文教委員会 第2号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/10/18
会議録
○菅波委員長 これより会議を開きます。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。これより、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅波委員長 御異議なしと認めます。 それでは、曽称益君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○菅波委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、国士館大学の問題について、国士館大学工学部長岡澤文一君及び国士館大学教員組合委員長粕谷慶治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅波委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の御意見は、委員の質疑に対するお答えでお述べいただくことにいたしますので、御了承願います。 —————————————
○菅波委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西績介君。
○中西(績)委員 先般の文部大臣の八月二十八日、日本記者クラブでの講演、それから加えまして二十一日夜のNHKテレビで福田首相の教育について大いに諮るという、こういう二つの中でいろいろ問題があるような発言がありますので、この点についてお聞かせ願いたいと思うわけです。 まず第一は、先般の参議院文教委員会におきまして、文部大臣発言として、一つは教育勅語、そして二つ目に戦後の教育問題について、能力主義的なものについての発言があるようであります。この点につきまして簡単にお答えを願いたいと思うわけであります。 教育勅語につきましては、御存じのように昭和二十三年の五月に衆参両院におきまして排除あるいは失効の確認がなされています。この失効をめぐって、文部大臣は、廃棄するからにはそれにかわる、憲法、教育基本法を受けて人間の倫理観、人間の連帯感、そのようなものを指針として明確に持って戦後の教育もスタートしたがったという気持ちから申し上げたという答弁をなしています。 しかし、このことに関しましては、少なくとも教育基本法の前文に明らかになっておりますように、「日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」と示し、最後の方に「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。」とあります。ここで明らかなように、そしてこれを受けて第一条に明らかになっておりますように、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」と明確にされておるわけですね。 ところか、あなたがこの中で出しております教育勅語、これに関して申しますならば、教育勅語の根本理念は主権在君であり、神話的国家観、言いかえますと国家主義皇室中心主義を基本に据えておるために、基本的な人権を否定することになっておるということを理解しなくてはならぬと思います。と同時に、徳目の中では、人間の基本的倫理観、普遍的価値観と申しますか、これについてはいつの時代にも変わらないという、このことはあるにいたしましても、教育勅語はこれだけではないわけですね。あくまでもそこには、前に述べたように、内には天皇中心主義あるいは皇室中心主義というものが流れ、外に向けては武力行使を含む海外進出、これを根本的に国策とした背景があるわけですね。ですから、このことから考えますと、この徳目は、あくまでも教化主義であり、徳目の押しつけとしてここに示されておると言ってもいいと思います。 そういうことから考えますと、なぜ、この現行憲法、基本法の理念に全く触れずに教育勅語をいま改めて持ち出したのか。このことが出されたということは、現行憲法なりあるいはそれに基づく基本法、この理念では不十分なのか、あるいは基本法の理念を生かす上でのネックは何であるかを示すべきなのに、突然こういう問題を提起する意図はどこにあったかということを明らかにしていただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 私が教育勅語を議論の対象にして日本記者クラブでお話しをしたのであれば、中西委員の御指摘のような反省を改めてしなければならないと思います。しかし、私はこういうことを述べたのです。今日もいささかも変わりません。教育勅語発布以来、戦前戦中を通じて戦争が終わるまで、日本の教育の中心に教育勅語が据えられておりました。歴史的事実でございます。昭和二十三年に教育勅語が衆議院、参議院、両院でそれぞれ排除、失効の手続がとられ、まさに排除、失効された。そして自来日本の教育の中心は憲法、教育基本法をその根幹に置いて進めてきたということも十分承知の上での話でございます。教育勅語がどうであるとか、教育勅語を主格にしての話をしたのではなく、教育勅語の中に書かれております。人間の情愛、人間の倫理観、人間の連帯感、夫婦仲よく、友達が信じ合う、きょうだい仲よくということが書かれておりましたこともまた事実でございます。そして、教育勅語そのものがどういうものであったかということは、中西委員がいま御発言になったことと私の認識はいささかも変わっておりません。中西委員の御発言のような性格を持った教育勅語でありますから昭和二十三年に失効、排除をされたのであって、立憲君主時代の日本に存在した教育勅語が民主国家の今日の世の中にあり得べきはずもない。したがって、私は、教育勅語を復活しようなんということを考えているのでは毛頭ありませんということも話の中でしたわけでございます。そして、戦後の教育が教育基本法を根幹に据えて進められてきた。その教育基本法の中に、これもいま中西委員が朗読されたことでございますけれども、その目的が明確にされていて、「真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民」を育成していくことが目的でございます。しかし、先生が教壇から、あるいは社会教育の場で講師が、真理と正義を愛そうという話をしただけでは、幼い子供たちにはそれは何のことかわからない。人様に対する温かい思いやりを持とう、きょうだい仲よくしよう、友達は信じ合おう、そういう平易なわかりやすい言葉で、教育基本法の第一条の目的に書いてある真理と正義とは何であるか、そういう指針を持ちたかったという意味で私はお話をしたわけでございます。 そういうものが戦後教育のスタートすぐの時点ではわれわれは持ち得なかったけれども、きょうだい仲よく、友達が信じ合う、人様に対する思いやりの心、こういったことを、幸いにして、いまの若い世代の人達の生活の中に占める文化、芸術、芸能、スポーツというもののウェートがこれだけ重くなってきて、私なんかの学生時代とはさま変わりの状態であって、若い世代の人たちが、人間としての倫理観、人間としての情愛、人間としての連帯感というものを、そういう文化活動、芸術活動を通じても身につけてきてくれていることは幸せなことであるというお話をしたわけでございます。したがって、教育勅語そのものに対する認識は、中西委員の御指摘のことと私も一つも変わらない認識をいたしておるものでございます。
○中西(績)委員 私の主張する点と全く変わらないということを前提にいたしますなら、少なくとも、この基本法の理念が現場でどのように生かされておるのか、そしてまた、いまあなたが一番最後に言われた文化、芸術、スポーツ、その中に生きておる、こういう具体的な内容がやはり中心にならなくてはならなかったのではないか。そこに教育勅語をわざわざ持ち出す必要もなかった、誤解される面がたくさんあるわけですから、この点を私は指摘をしたいと思います。そしていま大臣は、たとえば教師が真理、正義を愛することをより具体化するためにはどういう指導法なりをやればよいかということがそこには具体化されていないということを言われましたけれども、これは一元的にわれわれが指し示すものでなしに、教育現場での事象なり子供の行動あるいは言動、そしてあらわれておるもろもろの問題をとらえる中から教師が自主的に判断をし、そこで示していくということがなされなくてはならないわけでありますから、いま教育勅語なるものの徳目的なものを出して、そこに不滅の原理があるかのごとき発言をなさっておられることに対しては今後十分注意をしていただきたいと思います。時間がありませんので要請だけ申し上げておきます。 それから二点目に、戦後教育は重大な間違い、誤解を持ってスタートした、それは憲法に書かれた能力に応じてということが忘れられてしまったと言っておられます。この基本法第三条、教育の機会均等については憲法第二十六条をそのまま受けたものであるわけですね。教育の最も基本となるべき法律を大臣は十分理解をしておらないのではないか。といたしますと、私たちはこれを看過することはできません。 そこで、教育基本法三条、憲法二十六条は、子供と国民を主体とする教育、教育の機会の平等化、一人一人の能力に応じた教育でその能力を最大限に伸ばし、普遍的で個性豊かな人間づくりを目指しているものであって、このことは機械的平等あるいは悪平等主義ではないと私は思っています。むしろ問題は、学習指導要領などで教育課程編成上全国的に画一化され、画一主義に変質をさせた、そのことに問題があるのではないかと私は思います。基本法の平等化を阻んだのはむしろ先ほど申し上げた画一教育である。たとえば一つ例を申し上げますならば、高校の多様化の問題等を考えてみますと、企業要求に沿って選別した画一主義と言われるこの体制をここに生んだし、ここには決して能力を生かしてはないわけですね。あるいは有名校指向の画一化などなど、挙げていきますとたくさんあります。 こういうことを考えていきますと、教育基本法を生かす教育をむしろ切り捨てたところに、いまあなたのおっしゃる画一的な、あるいは画一化された、あるいは画一主義的な戦後の教育があったと思うのです。ですから、問題として指摘をするならば、戦後、基本法に沿った教育がなされなければならないのに、むしろ逆に文部省なり行政側の教育行政の中にそのような問題があったのではないか、私はこういうことを指摘できると思うのです。その点を大臣が深く反省をし、間違いを犯した、こういうことであるならば私たちもうなずけるわけでありますけれども、大臣が言われている能力に応じて云々という、これを基底に置けば、ここから論議をしておるようでありますけれども、むしろ基本法三条に基づいてあるいは憲法二十六条を受けての方針が貫徹され、しかも目的の第一条に沿ったものであるならそういうことにはなり得なかったと思うわけであります。そういう意味で、能力主義的なものを強調する余りに画一主義と混同されて主張しておられるような感じがしてなりませんが、この点について明らかにしてください。
○砂田国務大臣 私は、教育基本法第三条に明確に書かれております「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならない」この条文を正しく理解をしたいと思ったわけであります。平等というものを画一的な教育と取り違えてはいけないという気持ちを持って私はお話をしたつもりでございます。似たような考えを持っているわけですね。機会均等を確保していく、その中で、ひとしくあり、そして能力に応じた教育というものをやはりやっていかなければいけない。端的に言えば、今回改定をいたしました高等学校学習指導要領の一つの解説でもあったわけであります。平等主義だとか能力主義だとか、平等主義がいいのだ、能力主義かいいのだと言って、どうして機会均等の教育のその中で平等主義と能力主義が闘わなければならないのか、その理由が私にはどうしてもわからない。たとえば、今回改定をいたしました学習指導要領改定で申し上げますならば、やはり平等を目指した必須科目をもって、すべての子供たちにひとしく到達してほしいと願う、そういう線が引かれているわけでございます。それにおくれがちな子供さんもあれば、さらに学習の進度がもっと早いお子さんもある。その標準的な線へある科目ではなかなか到達しにくいけれども、ほかの科目においては大変な才能を持っている子供さんもある。数学に大変な才能を持ったお子さんもあるでしょうし、音楽にすぐれた才能を持ったお子さんもあるでありましょう。それぞれ資質、能力、個性が違うお子さん、才能もまた違う、そういう能力、資質、才能というものを、一人一人の子供さんについてその個人の能力をできるだけ伸ばしてあげられる教育、ひとしく、能力に応じた、これが教育の場における本当の教育だと私は信じておりますから、なぜ平等主義と能力主義が闘うような議論が多いのでありましょうか。私は、機会均等の教育の場では能力主義と平等主義というものは共存するべきだ、こういう意味でお話をしたわけでございます。
○中西(績)委員 いま最後に言われた、そういう言い方ならばまだいいのですよ。しかし、問題は、むしろこの教育基本法に沿ったことからいたしますならば、私たちはあくまでもやはりそこには個人の能力、それを伸び伸びと言われる、そのことであるならば私は間違いないと思うのです。ただその場合に、それでは、私たちが絶えず指摘をしております。一クラスの生徒の数が四十五名は多いのではないか。なぜこのことを指すかということを大臣は御理解いただけますか。これを理解していただけるならいま言うような問題には発展しないのだけれども、そこにはなかなか行こうとしないのですね。行き届いた教育にはなかなかなろうとしないのです。ここにいままでの文部行政の問題点があるのではないかということを私は指摘しておるわけです。そういう意味でこの能力云々ということが使われるのであるならば私は問題ないと思うのだけれども、このことを強調する余りに、どうも、あなたの論調について直接聞いておりませんから、新聞等で報道されている内容を見ますと、画一的なものを指してこれは誤りだという言い方をしておりますので、全く平等主義と画一主義というものを一体的にとらえておるところに問題があるのではないかと私は指摘をしておるわけです。そうでないというなら結構です。この点を明らかにしておく必要があろうと思うから質問いたしました。 そこで、それともかかわりがあるわけですが、三点目ですか、総理大臣の発言の英才教育論についてお聞かせ願いたいと思うわけです。 いま言うように、能力ということを余り言う余りに、この英才教育論と相通ずるものがありはしないかということを私は大変恐れるわけです。学歴偏重社会あるいは入試地獄、問題のある現下の状況における発言が、むしろ選別主義あるいは競争主義によって能力主義のひずみ、先ほど指摘したひずみを一層助長することになりはせぬかと、この英才教育論は言えるのではないかと私は思うわけです。こういうことからいたしまして、先般の参議院のあれを見ましても、あるいはその後の新聞のあるいは報道機関の報道内容を見ましても、大臣は福田総理にこのことを修正させたかのごとき発言がありますけれども、しかし、私は依然としてこの面については、英才教育論、そしてそれに続くこの能力主義、これは大変危険な内容を持つものだと指摘せざるを得ません。 ですから、結局私らが指摘をしなければならぬ点は、たとえば創造力あるいは構想力と申しますか、あるいは豊かな、あなたがいつも言われる情感、こういうものを兼ね備えた人間味ある人材を育成する、そのためにはいわゆる環境だとか施設だとか、また今度は英才教育を言うなら研究施設だとか、こういう十分なる環境整備などについてはおろそかにしながら、先ほどから私指摘するようにこのことを出してくるところに、かつてのいわゆるエリート育成という、これにつながっていく誤った論理ではないかということを私は言いたいわけです。ですから、もしそうでないというなら、私は、総理大臣に、この英才教育論については大臣と意思統一をしたかのごとき表現でなくて、それを取り去るという大胆な発想を大臣はお持ちになるべきだと思うのだけれども、この点はどうですか。
○砂田国務大臣 私もNHKのテレビで総理の発言を聞いておりまして、英才教育という言葉が飛び出して私もびっくりしました。英才教育という言葉、その言葉のニュアンスからやはり私も受けるところは、何かこうシステム化された、特別の青少年だけを集めて特別の教育をしようというふうなことをもしも考えておられたとするならば大変だと思って、総理のところに行きましてその真意を問いただしました。そういたしましたら、個々の子供たち、青少年たちか持っている能力をできるだけ伸ばす教育、私どもが考えておりますところといささかも変わらないお答えが返ってまいりましたので実は一安心をしたわけでありまして、私ども文部省が考えております。いま中西委員も御発言になりましたけれども、教育基本法が目的とするような国民の育成、それぞれ一人一人か違って持っている青少年の資質能力をできるだけ伸ばす教育、そういうことで、総理もそのことを言いたかったのだということでございましたから一安心をしたのです。英才教育という言葉を使われたのは、やはり明治三十八歳のボキャブラリーはそういうことであったのだろうと思ったのです。英才教育という言葉をお使いになってはいけませんということもお話しをしてまいりました。そして、そういう個々の青少年たちの能力を伸ばす、最大限に伸ばす、そういう教育をやっていく。あとは研究所に金を入れることですということも、私からもそういうふうに話をしたことでございます。 ちょうどたまたま、流出頭脳という名前で呼ばれる物理学の学者の方々がアメリカから日本に学会で帰ってきておられました。その方々と一緒に総理に会いに行きましたときも同じ話をいたしました。この人たちか日本で研究する研究の場がないのです。だから流出頭脳なんということになってしまっている。やはりこういう頭脳を国内にとどめたい。外国に行って研究してもらうことも必要、物理学なんというものはまさに国際交流の場で各国が協力して進めていることでありますから、交流があることは結構でありますけれども、日本でもそういう研究所にもっと金を入れて、能力に応じて、伸びた子供たちが高等学校の時分からそういう将来の夢が持てるような環境づくり、それが総理の希望しておられる、言葉は違っておりますけれども、英才教育ではありませんか、こうお話しをいたしまして、意見の一致を見たわけでございます。私どもといたしましては、教育基本法に書かれております目的を達成する手段としての環境整備になお努力をしていきたい、かように考えております。
○中西(績)委員 いま、一致をしたということを大臣は言われました。目的に沿った施設、設備をつくること、これに努力をする。そしてしかも大臣は総理大臣に、こういう言葉を使ってはいけないということまで言って、そのことで一致をしたということであるなら、視聴率何%か知りませんけれども、相当数の人か聞いたり見たりしておるわけでありますから、この英才教育なるものを総理みずからが取り消す、このことが、いまの教育を大きくゆがめない、あるいは偏向させない道だ。なぜかと言いますと、何せ内閣総理大臣が言ったというところに問題があるわけですからこの点を私はいま指摘をしたわけですが、この点、どうでしょうか。
○砂田国務大臣 あれ以降、福田総理は英才教育という言葉を使っていないと思うのです。(「使っているのだ」と呼ぶ者あり)それならもう一遍言わなければいけない。どうも明治三十八歳のボキャブラリーに問題があると思いますが、なお私から総理に御注意をいたします。そしてその真意は、私がいまお答えをいたしましたことを総理も念頭に置いておられることは御理解をいただいておきたいと思います。
○中西(績)委員 それで、もしそれだけでやるわけにいかないというのなら、今度何かの機会に教育問題なり政策を論ずる場合に必ずそのことを訂正する、このことをひとつ大臣から申し入れしていただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 この国会の本会議の御質問でも、予算委員会の御質問でも、それぞれの持っている能力をできるだけ伸ばしてあげる教育こそが大切だという答弁を総理大臣みずからがしておりますから、総理の真意というものは国会を通じて相当お聞きいただけているものだと思いますか、なお私からも重ねて言葉遣いの御注意をいたします。
○中西(績)委員 いま大臣が言われるように言葉遣いというように理解をするとまた問題が出るので私も指摘しなければなりませんが、教育論を論ずる場合にはその本質的なものをちゃんととらえてからやらなくちゃならぬということですから、先走ったそういう論議を一国の総理大臣ともある者がやるということは大変な誤りを犯すし、混乱を招くことになりますから、この点は十分注意をしていただいて、何かの機会に、英才教育というのは使うべきでないということを自覚していますぐらい言わせなければいけないと思いますので、この点を要望して終わります。 次に、国士館問題について御質問を申し上げたいと思います。 国士館の問題につきましては、去る四月二十五日以来八月二十九日まで四回にわたりまして参議院で質問がされ、それに対して文部省当局の答弁がなされています。しかし、私があえてここで問題を取り上げましたのは、いまなお問題が解決しておらない、このように理解をするからであります。そこで私は、なぜ大学においてこのような事態が起こったのか、この点を明らかにしていきたいと思いますし、文部行政のあり方について、これとのかかわりでお聞きをしたいと思います。 時間の関係もありますので、きょうは、一連の問題点について整理をするために、大学の理事者側から一名と教学関係者から一名、そして教員組合の代表者一名に御出席願おうと思いましたけれども、いろいろな問題がございまして、残念ながら理事者の御出席を要請するに至りませんでした。そこで本日は、教学関係の代表者をして工学部長の岡澤文一さん、それから教員組合の委員長の粕谷慶治さんの二名にお越しいただきましたことについて厚くお礼をまず冒頭に申し上げます。 そこで、これまでに至る問題点について質問を申し上げますので、お二方どちらかでお答えを願いたいと思います。 まず第一に、昭和四十八年に国士館大学におきましては近代化委員会なるものが設置をされておるようであります。なぜこの近代化委員会が設置をされたかについてお答えいただきたいと思います。
○粕谷参考人 これは、すでに四十八年の時点におきまして当文教委員会において取り上げられるという非常に不始末な事態が国士館大学においてはあったわけでございます。その根本的な理由は、本大学が暴力の問題に関して社会的に大変御迷惑をかけるという事態の中で取り上げられた問題でございます。 そこで、この近代化委員会の主たる目的は、そのような暴力的な体質が本学園の中にあるのではないかということで取り上げられまして、それに対してどのように対処するかということであったわけでございます。そうして、昭和四十八年の六月にその委員会が、実はいまは亡くなりました中村宗雄先生を委員長として発足したわけでございます。そうしてその結果が、最終的には四十九年の一月に最終答申案として報告されたわけでございまして、その最終答申案の中において、理事会側に対してこれにどのように対処するかということが取り上げられたわけでございます。 この最終的な結論について申し上げますと、すでに文教委員の方々は御存じかとは思いますが、要は、本学がそのような体質をなくすために、まず一つは、組織、それから管理運営というものの正常化を図るということでございました。ただし、残念なからこの委員会は大学当局の任命制による委員によって構成され、同時に、最終的な結論を出す中央委員というのは、現在理事として存在する三名、柴田梵天氏、安高武氏、それから大塚芳忠氏及びこの中村宗雄先生の四名によって構成されて、これが最終的な具体案を出して実行させるということでございました。ところが、出てきました案は実は二つに分かれておりまして、第一議案と第二議案ということになっておりますが、その第一議案の中では、法制化して、これを規則として定め、正常化を実行するというもの、それから第二議案の方では、これを具体的にどうするかという内容のもの、この二つに分けて答申しております。それらが実行されなければならないということで、その実行に移されようという段階において中村理事が亡くなりました。そのために実はこれが実際には何ら実を結ぶことなく、実現されなかったと言ってもいいのではないかと思われるのでございます。 その具体的な例を申し上げますと、まず第一に、この第一議案というのは学園新機構の基本組織を規定するもの、いわゆる基本組織規定、それから第二議案の具体的な改善事項という形で上がっております。 その第一議案の中に取り上げられた内容は、まず第一に、本学園の組織の形骸化、空洞化、そういうものがある。そしてその結果が運営の硬直化をもたらしているがゆえに、この基本構造を直さなければいけないんだというふうに述べております。そして、特にその中で最も重要なことは、これらの理事その他の役職において独走を許さないということ、それから抑制の原理を働かせるということに留意したというふうに書かれております。すなわち、独走と抑制の原理が働くようにこれを実行するというふうになっておるわけですけれども、残念なからその辺か現在に至るも全く実行されておらないということになるわけでございます。 それから教学面に関しては、各学部においてこれを教務に関して独立させる。教務、いわゆる教学問題に関しては各学部教授会などの自治を認めるといいますか、当然のことなんでございますが、そういうことになっておるわけでございます。ところが、現在の状況においては全くそれがなされていないという点は、後ほど御説明申し上げたいと思います。 それから業務処理の基本的な組織については、確かにこの中に、答申案そのものに予盾があるのでございますけれども、そもそもこの法人の管理運営については、教学関係と管理運営機構を分離独立させて管理運営していくというふうに規定されておるわけでございます。ところが、その辺が非常に矛盾しておるのでございますが、理事長は法人業務の統括を行う、同時に教育関係機関の業務も統括する、そしてそれを総長と呼ぶというふうになっております。これは、この近代化委員会そのものが、先ほど申し上げましたようにそもそも任命制によるものであり、中央委員というのが理事によって構成されており、教職員の意見がそこに十分反映されないという点において全く正常な改善が行われない余地が残されていた、こういうふうに言わなければならないということでございます。 それから、その中でも特に問題とされなければならないと私どもが考えておりますことは、四十八年のときもそうですし、今回もそうでございますが、そもそも本学における暴力的な体質というものが問われているときに、ではそれらにどのように対処するか、具体的には学生部というようなところが対処するのが適当であるということで、確かにこの答申案の中に学生部を設置するというふうに書かれて、設置はされました。ところが、これがいわゆる理事長と学長を兼務する総長によって学生部長なるものが任命され、同時に、そこに置かれる職員によって管理運営される。すなわち、教員がこの学生部の管理運営に直接的にタッチするような組織になっていないというところに非常に異常な事態が存在する、こういうふうに言わなければならないわけでございます。すなわち、十分に教員の意見がそこに反映されて学生の指導ができるという体制においてこそ暴力の問題も解決される、こういうふうに考えるわけでございますが、残念ながら、任命制の学生部長はそういう措置について現在も何ら対策を講じておりませんし、教員の要請にもかかわらずそういうものが具体的になっておらないという点がございます。 まだそのほか挙げれば切りがないのでございますけれども、この近代化委員会の基本的な内容が実行されないという点においては、いま申し上げたような点において顕著にあらわれているのではないか、こういうふうに考えます。
