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85回国会参議院1978/10/20

商工委員会 第3号

発言数
259
登壇者
21
会派数
7
開催日
1978/10/20

会議録

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案及び特定不況地域中小企業対策臨時措置法案の両案を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

大森昭日本社会党

○大森昭君 時間が制約されていますから、要領よくひとつ答弁をしていただきたいと思いますが、昨日の通産大臣の趣旨説明によりまして、金属鉱業の現状、大変な状態になっておりますが、その意味で一応今回提案された法案につきましては、やや前進をしているというふうには認識をいたしますが、しかしきのうの提案趣旨の内容からいきますと、率直に申し上げましてこれは少し急場しのぎでありまして、国内鉱業を守っていくという立場からいたしますと、まだまだ十分でないというふうに考えられますし、一方、業界にいたしましても労働組合にいたしましても、金属鉱業などの基本法の制定を要望しているように聞いておりますが、政府の考え方はこれについて一体どういう判断をしておられますか、冒頭にお聞きしたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 非鉄金属は、非常に重要な国民経済の根幹にかかわるような資源でございますから、これの国内生産につきましては慎重に考えなければならないと思っております。  そこで、そういう見地からしますと、鉱業基本法というような考え方も出てくるかと思うのでございますが、現在のところでは金属鉱業基本法という名前は皆さま一致しておるのでございますけれども、基本法の中身に何を盛るべきかということにつきましては、いまのところまだ国民的なコンセンサスができていない状況かと存じます。  基本法と申しますと、すぐ思い浮かべるのは農業基本法でございますけれども、農業の場合には非常に手厚い輸入制限が現在行われておりまして、それがたとえば日米間で大きな問題になっておることは御案内のとおりでございます。他方、銅、亜鉛等につきましては、輸入がガット上自由化されておりまして、これを農産物のような保護主義に切りかえるということは、現段階におきましてはきわめて困難であろうというふうに存じます。そういうふうに、農業とそれから鉱業とでは基本的な条件が違っておるということも考えなければならないかと存じます。  そういうわけで、われわれといたしましては、従来こういう国内鉱山の重要性及びこれが減耗資産を加工対象としておるという特殊性にかんがみまして、探鉱の助成であるとか、あるいは減耗控除制度であるとか、あるいは関税見合に還付制度等の振興策、助成策を講じてきたところでございますし、それから今回はまた異常な価格の低迷に対処いたしまして、緊急融資制度をお願いしている次第でございます。  こういうような地道な政策を積み上げていくということによりまして対処をいたしていきたいと思いますが、将来鉱業基本法なるものの中身につきまして国民的な合意が固まれば、その段階で鉱業基本法ということも考える余地が出てくるのではないかというふうに考えます。

大森昭日本社会党

○大森昭君 置かれている事情が違うことはよくわかっているんですが、問題は提案説明の中にもあるわけでありますが、一たん閉山をしたり休止をすれば、次の再開発するときに大変だという趣旨合いがあるわけですね。いま端的に申し上げますが、今回の法案も現状見て大変な状態だから融資制度をつくろうじゃないかということでは、これは行政がおくれているんですよ。大体、行政をする立場からすれば、最近、不確実性の時代だという言葉が言われておりますが、少なくともそういうことであっては政治は困るのでありまして、少なくともそれに基づく行政もそうでありますけれども。したがいまして、今回の法案自体が何もいいところないという意味じゃないんですけれども、これから先の状態を見る中で、国民的なコンセンサスということをあなたは言われますが、むしろ通産省としては行政をどうやるべきかという問題の提起を先にしていただいて、それでやはり今日の国内鉱山を守るという立場でやっていただかなければ、国民全体がいろいろ議論してコンセンサスが求められたら、それで通産行政をやるなんというんでは、それはもうナンセンスな話になりますから、きょう時間がありませんからこれ以上追及いたしませんが、いずれにいたしましても今日の国内鉱山というのは、今回提案されていますような融資をするという問題だけで根本的に解決をしないというふうに私は認識をいたします。したがって、提案説明がありますように、真に国内鉱山を維持発展をさせるという意味合いで通産行政が行われるということならば、もう少し先の問題について、きょう以降また検討をしていただきたいと思います。  そこで、いま答弁もありましたけれども、探鉱の強化が必要であるというたてまえで、現行は、大手に融資をしておるし、中小には補助をしております。一方で、融資というのは幾らでも金を借りられるから融資がいいじゃないかという説や、補助というのは補助金でありますから一定のところで制限をされるからという議論もありますが、率直に申し上げますと、私も二、三関係業界の方といろいろ話をしているんでありますが、融資ではこれは返さなくちゃいけないわけですね。もちろん、借りたものですから返すんでありますが、今日のような不況が長引く、円高の問題もきのう通産大臣から御答弁ありましたけれども、円高の問題もよりますます拍車をかけている状態の中では、融資を受けて鉱山を守っていくというのは非常に困難な状態なんであります。したがって、大手の場合にもある程度の補助を出して、そしてまた融資を行う、金額の幅によってですね、というような制度をひとつ検討をしてもらえないのかということを感じるわけでありますが、この辺はどういうふうにお考えですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) その大手につきましては、やはり自己責任の原則ということを重視する必要があるのではないかということで、従来から融資ということで来ておるわけでございますが、ただ、最近のように経済情勢が非常にきつくなってまいりますと、この融資につきましては、自己責任といいますか、そういう締めつけがきつくなり過ぎるという面もございますので、五十三年度につきましては、遠隔の処女地域の場合は融資比率七〇%、一般地域につきましては融資比率六〇%ということでございましたけれども、五十四年度につきましてはこれを一〇%ずつ引き上げて、遠隔処女地域は八〇%、一般地域は七〇%というようなふうに融資条件の改善ということで対処をしたいと考えております。

大森昭日本社会党

○大森昭君 いろいろ制度の手直しを部分的にやられるということで対応しておりますが、きょう時間がありませんからこれ以上申し上げませんが、過去、鉱山が閉山をされたり休止をされたりという状況というのは、もうすでに通産当局御案内だと思うんであります。すべての制度がやっぱり国内鉱山を維持発展をさせるという意味合いで制度が成立していればいいんでありますが、制度を設けても事実上国内における鉱山が次々と閉山をしていくという状態の中では、少し通産行政も新たな角度で、従来のやつを一部手直し程度というようなかっこうじゃなくて、抜本的に国内鉱山を守るという意味合いでひとつ検討を進めていただきたいと思うんであります。  それで、次の問題に移りますが、五十一年の七月から銅、亜鉛についての備蓄制度があります。しかし、当時の状況から比べまして、市況は依然として回復をしておりません。当初予定の買い戻しできない現状にあるんだろうと思うんでありますが、来年度に買い戻しの時期が来ておりますが、これに対しまして五十一年七月当時の考え方で備蓄制度の問題について処理をするのか、さらに引き続きこの問題を備蓄を延長するのか、どのような措置をとられるわけですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 五十四年度に買い戻しの期限が到来するところの五十一年度備蓄分約三百億円あるわけでございますが、これにつきまして、この期限どおりに買い戻しをいたしますと、現在の相場におきましてはとても企業がたえられないような損失が発生をいたします。そこで、来年度、五十四年度の予算要求といたしましては、さらに三年間備蓄期間を延長するという方向で大蔵省と折衝をしたいというふうに考えております。ただし、まるまる延長するというわけではなくて、延長期間三年内に、市況等を見合わせながら、分割して次第に買い戻しを実施させていくということによりまして、急激な衝撃が企業に対して及ぶことを防止しながら、実情に即した解決を図りたいというふうに考えておる次第でございます。

大森昭日本社会党

○大森昭君 次に、この基金制度の内容でありますが、銅価格は三十六万一千円、亜鉛は十九万六千円ということで一応価格の問題についての設定がされておりますが、これから先どういうことになるかわかりませんが、仮に銅などについても国際的な在鉱量の変動もあるようでありますが、仮にこの三十六万一千円、亜鉛の十九万六千円が多少価格が上がったというときには、直ちにこの融資基金制度の内容を外すということになるんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 価格は毎日動いているわけでございますから、たった一日でも、この銅の場合三十六万一千円、それから亜鉛の場合十九万六千円を一日でもオーバーすれば、この発動を停止するというようなことは考えておりませんが、三カ月間平均いたしまして、その三カ月間の平均価格がこの融資発動価格を上回るという場合には、この制度の発動を停止するというような手続になろうかというふうに考えております。

大森昭日本社会党

○大森昭君 大臣にお伺いいたしますが、せんだって中国へ行かれたようでありますが、日中平和条約が締結されまして、中国側が非鉄金属の開発なり技術援助を要請しているというふうに漏れ承っておりますが、政府や業界はこの問題についてどのように対処をしようとしておられるんですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私が先月訪中をいたしました際に、李先念副首相から非鉄金属の開発について協力要請がございました。銅、すず、アルミニウム、タングステンその他の品目でありますが、これに対しましては私は調査団を出して全面的に協力いたしましょうという趣旨のことは言っておきましたが、その前に、民間企業に対しても別のルートを通じてやはり協力の要請がありました。それから先般、稲山ミッションが九月末に訪中いたしましたが、そのときもございました。  そこで、てんでんばらばらにこういう話が出たのでは日本も対応に困りますので、九月末に稲山ミッションに話が出ましたのを機会に、稲山会長に日本としての協力体制の一本化、つまり受け入れ体制をつくっていただくようにいまお願いをしておるところでございます。これからはその一本化された受け入れ体制、つまり窓口が中心にありまして、中国側と話し合いを続けることになろうと思います。まず、どこで何を開発するのか、そして具体的な内容はどうか、その資金規模はどうか、こういうことにつきまして、それぞれの分野で専門家がこれから先方と相談をする、こういう順序になろうかと思います。

大森昭日本社会党

○大森昭君 国内鉱山を真に守る意味で、これから新しい発想に立たなければいけないわけでありますが、いま大臣からお話がありましたように、これからとりわけ海外の資源開発だとか、あるいは技術援助のあり方などについても、これは関連をして国内鉱山を守るわけでありますので、いま大臣からお話がありましたように、企業がばらばらでいままでやっておりましたので、多少私は鉱山関係について国内の統一という意味合いで欠けている点があったのではないかと思うのであります。したがって、そういう意味からいきますと、今後は金属鉱業事業団を軸にいたしまして、秩序ある海外との関係、あるいは国内における開発技術の体制を整える。そしてまた、単に、海外の問題もそうでありますが、資本や技術の援助だけじゃなくて、労働者の交流もあるでしょうし、あるいは労働組合の交流なども必要だと思います。そういう意味合いで、いずれにしても海外との交流を深めながら国内鉱山を守っていくという考え方について、どのようにお考えになっておりますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 国内の事情が事情であるだけ、私はやはり海外との協力体制にはよほど慎重でなければならぬと思いますし、国として一本化の体制が望ましいと思います。特に、外地で生産される品物を協力資金の支払いの方法としてそれを引き取るということになりますと、これまた別の大きな問題になりますので、そういうことも含めまして、あらゆる角度から国内の産業に悪い影響が出ないように、何らかの方法で解決方法を見出したいと考えておるところでございます。

大森昭日本社会党

○大森昭君 せんだって釜石も行ってまいりましたけれども、大変な状況を迎えようとしておりますし、いずれにいたしましても、現状の認識についてそう私どもと差異はないと思いますが、いずれにいたしましても今回の法案の成立を待ちまして、これが実りある制度として運用されると同時に、国内鉱山はまさに大変な状態でありますから、新しい方途を見出して守っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は特定不況地域中小企業対策臨時措置法について質問いたします。時間が一時間ぐらい与えていただいておりますが、なるべく短く簡単に質問をいたしたいと思います。  まず第一は、現在の経済の見通しであります。きょうなども大変な円高でありますが、この円高の傾向というものが景気にどう影響しておるのか、こういう問題について、特にいまの円高が、九月ごろ経済企画庁などが判断されたのよりも少し違った方向に動いておるようであります。したがって、この円高がこれからの景気にどう影響してまいるか、こういう点から質問いたします。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 政府は今年度の経済成長率を七%というふうに想定しているわけでございますが、この当初の見通しを作成を始めましたのは昨年の十一月ごろでございます。その当時の円のレートは大体一ドル二百四十五円程度でございました。その後、御承知のように急速に円高が進行いたしまして、輸出の面で非常に大きなマイナスの影響があらわれる。それがひいては国内のいろいろの面にデフレ的な影響を与えるということで、どうも当初想定いたしました実質七%の成長がこのままではむずかしいではないか、そういうふうに判断いたしまして、九月二日に総合経済対策を打ち出し、さらにそれを裏づける補正予算というものを用意したわけでございます。この改定をいたしました当時の円レートは、七月で言いますと大体二百円ぐらい、その後八月に若干上がりましたが、御指摘のようにその後さらに急速に円が上がっておりまして、昨日は中心レートが百八十二円七十五銭、けさは寄りつきが百八十三円三十銭というふうになっておりまして、私どもがこの改定作業を始めましたときよりかなり円高になっております。したがいまして、このような円高がずっと永続的に続くとか、さらに続くというようなことになりますと、輸出の見通し、これは当初は数量ベースで五十三年度は横ばいというふうに考えておりましたが、今度の改定では約六ないし七%程度数量が減るというふうに修正したわけでございますが、それにも大きな影響が出かねないということでございます。さらに、そういう状況になってまいりますと、国内的にもいろいろ設備投資その他で心理的な影響が懸念されるわけでございますが、ただいまのところ、今回の総合経済対策並びに補正予算の着実な実行によって、できるだけ七%成長を確実に達成したい、なお事態の推移を十分に注意して見ていきたい、このように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、ここに経済企画庁の五十三年度経済見通しの改定試算の概要というものを持っているんですけれども、これは九月の初旬に経済見通しの改定をしたわけですね。そのときの円相場は一ドル二百五円ぐらいに見ているわけです。平均。それが百八十二円、百八十四円ぐらいですね。そのころ、九月の初旬に見た円相場の動きというものが逆の方向に動いている、円高の方向に動いている。したがって、この経済改定見通しというものは変更する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 先生御指摘のように、改定作業を完了いたしました九月の当初の時点では百九十円ぐらいになっております。作業を始めましたのは七月ごろでございまして、その当時は二百円、したがって、この改定作業を行います場合に、これから円レートがどうなるかというような予想はその性格上できませんが、作業の一応の試算と申しますか、前提といたしまして、八月以降は作業の一カ月前までの中心レートの平均ということで二百円をとっております。したがいまして、七月までは実績でございますので、御指摘のように二百五円という計算がそのときの一つの試算でございます。したがって、仮に円高が現在のようになり、これが定着し、さらにこれが上昇するというようなことになれば、計算上は影響が出てくるということは当然考えられるわけでございますが、ただ、円レートがどれぐらいになるかということは、私どもが予想するような性格のものではございませんし、またその影響が具体的にどの程度本年度内にあらわれるかということにつきましては、なお情勢を見守らなければいけないというふうに考えておりますが、いずれにしましても先生御指摘のような点については十分注意しなければいけないと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 注意は当然ですけれども、宮崎局長はこれから暮れあるいは正月にかけてこのドル相場はどうなると見ていますか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 円の相場は、申し上げるまでもないことでございますが、いろいろの要因によって左右されるわけでございまして、日本の国際収支の状況あるいは世界経済、特に日本の主要貿易国の経済の状況等によって左右されるわけでございます。また短期的にはいろいろの投機的な要因、その他ございますので、一概にこれによって動くというふうに断定できるものではないというふうに考えております。したがって、これから百八十円というものがどういうふうになるかということは、そういういろいろの要素によって左右されるということで、どれくらいになるかということは予想を私どもはする立場にございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 鋭敏な局長ですから、もう少しはっきり答弁しないとあと討論にならない。  じゃ、大蔵省見えているから……。  きのうの新聞に、「円急騰 日銀、介入強化の構え」とあります。サブタイトルに「百八十円割れば景気に大打撃」と書いてあるが、大蔵省の見解を聞きましょう。

藤田恒郎大蔵省国際金融局短期資金課長

○説明員(藤田恒郎君) きのうの新聞につきまして、とかく論評する立場に私どももございませんし、また私どもの立場といたしまして、円相場がどの水準になったらどういうふうに介入をするかということは、市場に非常に大きな影響を与える問題でもございますので、ここではっきりそういう御答弁をすることは差し控えさせていただきたいと存じます。  ただ、きわめて抽象的にわれわれの介入に当たっての考え方と申しますか、こういった点を御説明いたしますと、もちろん為替相場がわが国の経済成長に与える影響はきわめて甚大であるということは、われわれ十分認識しておりますし、現在の経済政策も為替相場の安定ということを目的としてとられておるものだろうと思っております。ただ、経済政策が効果を発揮して相場が安定に向かうまでの間、相場のきわめて著しい変動というものは、これは当然あるわけでございまして、この相場の変動をいかになだらかにするかということが当面の為替介入政策の基本原則であると思います。ただ、現在では、御承知のように為替通貨政策上はフロート制度になっておりますので、各国通貨ともに市場の需給で相場が動くということになっております。こういう状況のもとで、円のみが一定の水準にペッグするような介入をいたしましても、いたずらに投機的動きを誘発するのみでございますから、われわれの介入の方針といたしましては、著しい乱高下を防止するということを基本にしておるわけでございます。こういった観点から、これまでも相当の規模の介入を実施してまいりましたし、また海外におきましても、ニューヨークその他で非常に大幅な変動がある場合には、ニューヨーク連銀に介入を委託するなど、相場の安定に努めてきておるところでございますし、今後ともそういう方針で鋭意努力してまいる所存でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あなたが言っているように新聞にも書いてあるんですけれども、それじゃ宮崎局長、二百五円で経済見通しを立てていて、百八十円が一体どのぐらい続くという見解ですか、そのくらいのことは答弁できるでしょう。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 先ほどお答え申し上げましたように一円がどれぐらいになるかということはいろいろの要因によるわけでございまして、当面この円高というのはドル安とうらはらになっているわけでございますけれども、ドルにつきましてはアメリカ政府がインフレ対策に重点を切りかえるというようなこと、それからエネルギー法案を、内容は私どもが当初期待したほどではございませんけれども、ともかく通過させたというようなこと、あるいは公定歩合を引き上げるというようなことによりまして、従来のようにアメリカ当局が通貨に対してどちらかといえば無関心であるというような態度は修正されてきているというふうに考えております。しかし、ECの方にいろいろ御案内のような動きがありまして、そのために一部通貨が調整をすると、それに引っ張られて円も影響を受けるというようなこともございますし、日本の国際収支を見ますと、このところ傾向といたしましては経常収支の黒字が減少する方向にございます。特に、輸出が数量ベースで非常に大きく減退する、したがって円ベースでも減少をし始めておりますけれども、ただ、ドル価格が上がっておりますので、ドル表示の国際収支の黒字は依然として大幅が続いていると、こういうようなことでございますので、各国の基礎的な条件ということから言えば、現在の相場というのにはそれなりの理由があるというふうに考えられます。したがって、今後の各国の政策努力ということによると思われますが、この程度の状況というのは一つの方向として考えられるというふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 十分の答弁になりませんけれども、経済問題ですから的確には言えないでしょうけれども、大蔵省では乱高下だけを介入して調整いたしますと言うわけです。経済企画庁は、一ドル二百五円を基準に経済見通しを立てておりますと、現在百八十円ですと、これがどこまで続くかまだはっきり言えませんということですね。たとえば、これが半年続きますと、相当経済的に影響いたします。  これから先の論争は、はっきりされぬでしょうからむだですが、通産大臣に質問いたしますが、いま宮崎局長が言われたように、数量ベースで輸出がうんと減っています。最近。このいまの不況、日本の不況という点から見れば、もう数量規制をやる必要はないではないかと、そういうふうな見解ですが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この春から重立った品目につきまして輸出規制をしておりますが、もう現在はすでに、いまお述べになりましたように、円高等の事情もありまして数量的に相当減っておるから、もうやる必要がないではないかという御議論はもっともでございまして、私もそういう観点から、最近の輸出貿易の動向、見通じ、こういうものについて至急に詳細検討するように先般指示をいたしました。そうして、もし必要がないという結論が出れば、この際は行政指導をやめるようにと、こういう指示をしようかと思っておりますが、いま調査中でございます。  それから、先ほど来いろいろ円の問題について御意見がございましたが、この背景は、いま大蔵省、企画庁からお述べになったとおりであります。やはり、これに対する抜本的な対策は、私は、内需の拡大型の経済に移行をするということが大事だと思います。内需の拡大によりまして、そうして輸入力をつけていくということが一番根本だと思います。それから、あわせまして、資源とエネルギーのない日本といたしましては、この際、外貨も余裕がございますから、できるだけ経済の安全保障という立場から、備蓄の強化をしていくという、この二本立てで日本としては対応していくということ。アメリカがけしからぬと言いましても、やはり日本として、やるだけのことは十分やっていく必要があるのではないかと、このように思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 局長の話でも、アメリカなど関連外国の国際経済の影響で、日本の円高不景気というものが発生しているという、外的要因にずいぶんウエートを置いて考えられておるように思います。また、いま通産大臣は、輸出規制についての調査をやっておるとおっしゃいますが、数量的に大変いま減っています。したがって、いまの不景気ということを考えれば、余り諸外国の日本品に対する警戒を気にし過ぎて不景気にあるのではないかと私考えますし——いま内需拡大とおっしゃいました、内需拡大で、いま補正予算が通りまして、これで内需拡大しようと努力されておりますから、具体的に内需拡大の問題を質問して、後、またちょっと円高の問題に返ろうと思うんですが、私はこの前の予算委員会、春の予算委員会でも、財政支出の伸び率が多いというと、民間の設備投資など減少して、景気になりませんということを予算委員会で言いました。福田総理は、まあそれもだけれども、とにかく公共事業に金をばらまいて景気を刺激しなければ大変だと言われた。見解の相違でもありますけれども、ここ四年続きに失敗しているわけです。今度も補正で二兆五千億ぐらいの公共事業を発注しておるんですけれども、この財政支出をどんどんふやしていきますと、かえって今度は民間の設備投資がそれでずっと抑えられて、いまひとつ個人消費の伸びが鈍化した点もありましょうが、したがって景気刺激する、その刺激的な対策、いわゆる内需拡大に対して、公共事業を中心に考えておられますが、考えを少し転換しなけりゃならぬと思うんですけれども、通産大臣の見解を聞きたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま内需拡大の一番の大きな柱は公共事業でありまして、それに今回いわゆる総理の言われる第三の道という生活環境を整備するという、そういう方面の投資を強化する、こういうことも始めておりますが、私は景気が回復するということはどういうことかと言いますと、一つは公共事業中心の、つまり財政中心の経済から民間中心の経済に移行すると、こういうことだと考えます。でありますから、やはりさしあたりは公共事業中心の内需拡大策を考える必要がありますけれども、そのほか幾つかの工夫をしながら、民間の設備投資がもう少し盛んになるような、そういう政策をあわせて強力に進めていくことが必要かと思います。幸いに、今回企画庁の方で新しい七カ年計画等もおつくりのようでありますが、願わくば私はこの七カ年計画、当初の前半はやや高目の経済成長をして民間の設備投資を刺激するとか、あるいはまた産業構造転換のためには特別のやはり国としての助成策を考えていくとか、いろんなことを工夫をいたしまして、民間経済がもう少し盛んになるような方法をいろいろ積極的に工夫していくことが必要ではないか、このように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今日まで、この四年間ばかりの経済政策は、そのようなパターンでした。まず財政主導型でいって、後は民間主導に移行していくと、これをずっと繰り返しながら四年間きておるわけです。それでも景気回復という波に乗りません。この過去五十年ぐらいの日本の経済統計なりアメリカの経済統計を分析して見ました。もちろん、結果論でありますけれども、財政支出の比率が経済成長の伸び率よりも多いときには不景気になっている。ずっとそれがアメリカも日本もそういうふうな統計であると。したがって、結果的な統計ですから、これから将来を論争するにはちょっとたねがまだ足らぬのでありますけれども、予算委員会でも総理とも、経済企画庁長官とも論争をしたところであります。  そこで、いま公共事業が中心だとおっしゃいましたが、それでは前半期七三%の公共事業をやりましたとおっしゃるが、その進捗状態と、それから、補正、今度通過いたしましたが、これが下請産業などにどういうふうにして浸透していって景気につながるか、簡単に御説明願います。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 最近の経済情勢を一言で申しますと、物価が非常に安定している中で、従来から進められております公共投資等の効果、さらには在庫調整の進展ということで、内需を中心にして順調に景気が拡大しているというふうに私どもは判断しております。ただいま先生お話しのように一昨年、昨年と後半になってやや息切れするという現象を呈したわけでございまして、その点をことしも繰り返すんじゃないかという御懸念でございますが、私どもは必ずしもそういうふうに判断しておりません。その判断しておりません一つの理由は、先ほど申しました公共事業の契約がかなり順調に進んでおりまして、上半期で七三%契約を済ませるという、大体予定どおりに進捗しておりますが、この契約が予定どおり進行いたしますと、五十三年度、本年度の下期の公共事業の契約額の増加は前年に比べて一七・九%、約一八%ぐらいの大きな伸びになるわけでございます。これが従来ともずっと続いているわけでございまして、現に生産等に建設資材を中心にしまして増加要因になっているわけでございます。そういう公共事業の進捗というものが、昨年は実は過剰在庫によってかなり吸収されたということでございますけれども、その後、在庫調整が比較的順調に進んでおりまして、もちろん産業別にはいろいろ違いますが、たとえば製品の在庫率指数でとりますと、五十三年の八月は八二・七ということで、ちょうど一年前に比べまして約一〇ポイントぐらい下がっている、こういうような状況がございます。そのほかに、金利がずっと下がっておりまして、五十二年三月からことしの八月までに、全国貸出約定平均金利は約二ポイント、特に短期金利ですともっと大きく下がっているわけでございますが、こういうことを背景にいたしまして、また円高のメリットであります原材料が安定しているというようなことから企業収益が改善をしておりまして、日本銀行の短期の経済観測等によりましても、この下期はかなり大きなプラスになっているわけでございます。こういう底がたい動きになってきておりますので、今回九月二日の総合対策を推進することによって、少なくとも内需は順調に回復していくだろうというふうに考えております。  この内需は、四−六月のGNP統計で見ますと、全体は一・一%しか伸びておりませんが、内需だけとりますと二・三%、年率にいたしますと九%以上の伸びを示しているわけで、これが七−九月に若干落ちましても、内需に関する限りは政府が見通したとおり、ほぼ順調に回復しているというふうに判断しております。ただ、問題はいろいろございまして、雇用の改善がおくれているというようなこともございますが、先ほど先生御指摘の、急速な円高というものが私どもの予想以上に進行する場合には、これが景気に対してマイナスということは十分に考えられるわけでございます。御指摘のように、すでに四−六月、それから七−九月、九月は若干特殊な要因で前月に比べて数量輸出はふえておりますけれども、傾向としては非常に減っております。私どもの予想では六ないし七%前年度に比べて数量輸出が減るというふうに考えておりましたが、さらにそれ以上ということになりますと、従来の円高の影響もこれから出てくることですし、さらに円高が進行するということになれば、その点で非常に注目しなければいけないというふうに考えております。  それからなお、御質問にはございませんが、この円高の影響というのは輸入の方にも非常に大きな影響を与えているわけでございまして、最近製品の輸入が非常にふえている、その製品と競合するような国内の産業が非常にデフレ的な影響を受けているという点がありますし、またそれは国民経済上の、やや技術的なことでございますけれども、円高によって輸入価格が下がりますと、実質輸入がふえて、これはGNPから控除する項目でございますので、それも成長率を引っ張る要因になりまして、いずれにいたしましても、円高というものがこの成長率あるいは景気に非常に大きな影響を与えるという点は、私ども十分な関心を払っているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公共事業で、地方財政の問題もありましてね、流れの速度のむらがありまして、かけ声ほど景気に影響しない。特にいまおっしゃった九月二日の経済見通しのときの円相場の基準が、がたっと落ちているんですから、したがって、もうちょっと検討し直さなきゃならぬのじゃないかと思うんですけどね。  それから、内需拡大の第二の柱は民間住宅建設でありますけれども、住宅建設がほとんど伸びていない。もう五十一年、五十二年度と大体同じ程度ぐらい、百五十三万戸ぐらいしか今年度も建設・できぬのではないかと思うが、建設省いかがですか。

