商工委員会 第1号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/09/27
会議録
○橋口委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、さきの本会議において、私が商工委員長に選任されました。まことに光栄の至りでございます。 御承知のとおり、現在わが国経済を取り巻く情勢は、ますます厳しさを増しております。特に不況の克服など緊急に解決すべき幾多の問題が蓄積しております。今日のこの情勢のもとに、本委員会に課せられた使命はきわめて重大なるものがあると存じます。 幸い、練達堪能なる委員各位の御協力と御支援を賜りまして、委員会の円満なる運営を期してまいりたいと存じます。 何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○橋口委員長 まず、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 通商産業の基本施策に関する事項 中小企業に関する事項 資源エネルギーに関する事項 特許及び工業技術に関する事項 経済の計画及び総合調整に関する事項 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項 鉱業と一般公益との調整等に関する事項 の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成及びその手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○橋口委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。 鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会 及び 流通に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任に関しては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橋口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――◇―――――
○橋口委員長 次に、通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢橋進君。
○楢橋委員 八月の十二日に日中平和友好条約が結ばれまして、このたび調印の後に初めて閣僚として河本通産大臣が訪中をされまして、日中貿易につきまして矢継ぎ早に会談をされたわけです。 そこで、通産大臣の訪中の結果と日中貿易の拡大について若干の質問をしたいと思いますが、その前に、鄧小平副首相が十月の二十二日から二十九日まで八日間来日されまして、二十三日には日中平和友好条約の批准書交換式が行われると聞いておりますけれども、そういう予定であるかどうかをお聞きしたいと思います。
○河本国務大臣 私も新聞ではそういう情報は耳にしておりますが、正式にはまだ聞いておりません。多分その前後の日程になるのではないかと考えております。
○楢橋委員 本年二月の十六日に調印されました日中貿易長期取り決めによると、八年間で日中の貿易片道百億ドル、往復輸出入で二百億ドル、そういう協定が結ばれたわけですが、すでにわが国のプラント輸出というものが百億ドルを超過しておるわけであります。 このために、通産大臣が中国を訪問されまして増大する方向で取り決めをされたというふうに伺っておりますが、報道によりますと、李先念副首相が長期取り決めの貿易の枠を二倍、三倍、できるだけ大きくやりたいという談話が出ております。また、今後貿易の総枠が一千億ドル以上になるだろうという見方もあるわけでありますが、今度の訪中の内容につきましてできるだけの通産大臣の報告をお願いしたいというふうに思います。
○河本国務大臣 先月十二日に日中平和友好条約が調印をされまして、この条約の第三条には、御案内のように、今後日中両国の経済関係を前進させる、こういうことが明記されております。これを受けまして、具体化させるために今回訪中をいたしました。 中国の国家建設計画は、御案内のように、一昨年、一九七六年から一九八五年までの十年計画で進められておりますが、これは、中国政府首脳の話によりますと、スタート当初は軌道に乗っていなかったが、昨年の後半以降完全に軌道に乗ってきたということであります。私どもも、中国の建設計画を見ておりまして、そのとおりだと思います。完全にエンジンがかかってきたな、こういう感じを受けます。 そういうこともございまして、ことしの二月に八年間の貿易協定ができたわけでありますが、この貿易協定は、御案内のように、日本が八年間に百億ドルに該当する石油と石炭を輸入をいたしまして、その見返りといたしまして、プラント類及び技術関係を約七十億ドルないし八十億ドル、それから建設の機材並びに資材を二十億ドルないし三十億ドル先方に輸出をするという内容になっておりますが、もともと日本から中国へのこの輸出は比較的早く実現する、一、二年の間に実現するのではないかと私どもは考えておりましたが、予想以上に早く進んでおります。円高という不利な事情はありますけれども、しかしながら、中国の建設計画が完全に軌道に乗ったという大きな背景もございまして、非常に順調に進んでおります。そういうことで、今後貿易関係、経済関係を拡大をしようといたしますと、この二月に取り決めました枠そのものを拡大をいたしませんとうまく進んでまいりません。 そこで、まず先方と話し合いをいたしました一番の大事な点は、この枠をどう拡大するかということであります。八年の協定ということを申し上げましたが、後半の三年間は数字が未確定でございます。この未確定の数字を早く確定をするということが第一だということで、まず合意をいたしました。 この三年間の数字を確定をいたしましても、さほど大きな数字にはなりません。そこで、この協定を五年間延長しようではないか、一九八六年から一九九〇年まで五年間延長いたしますと、その間の取引は非常に大きな数字になりますので、これを背景といたしまして、ひとつ枠そのものを大幅に拡大をしようではないか、何倍になるかは専門家の検討にゆだねてみよう、できるだけ大きく拡大をしていこうではないかというその基本点では先方の政府首脳と完全に合意をいたしました。引き続きまして専門家が中国に参り、また中国の専門家も日本にやってくると思いますが、そういう幾つかの会談を通じまして数字は固まっていくと思います。 もっとも、数字が固まりましても、これを円滑に実現をしていきますためには、やはり金融問題を一体どうするのか、それから石油と石炭の取引を増大させるために日本としての対応すべき課題は何であるか、こういう問題もございます。さらにまた、ココムの問題もありますし、あるいは、科学技術協力を拡大する方向で進んでおりますが、その場合に特許権の問題を一体どうするかという問題、あるいは、いまわが国は自由貿易でありますから、貿易は民間団体、商社の手によって行われておりますが、その商社活動が非常に中国では制約をされております。活動ができにくい状態になっておりますが、この問題にどう対応するか、こういう問題もございますし、それからさらに、取引そのものが非常に大きくなりますと、民間だけの話し合いではなかなか進みにくい問題もたくさんありますので、何らかの形で政府間の協議が必要でないか、この問題にどう対応するかという問題もございます。 こういう幾つかの問題もあわせて解決をしてまいりませんと、枠だけを拡大をいたしましてもなかなかこれが進んでいかない、こういうことでございますので、総合的に幾つかの問題を同時に解決をしながら経済関係の前進を図っていく、こういう点で合意をしたわけでございます。
○楢橋委員 これらの膨大なプロジェクトに対する中国側の資金手当てといいますか、これが必ずしも明確ではないというふうに思います。 そこで、いま中国の保有外貨というのはUSドルで一体どれくらいあるだろうか、これについてお聞きしたいと思います。
○河本国務大臣 中国の十カ年計画での事業規模は、中国自身から正式には発表をされておりませんので、なかなかわかりにくいのでありますが、一説によりますと三千五百億ドルぐらいであろうという説もありますし、いや、その倍ぐらいだろうという説もありますが、いずれにいたしましても相当膨大な計画であることは間違いございません。この建設計画に対しまして、中国は昨年来、外国からどんどん技術を入れよう、必要な資金もどんどん導入していこう、このように方針が百八十度転換をいたしております。 保有外貨は現時点ではさほど多くないと思いますが、そのかわり、中国は石油を増産をいたしまして、その石油をできるだけ外国に売っていく、輸出をしていく、こういう方針でありますし、国内のエネルギーを石油から石炭に置きかえていく、こういうことも進めております。それから非鉄金属の開発、幾つかの産業の建設を積極的に進めまして、貿易の拡大によってある程度の資金を確保していこうというのが基本的な考え方でありますが、もちろんこれには時間的なずれもありますし、当然中国が外国に輸出する輸出によって得られる資金だけでは全計画はなかなか達成できないと思います。外国からの資金導入も当然必要だと思います。 でありますから、現在の時点の外貨保有はそう大きくないと判断をしておりますが、いま申し上げましたような方法で、日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパも積極的に対応していこうという積極的な接触を図っておりますので、私どもは、当初に申し上げましたように、中国の建設計画は計画どおり進むであろう、このように判断をしております。
○楢橋委員 先ほど大臣が、中国における日本の商社活動について触れられたわけですけれども、中国、日本は、両国それぞれの滞在に関して相互主義をとっており、政府間の場合は別にしても、相手国に民間がないために、日本商社員の相互交換滞在というものがこのままではあり得ないと聞いておりますが、事実でしょうか。
○河本国務大臣 中国とのいろいろな関係を進めていきます場合の基本的な考え方は、互恵平等ということだと思います。したがいまして、貿易関係、経済関係を拡大いたします場合に、日本の商社の人数とか、そういうものもだんだんふえると思いますが、同時に、中国側もやはりそれに応じて日本での駐在員等がふえると思います。でありますから、必ずしも人数は同じではないと思いますけれども、双方が必要な人数をふやしていくということは当然必要だと思います。そういう方向でこれの障害になっております幾つかの問題を解決していこうというのが今回の話し合いの要点でございます。
○楢橋委員 特に要望しておきたいことは、日中間の貿易取引の最前線に立っているわが国の商社が、中国内に駐在員事務所がない、したがいまして、日本政府として中国政府に交渉しまして、そして駐在員事務所の設置許可をお願いしたい、かように思います。政府の方針をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 日本の場合は、民間貿易でありますから、商社、民間企業が第一線に立っておるわけでありますが、いまお話がございましたように、この活動にいろいろな制約がありまして不都合を来しておりますが、どういう制約があるかといいますと、一つは、人数が非常に制限されておるということ、それからまた、ビザ等も非常に短い、家族を呼び寄せることができない、それから、事務所がありませんからホテルの一室を提供される、こういう状況でありまして、活動が非常にやりにくいというのが現状であります。 それで私は、先方の政府首脳と会談をいたしました最後に、これまでの話し合いを円滑に進めるためにはやはりこの問題を実務的に解決しないと大変やりにくいので、これらの諸問題を解決するために中国で早急に善処してもらいたいという要請を出しました。先方は、よくわかりました、直ちにそれに対する対応策を進めましょう、こういうことであります。でありますから、きょう、あすというわけにはまいりませんが、しかしながら、至急に進めるということでありますから、できるだけ早くこのような障害が除去されることを私どもは期待をいたしております。
○楢橋委員 貿易決済問題についてお伺いしたいと思います。 いろいろな決済方法があると思いますけれども、資金援助の方法として、日本輸出入銀行のプラント輸出に対する延べ払い、あるいは輸銀を通じた資源エネルギーの開発資金、または市中銀行が中国銀行に資金を預託するといったことが言われておりますが、今後どのような決済手段といいますか、資金援助の方法をとられるのか、お伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 なぜ金融問題が起こるかといいますと、中国から日本に入ってまいります石炭と石油は、毎年契約に基づいて一定の数量が長期間にわたって分割して入ってくるわけでございますが、日本から中国へ出ていきますいろいろなプラント、機材・資材、こういうものはきわめて短期間に集中的に出ていくわけであります。したがいまして、時間のずれがありますので、そこで金融問題、支払い問題が起こってくるわけであります。これをどう解決するかということは、当面の最大の課題だと私は思っております。 やり方といたしましては、いま御指摘がございましたように、三つのやり方があります。 輸銀の延べ払いによる金融、これには御案内のようにOECD二十二カ国の紳士協定がございますので、この協定はあくまで守っていかなければならぬと考えております。 それからもう一つは、わが国が資源エネルギーを第三国におきまして開発輸入をする場合には、その開発資金を輸出入銀行から融資をする制度がございます。中国の場合は、開発された石炭、石油を日本がある程度引き取るということになっておりますから、開発資金を中国に供給することは現在の制度でも可能であります。 それから第三の方法として、いまやはりお述べになりましたが、民間資金を中国銀行に預託するという方法もあります。 民間の関係は別といたしまして、輸出入銀行の金融は二つの方法がありますが、この問題についても、当面の責任者であります人民銀行の総裁と長時間にわたって話し合いをいたしましたが、基本的な原則においては意見は一致をいたしました。しかしながら、若干の点でまだ問題点が残っております。 そこで、この問題点を解きほぐすために、引き続きまして金融の専門家に行ってもらいまして、具体的にさらに詰めていただこうと思っております。一昨日出発いたしました稲山ミッションにもこの金融の専門家が加わっておりますので、多分もうすでに具体的な交渉が始まっておるのではないかと思います。できるだけ早く妥結をすることを私どもは期待いたしておりますので、もう少し様子を見ました上で何らかの判断をしたい、こう思っております。
○楢橋委員 決済する場合に問題になりますのが、ドル建てでいくか円建てでいくかという問題が起きてくると思います。わが方としては円建てを希望するというふうに私は思いますが、恐らく中国側はドル建てを要望するんじゃないかというふうに考えております。平行線が予想されるわけですけれども、このリスクをどういうふうにカバーしていくかという問題、為替差益、差損の問題ですが、その点について大臣にお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 金融問題の一番の中心は、いまお述べになりましたドル建てか円建てかという問題でありまして、先方は、最近の急激な円高の動きを見まして、こんなに円が急激に高くなる、こんなに円が大きく動くということであるならば、相当なリスクを伴うのでドル建てにしてもらいたいということを強く要請をしております。しかしながら、わが国にはわが国の慣習もありますし、いろんな制度もありますので、にわかにこれには応ずるわけにはいきませんので、一体これはどうしたらよいかということで相談をいたしておりますが、問題点はここに集中されておる、こういうことでございます。
○楢橋委員 中国は近代化を図っていくわけですけれども、非常に膨大な資金が要るわけであります。したがいまして、当然に日本側もそれに見合った輸入というものを考えていかなければならないと、私はこういうふうに思うわけであります。 そこで、一番いま問題になっていますのは、中国の原油を輸入するという問題でありますが、中国原油が重質油であるために石油業界が引き取りを渋っているということを聞いております。先般、長期取り決めの際に、一千百万トンから一千四百万トンに増加しようということが発表になりましたところが、石油業界が拒否反応を起こしたということでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 貿易の均衡問題につきましては、わが国の基本的な立場から申し上げますと、グローバルな形で均衡すればよろしい、これが基本的な考え方でありますけれども、しかしながら、二国間の貿易が余り不均衡になりますと、これはいろいろな支障を来してまいりますので、やはりできるだけ、二国間の場合といえども均衡が維持できるように努力をすることが必要だと考えております。 そこで、いまお述べになりました石油の引き取り問題が出てくるわけでありますが、御案内のように、一九八二年まで、昭和五十七年までの引き取り数量はすでに決定をいたしております。 今回の話し合いで合意に達しましたことは、一九八三年、昭和五十八年以降中国は大幅に石油を日本に増量する用意がある、こういうことを言っておりますし、日本も大幅に輸入量がふえてもそれは対処いたします。こういうことを言ったのであります。したがいまして、昭和五十八年以降、一言で言いますと大幅にふやそうではないか、よろしいというのが双方の合意であります。 しかしながら、日本といたしましては、大幅にふやすためには幾つかの対応が必要であります。民間だけでは対応できない部分もありますので、それに対しては政府の方で必要な援助もいたしまして、そして対応できるように持っていきたいと考えております。
○楢橋委員 この重質油の分解装置というものが、年二百万トン級で九百億円ぐらい必要だろうということを聞いておりますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 実は、この中国からの重質油の輸入問題につきまして幾つかの議論が行われておるのですが、私は、そのいずれの議論も一方的な議論であるような感じがいたします。 まず第一に日本として考えなければなりませんことは、日本は石油の全部を外国から買っておるということであります。現在は、石油の需給関係は、世界が不景気でありますから緩んでおりますけれども、数年後、特に一九八〇年代の半ばには石油の需給関係は逼迫する、非常にタイトになるであろう、こういう見通しが有力でありまして、アメリカ等におきましても、大規模な国家備蓄を始めましてそれに備えようとしておる動きがあることは、もう御承知のとおりでございます。でありますから、現在のような緩んだ需給関係は長続きしない、いずれ石油は非常に買いにくくなるだろう、このことをまず考えておかなければならぬと思います。 それから第二点は、重質油が世界的にふえる傾向になりつつあるということであります。中国油だけではありませんで、中近東等におきましても重質油の増産がどんどん進んでおりまして、世界全体が重質油の傾向になりつつあるということであります。 そういう場合に、日本が、私のところはいい油しか買いませんよ、軽質油しか買いませんよ、重質油は要りません、そういう勝手なことは世界では通用しない、こういうことであります。しかも、日本の場合は、総合エネルギー政策でも決定をされておりますように、相当大規模な節約をいたしましても昭和六十年には四億三千万トンの石油の輸入が必要であります。ということは、現在よりも約一億四千万トン、約五割もよけい石油を外国から買わなければならぬということであります。特にそういうことを考えますと、日本としては世界の大勢を無視して勝手なことを言うことはできない。自分の国では一つも油が出ないのに、世界に向かって勝手な主張をすることはできないと思うのであります。日本としては、原則的にまず世界的な重質油の傾向に対応するということを真剣に考える必要があろうと思います。 それから、一億四、五千万トンもこれから七、八年の間に需要が拡大されるわけでありますから、現在の設備だけでは不足をいたします。新規の設備を当然大量につくる必要があります。その場合に、その一部を重質油に対応できるような設備をつくればいいのでありまして、必要ないのに重質油に対応する設備をつくるということではないのです。需要が拡大をする、その一部を重質油用にする、こういうことであります。 でありますから、巷間中国の油が非常に高いなどという議論もありますが、これは巷間言われておるほどのそんな大きな差はないと私は思っております。これまでの比較は、すでに償却済みの精製工場でつくればコストは幾らになるのか、全然新規に、新しく土地を買い入れて重質油専門の工場をつくれば償却費も非常にたくさんかかるが、その場合にコストは幾らかかるのか、こういう比較をいたしますと、その差は非常に大きくなってまいります。しかしながら、いずれにいたしましても相当大量の設備をしなければならないわけでありますから、軽質油専門の新しい工場をつくった場合と重質油専門の工場を新しくつくった場合のコストの比較をすれば、それは正確な比較になると思うのですが、必ずしもこれまでの比較は正確ではなかったと思うのです。若干の違いはあろうと思いますけれども、私は、計算はもう少し正確にする必要があろうと思っております。 この問題につきましては、日本側からは、大量に引き取る用意はあるけれども、その条件は国際競争力を備えるものでなければならぬ、この条件のもとにおいて大量に引き取ることが可能である、こういうことは強く言っております。先方も、それは当然のことである、国際競争力を無視して取引というものが行われるわけではない、取引の原則は、国際競争力が双方にあるということがあくまで基本的な原則であるということは確認をいたしておりますので、その線に沿ってこれまた専門家の間でその都度いろいろ具体化してもらおう、こう思っております。
○楢橋委員 サウジアラビアも軽質油と重質油を抱き合わせでなければ今後出さないという傾向にありますが、中国の場合に四千万トンから五千万トン将来輸入しようという話もあるようであります。したがいまして、そういう世界的な重質油の傾向にあるわけでありますから、いまのうちからわが国としてもその対応策を早目に手を打っておく必要があると私は思います。 そこで、先ほどココムの問題にちょっと触れられたわけであります。いろいろなプラントが今後中国に輸出されていくわけでありますけれども、日立製作所の気象観測用電子計算機、こういったものがココムにひっかかるというような問題が起きておるわけであります。いろいろな中国側のプロジェクトの中で、現在のところココムにひっかかるであろうというプロジェクトがあるように思いますが、これに対して今後どのように対応していかれるのか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 ココムに対する日本政府の基本的な考え方は、技術もどんどん進んでおることでもありますしいたしますので、技術の進歩、国際情勢の変化に応じて見直すべきである、これが基本的な主張でありますが、ココム自身の運営もその方針に沿って行われております。 でありますから、ここで個々の対象につきまして具体的に申し上げることは差し控えをいたしますが、ココムの条件をできるだけ緩和をする、そういう方向で話し合いを進めていくつもりでおります。現にその方向で進んでおります。
○楢橋委員 私も昔貿易をやっていたことがあるわけでありますが、非常に膨大なプラント類が今後日本から出ていった場合に、これは中近東なんかでも起きておる問題でありますけれども、インフラストラクチュアといいますか、特に港湾の荷役の問題とか、ゴーダウンの問題とか、輸送手段の問題が実務的には非常に起きてきまして、中近東の場合だとすると三カ月も船が沖待ちをしなければならぬということがあるわけでありますが、中国側のそういう受け入れ体制についてお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 中国から大量の石炭、石油を引き取るということになりますと、先ほど申し上げましたような国際競争力の条件というものが絶対の前提になるわけでありますが、国際競争力という立場からいろいろ物を判断いたしますと、やはり陸上の輸送、それから港湾設備、海上輸送、こういう輸送面での要素というものが非常に大きく働くと思うのです。でありますから、中国における港湾建設ということは私は非常に大きな課題であろう、こう思っております。
○楢橋委員 非常にコマーシャルベースな質問をしたわけでありますけれども、この日中の貿易というものが、これは日本民族あるいは中国人民の将来にとっても不可欠であり、根本的に両民族の友好的な平和と幸福を願うというのが私の考えであります。この日中平和友好条約というものがアジアの平和、繁栄、ひいては世界の繁栄のためにも役立つものと思います。この条約を現実的により強力にしていくために、河本通産大臣並びに関係省庁の一層の努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○橋口委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 経企庁長官にお尋ねをするのですが、経済成長率が七%を達成できるかどうかということは、政府としては七%成長は可能である、達成できるという自信のほどを持っていらっしゃるようですが、国際的な環境であるとかあるいは公共事業の前倒しその他いろいろな状況から見ましても、大変無理だろう。財界としても、この間新聞で、百人のアンケートをお読みになっただろうと思うのですが、私も読んでみたのですが、そうした経済を現実に事業として取り組んでいる人たちは、政府の見通しは非常に楽観的であるということで、七%成長に対しては悲観的な考え方を明らかにしているわけですが、宮津長官としては自信をお持ちなのかどうか。その根拠は、どうも新聞報道でお伺いする限り抽象的でわかりにくいですから、国際的にはこういうことだ、国内的には公共事業の問題その他によって、これはこういうことで可能であるということを、希望的観測ではなくて、確信のあるところでひとつお答えをいただきたい。
