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85回国会参議院1978/10/19

商工委員会 第2号

発言数
303
登壇者
18
会派数
7
開催日
1978/10/19

会議録

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二日、植木光教君が委員を辞任され、その補欠として古賀雷四郎君が選任されました。  また、昨十八日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  理事の委員長就任に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に古賀雷四郎君を指名いたします。(拍手)     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  わが国の小売商業は、事業所数で約百六十万、就業者数で約五百六十万人とわが国経済の中で大きな比重を占めておりますが、その大部分はきわめて零細であり、百貨店、スーパー、ショッピングセンター等の大型店の進出によって著しい影響を受ける場合が少なくありません。  特に、最近における経済の安定成長への基調変化の中にあって、大型店の出店が増加している一方、いわゆる中型店をめぐる紛争も増加する傾向にあります。  このような状況にかんがみ、国会においても小売商業調整制度のあり方について、その抜本的対策を講ずるよう特別決議がなされたところであります。さらに中小企業政策審議会と産業構造審議会との合同小委員会におきまして今後の小売商業政策のあり方について検討が行われ、本年四月に意見具申がなされたところであります。  本法案は、この意見具申の示した方向に沿って、関係者の意見をも徴しながら作成したものであり、第一に大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部改正、第二に小売商業調整特別措置法の一部改正をその内容とするものであります。  次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。  まず、第一条は大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、いわゆる「大店法」の改正であります。  その一は、調整対象面積の引き下げを行うことであります。現行の大店法の調整対象となる大規模小売店舗は、千五百平方メートル以上(十大都市にあっては三千平方メートル以上)のものでありますが、最近の小売業をめぐる紛争の実態に適切に対処するため、これを五百平方メートルを超えるものにまで引き下げることといたしております。  その二は、大規模小売店舗の調整問題について都道府県知事の関与を強めたことであります。すなわち、千五百平方メートル未満(十大都市にあっては三千平方メートル未満)で、五百平方メートルを超える範囲の店舗につきましては、その調整の権限を都道府県知事に委任することといたしております。また、通商産業大臣が調整に当たる千五百平方メートル以上の店舗につきましても、これについての届け出を都道府県知事を経由して行わせることとし、その際都道府県知事は、通商産業大臣に対して意見を申し出ることができることとする等、国の商業調整に際しても地域の意向が十分反映できるよう配慮いたしております。  その三は、店舗面積に係る調整措置の強化であります。本法の調整対象となる店舗面積が引き下げられる結果、通商産業大臣の調整に係る店舗を含めて、一つの建物の店舗面積が全体として五百平方メートルになるまで勧告、命令が可能となるとともに、大規模小売店舗に入居する個々の小売業者に対して必要に応じて厳しい調整措置を講ずることができることを明確にするため所要の改正を行うこととしております。  その四は、調整期間の延長等に関するものであります。最近における調整期間の長期化等にかんがみ、届け出から勧告までの期間を、現行の三カ月から四カ月に改めるとともに、必要に応じてさらに二カ月の範囲内で延長できることとし、他方特に問題のない案件については勧告期間の短縮を行い得ることといたしております。  その他これらの改正に伴う所要の改正を行うこととしております。  第二条は、小売商業調整特別措置法の改正であります。  その一は、小売市場に関する規定の改正であります。すでに述べましたように大店法の調整対象面積を五百平方メートルにまで大幅に引き下げることに伴い、小売市場に関する商業調整問題は、事実上これによって対処できることとなりますので、小売市場に関する規制は、その店舗に入居する零細小売商の保護の観点からのものに改めることといたしております。すなわち、小売市場開設者に対し、その貸付契約または譲渡契約を締結または変更するに際してあらかじめ貸付条件等を都道府県知事に届け出させることとするとともに、都道府県知事は、その貸付条件等が一定の基準に適合せず小売商の経営の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるときは、その変更を勧告することができることとし、勧告に従わないときは、その旨を公表できることとしております。  なお、小売市場に入居する零細小売商の保護の趣旨を明確にするため、小売市場の実態に即した定義の改正を行うこととしております。  その二は、大企業者による特定物品販売事業の開始または拡大についての調査及び調整に関する諸規定についてでございます。これにつきましては、大店法の改正により調整の対象となる店舗面積を大幅に引き下げることにより特定物品販売事業についての諸規定の趣旨が実質的に取り込まれることとなりましたので、これらの規定を削除することといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員中島源太郎君から説明を聴取いたします。中島源太郎君。

中島源太郎自由民主党

○衆議院議員(中島源太郎君) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正点は、まず大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の改正部分につきましては、大規模小売店舗に係る届け出から勧告までの期間を延長することができるのが「二カ月」以内となっておりますのを「四カ月」以内に改めたことであります。  次に、小売商業調整特別措置法の改正部分につきましては、第一に、小売市場に関する規制を従来どおり許可制に戻したこと。  第二は、大企業者による小売店舗の進出に対する調査、調整及び勧告の諸規定を現行法どおり復活させるとともに、その申し出適格団体に商店街振興組合等を加えたことであります。  以上、よろしく御審議をお願いいたします。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、補足説明を聴取いたします。島田通産大臣官房審議官。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の順序に従って若干の補足説明を申し上げます。  まず第一は、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律、いわゆる「大店法」の改正に関するものであります。  その一は、調整対象面積を引き下げたことであります。現行の大店法の調整対象となる大規模小売店舗は、その店舗面積が千五百平方メートル(十大都市にあっては三千平方メートル)以上のものでありますが、最近においては、これを下回る規模の店舗の出店とこれをめぐる紛争が増加しており、このような実態に適切に対処することにより、中小小売業の事業活動の機会を適正に確保する観点から調整対象面積の見直しについて慎重に検討を行った結果、これを五百平方メートルを超えるものにまで引き下げることといたしております。  その二は、大規模小売店舗における小売業の調整について都道府県知事等の関与を強化したことであります。小売業の調整に当たっては、流通近代化施策との整合性に十分配慮する等、全国的視野に立ってこれを行う必要があると同時に、小売業が製造業等に比べ地域的特性が強く、地方行政とも密接な関連を有するところでもあることから、国と地方自治体との行政の有機的な連携が必要とされるものであります。このため、大規模小売店舗のうち店舗面積が千五百平方メートル(十大都市にあっては三千平方メートル)未満で、五百平方メートルを超えるものを第二種大規模小売店舗とし、これについては従来の調整実績等も考慮し、都道府県知事が市町村長から申し出のあった意見を踏まえ調整を行うこととしております。  また、店舗面積が千五百平方メートル(十大都市にあっては三千平方メートル)以上であるものを第一種大規模小売店舗とし、これについては従来どおり通商産業大臣が調整を行うこととしていますが、届け出については都道府県知事を経由して行わせることとするとともに、都道府県知事及び市町村長は通商産業大臣に対し意見を申し出ることができることとすることにより、国の商業調整に際しても地域の意向が十分反映できるよう配慮いたしております。  その三は、店舗面積に係る調整措置を強化したことであります。本法の調整対象となる店舗面積を引き下げた結果といたしまして、店舗面積に関する変更勧告、変更命令につきましては、第一種大規模小売店舗につきましても、一つの建物の店舗面積が全体として五百平方メートルになるまで通商産業大臣が直接削減し得ることとなるほか、大規模小売店舗に入居する個々の小売業者に対しては、現行法の規定が「店舗面積を減少すべきこと」を勧告、命令できるとなっておりましたのを「店舗面積を削減すべきこと」と改めることにより、必要に応じ、周辺中小小売業に対する影響を除去するに十分な厳しい調整措置をとり得ることを明確にしております。  その四は、調整期間の延長等に関するものであります。最近の大規模小売店舗の出店規模の大型化等により中小小売業に及ぼす影響が広域化しているとともに、都道府県知事及び市町村長等の意見を十分考慮して調整を行う必要があることから、勧告を行うことのできる期間を現行の三カ月から四カ月に改めるとともに、必要に応じてさらに二カ月の範囲内でこれを延長できることとしております。他方、大規模小売店舗に入居する中小小売業者の入れかえのように、特に問題のない案件については勧告期間を短縮し得ることといたしております。  次に、第二は、小売商業調整特別措置法、いわゆる商調法の改正に関するものであります。  御承知のとおり、現行の小売商業に関する調整は、大店法と商調法の二法により行われておりますが、この二法は、相互に密接な関連性を有しております。今回の法改正の趣旨は、大型店規制の強化という点にあり、その観点から大店法についてただいま御説明いたしましたような改正を行うこととしておりますが、この大店法の改正に伴いまして、従来の商調法について、規制の重複の排除及び考え方の整理を行う必要が出てまいったわけでございます。  その一が、小売市場の許可制に係る改正であります。現在の小売市場の許可制は、昭和三十四年当時、関西を中心といたしまして小売市場の乱設が見られ、これがために小売市場内の中小小売商の経営の安定が害されるという事態に対処するため、設けられたものであります。しかしながら、今回の大店法の改正により、調整対象面積が五百平方メートルを超えるものにまで引き下げられたことに伴いまして、小売市場に関しましても、周辺との過当競争の問題、すなわち商業調整は、大店法により行うことが可能となると思われますので、小売市場の許可制について見直しを図ったわけであります。  したがいまして、小売市場の新設そのものを許可に係らしめる必要はなくなるのでありますが、小売市場に貸し付け、譲渡を受けて入居している小売商が零細であるという実態にかんがみまして、これらの零細な小売商の保護を図るため、小売市場の定義を明確化するとともに小売市場の開設等に当たって、あらかじめ入居小売商と締結する貸付契約、譲渡契約に係る貸付、譲渡条件を都道府県知事に届け出させることとしたものであります。また、届け出られた貸付条件等について、都道府県知事は、必要があれば、改善を勧告し、さらに公表という手段を講ずることができることとしております。  その二は、特定物品販売事業に関する調査及び調整の規定であります。この規定は、現行の大店法の基準面積未満の店舗における商業調整を行うことを主目的としているものでありますが、今回、大店法の改正により、調整対象面積を引き下げ、現行の基準面積未満の商業調整にも対処できるようにいたしましたので、これらの規定を削除することとしたものであります。  なお、衆議院におきまして、大規模小売店舗における小売業の調整に係る勧告期間に関し、その延長できる期間の限度を二カ月から四カ月に改められております。  同じく、小売市場の規制につきましては、貸付契約等の事前届出・勧告制を廃し現行どおりの許可制を存続させるとともに、小売市場の定義として追加した店舗面積の区分を三十平方メートルから五十平方メートルにするよう改められております。  同じく、削除することとしておりました大企業者の特定物品販売事業の調査・調整の規定につきましてもこれを存続させるとともに、申し出団体として商店街振興組合等を追加するよう改められております。  以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案(第八十四回国会参第七号)を議題といたします。  発議者森下昭司君から趣旨説明を聴取いたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま提案されました小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につき提案理由及びその概要を御説明いたします。  昨年の第八十回国会におきまして、わが国の中小企業政策に大きな転期をもたらした中小企業の事業機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律、すなわち中小企業事業分野法が成立し、大企業の進出によって既存の中小企業者が一方的に淘汰されることを防止し、中小企業者の事業活動の機会を適正に確保するための制度が実現したのであります。それと同時に、小売商業調整特別措置法が改正され、小売業分野においても同様の趣旨をもって事業分野確保のための幾つかの制度が導入されたのであります。  御承知のように改正された現行制度におきましては、大企業者の小売業への進出にかかわる規制措置は、中小小売商団体の調整の申し出の手続によって初めて適用され、都道府県知事が行います調整勧告の措置におきましても、同様に中小小売商団体の申し出が要件となっております。  しかし、この場合の中小小売業は、特定の物品の販売事業を行う中小企業者の団体であり、いわゆる地域の組合は対象になっておりません。このことは、小売業の持つ性格と小売商団体の実情に必ずしも即応せず、法律の目的に合致した積極的な運用に大きな障害となっているのが実態であります。  したがって、法律の一部を改正し、商店街振興組合等も大企業者の事業の開始または拡大にかかわる紛争に関する調整の申し出ができるように改める必要があります。これが本法案提出の理由であります。  次に、本改正案の概要について御説明申し上げます。  まず第一に、この法律におきましては、商店街振興組合と商店街振興組合連合会、事業協同組合と同連合会であって商店街振興組合等の設立の要件に準ずるものとして政令で定める要件に該当するもの、さらには小売市場の事業協同組合と同連合会は中小小売商団体とみなし、調査・調整等の申し出ができる団体にすることであります。  第二に、経過措置を設け、前述をいたしました組合及び連合会等の設立の認可の申請について、この法律の施行後六カ月までの間に申請がなされた団体については、組合の登記、または不認可の処分があるまで、中小小売商団体とみなし、第一に申し上げました資格を与える措置を講ずることであります。  その他、必要な読みかえ規定を設けてあります。  以上が、本改正案の内容であります。  何とぞ十分な御審議の上、御賛成賜りますようお願い申し上げ、提案理由説明といたします。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案(参第二号)及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案(参第三号)の両案を一括して議題といたします。  発議者安武洋子君から趣旨説明を聴取いたします。安武洋子君。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は、提案者を代表いたしまして、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の一部を改正する法律案並びに小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  御承知のとおり現行大規模小売店舗法は、昭和四十八年旧百貨店法を廃止して制定され、大型小売店の進出を調整することにより、中小小売業の事業機会を適正に確保し、小売業の正常な発達を図ることを目的に施行されてまいりました。  しかしながら、このような法目的にもかかわらず、法制定以降も大型店は急激な進出を続け、さらにコンビニエンスストアなどによる大企業の小売業への進出も著しくなっております。その結果、多くの中小小売業者が売上減による経営難や転廃業に追い込まれております。また、大型店の激しい進出は、中小小売業者の経営破壊のみならず、自治体の都市計画や住民の生活環境をも乱し、商業労働者の労働条件を著しく悪化させるなど大きな社会問題にさえなっており、近年大型店進出に当たって各地で紛争が相次いでいることは周知のとおりでございます。  これらの現状は大型店や大企業の小売業への進出に対する規制が現行法による対象や届け出制による自由進出方式では法目的を十分に達成できないことを如実に示しております。  この改正案は、以上の現状にかんがみ、真に大資本、大企業の小売業分野への横暴な進出を抑えることにより、中小小売業者の経営と生活の安定に資するため、必要な改正を図ることといたしております。  以下、改正案の要旨を申し上げます。大規模小売店舗法改正案の第一の改正点は、本法による規制対象を店舗面積五百平方メートル以上の小売店舗に拡大した点であります。第二の改正点は、大規模小売店舗の進出を都道府県知事の許可制にいたしました点であります。さらに、許可申請を受けた都道府県知事は、条令に基づいて設置される小売商業調整協議会及び関係市町村の意見を聞くとともに、都市計画や環境保全、周辺中小小売業者の影響等について審査し、許可、不許可の処分を行うようにいたしております。なお、許可に際しては条件を付することができるようにいたしております。  第三に、大規模小売店舖の進出の調整のため、都道府県、市町村、特別区に条令に基づいて小売商業調整協議会を設置するものとし、その構成に当たっては、消費者を含む関係者の意見が十分反映されるものといたしております。  第四に、大規模小売店舗の営業時間を午前八時より午後七時までの間、休日は週一日以上とし、特に事情のある場合は、知事の特別の許可を得なければならないものとすることにより、中小商店の事業機会の確保、大型店等の労働者の健康維持を図るようにいたしております。  第五に、許可制の採用に伴い不服の申し立ての規定を設けております。また消費者を含む関係者が、大規模小売店舗の開店後の営業行為について、都道府県知事に対して意見を申し出ることができるようにいたしております。  以上が大規模小売店舖法改正案の主な内容であります。  小売商業調整特別措置法改正案の改正点は、大企業者が小売業を営む場合、その店舗面積の大きさにかかわらず、店舗ごとに都道府県知事の許可を受けなければならないものとし、以下手続につきましては、さきに述べました大規模小売店舗法改正案に準じて行うよう改正いたしております。  以上、大規模小売店舗法改正案並びに小売商業調整特別措置法改正案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げました。  なお、政府も両法の改正案を提出されておりますが、中小小売業の事業機会を適正に確保し、小売業の正常な発展を図るためには、ただいま御説明申し上げました主旨の改正がどうしても必要になっております。  委員各位の御審議、御賛同をお願い申し上げます。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  金属鉱業事業団は、金属鉱産物の安定的な供給を目的として、昭和三十八年に金属鉱物探鉱融資事業団として設立されて以来六次にわたって改組、拡充され、現在では国の内外における金属鉱物の探鉱を促進するための業務、金属鉱産物の備蓄のための業務及び金属鉱業等による鉱害を防止するための業務を行っております。  わが国の銅、亜鉛等非鉄金属鉱山の状況を見ますと、石油危機以降の国際相場の長期低迷と昨年の年半ば以来の急激な円の外国為替相場の高騰等によりその経営は急速に悪化しつつあります。  このような状況に対処するため、政府といたしましては、従来から講じてきた国の内外における金属鉱物の探鉱、開発等に対する助成、税制、関税等の諸施策を強化するとともに、本年からは、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法、特定不況業種離職者臨時措置法の活用等、諸種の対策を講じているところであります。  しかしながら、鉱山経営の悪化による休閉山が相次ぎ、現状のまま推移すれば、わが国の銅、亜鉛鉱山は壊滅的状況になるおそれが生ずるに至っております。鉱山は一たび閉山すれば、その再開発はきわめて困難なため、金属鉱山の経営を安定化させることが急務となっております。また、鉱山の経営安定化を図ることにより現在深刻化しつつある地域社会への影響を最小限にとどめるとともに、鉱山技術の維持を図ることも喫緊の課題であります。  このため、金属鉱業事業団を活用することとし、同事業団の業務として金属鉱業の経営の安定化のために必要な資金の貸し付け業務を新たに追加することにより、金属鉱業の経営の安定化を図ろうとするものであります。これがこの法律案を提案いたしました理由であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  改正の要点は、金属鉱業事業団の業務に臨時の業務として、金属鉱業の経営の安定を図るために必要な資金の貸し付けを行う者に対し、当該貸し付けに必要な資金の貸し付け業務を加えることであります。  以上のほか、新業務追加に伴う所要の規定の整備を行うことといたします。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、補足説明を聴取いたします。天谷資源エネルギー庁長官。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○政府委員(天谷直弘君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  国内の非鉄金属鉱山につきましては、非鉄金属資源の最も安定的な供給源であり、また海外資源開発推進の技術的基盤であるため、政府としては従来から金属鉱業事業団等を通じて、広域調査——精密調査——企業探鉱助成という、いわゆる三段階方式により探鉱を促進するとともに、税制、関税による助成措置を講じてきているところであります。  しかしながら、最近の銅、亜鉛鉱山業をめぐる内外の環境は、国際的な地金価格の長期低迷、諸コストの上昇により厳しさを加えております。本年に入り、鉱山の休閉山が続出する一方、現存の鉱山においてもその経営は著しく悪化し、労働者の一時帰休等が広範に見られる実情となっております。  他方、海外の鋼、亜鉛鉱山の新規開発も市況の長期低迷により停滞しており、わが国の銅、亜鉛資源の長期かつ安定的な確保の必要性はますます強まる状況となるに至っております。  以上のようなわが国鉱山業をめぐる最近の経済環境の悪化に対処し、長期的な資源の安定確保に資するため、このたび、金属鉱業事業団を活用して、金属鉱業の経営の安定化を図るべく、緊急融資を行うことといたしました。  制度の仕組みとしましては、金属鉱業事業団が政府保証を受けて、市中銀行から五十三年度、五十四年度合計二百二十五億円を借り入れ、これを地方公共団体及び民間業界の出資または出捐によって設立される公益法人に融資を行うことといたします。これを原資として当該公益法人は、二年据え置き三年返済の償還条件により金属鉱業を営む者に融資するというものであります。公益法人が金属鉱業に貸し付ける際の利率は、当初の一年半が一%、次の一年半が三%、残る二年間が六・五%という低利で行うことを考えております。また、本融資の対象となる金属鉱業は、銅または亜鉛鉱業を営む者といたしております。  以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) これより大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは、私は分野法等の関連から本改正案が提案をされておりまするので、最初に四件ほど実態をひとつ明らかにいたしまして、その上に立ちまして改正案の内容について質問をいたしたいと考えております。  まず第一の問題は、本年の五月ごろ神戸におきまして株式会社東食、これは資本金四十七億六千万円、旧三井物産の食品専門商社でございますが、この株式会社東食が神戸市にありまするタイヨー食品株式会社に役員並びに資本を出資をいたしまして、言うならば子会社、ダミーというような形で豆腐の製造を行うということを計画をいたしたわけであります。これに対しまして、兵庫県トーフ油揚商工業協同組合は分野法に基づく調査の申し出を近畿農政局に行ったのであります。結果におきましては、近畿農政局からは子会社ではないということで、分野法の法律の対象にはならないという見解を示されたわけでありますが、このいわゆる経過につきまして大筋、ひとつ最初に御説明をいただきたい。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) お答え申し上げます。  六月二日、兵庫県トーフ油揚商工業協同組合が近畿農政局に分野調整法に基づく調査の申し出書を持参しましたので、同局は直ちに申し出の対象となったタイヨー食品が、分野調整法上の大企業者に該当するかどうかについて事実の確認を行うとともに、六月十五日同局は兵庫県トーフ油揚商工業協同組合に対し、タイヨー食品が分野調整法上の大企業者に該当しない旨を説明し、同協同組合の了解を得ました。その後、同局は六月十五日の説明の際の兵庫県トーフ油揚商工業協同組合からの要請に基づきまして、同局企業流通課長名の文書を添えて、六月十九日付で申し出書を兵庫県トーフ油揚商工業協同組合に対して返送するとともに、同じく要請に基づきまして紛争当事者に対し、事態解決のための話し合いについてあっせんを行い、七月三日同局及び兵庫県神戸市の立ち会いのもとに、兵庫県トーフ油揚商工業協同組合とタイヨー食品との話し合いが行われ、タイヨー食品の豆腐製造について両者間において円満に了解されたと聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまお話は大筋、大体そういう方向で行われたようでありますが、問題になりますのは、最初五月下旬に近畿農政局に対しまして調査の申し出をいたしたいということを申し出ましたときに、担当課長が不在であるために六月二日に延ばしてもらいたいというようなやりとりがあったと聞いておりますが、それは事実ですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 私どもが承知しておりますのは、六月二日に兵庫県トーフ油揚商工業協同組合の方が、近畿農政局に見えたのが最初であるというふうに伺っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これはいわゆる形式的なあなた方の御答弁で私納得できないのでありまして、五月の二十三日にこのトーフ油揚協同組合は理事会で決定をいたしまして、大阪通産局とも連絡をいたしました後、五月の二十九日に近畿農政局に申し出をしておるということは事実じゃないんですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 私ども承知しております限りでは、五月二十二日及び五月二十九日に大阪通産局の方から近畿農政局に御連絡をいただいております。で、私どもの出先でございます近畿農政局におきましては、近畿農政局の方に出向いていただくように言っていただくということで御連絡をしたと聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、事実としては五月下旬にそういう事態があるということは、近畿農政局においては承知をしておったということになるのじゃないですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) そういう事態ということでございますけれども、確かにタィヨー食品が豆腐を製造しようとしておる、それから兵庫県のトーフ油揚商工業協同組合がこれについて問題を感じておるということでございますので、まずその当事者から具体的な事情をお伺いし、必要な指導等を行う、こういう考え方でございますので、承知していたと申しましても、具体的な内容については六月二日以前は掌握しておらなかったということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、六月二日の日に近畿農政局へお伺いをいたしましたが、課長が不在だということで、正式な分野法に基づく調整の申し出を正式に受理ではなくて仮受付をしたというふうに聞いておりますが、それは事実ですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 分野調整法によりますと、まず分野調整紛争につきまして、私から申し上げるまでもないことでございますけれども、自主的解決の努力がまず図られるという前提に立ちまして、調査のお申し出があった場合には、相当の理由があると認められるときに調査を行うと、こういうふうになっておるように承知しております。そこで、兵庫県トーフ油揚商工業協同組合の事案につきましても、まず御説明を伺うというつもりでおったようでございまして、六月二日に近畿農政局といたしましては初めに文書をお持ち願った。そこで、その辺につきましてタイヨー食品が分野調整法上の大企業者に該当するのかどうかというような点も、まず第一に問題になる点でございますので、とりあえず調査の申し出書をお預かりしたというのが実情でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは第五条と第四条との関係の問題でありまして、私はいわゆる分野法が施行されましてから非常にまだ期間が短いので、いろんな問題が派生的に出てくるのではないだろうかというふうに考えているわけであります。いまのような御説明でまいりますと、調整の必要が出てきた、調査の申し出をしたい。しかし、自主解決のまず努力をしなさいということになりますれば、その自主解決の努力というものは、双方が行うに当たっては相当私はむずかしい。つまり、自主解決の努力すらでき得ないような条件下にあるのではないだろうかと思うんでありまして、私の私見ではありますが、五条の調査の申し出があれば申し出を受け付けて、その受け付けの中で問題を解決する中で、第四条の自主的解決を、局なりいまお話があった市なりが中に入って進めていくというような事務手続をするのが妥当ではなかっただろうかというふうに思うわけであります。  それでは時間がありませんから余り触れておきませんが、そこで、いわゆるダミーでないというふうに御判断なさった根拠はどういうことですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) ただいまの点につきましてでございますが、六月二日に調査の申し出書を兵庫県トーフ油揚商工業協同組合が持参しましたので、直ちにタイヨー食品に対しまして事情説明に来るよう求めまして、六月七日にタイヨー食品の柏原社長から事情聴取を行っております。さらに近畿農政局長名の公文書をもちまして、タイヨー食品の資本構成及び役員構成につきまして、これが分野調整法上の大企業者に該当するか否かの判断に必要でございますので照会し、回答をもらっておりますほか、同社並びに調査の申し出書に記載のございました東食その他の関係会社の法人登記簿謄本を取り寄せまして、確認をいたしたということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、まず三月段階で東食がいわゆる資本投下をいたし、聞くところによりますと、タイヨー食品の言うならば資本金の二〇%が、東食が改めて増資をしたというふうに言われているわけであります。三月段階で、当時の東食の神戸支店の次長が、いわゆるタイヨー食品の会社の役員になったという事実があるんでありますが、その点は登記簿上御確認になりましたか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 私どもの承知しております範囲では、三月下旬でございますけれども、役員構成を変更いたしまして、東食の職員が役員の過半になるというような形の役員の変更がございました。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 資本の関係については御調査なさらなかったんですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 資本につきましては三月の段階では三千万円。で、先生のお話にございましたように約二〇%程度東食の資本がございました。その後減資をいたしておりまして、増資をしたという経過でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 三月の段階で登記をされました東食の代表取締役など役員の多数は、これが六月の五日付で再び変更になっているというふうに私聞いておるんですが、その事実は御確認なさっているんですか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) 五月の二十六日に役員の変更を行っておりまして、従来五名のうち三名が東食の職員でございましたが、その後四名の役員構成になっております。その中には東食の職員はおりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 問題は、言うならば資本構成もいまお話がありましたし、それから役員に東食の人々が過半数を占めたという事実は明らかであります。ところが、五月の下旬に兵庫県トーフ油揚協同組合が、分野法に基づく調査の申し出をするというようなことが明らかになりましたために、急遽東食がタイヨー食品から役員を引き揚げ、そして資本を引き揚げて、そして今度はタイヨー食品が従前の人々によっていわゆる資本構成もし、役員も構成した、言うならばダミー隠しが行われたというふうに理解せざるを得ないと思うんでありますが、そういう点については調査関係を通じましてどう御判断なさっていますか。

