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85回国会衆議院1978/10/17

物価問題等に関する特別委員会 第3号

発言数
79
登壇者
8
会派数
1
開催日
1978/10/17

会議録

美濃政市日本社会党

○美濃委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西宮弘君

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私は、実は、先般宮城県を中心にして地震の大きな災害があったものですから、その問題に関連して若干お尋ねをしたいのでありますが、この問題をあえてこの物特で質問をいたします理由は、たとえば地震保険の制度について、大蔵省が出しております公の文書等でも、これを消費者対策の一つというふうに位置づけをしておるわけです。したがって、きょうは長官にかわって物価局長においでをいただきましたが、後で御意見は伺いますけれども、そういう意味で、いわゆる消費者行政の一環だという立場でぜひ経済企画庁でも御理解をいただいて、こういう問題の推進の役を果たしていただきたいというふうにお願いをするわけです。  大蔵省がそういうふうに消費者運動の一つというふうに理解をされているのと同じように、たとえば私どもの方の被災者の団体では、消費者が集まって、消費者運動に取り組んでいる人たちがこの問題について問題を取り上げて、先般はその代表の御婦人たちが数名参りまして、それぞれ関係官庁を回ったというような実態等もあるわけでして、消費者としては重大な関心を持っている問題であるわけでございます。そういう意味で経済企画庁にも十分御理解をいただきたいというふうに考えておるわけです。  そこで、端的にお伺いをいたしますが、地震保険の問題については、先般、災害対策特別委員会が地震の直後に何回か開かれて、そのたびごとにいまの地震保険は非常に被害者に対する救済の手段として不十分であるということが指摘をされて、したがって地震保険の問題をそういう意味で再検討するようにというような意見がこもごもみんなから述べられたのですけれども、監督官庁の大蔵省としては、その後どういうふうにこの問題が取り扱われているか、まず伺いたいと思います。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  地震保険につきましては、六月の宮城県沖地震の直後に衆議院並びに参議院の災害対策特別委員会で各先生から大変御熱心な質疑が行われました。その直後の委員会では、現在の法律のたてまえ上、地震保険は全損のみ対象としておりますので直ちにはできませんというお答えをしたかと思いますが、その後各方面から有益な御意見を多数お寄せいただきまして、また先生には、宮城県の方の代表として大蔵大臣の方にも陳情されまして、私もそのそばで先生の地震保険に対する御熱心な御意見を拝聴させていただきました。  現在までの作業をこの席上でお答えいたしますと、宮城県沖地震で問題になりましたものは三点だと思います。  第一点は、契約者の方が保険に入られるときに、全損のみしか対象にしないことを十分契約者の方に説明していなかった、いわば説明が不十分だったという点でございます。これは八月の末の決算委員会におきましても指摘されまして、大臣から十分今後指導をするということを答弁いたしております。この点につきましては、すでに契約の際に契約者の方に配付するチラシとかパンフレット等につきまして、全面的に内容を改正いたしまして、すでに印刷を終えて、すでに実施しているところでございます。  それから、宮城県沖地震で問題になりました第二番目の問題は、地震の被害の査定をするその査定の基準の問題でございます。これが大変厳しいとか非常に難解であるというような御批判を受けましたので、よりわかりやすくするように現在作業を進めておりまして、早ければ年内にも結論が出る見込みでございます。  それから、一番大きな問題は第三点でございまして、いわゆる分損を地震保険の対象にするという問題でございまして、これが現在、契約者の保険料の負担の問題、それから国の財政力の問題、それから損害保険業界の担保力等の問題、いろいろ絡み合う問題が多数ございますが、整合性を求めました形で結論が出るよう、現在検討を進めておるところでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 それでは、その制度の問題に入る前に実績を若干伺っておきたいと思うのですが、この間、宮城県沖地震の際には、いわゆる地震保険から支払われた保険金はどのぐらいになっておりましょうか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 お答えいたします。  宮城県沖地震に際しまして払われました損害保険金の件数は百八十三件、金額で申し上げますと二億五千百万円でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ついでながら、ここ最近、たとえば昭和四十三年の五月の十勝沖地震とか、あるいは伊豆半島沖地震、これは四十九年五月ですね。あるいは五十三年、ことしの一月の伊豆大島近海沖地震とか、こういう例がありますが、そういう過去のケースについても数字をお持ちですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  四十三年の十勝沖地震に際しましては百六十八件で、金額で申し上げますと約四千百万円でございます。それから四十九年の伊豆半島沖地震に際しましては、二件で約二百万円。それから五十三年の一月十四日ですか、伊豆大島近海地震に際しましては、二十一件の三千四百万円でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 これに関連して、非常に目立って、したがって新聞あるいは週刊誌等がしばしば報道したのでありますが、それはいわゆる農協がやっております農協のいわゆる地震保険というふうに俗称新聞等では使っていましたが、これとの差が余りにも大き過ぎるということで、そういう点が非常に素人というか、一般国民にはその点が非常にはっきり目に映ったわけですね。それで、これは大蔵省の所管でないから御承知ないと思いますが、したがって私は、新聞等に載っておりました数字を見ると、大分世間で問題にするように差があり過ぎるわけですね。たとえば宮城県の場合だと二十五億何千万かに農協の支払いがなっておったと思います。それから十勝沖地震の場合には一億一千三百九十二万円、それから伊豆半島沖地震の際には一億一千九百十一万、その次の伊豆大島近海地震の場合には九億一千二百三十万、こういうふうに載っているわけです。これは大蔵省の所管ではないから御承知ないと思いますけれども、これは私は新聞等で見ただけですから、若干数字に間違いがあるかどうか知りませんが、新聞に載っているものもいわゆる損保の方の支払い額としてはいま課長が言われたとおりですから、恐らくここに載っている農協の支払い額というのも、新聞報道も間違ってはいないんじゃないかというふうに私は思います。したがって、それを前提にして考えてみると、余りにも懸隔が大き過ぎるということで問題になる。この間の宮城県沖地震の場合だと、ちょうど農協の共済の十分の一に当たるわけですね。あるいはもっとはなはだしい違いは、伊豆半島沖地震のごときは損保が約二百万、それに対して農協が一億一千九百十一万、倍率にしてどのくらいになるのでしょうか、大変な違いになるわけですね。こういう違いを生む。無論、共済と保険とおのずから違っているわけですけれども。制度は違いますけれども、受ける立場から言うとどっちも同じように考えているわけですね。ですから、非常に違いが目立ち過ぎるということは、一般の消費者の心理としては当然やむを得ないというふうに考えるのですが、そういう点について大蔵省の考え方はまず、どういうことでしょうか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 ただいま先生の御指摘を受けました農協の共済と現在の損害保険会社の地震保険の差は、分損にあると私ども考えております。  私どもが勉強した範囲内では、農協の共済の場合には、五%の免責金額以上につきましては被害金額の二分の一が出るように聞いております。ですから、いま先生が申されましたような数字の差が出てまいりますのは、一にかかって分損を対象にするかしないかによって、このような保険金額の支払いの面で大きな差が出てくるものだと私どもは考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 分損を対象にするかしないかという問題ももちろんありますけれども、それ以外にも問題があると思うのですね。たとえば農協共済の場合には、元の共済金額の半分まで見る。それから損保の方は三〇%までだ。そういう制約があり、あるいはさらに限度額が損保の場合には住宅について二百四十万、家財が百五十万ですか、そういう限度額があるというようなことが大きな違いの点だと思うのだけれども、いろいろ消費者の側に不満が多い。したがって、さっき課長は三点を挙げて、三点について十分徹底するようにしたという話ですが、単に説明が足りなかったというようなことに対してこれから徹底させるというような問題ではなしに、そういう制度上に大きな違いがあるということがまず第一に指摘をされなければならぬ。それから分損を、損保は対象にしないし共済事業は対象にするという点ももちろんそうだと思うわけですね。ですから、そういう点をまず土台から検討をし直さなければならぬと考えるのだけれども、大蔵省としてはどういうふうに考えておりますか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 私の冒頭の説明が必ずしも十分でなかったのかと思いますが、宮城県沖地震で問題のありましたのは、主な点が三点と申し上げたわけでございまして、現在検討を進めておりますのは、現在の保険制度のあらゆる面につきまして、再検討を行っておる段階でございます。  それからいま先生の御指摘のありました限度額の問題でございますが、確かに現在の地震保険制度では、本契約の火災保険の三割までという制約がございます。しかも、いま先生の申されましたような建物で二百四十万というような頭打ちがございますが、私どもが今年四月に衆議院の大蔵委員会で御審議をお願いいたしました際は、従来の一回の限度額を八千億から一兆二千億に引き上げました際に、その二百四十万の金額を引き上げるかどうか検討いたしましたが、五十一年度末で平均で約百三十万、それから五十三年の三月末の平均で申し上げますと、約百四十万が平均の保険の加入金額でございますので、二百四十万という枠にまだ百万円近い余裕の枠がございましたので、今回はその限度額を引き上げるのを見合わせた経緯がございます。  これも、毎年毎年検討いたしまして幾らにするかということにつきましては、本年の一回当たりの限度額を一兆二千億に引き上げた際に検討いたしましたが、今後とも現在の見合わせの作業の中で限度額の引き上げの問題につきましては、いま先生の申されました二百四十万の問題、それから十分の三の問題につきましては、当然現在の検討課題の中の一つに入ってございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 目下検討中というお話でありますから、それじゃ結果を待つほか仕方がないと思うのだけれども、まず非常に目立つのは、いわゆる農協の共済の場合には、最高で言うと二千五百万円まで出せるわけですね。あるいは分損という点から言うと、五%以上対象にしている。さらに実際の扱いとしては、五%以下に対しても全部一律に見舞い金を出しているわけです。宮城の場合だと、二千円ずつ出しているわけですね。  私はこれは、そういう地震保険という制度を持っておらない、いわゆる全労済、正しく言うと全国労働者共済生活協同組合連合会という団体がありますが、これの宮城県の支部というんでしょうか、とにかく宮城県に、これに対応する宮城県だけの組織があるわけですけれども、ここでも見舞い金として六千二百七十八万——繰り上げて七十八万ですね、この金を三百九十一名の人に出しているわけですよ。これなどは、全く労働者だけが集まった共済団体であり、農協の場合は農民だけですが、いわゆる労済というのは労働者だけの集まった組織でありますが、そこでも見舞い金として六千二百七十八万円を出している。こういうのから見ると、せめて損保の場合に、もし制度が許さないならば、見舞金というような形で出してもいいんじゃないか、こういう声もずいぶん消費者の間から聞かれたのですが、そういうことも全く手は打たれなかったわけですね、この間は。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 今回の宮城県沖地震に際しまして損害保険会社からは、見舞い金という制度は実施されませんでした。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 その辺に何というか、きめの細かい、あるいは血の通ったそういう温かい対策がとられないというところに、加入者、消費者、そういう人の非常な不満が強いんじゃないかと思うんですね。私は、せめて対象外の者に見舞い金を贈る農協、あるいは制度として全く考えられておらない労済の場合の見舞い金の支給といったようにそういう温かい配慮が当然あってしかるべきだと思うのだけれども、そういう点について何ら考慮されなかったことは非常に残念です。  いま地震保険の普及率はどの程度になっていますか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 五十三年三月末で全国で一五・六%でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 全国で一五%になりますということですが、新潟県が一・三%という数字を見たのですが、これはあるいは若干古いのかもしれませんが、大体そんなところですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 県別の数字は作成してございますが、きょうは持参してまいりませんでしたので、後日先生のところにお届けしたいと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 恐らく私の申し上げたのも間違っていないと思います。  