました早川さんの次男の方にも同様に暴行を加えまして、この方に、顔面に全治四日間の傷を負わせたというのが大略でございます。  で、その際、この次男の方がかけていた眼鏡を飛ばして損傷させたということでございまして、現在、この早川町議方へ押しかけた動機等につきましては、逮捕した者から取り調べを進めているわけでございますが、いまの段階での取り調べ結果では、街頭宣伝中に早川町会議員宅の近くに来たときに、町内の共産党早川議員の家を見てみようというふうなことで押しかけたというふうな供述であるようでございまして、背後関係も含めまして引き続き捜査中でございます。これにつきましては松本という日本青年国士会の行動隊長、これが首謀者のようでございますが、これを逮捕いたしまして、十月の十八日から二十七日まで十日間の勾留も決定しておると、こういうことで、さらにこれから捜査を進めてまいりたいと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 逮捕したのはこの松木という隊長一人ですか。  それからもう一つ、暴行行為に参加をしたのは六名ともか、あるいはそれとも何名か、いかがですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 逮捕したのはこの首謀者の行動隊長松木政治一人でございまして、他の者五名含めて六人を、暴力行為等処罰二関スル法律の一条でございますね、これの「共同」ということで立てております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その窓のところに行く前に、道路上にとめた二台の車からおりた六人が、道路に面したところに共産党の掲示板が二つあります。その一つはひん曲げる、一つはけり倒す、そういう器物損壊をやっています。そしてさらに、前が庭ですから、その中へ入って奥まったところにある玄関口、そこで騒ぎ立て、玄関の戸をあけようとして、それは一緒におったリーダーらしき男が制止をしております。そして今度は、窓口から首を出した早川さんの夫及び次男に暴行を加えると、こういうことなんですね。したがって、告訴状は暴行傷害関係だけじゃなしに、そういう器物損壊の問題も告訴をしておると思います。この点は一つつけ加えて指摘をしておきます。  そこで、もう一つお聞きしますが、このときに、その二台の後に灰色カローラの車がついているんです。その車に一人乗っておられて、車番号は、名古屋五五て八二二九、ネズミ色のカローラが二台の宣伝カーが該当宣伝やっているときからずうっとついてきているんです。そして早川宅の前でその三台の車が同時にとまっています。ですから当初は、この三台目の市に乗っている一人も含めてこの暴力行為に参加をしていた、右翼の団体はだから七人で来たと、こういうように当初現場の者は判断をしたわけです。この三台目の車に乗っていたのはだれですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 被疑者といいますか、相手の方は二台の車でございますが、このいまおっしゃった灰色——車の色その他詳細に私は実は聞いてございませんでしたが、その車は警察官が現場の警戒、視察ということでの警察官の車と思量されます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 で、車番号わかっていますから陸運局で調べましたら、カツダトモユキという人で警察官であることがわかりました。それで、現場にいた人が見ていますから、その人相を、その日の夕方五時半ごろ逮捕したから面通しに来てくれというので、西枇杷島署ですか、これに行ったときに、ああこの人警察官やったんかというのがわかりました。そのカツダという警察官は、わしはそこにおったんやと、それで彼らが暴行、殴りかかろうとしたんで、それでこうやって、こう両手でね、抱えるような、こうやってわしは押さえたんやと、やめやめ言うて押さえたんやと。こう言って、この早川さんの夫ですね、喜代四さんが犯人の面通しに行ったときに、会ったとき言っているんですね。ですから現場に犯行が行われたとき警察官がおった。これははっきりしているんですが、いかがですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) おっしゃるとおり、現場で視察、警戒に当たっておった警察官は一名おりまして、そこで要するにトラブルが起きたということで、この警察官は早速その現場をすぐ立ち退かせるいわゆる警告をし、制止に当たりまして、現場から彼らを立ち退かせたと、こういうことでございます。  で、一名逮捕したその経緯等につきましては詳細申し上げませんが、その後、退かせた措置をとった後、何しろ一対六でございますから、そういうあれで、とにかくその現場をおさめるという措置をその警察官はとりまして、それから急訴によりまして西枇杷島警察署の車一台で四名が駆けつけてその後の捜査に当たったと、こういうふうに聞いております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは、一対六だから現行犯逮捕しなかったというのは私はちょっとおかしいと思いますす。