P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
85回国会衆議院1978/11/21

文教委員会教職員定数等に関する小委員会 第1号

発言数
11
登壇者
7
会派数
1
開催日
1978/11/21

会議録

渡部恒三自由民主党

○渡部小委員長 これより教職員定数等に関する小委員会を開会いたします。  教職員定数等に関する件について調査を進めます。  本小委員会は、第八十四回国会において設置されて以来、教職員定数等の問題について、たびたび懇談を重ねるなど、協議してきたところであります。  そこで、本日は、学識経験者及び関係者各位に参考人として御出席を願い、御意見をお聞きすることにいたしております。  御出席願いました参考人は、日本経済新聞社編集委員兼論説委員黒羽亮一君、都道府県教育長協議会幹事長児玉工君、全日本中学校長会会長谷合良治君、日本教職員組合書記長中小路清雄君、全国都市教育長協議会副会長長谷川喜三郎君、以上五名の方々でございます。  参考人各位には、御多用中のところ本小委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。  本日は、本問題について参考人各位のそれぞれの立場の御意見を承り、今後の調査の参考にいたしたいと存じます。  なお、議事の進め方について申し上げますが、初めに参考人各位からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、小委員の質疑にお答えいただくことにいたしたいと存じます。  それでは、黒羽参考人にお願いいたします。

