予算委員会 第4号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/10/04
会議録
○中野委員長 これより会議を開きます。 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)及び昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三件を一括して議題とし、質疑を行います。坂井弘一君。
○坂井委員 順序を変えまして、最初に、政府の総合経済対策の緊急輸入の分について伺いたいのでありますが、言うまでもなく、この総合経済対策、今回政府が、その中の柱の一つとして、四十億ドル程度の緊急輸入ということをうたっておるわけでございます。 総理にひとつ端的に伺いますが、この四十億ドルの緊急輸入、ドル減らし、これは自信がおありでしょうか。
○福田内閣総理大臣 大体四十億ドル程度はできそうに思っております。
○坂井委員 宮澤経企庁長官に伺いますが、いかがでしょうか、この四十億ドルの中で、特に仕組み船、この買い戻しが六億五千万ドル、こういうことでございますが、これは達成できますか。
○宮澤国務大臣 仕組み船の問題につきましては、ただいままでに実現が確定いたしておりますものは五隻でございますが、運輸大臣におかれましては、検討の対象としてはまあ三十隻余り、四十隻近いもの、六億ドルということを検討しておられます。 この問題は、制度が施行されましてから比較的日が浅うございまして、現実には船主の側におきまして、新しい制度と現在行われております状態とをビジネスの上で比較をいたしまして、返済の方法であるとか担保であるとか、そういう具体的な問題を解決いたす必要がございますために、ただいまのところは五隻程度が現実に運輸省から輸出入銀行に申請をされておる、そういう状態でございます。したがいまして、そのような具体的な条件の検討が進んでまいりますと、私どもが考えております三十何隻のうち、かなりのものが買い戻しの対象になるのではないかとただいま考えております。
○坂井委員 御答弁によりますと、三十九隻で五隻程度ということですが、いま輸銀の外貨貸付制度を活用しましてドル減らしをしようというわけです。輸銀で承諾したのがいま一件だけ、金額にいたしまして二千六百万ドル、これは三十九隻のうちの一隻だけです。五隻といいますと、あと四隻が申請中だ、こういうことでの御答弁だろうと思います。そういたしますと、あと三十四隻、これを達成しませんと六億五千万ドル程度にはならぬ。順次何とかなるのじゃないかというような御趣旨での御答弁だろうと思いますが、私は、あと三十四隻というのはまず不可能だろうと思います。いずれにいたしましても、非常に難航していることは事実のようでございますので、三十九隻という目標で、その金額は六億五千万ドル、ところが五隻程度であと三十四隻、これはなかなかうまくいかぬと私は見るわけですけれども、難航している理由は何でしょうか。
○福永国務大臣 まず坂井さんのお話しの、三十数隻はどうもうまくいかぬだろうという御推測でございますが、まあそういう推測もあり得るとは思いますけれども、私といたしますと、そういうことにならぬようにいま作業を鋭意進めております。 御質問の、どういうわけでそういうことだかということにつきましては、実は、もともとこの仕組み船は、外国の銀行から外貨を借りて、日本の船会社が御承知のような措置を講じているのでありますが、今度日本政府としては、新しい方法でわが国が金も貸す、こういうようなことになりましたので、関係の向きはそういうことにしようと鋭意努力をいたしておりますが、調べてみますと、三年間ぐらい借りているというのが多いようでございまして、借りるときにはかなり苦労して借りたのでございますが、現在になりますと、外国の銀行としては、金を貸した条件等は比較的いま有利であるというようなことで、まだ何年か残っている期間があるのに、それを返して日本の政府から借りようということになりますために、外国の銀行の方はなるべく借りたままでいてくれろ、こういうようなことで若干手間取っておりますが、われわれといたしましては、日本政府の方針によりまして借りかえるように、そういう措置を講じさせておりますので、若干手間取っておりますが、できるだけこれを促進させたい、こういうように考えておる。 したがって、最初に戻りますが、三十数隻のものにつきましても、何とかうまくいくようにいまいろいろ手段を講じておる、これが実情でございます。
○坂井委員 運輸大臣、せっかくの御答弁ですけれども、私は、冒頭に申し上げたつまり三十九隻、六億五千万ドルはまず不可能であろう、同時に、これがドル減らし、つまり政府の言うところの総合経済対策の一環として重要な四十億ドルのドル減らしになるかといいますと、これも結論から申し上げて、ならないということを私は指摘するわけでありまして、その理由を申し上げます。それに対して、ひとつ明快にかつ簡明に御答弁いただきたい。 これは輸銀融資で、船会社たる親会社、その関係における海外の子会社、ここに籍を持ちますところのいわゆる仕組み船、これを今度の緊急輸入、輸銀のドル融資によって買い戻すというわけでありますが、この海外子会社、時にはペーパーカンパニーもあります。一〇〇%出資の子会社、そこに輸銀のドルが支払われます。そういたしますと、一方、この船の建造に当たりましては、これは日本の銀行、いわゆる邦銀の出資によりますところの海外の子会社たる銀行、そういう銀行からの融資が非常に多い。したがって、その海外子会社たる銀行にそのドルが支払われます。そういたしますと、そのままそのドルが関係する日本の銀行、これに逆流してくる、Uターンする、こういう問題が一つあります。 それからいま一つは、海外に支払われましたこのドルが、さて円に交換いたしまして日本に持ち込まれるという場合においては、これは外国における外為市場、向こうで円を買い集めて、円にかえてそれが日本に送金される、これは言うなればいまの円高現象をさらに誘発をしていく、円高現象に対して非常に大きな影響を持つ、こういうきわめて大きな問題点、矛盾がございます。 今回のこの三十九隻、六億五千万ドルのドル減らしがもたらす非常に大きな影響として、現実問題として、第一点申しましたとおり、これはドル減らしにはならなくて、外国に行ったドルがそのままわが国にUターンしてくるという問題が一点、それから、円に仮に交換されるといたしますと、さらに円高に対して悪影響をもたらす、こういう二つの問題がございます。このことに対して政府はどういうふうに判断をされておるのか、そういうことについて懸念を少なくとも持っていらっしゃるかどうかについてまずお伺いいたしたい。
○福永国務大臣 ごうんちくの深い御見解の御表明でございますが、私どもは、この方法によって相当の成果を上げ得るものと確信をいたしておるわけでございますが、この点につきまして、やや私よりうんちくの深い海運局長をして答えさせます。
○真島政府委員 仕組み船の建造資金は、一般的に申し上げますと、外国銀行からの融資でございます。したがいまして、今回の買い戻しで輸銀から貸し付けられる外貨というものは、仕組み船の保有会社を通じて当該の外国銀行に移転する、そういう意味で私どもはこれがドル減らしの一環になるだろうということで、経済企画庁あるいは輸出入銀行と御相談いたしまして、この措置をとったわけでございます。
○坂井委員 これは答弁になっていない。私は明確に二点、つまりドル減らしにならぬ、なぜならぬかと言えば、払ったドルがそのまま日本に返ってきますよ、こんなばかな話はないじゃないですかというのが一点、それから、仮に向こうで円に交換されてきたとしましても、それは円高現象をさらに誘発し、助長せしめる以外の何物でもないではないか、この二点について実態的に指摘をしたわけです。それに対する明確なる答弁をいただきたい。
○村山国務大臣 いま輸銀の方に出ておる外貨貸しの申請につきましては、いま坂井委員がおっしゃったうち、もともと円で親会社が貸しているという事跡はいままでのところございません。したがいまして、子会社なりあるいは外国法人なりが外銀から借りて所有しておる船舶でございます。したがいまして、その場合には、外貨貸しでやりますと外貨でそのまま返すということでございますので、外貨減らしというよりもむしろ経常収支の黒字幅の縮小にそのままつながってくる、ここが一つの問題でございます。為替相場にはこれは関係ございません、為替市場を通しませんから。したがいまして、その場合は問題はないと思います。 問題があるとすれば、おっしゃる第二点の問題でございまして、もともと日本の親会社なら親会社が円金融をやりまして、そして子会社がそれを持って、それで親会社が運航しておる、それをこれから外貨貸しでもって輸入しようという場合の話でございまして、その場合は、おっしゃるように、外貨貸しいたしますと、それを円でもって返済しなければなりませんので、米国市場において逆に円高の要素に関係してくるという問題はもちろんあるわけでございます。ただそれ以前に、それは単なる融資の振りかえであるということがございますので、場合によりますと輸銀では、そういう部分についてはこの外貨貸しの融資を認めない、こういう方針でいきたい、そのように考えておりますので、おっしゃるような懸念はないであろうと思うのでございます。
○坂井委員 大蔵大臣、おわかりになっていないですね。そうじゃないのですよ。確かに円高には影響を若干持つ、その部分だけお認めになった。それはそれでよろしい。私が第一点で、それはドルでそのまま返ってくると言った。何でそういうことを言ったか、つまり日本の銀行と外国にある銀行、これが日本の銀行の出資による銀行があるのです。そういうところから借りているのです。また、日本の銀行から——これはお配りしたと思います。ごらんください。直接海外の子会社、これは親会社の担保を得て、そしてペーパーカンパニーたる海外子会社、これに融資をしている、そういう場合がある。これは円です。今度はドルを持っていくわけです。日本の親銀行たるこの銀行、ここに支払われましたドルがそのままUターンするという形がそういうところから一つ起こってくる。いまなぜ三十九隻のうちわずかに五隻で、あと三十四隻が遅々として進まないかといいますと、銀行が拒否をしておる。そのことは御存じでしょう。銀行は返されたら困るのですよ。これは用船料として長い期間にわたって、そして融資がされていく、その用船料をもってこの船の建造費を返す、こういう仕組みになっている。それが一時にこの金がドルで返済されますと、これからの用船料がまず入らなくなる、それに伴う利子が銀行としては入らない。返されたドルの新しい貸出先があるかというと、これまたないというわけで、そういうドルをいま返されても困りますというのが最大の理由として、これが遅々として進んでいないのです。皆さんが四十億ドルの緊急輸入について、これは輸銀融資の関係であって、それは直接的には関係を持たないんだと仮におっしゃるかもしれないけれども、そうではない。四十億ドルのドルを減らす、その中の一環として六億五千万ドルの仕組み船三十九隻の輸入、これはきわめて重要な問題、大事な問題なんです。果たして四十億ドルが減るかどうかという根本的な議論を私はしているわけなんです。いまのような仕組みになっている以上は、ドルがUターンされるならばそれはドル減らしにならぬではありませんか。この問題提起がまず第一点で、これが重要な部分なんです。 では伺いますが、経企庁長官、あなたの方で、運輸省から三十九隻について申請が出てきたという、申請じゃなくて、三十九隻できます。こういうことで、その根拠を示されておると思います。つまり三十九隻の積み上げ、これはどこの船会社のどういう船、トン数は幾ら、これを買い戻しする場合のドル、これは幾らになるかというような積算根拠がきちんとありまして、そして出されたものを総まとめいたしまして三十九隻、六億五十万ドル、こういうことに相なったであろうと思いますが、三十九隻のそれぞれにつきまして、親会社と子会社との関係、建造資金の調達の態様及び輸銀ドル融資がなされたときにドルが果たしてどういう形で流れてくるか、あるいは流れてこないか、そういうことに対して吟味をされて、三十九隻、六億五千万ドルのドル減らしは間違いがない、こういうことに相なったであろう、またそうでなければならぬはずだと思いますが、いま申しましたような幾つかの点につきまして、経企庁長官はよくそれをお聞きになりまして、その上で三十九隻、六億五千万ドルは間違いなし、こういう御判断に立たれたのでしょうか、いかがでしょう。
○宮澤国務大臣 坂井委員のお尋ねの本体は私、よくわかっております。先ほど大蔵大臣の言われましたように、経常収支の黒字を削減するためには、このような通関輸入が行われれば経常収支の減りになるわけでございますし、またこのような船はわが国の、わが国と申しますか、わが国側の資産でございますから、将来売り買いをするということもあり得ることであって、外貨がありますときに買っておくということは、国全体としては好ましいことであろうと考えておるわけでございます。しかし、他方で、一人一人の船主、買い戻しを考える側から申しますれば、これはあくまで企業としての採算の問題でございます。いかに国がそれを希望するといたしましても、個々の会社として採算が合わない、あるいは将来自分の取引先との取引関係を悪くするというふうに仮に考えますれば、たとえば坂井委員が言われましたように銀行側が返済を望まないというようなことはあり得ることで、その場合に、企業側としては将来のことを考えて、多少条件は悪くてもいまのままに置いておくか、あるいはかなり今回の条件の方が有利なので、銀行の言うことはさることながら、やはり買い戻してしまうと考えるか、これは企業の判断でございます。それを政府が左右するわけにはまいりません。私どもとしては、こういう外貨貸しの制度をつくりまして、かなり企業にとってはそれが有利であると考えますから利用してほしいと言っておるのでございますけれども、企業が別の判断をいたしますれば、これを強いる方法はございません。したがいまして、三十九隻云々と申しましたのは、いまの実情から考えて企業が恐らく借りかえた方が有利であろうと考えるものを私ども一応申請があると予想をしておるわけでございまして、その一つ一つについて、こういう船に必ずそういうことが起こるというようなことを申し上げられる性質のものではございません。
○坂井委員 経企庁長官、そうしますと、この三十九隻、六億五千万ドル、これは資料として経企庁に提出をされたものでしょうか、いかがです。
○宮澤国務大臣 運輸省といろいろお話をいたしまして、われわれの見る限り、こういうものについては借りかえの可能性が高い、そういう性格のものとお受け取りいただきたいと思います。
○坂井委員 確認をいたしたいと思いますが、口頭でお受けになった、こういうことでございましょうか。
○宮澤国務大臣 ちょっと事務当局がおりませんのですが、事の性質上、運輸省が経済企画庁に約束できるとかいうような性格のものではございません。したがいまして、文書でございますか口頭でございますか、それが違約になるとか、実現されないから信義の問題であるとか、もともとそういう性格のものではないと思います。