○中西(績)委員 いま御答弁いただきました、この近代化委員会が設置された理由はわかりました。とともに、その結論的なものもわかりました。ただ、その場合に、この結論に対する理事者側のそんたくと申しますか、実行ですね、これが大変欠落をしておるのではないかということを感じるわけでありますけれども、そういう点でむしろ理事者の対応が再び問題を引き起こすような結果になっておる。近代化委員会がそういう措置をしたこと、それに対する理事者側の対応が全く対応しておらない、こういうことからいたしまして再びこの問題を引き起こす結果になったのではないかと思われるのですが、この点について一、二具体的に例を挙げていただきたいと思います。
○粕谷参考人 お答えいたします。 いま中西議員から御質問のありました点について申し上げますならば、これはこの近代化委員会の答申案に逆行するものではないか、あるいはそれの答申をしんしゃくしていないものではないか、そういう部分として考えられるわけでございますけれども、その一つの例は、先ほど申し上げましたこの学生部という組織の上に一つ典型的にあらわれているのではないか。 それからさらに、この第一議案の中で答申されましたように、少なくとも法制化して、これが当然なされ、正常化されるような方向に、明るい学園が築かれるようにというふうに述べられている内容の中で、規則、規程などがどのように制定され、改善されたのかということでございます。その基本的な内容である、特に学校教育において重要な、憲法とも言うべき学則の問題について申し上げますと、これは四十九年の段階においてとりあえず教授会に諮られたという形で文部省にも報告されているようでございます。ところが、五十一年、五十二年にわたって見ますと、実は、本来この学則などが教授会の議を経て審議、議決されなければならないにもかかわらず、それが何ら審議、議決されないまま文部省に提出されているということでございます。 それから、そもそもその内容に付帯して現在問題となっております二人学部長問題というようなものとか、あるいは学部長を任命してこないというような問題について、いわゆる学部規則なるものがある、こういうふうにやったわけでございますけれども、それについでも、近代化委員会の中ではこの学部長の選出について規定はしております。しかしながら、現在の段階において、そのあるべき姿についてどうあるべきかということが現在の教授会の中でも取り上げられて、選出がなされているわけでございますが、実は大学側が学部規則というようなものに従って任命しないのだということを言っているわけでございます。ところが、この学部規則になるものについても、教授会には何らかけられたことがございませんし、まことに残念なのですが、私どもはそういう学則、学部規則というものについて相談を受けないまま教育及び管理運営に携わっているという非常に遺憾な事態になっておるわけでございます。これなどもその一つの典型的な例かと思うわけでございます。答申案の中では、法人の組織、管理運営あるいは教学に関しても、法令の定めるところによってこれを行うというふうに申しておるわけでございますが、残念ながら学校教育法の第五十九条、重要な事項は教授会においてこれを審議するという点も否定されておるわけでございます。少なくとも近代化委員会の大筋においては、通常のあるべき大学の姿の中でこれは問われるべきものであるというふうに言っているにもかかわらず、このような通常認められるべき規則、規程あるいは法令なども否定するような問題がここに残っておるというふうに言わなければならないのではないかと思います。 それから最後につけ加えておきますけれども、この規則、規程などは、実は本学においては公表してはならないということにおいて、現在でも公表されておりません。そこで、正常化に乗り出すために設けられております対策委員会、これが規則、規程を検討しようとして、大学側に対して公開を要求しましたが、いまだに公開されないまま対策委員会はこれに取り組んでいるという事情を皆様に御説明申し上げておきます。
○中西(績)委員 そういたしますと、公表してはならないということを理由にいたしまして、教授会あるいは教員会なるものはこれらの問題について、内容的にどのように四十九年以降変えられておったかということについても御存じではないわけですね。
○粕谷参考人 確かにそのとおりでございます。学則についてはその重要な事項か改変されております。教授会の審議事項特に最も重要な審議事項が改変されておりますけれども、私どもそれについては全く関知しておりません。
○中西(績)委員 そういう多くの条件はまだたくさんあると思いますけれども、きょうは時間がございませんので、はしょって申し上げます。 そういう結果からいたしまして、この四月十四日の上申書は文部大臣あてに出されたわけでありますね。その点、お答えください。
○粕谷参考人 はい、確かにそのとおりでございます。その上申書は文部省にも出してございますので、ごらんいただいて文部省の方々も御存じだろうと思いますが、その主たる内容は、そこの上申の基礎たる事実関係ということの中において説明されておりますが、近代化委員会もそういう答申を出したにもかかわらず現在行われていない。特にその中で、柴田梵天氏の独裁という形で記載されている内容でございますが、いま申し上げたような、非常に法律に違反するような行為が専恣かつ独断的に強行されているということに尽きるのではないかというふうに考えられます。それをもとにしまして、私どもは文部省に対して上申をしたわけでございます。その具体的な事例は第五項に記載されております。必要でしたら御説明申し上げたいと思います。
○中西(績)委員 時間が差し迫っておりますけれども、その柴田梵天氏の独裁の事例、この中で一、二重要な点を御説明いただきたいと思いますし、さらに寄付行為等におきましてもいろいろ問題があるようでありますし、さらにまた学則については、先ほどある程度申されましたから、もし落ちがあれば一、二の点だけで結構ですから御説明ください。
○粕谷参考人 その中で一番重要な問題と考えられますものは、先ほど申しましたように、一つには規則、規程が非公開であるということ、それからさらには学部長問題、参議院でも取り上げられておりますので改めて説明するまでもないと思いますが、この学部長問題が昭和五十一年及び今年度、五十三年度において取り上げられております。これは、教授会が正式に選出した者について、これを正式に認めてこない。それは、われわれが知らない学部規則なるものに基づいてこれをやるという形になってあらわれてきておるわけでございます。その問題につきましては、六月の十三日に一応教員組合とそれから大学側との交渉において解決するという形をとってはおります。 それからさらに重要な問題は、教員あるいは職員の身分問題についてでございます。すなわち、教員に関しては、教員の身分は教授会の審議事項になっておりますが、教授会の審議事項になっているにもかかわらず、それらを何ら相談なしに一方的に身分を改悪するという事態になっております。その問題については文部省から指導助言を受けました。それに従って、私どもは学部長問題が解決した六月十七日以降、特に政経学部の三教員の問題については三度にわたって大学当局に、早くこの教授会の議に従って取り扱うようにというふうに申し入れております。にもかかわらず何ら対応してきません。返事をよこさないばかりか、一切われわれの話し合いにも応じないという姿勢をとっております。それが非常に重要な問題だろうと思います。 そのほか、たとえば中・高の人事に関しては、黄犬契約というようなものがあったこともすでに参議院で取り上げられております。非常に前近代的なことが当然のこととしてまかり通るというような形、あるいは規則、規程というようなものを無視して、教授会の議を無視する。その具体例は、たとえば現在では文学部において学生の処分をいたしました。その結果を学長に公示するよう申し入れてありますが、三ヵ月にわたりますがいまだにこれが公示されない、教授会の議が無視されたままであるというような問題があります。 それから、短期大学におけるところの二重専任教員の問題につきましても、教授会の議が大学の一方的な意思によって無視されるという形で続いております。 そういうような問題、挙げますと切りがありませんけれども、要は、規則、規程あるいは文部省の指導助言に従わないという姿勢が続いているということでございます。
○中西(績)委員 そういたしますと、この上申書なるものはいま申されたような内容をすべて包含し、その他にも多くの問題点を提出してあるということで理解をしたいと思います。 そこで、問題がこのようにあるにもかかわらず、また上申書を出されたにもかかわらず、六月七日には文部省が改善八項目の要求を柴田梵天氏を呼んでやったようでありますが、そうして八月になりましてから、いまなお問題が解決されないということで八月一日さらにまた上申書が文部省に提出されておるようであります。この点、岡澤工学部長に、なぜ八月一日に再度上申書が提出されたのか、この点をお答え願いたいと思います。
○岡澤参考人 先立ちまして、総長を補佐すべき学部長といたしまして、このような社会的な問題を起こし、皆さんに御迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます。 これを八月一日に出しました経緯を申しますと、いまの総長の総長といたしましての能力、あるいは個人として人の風上に立っていけない人なのか、あるいはあたりを照らす人なのか、そういうことの批判を私ども補佐すべき立場の者として申し上げることをお許しいただきたいのですが、それはいろいろな上申書やいろいろな調査が相当行き届いておりますから、その上で御判断を願いたいと思います。ただ、非常に困りましたことは学位の代作の問題でございます。これは一部の者は前から知っておりまして、内緒にしておったのですが、一部報道に漏れたということを聞きまして私は非常に驚きまして、これを安高常務理事、それから大塚理事——理事会は五名の構成ですが、二名は名目で三名が主宰しておりますから、その二人に個別に会いまして、どうもこういう形だ、組合その他はこれを必死になって秘匿しているけれども、場合によっては争いがエスカレートすると表に出るかもしれない。その場合には梵天さんはこの学校にいられなくなるだろう。そればかりではなくて社会に対する問題が非常に大きいので、前に何とかこれを善処してもらいたいということを申し入れまして、二人は承知してくれたのですが、十日を出ずして朝日新聞に事実を発表されまして、これはいかんともしがたくなりまして、私ども弁護のしようがないわけでございます。それで、その発表になりました後学校へ出てまいりませんで、ただ電話で情勢はどうかというようなことを聞いていたらしいのですが、八日も待ちましたけれども何らの釈明も何も行われませんので、工学部が、非常に不誠意で無責任もはなはだしいということで総長の退陣の決議をいたしました。それに続きまして、七学部のうちの六学部の教授会で退陣の決議が行われました。そして、こうなりますと、そういう人が学校の責任のある地位にとどまることになりますと教育がうまくまいりません。綱紀は締まりません。ですから学校はだんだん悪くなっていくところに参りますので、これは非常に困ることなので、この総長退陣の要求はきのうも学部長が集まりまして意思統一をいたしましたが、これは最後まで貫きたいという状態にあるわけでございます。そのような御答弁でよろしゅうございましょうか。
○中西(績)委員 上申書はすでに大臣に出されておるわけでありますし、いま言われた以外にも、たとえば学位代作問題以外にも多くの問題があるのではないかと思われます。特に、ただ単にこれだけでなしに、国税庁の問題だとか、あるいは検察庁に告発をするとか、いろいろ多くの問題があるようでありますけれども、もう一、二追加していただいてお答えいただけますか。
○粕谷参考人 では私の方から二、三御説明申し上げます。 その上申書の中には、実は入学者から違法な寄付金を徴収しているというようなことで、指導助言を受けている部分もございます。それから同時に、税法違反の問題が挙がっております。特に国会対策費というような形で本学が金を支出しているということは大学としてあるまじきことであるということは、文部大臣も参議院の文教委員会の方でも御答弁になっておりますので、これも一つの重要な、総長として当然考えるべき、責任をとるべき重要な問題だろう、こういうふうに考えております。そのほかまだ挙げれば切りがありませんけれども、その辺は参議院の方で大分取り上げられておりますのでこれで省略させていただきたい、こう思っております。
○中西(績)委員 そうなりますと、この参議院の方で取り上げていること、時間がありませんから一々すべてをここで開陳するわけにはいきませんけれども、このように問題があり、したがって、八月四日の日に学内諸問題対策委員会が設置をされたようであります。そしてその設置された対策委員会の中で、八月二十三日、改革案なるものが出されておるようであります。この改革案をめぐる問題について御説明できれば説明していただきたいと思います。
○粕谷参考人 対策委員会の件でございますが、私も対策委員の一人としていま取り組んではおります。その中で第一次試案というものを文部省にも提出してございます。項目については、暴力問題、教学問題、法人機構問題、それから事務機構問題、更生補導問題、中・高校の問題という形に分けて各分科会において検討されております。とにかく六月三日にこの事態が読売新聞に発表されてから、大学当局も、それから教職員全員が何ら取り組まないということでは非常に遺憾でありますし、私どもが強く要求して、その六月十三日の合意事項に基づいて取り上げられて行われたわけでございます。八月四日に始まりまして、とりあえず第一次試案が八月の二十三日に出されました。これについて、少なくとも大学当局がどのように対応すべきか、それを求めて、委員長、副委員長二名、合計三名で今日まで三度にわたり、これをどのように取り扱うか、どのように対処してくれるのか、その御意見も伺いたいというふうにして申し入れておりますが、全然返事は返ってきておりません。対策委員会の中にすでに総長に対する不信の念がわき起こっておりまして、どのようにこれに対処すべきか、いま非常に重大な事態になっておるということでございます。
○中西(績)委員 そういたしますと、この対策委員会は、設置をすることについては今回の場合理事者側は認めておるのですか。それとも、この点に関してどう対応しておるのですか。
○岡澤参考人 これは学校側の要請の形でつくりました。そしてそれが答申されましたが、いまのところ実行する意思がないようでございます。それを詰めますと、これは文部省と国会に対するあれなんであってというようなことを言っておる、そういうようなことも私の耳に入ってくるような事態でございます。私はじかに聞いておりません。
○中西(績)委員 そうしますと、学校側の要請によってこれが設置をされ、つくられ、そしてこのように案がまとめられ、そして三回にわたって理事会に向けてこれに対する対応策なり回答を要請したけれども、全然返答がない、こういうことですね。しかも、いまのお言葉によりますと、文部省なりあるいは国会向け、いわゆる外向けのものとしてこれをつくった、こういうふうに私は理解をするわけです。これでよろしいですね。
○粕谷参考人 確かに学内にそういう話が伝わっていることは事実でございます。そうして、これについて対策委員会の委員長もどうすべきか、非常に困って、自分の進退をも含めて考えたいというような事態であることもつけ加えさせていただければ御説明になるかと思います。
○中西(績)委員 それでは、大体以上でもって国士館大学の関係者の方に対する質問を終わります。あと文部省なりあるいは国税庁に対して行いますので、どうぞ……。ありがとうございました。 それじゃ、時間が大変迫ってまいりますのでお尋ねをしますが、国税庁の山本法人税課長おられますか。——七月の二十八日以降五回にわたって調査を継続しておるということを参議院においては答弁なさっていますね。そこで、参議院における問題指摘以降における状況についてお話しください。
○山本説明員 学校法人国士館に対します税務調査につきましては、八月二十九日の参議院文教委員会におきまして御説明を申し上げたところでございますが、その後、今日に至りますまで、引き続き調査、検討を継続中でございます。
○中西(績)委員 調査、検討継続中であるということでありますけれども、その中で、この前から新聞にもちょっと出ておりますけれども、特に柴田梵天氏が書かれた領収書、国会対策費として百万円ずつ二枚、それからもう一つ問題としてありますのが学内問題対策費として百万円、他に相当数ありまして、総計いたしますと一千五十万円に上るのだそうでありますけれども、そのうちこの三枚を除いて、他のものはほとんど前貸しだとか借入金だとかに全部改ざんをする。あるいは、いま申し上げたこの三枚の対策費の中でも学内問題対策費については、私たちが調査したところにおきましては、こういう領収書があるにもかかわらず、記帳の面で前貸しとして改ざんをされている。こういうような問題等があるようでありますけれども、この点は、調査した結果そのようになっておるのかどうか、明らかにしてください。
○山本説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、税務調査の個々の内容にわたるものでございますので、恐縮でございますかこの場におきまして御説明申し上げますことは差し控えさせていただきますが、私どもは、国士館に対します調査は、学校法人は公益法人でございます。したがいまして法人税は非課税であるのでございまして、学校法人の経費が理事者あるいは職員等の方々に対しまして仮に支払われているといたしますならば給与課税の問題か起きるわけでございまして、その観点から実は調査をしているわけでございます。
○中西(績)委員 その内容について明らかにできないということでありますけれども、あくまでもこれらの問題については大変な内容を持っておるだけに、しかも学校というところでこういう問題が出ているだけに大変大きな問題を残すと思います。ですからこの点については、参議院でもなかなか内容的なものを明らかにできないということで答弁か返ってきておりますけれども、最終的にはいま申し上げたような点について徹底的に追及をするという態度はあるのかないのか、それだけお答えください。
○山本説明員 税法に規定されております税務上の申告、課税の実現といいますものが適確に行われますように、その点につきまして私どもは誠心誠意現在調査をいたしておるのでございます。
○中西(績)委員 特にその点を強く指摘をして、この点については終わります。 そこで、今度大臣にお聞きしたいと思うのですが、六月八日の参議院文教委員会における答弁の中で、五月八日、五月十六日、上申書に基づく調査をした、こういうことの答弁があります。そしてさらに、六月七日には八項目の改善要求を柴田梵天氏に伝えるという内容のものが明らかにされています。そこでこの点についてお聞きしたいのでありますが、いま言われました期日にこのような処置をした、その際に、先ほどから二名の方からいろいろな事情の解明についてありましたけれども、あなたは、この五月八日あるいは五月十六日の調査結果についていろいろ認めておることと全く違いがないという、この点については確認できますか。
○砂田国務大臣 六項目の改善を求めたわけでございまして、それらの改善がどういうふうに進んでいるかという実情を把握しようと努めているところでございます。いま参考人の話を伺っておりまして、学内諸問題対策委員会が設けられた。この対策委員会のいろいろな御検討に期待をしているところでありますけれども、八月の末に第一次対策試案がまとめられ、その試案について各教授会等において内容を検討をしておられる段階と私どもは聞いているわけでございます。いま参考人のお話を聞いておりますと、文教委員会という権威のある場での御意見でございますから、それが正確なものであろうと思いますけれども、学校当局に学内諸問題対策委員会でまとめた試案を出されて、どうもそのままになっているのではないだろうか、こういう感じがするわけでございまして、そこらの実情を把握することに努めたいと考えます。
○中西(績)委員 いや、私が申し上げておるのは、いままでずっと述べられました点と、それからあなたが六月八日の日に参議院で答えておることと違いがないということを確認をしたいわけです。
○砂田国務大臣 もっと前のことのようでございますから、局長からちょっと御答弁をいたします。
○佐野政府委員 六月七日に柴田総長に対して六項目の改善を要望いたしましたのは、四月十四日の上申書について、あるいはそれ以外におきましても大学当局側あるいは教員側の双方から事情を伺いまして、それに基づいて改善方の要請をしているわけでございます。当時における大学の学内規則等における問題についての認識は、参考人の発言と私どももほぼ同様に考えております。
○中西(績)委員 そうしますと、そういう状況に立って、六月七日の改善要求を理事長である柴田氏に対して文部省としては要請をした、こういうことになるわけですね。この点はよろしいですか。
○佐野政府委員 御指摘のとおりです。
○中西(績)委員 そこで、いままでの経過なりあるいはこの改善要求を出されるまでに至る経過については一致するわけですから、今度はそれから以降の問題になるわけでありますけれども、六月以降の問題については大学当局からは何かお聞きですか、調査した結果はありますか。
○佐野政府委員 六項目の改善を要請した事項についてどのように大学が対応しているかということについては、逐次常任理事等から事情を聞いております。
○中西(績)委員 そうしますと、その事情を聞いておる事柄と先ほど二名の方が申されたこととの相違がございますか、それとも一致していますか。
○佐野政府委員 政経学部、法学部の両教授会が不正常な状況になっている、これが一番の問題だったわけですが、その点について六月十七日以降両学部とも正常な運営を取り戻すに至っていること、あるいは入試に関しましても、五十四年度の入学者選抜からはいわゆる特別合格をやめるということを大学が明らかにしていること、あるいは寄付金の納入を条件とした補欠合格もやめるということを明らかにしていること等の前進がございます。一方、先ほど御指摘のございましたように、非常勤扱いとされた三人の先生方の身分回復の問題、それから学長の学位の問題、これらについては大学側の対応は不十分でございます。
○中西(績)委員 そうしますと、いま二名の方が言われたことと、常務理事ですか、文部省に来られて説明なさったことの中では、入学問題と補欠問題、それから政経学部の教授会の不正常な状態を正常化した、これくらいか解消されただけであって、他の問題はまだ依然として解消されておらないということですか。
○佐野政府委員 そのほかに、大学の関係ではございませんけれども、中学校、高等学校の運営に関しましても、高等学校の教頭が辞任をするということが行われておりますし、また教務部長等の校務分掌の担当者につきましても改めて選任する等の措置が講ぜられております。それから、私どもが非常に関心を持っておりました学内規程の整備であるとか、あるいは学生の暴力行為の根絶の問題であるとか、その他学内の運営の正常化のために適切な措置をとってほしいという点については、先ほど来御論議のあります全学的な委員会として学内諸問題対策委員会が発足をしておるわけでございます。この学内諸問題対策委員会の第一次の改革案がどのように大学全体として受けとめられて、その進展が見られるかというところに私どもは非常な期待を持っております。この点は、先ほどの参考人の御発言もございましたけれども、私どもは、大学が単に外部に対する申しわけのためにこのことを実施しているのだというようには理解をしておりませんし、また理解したくございません。この点についてはその後も大学当局に対して、積極的にこの対策委員会を活用をして、学内の体制を整えるように努力をしてほしいということを重ねて要請をしているところでございます。
○中西(績)委員 いま大学局長が言われました三つの点と中・高の教頭の問題などについては一定の前進はありますけれども、これはごく初歩的なものであって、一番原則的な学則問題等についてどういうふうに措置をされておるかということについてはほとんど手がけられていない。あるいは暴力問題等に対する学生部の措置から生ずるいろいろな問題、こういう基本的な問題が何も措置されておらないし、そしていま希われましたように、この対策委員会で練られた案についても、これを提示をし、それに対する回答を求めておるにもかかわらず全学的に全く回答がなされていない。ですから、依然として学則なり規則というのは非公開あるいは秘密なんだということが継続的にされておると感ずるわけですけれども、一番大事なところはまだ触れられていないと考えてよろしいですか。
○佐野政府委員 御指摘の、学内の諸規程をどのように整え、体制を整備をしていくかという点がまさにこの対策委員会のこれからの活動にかかっているわけでございますし、それに対して理事会がどのように対応するかというところが非常に重要なこれからの課題になるわけでございます。この対策委員会が二十三日におまとめになった第一次の対策試案は、まさに試案として公表されている性格からもわかりますように、さらにこれから学内において、教学のサイドにおいてもそれぞれの学部教授会において詰められていかなければならない性質のものでございます。大学の理事者の側は、理事会、評議会においてももちろん検討するけれども、そうした試案の性格にかんがみてもう少し教授会等における検討の進展を待ちたいということを私どもには申しておりますけれども、いずれにしてもこれからの国士館大学の体制を整えていく場合の非常に大事な場になるわけでございますから、その点についてこれから実質的な進展が行われていくように私どもも留意をしてまいりたいと思います。
○中西(績)委員 そこでもう一つだけお聞きいたしますが、この教授会の位置づけというのは理事者側はどのように考えているのですか。そこら辺、あなたたちがいままで長い間接触をしてきた中でどういう受けとめ方をされておるのですか、おわかりであれば……。
○佐野政府委員 国士館大学ももちろん学則の中では、学校教育法の規定に従いまして、重要な事項を審議すべきものとして教授会を位置づけております。一般に私立大学の場合には、教学側の組織と理事者側の組織をどのようにうまく調整をし、機能させていくかということが非常に大事な課題になるわけでございます。これは参議院の文教委員会でも申し上げましたけれども、この大学の場合には、学部規則の中で、教授会の議決事項のうち多くのものについて理事長の承認を要するというようなことを書き込んでいる規定がございます。そういった点を含めて、教授会と理事会との関係というものはさらに整備をされる必要がある。その点も、この対策委員会で学内規程の整備を検討されていく場合の大事な課題であると考えております。
○中西(績)委員 そこで、私は福岡歯科大学問題についてちょっとお聞かせ願って、それとのかかわりで申し上げたいと思うのです。 福岡歯科大学の問題についてはもうここで説明する必要はないと思います。大変な問題であるし、全国的に大きく問題提起をしておると思います。現状はその後どうなっておるのか、文部省の対策の方法としてどうなっているのか、その点をお答えいただきたい。そして、その中でこのように混乱した一番の原因はどこにあるのか、紊乱した原因はどこにあるのか、この点をお聞かせ願いたい。