黒羽亮一日本経済新聞社編集委員兼論説委員

○黒羽参考人 日本経済新聞に勤めております黒羽と申しますが、申すまでもないことだと思いますが、きょうの私の発言は、別に日本経済新聞の意見ということではなくて、私個人の意見でございます。  それで、この問題でありますが、四十九年五月十日に衆議院の文教委員会で決議が行われております。大変たくさんの項目があるようでありますが、最初の第一と第二の項目について主としてお話をしたいと思います。  第一の項目は、申すまでもありませんが、「四十五人の学級編制の標準を、例えば、四十人以下に引き下げるとともに、複式学級を解消すること。」それから第二番目の項目は「四十五人を超える学級を直ちに解消する措置をとること。」こうなっているようであります。  そこで、まず第二の方について私の見方を申し上げますと、平均をとりますと、現在でも四十一人以上の学級というのは小学校の場合二五・五%、中学校の場合五〇・八%だそうであります。そういうことを考えますと、中学校の場合と小学校の場合と若干ニュアンスが違うと思いますが、小学校の場合はすでに七五%ぐらいの学級が四十人以下というふうな状態になっておるわけでありますから、いろいろむずかしい点はあると思いますけれどもこういう線で努力ができるのじゃないか、こんなふうに思います。それから中学の場合は後ほどちょっと申し上げます。  それで、この問題はよく諸外国の基準と比較されるわけでありまして、諸外国が、小学校の場合は三十人前後、中学校の場合はもう少し多いけれども、それでも四十人以上の学級はないというようなことを比較されますので、諸外国といいましてもやはり先進諸国、欧米諸国ということになると思いますが、そういうことを目標に教育条件をよくしていくということは大変必要なことではないか、こう思うわけであります。  ただ、いつ、どの時期までにその目標を達成するかというようなことになりますと、率直に申しましていろいろな面でかなりむずかしい問題があるのではないかと思います。大きく分けまして、一つは財政上の問題、それが七〇%か八〇%のウエートを占めていると思いますが、もう一つは、余り言われませんが、教育の効果を上げるというような問題点から検討するというようなことも必要じゃないかと思います。  最初の財政上の問題というのは言うまでもありませんで、この決議が行われたのは四十九年でありますが、実態としては四十八年までの経済情勢の推移というようなものが反映しているのではないかと思います。われわれジャーナリズムの言葉で非常に大ざっぱに言ってしまいますと、高度成長期から安定成長期へというようなことで、この四十九年、五十年あたりを境に、それまでの経済社会全体の模様がその後大きく変わった状況を表現しておりますが、どうも教育問題にもこの問題が反映しているのではないか、こんな気がするわけであります。御承知のように、四十九年にはGNPが実質マイナス成長を初めてとったわけでありますが、その後おいおい回復化しておりますが、これに伴いまして財政規模なども非常に問題がある状況になってまいりました。公立小・中学校の場合でありますから、これは当然国税なり地方税なりというようなことになるわけでありますが、こういう財政の面からかなりむずかしい問題がその後生じてきており、その状況がこの五十三年から五十四年へという状況でも余り変わらないのじゃないかというような気がいたしますので、私も実は大変困っているわけであります。それから、この一、二年で変わらないということだけではありませんで、今後五年とか六年とか、六十年ぐらいまでの段階を考えますと、やはりこういう問題が続くのではないか、こういうような気がしております。  そうしますと、この間に実は、小・中学生の方は第二次ベビーブームと俗に言われておりますが、現在小学校一千万人、中学五百万人と、大体の数字でございますが、それが小学校のピーク時は何か五十六年ごろだそうでありまして、千百七十万人ぐらい、中学校のピークは六十一年ぐらいだそうでありまして、六百万人ぐらいになるわけでありますが、それが六十年代の終わりになるとまた現在ぐらいの数字になるわけです。そこで、生徒数がふえますから当然現在の基準でも学級増、定数増ということをしなければならないわけですが、その段階に一挙に決議の二番目の「直ちに解消する」という措置を絡ませていきますと、その後、六十年代後半以降の教育条件が非常によくなるということは言えるのでありますが、それから、もちろんできればそれをやることにこしたことがないと思うのですが、その辺になかなかむずかしい問題があるのではないかと外から見ております。  それから、これは当委員会に対しては若干問題のある発言になるかもしれませんけれども、あえて申し上げさせていただきますと、われわれ民間会社にいる者の感覚といたしましては、民間ではいま非常に雇用の条件が厳しくなっておりまして、増員はおろか減員というようなこともしきりに行われているわけであります。それから、いろいろお伺いしますと、他の職種の公務員などは、やはり行政管理庁の方針その他で定員をふやさないというようなことを鋭意努力しているようであります。そういうときに、もちろん教育は非常に大事な仕事でありますから教育の条件をよくするということは賛成なんでありますが、非常に急激な増員というようなものを社会がどういうような受け取り方をするかというような問題が一つあるのではないかと思います。しかも、その間に教員の待遇の改善というようなものは、俗に言う人確法によりまして二〇%ぐらい一般公務員より高いところまできております。そこで平たく言ってしまいますと、給与は非常によくなった、しかも定数も非常によくなった、それでそこで果たして教育がよくなるのかどうかというような問題が出てくるのではないか、こんな気がしているわけです。その辺に対しまして、やはり国全体の行政あるいはわれわれ社会の方から言いますと経済社会全体の動向の中で、この問題を少し冷静に考えるという必要があるような気が私はいたします。  それは主として財政上の問題でありますが、もう一点、これはいまの問題に比べればそう大きな問題とは思いませんが、教育内容の問題との絡みがあると思います。俗に、一学級当たりの生徒数ではわが国は先進諸国に比べてかなり劣悪な条件と言われているわけでありますが、たとえば児童・生徒数に対する教員の比率というようなものをとってみますと、これは私がじかに調査したわけでありませんで、文部省調査課の「教育指標の国際比較」というパンフレットに載っている数字でありますが、おおむね先進国並みになっているようであります。それから、先生一人当たりの授業の持ち時間という点でも大体同じようなことになっているようであります。もちろん、学校で先生方の勤務というものは授業だけではありませんが、一応授業について言えばそんなような状況になっております。  それで、この理由を考えてみますと、わが国の場合、小・中学校とも学級担任外の先生というようなものが割合数が多く配当されているようでありまして、特に、小学校の場合はそれほどでもないのですが、中学になりますと教科担任制でありますから担任外の先生がかなり配当されている。そういうことで、先生一人当たりの児童・生徒数という点で見れば先進国並みになっておるということだと思います。そして、なぜそういうことになってきているかと言いますと、日本の学校の授業時間というものが先進各国に比べて多いというような状況、それからカリキュラムがかなり複雑でありまして、小学校でも、できれば体育とか音楽とか特定の教科については専科の先生がいた方がよろしいというような状況、いろいろそういうカリキュラムの組み方、教育内容の問題が絡んでいるのではないかと思います。  