物価問題等に関する特別委員会連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会 第1号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/10/11
会議録
○片岡小委員長 これより連鎖販売・ネズミ諸等調査小委員会を開会いたします。 連鎖販売・ネズミ講等に関する件について調査を進めます。 無限連鎖講の防止に関する法律案起草の件について議事を進めます。 本小委員会は、いわゆるネズミ講による被害が拡大している現状にかんがみ、これを防止するため、設置以来各小委員間における意見の交換及び関係政府当局に対する質疑並びに参考人からの意見の聴取などを行い、さらに各党間の意見調整を行うための作業を進めてまいりました。 ただいま小委員各位のお手元に配付してございます無限連鎖講の防止に関する法律案の草案は、各党の意見をもとに小委員長の手元で作成したものであります。
○片岡小委員長 本草案及びこれに関連して発言の申し出がありますので、これを許します。武部文君。
○武部小委員 私は、皆さんのお手元に配付されておりますこの小委員長私案にかかわる条文の問題点について、この席上で明らかにしておきたいことがありますので、逐次お尋ねをいたしますから、明快なお答えをお願いいたしたいと思います。 当委員会は、諸種の事情から公開をしないで、相当具体的な内容まで質疑を交わし、参考人の皆さんにもおいでをいただいていろいろとやりとりをいたしまして、委員会五回、小委員会九回、それを通じて大体の内容は明らかになりましたが、これからこの法案に基づいて起きる具体的なことを、私どもは各省庁の皆さんの御意見を聞きたいということからお尋ねするわけであります。 最初に、この法律が施行された場合に、この対象となるネズミ講の組織というものは現在時点でどの程度あるのか、それは何府県にまたがっておるか、これを警察庁からお伺いをいたしたい。
○佐野説明員 要綱なり法案の中身が確定しておらぬ段階で警察で公刊資料その他を集めたり、あるいは関係の府県に若干聞いてみたというふうな形でとらまえた数字でございますので、まだこれからフォローするなりあるいは検証してみないと正確なことは申し上げかねるというのが実は実情でございますが、あえて五月時点で幾つぐらいあったかと申しますと、私の方の把握では六十八支部ほど今度の法案の対象になろうかなと思われるものがございます。それから関係都道府県ということで申し上げますと、約四十都道府県にまたがりはせぬか。これはあくまで相当推測なり判断の問題が入っておりますということを前提で御承知おきいただけたらと、かように考えております。
○武部小委員 いま六十八支部とおっしゃったわけですが、これは一つの組織の支部があちこちにあるのを指して言っておられると思うのですが、そうではなくて、たとえば天下一家の会の組織、それから会員主導型、会主導型というものがあるわけですね。小さなものがある。天下一家の会というのは一番大きいのだけれども、これは会員主導型、会主導型のものを含めて何組織ありますか。
○佐野説明員 これは天下一家の会の方のパンフレットだとか公刊資料等突き合わせますとまだ多少そごがございますが、私どもの把握した範囲では、いま申しました六十八のうち、天下一家の会以外のものが九つございます。したがいまして、五十九が天下一家の会の支部組織であろうか、かように考えております。 それから、いま申しましたのがいわゆるお金を直接やりとりするといいますか、そういったいわゆるネズミ講の典型的なものかと思いますが、それ以外に、御指摘がございました、お金そのものがやりとりされないで、何かサービスだとかあるいは物が乗っかっていって物の割引とかいうふうな形の、あえて役務提供型とでもいいましょうか、その種のものが支部の組織数で約七個ほどございまして、関係都道府県としましては三都道府県という数字が上がっておると思います。
○武部小委員 わかりました。 それでは警察庁と法務省の刑事局にお尋ねいたしますが、この法律の第二条でネズミ講を定義しておるわけでございます。会主導型はいま出資法でいろいろ摘発を受けておるわけですが、会主導型及び会員主導型のネズミ講の開設や運営あるいは勧誘、そういうものについてこの定義で確実に検挙をして公判維持ができる、そのような確信を持っておられるかどうか、この点を最初に警察庁に、また、刑事局の方はそれで公判維持ができるというふうに理解しておられるかどうか、それをお伺いしたい。
○佐野説明員 具体的に検挙できるかどうかという御質問でございますが、これは訴訟上の挙証の問題とかいろいろな問題に関係いたしますので、検挙できるかどうかという点に関してのお答えですと、ちょっといたしかねる。ただ、問題は、ネズミ講の典型的な構成要件は二条に書いてございますので、その種の要件に該当するものがAであろうとBであろうとあるいはCであろうと、とにかくその種の構成要件に当たるものにつきましては私どもとしては従来の取り締まりより一歩も二歩も進んだ取り締まりができるのじゃないかというふうには考えております。 それから、あとは会主導型と会員主導型という御指摘がございましたが、これも実はよく調査してみなければわからぬ点も多いかと思います。問題は、変形なり多少形容詞的な面がいろいろついておりまして、それぞれある意味では千差万別というふうな性格もございますので、これも一概には申し上げられぬのですが、一般的には会が主導しているものに関しては現在でも出資法ですか、この種の既存の法令で対処いたしております。したがって、その種のものでも今度の二条の要件に当たってくるものがあれば、それはその限りにおいてはこの適用ということも考えられようかと思いますが、いずれにいたしましてももう少し実態なり捜査ないしは調査といいましょうか、その種のものが総合的にでき上がった段階でもう一遍いま申し上げました点についても見直しをやってみたい、かように考えている次第でございます。
○佐藤説明員 お答えいたします。 現在、犯罪になりませんネズミ講につきましては、われわれその実態をつまびらかにいたしておりませんので正確なことを申し上げるわけにはまいりませんが、幸い熊本のネズミ講につきましては詐欺その他で告発がございまして、刑事事件として処理したという実績がございます。その観点から、当時収集いたしました資料に基づいて考えてみますれば、本構成要件にそれなりに当てはまるものというふうに考えられます。 その他、会主導型と称する現在の出資法によって規制をしておるネズミ講、これもある程度実態がわかっておりますので、このものにつきましてもこの構成要件によって十分規制は可能であるというふうに考えております。
○武部小委員 そういたしますと、従来の出資法による取り締まりとこの新しい法律による取り締まりについては、新たな観点で第二条を生かせば会主導型のものも取り締まることができるというようにあなたの方では御理解になっておると考えてよろしゅうございますか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 これはやや専門的な法律の適用の問題になろうかと思いますけれども、出資法というものは申すまでもなく、出資法の一条でございましたか、預かり金の禁止に関する規定、これは一種のもぐり銀行の禁止規定でございますので、本件のようにいわゆる射幸性に基づいていろいろな犯罪が行われるという形態とはちょっと違いますので、法律適用の上からはそれぞれの法律の適用が可能である。以下罪数論をどういうふうに整備するかということで、現在われわれといたしましては、一所為数法という言葉がございますけれども、刑法五十四条の観念競合というふうに言われておりますが、あの規定によって両罪成立すると考えております。
○武部小委員 次に、通産省にお伺いいたします。 第二条の定義とマルチ商法との関係についてお尋ねいたします。マルチとの関係についてはこの法律は問題ないと考えておるのか、その点はどうかということと、特に訪販法の連鎖販売取引から政令で除かれているところの少額のマルチ、そういうものはこの法律で罰せられるということになりかねないという意見がありますが、これについてどうお考えですか。通産省。