○砂田国務大臣 昨年九月七日の大学局長、管理局長の通知にかかわりませず、高額の学債や予納金の事前収受による不公正な入学者選抜が行われて違法な聴講生の編入を許すというような、きわめて遺憾な事態でございます。理事者の学校運営に関します誤った姿勢、それから教学の責任体制の不備にその基本的な原因があると私どもは承知しております。文部省といたしましては、理事長、理事、学生部長等の責任者から事情を聴取いたしまして事実関係を把握いたしますとともに、十月十三日に、理事体制の刷新、教学の責任体制の確立、入学者選抜方法の公正化等八項目について、今月末までに具体的な改善措置をとることを求めたところでございます。同大学が今後、この月末までにとってまいりましょう措置を見ながら、同大学の再建が軌道に乗るよう強力に指導してまいろうと考えておりますが、文部省から改善措置をとるように求めました八項目について、一切の妥協をする気持ちはございません。
○中西(績)委員 いま大臣が言われましたように、理事者の想像もつかないような体制と構造、そして特に理事長あたりの発言等を聞いておりますと、もう大変な内容を持っているというのはおわかりだと思います。それともう一つは、いま言われました教学の不備、教授会というのが全然機能していません。こういうようなことから不公正な入学も出てくるし、財政的なものもすべてがそこから出てくるわけですね。これは、いま言うように絶対に妥協する余地はないし、最後まで追及するということの確認をしたいと思うわけですが、よろしいですね。 そうしますと、これと、いままで私が指摘をしてまいりました国士館大学ともやはり一致するところ、共通点がたくさんあるわけですね。理事者側の無責任さと申しますか、あるいはもう公教育を担う責任、言いかえれば資格がないと言ってもいいくらいの状況がそこにはあるわけですね。そして今度は教学の面におきまして、教授会を無視し、無機能に陥れていくという、こういうところにすべてこの国士館の問題もあるし、福岡歯科大学の問題もあるし、あるいは先般から問題になっている松本歯科大学にしましても、金沢医科大学にしても、すべてここに一致する点がたくさんあるということをお認めですか、大臣。
○砂田国務大臣 共通した問題を抱えていることは私も気がついております。
○中西(績)委員 そこで、先ほどから私たちが指摘をしました戦後における憲法、教育基本法に沿ったこの教育体系、そしてそれがあくまでも現場で守られておるのか、学校で守られておるかという、ここいらが一つの問題点になってくるのではないでしょうか。たとえば、いま問題になっております公立高等学校なりあるいは小・中学校における職員会議の形骸化、いわゆる諮問機関としての位置づけが大変な形骸化を呼び、そこでもう追及したりあるいは論議したりという意欲をなくしていくという体制、これはむしろ文部省がそのようにしむけでいったわけです。行政の中でしむけていった。またそのように指導していったわけですからね。それと相一致するこのような大学における教授会無視、無機能、こういうようなものが一体的に重なって出てきておるという実態を私は見落としてはならないと思うのです。ですから、これを考えますときに私が指摘をしたいと思いますのは、いまの文部省の行政のあり方、いままでの大学に関しての指導のあり方なり、そういう点において大変誤りを犯しておったんではないか。いま出ておる公立学校におけるいろんな問題とダブるところがたくさん出てきているんです。こういう点から考えますと、大臣はどのようにこれを今後処理していくのか。いわゆる大学の自治、学校の現場における自主的、創造的、自立的なそういう思想を生かしたもの、そしてそれを今度は私たちが本当に創造性に満ちた子供を育成をするという体制にどう持ち込んでいくかという場合に、いまのようなこういう指摘をした大学のあり方ではできないということは大体おわかりだろうと思いますが、この点、どのようにお考えですか。
○砂田国務大臣 大学の不正常な問題が、基本的には大学の教育、研究の運営について教学側の責任体制が確立されていないところから生じてきているということについては、私も中西委員と同じ気持ちを持つわけでございますから、文部省の考え方が誤っているというのは御免をこうむりたいと思います。元来、私立大学に対して文部大臣が指揮命令権を持っていない、当然のことであって、それは学問の自由、大学の自治という、憲法上定められた大変ウエートの重いことを重視をするからでございます。大学みずからがそのことを基本的にはもっと自覚をするべきでございます。大学の自治というものは権利だけではない、当然責務が伴ってあるということを自覚をしてもらわなければ困る。私立大学については、建学の精神に基づいてのそれぞれ特色が尊重されるべきでございます。教育、研究の運営についても独自なものがあっていいと思います。また、教育上の要請と経営上の要請との調整も重要なことでありましょう。各大学ともそれぞれ工夫を行って、教育、研究活動が平穏に活発に行われておる私立大学の数の方が多いわけでございます。しかし、少なくとも、教育、研究の運営について理事者側の立場のみが優先をして、教授会を中心とする教学側の意向が無視されるようなことがあってはなりません。残念な、遺憾な事態の大学はまさにこういうところに問題の端を発しておると思います。このような観点から、教学の問題については、自治会等との調整を図りつつも、教授会を中心として運営されるよう安定した慣行を確立されることを基本として、問題になっておる私立大学に対して強い指導を行っていく、こういう決意をいたすものでございます。
○中西(績)委員 そこで、大学の自治あるいは学校の自治、これは理事者側なりあるいは教授、教員側の強い自覚のもとにやらなくてはならぬということは当然でありますし、また、いま言われるように、教授会を中心とする運営あるいは組織があってしかるべきだ。ところが、いままでの実態から言いますと、各大学の実態はいま申されたようにそこに問題があったということもお認めになるならば、問題は、大学の自治と言う余りそれに触れたがらないということもあります。そこで第十二条の問題からして、このように問題のある学校については、たとえば福岡歯科大学にいたしましても、こういう問題がありますだけにこの前勧告をされたわけですね。たとえば理事会全体に辞任をすべきだということを文部省は指摘をした、あるいは勧告をした。ということになりますと、この十二条の四号にございますように「当該学校法人の役員が法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反した場合において、」云々ということを含めて、文部省から、強い指導と先ほどから言っていますが、勧告をすべきではないかと思うのです。この点はどうなんですか。
○三角政府委員 ただいま中西委員おっしゃいました十二条は私立学校振興助成法の十二条だと思いますが、先般、福岡歯科大学に対して、先ほど申しました八項目についての改善措置というものの内容に入っております理事体制の刷新という事項につきましては、これは他の項目と同様でございますが、私どもは一つの強い指導助言と申しますか、要請として行った次第でございまして、この私立学校振興助成法十二条四号に基づきます法律上の勧告として行ったものではないわけでございます。 国士館の場合につきましても、先ほど来御質疑、御答弁がございましたように、現在なお学内諸問題対策委員会というものが検討を進めておるわけでございまして、その第一次対策試案につきましても各学部においての検討が求められておる段階でございます。他方、東京都の地労委における調査でございますとか、それから告発等の関係もございまして、そういう状況にかんがみまして、当面は私どもとしてなお事態の進展を見守りながら、必要な指導助言を重ねてまいりたいと考えておるところであります。
○中西(績)委員 ということになりますと、いま言う告発しておる内容等が明らかになり、もし問題があるといたしますならばそういう勧告をするという態度をいま言われたのですか。
○三角政府委員 私立学校振興助成法の規定に基づきます勧告は、「当該学校法人の役員が法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反した場合において、当該役員の解職をすべき旨を勧告する」ということでございまして、なお次の条文におきまして勧告に当たりましての必要な諸手続も定められておるわけでございます。これはこういった権限を有するということでございます。この権限を実際に具体的に行使するかどうかにつきましては、個々の事例、それから事例の状況、進展のぐあい等につきましてきわめて慎重に判断をした上でこれを決める必要があるわけでございまして……(「法律解釈じゃないんだよ、この問題に対してどうするかだ」と呼ぶ者あり)この問題につきましても、したがいましてそのように対処すべきである、そういうふうに考えておりまして……
○中西(績)委員 わかりました。時間が参りましたので最後に、そういう問題が出たときにはやはり厳正に対処をしていくという、この姿勢を持たぬといつまでもそれを温存するということになるわけですから、私はそのことを聞いたわけであります。そこで、そういう事態が出てきた場合、ただ単に勧告だけでなしに、先般の新聞によりますと、文部大臣は、乱脈をきわめ、問題のある大学に対しましては、かつて、三十七年ですか、ありました紛争調停法、こういう法律を、時限立法としても、かつて名城大学に適用したことがございますので、やはりこういうものを適用する、こういう態度はおありですか、そこだけ聞きたいと思います。
○砂田国務大臣 紛争調停法ですか、名城大学の場合は事情が大分異なると思うのです。しかし、ああいう臨時的な立法をして大学の教育、研究の正常な活動を確保しなければならなかった事態が当時の名城大学にはあったと思うのですが、何か臨時的なものであるにしろ立法なんということを文部大臣に考えさせないうちに、大学みずからが大学の自治を守ってくれるべきだ、そう私は考えております。
○中西(績)委員 そうであればこういうことは起こらないわけなんで、これがあるから私は聞いておるので、たとえば福岡歯科大学なんというものは、これはもう両者真っ二つに割れてやっているわけでしょう。そのことは御存じでしょう。そして告発をし、それから問題が派生をして大きくなってこのことが露呈をしてしまったという経緯があるわけです。そのことが、私はやはり名城大学における状態と余り変わらないのじゃないかという気がするわけです。それから国士館の問題についても、対立的なものはない。しかし、一方の側の理事長なり総長と言われる人のあり方というのは、全学の、まあ一部の学部には相違があるようでありますけれども、大部分の学部の総体的な考え方からいきますと、やはり名城大学と大した差はないのじゃないかという気がするんですよ。そういう意味において、これの問題について将来もしこれを解決しない場合には、強い指導ということだけでなしに、やはり法的な措置までもせざるを得ないという強い気持ちを持っておるかどうかという、この点を私はお聞かせ願いたいと言っているわけです。
○砂田国務大臣 きわめて強い姿勢で臨む決心をしておりますから、たとえば福岡歯大につきましても、改善を求めました八項目、一切の妥協はしないということを申し上げておるわけでございます。文部大臣の姿勢は御理解をいただきたいと思います。
○中西(績)委員 以上で終わりますが、何せこの問題は、ただ単に国士館大学を考えてみましても、そこにいる生徒、包む父母、そして多くの見ておる国民諸階層の皆さんに対して、この大学というもの、公的機関としてのあるべき姿というものをやはり正常化しない限りこういうような問題の解決はできませんし、そこにいる生徒は大変な被害を受けているわけですね。そういうことを考え合わせてまいりますと、私たちが指摘をしているのは、ただ単に国士館という一大学の問題だけではありません。いわゆる教育全般にかかわる、大学行政にかかわる問題をやはり文部省が今後姿勢を正してやっていただくことを要請をしておるわけでありますから、この点を十分御認識いただいて今後の行政措置をしていただくことを最後にお願いを申し上げまして、時間の超過しましたことをおわびを申し上げて、終わります。(拍手)
○菅波委員長 参考人の方々には、お忙しい中、本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございました。 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○菅波委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。有島重武君
○有島委員 私は、きょうは二つの点を質疑したいと思います。 一つは国際教育という問題、それからもう一つは防災教育、ちょっと聞きなれないかもしれませんけれども、震災対策というようなことに絡めて今後大切ではないかと思われますので、防災教育、この二つについて時間の許す限り質問をしたいと思います。 初めに、国際教育の方の問題ですけれども、申すまでもなく、今臨時国会は、日中平和友好条約、この批准、承認というのがメーンテーマであったわけでございますけれども、これについて、大きく分けて二つの問題が起こっていると思うのです。それは、日中間におけるおつき合いの仕方をますます深めていきましょうという方向が一つと、それからもう一つは、この条約が有効に機能していくためには、われわれとしては他の国々との関係ということについて、いままでより一層大きな視野に立ってというか、また一層深刻にと申しますか、考えていかなければならない、手を打っていかなければならない。いわば、日本の国際的な動き、日本外交といいますか、その一つのエポックに立っておる、一つの新しい時代がまたここからつくられなければならないというような意識が、国民の中にも一般的にあるんじゃなかろうかと思います。それで、今度衆議院、参議院の審議におきましても、そういった二つの方向性といいますか、一つは日中二国間の問題、あるいはもう一つはそれを広げて多国間の問題、多くの国々の問題というふうに問題が提起されておったように私は思うのです。 そこで、文教問題としてこれとどう対応していくか、対応していくというよりは、むしろこれをどう推進していくかということがわれわれの一番の関心事になるはずだと思うのです。大臣もそれなりの一つの御確信、御見解をお持ちであると思いますので、大ざっぱに大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 文部省所管の教育、学術、文化、何を見ましても、これの国際化、窓を広めていくことは、まだまだ努力をしてまいらなければならないと考えております。いま有島委員が御指摘になりましたのは、中国と新たに条約が締結をされて、日中間においても教育、学術、文化の交流を図っていく、同時に、そのことは全方位外交の精神で取り組めということであっただろうと思います。まさに重要なことでございまして、文部省所管のいろいろなことの中の、たとえば留学生一つ考えてみましても、中国に対しても、他の国から受け入れている留学生と同じような条件で、差異をつけずにこれを受け入れていきたい、それが基本的な私どもの姿勢でございますし、中国も含めた他の国からの、特に発展途上国等からの留学生受け入れ枠というものをもっと広めていきたい、そのための条件整備に努力をしたい、かように考えております。
○有島委員 いま大臣がおっしゃいましたように、国際教育といっても、学術交流あるいは留学生の交流ということが具体的なことになりますね。 いま、留学生の話に限って少しお話をしたいのですけれども、中国側が日本に対して多くの留学生を送りたい意向を持っていたということを私聞いておるのですけれども、大臣もこれは聞いていらっしゃると思うのですね。ただ、これは当面の問題と中期的な問題、長期的な問題とあろうかと思うのですが、大体一万人ぐらいの留学生を日本にお願いしたいというような話を私は聞いたことがあるのだけれども、そういった話はお聞きになっていらっしゃると思うのです。それから今度は使節団が参りまして、そういうことのお話し合いの中では、年度四百人というような線でほぼ合意ができたというふうに承っておりますけれども、その辺の事情をひとつお聞かせいただきたい。
○砂田国務大臣 一番初めに私が留学生のことを聞きましたのは、日中友好平和条約調印以前、北京に出かける前の園田外務大臣から、中国が留学生受け入れをしてほしいという希望があるようだ、大体二百人ぐらいということだ、そういう準備をひとつ協力をしてほしいという話を聞きましたのが一番初めのことでございました 園田さんが出かける二、三日前であったと思います。それから後は、大変不確実情報として、五百という数字を聞きましたり、二千という数字を聞きましたり、一万という数字は公明党の渡部一郎さんから私は聞いたことがございます。しかしそれは、日本以外にも留学生受け入れの御要望を中国でなさっておられるようでございますし、世界各国に向かっての数字であるのか、何年間での数字であるのか、そういうことは大変不明確でございまして、そこで、政府が招聘をいたしまして十月三日から十三日まで日本に滞在をいたしました中国の教育次官を団長とする代表団、この代表団との協議の中で当然その数等が明らかになるものと考えて待っておりました。協議を進めております段階で、明確に何百というお話ではないのですけれども、いろいろな協議、話し合いが行われます中から私どもが推測いたしますのは、大学院段階の、中国の言葉で言われます進修生、私どもは大学院の研究生という名前で呼んでおりますが、それをできるだけ早い時期に四百人ぐらいをお考えになっておられるように受けとめたわけでございます。
○有島委員 その詳しい詰めというのは、今後一つの委員会のようなものをおつくりになるというようなことでございますけれども、そうすると向こうの意向として、いろいろな数字は出てきたようだ、というのは、私もいまの二千人というお話もどこかで聞いたように思うのですけれども、とにかく留学生を方々に出したいという意向、そういった意欲は意欲として長期的に十分こちらが受け入れておかなければならない、その問題と、それからこちらの受け入れられる限度でございますね、そういったことが必要だと思うのですけれども、いま四百人とおっしゃいました、この程度のことらしい、こうおっしゃっておりますけれども、四百人については十分これを受け入れられる、そういうふうに御判断になっていらっしゃるのだと思ってよろしいですね。
○砂田国務大臣 過去、いろいろ中国側との協議の中で、たとえば理工学系のというふうなお話はあったわけですが、いまどういう学校で教官をしてどういうことを専攻しておられるか、そういう具体の問題の御説明がまだないわけです。ですから、留学生を日本に受け入れてほしいというお気持ちはわかりました、日中両国の友好親善に資することでもありますし、アジアで日本か果たすべき役割りの一つでもあるという観点から受け入れましょうというこっちの積極的な姿勢もおわかりをいただきました。そういう総論は済んでいるのですが、いざ具体の各論に入ってまいりますと、中国の側でもまだ最終的に決定をしておられない、いろいろな問題が残ったわけです。そこで、合同委員会をつくって引き続いて協議をしていこうではございませんかということをこちらから提案をいたしました。その提案に対して、帰国後御返事をしたいということでございます。どういうふうに合同委員会が持っていけるか、今後、残った問題について協議を進めるについて、どういう時期にどういう形で合同委員会が持っていけるかは、中国からの御返事を今度は待っているところでございます。
○有島委員 この辺の兼ね合いのことにつきまして、これは一つの国際マナーといいますか、民間外交といいますか、その一番初歩の段階のところにいま文部当局としては突っ込まれているというように私は思うのですが、日本の尺度をもって、向こうの学生さんがどの程度の実力があるか、何をやってきたかといっても、これは答えがなかなか出てこないと思うのですね。日本の尺度で推しはかるものではないということはあると思うのです。しかし、そうかといってまためちゃめちゃであっては困るというようなことがあると思いますね。そこら辺の兼ね合いは、これは私は、二ヵ月、三ヵ月でもって結論がぴっちり出る問題ではないというふうに、少しおおように構えた方がよろしいのではないかと申し上げたいわけなんですよ。それから、日本の大学生にいたしましても、かつてはそれは学術のうんのうをきめるために大学に行って、そこで技術を学んだということもあるし、現在もそういったことはありますけれども、われわれの先輩たち、われわれの父親や祖父たちの年代の人たちが留学をした、これは確かに志を立てて行った。だけれども、それは必ずしもこっちの実力を認めたから向こうが迎えたとか、そんなことではないのですね。行って、やっぱり向こうでは相当大きな便宜を与えてくれたから、自分にちょうどいいようなところにもぐり込んでいって何物かをとってきたというような積み重ねが非常にあったのではないかと思うのですね。そんなに能率よくぴたりぴたりといったわけではない、初めのうちは。そういったことは、数年の間、うんとこっちは覚悟をしていてあげてよろしいのではないか。と申しますのも、向こうの国の方々が日本の国に来られて、それがこちらから見ると、余りこれでは留学された効果かなかったのではないか、これではただ遊ばせておるにすぎないではないか、こんなことだったらば何も日本の国に迎え入れなくても、その本国でもって十分学んでこられるべきことではないか、とかなんとかというようなことがいろいろと起こってこようと思うのです。そういった言い方をとかく日本側ではやりたがるのじゃないか、それが心配なわけです。だから、はた目から見るとかなりルーズといいますか、おおような迎え方をなさって、それが年限を経てだんだんに向こうの考えていらっしゃるレベル、こっちの言っているレベルというものが上がっていくというようなことを初めから御覚悟なさるべきではないか、そういうことを申し上げたいわけなのです。いかがですか。
○砂田国務大臣 お気持ち、わかるのです。私もそういう気持ちを持っているのです。ですから、積極的に受け入れますということを代表団に対しても、私が直接、冒頭にお目にかかってごあいさつをして、日本政府の姿勢を明確に御説明がしてあるのです。しかし、有島先生、一つお考えいただかなければなりませんことは、やはり十年先、二十年先の中国の各界各層のリーダーをお預かりをして教育を提供するという重要な任務を帯びるわけですから、余りおおようなことで済まして、一つ間違えるととんでもないことになります。逆にお話ししますと、理工系というものの電気をこの研究者には勉強させたいと中国側が思われ、御本人も電気を専門に勉強したいと思っておられる、それは電気なら電気の専門の勉強をしたいのだという御説明は少なくともなければ、そこをおおように構えて、電気ではなくてたとえば機械の学科に文部省が大学にお願いをして窓を開き、勉強を間違えたらとんでもないことになってしまいます。しかも、日本語の習熟度がどれくらいであるのかということもはっきりした御説明がないものでありますから、大学院で勉強なさる前にさらに半年日本で日本語を勉強をなさる必要があるのか、それともある程度日本語を習熟しておられて、大学が受け入れてくださってすぐ日本へみえて、翌日からでも講義が聞けるようなことででもあればいいですけれども、講義に出てみたのだけれども、教授の指導を受けてみたけれども日本語は何もわからない、こうなると、日本に対してその研究者はいい感じを持たないだろうと思いますね。私は食い違ったときのことを逆にいま申し上げました。そういうことがないように、準備を万全に整えて受け入れたいとしているわけなのです。ですから、あと残った問題というのも、いまの大学院段階の進修者についてもいま私がお話し申し上げたようなことを御説明くださいとお願いをしているわけなのです。今回その資料を持ってきていないから次の時期にというお答えなのでそれを待っている、そういうことを詰めていくための合同委員会だと御理解いただきたいと思います。
○有島委員 いまの大臣のお答えでもって、私は半分心配で半分安心しているわけなのですけれども、それは、向こうの要望というものを本当に探り探りだけれども、それにぴったり合うようにということをやりたい、これは大変いいことですよ。そのために万全の用意をしたい。万全の用意もいいのですけれども、それがいまの文部省流の万全というようなことになると、かえってぎごちないことになるのじゃないだろうかということをぼくは心配している。ということは、いま電気のお話が出ました。電気を学ぼうと思って来たのだけれども、これは日本側が、まだ十分でないことが来てみてわかった。わかったときには、こちらはいろいろな迎え入れのレパートリーをちゃんと広げておいてあげて、そしてその人が、本当に日本語をもっとやりたいと思うのだったらば、日本語を学べるようなところをちゃんと窓口を開いておいてあげる。あるいは、向こうは電気と思っていたことだけれども、こちらの方はもっと概論的なものをずっとやらなければならないということをお気づきになったなら、それに応じて、向こうの要求に応じていろいろなところに首が突っ込めるといいますか、そういう柔軟性を留学生の方々に相当大幅にお与えいただいた方がよろしいのではないか、そういうわけだったらここにいらっしゃいませというふうに。どうしてもかたく言っちゃって、こっちの大学でも、日本人だけでも相当混んでいるのだからそうわがままは言えませんというふうになりそうな感じかするものですから、その辺をもう少し、それこそゆとりのあると言った方がいいな、柔軟性のあるお計らいを、特にこの三年、四年の間は特にお計らいをやったらいいのではないか。それは準備がいいかげんでいいということを申し上げているわけではありません。準備は相当万全にやっても、そういういろいろなそごは起こり得る。そのそごに対して、向こうの要求をよくくみ取ってあげていろいろなチャンスを与えられる、そういったことがぼくは必要だと思う。これは、四百人ということは相当大きな人数でございますけれども。普通の日本の人たちであっても、いまは、一つの大学に入った、しかし自分の考えていることとは何か違う、だからほかのことをやりたいと思っても、単位の互換制という問題は制度としては開かれているけれども実際にはなかなか行われておらない、そういうようなことが日本の場合でもあるわけですね。今度留学生に対しては特にそういった点を配慮してあげるべきではないだろうか、そういうことを申し上げたかったわけです。通じますか。
○砂田国務大臣 留学生を受け入れるというのは大変重要な仕事で、十年、二十年、三十年と続いていくことだと初めから考えて当然取り組まなければなりません。そして、国と国との友好親善、これを踏まえて当たらなければなりませんから、やはり相互理解というものは絶対必要です。たとえば、日本では大学の入学選抜は大学の自治に関することであって、文部省が大学に言いつけてやることではないということを理解をしていただかなければなりません。こういうことを相当時間をかけて御説明をして、そういう理解をいただいたわけでございます。そして中国側からも、他の国からの留学生と同じ扱いをしていただいて結構なんだという理解のあるお返事もいただいたわけでございます。そうすると、大学が中国からの留学生を受け入れるかどうかを決定するについての材料の提供を求めているのであって、有島委員の言われます事前の準備の範囲の中である、私はそう強く確信をいたします。少なくとも不親切な扱いなんかは絶対いたしません。他の国の留学生についても同様なことでありますけれども、不必要に留学生につらい思いをさせるようなことは全く考えてないことなのであって、こういうことを勉強したいと思っておられるところへ大学と御相談をしてうまくはめ込むための資料、充実された勉強生活が日本留学中に持てるように、そのための事前の準備、整備のことを言っているのですから、有島委員のおっしゃる準備の範囲内であることは御理解いただきたいと思います。