そうすると、全国が一五%になっているときに新潟県は一・三%だという。地震保険制度ができたのはそもそも新潟の地震がきっかけになったわけですね。そういう点を考えてみると、いわば発祥の地とも言うべき新潟県でわずかに一%台の加入者しかないというのは、恐らく新潟の人たちはさっぱり実利がないということで加入しないのじゃないかと思うわけです。だから、これがそもそも新潟地震をきっかけにしてできたにもかかわらず、その肝心かなめの新潟の人たちがそっぽを向いていることは、私はいかにこの制度が一般の消費者に対して魅力のないものであるかという端的なあらわれだと思うのですね。  そこで、さっき三つの問題点の最初に挙げられた分損の問題ですね。これはなぜ全損に限るということになっているのでしょうか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 いま先生御指摘のとおりに、現在の制度は三十九年六月の新潟地震の経験にかんがみまして四十一年にできた制度でございます。当初は、一つには十分審議する時間が短かったということで暫定的に発足いたしました制度ですので、全損に限ったわけでございます。  どうして分損はできないかという一番大きな問題は、現在の制度は日本で統計が残っております期間を全部、約五百年間さかのぼりまして資料を取り寄せたわけでございますが、その際に明治以降はそうではございませんが、江戸時代等は地震に関しまして残っております資料が全損に限られておりまして、どの程度分損の地震が起きたかということにつきましては記録が残ってございませんので、それが一番大きな理由だと思います。たとえばきょう本日、関東大地震級の地震が東京に起こったといたしますと、現在東京を中心といたしまして地震保険に加入されておられる方は約三百万世帯ございますので、この方々を査定する事務能力は大変膨大な量でございます。そういった点も二番目に大きな分損を対象としなかった問題ではないかと考えております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 ちょっとよく聞き取れなかったのですけれども、二番目の問題と言ったのは何ですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 第一の問題は、過去の記録で分損に関する資料が残っていないということが第一の問題でございます。  第二の問題は、もし仮に分損を対象といたしました際は、地震が起きましたら当然その被害に応じまして査定をしなければなりませんが、その査定をする能力が限られるわけですね。全損の場合は非常にはっきりしておりますが、分損の場合、たとえばいま申し上げましたのは、東京を中心として関東大地震がきょう仮に起きたとすれば、罹災地域に想定される地域に約三百万人の方が地震保険に入っておられるわけでありますが、その人たちについて分損まで対象といたしますと三百万人全部の方につきまして査定をしなければいけないわけでございます。その事務能力が大変膨大な量に上るということでございます。そういったネックがあるということでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 私はいまの答弁ではちょっと満足しないんだけれども、昭和三十九年に急速にこの問題が取り上げられて発足をした、したがって細かい検討をする余裕がなかったということを最初に言われたのだけれども、確かに昭和三十九年は新潟地震に触発をされて、いわば当時の田中角榮さんのツルの一声で始まったというふうに世間では言われているわけです。そういう状況で出発をしたので、十分資料を検討するいとまもなかったというのはその当時としてはやむを得なかったかもしれないけれども、昭和三十九年から今日までずいぶん長い時間がたっているんだから、それは全く説明にならない説明だと思う。  それから査定に非常に困難を来すという点、これも理由に挙げていることは私も承知しております。この制度が発足する前に大蔵大臣から諮問をされて、諮問機関が検討をして「地震保険制度に関する答申」というのを昭和四十年四月二十三日に出していますね。ずいぶん膨大な答申書です。私も一通り読んでみたのですけれども、そこに挙げている理由は査定の困難ということと、分損の場合の少額な保険金では余りありがたみはないのじゃないかというのと二つの理由を挙げていました。いま課長はそのうちの前段を言われたのだと思うが、私は、これまたそういうことだけで分損が葬られてしまうというのは加入者としては全く了解できないと思うのです。いま申し上げた農協の地震共済でも五%以上から査定をするというのだから、査定の作業そのものは相当手が込んでいると思うのですよ。だけれども、それを何とかしてこなしてしまう。私、宮城県の例などを見ると 宮城県の農協だけではとうてい消化できないので、全国的に応援をもらってやったという話ですけれども、恐らくそういうときには損保会社でも二十社もあるわけですから、それが全部全国的に動員するとかいろいろそういう体制をとってでもそれは解決してやらないと、事務的に手数がかかるということが分損を認めない大きな理由になっていることは、これはどう考えてみても加入者の立場から言えば了解できない問題だと思う。  それから、少額だから無意味だ、金額が非常に小さいからやってもしょうがないのじゃないかというような意見が審議の過程で出たということが記録に残っているのだけれども、これもまた加入者の気持ちを全く無視した考え方だと思うのです。火災の場合だって家がまる焼けに焼けてしまう場合もあろうし、一部だけしか焼けないという場合もあって それはそれなりに査定をしているのだし、したがってそういう査定の技術がめんどうだということも理由にならないし、あるいはさらに少額だから、金額が小さいからやってもしようがないじゃないかということなども、またまことに加入者の気持ちを無視した考えだと言わざるを得ないと思います。  そうして、さっき課長は、加入者を勧誘する際に、分損は対象にしない、全損に限るということが十分徹底しなかった、したがってこれからはそれを大いに徹底させるんだという話ですけれども、なるほど約款を読むと、約款の第一条の終わりの方に「保険の目的について生じた損害に対して、それが全損(経済的に全損と認められるものを含みます。)である場合に限り、保険金を支払います。」とあるわけです。なるほど読んでみるとちゃんとそのとおり書いてある。しかし、普通の加入者、要するに一般の消費者、そういう人から見るとこの文言だけで果たしてわかるのかどうか。「全損(経済的に全損と認められるものを含みます。)」その経済的な全損というのはどういうのか、恐らく普通の一般の市民ではわからないと思うのですね。したがって、それを含むのだ、じゃあ何とかなるのだなといったような、非常に漠然としたそういうことで入ってしまうということもあるだろう。そもそも全損という言葉の意味だって私は十分に理解されないと思うのです。だから、こういう約款を示して加入を勧誘したというのであれば——そもそもその約款をつくったのは無論大蔵省なんだから、きわめて不親切だと言わざるを得ない。  私は、そういうことになると一番末端で苦労したり迷惑したりしているのは例の代理店の人たちではないかと思うのですよ。この間のような地震等があると、保険金は幾らもらえるんだということで殺到してくるわけですね。それに対して、いや全損じゃなきゃだめなんだというような説明をしたりして、そういう非難や不平を一身に引き受けて弁明これ努めているわけです。私は、そういう最末端の代理店を営んでいる人たちが非常な苦労をしているというようなことを思うと、いまの約款の文言等から判断して、どうも最初から大蔵省の指導が徹底しておらなかったということを指摘しないわけにはいかないと思います。その点はこれからは大いに指導するという話だけれども、そういう点も今日までそういう態度をとってきた大蔵省に強い反省を要求しないわけにいかないと思います。  それでは、いままで保険料として損保に集まった金、それからその中から保険金として支払われた金、この制度発足以来のその総体の金額はわかりますか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 この制度が四十一年に発足いたしまして現在までの支払い額の合計は四百十三件、金額では三億四千万円でございます。それから積立金の合計は、積立金の残高で申しますと、一応私ども危険準備金ということで申し上げておりますが、四十一年にできましてから現在まで、五十三年三月三十一日、五十二年度末の数字を申し上げますと、民間で六百七十七億、政府で四百九十六億でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 支払ったのが三億四千万、これは五十二年度末ですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 支払い金額には今度の宮城県沖が入っておりますので、これは五十三年の九月末でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 支払いは九月末……。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 はい。それから積立金の残高は年度末でないと出ませんので五十三年三月末でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 片一方は宮城県沖地震を含めた支払いで九月末現在、片一方は昨年度の年度末だというのだけれども、それを見ただけでも加入者から集めた保険料は莫大な額に上って、支出をされている金額がきわめて少額だと言わざるを得ないわけですね。これでは、言葉が悪いけれども、べらぼうにもうかっている。何も準備積立金が利潤になっているわけではありませんけれども、それは将来を見越してためておくのでしょうけれども、とにかく一般加入者から大変な金を取って、しかも支出されるのはきわめてわずかだと言わざるを得ないので、いまのような不満が起こってくるのは当然だと思うのです。そういう点もぜひもう少し細かく検討してもらいたいと思います。  したがって、地震保険というのは、さっきも申し上げたいきさつからも、世間では全く政治圧力でできたのだというふうに考える人たちがかなり多いようなんです。したがって、政府でも何となくこの制度を迷惑に思っているのではないかというような気がいたします。この改善がさっぱり進行していないのは、政府自身がこれを本気に取り上げ、本当に消費者のために役立つ制度にしようという、そういう願いが少ないのではないかと言わざるを得ないのです。  私は一点だけ紹介をいたしますが、これはあなたの前任者が昭和五十年に出した書物ですけれども、その冒頭の序言に「損得勘定だけから言えば、触らぬ神にたたりなしという形で敬遠されても不思議ではない地震保険に業界から全面的な協力が得られることは、誠に嬉しいことである。」こういうふうに書いてあるわけです。これは要するに、そろばん勘定だけから言えば業界はやりたくないのだ、それを全面的な協力を得てこの制度が初めて生まれた、全く感謝にたえないという言い方ですけれども、私は、地震保険をつくったことが業界の全面的な協力によるもので政府としては感謝感激にたえないというような、そういう取り組みではこの制度は容易に改善されないと言わざるを得ないと思うのです。現に、さっき申し上げた答申書の中にも、長い年月で見ると地震保険も十分にやれるのだというようなことがうたわれているので、そういうふうに業界が協力をしてくれた、まあ協力という言葉は使うのなら使っても構わないけれども、それで全く感謝感激だというような態度では、とても業界の反対を押し切ってもさらに前進をしていく、改善をしていくということは、とうていできないのではないかと思います。その点はどうですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  一番最後の御指摘は、先生のきょうの発言を帰りまして十分上司に伝えますが、私ども課長といたしましての発言の域を超えるような答弁になるかと思いますので、この席上では控えさせていただきます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 さらに共済組織との不公平な問題の一つとして、損保の場合には超過の部分について再保険の場合に国が負担するという制度があるわけですね。そういう点は大蔵省の立場から見ると、たとえば自主的につくっている共済組織にはそういう制度は何もないわけですよ。全部自賄いで、みんながお互いに出し合った金でやっているわけですね。そういう点を考えると、損保の場合にそういう超過の部分について政府が負担をする制度があることは結構だと思いますよ、それならばやはり民間の人たちが自主的に、みんなでやっている自前の運動についても何らかの財政的な援助があってもいいのじゃないかと私は思うわけです。共済組織についての所管官庁は、それぞれあるいは農林省であったりあるいは厚生省であったり、大蔵省直接ではないですから、それをひっくるめてあなたの立場で答弁できないかもしれないけれども、大蔵省という日本の財政を預かっている官庁としてはやはりそういうところに不公平があってはならないということを私は感ずるのだが、どうですか。