警察法の第二条で「警察の責務」がありますね。「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他」とありますが、予防、鎮圧、捜査というのが警察官の職務、責務であれば、目の前で暴力行為が行われた、そうしたらその場で現行犯逮捕すると。現にもう家の中に入る前に、先ほど言いましたように掲示板二つを器物損壊をやっているわけです。これも現場におって見ているはずですよ。現認しているはずですよ。そこで制止をしない、そして窓のところから——窓の高さは肩ぐらいですから、下からいくと。そこから乗り出して、家の中におるのは、腰から上ぐらい出ているわけだ。それにこう飛びかかって、胸ぐらつかまえて引きずり出そうとする。必死になって抵抗すると、その上に今度は殴りかかろうとしたからやっととめているんですよ、やめろやめろと言ってね。こういう態度で、警察法の二条あるいは現行犯逮捕の責任、これらからいってどうなのか。いかがですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 現地からの報告によりますと、現地で警戒、視察に当たっておりました警察官一名、これはその現場での判断におきまして混乱を防ぐと、まずそれで両名を引き離すということがその場での警察官としてのまず第一にやるべきことだと、まあこういうふうな判断であったというふうに承知しております。おっしゃるとおり警察法二条、「予防、鎮圧」、これに越したことはないわけでございますが、やはり殴ったというふうなそういう事実につきましては、やはりその個人と結びつく具体的なことが必要だったと思います。事後の捜査においてそれをやるというふうな現場での警察官の判断ではなかったかと、こういうふうに思量いたします。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ですから、現場でそういうことであると、まあ一対六であると、逆に言えばそれだけ現行犯逮捕できないほど彼らが狂暴な力を行使をする、そういう連中であるという、そういう判断をしたんだろうと思う。だとすれば、直ちにその共同謀議なり共同行動に入っているんですから、何人かは。それを一人だけ逮捕して、あとは共同行動だということで逮捕もしないというのは私はおかしいと思うんです。現に、早川さんの家でやった後、江南市へ行って、江南市の高橋という同じように婦人の市会議員ですね、わが党の。その家の前へ行って、ここも高橋さんは留守だったわけですけれども、その家の前で同じように、国賊出てこいといってマイクでがなり立てたと。まあこれは家の中に入ってこなかったから暴行事件起こりませんでしたけれども、ちょうど婦人の議員ばっかりその家をねらって、そして早川さんのところでは暴行行為をやると。さらに十七日の日に、早川さんの御主人なんかが供述調書に捺印をするために行ったときに、そこにおった警官が、けさも来たよと、十七日の日も。半川さんのところへ。そのとき車に乗っておった右翼の連中がけさも来たんだと、あなたの家に。そして私、おったから追い返したと、こう言っています。  だから、犯行を重ねるおそれのあるやつを野放しにしているじゃありませんか。これは少し右翼を甘やかし、革新団体のいろいろな運動になるともう片端からつかまえていく、そういうことを片一方でやりながら、そして、現に暴行をしている、そういうことを見ながら一人しか逮捕しない。一人でやりましたか。いま局長も言ったように二人で早川さんの主人にはかかったんでしょう。それで息子さんが出てきたらそれにも一人かかっているんですよ。少なくとも胸ぐらをつかまえて、眼鏡を飛ばしたりしたのは三者が行為をしているわけです。共同行為をやってますよ。それでその前に掲示板を二つ器物損壊をやってます。これはわれわれ現認してませんから何人でやったか知りませんよ。しかし、これは警官がついておりましたから知っているはずだ。だれが実際こういう暴力行為をやったのかということがわかるわけでしょう。そういう現行犯を見ながら、そこで多勢に無勢だから逃げたと、つかまえなかったとしても、制止にとどめたとしても、その後逮捕しているのが一人だというのはどうにも納得いかない。したがって、後はずっとそういう行為が続いている。と。早川さんの方は十七日の朝に来たというのは知らなかったのですよ。警官の方で表で追い返してくれたから家の人は気がつかなかったのですけれども、警察署に捺印に行ったときにそういう話を聞いてびっくりしたんですね。  どうもこの辺がおかしいと思うのですがね。こういう暴力をなくすためにも、しかもそういう思想的にしかも組織的に暴力を行使をするそういう連中に対してはもっと厳正に、厳しい態度をとるべきだと私は思うんですが、この点いかがですか。