○矢橋説明員 御答弁申し上げます。 まず第二条の定義とマルチ商法との関係でございますけれども、マルチ商法は申すまでもなく商品の販売を目的としたものでございます。また会員の階層も無限に下へ広がっていくというものではございませんで、通常はせいぜい三段階とか四段階どまりで有限となっております。このようなことから申しまして、私どもの考えではおのずから第二条の定義とマルチ商法との間の交通整理はついていると考えている次第でございます。ただ、たとえば実質的にはネズミ講でありながら新法脱法のために名目的に商品流通を伴うようにしたようなものにつきましては、実態に着目して本法でお取り締まりを願いたい、かように念願している次第でございます。 それから、御質問の第二点でございました訪販法の政令で除かれておりますいわゆる少額マルチと新法との関係でございますけれども、御指摘のように、訪販法の方では特定負担、つまり最初の商品代金と取引料の合計額が二万円未満の場合にはマルチ商法の定義から外れておりまして、したがいまして訪販法の適用外となっている次第でございます。しかし、これらにつきましても、先ほど申し上げましたように商品の販売を目的としたものとか、会員の階層が数段階で有限であるというもの、これらにつきましてもおのずと新法との間に交通整理ができておりまして、つまり普通はそれの適用にはならないと考えている次第でありまして、特に問題はないように存じている次第でございます。
○武部小委員 もう一つ通産省にお伺いいたします。 われわれはこの委員会でマルチの問題を取り上げたときに、マルチとネズミは根は一つだ、ネズミの上に商品が乗っかかって走り回るのがマルチだ、こういう定義でいろいろ論議もしそれなりに取り締まりをしてもらったわけです。警察庁はマルチを訪販法で取り締まりをして何件か検挙もしておるわけですが、この法律が施行されてから二年たっておるわけです。しかし、いまだにマルチは残存をしております。そういうことは、この訪販法には限界があるのじゃないかと思われます。特にこの訪販法が制定されるときの通産省の答弁、当時の天谷局長、現在のエネルギー庁長官でありますが、この人の答弁が議事録に載っております。通産省は、この法律が施行されればマルチの残存の余地はないということを明かに言い切っておるのであります。しかし現状はそうではない。しかも訪販法によって摘発された内容を見ると一番下の者がつかまって、肝心かなめの開設者、特に日本で最大のベストライン・プロダクツの外人はいずれも逮捕状が出ておりながら海外に逃亡しておる、そういうことで一向にこの成果が上がっていない。われわれは、このマルチの問題を明らかにしたときに、こういう肝心かなめの者が逮捕されないで末端の勧誘者だけが逮捕されていくというようなことではだめだということを強く要求してきたわけですが、この訪販法そのものは、ちょっと言葉は言い過ぎかもしれませんが、今日ざる法だと言ってもいいぐらい効果を上げていない。先ほど申し上げるように、ジェームズ・アーノットという責任者はすでにカナダに逃亡しておるわけですね。警察庁の方は追っていったけれどもとうとうどうにもならなかった。こういうことが現実にあるわけですが、今回われわれがこのネズミ講の問題をこうして取り上げる、先ほど言うように根は一つだということになるならば、当然この法律と関連をして訪販法というものは改正する必要があるのじゃないか。それは先ほど言ったような具体的な例から見て私はその必要があるというふうに思うのですが、通産省はどういうふうに考えていますか。
○矢橋説明員 ただいまの御指摘は、要約いたしますと、恐らく現在のような行為規制でなくて新法のような禁止法のようなものをも考えてはいかがかというような御指摘と理解した次第でございます。 そこでその問題でございますけれども、私どもといたしましてはマルチ商法を全面禁止とする対処の仕方は必ずしも適当ではないんではないかと考えている次第でございます。と申しますのは、仮に全面禁止、直罰ということになりますと、当然のことでございますけれども罪刑法定主義のたてまえから申しまして構成要件を厳格に限定する必要があるわけでございます。しかるにマルチ商法の実態にはきわめて多様なパターンがございます。また、法規制に対応いたしまして、変幻自在と申しますか、すぐ対応して形態を変化していくというような余地も大きいものと考えているわけでございます。つまり、そのようにいたしますと脱法のおそれがかえって大きくなって問題ではないかという点が第一点でございます。 いま一つ、技術的な問題といたしまして、いわゆる悪いマルチとマルチでも問題のないもの、あるいはさらに進めて申しますと特約店制度とかサブフランチャイズ制度と申しますような正常な商取引の形態、こういうものを文言上明確に区分することは非常にしづらいことであると考えているわけでございます。 以上申し上げましたようなことから、私どもといたしましては、マルチにつきましては営業の形態をある程度緩やかに広く決めておきまして、そして悪い行為を直に取り締まりをするというような現在の法律の形が一番妥当ではないかと考えている次第でございます。そうは申しましても、冒頭ただいま先生からおしかりを受けましたように、ねらいは悪いマルチの実質的な全面禁止でございますわけですから、私どもといたしましては、法施行はもとよりのことでございますが、加えて啓蒙普及等一生懸命いたしまして、悪いマルチの実質的な禁止に一歩でも近づくように最大の務めを果たしたい、かように考えている次第でございます。
○武部小委員 きょうはマルチの問題ではありませんからこれは宿題にしておきたいと思いますが、私はよいマルチ、悪いマルチという区分はないと思います。よいマルチというものは存在をしないという立場でおりますが、これはいずれにしても首謀者が罰せられなくて一番末端の行為者が罰則にひっかかるという、そういう具体的な事実が今日起きておるわけですから、こういう問題について訪販法の洗い直しをする必要がひとつあるんじゃなかろうか、こう思いますが、これはいずれ改めてまた別の機会にやりたいと思います。 そこで、今度は、本法が施行された場合にいろいろの脱法行為が行われるだろうということが予測できます。それはいままでの例から見ても明白でありますが、本法の罰則の規定の適用に当たって警察庁あるいは法務省はこの問題についてどういうふうにお考えになっておりますか、これをお聞きしたい。
○佐野説明員 御指摘の点ですが、問題はどういう態様のものが出てくるかという予測がちょっとつきかねると思いますが、ただ、あえて予想されるような幾つかのパターンを考えた場合に、その種のものはいわゆる伝播性に非常にブレーキがかかるようなパターンしかあとは考えられないのじゃないかという感じがいたしますので、むしろ当面はこの規制で相当程度の効果が上げ得るのではないかというつもりでおります。したがいまして、あと応用わざ的に、事案が出た場合、その事実判断あるいは挙証の問題はございますが、この種のもので鋭意取り締まりに努めてまいりたい。それからさらにこれではみ出るものがあるだろうから、はみ出るものが仮にありますといたしますれば、いま申しましたように比較的一挙に拡大したりあるいは幅広く進展するという問題に関して非常にブレーキがかかるようなやり方でやらざるを得ないというふうなものになろうかと思いますので、現段階ではこの法案で十分警察庁としては対処できるというふうな判断をいたしております。
○佐藤説明員 現在各方面におきましてネズミ講として問題にされておりますような案件につきましては、この法律によって十分取り締まりが可能であるということはまず言い得ると思います。それから先、法律を施行いたしました後におきまして、これは言うならば法律と人間の知恵比べということでいろんな脱法手段を考えてくることもあるいは想定され得るかもしれませんが、いずれにいたしましても将来の脱法手段を予想いたしましてあいまいな構成要件を立てておくということは許されないわけでございますので、仮に万が一さような脱法的な類型が輩出いたしました場合には、やはりその段階におきまして検討するということになるのが法律の筋ではなかろうかというふうに考えております。
○武部小委員 私がこれを申し上げたのは、なるほどおっしゃるとおり、本法施行後において彼らがどういう手に出てきたか、その具体的な事実が起きてからこれについて判断をする、これは筋だと思います。しかし、いままで私どもの委員会でやりとりしたり資料をとったりした中でわかったことは、これは一筋なわではいかぬ、いろんな形で脱法行為をやってくるだろう、今日までそのことを繰り返しやってきておるということを具体的な事実としてつかんでおるわけです。したがって、この法律は彼らにとっては大変問題の法律になるだろうということは当然でありますが、当然施行になって実施の間にそういう具体的な事実が発生するであろうと私どもは予想をしておるわけであります。たとえば長野地裁の判決がずらっとあるわけですが、長野地裁の裁判の進行の中における彼らの発言、そういうものをみんな私どもは承知をしておりますが、そういう行為はこれから必然的に出てくるであろう、そういうことを予想いたしますので、ぜひこの脱法行為には十分目を光らせて応用は的確にひとつやっていただきたいということは要望として申し上げておきたいと思います。 次に、第四条の関係であります。第四条は「調査及び啓もう活動」ということになっておりますが、実際にネズミ講がどういう具体的な活動をしておるか、その内容について調査をするものは主として警察庁の防犯という形でおやりになるだろう、またそうでなければこの法ではなかなかこれを摘発しにくいし調査しにくいだろうというふうに思うわけですが、警察庁はこの第四条に関連して必要に応じてそういう調査をやっていただけるかどうか、その点をお聞きをしたい。