○有島委員 次の問題に行きます。 宿舎の問題ですけれども、これも、向こうの人たちの生活慣習というのもございますね、そればかりを押しつけるのではなくて、やはり日本の習慣にもなじんでもらいたいということもございますね。その間のさまざまなニュアンスがここに起ころうかと思うのですけれども、いま中国の人に限ってというわけではございませんけれども、日本式のふすまといいますか、壁、窓、それから畳というようなものに非常になじまないという場合もいままでもあったわけでしょう。それでヨーロッパ式みたいな方向の方が何か落ちつくという方もいらっしゃったわけです。それから逆に、そうじやないところに寄宿したいというような御要望もあったようですね。 そこで、公団ないしは公営住宅は外国人に貸してはいけないことになっておるようですね。大臣は、文部省としては宿泊について大いにあっせんしていきますとおっしゃいましたけれども、公営住宅を使用さしてあげるというような点についても、あっせんなさる御用意がおありになるかどうか。細かい話だけれども、一つのネックになっておるようですから、お答えいただきたい。
○砂田国務大臣 公営住宅のことは考えておりません。
○有島委員 どうしてですか。
○砂田国務大臣 公営住宅外で、大学の学生寮なりあるいは国際教育協会等があっせんをいたします寮等で収容ができると考えているからでございます。
○有島委員 従来の留学生さんたちでもなかなかそうはいかなかった。いまもおっしゃった機関を通してのあっせんというのもなかなかうまくいっていないわけですね。そういった機関を通じなかったら何にもできないということよりも、かえってもっとフリーに、日本人並みといいますか、こういったところを開放することができればまた一つ新しい道が開けるんだと思いますもので、この際、そういった新しい方向を切り開かれてみたらいかがか、そう思って申し上げているわけです。
○砂田国務大臣 留学生宿舎については一般的には不足でございます。大学の寮等をふやし、国際教育協会が確保する寮もふやしていこう、こういう努力をすることにいたしておりますが、中国からの今回の留学生の寮等についても、こちらからもお話を出しておりますけれども、こういうふうにしたいという意思表示が今回の代表団との話の間には先方からなかったわけでございます。ありはしませんでしたけれども、それの準備をこっちとしてはしておかなければいけないと考え、いま検討しているところでございます。
○有島委員 いま申し上げたことも向こうとの話し合いの検討ではない、こちら側の話ですしね。だからそれはお考えおきいただきたい。住宅事情は非常に悪いから、どこの公営住宅だってみんないっぱいですよと言うけれども、必ずしもそうじやない。大変あきのできている公団住宅もあるわけです。それは通勤距離の割りには値段が高いとか、そういったことでもってあるいは買い取りにしなければならないとか、いろいろな問題がありましてあいているところがあるわけですね。だから、こちらがその気になればそれほど無理ではない、一つの新しい可能性を開くことができるんじゃないだろうか、そう思います。
○砂田国務大臣 有島先生、中国の今回のお話は、すべて中国で費用負担をして送ってこられる留学生でございますから、中国の留学生が日本に来て勉強する、その生活に立ち入るというのではないのですよ、干渉するというのではないのですけれども、どれだけの生活費を持ってきて勉強なさるのか、それを知りませんと公営住宅が提供できるかどうかもわからないことなので、それを伺っているわけです。これから持たれます引き続いての合同委員会の中で明らかになってくるだろうと思いますけれども、中国政府費用負担の留学生でございますだけに、そこら辺のところも私どもとしては承知をしてお世話をしたいと思っているんです。
○有島委員 そこら辺のところは、向こうが月に二十万円でもって来ている、一つのお金の枠で来ている、それならこれができる、向こうは十万円しか出せぬのだ、だからこれだけしかできない、そういうことにもなるわけですね。なるけれども、いままでの留学生はみんな住宅の問題で非常に不愉快な思いをしていらっしゃるということはもう御承知だと思うのですね。ですから、そういったような特例の道を開くといいますか、向こうが持ってきたお金というのがそんなに十分でなくても、ある程度のものは補助してその道を開いてあげる。それは、個人の住宅に入るということに補助をするのよりも、そういった留学生の場合には公営のもので措置をするということの方がずっと可能性があるし、すんなりいくであろうと思うのですね。そういうことを含めて私は申し上げているわけです。ひとつ御検討いただきたい。
○砂田国務大臣 大ぜいの留学生の方が住宅で不愉快な思いをしておられる、有島先生はみんなとおっしゃったけれども、私はみんなだとは思ってないのですね。大変いい環境の住宅を得て勉強している留学生もたくさんある。それから中国に対しても、いままで制度的に持っておりました国費留学生の道を閉ざしているわけではありません。日本の国費留学生として受けてくれというお話がありましたならば御相談に応じることとしております。そういう留学生が、たとえばどこかの大学に入ってその大学の寮を使う、当然できることです。しかし、今度中国が私どもに話しかけておられますのは中国政府の費用負担の学生のことであります。中国の留学生に限らず、世界じゅうから日本へ留学に来ている学生たちの宿舎について、このままであってはいかぬという気持ちは持っておるわけでございます。改善しようともしているわけでございますけれども、五十四年度の予算のことをいまここで明確にお答えできる時期でないものですから、努力をしておりますという程度にしかこの段階ではお答えができないのです。
○有島委員 私の言い方も、考え考え話しているからちょっと探り合いのようになって恐縮なんですけれども、留学生宿舎というのも一種の公費の宿舎でございますね。だから、留学生用の宿舎だというように決めないで、決まったものもあってもいいんですよ、だけれども、一般も使っている、日本人も使っている公費の住宅なんだ、そういうふうに、かきねをずっと開いてあげられるようにした方がいいのじゃないかという意味です。それならおわかりになりますか。——わかりにくいですか。留学生の方々にもいろいろな方がまたあって、なるべく留学生同士で一緒のところにいたいという方もいらっしゃるし、日本人と雑居といいますか、すぐそばに日本人と一緒にいた方が本当はいいんだ、そういうような方々もいるわけですね。そういった方々はそれじゃ勝手に私の経営の下宿にお入りなさいよ、こういうところでいままで突っ放してきたというようなことがあろうかと思うのですね。公費というのならばここで留学生としては受け入れます。そういうふうに何か一般と断絶しているというか、住宅の問題についてももっと扱いに柔軟性を持たしていかなかったら、この先ますます窮屈になっていくじゃないかということを一つ思います。それから、留学生自身の方の立場から考えても、日本は住宅難であるとは言うけれども、こういった公営住宅のようなものも少し割り安にして門戸を開いてくれればずいぶんありがたいというような声も事実あるわけなんですね。そういったようなことをこの際少し御検討いただきたいと言っているわけなんです。わかりにくいでしょうか。
○砂田国務大臣 もう一つよくわからないんですが、公営住宅とおっしゃるので私はすぐに住宅公団の住宅を思い浮かべてしまうんです。たとえば、そういう公営住宅は外国人に貸さないとか、そういうことは私率直に言って知りませんが、外国人にも貸すことができるんだということを前提にして考えて、たとえば国際教育協会が住宅公団がつくった団地の一棟を留学生のために開放をする、有島議員の言われるのは、留学生だけということじゃなくて一般の人も入れればと言えば、一般の人にも貸す、留学生にも貸す、そういう形のことをおっしゃっているんでしょうか。——もしも公営という言い方をするのならば、国際教育協会がいま駒場に寮を持っていますね。国際教育協会が持っている寮を別の場所に、もっと大きいものをつくっていこうという企画もまた私どもは持っているわけでございます。その費用はほとんど国の予算でやるわけですから、これも留学生のための公営の留学生宿舎と考えていいのじゃないだろうか。それから、補助を出しております国際学友会、これは日本語学校の人たちの寮でありますけれども、留学生だけではなくて、日本の同世代の人たちとの交流もしてもらいたいと思うことから、日本人学生も国際学友会には受け入れることにしているわけなんです。そういう交流を図っていくような宿舎ができていくことは私は望ましいと考えているので、そういう方向で留学生の寮、宿舎について拡充をしていきたい、こういうふうに考えております。
○有島委員 わかりました。大臣がおわかりにならない点は、公団、公営住宅に外国人は入ってはいけないという規約があるということを御存じなかったから、その辺を少し御研究ください。 それから語学の問題ですけれども、これもわれわれ、かねがね申しておりますように、語学の専修学校をもっともっとたくさんつくらなければならないんじゃないだろうかということをこの際また強く御提案申し上げておきたいわけなんです。留学生が来る。大阪にも東京にも外語大がある。そこにはどのくらい収容できるということもあるでしょう。あるいは私立でも上智大学というのがあるでしょうけれども、語学の専門学校を大学と並列につくるといいますか、あるいは大学の中に語学センターをつくるというようなことが今後もっともっと進められていかなければ、留学生を迎えるについても、あるいはこちらから留学生を派遣するについても、あるいは日本における語学教育ということでもってさまざま論議されていることから申しましても、これは来年度の予算にこうしろということにはあるいはならないかもしれませんけれども、そういった方向性のことをひとつ踏み出して何か具体的に始めなければいけないのではないだろうかと思うのです。その点の何か御用意はありますか。
○砂田国務大臣 これは全く同感でございます。来年度からでも踏み出すことにしております。
○有島委員 どこですか。
○砂田国務大臣 東京外語、大阪外語のいまあります日本語の教科課程をもっともっと来年度予算からでも広げていく、もっとたくさんの学生を受け入れられるようにする、そういうことも考えているわけでございます。
○有島委員 現在あるものを拡充していくということ、それは大変ありがたいことですけれども、もう一つ、その種のものをもっとたくさんつくっていく、そういうことなんです。だから、あるいはどこかの大学にある語学センターを他にも開放してあげるとか、そういうようなことが何か行われていかなければ、外国人に日本語を教える問題にしても、日本人が多くの国々の言葉を学んでいくことにしても、これをどこかの大学で抱え込む、各大学で抱え込んだりなんかすることはとてもとてもできないことでございますから、大阪と東京だけじゃなしに、そういった外語大学をもっとつくっていくということの準備をお始めになるべきじゃないかと思うわけです。
○砂田国務大臣 いろいろな国立大学も日本語の授業をやっているわけです。私立大学もまた、自分の大学に入学を許可した留学生に対しての日本語の補習をやっているわけです。国立大学に対しても、東京、大阪の外語だけではなくて、これを拡充をする。それから私立の大学も当然拡充をされていくでありましょうし、御自分の学校に入学を許された人たちだけを対象にするのではなく、もっとこれの幅を広げていただくようなことも話し合いを進めていきたいと思っているわけです。東京外語、大阪外語というのは例示的にお話をしたわけでございまして、これはよほど拡充をしていかなければならないことでありますから、当然私どももそういう方向で努力をしよう、こういうふうに考えているわけでございます。
○有島委員 その努力をひとつ具体的に、何か語学教育に関しての研究機関といいますか、そういったものでも御発想をいただいて、いましきりと東京、大阪の話が出るけれども、各県に一つくらいあってもいいわけですね。医学部ではないけれども、そのくらいの勢いでいったならばいいのじゃないだろうか。と思いますのは、一番最初に総論として大臣言われた各国ですね、全方位ですか、というようなことを考えますと、当然これは各国の言葉をわれわれが学ばなければならないということがずいぶんあるわけです。これはわれわれの世代ではとてもしようがないけれども、いまからそういった努力をしなければならない、その一つの契機にいまなっているんじゃなかろうか。砂田大臣が任期のおありにある中でそういった痕跡を一つ踏み出されたらどうかと私は申し上げたいわけなんです。だから、来年度の中にひとつそういった準備の機関を、これはそれほど予算を別枠でもって新たにとらなければならないという問題じゃございませんから、何かそういうことをお始めになるべきじゃないかということを申し上げたいわけです。
○砂田国務大臣 さっきも申し上げましたけれども、母国語別の日本語の勉強の研究ももちろんいたしております。こういうものを、それぞれの日本語を習熟するための教科の中で生かしていこうとしているわけです。五十四年度で取り組もうとしていることをいま具体的に説明しろとおっしゃっても、ちょっとまだ明確なことをお答えできる時期ではないものですから、有島委員御主張の、留学生に日本語を習熟してもらうための施設なりそういったものを拡充していくということは同感でございますから、その方向で努力をいたしておりますという抽象的なお答えしかきょうの段階はいたしようがないので、お許しをいただきたいと思います。
○有島委員 留学生問題、これは時間がもうなくなっちゃうからやめますけれども、ドイツなんかの場合ですと、夫婦でもって子供を連れて留学というようなことをちゃんと受け入れてくれる制度があるようでございますね。日本でもこういったようなことを、ということは、相当年輩者の学者を受け入れてあげるというようなことが今後考えられなければならないと思うのですが、いまは日本にはそういった制度はもとよりないと思うのですが、こういったことについてはどう考えていらっしゃいますか。
○砂田国務大臣 ドイツのフンボルト財団の招聘を受けて日本の若い科学者が御夫婦で当地へ留学しているのがたくさんあるわけです。大変な長い歴史がありまして、日本の学界のそうそうたる地位を確保しておられる方もたくさんいるわけであります。こういうフンボルトの例を見ましても、わが国も来年度からは研究生の受け入れの道を拡充しようとしているわけでありますけれども、そういう方向へ向かわなければならないと私は考えております。
○有島委員 向かっていただきたい、そういうわけです。 これで留学生の方の話は切り上げまして、防災問題と教育というようなことで少し話をし合いたい。 中央防災会議の方、来ていらっしゃいますか。——最初に、大規模地震対策特別措置法、それかどういった前提でできているのか、ちょっと御説明いただきたい。
○城野説明員 御説明申し上げます。 大規模地震対策特別措置法という法律でございますが、この法律は、大規模な地震が発生いたしますと国民の生命、財産に非常に大きな損失を与えるということは歴史的事実が証明しておるわけでございますが、最近、地震の発生のメカニズムと申しますか、発生の前兆現象をとらえる科学的な観測と申しますか、そういうようなものが逐次充実してまいっております。まだ遺憾ながら、日本全国どこでも、どのような規模の地震も、発生の前兆をとらえるというには至っていないのでございますが、マグニチュード八程度、年に一つ世界で起きるか起きないかという大きな地震の、しかも太平洋沿岸で歴史的に繰り返し起こっているという、そういう特別なものにつきましては特に緊急に観測網を充実し、二十四時間の観測体制をとることによりましてその前兆現象をとらえ、その前兆がございました場合に、あらかじめ用意されたプログラムと申しますか、地震防災体制をとることによって国民の生命、財産というものの地震による被害を、発生そのものはとどめられませんが、最小限度にとどめようというのが法律の趣旨並びに前提でございます。
○有島委員 東海に関してでもいいし、関東についてでもいいですけれども、大臣、地震は来るかもしれないけれどもいつ来るかもしれないというふうなせりふがあるわけですね。逆に、いつ来るかもしれないけれども地震は必ず来る、こういうふうな認識の仕方がまず日本に住まっている限り前提になっていなければならないと思うのです。だから、文教政策の総帥でいらっしゃる大臣が、日本の子供たちは必ず来る地震の前にさらされているんだ、そういった意識を持っていただけるかどうか、これを第一番に伺っておきたい。
○砂田国務大臣 地震に限らず、災害はいつ来るかわからないものだと考えております。
○有島委員 いつ来るかわからない。いつ来るかわからないけれども来るんだと仰せられるのか。大概いままではいつ来るかわからないで逃げちゃったわけです。いつ来るかわからないものに対して余り神経質になるのはばかばかしい、もっと当面の問題がございますということでいままで来たのだと思うのです。大規模地震対策特別措置法というのは地震が必ず来るという前提のもとにまず立たなければならないわけですけれども、さっきおっしゃった、いつ来るかわからないが必ず来る、それは大臣がまずお認めいただきたいわけです。
○砂田国務大臣 きわめて正確に言えば、必ず来るというのは間違いではないかと思います。心情的には、必ず来るという心情を持って対処しなければならないというのが正確なことだろうと思います。
○有島委員 国土庁さん、いかがでしょうか、日本の国にいる限り、大地震は必ず来る、ということはないとおっしゃるのか、これは科学的に。大臣のいまのお答えをあなたに聞いては少し酷かもしれないけれども、国土庁としては、必ず来るという立場でもって対処していらっしゃるのでしょう。いかがですか。
○城野説明員 御説明を申し上げます。 地震の災害というのは台風の災害と異なりまして、台風の場合は南の方から発生してきたものが日本列島を縦断するというような形で全国に災害を及ぼすわけでございますが、地震の場合には、その発生源というのがきわめて場所が限られていると申しますか局限的でございまして、日本全国を見ますと一日当たり何十かの地震は起こっておりますけれども、それは非常に小規模な地震でございまして、地表面に生活しておるわれわれの生活に影響を与えるような地震と申しますのは場所が非常に限られている。それからある程度場所によりまして周期性があるということで、われわれの方としてはその発生を予測すると申しますか、準備をするということでございますが、地域的な点で申しますと、たとえば北九州でございますとか北海道の中部でございますとか岩手のところでございますとか、有史以来地震が起こったという観測がない地点もございます。
○有島委員 では具体的に申しましょう。関東に限って言います。大臣、どうお思いになるか。関東に限って言えば、大地震は必ず来ると覚悟しなければならない。関東にいる子供たちに対してはそうした覚悟でもっての一つのマナーを与えなければいけないと私は思うのだけれども、大臣、いかがですか。
○砂田国務大臣 有島委員がおっしゃるとおりに、地震は必ず来ると有島委員はおっしゃっているのじゃなくて、来ると思わなければならないとおっしゃっている、私もそういうふうに考えます。
○有島委員 それで、この間の宮城県沖地震についてさまざまな反省がなされたと言われておりますけれども、文部省としては大体どんな反省をなさっていたのか、アウトラインを言っていただきたい。
○三角政府委員 宮城県沖地震によりまして、学校施設面といたしまして被害が千四百十三件、被害総報告額として約八十一億円の金額になっております。被害の内容は、火災が二件、校舎の全壊二校、半壊十五校、その他壁の亀裂でございますとか屋根がわらの落下、それから工作物の損壊等がございます。 施設は別といたしまして、人身の被害といたしまして、児童、生徒の被害が死傷者十三名でございますが、そのうち八名が、自宅付近などで倒壊したブロックべいの下敷きになるといったような事由で死亡したという結果が出ておるわけでございます。 私ども、学校の建物を堅固な耐震の構造にするような研究並びに指導は従来からも行ってまいりましたが、また今回のこの地震によって得られましたいろいろな調査結果や教訓をもとにして、さらにその研究指導を深めてまいらなければならないというふうに考えておる次第でございます。 なお、火災につきましても、化学の実験室等でたまたま実験中であったというようなこともございますが、薬品が混合したというようなことで火が出るというようなこともございましたので、こういった薬品類の管理についても、今回の事例を教訓として、今後その方法について十分綿密な配慮を加えていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。 なお、児童、生徒の痛ましい被害でございますが、これは学校管理外における被害ではございましたが、ブロックべいの倒壊による圧迫によって死亡したということが非常に多かったわけでございますので、私ども、学校の建築におけるへいでございますとかあるいはその他の工作物につきましても、十分に地震に耐え得るような構造にすると同時に、土台、基礎等もしっかりしたものにして、工作物等が地震によりまして倒壊したりしないように、そういった方法につきましても今後の指導内容の中に加えてまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○有島委員 お聞きのように、大臣、学生さんや子供たちを含めて十三人の死者が出た。比較的人数が少なかったとは言えるわけですけれども、関東大震災なんかのときも、一番最初の大体一分か二分くらいの間、その間ないしはそれから五分ぐらいの地震そのものによる死者というのは二千名だと言われています。今度は町そのものが東京のような大きな町ではなかったということもございますけれども、いまの御説明で亡くなったお子さんは十三人と言うけれども、このときに重傷、軽傷、これはどのくらいになっていますか。
○三角政府委員 十三人のうち八人が死亡でございまして、その他の残る五名がいわゆる重傷でございます。八人の内訳でございますが、自宅付近などで下校後、倒壊したブロックべいの下敷きになって死亡した者が七名、それから、これは詳しい状況はわかりませんが、余震によるショックで何か数日後にお亡くなりになったお子さんが一名ということで、死亡が八名でございます。
○有島委員 それはちょっともう一遍調べ直してくださいませ。私の手元の方のデータとはちょっと違うようです。ブロックべいでもって亡くなった方というのが十数名おられたわけなんですけれども、そのブロックべいの死傷者の半分以上が小学生であった。ところが小学生も一年、二年、三年、四年生まででございまして、五年生、六年生というのはなかったということがあります。それから重傷、軽傷はもっとたくさんあったはずなんです。 そこで私が問題にしたいのは、重軽傷でもって助かったという人と不幸にも死んじゃった、亡くなったというところですね、この差は一体何であったかということです。これは頭をやられなかった。それから一人だけ内臓破裂というのがございましたけれども、要するにほんのちょっとしたところでもって生きるか死ぬかということが、災害、特に地震の災害のときには非常にシャープにあらわれる、こういったことを今後の一つの教訓にしていかなければならないんじゃないかと思ったわけです。 それからもう一つは、亡くなった方もあったけれども、けがをした方々をではだれが救い出して病院に連れていってくれたかという問題ですね。これはそこの学校の先生が連れていったわけではない、あるいは警察、消防が連れていったわけでもなかったわけです。やはり通りがかりの人であり、ある場合には友達でありというようなことですね。ですから、その直後にもうほんのとっさの判断といいますか、そしてそこに助け合いというようなことが起こってくるわけですね。起こらなければ死んでしまうわけです。というようなことが地震のあの場で起こったわけです。 それで、これは後から考えてみればあたりまえのことだし、そんなことはどの地震でもあったことであろうと思うのですけれども、いままでの文部省が指導していらっしゃった安全教育の中には地震、火災というような問題もあるいは入っていたと思うのですけれども、そういうところには一番の大切なところが欠落しているんじゃないか。今度の宮城沖地震で私の得た教訓といいますかから考えまして、非常に不十分であるというふうに私は思ったわけなんです。それでその点はひとつ大いに修正をしていただかなければならぬのじゃないだろうかと思うのです。それをひとつそういう向きで御検討をいただきたい。いかがでしょうか。
○柳川政府委員 先生御指摘の安全指導の問題でございますが、特に地震等の災害時における避難あるいは適切な対応につきましては安全指導の手引きで詳細な留意点を指示し、また具体に宮城県におきましても安全読本を各学校に配付いたしまして安全指導の徹底と、また具体の避難訓練も行ってまいっております。 その安全指導の目標、内容の中で、いま先生が御指摘の、たとえば一、二年生につきましては、まず頭部の保護ということに十分注意する、あるいはそのためには机の下にもぐるとかいう訓練をさせておるわけでございますし、また上学年に至りましては、みずからの安全を守るほか、他の人々の安全にも心を配るというような点にも留意した指導をいたしてまいっております。宮城の地震の際は、時間帯もございまして学校内における事故は幸い発生いたしませんでしたが、通学途上あるいは自宅の周辺での遊びの中で、倒壊するへいに近寄らないように注意、指導はしておるわけでございますが、ブロックべいの倒壊ということからかなりの犠牲者を出したということで、これまた従来の指導のある面では、へいの倒壊は注意してまいりましたがブロックべいの倒壊について新しい経験であったというような反省をいたしておりまして、さきに主管課長協議会ですでにこの面の事例をもって注意の指導の徹底方を御依頼いたしましたし、また来月全国で安全教育の大会がございますので、その際はいま先生御指摘の点を十分留意いたしまして、趣旨の徹底を図ってまいりたいというように考えております。
○有島委員 大臣、この指導書によりましても、あるいはいまの体育局長からお話があった副教材というようなもの、学校で各生徒さんの家庭に副教材というようなものをお渡ししている、それによって平素からいろいろなことを訓練するというようなことになっておりますけれども、その一番主たるものは学校から避難をするということが主になっているのですね。ごらんになってみてください。避難をしていくということについてはいろんな状況がありましょうけれども、その災害があってから十五分なり三十分なり一時間なりたってからの問題ですね。それからいまの頭部を守る、机の下に入るというようなことがありましたけれども、これもなかなか一律にいきませんで、あるところでは机そのものが動いてしまってかえって危険であるというようなこともありましたし、それから子供たちは必ずしも学校にいるわけではないしというような、いろんな場面もあるわけです。 そこで、とにかく通じて言えることは、ぐらっと来たときには各自のほとんど動物的な判断、あるいは体力といいますか、そういうものが一番問題になってしまうわけですね。それで、いままで教育と申しますと、大概心身の発達に相応じてかくかくのことをしていくというのがすべて教育であったと思うのです。先ほども、英才教育のことも出た、あるいは平等という話も出た、でございますけれども、災害という問題を一つ前提として教育を見たときには、災害というのはその年齢に応じて来るわけじゃないのです。ほとんど無差別に来て、本当にその場の自分の生命力ということが問題にされる、そういう厳しい場が一つある。その厳しい場を一つ設定して、そこに体力の問題もあれば、お互いの助け合いというのは、安全教育というか道徳教育といいますか人間教育といいますか、そういう問題がそこに集中的に含まれてくる、そういう問題に相なろうかと思うわけですが、そういった面で、ひとつこの安全指導にいたしましても、今後防災教育という科目を立てられるかどうか、それはまた別なんですけれども、ぜひとも新しい視点であるということをお気づきいただきたいと思うわけなんです。いかがでしょうか、大臣。
