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85回国会衆議院1978/10/13

社会労働委員会 第2号

発言数
368
登壇者
34
会派数
3
開催日
1978/10/13

会議録

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 これより会議を開きます。  特定不況地域離職者臨時措置法案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。越智伊平君。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま議題になりました特定不況地域離職者臨時措置法案につきまして、質問をいたしたいと思います。  まず第一番に、わが国の景気は緩やかながら回復の兆しを見せている、こういうふうに言われております。確かに回復の兆しを見せているのであろうと思いますけれども、しかし、末端の中小企業あるいは失業者の側から見ると、決して回復の兆しを見せているようには受け取っていないのが実情であろう、かように思います。また、特に造船業その他、構造不況業種の問題が深刻化しており、これの集中している地区においては、地域経済全般に影響を与え、まことに深刻な雇用問題を生じている、かように思います。その現状についてどのようにお考えか、どのように把握しておられるか、大臣にお尋ねをいたしたい、かように思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 御指摘のように、特に造船業が一番厳しい環境だと思いますけれども、構造不況業種が集中しておる地域は地域ぐるみ、その地域の企業の経営の状態、同時にまた、雇用環境が大変厳しい状態であるとわれわれも認識をしております。  それで、具体的にそういう地区の代表として、本年八月の常用の有効求職倍率で申しますと、室蘭安定所では六・八二倍、尾道安定所では四・七二倍、佐世保安定所管内では二・五六倍、こうなっておりまして、全国平均一・八一倍を大きく上回っておる、大変厳しい雇用情勢でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま大臣から御答弁をいただきましたが、このように、構造不況業種の問題が、その業種だけでなく、その地域全般の景気に大きな影響を及ぼしておる。これがいつ景気が回復される見込みか、この点について通産省側の御見解を承りたいと思います。

黒田直樹政策局産業組織政策室長

○黒田説明員 お答え申し上げます。  一般の景気対策、景気振興策だけでは問題は解決しない、いわゆる構造不況業種の問題につきましては、昨年の春ごろから問題が顕在化してまいりまして、当初、業種、業態に応じまして、生産調整であるとかあるいは価格調整であるとか、そういう生産、価格面での調整対策あるいは金融面の対策というものを講じてきたわけでございますが、構造不況業種に共通して見られるいわゆる過剰設備の処理の問題を中心といたしまして、前の国会で特定不況産業安定臨時措置法というものが制定されたわけでございます。この法律におきましては、業種ごとに安定基本計画というものをつくりまして、その業種の不況の克服と経営の安定を図るということになっておりまして、現在、この特定不況産業安定臨時措置法に基づきますいろいろな対策の準備、業種によっては若干回復したものもございますが、おおむね準備の段階にあるという状況でございます。  そこで、構造不況業種と申しましてもいろいろな業種があるわけでございまして、現在までのところ、平電炉業という業種につきまして、八月の末に特定不況産業安定臨時措置法に基づきます安定基本計画を策定いたしました。この平電炉業の場合には、一応昭和五十五年度末に適正な稼働率に戻る、言いかえれば需給が一応均衡する、さらに言いかえれば業種として一応経営の安定が図られる、こういう見通しのもとに対策を講じておるわけでございまして、そのほかの業種、たとえば合成繊維でありますとか、それからアルミ製錬でありますとか等々の業種につきましては、現在、この法律に基づきまして、関係審議会の場で安定基本計画の策定を急いでいるところでございます。いずれにいたしましても、この法律は昭和五十八年六月までのほぼ五年間の限時法でございますので、その段階まで何とか安定のめどをつけようということで、いろいろな準備を進めているところでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 ただいま通産から御説明をいただいたわけです。特に平電炉あるいは合成繊維、アルミ、こういうものにつきましてはわかりましたが、私は、この際、構造不況の中でも特に深刻と言われております造船業についてお尋ねをいたしたいと思っておりましたけれども、きょう、同時刻に特定船舶製造業安定事業協会法案の審議をやっておられるようでございまして、運輸委員会に出席をされておられるので、その点は、きょうは後に延ばすことにいたしましたが、特に造船業の場合については需要の喚起策をとらなければならない、こういうふうに考えるものでございます。  そこで、運輸省の中で特に海上保安庁がいろいろ景気対策を打ち出しておられるようでございますが、これについて簡単に御説明をいただきたい、かように思います。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 お答えいたします。  海上保安庁におきましては、御承知のとおり、領海の拡張それから二百海黒漁業水域の設定に伴いまして、これらに対する対応体制の整備ということで、巡視船艇の整備、増強に努めておりますと同時に、他方、老朽化いたしております巡視船艇等につきましては、代替建造につきましても鋭意これを進めさせていただいておるところでございまして、これは同時に、造船業の不況対策の一助にもなるものと私どもは考えておるわけです。先生ただいまおっしゃいました需要喚起策の一環というとらえ方でございます。  ちなみに、五十三年度におきましては、これは五十二年度からの継続分が入っておりますが、それを含めますと、ヘリコプター搭載型巡視船が三隻、それから千トン型の巡視船が十隻、それから三十メートル型の高速巡視艇が六隻、これらを含めまして、全体で二十五隻の整備を進めさせていただくことになっております。  それからさらに、昨日成立いたしました五十三年度補正予算におきましても、ヘリコプター搭載型の巡視船一隻、それから千トン型の巡視船十四隻、それから三十メートル型の高速巡視艇四隻、これらを含めまして、合計で四十三隻の建造を認めていただいております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 造船の不況対策の話がいろいろ出ておりますが、その中で、ただいま説明をいただきましたが、海上保安庁では、いま御説明をいただいたもので、いわゆる老朽船というのはもうあとには残らないと解釈していいわけでしょうか。その点お尋ねをいたします。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 老朽代替船につきましては、耐用年数を経過したものにつきましてはすべて完了いたしております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、構造不況業種の問題については、できるだけ早くその解決を図ることが必要でありますし、関係各省の今後の一層の努力を期待するものであります。当面簡単に解決しないと考えますが、その点について、特に特定不況地域に対する雇用の対策として、特定不況地域離職者臨時措置法案、この法律には私も賛成をするものでございますけれども、その内容について先般説明をいただきましたが、もうちょっと詳しく御説明をいただいたらと、かように思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 この法律案の内容でございますが、いわゆる構造不況業種の影響によりまして、深刻な雇用問題を招いております地域がいろいろあるわけでございますが、そういういわゆる特定不況地域につきまして、企業の経営の安定のための措置と相まちまして、その地域の離職者等の職業及び生活の安定を図るための特別の措置を講ずるというのがこの法律の目的でございます。  内容といたしましては、一つは、四十歳以上であります特定不況地域の離職者につきまして、一定の要件に該当する者は、九十日の延長給付を支給するということがございます。二番目には、特定不況地域につきまして、指定業種以外の事業主に対しましても雇用安定資金制度を全面的に適用するということでございまして、そういう意味での雇用安定資金制度についての特例を設けるというのが二番目でございます。三番目には、特定不況地域におきまして国、地方公共団体等が計画実施いたします公共事業につきまして、その地域の離職者全体を対象とする吸収率制度を新たに設けるということが三番目の内容でございます。さらに、雇用保険のこういう延長給付に伴いまして、その費用に充てるために、保険料率を労使それぞれ千分の〇・五ずつ、合計千分の一引き上げるということがあわせてこの法案の中に規定をされているというのが、主な内容でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 この法律案の対象となる特定不況地域について、第二条の第一項を見ますと、現在通産省が提案しておる特定不況地域中小企業対策臨時措置法案によって指定された市町村の区域を基礎として、その近隣の地域も合わせて指定するようになっております。  そこで通産省にお伺いいたしたいのでございますが、この市町村の区域はどういう基準によって指定を考えておられるか。当初はたしか十六地域程度、こういうことでございましたが、いま二十八地域程度というふうな話も聞いておりますが、その基準と、どの程度の地域を指定しようとなさっておるか、その点についてまず通産省の御見解を御説明いただきたいと思います。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況地域の指定でございますが、今国会に提出の特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に基づきまして、一定の要件に該当する市町村の区域を政令で指定するということになっております。  政令の指定要件でございますが、まず特定不況業種、これも政令で決めますけれども、いわゆる構造不況業種的なものでございますが、それに属する特定の事業所が、工業出荷額等におきまして所在市町村の工業出荷額の一定割合以上を占めているというようなこと、それから、その特定事業所におきまして事業規模の縮小等が相当の規模で行われておるということ、そしてこれに伴いまして、その市町村において相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が出ているということ、それから最後に、この要件に基づきまして政令を定める際には、この現在御審議中の労働関係の法案等との関連もございまして、特定不況事業所の所在市町村の区域とかその近隣の地域における雇用に関する状況を考慮するということ、この関係は、労働省の方で基準といいますか、大体の感じを出していただくというふうになっております。  それから、二十八地域というような問題でございます地域の数でございますが、これは当然のことながら、法案が成立いたしましてから、基準についていろいろ各省庁とも連絡をとりながら決めまして、それから具体的な候補につきましても、そういう基準に当てはめましてやっていくわけでございます。したがって、いま幾つということはここでかっちり申し上げる段階にはございませんが、自由民主党と新自由クラブとのお話等も承っております。したがって、具体的にそういうものを踏まえまして……(発言する者あり)踏まえ方というのは、十分肝に銘じまして具体的な基準をつくり、そして具体的に決めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 そこで、私、この指定の仕方が、いま御説明をいただきましたが、確かにこの特定不況業種、いわゆる構造不況業種あるいは工業出荷額等々基準はあると思いますけれども、どうも、この前の通産が処置をとられた当面の特定不況地域中小企業対策、これを見ましても、都市部が主体であって、その周辺の町村、そことの均衡がどうもとれてないというようなきらいがありはしないか、こういう疑念を持っているわけなんです。実際は、通産が出しておられます法案も中小企業を助けよう、こういう目的に承っているわけなんですが、実際に都市部とそれに隣接する町村、これを考えますと、町村の方に構造不況のみの業種を抱えているようなもの、これがあると思うのですが、そういうものがどうも対象外になっているようなきらいがございますが、この点いかがでしょうか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況地域は、市町村単位で特定事業所があるところを指定するというのが原則になっておりますけれども、いま先生おっしゃったように、関連市町村に、周辺の市町村に下請企業が相当数あるとかいうことになりますと、そういうものに対する対策も考えなければいかぬということで、われわれの方の法案におきましては「関連市町村」ということで、やはり政令で指定いたしまして、そこにおける中心といいますか、中核事業所のある市町村の周辺の市町村、関連市町村……(「日本じゅう全部じゃないか」と呼ぶ者あり)いや、それは下請等が相当数あるという条件にしております。そういうところを関連市町村として政令で指定いたしまして、その関連の中小企業者も対策の対象にいたしたいというふうに考えております。