○宮澤国務大臣 七%成長の見通しについて、対外的及び国内的な要因について少し詳しく説明せよというお尋ねでございました。 四半期ごとの今年のわが国の経済の動きを見ておりますと、一-三月には、これは今年度ではございませんが、一-三月には二・五%の実質成長がございましたので、これは年率にいたしますと一〇%程度のことになります。四-六月には、しかしこれが一・一に落ちております。 この一・一に落ちましたほとんど唯一最大の要因は、一-三月に二・五の中で海外経常余剰が〇・九プラスでございましたが、四-六月にはそれがマイナス一・〇、プラスからマイナスにほとんど二%スイングをいたしました。これが成長を引っ張ったほとんど唯一最大の原因でございますが、ちなみに、四-六月には国内の成長要因は二・三ございました。それで海外のマイナス一・〇が、それがマイナスに働いたわけでございますので、したがいまして、この四-六月の国内要因二・三プラスというのは、年率にいたしますと九・五%ぐらいになりますので、国内要因はまず堅調である、七%の線に十分乗っておると判断してよろしいかと思いますが、問題は、その海外要因、経常海外余剰がずっと今日までプラスに働いておりましたものが、四-六月からマイナスに働き始めたということであろうと存じます。 これは御承知のように、国際的な考慮から、今年度始まりまして、四月から通産大臣におかれまして主な輸出八品目につきまして数量ベースで昨年度を超えないような行政指導を事実上やっていただいておるということ、円高も当然影響いたしておると思いますが、その結果といたしまして、四-六月のわが国の輸出数量は前年同期に比べましてマイナス二・五でございました。それから七月はマイナス七・六でございます。八月は暫定数値でございますがマイナス四・七でございます。輸出が数量でこのように減り出しまして、それが成長の足を引っ張っておる、こういうことが如実に統計の上にもあらわれてまいりました。 したがいまして、この輸出の数量の減少というものは、わが国としては国際的な考慮から改めるわけにまいらない性質のものでございますので、それだけの落ち込みを内需でカバーをしなければならないということになってまいりまして、御承知のような総合経済対策を九月の初めに決定いたしまして、関連の補正予算案を今国会において御審議をいただこうといたしておるわけでございます。 大体この補正予算を中心にいたしました総合経済対策で年率にいたしまして一・三ぐらいな補強効果があると考えておりますので、まずまずマクロで見ますと七%程度の成長は、海外要因が今後マイナスに働くということを前提にいたしましても、可能であるというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 国際要因としては、アメリカも御承知のとおりインフレ抑制策をとっている。ヨーロッパの国々も、私も今回IPUに行きまして、そして駆け足でありましたけれども、EC諸国の事情等もある程度調査をして、また日独との経済懇談会なんかも、武藤代議士も参加されたわけですが、いろいろ懇談等もしてまいりました。私は、この国際的要因というものは、いい方向に向かう要因というものは非常に少ないのではないかという悲観的な見方をしております。 国内的におきましても、公共投資が、今回一般会計は非常に額は少ない、財投にウエートを置いているようでありますけれども、二兆五千億というのがどれほど下期に景気回復の方向に役割りを果たすかどうかということ、それは確かにあり得るとは思うのです。いま大臣がお答えになりました国際的要因が即国内的要因になってくると私は思うのだけれども、輸出は数量ベースでずっと減ってくるということ、それから、今度は輸入もふえてくるということになってまいりますと、輸入がふえるということは個人消費が高まってくるということになって、経済活動というのがそれなりに活発になってくるということは考えられるけれども、企業マインドというものは非常に鎮静化している、輸出はふえない、今度は輸入がふえてきたというと、企業にとってはいわゆるマイナス要因という形に働いてくることになるわけです。そうすると、企業マインドでは非常に設備投資も鎮静化してくるということになって、設備投資が高まる可能性というものは非常に薄いということになる。 してみると、国内要因でもってカバーできるというのは、公共投資というものが、今度補正予算の二兆五千億がどれだけのカバーをし得るかということになってまいりますと、残念ながら非常に力が弱いのではないか。いま大臣がお答えになったような力を発揮するということはできないのではないか。通産大臣もそこらあたりをお考えになって第二次の補正予算もあり得るということを示唆したということを新聞報道でも書いているわけなんですけれども、そうした国内的な要因、国際的な要因、もろもろのことを考えてみると、どうも宮津大臣がお答えになりました七%成長というのは願望に終わってしまって、この間の百人のアンケートに見るように、恐らく昨年の五・五%あるいは若干それを上回る程度に終わるのではないかという感じが私はするわけなんです。単なる感じではなくて、条件からいってどうもそういうことになるのではないか。いま大臣が、プラス、マイナスということでいろいろ数字をお挙げになりましたけれども、それはいままではそういうことを繰り返してまいりましたが、今後補正予算ということによって、相当幅があるわけですから、七%を達成するということは私は無理であるというように考える。 そうすると何があるのか、どうしたらできるのかということで、いままでのこだわりというのか惰性というのか、たとえば所得税の減税というものをやるべきである。これはもう経済界も挙げて所得税の減税ということは主張している。これは野党各党だけじゃないのですね。経済の実体に直接携わっておる人もそういうことを言っておる。ところが、政府はそれを避けよう避けようとしている。そういうことは、いま大臣がお答えになった七%成長を本当に達成しようとするならば、この際やはり思い切ってやるべきものはやる必要がある、そのように考えるわけなんです。改めてお答えをいただきたいし、また、先ほど申し上げたように、通産大臣も私が申し上げたような点をお考えになってもおられるのではなかろうかというように思うのですが、特に実施官庁であるという点からいたしまして、通産大臣からもひとつお答えをいただきたい。
○宮澤国務大臣 御指摘になられましたように、確かに輸出を抑え目にしていくということはデフレ的な要因でございますし、それから輸入、それも自然に需要がございます原材料ならよろしゅうございますけれども、なるべく製品をわが国としては買おうといたしますと、これもまた国内の企業にはマイナスの要因になるではないか、それらのことは私は御指摘のとおりだと思います。わが国としてはそういう経験はいままでございませんわけでございますから、かなりむずかしい仕事をしなければならないということは御指摘のとおりで、私もそれはそのように感じております。 しかし、考えてみますと、国際的な責任から申しましても、また、終戦後輸出輸出ということで、国内のいろいろな生活関連施設、インフラストラクチュアをどちらかと言えば十分でないままに参りましたわが国でございますから、この際本来そういうところへ尽くすべき力を尽くすというのが、考えてみれば本当のことであろうということで、ある意味で成長とはトレードオフになるような要因を知りつつ、その道を歩かなければならぬと考えているわけでございます。 減税につきましてもお話がございましたが、減税ということが悪いとか有害であるとかいうふうに私考えたことはございませんで、今回の補正予算の編成に際しましても、実は財源をつくりますのに相当の苦労がございました。国債、ことに現状のところ十年ものを中心に国債を発行しておりますこともありまして、消化がかなりここへ来てむずかしいというようなことがございましたために、今回三千億の国債を発行するということでも、なかなかそう簡単に、すぐにあっさり消化されるというような状況でもございません。 といたしますと、そのような状況で限られた財源をどういうふうに配分するのがいいかということになりまして、経済対策閣僚会議でも議論をいたしましたのですが、やはりそれは公共投資であるとか、あるいは福田総理大臣の言われる生活にもっと密接に関連するいわゆる第三の道といったようなもの、あるいは住宅、不況対策等々、そちらに金を使うことの方を優先すべきではないか、そういう判断で減税ということをいたさなかった、こういうことでございまして、この点は、もともと生活関連施設の十分でないわが国の現状、それから一応短期に見まして波及効果の大小等々から考えまして、しかるべき選択であったのではないかというふうに考えております。
○河本国務大臣 九月二日に総合対策を決めましたが、私は現時点ではこれでいいと思います。ただしかし、いまは世界経済の激動期でありますし、また、その影響を受けまして日本経済も激動期にあることは御承知のとおりでございます。こういう時代の経済運営の基本というものは、あくまで機動的にやる必要があると思います。それから同時に、総合的にやる必要があると思います。でありますから、現時点では十分でありますが、しかしながら、経済の動きを慎重に見きわめまして、機動的、総合的に対処していくということが必要だと思います。
○中村(重)委員 宮澤長官、私はお答えを伺っておりましても、どうも説得力というものに欠けるような感じがするのですね。輸出というものは、お認めになったように数量ベースという形で減ってきているのですね。それから、円高がこんなに二百円を割っているというような状態からいたしますと、金額的にも減ってくるのです。そうすると、輸出による七%成長ということについての迫力というものは非常に弱いと見なければいけないですね。 それから国内的な問題については、先ほど私が指摘をいたしましたように、輸入がふえてくるということは、これは企業にとっては一面――原料は別でありますから、製品輸入というのが最近は大分ふえつつある。企業にとってはマイナス要因という形で働く点が非常に大きいということです。 そうしてみると、輸出というものが七%成長に果たす役割りというものの期待は持てない。そうすると、挙げて国内要因によって、国内的な九月二日に決定された政府の総合政策によって達成していく以外にはないということになる。 それでは、その中で何があるのか。緊急輸入の問題もお挙げになっていらっしゃる。ところが、これはなかなかもたもたして、それらしい成果というものは、全く上がっていないとは言わないけれども、これは大きな成果というものは出ていない。だから、この間通産省の黒字減らしいということで、何か外車を一台輸入するんだというような、それも思いつきかどうか知らないけれども、国民はどんな気持ちで、あの通産省の決定か何か知らないけれども、あれを読み取っただろうか。 それらのことを考えてみると、公共投資というものに期待する以外にはないんだ。その公共投資、これは五十三年度の予算の中においては前倒しでやったが、なかなかそれが七%成長に達していないというので、今度補正予算をお出しになった。それによって達成しよう、こういうことであろうと思うのです。 それでもなお弱い。そうすると、個人消費をどう見るかという問題になってくるのですね。個人消費は、御承知のとおり、GNPの五五%から五七%という数字を占めている。個人消費、それは内需を喚起することによって高めてくるということにならなければいけないでしょう。個人消費を高めてくるということになってくると、所得税の減税というものの果たす役割りは大変大きいだろう。 それから、賃金の問題なんですけれども、今度の補正予算で、公務員の賃金を七・二%予算化しておったのを、それだけにならなかったから、交付税の削減をやって、それを別に振り向けようとしていらっしゃる。ということは、労働者の賃金は抑えられた。ボーナスも〇・一低く抑えたのです。そうなってくると、その面からくる個人消費の高まりということは抑制をされたということになる。 所得税の減税もやらない。福祉に対しても、残念ながら前向きの政策をやっているとは私は考えない。個人消費を高めるための施策というのは何もやってないじゃないか。何もやらないということは語弊があるのかもしれませんけれども、積極的な個人消費の喚起策というものをやっているようには思われない。してみると、七%成長というもののこれならばいけるということは、これは経済界の連中も実感として、直接みずから携わっているわけですから、これじゃいかないのじゃないかということが、いわゆる百人アンケートという形になってあらわれてきたのだろうと思います。 それからもう一つ、こういう円高がどんどん続いてまいりますと、結局輸出は採算がとれないということになる。だから省力化ということになる。機械化、自動化ということになる。労働者はどんどん首を切られていくじゃないか。非常に危機的な状態がある。ますますもって国民は財布のひもを締めなければならぬ。そうすると、個人消費は高まってこない。そういうことになるのじゃありませんか。 〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕 だから、私は政府の言う七%成長が単に願望に終わる可能性があるということを指摘せざるを得ないのです。 総合的とおっしゃるならば、言葉だけの総合策ではなくて、名実ともに総合的な、国内需要を喚起するような政策をおとりになる必要がある。いたずらに労働者の賃金を抑制する、そしてまた人減らし策を盛んに奨励していく、失業者を町にほうり出していく、社会的摩擦はますます拡大をしていく、国民の不安というものはますます高まっていく、そういう情勢の中でどうして個人消費を高めることにつながっていくでしょうか。所得税の減税もやりますよ、むやみに労働者の賃金を抑えるような抑制策ばかりはとりませんよ、社会保障にも力を入れますよ、インフれはこういうことで抑制策を講じますよ、どうぞ国民の皆さん心配をしないようにひとつやっていただきたい、そういうことです。 中小企業も、いまのような状態の中ではますます深刻な状態になるから、この前の特定不況産業安定臨時措置法は後ろ向きの法律案であったから、私どもは、これは後ろ向きである、前向きの施策を明らかにしなさいということを強く要求いたしましたが、今回通産省がお出しになっている不況地域、労働省がお出しになる不況地域に対する離職者対策は、私は前向きの施策である、法律案であるということを評価をして、できるならば深夜をいとわず積極的にこの法律案の審議をし、成立の促進を図りたい、そういう考え方を持っているのです。私ども、そういう迫力のある、政府の出す施策よろしきを得たということを感ずるならば、積極的にこれに協力する用意を持っている。だから、余り政府もこだわらないで、こうしなければならぬと思うならば、積極的にそういう方向で推進をしていくということでなければならぬ。 その点に対しては、宮澤経済企画庁長官、あなたに対する期待も非常に大きいわけだし、あなたが果たさなければならぬ役割りというものは非常に重大である。また、河本通産大臣は、特に景気対策に対するところの実施の役割りを果たす主務省であるわけでありますから、両大臣が、福田内閣のエースでもあるわけなんですから、もっと話し合いをやって、閣議の中で積極的な発言もし、決定を促していくというようなことをおやりになるのでないと、指摘いたしましたように、単なる願望に終わるということを私は申し上げざるを得ないのです。いかがですか、間違っていましょうか。
○宮澤国務大臣 深刻な不況に円高が加わりました状況でわが国経済が対応した仕方は、いわゆる減量経営という対応であったと存じます。それは、企業におきましては、中村委員が御指摘のように、いわゆる雇用の問題に影響をし、また、賃金上昇もかつてのように高くはないという姿になりましたし、家庭におきましてはできるだけ消費を切り詰める、これも一種の減量経営であったわけでございますから、その結果として非常にむずかしい問題が起きてきている、さらに加えて、輸出を数量的には減らしていこうとしている、また、輸入は製品輸入をふやそうとしていく、そういういろいろなむずかしい要因が重なっているではないかとおっしゃいます中村委員の日本経済についてのごらんになり方は、私もほぼそういう見方をいたしますので、現状認識は隔たっておるとは考えておりません。 しかし、そのような中で、昨年に比べますと、原因はともかくといたしまして、結果としては企業の採算というのはかなりよくなりつつございますし、それから国民消費も、経済が最悪事態を脱したというような感じもあってか、物価の安定もあろうと思いますし、輸入品の値下がりもあろうと存じますが、少しずつ消費も回復しつつある。したがいまして、このたび程度の総合経済対策でほぼ七%の線を確保できると私どもは考えておりますが、中村委員はそこのところが十分でないという御判断で、これは判断の分かれるところではないかと存じます。 私どもは、大体まず七%程度のものが今回のことで現状から見るといけるという判断でございますが、これについては、御指摘のように世の中にも異論の多いことは私も存じておりますが、先ほど申しましたような四半期ごとの動きを見ておりますと、ことに内需は年率にいたしますと七%を超えておるのでございますので、その海外要因の穴埋めをしていけばいいのではないかという判断をいたしておるのでございます。 減税につきましては、先ほども申し上げましたことでございますが、そのこと自身が好ましくないと考えておるわけではございませんで、与えられた財源をどのようにすれば有効に国民経済のために使えるかという判断から、今回のような補正予算を御提出いたしたわけでございます。
○中村(重)委員 これはなかなかかみ合わないですね。しかし、宮澤大臣も私の指摘というものを否定されるわけではないので、十分時間をかけて議論もしましょうし、閣内においても議論を十分やっていただきたいというように思います。 それから、経常収支の黒字ですが、五十二年度が百四十億でございますか、それを五十三年度は六十億にするのだということで、修正をなさったですね。修正はしましたが、数字は明らかにしていないように思うのですが、いまのような情勢でまいりますと、いかがですか、五十三年度の経常収支の黒字はどの程度になるというお見通しですか。
○宮澤国務大臣 このたびから海外経常余剰も円で表示をいたすことにいたしましたのですが、大体二兆七千億円程度と考えております。
○中村(重)委員 そうすると、二兆七千億程度ということになってまいりますと、これは一ドル幾らになるかということで変わってまいりましょうが、仮に二百円か二百五円ぐらいになると、百三十億ドル程度の黒字だということになるわけですか。
○宮澤国務大臣 おっしゃいましたような円レートで仮に計算いたしますと、そのようなことになります。
○中村(重)委員 それでは、ほかの問題の質問もありますので、次に移らしていただきます。宮澤長官、結構でございます。 通産大臣、最近の在庫調整の動き、それから設備投資はどういう状況になっておりますか。
○河本国務大臣 企画庁の方から答弁をしていただきます。
○宮崎(勇)政府委員 お答えいたします。 在庫調整につきましては、ほぼ各段階におきまして、つまり流通あるいは生産者の段階におきまして順調に在庫調整が進んでいるわけでございますが、当然業種別あるいは品目別にかなりのでこぼこがございます。全体といたしましては、たとえば製品の在庫率指数等を見ますと、一-三月が前期に比べましてマイナス〇・七、四-六月がマイナス〇・三、そういうような状況で、ほぼ順調に在庫調整が進んでいるということでございます。 それから、設備投資につきましては、GNPベースで見ますと、昨年の七-九月期までは前期比が非常に弱い状況でございましたが、七-九月期を底にいたしまして、十-十二月で前期比若干増加しておりまして一・六%、ことしに入りまして一-三月は一・一%、それから四-六月が一・八%というような状況で、設備投資が非常に緩やかなペースではございますが、回復の方向に向かっております。 これを産業別に見ますと、製造業の方は、需給ギャップが依然として大きいということから、まだ停滞状況を脱し切れない状況でございまして、今回の経済見通しの改定におきましても、製造業における設備投資は若干マイナスを見込んでおります。ただし、電力を中心にいたしました非製造業が伸びておりまして、今回の対策を織り込みまして全体として五十三年度の設備投資は名目で一一%程度、この中には一ポイントほど緊急輸入の分が含まれておりますので、当初見通しと比較しますベースで言いますと大体一〇%ぐらいで、当初の名目の設備投資の伸び率が九・九%でございましたので、全体としては当初の見通しどおり大体推移しているというふうに考えております。中身につきまして当初の見通しより製造業の設備投資が若干弱い、そういう感じでございます。
○中村(重)委員 その点、私の指摘したいところもありますけれども、時間的制約がありますから、いずれ適当な機会に申し上げることにいたします。 通産大臣、一般消費税の問題ですが、大蔵省の作業というのはもうどんどん進んでおりますし、税調の方でもこれに対する考え方が明らかになってきたわけですが、この一般消費税が物価に上乗せする形になるわけでありますし、物価値上げにつながる。これは企業にとっても経営圧力ということになっていくでしょうし、中小零細企業等に対しては一定額以下は課税の対象にしないとか、あるいは物品によっては対象にしないというようなことを言っていますが、今度はそれ以外の課税対象となるものに対する課税の比率は幾らになりましょうか、新聞報道によると七%あるいは八%というような報道もあるわけですが、一般消費税というものが高めていかなければならない個人消費に対して大きな抑制策という形で働いてまいりましょうし、さらに徴税事務が大変な事務になるわけでありますから、零細企業は対象にならないといたしましても、中小企業、そうした企業の徴税事務は非常に煩瑣になってくる。 その面からの圧力も非常に高まってくるわけでございますが、中小企業を担当する通産大臣といたしまして、消費者利益、中小企業の利益を図ることにおいて、個人消費を高め、さらに低経済成長下における経済成長を図る方途としては私は悪税だというように考えるわけでありますが、通産大臣はこれにどう対処していこうとお考えになっていらっしゃるわけですか。
○河本国務大臣 わが国の財政事情は御案内のような状態になっておりますので、いずれの日にか、やはり私は増税は必要だと思います。しかしながら、増税をする前提条件は経済が活力を回復するということでありまして、経済の回復期においてまだ活力が十分でないときにおきまして増税をやりますと、これはもう当然景気回復の足を引っ張りまして悪い影響が出てまいります。でありますから、時期の問題につきましては慎重に検討する必要があろうと私は思います。同時に、税の中身でありますが、これもどのような影響を及ぼすかということについてやはり慎重に検討する必要があろうと思います。
○中村(重)委員 通産大臣という立場からは、個人河本さんというわけにまいりませんで、おのずから制約された答弁にならざるを得ないだろうということは私はわかるわけですけれども、その時期、中身について慎重でなければならぬということを意味しているように思うのです。 オランダであるとかデンマークであるとか、この種の税金の制度を創設したことによって狂乱物価になって、物価凍結令まで出さなければならぬという事態に追い込まれたということは御承知のとおりでありまして、どの国にいたしましても、この種の税制を実施いたしたところとしては成功をしたという例は非常に少ないように思う。 それから、財政上の問題ということなんですけれども、私は、税制そのものを根本から検討していかなければならないのであって、それを検討せずして、取りやすいところから取りやすいような方法でもって税金を取るというような物の考え方というのは、これは間違っているというように思う。やはり法人税の問題にいたしましても根本的に検討し直さなければならないでしょうし、国民感情からいたしましても、不公平税制というものをまず勇断をもって改めていくということにしなければいけないのじゃないでしょうか。 医師優遇税制の問題しかり、あるいは貸し倒れ準備金の問題であるとかあるいは退職引当金の問題であるとか、いろいろ指摘されている。単なる指摘ではなくて、これはだれが考えてみても不公平税制というものはあるわけですから、まずそこらから手をつける。そしてどうしてもだめであるという場合に、これは国民のコンセンサスを得て、そうした政府が考えるような方向の税制というものも検討していくということでないと、やるべきことをやらないで、国民の不平、不満というものを残して、コンセンサスを得られないまま、財政的にどうにも困るのだからこれをやらなければいけないのだということは、私としては、政府としての大きな怠慢であるし、不公平な政治というものをさらに助長していくことにつながっていくであろう、そのように考えるわけですが、いかがですか。
○河本国務大臣 増税をしようとする場合には、一方で不公正な税制が残っておりまして、それを放置したまま国民一般から大きく税金を徴収するということは、これはなかなかコンセンサスは得られない、こう思います。 私は、先ほど内容を検討する必要があるということを申し上げましたが、消費税の内容そのものを検討することも必要だと思いますが、同時に、今回の消費税の創設でどの程度の増税が出てくるのかわかりませんが、とにかく経済が回復をいたしまして景気がよくなれば、現在の税制のもとにおきましても相当大量の税の増収が図れるわけでありますから、私は、いかなる場合でも経済に活力を回復する、景気をよくするということがすべての前提条件である、このように考えております。
○中村(重)委員 次に、具体的な問題でお尋ねをするわけですが、為替差益の還元の問題です。 電気、ガスについては、電気の場合三割を残し、都市ガスの場合におきましては四割を残して還元をされた。その内容において問題があるというように思うわけですが、それは電気の場合において三割を残し、ガスの場合において四割を残したということは、二年間料金の引き上げをやらないという、その原資に充てるという考え方の上に立っておやりになったということであるわけであります。今後円高がどういうような動きを示してまいりましょうか、どのような動きがありましょうとも、二年間の電気、ガス料金の引き上げはやらないということは間違いない、その点をこの際、再度はっきりしておいていただきたいと思います。
○天谷政府委員 お答え申し上げます。 今回の差益の還元は、料金査定のときに予想したような為替相場とは著しく異なった円高の為替相場が出現いたしましたために、五十四年度までの料金安定のほか、なお消費者に還元する余裕が出てまいりましたので、その分を還元したわけでございます。 では、将来、この五十四年度末までどんなことがあっても一切この料金は変更しないのかという御質問でございますけれども、この場合も、著しい為替相場の変動、たとえば、あり得ないことだとは思いますけれども、百九十円ないし二百円のものが百円になってしまうとか、あるいは逆に百九十円のものがまた昔のように三百円に戻るとか、こういうふうな現段階では予期し得ないような著しい為替相場の変動というものが現に起こったといたしますれば、その段階におきましてまた電気料金の変更ということを考えなければならないと思いますが、現在のような状況がもし続くということでありますならば、五十四年度も電気料金の変更は行わないということにしたいと考えております。
○中村(重)委員 電気の場合七〇%の還元を行う、ガスの場合六〇%の還元を行って、そして電気に三〇%残し、ガスに四〇%残したということは、これは現状の円高の程度である場合、二年間、五十四年度の末まで料金の値上げはしない、そのための配慮であると理解をしてよろしいんですか。
○天谷政府委員 先生御指摘のとおり、現在のような為替相場の状況が続くということであれば、そういうことでございます。
○中村(重)委員 それから、この還元に対して私が満足しているという意味ではありませんけれども、議論をいたしますとこれは平行線になっていくでございましょうから、次に進みますが、プロパンとそれから灯油あるいはガソリンの場合にも同じようなことでお尋ねするのです。 プロパンの場合は、標準家庭でもって何か六十円か還元をするという報道がなされているわけなんです。ところが、これは業界がいたします場合において下限を決めて還元をするということになってまいりますと、独禁法上の問題があるわけなんです。どうも直接通産省が手を染めるのではなくて、これは何か通達をお出しになるかあるいは行政指導をなさってああいう業界の動きとなったんだと思うのでありますけれども、六十円、一キロリッター当たり五円なんですか、この六十円の還元というものは行われるというお考え方の上に立っていらっしゃるかどうか。それから、円高差益という点からいたしまして、六十円が適当であるとお考えになっていらっしゃるのかどうかという点が二点であります。 いま一つは、小売業界の意見を聞いてみますと、何だ、われわれに対してトン当たり二千円かそこらの還元をしたにすぎない、メーカーは物すごい円高利益を得ているではないか、われわれに対して値下げをした分は人件費その他の経費増によってこれはもう吸収されてしまって、値下げの可能性というものはないんだという反発等もあるわけなんです。それらの点等から考えてみまして、メーカー、元売りですね、これに対して為替差益というものを吐き出させていくというようなことを総合的におやりになるのでなければ、私は成果を上げることはできないであろう、そのように考えるわけであります。 灯油に対してはどうか。ガソリンは百円割れというようなことでもあることだから、これは行政指導等によって値下げをすべきものではない、指導すべきものではないというようなそれぞれのお考えをお持ちになっていらっしゃるのか。ガソリン、灯油、プロパン、それらに対してそれぞれの考え方をお示しいただきたい。