安達弘男農林水産省食品流通局企業振興課長

○説明員(安達弘男君) おっしゃる点につきましては、私どももそれなりに注意を払って関係者から事情を聴取しておりますし、また事実関係もそれなりに確認をいたしたわけでございますけれども、タイヨー食品側の説明によりますと、三月の段階でこのタイヨー食品という会社はあんもしくは菓子の製造をやっておりまして、相当経営が危殆に瀕したということで、別途それを再建する必要がある。伺うところによりますと、金融機関の関係の対策が必要であったと。そこで、東食から応援の職員派遣を行い、応急の手当てをいたしまして三月下旬の役員構成の変更並びに定款の変更によりまして、豆腐、煮豆等の事業目的の追加をいたしました。さしあたっての手当てが終わりましたということで、五月の下旬に東食の職員は予定どおり引き揚げたと、こういう説明を伺っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまの御説明じゃ納得できませんですね。つまり、会社が非常な経営困難に陥っている、二月や三月で、定款を変更した煮豆や豆腐を全然販売しないうちに、会社の再建があったから目的を達成した、だから、役員を引き揚げましたと、こんな私は子供だましの答弁は納得するわけにまいりません。会社の経営が困難で定款まで変更して、そしていまお話があったようにタイヨー食品自体が東食の技術援助、資本援助受けようというんです。それが全然定款変更の事業内容を着手していないんですよ。していないうちにどうして経営が再建になるんですか。私はそういうようなことじゃないと思うんです。これは明らかに分野法の目をくぐっていわゆる進出を大企業はダミーを使って行おうとしている。しかし、いち早く中小企業者の皆さんのいわゆる団結で東食が後退せざるを得なかった、その典型的な例ではないかと思うんです。こういう問題は、私はただ単に六月の二日時点で調査をして、十五日に説明をした。そして、双方にもお話し合いをして解決をしたというんではなくて、私は少なくとも東食なら東食、あるいはその東食から派遣された役員でもいいんでありますが、代表取締役が就任しておみえになるんですから、少なくとも何らかの形で警告なり何らかのいわゆる処置をなさるのが私は妥当ではなかったんだろうかとこう思うんでありますが、この点はひとつ中小企業庁長官からお答えをいただきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この分野調整法は御存じのとおり、その措置については各業種の主務大臣が措置することになっておりますので、主務大臣の方で措置をしていただくということになっておりますけれども、今後の運営につきましてはよく中小企業庁からこの法律の趣旨、運営について十分納得のいくような処理をしていただくようにいろいろ御相談を申し上げたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 もう一つ、これはいま主務大臣というお話がありましたから、豆腐とかなんとかは抜きにいたしまして、こういう紛争が起きましたときに、最終的には先ほどの御説明によりますと、市が中に入ったということでありますが、地域的な問題はやはり地域で解決を迅速にすることが必要だと思うんであります。分野法のたてまえでまいりますれば、県や市の意向聴取と申しますか、あるいは意見聴取と申しますか、あるいは県や市が仲介の役を果たすとか、こういった点については明確な実は規定がないわけであります。したがって運用面について、これは相当御配慮を願わなくちゃならぬ問題だと思うんでありますが、県、市地元の意向尊重あるいは仲介の点について今後どういうように御運用をなさるのか、その考え方をちょっとお伺いをしておきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 中小企業者に対する影響でございまして、中小企業者としては地域の経済に深く根ざしております。したがいまして、市町村なり、都道府県の地方の自治体とのいろんな連絡があるわけでございます。したがいまして、この運用に当たりましては、やはり十分そういう地方の自治体との連絡をするようなふうに配慮しておるわけでございますが、今後も十分それができるような形で運営ができるように、主務大臣間でいろいろ御相談を申し上げたいというふうに思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に、私は実態の第二といたしまして、高度化資金を受けて協同組合が共同施設を完成したにもかかわらず、正常ないわゆる営業は成り立たないというような問題等について若干お尋ねをいたしておきたいと思います。  昭和五十一年の一月に愛知県に対しまして、名古屋タクシー協同組合が協同組合の共同施設といたしましてLPGスタンドの建設のために高度化資金を申請をいたしたわけであります。しかし、その後二年余りの間これが放置をされまして、本年二月二十一日に許可をされまして、八月十二日に完成をいたしました。この経過につきまして、なぜ二年余りも放置をされたままになっていたのか、そしてなぜそれが不和になったのか、この点について明らかにしていただきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 名古屋タクシー協同組合が自分の組合員の事業の合理化のためにLPGスタンドの建設を計画をしたわけでございますけれども、このスタンドの建設に当たりまして、まず第一次的に地元住民の反対がございまして、それとの調整が必要でありました。それからもう一つは、やはり既存のLPガスの販売業者から反対がございまして、これの調整ということにつきまして、この高度化資金を扱っております愛知県があっせんに入りまして、問題の解決に努めたわけでございまして、その結果地元とも話がつき、それからしPガス協会とも話がつきましたので、今回高度化資金を出しまして、そして完成が、この八月十二日に営業開始ということになったわけでございます。要するに、地元のいろんなLPガススタンドの設置についての反対がありましたのを愛知県がいろいろ調整をいたしまして、その調整が完了した上で高度化資金の貸し付けを行ったということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 その調整の内容についてどういうふうにお聞きになっていますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) LPガス協会との調整につきましては、既存のLPガス協会の方々が話し合いの結果、最終的には反対をしないということになったわけでございますが、そういう形で今後同業者団体にも加入をしてうまく調整をとってやっていくという結論が出たので、問題が解決したというふうに聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そのためには、双方との間において話し合いが行われまして、幾つかの、言うならば条件というものが成立しているはずであります。その条件を聞いている。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 愛知県が間に入って調整をしたわけでございますが、その細部については私の方では承知しておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 細部について承知してないのに、どうしてその高度化資金で許可の判こをお押しになるんですか。愛知県に許可の権限があるんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 高度化資金の貸し付けは県がするわけでございまして、その県が貸し付けをしたものについて当方がそれについての必要な手続をするということになっておりますので、第一次的な県が貸し付けをいたしましたので、その結果われわれの方は手続をしたわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 しかし、先ほど私が指摘し、あなたもお認めになりましたように、二年有余にわたって紛争があったという問題でありまするから、当然監督官庁といたしましては、なぜ反対がとまったのか、なぜ高度化資金を貸し付けてもいい条件になったのか、その内容を聞かないで、すべて県の行政的な第一義的な責任がありますから、県の処置に任したということでは、監督官庁としての立場をお忘れになったという答弁にしか私は受け取れないのであります。細部を知らないというのは、うそじゃないですか。本当に知らないんですか。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 大体のことは、私どももある程度は承知いたしておりますが、余り細部にわたっては実は承知いたしておりません。大体のことと申し上げますと、たとえば員外利用は認めないとか、あるいは営業時間は通常の範囲内とするとか、あるいは充てん能力というのを、たとえば六割にするとか、そういったようなことが話し合いの内容になっておったようでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあそのほかに言えば、ダンピングをやらないでスタンド協会のお決めになっている、これは後ほど公正取引委員会にお聞きいたしますが、標準価格を守るとか、俗な言葉で言えば相場を守るとか、あるいはいわゆる設備をふやすときには県の許可を必要とするとか、いまお話があった充てん能力というのは、充てんの機械を少なくするということなんでありますが、そういうものをふやす場合は県の許可を必要とするとか、二、三いまお話しになった点につけ加えられております。私は、そういうようなことででき上がったものが、なぜ今日また再び紛争が起きているのか、非常に不可思議に感ずるのでありますが、その点について、県当局はどういう御説明を中小企業庁になさっていますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) われわれの方の聞いておりますところでは、この紛争が解決をしたので、今年八月十二日、営業を開始したということでございまして、その後、もし紛争がありとすれば、われわれの方としてもよくまた事情を聴取してみたいというふうに思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 どうして八月十二日で、もうきょう十月でしょう。二カ月以上たちまして正常な形になっていないということが、なぜ通産省としてわかっていないんですか。これは私、非常におかしなことだと思うのであります。この点について重ねてお尋ねいたします。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) このLPガスのスタンドの何と申しますか、関係の業者とそれから自動車、タクシーの関係の今度の組合をつくりまして、共同施設として充てん所をつくった、その方々との間で、LPガスの販売のやり方をめぐりまして、いろいろと利害の対立がありまして、そのために両者の間でいろいろと紛争があると、こういう状態だと私どもは聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、いま販売の方法についていろいろ紛争が起きたというふうにお聞きになっているというふうに、いまお答えをいただいたわけでありますが、高度化資金を貸す貸さないの段階で、いわゆる反対というスタンド協会の運動は、そういった問題も含めての私は反対ではなかったかと思うのであります。根本的には、それが一つの前提になっていたと言っても過言ではないと思うのであります。そういうことを、先ほどもお話しになったように、細部については承知していない、しかし、おおよそこんな話は聞いていた、この結果、名古屋タクシー協同組合がつくったスタンドは、健全経営ができ得ないような状況下に追い込まれつつあるのであります。これは中小企業振興というたてまえで協同組合化を奨励し、協同組合の共同事業を積極的に支援するために高度化資金をお貸しになるという趣旨と結果は、全く相反するような結果になっている。名古屋タクシー協同組合の共同事業は、健全経営ができない。同時に、中小企業者問におきましては、激烈な、言うならば過当競争的な販売競争が引き起こされる、こういった事態は私は全く矛盾したことだと思うのでありますが、全然予想されなかったことなんですか、一体。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) この資金の貸し付けに当たりまして、いろんな反対闘争の事態が起こりましたものですから、愛知県としては調整に努力をいたしまして、一応の解決を見たということで貸し付けをしたわけでございますが、今後こういう点につきまして、県とよく連絡をとりまして、中小企業の振興という方針に支障の生じないようにいたしたいと、こう思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そうすると、これからは愛知県と連絡をとって中小企業庁みずからこの問題について県を行政指導をして、両者が健全な発展ができるようにやっていきたいという考え方なんですか、重ねてお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 中小企業庁の立場は、中小企業の健全な発展を図るための処置をするということでございますが、本件につきましては、LPガス自体のいろんな行政との関係もございます。したがいまして、中小企業庁だけではこれはなかなか解決しにくいと思いますが、関係の官庁とよく連絡をとって、中小企業が健全に発達するように努力をいたしたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、いわゆるLPガススタンド協会の問題についてちょっとお尋ねをいたしておきますが、社団法人全国LPガススタンド協会は、いつ通産大臣が設立を認可なさったのですか。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) この社団法人全国LPガススタンド協会は、四十三年の六月に何と申しますか、LPガスの保安の確保という点を主たる業務といたしまして設立の許可をいたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いま保安の確保というお話がありましたので、業務の内容はそれが主であるというふうに私は理解をいたしますが、全国LPガススタンド協会と愛知県支部との関係はどうなるんですか。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) この全国LPガススタンド協会には、全国で九つの地方本部がございます。その傘下に四十七都道府県支部が組織されております。愛知県支部は、この地方支部の一つを構成するものでございまして、地方本部、支部におきましては、木部の指導のもとにLPガススタンドの保安に関する指導ですとか、調査ですとか、そういったような業務を行っている、こういう関係になるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 エネルギー庁流通課長さんお見えになっておると思いますが、名古屋地方におきましては、LPガススタンド協会自体が、いわゆるタクシーに対しまする充てんについては委託充てん制度、別の名を代行充てんとも言っておりますが、委託充てん制度が行われているということは御承知ですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) 一部委託充てん制度というものが、制度と申しますか、委託充てんというものが行われておるということは聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そのような委託充てん制度というものは、現在のスタンドの施設、位置——位置が主に問題になりますが、位置、能力など、あるいは大都市における広域的な立場、タクシー会社の所在地などなどによって私は生じたと思うのでありますが、どういうふうにそういったものが出てきたか、お考えになっていますか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) LPガスにつきましては、どのスタンドを利用するかというのは、本来的にはユーザーの選択すべきものである、こういうふうに考えております。特殊な事情がございまして、スタンドあるいは自動車保有会社の関係で委託契約が行われるというケースは、当事者の間で、周辺の状況を勘案して、適当と認めて行われたものと、こういうふうに了解いたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、委託充てん制度というものは、言うなれば現行の社会情勢の中においては、これはやむを得ざる販売方法である。それは不当なものではないという理解でいいですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) 基本的には当事者のものであり、その契約が特に法的に問題がなければ不当なものとは考えておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、私、具体的に一つお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、従来、名古屋地方におきましては、たとえばある商事会社は月間千六百トンもいわゆる委託制度、つまり自分のところでは充てんをさせるスタンドがなくて、委託充てんで商売をおやりになっているところもございます。あるいは一千二十トンとかというように、言うならば約三千トン以上の量というものが委託充てん制度によって販売をされておるというような現状下に実は置かれているわけであります。  そこで、いまお話がありましたように、委託制度そのものが問題ではないということになりますれば、私は、やはりこの名古屋タクシー協同組合のスタンドができ上がったために、この委託充てん問題が、先ほど原田審議官がお答えになりましたように、新しい販売の一つの紛争の実は種になりつつあるわけであります。簡単に言うと、名古屋タクシー協同組合のスタンドができる前には、宝産業といういわゆる販売会社がございました。これは昭和四十七年までスタンドを持って充てんをいたしておりました会社でありますが、国道一号線の拡張のために、スタンドが拡張用地として買収をされましたために廃業をいたしました。しかし、当時月間四百トンの販売量を持っておりましたので、その販売をそのまま東邦液化燃料株式会社に委託充てんで契約を取り交わしたわけであります。その委託充てんを受けた東邦液化は、再び鈴木産業、パロマあるいは東海興業という三つの会社に再委託充てんを頼んだわけであります。そのいわゆる三つの会社に宝産業が扱っておりまするタクシー会社、ユーザーですね、ユーザーが委託充てんあるいは再委託充てんでプロパンガスの供給を受けていたわけであります。ところが、先ほど御説明あったように、協同組合のスタンドができた、協同組合の有力なメンバーである、これは有力なメンバーというのは何も宝産業が有力なメンバーではないんです。宝産業の社長が、代表取締役がたまたま名古屋タクシー協同組合の理事長であるということから、東邦液化燃料株式会社が一方的に委託充てんを打ち切って、これは契約の違反の問題は後にありますが、委託充てんを打ち切って、パロマ、鈴木産業あるいは東海興業に対しまして、宝産業から委託充てんを受けておったものはこれは断れ、拒否をしろということに実はなったわけであります。そのためにいま申し上げたような紛争が起きておる、こういうふうに私は理解をいたしておるのであります。  ただ問題は、なぜそういうことが起きるのか、これは過当競争やシェアの確保とかいろいろな問題で当然予想されるのでありますが、一つは委託充てんをいたしますと、粗利益の約五〇%が言うならば委託充てんの会社から、この場合は東邦液化燃料から宝産業に支払われるわけであります。それから再委託をいたしましたパロマとか鈴木産業とか東海興業、こういった会社に対しましては、東邦液化は九十銭あるいは六十銭という単位で粗利益から、言うならば委託手数料というものを取っているというような販売形態が実はとられているわけであります。私は、これは一つの商慣習であるからいたしかたないといたしましても、こういうような中で、ひとつ問題点として今回公正取引委員会にお聞きをいたしたいのは、このような行為が、先ほど申したように、ただ単に契約的な立場で一方的な契約問題として行われたのではなくて、プロパンガススタンド協会愛知県支部の役員会が開催をされまして、その役員会の席上で、支部長でありまする東邦液化燃料株式会社の代表が提案をして、それをいわゆる宝産業等の代表がいない役員会で決めて、それを鈴木産業やパロマやあるいは東海興業に対しまして圧力をかけている。現に鈴木産業の社長は私に対しまして、はっきり申し上げまして、東邦液化燃料株式会社の者が来て、あなたのところに対しましては、ガソリンスタンドの経営については東邦液化燃料は協力をしておるけれども、この協力を断って経営が成り立たないようにする、あるいはあなたのところのプロパンガスの仕入れ先でありまする二つの商社がございます、名前は控えますが、その商社まで出向いて供給を中止しろという圧力をかけている。こういうようなことは、私は独禁法の非常な対象になるのではないか。不公正な取引になるのか、あるいはカルテル行為になるのか、そのことは別にいたしまして、ガススタンド協会の支部の総意で言うならば決定している。鈴木産業等は宝産業の委託充てんは継続する、そういう立場をとっておる会社に対して、いま申し上げたような妨害行為をする、ここが私非常に大きな問題点ではないかと思うんであります。  こういうような商行為、それから委託手数料の問題、それから役員会で決めて圧力をかける、そして宝産業関係の再委託は全部拒否してしまおうというようなやり方が独禁法上の立場から見てどうなるのか、ひとつ具体的にお答えをいただきたいと思います。

妹尾明公正取引委員会事務局審査部長

○政府委員(妹尾明君) 独占禁止法の八条に、事業者団体は事業者に不公正な取引方法を用いるようにさせてはならないという規定がございます。不公正な取引方法につきましては別に規定がございまして、その中の一つに、どういうものが不公正な取引方法に当たるか定めてあるわけでございますが、その中に不当な取引拒絶というものがございます。公正な競争を阻害するような意図なり効果を持つような取引拒絶をしてはならないということでございます。典型的に申し上げますと、たとえば既存の業者が新規参入者を阻止するために、新規参入者の原料供給先であるとかあるいはその購入先に対して取引をさせないようにする、そういった場合がこれに近いような場合でございます。  それで、ただこの取引拒否の問題につきましては、一つは、基本的に取引先選択の自由という問題があるわけでございます。すべての事業者営業の自由ということで、自分の適当と考えるところと自由に取引することができると、こういう問題が一つございます。それからもう一つは、その取引拒絶の効果といいますか、取引を拒絶された先がそれにかわる取引先を事業活動を行います上に支障なく見つけることができるかどうか、この二つの点が不当な取引拒絶に当たるかどうかということを判断する上に重要なポイントでございます。  ただ、事業者団体がその構成事業者であるとかあるいは構成事業者の取引先である事業者に対しまして、そういった先ほど申し上げましたような新規参入者を妨害する、阻止するというふうなはっきりした目的をもちまして、そういうふうな、これに売るなとか、これから買ってはならないというふうなことをさせるということになりますと、これは独禁法との関係ではなはだ問題になる行為でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、事実関係を申し上げますと、いま申し上げたように、名古屋タクシー協同組合のスタンドが営業を開始したので、宝産業関係の委託充てんをやめろと、やめるということを決めましたのは、本年九月六日の支部役員会であります。  それからまた、九月二十七日にも同じように、今度はオーナー会議というものを開いているのです。これは役員会議と同じような内容で、各会社の代表がお集まりでありますが、その席上でも、全体の会議の総意といたしまして、鈴木産業株式会社の者に対しまして、期日を切って速やかにひとつ委託充てんをやめろということを実は強要をいたしているわけであります。  私は、こういったようなやり方は、いまお示しになりましたように、役員会なりオーナー会議というもので全体で決めて、そして従来の契約を一方的に破棄して物を売るなというようなことを強要することは、明らかに独禁法の、いわゆるお示しになったような疑惑を十分持っているのではないかというふうに思うわけなんです。  そこで、ひとつこれは中小企業庁というよりも、原田審議官の方にお伺いをいたしておきたいと思うんでありまするが、私は、スタンド協会の愛知県支部の定款を見てみますと、おかしなことに理事会だとか常任理事会というものが書いてございますが、このいわゆるタクシースタンドの協同組合のスタンドができまして以来、言うならば理事会なり常任理事会というものは余り開催されてないんです。過去は二月に一回ずつ開催されましたが、最近は半年に一遍ぐらい。そして、先ほど申し上げたように、事実上は役員会と称する名前で物を決めてそれを実行なさっている。これは明らかに私は会の支部の運営上から、定款の上からも一つの疑義を呼ぶものではないだろうか。ある意図から判断をすれば、独禁法上の対象になるのを恐れて定款上の正規の機関を開かないで、任意の会合で決めるというような形でおやりになっているんじゃないだろうかというように、意図的に見ればとれないこともないと思います。こういうように、正常に過去に開かれておりました理事会なり常任理事会というものが現在は半年に一遍とか、ひどいときには八カ月に一遍ぐらいしか開かれておりませんが、こういうような状態を比較なさって、これが妥当な県支部の運営であるというふうにお考えでございますか。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 私ども、この名古屋支部の具体的な理事会の開催の仕方、運営の方法等について細部までは存じ上げていないわけでございますけれども、あくまでもこのLPガススタンド協会と申しますのは、LPガスについての保安の確保という観点が主たる任務でございますから、私どもといたしましては、その保安の確保という観点から協会の運営が適正になされるということを期待していきたいと思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、こういうような販売問題に協会の支部が結束をするとか、あるいはお互いに、細かいことを言うと、シェアまでみんな相談して決めているんだそうでありますが、そのことはともかくといたしまして、こういういわゆるスタンドの、中小企業協同化の資金を借りたスタンドの建設をめぐって、そしてこっちには販売の問題をめぐって、このように県支部は、結束というとおかしな話でありますが、一会社をボイコットするというようなことに血道を上げているということは、余り好ましい状態ではないとお考えですか。