○佐野説明員 実質的な意味で私どもの防犯活動だとかあるいは捜査活動の周辺の問題ということで掌握した問題が実質的にはこの四条の働く上で最大のといいましょうか相当支えになるということは申し上げられようかと思います。もちろん私どもそういう気構えである程度の実態掌握というものに努めていきたいと思っております。ただ、形式的な法文だけの問題で申し上げますと、ここに書いてございます四条の「調査」あるいは「啓もう」というものにつきましては、一応関係省庁がそれぞれの所管に応じて調査活動なり啓蒙をやるという形になってございます。もちろん、犯罪捜査という面では、もっぱら私どもの責任においてやるということになろうかと思いますが、いま申しました調査とか啓蒙という問題になりますと、その他いっぱいございます各省庁の中の一つということ、しかもその一つということは、形式的には調査というよりは犯罪捜査上の情報ないしは警察が業務の遂行上必要ないろいろな情報を掌握しておる、そういったものをいろいろな関係機関にはね返す、あるいは啓蒙の素材にするとかいうような意味におきまして十分機能はいたしたいと思いますが、法文そのものからいいますと、たとえば罰則がつかないような禁止行為もございますので、こういったものに対する調査とかあるいはPRとかいうような問題になりますと、私ども警察庁が、結果としてはある程度主になる向きもあろうかと思いますが、全体の中の一省庁というような位置づけでしか法文上は読めないということになろうかと思います。
○武部小委員 おっしゃるように、啓蒙の問題は後で申し上げますが、調査というのは、たとえば経済企画庁に調査しろと言ったってこれはなかなかできっこないので、この法律に基づいて具体的な犯罪の様子を調査するというのは、やはり警察庁においてやっていただかなければいかぬ。ですから、調査の大綱は警察庁が握っておるという、そういうような面でやってもらいたいというのが、私のあなたに対する期待であります。啓蒙の問題はまた別でありますが、調査というのは、やはり警察庁に的確にやってもらいたいものだということを特に要望しておきたいと思います。 次に、文部省でありますが、学生の中にネズミ講が非常に蔓延をしたということは、前回の委員会で私の方から提起をし、文部大臣もこれを了承して局長通達を各大学に流してもらいました。大変結構だと思いますが、ついせんだっての四日の日に、私ども物価の理事会に対して出された三十五大学、京都、滋賀を中心とした各大学の学長署名捺印のネズミ講禁止の要請文を受け取りました。各理事の皆さん受け取ったわけですが、このことは、特に大学にいまネズミ講がサラ金と結んで蔓延をしておる、したがって一日も早くこの法律をつくってほしいという要望だというふうに私どもは理解したわけです。したがって、きょう私が文部省にお願いをしたいのは、学生に対する啓蒙活動、そういうものをやってもらいたいと同時に、学生がこれにどういう加入状況になっておるのか、あるいは被害状況はどういうふうになっておるのか、そういうものの調査をぜひやってもらって、被害を未然に防ぐようなそういう行為を文部省自身もやってほしいということを特にお願いをしておきたいと同時に、これは各省庁にまたがるわけですが、これは大学生だけではなしに各種学校や予備校にも実は被害が出ておるのであります。いまも私は京都と滋賀のことを言いましたが、この学生のネズミ講というのは非常に飛び火が速いのでありまして、すでに神奈川大学その他京浜地区にももう相当飛び火をしているようであります。そういう意味で、学生のネズミ講の被害というのは非常に速い、地域がすぐ広がるのでありまして、そういう面で、前回局長通達を出してもらいましたが、この法律施行に基づいて、特にねらわれておる学生及び各種学校や予備校についても政府機関としてぜひ各省庁において今後もそのような調査、啓蒙をぜひやってもらいたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○石井説明員 ネズミ講の問題が大学生等の間に広まっておりましていろいろ問題があるということで、御指摘のとおり関西地区の大学の先生方から私どももいろいろお話を承っておりますが、今回こういう法律が成立いたしましたならば、前回大学局長名で通知を出したところではございますが、また啓蒙はもちろんのこと、学生の加入状況、被害状況等、文部省の調査できる限度ではございますが、そういう実情等も調査し、啓蒙に努めたいと思うわけでございます。 なお、各種学校あるいは予備校の問題もお話が出ましたけれども、こういう学校等に対しましても文部省から直接あるいは連盟等、こういう各種学校の連盟等がございますので、そういう機関を通じまして啓蒙等に努めたいと思うわけでございます。
○武部小委員 法務省刑事局に……。法務省刑事局はサラ金あるいはネズミ講の実態について調査をし、結果をこの間発表しておったようでありますが、こうしたことは今後も必要に応じて法務省としてはやっていただけましょうか、どうでしょう。
○佐藤説明員 私どもといたしましては、犯罪の防止というものは恐らく取り締まり機関の努力のみによっては根絶しがたいということは多年痛切に感じておるところでありまして、できるだけ関係機関の協力のもとに一致団結して犯罪を撲滅していくという方針で終始臨んでおるところでありまして、いろいろなことがございますが、具体的に申し上げますれば、いろいろな事件があった場合に、その事件から得られました資料等につきましては行政サイドに、捜査の秘密を害さない限りにおきまして流していろいろ検討を願うということもいたしております。また逆に、行政庁側からいろいろな御協力、資料の提供等をいただいておるということもございますので、そういう線で第四条に基づきます関係省庁の調査と、われわれが法務省の設置法に基づいて行っております調査とをうまいぐあいに兼ね合わせまして、この種犯罪の防止に当たってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○武部小委員 わかりました。 公正取引委員会、おられますか。——ネズミ講がマルチ商法に近いような脱法行為に出てきた場合に、公正取引委員会としてはあなた方の任務の範囲内で調査をして、独禁法十九条のいわゆる不公正な取引方法、そういうものに該当すれば、マルチのときのようなそういう処置をとっていただけるかどうか、この点、いかがでしょうか。
○川井説明員 お答えいたします。 ただいま武部先生から御指摘がありました点は当然のところでございまして、今後この法案が成立いたしました後にどのような脱法行為が行われるか、これは私どもまだはっきりわかっておるわけではございませんけれども、仮にそのような行為が、公正取引委員会が施行しております独占禁止法あるいは景品表示法、これらに抵触するようなものでございますれば、私どもといたしましてはこれに対して積極的に対処してまいりますことはもとよりのことでございます。
○武部小委員 この法律の第四条、「国及び地方公共団体は、」という項目が入ったわけでありますが、地方公共団体の広報紙その他を通じて自治体の住民に対する啓蒙活動を当然やっていただけると思うのですが、自治省として、第四条どうでしょうか。
○金子説明員 地方公共団体におきましては、相談活動あるいは広報活動等をやっておりますが、そういったものを通じて十分に本法の趣旨を徹底してまいりたいと考えております。
○武部小委員 それじゃ経済企画庁。あなたの方はこの啓蒙の方にもいままでテレビを通じたり新聞広告をやったり、いろいろな形でネズミ講禁止のことをやってこられました。それはそれなりにある程度の効果があったと思うのです。そういうものは続けていってもらわなければいけませんが、特にあなたの方は、たとえば衣食住の問題から家庭管理の問題、健康、美容の問題まで、非常に広範囲にわたって日常の国民生活に関連するものについてやってこられたわけですが、このネズミ講を含めて広く啓蒙活動をいままでもやってこられた。したがって、今後もこのネズミ講の防止のために経済企画庁が啓蒙の総合調整をやって、これからのネズミ講禁止に指導的な役割りを果たしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○吉岡説明員 経済企画庁といたしましては、従来からネズミ講の問題も含めまして、先生おっしゃいますようにいろいろな幅広いもので、国民生活センターの広報媒体あるいは政府広報にお願いをいたしましていろいろ啓蒙をやってきたわけでございます。今後ともネズミ講防止の啓蒙活動につきましては、関係省庁と十分協議をしながらその調整に努めてまいりたいと思います。
