建設委員会 第2号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/10/17
会議録
○委員長(安永英雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 坂野重信君及び古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として加藤武徳君及び植木光教君が選任されました。 また、昨十六日、降矢敬義君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君が選任されました。 —————————————
○委員長(安永英雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 ただいま報告いたしましたとおり、坂野重信君及び古賀雷四郎君の委員異動に伴い、理事に二名の欠員を生じましたので、この際、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安永英雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に堀内俊夫君及び増岡康治君を指名いたします。 —————————————
○委員長(安永英雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本住宅公団の役員の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安永英雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(安永英雄君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。 まず、先般行いました委員派遣につきまして派遣委員の報告を聴取いたします。 まず、第一班の御報告をお願いいたします。桑名君。
○桑名義治君 九州班の御報告を申し上げます。安永委員長、中村委員、松本委員と私、桑名は、去る七月二十五日から二十八日までの四日間、福岡、大分両県における建設事業について実情調査を行いました。 本調査の視点は、五十三年度公共事業費の執行状況及び福岡市を中心とする異常渇水について、建設者、自治体から事情聴取するとともに、両県における主な建設事業の実情調査に努めることといたしました。 以下、その概要について申し上げます。 まず、第一に公共事業費の執行状況であります。 政府は、五十三年度の公共事業の執行について公共事業の上半期の契約目標を過去最高の七三%とするとの基本方針を決定しておりますが、この方針を受けて地方自治体も、それぞれ独自の契約目標を立て、達成に努めることとしております。 本年度の九州地方建設局の直轄事業費のうち、その九三・三%が道路整備と河川関係で占めております。この両事業の一・四半期における契約状況は、道路が四二・八%、治水が三五・三%で、目標率を若干上回るベースとなっておりますが、昨年の同期ベースと比較して相当上回った進捗で進んでおります。 また、福岡市、北九州市等の自治体においては、国の目標率を上回って設定され、契約ベースも四〇%ないし五〇%を上回る高い水準に達しているということでありました。なお、事業執行面で、当初には技術職員の不足、資材の不足と高騰への不安等、幾つかの問題が懸念されておりましたが、一部を除いてそう大きな問題に発展することなく、おおむね順調な推移をたどっていると説明しておりました。 第二に、福岡市を中心とした渇水状況について申し上げます。 今回の福岡市等の渇水は、八十余年ぶりと言われ、五月二十日に一日九時間断水、十五時間給水の第一次規制に入って以来、調査時点でも、なお制限給水が実施されておりました。特にピーク時の六月初旬の第三次では、一日十九時間断水、五時間給水という異常事態となり、都市住民を初め、都市活動等に大きな打撃を与えたのであります。この間、関係機関等の協力を得て寺内ダムからの緊急導水が行われたほか、断水地区四万五千世帯に対して、給水車延べ一万台を走らせ、一万五千トンの運搬給水を行う等、きわめて深刻な事態であったと言われております。 七月に入っても、まとまった降雨がなく、貯水容量が福岡市の保有する有効貯水量の約二二%と落ち込み、特に江川、乙金糸浄水場からの配水が悪くなったため、七月二十七日から十六時間断水、四〇%規制に踏み切らざるを得ないということでありました。 なお、この異常渇水は福岡市のみならず、北九州一帯に及んでおります。こうした厳しい現実を踏まえて、福岡市では、各浄水場間の連絡工事を緊急に施工し、水源の有機的な運用を図ることとしておりますが、当面の対策としては、市民の節水協力とともに、給水制限の継続は免れないものと思われます。なお、直接的には運搬給水に頼らざるを得ないものと思量されております。 第三に、福岡、大分両県における都市計画、道路、河川等、また建設事業について申し上げます。 まず、都市計画事業であります。 昭和四十六年度から建設中の福岡、北九州両市における都市高速道路は、石油ショックによる工事の停滞はありましたが、来年には一部区間が供用される予定と言われます。両市とも本事業の早期完成を願っておりますが、今後の建設並びに管理面から、財源措置に対する改善、資金確保に対する措置等について、特段の配慮が必要であると要望しております。現在、福岡市は、都市内の交通手段として、地下鉄の建設工事が進められており、また、北九州市では、新時代の輸送機関として、都市モノレールが建設の運びとなっております。 地下鉄建設工事は、昭和五十年十一月に計画線の荒戸と室見で開始されて以来、二十工区、八・五キロの区間で進行中であり、五十六年末の開業を目指しております。視察した荒戸工区は、オープンカット工法で、止水性の高いパナソル工法が採用されており、駅は地下二層構造とし、地下一階はコンコース、地下二階はプラットホームとなっております。ほぼ概成の域に達し、塗装及び設備工事の段階にあると言われており、この四月からトンネル上部の埋め戻し工事がすでに行われております。 特に地盤等の関係から大部分の工区でオープンカット工法がとられたため、交通阻害、工事騒音等に注意を払い、市民の協力に努めるとともに、未経験工事であるため、大阪市等の経験都市から技術援助のみならず、技術者の応援を得て進めていると言われておりました。 一方、都市モノレールは、国鉄小倉駅の南口広場から南に向かい、徳力を経て志井に至る八・九キロの部分を小倉線として建設、跨座型モノレール方式を採用することとしております。この沿線は急激な開発が進み、多くの集合住宅、学校等が控えていることから急がれているもので、建設主体は道路管理者としての市が行い、経営はすでに設立されている北九州高速鉄道株式会社が行うこととしております。現在、基盤をなす国道三百二十二号線の新設改築並びに徳力土地区画整理事業の関係もあり、先行されている段階であります。なお終点付近に車庫を配置し、すでに用地が確保されております。百万都市福岡、北九州両市とも、人口の急激な増加に対応して多くの土地区画整理事業並びに市街地再開発事業が進められておりますが、このうち福岡市の福原土地区画整理事業は、西鉄大牟田線の連続高架化、これに伴う大橋駅の移設、道路等公共施設の整備に重点が置かれ、副都心としての機能と居住環境の整備を図ることとして進められております。面積百五十四ヘクタールと大規模で、当初は昭和四十七年から六カ年計画として実施されてきましたが、これを三カ年延長し、五十五年度完成を目標に進められております。特に建物移転戸数は二千三百戸に及び、すでに八百三十四戸が移転済みで、本年度に二百五十戸が予定されておりますが、残された年間での移転完了はきわめて困難だと言われております。また、大橋駅移転による旧駅周辺の商店街の経営悪化に対処するため、早期移期が必要であり、資金的にも、内示額二十四億二千八百万円程度では事業の執行上、非常な停滞となることから、市予算に計上された三十億円程度が確保されなければならないと言われております。この事業の内容からこの財政措置は必要であると考えます。 また、福岡市等四市二町の行政区域にわたる御笠川、那珂川流域下水道事業がありますが、この事業は、昭和五十年に第一期工事を完了し、下水処理を開始しております。終末処理場は、全体計画の処理人口五十五万二千人に対して現在の整備済み処理能力は六万九千人で、整備率は八分の一セットとなっております。しかし、市町村施行の公共下水道の整備が、資金的にも容易に進まないと言われており、その財政措置が要望されております。 次に道路整備事業について申し上げます。 北部九州地域には高速自動車国道の建設を初め、国道、地方道の新設、改築、防災工事等多くの事業が実施されております。特に国道十号は、北九州市を起点とし、別府、大分、宮崎を経て鹿児島市に通ずる東海岸部を縫う唯一の重要な幹線国道であります。北九州−大分市間百二十キロ区間は、自動車交通の激化に伴い、ほとんどの地区で、混雑度は一・七ないし一・八に達し、在来の二車線交通では幹線としての機能を果たし得ない実情にあると言われています。このため北九州市内の曾根バイパスを初め、苅田拡幅、行橋バイパス、別大拡幅等の工事が実施中であり、椎田、豊前中津バイパス等が計画調査中であります。北九州市を初め、福岡、大分両県とも全線にわたる高規格を取り入れた北大道路の早期着工と、その完成を期待し、積極的な促進を強く要望しております。 昭和三十七年に技術的粋を集め、衆目の的となった若戸大橋は、現在大きな岐路に差しかかっております。建設当初の計画交通量六千台が、今日二万八千台と五倍の交通流に発展し、ピーク時の交通滞留は著しいものとなり、時間ロスは目に余るほどと言われます。このため福岡県幹線道路協議会に専門部会を設け、若戸大橋周辺の交通対策について鋭意検討中であると言われておりますが、抜本的な対策としては、若戸大橋の拡幅か、新路線の建設かといった案も出され、構造や採算性等大きな問題が内在することもあり、なお検討を進めることとしております。しかし、この隘路打開の抜本的対策は、新路線の建設以外に解決方法はないと言われております。なお、一層の詳細な検討が待たれるのであります。 今回視察した九州縦貫自動車の筑豊東インターから若宮インター間はすでに下部構造は概成し、来春の供用を目途にして土工及び舗装工事の段階であります。特に、この区間は、明治初期より約一世紀にわたって採炭された炭鉱跡が多く存在し、この古洞対策、遠賀川流域の軟弱地盤対策、さらには神田峠の埋設アーチトンネル工法等、工法的並びに技術的に、相当の苦心があったと言われますが、その足跡が痛感されるところであります。なお、この筑豊東インターで直方有料道路に連結することから、同区間の開通により、交通流は一層円滑になるものと思量されています。 また、九州横断自動車道の湯布院町−大分市間三十八・五キロについて昭和四十八年十月整備計画が決定されて、日本道路公団が施工することになっています。同公団は、これを受けて路線選定の諸調査を行い、別府市南立石、堀田両地区の区間については、国立公園及び土地利用状況等との調整に留意するとともに温泉源関係等の調査を実施し、県及び関係市町村と協議調整を行い、路線についての事前了解を得て、昨年の三月三十一日に全区間の路線発表を行ったということであります。しかし、一部の地区で本路線について反対意見が出され、別府地区九州横断自動車道建設反対連合会から提出された問題点について、同公団は技術的な調査検討を行い、円満な解決策を得たいとしておりますが、こうしたプロジェクト事業の実施に当たっては、何よりも地元関係の協力が必要であることから、なお技術的な解明のもとに協力が得られるよう努力すべきであります。 次に遠賀川河口ぜき及び耶馬渓ダム等の河川関係事業について申し上げます。 遠賀川河口ぜきは、河道の洪水疎通能力の増大と、塩害の防止を図り、新規の都市用水毎秒二トンを確保する目的のもとに、河口から約二キロ地点に本川を横断して総事業費二百五十七億円を要する可動ぜきを設置するものであります。本年度は七十二億円の事業費でせき柱、ゲート等を施工することにしておりますが、今夏の異常な渇水から早期完成が望まれております。 また、建設省直轄の耶馬渓ダムは、山国川水系山移川の大分県耶馬渓町柿坂に洪水調節、都市用水の確保等を目的に建設される多目的ダムであります。特に利水計画は、不特定用水を確保して、農業用水及び都市用水の安定取水を図るとともに、新規に毎秒一・六トンの都市用水を供給することにしております。この都市用水には、北九州市の水道用水毎秒〇・八トンが新規開発として含まれております。 このダム建設に際しては、水源地域対策特別措置法の指定ダムとし、整備計画に基づいて一般の補償とは別途に道路整備のほか移転者に対する集団移住地の宅地造成等が現在施工中であります。また水没戸数は七十二戸で、すでに六十二戸が補償妥結し、移転者の家屋が建設中でありました。なお、この秋ごろには基礎掘削に入り、来秋にはコンクリート打設にこぎつけたいと言っておりました。北九州市の強い要望があった笹尾川内水排除事業の実施についてでありますが、この笹尾川流域は、石炭鉱害のため、集中的な降雨に際して、常に浸水、冠水を繰り返し、加えて近年は、遠賀川本流筋の開発による流出量の増大に伴って、水位が上昇した関係から、本流合流点の水門の閉鎖時間が長くなり、ためにポンプ施設の増強による機能の向上が強く求められているものであります。本事業の一層の推進が図られ、早い期間でこの完成が必要と痛感されます。 また、河川緑地として大分市民等の憩いの場所を提供しようと計画されている大野川派川の乙津川の環境整備事業があります。沿川市街化の進展から、乙津川の浄化対策と相まって河川整備を行い、高水敷を整地して公園化を図り、運動場等を施設しようとするもので、都市公園等の少ない都市住民にとって、この環境整備事業は期待が大きいと言われております。 次に海の中道海浜公園等の公園事業について申し上げます。 国立公園として建設省直轄で整備が進められております海の中道海浜公園は、総面積約五百四十ヘクタールと広大で、自然景観に恵まれた大規模な海浜公園であり、各方面から大きな期待が寄せられております。 工事は、全体の概成を約十カ年とし、第一期五カ年で西地区約二百七十ヘクタールを昭和五十五年度までに六十九億円を投入して概成し、五十六年度には開園する予定であるとしております。 昭和五十年度に着手されて以来、本年度事業費十一億円を含めすでに二十五億円が投資されることになりますが、地域の広大さと自然を生かした大芝生公園広場、動物放飼園、海水浴場等盛りたくさんの施設計画があり、現在では幹線園路、サイクリングロード等の整備のほか、駐車場も周囲に植栽を取り入れて施設されております。また動物放飼園等の整備も着実に進行しており、非常に修景に留意されているように見受けられます。 また、旧大分空港跡地を利用する大洲総合運動公園は、臨海工業地帯と住宅市街地との緩衝緑地的な機能を持たせ、総合体育館、プール、芝生広場といった各種の運動施設を備えた公園として概成し、一般に開園されております。特に県民の強い要望である硬式野球場が現在建設中であり、その早期完成が期待されております。 以上の事業のほか、大分地区新産都市の工業開発は第一期計画に引き続き、第二期計画が進行中であります。この第二期計画では大野川右岸の海面埋め立てを行い、工業用地と公共埠頭を造成して、臨海性装置型工業の開発とあわせて波及効果の高い機械工業を配置するとしております。 経済の低成長期に当たり、これらの工業開発は時勢の推移と長期展望に立って慎重に対処されなければならないし、環境アセスメントの実行と地元関係者の協力と納得の上で推進されることが重要と考えられます。 以上調査の概要を申し上げましたが、最後に一言所見を申し述べておきます。 今回の福岡市を中心とする異常渇水は、原因に降水量の少なさが挙げられておりますが、この渇水の責めを天候だけに負わせることはできないと考えます。水資源は有限であり、貴重な資源であります。都市への人口の集中と生活水準の向上等により、将来ますます水需要は増大することになり、国土庁の水需給計画でも明らかなように昭和六十年、六十五年の長期展望でも、この九州北部地域は水不足が生ずると言っております。 節水型都市の育成と発展を期するとともに、広域的な用水対策、特に筑後川水系における長期計画である水資源開発基本計画の策定が必要であり、計画に基づいたダム等の建設を促進することが必要であります。この際、利害関係の対立に関しての改善策、水行政に対する強力な調整能力の発揮等、十全な行政能力を求めるものであります。 今回の調査に当たって、建設省、県、市当局の御尽力に対して心からお礼申し上げますとともに数々の要望事項について逐一報告するのが本旨でありますが、本文に大要を取り入れておりますので割愛させていただくことにいたします。 以上で報告を終わります。
○委員長(安永英雄君) 次に、第二班の御報告をお願いいたします。栗原君。
○栗原俊夫君 石川県、富山県における建設事業の実情調査にかかわる委員派遣第二班の報告をいたします。 坂野理事、藤田委員、上田委員及び私、栗原は、去る七月二十四日から三日間、石川県並びに富山県における建設事業の実情を調査してまいりました。 両県の地域開発の方向は、北陸地方開発促進計画の基本構想にのっとり、地域格差の是正、住民福祉の向上を目標に、年々具体的重点事業を設定、推進されておりますが、特に本年度は、国、地方における公共事業費の激増のもとで、全域的に道路整備、河川改修等の基盤整備事業が展開されておりました。 両県とも、景気浮揚を目指す国の方針を受け、これら事業の早期執行に懸命であり、本年度上半期の発注契約率七六%程度を目標に、すでに六月末において石川県五〇・一%、富山県四九・八%の実績を消化しておりました。しかし、公共事業の早期発注、集中執行を推進していく上で、技術職員の過重負担、建設資材の安定供給、土木労務者の確保、事業用地の取得等は大きな課題であり、今後補正予算における公共事業費の追加措置を円滑に執行する場合、これらに配慮した諸施策の必要性が痛感されるところであります。 以上調査いたしました建設事業につきまして県別に区分し、問題点、要望点を含めて述べることといたします。 まず石川県についてであります。 県下の建設事業は、住みよい県土の基盤づくりとして均衝ある地域の発展のため、道路交通体系の整備、就業、就学機会の充実、居住生活環境の整備等により地域格差を是正すること、北陸の都金沢では伝統的文化環境と近代的都市機能が調和した都市計画事業を推進すること、河川、海岸事業等の促進により県土の保全を図ること、さらに水資源の開発、港湾の整備等を中心として各種事業が意欲的に進められておりました。 海岸保全については、県内で海岸線が六百五十七キロメートルにも及び、日本海特有の冬期風浪の激しさにより各所において年々浸食が進み、対策の促進が望まれております。このうち松任美川海岸は、背後地が手取川によって形成された扇状地で、加賀早場米の穀倉地帯として、また海岸線に沿った北陸自動車道の開通により工業や住宅用地として発展が見込まれる地域でありますが、明治以来海岸線が約二百メートルも後退したとのことであります。昭和三十六年からは、それまでの県の対策から国の直轄事業として計画的に保全事業が進められ、本年度からは根上地区を追加して延長約十八キロメートルが事業区間となっております。すでに離岸堤等が設置されている個所についてはトンボロと呼ばれる三角洲が自然に形成され、はっきり浸食の防止効果があらわれておりました。 七塚海岸は能登半島の西側のつけ根に位置する海岸でありますが、浸食に対処するため保全区域全域約五キロメートルを県事業として、護岸工、消波工等海岸保全施設の整備が進められております。 このほか輪島市の稲舟−白米海岸等でも海岸保全工事の促進が地元からの要望となっておりました。 伏見、高橋川は金沢市内を流れる二級河川犀川の支川でありますが、近年これらの河川流域における市街化の拡大に伴い、治水機能の低下を来し、これまでにも多くの被害を出し、今後も災害発生の危険性が増大しております。このためすでに改修された伏見川の下流部に続き、その上流部及び支川である高橋川について約二千六百メートルの改修を第一期計画とし、六十年度を完成目標として本年度から本格的に改修工事に着手することが計画されております。 これらの河川は、いわゆる都市部の中小河川で家屋密集地域であるため、改修には多額の費用と多くの人家移転が必要であり、移転者の多くは代替地を希望している等の事情があるとのことで、家屋の移転を円滑に進め、事業の促進を図るためには用地国債を利用した一括取得が必要であり、その枠の確保とともに代替地の確保の予算措置についても補助対象となるよう検討してほしいとの要望がありました。 金沢市の都市計画事業については鉄道高架事業と区画整理事業を視察いたしました。 金沢市は、北陸本線によって市街地が東西に分断されており、これが都市機能を分断し、両地域の交通の円滑化を阻害していることから、金沢駅を中心に西金沢駅から東金沢駅間約四千五百六十メートルを高架化する計画が決定されております。この計画は地元の長年にわたる宿願だったようでありますが、国鉄近代化計画による貨物設備の移転も進み、五十年度に国の補助事業として採択されております。本年度はまだ測量調査、用地買収の段階でありますが、総事業費は約四百億円と見込まれ、短期間の膨大な投資が必要となり、地方負担額について起債制度の確立が必要であるとの強い要望があります。この高架化により都市計画道路八本、その他の道路五本の計十三本が立体交差となり、駅をはさんで東西両地域の均衡ある発展が期待されます。 金沢駅西地区は東地区に比して発展が遅れておりましたが、近年金沢港の開港、北陸自動車道及び国道八号線金沢バイパスの新設、さらに鉄道高架化による東西地域の一体化等開発のための基盤整備が進んでおります。区画整理事業は現在駅の裏手になっているこの地区の総合的な高度利用を図るため、幹線都市計画街路を整備し、増大する都市交通に対処するとともに、区画街路、公園等の公共施設を整備し、宅地利用の増進、健全な市街地の造成を行うものであります。事業は駅西地区百二ヘクタールと駅西第二地区百二十三ヘクタールからなっておりますが、このうち駅西地区は事業も進んでおり、駅前からの街路、金沢港線は五十メートル幅のりっぱな街路となっており、街路には共同溝を設置して電線も埋設し、電柱のない新市街地が形成されるとのことでありました。 金沢港の整備について申し上げます。 北陸地方の政治経済の中心都市金沢及びその背後圏は近来まで利用すべき港湾がなく、隣接する伏木富山港、七尾港よりの二次輸送に依存し、産業活動が行われておりました。このため金沢港の整備の必要性は古くから認識されていたようでありますが、産業活動が活発になるにつれ、冬期積雪時の物資の海路輸送、燃料備蓄の確保、日本海沿岸航路の避難港などの要請によって昭和三十九年に重要港湾の指定を受け、掘り込み港湾として建設に着手され、四十五年に開港しております。以来、取扱貨物は年々増加し、木材、石油製品、重油、セメント等を中心に五十二年には百九十八万トンに達しております。 本港は物資流通の拠点港及び対岸貿易の拠点港としての性格を有し、背後地域の都市活動、産業活動に大きな役割りが期待されておりますが、今後の整備計画の基本方針としては、およそ一千万トンの貨物取り扱い量を目標に、流通加工基地としてフェリー輸送基地の整備、沖合いの好漁場を生かした水産加工基地の整備等が計画されておりました。また、背後の都市機能と調和のとれた土地利用及び港湾環境の向上を図ることとし、臨海地域の形成については木材、機械、食料品等で公害発生のおそれのない企業の進出が予定されております。 能登地方は、七尾市を中心都市として十九市町村から地方生活圏を形成しており、圏域の人口は約二十九万人となっております。 県内において能登地域は、加賀地域に比して生活環境及び産業基盤の整備が立ちおくれており、また、地元に雇用の場が乏しいことから他地域への出かせぎ者も多数を数える現状にあり、地域社会の均衡ある発展の上から能登地域の格差是正が重要な課題となっております。このため道路事業では辺地性の解消のため主要地点と金沢を二時間以内で結ぶ県土改造高速道路ネットワークの構想の下に、能登縦貫道路を有料道路事業により羽咋市−穴水町間約四十八キロメートルを新設し、すでに大規模農道として一部開通している穴水以北と結んで、この地域の生活道路として供するとともに、雇用機会の増大を図るため、併せて工業団地の造成、七尾湾の開発など産業基盤を整備し、工業を誘致する必要性が強調されておりました。半島の丘陵地を貫く能登縦貫道は四十七年度から事業が開始されており、本年秋には一期工事分二十七キロメートルのうち十六キロメートルが一部供用される予定となっております。この道路は有料道路ではありますが、他面、過疎地域を通過する生活道路の性格を強く有しており、経営の健全化の上からも国庫無利子貸付金の貸付率の引き上げと貸付条件の改善が強く望まれておりました。なお、大規模農道が交通ネットワークの一環となっていることについては管理面での一体性に留意することが必要であると考えます。 国道二百四十九号線は、七尾市を起点に能登半島を一周して金沢に至るこの地域の動脈であります。道路の現況は、全線舗装済みではありますが、まだ若干未改良区間を残しております。未改良区間の改良及び二次改築については今年度それぞれ四カ所、三カ所と鋭意整備が進められておりますが、輪島市等では年間二百五十万人の観光客の出入りに対応し、バスなどの大型車がすれ違えるように未改良箇所の早急整備及びバイパスの必要性が強調されておりました。 七尾湾の開発は重要港湾七尾港の整備、能登島への架橋を中核事業として計画が進められております。七尾港は能登半島の内ぶところに位置し、古くより栄えた天然の良港でありますが、近年は木材工業及びエネルギー備蓄基地として臨海部の整備が進められており、あわせて恵まれた立地条件を生かした能登半島の健全な海洋性レクリエーションの基地として発展が期待されております。 能登島大橋有料道路は七尾湾に浮かぶ能登島と七尾市石崎町の二・一キロメートルを架橋するものであります。昨年度と本年度の地質調査、環境アセスメント等の事前調査に続いて、来年度より建設工事に着手することが予定され、三年間、事業費四十億円で完成が見込まれております。この架橋により、現在フェリーで結ばれている能登島の離島性が解消し、島民の生活文化の向上並びに産業の振興が期待されております。 このように、能登地域の中心都市七尾市は発展のための基盤整備が進んでおりますが、各種用水を地下水に依存しており、これが原因と見られる地盤沈下が著しく進んでおり、他方、周辺の宅地化の進行と相まって雨水等の排水にも困難を来しております。 地盤沈下対策につきましては地下水依存度を下げるため、代替用水の開発が急務となっております。浸水被害の防除については既設排水路の流下能力が小さいため、下水道事業として都市下水路を新たに施工中でありますが、水質汚濁の問題も考慮すると将来公共下水道の導入も課題となってきております。 このほか道路については朝夕のラッシュ時を中心に交通渋滞が慢性化しており、市内に入る国道百五十九、百六十、二百四十九号線のバイパス建設、都市計画道路の早期完成等が地元では懸案事項として強く要請されておりました。 次に、富山県についてであります。 立山連峰を背後地に富山湾を抱え込むような地勢からなる富山県は、近時見直しを径た住みよい富山県をつくる総合計画に基づいて、国土保全事業、生活産業基盤整備事業が着実に進められておりました。 能登半島より富山県に入ってからの国道百六十号線は、建設省直轄管理区間に指定されており、急カーブ、幅員狭小の部分はありましたが、概して一次改築を完了しておりました。 山地が海に迫るこの地域にとって唯一の生活道路であるとともに、氷見市と高岡市を結ぶ産業道路、立山と能登を結ぶ観光道路でもあり、平均交通量は氷見−高岡間で一万七千台に達するとのことでありました。このため氷見市街部及び沿道の人家連檐区間では、通勤時間帯を中心に渋帯現象が日常化しており、こうした事態に対応して氷見バイパス、氷見−高岡道路が計画され、事業が進められておりました。 氷見バイパスの第一期区間は、すでに暫定二車線で供用開始されておりましたが、この区間のみではせっかくの新道機能が発揮されない状況にあることから、第二期区間、さらに氷見−高岡道路の建設等、全線にわたる二次改築の早期推進が地元の強い要望でありました。 また、この道路は、山間部の通過も多いことから隧道部分が随所にありますが、これらはいずれも幅員狭小で歩道施設がなく、歩行者、自転車の交通事故が憂慮されておりました。 迂回路の建設、隧道拡張等は大事業となることが予想されますが、地域住民に密着した道路であることから、人命尊重の施設は優先して実践されるべきものと痛感した次第であります。 北陸街道の名で知られている国道八号線は、日本海沿岸を縦貫する産業、経済活動の大動脈でありますが、交通車両の激増と大型化の中で都市近郊の交通混雑は極限に達しており、全線にわたる二次改築の必要性が強く訴えられておりました。富山−高岡バイパスは富山市と高岡市の間二十四・八キロを結ぶもので、国道八号線の交通緩和と富山高岡新産業都市の重要幹線として計画ざれたものでありますが、高岡市側の五キロは四車線整備が完了したものの、残りの区間は暫定二車線での供用でありました。 また、滑川−富山バイパスは、滑川市と富山市の間十・五キロを結ぶもので、富山−高岡バイパスの延伸ルートとして計画されたのでありますが、目下用地買収の段階にあり、現五カ年計画中の供用開始は困難とのことでありました。 さらに、西高岡拡幅、小矢部バイパス、境バイパス等も事業化が進められておりましたが、国道八号線の混雑激化の中で、これら事業の早期推進は、各地区共通の真摯な要望でありました。 いまだ社会資本の蓄積が浅く、年々冬期の交通麻痺に悩まされるこの地域にとって、公害排除と環境調和を配慮した上での道路建設の推進は、まさに地域整備、地域開発のかなめであると痛感したところであります。 