決算委員会 第1号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/09/27
会議録
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として吉田正雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承任要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十年度決算外二件を議題といたします。 本日は、総理府のうち環境庁及び厚生省と、それに関係する医療金融公庫、環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(寺田熊雄君) 質疑通告のない北川医療金融公庫総裁は退席していただいて結構です。 なお、山田環境庁長官及び坂元環境衛生金融公庫理事長は、後刻再び御出席願うこととし、一時退席していただいて結構です。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 厚生省関係についてお伺いをしますが、基本的あるいは抜本的な医療制度、医療体制の問題はまた別の機会に譲るとしまして、当面の問題についてお伺いするわけですが、最初に、社労委員会におきまして来年度身体障害者などの実態調査を行いたいということが明らかにされております。厚生省当局がお持ちのいわゆる身体障害者などの調査資料というのはかなり古いものでありまして、私どもが見ましたところ、昭和四十五年とかあるいは昭和四十六年のものが基礎になって立てられているわけです。豊かな医療とかあるいは福祉国家という、そういううたい文句から言いますと、いささか貧弱ではないかというふうに思いますが、実態調査を決意されたということはいいことだと思います。しかし、過去にも例があるわけですが、すでに一部の身障者グループの中には、過去の例に照らして反対という意思表示をしているところもあるわけです。相当慎重に対応しなければならないと思うんです。したがって、来年度の調査の準備あるいは計画についてまず最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) ただいま先生から御指摘ございましたように、私ども身体障害者の実態調査を実施いたしましたのは四十五年でございます。したがいまして、今日時点から見ますと、御指摘のように非常に古い資料しかないわけでございます。しかも、最近の社会情勢から見ましても、身体障害者に対します関心というものも非常に高まっておりますし、私どもといたしましては、身体障害者の実態なりあるいはニードというものを的確に把握いたしまして、今後の身体障害者福祉対策の推進という面の基礎資料といたしましてはどうしても新しい資料というものが必要であろうというようなことから、来年度身体障害者実態調査を実施いたしたいという考え方で大蔵省に対します要求を行っているというような次第でございます。
○穐山篤君 大づかみなところはわかったんですけれども、これは慎重を期さなければならないし、関係諸団体の十分な協力を得なきやならぬ非常にむずかしい問題だと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(八木哲夫君) 確かに御指摘のように、昭和五十年に実はこの調査を実施いたそうとしたわけでございます。しかし、五年ごとに従来から調査を実施しておりますので、四十五年の次が五十年ということで、五十年の調査の実施を計画したわけでございますけれども、その際に、精神薄弱者実態調査もあわせて実施するということもございまして、一部障害者団体等から反対の御意見がいろいろ出たわけでございます。 五十年の調査の実施に当たりましては、用語に不適切な面があったというようなこと、あるいは身体障害者の一部の団体から言われましたように、調査の目的が障害者を施設に隔離することをねらいにしているのじゃないかと、あるいは障害者の意見というものが十分反映されておらないというような反対等もございまして、一部の地域におきまして調査が実施できなかったというような経緯もあるわけでございます。したがいまして、来年度の予算に当たりましてこれが予算が実現したという際には、前回の経験というものも十分生かしまして、さらに身体障害者関係の諸団体の御意見というものも十分聞きました上で慎重に調査を実施いたしたいというふうに考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、四十五年の資料しかないということは残念なことでございますので、関係者の御意見というものを十分反映しまして調査を実施いたしたいというふうに考えている次第でございます。
○穐山篤君 いま指摘をされておりますように、来年度予定の実態調査というのは、身体障害者というふうに一定の範囲というものが限定をされているような感じがするわけですが、身体障害者の実態を正確に掌握して対策を立てるというのはこれ当然なことだと思いますが、しかし、現実に障害の関係は何も身体障害者というだけにとどまらず、御案内のとおり難病などを含めて非常に広範囲にわたっているわけですね。したがって、本来ならばすべての障害について厚生省がきちっと現実を把握するということが医療の出発点にならなきやならぬというふうに思いますが、その意味で言いますと、限定された調査対象というふうに言わざるを得ないと思うんですが、身体障害者以外の難病その他のものについての実情調査あるいは実態の把握というものについてはどういうふうに考えられているんですか。
○政府委員(八木哲夫君) 私ども来年の調査で実施いたしたいのは、身体障害者関係の福祉行政につきましての今後の施策の基礎にいたしたいということでございますので、障害原因のいかんを問わず、身体障害者福祉法に定めます障害程度に該当するという方々につきましては調査の対象にいたしているわけでございます。したがいまして、難病患者等につきましても症状がもう固定しておりまして、しかも永続性があるということで身体障害者福祉法の別表に該当される方は調査の対象になるわけでございますけれども、それ以外の方々について、身体障害者の実態調査という範囲内の調査ではなかなかむずかしいのではないかというふうに考えている次第でございます。
○穐山篤君 まあ、準備の体制の問題とか、あるいは費用の状態とか、いろいろなことがあって、一定の別表で示されているものであることは承知しますが、総理大臣も指摘しておりますように、これからは教育だとか医療というふうにかなり力こぶを入れているわけですね。それにふさわしいように、可能な限り早くその他の問題についても手をつけるように十分省内で検討していただきたい、このことを一つ確認をしておきたいと思うんです。 さて、次に具体的な問題でお伺いするわけですが、余り世間では名の売れていない病名ですが、ナルコレプシーという問題について具体的にお伺いしたいと思うんです。 私どもの調べあるいは関係者からのお話を聞きましても、ナルコレプシーというものの対策あるいは対応については非常に不十分だというふうに考えます。現にこのナルコレプシーにつきましては推定で何千人いるとかという問題についても、当の厚生省自身も把握をされていないのではないかというふうに思います。ヨーロッパの例から考えてみまして、日本でも推定三万人前後いるのではないかというふうに考えられるわけですが、まあ患者の量的な問題はともかくとしまして、ナルコレプシーの問題についてはある意味で言えば医療の谷間になっているというふうに感ずるわけです。 さて、このナルコレプシー——居眠り病につきましては、厚生省で難病に指定をするのか、あるいは精神科に該当するのか、なかなか学説も非常にむずかしいと思うのです。率直に申し上げて、これがどちらの科に属するかによってもいろいろな対策、対応が変わってくるというふうに思うわけですが、まず最初に、このナルコレプシーというのは難病のグループに入るのでしょうか、それとも精神関係のグループに入ったものなんでしょうか、その点からひとつお伺いします。
○政府委員(田中明夫君) ただいま御質問の点につきまして、現在厚生省といたしましては、ナルコレプシーの医療を通院医療費の公費負担というような精神衛生対策の中で行っておるわけでございます。
○穐山篤君 過去の厚生省の対応としては、難病ともつかず、精神衛生科ともつかず、やや取り扱いに苦慮されていたようなんですが、これはいずれ論争になるとは思いますけれども、私どもが関係者から聞いている限りでは、難病という立場で国がその対策、措置を十分に考えるべきだという強い意見があるわけです。これは単に患者のみならず、関係の医師からもそういう強い発言があります。この点はいずれ大いに議論をされなければならない問題だというふうに思います。 さてそこで、このナルコレプシーというのは、学会なんかの研究資料あるいはアメリカにしろイギリス、スウェーデンなんかの資料を見ましても、かなり若い時代に発病するということが一般的な通説となっているわけですね。日本の場合でも十歳代に集中しているというふうに言われております。ですから、学校で申し上げますと、中学生から高校の初期が一番発病が多い、しかし、患者としては十歳代から六十何歳ぐらいまであると、非常に広範囲のもののように資料の上では明らかになっています。 ただ、これも学校医に若干伺ったわけですけれども、あの子供はよく居眠りをしているということはわかりますけれども、おまえもっと緊張しろというふうな一言で片づけられているわけですね。ですからわからないんです。潜伏期間も長いわけですけれども、さて学校を卒業して社会に出る、その社会に出て車の運転をする、あるいはバスやトラックの運転手になる、国鉄の電車の運転士になる、あるいは会社でオートメーション化された機器の取り扱いを担当するということになって初めてこのナルコレプシー患者——患者といいますか、症状というものが社会になじまない、社会の機能に対応できないということでびっくりして専門医の門をたたいて、初めて慢性的なナルコレプシーというものだということを指摘をされて偶然とするという状況に現実にはあるわけですね。国会議員の中にもしばしばそういう人も見受けられるんですけれども、まあそのことは別にしましても、そういう意味でいきますと、結核でも何でもそうなんですけれども、早期発見、早期治療というのが何といっても重要だし、また予防対策というのが医療のスタートだというふうに思うわけですね。最近結核の問題についても事例がはっきりしておりますね。罹病者が少なくなる、死亡者が少なくなる、したがって、学校におきます結核の診療定期検査というものの回数が下がってくる。これはある意味では適切なやり方だ、合理的なやり方だと思うんです。 さて、その裏返しで、このナルコレプシーの発病というのがほとんど集中的に中学校あるいは高校の初期ということが明白になっているわけです。これは地域的に、たとえば佐賀県とか山梨県のどこどこというふうに地域によっていろいろな病気が発見される、あるいは罹病者が比較的多数発生をするというふうなところでは、学校当局もあるいは保健医自身も、そういうことを十分に念頭に入れながら方針的に集中的にそれに対応しているわけですね。そういう意味でいきますと、このナルコレプシーという問題については、小学校、中学校、高校段階における早期発見、予防というものが非常に大切だと思うんです。これは後ほども申し上げますけれども、ナルコレプシーということが御本人にはわからず交通事故を起こした例が再三あるわけですね。職業運転手の中にもあるわけです。車社会の中を考えてみますと、どうしてもこれは早期発見という立場で、学校当局あるいは学校医の協力というものがなければ発見というのは非常にむずかしい、あるいは対策が後手に回るということが明らかになっているわけです。 そういうことを含めまして、文部省としては、ナルコレプシーにかかわらず、その他の問題を含めてどういう方針を今日までとられてきたのか。いま私の指摘を聞きまして、どういうふうなことを考えたならばこの文明社会に十分機能ができる人間をつくることができるかということについて、ひとつはっきりしてもらいたいと思います。
○説明員(島田治君) まず、学校における健康診断のことから申し上げたいと存じますが、小中高を通じまして、学校では就学時のほかに、毎学年年度初めに健康診断を行っておるわけでございます。これはもちろん身長、体重というだけの問題ではございませんで、栄養状態、脊柱、胸郭の疾病・異常の有無、視力、色覚、聴力、眼の疾病、耳鼻咽頭疾患、歯、口腔、結核の有無、心臓の疾病・異常の有無、尿、寄生虫卵の有無、その他の諸疾病というようなことで、先生御指摘の、学校医の先生にもお願いをして総合的な健康診断を行っていくと、こういうことをしておりますし、また全体の流れといたしまして、最近特に注意を要する疾病、たとえば尿の検査なども、実は来年度からは全学年実施しようというようなことにもしておるわけでございます。尿検とかあるいは心臓の関係、あるいは肥満児の問題等々、病気の実態に応じた対策を、健康診断のあり方をやっておるわけでございます。 その診断で見つかりました問題につきましては、事後措置といたしまして、予防措置を学校医の先生にお願いして講じたり、あるいは治療の指示、指導というようなことで進めておるわけでございます。 先生御指摘のナルコレプシーにつきましては、実はいままでのところ、私どもの聞く限りではの話でございますが、学校現場からこの問題でもって事故が起こったというようなあたりの報告あるいは問題提供というようなのを私どもも受けてなかったわけでございますが、先生御指摘のとおり、この病気につきましては、普通の人の居眠りと、あるいはテレビを見過ぎたりなんかした場合の問題となかなか見分けがつきにくいという点もございます。それから、原因もいろいろ説があるようでございます。そういう病気でございますが、学校の授業中によく居眠りをする子供というのには、もちろん教育的観点からの生活指導その他の問題もあるわけでございます。私どもとして、学校現場でやにわにこの子供がそういう病気じゃないかというような決めつけ方をするのもまた問題もあろうかと思うわけでございますけれども、先生の御指摘の御趣旨を十分踏まえまして、学校におけるナルコレプシーの子供についての健康診断の際等、その他の指導についての啓発の仕方といいますか、念頭にどう先生方に持っていてもらうか、学校医の先生方の集まりあたりにもよく御相談申し上げて、よく勉強させていただきたいと、こう思っておるわけでございます。
○穐山篤君 いま文部省言われますように、いまのところ問題点は発生していないということなんですが、結局、失礼な言い方かもしれませんけれども、学校の先生あるいは学校医というものが、授業中に居眠りをしているということについて、もっとしっかりしろという、そういう激励はやりますけれども、根本的な追及というものはやっていないわけですね。ですから、その結果どうしても学力が落ちるということははっきりしている、子供が劣等感を持っている。ですから、非常に学力でアンバランスが生じる、こういう結果が現実に、たくさん例があるわけじゃありませんけれども、あるわけですね。あるいは、これまた言い過ぎかもしれませんけれども、要員の問題やあるいは診療の時間などの関係で、学校医が、お医者さんがそのところまで十分な知識を持っていないんじゃないか。これは具体的な例があるんです。てんかんという診断を受けて、てんかんの処置をされた。ところが、別に専門医に診てもらったところナルコレプシーである、こういうことが二、三例があるわけですね。 したがって、私は文部省あるいは厚生省は十分に協議をされて、これから社会を担っていくそういった中学、高校生の予防の問題についてもっともっと明確な指導方針を出すべきじゃないかというふうに考えます。非常にこれは専門的であるし、なかなかむずかしい問題ですから、私は直ちにきょう答えをもらおうとは思いませんけれども、十分その点はいま申し上げたことを踏まえて研究をしてみてもらいたいと思うんです。いずれ、社労委員会などの場面でその後の対応について改めてお伺いをすることがあると思いますけれども、きょうのところは問題点の指摘というところで終わっておきたいというふうに思います。 さて、このナルコレプシーにつきましては、手術をして治すというふうなことはいままでのところ例がほとんどない、もっぱら医者と薬で、おんぶでだっこで一生経過をするという意味では、この薬の評価、薬の安定的な供給あるいは価格の問題というのは、患者自身にとりましてもあるいは医者当人にとりましても非常に重要な問題だと思うんですね。この薬につきましては、刺激剤と調整剤と二通り世に出ているわけでありますけれども、この中でベタナミンという精神刺激剤につきましては製造中止になっているわけですね。しかし、このナルコレプシーというのは個人個人によってかなり症状が違います。だから、たとえばリタリンだけを投薬して、それで一応社会的な機能を果たせる人もあるだろうし、あるいは調整剤を調整をして、二種合わせてそれで患者に与えているというものもありまして、非常に複雑だと思うんですね。一番このベタナミンというものが、相当の患者数から、製造中止になったことについて厳しい注文があるわけです。この製造中止になったベタナミンにつきまして、これからどういうふうになされるのか。言いかえてみれば、私は公式にベタナミンというものが薬事審議会の審議を得て、できるだけ早く世間一般の公式な薬として患者に渡される、それも安定的に供給をしてほしいというふうに考えるわけです。また、その他の薬についてもそうでありますが、わりあいにコストの高い薬だとそれぞれ聞いているわけです。そのために製薬会社の方としては、経営上の立場から言えば、コストの高いものについて、売れ行きの悪いと言っちゃ語弊がありますけれども、そういうものについてつくりたくないと、こういう気持ちもわからぬわけじゃないですけれども、いま薬の問題については内外で非常に大きく議論をされているところです。とりあえずこのベタナミンの問題について、厚生省としてはどんなふうにお考えですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 ナルコレプシーのための医薬品といたしましては、先生御指摘のとおりに、リタリンとかあるいは通常覚せい剤と言われておりますヒロポンと並びましてベタナミン、これは三和化学というメーカーが製造している医薬品でございますけれども、これが症状の程度によりまして非常に有効であるというふうにされていることは承知しておるところでございます。 本来、このベタナミンにつきましては、薬効といたしましては、薬の効果といたしましては、うつ病、抑うつ神経症を適応症として製造承認を得ました医薬品でございまして、御承知のように、医薬品につきましては、四十二年以前に製造承認をされました医薬品について系統的に再評価の作業を進行されてまいったところでございます。で、この薬効再評価を受けない、対象品目として指定されながら受けないという場合には、いわば扱いとしては、今後その製造承認を辞退をする、あるいは製造中止をするという含みの話になるわけでございまして、このベタナミンにつきましては、三和化学株式会社が今後製造する意思がないということを一たん表明をしたという経緯がございます。しかしながら、本来のこの適応症としてのうつ病等以外に、ナルコレプシーのための有効な医薬品としての御要望が、専門の治療に当たっておられる病院あるいはその医学関係者の方から御要望がございまして、厚生省といたしましては、このナルコレプシーのための有効な薬という薬効を追加をいたしまして、今後このベタナミンの製造をさらに続け、安定的な供給が行われるように三和化学に対して指導するということにいたしております。 現在時点におきましては、なおこのベタナミンにつきましては現物があるわけでございまして、必要に応じてこの薬は現状といたしましては供給をされているという状況でございます。将来の問題といたしましては、先生の御指摘のとおりに、正規にナルコレプシーを適応症として製造販売が行われるように三和化学を指導してまいりたいと、かように考えております。 なおつけ加えますると、このナルコレプシーの薬は、一般的に覚せい剤系統の薬効を持ったものでございまして、その覚せい剤と似たような乱用の危険も多少なきにしもあらずという点がございます。そのために、いわばナルコレプシーの治療体制の確立ということの前提といたしまして、その薬が適正に、何と申しますか、販売され施用されるという体制が望ましいわけでございまして、メーカー側のこの種の薬に対するいわば消極的な態度の裏には、そのような乱用の危険ということに対する危惧の念も多少あるように考えております。この点も含めまして、われわれとしては問題の解決、事態の改善に努力をいたしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○穐山篤君 確認しますが、そうしますと、ベタナミンというのはいずれ保険基準に照らして公式に出すと、しかし、その間暫定的に現実的には使用されていることを認めるということでいいですね。
○政府委員(中野徹雄君) そのとおりでございます。
○穐山篤君 さて私が冒頭に、精神衛生科の問題であるのかあるいは難病であるのかという問題をちょっと指摘をしたわけですが、御案内のとおり、このナルコレプシーについて、専門的にチームを組み、あるいは患者に対して生活指導を含めて対応しているのは東大病院だというふうに私どもは見るわけです。言ってみれば日本でたった一つの医療機関、医療場所だというふうに言ってみても過言ではないと思うんですね。 私は先ほど指摘をしましたが、これは病院の名前は申し上げませんけれども、ある病院でこの患者を診断をした結果、てんかんであると、こういう診断を受けた。しかし、本人はどうしても納得がいかないということで、東大病院の診断を受けたわけです。その結果、これは明らかに、脳波試験その他から見てもあるいは症状から見てもナルコレプシーだというふうに指摘をした。しかし、わざわざ汽車賃を四千円も五千円も出して東京に毎月来るわけにいかない。そこで東大病院の診断の結果あるいはこれからの投薬の薬などについて、添え書きをしてその病院に帰したわけですが、出先の医者は私の診断に間違いないと、てんかんと言って取り合わないわけですね。それでだれが一番被害を受けるかというと、当の患者自身、あるいはその家族、あるいは時によっては企業になるわけです。 そういう立場でいきますと、専門医が全国に数多くあるということが望ましいわけですけれども、なかなかこれがそういう状況にないわけですね。で、御案内のとおり、理屈の上から言えばリタリンにしろあるいはベタナミンにしろ、カロファンにしてみても、その症状に合った薬をもらう。理屈の上では二週間分しかくれない。そうしますと、その患者自身の立場になってみますと、秋田から来るとか、あるいは熊本から来るという、再三来るというわけにいかないと思うんですね。これは経済的な理由、その他の理由を含めて大変患者自身としては大きな負担、犠牲を負うわけです。それと同時に、先ほども指摘をしましたように、もっぱら薬が非常に大切でありまして、手術をして治すというところまで研究が開発されていない弱さもあるわけですね。そうしますと、患者の立場から言いますと、北海道の病院にかかりたいと言ってみても、やっぱり患者自身が、あるいは家族自身が安心するためには東大まで出てこなきやならないという、そういう悩み、問題点があるわけです。しかし、それでもあるからこのナルコレプシーについては一応の対応ができている、幸いにできているわけです。その意味で、東大の精神衛生科というのは私は貴重な存在だと思うのです。 そこでお伺いをしたいと思いますのは、一番ベターな方法としては、難病なり何なり、法律の上であるいは別表の上で指定をされるということが一番望ましいわけですけれども、いままで取り扱いの科が何になるかがはっきりしないような状況の中ですから、とりあえずの措置としては、たとえば調査研究のチームの中に入れる、あるいはまあもう一歩前に出て、今度は治療研究のグループの中にナルコレプシーを入れてもらうということにはならぬでしょうか。そのものずばりでお伺いします。
○政府委員(田中明夫君) 先ほども申し上げましたように、現在厚生省といたしましては、ナルコレプシーを精神病の一つというふうに考えて、精神衛生対策の中でその医療等を対処しているところなんでございます。したがいまして、ただいま御質問に点に関しましては、御案内のように難病のうち、いわゆる特定疾患ということで取り上げております疾病は、原因不明、治療方法が未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病ということになっておりまして、確かにナルコレプシーは原因不明のものが多く、また治療方法は現在のところもっぱら対症療法ということになるわけでございますが、この特定疾患として取り上げる疾病といたしまして、さらに条件がございまして、すでに別個の対策が行われている成人病、精神障害等については特定疾患対策の対象から除外するというふうに決められておりますので、現在ナルコレプシーにつきましては精神病対策の一環として厚生省は取り扱っておりまして、難病の特定疾患として取り扱うというふうには考えてないわけでございます。