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 共済問題は、いま先生御指摘のとおり農林省とか厚生省の専管事項ですので、それらを総括といいますか、それらの横並びを判断いたしますのは財政を担当いたします主計局の問題でございまして、私どもは銀行局でございますので、この席上では私は答弁を控えさせていただきます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 その次に、住宅金融公庫を指導監督している建設省に私はお尋ねをしたいのですが、実は私は直接訴えを聞いてなるほどそうだなと思ったのは、この間の私どものところの地震でうちがつぶれて建て直すというので金融公庫から金を借りようとしたらば、損保の火災保険に入らなければだめだ、いまの農協なりその他そういうのではだめなんだということで断られて大変に困っているという人の相談を受けたわけです。それで私も、それは全くもっともだと思っていろいろ調べたのですけれども、幸いにしてこの問題については先般の通常国会で、衆参両院でこの問題を解決をするように附帯決議がなされているわけですね。つまり、解決するというのは、共済制度も対象にするようにということで、改善をするべきだという附帯決議がついているわけですが、それを受けて建設省としては現在どういうふうに考えておられますか。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 御説明申し上げます。  先生御指摘のように、住宅金融公庫が貸し付けを行う場合には、債権の保全の見地から全契約者に対して公庫の特約火災保険の付保をお願いしているわけでございます。現在やっておりますのはわが国の全損保会社二十社による共同引き受けによる特約でございまして、貸付期間の全期間について契約していただくことにしてございますけれども、それは制度として、たとえば保険料率で見ますと一般よりも四〇%以上も安いようなサービスが行われるとかいう形で手厚くやっておるとか、あるいは担保する範囲も風水災を含めるとか中身はわりあいにいいのでございますが、御指摘のように、各種の共済、相当充実してまいっておりまして、それをさらにできないかという御指摘があったわけでございます。今年の春の衆参両院の建設委員会の附帯決議の中でへ公庫融資に伴う火災保険契約については特約火災保険と同等の内容を有するものであれば共済も契約できるように改善に努めろという御指摘でございました。  そこで本題でございますが、検討いたしておるわけでございますが、共済のそもそもの性格が組合員相互の扶助を目的としておりまして、たとえば共済金請求権、質権が設定ができるか、私どもは契約者に全部質権を設定させていただきまして債権保全を図っておるわけでありますが、学問的にはいろいろ問題があるようでございます。いろいろな理屈もあるようでございます。さらに、目的物の譲渡に伴って契約が消滅してしまう場合は債権保全上問題であるとか、さらに附帯決議でも御注文のような特約火災保険と同等の内容でなければ債権保全の見地からもあるいはユーザーの方に対するサービスもないわけでございますので、そういう商品ではないということ、そこら辺が問題なのでございまして、それらにつきまして実は検討しております。  先ほどの話の所管庁の問題もございますし、一番の問題は、たとえば全労済さんなり何なりにそういう内容の商品を開発していただけるかどうかが問題でございまして、金融公庫自体もそこらの当事者と接触いたしまして、そういうそれぞれの問題を逐一解決してきまして、それが可能になれば導入する、そういった意味での検討中の段階でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 目下検討中、さっき大蔵省の方でも地震保険の改善についても目下検討中、検討中というのはいつも使われる政府の答弁なんだけれども、本当に前向きで、しかも早急にそういう結論が出せるのかどうか。あなたの言われるように債権の保全のためだ、これは債権者としては当然だと思うのですよ。それは全く当然なんだけれども、債権の保全という目的ならば、いまの共済などもそれぞれ相当に内容が充実していると考えるので、その点では心配する点はないのじゃないかと私は思う。むろんいろいろな共済制度がありましょうから、それを全部一緒にというのは無理かもしれぬ。しかし、その一つ一つを検討してみたら対象にして差し支えない、債権保全の立場だけから言えば問題はない、少なくとも問題がないものが相当あるということは言えると思うのだが、どうですか。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 先ほど申し上げましたように幾つか例示をいたしましたが、債権保全上もまだ問題があるようでございますが、それは公庫の立場でございまして、それぞれの資金を借り受けた方々のユーザーの立場もございます。その面から見ましても、保険料負担の問題だとか、要するに担保する保険の範囲でございますね、これが少なければそういう種類の災害に遭遇された場合に御当人も問題でございますし、公庫もしたがって債権の保全ができない、そういう意味で問題はそれぞれにあるようでございます。したがいまして、だからだめだと決めつけるのではなくて、そういうような商品を共済として充実していただけるかどうかというこちら側がお願いする立場でございます。そういうものがうまく呼吸が合いますれば導入が可能となる。現在それに対する回答が出ているとかという段階ではなくて、たとえばそれぞれの当事者に問いかけてどこまで、どういうものをおつくりになれますか、こういう形でお答えを待っているような局面もございます。そういう段階でございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 国会で附帯決議をしたのはことしの三月ですけれども、それ以前に共済制度をどうするかという点について検討してきたという過去の実績はないのですか。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 たまたま公庫法の改正に伴いまして国会の附帯決議が本年の春あったということでございますが、同種の問題はすでに二年も前からあることはあったわけでございまして、国会の席上でもいろいろ質疑もございましたし、そういう意味で、公庫自体あるいは建設省としても、テーマとしては抱えております。かえってこういう附帯決議をいただいたことによって、関係者の方々がそういうふうな特約火災保険と同じようなものをつくっていこうというふうな機運が醸成されたというふうに理解しておりまして、その段階、いろいろ問題はある、しかし、そういう状態だから、直ちに導入できないという状態がだんだん熟してきているのじゃないかというふうに理解いたしております。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 この間の国会では住宅金融公庫の総裁も答弁をしているわけですね。いろいろなことを答弁しておりますが、たとえばそのうちの一つに、「労災なり農業共済を保険の対象に取り入れるかどうかにつきまして、別段法律的な問題があるというようなことではございません。おっしゃるように公庫の方針の問題です」こういうふうに言っているわけですね。ですから、少なくとも法律的に障害があるということはない、こういうことだけは言明できますね。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 御指摘の、先般の公庫総裁の答弁は、むしろ公庫法のサイドから申し上げたので、たとえばそういうことを所管しております各省、厚生省さんとか農林省さんあるいは大蔵省さんの立場を越えて公庫総裁が私見を申し上げたのじゃなくて、公庫法上は、業務方法書によって借り受け人から火災保険の付保をお願いしなさいということ、それを受けまして、業務方法書に現在こういう特約火災保険という仕組みをつくっていることという形で、金貸し業としての公庫としては、法律上の問題はないと申し上げているわけです。したがいまして、たとえば消費生活協同組合法そのものに内在する問題は、先ほど、逐一つぶしていかなければならない問題の一つだと思います。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 無論公庫総裁は、公庫法の立場から、公庫のサイドから物を言っているに違いないのだけれども、その立場からいうと、法制上、法令上問題になる点はない、こういうことを言っている。現に、たとえば住宅金融公庫でつくっている契約証書を見ても、「法令により火災保険と同様の取扱いを受ける火災共済の契約を締結してはならない。」という一項目があるわけです。ですから、公庫としても、原則はもちろんいままでの損保と特約を結んでいるわけですから、それはそのとおりなんだろうけれども、場合によっては「法令により火災保険と同様の取扱いを受ける火災共済の契約」云々ということもこの約款の中にうたっているので、したがって当然それを予想していると思うのですね。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 御指摘の契約書に書いておりますそれは、実はちょっと別種のものでございまして、中小企業等協同組合法に基づく普通の保険と準ずるような諸規定の整理された共済がございます。それを部分的に使える形にしてございまして、その分を指しております。先ほどの地元の方のおっしゃった希望も、その他議論になりましたのも、いまの特約火災保険にかわるような形で、共済のたとえば特約共済という形で全面導入できないかというテーマでございますから、その部分があったといいましても、それを手がかりに、それは保険に準ずるものというのが制度的に担保してございますので、別個の問題、それがあるからできるというものではないという形で問題を検討しているわけでございます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 いま中小企業等協同組合法に基づいた共済事業は対象になっているということであれば、性格的には全く同じだと思う。ただ、その共済組織の内容がまだ信用するに足りない、債権保全の確保という点でまだ疑問がある、そういうのは一つ一つつぶしていかなければ判断はできないと思う。しかし、制度としては中小企業等協同組合法の該当者についてはすでに認めているというのならば、それを締め出さなければならぬという理由は全くないので当然——あるいは農協団体では建物更生共済組合というのがあったり、あるいは農業災害補償法に基づく共済事業ですね、あそこでも建物歳済というのをやっておったり、あるいは例の労済でも火災共済というのをやっておるわけですね、これは火災だけだけれども。そういう火災だけについて言うならば、労済あり、あるいは農業共済あり、あるいは農協が扱っておる建物更生共済あり、まあいろいろあると思うのです。火災共済以外にたとえば地震まで含むということになると、これはさらにまた限定されてきますけれども、地震保険を扱っているいまの農業共済等もあるというようなことになってくると、私は、対象にしてこれを同じように扱っていくという点について不足はないのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、繰り返して言いますけれども、その個々の団体が債権債務のいろいろそういう点を検討してみてこれは危ないというのを直ちに対象にしろ、もちろんそんなことは言いませんけれども、それは当然にやることとして、少なくとも制度的にあるいは法律的に何か支障があるということはあり得ないと思うのです。だから、そこだけ明確に答えてください。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 おっしゃるようなそれぞれの財政基盤の問題は当然でございますが、まあお言葉でございますけれども、やはり公庫が踏み切ればというたぐいのものじゃございませんで、ある段階では現行法の解釈、運用と、それぞれの主管省の御判断を得なければならないようなテーマもございますので、制度的に全く問題がなくやるだけという状態ではない。前向きにやるものの、一言で申し上げますと、相当いろいろ問題はあるのでございます。公庫の総裁が言いましたように、前向きに検討いたしておりますけれども、なかなか問題はあるようでございます。典型的に言いますとさっき申し上げた数点でございますが、したがって制度的にも問題は全くなくて、あとは決意だけということじゃない。しかし、それらの問題も全然検討もせずに無理と言っているのじゃなくて、何とかならないかという見方で見るという状態というので、もう一度その状態を御説明申し上げました。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 所管省等の意見ももちろん十分聞かなくちゃならぬ。私は、きょうは厚生省なり農林省なり、そういう担当官にも来てもらおうかと思ったのですが、時間が非常に短いので、繁雑になると思って避けたのですけれども、これはいろいろ私も、そっちの方で目下検討中の状況等についてはそれぞれ情報として話を聞いております。無論いま一生懸命検討しておるし、あるいはまた、関係の団体も団体の立場でいろいろ話を詰めておる、あるいは住宅金融公庫ともそういう点で接触を重ねておるというようなことも私は承知をしております。ですから、その辺の詰めをしなければならぬことはあくまでもやってもらわなくちゃなりません。しかし、全体としてそういう困雑を打開していくという方向でこれはやってもらわないと、なかなか進まない。おのおのそれぞれの役所はそれぞれの役所に任せておっただけではなかなか進行しないと思うのですよ。ですから、住宅金融公庫の所管官庁である建設省が中心になってこれを強くプロモートしてもらうということが非常に必要じゃないかと思うので、その点についてそういう決意で臨んでもらえるか。そして、私はきょうは、臨時国会でありますから、この程度にとどめておきますけれども、この間の通常国会でああいう決議がなされ、さらに今度の臨時国会でいわばつなぎの意味で、橋渡しの意味で、私がここで問題を取り上げたんだけれども、ぜひこの次の通常国会あたりではそれについて最後の結論を見ることができるようにがんばってもらいたいと思いますが、その点はどうでしょう。