○武部小委員 いままでいろいろ各省庁の見解を求めてきたわけですが、私ども、この法律がここで決定した以後のことについて大変心配をしておることがあります。 それは、今日まで当委員会で十数回にわたってネズミ講なるものの本質を私どもは究明してきて、これが本質的に成り立たないということをもって詐欺的行為だとしたわけです。いわゆる賭博的行為、ギャンブルというようなものがそれに加味されるとかいろいろな意見もあり、最終決定の法案になったわけですが、問題はこの法律公布後、この最後にございますように、「公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。」というこの期間が非常に重要な期間だと思います。一体このネズミ講なるものに、起算して六カ月を経過した日から施行するという、この六カ月間のうちに何が起きるかということを実は私は非常に心配しておるのであります。言うならば、もう間違いなく駆け込み勧誘が行われるだろうということは想定できるのであります。 言うまでもなく、一番最後の末端の者は自分の損害を取り戻すためには他の会員を勧誘しなければ元は返らぬのです。このままどんずばりと禁止されたら後が来ない、後が来なければ泣き寝入りだ。そうなってくるとこれはもうがむしゃらに死にもの狂いで後発の会員の勧誘に出たるだろう。これを何としても食いとめなければいかぬ。そのためには一番必要なことは啓蒙だ。このネズミ講はもう禁止になったんだ、したがってこういうものに入ったらやられるぞ、このネズミ講というものは法律によって禁止されたんだということがわかって初めて、わからずに勧誘される者もそこで足踏みをして勧誘から逃れることができると思うのです。ところが、それをわからせなければ末端の一番被害を受けた者は、たとえば五万円を熊本に送って二十五万円をあっちに送った、三十万円まるまる損ですよ。それを取り返すためには子供と孫をつくらなければ自分の三十万は元に返りませんね。そのことを六カ月間に必ずやってくるに違いない。それを慫慂するだろう、それをやれと言って大宣伝をするに違いないと私どもは見ているわけです。 したがって、六カ月間のこの期間のうちに、一日も早く本法が決定すると同時に、このネズミ講なるものはかくかくのものでこれを勧誘した者は罰則を受けるし、これは成り立たないものだということを全力を挙げて実は啓蒙してほしい。それはもう経済企画庁を問わず各省庁ともそのことをぜひ努力をしていただいて未然に被害を防いでもらいたい。駆け込み勧誘を何としても防がなければならぬ。 同時に、財産の隠匿その他いろいろな形がとられるだろうと思います。きょうは具体的なことは申し上げませんが、いろいろな形がすでに行われつつあります。そういう具体的事実を私どもはつかんでおります。こういう財産の移管の問題やそういうこともメスを入れていただかなければなりませんが、一番大切なことは、これから勧誘されてわからぬうちに入っていく者は全部被害者になるわけです。その点をぜひ配慮していただいて、各省庁とも調査、啓蒙の点については最大限のひとつ努力をしていただきたい。これによってのみ被害を未然に防ぐことができるというふうに私は思います。 内閣広報室長、見えておりますか。——これは各省庁にわたるものでありまして、何分急なことであって十分な予算の点は、私どもからはなかなか具体的な数字は申し上げられませんが、そういう問題について十分な予算の配慮をしていただきたい。そうして各省庁が十分な協力をして、この六カ月間という期間のうちにひとつ大きな成果を上げるように努力をしていただきたい、このことを最後に要請をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小森説明員 お答えいたします。 いま先生御指摘のとおり、私ども、PRにつきましては各省庁にお願いしながらできるだけの措置をとってまいりたい、御趣旨を十分体して進めてまいりたい、こう思っております。
○片岡小委員長 宮地正介君。
○宮地小委員 本日、この無限連鎖講の防止に関する法律案が小委員長提案で出されたわけでございますが、基本的な問題から伺っていきたいと思います。 まず、この法律の第一条の「目的」の基本的概念が、いわゆる行政犯であり、賭博類似犯としてその発想の基本にある、こういうふうに言われているわけでございますが、長野地裁におけるいわゆる公序良俗に反する、こういう判決との関係、この辺を国民の皆さんがどのように理解をしていったらいいのか、法務省の見解をまず伺いたいと思います。
○佐藤説明員 私からお答えするのが適当かどうかわかりかねますが、一応私の考えを申し述べさせていただきます。 この第一条を読んでみますると、第二行目「いたずらに関係者の射幸心をあおり、」第三行目「加入者の相当部分の者に経済的な損失を与える」というようなことが記載してございますので、この辺のところから考えてみましても、いわゆる民法上の公序良俗に反する行為であるという把握の仕方は十分に可能であろうかというふうに考えております。 なお、長野地裁の判決、再三取り上げられておるようでございますが、一審の判決でございまして、あの件につきましては現在控訴中ということもございますので、かような行為が即民事上の公序良俗に反するものであるというふうにこの段階で断定することはいかがかということも感じております。
○宮地小委員 そこで第四条の「国及び地方公共団体の任務」、この中に「無限連鎖講の防止に関する調査及び啓もう活動を行うように努めなければならない。」とありますが、啓蒙活動については各省庁、特に経済企画庁の範疇が大体多いと思いますが、この調査、これも大体各省庁の現在の調査をそのまま継続して行うというように理解するのが正しいのか、特に中心として警察庁の防犯係が積極的に行っていくように理解した方がいいのか、特にこの調査という点について警察庁としては、この法律として具体的にどういうふうに受けとめておられるか、また、この新規立法を契機としてさらに積極的に行っていく考えがあるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○佐野説明員 警察の守備範囲というのは、御承知のとおり警察法とか刑事訴訟法の犯罪捜査という文言でおわかりのとおりでございまして、いわゆる捜査の一環としての調査という言葉が適当かどうかわかりませんが、捜査の一環としての実情把握というような問題、あるいは防犯活動の範囲内でのあるいは防犯活動のために必要な限度での実態把握と申しますか、そういった意味で言葉の上ではとらまえたい、かように思っております。 ただ、せっかくこういう法案ができまして四条が設けられたという趣旨にかんがみまして、その趣旨の徹底方をこの機会をもちましてさらに一段と進めるというような姿勢でまいりたい、かように考えております。
○宮地小委員 そこで、先ほど武部委員からもお話がありましたけれども、このネズミの中でも、最近サラ金と学生ネズミとの連携、いわゆるサラリーマン金融のお金をネズミ講の出資金にして、実際に悪質な学生ネズミが関西を中心に最近は関東にまで及んできておる。先ほど文部省からも今後の調査、PRを積極的に行っていきたい、こう言っておりますが、特にこのサラ金の問題は大蔵省がやはり根っこを押さえていかなくてはならない、こういうことで、いわゆる利息制限法との問題あるいは出資法との関係、そういうような基本的な問題につきましては、いろいろといま貸金業法として検討されているわけでございますが、このやはり根っこを押さえるサラ金との関係で大蔵省、特にこの新規立法を契機としてどういうふうに具体的に進めていかれるか、伺いたいと思います。
○岡崎説明員 ただいまのお尋ねはサラ金を中心にしたお尋ねと理解いたしますが、サラ金につきましては、いま先生お話しのとおり、私ども関係する省庁も多いわけでございますので、関係省庁の連絡会議を中心に前向きに取り組むべく検討しておりまして、できることならば今度の通常国会までに立法措置も含めました成案を得てお諮りしたい、こういうふうに考えております。 それに先立ちまして、サラ金自体の実体等につきまして、そもそもあれは届け出ということで必ずしも明白に実体はわかっておりませんものでございますから、それにつきましての実態調査を現在いたしておりまして、近日中にその調査結果もまとまるという状態にございます。