鈴木貞敏警察庁警備局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 率直に言いまして、この事件は、暴力行為等処罰二関スル法律というものをこの首謀者その他共犯者に適用しているわけでございまして、この法律は先ほどおっしゃいました常習的な暴行罪、脅迫罪あるいは器物毀棄というものを包含してこれを重く罰すると、こういう趣旨のものでございますので、そういうものがこの一条の中に全部包含されて罰条が重いと、こういうもので適用しているというものでございます。  また、警察のこれら右翼に対する取り締まりにつきましては、革新だから片っ端からやるがこうという仰せでございますが、そういうことは毛頭ございませんで、あくまで違法行為については厳正にやるということで、これらいわゆる右翼でございますが、こういった違法行為については絶対許さないということで、厳しく取り締まっておるのでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ厳正に厳しく——これは最近そういう事件が、あの地域で街頭宣伝やっていると向こうから来て、もうセンターラインを越えて、こっちの宣伝カーの前に来て急にとまると、あわや衝突しそうになると、そういう進路妨害がこれで二回起こってますね。この十五日の日の十一時ごろにもその近所で起こってます。彼らのアジトのすぐ近くですけれども。だからそういう状況がありますから、それらも含めて、そういう暴力行為が再び発生をしないようにやってもらいたいという点はつけ加えて要望しておきます。警察はそれで終わります。  次に、厚生省、健康増進センターの方の問題、簡単にやりたいと思います。時間がありませんから。  四十七年から国庫補助事業として健康増進モデルセンターの建設を厚生省が進めてこられました。そこで具体的に、現在県段階、市町村を含めまして十三ヵ所ですか、健康増進センターができているんですが、そのうちの一つの富士見市、先般私現場、を見せてもらいました。富士見市の場合は、昭和四十九年から五十年の二ヵ年の継続事業で、五十一年の四月に開所をしたわけです。ところが、聞いてみますと、建設費がリース代を含めまして十一億五千万円からかかっています。それに対して厚生省の補助はわずか二千五百万円。何でそんなデラックスなものにせにゃならぬかと、こういうことを聞きますと、四十八年六月三十八日の衛発第四百十二号、「健康増進モデルセンター施設整備基準について」という通達があって、Aの施設——Aの場合は府県です。市町村はB。それにはこういう施設をつくりなさいという通達がある。そしてしかもモデルですから、まだ始めての事業ですから、厚生省の方からこの機械設けなさい、この機械設けなさいと言われるということで、十一億五千万円もかかった。ところが補助はわずか二千五百万円ぐらいだと、こういうんですね。  そこで私は厚生省に聞きたいのは、この厚生省の出している通達の基準どおり健康増進センターを建設するとすれば、その費用は幾らぐらいという見込みを立てられて、そして二千五百万円の補助額という決定をなされたのか、この点いかがですか。