原田稔通商産業大臣官房審議官

○政府委員(原田稔君) 協会の活動としてそういうことを行うというのは、先生御指摘のとおり、具体的な状況よくわかりませんけれども、協会の活動としては多少いかがなものかなという感じは否めないと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、きょう公益事業部長ちょっと私呼ばなくて申しわけないんでありますが、石油部長でいいんですけれども、東邦液化燃料という会社は、これはもう株式の、私どもの調査によりますとほとんど全部と言っていいと思うんです、表現としては。私の調査では九四・二五%まで東邦瓦斯株式会社の出資による子会社です。いま現在、東邦液化燃料株式会社は八千万の資本金でありますが、したがって、ほとんどがいま申し上げたように東邦瓦斯株式会社の出資になっている。しかも役員五名のうちたしか四名までが、取締役五名のうち四名までが東邦瓦斯。社長の薦田さんも取締役になっている。それから監査役、これも東邦瓦斯の監査役がそのまま兼任なさっている。完全な子会社ですね。こういう公共事業をおやりになる東邦瓦斯株式会社の子会社が、ガソリンスタンド協会県支部を牛耳っている。しかも、自分のところの販売のシェアを確保するために他スタンド業者、しかもこの場合は、何遍でも申し上げますが、協同組合の高度化資金まで借りた中小企業振興の政策に対して反対なさる。公共事業会社が一私益法人の立場に立って、人格が違うからと言ったって資本全部出しておいて、一私益法人の立場に立ってこういう御運動をなさることが妥当とお考えですか。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(神谷和男君) 東邦液化燃料株式会社が東邦瓦斯の関連会社であるということまでは、われわれの方も承知をいたしております。ただ、LPガスのオートスタンドにつきましては、タクシー等あるいはトラック等、自動車にLPガスを充てんするスタンドであるという特性から、一般的に申し上げまして、それを利用する会社というのも比較的固定されておるわけでございまして、そういう意味で自動的と申しますか、事実的にはかなりの取引先というものが通常のガソリンスタンドと違って固定的であるという事実は否定できないと考えますが、ただやはり基本的にはどのスタンドをだれが利用するかというのは、あくまでもこれはユーザーの決めるべき問題でございまして、スタンド業者がそのようなものを決めたり話し合ったりすべき性格のものではないというふうにわれわれ考えております。ただ、われわれが現在まで聴取しておるところでは、協会の中で特定の社をボイコットするという決定が行われたという事実はつかんでおりません。  それから、先ほど公取の方からお話がございましたような、不当な取引拒絶が独禁法上の問題になるかならないか、これは公正取引委員会の方でお調べいただく問題でございますが、LPガスの流通そのものに大きな問題があれば、これはわれわれの流通問題としてやはり取り扱わなければならない問題でございますので、この点はさらに実態を調査してまいりたいと思っております。ただ、私どもが現在まで調べております感じでは、やはり当事者間の契約の問題というものが中心にあるような感じがいたしますので、その点、やはり当事者間でよく話し合うということが第一義的に必要ではないかと、こういうふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 当事者間の問題だと言われると、契約上の問題という点については納得できません。契約はちゃんと三カ月前に通告をして供給なら供給を断る。この場合は全然供給を断る旨の申し出は東邦液化燃料からあるわけじゃございませんから、契約の問題という考え方は私は納得できません。  そこで、私のいま聞いておりまするのは、公共事業を営みまする東邦瓦斯、これは東京、大阪に次ぐ日本の三大ガス会社の一つです。その公共事業を営む東邦瓦斯がほとんど全額を出資しておる子会社、形の上では別でしょう。ところが、同じ内容です、法人格別ですが。役員が五人のうち四人までが全部東邦瓦斯の社長以下がなっている。事実上一体化だ。名前が違っているだけだ。そういう公共事業会社が名前が違った子会社をつくって、一私益法人の立場に立って他の会社をボイコットするようなことが、社会的責任の上から許されていいのかどうかという点を私は聞いている。——ちょっと待ってください。それは大臣に聞く、それは。ガス事業法の第十二条に、いわゆる一般ガス事業以外の事業というものについては非常な制限を設けております。私がいま申した形式的には別会社、別人格、しかし実質的には東邦瓦斯がやっているんですよ。三十八条に一つの規定がございますけれども、とにかく十二条で一般ガス事業者はいわゆるガス事業以外の事業を営んではならないという大原則があります。これは私は公共事業としてのガス事業者の社会的責任、あらゆる意味をここに集約をしておると私は思うんですよ。先ほどから大臣、経過をずっとお聞きになって、大体およその御輪郭は私はつかんでいただいたと思うんでありますが、私はこういう点については、東邦瓦斯に対しまして何らかの私はやっぱり指導が必要ではないかと思うんでありますが、この点について大臣のひとつ見解を聞いておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま大体の経過は質疑応答を通じましてわかりましたが、なお、通産省といたしまして正確な事実関係を調査の上で善処したいと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 くどいようでありますが、私は事実関係を御調査になって明らかになりますれば、何らかの指導は東邦瓦斯会社に対して行っていただかなければならぬと思うんでありますが、その点重ねてお尋ねいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 事実関係を正確に調査をいたしまして適切な指導をいたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に、第三の実態といたしまして、大店法の現在の運用問題についてお尋ねをいたしておきたいと思います。  公正取引委員会は結構でございます。  実は、先日、神奈川県藤沢市に開店をいたしました藤沢西武についてでありますが、これは大店舗法に基づきまして第五条申請を行った際に、事前の商調協に提出をいたしました売り湯構成の内容と、実際に営業を行った内容が全然食い違って問題になっているわけであります。大店法では調整の対象に取り扱い物品は実は入っておりません。したがって、言葉を変えて言えば、いわゆるどんなうその書類をつくって通産省に提出をいたしましても、法的には問われないということに実はなるのであります。こういった事例を考えてまいりますと、大店法に取り扱い物品を調整の対象に加えることが必要ではないかというふうに思うわけであります。藤沢西武の内容につきましては、私から御説明するまでもなくおたくの方でよく御存じだと思いますから、時間の関係で省かせていただきますが、この点についてまず所見を伺いたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 御案内のように大店法は、小売業における競争の実態に照らしまして大規模小売店舗が、要するに大規模小売店舗という一つのものが顧客吸引力の点ですぐれている。そのために中小小売業の経営に影響を及ぼすという蓋然性が高いという点に着目して店舗面積での調整を行う。店舗面積が大きいと多くの場合、たとえばある程度以上になりますとワン・ストップ・ショッピングの機能を持つというような、そういったところから顧客吸引力がすぐれている。こういった点に着目して店舗面積の調整を行うものでございますので、販売品目の変更に関する調整というのは、この法律の体系では出てこないということに構成されております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、大店法が百貨店法から出てまいりましたものでありますから、売り場面積だけを対象にしたという経緯はわかります。わかりますが、藤沢西武、簡単に言いますと、こういったものを何階のフロアに置きます、こういったものはここで売りますなんとやっておいて、実際ぱっとあけてみたら六階の全フロアは本屋さんであった。書類を見ますと、本屋さんは六階のごく一部しか置きませんよという申請だった。それで、事前の商調協でもその程度ならその付近の本屋さんには影響ないだろうというような話になったわけであります。それが開店しますと、六階の全面積が全部本屋さんになっちゃった。それで、付近の本屋さんは大変な打撃を受けたということがいま問題になっているんです。その売り場面積だけでなくって、そういったものを調整をいたしませんと、要するに中小企業者に影響するおそれがあるという判断をする場合、私はやはり物品の内容も明らかにしないと、特定物品の販売業者が非常に影響を受けるおそれがあるのではないか。たとえば、いま神田から秋葉原の方に参りますと電気器具屋が多いんであります。まあ、一つのビルに全部電気器具を販売する店もある。あの辺はそういうことでなってきた経緯がありまするから問題にはなりません。ああいうものがたとえば町の中にぼこんとでき上がる。そうなりますと、電気器具という関係からまいりますと既存の業者は非常な影響を受ける。家具も、最近は非常に店舗面積が広くなっております。郊外にどんどん新しい店舗ができる。そういたしますと、私はやはり一つの規制という考え方からまいりますれば、面積と同様にそういう売る物品そのものも大店法の中で判断の基礎に入れなければ、付近の中小企業者に影響を与えるか与えないかわからなくなるというような感じがいたすわけであります。しかも、いま言ったように、こういうものも売ります、ああいうものも売りますという申請を出しておいて、そしてふたを開けてみたら中は全然違っておった。これでは、事前に商調協を開く意味もないと私は思うんであります。しかも、法的には罪に問われない。こういうことが横行するようでは私は問題があるのではないかと思うんでありますが、そういう点はどうですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) まず、実際問題とそれから法律問題と分けてお答え申し上げます。  いま御指摘の点は、調整ということを考える場合に、そこの販売品目というものも含めて考えないといけないのではないかという御指摘だと思います。おっしゃる点は確かに一つの御懸念としてはよくわかるわけでございますが、ただ法律的な構成として考えました場合に、御承知のように大店法では建物の届け出、公示、それからそこへ入る小売店舗、こういうかっこうになっております。したがいまして、先ほども申しましたように業種的な概念というものを、その段階、この体系に組み入れるということは非常に構成上むずかしいということが一つ。  それから、実際問題としまして、この大店法の大部分の対象というのは、いわゆる各種物品の販売業が主になるわけでございますが、そういった場合に、そのお店の中の個々の売り場、そこで扱う商品、売り場ごとに考えていくというような構成をとりますと、実際上最近の状況は御案内のように、消費者の需要というのもいろいろ変化してまいります。それに応じて、やはり事業としては商品を考えなきゃいけないということで、きわめてその辺についてこれを画一的、個別に決めてしまうという点につきましてはむずかしいということ。  それから、またもう一つの問題は、最近のたとえば売り場構成を見ますと、どちらかといいますと、いわゆる商品ごとの構成といいますよりは、それぞれのニーズに合ったニーズ中心の売り場構成をとっている形態が多うございます。したがいまして、商品別の売り場というような考え方を導入することは、実際問題としても非常にむずかしいというふうに考えております。  じゃあ、そういった問題が現実に出てきた場合にどうするのかということでございますが、実際上たとえば申請の説明の段階で言っておったことと、実際に後ですぐ店を開いて、とたんにそれが全く違っておったというようなことになりますれば、これはやはりそれぞれの地域で、その大規模小売店舗が事業活動を維持していく以上、やはり地域との共存共栄、地元からの信頼というものを受けなければ、円満な事業活動というのはできないわけでございますから、意図的にそういうようなことをやるというようなことは一般的にはあり得ない。もしそういうことをやれば、かえって後で非常に問題になるというふうに考えられますので、そういうことはないのではないか。ただ、実際問題として、その後の事情変化で構成が変わって、それが周辺小売商への影響を及ぼすというような場合にどうするのかという問題につきましては、私どもは商調法十五条のあっせん調停という方法によって、具体的に問題が起きた場合に対処し得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 商調法の十五条は、あっせんまたは調停は、紛争が起きてそして問題が現実になったときに初めて申し入れることができるわけなんで、やはり私は事前にそういった混乱を防ぐ方法というものを考えていく必要があるというふうに実は思うわけであります。特に私は、いまは法的には売り場面積で中身まで規制することは非常に法律的にはむずかしいというお話でありますが、あるいはまた共存共栄を図らなければ大店舗も成り立たないではないか。したがって、そんな申請の内容と実際の内容が大きく食い違うことはあり得ないという、いわば大店舗に対する善意を期待するというような形では、いま現実に各地で起きている問題等から考えますれば、私はそのお答えはちょっと非現実的なお答えになっているのではないだろうかというふうに言わざるを得ないと思うのであります。  大店法の七条一項で「事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがある」「と認めるときは」とあるのです。この相当程度の影響を及ぼすおそれがあると認められるときは、ただ単に売り場面積だけではなくて、一方的にたとえばある特定の商品だけが大きな売り場面積を持てば、その商品を売る付近の商店は相当影響を受ける。各種の物品販売の種類が均衡をとれておれば、面積規制だけでも十分であるということにもなるわけでありますから、私はやはり法的にはどうというようなお話がありますが、現実に藤沢西武でそういう問題が起きているということを考えますると、商品の種類規制あるいは商品の一品の販売面積についてはどの程度を超えていけないとかいうような問題は、考慮の中に入れていいのではないだろうかというふうに思うわけでありますが、そこで、いま商調法の第十五条によって、あっせんまたは調停を受ければいいのではないかというふうなお話があったわけであります。しかし、現実の問題としては、私は一度開店したものは相当むずかしい。たとえば、営業活動停止等も行えることになっておりまするけれども、現実にはむずかしいのではないだろうかというふうに思うわけなんで、私見としていま言ったことは要望として申し上げておきたいと思うわけであります。  それから、このいわゆる藤沢西武の問題等を通じまして私どもは考えるのでありますが、一応こういった問題が出されましたときに、現実にはそれは大店舗の中にお出しになる各小売業の良識だと、善意に期待する以外にないと、善意ですね、申請と実際に食い違いはですね、それはもう善意に期待する以外にないと、良識だと、良識に期待するということになるわけでありますが、私はそういう違った状況になったときには、やはり商調協でもう一度相談をする場を持つ。あるいはその商調協の中で話し合いがいわゆる成立するまでは、言うならばその売り場面積の開店についてはしばらくの間御遠慮願うとか、何らかのやっぱり実効的な措置、行政的な措置が必要ではないかと思うんでありますが、そういう点についての見解を承っておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 実際いま御指摘のようなかっこうで紛議が生じた場合、それをどういうふうにやっていくかという現実の解決方法で、いま御提案のような考え方というのが、お示しの御提案が一つのお考え方が示されたわけでございますが、どういうやり方がいいか、先ほど申し上げましたように商調法を使っていくというのが一つの考え方であろうかと、私どもは法律上の構成としてはそういうふうに考えておるわけでございます。ただ、実際にその制度的に云々ということではなくして、実際にいま問題を解決していく場合に、場合によってそういったそれぞれの商工会議所の場で話し合いを行うというようなことが適切であるという場合もないとは言えません。したがいまして、現実にそれぞれの状況に応じて調整手段をどういうふうに考えていくかということは、それぞれのケースに即して対処していきたいというふうに思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 第四の実態の問題といたしまして、ダイエー熊本店の出店問題につきまして若干お尋ねをいたしておきたいと思います。  本問題は、五十年三月に、三条の届け出がなされまして、当時は四万四千平米の売り場面積、五条の仮届け出がなされ、事前商調協が開かれました結果、答申はゼロ回答ということに実は相なったわけであります。その後五十二年四月に再び二万九千平米の五条仮届け出がなされまして、五十二年の十月に商調協におきましては、一つ、売り場面積は千五百平米、休業日数は年間二十六日以上、開店日は申請どおり、閉店時間は平日は夜十八時三十分、土、日曜、祝日は十九時、中元、年末は二十時まで、ただし年間六十日間、こういうような実は答申が行われたわけであります。ところが、ダイエー側は昭和五十三年六月十六日に福岡通産局に第五条の申請をして、これはいわゆる仮届け出ではなくって正式受理ということに実は相なったわけであります。実はこの衆議院におきましては、昨年の五月十七日、最近の小売業の実情にかんがみまして、中小小売商業の振興政策に関する決議が実は行われております。あるいはいわゆる法改正までの出店の規制につきましては、通商産業局長名で各地方通産局に通達も出ております。また、この六月十六日におきましては、前国会の会期末でありまして、衆議院商工委員会におきましては駆け込み出店の規制を行うことを決議いたしておるのであります。こういった点等を考え合わせますと、六月の十六日の福岡通産局で五条申請を受理したとか、国会の過去の決議あるいは通商産業局長通達、また同日ではありまするが、さきの国会における衆議院商工委員会の決議等の趣旨に反する結果になっているんではないかと思うんでありますが、まず仮届け出をどうして正式の申請として受理したのか、その辺からちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。  いまお話がございましたように、この件につきましては、すでに五十年当時から長年にわたって議論が行われてきた案件でございます。私ども、いま御指摘がありましたように、国会の御決議等踏まえまして一般的にその自粛をするようにという通達は出しております。そしてまた、事実上その実績を見ましても一般的に届け出というのはそれほど急増していないというより、むしろ若干減っているというような傾向を見ましても、おおむねこういったかっこうで自粛が行われているというふうに考えているわけでございますが、本件につきましては、いま申し上げましたように、長年にわたり、もう三年余にわたり地元で議論が行われ、商調協でも審議が行われてきたわけでございます。私どもといたしましては、出店者それから地元の関係者双方にできるだけこの問題について意見調整が行われて、円満に問題が解決されるように指導、要請をしてきたわけでございますが、いまお話がありましたように、いろいろ経緯がありまして、現在なかなか意見の一致といいますか、地元で円満に解決をするという状況には立ち至っていなかったわけでございます。したがいまして、出店者としましてはなかなか進まないということ、それから三年余にわたり検討が行われ、議論も相当尽くされたというところから五条届け出を出して、手続に従って処理をしてほしいという強い要請もございまして、私どもとしましてもそういった先ほど申しましたようなかっこうの指導はしてきたものの、もうこれ以上はその指導をするのは限界であろうというふうに考えまして届け出を受理したということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ、届け出を受理したといういろんな御説明がいまございましたが、私は、先ほどから申し上げましたように通達を出され、あるいは国会の決議が過去数年間の経緯等があります、という点からまいりますれば、この正式な受理というものは、地元との話し合いが完全にまだ合意に達していない、非常にかけ離れているというような状況等から判断をいたしましても、やや正規な手続とはいえ若干妥当性を実際には欠いておったものではないだろうかというような印象は実は免れ得ないわけであります。なぜならば、結果論からまいりますと、この大規模小売店舗審議会におきましては、この法の定めた三カ月以内にこの問題について結論を実は出すことができ得なかったわけであります。その結果、いわゆるダイエーの申請につきましては、言うならばダイエー側を通産当局が説得をして取り下げをさせたというような実はことにならざるを得なかった。この事実を私は見ましても、二年間も仮届け出で措置してきて、正式に受理をして、しかも法に基づく手続を行ったにもかかわらず結論を見出し得ることができ得なかったということは、いま申し上げたように事実問題として正式な受理とはいえ、妥当性を欠いておった一つの証左ではないかというふうに見ているわけであります。しかし、なお私は問題になっていると思うのは、九月十四日に届け出書をダイエーが取り下げて、同日再び同じ内容のものを再申請したというふうに聞いておりますが、この再申請は事実ですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 再申請は事実でございます。正確に申しますと、十四日に取り下げが行われ、十六日に申請が行われております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、これは五条の正式受理になっておりますか、それとも仮届け出の扱いになっておりますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 法に基づく届け出でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、旧法——改正案が通れば別でありますが、経過措置はまだ私読んでおりませんが、そういたしますとこれまた三カ月間、つまり十二月の十五日までに結論を出さざるを得ないということになるわけでありますが、十二月十六日までに結論を出す見込みはありますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 私どもとしましてこの件につきましては、現在、地元の商調協で検討が、審議が行われているわけでございます。私どもはこの経緯を慎重に見守っておるところでございますが、いずれにいたしましても法の手続に従って私どもとしては処理をしなければならない立場にあるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、取り下げをさせたということは、先ほど申し上げたように苦肉の策であると。こういうことをやりますと、この改正案で私質問をいたしたいと思うんでありますが、衆議院で原案の六カ月が八カ月になったというんでありますが、同じようなことが行われる可能性もある。つまり、三カ月の歯どめというものが何回でも繰り返すことができると。すると法そのものが、事実問題として、形は別ですよ、法そのものは三カ月にしようが八カ月にしょうが、これは何ら歯どめにはならないんで、無期限に答申を、あるいは結論を延ばすことが可能だということになりかねないと思うんでありますが、そういうようなことはいわゆる常識的にはあり得ないとお答えになると思うんでありますが、いわゆるいまの法のたてまえからいけばあり得ることですよ、将来。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いまの取り下げ、いまのケースに即して申し上げますと、御案内のように審議会で八月から九月の十一日まで慎重審議が行われたわけでございます。いま御指摘がありました件につきましては、九月十一日に大店審の会長の発言ということで、商調協の審議は数字的検討も含めてなお検討すべき点も残されている。それから、審議会としても論点が非常に多面にわたるところから、十分な審議を尽くす時間的余裕が必ずしも十分でないというような点から、もう一度地元の商工会議所、商調協においてそういった審議会の意向をくみ取って、公正かつ十分な審議が行われることが望ましいという判断を述べたわけでございます。  本件につきましては、届け出者の方がこのような大店審の考え方を理解しまして、自主的に届け出の取り下げも行い、再提出という手続をとったわけでございます。したがいまして、一般的にそういうことがあり得るかということになりますと、本件は私どもいままできわめて異例なケースであるというふうに考えております。実際問題としてこういったかっこうで行われるというのは、そういう事態についての届け出者も含めての認識が——そういうことで処理をするということについての認識が一致した場合に初めてできるわけでございますから、勝手にいまのような処置ができるというものではございません。したがいまして、そういう意味でいわゆる勧告期間の延長というような、今回の法律改正の制度とは全く性格が異なるものというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあしかし、この場合でもダイエー側は、聞くところによりますと、取り下げについては反対でありまして、答申をぜひ出してもらいたいという強い要望をしたにもかかわらず、結果におきましては、通産当局の圧力で取り下げに応ぜざるを得なかったというように私実は聞いているわけであります。したがって、実際問題として、特異なケースだというお話がございますが、全国的にこういうようなものが頻発をいたしておりまする現状から判断をいたしますと、特異なケースが一般化する傾向を私は指摘せざるを得ないと思うんであります。  そのことは別にいたしまして、いまも現場の商調協で御相談なさって、何らかのひとつ結論をという期待があるようでありますが、これは私、特異なケースという前提でお尋ねをいたしておきますけれども、商調協で——まあ、これは仮であります、まだ答申が出ているわけじゃありませんが、第一回、第二回の仮届けの場合の商調協のような答申の範囲を出なかった場合、そして特異なケースという前提でお尋ねいたしておきますが、大店審におきまして再びこの問題についての答申を延ばされる、つまり、また取り下げをさして、再申請させるというようなことが私は想定できるのではないかと思うんでありますが、その辺はどうですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 本件のお尋ねは、いまちょうど地元で審議が行われておる、いわば手続が進行中の案件でございますので、仮に仮定のお話といたしましても、これについていろいろ申し上げることは、私の立場としては差し控えたいと思います。  ただ、一般的に申し上げますれば、先ほども申し上げましたように、取り下げをするというのは、やはり申請者が取り下げをするというかっこうでございますので、そういう申請者の合意なくしてはできないということでございますから、そういう点は、先ほど申しましたように、法律でこちらの方が一方的にまた延長するというものとは全く違うということは申し上げておきます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ私は、仮定の問題だということであれば、それは仕方がないと思うんでありますが、地元の商調協の意向をどの程度御尊重なさるのか。仮に取り下げにダイエー側が応じなかった場合に、地元の臨調協の意向をどの程度御尊重なさるのか。まあ、たてまえからいきますれば、大店審は地元商調協の答申と違ったものを出したって差しつかえないわけであります。そういうようなことを考えまして、また紛争の種が残ることになりますけれども、将来的には、違ったものを出せば。その地元の商調協のやはり私は意向尊重ということが一つの前提に立って大店審が答申をなさる、結論を出すというのは、私は妥当性があるんじゃないかと思うんでありますが、やはりそういうような仕組みで大店審が運用される、運営されるというように私は期待をいたしておるんでありますが、そのいわゆる大店審における地元の意向尊重というものについてはどういう御見解をお持ちですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 本件に関しましては、先ほど申し上げましたように、どういうふうな今後手続が進められるかということ、あるいはどういう結論になるかということにつきましては、これはまだ私どもにもこれからの推移を慎重に見守る必要があるわけでございますから、意見を差し控えさしていただきたいわけでございます。  ただ、大店法の一般の運用の考え方といたしましては、これは申すまでもなく、大店舗審議会におきましては、商調協、商工会議所等から出されました意見につきましては、これを尊重することでございますが、かつ大店審としては、法七条の規定に従いまして、公正妥当な判断を行って通産大臣に答申する、こういう仕組みになっておりますので、その仕組みに従って個別案件は処理されるということになろうと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあこれは実際、私は取り下げをさせたという点については、大店審みずからがみずからの権威を失墜した行為だと私は思うんであります。三カ月以内に答申をしなければならぬ、その答申をしないで、責任回避をして取り下げさせる、これは大店審があってもなくてもいいということにも通ずるんです。したがって、私はやっぱり、大店審の存在理由が問われたという点が非常に問題が、その方が重大であるというふうに思うわけであります。そしてまた私は、地元の意見を尊重するというお話でありますが、改正案は、商調協以外に、都道府県知事の意見具申も入っているわけであります。とすれば、さらにこのいわゆる地元の意見を尊重するという趣旨は、改正案の中にも盛られているわけであります。したがって、旧法で処置するにいたしましても、改正案が現実に提案をされ、いまやまさに決定されようという段階では、私は地元の意向尊重というものは非常に重要なウエートを持っているというような理解に立つのが正しいのではないだろうかと思うんでありますが、改正案との関係におきましてどうお考えか、重ねてお尋ねしておきます。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大店法七条の運用に関しましては、今回の法律でも規定がちゃんとございます。地元商工会議所、あるいはそこに設置されている商調協の意見を聞くということになっておりますし、同時にまた、小売団体あるいは小売業者あるいは消費者、その団体その他の者で申し出をした者の意見も聞くというかっこうになっているわけでございます。したがいまして、そういった各方面の意見というものが大店審に反映され、もちろん先ほど申しましたように、商調協の意見というのも非常に尊重されると。そういった各方面の意見というものが反映され、それが大店審においてそういったものをもとにして公平、適切な判断をしていくというかっこうで今後とも運用されるというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いままで実態につきましていろいろ御指摘をいたしたわけでありますが、私はやはり非常に重要な問題は、流通対策に対する基本的な姿勢というものが若干私は通産省に欠けておるのではないかと。スーパー問題は、いま出店の傾向といたしましては大都市から中小都市、そしていわゆる周辺の町村部まで店舗規模を小さくいたしまして出店をしているというような現象が続いているわけであります。こういうようないわゆるスーパー関係の出店戦略を拡大していくという経営姿勢、これに対しまして地元の中小企業者は非常な犠牲になっているというのが私は現状ではないかと思うんであります。  こういう流通分野の変化ですね、変化というものについて基本的にどうお考えになっているのか。これはひとつできれば大臣からお答えをいただきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) お答え申し上げます。  その大店法ができまして、その後でございますが、四十九年から大店法が施行されたわけでございますが、最近の状況を見ますと、その一つは経済が高度成長から安定成長に基調が変化してきたということ。そういった中でいまお話がございましたように、大型店の出店というのが増加するという傾向が見られます。また、それからもう一つは、出店のパターンというのも郊外への立地あるいは地方中小都市への出店というような傾向が見られるというようなこと。それからまた、いまお話がありました中型店、基準面積未満の中型店というものをめぐっての紛争というものが増加するというような傾向が一般的に見られるわけでございます。基本的には現在私、これは若干私見にわたりますが、この消費者のニーズというものが非常に変化してきております。非常に選択的志向も強まり、それからまた、消費者のニーズというのがきわめて多様化しておる。したがって、流通業界としましてはそういうものに対応するために、またいろんな新しい業態のものが生じつつあり変化しつつある、こういった傾向があろうかと思います。そういった傾向が、いま先ほど申し上げましたような大店法との関係で申しますと、先ほどのような傾向というものの原因にもなっているというのが現在の流通業界の実情ではないかというふうに考えております。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 大勢としてはいま審議官が申し上げたとおりでございますが、四十八年に大店法が制定をされまして、翌四十九年の春から施行されておるわけでありますが、この法律が施行されました直後から改正すべしと、こういう意見が出てきておりますが、これはやはりちょうどいまから五年前、昭和四十八年の秋に石油危機が起こりまして、日本の経済事情が一変をいたしました。そういうことが背景となり議して流通部門も大きく変化をいたしましたので、法施行と同時に改正すべしというような意見が出てきたのだと思います。  しかしながら、しばらく様子を見た上でひとつ判断をしたいということで現在まできたわけでございますが、本年の、五月に答申を得ましたので、今度御審議をいただいておりますような内容にわたりまして御検討をいただきたく、改正をしたいと考えておるところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 今回この提出をされております改正案は、昨年の国会における衆参両院の商工委員会の大型店舗法あるいは小売商業調整法等の基本的な見直しを求める決議に基づいて検討が行われて、まとめられたものであるというふうに理解をいたしておるわけであります。国会の決議は、現行法では大型店等の進出が著しく、中小小売商の経営基盤の保護を図るには十分に対処できないために、出店の規制を強化する方向での改正を検討するよう実は求めたものでありました。しかし、今回最初の政府から出されました原案というものは、そういった趣旨とはうらはらに、たとえば商調法では小売市場の新設等について都道府県知事の許可制を届け出制にするとか、あるいは中小企業事業分野法の横並びで、議員改正によって盛り込まれました大企業の進出に関する知事の調査、調整に関する事項を削除する。むしろ現行法の規制の緩和をする傾向というものがあったわけであります。しかし、これはきょう衆議院におきまして修正をされまして修正説明がございましたので、やや私どもの国会決議の趣旨というものは生かされたというふうに考えているわけでありますが、政府の原案がなぜこのいわゆる現行法の緩和の方向をたどったのか。その理由をちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま緩和というお話ございましたが、今回の法律の改正は、御案内のように国会でもいろいろ御審議、御決議等をいただいております。  また、先ほど申しましたように、最近の小売業をめぐる環境の変化というものも勘案いたしまして、そういった新しい情勢の変化に対応した小党商業政策のあり方というものを、昨年の七月、小売問題懇談会というのを開きまして議論をしていただき、さらに中小企業政策審議会及び産業構造審議会との合同小委員会で御審議を賜りまして、本年の四月に一応意見具申をいただいたわけでございます。その意見具申に従いまして、私どもとしましては法案の作成作業を進めてまとめたのが、今回お願いをしております法案であるわけでございます。  なぜ弱めたかというお尋ねは、恐らく商調法部分についてのいわば改正との関係のお尋ねであろうかと思いますが、細かくは申し上げませんが、基本的に今回の大店法の改正で従来いろいろ議論のございました基準面積未満の店舗につきまして、これを五百平米まで引き下げるということにいたしたわけでございます。したがいまして、五百平米まで、そしてまた五百平米というのは、いろいろ私ども委員会で検討されましたところでは、大体その顧客吸引力というもののいわば有意的な策というものが出てくるのが五百平米ぐらいを境にして大体あらわれてくる。と申しますのは、それぐらいになりますと、一応のいわゆる品物について品ぞろえができる規模であり、したがって、ワン・ストップ・ショッピングの機能というものを持ち得る規模になるというような点、それから、それが、顧客吸引力というもので周辺中小小売商への影響を及ぼすというふうに考えられる。それから、また現実に紛議の実情を見ましても、大体その辺より規模の小さいものにつきましては、余りその紛争の実例が多くないというようなところを考えまして五百平米にしたわけでございます。したがいまして、そこまで大店法での調整対象を広げますと、一応周辺小売商に影響を与えるような出店という問題は、大店法で調整ができることになる。そうなりますれば、それとの関連で小売商業調整特別措置法というものをどう考えるかという見直しを行った結果、整理が行われたというふうな構成になっておると思いますので、決して今回の改正は、いわばその規制の緩和、あるいは後退というものでなくして、今回の法律の改正に沿って周辺中小小売業への影響というものを除去するために、必要な手段の整備をしたというふうにわれわれは理解をいたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これはいろいろ意見の相違をするところでございます。しかし、結果におきましては、私どもは衆議院における修正が成り立ちましたので、一応の成果があったというふうに考えている次第であります。  そこで、この改正案では、大型店舗の出店について現行法どおり届け出制が採用されておりますが、中小小売商保護を十分に図るためには許可制の方が望ましいのではないかと思うのであります。旧百貨店法では百貨店の新設、増床については許可制がとられていましたが、その後進出著しくなった大型スーパーを法規制に取り込むために、大型店舗法では妥協の結果、大型店の出店等については一律に届け出制が採用されたと承知をいたしております。しかし、大型店舗法施行後四年をたっておるのでありますが、大型店出店に伴いまする地域の中小小売業者との紛争は増加の一途をたどっているというふうに私どもは理解をいたしております。これは結局、届け出制では調整に限界があり、やはり許可制をとらないと中小小売業者の立場を十分に保護できないことを意味しているのではないかと思うのであります。大型店の出店等については許可制を採用していない理由ですね、それはどこにあるのか、お尋ねをいたす次第であります。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) お答えいたします。  いまお尋ねの件でございますが、今回の改正につきましても従来の仕組み、届け出制というのを採用しておるわけでございます。なぜかということでございますが、御案内のように、大店法は旧百貨店法が百貨店のみを対象にしておりましたのに対しまして、大店法の場合には大規模小売店舗におけるすべての小売業というのを対象にしておるわけでございます。したがって、その各種の業態のもの、中には中小の寄り合い百貨店というようなものまで含めて、すべてを対象にいたしておるということでございます。さらに、今回の改正では、先ほど申しましたように、その対象面積というのを五百平米にまで引き下げをしたということで対象範囲を拡大しておるわけでございます。許可制というのは、考え方としましては、いわば原則禁止という考え方に立つものかと思いますが、そういった許可制というものをとるということは、いま申し上げましたような各種各様のものを対象にしておるし、規制対象範囲もきわめて広くなっておる。一方では、消費者の保護というような点も考えなければならない重要な課題であるというようなことを、いろいろそういう要請を勘案いたしますと、やはり原則禁止という許可制というのを採用するのは、私どもとしては適当でないと考えたわけでございます。  一方、大店法における届け出制というのは、これは御案内のように、単に届け出というだけではございませんで、届け出をした後、周辺小売商に対して相当程度の影響を及ぼすおそれがあるときには勧告あるいは命令、それについては罰則もついているというようなかっこうで必要な規制を行っておるわけでございますから、必要な場合の規制というか、規制が必要な場合に、その効果というのは許可制の場合と同様に運用し得るというふうに考えております。したがいまして、今回も届け出制という従来のシステムをそのまま存続することにいたしたわけでございます。   〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 先ほどお話がありましたこの中小企業政策審議会あるいは産業構造器議会流通部会の小委員会の合同小委員会というもので、意見の実は具申が出されて法改正案が提出をされたというのでありますが、このいわゆる意見具申の中で付記意見というものがございます。その付記意見の中で、このいわゆる大店舗の調整問題については許可制をとるべき旨の意見は、八名の方が実は賛成をしておみえになるわけであります。また、規制強化に反対する旨の意見は、六名の方があるわけであります。数字の上からまいりますれば、全体といたしまして約二十名内外の委員の方々の中で、このように許可綱をとる旨の意見が八名もあったという事実は、私はやはり一応評価をし、かつこの問題について見ていかなければならぬのではないだろうかというように実は思うわけでありますが、このような八名の方々が許可制をとるべきだという意見があったにもかかわらず、いわゆる通産がそういった点について取り上げられなかったということはどういう理由か、その点をひとつお伺いいたしておきます。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 意見具申といたしましては、御案内のように、許可制ということではなくして意見具申がされているわけでございます。ただ、付記意見につきましては、確かにいまお話がありましたように、許可制をとるべしという意見もありましたが、反面、規制緩和という御意見もありました。審議会としまして、そういったいろいろな御意見というものを検討いたしました結果、審議会としては最終的にいま申し上げましたような意見具申がなされ、私どもとしましてはその意見具申というものを受けまして法文作成の作業をいたしました結果、いまお願いしているようなかっこうになったわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 両論併記が本当は私は妥当な意見具申案ではなかったかと思うのでありますが、そのことはそれぞれの小委員の方々の、小委員会のおやりになったことでありますので、結果といたしましてはこの意見具申案をある意味におきましては尊重せざるを得ないということにも実はなるわけであります。しかし、意見具申案の中には、この付記されました意見の中におきましてそれぞれ両論あるというような問題について、やはりあるのでありますが、意見具申案の中では両論あるものを一本化いたしまして、実は意見具申案として出されているものも実はあるわけであります。たとえば、都道府県知事の関与につきまして、反対ないし問題がある旨の意見は五名の方々から出されております。他方、都道府県知事の関与をさらに強化すべきであるという旨の意見は七名の方々が出されております。この意見具申案は都道府県知事の意見が反映できる仕組みとすることというようなことに示されておりまするように、両論ありながら、結果におきましては都道府県知事の意見が反映できる仕組みというようなものを、実は採用いたしているわけであります。したがって、そういった点から若干の私疑問を感ぜざるを得ない点もございますが、先ほど申し上げたように、小委員会の合同会議でお決めになったのでありまするから、その意味におきましては尊重いたしたいと、かように考えておりますけれども、許可制問題は私は今後もやはりこういった意見が現実に合同委員会に出されておりまする以上は、検討事項としてさらにひとつ検討を重ねていく必要があるのではないかと思うのでありますが、その点についてお尋ねします。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大規模小売店舗と周辺中小小売商の調整の問題について、どのような仕組みがいいかという点につきましては、いろいろな議論があるわけでございます。現に、いま御指摘のように、この審議会におきましても各委員それぞれの立場から異なった意見が出されたところであります。その結果、審議会といたしましては、一応それを最終的には、いま申し上げましたように許可制じゃないかっこうでの意見具申がなされたわけでございまして、それが一番適当であるということで一応なされたわけでございますから、現在の状況におきましては私どもはこういった方向で運用をしていき、またこういった方向で制度の仕組みというのは考えるのが一番適当であろうというふうに思っておるわけでございます。しかし、経済情勢の変化というものがございまして、これは片方におきましては消費者の利便の保護という要請も一方ではますます強まるでありましょうし、反面、中小小売商への影響というものに対する配慮というものもますます強くなるというふうに考えられます。そういった今後の社会経済情勢の変化というもので事情がまた異なってくれば、改めて議論がされるべきであろうかと思いますが、少なくとも現在の状況におきましては、いま申し上げましたような仕組みというもので私どもは対処いたしたいと考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は許可制そのものは決して不当なものではないというふうに考えております。ただ、いまお話がございましたように、経済情勢の変化の問題だとか、そのときどきの消費者なり中小企業者の置かれておる立場とかいろんな問題が討議の対象になっていかなければならぬのではないだろうかと思うわけであります。  現に、中小企業関係におきましても、たとえば専売品を扱うということで、たばこの小売店にいたしましてもあるいは酒類の販売にいたしましても、それぞれ専売公社なりあるいは国税局の許可がなければ販売を行うことができない。風俗営業でも風俗業取締法に基づいて警察関係の許可がなければ営業できない。飲食店も、これは保健衛生の立場から各保健所の許可がなければ営業しちゃいかぬ。これはガソリンスタンドにいたしましても、先般揮発油販売業法ができ上がっておりまするから、これも許可制であります。こういって考えてまいりますと、相当数の営業自体というものが何らかの要するに制限を受けている。つまり、許可制という立場で制限を受けているということは否定できない現実の問題なんです。  でありまするから、私は大店舗法だけを許可制にすることがいかにも不当だというような認識を実は持ち合わせていないのであります。しかし、問題はそのときどきに置かれた経済事情、消費者なり中小企業者の置かれている立場などが勘案をされて決定すべき問題ではあろうというふうに私は実は考えているわけであります。そういう点につきまして、私はいまお話ありましたように、今後もやはりこのいわゆる合同小委員会で意見が出されましたように、規制を強化する、そのことが許可制になるというような点については、私はやはり今後も十分ひとつ検討事項として将来的に検討を図っていく必要があるのではないだろうかという点は、ひとつ私見として申し上げておく次第であります。  それから、現在の法律におきましては、大型店の出店につきましては、やはり商調協という場を通じまして、地元小売商との間で調整が行われております。また、したがってこれはある意味におきましては届け出制による無条件な出店ではなく、内容的には厳しい運用になっているというふうに見ている人も実はあるわけであります。この改正案におきましては、届け出後の調整期間を延長する一方、従来の事前商調協の存廃問題が実は出されていると言われておるわけであります。大型店業界からは事前商調協を廃止して、自動的に受理する届け出制度として運用してもらいたいという要求が出されている。このため運用方向が実質的ないわゆる厳しい運営から届け出側に変わるのではないかという懸念が中小小売商側から出されておりますが、今後の運用方針、改正案が通りました後の運用方針は、現在の現行法と何ら変わらないのか。その点をまず最初にお尋ねいたしたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協の問題でございますが、現在の大店法の運用におきまして、商調協における地元との調整という問題が、法の運用の実際問題として重要な役割りを果たしておるのは御指摘のとおりでございます。やっぱり商業調整、非常にデリケートで、非常に複雑な問題、要因を抱えております商業調整というものをやる場合に、やはり地元との関係者の間で十分の話し合いが行われるということが関係者相互にとっても望ましいというふうに考えられますので、今後におきましても商調協というものを存続していくということは必要であるというふうに考えております。  ただ、すでに法律が施行されましてから四年近くたっておるわけでございます。従来の商調協の運用の実情というものをいろいろ検討してみますと、その運営をより適切にしていく余地というのはいろいろな点においてあろうかというふうに思いますので、私どもといたしましては、関係者の意見も十分に聞きながら、どういうふうにすればより適切なものにすることができるかという点につきまして検討したいというふうに考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 第一種、第二種と実はお分けになりまして、千五百平米以上、政令としては三千平米ということになるわけでありますが、この第一種と第二種にお分けになりました理由ですね、これは私どもといたしましては、意見具申案によりますれば、大規模小売店舖、中規模小売店舗というような名称が使ってありますので、その辺のいわゆる区分けからこういうような表現になっているのではないだろうかというふうに思うわけでありますけれども、この、いわゆる一種と二種というふうに分けた理由ですね、これはどうして一種と二種にお分けになったのか、その理由をひとつお尋ねしたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 一種と二種をどうして分けたかということでございますが、これはいまお話がありましたように、従来千五百平米、大都市——十大都市にあっては三千平米というものを基準面積ということで考えて調整の対象にしておりましたのを、今回五百平米まで引き下げたわけでございます。それに伴いまして、従来のものを第一種、それから新しくいわば広げた部分というのを第二種というふうに分けたわけでございます。  じゃ、なぜ分けたんだということでございますが、やはり小売商業の調整というものを考える場合に、流通近代化施策の整合性というものは十分配慮する必要があろうかと思います。特に大型店が広域的にチェーン展開をしておる、あるいは交通手段等も発達しまして、商圏が流動化しつつある、あるいは広域化しつつあるというような状況にかんがみますると、全国的な視野に立って調整を行う必要があるというふうに考えられます。一方におきまして、小売商業というのは、製造業などと比べますと、地域的な性格が非常に強い。また、その商業施設というものは都市機能の重要な一翼を担っているという点も考えますと、その調整に当たりまして地域的な配慮というものが当然必要になるわけでございます。  今回の改正に当たりましては、そういった点、それから従来からの調整実績あるいは行政効率、こういったようなものも勘案いたしまして、いま申し上げましたように、第一種と第二種と分けたと、こういうかっこうになっておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 私は、実質的な審議をいたしますのは地元の商調協であるというような趣旨からまいりますれば、余り一種、二種に分けることは意味がないのではないだろうか。ある意味におきましては、都道府県知事の意見を十分尊重する、簡単に言えば、地元の地域的な特殊性というものを考慮するという点等を考えれば、むしろ私は、一種、二種ともども商調協で事前審議をするわけでありまするから、県段階におろして、そしていわゆるその調整に当たるというようなこともあっていいのではないだろうかというような実は感じがいたしているわけであります。そういう意味におきまして、やや一種と二種に分ける点については、いまいろいろ御説明をいただきましたけれども、やはり余り釈然としないものを実は持っているわけであります。  そこで、お尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、法改正の中で、都道府県知事が要するに関係官庁の長に助言を求めることができるという趣旨が実は書いてあるわけでありますが、この助言という問題はどの程度の範囲を具体的に指すのか。つまり、私は言葉をかえて言えば、助言を求めることは、逆に言えば、意図的に関係官庁の長が諮るならば、行政指導という名前のもとにおける要するに強化、どちらかと言えば、地元の意見を無視して、関係官庁の長の意見が前面に出るというような憂えなしともしないのでありまして、助言とは一体具体的にどういうことを想定してお考えになっているのか、この点ちょっとお尋ねいたしておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) この助言、十五条の三でございますが、十五条の三の規定は、都道府県知事が第二種の大規模小売店舗で審査を行う場合に、参考とすべき事項で、都道府県知事が必ずしも詳細に把握してないというような情報があった場合には、国の関係行政機関の長に対して助言を求めることができる、こういうこと、それによりまして調整の適正化を図るということを目的にしたものでございます。具体的にたとえばどんなケースがあるかと言えば、ここで考えておりますのは、たとえば大規模な住宅団地とかあるいは工業団地の計画というのがどうなっているだろうか、あるいは交通整備計画の内容がどうなっているだろうか、あるいは他の府県の要するに類似都市の小売私企業に関するデータというようなものがどんなふうになっているだろうか、こういったようなことを知っておくことが、場合によって審査のために必要でございます。そういったためにいろいろ必要があり、都道府県知事の方からこういったものを知りたいということに対して助言をする、こういう規定でございます。御懸念のような規定ではないというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 最近は、実際、車の普及によりまして郊外型のスーパー等の出店がふえている。そして、郊外の市町村は商圏も小さい。大手資本はぎりぎりいっぱいの、この場合は五百平米に近い店舗面積で開店をするというようなことになりますと、小さな市町村段階におきましては、この法の対象外の面積ぎりぎりの店舗でも、相当付近の中小小売業者に影響を与えるのではないだろうかというようなことが、実は懸念されているわけであります。したがって、答申では、意見具申では五百平米ということでありますが、このいわゆる五百平米以下の出店によって、商圏の小さな市町村の小売商業者が影響を受けることがないとお考えになっているのかどうか、この点ちょっとお尋ねをいたしておきます。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 五百平米以下の店舗というものが出てきた場合に、中小小売商に全く影響はないだろうか、こういう御趣旨であろうかと思います。  私ども、この法律、今回その審議会でもいろいろ御議論いただいたときに、どういうふうに考えるかということを検討されました際に、結局一般中小小売商への影響と、周辺小売商への影響というものを考えた場合、相対的にやはり顧客吸引力がまさるというところ、それによって中小小売閥に影響が出る、こういう関係にあるわけでございます。そういう点をいろいろ検討しますと、大体、先ほどもちょっと申し上げましたが、五百平米というのが一つのいわばメルクマールになるのではないか。また、現実の紛争形態を見ましても、従来までのところ五百平米以下では余り紛争の実例というのも、全然ないわけではございませんが、数もきわめてずっと少なぐなっているというような状況でございますので、一応こういう大店法としてはこういうようなかっこうの構成をとったわけでございます。じゃ仮に、いま言いましたように、それ以下で紛争が出てきたという場合、それが現実にあるではないか、そういう場合どうするかという点につきましては、これは商調法の規定で個別に具体的な解決というものを図り得るというふうに思いますので、大店法、商調法両方で十分対処が可能ではないかというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまのお答えで、商調法と大店法というお話でありますが、この意見具申案の中で、上記の調整対象店舗以外のものにかかわる紛争、これは大規模小売店舗及び中規模小売店舗 ——一種、二種ですね、一種、二種以外のものにかかわる紛争にも対処できるようにするため、あっせん、調停ができるような制度を設ける方向で検討すべきであるというのが合同小委員会の意見具申に出ておりますね。いまの答弁では現行法でやるというでしょう。この意見具申は尊重しないんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いまの答申の趣旨に沿いまして私ども検討いたしたわけでございますが、現行の商調法の規定で対処し得るということで、現行の商調法の規定を残したというかっこうになったわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは私先ほど実態の質問をいたしましたときに、商調法十五条では現実に紛争が起きないと調整、あっせんまたは調停の申し出をできないのであります。大店法もなぜこれができているかといえば、そして事前商調協はなぜ開かれるかといえば、事前にそういった紛争を防止しようというのが一つの目的になっているんでしょう。商調法十五条でやりますよというだけでは、私は意見具申を尊重した結果とは言えないんでありますが、これ以外にもう御検討なさる御用意はないんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) いま説明ございました商調法十五条が適用になりますが、この商調法自身、十五条自身も具体的な事実が発生した後であっせん、調停やるのみならず、その計画がある場合にやはり紛争が起こりますので、その計画の段階でもあっせん、調停ができるということに解しております。ただ、今回衆議院の方でいわゆる特定物品販売事業関係の調整の規定を復活して議決されました。そういたしますと、この規定が働きますので、むしろこの事前の調査というようなところは、特定物品販売事業に関する規定を活用したいと思います。ことに、今回の衆議院の改正でこの申し出団体が商店街団体まで拡大されましたので、スーパー等についてもそういう適用が容易になろうかと思いますので、これの活用ということで処理をしたいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 念を押しておきますが、紛争のおそれがあるという状態で申し出をすれば、あっせんまたは調停を商調法第十五条に基づいて行うということを確認していいですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 紛争がまだ現実に発生してない段階では、やはり商調法の十四条の二という「調査」という条文がございますが、その調査の申し出から始まっていくというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、この十円条の  二の「調査」を含めて十五条と併用しながら未然に——紛争の起こった発生した後ではなくて、未然の段階で調停またはあっせんをするという理解でそれじゃいいですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) そのような運用をいたしたいと考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 議事録に残りますので、もう一遍私確認しておきますが、先ほど十四条と言われましたが、調査は十四条の二ですね。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 十四条の二でございます。