○穐山篤君 確かに特定疾患としての定義があることは十分承知をします。 それから、このナルコレプシーについても原因不明ですね。普通の場合には治療方法として手術するとか何とかという方法があるわけですが、これもいまのところ薬だけの対症療法。あるいは研究開発が進めば手術という、そういう段階までいくかもしらない。その可能性を持っている問題だと思うのですね。それと同時に、専門的な専門医というふうに世間から言われ、あるいは患者もそれを頼って信頼をして通っているところが東大の精神神経科ということも、これまた現実的に明らかなんですね。ですから、余り定義を狭義に解釈しないで、もう少し前向きに、あるいはもっと弾力的にその点は考え直すことはできないのですか。 私はなぜこの問題を取り上げたかといいますと、私はかつて国鉄におった者なんですけれども、電車運転、運転手の機能検査というのは非常に厳しい。それは旅客の人命なり財産の安全輸送というものがあるからこそ厳しいわけですね。その点は飛行機の運航乗務員についても同じことが言えるわけです。しかし、世間には車が三千五百万台もあって、ペーパードライバーを含めて三千七百万人がドライバーの免許を持っているわけですね。私が先ほど指摘をしましたように、プロであるべきバスの運転手なり、あるいはトラックの運転手で、ついこのナルコレプシーであるということがわからずじまいに交通事故を起こしている例が再三再四あるわけです。車社会のことを考えてみますと、しゃくし定規でこの問題を片づけるのは少し問題があり過ぎる。車社会なりあるいはオートメ化された社会に十分に対応し機能するためにはもっとこの種の問題について重視をしてしかるべきだと、そういうふうに状況を考えますので、単に顕在化している患者の数が非常に少ないから、いまのところそれほど大きい問題が起きていないじゃないかというふうにたかをくくりますと、これは車社会の中では大変な問題だと思う。 ですから、もう少し高度な判断から、このナルコレプシーの取り扱いについて、あるいは東大病院をどういうふうに医療機関として位置づけるかという問題を含めて、もっと私は真剣に考えてもらうべき性質の課題だというふうに考えるのです。もう一度その点明らかにしてもらいたい。
○政府委員(田中明夫君) 厚生省がナルコレプシーを難病の特定疾患として取り上げないというのは、別にこれを軽視しているからではございませんでして、先ほど申し上げましたように、がんあるいは循環器疾患等の成人病その他別個の対策が講じられているものについては難病の特定疾患として取り上げないということは、すなわち別にそれぞれ研究なり、その病因あるいは治療についていろいろと研究、対策が別個になされているという観点から取り上げないということになっているわけでございまして、ナルコレプシーに関しましても、これは脳の神経生理、生化学あるいは薬理等、基礎的な研究がその病因の解明あるいは治療の確立のためには必要なことと存じますけれども、従来ともこういう脳の基本的な研究はいろいろ行われておるわけでございまして、今後とも、先生の御指摘の趣旨にも沿いましてそのような基礎的な研究を一層充実してまいりたいというふうに存じております。
○穐山篤君 大臣、私はいろんなものもそうだと思うんですけれども、早期発見、早期治療という医療の基本的なたてまえから考えてみて、先ほど指摘をしたとおりです。いろいろたくさんの難病奇病と言っては語弊がありますけれども、その対応についてむずかしさはわかると思いますけれども、これが車社会におきまして非常に重大な事故を起こしている、あるいは起こしやすい、そういう環境にあるだけに、答弁は要りませんけれども、大臣、ひとつ十分な取り組みをお願いをしたいというふうに申し上げておきます。 さてその次に、具体的な問題ですけれどもハンセン氏病についてお伺いをしたいと思っております。 統計の上で言えば、医療機関の整備、その他各般の努力が積み重ねられてその後患者数が少なくなっている、まあ一部沖繩は別でありますけれども。しかし、少なくなっていくということはいいことなんですけれども、またその半面患者さんの年齢が高くなる、高くなっていくというふうな問題点もあるわけでして、このハンセン氏病につきまして、厚生省としては現状をどうとらまえて、最近の特徴点あるいはここ五、六年どんなふうに変化しているかという問題について総体的にお伺いしておきます。
○政府委員(田中明夫君) わが国のらい患者は、先生御指摘のとおり、最近と申しますか近年漸次減少の傾向をたどっておりまして、昭和五十二年末現在で患者の数は九千九百八十二人ということになっております。そのうち八千九百十九名は国立または私立の療養所に収容されており、残りの千六十三名が在宅患者ということでございます。また、新発生患者も漸次減少しておりますが、昭和五十二年におきまして六十四名の新発生患者を見たわけでございます。このうち特徴的なことは、四十二名が沖繩県で発見されております。 国立及び私立の療養所に収容されている患者について見ますと、男が五千二百九十名、女が三千四百二十三名でございまして、年齢的に見まして、平均年齢が五十八歳ということで、六十歳以上の者を数えますと全体の四三%を占めているということで、一般の社会も次第に高齢化ということが問題になっておるわけですが、らい療養所におきましては、と申しますか、らい患者につきましては、その老齢化が非常に著しいということが現在の一つの大きな特徴ではないかというふうに考えております。したがいまして、患者の中には、そもそもの病気であるらいのほかに、がんあるいは循環器疾患等の成人病を合併する患者が非常に多くなっているということが最近目立っておるわけでございます。
○穐山篤君 状況は私もそういうふうに理解をいたします。 そうしますと、これからの、これからのというのは今日を含めてこれからの対策というものも、おのずから変化をしなきゃならないということが一つありますね。それからもう一つは、昭和二十八年法律が改正された前後まあ激しい闘いがありまして、相当その討議を通して附帯決議もつけられ、その附帯決議に基づいて逐次改善をしてきた。あるいは計画的にしてきた問題もあるわけです。そうしますと、その両方を踏まえてこれから対策を立てていかなきゃならないと思うんですけれども、やっぱりこれは根絶をしなきゃいけない。それから十分に社会復帰に対して国あるいは国民全体がそれに十分対応できるようなことをしなきゃならないというふうに問題が移っていくと思うんです。 そこで当面の重点的な施策といいますか、その点について明らかにしてもらいたい。
○政府委員(田中明夫君) 御指摘のとおり患者の様態が変わってまいりまして、したがいまして対策もそれに対応していろいろと変えてきているわけでございますが、患者の老齢化に対処するために、国立療養所の施設あるいは設備の整備、あるいは職員の確保等を図り、老齢化に伴う合併症の増加に対処するための医療体制を確立すべく努力しております。 それからもう一つ、これも御指摘のとおり、いまだに年々数十人の新発生患者がある。しかもそのうち、先ほど申しましたように、相当数が沖繩において発生するという事実に着目いたしまして、沖繩におきましては、感染源を根絶するため予防専任職員四名を配置するとともに、外来診療所三ヵ所を設置いたしまして皮膚科の検診などの特別対策を実施しておるわけでございます。 これも三番目に御指摘がありました、患者のうち軽快いたしました人たちの退所後の社会復帰の問題でございますが、これにつきましては後保護指導、就労助成金の支給、相談事業等を実施してまいっているわけでございますが、残念ながらまだ社会にらいに対する偏見が全くないということにはなっておりませんで、そのような偏見のため、またもう一つには、先ほど申しましたように、患者が非常に老人が多くなっているというようなためもございまして、この社会復帰の問題はなかなか円滑に行われていない面もございます。これにつきましては、今後あらゆる機会を通じて正しいらいの知識の普及、啓蒙に努め、患者の社会復帰のために努力してまいりたいと存じております。
○穐山篤君 さて、いまも指摘をされておりますし、私どもも心配をし関心を持っておりますのは沖繩地区の態様です。昨年参議院でも喜屋武先生がこの問題を取り上げまして、質問書を政府に提出をし、その回答書があったわけですが、やはり沖繩地区におきましては、沖繩本島もそうでありますが、先島に患者がかなりいると言われておるわけです。しかし、人権擁護の問題もありますので、いわゆる強制的な方法をとるわけにはいかないし、またとってはならないというふうに思いますが、本土全体としては非常に少ない。しかし、沖繩は先島を含めて非常に多い。したがって、沖繩の対応策というのは、これは重点的に取り上げなければいけないし、ある面から言えば、本土復帰になってから初めて国としての対策を進めてきたわけですから、その意味から言いますと、格差の解消あるいは追いつき追い越せという体制をとらなければならないというふうに思うわけです。いままで政府がとってきましたものの中に意欲的に取り上げていることはわかりますけれども、やっぱりまだ効果が十分に上がっていない、これは紛れもない事実だと思うんですね。その点についていかがでしょうか。
○政府委員(田中明夫君) 先ほども申し上げましたように、厚生省といたしましても、沖繩県、ことに先島において新発生患者が多いという事実に注目いたしまして、その実態の把握等に努力しているわけでございますが、らいという疾病の性格上、なかなか実態の把握ということにつきましても困難がある面があるわけでございます。しかしながら、先島に患者が多く発見されているということは事実でございますので、先ほど申しましたように、らい予防の専住職員の配置あるいは外来診療所の設置等を先島において実施して、らいの感染源の撲滅に努力しているわけでございます。今後とも県民に対しまして、らいについての正しい知識の普及、啓蒙に努めるとともに、国立療養所等の整備を含めまして、沖繩県におけるらい対策の拡充に努力してまいりたいと存じております。
○穐山篤君 さて、具体的なことに少し入りますけれども、十三ヵ所の国立療養所なべてそうでありますけれども、医療体制、この中には医療の機器の問題もあるでしょう。あるいは医療センターの問題もあります。それから要員の問題もあります。非常に幅広い問題を含んで、医療体制の強化あるいは機能を充実をさせるということになるだろうと思うんですが、そこで、いま非常に関心が持たれております医療センターですね、なるほど外回りはできましたけれども、問題は魂をその中に入れなきゃいけない。専門的な医師、看護婦、その他の方々をきちっとそこに定員として配置をして、医療を強化をしなければならないというのが私はこれからの課題だと思うんですね。しかし、昨年の厚生省から大蔵省に出した予算あるいは五十二年度の場合でもそうでありますけれども、非常に大なたがふるわれまして、厚生省が考えているように予算の要求というものが一〇〇%実現をしていないわけですね。これは非常に残念なことだと思うんです。すでに昭和五十四年度の予算要求、調整の段階にあると思うので、いまのところは確定的なお話がいただけないかと思いますけれども、いま申し上げました治療センターの問題ですね、あるいはセコの医療機器を新しい物にかえていくという問題、それから要員の問題。要員の問題につきましては医師の定数あるいは看護婦の定員が足りないという、欠員があるということも当然であります。それについての補充もしなきゃならぬと思いますが、その他いわゆる賃金支弁という形の職員が単に作業員のみならず技師の中にもたくさんいるわけですね。非常に不安定なんです。そういうことを含めて重点的な考え方をこの際きちっと明らかにしてもらいたい。
○政府委員(佐分利輝彦君) まず、多磨全生園の医療センターの整備の問題でございますが、すでに治療棟の方はでき上がっておりますけれども、現在病棟の方を建設しているところでございます。また建物につきましては、今回の補正予算で御審議をお願いするらしい療養所の整備費の中にも相当額が入っております。機械につきましては、当初予算で約四千万程度のものを計上しておりまして、その整備も終わっているわけでございます。 問題は、先生から御指摘がございました職員の充足でございますけれども、この医療センターにつきましては、実際に動き始めるのが明年度になるために、本年度の予算では十分な定員が計上されなかったのでございますが、明年度はさらに不足分を確保するように大いに努力をいたしたいと考えております。また、一般的にらい療養所における機械の整備の問題がございますけれども、これにつきましても、たとえば本年度の当初予算では昨年度より四八%程度ふえているわけでございます。九千六百万円程度になっていたと思うんでございますが、五年前の四十八年に比べれば二倍半以上にふえております。しかし、御指摘のように十分ではございません。この機械の整備、それに必要な予算の獲得についても今後十分努力をいたしたいと考えております。 また、全般的な職員の充足の問題でございますが、御指摘のように本年度は四十名程度しか定員がふえておりません。これにつきましては今後一層の努力をいたしたいと思っておりますし、また、御指摘のございました賃金職員が五百六十名程度いらっしゃるわけでございますけれども、その処遇の改善についても努力をいたしたいと思っております。たとえば本年度の予算でいきますと、看護婦さんの賃金職員の場合も、その他の職種の賃金職員の場合もおおむね六%程度賃金の単価が引き上げてあるわけでございます。また、この賃金職員の中には定員見合い的な方もあるわけでございます。特に看護婦さんの場合あたりはかなりの方がそういうことが言えるのじゃないかと思うんでございますが、そういった方々の定員化の問題にも努力をしていかなければならないと考えております。 最後に建物でございますけれども、最初に御質問の出ました医療センター、こういったものはやはり全国に一ヵ所ではとても患者さんの需要を賄い切れないということも考えられますので、明年度は熊本の菊池恵楓園あたりに医療センターの建設を始めてみたらという考えを持っております。また、一般的にらいの療養所の施設の整備は、ほかの国立病院療養所に比べるとおくれているわけでございますけれども、これもことしの場合、約三五%整備費がふえて二十五億七千万円になったわけでございますが、それが今回の補正予算ではさらに十億程度ふやしていただけると考えております。このようなペースで進んでまいりますれば、不自由者の方々の建物、いわゆる不自由者棟でございますが、こういったものは五十四年度か五十五年度ぐらいには全部りっぱになるであろう。問題は軽症者の方々の建物、いわゆる軽症者棟でございますが、こういったものは三年から四年のうちには全部りっぱになるであろうと、そのような考え方を持っております。
○穐山篤君 時間が短くなりましたので先を急ぎますけれども、いまも明らかにはされておりますけれども、各園からの要求あるいは患者さんの集合体であります全患協からの要求、これは毎年ほとんど変わらないほど同じ項目が挙げられているわけです。言いかえてみればもっと強化を、早く手をつけてほしい、あるいは計画的にやってほしい、こういうことに代表されるわけですね。毎年同じことです。一例を挙げれば、いまもお話がありましたが、なるほど今年度四十人は定員的にはふえた。しかし、患者数が減っていきますと、ごく常識的な計算で言えば、医師その他の専門医の数が減っていく。これは常識的な話だと思うんです。しかし冒頭の、言われておりますように平均年齢が五十八歳。ですから成人病を含めて合併症が非常に多くなっている。言いかえてみれば手がかかるということになるわけですね。ですから、単純に患者数が減ったから要員を減らしていくということには、少なくともこの問題について私はそうはならないというふうに考えるわけです。 で、一番おくれております——おくれておりますと言っては語弊がありますけれども、私も幾つかの園を具体的に見ました。いま指摘をされておりますように、不自由者棟の建設あるいは家族同居の場合の住宅の新設、こういう問題が依然として残っているわけですね。それから沖繩、宮古におきましては、一つの大部屋にみんな入っていると、こういう問題が依然として残っているわけです。ですから、他の医療対策にぬきんでて、ハンセン氏病対策につきましては手をつけてもらわなきゃ困ると思うわけです。 さて、そこで具体的なことなんですが、きのう閣議で今度の臨時国会に出します補正予算案が決められて、けさ私ども予算書を、われわれは内訳書を見ました。関係者の努力によって、社会福祉施設等整備費の中に、国立らい療養所施設費として十億三千五百万円が計上された。これは非常に喜ばしいことで、関係者の努力には私も感謝をします。 さて問題は、せっかくこういうふうに計上された十億三千五百万円というものについて、どこの園から見ても、そこの当該施設をやるのがまあ順番だろうと、あるいはここの不自由者棟について新設するのがこれが常識的だというふうに、そういうふうに十三の園から見てもみんな納得できるようなものでないと、なかなかこれは問題が起きると思うんです。先付の問題はこれからでしょうけれども、この十億三千五百万円のおおむねの使い方ですね、考え方、これはいかがでしょう。
○政府委員(佐分利輝彦君) 今回の補正予算で御審議をお願いいたしますらい関係の予算につきましては、やはり中心になりますのは不自由者棟、それから軽症者棟といったものの整備、それから汚水処理施設の整備、こういったものでございますが、病棟といたしましては、先ほども話題になりました多磨全生園の医療センターの整備費が一部入っております。先ほども先生がおっしゃいましたように、不自由者棟、軽症者棟、特に軽症者棟には夫婦部屋とか独身者部屋というのがあるわけでございますが、そういったところに重点を置いております。 国立らい療養所は十三ございますので、これらの施設の間で不平等が起こらないように客観的に予算を配分して整備するようにという御要望でございますが、私どももかねがね特にらいの療養所についてはそのような配慮をいたしておりまして、施設長の会議、また患者さんの会議、こういったところにも御相談いたしまして、不公平が起こらないように努めております。今後もそのような基本方針で進んでまいりたいと考えております。
○穐山篤君 考え方はわかりました。それで施設の整備などについて従来とってきた考え方はわかりますけれども、私は大島青松園で先生方やあるいは応援をされますお医者さんなり看護婦さんにも会いましていろんなお話を聞きました。これは社会復帰とも関連をするわけですけれども、非常に献身的な努力によってなされているわけですね。ところが、一般の町にあります病院あるいは開業医を含めまして、まだまだこのハンセン氏病に対します考え方というのは、先入観がありましてうまくいっていない現実が、それが本当の現実だというふうに思います。 そこで、これからの計画の中にやっぱり医師、看護婦、あるいはそれぞれの技師などの方々の宿舎というふうなものについても十分配慮していきませんと、献身的な先生のその努力だけではとても十分な対応はできないと思うんですね。もっともっと広く協力を呼びかける、あるいはコンセンサスを得る中でこの問題に当たっていかなきゃならない。したがって、そのことについても蛇足ではないですけれども、これからの対策の中で十分考えていただきたいというふうに思います。 それから毎年、「らいを正しく理解する週間」というのが六月二十五日から七月一日まで、パンフレットを出されてPRもされるわけですが、ことしの例、去年の例、毎年の例ですけれども、ひとつ県庁所在地で大会をやってそれで終わりと、私はそれだけをきめつけて言うつもりはありませんけれども、どうも一発的な行事で終わっているきらいがあるわけですね。これは年間大体三百人ぐらいが退所して社会復帰をするわけですね。ところが、自営業の方もありますし、あるいは農業に入っている人もあります。いろんなケースがあるわけですけれども、たとえば履歴書を提出をする、あるいは身体検査票を出せというふうなことになりますと、残念ながら社会復帰した人が十分社会復帰ができないという現実が数たくさんあるわけです。もうほとんどと言っていいくらい例があるわけですね。これは社会の偏見あるいは雇用主の偏見というものが先立つものですから、どうしてもうまくいっていないわけです。身体障害者につきましては、法律で社会復帰、雇用について事業者に責任を与えているわけですね。公立、国立の事業場につきましては何%、政府も金を出しているわけです。で、もしその企業が身体障害者を一定の割合で雇用しなかった場合についてはペナルティーを科しているわけです。そのぐらい片方では政策の面できちっとしているわけですが、事、このらいの問題につきましては法律の上で退所に関する規定もないわけですね。あるいは社会復帰に対する対応の定めもないわけです。あるいは労働省なり地方の自治体に聞きましても、そんなもの公共職業安定所へ来ればいいじゃないかと、きわめて冷たい仕打ちですよ。 で、私は労働省に対しても具体的にいま研究をさしておりますので、きょうは厚生省側からの考え方をお伺いするわけですが、この「らいを正しく理解する週間」、この努力は認めますよ。しかし、町の医療機関でも、らいの通院者があるから頼むと言ってみても、なかなかうんと気持ちよく返事をしてくれる医療機関というのは少ないですね。ですから、事業者なりあるいは県の当局なりあるいは医師を集めて一発勝負の大会をやるだけでは私は余り効果は少ない。まあそれも一つの方法でしょうけれども、もっともっと深みのある週間というものをつくって当たらなければ、私は社会復帰につきましては従来と同じ轍を踏むのではないか、そのことを危惧するわけです。また、関係者からの意見も厚生省にはすでに行っていると思うわけですが、こういう面についてのこれからの計画はどうでしょう。
○政府委員(田中明夫君) 先ほども申し上げましたように、軽快者の社会復帰という問題はらい対策の中で非常にむずかしい問題でございまして、私どもといたしましても、なかなかこれが円滑にいかないということにつきまして苦慮しているところでございます。 御案内のように、現在らい患者の社会復帰につきましては財団法人の藤楓協会等の協力を得まして、療養所内における更生指導、職業指導また軽快退所者に対する就労助成金等の支給、それから回復者の職業補導を目的とする後保護指導所の設置、これは現在沖繩と宮城の二ヵ所に設けられておるわけでございます。また、軽快退所者に対するいろいろな相談事業というようなことを実施しておるわけでございますが、先生も御指摘のとおり、いまだに社会の一部にといいますか、相当広く、らいに対する偏見というものも残っておりますし、先ほど申しましたように、患者の方がかなり老齢化しているというような問題もございまして、軽快者の社会復帰ということは必ずしもやさしい問題ではないというふうにわれわれ感じているわけでございますが、今後ともいろいろな機会を通じましてらいに対する偏見を排除するということに努力するとともに、関係団体の協力を得まして先ほど申しましたようないろいろな事業を一層強力に推し進めてまいることによりまして、回復者の社会復帰ということを図りたいと存じております。
○穐山篤君 時間がありませんのでまた先に急ぎますが、私どもハンセン氏病というふうに言っているし、それからマスコミを含めて、らいという言葉よりもハンセン氏病というのがなじんできているわけですね。で、昭和二十八年の法律改正の際の附帯決議の中に、この病名の問題についても引き続き検討すると、こうなっているわけです。なるほど、国際的な会議では、らい何とか国際会議というふうに、らいというふうに通常使われている。名前にこだわるつもりはありませんけれども、日本ではこのハンセン氏病というのがごく常識的に社会的に使われている。いまの附帯決議を踏まえて厚生省としては、この病名の研究はどういういま段階にあるんでしょう。
○政府委員(田中明夫君) 御指摘のように、昭和二十八年のらい予防法改正の際の附帯決議に、らいの病名について十分に検討するようにという項がございまして、われわれといたしましてもいろいろ検討いたしたところでございますが、先生もいま申されましたように、らい——レプロシーという言葉は現在国際的に広く使われておりまして、先生は、ハンセン氏病というのは日本でかなりもう広く行き渡っているというふうに御指摘あったわけですけれども、私どもはやはりまだらいという言葉の方が一般的であるというような認識を持ったという点、それかららいそのものが、御案内のように、現在早期に発見して適切な治療をすれば決して昔のようにやたらに恐るべき病気ではないという基本的な実態の認識に立ちまして、むしろそういう正しいらいについての知識を広めてまいりますれば、名前をらいというふうに従来どおり呼んでもよろしいのではないかというふうに考えておるところでございます。
○穐山篤君 附帯決議に関連してもう一つ考え方をお伺いしますが、この附帯決議というのは具体的に九項目から成っています。その後、この附帯決議あるいは昭和二十八年のあの激しい論争を通していろんなことが改善をされたり、前向きに措置された実績も十分承知をしています。さて、その一番後に、「以上の事項につき、近き将来、本法の改正を期すると共に」と、こうなっているわけです。当時のあの雰囲気の中で附帯決議がされたわけですから、この附帯決議というのは非常に重みのあるものだというふうに考えるわけです。そこで、当時「近き将来、本法の改正を期す」と、こうなっているわけですが、当然私どもあるいは行政当局としてみても、あの昭和二十八年の改正、その論争なりあるいはやりとりなり附帯決議というものを踏まえて、新しくもう一回らい予防法——名称を含めてだと思いますけれども、本法の改正を考えようじゃないか、あるいは検討しようじゃないかということで、「以上の事項につき、近き将来、本法の改正」というものがあえてここに書かれたというふうに思うわけです。この附帯決議はそういうふうに受け取るのが常識的な、あるいは経緯から考えてみて妥当なものだというふうに思うわけです。 さて、この「本法の改正」という問題についてはどういうふうに現在お考えですか。
○政府委員(田中明夫君) 昭和二十八年当時非常にらいのことが大きな問題となりまして、先生いま御指摘のらい予防法改正に関する附帯決議ということがなされ、九項目にわたっていろいろな事項が指摘されたわけでございますが、その指摘された事項につきましては、御案内のように全部が十分というわけにはまいりませんけれども、私どもといたしましてはできるだけの努力をいたしまして、相当程度その実施を見ることができたのではないかと思っております。おかげさまをもちましてその成果もかなり上がり、最初に申し上げましたように、患者数は相当減少してきておるわけでございまして、まあ二十八年の当時、「以上の事項につき、近き将来、本法の改正を期すると共に、本法施行に当っては、その趣旨の徹底、啓蒙、宣伝につき十分努力することを要望する。」ということになっておったわけでございますが、ただいま申しましたように、御指摘のあった事項についてわれわれとしていろいろできるだけの努力をした結果、かなりの成果を見ることができたのではないかというふうに考えておりまして、現在の時点におきましては、らい予防法を改正するということは考えておらないところでございます。