○宮地小委員 その辺をぜひとも今回の新規立法との絡みの中から、特にここでこのネズミのやはり禁止立法ができるわけでございますから、私は、連係を密にして、この学生ネズミというものの排除に、直接的にはサラ金ということで大蔵省としても一歩立場を異にするような考えを持っておるようでございますが、これは連係プレーの中でこの学生ネズミ、特にサラ金ぐるみの学生ネズミの排除には積極的に調査、また協力を要望したい、こういうふうに思うわけでございます。 さらに、現在このいわゆる財団法人天下一家の会がすでに登記抹消されておりながら、現実にはまだその財団法人天下一家の会という看板がかかっておる、そういう中で、やはり財団法人は国が認めたものであるという会員啓蒙などが行われて、このネズミが繁栄しているわけでございますが、この新規立法を契機に、やはりこの看板を本気になっておろす、これに対してどのように働きかけをさらに進めていかれるか、この点について、厚生省はきょう来てないのですか。
○片岡小委員長 来ていません。
○宮地小委員 じゃ、法務省の方でその点ちょっと伺いたいと思います。
○佐藤説明員 どうも事柄は民事局長の所管に属することと考えられますので、先生の御趣旨を承りまして、担当部局長にお伝えいたしたいと思います。
○宮地小委員 先ほども通産省の矢橋商政課長からマルチの関係については十分御説明あったわけですけれども、やはり国民がこのマルチの訪問販売法、そして今回できるネズミのいわゆる防止法、ここの隘路にこのネズミが逃げ込まない、これは非常に重要なこれからの考えられるところでございますが、マルチとこの防止法との関係において、この隘路としてやはり心配されるところを特に商政課長、その点について御意見があれば伺いたいと思います。
○矢橋説明員 御答弁申し上げます。 先ほども申し上げましたとおりでございますけれども、私ども一番心配しておりますことは、ネズミ講に関しまして全面禁止を旨とする新法ができるのに際しまして、若干の物品流通を伴うということでもって、それはネズミではなくてマルチであるというような形、これが一番予想される形でございますが、そういった形でいわゆる脱法をしてまいりますと、実情を申しまして私どもの手に負えないわけでございます。そういうものにつきましては、実態に着目していただきまして、新法の方で取り締まりをお願いしたいというのが、私どもの一番の念願でございます。
○宮地小委員 国税庁に伺いますけれども、いままでもこのネズミのいわゆる脱税行為ということで、いろいろ週刊誌などにも、現金を相当の額持ち込んで、何か国民に挑戦するがごときのようなことも行われて、税金が支払われてきた、こういうことも言われているわけでございますが、この新規立法を契機にいたしまして、今後国税庁としてはどのようにこの税金対策などについて取り組んでいく考えを持っているか、その点について伺いたいと思います。
○有安説明員 お答えいたします。 国税庁といたしましては、先生の御指摘の件は、所得税法あるいは法人税法に該当する場合にどういうふうな心構えでこれに対処するかという問題であろうと思いますけれども、各種のネズミ講につきましては、所得があれば、私どもは厳正にこれを調査をいたしまして課税をしているところでございます。特に熊本のネズミ講に対しましては、国税局長を責任者とする特別調査班を編成して調査をしているところでございまして、この法律が施行されましてネズミ講自体がどのように変化をいたしましても、所得があれば法人税法なり所得税法に従いまして、完全にその実態を把握して課税をしてまいりたいと思います。
○宮地小委員 公取委にちょっと伺いたいのですが、この新規立法ができましても、いろいろと抜け道をやはり巧妙に考えてくると思うのですが、やはりその最たるものはネズミ講のいわゆるPRの仕方、巧妙な、国民から見るとなかなかわかりにくいような表現でいろいろとPRの質をまた変えてくるのではないか、こういうことも予想されるわけでございます。そういう点、公取委員会といたしまして、この新規立法成立を契機として、何らかの啓蒙活動あるいは国民にわかりやすいそういう点の公取委員会としての法的検討、そういうものができるかどうか伺いたいと思います。
○川井説明員 ただいま先生の御指摘のような問題が今後起きるのではないかということは、当然予測されるところでございますけれども、私ども公正取引委員会が施行しております独占禁止法あるいは景品表示法は、いわゆる競争手段ということを前提としてつくられた法律でございますので、仮にこのいわゆるネズミ講が競争手段の範疇に入ってくるようなことが考えられるとすれば、それは当方で積極的に規制していくことはもとよりでございますし、その範囲内で仮に広告その他不当なものがあるならば、それについては規制をしていくということになろうかと思います。
○宮地小委員 さて、自治省に伺いたいのですが、この四条にございます「地方公共団体の任務」、こうなりますと、いわゆる県、市町村が実際の現場の窓口として、いろいろと相談あるいは啓蒙、そういうものをやはり積極的にやっていくことが、国民の底辺に対して一番末端の窓口になるわけでございます。サラ金などについては、最近いろいろと相談窓口をつくったり、あるいは融資の応急的な措置というもので、各地方団体においても国に先がけていろいろ対応してきているようでございます。このネズミ講の取り締まりに対しましても、国がこれだけの禁止立法を制定した以後におきまして、やはり地方自治体の窓口相談あるいは地方自治体における啓蒙活動、こういうものが積極的に働いて、国と地方自治体の連携の中でこのネズミ講の具体的な対策というものが動き出すと思うわけでございますが、この新規立法を契機といたしまして、自治省として全国の県、市町村に対して具体的なアプローチをどのように考えておられるか伺いたいと思います。
○金子説明員 地方公共団体におきましては、消費生活センターのほかに各役場の窓口等におきまして住民に対しての相談業務を行っております。こういった住民の身近にある相談業務を通じましてできるだけの啓発活動をやっていきたいというふうに思いますが、その具体的な方法、内容等につきましては経済企画庁その他関係の省庁と相談をしながら十分に対処してまいりたいというふうに考えております。
○宮地小委員 この法案ができまして私たちが一番心配する一点は、いまこれだけの各省庁がたくさんお見えになっているわけですが、果たしてどこの省庁が中心になっていわゆる所管事務をしていくのだろうか、こういう心配が大変あるわけでございます。全部と言えば当然全部でございます。そういう点で、特にこの物価対策特別委員会の中でこの論議をしているわけでございますが、国民生活局を中心としていままで以上に積極的に経済企画庁としても、たとえば啓蒙活動、PR活動を積極的にやっていくことは当然でありますけれども、各省庁のいわゆる取りまとめ役といいますか、いわゆる事務の取りまとめの中心的役というような立場で今後この新規立法を契機にさらなる機能的働きをしていく、そういう考えがあるかどうか、その点について伺いたいと思います。
○吉岡説明員 経済企画庁といたしましては、先ほど武部先生の御質問にもお答えしたところでございますが、従来ネズミ講の所管がはっきりしなかったということで消費者保護会議等でやったこともございまして、一応取りまとめ役を買って出たわけでございますが、それではこの法律で第一条なり第二条なりにつきまして行政庁として所管をしてこの法律を全部総合的に調整できるかという話になりますと、経済企画庁設置法の趣旨その他からいきましてちょっとそれは、全部を総合的に取りまとめて、総合調整するというのはちょっと無理ではなかろうかというふうに思います。ただ、第四条の国及び地方公共団体の防止のための調査、啓蒙のところの関係でございますが、従来からも国民生活センターという国民に対しまして直接啓蒙活動を行う、情報提供を行う機関がたまたま国民生活局にといいますか、経済企画庁の付属機関的な特殊法人としてございますので、その広報団体を使って、あるいは政府広報の広報室の方にいろいろお願いをして各省と十分協調連絡をとりながらやっていくことについてはやぶさかでないということを申し上げたいと思います。
○宮地小委員 いまの点について、きょうは内閣官房も来ているようでございますが、官房としてはいかなる考えをお持ちでしょうか。