川合宏之建設省住宅局住宅総務課長

○説明員(川合宏之君) 御指摘のとおり、二年間連続で住宅の着工戸数は百五十三万戸でした。本年度に入りまして月別に見てまいりますと、公庫融資などの入らない純粋の民間資金によるものは、昨年に比べまして低迷を続けておりますが、他方におきまして公的資金によるものにつきましては、住宅金融公庫の融資付住宅を含めましてかなり伸びておりまして、総計では昨年に比べまして七月までの間に八・四%の伸びとなっております。かような状況もありますし、また、去る九月の措置によりまして、住宅金融公庫の戸数を七万三千戸ふやしましたこともありまして、本年度は昨年度よりもある程度伸びた住宅の着工が期待されるものと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そんないいかげんな答弁は通用しませんよ。私はここへ資料を持っているんだから、建設省の資料を。五十三年一月から八月まで資料とっていますけれども、六月は前年度同月比三一%だけれども、七月は八・二%、八月はマイナス二〇・四%ですよ。これで今年度はいま総数が七十七万五千戸しか建ってない。これを倍にいたしましても百五十万戸しかないですよ。五十一年、五十二年と同じではないか。これは建設省の資料で言っているんだから、そんな答弁なら要らない、これは。  私の調べではそういうことで、住宅建設もかけ声ほど進まない。それは労働者の賃金が頭打ち。それから土地政策が、もう手に入らないのです。個人住宅にまでなかなか手に入らぬのです。だから政府がかけ声言っておられて、住宅建設で景気浮揚しますと言われるけれども、それができないのです。率直にそれを認めなきゃならぬ。国会ではみんなもういい数字だけ持ってきて言い逃れする。だから、ちっとも日本の景気はよくならぬのです。予算委員会で何回論議しても、こんなところで幾ら論議しても、いいところばかり言うから。こういうところはこうなりますから、こうしなきゃなりませんとか、少しえぐったところの討論をしませんと、こういう委員会の時間むだです。もう一回答弁してください、それじゃ。

川合宏之建設省住宅局住宅総務課長

○説明員(川合宏之君) 御指摘のとおり八月の総計におきましては、前年度の比率でマイナス二〇・四%となっております。ただ、八月時点におきましては、公的資金と民間資金の別がわかっておりませんので、その関係で七月までの分を申し上げた次第です。ただ、先ほど申し上げましたように、八月あたりの傾向が下がっておりますが、月別に見ますと御承知のとおり四月に住宅金融公庫の募集をいたしました。それに伴いまして六月の公的資金による住宅は非常に伸びております。この流れが八月あたりになってとまっているのではないかということが当然予想されます。かようなこともありまして、先ほど申し上げましたように、九月に七万三千戸の追加を決めまして、あわせまして住宅金融公庫の貸し付け条件を予算決定に先立ちまして改善いたしまして、政府見通しの経済成長を確保いたしたいと考えている次第です。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 また住宅建設については基本的に建設省と論争しましょう、土地問題もありますし。  一番大事なことは、労働者の賃金をよくしなきゃ家建たぬということですよ。もう住宅ローンで首くくるような人が、自殺するような人が出ているでしょう。そういう実態を把握しなきゃ、そしてそれをどう手当てするかということでなきゃ、ただもう公共事業に住宅資金これだけ落としましたと、住宅金融公庫にこれだけ金増加いたしましただけでは家建ちませんよ。その論争は後でまたやりましょう。  第三は、内需の中で個人消費が率で二%、政府の改定見通しの当初見通しより率で二%、金額で二兆円落ち込んでおります。この個人消費というものがこの国の経済成長の半分以上ですから、この個人消費をふやすためには一体どういう手をとりますか、局長。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 政府の五十三年度経済見通しにおきましては、当初個人消費は名目で約一一・八%、一二%程度伸びるというふうに想定しておりました。しかし、その後春闘などの結果によりますと、名目賃金収入の伸び方が私どもの当初よりは低いというようなことで、その消費の見通しを名目では一〇%弱に下方修正いたしました。しかし、物価が予想以上に安定しているということで、消費者物価につきましては当初の六・八%の上昇見込みを今回四・九%に下方修正いたしました。したがって、実質では大体当初の五・三%程度というふうに考えております。  それで、最近の消費の動きでございますけれども、消費に関連する指標は大変数が多くて、いろいろの動きをしているわけでございます。たとえば、家計調査全世帯で見ますと、実質消費は昨年の十−十二月に前年同期に比べてマイナスという状況でございましたが、この一−三月には二・三%に回復する。それから四−六月には今度は逆に〇・七と非常に落ちてしまいましたが、七月、これは一カ月だけですから何とも言えませんが、その後二・一%というふうになっております。必ずしも高い数字であるというふうには私ども考えておりません。  それから、農家世帯、現金の家計支出で見ますと、一−三月が前年同期に比べて六・三%、四−六月が九・二というふうに、こちらの方は大体順調な動きを示しております。  それから、消費の物的な面でいきますと、たとえばことしの夏は異常に暑くて、それの関係の電気製品が売れたというようなこともございますが、それは特殊要因といたしまして、たとえば自動車の登録台数等を見ますと、この九月で前年に比べて二〇・一%というふうにふえております。  したがって、消費の実態を示します数字は、いろいろの動きをしているということでございまして、全体としてそれほど強くはございませんが、まあまあ回復をしている。たとえば、消費を全体としてくくります個人消費をとりますと、先ほど申しました物価の安定ということもありまして、実質ではこの一−三月が前期に比べて一・九%、四−六月が一・三%、大体年率にいたしますと五%程度の上昇を続けております。ただ、御指摘のように、この個人消費の中でも非常に大きなウエートを占めます実質賃金の動き等について、もう一つ力強さが欠けるという点はございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 だから、減税ね、一兆円やればちゃんとそれは消費に返ってくるのですよ。私どもの調査でも減税の中の九割余りはちゃんと消費支出に出ている。それを減税やらないでしょう。そういうところで賃金はもうボーナスも減少するし、公務員も〇・一を削ろうとしているし、給与は頭打ちでしょう。土地は手に入らないわ、家は建たぬは、景気がよくなるはずはないですよ。そういう政策をずっと繰り返している。そうして、たとえば新幹線をつくりますとか、あるいは四国、本土との架橋をいたしますとか、それだってかけ声でしょう。鉄だって不況でしょう、これから論議しますけれども、鉄鋼だって、セメントだってそうですよ。決して十分な景気でないでしょう。下請産業なんか金が回っていくのいつですか。二年、三年先でしょう。そんな対策で、私、この特定不況地域、本当にこう薬張るような法律自体がもうナンセンスだと思う。しかし、これ法律が出ておりますから、これ論議しなければなりませんがね。いま私はやはりこの景気対策に対して、通産大臣は公共事業中心の景気対策をいつも主張しておられるようですけれども、曲がり角に来ていると思うのです。春の間はちょっといいけれども、秋になるとさっともう春暖秋冷の景気でしょう。春の方はちょっとこう、後はもうだあっと、恐らくことしの暮れだって景気はよくならない。また補正を考えなければならぬじゃないかと思うのですよ。それの繰り返しです。それよりもっとできるだけ社会福祉施設とか、あるいは賃金を上げたり、あるいは土地を入手しやすくして家を建てるとか、具体的に景気対策をやってもらわなければならぬと思うが、それだけに時間とれませんから、最後にいまの円高など、これからこの法律は、五年間の時限立法なんですが、こういう不景気というものが一体どのくらい続く、円高を加味しながらね、こんな不景気、この法律が必要である不景気というものは一体どのくらい続くと判断しておられますか、経済企画庁も通産大臣も。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 先ほど申しましたとおり、GNPの統計を見ますと、ことしの一−三月は、前期に比べまして年率で一〇%近く伸びたわけでございますけれども、四−六月になりますと、年率で四、五%のところに落ちました。しかし、これは中身を見ますと、内需が非常に順調に伸びておりまして、前期に比べて二・三%。ただ、足を引っ張っておりますのが、しばしば御指摘になられました、円高による海外関係でございます。したがって、今後九月二日の対策を中心にいたしまして、従来の政策を推進していけば、内需の方は私どもが想定しておりますような回復を示すというふうに考えております。問題は、円高の帰趨でございますけれども、仮に政府が考えております。%というものがことし実現いたしましても、景気ということを何で判断するかということによると思いますが、たとえば企業収益という点で言いますと、かなり改善が見られるというふうに思います。しかし、それもたとえば石油ショック以前というような状況と比較しますと、まだ不十分な状況でございますし、それから企業の操業度という点から言いますと、現在八〇%を若干切っている。七%成長が仮に実現いたしましても、年度末で八二、三というふうに思われますので、したがって、企業にとっては十分な操業ではない。そういう意味では、景気が回復し切るという段階には五十三年度はなりませんし、また雇用につきましても、現在でも百二十万人以上の失業者が続いているわけでございますので、まだ十分な回復というふうには申し上げられないと思います。しかし、今回の政策の主要な間接効果というのは、来年にむしろ大きく出てくるというようなこともございますが、来年度につきましては、まだ予算がどうなるかというようなこと、前提がはっきりしておりませんけれども、できれば先ほど通産大臣がお述べになりましたように、新しくつくられる経済計画の中で、少なくとも前期は、いま申し上げました稼働率を上げるとか失業を少なくするとかという目的もあって、できるだけ高めの成長を志向すべきではないかというふうに考えております。そういうことをやっていけば、新しい時代の安定成長の軌道に乗っていくというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣から見解を聞きましょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 経済の動向を判定をいたしますのに幾つかの要素がございますが、その一つの大きな柱は物価でありますが、物価はまずまず御案内のような状態でございます。国際収支も御案内のような状態でございますが、やはり問題は、産業全体の操業率がなお依然として低いということと、それから雇用問題が非常に重大な状態になっておる。この二つがいま当面の私は国内の大きな課題だと思います。特に、円高のために最近は再び企業の合理化が非常に強化されておりまして、企業といたしましては、円高の打撃を吸収するために、どうしても合理化をしないとやっていけないと、こういうことがありますので、大勢としては経済はいい方向にあるんだけれども、合理化が進むために雇用問題が一向改善されない、こういう問題がございます。それから、産業の操業率が、いまお話がございましたように、八〇%前後の操業でありますから、したがって、とてもこういう状態では新しい設備投資意欲は起こってまいりません。しかも、最近の円高で心理的にもさらに冷えていくと、こういう状態でありますから、やはり私は、もうすでに石油危機が起こりまして、ここで五年もたつわけでありますので、来年ぐらいには何とか新しい設備投資をやってみようと、こういう機運がどこからとなく起こってくるような、そういうやはり経済にしないと、いつまでも日本経済は、いまのようなよたよたした状態ではもたないのではないかと、こういう感じがいたします。それで、年度末には産業の操業率が八二、三%になりますから、私は来年度は九〇%ぐらいの操業を目標とする経済運営が必要ではないか、こう思います。これは相当引き上げるようになりますけれども、五十三年度の始まりも七六、七%操業だったものが、一カ年の間に曲がりなりにも八二、三%操業にいくわけでありますから、だからやり方いかんでは、私は九〇%操業を目標とする経済運営は可能であると、このように思います。それが達成された段階で、ほぼ新しい設備投資が出てくる機運になるのではないか、このように期待をいたしております。そういうことを考えながら、今回お願いしております法律、時限立法にいたしておりますが、これは経済の一般的な動向のほかに、他に関連する法律の時限立法の期限等もございますから、それとの整合性を持たせなから五十八年六月と、こういうことにしたわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 経済企画庁の経済計画の、いまのようなドル相場の変動の中で、恐らく計画、立案できぬのじゃないですか。また、いまの不況につきましても、恐らく経済企画庁も見当つかぬのではないかと思うが、いずれにしましてもこれは五年間生きるわけです。私はもちろん、ないよりあらなきゃなりません。つくらなければなりません。言うなら、こう薬を張っていくわけですからね、これからずっと個所、個所で。それよりもむしろいま大臣がおっしゃった雇用創出ですね、労働者の雇用をつくる。たとえば委員長の佐賀では、もう鉱害がいっぱいで、たんぼ荒れほうだい。私の福岡県もそうです。あるいは常磐もそうであろう。鉱害復旧とか、あるいは炭鉱住宅荒れほうだい。あるいはぼた山法案を出しておりますけれども、そういうものを、国土復旧するという事業など、あるいはいま産業廃棄物の処理が大変困るから、各県でもおつくりになるようでありますが、相当環境衛生業者などが産業廃棄物の工場などに意欲があります。だが私は、こういう法律も必要ですけれども、雇用創出のための前向きの、創造のための法律をなぜつくらんかと、そう言いたいわけです。でないと、この不況は絶対に、これはもう後追い後追いですから、しかもドルの、向こうのアメリカさんやあるいは西欧、ECなどの経済の変動によってドルが動いている。それを後を追っかけて経済計画、ナンセンスですよ、これは。したがって、私はもっと自主的に日本経済を再建するには創造、雇用創出、そういうことにうんと力を尽くして国会なども法律をつくると、そういう前提がなければ、こんな法律は論議しても本当にむだじゃないかという気がいたします。しかし、そういう情勢でありますが、もう一度通産大臣、あなたが一番担当大臣でありますから、雇用創出のために知恵を働かして、そういう方面で、もっと経済閣僚会議などでも御検討してもらいたいと思うが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いまお述べになりました御意見には私も全く賛成であります。やはり景気がよくなって、さらにまた雇用創出のためのいろんな具体的な施策が進行いたしますと、こういう法律は実際要らないわけです。だから、いまのお話は、こんな法律が要らないような状態をつくり出せと、こういう御意見でございますから、それには全く賛成でございますが、仮にそれをやりましても、それが効果を上げますのには若干の時間がかかりますので、その間のつなぎとしてこの法律も必要だと、こう思いますので、そのような観点から御審議をお願いしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。  それでは法律の中に入りまして、七点ばかり質問いたしますが、まず第一は、地域指定の問題であります。  特定不況地域を八月二十八日には十六地域を指定いたしました。その指定の基準はいかがですか。どんなものですか。また、これが今度の法律の政令とどうかかわってまいりますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律をお願いをする前に、とりあえず行政措置として対策を講ずるということで、八月末に決めまして緊急融資制度を発足させたわけでございますが、そのときの基準は、やはりそういう問題の地域における構造不況の業種の占めるウエート、これはまあ工業出荷額とか、あるいは従業員数とか、そういうものではかったわけでございますが、そのウエートの大きさというものと、それから、そういう地域においてそういう事業所が、事業規模がだんだん縮小されてきた、それによって中小企業が非常に打撃をこうむっておるというその状態、それからもう一つは、その地域における雇用の状態、こういうものを勘案をいたしまして十六選び出したわけでございます。今回法律案をつくりまして、御審議をお願いをしておるわけでございますが、この法律案における特定不況地域の要件も大体そのようになっておりますけれども、具体的に数値をどうするかというのは、今後法律を通していただいた後で確定いたしたいと思っておりますが、ことに雇用関係の数値につきましては関係の審議会にも諮る必要があるということになっておりますので、労働省ともいろいろ御相談をして基準を決めたいと思っておりますが、大体考え方は同じ、ただし、具体的な数値自身は今後なるべく早く検討して決めたいということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 自民党と新自由クラブの合意というものをきのうもらいました。これは正式の文書のようでありますが、これで、二項に「特定不況地域の指定については、二十八地域を目途とする」と書いてある。これは二十とか三十とか、ラウンド数字なら大体納得するが、二十八地域になると、ちょっともう細かい数字が出ておりますが、これで大体政府はこの自民党と新自由クラブの合意事項については、ちゃんと腹に入れて政令の裏づけにちゃんとそういうものを持っておるのかどうか、聞いておきます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これは政党間の合意事項でございますし、特に政府与党である自民党の決めた案でもございますから、政党政治のたてまえから、政府といたしましてはこれの実現を図らなければならぬと思っております。ただ、経済情勢は刻々に変わっておりますので、その時点では二十八地区をめどにするということでも十分であったのかもわかりませんが、しかしまた、時と場合によればそれ以下になる場合もありましょうし、あるいはそれ以上になる場合もあろうと思います。現在約七、八十の地域、初めは三、四十であったのですけれども、最近またふえまして七、八十の地域についていまいろいろ調査をいたしております。どの程度、今度決めます条件に合致するところが出てまいりますか、いずれにいたしましても二十八をめどといたしておるのでございますが、法律の精神は、困っておるところをできるだけたくさん救えと、こういう意味でございますから、もし二十八を超えるようなことがありましても、その場合には関係方面の御了解を得まして、若干の個所数の調整はしていただく必要があろうかと思います。もっとも、この協定、覚書にもめどとするということでございますから、必ずしも二十八に限るという意味ではないと思いますので、若干の幅があろうかと思いますので、そういう意味で実情に合うようによく最終の判断をしたいと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 政令の案もまだないし、法律ができてから労働省の雇用審議会と一緒に相談をしていろいろ決めましょうとおっしゃるような段階で二十八地域なんて、全く政治を愚弄していますよ、こういうことは。これは自民党さんと新自由クラブさんかお決めになったのでありますから、けちつけませんけれども、大臣は政党人ですからね。中小企業庁長官を責めましても、いや、私どもはこれはあずかり知りません、相談受けておりませんと言われる。大蔵省も建設省も、後の問題でまたやりますけれども、たとえば「公共事業の傾斜配分について、その規模を三百五十億円程度とし」なんて書いてある。ところが、その予算を握っている省庁あるいは計画しなきゃならぬ省庁が知らぬうちに、こんな具体的なものを決めているんですよ。まことにもって、これはもう言語道断、許せぬことでありますが、こういうものがまかり通っておるということ、これは政治の貧困でありましょう。これはまだ、この問題だけは後でまた論議しなきゃなりませんよ。きょうは時間がないから——これだけでも本当はこの委員会はストップしなければならぬが、委員長がおられますから、本当はこれで二、三日ぐらいとらなきゃならぬと思っておるんですが、終盤国会でありまして、そういうわけにもまいらぬので……。いずれにいたしましても、こういうものがまかり通るようなことでは、今後は国会は動きませんので、これは通産大臣は政党人ですから、しかと腹に入れておいてもらいませんと——きょうのところは質問を続けていきますがね。  そこで、この地域指定の基準。特定事業所がありまして、これは不況事業所、それを包含する地域、そこの中の関連事業と、こういうことに網がかかっておるわけですね。そうすると不況業種のない地域、たとえば私の方では八幡製鉄が不況であります。あるいは旭硝子が閉止になりました。それを直方市などから部品をどんどんつくっていっているわけです。あるいは造船所が海岸にありますと、この裏の方の町でつくりまして、それで部品をつくるでしょう。この造船所が倒れたために、裏の方の市、町が衰微していく。それはこの網にかかるのか、かからぬのか、答弁願います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律の構成では、この特定地域自身は特定の事業所のある地域を指定することになっておりますが、中小企業を認定いたしまして、その認定を受けた中小企業がいろんな恩典を受けられるという、その認定の場合には、関連市町村というものを政令で指定することになっております。これはつまり特定不況地域にあります特定事業所と非常に密接な関連のある事業所、つまり中小企業、下請企業が相当数存在をしておる地域でございまして、その特定不況地域に比較的近隣にある地域ということでございますが、そういう地域は関連市町村として指定する。そうしますと、その区域にある中小企業は特定不況地域にあります事業所と関連があるということがはっきりすれば、同じ恩典を受けられるという認定制度を設けておりますので、これによってその問題を解決いたしたいというふうに考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 造船所のある町よりも隣の、近隣の町で、直接その地域は隣同士ですけれども、こちらの方の造船所の不況によって隣の町の事業が不振であれば、その地域が指定を受けられる、認定される、こういうふうに理解していいですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 法律では「周辺」ということですから、隣接しなくても、その周辺であれば、いまおっしゃったような認定が受けられるということになっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、その事業の認定と書いてありますが、たとえば商店とかその他の小売商店、あるいはクリーニング屋さんなども、あるいは影響するかもしれませんね。その関連事業、商店など、その地域の中に、近隣の都市の地域の中にあるものは事業指定がされると理解していいんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) その地域にあります特定事業所が、非常に生産減というようなことが起こりましたその影響を受けた業種ということになっておりますが、その影響は、われわれは直接影響のみならず、間接影響も入るというように解釈しておりますので、いまのような商店とかサービス業というものも入るというふうにわれわれは解釈をしておりまして、そういう運用をいたしたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、不況地域の緊急融資について大蔵省に質問をいたします。  特定不況地域緊急融資制度が九月四日から発足しておりますが、現在までの融資実績はどうなっておりますか。また、これは十六地域を対象としているわけであるが、当初の融資総額の見込みはどの程度であったのかお伺いをいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この九月四日から発足いたしました特定不況地域中小企業対策緊急融資につきましては、政府系中小金融三機関で実施しておるわけでございますが、その合計で九月末の現在は、申し込みが百七十一件、十二億四千四百万円でございまして、それに応じていま審査をしておりますが、貸し付けをすでに実行したものが六十五件、三億九千五百万円ということになっております。それで、当初どの程度の融資総額を考えたかということでございますが、これにつきましては、とりあえず十六地域ということでございましたが、これについては今後ふえる可能性があるというようなことで、なかなかはっきりいたしておりませんが、おおむねの計算では大体四百億前後になるんではないかというふうな計算で考えたわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今度の法律では、この緊急融資、中小企業金融公庫で別枠二千万、国民金融公庫で別枠五百万以内となっておりますが、円高緊急融資の方は、発足当初は二千万円であったのがその後四千万までに引き上げられておりますが、こういう事例から見ても、この金額については弾力性ありますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この九月四日に発足するに当たりましていろいろ検討いたしまして、現在の状態ではいまの枠で足りるということでいたしておるわけでございます。したがいまして、当面この枠で実施いたしたいというふうに思っておりますが、将来いろいろ経済の変動もございます。したがいまして、その変動は十分注意をして見てまいりたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、金利の問題ですが、円高緊急融資が五・三%であると承知いたしておりますが、この金利は相当高いように思いますが、弾力性ありませんか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この金利につきましては、当初発足のとき六・三%または六・八%、これは非常に関連の多いものが六・三%、関接的なものが六・八%ということでございますが、これを決めたわけでございます。これはいろんな緊急融資制度がございますが、倒産対策の緊急融資制度にならったということでございます。これが事態が一番似ておるということでございます。ただ、これにつきましては、実は衆議院の御審議でもこの金利について軽減に努力をせよというふうなことの御要望がございまして、決議もされております。したがいまして、われわれといたしましては、これまた十分検討いたしまして、この御審議の趣旨に従いまして善処いたしたいということで現在検討しておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 補正予算では、特定不況地域緊急融資並びに円高緊急融資のために、商工中金に対して五十五億円の出資を行っておりますが、この具体的な積算根拠を伺います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) これは先ほど申しました円高融資自体も枠を増強したというふうなこともございます。それから、円高の進行か当初融資創設したときよりも程度が高い、あるいは最近もまた円高になっているというようなこともございまして、円高融資が相当ふえるだろうと予測をいたし、それからこの特定不況地域が先ほど言ったように四百億というふうなこと、それを合わせまして五十五億ということになったわけでございますが、商工中金につきましては今年当初予算でも七十億の出資をいたしておりますので、これは若干弾力的に運用ができるということを考えた数字として五十五億という数字を出したわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、補正予算で商工中金に対しては出資の増額などの予算措置がとられておりますが、中小公庫と国民公庫については不況地域対策等のための予算措置が講じられておらない。補正予算の裏づけがなくても両機関については緊急融資等を十分に行えるかどうか質問いたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 両機関につきましては、この融資総額の中でやりくりができるという判断をいたしましたので、特に補正を必要としないということでございまして、現在の融資総額から見ますと十分対処できるというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、中小企業の仕事の確保です。特定不況地域は造船業などに典型的にあらわれておりますが、その特徴は構造不況などによって受注量が激減していることであります。特に、これは下請企業にしわ寄せをされやすいが、このため関連下請企業にとって最大の問題は金融対策よりも仕事が減っているということであって、仕事の確保が最も必要な対策になるわけであります。この法案は仕事の確保対策としては、不況地域に対する公共事業の配慮、下請取引のあっせんの二つを挙げておるが、これだけで十分に当該地域の中小企業者の仕事が確保されると考えておられるかどうかお伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 先ほどお話がありましたように、こういう特定不況地域に対する対策として仕事を確保するということが非常に重要なことは、私たちも痛感をしておるわけでございます。ただ、公共事業、それから下請のあっせん以外の問題につきましては、一般的な景気対策その他が中心になりますので、特に法案には掲げなかったわけでございますが、われわれといたしましては、下請取引の場合については下請企業振興協会、各県にございますものがいろいろ仕事のあっせんをしておりますが、現在では、各県にございますので、県内だけではなかなか仕事が出てこないという問題もございます。したがいまして、広域のあっせんということで、通産局管内あるいはさらにもっと広い地域での下請企業振興協会が集まりまして、お互いに融通をし合うということを始めております。したがいまして、とりあえずこういうところから仕事を見つけるという仕事に取りかかっていきたい。ただし、これだけでわれわれは満足いたしませんで、いろいろ知恵を出しまして今後いろいろ考えたいということをいま考えておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 たとえばこういう例があります。東芝などという大きな企業の下請で、小さい顕微鏡でやるような仕事をやっておる下請企業、二百か三百の労働者を雇っているんですけれども、大手企業は減産しますと、大手企業の労働者はまずそのままにしておいて、下請の方にがっとくるわけです。下請の企業というものは三分の二ぐらい首を切らなければならぬ。だから、ほかの仕事を持ってこようといたしますと、企業秘密の問題がありまして、たとえば東芝の仕事をやっている工場にはほかの方の工場は下請できないんですね。全然別個のものを考案しようとすると、考案研究費とかなんとかたくさん要りましてできないというのが私の方の県下にもたくさんあります。下請の諸君が最近事業協同組合などをつくって研究開発などをやっておりますけれども、なかなか大変なことで、いま下請振興協会というのがありますけれども、メンバーも少ないし、十分に各会社に行って指導というものはできないですね。だから、たとえばおたくの方で若干の予算を組んでおられるけれども、結局はこれはそういう人の事務費あるいは旅費になってしまうような危険性もあります。根本的にこういう段階ではそういうところにもう少し知恵をしぼるべきではないかと思うわけです。ただ融資とかたとえば税を差っ引くとかでなくて、そういうところにもう少し何か知恵をしぼって、雇用創出とかあるいは工場をつくるとか、そういうものが何か腹案でもあったらお教え願いたいと思うんですが。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 円高とかこういう構造不況ということの影響が、下請企業に一番集中してあらわれるということは、われわれも一番憂慮しておるところでございます。それで、先ほど申しましたように、今年度とりあえずはいま申し上げました対策を講じておるわけでございますが、やはり下請企業振興協会の活動をもう少し強力にしたいということで、実はいままで全国的な団体ができておりません。したがいまして、来年度はそういうものをつくった場合の補助というようなこともいろいろ考えております。したがいまして、そういうものを中核といたしまして、下請企業問題についてより前進した政策をとりたいということで来年度予算にいろいろ考えておりますので、非常に時期が遅くなりましたけれども、われわれとして今後十分いろいろな点を考慮いたしたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、さっきの政令にも関係するのでありますが、法律の施行と地域指定基準の問題であります。  この前の十六地域の指定では、造船、アルミ、化学、合繊などのほかに、金属鉱業、漁業などが挙がっておるようでありますが、不況地域の救済のためにも指定業種の範囲をもう少し広げてもらわなければならぬと思うのであります。たとえば私の方の地元では先般もここで問題にいたしました月星ゴムなど、韓国その他からの追い上げによりまして半分近く減産、整理があるわけですね。そういう種類、業種などについても御検討願いたいと思うが、いかがですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この地域を指定する前提条件といたしまして、法律では特定不況業種というものを指定することになっております。特定不況業種につきましては、先般制定いたしました特定不況産業安定臨時措置法の対象業種とか、あるいは労働関係での特定不況業種離職者臨時措置法における業種とか、こういう不況の業種というのが挙がっておりますので、そういうものを参考にしながら決めていきたいと思っておりますが、この法律の要件にございますような、設備等が過剰であってその状態が長期に継続するというふうな条件に入るものは十分取り入れて考えていきたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、この法律は公布の日から施行するとなっておりますが、地域指定などが行われなければ法律の施行は事実上困難であると思うんです。公布の日までに政令による地域指定の準備が完了できるのかどうか。性格上地域指定は難航すると思うが、公布の日はいつごろを目途にしておるか、お聞きいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律は、御指摘のとおり、地域指定ができませんと、具体的な実際に動くことはできなくなりますので、われわれといたしましては、なるべく早くこの法律が制定されましたならば、政令を——指定いたしたいと思っております。ただ、先ほど申しましたように審議会に諮る必要のある部分もございますので、労働省ともよく御相談をして、なるべく実施したい。公布もそれを考えましてなるべく早く公布をいたしたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大体いつごろになりますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いまのところちょっと具体的な日取りは申し上げかねるんでございますが、たとえば一部に、一カ月ぐらいかかるんじゃないかというような議論があったようでございますが、われわれとしては一カ月よりもう少し縮めたいというふうに考えておるということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。  次に、雇用の問題で労働省に質問いたしますが、大量に離職者が出ておるのはもう御存じのとおりです。けさのテレビなどでも造船所の離職者の方が保険金が切れて自殺したというテレビも出てまいりました。特定不況地域離職者法案が社労で論議されておるんですが、この法案を含めて不況地域の雇用対策の確立について、政府の基本的な政策をお伺いいたします。