○穐山篤君 考え方はわかりましたけれども、あるいはその附帯決議を含めて十分に努力したことも十分承知をするし、評価をします。ただ、率直に申し上げて、まあ福祉国家というものを前面に出しながら医療について十分に国民の要望にこたえようということで、医療関係につきましてはハンセン氏病にかかわらずいろんな分野で前進をしてきておりますね。あるいは法律の改正も数々行われているわけです。あるものについては援護法という名前がついたり、あるものについては予防法という名前で措置をされたり、いろいろずっと前進をしている経緯があるわけですね。したがって、厚生省の考え方はわかりますけれども、私どもとしては、あるいは少なくとも私としては、昭和二十八年の論争当時あるいは今日の現実に照らしてみて、本法の改正あるいは通達の改正についても十分に検討していかなきゃならぬ段階ではないか。これは意見が食い違っていますから、いずれまた別の機会にお伺いすることにしましょう。 さて、もう時間がありませんので、最後に大臣にひとつ確認をしておきたいと思うんです。 先ほど私指摘をしましたように、いずれ補正予算案は何らかの形で成立をすることになりますね。十億三千五百万円というものが当座計上されているわけでして、これは私ども先ほども指摘をしましたように、十分納得されるような先付をしてもらわなければ困る。したがって、まず関係者との協議を十分に行って、後で問題が起きないようにひとつ十分やっていただきたい、これが一つです。 それから、先の話になりますけれども、昭和五十四年度の予算折衝の段階にあります。まあ要求の中身も私も多少承知はしております。しかし、去年、おととしの例から見ましても、ばっさり大蔵省から切られてしまう。希望をつないでおった園や患者さんがまたその段階で失望する、こういう現実があるわけです。まあ私はくどくどこれ以上申し上げませんけれども、少なくとも五十四年度の予算の確定に向けて十分な努力をしてもらわなければいかぬ、また、私どもとしても十分に対応していきたいと思うんですが、大臣のひとつ決意を明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(小沢辰男君) 予算の執行につきましては、特にらい関係の予算の執行については、療養所の先生方並びに患者さん方の意見を十分従来とも聞いております。したがって、おっしゃるように、問題を起こさないようにそれぞれ御意見を十分聞きまして私ども実行してまいりますから、恐らく御心配はないだろうと考えております。また、御意見があればどんどんひとつ聞かしていただきたいと思います。 私も昭和二十八年、らい予防法のあの騒動の当面者でございましたので、この法律改正並びに附帯決議の趣旨等もよく存じております。全部の施設に私は行っております。ただ、最近の模様はわかりませんので、いまおっしゃいましたように、患者さんとあるいは所長、医師、職員等の要望をよく聞きまして遺憾なきを期したいと思います。 それから来年度の要求、たしか四十六億増を要求しておると思いますが、なかなか、いま私が大蔵大臣でもありませんので満額という約束はできませんが、らいについては特別に力を入れてやるつもりでございますし、事務当局もそういうような精神で常にやっておりますので、できるだけの成果を上げておこたえを申し上げたいと思います。
○丸谷金保君 最初に環境庁に御質問申し上げますが、五十年度の決算の概要説明の中で、自然公園関係経費として三十七億円余が計上されております。皇居前の広場というのはこれらの予算の中で管理されておるものでございますか。
○政府委員(金子太郎君) そのとおりでございます。
○丸谷金保君 皇居前広場の管理運営等については大変むずかしい問題をたくさんはらんでいると思いますが、実はつい最近、私、北海道のお年寄り十数名が、皇居前広場で、皇居前を中心にして約五キロある周囲を、死ぬまでにマラソンを一度やりたいというのが、いまの高齢者マラソンの人たちの非常に強い願望だそうでございます。にもかかわらず、あそこに脱衣所その他地方から来た人たちが安心して荷物を預けられ、あるいは女の方などでも脱いだりできるような場所をつくってほしいという請願が早くからいろんな角度でなされていたにもかかわらず、国民のコンセンサスが得られないというふうな理由で却下になっておる。それも、一時はほとんど許可をするということが内定をしておったのにもかかわらず取りやめになった。この間の事情をひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(金子太郎君) 皇居前といいますか、皇居一周のマラソンをされる方々のために更衣室をつくってもらいたいという話は、実は昨年の初めごろからございまして、私どもの方といたしましては、皇居前広場というのは場所柄、いろんな方面からいろんなお考えに基づいて、施設をつくりたい、あるいは銅像を建てたい、倉庫みたいなものもつくらしてほしい、こういう話がかねがねございまして、一つでも認めれば、ああいうものに認めるなら自分の方にもぜひ認めてほしいというようなことになって収拾がつかなくなるというようなふうに考えておったところでございますが、その中で、更衣室をつくってほしい、その中にはシャワーとロッカーが欲しい、こういうようなお話が陸連の方からございました。 そこで、皇居前広場に建てること自体の可否は別として、その前に、仮にそういう更衣室をつくった場合に維持管理がうまくいくかどうか、その問題から詰めようではないかということになりまして、陸連の方と維持管理をうまくやれる案がつくれるかどうか相談をしたわけでございます。どうしてむずかしいかと申しますと、たとえば有料にするか無料にするかということがございますし、あるいは、ロッカーを置きますと、マラソンのときに上着などを入れる人以外の一般の人たちが、あの非常に便利な場所ですから、あそこのロッカーにいろいろな物を入れて何日も入れっ放しにしておくというような心配も出てまいりますし、それから、マラソンする方々は夜明けから八時、九時ぐらいまで、あるいは五時以降夜九時、十時ぐらいまでの時間に走る方が非常に多い、そういう人たちのために管理の責めに当たる人間を常時置かなければならないとなったら、これまた非常にむずかしい問題だと。たとえば陸連が全責任を持って管理してくださるかどうか、こういうようなことを詰めておりましたけれども、なかなかいい案が出てこない。 そういうさなかに、一部の新聞が過って更衣室をつくることに決まったというふうに報道されたわけであります。その報道を見ていろいろな方面から反響がありまして、その中に、あの地域に更衣室などを建てるというのは絶対反対である。中には、あそこは聖域ではないか、聖域で裸になってシャワーを浴びるなどというのは不届きである、こういうような意見もございまして、私どもいろいろ考えたのでございますけれども、この種の施設をつくるとしたら、国民のいろいろな方面の皆様方が一致してぜひつくれとおっしゃるような場合につくるべきものであって、そのコンセンサスが得られないときに無理してつくることはいかがであろうか、こういうふうに考えまして、この問題はその後いわば凍結しているという状態にございます。
○丸谷金保君 実はマラソンの人口というのはどんどんふえてきて、いま三百万とも四百万とも言われております。そして、私のところに来られた方は嶋弘一さんといいまして七十二歳、この方は、この間も北方領土返還のPRということで鹿児島から北海道までずっと縦走して、それぞれの地域で非常に歓待を受けたと。東京に来られたときにも稻村総理府長官を初め、これはもうぜひひとつがんばってくれと言われたんだけれども、北海道から九州とか地方を歩いてみて、そこで言われるのは、東京へ行って皇居前で走ってみたいけれども、着物を脱ぐところがないので困る。ですから、たとえばシャワーまではだめだとしても、少なくても更衣室程度のものをつくるということに考え方を進めるということはできないだろうか。皇居前の広場で大体毎日三千人くらい走っております。そして、夜中だとか朝早くとか、そこまで一遍に考えないでもいいですよ。東京の人はいいんです。しかし、地方から来た場合には、もうこれは本当に、中には、東京駅のロッカーと思ったけれども、行ってみたらもうあそこはいつばいで入れるところがないと。それから、脱いでいるうちにふっと盗まれたというふうな方も私のところへ来た十数人のお年寄りの中にはおりました。 それから、いまお話のありました管理上の問題、こういうことにつきましては、嶋さんの紹介で、日本健康マラソンクラブ総連合の専務理事の伊藤貫三さんという方にお会いいたしました。いや管理の問題については、われわれの協会なりあるいは東京のそれぞれの協会がお互い協力してやるというふうなことでの話もできていると。それから、予算等についても、許可さえしてくれればいろいろな体育関係の業界その他も浄財を出してくれると、こう言っておるというわけなんです。ですから、それらの懸念はあろうけれども前向きにひとつ処理していただきたい。 それからもう一つ。聖域というふうなことで一部の反対があるというふうなことを私も聞いております。しかし、あの楠公の銅像の先の方に広場があって、あすこは営業のために車をとめたりなんかする場所もとってございますね。これは固定したものでないから必要に応じていつでも取り消しができるからだということが言えると思います。そうすれば、このマラソンの脱衣所というふうなものも、プレハブか何かで永久建築でなく認めれば、同じようなことができるのではないか。片っ方は営利にも結びつくようなことに聖域を貸しているのですよ。そうですね。あれ許可しているでしょう、おたくの方で。それでどうしてこれが許可できないのですか。
○政府委員(金子太郎君) 一部駐車場として使わせている問題につきましては、私どももできることならばやめてもらいたいと思っておりますが、現在までのところそれほど大きな反対意見もございませんので、まあまあやむなく使うことを認めているというところでございます。 で、シャワーがなくてもロッカーだけでもというお話でございますが、それでも反対の方々の反対意見は変わらないようでございますので、まあ本件はやはり国民のコンセンサスというものが得られた場合に前向きに検討するということで御了承いただければと考える次第でございます。
○丸谷金保君 反対があるからやらないと、どこかの知事さんのようなことをおっしゃらないで、ひとつ、その反対の度合いですよ。それは、何かやろうとするときに絶対反対がないということはないのです。そうでしょう。ですから、それは反対があるからというふうなことはこの際理由にならぬと思います。 それから、これは大臣にお伺いしますが、大臣、まさかあすこを聖域というふうにお考えじゃございませんでしょうね。一部の人があすこは聖域だから反対だと言う人たちには、ひとつ大臣から、いろいろないかがわしい問題が夜あすこで起きているのくらいは聖域と言う人たちひとつ十分監視して、そういうことがないようにしてもらいたいというくらいのことをおっしゃっていただきたいと思うんです。聖域だからだめだというようなことにはならぬと思うのですが、大臣、どうですか。
○国務大臣(山田久就君) ただいま局長から経緯を含めていろいろ申し上げましたわけでございまするけれども、なごやかにこうみんながレクリエーションといいますか、そういう場で使っていく、本来そういう性格のものでございまするから、その趣旨に沿ったような環境でそういうものが行われるということが望ましいと思っておるわけでございまして、まあ物の考え方の点については、いま私がそんなこり固まったようなことで環境庁として考えているわけではございませんけれども、ただ、それぞれの考え方にしても何かちょっと感情的といいますか、事が起こりそうなような形の中の雰囲気がこれに関連しているものですから、あそこら辺のところはこういう本来のなごやかに皇居周辺でやられるのに、それを、雰囲気を乱すような環境というものが生ずるおそれがあるような形ではいかがかと思うんです。そういう点はやっぱりちょっと考えてみる必要があるんじゃないかというような点で、慎重に対処してみる必要があるんじゃないかという立場で臨んでいるわけでございまして、この点はひとつ御了承いただければと、こう思っているわけです。ただ、退嬰的に、あるいは一人でも何とかすればというようなことで言っている趣旨では毛頭ございません。ただ、事柄が事柄だけに、なごやかな環境で本来行われるべきものだどうと、ちょっとそれにそぐわないような要素があるというような状況では私はどうかなというふうなことで、もうちょっと慎重に臨んだらということでございまして、この点はひとつ御理解いただければと、こう考える次第でございます。
○丸谷金保君 行政機関のことにわれわれが口をはさむことではないんですが、反対する人たちにこういうふうにひとつ理解活動していただきたいと思うんです。皇居の周りを死ぬまでに一度は走ってみたいといって出てきた方たちが、脱衣所がないためにどろぼうに遭ったとか、いろんな問題を起こすというふうなことは、むしろ皇室と国民を離すことにならぬかと。ことにほとんどお年寄りの皇室を大変尊敬している人たちばかりなんです、希望者というのは。そういう人たちを無理やり皇室から離すようにすることが、聖域と言って腕まくりしている人たちの精神にも反するんでないか、こういうふうな一つの理解を進めていただいて、できるだけ前向きにこの問題を処理していただきたいということを要望して終わりたいと思います。どうぞ長官、結構ですから退席なすってください。 次に、環境衛生金融公庫について簡単にひとつ一言だけ申し上げます。 先般、大蔵の部会でも問題にしたんですが、それぞれの所管の省庁によって基本的な考え方を出してもらうべきだというのでお伺いいたしますが、市中銀行の長期金利が非常に下がっております。これは大蔵省の銀行局の指導によるものだということは先般明らかにされております。にもかかわらず、政府関係のこの種機関、この場合で言うと環境衛生金融公庫、これは昭和四十九年に九・四%、基準金利ですが、五十三年には七・一%と下がっているんです。二%以上も下がっていながら、四十九年から五十年にかけて借りた人たちの長期の金利は下がっていないわけです。依然として同じなんです。一方では市中銀行その他については長期の金利は下げなさいという指導をしていながら、政府の機関はこれをやっていないと、きわめて矛盾している。特に環境衛生金融公庫の対象になる業態というのは、環衛十七団体、おそば屋さんであるとかあるいは理髪店であるとか、パーマネント屋さんであるというふうなきわめて零細な企業の方たちが多いんです。これはどうして下げられないんでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(山中和君) 先生御承知のように、環境衛生金融公庫は原資に資金運用部からの長期借入資金を充てております。したがいまして、その借入利率との関連等もございますので、既往金利の一律引き下げというのは困難ということでございます。しかしながら、いま御指摘のように、確かに基準金利も七・一%に下がっておる。こういう現下の環境衛生関係営業のいろいろな経済情勢を考慮しまして、経営基盤の悪化している業者、そういうものに対しましては実情に応じて既往金利を引き下げたらどうかということにつきまして、環境衛生金融公庫に対しましていろいろな措置を講ずる必要があるんじゃないかということで、その実現方につきましていろいろ現在指示をしておるところでございます。
○丸谷金保君 公庫の決算書を見ますと、五十年でも一般会計から五億九千万ほどの繰り入れが出ております。これは赤字補てんの意味でございますか、経常経費の。
○参考人(坂元貞一郎君) 御承知のように、環境衛生金融公庫は政策金融をやっているわけでございます。特に長期低利というような形の貸し出しを行っているわけであります。そうでありますと、どういたしましても収支のバランスというものがやはり赤字になるわけでございます。でありますので、いま御指摘のように、毎年毎年その赤字相当分を一般会計から補給金の形でちょうだいをいたしている、こういうことになっているわけでございまして、五十三年度も四十七億ぐらいの補給金をいただいているわけでございます。
○丸谷金保君 御答弁の方に総括してお願いしますが、質問に答えていただければいいと思うんです。いま、赤字の繰り入れですかと言ったんだから、繰り入れなら繰り入れですと言ってくれれば一分も話しないで済むんです。三秒か四秒で済む質問を私はしているんで、それを長々とやられると、大変時間のむだになりますので、ひとつこの際総括して御留意をお願いしたいと思います。 いま御説明ありましたように、一般会計から政府資金を経営の面についての繰り出しをしているということになりますと、これは経営上の問題から金利を下げないというふうなことでなくて、経営がどうあろうと原資の問題だということにしぼって考えてよろしゅうございますか、金利の下がらないのは。
○参考人(坂元貞一郎君) 冒頭の御質問の過去の既往金利を引き下げるべきであるという点でございますが、私どもとしましては、もちろんいま申しましたように財政収支のバランスの問題もございます。と同時にまた、もう一つ考えなければならない点は、一律に引き下げることが本当にいいのかどうかという問題が別にあるんじゃないか。と申しますのは、いま御指摘のように非常に数が多い環衛業でございます。中には御指摘のように経営状況が必ずしもよくないというものもこれは相当あると思いますが、同時にまたそうでない分もあるわけでございます。でありますので、そういう現状を踏まえて物事を判断いたす場合、やはり一律に引き下げるということについては、やはり相当均衡論なり公平の立場から言っても、私どもは研究をいたさなければならぬのじゃないか、こういう考え方でおるわけでございます。
○丸谷金保君 私は一律に下げろということを言っていないんで、基準金利がこうだという話をしているんですからね、間違わないでください。 それで、大臣、ひとつお願いしますが、いま御説明を聞いておりますと、一律に下げることについての云々を言っております。金利を下げること自体、しかし、これはもう政府の方針としては、大蔵省が市中銀行その他に長期の金利については再検討せいということで、住宅ローンその他皆下げさしているんですよ。そうすると、政府の政策としては、長期の金利を下げるという基本的な方針には狂いはないわけですね。いかがですか、大臣。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもの環衛から貸している先は、零細企業ではありますが、一応企業でございます。しかも、赤字の補てんは一般会計——国民の税金で見ているわけでございますから、したがって、私どもが公庫を指導いたしておりますのは、相手先が特にこの経済情勢下において不況で苦しむ、あるいはやっていけないような実態に着目して、それだけを既往の金利について下げることができないかということの指示をしまして、いま環衛公庫で検討しているわけでございます。一般的には、これはやっぱり税金で補てんをしていかなきゃいかぬものでございますから、一般の市中銀行等について長期金利を下げていく、あるいは既往のものについてもそういう配慮をするという指導をする相手とはちょっと性格が違うと、こういう点を御理解いただきたいわけでございます。
○丸谷金保君 その点はよくわかりますが、ただ程度ということがありますよ。いいですか。元来、政府金融機関の方が、資金運用部の金を使っていますし、安いというのが常識なんです。しかし、実際にはいま九分四厘なんという利率の貸し出しはもう現在では行われていません。そして、それも金融機関等については六分五厘、六分というふうな資金が出るようになっておりますでしょう。そのときに依然として、税金で賄われているから九分四厘というふうな、オイルショックのときに上がったものそのままにし七おいても特に困っていないんだからいいんだということになるほど大企業でないんです。大企業の関係については、一般の金融機関から借りられるからどんどん下がっていっているのに、こういう零細な企業の人たちには、倒産するとか何とかというふうなもうせっぱ詰まったときまでは金利を下げなくてもいいんだというようないまの大臣のお考えというのは、私ちょっと問題があるんじゃないかと、こう思うんです。どうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) ちょっと御理解が行き届かなかったかと思いますが、経営基盤の悪化している業者に対してはいたしますという方向でいま検討しているということでございまして、全般的にしないということを申し上げていないのです。
○丸谷金保君 そうすると、経営基盤の悪化している業種でなくて、個々の業者について検討していると、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(小沢辰男君) そうでございます。
○丸谷金保君 それじゃ、一応この問題はこれで。 厚生省の五十年度の決算を見ましても、四兆円という莫大な問題でございまして、これは非常に重要な問題が山積していて、とても一日の論議の中でこの決算を承認していくということは実際上は物理的に不可能なことだと思います。しかし、それでも限られた時間しかございませんので、きょうは自然食品、栄養食品というふうなものに関連のある問題にしぼってひとつあとの時間は質問をいたしたいと、かように存ずる次第でございます。 大臣御承知のように、私は北海道の池田の町長を二十年やっておりまして、その間に十勝ワインというふうなワインを世につくり出しました。これらを通じて、昭和三十年代ですが、不思議に思ったことの一つに、世界じゅうどこに行ってもワインというのは果物のつゆをしぼってこれを発酵させたものなんですが、当時日本では、ブドウのジュースが二〇%入っていればいい、残りは着色料を使い、ほかのアルコールをぶち込んでもいいというふうに法律ができているんです。そのことはいまでも変わらないんですが、たまたまその中にタール系の色素が大分使われております。それで、これは一体、このタール系の色素を使ったそういうワインがどんどん世の中に出ていることはいいんだろうかと、当時保健所その他を通じていろいろ問い合わせてみました。私たちは、もちろんそういうことは体にもよくないからいけないんじゃないかと。しかし返ってくる答えは、厚生省が許可しているからいいんだという答えしか返ってこないんです。ところが、その厚生省が許可しているからいいんだという答えしか返ってこなかったタール系色素が、その後身体に害があるということで、ずいぶんたくさん四十年代になってから許可が取り消されて、これを使っちゃいけないという禁止条項の中に入っています。 それからまた、学校給食をやる。漂白された小麦粉というのは子供たちの健康のために決してよくないという判断で私はそのことを主張しました。隣接の町村長は、いやそんなことはないということで、合同して給食センターをつくろうという文部省の指導、私はそれに反対して、やむを得ないから、私のところでは漂白小麦粉を使わない、だから自分のところは一つだけでやらせてくれということで、ずいぶん補助金を取るのに苦労しながら一つの町だけで給食を始めました。よその町村はみんなして合併してやったんです。そのうちに、漂白の小麦粉を給食に使うのはやっぱり子供たちの健康に問題があるということで、これもまたやめるようになりました。このときも文部省といろいろやり合ったら、厚生省が許可しているからいいということだったんです。 それが途中から、だめになる。これは最初からだめだったものを許可したんでしょう。昭和四十年から体に害になることになったわけじゃないんです。私たちが三十四、五年ころに指摘しているころにもすでに害であったものを厚生省は許可していたんです。それで、私たちですと、そういう場合には行政上の責任を感じざるを得ません。こういう本来体によくない食品を許可しあるいは添加物を許可した行政責任を、厚生省は一体いままでどういうふうにとっていますか。このことをまずひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(山中和君) 化学合成品の食品添加物につきましては、一般的には、いままでの経過を申し上げますと、昭和三十七年前後に……
○丸谷金保君 質問にだけ答えてください、どういう行政責任をとったかだけでいいから。
○政府委員(山中和君) これは科学の進歩に従いまして、その時代の一番の何というか、最高のレベルでもってこれを判断するということをしております。三十七年以来、この再評価をしておるわけでございます。三十七年以来四十五品目を削除してございます。こういうことで現在も再評価を続けておるわけでございますが、現在、先生がおっしゃいました着色料につきましても、二十四種類のうち十三種類のタール色素を削除したわけでございます。
○丸谷金保君 そういうものを、人体に悪いものを許可した行政責任はどうなっているんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 結果的に見ますと確かにおっしゃるとおりになるわけでございますが、そのときの科学的な最高のいろいろな知見の判断でやっているわけでございまして、それがいろいろ分析技術なりあるいはその他いろいろな医学的な技術なり科学的な知見が進むに従ってわかってきて禁止をしているわけでございますから、これはもうそのときどきのやはり何かそこに行政上の手落ちがあったのなら別でございますけれども、そうでない限りはこれはやむを得ないことでございまして、また今日禁止しているものも、あるいは人体に影響はないという結論が出る場合も将来だってあるわけでございますから、そういう点は科学的な十分な検討を経たか経ないかの、あるいはまたその過程における行政上の何か故意なり過失なりあるいは手落ちがあったかということで判断をすべきだと思っております。
○丸谷金保君 そうすると、要するに事務的にはそれらを許可する過程においての手落ちはなかったから行政責任はないと、こうおっしゃるわけですね。そうすると、大臣、それはそれでわかります。しかし、それはミスだったわけですわね。さらに調べていってみたら悪いことがわかったから今度は許可を取り消したと、禁止したということなんです。そうすると大臣、そういうことは厚生省として、厚生大臣として申しわけないとは思いませんか、済まなかったとは。どうですか。これは道徳的な問題です。