古賀雷四郎自由民主党・自由国民会議

○理事(古賀雷四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時三十七分休憩      —————・—————    午後二時一分開会

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案の質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

馬場富公明党

○馬場富君 質問に入る前に大臣に最初に。  御存じのように、非常に円高が一段と厳しい情勢になってまいりました。とりわけ世界の環境はドル離れというような状況から、非常にこの点について円を取り巻く環境というのはごく厳しいと見るべきだし、また長期化と見るべきだと、こういうふうに昨今の状況から感ずるわけです。あわせまして、昨日、大蔵省が国際収支の上半期の黒字九十八億ドルの発表もありましたけれども、ここらをあわせまして、非常に経済見通しについて、かつての政府計画よりは厳しい状況下になってきたと、この点についての見通しを御説明願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 円相場は、きのうに比べますときょうはやや小康状態でありますが、しかしながら、いずれにいたしましても、しばらく百九十円前後で落ちついておりましたものが百八十円近くなったということは、これは日本経済にとって非常に大きな影響がございます。直接の動機はマルクの切り上げ、それといまお述べになりました最近の国際収支数字が発表されたということ、この二つでありますが、もうすでに百九十円の水準のころから日本の経済は円高で非常に困っておったわけでありますが、いまのような相場中心の水準になってしまいました。こういう状態では、せっかく先般もいろいろ補正予算などを組みまして景気回復に対する対策を実施するようにしたわけでありますが、やはり相当足を引っ張るんではないかと非常に心配をいたしております。しかしながら、補正予算の審議を通じまして、経済の動きに対しては機動的に対処する、あるいはまた総合的に対処すると、こういうことも総理並びに関係大臣が繰り返し答弁をしておるところでございますので、もう少し動きを見ながら、やはり時と場合によりますと機動的な対応策が必要ではないかと、このように判断をいたしております。

馬場富公明党

○馬場富君 その関係で、特に内外情勢からいきますとやはり百八十円を割るんではないかという情勢はかなり濃厚だと、こう私どもも見るわけです。そういう点で、やはりここでかつて立てられました総合経済対策ですね、ここらあたりについてももう一段と、やはり輸出依存型の対策というのはどうしてもこれは無理がきておるということを、われわれは内外の状況から感じなければならぬと思うのです。そういう点で、やはり内需中心の総合経済対策の一つは転換の考えを持つべきじゃないか。あわせて、やはり二次補正等も場合によっては考えなければならぬじゃないか。こういう点について大臣の所見をお願いいたしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私もいまお述べになりましたことに対しては同感でございます。内需中心の経済にさらにもう一段と転換をする必要があろうかと思います。  それから、二次補正という話が出ましたが、いまの段階は何分にも補正予算が通ったばかりですから、今後の動きを見て機動的に対処する、この政府の方針で私はいまの段階はいいのではないか、このように思います。

馬場富公明党

○馬場富君 それでは、総合経済対策等の一つは改革等も考えていかなきゃならぬじゃないか。この点はどうでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま企画庁を中心にいたしまして、来年から昭和六十年までの中期経済計画、新中期経済計画を立案中でございまして、十二月中には、十二月の前半にはまとまるんではないかと私ども期待をしておりますが、その中期計画におきましても、やはり、いまお述べになりましたように、内需中心の経済、ここにはウエートをどうしても置く必要があろうかと考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 じゃ、次に議案の質疑に移りたいと思います。  今回の法改正と衆議院の修正等によりまして、この法律も一歩前進をしたという点では私どもも理解をするわけでございますが、特に中小小売業者にあっては、長期の不況の中に、その上に大型店舗の進出等の致命的な打撃を受けて、大変現場では苦しんでおるという状況でございます。その点につきまして、そういう立場から考えてみてもまだまだ改正等についてもやはり問題が多く残されておるんじゃないか、こういう点でその問題点について何点か質問したいと思うわけです。最初に、今回の改正によりまして対象店舗面積の引き下げ、あるいは都道府県知事の関与、あるいは調整措置の強化、あるいは調整期間の延長等の改革がなされておりますけれども、従来の全国の中小小売業者が各団体とも声をそろえておったそのポイントは、やはり従来の届け出制よりは許可制にすべきであるという声が圧倒的にあったと、こう思うわけですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 許可制にしたらどうかという議論、確かにあるわけでございますが、この点につきましては今回の検討に当たりまして、産構審、それから中政審の合同小委員会で今回今後の小売商業のあり方についていろいろこの問題について検討いたしました結果、やはり現行の制度といいますか、許可制をとらない方向で意見具申がなされているわけでございます。私どもといたしましては、その意見具申を受けまして具体的に立法化をしたいということでございます。それからまた実態的に申しましても、御案内のように、大店法は昔の百貨店法と違いまして、百貨店のみならず各種の小売業というものを幅広く対象にし、しかも今回は基準面積を五百平米を超えるところまで引き下げたということで、非常に幅広いものを調整対象にいたしておるわけでございます。そういった場合、消費者の利益の保護、流通近代化の要請等、そういうものともかみ合わせてみた場合に、原則禁止を意味する許可制というのをとるのは適当でなかろうというふうに考えたわけでございますし、また現在の大店法の届け出制というのは、届け出があった後審査が行われて、必要な場合には勧告、命令といったようなかっこうで、必要な場合には十分規制し得る効果というものを持つ体系になっておりますので、現在の制度というものを今回の改正法のような仕組みでお願いをしているわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 いまのこのような声が消えないことは、やはり現行法の調整では両者の紛争解決に対して法的にも、一つはまた運用面に当たっても問題が多過ぎると、こういうことについてのやはり小売業者間の私は不満から発生しておると思うんですが、この点通産についてはどのように理解されておりますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 今回の改正では、いままで問題のありました、最近のいわゆる紛争の傾向で問題になっております基準面積未満のいわゆる中型店と申しますか、そういうものについても対処し得るように基準面積を五百平米まで引き下げておりますし、それからまた調整の仕方につきましても、今度五百平米まで下げられましたために削減の仕方についても建物全体で五百平米というところまで削減し得るようなかっこうに規制が強化されておりますし、全体として見ました場合、大規模小売店舗の進出が周辺の中小小売商に相当程度の悪影響を与えるおそれがある場合には、それを除去するに必要な措置というのは十分担保されているというふうに考えておりますので、こういった今回の改正法で中小企業との調整問題については十分対処し得るものと考えています。

馬場富公明党

○馬場富君 特に、大型店舗の出店によりまして、地元小売業者とのトラブルが非常に多くなっておるということはもう当局もお認めだと思いますが、この大型店の店舗数と売り場面積の最近の比重はどのようになっているか、一遍御説明願いたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 最近の大店法に基づく届け出件数の推移でございますが、五十年度が二百八十件、それから五十一年度が二百六十五件、それから五十二年度は三百十八件、それから五十三年度に入りまして第一・四半期が五十九件、それから第二・四半期が四十三件というような状況でございます。  それからもう一つは……

馬場富公明党

○馬場富君 売り場面積の最近の比重ですね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 売り場面積、ちょっと手元に資料ございませんが、一般的な傾向としましては、最近店舗の面積としましてはやや大型化しつつあるという傾向にあると思います。

馬場富公明党

○馬場富君 また、全国の小売商の売り場面積等に対する大型店の割合というのは、どのように変化してきているか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商業統計の数字で見ますと、たとえば売り場面積で見ました場合の逐年の構成比でございますが、百貨店とスーパーと一般小売店と、こういうふうに分けて整理してございますが、それで見ますと、売り場面積これ全体を一〇〇としました場合に、売り場面横の構成比はたとえば五十一年の数字でございますが、百貨店が六・七、それからスーパーが一三・五、それから一般小売店が七九・八ということになっています。

馬場富公明党

○馬場富君 この改正案の目的の一つは、千五百平米以下の中型店の出店に伴う地元小売商との紛争の防止のためにあるというふうに理解してもいいんだと思いますが、そういう点で千五百平米以下の出店による紛争は全国で何例ぐらい起こっておるのか、通産がつかんでいる数字を教えてもらいたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 私どもで四十九年の三月から五十二年の十二月までの間につきまして調査をしましたものの数字がございますが、一応紛争というのが、何らかの意味で当初の出店計画に対しまして、条例とか要綱というようなことで店舗面積等について調整が行われたものというものを紛争というふうに考えまして数えますと、全体といたしまして、その間で合計で四百六十一件という数字になっております。これが基準面積未満の私どもが把握している数字でございます。

馬場富公明党

○馬場富君 そうすると、改正案は規制基準面積を五百平方メートルに引き下げておるわけでございますが、この範囲内に入るのは紛争例の何%ぐらいに入るかということです。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) もうちょっと詳しく申しますと、いまの四百六十一件というのの中で五百平米未満という、今回引き下げたわけですが、それよりさらに下になるというものの紛争件数は合計で三十五件でございます。したがいまして、四百六十一件のうち四百二十六件でございますか、これが、要するに五百平米を超えた基準面積未満の紛争件数ということになります。