谷口隆志労働大臣官房審議官

○政府委員(谷口隆志君) 先ほど来お話のありましたとおり、景気を示します指標は緩やかではございますけれども回復の基調にございますけれども、残念ながら雇用の関係の指標は全国的に見ましても非常に改善がおくれておるわけでございます。そういう中におきまして、特に造船業等のいわゆる構造不況業種が中核となっておるとか、あるいは集中しております地域におきましては、非常に厳しい雇用失業情勢にあるわけでございまして、こういうものに対しまして当面緊急に対策を講ずる必要があるということで、通産省、中小企業庁とも御相談いたしまして、そういう地域ぐるみ企業経営面なりあるいは雇用面で深刻な影響を受けておる不況の地域に対しまして、経営の安定対策と相まちまして雇用対策を講じていこうという趣旨から、このたび特定不況地域の離職者臨時措置法案を提案しておる次第でございます。  その内容は、概略申しますと、こういう地域におきましては、一たん離職いたしますと就職しにくい、そういう雇用失業情勢が非常に悪いわけでございますので、従来景気変動等とか事業転換等が行われる場合の雇用調整、すなわち一時休業とかあるいは休業期間中の訓練の実施あるいは出向等に対します助成措置として雇用安定資金制度というものがございますが、この制度は不況業種を指定して、その業種に属する事業主に助成をいたしておりますけれども、そういうものをこの地域につきましてはその業種に限らず地域ぐるみ影響を受けているということで全面適用しようという、雇用安定資金制度の特例としての全面的支給とか、あるいは中高年齢者を雇い入れる場合の促進的な意味での中高年齢者雇用開発給付金という制度がございますが、これの支給期間をこういう地域について特例として二倍ぐらいにするというようなことが一つ。それから、雇用保険の失業給付につきまして、四十歳以上の方々につきまして所定給付日数に九十日の延長給付を行う。それから、職業訓練がこういう地域におきましては職業転換のために非常に重要でございますから、職業転換をこういう地域については重点的に実施する、都道府県で行われます場合は奨励的な意味での給付金を交付するというようなことが三番目でございます。それから、もう一つの柱は、公共事業の失業者吸収率制度というのが、現在中高年齢失業者が多い地域とか、あるいは昨年成立いたしました特定不況業種の離職者臨時措置法に基づきます離職者の多い地域について行われます公共事業について、それらの中高年齢失業者なり離職者を事業に必要な無技能者の四〇%以上を雇い入れる失業者吸収率制度というのがございますが、そういうものをこの地域につきましては地域の離職者全部に適用していくというような、そういう点を主要な内容とするものでございまして、現在当委員会で議論になっております中小企業対策臨時措置法の施行と相まちまして、その地域の雇用対策を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 離職した人に雇用保険を延ばすことも必要です。もう一つ雇用創出、仕事を何か見つけてやるとか、たとえばさっき私が言いましたことを繰り返しますけれども、委員長の佐賀では、もう鉱害がいっぱいありまして、たとえば中国などでも人海戦術でダムをつくっていますね。だから、雇用保険切れないうちに仕事を見つけてやって、そして働いて賃金を取るという労働者の本性に基づいた政策というものは考えたことございませんか。

谷口隆志労働大臣官房審議官

○政府委員(谷口隆志君) 先生御指摘のとおりでございまして、こういう雇用失業情勢の中では雇用の創出といいますか、あるいは雇用機会の開発といいますか、そういう面にやはり重点を志向する施策が重要でございまして、基本的にはやはり経済運営なり財政運営を適正に実施いたしまして、景気の回復へつなげ、それによって雇用需要を起こすということが一つございますし、またこの不況地域につきましては、緊急に仕事を確保するというような施策も必要でございますが、まあ中長期的には同時に製造業では機械産業等の付加価値の高い業種とか、あるいは三次産業で消費生活多様化に伴います新しい販売業とかサービス業のほかに、社会福祉とか文化とか医療、保健、こういうような部門での就業者増なり雇用者増も見込まれますから、そういう方向へ向けて施策を進めていかなければならぬ。その際はやはりそれぞれの事業を所管されております省庁との密接な連携が必要でございますし、そういう密接な連携のもとに、関係の省庁にもいろいろお願いをいたしたいと思っておるわけでございます。同時に、今後の基本的な問題につきましては、現在検討されております新しい経済計画の作業とあわせまして、私ども第三次雇用対策基本計画の見直し作業を行っておりますので、そういう中でも十分検討してまいりたいと思っておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公務員で責任ある発言だから言えないんだろうけれども、もっと政治というものは、やっぱり人間の生活を守るための政治であり、財政でなければならぬでしょう。財政法がありますからこれでやりますとか、あるいは社会福祉の中に入れますとかと言うんじゃなくて、たとえば、けさでも函館ドックの人が、もう雇用保険が切れて自殺をしたと、そんな人が何千人出るとテレビが言っているわけですよ。それじゃそういう人がどこか働く余地はないかと。そういうようなもっと人間の生活に密着した行政をやってもらいたい。ここでいますぐ追及してもとても答弁もできないでしょうけれども、労働大臣おられたら、大臣は政治家ですから聞けますけれども、あなたに聞きませんが。  具体的にいまのこの指定地域の範囲でこれは市町村を指定しますか、おたくの方の離職者法は職安範囲だと思うが、この法律で残るところはダブってきますか、どちらですか。