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 政府委員に言いますが、質問者の問いに対してちゃんと答えてください。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 はい。そういうことで、関連市町村もやることにしております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 いまの地域指定の問題は、今後政令にゆだねることになっておりますから、十分慎重にひとつお願いをいたしたい。  また、両法案を見ますと、一方で、雇用の問題は安定所単位でやるからその問題は救済できるけれども、いまのように中小企業の救済にはならないような地域ができていく。しかし、その点は、私は雇用の問題から言いますと、やはり失業者を出さない、こういう点から、事業所の安定を図り、破産に追い込まないようにしていく必要がある、かように思います。したがって、その点は弾力的にひとつ指定をしていただきたい、こう思いますが、この点について労働大臣の方から御見解を承りたい、かように思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 特定不況地域の指定基準につきましては、これは非常に大切な問題でございまして、この基準設定は、中央職業安定審議会に諮って決定を見ることになるわけでございまして、先般の中央職業安定審議会におきまして、答申をわれわれはいただいております。その答申の中において「特定不況地域の指定のさい、当該地域の雇用情勢を十分配慮し、急激にそれが悪化している地域に本施策の効果が及ぶよう弾力的に考える必要がある。」こう指摘をされておるわけでございまして、私は、この法律の精神が生かされるように、やはり人が法を運用するわけでございますから、本当に不況で集中豪雨的な失業情勢になっている地域に、十分この法律が施行されるように最善の配慮をいたしたい、このように考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 くどいようですが、いまの大臣の御答弁で、労働省側の方は安定所単位にやるということで、それは私も納得できるわけなんですが、先ほどもお話がございましたように、日本国じゅう全部やれというのは無理で、どこか境はもちろん必要でございますけれども、通産の側から言いますと、私は、やはりその点の基準を労働省側とよく連絡をとり合ってやっていただきたい。特に中小企業対策ですから、大手企業のみの――もちろん大手企業の影響を受けることはもちろんでございますけれども、中小企業でも数多くあれば、やはりそれをトータルをして見るというような方向でやっていただきたい、私はこういうふうに思いますが、通産側の御見解を承りたいと思います。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 第一の、労働省その他の関係省と十分連絡をとってやることは当然でございます。特に労働省とは、本来法案については、二つの法案を一体的に考えていこうということで、十分の連絡をとっております。したがいまして、今後とも関係省と十分連絡をとってやっていきたいと思います。  それから第二、これは特定の大事業所が中核的事業所とは限りませんで、中小の事業所が構造的不況に陥っている場合は、そういうものをカウントするということで、先生のおっしゃるとおりの趣旨で運用していく方針でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 そこで、いまのに関連してでございますが、北海道であるとか東北、いわゆる北洋漁業基地について特定不況地域の対象になり得る、かようなふうに私は考えているわけですが、その点についての御見解を通産側にお尋ねをいたしたいと思います。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況地域は、特定不況業種に属する事業所が地域経済の大きな部分を占めておりまして、かつその特定事業所において事業規模の縮小が行われたことに伴い、多数の関連中小企業者の事業活動に著しい支障が生じておって、また離職者の発生等、雇用状況が著しく悪化しているということにポイントを置いております。北洋漁業につきましては、このような特定不況業種に該当するものと考えております。したがいまして、地域経済の疲弊の状況等につきまして、他の地域と同じように法律で規定をする要件に該当する場合には地域指定をいたしたい、このように考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、いまの漁業問題について、国際的に二百海里の規制、日ソ漁業協定等により、わが国の漁業は今後とも一層強い制約を受けると思います。このような事態に対処をして、農林水産省はどのような対策を講じ、また今後どのように対応をしていこうとしておられるか、その点について御説明をいただきたいと思います。

吉國隆水産庁漁政部企画課長

○吉國説明員 先生がただいま御指摘のとおり、二百海里時代の規制が相当多くの国でとられるという状況に相なってまいりました。加えまして、先般の日ソ漁業協力協定におきますように、公海上のサケ・マス等の遡河性魚種の漁業につきましても、規制が厳しくなってきておるという状況でございます。私どもといたしましては、できる限り、漁業外交の強化、そういったものも含めまして、過去の実績をできるだけ確保するということに一層の努力を払う必要があると考えておるわけでございますが、各国の二百海里内の資源を守ろうという動きがなかない強うございますし、先の見通しとしてはなかなか容易ならざるものがある、こういう状況であろうと思われます。  そこで、基本的な考え方といたしましては、遠洋等におきまして新漁場なり新資源の開発、たとえば南氷洋のオキアミの開発等もやっておりますけれども、そういうものも一方ではやりながら、基本的にはわが国自身の二百海里をできる限り有効に活用する、かつ、そこでとれる水産物をできるだけ国民の食糧として活用できるような形での加工なり流通なりというものを整えていく、こういう考え方を基本的に、水産政策を運営してまいりたいと考えておるわけでございます。  もちろん、直接二百海里規制で影響を受けます漁業者なり関連の方々に関しましては、それぞれの状況に応じまして必要な措置を講じていく必要があろうと思われますし、また、今般の特定不況地域の法案に関連をいたしましては、北洋漁業の厳しい減船を受けましたために、地域ぐるみ非常に大きな影響が出ていると思われます北洋の基地の町に関しまして、この法律の適用関係について関係省庁と御相談をいたしておる、こういう状況でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、本法案の内容の一つでございます職業訓練について、同じような法律、すなわち昨年暮れの議員立法でできました特定不況業種離職者臨時措置法にもあったと思いますが、具体的には特定不況地域においてどのような職業訓練を行うか、その構想について御説明をいただきたい、かように思います。

石井甲二労働省職業訓練局長

○石井政府委員 特定不況地域につきましては、特に再就職のための職業訓練を受ける必要が非常に多くなるだろうと思います。そのために、職業訓練を実施する体制を特段に強化してまいりたいと思います。  具体的には二つのことを考えております。  一つは、特に特定不況地域における職業訓練を一般よりも重点的に、あるいは傾斜的に施行するということでございまして、たとえば訓練規模を実情に即して拡大する、あるいは訓練科目を転換する、あるいは入校の時期の多様化を図るというようなこと、また現在の公共の訓練施設だけでは間に合いませんので、民間の教育訓練施設に対する委託訓練を積極的に進めたいというふうに考えております。  第二は、関係の都道府県、つまり当該の地域を抱えている都道府県に対しまして、離職者訓練を積極的に推進することを奨励するために、都道府県が一定数以上の離転職者訓練を実施した場合に、一人当たり月七千円の離職者訓練促進費を設けまして、これを交付することにいたしたいというふうに考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 いまの御説明でわかりましたが、特に、いま各職場とも、熟練の技能者が非常に少ないと言われております。その地域地域で転換しようとする職業、そういうものについて力を入れて訓練をしていただく必要があると私は思いますが、その点について特に御努力をいただきたい、かように思います。  さて、次に、雇用保険並びに船員保険の受給資格者について九十日分の延長給付が行われることになっておりますが、離職者の生活の安定を図るという面からはやむを得ない、かように考えておりますけれども、このことが失業者の滞留を助長するような施策になっては困る。でございますから、やはり働くという喜び、意欲、こういうものを大いに奨励しなければならないと思いますが、労働省のお考えを承りたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 ただいま先生御指摘のように、一律に保険の給付日数を延長するというやり方をとりました場合に、往々にして、逆に失業者の滞留を招くおそれがあるという心配があるわけでございます。そういう趣旨から、労働省としましては、従来から、所定給付日数を、年齢とかそういうことと関係なしに、一律に延長するということにつきましては適当でないという考え方に立っているわけでございます。  ただ、今回の延長措置につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、急激に雇用情勢が悪化している地域であるということと、一方におきまして、経営の安定のための対策と相まちながら行われるいわば臨時、緊急の措置、こういうことで行われるものでございまして、その対象者につきましても、四十歳以上の再就職が困難な方々に限るというふうな配慮をいたしております。そういう意味で、御指摘のような御懸念の点についてもかなり配慮をしているというふうに考えているわけでございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 もう一点は、特定不況地域である、なしにかかわらず、全国的に中高年齢者の雇用保険の延長、この問題がいろいろ新聞紙上等でにぎわっているわけですが、この点についてどのように考えておられるか、お伺いをいたします。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 中高年齢者につきましては、従来から雇用対策の重要な柱としていろいろな施策をとっておりまして、本年度におきましても雇用開発給付金を拡充する、そういう形で雇用機会の拡大に努めているということでございますが、なお、最近、御指摘のような非常に厳しい雇用情勢もございますので、中高年齢者に対する雇用保険の延長を含む対策につきまして今後十分検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 そこで、この附則にございますように雇用保険の料率を千分の一引き上げることになっておりますが、この点について、それだけ延長して経理上の問題、財政上の問題――たしか、この法案を立案した当時は、先ほど申し上げましたように地域も数がやや少ない、また全国的な延長ということではなかった、かように思います。予算は昨晩参議院も通過したわけですけれども、その点についての財政上の問題、また一方、船員保険の方は料率を上げるようにはなっていないわけです。これはわずかのようですから賄いもできるのであろうと思いますけれども、特にこの雇用保険会計、これはどういうことになっておられるか、その点について御説明いただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 雇用保険の財政状況につきましては、最近三年ほど連続して赤字が続いているというふうな状況でございまして、そこに加えまして、今回の相当支出増を伴います延長給付という制度を実施いたすわけでございますので、そういう意味で、基本的に、急速にその財政状況を改善するとなれば、やはり千分の三程度の引き上げが必要でないか、こういうことで、実は安定審議会等につきましても、千分の二ということで引き上げをお願いをしたという経緯があるわけでございまして、これは先ほど先生の御指摘のとおりなわけでございます。  しかしながら、安定審議会の答申の中にも書かれておりますように、こういう経済情勢の中で一挙に千分の二というのは、やはりいろいろな無理があるという御判断でございまして、そこで、先ほど申しました延長給付自体を賄いますと同時に、これ以上保険の財政の悪化を防ぐという、そういう限度にとどめるべきだという安定審議会の御答申をいただきまして、そういう趣旨で、いろいろな要素を勘案してみますと、千分の一でほぼ審議会の答申でおっしゃっているような内容は満たせるんじゃないか、こういう考え方で、今回この法案におきましては、それぞれ労使が千分の〇・五ずつ、合計で千分の一の料率の引き上げをお願いする、こういうかっこうになっている次第でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 厚生省は……。

岡光序治社会保険庁医療保険部船員保険課長

○岡光説明員 船員保険の失業部門の財政状況につきましては、先生いまおっしゃいましたように、最近の失業者の数がふえてきておるというような情勢から、若干赤字傾向にございまして、五十三年度で申し上げますと、従来の累積の積立金を使いましてやっと均衡を保つ、こんなふうな状況でございますが、今回の法案に基づきます措置による所要額は大した影響はございませんので、その点につきましてはストレートの措置は今回はとらないことにしよう、しかしながら、その船員保険における失業保険の問題、どういうふうに持っていくかという基本問題につきまして、いま関係審議会を中心にいたしましていろいろ討議をされております。それは制度の立て方と同時に、保険料負担の問題もあわせて検討する、こういうことになっておりますので、今回の措置に基づく問題もあわせまして、全体の問題としてそういうことに対応したい、そういうふうに考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、現在のように、企業の設備投資やあるいは新規採用の意欲が非常に減退しておる中で、一たん失業をいたしますと非常に再就職が困難だ、こういうことは御承知のとおりでございます。でございますから、私はできるだけ失業者を出さない、こういうことに努力をしなければならない、かように思います。そういった点につきまして、雇用安定資金制度、これを大いに活用をしていただきたい、かように思いますが、それの具体的な方策、これについて御説明をいただきたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 安定資金制度につきましては、先生御質問の中にもお話ございましたように、これによって、企業が雇用調整をやる場合の失業の発生を防止するという役割りを果たしているわけでございますが、この制度につきまして、今回のこの法案におきましては、特定不況地域につきまして、以下申し上げるようないろいろな特例措置を設けることとしているわけでございます。  その内容の一つは、まず、従来は指定業種をしぼりまして、それに適用するというやり方で、安定資金制度を運用しているわけでございますが、この特定不況地域につきましては、その中にいる事業所について、業種の区分とは全く関係なしに、全面的にこの安定事業を適用するということにいたしておる点が第一点でございます。  それから、なお、雇用安定事業として行われております中高年齢の方々に対する雇用開発給付金、それから雇用促進助成金、こういうものにつきましても、支給期間をそれぞれ、現在やっておりますものの二倍に延長してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、なお、雇用改善事業としましても、この地域内の離職者の方々に対しまして、新しい雇用開発奨励金等を設けて、雇用の促進を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、運輸省見えていますか。――この法律案は漁船員等にも通用されることになっておりますが、漁船員等には具体的にはどのような施策を講じようとしておるのか。また一般船員につきましても、いま船員の失業者が非常に多い、そうして、特にいまのような情勢でございますと、仕組み船であるとかあるいは日本国籍の船にも外国船員を乗せている、こういう状況でございます。これは海運業者もあるいは船主もあるいは海運組合もいま一遍反省をして、日本の船、これには日本の船員を乗せる、こういうふうに指導をすべきである。こうしなければ大変な事態が起きる。特にいまのような円高の状況ですと、船の契約あるいは運賃がドル建てになるし、船員の給料が円建てになっておりますと、動かせば動かすほど欠損である、だからできるだけ外国船員を乗せようとする傾向がいまある、こういうふうに思いますが、そこらの御見解なり、あるいは今後の御指導、御方針についてお伺いいたしたいと思います。

