逓信委員会 第1号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/10/18
会議録
○鈴木(強)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が所用のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 逓信行政に関する事項 郵政事業に関する事項 郵政監察に関する事項 電気通信に関する事項 電波監理及び放送に関する事項 以上の各事項について、本会期中、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係方面からの説明聴取及び資料要求等の方法により、国政調査を行うこととし、議長に承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木(強)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○鈴木(強)委員長代理 小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 理事会におきまして御協議願いましたが、従前どおり、電波放送に関する調査を行うため、小委員十三名からなる電波放送に関する小委員会を設置することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木(強)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長の選任並びに小委員及び小委員長の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木(強)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長は追って指名し、公報をもってお知らせいたします。 ――――◇―――――
○鈴木(強)委員長代理 逓信行政に関する件について調査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。志賀節君。
○志賀委員 まず、郵政省に質問をいたします。 このところ、外部の者が郵便局へどろぼうに入る、いわゆる郵便局荒らしが頻発しているように見受けられます。私の地元の一関市でも、ことしになって、幸い未遂に終わりはしましたものの、郵便局荒らしがありました。 未遂、既遂と分けても、一括してでも結構でございますが、ことしになって全国で何件くらい事件があったのか、また、この数字を前年あるいはまた前々年同期あるいはまたそれ以前と比べてふえているのか減っているのか、できれば数字を挙げて教えていただきたいと思います。
○吉田説明員 お答えします。 本年度上半期におきます局舎侵入事件の発生件数でございますけれども、全体で百四件ということになっております。この数字は、前年度及び前前年度の同期にそれぞれ百十五件発生しているわけでございまして、それに比較いたしますと本年度は九件減少しておるということになります。また、年間で見ましても、前年度は二百二十九件、それから前々年度は二百五十七件ということになっておりまして、局舎侵入事件はむしろ減少の傾向にあるということが言えるわけでございます。 しかしながら、先生の御設問の趣旨はそうではなくて、最近よく新聞紙上で出ております局舎侵入事件のうち、強盗事件のことをおっしゃっておられるのじゃないかと思うわけでございますけれども、数字で申し上げますと、本年度上半期におきます強盗の発生件数は、もちろん既遂、未遂を含めての話でございますが、十二件でございます。前年度同期の数字は七件でございましたし、それから前々年度同期の数字は三件でございますので、これは最近の世相を反映してか、この事件関係はふえておるということが言えるかと思います。
○志賀委員 これは吉田首席監察官でなくても結構なんですが、その原因は何だとお考えになっておられますか。こういうふうにふえておる原因は何ですか。
○吉田説明員 これは部外犯でございまして、いろいろな諸情勢があるかと思いますけれども、先ほどちょっと申しました世相の反映あるいはいろいろな意味のことだろうと思いますけれども、はっきりしたことは――また、ケース・バイ・ケースによって違うと思いますので、明確なお答えはできないというところでございます。
○志賀委員 私はあえて私見を述べさせていただきますと、その原因は大別して二つあると考えるのでございます。その一つは、太平洋戦争終結後のわが国に、一貫した物質万能主義的あるいは金銭万能主義的な風潮が流れていることと、その二つは、同じ金を取り扱うところでありながら、銀行や信用金庫などの建物よりも郵便局舎の方が一見やわで、押し入っても成功しそうに思われがちなことでございます。そしてこれらの二点が、安定成長下の今日では、高度経済成長時代ほど容易に収入が得られなくなったことと、また、長期不況下で、離職者の中には、意欲的に再就職の道を求めるよりも人様のものに手を出すことをはばからぬ了見を持つような者が出てきたことなどと絡み合ってこの種の犯罪が行われると思うのであります。 原因の第一点は、行政機関にその責任が全くなしとはいたしませんが、これは主として立法府、特にわれわれ国会議員の重大な責任に帰せられるものであります。利益誘導が政策と呼びならわされ、真の政策の存在は那辺にあるのか、その発見に戸惑いを感じないわけにはいかない。その一事をもってしてもこのことは明らかであります。もってわれわれは自戒のよすがとすべきであります。 そこで、原因の第二点でありますが、これはほとんど純粋に郵政省の対策いかんにかかわる問題でありますが、どのような対策を講じておられるか、伺いたいのであります。
○吉田説明員 最近郵便局強盗事件がたびたび発生いたしまして、先生方に大変御心配をかけておるというようなことになっていることを大変残念に思っております。 私どもは、平素から犯人につけ入るすきを与えないような規律ある明るい職場づくりに努力しておるところでありますが、郵政省側といたしましては、何といっても不可抗力的な要素もあろうと思いますので、その対策に腐心しておるところでございます。 このところ新聞紙上によく報道されております強盗事件に対する措置といたしましては、私どもとしては、全郵便局に、賊が侵入いたしました際にボタンを押しますと外部でベルが鳴動する設備、これは夜間になりますといわゆる自動防犯ベルに切りかえられるというような性格のものでございますが、こういったものを全部設備しておりますし、あるいは警察に即時にその事実を通報する設備、これは非常通報機と言っておりますが、このいずれも全郵便局に備えまして緊急に備えるということにしております。 先生あるいは御案内かと思いますけれども、最近、神奈川県のさがみ野駅前局では、このベルが鳴動したということによりまして、賊が何らなすところなく逃走したという実例がございます。 また、警察機関に対しましては、平素から郵便局周辺のパトロール等をお願いしておるところでございますが、本年三月三十日、三十一日には、東京都内の郵便局で二件ほど連続して強盗事件が発生いたしました。この際は早速警視庁に対しましてその状況を説明いたしまして、警戒の強化について、管下の各警察署に対し指導をお願いいたしたところでございます。 郵政監察官は当然防犯の責務を持っておるわけでございますが、先生御案内のとおり、各県庁所在地に少数の人数しか駐在いたしておりませんので、警察官の協力を仰ぐしかないというわけでございます。 それから、なお、犯罪が発生するのはどうしても都市部に偏っておるようでございます。このような郵便局におきましては、これは平素からの業務指導でございますが、窓口事務の開始とかあるいは終了時前後特に警戒をするようにいたしております。 よく、賊は郵便局に侵入する際には何か下見をするということを聞いておりますけれども、こういった不審者については十分に注意するよう、そういった者を発見したときには適切な措置を講ずるというようなことにいたしておるわけでございます。 それから、これは当然のことでございますけれども、郵政局あるいは郵政監察局の職員が郵便局に臨局いたしました節は必ず防犯面のチェックをするようにいたさせております。また、これは毎年行っております。ことしは相模大野事件がありまして、二回ほど実施いたしたわけでございますが、特定局等全国を対象といたします防犯打ち合わせ会などを開催いたしまして、できるだけ具体的に防犯施策を指導するようにいたしております。 措置は大体以上のようなことでございますが、不幸にして賊に侵入されたというような場合、これは私どもとして人身の被害というものの防止を第一義と心得まして、沈着冷静に対処するように指導いたしておるところでございます。 以上が強盗事件に対する措置でございます。 なお、蛇足ながら、関連もございますので、夜間、郵便局に侵入する事件についても若干申し上げておきたいと思います。 先ほどベルの鳴動装置について申し上げましたけれども、夜間無人になります郵便局、これはかなりふえておるわけでございますが、この郵便局全局に自動防犯ベルというものを設置しております。それからまた、それぞれの郵便局の態様によりまして、細かくは申し上げませんが、各種の警報装置、防犯装置を設備しております。 なお、郵便局の局舎等々に問題があるというお話でございますが、郵便局舎を建設するに当たりましては、局舎の周囲の状況によっては、外部に面する開口部にシャッターとか雨戸とかあるいは金属製格子を設けるというような措置を配意しておるところでございます。 また、夜間におきます現金の保管の問題でございますけれども、これは経理局の方の仕事ではございますが、銀行預金局をなるべくふやすことによりまして、夜間における現金の保管額というものをできるだけ少なくしていくというような措置をとっておるわけでございます。 大体以上のとおりでございますが、今後も防犯打ち合わせ会等で十分に警戒方を指導してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げる次第でございます。
○志賀委員 大変しっかりやっていただいてありがとうございます。 私はそのこと自体は高く評価するわけでございますが、問題は、一見やわだけれども押し入ることができないぞ、あるいは押し入ったが最後とんでもないひどい目に遭うぞ、動物にたとえて言えば、郵便局舎とはハリネズミのようなものだというような、そういう認識が一般に常識化することこそ大事なのではないかと思うのであります。そういう努力をひとつしていただきたい。 結局、犯罪が行われて、その始末をつけるのは次善の策であります。犯罪の発生を未然に防ぐことが最善だということになるわけでありますから、私がただいま申し上げた希望は当然のことかと思います。この点を深く留意をせられて、よろしくお願いをしたいと思います。ただいま申し上げたのは希望でございますから、お答えは結構でございます。 次に、郵便料金の値上げ問題に関して質問をいたします。 昭和五十一年一月から現行の郵便料金に値上げされたのでありますが、もし可能でありましたならそれ以前にも料金値上げをしたかったということが郵政省の希望あるいは郵便会計の実情ではなかったかと思うのであります。もし私のその考えどおりであるとするならば、それはいつであったのか、そのときの改定料金は幾らにするつもりであったのか、お聞かせ願えないかと思うのであります。 こういうことを伺うのは次の理由からであります。 現行の郵便料金への値上げはきわめて大幅なものであった上、第一種すなわち封書と、第二種すなわちはがきの料金は、五対二という激しい落差のある、内外を通じて郵政史上に例を見ない措置がとられたため、各方面へさまざまな影響があり、その大半は好ましからざる影響を与えました。このような事態を事前に当然予測し得たと思われる郵政省が、昭和五十一年一月の郵便料金値上げまで手をこまねいていたとは考えられないからであります。 お答えをいただければ幸いであります。
○江上政府委員 前回の値上げの際に、郵政省が最初に料金の調整を郵政審議会に諮りましたのは昭和四十八年の十月でございます。答申を十二月にいただきましたが、同年に、御承知のとおり十二月に公共料金の半年の凍結がございましたので、そのためにこの答申案を法律案にいたしまして国会にお願いをするということができませんでした。このときの答申をいたしましたのは、第一種が三十円、第二種が二十円という内容でございました。 四十九年に至りまして、御承知のとおり狂乱物価という事態が起こりまして、人件費が三割の上昇を見るというような事態になりました。この答申案では十分な財政処理ができないという事態に至りまして、十一月に再度諮問をいたしまして、四十九年の十二月に答申をちょうだいいたしました。この内容が、第一種が五十円、第二種が三十円という内容でございました。これを翌年五十年の一月に国会に提出いたしまして、七月に廃案となりました。 さらに、五十年九月に第七十六回の臨時国会に提出をいたしまして、同年の十二月にお認めをいただきまして、ただいま御指摘のように五十一年一月から施行させていただいたわけでございます。この間三年間かかっております。
○志賀委員 郵便料金の大幅値上げによる好ましからざる影響とは、復元力のある竹も急激に大きく曲げれば折れてもとに戻ることあたわず、ゴムといえども激しく引っ張れば切れてしまうという、そういう例を思い起こしていただければ判然といたすでありましょう。 郵便業務は国民にとってきわめて重要な、しかも身近な国家事業であります。この二・五倍という大幅値上げは、一家の家計に、会社の会計にどれほどの衝撃を与えたかはかり知れません。郵便利用の多い私ども政治家は、おのれの痛みを知って他の痛みを知らなければなりません。特に、全日本紙製品工業組合の黒田暲之助理事長によれば、「郵便料金の値上げの際に生ずる郵便差し出しの減退が過去においてはせいぜい二、三ヵ月にすぎなかったものが、今回の場合は二年半を経過した今日に至ってもなおいまだに値上げ前の状態に戻らず、したがって封筒業者及び関連業者は封筒の需要減退に対処するために困難この上ない状態に追い込まれている。」ということであります。 これらのことを勘案するならば、郵便料金値上げがどうしても必要な場合、小幅に抑え、せいぜい五円程度にして、これによってショックを利用者に与えぬようにすべきであります。また、第一種と第二種との格差は欧米諸国では十対八で、先ほど私は五対二という比較で言いましたから、これを五で言えば五対四でございますから、その程度が欧米諸国の例であると聞いておりますから、これらの例に徴しても、当分の間値上げは第一種に限ることとして、格差是正に努めるべきであると考えるわけであります。昭和四十九年に郵政審議会に提出された郵政省調査の郵便コストは、第一種も第二種もほぼ同様で著しい格差はなく、第一種一〇〇に対し第二種九〇程度、五対四・五程度となっているわけであります。 私がいま、以上申し上げましたことは妥当なこととお考えいただけるか否か、この際お答えをいただきたいと思うのであります。
○江上政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、郵便というのは非常に労働集約的な事業でございますので、コスト面から申し上げますと、第一種郵便物のコストと第二種郵便物のコストは御指摘のとおりさほどに変わりはございません。世界的に見ました場合に、ただいま御指摘のように八割のところもございますし、あるいは第一種、第二種と全く料金格差をつけていないところもございます。したがいまして、五対二というような格差をつけておりますところは、私どもが承知をいたしております限りわが国以外にはございません。 そういう意味から見ましても、あるいはまた郵便財政を健全に保つという点から見ましても、当分の間第二種の料金値上げだけをするということが妥当かどうかということにつきましては、これは慎重な検討を要すると思いますが、料金格差が開き過ぎているという点につきましては御指摘のように思っております。
○志賀委員 郵便料金の値上げに関しまして、私がこの機会に特に政治家として反省しておきたいと思いますことは、こういう大幅値上げは、当時不幸にしてオイルショック等々がありましたための、予定よりも延引しての値上げであったということはよくわかったわけであります。しかし、同時に、国民の関心を買うための一寸逃れというものは、結局は後になって大きなつけが国民に回されることになる。そういうことから私ども政治家の姿勢を正す一つの参考になるのではないかと考えるので、私は特にこの面を研究さしていただいたわけでございます。 次に、通産省に伺いたいと思うのでありますが、昨今、日本の貿易収支における大幅黒字をめぐりまして、いわゆる外圧が強まっております。アメリカのみならずEC諸国からも圧力が加わっているわけでありますが、その実態を少しく勉強させていただきたいと思いますので、この間行われました日米交渉等につきまして、一般論で結構でありますけれども、私ども逓信委員会にかかわりのあることも含めて、その面をもし取り上げていただけるならばこれも結構です。一般論として、この日米貿易交渉についてお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○安楽説明員 日本の対外貿易関係でございますけれども、御承知のように、昨年来日本は非常に大幅な貿易収支及び経常収支の黒字を続けてまいりまして、特に昨年の秋以降、対米向けにその黒字が非常に大幅になってきたわけでございます。そして、一方、アメリカの方では対日貿易の赤字、そしてまたグローバルの経常収支の赤字ということで、きわめて大幅な日本の黒字とアメリカ側の赤字が続いてまいりまして、その中におきまして円レートの急激な上昇というような状況も続いてきたわけでございますが、こうしたことを背景といたしまして、アメリカ側におきましては、昨年秋以降急速に保護貿易主義の動きが高まったわけでございます。特にアメリカの議会筋を中心といたしまして、この貿易のアンバランスを早く解消しないことには米国側としてはいろいろな報復措置も含めて保護貿易主義に走らざるを得ないという動きが強まってきたわけでございます。 そういうことを背景といたしまして、日本及び米国政府の間では、昨年秋以降、いろいろな国際会議の場を通じまして、この問題を合理的に解決し、保護貿易主義を抑えて自由貿易を拡大する、それから当面の日米貿易のアンバランスをできるだけノーマルな方向に持っていくという努力を続けてきたわけでございますが、その一つの活動といたしまして、ことしの初めから日米通商円滑化委員会というものが日米の政府間ででき上がりまして、この場を通じてアメリカの日本に対する輸出というものを円滑に拡大していくためのいろいろな努力を行うということになって、委員会をたびたび開いて努力している状態でございます。 この活動は大きく二つございまして、一つがアメリカの対日輸出促進のいろいろなプログラムに協力するということでございまして、この点では、日本の市場についてのいろいろなPR等をアメリカ側に行ってセミナー等を開いてやっておりますが、同時にアメリカから日本に対してミッションを送る、日本の市場を勉強し、かつ売り込みを行うためのミッションを派遣するということで、実は、ことしの三月に日本側からアメリカ側に、アメリカ品の買い付けミッションという形で日本側がミッションを送ったわけでございますが、それのフォローアップという形もあって、この十月の前半の二週間、アメリカからクレプス商務長官を筆頭として百数十名の官民合同のミッションを送ってきたわけでございます。 これにつきまして、日本側といたしましても、こういう情勢のもとでできるだけ協力するということで、八月に閣議で協力するという口頭了解もいただいていろいろ協力してまいったわけでございますが、そのミッションがこちらにいる間に官民いろいろな方々と精力的な話し合いを行いました。これには具体的な個別商談もございますし、それから日本の市場でアメリカとして輸出をなかなか伸ばしにくいいろいろな問題点について調べる、あるいは話し合うという問題もございまして、精力的に彼らは歩き回ったわけでございます。 その中には、アメリカ側が従来から当然関心を持っているものといたしまして、日本の政府調達と申しますか、郵政省関係でございますと電電公社関係の公社も含まれるわけでございますが、そういったところにもアプローチをいたしまして、郵政省あるいは電電公社の方ともいろいろお話し合いをしたということを伺っております。 それから、もう一つ、先ほどの通商円滑化委員会のもう一つの活動の側面でございますが、これはアメリカ側でいろいろな日本の市場についての苦情がたくさん出てきておりまして、この苦情処理を個別に円滑に解決していくという問題がございます。これは実はアメリカの商務省にアメリカじゅうから集まってきた苦情のうち、政府ベースで検討するに値するものというのが日本の在米大使館を通じて通商円滑化委員会に出てまいりまして、これにつきまして、通産省はもとより、他省庁の所管に属するものについては他省庁の御協力を得まして、いろいろと米側と文書または会議を通じて話し合いを進めているという、この苦情処理案件の解決という問題がございます。この案件につきまして、円滑化委員会に上がってまいりましたものがいままでに十五件ございまして、このうち十件ほどはいままでに解決しているわけでございますが、あとの五件については米側と現在話を進めておるという段階でございまして、この中に一つ電電公社の関係の案件があるということでございます。 これが通商円滑化委員会の関係でございますが、もう一つは、この十月の三日及び四日にワシントンで日米高級事務レベル会議という、関係省の次官クラスの貿易、経済問題を討議する会議がございまして、この会議におきましても、現在の日米貿易インバランスの問題がいろいろな観点から議論されたわけでございますが、その中でも、アメリカ側として今後保護貿易主義を抑えていくためには日本側としてもっと市場開放の努力をしてほしい、この中にはいろいろな製品面あるいは農産物等の自由化の問題もあるけれども、ノン・タリフ・バリアと申しますか、日本の市場はいろいろな形で入りにくい面があるので、その点について通商円滑化委員会等の場を通じて一層具体的な問題として解決してほしいという話が行われたということがございます。 そういうことで、現在、貿易収支自体につきましては数量ベースあるいは円ベースでは輸出が減る方向にあり、また輸入はふえる方向に若干変わってきているわけでございますが、アメリカ側といたしましてはドルベースで改善しないことには保護貿易主義の高まりはますます強まるだろうということで、これから来年の春にかけて、特に来年の春には、現在MTN交渉という多角的な通商交渉が行われておる最中でございますが、これが一応決着がつきますと来年の春の米国議会にこの法案が出る、そのときにいろいろな形で保護貿易の立法が同時に出てくるという可能性があるので、来年の春が米国の保護貿易主義の高まりの一つの大きな山場になるということもあって、自由貿易を伸ばすために、いま御説明申し上げましたような活動の場を通じてこの問題を一つ一つ解決してほしいという要望がさらに強まっており、われわれとしてもそういう方向でいろいろ協力をしているという段階でございます。
○志賀委員 そうしますと、二つ通産省に重ねて伺いたいのでありますが、一つは、来年春、保護貿易主義を含めてわれわれにとって好ましからざる方向が米国議会の中で打ち出される可能性は、単にブラフ、いわゆる恫喝といいますか、そういうことではなくて、現実に起こり得る可能性が強くあるのか、それが一つであります。 それからもう一つは、それに対する日本側の対応というものは、そういうことをさせないためには、いま五件苦情が未処理のまま残っている、あるいは交渉中であるということについてどうしても解決をしなければならないが、これは国家的な見地から必要なことかどうかを教えていただきたいと思います。
○安楽説明員 いまの先生の御指摘のとおりでございまして、アメリカ側といたしましては、未曾有の貿易収支の赤字で、特にそのうちの相当部分を対日貿易面での赤字で占めておりますので、結局これが来年の春くらいまでに相当いい方向に向かわないと、先ほど申しましたMTNの法案というものは今後一層自由貿易を拡大していくためのいろいろな中身を盛り込んだ法案になりまして、それが各国とも議会を通らないとその交渉結果を生かすことができないわけでございます。 アメリカ側におきましては、自由貿易派ももちろんおりますけれども、保護貿易派も非常に根強いものがありまして、特にいま申しましたような、かつて見られないほどの大幅赤字というものを背景としてそれが強まっておるということで、アメリカの方としては、実は円レートも切り上がったので早くこういう状態が直ると思っていたのになかなか直らないということで、もう少しは待てるかもしれないけれども、アメリカの国民感情及び議会筋の保護貿易主義の動き等から見てだんだん待てなくなるというようなことも言っておりまして、その山が先ほど申しましたような来年の春のMTN法案が出るころに来るというのがアメリカ側の一般的な見方になっております。 そういうことで、私どもといたしましては、こうした問題を解決するためには一方においていろいろな基礎的な問題がございます。これは単に日本側の問題ではなくて、インフレの抑制とか、それから輸出振興のプログラムを向こうで発表いたしましたけれども、そういうこととか、あるいはドル防衛策とかエネルギー政策とか、アメリカ側にも基本的な基調を直すための諸方策を強く要求しており、エネルギー法案などは最近アメリカ側で大体通ったということでございますけれども、同時に、日本側としても、アメリカ側の主張で日本の市場について理屈のあるところはできるだけ相互の話し合いによって理解を深めていく、それから解決できるものは一つでも解決していくということが必要ではないかということで、通産省はもちろん各省の御協力も得まして、個別の案件につきましても一つ一つ相互の話し合いを進めて、できる限り両方の理解を進め、あるいは両方の満足がいくような解決があればそういう方向でやっていきたいということで、現在活動しているわけでございます。
○志賀委員 日米貿易交渉のただいまの御説明をいただきました中の日米通商円滑化委員会、これはたしかTFCと呼ばれたかと思いますが、私はかねてからこの委員会の動きを注目いたしておりましたし、また、十五件のうち未解決の五件の中の問題に電電公社が深くかかわり合いを持っているということを承知いたしておりまして、非常に心配をしていた一人でございます。 折しも、去る十月十三日のサンケイ新聞に大見出しで、「郵政・電電公社“二枚舌”の見本だ」というちょっと衝撃的な扱いを持った大きな記事が出たわけでありますが、この中で言われていることは、過般日本を訪れたクレプス商務長官一行の中でのいわば事務局長を努めたフランク・ワイル商務次官補が帰国に先立って述べた言葉の中で、福田総理は輸入拡大を唱えていながら、その下僚である郵政、電電は石の壁を持って、いわば二枚舌を使っておるということを言って激怒したという記事がございます。 私はその辺の消息につきましてこの際つまびらかにしていただきたいと思いますので、郵政省並びに電電公社当局から御説明をいただきたいと思うのであります。
○寺島政府委員 お答えいたします。 先般のアメリカから来日をされました通商ミッションのことに関しまして、郵政省といたしましては、私の承知いたしております限りでは、ワイルさんは出ておられませんでしたが、向こうの方方と私どもの次長クラス以下、電電公社も交えまして率直な話し合いを持っております。それからまた、ワイル次官補をキャップといたしまして数人の方が郵政事務次官のところへ表敬という形でお見えになりまして、意見交換をいたしております。そのいずれにおきましても、その新聞に載っておりましたような発言を郵政省かあるいは電電公社の側でしたということは承知いたしておりません。 なお、そのほかに電電公社ともいろいろな話し合いを持たれたということを聞いておる次第でございます。
○長田説明員 お答えいたします。 最初に、ワイルさんの新聞記事に入ります前にちょっと一言申し上げたいのでございますが、電電公社はもう従来からも内外無差別という原則で、所要の物品を調達するという原則で進んでおりまして、これは四十七年あるいはことしの一月でございますか、閣議決定の趣旨に沿って実施をしておるところでございまして、この基本方針は今後とも変わるものではないというふうに私どもは考えております。 しかし、私どもの調達いたします物品の大半といいますものは、これは電気通信機器でございます。したがいまして、電気通信機器は全国をネットワークとして構成するものでございますので、非常に経済的であること、それから非常に信頼性の高い電気通信網をつくるというためにこの物品を調達しておるものでございまして、これらの機器につきましては公社みずから研究開発を進めております。 しかし、公社といたしましては製造する部門を持っておりません。したがいまして、この研究開発の段階から業者を製造に加えるかっこうで共同に研究開発を進めるということをいたしておりまして、技術力あるいはこれの研究の過程に生じました特許等、いろいろとそういう面からその業者に引き続いて製造させました方が高品質であり、また非常に経済的な機器が調達できるという考え方をもちまして、これらの業者を対象にいたしまして、私どもは随意契約という形で資材を調達いたしておるわけでございます。 いま申し上げました理由のほかに、電気通信設備というのはやはり長期間使われるものでございまして、また逐次増設がされるというようなことになります。したがいまして、そういう増設あるいはまた将来それを更改するとか、あるいは修理をするというようなものがございまして、そういう物品等の供給が必ず永続的に行われるということが大きな条件になります。 また、公社で使います物品は、ほとんど公社専用で使います特注品でございまして、一般市場性というものが非常に薄うございますので、公社が適正にあるいは平準化した発注を行いますれば、結果的に製品を非常に安いコストで公社が入手できるというようなこともありまして、私どもは随意契約方式というものを採用しているわけでございます。しかし、結果として国産品が非常に多くなるということはございますが、私どもは、外国製品を差別するがために随意契約を実施しておるというのが目的ではございません。 こういうようなことでございますので、これは日本あるいは電電公社だけがこういうような物の考え方でやっているのかといいますと、そうではございませんで、自国で電気通信設備というものを製造し得るいわゆる先進国でございますが、こういうようなところでは、公社でやっておりますのと大体ほぼ同様な考え方で資材の調達がされておるというふうに聞いております。 また、物品の中には、一般に市場性もある程度あるとか、あるいは品質で言いますとJISの規格等が決まっておりまして、大体そういうものに準拠したものがいいというようなものにつきましては、これは競争契約という方式で公社におきましても調達をいたしておりまして、今後とも郵政省の御指導を仰ぎながら国策に沿えるような方向で努力を進めていきたいというのが現在の気持ちでございます。 それで、先ほど御質問がございました新聞に関連することでございますが、私ども公社へも正式な訪問がございましたし、あるいは郵政省の方々と御一緒で向こうの団に対応するとか、あるいは個別に話に来られたというようないろいろなケースがあるわけでございますが、こういうように個別に製品の説明を受けるとかあるいは具体的な検討をお約束するなど、誠意を持って実は対処しておるところでございます。 ただ、先ほど申し上げました電気通信の特殊性ということから、公社の調達の考え方、先ほど随意契約ということを申し上げたわけでございますが、この辺についてどうも十分に納得されていない節がございましてああいうような御意見が新聞に出たんじゃないかと思いますが、今後ともアメリカ側の理解を深めるよう十分努めていきたいと考えておるわけでございます。 ただ、新聞記事の中に、「電電公社の方で海外から買わないという伝統を守っているのだ」とか、あるいは「ある公社」と言って、これは電電公社を指しているんだろうと思いますが、ある公社は公正な競争に対して石の壁のように立ちはだかり、何ら輸出拡大の希望が持てなかったというような記事がございますが、これは私が先ほど申し上げましたように、公社が随意契約方式で調達をしているということについて、これを内外差別であるというふうに誤解をされているんじゃないかと私どもは考えるわけでございます。 たとえばこれは雑誌の記事でございますけれども、アメリカにおきましてもFCCがATTに対しましてある問い合わせをしているわけです。電気通信器材の調達方法についての問い合わせをしておるのですが、その回答書の中におきましても、電気通信機器を競争契約で調達するのは不適当であるというATTの意見を正式に持っている事実がございます。それからまた、ヨーロッパ諸国、特に先進的な国々におきましては、これもほとんど電気通信事業者は随意契約で主要な物品は調達をしておるという事実がございまして、やはり、こういうような点をよく御理解をしていただかないと非常にまずいことになるというふうに考えます。 それから、もう一つ記事の中で書いてありますのは、「品物を売りたいので、スペックを提示してほしいと申し込んだ」ところが、これに対して「アメリカ側でまずスペックを出せ」と言ったというような話を書いておりまして、「こんな排他的なやり方は一般に通用しない」というようなことが記事にございます。 ところが、先ほど申し上げましたような開発の過程で電気通信機器のスペックができておりますと、当然これは随意契約で買うためのスペックということになっておりまして、実は、この中身は開発段階で得られました大きな技術的なノーハウというものがもう盛り込まれておるわけでございまして、そういうものを公開せいというふうにおっしゃられると、もうこれはにわかには公開することはできないという問題になります。これは電電公社のみではございませんで、先ほど申し上げましたように、欧米諸国いずれの国においても恐らく共通のことだろうというふうに思います。まあ、品物を売りたいとおっしゃるときには、売り方がそういう品物をスペックも含めてアピールをしてくるというのが当然のことではないかというふうに考えております。 以上、この新聞記事につきまして二つほど意見を申し上げた次第でございます。