玉木武厚生省公衆衛生局栄養課長

○説明員(玉木武君) ただいまの御指摘の点でございますが、われわれの方ではモデル的に宮崎県の例をとりまして、その例から算定いたしまして、ただいま御指摘ございました市の関係では二千五百万、県の関係では三千五百万という数字を出したわけでございますが、しかしこれはあくまでも奨励補助でございますので、われわれのつくりました基準を上回るような形でつくられたものに対して、その三分の一を補助するとか二分の一補助するとかいう形のものを考えなかったわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いやいや、私が聞いているのは、あなたのところの通達によるBで、一体建設費は幾らと見ているんですかと言っているんです。

玉木武厚生省公衆衛生局栄養課長

○説明員(玉木武君) Bの場合は千五百六十四平米をわれわれの方では算定いたしました。したがいまして、これに対して単価としては、当時の建設単価は四万七千九百五十円という統一単価ございますので、その辺から考えまして大体二千五百万というような数字を出したわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 二千五百万でできますか。私は建設費何ぼかかっているかと聞いているのだ。補助額二千五百万はわかってますよ。時間がないんだからはっきり答えなさい。

玉木武厚生省公衆衛生局栄養課長

○説明員(玉木武君) これは先ほど先生御指摘のように奨励補助でございまして、奨励補助というものは……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それはわかっておる。二千五百万はわかっておる。建設費は何ぼと見ているかというのだ。  いま干何々平米と言いましたけれども、あなた方、先ほど言いました四十八年の通達によれば、「B型健康増進モデルセンター(おおむね二、三〇〇平方メートル以上鉄筋コンクリート造り)」、「管理部門」には、「所長室、応接室、事務室」等々とあります。「検査部門(心肺機能検査室、体格・体力テスト室、、医学検査室、健康診断室、放射線室、休養室、更衣室)等の施設」。それから、「運動指導部門」、これも、「屋内運動指導・実地訓練室、プール、指導員控室」と、ずっとあるんです。シャワーもつけにゃいかぬし、それから、「相談・指導部門」、「前各号に掲げるほか、施設の設置に必要な冷暖房工事、給排水工事、電気設備等維持管理に必要な設備」とある。これに二千五百万円ぽっきりの補助でしょう。実際建設費に何ぼかかると見ているのだ。十一億五千万円というのは、これはもうびっくりしたんですよ、何でこんなになるのかと。すると、この医療機械入れなさい、この医療機械使いなさいと、こうなってふくらんできたんだと。もらう金は二千五百万です。