○神谷政府委員 石油製品につきましては、種々の製品がございまして、需給関係あるいはコスト関係等もおのおの異なっております。特に国民生活に関連の深いガソリン、灯油、LPGについていま先生から御指摘がございましたが、まず石油製品全般につきましては、私どもといたしましては、原油価格もかなり下がってまいっております。それから原油価格の石油製品全体に占めるコストの割合は七割程度というふうに考えておりますが、元売りの石油製品、燃料油全体は五十二年三月に比べまして最近では一五%強値下がりをいたしております。原油代はこの間二割ないし二四、五%下がっております。若干のタイムラグがございますので、月を追ってさらに製品の価格動向を追っていかなければならないと思いますが、一、二カ月前の原油を処理するという考え方に立てば、原油の値下がりは石油製品全体といたしましてはおおむね還元されておるものと考えます。 その還元の仕方につきましても、御指摘のとおり、ガソリン等では、日銀の卸売物価指数にもございますように、税込みでも一年間で一割程度下がっておりますが、税金が半分でございますので、これを抜きますと大ざっぱな算術計算でも二割も下がっておる。石油製品の中では一番下がっておりますが、これは特に末端における競争が激化しておるということでガソリンスタンドの経営等にも影響を与えておりますので、不公正な競争あるいは過当な競争は是正いたしてまいりたいと思っておりますが、差益還元を一番行っておる製品、こういうふうに考えております。 それから、灯油につきましては、現在不需要期でございますので、末端価格のモニターは調査いたしておりません。それから東京都の区部の指数等を見ましても、需要期が終わりましてからこの八月まで弱含みでだらだら下がっておる、こういう状況でございますが、御承知のように、八月の末に出光を初めといたしまして大手各社が千五百円程度、去年の十二月から累計いたしますと実質キロリットル当たり五千円程度の値下げに当たるものを発表いたしておりますので、シーズン入り、北の方ではすでに価格交渉等も行われておると聞いておりますけれども、この値下がりが末端価格に反映することを期待いたしております。 それから、LPGにつきましては、御指摘のとおり、末端小売価格は十キログラムで千六百八十円強というところでここ小一年ほぼ横ばいになっておるわけでございます。この間輸入価格は当然のことながらかなりの下落をいたしておるわけでございますが、それを元売り、卸、小売という段階でどのように反映させておるかという点につきましては、元売り段階では、ガソリンとの関係あるいは元売り同士の激烈な競争というようなものもございまして、この一年間で二割程度元売り仕切り価格は私どもの調べでは下がっておる、こういうふうに考えております。 ただ、御承知のように、LPガスは、卸あるいは小売段階にまいりますと、保安経費あるいは人件費というものが非常に大きなウエートを占めてまいりますので、小売業界の従来の主張は、人件費あるいは諸経費の値上がりでその分が吸収されて、横ばいということが差益還元であるという主張でございました。確かに小売価格の中に占めるガスのウエートというのは非常に小さいと思いますけれども、しかし、やはりその部分がこの短期間かなり急激に動いておることは事実でございますし、国民生活に密着しておる品物でございますので、諸般の諸経費の値上がりはあろうとは思いますけれども、合理化をせいぜい努力をいたして最大限の引き下げを行ってほしいという要請を繰り返してきたわけでございますが、特に七月、八月に入りまして円高の進展も急激でございましたので、私どもの方から文書をもちまして、卸業界、小売業界に最大限の値下げを行うよう要請をしたところでございます。 それを受けまして、先生御指摘のように、先般小売の団体におきまして、通産省の要請に従って値下げを行おうという決定をいたしましたが、ここで具体的に幾らにするというようなことを決めますと、独禁法上の問題が出てくることは事実でございます。もちろんその水準等によりましていろいろな考え方はあるかと思いますけれども、やはりいろいろな問題も出てくる、こういうことで、小売業界では地域の実情、それから小売店の状況に応じて最大限の努力をして値下げをする、こういう申し合わせをしたわけでございます。 それで、一部月間六十円というような数値が出ておる向きもございますが、これは一部の地区においてすでにそういう値下げを行ったという前例があり、それを横目でにらんで一部の業界幹部の方が物を言われたものというふうに解釈いたしておりまして、これは物差しというようなものではないと存じておりますし、われわれは卸の段階においてももう一つ努力してもらいたいと思っておりますので、卸業界も指導しながら逐次でき得る限りの還元あるいは値下げが行われるよう、今後地方通産局等も指導しながら、実態を十分観察いたしながらその実現方に努めてまいりたいと思っております。
○中村(重)委員 LPGの価格が横ばいであるというこの千六百八十円という数字、これはどうして――ガソリンの場合は値下がりをやって、いわゆる還元ということについてはあなたがお答えのとおり私も評価をしたいと思うのですよ。しかし、それは良心的にああなったんじゃないんだね。これは競争なんだよ。競争原理が働いたということなんだ。ところが、通産省がおやりになることは、であるからできるだけ値下がりにならないように、さあスタンドをつくることを抑制をするとか、いろいろなことをおやりになろうとするんだな。それが価格にまで手をつけようとしたんだけれども、世論が、私もこれはけしからぬという申し入れをいたしましたが、そういうような世論も、何だ通産省は業者べったりじゃないか、下がったかと思えばそれを上げようとしておる、あの手この手で業者利益ばかり考えて、消費者の利益を考えようとしないじゃないかというような圧力が非常に高まってきたから、価格まではいかないで、特定のところだけを指定して、そこにはガソリンスタンドをつくらせないというようなことをおやりになっていらっしゃる。 このLPGの場合もそうなんだ。標準価格というものをつくって高値安定をやらせた、そういうことが今日LPGの価格が下がらないというような原因になってきている。だから、みずから反省をするのでないといけないということを、私はこの際警告を申し上げておきたいと思うのですよ。 それから、どの程度の決意をもってLPGの価格を引き下げるというようなことで対処していこうとしているのか、委員会での質問に対して、独禁法上の問題も出てくるからなかなか言いづらいというようなことで、多少控え目に答弁をされたんだろうと思うのだけれども、どうなんですか、値下がりになることは間違いないという確信をお持ちですか。
○神谷政府委員 LPGにつきましてはなぜ下がらぬのかという御指摘、これはしばしば指摘されるところでございまして、私どもとしても内容につきましては分析をさせていただいておるわけでございますが、千六百八十円強という小売価格のうち、いわゆる通関で入ってまいりますガスの値段というのは二割五分ぐらいでございまして、もちろん卸段階で若干の人件費が積み重ねられ、小売段階でかなりの人件費、保安経費等が積み重ねられるわけでございますが、そういう小売価格の中に占めるガスの比率が非常に少ない。 ガソリンは、御承知のように、これも値段が刻々と動いておりますけれども、キロリッター当たり税込みで八万円を切るか切らぬかという話になっておりますが、そういうものが末端で九十円で売られておるからけしからぬとか、八十円台になったのがおかしいとかいう議論になっておりますので、これは税金も入っておりますけれども、税金も入れたガソリンの値段というものが末端のスタンドの中でのウエートが相当高い、このことがあるいは円高に伴う原油価格の値下がり分というものを末端に容易に反映し得る原因だろうと思っております。 そういう意味で、プロパンガスにつきましても小売業界の最大限の努力は要請いたしたいと思っておりますが、ガソリンスタンドに比べて努力が足りないときめつけるのは、プロパンガスの小売業界に対して、これは私どもの感じですが、やや酷であろうと思います。しかし、二割五分であろうと何であろうと、元売りの方が急激に下がっておることは事実でございますので、これは値下がりはさせたい。するかという御質問に対しましては、ぜひさせるように最大限の努力をしたいというふうにお答えさせていただきます。
○中村(重)委員 あなた方が努力をしていこうとする姿勢については、いいことだからそれを責めようとは思いません。しかし、ともかく後ろ向きで、本当に真剣にやろうという姿勢が足りないということは指摘しておきたいと思うのですよ。何かやらないとたたかれるからというので、不承不承に手を出すということじゃだめなんだ。 それと、小売の場合に、人件費その他いろいろな経費が高くなっているから、それにいま元売りから下げられた価格の程度では吸収されたということだけは事実だろうと思うけれども、もっと強いところに、本当に為替差益を抱き込んでいるその元売り段階においてもっと値下げをやらせるというようなことじゃないと、実効を上げることはできないということだけは申し上げておきたいと思います。 それから、次に森山局長にカラーテレビの問題でお尋ねをしたかったのですが、時間的な関係もございますから、お忙しい時間でしょうが、もし時間内にお答えをいただくことができるようであればお尋ねをいたします。もしお忙しかったらばお引き取りいただいて結構でございます。 次に、低金利時代ですが、通産大臣、四十九年、五十年ごろには非常に金利が高かったですね。いまは、公定歩合も史上最低と言ったらいいのか、三・五%。ようやく貸出金利が市中銀行等も若干値下がりして、金利引き下げが一巡したということも言えるのかもしれません。一方また、いつも申し上げるように、歩積み両建て、にらみ歩積みというようなのは依然として残っているということ、これはそうした点については十分な指導をしていただきたいということを要請しておきますが、政府関係の金利なんです。 これは民間の金利と比較をいたしまして高いですね。それから、四十九年、五十年当時の高金利時代貸し出しておった金利というものを下げないわけだ。だから、企業としてはその金利負担は大変なのです。だから、この際思い切って、四十九年、五十年当時貸し出しをしておった金利を下げさせる、償還期限も延長する、こういうことをおやりになるのでないと、私は実態にそぐわないと思うのです。 交渉されて大蔵省がどうしてもだめだと拒否しているということなのか、そこまで本当に踏み込んで金利の引き下げをやらせようという態度をおとりになっていらっしゃらないのか、そこらはいかがなんですか。
○左近政府委員 金利の問題について一番重要な影響を受けます中小企業について申し上げたいと思います。 政府系の金融機関について、お話のように、過去の貸出金利は当時の金利情勢に従いまして相当高いものでございましたけれども、やはりこのように金利が引き下がりまして、政府系の機関につきましても現在七・一%というふうに下がっておりますが、過去の金利の引き下げにつきましても昨年から実施をしておりまして、不況業種に属する赤字の中小企業者を対象といたしまして、現在では既往の貸出基準金利を八・一%まで下げるという形で指導しております。こういうことでございますので、従来の高金利は相当解消しておると思います。今後もこの線を守っていきたいというふうに考えております。 なお、今後の金利につきましては、緊急対策等の特別貸し出しにつきましては一般金利よりも安い金利を準備してまいりたいということで、現在当たっておるところでございます。
○中村(重)委員 八・九だったのかな、八・一%に下げるから相当下がったというのは、まあ〇・七下がったのだからそれは下がったということにはなるだろうと思うけれども、やはり現状の水準に並べないとね。政府がそんな態度ではだめですよ。中小企業庁長官、あなたは今度異動で長官になられたのだから、勇断をもってこういうことは大蔵省に乗り込んでいって一歩も引かないという態度でおやりにならぬと、予算編成のときに取り組む姿勢以上の態度でお臨みにならないと私は納得しないです。 私は、この間日本商工会議所の会員総会にも行ってこの点触れたのだけれども、決議ぐらいやりなさいよということを申し上げたわけです。通産大臣、あなたもお考えになって、これは矛盾している、現在の金利水準に並べていくということでないといけないというふうにはお思いになりませんか。
○河本国務大臣 過去のものを一律に現在の水準に修正するということは、特に長期の場合はなかなかむずかしい背景がありますので、これは一概にできませんが、いま長官が申し述べましたように、順次改善の方向に努力しておるところでございます。
○中村(重)委員 次の五十四年度の予算編成の中ではぜひひとつ並べる、漸次というお言葉をお使いになったが、それまでの間は、これからの作業でしょうから、ぜひ引き下げるというようなことで対処していただきたいということを申し上げます。 それから、同様に信用補完の問題もそうなんです。金は借りなければならない、円高不況の中においていろいろ設備をしなければならない、省力設備ぐらい、その他いろいろな設備を弱いだけにやりたいでしょう。だけれども、金がなかなか借りられないからやれない。担保がないというのですね。だから、いまの無担保保険にいたしましても、あれは五百万円であったものを、私の方で三百万円増加をして八百万円にすることに修正案を出しまして、そして閣議まで開いていただいて修正に応じてもらったという経緯があります。したがって、いま無担保保険は八百万円なんですが、これも千六百万円ぐらいに引き上げていく。 そうなってくると、今度は保証協会は代弁がふえてくるというような不安があるわけでありますから、それには準備基金等も増額をして、そしてまた保証協会に対するところの補助金等もお出しになって、今度の補正でも六億か幾らかの補助額を計上するということで、補正をお出しになっていらっしゃるように思うのでありますが、そうしたことでカバーしていく。そういうことでこの無担保保険等は少なくとも一千万から千五百万、千六百万ぐらいまでに引き上げていくとか、あるいは普通保険も、まあ五千万でございますが、これは絶対額をふやさないと、その額だけ、上限だけを上げますと、今度は本当にその保証を、信用補完でもって融資を受けなければならない中小零細企業の方々に金が回らないという形になってまいりますから、絶対額はふやさなければなりませんが、いわゆるその特別小口保険にいたしましても普通保険にいたしましても、これは再検討なさる必要があるであろうというように思います。五十四年度の予算編成の中においてこれらの点について検討していらっしゃるのかどうか、伺っておきたいと思う。
○左近政府委員 信用補完制度の拡充ということで、この付保限度の引き上げの問題でございますが、現在、緊急対策といたしまして円高関連の対策、あるいは特定不況地域対策というような点がございますが、これもいずれも金融措置と並行いたしまして、同額の別枠の保険の付保ということを実施しております。 当面の対策といたしましては、こういう緊急必要なものにつきましての保険の限度額を倍にするという形で対処いたしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、今国会で御審議を願おうということで現在準備をしております特定不況地域の中小企業対策の臨時法でも、その保険の別枠というものを御審議に加えたいというふうに考えております。 一般の事業資金に対する保険の限度の引き上げにつきましては、いろいろ検討しておるわけでございますが、現在の一件当たりの利用額は、限度額に比べまして比較的まだ平均の数値は低いわけでございまして、余裕がございます。ただ、お説のとおり、必ずしも平均の額だけでこれを論ずることはできないと思いますが、この点についてはもう少し現状を検討した上で対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 以上のような観点から、実は今度の国会で御審議を願う補正予算の中で、保険公庫に対する追加出資額といたしまして八十億を計上しておりますし、それから来年度予算といたしましては、やはり保険公庫に対する出資を六百五十億計上いたしておりますので、これは今後の予算の結果でございますが、そういう点でこの付保額の余裕を持たすということの対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 お答えは要りませんが、過去においては、準備基金ということよりも融資基金をずっとふやしてきたわけだ。五十三年度からは、準備基金の方に重点を置いて、融資基金を抑えてくるということになってきたんだね。そのかわり、保証協会に対する補助金は出してくる。これは融資基金というものもやはり大幅にふやしていくというようなことをおやりにならないと、保証協会の保証能力が高まってこない。そういう点については、来年度予算の中においては実情を十分踏まえて対処してほしいということを申し上げておきます。 それから、あなたの方で適格組合の資格証明というものをお出しになっていらっしゃる。たとえばドックなんかにも出している。ドックなんかに出すということは、運輸省にあなたの方の適格資格証明というものは効果があるということになるわけなんだよ。一般の中小企業にお出しになるというのならば、それは通産省関係だというようなことで理解できるのだけれども、ドックなんかに出すということは、これは船の修繕とか新造以外にはできないんだろう。それに対してお出しになっていらっしゃる。 ところが、今度はその当該中小造船業の人は大変喜んで、ありがたいと感謝感激で、海上保安庁であるとかあるいはその他に、自分の方に受注させてくれと行くんだが、問題にしないんだね。そんなものは知りませんよと言う。そして従来の実績だけで――通産大臣、あなたが特に関心をお持ちになる問題だから申し上げるのですが、そんなことは関係ありませんよ、一切は当該の通産局の方から適格組合資格証明をもらったその造船所で受注、修繕も建造もできるわけだけれども、そんなものは知りませんよと言って、従来の実績だけで、相手にしてくれない。 おかしいなと思って、私はこの間運輸省に行った。謝敷船舶局長にも会ったんだが、そんなことは知らないと言うんだ。聞いて、そういううわさだけれども、何でそんなものをぺらぺらお出しになるのかさっぱりわかりません、運輸省に相談してないと言う。 これは一方的に通産局が出しているんだな。だから、通産局が出したというなら、中小企業庁その他十分省内で話し合いをしてお出しになったんだろうと思う。効果のないものをなぜ出すのですか。出した以上は関係省と合い議をしなさいよ、建設省とも、それから運輸省とも。そうして、出したものが本当に効果を発揮するようにしないと問題にならぬじゃありませんか。そういうところから政治不信というものが起こってくるのですよ。われわれに攻撃の矢が飛んでくるのですよ。 私は、そういうことを聞いたから、早速運輸省に行ってその実情を確かめるということまでやっているのですよ。あなた方はそういうことをおやりになったんですか。どうするのですか、こういうことに対して。
○左近政府委員 適格組合という制度は、事業協同組合等が予決令によりまして随意契約を認められております。したがって、随意契約に適する事業協同組合であるということの証明でございます。したがいまして、こういう証明を持っておるものについては、国等が発注するときに随意契約ができるということでございます。そして、これについては毎年中小企業者に対する国の契約の方針というのを閣議決定をいたしまして、ことしも七月十四日にいたしましたが、その中でも特に事業協同組合の活用ということで、随意契約制度を活用して、この中小企業庁が証明した官公需適格組合に対する受注機会を拡大するということも決められております。 そしてまた、これに従って関係各省にも御相談をし、またこの周知徹底を図っておるわけでございますが、そういう事例がございますればまことに遺憾でございますので、具体的な事例につきましてわれわれも十分周知徹底するように努力いたしたいというふうに考えております。
○中村(重)委員 通産大臣、こういうことは閣議で問題にして、そしてあなたの方でお出しになったその資格証明が本当に効果を発揮するようにしないとだめなんです。私どもが、中小企業省をつくりなさいとか、中小企業庁長官をもっと格上げをして、「夕官」と言われないようにもっと閣議ぐらい出席させるようにしなさいと言うのはそういうことなんですよ。中小企業庁が出すものがほかで問題にされない、建設省、問題にしない、運輸省、問題にしない、こういうことでは話になりません。ですから、閣議で問題にされて、せっかく出したそういう証明なんというものが本当に実効を上げるような、そういうことにしてもらわないといけない。どうなんですか。
○河本国務大臣 十分注意してまいります。
○中村(重)委員 最後に、石油備蓄の問題についてお尋ねをするのですが、橘湾に八月二十一日に長崎県当局あるいは漁連あるいは当該関係の漁協に対して正式要請をお出しになった。ところが、これに対する反発は非常に高まってまいっております。 ですから、一々お尋ねをしたいのですけれども、時間の関係がありますから私から指摘をいたしますが、この間、長崎総合科学大学というのがシンポジウムをやりました。石油公団の方からも御出席になりまして質問に対する答弁もしておりましたし、考え方の説明もしておりました。私も出席をいたしました。漁師の人たちが仕事を休んで、二日間にわたったのですが、相当たくさんの方々が出席をし、また意見も述べるというようなことをやっておりましたが、反対が非常に強いです。 安全性の問題は言うまでもありませんけれども、自分たちはもう操業できなくなりますと言うのだ。こんな湾に十隻もの大型タンカーを入れて、年間八十億も上がっているという――実際は五十五億というデータを私は見たのですけれども、八十億なんという数字を言っておりましたが、そんなに漁業所得を上げているのですよ。それを二十億やそこら二年間で水面使用料をもらうということではもう問題になりません、やめてほしいということで抵抗が非常に強いわけでございます。 これに対して、今後ともあくまで知事が受け入れの意思を表明をしているから粘り強くやろうとお考えになっていらっしゃるのかどうかという点が一点であります。 それから、そうした漁民の声といったようなものは、通産省みずからこれを確かめるのではなくて、県当局に一切を任せていらっしゃるということなのかどうか。そういう漁民の声というものを否定なさるのかどうか。いや、それは単なる反対の理由づけであって、実際は操業できるのだという考え方をお持ちになっていらっしゃるのかどうかという点が二点であります。 それから、水面使用料一キロリットル当たり四百円ということでは問題になりませんと言っているのだから、それでは金額を大蔵省と折衝して引き上げていくといったこと等までお考えになっていらっしゃるのかどうかという点。それから、十隻という船を持ってこられたのではどうにもならぬと言っているのだから、いま三千七百メートルですから、それではその間隔をさらに拡大をしていくために隻数を減らすというようなことも検討していらっしゃるのかどうかという点が三点であります。 もう一つは、申し上げるのですが、そういうタンカー備蓄等の国家備蓄を強力に推進しなければならない理由はもうなくなったのじゃないか。世界的に石油需要は減ってまいりました。サウジアラビアにいたしましても、生産削減をするということまでやっています。中東の和平は、御承知のとおり進められています。日本はサンシャイン計画をさらに進めていく、中国からも大量の石油の輸入をしていく道も開かれています。そういったときに、国家備蓄をさらに強力に推進しなければならない理由、ましてや水産長崎県のようなところの漁民が本当におびえている、やめてほしいという切なる願いを持っている、それに粘り強く押しつけて入れなければならない理由はないのだと私は思っているのですが、あくまでそれをやろうとお考えになっていらっしゃるのかどうか。 まずそれらの点に対してお答えをいただいて、納得がいかなければさらにお尋ねをすることにいたします。
○天谷政府委員 お答え申し上げます。 タンカー備蓄を橘湾において実施したいというのは政府の方の従来からの考え方でございまして、他方、これに対しまして、十五漁協のうち六漁協に属する一部の組合員の方々が九月三日に橘湾タンカー備蓄反対推進協議会を結成され、反対の運動を展開しておられることはよく承知しているところでございますが、今後とも県及び公団が反対の皆様とよく相談をして御了解を得る、御納得を得るという努力を続けさせるように指導をいたしたいと考えております。 操業の問題でございますが、十隻の船が錨泊をすることによりまして漁業の操業にどういうような支障が出てくるのか、こういう問題につきましては、現地におきまして漁民の方々、それから県、公団の担当の方あるいはまた船の方と相談をしながら、お互いによく納得ができるような検討を続けることが必要であろうと考えております。 それから、使用料の問題、隻数の問題につきましては、これも今後の検討ということでございますが、現段階におきましては、われわれは、使用料、隻数につきまして新しい要素が出てこない限りにおいて、これを変えることはなかなかむずかしいのではないかと考えております。 それから次に、タンカー備蓄の必要性の問題でございますけれども、これにつきましては、現段階で短期的に考えます限りにおきまして、確かに油の需給は国際的に見て緩んでおるわけでございます。しかしながら、これが一体いつまで続くものであるかということに関しましては、私どもは、どちらかといいますと、これは短期的現象ではなかろうかというふうな危惧の念を抱いているわけでございます。 いま世界的に不況でございまして、なお石油ショックの後遺症から立ち直らず世界景気が不況でございますために油の需要が緩んでおる、他方、北海、アラスカ、メキシコあるいは中国というようなところで油田が新規に発見されまして、供給がふえておるわけでございます。そういう新しい供給がふえ、他方需要は不振であるという状況におきまして、現在石油の需給は緩んでおります。それからまた、中東和平の線が進んでもいるわけでございます。 しかしながら、中東和平を主導しておるところのアメリカが、国策として百八十日分の備蓄をやろうという政策を内外に発表いたしまして、これを推進をいたしておるわけでございます。ヨーロッパ等におきましても、百二十日備蓄というようなことを目標に政策を進めているわけでございます。したがいまして、では何日が妥当かということの客観的な証明ということは非常にむずかしいと思いますけれども、やはり国際的な相場まで備蓄水準を上げていくことは必要ではなかろうかと考えております この備蓄は、九十日までは民間備蓄でやり、それを超える分につきましては国家備蓄でやっていくというふうに政府の方針が決まっているわけでございまして、なお、国家備蓄の方は、本格的にやるのは陸上備蓄といいますか恒久備蓄といいますか、ということで考えておりますけれども、しかし、暫定的な措置としてこのタンカー備蓄をやる、そういうことで地元の御理解を得ながら、こういう政府としての方針の実現のために努力をしていきたいと考えております。