そして、この教育内容の問題というのは国全体の学校に対する考え方の問題だと思いますが、これについては、それぞれ歴史と伝統によりまして生々発展してきた経過があるわけですから一概に比較するのは大変間違いだと思いますが、私の考え方を言いますと、日本のカリキュラムというものはかなり過密なのではないか。特に小学校の一年生から七教科もずらっとそろえてやっているというような国は、まずほかの国にはないのでありまして、そういう教育内容の問題というようなものもやはり考えてみる必要があるのではないか、こんなふうに思います。  今度は教育課程の改正が行われまして、若干整理されたようでありますが、この点は、私個人としては完全に整理されたとは思っておりません。たとえば小学校の授業時間削減といいましても、各教科をみんな一割か二割ずつ削減した程度で、内容にまで立ち入ってそういう小学校のカリキュラムを精緻に検討した、その時間もなかったと思いますので、そこまでは立ち入っていないと思いますので整理されたとは思いませんが、若干の前進はあるようであります。たとえば小学校の四年以上、高学年といいますか、中高学年の授業時間数というものが週当たり二時間か三時間減っております。それから中学の場合は、一年、二年では三十四時間が三十時間に、それから三年では三十三時間が三十時間に減っております。もちろん、これが減ったからすぐ先生方の授業時間が少なくなるとも言えないかと思います。それはいろいろと学校裁量の時間を活用するとか、いろいろなことが言われているようでありますが、しかしながら、やはりこういう状況も絡めて一緒に考えていく必要があるのではないか、こんなふうに思います。  それから、学力低下の問題が増員の要求の根拠に一つなっておるようでありますが、確かに、日教組が昨年発表されました学力白書などによりますと、日本の学力が低下しているということが書いてありまして、非常に憂慮すべき状況かと思います。しかしながら、これもちょっと私なりに読んでみますと、かつて二十年代や三十年代は一学級六十人とか、教育条件の非常に悪いときであったわけです。その後どんどんよくなっておるわけですが、なお学力が低下しているというようなことは、学力低下の問題というのは、直接教員の定数の問題と絡めて話し合うためにはもう少し詳しく研究をしてみる必要があるのではないかと思います。学力低下の問題はアメリカとかイギリスとかでも調査がありまして、私が比較教育学の先生方からお伺いしたところによりますと、やはりそれぞれの国でいろいろな調査の結果、基礎学力の低下、教員の資質の問題だとかいうものが問われているようであります。     〔小委員長退席、藤波小委員長代理着席〕 しかし、この問題も、私なりに考えてみますと、それぞれの国の社会事情がある。たとえば、アメリカではいろいろな人種の人間を抱えて教育が大変むずかしいというような問題、イギリスの場合には全体として経済社会の動向がわが国とか西ドイツとかとは違う趨勢をたどっている、そういう背景があるかもしれませんし、また、情報化社会というような言葉で集約されますように、子供が昔みたいに非常に落ちついて学校だけで勉強していくというような時代ではなくて、いろいろなところからさまざまな情報をどうしても入れられてしまって混乱するとか、そういうような問題もあるでしょうし、全体として、人間が努力するインセンティブである危機感とか貧乏感とかいうものが喪失してきているというような問題もありましょうし、総じて、何か先進国における学力低下というようなものはもっと大きな文明問題であるのかもしれないというような感じが私はしているわけです。ですから、もちろんこれを守るべき手だてはいろいろと講じなければいけませんけれども、この問題はちょっとむずかしい問題がある、そんなふうに私思っております。  大体そんなような感じでありますが、当面の問題として、本年も、文部省の予算書を見せていただきますと一万六、七千人の教員の増員をしているわけですが、ここのところずっと数年そうしております。こういうものはできれば二万人台とか、そういうことで今後数年間進めていくというようなことは必要かと思います。そして、できるだけ、先ほどの国会の決議の二番目の措置に小学校の場合はなるべく早く近づけるというような施策が進むことは私も期待しているわけです。  ただ、中学の場合は、現在四十一人以上の学級というのが五〇%ぐらいあって、小学校に比べますと平均三十七人と、かなり高いわけでありますので、これは小学校よりは少し遅くなるのもやむを得ないのじゃないか、こんなような気がいたします。中学校の場合は、中学校の学校教育の目的は、学校教育法三十六条には「個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。」こう書いてあるわけですが、どうも現在の状況は必ずしも中学校はそうなっていません。むしろ、中学校段階になりますと個性も能力もかなり多様化してくるわけで、その点、教科によってはかなり少ない人数で教育をした方が教育効果が上がるような教科があるのかもしれない。それから、たとえば教科によっては四十人とか四十五人の方が、体育などはやはり球技などをやるのには人数が多い方がいいというようなこともありましょうし、何かもう少しカリキュラムの問題と絡めて、もちろん目標四十人の方向で進むことは大賛成でありますが、きめ細かくこの辺を考えていく必要があるのではないか、こんなふうに思います。  それから、事務職員、養護教員の問題が一つ問題になっているようでありますが、これは私もよくわからないところがありますけれども、とにかくこういう事務職員、養護教員というようなものはいた方がいいのでありまして、七五%というようなことじゃなくて、必要な学校には全部配置できるようにいくことが必要かと思います。ただ、別にわれわれ大蔵省の立場をそんたくする必要はないわけですが、一般的に考えた場合に、事務職員、養護教員の増員と教員の増員がどういうふうな絡みになっているのかというふうなところがかなり明快になっていませんと、その辺でなかなか事務職員、養護教員の増員というのもむずかしいというような状況が続いてきたと思いますので、この辺は趣旨を明確にして増員をしていくということがいいかと思います。  いずれにしましても、この二番目の「直ちに解消する措置をとること。」というのは、「直ちに」は別問題として、この方向にいくことは非常に賛成なのでありますが、一学級の学級編制の標準というような問題、この問題だけで教育条件を議論するということには私は若干の疑問がございます。その辺は国会の方でもいろいろお考えになりまして、四十人と書かないで、「例えば、四十人以下に」と含みのある書き方をしたのは、やや私と同じようなお気持ちを持たれたのではないか。私、どなたにもお伺いしたわけではありませんが、きょうここへ来るというので、ちょっと過去の文章を見て感じた点であります。  そういうわけでありまして、法律の改正というのは、ことしはもちろん来年度も間に合うかどうか私にはわからない。それをやるにはもう少し、この十年間ぐらいの財政事情、生徒増、そういうものを考える。それから私の希望としては、それは教育内容に立ち入って、それとの絡みでも考えてほしい、こんなふうに思います。ただ、しかし、法律を改正しなくても先生の増員はできるわけですから、先生の増員は財政の許す範囲で拡充することがいいかと思います。  どうも失礼しました。