谷口隆志労働大臣官房審議官

○政府委員(谷口隆志君) 私どもの方の特定不況地域離職者臨時措置法案の地域の指定につきましては、先ほど申し上げましたように、こういう不況地域におきましては、企業経営面なり雇用面で地域ぐるみ影響を受けておる。そういうことに対しまして、企業の安定のための対策と雇用対策を総合的に講じていこうという趣旨でございますので、まず中小企業対策臨時措置法に基づきます特定不況地域である市町村につきましては、事業活動に関する状況と、それから雇用に関する状況を勘案いたしまして、通産省と労働省で共同で決める。形式は政令で定めることになりますけれども、両方で十分相談をいたしまして共同で定めるということになっております。その市町村を含む安定所の管轄区域を離職者臨時措置法の方では労働大臣が指定していくということでございまして、そういう面では、中小企業対策臨時措置法と離職者臨時措置法は、中核となる市町村は同様でございますし、私どもの方の離職者臨時措置法では、いわゆる労働市場圏的な意味で安定所の管轄区域ということで、一般的には広くなるような形になっておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この問題は通産大臣に質問しなければならぬと思うんですが、さっきの自民党と新自由クラブとの合意事項の第三項に、「特定不況地域に対する公共事業の傾斜配分について、その規模を三百五十億円程度とし、関連地方公共団体の裏負担については、特別交付税等で措置する。」この内容についてまず御説明願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 実は私は、この覚書には一切相談にあずかっておりませんので、説明をする立場にはありません。ただ、いまお読みになりました条項は、「程度」という言葉がございますから、それを含んで善処したいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まず第一に、説明する立場にないとおっしゃるのもそれはけしからぬことでありまして、自民党の党員でありまして、しかも、自民党の政審会長と新自由クラブの国対委員長かどなたかがお決めになったんだから、それを自民党の大臣が、私はちょっと知りませんでは、十月五日に決まった合意書ですからね、それだけでもこれは大変な問題です。大変な問題ですが、それじゃ、この公共事業の傾斜配分、その規模が三百五十億程度でもいいですが、これはどういうことですか。たとえば特定不況地域だけ特に普通のルールよりも別枠として三百五十億置いといて、これを不況の程度に応じて傾斜配分すると、こういうことですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 公共事業の配分につきましては、実は十六地域をつくりました時期にも、行政措置としてはなるべく十六地域に必要な公共事業、その地域の雇用を振興する意味において必要があろうということで、公共事業実施官庁、たとえば建設省等にお願いをいたしまして、地域として必要だと思われる対象になりました地域の各市町村から、こういう控除をしてほしいというような希望を私どもの方で承りまして、これを関係官庁にお願いをしたという経緯もございます。したがいまして、そういうふうなことから、今後も補正予算等の配分に当たってそういうものについて注意をするということであろうとわれわれは解釈をしております。  これは、先ほど申し上げましたように、決まった後でわれわれも聞かしていただいたものですから、できる経緯については私らもよく存じておりませんが、結果としてわれわれが解釈しておりますのは、補正予算の配分に当たって、そういう地域に必要な金額を配分しようということであろうというふうに解釈をしておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の質問でありますが、政令ができたらそれで各不況状態を調査されるのか、もう通産局とか各都道府県で調査しているその資料は、中小企業庁長官のところへ全部集まっていまして、基準ができたらずっと選別できるようになっているのかどうかお聞きいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法律は、先ほど申しましたように、なるべく早く施行する必要があるということでございます。したがいまして、この法案御審議中でございますので、まことにわれわれ僭越でございますが、やはりなるべく早くやるという意味で、材料だけを集めておこうということで、材料は集めております。しかし、それはいまの基準が決まりました上で判定をするということでございますので、なるべくその判定が早くできるように、現在、関係の都道府県といろいろ相談をし資料を集めておる、相当もう集まったという段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これで質問は終わりますが、最後に通産大臣、自民党のお歴々おられますが、新自由クラブの委員がおられるので、まことに言いにくいのでありますが、これだけの法律が提案されることはもうちゃんと前もってこの国会わかっていました。にもかかわりませず、この法案の内容にわたるものが自民党と新自由クラブの合意書によって枠組みをされて、この法律を審議せいとされるということについては、本当は納得できないことです。これは。各党ともそうだと思うのですよ、野党の皆さんは。したがって、今後こういうことがありましたら、恐らくこれはこの問題だけでも何日も審議しなければならぬような重大な問題であると思いますけれども、くれぐれもひとつ自民党の幹部諸君に、こういうことが絶対今後ありませんようにお伝えを願いたいと思いますが、いかがですかね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 御注意よくわかりました。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 質問終わります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私の方からは、特に金属鉱業緊急融資制度のいわゆる創設のこの問題について、初めにお伺いをしたいと思います。  現在の非鉄金属業界が非常に苦しい情勢にあるということは、私たちもよく存じております。現場にも行ってまいりましたし、またそれぞれ陳情等もたびたび聞いてまいりました。そこで、実は最近いろんな閉山も続いておりますし、そういう実情も知っているつもりであります。そこで、政府としましてこの非鉄金属の現在のいわゆる国際相場の動き、あるいは今後どういうふうに推移していくのか、大綱的なことで結構ですから初めにお伺いしたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 先生御案内のとおり、銅、亜鉛の世界需給でございますが、これは石油危機前の昭和四十八年に消費がピークになりまして、それから石油危機が起こったために消費が急激に低減いたしまして、五十年にはこれが消費が底に達しておるわけでございます。ところが、これに対しまして生産の方はなかなか急には減らない。消費がいわば幾何級数的に落ち込んだのに対しまして、生産の方は算術級数的にしか落ち込まないというようなことでございまして、したがいまして在庫がどんどん異常にふえていくという状況でございまして、期末在庫で言いますと、昭和五十二年に世界の在庫が百八十二万トンというようなピークに達しております。亜鉛の場合は、昭和五十二年に百四十七万トンというような在庫の積み上がりが生じたわけでございます。それに伴いまして価格も急低下いたしたわけでございます。  しかしながら、昭和五十三年に入りましてからようやくこの生産調整が一方で始まりまして、銅について言えば産銅諸国の——CIPEC諸国が一五%の減産に踏み切った。他方、これに対しまして銅の消費は微増の傾向を示しております。生産が調整され、他方消費の方は逐次回復に向かっておりますので、したがいまして在庫は本年に入りましてから次第に減少の傾向を見せておるわけでございます。それから、亜鉛につきましてはヨーロッパが主たる産地でございますが、これも昭和五十三年に入りましてから亜鉛の減産が始まり、したがいまして在庫も次第に減る傾向を見せております。現在のところ、世界の過剰在庫は銅で百万トン、亜鉛で七、八十万トンくらいかと思われますが、しかしこれは今後確実に減る傾向を示すであろう。まあ先のことはよくわかりませんが、一九八〇年くらいになりますと、おおむね需給が均衡して適正在庫に戻るのでなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  価格の動きというのは、先生御案内のとおり、銅、亜鉛等の価格の動きは非常に不規則な大幅変動を示しますので、はっきりした予想は申し上げられませんけれども、われわれといたしましてはここ二、三年の間、銅及び亜鉛の価格は次第に正常化の方向に向かうものというふうに考えておるわけでございます。そういたしませんと、いま日本だけじゃなくて世界全体の非鉄金属鉱山がコスト割れの状況にある、多くの山がコスト割れの状況にあるという状況でございますから、こういうことが余り長く続くということは、私は経済のメカニズムから言ってあり得ないことではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 この法案によりますと、昭和五十三年度、五十四年度緊急融資の行う期間というのは約二年間でございますね。そうしますと、この二年間でいわゆる国際的な相場が安定しあるいは回復し、在庫も調整をされて、国内の鉱山が、いわゆる国内鉱山の経営が安定する方向に向かうのかどうか、この点はどうでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) まず先のことでございますので、絶対にこうなるということはとても申し上げられるものではございませんけれども、傾向といたしましては昭和五十二年をもって国際的な銅、亜鉛市況の底入れが終わりまして、今後二、三年の間は回復基調が続くものというふうに考えておるわけでございます。つまり、二年以内にコストをカバーするような価格になるかどうかということははっきりは申し上げられませんけれども、そういう方向に向かって進むものというふうに考えておる次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうすると、もう一つ違う面からお伺いしますと、いわゆる在庫ですね、これはどの程度が適正であるとお考えなのか、どの程度まで減少すればということになりますかね、銅と亜鉛で結構です。  それからもう一つの点は、いわゆるコストですね、これはどの程度と考えていらっしゃるか、銅と亜鉛で結構です。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 銅で申し上げますと、現在LME在庫が四十二万トンくらいあるわけでございますけれども、これが十万トン程度まで減るということが——十万トン程度が大体適正なLME在庫ではなかろうかというふうに考えております。  それから、コストに関しましては、山によりまして相当なばらつきがあるのでございますけれども、平均的に申し上げますならば銅で五十万円、亜鉛で二十万ないし二十一万円というところが平均的なコストというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 亜鉛の在庫は。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 亜鉛の在庫は現在世界的に見まして百四、五十万トンという水準でございますけれども、そのうち、七、八十万トンは多いと。七、八十万トン減れば大体適正な在庫に戻るのではないかというふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは実際問題として、いまの長官の話を聞いておりましても、これはこの二年間で解決するかどうかということは非常に疑問ですね。たとえば、いまの亜鉛の問題にしましても、世界のいわゆる在庫は先ほど長官は百四十七万トンとおっしゃいました。それで、七、八十万トンが適正な在庫ということでいまありますと、これは昭和四十八年にすでに百四万トンですか、在庫が。そうすると、昭和四十七、八年ごろからずっと百万トンの在庫が続いてきているわけですね。それが七、八十万トンになるなんということは、ここ当分よほどのあれがないと考えられないということになりますね。そうしますと、こういうふうな法案によっていわゆる国内の鉱山が救済できるのかどうか、しかもこの短期間のあれで、そういう疑念が実際問題あるわけです。  この点も後でお答えいただくとしまして、もう一つ違う面から申し上げますと、もう一つは、今回の緊急融資は初めの一年半ですか、これは一%ですね。それからあと五年間を通して平均金利が三%、こういうふうになるわけです。これはやはり何といいますか、国内の今回の不況法案の中で出てくる融資等から考えてみますと、言いますと、相当の政府がかねがね使われている破格の優遇措置なんですね。そういう点からいきますと、これはよほどの非常事態であると、そういうふうに言わざるを得ないわけです。そのためには、私はよほど思い切った政策的ないわゆる措置、政府として非鉄金属鉱山に対する将来の見通し、こうあるべき姿、こうあるべきだという姿、そういうことをきちっとしないで、こういうことをやっておりますと、それこそ言葉は悪いですが、夜店のたたき売りみたいに次から次といろいろな事態が出てくるんじゃないか、そういうふうに考えるわけです。そういうような意味から、この法案を特別措置法を立案したいわゆる政策的な根拠といいますと、どういうことになってまいりますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 私どもは、先ほど申し上げましたように、現在の銅、亜鉛の非鉄金属の国内価格は、二つの理由によりましてきわめて異常に低い水準にあるというふうに考えております。  第一は、先ほど来申し上げておりますような世界不況でございまして、これは石油危機によって激発された世界不況でございます。しかしながら、石油危機以降もう四年、五年近くたっておるわけでございますから、世界経済もこの間次第に正常化の過程に向かっておる。過剰在庫等も次第に、緩慢ではございますが、調整の方向に向かっているというふうに考えておるわけでございます。LMEの価格で見ますと、本年の二月には、銅については六百二十七ポンドでございましたが、現在は七百五十ポンドまで回復をいたしておるわけでございます。  それからもう一つの理由は、申すまでもなく、円レートが予想以上に円高に傾いたということでございます。そのために、他の先進国よりも日本国内価格は異常に下落したということでございますが、しかしこの円レートにつきまして、これも私ははっきりしたことを申し上げる資格はございませんけれども、しかしながらやはりいまの円レートは異常に円高になり過ぎているレートであるというふうに通貨当局も考えているようでございます。異常に円高に向いているということは、もっと正常な水準にいずれ戻るという可能性をはらんでいるものというふうに私どもは考えざるを得ないわけでございます。  そうしますと、この二つの異常な理由が、いずれもこれ以上進むのではなくて、むしろ改善される方向に今後向かうというふうに考えるべきではなかろうかというふうに思うわけでございます。価格につきましては、たとえば過去のピークの価格というのは、銅につきましてはLMEで千四百ポンド、それから亜鉛につきましては八百十五ドルというふうなことでございまして、銅、亜鉛の性格といたしまして非常に揺れの激しい、本来そういう性質を持っているものでございます。こういう揺れの激しいものでございますから、私ども自信を持ってこれから二年たったらどうなるというようなことは申し上げられませんけれども、しかし先行き明るくなればこういう価格というものは想像以上にはね返すといいますか、上昇する、そういう弾力性を秘めているものというふうに私どもは考えておるわけでございます。そういうわけで、先ほど先生、在庫等がそんなに減る可能性はないのではないかという御指摘もございましたけれども、しかし他方、価格等がかなり大幅に戻す可能性も否定できないのではなかろうかと。国民の税金を使ってやる仕事でございますから、われわれとしてそう一二〇%手厚いことをできれば、まことに結構ではございますけれども、財政当局もあるわけでございまして、これで果たして十分であるかどうか、本当の自信というものはございませんけれども、まずこういう手当てをいたしまして、そして市況の状況を見ると。この間に山の方では自助努力を一生懸命やっていただいて、いずれ世界経済の円レートも正常化した場合には再び自力更生といいますか、自己責任の基本原則にのっとりまして、市場経済原則のもとで健全な経営ができるようになるということを期待している次第でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 やはり、何となく自信のない政策ですな。やはり私はこのいろいろいま長官おっしゃった二つの理由の中の円高の問題一つにしましても、私はそれだけではとても納得はできないわけです。といいますのは、いま百八十二、三円というレートが非常な異常な円高である。確かに、異常な円高であるということは私もそれは認めます。しかし、この異常な円高がある程度回復して正常な円高になる、そういうふうに長官おっしゃいましたけれども、そうすると一体正常な円というのはどの程度の円というのを見込んでいるかということは、これは反問したくなるわけです。しかし、これはきょうは主眼でありませんから反問はしませんが、しかしまだまだこれから世界的ないろんな情勢からいきますと、円高はもっと進むということも考えられるわけです。そうしますと、長官が考えていらっしゃることとは逆に、この対策をもっともっといろんな面から考えなければいけない。ただ単に企業の自助努力だけでは解決しないという問題が出てくるんではないか、そう思うわけです。そこで、やはり私は国内鉱山の具体的な位置づけというのを、やはりいろんな角度から通産省としても考えなければいけない。要するにこの鉱山はもうつぶしてしまう、ここはどうしても将来ともに多少の採算割れはあっても残していくと、そういうふうなきちっとしたいわゆる国内鉱山のあり方というものをはっきりさせなきゃいけない、私そう思うんです。実際問題としてこの鉱業審議会の鉱山部会のいわゆる政策懇談会の報告にも「国内資源を有効活用すべき余地はなお十分存在すると思われる。」と、そういうふうな内容も含めた答申が現実に行われているわけであります。そこで、もういま私言ってしまいましたけれども、一つは資源確保のいわゆるこの安全保障と、そういうような観点から国内の鉱山について一定の生産規模を維持する必要があると私は思うんです。そういうような意味から、政府自身が国内鉱山についてどの程度の生産を維持しようと考えているのかというのがまず第一点です。  それからもう一つは、これ以上いわゆる鉱山の閉山という問題を出さないために、政府自身が国内鉱山に対して具体的ないわゆる生産規模といいますかね、そういうようなものを明示して、そしてそれをきちっと生産できるような保障ですね、これはそういうような点をいろんなたとえば国内の備蓄の問題もありますし、いろんな問題が私はあると思うんですが、その裏には。そういうふうないわゆる具体的な対策を講ずる必要があるのではないか。こういう点については通産省、資源エネルギー庁としてはどういうふうにお考えなのか、この点ちょっとお伺いしたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 先生の御意見もよくわかるのでございますけれども、しかし、ある産業たとえば鉱山業なら鉱山業につきまして、その生産量を保障するようなやり方というのは、これは一つは輸入制限、それからもう一つは非常に多くの財政負担、このどちらかを覚悟しなければなかなか遂行できないような性質の政策でございます。したがいまして、そこまで踏み切るかどうかということに関しましては、これはいろんな方面の意見も徴しなければいかぬわけでございまして、現段階におきましてはそこまで踏み切るという覚悟はいたしておりませんが、今後とも事態の推移を見て、よく検討させていただきたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、私はそこのところはよくわかるわけです。そういうふうにするということは問題があるということはこれはよくわかります。しかしながら、これは要するに国内の資源を保護しかついわゆる非鉄金属鉱山を初めこういうふうなものが、今回の法案の趣旨になっておりますように、一たん閉山すると後再開発はどうしようもない、そういうようないろんな点から考えてみますと、これはもうどうしても維持していかなければいけないという基本的な政府の政策があって、今回のこの法案ができたわけでしょう。そうしますと、ただ単に私たちがかねがね中小企業の皆さん方のことをいろいろとこの委員会で発言している面から言いますと、今回のこの法案というのは非常にうらやましい限りの法案ですね、これ。こういうようなことがあっていいのかという、逆に中小企業の皆さんは言うわけです。それを押してもやはり緊急異例の措置としてこの法案を出さなくちゃいけないということは、やはり国としてこの非鉄金属鉱山の対策に対して取り組まなければならないという問題に帰着していくと私は思うんです。これは政策的な問題になってまいりますので、大臣にも一言答弁いただきたいんですがね。やっぱり、そういうふうな面からこの非鉄金属鉱山という問題について、政府としてやっぱり基本的な対策、政策、ただいつも緊急措置だけでは済まないと私は思うんです。そういうふうな意味で、きちっとした政策が必要ではないか、こう思うんですが、どうでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど市況の見通し等については長官申し述べたと思いますが、銅にいたしましても、私は亜鉛にいたしましても、大体最悪期はようやく脱しつつあると、このような感じかいたします。  そこで、今度も相当私は思い切った内容になっておると思うんです。これだけの思い切った内容を、対策をやりますと、大体これで立ち直るのではないかと、このように感じます。でありますから、現在におきましてはこれを実行に移さしていただきまして、そして様子を見ると、このようにしたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣ね、相当思い切った対策であることは、それはもう間違いないと私思う。しかしながら、思い切った対策をしたからそれで済むという問題ではなくて、私は政府としてやっぱり非鉄金属鉱山を今後どうしていくかという基本的な政策を、政府として考える必要があるのではないかと、こう思うんです。これどうでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 国内の非鉄鉱業資源というものを保護するという立場からスタートしておるわけでありますが、とは言いながら、何もかも丸抱えにすると、こういうわけにもまいりませんので、現状の苦しい事態もわかっておりますから、それに最もふさわしい対策を立てまして、これで切り抜けられないということであれば話は別でありますが、大体私どもはこれで切り抜けられると考えておりますので、その上で判断をしたいと、こう思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、この非鉄金属関係についてもう一点だけお伺いします。  これ、特に非鉄金属鉱山の近辺と、回り、周辺といいますか、そういうところは大体へんぴな山間なんですね、そういうところで閉山という問題が続きますと、その地域社会全体が、いわゆる日ごろからその鉱山に依存して生活をしているわけでありますから、私は鉱山が閉山するというのは、その影響というものは非常に大きな影響を及ぼすと。しかも、閉山に関連する関連中小企業、これはもう大変な影響を私、受けると思うんですね。実際問題、たとえば閉山でなくても、事業を縮小するというだけでもいろんな影響を及ぼしますし、逆にまた離職者や、また再就職の機会という問題も、いわゆる市街地にある企業とは違って、再就職する場合でもその地域を離れなければならないというような問題があるわけですね。そういうふうな意味から、私はそういうところも今回の特定不況地域の指定の対象として一遍検討すると、そういうふうにすべきだと私は思うんですが、この点はどうでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定不況地域については、前提として特定不況業種というものを指定することになっておりまして、これによって不況地域がまた決められるわけでございますが、この不況業種というのは、いま御指摘のような金属鉱業というものも当然含まれるものとしていま検討をしておるところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ぜひそういう問題についても、御検討いただきたいと思います。  以上で私の質問は終わります。

馬場富公明党

○馬場富君 最初に大臣に、議案質問に入る前に、昨日円高の国際収支のことについて質問いたしましたが、この点について掘り下げて一遍質問したいと、こう思います。  きのうも質問いたしましたが、持に今回の円高の傾向というのは以前より増して相当深刻な内容があると、こういうふうにわれわれはとっておるわけです。たとえば、ヨーロッパあたりのやっぱりマルクの切り上げの問題だとか、あるいは発展途上国の外貨準備のドル離れの問題あるいはヨーロッパの通貨体制の確立と、そこにあわせまして一番問題なのはアメリカのドル防衛の失敗が大きく出てきておるんじゃないか。特にエネルギー法案の問題等についても、やはり相当骨抜きの現状から、アメリカの国際収支のやはり赤字というのは当然これは早急に解決ができないと、こう見るべきだと。そういう点について大臣の、こういう世界的に起こってきておるドルの不信から、そのあおりが今回の円高の刺激にもなっておると、こう見なければならぬと。こういう点について今度の円高のどうもひとつ私たちは長期化を見るわけですけれども、大臣はどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私もいまお述べになりましたお考えには大体賛成でございます。今回の円高に限らず、昨年の秋以来の円高の背景といたしましては、一つにはわが国の大幅な黒字、それから一つにはアメリカの大幅な赤字、それからアメリカのインフレ、ドル防衛政策に対する政策の貧困と、いろんなことが重なっておると思うんですが、アメリカに対しましてもやはり日本といたしましても、機会あるたびにドル防衛政策を強化してもらいたいということを繰り返し要請をいたしております。特に、ことしになりましてからは日米会談におきましても、日本の輸出は数量的に減っておるのに、ドルベースの受け取りが非常にふえておるということは、アメリカのインフレのためにアメリカの国内に輸出をする日本の商品の価格が、ドルベースで非常に上がっておるということが一番大きな原因なので、アメリカ側に対しても適切な措置を強力にとってもらいたい、そうしないと、いつまでたっても日米間の貿易の不均衡は解消しない、改善されないということを日本側から強く申し入れたわけでございますが、しかしながら、それもそのとおりだと思うんです。しかし、それじゃわが国において打つ手がないかといいますと、そうではありませんで、やはり私はもう少し内需の拡大ということを積極的に図っていくべきではないか、こういう感じもいたしますし、また資源、エネルギーの不足しておりますわが国といたしましては、この備蓄政策を強力に推進をすると、こういうことも必要ではないか。日本は日本としての努力を最大限進めていきながら、アメリカに対して必要な政策を要請するということでないと、なかなか迫力がありませんで、中途半端なことをやって、君けしからぬではないかというようなことを言いましても、先方からいたずらに反撃を招くばかりでございますから、やはり外国から見て日本としてはもう最大限の努力を尽くしておると、こういう理解を得るために、よほど今後の日本の国内の政策というものは総合的に判断していく必要があろうかと存じます。

馬場富公明党

○馬場富君 そういう立場からいくと、きのうもちょっとお話ししましたが、やはり百八十円を割るということと、一つ長期化ということは、これはわれわれ当然予測をしなければならぬ。そのために日本経済がいままで以上のやはり揺さぶりをかけられるということは私は当然だと思うんです。そういう点で、わが党は従来から輸出依存型でなくて、やはり内需主導型にすべきだということを強力に言ってきたわけですけれども、総理はいままでも何点か、第三の道だとか、実は内需型の予算であるというようなことをおっしゃっていますけれども、実質、内容を見ればまだまだやはり日本の予算というのは結果的には輸出依存の形をまだとっておると、こう私は見なければいかぬと思うんですね。そういう点について、この厳しい円高と長期化に対して通産大臣は輸出の見通しについてはどのように考えてみえますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 輸出は今年度になりましてから数量的に大分減ってまいりました。第一・四半期はむしろ行政指導によりましてこの数量は減ったのでありますが、七月以降の第二・四半期に入りましてからは、行政指導もさることながら、むしろそれよりも円高が大きく働いたと私どもは考えております。多い月は数量的に一〇%近くも減っておりますから、これはもう大変なことだと私どもは考えております。そこで、先月経済見通しを改定をいたしましたが、輸出は年度間を通じて数量的に六、七%ぐらい減るであろう、こういう判断のもとに見通しが改定をされました。しかしながら、最近の円高等の傾向を見ますと、果たしてこの程度でおさまるのかどうか、おさまればいいがなということを、いま心配をしておるところでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、いままでも二百五十円台を割ったときに輸出危機が叫ばれて、また二百二十円を割ったときにも輸出危機が叫ばれた。だが、この百八十円台になって深刻化をしてきておりますけれども、いままでやはり円高の大きいこの差の中で、輸出が比較的伸びてきたという一つの要素は、やはりわれわれは二つあると思うんです。一つは、その中でアメリカのやはりインフレにあおられて日本の輸出は比較的値段が上がりながらも伸びてきたという点と、一つは、やはりその中で輸出業者が下請業者の単価の切り下げ等によってカバーしてきたという点においての、こういう犠牲の中にやはり輸出が支えられてきたと、こういうことだと私たちは見ておるわけでございますが、そういう点で、そのために円高に強い、円に強い品目や業種が輸出が伸びて、そしてやはり円に弱い品目はこれがやはり結局伸び悩んできたというような、そういう形に一つは変わってきておる。そこへ持ってきて、先ほどお話ししましたように、輸出の大半を占めるアメリカがインフレに、一つはいい面ではあるけれども乗っておる。そういう点から見ますと、やはり一つは、円とドルとの差と、あわせてアメリカのインフレが日本経済の中に一つは大きい変わった形の変則を来してしまってきておる。これが、円高が長期化したときに必ずやこれが固定化して戻らないような悪さに一つはなってきてしまうんではないか、こういう心配を私たちは考えるわけですが、大臣、この点はどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 曲がりなりにも輸出がそんなに減らなかったという理由につきまして、いま二つお述べになりましたが、私も大体そういうことでなかろうかと思います。特に、後段の下請企業に対するしわ寄せ、これは非常に顕著なものがございますので、九月の中旬過ぎにも私と公取委員長連名で、関係の業界に対しまして行き過ぎをしないようにという旨の要請をいたしました。この点は十分気をつけておるつもりでございますが、ただ、私はこのいまのような円高が果たして、いまちょっとお述べになりました、ずうっと永続するのかどうか、それについて私は若干の疑問を持っておるんです。調整される時期も来るのではないかと、こういう感じもいたします。

馬場富公明党

○馬場富君 一つの大きいしわ寄せが、輸出関連の中小企業に大きくしわ寄せが来ておるということは大臣もお認めだと思いますが、そういう点で、この地域不況対策とは別にいたしまして、やはりこれだけ深刻化した円高の中にあって、やはり輸出関連中小企業に対する対策は強力に考えていただきたいと、こう思うわけですけども、これについてどうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 特に、ことしの後半以降の円高に伴う輸出中小企業関係の負担が非常にひどい状態になっておりますので、ことしの初め決めていただきました中小企業に対する円高対策法、中身を少しよくするということもいたしまして融資の条件等も大分改善をいたしました。これまでこの制度は非常にたくさんの方々に利用していただいております。いまのところ三万件近く利用していただいておりますが、したがって非常に有効に働いております。今後とも円の水準をよく見守りまして、そして、その影響の動向等もよく見守りまして臨機応変に対応していきたいと思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 長官の方に。やはりこの長期化の円高に対して、従来も対策はとられましたが、もう一段とひとつそういう関係の中小企業に対しての対策を、いままでのやられた対策に見直しを考えるべきじゃないかと、こう思いますが、どうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 円高の進行が相当激しいということから、いま大臣がお話しになりましたような円高融資、その他円高対策法の内容を強化するということをいたしておりますが、他面、やっぱり円高の産地につきましては、将来の活路を新たに開くという意味において、製品の高度化とかあるいは技術の開発とか、あるいは必要があれば製品の転換とか、いろんな中長期的な対策を講ずる必要があろうかと思います。したがいまして、そういう今後の活路を開くという意味での対策を来年度いろいろ準備しておりまして、必要があれば法律も考えたいというふうに考えておりますので、今後は当面の対策と、それから中長期的な活路開拓という面と、両々相まってこの円高に悩んでおります輸出中小企業の対策といたしたいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 そこで、先日、大臣は中国に行っていらっしゃいましたけれども、この点から日中貿易について一、二質問したいと思います。  この輸出の停滞と国内不況の対策として、一つは日中貿易が大きくクローズアップされてくるわけでございますが、その点について、ひとつ効果と見通しについて御答弁願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日中貿易はここ数年ほぼ横並びで推移してまいりました。ことしは五割ぐらいふえるのではないかと思いますが、この日中貿易の一番背景になっておりますのが、この二月につくりました日中貿易長期取り決めでございます。ことしから昭和六十年まで、一九八五年までの八年間の取り決めをいたしておりまして、政府はこの取り決めが順調に実施に移されますように極力応援をするつもりでございますし、また将来拡大をする場合には、それに対しても応分の援助をしていこうと、こういうことは繰り返し私も申し述べてきたとおりでございますが、今回日中の平和友好条約ができましたのを機会に、御案内のように第三条には今後日中の経済関係を発展させる、こういう条項等もございますので、それを受けまして経済関係の発展のために一体どうすればいいかということについて、中国政府首脳部と話し合いをいたしました。それには、まず、この二月に決めました貿易の枠、そんなに大きな枠ではございませんので、これを飛躍的に拡大させるということが何よりも必要ではないかということをいろいろ話し合いをいたしまして、先方もこれに合意をいたしました。八年間の後半の数字はまだ未定でございましたが、この未定の分に対しても数字を入れるとか、あるいは八年協定を五年延長して一九九〇年までにするとか、また長期取り決めの背景になっております石油と石炭の取り引き量を拡大するとか、いろんなことを考えながら枠そのものを大きく広げていきたいということについて基本的な合意を得まして、それを実行に移すために、私が帰りました直後、日中経済協会の稲山会長が十名ばかりの団員を引き連れまして先方に出かけられまして、いろいろ具体的に話し合いをしていただきました。話し合いはずいぶん進んだのでありますが、一回では片づきませんので、来年の二、三月ごろには中国からやはりこの方面の専門家、代表者が日本へやってまいりまして、多分ここである程度のことがまとまるのではないかと思っております。  それから同時に、中国は御案内のようにいま十カ年計画が進んでおりますが、この十カ年計画は昨年来政局の安定と同時に非常に軌道に乗っております。完全にエンジンがかかっておる、こういう感じでございます。アメリカやヨーロッパも積極的に中国との経済接触を図ろうとしておりますが、中国側もまた非常に熱心でありまして、これまでの方針を百八十度転換をいたしまして、外国から必要な技術もどんどん入れよう、また外国から必要な資金もどんどん入れよう、こういうことで、そっくりやり方が変わりましたので、私はさらに中国の計画というものは今後順調に伸び続けるのではないか、このように思います。そういうことが背景でありますので、先ほど申し上げました枠も相当大きく拡大できると思っております。  それから同時に、資源エネルギー面での開発計画につきましても、積極的に協力を求められております。あるいはまた、電力の開発等に対しても積極的に協力を求められておりますし、鉄道の近代化等に対しても協力を求められております。いずれも専門家の調査団を送りまして、専門的に先方とよく相談をいたしまして、日本といたしましてはできるだけの協力をしていこう、こういう考え方でございます。現に幾つかのミッションか行っておりますが、引き続いて必要なミッションを派遣をするつもりでおります。