○坂井委員 運輸大臣、お願いしとうございますけれども、三十九隻個々につきまして、資料として私の方に提出をいただけましょうか。 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、先ほど私が言いました点はきわめて重要だと私は思う。ドルがドル減らしにならなくてそのまま日本に返る、実態的にはそういうことになるということを私は申し上げた。それはなぜかというと、個々のそういう船について調べた。親銀行、日本の銀行とその銀行の出資下にある海外の子会社の海外銀行、それから日本の船会社、親会社、これの出資、融資によるところの海外の子会社、これはペーパーカンパニーもある、こういう関係において何が起こるか。容易に想像できることは、すでに日本の親会社と日本の銀行の支配下にある、そういう影響力を持つところの海外の子会社たるペーパーカンパニーたる船会社、そこがいまこの船の籍を持っているのです。それがまた、いまの日本の銀行と資本的な関係のある海外における銀行との関係があるわけです。何がそこで起こるか。Uターンするということは容易に想像できるじゃありませんか。それをくどくどしく申し上げておるわけです。一隻一隻についてそういうような状況を見てまいりますと、これは六億五千万ドルないし四十億ドルのドル減らしにはならぬという私の結論なんです。したがって、そうであるならば、政府はこの三十九隻、六億五千万ドルについては自信があります。こう言う限りは、その自信のほどを示す根拠になるものをお出しになったらいかがでしょうか、出していただけないものでしょうかというのが私の質問なんです。 運輸大臣、これはお尋ねしても恐らくわからぬだろうとぼくは思う。つまりそういう親会社、子会社の関係、それから日本の銀行と海外におけるその銀行が出資した、資本の密接な関係にある海外の子会社たる銀行、そういう態様はよく御存じですか。そういたしますと、ドルはどう流れるかというようなことについて、それも御存じでしょうか。それがわからないで、これが簡単にドル減らしになりますという物の考え方はその論拠を失う、まさに砂上の楼閣である、こうしか私には言いようがないので、皆さんは確固たる論拠、根拠を持って積み上げをして、三十九隻、六億五千万ドルないし四十億ドルのドル減らしは可能でございますと言う限りにおいては、いま私が、それはそうはいきません、内容が問題です。こう指摘する以上は、あなた方の立場を証明するものをお出しになってしかるべきでしょうというのが私の質問なんです。
○福永国務大臣 坂井さんおっしゃるように、この問題はただいま折衝中であって、したがって、的確にどういくかということについてはかなり微妙なものがございます。したがって、一隻一隻に、これは話ができるだろうからとか、これはできないだろうとかというようなことを言ってしまっては、手のうちがわかってしまって、折衝もうまくいかない、こういうこと等もございますが、ただいまあなたのお話のごとく、経企庁ないし大蔵省は何とかしてドル減らしをしようということでございますから、これはどうじゃ、あれはどうじゃというぐあいに私どもの方にも言ってまいりますし、ある程度私どもとしても、これはうまくいけばいいがということがそれなりにわかっておりますから努力をしている、こういうわけでございます。坂井さんはきわめて辛らつに、そんなことはできるかとおっしゃれば、これまたそれなりに理由なきにしもあらず、こういうことでございます。 そこで、そういうことを一隻一隻について出せとおっしゃることにつきましては、ただいまも申し上げたし、あなたがよく御存じなんでございますから、一々そういうことをいたすのが得策であるかどうかということについては御賢察を賜りたいと思うのでありますが、大体こういうことでございますということは申し上げることにいたします。
○坂井委員 委員長、私は何も一隻一隻全部出せということが主眼じゃないのですよ。もっとはっきり言いますと、三十九隻というのを、まあまあこの辺で三十九隻になるだろう、そうしますとこれで六億五千万ドルになるわい、ボンの公約もこれあり、この辺で緊急輸入まとめておきましょうというような、まさに内容の伴わない、中身きわめて根拠のない、言うなれば砂上の楼閣みたいなものをでっち上げて、そしてこれで政府の総合経済対策でございます。これをもって七%の成長は可能でございます。ないしは今度の補正予算にもそういう総合対策の一環としてこの四十億ドルというものが重要な意味合いを持ちますという、政府のぬけぬけとしたそういうような言い方が、全く中身のないものを持ってきて、そんな言い方は通らぬでしょうということを申し上げておるのです。何も一々船名を挙げてその船会社はどうだこうだというようなことをつつき出そうというようなけちな根性はさらさらありません。私の言っているのはそうではないのです。だから運輸大臣、三十九隻というのはおよそのめどをつけておるんでしょうが、私も、これは本当にいくのかなと心配になってずっと当たってみた。ところが、これはまずほとんどだめですよ。なぜかと言うと、根本的にさっき言ったような理由があるからです。銀行だって返されたら困るのです。これはなかなかむずかしい。 そういうことでありますので、こんなことで押し問答しておってもつまりませんが、総理、お聞きになったとおりです。お聞きになったとおりですが、これが進まぬと大変困ったことだなと私は思っておる。現実問題としてなかなか進まない。遅々としておる。その原因はどこにあるんだろうかと思って、私の方でよくよく事情を聞き、調べてまいりますと、いまのようなことが主因なようであります。したがって、そういうことであったならば、政府の総合経済対策の一環が崩れる。もともと傷が入っておると私は言いたいのです。そういうことでありますので、これは早急にこの問題について十分実態をおつかみになった上で対処をされてしかるべきであろう、こう思いますので、総理、ひとつお答えをちょうだいいたしたい。
○福田内閣総理大臣 四十億ドルというのは、これを実際やってのけるというのは容易な問題じゃないのです。御指摘もありましたが、鋭意その目標を貫徹したい、そのために努力をいたします。
○坂井委員 余りくどく言いませんが、本当にこれは結果的に達成できなかったなんというようなことになりますと、総理のボンでの公約もありますね、だから真剣に内容をごらんください。そんな簡単なものじゃない。やはりせっぱ詰まって仕組み船なんかに目をつけざるを得なかったというようなことだろうと私は思いますが、一番困るのは、それがドル減らしにならぬということを指摘したわけでありますので、どうかひとつそういう点、再度御確認をいただきたいと思います。 公共事業の問題に移りたいと思いますが、ことしの二月の予算委員会で政府が公共事業、これを柱にして景気浮揚を図るんだということで一貫して、今回の補正予算もそうであります。一方におきまして、われわれが要求するところの一兆円減税、それは一顧だにもしようとしない。公共事業も結構です。しかし、もう一本の柱として減税の柱をお立てになったらどうでしょうか、この組み合わせが大事でございますよということを一貫して私は主張してきた。 私は前回に、この公共事業については、政府がそこまで一生懸命になってこれで景気を浮揚するのだとおっしゃるから、それならば次の二点についてはよくお考えなさい、つまり一つは、確かに高い効率を求めるということは大事でしょう、しかしもう一方、その側面において不公平、不公正の拡大を来しめるような高い効率を追い求める公共事業であっては相ならぬ、この二つの相対する問題をどう調整し、満足をさしていくか、ここに一つの視点を置いた公共事業の推進ということが大事ですよということを申し上げた。そういう中で、実態的にはまことに残念ながら現在の公共事業執行に当たって不公平、不公正がありますよ、こういうことは是正されたらどうでしょうかという提案を試みたわけです。残念ながら、今日においてもなお不公平、不公正は拡大された、こういう実態を指摘せざるを得ない。きわめて残念なことであります。 具体的な問題に移りますが、一つは、前払い金制度についてであります。これは申し上げるまでもなく、発注者であります国あるいは政府関係機関、公団、事業団、これが公共事業を発注いたします。元請が受注者としてこれを受けます。その場合に、国の場合は現金で四〇%先に金が出るのです。地方自治体の場合は大体三〇%から三五%、公社公団が三〇%ないし五〇%、平均して三五%程度の前金が現金で出ます。そういたしますと、五十三年度当初予算におきましては、国の一般会計、特別会計、政府関係機関、公団及び事業団全部合わせまして十一兆八千四十二億、これは平均三五%、前払い金といたしますと四兆一千三百億、これは計算上です。計算上四兆一千三百億の前金が出る。今回の補正追加見込み額が一般会計、特別会計、政府関係機関、公団及び事業団合計いたしまして八千九百七十億でありますから、合わせまして十二兆七千十二億。さらに地方の単独分は、当初予算現額におきましては五兆六千四百七十六億、今回の補正分三千二百億、合わせまして五兆九千六百七十六億。国、地方全部ひっくるめまして、前払い金の対象となりますところの公金、公共事業予算総額は実に十八兆六千六百八十八億。したがいまして、計算上の前払い金三五%といたしますと六兆五千三百億、これだけ現金で出るのです。六兆五千三百億の金が、計算上はそれだけの前金が国及び地方のそういう関係から出るのです。 さて、この問題につきましてこの二月の予算委員会においては、前金を受けた元請が、下請との関係においてこの前金が適当な額で渡っていない、支払われていないということを言いました。政府はその後調査をされました。調査の結果は、政府の方がよく御存じのとおりでございますが、若干申し上げますと、前払い金の受け取り状況、これは公共工事下請状況調査、公共事業推進本部の大蔵省の調査ですが、元請業者三百五十社、これの請負金額が八百九十七億、前払い金の受け取りが三百六十二億、したがって、受け取った率は四〇・四%。さて、これが下請業者にどう流れたかといいますと、一次下請がやはり三百五十社で請負金額が百七十九億、これに対します前払い金の受け取り額が九億四千万円、受け取り率はわずかに五・二%。二次下請になりますと、受け取り率がこれまた微々たるものでありまして〇・二%、三次はゼロ、四次はゼロ。全体合計いたしまして、わずかに四・六%しか受け取っていない、こういう実態であります。一方、建設省におきましても、同じような建設省直轄工事下請状況調査を行いました。同一発表になってございますが、前払い金を受領した下請業者はわずかに三%しかない。ほとんど受け取っていない。前払い金の比率からいいますとわずかに一・八%、それだけしか下請は受け取っていない、こういう実態であります。 そういう中で、ことしに入りましてこの前払い金がどれぐらい払われておるかといいますと、四月から八月まで、この五カ月間前払い金の保証取り扱い高が、件数で十万三千七十件、保証金額一兆四千八百二十七億、これだけ前金でもうすでに出たのです。ことしの四月から八月まで現金でこれだけ出ておるのです。出ながら、いま申しましたとおり、大蔵省の調査によりますならば、下請に渡ったのがわずかに四・六%、一方建設省におきましては、下請関係わずかに一・八%、こういう実態でございます。確認をいただきたいと思います。
○村山国務大臣 いまおっしゃった数字は、そのとおりであると思います。
○坂井委員 建設省、いかがですか。
○櫻内国務大臣 お示しの数字のとおりでございます。
○坂井委員 では建設大臣、重ねて伺います。「下請代金支払の適正化について」というかねがねの通達がございました。その中で、いまの前払い金の問題につきましては次のように言っております。「とくに公共工事においては、発注者から」元請人に「現金で前金払がなされるので下請負人に対しても相応する額を現金で前金払するよう努めること。」こうなっておりますが、今回の調査の実態から見まして、建設大臣はどのようにお考えになりましたか。この趣旨に沿ったものであるかどうか、ひとつ率直に御感想をお述べいただきたい。
○櫻内国務大臣 この前払い金の充当状況をお調べであると思うのですが、下請に対する場合に前払い、また出来高払いをいたします。それから元請の方では、使用資材費に使いあるいは下請支給の資材費に使う、こういうようなことで前払い金の充当が行われておるわけでございます。 そこで、いまの御指摘のように、現金が少ないではないかということにつきましてはそのとおりに認めますが、この前払い金の充当状況というものを調べてみますと、必ずしも現金でないからどうと、まあ厳しく批判もできない点があるかと思うのであります。そこで、この下請と元請の間を合理的な適正なものとするようにすることは必要なことでありますので、建設工事標準下請契約約款を結ぶように指導をいたしておりますし、また、御批判がいろいろありますので、元請、下請関係の合理化を進めるように指導要綱を現在作成をしておる、こういう状況にございます。
○坂井委員 建設大臣、えらい言い方をして悪いですけれども、いまの答弁はある種のごまかしですな。総理もよくお聞きいただきたい。出来高払いで払うのはあたりまえなんです。そんなものは。前払い金というのは、出来高払いのために払えというのと違うのです。工事は、実際は元請じゃなくて下請がやるのですよ。元請がやる場合もありますけれども、現実の工事をやるのは下請なんです。その場合に、資材の準備でありますとか労務者の確保とかというようなことのために前金が要るでしょう。だから、公共事業を推進する上について遺憾なからしめるために、円滑に執行できるためにわざわざ、国は前金でもって、現金でもってお渡しいたしましょう、これで十分つつがないように工事ができるように御準備ください、こういう趣旨なんです。元請に渡った前払い金は、下請が工事を受ける、それに相応する額を現金で払ってやりなさい、こう指導しているのです。そのことといまの出来高払いと混淆して言われると非常に困る。それは当たっていないです。 確かに充当状況を見ますと、元請に渡りました前払い金は、下請への出来高払いには四三・五%、元請使用資材費は二九・三%、下請支給資材費は一二・九%、こうなっている。この部分については若干、前払い金を受け取った元請が下請に対してこのような手当をしているのですから、前払い金の活用が全くなされていないと私は言うのではありません。ありませんけれども、本来的に前払い金というものは、下請にやはり現金で相応する額を払いなさいというのが指導方針だったはずなんです。ちょっとその後変わったんですな。 実はこれを見て驚いたんです。これは建設大臣御存じでしょう、ことし七月五日の「元請・下請関係の合理化について」という通達がありますね。都道府県それから建設業者団体に通達した。この中の第五項と第六項、余分なことは結構ですから、五番目と六番目をそのまま読んでください。
○櫻内国務大臣 「元請負人は、出来形部分に対する支払を受けたときは、その支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対し、支払額に相応する下請代金を、元請代金の支払を受けた日から一ケ月以内で、できる限り短い期間内に支払うこと。」、「元請負人が前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労務者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう努めること。」これが五と六です。
