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85回国会衆議院1978/10/19

逓信委員会 第2号

発言数
115
登壇者
10
会派数
3
開催日
1978/10/19

会議録

松本七郎日本社会党

○松本委員長 これより会議を開きます。  この際、申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は十三件であります。各請願の取り扱いにつきましては、先ほどの理事会において協議いたしましたが、委員会の採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。      ————◇—————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  逓信行政に関する件  郵政事業に関する件  郵政監察に関する件  電気通信に関する件  電波監理及び放送に関する件 以上の各件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置いたしました電波・放送に関する小委員会につきましては、閉会中もなおこれを存置することとし、小委員及び小委員長の辞任並びにその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 逓信行政に関する件について調査を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野口幸一君。

野口幸一日本社会党

○野口委員 昨日当委員会におきまして、私どもの同僚委員から、今日における特定局制度なかんずく特定局長の任用に係る問題につきまして質疑をされましたが、私もこの課題につきまして大臣初め関係の政府委員に対してお尋ねをいたしたいと考えます。  私は、さきの国会におきましても、相模大野郵便局事件に絡みまして、今日の特定郵便局、特に無集配特定局、さらに申し上げますならば、この無集配特定郵便局の中でも定員のきわめて僅少なる局舎における事故防止、中でも部内犯罪の防止について質問をいたしました。その際にもお尋ねをいたしましたが、本日改めてこの課題を中心的に郵政大臣の所信を伺いたいのであります。  御存じのように、郵政省は近代化、合理化というものを打ち出しまして実践に努めております。コンピューターを初め各器材、機械、新しいシステムによるところの事業の開拓に努めておるところであります。しかし、一番重要な部分でございますところの郵政省の機構、すなわちその中でも特に特定郵便局制度、この部分については郵政省の顔であり、お客さんと接する重要な機関であるということは言うまでもありませんが、しかるに、この特定郵便局長の任用についてはおよそ前時代的というよりも、もう前時代そのものでありまして、公的機関の長を世襲制によって継承せしめることを認めておるというきわめて非合理的な制度であります。  これについてさらにお聞きをいたしたいと存じますが、この制度そのものについて、聡明なる大臣は今日の時点でいかに御判断になっておられるかということにつきまして率直にお聞かせをいただきたいと存じます。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 郵政省所管の全業務につきまして、社会、経済の変化に即応し、また国民の皆様のニーズにこたえていくためにそれぞれの関係者が真剣に取り組んでおるところであり、こうした中にあって最近ごく一部の者とはいえ、相模大野郵便局長に引き続いて特定郵便局長による犯罪の発生を見、郵政事業の信用を失墜せしめたことはまことに残念であり、遺憾に思っている次第でございます。  ところで、今回犯罪を行った岐阜県美並郵便局局長など四名の者につきまして、局長任用時の経緯等を厳格に調査させ、その結果を見てみますと、いずれもその任用が公正かつ妥当なものであったと確信をいたしております。しかし、長年の惰性と申しましょうか、気持ちの緩みと申しましょうか、国家公務員としての自覚の弛緩などから任命時の初心を忘れてこのような事件を引き起こしたものと考えております。  私は、こういった後を絶たない不祥事件にかんがみて、局長の任用に当たっては、管理能力、適性、経験等いろいろな角度から十二分に検討を加えて徹底かつ慎重な任命を行うと同時に、今後は犯罪の根絶に全力を傾注する所存でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 大臣、私はそのようなことをお聞きしているのではないのです。今日、この特定郵便局長制度という、いわゆる局長という職を任用するに当たって世襲制そのものを認めているという事実があるわけですが、こういった時代的なものについて、今日近代化をうたっている郵政省がどうしてこの点について改めようとしないのか、大臣はそのことについてどう思っていらっしゃるのかということをお聞きしているのでありまして、いまのようなことをお聞きしているわけではないのです。  大臣、だから私の言っていることをよくお聞きいただきたいのですが、いま郵政省は特に近代化、合理化と言って、いわば非常に進んだ分野に入ろうとしている。ましてや電子郵便なども導入しなければならない時代に入っている。ところが、一番肝心な機構そのものの中にあって、特に郵政省の顔とも言うべき特定郵便局長の任用が、前時代的というよりもむしろそのものずばりで、世襲制というよその機関にもどこの機関にもないものが行われているのですね。このことについて一体どう思っておられるのかということをお聞きしているのです。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 先ほどお答えの中で、局長任用に当たってはきわめて厳しい姿勢で、局長としての管理能力等すべての面を厳しくチェックしながら適当な局長の任用に当たってまいりましたと、このように申し上げましたが、さらに私は御質問を受けて詳細申し上げたいと思います。  この国会を通じて、かねがねこの世襲制についていろいろと御指摘を受けておりますが、私は、現時点において世襲というものは認めておりませんとはっきり申し上げておきたいと存じます。しかし、郵便局長の子供であるから郵便局長の志願はできないということも、これまた職業の選択の自由という憲法に保障された問題にもちょっと抵触すると思いますので、私たちは、任用に当たっては、郵便局長の息子であろうが部外者であろうが、御希望の方々の中から最もその職務に適性な能力を持ち合わせている人を選んでいるということを重ねて申し上げて答弁といたします。

野口幸一日本社会党

○野口委員 大臣、認めていないとおっしゃるのでありますけれども、それはもちろん認めていらっしやらないでしょう。私は、特定郵便局長の息子は特定郵便局長になれないということを前提に物を申し上げているのではないのです。それは能力のある人、資格のある人はおなりになったらいいわけでありますが、しかし、事実上の問題としてはほとんどがいわば無審査に近い状態で、特定局長の息子でありあるいは妻であるという場合においては任用されているのであります。それが実情であります。  したがって、そのことについて書かれているものがあるのでありますが、実は、大臣の出身地でありますところの奈良県におきましてある郵便局長の息子が裁判を起こしました。息子であるがゆえに局長になれなかった、けしからぬと言って申し立てているわけであります。従来の経過として、私は局長の息子であるから当然局長になれるはずだ、ところが任命をしなかったのは不遜であると言って訴えを起こしておるわけであります。これに対して国の方は、先ほども大臣がお答えになったように必ずしも継承すべきものではないということでけっておるわけであります。このこと自体は正しいのでありますけれども、このことを言わしめている背景ですが、なぜそのようなことで訴訟を起こそうとまでしているのか。  つまり、今日厳然たる事実としては、いわゆる息子であり妻である者は継承できるという概念を特定郵便局長のそれぞれの関係者が持っておる。そのことがあるがゆえに訴訟を起こして、そして局長の息子であるから当然局長になれるべきなんだということをこのように出しておるわけですね。そこに問題があると思う。大臣はそのことを現在においては否定しておる。それはそうでしょう。裁判でもそのようにおっしゃっているのでありますからそれはそうでありましょうけれども、事実上の問題としてはまだまだ残っているわけであります。  以下、私は、この美並郵便局の問題を初めとして、内容的なものを申し上げていく中にありまして、任用はその時点においては全く正しかったということを大臣はおっしゃるわけでありますけれども、決して正しくないということをこれから御示唆申し上げたいと思うのであります。  そこで申し上げますが、本日、この特定郵便局長の刑事事件について、一つは岐阜県美並郵便局長中嶋恵博の私文書偽造、同行使等、詐欺の疑いで送検されている事件、いま一つは宮崎県本郷郵便局長稲井久寿男の業務上横領の疑いで送検されている事件、さらに同じく宮崎小戸郵便局長豊山正三の失踪事件と、一応この三つを挙げまして申し上げたいと思いますが、今日の時点において、今日までのこの三つの事件の概要について、ポイントをつかんで的確にひとつお答えをいただきたい。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  相模大野郵便局事件以来、省を挙げて部内者犯罪の絶滅のため諸施策を講じて推進を図っておるところでございますけれども、最近におきまして新聞紙上などでも報道されましたように、特定郵便局長犯罪の発覚を見ておりまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。  御指摘のそれぞれの犯罪の事案について御説明申し上げますが、まず美並郵便局長の犯罪でございますけれども、これは昭和五十三年四月二十二日に預金者から定額貯金証書二枚を預かりまして、そのうち一枚百万円を四月二十四日に払い戻して自己のために費消したものでございます。詐欺罪ということで八月二十六日に岐阜地方検察庁に送致いたしまして、また、同日付をもって懲戒免職処分を受けております。  宮崎本郷郵便局長の犯罪でございますが、昭和五十三年七月二十二日から八月十六日までの間におきまして、預金者から二百四十万円ほどの定額貯金の預入申し込みがありました際、これを受け入れ計理しないで横領いたした事案と、それからもう一件、資金の授受局から受領いたしました資金の一部、これは三十万円でございますが、これを着服横領したものでございまして、九月四日に宮崎地方検察庁へ送致し、同日付をもって懲戒免職処分ということになっております。  次に、宮崎小戸郵便局長の犯罪でございますが、昭和五十二年十二月五日に、預金者から定額貯金を預け替えするよう依頼されて、これを払い戻しまして預入しないで横領した疑いがあるということでございます。実は、被疑者は現在行方不明になっておりまして、業務上横領容疑ということで、昭和五十三年十月七日に全国に指名手配をいたしておるところでございます。また、昭和五十三年十月十六日付をもって懲戒免職になっております。  これは規定によりまして二週間たつと懲戒免職の処分の効果は自然発効する、本人に交付はできませんが効果が発生するということになっておるわけでございます。  以上でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 いま概要をお聞きしたわけでありますが、特に岐阜県美並郵便局長中嶋恵博に関する私文書偽造、同行使、詐欺の関係でありますけれども、私どもが調査いたしましたところによりますならば、いわば事件の一件としての百万円の定額貯金証書の横領事件だけではなくて、それにまつわるたくさんのいろいろの被疑事件があると思うのでありますけれども、監察当局はそのほかにいわゆる疑わしいという部分も含めて調査になっておられますか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  結論から申し上げますと、余罪はないと確信しております。  なお、御参考までに捜査の過程で明らかになった事実について御説明申し上げますけれども、預金者から預かった現金を直ちに預入しないで後日証書を交付したという事実がございましたので、犯罪の容疑はないかということで慎重に調査いたしたところでございます。しかし美並郵便局長は、郵便局長の肩書きその他はなくて私印を使った全くの個人名義の借用証書を預金者に交付しており、そして現金の授受が預金者との間の個人貸借関係に基づくものであるというふうに判断されます。また、この証書の交付についても預金者が了解しているというようなことが認められましたので、犯罪として立件することはいたしませんでした。犯罪とはならなかったわけでございます。その他については、不審と認められるものは承知しておりません。