馬場富公明党

○馬場富君 特に日中貿易の中で、やっぱり拡大の中の中心となるのは、何と言ってもやはり中国原油の輸入の問題になってくると私は思うんですが、日本のエネルギー対策上非常にわれわれも賛意を表するわけでございますが、この点について業界の中にやはり質とか値段等についての疑義がかなり出ておるようですけれども、この点大臣どうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いろんな意見があるんですけれども、私はもう少し日本の置かれております立場から総合的に判断をいたしますと、この問題は日本としてはあくまでやはり積極的に取り組んで、積極的に解決していかなければならぬ課題だと思っております。なぜかと言いますと、これまで中国の油は比較的重質油が多かったわけでありますが、これは何も中国だけではありませんで、世界全体が重質油の傾向になりつつあります。油の一つも出ない日本が、外国から油を買う場合に世界的な傾向を無視して、私は重質油は買いません、軽質油ばかりしか買わないんですと、そんな勝手なことを言って世界で通用するはずがありません。それからまた、現にわが国のことしの一カ年の消費量は二億九千万トンでありますが、昭和六十年には相当な節約をいたしましても大体四億三千万トンを想定をしております。一億四千万トンも伸びることになります。昭和六十五年にはさらにそれが伸びるということになりますので、一億数千万トンという消費の拡大、一体どこに求めるかといいますと、やはり中国が大きな増産をしておりますので、中国にこれをある程度求めざるを得ない。またいまはOPEC諸国、特に中近東に非常に大きく依存しておりまして偏り過ぎておると思うのです。だから、輸入ソースを分散するということも日本の経済安全保障上必要だと、このような感じもいたします。  それから、さらに貿易の面からだけ見ますと、中国にはどんどん物を売りつける、あなたのところの物は買いませんと、そんなことを言って通用するものではありませんから、やはり貿易というものは、これは広い意味ではグローバルな形で均衡すればいいわけですけれども、二国間の貿易が余りにも不均衡な形で拡大をしていきますと、これはやはりよい結果を生みませんので、双方が努力してその不均衡をできるだけ解消していくということが必要だと思っております。そういう観点に立ちまして、実はこの重質油に対する日本としての取り組み方がこれまで非常に不熱心でありました。見るべきものがないんです。今度重質油懇談会というものを専門家に集まっていただきましてつくりました。重質油に一体どういう問題があるかどうかということを整理していま研究をしていただいておりますが、その一つは技術開発が全然おくれておるということであります。技術開発がおくれておると同時に、この重質油から出てくる副製品の需要の拡大ということが全然されていない、こういうことでありますので、とりあえず技術調査団を二組、アメリカ、ヨーロッパに最近派遣をすることにいたしました。そして、来年度からはこの開発に必要ないろいろ設備等をしなければなりませんので、技術開発のための設備をしなければなりませんので、それに必要な予算の要求もいたしております。それから、副製品の需要の拡大等につきましても、これは欧米諸国を見まして、いま目下懸命に研究をしております。ただ、この数量がふえますのは昭和五十八年以降ふやしていこうという考え方でありますから、まだ数年間の時間がありますから、私はこの数年の間に日本が熱心に対応いたしましたならば、必ず問題は解決できると考えております。繰り返して恐縮でありますけれども、もし日本の油の消費量がふえなければ、なかなかこの処理をしにくいのですけれども、日本の油の消費量が今後相当ふえますので、そのふえる過程の中において中国油の問題を解決したい、必ず解決できると考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは、よくわかりました。  次に、大臣が言ってみえる中に、中国もこの貿易関係では、円高についてはずいぶん損害を受けたということを言っておるということでございますが、この点、ひとつこれからの貿易の中で大事な問題ですけれども、まあドル建て、円建てのバンクローンの問題についてはどのように一つは解決されそうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま中国と資金問題についていろいろ話し合っておりますが、その一つは、輸出入銀行を通ずる一般のプラント類の延べ払いの問題、これは御案内のように五年の場合は七・二五という条件で融資をすることになっておりますが、これはOECDの申し合わせの条件であります。でありますから、一般のプラントの延べ払いはこの条件でやらざるを得ないと思います。OECDの申し合わせを破るということは、これはいけませんので、これはあくまで守っていきたいと考えております。  それからもう一つ、日本の輸出入銀行にわが国が海外の資源エネルギーを開発をいたしまして、そしてその開発した資源エネルギーを日本の国に持って帰ってくる場合には、六%強の若干有利な融資制度かございます。それで、中国は石油、石炭の開発輸入を考えておりますので、この制度をお使いになったらどうかということを勧めておりますが、先方も使おうということであります。この条件も合意をいたしましたが、問題が一つだけ残っておるのです。それは結局最近の急激な円高の動きから見まして、先方は、すべての条件はいいが、円でなくドルでローンを受けたい、融資をしてもらいたいと、こういうことなんです。日本の輸出入銀行にはこれまでのしきたり等もあるようでありますので、なかなかすぐにはよろしいと言うわけにはいかぬようでありますが、何か工夫はできないかということで、いま輸出入銀行が中心になりましていろいろ検討していただいております。もうすでに二、三回交渉をやられましたか、なお引き続いて交渉を継続することになっておりますが、余り長くかかっても困りますので、できるだけ早く妥結をしたいと、こう思っておるところでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 次の法案に移らしていただきまして、この特定地域の不況の指定されておるのが、予定でいきますと十六地域ということですが、この地域での中小企業の倒産件数はどの程度かという点と、それから倒産の割合は全国水準に比べるとどの程度のパーセントになるかという点を御説明願いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま行政措置でやっております地域、十六の倒産件数でございますが、これは比較的小さい地域もございますので、必ずしも全部とは行き渡っておりませんが、大体昨年度五百件ぐらいではないかというふうに考えております。その中の主な地域で、そこに所在します事業所の数と、それから倒産件数の比率をとってみますと、昭和五十二年で見ますと、全国平均が〇・三四%という数字が出ておりますが、たとえば函館市では〇・七一%、長崎市で〇・六二%、佐世保市で〇・五二%と、全国平均を大幅に上回っておるわけでございます。したがいまして、この特定不況地域というものは、どうも全国よりは倒産の件数が多いということが見取れるんではないかというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 先ほども、ひとつこの地域の指定のことで問題になりましたが、そこで特定不況の業種ですね、業種と地域の点ですけれども、これは地方自治体からも相当強く要望されておりますし、私どもがやはり地域を回りましても強い要望があるわけでございますけれども、この点について不況業種は、どこらあたりまでの業種を拡大する予定なのか、それとも、地域についてはどれほどまでに拡大する予定なのか、その点をお願いしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 業種につきましては、すでに制定されました特定不況産業安定臨時措置法による対象業種とか、あるいは特定不況業種離職者臨時措置法というようなものに指定されている業種というものを一つ頭に置きまして、現在検討をしておるわけでございますが、法律にあります要件に入る限り、なるべく広く考えたいというふうに考えております。  それから、地域につきましては、そういう特定不況業種に属する事業所がその地域において非常に大きなウエートを占め、かつそれが生産の減等々になりまして、それが地域の中小企業に大きな影響を与えているという地域を選ぶわけでございまして、現在十六というのは、あの時点で相当厳格な考え方でしたわけでございますが、今後法律の制定に伴いまして、いま基準をこの法律の要件に従いまして検討を、法律が制定されましたらすぐ取りかかることになっておりますので、その点十六よりは拡大していくという形で要件を考えていきたいということでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 特に、いまもお話が出ました構造不況だとか円高とか、地域の問題等で、やはり不況が伝えられた、またいままで対策等が考えられた地域については、全部やはり対象にすべきだというふうに私ども思うわけです。たとえば、私どもの愛知県あたりでは、陶磁器の瀬戸だとか、繊維の一宮だとか、あるいはニットの岡崎というような、こういうやはり地場産業等について、やはり集中的に長期の不況で困っておるような状況ですね。そういう点についてどうでしょう、どのようにお考えですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定不況業種、法律に基づく要件では必ずしも大企業ということにはしておりませんので、考え方として、現在の不況要件に合致いたしますれば適用するわけでございますが、ただ、中小企業の産地につきましては、主として輸出産地が多うございまして、輸出産地につきましては今年の初めに制定していただきました円高対策法によりまして対策がとられておりまして、しかも、まあ今回の法律に比較いたしますと同等ないしはやや手厚いという対策になっております。したがいまして、円高対策法の適用を受けておるような産地については、そちらの方でいくのが有利であろうとわれわれ考えておりますので、そちらの方の処理にいたしたいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 もう時間もございませんので、議案の中のいろいろな点についてはいままでもかなり質問されましたので譲りまして、まあこのやはり特定地域不況対策以外に、五年越しの不況と一年有余の円高のために、特定地域あるいは不況地域ということもございますが、その波動というのは全国の中小企業に私はこれが及んでおるのじゃないかと。そういう点で、特定地域の不況の対策とあわせて、やはりもう日本自体が全部、一つは中小企業自体が特定地域のような業種になっておると、こう見るべき面が多分にあるわけですね。そういう点で、いままで中小企業の融資対策等も考えられてきたわけでございますが、ここでひとつもう一遍、この全般的な中小企業対策の融資制度等についても見直しをしてもらったらどうだと。そして、この間の特定地域の中の衆議院の修正では、ひとついわゆる結局別枠が一千万という点が修正されておりますけれども、こういう一つは担保の枠の拡大等についても、もう一遍従来からのままの、国金においてもまた信用保証においても、同じやはり金額をずっと重ねてきておるわけですけれども、やはり円高による打撃を受けて中小企業が困っておるわけですから、ここに何がしかの前進がなけりゃならぬと思うんですね。こういう点の一つは改革と、利息、期間等についてもひとつ考えた見直しが考えられるのが当然だと思いますが、この点どうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおり、この円高とかあるいは構造不況ということで中小企業が非常に影響を受けておりますけれども、直接それに関連しなくても、中小企業全体といたしまして現下の不況全体の影響を受けております。まずそういうことから、こういう特定の中小企業のみならず、広く中小企業に対する対策、これはまあ不況業種対策その他、いろいろやっておるわけでございます。したがいまして、各中小企業の受けております現在のいわばショックの程度に応じていろんな対策を講じておりまして、たとえば金融面でも、倒産対策の融資とか、あるいはまた、そういう不況から脱出しようとする事業転換の融資とか、いろんな面が一般の中小企業に対してもこの二つの、円高、特定不況地域以外でも考えられておるわけでございます。したがいまして、今後もいろんな対策を講じて、金融的な制度について万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 本法に、法案の中にやはり公共事業の特定地域に対する配慮ということはこれはなされておるわけでございますが、ここでひとつ大臣と建設省の関係で、ひとつやはりいままでのこういう、たとえば円高等についてもそういう問題がございましたけれども、この公共事業の特定地域の配慮ということは、やはりいままでも訓示に終わっておるという点がずいぶんある。実質これは今度の法案の実現はできるかどうかと、こういう点、大臣ひとつ御答弁願いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 具体的なやり方について、まず私の方から御答弁さしていただきたいと思います。  実は、この十六地域を決めました後も、われわれの方の行政措置として、極力公共事業についてそういう地域に重点を置いてやっていただこうということを考えまして、これはわれわれの方はお願いをする立場でございますが、建設省、運輸省というふうな公共事業を実施する官庁にお願いをいたしまして、その地域地域でこういう事業をやってもらいたいという市町村の要望がございますので、それを取り次いでやってもらっております。今後も補正予算の配分等に当たりましては、もちろん地域から直接建設省、運輸省というような公共事業実施官庁にも要望がありますが、われわれの方もそういう点で市町村の御要望をまた関係の省庁に伝えまして、この公共事業がこういう地域に適切に実施されるということを確保いたしたいというふうに考えております。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 約三百五十億というのは、ことしじゅうに消化される予定の金額でもありますし、来年度は当然またそれよりもふえることになろうと思いますが、いずれにいたしましても、せっかくこの法律をつくっていただきましても一向に役に立たない、こういうことでは申しわけがありませんので、十分充実した対策ができますように関係者一同努力をしてまいります。

永田良雄建設大臣官房会計課長

○説明員(永田良雄君) 公共事業の重点配分につきましては、今度の補正予算で予算が通ったわけでございますので、私どもといたしましては、指定地域が決まりましたらば関係の公共団体と十分相談し合っていきたいと思っております。なお、もうすでに決まっております十六地域につきましては、もうすでに関係の地方公共団体と十分打ち合わせをいたしておりまして、地方公共団体の要望、それからこういう事業をやったら効果的でいいというやつをセレクトいたしてございます。残りの追加地域につきましては、指定され次第同様に関係地方公共団体と相談して対処していきたい、かように思っております。

馬場富公明党

○馬場富君 五十三年度の官公需の中小企業向けの目標比率を見てみても、三五・五%というような状況ですね。特定不況地域の場合は全体の三分の一程度というようなことも言われておるわけですけれども、やはりこの公共事業については、従来ともすれば一括受注方式が実はとられてきて、結局大手業者が多くて下に回らなかったという不満がずいぶん出ておるわけです。このために、不況地域については地域内の公共事業はできるだけ地域内の業者に発注をするとか、そういう要求が強まってきておるし、自治体等についてもそういう対策が考えられてきています。たとえば、長崎や佐世保等については、特定不況業種の中小企業に対して公共事業の一部を別枠発注するというような傾向が出てきておるわけでございますが、こういうような考え方の別枠発注とか、あるいはもう一点は、業種別になるべく多く分離発注等も考えて、立てた計画の予算がその地域に本当にすみずみまで潤うような、そういうやはり公共事業の発注でなければならぬと思うが、この点はどうでしょうか。

永田良雄建設大臣官房会計課長

○説明員(永田良雄君) 中小企業の受注機会の確保につきましては、私ども建設省といたしましては、年度当初から次官通達を出しまして、発注標準を遵守するということとか、あるいは分割発注をするということとか、あるいは共同請負制度、いわゆるジョイントベンチャーを利用して、できるだけ中小企業が受注する機会を多くするような努力をいたしております。  それから、不況地域につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、不況対策になるように公共事業について優先的に特別に配分するということで公共団体と相談してやっております。公共団体の長であられる都道府県知事さん、市町村長さん方も当然それを受けまして十分な配慮をされるものだ、かように考えております。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十四分休憩      —————・—————    午後二時十分開会

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、まず金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案の方から御質問申し上げます。  政府から提出されました資料を見ますと、たとえば銅の場合をとってみますと、昭和四十五年から五十二年の八年間に、国内の鉱山は六十一から二十二と、六割以上減少いたしております。  それから、労働者数は一万三千四十人から六千九十五人と、半数以上減少いたしております。それから、国内銅鉱石の生産量といいますのは、十一・六万トンから七万トン、四割の減少でございます。それから、国内の銅、鉛、亜鉛鉱山への設備投資、これも八十億から四十五億へ四割も減少いたしております。まさに国内鉱山は危機に瀕していると言うほかはない状態だと思うんです。これは私たちの日本経済の自主的な発展にとっても見逃すことのできない重大な事態だというふうに思います。昭和四十六年の資源白書、これを拝見いたしますと、この中に「資源入手の方式別配分」と、こういうのがございますけれども、この項を拝見いたしますと、政府は開発参加方式の推進、これを強力に打ち出していらっしゃいます。そして、昭和五十五年の銅の国内需要、これは二百二十万トン、こういうふうな予測を立てておられまして、そのうち投融資買鉱、これは百四十八万トンと、十倍もふやすという予測を立てておられます。この予測に基づきまして、海外への投融資買鉱を強力に推し進めるという方向を打ち出されたわけですけれども、そのために国内鉱山の衰退とはうらはらに、昭和四十五年から五十二年までの八年間といいますのは、投融資買鉱による鉱石輸入というのが約三倍に伸びているわけです。そして、国内の需給とは無関係に、海外から長期契約をしておりますから、鉱石がどんどん入ってきて、それが備蓄されるというふうな状態になっております。ヨーロッパの先進国に比べまして、わが国はまだ膨大な鉱量を持っておりますし、こういうふうな衰退を招いた原因というのは、これは国際価格の低落とか円高とかというふうな原因もございますけれども、しかし、私は政府が安易に海外の資源に依存をして、コスト面だけを重視して、国内資源の保護の立場に立たなかったと、こういう一つの白書にもあらわれているような政策を強力に推進してこられたことが、今日の国内の鉱山の衰退を生み出している原因ではなかろうか、こういうふうに思うわけなんです。こういう点について、まず基本的なところを大臣にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 若干はいまお述べになりましたようなことの理由にはなっておるかと思いますが、やはり何と申しましても一番大きな理由は、石油危機以降のここ数年間の世界経済の大混乱であります。そして、同時にまた、日本経済の不況ということが私はやはり一番大きな原因であろうと思います。そのほかに幾つかの特殊な事情はございますけれども、いまお述べになりましたことが最大の理由とは思いません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 さらに、この白書で拝見いたしますと、昭和五十二年現在、いま需給量といいますのが、これは百二十万トンという事態を見ますと、五十五年までに国内需要二百二十万トンという予測というのは非常に非現実的な見通しではなかろうかというふうに思うわけです。当然見直しをなさっていらっしゃると思いますけれども、将来にわたって、需給見通しの中における国内資源の位置づけはどういうふうに立てていらっしゃるんでしょうか。ここのところをお伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) いま御指摘になりました資源白書は、一九七一年、オイルショックの二年前に作成されましたものでございます。したがいまして、その当時は、オイルショック及びそれに続くところの世界的な長期不況が起こるということは残念ながらだれも予測しておりませんでした。したがいまして、石油危機以前に出されましたところの種々の政府見通しも、あるいはIMFであるとか、ガットであるとか、OECDであるとかいうような国際機関が出しましたところの世界経済の先き行きに関する見通しも、今日から振り返って見ますれば、結果的に皆誤っておるわけでございます。確かに過大な経済成長見通しが結果的には出たということになっておるわけでございます。  五十五年の銅の内需二百二十万トンというのも、今日になってみますと、これは達成することが困難な数字ではなかろうかと考えざるを得ないわけでございます。現段階におきまして、一体五十五年ごろの数字をどう見ておるかということは、いまのところ数字を出しておりませんが、企画庁等の中・長期計画とも見合わせてどれくらいのものになるかはこれから検討しなければならないと思っております。