富山高岡新産業都市の流通基点として計画された富山新港は、新湊市の臨海部を掘削して昭和四十三年に開港以来順調なる港勢をたどっており、昨年の実績を見ても入港船舶は九百三十九隻、海上出入貨物は四百四万トンという盛況ぶりでありました。 港湾施設の現況は、八万トン級岸壁を筆頭に十バース延長千三百五十五メートルの中央公共埠頭、八バース延長千八百九十八メートルの企業専用埠頭、その他水域施設、外郭施設等でありますが、さらに東、南水路及び北埠頭の建設等を計画実施中でありました。 一方、富山新港のしゅんせつ土砂によって造成された背後地の四百十六ヘクタールに及ぶ工業用地には、すでに三十四社が進出しているとのことで、臨海型のアルミ、木材、機械等のコンビナート形成が進められておりました。 工業用地の周辺は、緑化を進める等公害排除に努めるとのことでありますが、あわせて地元要請のあった新港に流れ込む内川の浄化対策、下条川の河道改修等の実施とともに、従業員家族を収容する大閣山ニュータウン、北陸自動車道−内陸工業地帯を結ぶ臨港道路等の整備推進は、緊要な課題と痛感されたのであります。 神通川とともに富山平野の扇状地を形成している常願寺川は、わが国屈指の急流荒廃河川として名をはせており、古来、災害史、治水史の上で折々の苦闘の足跡が銘記されている河川であります。 たび重なる水源地からの土砂流出、溢水破堤に対応して、明治中期から河川改修が始められましたが、昭和に入ってからは、国の直轄事業として継続的に事業が実施され、いまなお上流の砂防工事とともに下流の堤防拡築、常水路掘削、水制施工等の工事が進められているのであります。 常願寺川下流部では、右岸堤道路をたどりながら、治水事業の沿革、治水施設の現況等の説明を聴取、あわせて六月下旬の北陸梅雨前線豪雨による災害現場に立ち寄り、被災並びに応急復旧の状況を視察いたしました。 被災個所は、いずれも増水した激流の直撃により本堤前面の高水敷と護岸根固めが洗掘され、堤脚部が大きく損壊されていましたが、応急措置としてじゃかご、十字ブロック等の根固め水制を配置、また河床掘削を行い、主流を中心部に導流する事業が進められておりました。 沿岸住民は、著しい河状の変化により随所に危険個所が発生していると指摘していましたが、急流天井河川のことでもあり、被災現場はもちろんのこと、危険個所についても早急な抜本改修を進めることが民生安定を図る上で必要であると痛感されました。 常願寺川上流部では、本宮砂防ダム等を視察、その後立山砂防工事事務所において立山砂防の役割り、砂防施設の現況等について説明を聴取いたしました。 安政五年の鳶山大崩壊以来、上流山地の荒廃が相次いだため、大正十五年から国直轄の砂防工事が開始され、人跡まれな奥山で水源改修の事業が進められてきたのであります。 自来五十余年、砂防ダム、床固め等、既設の構造物は百個を数えるに至っており、これにより土砂流出は調整され、近年の記録的豪雨に際しても、被害は最小限にとどめられ、効果を発揮したとのことでありました。 しかしながら、常願寺川上流の湯川に合流する称名川流域は、いまだ土砂崩壊の危険性が大きく、再び記録的豪雨ともなれば、中流沿岸集落はもとより、下流、富山平野にも大災害をもたらすことは必至と言われており、砂防事業の一層の促進が強く要請されておりました。 次に、高速道路の建設状況についてであります。 北陸の開発、発展にとって重要な課題は、交通体系の整備であるとされておりますが、両県下においては北陸自動車道の建設が進んでおります。 北陸自動車道は新潟を起点とし、米原で名神高速道路と連結する延長四百七十五キロメートルの高速道路で、金沢市の一部を除き、敦賀−富山間百七十八キロメートルはすでに供用されております。残された金沢市の一部である金沢東−金沢西間は、本年秋、五十三年十月十二日に開通、敦賀−米原間は五十四年度供用が見込まれており、これにより石川、富山の両県は、近畿圏、中部圏、さらに首都圏と直結することになり、経済、文化等の交流も飛躍的に伸びることが期待されております。 金沢東−金沢西間約九キロメートルは、現在、市内の交通渋帯を緩和するために計画された国道八号線・金沢バイパスにより連絡しております。この間の高速道路の工事は、舗装など最後の仕上げの段階に入っておりましたが、軟弱地盤、交差点の視距、市街化地区等の要素を考慮して、高架橋構造としたとのことであります。なお、金沢西インターは、片インターとなっておりますが、地元では、物流基地の整備と交通緩和のため、同インターのフルインター化の実現を強く望んでおりました。 富山県内については、富山インター以東、県内五十六キロメートルが工事最盛期に向かっておりました。供用は富山−滑川が五十五年度の予定となっており、残りの区間は五十六年度以降となっております。 北陸自動車道のすでに供用されている部分の管理については、この地域が積雪寒冷地帯、海岸地帯であるため、冬期の雪氷対策、季節風対策が重要課題となっております。除雪については機械除雪を重点に薬液散布を行っており、場所によっては地下水による消雪設備、ロードヒーティングが設備されているとのことでありました。なお、五十二年度には降雪日は五十七日、除雪及び凍結防止作業の日数は、それぞれ、五十八日、六十二日を数え、雪氷対策費は四億円に達しましたが、幸いにして通行どめは一回もなかったようであります。しかし、五十一年度には豪雪に見舞われ、五回の通行どめを余儀なくされたとのことで、冬期の交通確保の困難さが示されておりました。 北陸自動車道とは別に、北陸への高速道路の建設については、本州中央部で日本海側、富山県砺波市と太平洋側、愛知県一宮市とを結ぶ延長百七十五キロメートルの東海北陸自動車道の計画があります。このルートは、工事中の一宮−美濃間三十三キロメートルを除き、他の区間はまだ基本計画の段階にありますが、地元では残余の区間の整備計画を早期に決定するとともに、現在の高速道路網計画七千六百キロメートルには含まれておりませんが、これを能登半島まで延長する能越自動車道及び東海北陸自動車道と金沢を結ぶ金沢−上平線についても追加法制化について強い要望がありました。 さらに、高速道路ではありませんが、北陸関東産業道路の整備促進についての指摘がありました。このルートは、富山、金沢、福井を起点とする現在の各路線が岐阜県平湯で合流し、松本、甲府を経て最短距離で東京に至るものでありますが、この路線の整備、特に安房トンネルの建設促進の必要性が強調されておりました。 以上が調査の概要でありますが、最後に、今後建設行政を進めていく上での基本的課題について触れることといたします。 この地域は、近畿、中京の大都市圏に近接し、土地と水資源に恵まれ、また自然景観、温泉等の観光資源も豊富でありますが、これらの要素を十分に生かしていくための基盤の整備は相対的におくれていると言わざるを得ないのが実情であります。 多雪地帯としての不利な要因と、表日本偏重の従来の弊風の結果でもありましょうが、今後は開発可能性を秘めたこれらの地域こそ均衡のとれた国土開発を進めていく上で大きく位置づけられ、期待が寄せられていることは必然であります。 この場合、建設という名のもとに大消費地に直結した経済開発を許してはならず、常に自然保全との調和を大きく認識することが必要である。この努力こそ建設行政を進めていく上での基本であると思うのであります。 石川県、富山県はともに従来の土地利用基本計画を見直し、国土利用計画法と第三次全国総合開発計画に基づいて、県内整備の方向が詰められておりましたが、北陸における開発整備の意義と住民意思を十分に踏まえ、豊かな地域開発が実施されますよう願うものであります。 以上、報告を終わります。
○委員長(安永英雄君) 以上で各班の派遣委員の報告は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○栗原俊夫君 建設には大変関心は持っておるのでありますが、全くの、どうも無学なもので、勉強がされておりません。国民の平均的な一員としてこれだけは聞いておきたいというような点について数点お伺いをしてまいりたい、このように思います。 今年の当初予算において、減税か公共事業かといういろいろな論争もございました。その中で、具体的には、公共事業こそ景気回復の大きな起動力になるのだということで、公共事業が大幅に獲得され、特にその中で、建設省関係が大変大きな部分を占めておるわけでありますが、予算を取っただけではこれは景気が回復するわけではないと思うんです。これがどのように実施されていくか、一般には景気回復するために、できるだけ予算も前倒しに上期に執行に入れというようなことで、馬力をかけて執行に突進しておるようでありますが、この時点でどんなぐあいに獲得され、胸を張った大予算が執行の段階に入っておるのか、その状況についてひとつお話しを願いたいと思います。
○政府委員(粟屋敏信君) いま先生お話しのように、公共事業の予算が五十三年度当初予算におきまして大幅に増額され、これが景気回復の主導役となったわけでございます。この予算を取っただけではだめでございまして、これを適確に、早期に執行することがまた景気回復の大きな柱とされまして、政府の公共事業推進本部において、上半期の契約目標を七三%とされたわけでございます。そのうち建設省所管事業につきましては、上半期の契約目標を七〇・七%と定められ、この目標達成に鋭意努力をいたしたところでございます。八月末の状況でございますが、直轄、補助、公団合わせまして建設省所管事業の契約率は六三・七%でございまして、上半期の七〇・七%の目標は大幅に上回る見込みでございます。
○栗原俊夫君 ちょっと私耳が悪いんでよく聞こえないんだが、上半期に七〇・七%、八月末で六三・七%、上半期というのはいつまでなんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 九月末まででございます。 ただいま申し上げました六三・七%は八月末までの契約率でございまして、あと一カ月あるわけでございます。したがいまして、九月末におきまして、すなわち上半期におきましては七〇・七%を大幅に上回る契約が達成されるものと考えております。
○栗原俊夫君 もう十月も半ば過ぎたわけですから、九月の末のものはいつでも答えられるような姿勢にはなっておるだろうと思いますが、なかなか慎重なお答えをしておるような感じがいたします。これは、八月末に六一二・七%、これは契約したということですか。そのところ……。
○政府委員(粟屋敏信君) そういうことでございます。
○栗原俊夫君 これもまたまことに素人論議で申しわけないんですが、契約だけではこれは銭は散っていかぬということで、問題は、仕事ができなければ中間で前渡金で払うあるいは出来高で払う、いろいろな払い方もあるんでしょうが、完全に予算を払うのは、でき上がって金を払う、こういうことになるんだと思うんですけれども、そういう観点に立って、契約はしたが工期というものは 私は契約も大事だが、契約と同時に金か払い切れる仕上がりの工期というものが、なかなか、仕事それ自体の問題じゃなくて、景気浮揚という大きな側面を持っておるというこの予算執行については、非常に大事な側面であろうと思うんですが、この点はどうなっておりますか。
○政府委員(粟屋敏信君) 支払いの関係でございますが、御承知のように、直轄工事におきましては契約が済みましたと同時に前払い金を四割支払うわけでございます。そうして、かつ、出来形が大体半分程度できました際に中間前払いというものをいたしまして、これを大体二割支払います。その後、最終的に工事が完成した段階において残額を払って全部完済をするわけでございます。そういうふうな仕組みで支払いを行っておるところでございます。
○栗原俊夫君 それはよくわかるんですが、結局、八月末に六割三分を消化した、これは契約で消化した、こういうことなんですね。これが金になって支払われるというのは、一体どういう形で支払われていって、六割三分が、それでは、本当に仕事ができて金になって渡っていくという段階は、どういうぐあいに私たちは受けとめ、認識していたらいいんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) ただいま申し上げましたように、金の支払いがまず契約と同時に四割支払われるわけでございます。それから出来形が半分できた場合におきまして、中間の前払いといたしまして工事金額の二割を支払うわけでございます。そうして最後に、完成をいたしました際に竣工検査をした上で残りの四割を払うということでございまして、支払いはそういう段階において行われるわけでございますけれども、契約の段階において前払い金が支払われますれば資材の調達等が開始されるわけでございまして、そういう意味におきましては、その段階ですでに経済への影響がかなり多く出てくるというふうに考えております。
○栗原俊夫君 こういう特殊な、単に事業それ自体を遂行するということでなくて、大きな一面として景気浮揚のための予算の行使ということでありますから、たとえば、私が聞きたいのは、八月末に契約されたのは、それぞれ仕事によって工期が違いますけれども、いつごろになればこれは完全に消化したということに見込まれるんかというところが聞きたいわけなんですよ。これ、仕事によっては二カ月のものもあるだろうし、六カ月のものもあるだろうし、仕事の種類によっては十カ月もかかるようなものもあるかもしらぬ。そうすると、残りの四割というのは、契約はしたけれども四割というのはたな上げになってずっと先に持っていかれているのだと、予算をとってこれでどんどん景気回復に波及効果が出るんだとは言いながら、四割はたな上げになっているんではないかというような、きわめて素人考えからお尋ねするんですが、この辺はどうなんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 契約率で申し上げたわけでございますが、上半期の契約率を目標と定めておりますが、年度内に完全に消化をする。消化をするといいます場合には、契約も終わりますし、出来形も全部完成をする、そういうことでございます。 いまお話のように、上半期目標七〇・七、現行六三%程度でございますが、この段階においてどの程度出来形ができておるかという点については完全に把握いたしておりませんが、年度内には完全に出来形ができるということで考えておるわけでございます。そういう前提に立ちまして、その支払い等によりまして発生をする波及効果というものを乗数効果として算定をして経済計算の上にはあらわれておるということでございます。
○栗原俊夫君 お話はわかるんですが、私はちょっとこれは大臣に聞きたいんだけれども、上半期に七〇・七%とにかく消化しろと、これはどうも私の方が受けているところでは、契約しろと、こういうような受けとめ方をしておるわけなんですよ。私の方の聞きたいのは、景気浮揚に波及効果を求めるということならば、上半期に予算の幾らが本当に支払われるようにしろという指導こそがこういう時点における一番大事な指導の中心になるんじゃないか。契約すればいいというものじゃなくて、金が払える時期を上半期には幾らまで持っていけと。そういうことになると、工事の種類によってはとてもできないものもあるだろうけれども、分割発注といういろいろな工面等も出てくる。工期を短くして早く支払いが発生するような時点を求める、こういうことになるんではないか。これはきわめて素人考えですけれども、この点について大臣の所見はどうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 栗原委員の御心配ごもっともでございます。 そこで、多年の公共事業施工の上の経験から、大体年度内の完全消化をする上には、一体上半期にどの程度の契約をしたらばいいかと、こういうことから、おおよそ昨年もことしも上分期の契約を公共事業全般としては七三%ぐらいやろうと、それをやればその後の工事の進捗、消化の状況から見ると、年度内には完全に予算は使われる、こういう推定のもとに公共事業七三%上期、こう決めて、そしてその中で一体建設省は幾らにするかというのが七〇・七%ということになっておるわけです。そしてこの目標を踏まえながら、一体八月はどの程度、九月は完全にその目標にいけるか、こういうことから、八月現在で六三・七%をいっておるので、建設省の関係の七〇・七はまずいける。これが七三%を契約するということは、それに伴って公共事業の予算はまず四〇%出ておるわけです。そして先ほど官房長が御説明したように、二分の一竣工すればあとの二〇%出す。そしてあとの残りは工事完了とともに出す。大体長年の経験からこの程度の契約率でいけば年内完全消化は大丈夫であると、こういう見通しに立っておるわけでございます。
○栗原俊夫君 話はよくわかるんですが、予算を要求するときは、年度内に消化できる金額を請求しているのだと思うのですよ。だから普通なら、何も、とりわけ年度内に消化できる予算を獲得したんだから、その予算は年度内に執行されるに決まっているとわれわれは思い、予算の審議もしてきておるわけですよね。 しかし、今度の場合はちょっと条件が違うんだと、一年間に、これが年度内に完成すればいいんだということだけでは足りないんだという条件がある。というのは、一日も早くその経済効果の波及を求めて、特に上半期に前倒しで発注すると、こういうところまで指導しておる、そこまでわかるんですよ。そこまでおやりになるんなら、いまひとつ突っ込んで、支払い条件が発生する面についても何とか積極的な指導はないものかどうかと、ここを聞いているわけなんです。これはどうなんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 年度内に予算を執行するということは当然でございますが、前倒しすることによって契約を早く締結をされますと、早く出来形も出てまいります。そういう点で、早く工事が完成し、支払いも促進をされるという効果を持つことは当然だろうと考えておりまして、そういう意味が契約の前倒しということになるものと考えております。 なお、支払いの促進の面につきまして、私先ほど中間払いという、前払いということを申し上げましたが、これは一つの支払いの促進の手法でございまして、実は、出来形が半分できました場合に支払います場合には、厳格な竣工検査等をやりました上で支払うのが通常のルールでございますけれども、建設省としては、公共事業の施工促進、契約の促進、支払いの促進という意味におきまして、現場所長の認定によりまして中間前払いというかっこうで二割を支払うということにいたしておるわけでございます。
○栗原俊夫君 わかりました。 まあまあ契約を促進すれば、工期の方もしたがって繰り上がってくるし、完全支払いの条件も繰り上がってくると、まずまず契約を促進する程度で事は足りると、あえて工期のことにまで突っ込んで繰り上げた工期にひとつするような発注をしろというところまでやらなくてもいいと、こういう認識ですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 栗原委員の御心配されていることはよくわかりました。実際に発注をする場合に、今度のように、景気浮揚効果をねらうわけでありますから、たとえば普通の場合の設計や施工管理、そうでなくて、それを非常に合理化するとか、あるいは補助金の交付事務なども大幅に簡素化するとか、あるいは各地建ごとに地方協議会を設けまして、労務や資材に支障のないように横の連絡、公共事業をやる各省あるいは工事担当者あるいは資材関係者、それぞれ連絡をとりながら、ただ単に契約したから事足れりということでなく、工事促進の上にあるいは事務遂行上に、手がかからぬように、いろいろ工夫をしながら督励をしており、実績を上げたいと、こういうふうに努めておるわけでございます。
○栗原俊夫君 本当に素人の考えだから笑われるかもしれませんが、私が考えているのは、つまり発注しただけでは工期というものは必ずしもチェックできない。だから、早く支払いが完了するような、完成期間、工期を繰り上げるという行政指導はないだろうか、もしそういうものがあれば、十カ月かかる工期の事業を、技術的に分割できないものはだめだけれども、技術的に分割できるものならば、五カ月の工期のものに二つに分割発注できるんではないかと、こういうような視点、観点からお伺いしているわけなんです。まあ、その点についてちょっと。
○政府委員(粟屋敏信君) 工期の設定に当たりましては最も効率的かつ適確に工事が施行できるような工期を設定いたすわけでございますが、いま先生お話しの例の分割発注の問題につきましては、建設省といたしましては、早期完成という目的もございますが、同時に中小企業の受注機会の確保という観点から分割発注の促進を図っておるところでございまして、かなりの実績を上げておるところでございます。
○栗原俊夫君 はい、その点一応わかりました。先ほどお伺いして八月末に六三・七%というのは、これは直轄関係ですか、地方の都道府県、市町村等の補助事業の進行状態もこの中へ含まれておるんですか。もし別であれば、わかっておったら。
○政府委員(粟屋敏信君) 直轄、補助、公団別に申し上げますと、直轄が六二・五%、補助が六四・九%、公団が六二・七%、全体といたしまして六三・七%でございます。
○栗原俊夫君 はい、わかりました。 今回の公共事業、特に建設省関係の土木事業等々に関連して、予算はたくさん取ったけれど果たしてこれ食い切れるだろうかと、病院から出て来た病人にそれを食えとビフテキを山ほど食わしても食えるだろうかというような見方、議論がちまたにあるんですよ、これは。それは単に業者の方にもそういう議論もあるし、また執行する側の役所側にも果たしてこれが完全消化ができるだろうかと、こういうような議論があるんですが、今回のような膨大な量の仕事が飛び出してきて、これを完全に設計し、そして指導していく陣容というものが官側にあるんですか、この辺の事情はどうなんですか、ひとつ説明をしてください。
○政府委員(粟屋敏信君) 当初予算が大幅に増額された際にいろいろそういう点で御懸念が表明をされたわけでございますが、建設省といたしましてはいろんな工夫をこらしまして、必ずこれが達成に努力いたします旨を先般の国会でも御答弁申し上げたとおりでございます。確かに技術職員一人当たりの事業費を見ますと、補助事業におきまして昨年よりも二一%程度増、直轄事業で二六%程度の増となったわけでございますが、これらの問題を克服するために建設省で本年の御用始めの日に公共事業の対策本部を設置いたしまして対策を講じたわけでございます。 その第一は補助事業について申しますと、何と言っても補助金関係の事務の簡素化という点が最大の問題でございます。そこで、建設省としては過去四十四年、四十九年、五十一年と累次にわたりまして補助申請書類の簡素化等を図ってまいったわけでございますけれども、さらに五十三年度の大型の事業を消化するためにはさらに簡素化をする必要があるということで、たとえばいままでヒヤリングを年二回、すなわち概算要求時点と補助金の交付、配分を決める際に二回行っておったものを一回に省略をするとか、また、設計変更につきましては五十二年の実績で申しますと、大体年間一万二千件ぐらいあったわけでございますけれども、その設計変更で大臣の承認を要しない範囲を拡大いたしまして、それを半分以下にするという措置を講じたわけでございます。さらに、予算の交付決定に当たりましては、すでに設計協議を事前に行っているものにつきましては承認申請の際にそういう書類は必要としないとか、そういう工夫もこらしたわけでございます。 さらに補助金が現実に交付をされまして、また直轄の場合では実際に実施するに当たりましても施工の問題においていろいろ工夫をする必要がある。そこで標準設計の活用でございますとか、自主的施工の促進でございますとか、あるいは施工管理、監督のコンサルタントへの委託とか、そういうことで直轄は行う方針を決め、また都道府県等に対してもそういう方針で事業を進められるよう要請をいたすと、そういうような工夫をいたしまして、先ほど御説明申し上げたような上半期の契約目標を達成をできるということに至ったわけでございます。
○栗原俊夫君 率直にお聞きしますが、現在の陣容で確かに大変な上半期の執行促進をやったわけですが、現在の技術陣容で消化し切れると、こういう陣容なんですか。実際はもっと要るんだけれどもと、こういうような状態なんですか。この辺はどうなんです。それは直轄関係の技術陣、それからまた地方の都道府県等の陣容等について、とにかく大事な金を使い、しかも景気浮揚という重大な側面を執行しなきゃならぬわけですから、この辺について。
○政府委員(粟屋敏信君) ただいま申し上げましたようないろんな措置を講じました結果、おかげさまで上半期の契約目標を達成することができたわけでございますが、私ども地方建設局の担当官等からいろいろ状況を聞いております。確かに超過勤務等がふえたということはございますけれども、いまのところ現在の陣容で十分可能であるという報告を受けております。
○藤田進君 関連して。 お答えいただくための具体的な質問をいたしますが、結論的に、完全に消化して従来のように次年度繰り越しその他消化不良はないということのようですが、私は現地のいろんな調査その他の過程で、公共事業費の非常な大きなウエートを占めているものの中に、たとえば用地買収費、これが必ずしも消化できるかどうかについては少し所見を異にしているわけです。まあしかし、これを消化しようという熱意のあらわれと言えばそれまでですが、かなり基本的人権をじゅうりんした形で、特に道路の立ち入り測量あるいは丁張りかけぐらいまでは所有権者——地主等に適法な手続もしないまま踏み込んでいく、これがこじれてしまう、あるいは現地における計画説明が不十分なために、補助工事については特に問題が各地に起きております。私も手がけているいま問題もあるわけですが、さらに道路公団につきましても、たとえばいわゆる俗称第二山陽道、これも訴訟ざたにまで発展する状態にまでかなりの区間がいっております。一方予算としては既定方針どおりということで、これは全国各地見ましてもかなりそういう障害が出ていて、言われるように必ずしもスムーズに単年度主義をとっているわが国の予算について三月三十一日まで年度いっぱいで消化するということが問題であろう。ですから用地買収費を今年度はそれのみつけて工事費はっけないという路線もあるし、画一的には言えませんが、しかし、用地買収かつ工事施行というものも一相当ある。したがって用地買収が解決しなければ実際の工事着工というものはこれはもう無論不可能になる。丁張りをかけてみても工事はできない。丁張り自体を勝手にかけたというのがむしろこじれるもとになったりしている。これはやはり工事量が相当直轄なりあるいは補助工事で多いために十分なコンセンサスが地主その他とできていない点も手伝って以上のような点があるわけですが、念のために、そういったような実情についてどう把握されているのかお伺いしたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 藤田委員のおっしゃるように用地買収が非常に困難の伴う場合が多いことはこれを認めます。そして各所になかなか話がうまく進まない、トラブルがある、こういう実情はあると思うのですが、公共事業の全般の遂行の上におきましては、これは大蔵省もそういう方針ですが、用地買収はそれほど景気浮揚に関係しない、こういうことで現在建設省あるいは他の公共事業においても工事をやっておるのはそういう用地問題で余りトラブルがない、いまここで用地を買ってそれから工事をやるんだと、そういうところは避けておるわけです。それならば、なかなか工事の量を確保できないじゃないかという御疑念が生まれると思いますが、これは数字的に解明をしてよろしいと思うのですが、公共事業をこれだけやりますから、常に用地のストックということは非常に心がけておるわけでございます。だから本年度の公共事業に見合う用地、それは数字の上ではもう完全に確保されておるわけなんですね。しかし、同時に工事をやっていく、明年度以降の用地のことを考える、したがって用地交渉、用地買収というものは一方においてはある程度はやってまいります。しかし、現に工事をやる分の用地というものについては問題が解決しておるものを取り上げておる、こういう実情にあるわけでございます。
○藤田進君 それは単年度、五十三年度予算のいわゆるミクロで見た場合をおっしゃるんで、いやしくも大臣としては景気対策、そしてその成果というものがこの五十三年度、来年の三月三十一日でこれが完全に、福田総理の表現ならばトンネルから出かかるという、予算委員会でも、あなたもずっとおられ、私もいたわけですが、そういう内閣の見通しなんですよ。とすれば、これは問題になるのはやはり来年度以降の継続性ですね。これは赤字国債あるいは建設国債はもう限度以上になっているわけですが、そうなると用地買収費は、これは景気浮揚に直接影響しない、まあゼロでは私、ないと思いますが、この議論はさておくとしても、しかしどうしても——十年先は言いませんが、五十四年度以降を短期的に見て、これはどうしても今年度用地買収予算の充当額は何としてもやっぱりこれを仕上げていくということでなければ、大臣が言われるように用地買収ができないところはそれでとおっしゃっても来年度もこれはこじれてきます。ですからかなり長期を要しますから、用地交渉というものは。私はやっぱりそういう主観でなくて、今年度用地費も含めて消化されるように私は希望したいと思うのですが、どうなんでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大変ありがたいお言葉でございまして、本年度だけやれるものをやっちまったらそれでいいというものでないことはおっしゃるとおりでございます。そこで、どの程度に年初用地があって、そしてことしの分にどの程度使い、なお年度内にどの程度用地を買って、来年度以降にどれだけ繰り越していけるか。すなわち言い換えれば、今後の工事にも支障のないように努力しておるか、そういう点につきましては担当の局長から数字を申し上げますから。