○志賀委員 私は新聞記事を離れまして、現実にワイル商務次官補が十月十三日に東京を離れるに先立ってプレス発表をした、その発表の翻訳文をここに持っておりますので読ましていただきますと、「ある公社は、いまだ、競争的な価格で行われる輸入を今著しく増加させることに対して“石の壁”のように立ちはだかっております。私達の会った人達は率直でしたが、ほとんど希望を与えてくれませんでした。」というくだりがあります。 私はただいまの長田総務理事の御説明を承りまして、決してあなたのお言葉を疑うわけではございませんが、いま日本全体の企業のイメージが、電電公社のこのいわゆる「石の壁」と彼らに表現されている姿によって著しく損なわれておる、あるいはシンボライズされて電電公社が国際的に悪者にされておるという事実、これはもう動かすべくもない事実でございまして、私もこれは承知しておるわけであります。しかも、このことを通じて明春にももし保護貿易主義というようなものが、この電電公社の姿勢を引き金として行われるようになれば、これはひとり日本だけではなしに、世界的に波及する大きな問題になってくるわけであります。 その場合に、電電公社が結局なお悪者にされないで済む――あなたがいま言われたように、これだけ公正な競争をオープンにしておいてやって、どこをつつかれても、われわれはきわめてフェアにやった、何の後ろ指をさされるものもないということで、日本の電電公社というものが国際的にいけにえにされないで済むだけの自信があるか。あるならば結構なのであります。ないならば、これをいまのうちから真剣に取り組み直さなければいかぬのではないか。そこまで来ていると私は思うのです。その辺をこの委員会でもって手を抜いておいて、きわめて重大な事態、すなわち保護貿易主義のようなものがアメリカの国会で通ったような暁に、日本の逓信委員会は怠慢であったなどということがないように、いまのうちからこのように質問させていただいている。そしてこの機会に、電電公社としても確信を持って大丈夫だというお答えをいただければ私は欣快この上ないと思います。 私は屈服しろと申し上げているのではない。どこをつつかれても大丈夫だという確信を持ってお答えをいただけるならば、そして、なおそういうものが先に横たわっていても大丈夫だという確信を持てるならばそれで結構。私はその辺を確信を持ってお答えいただきたいのであります。
○秋草説明員 志賀先生にはまだ私たちの電気通信事業の説明が十分わかっていないのではないかと私はいま感じましたので、立ちまして答弁いたします。ちょっとかぜをひいておりますのでお聞き苦しいと思うのですが……。 先般、米国の輸入促進使節団の団長であるシェパードさん、それから随行してきました先ほどのワイル商務次官補、それに大使館の人がついて、三人と私は会いました。表敬だといって見えたのでございますが、二、三十分で、少時間でございますけれども、その経験だけで新聞記事を見て、非常にどうかしているのではないか、どこかでそういう乱暴な口でも聞いたかなと言って大分尋ねたのですが、私の会った範囲では、シェパードさんも非常に好意的で、にこにこして、終始一貫談笑裏に話しました。 一体何のために私のところに来るのか。今度の使節団は物を売るために来たわけです。日本の市場開拓に来たわけです。ところが、たまたま、いまはガット東京ラウンドという大きなひのき舞台で解決しようとして、できれば今月の末あたりにそろそろ解決したいというので、総理の首脳会議の決着は十二月十五日になっておりますが、いま非常に焦って外務省は努力しております。どっちの問題なのか。いま志賀先生が、日本の電電公社がかたくなであるとか、それから随意契約一点張りだとか、外国製品を入れないとかおっしゃっていますけれども、ガット東京ラウンドの問題として問題を解決するのは外務省がいま懸命に牛場さんがやっております。 これは大変大きな問題であって、日本以上にECグループ、特にフランスなどという国は、日本の電気通信以上に、ジスカールデスタンがかたくなというか、自分の国の通信事業、産業というものを開発すべく、後進的にあわてて、非常に強力にいま盛り上げております。したがって、よその品物を買うよりも自国の製品、自主技術の開発ということで懸命に燃え上がっております。英国、ドイツも大体同じような――フランスほどの歩調ではありませんけれども……。やはり、通信事業というものはそういうものでありまして、やってみないとなかなかわかりにくい産業でございますが、システムによっている産業であります。 アメリカはどうかというと、これはATTが八五%、これをウエスタン一社でやっておる。これはほかの会社からは一文も買わないということではありません。日本からもちょろちょろ少しは出ています。ちょうど電電公社が外国の製品を買う程度のものは買っております。しかし、ウエスタンが圧倒的であります。 先進国においては、通信技術というものは皆自分の国のシステムを防衛するためにやっておるので、今日われわれに物を買えと言われましても――この間もシェパードさんに申したのですけれども、私たちは二十五年前を顧みますと、全く荒れ果てた荒野であったのだ、そのときに何とかして日本の通信を復興すべくアメリカの知識をかり、そしてアメリカの機材も輸入してそれも見習い、また、ATTとも十五年前には特許の無償公開、お互いに技術の交流を自由にして、今日の技術をつくってきたのである、今日ようやくおたくの国とレベルが並べるようになったのだ、どうかその点だけはよく理解してほしい、昭和四十七年までは政府の閣議の決定で国産品奨励というアイデアがございました、これは解けました、いまは電電公社はどこの国からも買います。しかし、この事業としては随意契約でなければ困るのだ、それは国内もそうなんだ、外国から買う場合でも、アメリカのメーカーから買うにはやはり随意契約になりますよ、どこの国でも、ことしは競争で買う、来年は買わない、また来年買う、その次は買わない、ぽかぽかぽかぽかやられたら――皆一億以下のオーダーの品物などありません、そういうことは電電公社はみんな専門の工場を持つのです。したがって、その工場を永久に使うという形になりますと、そういうことだけはちょっとつけ加えておきました。随意契約でやりますよ、しかし、アメリカからも買いますよ、これだけは言っておきました。 しかし、何も議論が白熱するということはございませんでした。非常になごやかに帰ったのでありまして、随意契約ということが非常にきつい壁だということになれば、それは確かにそういうことになろうと思いますけれども、かたくなだといって門戸を開かないと――アメリカからも買いますよということは言ってあるのですから、これからは私たちも、日本でできないものでアメリカがすぐれているもの、現在二十五億ぐらいはアメリカから買っておりますし、それをできるだけ拡大する方向で努力することはわれわれのたてまえでございますけれども、日本でできるもの、しかも十分間に合うもの、安くできるものをあえて競争契約にして外国から買うということは、これまたオレンジや肉と同じ以上に大きな問題だと私は思っています。 しかも、その製品がもう外国製品に劣らないようなものをつくっておりながら、あえて電電公社はかたくなだと言われるのは非常に心外だと思っております。しかし、新聞に出たことでございますけれども、私の会った範囲ではそういう感じには受け取れませんでした。 その点だけをちょっと申し上げておきたいと思っております。
○志賀委員 ありがとうございました。私は、電気通信事業に無理解で申し上げているのではなくて、先ほど申し上げたように電電公社がスケープ・ゴートにされないように、そして後で顧みても自分たちは間違っていなかったということで貫かれれば結構なのでありますから、それをいま総裁に裏書きしていただいたと思い、私は安心する次第でございます。 それでは、私は質問を終わります。
○鈴木(強)委員長代理 原田昇左右君。
○原田(昇)委員 関連いたしまして、一言質問させていただきます。 先般、全日本聾唖連盟の方から文字多重放送についての陳情があったわけでございますが、これは耳の聞こえない不自由な方々が、今度テレビ多重放送が可能になるということで、電波のすき間を利用して少しでもこういう方々に分かち合っていただけないかということでございます。 テレビ多重放送、特に文字多重放送について、視聴障害者がその必要に応じて利用できるように何とか配慮していただけないかということでございますが、これについて郵政当局のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 テレビジョン放送を利用して行います文字情報放送についてのお尋ねでございますが、現在東京と大阪に実験局を開設するなどいたしまして、その技術的調査研究を実施中でございます。 あわせて制度的な検討を行っておるところでございますが、ただいまお話のございました聴覚障害者のための利用につきましても今後鋭意検討してまいりたい、そういうふうに存じております。
○原田(昇)委員 いま、鋭意検討されるということでございますので、ぜひともひとつ前向きで検討していただきまして、文字多重放送による電波のすき間利用を視聴覚障害者のためにも何とか分かち合えるような機会を持たせていただけますように、新しい技術の進歩という状況に即応してひとつ英断を下していただきますように希望しておきます。
○鈴木(強)委員長代理 米田東吾君。
○米田委員 大臣に一つ御質問をいたしますが、この間七月、いわゆる郵政省人事が行われ、相当広範な人事がなされたようでございますが、その中で特定郵便局長にかかわる人事のことにつきましてお聞きをしたいのであります。 実は、ことしの春の国会で相模大野事件の不祥事に対しまして本委員会で集中審議をやり、このような犯罪やあるいは郵政省の権威を失墜するような事件が二度と起きないようにきつく大臣にも要請をいたしましたし、大臣もそのことを確約されておるわけでありますし、その後、大臣といたしましては、それぞれの事業局やあるいは地方郵政局、現場に対して強力な指導もなさっておるようであります。五十三年四月二十六日の通達がそれだろうと思うのでありますけれども、こういうふうにして全体として防犯に取り組んでいる今日でありますが、私が聞きたいのは、この相模大野事件のときにも大臣に十分私は説明したつもりでありますけれども、特定郵便局長の任用問題、人事問題、これは特にこの種犯罪に、直接はとにかくとして間接あるいは背景として重要な関係を持っておるのであるから、ひとつ慎重にやるべきであるし、自由任用制というようなものについてもこの際検討を加えたらどうかというような趣旨で大臣に注意を喚起しておいたつもりでございます。 そこで、今度の七月の人事で特定局長が全国どの程度異動があったのかわかりませんけれども、この相模大野事件にかんがみまして、特定郵便局長の任用に大臣はどのような配慮をなさったのか。任用について十分チェックをするとか、あるいは局長の資格の監査等について十分な調査をさせるとか、何らかの反省ある措置というものが特定局長の人事にかかわってきているのじゃないかと私は希望しておるし、期待もしておるのでありますけれども、それはどういうものであったのか、この際大臣からお聞きをしておきたいのであります。
○服部国務大臣 郵政犯罪、特に部内者犯罪の防止については、従来から省を挙げて取り組んでいるところは先生も御案内のとおりでございます。 前国会において相模大野事件の集中御審議をいただいて、その節、米田先生を初め各先生方からいろいろと有意義な、また今後の対策について参考になる御意見を拝聴いたしまして、私たちもその線に沿っていろいろと最大限でき得る限りの措置をしてまいったつもりであります。 御指摘の相模大野局の事件はきわめて悪質、高額なる異例の犯罪でございまして、管理、監督者はもとより全職員が心を引き締めて、国民の信頼を回復する措置といたしまして種々の対策を講じてまいりました。当時、私といたしましては、直接の被疑者だけではなく、特に管理、監督の立場にある者、また監督責任者については厳重なる処分をいたしましたことも、これは御案内のとおりであります。 私は、この種の事件が再発しないように、この苦い経験を生かして努めていくことが私を初め関係者の責務であると決意した次第でありまして、処分発令と同時に、私の名前で全職員に、この際郵政事業が国民の皆様の福祉に奉仕するものであるという使命を深く認識するとともに、職務を誠実に遂行し、一日も早く従来に増した国民の皆様の信頼をかち得るべく努力するよう訓示もいたしておるところであります。 関係機関はもちろんのこと、特に地方三局長会議においても、こういった面に特段の配慮をし、こういった事件が起きる背景には必ず多くの犠牲者のあることも忘れてはならない、人間はいい面と悪い面と両方持ち合わせているが、この悪い面が出せないように、ふだんのいわゆる監査、監督、または指導助言、またいろいろな機関の整備を図ってふだんから心がけてやらねばならないということで、地方局長会議には強くこの問題を取り上げて指示してまいったのでございます。 部内者犯罪を防止するためには、防犯意識の高揚、服務規律の厳守、正規取り扱いの確保、各種検査、監査の励行等の諸施策を日常じみちに積み重ねることによって未然に防止を図るとともに、万一犯罪が発生した場合にはこれを早期に解決することが必要であると考えております。 主な対策について申し上げますと、まず、緊急に本省及び地方に郵政事業防犯対策本部を設けまして郵政犯罪の防止対策について協議を行い、防犯体制を推進することとしております。 次に、本年二月以降全郵便局を対象に防犯特別調査を実施いたしまして、防犯上必要な事項について重点的に点検をさせ、是正を必要とする事項については指示、勧告をいたしております。また、その際、潜在犯罪のおそれのある事案については徹底的に調査いたしておるところであります。 次に、全特定郵便局長を対象とした特定郵便局長防犯対策打合会というものを相模大野事件以来二回にわたって開催いたしまして、防犯意識の高揚と防犯施策の確実な実施を図っております。 次に、特推連の防犯連絡推進責任者と監察支局長が定期的に打ち合わせるなど、広く情報を収集いたしまして、特にこの潜在犯罪の発見に資することといたしてまいりました。 また、各事業部門においては業務の取り扱い上必要と思われる防犯対策を検討し、その実施については強力な指導を行っているところであります。 なお、防犯に関する資料あるいは防犯スライド、防犯ポスター等を作成いたしまして、各種打合会、研究会などにおいて活用を図るとともに、来る十一月を犯罪防止強調運動月間と定め、防犯関係事項の再点検をするなど、防犯意識の高揚に努めておるところであります。 今後とも厳しい姿勢で、委員会を通じて御指摘を受けた御意見を参考にいたしまして、われわれは総力を挙げて防犯体制の確立を図り、遺漏なきを期したいと考えております。 なお、特定郵便局長犯罪について、特定郵便局長の任命または異動などについて御指摘でありますが、私は、この新規任用については何度もこの席をかりて申し上げておりますとおりに、きわめて厳しい姿勢で、採用基準に従ってこれを実施するように強く指示いたしておりますことは、これまた御案内のとおりであります。 特定局長の異動については、はなはだ申しわけありませんが、大臣の私はちょっと事務的に詳細に把握いたしておりませんので、担当局長から答弁をさせたいと思いますので御了承を願います。
○守住政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、なお、七月の実態を調べてみましたら、詳細な新しい任命はまだわかっておりません。 目下調査中でございますが、年間で昨年大体千百ぐらいの新しい特定郵便局長の任命をいたしております。ことしの七月の場合は約七百ぐらい勧奨による高齢退職があったというふうに把握をいたしておりますが、その新しい選考、任命についてはまだ詳細を把握していない、目下調査中だということでございます。 なお、先ほど先生がおっしゃいましたように、任命そのもの、任用そのものが犯罪に直接かかわり合いがあるとは思いませんけれども、この問題は非常に重大であるということで、大臣御答弁のとおり、実は、私どもも、衆参両院での御指摘がございましたので、その会議録とか、さらにはまたいろいろな先生方からの御指摘、あるいはまた関係の労働組合の方からもいろいろ質問が出ましたので、それに対します私どもの回答と申しますか、そういうものも文書にいたしまして、そして三局長会議で詳細に補足説明を加えて徹底を図る。その後実は定期異動がございましたので、新しい郵政局長、監察局長にもまたその引き継ぎ等が十分なされるようにということで、内容は省略いたしましたが、重ねてそういうものが行っておるということの注意喚起を重ねておる次第でございます。
○米田委員 人事局長、ひとつお願いがあるのですが、いまあなたの方で調査をしているという御答弁でもございますし、私も少し十分な検討をしてみたいと思いますので、まず、大体七百名程度と言われる七月人事の中での特定局長部分ですが、この調査の段階でひとつ配慮してもらいたいのは、部外任用と言われる部外者任用はどの程度あったのか、それから、部内からの昇格あるいは登用で任命したのはどの程度あったのか、それから、その中でも前局長との関係とかあるいは前々局長との関係等で多分に世襲的な任用というようなものもあったろうと思うのでありますが、そういう関係がどの程度あったのか、こういう内訳をポイントとしてとらえていただきまして、調査をして、その結果を私にいただきたい。これをお願しいておきたいと思います。
○守住政府委員 特定局長の任用につきましては、部内、部外を問わず適任者を簡抜するということでございますし、世襲という角度から物をやっているわけじゃございませんけれども、その結果につきましては、先生御指摘のように把握をいたしまして御報告申し上げたいと思うわけでございますが、なお、特定局長の任用に際しましては、非常に慎重な選考を行いますために継続中というものもあろうかと思いますので、その点はまた内容でお含みおきをいただきたいと思います。
○米田委員 それで結構であります。 それから、いま大臣からも答弁をいただきましたけれども、相模大野事件を契機としての新防犯を主体にした指導の通達、大臣通達、それから、それを受けての各事業局の、たとえば貯金とか保険とか、そういう事業局で出されておる新しい防犯の指導の通達、それから、地方郵政局がこれを受けまして、大臣の依命でいろいろまた通達を出して万全の体制づくりをやっていらっしゃると思うのでありますが、これらをあわせまして私の方に資料としてお願いをしておきたい。これは簡単だろうと思いますから、お願いしておきます。 あわせて、いままではどうであったのかということもこの際十分総点検をしてみたいのであります。それで、この新通達が出る以前の各事業別あるいは郵政局等でどういう指導方針でなされておるのか、これもひとつ参考に私の方に出していただきたい。これをお願いしておきたいと思います。 それから、いま大臣の見解をお聞きいたしましたが、これは当然大臣も考えていらっしゃることだと思うのでありますけれども、相模大野のときにも私はよく申し上げたのでありますけれども、現場郵便局の態様を考えますと、防犯に非常に関係があると思われますのは、郵便局の管理の側とそれから従業員のサイド、これはいわば労働組合、これは全逓だろうと第二組合であろうと第三組合であろうと一つの職員の団体というものがあるわけですが、それらが非常に機能的におのおの牽制し、あるいはチェックするというような機能も無視できないし、これはもう現実には存在しておる。それがある意味では小局なんかにおいては事業の防犯にも役立っておるし、実はこれは決して無視してはならない機能だと私は思うのでありますけれども、そういう点では大臣も評価をされますか。それとも、それは関係ないとおっしゃいますか。私は大臣の見解をこの際聞いておきたいのであります。 私の経験、私の感じでは、これは両方が両々お互いが機能して健全な郵政事業あるいは防犯の機能というものを発揮しておるのだし、これからもそうでなければならぬのだと私は思うのでありますけれども、この点を一点だけ大臣から承りたい。
○服部国務大臣 労働組合との関係につきましては、労使関係の正常化あるいは安定化ということが事業発展の大切な基盤の一つであると私は考えております。労使双方の努力により、着実に労使関係安定化の実を上げていると現時点でも私は信じております。 ところで、相模大野事件以来、組合側からも業務の正しい推進や防犯の問題について種々意見を寄せられておるところでありますが、今後とも正しい理解とその上に立っての協力をお願いいたしたいと私は考えております。 しかし、防犯ということは労働組合側あるいは国民の皆さんからの御指摘、御批判を待つまでもなく、管理者が当然の責務として率先遂行しなければならないことであり、今後とも業務の正常適正な運営や防犯諸施策の徹底について最善の努力をしてまいる所存でありますが、これらの各種の対策を講じていくにいたしましても、職場における近代的労使関係が大切であるということは論をまちません。 最近の事件が示すように、基本になることは、職場において管理者と職員がお互いに仕事に対して安易な気持ちや漫然たる態度で臨むことのないようにすることであり、今後とも明るい中にもルール、規則を大切にするけじめのある職場をつくり、管理者、職員が一体となって正しく仕事を遂行できるように配意をしてまいりたい。 したがって、簡潔に御指摘の問題を申し上げますと、当然組合側の意見も大いに取り入れ、参考に供し、御協力をお願いせねばならないという基本的な姿勢をもって臨みたい、かように考えておる次第であります。
○米田委員 わかりました。 次に、もう少し突っ込んでお聞きしたいのでありますが、残念ながら――私はあえて残念ながらと申し上げたいのでありますけれども、残念ながら、実は、相模大野事件以来この種の特定局にかかわる犯罪あるいは事件が多いですね。全国紙や地方紙に載ったものだけを見ましても、まだ落ちているかもしれませんけれども大体六件ぐらいございます。きょうはそれを全部一々お聞きするわけにいきませんけれども、全体として大臣の通達の趣旨というものが現場の第一線にはなかなか理解されておらない。特に管理者、特定局長を含めて、そういう層に徹底しておらない。これらの犯罪はほとんど局長個人の犯罪が主体であります。これは一体どういうことなんでしょうか。 私はこれは人事局長からお聞きをしたいのでありますけれども、大臣の通達のいわば指導の実践の段階でこういうようなものが出てきたのか。それともそうでなくて、相模大野と同じような根っこを持った事件としてこういうようなものが出てきておるのか。たとえば岐阜県の美並、宮崎県の本郷、小戸、福岡県の小倉と、ちょっと例を四つばかり挙げましたが、公金横領あるいは詐欺あるいは公文書の偽造とかで、これはほとんど特定局長個人の犯罪であります。その限りでは相模大野と全く同じであります。ある者は懲戒免職になった者もあるようでありますけれども、現に蒸発して行方がわからないという者もおるわけであります。一体これはどういうことなんでしょうか。局長はどういうようにこの事件を見ていらっしゃるのか、ちょっと見解を聞きたい。
○守住政府委員 お答えを申し上げます。 相模大野事件以来また重ねて特定局長の犯罪が出ておることは御指摘のとおりでございまして、私、監察の調査、捜査、その後引き続きまして人事上の懲戒免職処分を、行方不明者も行ったわけでございますが、官報掲載をして行いましたが、そういうプロセスを経て感じますことは、いろいろな監察その他特推連を通じましての防犯体制の浸透の中で、犯罪そのものは本人の自覚の完全な欠如とにらんでおりますが、非常に早期に発見できる、あるいは、通報というものが、昔はかばうという傾向があったようでございますけれども、比較的早期にできておるという感じを受けております。特に、また、その中で相模大野というものの遠因、近因が営利企業の関与ということでございました。 したがいまして、私どもといたしまして、人事服務を預かる者としてはこの点の徹底を非常に強くかつて指示してまいったわけでございますが、今回の中では特異なものとして出ておりますのが商品相場で、これがある。それからさらに競輪その他の過度なギャンブルがある。このように認識をいたしております。 この点につきましては、内部のことでございますけれども、近く人事課長会議をやり、その席で特に商品相場等の問題につきまして厳重な指導を、文書を通してもあるいはいろいろな各種会議を通じても行っていきたい、このように考えておる次第でございます。
○米田委員 私も局長と大体認識が同じでありますけれども、これはやはりゆゆしい問題だと思いますし、重視をしなければならぬと私は思います。 あわせて私はもう一歩私の感じを申し上げさせていただきますならば、これらの局長は年齢からいきましても経験からいきましても、それから任用の時期からいきましても、一口で言えば大体戦後派であります。そして、郵政省の特定局長任用の時期的な点を見ていきますと、大体ここ十年から二十年ぐらいの中で任命されております。 人事局長、この時期というものについていい悪いを私は議論するのじゃないのですけれども、あなたの方では、現場の特定局長を含めて管理者というものは、大体労働対策がうまくいけば、業務知識がどうあろうと、要するに郵便局の仕事を知らなくとも、多少人格的に欠陥があって非難されるような者でも、本人が持っているいろいろな人間的な欠陥があっても、組合に対してはタカ派である、本省の言うことを聞いてばんばんやるというような者を買って任用しているということがあったと思うのです。それが結局いま吹き出てきているんじゃないでしょうか。 人間が完成されておらないし、あるいは人間性が非常に弱いのに、結局物質の万能の今日でありますから、それに影響を受けて悪いことと思わないのです。相場に手を出すとか、競輪があれば出勤簿をいいかげんにして飛んで行って車券を買うとか、私どもからすれば、公務員として全く考えられないようなことをやっている。しかも、三名局であろうと一名局であろうと、現場の局長として郵政省の看板をその人がしょっているのですから重大な責任があるのですけれども、そういうことについては全然認識がない。 何か、そういうかつての特定局長の任用の欠陥というものがいま出てきているのじゃないかという見方を私はするのですけれども、局長、この点についてはどうですか。
○守住政府委員 特定局長の任用に当たりましては、それぞれの地域に良質な郵政サービスを提供することができて、またその地域の信望を担い得る人材を登用するという考え方を基本としてやってまいっておるわけでございますが、一方、先生の御指摘のお話でございますけれども、局長の任用に当たりまして局情なども考慮するという際に、労務関係について十分配慮するということは当然あり得ることと考えておりますけれども、御承知のとおり特定郵便局というのは大部分が局長ほか数名の職員という小局でございまして、小人数である局という特性からいいまして、規律ある中にもむしろなごやかな雰囲気と申しますか、そういう中で部下職員との関係なり管理能力なりということが大切ではなかろうか、実はこのように思っておる次第でございます。 したがいまして、おっしゃいますような組合対策が優先だという点についての認識につきましては、私としては、過去のたび重なる任用のプロセスでございますけれども、そのような認識は持っておらないというのが正直な気持ちでございます。
○米田委員 これは私もそう議論はしません。あなたの方は恐らく何回質問してもそういう答弁をするでしょうから議論しませんが、大臣、郵政省も戦後のある時期から今日まで必死になって、労使関係が険悪な状態のときでは労務対策優先の人事をやってきておるのですよ。あの人がと思うような、言うなれば欠陥者と言われるような者がむしろ抜てきされて局長になってきておる。そういう者がいまこの時代になってまいりますとそろそろ惰性が出てくる。基礎がないものですから、結局は犯罪に乗りやすいような体質に人間的にも堕してくるということじゃないでしょうかと私は思うのです。そういうことを郵政大臣からも十分見ていただきまして、特定局長の任用については、さっき大臣の答弁もありましたけれども、きわめて厳しい姿勢で今後も対処してもらうようにお願いしたいと思っております。 なお、人事局長、岐阜、宮崎、福岡、山口等の問題につきましては内容的にたくさん問題がありますが、これはわが党の同僚議員が後で質問することになっていますから資料だけは用意しておいてください。 具体的なことで大変恐縮なんですが、私がこの際聞きたいのは新潟県の越後森という特定郵便局についてであります。これは局長と局員二人の三名局でありますが、ここの局長人事についてこの際聞いておきたいのであります。 ここでは、新局長は本年の六月二十六日付で任命されております。私はあえて名前は申し上げませんけれども、土地の人も、そこにいる職員も周辺の関係者もこれは全く意外であると――意外であるということよりも、非常に心配しているわけであります。この人は端的に言えば幾つかの欠陥を持った人じゃないかということは前々から言われている。郵便局に当務者として十五年ぐらい勤めておりますから、ふだんの仕事あるいは本人の生活、人間性等を見て皆そういう認識を持っているのでありますが、今回突然あなたの方では越後森の郵便局長に当務者から抜てきをして任命されました。この方は自分のお父さんが局長でありました。越後森ではありませんけれども、いままで勤めておりました頸城槇という局の局長さんがこの森町の局長に新任されたいまの局長のお父さんであります。 そういうことはとにかくとして、この人の任用について私は非常に心配があるし、これをこのままにしておくとまたここで郵政犯罪が起きないという保証はないのであります。きわめてその危険性もあるように私は思いますが、この局長の任用についてどういう経過があったのか、この際聞かせていただきたい。私の方では公開の席で余り申し上げたくもないものでありますから、幾つかの点は前もってあなたの方にこういう点が心配なのですよということを示してあります。あなたの方の経過を聞かせていただきたい。