松木洋三運輸省船員局労政課長

○松木説明員 船員の雇用情勢は、いま先生からもお話が出ましたが、漁船員、商船員、両方につきまして、ここ数年来非常に情勢が惑うございます。特に漁船員に関しましては、国際協定の関係で昨年から大量に離職者が出ておる、こういう状況でございます。  私どもといたしましては、全般的に、たとえば漁船員の場合でしたら、水産庁の御努力によって、栽培漁業等の新たな職域を開拓していただくというようなことと同時に、陸上職業への転換を含めまして、再就職の促進に努力をいたしているところでございます。  また、商船員につきましても、これは年来の不況の影響で、離職者が非常に出ておるわけでございます。いま先生がおっしゃられましたような国際情勢でございますけれども、一つの努力といたしましては、何とか外国船に日本船員を配乗させていきたい、こういう努力で、いま船員の雇用促進センターというものをスタートさせて、それなりの努力を始めたところでございますが、まだはかばかしい状況ではございません。  いまの先生御指摘ございました仕組み船等の買い戻しというようなことで、もっと日本人船員を乗せるような手だてはないか、こういうことでございますが、これはドル減らしの関係で、いま三十九隻、六億五千万ドルという目標に向かって関係者が努力しているところでございますが、私、直接の買い戻しに関しての担当ではございませんが、承知している限りでは、外国銀行との折衝等でなかなかはかばかしくない状況があるようでございます。しかしながら、買い戻しを進めまして、外国人船員――いま直接仕事が目に見えて進んでおるのは、日本人船員がすでに乗っている船の買い戻しのようでございますが、御指摘のような外国人船員が乗っておる船も買い戻して、それに日本人船員が乗ってもらうということは、雇用安定上非常に大切なことでございます。それにつきましても、労使間で現在話が進められております。ある程度話し合いは進展しておるわけでございますが、具体的に買い戻して日本人船員を乗せるに当たりましては、いろいろ労働条件、細かい問題に触れますので、労使間の話し合いがかなり必要でございます。そういう話をいま進めておる段階でございまして、私どもといたしましても、その過程におきまして助力、助言をすべきものがあれば積極的にこれに取り組みまして、雇用安定に資したいという態度で努力をしたいと思っております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 次に、この問題につきましては、国の総合的な対策が必要であることはもちろんでございますけれども、地方公共団体におきましても、その地域地域の特異性に応じた施策が必要である、かように思います。  そこで、自治省はこれに開運した法案を出すやに以前承っておりましたけれども、自治省はその後どうなっているのか、ごく簡単で結構でございますから、御説明をいただきたいと思います。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 自治省が目的といたしておりましたのは、不況地域の経済振興によって地域住民の生活の安定を図るということでございましたが、その内容といたしておるのは、地方公共団体に総合的な施策を立てさせる、それにつきまして、国の方は財政上の措置その他の援助措置を講ずるということを内容としておったわけですが、この件につきまして、関係各省庁間で調整を必要とする事項が多かったということで、時間の関係もありまして見送った次第でございます。  今後、経済情勢の変化等を見まして、立法措置等も含めて、今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 最後に、この法案は成立後なるべく早く施行する必要がある、かように思いますが、いつごろ施行するお見通しか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 この法案の施行はできるだけ早く施行しなければならぬと考えております。で、とりあえず、法律を通していただきますならば、早速中央職業安定審議会への諮問をいたしまして、審議を経まして、そしてこの答申を得て、係省庁と十分連絡をとって、事務手続をいたしまして、そして、大体いまの予定では、法案が成立いたしますと最低二週間ぐらいという、こういったことで事務当局は準備を進めておりまして、特に通産省と密接な連絡をとって、早期にこれが施行せられるように万全を期したい、このように考えております。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員 あと、大坪委員が関連質問をいたしますので、私はこれで終わります

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 関連して、大坪健一郎君。

大坪健一郎自由民主党

○大坪委員 時間がございませんので、少しはしょって質問さしていただきます。  今回の特定不況地域離職者臨時措置法、大変時宜に適した法律ですけれども、基本的に労働省として次の点をどうお考えになっておるかということをお伺いしたい。  雇用政策の展開を見てまいりますと、最初は雇用保険でずっと網をかぶせておりましたけれども、その後、たとえば産業不況に関連して、炭鉱離職者臨時措置法ですとか、あるいは特殊の領域であります駐留軍の離職者臨時措置法のような、臨時措置法で措置をしてくる、これがやがて一本にまとまって、雇用対策法になってきたという経緯がございます。そして、今回の不況地域離職者臨時措置法は、考え方としては、産業が地域と密接に結びついておるという観点で、産業と地域の結び目に対する対策という意味を持ってきたと思うのです。  ところが、中高年齢層のような年齢による雇用上の諸問題については、すでに中高年齢者の雇用促進に関する特別措置法のような法律がありますから、言ってみれば、日本の雇用対策に関する法律のシステムは網の目のようにうまくできておる。  この次に考えられるものは、極論でございますけれども、ドル安円高がある限度以上になった場合に、その打撃を受ける産業の離職者臨時措置法ぐらいをつくるよりほか手がないんじゃないか。しかし、こういうような、いわば対症療法的な離職者対策だけでいいのかという問題があるのではないだろうかという感じがいたします。  というのは、わが国はすでに安定成長時代に入ってきたと言われるように、あるいは減速経済成長時代だと言われるように、経済的な体質が変わりつつある。そして雇用の問題も、従来のように、単に対症療法的な形で問題が解決するかどうか非常にむずかしい時代に入ってきておる。高学歴、高年齢と言われるように、たとえば一般の勤労者については、年功序列の制度もあり、比較的雇用が保たれているといたしましても、新たに大学を出てくる人たちは就職が非常にむずかしくなっておるというような問題もあるわけです。ですから、雇用政策の基本を産業の関連で特定地域に限定をするのがいいかどうか。地域なら、その地域の振興策を、雇用維持の観点から、労働大臣が積極的に勧告できるような制度をつくらなければならぬのじゃないか。それから、全体としてこれを考えるならば、労働力の流動化についてもっと思い切った手を打たなければならないのじゃないか。そういうことがありますけれども、なお、一つ非常に重要な問題は、わが国の経済体質が変わってきたというのなら、西欧諸国がそういう経済体質の中で実現してきておりますように、ワークシェアリングを考え直さなければいかぬ。労働時間の問題でありますとか、労働条件の問題でありますとか、それから労働力の社会的な適正配分というようなものを考えなくちゃいかぬのじゃないか。個人の生活の安定とか、社会のサービスの質的向上を図るということなら、人の雇い方とか、特に福祉型の雇用が重要だというのなら、福祉関係のところに雇われておる人々の雇用の形を国が積極的に指導するような、そういう観点が要るのじゃないか。予算にしましても、それから地域のそういうものに対する考え方にしましても、どうも古い考え方をそのまま残して、対症療法だけを一生懸命やろうとする傾向がある。この点について、ひとつ労働大臣のお考えを、この法律に関連して、ぜひ伺わせていただきたい。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 大変次元の高い、示唆に富んだ御意見を承りまして、私もまさに、いま御指摘のような問題点を追求をし、模索せなければならぬというふうに考えております。  まず第一に、私は、御指摘のまさに低成長時代に入ったわけでございまして、高度成長時代には、経済政策がうまくいけば雇用問題はおのずから片づいておって、そういう場合には、雇用政策としてはいわゆる失業者を出さないようにやりくりをする、雇用安定資金制度においてこれが消化できたわけでありますが、万一ある程度失業者が出た場合は、昔で言えば失業保険、雇用保険制度で救済できる、こういうところで、労働省の雇用政策というものは一応の役目が果たされてきている。  ところが、現段階に参りますと、いわゆる減速経済時代になり、しかも高齢化時代になってきているというそういったことを考えますと、まさに日本の産業構造が基調的に変化を遂げつつある。そのような産業構造の変化に対応して、やはり中長期的に雇用の安定を図るということを十二分に配慮した経済政策の展開が必要である、このような観点から、実は先般来関係省庁と密接な連絡をとっておりまして、まず何よりも、雇用の場を提供してくれるのは企業でありますから、企業の監督官庁であります通産省、その通産省のいわゆる産業政策、経済政策と労働省の雇用政策、労働政策とが、車の両輪のごとくタイアップしなければならぬ。そして、これから進むべき方向としては、御指摘になりましたように、第二次産業だけでは雇用の場が拡大をしない。もちろん第二次産業としても、これから技術革新を大いにやって、そして今後その技術革新が企業化され、産業化されれば、雇用の場が拡大することは、戦後歩んできたわれわれの道からいっても当然考えられるわけでありますから、そういう点はそういう点で、付加価値の高い製造業というものに対して、大いに国策として推進をすることは当然でありますが、もう一つ新しい傾向としては、御指摘のごとく第三次産業的な福祉部門、こういった方向へやはり設備を充実する、福祉あるいは保健、文化施設、こういった方面に施設を充実すると同時に、その施設に従事する雇用の場を拡大をしていく。同時に、雇用の場を拡大する場合には、そこに働く人たちの労働条件というものを十分考えなければならぬ。われわれは、このような総合的な配慮のもとに、関係省庁と密接な連絡をとって、今後、時代を先取りをして、労働省がまさに経済政策というものを大いに踏まえた動きを積極的にやっていくということの必要性を痛感をしておる、こういうことでございまして、御指摘の点は十分配慮して、微力でありますけれども、今後全力を尽くしたい、このように考えております。

大坪健一郎自由民主党

○大坪委員 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、先日、毎日新聞に労働省が地盤沈下をしておるということが書かれました。社会労働委員会の一員として大変心外でございまして、いま大臣がおっしゃいましたような点をもう少し具体的にきめ細かく、常時発言をされて、いわば国民生活を維持する官庁としての発言力というものをやはり高めていただきたいということをお願いして、終わります。(拍手)      ――――◇―――――

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 この際、お諮りいたします。  第八十四回国会、羽生田進君外三名提出、医療法の一部を改正する法律案について、提出者全員から撤回の申し出があります。  これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 御異議なしと認め、撤回を許可するに決しました。      ――――◇―――――