○政府委員(丸山良仁君) いま藤田先生のおっしゃいますように、個々には問題があると存じますが、全体として申しますと、本年度当初で建設省関係、これは直轄、補助、公団を含めましてすでに保有している用地が一万四千八十四ヘクタールございます。このうち本年度使う予定のものが九千三百二十五ヘクタールでございますが、これに補正予算がございましたから、補正予算に必要なのはわずかに四百七十ヘクタールでございますが、そういうことでございまして一万弱で足りる、こういうことでございます。したがいまして、今年度もうすでに所有している分で四千ヘクタールぐらいの余りはあるということでございます。 なお、本年どの程度用地を買収するかということでございますが、現在の計画では一万一千六百ヘクタールの用地買収を本年度する予定で作業を進めておるわけでございますから、ただいまお話のありましたように来年度以降に回る分が約一万五千ヘクタールはある。したがいまして、数字的には五十四年度分の数字は確保できている。ただし、具体的にはいろいろと問題のある個所もあると存じます。
○藤田進君 ですから、景気対策の側面と、これはまあそれだけがいま強調されているんですから、それは確かに当面する重要な問題で適切な私は質疑応答だと私も判断いたしますが、他面、建設省の行政としてはその重要度、緩急の順もあるわけですね。ですから、私も経験いたしましたが、昭和七、八、九の三カ年のいわゆる時局匡救土木事業、これはまあ町村道を中心にいわゆるいまで言う過疎地を施工して景気対策を講じたわけです。当時は国家予算も二十三億程度の規模だったわけですけれども、しかしいまはいわゆる人肩馬背時代は脱却してむしろ交通渋滞と、これを打開して産業活動その他どう合理的な促進を図るかということも、これは建設行政の大きな仕事なんですね。いま言われる用地、関連をしてそのパーセンテージで言われればまことに問題はないように思われますが、いま申し上げたもう一つの側面についてはそうおしなべて、これは貫通しなければ問題が解決しないんですよ。これは中国縦貫でも今度御承知のように三次まで開通ということになるが、それだけではどうにもなりませんから、どうしたって下関までこれは開通させなければならない。ところが問題がある。それからいわゆる山陽第二国道も、高速道路もこれまた千々に乱れてしまって、局所的にかなりの区間がこれ、着工できない、そのために国道二号線というのは大変な事故と同時に渋滞ということですから、私はいまのパーセンテージだけでそれは結構だというわけにいかないことを指摘しておきます。
○栗原俊夫君 先ほど技術陣営の問題についてちょっとお尋ねしたんですが、いろいろと合理化、簡素化等によって非常に仕事量の多くなった技術陣をカバーすると、こういうお話がございました。しかしそういう実情の中で、なおかつ実際の発注側の技術陣容で十分賄い切れなくて設計等を部外に発注すると、いわゆる外注するというようなそういう事実はないんですか。まあ業界あたりで聞いてみるとかなりそういうものがあるやに聞いておるんですけれども、この辺はどんな事情でございますか。
○政府委員(粟屋敏信君) いまの設計の外注、すなわちコンサルタントへの委託の問題でございますが、これは従来とも建設省ではやっておるわけでございます。どういうものについてやっておるかと申し上げますと、道路、河川等の土木工事で構造物の設計につきましては一般に業務委託によりコンサルタントへ委託をしておるというのが従来からの実情でございます。今回のように大規模な予算になりますと、さらに従来やっておりますコンサルタソトへの発注の面を若干増加する、それから先ほど申し上げましたが、標準設計というものがございまして、建設省で定型的な構造物等につきましては設計のモデルをつくっておりますので、そういうものを極力活用するように指導をいたしまして、技術職員のオーバーワークにならないように配慮をしておるということでございます。
○栗原俊夫君 事情はわかりましたが、こういうところへ素人のわれわれはいろいろと心配をするわけなんですね。なぜ心配するかというと、そういうところからいろいろ問題が発生するんではないかと、新聞の三面などを見るというと、土木建築汚職などということがあちらこちらに出る、そういう発生源がそんなところからも出てくるんではないかというような心配を持つわけなんです。現実には、直轄で、工事量等で外注している委託設計の量 割合、あるいは地方等は直轄関係よりももっとやはり技術陣が弱体で、外注が多くなっているんではないかというようには思うんですけれども、この辺の実態はどんなぐあいになっておりますか。
○政府委員(粟屋敏信君) 先ほど申し上げましたように、河川、道路等の構造物については設計委託をやっておるわけでございますが、五十一年、五十二年の実績について申し上げますと、工事件数が、五十一年が八千四百二十九件、そのうち設計委託件数が四千六百三件、五十二年度が、工事件数が九千九百五十八件、設計委託件数が五千四百二十九件、大体五四%程度ということになっております。
○栗原俊夫君 地方の補助事業の方の関係はどんなぐあいにとらえておられますか。
○政府委員(粟屋敏信君) 恐縮でございますが、補助事業につきましてちょっと調べが行き届いておりませんので、申しわけないと思います。
○栗原俊夫君 直轄においてすら、相当陣容を固めておられる直轄関係で、なおかつ半数以上を外注しているということであれば、これは勘でございますけれど、地方の陣営というものはもっと弱いように思われるんで、もっと多くあるというような認識でも間違いありませんか。どうでしょう、それはちょっと答えにくいですか。
○政府委員(粟屋敏信君) どうも確定をした調査をいたしておりませんので、何とも申し上げかねます。
○栗原俊夫君 そこで、私たちが考えるのは、外注して設計してもらうと、設計してもらっただけでは、設計書だけでは入札に付せられないんで、これに金額を入れなきゃならぬと、こういうことになるんですが、委託した外注設計の金額というものは一体どこで入れるんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 委託してできました完成品——設計書につきまして、積算、金額は役所の方で入れるわけでございます。
○栗原俊夫君 これは設計者の方から参考資料として、何かこういう設計をしてこういう資材を使うけれども、この程度のものではなかろうかぐらいの参考数字というものは出てこないものなんですか。全然白紙で設計が回ってくるんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 全く数字については出てきておりません。
○栗原俊夫君 その点全く白紙で委託設計は出てくると、こういうことなんですが、どうもまだぴんと胸に落ちぬような気がしますが、当局がそうおっしゃるんですから、そのとおりやるに間違いないと思います。 そこで、世間ではよくこういうことを言われておるんですよ。設計を外注すると、外注したコンサルタントと深い関係のある建設業者が必ず落札していると、こういうことを言われているんですが、こういうところの実情はどうなんですか。そんなことは全く一つの勘ぐりであると言い切れるんですか、この辺はどうですか。
○政府委員(粟屋敏信君) いま先生がおっしゃいましたように、設計をいたしましたコンサルタントと、それと関連の深い建設業者、その関係でコンサルタントが受注した工事は関連の深い建設業者に落ちると、あるいは建設業者が施工するという例につきましては、過去あったわけでございます。それで、その間の癒着関係あるいは秘密の漏洩とか、そういう問題についていろんな御批判が出てまいったことも事実でございます。そこで建設省といたしましては、昨年の四月に、直轄工事につきまして「土木事業に係る設計業務等を委託する場合の契約方式」ということで、契約のモデルを定めて管下機関に令達をいたしておりますが、そのモデルを改正をいたしまして、特に成果品の秘密厳守につきまして厳重な規制をいたしたわけでございます。それと同時に、コンサルタント業者が設計をしたその工事の業者への発注に当たりましては、特に建設工事の業者選定に当たりましては、建設コンサルタントと人的面及び資本系列関係にあるものについては指名から排除し、競争入札の公正性を保とうということで、予算執行の事務次官通達におきましてそれを明示をいたしたところでございます。
○栗原俊夫君 そうしますというと、ただいまのことは、私がそうやったらどうだと言おうということをもう早くもやっておられるので非常に安心したわけなんですが、コンサルタントと建設業者の関係の情報等については、当局はしっかりつかんでおられるわけですか。
○政府委員(丸山良仁君) 建設省に登録されておりますコンサルタントは、千六百二十三社ございます。そのうち、資本系列とかあるいは役員などの関係で深い関係にあるというものが、大体三十社ございます。これは前国会で問題になりました、五十二年の春当時は五十社程度あったわけでございますが、その後組織の改正をコンサルタントの方で行いまして、現在のところ深い関係があると見られるものは三十社程度でございます。
○栗原俊夫君 まあ、私が心配しておったことが、次から次へと整理されていっているということで、非常に胸をなでおろしておるわけなんですが、そこで、群馬県下において、これは町村補助の工事なんですが、国道と県道の間へ村道がかかっておって、綾戸橋という橋があるんですが、二億五千万円ばかりの橋梁の工事なんですけれども、これが先般、何というか、両方からかけていって、つながる直前にたたき落ちたという工事なんですが、この事件についての概要は承知しておりますか。承知しておったらひとつ説明願います。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 この綾戸橋、御指摘のように、赤城村と子持村を連絡をいたしまして、利根川にかかる橋であるわけでありますが、ことしの九月九日に、先生おっしゃいましたように、両方からディビダーグ工法で橋を施工している途上、最後の攻めの部分になりますところで橋が破壊をいたしまして、四名の死者を出した、こういう事故でございました。直ちに担当官を派遣をいたしまして、実情を調査をいたしたということでございます。
○栗原俊夫君 その工事がどのように設計され、どういう請負者が請け負って執行しておったかと、それらについては承知しておるんですか、おらぬのですか。
○政府委員(山根孟君) 設計につきましては泉エンジニアリング、施工につきましては銭高組というぐあいに聞いております。
○栗原俊夫君 その泉何とやらというのは、銭高組の子会社だと聞いておるけれども、その関係はどうなっているんですか。御存じありませんか。
○政府委員(山根孟君) 資本関係及び人事面で若干の関連があると聞いております。
○栗原俊夫君 そんな甘っちょろいことじゃだめですよ。いま少しまじめにやりなさい。そういうところに問題があるんだ、そういうところに。そういうような姿勢でやっておったら、さっき官房長が言ったのはまるで絵にかいたもちになるじゃないか。その程度の認識かね。そしてもっと、これだけの事件が起こっておるのに、その程度の調査しかないのかね。いま少しまじめな報告したまえ、まじめな。
○政府委員(山根孟君) 失礼をいたしました。 落橋事故の調査でございますが、現在群馬県が中心になりまして、建設省からは土木研究所を急遽派遣をいたしました。両者協力をいたしまして、現在事故原因について鋭意調査を進めているところでございます。まだ結論を見出す段階に至っておりませんが、設計、施工それぞれの面について、さらに落橋いたしました材料、コンクリートあるいは工法その他の関係についての強度試験等、種々な観点から調査をいたしておるところでございます。
○栗原俊夫君 私は群馬の出身なんだけど、地元へ行っていろいろ話を聞いてくると、この泉コンサルタントが設計して入札に付したのか。随契でやったのか。その辺私は承知しておりませんけれども、要するに、入札に付した設計図面にはあった個所が、事件が起きた段階で、執行しておる立場のものが持った施工図面には外れておる部分がある。そういうこと等が言われておるんだけど、そういう報告等はまだ入っておらぬのかね。
○政府委員(山根孟君) 工事はコンサルタントの設計図をもとにして実施をされておりまして、基本的には相違をいたしていないというぐあいに思われるわけでありますが、工事が三カ年にわたっておりまして、設計変更等が行われております。詳細な経緯につきましては、現在群馬県で調査中という段階でございます。
○栗原俊夫君 こういう、これは本当に補助事業でも全く設計能力もない小ちゃな山間の町村の事業ですからね。これは県にお願いするか、あるいはコンサルタントにお願いするか以外には道がないんだと思うんですよね。しかし、そういうものが、言うならば、ただいまは人的、資本的にわずかなかかわりがあると、こういう説明だったんだけれども、われわれの聞いておるところでは子会社である、こういうんだな。銭高組の子会社のコンサルタントである、こういうことなんです。しかも、これからいろいろ出てくるだろうと思うけれども、設計図面と実施図面とは違っている部分がある、その違っている部分から事故が起こったらしい。ここはまだ確定もしておらぬようだけれども、あるべき鉄筋が国道側に入っておるはずなのが入っていなかったとか、いろいろなことが言われております。事実問題は、われわれは素人だからよくわかりませんけれども。とにかくこういうように外注した一つの設計と業者、これはやはり一般の国民は大変疑いの目をもって見ているわけですよね。先ほど、しかしだからそういうことがあってはいかぬので設計した者と関連する業者は指名から外す、と。非常にいいことだと思うんだ、ぼくは。もろ手を挙げて賛成し、よくやってくれたなと思う、これは。しかし、問題は五十が三十社に減った、関係があると見られる会社が。しかし、まだこの辺にまゆつばなところが大変にあるんだな。千何百社とあるコンサルタントで業者と関係のあるのが三十社と、あとは指名除外対象にはなり得ないというようなことだというところにどうも納得のいかないところがある。われわれもまだ具体的な調査は持っておりませんから、後ほどその三十社はどこなんだという表を出してもらい、それ以外にあるならばこれはどうなんじゃと迫っていきたいと思います。 午前中は、ひとつ、もう昼にも近いのでこの辺でひとつ休憩をして、あと午後に譲らしてもらいたいと思います。
○委員長(安永英雄君) 午前の質疑はこの程度にし、午後一時まで休憩をいたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(安永英雄君) 休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○栗原俊夫君 休憩前の質疑応答の中でひとつ確認しておきたいことがございます。 それはコンサルタントの問題について、直轄関係の発注をするに当たって外注した設計者が建設企業と関連が深いと見られるものは指名の枠から外すと、こういうお話でございました。そして、現在はそういう対象になるコンサルタントは三十社である、前に五十社あったけれども三十社に減ったと、こういうお話でございました。ひとつわれわれも執行を監視していく立場にあるわけでございますから、どのようなコンサルタントがどの建設企業と関連があるのか、これを一表にして資料として渡してもらいたい、これが一つ。 いま一つは、設計は外注するけれども、その単価等についてはこれは全く無縁であって、コンサルタントからは何の示唆も何もないんだと、こういうことでありますが、これを確認してよろしゅうございますか。 右二点について。
○政府委員(粟屋敏信君) そのとおりでございます。
○政府委員(丸山良仁君) いまの資料の提出の件に関しましては承知いたしました。約三十社と申し上げましたから、三十社ちょうどではございませんが。
○栗原俊夫君 予算を執行するに当たって設計が出発点でございますが、設計が過ぎますというと入札、請負ということになっていくわけでありますが、ただいまコンサルタント関係で指名から除外する条件のあるものは除外するというような話もございました。昨今の指名のあり方、むろん条件等もあるわけでございましょうけれども、指名入札が大部分であると思いますが、指名等はどういう標準で指名をやっておりますか、実情について概略をお伺いしたいと思います。
○政府委員(粟屋敏信君) 直轄工事の発注に当たりましては、まず二年に一回業者登録をするわけでございます。一般の土木工事について申し上げますと、これをA、B、C、D、Eの五ランクに分けまして、それぞれ相応の工事を相応の業者が請け負うというようなかっこうで登録をいたしておるわけでございます。その次に、指名ということになるわけでございますが、指名はおおむね十社以内を指名するのが通常でございます。その際に、いかなる業者を指名するかという点につきましては、地方支分部局工事請負業者選定事務処理要領というのがございまして、それで指名についての留意事項を規定をいたしております。 審査基準日といいますのは、登録をした日でございますが、以降における不誠実な行為の有無でございますとか、経営状況、工事成績、当該工事に対する地理的条件、手持ち工事の状況、当該工事施工についての技術的な適性、安全管理の状況、労働福祉の状況というようなものに留意をいたしまして、当該会計年度における指名及び受注の状況を勘案して、指名が特定の有資格業者に偏しないように配慮をしてやることにいたしております。
○栗原俊夫君 これも全く素人論議で申しわけないんですが、確かに、ただいまお話ししたような特定業者に偏らないように指名をしていくと、こういう結構なわけでありますが、巷間では確かに十社ないし八社、八社十社の指名をするけれども、実はあの指名はグループ指名であると。業界がAグループ、Bグループ、Cグループというふうに、業界の方でこれは事実かどうかわかりませんよ。したがって、グループ指名になって、そして指名内で順次ローテーションが行われると、こういうようなことを言われるんだけれども、過去の実績の中で入れかわり立ちかわりというような形に組み合わせが変わっていくと、そういう懸念を抱かせないような配慮等が行われておるかどうか。また事実そういうグループ指名であると言われるような傾向がなかったかどうか、これらについてひとつ説明願います。
○政府委員(粟屋敏信君) いま先生からグループ指名というお話でございますが、ちょっとその意味正確に把握いたしかねます。ただA、B、C、D、Eというふうに先ほど来御説明申し上げておりますように、金額別に工事業者を登録をしておるわけでございまして、たとえば三億円以上の工事についてはAといたしまして、A業者をそのランクに入れておるわけでございます。A工事についてはA業者、相応の工事について相応の業者を指名をするという点におきましてはグルーピングされているということは言えると思いますけれども、いまお話ございましたように、特定のものをグループに分けて指名し、それを順次ローテーションをもってやっておるというようなことはございません。あくまでも、指名に当たりましては先ほど申し上げました選定事務処理要領に従いまして適正にやっておるわけでございます。
○栗原俊夫君 恐らくそうだろうと思うんです。さもなくちゃならぬと思うんですけれども、世間ではそういうことはとかく言われる。言われることを排除するような方法として指名ができる、たとえば、Aクラスの入札をするなら、Aクラスの指名をするわけだけれども、それを八社なり十社なり指名するときに、これを人間の意思でなくて、人間の意思以外の方法で八社、十社を選ぶ方法、たとえば二十社なら二十社やっておいて、そうしてその中の八社あるいは十社が抽せんによって指名に参加できると、これなら世間から何にも言われないと思う。たとえばそんなような世間の疑惑を排除できるような配慮はできないものかどうか。これはひとつ大臣に何かうまい考えはないか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 栗原委員がおっしゃるように、だれが見ても合理的な、公正な指名というもの、何か方法がないかということでございますが、現在、ただいま官房長が御説明申し上げたような、五グループに分けて、そのグループのものが当該事業について指名を受ける、そして競争入札をする、こういう方法を講じておるわけでございますが、これはやはり栗原委員のおっしゃるように、公正に、そして余り偏しないで、しかもそれぞれの能力に応じた入札が行い得られるようにという一つの工夫でございまして、このやり方についてさらに一層いいやり方がある、こういうものの方が合理的じゃないかというものがあれば、もちろんわれわれがそれを検討するにやぶさかでございませんが、まあ私、建設省へ参りまして、入札の方法の説明を受けて、まずこういうふうに考慮されておるとすれば、これでいま直ちに私からこれはどうも不合理じゃないかという、そういう知恵は現在出ておりません。まあこれで公正にやってもらいたいものだと、こういう気持ちを持っております。
○栗原俊夫君 いや大臣のお話はよくわかるんですよ。そうしてまた、いまやっている方法で公正は図れると思うんですけれども、逆を言うと、不正をしようとすればできるチャンスもないわけじゃないと思うんですよ、これは。私たちが巷間で聞いておる中では、グループ指名をしてもらえば、要するに頭を決めてボーリング入札をやると、こういうことを聞いているわけなんです。決まったものが一番安値で、だんだんとボーリングして予算へ近づいていって、結局予算超で落札しなければ随契に移っていくと、こういうことが行われると、こういうことを聞いておるから、やろうと思えばやれるというような方法でなくて、やろうとしてもできないような方法をもってこたえることがよりいいのではないかと、こういう物の考え方なんです。少しくどうも素人過ぎて申しわけないけれども、ひとつこういうボーリング入札というような方法などというものが実際行われるものなのかどうか。私の聞いた範囲では、A業者ならA業者が語り合って、これは談合の一つですよね。頭になって、これが最安値で、後へ雁行してついて、だんだんボーリングしていくと、こういう入札の方法だそうです。やろうと思えば、もしグループ指名が行われれば、これはできると、こういうことになるから、こういうものを排除する方法を講じてはどうかと、こういう意見的な質問をしているわけなんです。
○政府委員(粟屋敏信君) まあグループ指名、ボーリングということ、私も不敏にしてよくわかりませんが、要するに指名につきましては、先ほど申し上げましたような選定事務処理要領というものをつくりまして、公正にやっておるつもりでございます。要するに指名権者は、建設省の場合は契約担当官たる地方建設局長が指名権者でございまして、その指名権者が適正な運用をいたしますれば先生の御懸念のようなことは根絶できるというふうに考えておりますし、従来ともそうであったと私は確信をしております。 それから先生御提案の、たとえばA業者を全部指名をして、抽せんで云々というお考えをお示しになりましたが、まあ一つのお考えであろうかと思いますが、抽せんで運の強い者は何回も受注をいたすことになりますれば、まあ私ども事務処理要領で申しております特定の有資格業者に偏しないようにしなければならないという受注機会の公平という観点からも問題があるのではないかというふうに考えております。 それから入札の段階におきまして、予定価格があるわけでございまして、予定価格以上であります場合には、何回も入札をやり直して、そうして予定価格の範囲内のものに落札をさすというのが競争入札の原則でございます。その際に、いまおっしゃいましたようなボーリングとか称するものがあってはならないことは当然でございまして、私はこれは指名が適正になされ、予定価格が公正に定められ、秘密が厳守されれば入札の公正を害することはないというふうに考えております。
○栗原俊夫君 まあ老婆心だからお気にさわることも多いと思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思います。 そこで、いま入札、落札について触れたわけですが、前にもちょっと私も建設委員に顔を出した当時に触れたことがあるのですが、いま高値の問題もちょっと出ましたが、安値の方は、やはりローアーリミット制度というのはいまでもあるのでございますか。
○政府委員(粟屋敏信君) ローアーリミット制度と一般に言われますのは、一定価格の以下の入札については、無条件にこれを排除するというのがローアーリミット制度でございますが、そういう意味のローアーリミット制度は、わが国の会計法令においてはとっておらないところでございます。
○栗原俊夫君 しかしあるめちゃくちゃな安値、まあ発注者の方で、これではどうも工事が完工できるのには無理だと考えられるような場合には、安い入札であっても排除する場合がある、こういうことですか。
○政府委員(粟屋敏信君) わが国の会計法二十九条の六でございますけれども、予定価格内の最低入札者の落札価格においては、契約の内容に適合した履行がなされないおそれがある場合におきましては、各省各庁の長が定める基準に従いまして契約担当官が調査をいたします。さらに調査をいたした結果は、契約審査委員の意見を聞きまして、その価格であっても、契約の目的が確実に履行されるという場合には、その落札者をもって契約の相手方とするわけでございますけれども、その価格によっては明らかに契約の目的が達成されないという場合には、予定価格の範囲内で、その次に低い価格を提示したものを落札者とするというふうな制度になっておるわけでございます。
○栗原俊夫君 まあ理屈の上からはね、大変わかったような気がするのですよ。しかし実際に当てはめた場合に、どういうことが起こるかというと、いわゆる競争入札で、まあ業界でも言っているたたき合いが行われた場合の入札価格のときにね、それでは開札してたたき合ったということになると、かなりな値段が出る場合があると思うのですよね。ローアーリミット制度といって、これ以上はだめだという具体的な数字が出ていれば、これを下へ超したのはだめだとその瞬間決定できるけれども、いまおっしゃったような一つの方式でいくと、これはどうも少し予定価格より安過ぎるではないかと、改めて審議して、そしてそれで可能かどうかを決定した後で、その価格で落札せしめるか排除するかということを決めなきゃならぬわけでしょう。開札と同時にこれは決まるわけじゃありませんね、そういう手続だというと。これは具体的にはどういうことになるんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) これにつきましては、予算決算及び会計令八十五条に基づきまして、各省各庁の長が調査を開始する場合の基準を定めておるわけでございます。そこで、最低入札価格が、いわゆる工事費の中には直接工事費と間接経費とがあるわけでございますが、直接工事費を下回った場合におきましては調査を開始するということにいたしております。調査をいたしまして、さらに先ほど申し上げました契約審査委員の意見を聞きまして精査したところが、その落札価格でも工事の適確な施行が確保できるという場合には、その最低入札者を契約の相手方とするわけでございます。さらに調査をした結果、どうもそういう直接工事費を下回るような金額で、落札したその価格では現下の経済情勢とか技術から見てとうてい目的の工事が不可能であるという場合におきましては、最低入札価格よりちょっと高うございますが、あくまでも予定価格の範囲内のものを契約の相手方とすると、そういう制度でございます。
○栗原俊夫君 それでは、金額的にどんぴしゃりとはいってないけれども、こういう条件のときにはという一つの留保条件がついておると、こういうローアーリミットのあり方だと、こういうことなんですね。わかりました。 そこで、話をいま少し今度は下請に進めていきたいと思うんです。下請に対してはそういうローアーリミットというものはどういうふうに機能するんですか。
○政府委員(丸山良仁君) 下請に対しましては、建設業法の第十九条の三に、自己の取引上の地位を不当に利用して、通常必要と認められる原価に満たない金額で請負をさしてはならない、こういうことの規定がございまして、したがいまして元請が下請をいじめるというような形でたたく——たたくと申しますか押しつけるというようなことはできないことになっております。 それから、下請の方がたたき合いをしてとるということがローアーリミットの一つになるのではないかと考えられますが、この場合におきましても、たとえば下請の場合には資材を元請から給付するとかあるいは機械を貸与するとか、いろいろの形態があるわけでございまして、そういうようなことから一概にはっきりした価格の基準を決めることはなかなか困難ではないかと、このように考えられるわけでございます。
○栗原俊夫君 今度の膨大な予算を執行するに当たって政府当局の方でも大分心を使ったらしくて、いろいろな調査が今度なされましたですね。手元に私も資料等もいただいております。大蔵省の方でも公共事業施行推進本部、本部長村山大蔵大臣と、こういうことで「公共工事下請状況調査の概要」というような資料が出ておりますし、建設省の方からも「建設省直轄工事下請状況調査の結果に関する報告」、こういう報告がなされております。これはやはり下請関係について、この予算を執行する上について重大な関心を持っておられる証左だと思うわけなんですが、そこでいま法律を読み上げてもらいました。この法律だけで下請関係というもののもろもろの懸念というものが払拭できるんですか。たとえて言えば、発注元である建設省が親請に出す、親請が下請に出した場合のその状況というものを発注元が完全に把握できるような積極的な何か段取りはついておるんですか。これはどうなんですか。
○政府委員(丸山良仁君) いま先生がおっしゃいましたように、法律だけではなかなか目的は達成できないと存じます。したがいまして、私どもといたしましては、去る五十二年に中央建設業審議会から勧告されました建設工事標準下請契約約款というものの普及に努めているわけでございます。この内容は、簡単に申しますと、工事の内容であるとか、工期であるとか、請負代金とか、支払いの時期とか、あるいは下請と元請の対等性の問題であるとか、あるいは貸し担保、損害の負担の問題等を規定しているわけでございまして、元請と下請が対等の関係で契約ができるようにするような基準を決めているわけでございまして、この普及に努めているわけでございます。 それからもう一点は、現在検討中でございますが、いわゆる下請指導要綱というものをつくりまして、下請と元請の対等性を確保するとか、あるいは現金支払いをふやすようにするとか、手形の期間を短くするとか、あるいは労働者に対する待遇をどうこうするとか、よくするとか、そのような規定を盛り込もうということで現在検討中でございます。