野口幸一日本社会党

○野口委員 ないという話でありますから、それは監察が調べたところであるということでございましょう。しかし、この局長が今日までたどってきた道筋をよく見てまいりますと、実は任用に際していろいろと問題がありますが、これは後ほど申し上げるといたしましても、現在美並郵便局のの局舎というのは土地は人のものになっている。いわゆる他人名義であります。  いわゆる局舎料は局長にこの土地代とともに支払われているのでありますけれども、この土地名義人に土地の借り上げ料が支払われているかどうかということをお調べになりましたか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答えいたします。  そのような事実は承知しておりません。

野口幸一日本社会党

○野口委員 私どもも十分な調査をまだいたしておりませんからしかとは申し上げられませんけれども、この局舎料にかかわる問題点と、それからもう一点はさらに他人名義といいますか、受取人が他人の名前であります保険を自分の受取人に名前を変えまして、そしてそのことによって保険の貸し付けを要求いたしまして貸し出しているという事件があるというようにも聞いておりますが、それも御存じありませんか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  そのような事実については承知しておりませんし、先ほど申し上げたように余罪はないものと確信しております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 調査を実はその一つの点だけにしぼらせて終わってしまおう、あるいはまたそれでこの事件をもう終了させてしまおうという意図があるような気がするのです。  最終的には被害金額は百万円そこそこの定額貯金証書の詐欺事件だけだったということではなくて、預金者の預金をいわゆる自転車操業的に相当回しておったという事実はなかったんですか。これは確信を持って言えるんですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 口幅ったい言い方でございますが、天網恢々疎にして漏らさずという言葉もございますが、そういったような事実関係がございますとすれば、当然のことながら郵便局にその証跡が残っておるわけでございまして、それらについては監察は一応調査いたしておりますので、先ほど申し上げたようなことを申し上げたわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 一体それじゃ何回美並郵便局にお見えになって調査をしておられますか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答えいたします。  岐阜支局が臨局したと思いますけれども、その回数については承知しておりません。

野口幸一日本社会党

○野口委員 実は、ことしの三月と四月に二回お見えになっているが、二回とも事実がわからなくてそのままお帰りになっているのです。その後どういう経緯か知りませんけれども事実が判明して、そして監察当局がおいでになって犯罪が判明した。つまり、二回はいわゆる世に言うクモの巣監察で済んでいる。クモの巣監察と言うと怒られるかもわからぬけれども、トンボやチョウチョウはひっかかるけれどもスズメやカラスは突き抜けるという、いわゆる大物はつかまらぬという今日の監察の実態であります。  実際に二回も調査に行きながら全然挙がらなかった。そしてその後行って見つかった。しかし、その調査が、先ほどおっしゃったように百万円の定額貯金証書事件だけだったということでお済ましになっている。あとは何もなかったんだとおっしゃいますが、本当にそういうことで確信を持ってお言いになれますか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  私どもとしては、余罪はないものと思っております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 特にこの際申し上げておきますが、この美並郵便局長事件にかかわる問題については、さらにもう一度御調査をなさる必要があろうかと思います。  その点について監察当局はどう考えますか。事実がないからやらないとおっしゃるのですか。何だったらお示しいたしましょうか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 御指摘の問題でありますが、いかに監察といえども、いろいろな調査の段階で必ず徹底を期したとは言い切れない点が——まあ、人間のやることですから、そういった御疑問があるようでありましたら早速再調査を指示いたしたい、かように私は思います。

野口幸一日本社会党

○野口委員 当然でありますが、これが犯罪につながるかつながらないかは別として、もう少し丁寧な監察のあり方というものをぜひともやってもらわないと納得できないと思うのですよ。少なくともことしの三月と四月と二回やったが、やっても見つからなかったというこの事実ですね。そして最終的には見つかったのでありますけれども、見つかった以上、いままでの調査のあり方がまずかったということだけは明らかなんでありますから、そういう点に立って言うならば、ただ単なる一つの事件が終わったからそれで終わりというんじゃなくて、それにまつわるもの、あるいはまたその他にかかわるものがなかったのかどうかということを当然お考えになってしかるべきだと私は思うのであります。  特に、この局長はとにかくギャンブルの好きな男でありまして、競輪、競馬に関しては人後に落ちないお好きな方だそうであります。また、この局長の親も局長をやっておりましたが、これもギャンブルで身をすりまして、財産も何もかもすりつぶしたといういわくつきの男であります。その息子をまた局長にした。そしてこの局長も、いわゆる親子二代にわたって再び競輪、競馬で身をすってこのたびの犯罪を起こしたという事件なんであります。  先ほど大臣も答弁になりましたけれども、事前に調査をしたけれども適格者であったということで局長に任用されているというところに実は問題があるのでありますが、このような問題は、当時任用されるときにすでにこれがギャンブル好きで近隣のうわさに上る問題の人間であったということがわからなかったのですか。その点はどうですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  郵便局長に任用されます際に、郵政局から依頼されまして調査をいたしましたが、その結果、この局長は管理能力等々につきまして問題がないという結論が出たわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 その監察当局の身上調査というのはどんな項目をやるのですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  主な調査項目でございますが、現職の勤務状況、現在その男が携わっている職務の勤務状況であります。それから管理能力及び適性、人物、素行関係、現局長との関係、健康状態、家族の状況、近隣の風評等でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 素行の項は実際どこを調べておられるのですか。素行というのは何なのですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  当人の勤務状況等から考えられる性格、行動等々だと思います。

野口幸一日本社会党

○野口委員 その当時、局長がギャンブルが好きで三日に上げずに競輪、競馬場へ通っており、あるいはまたそのおやじが競輪、競馬で身をすったということはわかっていなかったのですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  臨局いたしました監察官はそのような事実関係をどのように掌握していたかはっきりいたしませんが、調書というかっこうではもちろん出てまいりません。プライバシーとか、いろいろな微妙な問題もあろうかと思います。