○中村(重)委員 石油ショック当時の状況は変わったということは、確信を持って言えると私は思うのです。アメリカにいたしましても、カーター政権も、むやみやたらに石油の輸入をやるということに対しては、他の消費国からの抵抗もあり、これを規制をしていくという方向に取り組みつつあるということも実情であるわけです。 それから、日本としても、きれいなエネルギー、サンシャイン計画というものをもっと強力に推進をしていかなければならないことは事実である。コストがどんなに高くなっても、エネルギーの安全保障ということで石油の備蓄をあっちもこっちもやるんだというようなことになってまいりますと、サンシャイン計画というようなことについてどうしても手を抜くような形になってくる、取り組みが弱くなるというようなことも私は指摘できると思う。だから、状況は変わってきた、したがって、余り無理をすべきではないということは申し上げておきたいと思います。 私ども、エネルギーの安全保障というものを否定するものではない。したがって、備蓄法案には賛成をし、国家備蓄にも賛成をしたわけです。われわれがしたからといって、どこでもよろしいということではない。そこは選別をしていかなければならないということであります。水産県長崎のようなところにそういう強引なことをやるべきではないということを申し上げておくわけです。 それから、タンカー備蓄をやるということになってくると、これはチャーター料というのがある。一キロリッター三千五百円ですよ。水面使用料が四百円、立地交付金が百円、それから公団そのもののこの事業をやることについての費用というものは相当な額に及ぶであろう、そういうふうに考えるわけでありますが、そうした諸費用というものがコストの中に占める割合というものはどういうことになるのか、どの程度上がってくるのですか。
○神谷政府委員 現在、原油代が、これは円のレートによって刻々変わりますけれども、一万八千円弱、たとえば一万七千八、九百円というふうに考えられます。CIFでございます。それに対しまして、タンカー備蓄、漂泊と錨泊で若干異なりますが、全体といたしまして四千九百円強というものが――金利抜きでございます。金利抜きと申しますのは、原油代の金利抜きで、用船料、それからその他安全関係の費用、それから漁業補償等を含めまして四千九百円強ということになると思います。
○中村(重)委員 時間が参りましたからこれで終わりますけれども、相当なコスト高になってくる。こういう情勢の変化の中で、そのコストがどんなに高くなっても備蓄をすればよろしいというものじゃない。なるほどこのタンカー備蓄というものは、船主協会の救済策にはなるかもしれぬが、造船不況対策ではない。だから、一方はそれで守られることになる。しかしながら、大多数の人たちに犠牲を強いることになる。 ましてや、経済水域二百海里、沿岸漁業の振興、国民の水産たん白源というものが非常に重要性を持ってきている。そういう際に、長崎県におきましてもきわめてあれは好漁場であるわけです。本当に漁民は泣いている。私たちはそのタンカーの間を縫って操業できません、やめなければなりません、またずっとほかのところに移動しなければなりません、そこには漁業権の問題で大変な混乱が起こります。泣いて私どもに訴えます。だから、社会党が言っているように、いわゆる安全性というような問題、そのことも大事でありましょうけれども、私どもの生活の問題をどうしてくれるのですか、こう言っている。もちろん私どもも安全性は大事でありますけれども、そういう漁民の生活の問題ということを私は何回もこの委員会で申し上げました。 だから、ここでお答えをいただくのですが、いままで私の数回に及ぶ質問に対して、漁民だけではなくて、環境問題その他の点から、住民のコンセンサスが得られなければ強引にタンカーを入れるというようなことはいたしませんと繰り返しお答えになっておりますが、前任者のお答えのとおりにいまも考え方は変わっていらっしゃらないのか。漁民、住民、そういうもののコンセンサスを得て、反対がなくなって初めて橘湾にタンカーを入れる、あるいは上五島に対する洋上備蓄を行う、それがない限りやらないというように確認をしてよろしいか、お答えをいただきます。
○天谷政府委員 民主主義の原則に従いまして合意ができ上がるように努力をしていきたいと思います。
○中村(重)委員 明確に橋本さんもお答えになっている。合意をするように努力はいたしましたけれどもだめでした、そういうことになればこれは強引に入ることになる。コンセンサスが得られなければタンカーは入れません、こう言って明確に答弁をしてきているのでありますから、前任者の答弁をお認めになるか、修正をしようという意図があなたにあるのか、いかがです。
○天谷政府委員 地元の合意という意味が、もしたとえ一人でも反対する人があるときは一切やらないのかという御質問であれば、そういうことは、そこまでは私はお約束いたしかねるということでございます。やはり何万という人がおいでになりまして、その中で賛成の方も反対の方もおいでになるであろう、粘り強くお互いに意見を交換し、御理解を得るという努力はしなければならないと思いますけれども、たった一人でも絶対反対だとおっしゃる方がおったらやらないのかという御質問であれば、そこまでは私は、そうでございますとはちょっと申し上げかねる次第でございます。
○中村(重)委員 常識じゃありませんか。漁民も団体ですよ。それから住民もいろいろな組織があるのですよ。環境を守る会であるとかいろいろな団体があるのです。そういう少なくとも一人ということを非常識に申し上げているのじゃないのだ。漁民がいるから、その地域の団体が、住民が反対をしても構わぬ、やるのだというようなことではなくて、少なくとも漁民あるいは地域の住民あるいは環境を大変心配をしている団体、そういう人たちと最大のコンセンサスを得るために努力をして、そういう方々の合意の上に立たってコンセンサスを得られた場合にこれを実施するのだというようなことであれば、そのとおりお答えいただけば結構です。橋本さんもそういうお答えになっているわけです。
○天谷政府委員 民主的な物事の進め方においてコンセンサスというものの常識があると思いますので、そういう常識に従ってコンセンサスを得、その上でこの事業を進めたいというふうに考えます。
○中村(重)委員 最後に大臣から、ただいま私が前任者、前長官の答弁というものを確認を求めたわけでありますが、いまずっとお聞きになっておられて、大臣として今後どう対処していこうとするのか、その姿勢をお聞かせいただきたい。
○河本国務大臣 いま最後に長官の方から答えましたその方針に従って進めてまいります。
○中島(源)委員長代理 午後一時四十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十九分開議
○橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。長田武士君。
○長田委員 今国会の主眼は、何と申しましても、長期不況を打開し、景気を着実に回復軌道へ乗せる、そういう適切な対策を講ずることが最大の課題であると考えております。そのためにも、経済の動向を的確に把握することが当面の急務でなかろうかと思います。そこで私は、当面する経済情勢と補正予算について、順次お伺いをしてまいりたいと思います。 まず初めに、政府は、今回の補正予算で追加措置をとらなければ、本年度の経済成長率は五・七%にとどまってしまうとしているわけでありますが、この調整に当たって、通産省は五・四%前後と主張したと言われております。これによると、通産大臣の現状認識が相当厳しいものであると思っておりますが、この点いかがでしょうか。
○河本国務大臣 九月二日に補正予算を中心とする総合景気対策を決定をしたわけでありますが、その際、現状をどう見るかということについてずいぶん議論をいたしました。政府部内には、現状を非常に厳しく見るという考え方と、現状を比較的楽観する二つの考え方がございましたが、あらゆる角度から検討いたしました結果、このまま何もしないでほっておけば、輸出の減少等もありますので、大体五・七%ぐらいの成長しか期待できないのではないか、こういう合意に達したわけであります。その見通しに基づきまして必要な内需拡大策をやろうということで、事業規模二兆五千億になる追加政策を中心といたしまして今回御検討をいただくようにお願いをしておるところでございます。
○長田委員 私がこのように質問いたしますのは、通産省をほめるわけではありませんが、昨年九月にも、政府が景気対策について追加措置をとらなければ五・九%になるとして補正予算編成の際にも、通産省は五・三%ないし五・五%の見通しを立てたと言われておるわけであります。そして実績は、二度にわたって補正予算を組みながら、五・五%にとどまってしまったわけであります。このように見てまいりますと、通産省の見通しが一番近かったということになるわけでありますが、私は、本年度においても通産省の厳しい見方が的を射ているように思えてならないわけであります。 そこでお伺いしたいのでありますが、通産省の立場ではとうてい今回の補正では七%達成は不可能ということになるわけでありますが、通産大臣、今回の措置で七%達成は可能と見ておられるのかどうか、この点どうでしょう。
○河本国務大臣 これは、輸出の見通しをどのように見るかということが、一番のキーポイントだと思います。百九十円という水準が続くということになりますと、相当輸出も減少すると思います。すでに七月では数量で八%、円ベースでは一二%、八月におきましても数量で約五%、円ベースで約八%と落ち込んでおりますが、この傾向が当然続くものと考えられます。しかしながら、円がある程度回復をいたしまして二百円以上になるということになりますと、またおのずから事情が違ってくるのではないかと思います。通産省の計算によりますと、大体二百円を境といたしまして円が十円動くたびに輸出には相当影響が出てまいりまして、それは経済成長率に〇・三%ぐらいの影響があるであろう、このように考えております。 したがいまして、円の水準いかんでいろんな見通しが出てくるわけでございますが、しかしながら、いろいろあらゆる角度から検討いたしました結果合意を得ましたことは、先ほど申し上げましたような内容でありまして、ただ、経済は激動期でありますから、数カ月先にはどのような事態が発生するかもわかりませんし、刻々に変わるわけでございますから、そういう経済の動きを正確にとらえまして機動的に経済運営をしていく、さらにまた、財政だけではなくて、財政、貿易政策あるいは産業政策、金融、いろんな角度から総合的にこれを進めていくことが必要であります。でありますので、通産省といたしましては、総合政策を決めます最終段階におきまして、経済運営の基本原則として以上申し上げました二つの態度がぜひ必要であるということを、強く主張をしておいたのでございます。
○長田委員 報道によりますと、通産大臣は二十一日の講演で、現時点ではこれだけのことを実施すれば七%成長は可能だとしながらも、不測の事態が起きればと前置きはされておりますが、必要ならば第二次補正予算の編成も示唆したと言われております。ここに私は通産大臣の真意があるような気がしてならないわけであります。不測の事態が起こればと言っておられるわけでありますが、やはり今回の追加策は十分でないという考えに立っていらっしゃるようにも考えられるわけであります。くどいようでありますが、この辺の真意と第二次補正についての考え方をお聞かせをいただければと思います。
○河本国務大臣 ことしの七%経済成長の目標は、本年度の経済運営の一番の基本になる数字でありますが、初めはこれは国際公約ではないという考え方もあったと思います。ただしかし、ボンの会議で、日本は昨年の経済成長にプラス一・五%という経済成長目標をことしは実現をいたしますということを約束をいたしましたので、現在ではこれは国際公約になっておると思います。それと、さらに雇用の情勢が非常に深刻な状態にございますので、こういう意味からもぜひ七%経済成長の達成は必要だと思います。さらにまた、来年度以降に高目の経済成長を引き継がなければなりませんので、そういう意味からもやはりどうしてもことしは七%程度の経済成長はぜひ達成をしなければならぬということで、懸命に取り組んでおるわけであります。 先ほども申し上げましたように、世界経済は激動しておりまするし、日本経済もまたそれにつれまして非常に大きな影響を受けます。でありますから、一たん政策を決めましたから常にそれで十分であるということではありませんで、やはり世界全体の動きをよく見きわめまして、日本がどのような影響を受けるのか、また、日本においても不測の事態が発生してないかというようなことを十分注意をしながら、予定どおり経済が進んでいかないということであれば、これはもう当然のことでありますけれども、必要な手は当然打たなければならぬと思います。ただしかし、私は、現在程度の追加政策をやれば現時点では七%の経済成長は達成できる、このように判断をいたしております。
○長田委員 七%成長は一応できるということでありますけれども、御答弁の端々に非常に懸念されておる真情が吐露されておるように思っております。 私は、通産省として最も懸念されておることは、輸出の先行きについてであろうと考えるわけですね。政府の見通しでは、円建て輸出について、今回十九兆六千億円と、五十二年度対比ではマイナス八%と修正しておるわけであります。民間機関では、十八兆そこそこで、マイナス一五%と見ておる機関もあるわけであります。私たちはこれまで、国内需要の喚起によって輸入をふやし、経常黒字の縮小を主張してきたわけでありますが、輸出動向いかんでは、今後の見通しも大幅に狂ってくると言わざるを得ません。そこで、今後の輸出の見通しについて通産大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 七月と八月の数字は先ほどちょっと申し上げましたが、年度間を通じては今回も相当減るのではないかということで、修正経済見通しでは相当大幅に減る数字を計上しております。このとおりにいくかどうかは、実際はやってみないとわかりませんが、先ほども申し上げましたように、もう少し推移を見きわめたい、こう思っております。
○長田委員 私は、円高によるデフレ効果は、後半になるに従って顕著になってくるのじゃないかと考えるのですね。七月の確報で、鉱工業生産動向は、生産は前月に比べて〇・八%、出荷も一・二%の低下となっておるのはそのはしりと見なければならないと思います。輸出が減少すれば海外経常余剰部門に直接響き、生産量や投資量の減少となって成長のマイナス要因となるわけでありますが、再度、五十二年度に比べてマイナス八%程度におさまるのかどうか。 さらに、先ほどの講演の内容でも不測の事態と言っておるわけでありますが、輸出の減少のことも含めているのではないか、このように私は考えるのですが、その点いかがですか。
○河本国務大臣 一年前二百七十円近い円のレートであったものが、現在百九十円ということになっているわけでありますから、これは円の水準というものは非常に大きく動いたということになります。これだけ動きますと、これはあらゆる分野で想像もできないような大きな影響が出てくることは当然でありまして、この影響を過小評価するということはいかがなものかと私は思います。相当時間がかかりましてこの水準になったということであれば吸収もできますけれども、きわめて短期間にこの水準になりましたので、よけいにこの影響は大きいと思っております。 そこで、先ほど申し上げましたように、輸出の減少はおよそこの見当であろうということを一応想定をしておりますが、実際はもう少し様子を見ませんと正確な判断はできない。一応仮定の数字としてこの見当であろう、こういうことを言っておるわけであります。でありますから、この数字が大きく動きますと、これは当然何らかの対策が必要でありますが、現在のところはほぼこの見当ではなかろうかということで見通しを立てたわけでございます。
○長田委員 通産大臣は七%間違いないと言われておるわけでありますが、実は本年度の当初見通しの際も全く同じことを答弁されておるわけですね。私が本年三月三日、本商工委員会で七%成長の達成に疑問を持って質疑したときにも、通産大臣は、「財政をてこといたしましてあらゆる政策手段を動員していくというのがいまの政府の基本方針でありますから、それを間違いなくやっていくということをやれば、必ず達成できると考えております。」こう発言をしておるわけであります。こうした経緯からも、七%大丈夫だと言われましてもなかなか信用できないわけですね、通産大臣。今後の政策を進める上でも、こうした見通しの間違い、この反省がなければ私たちはなかなか信用できないのですけれども、通産大臣、どうでしょうか。
○河本国務大臣 円の水準は、昨年の九月ごろは二百七十円前後でありましたか、それがわずか二カ月ばかりの間に二百四十円までいきまして、二百四十円水準が三、四カ月続いておったわけであります。十一月、十二月、それから年初しばらくの間続いておったわけでありますが、私どもは当時は、二百四十円水準が大体続くのではないか、こういう判断をしておりました。いまから考えますと、これは大変甘かったわけでありますが、それがそれ以降しばらくの間に百八十円あるいは百九十円、こういう水準になったわけでありますので、この大幅な円の上昇というものは当然経済に大きな影響が出てまいります。私が不測の事態ということを言いましたのはこのことを言っておるわけでありまして、不測の事態が起これば、当然それに対応する対策が必要でありまして、それに対応するために九月の追加政策をつくったわけであります。 九月の追加政策で何もかも大丈夫か、こう言われましても、現時点では大丈夫だが、しかしながら、情勢が変化すればこれは何とも言えない、その場合には必要な対策が考えられなければならぬわけであります。しかし、大方の見通しが、あらゆる角度から検討いたしまして、まあまあ大体こんなことであろうという意見に一致いたしましたので、先ほど来申し上げておりますような総合政策が決まった、こういうことでございます。
○長田委員 どうかひとつ七%達成に全力投球していただきたいことを要望しておきます。 次に、景気対策の中身について若干お尋ねをしたいわけでありますが、私どもは大幅所得減税を強く主張しておるわけであります。これに対して通産大臣ははっきりと否定をされておるわけですね。私どもは決して減税かあるいは公共投資かの二者択一の論議をしているのではなくて、生活、福祉関連の公共投資とあわせ減税の実施を迫っておるわけであります。政府の言うように、公共投資の方が効果があると言っているのではないのです。これまでも公共投資主導の景気対策が効果的でなかったことから見ましても、この際どうしても減税が必要であると思うのは当然であります。 通産大臣は、減税については全く否定的であるかどうか、この点いかがですか。
○河本国務大臣 いまの段階で所得減税を考えます場合には、その前提といたしまして幾つかのことを分析してみなければならぬと思いますが、その一つは、わが国の財政事情はどうなっておるかということであります。それから第二は、実質国民所得はふえておるのか減っておるのか、こういうことも当然分析してみなければなりません。それから同時に、日本の所得税の水準は外国に比べて一体どうなのか、こういう問題も当然分析してみなければならぬと思います。 そういうことを総合的に判断をいたしますと、現在の時点では、主として財政的な観点から所得減税は大変むずかしいであろう、このように私どもは判断をいたしております。
○長田委員 通産大臣に真剣に考えていただきたいのは、OECDの対日審査であります。その中で、成長率が引き上げられない場合には減税の必要性を説いておるわけであります。OECDが言っているからというわけではありませんが、これは世界の目と見なければならないと考えておるわけであります。 輸出は減少するが輸入も減るということで経常黒字が目標までいかないということにもなれば、日本に対する風当たりはまた非常に強くなるわけであります。この意味からも減税は避けられないと考えておるわけでありますが、この点については通産大臣、どうでしょうか。
○河本国務大臣 私は、七%経済成長は、先ほど来申し上げましたように、ぜひ達成しなければならぬ、主として雇用問題からぜひ達成する必要がある、このように考えておりますが、達成する方法としていろいろあると思うのです。OECDからはそのような意見も出ておるようでありますが、日本は日本の立場からいろいろ考えていく必要があろうと思っております。 ただ、何分にも現在財政事情が御案内のようなことでございまして、減税をするということになりますとさらに赤字国債というものを増発しなければならぬ、こういうことを考え、先ほども申し上げました実質国民所得の動き、それから所得税の水準等を考えますと、現在のところはごしんぼうしていただきまして、やはり公共事業中心の対策、特に今回は総理大臣も第三の道という表明を使っておりますが、教育とか社会福祉施設その他生活環境を改善するために直接必要な幾つかの投資対象をふやしまして、そしてそのことによって国民に利益を還元をしていく、そういう進め方をいたしておりますが、そういうことで御理解をしていただけないものか、このように考えておるところでございます。
○長田委員 減税についてもう一問だけお尋ねをいたします。 昨日の野党の政審会長の会合で、減税要求の組み替え動機で一致した行動ということで合意に達したわけであります。御存じのとおり、予算委員会は逆転委員会であります。通産大臣は、これさえもあくまでも拒否すべきだという立場でしょうか。それとも何らかの対応はやむを得ないという立場なのかどうか、ひとつ率直な御意見を聞かしてください。
○河本国務大臣 私が先ほどお答えいたしましたことは、これはあくまで原則論であります。いまお尋ねの件は、これは国会運営全体を考えて判断すべきことだと思いますし、内閣全体で判断すべきことでありまして、私が軽々にここでこうすべきであるという結論を申し上げる立場ではありません。党の最高判断、内閣としての最高判断、それが必要だと思いますので、私の意見をここで申し上げるのは控えたいと思います。
○長田委員 もう一点、景気対策といたしまして、今回福田総理が、先ほど通産大臣おっしゃっていましたけれども、第三の道などと称して、生活、福祉関係公共投資に力点を置いたと言っておるわけでありますが、それについて通産大臣のお考えを伺いたいと思います。 私は、生活、福祉関係社会資本がおくれておりますわが国において、景気対策としてこれらの公共投資を拡大することは当然過ぎることだと思っておるわけであります。ただ、申し上げたいことは、社会福祉施設整備計画にいたしましても、文教施設の整備計画にいたしましても、閣議決定したものではないわけであります。景気対策の効果を上げるためには、思いつきでなく、この際しっかりした計画を立てることが必要だと考えておるわけであります。私は、第三の道という言葉だけにとらわれ、いかにも思いつきの感をぬぐえないのでありますが、通産大臣はこれについてどのような見解をお持ちでしょうか。
○河本国務大臣 やはり一般の公共事業に比べまして、いまお話しの分野での投資は私も比較的少なかったのではないかと思います。でありますから、今回の補正予算だけではなく、今後計画的にこの分野での予算を最大限ふやしていくということが必要だと思います。計画的かつ継続的に進めることが必要だ、このように判断をいたします。
○長田委員 さらに、生活、福祉施設整備を言うのであれば、こうした公共投資が地方自治体に大きな超過負担を与えること、また精算方法も土木事業等に比べ著しく遅いこと、さらにはその中に働く人の整備が必要なことなど、制度、仕組みを改めることが同時になされなければならないはずであります。当然過ぎるこうした配慮が欠け過ぎていることもあわせ、私は思いつきではないかと言っておるわけであります。 そこで、政府としてはこうした見識を持っていないのかどうか、お尋ねをいたします。
○河本国務大臣 いつも予算を編成いたしますときには、地方の負担ということはもう当然考えなければなりません。そこで、地方の負担がどの程度になるのか、それからもし地方でどうしても資金が不足するという場合には一体どう対応するのかということは、これは当然考えていかなければならぬと思います。そうでありませんと、その事業は円滑に進まぬわけであります。だから、ことしの年初の予算等におきましても、制度そのものは変えてはおりませんけれども、仕組みとして地方財政で不足を生ずるもの、赤字になるものは全部何らかの形で政府がめんどう見ましょうということで、何らかの形でその赤字を埋めてきたのであります。この原則は貫かなければならぬと思います。
○長田委員 次に、景気問題とも深いかかわりのあります一般消費税について二、三質問いたしまして、その後、不況で厳しい立場に追い込まれております中小企業問題についてお尋ねをしたいと思っております。 去る十二日に、政府税制調査会は一般消費税の特別部会試案を発表いたしたわけであります。これに対して通産省は、濃野次官が二十五日の記者会見で、一般消費税の導入は産業政策上多くの問題があるので十分に検討する必要がある、問題を抱えたまま五十四年度から導入することには反対であると言われたと聞いております。私も、反対する理由については相違はあるものの、勇気ある発言といたしまして評価をいたします。これを通産省の正式見解として受け取ってよいのかどうか、通産大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○河本国務大臣 実は次官は関西に行っておりまして、私は、関西から帰ったのか、まだ関西にいるのか、よく知らないのです。その発言は新聞で読みましたけれども、正確にそのとおりの発言をしたのかどうか、実は私も承知しないのです。 ただしかし、私の考え方を申し上げますと、財政再建のためには何らかの税収入の増加を図ることは当然必要だと思います。税収入の増加を図るのには二つの方法があるわけでありますが、一つは、景気をよくすることによって現行制度でも当然税収の増加が期待できます。それからもう一つは、新しい税制をつくりましてそれからの増収を図るということだと思いますが、新しい制度をつくって大幅な国民全体を対象とするような大増税をやる場合には、これは当然それに耐え得るだけの国民経済どいうものが必要であります。経済がよたよたしておるときにそんな大増税をしようと思っても、できるはずはございません。でありますから、何事をやるにいたしましても、景気の回復が先決条件でございます。だから、私どもは決して増税そのものには反対するものではありませんが、増税を受け入れられるような経済の体質にするということが前提条件である、これは平素からの主張でございます。そういう考え方で善処したいと思います。
○長田委員 そうなりますと、通産大国のお考えは濃野次官と同じであると考えてよろしいですか。
○河本国務大臣 次官の発言は正確に承知しないものですから、同じなのかどうなのか、私はここで答弁できませんけれども、私の考え方は以上申し上げたようなことでございまして、次官が帰りましたならば、正確にその発言の内容、真意をよく聞いてみたいと思っております。