○坂井委員 五項と六項を読んでいただきました。五項は、これは出来形部分に対してきちんとした支払いをしなさいということです。第六項は、元請が受け取った前受け金は、下請に対しても相応する額を払ってあげなさい。ただ、そこにちょっと変わっているのは、労務者の募集、資材の購入その他建設工事の着手に必要な費用、そういう費用を前払い金として支払うよう努めること、こうなっているのです。人間を確保したからいいんです。中間払いをやっているからいいんですと、そんな説明理由は当たらないんですね。これは何でこういう金が必要か。私はくどくど言いますけれども、現金で出ているのです。この現金を実際に工事をする下請業者は手にしたいのです。手にしなければ工事が順調にできないのです。同時に、元請と下請との力関係において常に下請中小業者が劣位に置かれる。言うなれば、逆に言うと、これだけ大きな金、計算上では六兆から出るのですよ。この六兆から出る公金を手にした元請は、この前払い金を下請のコントロールのために使う、こういうことがあるのです。そうじゃならぬでしょうというわけで指導、通達、通知をされたんでしょう。 ここで一つ提案します。これは大蔵大臣も、あなたも推進本部長ですからね、よくこういう実態をひとつ聞いていただきたいし、見ていただきたい。提案しますが、相応する額について一定の基準なりルールというようなものをひとつ明確にされたらいかがでしょうか。
○村山国務大臣 いま坂井さんの提案でございますので、できるだけそのように努力してまいりたいと思っております。ただ、非常にむずかしい問題を含んでいるように私には思われるのでございまして、いま推進本部で実施しました下請に対してのアンケート、それから元請に対してやったアンケート調査がございます。下請の方がより信憑性が強いと私は思うので申し上げますと、下請の方に対しては、前払い金を必要としないという……
○坂井委員大臣 詳しいことは結構です。
○村山国務大臣 非常にむずかしい問題でございますが、できるだけ検討してまいります。
○坂井委員 時間がございませんので、はしょって恐縮でございますけれども、実はことしの二月六日でしたね、私がこの委員会でこの問題を言ったんです。そのときに、大体どれくらいが下請に渡って適当かと聞きましたら、元請が受けた前払い金の三七、八%、これが相応する額だろうと、こういう答弁があるのです。その辺もひとつもう一度よく、そう答弁されているわけだから、それを踏まえて御検討いただきたい。 それから、非常に困難だとおっしゃるが、確かに下請に支給する資材費あるいは労務費、あるいは一方では出来高払いの率、ところがこれは現金で払ってなくて手形で払うという場合が多いわけですが、そういうものを勘案して一定の基準、ルールづくりをできないはずはないでしょうという提案を私はしているわけですから、かなりむずかしい部分もあるでしょうけれども、しかし必ずしもこの基準、ルールというものはできないはずはないと思うのです。ですから大蔵大臣、せっかくの御答弁でございますのでひとつ前向きに御検討をいただきたい、お願いをしておきたいと思います。 それから、なお若干の提案をしたいと思いますが、その前に一つ伺いますが、この前払い金は会計法令の規定に基づく契約によるところの支払い条件の一部、こういうことで支払われている、こう解釈して間違いございませんか。
○櫻内国務大臣 そのような御解釈でいいと思います。前払い金は工事代金の一部であると思います。
○坂井委員 より明確に建設大臣、お答えいただきました。支払い条件の一部、それは工事代金の一部である、結構です。確かにそうです。 そこで、そうであるならば、この前払い金に対して利息を取るというような行為は国はいたしてはおりませんね。
○櫻内国務大臣 そういう事実はないと思いますが、元請が下請から金利を取っておる場合があるといたしますと、それは元請と下請との間の合意がある場合でなければならぬ、こう思います。
○坂井委員 その後の部分はちょっとおかしいですが、後で申します。国は確かに金利は取っておりませんよ、結構です。ただ、当然三公社五現業等の関係等においても、住宅公団でありますとか道路公団、これは取っていません。それでも金利を取っているところがあるんですよ。日本国有鉄道、日本鉄道建設公団あるいは日本電信電話公社、これは部内の会計規程に基づいて金利を取っているのです。このことについては必ずしも非合法ではない、こういう答弁が前にあったようであります。議論されたようであります。しかし、ぼくはこれはずいぶんおかしいなと思うのです。大蔵大臣。やはり国の会計規程に基づいて工事代金の一部として前払い金が現金で出されるんですよ。そうであれば、同じ国の機関において、一方は取らないで一方は取っているなんて、こんなことは統一されたらどうでしょうか。これはやはり会計の原則が一貫されていない。いかに部内会計規程とはいえ、どうも前払い金の性格、性質、その目的にかんがみて、これはちょっとおかしいと思うのです。実情をお調べになって、こういう点は少し是正されたらどうでしょうか。
○福永国務大臣 大蔵大臣がお答えする前に、ただいま国鉄について言及されるところがありました。よって、実情を明らかにしておきたいと思うのでありますが、国鉄の場合におきましては、工事の請負金額に、工事資金を金融機関から借り入れた場合に支払うこととなる利息相当分が当初より含まれておりますために、前払い金を払う場合にはこの利息相当分を支払い額から差し引くことによって調整をいたしておる、これはこれなりに合理性があると思うのでございますが、ただいま坂井さんの、国は一様に紛らわしくないように、こういうようにしてはどうかというお話につきましては、それなりにこれを理解して対処することも私は必要であろうと思います。 これは別問題でございますが、現状はそういうことであり、誤解されるとこれはみみっちいように思われるかもしれませんけれども、国鉄は赤字を出すな出すなとさんざん言っておりますので、そういうことを心得て対処しているということを御理解いただきたいと思います。
○村山国務大臣 会計法規の問題でございますので、政府委員から答弁させます。
○坂井委員 結構です。もう少し実態だけ……。 いま三つ出ましたので、五十一年度の国鉄、鉄建公団、電電公社、ちょっと実際だけ言います。国鉄は、前払い金が六百億、これで金利がどれぐらいあったかと言いますと三十億。それから鉄建公団、これが前払い金三百四十億払った。これに対して金利を元請から約十億取った。それから電電公社の場合は、三百二十億の前払いに対しまして金利が約八億。金利合計いたしますと四十八億、こうなるわけです。これだけ受注者から金利を取っている。それから五十二年度を言いますと、国鉄、これは金利分だけ言います。時間がございませんから、三十二億、鉄建が十九億、電電が試算といたしまして約十二億、計六十三億、これだけ金利をもらっておる、こういうことです。これは部内会計規程並びにいま運輸大臣がお答えになりましたように、最初に金利分を見込んでいるというわけですな。国鉄さんの場合、二%見ているようですね。これはそれなりの理由があるのでしょう。あるのでしょうが、なお検討いただきたい、こう申し上げておきます。 ここで新たな問題を一つ申します。発注者である国及び国の機関、公社公団、この発注者と元請の関係はそれで一応百歩譲って是認できるとしても、今度は前払い金を受けた元請と下請との関係において、金利分を全く見ないで前払い金に対する利子を取っておる、こういう行為は許されますか。
○櫻内国務大臣 その点は先ほど申し上げたようなことで、元請と下請との合意があれば問題はないと考えますが、そうでなければやはり御批判を受けると思います。
○坂井委員 私の方は実態調査したのです。そういう実態が続々出てきました。下請は元請に対して力関係で言えないのですよ。泣く泣くの関係ですよ。まあ聞いてください、これはないしょでという話がいっぱいある。元請は二%という金利を国から見てもらっております。その二%の金利まで元請がひとり占めをして、下請のわれわれにはそれを一切目をつぶって見てくれないで、前払い金に対する利子を取られる、こんなばかな話がありますか、こう言っているのです。この金はもともと国の金です。公金です。しかもわれわれが工事をやる現場にあって、この公共工事を景気のために一生懸命やらなければいかぬ。そうして、いただいたわずかばかりの前払い金に金利を取られる。泣いていますよ。実情をお調べになったらいかがでしょうか。
○福永国務大臣 その二%というお話の部分につきましては、運輸省所管の国鉄にも関係するものでございますから、その点について申し上げたいと思いますが、私はこの種のものは、国が元請に対して考えたそれと同じ配慮、ないし同様趣旨の配慮が末端にも及ぶべきものであろう、そうあるべきものだと考えます。考えますが、ただいまそういうことでないようなのがあるかのようなお話でございました。国鉄につきましては私は私なりに調べてみたいと思いますが、まあしかし、違法かどうかというような点につきましては……(「違法だよ」と呼ぶ者あり)その点につきましては、長年の習慣でそういうことを織り込んでの商慣習もないとも言えないかと思います。その辺はよく調べてみて対処いたしたいと存じますが、直ちにもって違法である、そういうものではないと私は考えます。ただし、先ほどから申し上げておりますように……(発言する者あり)やじに対して答えているわけではありません。先ほどから申しておりますように、国がそういうおもんばかりからやっているということについては、その延長上の下請等につきましては同様の趣旨のことが考えられるのが妥当ではないかということを私は考えておるところでございます。
○坂井委員 政府はそういう実情についてつぶさに調査をされないで、そして直ちに違法ではないと思うというような御答弁は私はいただけないのです。いかがですか。決して無理なことを申し上げているのじゃない。 総理、いまのような実情だということを私は指摘したわけなんです。一度調査をされて、そして、そういうことのないように、問題があるならばそれを改める。初めて、その実態をつぶさにした中から具体的な改善策というのが出るわけですから。政府は、いま私が指摘したような問題について、下請関係に対して実情は調査していないはずです。断言します。ですから、そういう点を含めて調査をされて、そしてしかるべき改善の方向を考える、こうされてしかるべきだと私は思う。総理、いかがですか。
○福田内閣総理大臣 御指摘の点はごもっともと思いますので、政府においては調査をいたしましして、何か改善をする必要がありますれば改善いたします。
○坂井委員 二つばかり提案します。 前払い金です。元請業者は四〇%相当の前払い金を現金でもらっています。これを留保いたします。銀行に預金します。利子を生みます。下請に対しては前払い金は微々たる額。しかも利子を取るとかあるいは現金で払わないで手形で払う。手形で払われるためにその手形を割り引きしなければならぬ。そのためには経費が要ります。利子が要ります。この経費、利子の負担分は元請において見てやる、そういう場合は元請が払うというような措置を講ずる必要があると思いますが、いかがでしょう。
○櫻内国務大臣 御質問の冒頭で、私から、建設工事について標準契約約款を結んでそれを厳守することがよろしい、こういうことを申し上げておるわけであります。そういうことが決め手になると私は思うのですね。その契約約款の中にそういう問題点をすべて明らかにしておきませんと、なかなか問題がむずかしいと思うのですね。おっしゃるような約束手形のときの現金化の経費、こういうものも元請と下請との間で支払い方法に、代金支払いが部分払いか完成払いか、代金のうち現金と手形の割合はどのくらいかとか、手形期間はどうだとかいうようなことが、もし約束があればそれが影響してくると思いますから、標準契約約款をぜひ結ばせるように指導してまいりたい、こう思います。
○坂井委員 総理、いま私が提案しました問題、一点。 それからいま一点、前払い金ですが、元請から受けて直接工事を施工する中小建設業者、こういう業者に対しても、施工能力でありますとか財務管理能力、こういうことを勘案して、下請の要するに信用度、そういうものを勘案した上直接保証する。元請にも保証します。しかし、実際に工事をやるのはいまの下請です。これは、どれだけの額この工事をやるかということは元請と下請の契約段階でわかるわけですから、それでもって保証がないから保証してください、こうくるわけです。ですから、そういう信用度によって直接保証するということもあわせて御検討されたらどうだろうか。 前段申しました第一点の問題と、いまの問題、二つ検討だけしていただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○村山国務大臣 いろいろ具体的な問題について御指摘いただきましてありがとうございました。 私、公共事業推進本部長をやっておりますので、いまのような御指摘の点を踏まえまして、関係省庁と実態を調査の上、御希望の線で改めるべき点は改めてまいりたい、かように考えております。
○坂井委員 時間が迫りましたので残念ですけれども、実は私は各都道府県に約八項目、アンケートを求めたわけです。これは都道府県から非常に熱心にいろいろ回答をいただきました。これをつぶさにずっと見てみました。これは、回答が返ったのがきょう現在で十九ございます。これを見ましたらいろいろ問題があるのです。 たとえば、具体的に指摘ができませんので残念ですけれども、いま申しました前払い金の問題、こんなことは不合理です。何とかしてやってくださいという問題。それから、下請に関係する力関係で非常に冷遇されているということに対して、手厚くしないと公共事業はうまくいきませんよ、こういう指摘。それから分離発注の問題。これも、どうも公共事業がメジロ押しでげっぷが出る、ですから、もう一括やってしまえ、大手はここぞとばかり一括して全部受ける、中小には回らないという方向にある、こういうことも考え直してもらいたい。あるいは技術労働者が非常に不足をしておる。型枠工、鉄筋工、これはきのう、おとといあたりの答弁を聞きますと、まずまず大丈夫だとおっしゃいますけれども、具体的に数字を挙げてきていますよ。この不足をどうするか。しかも、来年の公共工事がどうなるかわからぬからその手当てができないというような地方自治体、府県段階の深刻な悩みを訴えております。あるいは資材の値上がりの問題、これも言われるようななまやさしいものではありません。というような問題等々、ずいぶんつぶさにその状況を言ってきております。もし必要であれば、これは後で政府に差し上げたいと思います。こういう生々しいものをひとつ聞いていただきたい。これは、私は個人名でやったわけですから、地方自治体としましても恐らく相当遠慮した言い方だろうと思いますよ。それでもいろいろ問題が出るわけです。ですから、こういう点はひとつ実情、実態に十分目を注いでいただきたい、これを特にお願いしたいと思います。 それから、さらに多岐にわたって細かく用意をしたのですが、残念ながら時間がございません。こういう公共工事、公共事業というものを推進する場合に、三全総とのかかわりの中で議論したいと思ったのですが、時間がございませんので……。 環境庁長官、環境アセスメント法は次の国会に出しますか。これは非常に大きなポイントです。お答えいただきたい。