馬場富公明党

○馬場富君 私が調べた数字では、実は名古屋通産局管内の関係だけでもいま大型店舗数が三十六ございます。その中で未調整あるいは話し合い中で現在もめておるという状況が四十九件紛争問題があるわけですね。それでまた、その四十九件の中で三年以上の紛争を続けておるのが一件、二年以上が三件、一年以上が十四件と、こういうような数字が出ておるわけです。これは紛争が非常厳しくて調整が最近長期化しておるということを物語っておると思うんです。また別の数字では、紛争件数も五十年度は、ゼロになっていますが、五十一年では九件、五十二年では三十件、五十三年では四十一件と、五十年よりもみんな倍数的に増加しておると、こういうようなのが実は現場での数字の実態なんです。通産省においてはこのような紛争状況が起こっておることについてどのように考え、またどのように対処してみえますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 全体の傾向といたしまして、最近において成長がいわば再度成長から安定成長に基調が変わってきております。二方、消費者のニーズというものも非常に多様化しているというような関係がございまして、大型店の出店の増加という傾向が見られます。それからまた、その出店パターンというのも郊外立地あるいは最近では地方の中小都市への進出というような傾向が見られるわけでございます。  それからもう一つは、最近いわゆる基準面積未満の中型店というものの紛争もふえておる、こういったところから、全体といたしまして各地に紛争が見られるというのが現状であろうかと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 それで、この中でいろんな紛争がこのように年々激化し、大変その解決が未処理のまま現在まできておるというのが実は現場の実情です。そういう点で、この中で紛争のやはりなぜこのような状況が多いかという中の何点かひとつお尋ねいたしますけれども、まずこういう処理に当たって、まず通産当局の体制でございますけれども、受け入れ体制がこれはぼくは大変お粗末ではないか、こう思うんです。たとえば、このようないま私が示したような数字の解決に、大体名古屋通産局関係では六名の係員がこれに対しては対処しておる、予算的にも非常に無理な予算の中でこれを処理しておるというのが実情です。たとえば五十二年度に、やはりこの名古屋通産局関係で商調協が開催されたのが百四十四回あるわけです。ところが、この中でやはり通産から当然参考人として出席しなければならぬわけですけれども、そういう人員の問題、予算の問題で通産側は八十回しか出席ができなかったというのが現状なんですね。こういう点について、まずここらあたりから法改正をしても、現状が完全にそういう点で受け入れ体制ができてない、そこへ持ってきて法改正が行われれば、厳しいほど体制を強化していかなきゃならぬと思うのです。ここらあたりがまずできなければ、この法改正だって私は根なし革になっちゃうんじゃないかと思うんです。この点どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 御指摘のとおり、制度を動かすためには実際その裏づけが必要であろうかと思います。  通産局のいまお話ございましたけれども、大店法の運用に当たりまして各通産局で、たとえば届け出の受理の仕事とか、あるいはいまお話ございました商調協への出席等の業務がいろいろございます。そのために、確かにこの仕事というのは年々非常に紛争もふえておりますので、それに対応する体制をとらなければならないというふうに考えておりまして、毎年人員の増員あるいは予算の増額について努力をいたしておるところでございます。まだ、現状において私ども必ずしも十分であるとは全然思っておりません。今後ともさらに必要な人員、予算措置の充実につきまして私どもも極力努力をいたしたいと考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 現行もそうですけれども、じゃ、法改正に対しての体制もやっぱり完璧に対処するお考えですかどうですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 法律が改正されますと、第二種につきましては都道府県の方にお願いをすることになります。そういった関係もありますし、また仕事もそれだけふえてまいると思いますので、私どもといたしましては来年度の予算要求につきましては、さらに本年度よりも増額して予算要求をお願いをしておるところでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 次に、その点が通産側の受け入れですけれども、今度の改正では地方自治体の負担がやはり増大してくる、やっぱり二種等について地方自治体の解決になってきますが、そういう点についての助成策はどのように考えておりますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま申し上げましたように、今回の大店法改正に伴いまして新たに第二種の大規模小売店舗につきましては、都道府県知事にこれをお願いするということになるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはこの事務の施行に必要な費用につきまして、地方交付税の基準財政需要額の単位費用算出の対象としていただくように、関係省にこれからお願いをしたいというふうに考えておるわけでございます。  また実際、今度第二種大規模小売店舗の調整に当たりましての基礎的な資料を整備する必要がございますので、そういった資料を整備するために、来年度の予算におきましては第二種大規模小売店舗の実態調査委託費というのを要求、これは当方で現在予算要求を行っているところでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 次に、三条と五条の届け出の問題ですけれども、現行法の運用では、三条による大型店舗の建物の届け出は、先に受理してから五条のやはり調整が行われるという矛盾点があるわけです。そのために三条を受けて、そして大型店舗についてはその建築にかかっちゃうわけです。そうすると、ここで事前商調協等が行われて調整が行われるわけですけれども、これがなかなか問題点があってうまくいかないということで長期化してくる。私の調べでは、先ほど御説明したように、長いのは三年にもかかっておるというような状況のものもあるということになってきますと、結局五条の届け出の以前にやはり建物ができ上がってしまって、そしてここからくる一つは両者問の、店舗側と小売業者とのあつれきもますます激しくなってくる、感情もむき出しになってくるというような状況が実は起こってくるわけです。そういう点で、ここらあたりの点に私は非常にこの運用についての問題点があるんではないか。だから結局、片一方は建物を建ててしまったと。よしんばその後に五条を受けての勧告、命令等の段階になったとしても、そのときに、それじゃ建物の半分は壊すのか、あるいは一部しか使えないのかという問題も大店舗の側に出てくるし、また小売業者の立場からいけば、法の順序に従って、当然これはやっぱり処置すべきだ、こういう問題等も起こってくるわけですね。そういう点でこのトラブルがよけい激化しておる、こういう点では、この点に一つは大きい私は扱いの中で問題があるのじゃないかと思うが、この点どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 現行の大店舖法の考え方は、御承知のように、建物といいますか、店舗主義、面積店舗主義をとっておるわけでございます。そこで、最初にこの三条の関係で言いますと、現行法の場合、一の建物内の店舗面積の合計が千五百平方メートル以上であるものの新設をする者は、その表示と同時に通産大臣に届け出なければならない、こういうかっこうになっているわけですが、建物段階につきましては、その建物をどう使うかというのは、法的に言いますと、建物所有者がその建物をあとこれをどういうふうに使うかというのは、その段階では必ずしもこの建物は大規模小売店舗に該当する建物であるのかどうかというものはわからないわけでございます、外形的に。したがいまして、まず建物の段階では大規模小売店舗、この建物をつくる人が届け出をし、公示をし、そこから今度は調整が始まるというかっこうで、三条、五条というかっこうの仕組みをとっておるわけでございます。したがいまして、いまお話しの、建物を先に建ててしまうという問題は現実に確かに議論があるわけでございますが、これは実際には建物を建てましても、法的には建物所有者は後で調整を受けるという仕組みになっておるわけでございますから、その中に入る小売業者が調整を受けるという仕組みになっているわけでございますから、そういう前提の上で、もし建物を建てるとすれば建てるという問題でございます。したがいまして、現在の法律の構成といたしましては、やはり建物の建築以前に、何といいますか、調整を行うというかっこうの構成を法的に担保するというのはむずかしいのではないかというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 だけれども局長、三条の受け付けのときには、建物の設計とかあるいは内容というのはある程度まで示されて、これが提出されるのじゃないか。だから、これはやはり、たとえどういう理屈があったとしても、建設側にしてみればスーパーを建てるのに、私はアパートを建てるという申請ではないと思うんですよ。何をつくるかわからぬからこれから申請しますではないんです。やはりスーパー、大型店舗をつくりますという申請が出てくるのが三条です。この営業をするかしないかはまた五条になるわけですけれども、そういうことで受理しての後の問題ですから、だからここについては私はその方法ではちょっとまずいんじゃないか、答弁ではまずいんじゃないかと。たとえばこのような事前商調協で調整ができずに長期化をした場合ですよ、じゃ結局五条の届け出というのはいつまでも法的に拒むことができるんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大店法三条に基づくまず届け出が出まして、そして現在の運用では商調協で調整、議論が行われ、そして五条の届け出というかっこうのケースが多いわけでございます。  いつまでも届け出を拒むことができるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、できるだけその調整を、地元における調整というのを円滑に行うことが本法の運用にとって非常に重要であると考えておりますので、できるだけ商調協において調整が行われるように指導をするわけでございますが、法的にはもちろん届け出ということは、これは届け出者が届け出を出すということであれば、法律上これは届け出でございますから、それは受理するということになります。ただ実際問題としては、その間に実際上の調整が行われるように運用が行われる、こういうことになろうかと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 結局、私はだから、その運用じゃなくて、法律的な解釈をいま聞いておるわけです。  それで、それじゃ国は事前商調協の理解がなければ五条を受理しないと、行政指導をしていらっしゃるじゃないですか。これは法的に問題があるんじゃないんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま申し上げましたように、法律の構成としては三条、五条という届け出ということになっておるわけでございます。ただ実際には、いま申しましたように、その調整という、現実にその地域の実情に応じた調整を行うために商調協というものを活用して、そこで事前に調整が行われることが円満な解決をする上に望ましいということで、そういう措置をとっておるわけでございます。これはあくまで運用の問題であるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 そのために、先ほど私が話しましたような紛争の長期化のために、二年、三年もの紛争があったと。そういうような実情から、ちまたにはやはり大型店舗側寄りの行政省庁といような声も一つは起こっておるわけですけれども、現行法でこの問題に対処できるかどうかということです。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) どういうふうにお答えしてよろしいか、私どもといたしましては、法律的には五条の届け出に対して、その届け出の内容が七条の規定にありますように、それらの周辺中小小売商に相当程度の影響を及ぼすおそれがある場合にそれに対して必要な勧告、命令を出すことができるという、そのために審議会の愚見を聞く、審議会は関係の商工会議所の意見を聞く、商工会議所はその場合に商調協というものを活用して意見を述べる、こういうような仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、問題はそういうシステムで運用することによりまして、この複雑な商業調整というものを円滑に運用していきたいと考えているわけでございますが、問題はその商調協の運用というのがうまくいかなくて、いたずらに長期化し結論が出ないというようなことでは問題があるではないかという趣旨のお尋ねかもしれません。私どもといたしましては、三年余の商調協の運用の実績というものにかんがみまして、その問題のみならずいろいろな点で商調協の運用について、なおいわばより適切なものにしていくという余地があるのではないかという点で、今後検討したいと考えておるわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 私はこういうやはりいままでの実情等を考えてみたとき、やはり五条により調整が終わるまでは建築にかからせないというような運用方法か、もしくは法改正かがなければ、ここの三条、五条の間のトラブルと、やはりここから起こってくる問題点というのは私はよけい複雑になってくるんじゃないかというふうに現状を見て思うわけです。この点どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 建築につきましては、御承知のように建築基準法等建築関係の法規によりまして規制が行われているわけでございますが、その間たとえば安全とか防災とかいったような見地から、いろいろ規制が行われているわけでございますが、その制度とこの商業調整の制度とを法的にリンクするということは非常にむずかしいというふうに思います。この二つの制度の間にはそれぞれの目的の違いというものもございますし、これを二つを絡ませた場合には商業調整という調整の仕方というものが、調整というものが何と申しましょうか焦点がぼけると申しますか、より構成がむずかしくなると思いますので、法的にはそういうかっこうでのリンクというのがむずかしいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 何かその点につきまして、この矛盾というのを解決する一つの考え方をやっぱり持つべきだと、いままではそのために困っておるんだと、小売業者の方も店舗側も両方ともやはりここらあたりのところに一つは結局はこの矛盾のためにみんな困っておる点がずいぶん出てきておるわけですよ。この点どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 問題はその法の運用にあるかと思います。実際問題として大店法の仕組みというものを十分理解して、その仕組みに従って調整が行われるということを理解した上で、建物の何といいますか、建設というものを考えるということであるならば、いわば予想しなかった不側の事態になって非常に後建物所有者が困るということは避けられるわけでございますので、いわばそういう点につきまして建物所有者の方にも大店法のシステム、そしてどういう場合にどういうような調整が行われるのかということについて十分理解をさせるようにしまして、実際問題としてそういうことで後で当事者の認識が食い違ったために問題を起こすということをなくしていくというのが、一つの方向かと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 それからもう一点は、先ほどの国が事前商調協の理解等がなければ五条は受理しないというこの行政指導は、やはり一つは法的な根拠ではないと、こういうふうにやはり理解されるわけですけれども、その点どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 先ほど申し上げましたように、法律上は五条の届け出が行われまして、そして一定の期間内に調整が行われるわけで、現行であれば三カ月、調整が行われるわけでございまして、その間に必要がある場合、つまり七条の要件に該当する場合は変更勧告をするというのが法律の規定でございます。したがいまして、そして法律的に言いますと、その場合に七条で勧告をする場合に、ここにありますように大店舗審議会の意見を聞く。その大店舗審議会は意見を聞かれた場合に、商工会議所あるいは商工会あるいは消費者、その団体、小売業者またはその団体その他のもので通産省令で定めたものの意見を聞く、こういうことになっておるわけでございまして、その商工会議所または商工会の意見を聞くというところで、商工会議所、商工会に、何といいますか、設置されました商調協というものが意見を述べる、こういうかっこうになっておるわけでございます。そういうかっこうで法律上はリンクをしているということでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 ところが、それと全然違って、その五条の受理前に実質は——そのいまあなたの言われるのは、法的な裏づけのもとに商調協が動く方法なんですよ。ところが、事実は、実際は現場では五条の受理前に事前商調協が開かれておるでしょう。そこでの紛争がほとんど主体ですよ。そのときに通産は、その調整がうまくいかない場合は五条は受理しないと行政指導しておるんじゃないんですか。この点は、ぼくは法的な裏づけというのはないんじゃないかというふうに見ておるんですか、どうですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま法律的には先ほど申し上げましたようなことでございますが、実際にその仕組みをうまく動かしていくためには、その事前に商調協において地元での意見の調整というものを行っておくということが円滑に運用していく上で非常に重要であるというところから、いまのお話のように事前に商調協でいろいろ意見調整が行われるということの運用をしておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、そういった特に大規模小売店舗の出店の場合、それが周辺小売商にどの程度の影響を及ぼすかという点につきましては、きわめて複雑な要因というのが絡み合っておりますので、そういったものを判断していくという場合に、地元の関係者で十分話し合いが行われていくということが相互にとっても好ましいというふうに思われますので、いまのような運用をしておるわけでございます。ですから、これはいわば法を円滑に運用するための一つの運用の方法としてとっておるということでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 これはこの程度にいたしまして、次に現場での紛争の中にはわれわれも入りまして痛切に感ずるのは、そのポイントとなって動いておるのが商調協の活動だろうと思うんです。先ほど来話したように、通産は、法律はあるけれどもこれから——いま局長が予算を出し事業を考えるとおっしゃったが、いままでは名古屋通産局六名でやっておるわけですよ。そうすると、複雑な調整なんかになってくると地元商調協に任せるというのがほとんどじゃないかと私は思うんです。ここらあたりに私は、この法律の中に言葉としては出てこぬけれども、陰の力としては商調協が大きい動きになっておると見ていいんじゃないかと、こう思います、そういう点で、商調協について局長の見解をひとつ説明してもらいたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協についての見解ということでございますが、法律的には、先ほど申し上げましたようなシステムに基づいて商工会議所に意見を聞く場合に、商工会議所に設置される一つの組織ということでございます。ただ、実際上、先ほど申しましたように、本法の運用に当たりましてこの商調協というのは実際上は重要な役割りを従来も務めてきたわけでございますし、今後ともその点につきましてはやはり商調協というものの役割りというのは大きいというふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 それじゃ商調協は、まず第一歩から聞きますが、何のためにできたんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 先ほど申しましたように、七条の関係で大店舗審議会の意見、その大店舗審議会が商工会議所または商工会の意見を聞かなければならないということになっているわけでございまして、この際に、その商工会議所、商工会が意見を述べる場合、どういうかっこうでやるのがいいかということで、商工会議所がその意見を述べるときに、これは百貨店法時代からの経緯もあるわけでございますが、商工会議所、商工会に商業活動調整協議会というものを設けて、そこで消費者、学識経験者、小売業者というようなもので構成されるそういった組織でいろいろ検討をして意見を述べるというのが適当であろうということで設けられたものだと承知しております。

馬場富公明党

○馬場富君 この大店法についてのものでもそうですけれども、商調協というのは百貨店法時代の調整のためにできた組織でしょう。どうなんですか。そういう点で、いまの大店法についても、やはりこの組織が調整のために非常に必要だということからこれがそのまま使われたり、あるいは、ないところについてはつくられたりしてきたというのが商調協の行き方じゃないか。そういう点では商工会議所や商工会の中から発生してきたものであって、自然発生的で、法的な根拠を持って生まれたものではないということに私はこれは見たわけですけれども、その点はどうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協というのが法律上の制度であるかというお尋ねになるわけでございますが、法律上いわゆるこの根拠条文というのがあるかないかという意味では、それはそういう根拠条文はないわけでございます。ただ、商工会議所あるいは商工会というのは、当該地域における商工業者の団体、これは会議所法なり商工会法にございますが、そういった法律の趣旨から見まして、大店舗審議会から意見を聞かれたときに、その地域における商業活動の調整のあり方についての見解を取りまとめて意見を提出するという立場には最も適した機関であるわけでございます。そういった機関でございますので、そこに意見を聞くことにしているわけですが、その商工会議所の意見を述べる場合に、やはり一つの何といいますか、運用といたしまして商業活動調整協議会といったようなかっこうで消費者、学識経験者、小売業者の代表、その人たちがそれぞれの意見を広く代表する立場でここで意見調整を行うというようなシステムとしてできた、こういうふうに考えております。

馬場富公明党

○馬場富君 だから、発生は商工会議所あるいは商工会の中にできた組織だけれども、百貨店法のときの調整方法としてできた。だが、現在いわゆる大型店舗の全国的な進出によってこれが非常に大きい役割りを果たしてきた。また、ないところについてはこの組織化が通産省から指導されて全国的にもできてきた。そういうことで、現在は発生については自然発生的な発生をしたわけだけれども、現状については結局大店法の調整の中の大きい役割りを果たしておるというのが現在の私は商調協だと、こう思うんです。そういう点について、発生の時代といまとは全然状況が変わってきておる。いわば通産の直系的な機関のような活動をしておるというふうに見ていいんじゃないか。また、そういう人員等の不足からして、現在まで調整に当たっては地元商調協がほとんどその調整の任に当たってきた、こう私は見るべきだと思うんですね。  こういう点で、現状から推してみて、やはりこれは法的な裏づけのある組織化に今後は考えていかなきゃならぬのじゃないか。また、そういう点でやはり通産からのそういう指導体制も強化できるようにしていかなきゃならぬじゃないか、こういうことを痛切に感じますが、この点はどうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協の何といいますか、位置づけと申しますか、そういうものについてどういうふうに考えていくかという問題でございますが、いま申し上げましたように、一応会議所というのが地域の商業活動についての意見を取りまとめて提出する立場にあるという認識のもとに、商工会議所あるいは商工会の意見を聞くというかっこうをとっているわけでございます。したがいまして、制度上はその地元の意向というのは会議所等の意向を尋ねれば一応把握できる、こういうことで法律上は商工会議所あるいは商工会の意見を聞くと、こういうかっこうの構成をとっておるわけでございます。したがいまして、あと商工会議所、商工会が意見を述べる場合に、商工会議所あるいは商工会に設置されます商業活動調整協議会、言うなれば会議所に設置される機関でございますので、法制上、それをいわば制度化するというのはちょっといろいろ検討してみなければいけませんけれども、私は制度的にはむずかしいのではないかというふうに思います。ただ、実際上、御指摘のようにきわめて重要な機関でございますので、これのあり方につきまして私どもといたしましても十分検討をし、公正かつ十分な運用が行われるように私の方としても指導してまいりたいと思います。

馬場富公明党

○馬場富君 その運用のあり方については私自身、商工会議所や商工会を差しのけるということではなくて、もちろんその中の一つの組織だけれども、やはり立場がそういう重要な立場にある。そのために、やはり先ほどもお話ししましたように、紛争、特に事前商調協等の問題については、やはりこの委員の構成やらその委員の発言等が大きく作用していくわけです。その間は通産や県や市においても参考人として参加するだけです。だが、現状ずっと見ていますと、それによって一つは調整が行われて、五条の受け付けが行われてからは、ほとんどそこでトラブルを起こすような問題は私は聞いてないんです。そこにほとんどのトラブルの問題があるわけですから、そうしてみると、やはりここに一つは大きい調整のポイントがあるということを、われわれ実質上のポイントがあるというように見るのが妥当ではないか。そういう点で、やはりこの商調協を重視して、そういう体制をとらなければいかぬというふうに思うんですが、どうでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま御指摘のありましたように、運用の実際上の問題としまして、商調協というのは非常に重要な役割りを果たしておるのは事実でございます。したがいまして、この商調協の運営というものにつきまして、私どもといたしましても十分配慮いたしまして、これの運用が先ほど申しましたように円滑、公正に行われるように、今後なお改善の余地がないかどうかということを検討してまいりたいと思うわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 この商調協の組織についても、通産は全然関知しないんですか、それともその点で接触があるんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協の運用につきましては、一応どういったような、何といいますか、組織のあり方がいいかというものにつきましては、私どもの方で一応通達を出しておりまして、こういった構成、特にこういった運営といったものが望ましいという点につきましては、通達を出しているわけでございます。

馬場富公明党

○馬場富君 これは通産から出た通達ですけれども、これにもやはり委員の任命等については、一つは通産に要請をするというか、これを届け出をするという、そういう通達が出ておるんじゃないですか。これは接触はないわけですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協の委員の委嘱は、商工会議所の会頭あるいは商工会の会長が委嘱するということになっておりますが、その際に事前に十分通産局と連絡をとりまして、その了承を得て行うというような運用にいたしております。

馬場富公明党

○馬場富君 それから次は、商調協の活動はそのように重要な活動ですけれども、予算措置ですが、これはもうあなたのいま言われたとおり、地元商工会議所や商工会に任せっ放しということですけれども、ここで実際やることは、この法律のポイント的な調整を行っておるということで、はなはだ相済まぬことじゃないかと私は思うんです。そういう点で、それに対して、通産がこの商調協に対して資料作成費として一件当たり十万円程度の費用を払っておるようですけれども、これはほとんど会議費や調査費にもならぬし、紛争状況が多くなって会議等が詰まってきたら、これはとてもじゃないが予算の中に入ってくる問題じゃないですけれども、こういう予算措置等についてもひとつ今後どのように考えていくか、局長とあわせて大臣からも答弁いただきたいと思うんです。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いまお話ございましたように、商調協の設置されております商工会議所に対しまして、大規模小売店舗法に基づく勧告等の審査を行うための資料作成についての委託費というかっこうで、予算措置を講じているわけでございます。これにつきましては、今後何といいますか、調整案件もふえてくることも考えられますので、そういった今後の法の施行の実態に合わせまして、私どもとしても極力その充実が図れるように努力してまいりたいと考えております。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま審議会が答弁したとおりでございまして、不都合を来さないようにいたします。