玉木武厚生省公衆衛生局栄養課長

○説明員(玉木武君) 例を申し上げます。  昭和四十七年に加西市でB型をつくっております。これは総事業費が一億三千五百九十三万四千円で補助対象分を除きまして、ここでは九千百万円で建設したものでございます。このようなものを、勘案いたしまして奨励的補助としてB型には二千五百万を考えたわけでございます。  以上でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 どうもその辺はおかしいですよ。ぼくは現場へ行って、こんな機械要るのかと言うた。たとえば、あの自転車の、サイクルですね、サイクリング。それで運動していると、万分の一ぐらいに心臓がぽこっととまる人の場合がある。その場合、そのとまった心臓をすぐ復活させるための機械を置きなさいと。万分の一起こる事故を防止をするために高価な——金額は忘れましたけどね。(「有事だね、万万万一の場合」と呼ぶ者あり)そう、有事のためにやっているんだ。こんなね、これでこのサイクリング……。で、機械四台買っているんだよ。しかし実際使っているのは一台ですよ、なんでか。それはもう体制がないからですよ、聞いたら。現在医師不足ですから。最低二名の常勤医師が欲しいけれども、その機能を完全に動かすことはこれはもうできないんで、非常勤の医師一名、職員二十三名、うち技術職員が十五名、技術職員がどうしても要りますわね、これは。そうすると人件費が年間八千五十三万六千円。それで、医療機器の償却期間、短期ですからリースでやって、このリース代が七千四十五万三千円。一方、入る方はどうかといったら、使用料、手数料は三千九百一万八千円ですから、一般会計からの繰り入れが一億四千三百万円だ、こうなるんですよ。これは私はたまったもんじゃないと思うんですよね。  だから、私はこの仕事はいいと思うんですよ、健康増進や予防医学をずっと強化をすると、こうやれば国保の会計も黒字になってくるというのは、岩手県の沢内村や愛媛のなんとかありますね、実例があちこちにありますね。だから、そういう保健衛生、予防体制というものを強化をして、そして病気にかかる率をうんと少なくしていくと、これは国保会計を赤字から黒字に転化をするということができるという実績はもうすでに幾つか出ています。ですから、そういう方向を目指して厚生省がやられるのはいいんだけれども、ところが実際の維持運営には全然助成がないわけです。つくれといって、そのつくったものがそういう使用料や手数料で運営ができるか。そしてさらに、できれば償却もある程度できるようなそういうような財政運営なら、そこまで責任を負われるなら私はいと思うんだがね。子供はつくったけども産みっぱなしで後は知るかというようなことでは非常にぐあいが悪いと思うんです。これはもう時間がありませんから……。  そこで、その担当の栄養課の人に来てもらっていいろいろ話を聞いたら、栄養課ではことしもこの補助を、制度つくろうということで概算要求で要求したけども、内部でもう抑えられてしもうたと、だから厚生省の概算、要求にもならなかったと、こういう状況なんですね、聞いたら。私はこれはちょっと大臣大変だと思うんですよね、受ける方の自治体の側から言いますと。  で、片一方で御承知のように今年度から保健センターをつくるということで、ことしは百ヵ所つくると、こうなんですね。保健センターも、来てもらっていろいろ話を聞いたけど、違いがあると言えば違うけれども、まあ類似の施設ですよね。それなら同じ厚生省なんだから共同して、もっと計画的に、それでもっと採算もとれるし補助体制もできるようなそういうことをじっくり研究して、そして市町村にやってはどうですかというならわかりますね。片一方でそれはやる、それでこっちには全然運営費には財政保障はない。こっちの保健センターの方は保健婦の人件費の三分の一が補助される。実際されておるわけですけれども。こういう点に大臣、受け入れる方の自治体は、各省からやんやと言われるのでもう往生するわけです。  しかも、厚生省内部で似たようなものが出てきて、しかもつくれといってつくったけれども、その後の財政運営の保障はさっぱり考えてくれぬと、まあこの辺も私はおかしいと思うんですが、自治省としては、そういう点は、恐らく厚生省からも相談があったろうし、あるいは自治省からも注文をつけているのだろうと思うんだけれども、そういう問題について、各省がいろんな事業をやる、しかしそれはつくりっ放しで後はめんどうを見ぬということでは実際困るわけですから、こういった点についてどういうように対処しあるいはやろうとされているか。とにかく、少なくともこの健康増進センターの補助制度、栄養課が力が弱いから厚生省内部でもうまいこといかぬかったらしいですけれども、自治省とすればそういう点も要請をしてもらうということが必要ではないかと思うんですが、こういう点についてひとつ見解を聞きたいんです。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) この健康増進センターに限らず、一般的にいわゆる奨励補助金によって設置される施設に共通する問題でありますが、奨励的な補助金によって設置される施設については、これを受けるか受けないかは各自治体の選択でありますから、その補助対象事業について国からの支出金に対応して自治体がどれだけの持ち出しを行うか、これについては、他の義務的な設置の施設とはおのずから異なる考え方が適用されていると思います。義務教育施設でありますとかあるいは保健所とか、法令によって設置を義務づけられている施設の場合には、当然標準的な建設費、運営費について法定の負担率を適用した国庫負担金、支出金が確保されるべきだと思います。  奨励的補助金の場合にはその点国の奨励目的、補助目的の範囲内で補助金が交付されているということでありますから、当然に現実に地方団体が必要とした額の一定割合の額が出されなきゃならないという議論にはならないと思います。しかし、ただ、その場合には補助金の条件のつけ方が問題だと思います。支出する金はわずかで、あれもこれもというたくさん条件をつけるというところに問題があるんではないかと思います。やはり目的とする施設について、真に必要とするものであるならばこれは補助対象として加えるべきであると。それから、補助をしないのであればいろいろな条件をつけるべきではないと、このように思います。そういう意味で地方財政法第十八条でも、負掛金に限らず補助金につきましてもいわゆる条件をつける以上は必要な額を確保すべきだということを命じておりますので、この健康増進センターにつきましてもそれと同じような考えで対処さるべきではないかと、このように思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最後に。これで最後だから要望しておきます。  そういう奨励的な事業、これも聞きますと、四十八年でしたっけ、富士見市に当たったんだけれども、苫小牧市と誘致運動といいますか取り合いをやって、そして富士見市が取ったわけですよね。そうして、ええもんやと思うてやり出したわけですよ。そういう話です。ぼくはだから、これは自治街ね、厚生省が何ぼええもんやええもんや言うても、こんなものをつくったらもうどら息子を抱えるようなものであかんぞと、えらい損をするぞと、経営的財政的によう考えてやれよということを率直に言うてやらにゃいかぬと。やっぱりつくった限りは宝の持ち腐れするわけにいかぬわけですから、今度は厚生省の方もがんばってその補助制度を何としても確立してもらうようにしてもらいたい。  この辺ひとつ自治大臣も、もう意見は結構ですけれども、お聞きになったような状態で、これはいま厚生省の例を言いましたけども、あちこちそういう似たような事例は多いわけですから、そういうはひとつ自治大臣として関係大臣に十分話をしてもらう。で、いま言いました健康増進センターについての維持運営についての助成、補助制度、これについても厚生大臣の方にひとつ検討方を伝えていただきたい。この点を要望して私の質問を終わります。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。     —————————————