○国務大臣(小沢辰男君) 確かに結果的に見ますと、おっしゃるように、私どもがその当時は最高のいろいろ検討を経た結果だと思っておりましたものが、その後の新しい科学的な知見によって変更せざるを得ない、すなわち危険だから禁止をするということになりますと、結果的には大変行政の立場から見て済まなかったと思いますけれども、しかし、いわばこの科学の日進月歩の社会においてはやむを得ない現実でございますので、この点は国民の御了解を得たいと思うわけでございます。
○丸谷金保君 大臣が素直にまことに申しわけなかったとおっしゃってくださるんで、私もその点については大変、何と言いますか、謙虚に御答弁いただいたことを感謝いたします。ただ、こういう有毒色素の問題だけでなくて、農薬の汚染の問題にしても、重金属の問題にしても、この種の問題については、厚生省が禁止をする前にもずいぶん何年も前から、いろんな角度でおかしいおかしいと、私たちのように北海道の田舎でワインをつくっていてさえもこれは変でないかと思うくらいなんですから。いいですか。ずいぶんたくさんの人がいろんな角度でこのことについて厚生省には建議していると思うんです。しかし、なかなかこういうことになると厚生省というのは対応措置が非常に遅いんです。だから、大臣のいま済まなかったと思っているという徳義的な意味でのあれでも、ひとつ厚生省の各局がそういう対応の仕方については十分慎重にやっていただくということをお願いしたい。 さらにそれと反対に、実は私は、いまの健康食品とか自然食品、こういうものがある意味でブームにもなり、またときにはいかがわしいものも出てきたということで厚生省も取り締まりに乗り出さざるを得なくなった背景には、厚生省自身がいわゆる色づき、うそつき食品と言われるようなもののはんらんを何らなすすべもなく放置をしてきた——なすすべもなくというのが言い過ぎだとすれば、ほとんど手をこまねいていてはんらんしたことに対する一つの自衛手段というふうなもの、自分の健康は自分で守らなきゃならぬという自衛手段の中から出てきたということもひとつ御理解をしていただきたい、こう思うんです。どうですか、その点、大臣。
○国務大臣(小沢辰男君) どうも抽象的になすべきことをやらなかったから自然食品がふえてきたとおっしゃいましてもちょっと答えようがないわけでございまして、健康を守ることについての立法機関によって与えられました行政の執行をやっている私ども、また国の予算全体、あるいはそれが経済の進展によって裏づけられている国の予算の中で最善を尽くしてまいりましたわれわれとしては、具体的にどういう御指摘か、よく理解ができませんので、おまえたちが不十分だったからこういう食品がはんらんするんだろうと言われましても、一概にそのとおりともそのとおりでないとも答えられない点がございますので、もう少し詳しく具体的にお伺いして見解を述べたいと思います。
○丸谷金保君 たとえば昭和三十五年当時です。当時もうすでに自然食ということで食品はずいぶん出回ってきておりました。ところが、着色とかそういうものに対する禁止は、まだ厚生省は、世間ではこれはけしからぬじゃないか、いかぬじゃないかとずいぶん言われていたタール系の色素等についても、着色食品等は余り禁止しないものですから、そういう自然食というのが昭和三十年代からずっと起こってきたんです。特にこの問題について昭和二十年代から非常に心配をしておったたくさんの有識者の中で、渡辺正三郎さんという方が、これはもう本当にがんばってこられた方ですけれども、厚生省と自然食の表示というふうな問題について話し合って一応の枠組みをしたことがあるんでございます。これは、自然食品の要件を具備するものには自然食品と表示してもよいと。それから二番目に、自然食品には成分分析表を表示することが望ましいと。三番目に、前項の成分分析表を表示したものにはその食品に含まれる主たる成分についてのみ、科学的に証明された生理作用や栄養効果及び欠乏症状況等を記載してもよいと、大体こういうことで、こういうことが自然食品、健康食品の業界の一つの流れとしてずっと続いてきたんです。当時は、非常にそういう有害着色料とかなんとか世論がどんどん上がってきていても厚生省が禁止しなかった時点での事例でございます。 ところが、これが昭和四十年代に入ってどんどんと厚生省もそういう有害な添加物その他については規制を強めてまいりました。いま御指摘あったように、タール系の色素も十三、これは昨日資料もちょうだいしましたが、禁止をいたしております。その他禁止してきております。そうして一方では、今度は薬事法の関係で、「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」ということで、薬務局長から各都道府県知事に昭和四十六年の六月一日通達が出されました。それで非常に今度は自然食品や健康食品に対する取り締まりが強化されたと。しかし、この通達を見ますと非常に明瞭でない、これだけ読んだんではなかなかわからないというふうな面もございまして、その後健康食品、自然食品業界にいろんな混乱が起こっております。 たとえばこの中で、今度は、効能効果を書いた場合はこれはもう医薬品とみなして取り締まりの対象にするとか、あるいは形状、そういうものが医薬品に似たようなものであればこれは取り締まりの対象にするというふうなこと等。それから具体的な例も出ております。その中ではハト麦というふうなものもこれは医薬品だということがこの例示の中に出ております、お持ちになっておればその中ですぐわかることでございますけれども。あるいはキョウニン、これも消化を非常に助けるというふうなことでこれは医薬品だと。もっぱら医薬品として使用されるものという中に入っております。しかし、そうなると、中国料理でどこのお店でも出しております杏仁豆腐などというようなデザートに出てくるもの、これは一体医薬品になるんだろうかと、もっぱら医薬品かと、こういうふうな非常に判断に苦しむような通達が出されておるんですが、このことについてひとつ担当局長さんの方の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(中野徹雄君) 先生御指摘の、「未承認無許可医薬品の指導取締りについて」、これは四十六年六月に薬務局長名で出した通知でございますが、これは当時いわゆる健康食品と称せられますものにつきましての消費者側からのいろいろなクレームであるとか、あるいは関係方面からの各種の要望がございまして、医薬品といわゆる健康食品との、何と申しますか、仕分けを明確にするという趣旨で出したものでございます。もちろん先生御指摘のように、実は食品というものと医薬品というものの明確な限界と申しますか、ボーダーラインについては、その限界点におきましては両方重なり合う部分が相当ございまして、これを物そのものによって明確に仕分けをするということはなかなかむずかしい面もございます。私らといたしましては、医薬品というものがいわば国の製造承認あるいは製造許可を受けて販売されるものであるということにかんがみまして、一般大衆が医薬品としてのいわばそれを信頼をいたしまして、医薬品としての認識のもとにおいてこれを消費いたします際に、それが実は医薬品としての規制を全く受けていないものであるというふうなことは、いわば国民の医薬品に対する信頼というようなものを裏切る結果になるということに着目をいたしまして、総合的な観点から消費者である大衆が医薬品であるというふうな認識を持つようなものについては、これを医薬品としての規制のもとにおさめると、置くと。逆に製造承認なり許可を受けてないものについては、これを未承認あるいは無許可医薬品として規制をするという発想法に立っておったわけでございます。 したがいまして、それが総合的に消費者大衆が医薬品として認識するものということでございますので、当然そこには限界領域におきまして多少食品との間の出入りは免れないところでございます。この種の統制自身がなかなかむずかしい面があることは私らとしても承知いたしておりまして、先生御指摘のように、問題が全く皆無であるというふうには考えておりません。健康食品と医薬品の境界、その分類等々につきましてはなお工夫すべき点も行政上多々残っているかとも存じます。ただ、趣旨といたしましてはそういうことでやってまいりまして、その後もやはり無許可あるいは未承認の医薬品につきましていろんな事故が相当数起きておるという現状にかんがみまして、われわれといたしましては、この種の規制をやはり今後も続けて、取り締まりを行っていくべきではないかというふうに考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 局長のいまのお話を聞いていますと、食品衛生法と重なり合う点もあって、必ずしも現況のままでは矛盾のない点がないとも言えないと言いながら、一方では取り締まりは強化していくと、こういうふうなことをおっしゃってます。実は、そういう点で、前段の御答弁のありました重なり合っている点が非常に混乱の対象になっている。まじめに長年健康食品、自然食品というふうなものを開発をしてきた業界の方々がいま非常に困っていると、こういう状況にあるわけでございます。たとえば私の手元にあるのでも、タイガー薬品というのが、長野県の衛生部長さんから、朝鮮ニンジンのエキスをカプセルに入れたらこれは薬品だということで注意を受けております。カプセルに入れなけりゃ、これ薬品でないと。それから、私もずっと飲んでおりまして、池田では皆さんにもずいぶん勧めて、これはいいよといって勧めた延命茶。これがいつの間にかひらがなになったんです。聞いてみますと、延命茶というのを漢字で書けばこれは薬品で、ひらがなで書けば食品だと。一体どうなってるんだろうと。 そういうあれから言いますと、その名前がけしからぬからということで、あるいは形状がけしからぬからというようなことでずいぶん取り締まりの対象になっているというふうなものが多いわけなんです。 一方、いま大臣が話されたように、どんどんどんどんとその技術、科学も進んでいるから、従来大丈夫だと思ったものが、禁止される人体に悪い影響のある薬品だということになったり、悪いなと思ったのがその後よくなったりというふうに、どんどん進んでいくわけです。ですから、食品の方だってだんだん進んでいるんです、宇宙食なんていうようにカプセルに入れた食品まで出てきてるんですから。カプセルに入れたら薬品でびんに入っていたら食品だなんていう区別、そういうみなし方。 しかも、この通達を見ますと、医薬品とみなすというんです。食品衛生法という法で許可しているものを、薬事法という法の中で明示規定があってみなすんならいいですよ、みなし規定があって。一片の局長通達でみなし規定をつくっていくというふうなことはできるんですか、これ。私はこれ憲法上にも問題が——余り大上段にかぶっちゃうと時間がなくなりますが、これはもう問題があることではないかと思います。その点についてはいかがですか。
○政府委員(中野徹雄君) 先生御指摘のとおりに、たとえば食品あるいは医薬品の形状と申しますか、見た目の形でございますね、これはまあいろいろその時代時代の技術進歩によりましては変わってまいります。したがいまして、私どもも昭和四十六年時点において割り切りましてかように指導をしてまいっておるわけでございますが、それが今後永久に変わり得ないというようなことは考えておりません。 ただ、先生冒頭に御疑念のございました朝鮮ニンジンでございますが、これにつきましては、もっぱらニンジンというのは古来薬効のあるものとして古い時代から考えられたものでございまして、これがたまたま当然その食品としての使われ方も一面ではあるということでございます。 そこで、どこで限界線を引き、どのようなものをいわば無許可未承認として規制をいたすかというところで、その限界線の引き方といたしまして、通常医薬品に最もポピュラーであるようなカプセルとか錠剤の形式を持ったものについてはこれを医薬品として規制し、そのような形状を持たない濃縮液等につきましては、これは食品としての取り扱いをするというふうに一応の割り切りをしたということでございまして、このような分類そのものが、今後のいろいろな客観情勢の変化によりまして永久不変なものであるというふうには私どもも考えておりません。しかしながら、その未承認無許可医薬品の国民の健康を守るための規制ということはあくまでも必要なことでございますから、われわれとしては何らかの妥当な線を引き、その範囲内においてその取り締まりはしていかなければならないと、かように考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 これは何らかの取り締まり、規制ということは必要だと思うんですよ。そのことまで私は否定するわけでないんです。まじめにやってる方たちもそのことは認識しておる。しかし、薬務局長のこんな一片の通達だけで、本来はそういうことは法律事項なり何なりで決めていかなければならない、国会でも論議しなきゃならないことが通達でみなし規定というふうなものでみなされていって、しかも、その中身については非常に広範な、たとえば形状でそういうことになれば、薬務局長さんがみなせばあめ玉だってあれは薬品でしょう、形状から。コンペイトーだってそういうことになりませんか、みなせば。あめ玉は薬品とみなすと言えば自今医薬品だと。形状だけから言えばそういうことにならぬですか。あなたがそう考えればすぐ何でもなるでしょう、これ。そうしたら 食品なんてものはなくなっちゃいますよ。第一、体に効かないような食品なんて余りないんですから。 それから、この通達で見ると、薬用、薬効をうたったものは薬品とみなすと。私たちは昔から軍隊で麦飯を食いました。これはかっけに効くから麦飯にしたんだと言っています。いまでもどこでも、麦を入れたらかっけに効くと言ってますよ。あれは薬用効果でしょう。こういうものをしたらみなされることになるんじゃないですか。どこかで線を引くだけで、麦は大量に出回っているからかっけに効くということを言ってもこれは食管法で取り締まっているので——農林省の方も来てもらっていますけれど——いいと。 それからもう一つどうも腑に落ちないのが、延命茶の問題なんかもそうなんですが、酒の方では、長寿盃とか長寿とか不老長寿とか長命泉とか、いろんな名前が漢字で使われているんですよ、これたくさん。こういうことをしたら、薬用のあれでないんですか、薬事法に抵触しませんか、どうなんですか。
○政府委員(中野徹雄君) 最初にみなすという言葉に御疑念があったわけでございますが、これは言葉が適当かどうかは別といたしまして、先ほど申し上げましたように、通常医薬品として消費者が認識して使用するであろうというふうに考えるものの中にそういうものを含めるという意味で、その時点の判断で含めて考えたということでございます。 それで、確かに先生御指摘のように、食品につきましては当然一定の栄養価というものがあって栄養の作用がございまして、これが栄養の欠乏による疾病に、当然その栄養を与えることによってそれが治癒できるというふうなことは当然食品の栄養の問題としてはあるわけでございます。それと確かに医薬品とのボーダーラインの引き方というのは非常にむずかしい問題でございまして、先生御指摘のような表現上の問題あるいは形状等の問題につきましても、これは先ほどから繰り返して申し上げておりますように、現時点においていかに判断すべきか、四十六年当時の判断が永久不変に変わりないものだというふうには私どもは考えておりません。先生の御指摘のような点も含めまして、一方でこのようないわば医薬品類似の健康食品の規制というようなことはどうしても必要なことでもございますので、十分に検討を重ねてまいりたいと、かように考えております。
○丸谷金保君 どうも答弁を聞いてもよくわからないんですけれどもね。これはちょっとこの時間ではどうにもならないですが、委員長時間はこれはどうにもならないですか。決算委員会を一日延ばしてもらってじっくり国民と……。 それでまだ問題点だけ挙げていきますと、たとえば効用効果を書いてはいけないというふうなことにつきましても例示してありますよね。おたくの出したあれによりますとずっと例示してあるんです。その中に、名称またはキャッチフレーズにより暗示するもの、例として延命〇〇、括弧して不老源とか、〇〇の精とか。そうしたら日本酒はこれどうなんです。こんな例示してあるのと同じ名前で酒が出ているんです。 私はこのことをなぜ言うかというと、ドイツでは糖尿病患者のための——効くとは書いてなかったですか——ためのワインなんというのかあるんです。これは非常にエキス分がなくて、同じ飲むならこの方を飲みなさいというような、アルコール分も薄い、それからエキス分もない、糖分もないような酒なんです。私もそれをやろうと思って前に考えたことがあるんですが、日本では薬事法に引っかかるからだめだと、こういって却下されたことがあるんです。ああそうかなと思っておりました。しかし、先日杉靖三郎先生を団長とするドイツの自然食品、健康食品等の調査に私も随行しました。そしてドイツやアメリカのたとえばレフォルムというふうな制度——食品衛生法と薬事法との間に、もう少しそういう健康食品なり自然食品というふうなものをこういうふうにやりなさいと、食品ですから全部薬品であるはずがないんで、そういう制度があるんです。どうも日本にはそういう制度がないから、どうしても薬事法の中で仕方なく取り締まる。それがだんだん高じて各地で裁判ざたが起きたりするようなこういう問題になり、法的にもきわめて疑義の深い状態に陥っているんではなかろうか、こうも感じるんです。 そして、そういう観点から公取さんにお聞きしたいのですが、実は、本来そういう表示とか、薬用効果の表示をどうするとか、清酒の名前とかというふうなものは公取の方で当然私は行っていかなければならないものではないかと、かように思うんですけれど、そしてそのことについて、公取の方では、昭和五十二年の十一月の一日に天然自然食品の表示に関する公正競争規約の案というのが公正取引協議会の設立準備委員会の中で問題にされているはずなんです。これは一体その後どうなっていますか。
○説明員(土原陽美君) いま先生御指摘の業界からの公正競争規約の案というのを私ども一応聞いておりますが、その案の以前に、私ども五十一年六月に、一般的な天然自然の文言の使い方についての運用基準というものの案を公表しておりまして、それについて関係省庁あるいは消費者等広く意見を聞くということでやってきたわけでございますが、その後一般的な基準の案につきましていろいろ意見が指摘されているところでございます。たとえて言いますと、天然自然という言葉は人によってそれぞれ受け取り方が違う、また商品によっても考え方が違うということで、こういうものにつきまして一般的な基準をつくるのが適当なのかどうか、結局は個々の商品ごとに判断する必要があるんではないか、あるいはまた、食品というのは本来天然自然というのが原則である、ですから、とりたてて書く必要のものではない、こういうものについて運用基準をつくることによって、むしろそれに該当しないものはすべていいということでかえって天然自然という言葉が非常にはびこるのではないかというような意見もございました。あるいは国連のFAO、WHOの合同会議でこの天然自然の問題を検討してきましたけれども、結局、共通基準というものをちょっとつくるまでに至りませんで、結局各国の実情に応じて、慣行に従ってやっていくということになってしまったような事情もございます。 こういうようなことですので、私どもとしまして、その一般的な運用基準をつくるということについてはさらに慎重な検討が必要だろうと思っておりまして、現状におきましては個々の問題を不当表示というものがあれば取り上げていくということで考えている次第でございます。 で、先ほどの天然自然の関係業界の方からの公正競争規約案でございますが、これも私ども具体的に詳しく検討はしておりませんけれども、ちょっと見ますとかなり広範な商品を取り上げて一般的な基準をつくっているわけでございますか、まあ私とも公正競争規約——ほかの商品ごとにいろいろございますけれども、いままで積極的に天然自然という言葉を使ってもいいということで定めたものはございませんで、いずれも行き過ぎたものはだめですと、あるいはこの商品についてはそういうものを使いませんということを決めているわけでございますが、先ほどの天然自然業界の規約案を見ますと、一応おかしなものを規制するという考え方でございますが、扱っているものは非常に広範であって、かつその基準に該当するものは結局使っていいという趣旨になるかと思うんです。そういう点で見た場合に、さらに十分検討していかないとなかなかむずかしいだろう、特に健康食品という関係のものは、その用語だけではなくて、結局その商品の中身がどうかということも関連するかと思います。その点で、私どもなかなか検討する能力もないという点もございますけれども、まあ時間をかけて検討しなければなかなかこれでいいというものはまとまらないのではないかというようなことで考えております。
○丸谷金保君 しかし、あれでしょう、たとえば延命茶だとかあるいは不老酒だとかというふうな酒の表示だとか、食品の表示というふうなものは、公取の不当表示の法律でもって本来は取り締まるべきものでしょう。どうして薬事法で、漢字ならだめでひらがなならいいというようなことになるんですか。公取の方としては、そういうことは厚生省の方にもうすっかりお任せしたんですか。
○説明員(土原陽美君) 景表法は一応あらゆる商品について対象にできるわけでございますが、やはり医薬品とかあるいはそれに近い分野の商品というものは、表示自体もその中身と大いに関係あるかと思います。そういう点では所管官庁の方が非常に専門家でございますから、その意見を十分尊重し、またよく聞いた上で法律運用をするということかと思います。
○委員長(寺田熊雄君) なるべく簡単に。
○丸谷金保君 時間がもう経過しております。したがって、問題はここで終わったんでなくて、いろいろ問題の質問は留保して、あと大臣に要望して終わりたいと思います。 実は、一、二例だけ挙げますと、ドイツの食品衛生、薬事法その他の関係の中では、食品として健康食品等はいろいろ薬用効果も書いて売り出すことができるようになっております。 これは同じタンポポの根です。タンポポの根ですが、これは日本でも古来薬になるんだと言われておる食品です。また、おひたしにしたり、いろんなことをして食べたりもいたします。しかし、それを向こうでは、こういうものは非常にいいんだよということで、これは薬用効果もタンポポなんかも挙げて食用にさせております。それをまたエキスにしたりもしております。錠剤にも。これは薬品じゃないんです。 しかし、日本でやはり同じように、タンポポ健康法なんというのが週刊誌なんかに載っております。そうしてそういうものをつくっておる方がおります。これはもう体にもいいんだということですが、日本ではこういうふうに、こういうことについての薬効を出すことができないと。そのために非常にまじめな健康食なり自然食をやっている人が非常に困っているという現況をひとつ御理解いただきたい。 それらを抑えているのが、四十六年の薬務局長通達が生きていて、それによって、非常に日進月歩、食品業界も食品の製造法も、どんどん宇宙食をカプセルで食べるような時代になってきている、進んでいるにもかかわらず、この通達はちっとも直ってないんです。こういうことで地方では非常に混乱が起きておるということをひとつ御理解いただきたい。 と同時に、酒の段階で許されておるものが、どうしてお茶——延命茶なんか、薬品でなくて私たちはお茶がわりに飲んでいました。お茶よりはこの方がいいよと、これは事実なんです。私の女房なんかこれで胃がすっかりよくなったと言って、近所隣に一生懸命に宣伝して配って歩いてやっておりました。そういうものを何で薬品として取り締まらなければならないのかと、こういう問題点を残しながら、一応こういうことについてもう少し深く大臣の方でも御検討いただきたいことを要望し、さらにまた医療食の問題もございますが、このことは後に、質問通告に出しておりましたけれども、そこまで入れませんので、後日に譲って終わりにさしていただきたいと思います。 どうぞ、大臣ひとつそういう点御認識を深めていただきたい、要望いたします。
○委員長(寺田熊雄君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 —————・————— 午後一時四十七分開会
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十年度決算外二件を議題とし、総理府のうち環境庁及び厚生省と、それに関係する医療金融公庫、環境衛生金融公庫の決算の審査を続けます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○和泉照雄君 私は、特別養護老人ホームの施設整備に関連をして、厚生省の社会局長にお尋ねをいたします。 昭和五十年度と昭和五十一年度に設置を許可され、国庫補助事業及び日本自転車振興会等の補助金あるいは社会福祉事業振興会の借入融資で施設整備を認可された特別養護老人ホームの五十年度、五十一年度の施設件数はどれほどになっているか、お伺いをいたします。
○政府委員(八木哲夫君) 昭和五十年、五十一年におきます特別養護老人ホームの整備につきましては、昭和五十年度におきましては、施設総数が、国庫補助、それから民間資金によりますものを含めまして九十ヵ所でございます。 それから、昭和五十一年度におきましては八十七ヵ所でございます。
○和泉照雄君 特別養護老人ホームの施設の整備については、大別しますと、国庫補助事業による国、県の補助金と社会福祉事業振興会からの借入金及び自己資金で計画される場合と、日本自転車振興会等の補助金と社会福祉事業振興会からの借入金並びに自己資金による方式の二つに大別されておるようでございますが、大体五十人定員の場合を例にとると、事業実施計画のうちの対象事業の内容と資金の内訳はどのようになっているのか。 また、施設整備費の国庫補助基準単価はどのように決められているのか、お伺いをいたします。