藤波孝生自由民主党

○藤波小委員長代理 次に、児玉参考人にお願いいたします。

児玉工都道府県教育長協議会幹事長

○児玉参考人 児玉でございます。都道府県教育長協議会の幹事長という立場でございます。本務は東京都の教育長でございます。  本日の、学級編制、それから教職員定数の問題につきましては、私、三点についての意見を申し上げたいと思います。  その意見を申し上げる前に、一応、私ども教育長協議会といたしまして、五十四年度の文教関係立法、予算措置要望につきまして簡単にお話をしておきます。  私ども、五十四年度に向けまして申し上げていることは、   公立義務教育諸学校ならびに公立高等学校における児童、生徒の学級編制および教職員の定数の改善については、第四次五か年計画の一応の完了をみるにいたったが、児童、生徒数の推移、教頭職の法制化、主任の制度化等に伴い、今後教職員定数の一層の整備が必要であり、なお改善すべき点が多々ある。   よって国は、これが改善のため必要な措置について早急に検討されたい。   なお、過疎県における教職員定数については、前年度と同率の最低保障を堅持されたい。 以上が協議会として要望している言葉でございます。大変抽象的で歯切れの悪い文章になっているわけでございます。  それは、第一点に申し上げたいことでございますけれども、この問題につきましては、全国をながめまして、いわゆる過密県と過疎県において非常に実情が違うということでございます。もとより私どもは、いま黒羽さんの話にも出ました四十九年度の国会の附帯決議の、編制基準を四十五人から「例えば、四十人以下に」云々と、そういった御趣旨には大変賛成しております。これは、新指導要領に示されておりますこれからの教育というのが、やはり児童、生徒の個人の能力、適性、進路等に対応してきめの細かい教育をしなければならないというような方向であればなおのこと、教育効果等の面から見ましても学級編制基準は四十五人よりも四十人の方がベターであるということは、主として教育的効果でございますけれども、その他の面についてもそういうふうに考えているわけでございます。  しかし、この実情はどうかと申しますと、いま黒羽さんからも数字を挙げられましたけれども、実態としましては過疎地域と過密地域で相当の違いがあるということでございます。いまも、全国平均で四十一人以上の学級が小学校では二五%、東京都の場合は三〇%でございます。それから中学校では五〇%というお話でございましたけれども、東京都では六〇%でございます。したがって、全国的に言えばここまでいっているのだから、このアッパーリミット、上限を四十に下げてもさほどの変動はないのではないかというお考えもあるかと思いますけれども、過密県におきましてはその場合相当数の教職員の定数を増加しなければならぬ。それは東京都の場合をとりましても、いろいろ学級編制は技術的な問題がございますのでいま直ちに試算はできませんけれども、やはり何千人というオーダーで、都だけでもそれだけの定員をふやさなければならない。     〔藤波小委員長代理退席、小委員長着席〕 これはいま、皆様方御承知のように、東京都の財政等から見てそういうことはとうてい不可能であって、東京都全体としては定数を下げなければ赤字再建団体に転落するといったような瀬戸際に立たされている時期でございますので、これはひとり東京都だけではなくて、やはり過密県においては、大小の差はございましても、そういったような実情に置かれているのではないかというふうに考えております。したがってこの問題は地方財政ないしは地方財政制度の抜本的な確立ということが絶対に必要である、こういうふうに私どもは考えておりますし、そういうふうなお願いをしたいと思っているわけでございます。  それから、第二点でございますけれども、これも先ほどの黒羽さんのお話にもございましたけれども、実態が、普通、新聞等で見ますと、一般の読者は四十五人が上限ということに必ずしも気がつかないで四十五人から五十人、五人減るのだ、こういうふうにお考えになるかもしれませんけれども、それから諸外国の比率でも、上限についていろいろ新聞等でも出ておりますので、先ほどもお話がありましたように、実態は、教員一人当たりの児童・生徒数というのは決してヨーロッパ、アメリカ、先進国に比べて劣っているものではない、こういった実態を見ていただきまして教員定数のことはお考えになっていただいた方がよろしいのではないか。いま、ややもすると、これは新聞等も、学級編制基準というものの上限の数値でもって四十五人とか四十人とかあるいは三十五人とか、そういう論議がされているようでございますけれども、いま文部省でも各都道府県にわたりまして学級編制及び教職員配置等の実態調査をおやりになっておりますので、そういった実態調査というもの、実態というものを十分尊重されて、この教員定数のことをお考えになっていただきたいということが第二点でございます。  その第二点に関連しまして、第三点といたしまして、先ほどお読みしました要望事項にも、「一層の整備が必要であり、なお改善すべき点が多々ある。」ということを申し上げました。これは、四十九年から五十三年までの第四次五カ年計画でも逐次改善はしていただいておりますけれども、まだ十分でない点がある。たとえば、先ほどもお話が出ました養護教諭とかあるいは栄養士とか事務職員等の配置の基準というのが四分の三、いわば予算編成上の技術的範囲で一律四分の三ということでございますけれども、その四分の三というものを各都道府県でどういうふうに消化するかということは非常にむずかしい問題で、やはり大きい規模から順次というとある段階でがくっと段差が出てくるわけでございます。私は、教育というようなものはそういう点においてできるだけ緩やかなスロープ方式をとりたいと思うわけでございますけれども、どうしても、そういった基準を示されると、それをのみ込むためにはどこかで学校の規模において段差のできた状態ができる、そうすると下の段階にある学校では運営上非常に困る、こういったような問題がございますので、できれば必要な学校、全部とは言いませんけれども、ほとんど全部そういうものを配置していただきたい。  それから、校長あるいは教頭を専任定数として認めていただきたいということでございます。校長の場合はほとんど専任定数になっておりますけれども、なお小規模学校においては専任定数に入っておりませんし、教頭の場合は現在のこの基準から非常にわずかしか専任定数に入っておりません。しかし、たとえば東京都の実態等は、これはもうすでに久しく教頭は専任定数にしておりますので、そういった意味で、東京都の場合は標準法から非常に教員数が上回っているといったような問題、これは教頭だけの問題ではございませんで、いろいろ専科教員の配置の問題等からも上回って配置しております。そうすると、いわゆる義務教育国庫負担法に基づきます国の負担は実員主義ではなくて定員主義でございますので、その部分はどうしても東京都といったような自治体の、いわゆる私どもが言っている超過負担になっているわけでございます。そういった点から見まして、この第二点としてお願い申し上げたいことは、実態に即してということを申しましたけれども、それぞれの自治体の実情等をお考えになっていただきまして、できるだけ義務教育国庫負担等も実員に合わせていただきたいということでございます。  特に第三点でつけ加えたいことは、養護学校の来年度からの義務化に伴いまして、養護学校に非常に重度化あるいは重複化の児童、生徒たちが入ってくる、そういった場合、教員を初めとしまして寮母等、従来の基準ではとうてい賄い切れないような教育内容になってくるということでございます。それから特に、養護学校の場合は養護、訓練等のいわゆる専門教員が非常に不足しておりますので、これの養成、充実ということが来年度の養護学校の義務化に対応する要望でございます。  そういうふうに三点について申し上げましたけれども、これをまとめますと、やはり第一点の、標準法に基づく学級編制基準のアッパーリミットでいろいろお考えになっていただいているということも一つの方法ではございますけれども、それによってだけでは問題は解決できないので、私どもから見ればそれは一つの目安の論議であって、あるいは語弊があるかもしれませんけれどもたてまえの論議であって、実態は、いま私がいろいろ申し上げましたような点につきまして、より改善していただきたいというようなことに尽きるのではないかというふうに考えております。  以上でございます。