○砂田国務大臣 災害はいろんな態様で襲ってくると思うのです。災害に遭います子供たちの場合でも、教室でぶつかることもあるでしょうし、校庭でぶつかることもあるでしょうし、また宮城沖地震のごとく学校から帰ってからぶつかることもあるでしょう。しかし、いずれにいたしましても、各人がとっさの場合に自分自身で安全な行動がとれる、そういう能力を持たせる、自分のことを自分でやる力をつけさせることは一番基本的に大事なことじゃないかと思いますので、有島委員の具体的な御提案もございましたので、十分このことを踏まえて検討させていただきたいと思います。
○有島委員 大いに検討していただきたい。そうして、その検討が今度は家庭の教育、そこにしみ通っていかなければならない。と申しますのも、いわゆる過保護の子供たち、過保護という定義はさまざまでしょうけれども、ちょっとけがをしてもだれのせいだというようなことを問題にされるというような、われわれが子供のときにはとても想像できなかったような親御さんたちの配慮というものが一般的になっておるという中にあって、平素から余り過保護な子供というのは、そういったいざのときには対応力がかえって鈍いというようなことが重々あろうかと思うのですね。今度は家庭教育といいますか、家庭のしつけの中にそういうような防災という見地がさらにしみ通っていかれるような、そういうような配慮もひとつやっていただきたい。いかがでしょうか。
○砂田国務大臣 すでに自分のことが自分でできる子供ということを私はお答えをいたしました。過保護というような環境の中からは、自分のことが自分でできない子供さんができてきているわけでございますから、自分のことが自分でできる、そういう能力を持ったお子様への教育指導、学校教育だけではなくて、家庭教育の場でも当然これは必要なことであると考えております。
○有島委員 いま申し上げていたのは大体人間の方の面ですけれども、もう一つは、学校の施設、設備という面から考えていってみたい。時間があればいろいろな例を挙げていただこうと思っていたのですけれども、いままでいろいろな災害がございました。その災害のたびに、だれが教えたわけじゃないのだけれども、その災害に遭った方々は学校に集まってきてしまうわけです。そうなりますと、学校というものが実際の災害時における防災センターといいますか救援センターというか、そういうような機能をいままでも果たさざるを得なかった。広い場所を持っている、あるいはあいている部屋がたくさんあるというようなこと、あるいは医務室もある、あるいは給食の設備もあるというようなことですね。それで、ことに大規模災害というようなことになりますとあちらでもこちらでも同時に多発のいろいろな災害が起こってしまうわけでありまして、そのときに頼りになるのが学校だという意識が大都市の中では非常に大きいということを大臣もひとつ御認識をいただきたいわけなんです。確かに公園なんかはいいわけなんですけれども、公園というのが日本の国ではまだ十分ない都市が多いわけでありまして、またそこまで行くのには非常に距離が遠いというようなこともあるわけです。大体小学校というのは子供たちが歩いていかれる距離にあるというようなのが普通のようですから、そこを一つの頼りになる拠点にされてしまう、あるいは防災のセンターにされてしまう、頼りにされているのだということをひとつ御認識いただきたい。いかがでしょうか。
○砂田国務大臣 学校が、施設の安全性や広さなどの面から、地域社会から災害時の一時避難の場所としての役割りが期待されておりますこと、お役に立ってまいりましたことについても十分認識をしております。この場合、学校を地域の一時避難所として位置づけるかどうかというのは、これは災害対策基本法に基づいて市町村が地域防災計画の中で決定をされるべきものです。文部省としては、災害時において学校が地域社会のために一時的に活用されることは当然なことだと考えております。したがって、文部省としても、学校が災害時において地域住民の一時避難場所とにして使用されることを考慮いたしまして、木造等の危険建物の改築を進めますとともに、施設の整備に当たりまして耐震性あるいは防災面に留意いたしますほか、既存の施設についても、防災面からその点検整備に十分意を用いるように設置者に対して指導しているところでございます。いままで、従来五年計画と言っておりました危険校舎の解消を三年間でやってしまおうと昨年の暮れに決心をしたのも、こういうことがまたあるからでございます。
○有島委員 厚生省の方来ていらっしゃいますか。——保育所だとかそれから老人ホーム、これも、学校とは違う意味なんですけれども、あそこからはどこかもっと安全なところに逃げようというようなことにはなかなかなりにくい。かえって、そこに保育所があったとすれば、近所の家の人があそこの保育所にうちの老人を預けよう、そうして身を軽くして自分は町を守ろうというようなことが起こってきやすいと思うのですね。同じような配慮ですね。保育所だけは逃げなくても大丈夫、老人ホームだけは大丈夫、こういうことが十分配慮されなければならないと思うのですけれども、いかがですか。
○山内説明員 お答え申し上げます。 端的に申し上げますと、特に保育所の場合、小・中学校と比べますと、実は建物の現状がまだ依然として木造建築が四割程度ございますというようなこと、あるいは遊び場の広さというのもございます。実はある地域では、老人ホームなどが、先ほど先生もちょっとお触れになりましたような応急の場合の炊き出しセンターとして信頼でき、かっ期待できないかというお話がございますので、若干検討はしておりますが、特に老人ホームになりますと中にいらっしゃるお年寄りの万全を期するという点から、どの程度地域に御協力できるか、限界もあろうかと思いますが、小学校並みに地域防災計画で位置づけるということについてはやや程度論があるかと思います。が、せっかくの御指摘がございますので、保育所につきましては少し検討さしていただきたいと考えております。
○有島委員 消防庁の方、来ていらっしゃいますか。——そうしたような一時避難所というように指定されているという場合もありますし、まだ指定はされていないけれどもほとんど当然のように頼りにされてしまうというところがたくさんある。その際に、本当はそこに消防の自動車が二台か三台横づけになっていてくだされば大変心強いであろうと思われるわけです。ところが大震災の火災のときにはそんなことは望むべくもちょっとない。自動車の台数が足りないでしょう。ということになれば、もしそこにポンプ車が張りついていてくれるということてあるならば——車は要らないわけでありまして、平素からそこにポンプを設置しておく、学校や何かには相当の力のあるポンプを設置しておくということが、これは将来というのか、これからも望ましい行き方であるというふうに私は思うのですけれども、消防庁の方のお考えはいかがでしょうか。
○大竹山説明員 御承知のように、消防の使命は国民の生命、身体及び財産を保護するというふうになっております。たとえば震災が発生いたしました場合には、先ほど先生もおっしゃいましたように火災が同時多発する。この場合は消防団とか自衛消防という力を整備することが非常に必要だというふうに私ども考えております。ただ、学校に設備して常時学校の生徒とか職員、いわゆる一般の方を使うということは、一般人の生命、身体に危険を及ぼすおそれがあるものですから、その辺を十分踏まえまして、現在火災の態様も非常に複雑になっておりますので、そういうことで、非常に有益な御提言なんですけれども、今後十分に検討を加えてまいりたいというふうに考えております。
○有島委員 昔はポンプというのは非常に高価なものであったのじゃないかと思うのです。それを大切にして車に積んで歩いたということはあるのです。いまだって高価かもしれませんけれども、その気になれば、各学校にその広さに応じて相当強力な消火器具を備えつけることは可能なわけです。それほどのお金にはならない。それはむしろ積極的に義務づけていくということが大切だと思います。 それからもう一つは、東京の学校の場合でも消火器のついている学校がございます。ございますけれども、その消火器は訓練のときも、もったいながっているせいかどうか知らぬが、余り使わないですね。それを操作できる先生たちというのはいないですね。飾り物のようになっておるという実態もあります。けれども、いまここの話の大前提になっております。災害というものは必ずあるというふうに決めてかからなければならないということから出発して、一時避難所ないしはそう目されるであろう学校には相当強力なポンプを必ず設置する、そういうふうにひとつ踏み切られたらどうか。文部大臣、いかがですか。いま消防庁からは、消防の方法としてそんなふうなことは望ましいというお答えがあったわけですけれども、いかがでしょう。
○砂田国務大臣 大変重要な基本的なことだと思うのですが、学校の防災、防火のための施設は学校で備え、日常からその訓練はしておかなければならないことでございます。そのことは十分念頭に置いてやってまいります。学校以外の地域社会の防災、防火はやはり市町村責任に相なっておりますので、学校と市町村の間の協議が必要であろうと思います。
○有島委員 学校が学校をみずから守るというのは、これまた一つ当然のこととしてあろうかと思います。それからもう一つは、近所まで焼けてきたものが学校があるから食いとまった、そういうようなことが必要になろうかと思うのです。ですから、学校の周囲百メートルくらいの範囲は学校の持っているポンプでもって結構その延焼を食いとめることができるということは、ちょっとした配慮でもって十分可能であろうと思うのです。と申しますのは、学校のプール、この普及状態もさっきお調べいただきましたけれども、大体二百トン、三百トンの水はあるわけでありまして、これをちゃんと活用できれば相当な消防力ができるわけです。文部大臣が席を外されたときのお話だったのだけれども、同時多発の火災が少し広がってきたという状況が想定されますと、平素は非常に力強く動いてくれていた消防自動車やあるいは地域の消火隊というような方々もその力を分散してしまわなければならなくなる。集中化してどこか守ってくれるというわけには当然いかないわけです。そうすると、やはり学校がみずからを守る、それから学校が中心になってむしろ積極的に町を守っていくのだというくらいの、そういうことが今後要求されてきてしまうと思うのですね。昔、小学校や中学校は村の中の一つのコミュニティーのセンターであったということがありますけれども、その後ややそういったことが変わってきて、学校が一つの聖域のようにされてしまった時期があった。だけれども、校庭開放や何かでまた再び学校がいろいろなふうに活用されているということはあるわけですが、本当にいざというときになった場合には、コミュニティーセンターであるというその機能がどうしてもまた再び大きく機能しなければならない。そういうことにこたえていくのだという学校の構えといいますか、校長さん方の構えといいますか、そのものが今度は子供たちに対しても大きな影響をまた与えていくのではないか、そういうことも考えられるわけです。ですから、このことはひとつ積極的に進めていっていただきたい。時間がもう過ぎてしまいましたから私はこの辺で終わりますけれども、最後に大臣の御所見をもう一言聞かしていただいて終わります。
○砂田国務大臣 施設としては学校設置者であります市町村、防災計画を立てなければならない責務もまた市町村、有島委員が御指摘になりましたコミュニティーの中での責務も受け持っていく、そういう意味での学校ということでありますから、やはり市町村の防災計画の中に小学校のプールの水をというようなことも当然取り入れられていなければならないと私は思います。そのことを学校の教員の中にも十分理解をさせていくということは大切なことであろうと思いますので、そういう方向で私どもも指導してまいりたい、かように考えます。
○有島委員 一言つけ加えますけれども、防災器具、いま町で使っているポンプだとか、あるいは今後いろいろな器具がまた出てくるかと思いますけれども、そういうものの置き場に困っている場合があるのですね。何もかも学校に置くというわけにいきませんけれども、ある場合には、学校にさえ行けばあの器具があるというので、とっさにそれを使わしてもらうということも起ころうかと思います。もう一つは医療、特に薬品ですね。薬品は各家庭にもありますけれども、やはり学校に行けば十分なものが相当備蓄されておるということも今後は期待されるだろうし、その扱いとして、薬が古くなったならばかえなければならないことも起こるだろうし、いろいろ厄介なことが起こってくる。いままでの教育以外の厄介なことが起こってくるということがあろうかと思うのですけれども、いま大臣のお答えがあったから、安心して、地域の学校管理者たちもそういうことをいやがらないで積極的にやってくださるであろうし、それを期待することができるだろうと思います。また、それを進めていく人たちが、本当のことを言うといままではとかく学校といいますと遠慮していたのです。学校側も、そんな地域の防災会議にはなるべく足を踏み入れないようにしているところが多かったわけです。きょうの大臣のお答えで、これからはみんな積極的に行くだろうと思いますので、それを期待してこの質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○菅波委員長 中野寛成君。
○中野(寛)委員 まず最初に、東京大学医学部付属病院精神神経科の問題をことしの春にお尋ねをいたしましたが、その後の経緯を含めまして今後の対処の仕方についてお尋ねをしたいと思います。 会計検査院が九月二十九日に是正改善の措置要求を発しましたが、これについて当然文部省としても御存じだと思いますし、これに対して文部省はどのような立場に立つわけでございましょうか、まずお聞きをいたします。
○佐野政府委員 九月二十九日付で会計検査院長から東大学長に対して発せられた文書については十分に承知をいたしております。七月の初めに会計検査を実施をされて、それに基づいて改善の要求をされたものでございますし、そこに指摘されております事柄は、これまで文部省が東京大学に対してかねて改善方を要請をしていたことと一致をするわけでございます。東京大学がこうした指摘にこたえて、できるだけ早期に精神科病棟の状況を正常化するような努力をさらに前に進めるように、私どもも指導を継続してまいりたいと考えております。
○中野(寛)委員 文部省はことしの春以来、多くの努力をしてこられたことは私も承知をいたしておりますが、その間、六月末までに正常化のめどをつけなさいと大臣が期限を切って申し入れをなさったこと、それから、十分な正常化の成果が見られない場合にはこの十月から予算を凍結することの措置をおとりになる旨発表され、その措置をとっておられること、これらにつきましても存じておりますが、今日までの経緯の中で、東京大学精神神経科病棟は正常化されたのでしょうか、されつつあるのでしょうか、全くそのままなのでしょうか。どうお考えでしょうか。
○佐野政府委員 事態が完全に正常化をするということは、先般も大臣からお答えを申し上げましたように、一つは、精神神経科病棟の施設、物品が大学当局の管理のもとに入る、もう一つには、病棟における患者に対する診療が他の診療科の場合と同様に付属病院の職員によって行われる状態が確保されるということ、もう一つは、病棟において学生の臨床実習ができるようになる、この三つが確保をされて、さらに現在欠員中の教授、助教授の選任が行われる、このような対応がとられて、外来病棟を合わせた精神医学講座全体の運営が正常化されて初めて東大の精神科の状況は正常化をされたと言うことができると思います。われわれが六月末を目途として正常化の実を上げてほしいということを要請したことは、こういった正常化に向かって、少なくとも病棟の施設、設備等の管理正常化のために管理責任者が必要に応じて病棟内に立ち入る、そういう状態を確保する、これは他の診療科の場合と同じような状態を確保する、さらに、精神医学講座を分担する教官、いわゆる分担教官が患者の診療に当たる、患者の診療をチェックをする体制をとる、こういった正常化に向けての方向が具体的な事実をもって示される、そのことを求めたわけでございます。 六月の段階で学長から文部大臣に対して、施設、物品については必要な調査、点検を進めている、それから、診療教育については診療会議を通じて円滑な実施を図りつつある、さらに、診療、教育を適正に行うために助手、非常勤講師各一名を任命し、それらを通じて責任体制を確立しながら、できるだけ早い機会に教授、助教授を任命するように努力をする、そういった報告がございました。 今日までのところ、病棟におきましては、施設、物品、図書については会計検査院による立ち入りの実地検査が実施をされておりますし、東大の担当職員が調査、点検を終わっております。図書等につきましては、外来と病棟の双方で利用できる体制がとられております。また、診療の面では、診療会議が恒常的に開催されまして、分担教官による病室への立ち入りを含めて、診療状況の把握ということについて鋭意努力が重ねられております。九月、十月の診療会議から、カルテに基づいて入退院患者の病状等に関してチェックが行われることになったということは、一つの見るべき前進であろうと思います。臨床実習の面では、十一月に患者の野外治療のためにバス旅行が計画されておりますけれども、これに学生を参加させるということで準備が進められております。さらに、会計検査院の御指摘もございました、外来患者で入院を必要とする患者については、当面分担教官が診断した患者の中から漸次実施に移していくという方向も出てきております。そういうことを通じて、従来の東京大学がとってきた診療会議等を通じての診療、教育面の正常化ということがある前進を見ているということは、私たちは評価をいたしております。しかし、現在の事態が他の診療科と同じような形で正常化されているとは判断をいたしておりません。大学当局がさらに、教授、助教授の任用を含めて、今後の正常化のステップをどのように切っていくのかをはっきり目途として定めて、それに従って事態を進めていかないと、いまのような形での努力が重ねられていることは認められますけれども、さらに事態を大きく変えていくということにはならないのではないかという心配も持っております。
○中野(寛)委員 先般文部省が会計検査院に出しました回答の要旨、いまの御報告の中でございました。それでは、その幾つかの問題について、果たしてそれは解決へ向かっていることなのかどうか、このことについて若干お尋ねをしたいと思います。 ことしの春、私がお尋ねをいたしました、そのことに対して佐野局長が、不正常なことを維持しながら人員、施設の拡充をするといよいよ不正常になる、占拠状態の強化、補てんであってはならないとお答えになりました。さて、先ほど御説明がありました、昭和五十三年六月、助手一名を採用し、分担教官の指導のもとに診療が行えるようにしたということですが、その助手一名採用された方はどういう方でございますか。そして、その方に分担教官はどのような形で指導をされているのですか。本当の指導が、実質的に指導がなされているのでしょうか。
○佐野政府委員 採用された助手は森山公夫氏でございます。これはいわゆる精医連の責任者として活躍をしていた人物でございます。もちろん、助手として採用したわけでございますから、分担教官が森山助手について通常の診療科等におけると同じような指導は行っているわけでございますし、先ほど申しましたように、入退院患者についてのカルテによる症例のチェックというようなことも進められるようになっているわけでございます。ただ、われわれは依然として、先般もお答えをいたしましたように、病棟の正常化を進めていく場合に、従来の不正常の状態をそのまま、いわば公認をしていくというような形では真の正常化にならない、そこのところはきちっとけじめをつけてほしいということは、大学側に強く望んでいるところでございます。
○中野(寛)委員 精医連の委員長、こう言えば大変聞こえはいいわけでありますが、それはすなわち、まさに、大臣が以前におっしゃいました、不当なあるいは不法な状態をつくった、その最高責任者ではないでしょうか。過激な状態のもとに現在の、東大精神神経科病棟を占拠し、そして国民の財産を本来の目的でない状態に破壊してしまった責任者ではないのでしょうか。先般文学部で火事が起こりました。火事が起こった場合は、学生に賠償請求をするという文学部長等の意向が新聞紙上に載っておりましたけれども、火事ではなくて、実際に自分たちのそういう活動の中で多くの被害を具体的に出した、その責任者はこうして登用されていくのでしょうか。大学当局の人事権に介入しようとは思いませんけれども、このやり方が果たして正常化の道を一歩進めたと判断していいのだろうか。そのことについてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○佐野政府委員 森山助手の採用については、東大医学部はもとより医学部の中で十分に議論をして採用を決めているものでございます。また、精神科病棟をめぐっての長い間にわたる不正常な状況というのが、必ずしも文学部における火災あるいはその背景となっている学生の座り込みと同一に論ずることのできないものを持っていることは私も認めますけれども、精神科病棟の事態をいわば円滑に正常化へ持っていくために、現在の病棟における状況と安易な妥協をするという形で助手の採用が行われているとすれば、それはきわめて適切でないと思うわけでございます。もちろん、大学の人事でございますから、私どもが個々の人事についてくちばしを入れるわけにはまいりませんし、また、東京大学がこの助手の採用という人事を行ったということについては、現在の事態についての十分な御認識と、助手の採用をもって事柄を正常化に向かって前進させることができるという御判断があってのことだとは思いますけれども、先ほどもお答えを申しましたように、それが実際に正常化につながっていくためには、今後、教授、助教授の任用を含めて、これからの病棟の正常化のステップをどのように具体的に進めていくのかということについての医学部全体としての意思がもっと明らかにならないと、率直に申して私は心配であると思っておるわけでございます。
○中野(寛)委員 結局、集団の物理的な力を行使して無法なことをやった場合にも、大学の自治や学問の自由がその中から破壊されても、その張本人がこういう形で登用されていったとするならば、これは明らかに大学のあり方に反していると言わなければならないと思います。もう一つ、そのタイミングを考えるときに、国会から東京大学に調査団が行きました、その時点にこういう措置がなされている。うわさでは、それは一つの取引なのではないのか、国会の調査団等を受け入れるために、あの責任者を助手として登用することを取引の材料に使ったのではないかと考える向きさえあるわけであります。このようなことがこれからも繰り返されるとするならば、本来の大学の意思または教授会の意思によって物事が決められるのではなくて、物理的な力を行使する無法な人たちによって大学の運営がなされるということになっていく、その道を踏み出してしまうことになるのではないか。私どもは、大学の正しいあり方を考えれば考えるほど、このことが心配でならないわけであります。 局長は東大に対して、たとえば入院患者の問題にいたしましても、また、先ほどの局長の御報告の中には分担教官の診療に基づいてということが書かれておりますが、これ以外の安易な方法による入院はやってはならないことを指導されました。しかしその後そういうルートを通じない入院患者はないでしょうか。私が聞き及んでいるところでは、その入院患者は六月段階で十九人であったのが九月二十日段階で二十一人になっている。その間入院した人もおれば退院した人もおりますから、二十一引く十九、すなわち二が新しく入院したという意味ではありません。このようなことが依然として継続されている。こういう状態を見るときに、その解決が進んでいるのではなくて、むしろ無法な状態が固定化され、それが正当化されようとしているのではないか、その道をただひたすら進んでいるような気がしてならないわけでありますが、その実態と判断について再度お聞かせをいただきたいと思います。
○佐野政府委員 現在、病棟の入院患者は十九名と承知をしております。先ほど、外来の患者であっても分担教官が診断をして、入院を必要と判断した患者については漸次入院を実施していくという方針が固まっていると申し上げましたけれども、これによって入院をしている患者はございません。したがって、現在入院している十九名は従来と同じようなルートをたどって入院をしているものでございます。入院についての事前のチェックを分担教官が完全に実施するまでにはまだ至っておりません。入院した患者についての症例のチェックは行われるようになっております。この点は御指摘のようにきわめて問題を残している点でございます。 私は、今後病棟の助手あるいは看護婦等の体制を大学側が充実していくことを考えることについては必ずしも反対ではございませんし、それは必要に応じて実施しなければならないことだと思いますけれども、御指摘のように、それが現在の状態を逐次公認をしていく形で実施されることについては絶対に反対であるということを申し上げてございます。かねてお答えを申し上げておりますように、病棟の問題を本当に正常化に持っていくためには、従来から行われている東大職員でない医師による診療の状況をどうしても排除する必要がある。その排除のために必要であれば、会計検査院のおしかりをいただいても、入院患者をもっと減らしていっても構わない、そう思っているわけであります。その辺について東大側の御理解をさらにいただきながら、御指摘のような形で、一見平穏な形で教育なり診療の面が前進をしていくということであっても、それが必ずしも事態を質的に変えたことにならないような状態で事態が進行しないように、さらに留意をしていただくように東大に対してお願いをしてまいりたいと思っております。