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、養護老人ホーム等の福祉施設につきましては二つの方法があるわけでございまして、一つは国庫補助で建設する場合、それからもう一つは民間資金で行う場合とございますけれども、国庫補助金で建設いたします場合につきましては、補助基準額につきましては二分の一を国庫で補助し、四分の一が県費で負担し、残りの四分の一が自己資金で賄う。それから自転車振興会等の民間資金を利用いたします場合には、四分の三が民間資金で四分の一が自己負担、設置者負担ということでございます。なお、設置者負担分につきましては、社会福祉事業振興会からの貸し付けという措置もあるわけでございます。 そこで、いま御指摘ございました補助基本額についてどういうような考え方であるかということでございますけれども、五十年の数字でよろしゅうございましょうか。——昭和五十年の数字で申しますと、国庫補助基準額につきましては、基本額につきましては、五十人定員の場合に一億一千六百三十二万五千円に対しまして、国庫補助額が五千八百十六万二千円。それから県費の補助額が四分の一ということで二千九百八万二千円。残りの二千九百八万一千円が自己資金で賄われるということになっております。 それから自転車振興会の場合でございますが、これは五十一年の数字で申し上げたいと思いますけれども、総事業費一億四千九百七十七万円に対しまして一億一千二百三十二万円が補助されまして、残りの三千七百四十五万円が自己資金によって賄われる。なお、この自己資金分につきましては、社会福祉事業振興会からの借入金を充てるということができるわけでございます。 それから国庫補助の単価でございますけれども、一平米当たりにつきましての基準単価につきましては、昭和五十年度は九万一千四百円。五十一年度は九万五千七百円でございます。
○和泉照雄君 じゃ、お伺いをいたしますが、施設の構造が鉄筋コンクリート平家の場合、社会福祉事業振興会の貸し付け金額が二千万以上の場合の償還期限というのは大体二十年になっておるようでございますが、借入金の金利は県あたりで利子補給しているようでございますけれども、もちろん国も補給しておるようでございますが、この社会福祉事業振興会の借入金が七千八百万の場合と八千四百万の場合、単年度で利子の補給額というのはどれぐらいになるものか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 現在、振興会の貸し付けというのは、財投から資金を借りまして、四・六%というものの利子で貸し付けを行っているわけでございます。 なお、財投からの借り入れは六分五毛ということで計算いたしますと、その差額というものは国が負担しているということになるわけでございます。なお借入金の利息につきましては、御指摘のように二十年間で償還でございます。最初の二年間が無利子ということでございますので、二十年で計算いたしますと、いま先生から御指摘ございました八千四百万円を借りた場合の利息の二十年間の総額が三千六十八万円でございます。それから八千四百万円の場合には三千三百四万円というのが貸し付けの利息でございます。
○和泉照雄君 相当な額の利子補給を結局受けておるということで、これは福祉施設でございますから、補助金をいただいて、補助金は返す必要はないわけでしょう。借り入れ融資をした分は償還をする、利息まで国及び県が見てやる、こういうような非常に優遇をされる措置のようでございますが、そのように確認していいですね。
○政府委員(八木哲夫君) ただいま申し上げました数字は、施設が振興会から借りまして支払う利息ということでございます。したがいまして、国が一般会計で負担しておりますのは六分五毛と四分六厘の差額ということでございますので、一般会計で負担していますのは、八千四百万円の場合に二千三十二万円、二十年間でございます。それから七千八百万円の場合には一千八百八十七万円というのが国の負担でございます。 なお、県が利息を負担しているというケースもございます。したがいまして、県が負担しているという場合には、先ほど申し上げました当該施設が振興会から借りる利息そのままを県が負担しているというケースもあるわけでございます。
○和泉照雄君 次にお尋ねをいたしたいことは自己資金のことでございますが、自己資金の準備は施設の整備のためには必須の条件なのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 今後高齢化が進んでまいりますので、当然こういうような施設の整備というものは重点に置かなければならないわけでございますけれども、先ほども御説明申し上げましたように、国といたしましては二分の一の補助金、それから都道府県が四分の一の負担ということになっているわけでございまして、四分の一の自己資金というのは当然持っていただかなければならぬわけでございまして、しかも民間の施設でこういうことを行う際に、やはり一定の施設の効率的適正な運営という面から、社会福祉事業を行います当事者としてもある程度の責任は持っていただくという意味から、自己資金の準備というものは必要であるというふうに考えておる次第でございます。
○和泉照雄君 じゃ、自己資金の準備がなくては施設整備の申請はできない。しかし、この自己資金というのはどこでどのようにチェックをされるのか。いままでずっといろいろの資料をいただいて調査をしたところでは、ただ書類上に自己資金何千何百何十何万と書いてあるだけで、あなた方がその現物を見たわけでもないし、また現物もほかから借り入れてきた見せ金である場合も起こると思うのですが、こういうのは、本当に自己資金を準備をしておる善良な施設のそういう申請者なのかどうかということは、どこでどのようにチェックして完全なチェックができるのか、そこらあたりについてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 当然、補助金等の申請に当たりましては、都道府県がまず第一次的な窓口になるわけでございますので、都道府県知事を通じまして申請が行われる。その際に、先ほど申し上げましたように、四分の一の自己資金が必要なわけでございます。しかし、四分の一の自己資金が必要なわけでございますけれども、そのうち社会福祉事業振興会によります借入金というもので八〇%程度カバーしているということでございますので、振興会におきます借り入れ計画なりあるいは償還計画というものと並べまして、残りの本当の意味の自己資金でございますけれども、その自己資金というものにつきまして当然自己資金ので、この自己資金を確実に持っているかどうかという点につきましては、当然都道府県知事の方におきまして審査を行っておる次第でございます。
○和泉照雄君 審査を行うということはわかるんですけれども、それが本当に持っておるかどうかという、その自己資金の準備が必須要件になっておりますれば、それをちゃんとチェックするということを、ただ都道府県あたりがやっておるから間違いないんだとおっしゃっても、そうでない場合も起こり得るということはお考えになりませんか。
○政府委員(八木哲夫君) 当然国庫補助を申請する際に、ただいま申し上げました四分の一の自己資金相当分につきましての振興会からのしっかりしました借り入れ計画なり償還計画、それからそれ以外の残りの自己資金につきまして、都道府県知事がはっきりこれだけのものを持っておるという確認が必要なわけでございまして、預金の現高証明というようなものもはっきりそろえた段階におきまして、都道府県知事におきまして当然審査をして申請するということでございます。どういたしましても、福祉関係というのは都道府県を通じて行うわけでございますので、しかも現地の施設あるいはいろんな問題につきまして一番現地の事情にタッチしておりますのは都道府県であるわけでございますので、当然都道府県知事におきまして厳格なる審査ということを前提としまして、補助金が申請されるというふうな仕組みをとっておる次第でございます。
○和泉照雄君 まあ後で具体的な問題はお述べいたしますけれども、やはりここらあたりのチェックの仕方、またこの自己資金の必須条件に対応する、都道府県でもそのチェックの仕方をもう少し考えないと、残高証明とかあるいはそういうような証明をとってみたって、それが作為的である場合も起こり得ることでございますので、その点はひとつ御考慮してもらうということを、検討するということを強く私は要望して次の問題に進みます。 次は、施設整備のための国庫あるいは県、日本自転車振興会等の補助金の申請や社会福祉事業振興会の借入金の申請は、社会福祉法人の経営する施設だけに限定されているのか。補助金、あるいは国庫補助、県とか、そういう補助金あるいは自転車振興会等の補助金あるいは社会福祉事業振興会からの借り入れで借りた資金は、福祉施設だけに限定をしてあるのか、それとも、特別養護老人ホームのために使用すると称する、そういうような名目で建設をされる医療機関である診療クリニックとか、そういう施設まで施設整備資金の対象に入れてあるのかどうか。すなわち、老人福祉施設建設のための資金として申請した補助金や借入金は、福祉施設の建設のほかに医療施設の建設にも使用できるのかどうかという点を明確にお答え願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 国庫補助金にいたしましても、あるいは振興会の貸付金等にいたしましても、社会福祉施設の整備ということのための補助金でございますし、貸付金であるわけでございますし、当然補助の対象にすべき内容というものも厳格に決めておるわけでございますので、補助の目的以外に使用するということは考えられないわけでございます。
○和泉照雄君 では、具体的に問題を提示をいたしますが、この問題は工事を請け負った建設業者の役員あるいは社員あるいは現場監督等の方々の証言によるもので、その証言はこのテープにちゃんととってございます。それから、証人の方々のことは、電話等でいろいろ採録したことは、ずっと筆記してございまして、そういう方々の証言を証拠にしていろいろお尋ねをして、今後調査もしてもらわなければならないと思いますので申し上げることでございます。 昭和五十一年度設置許可された奄美大島の——鹿児島県でございますが、沖永良部島にあるしらゆりの園という、社会福祉法人鹿児島黒潮会の特別養護老人ホームがございますけれども、この施設建設について、診療所でございます有恒堂クリニックの建設もこの建設資金計画に組み込まれて申請をされて、補助を受け、融資を受けた資金が流用されて建設されていると、このようなことを証言しておる事実があるのでございますけれども、この事実を御承知かどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(八木哲夫君) 私どもはしらゆりの園につきまして、五十二年の五月一日に設立認可になりまして、しらゆりの園に対しましては、自転車振興会の補助金と、それから社会福祉事業振興会からの借入金が行われているというのは承知しております。しかし、当然この施設のための貸付金でございますし、いま御指摘ございましたようなクリニックに充てられているということはないというふうに考えておる次第でございます。 先生御指摘のような事実は承知いたしておりません。
○和泉照雄君 これは先ほど申し上げたとおり、内部の方々のそういう証言でございますので、それも一人ではございませんので、四、五人の方々の、金額もほとんど合った証言でございますので、あなたの方で御承知がなくても、調べて事実を明らかにしていただかなければならないと、こういうふうに思います。 次の問題は、この特別養護老人ホームしらゆりの園の新築工事の工事請負代金は、厚生省の方からいただいた資料でもはっきりするとおり、一億九千一百万円となっております。しかし証言によりますと、実際は、診療所有恒堂クリニック建設費一千五百万円、それから福祉施設であるしらゆりの園の収容棟であるこの本体の建設費は一億五千五百万円、計一億七千万円で裏取引をしたと、させられたと。ですから、一億九千一百万円と一億七千万円の差額の二千一百万円。それから、先ほどあなたの方で御答弁になりました医療施設には該当しないということになりますと、千五百万円というものが不当に使われたということでございますので、これは当然有恒堂のクリニックは、経営者が負担をすべきところを負担をしていないので、合計しますと三千六百万と、こういう数字になろうかと思いますが、この資金が特別養護老人ホームの新築資金から削減をされている。使途がはっきりしておるのは有恒堂クリニックのところだけでございまして、あと二千一百万円の使途ははっきりしていない、こういうふうな証言がございます。 建設業者としては、このように一億九千一百万の中から、本体工事として一億五千五百万ということになりまして三千六百万も減額をされますと、約二割の減額になりますので、当然手抜きをせざるを得ないと、こういう状態に減額をされております。で、建設業者は発注者に、この三千六百万円を、私が聞いた中では、そのうち三千万円はリベートとして納入をしたと。そうして発注者は自己資金に充当したというような疑いを持たれるようなそういう状態であったと、こういうふうに申し立てておるわけでございます。 しかも、このリベートの授受をしたときには、ちょうど昭和五十一年の九月の初めころ、発注者から業者に三千万円、ある銀行を介して送りまして、そうして向こうから領収証をもらって、そうしてまたお金は取り上げておるという、この銀行をトンネルに使ったということも申し立てておるわけです。そうして、いろいろな調べがあったときに証拠として残しておかなければならないと、こういうようなことも言われたということを言っております。このような事実を厚生省としては御承知なのかどうか。
○政府委員(八木哲夫君) 私どもはそういうような事実は全く承知いたしておりません。
○和泉照雄君 また、聞くところによりますと、同じく奄美大島の、与論島の与論町の社会福祉法人光与会特別養護老人ホームのヨロン園、この新築工事についても、工事請負業者は同じ建設業者でございます。この同じ建設業者が申請書に添付した工事請負契約書は一億七千万円となっておりますけれども、実際は一億四千万円で裏契約をさせられたと。ちょうどこのころは、昭和五十年、五十一年のころは総需要抑制で仕事がほとんど途切れた時期でございますので、業者の仕事がほしいという、そういうような立場につけ込んでやられたということを言っておりますが、この場合も約三千万円のリベートを要求をされた、そしてその三千万円の差額は発注者にリベートとして差し出したと。このように、この発注者も自己資金を全然準備をしないで自己資金に充当したのではなかろうか、あるいはまた他に流用したかは詳しくはございませんけれども、そのようなことを申し立てております。私に言わせますと、社会福祉事業家であろう人が、本体契約をこのように減額をしてその金額を他に流用するということ、これは絶対に国費の浪費という問題、あるいは社会福祉事業家としての立場からも絶対許せぬ行為ではないか、こういうように思えるわけでございます。 この建設業者は、特別養護老人ホーム建設については発注者がリベートを取るのが慣例、通例になっていると、このように友人に話したとも聞いております。私はこの点が問題だと思います。こうなりますと、厚生省が決めておる国の補助基準が甘過ぎるのではないか。私はそういうことは考えられないわけでございますが、あなた方のおっしゃることによると、やっと実勢に近づいてきて非常に喜んでもらっておるということでございますけれども、零細な業者が不況で本当に困っておるときに、多額の補助金を受けて行うこの種の事業をえさにリベートを強要して零細業者をいじめ、手抜き工事をせざるを得ない多額の減額を要求することは、結局工事の手抜きをせざるを得ないことになると私は思います。 沖永良部島のしらゆりの園の場合は、本人たちの証言によりますと、基礎工事、日に見えない基礎工事を変更したと言っております。コンクリート工事、木工事等で約千四百万円の大きな手抜き減額、業者の方は旅費、運搬費、雑費として千五百万円の減額をしておるようでございます。の見積書です。これがつけられてあると思います。ところが、減額をさせられたしらゆりの園の場合ですから、結局本体工事の方は、これが実行予算として減額をせざるを得なかった見積もりでございます。この中にクリニックが千五百万円、本体が一億五千五百万円、ずっとこっちを照合してみますと、いま申し上げた基礎工事とかコンクリート工事とか運搬費とか雑費というのを減額をせざるを得ない、こういうような状態になっております。そうなりますと、申請の認可後に設計変更が、あなたの方に設計変更の申請があったかどうか。多分ないと思いますが、その事実はどうなっておるか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 実施計画の設計の変更という点につきましては、申請は参っておりません。
○和泉照雄君 ですから、いま申し上げたことは、直接建設に当たった建築課長が、自分がやったことで真実、うそ偽りはないという証言でございますので、現地を最初の設計図と当たってごらんになればわかると思います。一つの例としてその方が申されたのには、やはりそれだけ減額をされてリベートを要求されて取られたということになりますと、会社も成り立っていかないので、どうしても手抜きをせざるを得ない。たとえて言いますと、沖永良部は、昨年も沖永良部台風というすごい台風が直撃をしたところでございますが、そういうようなところに備えて、台風のためのサッシを入れなければならないのを普通サッシを入れてしまった、入れざるを得なくなったと、こういうようなこともおっしゃっておりました。これは当事者、やられた方ですから、まさかうそはおっしゃってないと思いますので、そういうところに着眼されたらすっきりするんじゃないか、こういうように思うわけでございます。 それでは、いままで私か建設会社の——この建設会社はそういうことが一つの原因になりまして昨年の八月倒産をしてしまいました。その方々の証言でいろいろ申し上げましたけれども、今回は厚生省の方でもう少し詳しく、沖永良部島の社会福祉法人鹿児島黒潮会の特別養護老人ホームしらゆりの園と、与論の社会福祉法人光与会ヨロン園の事業実施計画の概要と資金の内訳について詳しくお答え願いたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) お答え申し上げます。 しらゆりの園につきましてまず申し上げたいと思いますけれども、私どもが承知しております事業の実施計画を見ますと、本体工事、鉄筋コンクリート平家建て千三百五十九平米、一億六千六百九十万、冷暖房設備等五千九百四十八万円でございまして、そのうち日本自転車振興会からの補助金が一億一千四百八十七万円、それから社会福祉事業振興会からの借入金が七千八百万円となっております。 また、ヨロン園の場合につきましては、本体の工事、鉄筋コンクリート平家建て千二百六十六平米、一億五千四百十三万円、付帯工事費四千四百九十八万円となっており、そのうち国庫補助金が五千八百三万七千円、県費補助金が二千九百一万八千円、社会福祉事業振興会からの借入金が八千四百万円となっております。
○和泉照雄君 この問題点を要約しますと、沖永良部島のしらゆりの園については、建設業者にリベートを求めて、施設整備資金の補助金、融資、借入金を不正に私は流用をした疑いが十分あると。そして、申し立てによりますと、これを自己資金に充当した疑いも十分ある問題点が一つ。第二点は、医療機関の新築まで福祉施設整備資金を流用している問題。それから三番目、不況下に仕事を求めている零細企業の弱点に、弱みにつけ込んで業者をいじめていることは、社会福祉事業家としては私は適格性を欠くのではないかと、こういうことが一つの問題になりまして、ここを拠点にして、収容されておるお年寄りをいじめるような、そういう措置をし出したらこれは大変でございます。四番目は、リベートが二割にも及ぶ過大さであるので、業者は手抜き工事をせざるを得ない状態にあり、また申し立てによってそのような事実が行われたということでございます。五番目は、借入金を調達をした社会福祉事業振興会の原資は、国民の血税である財投資金が約二百数十億も投入をされており、しかも、借入金の利息は国及び県が国民の血税で利子補給をしている、それが償還まで約三千万というような巨額にも達する額であること。 同じように与論町のヨロン園もこのようなことが指摘できると思うわけでございますが、このような問題が証言であからさまに出たということについて厚生大臣はいかがお考えでしょうか、御所感をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) もしおっしゃるとおりの事実があるといたしますと、はなはだ遺憾だと私は思います。したがって、先ほど局長申し上げましたように、私どもの方は県を通じてすべての監督、指導あるいは補助金の交付等をやっておりますので、早急に県に指示しまして徹底的な調査をいたしたい。御承知のとおり、補助金についての適正化の法律等もございますから、それに照らしまして十分なる事実の究明の後、処置をとってまいりたいと、かように思います。
○和泉照雄君 問題なのは、建設業者が言ったといいます、先ほども私も申し上げました、発注者がリベートを要求し、取るのが通例、慣例となっているといったことは私は大きな問題ではないかと。聞くところによりますと、施設発注者と工事請負者との間をあっせんをするあっせん屋と称するグループが介在をしておったようであります。昭和四十八年の石油パニック後の不況、昭和五十年、五十一年度総需要抑制による不況のどん底で、業者はのどから手が出るほど仕事が欲しい時期であったのは事実でございます。そのような時期を利用して、このあっせん屋と称するグループがマージャンとかあるいはゴルフ、飲食を介して情報を交換し、流し合い、工事のあっせんをしていたようでございます。そして、形は指名入札の形をとっておりますけれども、発注者と業者をあっせんをして請負契約を結ばせ、発注者に業者よりリベートを納めさせ、みずからもリベートを取っているという手口のようでございます。 発注者から当然のように総工事費の二割にも達する大きなリベートを要求されると、建設業者としては、会社として利益を確保するためには当然手抜きをせざるを得ないことになると思いますが、このような不正を防遏するためのチェックはどこでどのようにされているのか。チェックできないでこのような問題が発生したということは、チェック機関の経験が浅い、あるいは甘いのではないかと、このように思われてならないわけでございますが、またこの建築物の検査の結果はどのようになったのか、お答え願いたいと思います。 自己資金も準備をしないでリベートを業者に要求をして、補助金と借入金でまるまる自己資金に充当をした疑いを持たれるなど、しかも、借入金の利息まで公費で利子補給されていることは、先ほど申し上げましたとおり、国民の血税の浪費も極に達したと言っても過言ではないと思いますが、この点についてはどのような御所感か。また、発生したこの問題について対策はどのようにとろうと考えていられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 社会事業につきましてそうしたことが行われないようにいたしますためには、まず第一に、社会福祉法人の設置、その事業をやります最初のときからもう少し県をよく指導いたしまして、本当に適格な人であるか、また適確な事業計画であるかという点をもう少し厳重に私ども今後やらなけりゃいけないんじゃないかという感想を持ちました。 なお、補助をいたしました後は、当然工事報告もとっておりますし、いろいろな意味での公金を貸した、あるいは補助をしているわけでございますから、監査等も十分にいたしまして、そのような事実のないように厳正に運営をしていかなけりゃいけないと思います。なお、建築関係のことについては、これはもう私どもの所管でございませんが、これらについても十分ひとつ注意をいたしますように、県の方の指導強化と監督の問題だと思いますから、この点も特に今後とも注意をしてまいります。 いずれにしても、早急にこの二つの、いま御指摘の点については県を通じて厳重にひとつ調査をいたしまして、その結果に基づいて措置を考えたいと思います。
○和泉照雄君 会計検査院の方にお尋ねをいたしますが、会計検査院は、最近の厚生検査では、福祉施設の工事検査にかなりのウエートを置いて検査を実施していると聞いておりますが、成果はどのようなものが上がっているか。また、私がいま指摘をしたことを中心に、五十年度、五十一年度でございますが、検査をすべきだと思いますが、この点についてはいかなる御所見をお持ちかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(岡峯佐一郎君) お答え申し上げます。 厚生省所管の検査は広範多岐にわたっておりますが、いま先生御質問の各種社会福祉施設の補助工事につきましては、本年の重要なテーマといたしまして、本年は十九都道府県にわたります各種社会福祉施設につきまして、三十一施設を検査をいたしました。その検査の結果でございますが、現在取りまとめ中でございます。報告によりますと、二、三の軽微な事態はございますけれども、特に指摘する事態はないというふうに伺っております。 そこで鹿児島県の検査でございますが、鹿児島県につきましては、本年の五月に六日間、調査官五名が参りまして各般にわたる厚生省所管の検査をいたしたのでございますが、いま御質問の社会福祉施設につきましては、薩摩郡にございます、老人福祉施設を検査するにとどまりました。それは検査人員の問題、日程ということから検査をしなかったわけでございますが、実はこれまで鹿児島県の離島につきましては、厚生省所管につきましては一度も検査を実施しておりません。せっかく先生のこのような御指摘でございますので、この機会に計画を持ちましてなるべく早くこの事態の解明に努めたいと、このように考える次第でございます。
○和泉照雄君 このような行為は、本当に、内部の告発ではございますけれども私は信憑率は非常に高いんじゃないかと。こういうようなことが行われておるとすれば社会福祉事業家としては不適格な行為ではないかと。お年寄りにいい施設を与えて老後の安らかな環境づくりをするのがこの特別養護老人ホームだと、あるいは養護老人ホームだと、このように思います。それなのに、弱い業者のそういうような弱みにつけ込んでリベートを取り上げ、それをどういうふうに使ったかわからない、こういうような公金を浪費するようなことは絶対に許されてはならないと思いますし、また、そういうことが一つの原因になって業者も手抜きをせざるを得ない、こういうことになりますと、皆さん方の温かいそういうような配慮もかえって恩をあだで返すことになるわけでございます。それで、このようなことがもしも白日下にあからさまになってきた場合には、私は補助金を出している日本自転車振興会の場合は、規定の第十六条で補助金の目的外使用禁止、第二十七条の交付の取り消しに該当すると思われます。また、国の多額の財投資金を原資としている社会福祉事業振興会の金銭消費貸借契約特約条項第二条に違背する行為であると思いますが、この自転車振興会の方は通産省の方から、また国庫補助事業及び社会福祉法人の指導監督の立場から、厚生省の立場として、もしもこれがはっきりした場合はどのような措置をとるおつもりか、その辺のところをはっきりしていただきたいと思います。