○山田国務大臣 環境影響の評価を事前にやるということが公害防止の上から非常に必要だ、この点については関係者の間の認識がほとんど一致してきていると思います。ただ、それならどのような制度でこれをやるのがいいかという、その手法というものについては多少意見が分かれておりまして、この前もそういう点で必ずしも意見の一致を見ませんでございましたけれども、われわれとしては、これらの点、さらによく関係者の間の意見の調整について努力いたしまして、こういう基本的な問題についてぜひ実現するように努力したい、こういうふうに考えております。
○坂井委員 次の国会に出しますか。
○山田国務大臣 そういうことでひとつ努力するつもりでございます。
○坂井委員 議論を詰める時間がございません。 総理、公共事業につきまして来年からどうなるのかということがさっぱりわからぬというわけです。それで、いろいろな資材関係にしろ人の問題にしろ、同時に金の問題、特に地方自治体は、ことしはやって、来年あるいは再来年あたりがどうなるかわからないというのでは、思い切ったことができないということで非常にためらいがある、不安というものが常につきまとうというわけでありますので、少なくとも公共工事、来年からどうするのかという——あなたは公共事業で景気をよくするんだということをここのところなかなか旗をおろさぬでしょう。おろさぬでも結構です。結構ですが、そうだったら、一兆円減税を隣の柱に建てろ、組み立てろ、こう言いたいのだけれども、そのことはかたくなに否定されるから、公共事業の部分だけ言って、それはそれで推進されるのは結構です。結構ですが、生活関連の公共事業、なかんずくやはり生活関連、福祉関連のそういう公共事業あるいは建設というようなものも、これからの低成長、減速経済に移行する日本社会の、経済社会の一つの具体的な方向性を示すその中の一つの柱として、公共事業というものの次年度あるいは再来年、三年先の基本的な計画というものを持たなければ、示さなければ、あなた幾ら旗を振っても、実施段階、実際にやる現場ではいろいろためらいがある。これはどうですか。そういう、思い切って何もやらない、慎重にならざるを得ないというようなものがあるわけですから、計画をひとつお示しになる、策定されるということが必要だと思いますが、いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 来年の経済を展望しますと、きのうも申し上げたのですが、わが国の経済はまだ操業度が十分でない状態であると思います。そういうことを考えますと、やはり民間から自力立ち上がりの空気が起こってこない。そこで、やはりことしのように政府が内需喚起の政策をとらなければならぬだろう、こういうふうに考えております。その先、さらにその先をどうするのかということにつきましては、暮れまでに長期経済計画の概案をつくりまして、大体これから七年間の見当はこうなるのだということを示していきたい、このように考えております。
○坂井委員 それで、同じくこの三全総に関係しますが、定住圏構想というものを定着させていくというために、三全総そのものに対するいろいろな認識といいますか見方、これは別にいたしまして、この構想を実現しようとした場合に、教育あるいは文化あるいは医療、そういう都市機能をここに置くということも大事だということはよくわかります。それは大事だ、非常に大事だ。特に第三次産業へ移行していかなければならぬという中で、公共福祉関連サービス産業、そういうものをひとつ目指していこうということも時代の要請だろうと思うのです。 それは大事ですが、同時にもう一つの大事なことは、やはり産業政策、どういう産業、どういう仕事をその地域、地方に定着せしめていくのか。そうでありませんと雇用というものがここに定着をいたしません。創出もされません。そういう意味で、定住圏構想を進める上についての地域地域の産業政策ということについて基本的にどう考えるかという問題が一点。 同時に、その場合の一つの土地政策として、土地政策そのもの、やはり利用計画とそれから人口問題、それに裏打ちをされた総合的な土地政策というものを考えませんと、単に税制だけをいじくって土地問題を解決しよう、地価高騰に対処しようというのでは、これはやはり根本的な対策ではない、そう私は思うわけであります。そういう点について基本的な考え方がおありになればひとつお示しをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○加藤国務大臣 三全総は、私どもが十年来実施をしてまいりました広域市町村圏構想にいわば理念を与えてくれた、かような考え方に立っております。そこで、いままでは広域市町村圏事業といたしましては、ごみでありますとか屎尿でありますとか下水道でありますとか、このようなものにとどまる場合が多かったのでありますけれども、ただいま御指摘がございましたように、医療でありますとか防災でありますとか、あるいは教育でありますとか文化でありますとか、あるいはさらに産業政策を大きく織り込んでいかなければなりませんし、かつまた総合的な計画が必要だ、かような考え方に立っております。三全総におきましては定住圏は二百ないし三百、かような指摘をいたしておりますが、今日広域市町村圏が三百二十九でありますから、ほぼ数の上でも一致いたしておりまして、今後広域市町村圏構想を強力に進めていく、こういう考え方でございます。そこで、本年度は初めて広域整備事業債といたしまして五百億円を予定いたしたのでありますけれども、今回さらに二百億円を追加する案を御審議いただいておる、かようなことでございます。 そこで、総合性を持たせなければならぬという御指摘もまさにそのとおりでございますから、来年度は全広域市町村圏に関しまして新たな観点から総合計画を策定させる、かような方向で指導いたしております。
○中野委員長 これにて坂井君の質疑は終了いたしました。 次に、横路孝弘君。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕
○横路委員 きょうは雇用問題を中心に議論をいたしたいと思いますが、初めにちょっと一言、経済と関係ない問題ですが、二、三お尋ねしたいと思います。 最近の暴力団の抗争についてちょっとお尋ねしたいのですが、大変目に余るものがありまして、暴力団同士のことだということでこれを無視してしまうというわけにいかないのじゃないかというように思うのです。いろいろ調べてみますと、犯罪の件数も非常にふえていますし、指定の七団体そのものについても、どうも件数もふえるし人員もふえているということなんで、一体警察は何をやっているのかという声、これは市民の声じゃないかと思うのです。 そこで、この警察の暴力団に対する最近の取り締まりの状況と方針というものについてお尋ねいたしたいと思います。
○加藤国務大臣 暴力団の取り締まりにつきましては、警察は終始最重点の一つに挙げまして努力をいたしてまいっておるのでありますが、残念なことに、ここ数年、暴力団抗争やあるいは拳銃等を使用いたします事件等が多発をいたしておりまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。 そこで、暴力団を徹底して壊滅させる三つの大きな方針を掲げておるのでありますけれども、それは組織の壊滅を図っていくということ、これが第一点であります。そのためには領袖や幹部、そうして構成員等に対しまして反復した徹底した検挙を行ってまいりまして、社会から隔離をしてまいるということ、これが重点の一つでございます。 第二番目といたしましては、残念ながら拳銃がずいぶん隠し持たれておるという事実でありまして、かつては年間の摘発拳銃が百数十丁にとどまったのでありますけれども、最近は年間に千丁を超えますような押収をいたしておりまして、その半数近くが外国から入った拳銃でございますし、もとより改造拳銃もございます。そこで、暴力団の抗争には拳銃や銃砲刀剣がつきものでありますから、これに対して徹底した押収を図っていくということ、これが第二点でございます。 さらに第三点といたしましては、やはり暴力団が活動いたしますにはそれなりの資金を持っておる。その資金源を断たなければならぬのでありまして、麻薬や覚せい剤、ことに覚せい剤の九〇%は暴力団がかんでおる、かようなことでございますから、さような取り締まりも強化いたしまして資金源を断つ。 かような方針で臨んでいかなければなりませんが、ただ、さような処置をとってまいりますには、どうしてもすぐれた情報を早期にキャッチしなければならぬのでありまして、これが警察といたしましてはなかなかむずかしく、かつ悩みでもございまして、暴力団と深く絡んでまいりますような事態が生じてまいりますと職務にも支障が生じてくる、かようなこともあるのであります。しかし、情報の収集に極力力を入れてまいりますと同時に、また国民の理解をも深めまして、暴力団の取り締まりを徹底してまいる、かような基本の考え方であります。
○横路委員 数字を見てみると、たとえば山口組にいたしましても、団体数は減っているのですけれども構成員の数というのは余り変わっていないのですね。つまり、団体が一つなくなっても、それがどこかに吸収されるということになっているのじゃないですか。大体、指定七団体と言われるものを見ますと、どこでもその傾向があって、決して件数も人員も減っていないという実態じゃないかと思うのです。 そこで、いま問題になっております山口組でありますが、たしか、山口組の田岡と山本という男ですか、裁判中じゃないのですか。裁判の状況は一体どうなっているのか。法務省に、どんな事件で、いつ起訴されて、どうなっているのか、ちょっとこれを御報告いただきたいと思うのです。
○瀬戸山国務大臣 裁判の実態については、いま刑事局長がすぐ参りますから、その際にお答えいたしたい。
○横路委員 それは刑事局長が来たときにお答えいただくことにして……。 しかも、最近の傾向は、暴力化すると同時に、企業にかかわる犯罪が非常に多くなってきていますね。たとえば総会屋が暴力団と結託するというか、むしろ暴力団そのものが総会屋になるとか、そんな意味で言うと、企業の方が最近は警察の指導もあってやや手を切ろうという方向にあります。しかし実態は、よく新聞で報道されるようなことで、なかなかこれが手が切れていないわけですね。その辺のところは、結局企業が金をきちんと出さないということですね。とりわけ銀行を中心とした金融機関が、この辺のところでは非常に金額的に見ても大きいものがあるわけですが、警察庁、これはどのようにお考えになっていますか。
○加藤国務大臣 先ほど申しましたように、やはり資金がありますから勢い活動も活発になる、かような悪循環が生まれておるのでありまして、そこで資金源といたしましては、ただいま御指摘がございましたように、企業に深く食い込んでおりまして、いわゆる総会屋と言われる中にもずいぶん暴力関係もございますのと、それから先ほど申しました麻薬関係もそうでございますし、あるいは金融業の中にも深く食い込んでおるのでありまして、摘発をいたしました金融業事犯のうち約一〇%に暴力団がかんでおる、かような統計もあらわれておるのでありますから、さような資金源を断つことにつきまして多面的、多角的な対策を強力に進める必要がある、このことを痛感いたしております。
○横路委員 大蔵大臣、いまも話があったように、金融事犯の一〇%程度をつまり総会屋や暴力団の関係が占める、銀行を含めて、いわゆる総会屋に金を出しているというような大変な実態があるわけです。これは大蔵省として調べられたことがあるかどうか。その辺の行政指導はどうなさっているか。ちょっと突然の質問で恐縮なんですけれども、お考えを聞かしていただきたいと思います。
○村山国務大臣 大蔵省として正式に調べたことがあるかどうか、私、いま知っておりません。ただ、私が個人的に知っておりますのは、全銀協の方でもその点は非常に大きく取り上げておりまして、そして自粛方を各加盟銀行に話をしているということは承知しております。
○横路委員 それで、一度警察の方ともいろいろ情報を交換されて、銀行、金融機関にそういうことのないようにひとつ指導していただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○村山国務大臣 その方向で指導してまいりたいと思います。
○横路委員 総理大臣に最後にお尋ねしたいのですが、山口組と松田組の抗争で鳴海何がしというのが殺されていたというのは、暴力団同志の抗争と言ってしまえばそういうことなんですが、警察も必死になって追って、なおかつ先を越されてしまったというと、あなたの好きな法と秩序にかかわり合いを持つわけでありますが、こういう裏の世界がそのまま通ってしまうというようなことでは、これは本当に法と秩序が守られているとは言えないわけですね。あちこちでいろいろな問題がございます。きょうは追及しませんが、最近は政治家が暴力団を使った話まて出てくる始末でありまして、大変いろいろな問題があるので、特にこの暴力団の絶滅についてはひとつ全力をもって進めていただきたいと私は思うのですが、最後に総理大臣の決意を伺いたい。
○福田内閣総理大臣 暴力に対しましては、わが国全体といたしまして非常に峻厳でなければならぬ、そのように考えています。私は、いわゆる暴力団ばかりじゃないと思うのです。学生の内ゲバの問題だとかいろいろの問題がありますが、いまの社会風潮が暴力に少し甘いのじゃないか、これをほっておくということは、先々どういう発展を示していくか、非常に憂慮しますが、思いを新たにいたしまして、暴力と闘うという姿勢でやってみたいと思います。
○横路委員 刑事局長が来ないようですから、私の方で調べた点をちょっと指摘して法務大臣にお答えをいただきたいと思うのです。 田岡に対する裁判というのは昭和四十一年から始まっているのですね。昭和四十一年が最初の起訴なんです。その後、四十三年、四十四年と起訴がありまして、いま五件ほど係属中なわけですが、最初の起訴から考えてみると十二年たっている。これは、被告が二十人とか三十人とかいうような事件ですと時間が少しかかるかもしれない。それにしたって十年を超すというような事件はほとんどないわけですね。ところが、田岡だとか山本に対する裁判というのは、昭和四十一年から始まって延々と裁判、裁判係属中にも犯罪を重ねる、こういう実態にあるわけです。こういう人間に対して十数年間延々と裁判をやっている原因は一体どこにあるか。 刑事局長が来られましたら……。田岡一雄と山本健一の起訴の状況と裁判の状況について、私の方で調べているところでは、十二年間余り延々と裁判をやって、さっぱりこれは終わる見込みがない。これは裁判所の姿勢もあるでしょうが、被告が四十人も五十人もいるような集団犯罪ですと、時間がかかるというのもそうなのかなということになるが、それにしたって十数年というのはおかしいわけでありまして、被告の権利を守るということでは裁判は慎重でなければならないというように私も思います。しかしそれにしても、十数年も延々とやっているというのはどこに原因があるのか、ちょっとお尋ねをしたい。