○栗原俊夫君 下請に出すときには、親請に下請がこのようにやっておると、まあいま言ったのは諸条件を並べてお示しになったんですが、そうした実行したことを義務的に、発注元へ報告する義務的な立場におけるような積極的な考え方なんですか、ただ指導をすると、こういう考えなんですか。ここのところはなかなか重大なところですから、はっきり言ってください。
○政府委員(丸山良仁君) これはどこまでも指導でございまして、下請、元請関係の契約はこれは当事者間の契約でございますから、これをもって発注者にすべての監督を下請までするようにということは、実際問題として非常に困難な問題が伴いますから、指導はいたしますが、はっきりした手続でそういうことを決めるということはなかなか困難ではないかと考えております。
○栗原俊夫君 方向は大分いいんですけれども、実行がなかなか伴わないような気がするんですね。だから、指導はされたけれども、それでは報告しないという場合、確実に発注元が下請関係を把握するということは、少しオーバーな言い方をすればできない、こういうことになるんじゃないですか。この辺はどうなんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 直轄工事の場合の発注者と元請、下請関係のことについて申し上げますと、建設省は毎年度予算の執行に当たりまして事務次官通達を出しまして、重層下請の排除の問題でございますとか、適正な下請関係の確保を通達をしておるどころでございますが、同時に、建設省が直轄工事を発注する場合におきましては、現場説明というものをいたします。現場説明の際に改めてそのことを示達をいたしまして履行を求めておるわけでございます。さらに、先ほど先生お尋ねの元請、下請関係の状況についての報告を義務づけるという件でございますけれども、建設省の工事約款におきましては、必要な場合に報告を求めることができるという規定がございまして、必ずしも義務づけとはなっていないわけでございます。この義務づけとなっていないことにつきましては、先ほど計画局長が申し上げましたように、やはり元請、下請も一つの私的契約でございますので、その私的契約にどの程度発注者が介入できるかという法律問題がございますが、そういう体制になっておるわけでございます。ただ、元請、下請関係においていろんな問題が発生をし、それが元請、下請の契約の公正を害するあるいはそれがひいては工事の完成に支障を及ぼすというような事例が起こりました場合におきましては、これはもちろん報告を求めることができるわけでございますから、積極的に報告を求める措置をとるわけでございます。そして、そういう事例が著しく悪質である、いわゆる契約に関し不誠実の行為があったというような場合につきましては、今後の指名等についても十分配慮をする、こういう体制で臨んでおるわけでございます。
○栗原俊夫君 いろいろ聞きたいんですが、時間もあと藤田先生にバトンタッチしなければなりませんので、残余に残しますが、最後に一、二だけ非常にこまいことで、地元の業界等を泳ぎ歩いて聞いてきた中でお答えをいただいておかなきゃならぬものがありますのでお答えを願いたいと思うんですが、今度大分前倒しで発注しましたから、今回の追加予算でかなり追加があったとしても、これは三月三十一日、年度末までに完全に執行でき得る自信があっての予算請求だと思いますが、地方の業者等に聞きますというと、正月を越えてから発注されて三月三十一日ということで、きわめて厳しい、こういうことを言っております。そして、年を越すと、新しい予算が発注されるまでは四、五、六と手あきになる、これではどうしてもやはり追い立てられていい仕事ができないし、また業界のあり方についても、四、五、六と手あきになると、もちろん会計監査等々の関係上でどうしても一やはり年度内の完工ということを要請されることはわからぬではないけれども、そういうところは制度的に、政治的に何とか配慮してもらえる方法はないんだろうかと。四、五、六、この間が業者は手あきになるし、差し迫った年度末の完工にはつい仕事の無理が起こる、この辺どうなんだろうか、こういうことなんですが、この辺についての何かうまい考えがありましたら。
○政府委員(粟屋敏信君) 補正予算で計上されました工事は年度内に完成ができる、そういう工事を選んで配分をいたします。そういうことで、年度内に工事を完成し、景気浮揚効果が上がるようにいたしたいと考えております。 それから次に、四、五、六が手あきになるというお話でございますが、早期発注といいますのは、やはりそういう問題をなくしようという感覚、考えでございます。昨年は十五カ月予算というものがございまして、二月に補正予算が組まれ、さらに引き続き当初予算が組まれまして、その間円滑につないだわけでございますけれども、来年度どういう財政対策が講ぜられるかわかりませんけれども、要するに来年度の予算につきましてはやはり早期発注の体制で、予算の示達等につきましてはこれを早目にやりまして、少なくとも四月の終わりからは幾分かの工事に取りかかれるという体制に持っていきたいと考えております。単年度予算のもとにおきましてはなかなか先生のおっしゃるようなことはむずかしゅうございますけれども、単年度予算でありましても、早期発注体制を組んで、なるべく間があかないような努力をしていきたいと考えております。
○栗原俊夫君 いま一つ、これまた地方の小さな問題での要求なんですが、土木工事と建築工事の予算のあり方についていろいろと泣き言が述べられておるわけなんです。諸掛かりというのか、歩掛かりというのか、土木工事の方は二〇%見られておるが、建築工事の方は八%だと。土木工事の方は設計変更等によっていろいろと事態に応じ得る可能性といいますか、流動性を持ち得るんだけれども、建築工事の方はそういうものがきわめて狭隘である。特に実情を言うと、昨今、先ほど言うように、コンサルタントで設計が回ってくる。そこへ単価を記入したり、材料拾いなどをするのに手が足らぬものだからアルバイトなどを頼んでやって、要するに数の不足等々が具体的にはある。あってもこれがどうにも変更等の配慮が願えないのが建築の方の実態であると。これらについていま少しく実態を認識した上での配慮、手配はできないものであろうか、こういうような要求があるんですが、これらについて何かひとつ。
○政府委員(粟屋敏信君) 先ほど設計変更のお話が出ましたけれども、やはり工事の条件が土木と建築とはかなり異なるという面もあろうかと思います。土木の場合には地形とか地質、実際に工事を始めてみて新しくわかる与件が出てまいりますので、そういう点はあろうかと思いますが、いま先生お話しになりました点についてはさらに検討をさしていただきたいと考えております。
○栗原俊夫君 じゃ、最後に一問、これは国土庁関係で——来ておりますか。 群馬県藤岡市でかつて国調をやりましたけれども、これについて実は私自身が建設省といろいろ・と二十年来議論してきた問題があるんですが、藤岡市で実行した国調の実態、ここに持っておる成果認定等は参加部落に対する成果の認定等が行われておるので、実態はどういうものなのであるか。法の何条によって発動されてどこをどうやったのか、これらの事情等についてでき得れば説明をいただきたい。
○政府委員(山岡一男君) 先生お尋ねの群馬県藤岡市におきます地籍調査の関係でございますけれども、先生多年にわたりましていろいろと議論なさっておりまして、私調べるのに相当時間がかかったわけでございます。私いま認識いたしておりますところでは、実施地区といたしましては群馬県の藤岡市大字中島、立石、立石新田地区というところでございまして、群馬県の藤岡市が三・七六平方キロメートルにわたりまして実施をいたしました。昭和三十五年の十二月から三十六年の二月にわたりまして現地の調査をいたしております。成果の閲覧を昭和三十八年一月二十三日から同年二月十一日まで、これにつきましては国土調査法の第十七条でございますが、に基づきまして閲覧をいたしました。その閲覧の結果を昭和三十八年十一月二十七日、内閣総理大臣が承認をいたしまして、昭和三十八年十二月十日に県知事が認証をしておるということでございます。
○栗原俊夫君 この問題につきましては、閲覧をしてということなんですが、これが非常に実態は問題があって、河川敷なるがゆえにその部分については閲覧しておらぬのですよね。所有者を否認した立場でこれはやったことなんだろうと思うんですね。閲覧もしておらぬのですよね。そしてこういう問題について、実は私の衆議院にいた段階で政府答弁を取ったところが、国調によっては、調査によって実態を調査するんであると。所有権者あるいは筆界、筆界の不明なものについては不明と、こういう成果を出すんだということになっているんですが、ここでは実は約八百筆にわたって面積においては約五十ヘクタールにわたって消滅処分、その消滅処分をした理由については国土庁の段階では、建設省の方で河川敷であるからと、こういう提示によって処理したんだと、こういう答弁を受けているわけなんです。ところが、片一方は筆界等が不明のところは不明として表示して権利の創設や滅失はないんだというのが政府答弁なんですが、ここのところが今日までまだはっきりしておらぬわけです。したがって、本当に河川敷であるのかないのかについては、これはまた政府答弁でいまでも河川ぐいを打って再現することができるんだという答弁を受けておりますので、いずれ再現してもらう。だから、私の考えでは国調によって消したのは誤りであり、これは訂正をする。河川認定によって河川ぐいが再現できるのであるから、再現することによって河川敷部分を明らかにして、そして法に従って滅失の処分は河川敷という形で国調でやるんではなくて、建設省でやるべきである。さあできるならおやりなさいというのが私の立場なんですが、この点について国調の方では、建設省がここは河川敷と言ったんだから消滅したんだと、そこには所有権者もないんだから公示もしないんだと、こういうたてまえで今後も押していくつもりなんですか。
○政府委員(山岡一男君) 国土調査法に基づきます地籍調査につきましては、毎筆ごとの土地につきましてその所有者の地番、地目の調査をいたしまして境界を明らかにする、それから地積も明らかにするというのがその目的でございまして、これはすでに定まっている当該土地にかかわる権利関係を確認するというのが国土調査の任務でございます。したがいまして、当該国土調査を実施いたしました際には、いま先生おっしゃいましたけれども、河川の区域認定というものが当時行われまして、正当に行われておったという前提に立ちまして、当時の河川の管理者でございます府県の職員の立ち合いを求め、地権者の立ち合いを求めまして現地の境界を決めていった。その結果、努力の結果、先ほど申しましたように閲覧に供し、その間異議の申し立てがなく、大臣の承認それから知事の認承を得ましてその結果を登記所へ送付をする。登記所ではそういう場合にそういうふうな河川敷の認定をされる、できるようなところであれば消滅ということで登記簿を閉鎖をするというのが常例でございますので、それに従ってやったというのが過去の経緯でございます。あくまで国土調査の実施に当たりましては、当時の河川の認定は正しかったんだと、当時の正しかった状況をやはり当時の河川管理者でございます府県の立ち合い職員の方が明示をされ、地権者の方々の文句がなかったんだからということを前提に確認をしたというふうに考えておるのが現在の立場でございます。
○栗原俊夫君 なかなか議論があるので、とてもこの時間では議論し切れません。議論は残して、いずれまた改めてやり直すということで、本日は私の質疑はこれで終わります。
○藤田進君 一般の建設行政調査等、盛りだくさんの本日の委員会でありますだけに、私に割り当てられました時間は二時まで、十七分ばかりでありますが、時間というよりも内容についてぜひひとつ建設省また関連する政府委員、住宅公団にお願いを冒頭いたしますが、ポイントを外さないで簡潔に説得力のある御答弁をいただきたいと思うわけです。 その第一が、今日大きな社会問題に発展している住宅公団管理の家賃値上げに関することであります。 本件はつとに衆議院とともに本院建設委員会も今日のような、問題がエスカレートすることをおもんばかりまして、安永建設委員長が各会派の協力を得られて、そして二月九日、夕方六時四十五分ごろ本院に要望書として、他の委員長ではむずかしいくらい内容のむずかしい問題をまとめて建設大臣に要望し、かつ大臣は即座にその旨踏まえて行政処理をするという御答弁であり、さらに三月に入りまして、二日の日に社会党赤桐委員からその後の七項目を中心とする処理状況について建設大臣にただしたのに対して、その七項目の本旨を踏まえて実施している旨が櫻内建設大臣から逐条的に説明があり、ほぼその線で円満に本院期待しております結末で解決するかと思いましたところ、過般の、今回の臨時国会の本会議で福田総理が、あるいは司法の手にゆだねる、裁判の手段をとるかのごとき発言もあり、さらに建設当局あるいは公団がこれを受けて訴訟ざたといったようなことに発展していく可能性をこれは持っていると思うのです。このことは、公団住宅居住者の生活ないし居住不安を喚起するのみならず、わが国一般のこの種民間等を含めて、弱い立場にある居住者のいろいろ将来に対する不安というものを醸成する結果にもなるわけでありますだけに、非常に事は重大であろうかと思うのであります。 そこで、本院全会一致をもっていろいろ不満その他はあったとしても、まとめて七項目の形で要望いたしましたあの内容は時間の都合で申し上げませんが、どのように処理されてきたのか、あるいはやや踏み外して解釈に大きな幅をもたせ等といった形で、そこに問題がかえってこじれ、エスカレートしていくという形がいま見られるのではないだろうか。 地方自治体等においても、御承知のように地元の東京都のみならず、いろいろな心配から議会議決等も寄せられているところであります。私思いますのに、なるほど私の手元にも「居住者の皆様へ」というのが、東京支社の場合は支社長福島茂さんの名で数度にわたって文書が発刊、発行されているわけであります。しかし、私ども七項目の七項にありますように、十分話し合ってこの種問題は解決すべきであって、いやしくも法廷においての争いで円満な解決をするということは至難な問題であろう。それだけに、私どもも大きな期待を持ったわけでありますが、どうもその辺が必ずしも十分に行われていないようにも思われます。 それで第一点は、先ほど申し上げた七項目の実施状況、今日の事態の認識等を含めてお答えをいただきますが、同時に話し合い等利害関係が対立しているだけに、なかなかむずかしい問題ではありますが、聞くところによると、公団側においてもどうもこの七項目というのは議会、委員会と建設大臣、建設省とのかかわりであって、公団自身は知らぬことであると言わんばかりのお説を出しておられるように思う。これも一人だけでなしに数名について聞いても、どうも正直なまじめな人たちの意見を徴してもそのことは事実であったように思うのであります。われわれはそういう見解ではなくて、むしろ公団に大きな負荷されたことは七項目であるというふうに思っているわけですが、これらの事実問題も加えて、まずそれぞれから御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(救仁郷斉君) 本院で委員長から要望のございました七項目につきまして、建設省としてどういう措置をとったかというお言葉でございますので、簡潔に申し上げたいと思います。 第一点は、家賃制度について住宅基本法の制定とあわせて、抜本的な整合性のある制度を確立すべきであるということでございますが、これにつきましては、現在住宅宅地審議会に家賃制度につきまして諮問を行っておりまして、そこで鋭意検討をお願いしているところでございます。成案を得まして、私どもできるだけ早くそういった家賃体系について整合性のとれたものにいたしたいというふうに考えております。 第二番目は、公団の経営につきまして金利・公共公益施設に対する公団負担の軽減に努めろと、これは政府に対する御要望だと受けとめておりますが、これにつきましても私ども来年度予算におきましても、できるだけこういった公団の負担軽減に努めてまいりたいというように考えております。 それから、空き家、長期未利用地の解消につきましては、二月二十七日大臣の承認に当たりまして、これを特に付記して公団に努力をお願いしているところでございます。 それから、第三番目の家賃値上げに際しての激変緩和の措置とともに老人・母子・身障者等の困窮世帯については特段の配慮を図るべきである。という問題につきましては、一応激変緩和といたしまして公営住宅の家賃算定の限度額の二分の一にとどめたということ。それから生活保護世帯並びに生活保護世帯に準じます老人世帯、母子世帯、身障者の世帯等につきましては、生活保護世帯にならってそういった配慮をしてもらいたいということを、これも承認の付記事項として公団に指示したところでございます。 それから、四番目の家賃の値上げの増収分につきましては修繕費に充てるほか、五十四年度以降の新規の家賃抑制の財源に使わないということ、これも公団にそういった指示をしてございます。 それから、第五番目の敷金の追加徴収につきましては取りやめるべきである。これは承認に当たりまして、この点につきましてはむしろ修正して承認をしております。 それから、六番目の実施期日につきましても、「居住者に対する趣旨の徹底を図ることもあり、延期すべきである。」ということにつきましては、承認に当たりまして七月一日予定を九月一日に二カ月の延期を、修正したところでございます。 それから、七番目の住宅公団は入居者の意見を聞くなど、民主的な配慮をすべきである。ということでございますが、これにつきましてもできるだけ入居者の皆さんのいろんな御意見あるいは御疑問、そういったものにお答えするように住宅公団を指導しているところでございます。 以上でございます。
○参考人(澤田悌君) 基本的にはただいま住宅局長からお答えしたとおりでありますが、若干重複いたしますけれども、公団の考え方、実施した状況をお答えを申し上げたいと思っております。 先ほど委員長の要望は、公団自身は知らぬことだというようなふうに言われておるかのような御趣旨の御発言がございました。これはまことに意外なことを伺うわけでありまして、公団は、建設委員会の御要望を踏まえて、建設大臣が承認いたされました家賃改定を忠実に実行しておるということでございまして、ただいまの点を、そういう点があるとすればそれはまことに誤解でございますので、御了承願いたいと思うのであります。 各項目について時間がございません、簡単に申しますと、一つは住宅公団の経営について空き家、長期未利用地の解消に努めろという点でございます。これは家賃改定問題があろうとなかろうと、公団にとりまして重要問題でございますから、大臣の承認に当たりましても配意事項として、別途その解消、解決に全力を挙げられたいということになっております。公団といたしましては、経営改善推進本部を中心にいたしまして、全社を挙げてその解消に取り組んでおるところでございます。未入居住宅問題、それから長期保有土地問題、この対策をそれぞれ応急的なもの、恒久的なもの、これ申し上げると長くなりますので省略いたしますが、全力を挙げて解決に努力をいたしておるところでございます。 それから家賃体系の問題、これはもう役所で住宅局長からお答えしたので、省略します。 家賃値上げの際の激変緩和の措置について十分考えろという、これまことにもっともでございます。私ども案をつくります当初から、この点については十分気を使ったのでありまして、大臣の承認に当たりましても配慮事項として指示されておるのであります。 値上げ額につきましては、公営住宅のいわゆる公営限度額方式に準じて算出されました額の二分の一を基準にいたしまして、その額が七千円を超えるときは七千円までに抑えるということにいたしました。なお、敷金の増額、これは後にも申しますが、これは増加徴収はしないあるいは老人・母子・心身障害者等に対する特別な配慮を講ずる。こういうことでございまして、大方の居住者の負担可能な案ということを極力考えたわけでございます。 それから、新規供給住宅の家賃抑制に今回の値上げの財源を使うなという、使わないように配慮しろという承認に際しての配慮事項、これはこのように努力をいたしておるところでございます。 さらに敷金については、承認の条件としてついておりますので、敷金の追加徴収は行わなかったのであります。 それから、実施期日につきましても、これも承認の条件といたしまして九月一日 七月一日の予定を二カ月延ばせということで、これもそのとおり実施いたしたのでございます。 それから「住宅公団は入居者の意向を聞くなど、民主的な配慮をすべきである。」という点でございますが、これも公団は非常に気を使っておるところでございまして、最初から。パンフレット等で、この値上げの趣旨その他を書きましたものを九回各戸にお届けし、御理解を願っております。各所に掲示を二回、はがきの送付を一回と、迅速かつ公平に周知するためには、こういう方法が最も妥当であると考えて努力をいたしておりますが、と同時に自治会等の話し合いは各地において本社、支社を問わず実行いたしておりまして、百四十回に上っておるのであります。それから、各支社に特別に設けました説明窓口あるいは電話の増設等によりまして御理解を得るために全力を挙げておる次第でございます。この努力は今後も続けてまいりまして、円満な解決を目指してまいりたいと思っておる次第でございます。
○藤田進君 有賀理事もこの七項目は、公団自体のやはり問われている問題と理解しているんですが、これは関係ないんですか。
○参考人(有賀虎之進君) 先ほど総裁が答弁したとおりでございまして、私どもが考えておりますのは、衆議院、参議院において要望がございまして、これは政府及び公団がこの要望を受けまして実施に当たって留意していくことだと、こういうふうに考えております。ただ、いま住宅局長及び総裁から申し上げましたように、その中で政府がやるべきものとそれから住宅公団がやるべきものとこれを仕分けをいたしまして、そして住宅公団が実施すべきものにつきましては承認に当たりまして一部は条件といたしまして、またその一部は今後の配意事項といたしましてつけられたわけでございまして、公団に対してのっけられた条件、配意事項等についていまるる総裁から説明申し上げましたように、私ども実行しているような次第でございます。
○藤田進君 まあ、そのことはどういう場所でもそれを堅持して、場所場所で違ったことのないように——いま事務局から時間ですよという督促ですが、あと三十分やろうとは思いません、他の会派に御迷惑かけますから。そこで二点にしぼって今後の対処する基本的な立場をお伺いしますが、第一は、いろいろ聞けば百般の努力は尽くしたが、相手が悪いんだということに要約される。しかし、この種のものはそう規定はしないにしても、われわれ聞けばそう聞こえるんです。そうじゃなくてやっぱりみずからも反省しながらまとめていくという、そういう襟度がなければまとまりません。そこで、これから先ももう少し、これは居住者並びにその団体も絶対にもう値上げだめだということでもないようでありますから、話する余地というものはあるように思うのですし、したがって、これを継続することによって、あるいは訴訟とか、まあなじまない法廷といったことでなしに、行政能力を全く失墜したんならこれはいざ知らず、それならばそういう当事者がかわるべきですよ。そうでもないように思うので、もっとこれは続けていくべきだと思うが、この点がどうなのか。 それから第二は、まあ十二月までぐらい待ってということで、何回交渉したんだから——これはまあ国会でも、何回委員会開いたからもう強行採決というのはたびたびあるんですが、やっぱり何回というよりも、中身の問題だと私は思うんです。ですから、そういう努力を続けることとされて、訴訟等についてはこの道をとらないと、極力とらないということを言明できるのか。いやそうではないと、既定方針を持っているならば、一体どういう今後の展開、訴訟を含めて考えておられるのか、この二つを、ひとつポイントだけでよろしいです。お答えいただきたい。
○参考人(澤田悌君) 公団の住居の入居者の方々、私ども大切なお客さんです。訴訟ざたに及ぶということがわれわれの本意でないことはもうこれは毎々申しておるとおりです。ただ、この家賃問題といいますのは、御承知のような、いままで私どもが繰り返し説明してきましたような、やむにやまれぬ事情によって起こった問題でございます。しかも、激変緩和というような非常に苦心をした案でもございます。それで、われわれは住宅公団法の手続によりまして、しかもそれによって結びました入居者の方々との契約によって、これを御理解を得た上で実行しようと思って努力を重ねてきた——その努力のことは先ほど申しました。しかし、いかにもやはり家賃を上げられるというのはいやなものだということはよくわかります。いろんな類似の例もございまして、その実施の当初は相当高い反対者が出るというようなこともあるのでございまして、今回もまだ計数は集計中でございますので明らかではありませんけれども、ただいままでの反対運動の激しさ等を考えますと、かなりの率の反対者が出られるのではないかと思っております。私どもは先ほど申しましたような努力を今後も極力続けまして、皆さんの御理解を得て、この程度の家賃値上げは理解をしていただくという努力を、今後も全社を挙げて続けるつもりでございます。 ただ、いかにもこれが、先ほど申しましたような公団法の手続を乗り越えまして、これは借家法の規定を排除するものではないんだというところへいきなりエスカレートいたしていく関係もあります。そうなりますと、これは裁判ということを前提にして、法の定めるところによらざるを得ないということになりかねないのであります。それはまあ手続のことを申しましたけれども、しかしながら気持ちは先ほど申しましたようなことで、私どもはしんぼう強く御理解を得るための努力を今後も続けてまいりたいと、かように存じております。
○藤田進君 訴訟の方は経ないんですね。
○参考人(澤田悌君) 最後にはいたします。これははっきり申し上げておかざるを得ないのでございます。
○藤田進君 いや、それはいつごろですか、十二月まで待つんだという話だが……、答えなさいよ、質問に。
○参考人(澤田悌君) 十二月とか、いつごろとかいうようなことが新聞などに書かれておるようであります。そういうことはまだ予定を全然立てておりません。ただ、最後には訴訟にいかざるを得ないというような、はなはだ遺憾な推移をたどる場合の用意はいたさなければなりませんが、どういう形で、(「前に赤旗で書いたことがありますよ、スケジュールをとってあるんです。」と呼ぶ者あり)ああいうことは全然われわれの関知するところではございません。それは今後の推移に応じた問題であると存じております。
○藤田進君 時間ですから中止します。
○桑名義治君 私はまず最初に、今回全国にわたりまして渇水が非常に問題になったわけでございます。そういった立場から、水の問題について質疑をまず最初にしたいと思います。 御存じのように、現在でもいまなお福岡市は六時間給水、北九州市は十一時間給水という異常事態が続いているわけでございます。わが国の水需要は、経済の発展あるいはまた生活水準の向上によりまして増加の一途をたどっておるわけでございますが、特に都市用水の需要の伸びは大変に著しいわけでございます。しかしながら、これは降雨量が少なかったというお天気任せでは許されない問題でございます。どうしても安定的な供給が望まれるわけでございますが、大変にこれが困難というふうに言われております。まずこの水問題を解決するためには、一つにはこの水に対する浪費を防止するということが一つ、それからいろいろな水をためる設備をつくる、いわゆるダムをつくるとかあるいはダムの砂を取り除くとか、あるいはまたその他海水の淡水化だとかあるいは中水道を進めていくとか、いろいろな方法があると思いますが、まず第一に、私はこの水の浪費に対する防止、これをどういうふうに政府がいままで取り組んできたのか。今後またどのような形で取り組んでいくのか、まずそこをお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(飯塚敏夫君) 水資源の有限性、貴重さ等につきましては、先ほど先生るる御指摘のとおりでございまして、私どもも国民の関心を高め、さらにその理解を深めるために、昨年からは閣議の了解に基づきまして、毎年八月一日を水の日といたしまして、それから始まる一週間を水の週間ということにいたしまして、その間に関係省庁、地方公共団体等の協力のもとに、この期間を中心といたしましてポスターとかあるいはパンフレットの配布、そのほか講演会、水源開発施設の見学会等々各種の行事を実施いたしまして、国民各界各層の方々に水資源の貴重さ、有限性等について御理解を賜るような施策を講じておるところでございます。 さらに今後ともその一層の拡充を図ることによりまして、節水とか水使用の合理化等に努めまして、節水型社会の形成に向けて国民的コンセンサスが得られるような努力をさらに重ねてまいりたいと思っておる次第でございます。