野口幸一日本社会党

○野口委員 しかし、少なくともこの問題はプライバシーの問題じゃないですよ。田舎へ行けば、隣の嫁さんの出どころからきょうだい、親戚等まで一軒へ行ったらみんなわかるんですよ。それは東京だったら別ですが、田舎へ行けば、一軒へ入ったら、その嫁さんがどこから来たかまで教えてくれますよ。だから、おやじが競輪、競馬で身をすって財産をほっぽらかした人間だということぐらいはわかるはずでしょう。そして、その息子がどういう素行をやっているかというくらいのことは当然わかりますよ。それが調書に出ていないところに問題があるんですよ。  もちろん郵政局以上の人はその調書を見て参考になさるわけでありましょうから、結局、その臨局をした者あるいは監察の身上調査を行った者が何らかの隠蔽を——隠蔽という言葉はちょっと過ぎるかもわかりませんけれども、少なくとも事実を書いていないところが、局長任用に当たるところの身上調査が信用できないということになっているわけなんですが、この事実をどう思いますか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  監察官はその全能力を挙げて懸命に調査をいたしたものと確信しております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 木で鼻をくくったような返事をされますから私も言わなければならぬと思うのですけれども、それじゃ局長がギャンブルに熱を上げているということを知ったのはいつごろですか。最後まで知らなかったのですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  ギャンブル好きであるという事実につきましては、このたびの犯罪が発覚いたしました際、その犯罪の原因と申しましょうか、大きな原因になったというようなことから私どもは承知した次第でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 これは全く職務怠慢というか、事実を全然お知りにならないということですね。これは近隣の最も風評の強かった人です。ギャンブル局長として一番有名な人だったのですよ。にもかかわらず郵政当局が、管理者がそういうことを全然知らなかったということは問題じゃないですか。  人事局長、これをどう思いますか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 お答え申し上げます。  美並の郵便局の犯罪事件の局長につきましては、私どものラインを通じてもいろいろ調査したところでございますが、時期はちょっと忘れましたけれども、この犯罪が発覚するしばらく前にやはりギャンブル好きであるというふうなことで、その近隣の局長同士の自粛自戒と申しますか、そういう非常な注意があって、何か頭を坊主に丸めたという話もうわさではございますがちょっと聞いたわけでございます。  そういう動きはあった、しかしついに手を出したと、こういうふうに聞いておる次第でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 私は本当にこれは笑い話じゃ済まないと思うのですよ。少なくとも職員管理という立場からおやりになるならば、管理者がどういう心情でもって職務に精励しているかということを常に把握しておられるのが郵政省であり、郵政当局でなければならないはずなんです。少なくとも管理者である者がギャンブルに熱中して、そしてそれがもう町の中でうわさになっているということぐらいは当然事前に郵政局なりが知って、これを矯正させるなり忠告するなり、あるいはまたそのことをやめさせるということについて積極的な姿勢がなかったら、何のために人事管理をやっているのですか。そこのところが言いたいのですよ。  そして、採用の際にもすでにギャンブル好きだということがわかっているのですよ。親子二代にわたってやっている。きょうだいにももう一人好きな者がいるらしいですけれども、とにかく、その村に入ってギャンブル好きの男と言って指名すればこの男の名前が出てきますよ。そこまで有名になっているのに当局が知らなかったというのはどういうことですか。もちろん、特定局長のグループであります特定局長会がある意味ではかばっておったといいますか、隠蔽をしておった事実もあるようでありますから、これはあなたの方の耳に達しなかったということも言えるかもしれませんけれども、少なくともそのグルーブからでも、あるいはそのグループ以外からでもこれは察知することができたはずです。  今日のこの犯罪は防止することができたはずだと思うのですが、この点はどうですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  先ほど人事局長からもお話がございましたように、現在、特定局長間におきまして例の防犯連絡推進責任者というものを設けまして、相互に意思疎通をする、あるいはその情報を監察支局に上げるというシステムがこの相模大野事件を契機としてできたわけでございますけれども、そういったプロセスでこの種の犯罪の端緒というものがわかったわけでございます。そういったプロセスで、ギャンブル好きであるというような風評を把握したわけでございます。  そういう意味で、今後ともそういった組織によりまして犯罪捜査の端緒もつかめると思いますし、努力してまいりたいと思っておるわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 私は、この事実を見ますと、実は、いわゆる事件が発生して処理をする、あるいはまた捜査をするということについては、ある意味においては監察当局はしっかりやっていると思うのですよ。ところが、そういう問題が起こるかもわからないとか、あるいはそういう可能性があるというときに、いろいろと郵政局と相談をしながら、あるいは当局と相談をしながら、事前に適当な措置を勧告するなりして矯正する努力というものが全然なされていない。特に後から申し上げる事件なんかでもそうでありますけれども、たとえばすでに何々相場に手を出している、相場にあちこちで金を出してやっているということがわかれば、その時点で当然公務員の兼業問題もひっかかるでありましよう。  いろいろな過怠から考えても、そのことが追及できるはずなんですね。ところが全然やらないで、犯罪が起こってしまって、そして穴をあけてしまって、世間に風評が上がって新聞に載ってしまって、それからあわてて監察が飛び出ていくということなんですが、監察というのはそんなことでいいのですか。少なくともその事前に防止するということが監察の一つの任務じゃないのですか。どう思われますか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答えいたします。  先生のおっしゃるとおりだと思います。犯罪予防のためにいろいろな措置をいたさなければならないということを十分承知しております。そういう意味におきまして、今後ともいろいろな情報の収集に努めまして郵政局に連絡する等をして、犯罪の防止に万全を尽くしたいと考えております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 ここに美並郵便局の局長の出勤簿を写したものがありますが、これを見てみますと、岐阜競輪の行われた日と出勤状況と照らし合わせますと、くしくもその日に年休をとったり欠勤をしたりしている状況が明らかになっているわけなんです。私どもは犯罪の事実があってからこれを入手したわけなんでありますけれども、それ以前に勤務管理としてその局所へ臨局すれば、そういう事情は当然相当わかるはずであります。ところが、ことしの三月にお見えになったときも四月にお見えになったときも、実はこのことは全然お知りにならないでお帰りになっている。私はこれは一月以降から見ているわけなんですけれども、一月以降、岐阜競輪のあった日と欠勤したり年休をとっている日がくしくも一致している部分が多いのであります。必ずしも合っているとは言いませんけれども、その部分が多いのであります。  だから、少なくともギャンブル好きであるということが世評の的になっているとするならば、その関係と出勤状況がどうなっているのか、あるいはその点がどういう関係にあるのかということくらいは、監察という業務であるならば調べてしかるべきであり、また、調べなくてはならぬと思うのでありますが、どうでありましょうか。  さらに申し上げますが、近隣の風評によれば、監察が来て一緒に一杯飲んで帰ったという話もあるのですよ。もしも必要ならばこれも申し上げてもいいです。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 ただいま野口先生から、いろいろこの事件の核を御調査されて、任用の時点から問題があったじゃないか、しかも勤務状況の監察が十分でなかったというお話がありましたが、率直に申しまして、私は、国民の信頼を得ねばならない郵便行政、郵便業務から考えてもまことに遺憾であります。  したがって、本日の御指摘の問題は私は謙虚に御指摘を受けとめて、今後のこういった犯罪防止をするための手段といたしまして、徹底的にひとつ再調査をいたしまして、今後の人事管理、業務管理について——また指導監督をしてまいった私を含めてわれわれの責任も痛感いたしまして、こういった事態を再び招かないような姿勢で真剣に取り組んでみたいと考えますので、この点御理解を賜りたいと存じます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 さらにつけ加えて申し上げておきますが、この局長の任用に当たっての問題点の中で、実はこの美並郵便局長が任用される前に、非常勤職員の賃金をピンはねして横領していた事件があるのであります。ところが、その当時は局長のおやじが局長をいたしておりまして、その処分は非常に軽く、戒告にしかなっておりません。  しかも、そういう金銭上の事件というのは、同じ量定の処分でありましても、次の昇任関係については相当関係するはずでありますが、したがって、その関係をするのがいやだということで、当該局長は、局長代理に任命する以前に当該局長表彰という制度を使いまして、勤務成績が優秀であるということで局長表彰をいたしております。局長は自分の息子に局長表彰をしたのであります。そしてその以前にありました犯罪でありましたところの戒告処分というのを消しまして、そして特定局長の局長代理に任命をさせ、そして引き続いて局長に任命をしている。こういう事実もあるわけであります。いずれにしましても、任用の際の調査というのは一体何を調査されたのかさっぱりわからぬというのがこの事件の全貌であり、事実であります。先ほども大臣が、任用に当たってはこの調査は十分やっております。そして信用に足るものであったということで任用したということを言っておられますが、私どもから言うならば、全く何をどこを調査されたのか本当に疑わざるを得ない。この事件で言うならばそのことが指摘されるのであります。  さらに申し上げておきますが、このときに競願があったはずでありますが、競願が何名かあって、その競願の何名かを落としてこの局長を任用しているという事実があるとするならば、どういう形でこの男が一番優秀であったのかということを明らかにしてもらいたいと思うのです。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 二点についてお答え申し上げます。  昭和三十三年五月に同局主事として勤務しておったときに、経費の不適正支出の関係で——これは非常勤賃金の局務運営費への充当でございまして横領ではございませんけれども、それでその局長を減給三カ月、その関連でこの本人を戒告処分ということにいたしております。したがいまして、責任者の局長というのが一番内容的にも重いわけでございまして、この事務の補助という意味でこの本人を戒告処分いたしております。  また、特定局長に任命されたのは昭和四十年でございますけれども、こういう事案の性質から情状の酌量の余地があるということ、あるいは任用選考時まで相当期間が経過しており、その間当事案を本人は反省いたしましてまじめに勤務しておるというふうなことで任用したわけでございます。  なお、局長候補者の後段の件でございますが、私どものいまの時点での調査では、本人だけであった、当時三十五歳、こういうふうに把握をいたしております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 事前に申し出があったのだけれども、当該局長が、いわゆる前の局長がもみ消してといいますか、そういうことを全部やめさせてそういう一本にしぼったという話も聞いております。  いずれにいたしましても、任用に当たりまして調査が不十分であったということだけは明らかであります。その点だけは、私どもは正しかったとかその点は間違いなかったということだけはお取り消しをいただきたいと思います。その当時の調査が不十分であったがゆえに今日この事件を起こしたのだということについて一言おっしゃっていただきたい。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 いろいろと先生から御指摘がございました。いろいろな背後の事情、たとえば候補者が一人であったのは実はそうではなかったというふうないろいろな御指摘をいただきまして、私どもといたしましてももっと目を鋭く、背後関係その他にも十分目を配っていきたい、このように考えておる次第でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 押し問答になってしまいますので、一応ここでこの事件の問題はやめますが、実際何遍やりましても、善処します。努力します。あるいはまた改めますという言葉をここでは幾らでもお聞きするのですよ。ところが、それではその後いわゆる任用の問題についてそういう不明朗なものが一体なくなるのかといいますと、事実はなくなっておらない。どんどこどんどこと現場ではこういう事実が起こっておるわけなんです。本省なり人事局長との話の中では、努力いたします。そういうことを根絶いたしますという話なんだけれども、現場ではまだまだ疑わしいやつがどんどん任用されているという事実があるから私は申し上げているのであります。  これは今日の制度上の次陥から来る課題でありますから、その点についてはどうか、もっと大きく目を見開いて、その制度を直すと同時に、実情の問題としては、いま直ちにやらなければならない調査を十分にやって、その調査というのはあくまでも表向きではなくて、いろいろの素行関係あるいはまた今日までの行ってきた本人の性状関係を裏面から十二分に調査をするということをひとつ約束してくださいよ。それでなかったらだめですよ。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お答え申し上げます。  今後郵政局から依頼されました特定郵便局長の調査に当たりましては、先生の御趣旨も十分生かさせていただきまして、今後とも慎重に調査をいたしますと申し上げます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 次に、宮崎の本郷局について申し上げます。  稲井久寿男いう局長でありますが、これは二十八歳で局長になりました。これも同じく先代の局長はおやじであります。本人は昭和二十二年八月四日生まれでありますが、四十四年の十月二日に東京の大崎駅前郵便局に入りまして、そして、いわゆるUターンという形でおやじの跡を継いで田舎に帰っておる人間であります。有名な立正大学の出身でありまして、局長歴三年で犯罪を起こしておるという事例でありますけれども、これも実は前から相場に手を出しておりまして、これまたいろいろと外部のうわさから、今日に及ぶ事実上の問題として——犯罪の事実じゃなくて、そういうようなおそれがあるというようなことでいろいろと話が出ておったということでありますが、それを当局は御存じでしたか、どうなのか、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 そのような事実については承知しておりませんでした。