○伊藤(榮)政府委員 御指摘の事件につきましては、私どもとしてもまことに遺憾なことだと思っております。昨年も特に刑事部長会同を開きまして、最高検ともども公判の促進を督励したところでございますが、御質問の事件の経緯を申し上げますと、まず被告人田岡につきましては、昭和四十一年、法人税法違反で起訴いたしまして、その後、職業安定法違反、恐喝、威力業務妨害といったような罪で昭和四十四年までに二回追起訴をいたしております。これらにつきまして現在まで六十七回公判を開いておりますが、なお一審が終了しないという遺憾な状態でございます。主たる理由は、田岡が病気ということで不出頭を繰り返しましたこと、それと、法人税法違反の関係の証人が芸能人が多うございまして、田岡及びその弁護人の態度が事実を全面的に争い、すべての書証を同意しないという状況で、全部証人で立証しなければなりませんところ、芸能人が多いために、スケジュールの調整ができないということでずるずると長くなっておるということでございます。まことに遺憾なことながら、今日なお、いつ結審できるか、率直に言って申し上げかねる状態でございます。それから山本健一の関係でございますが、この関係は、やはり昭和四十一年に恐喝で公判請求がなされまして、その後、保釈になるとまた犯罪を犯すというようなことが続きまして、昭和四十五年までの間に合計四回、恐喝あるいは銃刀法違反、火薬類取締法違反、凶器準備集合、恐喝未遂、暴力行為、こういった法律違反で追起訴が行われまして、九十四回の公判を開きました後、昭和五十一年に第一審判決が出まして、主文が二つに分かれておりますが、合計三年六月という判決がございまして、即日被告人側から控訴され、現在大阪高等裁判所で審理中でございますが、この方は近く結審の見込みでございます。 ただいま申し上げましたような次第で、いろいろ事情はございましょうけれども、十年を超す長期の公判になっておるということはまことに申しわけないことでありまして、現在、わが裁判所が抱えております最も長期に公判がわたっておる事件の一つでございます。昨年以来、現場の検察当局を一生懸命、最高検とともに督励をいたしておりまして、そのせいでございましょうか、昨年以降は田岡はすべての公判に出頭いたしておるというような状況でございますが、法曹三者よく話し合って、なお一層の努力をいたしたいと強く決意をしておる次第でございます。
○横路委員 出頭しなかったという話ですが、そこで関西の労災病院ですか、入院しておっては四国に遊びに行ったり、あちこち遊びに行ったりしているのがばれて問題になったことも過去にもあるわけであります。結審の見込みが全くつかないということのようでありますが、最高裁判所の方も口を開けば審理の促進を言いながら、意外と暴力団に弱いところを示しておるわけでありますが、法務大臣、いま刑事局長から話がありましたが、ひとつできるだけ、十数年も、十三年ですか、最初の起訴から延々とやって、なおかつその見通しがないというようなことでは、これはやはり国民が納得しないわけでありまして、その辺の一層の努力をお願いを申し上げておきたいというように思います。
○瀬戸山国務大臣 私もすべての刑事事件の進捗状況など知るよしもないわけでございますが、いまの事件はまことに遺憾でございます。可能な限り促進させるように努力をしたいと思います。
○横路委員 そこで、経済の問題に入っていきたいと思いますが、総理大臣に最初にお尋ねしますが、本年度の当初予算を決めるに当たって、五十三年度の経済見通しと経済運営の基本的な態度というのをお決めになって、そのもとに予算の編成をされたわけです。そのときの基本的課題というのがあったわけですね。ことしの経済運営の基本的課題というのは何だったか、御記憶ございますか。
○福田内閣総理大臣 内需を拡大いたしまして、一つは、国際社会の要請にこたえる。つまり黒字過剰状態、これを輸入の増加によってだんだん消していこう。それからもう一つは、これは企業の操業度、これをなるべく早く望ましい操業度まで持っていきたい。そこで来年の三月ごろの時点では操業度が八三ぐらいしか行かないのです。八五まで行きたいのですが、しかしそう一挙に持っていくことはできませんが、そうなりますと民間の操業度が望ましい水準に行けば、これは設備投資も始まってくる。そこで新しい職場ができてくるわけです。雇用の状態に非常にいいことになるであろう。そういうことをにらみまして、財政にそのための主軸的な役割りを担わしめたいというのが基本的な考え方でございます。
○横路委員 この五十三年度の経済見通しによると「五十三年度の経済運営の基本的課題は、景気の回復によって雇用の安定と確保を図り、国民生活の基盤を守ることである。」つまり雇用の安定と確保を図るということが一つの非常に大きな目的になっているわけですね。「それはまた、同時に対外調整を進める上にも役立つものと期待される。」つまり五十三年度の経済運営の基本的な課題は何かと言いますと、一つは雇用の安定だ。それによって国民生活の安定を図るのだ。もう一つは対外調整をしっかり行うのだという、つまり国内的、国際的な課題というのを目的にして、そのために景気回復七%という成長率が決められたと思うのです。そうじゃないでしょうか。
○福田内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○横路委員 そうすると、その二つ、つまりことしの経済運営の課題であった対外調整と雇用の安定というのはいまどうなっているのですか。対外調整の方はもう失敗だ、雇用の方も大体だめ、つまり、あなたが課題にした二つのことは、もう二つともこれはだめだということじゃないでしょうか。どういう現在の認識でしょうか。
○宮澤国務大臣 まず雇用でございますが、これは通常国会でも実は申し上げました。完全失業者の数は、残念ながら今年度中においては余り大きな改善を見られないであろう、しかし、やはり今年度は安定成長へのつなぎの年でございますので、そういう基盤はつくってまいりたい、なお、年度内に発生する新規の労働人口については、これは何とか吸収してまいりたいと申し上げておきましたが、大体後者の方は八十二万ぐらいの雇用の吸収ができるのではないか。遺憾ながら、完全失業者の数は、前国会で申し上げましたとおり、年度内には改善が見込まれないように思います。ただ新規雇用につきましてはかなり、考えましたよりは多数の八十二万程度の増加はあるかと存じております。
○横路委員 雇用の内容については後で詳しく議論をしていきたいと思いますが、つまり、結局当初の予算で見込んでおったよりも対外調整の方はこれは失敗だということで、今度改定したわけですね。そうですね、総理。うまくいかなかった。雇用の方も御承知のような状況で、なかなか改善されていないということだろうと思うのです。つまり、この二つの当初の課題にした点についてはうまくいかなかったということが言えるのじゃないですか、今日の状況で。総理大臣——いや、総理大臣の基本的な姿勢を聞いておる。
○福田内閣総理大臣 まず対外的な課題、この面になりますと、これはうまくいかなかったと言えばうまくいかなかったと言っても支障ないと思うのですが、つまり一番決め手になるのは、これは通貨不安の問題なんです。これが昨年の十月ごろから非常に不安な状態になってくる。その勢いがことしもずっと続いて今日に至っておる。そういうようなことでずいぶん努力したんですよ。輸出なんか減らすのは、これは余り好ましいことじゃないのです。ないのですけれども、対外的な課題にこたえなければならぬというので輸出を減らす努力もする、また円高が輸出にブレーキをかけるというようなこともあって、数量的にはずっと減ってきているのです。ところが、その数量的に減ったその輸出、これがドル価格に換算すると、これはまたずっと逆にふえておる。何であるかというと、アメリカ初め諸外国のインフレがそうさしておるのです。そういう側面があるのですが、とにかく国内の経済成長も何とかして七%成長を達成させたい。そして国内経済を活発にしまして、そして輸入がふえるようにしたい。しかしそれも時間がかかりますから、それを待っているわけにいかぬじゃないかというので、緊急輸入をする、これもやるわけでございますが、とにかくかなりの努力はし、成果も上げておるわけなんですが、全部これが好ましい結果になっておるかというと、ただいま申し上げましたような通貨不安、特にそれに伴いましてアメリカ初め諸外国がインフレの傾向にある、これが日本の経済の対外バランスを改善することを非常に妨げておるわけであります。 それから、対内的な側面につきましては、私はそう悪い状態じゃないと思うのです。雇用状態は、いま企画庁長官が申し上げましたように改善はされておらぬ、所信表明でも、もどかしさを感ずる、こういうふうに申し上げておりますが、しかし好ましい方向に向かっておりますというのは、七%成長を達成する、そうすると八三%ぐらいの企業操業度になってくるのじゃないか、好ましい企業操業度は八五というのですから、好ましい企業操業度の状態というものがもう指呼の間に見える、こういうことになるわけであります。そこへ行きますと民間設備投資活動が始まってくる、活発になってくる、そうするとそこで新しい職場が定着した形でまたふえてくる、こういう形になるので、私は、展望としては雇用問題は相当むずかしい問題でありますが、そう悲観はしておらぬ、こういうふうに御理解願います。
○横路委員 七%を達成して稼働率が上昇する、したがって民間設備投資が起きて、それによって雇用ができるということのようですが、なかなかそう簡単にいかないわけで、その内容についてはもうちょっと後で議論をいたしたいと思います。 そこで、もどかしさを感ずるという表現をせざるを得ないような今日の状況、雇用の内容だってずいぶんいろいろ内容的に問題があるわけです。やはり高度成長期と違ってきているのは、景気が回復をすれば自動的に雇用問題が解決されるのだということではないという点じゃないかと思うのです。たとえば、輸出が好調で稼働率もきわめてよい産業でも、常用の雇用というものはやはり減らしてきているわけです。常用雇用が減らされるというのは、これはいわば企業の雇用調整の中では最終の段階で、その状況がずっといい方向に、つまり稼働率が上がるにつれて上がってくるかというと、それがそうでないというところにやはり今日の問題があるのです。 労働大臣、本会議の答弁であなたは、経済を先行させて雇用追随というパターンから脱却して、雇用の安定により大きい優先度を置くべきだという御答弁をなさいましたけれども、それは政府全体のお考えとしてそういう基本的な考え方に立っているのかどうか、ここでもう一度明確にしていただきたいと思います。
○藤井国務大臣 高度成長時代には、経済政策が適切に行われますならばおのずから雇用問題は解決をするという、こういった路線で行けたわけでございますけれども、御案内のような低成長時代になってきたきょう今日は、やはりこの雇用の安定に十分配慮した経済政策の展開が必要である、そういう観点から、公共事業一本調子よりも、同時に同じ公共事業をやるにも生活関連の事業をやり、あるいはまた福祉関係施設、それによる雇用の拡大、こういったことを総合的に考えるべきである、こういう意見も述べたわけでございまして、そういう内容に補正予算もなっておると私は考えておるわけでございます。
○横路委員 雇用を優先的に置くということになりますと、つまりバランスをとるという問題になってくるのです。これは減税と公共事業投資の議論のところで行いたいと思います。 そこで、今回の補正予算においては、雇用改善、雇用創出、つまり失業者をなくしていくという立場に立った場合に、この補正予算の中ではどういう位置づけをなされているのですか。これは企画庁長官でも労働大臣でも結構です。
○藤井国務大臣 今度の補正予算の中に、福祉関連の施設としては養護老人ホームであるとか心身障害者の施設であるとか、あるいは保育所の設置、あるいはまた公民館、図書館、体育館、こういった施設が補正予算において相当盛り込まれております。 また同時に、当面の造船不況対策につきましては、仕事をある程度つながなければならぬ、こういったことから、しばしばお答えをしておりますように、官公庁の船を建造する問題、海上保安庁の巡視艇あたりは四十三そう補正予算につけておる、こういったことでございますし、あるいは船の解体事業、この促進をやっていく、約三百万トンばかりの総トン数のスクラップをつくるために手配をされておりますし、あるいはプラントバージの施設あるいはまた、近く行われるであろう石油備蓄関係のタンクの設営、こういったことを考えますと、相当雇用問題に配慮した補正予算案がつくられておる、このように理解しておるわけでございます。
○横路委員 その場合に、具体的にどれくらいの雇用増になるかというような計算は、ことしの当初の予算国会でも問題になったのですが、労働省の方でなさっていますか。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○細野政府委員 補正予算全体を含めまして、今度の経済計画の見通しの中で、本年度の雇用増、就業増につきましてはかなりの数が見込まれておるわけでございます。 ただし、先ほど企画庁長官から御答弁ございましたように、失業者そのものについては、年度当初におきましてかなりのげたをはいておりますので、年度平均としての比較としては改善がなかなか進まない、こういう状況になっておるわけでございます。
○横路委員 そうじゃなくて、今度の補正予算によってどれだけ雇用増になるかという数字をはじいていますかという質問です。
○細野政府委員 公共事業を中心にしまして、公共事業そのものによる作業量そのものとしての労働力需要の増、これを約十六万というふうに、公共事業推進本部で算定をしておるわけでございます。
○横路委員 ことしの春の計画は、結局、公共事業でどのくらいの人員増ということで、労働時間だけから計算されたわけでありまして、実際の企業の対応というのは、所定外労働時間を延長するとか、あるいは人を雇う場合でも常用じゃない、日雇いとか臨時あるいはパートという形でありますから、必ずしもそういう数値になるかどうか、民間の調査では七十万人というけれども、実際は十五、六万人くらいじゃないかという数値もあるわけであります。 私がお尋ねしたのは、いまの労働大臣のお答えのように、福祉施設等が伸びることによって、つまりそこにこれからの雇用吸収ということを考えておって、そのことも考えた補正予算なんだとおっしゃるから、じゃ、その辺の計算をなさっておりますかということです。これはやってないのですね。やっていますか。
○藤井国務大臣 先ほど、雇用創出対策を補正予算においても盛り込まれておる、それで具体的に例を申し述べたわけでありますが、これは事務当局が相互に一応の計数的な推定をした数字でございまして、造船部門においては、合計いたしますと約八千六百名の雇用の創出ということに考えております。それから、文教、福祉関係の施設部門では約三千六百六十名、こういったことでありまして、詳細は省略をいたします。
○横路委員 これから予算を編成するときに、これは中期計画を立てるときもそうですけれども、雇用というものをもうちょっと、ガイドラインといいますか、数字的に明確に少し出したらどうだろうかという議論があるわけです。予算案の場合も、成長率何%ということだけじゃなくて、その成長によって達成する内容の方が問題なわけですから、一定の成長率で達成する内容を数字的に明らかにして、その中で雇用の問題というのを実は重点的に出してもらいたいというのがこの春以来の私たちの要求なのでありまして、これはどなたに答弁していただくのか、大蔵大臣がいいのか経済企画庁長官がいいのか、いずれにしても、今後の中期計画の中でも、五十年代前期計画も、五十五年に完全雇用達成、失業率一・三%ということを目標にしていますけれども、しかし、それに至るためにはどういう予算の編成が必要で、さらにその予算の配分をどうしていくのかという問題があわせて必要になってくるのじゃないかと思うのです。少なくともこの次あたりから、明確にひとつ雇用の位置づけをはっきりした予算の編成というものをしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○村山国務大臣 本予算のときに出しましたような労働日計算でいきまして、そして一人当たりの大体の日数を計算いたしまして、年率で出しました雇用の増加というものを機械的に出してみますと、前回はたしか十八万増加する、今度は大体十六万という試算は、いまできております。