○長田委員 また通産省としては、流通機構など産業組織への影響、消費者への転嫁ができない場合のしわ寄せの問題、それから中小企業への影響などの検討を進められておると聞いておるのでありますが、こうした問題のほかに、特に国民は消費者物価の上昇を心配しておるわけであります。消費者物価の上昇は個人消費支出をも停滞させることは当然でありますし、当面の課題でありますところの景気回復に大きなマイナスになることは避けられない状況だろうと思います。この問題について大臣はどうお考えでしょうか。
○河本国務大臣 経済政策を進めます上におきまして何が最大の課題かといいますと、やはりいまお話しの物価問題だと思います。物価が安定をしていない状態のもとでは、経済政策は進められません。ましてや、インフレ傾向が増進してまいりますと、これはあらゆる政策というものをストップしなければならぬ、こういうことになりますと、経済の成長はとまってしまう、あるいは逆に縮小均衡に陥る、こういうことになりますと、日本のような場合には失業問題が大変大きな課題として出てくるわけでございまして、ひいては社会不安にもなる、こういうことを考えておかねばならぬと思うのであります。だから、いまの時点におきまして消費者物価を引き上げる、こういうことはよほど慎重に進めていかなければならぬと思います。
○長田委員 また私たちは、雇用や中小企業の経営に悪影響を及ぼすことは必至ではないかと考えておるわけであります。通産省の検討の結果そうした結論が出た場合、それをどう扱われる予定ですか。
○河本国務大臣 実はまだ今度の税制に対する通産省としての検討は終わっておりません。まだあらゆる角度から検討中でございまして、いろんな分析ができました段階において最終の判断をしたい、こう思っております。いまの段階ではまだ結論が出ておりませんので、先走っていろんなことを申し上げるのはいかがかと思います。
○長田委員 さらに、一般消費税の産業政策に及ぼす悪影響は、ある程度緩和できても避けることはできない本質的なものであると考えるわけであります。したがって、通産省は、単に五十四年度から導入に反対するという消極的なものではなくて、一般消費税にかわる税制改正や財政政策を提案する計画があるかどうか、この点、大臣、いかがですか。
○河本国務大臣 財政の問題は大蔵省が中心になりまして考えられるべき問題でありますから、私どもの方から具体的にとやかく言うべき課題ではありません。ただ申し上げたいことは、財政再建のために税の増収を図るということは必要でありますけれども、その時期、方法、内容等につきまして、経済に非常に悪い影響が出てくる、経済回復の足を引っ張る、こういうことでは困りますから、そういうことのないような方向で当然進められるべきものだと考えます。産業政策の立場から、もし産業政策上これはよろしくない、こういうような考え方が出てまいりますと、当然それに対しては反対をいたします。
○長田委員 次に、中小企業問題についてお尋ねをいたします。 ここ数カ月間の企業倒産は小康状態という数字が出ておりますが、私は今後の見通しは決して楽観できないのではないかと考えておるわけであります。それは倒産の内容を見てみますと、原因は、ここへまいりまして販売不振、売掛金回収難など不況型倒産が過半数を占めておるわけであります。また、連鎖倒産が顕著になっておるわけであります。先ほども論議したとおり、今回の補正予算もそう期待は持てないのではないか、私はそう考えておるのですが、景気対策の効果が中小企業に波及するにはタイムラグがあるわけでありますし、いまさらに強力な対策を打たないと、秋口から年末にかけまして中小企業の倒産というのはもっとふえるのじゃないか、そういうことを私は懸念いたしております。 そこで、まず中小企業の厳しい現状に対する認識についてお尋ねをしたいと思います。
○左近政府委員 中小企業の経営の現状でございますが、御指摘のとおり、中小企業は現在まで景気の回復の状況が遅々とした状態であるということでございます。 たとえば生産の動向にいたしましても、この七月で見ましても、不況前のピーク時の水準をまだ六%程度下回っておるという状態でございますが、大企業につきましては、七月は不況前のピークの水準を大体五%上回っているというような数字が出ております。したがいまして、回復がおくれておるということは明白でございますし、しかも業種別には一部公共事業の波及効果でいいものもございますけれども、おおむね円高とか構造不況業種の影響とか、そういうことで非常に生産がおくれておるということでございます。 輸出額につきましても、去年の十二月以来対前年同月比を見ますと、対前年の同月に比べて落ち込んでおるということでございまして、たとえば六月の水準も前年同月比一二・五%の減というような数字になっております。これは円高の影響が顕著に響いておるのではないかというふうに考えられるわけでございます。 また、倒産についてはいまお話しのとおりでございます。倒産件数は前年に比べて減少いたしましたけれども、相当な商水準でございますし、円筒の状況その他を考えて油断はできないというふうな状態でございます。 以上、総じて申しますと、景気の全般は回復基調にあるものの、中小企業にとってはまだまだ厳しい状態が続くというのが中小企業の景気に対するわれわれの見方でございます。
○長田委員 連鎖倒産の件数、推移はどうですか。
○左近政府委員 連鎖倒産の八月の件数は百三十六件ということになっております。過去の推移から見まして特に急激に増大したということではございませんけれども、これは警戒を要する数字ではなかろうかというふうに考えております。
○長田委員 政府は今回の経済対策で中小企業には相当の配慮をしたというようなことでありますが、今回の経済対策で中小企業の現状を打開するどの程度の効果が期待できるか、その点どう判断されていますか。
○左近政府委員 九月三日に決定されました総合経済対策におきましても中小企業対策というものを重点的に挙げておりますが、その中心は、一つは特定不況地域に対する中小企業対策、それから中小企業の円高対策、中小繊維工業の過剰設備処理対策というようなものを挙げております。こういう対策を実施するに当たりまして、補正予算といたしまして総額約二百五十億ぐらいのものを計上するということにいたしておりますが、この対策を円滑に進めることによって、現在構造不況あるいは円高というものに対するショックに悩んでおります中小企業を何とか支えていけるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○長田委員 地域経済の中核企業が構造不況に陥ることによりまして地域ぐるみ苦しんでおる企業城下町の中小企業を救済するための不況地域法案が、今国会に間もなく提出されることになっております。詳しいことについては法案審議においてるる議論することにいたしまして、きょうは不況地域対策について基本的なことを伺っておきたいと思っております。 今回法案提出に至るまで、通産省と労働省、さらに自治省と三省でまとめて一本の法案を出してくるようなことを聞いておったわけでありますが、結局通産省と労働省のそれぞれが法案を提出するようであります。特に自治省との調整は時間がかかったようでありますが、私が懸念しておりますのは、たとえば今回の法案には公共事業の実施等と言っております。これなどは効果を上げるためには自治省との関連が当然出てまいります。こういう点がうまくいかないと調整できないということになりますと、当然支障が出てまいります。この辺を含めてこれまでの経緯をお示しいただければと思います。
○左近政府委員 先ほど申し上げました総合経済対策におきましても、特定不況地域に対する行政措置のほかに、必要な立法措置を講ずるようにということが決まっておったわけでございます。したがいまして、この特定不況地域に対する立法を臨時国会に提案すべく関係各省と折衝してまいってたわけでございまして、その過程において労働省、自治省ともよく相談してまいりました。 労働省については、基本的には労働立法の例外法ということでいたしたい、したがって、別の法律にするけれども、この指定地域の内容その他については通産省の法律と合わせたいというようなことでございました。それから自治省につきましては、地方自治体に対する援助措置についていろいろ考究したが、現実ではやはり行政措置としてやる方がより現実的であるという結論に達したので、そういう形でやりたい、したがって、この指定地域に対する対策は行政措置として十分やってまいりたいということになりましたので、その結果、労働省と通産省が二つの法律を出すということで解決を見ております。いま最終的な案を整理中でございますが、なるべく急いで閣議決定をお願いして、国会に提案をいたしたいというように考えております。
○長田委員 特定不況地域の指定についてでありますが、去る八月二十八日、通産省は当面の特定不況域地中小企業対策を発表いたしまして、特定不況地域として十六地域が指定されたわけであります。これは今度の法案における特定不況地域に当然入ることになるかと思いますが、このほかに特定不況地域を拡大する方向で検討がなされているのかどうか、まずこれをお尋ねいたします。最終的にはどの程度になるのか、それもお示しをいただきたいと思います。さらに、水産基地については、私の知る範囲ではまだ調整中ということでありますが、指定されるのかどうか、この三点についてお尋ねします。
○左近政府委員 九月の初めから、とりあえず行政的にできる措置といたしまして、特定不況地域の中小企業に対する緊急融資制度というものを創設いたしました。そのときに、緊急融資制度の対象地域といたしまして、構造不況業種がその地域に占める比重の高いこととか、あるいはその構造不況業種に属する企業が前年に比べて非常に生産が落ちておるというようなこととか、あるいはその地域の失業率が増大しているというようなこととか、いろいろな基準を設けまして、その基準に従いまして、とりあえず十六の地域に対しまして現在の融資制度を適用するということにいたしたわけでございます。 現在法律を最終的にまとめておりますけれども、その法案におきましてもいま申しましたような基準を掲げて、その基準に適するものを政令で指定をしようというように考えておりますが、基準はこの金融措置において考えたのとほとんど合わせたいと思っております。ただ、一つは、中核的な事業所というものの業種につきまして、いま御指摘になりましたような水産業も加えたいというようなことも考えておりますので、若干その業種が拡大をするということがあろうかと思います。 それから基準につきましては、基準自身は変わりませんでも、たとえば雇用の状態が今後変動いたしますと、そういう地域は失業者が多発すれば指定されるというようなこともございます。九月時点にわれわれが見ましたのは六月までの状態でございます。また法律ができまして指定をする段階には、恐らく九月くらいまでの状態が判明すると思います。そういうことからこの地域が拡大する可能性が大きいというように考えております。どのぐらいになるかは、ちょっとわれわれも、まだ現状、いまのような基準の変動もございますし、状態の変動もございますので、はっきりは申し上げかねるので、その辺は御容赦願いたいというように考えております。
○長田委員 労働省の方も見えていらっしゃいますか。――労働省はこの特定不況地域についてどのようにお考えでしょうか。水産基地もやはり対象と考えておりますか。
○白井説明員 お答えいたします。 いま通産省の方からお話ございましたように、地域の指定につきましては政府で統一してやるという考え方で、通産省と鋭意お話を申し上げているところで、水産の面につきましても、労働省としましても加えていただきたいというふうに思っております。
○長田委員 労働省にもう一点お尋ねをいたします。 今回の法律案で雇用保険の保険料率を引き上げるというようなことでありますが、私は、雇用保険の目的からいっても、一般財源をもって充てるべきだと考えております。この点と、地域指定に当たっては相当弾力的にやるべきだと思うのでありますが、あわせて見解をお尋ねいたします。
○白井説明員 お答えいたします。 雇用保険の料率につきましては、雇用保険自体の失業給付の財政につきまして最近各年度赤字が続いておりまして、法律では、簡単に申し上げますと、その年度の保険料の額と積立金の額が一倍ないし二倍という比率になるようにということがございまして、それが一倍を割っておるという状況でございまして、基本的に考えなければならない状態になっているわけでございますが、今回の雇用保険の延長給付に際しまして、それに関連します財政上の問題ということで料率も同時に上げていただきたいというように考えて、いま法案を検討いたしているところでございます。 それから、地域の指定につきましては、通産省とよく御相談申し上げまして、弾力的に、雇用失業情勢の悪いところにつきまして、現在の十六でなく、広がってまいるようにお話を申し上げていきたいというように思っております。
○長田委員 それでは、通産大臣にお尋ねいたします。 現在、特定不況地域において特定不況地域中小企業緊急融資制度が行われてきておるのでありますが、特定不況地域の中小企業者の声を聞いてまいりますと、この緊急融資の貸付金利は年六・三%、非常に高いわけですね。五%台にぜひ引き下げてほしい、こういう声が非常に強いわけであります。円高対策法の緊急融資、中小企業為替変動対策緊急融資、これは年率五・三%なんですね。それに比べても確かに金利が高いわけであります。貸出金利をさらに引き下げる考えはございませんでしょうか。
○左近政府委員 特定不況地域の中小企業の緊急融資の制度につきましては、金利が現在、中核事業所と直接取引のある中小企業者について六・三%、それから直接取引がないたとえば地域の商業者というものにつきましては年六・八%という金利を設定しております。この金利は、実は現在政府系中小企業三機関が実施しております中小企業倒産対策の緊急融資制度の金利と合わせてございます。つまり、中小企業が連鎖倒産に巻き込まれたときに、それに対する緊急融資でございます。したがいまして、現在の特定不況地域の現状はこの倒産融資と大体近い現状ということでございますので、倒産に至らなくても倒産融資並みということに踏み切ったわけでございます。したがいまして、この金利は一般金利よりも相当低率にしたというつもりでございます。 なお、円高についての御指摘がございました。確かに円高の特別融資は年五・三%ということでございますが、これは、円高が急激かつ大幅であるという現状をにらみまして、実は政府系機関に利子補給もしてやっておるわけでございますが、現在の時点では、特定不況の対策はやはり倒産関連並みの金利でいきたいというように考えておるわけでございます。
○長田委員 たしか現在の金利ですと、六・八ないし六・三ですね。私は、企業そのものが不況に陥っておりまして、利息も払うのが非常に困難だという現状だと思うのですね。そういう意味で、三つの融資、これも引き下げる、片方が六・三だからやむを得ないという論理じゃなくて、全体を引き下げようという考え方はありませんか。
○左近政府委員 いま御指摘のとおり、確かにその三つのものを一番低い金利にさや寄せをするというふうな考え方もあり得るかと存じます。ただ、先ほど申しましたように、これについては利子補給等の財政負担を伴う問題もございますので、少なくとも当面はこの金利でやらせていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
○長田委員 金利の問題が出ましたので、もう一つお尋ねをしたいのでありますが、公定歩合が下がりまして、新しい融資については、たとえば政府の三機関においては金利を下げておる。しかし、既往の貸し付けについては依然として旧金利である、こういう状況であります。確かに理屈の上ではわからなくはないのでありますけれども、実際借りる側とすれば、一たん返済をして新しい金利体系で借りたいという希望も持っておるのですね。こうなりますと、勢いお金があって返すのだから借りる必要がないのじゃないかという理屈もまた成り立つわけであります。そういう意味で、やはり旧金利でやむを得ない状況下に置かれて利息を払っておる、過酷な条件で金利を払っておるのですね。この点についてはどうでしょうか。既往の金利についても十分対応できるような柔軟な金利体系が必要じゃないでしょうか。
○左近政府委員 御指摘のこと、まことにごもっともでございまして、金利が一般的に低下いたしました現状において、過去の時期にことに設備資金等で長期の金を借りました金利が相対的に高いということでございます。一般の金融取引からいいますとそれが常識だという説もございますけれども、中小企業にとりましてはそれが相当重荷になっていることは否めない点でございます。 したがいまして、実は昨年十一月から、不況業種に属します中小企業で赤字である企業に対しましては、そういう通例のルールを破って、既往の金利も引き下げようじゃないかということをいたしました。これは十一月からやりましたが、さらに四月から金利も下げまして、現在では中小企業金融公庫とか国民金融公庫の既往の貸出金利を八・一%まで引き下げるということにいたしました。過去においては最高九・四%というものもございましたが、これを皆八・一%に下げるということにいたしております。したがいまして、こういう点でもできる限り金利の軽減を図りたいということで考えております。
○長田委員 次に、連鎖倒産が顕著になっておる際でありますので、中小企業倒産防止共済制度についてお尋ねをいたします。 現在までの加入状況、掛金別状況、一括前納の利用状況はどうなっておりますか。また、そうした状況は当初予想された利用状況に比べてどういうふうに変化しておるか、この二点をお尋ねいたします。
○左近政府委員 中小企業倒産防止共済制度は、四月一日から発足をいたしました。 現時点で調査の結果、八月十五日現在までの時点が集計できておりますが、それで見ますと、加入件数は六千十三件ということでございます。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 それから、あわせて申し上げますと、共済金の貸出件数、つまり倒産に関連いたしまして手形が割り引けなくなったというような点で実際に貸し出しをやりましたのが、現在十件ございます。 それから、掛金別の加入状況でございますが、月々の掛金が五千円のものが四百五十二件、一万円のものが約一千件、一万五千円のものが百三十二件、二万円のもの、これが一番多うございまして四千四百三十件、こういうことになっております。 それから、一括前納については、六割程度が一括前納になっておるかと思っております。 それから、最近の変動でございますが、四月は最初でございますので少なかったのでございますが、五、六ということで増加してまいりまして、ただ七月は若干ペースが落ちましたが、八月は相当上昇するだろう、これは十五日までしかわかっておりませんのでわかりませんが、そのような状態でございまして、これについてはいろいろな形で普及に努力をしておるというのが現状でございます。
○長田委員 説明によりますと、二万円の掛金コースが圧倒的に多いようでありますが、これは加入者側にとって最高貸し付け千二百万円を希望する者が多いことを意味しておるわけですね。さらに最高貸付額の増加を望んでおる声もあるようであります。掛金コースの増額を検討する必要が出てきたのではないかという感じがいたしますが、その点どうでしょうか。
○左近政府委員 現在は掛金総額百二十万円ということになっております。これにつきましては、この制度発足当初、当面緊急に必要とする資金がどの程度あろうかといろいろ試算をしたわけでございまして、現在の信用保険制度によります信用保証額の平均が大体六百万円だというようなことだとか、倒産関連融資ということでやっておりますものに対する保証額が大体九百六十万円平均であるとか、取引依存度が二〇%以上の取引先に対する売掛金債権の額がどの程度あろうかというのを調べますと、大体九百万円以下という中小企業者が全体の九割を占めておるとか、こういうことをいろいろ勘案いたしまして千二百万円、つまり月々の掛金が二万円ということにいたしたわけでございます。 これにつきまして今後どう持っていこうかということについては、いろいろ検討いたしておりますが、何分制度発足当初でございますので、いましばらく現在の状態を見てまいりたいということで考えておりますが、これについてはいろいろな方の御意見も今後十分お伺いしてまいりたいと考えております。
○長田委員 さらに、一括前納の特例は一年限りとされておるわけですね。しかし、現実には制度の発足や特例納付について十分に周知されていない面もまだ多いわけであります。そこで、今後共済制度の加入者が増加することを見た上で、この一括前納の特例期間を延長すべきではないかと私は考えます。通産大臣、この点いかがでしょうか。
○左近政府委員 この制度は、いわゆる共済制度ということでございまして、中小企業者の相互扶助ということでやろうということになっております。そういたしますと、一般の共済制度においては、毎月の掛金をある一定期間納付するということで共済が成立するということでございますので、掛金を一括納付してその予想された給付を早く得るということにつきましては、一般の共済制度では例を見ないことでございます。しかしながら、本件については倒産というような事態もございますので、一般の例を破って一年間の猶予期間を設けて、その間暫定措置といたしまして一括前納制度というものを創設したわけでございます。 しかしながら、これは制度発足当初の異例な措置ということになっておりますので、これを延長することはなかなかむずかしいのではないかと考えておりますが、一つは、この制度を周知徹底して、現在必要とするような方はなるべく早く利用していただくことによってこの一年の期間の中で十分効果を達成せしめるということが必要であろうと考えておりますので、五十三年度末までに利用していただけるように今後も一層PRをいたしまして、必要とする方々に十分チャンスを持ってもらいたいと考えておりますので、御容赦願いたいと思います。
○長田委員 これは要望でありますけれども、共済貸し付けに関しまして説明不足の点が見られるわけであります。所によっては、加入者がいざというときに貸し付けが受けられないという事態も生じております。加入町点において十分な説明を行うように要望しておきます。 次に、中小企業の為替変動対策融資についてでありますが、実施期間の延長、中小企業金融公庫の貸付限度額の引き上げ等については評価するわけであります。しかしながら、円高対策としてはまだまだ不十分と言わざるを得ないわけであります。さらに、貸付金利の五・三%の引き下げを初め信用保証特例枠の拡大等を図るべきだと考えておりますが、この点いかがでしょうか。
○左近政府委員 いわゆる円高対策緊急融資につきましては、いまお話がありましたように、制度の改善をこの九月にまた図ったところでございます。ただ、御指摘の金利につきましては、先ほど申しましたように、五・三%ということでございまして、これがほかのものに比べても非常に低い金利でございますし、これについては財政負担もしてやっておるということでございますので、これをいまさらに引き下げることにつきましては、なかなかむずかしいのではないかと考えております。 なお、信用保証制度につきましても、現在のいわゆる別枠、つまり一般の信用保証の同額別枠ということでいろいろ調査をしてまいりますと、まだ余裕があるように考えておりますが、この点につきましては絶えず調査をいたしまして、支障の生じないようにいたしたいと考えております。
○長田委員 最後に、下請取引について二、三お尋ねをいたします。 最近の急激な円高、不況の長期化によりまして、下請中小企業は大きな打撃を受けているわけであります。親企業による下請単価の不当な引き下げ、下請代金支払いの遅延等が急増いたしております。去る二十日、通産省、中小企業庁、公正取引委員会は、円高に伴う下請取引の適正化について主要親企業、事業者団体に対して通達を出したわけでありますが、十分に徹底されたと見ていらっしゃるかどうか。
○左近政府委員 御指摘のように、円高がだんだん進行してまいりますと、どうしてもコスト低減を図らなければいけない。その際に、下請企業にコスト低減の要請があることは、われわれも絶えず調査をしておりますとそういう事態が出てまいります。ただ、そのコスト低減の要請が、下請企業にいわゆるしわを寄せるという傾向になりましては大変でございますので、これについて、下請代金支払遅延等防止法に従いまして、中小企業庁あるいは地方通産局あるいは公正取引委員会がそれぞれ絶えず調査をしておるわけでございますが、この際やはり関係の事業者に十分これを知ってもらいたい、さらに徹底させたいということで、先ほどお話しのように今月の二十日に関係の親企業、親企業団体に対しまして通達を出したわけでございます。 ただ、文書で通達を出しただけではなかなか徹底しないと思いましたので、二十日には、この親事業のうちの大きな主導的な業界団体十三団体を集めまして、私とそれから公正取引委員会の方とで、この責任者を招いて十分この趣旨の徹底を図ったわけでございます。しかしながら、これでもやはりまだまだ不十分であろうとわれわれ考えておりますので、今後、たとえば親事業者の団体の会議に当方の担当官が出て説明するとか、あるいは地方の通産局でいろいろ説明するとか、いろいろなことをしてこの趣旨の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
○長田委員 これまで通達は再三再四出されておるようでありますけれども、依然として下請中小企業の位置は改善されてないのが現状であります。しかも最近では、従来にも増して不公正な下請中小企業いじめが生じておるわけであります。下請受難時代が復活したとさえ言われておるわけであります。私は、通達だけではどうにもならない事態に立ち至っているのではないかと思うのです。 そこで、提案でありますけれども、場合によっては、悪質な業者に対しては立入調査や親企業への勧告、親企業名の公表をやるべきだと考えておりますが、こうした考えはございますか。
○左近政府委員 実は、中小企業庁といたしましても、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして毎年調査をしておりまして、大体年間、五十二年度で三万二千件弱、今年度の予定で三万四千件の調査をすることにいたしておりますし、公正取引委員会でもほとんど同様の数の調査をいたしております。 われわれの方といたしましては、調査の結果問題があるというものについては立入検査をいたしておりまして、たとえば五十二年度では、中小企業庁の方でも千五百件余り立入検査をしております。そういたしましていろいろ改善指導をするわけでございますが、その改善指導でもなかなかはかばかしくないものにつきましては、中小企業庁から公正取引委員会に法律に基づく措置の要求というものをいたしまして、それで公正取引委員会の方からいろいろな法的な措置をやっていただくということにしております。その件数が、実は、たとえば五十年ではわずか十六件でございましたが、五十一年二十件、それから昨年は百八件と、公正取引委員会に措置をお願いするものが非常にふえております。 われわれの方も、こういう傾向をもう少し強化したいということで、実は公正取引委員会と絶えず御連絡をしておりますし、本件につきましては公正取引委員会と全く意見が一致しておりますので、協力をしてこの問題に取り組みたいというふうに考えております。
○長田委員 このようにいつまでたっても下請取引に問題が生じておる一因といたしまして、私は法律自体に不備な点が多いのではないかと思うのです。わが党はかねてから、下請代金支払遅延等防止法改正案を国会に提出いたしております。これに対して政府は何ら積極的な取り組みの姿勢が見られないわけであります。通達等でお茶を濁すのではなくて、下請取引改善に本格的に取り組む姿勢といたしまして、この下請代金支払遅延等防止法の改正がどうしても必要だと私は考えております。したがって、この法律の見直しの時期が来ていると思いますけれども、この点お考えがあるかどうか。