野口幸一日本社会党

○野口委員 先ほども申し上げましたように、犯罪が起こりますと、その犯罪の事実については御調査になってお帰りになってこられるのです。ところが、その犯罪を起こすに至った経路について、つまりそれはなぜこのような穴をあけるようなことになったのか、なぜ横領しなければならなかったのかということについては一言半句でお帰りになっている。たとえば先ほど話したようにギャンブル好きであったと、ただそれだけなのです。  そうじゃなくて、この事件もいわゆる相場に手を出しているのでありますが、これは何もきのうやおとといに始まったのではないのです。実は相当前から相場に手を出しているということが明らかなのでありますよ。ところが、それも実は監察に何遍もおいでになっているけれども、指摘もされない。あるいはまたそのことは事実としてお調べになって知っていて知らないふりをしていたのかどうか知りませんけれども、少なくともそういう要因があるということを事前に知りながら手を打たれていないというところに問題があるということであります。  だから、少なくとも今日この特定郵便局長の犯罪を見る限りにおきましては、起こった時点からの問題ではなくて、今日における勤務状態、今日におけるそういった副業的な動きというものを的確にお調べになる必要があると思いますが、この点はどうですか。

吉田実郵政大臣官房首席監察官

○吉田説明員 お説のとおり、業務考査等の際におきましてはそういった局長の状況等についても調査をいたしたい、このように考えております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 この際申し上げておきますが、調査をいたしたいとかいうことじゃなくて、当該局長が——それは全部じゃありませんよ。先ほども郵政大臣が言ったように、ごく一部の者だとおっしゃいますが、それは一部かもわかりません。全部だったら大変ですから、それは一部であたりまえなのです。  ところが、その一部の中に、私どもがちょっとうわさだけで聞いている部分だってややこしいというのがまだまだあるのですよ。ただ、それはあくまでもプライバシーの問題であり、あるいはまたはっきりとした犯罪が構成されているということが明らかでない以上こういったところでは言えません。言えませんから、いわばうわさに過ぎて流れていくのでありますけれども、少なくとも監察という立場からは、そういううわさが仮にあるとするならば、それは内偵をした中にあって人事局などと相談をしながら、そういうことが起こらないように事前に指導をする、示唆をするということが当然とられなければならない措置だと思うのですが、この点はどうでしょうか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 昨日の米田先生の御質問にもお答えしたわけでございますが、最近の特定局長の郵政犯罪を深く分析してまいりますと、御指摘のとおりそういう商品取引というものがあるということを私どもは大きく認識したわけでございます。  そこで、私どもの部内の方で通産省との関係を——業としての通産省の方の関係もございますけれども、いろいろ勉強いたしましたところ、商品取引というのは投機だ、きわめてリスクが大きいばかりでなく、これを行うためには常時相場変動に注目して、適時に売買行為をする必要があると言われておるということがございます。  したがいまして、勤務時間中公務に専念しなければならない特定郵便局長など、特に公金取扱者が行うことは非常に適当じゃないのじゃないか。また、通産省の行政指導の方も、調べてみますと、公共団体等公金取扱者に積極的な勧誘はしないように、本人の自由意思は残っておるけれども、業者としては積極的勧誘をしないようにという行政指導もなされておるということを勉強したわけでございますけれども、今回の一連の犯罪発生を契機といたしまして、この点について適切厳重な指導を行う必要があると、このように痛感しておるところでございまして、近日中に人事担当課長会議をやるわけでございますが、その中でこの関係を十分指導し、かつ、その内容を監察の方にも御連絡申し上げまして、そして商品取引などに関する綱紀粛正の通達ということを現在考えておる段階でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 ひとつ厳重にやっていただきたいと思います。  それで、実はこの前の国会で私が申し上げたのでありますが、小局におけるところの内部牽制が非常にむずかしいというような話がございまして、私は、それでは少なくとも次善の策として、今日どのような状況かをきちっとつかんで、そして内部牽制ができ得るようにすべきではないかという観点から申し上げたのでありますが、いわゆる近親、妻、子、兄弟、いとこ等が同一局所に勤めているということについては、内部牽制のあり方としてはまずいのではないかということについて守住人事局長にただしました。  その結果、人事局長は、勤務の状態とか、局所の散在している関係とか、あるいは山間僻地だとかいうことでその措置がなかなかむずかしいということで実はやりとりが終わっているわけでありますが、その後この問題についてどのような指導あるいは措置をなされたか、お答えをいただきたいと思います。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 この前の集中審議の際、相模大野事件は、家族、特に配偶者でございますが、その両者が結託をして起こしたという、両者結託の郵政犯罪としては十年間いままでなかったような性質の犯罪でございますので、家族従業員、特にまたその中でも配偶者の問題、あるいはまた出納官吏である配偶者を中心といたしましていろいろ御論議があったわけでございます。  この出納官吏の方は後でまた数字的にも申し上げますが、経理局との関係もございますが、あのとき七十名であったと思います。局長の配偶者が出納官吏であるのが七十名でございますが、現在、相模大野事件以降四十四名ということに相なっております。  なおまた一般的な家族従業員という問題になりますと、これは強制配転にわたるようなことは、同じ職員でございますのでいかがなものかと私は思っておるわけでございますが、やはり、この点は局長御本人とみんながこういう問題についてお互いに自粛自戒をするという精神でこれを考えていかなければならないのじゃないか、単に家族従業員だからといって、これを他の局へ強制配転させる、あるいはやめさせるということは非常に重大な問題を含んでおる、しかし、今後については、その家族従業員、特に配偶者をその局に新たに配置しないように郵政局としては十分厳重に配意をしていく、同時に、特定局長さん方自身にもそういう方向についての自粛自戒を求める、私はこういう考えでおる次第でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 それは文書で指導されましたか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 これはこの問題も含めまして一連のものについて、特定局長とか特定郵便局をめぐる諸問題につきまして集中審議をして、衆参両院を通じて御論議がございましたし、あるいはまた関係の労働組合の方からもいろいろな質問という形で出てまいりまして、一定の整理をいたしましたので、それを文書化いたしまして、国会の御論議の方は会議録を郵政局長あるいは人事部長が十分に読んでその方針を理解するように、あるいは一定の整理をいたしましたものにつきましては郵政、監察両局長会議で配布をいたしまして、私から口頭コメント、説明をいたしました。  また、その後定期異動がございましたので、また重ねてという意味でそのことについて、内容にはもう二度と触れませんでしたけれども、そういうものが前郵政局長、前監察局長のところにあるということを指摘いたしまして、注意を喚起した次第でございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 実は、その点ですが、本省段階では各郵政局へそのようにしたということでありますけれども、各郵政局から特定郵便局長あるいは特定郵便局長会に対して、そういうことは聞いていない、あるいはまたそのようなことはあるけれども事実は事実として仕方がないじゃないか、それで今後はどうするのかというと今後のことについても聞いていないということでありまするけれども、その辺はいかがなものですか。徹底していると思われますか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 出納官吏である配偶者の問題が最大の焦点であったわけでございますが、それにつきましては、やはり局情というものをよく把握いたさなければなりませんので、その問題があると感ぜられるような局は早目に特別考査をするとか、この問題について早目に積極的に取り組むとか、こういうことでございますし、それから一般の、特に配偶者である家族従業員につきましては、今後はそういう配置をしないようにということで指導が図られておるはずでございます。  なおまた特定局長会の方からもいろいろな動きがあったように聞いております。しかし、こういう問題は一律、画一的にはなかなかやれないし、またいろいろな他の側面も出てくることでございますので、それぞれの局の中における局長なり御本人なり、あるいは他の局員との関係、いろいろな局風等々を十分に見きわめながらこれを進めていかなければならぬものだ、このように考えておるわけでございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 私の調べたところによりますと、特定郵便局長会が郵政局へ出かけまして、そんなことを言ってもらっては困る、それだったら特定郵便局長のいいところがなくなるじゃないかと逆にねじ込まれたという話を聞いているのです。そしてまた家族同士がやっているから特定局のよさがあるんだなんというようなことを堂々と言って帰ったという話を聞いておる。全く人事局長の言っていることと逆な現象が現場では起こっておるのです。実際問題として本当に情けなくなるようなことが現場ではまだあるわけなんです。そして、局長がおやじで嫁さんが出納官吏で、娘が窓口をやっているという局がまだまだ存在しているというのですよ。親子全部でやっているというのがまだまだあるのです。そんなことで内部牽制なんてちゃんちゃらおかしいでしょう。  少なくともそのうちの一名ぐらいは配転をするなり、特に強制配転とまでは言いませんけれども、少なくとも次の人事交流なり、あらゆるところで何か考えるとか、そういうことを考えるようにしなさいとかいうことが実際に行われているのですか。言われたのですか。言っていないでしょう。そういう問題について、具体的に言って何局あるのか、お調べになってもいないでしょう。特定郵便局の無集配局で、たとえば家族だけで局舎が運営されているというところは全国で幾つあるかということをお調べになって、つかんでおられますか。つかんでおられないでしょう。そういうところに問題がある。幾らここでやった、やった、あるいはやります。やりますと言われても、現場では何も変わっていないのですよ。  だから、同じことをもう一遍ここで言わなければならないと私は言うのですが、人事局長、どうですか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 お答え申し上げます。  また繰り返しになるかもしれませんが、強制配転というのはなかなかむずかしい問題でございます。私どもといたしましては、特に配偶者である出納官吏の問題等につきましては、実は勧奨退職を慫慂するとかいろいろな——しかし、これも強制にわたるわけには実はまいらないわけでございまして、いろいろなことで進めておる。しかし画一的、機械的に一律にその家族従業員を、犯罪を犯すのだ、犯しやすいのだというふうにきめつけていくのも、これは私どもとしてもとるべき策ではないし、また事実上もとり得ない、このように思っておるわけでございます。  いろいろと郵政局でも苦労いたしておるようでございまして、先生の御指摘のようないろいろな反発もあったようでございますが、それに対して理解を求めながら、お互いの自粛自戒の中でこの問題をお互いに真剣に考えていくという精神で臨んでおるところでございます。