○政府委員(八木哲夫君) 万一先生御指摘のような事実があるということになりますれば、当然国庫補助金につきましては、補助金適正化法に抵触するわけでございまして、必要な取り消し等の措置ということもあり得ると思います。さらに、社会福祉事業振興会の場合にも、先生御指摘のように、金銭消費貸借契約書にはっきり規定があるわけでございますので、これに基づきます返還措置ということも考えられるというふうに思う次第でございます。
○説明員(堀田俊彦君) 日本自転車振興会の補助金につきましては、私ども常日ごろ厳格に運用するように指導いたしているところでございます。 きょう御指摘の件につきましては、早急に自転車振興会に調査を行うよう指示するつもりでおります。その結果、不正な事実が仮に判明した場合には、日本自転車振興会に対しまして、先生から御指摘のありました条項等に基づきまして、所要の措置をとることにいたしたいと存じております。具体的には、補助金の返還請求ということも考えられるわけでございます。
○和泉照雄君 先ほどから何回も申し上げておりますが、この二個所の施設から一業者が二回にわたってそういうようにリベートを要求されて、大変な目に遭っておるわけでございますが、その建設業の社長がいわく、これは通例、慣例になっておるんだと。あんまり使わない言葉ですけれども、そこの会社の人たちはリベート、リベートというのがすらすらすらすら何のよどみもなく出るような、そういうような状態ということから、私はこの問題がはっきりしたあげくには、これは全国的なケースというふうにとらえて、総点検をされる必要があるんじゃないかと思いますが、厚生大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、社会福祉施設の特に民間の場合ですね、社会福祉法人なりあるいは財団法人なりの民間公益法人の場合に、それが通例だということはいまだかって聞いたことがございませんけれども、もしそういう事態があるといたしますと、これは恐らく自己資金が何にもなくて、そして一つの事業として社会福祉事業をやるんだと、そこで建築のときにそういうリベートをとってその分は自己資金に回すのかということにもなりますので、結局、認可申請のときに、都市府県を通じましてあるいは市町村を通じまして、厳重にその点の、本当に財産あるいは運営の体制等を含めて、一層厳格にひとつやっていかなきゃいかぬと思っておりますが、いままでそれが通例だというふうに聞いたことは私どもございませんので、もしあるとすれば大変私ども遺憾だと思いますので、そういうような事実について、私どもが建築工事のいろいろな問題に関与するわけにいきませんけれども、要は福祉法人なり財団法人なりの適格性ということにあろうかと思いますし、それから当該施設の補助金申請あるいは融資の申請の場合に、その施設が当然必要な自己資金を持っているかどうか、また今後健全な運営ができるだけの資格を持つかどうか、この審査の徹底ということに尽きると思いますので、今後とも努力をいたしてまいります。
○和泉照雄君 質問は以上で終わりますけれども、私は過去にも重症心身障害児の施設の問題、あるいは養護老人ホームの問題、身障者授産施設の問題、あるいはまた保育園の問題等で、いろいろと県議会におきましても不正の追及をしてきたことを思い出すわけでございますが、やはり浜の真砂のたとえのとおり、一向にその不正が、特に役職員の方々が、設置者がそういう福祉を食い物にする、そういうことをしておることが後を絶たないということは本当に残念で仕方がございません。特に今回の場合のように、弱みにつけ込んで弱者をいじめる、そうして国費を悪用する、こういうようなことは絶対許されてはならない、こういうことでございます。それで、本件を直接施工した業者の方々からの意見によって問題は提供されて、私は事実に相違ないという確信のもとに質問を申し上げたわけでございますが、厚生省におかれても、この方々の意見等の聴取という、ただ官庁からの天下りのそういうことでなくて、これは相当に隠された部門が非常に多うございますので、秘密裏にもそういう人たちの意見等も聞かれて、そうして真相究明に努力をされるように特に強く要請をいたしておきます。私もその点については、このテープ等も一遍お聞かせしてもいいと思いますので、その点もひとつ含んで、前向きでやっていただきたいと強く要望してこの問題を終わります。 次は、公衆衛生局長にお尋ねいたしますが、厚生省は、本年度から三カ年計画で鹿児島の桜島の火山活動に伴う降灰の人体影響調査を始める予定のようでございますが、ことしの桜島は、御承知のとおり活動がきわめて活発で、爆発回数も二百回近くになっております。このうち、八月末の降灰は、昭和三十年に鹿児島地方気象台が観測を始めて以来のもので、周辺の桜島町や鹿児島市内などにどか灰を降らしたことは御承知のとおりでございます。このため鹿児島市、垂水市、桜島町など降灰常襲地域では、人体への影響が心配をされているわけでございます。特に桜島の灰は珪酸が多いことから、人体への影響が非常に心配されているわけでございます。厚生省の行う人体影響調査の調査の具体的内容はどのようになっているのか、降灰検診はどのような地域、範囲で実施をされ、また拡大をされる計画なのか。また、鹿児島大学脇阪教授の行った調査、並びに文部省が特定研究として、五十二年、五十三年度の二ヵ年で二百万円の研究費をつけて行われた桜島についての総合研究を続けた鹿児島大学の学者グループとの関連、連携はどのようになっていくのか。また、この学者グループの研究調査の中間成果の発表によりますと、桜島から二十キロ以内の地域はぜんそくが他の地域の三・七倍にも達するということで、呼吸器疾患が大きな問題だと言われておりますが、これに対する御見解もあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) 桜島の降灰による人体への影響につきましては、先生御指摘のように、先ごろ鹿児島大学が行っております調査研究の一部が中間報告されたわけでございますが、厚生省といたしましては、鹿児島県と共同いたしまして、本年度、すなわち昭和五十三年度から、国及び県の研究費によりまして専門家からなる研究班に委託して調査研究を推進するということにいたしております。 その内容につきましては、まず一番目に、学童の病歴調査及び呼吸器疾患の健康診断。二番目に、一般住民につきまして胸部エックス線間接写真でのじん肺検診並びに肺機能検査等の精密検査など呼吸器疾患に関する集団検診。三番目といたしまして、疫学的研究によりまして各保健指標に関する検討、火山灰の生体影響に関する文献学的な考察、さらに疫学的調査方法の検討など、この三つを三本の柱といたしまして、学問的な調査研究を行うよう研究班の専門家にお願いいたしております。具体的な地域、検診のやり方、範囲等につきましては、研究を委託いたしました研究班の専門家の方々が今後適切なる計画をされるようにお願いしているところでございます。 なお、鹿児島大学の先生方が文部省の特定研究として行っております研究につきましては、御案内のとおり、昭和五十二年、五十三年度と行われているわけでございますが、この研究の内容は降灰の分析、動植物への影響など基礎的なデータを収集することを主目的といたしておりまして、厚生省の研究の内容は先ほど申し上げましたとおりでございますので、必ずしも一致はしておらないわけでございますが、研究者の中には、先生が名前を挙げられた脇阪教授等、両方の研究班に属している方もおられますので、相互の連携を図り、十分にお互いの研究班の成果がお互いに利用できて、研究全体として成果が上がるよう研究を進めていただくようお願いしてございます。
○和泉照雄君 それからぜんそくが三・七倍ということについて。
○政府委員(田中明夫君) ぜんそくのデータにつきましては、先ほど申しましたように文部省の調査研究の中間報告の中でそういう報告があったわけでございますが、これにつきましては脇阪教授にも御連絡申し上げたところでございますが、文部省の行いました調査研究は、学校の集団検診の結果をもとにしましてこれを集計いたしたものでございます。したがいまして、学校によりまして校医さんが違いますし、そういうような点で必ずしもスタンダードと申しますか、いろいろな診断の基準等が必ずしも統一化されていないという問題もございまして、桜島に非常に近いようなところでも非常に罹患率が低い学校もございまして、そういうような点を勘案いたしまして、厚生省の調査では、そういう診断基準等を統一いたしましてより正確な罹患率等に対する結果も得たいというふうに考えております。
○和泉照雄君 次は年金局長にお尋ねをいたします。 年金福祉事業団というのは、厚生年金保険、船員保険の加入事業主に対して、年金受給者の福祉増進のための必要な住宅、文化施設などの設置のための資金の貸し付けや、国民年金保険の被保険者の個人住宅建設のための個人貸し付けの原資を住宅金融公庫に貸し付けを行っているようでございます。すなわち、国民の大多数が入っている厚生年金保険、国民年金保険の掛金を原資として、その見返りとして住宅資金を融資しているわけでございますので、被保険者の要望に十分こたえるものでなければならないという立場から二点ほどお尋ねをいたします。 その第一点は、住宅金融公庫の個人住宅建設資金とあわせて年金福祉事業団の年金被保険者住宅資金融資の個人貸し付けを申し込んだ場合、受付期間が非常に短期間であるということと抽せんであるということから、これの恩恵に恵まれる率が非常に少ないという批判が多うございます。ちなみに、昭和五十二年度第一回申し込みの当選率は三五%、五十三年度は二五%に下がっておるようであります。庶民の願いをかなえるために原資をふやすなり、あるいはまた抽せんはやめるべきではないかと思うのでございますが、これについての御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(木暮保成君) 年金につきましては、保険料を原資といたしまして被保険者の福利のために住宅の融資をいたしておるわけでございますが、厚生年金、船員保険につきましては事業主ないし船舶所有者に転貸をするということを主としてやっておるわけでございますが、これによりにくい方もいらっしゃいますし、国民年金の場合には事業主を通じて転貸をしていただくという方法はございませんので、ただいま先生の御指摘のように、住宅金融公庫にお願いをしてやっておるわけでございます。それで、非常に希望が多い事業でございますので、私どもも何とか御希望に沿えるようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 第一点の貸付期間でございますが、これは住宅金融公庫にお願いをしております関係上、住宅金融公庫の本来事業の受付期間に合わせざるを得ないと思いますが、現実には昭和五十一年度は二十六日間の受付をいたしております。五十二年度は四十日間の受け付けをしてもらっておりますが、五十三年度は五十二日間の受け付けをするというような予定になっておりまして、逐一延びる方向にしておるわけでございます。先生の御指摘の線で今後とも住宅金融公庫、建設省と連絡をとってまいりたいと思います。 それから貸付原資の問題でございますが、この点につきましても御希望が多くて現実には抽選を行っておるところでございますが、これは何と言いましても原資をふやしていくということで解決する以外に方法はないかと思っておるわけでございます。五十一年度住金にお願いをしました枠は二百十二億でございます。五十二年度は三百七十五億の枠を住金にお願いをいたしておるわけでございます。さらに五十三年度は五百九十四億ということで、五十一年度に比べますと倍以上の充実を図ってきたところでございますけれども、なお、御指摘のように抽選ということにならざるを得ないという形でございます。これにつきましては資金枠の確保に今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○和泉照雄君 第二点は、国民年金の還元融資、これは住宅金融公庫併用申し込みだけで、しかも制度的には事業主の転貸受け付けという融資の制度はないようであります。しかもこれも抽選であるので、落選をした場合は他に申し込み融資の道は閉ざされておるのが実態でございます。もう少し、機会を与える意味からも申し込みをどしどし受け付けるという機会をどんどん与えるという、そういうような配慮があってしかるべきと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(木暮保成君) 国民年金につきましては、ただいまも申し上げましたように、事業主に転貸をしていただくというような方法はないわけでございまして、住宅金融公庫にお願いをする方法をとっておるわけでございます。貸し付けの窓口の開いております期間も、ただいま御報告を申し上げた程度でございますので、延長ということもぜひやりたいとは思いますけれども、住宅金融公庫の本来事業との関係がどうしてもあるわけでございます。先ほど申し上げた線で今後とも建設省並びに住金と連絡をとってまいりたいと思います。御希望どおりにまいらない点は、何といっても資金枠の問題でございますので、この点につきましては従来とも非常に大きな伸び幅で資金を確保してきておるわけでございますが、一層その線で努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 五十二年度の転貸貸し付けの問題でございますが、この貸し付けの規模別貸し付け決定状況、いただいた資料からしますと、大企業が五五・四%、生活協同組合あるいは民法法人等が三五%、合計九〇・四%で、残りが中小零細企業で九・六%と、このようになるようでございます。中小零細企業の方は前年度が一四・三%でございますので、これから九・六%ということになりますと減少の傾向にあって、かえってその反面、生活協同組合、民法法人等が増加をしているのが実態のようであります。このことは、中小零細企業の事業主が、事務の繁雑さ、あるいは従業員の定着率が悪いということで余り関心がないことによるのではないかと思うのでございますが、そのほかにこのように減少の理由というのはどういうことによるのか。 また、事業主以外で転貸貸し付けの業務を取り扱っている各種団体の中で、労金は二万五千円、住宅福祉協会等は六万円から七万円の手数料を徴収しているようでございますが、被保険者に対しては負担が重過ぎるのではないかと思うのですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。 なおまた、中小企業、特に建設業の場合、非常にこの制度に関心がないというのは、指名願いに影響が大きいと。すなわち長期借入金がふえるので財務内容が悪化するということで、これが原因で、指名の場合に減点となって回数が減少すると、そういうことで転貸貸し付けを歓迎しない点もあるやに聞いておるわけでございますが、この点については状況を把握していらっしゃるかどうか。していないとすれば、今後調査をする御意向があるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(木暮保成君) 事業主の転貸状況、ただいま先生おっしゃいましたとおり、千人以上の企業が半分を占めておるわけでございます。中小企業の利用率が少ないという実態があるわけでございますが、これは、転貸をいたしますとかなり長期にわたりまして管理事務をしなければならないわけでございますので、中小企業の中にはそういう事務的な体制がとれないということもあるわけでございます。しかし、中小企業でもどんどん転貸をしていただけるように、従来にも増しましてPRをいたしてまいりたいと思っておる次第でございますが、しかし、長期にわたります債権債務関係でございますので、中小企業ではどうしてもやりにくいという面があろうかと思うわけでございます。そういうことを考慮いたしまして、民法法人等、適当な団体には事業主にかわって転貸をしていただくような方途を講じているわけでございまして、だんだんこれが拡大をしてきておりまして、中小企業の方々も利用じゃすくなっておるということかと思うわけでございます。 民法団体等のシェアがふえてきておりますのは、これは主として中小企業の方にお役に立てたいということでやっていただいておりますので、中小企業の方々の利用の方向に非常に寄与しておるというふうに考えるわけでございます。ただその際、御指摘のございますように、どうしても民法法人等が転貸をいたします際の事務費を利用者に負担していただかなければならないわけでございまして、その団体の条件に応じた手数料等を負担していただいておるわけでございます。民法法人等の転貸、始まりましてまだ期間がございませんので、取り扱いの事業がふえてまいりますに従いまして手数料等も安くしていける余地があると思うわけでございますが、私ども、転貸団体の事業状況をよく見守りまして適切な指導をしてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、建設事業等の場合に、転貸をいたしますと帳簿上は借り入れがふえるということになりまして、入札等のことで不利な扱いを受けるというようなことになるのではないかということでございますが、この住宅の転貸が多いということで財務内容が不健全になるということにはならないというふうに思うわけでございますけれども、御指摘がございましたので、よく実態の把握に努めていくようにいたしたいと思っております。
○和泉照雄君 次は、医療保障の問題についてお伺いをいたします。 医療保障ということは、国の責任ですべて、の国民に、いつ、どこにおいても必要にして十分な医療が受けられるということでございまして、わが国は、昭和三十六年に国民皆保険が実現をしましてから、すべての国民は何らかの医療保険制度によって医療が受けられるはずでございます。国は、よりよい条件の整備、質的内容の充実に努めるべきであると思いますが、医療保障のあり方についての厚生大臣のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、国民が健康を阻害した場合に、これを何らかの意味で公的な制度によって担保していくということが必要でございます。したがって、わが国においては保険制度を基軸にして全国民を皆保険制度下に入れているわけでございます。一応、制度としては全部完備したと思いますが、この運用なり、あるいはまた医療の供給体制の整備なり、その他の問題を十分充実をしていきまして、医療保障の全きを期すように努力をいたしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 最近、入院料の保障を対象とする民間保険が現在非常なブームを呼んでいることは御承知のとおりだと思います。わが国では国民皆保険であり、高額医療費の制度もあるから、医療費の自己負担は月三万九千円までというたてまえになっておりますけれども、実際に入院となりますと、差額ベッド料とかあるいは付き添い看護婦料といった保険外負担があって、入院には多額の金がかかります。そこに目をつけられたのがこうした民間保険で、がん保険とか疾病保険とかいろいろありますが、そのセールスポイントは入院費の保障であり、内容は、一例を挙げますと、一般の病気を対象とした疾病保険というのは、継続して八日以上入院したとき一律五千円から一万円の給付金が出て、期間は約二年の最高七百三十日でございます。がん保険は、これはがんであるという医師の診断があったものに限りますが、一ヵ月三十七万五千円を入院の期間中保障するものでございます。成人病入院特約というのは、一日につき五千円、これは引き続き二十日以上入院したときで、対象は五大成人病——がん、糖尿病、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患等で、一回の入院については百八十日まで支給されることになっております。 生命保険協会の資料によりますと、入院保障づき保険は五十三年三月末で約六千万件でございます。この一年間で六百四十二万件の増でございまして、そのうち、一般の病気を対象にする疾病入院は三百七十八万件も増加しております。こうした民間保険がブームであるのは、入院のときの経済負担に庶民がどれほど不安を持っているかということの証左であると言えると思います。大学付属病院などでは八割から九割までが差額ベッドでなって大学病院に入院したいときでも、差額なしで入院することはとてもむずかしいというのはいまや常識でございます。こうした費用は庶民の家計にとっては大変な重荷でございます。それでも民間保険に入れる人はまだいいのであって、入りたくても入れない人はどうすればよいのかという不安に襲われているのが現状でございます。国民皆保険でありながら民間疾病保険がブームを呼んでいるこの状態を、国民の医療をあずかる厚生大臣はどのように見ていられるのかお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(石野清治君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、社会保障としての必要な医療に関します費用につきましては、当然これは公的な医療保険制度によりまして補てんしていかなきゃならぬ、こう考えておるわけでございますけれども、同時にその疾病にかかりますそれ以外の出費等もいろいろございます。そういうことに着目しまして、病気の際の副次的な保障等を行うものとしまして民間保険制度というのが発達してきたわけでございますので、それはそれなりの一つの考え方でございまして、個人の選択ということで許容されてしかるべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 じゃ、大蔵省の保険部長さんにお伺いをいたしますが、病気入院を保障の対象とする保険のブームは、昭和四十九年に外資系の生命保険のがん保険が売り出され、それが爆発的に売れたのがきっかけとなって、昭和五十年から五十一年にかけて入院を対象とした成人病特約保険が次々に売り出されているのですが、その契約状況は非常な勢いでふえております。 大蔵省の資料によりますと、疾病保険の契約状況は、契約件数は五十二年度末で二千二十三万件で、この一年間に三五%の伸びであり、五十年度末の九百五十四万件の二・一倍になっております。そのうち、がんや成人病など特殊疾病の入院を対象としたものは三百四十八万件、この一年間で七〇%の増、五十年度末は六十四万件ですから、五・四倍で、いかに急速にふえているかがわかります。金額では、五十二年度末で契約日額合計が八百九十五億円、この一年間に五四・一%の増で、五十年度末の三・三倍でございます。がんや成人病を対象としたものは二百九十九億円、五七・五%の増で、五十年度末の三・七倍で、がんや成人病で入院したときの不安が大きいということがこれでわかると思います。 また生命保険協会の資料では、この一年間で疾病入院は件数で言いますと三〇%、金額で五二%も増加しております。ほかの生命保険などが件数で三ないし五%、金額で一三%ぐらいの増加であるのから見ると、著しい伸びであることを、示しております。こうした状況は、国民のニーズがあるからだとばかりは言っていられないと思いますが、民間保険を認可し監督する立場の大蔵省は、この状況をどのように見ているのか。まさか今日の財政難で国の台所も苦しいから、社会保障を補う一つの手だてとして民間保険が普及することを期待していると、このようなことは私は思いませんけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(貝塚敬次郎君) お答えいたします。 御質問の疾病保険はすでに昭和四十二年ごろから一部の民間生命保険会社で開発したのでございますが、ただいま御指摘のありましたように、この数年間非常な伸びを持っております。われわれ考えますと、生活意識も変化いたしますし、国民の価値観というものも非常に多様化してまいりますので、そういった多様化したニーズにこたえるためには、弾力的にこれに応ずる意味で、公的な医療保障に加えて、民間の保障制度というものもだんだんとウエートを増していくのではないかと、こう思っております。しかし、われわれがあくまでも考えておりますことは、民間の疾病保険というものはあくまでも公的な健康保険制度の肩がわり代替をなすものではなく、疾病の際の副次的な保障ということを行う範囲内におるべきである、こういうふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それでは最初に厚生行政また環境行政等に絡むサラ金被害の問題についてお伺いをしたいと思います。 すでにサラ金問題、特にサラ金被害者の問題というのはたびたび国会でも問題になっていっておりますし、特にサラ金被害は依然として広範かつ深刻になってきているわけでございます。ところが、対策というとさっぱり進まないという状況になっております。 最初に、ちょっと大蔵省にお聞きをしたいのですけれども、再々問題になっておりますが、その後対策がどのように進んでいるのか。特に昨日は六省庁の会議も持たれたやに伺っておりますが、どういうことが、どういう対策が進んでいるのか、簡潔にお伺いをしたいと思います。