○左近政府委員 この下請対策につきましては、法律で決めるということも重要でございますが、実はやはり力関係で、なかなか下請事業者の方が取り締まりを要請しにくいというような事情もございます。したがいまして、これについてはやはり法律の運用を強化していくというのをまず先行させていきたいというふうに考えております。したがいまして、われわれもこの下請問題について、法律問題もいろいろ検討はしておりますけれども、現在の段階ですぐに改正をする必要があるかどうかについてはまだ検討の余地があろうかと考えております。むしろ、われわれといたしましては法律の執行面を厳正にやっていくということを考えておりまして、来年の予算でもそういう経費も相当増大をさせておりますし、人員についても増大をするつもりでございますので、そういう方針でわれわれは対処するというふうに現在考えております。
○長田委員 以上で終わります。
○山下(徳)委員長代理 岡田哲児君。
○岡田(哲)委員 政府というよりも河本大臣に特にお聞きしたいと思うのであります。 中東の情勢でございますが、御存じのように、キャンプ・デービッドにおける三首脳会談で一応紛争が解決する、その上福田総理も訪問をされたようでございまして、こういうような中で最近の中東における情勢をどのように分析され、判断をされているか、それから、OPECの原油価格の値上げ動向というものをどんなふうに見られているか、さらに、中東における石油依存に将来わが方からどの程度信頼性が置けるものか、また、わが国の依存度低減をしていこうという方針に対する関係諸国の言うならば反応、こういうような点についてまず伺っておきたいと思うのです。
○河本国務大臣 中東情勢が安定をすることは、私どもも強く期待をいたしております。話し合いが円滑に進むことを希望するものでありますが、ただ、何分にも長い歴史的な背景もございますし、戦後だけを見ましても四回も戦争が起こっております。だから、今回の話し合いだけで何もかも全部解決してしまうことができるのかどうか、若干の問題が残るのではないか、そこらあたりはよほどよく見きわめなければならぬと考えております。 そして将来はやはり、アメリカあたりの動きを見ておりますと、どういう事態が中東に起こってもアメリカの必要とする油はある程度確保できるようにという考え方だと思いますが、一九八五年を目標といたしまして輸入油の百八十日分の国家備蓄を昨年から始めておりまして、一九八〇年にその半分五億バレル、一九八五年にさらに残り五億バレル、こういうことでいま作業が続いておるわけでありますが、これはやはりアメリカが中東情勢にどんな変化があっても十分対応できるように、こういう判断から進めておるのではないかと私は思います。特にアメリカのこの備蓄政策は今度のボン会議の共同声明にも載っておりまして、アメリカがいかにこの備蓄政策というものを重大に考えておるかということは、特別にボンの共同声明に載せたということから判断いたしましても、私どもはわかるような気がいたします。 次に、OPECの値上げ問題でありますが、これは総理も今回の中東訪問で、世界の経済の安定のためにも値上げはしないようにと強く要請をされましたけれども、どうもこれまでの動きを見ておりますと、果たしてそのとおりいくかどうか若干疑問な点があります。特にメジャーオイルなどの動きを見ておりますと、どうも値上げに対して対応しつつある、値上げが起こっても十分対応できるようにその準備を進めつつある、こういう感じもいたします。でありますから、私どもも値上げをしないことを期待しておりますが、果たして十二月十六日から開かれますOPECの総会で消費国の期待が実現いたしますかどうか、これはやはり疑問な点があろうと思います。 それから、第三点のお尋ねは、将来中国から石油輸入を増大をした場合に中東との関係はどうかというお話であります。また、中東以外の油の輸入国との関係はどうかということでありますが、現在のところ、昭和六十年に、総合エネルギー政策では輸入油の数量を四億三千万トンと想定をいたしております。現時点に比べますと約一億五千万トン近くも輸入量がふえることになっております。もっとも、約七千万トンの省エネルギー政策が完全に実行されるということを前提としての数字でありますから、相当大量の輸入増加ということが今後予定されておるわけであります。一億五千万トン増加ということは、これは非常に大量な数字でありまして、そのうちの一部を中国からの輸入の増量に充てよう、こういう考え方であります。残る数字は、これはどうしても南方地域あるいは中東地域から増量しなければなりませんので、中国から増量いたしましても、他の地域からも相当増量が必要であります。 先般、私がASEANへ行きましたときにも、一部の国からこの関係について聞かれましたので、中国からの輸入がふえてもあなたの国からの輸入もふえますよ、決して減ることはありませんということを話をいたしましたところ、理解をしていただいたのであります。中東諸国からはそういう問い合わせはありませんし、疑問は出ておりません。
○岡田(哲)委員 それから、もう一つ私非常に心配をいたしておる点なのですけれども、日本・サウジの共同コミュニケの中でも、可能な限りということはついておりますが、今後とも石油化学関連合弁プロジェクトその他のプロジェクトにおいて経済開発と工業化に積極的に貢献するということが言われているわけですが、このことについて私異議を申し立てるわけではない、これは大いに賛成なのであります。同時に、イランの方ではもう一部来年稼働する予定の石油化学コンビナート、輸出用製油所等の技術協力、この約束があるわけです。 そこで、こういう点を見ますと、いままで大臣が諸国に出かけていって約束をされる、当然技術協力その他で、特にコンビナートに技術協力をする、そうしますと、やはりその国のできた製品をわが国が受け入れる、買ってくる、こういうことにならざるを得ない。特に中東あたりの国の情勢を見ますとそういうことになってくるのじゃないか。そうしますと、わが国の石油関係が御存じのように一貫でやっている中に、これらの国々からまた買わなければならないという義務づけができる。どうもいままでの繊維でもそうですし、そのほかもそうですが、向こうにプロジェクトを出して技術協力をやって、そいつが逆に競争となって追い上げられてきている、こういう点を心配するのです。 当然国際水平分業という立場や協力関係というものを否定するわけではないのですが、その点果たして業界その他との合意をされてこういう約束をされているのか。あるいは、もうこれは約束しちゃったのですからこれをほごにするわけにいかぬ、そうすると今後どういう方向で進めていこうとするのか。私に言わせると、今後こういう関係の構造まで変えていかなければならなくなってくるのじゃないかという気持ちまであるのでありますが、ともすると、いままで約束が果たせなかったというような点等を考えますと、今度は約束した以上必ずこれを守るという裏づけを一体どのように持っておられるのかという点をお伺いしたいわけであります。
○河本国務大臣 戦後、日本の石油化学工業は急速な発展をいたしまして、いまアメリカに次いで世界第二位の能力を持っておりますが、石油危機以降の深刻な不況の影響を受けまして、一時生産は六〇%近くまで落ち込んでおりましたが、現在は若干回復いたしまして、エチレンベースで計算いたしますと、全能力が六百万トンに対して、約七割見当まで回復いたしております。しかしながら、なお依然として深刻な不況状態にあるというのが現状であります。 いまのお尋ねは、国内でそれだけの設備が余っておるにもかかわらず、さらに韓国でもつくり、イランでもつくり、サウジでもつくり、シンガポールでもつくる、そんなことになったら一体どうなるんだ、こういうお尋ねでありまして、これは非常に大きな問題だと思います。 しかしながら、韓国ももう一部稼働いたしておりますが、これは韓国の内部で大部分消化をしておりますし、イランも一部一九八〇年前後から動きますが、イランの方も人口が三千五百万以上ございますので、国内である程度消化ができると思います。消化できないものはこちらで世話しなければならぬと思いますが、大部分は国内で消化できるのではないか。 ただ、サウジアラビアは人口も非常に少ない国であります。約七百万と言われております。しかも日本以外にも同じような計画がありますので、よけいに影響は大きいわけでありますが、もうすでにフィージビリティースタディーの予備調査が終わりまして、いま本格的な調査に入っております。まだ最終の結論は出ておりませんが、日本といたしましては、これまでのいきさつから考えまして、これを取り上げて建設に協力をする、こういう方向でいま準備が進んでおります。いつから操業を開始するかということについてはこれから判断をすることになりますが、いずれにいたしましても若干の時間的な余裕はあろうと思います。能力はエチレンで大体三十万トン見当を想定しておりますが、これは世界全体の景気の回復が進んでまいりますと、この程度の規模のものは二つや三つは軽く消化できる、こう私は思っております。 でありますから、何と申しましても、世界全体の景気がどのように今後動いていくかということが一番大きな課題でありますと同時に、現在のような情勢が続きますと、これは日本へ製品を持って帰るわけにはまいりません。だから、どうしても世界市場でこれを消化しなければならぬわけでございますが、あらゆる場合を考えまして、いま周到な準備を進めております。 繰り返して恐縮でありますけれども、従来のいきさつから見まして、これを前向きに取り上げていく、こういう方向で進んでおるわけでございます。
○岡田(哲)委員 そういうことならばさほど心配ないというように受け取れるわけですが、私はやはり、総理が出向いてきちっと約束をした、こういう約束が完全に果たされるようなことで、いまから国内の対処も十分に立てていかなければいかぬのではないかという点だけ申し上げておきたいと思います。 それから、中国に行かれた大臣に対しまして、時間も余りありませんので聞いておきたいと思いますのは、渤海湾の油田等が合意をした、これは公団から融資して、とれた石油を日本が買う、こういうことだろうと思うのでありますが、少なくとも中国側が持っている当面の石油に対する計画、こういう中から一体どういうような形でこれから進んでくるか。たとえば私のお伺いしたいのは、この間、日韓大陸棚をここで審議して通った。このときに中国側は非常に抗議をしておった。この東シナ海などについても当然海底油田開発の話が出るとすれば、その辺には全然触れずにこれだけ合意をされたのか、あるいはそれは将来また相談をしていこうということになっておるのか、その辺だけお伺いしておきたいと思います。
○河本国務大臣 日韓の共同開発地域につきましては、これまで何回も中国から抗議を受けております。抗議を受けるたびに、日本といたしましては、十分説明をいたします。これは中国の権益を害するものではないということについて日本の立場を十分説明をいたしますということを申し入れておりますが、先方からは説明を受け入れるという話がないまま、現在に来ておるわけであります。 今回、渤海湾と南シナ海での共同開発の話が出ておりますが、これは開発の進め方がおのずから違うと思います。 渤海湾につきましては、もうすでに中国側で事前に十分調査をいたしまして、ある程度のデータを持っております。埋蔵量も確認しておるようであります。したがいまして、日本に対しましては技術、機材、資金、こういうものの提供を求めておりまして、これは融資買油方式といいますか、掘り出した石油で返しましょう、こういう考え方であります。石油が出なければ他の方法で返します。こういう考え方でありますが、基本的には日本はこれに対して全面的に協力いたしましょう、こういう姿勢であります。ただし、条件を詰めなければなりませんので、基本的な姿勢は表明はしておりますけれども、しからば具体的にどういう条件にするかということにつきましては、来月初めに公団から技術者並びにそれ以外のたくさんの専門家が向こうへ行きまして、中国側の専門家と具体的に相談をすることになっております。 それから、南シナ海の開発計画は、十分なデータがありませんので、これの開発は多分リスク方式になると思います。これも十月の初めに先方と十分相談をすることにいたしております。
○岡田(哲)委員 午前中も楢橋委員からずいぶんありましたので、この程度にしておきますが、ついでに、実は毛筆のことなんです。 伝統産業に指定しておるのですが、大体四、五年ぐらい前からだと思うのでありますが、相当量の筆が日本へ入ってくる。もとより筆屋の関係というのは年間そんなに大きな変動があるわけではないんです。そこへ持ってきて相当大量なものが中国側から入ってきたということになりますと、この業界、相当圧迫を受けることになる。私もまだ確認はしているわけではないのですが、熊野などではどうも倒産が起こっているというふうにも聞いているわけです。日中条約が進んで、もっと友好関係、交流が深まれば深まるほど、私はそんな方向を心配するわけでございますが、伝統工芸をあくまで守るという立場から見ますと、何らかの措置というようなものをいまから考えておかないといかぬのではないか、こういうふうに考えているわけですが、そのお考え方を聞いておきたいと思います。
○栗原政府委員 筆の輸入でございますが、ただいまお話ございましたように、四十八、九年ごろからかなりふえてまいりましたけれども、その後、最近までの推移を見てまいりますと、大体数量、金額とも出たり入ったりでございますけれども、ほぼ横ばいの状況がここ数年続いております。したがいまして、現時点で考えてみますと、そう急激に大きな打撃が来るといった状況ではないと存じておりますけれども、将来の予測はなかなかむずかしゅうございますので、私どもといたしましてもこの輸入の状況を十分注視をいたしまして、その時点におきまして問題があるようであれば適切な対処をいたしたい、伝産法による助成その他中小企業対策を含めまして適切な措置をとっていきたいと考えております。
○岡田(哲)委員 とにかくこの間、野呂前委員長が行って、おみやげに私ども墨をもらったのですけれども、書道家が相当中国に行かれて、その先生方ががさっと筆を買っておみやげに持ってきた、こういうようなことも聞くわけであります。何にしても日本の筆が外国に売れるというわけじゃない、向こうからどんどん入ってくるとしますと、私は大変なことになるんじゃないかという心配がありますので、ひとつ十分監視といいますか、注目をしながら対処をしていただくように、これは要望をいたしておきたいと思います。 次に、一般消費税なんであります。これは原則的に消費税がどうのこうのという立場で私お伺いをするつもりはありません。もしこういうこの間発表されたような形のものがやられたといたしますと、少なくとも税金分だけが物価の引き上げになってくる。これは個人消費を減退させ、景気が悪くなっていく。それから、中小企業は増税分を値上げで消化できない、そうしますと、税金がそのまま自己負担になるおそれがある。赤字でも税金を取られてしまう。税金の前払いのために資金繰りが苦しくなって、その上金利負担の増大を招く。記帳義務など膨大な事務処理が必要になってくる。さらに税務署の調査が一層厳しくなる。いろいろいま言われているわけでございますが、いまの中小企業の置かれている情勢の中でこういうものが実施をされた場合、私は大変なことだ、こういうふうに考えるわけですが、中小企業庁並びに大臣もそうですが、私は通産の立場、中小企業の立場で十分検討していただいて、こういう形にならない、こういう心配の起こらないようなものにしなければならぬ、こういうふうに考えるのですが、どうでしょうか。
○左近政府委員 一般消費税問題につきましては、政府税調で試案が出てきた段階でございます。この試案につきまして、中小企業の方々からいまおっしゃいましたようないろいろな疑問点が提出されております。しかしながら、これにつきましては、どのような課税の形がなされるかということ、それからまた、いつの時点からこの税金が採用されるかというようないろいろな問題がございます。 中小企業庁はもとより、通産省全体としてもいま内部で検討をしておる段階でございます。したがいまして、われわれといたましても十分検討を遂げた上でこれについて対処いたしたいということでございます。われわれもこの試案の内容、まだ骨子でございますので、いろいろ不安もございますので、十分検討をいたしたいということを考えております。
○河本国務大臣 私どもも、財政再建のために何らかの対応が必要だと思っておりますが、やはりいまお述べになりましたような幾つかの問題点があろうと思いますので、そういう問題をよく検討してみたいと思います。
○岡田(哲)委員 次は原子力行政ですが、十月から科学技術庁から通産省へ行政改革されたわけですが、これに伴って通産省側の受け入れ体制といいますか、その受け入れるに当たっての決意を私は聞いておきたいと思うのであります。 私ども、いままでもそうでありますが、非常に安全性を重視しなければならぬ。当然でありますが、開発優先で進めてはならぬ。しかし、科学技術庁よりも、通産省に移管されると、どうも開発優先になるのではないかという心配を私するわけであります。これは私だけではない。国民もそうでしょう。そういうことを心配するわけですので、ひとつその決意、受け入れ体制というものについて明らかにしておいていただきたいと思います。
○天谷政府委員 通産省におきましては、従来から原子力発電の開発に当たりましては安全の確保が第一というふうに考えて努力をしてきておるところでございます。 今回、法律の改正によりまして実用発電用原子炉を許可から一貫して規制することになるわけでございますが、受け入れ体制といたしましては、安全担当課一課を増設するとともに、統括安全審査官、これが現在一名でございますが、三名増員しますし、その他十六名増員いたしまして、原子炉等規制法及び電気事業法に基づく安全規制を厳正に実施いたしまして、原子力発電所の安全確保に万全を期してまいりたいと思います。通産省だからといって、開発優先というようなことは考えておらないのでございます。
○岡田(哲)委員 次は、この前も天谷長官とずいぶんやったんですが、どうもかみ合わずに終わりました。きょうは大臣がお見えになりますので、ダブる点があるかもしれませんが、少し聞いていただきたいと考えております。 時間がありませんので中身に入っていきますが、このいただいた電気料金暫定割引措置についてという中が恐らくこの決定された問題だというふうに受けとめてお尋ねをしていきたいと思うのでありますが、通産省は電気事業審議会を開催して、来春に結論を得ることを目途にということで料金を決めていこうというふうになっているわけであります。 ここでお尋ねをしておきたいと思いますのは、「急激な経済情勢の変化に対応する料金制度のあり方」、この「急激な経済情勢の変化」というのは一体どういう事態を考えておられるのか、どういうことを言っておられるのか、はっきりしてもらいたいのです。
○天谷政府委員 ここで急激な経済情勢の変動と抽象的に書いておりますけれども、具体的に考えておりますのは、今回起こりましたような円レートの急激な変動ということでございます。
○岡田(哲)委員 「急激な経済情勢の変化」、そして第二十三条にあります「社会的経済的事情の変動により」、これはどういうふうに違うのですか。
○天谷政府委員 電気事業法二十三条の「社会的経済的事情の変動」といいますのは、たとえば物価が大幅に高騰もしくは下落した場合、あるいは需要構成が著しく変化した場合というようなことを立法当時から考えておったというふうに承知をいたしております。そして、今回のような円レートの急激かつ大幅な変動も、現段階で考えればこれに該当するというふうに思います。しかしながら、立法当時におきましては、円レートの急激な事態というようなことは立法者は予想をいたしておりませんでしたから、立法者の頭の中にはそういったことはなかったと思いますが、現段階で円レートの急激な変動を「社会的経済的事情の変動」から排除する理由はないというふうに考えております。
○岡田(哲)委員 そうしますと、二十三条の言っている「社会的経済的事情の変動」という事態が現在起こっている事態、同じだ、こういうふうに確認していいのですか。
○天谷政府委員 二十三条に言うところの変動は、現在の円レートの変動を包含すると解釈することができると思います。
○岡田(哲)委員 そこで、今度のこの措置は、電気事業法の第二十一条のただし書きに基づいて、しかも業界から、会社から申請されたものをそのまま認可をした。二十一条ただし書きでやった、こういうことなんですが、言うならば、この二十一条のただし書きをいままで使った例はどこでありますか。
○豊島政府委員 二十一条ただし書きにつきまして、特別の理由ということで、災害町の特別措置あるいは産業用に対していわゆる負荷調整といいますか、それを行うための特約料金、そういうことで使っております。
○岡田(哲)委員 いま言われましたように、この災害時とか特別という場合を判断をしてみますると、大体時間的にも一時的、それから一つの地域的、部分的といいますか、このただし書きを使ったのはそういうものだったと思うのですね。 今回、長官も認めておられるように、円をめぐるこれだけの大きな変動、しかもこれは一時的なもの、あるいは一地域的なもの、部分的なものではなしに、いま国内全体に及んでいる、こういうふうに考えますと、この二十一条のただし響きというのはあくまで臨時措置なんですが、臨時措置でなくて、しかもいまの情勢から見ますと、この円高はまだことしいっぱいぐらいはそう変わりそうもない、こういう情勢なんですね。 私は、この二十一条ただし響きをなぜ使ったか、明確にしていただきたいのです。
○天谷政府委員 先ほども申し上げましたように、今回のような急激なレートの変動ということは、二十三条で言うところの経済情勢の変動ということにも該当すると思いますし、それから二十一条ただし書きで言うところの特別な事情というものにも該当するというふうに考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、電気事業法を制定した当時、急激な為替レートの変動ということは想定をいたしていなかったものでございますから、そういうふうな立法当時に想定していなかった事態に対処するために発動する法的な規定といたしましては、三十三条と二十一条のただし書きの二つがある。どちらがいいのかという問題でございますが、立法当時想定していないものですから、一方が絶対によくて他方はだめというような関係にはなっていないというふうに私たちは考えているわけです。一体どちらの条文を発動した方が現実により適合しているであろうかというのが基本的な考え方でございます。 ところで、二十三条を発動いたしますとどういうことが起こるかと申しますと、これは十九条の手続によりまして供給規程の変更の認可をしなければならないということになるわけでございます。そうしますと、この認可には公聴会その他の手続が必要でございますし、それから新しい原価の査定ということもやらなければならないわけでございます。 ところで、現在のたとえば百九十円なら百九十円のレートが今後一年なり二年なりそこで安定しておるということがはっきりわかっておれば、われわれはその場合には必ず二十三条で手続をとらせたというふうに思います。しかしながら、問題は、その百九十円で安定するかどうかはだれもわからない。大蔵大臣は二百二十円が妥当であるというふうにおっしゃっているわけでございますし、といたしますと、通貨当局が権威を持ってそういうことを言っておいでになるわけでございますから、現在の百九十円という姿はどうも仮の不安定の姿であるというふうに考えざるを得ない。 ところが、その百九十円に基づきまして供給規程の改正の申請を出して公聴会その他で審議を開始いたしますと、審議している最中に百九十円がまた三百二十円になったり二百三十円になったりする事態もわれわれとしては否定できないわけであります。そうしますと、今度は、審議している最中にまた土台が狂ってしまったといえば、それではその際もう一遍供給規程の再変更の申請を出さすのかということになりまして、そういうことをやっておるのはどうも時間ばかり食って、いつまでたっても差益はお預けになったままなかなか還元されないではないかというような問題が出てくるであろう。 それからまた、十九条でやりますと、原価期間を将来に向かってとらなければならないというような問題も生じます。そうしますと、一体過去に発生した差益をそういうやり方で還元できるのかどうかというような問題も出てくるわけでございます。 それよりも、やはり二十一条ただし書きでやった方が、実際に差益の還元をそういう煩わしい問題を生ぜずにできて、どうも実際的ではないだろうかというのがわれわれの考え方でございます。法的に二十一条が正しいのか二十三条が正しいのかということは、要するに立法当時にない事態でございますから、どちらが絶対にいいということは言えないのではないか、どちらがより実際的であるかということで判断する方がいいのではないかというのが私どもの考え方でございます。 いずれにしましても、こういう事態を立法当時想定していない以上は、どんぴしゃりと体に合うような、そういう洋服はないというふうにわれわれは思っておりまして、若干体に合わないところがあるけれども、まあがまんしてこれでいこうというふうな考え方でございます。
○岡田(哲)委員 それは立法するときにいろいろ想定はしますけれども、こういう事態にぴしゃっと合うようなもの、恐らくどの問題もそんなことはないと私は思うのです。しかし、これもまたかみ合わない平行線をたどりそうなので、時間も使いたくないので進めますが、どうも通産省が考えているのは、一時的にこそっとやっておいて、来年の春の電気事業審議会の料金部会を開催してそこで決めるまで、そこまで何しろ先に進めたい、こういう気持ちだろうというふうに判断をしますし、現にこれはもう発動しちゃっている問題ですから、私は、やはりどう考えてみてもこの二十三条でいくという筋ではないかと実は判断をしているという点だけ申し上げておきたいと思います。 それから、これをずっと見ていきますと、五十二年度の差益は八社で四百四十八億、これを積み立てるわけですね。それから、五十三年度分で約千三百億ぐらい、これが中国電力が〇・五、その他が〇・七ということで引いた残りの保留分、そうすると、五十二年度のこの積立金と五十三年度の保留分で言うならば五十四年度以降の料金を据え置こう、こういうことに考えておられるわけですね。それで、大体割引総額が八社で約二千六百六十億、この二千六百六十億というのが直接還元をされるわけですね。 そうしますと、これは五十三年度一年分のものである、そういうふうに見ますと、この十月一日以前に東京にいた人が十月一日以降転勤で北海道へ行った、それで北海道の人が東京へ転勤してきた、こういうようなことがないことはない。これはあるというふうに思うのですけれども、そういうふうにしますと、一年分の差益がいまここで還元をされるにもかかわらず、北海道へ行った人はゼロ、それから北海道の人がこっちに来れば割引をされる、こういう事態が起こりますね。一体これはどういうふうにお考えですか。