○横路委員 そうではなくて、私が言っているのは、最終需要がどれだけ出てくるかということによって、就業の誘発もそれぞれ違ってくるわけですね。何も公共事業投資ばかりじゃなくて、文教や福祉施設に予算をつければ、それに伴う人員増も出てくるわけでしょう。あるいは、減税を行えば減税に伴う所得増というのも三次産業を中心に出てくるわけですね。予算を組まれるときに、雇用は一体どうなるのか、そして、この予算ではどの分野でどのぐらいふえますよというような、それはなかなか確定的に数字を出すのは無理かもしれませんが、大体のめどぐらいはこうなるというようなことを、予算の場合にひとつ出されたらどうだろうか。何もそれは公共事業ばかりじゃありません。私はそのように考えるのですが、何か今度の五十年代前期計画の改定作業の中でも雇用というものをひとつ重点的に項目に置いて、いろいろな、指数化するのかどうかわかりませんけれども、考えようというような御答弁があったように聞いておりますけれども、その辺を含めて、中期計画でも、それから各年度の予算でもひとつ考えていただきたいというように思うのですが、総理大臣いかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 せっかく努力してみます。
○横路委員 そこで、現在の雇用状態なんですが、雇用調整が進められてきたと言われておりまして、いろいろな数値を見ても、確かにずっと雇用調整が進められてきて、最近はやや所定外労働時間や女子労働力がまた職場に復帰をしているというような状況かと思うのですが、通産省にお尋ねしたいのですが、今日の企業の状況の中で、一応雇用調整というのは終わったと見るのか、それとも、まだまだこれから雇用調整を行っていかなければならない業種というのを抱えているのか、この辺のところは通産省、どのようにお考えになっていますか。
○河本国務大臣 一部の業種ではある程度雇用調整は進んでおりますが、なお構造不況業種と言われる業種は、設備の過剰が二割ないし五割あるものと考えております。操業率が上がりますと雇用情勢はよくなりますので、企業内部の過剰雇用もだんだんと解消いたしますが、現在のような情勢ではなお相当な過剰雇用がございますから、雇用問題はこれから重大な課題だと心得ております。
○横路委員 産構審の今度の長期ビジョンを見ていますと、二十九業種について設備の状況の点検をずっとされていて、何%廃棄しなければならぬとか、過剰設備の状況がどうだというようなことが出ていますけれども、これを見ていると、将来的に、そこで挙げられている業種ですね、従来構造不況業種と言われるものが中心でありますけれども、それ以外も含まれているわけで、やはり将来的にそこに雇用問題が発生し得るという余地がまだまだ、特に二次産業の製造業を中心にして、あるいは内容的に言うと素材産業を中心にして、あるというように見てよろしいですね。
○河本国務大臣 特に昨年秋の急激な円高、それから、年末から年初にかけまして若干落ちついておりましたが、再びことしの中ごろ以降の急激な円高に対応するために、各企業では懸命の合理化をやっておりますが、私どものいま一番気にかけております点は、この円高対策の合理化が人減らしにつながるのではないか、あるいはまた下請に対するしわ寄せにつながるのではないか、この二つの点を非常に心配をしておりまして、この動向を見守っておるところでございます。
○横路委員 この産構審の長期ビジョンの中に、内部活用率という新しい概念を用いて、一体雇用の今日の時点における——この調査時点でしょうが、その状況がどうなのかという数値を出されておりますが、これを見て大体の傾向を見てみると、二次産業の中でも輸送機械、精密機械というところ、あるいは第三次産業では、まだまだやや雇用の吸収力というものがあるけれども、そのほかの部分については、金属にしても、非鉄金属、鉄鋼、石油、石油化学、それから一般機械、金属製品、紙パルプ、化学、繊維、どこでもそういう雇用吸収性というのはなくて、むしろそこにまだ雇用問題が発生し得る余地があるように読み取れるわけでありますけれども、大体傾向としてはそういう傾向だ、しかもそれに、いまのお話ですと、円高がどのように企業のいわゆる減量経営にはね返ってくるか、またやはり雇用のところにしわ寄せがいくのじゃないかという通産大臣のいまの御所見だったと思うのですが、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 大勢としてはそういう方向でございまして、ここに構造不況業種の過剰設備の数字を各業種ごとに持っておりますが、時間の関係で読みませんけれども、先ほど申し上げましたように、なお二割ないし五割という過剰設備がございますから、なかなか深刻な課題だと思います。
○横路委員 つまり、通産省の方はきわめて問題は深刻だという御認識なんですね。ややどうかという総理大臣の認識と違うのじゃないですか。私は、産業界の実態というのは、かなり雇用問題というのは深刻だといういまの通産大臣の認識の方が正しいと思うのです。いかがですか、総理大臣。やっぱりちょっとあなた甘いのじゃないですか。
○福田内閣総理大臣 経済成長は進んでおりますし、経済成長が進めばそれに伴って雇用は改善される、そういう動きになってきておるのです。これはしかし大体大観しての話ですが、そこに問題がありますのは、構造不況業種、そういうことで雇用を脅かすという問題が出てくる。また、円高の問題から雇用が脅かされる、こういう問題が出てくる。そこで、これを補わなければならぬというので今度公共投資を中心とした総合対策をやる、こういうことにしたわけなんですが、私は楽観はしておりません。だから、もどかしい状態だ、こういうことを言っておるわけでありますが、しかし、大観しますと、私は、企業の操業度というものが望ましいところまで来るということになれば設備投資活動が始まってくる、そういうことになると新しい職場がつくられる、こういうことになりますので、努力いたしますれば雇用問題は長期的には明るい方向に持っていくことが可能である、私はこのように考えます。
○横路委員 話がきわめて大まかなんですね。つまり、いまの雇用というのは、ずっと流れを見ると、何も私がここで言う必要はない、二次産業の製造部門を中心にして、特に常用雇用まで含めて、大企業のところというのはずっと人が減ってきていて、労働力というのはそこで吸収されるというのじゃなくて、むしろ三次産業で吸収されるという傾向にあるわけですよ。 通産大臣、もう一度確認しますが、内部活用率という数字を見て、雇用吸収力というのはどこにあるか。これはやはり第三次産業にはまだまだ、ある程度雇用吸収性といいますか吸収力というのがある。それから製造業、第二次産業の中では付加価値の高いところでやはり若干、将来的に見れば雇用吸収力というものは見れるのじゃないか。しかし、それ以外のところというのはなかなか厳しいぞというのがこの長期ビジョンの基本的視点だと思うのですが、いかがですか。
○河本国務大臣 大勢といたしましては、何分にも毎年百万人以上の新しい就職希望者が社会に出てまいりますので、なかなか大変でありますけれども、やはり雇用を吸収するためには、第一には景気の回復、これが一番大きな柱になりますが、あわせて、やはり産業構造の転換、それから第三次産業への吸収、いろいろなことを工夫して図っていきまして、そして何とか失業者がふえるのを防いでいく、こういうことを考えていかなければならぬと思います。基本的な考え方といたしましては、いま総理のお述べになりました方向だと思いますが、やはり一つ一つこれを積み重ねていくということはなかなか大変なことだと思います。
○横路委員 そうなのです。内容を、雇用がどこに吸収されているかということを見て、その吸収力の強い分野に、たとえば財政なら財政をどう振り向けていくのかという問題でしょう。それなしに一般的に議論したって今日はだめなのですね。 ちょっと話を変えまして、設備投資にいきたいのですが、いま総理は、稼働率が上がって設備投資に向かうだろう、こうおっしゃっておりますね。在庫の調整が終わって、そこで在庫の積み増しに入って設備投資に向かうとして、一体今日の状況の中で、どの産業分野で設備投資というのは可能性がありますか。鉄鋼を中心とした素材産業で可能性がありますか。
○宮澤国務大臣 操業率が八〇程度でございますし、年度末で八三ぐらいでございますと、概して製造業、ことに大きな製造業には設備投資の意欲はまだないと見るしかありません。したがいまして、電力は非製造業の中で一番大きゅうございますが、それ以外に、あといわゆる個人、金融というあたりのウエートが大きゅうございまして、ことに大きな製造業の設備投資の意欲は、ちょっと見通しますところ大きな期待はまず持てないと思います。
○横路委員 たとえば個人なんというのは何が一番多いのですか、ウエートは。農業関係でしょう、個人の場合の設備投資は。どうですか。
○宮澤国務大臣 比較的多うございますのは流通関係でございます。農業も、たとえばトラクターとか自動車とかいうものを設備投資に勘定いたしますが、やはり流通関係でございます。
○横路委員 流通だとか農業、それから大体五十二年度で見ても、設備投資の絶対額で見ますと、非製造業の方が製造業の一・八倍ではるかに大きいわけです。そうすると、総理、稼働率が上がってきて雇用が吸収されると言うけれども、あなた、一体どこに吸収されるとお考えになってああいう答弁を繰り返されておられるわけですか。つまり、稼働率が上がって設備投資に向かって雇用が吸収されるのだと言われるけれども、では、その雇用というのは、どの産業分野の設備投資が上がってどこに吸収されるのだというお話なのでしょうか。
○福田内閣総理大臣 企業の操業度が望ましいところまで来ますれば、設備をこれからまた拡大をしなければならぬ、こういうことになりますから、その設備拡大ということは、これは職場の造成ということになるわけですからね。(横路委員「どの産業分野で」と呼ぶ)どの産業分野だ、こういうお話ですが、製造業は当面はそう大きな吸収力はないと私は思うのです。設備投資が非常に活発になってきたその段階だと思います。しかし、これから先の日本の社会構造、また社会のあるべき姿を考えていきますと、やはり福祉だとか教育だとか、そういう方面への投資をよほど考えなければならぬだろう、こういうふうに考えるわけです。そういうことを考えますと、中高年の人が働くその場にわりあいにいい環境が整ってくるのじゃあるまいか、私はそのような感じもし、そういう経済政策を推進する三全総、これなどには大変関心を持っておるわけであります。
○横路委員 総理、やはりまだ一般的なお話なのですね。たとえば経済白書を見ても、非製造業の投資の中でどの分野がいいかというと、電力、ガスのエネルギー供給部門ですね。もう一つは対家計サービスの部門でしょう、設備投資が大きいのは。そして、ある意味で言うと対企業サービスというのはやや盛り上がりを欠いているという認定になっていますね。傾向として非製造業はそういう傾向だ。では製造業の方はどうかと言えば、この製造業の設備投資の内容というのは何ですか。いま総理がおっしゃったように、生産能力増に結びつくようなそういう設備投資ですか。むしろそうじゃなくて、補修であるとか合理化であるとか省力化というような設備投資が多いのじゃないですか、設備投資があるとしてもですよ。その傾向というのはまだ変わってないのですね。だから在庫だってなかなか積み増しにならないというのは、やはり企業が先を見ているからでしょう。なかなか積み増しにならない状況の中で、しかも五十二年度から今日までの設備投資の傾向を見ても、総理が言うように雇用をそこに吸収していくというような設備投資の方向などは、どこを見たって出てこないと思うのです。これは、企画庁長官どうでしょうか、間違いでしょうか。
○宮澤国務大臣 おっしゃいますように製造業の設備投資は、概して申しますと、たとえばNC、ニューメリカルコントロールのような、いわゆる減量経営に適しているような設備投資が主でございますから、いまのところ製造業に大きな設備投資、したがって大きな雇用を期待することはやはりむずかしいのではないか。どちらかというと、製造業全体として見ますと、移動はありましても雇用は少し減る方向にあるのではないかと私は判断いたします。したがいまして、雇用の新しい吸収源というのは、やはり新しい形の広い意味での第三次産業と申しますか、そういうところに多くを期待することになるのではないかと私は考えます。
○横路委員 総理大臣、通産大臣や経済企画庁長官がおっしゃっている話とあなたの話は違うのですよ。つまり、あなたが言うように、稼働率が上がっていけばおのずから雇用吸収力が出てきます。七%達成されればそれでいいのですということじゃないのですよ。そこに政策的配慮がこれから非常に必要だ。だから、おっしゃったように、公共事業投資でも生活関連投資ということになれば、これは確かに将来の雇用吸収を見た投資ということになるのですね。ただ、一般的に、稼働率が上がれば、それで設備投資ができて、その設備投資によって雇用吸収性が出てきて今日の失業問題は解決できるということじゃないという通産大臣や企画庁長官の御答弁は、総理大臣も認めてもらわなければ困ると思うのです。いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 企業操業度が望ましい水準になれば雇用にいい影響がある、これを企画庁長官でも通産大臣でも否定しておるわけじゃないと私は思います。ただ、それだけで雇用問題に対処できるかというと、そうはいかぬ、その点を強調しているのだと思います。私はそういうことを考えますときに、定住圏構想、ああいうような形の施策が強く進められるということになりますと、これは第三次産業にもつながってくる、中高年齢就業対策というものにもいい環境が出てくるのじゃないかと考えまして、これからあの問題を重要視していきたい、このように考えております。
○横路委員 つまり、製造業ではなかなかむずかしくて、方向性としては雇用の吸収は第三次産業なのだということは、それでいいのでしょう。
○福田内閣総理大臣 私は別にその方向が間違っておるというふうには言っておりません。これからは第三次産業部門を重要視しなければならぬということを強調しておるわけです。