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 次に、医療法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。  その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。  本案は、近年の医学医術の著しい進歩に伴い、診療技術が専門分化し、独立した分野を形成するに至ったと認められる診療科について、国民の利便を図る上からも、その名称を病院、診療所が広告できることとするため、新たに、医業については美容外科、呼吸器外科、心臓血管外科及び小児外科を、歯科医業については矯正歯科及び小児歯科を、それぞれ追加しようとするものであります。  美容外科は、身体各部における表面の器官、組織の形状について美的に整えるものであり、呼吸密外科は肺及び胸膜の腫瘍等呼吸器の疾患を、心臓血管外科は心臓奇形、動脈瘤等心臓及び血管の疾患を、小児外科は先天奇形、ヘルニア等小児の疾患をそれぞれ外科的に取り扱うものであり、いずれも近年技術的な進歩が見られ、独立した分野を形成するに至ったと認められるものであります。  また、矯正歯科は、不正咬合等を矯正するものであり、小児歯科は、小児の歯科疾患を取り扱うものであり、いずれも近年技術的な進歩が見られ、独立した分野を形成するに至ったと認められるものであります。  このような状況にかんがみ、これらの分野の診療科名を追加しようとするものであります。  以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。     ―――――――――――――  医療法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 お諮りいたします。  医療法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 起立総員。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  この際、正午まで休憩いたします。     午前十一時六分休憩      ――――◇―――――     午後零時七分開議