○豊島政府委員 いまおっしゃったようないろいろな問題があるわけでございますが、実は差益の還元の方法として、過去に支払った料金の中からそのとき発生した差益をさかのぼって返すという方法も、一案としてあり得たと思うのです。 〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、そのようにいたしますと、実は移動の問題もいろいろありまして、なかなか移動先もわからないとか、あるいは過去に支払った料金の証拠といいますか、請求書はちゃんと残っておるわけですが、コンピューターでいま大体処理しておりますので、コンピューターから外れているとか、あるいは電気税を払ったやつをもう一回取り戻すとか、そういういろいろな問題がありまして、過去の料金にさかのぼって差益を還元するというやり方をやることは、実際上非常に困難であるという結論に達したわけです。 したがって、ことし一年間に、五十三年度に理論上発生する差益をどのように活用し、消費者に還元するかという方法として、十月から来年三月までに使用する人に対して、その一年間に発生する差益を返すというのが一番実行上もいい方法だということで、そのような方法を採用したわけでございまして、過去にさかのぼって返すというわけじゃございませんので、そのような問題は起こらないんじゃないか。換言すれば、要するに十月から三月までの料金をそういう暫定的に割り引いた料金を適用する、そういうかっこうで還元するということにしたわけでございます。
○岡田(哲)委員 五十三年四月から十月まで、この半年間実は東京で払っておった、それで十月から北海道へ転勤した、そうしたらその人はゼロですね。そうしますと、この払った人が、これはおれのもらうべきものだということで告訴したらどうなりますか。
○豊島政府委員 円高差益については、そもそも請求権があるのかどうかという法律的な問題もあろうかと思いますが、そのような性質のものではなくて、料金設定当時に予測しない利益ができた、それを活用する方法として今回の差益還元を行ったわけですから、そもそも、過去にさかのぼってたとえばそういう割引をするという方法をとった場合には、請求があれば当然あれでございますが、新しい十月から三月までの特例措置としての料金を設定したわけでございますので、そういう告訴はあっても問題はないと思っております。
○岡田(哲)委員 大臣、この前の委員会のときにもお尋ねをしたわけですが、そういう問題もある。 それから、北海道電力は、油を使わずに、非常に高い石炭を使って運営をするように通産省は指導している。それに協力をしてやっているところが、政策に従っておるところが実はゼロ。しかも、これで見てもわかりますように、今年度は何とかして据え置くが、五十四年度については、まだそのときの様子で値上げを認めるか認めないか検討するというふうになっているわけですね。いまの情勢からいくと、もう値上げをしてもらわなければ北海道電力はやっていけない、こういう情勢にあると私は見ている。そうすると、値上げ申請が出てきたら値上げを認めるのですか。
○河本国務大臣 北海道の問題は、いま御指摘のような幾つかの問題点がございまして、これはやはり何か対策を考えなければいかぬと思っております。いま相談をしておるところでございます。
○岡田(哲)委員 先月の三十日の委員会のときに私がその点を質問したら、いまと同じような、いま検討しているという答弁だったわけです。日にちもたったので、ぼくは――もう十月一日からいよいよ還元が始まる話ですね。そういう情勢、しかも北海道のいまの事情等を見ますと、検討もいいのですけれども、具体的に一体どういうふうにしなければならぬとお考えですか。
○天谷政府委員 北海道電力の経営が悪化しておる原因は、一つは、石炭を使っておる、輸入燃料を使っていないということでございますから、そこから差益が発生していない。ほかのところは輸入燃料を使っておりますから、差益が発生しておりますために資本費その他の経費の高騰分をその差益で補ってまだおつりが来る、こういうことになっておるのに対して、北海道電力の場合はそういうものがないということが第一点。それからもう一つは、北海道の場合には消費者が非常に広い面積に散らばっておりますので、送電線その他が長くなるというようなことで、どうしても送配電等のコストが高くなるというような問題等々があるわけでございます。 そこで、重油を使わないで石炭を使うことから生ずるデメリット分があるわけでございますが、このデメリットにつきましては、一部は国の予算でもって、来年度、昭和五十四年度、石炭の増加引取交付金という制度を復活することによりまして、その負担の一部を軽減するというような方向でこれから予算要求をしようというふうに考えておるところでございます。 しかしながら、その問題だけで北海道の問題が片づくわけではありません。もちろんある程度は、やはりどうしても経営が逼迫したということになれば値上げの問題ということが発生してくるであろうと思います。しかし、他方、北海道の電力価格を上げるべきではないという何か地域政策その他特別の事由があるということであれば、これは北海道開発庁等とよく御相談をして、一体どういう政策が可能なのか、それは電力政策とはまた別個の観点が入ってくる問題であろうと思いますので、よく御相談をした上で政策を検討していきたいというふうに考えております。
○岡田(哲)委員 この前、長官とずいぶんあれしても、私の立場で言えないということでございましたが、やはり大臣、いま起こっている事態というのは、国民から見ると非常に不平等というか、不公平というような矛盾がたくさんありますし、現に地域的な問題、それからさらに、北海道の問題というのは九電力体制にまで関連することになるというふうにも私は考えますので、検討を急いでいただいて、よくやったというような形の知恵を早く出していただくようにお願いをしておきたいと思います。 それから、公取委員長、長い間お待たせして済みませんでした。一点だけお伺いをいたしたいと思いますのは、生活関連輸入物資等の円高差益還元問題について、公取が積極的に調査に乗り出すという方針だという報道を見ておるのであります。これをやろうとするねらいと今後の方針、それから公取委員長としての決意という点について、この際明らかにしておいていただきたい。
○橋口政府委員 円高差益が末端の小売価格に十分反映していないという問題につきましては、公正取引委員会におきましても、昨年からことしにかけまして大小まぜて三回ほど実態の調査をいたしております。これは主としていわゆる輸入総代理店の取り扱います物資につきましての調査でございまして、いまの問題意識といたしましても、輸入総代理店制度そのものに内在する問題点というものをもう少し掘り下げて検討してみたいというのを第一点に考えております。もちろん、もう少し長期的に考えますと、流通問題に対する独占禁止法のアプローチという問題がございますけれども、当面の措置内容といたしましては、主として輸入総代理店制に内在する問題にメスを入れてみたいということでございます。 実態調査を予定いたしております品目につきまして申し上げますと、一つは輸入ウイスキーでございます。輸入ウイスキーにつきましては、昨年すでに日本のオールドパーという会社に対しまして立入調査をいたしまして、輸入総代理店のビヘービアに問題がございましたので、これは排除の措置を命令いたしたわけでございますけれども、さらに、ウイスキー全体につきまして輸入総代理店制に基づく問題点というものについて実態の調査を行いたいというふうに考えております。 同じような問題といたしまして、これも輸入総代理店制の問題と寡占的集中の問題に関連してのインスタントコーヒーがございます。これにつきましても実態調査をいたしたいと思っております。 それからさらに、レコード、音楽テープ等につきましても同じような調査を計画いたしておりますし、さらに冷凍水産物につきましても調査をいたしてみたい。 ただ、いま申し上げました何点かの品目につきましては、時間的な順序がございますから、第一には輸入ウイスキー、インスタントコーヒーというものを先に取り上げてみたいと思っております。 それから、価格動向についての監視を強化する品目といたしましては、輸入洋書の問題、それから化粧品その他幾つかございます。 洋書につきましては、前に協会としての共同行為がございましたので、これに対しましては調査をいたして、破棄を命令したことがございます。その後、協会としての協定合意というものはおおよそ解体いたしておるようでございますけれども、やはり為替の換算率につきましていろいろ問題もあるようでございますから、価格動向についてさらに監視を強めていきたいと思っております。 化粧品等につきましては、まだ十分当方としても事情を承知いたしておりませんから、まず事情の聴取から始めたいというふうに考えております。 それから、国際航空運賃につきましては、すでに昨年運輸省に対して申し入れをいたしておりますし、その後、経済対策閣僚会議でも航空運賃値下げの方角についての方針が示されておりますから、当委員会としての職能では一応終わったというふうに考えておりますけれども、その後も為替レートが上昇いたしておりますから、そういう意味で今後とも監視を続けていきたいというふうに考えております。
○岡田(哲)委員 これで終わりますが、とにかく大臣、この間からも言っておりますように、直接、間接あるいは二次、三次の差益が起こっておるものが本当にすべて国民に還元されるというのは、これは意見一致しているのですけれども、いま見ますと、非常に間接的なものあるいは二次、三次というものがこれから完全にいけるということにしないと、国民の間にいろいろ声が起こってくると考えますので、知恵とあれをしぼって納得できる方向に向かうように希望いたしまして、終わりたいと思いますが、関連質問で……。
○橋口委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 天谷長官、いま岡田委員が質問した電気、ガス料金の還元の問題、電気料金の場合は電気事業審議会、それからガス料金の場合はエネルギー調査会の都市ガス部会かな、そこで今後のあり方について検討を求めるということが伝えられているのだけれども、いつごろどういうことの検討を求めて、いつごろ結論を出そうとしているのかということについてお答えをいただきたい。 それから、生活産業局長、先般大島つむぎの問題について、流通小委員会で通産省初め関係各省の御出席を求めて、韓国から持ち帰るみやげの反数が十反というのは多過ぎる、もっと大幅に減すべきである。それから、産地を明示するために両末端が見えるような折り畳み方式に変えるべきである。数量にしても、産地の奄美大島の業者の人たちは二十六万六千反ぐらい韓国で生産していると言う、ところが、通産省が把握しているのは三万六千反である、余りにも差が大き過ぎる、まずそういったことについて調査をし、是正をすべきであるといったようなことについて、数回委員会を開いて、そうしたあり方についてそれぞれ委員から注文をしてきたわけです。 通産省も精力的に各省との折衝を行い、また韓国との外交交渉等も行って、改善策について合意点に達して、非公式には御連絡をいただいたのだけれども、こうした正式の場において改善事項の内容について明らかにされていないわけでありますから、この機会に、改善した点はこういうことであるということを改めて明らかにしていただきましょうし、未解決の問題については今後どういう方向で進めていこうとするのか、それぞれひとつお答えをいただきたいと思う。
○天谷政府委員 急激な経済情勢の変動下における料金制度のあり方に関しましては、電気につきましては電気事業審議会料金部会、ガスにつきましては総合エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会におきまして、十月に入りましてから審議を開始し、年度内に結論を得たいというふうに考えております。
○栗原政府委員 大島つむぎの輸入の問題でございますが、前回の流通小委員会の際に宿題になっていた点が、たしか二点あったかと思います。 その第一点は、携帯用貨物として旅行者が持ち帰ります場合の限度が従来十反であった、これをもう少し縮めるべきではないかという点でございます。この点につきましては、大蔵省関税局等と七月以降鋭意相談をいたしまして、去る九月十五日の時点から、十反の限度を三反に引き下げるということをすでに実施いたしております。これは過渡期の混乱等も予想されたわけでございますが、その辺のトラブルもなく、円滑に実施されておるというふうに承知しております。 それから、二番目の点でございますが、両端表示、平畳みという問題でございます。これは韓国産大島つむぎの表示を両端にいたしまして、それがかつ見えるようにするという措置の問題でございますが、これにつきましては、七月の下旬に日韓の間で政府間の話し合いを行いまして、その際に、文書をもちまして早急に実施をするということを約束してくれたわけでございます。もう一月ほど前に税関でスポットチェックをいたしました際には、実施されておるということでございますので、この点も私どもとしては十分流通小委員会の御要望にこたえたことだというふうに承知しております。 なお、韓国産の大島つむぎが一体どういう数量であるかということにつきましては、私どもなかなか実態把握が困難でございまして、現在ジェトロ等を通じて調査を依頼しておるという現状でございます。
○中村(重)委員 伝統工芸品産業を守るために通産省が努力をされたことに対しては、高く評価をしたいと思います。今後とも未解決の問題について精力的に対処して、産地の問題についてそうした関係業者の期待にこたえ、そして伝統工芸品産業をさらに振興していくということについて鋭意努力をしていただきたいということを要請をしておきます。
○橋口委員長 安田純治君。
○安田委員 本日、私は、大企業の減量経営、すさまじい人減らし合理化について若干問題を提起し、伺ってみたいと思うわけです。 まず、大臣に伺いますけれども、当面の国の政治としての経済運営において、雇用の確保、雇用を優先した経済運営こそ最も重要であると思うのですが、大臣もそういう認識をお持ちかどうか、お答え願いたいと思います。
○河本国務大臣 経済政策を進めていきます上におきまして、一番重視しておる問題は雇用問題でございます。
○安田委員 詳しく申し上げるまでもなく、大企業の減量経営、人減らし合理化はまさにすさまじいものがあると思います。福島県内だけを見ましても、日重化学とか昭和電工、日本電工、保土谷化学、堺化学、福島製作所など、首切り、一時帰休が相次いでおるわけであります。そしてまた、いま福島県の喜多方市に元昭和電工、現在昭和軽金属というアルミ製錬部門がございますが、この設備廃棄、事業所廃止が取りざたされておりまして、大きな問題となっておるわけです。 こうした大企業の事業所閉鎖、人員削減は、労働者の生活や地域経済に実に大きな影響を与えているわけでありますけれども、単刀直入に伺いますが、大臣はやむを得ないことだと考えておられるのでしょうか、それとも、そういう事態は避けるべく努力をすべきだと考えておられるのでしょうか、単刀直入にお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 雇用問題を経済政策の中で一番重大に考えておるということを申し上げましたが、そのためには、高目の経済成長をいたしまして経済に活力を取り戻しまして、新しい分野を開拓するとかそういう対応策によりまして雇用問題全体に対処していきたいと思っております。景気が回復をいたしまして操業率が上がれば、それだけ企業内部に抱えております過剰雇用というものも解消されますし、どうしてもやはり景気刺激策を進めまして、操業率を高めて過剰雇用問題を解消するということが非常に大事だと思います。 しかしながら、石油危機以降の非常に大きな経済変化によりまして、構造上どうしても縮小せざるを得ないような分野の業種も相当出てきております。そういうところは万やむを得ず減量経営、こういうことになります。減量経営ということになりますと、幾つかの合理化が進むわけでありますので、こういう経済の激動期には、ある程度の雇用問題がいま申し上げましたような調整の方向で進むということも、これは万やむを得ないのではないかと考えております。
○安田委員 ある民間調査所の調査によりますと、東京証券取引所上場の百八十五社だけで、一九七四年、昭和四十九年以降ことし三月までの四年間に二十一万五千人も従業員が減っております。さらに、ことしの九月一日の閣議において総理府総務長官が、ことし七月分の労働力調査結果を報告されておりますけれども、この点は大臣の方がお詳しいわけですけれども、この中で重要なことは、中小企業で雇用者がふえて、大企業で減っているということであります。すなわち、従業員二十九人以下の小規模企業では、この一年間に労働者が約五十二万人ふえているのに対して、従業員五百人以上の大企業では逆に約三十五万人も減っているのであります。一般的に不況に対する抵抗力は大企業に比べて中小企業の方が弱いことはだれしも認めるところだと思うのです。 こういう雇用の動態を見ますと、明らかに大企業は不況のしわ寄せを労働者、中小企業に押しつけていると思うわけですが、なぜ中小企業で雇用労働者がふえて大企業で減っているのか、なぜこういう現象が生まれるとお考えでしょうか。大臣の答弁を求めたいわけですが、大臣の先ほどの話は非常に一般論で、大企業、中小企業を含めての過剰雇用をなくするための経済の刺激はいろいろありますけれども、労働者の動態を見ますといま申し上げたようなことになっておる。一体こういう現象はなぜ生まれるとお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○矢野政府委員 いま先生の御指摘のデータ、これは総理府の労働力調査の七月速報の話でございます。先ほど来大臣も話しておられますが、石油ショック以降いまの不況状況で、いわば日本の失業率が表面では二%と言っておりますけれども、現実には潜在失業率という形で、これは終身雇用という制度も労使慣行であると思いますが、相当程度大企業で抱えてきておる。ところが、このところに参りまして、また円高不況ということで、先生おっしゃいましたいわば減量作戦というふうなことが行われて、どうしても大企業の就業人員が非常に大きく減ってきておる。中小企業ということで、確かに一人ないし二十九人の規模の業界に急にふえているという実態でございます。これは実は私どもも、この調査の業種別というのを調べなければいけないじゃないかということをいま考えておりまして、総理府の方といまその辺のデータ提供について、私ども勉強したいために、いろいろ統計法上の問題があるかもしれませんが、勉強さしてほしいということをいま考えて、申し入れをしようとしております。 ただ、一般的に言えますのは、先般われわれ労働省と懇談会をやりまして、そのとき労働次官からもちょっと御指摘もございましたが、流通、サービス業という段階が、いわば第三次産業として今後雇用というものにある程度バッファーと申しますか、なってくるのではないだろうか、その辺について通産省はどういうふうに考えているかという御質問もございました。一般的な産業連関表によりますと、長期ビジョンでは確かに第三次産業での吸収ということでございますが、それを現実的に業種別にどういうふうに本当に実施をされるのかどうか、これは私どもは今後一九八〇年代の長期ビジョンの中で十分検討したいと思います。そういったことで、一般的に言われることを申しますと、確かに中小企業でございますけれども、商業、サービス業というところの吸収度というものも相当あるのではないかと思います。 ただ、申し上げましたように、今後業種別に少し分析をして、いわゆる先生の御心配をしておられるのは下請にしわが寄っているのではないだろうかということだと思います。その辺の実態をよく調べて、われわれとしては不当なしわ寄せがないような、そういうような指導に入りたい、こう考えております。
○安田委員 まだ中身を分析されてないということで、この中小企業のふえた分が全部第三次産業、流通、サービス部門で吸収したのだというふうには言えないわけでして、そうじゃないとも言えないかもしれませんけれども、これは動態をはっきりしてみなければいかぬと思うのですが、ただ、実際に大企業が人減らしをしている場合に、下請の方にあるいは子会社の方に就職あっせんをするという形で解決するのが、実際の例を一つ一つ当たってみますと、ほとんど枚挙にいとまがない例でありますから、多分第五次産業だけで五十二万人も吸収したはずはないというふうに思うのですよ。大企業のこうした企業本位の人減らし合理化の強行は、国民生活にあるいは地域経済に大きな影響を与えているわけであります。 これに対する政府の対策は、一つは公共投資による景気浮揚、雇用拡大でありますけれども、しかし、今日その効果の乏しいことは明白になっているのじゃないかというふうに思うのです。 もう一つの対策は、大企業の人減らしの犠牲者への一時的な救済策ですけれども、近く提出されると言われておる不況地域の対策法、これもその一つであると思うのです。 しかし、私はこれらの施策の全面否定をするものでは決してありません。しかし、決定的に重要な問題は、抜本対策の一つとして大企業の人減らし合理化への規制が欠けていると思うわけなんですよ。救済策もさることながら、結局元栓を締めなければ、そういう手当てを欠いておったのでは解決にならないと思うわけなんです。政府は、五十三年度七%成長とか、二十万人の雇用拡大とか言ってきたわけですけれども、これほどの人減らし、国民生活の所得水準の低下を野放しにしたままで消費購買力の向上はあり得ない、また七%成長の達成は不可能だと思うわけです。 七月の労働大臣との雇用問題での協議や七%成長目標も踏まえて、今日の大企業の人減らしについて通産大臣としてどう対処されようとしているのか、お答えをいただきたいと思うわけです。労働対策面だから労働省管轄ということじゃなくて、通産大臣の立場からどういうふうに対策をお考えか。
○河本国務大臣 現在の産業全体の平均の操業率は約八〇%前後だと思っております。この八〇%前後の操業率から推定をいたしますと、企業全体の抱えております過剰雇用はほぼ二百万前後ではないか、こういう感じがいたします。しかし、これが九〇%操業ということになりますと、この問題は大部分解消できるわけであります。したがいまして、ことしの経済政策の目標は、七%成長を実現をいたしまして、年度末の操業率を平均八三%まで持っていきたい、こういう考え方でございます。九〇%操業ということは本年度には実現をいたしませんので、これは来年度以降の大きな課題だと思います。 そういうことによりまして、いずれにいたしましても企業の過剰雇用というものを一刻も早く解消しなければならぬと思いますが、これも先ほど申し上げましたように、ある程度構造変化が起こっておりますので、どうしてもある程度の整理をしなければいけない業種もありますので、全部が全部操業率の上昇によりましてこれを吸収するということは不可能であります。やはり一部分は雇用の合理化ということも当然表面化せざるを得ない、このように思います。
○安田委員 いまお答えいただいた面、産業政策全般といいますか、経済運営全般についての問題あるいは業種問題でお答えいただいたと思うのですが、率直に申し上げまして、業種ぐるみ対策とか地域対策でなくて、個々の大企業、一つ一つの企業ですね、こうした問題への通産省の姿勢は余りにも傍観者的でないか、こういうふうに思うわけです。これは労働省の役割りであると言ってみたり、経営方針への介入はできないと言ったり、要するにいろいろの口実を挙げて、結局は企業の行為のなすがままであるというふうに感ぜざるを得ないわけです。 私は、もし大臣が雇用問題優先の経済運営を重要視されるならば、個々の企業の人減らし政策、工場閉鎖などに対しても、行き過ぎはないかどうか、企業行動の適正化を図るという立場からも、労働省任せにしないで、通産省としてももう一歩踏み込んだ指導、要請、あるいは少なくとも事情聴取をするなどの措置があっていいのではないかというふうに思うわけです。 いろいろ議論してみますと、結局、自由主義経済の中で個々の企業に対して産業政策を受け持つ通産省の立場から、なかなか個々の企業に対するそういう問題について介入できないというような姿勢がうかがわれるわけですが、私は、この問題は、自由主義経済、資本主義制度の枠内での大企業の減量経営と行政権限という新しい問題として提起しているつもりであります。従来の行政の枠内で問題を考えることでいいのかどうか、検討すべき時代だと思うわけなんです。 その根拠の一つは、行き過ぎた人減らしの例も現実にあるということです。たとえばいすゞ自動車の場合がそうでして、八月三十日の読売新聞なんかを見ますと、いすゞが減量し過ぎで大量採用へ今度は踏み切る、来春には千人、暮れまでに百八十人中途採用もする、フル生産で人手不足であるというような報道もされております。こういう行き過ぎた人減らしの例があるということです。 第二に、企業の側からいっても、減量経営が企業利益に貢献するのは一年目だけで、二年目からは利益が減るというある調査もあるようでございまして、矛盾であるということ、企業サイドから見ても抜本的な解決策ではなかろうというふうに思うわけです。 第三に、国民経済の安定向上という国の基本政策を貫徹する上でも、野放しにできなくなってきているのではないか。 第四番目に、大企業の社会的責任の要請、大企業の経済撹乱行為への規制強化は時代の趨勢であるというふうに思うわけです。 この第四の問題について考えますと、かつてたとえばトイレットペーパーとか洗剤の不足とかいろいろなことが石油ショックの前後にありまして、そんなことで大分問題になった。また、最近、いま法律の改正案が提案されていますいわゆる巨大スーパーの進出とか、あるいは中小企業分野に対する大企業の進出とかいろいろございまして、要するに大企業が無秩序に市場に参入することを、これは撹乱行為であるということで、そういう点では相当通産省としても、ある時期時期に応じて行政指導をされたと思うのですよ。 ところが、観点を変えて見れば、市場に無秩序に参入したりする経済撹乱行為と同じように、撤退、縮小もまた無秩序に行われれば、一つの経済撹乱行為ではないかという観点を提起したいわけです。そういう意味で、人減らし合理化の問題について個々の企業には介入できないということではなくて、こうした大企業のなす縮小、撤退もまた経済撹乱行為という側面があるということは、自由主義経済の中でも無秩序な参入に対する行政指導、規制が発動されると同じような理屈が成り立つはずだということが第四番目の論拠です。 それから、今日わが国の経済は大体六大企業集団が大きな比重を占めておると言われておりますが、いま問題になっている人減らし問題も、企業の側がグループの方針として打ち出しているものもあるようでございます。企業グループで対応すれば、なおさら労働者に犠牲を押しつけない打開策があるはずだとも私は考えるわけであります。 こうした論点を考えますと、要するにいついかなる場合も大企業の人減らしを個々の企業についてストップさせようというわけではありません、この点は念を押しておきますけれども。しかし、逆にいついかなる場合も大企業の減量経営、撤退、縮小に政府は介入しないというのも正しくないと考えるものであります。通産大臣は、通産省所管業種の大企業の減量経営にあくまで一切介入しないのか、一般的な経済政策、産業政策として先ほどからお答えいただいているようなことから一歩も出ないのか、個々の大企業に対してそういう行き過ぎの撤退、縮小について一歩踏み込んだ指導、行政をやることを検討する用意があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 先ほど私は、八〇%操業の段階では、企業内部におよそ二百万見当の過剰雇用が存在するであろうということを申し上げましたが、これはなぜそういうことになっているかといいますと、わが国の雇用慣行は終身雇用制でありまして、よほどのことがないと首切りをしない習慣であります。よほどのことといいますと、どうしても企業がやっていけないとか、あるいは将来見込みがないとか、こういう場合のことを言うわけであります。したがいまして、現在までのところ、個々の企業の合理化の進め方に対しましては、通産省は原則としては介入をしないことにいたしております。 ただしかし、地域社会におきまして、地域社会上非常に大きな影響があるのでこれは何とかならないかというような相談を地域社会の責任者から受けました場合には、その企業の責任者を呼びまして、地域社会がこれこれしかじかの大きな影響を受けておるので何とか配慮するようにもう一回研究しなさい、こういう注意をすることもたびたびございます。しかし、それはあくまで例外でありまして、原則はやはり企業の個々の合理化計画にまつ、こういう方針でございます。