○守住政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の新潟県の越後森郵便局、無集配特定局で、局長を含め定員三人でございますが、これの前局長が本年の六月、御指摘のように勧奨により退職することと相なりましたので、信越郵政局におきましては、その近隣地域における局長志望者の中から後任局長として頸城槇の郵便局、これは集配特定局でございますが、その職員(四十一歳)が最適任であると判断いたしまして、六月二十六日付で任用しておるものでございますが、同人を最適任者と判断いたしました理由と申しますか、それは、たとえて申し上げますと、昭和五十一年度の郵便貯金業務表彰、これは郵政局長表彰でございますが、業務知識も豊富であり、それから勤務成績も優秀であるほか、監察調査の結果においても問題はない。それで、ここは無集配特定局でございますので、無集配特定郵便局長としての適性、能力及び職責遂行の熱意というものが認められたからだというふうに把握をしておる次第でございます。
○米田委員 人事局長、いまの御答弁ですと、やはり、私が持っている心配の点を指摘してあなたから一つ一つ見解を聞かなければならぬわけであります。 いま三つばかり理由を挙げられましたが、五十一年の業務表彰について、その該当の局で私は調べたのでありますけれども、他の局員の諸君が一生懸命に窓口を飾ったり、あるいは公衆サービスを徹底的にやったり、清掃をやったり、精いっぱいの努力を日常やっているためにたまたま表彰の対象になったらしいのです。しかし、この表彰も政治的なものであったようであります。この際表彰しておくというような政治的なものがあったようであります。 この表彰がありまして、この郵便局の中ではむしろ不和の状態が出てきております。この本人というものは全く表彰されるような人物ではありません。あなたの方に提起しておりますように、本人は身持ちが悪いのです。勤務成績は全くだめなのです。局員からもひんしゅくを買っているし、局を利用している一般の方々からも、この人ではと何回も局にどなり込まれているような経過もあるわけでございます。局を利用していただいておる周辺の方々からも相当非難を受けておる人であります。 さらに細かく言えば身持ちが悪い、という中には金遣いの関係もございましょうし、それから成人した人として忌まわしいような関係も持っているような事実も幾つかありますし、地元の関係者からいきますと、この人が表彰されるということは全くわからない。あえて言えば、みんなが生け花を飾ったり、はちを飾ったり、局を清掃したり、サービス本位で一生懸命やってきた、そのことが全体として認められたことはわかるけれども、何でこの人個人が表彰されなければならぬのか。局の分担からいくとこの人は窓口当務者だそうでありますが、たまたま窓口担当だから機械的にその男が表彰されたということになるのでありましょう。でありますから、そのことのゆえをもってこの人が優秀だということにはならない。よく実態を調査してもらいたいと私は思います。 それから、業務成績が優秀だとか熱意があるとか、これはあなたの方の作文じゃないですか。私の調査では全く逆であります。電報料金さえ幾らか知らない。局務の仕事なんというのはほとんど本人は勉強もしていないし、理解がないようであります。熱意についてももちろんであります。これはもう熱意があるというような優良職員では全くありません。証人が要るなら出しましょう。 そういうような状態で、それが総体的にあなたの方では判断の基礎になって局長に任命したとおっしゃるのですけれども、私があなたの方に出している幾つかのものがありますね。それについても調査されましたか。そのことで回答をいただけますか。
○守住政府委員 先生から御指摘をいただきました本人の私行上と申しますか、業務の面もございますが、幾つかのことを最近知りましたので、組織を通じて調査をしておるということでございまして、その段階での調査は一応非公式に御説明申し上げましたけれども、なお先生の御指摘のような点がまだ幾つもあるぞ、それからまたそのことが本当かどうか疑問ではないかということでございますので、また重ねてなおいろいろな角度から把握をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○米田委員 いろいろな角度から重ねてこれからも検討、調査をするということですね。そういうことですね。
○守住政府委員 そのとおりでございます。
○米田委員 それなら私はあえてこの委員会の公開の席でこれ以上のことを申しませんが、調査の段階で私は具体的に持っておりますけれども、申し上げたいと思います。 幾つかはこういう席でしゃべることをはばかる内容であります。私自身も赤面せざるを得ないような内容がたくさんある。それはゆえなくしてこういうものは上がってこないんですよ。そんなにりっぱな人なら上がってこないはずなんだ。これはどこが調査に行ったんですか。信越の監察ですか。
○服部国務大臣 先ほどからいろいろと米田先生の御指摘を拝聴いたしておりました。任用に当たっては、きわめて厳しい厳正な姿勢で、後々のことを考えて最も適当な人を任用いたしたい、その方法で来ておりますと発言した直後でありますが、公開の席で堂々と特定の人の名前を挙げての御発言ですから、これはかなり重要な問題だと私は思います。 したがって、なるべく早くこの実態を調査いたしまして、また先生に必要な資料の提出をお願いする場合もあるかもしれませんが、ともかく早急に調査をいたしまして適切な措置を講じたい、かように考えますので、どうぞこの問題はこの辺でひとつ御了解を願いたいと存じます。
○米田委員 大臣のせっかくの御答弁でありますので、大臣の誠意は私も十分受けとめておきます。 ただ、誤解されると困りますから申し上げておくのでありますけれども、私はこの局長には何らの私怨もありませんし、何もありません。それから、現在の特定局長は全国で一万七千ばかりおりますけれども、それを決めつけるつもりで私はこういうことを申し上げているのではないのでありまして、私は一つであります。相模大野事件のような郵政犯罪をもうこれから絶対に起こさないような措置というものをあらゆるところでチェックしてやっていかなければならぬ。その中には、特定郵便局長というこの人物を選ぶ段階でも、いままでの惰性だけじゃなしに、新しい幾つかの調査のポイント等を置いて、十分慎重な配慮をしていただきたい。その結果部内者がなるのも結構でありますし、前局長との関係がある人がなったって、これは全国ほかにもあることでありますから、それはそれで郵政省の方針だとすれば、われわれが何を言ったってしょうがないわけであります。 しかし、少なくともこういうようなことがのうのうとまかり通って特定郵便局長になる。しかも、その人はやがて二、三年後には、自分のおやじが局長をやって死んだその局へ局長として戻ってくるんだということも言われておるのであります。いま森町という郵便局に二、三年がまんして局長になっていて これは大体車で二十五分ぐらいかかるところに通って行くのでありますが、やがて自分が前におった局の頚城槇という郵便局に局長として戻す。これは郵政局が言っておるのじゃないのですよ。郵政局の人事官あるいは人事担当官がそんなようなことを言うはずがない。そう豪語して、吹聴して、そして一般の村民のひんしゅくを買っている。言っておるのは特定局長会の役員であります。大ボスであります。こういうような状態が一体これでいいのか。私は良心に問うていま質問しているわけであります。 人事局長、大臣からも答弁がありましたからこれ以上私はやりませんけれども、誠意を持ってこれは調査をしていただきたいし、少なくともこの段階で、労使の関係だとか、社会党の米田が出した資料だとかというような色をつけないで、確信のあるものを調査の結果出していただきたい。 なお、この中には証拠として求めれば求められるものがたくさんあります。ある場合の火葬の証明書、あるいは警察の鑑識から出る証明、これは三名程度の婦人が関係しておりますが、みんな現存しております。そういうふうにあなたの方は誠意を持ってやろうとすれば、調べようとすれば調べられる状態でありますから、十分調査をして、ここでこういう誤った人事がもしあったとすれば直ちにいさぎよく直していただきたいし、それは人事担当官の責任だと私は思います。また、ほかの方法があればほかの方法も考えてやっていただきたい。そういうふうにしてこれは真剣に御配慮をいただきたいし、こういう積み重ねがだんだんと郵政事業が健全に信頼を受けて伸びていくということになるんじゃないでしょうか。私はそう思いますので、ぜひひとつ御配慮をいただいておきたいと思っております。この問題は以上で終わりたいと思います。 私の質問はこれで一応終わりたいと思います。後、同僚が幾つかの局の問題をまたやることになっておりますので、これで終わりたいと思います。 〔鈴木(強)委員代理退席、米田委員長代理着席〕
○米田委員長代理 鈴木強君。
○鈴木(強)委員 今国会は臨時国会で会期も非常に短うございます。私どもはいろいろとお伺い申し上げたい点がございますが、一時間の制限でございますから、若干の質疑をさせていただきます。 最初に、電波放送関係についてお伺いいたしますが、まずFM放送の置局計画、それから免許方針について伺います。 すでに全国四地区に民放も置局をしておりますし、NHKは全県に置局されておるわけですから、私は、できるだけ早い機会に民放にもこれを認むべきであるという考え方でいままで大臣にもお願いしてまいりました。たまたま中波の切りかえのこともございますし、それから混信の関係もあるわけですから、われわれが考えるようにそう簡単にはいかないと思いますが、私どもが休会中に新聞、テレビ等で伺っておりますと、かなりいい線まで行くのですが、また後戻りをするというようなことが繰り返されておるように思うのでございます。 多重放送については、大臣の決断で一応免許されました。あと、問題は、見る人がなければ幾ら多重放送を放送しても意味がないわけですから、できるだけ早い機会に受信者をふやすという対策を積極的にしてほしいと思いますが、いずれにしても、これはいいことだと私は思いますから、多重放送の免許については賛成します。 そこで、いまの前段のFM放送については、大臣、どうでしょうか。郵政省としての見通しはどうでしょうか。党との関係もいろいろあるようでございますけれども、郵政省としてこれから先どうするのか、簡単に所信を明らかにしておいていただきたいのです。
○服部国務大臣 FM放送局につきましては、昭和四十三年にさかのぼって超短波放送用周波数割り当て計画を策定いたしました。 NHKにつきましては、県域放送とし、超短波放送の特質を生かした放送を全国あまねく行わせることとするとともに、民放につきましては、中波放送の、御指摘のいわゆる混信対策用として、必要な周波数についてはこれを留保いたしました。とともに、さしむき県域放送として、東京、名古屋、大阪、福岡の四地区に周波数を割り当てて、超短波放送の特質を生かした放送を行わせております。 今後の周波数割り当てについての基本的姿勢を示せというふうに私は承ったわけでありますが、さしあたって十一月二十三日の中波放送用周波数切りかえ後において、外国混信対策を要しないと認められる地域から実施することといたしまして、できるだけ早い時期に民間FM放送を全国あまねく普及せしめたいと考えている次第でございます。
○鈴木(強)委員 いま大臣のおっしゃった混信地域ですが、保留されているものがありますが、混信地域であっても、あえてFMにしなくてもよろしいというようなところを除いて、要するに混信対策として必要な地域を除いては、できるだけ早い機会にやりたいということですね。 これは年内くらいにできると見ていいのですか。おおよその時期は年を越しますか。
○服部国務大臣 周波数の切りかえは十一月二十三日でございます。私は私なりに担当局長、担当官から、二十三日の周波数切りかえ時のいろいろな状況も大体聴取いたしましたが、私なりに一つの判断をつけて――御承知のとおりにきわめて品質のよい内容のものでありますから、また一面広く国民から大変要望の声が強いわけであります。 先ほど申し上げたとおりに、東京、名古屋、大阪、福岡四局に免許いたしましてからもうすでに七年を経過いたしておりまして、大変その地域の方々にも歓迎されておりますから、他の地域の方方の要望も当然な権利要求だと私は理解いたします。四地域だけでいいというものではないと考えて、早期実施のためにいろいろと対策を立てたわけでありますが、率直に申し上げて、私は自民党の通信部会にいろいろと割り当てについての説明を申し上げて、事務的に円滑な進捗を図りたいという私の配慮から、いま広く意見を聞いているところであります。 また、余談でありましょうけれども、当委員会でもかつて多重放送とあわせてFMの内容を御主張いただいたこともあるわけで、私といたしましては、関係方面の声を聞かせていただきながら万遺漏ない態勢で、できれば年内にできる地域だけでもひとつ国民に還元をいたしたいという強い意欲に燃えているところでございます。
○鈴木(強)委員 問題は、すでに七年前に免許した四地区、それからNHK、その四地区にさらにもう一つのFMを免許してもいいじゃないかという意見もあるようですね。それから、二十三日の中波の切りかえの時期と合わせて混信のためにFMが必要であるかどうかということは電波監理局長ももう熱心に研究されているわけですから、およそどことどこが混信のために必要だということはわかっているはずですから、なぜおくれているかの理由がわからないのです。 問題は、四地区にさらに一つやれという意見が多くて、そのために、幸い切りかえが二十三日ですから、そのことを正面に押し出して全体の足どめをしているのじゃないかというのはうがった考え方かもしれませんけれども、私はそのようにも思うわけです。やはり、電波行政というものは余り政治に振り回されるといけません。私は長い経験からしまして、田中角榮さんが郵政大臣のころと平井太郎さんのころも知っておりますけれども、決断をもってやるときにはやらなければいけませんよ。われわれ国民は、山梨県なら山梨県は、NHKは公共放送をやっているけれども、民法はなぜこれをやってくれないのだという、もう単純な疑問があるわけです。それに親切にこたえていないじゃないですか。 自民党が与党ですから、当然通信部会の御意見も拝聴しなければなりませんが、大臣の所信があるならば、それをよく理解していただいて、早く前向きにいけるように――いま若干年内というような話もありましたので、私もそうかなと思うのですけれども、ひとつ勇断をもって進めてほしいということを私は国民にかわって申し上げておきます。それはいいですね。
○服部国務大臣 先ほど申し上げたとおりに、慎重に対処しつつ、御意見の趣旨を体して、私としては、勇断をもってという激励の言葉ですが、勇気を持ち過ぎて逆に災いした点もあるかもしれませんから、もうこの段階でかなり各界の理解も得たように感じとっておりますので、ただ純粋な気持ちで国民の期待にこたえて、国民の要望にこたえて、還元に踏み切りたいとはっきり申し上げておきたいと存じます。
○鈴木(強)委員 それから、これは電監局長で結構ですが、多重放送を免許されまして、現在それぞれ歴史的な二ヵ国語放送、ステレオを聞いておるわけですが、しかし、これはアダプターですか、特別の機械をつけませんとなかなか聞けませんものですから、果たしてどの程度の人が聞いておるのか、われわれとしてはちょっと心配になる点がございますね。 これが全国的に各ローカル局までどうなってくるのか、その辺も含めての将来の受信対策というものについてお考えがありましたらちょっと聞かせてほしいのです。免許するにはそういう予測も持っておられると思いますから、お願いします。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 テレビジョン多重放送の中にはいろいろあるわけでございますが、ただいま申されましたように、テレビジョン音声多重放送につきましては、放送の補完的利用としてのステレオホニック放送及び二ヵ国語による放送を行う実用化試験局の免許を行ったことは御承知のとおりでございます。現在、京浜地区におきましては、NHN及び民放二社が現に放送を実施いたしております。また、京阪神地区におきましては、NHK及び民放一社がテレビジョン音声多重放送を実施しておるところでございます。 このテレビジョン音声多重放送を受信いたしますためには、一般のテレビジョン放送の受信機に加えて多重用のアダプターを付加する方法と、もう一つは多重用の受信機を購入することが必要になるわけでして、メーカー各社が積極的な取り組みを現在しておるわけでございます。 電子機械工業会の方に正確な数字はまだ上がってきておらないわけでございますけれども、出荷台数はほぼ五万台というような話も聞いておるわけでございまして、受信機等の売れ行きは好調であるというふうに承知をしておるわけでございます。すでに放送の開始された地域におきましては、今後順調に普及をしてまいるのではなかろうかというふうに考えております。あわせまして、現在まだ放送に至っておりません京浜地区の他の社、あるいは京阪神地区の他の社も、申請をすでに出してきておりますので、近いうちに放送を開始するということが予定されておるわけでございます。 その他、地方の局でございますけれども、放送事業者に対しまして、かねてからその早期実施方を心から期待しておるわけでございます。メーカーに対しましてはいい機械を安くということと、それから放送事業者に対しましてはいい番組を広く全国的にということを大臣からも御要請を申し上げておるところでございまして、それを受けまして、地方局におきましてもただいま鋭意検討中というように承っております。 もうすでにある地方局は申請書を出してきておるというような状況でもございますので、この多彩で魅力のある音声多重放送を一日も早く国民の皆様が視聴できるように今後とも努力を続けたい、このように思っております。
○鈴木(強)委員 わかりました。できるだけ積極的に関係の筋にも働きかけて、せっかくの多重放送が効果的に利用されるようにぜひ御努力をお願いします。 それから、放送衛星についてちょっとお伺いしたがったのですが、時間が非常に限られておりますので、一つだけ伺いますが、経営主体をどうするかという問題が前から問題になっておるわけですね。 私どもが部内紙なんかを拝見しますと、何か、日本衛星通通信協会ですか、そういった法人をつくって、そこでおやりになる、政府もかなりこれに対して資金的な援助もするというようなお話を聞いておるのですが、それはそういうふうにお決まりになって、次の通常国会あたりにそういった関係法案を提出するというような段階までいっているのでございますか。 あと実験は私どもも注意して見守っておりますが、非常に順調に進んでおるようでして、私どももテレビでは若干見せていただきましたけれども、また一度機会がありましたら見せていただきたいなと思っているのでございますが、その辺はどうなっておりますか。それだけ一つ……。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 通信衛星、放送衛星の実用に当たりましては、静止軌道及び周波数の有効利用、資金、技術の集約化等の各種の観点から新たに法人を設立いたしまして、衛星の設置でございますとか、衛星の管理でございますとか、あるいは運用を一元的に行うことによりまして、通信、放送両実用衛星の利用の促進を図ってまいりたいというふうに考えておりまして、現在所要の準備を進めておるところでございます。 最終的にどのような形になるかということはまだはっきりしない段階でございますけれども、実は、概算の要求に当たりまして、法律に基づく郵政大臣の認可する法人という方向で要求をいたしておりまして、今後の推移を見守りながら、もちろん大臣以下省を挙げて努力してまいるわけでございますけれども、しかるべき時期に法律の御審議をお願いするということになろうかと存じております。
○鈴木(強)委員 これについては私も意見がございますが、時間の関係できょうは省略をいたしますが、それぞれの党にも部会がございますので、いろいろな角度からぜひ意見を聞いていただいて、よりよい管理をするようにしたいと思いますが、これは大臣ひとつ心得ておいていただけませんか。お願いしておきます。 それから、次に、郵政省が来年度の税制改正に対していろいろ要望を出しておるようですが、その中で、これは大臣の御発想だと思いますが、退職した際の退職金一千万円までを郵便貯金した場合は、これは非課税にするという構想をちょっと新聞で拝見しました。これはなかなかいいアイデアではないかと私は思いますが、ただ、いろいろな抵抗もあるようでございますからこれは慎重を期さなければならないと思いますが、その構想は大臣が執念としてこれから実現のために大いにやろうとしておられるのかどうなのか。 同時に七つか八つか九つ、いろいろ非課税措置について要望を出しておるようでございますが、その中で、特に放送事業者が設置するテレビ放送中継局に対する固定資産税の非課税、それから有線放送テレビ事業に対する地方税の優遇措置、こういったものをお出しになっているようです。これはNHKを含めまして、NHKもたしか減はしておりますけれども、免はしてない。ですから、減率をもっと大きくするとかいうことでできるならばやってほしいなという気が私はするのです。税制全体がいまこういう状態のときですからなかなかむずかしい面もあると思いますけれども、こういうアイデアを打ち出されたことは私は結構だと思うのです。 ですから、いまの問題と含めて、その構想をちょっと大臣から説明していただきたいのです。
○服部国務大臣 御質問の退職金一千万円非課説構想でございますが、このことにつきまして目下検討を進めているわけでありますが、現時点の検討案の内容はおおよそ次のとおりでありますので、御報告申し上げたいと存じます。 すなわち、多年にわたっておのおのの職域を通じて国家社会に多大の貢献のあった方々、すなわち勤労者が一たび退職をされますと、その後の生活は退職時に得た退職一時金にかなり頼らざるを得ないというケースは、老齢化社会を迎えて考えねばならない問題であると私は考えます。もちろん莫大な退職金を取る方もありましょうし、また、これに頼らなくてもいい方もありましょうが、これはもうきわめて少数の方々であるわけでありますから、私は、一千万と打ち出したのは、この退職金に老後の生活資金を頼るという方々を対象にこの枠を一応打ち出したわけであります。この生活資金に充てられるという性格が強いことにかんがみまして、こうした貴重なとうとい退職金を預貯金をしようという場合には貯蓄上特別の優遇策を加える必要があるとこれまた考えたわけであります。そこで、五十五歳以上の退職者がその退職金を郵便貯金にしようという場合には、一般の郵便貯金の総額制限額現行三百万のほかに一千万の別枠を設けようと考えているものでございます。 この問題は、御指摘のとおりに税制ともかかわることであります。きわめて厚い壁にもぶち当たることも私は予測いたしておりますが、本日まで関係方面と数回接触を持っていることも事実でありまして、私は、今後関係の向きとも精力的に接触を持ってこの構想の実現に大いに努力を続けてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしく御理解、御協力のほどをいただきたい、かように存ずる次第であります。 次に、税制の問題で、テレビジョン放送中継局とまた有線テレビジョン放送施設に対する固定資産税、また有線テレビジョン放送事業に対する事業税を非課税とする点でありますが、私は確かにこういった問題を五十四年度予算折衝に要求いたしております。これも公共性を特に帯びる事業の実態からいってぜひ実現させたいと私は考えておりますので、あわせてよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと存じます。
○鈴木(強)委員 われわれはもう大賛成でございます。ただ、いろいろな隘路も難路もあるでしょうから、それを克服していかなければなりませんのでわれわれもまた協力することについてやぶさかではございませんから、ぜひ大臣も大いに健闘していただきたいと思います。 それでは、次に、行政管理庁の行政監察局が「電話及び電報事業に関する監督行政監察結果に基づく勧告」というものをお出しになっておりまして、私はこれを一通り読ましていただきましたが、それで率直に私が感じたのは、わが国の電信電話事業が戦後三十年間御指摘のように非常な発達をしてまいりまして、もう申し込めばすぐ電話がつきます。全国どこでもダイヤルで電話が通ずるというような飛躍的な発展をしたわけですが、この三十年の歴史の中には血と涙があるのです。 私も職員側の代表としてこの難事業に取り組んできた一人ですが、いま思い出しても本当につらかった多くの苦労というものが私の頭の中に浮かんでまいります。ときには私は福岡まで参りました。二百人に及ぶ過員が出た、それをどう処理するのかということで、昭和三十二年ごろだったでしょうか、私は当時の劔木逓信委員長と二人で福岡まで出てまいりまして、そして門司、若松、小倉、八幡、折尾というような市の市長さんにもお会いしまして、皆さんの御要望で電話は自動になりました――しかし、二百名の人が要らなくなったのですが、これを首切るわけにはいきません。ですからどこかに配置転換をしなければならないのだが、その当時は福岡まで行かなければ職がないのですよ。女の方ですからね。私は本当にいま思い出しても、何日か徹夜をして、公社とも猛烈な激論もしました。団体交渉を重ねて重ねて、そしてその結果合理化に対する基本的な態度を私たちも出しまして、ただ単に合理化に観念的に反対するだけじゃいかぬから、時代の要請にこたえてわれわれの条件が満たされるならばわれわれはこの合理化には賛成しようというふうにしたのです。 合理化というのは、これを経営する公社も、そこに働く労働者も、またこれを使っていただくお客様も、みんながああよかったなという合理化をすれば問題なくその合理化は成功すると私は思うのです。そういう意味で、私はずいぶんやってまいりました一人としてこの報告書を読ませていただいたときに、まさに血も涙もないじゃないかという感じが実はしたのですが、たとえば電報は明治二年に始まりまして、電話のない時代にどれだけわが国の発展に寄与したでしょうか。時代の趨勢によって、当時三万何千人かおった職員が恐らく三分の一ぐらいになっておるでしょうが、電報事業というものは多くの犠牲を課して国家の必要に応じていまやっているんですよ。 仮に一日三本だけの電報であっても、いつ来てもお客さんに対応できるだけの仕事は必要なんですよ。これは私は大変失礼な言い分になるかもしれませんけれども、そういう気持ちを持っておりますから、たとえば電報についても、現状人が余っているじゃないかという、ただそれだけのことではなくて、その間の苦労を知った上で、もしそういう事実であれば私も認めましょう。しかし、電報というものを新しくどう位置づけていくか、新しいサービスはないのかどうなのか。われわれ逓信委員会も満場一致で公衆法のときにやったのだが、電報については新しいサービスを開拓して、そこに働く労働者の不安をなくしなさい。そうして公共性を持つ電報というものは国家存続する限り未来永劫続くんだ。電信事業なんというのは、これはもう郵政省から電気通信省そして電電公社と、黒字になったことはないんですよ。公共性を強く主張されるがゆえに赤字経営でやってきたんです。戦後三十年間電報はずっと赤字です。しかし、電話の利用者もこれを理解して、赤字は電話の料金で埋めておった。 そういう長い歴史があり、そして昭和二十七年に電電公社になりました。多くの自主性が公社に与えられましたが、基本的な予算の面におきましても、その自主性というものがまだ不十分ですね。ですから昭和二十九年、三十一年と、時の内閣総理大臣に対して、公共企業体審議会はもっと公社に自主性を与えなさいと二度も答申を出しておる。そういう考え方から見ますと、行政管理庁としては法の基づくところによって郵政省にこれは勧告を出したんだと思いますけれども、何か、郵政省は公社に対してこれこれをしなさいと、われわれから見ると団体交渉で済むような問題までがここに載っかっておるような気もするわけです。公社とこういう点について話し合いをしていただいているか私はどうかわかりませんけれども、していただいているとすれば大変失礼でございますけれども、最初に言うものですから失礼があったらお許しいただきたいが、それで、公共企業体になって、公社の自主性というものは一体何なのかという点を考え直していただきたいのですね。 もちろん、郵政大臣は郵政省設置法に基づいて電電公社を監督する権限があります。私はよく知っています。だが、できるだけ自主性を公社に与えて、よきアドバイザーとして郵政大臣はやっていただきたい。これが公共企業体の精神でしょう。国営から公共企業体にしたということは、やっぱり民営のいいところを入れてできるだけやるべきだ。私たち労働組合でも、公社になったときには公社化に反対したんですよ。しかし、法治国家のわれわれとしては、法律が通った以上はやろう、それから窓口に座っておっても、いままでの電報を打ってやるんだ、電話をつないでやるんだという考え方から、電報を打たせてもらうんだ、電話をつながせてもらうんだという考え方に頭を切りかえようと、そこまでわれわれは踏み込んでこの合理化に協力してきたわけなんですよ。ですから、せめて行管が監査するなら、ただ定員が余っているからそれをどうしなさいとか、定員が自然減耗になったらその補充を抑制しなさいということではなくて――国民が考えているところの、われわれ逓信委員会が附帯決議をつけたことだって皆さんは知らなきゃ電電公社の監察ができないでしょう。 これはどういう方々が、どういう御経歴のあった方が監察をされたのか私はわかりませんけれども、それぞれエキスパートの方がなさったと思いますけれども、そういうところまで一歩踏み込んでやるべきだ。電信事業についても、あるいは合理化されまして無人化された局、残っている有人局、それが百十あるからそれを幾つにしろなんということも、これはあなたの方で考えたことですから、考えとしてわかりますけれども、もう少し将来展望というものを考えてやるのが行管の、特に監察局の仕事じゃないですか。ただ起きた現象だけを見てそれを報告するなんということは意味がないでしょう。そんなために行政管理庁ができたわけじゃないと私は思うのです。もし不要な部門があればこれはやめなさい、もっと合理化しなさい、それはいいじゃないですか、そういうことを言うと同時に、こういう面はこうしなさいということがあってしかるべきですよね。 あなたは監察官ですから、これは管理庁の長官にでも来てもらわなければ政治的な問題についてはいい答えができないと思いますけれども、私のそんな気持ちがあるものですから、これを読ませていただいて実に冷たいなという感じを受けたのです。そして、公社というものを一体どういうふうに理解しているのか、それに対する疑問を持ちましたが、どうですかね。