馬場富公明党

○馬場富君 最後に、まだ何点か質問したいわけですけれども、法改正も行われて一つは一歩前進するわけです。そう私もけちばかりつけたくありませんが、やはり地元のそういう小売業者の立場の方々の状況を考えますと、まだまだこれでは物足らぬものがずいぶんあるわけです。  そこで、せめてもの法改正はこれといたしましても、先ほど来質問しましたように、法の運用面やあるいは現場の受け入れ体制等について実にいままでお粗末ではなかったか、こういうことを感ずるわけですね。だから、私はいま何点かその中の重立ったものを言ったわけですけれども、幾ら法をつくったとしても、それを受け入れる事跡的処理対策もなければ予算もない、それを協議する会議については予算も一つも出てなければ任意にやてくださいというような方法、これで果たして法律をつくり監督する責任官庁の私は態度ではないと思うし、やり方ではないと、こう思うわけです。この点についてひとつ大臣から、今後、この法を改正されたけれども、今後運用や受け入れ体制についてどのような腹構えを持って臨まれるか、御答弁願いたいと思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今度法改正が認められましたならば、特に運用の面によほど気をつけまして所期の目的が達成されますように配慮してまいりたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 安武委員が午前、提案理由を御説明申し上げましたけれども、わが党は当委員会に大店法、商調法の二法について抜本的な強化改正案を提案いたしております。ところで、政府案は確かに基準面積の引き下げとか都道府県知事権限の一部導入、あるいは衆議院における若干の修正など、一定の改善がなされていることは事実であります。しかし、他方、重大な改悪部分をも含んでいるというふうに考えます。  そこで、私は、政府案とわが党案との対比を軸にしながら、幾つかの問題について御質問いたしたいと思います。  まず、昭和四十八年に百貨店法が廃止になって大店法が制定されたわけでありますが、それ以来全国各地でまさに無秩序とも言うべき出店ラッシュが相次いでおります。そこで、大店法制定前と大店法制定以降今日までに新設された大規模小売店舗の出店数及び店舗面積を明らかにしていただきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) まず、大店法施行後の三条の届け出件数で申し上げますと、大店法に切りかわりましてから、全体で千三百二十件というのが届け出件数でございます。それから大店舗法施行前の既設のものにつきまして、大店舗法ができましたときに附則四条で届け出が出ておりますが、その件数は千七百十件ということでございます。  それから面積でございますが、面積につきましては、百貨店法から切りかわったものも全部含めまして、総店舗面積といたしまして約千五百八十八万平米ということになっております。これはただ数字がちょっと古うございまして、五十二年の三月現在ということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これは大変な出店ラッシュと言わざるを得ぬのでありますが、通産省も御存じだと思いますけれども、全国商工会連合会、これは政府から補助金も出ておりますいわば法定団体でありますが、この全国商工会連合会が大型店の商工会地区への進出による影響調査を行いました。六月号、この「商工会」という雑誌でありますが、その結果を発表しております。それによりますと、「大店法発足当時既設店は一、六九三店あり、その後の三年間で九四六店」、これがいまのお話によると、もうすでに千三百二十になっているわけですが、「新設の届出をしている。既設店は日本の小売商業が近代化をはじめた明治初年いらいの百年の集積であるが、この百年の集積分の六五%が僅か三年間でつくられることになった」というふうに述べております。そして、この急激な進出ぶりに対していわば脅威の念をあらわしておるのでありますが、そこで、河本通産大臣にお伺いしたいんですが、このような無秩序とも言うべきいわば出店ラッシュ、この大量進出が消費者や地域経済社会にどのような影響を与えてきたかという、その点についての認識をまず承りたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても、最近の大型店舗の激増は地域社会に対して非常に大きな影響を与えておりますし、また小売店等に対しても非常に大きな影響がございます。特に日本の場合は小売店は零細企業が大変多うございまして、百六十万の小売店ほとんど全部が零細企業でございますから、そういう意味で特別に大きな影響が出ておると思います。そういうことから、今回いろいろ工夫をいたしまして法律の改正をお願いをしておるわけでございますが、しかしながら、一方におきまして、消費者の立場の保護ということも考えなければなりませんので、いろんな角度から懸案の諸問題を整理をいたしまして今回の改正案となったのでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いまの大臣の認識はきわめて抽象的であって、大変な大きな影響というふうにおっしゃっているけれども、それはどういう実態的な内容なのか、きわめて不明確であります。  そこで私、具体的にお聞きしていきたいんですが、私ども大店法の制定の当時から、消費者や地域住民あるいは中小小売店の利益を守り、地域経済、社会の均衡のとれた発展を図るためにも、大スーパーの無秩序な進出を事実上許すことになる届け出制ではなくて、本当に公正な立場で調整できる許可制にすべきことを繰り返し主張してまいりました。ところが、大店法制定以来の約五年を経過した今日の事態は、私はこのことを改めて証明しているというふうに考えます。  私どもの現実の事態に即した認識でありますが、第一に、この大規模のスーパーの進出というものは、長い間地域住民と密着して利便を提供してきた中小零細小売業者、これを深刻な苦境に追い込んでいるという認識であります。その結果、品種が豊富で近距離にあり、また、日常の消費者に利便を提供しており、また、老人家庭や乳児を持つ家庭あるいは共働きの家庭などに対して商品が宅配されるなど、いわば中小小売店ならばこそできる小回りのきいた消費者へのサービスは、いまや死滅せざるを得なくなりつつある。  第二に、大規模店の無秩序な進出、中小小売店の駆逐による市場の独占化は、結局、価格のつり上げをもたらしております。今日、中小小売店よりスーパーが決して安くないということは、もう通説にさえなっております。  現に、ここに私、十月十六日の朝日新聞を持ってまいりましたが、ここに「スーパーは安いか」という特集をいたしておりますけれども、神戸市が毎月発表しております「主婦のお買物天気図」、この調査によっても、生鮮食料品あるいは家電製品、日用雑貨、衣料品、薬品など、概して一般小売店の方が貴いことを明らかにしております。  第三に、大規模店の出店ラッシュは、小売売り場面積の著しい過剰状態を各地でつくっております。そして、社会的に見てもむだな投資を重ねた結果、周辺の中小小売店はつぶされております。こうした影響は、中小小売店だけでなしに、地元の中小製造業者、卸売業者あるいは地元の中小金融機関にまで打撃を与える現象がもたらされておりますし、結局、消費者利益——いま大臣は消費者の利益の側面をおっしゃったけれども、結果としても消費者利益、地域住民の利益から見ても明らかに、逆行する事態を招いているというふうに言わざるを得ません。  第四に、地域経済、社会のつり合いのとれた発展という見地から見ても、大規模店の無秩序な進出は、交通公害やあるいは騒音、地価のつり上げなど、さまざまな悪影響を生み出しており、地方自治体の地域都市計画の民主的な遂行を妨げ、同時に、道路整備や上下水道整備など、過大な自治体負担を押しつけることになっております。こうした大規模店の進出による諸問題の発生に対処するためには、自治体が条例やあるいは要綱をみずから定めて、これを規制せざるを得ない状況も生まれておると思います。  私、以上四点を指摘いたしましたが、こういう事態が果たして消費者や地域の経済、社会に好影響を与えてきたんでしょうか、どうでしょうか。こうした事態を私は直視する必要があると思いますが、こうした認識について政府当局の見解を承りたい。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いま、大型店につきましていろいろの御指摘をいただいたわけでございます。  私ども、幾つかの御指摘があったわけでございますが、たとえばスーパーの価格が一般小売店に比べて本当に安いのかという点でございますが、私ども承知しておりますのでは五十二伍の全国物価統計調査、これは総理府の調査でございますが、それによりますと、店舗の業態別小売価格につきましては一般にスーパーチェーン店が安く、その他のスーパー、それから一般小売、百貨店、こういうかっこうの順序になっておるようでございますが、生鮮食料品につきましてはスーパー店に高いものを見られるというようなことになっております。そういうことでございまして、スーパーが安くないのではないかという御指摘につきましては、データで見ます限り、必ずしも一概にそうは言えないのではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、結局わが国の小売業の望ましい発展の方向というのは、非常に変化しておりますし多様化しております消費者ニーズに対して、どのように流通、小売業界がこたえていくかということが必要であろうか。そのために多様な恐らく業態の小売業というものが出てくる、そういったものが調和されたかっこうで発展していく、それで有効な競争関係を維持していくということが一番望ましい方向であろうというふうに思うわけでございまして、そういった各種の業態の一つとして、いま申しましたスーパーのいわゆるチェーンオペレーションあるいはセルフサービスというような小売技術を採用していく店というものもあって、消費者利便に貢献しているという点は考えてもいいのではないかと思います。ただ、一方におきまして大規模店の急激な事業活動というものが、周辺小売店の適正な事業活動の機会を奪うというようなことになりますと、これは先ほど申しました調和のある発展という観点から見ても問題がございます。したがいまして、そういうものにつきましてこの大店法で調整を行うというような考え方でまいるべきであろうというふうに思っておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そこで、論を進めて許可制の問題に入りたいんですが、政府はいままでも届け出制にした理由として消費者利益の配慮とか、あるいは中小小売業者の近代化の促進ということをよく言われております。そこで明らかにしたいんですが、私どももこういう消費者利益あるいは中小小売業者の近代化というふうなことは当然のこととして認識しております。むしろ問題は、許可制への移行がこうしたことと対立するかのような説明をされている政府の方にこそ、真の意味での消費者利益、これに対する配慮が欠けているんじゃないかと言わざるを得ないんですが、実際に、たとえば大阪の河内松原市、ここでは丘センターというのがあります。ここで中小小売市場が近代化に取り組み、名称もニュー丘センターと変えて独自の駐車場をつくったり、あるいは店内を明るくする、こういういろんな苦労と努力を重ねておるやさきに、すぐ近くに大型スーパーが出店計画を出してくる、非常な脅威を与えておりますが、このように事態はむしろ大規模店舗の無秩序な進出こそ中小小売店の近代化努力、それをも台なしにしようとしておりますし、許可制は消費者利益と対立するというふうな考え方はいまでもお持ちでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 許可制についての御議論でございますけれども、私どもこれにつきましてはいろいろ御意見のあることも承知しておりますし、したがいまして、昨年来の中政審、産構審の合同小委員会でもいろいろな方の御議論をいただきまして、その結論としてはいまお出ししているようなかっこうの制度が適当であろうという結論をいただいたわけでございます。それを受けて具体化しておるわけでございまして、こういった形が現在の状況では一番適当であろうと考えているわけであります。  それからまた、若干私の感じを申し上げますと、現在の大店法では非常に規制対象を大幅に広げておりまして、旧百貨店法時代のような特定の業態のものだけでなくて、中小の寄り合い百貨店も含めましたいろんな形態の、何と言いますか、ものにつきまして一応網をかけるというかっこうになっておるわけでございます。そういう体系を考えますと、そういったものを対象にいたしまして、たてまえとして原則禁止的な意味合いの強い許可制というのをとるのはいかがであろうかというふうに考えるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、いまの許可制の問題について引き続きお伺いしたいんですが、先ほど価格の問題で最近の新しいデータに基づいて申し上げました。島田審議官はこれに対してまた一定のデータをお出しになったのですが、この議論は私はここで時間の関係からあえて続けませんが、しかし価格の問題だけでなしに、生活環境の保全とか、あるいは地域経済との関連の問題がやはりあるわけであります。わが党の改正案ではこうした立場から、十一条において消費者に対する配慮等の項目の中に、周辺の住民の生活環境の保全、交通の安全及び円滑に配慮することを提起しております、お読みいただいたと思いますが。この面でも大規模店舗の進出は交通渋滞やあるいは騒音、子供たちの万引きなどの非行、こういう生活環境、交通環境に悪影響を及ぼしているということは少なからず見られるわけであります。  今回の改正では、都道府県知事の権限が一部導入されたこと自体、これは私どもの従来の主張が反映されたものとして積極的に評価するものであります。しかし、都道府県知事の調整権限が及ぶのは結局五百平米から千五百平米未満のいわゆる中型店のみであります。実際には千五百平米以上の大型店が、ここに東洋経済を持ってまいりましたが、その調査でも現在六百四店も予定されており、これがいずれも都道府県知事の権限から除外されておるということになりますと、結局従来の実績を見ると、無秩序な集中的な進出をしているのはいずれも千五百平米以上の大型店であります。この大型店が、先ほども申しましたように、交通渋滞やあるいはいろんな問題を生み出して、町づくりにも大きな影響を与えるものであります。たとえば私、先日、奈良県の大和高田に現地に行ってまいりましたが、ここに奈良県の商工労働部の奈良県中小企業の現状という資料がございますが、それを見ますと、わずか人口六万の小さなこの町に、六千三百九平米、あるいは一万四百三十一、一万五百三十九平米等々の大型店が進出している。あるいはまた、過疎県と言われる島根県でも大型店の平均売り場面積が三千五百平米だというふうな実情を見ますと、地域経済により大きな影響を与える千五百平米以上、いわゆる大型店にこそ都道府県知事に調整権限をゆだねるべきではないか、許可制の問題は別として。この千五百平米以上に持たすべきだという点についてはいかがでしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) お尋ねはいわゆる第一種の大規模小売店舗の調整につきましても、都道府県知事に行わせるべきではないかという御趣旨かと思います。私ども、この問題を考えました場合に、小売商業の調整というものをどういうふうに進めるかという場合に、二つの側面があろうかと思います。一つは流通近代化施策との整合性を十分配慮する必要がある。大型店が最近広域的にチェーン化を進めている、あるいは交通手段の発達等によりまして商圏が流動化し、またあるいは広域化しているというような現状を考えますと、やはり全国的視野に立って調整を行う必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。しかし、一方におきまして、小売商業というのは製造業に比べまして地域的な性格も強いし、またその商業施設というのが都市機能の重要な一翼を担っている、先ほどもお話がございました。そういった点を考えました場合、調整に当たりまして地域的な観点というのも必要なところであろうかと思います。したがいまして、私ども今回の法律の改正につきましては、大規模小売店舗のそういう実態に即しまして、適切な調整が行い得るように、それからもう一つは、従来からの調整の実績及び行政効率というようなものも勘案いたしまして、相対的に影響の範囲が大きいという第一種大規模小売店舗については通産大臣、それから第二種につきましては都道府県知事が調整を行うということにしたわけでございます。  ただ、通産大臣が調整を行う第一種大規模小売店舗につきましても、関係都道府県知事及び市町村長の意見が反映されるような仕組みというのを今度は入れておりまして、地方行政との整合性というのにも十分配慮して運用をするということにいたしたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、各自治体は現に自衛的な必要性もあって、それぞれ条例とかあるいは要綱というふうなものをつくって、地域経済社会との整合性を図る努力を行っております。たとえば、これは一例でありますけれども、大阪の豊中市では、ここでは条例を設けて、二百平米以上の新設店がある場合には、メッシュ方式というふうに呼んでおりますけれども、地域を縦横五百メートルの網をかぶせて、そしてコンピューターによっていろいろ研究を行って、そして地域との整合性を重視した対応を定めるというふうな努力を行っております。あるいは三重県の北勢町では、ここでは消費者、中小業者、行政、この三者で町づくり実行委員会というのをつくって、大型店舗の進出に対する対応策を研究しておりますが、こういったそれぞれの地方自治体のいわば条例あるいは要綱、これは大いに尊重して、今後も行政の上で生かして指導に当たっていくというふうに考えてよろしゅうございますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 現在、私どもが承知しております範囲で、店舗面積が五百平米以下である建物というのを調整対象にしております条例を制定しておりますのは、三県十四市町村——条例でございますが、になっております。私どもの考え方といたしましては、今回の改正に当たりましては一応中小小売閥の事業活動の機会を適正に確保するという観点から検討しましたところ、一般小売、中小小売商との顧客吸引力の格差というものを考えまして、それからまた最近における紛争、小売業をめぐる紛争実態というものも十分踏まえまして、一応調整対象面積を五百平米まで引き下げたということでございますし、また先ほど申し上げましたように、従来の自治体における条例あるいは要綱による調整実績にかんがみまして、その第二種につきましては自治体にこれをお願いをするということにしておるわけでございます。こういうかっこうに改正を行うとしますと、五百平米を超えるものにつきましては、いわば国の法律が先占していると申しますか、領域であると申しますか、全く同じ趣旨で大店法等がそういうかっこうでできた場合、それと同じ趣旨で条例で規制を行っているものにつきましては、五百平米を超えるものにつきましては改正法が施行される時点において、これは条例はいわば効力がなくなるというふうに解していいのではないかと思います。ただ、五百平米以下である条例というものにつきまして、これが違法かどうかという議論につきましては、これはやはり当該地域の小売業の実態というものを踏まえた上で、その条例の内容が合理的な内容を有するものである場合には、これは五百平米を下回っているからというだけで直ちに違法であるという議論にはならず、各条例について個別、具体的に判断をするということになろうかと思います、法律的には。ただ、実態問題としまして、私どもは一応五百平米以下のものにつきましては、やや顧客吸引力に余り優位な差は見られないということ、それから出店をめぐる紛争が余り実態がないということからしまして、事前届け出制という体系で調整することはいかがであろうかというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましてはこの法律が制定されました後は、いわば小売業の調整につきましては大店法、商調法で実態的には十分対処が可能であろうというふうに考えますので、各自治体で個別に条例なり要綱をつくるというのは好ましくないのではないかというふうに考えているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 小売問題懇談会のこの報告ですね。この中にも「大型店の進出に際しては「街づくり」に対する弊害を除去」するということで、生活環境の保全、整合性の必要性を強調しているわけですね。ですから、いまの通産省の答弁すなわち五百平米以上の店舗の規制をする条例や要綱はもう要らぬのだというふうな考え方は、これはまた実態には合わぬわけですよ。やはり、必要に応じて各自治体がつくっているものを今後も大いに尊重していくという立場に、私は指導の上で立つべきだと思うんでありますが、それと関連して伺いたいのは、昭和四十八年に百貨店法が廃止になって、大規模店舗法が提案されたときに、当時の中曽根通産大臣が、ここに議事録持ってまいりましたが、わが国の小売店商店数は百四十万を超え、そこに働く人々も約四百五十万に達しておるというふうに現状を述べた上で、本法案は大規模な小売店の出現により中小小売店業者がこうむる不測の被害を未然に防止することを目的にしたものだというふうに提案理由を説明しております。そこで、大店法制定以来今日まで、当時の中曽根通産大臣が述べた不測の被害を未然に防止することができたというふうにお考えですか、どうですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 私どもといたしましては、この大店法の規定に従いまして、大店法七条で特に周辺小売商へ相当程度の悪影響を及ぼすおそれがある場合には、それに対して勧告あるいは命令をするというようなこういう体系の法律になっておるわけでございますから、その法律に従いまして私どもとしては運用に万全を期してきたつもりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 これをそもそも改正案出した必要性は、さっき大臣が言ったじゃないですか。この中小零細企業に対して重大なやっぱり影響を与えてきた。だから、われわれから言えば不測の事態ではなしに予測された被害であったわけですよ、先ほど来述べていますが。だから政府当局の認識が、繰り返し繰り返し言っているけれども、そういう認識であるから、私は改めてわが党案をこういう形で出したんだということを申し上げているわけですが、ここに和歌山県の調査があります。和歌山に御坊という市がありますが、御坊市地域商業実態調査報告書、これを見ますと、大型店の進出の影響について悪い影響を受けたというふうに答えているものが七四・八%あります。いい影響を受けたというのはわずかに〇・九%ですよ。  ここにまた滋賀県の発行した資料があります。これは、滋賀県に守山市というのがありますが、ここで、守山市の広域商業診断報告書というのがありますが、この報告書によりましても、開店一カ月後、約七千四百九十一平米の大型店舗が進出したわけですが、周辺の十一の商店街の調査でありますが、開店一カ月後に売り上げが減少したというのが六五%です。三カ月たった後の調査でも六六・七%という事実がリアルに報告されておりますが、私はこういう状態をもたらしたのが、結局最大の要因の一つとして出店を原則として容認する届け出制にあったというふうに私は断ぜざるを得ないんですが、この点はどうでしょう。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては届け出制はとっておりますけれども、届け出の後それについて審査が行われ、そして必要な場合に勧告あるいは命令という体系で、その大規模小売店舗がそこに認められた場合に、周辺中小小売商に相当程度の影響を及ぼす場合に、それに対してのいわば調整措置というものを講ずるという仕組みになっておるわけでございますから、私どもといたしましては、必要な場合にはそういう調整ができるというたてまえであるというふうに考えておりますので、許可制でなければそういうふうにはできないのではないかというふうには必ずしもならないのではないかというふうに思います。  ただ、それから、今回改正をお願いしているわけでございますので、最近におけるいろいろな新しい情勢というものに対応して、たとえば基準面積の引き下げ等とさらに新しく調整の強化というものを図っているのは、この最近の実態に合わせてそういうふうにしておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 島田さんは、午前の森下委員とのやりとりの中でも、許可制は原則禁止であるからまずい、しかし、原則自由の届け出制でちゃんと運用面で許可制と変わらない厳正な運用をしていくから心配ない、こういうふうにお答えになったし、いまもその趣旨をおっしゃったんですが、これは事実の問題を私繰り返し言っているわけですが、論理的にも重要なすりかえがあるわけですね。第一に、われわれも、いわばこれは法律用語ですからあえて使いたくはないんですが、原則禁止の許可制であるからすべて不許可にするというようなことは一度も言っていないわけです。私どもの提案している法案もそうであります。その点は、あなた方が原則自由だからといって届け出さえすれば何でも許可すると言っていないということと同じなんですね。ですから、その消費者利益あるいは地域経済、生活環境などとのつり合い、あるいはまた周辺中小零細企業への、あるいは業者への影響を考慮して整合性のとれた大型店の出店計画があれば、それは必要に応じて許可するというのは少しも不都合でないわけです。だから、こういう立場は、何かすべて禁止がもう前提であるというふうなすりかえをされるのは、はなはだ論理的にもそれこそ整合性が合わない。実際、この五年間の運用の中で、そういう実態に即して多くの関係諸団体が届け出制から許可制への移行というものを強く要求してきたことは御承知のとおりですね。たとえば、全日本商店連盟あるいは全国商店街振興組合連合会等々、いずれも重要な関係団体でありますが、最近まで一貫して小売七団体が許可制を要求してこられたこと、これも御承知のとおりであります。  しかも、もともと大店法は中小小売業者の事業活動を適正に確保することを大きな目的としておったわけであります。また、きょうの政府趣旨説明の中にも、これは島田さん御自身が補足説明で述べられた一項目でありますが、今回の法改正の趣旨は大型店規制の強化という点にあるということをここで力説されたことは記憶に生々しいところであります。そうであるならば、今日多大の被害を受けている中小小売業者の事業活動をいわば適正に確保するためにも、届け出制でなく許可制にするということは、こういう五年間の経過、そして今日のこの実態から見て当然の帰着する結論だと私は確信するんですが、この点再度明確にお答え願いたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 若干繰り返しになるかもしれません。その点はおわび申し上げますが、私ども、この問題につきましてはもちろん各方面からいろんな御意見があり、その中には許可制にすべきであるという御意見もあることは承知いたしております。そういう点につきまして、昨年来審議会でいろんな議論が行われまして、そして一応その結論としましては、届け出制という考え方で意見具申がなされておるわけです。もちろん、付帯意見というのがございましたけれども、結論としてはそういうかっこうになっておるということで、一応各方面の議論の総合した結論としては、審議会の答申はそういうかっかうでいただいておるということでございます。  それから、また、許可制でも弾力的に運用していく、届け出制でもシビアに運用するということになりますと、確かに実態としては非常に似てくるということはあろうかと思いますけれども、やはり百貨店法のころのように、百貨店という特定の業態を対象にしているのと違いまして、非常にいろんな小売の業態のものをすべて包括して規制の対象にしており、しかも、今回特に面積は五百平米まで引き下げるというようなかっこうで、幅広い規制対象というものにいたしました場合に、この流通の実態というものを考えました場合に、やはり私どもといたしましては届け出で、しかしその後勧告、命令というかっこうで必要な場合に調整をとるという体系が、現実に一番合っておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 許可制を望んでいるのは決して業者団体だけじゃないんですね。御承知のように全国知事会もこのことをうたっています。  ここに私持ってまいりましたのは東洋経済の統計月報でありますけれども、七月号、ここで興味あるアンケート調査が出ておりますが、全国の商工会議所、ここで調査を行ったいわば現行大店法に対す考え方でありますが、どう考えるかといういわば一般的、抽象的な説問に対しても、圧倒的多数が現行法の抜本的強化を要求しています。そして多くの商工会議所が明確に許可制への移行を切望しているわけであります。第一線でこれまで調整機能を実質的に果たしてきた商工会議所の調査結果を見ても、許可制こそがいわば時代の流れであり、要望であるということを示していると思うんであります。  そこで、河本通産大臣にぜひお伺いしたいんですが、大臣のいわば地元でもあります姫路市ですね、この姫路の商圏、いわば商業エリア、ここに、御承知と思いますが、三十にわたる大型店が進出しております。さらにこれにニチイとかあるいはジャスコとか両方で三万六千平米という超大型店の進出計画があって、そのために国鉄の姫路駅前の商店街を初めとする小売業者が、これではもうオーバーストアになって、資本力のない小売業者がつぶされてしまうというふうに非常に心配をしております。悲壮な声を上げているということで、大臣もお読みになったと思いますが、神戸新聞に大型店進出に総量規制というのが地元で提起されております。そして、姫路の商工会議所は、ここにも書いてございますけれども、こういう大型店の占拠率を決める上で総量規制という方式をとって、そしていわば地元の零細中小業者の小売店の要求にこたえるという、いわば運動といいますか、世論を起こしておりますけれども、私はこの面から見ても、これは許可制への一つのバリエーションだと思うんですが、実際にお詳しいこの姫路の状況、これは当然あの地域の加古川とか高砂とか、あるいは龍野、あるいは相生一帯を含むエリアでありますが、よく御承知の大臣いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 姫路は、いまお述べになりましたように、たくさんのスーパーがありまして、さらにそこへ新しい計画もございますが、これは何分にも戦後五万であった町がいま五十万に近づいておりまして、しかも新しい都市計画、地域開発もいまどんどん進んでおるという状態であります。いまお述べになりましたニチイなどは、東洋紡の工場の跡地を市が買収しまして、そこへ新しい都市改造計画を進める一環ととして新しいスーパーの誘致をしておると、こういうことでありますが、私はやはり何と申しましても、地元の商店街との調整が何よりも必要だから、意見を十分調整をして、地元の了解なくやってはいけないということを言っておりまして、ここ二、三年間ずっと調整が続いております。最近は大分進行したようでありますが、いずれにいたしましても、十分話し合いをいたしまして、その上で新しいスーパーの進出問題が決まることを私どもは期待しておるわけです。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わかりました。  次に、大分時間が迫ってまいりましたので、論点を調整期間の問題についてお伺いしたいんでありますが、第七条の四項で、いわば周辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがないときは、調整期間を短縮できるというふうにされておりますが、このようないわゆる短縮規定を今回設けられたのはどうしてなんですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 勧告期間の短縮の規定でございますけれども、現行の大店法では、大規模小売店舗にテナントとして小売業者が入居する、その入居した小売業者が入れかわる、これは単純な入れかわりといったような場合でも、一応現行のたてまえでは、したがって入れかわり、したがって、それからまた実態的にも周辺の中小小売商に及ぼす影響がほとんどない、全く実態は変わらないというような場合でも、現行法では五条の規定の関係からしまして、四カ月間は営業開始ができないということになっておるわけでございます。今回の改正では、調整期間をさらに十分確保するために、五条の届け出時期というのを四カ月前から五カ月前というふうに一月延ばしておるわけでございますが、そういったかっこうにいたしました反面、いま申しましたようなことで実態的には全然問題のない場合について、ただその法律の規定の関係から一定期間営業開始ができないというのは、これは当事者にとって非常に過大な負担になるというふうに思われますので、そういった問題のないケースにつきましては、直ちに営業が開始できるような手当てを、一方では調整期間の延長をやると同時に、片一方ではそういったような配慮をするという意味で、この勧告期間の短縮の規定を設けたわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうすると、具体的にはたとえば中小小売業者による、俗に寄り合い百貨店というふうな言い方もありますが、そういったケースを指しておられるわけですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 寄り合い百貨店だけではないと思いますけれども、実際上、いま申しました趣旨からいたしますと、木規定の適用というのはテナントが中小小売商の単純な入れかわりというような場合を主として想定しておるというふうに考えて差し支えないかと、要するに周辺に影響を及ぼさないということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、中小小売業者の場合だけだというふうに考えて差し支えないわけですね。先ほどのお答えで私もそういうものとして理解して、時間がないので進めたいんですが、よろしゅうございますか。  そこでもう一つお伺いしたいんですが、今度の改正によっても、先ほども若干のやりとりがございましたが、商調協はなくならないわけでございますね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) さっきの規定のとあわせてお答えいたします。  さっき申し上げましたようなことで、この四項の規定を見ますと、当該届け出に係る事項が直ちに実施されても、その届け出に係る大規模小売店舗における小売業の事業活動が、その周辺の中小小売業の事業活動に相当程度の影響を及ぼすおそれがないことが明らかであると認められる場合、こういうことでございますから、そういった実態を備えているものということになると、中小企業に限るというわけではございませんが、実態的にはそういう場合であろうというふうに考えます。  それから、いまの商調協の問題でございますが、商調協は今後残るかということでございます。これは現行法でも商工会議所の意見を聞く、あるいは商工会の意見を聞くというふうになっており、今度の改正法でもそうなっております。その関係から申しましても商調協というのは今後も残したい、残すということでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、運用上の問題でありますけれども、これまでいわゆる事前商調協ということがございましたけれども、商調協が現に残り、そしてたとえば第三条に基づく大規模小売店舗の建物の申請が出た段階で、いわゆる事前商調協が動き出すということは、これも今後も当然あり得ることだと思いますが、そういうふうに理解していいですね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) ちょっと恐縮ですがもう一度、いつごろからとおっしゃったんですか。