渡部恒三自由民主党

○渡部小委員長 ありがとうございます。  次に、谷合参考人にお願いいたします。

谷合良治全日本中学校長会会長

○谷合参考人 全日本中学校長会会長の谷合でございます。  現場の校長代表ということでお呼ばれしたと思いますけれども、現職が中学校でございますので、小・高その他の点の関連については若干詳しくないところもございますので御了承願いたいと思います。  まず第一に、第四次五カ年計画が、いままで積み残しをしてきながら五十三年度で全部完全にできたことについてお礼を申し上げます。  学級定員が、四十五名が四十名になるということがいろいろ論ぜられておりますけれども、一応四十四年度から四十五人ということが明確になりまして、どこも全国的にこの形でいったわけでございます。その前は、三十九年から四十三年までの一人一人の減り方で漸進的に完成されていったわけでございますけれども、四十四年に完成された時点におきまして、次の学級編制の大体の規模はどの程度かということについてはアンケートその他にいたしまして、妥当な数はやはり四十名ではないかということが私どもの一つの基本でございました。この次の時点においては四十名に持っていっていただきたい、これは現場の校長の願いでございます。  それでは、四十名が適切であるか三十五名が適切であるか三十名が適切であるかということにつきましては、その研究とかいろいろなもののデータの結果どれが適切であるということを申し述べることはできないわけでございます。しかし、実際に現場に携わっていた者といたしまして、四十五名よりは四十名がいいということははっきり申し上げられるわけでございます。そして、四十名がいいということにつきましては、国家財政とかそのほかのいろいろな面が影響されてくることでございまして、願いはそこでございますけれども、それを直ちにという早急なことは私ども申し上げておりません。しかし、将来はぜひとも、日本の国情が、より一層栄え、そして豊かになれば、教育のレベルはその形に進んでいっていただきたいということを願うわけでございます。  何ゆえかということでございますけれども、私ども、かつて教員のときに五十五名を担任したことがございますし、また四十五名を担任したこともございます。その担任をしたときに自分がいろいろ受ける感じでございますけれども、より細かくするにはやはり四十五名よりも四十名の方がよいということははっきり申し上げられるわけでございます。しかし、現在四十名にしなければ落ちこぼれができるとか、四十名にすれば完全に教えることができるとかということはないと私は思います。これは先生の質の問題、先生の心構えの問題でございまして、五十五名いても教えることはできるし、四十名だって気持ちがだめであれば教えることができないのは当然であるわけであります。そこで私思いますに、国家財政その他をにらみながら漸進的に、この前やったと同じように、小学校が五十六年、中学校が六十年というピーク、それから後、次第に減っていく、そういうときを使っていただいて、最終的に四十人に持っていっていただきたいということが願いでございます。全国中学校の校長に最近出したアンケートを見ましても、四十五か四十かという問いに対しまして一人として四十五と答えた者はございません。やはり四十でございました。やはりもっと減らすべきだということが願いであったのではないかと私は思います。  その願いはそうでございますけれども、先ほど申し上げましたように、これは早急に四十にしなければいけないということではないのであって、現在四十五であってもちゃんと授業もでき、落ちこぼれ云々と言いますけれども、いま始まったことではないのであって、過去だって同じような現象がありますので、ジャーナリストが取り上げますけれども、私はこの問題についてはそれほど神経を使っておりません。全国的に見たときには、中学校で平均三十八・七でございまして、全教員においては一人当たり二十・五、諸外国と比べても、前二人の方が申されたとおり、数においては云々すべきことではないわけでございます。そういう状態でございます。落ちこぼれやいろいろな問題があったときには、私ども、自分たちが反省しなければならない教師の問題が存在していることを痛感するわけでございます。これは私どもの反省の材料でございます。数が多いから教育ができないということは私どもの敗北だと思いますので、そのことは私ども校長、肝に銘じて、人材確保法であれだけのことをしていただいてなおその効果が上がらないということについては、深く反省をしているわけでございます。言いかえれば、期するところによってあれだけのことをやっていただいたからには、それに報いるべき努力はこれからするつもりでございますけれども、そういう心情的な面と学級編制の定数の問題とは違いますから、そこは明確にしていただきたいと思います。  第二点につきましては、この定数を四十にすることのほかに、教頭の枠外をはっきり形づくっていただきたいと思います。せっかく教頭法ができましたけれども、これは地域によって違いますが、教頭は現在授業を担当する。担当することが悪いとは決して申しませんけれども、それに追われている教頭が三分の二以上を占めているわけでございます。ぜひとも教頭は枠外に位置づけていただきたい。これは定数の問題と並行してやっていただきたいと思います。枠外に位置づけられても、先生方の出張とか休暇とかというときに補講は教頭がやっているわけでございまして、そのほかの雑務その他を見たときに、教頭法で確実な位置づけができたならばそれに見合うそういうこともやっていただきたいことを願うわけでございます。  なお、事務職員、養護教諭につきましては四分の三全国配置でございますけれども、これも必要な事柄でございまして、財政の許す限り、逐次一〇〇%にしていただきたいと思います。  このことは、いま全国的な視野から申し上げたわけでございますけれども、過密の都市と過疎の地帯とは大変な隔たりがあるわけでございます。私どもの属している地方の校長に言わしめれば、もういま定員が四十なんて、そんなことをわあわあ言わないでほしい、そんなことよりかは、教頭さんを位置づけたり養護教諭や事務職員をやってほしい、そういう意見を言っておるわけでございます。ところが、過密都市、いわゆる大都市の近郊になりますと、四十四、四十五でやっていまして、しかも教室の設計その他がなかなかうまくいってない。これは何とかしてくれないかという声もあるわけです。その反面に、それじゃ中学校の場合、一学年で一学級四十幾つかに減らしていって三教室どこへつくるのだということになったら、もう校長さんとしてもはたと困ってしまう。そういうところの償いについては、それでは一学級についての教師の割合をふやしていったらどうか、そういうふうな一つの、中へ立つ説も成り立つわけでございます。そういうふうな面をいろいろお考えになりながらこれからやっていかなければならないのではないか。私どもも現状に即して言うべきは言う。現状にそぐわない点をだだっ子のように言っても仕方がないわけでございまして、この点は自分たちの実情に即して、僻地あるいは過密都市、場合、場合によって異なるということを認識していただきたいと思うわけでございます。  全体的なまとめといたしましては、私ども教師は、五十人教えようが六十人教えようが四十人教えようが、教師の心構えが先行いたしまして、それだからまずいということはございません。しかし、つづり方を見るときに、四十人の作文を読むのと六十人の作文を読むのとは、疲労の問題とかいろいろそこに出ることは事実でございます。これは私の経験を通して事実でございます。ですから、許せるなら早い機会に四十の形に持っていっていただきたいというのは願いでございます。この願いは、力でとか早急にとかいうことではないのであって、どなたも納得される中でそういう姿に導くように努力を願うということが結末でございます。