浜典夫建設省住宅局民間住宅課長

○浜説明員 先生のおっしゃる御意見、全くそのとおりでございまして、一言で申しますれば、私どもの立場は国会の附帯決議を尊重し、その実現に努力するということだと思います。期限を、次の通常国会までにできるかどうかというようなことについてはまさに空手形になりましてあれでございますが、着実に検討いたしまして、できるものは的確に処理したい、こう考えます。

西宮弘日本社会党

○西宮委員 時間が来ましたので終わりにいたしますが、これは大蔵省に対しても全く同じことを言いたいのであります。つまり、すでにこの前の通常国会等で問題になってきたことを、この臨時国会を一つのステップにして、次の通常国会までに、地震保険の抜本的な改正ということにぜひがんばってもらいたいと思う。もし何かあるならお答えしてもらうし、なければ、企画庁から最後の感想でも結構ですから述べていただいて終わりにしたいと思います。

野村寛大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○野村説明員 先ほどの先生の御質問の中で、一点だけ補足説明させていただきますと、新潟県の保険の加入率は、ただいま電話で問い合わせましたところ、一一・四%でございます。先ほど申し上げましたが、全国は一五・六でございまして、宮城県が一二・八、静岡県が一七・八、それから新潟県は一一・四でございます。  それから、いまの御質問でございますが、先生の御要望の趣旨を十分踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えております。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 地震保険の問題なり、あるいはまた住宅金融公庫の特殊保険の問題なりは、むしろ先生の御質問なり、あるいは大蔵省、建設省の答弁で勉強をさせていただいたというところでございます。しかし、御案内のように、消費者保護の一つの問題でもあろうかと思います。実は消費者保護関係は、商品そのものにきましては、この十年間に大変進んでまいったという点がございますけれども、サービス、約款等についてはまだまだだということが言われておりまして、その中でも特に資産形成問題に関連するような保険問題等等、今後検討を進めていかなくてはならないわれわれといたしましては、今後十年間の消費者保護行政のあり方というのを国民生活審議会で検討いたしておりますが、その中の一環としてこうした保険問題についてもメスを入れていきたいと考えているところでございます。そういう意味におきまして、先ほどの地震保険の問題は、大蔵省の方でも前向きに検討されているようでございますが、ぜひひとつ消費者にとって有利な、そしてわかりやすい、またその勧誘その他をいたしますときに、十分納得をさせた上で付保をしていくような体制ができ上がることが望ましいのではないかというふうに考えるわけでございます。