市川正一日本共産党

○市川正一君 第三条に基づく大規模小売店舗の建物の申請が出た段階でということです。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) そういうような考え方になろうかと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、いままでの、政府、通産省も御承知のように、中小小売店の業者の方々が大規模店のいわば無秩序な進出はある程度抑制してきたのが、こういう事前商調協の論議の中で、いろいろいわば五条申請を抑えてきたという点があるわけでありますが、ところで、昭和四十八年、先ほど私御紹介いたしました当時の中曽根通産大臣が参議院の商工委員会、これは四十八年の九月十一日でありますが、地元の商調協にかけて地元の了解を得て初めて開店できるというふうに答弁なすっているんです。いわば地元での了解がつくまでは開店を認めないというように運営していくことを明言されました。いま河本通産大臣も姫路の問題に例を引きながら、地元の了解なしにやってはいかぬと、十分話し合ってやれというふうに指導しているということを申されましたが、両大臣と申しますか、かつてこの大店法が制定されたときの当時の中曽根答弁の精神、それからただいま河本大臣から承ったお答えというのは、今後の法運営の中にも当然生かされていくものと信じておりますが、さよう心得てよろしゅうございますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大店法の現在の運用におきましては、商調協での地元の調整というのが実際上重要な役割りを果たしておるということはもうたびたび申し上げておるところでございます。なぜそういう運用をしていくかということですが、これはやはり非常に複雑な要因の絡み合っており、相当程度の影響を及ぼすかどうかという判断をする場合に非常にむずかしい問題もいろいろあります商業地区問題の調整というものにつきましては、やはりそういう点について地元の関係者の間で十分に意見の交換というのがなされるということが問題を円滑に処理し、実際問題としての判断をしていく上に、そういうかっこうで議論を詰めていくということが望ましいというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で商調協というものを今後も残していきたいというふうに考えているわけでございます。  いまの地元の了解というお話がございました。そういう意味で関係者の間で十分話し合いをしていくという意味におきまして大臣もおっしゃったんだと思いますが、私どももそういう精神で運用をしていきたいというふうに考えております。ただ、商調協の運用の実績をいままで、見てみますと、いろいろと意見もございますので、その運営をより適切にしていくために余地があるんではないかというふうにも考えておりますので、今後関係者の意見も聞きながら、どういうふうにしていくのがより臨調協の公正、適切な運営になるかという点につきましては検討したいと考えているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 運営のいわば根本精神は何かということで、私は河本大臣の先ほどのお答え、これがそうであると、中曽根大臣もかつてそうであったし、法の精神がそうだという点でお聞きしているわけで、と申しますのは、今度のこの規定によって一部の懸念されている面として、島田さん、結局一定期間が済んだらもう五条申請は受理してしまうというんだったら、結局事実上目をつぶっておっても八カ月たってしまえばもう開店が認められると、俗に言う見切り発車というふうなことになるんじゃないかというような心配が一部にあるわけですね。まさかそんなことは考えておられないと思うんだけれども、いまの根本精神、これから見ても、結局この法案が通産省のおっしゃっておられるように規制強化法だということなのか、それとも逆に緩和法なのかというメルクマール、目安はまさに今後の運用において地元了解なしの開店はあり得ないし、また五条申請も受けつけぬと、こういうことをはっきり確約される点に、まさにそこに真髄があると思うんでありますが、この点もういままでおっしゃったことで了解しておりますけれども、重ねて確認をさしていただきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 若干誤解があるといけませんので申し上げますが、大店法の仕組み、先ほど懸念があると申されましたけれども、大店法は届け出を出して一定期間たてば自動的に認められるという仕組みにはなってないのは御承知のとおりでございまして、その届け出の内容を審査をいたしまして、七条の要件に合致する場合には必要な勧告あるいは命令を審議会に諮りまして、通産大臣が出すという仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、届出が出されたから、もう当然にそれは認められてしまうんだということではない、そこは法律の要件に従って調整が行われるということであるというのが法律のたてまえでございますので、届け出が出されたからといって直ちに云々ということには当たらないというふうに私は考えております。  それから、商調協の運用につきましては、先ほどるる申し上げましたように、そういうかっこうで調整をしていくこと、そして当事者間でいろいろ話し合って意見の交換をして、意見の一致を見るように努力をするということが非常に大事であるという点につきましては私も異存がないわけでございますが、そのやり方につきまして法律上のたてまえというものとの関係等もいろいろ考え、運用につきましては、今後さらに検討したいというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 衆議院などでも地元意見をよく反映して、そして勧告あるいは命令などによって店舗面積の全部の削減あるいは無制限の開店日の繰り延べということも可能であるというふうにおっしゃっているわけですから、したがって、私はいまの運用の面、その根本の精神において地元の意見もよく聞くというふうなことを、いわばトータルして、そこの基本点は積極的に理解したいんでありますが、しかし現実には島田審議官も御存じ、それからお見えになっています矢野産業政策局長も御存じでありますけれども、大阪で不二興業という会社が牧方市の小売店でトップセンセーというのを興した問題がございます。私もここで詳しくは繰り返しませんけれども、結局このトップセンターが大規模小売店舗でない、つまり千五百平米以下の店舗だと偽って、開店してみると面積は二千七百平米あったという、いわば悪質な違法行為を行っているわけですね。しかも重要なことは、第一に地元臨席は開店前から、これは大規模店だから指導するように大阪の通産局に陳情したんですね。ところが、通産局はこれを放置したという点があるわけですが、第二に、こういう違法を行っておきながら法律上勧告、命令の対象とならない五条二項に基づく申請が行われて、通産局もこれを受理しておるというような、現に一つの例でありますが、起こっているわけであります。先ほど私、矢野局長から伺ったんでは、幸い近く通産省の御指導によって関係者の協議が始まるというふうに伺っておりますので、まことに結構でありますが、私はこういうことからも、やはり勧告、命令の問題もそれが本当に生かし切れるかどうかは、こういう地元の意見をよく聞く、それを大いに尊重するということがなければ生かされないと思うんであります。  私、最近報告を受けた問題で、名古屋の通産局で、これ九月一日のことでありますけれども、大規模小売店舗審議会地方部会に、これは豊橋の商調協の答申、それも十三対一で決定された答申を全面的に否定して、そして出店者側の申請を全面的に認めるという全く地元意見を無視した決定を行った例があります。それだけでなしに、豊橋の商調協の委員が、それじゃ一体どういうことかということで、名古屋の通産局の益戸商工部長に説明を求めたところ、この部長が私の言うことに逆らうやつは民商か共産党だ、豊橋商調協がなくても困らぬというような驚くべき暴言をはいておりますが、これは中日新聞の九月二十五日付の報道がこれを事実として示しております。私はこういう一連の事実が示しているような、いわば地元意見を十分反映して勧告もいたしますと言っても、直ちにはやっぱり信用できないようないろんな事実があるわけなんですね、地方には。特に、この名古屋通産局の驚くべき態度というのは、これは一体名古屋だけのことなのか、通産省全体がこういう商調協あるいは地元意見を軽視しているような傾向はないのかという点について、責任あるお答えをいただきたいし、加えて、わが党やあるいは民主商工会を著しく侮辱したようなこういう言いがかり、この商工部長に対しては厳正なる措置をとるべきであるということを私は強く要望いたしますし、この点については大臣の御見解も承りたい。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 全般的にまずお答えいたしますと、私ども再々この委員会で申し上げておりますように、商調協の運用というのが本法の何といいいますか、円滑な運用のためにはきわめて重要な役割りを果たしておるという点につきましては、私どももそういうふうに理解をし、そういう運用をしておるわけでございますので、そういう趣旨について各通産局ともその趣旨を誤解していることは全くないと私は確信いたしておりますが、なお今後とも、そういう趣旨は徹底さしたいというふうに思います。  それから、いまのお話のありました豊橋の件につきましては、そういう新聞報道が行われたようでございます。私どもが知っております限りにおきまして、商工部長がそのようなことを言うとはとうてい考えられない。まあ、説明に行ったときの真意が必ずしも十分に伝わらずに誤解を生じたのではないかとも思います。もしそういうことであればまことにその点は申しわけない、そういう誤解を生じたという点は遺憾であるというふうに思っております。  それから、大店法全体の運用につきまして重ねて申し上げますが、私どもといたしましては、先ほどもお答えいたしたように、法七条の精神というものを忠実に運用していこうというふうに考えておるわけでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いずれにいたしましても、真相をよく調べまして誤解を生ずることのないような言動をするように、十分注意をいたします。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私、いろいろお伺いしまして、結論としてやはり都道府県知事の許可制などを柱としたわが党の改正案こそが、いまの情勢にこたえるものであるということが明らかになったということを指摘して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この大店舗法の改正につきましては、参議院の商工委員会では継続審査案件というものの審議は実はきょうが初めてでありまして、わずか一日でこれを論議するについては余りにも問題が複雑であり、時間が足らな過ぎると思うんです。前国会では、御承知のように、わが参議院の商工委員会では大陸だな法案がございまして、全く大店舗法の審議には携わっておりません。したがって本来なら、この会期幅の短い臨時国会にあっては、文字どおり日本の経済の景気をどのように回復するかというための補正予算を討議し、それに付随するところのきめの細かい不況対策法案をつくり上げることが第一義的使命であって、衆参両院を通じて八本の継続審査案件があったわけだけど、これらについてはそのまま継続の措置をとって通常国会でこれを慎重に審議しようというたてまえであったわけですが、にわかに衆議院段階においてこの継続審査案件が枕に入ってまいりました。あおりを食って、いま一日でばたばたとこれを上げようとする段階にあることは、はなはだ遺憾であると私は思います。この法律そのもの、これはどなたも私は不満だろうと思うんです。私もこの法律に対しては前質問者とは違うトーンにおいて不満でございます。しかし、不出来な法案と私は思うんだけど、考えようによっては、ぎらぎらした利害が突出するこの小売業界の中にあって、寄せ木細工、手づくりの法律であるとするなら、言葉をかえれば、それがまた芸術作品かもわからない。したがって、一ついじれば一つ崩れる。音を立ててがたがたになるということは私は百も承知しておるので、さわりに余り触れません、触れるとがたがたいくということがわかっておりますので。したがって、そういう意味において私はこの法律案、やむなく賛成いたしますが、どうぞこの法律が歩き始めても、寄せ木細工であるということを十分承知して、その運用に意を用いていただかなければ、またぞろ一年を経過せずしてこの法律を見直さなければならない。あるいは法律は一人で歩いておるんだけど、別な道を行政が歩くというような複雑怪奇なことになりかねないと思いますので、その辺をまずもって御注意申し上げ、冒頭に審議官のお考えを聞いておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 非常に答えにくいというか、微妙なお尋ねでございます。私どもといたしましては、今回の改正につきましては、先ほども申し上げましたようにいろいろな意見があったわけでございます。したがいまして、これについては御承知のように昨年、小売問題懇談会で学識経験者に集まっていただきまして問題点の整理を行い、さらに本年に入り、中政審及び産構審ないし合同小委員会で議論をし、各方面の見方につきまして議論をしました結果、一つの意見具申というものを得た。それをもとにして法制化したということでございますので、いろいろな意見というものを総合的に取り入れて今回の改正を行ったものというふうに考えております。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 従来行われておりました事前商調協というのは、どのような根拠に基づいて行われておったものか。しかも、その実態は平均的に見て、大体、出店の意思表示からオープンするまでの間、どれぐらいの期日を要しておったと判断しておられるか、この点まずお聞きしておきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 法律的な根拠ということになりますと、御承知のように、商調協というのは、法律上は先ほどもお答えいたしましたように、七条の規定のところで通産大臣が勧告をする場合、あるいは命令をする場合——七条は勧告の場合ですが、その場合に大店審の意見を聞く。大店審が今度は商工会議所または商工会の意見を聞くということになっておるわけでございます。商、工会議所、商工会の意見を聞くという場合に、これは百貨店法時代からの経緯もあるわけでございますが、商工会議所、商工会に設置しております商調協、商業活動調整協議会というところで、消費者代表、小売代表、学識経験者というもので構成したこの商調協というところで意見調整を行う、こういう仕組みになっておるわけでございますから、そういう関係で商調協というのはスタートをしている。ですから、直接法律上の根拠ということになりますれば、大店法との関係では商調協の意見を聞くというところがスタートになると思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 商調協はそうであろうが、私が言っておるのは、いわゆる事前商調協。いわゆる事前商調協というものは何に基づいて行われておるのか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) これは一種の事実たる慣行というふうに考えていいんじゃないかと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 この事実たる慣行は、今度の法改正後も引き継がれるのであるかいなか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、大店法の運用をしていく場合に、商調協というのが実際上従来の運用におきましては非常に重要な役割りを果たしてきたわけでございます。それはやはりこの大店法の運用、特に商業調整というものの実態にかんがみますれば、これをスムーズに行うためにはその地域における消費者、小売業者それから学識経験者というよううな構成からなるこの商調協で意見調整を行い、十分問題点を詰め、意見の調整を図るということが、法の運用を円滑にする上に非常に重要であると考えているからでございます。  ただ先ほども申し上げましたが、今回改正が行われますし、それから従来三年余の実績というものがございます。その間のいろいろな商調協の運用の実態というものを私どもながめまして、なお、この商調協の運営というものをより適切にしていく余地があるのではないかというふうに考え、そういった点について検討はしたいということは先ほどお答えしたところでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 私は法に基づくこのいわゆる地元民主主義、しかも大型店と中小店が共存共栄の実を上げるための建設的な話し合いということはきわめて重要であるし、必要だと思うんだけど、いま私が指摘した事前商調協、それは法律に基づくものではなく、単なる行政介入として手を染めた結果が、あたかもそれが法律に基づくがごとく全国をのし歩いておる、いわゆる慣行と称するものであって、これはきわめて問題であるというふうに思うんです。うまくいっておるところであれば、それはそれなりによかろうけれど、たとえば別な見方をする人もおるけれども、私は熊本のダイエー出店問題などを見る限りにおいて、その商調協が必ずしもうまくいっておるとは思わない。私の手元にこれ九州の大学の教授四十名が連名してそのことを指摘しております。大体、まあ大学の教授ということになれば、学識経験者、俗に第三者と言われている方たちですから、その人が四十名もこぞって世にアピールしなければならないということは、私は憂慮すべき問題だと思います。  なお、県が公式に行ったところの世論調査においても、自由に進出した方がいいという数字が五三・一%という数字が出ておる。これは県民意識調査です。しかも、十六万名に及ぶ署名というものも現に出ておる中から、三度にわたってゼロ回答ということは、一体これはどういう運営なのかというふうに私は思うんです。そして、それがいわゆる法の根拠に基づかないまあ慣行と称する事前商調協として効力を持っていくとするならば、一体消費者利便というものはどうなっておるんだろう。消費者の声というものはどこから反映されるだろうという疑念を持たざるを得ません。したがって、このことについて私は掘り下げてお答えを得ようとも思いませんが、これからの法改正後の法律が歩き始めた後、私は行政面でしっかり考えていただきたいと思うわけです。  そこで、次に御質問申し上げますが、衆議院の今回のこの審議過程で、削減命令に関して通産大臣、それから審議官がとうにこの削減命令はゼロを含むという答弁をなさっておるわけでございますが、このことは出店自由の原則に照らして、憲法の面から見てもそれに耐え得る答弁であるのかいなか。法制局の見解など私はインフォーマルにただした範囲では、これは非常に問題があるということなんですが、マスコミが報ずれば、明らかにここに書いておるように、もう四段抜きで「大臣答弁ゼロ回答」、こういうことになる。そうすると、本法の趣旨と著しく違う。この辺をもう少し丁寧にこの場で答えておいていただきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) この点をめぐりましては種々御議論がございますので、繰り返して私どもの考え方というのを説明さしていただきます。  店舗面積についての七条の勧告というものの場合の限度というのはどこかということでございますが、法律的に申し上げた場合、「大規模小売店舗における小売業の事業活動がその周辺の中小小売業の事業活動に相当程度に影響を及ぼすおそれがある」と認められる場合、そのおそれを除去するために必要な限度、これとの関係でございますが、必要な限度であれば個々の小売業者に対しては店舗面積の全部の削減の勧告が法律上可能であるというふうに私どもは考えます。こういうことでございます。  ただ、それからまた建物全体で見ました場合、店舗面積合計で見ました場合、今回の改正案によりまして本法の規制対象、調整対象が千五百平米以上から五百平米を超えるというかっこうに拡大されましたので、総店舗面積が五百平米を超えることとなるところまで削減が可能、こういうことになるというのが私どもの考え方でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 であるなら、この新聞の記事はあなたにお見せしていないからおわかりでないかわからぬけれども、よくわかるように、通産省削減命令ゼロを含むという言葉はいささか言葉が短絡し過ぎておる。言葉が足りないというふうに解釈してもいいわけですね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 私どもの考え方は、いま申し上げたとおりでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 第一種店舗が届け出を行う際、新たに知事に申し出るということになっておるわけで、第二種店舗については知事に権限を委譲しておる。これはある意味において明快だと思うんだけれども、第一種店舗については通産大臣の管轄権がある。その手前で知事にやはり届け出るという所作が必要になるわけだけれども、この場合の知事というのはきわめて私はあいまいであると思うんです。要するに、経由措置として知事に副報告書的なものを出すのか、あるいは知事が何らかの形でこれに関与するのか、あるいは関与するとすればどの範囲か。しかも、それは調整の期限というものがあるわけだから、その範囲のどこぐらいまでを知事の手元に保留しておかれるべきものなのか、これを明確にしなければいけないと思う。今後に待つ問題もあろうけれども、大まかな考え方を聞かしておいてもらいたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 改正案ではこの第一種小売——大規模小売店舗につきましてその届け出を都道府県知事経由としておるわけでございます。これはなぜそういうふうにしたかということですが、一方、十五条の二第一項で都道府県知事は通商産業大臣に意見を申し出ることができる、ということになっておるわけでございますので、事前に届け出の内容について知事も知っておくという必要があるということ。それから、届け出者の便宜ということを考えまして、届け出を都道府県知事にした方がいいというふうに考えたわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これは確認しておきますが、届け出者の便宜、つまり至近距離にあるということですね。近いところだから届け出者の便宜、そして知っておいてもらう、その範囲ですね。いまおっしゃったのはそれだけなんですね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) そういうことでございました。都道府県知事の方については別途意見の申し出の規定がございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 それはどういうことですか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 十五条の二で、都道府県知事は意見を申し出ることができると、という規定が別にあるということを申し上げたわけでございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これは調整の期間というものも別にあるし、調整機構というものもあるわけだけれども、それとはまた別に遊離して知事の意見ということであるなら、その知事の意見というのはどのように解釈したらいいのか。先ほど問うたのはその範囲あるいは知事が意見を出すまでに、知事というのは個人じゃなくてやっぱり公的な立場の人であろうから、おれはこう思うよとオウム返しに返事もできぬのであれば、何らかのアクションを起こす期間が必要になる、あるいは県会においてひとつ審議会を設けてということになれば、これは大店審の歩き方とはまた全く別な問題になってしまう、この辺を明確にしておく必要があると思うんです。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、大規模小売店舗における小売業の調整問題というのは、一面におきましてこれ第一種の場合全国的な視野から調整を行うという必要があるということで、通産大臣が行うわけでございますが、一面におきまして地域にも非常に関係があるという問題があるということでございます。したがいまして、都道府県知事の意見というものも聞くということにしておるわけでございまして、それじゃどれぐらいの期間を考えているかということでございますが、全体としましての勧告期間が四カ月でございますので、どれぐらいにするかというのはこれからよく県とも相談をしなければいけませんけれども、まあ常識的と言いますか、私のいまの感じですから今後検討させていただきますが、いまの感じではやっぱり一カ月かそれぐらいということになるのではないか、後の方の通産大臣のいわば審査期間というのも必要でございますので、その辺も両方よく考えまして、その辺どれぐらいの期間が適当かということも考えたいと思います。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これは事前商調協のときにも申し上げたことでございますが、知事の意見を申し出ること、そのことについては、やはり法律が歩く前にきちっとこれは設定しておく必要があろうと。でなければ、ここをめぐってまた問題が惹起する、いわゆる一種と二種の区別がここで崩れていく可能性があるというふうに思いますので、これはひとつよく検討してきちっとした形をつけていただきたいと思います。  それから、いわゆる商調協の構成にかかわる問題だけど、審議会でもいろんな意見があったようでございまして、もちろん両当事者という形の者が出席することは当然だと思うが、小売業というのは消費者と一番密接につながっておるところなので、もっと私は消費者という構成ウエートを高めるべきだろうというふうに思うんです。消費者と一概に言っても、非常にこれは私は抽象的存在だというふうに常に申しておることですが、なかなか団体と言ってもこれが利益団体というものではない、したがって把握しにくいわけだけど、いままでのように消費者、学識経験者というような、要綱で示されたような範囲でやっておったのではぐあいが悪かろう、もう少し工夫が要るんじゃなかろうかというふうに思うんです。この辺について、この商調協構成について従来の経過にかんがみて新しい方法を講じようというもくろみがいまお持ちなら、お聞かせいただきたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協の構成でございますが、通達によりまして一応商業者、消費者、学識経験者の代表者のうちから、相互に均衡のとれるよう考慮して選定するように指導しているわけでございます。幾つかこの商調協の構成につきましてはいろいろ議論がございます。特に、その一番むずかしい問題は、この商調協の委員というのがその代表する各層の意見というものを正しく反映するということが必要であるわけでございますが、これは現実にはなかなかむずかしい点もあるわけでございます。しかし、私どもといたしましては、一歩一歩その点については改善の努力を重ねて、そういったそれぞれの意見を正しく反映するようなかっこうで、その商調協というのは構成されるということが必要であろうというふうに思います。したがいまして、そういう点につきましても、何かいい知恵はないかということで、現在私の部内で具体的に方策がないかどうかということを検討している段階でございます。