野口幸一日本社会党

○野口委員 どうも押し問答ばかりしていて話が前へ進まないので残念なんですけれども、人事局長、これは事実問題として私は申し上げているわけであります。実際に人事局長がこの委員会等でお答えになっていることが現場ではまだまだ全然聞いていないし、あるいはまた聞かれてもいないのです。そしてまた逆に、先ほど申し上げたようにこういう制度があるからこそいいんだということをうそぶいているのが、また郵政局に逆に上がってきているはずなんです。それもお聞きになっているはずなんです。そこにあって、何も家族従業員ばかりの局が犯罪を起こすなんて言っていませんよ。しかし、少なくとも今日までの事件を総合してみますと、先ほどの事件のように任用のときに問題があったり、あるいはまた家族従業員で構成されているところに犯罪が起こったりする事例が多いでしょう。多いからということになれば、その犯罪防止という立場からいくならば、そういうことのないように内部牽制をやらなければならない。内部の戒めとしてそういうような状態を少なくしていくというのが当然の措置じゃありませんか。  そうするならば、たとえばそういう家族従業員ばかりがやっているところにおいては、それを解消していくような動きあるいは指導というものを当然やってもらわなければこの問題は解消しませんよ。もちろんこれは特定郵便局長の任用問題からひっかかってくる。制度そのものの欠陥があることは事実ですけれども、しかし、それと相まって現在の問題としてでき得ることは、前段の問題として、事件を起こさないように防止する前段としてやるべきことの措置としては、当然第一の一番肝心な出納官吏と局長の関係というものは一番起こしやすい関係にあるのですから、証書と現金とを同一家族の者がやっているということは、これは一番犯罪を起こしやすい要素があるというところでそのことを申し上げたのであります。ところが、そういう一事でも、そのことだけでも、たとえば全国でどれだけの局舎でそういうケースの局があるのかということもおつかみになっていらっしゃらない。あるいはその中でこういう措置はどれだけ直そうとしているということもここでお答えいただくこともできないという状況じゃありませんか。それじゃ困るのですよ。  私はもう一度申し上げますが、こういう局舎がどれだけあって、それをどういう形で措置をして、この局とこの局はそういうことができないということでいまのところ苦慮しているとか、あるいはまた次の人事交流の際にそれを考えるとか、そういうことが少なくとも次の委員会までに具体的にお答えができるようにぜひともよろしくお願いしておきます。その点は宿題ですよ。よろしいですか。

守住有信郵政省人事局長

○守住政府委員 その配偶者が出納官吏ということが焦点でございましたので、的確に全国的に把握いたしておるわけでございますが、五十三年四月一日現在の調査では、この性質のもの、これにぴたり当てはまるものが、集配局二局、無集配局六十八局、計七十局でございましたけれども、十月一日現在で改めて調査をいたしましたところ、集配局一局、無集配局四十三局、計四十四局になっております。  これは郵政局の方でも、それぞれの局の事情に応じながら、御本人の状態に応じながらいろいろと勧奨などもしたという形での退職の方々と、その事務分担の変更という形のものに相なっております。  それから、いまの先生の御指摘の小局で一局全体が家族従業員であるという、この点につきましては、私ども本省までは上げておりませんけれども、地方郵政局ではこの前の二回にわたる特別考査の際にそういう局を最優先するようにという指導をやっておりますので、地方郵政局段階では、私自身確認はいたしておりませんけれども、そういう問題についてどの局であるということは恐らく当然しっかり把握をいたしておるはずだと思いますので、これをまた全国的に集計をしてみたい、このように考えております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 調査した後資料を下さいね。  もう時間がありませんのでまとめをいたしますが、いずれにしましても、いま質問いたしましたように、この種特定郵便局長のかかわる事件の背景をよく見てみますと、任用の際において当然防止できたはずであるにもかかわらず、それが任用の際のずさんな調査によって本人のいわゆる適格性というものがつかまれていない、適任性というものが本当につかまれていないというところに問題があるということが一つであります。  それを何としてもやらなければならぬというのは、先ほども言いましたように、これは世襲制という課題がつきまとっているからこの問題が実は今日大きくクローズアップされているわけであります。たとえば岐阜の美並の局でも、この前の局長というのはギャンブル好きで身上をすってしまったというような局長であるにもかかわらず、その息子についてもまた同じ経緯があるにもかかわらず、それが隠蔽されて局長になっているというのは、局長の息子であるがゆえにこれが局長になっているというケースなんであります。宮崎の場合でもそうであります。  そういったことから考えますと、今日の問題は、これは先ほども大臣に一番初めに申し上げましたけれども、世襲制という問題特定郵便局長の自由任用制という問題が前時代的そのものであるというところから来ているところをよく御認識をいただいて、この問題についてぜひとも前向きに、もっと進んだ形の中で改善するということを大臣からもう一度きちっとお聞きをして私は質問を終わりたいと思います。大臣からもう一つはっきりとお願いいたします。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 制度そのものをいま改廃する意思はございません。しかし、先ほど来申し上げておりますとおりに、任用に当たってはいわゆる指導能力、監督能力、すべてに厳しい姿勢で臨む。また、いわゆる予定者の平素の日常行動などについても御指摘がございましたので、大変参考になりました。そういう点で局長任用の運用で大いにその効果を上げてまいりたい、かように考えております。