○桑名義治君 いまの御答弁は、精神的な面ばかりを強調されておるわけです。精神的な面だけ強調されましても、この問題は解決できないと思いますよ。たとえば現在のいわゆる非常に水が浪費されている問題の一つとして洗濯機が挙げられております。あるいはまた水洗便所の問題が取り上げられているわけでございますが、まずこの二つに論議をしぼってみましても、先日私は、北九州はこういう状況なものですから、東陶機器へ行っていろいろ技術者の方と話し合いをしてみました。そうしますと、水洗便所のあのタンクが、一回流すのは十六リッター流すというのですね。ところが実際には十二リッターでいいと言うのですよ。十二リッターで十分間に合うのに十六リッターのタンクを——これはもし流れなかったらという心配の上でこういうふうにしたとか、あるいは水をどんどん使わないと、水道料金が、いわゆる水道会計が赤字なものですから、したがってその赤字が出ないようにするとか、これはまあ本当かうそか知りませんけれども、そういうことを言われているわけです。そういうふうに具体的に、いわゆるどういうふうに浪費を防ぐかという、こういうところに観点を向け、さらに精神的ないわゆるPRもしていくと、こういう二面性がないと、精神的な面だけでは、これはとてもじゃないけれども間に合わないと思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 御指摘の問題につきましては、私どもパンフレットの中にも、各家庭におきます節水の仕方、たとえば先ほど御指摘のございました洗濯の問題、散水の問題あるいは自動車を洗う洗車とか、もっと細かくは、具体的には歯みがきの問題、炊事の問題、もろもろの問題は触れておりますが、そのパンフレットを六万部印刷いたしまして御理解を賜るようにしておりますが、そのほかには先ほど節水型機器の問題がございましたが、洗濯機におきましても、ただたれ流しに循環するということじゃなくて、水の使用量を減らすような洗濯機あるいはまた便器等につきましても、使用量を現在よりもより減らす節水型の便器を開発するとか、そういうような業界等の協力も得まして、節水型社会に移行できるような施策を講じておるところでございます。なお、先ほど御指摘ございました長期水需給計画の中にもそこら辺の問題を包括的ではございますが述べておりまして、皆さん方の節水あるいは合理化等の協力を得るようなことを訴えておるところでございます。
○桑名義治君 この節水の問題、いま御答弁ございましたが、そういった施策の中で、呼びかけの中で、実際に効果がどの程度上がっているかということは、試算が何か出ていますか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 全国具体的にという数字はまだ得ておりませんが、節水キャンペーンの効果というものにつきまして、ある団地を、特定地域をとらえまして調査したところによりますと、これはアンケ−ト調査方式によったわけでございますが、実施地区におきましては五%程度の節水ができたと、それからいままで節水について余り関心のなかった方でも節水の必要性について理解を深めていただいたという数が六%程度ふえたというデータが得られております。
○桑名義治君 これは福岡市あるいは北九州市のように緊急事態の起こったときには、こういう精神的な呼びかけもある程度節水の呼びかけに対して反応が起こるわけですけれども、しかし常日ごろからこういう水を大量に使うところのそういう機器をどういうふうに開発をして、どういうふうに改善していくかという、この努力を続けられないと、精神的な条項だけではなかなかこの問題の解決はつかないんじゃないかと、こういうふうに考えます。そこら辺にも重点を置いて今後ともこの問題には取り組んでいただきたいと思います。 その次に、国土庁の長期水需給計画並びに建設省のいわゆる建設白書、これを見させていただきましたが、六十五年における需要見通しが、国土庁の場合で全国で一千二百億トン、それから建設白書では一千百億トンと、こういうふうに違いが出ているわけですが、この違いはどこから出ているんですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 建設白書は私どもの発表の前に閣議に報告された内容でございまして、これは建設省で建設省所管施設の長期見通しを得るために、第三次全国総合開発計画等を踏まえて独自に試算されたものでございまして、その中の需要想定におきまして、先ほど先生御指摘のとおりの需給の数値に白書との差がございます。これにつきましては多少計算の前提その他が異なっておりますので、現段階におきましては国土庁でつくりました長期水需給計画に整合するように現在建設省におきまして見直し中と聞いておりますので、十分な整合が図られるものと思っております。 なお、長期水需給計画の国土庁でつくりました水の供給施設につきましては、建設省の資料を私どもも使っておりますので全く一致しております。
○桑名義治君 いずれにしましても、この水に対する統一がなされてないと、こういうふうに言われておったわけでございますが、建設、厚生、農林、通産あるいは国土庁と、こういったところで各省で調整をされる、その調整を国土庁で行うということが決定をされておるわけでございますが、いずれにしましても、せっかくこういうふうにまとまった調整機関ができ上がったと言いながらも、中身についてはまだいろいろな御批判があるわけです。その点についてもひとつ謙虚に耳を傾けて、今後強力な体制をとっていただきたい、こういうふうに思います。 そこで、長期水需給計画によりますと、五十一年度以降六十年及び六十五年の水需要の増加は、それぞれ二百四十七億トン、三百二十六億トン、こういうふうになっているわけでございます。これに対して供給は、水資源開発が見通しどおりに進むとすれば、河川水とあるいは地下水を合わせた総合供給量が六十年と六十五年それぞれ二百四十二億トン、三百四十億トン、こういうふうに増加をされると、こういうふうに言われておるわけでございますが、しかしダムの建設等の状況を見ますと、必ずしも計画どおりに進んでいないんではないか、こういうふうに思うわけでございますが、こういった立場から水資源の開発計画の実行は実際に大丈夫なのかどうなのか、この点をお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(飯塚敏夫君) 需給の見通しにつきましては、今後の水資源開発を円滑に進め、需要想定に見込まれました水使用の合理化が実施されることが前提でございますし、それから円滑な水資源開発を推進するためには、御指摘のとおり、資金の計画的確保を図るとともに、水没関係住民等の理解と協力が不可欠でございますので、私どもといたしましてはそれに対しまして最大の努力を今後とも推進する必要があろうと思います。いままでの例につきまして特に水源地域対策の問題で必ずしも十分円滑にまいっておらない面がございますが、この点につきましてもさらに努力を傾ける必要があろうかと思っておるところでございます。
○桑名義治君 私は、いまお聞きしたのは、そういういろいろな計画があるけれども、しかし開発の見込みどおりに進まない場合のいわゆる対応はどうするかということもあわせて聞きたいわけですが、その点どうですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 計画でも六十年、六十五年でなお需給ギャップの問題がございますが、そういう計画どおり進まなければなお逼迫する度合いがふえてくるわけでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように一層の節水型社会への形成を図っての節約という問題もさらに考えていただいて国民の協力を得なくてはならないかと思いますが、一方、現在あの需給ギャップの中には、渇水時の安定供給ということを目指しておりますが、豊水時にはなお余剰水量もございますので、現在暫定水利権というような形の解消を目指して計画は立てておりますが、引き続きそういう暫定水利権的な不健全な姿といいますか、そういうこともなお持続せざるを得ないというような立場があろうかと思います。
○桑名義治君 そこで、長期計画では、特に北九州地域については六十年において水需給の逼迫は著しくなると、こういうふうに言われているわけですね。そのためには、あらかじめ渇水時における水の供給制限に対応した公平な水の配分及び節水に関する具体的方策等について、十分に検討の上、所要の措置を講じておく必要があると、こういうふうにうたわれておるわけでございますが、所要の措置とは具体的にどういう措置を考えておられるわけですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 北九州の場合の渇水に備えての具体的対応策でございますが、情報の早期収集を図って、それらの体制に円滑に移行できるような情報の早期収集の体制を整備するとともに、渇水時の供給制限に対しましても利水者間で公平な水配分ができますような協議機関のようなものをつくっていただきまして、そこで十分地域特性に応じましてそれらを配慮したルールが確立されるというようなことを期待をしておるわけでございます。あるいはまた、必要な施設の整備、たとえばすでに福岡では行われましたが、水系間で異なる上水場間の連絡水路とか、あるいはまた末端まで均一に配分ができますような、均等な配分ができますような給水設備あるいは共同栓の設置、そういうような設備の整備につきましてもなお検討を加えて具体的に実施していただきたいと思っている次第でございます。
○桑名義治君 そうしますと、まだ具体的にはどういう方策をとるかということは検討されていないわけですね。決定していないわけですね。
○政府委員(飯塚敏夫君) ただいま申し上げました程度のことは各自治体で個別にやっていただけると思いますが、具体的に先ほど申し上げましたような関係者間で協議して地域特性に応じた措置を考えるというルールにつきましては、これからつくっていただくということになると思います。
○桑名義治君 いまの御答弁の内容だけでは水の問題は解決できないんではないかというふうに心配をするわけでございます。そこで、いまから建設白書、あるいはまたダムの問題や、あるいは中水道の問題、あるいはダムの背砂対策の問題、こういった項目に分けてお尋ねをしてみたいと思います。 建設白書によりますと、水資源開発の見通しについては、すでに工事中のダムが予定どおり完成した場合でも、六十五年で約百五十億トンの水不足となり、六十五年までの水需給バランスを保つためには現在建設中の百九十七カ所のものを含めて三百五十一カ所のダムを完成させる必要がある、こういうふうに言われているわけでございます。これが達成されても、なお関東、近畿、北九州など、十一地区においては水不足は避けられないと、こういうふうに指摘をされているわけでございますが、ダム建設は困難を非常に醸し出しておるわけでございまして、また建設白書でも「理想的にダム建設が進んだ場合」と、こう表現しておるように、実際には計画どおりの開発はむずかしいと、この開発のこれまでの進捗状況及び今後の見通しについてまずお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(稲田裕君) 建設白書に、現在建設中のダムが竣工しましても百五十億トンの不足があるというふうに書いてございます。御指摘の、現在建設中百九十七でございます。このダムが現在鋭意施工しておるわけでございますけれども、この百九十七ダムのうち、五十三年度までに、現在十七ダムが竣工いたしております。それで、それを除きます百八十カ所でございますけれども、この百八十カ所のダムの中で、現在本体工事を行っておるものが四十八カ所ございます。それから、本体工事の準備を行っておるもの、たとえば用地の交渉なり、あるいはつけかえ道路の工事等の準備工事をやっているものは六十二カ所ございます。それから実施計画の調査中のものが七十カ所あるわけでございます。これらのダムの促進につきましては、さらに水源地域対策の特別措置法及び基金等を活用しながら、水源地域の対策を進めながら推進してまいりたい、かように思っておるわけでございますが、このほかに先ほど先生御指摘ございました約千百億トンというふうに私ども昭和六十五年を見通していたわけでございますが、その後、国土庁の方での水需給の見通しとの整合の結果、千百四十億トン余りというものが昭和六十五年までに必要な水量だということで、若干の見直しを現在やっておるところでございます。その結果は、まだ結論を得ておりませんけれども、白書にございます三百五十一ダムに若干のプラスがあろうかと思いますけれども、おおむねその程度のダムを実施することによって、ある程度水需給は可能だというふうな現在見通しを持っております。したがいまして、現在施工中の百九十七ダムに合わせまして、新たなダム等も追加しながら、これから事業の実施を促進していかなければならぬというふうな状況でございます。
○桑名義治君 いままでのダムはいわゆる洪水調整あるいは多目的ダム等が中心であったわけですが、いまから先はこういうふうないわゆる上水専門のダムをつくる必要があるということがたびたび言われているわけでございますが、その点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(稲田裕君) 現在、私どもの方では治水と兼ね合わせました多目的ダムを主体に水資源の開発を行っておるわけでございますけれども、一般的には利水の専門ダムというものも一部行われておるわけでございますけれども、水資源開発の大勢を占めておりますダムにつきましては、ほとんど私どもの所管の多目的ダムでやっておるわけでございます。しかしながら、いままでやっております多目的ダムのほかに、特に今回の渇水等も勘案いたしまして洪水を経年的に貯留いたしまして、それを異常渇水時の都市生活に必要な水として活用するというふうな方策等につきましても、今後新たに検討していかなきゃならない課題だということで、特に大都市地域の水資源開発の、在来の多目的ダムにあわせまして、こういうふうな対策等につきましても鋭意必要な調査を行って、実現方に努力してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○桑名義治君 水資源対策の一つとして、先ほどからダムの問題がどうしても中心になってくるわけでございますけれども、ダムの進捗状況が非常に悪いわけですね。とにかくここにダムを計画をした中でも一、二十年来いまだに交渉、交渉が続いているというところもあるというふうに聞いておりますし、いまから先、このダムの問題をどういうふうに円満に解決し、そして計画どおりに工事を進捗していくかということについて、どこら辺にネックがあるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(稲田裕君) もちろんただいま申し上げましたように六十五年までに三百五十余のダムが必要だということでございまして、一つはやはり計画的な資金の確保というのが一点だろうかと思います。それから現地におきましてやはりダムをつくるということは、ダムをつくる地域に相当大きな変革をもたらすわけでございます。これらの水源地域の対策というのがやはり次の問題としちゃ大きな問題であろうかというふうに、大きく言えば二点があろうかと思います。その辺の問題につきましてはさらに一層、特に水源地域の対策等につきましては在来からもいろんな方策等も講じておりますが、さらにきめの細かい対策等も講じながら進めていかなければならないだろうと、かように考えておるわけでございます。
○桑名義治君 ダムが推進できない最大の原因は、もちろん予算の問題もあるかもしれませんが、それより以前にいわゆる二十年間交渉を続けているという、そういうダムの問題につきましては、やはり地域住民が現在のいわゆる水源地対策特別措置法というものに対して満足してない、いまこれは改正の時期にきているのではないか、こういう意向が非常に強いと私たちは考えるわけです。過日からいろいろと新聞の中で特集をされたことがございますが、その特集の中にもやはりこの問題が一番表にきているわけです。総理が一部その地域に行ったときに、この水資源対策措置法というものが非常によくできておる法律だということで大変に地元の反発を買ったと、後にこれを総理は訂正をしたと、こういうような記事も載っかっておるわけでございますが、この水資源対策特別措置法について、まず少しお尋ねをしてみたいと思います。 ダム開発には水源地域住民の理解と協力を得るということが非常に大事なことになるわけでございますが、四十八年にダム開発を促進するためにこの法律ができたわけです。この法律の中では水源地域のいわゆる道路、公民館、公共施設、これが多少充実できても、農村地、温泉地、こういったいわゆる特別な特徴を持った地域、この人々のいわゆる職業地盤を建て直すための方策が盛り込まれていないというところに私は大きな問題があるというふうに考えるわけでございますが、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 水特法は施行の当初から整備事業につきまして土地改良事業とか治山治水あるいは道路事業等の公共事業のほかに義務教育施設あるいはまた公民館、保育所等の文教福祉施設も対象としておりましたが、先ほど御指摘のとおり水源地域の方々からもいろいろ要望がございますし、知事会等からも各種の要望がございます。その意見を受けとめまして、私ども拡充、強化すべく本年の六月でございますが、同法の施行令を改正いたしまして、農林漁業の経営近代化のための共同利用施設、あるいはまたいままでは公民館だけであったものが、民俗文化財等の保存、活用のための施設を追加いたしましたし、あるいはまたスポーツ、レクリエーション用に供する施設、あるいはまた保育所のほかに児童館、児童遊園地の施設につきましても追加いたしましたし、それから老人福祉センターあるいはまた有線放送に加えまして無線電話施設等の追加をいたしまして、逐次内容の充実を図っておるところでございますが、とりあえずはこれらの設備につきまして十分に活用してまいりますとともに、今後とも各自治体等を中心にいろいろ連絡、検討いたしまして一層の充実を図ってまいりたいと、かように存じております。
○桑名義治君 いまのお話の中では地域のいわゆる生活環境というものはある程度整備されるかもしれません。だけども、先ほど私が問題を提起したのはそういう特殊地帯については生活の基盤が完全に壊されると。その生活基盤が壊される、その生活基盤を復帰させるためのいわゆる施策がこの水特法の中には盛り込まれていない。そこが私は一番大事な事柄ではなかろうかと思うんですよ。やはり、大体ダムのできるところは山の中ですから、したがって山の仕事をしている人がその基盤を失うとか、温泉地帯であったのが、その温泉がつぶれたためにどうしようもなくなってしまったとか、そういうような特殊な地域があるわけですね。あのいわゆる新聞の特集の中では、いわゆる自分たちの田畑が水没するために新しく田畑を買う。そのために、そして農業を始めようと、こういったところがそういうことをするならば、その米は国は買い上げないぞと、こういった事例が上がっておったわけでございますが、そういう意味でも生活に根差したそういう人たちの生活を今後維持していくためのそういういわゆる方策がこの水特法には欠けているんじゃないか、そこにダムの推進がおくれるという最大の原因があるんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 従来からも土地改良事業とか、あるいは先ほど申し上げました農林漁業経営近代化のための共同利用施設ということで、職業基盤に寄与するようなことも考えられておりましたが、なおきめ細かく個人の生活再建対策全般を含めまして、職業の転換等の問題もございます。これらにつきましては、現行法を補完するような立場から新たに財団法人基金制度を設けまして、これらを拡充強化、活用することによりましてさらに改善を図ってまいりたいと思っておりますが、現段階のところまだ全国的に行き渡っておりませんので、とりあえずは利根川、荒川、あるいは木曾川の三川を中心といたしまして基金制度の拡充強化を図りまして、逐次先生御指摘の方向に持ってまいりたいと思っておる次第でございます。
○桑名義治君 いま御答弁がございましたように、財団法人の基金制度でございますが、いま三地区だけ、三つの川だけに限っているわけですね。これではどうしようもないと思うのですが、これは早急に対象を広げますか。
○政府委員(飯塚敏夫君) おっしゃるとおりでございまして、逐次指定水系といいますか、基金の関係水系を積極的にふやしてまいりたいと思っております。
○桑名義治君 そこで、結局ダムは現状では地元の迷惑施設というふうに言われておるわけでございますが、多数の下流住民のために水源地が犠牲になるということを考えますと、水源地には手厚い補償が必要でありますし、水源地がよくなり下流もよくなるという考え方が必要になるわけです。水資源水源地対策を抜本的に——いま申し上げましたようにいろいろ問題があるものですから、考える必要があると思いますが、最後にこのダムの問題について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどから御指摘がありますように、ダム建設について地元住民の理解、また地元住民の方々の将来の生活、いろいろ考えていきますと、確かに計画どおりに建設を進めるということの困難性が感ぜられるわけであります。しかし、長期水需給計画にのっとりましても、また現在の水の需給の状況、特に本年の渇水状況などを考えますときに、ダムの建設についてはわれわれとしては何といいますか、足を引きずり、体を粉骨砕身といってはちょっと少し誇張かもしれませんが、何しろ丹念に地元の皆さんの御協力を得る。また、その御協力を得る前提として水特法について改正を要する点があればする。また、下流の水の供給を受ける皆さん方の協力を得て基金などについても、現在の三河川、この経験を生かしつつ必要なところにまた基金を設置するというように、相当広い範囲の努力をしながら、いま御質問のダムを中心として考えただけでも相当な努力が必要だと、こう思います。
○桑名義治君 大臣は、端的に申し上げまして水特法を、先ほどから論議を重ねておりますように、そういう方向で改正をする意思があるかどうかということを端的にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 現在の福祉あるいは文化社会施設などを中心としての水特法を、たしか御指摘は地域住民の生活に直接つながるような対策がもう一つ必要ではないかと、こういうふうに受けとめたのでありますが、水特法をそういう点からも検討をするということにつきましては、私としては努力してみたいと思います。
○桑名義治君 次に、中水道の問題についてお尋ねをいたしますが、いわゆる節水の方法もいろいろありますけれども、最近は中水道の問題が大変に注目を浴びているわけでございます。この問題については、特に芝山団地あるいはサンシャインビル、こういったところで実施をされているようでございますが、結果はどういう結果が出ているのか。それと同時に二重配管あるいは排水再生施設等によりまして、中水道は水の原価として約二倍ぐらい上水道よりもかかるのではないか、こういうふうに言われているわけでございますが、しかし今後の水というものを考えてみますと、これは水対策というのは非常に大事な問題でございまして、大型ビルあるいは大型の団地等については中水道を普及させなければならないわけでございますが、そのためにはいわゆる排水再生の循環利用設備投資が非常に大きな金がかかるわけでございます。そういったことに対して融資の問題やあるいは課税減免措置とか、こういった問題がどうしても必要になるのじゃないかというふうに思うわけでございますが、この二点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(飯塚敏夫君) 中水道、いわゆる雑用水道のための二重配管等の設備等に対しましての融資、税制上の優遇の措置をどう考えておるかということでございますが、私どもこれらの水需給の逼迫に対処するために、節水合理化を進めていくことは当然でございますが、その一環として雑用水利用の促進を考えていきたい。この促進に寄与すべく五十四年度におきましては、雑用水利用施設の設置に対しまして日本開発銀行からの低利の融資制度を要望しております。 それから、雑用水利用施設の設置に対しまして、税制上の優遇措置といたしまして、減価償却の特例あるいは固定資産税の軽減、事業所税の新設等につきまして非課税扱いをするというような要望を五十四年度予算につきまして関係当局と折衝中でございます。これらの事項に関しましては国土庁のみならず、建設省、通産省とも連携の上関係当局に予算要求中でございます。
○桑名義治君 そこで、中水道の誘導のためにはいろいろな問題があるわけですね。実際にどこまでの基準が中水道であり、どれから以上がいわゆる上水なのか。そういう水質の問題あるいは施設の管理、水利権の問題、こういったいろいろな問題を含んでいるわけですが、改めて中水道のための立法が必要ではないかという提言が最近なされているわけでございますが、この提言についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) 雑用水道普及のための法制度の整備の考え方でございますが、法制度につきましてはまだ緒についたばかりでございまして、実施例としては四十数カ所ございますが、まだ不特定多数を対象としたような実施例はございませんので、将来見通しにつきまして、なお明確な予想が立ってないというのが実情でございます。 それから、関係法例といたしまして、水道法あるいは下水道法との関係もございまして、私どもといたしましては、先ほど申し上げました、とりあえず税制、金融上の優遇措置等を考えまして、法制度につきましては個別循環というものがもう少し普及いたしまして、それがより広がりを持った地区循環等の問題に進んだ段階で検討したいと思っておる次第でございます。
○桑名義治君 そうしますと、まだ立法まではいってないということですか、将来はやるけれども、まだいってないということなんですか。
○政府委員(飯塚敏夫君) そのとおりでございます。
○桑名義治君 この問題は非常に大事な問題でございますので、鋭意立法化へ努力を進めていただきたいと思います。 次に、時間が非常に制約されておるものですから端的にお尋ねをしたいのですが、もう一点は、いわゆるダムの機能の回復、そのためにはダムの堆砂対策というものが非常に大事になってくるわけでございますが、過日も資料を見てみますと、ダムによってはもう九〇%砂がたまっていると、もう実際に機能しているのは一〇%しかないんだというようなダムもあるようでございます。全体としておしなべてみましても、約四〇%から五〇%は完全に埋まって機能を失っているということが指摘をされておるわけでございますが、この問題についてどういうふうに計画的に作業を進めておられるのか、それと同時に今後どういう対応をなさろうとしておられるのか、この点をはっきりとお答え願いたいと思います。
○政府委員(稲田裕君) 御指摘のように、所管ダムの堆砂につきまして、建設省としましては毎年堆砂の状況を調査しておるわけでございます。発電専用の利水ダムにつきましては、建設後相当年数が経過したものもございまして、御指摘のように相当堆砂が進んでおるものがございます。しかしながら、治水及び利水の多目的ダムにつきましては、比較的経過年数が短いということで一般に堆砂は現在まだ少ないというふうな状況でございます。それで、全国のダムのうちの総貯水量五百トン以上のダム二百六十七でございますけれども、これにつきまして調査した結果、総貯水容量百二十二億トンに対しまして、堆砂量の合計が約七億トンということで、全堆砂率が六%程度で、このもの自体は余り大きくはございません。地区別に見ますと、この中では中部地方がやはり大きゅうございまして、全般的に一九%ということで、この地区につきましては地質等の関係もございまして、部分的に大きな堆砂を示しておるというダムがあるというふうな現状でございます。これらに対しましては私どもとしましては、建設省の所管ダムにつきましては、特にいま申し上げました中部地方の天竜川のダム等で堆砂の進んでおる美和ダムとかあるいは小渋ダムにおきましては、すでにいま貯砂ダム等をつくりまして実態的に排砂の作業を行っておるということでございます。また一方、本年度につきましては、この堆砂の進んでおるダムにつきまして堆砂対策について有効な方策を検討し、あわせてまた砂利資源への活用も図るということで、国土総合開発事業調査調整費二千万というものを計上しまして、今年度調査の実態に入っておるわけでございます。これらの実態も踏まえまして、五十四年度からは所管のダムにつきまして、積極的に排砂を図るというふうな対策等につきましても、できるだけの措置を具体的に講じていきたいというふうなことで現在考えておるわけでございます。そのほか、電力関係のダムにつきましては、これ先ほど申し上げましたように、建設しまして相当年限がたち、なおかつ小規模のダム等につきましては、満砂になっておるというふうなダムがあるわけでございますが、これらのダムにつきましては、在来から土砂の排除だとか、あるいはまたバックサンドの地点の護岸の補強だとか、等の行政指導を強力に行っておるというふうな状況でございますが、今後ともこれらの電力ダムの埋没対策につきましても積極的な調整を図っていきたいと、かように考えておるわけでございます。
○桑名義治君 先ほどからたびたびダムの問題で話が、論議が出ておりますように、非常にダムを新設するためにはこれ困難性を伴っているわけですね。せっかくそういう困難を克服しながら、地元の協力を得てダムができ上がっているわけですから、これを効率的に利用するということが非常に大事なことでもございますし、それから洪水調節等のためにできたダムあるいは多目的ダム、こういったものの機能が失われれば、これは災害のおそれだって当然これは出てくるわけでございまして、そういった意味で、水質源を確保するという意味からあるいは災害を未然に防ぐという両方の面からも、この問題については特段の努力を続けていただきたいと思います。 さて、こういうふうに中水道の問題やあるいはダムの建設の問題あるいはダムの堆砂対策、こういった問題を列挙してきたわけでございます。こういった個々の問題が解決できなければ水問題は解決できないと、こういうふうに思うわけでございますが、最後に大臣の御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 桑名委員から私どもも常々唱えておる節水型の社会からダムあるいは現在あるダムの堆砂問題あるいは雑用水、中水道等広範囲に水対策についての御所見を承った次第でございますが、もう率直に申し上げまして御指摘の点は、われわれとしても十分配慮していかなきゃならない重要な問題点ばかりであったと思います。現に私どもとしても努力を重ねておるところでございますが、至らざるところの多いことも承知をいたしておりまして、今後水の需給見通しの上からいたしまして、さらに一層水対策に熱意を入れなければならないということを痛感いたします。