○横路委員 雇用問題というのは、離職を出さないという問題、発生した失業者の生活の安定と再就職の問題あるいは雇用創出の問題というような点、労働力の需要を拡大していく、あるいは供給を減少する、あるいは中高年層であるとか障害者の人であるとかいう個別対策というような兼ね合いで進めていかなければいけないだろうと思うのですね。 そこで、いままでの議論を前提にして、減税か公共事業かということでの総理の従来の答弁について少し議論をいたしたいというように思うのです。 この補正予算の審議もいよいよ、野党の方の組み替えの要求も大体まとまったようでありまして、いずれこの委員会に出されるだろうと思うのでありますが、減税か公共事業かというときに、いままでも繰り返されてきていますけれども、どっちか一本でというようなことを野党は言っているわけじゃないのですね。公共事業投資をやめて減税だけにしろなんということを言っているわけじゃないのです。そこでバランスをとって考えたらどうだろう。つまり減税と公共事業投資、公共事業投資の中でも産業基盤整備あるいは生活基盤整備というような配分をどうするかという問題として野党の方は問題を提起しているのです。どうも総理大臣はその受けとめがないのじゃないか。つまり減税なら減税によって、あるいは公共事業投資なら公共事業投資によって、どういう最終需要がふくれていくのか、これはかなり違うわけです。そのバランスをどうするかという問題だと思うのですね。どうも総理大臣はそういう受けとめ方をなさっていないのじゃないか。何か野党の主張を、公共事業投資は全部だめで減税一本だというように受けとめられているようなんですが、そうじゃなくて配分の問題なんですね。総理大臣、違いますか。やはり配分をどうしていくのかというのは最終需要項目にどういうはねっ返りがあるのかという観点から必要になってくるのじゃないかと思うのです。総理大臣、いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 財政が豊かでありまして、財源に余裕があるという状態でありますれば、あの手もある、この手もある、それをどう選択するかなんということでなくて、あの手もある、この手もある、これを並行してやるという考え方は私は成り立ち得ると思うのです。しかし、今日のわが国の財政というものは、いま横路さんが言われたように、減税もやります。公共事業もやりますという豊かな状態じゃないのです。やはり限られた財源しか調達できない。そうなれば、その限られた財源でどこに最も経済対策的効果を認めるかという判断をしなければならぬ。そうなると、公共投資の方が減税よりは当面の問題には裨益するところ大である、こういうことなんです。
○横路委員 総理に言うまでもないのですが、財政の機能というのは何も景気回復という効果だけじゃないのです。資源の再配分とかいろいろな効果というのはあるわけでしょう。だから私は、財政の問題はあっても、なおかつそういうバランスをやはりとるべきじゃないかと言うのです。つまり減税か公共事業かという議論は、短期的な議論と中長期の議論と二つ必要じゃないかと思うのです。そういう観点に立っていまの配分をどうするかということが必要になってくるのじゃないですか。違いますか。
○福田内閣総理大臣 当面のことも考えなければならぬ、中長期のことも考えなければならぬ、それは御説のとおりです。それで、当面のことを考えますと、やはり雇用という問題をにらまなければならぬ。雇用造出効果、これは減税と公共投資のどっちがいいのだ。減税というのは、所得税を納める人、それに対しまして税を軽減いたしましょう、こういうあれで、これは回り回って雇用に何の関係もないということは言えないかもしれませんけれども、しかしながら直接的に雇用にはそう大きな影響はないのじゃないか、そのように私は思うのです。それから、これに反して公共事業をやる、公共投資をやると言えば、もう直接それによって雇用の場が造成される、こういうことになる。 それから、私が当面のことだけを論じておるというお話ですが、私は来年も再来年もその先も見ながら言っているのです。いまこの財政の状態を考えますと、国民負担の増高を考えなければならぬ、そういうような情勢です。そのとき後々までに大きな負担を残すような減税というものに取りつけるか、そういうことになると大変問題が出てくるのじゃないか、そのように考えるわけであります。
○横路委員 いまは大変むずかしいときなんですね。そのむずかしいときで何が問題かというと、やはり日本の産業の構造をどうしていくのかというところが非常に大きな問題なわけですよ。ところが、公共事業投資と言っても、では最終需要の誘発はどの部門に大きいかといいますと、やはり土木だとか建築なんですね。それでもって大体四〇%弱ぐらい占めているのですよ。だから、結局は従来の産業構造を残したまんまになって、それを変えていくということには役立たないのですね。総理大臣、さっきから聞いておりますと、あなたの議論というのはきわめて大まかな議論で、しかも、まだまだ中身を検討しなければいけないのに、従来の経済観念で何か結論だけでもって物をおっしゃられるので大変問題が多い。認識がどうも不十分なようです。渡した表を見ていただきながら、ちょっとその辺の議論をしていきたいと思います。 一番上の表なんですが、これは民間のある機関ではじいた数字でございます。この一番上の左の表を見てもらうと、「就業者の最終需要依存度」というのがありますね。これを見て何を言えるかというと、一次産業の場合にどの消費に依存しているかというと、民間消費に九〇%依存していますね。政府固定資本ですとわずかです。二次産業でどうかというと、二次産業でさえも民間消費というのは、これは絶対額が大きいですから三一・一%民間消費に依存しておって、政府の固定資本形成には一六・七%ですね。三次産業は、そこにあるように、民間消費五六・四%依存、政府固定資本ですと四・八%にしかならぬということです。これが就業者の最終需要の依存度です。 こういう産業連関表を使っての数字というのは、入れる条件がちょっと違えば大分違ってきますから、必ずしもこれが絶対だと言いませんけれども、傾向としては大体言えるのじゃないかということで議論したいのですが、総理大臣、この表を見て言えることは何かというと、あなたの言っている二次産業でさえ、現在の雇用を維持しようとすれば民間消費の方がウエートが高いのだということが一つですね。 それからもう一つ、設備投資というのは二次産業に今後ほとんど出てこない。三次産業だ。労働力の吸収は三次産業だというと、この最終需要の依存度を見てもおわかりのように、圧倒的に民間消費に依存しているということです。政府の固定資本形成からいって、もうこれは比較にならぬですね、八・六と五一・九ですから。総理大臣、どうでしょうか、私の指摘している点。大体傾向としてはこれは従来から言われていることでありますけれども、間違っていないと思うのですが、これについてどうですか。
○宮澤国務大臣 ただいまちょうだいいたしました表を拝見しまして感じておりますことを申し上げてよろしゅうございましょうか。——こういうふうに考えるのでございます。最終需要を一定に考えてその最終需要を生じた場合の産業なり雇用なりの誘発効果、誘発係数はどうかということをここで議論しておられるわけで、その限りでは、私、こういうことであろう、一番上の二つの表は実は私ちょっとわかりませんのですが、あとはそう考えております。これは産業連関表でお出しになられたものと思いますが、問題は、減税であるか公共投資であるかというときには、新しいインプットとして一定の額が与えられたときに、それが最終的にどのような就業需要を生むかということでございますので、最終需要を一定にした場合の御議論でしたらこのようになるのだと存じますけれども、追加のインプットがありましたときの話は違うのではないか、こういうふうに考えております。
○横路委員 公共事業か減税かという議論はまだ、もうちょっと後でやるのですから余り先走らないで。右上の表ですね、これは「最終需要による雇用創出効果」で、企画庁長官が言っておるように、これは即減税だとか公共事業だとかいうことで言っているわけじゃないので、そこは間違えないでもらいたいと思います。 この雇用創出効果を見てみると、需要別に見て、民間消費の方が政府固定資本形成よりも、これは減税や公共事業投資じゃありません、最終需要増によってどれだけ生み出すか、一億円の最終需要があった場合に、これは四十五年価格での計算ですけれども、どれだけの人間を生み出すかということになっておって、大体最終需要から見ると、たとえば通産省の方でやった産構審の長期ビジョンの中に入っている係数もそれからこの係数も大体似ているのでありますけれども、最終需要からいきますとやはり民間消費の方が大きいということになっているわけです。ただ、これはそのまま減税、公共事業投資という議論はもちろんできません。 そこで、総理大臣、いままでのことをちょっと頭の中に置いておいていただきたいと思うのですね。つまり、雇用吸収効果というのは第三次産業にあるのだ、設備投資の方向も二次産業は余り見込みができなくて、これも三次産業の方にかなり設備投資を含めていくであろうということをちょっと頭の中に置いておいてこれからの議論にお答えをいただきたいと思うのであります。そこを忘れられると困るのであります。 そこで、SP18という経企庁のモデルを使って需要創出効果を考えた場合に、需要創出効果で、これはことしの春やったものです。初年度をとった場合には、減税よりも公共事業投資の方が一・四倍くらいですか、効果がある、二年度になるとほぼ一緒になって、三年度になりますと減税の方が効果が出てくる、こういうことですね。これは総理大臣にもお認めをいただいたものであります。それからその次の雇用創出効果で、これは私の方が四十五年産業連関表とSP18でもって計算したものなんですが、企画庁の方ではどういうことになっておりますか。企画庁の方で計算されているものですね、初年度、二年度、三年度ということでお答えいただきたいと思います。
○宮崎(勇)政府委員 お答えいたします。 産業連関表と、ただいまおっしゃいましたSP18を使いまして、同額の消費と政府固定資本形成の追加の効果を比較いたしまして就業誘発効果を見ますと、これは消費を一にした政府固定資本形成の倍率でございますが、初年度が一・六二、二年度が一・一九、三年度が一・〇六ということになっております。これは政府固定資本形成でございますので、土地代を除いたものです。
○横路委員 どうもそこのところ、この間から一・六倍、一・六倍とこうおっしゃっているので私はよくわからなかったのですが、土地代を除いていないのですね。そういう計算をされるとごまかしになるわけです。だから一・六に〇・八掛けなければいけないわけです。用地代二〇%平均として、もうちょっと高いですけれども。そうすると、これは大体一・二五倍くらいですから、私が言っているこの〇・八対一くらいになるわけです。それから二年度、一・一九に〇・八掛けますと、逆に今度は減税の方が効果がある。三年度一・〇六ですから、これに〇・八掛けますと三年度の方ももちろん効果がある。こういうことで、需要創出効果の方も雇用創出効果の方も、初年度はおっしゃるように公共事業の方が大体雇用で一・二五倍くらい、それから需要創出効果で一・四倍くらいあるわけですが、二年度でほぼ並んで三年度で逆転するという構造になっているのですね、総理大臣。よろしいですね。
○福田内閣総理大臣 減税はことし限りのことじゃないのですね。来年もことしの減税が続くわけでしょう。それをこれは言っておるわけなんです。そういうことでありますが、とにかくこの初年度における雇用、需要の創出効果は公共事業がまさっておるわけであります。来年減税だ、また一兆円ですね、増税をしないでまた一兆円の減税を据え置くのだ、ことしやった減税を、そうなれば雇用造出効果は来年響きを持つわけですよ。しかし公共事業だって来年また、仮に一兆円同額やりますということになれば、そこでまた積み重ねになるわけでありますからね。これは私は、横路さんの所論はどうもいただけない。 同時に、雇用ばかりが問題じゃない、需要創出ばかりが問題じゃないので、財政の見地も真剣に考えなければならぬ。これから公債をまた一兆円増発をして、そして来年あたり景気が多少出てきて、それが第三次産業であるにせよ、要る金は同じですよ。それと政府の公債消化資金とが競合するというようなことになると、これはもう大変なことになる。そういう先々の国家秩序、この点も私どもは真剣に考えておるということを御理解願いたいのです。
○横路委員 総理大臣、違うのですよ。スタートラインを一緒にして、そしてどういう効果かということを比較したのですからね。そんなことじゃないのです。要するに、SP18の効果と四十五年の産業連関表を使ってやった数字なんですから。総理大臣、そこはやはり正直に認めていただかないと議論にならないのですね。初年度は確かにあなたたちが言っている公共事業投資の方が効果がありますよ。しかし、問題は何かというと、その下の下の表を見ていただきたいのですけれども、「最終需要部門別就業誘発係数の産業別内訳」というところをちょっと総理大臣、見てもらいたいのですがね。下から二番目の表です。民間消費支出というのは第三次産業にほぼ半分ですね。一次産業、二次産業に残りの半分くらいと、非常にバランスのとれた就業誘発をもたらすわけです。ところが、政府固定資本形成というのは何かというと、第二次産業でもう七七%でしょう。つまり、これは何かというと、公共事業投資をやってもどこに行くかというと、やはり土木だとか建築だとかいうところに確かに就業の誘発効果はある。しかし、バランスは全然とれないということなんです。これからの設備投資の方向はどうかというと、個人のところと非製造業のところでしょう。つまり、あなたの方は、稼働率が上がって設備投資が行われて雇用吸収力があるとおっしゃっているけれども、その上がって雇用吸収力があるのはどこかというと、三次産業の分野なんですよ。そして減税というのは、そういう方向に非常に大きなウエートを持って就業誘発の効果というのをもたらす。ところが公共事業投資は何かというと、土木と建築で終わっちゃうのですね。次から次とつぎ込まなければだめになるのは公共事業投資の方なのでありまして、減税は、これで見ると三次産業に雇用誘発をずっとしていくわけですね。しかも先に行くほど効果がずっと出てきて、落ちついた雇用をつくり出すわけです。ところが、公共事業投資の方は落ちつかない。短期的な効果はあります。ぱっと使えばぱっと出るという。しかしそれは、その効果がなくなれば、公共事業の支出がなくなれば同時に消えてしまう雇用誘発なんですね。ところが、減税の方は、この民間消費支出の就業誘発の状況を見ても、やはり落ちついた、バランスのとれた雇用誘発というものをもたらすのだということがこの表から言えるわけですよ。これは私、この数字が絶対的とは申しませんけれども、傾向としてはそうだろうと思うのです。 総理大臣、自分の独断で御答弁されたのじゃ審議をやる意味ありませんから、ひとつここのところは素直に認めていただいて、公共事業と減税というのはもうちょっと配分を考えて、政策として入れていかなくちゃいけないということになるのじゃないでしょうか、いかがですか。
○村山国務大臣 われわれも雇用の問題はやはり非常に気になるところでございますが、一つは、何と申しましても今度の補正予算でございますので、やはり今年度の雇用誘発の問題、これを重視しているという点でございます。そしてまた、いま横路先生の出されましたのは用地費二〇%と計算されているわけでございますが、われわれは、乗数効果から申しまして、土地はほとんど要らないというものを選んでいるわけでございます。したがいまして、今年度だけのこのSP18で言いますと、大体どっちに、〇・八で割ってもよろしいですし、あるいは片方に〇・八を掛けて考えてもらっても結構なんでございますけれども、その二点をねらっているのでございます。特にこれは補正予算でございますので、補正予算というものの性格からいたしまして、われわれはそのように考えておるのでございます。