野口幸一日本社会党

○野口委員 終わります。

松本七郎日本社会党

○松本委員長 藤原ひろ子君。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 私はきょうは電電公社の管理、運営の基本姿勢につきまして質問を申し上げたいと思います。  公衆電気通信法あるいは日本電電公社法にも明記されておりますように、公社が行います公衆電気通信事業といいますものは国民から負託をされたものであり、その事業の性格はほかの事業に比べまして公共性の非常に高いものだと思います。ですから、その事業に従事する役員や職員は他の民間企業の社員とは違って公務員という性格、公務員に準ずるというふうな性格を持っていると思いますが、そのとおりでしょうか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 電電公社の職員は、先生がおっしゃるとおりに公務員に準ずる立場の職員じゃないかと存じます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 ところで、私は先日、九月二十九日でございましたが、わが党の寺前議員とともに秋草総裁をお尋ねさせていただきました。それは、京都の宇治の電報電話局の小林さんという御夫妻から切々たる訴えが郵送されまして、これはゆゆしき問題が起こっている、直ちに改善することが必要だと、こう思いましたから直接伺ったわけでございます。  総裁には快く面会をしていただいたわけでございますけれども、私どもは総裁に小林夫妻からの今川局長あての質問書の写しなどを資料としてお渡しをいたしたわけでございます。そしてまず第一に、この問題についてぜひとも調査をしてくださいということと、二つ目には差別的な扱いはやめていただきたいということ、この二つを申し入れたわけでございます。そういたしますと総裁は、それだけにはとどまらないでしょう、早速現地を呼びつけて調査をします。これが事実なら常識では考えられないことが起こっていますねと、こうおっしゃいました。  この総裁のお言葉を受けて皆さん方は調査をしてくださったようですけれども、その結果をもとに公社としてどのような措置をとられたのか、お尋ねをいたします。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 先生が総裁のところへお話しにおいでになりまして事実をつかみましたものですから、総裁が約束いたしましたように、現地に連絡いたしまして事の事実を私は十分聴取したつもりでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 その内容を説明してください。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 宇治の報話局におきまして、五十三年度のレクリエーション行事の一環として九月十八日から二十八日まで、いろいろ服務の都合もございますので、五回に分けまして奈良市内のドリームランドへ職員の慰安旅行を計画いたしました。この旅行は先ほど申し上げましたように五回に分けて実施したわけでございまして、交通手段としてはバス一台、あるいは乗り切れない場合にはタクシーを準備したわけでございます。  宇治の報話局におきまして、小林宣夫社員と奥さんの小林幸子社員でございますが、過去、五十年の宇治における地方選挙以来、他の職員あるいは組合の組織ともしばしばいろいろと対立することがございまして、職場においては管理者が他の職員との融和を図るためにいろいろ努力いたしております。一々例を挙げるとまたあれでございますが、局長に言わせれば、本当に心血を注いで他の職員との融和に努めてきたということでいろいろな事例を挙げておりました。  このレクリエーション実施に当たりまして、他の職員との感情のもつれから、他の職員の方から小林さんたちをレクリエーションに参加させるなとかバスの同乗を拒否しようじゃないかというような言動が表面化してまいりましたのですが、局長以下、このような言動はレクリエーション行事の趣旨に反するということで、管理者に指示いたしまして他の職員の説得にいろいろ努めたわけでございますが、レク実施の前日、九月十九日に至りましても事態は相変わりませず、陰に陽に小林社員御夫妻を拒否するというような事情が変わりませんものでございますから、このまま放置すればかえって大きな混乱を職場に生ずるという判断を局長はいたしまして、たまたま二十日の参加者が、バスの定員が六十名でございますが、六十五名という員数にもなっておったという事情もございましてタクシーを準備いたしたわけでございます。  前日の夕刻から所属課長あるいは次長から、混乱防止のために、また小林さんが快くレクに参加するためにもぜひタクシーに乗車してくれないかということで小林さんの説得に努めたようでございますが、当日になって小林社員の方は局長室に来て、局長からも説得のお話をしたわけですが、奥さんの方がバスに乗り込まれたわけでございます。そのときに他の職員がバスからおりろとかあるいはわれわれはバスに乗らないとかということを言うという事態が相次いだわけでございまして、小林さんたちにも気まずい思いをさせずに参加させたいという局長の判断から、小林さんたちにぜひタクシーで行くようにということで強く指示いたしました。  その際小林社員からは、これは業務命令なのかというような問いがいろいろあったわけでありますが、いずれにいたしましても、小林さんはタクシーで出発いたしまして、一日の間トラブルもなく、一応の慰安旅行を終えて帰ってきたという事態でございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 公社のいまの説明によりますと、奈良のドリームランド行きバスツアーは、宇治局が主催をして公社業務の一環として行ったのだ、その際に局職員であります小林親子三人にはみんなと一緒のバスでは行くなと局長は指示をした、しかも、当日は、幸子さんと三歳の子供はすでにバスに乗っていたにもかかわらずおりろと指示をして、親子三人は別の乗り物で行かせた、こういうことなのですね。  この指示を、小林夫妻は局長の業務命令として別の乗り物で行かされたというふうに主張しているわけです。あなた方の調査では業務命令などというものではなくて、小林氏が業務命令なのかというふうに言ったとおっしゃるわけですけれども、単なる指示だ、お願いしたのだ、業務命令などというものではなくてお願いなのだということなのですね。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 その当時のいきさつをなお詳しく調査してみたわけでございますが、確かに局長は当初、これは局長の指示だ、混乱防止あるいは御本人たちのためにぜひタクシーで行ってくれという話をしたわけでございますが、九時に出発予定でございましたがだんだん時間が切迫してまいりまして、それでいろいろやりとりがございまして、小林宣夫社員の方から、これは局長の業務命令なのか、業務命令なのかという話がたびたび出まして、局長としては混乱防止のために、君がそんなに言うなら業務命令だという言葉は使っております。  しかし、いずれにしましても、申し上げましたようにレクリエーション実施というのは公社の責任でございますし、その管理下にあってレクを行うわけでございまして、もちろん職務専念義務というものは免除されておりますが、あくまで公社の監督下に行う公社主催のレクでございますので、平たく言えば業務命令に準ずる指示であった、かように存じます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 公社はこのレクリエーションの実施に当たりまして何か問題を感じられていたでしょうか、感じておられませんでしたでしょうか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 問題を感じておったかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、職場の空気としては、小林夫妻と行をともにしたくないというような異常な空気が前日から当日にかけてあったということは意識いたしております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 私も小林夫妻の訴えに基づきまして、この問題について調査をしてみました。すると、いまのあなたの説明とは少し違う公社の問題を感じているわけです。大体、みんなと一緒に行かせないというようなことは普通では考えられないことだ、まずそこのところが問題だと私は思ったわけです。総裁が常識では考えられないとおっしゃったのと同じことを私は感じたわけです。  先日私の部屋にお越しになりました山本総務理事は、この点について事の経過を聞かれてどうお感じになったでしょうか。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 お答えいたします。  先日も御説明に上がったわけでございますが、本件に関しましては、先生御案内のように過去においていろいろな経緯があるわけでございます。  その中身について改めて御説明する必要はないと思うのでありますが、そういった過去二、三年来の経緯というものに端を発した職員間の不和と、お互いに融和をしないといったような環境において今回のレク行事が行われたわけでございますが、そういった過去の事情もあり、当日朝に至るまで一般職員あるいは小林夫妻を公社側の管理者が説得して、なおかつ事態が円満に解決をしない、時間は刻々に迫ってくるという、そういう緊迫した事態における本件の措置としましては、現地の電話局長がとりました措置は緊急やむを得なかったものではなかろうかというふうに私は考えておるわけでございまして、その趣旨を先般も先生に十分御説明いたしたつもりでおります。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 山本総務理事にお尋ねいたしますが、この小林夫妻を別の乗り物で行かせたということは、小林さんと一緒に行くのはいやだと同僚が言ったからなんですね。先ほどの職員局長の御説明はそのように私は承ったわけです。  つまり、局長が最初から自分の意思でもって小林親子をバスに乗せないという考えでやったのではないということなんですね。これはいかがでしょうか。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 現地の局長を東京に呼びまして事情をいろいろ聴取し、調査をいたしたところによりますと、公社側といたしましては、職員間の融和を図るために、一般の職員あるいは小林夫妻両方に対して同じバスで行くように、時間をかけて何回も何回も繰り返し説得をしてきたわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 私の問いに対して簡単にお答えいただきたいのですが、いろいろ言っておられますけれども、結局、局長の意思でバスで行かせなかったのではなくて、一緒に乗せないでくれといった同僚の騒ぎといいますか、そういうことが起こったのでほかの乗り物に乗せたのだ、決して局長の初めからのみずからの意思ではなかったと、こういう説明がなされたというふうに解釈をするわけですけれども、それではこのようなレクリエーション行事の場合に業務命令で物事を処理するというふうなことができるのでしょうか、できないのでしょうか。いかがでしょうか。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 お答えいたします。  まず、最初に、先ほどの御質問に対する説明がいささか言葉足らずであったかと思いますが、局長の最初からの意思で別の車に乗ってくれと、こういう趣旨で申したわけではなくて、できることならば同じバスに一緒に乗って、レク行事の本来の目的である職員相互のコミュニケーションを図るとか、いろいろな趣旨や目的に沿うようなやり方でレクが行われるということを期待いたしておったわけでございますが、事態はそういうふうにならずに、結果的に別々に行くということになったわけでございます。  それから、二番目の御質問でございますが、業務命令なりや否やという点でございますけれども、レク行事というのは、純粋な公社業務の遂行という観点からするならば業務命令の対象ではないと私は思いますけれども、しかし、公社が企画し実施をする責任を持った一つの行事でありまして、これを実施するためには公社側の責任におきまして行事の進行を管理していかなければならない。そういった意味合いにおける管理責任というものは公社側にあるというふうに私は考えておるわけで、その管理責任に基づいたレク行事の円滑な実施を図るために指示といったようなものが当該局長から発せられたものというふうに解釈いたしておるわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 公社の業務としてやっているのだから制度的には業務命令が出せるということをおっしゃっているわけなんですね。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 いや……。

松本七郎日本社会党

○松本委員長 ちょっと待ってください。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 いや、そういうことをいまおっしゃったわけです。  業務命令を意識的に出そうということは別に思わないけれども、公社の行事としてこれはやったのだから業務命令を出しても別に制度的には構わないということでしょう。これは私も調べてみましたけれども、それはそのとおりだというふうに思うのですね。何か違うのですか。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 一般の業務遂行のための業務命令というものとは若干性格が違う。ただ、公社の責任において実施する行事でございますから、これを円滑に遂行するための、まあ業務命令に準ずる一種の管理権というものが公社側にあるというふうに申し上げたわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 それでは繰り返しになるようで大変恐縮ですけれども、今後の論議を進めるために整理をしてみたいと思います。  それは、第一に、公社業務であるレクリエーションがことしの秋に実施されたのだということですね。二つ目には、その際に宇治局では小林夫妻を他の職員と区別して扱った。第三に、区別をする場合に指示または業務命令を出して行った、業務命令に準ずるようなものを出して行った、こういうことなんですね。  そこで、法務省にお尋ねをいたしますけれども、小林さんは京都の人権擁護委員にこの問題を提訴されているようですけれども、こういった経過の中で、法務省としてはこの問題につきましてどのような考えを持っておられるのでしょうか。

中津川彰法務省人権擁護局調査課長

○中津川説明員 本件につきましては、宇治電報電話局の小林夫妻から向井信雄人権擁護委員を通じて、京都地方法務局に人権侵犯の申し立てがあったわけでございます。  これにつきまして京都地方法務局では、現在のところ侵犯事実があるかないかということのために小林夫妻を調査し、まだその緒についたばかりでございますけれども、重大な関心を持って調査を進めていこうというふうに思っております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 法務省は重大な関心を持ってこの調査を進めていこうと言われる。つまり、法務省は人権侵犯の疑いがあるというふうに見ているようですけれども、それでは、基本的人権というものは憲法の中ではどのように位置づけられているのか、法務省にお答えを願いたいと思います。

中津川彰法務省人権擁護局調査課長

○中津川説明員 憲法上、基本的人権は憲法の基本原則の一つであるということで、第三章におきまして基本的人権の規定が書かれております。  それで、特にこの問題につきましては、憲法十四条の関係、その精神をくみまして労働基準法の三条、そういうようなところにあらわれている、こういうふうに思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 公社の役員や職員は公社法によって公務員たる性質を持つものと定められているのですから、その公務員は「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」ということが憲法九十九条によって明記されているわけですが、いま問題にしておりますこの問題は人権侵犯問題、言いかえますれば憲法違反の問題だという性格を持っているものなのです。  公社は先日来一貫してそういった問題ではないという考えを持っておられるように感ずるわけですけれども、先ほど法務省の方からお答えがありましたように、重大な関心を持っているということは、その疑いがある性格の問題だというふうに指摘をされているわけなんですね。  電電公社はこの問題をそういう問題だというふうに思っていらっしゃるのか、思っていらっしゃらないのか、いかがなんですか。