○小森説明員 私ども行ってきました広報事務と申しますと、いわば媒体と申しますか、マスコミの媒体、テレビ、ラジオ、新聞等一般の機関の媒体を管理するという、いわば各省の個別の行政目的に沿いますようなPRを担当する、こういう任務になっております関係でございますので、私どもといたしましては、PRの観点でその媒体を管理と申しますか、そういう観点からはいろいろ関係各省と協力しながら事務を進めてまいるという点についてはやぶさかではございませんけれども、このこと自体について私ども広報室といたしましてどうこうするというのは少し何か感じが違うようでございますので、その点は御理解いただければ大変ありがたい、こう思うわけでございます。
○宮地小委員 何かいまお話を聞いていると、せっかくこれだけの新規立法を苦労して成立をさせよう、こういうふうに努力をしているのに水をぶっかけるような弱い答弁で大変残念でございますが、きょうは時間も限られておりますので、この新規立法が成立と同時に各省庁の機能が具体的に働いていってこそ国民の期待される法律になるのではないか、私はこういうふうに思いますので、経済企画庁を先頭にいたしまして各省庁のますますの努力、またこの法案のできる過程も皆さんは十分に——国民がどれだけ厳しい目に遭って、世論の中でつくられた法律であるという認識の中に立って、どうか努力をしていただきたい、このことを強く要請をして私の質問を終わりにしたいと思います。
○片岡小委員長 米沢隆君。
○米沢小委員 この問題は先ほど武部先生の方からお話がありましたが、結局経過期間を六カ月にするか三カ月にするか、これでかなりもめたわけでございます。 そこで参考のためにお聞かせいただきたいのですが、二十九年でしたか出資法ができたときに、その対象になった連中は経過期間中どういう動きをしたのか、わかっておったら教えていただきたいと思うのです。
○岡崎説明員 突然のお尋ねで、私特段の用意をしておりませんし知識もございませんので、しばらく調査をさせていただきたいと思います。
○米沢小委員 それから第二条の問題でありますが、これはここに書いてありますように「これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもって増加する」というこの文書が大変気になるわけです。まあ一・九倍とか一・八倍というのはないだろうというわけでありますが、たとえば一・五にした場合三人ばかり口説いてこいとなったら完全に脱法行為ができるわけでございます。そういう意味で、二と書くのがいいのか、それとも一定以上のという、一定という倍率の数を限らないである一定のというそんな文言にした方が逆に脱法行為は防止できるのではないかという感じがするのでありますが、その点について法務省それから法制局の見解を聞かせていただきたいと思うのです。
○上田法制局参事 小委員長の私案をお手伝いいたしました者といたしまして、いまの御質問に簡単にお答え申し上げます。 実は先ほどからお話がございましたように、小委員長私案としてお手伝いをしておりました最初の段階におきましては、構成要件というものをどのように考えていくか。具体的に言いますと、構成要件でございますから、なるべく厳格に規定しないといけない、そういう一つの要請がございます。それからもう一つは、先ほどから各先生方がお話をしておられますように、構成要件を厳格にすることによってどんどんと脱法されるということがあっても困る。その二点をどのように調整していくかということで苦労しておったわけでございますが、こういう構成要件につきまして、ぎりぎり最終的には実施機関が完全に取り締まりができないということでございますれば委員会で立案をなさる趣旨にも反しますので、われわれの方といたしましては、取り締まり当局でございます法務省、警察その他とよく連絡をし、最終的にまとめたのがこの構成要件であります。 いまお話しのように、二以上の倍率で増加するものということでございますので、一・五とかそういうものは明らかにこの構成要件から外れるということになります。一・五とかそういうものでございますと、増加率が低くて組織も複雑になるというようなことで、現在問題になっておりますネズミでございますが、この構成要件で十分取り締まっていくことができるというふうに考えております。
○佐藤説明員 私どもの方におきましても、現在刑事事件の関係で把握いたしました限りのネズミ講につきまして、いろいろ調査検討いたしたわけでございますが、すべて二以上の倍率で増加するということが内容になっておりますし、実際問題といたしましても、ただいま法制局筋から話がありましたとおり、端数のつく倍数では実際上あり得ないし、かつ理論的にもなかなか成り立ちにくいということでございますので、この構成要件をもちまして十分取り締まりが可能であろうというふうに考えております。
○米沢小委員 それから、やはりこの第二条に関連するのでありますが、「一定額の金銭を支出する加入者が無限に増加するものであるとして、」とこうあるわけですね。きのうでしたか、天下一家の会の方から請願書を持ってきまして、これを読んでみますと、われわれは無限の加入者を必要としない、会員数五百万人くらいで円軌道を描く、再加入、再々加入、こういうことで結構やれるんだからという言い方がしてあるわけですね。そうなりますと、現に彼らはこういうふうにやっておると言うのですが、今後、たとえば会員数約五百万人くらいでぐるぐる回って円軌道でやるということになったら、これは全然取り締まりの対象になり得ないということになるわけですね。
○佐藤説明員 第二条を読んでみますると、「一定額の金銭を支出する加入者が無限に増加する」要するに、不特定多数の加入者が無限であるということでございますので、仮に五百万人がぐるぐる 一つの円のサークルの中で回るということも論理的には無限でございますので、当然この構成要件に該当するということになるわけでございます。
○米沢小委員 それからもう一つは、この法律が公布されて、施行されてからも問題になるでしょうが、現にこの講に入って日の浅い連中が、結局取り立て騒ぎをかなり騒がしくやっていくのではないかと思うのです。そうなれば、これはかなり混乱する状態が考えられるわけでありますけれども、いわゆる講に入った被害者の連中は、この法律ができることによってどうせ民事手続で返せという議論しかできないと思うのですが、この法ができることによって、銭返せという議論が何か有利になっていくものかどうか、ちょっとそのあたりを聞かせてほしいと思います。
○上田法制局参事 いま先生の御質問は、現在加入しております子ネズミがこの法律が通ることによって元も取れなくなるではないか、その場合に何とかうまい方法はないであろうかということと伺いましたが、この法律で、いわゆる子ネズミというものも具体的に無限連鎖講に加入するというものでございますから、その行為は違法であるということになります。今後はこういうことで禁止措置が講ぜられるわけでございますが、いままでは無限連鎖講に入るということ自体が違法であるということにはなっておりません。したがって、現に長野地裁の判決にございましたように、加入金の回収、返還ということを求める民事訴訟が起こっておるわけでございます。その場合に、いままではこういうネズミ講そのものが違法であるというようなことが法律上明定されたわけでもございませんので、むしろ具体的な事案に処して、裁判所がこれは民法に違反するか違反しないかというような公序良俗の問題として取り上げたわけでございます。今度こういう法律ができますと、裁判所の方でこういう事件は民事上におきましても公序良俗違反の事件であるという判断がしやすい一つの素材になろうかと思います。素材にはなろうかと思いますが、この法律は、御存じのように啓蒙宣伝をするという行政庁の行為を規定したものでございますと同時に、処罰をするということを規定した法律でございますので、直接民事的な問題にどうこう関係があるというものではないかと思います。
○米沢小委員 結構です。
○片岡小委員長 藤原ひろ子君。
○藤原小委員 まず法務省に三つ、四つ確認をしておきたいというふうに思います。 それは第二条ですけれども、「「無限連鎖講」とは、一定額の金銭を支出する加入者が無限に増加するものであるとして、」と、「あるとして、」というのがひっかかるわけですが、これは「増加するものである」というふうに勧誘員が言う場合があります。また講の組織者とか講元、こういったところが言わない、宣伝しないというやり方もあると思うんですね。そういうときに、その組織自体が無限に増加することを前提にして成り立っております場合ですから、無限連鎖講として規定するのだというふうに考えますけれども、このような場合も取り締まりの対象になっているというふうに理解していいわけですね。
○佐藤説明員 そのお考えでよろしいかと存じます。