○桑名義治君 大臣の前向きの御答弁であったわけでございますが、最後に痛感しておりますでは困るわけです。具体的にいわゆる鋭意努力を続けていただきたいと思います。 先日から、福岡、大分方面への建設委員会からの視察がございました。そのときに国道十号線について、大変に地元から強力な要請があったわけでございますし、また過日、十号線沿いの市町村の首長さんといろいろとお話を、懇談申し上げました節にも、この十号線については大変な要望があったわけでございます。実際にその市町村の要望どおりに大変な混雑ぶりでございまして、三月だったですか、衆議院の予算の分科会でもこの問題が取り上げられたわけでございますが、そのときには混雑の程度が一・三四ぐらいというお話がございましたが、過日視察をした場合には一・七から一・八の混雑度であると、こういうふうに言われているわけでございますが、この点について国道十号線はどのようにお考えになっているのか、まずそのところをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山根孟君) お答え申し上げます。 一般国道十号は一応一次改築、私ども一次改築と呼んでおりますが、一応全線二車線で整備を終わっておるのでございますが、やはり御指摘のように東九州の主要幹線道路でございます。大変交通混雑が著しいわけでございます。北九州から大分市に至るいわば東九州の中でも交通量の多い区間、百二十五キロメートルばかりあるわけでありますが、このうち四車線以上に整備されております区間は二十三・二キロという状態でございまして、現在残りの区間について交通混雑等の解消を図るためにバイパスあるいは現道の拡幅工事を促進しておるという段階でございます。
○桑名義治君 このいわゆる国道十号線につきましては、部分的に分けていろいろな形でいわゆる拡幅なり建設をしていきたいというふうに考えられておられるようでございます。たとえば曽根バイパス、それから苅田の拡幅、それから行橋バイパス、それから椎田バイパス、それから豊前中津バイパスと、こういうふうに五つに分けて計画を考えられておられるようでございますが、実際にいま緒についているのは曽根バイパスだけでございますね。これはある程度二、三カ所、同時に緊急を要するところは、並行的に工事ができないものなのですか。
○政府委員(山根孟君) 私ども十号線、十号の全体の将来の計画を頭に描きながら、都市及びその周辺のいわば交通混雑が一番著しいというところから実は重点的に事業を進める。したがって、区間ごとに分かれる場合も実はあるわけでございますが、御指摘のように曽根バイパスにつきましては鋭意やっておりますが、これに接続し重要でございます椎田バイパス等につきましては、事業の促進を図るために五十四年度に有料道路として新たに採択するよう、予算要求をいたしておるわけでございます。また、そのほかのバイパスにつきましても整備を促進してまいりたいと、かように考えておるところでございます。 なお、北九州市内の区間であります起点から曽根バイパスまでの区間、これは四車線で整備は完了されておりますが、このうち三萩野の地区につきましては、モノレール事業が計画されているといったことから、この事業の進捗にあわせて事業を進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○桑名義治君 いまの御答弁の内容についてはもう私たち知っているわけです。それは現実に見てきましたから。だから、私お尋ねしているのは、こういうふうに普通国道十号線を基幹にしましてね、いろいろなバイパスができて、また十号線に入っていくとかいうことで、五つに分けて工事が分断をされていると。したがって、現在は曽根バイパスだけが着工しているけれども、ほかのいわゆる部分についてはまだ調査段階でありますから、これをある程度促進する意味で、ある程度二カ所か三カ所並行的にできないかと。そうしないと、広いところができて、狭いところができて、また広いところができるということで、かえって交通事故のいわゆるもとになるんじゃないかと、こういうふうに心配をするものですから、このことを申し上げておるわけでございますし、それと地元の市町村は大変に協力をしているはずでございます。それと同時に、苅田には大型な企業、いわゆる日産がもう仕事を始めておりますし、大分などは新産都市がどんどん広がっておりますし、そういったことで北九州と大分間というものは非常な市街地は混雑をきわめているわけでございます。そういった意味からこの問題を取り上げたわけでございますが、そのように並行的にある部分が工事ができないのかと、このことをいまお尋ねしているわけですから。
○政府委員(山根孟君) 五カ年計画全体としての事業規模等から、ある程度重点的に供用を開始すべきところを早くするという方針でおるわけでありますが、先生御指摘のように、確かにこれに接続をいたします現道部分等の交通混雑の状況等もございますので、逐次全体の解消が図れるような事業の進め方につきまして検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○桑名義治君 じゃ、いつごろまでに大体これは完成させる予定でございますか。
○政府委員(山根孟君) 現在のところ中期的な見通しと申しますか、昭和六十年代の早い時期を目指して、現在整備を進め、それが完了するのではないかと、かように考えております。
○桑名義治君 中期的な見通しではなくて、短期的な見通し言ってくださいよ、緊急性があるからここで取り上げているわけでございますから。 まあいずれにしましても、この問題については鋭意努力をしてもらいたいと思うんですよ。実際に九州の東海岸のこれ幹線ですからね。したがって、いまから先の開発という問題から考えましても、非常に最近は急激に進捗しているわけですから、したがってこの問題を解決しないと、大変に地元では怨嗟の声が上がっているわけです。協力することは協力しているのに、どうしてやってくれないのかと。調査費ばっかりいつも流してというような感じでございますので、この点について大臣の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) まあ私も、そう長い距離でもないのに、なかなかはかどらないものだなあということを陳情の都度感じておるんでありますが、しかし用地の買収、それから事業実施のための測量だ、調査だというようなことを説明を聞くと、歯がゆいようでありますが、そうテンポを早めてやれない点もあるなあという気も一方にしておるわけであります。 そこで、先ほど道路局長が御説明を申し上げたように、椎田バイパスについては、有料道路の方法も考えようというようなことも、窮余の一策としてまあそういう計画も出てきたと思うんでありますが、大体全国的に自動車時代を迎えて、もう随所に同じような傾向を持っておりまして、この十号だけに重点的に予算を投ずれば、あるいはまた技術者なり工事関係者、ここへもう集中的に投入するなら、それは促進が図られると思うんでありますけれども、なかなか日本全国が同じような現象を呈しておるという実情にございますので、いつも御要望を受けてはどうも歯切れの悪い返事をせざるを得ないと、こういうことでありますが、ただ福岡から大分に至るこの曽根バイパス、苅田拡幅、行橋バイパス、椎田バイパス等につきましては、いずれもここ二、三年中には手がつけられる状況にある。特に、曽根バイパスについては二車線で供用の予定にここ五年の間には何とかするということでありますので、きょうお答えすることは、いろいろ努力をしておりますと、そしてこの上ともできるだけのことをいたしますと、こういうことでお許しをいただきたいと思います。
○桑名義治君 まあ大変に全国的に交通が渋滞していることはわかるわけですが、衆議院のときの御答弁の中では、大体一級国道が、平均混雑度というものが〇・九九というのですね。ところが、今回この十号線につきましては一・七から一・八というのですよ。全国的に確かに渋滞をしているかもしれませんが、この十号線は最近とみにこういうふうないわゆる繁雑度が上がっているわけですから、したがってこれは早急に対策を立ててほしいということをお話し申し上げているわけでございます。 全国的にこうだからなかなかできませんというお話ではなくて、そういうふうに比較した場合には、こういう混雑度の状態であるという、そういう立場を踏まえてこの質問をしているわけですから、そこのところをよく御理解いただいて、大臣の強力ないわゆる施策を期待をしておきたいと思います。 私の持ち時間は、実はもう、ちょっと終わったわけでございますけれども、同僚の持ち時間を少しもらいまして、次に公団の家賃値上げの問題について触れさしていただきたいと思います。 この公団の家賃の値上げの問題につきましては、私もこの委員会でたしかもう三時間ぐらい論議をしたわけでございますが、先ほどもお話がありましたように、衆議院の段階では伏木委員長の努力によりまして六項目、それから参議院は安永委員長の御努力によりまして七項目ということで委員長見解が述べられ、それに対しての努力をすると。確かに私はこういった委員会の経過の中から見て、一応これで決着がつくなと、こういう決着のわれわれ見通しがついたなと、こういうふうに思いましたところが、現在の段階を見てみますと、これ全くもとに戻ったような感じでございまして、まあちょっと奇異に感じているわけでございますが、いずれにしましても、先ほどの答弁をお聞きしてみますと、いわゆる七項目の実施状況がまあ完全ではないのではないか。特にこの項目の中の第一と第二と第七、この三項目について大変に問題がまだ残っているんではないか、こういうふうに思うわけでございますが、この第一項目の家賃制度の問題ですね。この問題はまあ審議会の方にお預けしたというお話でございますが、大体どういうふうに建設省なり公団の方はお考えになっていらっしゃるのか。 それから第二の問題については、できるだけ速やかにとかあるいは公団に努力を話をしたというお話でございましたけれども、しかしこれ具体的にどういうふうに空き家の問題あるいは長期未利用地の解消の問題についてはどのように具体的にお考えになっていらっしゃるのか。ある程度のめどなりそこら辺がはっきりしないと、やはり納得ができないんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。 それから第七の問題は、これまた掲示板とか、はがきとか、ビラとか、説明書だとか、いろいろなお話がございましたが、その後の経過は、今後どういうふうに取り組まれようとお考えになっていらっしゃるのかお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(救仁郷斉君) 一と二と七でございますが、主として一は建設省自身の政策の問題でございますので、私から御答弁さしていただきたいと思います。 家賃の体系につきましては、五十年の住宅宅地審議会の御答申の中で、応能家賃的な方向でというような御示唆もいただいておりますが、それを具体的にそれでは日本の国情に合わせてどうやっていけばいいのか、これは御承知のように、ヨーロッパ諸国ではだんだんその方に向いてまいりまして、特にドイツ、フランスあたりでは最近毎年いろんな改定を行いながらその完成に近づけているというような状況がございます。そういったものを踏まえまして、ただ外国と日本の国情の中では、所得の把握の問題あるいは財産の把握の問題そういった問題から消費性向の問題いろんな差異がございます。したがいまして、私どもヨーロッパの制度そのものが基本的な考え方としてはいいとしても、日本の国情に果たして直ちにアプライできるのかどうかということには若干懸念も持っておりますし、そういったものを踏まえまして具体的に住宅宅地審議会でいろんな角度から、あるいは家計支出の問題あるいはそういった実務的な所得把握の問題、そういった問題を踏まえまして日本の実情に合った家賃体系というものを考えていくべきではないかというような御示唆がございまして、現在鋭意御審議願っているところでございます。この点につきましては私どもできるだけ早く結論を得たいというふうに考えておりますが、いま申し上げましたような非常にこれはむずかしい問題が多数ございます。したがいまして、私どもも審議会の先生方にお願いしましてできるだけ早く結論を出していただきたいというように考えておりますが、私どももせいぜい勉強していきたいというふうに考えております。
○参考人(有賀虎之進君) 参議院の委員長要望事項の第二点の点でございますけれども、先ほど局長からも御説明ございましたように、金利とか公共公益施設の問題、こういった問題につきましては政府の方で現在努力されておるところでございますが、空き家の問題それから長期未利用地の解消に努める、この問題につきまして私から簡単にお答えさせていただきます。 空き家の問題及び長期未利用地の問題につきましては、今回建設省からの承認に当たりましても、直接家賃との相関関係ではないけれども、公団については今回非常に重要な問題であるから別途その解消に全力を挙げられたいと、こういう配意事項がついているわけでございます。この点につきましては、公団といたしましてはそれぞれ未入居住宅問題及び未利用地問題につきまして、公団の中に経営改善推進本部というものを設けまして、先ほど総裁からも御説明申し上げましたけれども、全社を挙げて解消に取り組んでいるところでございます。 その中で、まず第一に未入居住宅問題でございますけれども、私どもこれについては、まず第一に、現在持っているものにつきまして魅力ある住宅への改造とか、あるいは家賃につきましてあるいは分譲代金の支払い方法につきましてその方法を改善する、たとえばコストの引き下げあるいは傾斜家賃制度の改善とかあるいは家賃の引き下げ等を行って努力しておるところでございます。また、そのほか団地によりましては交通機関の整備あるいは入居基準の緩和あるいは広報活動、募集体制の強化、それから仕掛かり中の十万戸に近い住宅につきまして、すべて全面的に見直しをしまして、たとえば、もう少し住宅が建てられるところには住宅を建てまして一戸当たりの用地費を減らすとか、あるいは不用な土地につきましては処分をいたしましてこれを原価の引き下げに向かわせるとか、そういったようなことをして努力いたしておるところでございます。現在、七月末におきまして、しかしながら約三万九千余の募集してまだ客のつかないものあるいは募集に至らないもの等の住宅がございますけれども、これらにつきましても表面上余り減らないように実は見受けられまして大変残念でございますけれども、五十一年度中に空き家になったものあるいは五十二年度中に空き家になったもの、こういったものは順次それぞれ解消していっているわけでございまして、しかしながら次から次とさらに追加して募集いたしておりますので、現状のところは非常に何といいますか、四万戸近い空き家が直ちに三万戸未満と、こういうように減るような、そういうふうな目覚ましい結果というふうにはなっておりませんけれども、いま申し上げているように中身は相当動いておりまして、私ども逐次改善の方向に向いていると、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから、未利用地の問題でございますけれども、これも先年建設省におきまして公団住宅問題対策委員会というものが設けられまして、ここで種々検討したわけでございますけれども、これらの指示を受けまして、また公団でも先ほど申し上げたように全社を挙げて努力しているところでございまして、当時指摘されておりました二十二地区、これらにつきましてもそのうち二地区につきましてはすでに処分もいたしましたし、また八地区につきましては五十三年度中に大体着手のめどがついているというふうな状況でございまして、そのほかの用地につきましても鋭意開発ができるように現在努力中でございます。 以上でございます。
○参考人(澤田悌君) もう一つの第七番目の御指摘の点でございますが、いまの空き家や不動産につきましては有賀理事から申し上げたとおりでありますけれども、何せ物が不動産でございまして、いままでの累積したいろんな問題がありますが、はかばかしく半年一年で目に見えた効果ということにならないのは私も実は歯がゆく思ってはおるのでございますが、全力を挙げている点は御理解を願いたいと存じます。 それから、建設委員長から建設大臣に要望されました入居者の人々への周知の問題、これは家賃改定の申請に対する御承認のときの配意事項として、入居者に対して引き続き家賃の変更の趣旨の周知に努めよと、こういうことになっておるわけでありまして、私どもその意を体しまして極力努力をいたしている点は先ほどもちょっと申し上げたとおりでございます。何分公団家賃の改定は、今回が公団発足以来初めてでございます。これは少しなし崩しにされておりますと問題はこれほどにはならなかったんじゃないかと思うのでありますが、初めて行われた。そして、激変緩和の措置ということも先ほども申しましたようにいろいろ考えてはおりますが、二十何年来初めて上げられるということに対する住民の方々の気持ち、これはいやであるというのはよくわかるのでありまして、そこへまた相当熾烈な反対運動がございます。それで、遺憾ながらかなりこの九月におきましては現家賃でお納めになる方が相当数になるのではないかと思いますが、しかし相当数の方がまた新家賃でお納め願えるということで、いま九月の集計をいたしております。いずれにいたしましても、いままで努めてまいりました努力を今後も引き続きいたしまして、皆さんに今度の家賃値上げのやむを得ざる理由を御納得いただいて、そして個々に契約改定を進めるということにいたしたいと思っておる次第でございます。
○桑名義治君 いずれにしましても、この問題を最終的に裁判に持ち込むというふうなお話でございましたが、それを未然に防ぐ努力を最大限努めていただきたいと、こういうふうに思います。 さらにもう一点だけお尋ねをしておきたいと思うんですが、四十八年度以降の団地、この問題につきましては前々から値上げの必要があるかどうか検討するというふうな発言がなされておったわけですが、いろいろな報道機関等の報道によりますと、大体来年度は値上げの方針を固めたようだというふうに載っているわけですが、前の問題が片づかないのにあとの問題を出すとまた紛糾するというおそれも十二分にあるわけですが、見切り発車しない方がいいんじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、この点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○参考人(澤田悌君) 御指摘のように、四十七年度までの家賃改定を今度は一斉にいたしたわけでございます。四十八年度、四十九年度の問題が残っておるわけでございます。五十年度以降はもう上げるどころか、下げないと均衡が保てないというようなことになっております。これは問題ございません。もう値下げを実行いたしたわけでございます。それで四十八年、四十九年度の問題は、これはやはりある程度値上げをしないと不均衡是正という点では問題がそのまま残るわけでございます。しかし、御指摘のように、現在四十七年度までの分の一斉値上げでいろいろ問題になっているときでございますので、この時期につきましては今後の推移を見て慎重に検討して、大臣の承認申請をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○桑名義治君 終わります。
○二宮文造君 私、非常に断片的になったんですが、四つほどお伺いしたいと思ったんですが、時間の関係がありますので、全部お伺いできるかどうかちょっと疑問ですが、最初にこれは大臣に冒頭にお伺いしておきたいんですが、御承知のように現行の昭和五十年代前期経済計画、これはもろもろの理由で、いわゆる中期経済計画に編成がえしようというので、いまもっぱら中期経済計画の策定を政府は急いでいると、十二月にはその大綱が示されると、こういうふうな模様にあることを伺っておりますけれども、この中期経済計画の策定に当たりまして、まず建設省としてはどうしてもこれからの日本経済を安定成長という路線にもっていくためには、いわゆる民間の設備投資も余り急速な伸びは期待できない。やはり公共投資でもって牽引車の役割りを果たしていかなきゃならぬという基本方針を持って、いわゆる公共投資主導型といいますか、そういう中期経済計画、これを基本方針としてお立てになっていると、こう伺っておりますが、大臣、その辺いかがでございましょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 九月二十五日に総理が諮問をされたわけですが、建設省としては景気回復を一層確実なものとして、わが国経済の安定的発展を図り、充実した国民生活を実現するため、長期的経済運営の指針とすることを目途にいろいろ検討しておるわけであります。新計画の一番大きな柱としては雇用の改善、対外均衡の達成が、これ大きな柱であり、課題だと思うんです。そこで、六十年度、前半までは内需の拡大を中心に、やや高目の成長を目指したと。後半ではどうすると、しかしやはりこれは引き続き高目の成長を見込む必要があるんじゃないか、こういうふうに見ておりますが、そういうようなことを頭に置いて考えますと、やはり公共投資を中心に内需をリードすると。それで後半は内需を自律的な盛り上がりに期待するようにもっていく必要があるんじゃないか。しかし、それにしても公共投資で下支えをする必要があると、こんなふうに見ております。このような経済運営上の要請を頭に置いて考えますときに、国民生活基盤の整備や、あるいは定住構想に基づく地域発展の基盤整備を担当する立場からすると、公共投資額中に占める建設省関係のシェアはこれまでの計画を上回るものとしたいと、こんなふうに考えるわけであります。 具体的に施策をする上に、相互にバランスのとれた投資が必要であるということは言うまでもないと思うんであります。そこで、公共部門だけでなく、民間部門においても潜在的な投資意欲を喚起することが特に肝要ではないか。そういうことから、都市改造あるいは住宅、宅地の整備、そういうことを官民共通のテーマとして取り上げて、民間住宅投資や都市型の民間設備投資を十分誘発し得るような政策誘導を行っていきたいと、ちょっとあらましのことで恐縮でございますが。建設省としての考え方を一応申し上げます。
○二宮文造君 私の時間が三十五分、私は三十七分か八分まであると思うんですが、三十五分と言われていますので、委員長その辺ひとつ二、三分よろしくお願いしたいと思うんですが。それでそういうわけで時間の制約がありますので、ちょっとはしょりますけれども、確かに景気浮揚という面からとらえる側面もありましょうし、また公共投資というのは社会資本を充実する、国民生活にも非常に影響してくる、こういう面からもとらえなければいけないと思います。そこで、いまの五十年代前期計画、これが五カ年ですね、五十一年から五十五年。この期間中の公共投資の規模が五十年度価格で約百兆円。そのうち建設省の所管の六事業がシェアが四〇・三%と、こういうことで計画が進んできたわけですが、実施三年目の終わりか——今年度の終わりですね、ところが、ちょっとはじいてみますと、道路で進捗率が六三・六、住宅が四四・三、相当おくれていますね。それから下水道が四七、これもおくれています。公園が五〇、これもおくれていますね。それから治水が六一・七、それから海岸の建設省の所管分が五五・三と、いわば道路とそれから治水の方が六〇%を超えているだけで、あと相当におくれている、こういう現実だろうと思います。したがいまして、じゃ今度の中期経済計画、この中期経済計画では大体投資の規模をどれぐらいに見るのか。それからまた、いま大臣は相当に建設省所管のシェアをふやしたいと、こういうふうなお考えですが、一説には公共投資の規模の四五%、前期計画では四〇・三%だったけれども、四五%ぐらいにしたいと、こういうふうなお考えを建設省が持っている。財政等の都合もありましょうから最終的にはどうなるかわからぬとしても、この際は建設省のそういうお考えをはっきりと宣言しておく必要があるんじゃないか。私は予算獲得の応援をしてあげるわけですが、この際宣言しておいたらいかがなものだろうかと思うんですが、これは官房長にしますか。
○政府委員(粟屋敏信君) 現行の前期経済五カ年計画の方針と及び達成率については先生のお話のとおりでございます。しからば新しい経済計画に対して公共投資をどう位置づけ、どういうふうに進めるかということにつきましては、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、やはり六十年前の経済は前半、後半を問わず公共投資がある程度経済を引っ張っていかなくちゃならない。それと同時に、公共投資に関連をする住宅、都市改造に民間投資を誘導して企業設備も高めていかなければならないということになるのであろうかと思います。そこで、数字については現在算定中、作業中でございますが、六十年までの公共投資の規模については二百五十兆を上回るような数字になるのではないかというふうな考えでございます。また、その中におきます建設省のシェアにつきましては現行前期経済計画は四〇・三%でございますけれども、いま先生お示しの数字のような方向で現在検討を進めておるところでございます。
○二宮文造君 そこで、そういう二百五十兆円を上回る投資計画、その中で四五%は確保したい、こういうふうなお考えのもとにこれから進んでいかれるようですが、ならばどうでしょうか、住宅とか下水道それから高速自動車——高速自動車国道は後の質問で関連するのでお伺いするんですが、住宅、下水道、これを最終年次の六十年には大体整備目標をどういうところに置こうとしていまお考えを持っていらっしゃるか。確定するしないは別として、いま建設省で作業をしている整備目標というのは一体どういうところに置いておられるのか、これをお伺いしたい。
○政府委員(粟屋敏信君) 住宅につきましては、現行の住宅建設五カ年計画で昭和六十年度の平均居住水準三LDKまで持っていきたいという方向を持っております。これについては、それに向かって必要な投資額を計上をしていく考えでございます。 なお、高速道路につきましては、道路局長から御答弁を申し上げます。
○政府委員(山根孟君) 高速自動車国道につきましては、現在整備計画が策定をされており、かつその中には供用中のものも含まれておりますが、四千八百キロにつきましておおむね十年後には供用いたさせるような考え方で現在検討を進めております。
○二宮文造君 下水道は。
○政府委員(小林幸雄君) 下水道につきましては、処理人口普及率を昭和六十年におおむね七〇%、六十五年にはおおむね七五%程度に引き上げることを目標にいたしたいという考えでおります。
○二宮文造君 それで、まことに結構な目標なんです。ですけれども、現状と余りにも乖離しているんじゃないかという気がしてなりません。といいますのは、住宅を取り上げてみますと第三期の住宅五カ年計画、これの目標がいわゆる住戸専用面積で四人家族で五十平米ですね、この目標が。それから、今度は中期、いまおっしゃった昭和六十年をめどにして四人家族で三LDKにして住戸専用面積を八十六平米に引き上げよう、これはあと数年しかありませんね。こういうことが果たして可能なのかどうか。 もう一つ下水道の場合、下水道は五十二年度で処理人口普及率が二六・六%です。これを六十年に七〇%に引き上げる。これはもう下水道の五カ年計画の審議に当たりましても非常に問題になった、おくれているではないかということで問題になった数字なんですが、これをもう非常に勇敢に六十年に七〇%にする。それから高速自動車道路につきましても、五十二年度が二千百九十五キロでしょう、それを六十年には四千八百、答弁はありませんでしたが、六十五年度には五千七百四十キロ。こういうふうな現状からみますと、格段のいわゆる積極的な整備目標をお立てになっている。これ、しかし財政との都合がどういうようになりましょうか、確信ありますか。大臣にもがんばってもらわなきゃいけませんが。官房長で結構です。
○政府委員(粟屋敏信君) 御承知のように総需要の抑制ということが四十九年、五十年と続いたわけでございまして、その間に公共投資がほとんど伸び率ゼロという事態があったわけでございます。そのために、当初予定をしておりましたものより現在の整備水準は必ずしもはかばかしくなかったということが言えるのではないかと思います。ところが、景気回復の問題と関連をいたしまして、五十一年度におきましては一回の補正予算、五十二年度におきましては二回の補正予算、五十三年度におきましては当初予算で、御承知のように下水道のごときは事業費四三%の伸びを示したわけでございまして、さらに今回の補正予算と公共投資を主導として経済を引っ張っていこうということで、公共投資予算が大幅に拡充を見たわけでございます。 公共投資、すなわち社会資本の整備はそういう景気対策の面も機能することはもちろんでありますが、基本的にはやはり社会資本を整備して、わが国の居住環境を整備し、欧米先進諸国に比して恥ずかしくない町づくり、ふるさとづくりをやるということにあると思うわけでございます。
○二宮文造君 時間がありませんので御協力ください。
○政府委員(粟屋敏信君) しかし、最近のあれを契機といたしまして、われわれといたしましては、先ほど大臣申しましたように六十年までに、五十四年から五十六年の前半は一二%程度、五十七年から六十年度は七%程度の実質の社会資本の伸びは確保すべきであると考えておりますので、それが計画どおり進めば目標は達成できるというふうに考えております。
○二宮文造君 ところで、そういうことになりますと、いま策定している建設省所管の長期計画ですね。これは全部やっぱり改定作業をしなければならぬと思いますか、五十二年度には、どういう改定作業を予定されているのか。