山本正司日本電信電話公社総務理事

○山本説明員 お答えいたします。  人権侵害に該当するかどうかは人権擁護委員会その他の調査結果にまちたいというふうに思いますが、本件の結果だけをごらんにならないで、このような事態に至った経緯というものも十分御理解いただいた上で御判断を願いたいということをお願い申し上げたいわけでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 総務理事も電電公社の役員さんです。そうすると、憲法九十九条のもとで仕事を進めなければならない、管理、運営をしなければならないという立場の人が、こういった問題は基本的人権に関していかがなものでしょうかと言ったら、人権擁護委員会の方から、法務省の方から結論が出なかったら、それが基本的人権が侵されているのかどうなのかわからないと言うというようなことは全くあきれ返ることとしか思えないわけです。  それでは、もっと歴史的なものも見よとおっしゃるので、私は経過を振り返ってみたいし、あなたたちもしっかりと振り返っていただきたいと思うのですが、先ほどから言っておりますことがすれ違いの部分がありますので、共通の認識ができるというところを確認をしておきたいと思います。  それはまず第一に、同僚と区別されて別の乗り物で行かされたのは小林夫妻が希望したことではないということ、このことは確認ができると思います。そして二つ目には、小林夫妻は別の乗り物に乗せられたけれども決して納得していなかったということです。先ほどおたくの方からそういう言葉で言われたわけですが、これは決して納得したものではなかった。この二つのことは確認をしていただけますか。  別の乗り物に乗ることについて小林夫妻は希望していなかった、また、乗ったけれども納得の上で乗ったのではない。ここは共通の認識ができると思いますが、いかがでしょうか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 小林夫妻が他の同僚とバスに乗りたいという希望を強く出されておったということは認識しております。  また、先ほど来申し上げておりますように、職場の他の職員とのいろいろな感情の行き違いといいますか、職場の職員が口々に言います小林夫妻と同乗したくない、一緒に行きたくないという声で、現地の局長がやむを得ずタクシーの乗車を勧めたという経過については先生のおっしゃるとおりでございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 それでは、この点でいま確認ができた、やっと共通の認識に立てる問題が出てきたというふうに私は思います。  そこで、そういう共通の土台、話がすれ違わないところで論議を進めていきたいと思うわけなんですけれども、小林さんがタクシーで行きましたのは、小林さんの説明によりますと、局長が業務命令としてみんなとは別にタクシーで行けと言った、業務命令だから、労働者としてはこれに反対することはできないので、みずからの意思に反して仕方なしに言われるとおりにしたと言っているわけです。いま、希望ではなかった、納得しないでタクシーに乗ったと認識しておられるとおり、こういう事実であったわけです。すなわち公社が業務命令でもってみんなと差別をした、こういうことであるわけです。業務命令とか業務命令に準ずるとかいろいろな言い方をされますけれども、とにかく業務命令なんだということで、労働者は業務命令が出たら従わなければいたし方ないということを思わせてみんなとは違う扱いをした、こういうことが起こっているわけです。  それは先ほどからいろいろ弁解しておられますけれども、局長さんの意図がどうであろうと、初めからそんなに差別するような気持ちは持っていませんとか、みんなが言ったからそうしたのですとか、そういうことが弁解ができるでしょうけれども、いろいろと事の経過を追ってみればそうならざるを得ない、こういうみんなとは違った取り扱いをした、この点ではいかがなんですか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 最初にも申し上げましたように、初めから他の人と別の扱いをしようと意図してそういったことを勧めたわけではございませんで、でき得べくんば他の人と一緒にバスに同乗して行かせたいというつもりで局長としてはいろいろ苦心惨たんしたわけでございますが、結果的には定員の関係もございましてタクシーに乗って行っていただくということに相なって、結果を見ればこれを差別といいますか一どういうものを差別と言うのか、またいろいろ問題があると存じますが……。  また、この九月に五回行いましたバスツアーの中で、小林夫妻が参加したのは二十日でございますが、九月二十七日の場合にも定員をオーバーいたしまして、自動運用課の職員がやはりタクシーに乗って行っていることもございますし、差別という言葉がちょっとおかしいと思いますが、結果的にはそういう他の例もございますし、バスでなくタクシーで行っていただいた、そういう結果になっております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 私は、タクシーに乗せたことが差別だなどと、そんな短絡したことは決して言っておりません。子供連れなればタクシーで行ってください、それはどうも御親切にありがとうございますと、こういうことだってあるわけです。しかし、これは総裁がおっしゃったように常識では考えられないことが起こったということは、その底流にいろいろあったということなんでしょう。それば先ほどからおたくが言っておられるように、同僚が小林さんと一緒に行かないということを言ったので別扱いをしたのだ、さらに小林さん親子のためを思って別扱いをしたのだということを言っておられるわけですが、つまりお言葉どおり言いますと、このまま放置すればかえって職場に混乱を生ずると思ってやったのだ、小林さんたちにも気まずい思いをさせまいと思って、小林さんのためを思ってそうやってやったのだと言わぬばかりのことを言っておられるわけですけれども、率の本質はそんなきれいなことではないでしょう。歴史的経過をよく御存じなんですから、よくおわかりになっていると思います。  それでは、職場の同僚が言ってきたならば何でも聞くのですか。同僚が小林さんと一緒に仕事をするのは自分たちはいやだ、小林さんだけ別室へ入れて、ガラスのおりにでも入れよと言ったらあなたたちは入れますか。いかがですか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 繰り返して申すようでございますが、局長は職場の声といいますか、一般職員の各課それぞれで話し合っております声を聞きまして、それに基づいてどう措置したら一番最良の方法であるかということでやむを得ずこういう措置をとったわけでございまして、初めから区別しよう、タクシーに乗せようと、そういう意図でやったものでは毛頭ありませんということを重ねてお答えしたいと思います。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 それは先ほど認識を共通にした問題なんです。  いま聞いていますのは、同僚が、多数の職場の者が言ってきたのでやむを得ずそうしたということは、その人たちの多数の声を聞いて、ガラスのおりに入れいと言うたら入れるんですかということを聞いているのです。そうしたら入れるのか入れないのかということを聞いているのです。いかがですか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 ガラスのおりに入れるというような特殊な問題でございますので何ともお答えのしようがございませんが、レク行事でもございますし、局長としては職員の声を十分聞いて、その上で自分がそういうものに基づいて判断して行うべきものでありますし、現に行った、かように存じております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 性質が違うもあだから何とも答えられないとおっしゃいますが、性質は同じことです。職場の同僚が一緒に行くのはいやだからバスからおろせということを言ったからおろしたんだ、職場の多数の声に基づいておろしたんだということですが、それじゃガラスのおりに入れよと言うたら入れるんですかと言うたら、何とも答えられないということは一体どういうことですか。  そんなことはとんでもない、できませんよという答えが返ってくるだろうと私は思っていたのですが、ところが、何とも答えられないなどとおっしゃったから、ガラスのおりにだって入れるかもわからないと、こんな理解をせざるを得ぬわけです。もしそんなことをされたならば、それは単なる労働差別ではなくて、一人の職員を同僚から切り離して、孤立化させて区分をするというものだと思います。どうなんですか。何とも答えられない。それじゃするかもわかりませんよと理解されるんですけれども、そんなことをしたら全くの人権無視、人間扱いをしないというやり方で、まさに憲法にも触れる人権問題だというに思います。同僚が小林さんとは一緒に行かないと言ったから別扱いをしたというあなた方の言い分は道理にかなっていない、人権問題という理解が全くできていないから、ガラスのおりなど、そんなことは問題が違いますとしか言えない、そのときになってみなければ何とも答えられないとういふうな答えしか出てこないということなんです。  意見の食い違いがたとえ個人的にはお互いにありましょうとも、どんな感情や意見の食い違いがあろうとも、公社の業務として行われている事業を実施する場合、レクリエーションも含めてですが、そんな個人的な関係のことはまず抑えるということが大事です。また、公社はそれを抑えさせるという指導をしなければならない。それが大原則であって、それができなければ公正な管理運営はできなくなってしまうわけです。  たとえ圧倒的多数の人が要求したことであっても、その要求が憲法に触れ、一人の人間の人権が無視されるというふうなものであり、公社の管理運営の基本原則にももとるような問題だというものであれば、管理者としては当然拒否しなければならないと私は思うわけですが、その点はいかがなんですか。簡単に答えてください。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 その点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、局長としてもできれば行動をともにさせてやりたいということで、他の職員を、管理者を動員いたしましていろいろ説得した事実もございますし、初めからそうしょうと意図してやったものでは決してございません。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 お許しを得て、総裁にこの写真を見ていただきたい。  その写真は、いまバスからおろされて母親と一緒に連れていかれる子供、すなわち小林さんの子供です。片一方はお父さんに手を引かれてバスに乗りなさいと言われて乗る子供です。二十七日の場合にもほかの人たちがタクシーで行きました、だから小林さんをタクシーに乗せたって当然ですというような答弁が先ほどありましたけれども、バスで行きたいという人を無理におろしてタクシーに乗せる、片やどうぞ乗ってくださいと親子でバスに乗せる、こういう事態が起こっているわけでしょう。  その写真の小林さんの三つの男の子は和史ちゃんといいますが、いつも、外に連れていって帰ってくれば、お兄ちゃんにきょうはああだったこうだったと楽しかったことをよくお話ができる子供なんです。ところが、当日はどうだったでしょうか。帰ってきて三歳の子供が何もしゃべらないという事態が起こったではありませんか。それはその子供がどんなにショックだったかということをあらわしているでしょう。歯を食いしばって涙をこらえていたという和史ちゃんの心を思いますと、私は心からこの問題について怒りを感じるわけです。三つ子の魂百までもと言いますけれども、あなた方はこの幼い子供の心を傷つけて平気なのですか。バスに乗りたいという母親をおりろ、おりろと管理者が寄ってたかって言って、そして子供はひざの上でじっと歯を食いしばって泣かないでしんぼうしているのです。  今川局長の心情をわかってやってくださいと再三再四山本理事も私に言われました。やむを得ない措置です。いろいろな経過の中でやむを得ない措置をとったんだと思いますと、この国会の答弁でもそういう答弁をされましたが、とんでもない話だと思います。何たることでしょうか。この局長の心情をわかってくれとか、こういった措置がやむを得ない措置だったとか言われるが、このようなわが身の保身のためには人を踏み台にしてもよいというような大人の心情は、幾らあなたたちにわかってくれと言って頼まれても私はわかりません。わかろうと努力することさえも私は絶対にいたしません。それよりも、それは心情という字にあらわれているとおりです。人間の心、人間の情けというのはもっと美しいものでしょう。歯を食いしばってがまんをしていたこの和史ちゃんの心情こそわれわれはわかってやらなければならないのではないでしょうか。  実は、公社の差別問題は歴史的な背景があるわけです。ここに持ってまいりましたけれども、これは昭和五十一年に配達証明つきで書留で当時の局長に送られたものです。このころから差別があったわけです。差別的なことをやるなとという要請書がこれには入っているわけですが、当時の山本局長と山田試験課長はこれについてどう書いてあるでしょうか。これは「受取りを拒絶します。昭和五十一年十一月一日 宇治電報電話局長山本次郎」として判まで押してあるではありませんか。受け取り拒否といって開封もしないという、こういう状態が起こっているわけです。そして今度また小林さんのこの事件です。こういう問題が起こって、レクリエーション問題で逆に呼びつけられている。質問状を出しています。総裁にもお渡しをいたしましたあの質問状ですけれども、今川局長にこの質問状を差し出したら今度はどう言われたか。前のときには開封もしないで「拒絶します」ということで送り返されて、今度のものは、この種のものは局長と職員の間で出すようなものではないから回答できないと言ったのが今川局長です。言語道断ではありませんか。  先日山本総務理事と坂部職員局長に来ていただいて、私どもが入手した資料をわざわざ見聞していただいたわけです。国会の場などでは余り荒々しくしたくないと思ったから、部屋へ来ていただいて見聞していただいたわけですが、ところが、それでもなおかつ一貫してあなた方の言っておられることは変わらないわけです。それは明らかにあなた方の調査結果が食い違っていますよということを言っておりますし、あなた方の調査は不十分だから正確を期せないですよとと言っていろいろお見せしたり聞いていただいたりしてやっているのですけれども、依然としてやった措置はやむを得なかったとか、職場の同僚が言うたからやったんだとか、そういうことを措置しなかったら混乱が起こって小林夫妻はかえって困っただろうなどと、あたかも恩着せがましいことまでいまなおおっしゃっておられるのがあなた方の言い分ではありませんか。  この問題について再調査を求めます。いかがですか。