○重富説明員 お答え申し上げます。 先生の御質問は二点であろうかというふうに理解いたします。第一点は、電電公社の労使のいままでに及ぶ血のにじむような合理化努力を一体どのように評価してこの監察を行ったかということであろうかと思います。第二点は、公共企業体のあり方、特にその自主的運営についてどのように考えておるのかということと、それに関連して、基本的なことについてなぜ監察しなかったのかというようなことであろうと思います。 それでは、まず第一点からお答え申し上げますが、私どもこの監察をいたしますに当たりまして、公社労使の三十年間に及ぶ合理化努力については十分承知した上でやったというふうに考えております。先生御案内のとおり、わが国の電話加入数は公社が発足しました昭和二十七年に比較いたしまして約二十五倍と、著しく増加しておるわけでございます。その間、公社の職員数は約二倍にとどまっているということでございます。これは私どもが判断いたしますに、公社が電話、電報両事業につきまして技術の革新と経営の合理化に努力してきたこと、それからまた合理化に伴う要員の余裕発生に対しましては、約十一万人の職員の配置転換とか職種転換の御努力をなさってきたこと、そういうことによるものというように理解しております。なお、このことは、先生のお手元に届いているのが勧告書だけで残念でありますが、報告書の、いま先生がおっしゃいました要員の適正配置に関する説明の冒頭にそのことについては明確に言及いたしておりますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。 それから、第二点の、一体行管というのは公共企業体というものをどのように考えているのか、基本的なことをもっと監察すべきじゃないかという御質問についてお答え申し上げますが、私どもは、電電公社や日本国有鉄道などの公共企業体につきましては、その業務の運営のあり方について二つの議論があることを承知いたしております。第一の議論は、さらに自主性を与えまして弾力的な事業運営をさせるべきだという御意見だろうと思います。先生の御意見もそちらの方であろうかと思っております。しかし、同時にまたもう一つの議論といたしまして、公共性及び財政民主主義の見地から、国による一定の規制がなされるのは当然だという意見もございます。そして、このような点につきましては、先生も御承知のとおり、本年の六月に、公共企業体等基本問題会議におきまして、公共企業体のあり方とそれから業務運営の方法等が検討されたわけでございますが、その意見書がすでに公表されております。それを受けまして、政府におきまして、この意見書を十分尊重して今後の公共企業体のあり方などが検討されているというふうに承知いたしております。 それから、また、行管はささいな点について監察をすべきじゃないという御指摘もございますが、私どもが今回の電電公社に対する郵政省の監督行政監察に関しまして勧告した事項について申し上げますと、要員配置の適正化や料金内訳サービスの提供の問題など、電電公社の運営にとって基本的とも考えられる業務運営の効率化の促進と、それからサービスの改善に関する事項を取り上げておりまして、まさに公社に対する国民の要望にこたえた勧告であると、私どもとしてはこのように確信しております。 終わります。
○鈴木(強)委員 前段のことで、三十年の歴史をあなたが知っておられて、その上に立って見ていただいたということであれば私もわかりましたが、そうであれば、後段の公企体の基本問題については、これはここであなたが答えてああそうですかと言って引き下がるようなものじゃないのです。これは私も十年近い間終始これをやってきておりますから意見はありますけれども、しかし、ここでこれを論じても仕方がありません。したがって、せめて、たとえば電報というものが一体どういうふうな将来展望を持つのか――これは確かに電話が発達しますと電報はどんどん減ってまいるのです。昔は電話がないときは電報オンリーで、どこへ行っても電報が重宝がられたわけですね。ところがいまは逆になってきているわけですから、これが一体どうなっていくのか。現状、三十年たって幾つかの局で扱っておる、定数は幾らである、それでは、新しく電報事業というものをどういうふうに考えたらいいかという、そういう展望ぐらいは、公社法の問題とは別にしたって、あなたの方で勧告する場合には考えて、そしてそれも添えてくれたら、私たちはなるほど行管というのはりっぱなものだと百点をあげてもいいですよ。そういう点が欠けているのではないですか。 基本論争は国会でやっても、基本問題調査会でも話を進めているがなかなか煮詰まらないことですから、そこは一応おくといたしましても、いま与えられている実情の中で、公社がやっておられることに対して、せめて行管として、そういう程度のことは歴史を知っておるのなら書き添えていただいてもよかったのではないかという気がするし、これが表面上書けないとすれば、口頭において郵政大臣なり電電公社に対して意見をあなたの方で出すとかできないのですか。これは監査した後で公表というか意見というか、何かそういうこともあるのではないですか。そういう際に述べていただくとか、口頭であってもやっておれば、私はこの質問は大変失礼ですから最初から全部取り消します。しかし、そういうこともないようですから、そこら辺ぐらいまでは行管としても知恵を働かせてやってほしかったなと私は思うわけですよ。これからまたいろいろ勧告が出ますと、郵政省からも勧告に対して一つの回答といいますか、処理模様を報告するようになるのではないかと思いますけれども、ただ文書のやりとりでなくて、問題は、いま私が申し上げたような精神に立ってこれから行管は電電公社に対してひとつ物を見てもらいたい。そうしないと、正直言って私はもうやりきれないですよ。 私は決して公社を擁護するという意味で言っているのではなくて、団体交渉というものは要員措置も何も決めてくるわけですから、お互いが責任を持って、苦労して苦労してなおかつこれだけのものが残っているのですよ。だから、それではこれをどうするかということは、これからまた労使間で十分詰めていかなければならないのですね。管理運営だからと言って、ただ公社がこんなものを一方的にやろうと言ったってできないでしょう。人を回すことでしょう。そういう意味においては電電のよき労使慣行というものがあるわけですから、一層これを増進するということも、附帯決議があるわけですから、もし足らない点があったら認識を新たにしていただいてやってほしいと思うのですよ。 電電の方も、きょうは小澤監査局長もいらっしゃっておりますが、りっぱな人もおりますし、あなたも接触されておられますから、二人の間においてもいろいろお話がなされておると思います。私はよく聞いておりませんからわかりませんけれども、そういう意味において、今後、指摘されたこの問題が国民の期待にこたえてみんなが納得できる線でいけるような、そういう方向に努力をしてほしいのです。 大臣、こういう勧告も出ておりますし、公企体の自主性尊重ということは大臣もよく言われていることですが、不幸にして大臣就任以来公企体のあり方について論争する機会をちょっと私は失ってきているのですよ。正直言って私は一遍やりたかった。しかし、時間がありませんでできませんでしたが、できるだけ自主性を与えていくということが公企体の本旨でございましょうから、そういう点を心得ている大臣にこういうことを言うことは失礼ですけれども、この内容等についても、ひとつ公社側の意見も十分に聞いたりして、いい結論が出るようにしてもらいたいのです。
○服部国務大臣 去る八月に郵政省に対して行われた行政管理庁の電話及び電報事業に関する監督行政監察結果に基づく勧告の内容は、事業運営の効率化等各般にわたるものでありますが、本勧告の内容につきましては、私はそれなりの意義を持つものであると考えて謙虚に受けとめておりまするが、各事項の詳細については、いま実情調査及び検討を行っているところであります。 しかし、それなりの評価はいたしますが、御指摘の長年によるよい慣行、また労使のよい慣行、実態というものはなかなか文書であらわれているだけではないと私なりに考えておりますので、この問題についても、なお電電公社に対しても改善措置についての検討方をお願いいたしておりますが、この調整については、当然監督官庁の郵政省が電電と行管との間に立って、この勧告の趣旨が生かされ、また公社側もそれによってきわめてすばらしい良好な状態になるという方法を見出す努力をせねばならない、かように考えている次第でございます。
○鈴木(強)委員 なお私は意見がありますから、もう一度行管の方に来ていただいて、もう少し詰めた具体的な問題についての質疑をやりたいと思っておりますから、きょうはこの程度にして、これでおきます。 次に、秋草総裁にちょっとお伺いしますが、実は、十六日の夕刊と十七日の朝刊を拝見しましてちょっと私はショックを受けたのですが、十六日の午後一時七分ごろに、千代田区大手町二丁目の大手町電電総合ビルで、同ビル西側の壁全面を覆っていた鉄製やぐらが大音響とともに突然、高さ三十二・三メートル、長さ百二・四メートルにわたり下の都道四百二号線に崩れ落ち、駐車中や走行中のタクシー、乗用車各二台とトラック三台、さらに自転車や通行中の二人が鉄パイプや鉄板の下敷きとなった。このために高木さんという方は重態、三人が手足などに重軽傷を負ったという、こういう不幸な事件が出ております。 きょうは警察庁においでいただいておらないのですが、あの日は確かに強風がありましたですね。ほかにも事件が三件ばかり当日は起きているようでございます。ですから不可抗力であることは間違いありませんが、強風の場合には、シートをやってありますから、あれにもろに風が当たればこれは当然大変なことになるのはわかっているのですね。そういう点で工事上の安全対策というものが欠けておったのではないだろうかという指摘もあるわけですが、仕事そのものは日本総合メインテナンスという会社でやっておられるので、公社側はあくまでも発注をし、こちらが受注をして工事全般の責任をとっておられるわけですから、これは公社に問うのもちょっと酷な面があるかもしれませんが、しかし、実際には電電公社の建物だということで、やはり電電公社も同罪と考えたのでしょうか、「お詫び」ということで新聞に広告をやってありますね。東京電気通信局と株式会社日本総合メインテナンスと連名で出ている。 これについて、概略どんなふうにその後処理されておるのか、原因がどうだったのか、そういうことがもしわかりましたらちょっと報告をしておいてもらいたい。
○秋草説明員 一昨日、大手町の市外電話局の補修工事に伴って、十六メートルの突風が起きたとは申せ、市民の方に交通渋滞を起こして非常に御迷惑をかけて、それにもっていって四名の重軽傷者まで出して、大変申しわけなく思っております。 われわれ、仕事なりで、建築局長にも、そういうときにはテントなどをすぐに外せなかったのかと言うと、そう急には間に合いませんというようなことを言っておりますが、こういう工事は、先般、半年ほど前に本社の日比谷電電ビルもやぐらを組んで全部ペンキ塗りかえをしたことがございます。それからわれわれも通り道ではこの種の工事は見受けるのでございますが、非常に珍しい十六メートルの突風が起きたということと、しかもビル街の谷間であったというので、原因究明もなかなかむずかしいと思いますが、しかし、施工上何か検討するべき余地があるのではないかということはひとつ徹底的に検討しておくべきだということと、それから非常にけが人を出したことについて、その方々に対しても十二分の措置をしてお見舞い申し上げるということをしておきなさいということを命じておきました。 細かい点は建築局長が来ておりますから、必要とあればまた詳細な御答弁は申し上げたいと思います。
○鈴木(強)委員 こういう場合の責任というのは、第一義的にはメインテナンスの方にあるのでございましょうか。そして、通行人の方には非常に申しわけないことですね。早く全快していただくようにわれわれはお祈りするのですが、その負傷者に対する見舞いですね。一切の補償もあるかもしれません。勤めておられて作業ができなくなればその分の補償もしなければならないでしょうから、そういった一切のことは会社の方でおやりになるということでいいんでしょうか。
○秋草説明員 原則的に、こうした種類の工事はたくさんございますが、万一の場合には請負業者の負担でございます。さればといって施行主であるわれわれは、これは完全に縁もゆかりもないことであるという態度であってはならないと思います。それ相応のお見舞い程度のことと誠意は尽くさなければならぬと思います。
○鈴木(強)委員 新聞によりますと、この会社は、五十一年度に八十五億であったものが昨年は百四十八億とかなりの急成長をしておる。従業員は六百六十人で、かなりの会社でございますから、そういう会社がこれらの負傷者に対して失礼にならないような見舞いをしていただくことと同時に、確かに不可抗力的な点はわかりますけれども、なお突風がある場合にはどうするかとか、それに耐えるような安全的なものをやるとか、そういう工事に対する安全対策というものについてはもっと積極的に考えていただくように、これは総裁からも強く言っておいてほしいと私は思うのですが、いいですか。
○秋草説明員 十分注意して、担当の局長にもこれから設計あるいは施工について厳重に警告を発しておきます。
○鈴木(強)委員 それから昭和五十一年十月七日、第七十八国会におきまして公衆電気通信法の一部を改正する法律案が可決される際に、当委員会として附帯決議をいたしてございます。このことにつきまして幾つかお尋ねするつもりでしたが、余り時間がありません。そこで、いま行管からも指摘をされました電報事業のことについてお尋ねをしたいのでございますが、この五に、「国民の緊急通信手段としての電報制度については、その公共的使命に基づき存続を図るために、積極的な施策を講ずるとともに、今回の法改正に伴い、当該労働者の雇用不安を惹起せしめないよう労使間で十分協議すること。」というのがございます。 これは行管の方もといらっしゃるから重富さんに聞いておいてもらいたいのですが、確かに電報取り扱い通数が減っていることは間違いないんですね。したがって、要員問題もそれに順応して労使間でいろいろと苦労しながら転職、配転をしているわけですが、なおかつ事情によりましては若干のでこぼこはあると私は思います。そこでこの際、電報制度というものを先行きどうするか、この具体的な対応策を考えなさいと、「積極的な施策を講ずる」ということについて私はそういうふうに考えているわけです。ですから、新しく電報事業として位置づけるものは何かないか。たとえばかつてはデータ通信というものを私たちは考えました。前の米澤総裁はそういうことも肯定しましたね。しかし、残念ながら当初の見通しとは違いまして、データが大分ジグザグをしてしまっておる、これは事実なんです。そういうこともありますが、当時そういうふうな意見もありました。 そこで、たとえば不幸のあった場合に弔電とそれに対してお香典を一緒に送るような制度があるわけですが、今度はたとえばお祝いのときに、私たちというか国民の場合に花輪を上げたいとか、あるいはお祝い金を送りたいとか、冠婚葬祭の場合にそういういろいろなことがあると思うのですね。ですから、そういうものを電報の手段と一緒にやったらどうかという意見もあると思うのですよ。 それからファクシミリ、写真電報と昔言っておりましたが、それの類似的なファクシミリというものも一つ俎上にのせて考えたらどうか。これは郵便の問題との関連がありますから非常にむずかしい点もあると思いますけれども、しかし、検討は大いにして、それで電報としてどの部門だけがやり得るか、どういう形式ならばこれは電報部門であり、また郵便部門になるかとか、いろいろこれはあると思いますね。ですからそういうファクシミリ等についてもやはりもう一遍検討してみて、これは国民も喜ぶわけですから、新しい分野、サービスを開拓していくという工夫くらいはして、そして電報従業員が将来に不安のないようなことも考えたらどうかと私たちは素人なりに思うわけですが、総裁、これはどうなんですかね。 この附帯決議に基づいて皆さんの方でいろいろやっていると思いますが、この前、日がちょっと明らかになりませんが、中間の措置状況を出していただいておりますが、その中を見ると、この件については、「公社では今後のサービスの在り方については、国民の利便にこたえるための新サービスの可能性を含めて検討中である。なお、利用の減少等に伴う関係職員の不安の解消については、公社では、今後とも労働組合と十分話し合っていくこととしている。」というふうになっていますが、この新規のサービスというものについて今日まだ模索をしているわけですか。
○秋草説明員 諮問委員会の答申あるいは国会の決議等、電報についていろいろ御高配をいただいておりますが、鈴木先生は国会議員の中でも一番電報に通じている電報博士だと思います。博士に聞かれてもちょっと戸惑うのでございますが、新しい電報の業務を開拓しろということは、実際のところもうないと私は思います。 その決議の内容をどういうふうに体したらいいかということを私はいろいろ考えたんですけれども、結局、電報に従事する従業員、特に若い人はいろいろ流動的に動く余地があり、また将来性もありますけれども、十五年、二十年勤務した人、管理者に近づこうとするような長く電報に従事した人の待遇、処遇というものをやっぱり十二分に配慮しろということぐらいが私は精いっぱいであって、新しい電報事業を開拓する、新しいサービスをやってみる、お花つきとかカステラつき電報とかいろいろなものがありますが、考えてみたこともありますけれども、そういうことは時代の流れからいうとどうしてもデベロップする余地は少ないのである。結局従業員に対する温情あふるる措置をとって路頭に迷わせないようにするということが精いっぱいのことではなかろうか、こういうふうに私なりに解釈しております。
○鈴木(強)委員 最高責任者の総裁がそうぱっと言ったんじゃ、これは身もふたもないですよ。この前の措置状況の中で、新規のサービスについても今後は可能性について検討中だとある。とてもだめだということなんだが、それはあなた少し無責任過ぎるよ。それは職員の処遇等については十分考えなければならないが、同時に新しく何があるのか、もっと検討してみたらどうですか。 私が言ったのは一つの例かもしれませんが、あなたはそのくらいの誠意を持って新しいサービスを開拓していくということも同時にあわせて考えてくれなければ、いまの答弁はちょっと私は受け取れないですよ。
○秋草説明員 いや、私は、電報自体、電報をいろいろとお花電報などとおっしゃられたから……。電報の範囲内で新しい電報の利用価値というものを見つけるということはもう限度へ来ている。しかし、電報に似た電電公社の、たとえばファクシミリとかは電報ではありません。もちろん、そういうものをいまの電報の従業員の新しい分野としてこれから開拓するということは当然でございます。あの手この手で、データ通信だって電報じゃないですけれども、データ通信の分野に新しい職域を求めるということは当然でございます。だから、それはやはり職域を発展させて、電報から離れても不安のないように、長い間電報だけに従事してきた人の職域というものを見てやるということは、これはもうあらゆる機会にあらゆる方法を考えております。 私の答弁が非常に電報だけにこだわったものですから、先生の誤解を招きまして申しわけありません。
○鈴木(強)委員 質問の全体をよく聞いておいていただいてお答えいただかないとちぐはぐなことになるわけですから……。 とにかくいろいろな英知を集めて工夫をして、それで新規サービスには何があるのかということ、それがこの国会の附帯決議の趣旨なんですから、こうこうやったけれどもどうにもならぬというときには、これはまた国会に対してその趣旨を述べてください。いまはまだ進行中だと思いますから、いろいろな意味において検討してもらいたい。 時間がなくなりましたが、実はこの後来年度の予算の関連もあるのですけれども、たとえば五十二年度の決算を見ますと四千四百億の黒字が出ておる。これはもう予算編成のときに、三千九百八十六億というのは黒字になりますよということはわれわれ国会で認めているのですよ。あえて言えば四千四百億ぐらいの黒字になったかもしれません。しかし、それは円高と違って天から降ってきたわけではないです。全職員が一生懸命努力して、苦労してそれだけの節減をしたわけです。したがって、そうして苦労してできたものをどう使うかということについては、やはりみんなが英知を集めて考えなければいけないと思う。それは従業員だっていろいろな努力をしているのですから、従業員に対する還元等も考えながら、それが法的に不可能であれば可能になるようなやり方を考えてもらいたいし、できるならばそれによってやるとか――いろいろ制度上むずかしい問題がありますから、私はここでは団交ではないから言いませんけれども、そういうものについては国民の納得できるような線でおさめなければなりませんが、そこには労働組合もありますし、それぞれとよくお話し合いをしてやっていただきたいなという気がするのです。それが一つです。 それから、これから第六次の計画を進めていくのですけれども、何といっても労使関係というものが正常化し、紐帯がより強くなっていかないと絶対にこの事業は成功しません。これは過去の歴史の中で明らかでございます。ですから、総裁も全電通という労働組合を相手にいろいろと六次計画についてもお話をされておるようですが、ひとつこの附帯決議の趣旨にも沿ってもっと積極的に組合の意見も聞く、とにかく土俵の中に入っていってお互いにへそとへそを出し合って話し合うという気持ちをもっと強く持ってほしいと、そんなふうに私は思うのです。それが二つ目です。 それからもう一つは、私どもちょうど信越と北陸の方に視察をしておりましたときに、テレビと新聞で総裁が電話料金の内訳書のことについて何か記者団に発表したということを聞きました。余りとっぴですが、これはどういうふうにしてやるのか。たとえばプライバシーはどうして守るのか。一体その金はだれが出すのか。一兆円とも言われているし、十兆円とも言われているし、私はよくわかりませんけれども、そういう一兆円の金がかかるということになれば、その金は一体だれが出すのか。確かに料金の内訳がないために苦情がふえていることは事実です。この委員会でもたびたび取り上げられて、これはもう昔から、CAMA方式でやったらどうかとか、いろいろとわれわれも提言をしてきたこともございます。しかし、できずに現状ここまで来てこういう結果になっているわけですから、やることについてはわれわれはいいとしても、そのやり方が煮詰まっているのかどうなのか、私はそういう危惧をちょっと感じたのです。 これらの問題については総裁はどういうふうに考えているのか。まとめて言いましたけれども、そこら辺をお答えいただいて、時間がありませんから残余は次回に譲ります。本委員会は休会中も開くということが理事会で決まっておりますので、いずれまたその機会に譲ります。それだけひとつ伺っておきたいと思います。
○秋草説明員 前段の第六次計画の実行に当たっては、労働組合とよく話し合うということは当然でございます。 二番目の料金内訳書の問題は、過去一年間と言っても大げさではないと思いますが、この春の国会から引き続いて、決算委員会で一回と、予算分科会で一回と、衆参両院の逓信委員会で多分八人の先生だと思いますが御質問を受けました。また、片や新聞、週刊誌などから御案内のようにいろいろと公社に対する苦情がございました。 この問題は、電電公社もサービスが世界レベルというか、世間で一応御納得いただくところまでやりまして、積滞もなくなったし、自動化もまず完全にできたと言っても過言ではないにもかかわらず、非常に頭の痛い問題で、現場の従業員としては加入者の応対で奔命に果てているという実情でございます。相手はかけた覚えがないと言うし、わが方は度数計にはこう出ているということを懇切丁寧に時間をかけて話し合うという以外にはないわけでございます。 料金も二年前に大幅に上がったし、それから四、五年前から住宅電話に電話は普及した関係から、零細な生活の方にも電話は普及しておりますので、家計に及ぼす影響も相当大きなパーセンテージになるということで、ここ四、五年の間に苦情というものは非常に多くなりました。しかし、実際に窓口で説明してあげて、あるいは検討しますと、本当の事故として、申しわけなかった、これはこういう間違いがあったという事故率は統計的には激減してきている。数をもって申すことは避けますけれども、窓口ではなかなか苦労の種でございまして、何とかしたい。技術的にはこれはもう電電公社の技術をもってすれば可能でございますけれども、非常に大きなお金がかかるということでございます。それが私もここ一年非常に判断に苦しむところです。やれと言ってみても、百万人に十人か五人ぐらいの方のミスだということを表向きには言えませんけれども、そのために巨大な金を使うということもなかなか耐えがたいことだなと考えたわけです。 たまたま郵政大臣が決算の説明の後で、電電公社の利益も国鉄に比べれば豊かである、これは予算で決まっていたとはいうものの、国鉄に比べれば電電は豊かであるということは否定できない、こういうときにきめの細かいサービスということをわれわれ言ってきておるから――十五年前にCAMAをやったときは積滞は山ほどあったわけですね。これは国会でもいろいろ議論があってわれわれもやりかけたのだけれども、積滞を解消することが何よりも先だということで中止しました。これはいまから見れば非常に賢かったと思っておりますが、積滞も終わったし、細かいものになればそういうサービスをこの辺でやるということもやむを得ないかなと思うけれども、何分金が大きい。しかし、大臣がおっしゃったことは、一挙にやる必要はないよ、何も一挙にやらなくても、十年でも二十年でもかけてゆっくりやって、できるだけ負担が少なくて済むようにして公社の姿勢を見せろということを言われてわれわれは感銘を受けたのでございます。 これは私は非常に心を動かして、帰ってきてそれを皆で相談して、ひとつ検討してみるかということに踏み切ったのですが、非常に問題点はございます。たとえば御案内のプライバシーというものも、電電公社はプライバシーの商売でございますけれども、新しい一つのプライバシーの問題をどうこれから事務的に措置するかというような問題も軽々にはできません。そういうこともありますし、それからいま電子交換機、クロスバー、ステップ・バイ・ステップと、皆三千五百万の加入者には入っておりますが、これをどういう順序でやれば一番効率的になるかというような問題がいろいろございますが、そこらは電電公社に任せてもらって、長い時間をかけて、できるだけ問題を早く解決するということがやはり電電公社の新しい姿勢ではなかろうかというふうに思っておりまして、まだまだ予算措置をしたわけでもありませんし、これからまた諸先生の皆さんの御意見なりを聞いて、いい方法があればまたいろいろ判断に織り込んでいきたいと思っております。動機はそういうことでございます。 以上、簡単でございますがお答えいたします。
○米田委員長代理 午後二時三十分委員会を再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後一時三十二分休憩 ――――◇――――― 午後二時三十五分開議
○鈴木(強)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 逓信行政に関する件について質疑を続行いたします。鳥居一雄君。
○鳥居委員 円、ドルの関係で、百九十円時代を迎え、きょうあたりは百八十二円という交換率が出ております。それで、国民的なサイドから、いわゆるKDDの抱える差益問題が私どもの大きな課題だと思いますので、国際通信にかかるもの、またその他KDDのいわゆる差益問題につきましてきょうは取り上げたいと思うのです。 閣議で大臣はKDDにかかる差益をどのように説明されていらっしゃいますか。
○服部国務大臣 お答えいたします。 国際電信電話料金については、収支の構造上為替差益は少額であり、方向別格差の是正についても料金体系上の問題等があるところであるが、利用者へのサービスの改善、安定的な国際通信の確保等を総合的に勘案しつつ、料金問題についてさらに検討することとするとの考え方に立って対処してまいりましたことを経済閣僚懇談会にまず報告申し上げて、御指摘の為替差益、差損金の計算方式につきましては、会計処理手続による債権債務の計上時と決済時の差を基礎として計算するという方法も体系処理上の根拠を持っているものであり、そういった方式で処理してまいったところであります。 したがって、この差益の金額その他については、事務的な問題は担当監理官から御説明を申し上げたいと存じますが、経済閣僚懇談会では以上要約した内容の報告を申し上げたわけであります。
○鳥居委員 大臣は閣議でKDDの差益は幾ら幾らですというふうに説明されていませんか。もし説明されていれば、五十一年度は幾ら、五十二年度は幾らとお示しいただきたいのです。
○服部国務大臣 閣議、閣僚懇談会には、御承知のとおりに、もう事前に十二分に事務当局、経済企画庁、わが方、関係各省がいろいろ詰めて、そういった表を提示して、そこでいろいろとこの対策を協議することになっておりますので、その事務の掌に当たった監理官から説明をさせたいと思います。
○寺島政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、KDDが会計処理上、帳簿上に差益として計算をして出しておりますものは、五十二年度につきましては通信料関係で約五億円、その他で約一億円、合計六億円、こういう数字になっておるわけでございます。
○鳥居委員 経済企画庁に伺いますけれども、これは物価局として当然重大な関心をお持ちだろうと思います。 それで、経済企画庁がつかんでいる国際通信その他、KDDに関する差益はどういうふうに報告されていますか。
○香西説明員 お答えいたします。 私どもが郵政省からお話を承りましたのは、一つはKDDの計算上、決算上の数字でございまして、先ほど監理官からお話があったとおりでございます。 このほかにと申しますか、この中で国際通信料金につきまして、実は二千八百万ドルぐらいの数字がございますが、そのうちドル建てが約二千万ドルというふうに承っておりまして、これにつきまして、先ほどお話のありました決算上の数字ではなくて、五十一年度を基準としまして、その後の円高でどれくらいの差益が出るかということを私どもの方で計算しました数字が大体七億円ぐらい、こういうふうに考えております。 なお、そのほかケーブル関係等は千七百万ドル程度の数字があるというふうに承っております。
○鳥居委員 重ねて伺いますが、そのケーブル関係等千七百万ドルというのと合わせて幾らと見ているわけですか。
○香西説明員 ケーブル関係、インテルサットその他につきましてはいろいろな性格の数字が入っているというふうに私ども承っておりまして、直接一番はっきりとらえやすいものということで国際通信料金に関する受け払い差額、そのドル建てのもの、こういうふうに計算して七億円というふうに計算したわけでございます。
○鳥居委員 郵政省は、差益計算を郵政省自身がなぜやらないのですか。報告だけですか。
○寺島政府委員 先ほど申し上げましたように、KDDが正規の会計処理といたしまして、為替の変動に伴います差益として帳簿上計上しておりますものが先ほど申し上げた数字でございます。 それから、ただいま経企庁からお答えがございましたように、多少マクロな見方をいたしまして、五十一年度を基本として五十一年度の平均為替レートと、それから五十二年度の平均為替レートの差を五十二年度の対外ドル支払い額に掛けましてマクロにつかむというやり方も当然成り立ち得るわけでございまして、その両面で双方を考えました場合に、いずれも合わせまして十億円以下の数字でございますので、その点から先ほど大臣がお答え申し上げましたような判断となったというふうに御理解いただきたいと思います。