渡部恒三自由民主党

○渡部小委員長 ありがとうございます。  次に、中小路参考人にお願いいたします。

中小路清雄日本教職員組合書記長

○中小路参考人 私、現場で教育実践を進めている現場の教職員の立場から、定数法の抜本改正についての意見を申し上げたいと思います。このような機会をつくっていただいたことに心から感謝を申し上げます。  いま私ども、日本の教育について、教育実践をしている者として同じく深刻な悩みに置れかています。どう言おうと、子供の学力が低下をしているという問題が、あるいは停滞をしているという問題があります。あるいは塾に通う子供が圧倒的にふえているという実態があります。あるいは非行の増加とその低年齢化という問題があります。あるいは教室の中で自殺をする、こういう状態があるわけです。このような状態というものを私どもは改善するために、現場の教職員として最大の努力をしていますけれども、やはり、基本的にこういった事態を解決するためには私は次の意見を申し上げなければなりません。     〔小委員長退席、玉生小委員長代理着席〕  やはり一つは、何よりも、詰め込み教育となっている学習指導要領あるいは教科書の改善の問題であります。確かに文部省も努力をされて一定の改善をされましたけれども、まだ今日この問題について私どもは不十分であるというふうに思います。特に、一学級当たりの児童・生徒数が多過ぎるということに加えて教職員の定員が少ないという問題については、私たちはこの事態を打開するためにこのことを強調せざるを得ません。どうしても、一人一人の子供に行き届いた教育を保障し、わかる授業、楽しい学校を実現するということが、今日の教育荒廃を救うためにきわめて重要な課題であるというふうに私は思うのです。したがって、そのために学級規模を縮小するということが不可欠であります。  私どもはさきに、私どもの日教組と国民教育研究所との共同で実施をいたしました学級規模と教育活動に関する調査というものを行いましたけれども、その結果からも明らかです。現場の教職員は、行き届いた教育に必要なことは、九五%以上の教師がそのことを要求をし、三十五人以下を望んでいます。約七〇%の教師は三十名以下ということを心から希望しているわけです。過大学級のもとでは子供と一緒になっては遊べない、こう答えた教員が小・中学校ともに七割以上もおり、小学校の教科教育では、文字の正しい筆順を身につける指導や計算力を身につけさせる指導では、前者で半数、後者で七割の教員ができていると答えていますが、作文を書かせ、あるいは作品に即した指導、算数の応用問題を筋道を立てて解くなど学力の定着に関連した指導となると、それぞれ八割から七割の教員ができていないというふうに回答しているわけです。しかも、ここには学級規模の差が出ております。作文指導では、三十五人以下の学級規模の場合、できていないと答えたのが七二%なのに対しまして、三十九人以上では八二%となっています。また、学習意欲を引き出せないと答えた教員が、四十四・五人クラス担任で四〇%いるのに対して、三十五人以下のクラス担任は二四%、つまずきが把握できないと答えた教員が三八%と一五%に分かれているわけです。     〔玉生小委員長代理退席、小委員長着席〕  このように、生活指導、教科指導の両面にわたって、過大学級のために教員が一人一人の子供に目が行き届かない状況に置かれていることから、いわゆる落ちこぼれというものをなくするための学習意欲を引き出したり、理解度やつまずきを把握することなどが困難になっているというのが私は実態であろうと思います。このことは、過大学級がいかに学力の低下とともに学力の格差拡大の大きな要因となっているかということを立証したものと言わなければなりません。  先ほどからもいろいろお述べになりましたけれども、国際約にはすでに一学級当たり三十人前後が常識のクラスサイズとなっています。皆さんも御案内のように、フランスではこの九月以降、高校の一学級当たり二十五人の定員の枠を政府が外したため、子供の学習権が侵害されたとして全国的規模の反対運動が展開されていると聞いています。このような国際的な動向から見ましても、当面、一学級当たり四十人以下にして、一人一人の子供に行き届いた教育を保障しようという私たちの要求は最低限のものであります。しかも、私どもは正当な要求であるというふうに思います。  二番目に私が申し上げたい観点は、教師の労働条件の改善ということと教育条件の改善ということはきわめて一体的なものであるということであります。いま一般の教職員は、職場においては定員不足のため過重労働に追い回されています。そのため教職員の健康は次第に破壊をされ、約六割の教職員が何らかの形で健康を損なっているということが明らかになっています。私どもが調査をしました健康調査によりましても、教職員は他の労働者に比べて、のど、しわがれ声、腰痛、心臓病が多く、医師にかかっている者が約三割、通院したくても学校を休めないため売薬で済ませている者も相当数に上り、年休の年間平均消化率はわずか六日から七日であることが明らかになっています。  愛知県教組の白書は、このような健康阻害の要因を次のとおりに分析をしています。すなわち、業務が多忙過ぎる二二・三%、家庭への持ち帰りの仕事が多い一二・二%、時間外勤務が多い七三%。つまり、労働過重ということがやはり最大の要因になっているわけです。また、東京の白書の中でも、週当たり担当授業時間数を取り上げて、労働密度が高いところにその原因があることを指摘をしています。小学校では八四・六%の教員員が週当たり二十七時間以上の授業を担当しております。