○説明員(天野可人君) お答え申し上げます。 サラ金対策の進行状況ということかと思いますが、サラ金を含めまして貸金業者の問題、非常に複雑な社会問題になっておりますが、いまお話のございました関係省庁間の協議連絡でございますけれども、昨年九月以降十二回会合を重ねております。その間、各省庁の意見を聞き取る、あるいは都でございますとかあるいは弁護士の方でございますとかの御意見も伺っております。その過程で各省の意見のすり合わせを行っているわけでございます。もう一つ実態調査を私どもの方でやっておりまして、それについても御相談をいたしてまいりました。これは近々日中にまとまる予定でございますが、その結果をも踏まえまして、法改正も含めまして、本問題についての対策、なるべく早く成案を得たいということでやっております。
○沓脱タケ子君 大臣、お聞きのとおりで、問題になって何回か会合は持たれておるらしいです。しかし、さっぱり実効の上がる施策というのは進んでいないわけですが、そういう中で、被害が、ちょっとこの被害の広がりというのが実に憂慮されるような状況にまで来ている。それはいわゆる社会的に弱い立場にある生活困難な方々の層にその類が非常に広がってきているという問題、これは軽視できないと思うわけでございます。私どもの調査、ずいぶんたくさんございますけれども、こんなことを許しておいていいのだろうかと思えるような幾つかの実例を若干聞いていただきます。 その一つは、生活保護関係です。恐らく厚生大臣も環境庁長官も、サラ金みたいなのはうちの省庁では関係がないと思っていらっしゃるに違いないんですが、そうじゃないということなんです。 まず一つは、生活保護の受給者がどういう状況になっているかという幾つかの例をちょっと聞いていただきたい。この種の方々は、やはり実名を発表するということについてはばかられますので、実名は申し上げません。 これは川崎市のKさんという方ですが、四十五歳の婦人です、母子世帯、高等学校三年生のお嬢さんとの二人暮らし。一昨年、五十一年の六月に、娘が高一のときに急病になって、そして緊急入院をした。そのときにお金をどうしても五万円ほど都合しなければならなかった。そこで、近所の知り合いの方と相談をして、何とかこの五万円を調達できないだろうかということを言ったら、相談を受けた方が、それじゃあんたの名前と印鑑とを貸しなさいということで、印鑑と名前を貸したら、その頼まれた御近所の方が、その方を保証人にして、金が要ると言うているKさんを保証人にしてサラ金で十六万円借りたというんですね。そして、五万円をKさんにはいと言って渡した。あとの十一万円はその方が自分の費用としてお使いになった。そういうことが何回かやられていて、このKさんは自分がサラ金業者へ行ったことはないんです。いつもその方に相談をしている、お金が要るときには。そうしてそのKさんが借り主になったり保証人になったりという形が繰り返されて、合計百二十万円の借金になった。百二十万のうち、それじゃKさんが全部使っているかというと、そうじゃないんですね。おおむね自分が借りてもらったと思っている金額は五十万程度のものだと。ところが、そのお世話をしておられた近所の奥さんが蒸発してしまった。そこで、いままではサラ金業者と接触がなかったんだけれども、このKさんのところにサラ金業者が殺到してきたと。 このKさんの御家庭は母子世帯で、おかあさんが近所の自動車の部品工場で働いて生活を立てていたわけですけれども、子供が病気になったり、あるいは仕事がうんとなくなって生活ができないというふうな場合には生活保護を受けておったり、仕事ができてきたら受給を打ち切ったり、こういう断続的な受け方をしていたんですが、その後生活保護の受給者になったわけです。ちょうど五十三年三月、ことしですね、生活保護の——このごろは銀行振り込みで支払ってますね、町では保護費は。だから、銀行振り込みの手帳と銀行の通帳と印鑑を、このお世話をした人が蒸発した後でどんどん押しかけて返せ返せと来て、ついにそれは取られた。しかし、それをとられたら生活ができないので、その人は四月分のお金を何とかして確保しなきゃいかぬと思って福祉事務所へ相談に行った。そして通帳の紛失届けを出して、今度は四月分からは福祉事務所で直接もらえるというふうに変えた。ところが、業者はその通帳に払い込まれるものと思っていたら払い込まれないもんだから、やってきて、もらっただろうと。いやもらってませんと言うたら、実はその業者は福祉事務所に電話をかけて、このKさんに保護費の支給はなされましたかと言うて聞いてるわけです。それは法律で定められているんだから支給は済んでおりますと言うて、ちゃんともろうた言うてるやないかということで巻き上げられるというやり方が続けられていると。毎月毎月早朝深夜に——これは川崎では月の五日が支給日だそうです。五日の日はもう朝夜、深夜、全く夜討ち朝駆けというんですか、そういう形で来てお金を巻き上げられる。巻き上げられるというのはこれはいわゆるサラ金の取り立ての常道でございまして、小さなアパートに何人かでやってきて、大きな声で返せ返せ言うて叫び回るわけですからね、いたたまれなくなってやはり渡してしまうと。ついには、余りの取り立ての厳しさに、娘の児童扶養手当ですね、これは二万二千五百円か、この証書も取り上げられたと。こういうことで、家賃も数ヵ月滞っていて、家主はいい顔をしないだけではなしに、福祉事務所へ電話をして聞いたら、あの人は百万ぐらいの借金を持っている、だから、もうそのうちに自殺するか蒸発するかしか方法がないですよというふうに言われたということを家主が言って、まあ大変冷たくなっていると、こんなことが起こっているわけです。 もう一つは、これは集団的な問題では、これはすでに御承知の福岡県の田川ですね。これは報道されましたから大臣御承知だと思いますが、報道されたのは三月ごろですけれども、私は何らか手が打たれて改善をされているかと思っていたのですが、今日ただいまも変わっていないので改めて申し上げたい。 どういうことかと言うと、田川は御承知のように、二千三百世帯の生活保護世帯があるようです。毎月支給日が月の二日です。二日の日になりますと、生活保護の受給者が朝もう九時前から列をなして数十人、ときには百人以上も並んで順番を待っていると。ところが、その周りに大抵二十人ないし三十人の業者がかばんを持ってうろついておる。そして受給者は保護者のカードと印鑑を業者からもらって、そして窓口へ行って生活保護費を受け取って、その受け取った金をそばにおる業者のところへ持って行ってお金を返す。だから、たとえば四人世帯で十一万円の保護費をもらっても、大体利息で五万円払う人、あるいはその業者には五万円で済むけれども、他の業者に二万、三万と払わなきゃならない。だから、保護費を二日にもらっても、もう三日、四日になったら生活ができないからまた改めて借りる、こういうことが依然として田川では続いております。ですから、保護者の人が言っておるのは、窓口でお金をもらうのは、全く私はお金をもらう機械になっているのと一緒だと、こういうようなことになっているわけです。 それからもう一つは、生活保護関係で、京都の南区の例ですけれども、これは本当に気の毒だなあと思ったのは、生活保護世帯の方六人が、昨年の十二月に、毎度毎度大変厳しい暮らしをしているんだから、せめてまあ正月は少し人並みの暮らしをしたいなと。そこで相談をして、一人五万円ずつ三十万をサラ金に借りに行った。六ヵ月払いで月の利息八分ですわ。月の利息八分といったら大体出資法の枠いっぱいいっぱいですね、近くです。で、借りて正月を過ごした。翌月から六回払いですからね、翌月は何とかして払った。二回目ぐらいからもう払えない、もともと金がないんだから。三回目も払えなかったら差し押さえをされたというんです。差し押えするものがあったんかいないうことで聞いたら、電話などはもちろんない。唯一の楽しみのテレビと冷蔵庫が押さえられた。これはあれですよ、保護カードや銀行の通帳を押さえたというのとはわけが違いますけれども、そういうことがあった。これ以上いったら通帳が押さえられるというところで実はこれは私どもの方に相談があって、そこで食いとめておるという段階なんですけれどもね。これがその次には保護カードを取り上げると、あるいは銀行振り込み通帳を取り上げるということになるわけです。 まあ時間の関係がありますから、幾つかの、いわゆる社会福祉関係の年金その他——生活保護はもちろん、年金その他にずいぶんありますから、もう一つ二つ申し上げますと、たとえばこれは通算老齢年金ですね、七十歳のおばあちゃん、これは大阪市城東区のことですが、この方は十万円の借金をことしの二月にした。月の利息、これも八分ですね。何でその十万円を借りたかというと、嫁入りした娘の亭主が、自営業者だったんだけれども倒産をした。そうして、何とか出かせぎをしてでもということで、台湾へ働きに行っているんだけれども、金をさっぱり送ってこない。そこで、暮らしていけぬのでおばあちゃんに泣きついてきた。何とか十万円ということでことしの二月に十万円借りた。ところが、借りるときの条件に、その老齢年金の振り込み銀行通帳と印鑑と、そしてその証書とを担保として取られた、こういう状況になってるんです。で、六月の一日にはこの老齢年金は十二万七千円振り込まれる予定になっていると、こういう状況なんですね。 あるいは、厚生年金の障害年金もやられている例があるんです。これは六十八歳と七十二歳のおばあちゃんとの御夫婦の世帯ですが、ここでは御主人が、六十八歳のおじいちゃんが厚生年金の障害年金の受給者、おばあさんが七十二歳ですから老齢福祉年金の受給者なんですね。これ、両方とも取られている。そのおばあちゃんがはりの治療をしなければならなくて、医療は無料になっているけれども、はりやあんまというのは無料じゃないものですから、ずいぶん費用がかかって、そうして二十万を借りて生活費の足しにした。その二十万を借りるときに、そのおじいさんの障害年金証書、これは年額百二万五千三百円の証書を担保に取られた。その後も依然として生活が困難なために、ずっと二人とも病弱なので、さらに十五万円を借りて、今度は借りるときにおばあさんの老齢福祉年金証書を取り上げられた。まあこういう状況になっているんです。これも実は相当なことになってから相談を受けて、これはいま解決の道を開きつつありますが。 それからまだもっと幾らでもあるんですけれどもね。もう一つは、これは重度身体障害者で労災の障害年金です。これは厚生大臣に直接は関係ないようなものですけれども、重度身障者なんでね。この人の場合もひどいんです。大阪市の方で六十歳の男子、五十二年の初めに実はこの人はお金を借りた。借りるときにその障害年金証書と印鑑を担保に取られた。結局、五十二年中に元金が百四十七万円借りたことになっていたんですが、五十二年度中に、この障害年金は労災障害年金ですので年間二百万円になっている。これ、全部巻き上げられているんです。百四十七万円借りたのに、二百万円の障害年金全部取り上げられている。あんまりひどいので、早く返してもらいたいと本人が業者に言ったら、何言ってんだと、まだあと百七十万残っているということですごまれた。どうにもようせぬので、これは大阪の無料法律相談所に相談にやってきたもんで、弁護士が介在をしてやっと証書を返還をしてもらったという状況なんですね。 それからもう一つはこんなのもある。公害の認定患者、これは尼崎の公害認定患者、四十六歳の御婦人ですが、障害度二級で、毎月四万三千円もらっている。この人の御主人というのは日雇いの労働者だ。子供が五人で、おばあちゃんと、計八人世帯。なかなか生活が困難なんで、何とかお好み焼きでもして家計を助けようと思って、四十万円を借りた。ところがうまくいかなくて、なかなかお金にならない。また、運悪くその人が、本人が入院するために、さらにサラ金を二十万借りるということになった。そうすると、書きかえをするということで、さきの四十万と二十万を合わせて六十万円に書きかえをしてあげるから、公害手帳の、いわゆる公害認定患者の障害年金の振り込み手帳を、銀行の通帳と印鑑をよこせということで取られた、こういう状況でございます。 私はその点、まあこれ、こういう実例を挙げておりますとずいぶんたくさんございますが、まず最初にお聞きをしたいのは、こういうサラ金被害というものがこういうところまで及んできているんだと、こういう実情をこれは厚生大臣、環境庁長官、御承知なのかどうか、まず最初にそれをお聞きしたい。
○国務大臣(小沢辰男君) 田川の例は朝日新聞の六月五日付で拝見をいたしております。その他、いろいろ具体的な設例につきましては一々存じ上げておりませんけれども、そういうような低所得者階層の方々で、サラ金について相当のいろんな問題が起きているということは、全般的にあるんだということについては承知をいたしております。 で、いまいろいろお伺いしますと、少しそういう方々のいろんな国の制度についての知識の不足等もあるように思います。たとえば、生活保護法の生活に必要な国が決めております資金等については、これは差し押さえはできないことになっております。だから、その通帳を取り上げるなり、そういうようなことはできないわけでございます。それから、たとえば生保の方々でないといたしますと、世帯更生資金の中には生活資金の貸し付けもございますし、あるいはまた、先ほどのお好み焼きをやりたいという場合に、自立更生の資金もございます。それから医療貸し付けも行っているわけでございます。また、年金受給者については、年金はこれはたしか差し押さえできなかったと思います。それから厚生年金、あるいは船員保険、あるいは拠出制の国民年金の受給者の例もございましたが、この場合は年金福祉事業団から、受給している年金額の一・五倍まで、最高百万までという直接貸し付ける道もあるわけでございますし、いろいろどうも承っておりまして、そういう点のもう少し趣旨の徹底をちゃんと図りまして、具体的には民生委員やあるいは児童委員等にできるだけ努力を願って、その都度、具体的に困らないような対策をとっていかなきゃいかぬのじゃないかと思います。 ただ、制度の中にどうにもならないような場面等がございます。生活保護の受給者が特に何らかの必要性に基づいて金を借りたいという場合には、いま自立更生のための資金しかございませんので、そういう面では今後世の中の実態がもし改まらないというようなことであれば、私ども厚生福祉を預かる者として何らかの対策を考えていかなきゃいかぬだろうと思っておりますが、政府部内におきましては、この前からたしか閣議でも何回も話が出まして、主管の官庁を決めて早急に対策に移るという基本方針は決めてございますが、まだ、いまのところ正確にどこでこれを所管し、その所管を命ぜられました役所においてどういう具体的な対策をとっていくかという明確な点まで至っておりませんが、早急に検討して結論を得なければいけない、かような段階でございます。
○国務大臣(山田久就君) いま先生御指摘のような実態、実は健康被害補償関係の被害者については先生のお話を新聞で承知いたしましたけれども、細かいことについては実はそういう点よく承知しておりませんでした。そのような実態があるということになれば、これはサラ金制度そのものというものを、ひとつここで真剣になって問題の一環としてまく考えていかなければならないものかと思います。厚生大臣からもお話がございましたように、この公害被害、健康被害の補償のこの受給権というものも、これは押さえることも抵当にすることもできないということにはなっておりまするけれども、先ほども御指摘がございましたように、つまり間接に脅迫に類するようなことで、それで弱い立場にある人にいろいろな点を迫られるということになりまするというと、これは法律を超えたような実は実態ということにも相なるわけでございます。 まあ事業資金ということについては、少額の資金借り出しということは中小企業の問題としても制度が設けられていないわけではございませんけれども、そういう点では、先ほども厚生大臣も御指摘のように、やや啓蒙、そういう点の知識について十分みんなが情報を得ていないというような点の欠陥もあるやにも考えられます。いずれにしても、こういうところにまでそういう事態が及んでいるということははなはだ遺憾でございまして、先ほど厚生大臣からもお話がございまして、政府としましてもこれの責任者を決めてひとつこういうものに善処する方法をできるだけ早く決めるという、その必要性というものをむしろ裏書きしているような結果かと思いまするけれども、そういうような趣旨で対処していくべきものじゃないかと、こういうふうに考えております。
○沓脱タケ子君 それで厚生大臣おっしゃったように、法律違反あるいは法律違反のおそれのあるというやり方がすでにやられている。生活保護法あるいは厚生年金保険法それぞれに抵触するようなことがやられているということが起こっているわけです。一方でサラ金業者が生活保護者あるいは年金受給者などについてはどういう言い方をしているかというと、一番いいお得意さんだと言っているんですよ。なぜかというと、月の何日になったら、たとえば生活保護者なら必ず保護費がもらえる、確実にお金が入る、それを返してもらったら、生活ができなくなるから必ず借りてもらえる、だから最もいいお得意さんだということが公然と言われている。まさに福祉がサラ金業者の食い物になっているんですよ。こういうことは許されない。 そこで、私、時間があまりありませんから両大臣にお願いをしたいと思います。特に厚生大臣ね、これは関係六省庁に任せておくべき性格のものではないと思うんです。少なくともあなたの所管の範囲内で法違反にも類するようなことが公然とやられ、最も社会的に日の当たらない低所得者の方々の中で食い物にされるような実態が起こってきているということは、一日も早くこれは改善をしなきゃならない。少なくとも私は大臣に二つの点について要請をしたいと思う。一つは、そういった法違反のおそれのあるというふうなところ、こういうことの実態の調査は全部はなかなかできないでしょうけれども、そういった点の実態の調査。同時に、そういう法違反をされるようなやり方まで公然とやられているという点を言って、閣議でこのことは問題にして対策の促進方を進めていただくという、この二点についてぜひ要請をしたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) これは法律違反、すなわち生活保護の受給者について担保にも差し押さえもできないということを、それを差し押さえをするなり、あるいは何らかの意味で取り上げるというようなことについては、実態調査ではなくて、明らかに法律の違反でございますから、生活保護の関係では、したがってこれを厳重に取り締まる対策をどういう方法でやったら一番効果的かということを早急に検討をいたしてみまして、できるだけそういうことの起こらないように、また生活保護受給者の方々も、せっかく国民の血税で自分たちの生活ということについて国が保護をしているわけでございますから、そういう観念をしっかり持っていただいて、両々相まってこういう事態のないように努力をいたします。
○国務大臣(山田久就君) いま厚生大臣からもお話がございましたが、法違反、その実態を無にするような関係でございます。そういう点については、要はそれにどういう対策が非常に有効かというようなことで、それをまた検討して、ぜひそのことについては善処したいと考えます。
○沓脱タケ子君 それじゃサラ金の関係は以上にいたしまして、次に薬と処方料等の問題についてお伺いをしたいと思います。 健康保険法の抜本改正案が前国会に提案をされて継続審議になっております。今日の医療行政の中で、総医療費の中に占める薬剤費の比率というのが高いという問題、特に欧米諸国と比べて高いという問題が一つの大きな問題点になっております。そういうことをめぐりまして、今度の改正案の中でも、薬剤の半額患者負担などという、大変な国民負担の増高を前提にするような改正案が提案されておりますが、この点について、薬剤費がわが国の総医療費の中の薬剤費率が欧米諸国に比べて高いというのは、これも幾つかの理由がありますけれども、何といっても、一つは薬の製造メーカーが原価を明らかにせずに高利潤を追求していっているという点で薬が高いという問題、もう一つは薬の多用を促進するような医療制度になっているというふうな問題、それからもう一つ一番大事な点は、総医療費の中の全体に占める技術料の低いことが相対的に薬剤比率を高あているという問題がございます。まあ、いろいろありますが、そういう点が見られます。こういう全般について触れるのは、きょうはとてもできませんので、これは別の機会に譲るといたしまして、こういう中でひとつの問題点にしぼってお伺いをしてみたいと思うんです。 そのことは、これは関係者の中で一物四価と言われているわけです。一物四価と言ったって、なかなか一般用語じゃないのでよくわかっていただけないと思いますが、一つの処方例で、一つの処方のお薬で四通りの値段で診療報酬が決定されているということなんです。どんなことかちょっと簡単に言いますと、これは一つの処方例でありまして、一日の点数が二十点、この二十点の処方のお薬を十四日分、二百八十点。十四日分のお薬をもらうのに、いまの診療報酬体系の中で、同じお薬が四通りの値段になるということです。まず第一は、甲表の病院で診察を受けて、甲表のそこの病院内薬局で薬をもらった場合には三千二百二十円。甲表の病院で診察を受けて、処方せんをもらって院外の薬局で薬をもらったときには五千六百六十円。乙表の医療機関で診察を受けて、そこの病院で薬をもらったときには二千九百二十円。乙表の医療機関で診察を受けて、院外の薬局で薬をもらったときには五千七百四十円。一つの薬をもらうのに、いまの診療報酬体系がこの四通りになっている。一番高いのと安いのとの差は、何と九七%です。こういうことになっておる。乙表の医療機関で診察を受けて、そこの病院の薬をもらうのが一番安い。一番高いのは、乙表の病院で診察を受けて、院外薬局で薬をもらうのが一番高い。その差額というのは、何と一〇〇対一九七です、いま申し上げた一日二十点、十四日分で計算をしまして。こういう同じ処方の薬が四通りの診療報酬の支払われ方が制度としてあるということについては、一体、正常なのかどうか。しかも、十円や二十円の違いと違うんですね。これは御見解どうですか。
○政府委員(石野清治君) 理由はいろいろございますけれども、いま先生の御説明の場合ではそういう数字だと思います。私の方で別の設例でやりましても、確かに甲表、乙表、それから院内、院外についてそういう差はございます。しかし、差は内容によってかなり違いますので、一概に一・何倍とか言うわけにはまいりませんけれども、四つの価格があるということだけは事実であろうと思います。 これにつきましては、先生御専門家でございますので、私からくどくど申し上げるのはいかがと思いますけれども、一つの理由もございます。 それはまず第一に、甲表と乙表との違いがございます。これは金額はわずかでございますけれども……。
○沓脱タケ子君 理由はいいから、そういう四通りあるのがまともだと思うかどうかということだけ言うてくれたらいい、理由はわかっているんだから。
○政府委員(石野清治君) 理由は先生も御存じだと思いますので申し上げませんけれども、そういう格差があることは事実でございます。これにつきましては、いろいろな御批判もございますので、さらに検討はいたしたいと思います。
○沓脱タケ子君 これは、いま説明をなさりかけた四通りあるというのは、診療報酬体系に甲表、乙表という二通りある。同じ診療内要であっても、甲表と乙表の病院、医療機関では値段が違うという、こういう二本がある。もう一つは、同じ技術に対する評価の違いがあるということがこういう問題になってくる。 これは何でこんなことが起こるのかと思って私も調べてみた。まず、大体おもしろいことになっているなあと思ってよく見たら、こんなことになっている。 一つは、医師の処方料。医師の処方料といったら、これは内科の医者としては重大な技術料です。ところが、処方料というのはいま八点、八十円です。ところが、これを写して紙に書いて処方せんになったら五十点で五百円になる。これは反対だと思うね、大体。普通、絵かきさんが絵をかいたやつが一万円で、複写したやつが百万円に売れたら、これは世の中どうかなっているということになりますよ。ところが、医者の処方料というのはそんなになっておる。少なくとも処方料が重大な技術料だというふうに認定をするならば、こんな処方せん料の五十点、五百円は私は高いとは思いませんが、高い低いは別としまして、少なくとも処方せん料として出しておる五十点ぐらい見たってあたりまえ。この処方料に、紙に書くんだから文書料をプラスアルファするということにするんなら、これは話の通る妥当な姿です。こういうことが一点。 もう一つは、調剤料なんですよね。院外薬局で薬を合わしてもらうと、これはおもしろいことになっているんですな。調剤基本料といって毎回二十六点、二百六十円取られる。ところが、病院の中にある薬局で病院内の薬剤師が薬を合わしてもこれはもらわれない。全然もらえないんじゃないんですよ。この間の改正で少しばかりついたんですな、一ヵ月に一人について五点ですから五十円。ところが、外の薬局で薬を合わしてもらうと、調剤基本料というやつが一回ごとに二百六十円。だから、同じ人が一ヵ月に三回行ったら七百八十円になるのです。調剤料というのが技術料だという、調剤技術基本料というんだから、技術料という評価になるならば、これは病院の中におる薬剤師の調剤技術料も院外薬局の薬剤師の技術料も、評価は同等でなければならないと思うんですけれども、こういうことが公然とまかり通っている。もっと言ったら、調剤料だって皆違う。 こんなおかしなことがまかり通るというのは、私はやはり——自由販売で、安い物を売ります、安いのを好きな人は買いなさいということで、自由販売で値段を決めるんだったら話は別ですよ。社会保険制度の診療報酬体系の中でこんなことがやられているというのがおかしいと思うのですが、こういう点について改善をするというおつもりはありませんか。