○鳥居委員 私は、五月十日の本委員会において、KDDの差益について、ドル建て、ドル払いになっている分についての差益計算をやりました。それで、これはいろいろな前提があったわけです。五十二年度の収支がまだ公表されていない段階でこれを推測いたしました。いま会計処理上の差益と差損益という表現で言われておりますけれども、これは言うならば差益隠し、差益隠し方式計算で、ですから、隠なし方式という意味でK方式と呼びますよ。 内容はどんな計算の仕方かというと、発生時と、それから発生時における発生額と、その時のいわゆる為替レートと、それから決済までの間に一ヵ月か三ヵ月、うんとおくれて半年というように期間がありますが、その時点での為替レートですね。ですから、発生額に対して実際の決済額というのは幾らか変わってくる。その幾らか変わりつつある額あるいは変わった額を会計処理上記帳しなければならないでしょう。それは経理の立場で当然だと思うのです。それをもっていわゆる三百六十円時代といま迎えた百九十円時代の差益とするのは、これはすりかえじゃないですか。ですから、帳簿上の処理の問題で政治課題になっている三百六十円固定時代の国際通信その他、それとごっちゃにして何か少額である印象を与え、くぐり抜けようとする、もしそういう説明があるとするなら、これはとんでもないことだと私は思うのです。 いいですか。それは経理マンとして、あるいは会計処理上いわゆる請求書が発せられた時点で計算されます。それから、それを実際に決済したときには幾らだった。レートが違うのです。その違いというのは幾らかあるでしょう。しかし、三百六十円時代、現在百九十円時代、この大きな違いをすりかえてかかるということ自体大きな問題ですよ。その点はどうですか。
○寺島政府委員 お答え申し上げます。 私どもは、KDDの為替差益という問題を考えるに当たりまして、ただいま御指摘のありましたように差益隠しとかいう意図を持って考えておるわけでは決してございませんで、KDDの方から正式に報告を受けましたもの、また、先ほど申し上げましたように、マクロな見方をいたしまして経企庁が算定いたしましたような七億円というふうな考え方もあるというふうに考えておるわけでございます。 ただ、三百六十円時代と比べてどうかというお話でございますが、この点につきましては先生もすでに御案内と思いますけれども、三百六十円当時の金の価格の変動を考え合わせますならば、そこと比べるといたしましても二百九十八円という数字でもって比較すべきであろうというふうに考えておるわけでございまして、ちなみに経企庁の算定の基礎になっておりますところの、比較的安定をしておりました、いわゆる円の対ドルレートが大きな変動を見せます前の五十一年度の平均レートは二百九十二円でございます。
○鳥居委員 先ほど隠なし方式でKと言いましたけれども、その隠なし方式、帳簿処理上のやつをK1方式としますよ。 それで、いま説明があったように、二百九十八円と比べろという言い方をおっしゃるが、これは国民としては納得できない。二百九十八円と比べるなんということはとんでもない。まあKDDも企業ですから、どの辺のレートであれば採算が合うのか、これは当然計算するだろうと思うのですが、しかし、三百六十円時代からの推移は、今日の百九十円時代というのは国民の努力でこういう時代が生まれているわけですね。そして、そこから生まれてくる差益というのが全く努力なしにつかめるものである以上、正確な差益額というのはとらえなければならないと私は思うのです。 それで二百九十八円、ドルに比べて現在の円、これは当時に比べてどうなったかというIMF方式によって円を見てみると八八%強くなっている。これは円、ドルの関係です。一方、価格自体が二割値上がりした。その値上がり効果というものを差益で帳消しにしろという議論がKDDの主張です。ですから、KDDが企業経営上二百九十八円という線を引く、そしてそれよりもレートが高いか低いかによって差損益が生ずる、こういう計算をするのは結構な話です。たとえば輸出業者が二百二十円台が割れたら大変困ってしまう。ドル建ての価格を実際に値上げしなければならない事態もある。そうすると輸出しにくい。いろいろな効果が出てきていますよ。ですから、このKDD側が言ういわゆる円が八八%強くなった、それに伴いまして二割の価格自体の値上がりがあった、その値上がり効果を相殺していく、差益をなくしてしまう、消してしまうという行き方をとるならば今度は別な問題が出てくるわけです。 それはたとえばインテルサットの問題、回線の価格自体、値下がり効果がどんどん出てきております。当初の通信回線と比べてみますと、衛星の一回線一年当たりの単価というのはもう三十分の一以下になっているわけです。そういう値下がり効果も加えなければこれはおかしなことになってきます。ですから、企業として二百九十八円の線を引くのは結構でしょう。しかし、国民の側から見て、三百六十円の固定時代、今日迎えた百八十円が推移する時代、この中でKDDの差益が厳正に計算されなければならないと私は思う。 それで、それでは五十二年度についてはそちらでも計算があるだろうと思うのです。五十二年度の国際通信に関する差益は三百六十円建てで収納料金が決められております。そして国内においては三百六十円建てで徴収するんです。ですから具体的に日本から米国に対してかけますと三千二百四十円、ところが米国側からかけると千七百十円でかけられるのです。こういう事態を迎えているわけです。そして収納料金側に大きな問題があります。しかし、いま二国間で決済する計算料金に限って数字を計算いたしますと、二国間で通信量がありますと、その通信量を相殺して相手国に対して超過分の二分の一を払うという方式で処理されておりますから、その二分の一支払う金額が、二国間の場合に相手国、対地国がありますが、これは役務の輸入と考えていいと思うのです。それに対して支払いをする。その支払いの総額が三百六十円時代と今日では違うのです。そういうところから出てくる国際通信の差益が私の計算では十七億九百万です。 それから国際通信以外の費用等、インテルサットあるいは海底ケーブル投資分があります。これはドル建てドル払いで支払われているものです。千七百十五万七千ドルと計上されています。千七百十五万七千ドルがドル建てドル払いで支払われているわけです。これはけさ一部訂正がありました。しかし、この訂正があった内容はすべてドル建てドル払いではないということでありましたので、そのドル建てドル払いでないという部分につきまして計算をいたしました。それはポンドで三百二十万六千ポンド、人民幣で五万三千人民幣、自由円で二十億四千六百万です。それで、このポンドに係る分について、やはりドルと同じように大変円が円高になっております。IMF方式で十月現在一二九・七%、五十二年度平均で一八・七%と円の価値がポンドに対して上昇している。そしてその分を計算いたしますと五十二年度は費用等が十九億一千二百万差益です。合計三十六億二千百万円の差益がありますよ。これはどうお考えになりますか。
○寺島政府委員 最初に二百九十八円のことにつきまして少し御説明をしておきたいと思います。 先ほど、平均為替レートの差でもってマクロに比較するという方法で経企庁が算定をされましたものが七億というふうに申し上げたわけでございますけれども、そのとき三百六十円ですればどうかということでございますので、三百六十円という時代と今日とを考えてみますと、これは先生御案内のことと思いますけれども、いわゆる一九七一年以前の、金が一オンス三十五ドルいたしておりましたときの金フランの価格、すなわちそのときの一金フランというのは〇・三二六八ドルでございました。それに対しまして七三年にドル平価が変わりまして、一オンス四十二・二二ドルという形になりまして、そのときには一金フランというのは、御案内のとおり一定量の金を一金フランとするという定めでございますから、それで比較をいたしますと一金フランが〇・三九四一ドル、約二〇%ばかり変わったわけでございます。 したがいまして、それの金フランをドルに換算いたしまして、それに支払うべき金フランの額を掛け、それをさらにドルで支払うといたしますと、現実のドルというものを三百六十円時代は三百六十円で買って支払うという形になるわけでございますが、それと同額、この一金フランのドルの価格が変わりましたときには二百九十八円でないとそれがバランスをしないということで二百九十八円が現在の価格であるというふうに申し上げたわけでございまして、これが七三年で、それから、大体五十一年ごろまでは円の実勢レートと申しますものが大体二百九十円から三百円絡みで動いておるわけでございまして、この辺では差が出ておらないわけでございます。
○鳥居委員 大変失礼ですけれども、伺ったことについてお答えいただきたいと思うのですね。 それで、いま二百九十八円を断固固執したいとおっしゃるわけですよ。それでは私は百歩譲って、この国際通信の受け払いに関してはその二百九十八円に乗っかって計算をしてみましょう。しかし、費用等、インテルサットあるいはケーブルに関する支払い、これが内訳が全部私のところにございます。そちらにもあると思うのです。そしてそれに関して計算をいたしました。そうしますと五十二年度の国際通信は二百九十八円ベースで、これはドルばかりじゃありません。スイスフラン、差損の部分については差し引き勘定いたします。そうして差益として残るのが六億三千九百万です。これは五十二年度平均が二百五十五円ですから、そちらが発生ベースでとらえていると言われるかもしれません。ですから、ある程度の誤差はあるでしょう。しかし、大づかみに言って、平均が二百五十五円ですから、二百五十五円として計算して六億三千九百二十万です。これは電信電話等、いわゆる国際通信に係る差益です。そのほかに千七百十五万七千ドル相当の、差益にしてつまり十九億一千二百万円は、これはどうなっちゃっているんですか。閣議等には報告しないのですか。合わせれば二十五億になります。
○寺島政府委員 通信料金以外の五十二年度の差益につきまして、繰り返すようでございますけれども、先ほど申し上げましたようにKDDの会計処理上出てまいりましたものがほぼ一億でございます。そして、ただいまの先生の御指摘のとおり、五十二年度におきまして通信料金以外で支払いましたものをドル換算をいたしますと千七百十五万七千ドルという形になるわけでございますが、このうち実際にドルで支払われておりますものは、私どもが受けております報告では三百八十八万九千ドルでございまして、そのほかには円がドル換算で六百七十万二千ドルございます。そのほかにポンドが六百五十四万ドルというわけでございまして、その千七百万ドルのうち実際のドルに当たりますものは三百八十八万九千ドル、かような数字として理解をしているわけでございます。
○鳥居委員 そのとおりです。問題は、このポンドの三百二十万六千ポンドの差益益については全くふたをして計算しないつもりですか。
○寺島政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この通信料金以外のものにつきまして、五十二年度におきましてはKDDの計算によりまして約一億ということで承知をしておったわけでございますけれども、ただいま御指摘のありましたような、この千七百万ドルの内訳につきましては、私どもも実はごく最近承知をいたした内容でございまして、この点につきまして、これを計算いたすとどうなるかということにつきましては現在まだ詳細にやっておらない段階でございます。
○鳥居委員 それでは非常に客観的な計算をお示しいたします。 ポンド分については、旧レートが八百六十六円三十銭、いわゆる固定時代です。そして五十二年度平均が三百九十六円、それで差益が十五億七百七十八万円、こう出てきます。それからただいまの千七百十五万七千ドルの内訳のいまのポンド――それから人民元につきましては五万三千元あります。旧レート、三百六十円固定時代で百四十六円三十四銭、現在のレートが百二十円です。ですから百三十九万六千円出てきます。これは非常にけたの小さなものです。それから米ドル分が三百八十八万ドルあります。これから出てくる差益が十三億九千二百三十三万あります。そうすると、自由円につきましては二十億ありますが、これは差損益なしとして、五十二年度の平均レートに対して十九億上回る差益が実際に計算されます。 それで、この差損益計算については郵政省は一体主体的に計算しているのですか。全部報告を聞いてうのみじゃないですか。
○寺島政府委員 先ほど申し上げましたように、実は、この資料の面からアプローチをいたしまして計算をするということに対してはまだ終わっておりませんので、その点は現在これから進めたいと思っておりますけれども、一言申し上げておきたいと思いますのは、ただいまポンドのお話がございましたが、確かにポンドがドル換算で三百二十万ドルございます。主としてポンドで支払いましたものはOLUHOケーブルに対するものでございます。 この沖繩-フィリピン-香港を結びますOLUHOケーブルの建設は、実はそんなに古いものではございませんで、たしか五十年以降のものと承知をしております。したがいまして三百六十円の固定相場時代のものではございませんので、このものを三百六十円時代と比較してその差がどうかということは、計算として差益という形では少しとらえ得ないものではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
○鳥居委員 三百六十円時代にはなかったものでそれと比べることはできないという論旨ですけれども、これはおかしいのです。ドル建てドル払いにいわゆる差益があるという問題提起なんです。ですから、三百六十円の固定時代であれば、一ドル三百六十円で買ってきて対外支払いに充てなければいけなかったじゃないか。現在は百九十円台になっている。この時点でも二百五十五円で手に入っているのです。ドル建てドル払いで支払っているのです。それを指摘しているのですよ。 当時はインテルサットがなかったじゃないか、三百六十円の固定時代にはなかったじゃないか、その後の設備だから、これは差益計算するのに三百六十円と比べては困る、こんな一方的なおかしな論理というものはないです。しかも、この一千億円の事業規模のKDDという企業にとっては、そういう設備投資というのは必要不可分のものです。海底ケーブルにしろ、OLUHOにしろ。そして、広い意味の価格の中に組み入れられていると考えるのは当然じゃないですか。そして価格自体が三百六十円体系でできているのじゃないですか。ですから、それが差益計算の対象になって当然です。資本費用だから差益計算の対象にはできないとか、これはおかしな議論です。 その意味で私がいま指摘しました費用等――これはOLUHOの支払いその他あるでしょう。結構です。厳正に自由円については差し引いて、特に円高ドル安と同じ傾向のポンドについても、円は五十二年度の平均で一一八・七%上昇しているのですから、それを計算したものがいま指摘しました十九億千二百万円です。これを認めないというのですか。
○寺島政府委員 御指摘のポンドの件でございますが、私は、三百六十円時代のポンドの円レートと現在のポンドの円レートの差ということでとるといたしますと問題ではないかという趣旨を申し上げたわけでございまして、実際にポンドの支払いの必要となりますOLUHOケーブルができましたとき、あるいは実際に支払いをいたしましたときのレートが現在変更しておりますならば、その差につきましてそういう変動があるということについては理解はできるわけでございます。 ただ、つけ加えるようでございますが、全体として見ますと、この間三百六十円時代から顧みましてもKDDの料金というのは、もっとずっと以前からでございますけれども、収納料金につきましては変動いたしてございません。いわば値上げをしておらないわけでございます。例のオイルショックで人件費の三〇%を初め各種の経費が増高いたしましたときにも料金の変動ということなしに今日まで経営を続けてきたという点についても、ひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○鳥居委員 電気通信省から分かれる当時、中村梅吉委員が、国内通信のもうからない部分だけ残して海外通信のもうかる部分を分けて会社にしていくことに問題はないかという趣旨の指摘をしている議事録がありますが、技術革新によって音声級回線の一年の一回線当たりのコストが三十分の一以下になっている時代に値上げなんてとんでもない話であって――よく、向こうの論議で言えば、床屋さんその他がこんなに値上がりしているじゃないか、そういう中で価格据え置きのまま今日に来ているじゃないかということがありますが、これはもうお話にならない論議ですよ。いま問題は、いかにして正確にこの差益を指摘し――還元の方法をどういうふうにするかということは別として、厳正に計算しなければならないときにありながら、少なくとも、帳簿上の差益だけ持ってきて事足れりとしているような郵政省であってはならないと私は思うのです。帳簿処理上の必要性から報告はさせる必要があります。しかし、政治的な要請でいま計算をしなければならない二百九十八円という前提を置いたとしても、五十二年度においては、私の計算では二十五億五千万と計算されておるのです。いまお示ししたとおりです。ポンドにもちゃんと差益が出ています。 それで五十三年度、これはまたもっとすごいのです。二百五十五円のレートじゃありません。きょうは百八十二円です。きわめて大きな差益がここに生まれることはもう間違いないわけです。それで推定をいたしましたら、五十三年度については、計算料金の受け払いがことしと同じ状態で推移したと仮定をいたしますと、国際通信から生まれる差益が二十四億二千万。それから費用等――この費用等は、KDDの説明の中にも、ここ数年の間に一千億円の投資をしなければならないと言っています。それから、ことしの春のKDDの五十三年度事業計画書の中でも、海底ケーブル施設に関して千九百万ドル相当の投資をやろうと書いてあります。それからまた衛星通信に関しては、これはまあ国内施設等がありますから二分の一と見たとしても、七百万ドル相当の投資をしようということです。ですから、ことし並みに推移したと仮定しまして費用等の計算をしてみますと二十二億二千二百万、合計四十六億四千五百万円に上る差益が推定されます。 これはKDDの帳簿上だけの報告を待って、それだけにとどまっていないで、改めて特殊法人の独占事業の監督責任のある郵政省の立場で厳正に見ていくべきだと思いますけれども、どうですか。
○寺島政府委員 御指摘のとおりKDDは株式会社として設立されておりまして、その限りにおきましては、株式会社としての自由な、そしてまた独創性のある活動ができるようになっておるわけでございますけれども、同時にまた日本の国際電気通信というものを独占的に業といたしておる、いわば法律に基づきました特殊法人でもございます。 したがいまして、そういう観点から、そしてまた特にその収納料金につきましても、法制上郵政大臣の認可料金という形になっておることは御案内のとおりでございますが、それだけにわれわれといたしましても、この料金のあり方ということにつきましては強い関心を常に持ちまして見ておるところでございます。その点はどうか御理解をいただきたいと思います。
○鳥居委員 私は、差益があるだけでは差益還元というわけにはいかないだろうと思うのです。いま指摘のとおり差益がありました。もう一つは、企業経営上独占事業で大変な収益を上げて、どうしようもないほどもうかっている企業であるという点ですよ。私は五月の十日に指摘いたしましたけれども、資本金百六十五億円の会社で、それを上回る一時保有の債券を持っています。それで、その後四十七期の分の有価証券報告書が出てまいりました。比べてみたんですけれども、大変な高収益ぶりだと思うのですね。ことしの春の指摘は、現先を申しました。一般の企業であれば現先結構だろう。だぶついている資金について、買い戻しを条件にして有価証券を一時保有する。それは結構だと思うのです。しかし、こういうKDDみたいな性格の企業が、まるで金利でやりくりしている金融機関みたいな大変な金利の抱え込み方ですよ。 また、去年からことしにかけて二十億円の定期預金を保有しました。二年満期の定期預金をお持ちになる。これは結構なお話なんですが、いまどき二十億円の定期預金のできる会社なんてちょっとめったにないもんでしてね。あるいは退職金引当金の計算方式を変えて、本来職員の皆さんの退職金に充てられるべきものでありますけれども、二十七億何がしの余分に保有していく形の方式に切りかえました。ですから、新聞報道等でおわかりのとおり、利益を過小評価しているということでベストテンの中に入っています。 こういうKDDのあり方です。もちろんこれは将来利益を見なければならないでしょうし、投資も必要でしょうが、しかし、どの程度のものを確保していくべきかという課題が絶えずなければならないものだと私は思うのです。電信電話諮問委員会がございますが、NTTに関してはこの諮問委員会である一定の線が出ました。しかし、現在KDDについては全くそれがない。こういう現状ですが、大臣どうでしょうか。 KDDの利益というのは大体こういう姿であるべきだというような一つの目安みたいなものが必要だと私は思いますし、学者、文化人等による経営上の研究というものが図られて当然だ、遅過ぎるというくらいの感を深くするのですが、この円高差益は指摘したとおりでございますが、なお利益については大変な状況ですし、この点についてどうでしょうか。
○寺島政府委員 御指摘は私は緊張して拝聴いたしました。 御指摘のように独占的に国際通信というものを所管しております会社でございますから、それだけにまた一面非常に大きな責任を持っておるわけでございますが、同時に、それでは利益というものを一体どう考えるのかということにつきましては、御指摘がございました電電公社が総裁の私的な諮問機関といたしまして諮問委員会を設けまして、いろいろな民間有識者あるいは学者の方々の御意見を拝聴いたしまして、その中に公共的必要余剰という形で利益の問題に対して一定の提言をしておることも私どもは承知いたしております。 そういうことも参考にいたしまして、今後この問題をわれわれも十分に検討していかなければならないし、あるいは研究をしていかなければならない課題であると考えておるわけでございまして、なおKDD自体におきましても、この問題につきまして社内におきまして研究を続けておるというふうに私は承知しておるところでございます。
○鳥居委員 社内でやるんじゃなくて、監督機関がそういうものを持たなければだめでしょう。 それから、もう一つ、差益計算を独自にやるべきです。答えがありませんよ。答えてください。
○寺島政府委員 監督官庁でございます郵政省としてそういうものを持つということも、確かに一つの御提言だと思うわけでございますけれども、電電公社がまず総裁の私的な諮問機関としてそういうものを設置してあるのと同様な意味合いにおきまして、KDDがそういうものを、社内の意見だけではなくて社外の人々の意見というものを素直に率直に耳を傾ける、そしてその知恵をかりるという形で設けますことは、これは決して無意味なことではないというふうに私は考えておるわけでございます。 その次の差益の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな形で差益を私どもは把握いたしておるつもりでございますけれども、なおいろいろな見方もあろうかと思います。これは先ほど来申し上げておりますように、私どもが認可料金という形でKDDの料金にタッチをいたしております立場上、この料金の問題につきまして常に強い関心を持って対処するという立場で取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○服部国務大臣 いろいろとただいま御指摘の御意見を拝聴いたしましたが、ただ、ここで御理解いただきたいのは、一般の株式会社と違って、利益を株主に配当するということを郵政省が極力抑えているわけなんです。これはもうよく御存じだと思うわけでありますが、それはなぜかと申しますと、国際電電は国際間の電話通信、テレックスその他いろいろの国際貿易問題、日本の産業の発展という点で、現在は御指摘のとおりかなり利益は上げて社内積み立てをやらせておりますが、これは片や国鉄の実情を見ても大変厳しい経営内容であります。したがって、いざという場合に決して利用者に迷惑をかけないように、よりよいサービスを提供いたしまして、その任務を果たさせるという心構えもある程度持っているわけなんです。 あれこれ考えているわけですが、しかし、先生の御指摘の問題も私にはよく理解できますので、今後の経営のあり方についていろいろ御指摘の問題も含めてぜひひとつ検討をしてみたい、かように考えておる次第であります。
○鳥居委員 私の質疑は終わります。
○鈴木(強)委員長代理 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 私は、現在いよいよ放送が開始されて話題になっており、またいろいろと今後の問題等も抱えておりますが、今後の方向というものを考える意味からも多重放送に関して若干質問をさせていただきたいと思います。 まず、多重放送には、いま行われておる音声多重放送と、それから今後予想される文字情報放送であるとか静止画放送、ファクシミリ放送等々、幾つものものがあるわけでございますけれども、まず最初に音声多重の中で二ヵ国語とステレオ、この二種類から認可もされて放送が開始されていったわけでございますけれども、どういった理由からこういうことになったのか、その理由と、それから現在の進捗状況等をお伺いしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、テレビジョンの多重放送には、今回認可をいたしましたテレビジョン音声多重放送のほか、文字情報放送、あるいはファクシミリ放送、あるいはまた静止画放送等いろいろなものが考えられるわけでございますけれども、このうちテレビジョン音声多重放送につきましては、去る昭和四十七年の三月に、郵政大臣の諮問機関でございます電波技術審議会から技術的問題についての答申が出されたわけでございます。また、去る昭和五十一年十二月には、部外の先生方にお願いをいたしておりました多重放送に関する調査研究会議から報告書が提出されたわけでございまして、その報告書は、多重放送の実施についてテレビジョン音声多重放送の補完的利用から実験的に行い、逐次実用化を進めることを提言されておるわけでございます。 一方、多重放送の早期実施に対する国民の要望も逐次高まってまいっておりまして、この魅力あるテレビジョン音声多重放送を一日も早く国民が視聴できるよう措置することが必要であるという考え方に基づきまして、今回実用化試験局として免許をいたしたわけでございます。 一方、文字情報多重放送につきましては、その他の多重放送と同じく、郵政大臣の諮問機関でございます電波技術審議会においてただいま審議中でございまして、特に文字情報多重放送につきましては、東京と大阪におきまして実験局を開設いたしまして調査研究中でございます。その成果を見ながらさらに次のステップに進めてまいりたい、このような状況になっております。
○竹内(勝)委員 大臣にお伺いしておきますが、この多重放送に関しまして、いまの形で認可に踏み切って、そして現在放送が行われておるが、私どもとして、中にはその後の利用状況、普及率等を考えていってもちょっとよくわからない点がある。なぜかというと、こういった問題でこの前も昭和四十四年ごろからNHKが実験的にこの問題をしたわけでございますけれども、一体その後のどういったものが報告等にあったのか。そしてまた、こういう景気のときでございますから、通産省とかあるいは産業界といったところのプレッシャー等が何らかの形で一体あったのか。あるいは郵政大臣として独自に、今後の文化というものを考えたならばどうしてもこの問題が必要なんだということで、独自の形で踏み切っていったのか。その辺のニュアンスについてもうちょっと詳しく大臣のお考えをまず聞いておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○服部国務大臣 このたびの音声多重、すなわちステレオと二ヵ国語放送の免許に当たってどのような考え方で免許をしたのか、通産省の要請があったのか、また産業界からの依頼があったのかという御指摘でありますが、通産省とは全く無関係だとはっきり言い切れます。電子工業会にはむしろ郵政省から、この音声多重を免許に踏み切った場合にアダプターその他の機器の国民の要求にこたえられる体制があるかどうか問い合わせたというのが実態でございます。 しからば、なぜそのようにやって免許に踏み切ったのかということに相なるわけでありますが、御承知のとおりに、昭和四十七年の三月に電波技術審議会から技術的問題については答申が出され、また昭和五十一年、一昨年の十二月の多重放送に関する調査研究会議の報告書は、多重放送の実施について、「テレビジョン音声多重放送の補完的利用から多重放送の実施を実験的に行い、」「逐次実用化を進めることを提言する」という御提言があったわけであります。 私は、多重放送の早期実施に対する国民の要望もいろいろな機関を通じて調べたところ、とみに高まっておりまして、また私もNHKの放送技術研究所に参って、実際にこの耳でいわゆるステレオ並びに二ヵ国語放送を聞きましたが、なるほど国民の要望の高まるのも無理がないというほど魅力を感じたのでございます。 以上申し上げたいろいろな問題を総合的に判断をいたまして、音声多重放送は一日も早く国民が視聴できるよう措置することが必要であると私は考えて今回の実用化試験局の免許をしたところであります。
○竹内(勝)委員 多重放送に関する調査研究会議の「提言」というところで、いま大臣が申されましたけれども、同じように五十五ページのところに、「現段階で多重放送のすべての種類を補完的利用であると独立的利用であるとを問わず、全面的に実施に移すのは、時期尚早であると判断した。」という意見もあるわけでございますし、さらにその後いろいろ問題点が出てきているようなふうにも感じておりますが、その論議はまたちょっとこの後で論議させていただきます。 NTVさんがNHKよりもさらに先駆けてこの音声多重放送に非常に熱心で、大臣も行かれて最初に踏み切ったわけでございますけれども、私は放送局の内容自体にはそう格差があるとも感じておりませんが、どういう理由でNTVさんが一番先駆けたのか、その辺の理由も国民がわかるように答えていただきたいと思います。
○服部国務大臣 テレビ放送事業者の個々の問題で、私はちょっとそこまでつまびらかではありませんが、確かにNTVさんは意欲的でした。これは御承知のとおりに、郵政大臣の諮問機関で画像情報懇話会というものがあるわけでございますが、私はこの諮問機関にもいろいろと多重放送について意見を求め、私の電波行政の知識をいろいろと得るために努力をしましたが、これは私が考えると放送事業者の意欲だというふうに理解をいたしております。 〔鈴木(強)委員長代理退席、米田委員長代理着席〕
○竹内(勝)委員 それでは、ちょっと具体的にお伺いしたいと思います。 この放送が始まってしばらくして混信の問題が出てまいりました。普通テレビに二ヵ国語の英語の方が入ってきたり、混信によって聞き取れないというようないろいろなクレームが出てまいりましたけれども、その状況をどういうふうにつかんでおるか。 原因と対策について伺いたいのと、それから現在はそういった問題が完全に解消したのか、果たしてこれは送信側にあるのか、受信側だけの問題なのか、ちょっとその辺の状況をお知らせ願いたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 テレビジョン音声多重放送の実施に伴いまして、二ヵ国語放送の場合に、外国語音声が従来のテレビジョン受信機で聴取した場合に日本語の音声に混入する、混信を与えるという現象が発生したわけでございますが、この原因を究明いたしました結果、ある特定のメーカーが昨年のある時期に製造をした一部の受信機に限って設計上に不備がございまして、この不備によって回路内で干渉を起こしていたことによるものであることが判明をいたしました。 なお、この干渉は部品を一個交換するだけで完全に修理できるものでございまして、関係の向きに対しましては直ちに適切な対策をとるように指導をしたわけでございます。 なお、これに関連いたしまして、先ほど先生がおっしゃいましたように、昭和三十年代の後半ごろからこの多重の問題にとりかかっておったわけでございますけれども、四十年代にも電波技術審議会の答申をいただく前後に各種メーカーの受信機につきましてチェックをしたわけでございます。その結果が電波技術審議会の答申の中にもうたわれておるわけでございますけれども、実は、昨年NHKと日本電子機械工業会が市販の機種につきまして、この音漏れと申しますか、混信の有無に関する測定を行ったわけでございまして、その段階では問題がなかったというふうに承知をしておるわけでございますけれども、たまたま今回問題を起こしました機種は、その昨年のチェックの後に一部設計を変えまして市販されておったということが判明をしたわけでございます。 今回のトラブルにかんがみまして、日本電子機械工業会に対しましては、去年のチェックの後に市販されたものも含めまして、現在市販されておる全機種につきまして、このようなトラブルがないことを再確認をしてもらいたい、再確認をする、こういうことになっております。現在確認測定中でございますが、近々全機種についての確認が済むものというふうに承知いたしております。