労働時間の約三分の二時間以上が授業に追い回され、子供たちとの触れ合いや教材研究の時間などはほとんどとれていないという実態を明らかにしているわけであります。したがって、私どもはこういう点から、教育現場で働くすべての教職員の共通する悩みであり、叫びであるのがこの問題であり、実り豊かな授業をするためには、一時間の授業に対して少なくとも一時間の教材研究、企画、整理の時間が必要なことはすでに今日教育界の常識になっているところであります。したがって、私たちが、週当たり担当授業時間数を十八時間にしてほしいということを要求しているゆえんも実はここにあるわけであります。  元来、教育労働者の仕事というのは、御承知のように自主性と創造性がその生命であり、その生命の源泉が教育研究活動にあることは言うまでもありません。したがって、時間的にも、精神的にも、経済的にも、そして健康的にもゆとりのある自主的な研究が行えるような教職員の労働条件を確立することが、子供たちに行き届いた教育を保障するための不可欠の前提となると私どもは思います。このように労働条件の改善をする、そのことは、子供の学習権を保障するための重要な教育条件の改善でもあるわけですから、担当授業時間数の軽減という問題について検討を心からお願いをいたします。  私は、いままで、文部省なりあるいは国会を通じて、現行の標準定数法が制定をされる前後からいろいろな努力が重ねられたことについて否定するものではありません。そして、現行の標準定数法というのが制定されましたのは昭和三十三年のことですが、その間五カ年計画で間断なくこれまで四次にわたって、不十分でありましたが一定の改善措置が行われてきたわけです。しかし、特に現行の四十五人学級の編制基準が制度化されましたのは昭和三十九年度のことですから、学級規模に限って言いますと、十五年間もの長い間このことが放置されたままになっているわけです。  したがって、私どもはこうした中で、五年前の第四次五カ年計画が発足するに当たって、この国会の中で、新定数法に基づく五カ年計画実施中といえども、一つは学級編制基準を四十人以下に引き下げること、二つ目には週当たり担当授業時間数を軽減すること、三番目に養護教員、学校事務職員を全校に配置することなどを、衆参の両院において全会一致で決議をされたことに心から敬意を表したわけであります。しかし、その約束が今日まで実は実現をしていないわけであります。しかも、本年度をもって第四次五カ年の計画は完結をすることになっているわけでありますから、来年度からは第五次の改善計画というものが発足をしなければならないことは、これまでのいきさつ上からも私は至極当然なことだというふうに思うわけです。しかるに、今回、五十四年度教育予算概算要求というのが文部省から提出をされておりますけれども、来年度の定員増は児童、生徒の自然増に見合った当然増分だけにとどまっていることは、私どもはきわめて残念であるわけであります。その理由に、現在実態調査を行われて、あるいは過密地域の問題、こういったことについていいろいろな点が指摘をされているようでありますけれども、私は、過密地域の今日の教育現状は非常にゆゆしい事態に立ち至っているというふうに思います。実際に、標準定数法で四十五人の上限を決めているにもかかわらず、実情四十六、四十七を置かざるを得ない、こういった実情も出ているわけでありまして、この点については別途国庫補助の大幅増など、抜本的な対策を今日講じていただくことが重要であろうかというふうに思うわけであります。  したがって、これらのことから私どもとしてはやはり、わかる授業、楽しい学校の実現を求める教育現場の声というものを一層尊重していただいて、あるいは国会の意思を皆さんの力によって実現をしていただく中で、この定数法の第五次五カ年計画、抜本改正ということに向けて発足をしていただくことを心からお願いをいたします。私どもとしても、この問題にはいま父母の皆さんと一緒になりながら、行き届いた教育をするために努力をしてまいっておりますけれども、すでに今日、国民署名も約五百万名に達しましたし、あるいは地方自治体におきましてもすでに十一県、百五十内外の市町村の議会でこの定数法の抜本改正に向けた決議あるいは意見書などが採択をされ、十二月の議会では相当数の地方議会で採択されることが見込まれるというふうに私どもは思うわけであります。  したがいまして、私は繰り返して申し上げますけれども、この多くの父母、国民の教育要求にこたえて、どうしても、第一には小・中の四十五名の学級基準を四十人以下に下げてもらいたい、高校全日制については普通科を四十人以内、あるいは職業科を三十五人、定時制を三十人。二番目には教員の週担当授業時間数を、小・中学校の場合には十八時間、高等学校の場合には全日制十五時間、定時制十時間。そして三番目には養護教員、事務職員の全校配置、このことはもう言うまでもありません。学校は教える教員だけで成り立っているわけではありません。どうしても養護教諭、事務職員の存在が学校の教育活動を進める上で重要な役割りを果たしていることは、いまさら私が申し上げる必要もないと思うわけでありますが、いままだ全校に配置をされていない。このことを今回の改正の中でぜひ実現をしていただきたい。あるいは障害児学校の定数法についても私どもはそのことを実現していただきたいということを心からお願いをいたしまして、抜本改正に踏み切っていただくことを特にお願いをし、本小委員会において私たちの要求の実現のために努力していただくことを心からお願いをして、私の意見を終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部小委員長 ありがとうございました。  次に、長谷川参考人にお願いいたします。