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  委員長所用のため、その指名により、暫時私が委員長の職務を行います。  特定不況地域離職者臨時措置法案に対する質疑を続行いたします。村山富市君。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 最近の経済情勢を見ますと、政府による大規模な公共事業にもかかわらず、景気は依然として低迷をいたしております。先般経済企画庁が発表しました、本年四月から六月までの国民所得の統計速報によりますと、実質経済成長は年率換算でわずかに四・五%にすぎない。このように経済成長率が大幅に鈍化している原因を挙げてみますと、一つは、円相場の急騰を背景として輸出が急激に落ち込んでいる、さらに、いわゆる構造不況業種を中心として、製造業全体の生産活動が低迷している、そして何よりも大きな原因は、本年の春闘における低いベースアップ、あるいは外国からの輸入食糧に圧迫された農村の貧困等々が反映をいたしまして、個人消費が落ち込んでおる、こういうところに大きな原因があると思うのです。それだけに、政府が公約いたしておりまする七%の経済成長率は困難ではないかと考えておるわけでありますが、このような厳しい経済情勢の中にあって、雇用・失業情勢の改善は著しく立ちおくれておると言わなければならぬと思うのであります。  本年八月現在の指標を見ますと、完全失業者は百二十一万人、失業率は二・三四%、有効求人倍率が〇・五七倍となっております。しかも中高年層は、こうした雇用情勢が反映して一層厳しい、深刻な現状にありますし、同時に、労働力の需給構造は変化いたしまして、常用の雇用という形ではなくて、臨時やパートや日雇いといった不安定雇用が増加をしておる。  こうした厳しい状況に対処するためには、従来のように産業政策や経済政策に雇用政策が追随していくというのではなくて、産業政策、経済政策の前面に雇用政策が出ていく必要があるのではないか。同時に、雇用政策は単に失業者が出てくるからそれをカバーしていくというのではなくて、失業者を出さないという積極的な政策を出していくことが大事ではないかと考えるわけです。  こうした多数の失業者が長期にわたって滞留している、そのまま放置されておる、こういう現状は単に雇用問題だけではなくて、大きな社会問題になると私は考えるのですが、こうした厳しい雇用情勢に対処する労働大臣の基本的な見解を承っておきたいと思うのであります。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 政府が経済政策、景気回復のためにいろいろ努力しておりますにかかわらず、雇用情勢は依然として、御指摘のごとき数字で、厳しい現状を続けておるわけでございます。  労働省としては、従来、雇用政策としては、できるだけ失業者を出さないようにとするいわゆる失業予防対策、そしてやむを得ず出た場合には、その人たちが再就職できるように積極的に協力していく、その間の生活の安定を確保する、こういったことでありましたけれども、それだけでは追いつかないという現在の認識、御指摘のとおり、日本の産業構造が大きく基調的に変化をしておる現段階でありますから、経済政策に追従する雇用政策であってはならない、雇用政策に最大の配慮をした経済政策というものが考えられるべきであること、全く私も同感でございまして、いろいろ努力して今日に参っております。  通産省あるいは厚生省あるいは文部省、関係省庁と密接な連絡をとって今日に来ておりまして、一応今度の補正予算において、いろいろ御意見もありましょうけれども、われわれとしては、相当雇用に配慮された補正予算の内容に前進してもらっておるというふうに考えるわけでございます。  さしあたり、構造不況業種の一審先端にある造船関係に対しては、追加予算において、造船の需要を新しくつくり出すための官公庁船の建造の問題あるいは船舶の解体事業の問題あるいはまたプラントバージの問題、こういったことに対して積極的な手当てがなされておりますし、同時に福祉関係、福祉型産業構造への移行を前提とした施策も、まだはしりでありますから十分とは言えませんけれども、一応先行的な配慮がなされておるというのも、そういう観点であるというふうに思うわけでございます。  それと同時に、労働省としては、十月一日から雇用安定資金制度を大幅に改善をいたしまして、指定期間の延長と支給要件の緩和ということで、相当時代に対応できるような雇用安定資金制度が運用されるというふうに考えるわけでございます。  同時に、私は、やはり時間対策、労働時間の対策の問題も積極的に進めていって、これはいまの不況の時期では一遍になかなか対応の仕方がむずかしいのでありますけれども、長中期的に考えますと、ワークシェアリングという考え方、仕事を分かち合うという面からいっても、労働時間対策は進めなければならぬ。これは労使の話し合いということを踏まえて、行政指導によって推進せざるを得ませんから、まだるっこしい感じではございましょうけれども、われわれとしては、産業別の労使会議を開いてもらって、労働時間対策に取り組むべく積極的に配慮をしている、こういったことを御理解いただきたい、このように思うわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 今回提案されておりまする特定不況地域離職者臨時措置法案は、そういう意味から申し上げますと、若干の評価する点はございますけれども、しかし、もっと積極的な施策に欠けておるというふうに私は言わざるを得ないと思うのですが、以下、幾つかの問題点について政府の見解をただしていきたいと思うのです。  同時に、先ほど来申し上げておりますように、この法案だけでは当面の厳しい雇用情勢に対処する対策としては不十分である。したがって、今後のより総合的、体系的な雇用対策をどう確立していくのか、こういった問題についても、この際政府にただしておきたいと思うのです。  まず、本法案の対象となる特定不況地減の考え方についてでありますが、私は、冒頭に申し上げましたように、雇用情勢がきわめて悪い、そういう失業多発地域について幅広く指定をすることが何よりも必要である、こういうふうに思うのですけれども、この法案を見ますと、通産省が出しております特定不況地域の中小企業対策法案に追随をして、その指し定に基づいて指定をされていく、こういうことになっておるわけです。これは考え方によっては、冒頭に申しましたように、雇用政策が前面に出て、産業政策、経済政策の中心に雇用政策がなくちゃならぬというふうに考える観点からすれば、言うならば、さっき申しましたように産業政策に追随をしていく、そしてしりぬぐいをするようなものにすぎないのではないか、こういうふうに考えられるのですけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えになりますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 この法律案におきましては、いわゆる構造不況業種が集積をしている地域におきまして、そこで集中的な影響を受けていろいろな問題が生じて、地域全体が疲弊して深刻な雇用問題も起きておる、こういうような緊急事態に着目いたしまして、そういう地域につきまして緊急、臨時的な措置をとろう、こういうことでございます。したがいまして、企業の経営安定のための施策と、それから私どもの雇用対策とが同時的に、総合的に講じられるということを考えておるわけであります。そういう意味で両方が一諸になってやることが効果を一層高めると同時に、事態の性格に適合している、こういう考え方でございまして、そういう意味で、産業政策に追随しているというふうには私どもは考えていないわけでございます。  それから、なお先ほど、雇用情勢の悪い、多発地域はどんどんやるべきじゃないか、こういう御質問でございましたけれども、私どもとしましては、こういう緊急的な経済問題によりまして事態が起きて、現にいわば構造不況業種の影響でどしゃ降り状況になりつつある、こういう事態に対する臨時、緊急の措置というふうに考えておるわけでございまして、そういう臨時的な原因でなくて、本来的にある原因によりまして起きている雇用問題に対しましては、またそれぞれの特有の事情に対応しまして、むしろ恒久的な対策として、いろいろな対策で現在対処しておるわけでございますが、そういう対策として今後も対処すべきもので、この鳳町、緊急措置の中に入れるというのはちょっと性格が合わないのではないかな、こういうふうに考えているわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 通産省の方の施策というのは、たとえば造船業がきわめて不況である、そうして海造審が三五%のカットをやるべきだ、こういう答申を出している。いま企業に対しては、この不況を乗り切るためには、悪い言葉で言えばぜい肉を落とす、余剰な設備をこの際廃棄して、そして余剰な人員も合理化して、身軽となってこの不況を乗り切っていこう、こういう政策をある意味では通産省は促進をしておる。そのために必要な資金やら何やらを援助してやろう。ですから、一方ではどんどん失業者を出していく、こういう政策をとっているんですよ。そこで、その政策に対して、その落ちこぼれた失業者をどう救援していくか、こういうしりぬぐいをするにすぎないのではないか、こういうものになっていくのではないかと私は思うのです。そういうものの中で、総合的に何らかの手当てを加えていくことが必要ではないかという見解に立った法案である、こういうふうに思いますから、そういう意味では、通産省と労働省の物の考え方、政策については矛盾をする点が当然あり得るのではないか。  ですから、いま私が冒頭に申し上げました雇用政策が中心だというのは、そういう矛盾を乗り越えて、いま産業を安定させるためには雇用が一番大事なのだという観点で、もっと積極的な施策があっていいのではないかという意味で、今度のこの法案は通産省に追随した法案ではないか、こう言っているのですが、大臣どうですか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 今度の特定不況地域のいわゆる指定基準一つを例にとってみましても、これは決して通産省に追従という形でなくして、やはりこの地域における企業の経営の状態と、あわせて雇用の状況というものを両方考えて、そして、今度政令をつくる場合には両省が共同してこれを決定するというやり方をとっておりますから、労働省としてはあくまで雇用の立場から、政令決定に当たって協議して決定をする、通産省の施策に追従するという考え方はさらさら持っていない、このように御理解をいただきたいと思うのであります。  ただ、この点は、御指摘がございました御意見は私も理解できないことではないと思うのでありまして、要するに、どっちかというと、いままでの惰性といいますかそういったものがあることと、もう一つは、やはり雇用の場を提供するのは企業であるという、これはやはり争えない一つの現実だと私は思うのです。企業あっての雇用であるということ、こういったことを考えますと、やはりそこに、表裏一体の面において、問題をとらえるとらえ方において、いろいろ認識の相違が出てきますけれども、私は、一体的な運営をすべきである、特に今度の特定不況地域の離職者対策においてはなおさらそういう配慮が必要だ、こういうように思うわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これは議論してもなかなか尽きない問題ですから、一応そういう点を指摘しておきたいと思うのです。  そこで、通産省にお尋ねをしたいのです。  さっき申し上げましたように、いま審議しているこの法案は、通産省の今度出されました中小企業対策脇町措置法で指定された地域に基づいて指定される、こういうことになっているわけです。そこで、通産省の場合は、不況地域の対策としては、今回提案されております中小企業対策臨時措置法と、第八十四通常国会で成立をしました円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法というのがありますね、この二つでもって包括的に中小企業を救っていこう、こういう考え方だと思うのです。そうしますと、今度出ているこの地域指定の離職法案は、同じく今度出されました中小企業対策臨時措置法案だけにリンクするのではなくて、前の国会で成立しました円高の対策法とも連結する必要があるのではないか。と申しますのは、円高法の内容を見ましても、たとえば輸出産業が集中している地域というものを想定しているわけですから、したがってそういう地域等もある意味では雇用問題が深刻になっている地域もあるわけですから、単に中小企業対策臨時措置法だけに連結するのではなくて、円高問題で指摘されている地域についてもやはりリンクして、やる範囲に入れる必要があるのではないか、こう思うのですが、その点どうですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 お答えいたします。  特定不況地域の問題でございますが、政令で地域を指定するということになっている、その一つの前提といたしまして、特定不況業種といいますか構造的不況業種といいますか、そういう状況に陥っている業種が中核的になっていくということでございます。  そこで、これは何も大企業が中核事業所と限るわけではございませんで、中小企業の集団が中心になっているということも当然含まれるわけでございます。それからまた、構造的不況状況という判断につきましては、単にスクラップしておるとかというだけではなくて、円高関係でかなり打撃を受けておって、かなり中長期的に、円高も率直に言ってすぐに戻ると思えませんので、ある程度中期的に影響があると思います。そういうことでございますから、円高で甚大な影響を与えられ、しかも中期的にそういう状況が続くという業種、それは中小企業の集団でもいいわけでございまして、特に排除しているわけではございません。  ただ実際問題としては、円高については、御承知のように円高対策法その他かなり手厚いことをやっております。また、円高対策法はある意味では臨時、緊急、出血防止という措置が中心でございますが、やはり中長期的にどうしても苦しい状況を打開しなければいかぬということで、そういう円高関係が中心になっているような中小企業、産地を形成している中小企業の分につきましては、通常国会におきまして、そういう円高等によって困っている産地の中小企業の抜本的な体質改善、技術開発とか新商品の開発とか、そういうものに相当な助成をしていこうという方向でいま検討しておるわけでございます。そういうことで、対象に入らぬことはまずありませんし、それから、対策も同時並行的にやっておるというのが現状でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 ですから、今度出ている法案は、言うならば特定不況地域を指定する。この指定の基準としては、きょう午前中もお話がありましたように、いろいろな経済状況を勘案して指定をする。ところが、一口に言えば、企業城下町的な性格を持っておる強いものについて指定をしていくという考え方があると思うのです。ところが前の通常国会で出たものは、円高で打撃を受けている業種に属するもののほか、そういう業種が集中している産地に関連する企業等々に対策を講じていこう、こういうことであるわけです。したがって、今度の離職法案は、単に城下町だけではなくて、円高でそういう状況になっておる地域も同じように範囲に加えていくという配慮が必要ではないかというふうに思うのですが、その点はどうですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 いま通産省の方からもお答えがございましたように、円高対策法の指定業種の中でも、たとえば造船業のように構造的な不況に陥っている業種に対する依存度の高いところ、こういうところにつきましては、すでに私どもの方の特定不況地域離職者臨時措置法の特定不況地域にもなっておるわけであります。ですから、円高の影響を受けておるものがすべて今回の不況地域離職者臨時措置法に連動するとか、すべて連動しないとかいうことではなくて、先ほど来申し上げておりますような状況になれば、当然それぞれの法律の対象にもなってくる性質のものであるわけであります。そういうふうに考えておるわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 時間がありませんからもうなんですけれども、この法律の中にはちゃんと法律の名称を入れて、今度の中小企業対策臨時措置法に基づいて指定する、こうなっています。したがって、いまお話があったように、そんなものにかかわりなく雇用情勢を重点に幅広く指定をしていくんだ、こういうことであれば、こんな議論をする必要はないのですよ。だから、そこらの点はひとつ明確にしておいてもらいたいということが一つと、それから、通産省は、仮にこの中小企業対策臨時措置法案が成立をしましたら、具体的にどんな方法で、いつごろまでにその指定を決める予定ですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 この関係につきましては、この法律の成立後、まずいろいろな基準を決めなければいけません。もちろん場合によっては関係省とも十分協議しなければいけませんし、同時に、関係審議会にもお諮りしなければいかぬという内容もあります。いずれにいたしましても、この法律の臨時かつ緊急という趣旨から、可及的速やかに、とにかく全力を挙げて、むしろ時間を区切るよりも、一刻も早く施行するように持っていくということで努力をしたいと思っております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これは新聞の報道するところだから確かなところはわかりませんけれども、当初は十六ぐらいを想定しておった。ところが、公党間の取引といいますか取り決めで、十六カ所が二十八カ所を目標に指定をする、こういうことが言われていますね。これは一体通産省はどういうふうに受けとめているわけですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 先ほども申しましたように、この政令の地域の指定につきましては、基準あるいは具体的な適用につきまして、関係省あるいは関係審議会にお諮りしなければいけません。その具体的な固めはまだできておりません。また同時に、経済的な事情というのもある意味では刻々に変動しておるわけでございます。したがいまして、率直に申しまして、われわれとして数をいま固定して持っているわけではございません。しかしながら、御承知のような二十八ということのお話もあると承知しております。したがって、そういう御意向も踏まえつつ基準を固め、具体的な地域指定をしていきたいということでござ、いまして、ここでいま幾つに固まっているという段階ではございません。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これはある意味では予算が伴う話ですからね。そうでしょう。しかも、今度の離職者措置法案が成立しますと、その地域には四十五歳以上の者については給付の延長もあるわけです。そういうもの両案しながら、後で申し上げますけれども、保険料率も上げなければ財源が持てぬ、こういうことになっておるわけでしょう。ですから、一応審議会に諮ってやった段階では、どの程度のものが想定されるということを想定しながら、資料も出して、審議していると思うのです。もちろん、いまお話がありましたように、地域は情勢の変化ではどんどん拡大されていく可能性がありますから、問題は後に残っていくわけですけれども、しかし、そうした問題が議論をされている段階で、たとえば二十八地区を目途に決めるとかというようなことになれば、これはもう審議する意味がないじゃないかということにもなるので、そこらの点はあなたの方でどういうふうに踏まえておられますか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 先ほども申し上げましたとおり、いま具体的に固定的に数字を二十八とか二十九とか、あるいはもう少し少ないとかいうふうに固めてございません。しかしながら、党の方のお話も承知しておりますので、そういうものを踏まえつつ、いろいろな関係省とも、あるいは審議会等の意見も聞いて決めていきたいということでございまして、固定的にいま考えている段階ではないわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 たとえば、私がここであなたに、いろいろな情勢を勘案してみて、もっと科学的に資料を提起して、五十八カ所くらい指定すべきではないか、あるいは六十カ所にすべきではないか、こう言えば、その意見も十分尊重して決めます。こういう受け取め方をすると同じ程度のものに、あなたの方では解釈しているということでいいんですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 非常にむずかしい御質問でございますけれども、法律でございますし、一定の基準で公平厳正に運用しなければいけませんので、御希望はいろいろな方面からあるのでございますけれども、各省と協議して、そういう基準とか内容を決めていきたいということでございます。したがって、いま具体的にはちょっと申し上げられないということで、御了解願いたいと思います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 その程度の受けとめ方をしているというふうに私は了解しておきますからね。  そこで自治省にお尋ねをいたしますが、自治省は何か国会に法案を出すというような準備をしておったけれども、午前中の答弁では、各省との調整ができずに時間的に間に合わなかったから見送った、こういうお話がございました。私は、特定不況地域に対する対策は、やはり各省庁がばらばらで施策を投入していくのではなくて、より効果的にするためには、総合的な施策を集中してやるということが必要ではないかというように考えますが、そういう面からしますと、自治省が考えておったような法案をこの国会に提案ができなかったことは、きわめて残念に思うのです。むしろ、やはり地域対策は自治体を中心にして、もっと具体的に総合的な施策を講じていくということが大事だと思いますし、そういう意味では、自治省がやはりてこ入れして、十分に力を投入していくということでなければ、全般的な効果は上がってこないというふうに思うのですけれども、自治省はこの国会には間に合わなかったけれども、次の国会には出す用意があるのか、その中身は具体的にどういう中身を考えておるのか。同時にまた、その法案ができなかったためにそれまでは何もできないというのではなくて、当面のこうした一連の施策に対して自治省はどう対応していくつもりなのか、そういう点について見解を聞きたいと思います。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 ただいまの御所論のように、各省が協力して総合的に力を集中してやっていくべきであるというふうに考えております。私ども今国会におきましては法案を見送りましたが、今後は、先ほどお答え申し上げましたように、今後の情勢の推移を見ながら検討してまいりたいというふうに考えております。  ただ、法案につきましては提出はいたしませんでしたが、現行制度でなし得る限りにおきまして、要綱で措置をしてまいりたい。