○竹内(勝)委員 それではこの音声多重の中で、特にステレオ放送に関して、先ほど大臣も非常にりっぱなものだと称賛されておりましたが、もうちょっと突っ込んで調べておく必要があるのではないかと私は思います。 いまの話では、二ヵ国語で他の外国語が入ってきて混信するという形になった。今度はステレオという問題で、本来FM放送等がしておるステレオ放送と同じようなものに果たしてなれるのかどうか、バス、ビートの問題やいろいなものが出てくるのではないか、私はこういった懸念をするわけです。 本来電波というものはすき間を利用して無理な形で多重放送というものが行われているわけでございますので、大臣がどういうところでどういうようにして聞いたのか、その辺のところはわかりませんけれども、大したスピーカーでないのを聞いておいて、その後すごいスピーカーを並べておいて聞けばいいようには聞こえますが、しかし、本当の音の微妙なものが果たして出るのかどうか、その辺を具体的に専門家の方からまず聞いておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘のとおりでございまして、テレビジョンの音声多重放送は、もともとテレビジョンといたしましてとりました六メガヘルツという帯域幅の中の、いわゆる電波のすき間を使用いたしましてステレオを可能にするというものでございます。一方、これまた先生から御指摘のございましたFM放送につきましては、ステレオを可能にするという意味も含めまして、二百キロヘルツという周波数帯域幅をまず設定をいたしまして、そしてそれをフルに活用していくというものでございます。 したがいまして、そのようなことを前提にいたしまして、このテレビジョン音声多重放送の方式あるいはその技術基準は、電波技術審議会において昭和四十年代の途中から実験局等をつくりながら関係諸団体、諸機関と協力をしながら十分審議された結果得られた答申に基づくものでございまして、方式そのものは、われわれといたしましては世界各国どこと比べても見劣りするものではないという確信を持っておりますし、また、音質につきましても、先ほども申し上げましたように、映像を伴ったステレオ放送としては十分高品質のものが得られておるというふうに考えておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 先ほどFMとの対比で御回答がございましたけれども、御存じのように、FMのステレオとこれを比較したならば、音声周波数帯域というものが、副チャンネル信号から持っていくものも主チャンネル信号から持っていくものも結局どうしてもそこに無理があるわけで、限度として、その帯域がゼロから十二キロヘルツぐらいに落として放送がされておる。これは御存じだと思いますけれども、本来音楽をステレオ化して聞く場合は、少なくともゼロから十五キロヘルツぐらいのものでなければ本当のステレオにはならないというのが専門家の見方なんですよ。だから、それを十分聞いて大丈夫ですといま言われましたけれども、こういうものに多くのお金をかけて、そうして臨場感を持ってステレオ放送として聞いていきたいんだという、そういうものに興味を持っておる人たちはその音の質というものを非常に大事にするわけなんですよね。それに果たしてこたえられるものなのかどうなのか。 いまいろいろなところで報道されておるものも非常に大丈夫なんだと夢のような話があるわけでございますけれども、私はこれを懸念するのですが、大臣はその辺まで果たしてちゃんと調べていろいろなところで発言されておるのかどうか。もう一度大臣からお伺いしたい。
○服部国務大臣 御承知のとおり、私は技術的にはこれは全く無知でありますが、有能な技術者である電波監理局長、それからNHKの電波技術研究所所長以下スタッフ、先ほど申し上げた私の諮問機関である画像情報懇話会、加えてこの多重放送実現にきわめて意欲的な方々、これはもちろん先ほど申し上げた放送事業者、こういった方々の意見を総合いたしまして、これは国民に一刻も早く還元するべきものであると、私はかように考えて踏み切ったような次第であります。 残念ながら私は電子工業には全く無知でありますが、そういった方々の知識をかりて私なりに判断をいたしまして踏み切ったという次第であります。
○竹内(勝)委員 よくこれは御研究いただきたいと思いますけれども、その問題には非常に無理がございます。そういう意味で、たとえば非常に高いバイオリンの音であるとか、またそれに反して低い太鼓の音だとか男性の声だとか、こういうようなものがひずみが生じてくるというような、そういう懸念を持っておる人もかなりあるわけでございますし、そういった原理から考えてもそれは十分今後考えられます。そしてバズ、ビートが出てくるような形になってしまっては、せっかくほかのところで本来のテレビを楽しんでおる人たちに迷惑をかけてしまうことになりますので、ぜひその辺の御検討をお願いしておきます。これは回答しなくて結構でございます。 そこで、次に、電電公社さんに来ていただいておりますのでお伺いさせていただきますけれども、音声多重放送という形で今後は大阪とか、それから全国的にどうしても要望が高まってくるのではないかということが考えられます。そういう意味からマイクロウエーブの状況が現在のところ完璧なものにはなっておりませんですね。それで、今後の見通しとしてどういうようなプロセスをもって全国の人たちに対応できるような措置をとっていくつもりなのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○山口説明員 お答えいたします。 ただいま先生から、音声多重放送を実施する上で、全国的に伝送路を受け持っております電電公社ではどのような対応をしておるかという御質問でございますが、私ども、現在、郵政省さんの御指導を得ましてこの音声多重放送につきましていろいろと工事なり今後の進め方をやっておるわけでございますが、先生も御承知のように、一般のテレビの中継サービスにおきましては電電公社の無線局相互を結ぶ中継線部門をマイクロ波方式でやっておりまして、また、電電公社の無線局とテレビの放送局を結びます端末部門でございますが、これは端末部門を同軸ケーブル方式によってやっております。この同軸ケーブル方式によりまして、この場合は映像一回線と音声の一回線を別別に伝送しておるわけでございますが、今回の音声多重放送の特に中継サービスを実施するためには、こういった既設設備に第二音声回線分といたしましてもう一回線の音声回線を追加する工事が必要となっておりまして、現在その工事を実施しておるわけでございます。 先ほどの先生の御質問の全国的にというお話でありますが、さしずめたとえば東京-大阪あたりを考えてみますと、東京-大阪におきます中継設備につきましてはおおむね来年の夏、八月ごろには申し込みに応じて中継ができるのではないかというふうに考えておりまして、なお、全国的に申し上げますと、全国的には放送局が約二百局ぐらいあろうかと思っておりますけれども、こういった各局に全部申し込みに応じて御提供できるようになりますのにはおおむね一年半ぐらいかかるのではないか、このように考えております。
○竹内(勝)委員 それでは、この音声多重放送に関してのマイクロ関係の対応の仕方はわかりましたが、今後予想される文字情報放送であるとか静止画放送あるいはファクシミリ放送等、多重放送というものは非常に多方面にわたってのものに発展していくことが考えられます。これはわかりませんけれども……。そのものがたとえばそういう方向に進んでいった場合に、地方局への送信というものが十分可能なのかどうか、それができるかどうかということをお伺いしたいと思います。
○山口説明員 ただいまの将来の文字放送とかいったものに対しましての公社が分担します伝送路関係につきましては、ただいま私どもが伺っております範囲におきましては、いまのテレビの伝送帯域の中で技術的に実施されるというふうに伺っておりますので、この設備ができますればそれも可能かと思っております。
○竹内(勝)委員 次に、この多重放送に関しての今後の普及の見通し等をお伺いしたいと思いますけれども、果たしてこの音声多重というものをまず全国的に持っていくのか、あるいはそうではなくて大都市を中心に音声多重というものを進めていった上で、文字情報であるとか静止画放送という面にさらに発展させて、地方の方は後でもまず大都市からそういったものを発展させていくのか、どういう方針を考えておるのか、まず郵政省の考えをお伺いしたいと思います。
○平野政府委員 テレビジョン音声多重放送につきましては、すでに先ほども申し上げましたように京浜及び京阪神で始まっておるわけでございます。NHK及び民放が放送を開始いたしております。引き続きまして京浜及び京阪神の民放が申請書を提出してまいっております。さらには地方局におきましても申請書を出してきておるものもございますし、ただいま準備中と聞いておるものもあるわけでございます。 この音声多重放送につきましての免許のあり方と申しますか、将来に対する考え方でございますけれども、既設の放送事業者は申請されればしかるべき免許は考慮されるということでございまして、私どもといたしましては、現在テレビジョン音声多重放送を実施しておらない地域につきましては、放送事業者に対しましてその早期実施方を期待しておるわけでございます。この魅力のあるテレビジョン放送を一日も早く国民の方々が視聴できるということを望んでおるわけでございまして、そういう方向で努力をしてまいるつもりでございます。
○竹内(勝)委員 この音声多重に関して私はきわめてクールに考えておるのです。なぜかというと、ステレオに関して本当に聞いていこうという人は、FMなり生放送なり、そういったもので本当の音の質というものを聞いていかなければならないと考えておりますし、現在のところでは二ヵ国語放送、外国語を聞いていくという場合には、これは日本におる外人の方であるとかあるいは外国語を勉強していこうというような人とか、非常に限られてくるのではないかと思います。 そこで、大臣にお伺いしておきますが、いまの回答では今後の方向というものはちょっとよくわかりませんが、文字情報あるいは静止画、ファクシミリというものをどういうプロセスのもとでやっていこうと考えておるのか。それによっては今後の産業界の対応の仕方等も大きく問題になってまいりますし、さらにまた大臣に言うておきたいのは、たとえば耳の不自由な人は、スイッチを押せば字幕が出てくるようなものが一日も早く出てくることを望んでおることは十分わかるわけなんですよ。そういう意味からも、この多重放送というのは果たしてどういう方向へいくのかいまのところ全然わからぬから、したがって、この音声多重に関してはどのように発展していくかがちょっと疑問に思うわけでございますので、大臣の今後の見通しに関してお伺いしておきたいと思います。
○服部国務大臣 質問されて答える私よりか、質問されるあなたの方がよほど知識が豊富のように思うわけでございますが、しかし、私なりにいろいろと勉強したことを率直に申し上げて御理解を仰ぎたいと思います。 これは余談かもしれませんが、前段の音声多重のうちのステレオについていろいろ御意見を拝聴いたしました。もちろんわれわれはこれを謙虚に受けとめて関係機関とも緊密な連携をとりつつ、国民に還元した以上よりよいものに仕上げていくことを考えねばならないと思うのでありますが、突っ込んで申し上げさせていただきますと、私もかなり音楽に関心のある方でして、そういった点について私なりにある時期にある程度の疑問を持ったことは事実なんです。そういった問題について、私は、画像情報懇話会の席上でこういったことに長年経験を積まれた経営者、技術者の方々に伺ったところ、私の受けとめた範囲ではそのようなものではないという確信を得たのでついでにひとつ申し上げておきたいと思います。 ただし、御指摘の問題は謙虚に受けとめて今後も十二分に研究開発して、もう免許したわけでありますから、国民の期待にこたえるように努力したいと思います。 次に、この多重放送にもいろいろあり、文字放送、静止画、ファクシミリと、確かにそのとおりでありますが、この文字放送については、実は聾唖者からかなり強い要求があるわけであります。自己の意思でもないのにこういった不遇な立場にある方々のことを考えると、これはできれば急いでやってあげたい。あわせて先生御指摘のとおりに、むしろ文字の方が魅力があるのではないかという点についても私はこれは否定いたしません。ただし、いまNHKと民放-公共、民放一社ずつに試験的にいろいろと実験をやってもらっておりますが、これは私なりに考えるのですが、文字多重にはいま少し解明をしなければならない問題があるように私は考えるわけであります。というのは、日本の文字というのは大変活字の数が多くて、画面に出る動きに対応することがいま一歩という感じを私は持つわけでありまして、先ほど申し上げたとおりに、試験放送でいまいろいろと実験をやってもらっておりますが、まずこういった問題の処理の解決をつけてからということが一つです。 いま一つは、一つのスクリーンに流れるわけですから、著作権問題ということもまたその筋からのいろいろな抗議も要求もあるわけです。国会においても論議をされておりますので、この問題も当然解決はせねばならないというわけで、所管は文化庁でありますので、いろいろと緊密な連携をとりつつきわめて早い時期に、せめて文字多重は踏み切りたいと考えているわけであります。 その他静止画、ファクシミリは、これはいまの時点では、私は、はっきりとこういうふうにいたしたいという確信を持った答弁はなかなかできません。目下関係機関で鋭意検討を進めておりますというのが偽らざる実態であると申し上げたいと存じます。
○竹内(勝)委員 時間ですので、終わります。
○米田委員長代理 田中昭二君。
○田中(昭)委員 私は、きょうは、現在郵政省の中で大変な発展を遂げてきました電電公社の問題から最初に入っていきたいと思います。 先ほどからも述べられておりますように、公社が第一次から第五次までの計画を終わって、そして公社の職員の皆さんの大変な努力によって発展してきた公社が、現段階におきまして大きな転換期にも差しかかっておる。そこでいろいろな問題を考えなければならないというようなことが言われておりますし、また、私たちもそういう考え方で問題の提案といいますか、意見の交換等もしてまいったわけです。 そういう中で、きょうはそういう問題からまず入りますが、ここに公社の今後の行き方についての報道がなされておりますから、それを確認しながら、そこに含まれております考え方といいますか、目標といいますか、そういうものを教えていただきたいと思います。 まず、この報道の見出しには、「多彩なサービスの大衆化へ 独自の料金体系必要」となっております。いまから読んでみますが、公社の幹部の方が施設部長会で、「今後公社が“多彩なサービス”を実用化させていくには、現行の料金体系を離脱しなければ国民大衆化ははかれない。デジタル交換機、光ファイバーなどを用いた新ネットワークによる“多彩なサービス”は電話の付加サービスではなく、独自の料金体系を立てる必要があろう」と述べられたとなっておりますが、最初に、いま読みました中の、「今後公社が“多彩なサービス”を実用化させていくには、現行の料金体系を離脱しなければ国民大衆化ははかれない。」ということはどういうことでしょうか。
○長田説明員 お答えいたします。 まず、ここで「多彩なサービス」という言葉が出ておるのですが、この記事の中にも実は「多様なサービス」という対置する言葉がございまして、この二つの対置において、この「多彩なサービス」ということについてまず最初に御理解を得たいと思うわけでございます。 「多様なサービス」といいますのは、現在あるネットワーク これは公社が現在持っております。構築されておるネットワークでございますが、これを適切有効に利用することによりまして提供しようとするサービスを「多様なサービス」という言い方でこの幹部は申しております。これは言うなれば電話の付加サービスと申し上げたらいいのじゃないかと思うわけですが、たとえば一番簡単なものは親子電話とかホームテレホンとかビジネスホンとか、要するに電話の宅内設備としての一つの多様化、それからキャッチホンでありますとか不在案内でありますとか短縮ダイヤルというようなサービスもいたしておりますけれども、こういうようなものはネットワークに組み込まれた機能としてこういうサービスを提供する。あるいは最近動体通信というものがございますが、これは自動車電話であるとか船舶電話であるとか、そういうようなネットワークがさらに拡張されて、これも同じく電話として使われるサービス、こういうふうな一つの多様なサービスを提供するというものをまず基盤に置きまして、現在のこのネットワークの有効活用に加えましてさらにネットワークを高度化させる。 高度化を行うことにより実施できるサービス、これは先ほど申し上げたような電話の付加サービスとは違った一つの基本概念に立って「多彩なサービス」ということをここで言われているわけでございます。たとえばネットワークの高度化と申しますと、ここにも書いてございますが、ディジタル交換機であるとか広帯域の伝送ができる光ファイバーというような、新たな素子が導入されてネットワークが高度化されていくということを考えているわけでございます。たとえば画像通信というようなものも当然こういうような範疇に入りますし、ファクシミリとかデータ通信とかいうものもこういう範疇に入るのではないかと考えられるわけでございます。 前段はそこまでにいたしまして、要するに現行の料金体系の離脱ということでございますが、ここで一つ例を申し上げますが、現在電話ファックスというものがございます。これは電話回線で接続をいたしまして、端末をファックスに切りかえまして絵を送るというものでございまして、たとえば三分機というようなものもそろそろ出てまいりますけれども、三分間で絵を一枚送るといたしますと、たとえば東京都内相互通信ですと十円の通信料がかかるわけでございます。これを東京から北海道あるいは九州というようなところに送りますと、七十二倍でございますから七百二十円というような通信料がどうしてもかかってしまうことになるわけです。 なぜそういうことになるかといいますと、現在の電話網を利用したファックスでありますと当然そういうようなかっこうでの料金をちょうだいしなければ通信ができないというシステムの上に乗っておりますのでそういうことになるわけであります。そうすると、実際に絵を一枚送るのに七百円、場合によりますと、六分機などという遅いものを使いますと倍の千四百円というような料金で送るということを考えますと、ファックスというもの自体の大衆化と申しましょうか、電話にはない一つの記録通信というメリットを生かしてそれが本当に国民大衆の間に広く使われるかとなりますと、使う範囲というものについては非常に限定されるであろうし、問題があるのではないかということでございます。 ところが、ファックスというものをよく考えてみますと、元来が非常にディジタル的な絵の送り方をしているわけでございまして、現在の電話の回線というものはいわゆる音声を送る、アナログ的な通信をやっているわけでございますが、したがいまして、ディジタルの情報をアナログの回線を通して送るというようなことをやっております。これは非常に不経済であり、効率的ではないということに相なります。したがいまして、将来こういうようなものを市外の伝送路といたしまして、ディジタルで、こういうものに向いた回線あるいはそのネットワークというものを別に考えることをいたしますと、長距離の通信に対しても比較的安い通信料でこういうファックスのサービスを提供できるのではないかと思います。 これは電話ファックスとは全く違った、別の次元のもう一つのファックスのサービスになるわけでございますが、そういうことを考えていかないと、非常に多彩な今後出てくるであろうその他もろもろの新しいサービスというものを考えました場合に、現行の電話料金との間のある程度の離脱ということをここでは表現しておりますけれども、そういうようなことを考えなければならないのではないのかという御意見と私は理解しております。
○田中(昭)委員 ここで大事なことは、「現行の料金体系を離脱しなければ国民大衆化ははかれない。」と言っておるところです。いまの説明だけではまだ十分でないのですが、時間も制約されておりますから次に移ります。 次に、「公社は現在転換期にあるが、事業全般の流れを突然大きく変えることは不可能に近い。」と言っていますが、私もそのとおりだと思います。そして、「現在のネットワークをより有効、かつ適切に利用して多彩なサービスを展開することが必要であり、」と言っていますが、これはいま言われたようなことだろうと思いますが、その後に、「このため営業部門などとの横の関係を密にして設備上の問題を生じないように努力する必要がある。」と言っている。ここのところですが、この「営業部門などとの横の関係を密にして設備上の問題を生じないように努力する必要がある。」ということは、これは具体的にどういうことでしょうか。
○山口説明員 お答えいたします。 いまの「営業部門などとの横の関係を密にして設備上の問題を生じないように努力する必要がある。」ということにつきましては、従来からも私どものサービス品目につきましては、その新サービスの導入の順序をたとえばどういうふうにやっていくかとか、あるいはその前に需要予測をやりまして、マーケットリサーチでありますが、そういうものをやりまして、どの辺に需要があるかとか、全体的にはどうなるかとか、こういうことに基づきまして設備をやってまいっておるわけでありますけれども、こういったマーケットリサーチが多少正確でなくても、従来は積滞というものをたくさん抱えておりましたので、それを設備上に反映させることは比較的容易であったわけでありますが、今後はそういった積滞というものがない状態になりますので、新しいサービス等を実施してまいります場合には、セールス部門であります営業部門とそれから設備をしていく施設部門とが横の関係を十分密にして、実際に売ろうとしたときにそこに設備がないとか、あるいは設備はしたけれどもそこに需要が出てこないとか、こういったことのないように努力をすべきだ、こういうふうに理解するわけであります。
○田中(昭)委員 ちょっとわかりにくいですね。やはり言われた方に来てもらって聞かなければわからぬようなところもあるかと思います。 時間がありませんから次へ進みますが、公社は毎年大変な投資を行ってきました。いわゆる企業としてはもうけというものはほとんど投資に回るわけでありますから、投資ということに大変な力を入れてやられたわけですが、そのことに関連しまして、「また投資は先への思想をもち、その思想の実現に向かって努力すべきだ。」とおっしゃっておりますが、これは大事なことだと私は思います。いわゆる将来に向かってどういう思想を持ちながら建設投資をやっていくか、その建設投資が国民の期待に沿うものでなければならぬという、そういう哲学を持ってやっていくんだという意味だと私はとるのですが、これは具体的にどういうことでしょうか。
○長田説明員 お答えいたします。 これは一つの思想、発言者の哲学に類することだろうと思うわけでございますが、将来への一つのビジョンとして私どもも考えていかなければならない当然の問題だろうというふうに思います。 先ほど施設局長から、新しい需要予測に基づいて、また新サービスの導入の順序というものをとらえながら施設を拡張していくという一般的なお話があったのですが、そういうものを行います場合にも、要するに短期の、たとえば新しいサービスを全国的に逐次広げていくというようなときに、最初導入初期、それから中間期、それから終局の姿と、そういうものの全部のビジョンを描いて、終局の姿に到達するためには一体どういうふうにプロセスを踏んでいったらいいかということが一番もとになろうかというふうに思います。 その一つの例といたしまして、先ほど「多彩なサービス」というところで私は御説明をいたしたわけでございますけれども、データ通信にいたしましても、その他もろもろ、現在ディジタルな符号を運送するという用途が非常に広まってまいりました。要するに非電話系統と言われます分野におきましては、アナログ的な情報の伝送ではなしにディジタル的な伝送をすることが一番望ましいし、また、経済的な姿になるわけでございます。したがいまして、電電公社でも、いままで短距離の市外回線につきましてはPCMと申しますものを――要するにこれはディジタルの伝送の方式でございますが、すでにこういうものを相当数導入をしてまいりました。ただ、こういうものだけでは、たとえば東京-横浜間で何かそういうサービスをするというときにはなるほどこの方式は適用できますけれども、これがたとえば東京-名古屋となり、大阪となり、あるいは福岡と延びていくというときの長距離のディジタルの伝送路としてはこれは使えません。 したがいまして、長距離の伝送路はほとんどが実はいままでアナログの伝送路を延ばしてきたわけでございますけれども、全国をディジタルで結び得るネットワークというものを考えますと、アナログの回線のほかにディジタルの回線も建設をしたいということでございまして、現在、全国の総括局を大体結びますルート、ネットワークでございますが、これにつきましてやはり長距離のディジタルの伝送路を導入していきたいという一つの大きな絵をかきまして、各年度の計画で、短い区間ずつでございますが、これを逐次延ばしていくというようなことで現在計画を進め始めたところでございます。 こういう全国のディジタルネットワークをどのくらいの時期までにいかに構築するかということを見て、これを各年度計画にブレークダウンをして実施するというようなことが、まさにここに申しておりますところの、投資は先への思想を持ちながら進むという一つの例ではないかというふうに思います。
○田中(昭)委員 総裁、いまいろいろお聞きしましても、私ら素人にはわかったようななかなかわからぬような説明になっておるわけですが、いま第六次の計画が云々されておりまして、先ほどから言いますように転換期であるというならば大事な問題をお述べになっておるように私は思いますから、これはいまおっしゃったことが現実にどういう姿になるかということを踏まえながら、あとでゆっくりまとめて説明を聞きたいと思いますから、その点は総裁の方からよろしく取り計らっていただきたいと思います。 時間がございませんから先に飛ばして、もう一つだけ聞いておきたいのですが、公社のいろいろな技術について、「技術がサービスと結びつき、より便利なもの、より安いものを提供してこそ、国民の評価が高まるものであり、その意味でも先をみた技術の成熟が急がれている。」、と言っておる。そしてこれはいまのことと関係があるわけですが、「適切な料金体系のもとに、国民の期待に沿ったサービスを提供するのが」として、「公社の国民に対する責務である。」と言うのですが、これはもう本当にこのとおりであってもらいたいと私は思うわけです。 そこで、この中で、いわゆる技術の進歩による便利さといいますか、そういうものがサービスと結びついているかといいますとちょっと疑問があるのですが、その辺はいかがでしょうか。
○山口説明員 お答えいたします。 ただいまの「技術がサービスと結びつき、より便利なもの、より安いものを提供してこそ」云々ということでございますが、公社は従来からも技術革新と申しますか、いろいろと技術上の開発をやってまいりまして、それがサービスと結びつくような努力をしてまいっております。たとえば自動改式等につきましては、当初ステップ・バイ・ステップ方式で開始したわけでありますが、その後クロスバーの開発をいたしましたり、また最近は先生も御存じの電子交換機等も開発いたしまして、こういうものがよきサービス、より便利なものに結びついているわけでございます。 なお、市外関係の伝送技術にいたしましても、たとえば同軸ケーブル方式とかあるいはマイクロ方式等も開発導入をいたしまして、これはテレビの全国のネットワークを組むためにいま役立たせてもらっておりますし、多重化によりましてコストダウン等も図っておりまして、こういうものが総合的に技術がサービスと結びついている、このように考えるわけであります。 ただいま先生から御指摘がありました今後のサービスにつきましては、先を見てそういったサービスと技術がよく結びつくようにやらなければならないという御指摘だろうと思いますが、従来からの開発等も踏まえまして、今後ともそういう意味では先を見た技術の成熟といいますか、先ほども長田総務理事が申しましたように、たとえば光ファイバーの方式も検討してまいっておりますし、通信研究所におきましては超LSIといったような新しい将来の技術の基礎も開発しておりますので、そういった意味でそういうものは先を見た技術の成熟を急がなければならない、こういうものを急いで、適切な料金体系のもとに国民の皆様の期待に沿ってより安いもの、より便利なものを提供していくべきだ、こういうふうに解釈しておるわけでございます。
○田中(昭)委員 よくわからないですね。 最後に一問だけ伺いますが、最後のところですが、「適切な競争が必要なことは、民主社会における鉄則である。積滞を解消したのちは、自然的独占が難しくなる。」と言われておりますが、これは当然のことのようにも思いますが、積滞等を解消した後に通信事業の自然的独占がむずかしくなるという具体的な姿はどういうものですか。