美濃政市日本社会党

○美濃委員長 島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私がきょう取り上げます問題は、円高の今日危機の状況を踏まえて、本臨時国会でも、円高差益の還元という問題については各分野にわたっていろいろ議論が展開されているところでありますが、農業用の機械、特に輸入農機具の問題は、われわれ農民にとって経営の上で非常に大きなウエートを持っているわけでありまして、輸入農機具の問題の実態把握というのは、早くから私の所属する農林水産委員会でもしばしば議論になっているところであります。ところが、その実態について監督官庁である農林省自体も正確に把握をしていない、こういうふうな問題もあり、とらえづらい側面を持っているのですけれども、円高のこういう状態は一向におさまる気配もなくどんどん進行していっているわけでありますから、輸入各般にわたる農業機械の価格問題については、農民はきわめて関心の高いものとなるのは当然なんでありますが、円高差益の実態というものは、これまた農業用機械の輸入の実態が正確に把握されていないというような側面を抱えている段階では、議論しにくい面を持っているということは否定し得ないのでありますけれども、しかしながら、前段で申し上げましたように、農業者にとっては機械を主力にした経営というものが大変重要な内容を持っておりますだけに、これを見過ごすということは許されない。国会においても、この問題については正確に議論をしていかなければならない、こう考えてきょうはこの問題を取り上げたのでありますが、きょうは余り時間がありませんから、各般にわたる議論をすることはなかなか困難でありますが、やはり一般論として、農業用機械の普及状態は政府としても正確に把握をする必要があるということを、いままでも言ってきましたが、そういう普及の状態というものをどのようにとらえているのか。大まかで結構でありますが、まず一番目にその点をお聞きをして、それから議論をしていきたい、こう思うのです。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 農業機械の普及状況についての御質問でございまして、それにお答えさせていただきたいと思います。  先生御案内のとおり、農業の機械化は最近急速に進んでおりまして、特に四十七、八年ごろから、稲作につきましては、田植え機だとかコンバインだとかいうふうな機械が開発されたこと等も契機になりまして、かなり普及が進んでおるわけでございます。それで、五十三年の一月現在で私ども農林水産省で農業調査というのを実施して、その中で主要な農業機械の普及状況の調査をしているわけでございますが、その調査報告によりますと、まず歩行型のトラクターでございますけれども、全国で三百二十二万二千台普及しております。それで、農家が四百七十八万八千戸ほどでございますので、普及率に直しますと六七・四%という普及率になっております。それから乗用型のトラクターでございますけれども、これについてみますと、九十五万二千台の普及でございまして、同じく普及率が一九・九%ということに相なるわけでございます。それから、稲作用の機械の中で特にかなりのウエートを占めます田植え作業を実施する田植え機でございますけれども、百四十七万八千台入っておりまして、その普及率が三〇・九%というふうになります。それからあと、収穫作業に関連いたしますものとして刈り取り結束を行うバインダーと、それから刈り取りし脱穀を行う自脱型のコンバインというふうなものがございますけれども、前者のバインダーについて見ますと、同じく五十三年の一月現在で百六十七万六千台ございまして、普及率が三五%、それから自脱型コンバインにつきましては六十三万八千台で一三・三%というふうな数字になっております。したがいまして、稲作部分を中心にして見ますと、農業機械の普及率はかなり高いものがありますし、たとえば田植え作業などは、八〇%以上でございましたか、田植え機を使って行うし、それから収穫作業につきましては九一%程度が機械で収穫するというふうになりまして、非常に機械化の伸展は目覚ましいものがございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 政府当局も認めているように、農業用機械の普及状態というものは近年非常に目覚ましいわけでございますが、農業の経営という立場でいえば非常に高い機械依存率ということになるわけで、機械がなくては今日の農業はほとんど成り立たないと言い切っても言い過ぎでないような状態になっているわけです。この点にはお触れになりませんでしたけれども、農林省が出しておる資料によりましても、農業機械資産額というのはあなたがおっしゃったように四十七年度以降大変急速にふえておりまして、五十年度でもすでに二兆五千億という大変な機械が稼働している、こういう農家側の資産の内容になるわけであります。それは投資額で見ると飼料に次ぐ大変大きな農業用機械に対する投資額ということにもなるわけで、これは五十一年度の統計でありますけれども、農林省が発表している資料によるとすでに年間で八千億を超える。飼料が一兆円でありますから、それに次いで農機具、そして肥料、農薬、こういうふうに続いているようであります。     〔委員長退席、武部委員長代理着席〕  さて、このように農用機械に対する投資額が非常にふえ、経営の重要な主軸になっているという点を考えますと、機械をできるだけ安価に求める、そして生産コストをできるだけ引き下げていくという努力は、農業者もそして指導に当たる行政庁も忘れてならない大事なポイントなんでありますが、さて機械ということになりますと、いま総体的な機械の普及状況というのが述べられたわけでありますけれども、特に経営の大型化を目指す地域においては、トラクターを中心にするこういう一連の農業用機械というのは非常に大きくなってきます。経営の大型化に伴ってトラクターの馬力数も大きくなっていくし、大きなトラクターを使えば大きな作業機をつけなければならぬということになるわけで、その点における国内の農業用機械の生産の実態というものがなかなかこれに追いついていかなかったという過去の経過があって、勢い輸入農機具に頼らざるを得ないという実態が生まれているわけです。これらの輸入農機具の状況というのはどういうふうに把握されておられるのか、その点を次にお聞きをしたいと思います。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○鈴木説明員 農機具の輸入の現状あるいは最近の動向につきましてお答えいたします。  農業機械全体の最近五年間の推移を見ますと、金額で言いますと、確かに先生おっしゃるとおり輸入の金額は増大傾向にございます。四十八年、四十九年、特に増大した時期でございます。金額を申し上げますと、四十八年が約百九億、四十九年が二百二十二億、その後五十年、五十一年は増加傾向はやや減ってきておりますけれども、五十年が二百三十六億、五十一年が二百五十七億、五十二年が二百八十億、ことしに入りましてやや増加傾向のピッチが上がりまして、一月−七月で見ますと二百二十八億円で、前年に対しまして二〇%増、こういう傾向になっております。  輸入農業機械の中で輸入のウエートが一番高いものはトラクターでございます。トラクターについて申し上げますと、四十八年当時、約四十七億円でございましたが、四十九年に約九〇%特に増大いたしまして八十七億円、その後、五十年が百二十八億、五十一年が百三十二億と増大しておりますが、五十二年にやや鈍化いたしまして百二十四億、マイナス六%でございました。しかし今年に入りまして、一−七月の合計をとりますと百十四億円でございまして、前年に対しまして約四〇%増、こういう形になっております。  そのほか、プラウあるいはまたコンバインもある程度輸入をしておりますし、額といたしましてはそれほど大きくないものでございますが。搾乳機あるいは酪農機械を一部輸入に依存しておるというのが現状でございます。  簡単に申し上げますと、以上でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 全体でのウエートは、保有しているあるいは国内産との比較からいえば一〇%以下であるという御説明でありますけれども、問題は、きょうは円高という問題に限定をしていきますから余りそこのところで議論はできないのですけれども、いま課長が指摘をしたように各年度ごとに非常にばらつきがあるわけですが、これは総体の金額で実は押さえているので、個々の機械の単価がどのように推移をしていっておるのかという点については必ずしも正確ではないわけです。ですから、入ってきた台数といまお話にあった金額で割り返していくのも、これば機械の性質とか単価とかいろいろ違うのだからなかなか出しにくいのですけれども、そういう点なんかは、資料として私どもが提出を求めた場合には通産省は出せるような状況把握ができているのでしょうか。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○鈴木説明員 輸入通関統計の中で、おっしゃいましたように大型機、小型機とか分類を始めましたのが五十二年からでございます。その五十二年以降のトラクターにつきましていまおっしゃった趣旨の点について御紹介いたしますと、五十馬力以上の分類を一応五十二年から設定しておりますので、大型機のトラクターに占めるウエートは輸入につきまして把握できます。五十二年について申し上げますと、全体の台数は六千三百二十台輸入しておりますが、その中に占めます五十馬力以上の大型機は五千百四十三台でございます。したがいまして、輸入に占める大型機のウエートは非常に高い。五十三年の一月−七月について申し上げますと、五千八百六十台中四千八百九十二台が大型機でございます。このように、トラクターについて申し上げますと、金額の張る大型機の輸入に占めるウエートは非常に高いというのが現状でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 おっしゃるように輸入農機具のかなり金がさの張る物といえば、ほかにはコンバインみたいな、収穫機のかなり大きなものがありますけれども、大体関心の高いのはトラクターです。そのトラクターの値段というのは各国非常にまちまちで、ドル建てがありポンド建てがあり、いろいろあるわけであります。ですから、それを細かに分析をするという必要がこの時点ではあるのですけれども、きょうはその資料がいただけるかどうかだけ聞いて——いま大まかに大型はこんな程度です。こうおっしゃるけれども、大型と言ったって六十馬力、七十馬力、八十馬力、百馬力といろいろあるわけです。ですから、トラクターだけでもひとつ正確に輸入の実態を把握する、こういうことでないと議論にならぬのですけれども、またその点は委員長、ひとつ資料で通産省から私は提出してもらいたい、こういうことをきょうは要求だけしておきます。  さて、いまお話にありました三ヵ年の台数と輸入の金額、これは馬力ごとに分けるということはなかなかむずかしいということが出ておりますが、単純に割り返してみますと、一台平均が五十年では百八十九万三千八百円、平均価格ですよ。