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 次に、請願の審査を行います。  第三七号軽油引取税交付金増額に関する請願外百七十七件を議題といたします。  まず、理事会において協議いたしました結果につきまして、専門員から簡単に報告いたさせます。伊藤専門委員。

伊藤保参議院事務局常任委員会専門員

○専門員(伊藤保君) 本委員会に付託されました請願は総件数百七十八件でございます。お手元にお配り申し上げました資料に基づきまして、理事会の協議の結果を御報告申し上げます。  まず最初の第一石号外四十四件、軽油引取税交付金増額に関する請願は採択すべきもの。  次の第一六九号外七十三件、農地の固定資産税に関する請願は保留とすべきもの。  それから、その次の第二四〇号外八件、小規模住宅用地の固定資産税と都市計画税の軽減措置に関する請願は保留とすべきもの。  その次の第三六二号外二十三件、事業税に事業主報酬制度の創設に関する請願は保留とすべきもの。  それから、その次から、農地関係の請願がちょっと類似のものが出てまいりますのでまとめて申し上げますが、第四一五号外一件、農地等の固定資産税に関する請願、それからその次の第五八四号、農地の固定資産税及び農業緑地保全制度に関する請願、一件飛ばしていただきまして、四ページ目になりますが、その冒頭にございます第九五八号農地の宅地並み課税問題等に関する請願、これらの請願は、三ないし四項目の請願事項がございまするが、そのうちの一番最後の項目にございます。農業用施設用地について農地並みの評価課税をされたいという事項だけ採択、すなわち、いわゆる一部採択すべきものという結論に達しました。  それから、三ページ目になりますが、第八六八号農地の固定資産税負担に関する請願は採択すべきもの。  次の四ページ目の、第一五三三号外一件、農業用施設のガラス温室等に対する不動産取得税の優遇措置に関する請願、採択すべきもの。  それから、一番最後の第一〇一九号外十八件、同校用地取得に当たり東京都の起債許可申請等に関する請願は保留とすべきもの。  以上のような結論になりました。御報告を終わります。

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) それでは、理事会で協議いたしましたとおり、第三七号軽油引取税交付金増額に関する請願外四十七件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第四一五号農地等の固定資産税に関する請願外三件は、専門員の説明のとおり意見書案を付することとし、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一六九号農地の固定資産税に関する請願外百二十五件は保留とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  つきましては、審査報告書並びに意見群集の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永野嚴雄自由民主党・自由国民会議

○委員長(永野嚴雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会      —————・—————

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