○山口説明員 自然的独占ということの解釈でありますが、まず、電話というものにつきましては、先生も十分御承知のとおりでございまして、どこの電話にも自由にかけることができて初めて効用というものが発揮できる性質のものだろうと思っております。 したがいまして、一つの地域で仮に独立した複数の電話のネットワークができるといいますか、電話の企業体ができまして、複数の電話のネットワークができたのではきわめて不経済であり、不自由なものとなることが考えられます。またその上に電話局から加入者まで配線をする場合でも、二つの電話局が別々に配線をしていたのでは二重投資になりまして、国家的見地から見てもこういったことは大変不経済になる。こういったことで、電話といいますものは自然的に一事業体の独占といいますか、一事業体が経営していくというふうなかっこうになっておるのが現状でございまして、これは民営であろうと官営であろうと、諸外国を見ましてもやはりそういった形態をとっていると思われます。したがいまして、そういったことで独占といいますか一元的にといいますか、そういうものが自然的に形態づくられたというふうに解釈をいたすわけであります。 なお、わが国の場合を申し上げますと、第五次五ヵ年計画も終わりまして、積滞が解消いたしまして、各家庭に電話がついたという状態になってきますと、今後は、こういった電話サービスにつきましては、故障なくいつでも使える電話、こういうシステムをより便利に利用したい、こういう趣旨の要望が出てくるというふうに考えておるわけであります。 こういった要望の中で、障害の防止につきましては、従来から保全管理方式等々で経年的にも障害数が大変少なくなってまいっておりまして、諸外国に比べても、たとえば百電話機当たりの一ヵ月の障害率で申し上げますと、諸外国よりも一けたばかり低いというような数値が出ておりまして、そういうことで障害防止に努力をしてまいってきたわけでありますが、今後とも努力を重ねていきたい、こういうふうに考えております。 一方、より便利なサービスをというような国民の皆様の要望の中で、こういったものにつきましてはより普遍的なサービスをといいますか、ただいま本電話機を具体的に頭に浮かべていただければ御理解いただけるのではないかと思うのでありますが、そういった本電話機のような普遍的な電話サービスにつきましては公社が積極的に今後とも担当していく、先ほど申し上げましたように自然的に一元的にやった方が新しい良質で低廉なサービスとして実施していけるのではないか、こういうふうに考えるわけであります。 一方、普遍的でないという本電話機以外の付加的なサービスにつきましては、これは公社が一元的にやるということよりは、あるいは利用者の選択によることが――いろいろ便利さとかあるいはコストの面もあると思いますけれども、そういうことで利用者の選択によることが望ましい場合もあると思うわけでございます。したがいまして、こういった付加的なサービスを含めますと、これは独占というのではなくて、競争といいますか、自営とか直営とか、そういった総合的な中でより国民に便利なサービスをしていく方がいいのではないか、こういうような考えになろうかと思います。 この場合に、先ほどから申しましたように、故障が少ないとか、あるいは通話の品質も良好なサービスが提供されなければなりませんので、競争といいましても基本的には何らかの制約があった方がいいのではないか。おのずから制限があるものと思われるわけでありますが、こういったものについていろいろと今後研究をしていきたい、こういうような趣旨と理解しております。
○田中(昭)委員 総裁、いまの御答弁では、聞いている人はみんな何を言っているのかわからぬと思いますよ。政務次官、わかりますかね。 公社は電気通信法の法律によって独占しているわけでしょう。そしてこの話は部内の施設部長会で話した話でしょう。それが何でこの国会で詳しい話ができませんか。いまのお話を聞いておりましても、初めから終わりまでいまおっしゃったようなことは本当に粉飾ですよ。――何か言いたいそうですから、総裁から伺いましょう。
○秋草説明員 田中先生の御質問の内容の記事は私はきょう初めて見ましたが、中身はいつだれが述べたことの内容であるかといったら、施設部長会議で、ごく最近でありますが、副総裁であるということを知りました。 私たちの講演とか機関長会議とかあるいは部長会議の内容は一般の記者は傍聴はしておりませんから、庶務担当の者が要点を書いて記者に渡すということが間々あります。多分これもそういうことによってできた記事だと思います。したがって、その速記全体なり講演全部を見れば、その内容は少なくとも三倍か五倍の内容で、その中身は一言一句十分わかる問題でございます。ただ、私たちも聞いている人もおりませんので、先生から見るとなかなか隔靴掻痒の感があったと思います。 私もふだん副総裁ともつき合っておりますから思想的にも一致する点もありますけれども、短い文章で書かれているものだけで何を言っているかということは本当にわかりませんから、一遍もっと正確なものにしまして、この次また機会を与えていただけるならば御答弁できることはできると思います。あるいはまた副総裁自身が田中先生のところに出まして十分御説明申し上げることもできると思いますが、いずれにしましても業界紙の、タイトルだけじゃありませんけれども、非常に縮小した内容に基づいた御質問であり、また答弁でございますので、なかなかお聞き苦しい点も多々あると思いますから、今後十分注意いたしまして、これからそういうことのないようにいたします。 私自身もきょう初めて知ったことでございますので、帰りまして副総裁とも十分相談しまして今後対処いたしたいと思います。
○田中(昭)委員 それは確かに時間的な制約もありまして、総裁は初めて見られたということですけれども、仕事の内容については副総裁がいろいろな考え方を持ってちゃんと指導されておると思いますし、後でまた詳しく説明するということでございますからそのときに承ることにしますが、いまここで問題になりましたのですけれども、今後のサービスを考えてみた場合に、電話の付加的なサービスは加入者の選択によってやらせていかざるを得ないだろうということで、それを先ほど施設局長の方はある程度自由な競争に任せなければならぬだろうというようなことを言ったわけです。 その一つの例といいますか、公社が積滞等を解消して、いま問題になっております料金明細にしましても、これはあくまでも公社は料金明細をつくるということについてはやる方向は決めたというふうに受け取れますね。例の八月の行管の勧告以来報道されているところを見ますと、とにかく料金明細はすぐにでもやるんだと、見出しを読んでいきますと全部そうなっていますね。ところが、きょうの総裁の御答弁では、とにかくやるということを決めただけで、まだ内容は全然何もないというようなお話でございます。 そこで、この料金明細にしましても、電話のシステムの中で加入者が求めておるものは、何も公社の交換機の中に度数があるということの明細を求めているんじゃないと思うのです。加入電話の利用者は、自分が自分の宅内でどういうふうに度数が上がっているかということを知ればプライバシーの問題も解決する。ところが公社の説明は、これは言葉は正しいかどうかわかりませんが、いま電気とか水道とかガスとかは各家庭にメーターがある、これを分配方式だと言う。ところが、公社のものは電話局の中の交換機に集中してそれでやっているんだ、だから、この体制を変えない限り電気とかガスみたいなメーターはつけられないと、こういう方向で言っております。 私はいまここで「先への思想」ということで述べてあることを聞いたのですけれども、宅内でも加入者がかけた度数がその目の前で全部わかるようなことが技術的にはできるんですね。これについては昭和四十八年からこの委員会でも、また参議院でも議論されております。一つの例が、公衆電話が通話度数が上がることによってちゃんと料金を請求する。それは、公衆電話には別な機械がつけてあると言うかもしれませんが、実際に公社の中の職場でそれに当たっている人が、そのシステムは、公社の交換機というのは、加入者のところに送られる音を出ないように、わざわざ金をかけて出ないような切断をしておるから出ないのであって、それを切断しなければそのまま加入者に音が来るんだから度数もきちっと出るということを言っております。そういうことを国民に知らせなければならぬと私は思うのですよ。 それで、この新聞に出る前に電電公社のいろいろな付加的な機械、電話機の付加装置といいますか、そういうものを説明なさっていますね。ところが、先ほど言ったように横の連絡が何もないから、これだけのいろいろな付加装置があるけれども、現場に行ってみますと、現場機関長を初め管理者も現在公社が売り出しておる付加装置などについては全然知らない。副総裁が言われた横の営業部門との連絡を密にしてというのはそういうことだろうと思うのです。そういうことが一つです。 それから、いま私が言ったような、加入者がかげながら度数も料金も相手先もわかるような電話機が発明されて、公社も認定して売り出しておるじゃないですか。これです。これは昭和四十七年ですよ。市街通話料金表示器です。現在はそれよりまだ精巧なものがある。これは新聞報道ですけれども、これを読んでみますと、「話し中の電話料金ピタリ」という見出しで、「テレメータというこの装置は、電話機に取りつけるだけで、電話局にあるその電話の通話度数の動きを正確にキャッチ、通話度数とこれまでの積算度数が表示、電話料が一目でわかる仕組みになっている。」となっている。これに対してはいろいろ問題があるでしょうが、そこは省きますが、これを実際に使ってみると効果も予想以上で、この装置を最初に導入した会社は大変節約になっておる。三五%も電話料金が節約できる。 これに対して、「しかし、この装置が普及すると料金収入が大幅に減少するなどの理由で公社側が販売に強く反発、国会でも論議された結果、公社側は販売台数を制限するなどの条件で製造されているのが現状。」「公社の条件には法的な拘束力がない。利用者の要望にこたえるのは企業としては当然の行為として、着々、量産体制を整えている。さらに公社への申請もいらない新装置を開発、九月から本格的に売り出す予定だという。」となっている。ですから、公社の中でもこういうことについては詳しく知っておると私は思うのです。しかし、そういうことはこういう料金の明細問題を通じてみても、その裏にはこういう問題がある。先ほどから言いますように積滞と自動化も全部九九・九%解消したのですから、もう関東は自動化が一〇〇%できたんでしょう。いま現実に使われているわけですからね。そういうときに、そういう問題に対して公社の対応が旧態依然としているというようなことが問題であろうと思います。 この行管の勧告の報告書を見ましても、先ほど別な委員から公社の自主的な運営という話がありましたが、私もそれは当然そうなければならないと思います。しかし、現実に仕事がない。仕事がない職員はかわいそうです。ここに具体的に私はきょうはそれまで申し上げようと思ったのですけれども、時間がございません。この報告によりましても、そこだけ読んでみますと、いわゆる市外交換の関係の仕事に対していろいろな調査をなされて、現実の仕事量に対して要員の配置が仮に倍必要だとしてみてもさらに現行職員の配置数はそのまた倍ある。すなわち仕事量の三倍となっておる。ですから三分の一は余裕がある。仕事がないんですからその職員は困りますよ。何も仕事がなくて給料をもらうというようなことは、やはり、働いているその人をだめにしてしまうというような感じも私はします。 本当はこの問題を一つ一つきょうは確認したかったわけですけれども、いま申し上げました料金明細等についてはすぐおやりになるというようなこともございましょうけれども、これをやるについては、いまのような問題の基本的なことを解決しなければさらに公社の中で混乱が起こってくるのではないか。六次の計画についても、公社を支えておる組合の言い分の中にもはっきりその点は言ってありますね。この料金明細についても、三十六年ごろからこれは決まっていたんだ。自分たちもこの内訳、書類の添付については、このサービスの方向が確認されておるから、その方向に向かって仕事をしてきた、しかし、そのときは積滞があった、だから、積滞が解消できたんだから、当然こういう問題を解決していかなければならぬというようなふうに言われているぐらいでしょう。 総裁、どうですか。私ははしょった面もありますけれども、時間もございませんから、いまの料金明細だけについてお答えいただきたいと思います。
○秋草説明員 いろいろと町にある現在売り出されている宅内の度数計、これは確かに民間でも売っておりまして、公社でも認定している商品がございます。しかし、いまはそれはなかなか加入者に御満足がいくようなものではありませんので、いまわれわれの考えている度数計はどうしてももっと明細なものにして、いつ何通話どこのだれへかけたということがわからないとなかなか――本当にほんのわずかではございますけれども、一件や二件いいじゃないかというわけにはまいらない。絶対最後まで絶無にする必要があるというので、われわれは非常に大きな金がかかることと、それを解決することの数を考えると非常に気の重い話ですけれども、もう積滞も終わったし、自動化も終わったし、これからきめの細かいサービスをするという姿勢に立てばやらなくちゃなるまい。しかし、一挙にやろうとすると非常に大きな負担だから、大臣のお話も御注意もあって、少し長い目で見て、できるだけ負担の少ないような、料金値上げを促進しないような方法で考えてみたらいいじゃないかというので、それならばひとつやってみようかなというのが私のいまの心境でございます。これはことしの概計にはまだ出しておりませんけれども、来年少しばかり予算にも計上してみるかというのが私の心境でございます。 ただいまの要員の問題は特段細かい御指示はございませんけれども、これまた非常に大事なことでございますので、必要によっては十分慎重に、また改めて御答弁をする機会をつくっていただきたいと思っております。 このくらいでよろしゅうございますか。
○田中(昭)委員 最後に一問だけ言っておきますが、いまの料金明細について、いま報道されているように一加入者当たり二万円かかるとか三万円かかるとか、それを加入者に対する有料も含めて云々とか、それから一兆円かかるとか、そんなことはやめてもらいたいのですよ。一兆円なんかかかるというなら、そのかかる明細をきちっと出してもらいたい。それは年間四兆円にも上る、三兆数千億円にも上るという公社の収入の中から一兆円仮に要るとしましても、その料金明細をすることによってかえってまた問題が起こってくるということも考えてもらわなければならないということを私は申し上げたわけでございます。 そこで、この料金明細とも将来のことで少しは関係があることを最後に一問お尋ねしますが、これは電波監理局の方にお答え願いたいのですけれども、最近電波の利用でスペクトラム拡散通信方式というものが報道されておりますが、これは簡単に言えば全国民一人一人の専用の個人通信波を認めることが可能である、しかも他の電波とは混信がないという、まことに夢のような画期的なスペクトラム拡散通信方式という電波利用が開発されたということであります。 この方式はさきの国際無線通信諮問委員会でも発表され、そして報道をされておりますが、この新方式のわが国での実用化はいつごろになるか、おわかりになればお答え願いたいと思います。
○平野政府委員 ただいまお尋ねのございましたスペクトラム拡散通信方式でございますけれども、これはアメリカにおきまして二十数年来研究が行われてきております。それで、その成果が昨年のCCIR、電気通信諮問委員会に提案がなされたわけでございますが、実は、現在CCIRで各国の情報を集めようとしておる段階でございます。 これは御承知のように周波数が非常に足りなくなってきたと申しますか、有限な資源であるということに着目をいたしまして、周波数を最も有効に利用する手段として幾つか手段があるわけでございますけれども、一つの手段としてこのようなものを検討してみよう、できることならば国際的な方式を決定したいということからアメリカから提案がなされたというふうにわれわれは考えておるわけでございますが、電波研究所におきましても十数年来こういった問題に取り組んできておるわけでございまして、電波研究所におきましては、いままでの研究成果を踏まえまして、実は本年度衛星通信用の装置を試作いたしまして、実験用の通信衛星を介して実験をしようということで現在準備作業を進めておるという段階でございます。 一方、地上で使用しようということになります場合には、衛星通信系で使用する場合とは違った種々の問題がこれまた出てくるわけでございまして、技術的な問題もございますし、運用的な問題もあるわけでございまして、現在そういった面につきまして種々調査研究を進めておるわけでございますが、来年度からは地上用で使えるような装置につきましても電波研究所で試作をいたしまして、各種実験を行いながらできるだけ早く実用化のめどをつけたいというふうに考えておるわけでございます。 しかしながら、国民一人一人が使用できるというような方向にいくかどうかということにつきましても、実は現在直ちに申し上げられる段階ではないわけでございまして、また、いつごろになれば実用が可能になるかという問題につきましても、現在の段階といたしましてはできるだけ早くということで努力をいたしたいという段階でございます。
○田中(昭)委員 あなたはこの国際会議の、委員会の総会の議長もされたんですが、それにしてはいまのお答えは余り要領を得ぬ話だったと私は思うのですよ。ということは、確かに言われたことは間違いじゃないでしょうが、しかし、こういう問題、いわゆる国民の一人一人が移動通信波を持てるということですね。たとえば腕時計みたいなもので世界じゅうのどこにおっても通信ができるという、そういうものがアメリカで二十数年前から研究されておったとあなたはおっしゃるが、ところが話の後段によると、実はこれは鹿島の研究所でも十数年前から研究をやっているのでしょう。原理はわかっておったと言うのです。あなたはことしか来年から地上の研究をやると言うけれども、実際この原理に基づいたものを通信衛星を通してやっておったという報告があるのですよ。こういうものがあるなら、いまの電電公社がやれ自動車電話をつくるとか、そういう問題はこの技術革新の中で一遍で吹き飛んでしまうのですよ。こういう問題が現実に行われておるのですからね。そうでしょう。 それで、私は最後にもう一つ、大臣もお見えになったから申し上げておきますが、もともとこの電波は国民一人一人のものであるという大前提がなければいかぬと思う。しかし、現在の電波の使用の仕方というものは全然公平を欠くということを言われることが多々あるわけです。こういう中で、先ほどから言いますように、この拡散方式によりますといままでの電波の使い方と全然逆な発想での使い方だそうでございますが、こういうものを鹿島研究所で十数年前から研究して、ある程度の、実験もやっておるということでございますから、郵政当局としてはこれに本気になって取り組んでもらって、そしてその成果を国民にも享受させてもらいたいと思うわけです。大臣はいま来られたから話の内容がよくわからぬと思いますが、いずれにしろ電波は国民のものであるという立場に立って、ようやくその方向が見出されたのですから、これは当然そういう方向での実験の取り組みと実用化を進めなければならないと思いますが、いかがですか。
○服部国務大臣 御了解を得て参議院の本会議に出ておりましたので、御質問の趣旨は十二分に踏まえておらないわけでございまして、答弁は的確を欠くかもしれませんが、その点まずお許しを願いたいと存じます。私は留守でも、責任ある電波監理局長が十二分に拝聴したと思います。 私は本省に帰って先生の御意思を局長を通じてよく承って、御指摘の電波はすべて国民の共有財産であるという精神を基本に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 また、スペクトラム拡散通信方式ですか、これはにわか勉強いたしましたが、これを頭に吸収することはなかなか困難でありましたが、これは周波数の有効利用を図ることのできる通信方式でありますが、地上通信に利用する場合にはまだ技術的に解決をしなければならない数多くの問題があるようでございます。また、御指摘の鹿島で数年前から研究に取り組んでいるということも聞いております。今後は積極的にこの問題の解決に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○田中(昭)委員 時間ですから、終わります。
○米田委員長代理 青山丘君。
○青山委員 私は、郵便事業の収支関係について若干お尋ねをいたしたいと思います。 昭和五十三年度の郵政事業特別会計予算で、このたび補正減となってまいりましたが、その理由についてまずお尋ねをいたします。
○河野(弘)政府委員 お答えいたします。 郵政事業職員の給与に関する仲裁裁定は、これはすでに実施されております。また、人事院勧告に伴います給与改善は、これは一般職の給与法の適用職員でございますが、一般職の適用職員の分につきましても実施が予定されているわけでございます。このために必要といたします経費は三・二%分でございますけれども、これが給与改善原資として計上されている予算の範囲内でございます。したがいまして、従来計上されております予算に余剰が生ずるということのためにこれを修正減額することといたしたわけでございます。 なお、最近におきます経済情勢、たとえば円高等によりまして不要となります物件費、これは電灯料あるいはガス料金の割引分でございますけれども、これについてもこの際減額しようということで、この補正をいたしたわけでございます。 今回の補正の結果、当初予算に計上されておりました五十三年度におきます単年度の収入不足分は三百七十六億円であったわけでございますけれども、これを百二十五億減少いたしまして、単年度の収入不足分は二百五十一億ということに相なったわけでございます。 一方、五十二年度末におきます赤字借入金でございますが、これは決算結果でございますけれども千六百九十五億円の赤字になっておりますが、これに五十三年度末の収入不足分二百五十一億円を加えますと、五十三年度末におきます累積赤字借入金が千九百四十六億円現在見込まれているところでございます。 以上でございます。
○青山委員 補正減後の郵便事業の収支はどうなってまいりますか。
○河野(弘)政府委員 先生のいまの御質問でございますが、五十三年度の収支につきましては、当初は収支予定としまして、先ほど申し上げたところでございますけれども、三百七十六億円が赤字として見込まれておったわけでございますけれども、今度の補正によりまして百二十五億円借入金を返済できるような状況に相なりましたので、収支といたしましては、現段階におきましては二百五十一億の赤字ということになっております。
○青山委員 ことしは二百五十一億円の赤字で、五十一年度と五十二年度では黒字決算となっておりますが、これはバランスがとれておったというべきでしょうか。そうなっておった理由は一体何ですか。
○河野(弘)政府委員 お答えいたします。 郵便事業につきまして、五十一年度は六百一億円、それから五十二年度につきましては百八十三億円ということで、単年度黒字となっております。 五十一年度につきまして、この理由でございますけれども、予算に比べまして、これは料金改定によるものでございますけれども、若干の増収がありましたこと、それから職員の退職手当、期末手当等人件費で二百七十三億円浮いたということ、それから賃金や集配運送費等の物件費の使用に当たりまして極力効率的に節約するように努めまして、八十七億円の節減を図ることができましたこと、さらに四番目のものでございますけれども、御承知のとおりベースアップがこの五十一年度におきまして従来に比べて低かったわけでございます。 ちなみに申し上げますと、五十年度が一一・七六%であったわけでございます。しかしながら、五十一年度におきましては六・四七%ということで低かったこと等によりまして、当初予定いたしておりました予備費、これは二百億でございますが、これを全部使用しないでそのまま残すことができたことなどによりまして六百一億円の黒字となったものでございます。 それから、五十二年度につきましては、料金改定後の郵便物数の減少傾向が容易に回復いたしませんで、収入は予算に比べまして減収となったのでございますけれども、五十一年度と同様にベースアップが六・八二%と低かったことによりまして、予備費を五十一年度同様全部使用しないで済んだということ、あるいはまた最近の経済情勢を反映いたしまして、退職者が予定しておりましたよりも少なかったということ等によりまして退職手当の節減を図ることができたこと、さらにまた前年度と同じく賃金、集配運送費等の節約に努めた結果百八十三億円の黒字ということになったわけでございます。
○青山委員 退職手当の減額が相当あったということですが、これはどういうことでしょうか。 それから、合理化による減額というのはどういうことでしょうか。
○河野(弘)政府委員 現在の社会情勢からいたしまして、その年間におきます退職者の数が比較的少なかったということでございます。したがいまして、相当数を見込んでおりました以内の退職者で済んだために、予算上計上いたしておりました退職金が余剰を生じたということでございます。 それから、経費節減の問題でございますけれども、これは私たち経理を預かる者といたしまして、当然に日々冗費を出さないように努力するということからいたしまして節減に努めた結果、一般的な結果でございます。 〔米田委員長代理退席、田中(昭)委員長代理着席〕
○青山委員 郵便料金が改定されて後に郵便物数が相当減った、郵便物数は減っても、それでも黒字であったではないかとおっしゃるかもしれませんが、しかし、内容を調べてくると、第一種から第二種へうんと転換されてきているので、利用者は敏感に反応しているわけですね。 この郵便物数は調べてみますと、昭和五十二年度が百三十七億六千三百万通で、前年に比べて七億通以上回復はしているのですが、それでもまだ料金改定前には戻っていない。これは国民の一つの郵便離れになっておるのじゃないか。昭和二十年代の混乱期以降は、郵便料金改定があっても前年に比べて物数が減ったということはなかった。にもかかわらずこのたびは大幅に物数が減って、しかもまだ改定前の物数に回復しておらないということに対して郵政省はどういう物の考え方でおられるのか。 私は、郵便に対する国民の気持ちが離れていった大きな原因について、料金改定がきわめて大幅であり過ぎたのじゃないかという気持ちがするのですが、郵政省の御見解を伺いたい。大臣、いかがでしょうか。
○江上政府委員 料金改定の幅が大変に大き過ぎたので郵便の量が減ったのではないかという御指摘でございますが、五十一年から郵便料金の改定をいたしたわけでございますが、実は、郵政省といたしましては、四十八年、四十九年、五十年というふうに料金を改定いたすべく努力をいたしてまいったわけでございますが、当初考えました案が三十円、二十円というような審議会からの答申をいただきました。ところが、いろいろな情勢から公共料金の据え置きというような方針が出された、あるいはその後狂乱物価というような事態が起こったというようなこともありまして、最初に料金改定を企画いたしましたときから三年間据え置かれることになりまして、その結果大変大幅な郵便料金の改定をいたさざるを得なくなったという事情がございます。 このような事情が郵便の利用というものを減らしたという御指摘は、その大きな一つの理由として挙げられようかというふうに存じております。 〔田中(昭)委員長代理退席、米田委員長代理着席〕
○青山委員 大臣、これはぼくは異常事態だと思うのですよ。かつてこういうことはなかったでしょう。にもかかわらず、こういう事態に対して、それはどうしても経費というものは値上げをしなければやっていけないという宿命みたいなものがあるでしょうが、しかし、大きい動きの中では物数がまだ改定前に回復していないということはかつてなかったことなんで、こういうことを厳しく受けとめていっていただかなければならぬのじゃないかと私は思うのです。 そういう意味で、郵便物数の推移あるいはこれからの見通しについてどのように考えておられるのかということと、もう一つは、第一種から第二種の郵便物へ敏感に移行しておりますが、これらの物数はどの程度移行しておるのかということ、これをお尋ねいたします。
○服部国務大臣 五十一年の一月に実施しました郵便料金改定後の物数の動向を申し上げますと、五十一年度は五十年度に比して七・八%の減少となりましたが、五十二年度におきましては回復のの傾向を示し、対前年度比五・七%の増加となりました。また、本年度に入りまして、四月から七月までの累計では二・五%の増加となっております。 今後における郵便物数の見通しにつきましては、経済情勢のいかんや郵便料金水準などの不確定要素が多く、これを的確に予測することはなかなか困難でありますが、今後情報化社会の進展に伴って流通情報量はますます増加していくことが予想されるので、郵便の需要も業務用郵便を中心として安定的に増加していくものと考えております。 しかし、五十一年の一月に料金改定を行って、五十一年度は七・八%の減少となったことは御指摘のとおりでありまして、値上げによる影響だと受けとめねばならないと思います。 しかし、また一面、御承知のとおりにこれはサービス業務でありまして、郵便によるいろいろな業務を遂行するについて、やはり現在よりサービスを低下さすことは許せない、よりサービスの向上を図らねばならないとなりますと、物価の上昇、すなわち資材、人件費、輸送費等いろいろな面で上昇いたしますから、ある程度利用者負担という点で御理解を仰がねばならないと思います。 いま一つ、郵便物数についての将来の見通しで一つの非常に暗い点は、電話がほとんど各家庭に入りまして、正直言って都内ならその方が安くて早くて的確で、返事も取れるわけですから、この影響もかなりこうむっていると思うのであります。そういったものも含めて今後どのような方向づけをして健全な郵務行政をとっていくかということはさらに検討を要する問題であり、われわれもしっかりとひとつ勉強してまいりたい、かように考えている次第であります。
○青山委員 私も、これから郵便の物数が順調に回復していくだろう、伸びていくだろうというふうに見ています。ただ、しかし、これは郵便の物数から見ていけば伸びていくでしょうが、他の通信手段と比較していきますと、明らかにこれは大変な低下だと言わなければならぬと思うのです。 一体郵便というのは何だということですが、ニュースであればいま大臣がおっしゃったように電話の方が早く通じるわけで簡便ですし、早い。そうすると物なのかといいますと、物だったらいまいろいろな運送手段がありますから、郵便事業というのは国家の独占事業なのだといってそういつまでも安閑とはしていられることじゃないと思うのです。したがって、郵便の果たすべき役割りというものは大変重要なときに来た、郵便というのは一体どのような機能を果たせばいいのかという最も基本的な問題で検討しなければならないときだと私は思うのです。 たとえば五十一年、五十二年と黒字でやってこられたのですが、郵便と商売がたきと言っていいかどうか、電話の収入が五十一年では二兆二千三百七十三億で、五十二年では三兆六百億です。これは郵便の利益の伸び率と比較すると一対三から一対四です。一対五まではいきませんが、三十年前の一対二に比べれば電話の方が大変伸びているわけですから、郵便としてもこれは深刻に受けとめて、郵便事業の果たす役割りというものを基本的に考え直さなければならない問題があるのではないか。そういう意味で後でちょっと速達についても触れたいと思いますが、そういう点では大臣はそういう御見解、御認識を持っておられると思うのですけれども、あえていま一度大臣の現在における郵便に対する認識、御見解を伺っておきたいと思います。 〔米田委員長代理退席、鈴木(強)委員長代理着席〕
○服部国務大臣 御指摘どおりきわめて厳しい経営状態であることは私も否定はいたしません。 そこで、郵便事業というのは人力に負うところがきわめて多いわけでして、省力化やまた合理化という点についてもなかなか容易な問題ではございません。しかし、われわれはこういった問題にきわめて関心を持ち、いろいろな機能を増強いたしまして、少しでも経費の節減につながることには積極的に取り組んでおりますし、また、省議を初めいろいろな会合にも特にこの問題を取り上げて協議をいたしておりますが、さりとて、正直申し上げてなかなか名案は浮かんでこないわけであります。 そこで、いま、配達の方法について、このように持っていけばこれだけの経費が節減できるではないかとか、二度配達を一度にさせてもらうとか、また、新しい団地には入り口に一つの集約した受け口をつくってもらうとか、高層ビル、普通ビル等についていろいろと私たちなりに考えておりますが、先ほど申し上げたとおりにきわめて厳しく、とても暗い見通しであるわけでありまして、かくなる上は、この郵便事業を進めていく上において、われわれも利用者の国民に理解と協力を求める必死の努力を払わねばならない。したがって、いままでのように官営事業だという上にあぐらをかかないで、本当に虚心に事業家的感覚で内容をいろいろな機会を通じて知っていただいて理解と協力を得ない限り――正直申し上げて、こういうものは年々歳々値上げ、値上げとばかりやっていてもこれは限界が来るわけでありますから、まず利用者の理解と協力を得ることが今後の存続に大きな影響力を持つと考えて、まずその方面に力点を置いて努力を続けてまいりたい、かように私は考えている次第であります。