○政府委員(粟屋敏信君) 現行五カ年計画も経済計画に基づいておるわけでございまして、今度新しく経済計画ができましたならば、それと勘案をいたしまして、改定すべき必要があるものは改定をいたしたいと考えております。
○二宮文造君 そこで、ちょっと細切れになりますけれども、五十三年から五十七年にかけての道路の第八次五カ年計画。これは閣議了解の当初から財源の問題についてはペンディングだったわけですね。昭和五十四年度予算編成時までに所要の検討をする。要するに、総額二十八兆五千億、その中で予備費が七千億ほどありますから、まず実質二十七兆八千億とこう見てもいいんですが、さてこの五カ年計画の財源措置をどういうふうにお考えになっているのか、それからまた現状はどうなのかということですね。
○政府委員(山根孟君) ただいま第八次道路整備五カ年計画が今年度からスタートしたわけでありますが、二十七兆八千億、これに必要な国費がおおむね十兆円、地方費が約十二兆円。先ほどお話の出ました高速自動車国道等の主要な資金になっております財投関係、これが約六兆円ということでございます。 このうち国費について申し上げますと、おおむね十兆円の国費のうち揮発油税、自動車重量税等によるいわば特定財源に相当するものを除きますと、約二兆円の一般財源の投入が必要である、こういうことになるわけであります。 第七次、過去五年間の国費に占める特定財源の比率が九〇%程度でございましたから、現在いまの試算によりますと約八〇%ということでありますので、一般財源の投入のみに期待をするということは無理があるのではないかという観点からも含めまして、財源の確保の方策につきまして、先ほどお話のありましたように、五十四年度の予算編成時までに所要の検討を行いまして、五カ年計画の完全な遂行ができるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○二宮文造君 ここまで出かかっていることをいまのみ込んであれされたんですが、要するに国費が八兆円でしょう、これは特定財源ですね。それから一般財源が二兆円とこう踏んでおったものが、五十三年度の一般会計からの繰り入れはわずかに九百二十六億円ですね、一千億円に満たない、要するに一般会計からの繰り入れというのはもう見込みがないと、しかしこの計画に基づいて作業を進めていくとするならば特定財源をふやすよりほかにない、そういうところで財源措置のメーンは結局ガソリン税、自動車重量税の引き上げということにならざるを得ないんじゃないんですか、いまお考えの中は。五十四年からそういうことを予想されているんじゃないんですか、この点はどうでしょう。
○政府委員(山根孟君) 御指摘のとおりでございます。
○二宮文造君 そうしますと、これまた問題が出てくるわけですね。ですから、確かに公共投資はいわゆる総額ふやそうというのも結構ですけれども、要するにやらずぶったくりというような、何か公共料金の値上げあるいは税の増徴ということになってくる、この辺が非常に私は問題になってくるんじゃないかと思うんですが、そうしますといまお考えになっているガソリン税の値上げ、あるいは自動車重量税の値上げというのは、大体どれぐらいの枠をお考えになっているんですか。
○政府委員(山根孟君) 現在検討中でございまして、どの程度の道路利用者の方々に対する負担をしていただけるであろうかといったいろいろな観点からの検討を進めておる段階でございまして、まだ成案というところまで至っておりません。
○二宮文造君 大臣にお伺いしますが、この両税の引き上げというのは非常に抵抗が起こると思います。また抵抗するのが当然のように私も思いますけれども、もしそういうふうになりますと、第八次五カ年計画というのは縮小改定をせざるを得ないと思いますが、この辺大臣の政治的なお考えはいかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど御説明申し上げましたように、中期計画前半としてもまた後半としても公共投資によるところが非常に大きいわけでございます。そういう見地からいたしまして、大蔵省との折衝の間に地域経済計画の答申も概案程度は出てくるんだと思いますから、やはり必要な面については、われわれとしては一般会計からの投入をまず第一に主張しなきゃなりませんし、またそれが非常に困難であるというときに、いまお話になったような財源措置が検討されることになるわけでございますが、だからといって二年目を迎えるに当たって第八次道路計画を、これをいま改定をすると、縮小とおっしゃいましたが、縮小をすると、そういうような考えは現在ございません。この第八次道路計画を遂行していかなきゃならない要素の方が非常に強いと思います。
○二宮文造君 来年の通常国会の、また建設委員会の審議が非常にまた困難になってくるような前ぶれの御答弁でございます。 時間がございませんので、私あと三点残してしまいましたけれども、一つは本四架橋の問題です。これは非常に問題が多うございますので次回に譲らしていただきまして、二つの問題ひっくるめて個条的に質問さしでいただきますが、前回この委員会でも質問しました公共工事の前払い金の保証事業、いわゆる保証会社の問題です。要するに保証料が高いんじゃないかと、業界に還元するとはいっても、この中小企業に対する負担がきわめて大きいと、だから保証料を引き下げたらどうかと、余りにも経理内容を見るともうけ過ぎているんじゃないかということでございましたが、その後どう御検討をされたのか、これが一点。 それから今度は、日本サッシ協会とか、日本カーテンウォール工業会とか、その他鉄骨橋梁協会、いわゆる下請機関ですね、下請機関が元請はこういうふうな制度で前渡し金を受けるけれども、それが下請には何ら下へ来ないと。したがって、この保証事業の中で、前受金の保証事業の中で下請にも利便が回ってくるような法律改正がお願いできないかと、下請としては当然な言い分だと思うんですが、これを何か御検討なさる用意があるのかどうかというのが二つ目、いろいろありますけれども、問題を保証会社についてはこの二つにします。 それからもう一つは建設機械、これが非常に大型化してきました。また建設業の経理内容が悪くなってきましたので、建設機械の賃貸業というのが出てきました。建設省の方も全国建設機械リース連合会、これを社団法人に四十九年に認可しております。ただしこの業界でもいわばダンピングといいますか、業界の中がいろいろな形で整備整とんされてない、その都度建設省も行政指導はされているんでしょうけれども、しかし、リース業を法制化してもらえないか。そして業界の整備といいますか、またもって円滑な運営に進んでいきたいというふうな希望がこれらの業界にある。建設省としても来年度予算にそのための調査費を要求しようというお考えのようですが、この建設機械のリース業の法制化についてどういう御検討なりどういう考え方を持っていられるのか、これをお伺いしたい。 以上三点をお伺いして終わりにしたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) 前の二点についてお答えいたします。 保証会社の保証料率の引き下げにつきましては、先般先生から御指摘をいただきましてから検討いたしました結果、本年中に一〇%以上の引き下げをする考えでいま作業を進めております。 次に、第二点の下請の保証の問題でございますが、この点につきましては、先般行いました政府の推進本部の調査によりましても、前払いの制度がないから保証ができないという要望は一・二%しかございません。また一方これにつきましては既存の損害保険会社で、すでに制度がございましてこれで行えることになっております。したがいまして、われわれといたしましてはむしろ前払い金が下請にいくような方策、現在わずかに六・六%しかまいっておりませんから、これに力を入れるのが現段階の務めだと考えておりまして、その後におきましてそういう制度が必要であるかどうか、民間との関係も含めて検討いたしたいと考えております。
○政府委員(粟屋敏信君) 建設機械リース業につきましては御指摘のように来年度調査を実施したいと思っております。建設業におきますリース業による機械依存度が高まっておりますので、その実態を明らかにして検討を進めてまいりたいと考えております。
○上田耕一郎君 私は、自転車置き場問題とそれから公団家賃の値上げ問題この二つをお伺いしたいと思います。 自転車置き場問題、御存じのように非常に大きな問題になっておりまして、若干数字を申し上げますと全国市長会の自転車安全利用対策推進協議会が昨年の九月現在で調査したところによりますと、放置されている自転車が三百八十の市と区、二千七百五カ所ありますけれども五十九万千三十五台と、二年半前の約二倍に全国でふえている。総理府が昨年の十一月に調査したところによりますと全国で二千三百十四カ所、六十七万台放置されているということになっております。このうち八〇%が三大都市圏にあるということであります。共産党、前からこの問題取り上げておりましたけれども、政府もようやく重い腰を上げまして、七〇年初めに総理府中心に自転車駐車場整備促進研究委員会が発足して、去年の五月自転車駐車場対策についての提音が発表されました。これはまあ鉄道事業者の協力体制の確立とか財源の確保、こういう提案とともに、法制の整備も要るという問題が出されております。いま立法化も国会でも問題になり、私どももすでに法案大網を発表いたしましたけれども、ことしの一月に交通安全対策本部が自転車駐車対策の推進要領を発表しまして、ようやく本年度から整備事業として国の補助がつくようになったことは一つの前進だと私ども考えておりますが、建設省にお伺いいたしますけれども、この整備事業の進みぐあいはどうなっているのか。それから駅前駐車場についての問題点や現状がどうなっているかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小林幸雄君) 本年度から発足いたしました自転車駐車場整備事業でございますが、現在全国で三十六カ所につきまして整備を進めております。その大部分につきましては、おおむね順調に進行しております。ただ、一部、国鉄、私鉄両方の鉄道用地に関係するものにつきましては、若干鉄道当局との協議がまだ終了していない調っていないというものがございまして、それぞれ関係の地方団体におきまして、鋭意国鉄あるいは私鉄と協議を行っておるという状況でございます。
○上田耕一郎君 いま局長答えられたつっかえているところですね。この一つに、私住んでおる国立の問題があるんですけれども、この国立市は総理府の調査でも、駅前放置で全国のワーストワンと、余り名誉なことでもないんですけれども、挙げられたところなんです。 いまお話ありましたように、この三十六カ所の補助事業について、個所づけにもちゃんと入りまして、市の方も予算を組んだ。これまで南口の国鉄用地を借りて、すでに平場で自転車二百台ぐらい置いてあるんですけれども、そこに二階建てのものをつくろうということになりました。市民も非常に期待をしていたところなんですが、一つぶつかった問題というのは、こういうことなんですね。建設省としては、この事業は街路事業として行うので、都市計画決定がなければ補助金は出せないと。ところが国鉄の方は、中央線の複々線化の高架作業が控えておりますので、都市計画決定されては困ると、それだったら貸せないという問題がありまして、九月議会にこれ予算が出たんですけれども、議会の方から、補助金が出ないようではのめないということになって、結局せっかく個所づけもおり、予算も組んだのに、削除に九月議会でなってしまって、市長の方でも何とかこれ補助を取れるようにしたいと。それが見通しがつけば、臨時市議会でも開いてすぐやりたいということで悩んでいるわけですね。これは国立だけの問題じゃなくて、いまお話にありましたように、全国で国鉄、私鉄関係で約十カ所ぶつかっておるところがあって、そのうち国鉄関係が七カ所か八カ所、こういう同様の問題でぶつかっておるわけです。この三十六カ所のうち八カ所といいますと四分の一ですね。今後の見通しとしても、自転車置き場をつくるのは、やはり駅前ですから、国鉄の用地を借りるというケースが当然出てくると思うので、この問題をどう解決していくかという点がいま問題になっているわけです。 まず建設省には、どうしてこの厳格な都市計画が必要なのかと、多少とも柔軟な対応ができないんだろうかということ。それから国鉄とのいまの交渉ですね。いつごろまでに解決しようとしているのか、この点お伺いします。
○政府委員(小林幸雄君) 都市計画事業としてでなければやっちゃいかぬのか。その辺のところ、もう少し弾力的に考えられないか、こういう御質問が一つございますが、それから、国鉄とどういう交渉をやっているかという御質問かと思いますが、まず前の方の問題でございますが、これは御承知のとおり、まず都市計画という問題のその以前と申し上げましょうか、これは公共事業でございますから、やはり相当の投資を行うわけでございまして、したがってその底地につきまして、この権利関係と申しますか、これが非常に不安定である。極端なことを申しますと、一年は大丈夫借りられるけれども、二年目はわからぬとか、あるいは三年間はまあ何とか使えるけれども、その後はどうなるかわからぬ、こういうふうな状況では、これは貴重な血税、国民の税金を使うわけでございますから、そういう不安定な底地の状況におきましては、公共投資という意味でお金をつける、使うわけにはまいらないということがまず第一にあると思います。 したがいまして、国鉄の用地の場合、鉄道用地として将来いつごろ使うか。逆に言いますと、駐車場にこれを使わしてもらう場合に、一体どれぐらいの期間までならこれは大丈夫使わしてもらえるか、この辺の見通しがまあ第一に一つ問題になるわけでございます。すなわち、これ言いかえますと、長期とは申しませんが、少なくとも一定期間以上安定した状況にある権利関係という前提で初めて公共投資を行う。一つ都市計画という点から申しますと、これは都市内の特に目抜きの駅前というふうなところに行う事業でございますから、これは街路あるいは駅前広場あるいは駅に至る幹線道路あるいは場合によってモノレール、いろいろございますけれども、やはり人口の動態とか今後の土地利用の状況とか、交通量の推移とかいう、いわゆる都市計画を決める一般的な判断基準に従ってこれはやはり行わなきゃならぬ。そういう点から申しましても、先ほど申し上げましたような非常に不安定な状態であるということでは、これはちょっと困る。逆にそういう面から言いまして、安定した状況という前提で都市計画というものを決めて、それに従ってやっていくということにもなろうかと思います。 そこで、一体そのようなところでは、じゃあ自転車駐車場できないじゃないかというようなことになっては、私どもとしましても非常に本意ではございませんので、国鉄の当局とは頻繁に折衝を行っておりまして、まあ国鉄の立場もいろいろございますので、これはお互いにたてまえ論を必ずしも固執する必要はないというふうに思っておりますが、いまの段階では頻繁に課長クラスで折衝をやらしておりますが、現在の状況では少なくもある期間、おおむね十年ぐらいと思っておりますが、実質的にそのくらいは国鉄の用地を使わしてもらえる、あるいは国鉄としてはそのくらいならまだ国鉄自体が使う見込みがない。形式的にはこれはいろいろあると思いますけれども、実質的にそれくらいの見通しが双方でつけ得るものであれば、まあ契約の形式あるいは都市計画決定に際してのいろいろなやり方等につきましては、所管の自治体と国鉄の間で弾力的に運用をして、自主的にとにかく駐車場が設置できるような方向にしてまいりたい。 国立の問題につきましても、先生からお話ございましていろいろ調べておりますが、いまおっしゃるような状況があることよく承知いたしております。で、基本的にいま申し上げたような方向で大体何とか片づけ得るのではないかというふうな感じを持っております。
○上田耕一郎君 国鉄の方は、この問題についてはどういう見解でしょうか。 特に、たとえば自転車駐車場にいま使われる用地が、国鉄一応貸すと、貸して、しかし国鉄がどうしても必要になった場合には返還するという約束が行われるような場合ですね、そういう場合には都市計画をしてもよいということではないかと思うんですけれども、その点も含めて、それから建設省との交渉状況の見通しですね、国鉄側から御返事願いたい。
○説明員(田中道人君) ただいまの御質問でございますが、国鉄の方は決して拒否をしておるわけじゃございませんで、御存じのように、現在国鉄でも自転車駐車場につきましては全国で六百七十四駅、件数にいたしまして七百六十二件、面積にしまして約十万平米、地方自治体等にお貸しをしております。今回の件につきまして、特に国立の問題でございますが、私たちの方は将来の複々線の計画がございまして、まだ決まっておるわけではございませんが、そのための貴重な土地として置いておるわけでございます。したがいまして、私の方も暫定的ならばいつでもお貸しをいたしますと。ただ問題は、先ほど建設省もおっしゃいましたように、暫定的というのが何年であるかということが問題でございまして、その辺建設省さんと事務的に詰めておる現在状況でございます。
○上田耕一郎君 建設省側の先ほどの御答弁も国鉄側も、何とか解決しようという前向きの姿勢があるので大変いいと思うんですけれども、局長のお話のこの不安定さですね、これたとえば国立の場合には、いまのところは使えるわけですが、暫定的というので。将来高架化されますと、高架ですから、高架の下は当然また自転車置き場に使わすことができるというのが国鉄側のお考えのようなんですね。ただ工事するときには形その他変えることになるんでしょうけれども、そういう意味の不安定さはないケースなんですね。それも国立の特殊な例じゃなくて、やっぱり国鉄用地、駅の近くを借りるという際、都市圏の駅なんというのは高架化する場合が多いわけなのでそういうケースも共通してあると思うんですけれども、そういう安定性があるということでぜひそういう点も含めて御検討願いたいと思います。 それから、これはやはり一国立市の問題ではなくて、先ほど申し上げたように全国的な問題でもありますし、世論でも大分問題になってきて、自転車洪水現象をどう解決するかと、これはやはり単なる自転車の問題というよりも、人口急増地の都市計画とかあるいは交通政策、こういうものの行き詰まりやゆがみの一つのあらわれなので本格的に取り組まなきゃならぬだろうと、単に自転車置き場をつくればいいということだけでも解決できない重要な問題だということだと思うんです。その自転車置き場をつくるについてもいまのような問題があるわけですね。やはり新しい問題であるだけに、これまでの制度だとかこれまでの決まりの枠内だけでやろうとすると、いろいろこう問題が出てきて、住民要求また自治体の要求を解決する上でネックにぶつかる。そこで知恵の出しどころということになるわけですが、やはりこれまでの立場を一歩も譲らないというやり方では解決できなくなっているわけで、しかも場所はほとんど駅前で、一平方メートル何十万円というような一等地をどう公共的に使うかというものなので、ぜひこれは国も本気でこういう問題についてはもっともっと積極的に取り組んでいただきたいと思うんです。多くの自治体が、国立の場合もそうですけれども、十二月には議会で予算を組むということにもなり、タイムリミットも迫っておりますので、ぜひ建設省と国鉄の側の積極的態度を重ねてお願いしますけれども、最後に大臣、こういう問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 全国の主要都市において自転車駐車場の問題が共通的にあるということで、建設省だけの問題でなく、運輸省、自治省それぞれの関連があるわけでございます。しかも、毎日の問題でございまして、緊急に解決を迫られておることだと思いますが、上田委員がおっしゃるように、建設省だけが自由に措置しかねる問題、しかも駅前の非常に高価な土地をいかに活用するかということでございます。しかし、そう言っておるだけでは済まないのでありますから、先ほど来都市局長の方からお答えいたしましたように、われわれとしてやり得ることについて全力を尽くしてまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 次に、公団家賃の値上げ問題、きょうもこの委員会で同僚議員がお二人取り上げられましたが、家賃戦争と言われるぐらい大きな社会的、政治的問題になっているわけです。先ほど澤田総裁は、相当数現行家賃払いの方が出ていると、相当数改定家賃で払っている方もおられると、そう言われました。新聞を見ますと、二十万戸という数字が出たり、あるいは二十一万一尺二十二万戸の現行家賃払いの居住者が出ていると言われておりますが、公団としてはほぼどのぐらいの現行家賃払いの居住者が出るという見通しですか。
○参考人(澤田悌君) 御承知のように、公団の家賃はその月の月末までに払い込むと。なお数日は猶予期間があります。まあ四、五日ぐらいに普通は全部納まるかと思います。しかし、九月は家賃改定の月、一斉改定の月でもありますから、これが普通ならその結果が月半ばにはわかるはずでございますが、下旬あるいは月末ぐらいになるんじゃないか。いま鋭意結果を集計中でございます。しかし、先ほど相当数と申し上げましたが、いまお話しのように、二十万と言い、二十一万ぐらいの現家賃で納めた人がおるということが報道されておりますけれども、これは確たるものではございません。しかし、仮に二十一万現家賃で納められた方がおっても、十五万人は改定家賃で納めていただいたことになりますから、両方相当数と、こう申し上げたので、私は御理解を願って、できるだけ新しい家賃で納める方が多いことを実はこいねがっておるのでありますが、いま確たる数字はまだ申し上げられないところでございます。
○上田耕一郎君 仮に二十万戸としますと、対象住宅三十六万戸の三分の二近い数字ですね。過半数をはるかに超えているわけで、やはり相当大変な事態だと。その大変な事態をどう解決していくかというところがいま政治の課題になっていると思うんです。再三これまでもこの委員会でも問題になってまいりましたけれども、こういう事態が生まれてきたのは政府の住宅政策から生まれているわけですね。かかわりがあるわけです。たとえば公的な住宅家賃のあり方の問題とか、個別原価方式を逸脱したプール制家賃、これの矛盾の問題とか、あるいはたびたび問題になっております未利用地あるいは空き家などの公団経営のずさんさ、これにもかかわりがあるし、家賃決定をどういうルールでやるかという問題の非常なあいまいさですね、こういうところにもかかわりがあると思う。きょうもこの本委員会の二月九日の委員長要望七項目について、いろいろここで問題になりました。これは大臣は、この要望の御趣旨を踏まえて、十分踏まえてという答弁をなさいましたし、当建設委員会としてもこの問題の進め方、展開の仕方については非常に大きな関心と責任はやっぱり持っていると思うんです。先ほど七項目についての御答弁が建設省側並びに公団側からありましたけれども、たとえば第二項目ですね、空き家については三万九千戸余りという数字をお答えになりました。約四万戸ですね。七月現在で三万九千七百六十七戸空き家があるという大変なことで、減るどころか、ふえているわけですね。未利用地も一会計検査院が指摘した千五百八十八・六ヘクタールのうち処分済みは二地区ですね。これ合わせて二・二ヘクタール、松戸と横浜市だけで。それで、先ほど御答弁の中で来年度着工できるのが約八つあると、そういうふうに言われましたけども、いただいた資料を見ましても、関係機関と調整中である、関係機関と具体的諸条件について協議中である、協議中である、市と協議中であると、協議中ばかりですよね。それで自治協の方が具体的にいろんな自治体と問い合わせたところも非常にあいまいだということで、たとえ八カ所何とかあなた方の見通しのとおり協議がうまくいったとしても、この千六百ヘクタール近い未利用地についてもまだ解決の見通しというのはほとんどついていないんじゃないかとさえ思われるわけです。 それから、第三項目についての御返事で、これはぼくは聞き捨てならぬと思ったんだけれども、第三項目は、参議院のは「激変緩和の措置を講ずるとともに」というんですよ。先ほどのお答えは激変緩和、公営限度額方式の二分の一にしましたと、これはもう二分の一にするなんというのは去年から決まっていることで、何度もここの委員会でも出たことですよ。そういう二分の一では足りないから激変緩和の措置をとれというように要望しているんで、もう決まっていることを何ら建設委員長が要望するわけはない。それを二分の一にいたしましたというのを激変緩和の措置であるかのように答えるのは、これは全く私はごまかし答弁で、不誠実なものだと、そう思います。いまの点いかがですか。
○参考人(澤田悌君) 御趣旨はそうであろうと考えられます。しかし、案をつくりますときから私どもは激変緩和ということは公団の施行規則にあるわけであります。これについては極力配慮したのでありまして、そしてその上に国会での御要望に応じては母子、身障者等についても激変によって不利益を受けることのないように、あるいは敷金の増額も行わないという配慮を加えましたけれども、もともと非常な努力をした激変緩和を配慮しておる、こういう意味で申し上げた次第でございます。
○上田耕一郎君 それならそう答えなければいけないんで、これは救仁郷さんもそう答えたんですね。激変緩和措置というのは限度額方式の二分の一じゃ足りないからもっとやれというのが要望なんですよ。それを二分の一でございますという救仁郷さんの言っていることは、これはやっぱり間違っていると思うんです。お認めになりますね。
○政府委員(救仁郷斉君) ただいま総裁から話したとおりでございます。
○上田耕一郎君 それから、この第三項目については「老人・母子・身障者等の困窮世帯については特段の配慮を図るべきである。」と、どういう状況ですか。
○参考人(有賀虎之進君) その点につきましては、公団の家賃の値上げにつきまして、なお承認に当たりまして建設省からも家賃の変更の実施に当たっては老人世帯、母子世帯、心身障害者世帯のうち生活に困窮する世帯について生活保護世帯に準ずる措置を講ずることと、こういうことに配意しなさい、こういうような条件がついております。それを受けまして、公団としましては生活保護世帯についてはもちろんでございますが、そのほか老人、母子、身障者世帯につきまして生活保護世帯に準ずる措置といたしまして生活保護法によりまして住宅扶助限度額というのがございますが、その扶助限度額を超える分につきましては、今回値上げによって家賃が上がりましても、その分は取らないというふうな措置を講じております。現在までのところ、こういった問題は九月から家賃の値上げでございますので、八月に私ども全世帯にそういう趣旨をPRいたしまして、九月の一日から九月の十一日まで受け付けをいたしました。そうした結果、現在全体で百九十四件、約三千三百円程度の、何といいますか、減額措置が講ぜられている状況でございます。
○上田耕一郎君 百九十四世帯なんですね、いまの措置を受けた方が。三十六万あるんですから、そのうちの百九十四だということで、ほとんど無視していい程度の数字になるわけですね。しかも生活保護基準による住宅扶助限度額というんですけれども、東京、千葉、神奈川の場合は二万九千二百円、約三万円ですよね。大阪、京都で二万千二百円ですが、東京で三万円の家賃以上でなければ、これが達しないと、非常に厳しい基準になっているわけですね。これでは建設委員会の要望の、本当に母子世帯、老人世帯、障害者世帯のために緩和措置をとってほしいという要望が、こういう東京で三万円というような家賃の水準を決めて、それで全国で百九十四世帯だというようなことで「特段の配慮」と書いてあるんですよ。「特段の配慮を図るべきである。」、特段ってこのぐらいかというふうに日本語としては思わざるを得ないと思うんです。それから第六項目ですね。建設委員長の要望では「居住者に対する趣旨の徹底を図ることもあり、」実施期日を延期すべきであると、これはわずか二カ月ということなんです。二カ月の間にあなた方徹底周知を図ったかどうか。二カ月間に恐らく何回かパンフレットをどうもお配りになったようですけれども、その結果は先ほどのようにほぼ新聞などが一致して認める二十万世帯、ごれがやっぱり現行家賃で支払いを行うという状況になっているわけで、たった二カ月で趣旨徹底したのか、一方的な趣旨をただまくだけではわれわれが本当に趣旨を徹底をしてほしいという要望にはそぐわないことだと思うんですね。この結果が二十万世帯以上が現行家賃で払っているということが、趣旨徹底なるものはこれも行われていないと十分にはそういうことを事実で証明したと、そう思います。 それから、特に第七項目、これ参議院の要望書にあるわけですけれども、「入居者の意向を聞くなど、民主的な配慮をすべき」だと。それについて先ほど澤田総裁は自治協の代表とも全国で千何百回ですか。
○参考人(澤田悌君) 百四十回。
○上田耕一郎君 百四十回、どうも一けた多過ぎたようですな。百何十回か話したと言われますけれども、本当に家賃の値上げの問題について自治協とお話しになったのかどうか。われわれ建設委員に自治協の代表幹事の方が提出した文書によりますと、この七項目については何ら説明、協議の必要はないと、そう住宅公団は突っぱねておりますと、そう書かれているんですね。何かあったことはあったかもしれぬけれども、家賃の値上げ問題について民主的な協議ですね、そういう話し合い、これは本当に行ったのかどうか、これも明確な答弁を求めます。