これはもちろんCIF価格であります。五十一年は百九十六万二千円。ことしは上半期にすでに前年を五割方上回るような輸入がなされている。この上半期の分で割り返してみますと百九十六万三千五百円。機械は年々値上がりしているということがこの数字で——単純な割り返しですけれども、見る限りにおいて、決して輸入農機具は値下がりしていない、こういうことになります。  そういう面でいきますと、輸入農機具の主軸でありますトラクター、これはFOBがかなり深く関与していて、各国の輸入の際の価格というものについては、その年々の中でいろいろ交渉が行われた結果で入ってくるのだ、こういうふうに思います。したがって、こうした相手側の輸出価格というものを頭に置いて議論をするということは、かなり乱暴な意見になるかもしれませんけれども、ともかくこれらが国内に入ってまいりまして、解体されて入ってくるものを組み立てて、ディーラーを通しユーザーへ売る、農家が小売価格という立場で取得する、こういうことになりますが、年々輸入農機具の価格のウエートが高まって経営に大きな圧迫を加えているということは、単純な計算の中でも推測ができるわけです。したがって、こういうふうに円高だと騒がれている状態の中では、逆に輸入農機具が高くなっていくということについては、きわめて素朴な議論ではあるけれども、農家側としてはもっと安くなっていっていいはずじゃないか、その点についてはちっとも政府の対応がないではないか、こういう疑問が地元から出てきております。私は当然だと思います。そうでなくたって、どんどん農機具の値段が上がっていって、経営の上では年々ウエートが高くなるということは、言ってみれば農家の生産者価格というもののコストが上がっていくということにはね返ってくる。ところが、一面、ことしの春の畜産物価格の決定から始まって行政価格と言われる部分では、ほとんどがゼロ回答か、スズメの涙ほどしか上がらぬというのが農畜産物の価格の実態である。そうしますと、経営コストを下げていくという努力は、まさに農機具をいかに安く、しかも息長く使っていくことができるかとか、あるいは酪農家、畜産農家ならえさをできるだけ安くしてもらってコストを下げていくか、あるいはさっき順番で言いました肥料にしたって安く使わしてもらわないといかぬ、今後はこういう農家自身の経営コストをいかに下げていくかということに努力がなされなければならない大事な時期に来ていると思うので、二番目にウエートを占める農機具の問題については、やはり真剣に考えていかなければならぬと思うのです。  そこで、農林省の肥料機械課の課長にお尋ねをするのですけれども——その前に通産省にもう少し聞かしてもらいますが、最近の為替の動きをとらえていると思うのでありますが、それはその年年の入ってくる機械の値段を見ていく場合には、一体どういう見方でレートを作動さしていくのですか。一年間で見るのか、半年で見るのか、毎月で見ていくのか。そういう点は通産省は為替の変動状況というものを、入ってくる農機具にどういうように反映させているのか。これは大蔵省の通関統計以外に私は資料がないので、所管の通産省としてはどういう操作でこの点を把握しているのか。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○鈴木説明員 現在の取引の実態でございますが、現在、農業機械の輸入先は非常にヨーロッパからのものが多うございます。ドイツの場合あるいはイギリスの場合がございますが、おおむね一般的に私どもで聞いておりますのでは、輸出側の通貨で取引が行われる。たとえばドイツからの輸入ではマルクベースで取引が行われるのが実情のようでございます。ただ、その契約関係が通貨変動のたびに行われるのか、あるいはまた年、ある程度の期間を置いて行われるのか、その辺はいろいろ差があるようでございますが、いずれにしろ契約段階におきます通貨情勢というのはやはり取引に反映されていくのだろうと思います。  実際上輸入価格に具体的にどのように反映されるかというのは、私どもといたしましては、公式統計でございます日銀の輸出入物価指数というのがございますが、その辺で一応傾向の把握をするというのが現状でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 どうもよくわからないのですけれども、私の聞き方が悪かったかもしれませんけれども、農林省には行政上の一つの指導の方向として、前年の十二月から始まって翌年の十一月に終わる機械年度というものがあるわけですね。毎月月入ってくる台数が違いますから、一年間の見通しなりあるいは昨年実績をベースにしてことしの見通しを立てていくといっても、それは通常為替がフロートしないとき、こんなにでこぼこに振れないときには見通しとしてはかなり正確なものが出てきますけれども、しかし、今日のようにこんなに円が大きく揺れ動く状態の中では、一年間の長いベースで見ていたのでは、非常に安いときに入ったもの、高いときに入ったものの差が大きいから、その面ではリスクも出るでしょうし、もうける部分も出るかもしれない、こういう点をどのように国内の卸小売の価格に行政上としては関与していくのか。つまり、毎月動いている状態を、プールにしてやっていくのか、それとも動けば動いたような価格でその実態をずっと見ているのか、その辺はどうなんですかと聞いたのです。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 輸入農業機械の国内での販売価格にかかわる問題でございますので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  輸入農業機械は国内産の農業機械ともかなり似た面がありますけれども、輸入の農業機械の価格というものは、農業者の団体でございます全国農業協同組合連合会、いわゆる全農が農業機械を輸入する輸入商社から買い取りまして、それで全農、経済連、単協というルートを通しまして、組合員である農家に供給する、そういうルートがメインのルートになっているわけでございます。全農は、そういうふうな自分の組合員に輸入の農業機械を提供する際に、先ほど先生のお話がございましたように、十二月から翌年の十一月までの一年間を一つの期間として定めまして、輸入農業機械の取り扱い期間ということで定めまして、その期間は原則としては一定の価格で組合員に提供していくというふうに考えているわけでございます。これは輸入農業機械だけでございませんで、国産の農業機械あるいは国産の肥料等も同じような取り扱いをしているものでございますが、そういうふうに年間一本の価格で提供するようにというふうに考えています。したがって、十二月に新たなる価格の交渉を輸入業者とするわけでございますけれども、その際に、今後一年間、一体為替がどのくらいで変動するだろうか、どのくらいの幅で変動して、大体どのくらいのところを基準として見たらいいだろうか、それからFOB価格はどのくらいになるだろうかとか、国内の諸掛かりはどのくらいになるのだろうかというふうなことを試算し、検討し、折衝して、その上で一年間の価格を決めるようにしておるわけでございます。これは一年の価格を決めることによって、現在のような変動する時期に、逆にまた動きが鈍くなる、そういう面もあるいは問題としてはあるかもしれませんが、やはり農業者の団体で、農協の場合ですと、全国で協同主義、平等主義というものをとっていて、北海道で買う場合も、沖繩で買う場合も、東京で買う場合も、組合員への提供価格というのは極力大きな差がないように、それをプールしてできるだけやっていく、そういう組合の組合主義を貫いているものでございますので、それを貫く中で、一年の期間は固定した価格で販売するというふうにしているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いま、長い慣例みたいなものでそういうやり方をとってきた、こうおっしゃるわけでありますけれども、このように円が大きく揺れ動くときというのは、少なくとも四半期ごととか、上、下期くらいに分けて、円高により機械を一体どれくらい安くすることができるかというようなことが私は必要だと思う。そういう手法に変えるべきでないか。いま課長がおっしゃるには、もうけたとき、損したときといろいろならして、そして一年間の見込みあるいは見通しというものを立てるということでないとなかなか立てづらいということでありますけれども、それじゃ、一年間のとり方にもよりますが、いま十二月から十一月までのこの期間、こういうことになっていきますと、機械の輸入というのが年初めに集中する。これは農業は四月から経営が始まりますから、当然その前に手当てをしておきたいということになるから、そこに殺到するのは無理からぬことなのですけれども、それにしても営農上必要な時期に機械を購入するのですから、時期としてはずらすわけにはまいらぬのですが、一年間を見通すのであれば、その中で少なくともプールして、何ぼ下がったという分については、その必要な時期に買い込んだ人についても恩恵をプールで分けていくというくらいの親切さがないと、なかなか機械を安く入れるというのは農家個々ではむずかしい問題だと思いますよ。ですから、それを実態把握する上では、申し上げたように四半期ごととか上、下期ぐらいに分けた、そういう円の動きをにらみながら輸入機械の価格を動かしていく、こういうふうなことで行政庁としてはディーラーなんかを指導していく。いま全農ということがありましたけれども、全農が大きな力を持っていて、輸入農機具全般についてはかなりウエートを持って対応しているというお話であります。私は全農の努力について評価をするものでありますけれども、しかし、全農といえども一本でありますから、いろいろ地域によって実情のまちまちなところをまちまちなような扱いはできないでしょうし、そういう点ではもっとしっかりした資料を行政庁は持っておって、正確に価格が反映していくように行政上の指導を強めるということは、今日的に考えた場合に非常に大事なことじゃないか、こんなふうに思うのです。  そういう点については後ほどもう少し触れますけれども、先ほどのお話に戻って大変恐縮ですが、たとえば通商白書、こんなに分厚いものがあなたのところから出ておるわけですが、この中の農業用機械の輸入の実態が一体どんなようになっているかと思って、この厚いものをみんな開いて見たのですが、実はほんの数行だけしか載っていない。それも大方は大蔵省の通関統計をそのまま写しているというような状態で、中身については余り正確にわからない。少なくともこんな厚いのですから、やはり年間二百億以上も外貨を使って輸入しているということが実態としてあるのですから、通産省自体ももう少し細かにして、私どももこれを見たらわかるような資料というものがないものか、これは少し苦情ですけれども、そういう意味で、いま一年間のこういう長い見通しだけではなくて、もう少し細かに把握をするということが必要だと思う。こんなふうに思っていますが、こういう点についての改善の意思はどうですか。