その内容といたしましては、地方公共団体が総合的な施策を講ずる場合には、所要の財政上の措置を講ずるというようなことでやってまいりたいというふうに思っております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これは自治省が行政指導でやるのだと思いますけれども「特定不況地域振興総合対策の実施について」という文書を出していますね。この文書を見ますと、やはり自治省も特定不況地域を決めるわけですね。「都道府県は、自治省と協議して次の要件に該当する市町村の区域を特定不況地域として定めることができる。」こうなっていますね。ここで言う特定不況地域を決める、この地域と通産省の決める地域と労働省の決める地域と、どういう関連になるわけですか。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 通産省の提出しておられます法案は、中小企業の経営の安定を図るための措置を講じようとするものでございます。それから労働省が提出しておられますのは、失業の予防、再就職の促進等の特別の措置を講じようというものでございまして、自治省といたしましては、先ほど申し上げましたように、地方公共団体が総合施策を講ずる場合に財政上の措置を講ずるというものでございまして、地方公共団体がその地域の経済振興のために特別の措置を講ずる必要があると認められるものについて、いろいろの財政上の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。  具体的には、法律に基づきます特定不況地域の指定、政令で行われますが、それが行われないと、その相違につきましてははっきりと申し上げることはできないかと思いますけれども、私どもの方で考えておりますところは、特定不況業種あるいは水産基地、こういったようなものの中でも、中小造船あるいは休廃止の鉱山、あるいは小さな漁師町といったようなものまで含めて考えてまいりたい。言葉をかえて申し上げますれば、規模が小さなものであっても、その地域に対しての影響が大きいものにつきましてはこれを対象とする。それから施策につきましても、中小企業対策あるいは雇用上の対策のほかに、あるいは需要の拡大であるとか、あるいは地域産業の振興であるとか民生上の措置であるとか、そういったようなものも含めて考えてまいりたいと思っておりますので、若干物の考え方としては広くなるのじゃなかろうか、このように考えております。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 そこで、ちょっと三省に具体的に聞いておきたいと思うのですが、通産省が中小企業対策臨時措置法で決める地域と、労働省がこの特定不況地域離職者臨時措置法で決める地域と、自治省が決める地域と、それぞれ三省で重なる部面が大部分だと思います。しかし、さっき自治省から話がありましたように、自治省はもっと幅広く、自治省サイドの要件の定まったものについては指定をしていくということになると思いますけれども、そういうまちまちになるようなものが各省でそれぞれあり得るのですか。自治省はいまの答弁でわかりましたから、労働省、通産省の関係はどうなるのですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 中小企業対策の臨時措置法による地域と、それから現在御審議いただいております特定不況地域の離職者臨時措置法の地域、これの広さ、狭さという点についてのお尋ねでございますけれども、この中小企業対策臨時措置法で定められる地域は市町村を定めることになっておりまして、その市町村を定めるときに、これは御存じのように、経営的な条件とそれから周りの雇用の条件と両方を見て、通産省、労働省が共同して政令で定める、こういうふうなかっこうになるわけであります。     〔竹内(黎)委員長代理退席、委員長着席〕 ですから、通産省、労働省という点から言えば、同じ中核になる都市を両省が共同して政令で定めまして、今度はこの法律の対象になる地域自体は、いま申し上げた市町村を含む安定所単位に労働大臣がお決めになる、こういうかっこうになるわけでございます。したがって、場所としては同じところであるということでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 通産省は市町村が行政単位ですね。労働省は職安の管轄区域が単位になるのですから、若干の地域のずれは出てきますが、私が質問しているのはそうじゃなくて、指定される地域が、労働省と通産省と全然別個の地域が指定されることがあり得るのか。それはあくまでも、通産省が指定をした地域の中で、労働省はその中で指定されるということになるので、それがイコール全部なるとは限らないわけでしょう。通産省が指定をされた地域、この中小企業臨時措置法で指定された地域が全部離職者法案で指定される地域にイコールなるのか、あるいはその中でならぬ部分も起こるのか、あるいは通産省の指定以外に労働省が指定する地域があり得るのか、ということを聞いているわけです。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 いま先生のお尋ねの御趣旨に即して申し上げれば、別のところをそれぞれが指定するということはないということでございます。ただし、同じところについて、先生御存じと思いますが、広さが違うという問題はございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 この地域指定の問題はこれからまたいろいろ問題も起こってくるかと思いますし、同時に、経済情勢がまたずっと変化をしていくわけですから、したがって、午前中にもお話がありましたように、弾力的に考えていく必要があるのではないかということが一つ。むしろ、これは厳しく申し上げておきますけれども、やはり雇用問題を中心に考えていくという観点というものはしっかり踏まえて、そして地域指定がなされていくということでなければ意味がないと私は思いますから、その点を強く要望しておきまして、次の質問に移ります。  これはちょっと細かな問題ですけれども、特定不況地域に指定された地域の離職者が本法案の対策の対象になる、こういうことですね。そこで、その対象となる範囲ですけれども、特定不況地域内に居住する離職者、それ以外で、「特定不況地域内に所在する事業所において事業主により雇用されていたもの(労働省令で定める者を除く。)」こうなっていますね。この労働省令で定めた者を除くということは具体的にどういうことになるのか、その範囲についてちょっと承っておきたいと思うのです。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 特定不況地域離職者の範囲につきましては、いま先生もお話ございましたように、まずその不況地域に居住する離職者、これが一つのカテゴリー。それからもう一つは、他の地域に居住をしているのですけれども、その特定不況地域に通勤していた離職者、こういうことになるわけであります。  なお、条文の中にございます「(労働省令で定める者を除く。)」これは何を定めるのか、こういうお尋ねでございましたが、これは、たとえば今治なら今治にいた離職者の方が東京へ自発的に移転してこられたというような、そういう全く関係のない地域に移転をされたような方は対象にしません。そういうものを予定しているわけでありまして、特別に何か制限するという趣旨ではございません。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 まあ、いまの今治から東京というのは極端な例ですけれども、どの程度の範囲までは含まれるのかということについては、なかなかむずかしい問題も起こると思いますよ。ですから、そこらの点はもう少し明確にしておいてもらう必要があるのではないかと思います。  それから、時間もありませんから次に移りますが、先ほど申しました保険料率の問題ですけれども、これは今度は附則でもって千分の一引き上げるということにしているわけですね。当面の厳しい情勢下で、料率引き上げはできるだけ避けることが望ましいと思うのですけれども、そこらの点はどう考えているかということが一つ。  それからもう一つは、この保険料率問題は本来附則事項で扱うべきものではない。これは労働保険徴収法第十二条第五項の規定によって、労働大臣の権限によって、千分の二の範囲内で変更が可能である弾力条項があるわけです。したがって、保険料率問題は本法案とは切り離して、別個に検討して扱うべき問題ではなかったのかと思うのですが、そこらの解釈はどうなっていますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 二点お尋ねございましたが、まず一点の方の、料率の引き上げをこういう情勢でやるのは適当でないじゃないか、こういう御趣旨の御質問でございましたが、御存じのように、雇用保険の財政状況は三年連続して赤字という状況でございまして、いま御審議いただいております法案の中に、相当多額の支出を伴います延長給付というものが内容として盛り込まれているわけでございます。そういうことを考えますと、ある程度その所要財源を賄うと同時に、これ以上の財政の悪化を防ぐという措置はどうしても必要でなかろうか、こういうふうに考えているわけであります。  そういう意味で、当初私どもは、保険財政の健全化のために千分の二上げていただくのが必要じゃないかということで、審議会に御諮問申し上げたわけでございますけれども、いま先生が御指摘のような経済情勢その他のいろいろな御意見もございまして、そこで審議会の御判断としては、当面一挙に千分の二というのは無理である、そこで、延長給付を賄ってかつ財政のこれ以上の悪化を防ぐ最低限にとどめるべきだ、こういう御意見でございましたので、御存じのように千分の一ということにして、この法案でお願いをしているということがまず第一点の問題でございます。  それから次の第二点目でございますが、そういうふうに、この法案の中でかなりの出費を伴います給付延長というものをお願いしておるわけでございますので、そういうことが重要な契機となっておる料率の引き上げの問題でございますので、この法案の中でお願いをするというのがむしろ妥当ではないか、こういうふうに考えた次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これはもっと厳密に言いますと、さっき申し上げましたように、一応審議会に諮問をする際には、どの程度のものが想定されるという試算をして、そして料率はこれだけ上げてもらいたい、こういう諮問をしていると思うのです。ところが、個所というのは変動してきますからね。しかも、諮問の時点で想定したときよりも、ああいう党の話や何かがあって個所数がふえた、こうなってきますと、根底が狂ってくるわけですからね。したがって、保険料率の問題は一体これで妥当なのか、あるいは言うように大蔵省が一般会計で見るのか、こういった問題も本当は突っ込んだ審議をしなければ、審議にならぬわけですよ。だけれども、それはもう申し上げませんけれども、一応指摘をしておきます。  この保険料率の問題と関連をして、中職審が答申をしておるその答申の中に、例の雇用保険の四安定事業の千分の三・五について、弾力条項を設けるべきではないか、こういう意味の答申がなされていますね。「保険料率を弾力的に調整するような制度を検討する必要があるので、早急に案を詰めて当審議会に諮ること。」こういう答申が出ていますけれども、それはどういうふうに考えていますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 ただいま先生御指摘のように、中央職業安定審議会で料率の引き上げを御審議いただく際に、一方におきまして、雇用安定資金の状況ということが並行して問題になったわけでございまして、そういうことからいろいろ御審議をいただいた結果、いま先生がお読みになりましたように「資金需要に対応して四事業に係る保険料率を弾力的に調整するような制度を検討する必要がある」こういう御指摘と同時に、その内容については早急に案を詰めて審議会に諮ってやりなさい、こういうふうな御答申をいただいているわけでございます。  私どもとしましては、今後、この御答申に沿いまして早急に案を詰めまして、審議会にお諮りして、これは法律の改正を必要とする問題でございますので、次期通常国会に関係法案を提出したい、こういうふうに考えておる次第でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 聞くところによりますと、これは審議会の中で意見が出てこういう答申が出たという、その中身をいろいろ聞いてみますと、相当安定資金は余っているのです。したがって、千分の三・五はとる必要はないのではないか、こういう意見があって、弾力条項をつくられたということになったと聞いておるわけです。  本来、弾力条項というのは、情勢の変化に対応して対処する必要があるから、弾力条項を設けて運用していくという考え方なんですね。ですから、三・五を上げる場合もあれば下げる場合もある。ところが、聞くところによると、いま言ったような議論の背景があるために、三・五を上限にして下げる弾力条項をつくるのではないか、こういう意見があるように聞いておりますけれども、この点はどうですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 弾力条項の内容につきましては、非公式にいろいろな御意見があったということは事実でありますけれども、まだ公的にその内容についての御議論をいただいておるわけではないわけでございます。そういう意味で、私どもは、現段階におきましては、従来の議論は議論として踏まえながらも、早急に案を詰めていかなければならぬという段階で、現在私どもの成案を持っているというわけではないわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 考え方として弾力条項というのはそういうものでなくてはならぬ、これはほかのものを見てもそうですね。ですから、情勢が変わらなければいいのですよ。だけれども、変化していくわけですから、これでは足らぬからもっと上げてもらいたいという場合もあろうし、うんと金が余って、必要ないから下げる場合もあろうし、そういう意味で、弾力的に運用する必要があるから弾力条項を設けるわけですね。したがって、下げる場合も上げる場合もある弾力条項をつくるんだという考え方でいいわけですね。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 いずれにしましても、私どもの案そのものはまだ詰まっておりませんので、よく検討した上で、また私どもの考え方を安定審議会にお諮りしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 なかなか考え方も言われぬわけだな。弾力条項というのはそういうものですから、そこをしっかり踏まえて検討してもらわないと、三・五を上限にして下げるだけの弾力条項だったら、弾力条項の性格からしておかしいわけですから、その点はひとつ十分注文をつけておきます。  それから、これは大変細かな問題に触れて恐縮ですけれども、訓練延長給付の問題について、たとえば基本手当や個別延長給付などの給付を受けた後に、訓練を受ける決意をして、職安もその失業者にとって最良の方法と判断をした場合に、受講命令が出されるわけですね、受講命令を受けて入校するわけですから。この受講命令を出すに当たっては、たとえば訓練校の入校時期の何カ月前に受講命令というのは出されるのか、あるいは入校希望者の訓練校入校の予約はどのようにして確保されるのか、あるいは訓練延長給付の手続はどのような場合に適用されるのか、こういう点について若干お尋ねしておきたいと思うのです。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 まず入校時期の問題と、それから訓練校等への入校の予約の問題についてのお尋ねがございましたが、この指示の時期の問題につきましては、雇用保険の受給資格者で、職業訓練校で受講を希望する方々についてその動向を踏まえまして、あらかじめ都道府県の職業安定主務課と職業訓練主務課とが協議をして、一つの職業訓練の受講の計画というものをつくるわけです。その計画に基づきまして、各安定所におきまして必要な都度行うということになっておりますので、したがいまして何カ月前にというふうなことではなしに、必要な都度行う、こういうことになるわけでございます。ただし、先ほど申しましたように、事前にその動向を踏まえて計画をつくっておいて、それに基づいてと、こういうことになるわけでございます。  それから御本人の入校希望がありますと、安定所は、職業相談の過程で十分その適性等を把握した上で、入校を指示する、こういうことでございまして、そういう意味で、よく訓練施設等とも連絡をとってやるということでございますから、入校の予約がまたいつでなければならぬか、そういうふうなことにはならないわけでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 こういうことがあると思うんですね。たとえば四十五歳以上の方で失業給付を受けている人が、三百日間給付を受けますね。そして個別延長で六十日間ある。これは本人が、もうこの際せっかく給付がもらえるんだから、全部給付をもらってしまってから訓練校に入ってやろう、こういうような考えのある者もあるかもしれませんよ しかしそうじゃなくて、まじめに考えて、いろいろな条件でもって、仮に三百日の給付を終わった、そしてあと個別延長に入るんだけれども、その時点で訓練校に入りたいという要望を出したら、安定所もよかろうというので、適格性を認めて受講命令を出すということになるわけでしょう。そうしますと、仮に三百日の受給期限が切れたのが五月としますね。そして訓練校に入るのが来年の四月でなければ入れぬ、こうした場合に、その間に相当の期間の空白ができるわけですよ。そして、仮にこの個別延長を六十日受けたにしても、なおかつ八カ月ばかり空白ができるわけですね。この間は何ももちろんないわけですね。そして入る場合に、これは雇対法でもって受ける手当が支給されるというので、雇用保険の給付にはならない、こういうことが起こり得るんではないか。これは本人の意思でなるんでなくて、制度的にそういうことになる者もやはり出てくるのではないか。そういう場合、聞くところによると、三カ月間だけは一応認めて、そして行政指導で保険給付が受けられるような訓練校の手当てをしていくというふうにされておると聞いているのですけれども、これは一体どういうふうになっていますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 訓練延長の場合には、あくまでも所定給付日数内に訓練を受けていただくということをたてまえとして、前提としているわけでございますから、いまのようにずっと長い間受給をされて、その後でまたうんと遠い入所時期のものを選ばれて、その間どうとかというのは、ややこの問題を議論する場合の基本的な性格を外れているんではないかと思うのですが、ただ一般的にやっておりますのは、むしろ、所定給付日数の短い方については先生御指摘のような問題が起こりがちでございますので、そういう点も考慮しまして、先生さっきお尋ねのように、まず受給期間中に入所問題が起これば、これはもちろん問題ないわけですが、切れてから起きた場合でも、三カ月間は訓練に基づく給付延長というものの対象になり得る措置をとっているというのが現状でございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 その給付が切れて、なおかつ三カ月間だけは猶予を認めて、そして雇用保険の給付を受けて訓練を受けられる。三カ月以上経過した者については、これはもう切れるわけですから、したがって雇対法の対象になる、こうなるわけですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 その切れている期間中については、まず保険の延長の対象にはならないわけです。それから、その期間中には雇用対策法の対策の対象になるようなお尋ねでございましたが、そういうこともないわけでございます。ただし、先ほど申しましたように、もし切れておりましても、三カ月以内でありますと、そこで入所されれば、その入所された時期からまた訓練延長の対象にはなる、こういうことでございます。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 これは、ここではもう時間がありませんから詰めませんけれども、やはり制度的にもう少し検討を加えておく必要があるんではないか。そうでないと、本人の意思でなくて、制度でもって大変不遇になる者があるわけですから、したがって、そういう点は今後の問題として検討してもらいたいと思うのです。  時間がございませんから、もう最後の締めくくりをいたしますが、冒頭に申し上げましたように、本法案は、当面の臨時的な措置としては一定の役割りを認めることにやぶさかではございません。しかし、今後の日本経済がさらに低成長の時代がずっと続いていく、こうした中で、雇用情勢は一層厳しく長期にわたって継続されることが予想される。こうした情勢を受けて、雇用の確保安定を図るためには、必要な施策について総合的、体系的、集中的に実施をしていく必要があるのではないかというふうに思いますね。こうした点について、中央職業安定審議会も今後の対策について強く指摘をしていると思うのですが、たとえば雇用対策基本計画を早急に見直す、同時に失業の予防、失業者の再就職の促進等について、雇用保険制度のあり方をも含めて早急に検討する必要があるのではないか。こうした観点から、労働省としては、やはり所要の法案の整備を行い、検討も加えて、次の国会ぐらいに、もっと積極的な、もっと具体的に失業の予防ができるような、そういう内容を持ったものに変えていく必要があるのではないか、そうでなければ、産業政策の中核に雇用政策が位置づけられるようなことにはならないというふうに私は思うのですが、そうしたものを含めたこれからの労働大臣の考え方、決意を最後に承っておきたいと思うのです。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 労働省は、すでに御承知のごとく、五十一年の六月に第三次雇用対策基本計画を策定をいたしたわけでございますが、オイルショックの後経済の成長が非常に低下いたしまして、雇用対策の方向をそのようなもとで対応できるような方針を立てたのでございます。  しかし、オイルショック後の日本の現在の状況というのは、雇用情勢が改善の兆しがなかなか見えない、こういうことでございまして、それに、特に円高に伴う産業構造の問題、あるいはまた第三次産業の雇用の増加、ないしは家庭の主婦の労働力が表に出て労働力供給の圧迫要因になる、こういうふうなことから、この計画は見直さなければならぬという、こういう現状になっておることは御指摘のとおりと思うわけでございまして、現在新しい経済計画の策定が予定されておりますので、この策定作業と並行いたしまして、第三次雇用対策基本計画の見直しをやる作業を現在進めております。  その中では、御指摘のように失業の予防、失業者の再就職の促進等の施策を織り込んだ雇用保険法のあり方を含めまして、今後の実情を十分勘案をして、十分雇用政策に役立つような雇用基本計画の策定を積極的に進めていきたい、御趣旨に沿うて努力いたしたい、こう思います。