○横路委員 先ほど補正予算による雇用創出の人員をお伺いしましたけれども、補正予算の用地費だっていろいろ議論はあるのです。私、ずっと五十二年までの実績の数値を持っておりますけれども、全然違いますよ。でたらめですね、今度のやつは。それ、ちょっと議論する時間がありませんから省略しますけれども。総理大臣、どうも事実こういう傾向だということをやはり認めてもらわないと、議論が先に進まないのですね。御自身の独断と偏見だけでもって議論されたのではかなわないわけなんで、総理大臣……。
○福田内閣総理大臣 減税の効果が後年度でよけい出てくるという傾向を持つということにつきましては、私もそのように思います。しかし、それだけの議論で私は言っておるわけじゃないのですよ。先ほども申しましたけれども、一体財政をどうするんだ、国民負担の増加を求めなければもうどうにもならぬというような状態の国の財政の中で、後々までずっと尾を引く減税ということをこの際取り上げる、これが妥当であるかどうか。これも非常に重大な要素として考えておる。こういうことを御理解願います。
○横路委員 どうも理解してもらえないわけなんですけれども、結局、財政の機能というのは景気回復ばかりじゃなくて、いろいろと資源の再配分を始めてバランスをとるということなどもあるわけですね。その中に減税の持っているこういう傾向、つまり公共事業投資とはかなり違った傾向、違った需要を誘発する効果があるというその違ったものと取り組んでいくとそこにバランスがとれるのじゃないかということなので、私はぜひお考えいただきたいというように思います。 時間がなくなってきましたので次の質問に移りたいのですが、ちょっと労働大臣の方に御質問をいたしたいと思います。 雇用創出をどうするかという場合に、時間短縮であるとか有給休暇の消化とか週休二日制の問題というのが取り上げられて、皆さんの方で通達を出しているわけです。そこで、ちょっと計算をしていただきたいのですが、これはいろいろな条件がありますから単純なことにはいかないわけですが、たとえば、いまの有給休暇を完全に消化する、あるいは週休二日制を完全実施する、時間外労働をなくしてしまおうという場合に、どういうような就業誘発の効果があるかということなのですが、ちょっとその辺のところを、事前に言ってありますので、計算できておると思いますが、御答弁いただきたいと思います。
○藤井国務大臣 労働時間短縮、これが長期的に雇用の場を広げるということは、これは結論として疑う余地のない見通しだと思いますけれども、具体的に労働時間短縮がどのような雇用の造出に数字的に結びつくかということは、なかなか計算上むずかしいというふうに思うわけでございます。と申しますのは、現在非常に不況で、いわゆる雇用のマインドが鎮静化しておることや、日本の雇用労働慣行がいわゆる終身雇用制であるということ、あるいはまた、現在余り時間短縮ということを強調し過ぎますと、かえって企業がコストアップになって雇用の場を狭めるという、こういう生きた人間社会の現状から考えますと、なかなかむずかしい、こういうことでありまして、具体的な数値を計算するということが困難である、このように考えるわけでございまして、一応もうちょっと詳細なことは政府委員からお答えさせます。
○横路委員 むずかしいのはわかっているし、皆さん方いやがっているのもわかるのですが、これは計算できないことないのですからね。きのう言って、大体計算できているというふうに聞いていますが、ちょっとその数値だけ言ってください、時間がないので。
○岩崎政府委員 先生御案内のように、その数値の机上計算と申しますか、そういうものとして、住友銀行が発表されたものが一つあるわけでございます。それによりますと……(横路委員「あなたの方でやってないの」と呼ぶ)私の方では、いま大臣も申し上げましたけれども、具体的ないろいろの与件がございますので、これをそのまま受け取るわけにもまいりませんし、具体的にはなかなか数字がはじけないということでございます。
○中野委員長 私語を禁じます。お互いに正式にやってくれたまえ。
○岩崎政府委員 そこで、住友銀行が発表しておりますものですと、所定外労働時間を全部禁止すれば三百九十七万人、あるいは年次休暇を完全に消化すれば九十九万人、それから週所定労働時間を全部一律に四十時間にすれば二百二十二万人というような計算ができておるわけです。しかしこれは、この計算をしております住友銀行の調査の方自身が認めておりますように、客観的な、先ほど大臣から申し上げましたようないろいろな条件というものを全く考え方に入れておりませんので、それをいろいろと考えますと、具体的な計算がどのくらいになるかということはできないというのが私どもの立場でございます。
○横路委員 労働省の方も、いま通達まで出して取り組んでいるわけですから、しかもその視点は、皆さんの通達を見ると、雇用創出ということが非常に大きな一つの要素になっているわけでしょう。むずかしいからと言って、民間の調査の調べたやつをここでお答えいただくのじゃなくて、やはりそれくらい皆さんの方で検討する体制を整えて、どうなのかという、それはいろいろな要素があるのでしょうけれども、そのいろいろなむずかしい要素も数値化してぜひ検討していただきたいというように思います。 時間がありませんので、ちょっとまとめて御質問いたしますので、労働大臣、端的にお答えいただきたいと思いますが、いわゆる特定不況地域の離職者等臨時措置法の関係なんですが、この不況地域というのが、いわゆる企業城下町というような特定不況業種の依存度だけではなくて、それでカバーできない部分のところにいろいろな問題があるわけです。二百海里問題で起きた水産物あるいは水産加工物の減少に伴うような地域だとか、輸出依存度の高い製品を生産している比重が高くて、円高によって著しく打撃を受けたような地域、特に特定不況業種というものはなくても、そういう影響を受けている地域等があるわけです。あるいは中小企業のたとえば下請などが集中しているような、中小企業の非常にウエートの高いような地域とか、いろいろあるわけです。 問題は、この特定不況地域を指定するに当たって、工業出荷高あるいは下請依存度、雇用指標と言われているわけですが、労働省に、ぜひこの雇用のところに重点を置いて、現在の失業の状況、たとえば有効求人倍率、求職倍率あるいは就職率、あるいは雇用保険の受給率というようなものを見て不況地域というものを指定していただかないと、やはりかなり外れてしまうんじゃないかというように思うのですね。その辺のところ、通産省との話もあるのでしょうけれども、これは産業政策なのか雇用政策なのか、いろいろ議論もあるところだと思うのですけれども、先ほど来の議論のように、雇用が非常に厳しいという中で皆さん方この法案を出されてくるわけで、そこのところをぜひ考えていただきたいと思うのですが、簡潔に労働大臣からお答えいただきたいと思います。
○藤井国務大臣 特定不況地域の指定基準につきましては、御説のように、実際困っておる地域が外れないような配慮をしていくということは、忘れてはならぬ大切な問題だと思います。 ただ現状、やはり全国的に構造不況業種を中心にして非常にその地域が、中小企業者が経営上困難になっている、あるいはまた、その関係から雇用問題が非常に厳しい状態だ、こういったことを踏まえまして、通産省と労働省が共同で、いずれ法律案が通過いたしますと政令を定めます。そのときに十分配慮したいというふうに考えておるわけでございまして、そのためには中央職業安定審議会の議を経て最終的に決定をいたしたい、このように思います。
○横路委員 ちょっと通産省に資料の提出をお願いしたいのですが、この不況業種の業種別、地域別の工業の出荷額の推移ですね、いま調べられておるようですけれども、これはこの指定に当たって必要なので、ぜひこれを資料として出していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 わかりました。
○横路委員 よろしいですか。
○中野委員長 資料は出せますか。——出せますね。出すそうですから……。
○横路委員 それから、今日のこの不況の状況にかんがみ、二点ほどお尋ねしたいのですが、労働省が怠慢なのは、特定不況業種のいわゆる就職促進手当の問題ですね、これはまだ政令を決めていないのでしょう。決めましたか。しかも、皆さんの方で考えているのはどうも造船だけぐらいらしいので、これは国会ではずいぶん議論があったのが、今日まで、予算措置ができていながら決めていないというのはどういうことなのか、これが一つですね。 それからもう一つは、全国一律給付の方なんですけれども、いわゆる被保険者と受給者の割合が、これは政令で四%ですか、四%になった場合に、九十日以内で延長できるようになっていますね。これがいま三%ちょっとのようなんですけれども、今日のこの雇用の深刻な状況を踏まえて、この全国一律給付というのをやはり労働省としても考える時期に来ているのじゃないかというように思うので、この二点についてちょっとお答えいただきたい。
○細野政府委員 お尋ねのございました促進手当でございますが、これは、国が直接その合理化に対して買い上げ等を行う、そういう場合について出されるものでございまして、したがいまして、この要件に該当するところについてこれを支給しようということで、現在のところ、先ほど先生の御指摘のございました造船業がこれに該当するのではないかということで検討しているという状況でございます。 それから、雇用保険の失業給付の全国延長の基準でございますが、先生御指摘のように、これは四%ということになっております。これがもう少し緩和できないかという御提案が安定審議会等でもございまして、御存じのように、十数回にわたりまして専門の部会で検討しました結果、安定審議会としましては、当面この四%が妥当ではないかというふうな結論が大勢を占めておりましたので、現在のところ、この基準でやらせていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○横路委員 労働大臣、その審議会の方はそういうことというのは知っているのですが、今日の状況でなかなか改善されていかないわけでしょう。だから、労働大臣としてもぜひこれは、どうですか、そろそろやはり検討して、状況を常に見ておって弾力的に対応するという姿勢は必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○藤井国務大臣 生きた経済社会の現在、激しい変動をしておるわけでございますから、十分実態を踏まえて検討をしなければならぬと思います。 ただ、いま全国的にこれを全部広げてしまうような結果になることに対しては、やはり財源との問題もありますし、同時に、私はやはり、雇用保険によってこれを救済するという消極的な構えだけでなくて、産業構造の変化に対応して積極的に新しい職場につけるような職業訓練であるとか、そういった方面の対策もあわせて推進していくべきである、このように考えるわけでございます。
○横路委員 時間がなくなりましたので、これに関連してちょっと一つ具体的な問題をお尋ねしたいのです。 造船の関係なんですが、北海道の函館ドックですね、これは従業員が二千七百人で、ことしの初めは首切り五掛人、一月にやめているわけです。大体、函館市内で、いま造船関係の離職者ということで千七百人が雇用保険を受けているわけですね。これは大体保険が切れる状況にあるわけです。またさらに追加で話が出てきまして、労使で交渉中なわけですけれども、その労使交渉中のところに、これは金融機関が富士銀行、拓銀、それからあと商社として丸紅、日本鋼管というところが主なところなんですが、この銀行筋からさらに首切りを増加せいというような話が持ち込まれて、大変地元でみんな苦労しているわけですね。せっかく地元の労使でそれぞれ交渉中で、話がやや煮詰まっている段階で、さらに金融機関の方から首切りをもうちょっとふやせというようなことで圧力をかけてくるのはいかがかという問題があるわけです。これは政府の方も調査団が入りましたし、それから政府全体として雇用の問題について、今度の特定地域の法案なんかも準備されているという段階で、こんなことを許しておいていいのだろうかという感じが私も、話を聞いてするわけでありまして、せっかく話しているところを、余り金融筋から圧力をかけて首切りをさらにふやせなんというようなことのないように、ひとつ事情を聴取していただいて、行政指導をしていただきたいというように思うのですけれども、いかがでしょう。
○福永国務大臣 函館ドックにつきましては、御指摘のごとく労働者と経営者、特に六月に経営者陣営が一新されたとき以後、活発に両者が協力して、何とか会社をうまく立て直していこうということで努力していることについては、私はこれを多とするものでありますが、また同時に金融筋もこれに協力するようにということは、私も会ったときに、金融界の首脳部にも私なりの意見を言っておいたのでありますが、これはあくまで協力でございまして、横路さん御指摘のごとく、要らざる口出しをしてくれというようなことを言っておるわけじゃありませんし、また、そういうこともなかろうと私思いますが、よく調べまして、協力ということに値するような諸般のことをやってもらうことにしてもらいたい、こう考えておる。よく調べてみます。
○横路委員 時間が参りましたので、最後に一言総理大臣にお尋ねしたいのですが、野党の方の組み替えの要求もまとまったようでありまして、これはもし最終的に採決ということになりますと、この予算委員会は野党の方が数が多いわけでありますから、皆さん方の行政の方と違う意見が立法府の意見として、まあ、もし採決というようなことになった場合は、立法府の意見と行政府の意見が対立してしまうという事態だって十分に想定できるわけですね。皆さんの方が、私たちが再三減税と公共事業というものをいろいろな角度から説得したつもりでありますが、どうもなかなかわかってもらえないわけなんですね。このままの姿勢だとがっちりぶつかってしまうわけです。これは総理大臣、行政の意見と立法府の意見ががっちりぶつかっちゃった、たとえば予算委員会の意思としてぶつかっちゃったということになったらどうなるのですか。そういう場合はどうするのですか。一般的な話としてで結構でございます。
○福田内閣総理大臣 本会議でも予算委員会でもるる申し上げているのですが、私どもは、財政の立場、また日本社会はインフレ化してはいかぬ、そういうために財政は非常にいま危機的な状態であります。そういう中で、限られた財源を使って何を、いま求められておるところの需要増加、雇用増加、これに対して手を打つか、こういうことで考えますと、私はもう公共投資以外に道はない、このように考えるわけなんです。そういう私ども政府の立場をもうこの上ともよく申し上げまして御理解を得たい、私は御理解願えるのじゃないか、そのように考えております。
○中野委員長 これにて横路君の質疑は終了いたしました。 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩をいたします。 午後零時四十九分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