長谷川喜三郎全国都市教育長協議会副会長

○長谷川参考人 申し上げます。  初めにお断りを申し上げるわけですが、御連絡をいただきましたときに、都市教育長会の代表ということでは会長その他との連絡の時間もないので、急増地域の代表といいますか、急増地域の立場から意見を申し上げることでよろしいかということを念押ししましたら、それで結構だということでございますので、千葉県、千葉市の実情を踏まえながら急増都市としてこの問題について意見を申し上げたいと思います。  まず最初に結論から申し上げますと、先般小川仁一議員外七名の方で提出されました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正というものを手に入れているわけですが、この案を拝見いたしますと非常に結構なわけで、将来こういうふうになることは本当に好ましいとは思いますけれども、われわれの立場から、地域にはいろいろの実情と現実もございますので、その立場で申し上げたいと思います。  教職員の配置基準につきましては、いまいろいろ御意見もございましたが、結論的には、可能な限り改善のための前進をお図り願いたい。それから、一学級の編制基準につきましては、これも長期的な展望の中では必要かと思いますけれども、慎重にひとつ進めていただきたいということを結論的に申し上げまして、以下その理由について幾つか申し上げたいと思います。  配置基準の問題でございますけれども、これは千葉市、千葉県の教員の実際の活動状況について申し上げますと、細かい点は省略いたしますが、概括的に申し上げまして、中学校の場合には週当たり二十二時間。これは二十四時間となっておりますが、平均週当たり二十二時間。これを実働、いわゆる五十分授業に換算しますと二十時間ということになるわけでございますが、このほかに週当たり授業外拘束時間と申しますが、いわゆる職員会議、職員研修会、学年会、教科部会あるいは清掃指導、給食指導といったような、授業外に教職員が拘束されてやるという時間数、これも平均いたしますと八時間二十分ということに相なります。そういたしますと、中学校の場合には三十時間を超える拘束の時間を持つということに相なりますので、授業外拘束時間に含まないいわゆる教育相談であるとかあるいは生徒会指導であるとか、あるいは部活動であるとかあるいは家庭訪問であるとかいうようなことを含めますと、教師の実働の時間というものが相当なものになるということは御理解いただけると考えるわけでございます。そのような点から考えますと、週四十四時間といたしましても、その程度の拘束時間を持つということに相なりますと、これはいわゆる教科の研究とかあるいは準備とか、授業のための整理とかいうようなことから見ますと、かなりきついのではないか。小学校で見ますと、週当たりの授業時間だけで二十七時間、これは四十五分に換算いたしますと実働で二十時間と十五分前後が平均的な授業時数でございます。これに前と同じように授業外の拘束時間というようなものを含めますと、三十三時間前後の拘束時間で活動しているということに相なるわけでございまして、そういう点から見ますと、子供との接触その他から見まして、これもかなり厳しいのではないだろうかと考えますので、教員の配置基準につきましてはできるだけ前進をお図り願いたいと考えます。どうしろということは申し上げませんけれども、実情を申し上げまして、その実情の中で今後御検討いただければというふうに考えます。  それから、事務官、養護教諭のことでございますが、これは前から出ておりますけれども、いかに小さな学校でも負傷等は出るわけでございまして、養護教諭がいない場合には学級担任がそれに当たらなければならないということになりますと、授業との関係でいろいろ問題もございますので、養護教諭、事務官については全校必置という形でお願いをいたしたいと考えるわけでございます。  それから、第二点の学級編制基準の問題でございますが、これもいまの千葉市の実情から申し上げますと、千葉市の場合には、小学校で四十人以下は五二%、四十人以上が四八%ということに相なっております。県の平均で申し上げますと、小学校は四十人以下が六九・六%、中学校が三八・七%、四十五人以上については小学校で一・二%、中学校で一・一%ということになっております。そういう実情であります。  千葉市の場合に、現在まで学級増、人員の増に伴う現況を申し上げますと、四十五年から五十二年まで学校建築に要した費用の総計が八百四十八億一千三百万ということで、四十五年以下毎年の教育費に占める割合は、債務負担を含めまして、四十五年では六七・五、四十六年では七四・二ということで、五十二年まで含めまして平均が六七・五%、教育費に占める割合が六七・五%。このほかに公民館とかあるいは図書館とか、あるいはスポーツセンターとかいうようなその他の建築もあるわけでございます。これは学校建築だけでこれだけの割合を占めている。ちなみに五十三年度予算でございますが、教育費につきましては二百十九億二千万、債務負担を含めました教育費が二百七十四億七千万、それに建築費が百七十一億二千万ということで、五十三年度も六二・三%、こういうことに相なります。さらに五十四年以降五十九年までの六年間に、四十五年を基準といたしましても建築費は概算五百三十二億ということに相なります。これを四十人にしていきますと、仮に五十五年度から手をつけたといたしましても、五十九年度には二百五十七学級の増ということになりまして、経費で約五十億増ということになりまして、財政の上からかなり困難があるということでございます。そういうような点から、四十人に下げるということにつきましては、地方財政、特に急増地域ではかなり困難が伴うということを感ずるわけでございます。そういうような立場からひとつ今後慎重に御検討をいただきたい。事実を申し上げまして、委員会の御検討の資料にいたしたいと考えるわけでございます。  以上でございます。

渡部恒三自由民主党

○渡部小委員長 ありがとうございます。  これにて参考人の御意見の開陳は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入るのでありますが、質疑は懇談の形式で行うこととし、小委員会は休憩いたします。     午前十一時十五分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

国会会議録検索システムで原文を見る ↗