○青山委員 大臣の御見解は全くそのとおりだろうと思うのでありますが、郵便局がこれから生きていく道を模索する必要があると私は思うので、その意味で、これは郵便でなければならないということで、国民が理解をして使用されておるのが実はいまは速達なんですね。その速達が、配達区域が何キロだとか管轄区域が何だとかいろいろ理由を言われて住民サービスがなかなかされておらない。 私は、適正な事業は適正な負担はやむを得ないという考え方です。ですから、その意味で郵便事業の中の速達が果たしてきた役割りというものは非常に大きいと思っているのです。そういう点では速達配達に対してかなり前向きに取り組んでいただくことが、料金を多くするなんということが出てくるかもしれませんけれども、確実に早く送達されるものなら利用者は理解をするものだと思って、速達区域について若干質問させていただきたいと思います。 去る三月二十九日の小宮委員の質問に関連しますが、速達区域外の周知についてはその後どのような努力をされてこられたのかという点と、郵便事業の中の速達の果たす役割りという点、この二つの点について御見解を伺いたいと思うのです。
○江上政府委員 第一番目の速達区域外の周知についてその後どのように扱ったかという点でございますが、幾つかの点につきまして努力をいたしてまいってきたわけでございますが、第一番目に郵便ポスト、これは全国で十三万九千本ございますが、この全部に、「速達区域外の地域がございますので、必要の場合には郵便局で十分お確かめください」というステッカーを掲出いたしました。 第二番目に、郵便局の窓口におきまして速達配達地域の掲示を徹底するようにいたしました。 第三番目に、郵便局に備えてございます速達便覧でございますが、これは従来二万五千部ほど備えてございましたが、四万部に増配備をいたしました。 そのほか、四番目には郵便番号簿ですが、これは東日本に二年に一遍配布することになっておりますが、十月から十一月に、まだ配布をされていない地域もあるいはあるかと思いますが、一千九百五十六万部のものを東日本の地域に配布をいたしまして、その郵便御利用の手引きのようなところにそのことを書いておくようにいたしました。 それから。パンフレットで「目で見る郵便」というのがございますが、これを十六万部。さらに「郵便ミニガイド」というものでございますが、郵便局の窓口に置いてありますものを百十万部。それから「ポストマン」という一般の方に配布をしておる雑誌がございますが、これを五万二千部。こういうこと等によってとりあえず周知を行いました。 じみな周知方法ではございますけれども、今後とも速達配達地域の周知につきましては心がけてまいりたいと思うわけでございます。 郵便を御利用いただきます場合には、その郵便の利用制度というものを知った上で御利用いただくということがやはり肝心だと思いますし、と同時に、御利用いただく方とサービスを提供する側の両方の協力関係で郵便のサービスというものは成り立つと思いますので、御利用いただく方にもできるだけ御理解をしていただきたいということで努めていきたいというふうに思います。 第二番目は、速達というものの郵便事業の中における役割りという御指摘でございますが、現在速達郵便物は年間三億通を超しております。三億ないし三億五千万程度の速達の御利用があるわけでございます。かつては、早くに生きた文字を届けるという点においては速達以外には手段がなかったろうというふうに存じますが、ただ、今日現在におきましてはファックスというものがかなり普及してまいりましたので、速達のみがひとり生きた文字を早くに届ける手段ではなくなりつつあるというふうに思います。ただ、とは申しましても、郵便が持っておりますところの現物性であるとかあるいは情緒性といったようなものにつきましては他に代替しがたい特徴もございますので、この制度につきましては今後とも大事に取り扱っていきたいと思います。 ただ、世界的に見ました場合には、先生も御承知のようにすべての国で速達の配達区域というのは設定をしておりますし、かつまた速達を全然扱っていないという国もございます。ただ、日本の国のような場合に、速達を扱わないということに今後割り切っていくということは考えておりませんし、実情に応じて充実していくような方向で進めていきたいというふうに考えております。
○青山委員 郵便事業の中で速達の果たす役割りというものが認識がちょっと違うかもしれないけれども、時間がありませんのでそればかりに触れておれませんが、速達の配達区域外の世帯数はどの程度減少しておりますか。ことしの春の質問以降ですから余り日にちがないとおっしゃるかもしれませんが、ちょっと聞かせてください。
○江上政府委員 これは過去五年間実施いたしました結果、速達配達地域に編入をされました世帯数が十二万世帯ございます。 しかし、一方では、区域外でも核世帯化の影響を受けまして若干世帯数がふえておりますので、十二万世帯がそのまま減ったというふうにはわれわれ認識いたしておりません。減り方につきましては、目立って減っているという認識は持っておりません。
○青山委員 私は速達が大きな役割りを果たしておるという立場に立ってお聞きするのですが、将来速達配達区域外の解消についてはどのように進めていかれるのか、お尋ねします。
○江上政府委員 従来ともじみではございますが努力を続けてまいったということはただいま御説明したとおりでございます。ただ、今後、地域の発展状況であるとか郵便の財政事情、要員の事情等というものを総合的に勘案しながら、一次的には大都市周辺、発展地帯等、その必要性の高いところについて逐次実施していきたいと存じております。 ただ、速達の配達地域内の利用物数というのは九八%を超えておりまして、仮に速達区域外を全部速達区域に編入するということをいたしますと、これは非常にラフな試算でございますが、料金面においておよそ五割程度は高くなるのではないかと思います。そういたしますと、二%の物数をお届けするために残りの九八%の料金を相当上げるということについては、かなり慎重に対処してまいらなければいけないというふうに存じますので、まずは必要度の高いところから実施をさせていただきたいというふうに思います。
○青山委員 確かに一〇〇%実施するということはなかなか容易じゃないということは私も理解していますよ。ただ、現実生活の中で郵政の対応が若干おくれているという部分は現実にはあるのです。他の行政機関がわりあい大胆に対応しているという姿勢に比べて、一々言いませんが郵政の対応がおくれている部分がありますので、その点はぜひ柔軟に対応していただきたいと思います。そして、ある程度のニーズにはこたえているんだと自負できるところにまで拡大していっていただきたい。これを要望しておきます。 それから、郵便切手売さばき手数料の関係についてお尋ねしますが、郵便切手類売さばき手数料の引き上げがいま検討されていると聞いておりますが、どの程度の引き上げ率を考えておられるのか、そしてそれはまたどういう背景とどういう理由なのか、御説明いただきたいと思います。
○江上政府委員 売さばき手数料は五十二年一月一日に改正されまして現在に至っておりますが、その間人件費施設費等いろいろ見直しをしなければならないような諸事情もございますので、私どもといたしましては、そのような諸事情を踏まえまして、これから政府案を固めてまいりたいというふうに存じております。 ただいまのところ政府の案としては最終的に固まっておりませんので、もう少し時間をおかしいただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、何らかの形でお願いをいたすことになろうかと思います。
○青山委員 郵便切手類売さばき手数料の引き上げについては前々からいろいろ論議されてまいりましたし、売りさばきをしておってくださる多くの方々にこたえていきたいと私どもも考えて、ぜひこの引き上げ率を上げていただきたいと思います。 手数料の中に含まれている経費についていまちょっと触れられたが、人件費だとか施設費に対する考え方は従来と同じかどうか。 それからもう一つ、これまで国会でたびたび検討すると答弁してこられた切手の保管箱を郵政省が提供することについてはその後どうなっておりますか。早急に提供すべきであると私は思うが、いかがでしょうか。
○江上政府委員 人件費、施設費等につきまして従来と同じ考えであるかということでございますが、この点についてもただいま鋭意検討を急いでおるところでございますので、案についてはもうしばらく時間をおかしいただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、同じでいいかどうかということも含めまして検討をさせていただいているところでございます。 それから、切手の保管箱でございますが、売さばき所というのは、千差万別といいますか、実態的に大変にバラエティーに富んでおりまして、たとえば毎月の買い受けの額を見ましても、ある月はゼロというところから、数千万円、場合によりましては億単位に上るようなところもございまして、非常に大きな格差がございます。それと店舗の置かれている地況であるとか店舗そのものの状況、態様がまちまちでございまして、いずれにいたしましても、郵便局で置きますように一律の保管箱を配備するというようなわけにはなかなかまいらないわけでございます。そこで、売さばき所の数というのはおよそ十一万五千ぐらいございますが、この実態に合わせてこれを配備するというのは大変むずかしいことでございますので、従来はいわゆる手数料の中に含めまして差し上げる、売さばき所をそれぞれ実態に合ったようにつくっていただくという考え方をとってきたわけでございます。 そこで、ただいま御指摘のような方策をとりますと、その分は手数料から差し引くということに相なるわけでございますが、現在のところ実態が非常に複雑でございますので、私どもといたしましては、手数料の中に保管箱の料金を含めて、実態に合うような形のものをお備えいただく方が実情に沿うのではないかと存じております。 なお、実際に売さばき人の御意見もさらによく伺ってみたいと存じております。
○青山委員 売さばき人が郵政職員の方に率直に本心を打ち明けられるかどうかという問題もありまして、その辺もしんしゃくしながら考えていただきたいのですが、千差万別あって、本当に売れないところからものすごく売っておられるところもありまして、一律に物を考えるというのは間違いだろうと思うのです。 ただ、しかし、ずいぶん田舎の方で少額の売りさばきの方は、いろいろな条件で切手、印紙の機能を十分果たし得る形で保管できるかどうか。確かにいま保管箱が用意されておるから、現状はきっとこれでいいということなのでしょう。しかし、郵便事業の一環として売さばき人が本当に率直に喜んでいただけるような、たとえば看板にしても保管箱にしても、本当はある程度の量を処理されるというか売られる規模のところまでは、つまり数の少ないところについての保管箱については別途十分考える価値があるし、また考えていかなければいけないのじゃないかという考え方を私は持っているのです。これはぜひ検討していただきたいと思います。 時間があと少しになりましたので先に進ませてもらいますが、この十月の国鉄のダイヤ改正に伴う鉄道郵便局の合理化というのはどういうものでしょうか。
○江上政府委員 十月のダイヤ改正に伴います輸送施設の改廃の主な内容でございますが、東北本線の関係でかなり大きな改正がございました。 従来上野駅発あるいは着の旅客列車に連結されていました郵便車でございますが、これが全部上野駅から発着をしないことになりまして、すべて荷貨物駅でございます隅田川駅の発着の荷貨物専用列車に集約をされることになりました。それと同時に、いままでとまっておりました駅でとまらないところが出てきまして、主要な駅だけに停車するということになってきたわけでございます。 それに伴いまして、郵便輸送につきましては、とまらない駅、不停車となる郵便局あてのものは停車をいたします拠点局に一括して輸送いたしまして、拠点局から郵便局に輸送するという相互間の自動車便を整備するようにいたしたわけでございます。 それから、千葉県下につきましては、これは国鉄が郵便を積まなくなりましたので、自動車便化いたしました。 それから、さらに、東京駅に発着しておりますところの郵便車は廃止をされました。これを汐留に大部分を移したわけでございますが、そのほか一部ローカル路線の鉄道便の自動車便化等を実施したわけでございます。 これらに関連いたしまして、東京鉄道郵便局の東京駅分局でございますとか、あるいは両国分局あるいは千葉の分局というような三つの分局を廃止いたしまして、東京地区に発着する郵袋の継ぎ越し業務を円滑に行いますために、新しく東陽分局というものを設置いたしたわけでございます。 その他、所要の改正を若干いたしております。
○青山委員 郵政のそうした意向に対して時間外拒否闘争が行われたようでありますが、郵便物の滞貨はどの程度発生しておりますか。
○江上政府委員 時間外拒否闘争は、八月十六日から組合が時間外の拒否に入ったわけでございますが、八月の下旬から九月の上旬にかけまして、ピークのときで配達郵便物でおよそ三百万通が滞貨をいたしました。
○青山委員 新聞で報道されるところによりますと、国鉄ダイヤ改正に伴う鉄道郵便局の合理化案に対して順法闘争に入ったということで、「時間外労働を拒否し、ことさらに能率をあげない業務規制闘争にはいった。」と報道されておるのですが、大臣、ことさらに能率を上げない闘争ということが心ある国民に理解されるという感覚は、これは大変なことだと私は思うのです。 能率を上げない闘争、国民に奉仕しない闘争ということに対して、郵政事業に携わっておられる人たちの感覚に対して国民は相当な憤りを持っておられるのだが、こういうことに対して責任者である大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○服部国務大臣 いわゆる順法闘争による郵便物の滞留につきましては、国民の皆様に多大の御迷惑をおかけしましてまことに遺憾に存じております。 郵便物の配送につきましては、省といたましては、国民の皆様への影響を最小限に食いとめるために、非常勤職員の雇用などにより極力努力いたしまして、この闘争期間中に発生いたしました違法な行為につきましては、適時適切な作業指示、業務命令を発するとともに、悪質な行為については厳正な措置をもって臨んでまいったところであります。 今後はこういう問題についてもきわめて厳しい姿勢で対処し、また片方労使間で十二分に話し合いの場を持っていただいて、国民に迷惑をかけないように努力をするつもりでございます。
○青山委員 私が心配しておるのは、国民の郵便事業に対する信頼感をこういうことによって著しく傷つけているんじゃないかということなんです。これまで法律を破ってストライキが繰り返されてきたことに対しては私もずいぶん憤ってきたのですが、幸いにしてことしはなかったのでよかったと喜んでいるのですが、しかし、こういうことが新聞で報道されますと、ことさらに能率を上げない闘争なんて国民は理解しません。ですから、郵便事業に携わるすべての人がより能率を上げて国民の要請にこたえていくという姿勢をぜひ打ち出していただきたいと思うのです。 そこで、鉄道郵便局の将来についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。
○江上政府委員 鉄道郵便局の将来像というのは、私どもとして図面を描くのに大変むずかしい点がございます。と申しますのは、国鉄輸送の将来の動向ということが中心になりますので、私どもが考えます場合にはどうしてもある程度受け身にならざるを得ないところがございます。 基本的に申し上げますと、郵便物の量と輸送力との関係、それから郵便物の種類と送達の関係、さらには鉄道郵便施設の改善可能状況等の要素等を分析いたしまして、これは絶えず行っておるわけでございますが、鉄道郵便と最も関係の深い国鉄輸送の将来動向というものをよくにらみ合わせていくということになろうかというふうに存じます。 省といたしましては、いずれにしても安定した効率的な郵便輸送を展開していくということが一番大事だというふうに思っておりますので、その他鉄道、自動車、航空というような各種の機関の将来動向につきましても留意しながら、鉄道輸送の大量輸送という特徴に着目をして将来像を描いていくということになろうかと思います。
○青山委員 時間がありませんので先に進ませてください。 現在、北朝鮮との外国郵便の交換はどのようになっておりますか。
○江上政府委員 御質問の件でございますが、万国郵便条約の枠内で処理をいたしておるわけでございます。 現在、お尋ねの国との間に直接の交通機関がございませんので、中華人民共和国あるいはソビエト連邦というところを経由して郵便を届けているということでございます。
○青山委員 私がこれを取り上げさせていただくのは、実はほかに理由があるのです。 北朝鮮とは現在国交がない。そして、消息を伝える手紙が行っているのかどうかということがなかなかわからない。日本人の女性が朝鮮人男性と結婚して北朝鮮に渡ってから消息を断ってしまっている。伝え聞くところによれば、異郷に難渋の日々を送っている。それを年老いた両親が遠い日本の空からしのんで、本当に悲しい思いをしながら安否を気遣っているわけです。これはいまの段階では解決できないということなんでしょうが、人道問題として、政治の力をかりていかなければいけないことで、これらの問題は、安否を気遣いつつもその生活しておる姿がわからないし、また、こちらから出した手紙が無事着いているのかもどうなのかもわからないというのが実情なんです。 それで、こういう問題を放置されておくということは許されないと私は思うのですが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○服部国務大臣 御指摘の問題は、お取り上げになった青山先生のお気持ちも十二分に理解できますが、国際的な問題、法律的な問題でございますので、担当の郵務局長から答弁をさせたいと思いますので、御了承を願います。
○江上政府委員 人道上の問題からという点については一応さておきまして、現在の実情について申し上げたいと思います。 私ども、ごく最近にその郵便物につきまして、特に最近不着等の事故が多いというような状態があるかどうかということを調査してみましたが、目立った顕著な事実はわが国の国内においてはございませんでした。ただ、向こうに到着いたしましてから郵便物がどのように処理されているかということについては、現在掌握をいたしておりません。 ただ、不着の場合には取り調べ請求という制度がございますので、郵便物が相手方に届いたかどうかということは、御本人からのお申し出があれば、私どもを経由いたしましてお調べすることはできるというふうに存じております。
○青山委員 私が大臣に尋ねておきたいのは、郵便というのは、現物性ということを考えれば、向こうに着けばそれでいいではないかということなんでしょう。あるいは外交が閉ざされているので着かなくとも仕方がないと思われるかもしれませんが、郵便の本来の目的というのは、そこに書かれておる内容がきわめて重要であるわけで、したがってそこには気持ちも入っている、心も通ずるということですから、政治の体制が違うからそれは届かなくても云々ということではなしに、内容を伝えていくという立場からすれば、日本の国内では六千人とも九千人とも言われているのですけれども、これらの多くの人たちについて、肉親の方々に気持ちが通じられるような配慮をぜひしてほしいという意向が強いわけです。 そういう意味で、ひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
○服部国務大臣 私も全く青山先生のお気持ちを理解することができますので、いまここで局長を呼んで、どうだ、何とか打つ手はないのかと正直聞きましたが、残念ながら国交がないために、その図ではなかなか容易ではない。しかし、何か、相手国は万国郵便協会か連盟かに加盟しているようでございますので、そういった機関を通じて努力をするなり、まあ、現在ソ連、中華人民共和国経由で確かにこの交換がございますので、そういった機関を通じて何とか打つ手がないか、ひとつ大いに検討してみたい、かように考えております。
○青山委員 ぜひいまのような努力をして、国際連合や赤十字国際委員会等の国際機関に働きかけて、ひとつこちらの意図するところをくみ入れていただきたいと思います。 それから全く違った問題になりますが、外国郵便の円高差益はどういう理由で発生しておるのか、差益の額はどの程度か、また、この円高差益についてはこれからどのように考えていかれるのか、簡単に答えてください。
○江上政府委員 簡単にお答えいたします。 外国郵便料金は、国内取扱費のほかに国内の航空会社または船舶会社へ支払う運送料と外国郵政庁への支払いで、これは中継国またはあて先国の取扱経費及び外国系の航空会社へ支払う運送料といったようなものから成り立っておるわけでございます。 原則的に申し上げますと、日本から出ていきます郵便と外国から到着する郵便とはほぼ量が同じでございますので、相殺をされまして、円高の差益というものはそんなに出てまいりません。ただ、日本から出ていくものが若干多うございますので、年間を通じますと三億円程度の差益と言えば差益が出ておるわけでございます。 したがって、これをどのように取り扱うかということになるわけでございますが、せんだって御審議をいただきました本年度の補正予算でございますが、二百五十一億円の赤字が出ておるわけでございますが、もしこれに相当する差益分がなかったとすれば、その差益分が赤字として上乗せになるということでございまして、赤字の一部補てんに充てさせていただくという形で還元をさせていただくことになります。
○青山委員 いよいよ時間がなくなってきましたので、最後にデータ通信についてお尋ねしたいと思います。 郵政省はデータ通信の高度化推進と開発調査を本格的に取り上げられることになって、特別立法を来年の通常国会に提出されると聞いております。また、同法案に基づく認可法人を設立されるということも聞いておりますが、この辺の構想はいかがでしょうか。要綱を発表していただければお聞かせいただきたいと思います。あるいは構想でも結構です。
○寺島政府委員 お尋ねの件でございますが、お話のとおり、現在データ通信を主管いたしております郵政省といたしまして、データ通信の将来を考えます場合に、その高度化と普及ということはぜひやっておかなければならないという考えに立ちまして、次期通常国会に、まだ仮称でございますけれども、データ通信振興法というようなものを提出いたしたいということで、目下鋭意作業を進めておる段階でございまして、その内容につきましては、残念ながら現在の時点ではまだ固まっておりません。したがいまして、なおいろいろ各方面の御意見等を聞きながらいま内容を鋭意固めておる段階でございますので、ひとつ御了解をいただきたいと存じます。 それからまたデータ通信振興事業協会というのも、これもまだ一つの仮称でございますけれども、先ほど申し上げました普及と発展を図るという立場から、その推進機関としてこういうものの設立も検討しておる段階でございます。
○青山委員 アメリカにおいては全国的に張りめぐらされた通信ネットワークを利用したデータベース・サービスが実用化されて、科学技術を中心とした文献情報あるいは経済、産業、統計などのデータ情報が全国的なオンラインネットワークによって大学、研究所、企業等において広く利用されていると聞いております。また、ヨーロッパにおいても、ECが中心となって全ヨーロッパを網羅したネットワーク、いわゆるユーロネットを形成して大規模なデータベース・サービスを近く開始しようとしていると聞いておりますが、これらに比べてわが国の現状はどうなっておりますか。お尋ねいたします。
○神保政府委員 お答えいたします。 いま先生から御指摘がございましたように、すでにアメリカでは電気通信回線を用いましてコンピューターにおさめられました文献情報とか特許情報とかいろいろな情報を利用者に提供するという、いわゆるオンラインのデータベースというものが全国的なネットワークで行われておりまして、日本でもいろいろな方面でいろいろ努力しておるわけでございますけれども、アメリカ等に比べますとまだ不十分な現状でございます。 数の件につきましては、どういうものをオンラインのデータベースとしてカウントするかということは、いろいろな数え方がございますので余りはっきりした数字というわけではないわけでございますけれども、一つのデータといたしまして、たとえばアメリカでこういうようなデータがございます。 市場規模といたしまして、米国のある調査会社の市場調査によりますと、一九七六年には七・四億ドルであったものが一九八〇年までには十一億ドルになるであろう、それからまた米国で作成されているデータベース、たとえば文献情報の場合は二百種以上あって、そのデータは約五千八百万件にも達しておろうと、こういうようなことでございまして、さらにその中でオンラインの――これはデータベースと申しますとオンラインだけではございませんでオフラインのものを含むわけでございますけれども、オンラインのデータベースというのがどのくらいのものかという提供形態、これも実ははっきりした数字はないわけでございますけれども、大体の感触といたしまして、データバンク業者が約百社ぐらいあるわけですけれども、その中の九〇%ぐらいはオンラインで提供しておるんじゃないかということで、さらにオンラインデータバンクと申しますものは、タイムネットとかテレネットとかいうデータ通信専用のネットワークに結合いたしまして全国的なサービスを提供しておるというような状況でございます。 では、わが国ではどういうことかと申しますと、先ほど申し上げましたように、どういうものをオンラインのデータバンクとカウントするか。たとえば先生もよく御承知の国鉄のみどりの窓口とか、それから運輸省でやっております車検登録とか、こういうものもカウントするのかしないのか、いろいろな考えがあるようでございますけれども、そういうものを含めましてもまだやはり緒についたばかりだということでございまして、科学技術情報の文献といたしましては日本科学技術情報センター、これは特殊法人でございますが、科学技術庁が主管いたしますそういうようなところとか、それから経済情報といたしましては日本経済新聞社というようなところがあるぐらいでございまして、まあ、提供システムというのは十ぐらいというふうに考えていいのじゃないかというようなことを一応私どもは現状としてつかんでおるわけでございます。
○青山委員 委員長、質問がちょっとおくれていますが、あと少しですからお願いしたいと思うのです。 アメリカに比べては著しく日本は劣っている。ヨーロッパはいよいよ大規模なネット、システムを結びつけようというので取り組もうという姿勢があるのです。やはり、日本の現状というものはきわめておくれている。むしろアメリカあたりは、日本は情報を持っていくだけであってアメリカへ情報をくれないという感覚のようですね。しかも、それは先進国としての日本の役割りを果たしていないと思うのです。情報というものは、幅広い膨大な情報を的確に処理して、そして必要に応じて迅速に的確に提供、検索されるというシステムが確立していなければならないと思うのですが、現状はきわめておくれているのではないかと思います。しかし、やがてそういう社会的な要請にこたえていかなければならないと思いますので、ぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 国際通信を利用した米国のデータベース・サービスが近くわが国に上陸してくるやに聞いておりますが、わが国の対応はどうなっておりますか。 申しわけないですが、時間がありませんので全部質問させてもらいます。 国内のネットワークの整備、データベースの拡充及びその利用技術の高度化を早急に行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。これは郵政省と電信電話公社の御見解を伺っておきたいと思います。 最後に、国外のデータベース・サービスの利用が先行して上陸してきたということですが、問題点はないのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○神保政府委員 お答えいたします。 いま先生から御指摘がございましたように、データベースのサービスを行いますには、必要な資料とか情報を迅速的確に入手することができるということと、それからそれを検索しやすいような分類加工をするというようなこと、それからさらにはそれをシステムに蓄積して検索する技術を開発するということ、それからそれを利用者に直接使わせるようなネットワークを構築しなければいかぬということ、こういう四つの要素が要るわけでございまして、確かに私どもといたしましてはまだ不十分だと思っておるわけでございますけれども、データ通信を所管する郵政省といたしまして、関連する技術の開発というものを積極的に推進してまいりたいと存じておるわけでございます。 わが国におきましても、やはり、外国のデータベースを利用するということだけじゃなくて独自のデータベースの構築が必要であろうということで、いま申し上げましたようないろいろな要素のものに対しまして、今後の重要な課題として積極的に取り組んでまいりたいということで検討しておる段階でございます。 最後の話でございますが、外国のデータベースがこれからいろいろ入ってくるということに対しまして、使用するユーザーという立場からいたしますと、必要な資料とか情報を迅速に入手できるということは大変有用なことでございますけれども、一方、わが国におけるいわゆるデータベース・システムの構築ということに対しましてどういうような影響があるかということを、これも行く末に対しまして大変重要な課題でございますので、さらに総合的な見地から検討を行って十分に対処していきたいというふうに存じておる次第でございます。
○輿説明員 お答え申し上げます。 先生のただいまの御指摘のように、データベースにつきましては、確かに日本の現状はアメリカに比較しておくれております。これにつきましてはいろいろ理由がありましょうが、何といいましてもこういったものをつくりますためには非常に膨大な経費がかかるというようなことがやはり原因であろうかと思います。これにつきましては、何といいましても国の力をもってやっていかざるを得ないということを私は感じております。 技術面につきましてはわれわれといたしましてもいろいろ検討しておりまして、さっきネットワークというお話がございましたが、ネットワークにつきましては、データ通信専門のといいますか、それに非常にふさわしい非常によい伝送品質あるいはコストパフォーマンスのよろしい公衆データ交換網というようなものをつくりたいと思っておりまして、どうやらこれが研究所を主体といたしまして完成しつつございまして、来年の春にはサービス開始ができる予定でございます。 また、このデータベースを利用いたしますためにはいろいろ高級な技術が必要でございますが、その中で、いわゆるデータベース・マネージメント・システムと申しますが、これをうまく管理していくようなソフトウエアが必要でございますが、これにつきましても鋭意開発中でございます。 また、データベースというのはデータをためておくわけですから、そのための大容量の記憶装置とか、あるいはいろいろな情報を出したり入れたりするわけですからそのための入出力装置、特に日本の場合は漢字が重要でございますが、漢字を使用した入出力装置とか、そういったハードウエアの開発につきましても、通信研究所を主体といたしまして、関係メーカーとも協力して鋭意開発中でございます。 以上でございます。
○青山委員 ぜひひとつ前向きに取り組んで、具体的な成果を上げてくださいますようお願い申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○鈴木(強)委員長代理 次回は、明十九日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時一分散会