○藤原小委員 もう一つ第六条ですけれども、「業として」ということがありますね。この場合の「業」とは一体何か。職業というふうに理解をすべきなのか、それとも幾口も加入して多数の人を勧誘する者というふうに理解するのか。法務省としてはこの「業として」というのをどのような解釈をしていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○佐藤説明員 「業として」という言葉はほかの法令でも種々用例がございます。そのほか刑法上には「業務上」という言葉も使用してございます。これの理解といたしましては、要するに反覆継続するものである。たとえば無免許運転者の場合、業務上過失致死傷罪が成立するかという問題がございまして、別にタクシーの運転手、職業として自動車を運転している者でなくても、反覆継続性があれば無免許運転は業務上致死傷罪が成立するという理解になっております。この言葉の解釈、第六条も同じでございまして、反覆継続して勧誘することによって成立する罪であるということでございます。
○藤原小委員 次に量刑の問題です。この目的には「射幸心をあおり、」というふうにしておりますけれども、こう言いますと、このネズミ講は賭博の一種というふうにも思えるわけです。賭博の最高刑は懲役五年ということです。また勧誘手口から見ますと詐欺の性質があるというふうにも考えられます。そうしますと、詐欺罪の最高刑は懲役十年ということになっているわけです。類似の犯罪と比べまして特に今度のこの法案が不均衡だというふうなことはないのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○佐藤説明員 第五条の法定刑の根拠につきましては、むしろ法制局サイドからのお答えの方が筋ではなかろうかという感じもいたしますが、一応私なりの理解で申し上げますと、第五条の罰則は出資法の二条でございます。先ほど一条と私申し上げたように思いますが、二条の「預り金の禁止」に関する規定が三年以下というふうになっておりますので、一応その辺を基準にしてこのような刑が設定されたのではなかろうかというふうに考えます。 なお、詐欺類似か賭博類似かということにつきましてもいろいろな考え方があるわけで、一概的に右だ左だというきめつけ方もなかなかむずかしい類型のようにも思われます。それやこれやがありまして、一応出資法の第二条を一つの基準とされてこのような刑が設定されているのではなかろうかと私なりに理解しておるわけでございます。
○藤原小委員 それでは今後の問題ですけれども、今後裏をつけるとか海外旅行に行かせるとかいろいろ役務提供というふうな型が出てくるのではないかというふうにも思うわけですけれども、こういったいろいろな脱法行為、先ほどからも御質問ありましたけれども、これに対する監視を強化する必要があるというふうに思うわけです。必要な場合には法改正をしなければならないのではないかというふうに思うわけです。今回はこの法案には明記がされていないし、またするのも大変だというふうな状態もわかるわけですけれども、そういった問題が起こりましたときにやらなければならないというふうな事態が起こってくるのではないかと思うのですが、その点御見解はいかがですか。
○片岡小委員長 それは官庁側からお答え申し上げるより、私がいろいろ世話をしてまいりました段階において考えたことを申し上げますと、それはそれで、またここに第四条で「調査及び」と書いてございまして、それぞれの受け持ちにおいて始終調査をやってもらう、こういうことで、脱法行為については厳重にそれぞれの立場において監視といいますか、調査をしてもらう。そして、どうしてもそれが大きく被害を及ぼすという段階になれば、これはやはりその段階においてこの法律をさらに改正増補するということが必要になってくると思いますので、そのときにはそのときでひとつ考えていこうという考え方で進んできております。御了承いただきたいと思います。
○藤原小委員 先ほど、経企庁も従来どおりに一生懸命啓蒙宣伝活動を行いますということもおしゃったわけですけれども、そういったお答えの中に、従来どおりとかできるだけとか十分にとかいうお答えの仕方ですね。 そこで提案をしたいわけですけれども、経済企画庁それから自治省、警察庁、ここが共同していただいて、各県の消費生活センター、こういったところの担当者を集めて、いまから講とは一体どんなものなのか、指導の内容、予側される相談内容、こういったものに対するアドバイスなどについて周知徹底するということが非常に重要だというふうに思うわけです。それについて、できるだけいたしますとか十分にいたしますとか、十分の中身なんですけれども、いま申しましたようなことはいかがなものなのか、そういうことをされるおつもりがあるのかどうか、三省庁にお尋ねをしたいと思います。
○吉岡説明員 経済企画庁は、昨年だったと思いますが、うちの国民生活局長名で各都道府県知事に通知を出しまして、PRをやっていただきたい、ネズミ講にかかる啓発をやっていただきたいというお願いをいたしまして、同時に国民生活センター等でリーフレットをつくりましたものを配布いたして、その周知徹底に努めたわけでございます。いま先生おっしゃいますように、東京に集めてということはいま急にできるかどうか、ちょっと私も判断いたしかねますけれども、関係省と協力の上、積極的に消費生活センターなりあるいは都道府県、市町村の職員等が十分住民の相談に応じられるように、講の内容、それから入った場合に、入らない方がいいというふうなことになろうかと思いますが、そういう現実につきましては十分啓蒙のための資料を提供してまいりたいと思います。
○金子説明員 どのような方法で地方公共団体の啓蒙活動に資するのが適当であるのか、いまちょっとお答えいたしかねますが、その点については十分企画庁と相談をしてやってまいりたいというふうに考えます。 ただ、地方公共団体の側にいたしましても、この法律ができましても、この解釈、運用その他につきまして、この法律の条文だけでは明らかにしがたいものが非常に多いと思います。したがいまして、そういった内容等につきましては、これら関係各省の御協力を得なければなりませんが、地方公共団体が住民に対して十分に啓蒙、啓発ができる、あるいは相談に応ずることができるような十分な資料をつくり、あるいは相互の調整を行う等によってその辺の措置を図る必要があろうかというふうに思っております
○片岡小委員長 警察庁、防犯の立場から……。
○佐野説明員 幸いにしてこの法律が効果を発揮してこの種の事態が六カ月後になくなってくるというふうなことになりますればこれは非常に結構でございますし、その段階ですと、私どももさらに将来のためのいわばPRとか実態把握ということに十分手はつけられると思いますが、不幸にして依然としてこの種の事態があるということになりますと、警察内部でその捜査のための協力とか研修あるいは窓口相互の連携とかというふうな問題で、いわば警察固有の事務で相当手いっぱいになる場面が出てくるのじゃないかという感じがいたしておりますので、もし万一——その事態になってみませんとわかりませんが、事態が鎮静化して余力が出てくる、あるいはむしろPRとかその他行政面の方に十分動いていただいた方がいいという場面が出てまいりますれば、関係省庁と十分御連絡をとって、いま御指摘のようなこともその時点で改めて考えると申しますか、検討させていただきたい、かように考えております。
○片岡小委員長 文部省、何かありますか。
○石井説明員 私も、先ほど啓蒙につきましては、また調査につきましては、文部省としての調査権限の範囲で十分努めたいということを申しましたけれども、ただいま自治省の方からお話がありましたとおり、やはりこの法律の内容というものについて十分明確にしていただいて、それをもとにし啓蒙する必要があるというふうに考えているわけでございます。