鈴木直道通商産業省機械情報産業局産業機械課長

○鈴木説明員 農業機械自体が農家の方々の需要に応じた形で十分供給できるような体制は非常に重要でございます。私ども生産を担当しておりますが、同時に、先生御指摘のとおり国内メーカーで賄えない分は輸入に頼る、こういう実態でございますので、やはり実情の把握は非常に重要だと思いますので、御指摘に従って努力したいと思います。     〔武部委員長代理退席、委員長着席〕

島田琢郎日本社会党

○島田委員 どうですか、端的に言って、農機具に関する差益の発生状況は一体どういうふうにつかまえていますか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 先ほど御説明申し上げましたように、輸入の農機の農家への販売価格は、全農が農業機械の輸入商社と契約を結んで価格の取り決めを行うわけでございますけれども、それは十二月から翌年の十一月までの間でございますが、この間に、先ほど先生からも御指摘ございましたように、一年間の価格の為替レートがどのくらいになるかとか、あるいは輸入する輸入元のFOB価格がどういうふうになるだろうか、そういうふうなこと、あるいは国内でかかる組み立てあるいは国内の調達する部品等の諸掛かりがどうなるだろうかというふうなこと、それから一体どのくらい売れるだろうか、どのくらいの台数の取り扱いができるだろうか、そういうふうなことを勘案して、輸入商社との間でかなり厳しい値決め交渉をやっているわけでございまして、五十二年の十二月から五十三年の十一月までの間の輸入トラクターの買う価格について見ますと、前年に比べまして〇・二%の値下げをしたわけでございます。これは国内の諸掛かりが多少上がるとかあるいは輸入のFOB価格が上がるとか、円レートが逆に変動すとかというふうなことを総合勘案した結果、〇・三%の引き下げをしたわけでございますが、しかしその後、ことしの四月以降はかなり円相場が高騰してきたものでございますので、私ども、円高差益があるのじゃないかということで全農あるいは輸入の商社等からいろいろ実情を詳しく聴取したところでありますけれども、トラクターについて見ますと、輸入元がイギリスとか西ドイツのようなポンド、マルク地域から輸入するものがかなりの部分であるというふうなこと。それから、ことしになりましてまたFOB価格が、場所によって違いますけれども、一ないし二回のFOB価格の引き上げがあったということ。それから先ほど先生からのお話しございましたが、輸入が十二月から三月のころにかなり集中するわけでございますけれども、輸入が集中するこの時期に、ポンドだとかあるいはマルクと円との関係を見ますと、想定していたものよりもわりかしポンドあるいはマルクが高くって、円が安かったというふうなことで、いまのようなレートと比べてそのころはかなり相対的に円が安くって、ポンド、マルクが高かったというふうなことで、しかもその高い時期に営農の必要上あらかたのものを輸入してしまっているというふうなことからいたしまして、当初見込んで〇・三%値下げしたのの円高差益以上の大幅な円高差益はどうも出ていないというふうに、私ども実態調査の中からは判断せざるを得ない状態でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いろいろやはり円高による差益が出ているのではないか、こういうふうなことで調べてみまして、コンピューターの頭脳に頼って調べてみたわけですけれども、いまお話の中心になっているトラクターなんでありますけれども、あなたの方で御説明された金額と輸入の金額というのは大体合うわけでありますが、それで一昨年、昭和五十一年を一〇〇として、ことしの一月から七月までの円の状態をコンピューターに入れまして、これによる一応の差益と見込まれる数字を指示してもらったのでありますが、それによりますと、百七億四千万の輸入に対して十二億七千八百万くらいが差益として出るではないか、こういうコンピューターの数字があるのです。これは入れ方がいろいろあると反論されるかもしれませんけれども、少なくとも一割以上これは差益として還元できる部分があるというふうに私どもは見ている。このとらえ方、いまの課長の説明で、輸入の実態というものがいろいろまちまちだし、FOBの関係などもありましてというようなことがファクターとして別にあるとしても、私どもは少なくともこれぐらいの数字はトラクターに還元できるはずだ、こういう見方を一つしています。  ついでのことを申し上げますが、コンバインですけれども、コンバインでは、八億ほど輸入をしているわけでありますが、このうち一億は確実に円高差益によって還元できる数字である。正確に申し上げますと、コンピューターの数字でありますからかなり細かく出ているのでありますが、八億九百十八万の輸入に対して一億二百六十一万八千円、これはコンバインで限定してみても差益として発生している、還元できるはずだ、こういうふうに私どもは数字をとらえています。いかがですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 いまほどの先生のお話をお伺いしますと、五十一年を一〇〇として、それから五十三年の一月から七月の円の状況をコンピューターに入れてはじかれた結果、トラクターについては百七億余の輸入金額に対して十二億七千万程度の円高差益が計算されるという、そういうお話のように承りましたが、そういうふうなセットの仕方をしてもし計算すれば、恐らくそういうことが計算できるのじゃないかというふうに感じるわけでございますが、私もちょっとまだここで正確にやっているわけではございませんが、ただ先ほども申し上げましたように実際のトラクターの輸入は、五十一年の価格をもとにしてでございませんで、五十二年の十二月に価格を交渉した段階で、五十二年の十二月から翌年の十一月までの間に一体円がどういうふうに動くのだろうかということを五十二年の十月、十一月、十二月ぐらいの時点の円の動きをある程度もとにしながら想定していったというふうなこと、それから輸入の実態が、先ほども私申し上げましたように、たとえば一月、二月、三月のようにわりかし円安のときに輸入しているというふうなこと等から見れば、計算の上ではそういう数字が一つの試算として出てまいると思いますけれども、必ずしも実態とマッチしている面ばかりではないというふうに考えるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 あなたの御意見わかりましたが、この五十二機械年度におきますドルの為替レートの動きを見ても、昨年の十二月から言いますと、昨年の十二月は二百四十一円、それが現在は百九十四円、マルクが少し振れ方が少ないようでありますけれども、今度だってかなり大きく動いている、こういう実際の為替レートの推移というのは実態としてあるわけですから、そういう点で五十一年をベースにして見るのが正しいかどうかという議論は確かにいま言うようにあるでしょう。そこで私は前段で、先ほどやはり細かに円の動きというものを把握していないとなかなか正確な数字を出すということはできないだろう。いろんな出し方を私もしているのです。そういう中で七六年、五十一年をベースにして、現在のレートの動きを見ながら輸入農機具の一体差益というのはどういうふうに出てくるかというのをつかまえるというのも一つの手法として私は間違っていないというふうに思ってこの方法を採用したわけであります。ただ金額的に一割以上もあるではないか、それを直ちに全額吐き出せ、こう言っても、それはいま課長が言うような問題が中身にありますから、それは無理があるでしょうけれども、しかし少なくともあなたは余り出ていない、さっきのお話ではそうおっしゃっておるけれども、私はそんなことはない、別な出し方をしてみても、やはり一割近い、少なくとも八%ぐらいの円高差益は発生している、こういうふうに分析をいたしました。きょうは私の方から議論を吹っかけたようなかっこうで、あなたの方では余りそういう正確な数字をお持ちにならないで議論をするのだからすれ違いになってしまうのですけれども、少なくともこの点に焦点を当てて今後やはり正確に見張っていくという行政上の責任があることだけは間違いない。恐らくいまの百九十円というこういう状態が、いっときの百八十円台に高騰するといったような事態というのはこれから先だって予測されるわけで、今後の指導としても大変行政上の指導というのは非常に待たれるところでありますので、そういう今後の見通しなどを踏まえて、今後どういうふうにおやりになろうとしているかといった点についても若干あなた方の御意見を聞いておきたい、こう思います。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 先ほど来先生からお話ございますように、農産物価格が伸び悩みになっているとかあるいは農外収入がこれも伸び悩みになっているというふうな中で、農家の経営を改善していくためにはやはり生産性の向上を図っていかなければならないし、同時に生産資材を価格の面でも量の面でも安定的に供給していく、そういうことはおっしゃるとおりに非常に大事なことだというふうに私ども考えております。したがいまして、私どもも、私の担当しているところでは肥料価格につきましては、五十二肥料年度に比べまして五十三肥料年度は、この七月に、当初で二・四%の価格の引き下げを行ったわけでございますが、その後さらに円高の効果が顕著に出てまいりましたので、全農並びに関係業界を指導いたしまして再度価格交渉をやってもらいまして、その結果二・六%さらに引き下げしたというふうに、農業生産資材の価格引き下げについては努力しているところでございます。  輸入農業機械につきましても、そういうことでいろいろ事情を調べ、全農等も指導してまいったところでございますが、残念ながら、先ほど申し上げましたような機械の輸入の実態というふうなものが特定な時期にかたまってきてしまって、しかもその時期がわりに円安であったというふうなこと等がございますし、FOB価格の値上げというふうな問題等もあって、私ども指導しましたけれども、まだ十分に先生の御指摘におこたえできるような状態にはなっておりませんが、もうすでに五十三年の十二月を近くに控えておりまして、いま全農では新しい年度の価格交渉に入っているところでございます。私ども、全農に対しまして、最近の円相場の状態、それから輸入の実態、そういうふうなものを十分踏まえまして、こういうふうなのが適正に農家に還元できるように、ひとつ新しい年度での価格設定についてはそういうところを十分踏まえてやってほしいということを強力に指導しておるところでございますので、これからもそういうふうな問題について積極的に取り組んでまいりたいというふうに存ずる次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 指導に当たって、私は何回かきょうも指摘をしたのですけれども、資料を正確に把握していないで行政上の指導——適正と言うけれども、適正という言葉はこれはきわめて都合のいい言葉で、これやってもあれやってもみんな適正だった、こうなるので、私は、今日時点で、数字まで挙げて、こういう実態ではないですかということを言ったのですから、その辺のところをあなたの方もやはり正確に把握をしていくという、そういう作業をまず進めて、その上で全農なり、あるいは国内あるいは輸入の両方にまたがる機械メーカーを指導していく、こういうことでないと、概念的につかまえておって適正にやれといったような、そういうことでは、私は今日の状況に正確に行政がタッチをしたということにならないと思う。これは、ひとつその点を厳しく申し上げておきたいのです。  第一、農林省はいまの制度の中で、農業機械に対しては五割の助成をやっているわけです。一体全体、この輸入農機具について、それを制度の中に組み入れていく場合でも、五〇%の助成金を出しておるわけですけれども、この際の機械の単価の見積もりなんというのは一体正確なのかどうかを、いままでの議論を通してちょっと私は疑念を持つのですけれども、それは一体どういうふうに単価を設定しているのですか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 補助事業で行います機械等の単価につきまして、私ども農林水産省が大蔵省に要求する単価、これはある一つの事業を実施している期間は、原則的には単価の改定は余り行わずに、一度事業をスタートすると、そのスタートした事業の単価が一つの標準単価ということになりまして、来年も翌々年度も継続して実施するようになるわけでございます。したがいまして、ある場合には実勢の単価よりも高い場合もあるし、ある場合には安いような場合もございますが、多少そういうふうな振れのある範囲の中で、一つの標準的な単価で予算は作成するわけでございます。その作成した予算を今度実行する段階になりますと、事業主体である、これは農家の集団もございましょうし、あるいは農業協同組合も事業主体になる場合もございましょうし、市町村がなる場合もございましょうが、いろいろな事業主体でその購入しようとする機械の購入見積もり価格というふうなものを今度は事業主体が設定するわけでございます。たとえば、私どもが北海道で大規模に実施しております。農用地開発公団等において実施しております事業などについて見ますと、機種選定委員会というふうなものをつくりまして、それで機種を選定して、それでその機種の標準価格という一応の基準価格というのを機種選定委員会で設定して、それをもとにして入札で機種を決めたり、あるいは特殊なものについては随意契約をやるというふうにも聞いていますが、その入札をやる過程で一応決めた価格よりも安い形で入札が行われるというふうに伺っております。したがいまして、国の標準価格、国の予算を作成する段階での価格はある程度固定的でございますけれども、現場へ行きますと、そういう実行上の価格が補助対象事業の価格になりまして、それの補助率二分の一、あるいは事業によりましては補助率三分の一で補助金の支出をするというふうになっておりまして、現場の実勢価格で動くようになっておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そうすると、町村によってまちまちな価格になる。農林省は一応の行政上の指導価格というか標準価格というものは設定しているけれども、実態的には必ずしもそれにぴしゃっと合うわけではないと。そうすると、その市町村の力関係、ユーザーの力が強いところは安く買って、そうでないところは言いなりの値段になっていく、こういうことをそのままにしていまの標準価格というものは設定されているんだ、こういう理解をしていいのでしょうか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 標準小売価格は、私ども農林水産省が定めるわけでございませんで、全国農業協同組合連合会、全農が、輸入機械について申し上げますと、輸入ディーラーさんと取り扱い契約をする、そのときに標準小売価格を定めるわけでございます。標準小売価格と申しますのは、そういう系統組織で扱う場合のあくまでも一つの目安価格でございまして、その価格が流通の一つの指標となるだけでございまして、実際上はほかの競争相手との競争関係とか、あるいは一体どういう装備品をつけるかとか、あるいは何台買うかとかいうふうな商行為の中でその標準小売価格というのを目安にしながら変動するわけでございます。したがいまして、あくまでも一つの目安というふうに承知しております。  それから、先ほど先生御指摘ございましたように、力の強い事業主体が安く、力の弱い事業主体が高くというふうなお話もございましたが、むしろ競争入札という制度を原則的に取り入れておりますので、そういう力だけの問題ではなく、いろいろな取引条件によって差が出てくることはあり得るというふうに存じております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 課長の言われることは、私は現場においていろいろ経験したからわかるのですけれども、ただ、輸入機械に限定して言えば、やはり一応正確な価格というものが単価として見積もられて、それによって、全農にすべて任してあるんだというお話で、全農が力が強いから、いま課長がおっしゃるような事態というのは生まれていないわけです。私の言ったような事態は、課長のおっしゃるように生まれていないけれども、しかし、これは商行為だからなかなか入りにくい、そういう行政側の悩みはあるのでしょうけれども、しかし、やはり余り第三者任せみたいなことでは、今日の農業では、冒頭でくどくど言いましたけれども、農業経営に占めるウエートというものが非常にこの機械は高いわけですから、こういう意味では生産者価格のコストを下げていくという努力を農家もやっているのですから、政府側としてもしっかり目をみはってこの点にも今後深くタッチをしていく、こういう構えが私は必要だと思う。こういう前提に立っていまのようなお話をしたわけです。  もう一つ、実態として私も余り正確に把握ができないのですけれども、最近の傾向としてはまる姿で入ってくる、トラクターそのものが入ってくるというものと、部品みたいなもので入ってきて国内で組み立てして国内の利用に向ける、あるいは一部は組み立てして輸出をしていく、こういう状態というものがあると思うのですが、きょうは時間がなくなりましたから、その点についてここで議論をすることができませんので、そういう点について農林水産省側なりあるいは通産省側で実態を把握しているとすれば、その資料をぜひいただきたい。それをもとにしてもう少し精査してみたいと私は思っているので、委員長にお願いをいたしますが、この点の資料をぜひ提出していただきたい。できますか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 所要の調査をいたしまして、私どももいろいろな資料を持っておりますし、また必要な資料を提出させていただきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 最後に、ことしの七月七日付で農林水産事務次官通達が出されて、いままでありました農業機械化推進指導事業というものが衣がえをしまして、新たに幾つかの点を加味して農業機械総合対策推進事業というのが発足した、このように私どもは聞いておりますが、この中で大変大事なことが言われております。通達の第二の2でありますけれども、農業機械流通合理化指導事業というのが加わっております。これによりますと、農業機械流通の合理化及び苦情処理を含めて円滑化を図る、そのために組織としては農業機械流通合理化推進会議というのを都道府県単位につくらせる、こういうことが通達の中で明らかにされています。この具体的な細かな点について、きょうはもう時間がなくなってしまったから説明を受けることはできませんが、この事業に対して国が半分助成をしよう、こういう画期的な内容になっているというふうに私は受けとめているのです。しかしながら、この推進会議の構成を誤りますと、せっかくの苦情も上がってこないばかりか、処理する機能がなくなってしまう、こういう点でこの推進会議のメンバーを具体的にはどのように都道府県につくらせようと考えていらっしゃるのか、その点、少しお聞きしておきたい。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 先生から御指摘がございましたように、農業機械の流通合理化のための事業として、都道府県に国が補助いたしまして所要の対策を講じてもらっているわけでございます。その中で農業機械流通合理化推進会議という会議を開きまして、この事業そのもののかなめにしておるわけでございますが、この会議の構成メンバーとして私ども想定し、都道府県を指導しておりますものは、農業機械化に関係する県庁内の部課の担当者、農業指導等の関係の立場にある関係機関、それから農業関係の諸団体の担当者あるいは役職員、そういう関係者のほかに学識経験者等も参加していただきまして、この会議を構成しているわけでございます。また必要に応じて市町村あるいは関係する団体の協力も得るというようなことで、農業団体の担当者または役職員などもこの中に入っておるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 肝心なユーザーである農民、機械を使っていく農業者の意見を聞くという場所は全くないということではありませんか。必要によっては農業団体の参加、協力も得る、これじゃ推進会議の、しかも麗々しくここで述べている合理化指導事業の趣旨にもそぐわない。一体苦情をどうやって吸い上げて処理するというお考えなのか。一方的に流通側のディーラーみたいなものの参加ばかりを得て学識経験者で用が足りるというふうには私は思わないのですよ。機械を使っていくという立場の参加があって、この機械はどういう問題が起こっておるとか、これはいいとか悪いとか、そういう意見も率直に出てきて、それを正確に知事が把握して、やはり行政当局と一体になって流通の合理化を図っていくということがなかったら、これは全く御用機関になってしまって、肝心の使う側の意思をどこで把握するのか、いまの御説明では全くわからないのです。私は希望しておきますけれども、そういうものじゃなくて、やはり機械を使う者の意見というのが非常に大事なのですから、そういう問題を吸い上げる会議にぜひすべきだ。そのお考えはありますか。