藤井恒男民社党

○藤井恒男君 これはひとつ、どちらかといえばこの大店法審議をめぐっても、とかく消費者という立場が見失われがちだ、消費者利益、消費者利便というものがとかく後ろに隠れて、突出しておるところの利害調整に法律が右を向いたり左を向いておるというきらいがあるわけで、この辺はひとつ十分考えていただきたいと思います。  最後に、大臣に、私の考えを少し申し述べて大臣の見解を承りたいと思うんですが、大体小売商業問題というものは大きく言って二つの側面を持っておる。その一つが、非常に多くの人から言われておる企業または生業として営まれておる中小小売業の存続基盤をできるだけ維持するという課題、これから発したいわば大型店規制という方向での論議だと思うんです。これはとりもなおさず現任既存の中小小売商業の商圏を確保する、存続基盤を現状に固定するという発想から出ておると思うのです。しかし私は、このことは非常に重要であると同時に、これはむしろ社会政策的な課題というものが大きくそこに入っておるんだろうと思います。見逃すことはできぬけど、この側面があることは、これは事実である。しかし、同時にいま一つの側面は、先ほど来私申し上げるように消費者という側に目を向けた場合、消費者のニーズにどのように小売業が対応していくのか、消費者というのは十年前、二十年前、三十年前と、その生活の態様もそして社会における働きの仕組みも、そして消費性向もずいぶん変わってきておる。そのニーズに小売業がどのように対応していくのか。つまり、言葉を縮めて言うならば、消費者利便、それをどう確保するかという側面があると思うんです。この二つをどうやってはぐくんでいくかというのが今日的な課題だと思うんだけど、ともすれば社会政策的な側面が先に出て規制の方向に走る。規制の方向に走るということは、裏を返して言うと、消費者利便がその面において損なわれることにはならないか。今回の円周問題でも、円高のメリットが直接消費者に還元しないじゃないか、どこが悪いんだ、結局、日本の流通機構が非近代的である、だからこいつをもっと簡略化するなり、こいつをもっと合理化を図るなら、メリットがストレートに消費者に入るじゃないかという論が非常に多いことは御承知のとおりだと思う。その面から見ても、私は見失ってならない側面があるけど、何とかそれを避けて通ろうとしておるのが現在の政府の姿勢だろうと思うのです。このところは、私は大型店が来る来ると言って騒いでおるところもたくさんあるけど、別な目をもって見るなら、むしろ核テナントとしての大型店を誘致する、そしてその顧客吸引力を利用して、在来の中小小売店も自助努力の中から売り上げを伸ばすということをやり、成功している事例もたくさんあるわけなんだから、この面はとかく目をふさいで、まだ来ていないところが来るから死ぬんだ、来るから共倒れするんだという声がずっと出てきて、ともかく大は悪なりという形での論議が渦巻いておることは、これはやっぱり考えなければいけないことだと思うのです。だから、消費者の利益というものをどこに見詰めていくのか、そして消費者、物言わぬ消費者が何を求めておるのか、それにどう小売業を対応せしめていくのか、そういう中で過剰な出店、集中出店によってダメージを受ける中小企業があるなら、これは無利子の金を貸すすべだって幾らでもあるんだから、その出店機会を少しずらすなり、あるいは自助努力でともに生きる道を模索せしめるという方向に論議を発展せしめるべきであって、いたずらに規制することは、それは革新でもなんでもない現状固定であって、一定の商圏を奪われまいとすることで、私ははなはだ背を向ける行為だと思うんです。消費者利益、流通近代化に背を向ける行為だと思う。だから、私はこの小売業こそは自由市場でなければいけない。そして、小売業の形態は消費者のニーズに伴うものであって、消費者が選択すべきものである。だから、自由競争を疎外するということはいかがなものか。そういう中から社会的側面で中小小売業、生業をどうやって守っていくかという発想を導いていくべきだと私は思う。その辺について、とかく行政の面においても、法の審議の過程においても、あるいは通産省の答弁においても、いささか本法施行の趣旨、あるいは消費者という視点を失った論議がまま行われ、答弁もそのように流れるきらいがあるので、私の考えを少し申し述べて大臣のお考えをお聞きしておきたいと思うんです。加えて、大臣は時あらば総理大臣になられる方なんだから、どうぞひとつその辺は勇気を持って答えておいていただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 問題の焦点は、いまお述べになったようなところであろうと思います。今後の運営につきましては、いまお述べになったような点を十分気をつけてまいります。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) お答え申します。  安定成長時代に入りまして片方に流通近代化の要請、それから消費者利益の保護という問題、片方でいわば中小小売商の事業活動の機会の確保という要請は、ともにそれぞれ強くなってきておりまして、その調和をどうやって図っていくかというのが非常に重要な政策課題であろうと思います。いずれにいたしましても、小売業というのは最終的には多様な消費者ニーズに対応して新しい時代の要請に対応した業態というかっこうで、それぞれ各業態が発展をしていくというものであろうというふうに思うわけでございます。そういった中で、特に私どもとしましても、小売業というのは本来小回りのきく中小企業に適した分野でもありますので、適切な調整策と振興策というものを組み合わせていくということによりまして、大型店、中小の小売商というのがそれぞれ特色を発揮しながら発展していけるというふうに考えております。今回大店法、商調法というのを出しております。それは片方では法律にありますように、消費者利益の保護を配慮しながら中小の、要するに小売業の事業活動の適正な確保ということを図っていくという法律でございまして、私どもはその法律の趣旨に忠実に運用していきたいと考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 最後になりましたが、大店法改正法案に関して若干の質疑をいたしたいと思います。  ただいま藤井委員からも御指摘がありましたけれども、現在の大店法の趣旨というものが小売商業の調整であると同時に、やはり消費者の利益を十分配慮したものでなければいけないというふうに私も考えますが、その点についてまず大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いまのお話は、小売業界の利益ももちろん気をつけねばならぬが、消費者の立場も当然考えなければならぬという御意見でございますが、その点は全く同感でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 いままでのいろいろな議論を伺っておりましても、ともすれば小売商業業者間の調整という問題が重点になっていて、消費者の利益というものが陰に隠れてしまっているように思います。これはわが国だけではなくて、政治というものがともすれば生産者本位、組織された有権者本位に動いているということの一つのあらわれだろうと思いますが、それが続いていく限りは一般の有権者、国民の政治不信というものが改まらないのではないか。そういう意味では、私はこの一つの法律の改正という問題だけではなくて、この「国会の審議のあり方もしくは各政党の見解というものが、ある意味で日本の議会制民主主義の将来というものにもかかわってくる重大な意味を持っているように思うわけです。そう言うといささか大げさに聞こえますけれども、やはり現在の仕組みというものが、大店法の第一条というものが「消費者の利益の保護に配慮しつつ」とありながら、実際の運用面でなかなかその点が有効に機能をしていないといういら立ちを、多くの消費者は持っているのではないだろうかというふうに考えます。  その点で、先ほどから問題になっています商調協といいますか、調整の仕組みの問題についても伺いたいと思うわけですが、先ほどから第五条の届け出をする前の事前の手続としてのいわゆる事前商調協という話が何度も出ております。これについては、今後とも従来どおりやっていくんだなという念押しが何度もされておりますが、これはいま藤井委員からも御指摘がありましたように、法律に基づく手続ではない、慣行だというふうにおっしゃいましたけれども、私は、日本がやはり法治国家として存続する以上、法に基づいた権利というものを行政の手続において圧殺をしてしまうということは、決して好ましいことではないのではないだろうか。ともすれば地域エゴと言われる状況の中で、そういう問題が出ております。これだけではなくて、公共事業の施行についても、日照権の問題についても、さまざまな分野で法律に基づかないいろいろな調整というものが必要になっている。これも法律の不備であれば、法律を直して住民のいろいろな考え方、希望というものを取り入れなければいけませんけれども、同時に、そうしたものが一般化してしまっては法治国家としての日本のあり方にもかかわるのではないだろうかというふうに思っているわけですが、通産省としてできる限り新しい法律で規制の強化をされてくるわけでございますし、地元のさまざまな利害関係者の見解もいままで以上に十分に取り入れられるといいますか、調整をされる期間があるわけでございますから、法律以外の手続というものについてはできる限り簡素化をしていくとい方向で考えるのが筋ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協、大店法のいまの運用、商調協という一つのところで地元での調整というのが行われる、それが実際の運用、法律の運用に重要な役割りを果たしていることは申し上げたわけでございます。こういう運用になっておりますのは、やはり実際その小売商業の調整というものを進める場合に、やはり地元での関係者の間の特に商調協というのが消費者、それから小売業者、学識経験者という三者構成の機関でございますので、そういったところで十分議論が闘わされて一つのコンセンサスが得られるということが、調整を円滑に進める上に非常に重要な役割りを果たしているというふうに考えますので、私どもとしましては商調協という制度は今後も残していきたいというふうに考えておるわけでございます。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、法律施行後三年余、四年程度の運用の実績というのにかんがみまして、この商調協の運用につきましては、この委員会でもいろいろな角度からいろいろ御議論ございました。で、いろいろな御意見ございます。したがいまして、運営をより適切にする余地があるんではないかというふうに、そういう点につきましで今後関係者の意見も十分聞きながら、その改善について検討していきたいと考えておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 改善について私が申し上げたような方向で検討していただくというふうに理解してよろしゅうございますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協全体、今度改正法ができました場合に、この大店法の運用をいかにこの法律の目的に照らしまして、それに合ったかっこうで運用していくかという点につきましては、法の運用全体につきまして私ども検討しなければならないというふうに考えております。したがいまして、今回の改正では面積が五百平米まで引き下げられた、都道府県知事を経由というかっこうになってきた、あるいは調整期間も従来よりも長くなってきた、法律上の調整期間も長くなってきた。それから、いわば調整について先ほどもお答えしましたが、「減少」というのを「削減」というふうに表現を直したというような、いろんな改正が行われているわけでございます。そういう改正との関係も考えまして、私ども先ほど申しましたような意味で、商調協というのを考えながら具体的にどういうふうにしていくのがよりいいか、適切な運用であるかということで考えていきたいと、こう思うわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 今後検討していきたいということで、ぜひ検討をお願いしたいと思いますが、いつごろまでに結論を出される予定でしょうか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) この法律が国会でお認めいただきました後、六カ月以内ということで施行をすることになっております。したがいまして、法の施行のときには、やはりいろんな運用につきましての考え方を明らかにする必要があろうかと思いますので、それまでの間に鋭意検討をしたいというふうに思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 それでは、法施行の日までに何とか法律に基づかないさまざまな現在の行政指導、もしくは手続というものについての簡素化というものをぜひ考えていただきたいというふうに思います。  それから同時に、三条の届け出についても問題があるように思うわけですが、三条届け出については事前にやはりいろいろな意味で地元調整を求めている。通産局の窓口等ではそうしたことをしているようです。それがさらに激化された一つのきっかけとしては、ことしの三月の通産次官の通達がございますけれども、この通達は法施行と同時に当然廃止をするということになるんだと思いますが、そう考えてよろしゅうございますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) この通達の趣旨が、要するに新しい改正法ができるということで、それまでの間いろいろ駆け込みがあるというのをいわば自粛するという意味で通達が出されておりますので、法律が施行・されればその改正法に従って今度運用が行われるということになろうかと思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そうなれば、当然三条届け出前の調整というものは、窓口では要求しないというふうになると思いますが、そう考えてよろしゅうございますね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大店法の三条に基づく届け出というのは、建物がこの法律の調整対象である大規模小売店舗であるかどうかということを確認するために届け出が行われる。届け出がありますと、これを官報に公示いたしまして広く関係者に周知して、そして官報で大規模小売店舖の公示というのを行うかっこうで、広く関係者に周知するというかっこうになるわけでございます。したがいまして、ただ私どもといたしましては、一応三条の公示がなされていわば調整が始まるというかっこうになるわけでございますので、建物の概要が明らかでないようなことでは困りますけれども、建物の概要も明らかである。それからもう一つは、商調協の審議体制というのが整ってないとやはりまずいということがございますが、そういったような情勢が整っておる場合には、速やかに届け出が行われるようにしていくのが筋だというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 届け出の内容が整っていれば当然受理されるというふうにお答えいただいたものと思います。  それから、先ほど藤井委員からも質問がありましたが、商調協の体制、委員のあり方、その他についても現在いろいろな意味で問題が出されております。島田審議官からもいろいろ問題があるので検討してみたいというお話がありましたが、具体的にどういう検討をされることになりますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) いろいろな点について議論がございますが、たとえば一例を挙げますと、最近大型店の出店に伴いまして一つの商工会議所あるいは商工会では要するに商圏の範囲がそれを超えておるということで、もう少し広域の何といいますか、で商調協というのを考えたらどうかというような議論がございます。あるいは何と申しますか、商調協の委員の構成について先ほど申しましたような点、それぞれの各界の意見が反映されるようなかっこうにするにはどうしたらいいだろうかというような問題あるいは商調協の運営というのを何といいますか、地元で積極的に精力的にいわば話し合いが詰めて行われるような体制、そういったものをどう考えたらいいんだろうか、いろんな点があろうかと思います。従来の運用から見ましても非常に長くなっておるというものもございます。しかし、これをどういうふうに考えていくかという点につきましてもいろいろ、しかし、これは二面におきましては先ほど申し上げましたように、地元で何とか円滑に話し合いが行われるということが必要だという点もございます。そういう点いろいろな点を考えまして、どういうかっこうでその商調協の運営をしていくのがより適切であるかということを検討したい、こういうふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そうした検討の結果は、当然各地域の商調協に対して指導されるということになるわけですね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 商調協につきましては、従来も通達を出しておるわけでございますので、どういうかっこうにするか、もう少し考えないといけないと思いますが、いずれにいたしましても考え方、関係者とも十分相談をいたしまして、もし考え方がまとまれば、それにつきましては改めてその考え方を何らかのかっこうで明らかにしたいというふうに思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 従来も商調協については、産業政策局長通達でいろいろ指導しておられるというふうに伺いましたけれども、そうした形でまとめられるのも当然これの法律の施行日までというふうに考えてよろしゅうございますね。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) その施行に支障のないようなかっこうで準備をしたいというふうに思います。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 その辺について、やはり法律改正を機会に新しい体制というものをつくり上げて、関係の小売商業者の皆さんの納得と同時に、やはり消費者の納得も得られるような体制をつくっていくということが、これからの行政の姿勢として私は必要だというふうに考えておりますので、通産省といたしましても、ぜひそうした方向でお考えをいただきたいというふうに思います。  それから次の問題は、現在地方公共団体の条例でいろいろ規制が行われておりますが、その中には先ほどから他の委員からも指摘されておりますように、新しい改正法案以上の規制を課しているところもございます。その点については新法施行を機会に新法のあり方というものに合わせる、そうした形で指導されるというふうに伺っておりますが、そう理解してよろしゅうございますか。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 時間の関係もあると思いますので、先ほど御答弁しましたのを繰り返して申し上げることは避けたいと思いますが、要するに、私ども先ほど申し上げましたような考え方につきまして、各自治体に対しまして私の方としては要請していきたいというふうに思います。簡単に申し上げますと、私どもといたしましては、本法の今度の改正法が制定された場合、それに従って自治体にも第二種については権限が移るという、県知事にお任せするという関係、それから五百平米以下につきましては、私どもといたしましては、届け出制というかっこうで一律に把握するというふうには調整の実態が従来の紛議の実態、それから顧客吸引力等の面から見ましても、そこまでの必要があるだろうか、問題がある場合には商調法で対処し得るのではないかというような考え方を持っておりますので、条例が直ちに、五百平米未満の条例が、その内容いかんによりましては、もちろん直ちにその条例が効力を云々という問題ではないわけでございます。これは条例個々について具体的に判断されるべき問題であろうかと思いますが、私どもの考え方といたしましては、いま申しましたような考え方から言いまして、今回の改正で小売業の調整につきましては、大店法、商調法によって実態的に十分対処ができるというふうに考えておりますので、そういった考え方で都道府県に要請をしていきたいというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 ぜひ具体的に効果の上がる方法で努力をされるように期待をいたします。  それから、時間もありますので、次の問題に移りますが、先ほど藤井委員からも御指摘がありましたように、小売商業の問題というのはある意味で既存の小売商業の皆さんに過激なといいますか、急激な変化を要求しない、そのための激変緩和としてのさまざまな調整というものも必要であろうと思いますが、同時に、絶えざる近代化、合理化、体質改善というもので消費者のニーズにこたえていくということが必要なことはもう当然だと思います。その意味で、こうした大規模店舗の出店問題が深刻な社会問題になるケースが多いというのは、一つは、やはり現在までの通商産業政策のあり方、その中で流通問題に対する力の入れ方というものが欠けていたという点にあるのではないかというふうに思います。戦後の高度成長の過程では通商産業政策の中心というものは製造業をいかに伸ばすか、製造業の生産性をいかに近代化するかという点に重点が置かれていた。しかし、これからの通商産業政策の中ではもっと素材産業から消費財産業へと言われますように、消費者のニーズに近い部分、その部分についての重点的な施策というものが必要になってくると思います。特に、消費財の中で占める価格構成で考えますと、従来はまさに製造業部分もしくは物的な部分のコストを下げるということが消費者価格の引き下げに非常に大きな役割りを果たした。しかし、これからはそういう製造業での生産性の向上というものが大きく期待できないとすれば、やはり消費者のニーズにこたえていく、消費者価格を安定していくという意味で流通部門のコストをどうやって軽減していくかというのが消費者、国民経済にとって大きな課題になってくると思います。その意味で従来のハードウエア偏重の通産政策というものから、もっとソフト、流通部門への重点の移行というものが必要になってくると思いますが、河本通産大臣、その辺についての御認識を一言で結構ですが、お伺いしたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○政府委員(島田春樹君) 大臣のお話しになる前に一言私どもの考え方を申し上げさしていただきたいと思います。  いまお話がありましたように、今後いわば経済が安定成長路線になっていくというような場合、この流通のあり方というものは、いわば従来の量的な拡大というものから質的な改善、それによって一般の国民生活の安定あるいは経済の均衡ある発展というものに資するという意味では、質的な改善を進めるということが非常に重要であろうというふうに考えております。御指摘のように、流通の問題というのは非常にむずかしい面がございます。しかしながら、私ども基本的には先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、本当に特に末端の小売部門になりますと、やはり消費者のニーズにいかに対応していくかということが必要であると思います。流通部門全体として考えた場合には、流通部門の近代化というものを一層進めていくという意味で、私ども従来もたとえば商取引、それから情報の流通、物的流通、こういった各段階につきまして流通機能の高度化を進めるために、微力ではございますが努力しておるわけでございます。  それからまた、業種別の流通実態というような、流通というのがまたそれによって違ってまいりますので、そういったものにつきましても、業種別の流通実態に基づきまして流通近代化構想を策定するというようなかっこうで、現在いろいろ対策を講じつつあるわけでございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今後さらに施策の充実を図っていきたいと考えております。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 一言で言いますと、今後とも大店法による調整対策と振興対策とを総合的に推進することによりまして、中小小売商業の近代化を図っていく、このような考え方でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 通産大臣には、実はこれからの通商産業政策のあり方といいますか、重点の移行というものを、政治家としてお伺いをしたかったわけですけれども、その点はまた改めて総理大臣になられましてからでもお伺いをいたしますが、(笑声)そういう意味で私は振興対策というものをもう少し通産省として重点的にやっていく必要があるのではないかと思います。流通近代化についての施策を努力していらっしゃるというお話がありました、大変結構なことでございますが、一層の充実をお願いいたしますけれども、特に大店法との関係で言えば、商店街の振興対策というものが軸になるのではないだろうか。関連の商店街について一つのブロックとして振興をしていく、いわば大規模店舗というのは一つの商店街が一つの入れ物の中に入っているというのと同じわけでございますから、そういう意味では商店街振興対策について格段の増強を図るということが必要だと思いますが、現在そうした問題についてはどのような施策を持っており、また、五十四年度予算要求なり、将来についてどんな対策を講じようとしているのか、その点をお伺いしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 御指摘の商店街の振興対策につきましては、従来からも中小小売業の近代化施策の重要な柱ということで推進をしておるわけでございます。中小小売商業振興法に基づきます認定を受けました商店街近代化事業に対しましては、中小企業振興事業団から県へ資金を貸し、県から融資するという高度化資金の融資を初め、そのほか中小関係三機関からの助成制度というようなものも十分充実をしておるわけでございます。  そのほか、商店街振興組合が行います各種活動に関する助成あるいは商店街改造計画の策定をする場合の補助というふうな、各種の振興策を講じてきておるわけでございます。しかしながら、まだまだ対策が十分であるとは確かに言えないということでございますので、来年度につきましては、商業対策に関する予算を飛躍的に拡充をさせたいということで、商店街対策にいたしましても、いま申し上げました高度化資金の助成の方法の改善というようなことを考えておりますし、そのほか、商店街振興組合が行っております日常活動の調査研究事業というものに対する補助も拡充する、あるいは商店街が日常活動の拠点になります商店街消費者交流センターというようなものを商店街につくるという計画もございますが、これを新たに補助の対象にしようというようなことも考えておりまして、幾つかの対策を組み合わせまして、商店街振興対策を従来以上に拡大強化いたしたいというふうに考えておるところでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私は、実は東京の下町に住んでおりますが、近くの商店街、この繁盛ぶりはなかなか大したものでございます。それから縁日のときの雑踏ぶり、これも数年前から比べると非常に顕著な状況です。そういう意味で、私は魅力のある商店街づくり、それからそこで何らかの縁日とか、祭りとか、イベントをつくっていくというようなことをやっていけば、かなりの吸引力があるのではないだろうか。その意味で、小売り商業の皆さんの一層の努力と、集団としてのいろんな創意工夫というものが私はあっていいのではないかと。封建時代の町の顔というのはお城だったと思いますけれども、現在やはりそれぞれの町を特徴づけるものは、商店街のあり方だと思うわけです。そういう意味で、最近地域主義、地域社会の振興ということが言われておりますが、どこへ行っても何々銀座というような画一的な非個性的な商店街をつくるのではなくて、その地域に特徴的な魅力的な町づくり、商店街づくりをしていくということが、結局は小売り商業の振興のために必要なことだと思いますし、それこそ前向きの施策だというふうに考えているわけです。その意味で、私は商店街の皆さんにもときどきそういうことを申し上げるわけですけれども、それに比べてはどうもわが国のそうした対策、非常に立ちおくれている、まだまだ十分でないということは事実だと思います。それは先ほど申しましたように、  そして通産大臣に質問を投げかけましたように、いままでの産業政策というものがともすれば製造業中心、素材産業中心であったことのあらわれではないだろうか。中小企業対策というのも中小製造業中心であったという点が、やはり流通部門、小売り部門の魅力ある発展というものを阻害してきたといいますか、足踏みをさせてきたんだと思いますので、ぜひ中小企業庁、通産省のその分野での一層の充実をお願いをしたいと思います。  それから最後に、そうした振興対策というものをこの大店法の運用の中に何とかつなげられないだろうか、つまり大規模店舗の進出で被害を受ける、困るという形で苦情の出てきている、その地域の商店街もしくは地域社会というものに、いま言ったような商店街の振興対策もしくは小売り商業の振興対策というものを重点的に行っていく、そうした形で何らかの調整を容易にしていく、お互いに満足をし、大規模店舗の吸引力を同時にその地域の商店街にも引っ張ってこられるような、そして共存共栄できるような振興対策というものがあっていいんじゃないかと思いますが、この大店法の運用と、商店街振興対策の拡充というものを何とか結びつけて施策が組めないものか、その点についての御意見を伺いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) 先ほど大臣もお答えいたしましたように、やはり調整と振興というのは車の両輪のごとく、両方がうまく機能しなければいけないということでございますので、われわれといたしましてもこの調整をやると同町に、周辺の小売商の近代化施策が進むということを進めたいと思っております。そういう意味で、本年度から大型店舗進出対策融資制度というものを設けまして、この大型店舗が進出しているところには低利の資金を貸し付ける。そうして、近代化を推進するという制度をこの十月から発足させましたので、これをまた来年度以降さらに拡充して、有効に働くようにいたしたいというように考えております。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認め御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいま可決されました法律案に対し、各会派からそれぞれ附帯決議案が提示され、その取り扱いを理事会で協議いたしました結果、次のような決議を付することに意見が一致いたしましたので、私から案文を朗読することにいたします。   大規模小売店舗におサる小売業の事業活動の謝整に関する法律及び小売商業調整特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、本法の重要性にかんがみ、改正点の趣旨を関係方面に周知徹底すること。 二、中小小売業の箏業活動の機会が適正に確保されるよう、物品の皈売事業を行う各種協同組合の活動についても、各協同組合法の趣旨に則り、所要の改善が行われるよう指導すること。 三、本法が施行されるまでの間、大規模小売店舗の駆込み的な新増設が行われることのないよう指導すること。 四、大規模小売店舗における小売業者の営業開始後の商品構成の大幅な変更により生じた紛争については、小売商業調整特別措置法の運用等により適切に対処するよう努めること。   右決議する。  それでは、本附帯決議案を委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの決議に対し、河本通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ただいまの御決議の趣旨を尊重し、小売商業行政に遺憾なきを期する所存でございます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「黒磯なし」と呼ぶ者あり〕

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案を議題といたします。  まず政府から趣旨説明を聴取いたします。河本通産大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  最近の経済情勢は、全体として、緩やかな景気回復傾向が続いておりますものの、一部の地域におきましては、構造的な不況にある業種に屈する事業所に対する依存度が大きく、これらの事業所において事業規模の縮小等が行われているため、中小企業の経営の悪化、雇用不安が見られるなど、地域経済の疲弊が見られます。  政府といたしましては、このような事態に対して、去る八月、特定不況地域中小企業対策緊急融資制度の創設など法律的措置または予算措置を要しない事項を内容とする当面の緊急対策を講ずることとしたところでありますが、中小企業信用保険法における特定不況地域関係保証の特例等の対策につきましては、法律的措置を要するため、本法案を立案したものであります。その概要は次のとおりであります。  まず、本法案の目的は、最近における内外の経済的事情の著しい変化により、特定の地域において、中小企業者の経営が著しく不安定になり、かつ、雇用状況が著しく悪化している状況にかんがみ、これらの中小企業者の経営の安定を図るための措置を講ずることにより、別に講ぜられる失業の予防、再就職の促進等の措置と相まって、これらの地域における経済の安定等に寄与することであります。  次に、本法案においては、第一に、構造的な不況にある業種を特定不況業種として政令で指定し、これら特定不況業種に属する事業を行う事業所が地域の中核的事業所であるため、これらの事業所における事業規模の縮小等により相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じている地域を特定不況地域として政令で指定します。この特定不況地域の指定に当たっては、この法律に基づく中小企業者の経営の安定を図るための措置と別に講ぜられる失業の予防、再就職の促進等の措置とが総合的かつ効果的に実施されることを確保するため雇用に関する状況を考慮するものとしております。  第二に、特定不況地域またはその関連市町村の区域内に事業所を有する中小企業者であって特定不況地域内の特定不況業種に属する事業所における事業規模の縮小等により事業活動に支障を生じているものは、市町村長によるその旨の認定を受けることができることとしております。  第三に、認定を受けた中小企業者に対し、種々の助成を講ずることとしております。助成の内容は具体的には(イ)認定中小企業者がその経営の安定を図るために必要な資金の確保、(ロ)設備近代化資金の返済猶予を行うことのほか、(ハ)中小企業信用保険につき保険限度の別枠の設定、保険料率の引き下げ、てん補率の引き上げ等の特例措置を講じ、認定中小企業者に対する金融の円滑化を図ることとしております。また、(ニ)として認定中小企業者につき法人税、所得税上の欠損金の繰り戻し制度による還付及び地方税における欠損金の繰り越しについてそれぞれ特別の措置を講ずることとしております。  第四に、特定不況地域における工場の新増設の促進により中小企業者の経営の安定を図るため、必要な財政上の措置、税制上の措置を講ずるとともに、公共事業の実施に関し特定不況地域における経済の安定の見地から必要な配慮を加え、また、認定中小企業者のための下請取引のあっせんの広域にわたる効率的な実施のための助成の強化等に配慮することとしております。このほか、関係地方公共団体においても国の施策と相まって所要の施策を実施するよう努めることとしています。  以上が、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員山下徳夫君から説明を聴取いたします。

山下徳夫自由民主党

○衆議院議員(山下徳夫君) 特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正点の第一は、認定中小企業者の事業の転換に必要な資金の確保に努める旨の規定を加えたこと。  第二は、中小企業信用保険の特例措置のうち、無担保保険については別枠の保険限度額を千万円としたことであります。  よろしく御審議をお願い申し上げます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 次に、補足説明を聴取いたします。左近中小企業庁長官。

左近友三郎中小企業庁長官

○政府委員(左近友三郎君) ただいま大臣が御説明申し上げました提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。  構造的な不況にある業種に属する事業所が中核的な事業所となっており、当該事業所の事業活動の急激な縮小に伴い、地域経済全体が疲弊している地域における中小企業の経営の安定、雇用の安定等を図るためには、従来の景気対策、中小企業対策のみでは必ずしも十分でなく、これら地域の実情を考慮した対策を講ずる必要があると考えております。  このような観点から、去る八月二十八日には、通商産業省において、特定不況地域中小企業対策緊急融資制度の創設、既往貸付金の返済条件の弾力化等法律的措置または予算措置を要しない事項からなる当面の特定不況地域中小企業対策を講ずることとしたところであります。  本法案は、さらに中小企業信用保険法における特定不況地域関係保証の特例等法律的措置を要する対策を講ずる必要があるところから立案したものであります。  本法案のあらましは、次のとおりであります。  第一に、最近における内外の経済的事情の著しい変化により、供給能力が著しく過剰となり、かつ、その状態が長期にわたり継続することが見込まれるため、その業種に属する事業所の相当部分において事業規模の縮小等を余儀なくされている業種を特定不況業種として政令で指定いたします。  第二に、特定不況業種に属する事業所の事業活動にその地域内の他の事業所の事業活動が相当程度依存しているため、その特定不況業種に属する事業所における事業規模の縮小等により相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じている地域を特定不況地域として市町村単位で政令で指定いたします。  この政令での指定に当たっては、この法律に基づく中小企業者の経営の安定を図るための措置と別に講じられる失業の予防、再就職の促進等の措置とが総合的かつ効果的に実施されることを確保するため、その定めようとする地域及びその近隣の地域における離職者の発生の状況、雇用の機会の水準その他の雇用に関する状況を考慮するものとしております。  第三に、特定不況地域またはその関連市町村の区域内に事業所を有する中小企業者であって特定不況地域内の特定不況業種に属する事業所における事業規模の縮小等により事業活動に支障を生じているものは、市町村長によるその旨の認定を受けることができます。  第四に、認定を受けた中小企業者に対しては、金融、税制面で次の助成を行うこととしております。  まず、金融面の措置としては、認定中小企業者の経営の安定に必要な資金の確保を行うほか、中小企業設備近代化資金についても三年以内の償還期間の延長を行うこととしております。また、信用保険について、特定不況地域関係保証の特例を設け、信用保険の別枠、てん補率の引き上げ、保険料率の引き下げを行うこととしております。  なお、衆議院における審議の過程におきまして、認定中小企業者の事業の転換を行うのに必要な資金の確保についても規定するとともに、信用保険の別枠について無担保保険については二百万円の上乗せを行い千万円とするよう修正されております。  次に、税制上の措置としては、純損失または欠損金を生じた場合は、所得税または法人税の還付並びに道府県民税、事業税及び市町村民税に係る純損失または損金の繰り越しについて特別の措置を講ずることとしております。  第五に、このほか、特定不況地域における工場の新増設の促進により中小企業者の経営の安定を図るため、必要な財政上の措置、機械、建物についての特別償却等の税制上の措置を講ずるとともに、公共事業の実施に関し特定不況地域における経済の安定の見地から必要な配慮を加え、また、認定中小企業者のための下請取引のあっせんの広域にわたる効率的な実施のための助成の強化等に配慮することとしております。また、関係地方公共団体も国の施策と相まって所要の施策を実施するよう努めることとしております。  第六に、本法案の施行日は、公布の日としており、昭和五十八年六月三十日までに廃止するものとしております。  以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

福岡日出麿自由民主党・自由国民会議

○委員長(福岡日出麿君) 本案の質疑は後日に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十九分散会      —————・—————

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