まあ今後の世界経済の中におきまして、銅の内需がどれくらい伸びるかというのもはっきりいたしませんが、おおむね三%かそれくらいのところではなかろうか。それから日本経済の中におきます銅あるいは亜鉛の伸び、これもGNPに対する弾性値は、一応大分下回るということになるのではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。  銅の需給の中におきまして、国内産の鉱石、国内放出の地金にどれくらいのシェアを与えるのかということの御質問があったかと思いますが、それにつきましては、いまのところ確定的な数字というものは出しておりません。この開放経済体制のもとにおきまして、現在、日本の国内鉱はコスト割れ的な状況になっておるのでございますが、いまお願いしておりますような緊急融資制度、こういうものと、それから自己の合理化努力、こういうことによりまして、現在の二年程度の苦況を切り抜けることができますならば、日本の鉱山業が再び自立的な経営に返るということが可能であるというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 そのようなあやふやな見通しでは、私は国内鉱山を発展させることもできない、そういう展望も生まれてこないのではないかというふうに思うわけです。将来にわたる需給見通しを早急にやっぱりおやりになって、国内資源を守る立場から、国内鉱山の置かれている現状をどうするのかという、明確な私は方針をお出しになるべきだというふうに思います。そして、昭和五十一年の四月でございますが、当時の増田資源エネルギー庁長官でございますが、大手企業の鉱山部門の切り離しが結果的には山を閉山に追いやるのではないかという指摘に問題もあるので、指導していくという旨の、こういう御答弁を、当時の五十一年四月二十七日の衆議院の商工委員会で、鉱山の分離が行われたときに答弁なすっていらっしゃいます。そこでお伺いいたしたいのですけれども、昭和四十五年以降分離した鉱山というのは何件あるのでしょうか。それから、それらはすべて正常にその後運営されているのかどうかということをひとつお伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 最近における数字で見ますと、四十九年には六鉱山が分離をしておりまして、うち二山が閉山をいたしております。五十二年におきましては、五鉱山を分離して、うち一山が閉山をしておるというような状況でございます。お尋ねの四十五年以降につきましては、なお調査の上御報告したいと思います。いまちょっと四十五年以降の数字につきましては、まだ正確な数字がございませんので、調査の上御報告したいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それで私は問題にしたいのですけれども、私どものところで先日、大手企業で鉱山部門を分離したケースについて資料を御要求いたしました。ところが、資料はお出しいただけないので、いま私がここで伺ったわけなんですけれども、いま私が伺いました四十五年以降については、正確な数字がないというふうなお答えでございますけれども、それではこの増田長官が、鉱山部門の切り離しが結果的には山を閉山に追いやるのではないかという危惧に対して、問題もあるので指導をしていきたいと、こういう御答弁をなさっていらっしゃるんです。私はちゃんとした資料もお持ちでないような状態でどういうふうな指導をなさったかということが大変疑わしいわけなんです。閉山した鉱山に対していままで一体どんな御指導をなさってこられたんでしょうか。労働者へのしわ寄せにならぬように指導なさったのかどうか、それから分離しても探鉱は続けるように指導したのかどうか、あるいは抜き掘りなんかしないように指導したかどうか、閉山に至るような危険がないかどうかということも分離するそのときから十分に検討なさったのかと、それが狂ったのかどうか、あるいは地域社会に及ぼす影響がどうなのかということを一体検討なさったのかどうか、個々の事例について一体どういうふうに指導なさってこられたんでしょう。いま閉山をしたという三つの具体的な数をお挙げになったので、ここについてだけでも一体どういうことをなさったのかということを具体的にお答えいただきとうございます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) いま全部のケースについて詳細な説明をちょっと申し上げかねますけれども、たとえば一つの例で申し上げますならば、棚原鉱山の分離問題というのが昨年ございましたけれども、これにつきましては、企業と話し合いの上分離をやめさせるとか、あるいは退職者等につきましての就職のあっせん等をいたしております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ずいぶんと簡単なお答えでございます。六つのうち二つが閉山に追い込まれ、五つのうち一つが閉山に追い込まれているということは、私はやっぱりこの切り離しのときに危惧したことが現実になってあらわれている。ちゃんと指導しますと言って、おっしゃったことが十分に指導がなされていない証拠だというふうに思うわけです。  そこで、私はさらに伺いたいわけですけれども、釜石鉱山では八月に会社側から五十四年三月に閉山すると、それとともに別会社を設立すると、そして三年間品位の高い鉱脈の抜き掘りを行って、五十七年三月末には閉山と、こういう計画が出ております。別会社においては二百七十名余りの解雇、それで賃金水準四〇%の引き下げ、それから良鉱の抜き掘りを行って、鉄、銅、鉱石、これ五百万トンを残して閉山すると、こういうふうな計画になっております。もちろん、この間探鉱は行われないというふうなことです。こういうふうな見通しの持てない鉱山の分離に対して指導していくというふうなことを前にお述べになっているということに対しても、これはおかしいというふうに思うんです。政府はこういうふうな計画を持っている日鉄鉱業に対してどのように御指導なさいますでしょうか。地域でも大問題になっております。このことは篤と御承知だと思いますので、お伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 日鉄鉱業の釜石は、鉄鉱石部門とそれから銅の部門と二つあるわけでございます。このうち銅の部門につきましては、探鉱をいろいろ従来とも続けてきておりますけれども、山の寿命が来てしまっておりまして、鉱量がもうあと二、三年しかもたないというような状況でございまして、日鉄鉱業としては銅の部門はまず閉鎖せざるを得ないというような、そういう状況に立ち至っております。  それから、鉄鉱石の部門につきましては輸入鉱と比べて二千円ほど高いと。しかしながら、従来新日鐵がこれを購入してきたわけでございますが、企業の方では銅をとめてしまった場合に、鉄鉱石だけで支えていくという場合には、鉄鉱石の値上げをさらにせざるを得ないというような状況になるかとも思いますが、山の経営が銅をやめた場合には非常にむずかしくなると、そこで新日鐵との間でいろいろな折衝をしておるようでございますが、新日鐵といたしましても、この経過的な期間の間は鉄鉱石を買うことによって山を支援するというような考え方のようでございますが、新日鐵の最終的な意向につきましては私どもはよく承知をいたしておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 会社全体としましては黒字経営をやっております。そして、こういう不採算部門だけを切り離すというふうなことで、しかもこの切り離したところは三年後には閉山をしていくというふうなことをちゃんと発表しているわけなんです。そして、これは労働組合側もそれから地域の方でも言っておりますけれども、五百万トンのまだ可採の量があるのにかかわらず残して閉山するというふうな、こういう計画になっているわけなんです。もちろん、この二百七十名余りの解雇と。まあ賃金水準を切り下げていくということも大変ですけれども、こういう人たちが行く末は解雇されていくというふうなことで、閉山されてしまうというふうなことなんです。こういう見通しのない切り離しについて、なぜもっとちゃんとした指導をなさらないのか、こういうことはだれしも疑問に思うわけなんですけれども、こういう点について通産省としてはちゃんと御指導をなさって、この釜石鉱山が立っていくようにというふうな指導をなさっていただくというふうに私は要求いたしますが、いかかなんでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 行政指導は法律をもって強制しているわけではございませんから、行政指導ですべて会社に言うことを聞かすということはなかなかむずかしいことでございます。釜石の最大の問題は、銅の方の寿命が山の命が尽きてしまっているということに大きな問題がございます。鉄鉱石につきましては残存鉱量が御指摘のようにあるかと存じますけれども、これにつきましては新日鐵とそれから日鉄鉱業との間のネゴシエーションがどうなるかということであろうかと存じます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 日鉄鉱業は釜石の赤字を見込んでも、全会社的に黒字経営を続けているわけなんです。こういう切り離しについて御指導を適切にはなさらないわけなんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 日鉄鉱業は石灰石部門を持っておりまして、この部門で黒字が出ておりますので、全体としては黒字経営になっておるわけでございます。しかしながら、私どもの方としては、鉱脈が尽きかかっておる山につきまして、いつまでも経営を続けろということまで押しつけるような権限は持っておりません。ただ、この釜石の縮小なり合理化なりあるいは閉山なりのプロセスが、地域社会なりあるいは労働者なりに耐えがたいようなショックを及ぼさないように、できるだけ円滑にいくという方向で会社も努力するように指導をいたしたいというふうに思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 指導をしたいというふうにはおっしゃっておりますけれども、枯渇した枯渇したとおっしゃいますけれども、探鉱を強化するということはやってはいないわけなんですね。ここのいまの釜石鉱山ですね、これは黒字経営を続けておりますけれども、この基盤の源泉というのは釜石鉱山であったわけです。都合のよいときだけは会社の中でその釜石鉱山を利用し、そして不採算部門になれば切り捨てていくという、こういうことを私は安易にやってはいけないと思うんです。これはやはり先ほどの国会答弁と全く違う。適切な指導をしていく、閉山にならないように指導をしていくということとは違ってくると思いますので、私はこういう見通しのない切り捨てについて、閉山になるということがわかっていることについては、もっと適切な指導をしていただかなければならないと、そういうことを強力に御要請いたします。  さらに伺いますけれども、最近の国内鉱の品位の傾向というのは、これはどういうふうになっておりましょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 銅の品位でございますか、粗鉱の品位は——数字をずっと申し上げましょうか。四十五年一・〇、四十六年一・一、四十七年一・一、四十八年一・一、ずっと一・一が続いております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 傾向をおっしゃっていただいたら結構でございます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 大体そういうところでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 どちらにしても、銅も亜鉛も全部品位が高品位になっていると思うんです。最近の国際価格の低落とか、それから円高の中で高品位のところだけ、採算の合うところだけ掘っていく、こういう傾向が出ております。  兵庫県の明延鉱山でも、会社側は品位をアップするということを検討しております。今回の緊急融資でも、探鉱対策費として融資するようになっているというふうなことすけれども、これは採算の合うところだけを掘るといういわゆる抜き掘りですね、これに使われかねない面も持っているわけなんです。資源保護という立場からも抜き掘りをさせないように十分私は注意を払うべきだというふうに思いますけれども、この点についていかがお考えでございましょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) まことに先生御指摘のとおりでございまして、抜き掘りというのは山の生命を縮める一番大きな原因でございます。  現在のような価格が異常低迷をいたしているときに、企業はどうしても生き延びるために抜き掘りに走りがちなそういう欠陥を持っておるわけでございますから、この抜き掘りをいかにして防止するか、やめさせるかということが鉱業政策のきわめて重要なポイントでございます。  今回の緊急融資制度におきましては、保安費それから精密探鉱費、それから閉山防止のための減産対策費、この三つにしぼりまして超低利の融資をしようというわけでございます。この融資によりまして、山がせっぱ詰まって抜き掘りに走るというようなことをやめさせまして、計画的に、それからまた安全に山を操業していくということを続けさせようというのが今回の緊急融資制度の最大のねらいでございます。精密探鉱費が抜き掘り費用に化けるというようなことは私はないと思いますが、万一そういうことがあれば、もはやそういう山というのは経営者として失格であると言わざるを得ないかと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 抜き掘りが行われないような強力な御指導を私はお願いしとうございます。  最近の国内鉱山の危機の基本といいますのは、国内で銅とか亜鉛などの建て値が形成できないということにもあると思うんです。今回の金属鉱業緊急融資制度、これは発展させて銅とか亜鉛などこういうようなものが、国際価格の乱高下が国内鉱山への打撃を与えているという面もございます。これを緩和するために、価格差補償的な基金、これは私はやはりつくって国内資源を守っていくという、この柱に据えるべきではないかというふうに思っておりますが、そういう見通しをお持ちでございましょうか、いかがお考えでございましょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 今回の非鉄金属業界から価格差補給金制度を実施してほしいという非常に強い御要望があったわけでございますが、私どもといたしましては、いろいろ検討した結果、現在お願いしておりますような緊急融資制度にすべきであるという結論になったわけでございます。価格差補給金制度の問題点は、一つは価格差補給といいますと、市場価格とそれから山のコストとの差、その差を補給するということになるわけでございますが、一体この山のコストを正確に把握できるかどうかという大きな問題がございます。  それから第二番目に、仮にコストが山別に把握できたといたしましても、今度は市場の価格は毎日毎日変動いたします。そうすると、この変動する価格によって価格差補給金を変動しなければいけないわけでございますが、そういう価格差補給金を正確に把握して、企業にやり過ぎたりしないように行政的にきちんとした運用ができるかどうかということに関しまして、非常に多くの技術的な問題点がございます。  それから第二番目に、この技術的な問題点が仮にないといたしましても、コストと価格の差をすべて政府が補給してくれるということになりますならば、もはやそれは市場経済における自己責任の企業とは言えない。政府に寄りかかっていさえすればもう倒れないということになってしまいますならば、自己責任原則が失われ、甘えの構造がはびこるということにもなってしまいますので、そういうような大企業に対して価格差補給金までやってこれをサポートしていくということはいかがなものであろうか。  やはりわれわれの考え方としましては、企業はあくまでも自立すべきである。ただ、現在のような異常な事態のもとにおきましては、企業もなかなか自立できない面がありますので、この異常な事態を乗り切るために、緊急の制度としてこの緊急融資制度を実施したい。緊急異常の事態が去れば、企業は再び自己責任原則と市場メカニズムのもとでやっていくのが正しいのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第であります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 これでは日本の国内の資源を保護するという立場から、いまのお答えでは、この制度では、いまさしあたって目の前の困難をちょっと切り抜けるだけということにしか役に立たないと思います。根本的にもう少し国内資源をやっぱり保護するという立場でお考え直しをいただかなければならないのじゃないかというふうに思います。  しかし、質問を続けたいのですけれども、大変時間にせかされておりますので、私、不況法案に移らせていただきますけれども、まず最初に、いままで通産省がいろいろ対策をとっておられます。それから見ますと、産炭地域とかそれから産地対策、これは別にいたしますと、地域対策を講じるというふうにこれなったのは一歩前進ではございます。しかし、いわゆる企業城下町、これは高度成長政策がとられる中で、一つの地域が一つの産業に大きく依存させられてきた、こういうふうな中で形成されてきたものでございます。しかも、構造不況産業というものは、いま政府が言っておられる七%の成長、こういうものが達成されたとしても依然として回復のめどの立たないもの、こういうものです。偏った産業構造によって地域全体が、文字どおり町ぐるみ行く先を失っているというふうな状況が出ているわけです。ですから、地域対策を立てるというのは、一地域の偏った産業構造の政策の破綻によって対策を立てなければならないというふうになったもので、従来の産業政策一本やりでは地域政策が成り立たなくなったと、このためだと思うんです。  私、まずお伺いいたしますけれども、通産省として、これまでの産業政策のあり方、それから、あるいはこれからの地域経済の対策をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、基本的なこと、それからまた、本法によって中小企業は果たしてどれほど救済されるのか、中小企業の経営の安定、人員整理の防止に役立つのかどうかという基本的なところを大臣にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 一つは、石油危機が起こりましてから、日本の経済、これまでの姿が一変をしておりまして、安定成長時代に入っております。したがって、高度成長時代の産業のあり方と安定成長時代のあり方は当然違ってまいります。そういうことを背景にいたしましていろいろな産業政策というものを進めていかなければならぬ、こういうつもりで取り組んでおります。  それから、これからは私は、一つは地域対策というものを重視していかなければならぬと考えております。昨年の秋できました三全総でも地域対策を非常に重視をしておりますが、最近お願いをいたしました中小企業二、三の対策につきましても、地域対策を非常に重視をしておりますが、今後とも地域対策というものをよほど重要に考えていきたいと考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 一つはお答えが出ておりませんので、また後の質問の中で御答弁を承っていきますけれども、本法によって中小企業が果たしてどれほど救済されるのかとか、経営の安定にどれぐらい役立つのかとか、そういう基本的な点、後でお伺いいたします。  本法で中小企業の対策が行われるというふうなことで、大企業はより安心して下請の切り捨てなどやってよいというものでないことはこれはもちろんなんですけれども、構造不況法に基づいて、いま各業界で設備の削減とか人員の整理計画、これが立てられつつあるわけなんです。労働者だけではなくて、自治体でもこのことに大変不安を抱いております。本法が主な対象としております造船業を抱えております自治体でも、下請企業はもとより、自治体も何も知らされていないわけなんです。  構造不況法では、知事の意見を聞かなければならない、こういうふうになっておりますけれども、大変不安におののいております下請中小企業あるいは関係自治体に対して、合理化計画を事前に協議するように御指導なさる必要があるんではなかろうかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 特定不況産業安定臨時措置法に基づきまして不況対策が行われるわけでございます。これについては、中小企業庁といたしましては、それが進行する過程においてだんだんこの状態がよくなると思いますが、当面の中小企業に対するインパクトを極力なくしようということで、この法案を考えたわけでございます。したがいまして、そういう中核の産業の今後の改善対策というものが地域経済に非常に大きな影響があるということは御指摘のとおりでございますので、そういう点で、地域と密接に連絡をとるようにやっていくように、中小企業庁としても要望したいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、ぜひ関係自治体とか下請中小企業に対しても、事前にやはり協議をするというふうな御指導を強めていただきとうございます。  私は、必要なことといいますのは、これ以上不況地域をつくらないことだというふうに思うわけなんです。現在、経済発展のための自治体の計画づくりとかあるいは対応策、これを援助して、地域に混乱を与えるような大企業の合理化を規制していく、このことが必要だと思います。  一つ例を挙げさせていただきますけれども、新日鐵、この工場は——釜石と広畑ですね、これを中心にいたしまして大合理化計画を立てております。全体で三千人の人員削減だと、こういうふうに言われておりまして、釜石市などでは全市挙げて反対運動をいたしております。釜石では五百人、広畑では七百人、関連下請一千人以上の規模と、——これを上回るというふうにも聞いているわけです。これで地域経済に著しい打撃を与えます。通産省としてはどのようにこういう問題に対して対応なさいますでしょうか、お伺いいたします。