○政府委員(石野清治君) 特に後段の点で、調剤料が非常に低く抑えられておると、こういう御意見でございます。確かに点数そのものを比較いたした場合にはそういうようなことになるわけでございますけれども、実は医療費の引き上げという際に、中医協でいろいろ合意を得るわけでございますけれども、その際には、やはり診療担当者からいろんな御要望もございまして、ひとつ財政的なこともございますけれども、その中で上げ幅を決めてまいるわけでございます。その際に、診療担当者側の要望というのは、主として調剤料関係というよりは、むしろ診察料等そのほかの技術料、そういうものに重点が置かれておりまして、それらに重点的に配分するためにどうしても個々の項目についてはアンバランスが出てくる、こういう実情もございます。そういうこともございまして、実は先ほど御指摘もございましたように、今回初めて、わずかでございますけれども五点を設定したわけでございます。全体の当否の問題については、やはり中医協で御議論願わなくちゃならぬわけでございますので、十分検討してまた御議論願いたいと、こう思っておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 大臣、私細かく言おうと思ってないんですが、いろいろと診療報酬をいらうときに調整をされる、だから結果としていろんな矛盾が出てくるというのは、これはやむを得ないと思う。気がついたときに大きな矛盾のあるものは改善をするという立場をおとりになるということが何よりも大事だ。だって国民から言わしたら大変ですよ、こんなもの。政府が決めている売り値の中に——売り値と言いましょう、あえて。四通りもあるといったらおかし過ぎますよ。これは一般の商店で、同じ品物ですけれども、これは幾らでこれは幾らで、これは割り引いて半額でというのは、これはありますがな、何ぼでも。自由経済だからあるんですよ。しかし、社会保険診療報酬の政府の体系の中で、制度の中でこういうものがあるということはおかしいんだから、そういう矛盾については、これは早急にやはり改善をするということが何よりも大事だと思う。 もう一つは、こういう矛盾をつくってきている大きな理由というのは、甲乙二表というやり方というのが続けられているという診療報酬体系の二本化ですね。これをやはり整備して一本化にするということ、これは非常に大事だと思いますが、この二つについて、大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(小沢辰男君) 甲表、乙表の生まれた歴史的な理由につきましては、恐らく委員も御承知だろうと思うのでございまして、いろいろ病院のあり方あるいはそれと開業医との関連等いろいろ考慮いたしました結果、甲表、乙表、しかもそれで大体医療機関の総体的にはバランスをとるようにという配慮から行われてきたわけでございますが、確かに今日の事態になってみますと、これでいいのかどうか、ずいぶん前の話でございますから、大いに検討を要する事項とも思いますけれども、これはやはり医療機関の経営形態、あり方の違い等が、まだまだこの当時と比べてみて、全く変化をしているかどうかといいますと、やはりそう大きな違いはないわけでございますから、ただ厚生省だけでこの甲表、乙表をいま直ちに一本化しますと言うわけにはなかなかいきませんで、診療報酬体系全般についての検討をお願いをして、その一環として甲表、乙表の一本化というものをする場合に、それでは診療報酬全体の中身を洗って、どういうふうな診療報酬体系に持っていくかということもあわせてやっぱり根本的に検討をすべき問題でございますから、したがって診療報酬のこの問題につきましては、参議院、衆議院のそれぞれ社会労働委員会におきまして根本改正の一つとして大きな命題になっておるわけでございますから、私どもこれから検討をいたしまして、中医協とも相談をしながら、支払い者側、診療担当者側の合意を得て持っていかなければいけない。そういうような意味で、いま直ちに私がここで厚生省の方針として決定したものを申し上げるわけにはいきませんけれども、おっしゃるように、問題点の一つである意識は十分持っておるわけでございます。 それと、技術料が低いという点につきましては、個々の技術料そのものをこうとらえ上げてみますと、たとえば処方料について八十円と、それはもう基本的に病気を治す場合の判断がそこに一番よけい入っている点でございますから、そういう意味においては、確かに非常に安いと思います。また、諸外国と比べて、いわば診断というものを初期につける段階の診察料——初診料というものが千円でいいかどうかという点も大いに問題だろうと思います。ただ、初診料そのものを現行の各諸外国との比率を考えてみますと、もちろん円高等の問題もありますけれども、そう大きな違いはない。ただ、ヨーロッパでもやはり医師の診察料、それからいろいろな患者さんが来た場合の相談に応ずる相談の料金、そういう意味における医師の本来的な機能を果たす大事な点の診療報酬が非常に低い、そういう不満があることは事実でございます。何か機械を使ったりあるいはその他のことで本来の技術的な面が非常に高く評価されて、実際の医師の持つ本当の意味での医学的な知識と経験が集中的に注ぎ込まれる点についての評価が非常に安いというきらいがあるわけでございます。 その面も含め、またいろいろ御指摘がございました薬価の問題については、製薬企業のあり方や、あるいはこの制度が薬をたくさん使うような制度になっているという御批判や、あるいは技術料が低いから相対的に薬価のウエートが高まっておるのだというような点については一理あるとは思いますが、いかように考えましても、現在の薬価基準が実勢価格にやはり毎年離れていくことは事実でございますから、この辺のところの正しい実勢価格の把握と薬価基準のあり方について、やはり私どもは常時検討を進めまた改善をしていかなければいかぬだろう、かように考えておるわけでございます。 しかし、その場合には、当然これは診療報酬全体として考えて、技術料のやはり再検討もあわせて併行して行っていかなければいかぬだろう、かように考えておるわけでございまして、いずれにしましても基本問題の、根本問題の解決の一環として、その衆参両院における十四項目の中の大きな柱の一つに診療報酬体系の問題が挙げられております。それを検討するというお約束もしているわけでございますから、甲表、乙表等あるいは調剤基本料や、あるいは院外、院内の処方の場合のいろいろな問題等含めて診療報酬体系全般の検討はいたさなければいけない、かように考えております。
○沓脱タケ子君 ちょっと時間が来てしまいましたので以上で終わりたいと思いますが、大規模年金保養基地の問題とか、あるいはいわゆる株式会社ベビーホテルというような問題を若干お聞きしたいと思いまして御出席をいただきましたけれども、これはまた別の機会に譲ることにいたしますので、御出席いただいた方々におわびをしておきます。
○野末陳平君 いわゆる乱診乱療という問題について質問したいと思います。 去年のお医者さんの所得番付のナンバーワンであった国富何がしというこの姫路市の病院が、不正請求を理由に保険医の指定取り消し処分を受けたと。これに関連してかどうかはわかりませんけれども、厚生省が関西以西の高額所得医師に関してカルテを集めまして、それを分析して請求の実態を資料にまとめているということを聞きまして、まあ新聞にも出ておりましたけれども、これについて、間違いないと思いますが、まず確かめたいんですが。
○政府委員(石野清治君) これは経緯を申しますと、これは厚生省が主体的になって集めたということではございませんで、ことしの二月の医療費改定の際に、中医協支払い側の委員との懇談の場を設けまして、そこで医療費のむだ排除という問題について議論をすると、こういう場がございました。その際に、支払い者側の委員の方から、西高東低とかいろんなことを言われておるけれども、その実態を明らかにする資料はないかと、こういうことで実は御要請がございました。私どもはなかなかたくさんのレセプトを集めてやるというのはむずかしゅうございますので、ごく一部の特殊なものについて調べてみましょうということで集めたことはございます。
○野末陳平君 そうすると、その場合は関西以西の高額所得医師というのが主に対象になっていて、請求の実態を分析した資料として一応厚生省内にまとまっていると、これは事実なわけですね。
○政府委員(石野清治君) ほんの一部でございますけれども、恣意的に集めたものにつきましては一応数字はございます。
○野末陳平君 さらに、これは新聞ですから大臣に改めて確認したいんですが、その資料に関しまして、大臣がこの医療機関の中にはだれが見ても異常と思えるというのがあると、そんなふうに発言なさったということなんですが、事実大臣はその内部資料を見まして、どう考えてもこれは異常だな、この請求は、という発言をなさったわけですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、実はその資料も見ておりませんし、新聞記事を見ましてから事務当局に聞きましたら、そういう調査をやったことがあると。本当に全国的に見ますとごく一部でございますので、私が言いましたのは、その一部の特殊な例をもって一般を推定されるような誤解を与えるようなことはこれは十分注意してやらなければいけないと。しかも政府管掌だけのレセプトの態様だけで見たものでございますから、国民皆保険の中の政府管掌の請求書というものは全体の約二割ないし三割ぐらいのものでございますので、そういうような点は十分気をつけて一つの参考例として検討しておくのはいいけれども、これをもって全体を推しはかるような誤解を与えるということは、これはやはり私ども監督の衝に当たる者としては気をつけていかなければならないということでございまして、おっしゃるようなのをいつ私がどこで言いましたか、よく私も覚えておりますが、そう言った記憶がございません。
○野末陳平君 確かに一部の資料で全般をそのまま当てはめるというのは気をつけなきゃいけないことですが、とりあえず大臣はその資料をごらんになったわけですから、ごらんになって、全く正常というか、異常というか、どんな判断をなさいました。中には、やはりこれはどうもおかしいなという資料はありましたか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は総括表だけ見まして詳しい資料は見ておりません。その対象者がごくわずかではありますが、そのうちの本当の数例について、一般の平均的な請求のいろんなあり方から見てなるほどちょっと特異だなという印象は持ちましたが、その中身については、これはもう当然指導、監査の問題でございますから、中身については私内容を検討したわけでもございませんで、総体的な結果表についての印象を事務当局との間で話し合ったことはございます。
○野末陳平君 どうでしょう。それではその調査内容といいますか、厚生省がお持ちの資料を見せてほしいと思うんですね。ぼくらもいろいろ勉強したいんだけれども、なかなかカルテまで集めて分析といってもできないんですね。ですから、内輪でおやりになっているのもそれはいいですけれども、オープンにしていただいた方が国民の関心も高まるし、同時に、医師の中にも請求にもう少し慎重になるといいますか、いろんな点でプラスがあると思うんで、大臣もごらんになったし、ひとつ私どもにもこの場で公表していただけるかどうか、どんなものでしょうか。
○国務大臣(小沢辰男君) これはカルテカルテとおっしゃいますが、カルテを……
○野末陳平君 いや、資料。
○国務大臣(小沢辰男君) 私ども分析をしたわけではありません。
○野末陳平君 ああ、レセプト……
○国務大臣(小沢辰男君) これは間違いないようにしていただきたいと思います。レセプトは当然保険者のところへ支払いを終えますと返ってまいりますから、基金の審査を終えた後。保険の出張所あるいは健康保険組合ですとそれぞれの組合、国保ですと国保の連合会の方にあるわけでございます。まさに全体の中での政府管掌の一部分でございますので、これはおっしゃいますけれども、やはり医師の診療上のいろいろな法規に照らした秘密保持の問題等もございます。患者さんの問題等もございますので、それらを公表するということは、これはやはり私どもは厳に慎んでいかなきゃいかぬわけでございますから、この点は、先生がおっしゃいましても公にすることは私としては不適当だと考えております。
○野末陳平君 それでしたら、私具体的に、濃厚診療と言われるあるいは乱診乱療と言われるような実態について私の知る限りのことをちょっとここで話したいんで、それについてのコメントをいただきたいと思うんですがね。 所得番付の第一位の人はスキャンダルで取り消し処分を受けましたから、今度はたまたま第二位の川合病院ですね、大阪の。これを例にとりたいと思います。 この人は長者番付の全国第二位ですけれども、この請求の実態が、何枚かのレセプトを見ても、大分素人目で見てもすっきりしないように思うんであえてお聞きするんですけれども、これは特異な例かもしれませんよ。まずAの例は、外来の患者ですから、これは受診日数が三日なんですけれども、検査を百四十二回やって、レントゲンを五回撮ってもらって、たった三日ですけれども、請求金額が三日間の診療で七十万四千七百三十円ですね。一日当たりの請求額を、いわゆる大臣がさっきおっしゃった全国平均と比べてみますと九十七倍になっているんですけれどもね。こんな診療って考えられるでしょうか。ぼくは素人だから、ちょっとあるのかなと、たった三日ですから。どんなものですか。
○政府委員(石野清治君) 具体的な名前で御指摘されますと答えにくいわけでございますけれども、そういう病院で請求されたものが、どういう患者がどういう病気でやっているのかということによってかなり違ってくると思うわけです。ですから、個々人によってかなり違ってまいりますので、一概に判断はできませんけれども、やはり医学常識というのが一つあると思うんです。そういう面から見て、たとえば全国平均と比較するのがいいのか、あるいは大阪府なりのものを調べた方がいいのか、それはいろいろ議論が分かれますけれども、少なくとも医学常識の面から見てかなり高いと、こういうことは言えるかと思います。
○野末陳平君 私も素人ですから、その比較の仕方なぞも全国平均という数字しかなかったもので、比較してみて驚いたわけなんですがね。ところがまだこういうのが一例じゃなくてぞろぞろあるんですよ。 今度はBの例を言いますと、やはりこれは外来で、受診日数が四日なんですけれども、もちろん病状とか、年齢その他いろいろありますから一概に言えませんけれども、とりあえず結果の数字だけ見ますと、四日間の受診で、検査を百九十六回やって、レントゲン九回やって、請求が六十四万九千七百九十円で、一日当たり請求金額を、先ほどの全国平均の、これは組合関係ですからそれと比べますと、全国平均の百二十三倍になっているのですね。どう見ても、これは大阪のお医者さんに聞いても首をかしげる。余り言いませんよ、同業者だから。だけれども、どう考えてもいまの医学常識というか、われわれが診療してもらう場合の常識から考えてこれは異常な診療行為じゃないかと、こう思うんですが、いかがですか。具体的なことを幾つも言っても始まりませんから、この後でもってもう少し全体的なことをお聞きしたいと思うんですが、とりあえずこの例について。
○政府委員(石野清治君) ただいま申し上げたとおりでございまして、その程度問題いろいろございますので一概に言えませんけれども、やはり全国平均からも相当かけ離れておりまするし、医学常識から見てもどうかなと、こういう感じがいたします。
○野末陳平君 それでは、これを極端な例、あるいは一概にこういう個々のケースについて断定することは危険ですから、この川合病院におけるもう少し全体的な数字に触れたいと思うんです。 これは最近のある月を例にとりまして、この川合病院の外来患者だけについて調べてみたんで、ひとつ外来だということを頭に置いて聞いてほしいんですが、この病院では、外来患者一件当たりの請求金額が三十四万四千五百円余りになるんですよ。そうしますと、全国平均の数字は厚生省は御存じだと思いますから、それと比較してみましたらば、四十一、二倍になっているんですね。さっきのは何たって九十何倍とか百何倍ですから、これはちょっと突拍子もない数字ですが、平均的にいうと四十一、二倍になっている。 これを、一件当たりでなくて、外来患者一日当たりの請求金額というふうに直してみますと、これが四万八千百円ぐらいになりまして、これもまた全国平均と比べると十八、九倍になっている。西高東低ですから、神戸あるいは兵庫などと比べますと若干落ちますが、それにしてもやっぱり異常に高い。 ですから、ぼくなんて、これを見まして、この川合病院、所得番付二位になっているけれども、この調子でいけばこれはかなりになるのは当然じゃないか。ただでさえ、この病院は医者が九人でベッド数が五十三ですから、そんな大病院じゃありませんからね。そうしますと、これは、不当と言えるかどうかわかりませんけれども、少なくも異常なる濃厚診療の典型じゃないかと、それな気がしますが、いかがですか。
○政府委員(石野清治君) 濃厚診療ということになりますと、またいろいろ議論が分かれてまいりますけれども、細かいものを見ないで判断するのはいかがかと思いますけれども、異常ということははっきり言えると思います。
○野末陳平君 いや、その細かいのが積み重なってこういう数字になっているんで、一つ一つ見てもそんな差はないような気もしますが、まあ、異常という印象ですから……。 それで、またこの外来患者に限りますけれども、この病院における診療行為の内容ですね、中身。これがまたおもしろいんですね。診療行為にもいろいろあるはずなのに、検査とレントゲンばっかりなんですよ。入院患者、外来患者含めて、この病院では、検査とレントゲンでもって診療行為全体の八割から九割。こうなると、やはりこれも全国平均の百分比を見ましたら、全国平均ではやっぱり薬が四割ぐらいありますよね。だけどレントゲンと検査というのは合わしても二割そこそこ。そうすると、普通、お医者さんは二割そこそこの検査、レントゲンを診療行為の中身にしているのに、この病院は八割から九割やっている。よく検査づけ検査づけというのが言われますけれども、どうもこれは、悪い言い方をすれば、検査づけで荒かせぎしているんじゃないかというような、少なくも過剰検査じゃないかと、こう思うんですが、これについてもどうですか。
○政府委員(石野清治君) 医療内容の問題になりますとこれはまた非常にむずかしい問題が出てまいりますので、それについてのお答えは差し控えたいと思います。
○野末陳平君 じゃ、医療内容が請求点数にどういうふうに影響しているかというか、反映しているかについてもう一問お聞きしますけれども、同じく外来患者一人当たりの一日の請求点数を見ますと、これはちょっと信じられないんですがね。最近の一月間のデータですからね。全国平均と比べまして、請求点数のうちの検査によるものが全国平均の約百三十倍、レントゲンに至っては三百倍以上、これはやり過ぎだと思いますよね、いや本当に。 ですから、これは細かい例が積み重なってこうなって、ここの病院は一日に三十人から四十人近い患者しかやれないわけですけれども、こういう請求にあらわれた実態を見ますと、大臣、ここは少し乱診、乱療を意図的にやっているんじゃないか。少なくもこういう請求の実態は異常で、ほっとくのはおかしい。こういうのがまかり通っているのはおかしい、そんな気がしますがね、どうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、今度事務当局が数件といいますか、若干例を一部とらえて調査をしたこの結果を中医協の支払い側委員に説明をした、その資料等が漏れまして、あの新聞でいかにも一般が全部そういうような印象を与えたことに関連しましていろいろごたごたが起こりましたときに、私は事務当局に言ったのは、これは当然政府管掌ですから保険者は社会保険庁、いわば国みずからがやっているわけでございますので、もしそのレセプトでそういう事例があって、事務的に検討しても少し異常といいますか、そういうようなあれを持ったのならば、堂々と医師会とよく協議をして、そして監査なり指導なりを徹底をすべきだ。それを何かこう説明の材料にして、それがほかへ漏れて、しかもごく少数のものが一般的な傾向であるかのごとき印象を与えたということは、大部分の診療担当者がそうでないのにかかわらず、そういうような印象を与えたということは、これはやり方は私はまずかったんじゃないか。むしろ、そういうのがあれば堂々と医師会と話をして、それで指導なり監査なりの対象にしてやるという方が適当だろうと思うんですね。私はそういう話をして、ただ終わってしまったことですから、今後そういうようなことでいろいろ打ち合わせができるかどうか十分検討した上でいろんな問題の処理に当たっていきたい、かように考えております。
○野末陳平君 いや、ぼくの言いたいのも実にそこにあるわけでして、何もこれで全体のお医者さんがみんなこんなむちゃくちゃなことをやっているなんて全然思っていませんよ。しかし、少なくもこういうのが一つ二つでなくあるということは事実なんですから、それに対して手をこまねいているのかというようなことを言いたいわけですがね。ですから局長、私先ほど例に挙げましたこの川合病院ですけれども、これは所得番付二位にいるからやり玉に上がってやむを得ないと思うんですよ。厚生省が調べた、そちらがお調べになって冒頭にお答えいただいたこの内部資料の対象となった医療機関のうちにこの川合病院が入っているかどうか、どうですか。
○政府委員(石野清治君) これは具体的な名前は挙げておりません。
○野末陳平君 いや、具体的な名前はいいの。何病院、何病院でも構わないんですが、対象としたかどうか、それを聞いているわけです。
○政府委員(石野清治君) 対象といたしました。
○野末陳平君 そうしますと、対象としたならば、局長の頭の中には数字がおありでしょうから、私がいま挙げた数字はそちらの資料と照合いたしましてどうですか、ほぼ近いか、間違っているか、私は実態をほぼとらえていると思っているんですが、どんなものでしょうかね。
○政府委員(石野清治君) 具体的な名前を挙げてのお話でございますが、その点は御勘弁願いたいと思うわけでございます。
○野末陳平君 まあ間違っているならば恐らく間違いだとむしろ指摘をいただけると思いますからね。それがないのは、こちらは大体そのとおりだと自信を持ちますがね。 そこで、大臣、何もこれな特別の病院をやり玉に上げてどうこうなんて、ぼく全然思っていませんよ。それから、お医者さんの中には良心的な医者もかなりいることも事実です。事実ではありますけれども、しかし、異常なこういうような異常という言葉はやめますけれども、乱診乱療で荒かせぎをしている、まあ非良心的と思われる医者がいることも事実ですよ。かなりいますよ。その結果として医療費がふくれ上がっているのかもしれないし、まあその辺わかりませんがね。大臣どうでしょうかね。いまおっしゃったように、これはわれわれがあれこれ言うよりも、厚生省がそうやって調べて、どうも普通より高いなとか、やや異常じゃないかと、そういう印象を受けるんだから、そういうところをどんどん監査、指導を強化する、これをやらなければだめだと思うんですよ。医師会に何かすぐすごまれて、その後どうしたか知りませんけれども、大臣はそういうふうに当局に指導、監査をすべきで、こそこそやるな、堂々とやれとおっしゃっているんだったら、これは大臣、口だけじゃなく、厚生省がそういうふうに踏み切るようにしてほしいと、そういうふうにぼくは思うわけです。そのためにも具体例を挙げたわけですが、どうでしょう。どんどん指導、監査の対象にこういうところをしていって、もう少し請求がすっきりするようにならないものでしょうかね。やりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 野末委員の御意見、非常に検査が多いじゃないか、常識上の点から、医学的な常識から考えても多過ぎるじゃないかという御指摘だと思いますが、検査という問題は実にめんどうな問題でございまして、一つの患者さんについて徹底的に精密にあらゆる検査をやって、医学的な医者としての良心に基づいて診断をし、それから治療するということについて、私どもがそれが過ぎてはいかぬということは、国民の病気を守る、あるいは健康を守る立場から言いますとなかなか困難な命題なんですね。この点は、一方においてはむしろそういう診療態度こそ本当の医者としての態度だという主張といいますか、そういう考え方も言われる面もございますんで、この点は、ただ検査が多過ぎるなと思って、すぐどうこうするということにはなかなかいかないと思うんです。ただ、私どもやっぱり保険者でございますし、療養担当者の方々との間には療養担当規則というものもお互い了解のもとに持っているわけでございます。それから、当然、審査とかあるいは指導とか監査とかという制度も持っておりますから、そういう制度を活用して、正しい診療報酬のあり方についてわれわれが常に努力をしていかなきゃいかぬことも当然のことでございます。 しかし、指導、監査につきましては医師会と十分合意の上ということでなければ、これはもし役人が恣意に流れ、あるいは権力の乱用というようなことになってはこれはやはりいかぬだろうという長い間のいろんな考え方から、両者の間で指導、監査をやる場合には十分医師会と相談をしてやるんだという慣例になっておるわけでございます。これが、特にたとえば今度国富病院についてやりました場合に、そうだからといって、たとえば医師会が少しでも反対したらやらないかというと、そうではありませんけれども、基本的な方針としては、やはり職権乱用に陥らないような配慮をしながら、もちろんこちらがいろんなデータを持って十分医師会と話し合えば、医師会の良心は必ずこれにこたえてくれるものと、従来ともそうでございますから、そういうようなやり方をいま崩すわけにはいきません。しかし、十分私どもの検討した結果を踏まえまして、医師会の御了解を得た上で、私は可能だと思いますので、御指摘のような異常な場合には進んでひとつ指導、監査の制度を活用して正しい診療報酬のあり方に戻したいと、考え方はそういう考え方で今後とも私は努力をいたします。
○野末陳平君 じゃ最後に。 大臣のお答えはときどき頼もしく聞こえたり、医師会寄りに聞こえたり、ちょっと不安にもなりますけれども、しかし、こういうおかしいものに対して、それに気がついたらやはり厳しい監査、指導というものをしてほしいし、その体制をつくるように、早く強化できるように希望しておきます。そして、医師会と合意というところがありましたけれども、この辺がどうも何かわれわれから見るとくさいように感じまして、これについてはまた機会を改めて、医師会とどういうふうに合意しながら監査、指導をしていくのか、その辺について二、三またお聞きしたいことがありますから、次回に譲ります。
○委員長(寺田熊雄君) 他に御発言もないようですから、総理府のうち環境庁及び厚生省と、それに関係する医療金融公庫、環境衛生金融公庫の決算につきましてはこの程度にとどめます。 本日はこれににて散会いたします。 午後四時二十七分散会 —————・—————