村山富市日本社会党

○村山(富)委員 もう時間が来まして済みませんけれども、たとえば雇用の拡大を図っていき、失業の予防をしていくためには、さっきもお話がありましたけれども、たとえば時間短縮とか、定年延長とか、それから超過勤務をやらないとか、できるだけ多くの人が働けるような条件を整備していくということが大事だと思いますし、定年延長なんかについては国会でも議決しているわけですよ。だけれども、現実を見ますと、民間の企業なんかでも、定年をむしろ延長どころではない、もっと短縮しているところが多いわけですからね。したがって、あなた方が言われていることと現実の経済界で動いていることとは全然逆になっている、こういう面も実際問題としてはあるわけですよ。だから失業者がふえていくのですよ。そういう面やら、それから労働大臣は、なるほど、たとえば教育とか医療とか福祉とか、そういう日本の社会の中で比較的おくれている部面について、この際ひとつてこ入れをして、もっと向上させて、そこで雇用の確保をしていく、こういうお話もございましたけれども、しかし、それは話だけではなくて、やはり実際に生かされて、現実のものとして施策の中で生きてくる、こういうものでなければならないと思いますから、そういう点は、答弁は要りませんけれども、私は、もっと積極的に、もっと強くいまの段階では労働省が表に立つということでなくちゃなりませんから、そういう意味で、一層の決意を期待して、質問を終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 次に、森井忠良君。

森井忠良日本社会党

○森井委員 従来、業種別に指定をして特定不況業種に対する措置をやってきておったのを、今度の法案は、地域を限定して地域ぐるみでやるという点では、私は一歩前へ出たものだ、こう評価というほどは申し上げにくいのでありますが、とにかく悪いことじゃない、あえて言えば遅きに失したという点もありますが、とにかく、率直なところ、一定の評価は申し上げたいと思うわけであります。  ただ問題は、今回の一連の特定不況地域に対する施策というのが、労働省先行型でなくて、通産先行型だというところに、私はきわめて遺憾な点を感じるわけであります。第一、順序が、すでにこの法案が出る前に、通産省の方では、八月二十八日でしたか、とりあえず行政措置で全国十六カ所を指定する、労働省の場合は、ようやくこの国会で、それに追随をして特定不況地域に対する施策を考えていく、これだけでももうずれがあるわけなんです。私は、その意味で、もっと労働省が先行して、具体的にこの雇用・失業の情勢等をはじいて、その上で積極的に通産と協議をしていくという姿勢が欲しかった、きわめて残念でありますが、私は、今回の法案についてそう考えざるを得ないわけであります。したがって、その点からすれば、今度のこの法案につきましても、これから申し上げますけれども、幾つか労働省の後追い行政というのが明らかになってまいりました。私はきわめて残念であります。  そこで、まず最初に、通産省にお伺いをしたいわけでありますが、すでに臨時国会は九月十八日に召集をされるということがほぼ確定をしておった段階で、八月二十八日にあえて全国十六カ所の特定不況地域を指定して、中小企業対策を打ち出した積極的な理由は何だったのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 御承知のとおり、構造不況業種に属する中核事業所が町村の中心になっておりますところで、中小企業あるいは雇用その他の経済の疲弊というのが相当進行しておるということで、ことしの春ぐらいから、造船その他を含めまして、かなり危機感が訴えられておりました。通産省としてはそういうのを踏まえまして、法律を待たないで行政措置でできるものがあれば、できるだけ早く施策をするべきではないかという判断をいたしまして、金融等を中心にいたしまして、法律で制定の前にできることは、できるだけ早くするという趣旨で実施したものでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 では、ついでに聞きますけれども、地域の指定の基準は何ですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 地域の指定の基準でございますが、これは政令で決めることになっておりますが、まず、特定不況業種に属する特定の事業所が、たとえば工業出荷額等において所在市町村の一定割合を超えているというふうなウエートが高いということ、それから、その特定事業所において事業規模の縮小等が相当な規模で行われておりまして、それに関連いたしまして、その市町村において相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じておる。それから第三点に、これは労働省のこの法案と一体になって、中小企業あるいは離職者雇用機会の拡大というものも一体になってやるという必要から、特定不況事業所の所在市町村の区域及びその近隣の地域におきます雇用に関する状況、これを判断して決めるというのが基準になっておるわけであります。

森井忠良日本社会党

○森井委員 いまの説明は、今度のこの法案の基準と同じですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 十六地域をどういう基準で決めたかということでございますが、必ずしも同じではございません。同じではございませんが、そういう構造不況業種に属する中核的事業所がウエートが非常に高いということ、それから相当事業規模の縮小が行われているということ等につきましては、趣旨は同じでございますが、厳密な基準につきましては、これから法案成立後、関係省とも詰めて決めるということになっております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 すでに、全国十六カ所というのはあなたの方は指定をしているのでしょう。その基準は何か。あなたのところはすぐ数字をぼかすのですが、たとえば工業出荷額が一定の数に達している、こういう言い方になるのですが、具体的にはすでに新聞で明らかになっているように――新聞で明らかになっているというのは変ですけれども、あなたのところから出ているわけですけれども、その市町村の工業出荷額の場合でしたら、三分の一という数字が出ていますね。それから、雇用情勢については常用求職倍率が全国平均の一・五倍、具体的になっていますね。十六カ所についてそういう基準でお決めになったのかどうなのか、これをまず聞いているわけです。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 行政措置で決めたものですから、厳密な基準を適用したわけじゃございませんが、おおむねのことを申しますと、十六地域を決めた場合に、事業所の工業出荷額が三分の一程度を超えているということはありました。しかし労働関係につきましては、特に五割とかいうことじゃなくて、その地域の労働状況が平均よりも相当悪いということを勘案して、十六地域を考えたわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 行政措置だったら基準はまちまちでいいの。これはあなた、いまのはきわめて重要な発言だよ。十六カ所現に指定をされて、これは同じ基準に基づいてやったのではないのかどうなのか、そこのところをはっきり一言でいいから……。私は、いますでに明らかに指定をされている地域については、少なくとも、行政の公平さから言えば同じ条件で御指定になったものと理解をするが、その点だけはっきりしてほしい。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 考え方、気持ちとしては同じ条件でやったわけでございますが、厳密に求職倍率が一・五倍を超えるとか、それからそのほかにも、実際の離職者の数とかというものを勘案して決めたわけでございまして、考え方としては一般的に、恣意的に決めたわけではございません。ただ、厳密に五割以上とかそういう意味で決めたわけではありません。