芦澤利彰農林水産省農蚕園芸局肥料機械課長

○芦澤説明員 あるいは私の説明が不十分だったかもしれませんが、この会議のメンバーには農業者の団体、ユーザーの団体であります農協中央会とか県の農業会議とか、そういうふうな人たちの参加も求めておるわけでございまして、決して売り手だけの会議というふうには考えておりません。これからもそういう流通の指導の中でそのような農業者の声が十分反映できるように一層指導してまいりたいと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 時間が来ましたからこれでやめますが、円高差益の問題については、きょうの議論を通しては、実は私の方から一方的に数字を示すということで、それに対する正確な反論がありませんでした。あるのは、円高による差益は発生しておらないと見ております。これじゃどうも、現場でトラクターを使い、農機具を使っている農民の素朴な要求にこたえていないと私は思うのです。何といったって、こういう状態の中で関心の高い農業機械に対して、第一には、行政当局が正確な資料を持っていないという点、それから、そういう資料がないから正確な指導ができない、こういうことにもなりそうに私はきょうの答弁を聞いていて感じているわけです。  素朴な農民の要求にこたえ得る行政当局の姿勢というものをまず第一に強く要求し、そして具体的に全農等を指導して、少なくとも農業機械が安く、しかも安全に利用できる、そういう道を切り開いていくという努力が一層必要ではないかと思うのです。円高差益の問題を契機にして、もう少し幅広い議論をしたかったのですけれども、今日の農業機械の持っている幾つかの問題点が明らかになったと思うので、その点を踏まえてひとつ積極的に対応されるように心から希望申し上げて、私の質問を終わりにいたします。

美濃政市日本社会党

○美濃委員長 次回は、明後十九日木曜日午前十時十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十九分散会

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