○中野(寛)委員 現在の入院患者は十九名で、今日までの入院患者と同じ方法を相変わらずとっているというお答えであります。明らかに、局長の今日までの要請や指図に従っていないことがはっきりしたわけであります。結局、不法な状態がなお引き続き行われている。そしてそれは解決の道というよりも、私がここではっきり申し上げられることは、結局過激派の代表者を助手として登用することによって不法な状態を正当化し合法化しようというもくろみにまんまと乗せられている、それ以外の何物でもないと断ぜざるを得ないという感じがしてならないわけであります。同時に、単にそういう現象があるというだけであれば、それはそれで見逃すことも場合によってできるのかもしれません。しかし、そういう状態が続くということはすなわち、毎日毎日国民の財産がそれだけむだに使われている、または破壊されているということを意味すると思います。 もう一つ、人的な被害者も出ていることは御存じだと思います。すでに入院患者の自殺者か出ています。彼らの学問的な信念ではあるかもしれませんけれども、その診療方法について、できるだけオープンな形で、患者をしばらない形で診療していこうとする、それは、学問的にその方法を主張されることは御自由であります。しかしながらそこにも、決して患者を野放しにしていいというはずはありませんし、適切な診療と指導が患者になされなければならないはずです。その監督の不行き層き、診断の不行き届きが、結局患者の自殺に至るまで気がつかなかった、そういう事態を引き起こすもとになってしまった。これはきわめてゆゆしい問題であります。決して見逃されていい、ああいう状態の中で起こったんだからやむを得ないと言っていい問題では決してないはずであります。そのことについてまずどのようにお考えでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のように非常に残念なことだと考えております。従来の東大の精神科病棟における診療の実態というのは、指摘されているような不正常な状況ということを除けば、事故を生ずることなく行われてきたものでございます。きわめてまれな事柄としてあのような事柄が起こったわけでございます。またあのことが、さらに東京大学の医学部として精神科の病棟の正常化を急ぐという姿勢を強めさせたことも事実でございます。当時に比べれば、現在は施設、物品の管理についてはすでに正常化の状態にあると言っていいほどに改善を見ておりますし、教育、診療の面におきましても、先ほど来申し上げましたような形での進展は見られるわけでございます。東京大学は、このような方向をとって粘り強く教育、診療の体制を整えていくことによって、最終的にわれわれが期待しております正常化が実現できるという判断をし、その方向で進んでいるわけでございます。私どももそうした東京大学の方針というものが理解できないわけではございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、やはり最終的にどこへどういうステップを踏んで持っていくんだということが、医学部全体としてもっとはっきりしていなければ困るということを強く感じているわけでございます。
○中野(寛)委員 同時にもう一つ、被害を受けている人がいます。こういう例があります。私、先般お尋ねをしましたけれども、いま、あの過激派の人たちによって連日のごとく攻撃をされ、ビラを配られ、そして普通の人であればとてもその圧力に耐え切れないであろうと思われるような状態で連日攻撃の矢を向けられている人に本多講師という方がいらっしゃいます。私、先般の質問の中で申し上げましたが、サンケイ新聞に情報を漏らしたのではないかということで彼らからずいぶんだたかれているようなビラが出ておった例を挙げましたけれども、この人はこの医学部の中ではどういう役割りを持っている人でございましょうか。
○佐野政府委員 病棟医長のポストにあると承知をしております。
○中野(寛)委員 病棟医長というのは、その病棟を管理する責任者であるという意味ではありませんでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおりでございます。実質的に病棟の管理ができない状態で病棟医長の職におありになるわけでございます。
○中野(寛)委員 その病棟医長が病棟に入れない。これもやはり物理的な妨害があるから入れないということですね。
○佐野政府委員 精神科病棟の正常化の場合に、先ほど来申し上げておりますような施設、物品あるいは教育、診療面の正常化ということはございますけれども、それを進めていく上で非常にむずかしい課題になるのに、外来と病棟側のいわば全体として統一のある一つの講座としての運営というものを確保するということがございます。そもそも精神科病棟の問題が起こった発端に、いま御指摘のありましたような精神科の治療方法等をめぐっての意見の対立があったわけでございます。そういった経緯を経てきていることでございますので、外来側と病棟側との間がいまは断絶をしているような状況にあるわけでございます。そういうことがあるために、いわゆる外来側に属する病棟医長が病棟に入れないという状況が続いているということでございます。
○中野(寛)委員 たとえばそれを、これからこういう想定をしてみた場合、大変な問題があるわけでございます。この本多講師が、病棟医長であるこの人がついにその病棟に責任者として自由に出入りができない状態のままで終わったとしたら、これは大変なことだと思います。そういうことが絶対起こってはならないと思います。逆に言えば、この人が病棟医長であるがゆえに、現在の彼らの攻撃の対象としてその矢面に立たされていると言えないこともない。また、その結果、この病棟医長がもしその職を離れたとした場合、先ほどの新しい助手の採用のごとく、彼らとの団体交渉か何かで彼らの都合のいい人を病棟医長として選ばれる、そして病棟医長がその場合にはその病棟を実際にそのことによって管理することになるでありましょうけれども、それを称して合法化とし、病棟医長がはっきりとその病棟を管理することができるようになりましたという報告があって、それでこの病棟が正常化された、それが結論だったとしたら、これは大変なことであります。すなわち、今日までのいろいろな経過を見るにつけても、違法なことを合法化するためのステップが次々に踏まれているとしか私には考えられない。そのことについて、大臣自身がはっきりとした態度を持って東大当局に対して指導する、また文部省としての果たすべき役割り、責任を果たしていく、この姿勢があくまでも必要だと私は思うわけであります。大臣に御決意をお聞きしたいと思います。
○砂田国務大臣 一部、物品管理の面で改善が図られたとは申せ、正常な状況を回復し得ないでおりますいまの姿はまことに遺憾なことでございます。私が総長に直接、正常化についての要請を強くいたしましたのも、異常事態の追認をしてくれと言ったのでは毛頭ありません。異常な事態を追認することによってそれが正常化だとは断じて認めるわけにはまいりません。今後、東京大学といたしましても、教授、助教授の任用を含めた正常化の努力と取り組まなければなりませんけれども、それは筋道を通した真の早期回復が図られるのでなければ私は正常化と認めるわけにはまいりません。もちろん、いま中野委員が御指摘になりました方のことについても、それも含めてのことでございます。真の正常化を目指しまして、なお一層東京大学に対して指導助言を強めてまいりたい、かように考えるものでございます。
○中野(寛)委員 九月二十六日の新聞に、東大文学部の火事のことについて、大学が学生に賠償請求をする、管理責任者の処分も考えるということの内容を大臣が閣議で報告されたことが記事として出ております。この文学部の火事の実態も、見れば見るほどきわめて私どもにとっては不愉快な出来事であり、そして不愉快な事態であります。ただまだしもと思うのは、医学部に比べて文学部の方が、態度が幾らかでも前向きにはっきりしているということが見られるところが幾らかでもわれわれの救いだと考えるわけでありますけれども、これ以外に、たとえば農学部においても大学の施設がかなりの範囲において破壊をされていることが報じられています。いわゆる東京大学の過激派が三拠点闘争と称して、精神科病棟及び文学部、そして農学部演習林等についての方針を立てて、その活動の一環として今日までの活動が行われている。そして、実際にこの医学部の問題にしたって、彼らは現在大学当局がとっている措置を勝利と評価している。彼らはそれを妥協したとも話し合いをしたとも、そしてまた敗北をしたとも言っていない。この文学部の問題、農学部の問題、その実態について、基本的な部分についての御報告をいただきたいと思いますが、東京大学は一体どうなっているのだ。別の観点で、東大を頂点とする日本の大学制度を抜本的に改革しなければという大学教育の基本の問題は別にして、国民の財産である東京大学は一体どうなっているのだという基本的な問題が問われると思うわけであります。この医学部だけではない問題について、どのような経緯があり、そしてどのようにその他の問題についても対処をしようとされていますか、お尋ねをいたしたいと思います。
○砂田国務大臣 文学部の火災事件につきまして、長期にわたります不正常な管理のもとでこのような不祥事を生じましたことは所管の大臣としてまことに申しわけないことと存じております。火災事件発生直後、火災発生にかかります施設について当分の間管理責任者以外の者の立ち入りを禁止する措置を講じますとともに、文学部教授会内に、処分、責任の問題を含めて、学生問題及び当面の管理上の諸問題を処理するための対策委員会を設置いたしました。また、評議会内に管理責任者の処分を検討するための特別委員会を設置をいたしまして、鋭意検討を進めているところでございます。十月三日に総長談話を東大総長が発表いたしまして、その中で、暴力行為、不法行為を大学当局が排除し得ない場合には、最終的には市民法に基づく法的措置に訴えざるを得ないとして、学生に対して警告を発しております。 文部省といたしましては、出火当日、大学局長から事務局長に、また九月二十七日、私から総長に対しまして、事件を正しく認識をし、管理を正常化し、出火等の原因になった学生に対して厳正な処分を行いますとともに、損害賠償を求める措置を講じること、管理責任者の責任を明確にし、厳正な処分を行うこと等の措置をとるよう指示をしたところでございます。文部省としては、東京大学の措置を見守りながら、引き続き厳正な事後措置を講ずるよう強く指導をしてまいる所存でございます。 大学管理の問題、国有財産であります大学の施設、建物、そして大学におきます学問の自由、自治、このことは、活発な研究、教育活動があって初めて大学の自治というものは確保できる。その責任の所在を、大学の学長初め全学的に十分認識を改めてしていただかなければならない、このようなことを最近非常に強く感じるものでございます。全国、大学全体を見ます場合には、そのほとんどの場所では平穏に教育活動、研究活動が行われていると思いますけれども、その一部に見られる現象はまことに遺憾な状態が残っているわけでございます。そしてやはり、いま私が申し上げました国民から預かっている大学施設、国民の皆さんから預かっている大学、そういう意識を非常に強く持たれている大学は、不正常な状態を懸命な努力によってこの一年間でも相当な正常化への道を開かれた、こういう事態が片やあると思えば、どうも私が考えてみましても不服としか思えない異常事態の追認をもって正常化と考えておられるのではないかな、そのような大学もまたある。きわめて遺憾な状態でございます。大学当局の、国民から預かっている大学という意識高揚のための指導助言をさらに強めてまいりたい、かように考えるものでございます。
○中野(寛)委員 基本的な文部省の態度というのを了解をし、そしてそれが本当に実効の上がるものとしてこれからもぜひ御努力をいただきたいと思います。 ただ、その一つの方法として、たとえば東大精神科病丁院棟の問題で十月から予算凍結という話が、これは七月段階でありますが、出ておりましたが、これはどういうふうになっておりますでしょう。
○佐野政府委員 精神科に対する予算の示達に当たりまして、通常の場合には一年分を示達をいたしますが、この件に関しては従来から四半期分づつを示達をする、そして事態の進展を見守りながらさらにその次の四半期について考慮をするという措置をとってきております。六月末に判断をいたしましてその後の四半期の示達をしたわけでございますが、今回もまた前回と同じように第三・四半期の分だけを示達をしているということでございます。
○中野(寛)委員 ということになりますと、四半期ごとに内容を見ながら認めていくということですが、今後とも、それでは解決へ向かっていると評価をしてその四半期ごとの予算をやはり渡していくわけでありますか。いまのそのことについての御判断はどういうことになるわけですか。
○佐野政府委員 元来、予算を示達をするときに四半期に区切って示達をするというのは、これは執行を受ける側にとっては全体の予算の執行の仕方からして非常に苦しいことになるわけでございます。しかし、われわれとしては、東大の対応のあり方によってわが方の対応も考えていかなければならない面が残っておりますから、そういう意味でこのような措置を講じております。第三・四半期が終了する時点で最後の四半期の分をどのように示達をするかという点は、その時点で判断をしたいと考えております。
○中野(寛)委員 結局、今日までの段階では、その予算の問題にいたしましても、文部省サイドもじりじりと引きずられてしまっているという感がその予算の執行一つを見てもするわけであります。大臣の先ほどのせっかくの御決意であります。ぜひ実効の上がる、そしてわれわれの目の前に本当に納得のいく解決の方向というものがとられることを切望をいたしておきたいと思います。 さて、次に移りますが、主任手当の問題でお尋ねをしたいと思います。 昨年の国会で主任手当に関する予算化が決められました。今日多くの都道府県においてその主任手当制度が実行に移されました。なおそれが移されていないところはどのくらいありましょうか。
○諸澤政府委員 主任の制度化されました県は四十四道県、それであと大阪、京都、沖繩と残っております。それで四十四道県でございますが、そのうち東京と神奈川はまだ手当支給の方の条例ができておりません。したがって、手当の支給ができる、あるいはすでにしておる県というのが四十二でございますが、そのうちで一部の県は条例の実施が十月にずれ込むというのがございますので、まだ現実にお金を払ってないところもございますけれども、これは確実に十月からは払われるということで、もう一回言い直しますと、四十二道県では手当が支給されるというふうに考えております。
○中野(寛)委員 いまさらお聞きするのはどうかと思いますが、質問の都合上あえてお尋ねをしておきたいと思います。主任手当の目的は何でございますか。
○諸澤政府委員 学校にはいろいろな主任が置かれておりますけれども、それらの主任のうちで教務主任とか学年主任のように、教務に関しあるいは学年全体の教育活動の運営に関し、連絡、調整、指導助言をする、こういう主任について、人事院がその仕事の実質を見て、これらの主任にはその仕事に見合う特別の手当を支払おうということで制定されたものでございます。
○中野(寛)委員 そしてそのことが、学校運営に対して大きな意味でどういう役割りを果たすと考えられますか、また文部省は期待をされますか。
○諸澤政府委員 いま申しましたように、現在手当が支給されております主任は、小学校の教務主任、学年主任、中学校の生徒指導主任、高等学校はさらにそれに加えまして進路指導主任、学科長、農場長等でありますが、いずれもそれぞれの仕事を活発に効果的に運営いたしますためには関係教員間の連絡、協力というのが非常に大切でございますから、そこでいま申しましたような主任の仕事を規則の上でも明確に位置づけることによって、お互いに一層協力関係を円滑にし、学校が一つの組織体として円滑に運営できるということをねらいとしたものであり、また現実に、制度化の直後においては学校によりましてはいろいろ意見の食い違い等もございましたけれども、今日においては、われわれはおおむね円滑にその機能を果たしつつあるというふうに考えておるわけでございます。
○中野(寛)委員 多くの国費を使って、もちろん国費だけではありません、自治体も負担をしてその主任手当を出すわけであります。当然、その出すについては、いいかげんな使い方をしていいわけのものでは決してないはずであります。まして、われわれが決定をした使用目的以外にその手当が使われるとしたら、それは大変間違ったやり方であるというふうに考えるわけであります。私はことしの春、大臣の所信表明演説に対する質問としてそのときにも申し上げました。教員団体のもとに組織的にこれをプールして別の用途に使うという動きがある。あれ以来そのことが現実に行われていると思います。このことに対して大臣は、当時の答弁としては、そのようなことがないように十分調査をしながら対処していくとお答えになりました。その後どのような対処をされているのか、お聞きをしたいわけであります。 大臣、御存じだと思います。たまたま、私の手元にございますが、ことし六月段階で、大臣の地元の兵庫県の先生から大臣に直訴状といいますか、手紙が出されています。これは、手当を受け取るべき主任の先生が、当初手当が外された。そして、いま局長がおっしゃった役割りを果たしていない先生が主任として校長から教育委員会に登録をされて主任手当を受け取って、それが組織的なプールへ自動的に入っていく、このようなことか行われている。その実態を訴える手紙、それはみずからの体験に基づいて訴えた手紙でありまして、私が聞き及ぶ範囲では、その問題は間違いであったので解決済みとする大臣からのお手紙があったように聞いておりますが、果たしてそれで十分なのか。単にこの先生個人に、間違っておったからといってその翌月から手当が支給されるようになったらいいという問題では絶対ないはずです。意図的にそういう間違いが行われているとしたら、これはゆゆしい問題であります。その実態を十分調査をするということは当然必要なことだと思います。どのように文部省として取り組まれておりますでしょうか。
○砂田国務大臣 中野委員御指摘の、ことしの五月、西宮市立の瓦木小学校の先生から私あてにただいま御指摘のありましたようなお手紙をちょうだいをいたしました。早速事務当局に命じまして調査をさせましたところ、兵庫県教育委員会から、同教諭の件は校長の事務的なミスであって、次期支給日において既支給者には戻し入れの、本人に対しては追給の手続をとった旨の回答を得ましたので、私あて直接の同教諭からのお手紙でありましたから、その旨を同教諭にも私はお返事をしたわけでございます。それとともに、文部省としては兵庫県教育委員会に対して、このようなミスなどがあってはならないということを強く指導いたしますとともに、他の各県教育委員会に対しましても、主管課長会議等を通じて指導をしたところでございます。
○中野(寛)委員 大臣はあくまでもミスとしておっしゃるのですけれども、この方が手当を受け取っていなかった、主任であるにもかかわらず外されておったということだけであればミスということがあるかもしれません。しかしながら、現実には、そういう本当の主任としての仕事が果たしてやられているかどうか疑問に思われる方々が校長先生によって教委に登録されて主任手当を受け取っているという実態もあわせて訴えられているわけです。そのことの調査というものが当然なされなければいけない。私のことし三月にお尋ねをしたことに対する御答弁も、調査をするという御答弁であったわけでありまして、当然その約束は果たされなければいけないと思います。 これは兵庫県の教育関係者の一部の皆さんの間で言われていることでありますけれども、そもそもこの問題は、県教育委員会と兵庫教職員組合との間で、主任任命などについては各学校の校長と教組分会とで話し合って決めるという取り決めをしたところから始まった。そのときに教育委員会と教職員組合との紳士協定があった。砂田大臣の出身県として、一日でも早く主任手当支給を実施したい、それでなければ示しがつかないという考え方が教育委員会等の中にあせりとしてあったのではないか。かっこうさえつければ中身は少々ルーズな部分があっても、という意図があったのではないか。これはうがった見方だと思いますけれども、たまたまこれが大臣の地元であるだけにそういううわさとなって出てくるのだろうと思います。そういううわさをさえ出さないようにするために、大臣の地元でこういう配慮が教育委員会でなされることは、悪いとは申しませんけれども、しかし、それだったら、いいかげんにやってもいいというのではなくて、それは完全に完璧にやられなければいけないはずであります。いいかげんにやるのであればむしろ問題を生じて、やらない方がましだということになるのは申し上げるまでもないと思います。 そういう意味で、単に今般手紙を大臣に出されたその先生の個人的な問題としてではなくて、この先生の問題だけが間違っていたのではないわけでありますから、その実態をきちんと調査をされる。単に兵庫県のみではありません。これは、たとえば一つの県で一人の間違いがあったって全国では四十二の間違いがあることになります。そういうことを、間違いとしてではなくて意図的に行われているおそれがあるから御心配申し上げているということでありますので、今後の調査について、また、本当は今日まで調査をされていなければならないはずでありますから、そのことについてお尋ねをしたいと思います。
○砂田国務大臣 たまたま私あてに同教諭からお手紙があってこういう事実が判明をしたわけでございまして、文部省事務当局から兵庫県教育委員会に対しての調査をしたわけでございます。この件はこの件でこういうことでありますけれども、中野委員が御心配になっているようなことは絶対に許されることではないと思います。他にこういうケースがあるかもしれない、気がかりなことでございますが、許されるべきこととは毛頭考えませんから、文部省としましても改めてこれは調査をいたしまして、もしもそういう事実がありましたならば厳重に注意をしていきたい、かように考えます。
○中野(寛)委員 それからもう一つ、この主任手当の問題について、わが党といたしましては、先ほど局長が御説明をされましたように、本当に、その連絡、調整その他について御苦労しておられる先生方に、その御苦労に報いなければというところからこの手当制度を考えられたとするならば、もっとほかにもたくさんの同じような御苦労をしておられる先生方がいらっしゃるので、同じようにそういう先生方にも範囲を広げていくこと、すなわち、一部の先生方の御苦労だけが認められてそれ以外の先生方の御苦労は認められないということでは、これは余りにも不公平でありますし、そのような制度というものは問題があると思います。御苦労をされるその先生方はたまたま、都市部において、農村部において、その御苦労の役割りが違うかもしれません。または北国において、また南国において、そのポスト、役割りは違うかもしれませんが、全国すべての学校にある。主任だからといってそれだけに出すというのではなくて、幾ら種類が違おうと、御苦労の度合いはむしろその先生方の方がかえって、その地域事情に合わせた対策をしなければいけないだけに御苦労が多いという場合もあることを勘案すると、そこに当然範囲を広げていかなければいけない、このことを御提案をしてきました。そしてそのために文部省としても実態を調査しながら御努力をされる旨、前大臣の段階で御発言が当時内閣委員会であったことを記憶いたしております。いよいよまた来年度予算が編成をされるわけでありますけれども、これらの約束についてどのようなお考えを持ち、そして実行されようとしての準備がなされておりますかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
○諸澤政府委員 今回の、本年八月の人事院の勧告によりまして、その際、国立大学の付属学校については新たに、主任手当を支給するその主任の範囲を研究主任と教育実習主任に広げたわけでございます。そこで、公立学校の実態を見ますと、もちろん教育実習主任というようなものは通常置いておりませんけれども、たとえば研究主任とか研修主任というふうに、その中身は国立の付属学校の主任と必ずしも同一ではございませんけれども、相当ウエートを置いてそういう主任の仕事をしていらっしゃるところもあるという実態にございますので、いま先生の御指摘のように、その主任の置き方、種類というのは各県によってまた多少異にいたしておりますが、国立との均衡という意味からいたしまして、さらにおおむね二つくらいの主任を手当支給の対象として公立学校についても考えてまいろうというようなことで、いまその指導の仕方について検討をいたしておる、こういう段階でございます。