○安田委員 いま大臣のお話にあったように、よほどのことがなければ首は切らないのだということですが、よほどのことが客観的に確かにあって、私先ほど申し上げましたように、絶対あらゆる場合に減量経営してはならぬというわけではないのでして、よほどのことがあればそれはそれなりのことがあると思うのです。 ところが、先ほど申し上げましたいすゞ自動車のように、首を切り過ぎて今度は中途採用する、要するに行き過ぎといいますかやり過ぎの合理化、撤退、縮小がある。それであわてて中途採用をしなければならぬ状態も生ずるというような例を先ほど挙げたのですが、よほどのことがない限り日本の企業は終身雇用制で首にしないのだ、だからよほどのことがあるから首にしたのだろうというのではなくて、いま言ったいすゞ自動車の例があるわけですから、私は行き過ぎた減量経営、人減らしのことを言っているわけです。その場合に介入しない、一歩踏み込んだ指導、行政を個々の企業にしてやる用意がないのかどうかということを伺ったわけであります。 そういう点では、地域の責任者から要請があった場合に、例外的にいま大臣がお答えになったような程度のことをするというのでは非常に不十分であろうというふうに思わざるを得ないし、先ほどから言っているように、個々の企業活動の適正化の観点から見ても、撤退、縮小はまた市場撹乱行為の一つであるという側面から見ても、これはもっと踏み込んだ指導、行政をやる必要があるだろうというふうに強く指摘したいわけです。 同時に、たとえば北海道東北開発公庫などから借入金をしておるというような企業がございます。こういう企業の場合に、当然、北海道東北開発公庫の目的からいって、東北地方の開発、北海道地方の開発ということが前提になっているわけでして、こういう投資をされておるところが撤退をするという場合には、全く開発と逆な現象が生ずるわけです。また、この間発表されました三全総のことを考えてみても、定住圏構想の中で東北、北海道地域に約五百六十万人の定住人口を構想しておるようでありますが、こうした政府の構想を実現するという立場から見ても、そういう開発を促進しようとしてかかっておる地域においてやり過ぎの撤退、縮小があった場合、これはどうしても、政府の政策の整合性からいっても、片一方は労働省任せだ、地域対策は自治省任せだというのではなくて、産業政策をつかさどる立場からも当然アプローチしていいはずだ、それでないと政府の全体的な政策の整合性は保てないのじゃないか。ことに三全総のことを考えますと、通産省はわれ関せずでは困るというふうに言わざるを得ないと思います。 そういう点で、非常に例外的にというふうにおっしゃったのでちょっとお伺いしたいのでございますけれども、ことしの四月四日、いわゆる特安法の採決の際に当委員会で附帯決議を採択しております。その中で、設備廃棄を行うに当たつての労働者への配慮に関しまして「労使協力して構造不況を克服するよう必要に応じ適切な指導を行うこと。」こう明記してございます。 大臣は、この附帯決議の減量経営に対して「必要に応じ適切な指導を行うこと。」これをどう実行されるのか。「適切な指導」という限りは、これは効果の上がる指導でなければ適切な指導じゃないと思うのです。ですから、効果のあるような指導をされるということになれば、やはり個々の大企業のやり過ぎの減量経営などに対しても相当立ち入った姿勢を示さなければいかぬのじゃないかと私は思うのですが、大臣のお答えをいただきたい。この決議をどう実行されるのか。
○河本国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、高目の経済成長をすることによりまして産業全体の操業率を引き上げていく、そして首切りをしなくても、合理化をしなくても済むような客観情勢というものをつくり上げたい、これが政府の基本的な姿勢でございます。そのために、先ほど申し上げましたように、何とか九〇%操業に持っていきたいということを最高の目標としておるわけでございます。ただしかしながら、構造変化によりましてどうしても過剰雇用、過剰設備というものが存在をしておる業種等もございますので、これはやはり若干の縮小は万やむを得ないのではないかと思います。 そういう場合に、先ほど申し上げましたように、特に地域社会から相談があれば通産省としても意見を申し述べることがありますけれども、何の相談もないという場合には、一社一社乗り込んでいきまして、どうだどうだと言うわけにもいきません。相談があればその都度相談に乗るようにいたしております。
○安田委員 ぜひそういう点で必要に応じて適切な指導を、まさに効果の上がる指導をしていただきたいと思うのです。 そこで、地域からの相談ということですが、福島の喜多方市で、先ほど申し上げました昭和軽金属のアルミ工場が、まさにアルミの問題で減量経営をせざるを得ないということで、この間、九月二十二日ですか、第二電解工場閉鎖ということがあって、遠からず人員整理に入るだろうというので大騒ぎになっているわけです。通産省に地域の指導者といいますか責任者、喜多方市長から物を言ってきたかどうか知りませんけれども、この昭和軽金属の喜多方工場の場合にはこういういきさつがあるわけです。 つまり、最初、昭和十四年ころにあそこに東信電気という一般の発電会社ができまして、水力発電所を設置した。そのときに、そこにアルミ工場をつくって、まさに自家発電、付属発電所として使おうという立案がされ、実際にアルミ工場ができたのは昭和十八年なんです。その四年の期間の間に、昭和十六年ですか、日本発送電という国策会社ができて、この水力発電所が買い上げられてしまったわけです。そして終戦後、九電力に分割されたときにそれは東北電力へ行ってしまった。したがって、一〇〇%買電のアルミ工場がここに計画と違って生まれてきたわけです。 もしそれが当初の計画どおりアルミ工場の自家発電として水力発電が供給されれば、これは十分現在のアルミのあれとしてやっていけるということを工場の側でも言っておるわけであります。ところが、東北電力がいっかなこれを手放そうとしないし、手放すといっても、商行為としての話し合いがまず行われなければならないのでしょうが、その話し合いに応ずる姿勢も全くないわけです。過去の経過から考えますと、そういう国策のために、本来自家発電として発想されたものがいわば取り上げられてしまったということなんです。 こういう問題で通産省に、どういうことか、何も言ってきてないのかどうか知りませんけれども、時間がありませんのでここで詳しい御答弁を求めるつもりはありませんけれども、そういう特別なケースでその地域が、たとえばアルミ工場が閉鎖されたという非常に大きな打撃を受けるというような場合、まさに通産大臣のおっしゃる個々のケースによってはという――しかもこの喜多方工場の場合には、昭和軽金属だけではなくて、東北電力という別な会社が絡むわけですけれども、そういう点についてもぜひ立ち入って、ひとつ通産省としての真摯な姿勢でこうした問題に対処していただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。これは答弁は要りません。
○橋口委員長 大成正雄君。
○大成委員 この機会に、一般的な問題として、特に補正予算に関連して幾つかの項目について御質疑を申し上げたいと思います。 まず第一に、円高と中小企業の景況についてでございます。 百九十円を割り込むような円高基調が続いておるわけでありますが、経済企画庁は、一般的に企業の景況はよくなってきておる、こういうことをきょうの答弁の中でも繰り返し述べておられるわけでありますが、この中小企業の中でも非価格競争力を持っておる企業だとか、あるいは時代のニーズを先取りしておるような、そういう新製品技術を持っておる企業、これらは確かにいいと思います。が、一般的には深刻な打撃を受けておる。先般パリでジェトロの皆さんにいろいろ話も聞いてまいりましたけれども、ともかく出先は成約ができなくて本当に四苦八苦しておるという深刻な状態の話を聞いてまいったわけでありますが、長官は、このような円高基調の中で中小企業一般として、経済企画庁の言うように景況は上向いておるというような認識を持っておられるのかどうか、まずそこからひとつ聞いていきたいと思います。
○左近政府委員 この円高の傾向は昨年の後半からあらわれましたが、最近六月、七月、八月と円高が非常に急速にかつ大幅になってまいりまして、百八十円台というような状態にもなったわけでございます。 それで、絶えずこの中小企業、ことに輸出関連の中小企業については調査を実施しておりますが、七月末での調査によりますと、この円高のショックは相当大きいものでございまして、受注も七月ごろには対前年に比べまして非常に減っておる。しかも前年自身がもう七月には相当減っておるということでございますが、相当減っておるというような状態でございますし、今後の見通しを聞きましたところ、大体下半期には受注の見込みが前年に対して半分以下になるという産地がほとんどでございました。したがいまして、中小企業、特に輸出関連の中小企業につきましては、この円高というものが非常に大きな圧迫要因になっております。したがいまして、経済の一般的な動向がやや明るさが増したと言われておりますけれども、中小企業、特に輸出関連企業にとっては大変厳しい状態であるというふうにわれわれは考えております。
○大成委員 今日顕在の失業者が百十五万というふうに統計数値が発表されておりますが、景気対策と同様、この雇用、就労機会の拡大、いわゆる失業者を減らしていくということは非常に重大な国策だと思うのですが、この雇用機会の下支えをしておるのが中小企業であることは、これはもう御存じのとおりであります。 長官は、この当面するそういった困難な局面に立っておる中小企業の雇用の維持拡大といったことに対して、他省庁との協議をしながらどのような対策を講じておられるのか、承りたいと思います。
○左近政府委員 雇用面の問題が大きくなりつつある地域といたしましては、いわゆるわれわれが特定不況地域と申しておる地域でございます。これはその市町村の中核的な企業が構造不況の業種に属しておる、しかもその企業自身が生産の減退あるいは休業というようなものに追い込まれておるというような地域でございます。そういう地域においてはどうしてもいわゆる労働需給が悪くなりまして、いわゆる失業者の数が多いということでございます。 これに対しましては、やはり中小企業の問題、それから労働の問題、あわせて解決しなければ問題が解決しないということを考えまして、労働省とも寄り寄り相談をいたしまして、そういう地域については、とりあえず行政措置としてやれます緊急融資制度を九月から発足いたしました。そして対策を講じておるところでございますが、将来については、この臨時国会に中小企業庁からも法案を提出いたしますが、労働省からも法案を提出していただいて、雇用問題とそれから中小企業対策を並行的に、しかもうまくタイミングを合わせて実施いたしたいということで、労働省と寄り寄り相談をしておる最中でございます。
○大成委員 ただいまの御説明は、いわゆる城下町法案と言われるような特定地域に対する総合的な対処を言っておられるんだろうと思うのですが、政府がいま考えておるこの特定不況地域というものの数、われわれが聞き及んでいるところからしますと、全国的には非常に不十分である、もっとその指定地域を拡大しろ、こういう意見が非常に強いわけでありますが、これに対して長官はどのように考えられますか。
○左近政府委員 現在九月からやっております緊急融資制度は行政的措置でございますので、とりあえずの目安といたしまして、その地域における中核的な企業のウエート、それからその中核的な企業が生産がどの程度過去に比して落ちたかというような程度、あるいは労働省と相談いたしまして求職、求人の比率というようなものを目安にいたしまして、大体十六の地域を選んで実施しておりますけれども、法律の制定の過程におきまして、考え方は大体同じでございますけれども、その中核的な企業の業種をどうするかというような点を十分考慮してまいりたいと思いますので、現在の地域はもちろん今後法律の対象にはなりますが、さらにこの指定になる地域は、その後の労働事情の変化も織り込みますと、まだ相当拡大するのではないかというふうに考えております。
○大成委員 この地域の拡大については全国的な要望が強いようでありますから、ぜひひとつ他省庁とも御協議をいただいて、全国の要望にこたえられるような措置を講じていただきたい。このことについては、いずれ法案の審議の中で十分審議をさしていただきたいと思います。 さて、補正予算について若干御質疑を申し上げたいと思うのでございます。 今回の補正予算の内容を見ますと、構造不況業種あるいは中小企業等特別対策費として三百二十一億を追加しておるわけでありますが、細かいことになりますと時間が足りなくなりますので、主な数字だけひとつお聞きしたいと思います。
○左近政府委員 中小企業関係の補正予算の内容でございますが、大きく言いますと三つに分かれます。一つはいま申し上げました特定不況地域対策でございます。それからもう一つは中小企業の円高対策の拡充というものでございます。それから第三点は中小企業の過剰設備の処理対策、ことに繊維を中心とする共同廃棄事業ということでございます。 簡単に内容を申しますと、特定不況地域対策につきましては、先ほど申しました特別融資を発足させるとともに、信用保証の特例を設けるというようなことを考えておりますので、そういうものを織り込みまして、商工中金の出資額として五億円、それから中小企業信用保険公庫の出資金として四十五億円、それから信用保証協会の基金補助金として六億円というふうなものを合わせまして、大体五十六億円強のものを考えております。 それから、円高対策といたしましては、この円高対策の融資制度を延長し、充実する、それから信用保証制度の円滑化も図るというようなことから、商工中金の出資が五十億、それから信用保険公庫の出資が三十五億、それから信用保証協会の基金補助金が五億ということのほかに、もう一つ新しい対策といたしまして、輸出産地の中小企業が組合を中心に市場転換、製品転換というふうな緊急措置を年度内に行う場合には助成をするということを考えております。これが約二億二千万ございまして、これを合わせまして大体九十二億二千万ということでございます。 それから、中小企業過剰設備処理対策費といたしまして振興事業団の出資百億というものを計上いたしておりますが、これは先ほど申しましたように、繊維等の共同設備廃棄事業が円滑に行われるように今年度この資金を充足させるということでございます。
○大成委員 ただいま三百二十一億の主たる内容の御説明があったわけでありますが、この中で先ほどお触れになりました全国中小企業団体中央会に対して二億二千万の補助金を市場転換のために補助する、こういうことでありますが、中央会に二億二千万補助することによってどのような政策効果を期待しておられるわけですか。
○左近政府委員 先ほど申しましたように、累次にわたって円高の影響調査を中小企業庁が輸出中小企業産地につきまして実施しておりますが、その産地産地におきまして、現在の窮境を脱却するために、たとえば新しい製品を開発するとか、あるいは内需に転換して市場をそういうところに求めるとか、あるいはヨーロッパ、アメリカというふうな先進国だけでなくて別の地域にマーケットを求めるとか、いろいろな当面の打開策を考えております。したがいまして、組合単位にそういう打開策を緊急に支援する必要があろうというふうに考えましたのがいまの助成金でございまして、この中央会から各産地の組合に出す、できれば都道府県の方からも同額程度のものを出していただいて、あわせてそういう緊急な対策、たとえば内需開拓のための見本市を開くとか、そういういろいろ希望がございますので、そういうものについて実情に即した助成をいたしたいというふうに考えております。
○大成委員 ただいま都道府県も同額程度のということを触れられたわけでありますが、この点は相当強力な指導、要請をしておられるんでございましょうか。
○左近政府委員 この点については、都道府県ともよく連絡をしておりますし、実は都道府県から積極的な御要請のあったケースもございますので、円滑に話は進むだろうと思います。 それから、ちょっと申し添えますが、今度の補正予算の中小企業関係だけをとりますと、あの三百何十億は若干非鉄金属対策等も入っておるかと思いますので、中小企業関係だけを申しますと二百五十億弱になりますので、その点御了承願いたいと思います。
○大成委員 先ほども触れられた商工中金に対する五十五億の出資追加の問題でありますが、このことによって中金の融資枠はどれだけ拡大できるのか、また金利負担の軽減というものはどの程度軽減されるのか、あるいはされないのか、この点を承りたいと思います。われわれがいただいている資料からしますと、六月末の貸出残高が四兆六千二百五十三億、こういうことになっておりますが、これが現在時点で、またこの補正措置によって中金の融資枠がどれだけ拡大されるのか。第三・四半期、第四・四半期の枠だと思うのですが、そうすると、その枠がどれだけふえるのかをひとつ承りたいと思います。 同時に、ついでにお聞きしたいのですが、この商工債の発行状況が七月末だと三兆五千九百四十七億、そのうち政府引き受けが五千八百四十一億、こういう数字を承っておるわけでありますが、この政府の出資追加のみならず、この商工債そのものの増発についてはどのように考えておられるか、またその消化に対してどのような問題点があるのか、これもあわせてひとつ承りたいと思います。
○左近政府委員 この措置は、円高緊急融資とそれから特定地域に対する緊急融資というものを円滑に進めるという意味におきまして、五十五億の出資をいたすわけでございまして、円高融資につきましては、昨年十月制度発足以来非常に利用がふえてまいりまして、大体最近の時点までで二千七、八百億ぐらいの見当に総額としてなったかと思います。そのうち商中はその一部でございますが、そういう過去の実績から見て、この円滑な融資ができるようにということでございます。 それからもう一つ、この特定不況地域につきましては、実は指定の地域自身も先ほど申しましたようにとりあえず発足いたしましたが、今後どういう形になるかということもまだ不明確でございます。したがいまして、少し数字的に申し上げるのはちょっとまだむずかしいので、御容赦願いたいと思いますが、商中の運営上、むしろ融資枠というよりは特別金利で貸し付けるための資金コストの低減という意味においてこの出資をいたすということでございます。融資枠につきましては、現在必要な額は十分充足できるというふうに考えております。 それから、商中債の発行の問題でございますが、現在のところ順調に行っておりますので、特に問題はないかと思います。ただ、基本的には、この商中債によって資金を充足するということがどうしても商工中金の資金コストを高くするということでございまして、これに対して、現在のような低金利時代におきましては、出資を増額いたしまして資金コストを減少させる、そして金利を低下させるという必要がございます。したがいまして、今回五十五億はこういう特別措置のために出資を追加することにしたわけでございますが、来年度におきましても、一般的な金利低下、つまり商工債券による原資調達というものに対して負担軽減という意味において、これはこれからの問題でございますので最終的には決まっておりませんが、相当額の出資を要求しておるわけでございます。
○大成委員 ただいまの説明を、くどいようでございますが、さらにお聞きしますが、今後の円高融資の増額分あるいは特定不況地域に対する融資分等の金利を五・五ですか、低利に抑える、すなわちコスト引き下げのために低利で貸し付けることが可能なようなことを配慮して五十五億を増資した、こういうことに解釈してよろしゅうございますか。
○左近政府委員 御指摘のとおりでございます。
○大成委員 次に、振興事業団の融資について承りたいと思うのですが、今回繊維の過剰設備廃棄のために百億を追加しておるわけでありますが、全体としてこの所要資金量はどのぐらいと推計しておられるのでしょうか。
○左近政府委員 繊維の構造改善事業につきましては、今年度当初予定したよりも非常に増大してきたという状態でございますので、結果としては今年度の事業費の不足部分が相当に上るということで百億追加したのですが、大体われわれの見ておるところでは、つまり百億がこの繊維の構造改善事業に充てられるくらいの金額になるだろうというふうに見ております。
○大成委員 このことについては、単なる融資の問題だけでなく、いわゆる日本の繊維産業全体の質的な構造改革が進まなければなりません。きょう配られたジェトロの海外市場白書の三十四ページに、非常に詳しく、西ドイツの繊維産業がどのように質的な改善を遂げてきたかということが書かれております。非常に参考になると思うのですが、こういう内容も踏まえながら、何回となくこういうことを過去において繰り返してきておるわけですが、この事業団の百億を追加するということだけでなく、長官だけの問題でなく、通産省全体として検討しなければならない問題だと思います。この機会に、この投資効果が上がって、そしてわが国の繊維産業というものの構造的な変革がなし遂げられるような措置もあわせてひとつ要求をしておきたい、このように思います。これは質問でなく、意見として申し上げておきます。 次に、この事業団資金でございますが、他の共同化の貸出資金については現在どういう状態になっておるのでしょうか。
○左近政府委員 まず、繊維の構造改善事業につきましては、今年度がピークでございますが、来年以降もこれについて十分な資金を準備いたしまして円滑に実施するようにいたしていきたいということで、予算要求等もいたしております。 それから、一般の高度化事業の貸し付けの状態でございますが、四十八年度ごろまではこの振興事業団の貸し付け状況が順調に増加をしておったわけでございますが、その後の石油ショック、それに引き続く不況というふうなものから、五十一年度まではほとんど横ばいという形で推移をしてきております。五十二年度がやや増加したということでございまして、その内容としては、共同設備廃棄事業の貸し付けが約二百一億出てまいりました。その形で大体前年比一二五%という形になったわけでございます。 今後もそういう設備共同廃棄事業というものが相当なウエートを占めるかということを考えておりますので、先ほど申しましたように、今後、来年度以降の資金の調達についても遺憾のないような形でやりたいということで現在考えております。
○大成委員 近促法あるいは振興事業団関係として、時間がありませんので、あと二つだけお聞きしますが、高度化資金の貸し付けについて都道府県分をもう少し減らしてもらえないか、すなわち、逆に国の方の負担分をふやしてもらえないか、こういう要望が全国都道府県あるいは知事会等からも繰り返し要望されておるわけでありますが、目先、この都道府県の負担分を軽減するということに対して政府はどのように考えておられるのか、これが第一点。 それから第二点は、先ほど来設備の共同廃棄等の問題で御答弁があったわけでありますが、業種転換、新製品技術の開発、あるいは市場情報、こういったことの情報提供に関する使命というものは非常に重大だと思うのです。これをあわせて二点についてどのように対処しようとしているのかを承りたいと思います。
○左近政府委員 高度化事業融資における都道府県負担分の引き下げということについては、各般の御要望をわれわれも承っております。ただ、考え方といたしまして、振興事業団が行います高度化事業融資というものは、国と都道府県が一体となって実施するというたてまえでございますので、国の一般会計支出による負担額と都道府県の負担額というものは同一にやっていくというのが一つの基本的な原則になっております。この原則を全くなくしてしまうということは非常に現在でもむずかしいかと思います。 しかしながら、実際問題といたしまして、府県の負担も相当過重になってきておるというような事実もございます。したがいまして、高度化事業のうち、いろいろ検討いたしまして、性格的に見て国が政策的な観点から大いに推進しなければいけないというようなものにつきましては、その事業の内容に従って国の負担を増強しておるということでございます。たとえば特別広域高度化事業というようなもの、これは四県以上にわたって実施するような事業でございますが、これについての軽減とか、あるいは構造改善高度化事業、これは近促法とか伝統産業の法律とか、こういうものに基づく計画によって実施する事業というようなものにつきまして都道府県負担分を減少させております。したがいまして、結果といたしましては、事業によりまして都道府県の負担分が減少しておるというのが現状でございますし、今後もこういう方針で進めたいというふうに考えております。 なお、ことに県の負担が大きいと見られます設備共同廃棄事業につきましては、何といいますか、県の負担分が一時的に非常に大きくなるとかいうふうなことを緩和する意味におきまして、県負担分の一部を中小企業振興事業団から八年無利子という融資をいたしまして、当面は負担軽減になる、将来ならして県の負担にするというふうな制度をやっております。したがいまして、当面の県負担は、先ほどのような措置をやることによりまして相当程度軽減を図っておるのではないかというふうに考えます。 それから、第二の点の御指摘にありました転換等を実施するためにやはり振興事業団による情報提供というものが必要ではないかという御趣旨でございますが、まことにごもっともでございます。振興事業団といたしましても情報提供事業を系統的にやってまいっておりますが、これをより強化するという意味におきまして、従来の事業のほかに、各都道府県に存在します中小企業の業態を中小企業振興事業団に集中して、それの情報を絶えずまた中小企業にフィードバックするというふうな事業も付加したいというように考えておりますが、この問題については今後予算措置その他によりまして充実さしていきたいというふうに考えております。
○大成委員 時間がないのですが、最後に一つだけお許しをいただきたいと思います。 この保証協会の基金補助として十一億を補正しておられるわけでありますが、これによって全国の保証協会の出捐金あるいは負担金の増額というものはどのくらいを見込んでおられるのか、承りたいと思います。
○左近政府委員 信用保証協会の基金補助金は、補正予算で特定不況地域対策、円高対策合わせまして十一億いま計上し、御審議を受けることにしておりますが、これを府県に出しますと、府県が同額つけて流すということですから、まあ二十二億が信用保証協会に行くということに相なります。これを中心に信用保証協会の業務を円滑に推進していきたいというふうに考えておるわけであります。
○大成委員 都道府県の努力が同額程度ということで、果たして現在の保証協会の抱えている問題が解決できるのかどうか、ちょっと不安があるわけでありますが、一方、金融機関が負担をする負担金、出捐、こういったことももう少し努力がなされていいような気がするのですが、この点もあわせてこれは要望として申し上げ、いずれその細かい内容については、次の機会にひとつ質疑をさせていただきたいと思います。 終わります。
○橋口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会