坂部政夫日本電信電話公社職員局長

○坂部説明員 冒頭にお答えいたしましたように、私は、現地の局長を総裁の命によりまして本社まで呼びまして詳細に調査したつもりでございます。  また、二回にわたって先生のお部屋に出向いて、いろいろと先生からの御質問なり御指示をいただきまして、二回目のときには三点挙げられまして、これを再調査するようにというお話もございましたので、再度電話をかけ、あるいは通信局を督励いたしまして調査いたしたような次第でございます。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 何遍やっても、本当にこれが一人の人間を無視させている問題なんだという立場でやらなかったら、何十年たったって同じ答えが出てくるというふうに思います。  なぜそこへ固執されるのか。私は、この問題を公正に処置するかしないかは公社の管理運営の基本姿勢にかかる重大な問題だと思っているからこそ言っているわけです。単にタクシーに乗せたとかバスに乗せたとか、そんなことを私は言っているのではない。だから冒頭にきょうは公社の管理運営の基本姿勢をお尋ねしたいと言っているわけです。なぜなれば、この問題だけにとどまらないで、各地でこの小林事件と類似した問題が起こっているということなんです。  例を挙げてみますと、一つは、福知山の電報電話局の機械課に勤務する前川行雄さんに対しまして出張の制限をしているわけです。五十三年の四月十一日から今日に至るまで出張制限をされているというのがこの前川さんです。泊まりの出張、日帰りの出張で賃金が違ってくるわけですね。多い人との差を比べましたら、月五万円から六万円も違ってくる。こういう業務上の不当差別を受けております。また、前川行雄さんは公社主催のレクリエーションあるいは時間外労働といったものでも差別をされていることを私は知っております。時間がありませんからいまは述べませんけれども、またいずれぜひ聞いていただきたいし、調査もされるべきだと私は思います。  この人だけではありません。京都だけではありません。兵庫県の丹波柏原電報電話局の自動運用課に勤務する大西富佐恵さんという御婦人の問題です。これは昭和五十一年一月十三日に、労務厚生係長の篠原幸夫氏が女子更衣室のロッカーを無断であけたわけです。それはロッカーにたなをつけるんだからということであけられたそうですけれども、一つ二つを許しを得てあけたのではなくて、どっとあけていかれた。だから、この方が、「何ということをなさるんですか。無断で人のロッカーをあけたりしていいんでしょうか。」と抗議をしたら、大西さんはその後作業上の差別をされているわけです。今日に至るまで差別をされているわけです。たとえば自動運用課の業務であるトラフィック調査とか加入者度数計調査などには一切行かせない。また、本来二人一組で行うように指示した作業についても事実上大西さん一人に行わせている。こういうことが起こっているわけです。  まだまだあります。これは京都市内の賀茂電話局の営業課に勤務する玉井和次さんという方ですが、この人についても同じようにレクリエーションです。昭和五十一年の二月五日から始まりました公社主催のレクリエーション、囲碁及び将棋の部門に参加するために、公社が参加申し込みをせいといって回覧してきた参加申込書に玉井さんは自分の名前を書いて、判こまで押したにもかかわらず囲碁及び将棋大会の対戦表から外されているということ、不当にも除外されるということが起こっているわけなんです。  総裁、無理を通せば道理が引っ込むということがことわざとして言われておりますけれども、まさに道理が引っ込むというような管理運営があるということを私は指摘しているわけです。ですから、ここでわざわざ取り上げました小林夫妻の差別事件は公社における差別問題の氷山の一角だと私は思うわけです。  憲法には一体どう書かれているのか。守らなければならないこの憲法の十四条に、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信條、性別、社會的身分又は門地により、政治的、経濟的又は社會的関係において、差別されない。」と明記されているではありませんか。この立場を貫くのですか。電電公社はまさにいまこれが強く問われているというふうに思うのですけれども、時間がありませんので、全責任を負う総裁から最後にその御決意を承りたいと思います。

秋草篤二日本電信電話公社総裁

○秋草説明員 宇治の問題について、先般藤原先生みずから私の部屋に参られましてるる承りました。予備知識も何もない私から見れば、大変良識を外れている行為であるというふうに直感したわけであります。しかし、労働組合等、全部人の集団でございますので一その前にも先生から、組合から権利停止を受けたということによって御当人から処分の停止の仮執行を訴えて、それはみごと勝ったというお話も聞いて、これは大変な大きな根っこがあるなあということは感じたのであります。  そういうことは先生みずからも、これは公社の責任ではない、選挙とかそういうことに関する問題は、これは私どもも考えなくちゃならぬことであると思うとおっしゃられて、きょう申し上げることはこれは公社内の仕事のことだということで始まったのでありますが、直ちに調査を命じまして、いろいろときょうも坂部君、山本君が御答弁申し上げておりますけれども、憲法で保障されている主義、主張、信条というものは自由でございますが、何といいましても、そういうものを私生活とか職場生活まで持ち込むということは悪いことではあるけれども、まだ今日なかなか急にこれは直らない。これを管理者として見ていると非常に困った問題として取り上げなければならない。  現に私も徹底的にこれは調査して、通信局長もその後会議で来ましたし、強く調査を命じまして、通信部長、電話局長まで呼べとは言わなかったですけれども、電話局長も来たそうでございますが、私は会いませんでしたけれども、いろいろとつぶさに聞きますと、一口に言えば、いかにして公社内の仕事なり生活の中で差別をさせないような努力を継続してきたかということに尽きるのですというふうに言っております。  確かにそういう同情すべき余地は相当あると私は思っております。しかし、レクリエーションの業務命令だなどと言うのもちょっと私には常識的には考えられないことでございますけれども、理屈を張って言えば業務命令という形にならざるを得ない。しかし、それを言わせるような追い込み方になれば、たくさんの人のレクリエーションのためには、ひとつあなたも少しがまんしてほしいということを言うためにそういうことがつい口に出てしまったということだと思うのであります。  要は、この問題に対しては管理者も懸命にいろいろと苦労して今日まで来たということを私は相当感じました。しかし、もう少しうまいやり方がありはしないかということは今後もひとつ努力して発見していかなければならないというふうに思っております。

藤原ひろ子日本共産党・革新共同

○藤原委員 最後に一つ申し上げますが、苦労していろいろやっておられることは、それは心情的にはわかります。しかし、そういう苦労があるけれども、強い方に流されているという事態によって、ただ一人の人権をきちんと持つ人がそれこそどれだけ大変な苦労をしているかということなんです。だから、いま総裁がいみじくもおっしゃっておりますが、言外に含む総裁の心情こそを皆さん方は理解して、今後管理運営を民主的にする、差別的なことがどの末端でも起こらないように、徹底的に民主主義を守るというためにこそ努力すべきです。  今後こういった差別的なことが現にあることがすぐに改善をされる、そして今後はそういうことは一切起こさない、そのためにこそ全力を挙げるべきだと、このことをいま総裁はおっしゃったというふうに思うわけですが、ぜひよろしくお願いをして終わりたいと思います。

松本七郎日本社会党

○松本委員 本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十三分散会

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