○中野(寛)委員 私は、この主任手当制度というものが、教育の中央集権化や教育の軍国主義化を助けたりとかというような目的というものは全くない、むしろ、先ほど申し上げた本来の趣旨にのっとってこのことが行われ、そして現場の先生方の御苦労に報いるものだと判断するがゆえに、そしてまた、私どもが聞き及びます限りにおいては、現場の先生方からわれわれの県においても早く実施をしてほしいという声があることもまた事実であります。現実に私も何人からとなく聞いています。しかしながら、その地域事情等によってそれが行われていないところがある。まして、そういうところについてはいまや主任手当制度反対運動の真っ盛りであります。春にも指摘しましたけれども、学校の校門という校門には主任制度反対の看板がかけられています。裏門に、表門に。あるときある学校で、教育委員会が、このような看板を学校の門もしくは建物につけるべきではないとして、話し合いがつかないからトラックを持っていって強行措置で外して回った経過があります。ところが強硬な教職員組合の抗議に遭ってそれをまた配り直したというだらしのない教育委員会がある。ところがそれだけでは終わらない。またそれに加えて今度は畳一畳もあろうという大きな看板に翌日からかわった。こういうケースを見て、私は、教育委員会はどこに基本的な指針を持ち、どこに信念を持ってやっているのか、疑問を持たざるを得ませんでした。そして、決して、文部省もその教育委員会と同じ態度だとは思いませんが、あるべき姿、学校管理のあり方、これらのことについて、学校で守るべきことが守られなくしてどうして教育が正しく行われるのでしょうか。私は、そのような単に労働運動的にみずからの主張を押していくということだけで学校における感覚が許されると思わない。やはり真剣にこれらの問題を教育の基本にもかかわる問題として考え、対処していただきたい、この強い気持ちを持つものであります。 次に、先般来、文部大臣の教育勅語発言や、それから総理大臣の英才教育発言が出ました。私は、やはりことしの春の質問の中で、日本の戦後の教育についていろいろな批判がなされている、いまは、それを集大成して一度総合的に洗い直し、反省してみる時期ではないかということを申し上げました。そして、現在の国際経済の動き、国際社会の動き、そしてその中に占める日本の位置づけ、日本の役割り、よく総理が、資源のない国日本、資源は人材のみだと言われる、そのことを考え合わせながら、本当に新しい時代に日本が生き延び、かっ国際社会に奉仕することのできる人材を養成することが、目下の日本のきわめて大きな仕事であるということも申し上げました。同時に、教育勅語を知らない世代としての私には私なりに、日本の現在の教育は何かしら心の中でむなしさを感じさせる、そのような教育に実態がなっている。教育基本法の文章は文章として、それが守られていなければ全く形骸化していることになります。それをもっと具体化して、やさしく子供たちにわかる方向でつくり上げていく。そのつくり上げ方は、総理大臣の選挙目当ての気まぐれな発言や提案でもなぐ、また文部省からの押しつけでもなく、国民各界各層、いろいろな方々からの意見、衆知を集めて、日本の教育の中に、いかに日本人らしい、そしてまた国際人らしい心構えをつくっていくか、そのことの基本というものがやはり必要だと考えて私はお尋ねをしました。そして、そういうお尋ねとこの前の御発言とを比べながら、私は、あのときに大臣が答弁されたことを今回も繰り返しておっしゃったと聞きました。 ただ、私に対する答弁のときにも、大臣は、教育勅語の中にもこういうくだりがあって大変いいことだと思いますとおっしゃられた。私が教育勅語を知らない世代ですと言って教育勅語のタイトルを持ち出したので大臣はそうおっしゃられたのであろうと思いますけれども、しかし私は、いろいろなお話の中で、やはり時代が違い、基本的な考え方が違い、そして体制が違う、そういう中で、あえて対比するような形で教育勅語を持ち出すことはいかがかと思うわけであります。ただ、大臣のおっしゃられた真意については、その後のいろいろな御発言等をあわせ考えますときに、私は了としたいと思います。 そういう意味で、問題は、今後それを具体的にどう実現するかではないのだろうかと思うのであります。今般の高等学校の指導要領の説明書き等に関連して大臣はおっしゃられたわけでありますが、これからは、小学校は小学校の役割りがあり、中学校は中学校の役割りがある。そこにおいてきちんとしたしつけを基本的にしていく段階があり、そして場合によって技術開発への能力というもの、それぞれが個人の能力を開発するという意味で、多岐にわたってそういう場所を、子供たちの能力を発見しながらそれに合わせてつくっていくということも必要でありましょう。落ちこぼれの子供たちに対する対処と同時に、エデュケートする、それがいわゆる英語の教育本来の意味でもあろうと思います。能力を引っ張り出す、その役割りというものがもっともっと果たされなければいけないだろうと思います。詰め込み教育がだめだといって、数学の公式が覚えられない、わずかの漢字が覚えられずに間違って使われる。私は、正しい詰め込みが行われれば漢字なんてすぐ覚えられると思います。 そのようなことを考えるときに、今日までのいきさつは大事かもしれません。歴史は大切ですけれども、しかし、それを偏見や独自の考え方、単にそういうものに固定してしまうのでなくて、本当にいまこそ教育についての国民のコンセンサスかきちんと打ち立てられる、そのことが必要な時期、混乱しているときこそそれが必要な時期ではないのか。明治維新によって外国の文化を取り入れる余り日本の文化を否定したあの明治初期二十年間ほどの時代から、日本らしさ、日本の心を取り戻したいとしてつくられた教育勅語があの当時はありましたけれども、敗戦によってむしろ、日本が戦争に負けただけではない、日本のすべてを否定し去ろうとしたそこから出発していま三十年。私たちは教育勅語をつくれと言うのではありません。国民が一〇〇%外国のものに対するコンプレックスを持って、日本のものを否定してしまおうとする時代があった。しかし、そこからやはり日本本来のものを見直そう、見つけ直そう、そしてまた正しいものを伝承していこう。文化の伝承、これが教育の基本ならば、やはり教育はそのことに最初に目覚めていくということは当然必要でありましょう。明治維新から生まれたものが教育勅語であるとするならば、私は、いま新しい時代に合った、決して教育勅語ではない、いまや国際社会というものを本当に真剣に考えなければいけないし、日本の未来を資源がなければないなりに考えていかなければいけない、その資源だって世界的に枯渇をしようとしている、しかも、われわれがいま最も大切に使っている石油のような資源のことも考え合わせるときに、私たちはまさに教育のコンセンサスと、そして技術や能力の開発や心の開発、これはいまの日本の政治の抱えている最大の急務だと思うのであります。 ちょっと何か勝手なことを申し上げて長くなりましたが、先般来の各種の御発言に対して、私は、でき得る限りその真意を正しく理解したい、その気持ちを込めて御意見を申し上げると同時に、大臣の御所感をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○砂田国務大臣 中野委員は私の真意を御理解いただいておるように承りました。大変ありがたいことであると思います。 私は、戦後の教育が憲法、教育基本法を根幹に据えてスタートした、機会均等ということでこれだけ教育というものを大衆化してきた、その教育基本法の大きな功績を十分認識いたすものでございます。ただ、いま中野委員も御指摘になりましたように、国際社会の中でそのことが実は大変気にかかる一つの問題であります。それは、一億二千万の私ども日本人が、全く資源のないこの狭い領土の中でこれだけ高度の生活をしている。将来のわれわれ日本人というもの、私どもの次の時代の人たちがどこに生きていくか。国際社会の中に生きていく以外に道はないわけでございます。やはり国際社会の中で尊敬される日本人、愛される日本人、頼りにされる日本人でなければ、どんなに学術優秀であっても、どんなに経済力が強くても、それは国際社会の中で受け入れられる日本人ではないと思うのです。 そこで、いまわかりやすい言葉でとおっしゃいました。教育基本法の目的は明確である、私はさように思います。しかし、それをもっとわかりやすい言葉で、日本人が本来的に持っていた素質、人間的な情愛、人間的な連帯感、そのようなものを何か表明ができないものか。それは当然国際社会にも通用するものであるはずだ。そういった好ましい資質をいまの若い世代の人たちが、これは経済の大変な発展のおかげでございましょう、その若い世代の人たちの生活の中に占める文化、芸術、スポーツのウエートがわれわれの時代とは比べものにならないほど重いものを持ってきて、文化活動、芸術活動、スポーツ活動を通じて、私どもだれしもが考えるような好ましい素質を身につけてきてくれていることをありがたいことだと思うのです。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 そこで、社会教育審議会に私は出席をいたしました。そのような若い世代の人たちが、われわれが考えもしなかったような文化活動、芸術活動、スポーツ活動を通じて、世界にも通用する好ましい資質をそういった社会教育の場ででも身につけてきてくれている事実、これは十年も前にはなかったことでございます。それから、ユネスコにおきましても、国家、言語、宗教を超えた世界の青少年の徳目についてというものがユネスコの一つの重要な議題になっているときでもございます。これからの国際社会の中に生きていくこれからの日本人として、そのような資質、人間の情愛、連帯感、倫理観、徳目というようなものをわかりやすい言葉で、何か指針がいただけないものでしょうかということを社会教育審議会にお願いしてまいったわけでございます。社会教育審議会で小委員会をつくって御検討いただいておりますけれども、その御答申がいただけましたならば、私はそれを国民の皆さんの前にまず出したい。そういうものは政府が国民に押しつけるものであってはならないと思うからです。国民的コンセンサスが得られるかどうかということで、社会教育審議会からいただいたその指針を国民の中に提供したい。そして、そういった国民的コンセンサスが得られるものであるならば、それが学校の場で、社会教育の場で青少年の指導に役立っていくであろうという期待をいたしまして、社会教育審議会にお願いをしたわけでございます。 そういう背景があり、一人一人の子供さんたち、青少年たちが異なって持っておる能力をできるだけ伸ばしてあげる教育こそが教育の場における本当の平等だ、そういう考え方に立っての、高等学校学習指導要領の改定したものを発表する時期でありましたので、そういう背景で私は教育論として記者クラブで話をしたわけでございます。何か政治と結びつけて、政治の傾向と軌を一にしたのではないかというような報道をされましたけれども、これには私の方がびっくりしたわけであります。純教育論として私はお話をしたつもりでございます。社会教育審議会から、いま中野委員が御指摘になりました、青少年として世界の中から尊敬される人間、世界の中で頼りにされる人間、愛される日本人の資質というものを、わかりやすい言葉で御答申いただけるのをお待ちをしております。いまそういう段階でございます。
○中野(寛)委員 ありがとうございました。(拍手)
○渡部(恒)委員長代理 山原健二郎君。
○山原委員 私は一つの問題にしぼって質問をいたします。 杏林大学の医学部問題、やみ入学金の問題を数回、一昨年来取り上げてまいりました。それからその後も、私立の医科歯科大学、学部におけるやみ入学金の問題、それから水増し入学の問題が依然として続いております。この問題で、文部省としては昨年の九月七日に大学局長、管理局長が通達を出したわけでございます。その通達については申し上げる必要はないわけですが、通達は出したのですけれども、依然として、ことしになりましても福岡歯大の問題が出てまいりました。やみ入学金を取ったということが明らかになってまいりまして、文部省としてはその是正のために指導をいたしているはずでございます。きょうもその問題について質疑が午前中に行われたわけですが、また、福岡歯科大学だけでなく、松本の歯科大学においてもやみ入学金が取られておるのではないかということが新聞紙上にも報道されているわけでございます。昨年の九月に通達を出してからその後どういうふうに事態を把握しておられるか、最初に伺っておきたいのであります。
○三角政府委員 昨年の通達以後、私立の医科大学協会、歯科大学協会等を中心にいたしまして、それぞれ各大学とも申し合わせと申しますか、各学校の運営につきまして姿勢を正していくということで参っておったわけでございますが、昨今指摘されておりますように、福岡歯科大学あるいは松本歯科大学といったような学校におきまして、通達の内容、趣旨から見てこれに反しているのではないかという実態があるようでございまして、私どもも両大学の当事者を数度にわたりまして文部省に招きましていろいろと事情聴取をし、かつ指導を行ってまいったわけでございます。
○山原委員 松本歯科大学の場合に、すでに二回でございますか、事情聴取をされておるわけでございますが、その中では、やみ入学の問題は出ておりますか。さらに第三回目の事情聴取を行われると新聞には出ておりますが、それはいつなされるわけですか。
○三角政府委員 新聞報道によりますと、松本歯科大学においては、文部省が先ほど御指摘の通知を昨年九月七日付で出しておるにもかかわりませず、五十三年度入試におきまして入学寄付金を集めていたということでございます。文部省は、この報道にかんがみまして、主として五十三年度における入学者選抜の方法あるいは寄付金募集の状況につきまして事情聴取をしたわけでございますが、これまでにおきまして大学側の説明は次のようなことであったわけでございます。 五十三年度の入学者の選抜の方法でございますが、入学者選抜に当たりまして、教授会としては合格のため最低点を五百点満点のうちおおむね二百三十点というふうに決めた。教授会としてはそこまででございまして、具体的な合格者の決定は別途学長と副学長二人で組織されます総務委員会というものにゆだねておりまして、総務委員会は常務理事会と相談して合格者を決めているということであったわけでございます。これに関しましては、やはり入学者の決定については教授会が実質的に関与していないということは問題でございますので、その点についてその際指導を行った次第でございます。なおその際、合格ラインを下回る者若干名を入学の決定を行ったようでございます。 それから、これらの入学者に係る寄付金の問題でございますが、本年度においては入学後に任意の寄付金を募集することとした。その時期については、後期の授業開始時期、十月でございますが、それ以後とすることにいたしまして、募集目標額につきましても、当初予算においては二十五億円を計上しておりましたが、現在のところはその半額ぐらいを想定しているとのことで、申しますれば、報道された事実を認めていないという状況でございますが、私どもといたしましてはなおこれらの説明ないしは説明に関連しますいろいろな意味の理由づけ等につきまして不十分な感じを持っております。したがいまして、必ずしもその説明を十分に了解したというふうには申せませんので、今後さらに事実の確認を進める必要があるというふうに考えておる次第でございます。なお、たとえ学校側の言うとおりといたしました場合にも、募集を十月とした理由でございますとか、その周知の方法あるいは募集目標額の決定の理由でございますとか、目標額変更の理由等のより明確な説明が必要であろうと思っております。 私どもの現在のところの指導といたしましては、やはり寄付金の募集についての認識ないしは計画について非常に安易な面がうかがわれますので、たとえこれが任意の寄付である場合にも、その募集につきましては昨年九月七日付の通知を遵守すべきでございます。したがって、入学に関する寄付金の収受等は行わないことはもとより、任意の寄付金の額についてもこの額の抑制に努めていただくほか、趣意書等の作成による募集趣旨の明確化と周知徹底を図るということ。これは本来、こういった任意の寄付金は施設でございますとか大型設備といったようないわば臨時的な支出に充てるべきものというふうに昨年来指導していたわけでございまして、同趣旨の指導をいたした次第でございます。 なお、次の事情聴取ないしは調査をいついたしますかということにつきましては、できれば早いうちにいたしたいと思っておりますが、私どもの業務の状況並びに先方の都合に合わせて実施いたしたいというふうに思っておる次第でございます。
○山原委員 いままでの二回の事情聴取では納得できないから第三回目の事情聴取を行うということですね。
○三角政府委員 私どもとして十分理解が達していない面につきましてなお事情を聴取し、調査をいたしますと同時に、これらの調査に即した指導をさらに重ねていたしたいというふうに考えております。
○山原委員 そのことを後で最後のところで質問をしたいのですが、私は、なぜこんなことが起こるのかということで、この松本歯大につきましてすべての資料を集めました。これは全部持っております。しかし、これは迷惑のかかる向きもありますので、私としては別にこの原本に基づいた資料作成をいたしております。できるだけ学生諸君やその他に迷惑のかからない範囲で資料作成をいたしております。持ってきておりますので、委員長に御要請いたしますが、政府委員の皆さん、また委員の皆さん、報道関係の皆さんに御配付をいただきまして、これに基づいて今日までどういうことが行われておったかということをまず把握していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○渡部(恒)委員長代理 わかりました。
○山原委員 まず第一番に、松本歯大における疑惑が今日まで続いてきたわけでありますが、昭和五十年度の実態を最初に資料(1)のナンバー1、2、3に書いております。これを見ましてもおわかりになりますように、全く、その金額と、そしてコネクションが合否判定の材料になっておるということであります。この資料を見ましても、五十年度の特徴を申し上げますと、百二十名のところへ受験者が五百二十九名おるわけでございます。そして入学者は定員を大幅に上回りまして二百二十三名合格をさせておるわけでございますが、これは学生名簿を見ましてはっきりと確かめております。学生名簿もここに持ってまいりました。定員の約二倍強ですね。これを合格させておりまして、現実に在学をしておるというのが実情でございます。 ところで、この入学試験の成績表を見ますとこういう状態になっているわけでございますが、一番から二十番までの合格者はわずかに七名でございます。そして一番から四番まで不合格というのか出るわけです。この中に出ております丸印が合格です。横に平たい丸印は女性を示しております。女性で合格した人には平たい丸の上にもう一つ丸がついておりますから、ごらんになったらわかると思います。これが入学試験の成績上位のグループの実態です。結局、二十番までの間で七名しか合格しておりません。 次に、成績の最下位のグループから見ますと、五百十一番から五百二十九番の成績をとっておる受験生ですね、このグループ十九名のうちから六名が合格をいたしておるのであります。ここに成績をそれぞれ出しておりますが、国語、数学、英語、それから理科の中の選択によって生物、化学、物理と、そして実技、こう出ております。最下位から三番目の五百二十七番、五百二十六番、五百十八番が合格をしておりますが、この三者の方は、理科で選択をしました、恐らく歯科医となるに最も重要であろう生物が零点でございます。英語は百点満点で六点、一点、一点となっております。 こういう状態でございまして、結局、これを見ましても、受験生諸君にとりましては、親御さんにとりましても、これは何のために入学試験が行われたのか、全くわからないというのが実情であります。歯科医になるためには、たとえば国語にしたって英語にしたって数学にしたって、あるいは理科にしましても実技にしても、これは一定の能力と申しましょうか、資質というものはそれは私は必要だろうと思うのです。できないことを責めておるのではありませんけれども、生物がゼロというようなこと、それが悠々と合格をするということがこの表の中に出ておることはおわかりだと思いますが、このような事実を、調査をされて御存じになっておるかどうか。これは、大学局長でしょうか、管理局長でしょうか、伺っておきたいのです。
○佐野政府委員 私どもは五十一年度の入学の不正問題について事情聴取をしたことがございますが、その時点で、寄付金を予約をさせて合格者を決定をしていたという事実を認めておりますので、従来、五十年あるいは五十一年当時の入試が公正に行われていないということについては承知をいたしております。ただ、このような詳細な資料は私ども持っておりません。大学側は現在、入試の関係資料を全部焼却をしたと言っておりますので、私どもはこのような具体の事実についてはただいま承知をしたところでございます。
○山原委員 私は、事態の真実を知る意味で文部省の方に対して資料をお渡ししても結構です。だからこれは精密に検討していただく必要があると思います。 いま文部省がつかんでおられる五十一年度につきまして、資料(2)、これにナンバー1、ナンバー2、ナンバー3とございますので、これを見ていただきましたらおわかりになりますように、これは文部省もおつかみになっておるかもしれません。これは、左の端の欄には合格者の丸印がついております。その右にあります横丸は女性を示しております。そして右端の備考に書かれておりますのが金額を示しております。この金額と合格者を横に見ますといかなるものであるかということがおわかりになると思います。 この中で、昭和五十一年には、定員百二十名でありますが、受験者六百八十七名、合格者が二百三十三名でございまして、これまた倍近い学生を受け入れておるわけであります。そして、これも一番から成績順位で二十番までの間に合格者は九名でございます。しかしこれも、一番、三番、四番、七番、九番、十番、成績順に不合格になっておるわけであります。逆に下のグループ、六百三十一番、六百二十七番、六百十七番、六百十一番、こういう成績の下位グループの人たちが入学を許可されております。これを見ましても、三人は数学ゼロです。英語は十一点から十四点、理科にいたしましても六点から八点、実技一点というのですね。実技というのはどういうものかよくわかりませんけれども、恐らく歯科医としての将来、手先の器用その他が試される実技であろうと思いますけれども、百点満点で一点ということですね。こういう状態の人たちが合格をされておるわけであります。そして、その人たちの金額を見ますと、六百三十一番が二千万円、六百三十七番が三千二百万円、六百十七番が千六百万円、六百十一番が千八百万円。資料でおわかりになりますように、まさに寄付金が入学判定の最大の基礎になっておる。 この資料をお見せしたわけでございますが、この事実は御承知でございましょうか。
○佐野政府委員 五十一年度入試に当たりまして、東京ほか二ヵ所において大学側が父兄説明会を開催をして、そこで寄付金を予約をさせている、そして合格者を決定をしていたということは、当時の帆足常任相談役が実施をしたことであるということで大学側は認めております。したがって、いわゆる入学を寄付金が左右をしたということがあったということは認められますけれども、これまたこの資料については、資料は全部焼却をしていると申し立てておりますので、具体の事実はただいま承知をしたところでございます。
○山原委員 私は、この資料をお見せして、大学局長としてはどういうお考えを持たれるか、一言伺っておきたいのです。
○佐野政府委員 およそ大学としては考えられないことが起こっているわけでございます。これが事実であるとすれば、およそ大学としては考えられないことが起こっている。新しく設立をされました医科大学の正常な発展ということについては私どもも意を用いておりましたし、大学設置審議会のアフターケアを通じて教育研究組織の充実等については配意をしてきたわけでございますけれども、入試についてこのような事態か起こっているということは最近に至るまで私どもは夢にも思っていなかったことでございます。大学の教学の責任体制が確立されていないということ それから理事者の大学経営に対する基本の姿勢が間違っているということを痛感をいたします。
○山原委員 私は、最大の原因は、過去のことをとやかく申し上げるわけではありませんけれども、いま教学の責任体制がとられていないと局長はおっしゃいましたが、教学の責任体制をとろうにもどうしようにも、教授会からすべての権限が奪われているということなんですね。そして一部のグループによって大学が運営をされているという、ここに最大の問題があるわけです。先ほども国士館大学の問題で中西議員の質問に対して、教授会の責任体制の問題を文部大臣は答弁をされておりましたけれども、教授会の権限である、たとえば生徒の入学、卒業、これに対する最も重要な権限すら完全に奪い取っておるという、言うならば大学そのものを少数グループで私物化しておるところに一番の問題があります。ここのガンに対してメスを加えなければ問題の解決にはならないわけですね。これは福岡歯大の場合でも国士館の場合でも私はそうだろうと思いますけれども、このガンが依然として形を変え、さまを変えて残っておる限りは、大学における民主化というのは成功しないと思っておるわけでございます。 そこで、少数グループがどういう権限を持っておるかということで、その証拠の一つとして出しておりますのが資料(3)のナンバー1、ナンバー2、ナンバー3です。これは松本歯大における最大の実権者である前理事長の矢ヶ崎氏のメモであります。これは昭和五十一年度の入学判定に当たりまして矢ヶ崎さんの出しましたところの理事長用のメモであります。たまたまこれを入手したわけでございますが、これを見ますと、丸印の合格者の、ほとんどそうでございますけれども、その備考のところに矢ヶ崎氏自身の文字です。筆跡鑑定をしていただいても結構です。一のところでは、千五百万円のその備考に「必ず入れて下さい」と書かれております。そして六のところでは「この中でも必ず入れて下さい」こういうことが書かれているわけでございます。それは幾つかのところに出てまいります。そして金額が横に並んでいるわけです。それからナンバー2を見ますと、二十六のところにおきましては「金はいくらでもとってよいとのこと」、文字か少しかすれておりますけれども、「必ず入れろ」。それから三十八のところでは「家柄極めてよく入れて下さい」。それからその下に「実技が何故一点か」という疑問も出しているわけでございますが、これはペケになっておりますけれども、最終段階で学生名簿を見ますと入学をいたしております。実技一点ですよ。このように、ナンバー3まで見まして、合否判定が理事長あるいはそれを取り巻くグループによって、全く金額との関係で決定をされておる、こういう事態が出てくるわけでございますが、この資料につきましてお聞きになったことがございますか。
○佐野政府委員 聞いたことがございません。
○山原委員 私は、このメモの写しを資料として文部省に提供しますから、この真実は確かめていただきたいと思います。 次に、この大学自体がそもそも創設のときに、見せ金の問題が出たわけでございます。五億円の準備金しかなかったわけでございますが、これを三十億円と偽って文部省よりの認可を取りつけた経緯がございます。この問題は、その後、原本不実記載の問題で問われ、当時の新聞にも出ましたから御承知のことと思います。そして去年もまた二重帳簿の問題が問題となりました。その上にやみ学生の問題が朝日新聞の昨年の七月十九日に出ておるわけであります。何と八十四名の、やみ学生という全くかわいそうな名前で呼ばれる生徒かいるわけです。御承知のように、これは文部省へ少なく報告したため実入学者と数が異なりまして、多くとって教えていたために、したがってやみ学生と新聞に書かれるに至ったわけであります。こういう事態から見まして、一つは統計法五条違反ではないかということが言われるのでございますし、また同法十九条に罰則規定もある。この統計法の面から見まして、文部省はこれをどういうふうに把握をされておるか、伺いたいのであります。
○三角政府委員 昨年の事情聴取におきましても、ただいま山原委員おっしゃいましたように、四十九年から五十二年までの四年間で、学生数と申しますか、寄付金納入者数、これを実質より八十四人過少に報告しておったという事実がございます。学生数の報告につきましても統計法に違反する実態がございましたので、これは当該統計主管の文部省内の主管の部局からその事実を指摘し、指導をした経緯がございます。
○山原委員 これも後で最後の詰めのところでお聞きをしたいと思っておりますが、これら一連のことで、松本歯科大というのは警察庁の捜査二課と塩尻署が地検松本支部へ送検を昨年の十月三十日にいたしておりますが、ちょうど警察庁もお見えくださっておりますから、この松本歯科大学に関するいわゆる送検の理由、罪名とでも申しましょうか、どういう疑義のもとに捜査か行われたか、伺いたいのであります。
○宮脇説明員 松本歯科大学の件につきましては、昭和五十二年七月二十一日に元松本歯科大学の理事の方から、当時の同大学理事長らに係る公正証書原本不実記載罪の告発を受理いたしました。そこで捜査の上、御指摘のように、同年十月三十一日に、告発事案に加えてさらに判明した事実とも長野地方検察庁松本支部に送付並びに送致済みいたしたものでございます。送付及び送致の罪名でございますが、当時の同大学理事長らによるところの大学の資産等の登記に係る公正証書原本不実記載、理事会議事録を偽造した文書偽造同行使、特定の学生等に対する授業料免脱等による背任、かつての医師法違反事件の弁護料を大学当局の会計から支払っていた業務上横領等でございます。
○山原委員 この四件にわたる捜査その他の結果はどのようになっていますか。
○宮脇説明員 これらの事件は目下、送付並びに送致を受けました長野地方検察庁松本支部においてさらに捜査中の段階でございます。
○山原委員 大蔵省、おいでいただいておりますのでお伺いしますが、関東信越国税局か、学生からの寄付金の一部か大学関係者の手に渡って脱税されている疑いがあるということで税務調査を行ってきたと聞いておりますか、その結果どのような事態になっておりますか、伺っておきたいのであります。
○山本説明員 学校法人の課税関係につきましては、その法人が収益事業を営んでいる場合を除きまして、一般的には、教職員に対しまして支払われる給与等につきまして源泉徴収が適正に行われているかどうかということか中心なわけでございます。松本歯科大学につきましてもこのような観点から、一般の源泉所得税に関する調査を関東信越国税局におきまして実施いたしております。その調査の具体的な内容につきましては、個々の税務上の問題がございますので答弁は差し控えさせていただきます。
○山原委員 先ほど統計法に違反するという御答弁が三角管理局長からあったわけですか、この点は文部省としてはどうされておりますか、ちょっと聞き漏らしましたので伺います。
○三角政府委員 文部省の調査統計主管の部局の方から学校の責任者に対しまして、その事実について説明をし、指導を行った次第でございます。