大永勇作通商産業省基礎産業局長

○政府委員(大永勇作君) 新日鐵は年初来、社内で合理化の検討をやっておりますが、現段階ではまだ結論は出てないというふうに聞いております。それで、私企業でございまして、鉄鋼業も今後のことを考えますと、やはり社内における合理化をある程度進めていくということは避けられないかと思いますが、その際、地域経済とかあるいは雇用に与える影響につきましては、これは慎重に配慮をすべきものでございまして、その点につきましては従来から会社にそのように申しておるわけでございますが、今後とも地域経済あるいは労働面に与える影響について、慎重な配慮をしながら合理化を進めるように申してまいる所存でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 下請対策ができたからといって、大企業が何をしてもよいというものではないということは先ほど申し上げましたが、兵庫県の相生市、ここは石川島播磨造船に大きく依存をしている町でございます。大臣のおひざ元でございますのでよく御存じだと思いますが、ここは工業出荷額で見ますと、五十一年では市の七九%を占めております。この石川島播磨の場合、下請中小企業はすでに第一次の下請企業だけを見てみましても、四十九年当時に比べてほぼ半数という大幅な削減を強制されております。これは第一次下請だけでございます。四十九年の第一次下請中小企業と申しますのは六十社ございました。従業員は三千三百人でございます。そして、五十二年は四十三社に減って従業員は二千百人、こういうふうに減少いたしております。そしてさらに、ことしに入ってからも三社、三百七十人が減少しております。そして、これは四十九年に比較いたしますと、二十社、千六百人が減らされております。さらに、現在も人員整理が進められております。二次、三次あるいは関連下請企業とか、労働者の実態、こんなものについては本当に膨大であろうと思いますけれども、実態も把握できないというのが実情でございます。このように石川島播磨は合理化のしわ寄せというのを下請企業に持っていっているわけです。今後、構造不況法による設備削減計画が策定され実施をされると、さらに大きな合理化が見込まれるわけなんです。法をつくり、対策を講じるといっても、こういうふうに下請中小企業をつぶしてよいというものではないというふうに思うんですけれども、私はこういう根本問題についてはどういうふうに御指導なさるんでしょうか、対策をお立てになるんでしょうか、ここのところを大臣にお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 構造不況業種に対する法律は、前国会でつくっていただきまして、いま過剰設備の廃棄をそれぞれの業種ごとに進めております。やはり、一番ひどい状態がいま御指摘の造船業でございまして、兵庫県の相生市、その一例をお挙げになったわけでありますが、とにかく仕事が全然ないという状態になってしまっておりますので、これだけはどうにもしようがないわけでありまして、したがいまして、別に新しい仕事を何とか工夫して探し出す、こういう方向で企業の責任者は努力しておるようであります。造船以外の仕事をつくり出していくと、こういうことに全力を挙げておるようでありますが、幸いにすぐ隣接地域で大発電所の建設計画が始まりますので、若干はそれによって救われるのではないか、こう思いますが、いずれにいたしましても、構造不況業種に対する対策というものは設備の削減も必要でありますけれども、同時に、あわせて新しい仕事をつくり出していく、その過程におきまして、中小企業、下請企業に影響が及ばないようにすることは不可能でありますが、その影響を最小限度にとどめていくという工夫をしていくことが大事かと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いま私が数字も挙げて御説明申し上げましたのは、石川島播磨の場合は下請にしわ寄せを全部持っていっているというふうなところが非常に問題だろうと思うんです。そして、同じく、相生の私は例を挙げさせていただきますけれども、こういうふうな不況地域で何とか経営を維持している中小企業がどんな状態かと申しますと、相生の石川島播磨の下請企業の例でございますが、ここは相生と申しますのは、申し上げるまでもなく、八月二十八日のあの指定を受けている十六地域の中に入っておりますけれども、造船が好況なころは三百人の従業員を抱えていたところでございます。これは造船不況で一時は二十人以下にまで下がってしまった。しかし、現在は周辺地域で何とか仕事を見つけてきて五十人規模になっております。しかし、いかに努力をしても仕事を見つけてきても、資材購入などで運転資金が必要になってくるわけです。いままでの負債もありますし、なかなか融資も受けられない。そして大臣も御存じのように、造船下請というのはほとんど人を石川島播磨に入れてお仕事をしてきているというふうなことで、自分で工場を持ち、設備を持ちというふうなことではございませんから、担保能力が非常に少ないというふうな状態なんです。ですから、どうしても金融面でも運転資金、資材購入などの、こういう資金が、融資が受けにくいという状態がございます。今回の融資も円高の緊急融資と同じように、担保能力の弾力的な運用というふうなものが考えられないと私はだめなのではなかろうか、こういうふうに弾力的な運用を図って融資が受けられるように私は指導をしていただきたいというふうに思います。これが一点です。  それから、不況地域を指定する特別な融資を考えている以上、私はやっぱり返済猶予あるいは金利等貸付条件、こういうようなのを一括凍結して、民間の金融機関へやっぱり協力、指導と、こういうものを行っていただかない限り、こういう民間の下請企業というのは大変運転資金に苦しむわけなんです。金利については円高法並みにするのが当然だと思いますけれども、こういう点についていかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 現在、この特定不況地域に当たる、将来当たるということになろうと思いますが、そういう地域において下請中小企業が非常にお困りのことは事実でございまして、それに対して担保余力がない、これまた事実でございます。したがいまして、この特別緊急融資をする場合にも、その担保余力というものを弾力的に見なきゃいかぬ、お説のとおりでございます。実はそういうことで、この九月四日から始まりました対策に際しましても、中小関係の政府系の三機関に対しまして弾力的に運用するように指導をいたしております。それからまた、民間の金融に対して信用補完をいたします信用保証協会に対しましても、この点について弾力的にやるということを指示しておりますし、この信用保険の枠も拡大をいたしましたので、そういう点での担保がなくても借りられるという余力は大分出てくるんではないかというふうに考えております。また、担保がありましても、それを十分評価できるということになろうかと思います。  それから、第二点の民間融資についてでございますが、これも御指摘のとおりでございますので、実は九月四日に政府系の機関にいろいろ指導するとともに、民間金融機関、これは銀行協会等に対しましてやはり金利、担保、償還条件というような問題について十分配慮をするようなことについて依頼をしております。また、信用保証協会に対しましてもそういう要請をいたしております。  それから、第三点の金利でございますが、これについては現在のやっております金利は倒産対策の金利に準じてやっておるわけでございますが、国会の審議の過程においていろいろ御意見も出ましたので、いまそういう御要望に沿うべくいろいろな検討をしておるところでございまして、いろんな条件の改善を推し進めてまいりたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ぜひ金利の引き下げについては早急な結論を出して、私の要望にこたえていただきたいというふうに思います。  広域下請取引あっせん事業についてお伺いいたしますけれども、不況地域対策に基づいてあっせん会議を開催なさっていらっしゃいますけれども、どういうふうな状況になっておりますか、お知らせください。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 各県に下請企業振興協会というのがございまして、県内の下請企業に対しましていろいろあっせんをしておりますが、こういう時代になりますと県内だけでなかなか仕事が見つからないということで、広域的な下請あっせん会議というものを催しまして、通産局単位あるいはもう少し広い範囲で関係者が集まってこのあっせんをするということをいたしております。その着手といたしまして北海道、広島で開催をいたしました。その結果、北海道でもあっせん件数が九件ばかり出てまいりました。ただ、これはいまあっせんの端緒をつけたばかりでございまして、今後関係者が集まってそれを成立さしていく過程でございますし、広島県でも三十三件のあっせん件数が出ております。これも最終的にあっせんが成立するまでには少し時間がかかろうかと思いますが、そういう形で今後も実施をしていきたいということで、予定といたしましては、兵庫県とか愛媛県、京都府、福岡県というようなものがこの十月末から十一月にかけて開催の予定でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 広域あっせんはいろいろ問題が多いと思います。人員とか、それから振興協会の体制についてちょっとお伺いいたしたいんですけれども、いままで県内のあっせんから、いまおっしゃいましたように広域にやっていくわけなんです。人員、体制の強化が、これは必要ではなかろうかというふうに思うんですけれども、どういう体制でおやりになりますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 現在の下請企業振興協会の人員につきましては、全国で指導員が百八十九名、指導補助員が八十五名、計二百七十四名でやっておりますが、御指摘のとおり、だんだんあっせんを広範にやるということになりますと、なかなかこの人員では足りないということでございますので、実は来年度予算要求で人員を相当拡充してまいりたいというふうに考えておりますし、それからもう一つ、従来は県単位の協会しかなかったわけでございますが、やはり全国的な団体をつくりまして、そこで臨機に情報を交換する必要があろうかと思いますので、来年は、もし全国的な団体が、この下請振興協会の全国的な結合ができますれば、それに対する助成というものも現在予算要求をしておるわけでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 全国的に見てみますと、下請取引あっせんのうち成立件数といいますのは、五十一年度では二六%です。それから五十二年度では二六・九%です。大阪通産局管内で見てみますと、受注申し込み件数のうち成立件数というのは、五十一年度は一一%です。五十二年度は一八%です。兵庫県の中小企業振興公社で見ますと、これはあっせん件数中、成立件数と申しますのは、五十一年度は二二%、それから五十二年度は二四%でございます。このように大変成立が少のうございます。これは成立がこういうふうにとても少ないというのは、総合的な中小企業指導ができないような人員不足、これが大きな原因でございますので、いまおっしゃったように思い切った私は増員がこれは必要であろうというふうに思うんです。中小企業といいますのは、自分で出かけていって商談をまとめたりということがなかなかできませんし、技術水準を高めたりすることもできないわけなんです。ですから、いわゆる営業力のない下請企業でございますから、最後まで立ち会ってあっせんを世話する、こういう必要のある仕事なんです。ですから、通産局管内だけではなく他管内にまでも出かけていかなければならぬというふうにもなってきて、非常に広域的にお仕事をしなければならないので、私は本気で取り組むということになるなら、思い切った増員が必要であろうと思うんです。そこで、これは経営指導員と比較してみますと、経営指導員というものは非常に増員されているわけなんですけれども、こういうものにも思い切った増員が必要ではなかろうかというふうに思いますので、この点思い切った増員をしていただけるかどうかということを、もう一度御答弁いただきとうございます。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘のとおりでございます。将来この人員を極力ふやす、それからまた、いまおっしゃいましたように相当広域に出かけなければいけないものですから、事務的な経費の補助も十分ふやしたいということでいろいろ考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 業種指定、それから地域指定、これは政令で定められることになっておりますけれども、運用次第では地域的なアンバランスを生み出すおそれがあると思うんです。本法案では、幾つかの構造不況業種を抱えながらも、大都市を形成しているために工業出荷額に占める比率が小さくなったり、それから雇用指数等も深刻な事態が反映されない、こういう場合が多いために、大都市の中小企業は対象にならないというふうになってしまっております。こういうアンバランスと別のアンバランスも生じているわけなんです。一つの例は、その地域に特定の事業所、いわゆる中核企業ですね、それはないけれども、その製造品が地域外の不況産業に依存しているもの、それで、こういう例は岡山県にあるんですね。岡山県の備前市といいますのは耐火れんがの町として知られているわけです。この耐火れんがの全国シェアというのは三五%です。それで、市の工業出荷額の七六%を占めています。従業者は市の人口の七三%を占めているほどの比重を有しているんです。耐火れんがは、鉄鋼業の不況によって打撃を受けて、中小企業は減産、失業問題で非常に苦しい事態になっております。地域的な中小企業対策を講じようとするならば、こういうふうな中小企業にも金融対策など私は早急に講じる必要があるというふうに考えますけれども、こういう中小企業を中心とする地域に対しては、どういうふうに対処をなさいますでしょうか、お伺いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定不況業種というものにつきましては、必ずしも大企業であるというふうな定義はございませんので、その業種が構造的な不況に陥っておる、この法律の要件に適合すればこれは特定不況業種として指定ができると思います。ただし、いわゆる中小企業の産地等につきましては、主として輸出産地が大部分でございますので、輸出産地につきましては、先般制定していただきました円高不況対策でカバーされておりまして、これと同等ないしそれ以上の優遇措置を受けておりますので、それはそっちの方でやっていただくというふうに考えております。それから、これは地域対策でございますので、その地域の振興というところからいろいろと対策を考えておりますので、必ずしもこういう構造不況に関連する中小企業でも、大都市地域にあった場合にこの恩典が受けられないという点はあるわけでございますが、これについては、その地域が相当経済的な活力があれば何とかいけるんであろうと思いますし、それから、そのほかの一般的な中小企業対策で十分カバーしてまいりたいというふうに考えております。なお、その土地に特定不況業種がなくても、特定不況地域の近傍でございますと、それはこの法律によりまして関連市町村という指定をいたしまして、その関連市町村にあればやはり認定を受ければ、同様の恩典を受けられるという制度もございますので、中心は地域的な対策でございますが、この問題で若干の不合理が出てこないような対策も講じておるところでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ、いま私がお伺いしましたこの備前市というのは、一体いまの何に入るんでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) その場合には、耐火れんががこの法律の要件に当たるかどうかということを判定をいたしまして、その判定の上で指定をするかどうかを決めてみたいというふうに思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 それでは、不況産業である造船や鉄鋼などの下請企業が大変多い地域であるけれども、地域的に親企業と非常に離れている場合、こういう中小企業をどうするかという問題もあるわけなんです。福岡県の直方市ですね、ここは三菱重工長崎造船所、佐世保重工などの造船、新日鐵、住金、こういう大手の鉄鋼の関連下請企業が多い町なんです。しかし、こういう性格の地域は当然本法案の対策を受けるべきところというふうに考えますけれども、これはよろしゅうございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 具体的な地域につきましては、今後十分検討さしていただきたいと思いますが、考え方といたしましては、この法律の三条の第二項にございますように、特定不況地域にあります特定事業所と密接な関連を持っておる事業所が多数所在する周辺の市町村がございますれば、その周辺の市町村は関連市町村として政令で指定をして、その関連市町村の中にある中小企業についてはこの法律の恩典が受けられるというふうな制度がございます。したがいまして、そういう制度と絡み合わせて検討してみたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 さらに、構造不況産業である造船の町でありながら、暫定指定から外されている市もあるわけなんです。岡山県の玉野市では、三井造船、三井金属鉱業、これらを中心とする工業都市です。求人倍率が問題になって暫定指定から外されております。しかし、すでに三井造船は、大幅な人員削減計画、これ打ち出しております。これ全面的に認めるものではありませんけれども、下請を含めると離職者の発生というのは必至なんです。指定条件の弾力的な運用とか、事前の対応が必要だろうというふうに思うんですけれども、今後、政令の段階において当該の自治体の要望を、これ対策の線に沿って、早急な対策ができるように配慮すべきだと、こういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この雇用条件に関する指標をどうするか、基準をどうするかということにつきましては、この法律が制定されますと、労働省の方で関係の審議会に諮って決まることになっております。したがいまして、その基準を満たしておれば当然この指定の対象になろうかと思います。それから、その時点では仮に基準を満たしておらなくても、その後のいまのような合理化対策の進行に伴ってこの数値が、これはまあ不幸なことではございますが、悪化するというふうなことがございますれば、早急にまた追加指定ということも考えておりますので、そのときはそのときの事情に応じて弾力的に考えて、なるべく早く指定ができるように処置をしたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 まあ今日のような事態を全般的に防ぐためには、地域の総合的な発展が必要だと思うんです。政府としても、通産、労働省だけではなくって、まあ自治、農林水産、運輸、そういうところが総合的に対策を立てなければだめだと思います。しかし、中心はやっぱり自治体が中心になって、緊急対策ばかりではなくて、中期的な地域の復興とか再建計画、それに沿った対応策が求められていると思います。これらに伴う雇用対策とか不況対策に対して、この負担割合の増大とか、それから補助率の引き上げ、地方債、起債ですね、その弾力的な運用なども、積極的な施策を考えなければならないというふうに思うんですけれども、一応これは政府として御答弁をいただきとうございます。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法案を政府の部内で立案する過程において、関係各省といろいろ御相談をいたしました。自治省とも御相談をいたしました。自治省も積極的にこういうものに対する地方自治体の出費に対する援助というものを考えたいということの御意向でございまして、ただ、何といいますか、法的なものにするには若干準備の時間が足らないということでございますので、本回の特定不況地域の指定がありますれば、行政措置として十分な配慮をしていくというふうなお話をいただいております。今後、自治省とも十分協力をいたしまして、自治体の方への対策も抜かりのないようにいたしたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 公共事業の傾斜配分の問題ですけれども、地方自治体は税が減収しております。で、裏負担が大変だという問題が出てきます。公共事業とかそれから官公需などの仕事が地元の中小企業の、とりわけ中核企業の下請の中小企業に回ると、こういう担保かございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 自治体あるいは国が契約をする場合に、極力中小企業に重点的に置いてやるということについては、毎年閣議決定をいたしまして実施をしてるところでございますが、その中で、ことしは特に分割発注等々をやりまして、極力中小企業に仕事が行くようにお願いをしております。けさほど建設省の方からも御答弁がありましたように、建設省としましても中小企業者に公共事業の発注が行くように配慮しておるというふうな御答弁もございましたので、建設省の方で十分指導していただくということでございますし、中小企業庁といたしましても、この閣議決定の線に沿ってできる限り要望していきたいというふうに考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 単なる中小企業に回るということでなく、私がいま申し上げているのは、地元の中小企業の中のとりわけ中核企業の下請中小企業に回るという担保があるんですかどうですかということをお伺いいたしております。もう一度お答えいただきます。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) これにつきましては、関係の公共事業を実施する各省にわれわれの方からもよくお願いをしようと思っておりますが、実は地方公共団体、その公共事業を直接実施しておられるところがそういう計画もうすでに立てておられて、こういうことをやりたいからこういう事業について公共事業費を回してくれという御要望がございます。それをわれわれの方から——あるいはまあ直接にも行っておると思いますが、われわれの方からも公共事業を実施する官庁にお願いをしておるということでございますので、実はそういう市町村の要望しておる事業をやれば、いまのようなことが十分実施されるというふうにわれわれは考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 時間がなくなりましたので、じゃあ最後に大臣にお伺いいたします。私は、やはり最後に指摘したいのは、いま日本全国にわたって不況地域を生み出した造船とか鉄鋼などの大企業の責任、これを明らかにすることがなければならないというふうに思います。今後、これらの地域の産業構造の転換あるいは地域経済の復興、これに当たりましては、自治体の自主的な意思を尊重すべきことが大切だというふうに思うんです。特に、工業再配置、特定地域における工場の導入につきましては、市町村の意向を尊重して慎重に進めなければならない、このように思います。こういう自治体の地域経済の発展対策とか計画、中小企業対策に対する国の緊急のきめ細かい施策について大臣の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これからの地域振興対策につきましては、地方の意向を十分聞きまして、地方と相談をしながら進めていくことにいたします。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 最初に大臣にちょっとお伺いいたしますが、先ほど来の質問の中で中国との油の問題についてのお話がございました。実は私は、ことしの夏に参議院の議院運営委員会のメンバーの一員としてメキシコを訪問いたしました。メキシコで国会筋の方たちともいろいろ懇談する機会を得たわけですが、メキシコとしてはメキシコ産の油を日本に輸出したいという意向を強く持っております。聞くところによれば、大統領が上下両院議長を伴ってこの暮れにはわが国を訪問すると聞いておりますし、その主な目的がメキシコ産の油の問題であるというふうに聞いておるわけです。これまでわが国の油の依存度は、言うまでもなく中近東に大きく傾斜しておるわけでして、最近にわかに重質油ではあるが中国の油ということがまた話題になっておるんですけれども、メキシコの油の問題について、当然これは通産大臣としてメキシコの代表と話し合われることと思いますので、国会もきょうで終わることでございますから、大臣としてこの点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この月末からメキシコの大統領が国賓として日本においでになることが決まっておりますが、その先遣部隊としてメキシコの国営石油公団PEMEXの総裁が、十五日からミッションを率いて日本に来ておられます。その目的は、いまお述べになりました日本との石油取引を開始したいと、こういうことでございます。  メキシコの石油はきわめて良質でありまして、しかも埋蔵量が年を追うて増大をしております。これからは世界の大きな生産地になるであろうと私どもは期待をしておりますが、このメキシコ石油の取引を開始することに対しましては、わが国といたしましては積極的に取り組んでいくつもりです。かつまた、その旨を先方に申し伝えてあります。ただしかし、何分にも太平洋岸に大規模な積み出し港がありませんので、太平洋岸に大規模な積み出し港をつくるということが前提条件になります。港湾の建設については、わが国も協力するつもりでございます。  それから、油の品質がいいものですから非常によく売れておりまして、カナダの太平洋岸あるいは北米全域、それから中南米地域にどんどん輸出をしておるようでありますが、そして比較的距離が近いものですから、価格もわりあい高くなっております。日本に引き取ります場合に、現在メキシコが周辺の国々に売っております価格が一応の基準になりますので、そうしますと中近東の油と比べますとやや割り高になります。この問題をどう解決するかという問題は残っておりますけれども、割り高といってもそう大きな金額ではありませんし、少し工夫をすれば十分解決できると考えておりますので、基本的に合意をいたしまして、必要とあらばGG取引でもやってみたい、政府間取引でもやってみたい、こういう考え方でございまして、問題点をこれから整理して前向きに解決するように関係者の間でいま工夫をしておるところでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 いまの大臣のお答えに私は満足するものでございますが、ブラジルにも参りまして、ブラジルはわが国には大変な移民の問題から脚光を浴びておるわけだけれども、メキシコにも多くの在留邦人、そして移民の方たちもおられまして、メキシコの方たち、また政府の要路も日本とは非常に深い関係にあるにかかわらず、どちらかといえば日本はブラジルに傾斜しておるというような印象を持っておるようでございまして、ぜひひとつわが国の長期展望に立った油の戦略としてもメキシコの上質石油をどうしていくかということは大変重要な問題だと。大臣のいまお述べになったような御方針のもとに、積極的に政府間においてでも取引ができるように対処していただきたいと思います。  生活産業局長にお伺いするわけでございますが、合成繊維の合繊業界が特安法に基づく業種指定を受けて、このほど安定基本計画が策定された、大臣に答申されたということが報ぜられておるわけです。そこで私は、この概況をお聞きしたいわけですが、その前にわが国の合繊の主要な三品目であるナイロン、ポリエステルそしてアクリル、この三品種における上位三社の生産集中度つまりシェアというものは、私の知っておる範囲では約五〇%。合成繊維というのは国際市況性の強い製品でございますが、欧米諸国などは石油ショック後急速に業界の再編というものが進んで、少なくともいま言ったナイロン、ポリエステルそれからアクリルにおける上位三社のシェアは国によって一〇〇%、少ないところでも六、七〇%というふうに聞いておるのです。今回合繊の設備の廃棄、当面はプロラタ方式による凍結という形にならざるを得なかった模様でございますが、それをやるための大きなポイントというのは、やはり企業過多性による過当競争、それが経営効率を著しく妨げておりますし、同時にこのことが国内の資源配分にも非常に大きな問題を残すということになっておるわけですから、安定基本計画に基づいておおむね二〇%ほどの設備を当面凍結する、それが仮に廃棄に向かうとしても問題の解決にはならない。したがって、勢い欧米と競争力を持っていこうとするなら、何らかの形で生産の集中、もしくは販売の集中という形における経営効率の改善を図っていかなければいけない。この辺が非常にむずかしいところだと思うのです。まあ、ぱらぱらと市場をにぎわすような問題もあるのですが、いよいよ凍結に入って、来年一月までにこれを完了していこうとすれば、同時並行的にこの種の動きについても十分注目しなければいけないし、必要とあらばそれについての行政指導も必要であろうと思うわけなんで、こういった見通しも含めて、安定基本計画並びにこれを受けてこれから一連の指示カルテル等の行為も行われていくことと思いますので、その概況をお聞かせいただきたいと思います。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいまお話しのように、合成繊維の安定基本計画でございますが、去る十七日に繊工審総合部会それから産構審の繊維部会、これの了承を得まして通産大臣に答申されたわけでございますが、この内容はすでに御承知のとおりでございますが、特にいま先生御指摘の点を中心に申し上げますと、まず国際競争力強化という観点から、集約化なりあるいは再編成なりがそれぞれ必要ではないかというお話でございます。今回の安定基本計画の中におきましても、現在二つのグループがございますが、そういったグループ内での枠の相互融通といったことを認めるような規定が入っております。したがいまして、業界の再編等に関連いたしまして、枠の融通をし合える、そういった形で再編等に支障のないような形の規定が入っておるわけでございます。  なお、現在御指摘のようにプロラタに近い形で設備の処理を行っていくわけでございますけれども、今後の姿といたしまして、これは業界も、この審議会の部会のときにその意思表明をいたしておるわけでございますが、やはり今後の構造改善を考えました場合に、設備処理は、これはメインのテーマではございますけれども、それだけでは十分ではない。やはり、業務の提携なり企業の集約化なりあるいは再編なりという方向に向かうことがきわめて重要であるという決意も表明しておりますし、私どももそういった観点から、これから業界が自主的にいろいろとお考えいただきまして、そういった方向で国際競争力の強化といった目標に進んでいただくことを期待しておるという状態にあるわけでございます。  なお、この安定基本計画につきましては、とりあえず五十五年を目標に作成をいたしまして、設備の処理を行っていく予定でございますが、その過程におきまして、あるいは五十五年以降の問題につきましても適切に見直しを行いまして、御指摘のような方向も含めて措置をしていきたいというふうに考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これは、これからの大きな話題になっていく問題だと思いますし、時期を失することなく、ある意味においてはいいチャンスでもありますので、積極的にひとつ行政指導の面も生かしていただきたいと思います。  それから、次の問題として、最後の法律といわれたこの繊維工業改善臨時措置法、これが来年の六月で期限が切れるわけでございまして、この延長をめぐって論議のあるところです。かねがね垂直的な縦型の統合ということが言われておるわけでございますが、いずれこれが論議されてまいることでございましょうが、繊維産業の実態を見るとき、何といっても素原料をつかさどっておる合成繊維産業が持っておるところの経営力あるいは資本力、技術開発力、さらには商品企画力もありましょうし、情報収集能力もあるわけですから、この最も川上に位置する合繊業界から、最も川下にありますテキスタイル、アパレルまでを思い切って企業の大小を問わず、垂直的に結びつけていくという現実的な施策が必要だろう。さらに加えるなら、いままで製造業ということに偏り過ぎておったわけだけど、商社機能、とりわけ産元商社の機能を十分にやっぱり生かして異業種間結合——縦型統合というものを図っていかなければ、実態に即しない、地方における中小企業を異業種間で結合してみろといっても、それは絵にかいて物が言えるだけでありまして、その中小企業はいま言った合繊なりあるいは大手の紡績なりあるいは商社なり産元商社に全部密接につながって生存しておるわけですから、そこを抽出して絵にかいたようなことではどうしようもないというふうに思うんです。この辺は生きた形で処理しなければいけない。同時に、私も前々から指摘しておるところでございますが、そのような問題を外して中小企業同士の統合という形をとるにしても、その審査要件などが、中小企業の方たちに条件整備がきつ過ぎてなかなか入り口で乗り切れない。だから、中小企業は言っちゃ、たとえては悪いかしらぬけど、東大を入学するような試験の答案用紙を求めたらいかぬのであって、中小企業が受験するに足るようなやっぱりテストというか、条件をつくらなければ、実際問題として機能しないと思う。私は不況ということと重なったものの、用意した予算も消化し切れなかったこの二、三年の構造改善というものは、やっぱりそこらに問題があったんじゃなかろうかという気がしますので、これが三年なり五年延長していこうとすれば、思い切ってその辺に手を加えて、生きた形の構造改善臨時措置法にしていかなければいけないというふうに思うんです。中間答申ももうぼつぼつ出たんでしょうか、私はまだ見ておりませんが、その辺の点も含めて局長のお考えをお聞きしたいし、これからの方針を聞かしてもらいたいと思います。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 繊維工業構造改善臨時措置法でございますが、御承知のように来年の六月三十日で期限切れになることになっております。この延長の可否あるいは内容の拡充等につきまして、去る八月に繊工審それから産業構造審議会に対しまして、今後の構造改善施策のあり方につきまして通産大臣から諮問を行いまして、現在審議会で審議中でございまして、私どもの見通しといたしましては来月半ばに答申が出されるのではないかというふうに考えております。この審議の現在までの中間的な過程の議論でございますけれども、御指摘のように幾つか構造改善が進まなかった理由というものが議論をされておりまして、もちろんその中には長期にわたります不況のために企業の体力が非常に落ちておる、中小企業が積極的に前向きの施策に取り組めなかったというような事情もございますけれども、やはり四十八年答申あるいは五十一年の提言の際に、いろいろ異業種連携といった形での条件が付せられておりますけれども、そのハードルが非常に高くてなかなか中小企業どしては乗り越えられない点もあるといったような御指摘も多々あったわけでございまして、こういった観点から、いま検討の課題になっているテーマを申し上げますと、一つは、構造改善事業の主体で従来余り重きを置いておりませんでした産元でありますとか、親機でありますとか、親ニッターでありますとか、そういったグループにつきましても、構造改善を積極的に遂行し得るというようなグループにつきましては、新たにこういった構造改善事業の対象にしていってはどうかというようなことを御指摘を受けておるわけでございます。  さらに、従来の制度要件あるいはその運用面の弾力化についても種々御指摘がございました。これらにつきましても、要件の緩和なり弾力的な運用に努めるべきではないかという御指摘がなされております。そういった面を中心に現在審議をいたしておりまして、ただいま御指摘のありましたような使いやすい形での構造改善対策というものを考えながら、これからの施策を進めてまいりたいと、かように存じておるわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 まあ局長も十分その点御考慮をなすっておられることと思いますので、どうかいま申し上げたような点について御配慮をしていただいて、適切な指導をお願いいたしたいと思います。  それから、これは局長も御出席になった過般の繊維産業連盟における繊維対策に対する要望集会がございました。そこで、輸入急増によって被害を受けている品目について、MFAに基づく二国間協定の締結を促進してもらいたい、それから繊維品輸入関税の国際水準並み引き上げを図ってくれと、輸入関連業界に対し政府の行政指導を強化して輸入の秩序化を進めてくれと、また繊維輸出国の政府、業界に対して、わが国繊維衣料産業の現状、雇用失業の実態を訴えて理解を求めるように働いてくれという要望を出しておったところです。これまで通産省としては輸入に対する対策はきわめて冷たい態度でございまして、わが国はまあ貿易立国であるし、その意味からも輸入制限的な動きはいかがなものかと、繊維産業にあってはいまの段階においてはまだその種の動きをするべきときではないというのが、アンチョコによる政府答弁ということになっておったわけです。まあ局長も十分繊維の実情を御存じだと思いますので、まあきょうはひとつ砕けて、国会もこれで終わるわけですから、率直にひとつ局長の考えを聞かしてもらいたいと私は思うんです。  私、調べてみますと、この繊維の輸入というのはこのところこれ大変なことになっておりまして、騒がれておる繭であるとか生糸であるというのは、ことしの一月−七月の対前年同月比の比較における輸入増は四四%です。これは私大変な数字だと思うんだけど、大蔵省から出ておる統計資料によると、化合繊のステープルについてはことし一月−七月の輸入が対前年同月に比して四八八%、これはもう大変なことだと思うんです。約五倍だということですね。それから、綿糸におきましても二三四%、合繊のフィラメントが五一五%と、こういう状況になっておるわけです。一面、私は念のために申し上げるわけだけど、わが国における繊維産業の昭和四十九年四月から五十三年四月における人員減は、化学繊維にあっては、女子は五〇・五%減じておるんです。半分になっておるわけだ。男子も三二・五%減っておるから三分の一減っておるわけです。紡績も同じく男子が三八・七%、女子が四三・七%、織物は低いといってもそれでも男子が一九・三%、女子が二七・一%、だからおおむねひどいところはもう人員が三分の一から半分になっておる、こういうような状況です。  私は韓国に参りまして、ことし二回行ったわけだけど、そして一回は日韓議員連盟の幹事として先方の国会議員の方たちと論議したわけですが、日本とたとえば韓国の貿易は大変なアンバランスだと。したがって、韓国からいま出てくるものは、いま言った数字のうち大宗を占めておるわけなんだけど、その輸入を制限することはいかがかと、こういうような政府のお考えでありますが、私は韓国の方たちにも申し上げたんだけど、日本と韓国の工業のこの条件の違いだと、要するにわが国が韓国に輸出することによって韓国で失業が起きておるんではない。そのことによって韓国は韓国自体の輸出を伸ばし、韓国の貿易収支を黒字化し、そして韓国の経済を急成長せしめておるわけですからね。その見返りとして韓国から入ってくるのは繊維であって、その繊維によってまさにこれは諸外国が日本に対して言っておるように、失業を輸出しておるわけでしょう、いま言った五割ぐらい減っておるわけなんだから。しかも、対前年同月比で五倍も輸入しておる。こういう状況の中で、工業先進国であるわが国がただ一つ、しかもガットで認められたMFAに基づく二国間協定もまだ発動できないということは、一体どういうことだろう。これはこの一九七〇年代の繊維のあるべき姿ということで、構造改善審議会が答申した中でも、必要とあれば特定品目について二国間協定等の発動すべしという答申まで出ておる。こういう状況を放置して、いつそれを発動するときがあるんだろう。私はそう思うんです。とりわけ合成繊維の場合は、先ほど申したように、まさにこれは敵前旋回をしておるわけなんだから、ここで支持カルテルをやって二割方の構造改善をやろうと、体力を落とそうとしておるときに、このようなそれを見越した輸入ラッシュをするんであれば、日本の繊維産業それ自体を壊滅状況に追い込む。この辺でひとつ通産省としても従来の通り一遍の答弁じゃなく、はっきりした態度を示していただきたい。  時間がないからつけ加えて申し上げますが、政府のそういった煮え切らない態度に業を煮やして、合繊業界では法に基づく輸入ダンピングの問題を提起しております。韓国、台湾からの入る製品についてダンピング訴訟を起こす。ダンピング訴訟を起こせば、これは門口でそれがいいか悪いかという論議を起こすことではなく、直ちに関係当局はそれについての調査を発動することになる。したがって、そのような形をとることよりも、私は相手国と話して国際ルールに基づく二国間協定を行う。永久に行うわけじゃなくて、わが国の体質が整うこの間に秩序ある輸入をもたらすような措置を講ずるという方法をとるべきだというふうに思うんです。衆議院の商工委員会でもその種の特別決議をしておりますし、本日、本院における商工委員会でもまた特別決議をしようとしておるところです。これらを踏まえてひとつはっきりした御答弁を、大臣とそれから局長にお願いいたしたいと思います。

