物価問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/10/12
会議録
○美濃委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、連鎖販売・ネズミ講等調査小委員長片岡清一君から、小委員会の調査の経過並びに結果について報告をいたしたいとの申し出がありますので、これを許します。片岡清一君。
○片岡委員 連鎖販売・ネズミ講等調査につきまして、調査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 いわゆるネズミ講は、必然的に破綻するものであるのに、いたずらに関係者の射幸心をあおり、あるいは欺瞞的言辞を用いてこれに加入させ、加入者の相当部分に経済的損失を与えるばかりでなく、善良なる人間関係や家族関係をも破壊させる等社会的な害悪を広げていることは、すでにマスコミ等を通じて御承知のとおりであります。 ネズミ講のうち会主導型といわれるもの、すなわち、先輩会員に対する支払い金を一たん講元に送金させ、一定の条件を満たした先輩会員に対して講元から送金する類型のものについては、預かり金をしたという容疑で出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第二条違反として検挙取り締まりが行われているのでありますが、会員主導型といわれるもの、すなわち、講元は入会金のみを受け取り、講元が先輩会員の氏名、住所を示して先輩会員への送金を指示する類型のものについては取り締まり法規がなく、現在まで社会的な害悪を広げているものは主としてこの種のネズミ講であります。 このような事態に対処して政府においては、昭和四十九年十月八日の第七回消費者保護会議以後四回にわたる同会議において、ネズミ講についてはいわゆるマルチレベル商法とともに法的規制を検討することを決定し、その結果、マルチレベル商法についてはすでに訪問販売等に関する法律が施行され、その規制について効果を上げているところでありますが、会員主導型ネズミ講については、政府関係七省庁連絡会議が設置され、検討が重ねられたにもかかわりませず、いまだ規制すべき法律がなく現在まで放置され、特に最近では学生の間にまで蔓延し、しかもその資金をいわゆるサラリーマン金融に求める等社会的害悪を増幅させているのであります。 物価問題等に関する特別委員会においては、このような事態を放置できないとの判断から、去年六月七日連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会を設置し、小委員会は回を重ねて審議を行ってまいりましたが、その間調査員を派遣して実態調査を行い、また、大学教授等より参考人としての意見を聴取する等鋭意調査を続け、関係各省庁とも十分意見の調整を図りつつ、各党十分の協議の結果、ようやく昨十月十一日の小委員会において、無限連鎖講の防止に関する法律案の小委員会案を決定いたした次第であります。 以下その内容について御説明申し上げます。 この法律案はいわゆるネズミ講をもって無限連鎖講とし、まず第一条では、ネズミ講が終局において破綻すべきものであるのにかかわらず、いたずらに関係者の射幸心をあおり、加入者の相当部分の者に経済的損失を与えるに至るものであることにかんがみ、これに関与する行為を禁止するとともに、その防止に関する調査及び啓蒙活動について規定を設けることにより、ネズミ講がもたらす社会的な害悪を防止することを目的といたしたものであります。 第二条では、無限連鎖講つまりネズミ講そのものを定義しているのでありまして、無限連鎖講とは、一定額の金銭を支出する加入者が無限に増加するものであるとして、先に加入した者が先順位者、以下これに連鎖して段階的に二以上の倍率をもって増加する後続の加入者がそれぞれの段階に応じた後順位者となり、順次先順位者が後順位者の支出する金額から自己の支出した額を上回る金銭を受領することを内容とする金銭配当組織をいうこととしております。これにより従来からわが国に存在するいわゆる頼母子講等との区別を明確にするとともに、禁止すべき無限連鎖講そのものを明確に規定したものであります。 第三条では、何人も、無限連鎖講を開設し、もしくは運営し、無限連鎖講に加入し、もしくは加入することを勧誘し、またはこれらの行為を助長する行為をしてはならないとして、いわゆるネズミ講に関する一般禁止規定を置いているのであります。 次に、第四条の国及び地方公共団体の任務についてでありますが、無限連鎖講の禁止措置に伴い、その防止については特に留意する必要がありますので、国及び地方公共団体は、無限連鎖講の防止に関する調査及び啓蒙活動を行うように努めなければならないことを明記してあります。この規定は、国の関係省庁及び地方公共団体が従来の所掌事務の範囲内においてそれぞれ積極的に防止に関する調査及び啓蒙活動を行うとともに、従来どおり啓蒙活動についての総合調整は経済企画庁が行うこととし、本法の目的が達成されることを期しているのであります。 第五条から第七条までの規定は、罰則についての規定であります。 まず第五条は、無限連鎖講を開設し、または運営した者は、他の法律の罰則との均衡を考慮し三年以下の懲役もしくは三百万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することといたしております。 第六条では、業として無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金に処することといたしております。 また第七条では、無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、二十万円以下の罰金に処することとしておるのであります。 なお、この法律は、公布の日から起算して六カ月を経過した日から施行することといたしておるのであります。 以上がこの法律案の内容であります。 この際、お手元に配付の無限連鎖講の防止に関する法律案の小委員会案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決定されるようお願いいたす次第であります。委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手) —————————————
○美濃委員長 これにて小委員長からの報告は終わりました。 小委員長並びに小委員各位の御努力に対し、厚くお礼を申し上げます。 —————————————
○美濃委員長 無限連鎖講の防止に関する法律案起草の件について議事を進めます。 委員各位のお手元に配付してございます小委員長の報告に係る起草案の趣旨及び内容につきましては、ただいま小委員長の報告にありましたので、説明を省略いたします。 この際、本法律案に関し、政府より所信を求めます。法務大臣瀬戸山三男君。
○瀬戸山国務大臣 ただいま御提案になりました法律案について、法務大臣としての所見を申し述べたいと存じます。 いわゆるネズミ講のうち、出資法違反または詐欺罪に当たる形態のものについては、従来から厳正な取り締まりがなされてきたところでありますが、本法案が成立施行された際は、検察当局としても、これを十分活用し、効果的な取り締まりを励行いたしまして、立法の趣旨にこたえるものと考えるものであります。
○美濃委員長 国家公安委員会委員長加藤武徳君。
○加藤国務大臣 本法は、無限連鎖講による被害防止のために多大の効果が上げられるものと確信をいたしております。 警察といたしましては、本法施行後においては、この種犯罪の根絶を期するため、関係機関の施策と相まって、被害の防止及び違反の検挙に最善の努力をしてまいる所存でございます。
○美濃委員長 経済企画庁長官宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 経済企画庁といたしましては、従来の経緯にもかんがみ、今後ともネズミ講防止の啓蒙活動について関係省庁と十分協議し、従来どおりその総合調整に努め、もって本法の趣旨達成に努力する所存でございます。
○美濃委員長 お諮りいたします。 無限連鎖講の防止に関する法律案起草の件につきましては、小委員長から報告のありましたお手元に配付の案を委員会の成案とし、委員会提出の法律案と決定するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○美濃委員長 起立総員。よって、さよう決定いたしました。(拍手) なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○美濃委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十六分散会 ————◇—————