○参考人(澤田悌君) いま何か協議の必要はないということを言っておるということでございますが、これは例の借家法の法的解釈の問題を意識的に申したようでありまして、それが実際の私どもの周知活動の真意というようなものではなくて、法律解釈の形式的な表現と御理解願いたいと思うんです。それで私どもは先ほども申しましたように公団家賃の改定は今回が初めてでございますから、公団創立以来満二十三年、正直に言ってうかつな話ではありますが、初めて行うので、初めて行われる方も気持ちはよくわかるわけであります。それで、それをいかに激変をしないような形で不均衡是正といいながら、とても一遍に不均衡など是正できるものではありませんから、今度のようないろいろと配慮をした案を実はつくって、国会でも御審議をいただき、建設大臣の御承認を得たわけでありまして、それを、趣旨を個々の居住者の方々にいかに理解していただくかということについては私ども非常に苦心をいたしたのであります。何回も何回も説明のペーパーを配り、自治協の方々がおいでになれば、もう本社でも支社でもいつでも責任者がお会いしてその趣旨を申し上げておる。それが先ほど全国で百四十回と、こういうことでございまして、今後も先ほど六項と七項という両方おっしゃいましたが、六項と七項、一部分重複しておるわけです。それを十分心得た上で私ども今後もこの努力を続け、皆さんにこのささやかな値上げの御理解をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○上田耕一郎君 この協議問題というのは非常に大事なんですね。皆さん方、個々の居住者にお配りになったと。なるほど、九回。パンフレットをお配りになり、それからはがきを一遍、十回出していますよ。これ、どのぐらい金かかったんですか。
○参考人(澤田悌君) ちょっといまその数字持っておりませんが、これは相当金をかけても御理解を願う手段としては努力すべきだと考えております。
○上田耕一郎君 私ももと常盤平団地に五年住んで、自治会の役員もやっておりましたし、団地の自治会というのは町内会と違ってというと町内会に悪いけれども、一部のと違って本当に民主的にみんなで選挙して、いわば代議制度というもののいいところをとって、もう本当に仕事もときには会社も休んでやっている人たちが多いんですね、そういう自治会なんですね。本当に民主的に行われているんです。この問題を本当に解決しようとしたら、一人一人の居住者にただ、こう九回も、いまどのぐらいかかったかわからぬと言われたけれども、相当かかっているだろうと思うんですよ。それだけまいて解決できない、そんなことでは。やっぱり、本当に自治会、自治協と本気で話し合いをするということが必要なんですよ。私は、それかやっぱり日本の民主主義のやり方として——もちろんそれだけじゃない、個々の居住者の声も聞くことが大事ですけれども、個々の声を聞き、同時に民主的に選ばれた代議制度のもとでできている自治会と本気で話し合うということが問題解決のために必要なんですね。皆さん方は、今度の値上げ運動というのは非常に執拗に行われてなんとか言われているけれども、自治会をいかに居住者の人たちが信頼しているかというのが自治会の呼びかけにこたえて、呼びかけというか、みんながつくった自治会としてこれだけ現行家賃の不払い者が三分の二も出ているということが示していると思うんです。だから、本当に自治協との話し合いが必要なんです。これまで共益費その他の問題の値上げのときには、いつも自治協の代表と細かい話し合いをして、うまく平和的に解決してきたじゃないですか。それなのに今度総裁がとにかく初めてだと、いままでなし崩しにすればよかったと大いに後悔されているようですけれども、初めてのことをやるのに自治協との本気の話し合いをやらないで、借家法に基づいてと言われるけれども、ちょっとお伺いしますけれども、あなた方も借家法認めておるでしょう。このナンバー五の五回目にあなた方がまかれた「居住者の皆様へ」というのには、ちゃんと借家法を認めていますよ。 それで、四月に渡されたこの通帳。この通帳には改定家賃の値上げの欄の下に空欄がちゃんとついていて、ここは自主記入欄だということになっておるでしょう。あなた方の説明のパンフレットにも、「現在の借家法では、通知された改定家賃額等について協議ととのわざるときは、さしあたって、従前の家賃額以上で相当と認める家賃を支払うことができることとなっておりますので、当公団としては、通帳の家賃欄を二段にしたものです。」ちゃんと周知徹底の努力を払っておられるわけだから、だから自治協が、そういう借家法をあなた方も認めておられる、またこの国会でも公団家賃というのは借家法に基づくという答弁があったわけですから、それに基づいて協議を積極的に申し込まれているのに、正式に総裁がそれにこたえて、本気で協議をしないと、それでここまでなってきた、その責任どう考えられますか。
○参考人(澤田悌君) いま通帳のお話がございました。公団としては争いのある問題についてきわめて民主的に対応した一つの例でございまして、新しい家賃で納めていただきたいが、異議があれば現家賃をお書きになってもこれはやむを得ないという形をとったのでありまして、それでもおわかりのように、私どもはできるだけ皆さんの御理解を得て、そしてこの案を実施に移したいと努力をいたしておるわけでございます。 自治協と話し合えというお話ですが、話し合うという言葉の意味がなかなかむずかしいのであります。平和時におきまして各団地の自治会と共益費とかいろいろお話しになっているようであります。今回の経過を見ますと、なかなかそうではないようでありまして、要するに集団闘争的な話し合い、団体協議だというようなことで、非常に公団が恐れをなしたようであります。
○上田耕一郎君 だれが、総裁がですか。
○参考人(澤田悌君) いえ、私はそうじゃありませんが。
○上田耕一郎君 じゃあひとつ協議に応じてください。
○参考人(澤田悌君) それで、本来これは非常に客観的な基準によって、団地ごとの事情というようなことではなしに家賃というものをはじきまして値上げを決めたもので、客観的な妥当性を持っておるものと私は考えておるのであります。これを集団交渉で協議をするというような性格のものではない。また、団体交渉で代表者と話し合っても、それは団体を構成する全体の人々に効力が及ぶといったような性格のものでもない。公団と居住者の方々の個人的契約の問題でございますから、最も迅速に公平に改定の趣旨をお伝えし、御判断を願うには、個々の契約者、これはりっぱな市民でありまして、個々の契約者の方々に書面によってお話しをする、そしてそれでなお疑問のある方は支社なり本社なり、いつでも責任者がお目にかかって御説明申し上げております。それから、それを自治協の方々が御指導になる場合にも、自治協の方々おいでになればいつでも先ほど申したようにお会いしておるわけであります。そういう方法もオープンにとっておるわけであります。これを団体交渉によって決めなきゃならないというようなものではない。また、それは不適当であると私は考えて、あらゆる手を尽くして努力中である、こういうことでございますので、御理解を願いたいと思うのであります。
○上田耕一郎君 どうもやっぱり労働組合を認めない経営者みたいな言い分をおやりになる。そういう態度では片がつかぬですよ。いまあなたが言われたこと、私非常に幾つかの問題があると思うのです。 今度の家賃というのは客観的妥当性があるとお配りになったパンフレットにいっぱい書いてありますけれども、たとえばここにこういうことが書いてある。国会の審議を踏まえ、建設大臣が承認したものであり、客観性、妥当性十分持ったものである。これは、私はこういうことを書くのはけしからぬと思うのですよ。読んだら知らない人はこう思いますよ、国会の審議を踏まえと、国会はこれでいいんだと、議会制民主主義でみんなが選んだ代表の国会が、国権の最高機関の国会が審議を踏まえて承認したんだと、それに基づいて建設大臣が決めたんだと、こういうふうに思わせようというパンフレットじゃないですか。私、建設委員としてこんなもの認められない。先ほどから議論になっているように、建設委員長の七項目の要望、十分行われていないじゃないですか。建設委員長、お認めになりますか、この国会審議を踏まえなんていうことを配っているのを。私は、ここは訂正の。パンフレットをぜひ周知徹底さしていただきたい、正しく、国会審議を踏まえなんて書かないで。 この書き方は、あなた方に正確に望みたいけれども、国会要望は一部しか取り入れずとか、たとえば私だったらこう書くけれども、訂正のパンフレットを周知徹底さしてください。けしからぬですよ、こんなこと。国会審議を踏まえなんて。
○参考人(澤田悌君) 御意見として伺いますが、われわれは国会を非常に尊重いたしたものですから、ああいう表現になった。しかも、大臣の御承認というのは、そういう国会の審議及び御要望を踏まえて——踏まえてという言葉の解釈は……
○上田耕一郎君 要望入っていないですよ。審議とは。
○参考人(澤田悌君) 審議は結局そういうことになると私は思いますが。
○上田耕一郎君 そうじゃない、七項目の要望きょうこれだけ問題になっている。
○参考人(澤田悌君) そういうことで、国会のそういうプロセスを尊重いたしましてそういうことを書いたのでありまして、こういうことでございますから御理解を願いたいということでございます。この点は決して他意はございませんので、御理解願いたいと思います。
○上田耕一郎君 もし本当に国会の要望を尊重するなら、国会の衆議院と参議院の七項目の要望を全部書いて、大分予算がおありのようだから、周知徹底させればいいじゃないですか、何にも書いてないじゃないですか。ただ国会の審議を踏まえと、国会はこれを承認したんだという形で全国三十六万の世帯にあなた方何回もまくんでしょう。 それで、先ほどあなたは平時の場合には自治協と話し合うと、福田首相みたいなこと言いなさんな、有事の場合と思っているんですか、いまは。そこがまずいんですよ、平時の場合には自治協と話し合って何でもやりましょう、いまや初めての家賃の値上げだから自治協とも話し合いをしない、労働組合を認めないみたいな、そういう頭でおやりになる。有時の戦闘だと思っているのです。あなたは。こういう姿勢で解決できますか。 このはがきにはこういうことが書いてある。「現在、一部誤解を招くような宣伝によって、従前の家賃を支払おうという運動が行われておりますので、」と、こう書いてある。一部誤解を招くような宣伝」というのは自治協のやっている宣伝がどこが誤解を招く宣伝ですか。はっきり答えてください。
○参考人(澤田悌君) 先ほどの平和時という言葉、これは誤解を生みますれば取り消しますけれども、平常の公団事務の運営におきまして、その自治会の居住者の方が組織した自治会にいろいろと御相談すると、これは従来もやっておりますし、今後もそうあるべきものだと思います。ただ、先ほど申しましたように、私がこの問題を手がけてみましたときの段階においてはなかなか激しい最中でございます。その意味のことをちょっと申した次第でございます。そういう意味におきまして、私どもは先ほどもるる申しましたように、それはもう個々の居住者との本当の理解を深めていくと、これは大事なお客さんと先ほど申しましたが、そのとおりでございまして、この理解を深め、話し合いをする方式について私どもはいろいろと苦心をいたしておるという点は御理解願いたいと思うのであります。
○上田耕一郎君 前に私がこの問題を取り上げたときに、長谷川建設大臣は、たな子と言えば子も同然だと、熊さん八つあんみたいなわけにはいかぬと言ったけれども、あなたの態度はどうも落語の大家さんより悪いですね。私の質問に答えてないじゃないですか。「現在、一部誤解を招くような宣伝によって、従前の家賃を支払おうという運動が行われておりますので、」と、どこが誤解を招く宣伝なんですか。
○参考人(有賀虎之進君) たとえば家賃は私たちが決めるものであると、こういうふうなビラとか、そういったものが配られておるわけでございますけれども、家賃は先生御承知のように、借家法におきましても家主が増額請求権というものがございますし、また私どもと個々の居住者との間の契約書におきましても、経済事情の変動とか、あるいは不均衡が生じた場合には、そういうふうな場合には公団が定めて家賃の請求ができると、そういうことが契約になっておるわけでございますので、全部居住者が何といいますか、家賃を決めるものだというふうなぐあいには仕組み上はなっていないわけでございます。たとえばそんなような点もありまして、そういうようなことについての照会が私もの方に電話とかいろんな点でございましたものですから、そういうふうなものもあると思って、そういうふうなぐあいのないように、私どもは何といいますか、正確な説明をしたいと、こういう趣旨でやったものでございます。
○上田耕一郎君 私は自治協の資料も大分いただいておりますけれども、自治協の資料で、家賃は私たちが決めるものだなんて、そんな単純なことを書いたのは一つもありませんよ。今度の現行払い家賃でもちゃんと借家法に基づいて、こういう従前の家賃額以上で相当と認める家賃を、これを払おうという運動をやっているんですよ。澤田総裁は、四月七日の参議院の決算委員会で、共産党の橋本委員の質問に答えて、この問題でこの「以上」のところですね、「従前の家賃額以上」、この「以上」の問題についてあなたはこう答えている。「「以上」でございますと、同じ額でも受け取ると、正確に言えばそうなります。」と、ちゃんとあなたは答えているんですよ。だから現行家賃は借家法どおり以上というのは入るんです。この線はね。現行家賃以上と言えば現行家賃は入る。あなたはそれを受け取ると、国会の参議院決算委員会であなたはちゃんと答えているじゃないですか。それで、だからまあ公団側が決めたと、しかし協議調って——協議も行われていない。それで借家法に基づいて居住者が自分で相当と認める家賃をいま払っているんですよね。それを私たちが勝手に決める、勝手に決めるということ、そんなことを自治協の資料でないですよ。あったら建設委員会にこれ出してください。なかったらこれ取り消してください。この一部誤解を招くような宣伝によって従前の家賃を支払う。それで、大臣、大臣ちょっとね、(笑声)これ大事なところなんだな。 平時じゃなくて有事だと思っていると、闘争的形で団体交渉をやってくる。そうすると、それに対応して一部誤解を招くような宣伝って、自分でやっているわけですよ。一部誤解を招くような宣伝を大いに戦闘的気構えで総裁がおまきになると、国会の審議を踏まえてと、国会で承認したかのような、これこそ誤解を招くインチキ宣伝だ。そういうインチキ宣伝を一方的にあなたはお配りになる。それで、有事で思い出しましたけれども奇襲攻撃ですよ。たとえばいやがらせがあるでしょう。家賃を改定額で払わない方にはアンペアの増量だとか、テラス住宅の増設だとか、そういうものは認めない。あれは奇襲攻撃ですよ。ああいうやり方をしていやがらせをね。大臣ね、こういうふうになってきてああいういやがらせですね。家賃を払わない人には、仕返しとしてああいうことをやるというようなやり方は私は許せないと思うんだけれども、指導監督の任に当たっている建設省として、ああいういやがらせこのままにしておくおつもりですか。どういう指導をおやりになるつもりですか。
○政府委員(救仁郷斉君) 詳しくは公団から説明すると思いますが、やはりアンペアの増量には従来の家賃の改定が必要でございます。したがいまして、従来の家賃そのものに協議が調っていない段階でアンペアの増量をして家賃改定をするということは、事実上契約の変更ということは不可能ではないかというように考えます。したがって、形式論から言えばやはりそういった家賃の新しい改定ができないということになりますと、やはり公団としてそういった工事ができないということになるんじゃないかというように考えております。
○上田耕一郎君 住宅変更の申し込み問題の拒否はどうですか。
○政府委員(救仁郷斉君) 住宅変更につきましても、過去の現在いままで住んでおられた住宅の家賃について協議が調っていないということになりますと、それをおいて新たな契約を結ぶということについては、これは事務手続上やはり問題があるんじゃないかというように考えております。
○上田耕一郎君 つまり、建設省が後押ししているいやがらせだということがいまの答弁で大体わかってきましたね。建設省は承認していると、ああいうやり方でいやがらせをやって少しでも二十万戸を減らしていこうと、どのくらい効果があるかどうかひとつ見てみようということでおやりになっていると思うんですね。だから、公団側の姿勢がこの問題を本気で解決しようということがないだけでなくて、どうも救仁郷さんの姿勢にもやっぱり共通の姿勢があるというふうに思う。私はいまのいやがらせはまさに奇襲だと思いますけれども、さらに問題なのはやっぱり裁判ですね。先ほどこの現行払いの運動についてやりましたが、いまの現行払いの運動というのは不払いですか、あなた方どう思っていますか。
○参考人(澤田悌君) 値上げ部分の不払いでございます。
○上田耕一郎君 ここには今度は福田首相の問題が出てくるわけです。先ほどもちょっと問題になりましたが、質問したのは私なんですね。私が代表質問で自治協との協議をやれと、そういうことを言った。それで一方的に値上げを通知して、しかも大量裁判やれるかと、そうじゃなくて、本当に協議をしろと言った。そうしたら福田首相どういう答えしたかといいますと、どうかひとつ、共産党の皆さんにおかれましても事態を御理解賜りまして、御協力くださるようお願い申し上げますと。私ども、一生懸命協力している。それでぜひ円満に事態を収拾したいと思っております。皆さんの協力のもとに。万々一と、どうしても不払いだというような人が出てくれば、これは裁判に訴えるほかはないと。この国会で万々一とか万万万一とか有事立法問題で大分出ました。有事というのは万々一だというふうに福田さん言われていましたけれども、これだから今度それでこの万々一の場合の裁判、万々一の場合の有事立法、同じようなやっぱり発想なんだな。それで、先ほどあなたいま平時じゃないというふうに言われた。それで、万々一の場合に今度は裁判、これはまさに有事立法的対応ですよ、あなた方の考え方は。そういう有事立法的な強硬姿勢の対応をやって問題が解決するとあなた方は本気でお思いになっているんですか。それで、まあ裁判問題一つ出ましたのでちょっと質問しておきたいんですけれども、どういう裁判をおやりになるつもりなんですか。この不足家賃の請求訴訟なのか、それとも家賃の額の確定を求める裁判ですか。
○参考人(有賀虎之進君) 私どもが最初にやる裁判は、先生後の方でおっしゃいましたように、この増額分ですね。増額した家賃についての、家賃の増額確認訴訟でございます。
○上田耕一郎君 しかし、増額が確認されたとしても、借家法に基づいて一人一人が払っているんですからね。あなた方借家法に基づいて、だから住宅自治協とは話し合ってもだめだというなら、一人一人とやらなきやならぬ。そうしたら払ってもらうのに、また一人一人に払ってもらうためには個々人の裁判をまたやらなければいけないのじゃないですか。
○参考人(澤田悌君) どういう時期にどういう相手に、どういう裁判をやるか、これはこれからの問題で、まだお答えできる段階に至っておりません。
○上田耕一郎君 澤田総裁は、先ほど触れました四月七日の参議院決算委員会では、将来裁判、法的手続をとろうとしているんじゃないかというあれに対して、通帳に欄が二つあることを聞かれたときに、これはそういう法的手続をとろうという「予告だという感じでは実はないような気持ちを持っておる次第でございます。」と、非常にやわらかな答弁をことしの四月にはおっしゃっていた。だから、大体法的手続をとろうという、そういう予告じゃないのだ、法的手続をとるつもりはないのだぞという答弁、これが四月でございます。 ところが、それがだんだんやっぱりエスカレートしていくのですね。六月にあなた方が配られた五番目のパンフレットには、こういう法的措置の問題について、「このような事態を望むものではなく、」という言い方を六月段階では言われていた。ところが、いよいよ値上げの九月になりますと、九番目の。パンフレット並びにはがきです。「不本意ながら法的措置をとらざるを得なくなる」と、だんだんだんだんエスカレートをしていくんですね。 それで、いまの答弁でも、結局家賃額の確定の裁判をまずおやりになろうという。家賃額の確定でも大変ですよ。これは同一団地、年代、型別で、サンプルでやることになるでしょう。全国で千九百四あるそうですね、そういうタイプがね。だから、家賃額の確定をきちんとおやりになろうとしてもなかなか大変なんです。しかも、家賃額が確定したとしても、本当に払わせようと思ったら、万々一の場合のように払わせようと思ったら、個々人の裁判が要るのです。大量のマンモス裁判ですよ。全国に裁判官どのぐらいいると思いますか。三千人ぐらい。できやしないですよ、そんなこと。それで、だからおどかしなんですよ。だんだんだんだんエスカレートして、最初は、そういう感じはございません。そのうち、望んではおりませんが、そのうち、やむを得ずやるぞという言い方で、不本意ながらとらざるを得なくなるというふうにおどかしがエスカレートしてくるんですね。そういうやり方でこの問題は本当に解決するかどうか、これはもうぼくは明白だと思うんです。 それで、私最初に指摘しましたように、家賃問題というのは国の住宅政策の問題ですよ。国の住宅政策から生まれている。だから建設委員会でもこれだけ問題にしているのでしょう。それを司法権力に頼んで決めてもらおうと、そういうやり方でやるつもりですか。ひとつ大臣どうですか。こういう公団家賃、三十六万対象の公団家賃というのは住宅政策の問題でしょう。それを司法権力に決めてもらおうと、どのくらいの家賃が正しいかを。裁判官がいろいろ勉強して、これから千九百四のタイプについて、このタイプとこの年代では幾らがいいというふうに裁判官を悩ませて、それで決まったらそれでいいんですか。国の住宅政策どこに行きますか。その責任を持っている建設大臣、どういう責任をとりますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 上田委員の御所見はしばしば承っておるわけであります。 私の感じますのは、家賃の値上げ申請、その値上げ申請については、衆参で各委員の皆さん方にいろいろと御検討をいただき、御意見も徴して、そして二月の二十七日にこれが承認をする。それについては、皆さん方からこういう決議をつけて、建設省がそういうことで承認をするというのであれば、この決議をよく踏まえてやれと、こういうことであったと思うのです。そうすると、それから九月一日の実施までに六カ月、半年経過しているわけです。 それから私が建設大臣になった当時に、すでにこの問題があって、それで非常にたくさんな陳情書もちょうだいし、また各党の皆さん方から御要請も聞き、また委員会を通じて承認の段階まで来たわけで、私は率直に言って、これだけの経緯があって、住宅公団の家賃値上げの趣旨というものが、これが徹底しておらない、いろんな疑問点が残されておるというふうに、私はそういうふうには受けとめておらないんですね。それはちょうだいした文書、これは多いときには自動車いっぱいお持ち願ったりして——ただ残念なことには、そのときどきに内容が変わってはおりましたが、大体みんな同じことを書かれてきておる。その辺は私としては、せっかく御陳情されるのにどうも何か画一的なことだなあというようなふうに思いましたが、要するに、私は現在いろいろ問題があるということにどうしてあるのかなあ。これだけの時間、それで、これだけ家へ入っておられる方もいろいろと陳情もされた、報道もされた、しかしなおわからないのだというところに私は疑問があるわけでございます。 それからなお、決議について私なりに見ると、それは全部完全に履行しておりますなんということは私ももちろん思っておりません。しかし、これからの住宅公団の経営の上にかかわるもの、それから当面のものというふうに仕分けして考えてまいりますと、決議の御趣旨については、大体その線に沿って動きつつあると、こういうふうに理解をしておるわけでございまして、そういうことから、でき得べくんば、いまのような状況というものが速やかに解決をするようにいたしたいと、こう思います。
○上田耕一郎君 私は、もうだれが考えても、ここまできたらもう政治問題で、本当に政治的に解決する、この点で国会と政府は——特に建設省ですね、建設省と国会とは非常に大きな責任を持っておると思う。これは公団総裁に任せておいてもどうもこれはなかなか解決しそうにないところにきていると思うのですね。もしそれはおどかしで裁判にしたとしても、これもまた要望に反することになってしまうのです。裁判官が全部相談しませんからね。それぞれの裁判官がいろいろな値段を出してごらんなさいよ。これは建設委員会の要望の第一項目に、「それまでは、公団の現行家賃制度を逸脱しないように努めるべきである。」と書いてあるのだから、これは家賃が東西南北、年度において、裁判所においてばらばらになってしまったら、これはもう現行制度を守るどころか、もうとんでもない逸脱になってしまうわけでしょう。だから、そういう点でそういうふうなことでやるのじゃなくて、やはりどうしても協議で解決するということ以外にないと思うのです。 それで、この自治協の人たちとぜひ大臣も話し合っていただきたいのですけれども、自治協の人たちは、私どもにきた文書でも、「値上げ絶対反対ではないということを重ねて表明する」と。で、「公団の値上げ理由のひとつでもある「建設年度の古い住宅に必要な維持管理費の確保が困難となってきている。」こともあり、その困難な現状を示されれば、これについては協議に応じたい」と言っているのですよ。初年度百七十億のうち維持管理費に百四十億回すのでしょう。均衡に回すのはたった三十億円でしょう。だから、公団側が言う値上げ分でも、かなりの部分を占めている維持管理費の確保、これは変動部分とよく言われているけれども、インフレで上がった部分については、これはひとつ協議に応じようということを自治協側は言っているのですよ。ぼくはきわめて物のわかった態度だと思うのですね。こういうことがあるのになんで協議に応じないのかと思うのです。協議の仕方についても、団地ごとの話し合いが最良ですけれども、これが無理とするならば、都府県別団地代表、建築年度ごとの代表、各団地代表などが考えられますが、現状に即した対応をしたいと思いますということまで言われているんです。現状に即した対応を自治協としては話し合いの形についてもやろう、いわゆる値上げの中身についても、維持管理費問題についてはこれが大部分でしょう。それについて納得のいく話し合いに応ずるという態度を示している。それを一切応じない。借家法を認めておりながら応じない。それで、いまや平時でない、有事だというのでインチキ宣伝をあなたがたがまいて、そして執拗に運動が繰り返されているなんてことをパンフレットでまいてけりがつくと思いますか、いまの民主主義の世の中で。私は絶対こういうやり方じゃけりがつかないと思う。それで協議してもらいたいというのは委員長要望の第七項目にあるわけですよ。民主的な話し合いでやってほしいという要望なんです。結局ここですよ。本当にここを本気で建設大臣もお考えになると、そういう点で指導をされるということでなければ、いま日本じゅうで大政治問題になろうとしている問題解決はできない。大臣いかがですか。この自治協と公団側との協議について、こういう自治協の姿勢をよく評価して、あっせんの労をとることを検討されるというお考えありませんか。
○政府委員(救仁郷斉君) 当然、そういった自治協に限らずいろんな方々の、入居者の方々の御意見を聞くということは当然のことでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、終局的には、これは団体との協議というような性格でなくて、契約は個人個人の方々との契約でございます。したがって、団体交渉というようなことで解決すべき問題ではなく、むしろ御意見を聞き、こちらの言っていることも十分御納得いただくというような話し合いは、これはもう当然続けるべきだと思います。そういったことで住宅公団を指導してまいりたいと思います。
○上田耕一郎君 ちょっと時間が過ぎましたが、ちょっとあと二、三分。 だから救仁郷さんぼくはもういいと言ったんですよ。団体は認めない、一人一人と。そういうのを切り崩しって言うんですよ。だから大臣、こういう状況になって、本当に協議のあっせんの労をとるという問題を検討する余地がないのかどうか、大臣のお考えを述べていただきたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 検討の余地があるとかないとかということよりも、いま、せっかく住宅公団総裁以下挙げて努力をしておる。また、現に住宅局長も先ほど来の御質問にお答えしておるような所見を持って、そういう立場で御相談に応じておるところでありますから、私としてはもうしばらく推移を見ておきたいと思います。
○上田耕一郎君 最後です。 やっぱりこういう状況ですので、国会の建設委員会がひとつ乗り出さなければならないというふうになっているように私は思います。こういう状況で本当に協議で解決するという道がぼくは大きく開けていると思うのに大臣もああいう答弁をするわけですから、二月にこの建設委員長要望を行った当建設委員会として、特に七項目の民主的な話し合い問題が入っておりますので、私は委員長にもう一度、たとえば閉会中でもこの問題での集中審議を建設委員会でやるということを要望したい。 それからもう一つは、これは将来の家賃制度の問題もありますので、将来の家賃制度の問題など、こういう公団住宅家賃の決定の方式あるいはルールですね、こういう問題を小委員会を設置することを含めて何らかの措置をこの建設委員会としてもとっていただきたい。この二つを委員長に要望いたします。 それからもう一点は、先ほど有賀理事が、家賃は私たちで決めるという自治協のビラその他がある、これが一部誤解を招く宣伝だというふうに言われたので、そういうビラを公団の責任で当建設委員会に提出していただきたい。 以上三点要望いたします。委員長よろしくお聞き願います。
○委員長(安永英雄君) 委員長に対する要望でありますが、要望として承っておきます。
○上田耕一郎君 委員長、理事会でもひとつ協議していただきたいと思いますが……。
○委員長(安永英雄君) そうであればちょっと申し上げますが、動議ですか、いまの。要求ですか。
○上田耕一郎君 委員長に対する要望です。
○委員長(安永英雄君) 要望でしょう。だから要望は要望として承ります。
○上田耕一郎君 はい。 以上で終わります。
○委員長(安永英雄君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会 —————・—————