○藤原小委員 立法化がされるまで、きょうに至るまで何年かかかり、その間各省庁がなるべく遠慮しておこうというふうな譲り合いも私たちはっきり見られていたわけなんです。そういった中で各省庁が共同してやるというところがいままで一番抜けていたと思うのです。その点をぜひやっていただきたいということを強く要請したいと思いますのと、それから私どもの方はこの施行期日を三カ月にするのか六カ月にするのかということで大変皆さんお待たせしたというふうに思うわけですけれども、六カ月で皆さん統一していよいよこれを成立さそうというふうに協力いたしましたのは、処罰の点では六カ月後であるかもわからないけれども、啓蒙宣伝活動つまり第四条というのは、もう私はあしたからでも発効できていく。六カ月たてば本当は第四条は要らないぐらいになるのじゃないかというふうに思うのですけれども、その点、いま申しました今日までのたどってまいりましたような押せ押せの歴史ではなくて、積極的に各省庁が協力、共同してし合うというふうなことを強く要請をしておきたいと思うわけです。 それからいま文部省からお答えがありましたけれども、ぜひお願いしたいのは、以前に大学にずっとネズミ講がはびこるという中で通達を出していただいた、これはよかったとは思うわけです。しかし実際に私も京都で、立命館大学それから大谷大学であるとか外国語大学であるとかそこへ入りましていろいろ実情を聞いてみたわけです。そうしますと、なるほど一片の通達だけではだめだなということも考えているわけです。それは大学当局が親身になって相談に乗るということが非常に大事だということを考えたわけです。それで、ぜひとも文部省からそういう実のある通達といいますか、実のある指導、これをぜひとも早くやっていただきたい。学生がネズミ講にひっかかり、学生証一枚で三十万円もサラ金から借りる。しかもそれが三十万円で千六百五十万になりますよというふうな甘い言葉にひっかかる学生。それから射幸心というものでなくて、先輩後輩という関係で、学生、青年は友情や連帯を大切にいたしますから、その点でやむなくひっかかって、ひっかかったが最後、勉学も手につかない、この夏休みもアルバイトで国へも帰らなかったという状態が出ているわけですから、ぜひとも、形式的な通達と平板な通達ではなくて、実のある通達を直ちに出していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石井説明員 先般六月十六日付をもちまして、大学局長名の通知を発しましたけれども、同時に、私どもは特に関西地区の大学に対しましては、個別に状況等どうであるかというようなこと、これは電話でございますが、照会したりいたしておりまして、できるだけ通知の趣旨につきましては、形式的なものではなくて、実のあるものとして学生に周知されるようお願いしているところでございます。 また、今回の法律が成立いたしましたならば、先ほど来先生御指摘のとおり、いろいろと法律の定義といいますか内容といいますか、そういうこと等につきまして明確にしていただくし、またそういうことがないとなかなか一般にはわかりにくいというようなこともあろうかと思いますので、そういうことをもちまして、そういうことができましたら、直ちに私どもこの法律の内容をば全国の国公私立大学はもとより、それから先ほど武部先生の方からお話があったかと思いますが、各種学校等に対しましても何らかの形で趣旨が徹底するようにしてまいりたいと思います。
○片岡小委員長 依田君。
○依田小委員 一点だけちょっと確認をさせていただきたい、こう思うのであります。 要は、この法律をつくりましても、脱法行為が出てしりぬぐいができない、こういうことでは困る、こう思うのです。 先ほどからいろいろ委員の方の質問を聞いておりまして、あるいは商政課長のお答えを聞いておりますと、マルチ商法との谷間、その辺へ入ってくるものについてなかなかその辺の取り締まりが無理じゃないかという印象を私は受けたのです。 そこで、ここに書いてございます、「金銭」というふうに限って書いてあるわけでありますけれども、この「金銭」というのは現金に限るわけでありますか。
○佐藤説明員 現金に限ると思いますが、金券同様の小切手等も含まれ得るものと思います。
○依田小委員 たとえば国債であるとかあるいは土地権利証であるとか、そういうものはどうですか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 ただいまの設例として挙げられました国債あるいは土地権利証等は、言うならば財産上の利益という方に入るものではなかろうかと思われますので、「金銭」という言葉からそこまで読み取ることは刑罰としてはちょっと無理ではなかろうかというふうに考えます。
○依田小委員 私はそう考えていきますと、非常に卑近な例でありますけれども、われわれパチンコを昔やりましたが、御承知のように直接金銭の取引をやりますとひっかかるというわけです。そこでくつ下なり何かを一応くれておいてそれを金銭にかえる、こういうやり方をやります。いま法務省のお答えですと、「金銭」の中に債券とかそういうものが入らない、こういうことになりますと、そういうものを対象に勧誘をするということになると、それが脱法行為になってきて取り締まれないというようなことになってくると、金銭に限るということがこの法律の適用範囲を非常に狭めているのじゃないか、私はこういうふうに思うのであります。この「金銭」というのをなぜ金品とは書けないかどうか。その辺をちょっと確認したいと思うのであります。
○佐藤説明員 実は私どもの立場から申し上げますと、ここに金品というふうな表現を使いました場合に、先ほどから問題になっております一応法律によって許容されておりますマルチ商法との区別が非常にむずかしくなる。片や全面禁止、片や一応許可をいたしまして合法というふうにいたしまして業種規制で臨んでいるという二つの法律の立て方があるわけでございますので、それをすべてこちらの方で仮に取り込むとするならば、マルチ商法につきましても法律的な手当てをすべきではなかろうか。あれをあのままにしておきましてこちらに解釈上持ち込んでくるというのは、法の整合性上かなり問題があるのではなかろうかというふうに考えます。 ただ、いろいろ脱法行為があるのではなかろうかという御指摘でございますが、要は金品が主であるか金銭が主であるかという実態判断の問題でございまして、金銭が主であるというふうな認定がつきました場合には、多少、ほとんど値の張らないような物品のつきまとうネズミ講でありましても、やはり第二条の定義によって十分擬律できるというふうに考えております。
○依田小委員 今度の項目にはそういうあれがございませんけれども、前の処罰法の方には加入金とは何々、いろいろ金の規定をしておるわけであります。今度はただ「金銭」ということだけでこの法律は書かれておるわけでありますけれども、同じ「金銭」にしても、いろいろそういうような名目の非常に微妙なところで判断のしにくいものが出てくるのじゃないか、こう思うわけでありますけれども、これは細かく規定する必要はない、ただ「金銭」でよろしいのでしょうか。
○佐藤説明員 よろしいかどうか、私何ともお答えのしようがないのでございますけれども、一応私どもの知識でいままで吸収しておりましたネズミ講の実態というのを照合してみますと、いずれも無限に加入者が増加する、相当多数の加入者を前提といたしましてこの講が動いていく、かつかなり複雑なシステムを必要とするわけでございますので、たとえば土地権利証をもって金銭にかえるとかあるいは国債をもって金銭にかえるというふうなやり方ではこれはとうていやっていけないのが現状のようでございます。したがいまして、当面われわれが問題としておりますネズミ講はこの「金銭」という表現で十分賄い得るというのが私なりの考えでもございます。
○依田小委員 そうすると、法務省の感覚としては脱法行為というのはいまのところ考えられない、こういうことですか。
○佐藤説明員 先ほども申し上げましたとおり、法律と人間との知恵比べでございますので、絶対に考えられないかということになりますればこれはまた問題がいろいろあろう、考え方があろうかと思いますけれども、一応の社会通念に従いまして現在行われておるネズミ講を考えました場合に、まずまず金銭以外の脱法手段によって金銭同様の効果をおさめ得ようとするような講、この種講は成り立ち得ないというふうに私は考えております。
○片岡小委員長 以上で発言は終わりました。 この際、お諮りいたします。 小委員各位のお手元に配付してございます無限連鎖講の防止に関する法律案の草案を本小委員会の案とすることに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○片岡小委員長 起立総員。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの無限連鎖講の防止に関する法律案の委員会に対する報告等につきましては、小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片岡小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 本小委員会設置以来、小委員各位に御努力をお願いいたしまして、懸案でありました無限連鎖講の防止に関する法律案につきまして、今回の草案を得ることができましたことは、ひとえに小委員各位の御熱意と関係政府当局の御協力のたまものと厚くお礼を申し上げる次第であります。どうもありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時散会 ————◇—————