○山原委員 その点は指導にとどまっているだけでございますけれども、たとえば地方自治体、県段階あるいは教育委員会等の指定統計違反事件が起こればずいぶん厳しいことが行われるわけですね。そういうことから考えましても、単に指導にとどめただけというのも私は納得がいかなくて、それがまた今年度にその不徹底なことが出てくるわけでしょう。それは後で申し上げますが、その点を指摘しておきたいと思います。 その次に、資料(4)と(5)の関係でございますけれども、これは「昭和五十一年度決算書」資料(4)の方は文部省に提出されておりますでしょうか。
○三角政府委員 昨年の事件がございました関係で、私どもは昨年におきますこの大学に対する指導のために必要と考えまして、大学側に提出を求めまして、その際取り寄せておる次第でございます。
○山原委員 資料(4)は理事会に提出をされました五十一年度決算書です。その決算書を一枚めくりまして二枚目の一般寄付金収入が三十三億四千百何がしという金額になっておるのであります。ところが、資料(5)を見ますと、同じく「昭和五十一年度決算書」でございますけれども、これは評議会に出されたところの決算書でございます。これを見ますと、二枚目の一般寄付金収入は二十一億四千百八十二万という数字になっているわけでございます。そこでこの問題は告訴問題がありまして、いわゆる二重帳簿問題として判明をしたことでございますからすでに皆さんもおわかりのことと思いますか、これは、評議会に出されたものと理事会に出された一般寄付金の金額が、実に十二億に近い金額の差があるわけでございます。そのことは御承知でございましょうか。
○三角政府委員 このことにつきましては、昨年度問題になりましたときに調査をいたしまして、調べてございます。
○山原委員 御承知でございますから、まずお伺いすることは、この五十一年度決算書は、午前中に理事会に公認会計士でございます新村氏から説明がありました。そして引き続いて午後、評議会に対して同じ同一人の新村公認会計士から説明が行われておるのでございますが、まさに二重帳簿でございます。この点について、二重帳簿の問題は御承知でございますから、ここで文部省として、公認会計士か公然とこのようなことをすること自体につきまして疑問をお感じにならなかったのでしょうか。
○三角政府委員 松本歯科大学の場合でございますが、私ども、いわゆる経常費の補助金を受けている学校法人につきましては、学校法人として財務関係書類を作成し、これに公認会計士の監査報告書を添えて、所轄庁である文部大臣に提出していただくということを法律上の義務として、法律の規定に基づいてそのようにしていただいているわけでございます。松本歯科大学につきましては、ここは補助金の交付を行ってございませんで、当該歯科大学が、言うなれば自主的に公認会計士を入れて会計経理の適正化を図るということであったのかというふうにも思うのでございますが、しかし、いま山原委員のお話しのように、同一の会計士が二重帳簿を認め、かつそれを裏づけるような振る舞いをもししていたとすれば、会計士という方の職責上、道義的に見ていかがかという感じがいたします。
○山原委員 公認会計士法三十条、三十二条、三十三条、この問題で、公認会計士が二重帳簿を作成したという、このことに対して、この公認会計士法によって大蔵大臣に連絡をし、大蔵大臣はそれに対して措置をとるというのが法律の趣旨でございますか、そのようなことをしなかった理由は、いまおっしゃったように、この学校に対してはいわゆる経常費の助成金が出ていないということが理由でございますか、もう一回伺います。
○三角政府委員 私どもといたしましては、この学校が内部の手続方法として、どのように公認会計士を活用し、公認会計士に仕事を依頼していたかということにつきましては詳しい事情を承知しておりませんでした関係上、ただいまお聞きしたわけでございますが、私ども文部省に関する限りにおきましては、経常費の補助を受ける学校法人が適正な会計経理の処理を行っていただくということと、これについて公認会計士の監査報告というものを添えることによってそれを担保していただくというのが私どもの方の要請であるわけでございます。
○山原委員 学校が公認会計士をどういうふうにされたか知らないとおっしゃいましたが、文部省は事情聴取の中で新村さんという公認会計士をお呼びになったのじゃないですか。
○三角政府委員 当時の調査の際に公認会計士が学校側の責任者と同行してきたのは事実でございます。ただ、その際に、ただいま山原委員御指摘のように、理事会用と評議員会用と申しますか、二種類の決算書の作成にどのようにその公認会計士の方が関与しておられたかというようなことに、ついては、私ども了知していなかったわけでございます。
○山原委員 少し頼りない御答弁でございますけれども、大蔵省の方へお伺いしますか、学校から手当を出された公認会計士の二重帳簿作成ですね、いわばこれは粉飾決算ですよ。まさに粉飾決算です。いま不二サッシの問題で公認会計士問題が出まして、公認会計士は会社側にとって大変弱い立場にあるということが問題になって、公認会計士の皆さん方も大きな悩みを持っておられる、矛盾を持っておられる今日の事態でございますけれども、こういう場合、大蔵省としてはどういう措置をとられるか、伺いたいのであります。
○富尾説明員 公認会計士が学校の会計を監査いたしますのは、松本歯科大学の場合には補助金を受けておりませんので、任意による監査ということになろうかと思います。また、それが監査でなくても、財務書類の作成等についてアドバイスをする、ないしは直接その業務を指導するという、いろいろな役割りがございますが、そういう関係で公認会計士が虚偽の監査証明をしたり、また不正の事実に加担をしたということになりますと、それぞれ公認会計士法上に罰則といいますか懲戒処分の規定がございますので、そういう事実が明らかになれば懲戒処分を考えなければいけないということでございます。ただし、いま委員の御指摘の松本歯科大学における新村公認会計士につきましては、私どもといたしましては昨年この松本歯科大学に長野県警の強制捜査が入りました段階で事情聴取しておりますが、公認会計士本人からは、同大学から財務相談を受けるということはあるが、財務書類の作成等具体的な経理にタッチをするようなことはしていないという説明を受けております。
○山原委員 いま私は事実関係を申し上げて、皆出席しておる方はわかっているわけですね。公認会計士の新村さんが午前中には理事会へ、午後には評議員会に出席をされて説明をしているわけでしょう。しかも相当の手当をもらってやっておられるわけですからね。これは本当に厳正でなければならぬということは当然なんです。その辺は御調査になりますか。私はいま紛飾決算とまで言ったのですが、紛飾決算であるかどうかはこれはいろいろ見方はあるかもしれません。しかし、私はここまでこの事実を明らかにして、しかも両方に対して説明をするということは、経理の中身について関与しなかったなどというものではなくて、公認会計士という肩書きを持ち、しかも手当をもらっておる者か、一方にはこういうものを出し、一方にはこういうものを出す、出された方にとっては公認会計士の目を通ったものとして、最も正確なものとして判断するわけでしょう。それが一切、いまおっしゃるように何らの罰則の適用を受けないということになりますと、私はこれまた大きな矛盾が出てくると思うのですが、再度その点、伺いたいのです。
○富尾説明員 御質問の点、二つあると思います。ちょっと順序が逆になるかと思いますが、五十一年度の松本歯科大学の決算書類につきましては、新村公認会計士は、監査をして監査証明を出すということはやっていないはずでございます。公認会計士として、中身の真実であることを証明したということは私ども聞いておりません。ただ、その問題は別にいたしましても、いやしくも公認会計士という公共的な立場にある者が疑惑を受けるということはやはり問題でございますので、もし先生の御指摘のようなそういう事実があるということでございますとやはり問題でございますので、私どもとしては本人から事情を聴取するなりして、実態を調査せざるを得ないと思っております。
○山原委員 そして、五十二年度の決算書が資料(6)に出ておりますからごらんになっていただきたいと思いますが、昭和五十二年度の「資金収支計算書」ですね。ここの一般寄付金収入に十一億九千七百八十四万という数字が出てくるわけです。まさにこの数字こそは、先ほど出しました二つの帳簿の差額がここへ出てくるのです。五十二年度決算ですから本年の三月三十一日、すなわちその間に入学試験も行われますし、入学者の決定も行われる。その前にあるいは入学者から寄付金を納入されておるかもしれませんが、それは全くゼロになって、二重帳簿のこの差額の埋めのために五十二年の決算書の中にその差額だけが出てまいりまして、結局五十二年度におきましては全く寄付金は集めていない、こういう結果になりますが、その点は文部省、御承知ですか。
○三角政府委員 五十三年の入学者につきましては、先ほど初めのところで御説明申し上げましたように、これまでの事情聴取では後期の授業の開始時期以降にするという説明になっております。しかし、私どもは、新聞報道等にもかんがみまして、なお十分に理解が得られるまで調査をし、確認を進めたいと思っております。
○山原委員 いわゆる五十二年度、これは全く寄付金がゼロなんということはあり得ないことで、いままでこんなめちゃくちゃなことをやってきたところがゼロなんということはとうてい考えられませんけれども、数字の上からもおかしいのですが、この点につきまして、五十二年度の寄付行為の含まれた決算書ですが、これはすでに登記をされておりますか。 〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○三角政府委員 収支計算書そのものは登記事項ではございませんので、資産に大きな変動があったときには登記を変更するということかと思います。
○山原委員 ちょっと誤解されているんじゃありませんか。組合登記令によりますと二ヵ月以内に登記をすることになっておりますが、果たして登記をされておりますか、こういう質問でございます。過去二回登記をされておりますけれども、それが原本不実記載で問われておるわけでございます。しかもこの松本歯科大寄付行為の規定があります。この中にも二ヵ月以内に登記をするとはっきり書いておるわけでございますけれども、現実に登記はしていないのです。登記できないのです。だから組合登記令違反なんです。その点、どうですか。
○三角政府委員 お尋ねの組合等登記令に基づきます登記は資産の総額の変更の登記かと存じますが、これはお話しのように二ヵ月以内ということでございます。ただ、これはいわば積極財産から消極財産を差し引いた資産総額の登記でございますので、貸借対照表の上から出てまいります資産の額について変更があった場合に登記をいたすということでございまして、事柄といたしましては必ずしも直ちに、この収支計算書そのものからこれに直接連結して出てくるものではないかと存じます。
○山原委員 その点、時間がたちますから余り突っ込みませんが、大蔵省、いまの私の質問、どうお考えになりますか。組合登記令との関係ではどうなりますか。
○富尾説明員 私どもの所管外でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○山原委員 その点、調べてみてください、私もこっちの資料を持っていますから。 時間がありませんけれども、五十二年度の決算書をこの委員会に提出していただきたいと思いますが、委員長、お諮りをいただきたいのですが、いかがでしょうか。五十二年度ですよ。これは私が勝手に入手したかっこうになっていますから、五十二年度決算書はもう出ておると思いますので、これを私にでも結構ですが、できれば本委員会に御配付をいただきたいと思います。後でも結構ですけれども、いかがですか。
○三角政府委員 学校法人の収支計算書でございますが、これにつきましては、私立学校振興助成法に基づきまして助成を受けている学校法人に、制度上所轄庁に出していただくということが義務づけられております。それから一方、私ども、助成を受けてない場合につきましても当該学校法人に対する指導上必要な場合は、その都度資料の提出を求めるということがあるわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもが収支計算書を学校側から提出をしていただく意味合いと申しますのは、補助金の執行の適正化を確保するということでございますとか、あるいは学校運営につきまして適切な指導助言をいたしたいということからお出しいただいておりますので、そういった関係上、やはりこれは私学のことでございますので、制度論的に申しましても、これを私どもが当該学校から提出を受けた意味合い以外の目的にこれを用いるということは差し控えさしていただきたいと思っておりまして、従来もそのようにさせていただいておるわけでございます。
○山原委員 そういう態度ですね。これだけ問題になって、五十年度、五十一年度の入学でこんな不正なことをして、受験をする生徒の身になったら、本当に大学と言えるのか、日本の教育の世界にこんなことはあるのか、こういうような形で新聞も書き立てるし、問題が起こって、なおかつ決算書という、文部省に当然出すものまでこの国会の審議の参考に提供できないなどということは私は納得がいきません。私は全部の学校のものを出せと言っているのじゃないのですよ。これだけ問題になった学校でございますから公然と出すべきで、文部省へ提出するこの決算書を私たちにも渡していただきたいと申し上げているのでございますが、委員長、理事会においてこの決算書の取り扱いにつきましてはお諮りいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○菅波委員長 理事会において、御要望のような決算書の提出についてはお諮りをすることにいたします。
○山原委員 そこで、五十三年度の入学金がどうなっておるかという問題でございます。資料の(7)を見ていただいたらわかりますけれども、ことし、五十三年度の入学に当たりまして、一月十七日に父兄説明会が行われております。従来この父兄説明会におきまして入学寄付金の金額が提示をされてきたわけでございますが、今年度もいろいろな形で従来どおり、千四百万、千六百万、千七百万、千八百万というような数字が出されておることは事実であります。そして、二月の四日、五日と入学試験が行われました。そして七日から十三日が合格発表でございますが、このときには百二十名合格発表しておりますけれども、その前日の十二日の夜までに電話をかけまして、「寄付金はもらえますか」こう言っております。それに対して「はらえます」「はい合格です」こういう形です。こうしてその後入学手続が開始されまして、管理棟の二階の、正規の手続とは別の部屋で寄付金を受け取っております。受け取った方は、ここに書かれておりますように文書課課長補佐の方であり、また経理課経理主任の方であります。そして最後には百七十九名が合格をいたしております。定員百二十名に対して百七十九名の合格でございます。ほとんどの入学生から寄付金が取られておることは必至でございまして、その金額は約三十億円とほぼ確実に私どもは把握をいたしております。 その一例でございますが、資料(8)に書かれておりますように、五十三年度やみ寄付金を納入した具体例としまして、お名前を出すことをこの場所でははばかりまして、A、B、C、D、E、F、Gと、お名前をアルファベットにいたしました。そして出身県はこのアルファベットを使ったわけでございますが、Aさんの場合、T県、千八百万円、定期預金証書、大学から電話のあった日が二月十一日、定期、小切手をつくった日が二月十四日、大学に納入した日が二月十六日、これが入学の合否の参考になるわけでございます。私はいまここに七名の方の例を挙げておるわけでございますが、これは名前も私は持っております。住所も持っております。もし文部省やあるいは国税庁あるいは警察庁がお調べになるならば、この方たちは事実をはっきり言っていただけると考えておるわけでございます。これが実情です。 そしてもう一つ、ここで時間の関係で申し上げますが、最後の資料(9)、これはいままでどのようにしてやられたかという例でございますが、昭和五十一年度の入学願書に書かれた金と紹介者と銀行名です。たとえば入学願書の一枚目のものですけれども、その写真の左側に紹介者のお名前が書かれております。そうして右側に「OK」と出ております。合格です。その下に千八百万。これが全部出ているわけです。私はここに全部の資料を持っています。五百万、七百万は不合格。これが大学の実態なんです。全部この資料の現物、原本を持っております。その中から、個人に御迷惑をかけてはいけませんので、このように写真も名前も消しまして資料として提供したわけでございます。こういう形で合否が判定されるということを聞きますと、少なくともこの文教委員の一員として教育の問題に携わってきた者としては、本当にこれでいいのかと私は思います。またお互いにそうだと思うのです。 どうしてこういうことが起こるのかという問題でございますけれども、これは一つは、きょうも午前中にお話のありましたように、この大学の学則によりましても、あるいは教授会規程によりましても、教授会の任務ははっきりしています。その機能を奪っているわけです。前理事長、そして問題が起こりまして、告発事件やあるいは警察の捜査が入りまして、理事は全部かわったと言いました。ところが本年になってみるとまた二名の理事が復活している。これは御承知のように中山さん、筒井さんです。そして一番のこの原因をつくった方でございますところの理事長の矢ヶ崎さん、現在どうされておるかというと、おやめになったように見えますけれども、この方がいま、あの大学の三階の理事長室を二つに割りまして、理事長はおやめになったのだが、理事長室を二つに区切りまして、そして創設者用の部屋ができているわけです。ここに毎日出勤されているわけです。その創設者の部屋の中には和室があります。キッチンあるいはバスもついた部屋もつくられました。ことしの八月にはベランダもつくられました。まさに実権者の姿と威容をこの大学の中心にはっきりと示しているわけです。だから、いままでいろいろ捜査が行われたり、あるいは理事の更迭が行われましたけれども、依然としてこの矢ヶ崎体制というのはもうあの中に大きな力を持っておることは、この事実を見てもおわかりになると思うわけでございます。 私がいま申し上げたいことは、これらの問題を考えましたときに、まず第一番に、文部省としても、たとえば組合登記令の問題あるいは統計法の問題、あるいはその他の公認会計士問題等々を含めまして、瑕疵のあることに対しては厳正な態度をとることが必要だと思います。そして文部省といたしましても各省庁に対して、たとえば法務省、たとえば検察庁、たとえば国税庁に対しまして、やるべきことは積極的にやっていただく必要があるのじゃないか。そうしなければ何もかも中途半端に終わってしまって、そして一番のガンがまた復帰して大学を左右する、牛耳っていくということになるわけでございまして、これでは問題の解決にはなりません、こういうふうに考えています。この点につきましてはぜひ文部大臣から、最後で結構でございますか、ぜひ文部大臣としての決意をお伺いをいたしたいと思っているわけでございます。 その前に、今度、二日前でございましたか、読売新聞に出ましたことがございます。それは、昭和五十三年度のことでございますが、長野朝鮮信用組合に納入された金額が写真入りで出たわけです。それで納入先が松本歯科大後援会となっています。これか読売新聞の記事でございますけれども、このように写真で、「銀行の隠し口座あて」に送られておるというような見出しで書かれておりますが、ここに松本歯科大学後援会、こう出ておるのです。では、松本歯科大学の後援会とは何ぞやということで調べてみますと、これは規定も定款も何もない。しかも、昨年矢ヶ崎理事長がつくったものでございまして、会長は細萱さんという方でございまして、松本市の遠兵文具店の店主さん、いわゆる文房具屋さんであります。副会長はビデオサービスセンターの社長の渡辺さんという方でございます。この会社の前の会長さんが現在のこの松本歯大の現理事長の百束さんでございます。もう一人の副会長の丸山さんという方は電飾会社の社長さん。こういう方々でつくられておりますか、実体としては学校に出入りをする業者の方でつくられた後援会、しかも定款もなければ規約もない。いわばゴルフ仲間だと言われておるわけでございますが、ゴルフなどを親密に行いまして、矢ヶ崎トロフィーなどというのの争奪戦をする仲間だと言われておるわけでございまして、学校法人外のまるで実体のない団体の名前だけつくられて、そこに巨額の金が投入されるという仕組みになっているのではないか。こうなってまいりますと、やみ入学金をことしは取らなかったとおっしゃって文部省にも言われておるわけでございますけれども、実態はつかみようがないかっこうになっている、こういう事態があるわけでございますが、皆さんも新聞はごらんになっておると思いますから、この新聞の松本歯科大学の後援会、一体何者か、お調べになりましたか。
○三角政府委員 私どもといたしましては、松本歯科大学にいわゆる後援会のようなものが現在あるというふうには考えておりませんでしたが、また後援会というのは一般論的には、何らかの学校の特別のいろいろなプロジェクトを援助するために後援会というものがあるということはあり得ることでございますが、昨年来の状況にかんがみまして、私ども、いわゆる入学時寄付金そのものが好ましくないと同時に、入学時寄付金の取り次ぎをするような後援会も好ましくない。学校法人が直接収納すべき金はやはり学校法人自身が収納すべきである、そういう指導の方針を持ってございますが、いま山原委員御指摘のようなそういう後援会という名前を付したものがあるとすれば、一体それは何なのかというようなことにつきましては、次回の事情聴取の機会がありました場合に学校側によく尋ねて調査をいたしたいと思います。
○山原委員 最後の段階に入りますけれども、文部省へ出された予算書は、昭和五十三年度は二十五億ということで、先ほどの最初の管理局長の御説明ではそれは半分ぐらいということですから十二億五千万ですか、その程度のことにしたいというお話であったように思うのですが、実態は、もうきょうの新聞なんかにも出ておるように約三十億円の金か集められておる。それはどこにあるか、どこへその金が行っておるのか。そして予算書に十数億、あるいは二十五億にしたって、その差額の五億なんというものは一体どこへ使われておるのか、これがどういうふうになっていくのか。しかも、たまたま出てきた、父兄の方が苦しい思いで預けたお金が実体のない後援会。これはまさに伏魔殿ですよ。こういうことを本当に許せるかと思いたいのでございますが、これは大学局長に伺いたいのですけれども、私はすべてこの資料は持っています。見せてもいいですよ。事実に基づいて、どこから突っ込まれても構わないような資料を数週間かかって集めているのです。だから私は自信を持って言っているのですが、大学局長、私が先ほどからずっと説明してきましたこの資料に基づいて、この大学のあり方についてどういうお考えを持つか。そしてこの大学を本当に民主的に再建さすためにはどういうふうにしたらいいか。最初に大学局長のお考えを伺いたいのです。
○佐野政府委員 先ほど来の御質疑を承りながら、私も率直に申しまして非常に深刻な感じを持って受けとめていたわけでございます。正直に申し上げまして、補助金の交付を受けていない私立大学に対して文部省が何ができるかという点については、きわめて限界のあることであるとは考えますけれども、事柄がきわめて重大であり、かつその中には決して見逃すことのできないことが多くあるように思われます。いずれにいたしましても、管理局と協力をいたしまして、まず実態をただし、それに基づいて、この大学に対して文部省としてこのような是正措置をとるべきであるということを、福岡歯科大学の場合と同じようにきつく要請をするということをまずやりたいと存じます。
○山原委員 大臣にお伺いしますが、いま局長も言われましたように、福岡歯大の場合、いわゆる七熊さんという方と縁を切りなさいということまで、福岡歯大の指導に当たって言われておるようでございますけれども、これは正確かどうかわかりませんが、いずれにしましてもこういうガンの巣窟を残してはいけないわけで、しかも、その巣窟がいろいろなよい要因を持っておれば別でございますけれども、とにかく、私がいま申しましたように、組合等登記令あるいは公認会計士の問題とかあるいは税法の問題とか、いろいろな問題に抵触するようなことが平気で行われる。金の取り扱いもずさんであるということ。父母の皆さんだって、千八百万、二千万なんという金はただごとではないのですよ。命がけでつくって払っているのですよ。だから、私は父母の皆さんの行為を責めるつもりは全くありません。けれども、そういうことまでさせて、しかも日本の医学を担当する人たちをつくる段階で、英語がゼロ、数学がゼロ、生物がゼロ、そんなことで本当に教育になるのか。その子供たち自体にとっても、高等学校もゼロで卒業した、親のお金の力で大学へ入学して卒業もできるんだとなったときに、その子供の人間性というものがどれほど奪われるかということを考えますと、教育の面から見ましても、日本の医学の面から見ましても大変なことでございます。したがって、本当にここで文部省がしっかりした態度をとりまして、まず事実をしっかりと調査するということ、これが一つです。 それから次に、学則に基づいてこの松本歯科大の教授会の権限を本当に発揮できるように、その権限を奪っておるものをもとに戻す行為が必要なんです。それが大学の本来のあり方なんです。学生の合否判定まで取り上げるなんということ、ことしも入学試験の成績くらい見せてくれと教授会は言っているのですけれども、ことしも見せるわけにはいかぬと言っているのです。教授が、自分たちが採点をした、入学試験を受けた生徒の点数を知らないなんということがあるか。これは許されないですよ。そういうことがことしも行われている。 こういう事実に立ちますときに、本当に大学の機能を大事にしていく。そうして、それは創設期には功労があったかもしれませんけれども、しかし、少数のグループによって大学の学校らしい運営が破壊されるということに対しては、厳重な指導と助言を行っていく必要があると思いますが、約一時間二十分近く御質問申し上げたわけでございますので、これをお聞きくださいまして文部大臣はどのような御決意を持っておられるか、どのような対処をされるおつもりがあるか、最後に伺いたいのであります。
○砂田国務大臣 五十年、五十一年の事態をきわめて深刻に受けとめまして、昨年の九月に文部省の両局長名をもっての通知を出したわけでございます。それにもかかわらず五十三年度も、松本歯科大学の寄付金募集、入学選抜方法等に昨年の通知に反するような不適正なことが見られることはきわめて遺憾なことでありますし、許すべからざることであると前から考えておりましたけれども、きょうは明確な資料を持っての、確信を持っての山原委員の御指摘でございます。本当に遺憾千万だという気持ちで山原委員の御発言を承っていたところでございます。同大学の理事長、理事、副学長等から数度にわたって事情聴取を文部省も続けてまいりましたけれども、今日までのところの大学の説明だけでは私どもは納得するわけにいかない。われわれを理解させるだけの説明がまだ大学からございません。したがいまして、今後さらに詳細な事実の把握に懸命に努めてまいりまして、必要な改善の措置を求めてまいりたい、かように考えますけれども、われわれの姿勢は、きわめて厳重な姿勢で改善を求めていこう、きょう改めてその決意を新たにいたしたわけでございます。
○山原委員 終わります。(拍手)
○菅波委員長 次回は、来る二十日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十五分散会