栗原昭平通商産業省生活産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 繊維の輸入の増加の問題でございますが、昨年は非常に内需の低迷等の事情もございまして、繊維の輸入は低調であったわけでございますが、本年に入りましてから市況の回復もございましたし、また円高といったような事情もございまして輸入はかなり増加を示しております。一−六月で前年比を見てみますと、数量で一六二%ぐらい、それからドルベースで一四五%という六割ないし四割といったような輸入増加がございます。その中で若干急増の程度の著しいものを見ますと、先生ただいま御指摘の合繊関係のものあるいは綿糸といったようなものがあるわけでございますが、まあ私ども見まして合繊関係のものにつきましては、特に昨年度の実績がきわめて僅少であって、ことしになって急に数量がふえたというような事情もございまして、数値としてはかなり高い数値になっておるということでございまして、全体としてのウエートはそれほど大きいものともまだ思っておらないわけでございますが、片や綿糸の方でございますが、これは昨年、ことしと三・三倍ぐらいになっておるわけでございますが、これは量的にもかなりふえておるといったような状況がありました。品種別にもいろいろ事情があるわけでございます。そういった実情を踏まえながら、まあ私どもといたしましても特に構造改善中であり、また、急増の程度も著しいと思われるような綿糸につきましては、これは輸入業者に対しまして秩序ある輸入といった観点からの輸入の自粛要請を先般来行っている状況でございます。まあ、そのほかのものにつきましても、今後の輸入の増加状況については十分に注視をしてまいりたいというふうに私どもとしては考えております。ただ、御指摘のMFAの問題でございますが、これはやはりMFA発動の際の要件もいろいろございますし、特に現状のわが国におきましての国際的な環境といったものを考えますと、特に現状——繊維は幸いにも多少国内の市況がいい面がこの夏以来ございますし、市況もややいいというような点も踏まえて総合的に判断してまいりますと、現時点において直ちにMFAを発動する段階に現在はないのではないかというように実は考えておりますけれども、さらに今後につきましては十分輸入の動向を把握してまいりたいと、かように存ずる次第でございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 非常にやりにくいのは、近隣諸国とのわが国貿易が全体として非常に大幅に黒字になっておるということであります。たとえば韓国などは、ことしの想定では日本からの輸出が六十億ドルぐらいと想定しておりますが、韓国からの輸入は二十五億ドルぐらいでありまして、三十五億ドルという大幅黒字を計上しそうであります。したがいまして、韓国経済に決定的な大きな影響を与えておるというそういう背景もございますので、いまお述べになりました繊維品の取り扱いにつきましては、さしあたり行政指導で秩序ある輸入という方向に指導してまいりまして、もう少し様子を見た上で最終の判断をしたいと、このように思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 およそ時間も参っておりますので、最後の質問にさしていただきますが、韓国と日本との貿易じりを、ただ単にそれが日本とアメリカの貿易じりと見るのは私は誤りだと思うんです。韓国の場合には、いわゆる韓国経済がまだ離陸状況にあるわけでして、いわゆる韓国経済、いま工業化を進めていくに必要な主としてそれが素原料、たとえばタイルであるとか機械であるとか発電機であるとか、この種のものががっと出ていっておるんであって、いわゆる一般消費性商品が出ていっているものではない。だから、それに韓国に何も失業を持っていっておるんじゃない、そいつを持っていかなければ韓国経済というものは成り立たないわけなんです。そこが非常に違うところでして、片やそれの見返りとして受けてくるのは繊維製品が大宗を占める。繊維製品についてはいま言ったように、だれもが承知しておるように、わが国にあってはもう構造不況の典型と言われておる、カルテルを結ぶ、あるいは減量経営のために人員整理を行う、先ほど数字で申したように、ひどいところではこの三年間に半分になっちゃっている、もっと入ってくればもっと減るということでしょう。だから、ここのところはよく話せば韓国でもわかってくれるはずなんで、だからトータルとしての貿易のインバランスを見て私は論ずることは間違いだと。特定品目だから繊維製品全部じゃない、特定品目にラッシュするなと、そうすることによってわが国の零細中小の繊維企業が全部破綻に陥るんだと。これは国際的にもそのために特にガットの場で繊維品については国際間でそれを認めておるわけです。国際間では貿易というのはオープンにしようという約束にあるにかかわらず、繊維に関してはそのような事情があるから、これは特例を認めようというルールがあるわけだから、そのルールを発動するには決して私は国際的な指弾を受けるものではないというふうに思うんです。日本の繊維産業、もうそれじゃつぶして、韓国に国際分業で持っていってしまうんだというなら、これはもう何をか言わんやだけれども、やはり経済における安全保障で、わが国の需要に満つるところの日本のある段階までの繊維製品はわが国でつくるんだというんであれば、それから出てくるものについては待ってくれということは一つもおかしくないし、工業先進国は、アメリカもEC各国もカナダも全部それをやっておる、日本だけがそれをやっておらない。このことは十分ひとつ含んでいただきたいと思います。  最後に、中小企業庁長官にこれ一つだけ質問して私質問終わるわけですが、この法案に基づいて地域指定を行っていくわけだけれども、私気になってしようがないのは、近隣あるいは近々隣に仮にこれを拡大したとしても、それに乗り切れないところの企業があると思うんですよ、中小企業が。そいつを救うすべがない。たとえば、佐世保におけるSSKに直接これはつながっておる中小企業だけれども、その地域はもう佐世保に対してそれは小倉に所在している。ところが、どのように地域を拡大しても小倉という地域が入らない。それであれば小倉にあるところのSSK直系の系列は下請企業は全然恩恵を、この面における恩恵を受けることはないわけですね。これはやっぱり弾力的に運用して、調べればわかることなんだから、私は何とかやっぱり措置すべきじゃなかろうか。これは法律が歩き出すと、やはり法律の解釈に基づいてその地域はだめなんだからと言えばどうしようもないわけです。必ずそれがあるんです。だから、その辺は非常に数は少ないと思うけれども、そいつを救うすべがない。だから、何もそのことを拡大して、全国みんな不況なんだから、不況の中小企業をみんなこれを当てはめろというやぼなことを言っておるんでは決してないわけです。城下町法案だから地域指定はわかるけれども、その城下町の各企業にひっついておる、その城下から外れたところをどうやって救うか、これは非常に重要なことだと思うので弾力的に運用してもらいたいと思うし、その面に対するひとつお考えをお聞きさして質問を終わります。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この法案が地域立法というふうな性格から、どうしても地域に線を引かなければいけないということがございますが、御指摘のとおりごく例外的だろうと思いますけれども、この法案ではなかなか処置のできない部分があることは御指摘のとおりだと思います。そこで、いまおっしゃいましたようにそういう下請企業というものは、これは親企業から調べれば十分わかるわけでございますので、そういうものについては個々のケースについて十分な中小企業対策、いろいろ対策がございますので、そういうものをフルに使いまして、この地域の中にあります企業と劣らないような何かの対策なり何らかの知恵を出してみたいというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 まず、金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。  非鉄金属の国際市況の悪化に伴う対策として、こうした対策の必要性というものは私ども認識するわけですが、まずあくまでも緊急避難的なものでなければいけないと思いますけれども、その点についての通産省の考え方を、基本的な考え方をお伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) いま非鉄金属鉱山、なかんずく銅、亜鉛鉱山が非常な苦況に陥っているわけでございますけれども、この苦況の基本的な原因は二つございまして、一つは石油ショック後の世界的な不況に基づくところの国際市況の低迷、これが第一であり、第二番目には昨今の異常な円高と、この二つが基本的な原因であるというふうに考えておるわけでございます。この二つとも恒久的な原因ではなくて臨時異常の事態であると、こういうふうに考えておりますので、この緊急融資制度もそういう意味で臨時の制度であるというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 その場合、今回の対象は銅、亜鉛ということに限られているわけですけれども、その後その他の非鉄金属に関して拡大をしなければならないという情勢はいまのところ考えられない、あくまでもこの二品目、二種類の鉱山に限定されているというふうに考えてよろしゅうございますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 鉱種を銅と亜鉛の二つに限定しました理由でございますが、銅につきましてはLME相場、それから亜鉛につきましてはいわゆるPP、プロデューサーズプライスと、こういうものにスライドする、日本の国内の価格をそういう国際相場にスライドするという慣習が長い間成立をいたしております。ほかの鉱物についてはこういう慣習がございませんが、この二つにつきましてはそういう国際相場に準拠しておる。したがいまして、その理由によりまして国際相場の異常低迷と、それから円相場の異常低迷と二つの影響を受けているわけでございます。したがいまして、今次の対策においてはこの二つの鉱種を対象とすれば足りるのではないかというふうに考えたわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 今回の融資制度は二年間にわたって二百二十五億の融資をするということでございますが、聞くところによりますと、対象鉱山の年間の売上額が五百億円ということでございますから、その意味ではかなり手厚い助成ということが言えようかと思います。その必要性は、先ほど申しましたように理解をいたしますが、同時に対象鉱山、対象企業の自助努力というものも一層強化をされなければいけないというふうに思います。もちろん、ぎりぎりのところまで合理化した上で、なおかつ苦況にあるのだということはわかりますけれども、この融資、新制度が発足する機会に、通産省として何らかのそうした面での企業に対する指導、要請をするのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 今回の銅、亜鉛鉱山の危機におきまして、業界の方といたしましては価格差補給金を望んでおったわけでございます。価格差補給金制度によりまして異常に低落した市場価格とそれから鉱山のコストとの差を全部カバーしてほしいと、こういうような業界の強い要望があったわけでございますけれども、われわれといたしましては、そこまでやりますと企業の自助努力か全くなくなってしまうという結果に陥りますので、そこまでめんどうを見るのはめんどうの見過ぎということではないだろうかと、そういうことで企業の自助努力も残さなければならないというような考え方から、この緊急融資制度というものをつくりまして、しかもこの融資対象といたしましては、御承知のとおり保安費とそれから精密探鉱費とそれから減産対策費という三つの費目に限定をいたしたわけでございます。そのほかのいろいろな費用につきましては、これはめんどうを見ていないわけでございますから、企業といたしましては、こういう政府の資金によって裏づけられておるところの緊急融資制度、これによりまして鉱山の経営を合理化するとともに、こういう政府資金でめんどう見てない分野につきましては徹底的な合理化を行って、そしてわれわれの想定によれば、二年か、その辺よくわかりませんけれども、世界経済なり日本経済が正常の事態に復したときには、みずからの足によって立つというふうにしていただきたいものだというふうに考えておるわけであります。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そういたしますと、この二年間の緊急対策期間中のそうした自助努力、合理化努力によるコスト効果といいますか、それはどのくらいに見込んでいらっしゃるわけですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) これは山によって非常に個別の差があると思いますので、私どもの方で数字として申し上げるわけにはいきませんが、しかし各企業、各山とも自分の命にかかわる問題でございますから、おのおのの山としてできる限りの自助努力、合理化をするものと期待をいたしております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 その面について通産省の今後の指導といいますか、それをお願いをいたしたいと思います。  それから、今回の制度は政府保証つきの融資ということと利子補給による低利の融資ということになっているわけですが、この金利の決め方ですけれども、一年半の間一%、それからまた一年半が三%、後の二年間が六・五、かなり複雑な制度になっているわけです。二年据え置き三年償還ということですから、据え置き期間が無利子でその後が四%、五%というのなら話はわかるんですが、どうも据え置き期間も含めて非常に複雑な切り方をしている。何かこれは理由があるわけですか、どうも納得できないわけですけれども。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 世界の市況でございますけれども、われわれとしましては、昭和五十二年くらいが一番底であったというふうに見ておるわけでございます。その後、生産調整の効果、それから消費の回復等が見られまして、逐次在庫も減り、市況も好転をいたしております。たとえば、銅で申し上げますと、本年の二月には六百二十七ポンドでございましたが、現在七百五十ポンドまで回復をしておりますし、亜鉛につきましては二月に五百五十ドルでございましたが、現在六百七十五ドルまで回復をしておる。そして、これはもちろんいろいろなあやはあると思いますけれども、こういう回復基調というのは私は続くのではないかというふうに考えております。石油危機以後、いままで非常に長い、暗い道であったわけでございますが、一番底は過ぎて、逐次明るい方向に向かって進んでいくのではないだろうか。それで、八〇年くらいになりますと——昭和五十五年くらいになりますと、大体ノーマルな需給状態に返るのではないだろうか、こういうふうに見ているわけでございます。したがいまして、この利息の決め方も、当初の一年半は一%、それから次が三%、次の二年が六・五%というふうに、初め苦しくて、だんだん後は楽になって、そして自分で金利も払えるような力も出てくるというエクスペクテーションの上に全体の仕組みが成り立っているわけでございます。  なお、二年、三年という区切りと、一年半、一年半、二年という区切りの関係につきましては、私はちょっと——課長が御説明申し上げます。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) 金利につきまして期限を区切りましたのは、ただいま長官が御説明いたしましたとおりで、特に大蔵省との折衝におきまして——何か特段の理由があったわけじゃございません。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 まあ、制度ですから、どうつくろうと構わないわけですけれども、二年据え置き、三年償還という償還の方式を決めながら、金利の方は一年半で切って、またその後一年半で切る。ですから、最初の方が三年で、六・五の方が、後ろが二年というのは、いささか制度としてはわかりにくい仕組みになっている。予算当局との折衝の結果、値切られたということかもしれませんけれども、その辺はどうももう少しすっきりしたものにしてほしかったように思います。  それからもう一つは、金利の面では、これは財投といっても、政府保証がつくだけで、事実上は民間資金ですから、民間金利で借りたものに対して、実は三十億の金で利子補給をするという仕組みでございますね。そうなりますと、民間の金利が上がってくれば、当然いまの一、三、六・五という金利は上がるというふうに考えていいわけでございますね。

福原元一資源エネルギー庁長官官房鉱業課長

○説明員(福原元一君) そういうことになると思いますが、利子補給は三十億の範囲内でやるということになっております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そうしますと、ますます制度としてはやや変則的になるわけですが、先に利子補給の金額をぽんと決めておいて、後ほど民間金利が上がってくれば、いまの超低利融資と称している一%、三%、六・五%というのが、自動的に上がってきてしまう。そうすると、政策効果はそれだけ薄まるということになるわけでございますから、何らかの形で見直しをする必要が出てくるというようなことにならざるを得ないと思うわけですね。それからあとは、三十億で、運用利息を三億つけて、三十三億の利子補給と言っておりますけれども、これも金利情勢によってはわからないという点では、この辺も苦肉の策と言えばそれまでですけれども、いささか制度としては変則的なような気がいたします。まあしかし、そこのところはコメントをするだけにとどめまして、次に、今回の制度というのは、法律上は「当分の間」と書いてありますが、事実上は二年であるということを再三長官も言明しておられます。二年で終了できるような情勢になることを私どもも期待をするわけですけれども、しかし、基金はその後も残るわけですね。民間と地方団体出資の四億、四億、八億というのは残るわけでございますし、その他の返済事務も残る。そうした中で、今後の基金のあり方については何らかの方針を持っておられるのかどうか、その辺もあわせてお伺いをしておきたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) われわれの期待どおりに、国際的あるいは日本国内の銅、亜鉛の市況が回復いたしまして、もはやこの制度を発動する必要がなくなることをわれわれは望んでいるわけでございますが、市況が銅で言えば五十万円以上、亜鉛で言えば二十一万円以上ということに回復をいたしてまいりますと、これは法律による規制ではございませんが、業界に対する指導といたしましては、この基金に対して今度は拠出金を出すということが望ましいのではないだろうかというふうに考えております。そういう拠出金を出しておけば、これは自助努力によって保険を掛けたということになるわけでございまして、できればその保険によりましてまた将来起こり得べき非常事態に対して対処をするということになるわけでございますから、そういうことで基金は存続をしていくということの方が望ましいのではないかというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そうすると、国からもらった三十億程度のものは、将来市況が回復すれば基金として供出をいたしますと、もしくは供出をさせるようにいたしますと、こういうことでございますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) 将来の市況によることでございますけれども、できることならそういうことが実現することを望んでいるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そういうことになれば、一般会計つまり国民の税金から拠出をして市況対策をやったことも、国民の立場から見ても報われるわけでございますので、その辺についてもぜひアフターケアをよろしくお願いをいたしたいと思います。  それでは次に、特定不況地域法案について質問をいたします。  特定不況地域の対策の実施に関しましては、先般自民党と新自由クラブの間でも若干のやりとりがあり、合意事項がありました。先ほど社会党の委員から、これについていろいろ御批判がありましたけれども、私どもは政党間の交渉によって、しかも公明正大に不況対策を充実をさせたという点で、決して御批判をいただくような内容ではなかったと思いますし、不況地域の皆さんに喜んでいただけるものと思っております。  まず、不況地域の指定、数の問題でございますが、政府の十六に対して私どもは三十前後ということを要求いたしました。しかし、政府与党側からは二十八がぎりぎりであるというお話があって、不満足ながらそこで合意をしたわけですけれども、現在の作業の中で、先般通産大臣からもその辺の数については状況の変化もあり、ふえるかもしれないというお話がございましたけれども、三十と私どもが要求をしたのに対して、大幅に上回るようなことはないと考えてよろしゅうございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この特定不況地域の指定につきましては、法律の要件に従いまして、この法案が成立いたしました後で、労働関係の雇用指標については審議会にも諮り、その上で各省、労働省その他よく御相談の上で政令で指定するわけでございます。したがいまして、その辺の数値が幾らになるかということについては、いまのところ何とも申しかねますけれども、先ほど大臣がお話しになりましたように、目途というふうなことも頭に入れて政令の制定をやっていきたいというふうに考えているわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私どもは何も指定地域を減らせというわけではありませんけれども、三十というのに対して二十八がぎりぎりだという政府ないしは与党からのお話がありながら、それが旬日のうちに変わってくるということでは、一体与党の回答というものが公党間の間で誠意のあったものかどうかという点については疑いを持たざるを得ないという点を指摘しておきたいと思います。  それから第二の、私どもの合意の中に、緊急融資の金利について六・三から六・八という原案を六・一から六・六という形で〇・二%引き下げていただくように合意をいただきました。この点についても実施をしていただけるものと思いますが、これは法律事項ではないようですけれども、どういう形でお決めになるわけでございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この緊急融資は、政府系の中小企業金融三機関の金利でございますので、従来ともいわば行政的な措置として通産省、大蔵省が相談をして決めておるわけでございます。これにつきましては、いまのお話とか、あるいは衆議院における決議というものがございますので、われわれとしてはそういうものを考えて、なるべく早くこの条件の改善というものを決めたいというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 融資要綱でお決めになることになると思うんですけれども、これはその公布、施行の日までに決めていただけると考えてよろしゅうございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 大体、この法律が動き出すときにあわせてやりたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 この辺は私どもとしても予算折衝の中で不十分ながら不況地域の皆さんのためにということで努力をした部分でございますから、政府としても十分誠意を持って実現をしていただきたいと思います。  それから、第三の問題として、今回の法律の中で不況産業に対する金融的な措置のほかに、不況地域に企業の進出を促進させるための手段が幾つか盛り込まれています。まず、第八条の財政措置としての工業再配置補助金の活用というのを考えていらっしゃるわけですけれども、しかし、その内容を見ますと、工業再配置制度の中での誘導地域を特別誘導地域並みにするというような規定になっています。そうすると、まず指定された地域が誘導地域であるかどうかというのが問題になるわけで、誘導地域でなければこの制度は何ら動かないわけですけれども、現在の十六地域もしくはふえて三十地域前後になるのかもしれませんが、その中でこの五千円の補助金を七千五百円に格上げしてもらえる誘導地域になっている地域がどのくらいあるのか、それをお答えいただきたいと思います。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 今回のこの法案におきまして、企業誘致の関係で幾つかの規定を置いております。御案内のとおり、一つは、工業再配置関係の補助金の関係あるいは開銀の融資あるいは税制上の特別措置、こういったような措置が規定されているわけでございますが、この工業再配置の補助金の関係につきましては、御案内のとおり誘導地域、これは工業再配置促進法という法律がありまして、日本全体を誘導地域、それから移転促進地域、どっちにも属さないいわゆる白地地域というかっこうに分類しまして、日本の国土全体の中で適正に工業が分散されると、こういう法律があるわけでございますが、その法律に基づきまして誘導地域という指定ができておるわけでございます。今回のこの不況地域の対象地域がこの誘導地域に合致する場合には補助金が出る、こういうことになるわけでございます。御指摘の十六地域のうちどの程度が誘導地域に該当するかという点につきましては、約半分の八地域が誘導地域に該当しているのではないかと思われます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そうしますと、実はその八地域についてはいままでの平米当たり五千円の補助金というものが七千五百円に格上げされる。しかし、その他の地域については何らの措置もないということになるわけです。その意味で、私はもしも誘導地域を特別誘導地域並みに格上げするというのであれば、今回指定される不況地域というものを誘導地域並みに扱うというような措置を講じて一段ずつ格上げをするというのが、制度としての整合性としても必要ではないかと思っているわけですけれども、なぜそうした形の対策が盛り込まれなかったのか、いささかそこの点手抜かりがあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) この工業再配置の補助金はあくまでも工業再配置促進法に基づく、何と申しますか、 長期計画に基づきまして、特にその地域に工業を長期的に誘導しなければならない、そういう地域につきまして、通常の地域開発立法でございますと金融措置ですとか、あるいは税制措置が普通の措置でございまして、それにプラス、付加的な措置として加わっているわけでございます。したがいまして、今回の場合におきましてもこの不況地域が誘導地域に合致する場合には、さらに特別誘導地域として優遇しようということにいたしておりますが、その不況地域だからといって直ちに誘導地域にやるということになりますと、やはり工業再配置の思想自身に混乱を生ずることになりかねないわけでございまして、その意味で補助金は出ないわけでございますが、ただし、私どもといたしましては、その地域の実情に応じましてこの企業誘致につきましてはいろいろな手段を通じて全力を挙げてまいりたい。たとえば、御案内のとおり指導員制度というのがございますが、各業界のリーダーの方々、実務的なリーダーの方々をもって団を構成しまして、いろいろな地域に企業誘致のための努力をやるわけでございますが、そういったものを機動的に派遣するとか、そういった努力は一生懸命やってまいりたいと、かように思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私はどうもその辺についてまだ十分な施策が盛り込まれてないように思います。いまおっしゃった指導員制度もありますし、それから特別償却制度の導入もありますけれども、もう一つ私が疑問に思うのは、その他のさまざまな不況対策の中で出ているような、たとえば工場の新増設をする、それについてその地方公共団体が地方税を減免する、その減免をした場合には交付税で穴埋めをするというような措置が、この法案の中にあってもいいのではないかと思うわけですけれども、その点も実は盛り込まれていない。その意味では工場の新増設による地域経済の振興、浮揚というものを柱として盛り込んでいるといいながら、どうも中途半端な後向きの対策に結局終わっているという気がするわけですけれども、なぜそうした地方税の減免と、それに伴う特別交付税による措置という制度がこの法案の中に盛り込まれなかったのか。これは通産省にお聞きをした方がいいのか、自治省から御答弁をいただくべきかわかりませんけれども、その辺についても御答弁をいただきたいと思います。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 確かに、この法案の立案の過程におきまして、政府部内で議論しておりました際には、御指摘の点につきましてもいろいろと検討したわけでございます。自治省といろいろ折衝をしまして、結局この法案というかっこうでまとまったわけでございますが、ただ、御指摘がありました固定資産税ですとか、あるいは不動産取得税の問題ですとか、そういう点につきましては、たとえば低開発地域促進法ですとか、あるいは過疎地域についての立法ですとか、あるいは新産都市ですとか、そういう地域につきましてはそういう措置が講ぜられておりますが、今度のこのたとえば十六地域に限って見ますと、そういう地域は大体ほかの地域立法の対象になっているものでございますから、十六地域のうち私のいまの計算では十三地域ぐらいはそういう地方税の特例措置の対象になっているというのが実態でございます。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○説明員(金子憲五君) 地方税法なり交付税法を所管する立場から申し上げますと、地方税の減免は、ただいま地方税の減免と言われましたが、これは地方税法の六条に言います課税、非課税及び不均一の課税を指して言っておられるのかと思いますが、非課税、課税をしないということにつきましては、もうこれはすでによく御承知のことかと思いますが、本来課税すべきものを課税しないということでございますし、不均一課税につきましても一般の税率と異なる税率でもって課税をするということでございますので、課税の公平という見地から、もう公益上の理由は当然でございますが、一定の手続、それから要件を必要とするということでございます。従来、この要件につきましては、ただいま通産省の方から例として挙げられました各立法例を見ましても、すべて国または地方公共団体による計画を前提とすると。その計画に基づきまして工場の導入の促進等行った場合には、それにつきまして非課税あるいは不均一課税を行うというような法制をとってきております。今回もそれにならうべきではなかろうかというような判断をしている次第でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 時間も参りましたので、いまの点もう少しお聞きをしたいのですけれども、そうしますと、この法案の十一条で、「(関係地方公共団体の施策)」ということで、国の施策と相まって、関係地方公共団体も、経済の安定を図るための施策を総合的に実施するよう努めなければならない。訓示規定ですけれども、これについては地方公共団体はどのような対策を具体的に考えていらっしゃるのか。自治省として把握している限りで結構ですが、お答えをいただきたい。  それと同時に、今回の通産省の提出の法案と労働省提出の法案のほかに、第三の法案として自治省提出の法案が計画されているという話も聞いていたわけですけれども、今後そうしたものが通常国会等で提案をされる可能性があるのかどうか。その辺作業をしていらっしゃるのかどうかも最後に伺って私の質問を終わります。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○説明員(金子憲五君) 地方団体といたしましては、現在のところでも雇用対策あるいは中小企業対策等につきまして単独の施策をいろいろ行っております。これ以外にも需要の喚起策あるいは地域産業の振興、その他いろいろの措置を講じておりますが、私どもといたしましては、今後通産、労働、各省によります法案が通りました後におきまして、地方公共団体による総合的な対策の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。  なお、今後の問題でございますが、中小企業対策臨時措置法あるいは離職者臨時措置法の運用の状況、あるいは今後の経済の状況等を見て、自治省としては一般的な地域の経済振興対策の検討の中において考えてまいりたいというふうに思っております。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました法律案に対し、各会派共同提案による附帯決議案が委員長の手元に提出されておりますので、これを議題とし、私から案文を朗読いたします。    金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、最近における金属鉱業の実情にかんがみ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、金属鉱業緊急融資事業が速やかに実施されるようその実施体制を早急に確立するとともに、将来、長期的な観点からこの制度の見直し、拡充を図ること。  二、国内における金属鉱物資源の確保と金属鉱業の経営の安定を図るため、探鉱助成制度、税制及び備蓄制度の改善、拡充等保護育成の措置を講ずること。   右決議する。  それでは、本附帯決議案の採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、河本通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました法律案に対し、各会派からそれぞれ附帯決議案が提示され、理事会においてその取り扱いを協議いたしました結果、次のような決議を付することに意見が一致しましたので、私から案文を朗続いたします。    特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、特定不況地域の指定は、地域の実態に応じ弾力的に行うとともに、関係地方公共団体の意見を反映するよう配慮すること。  二、認定中小企業者に対する緊急融資については、極力融資条件の改善に努めること。  三、不況地域における離職者発生などの状況にかんがみ、関係法令による施策と本法による施策を総合的に実施することにより、雇用の安定に努めること。  四、特定不況地域における公共事業の実施について特段の配慮を行うとともに、当該地域の中小企業者の受注機会を確保するよう配慮すること。  五、不況地域における下請中小企業者の保護の徹底を図るため、関係法令の厳正な運用を図ること。  六、特定不況地域における工場の新増設の円滑な推進のための財政上の措置等を行うにあたつては、関係地方公共団体の意見を反映するよう配慮すること。  七、関係地方公共団体が、国の施策と相まつて、中小企業の経営安定のための施策を実施する場合、国は財政上の措置その他必要な措置をとるよう努めること。  右決議する。  それでは、本附帯決議案を委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの決議に対し、河本通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議決をいただきました法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、万全を期する所存でございます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査のうち、中小企業に関する件を議題といたします。  ただいま、委員長の手元に、各会派共同提案による現在の不況下における中小企業対策の強化に関する決議案が提出されました。この際、私から案文を朗読いたします。    現在の不況下における中小企業対策の強化に関する決議(案)   政府は、中小企業者の置かれている厳しい経済環境にかんがみ、中小企業諸施策の実施に遺憾なきを期するとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、政府関係金融機関の既往融資の貸付金利の引き下げについて検討するとともに、償還期間の延長等についても弾力的に配慮すること。  二、中小企業産地の抜本的な体質改善を行い、その振興をはかるため、早急に対策を確立すること。  三、最近における繊維製品の輸入の急増が構造不況下にある繊維関連産業に与えている影響にかんがみ、速やかに適正な対策を講ずるよう検討すること。  右決議する。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。  ただいまの決議に対し、河本通産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいまの決議につきましては、むずかしい問題もありますが、その趣旨を体して、努力してまいる所存でございます。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、請願の審査を行います。  第三九号中小企業向け政府系金融機関の既往貸付金利の引下げに関する請願外四十四件を一括して議題といたします。  これらの請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました結果、第三九号中小企業向け政府系金融機関の既往貸付金利の引下げに関する請願外十五件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第八五号水素エネルギーの実用化促進に関する請願外二十八件は保留とすることに意見が一致いたしました。  右、理事会申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。  危険ぼた山の崩壊防止及び整備に関する緊急措置法案、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、伝統的工芸品産業その他の中小企業性産業を保護するための輸入制限等に関する特別措置法案、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律の一部を改正する法律案、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、以上、六案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十分散会      —————・—————

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