森井忠良日本社会党

○森井委員 こんなことで時間をとっても困るのだけれども、ついでだから明らかにしておきたいと思うのですが、岐阜県の神岡町というのがありますね。ここは、もうたくさん言わなくてもわかると思うのだけれども、たとえば出荷額でいけば、五十一年度の数字で言うと三百三十八億円、そのうち関係する鉱業所の出荷額というのは二百六十九億円、三分の一どころか三分の二近いわけですね。だれが見たってはっきりしている。それから関連中小企業への発注の問題ですけれども、これも大方六割減になっている。有効求職倍率も三・六四になっている。同じ条件だとすれば、もうとっくに第一次で発表されていなければならないのに、落ちているじゃないですか。これはどうしたのですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 神岡町の問題については、おっしゃる状況を承知しておりましたけれども、同時に、われわれとしても、当時とり得る統計というのは高山の職安管内ということでございまして、早々の間にやったあれもありますが、高山の近隣の全体の雇用状況ということもある程度踏まえておりましたので、高山の職安管内は平均に比べてそう見劣りしていないという心証がありましたので、十六地域のときには入れなかったわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 労働大臣に御理解いただきたいのは、通産の指定が、ちょっと言葉が不穏当かと思うのでございますが、どさくさに紛れて大急ぎで指定をしたから、あっちこっち落ちができて、いままた復活の運動が起きたりして、大変なことなんですよ。いまのを具体的に申し上げますと、だから私は通産先行型だと申し上げているのですけれども、たまたま常用求職倍率が該当しなかった、こういうことで、私が判断をしておる範囲では、落としたのだろうと私は理解をしているのです。ところが、これは飛騨高山の職安管内全部をとっているわけですね。幸いなことに、ここは職安の神岡分室というのがあるのです。ここで資料をとれば、常用求職倍率は三・六四になるのです。全国平均が二ですから、三・三を超せばもう当然該当しなければならぬわけでありますから、それが三・六四になっているわけです。これは指定をするというよりも、訂正をすべきだと私は思うのです。ですから、資料そのもののとり方が労働省の意見を十分聞いていない。その点どうですか、もう一言。訂正をしますか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 法案が成立後、先ほど申し上げましたように、いろいろな基準につきまして、関係省あるいは関係審議会に御相談いたしまして決めることになろうかと思います。それの意を受けまして、必要な修正があればしていくということになろうかと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 私が指摘をしたことは間違っていますか。つまり、問題になったのは常用求職倍率だけですね。それをあなたの方は、飛騨高山の管内全部をとったから低かったのだけれども、分室の管内でとれば――これは分室がないところが多いですからね。たまたまあったものだから常用求職倍率がはっきりしたわけですけれども、ですから、そういう意味では行政というものはあまねく平等でなければならぬわけですから、この点についてはいまここで約束をしろとは言いませんけれども、十分考慮する意思があるのかないのか、その点だけはっきりしておいてもらいたい。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 実情、お気持ちとしてはよく承知しております。ただ、これからの法律に基づく措置につきましては、関係省庁あるいは関係審議会の意見を聞かなければいけません。その場合、さらに丁寧に申しますれば、近隣において雇用の状況というものがどうなっているかということで、われわれとしては、いままでは職安管内というふうに理解し、考えてきたわけでございます。御指摘の問題も踏まえまして、恐らく労働省の方も新しい法案の施行、運用につきましては、御意見もあるいは審議会の意見もございましょうけれども、その辺と十分連絡をとって、お気持ちも踏まえて処置してまいりたいと思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 労働省にお伺いしますが、十六カ所の指定を通産省がとりあえず行政措置でしたわけですけれども、これについては、労働省と通産省は一体どの程度の連絡をとっておられたのか、そこのところをお伺いしたいのです。特に、先ほどの常用求職倍率等の問題については、労働省のどこが資料を出したのか、全国的なものを出したのか、あるいは通産省が言ってきたところだけ出したのか、その辺はどうですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 通産省さんでいまの行政措置を検討される際に、労働省にいろいろと御相談があったのは事実でございます。その御相談の行われます場合に、ある程度、先ほどお話がありましたように、現在のお互いに出す法案についての考え方がまとまりつつあった状況でございますので、先ほど通産の方から御説明がございましたように、雇用の指標を見るについても、市町村の区域及びその近隣の地域における離職者の発生状況、雇用機会の水準、これが現在の中小企業対策臨時措置法案に書いてあるのですが、こういう考え方に労働省もおおむね立っていたわけであります。ですから、この考えでいくと、分庁舎ではなくて、全般的な安定所単位に物を見るというのが妥当ではないかというふうにその当時から労働省も考えていて、通産省との御相談があったときに、それがおおむね妥当ではないかというふうな考え方で御相談に乗っていた、こういう事実でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 大分はっきりしてきましたから、大臣に特に善処をお願いしたいわけですが、いまもお聞きのように、細野局長が明らかにしましたけれども、まず通産省が発案をして、そして労働省いかがでございましょうかという形になっております。それは仕事の性格上そのとおりだと言われるかもしれませんが、やはり本気でいまの雇用・失業情勢を考えている労働省の立場としては、どうも不満を申し上げるようで恐縮ですけれども、私は、もっとやはり労働省の方が前に出て、積極的に通産に働きかけをするというそういう姿勢が欲しいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 森井委員の御指摘はしごくごもっともで、私ども拳々服膺しなければならぬと思いますけれども、ただ一言、現在携わっている責任者といたしまして、すでに三月の下旬、経済対策閣僚会議の場におきまして、私は積極的に、特に造船不況を中心に、雇用の機会を新しくつくり出す需要の創出を積極的にやるべきだ、こういったことを話しましたし、同時にまた、いわゆる構造不況業種がその地域の中核をなしている地域に対しては特別な配慮をすべきであるということで、労働省の内輪ではもうすでに相当前から話しております。  たまたま通産省の場合は、融資を中心にいろいろ対策をいたしますから、端的に申しますと、拙速で、とりあえず大ざっぱに善は急げでやった。労働省の場合は、雇用保険というのは権利義務関係、こういった関係がございますから、緻密にこの範囲の策定ということを準備をしておった。表にあらわれるのは御指摘のごとく通産の方が先行した。しかし、内容的にはむしろわれわれの方が先行しておったとぐらいに私は申し上げさしていただきたい、このように思うわけでございます。  いずれにいたしましても、今度の特定不況地域離職者臨時措置法案なるものは、いわゆる集中豪雨的な地域の離職者に対して特別な配慮をするというこの法律の精神を十二分に生かして、実情に沿うように地域指定の基準も考えなければならぬ、このように思うわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 大臣、そういうことでこれからこの法律が施行になりますれば、地域指定は、実際には通産省の中小企業対策臨時措置法の方が先でまず指定をして、それに今度労働省の方が、特定不況地域離職者臨時措置法でさらに網をかぶせるという形になっていますね。言うなれば、地域指定については通産省の方が表向きといいますか、法律は通産省の方が先行する形にはなっていますけれども、ぜひひとつ労働省の方が先行するくらいの気持ちで、地域指定については、これは後でまた御質問申し上げますが、当たってほしいと思います。  そこで、いまいみじくも出たわけでありますが、今回の法案については、中央職業安定審議会と社会保障制度審議会とにかけて、それぞれ答申をもらっておられますね。職安審の方は、いろいろ議論は激しく闘わされたようでありますが、まあまあ労働省の御希望のような答申が出ておると私は判断をしておるわけです。  問題は、社会保障制度審議会の五十三年九月二十一日の答申ですね。これはずいぶん含蓄に富んだ、またある意味では、かなり辛らつな答申になっていると私は理解しているのですよ。たとえば、今回の法案については「事前の検討なかんずく関係省庁間の調整が十分になされないままに提案されていることから、その実施に関して懸念が残る。」こう書いていますね。それから、中身についても幾つかずっと指摘がしてあるわけですね。その中にこういう文句が入っています。「今回の施策は関係省庁、自治体その他関係者の連携のもとに実施されなければ十全の効果が期待しえないだけに、この点について特段の配慮が望まれる。」と。  いずれにいたしましても、私が御指摘を申し上げましたように、変な言い方でありますが、とにかく一つの省庁が走って、後ついてこいという形になっていますし、たとえば地方自治体の意見なんか、これは全く聞いていないわけですね。そういう点からいけば、私はずいぶんと問題が出てくると思うのでありまして、大臣から社保審の答申に対する見解、時間がありませんから一言でいいのですけれども、答申を受けられた立場からどのように評価しておられるかという点についてだけ、ちょっとお聞きをしておきたいと思うのです。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 第一、第二、第三と三点にわたっての御指摘は、私はしごくごもっともな御指摘だと思います。十分この指摘を体して最善の配慮をいたしたい、このように思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 それでは次に、今度の法案と、それから議員立法ではありましたけれども特定不況業種離職者臨時措置法、いわゆる離職者法、これとの関係でありますが、私ちょっと冒頭に申し上げましたし、大臣からも趣旨説明の一部にあったかと思うのでありますが、いままでは業種別に指定をしてきた、今度はそれを地域ぐるみでやるのだ、こういうことなんですね。ところが扱いとして、どうも今回の特定不況地域離職者臨時措置法の方が内容について薄い。これはどこに根拠があるのか。具体的に申し上げますと、離職者法の方では、たとえば第一、手帳発給をいたしますね。今回は、特定地域にはそれがない。そのほか挙げれば、たとえば就職促進手当等の制度もありませんし、訓練待期手当というふうなものもありませんし、それから広域求職活動費もありませんし、移転費もない。挙げればかなり違っておりますし、第一、諮問をなさるときに、九十日の失業給付の延長にしても、離職者法では四十歳ということが明らかになっている。今度の法案では、労働省は当初四十五歳を考えて職安審に諮問をしておる。結局、職安審で具体的な指摘があってこれが四十歳に下げられたわけでありますが、どうも、この二つの法律というのは私は差別があるような気がしてならない。同じように離職者対策を扱うのに、しかも提案の趣旨説明で、いままで業種別にくくっておったのを今度は地域別にくくるのだということになれば、業種か地域かという問題はあっても、離職者を具体的に救済をしていくのだという立場からすれば、二つの法律に差別があってはならぬと私は思うのです。いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 同じ離職者についてその扱いについて差ができるというのは、それぞれの離職者の置かれている就職の困難度合いの問題、あるいは離職者の離職の発生原因に基づく問題とか、いろいろな特別の事情がない限り同じような扱いを受けるべきものだという点は、御指摘のとおりだろうと思うわけであります。  ですから、たとえば同じ離職者であっても就職が非常に困難な状況にある方については、ある程度手厚い施策が加えられるということが、たとえば年齢等について行われているわけであります。  それからもう一つは、たとえば炭鉱離職者臨時措置法等を初めとしまして、いわば国の施策に基づいて行われる合理化等に伴う離職者については、他の離職者と違う扱いが行われているという例があるわけであります。  御指摘の特定不況業種離職者臨時措置法につきましては、これは国会で与野党間の提案でやっていただいたものでございますから、先生方の方が一層私どもよりはお詳しいわけでございますけれども、いわば国の施策に基づいて行われている合理化に伴う離職者について特別の対策をお願いをした、こういうかっこうになっておるわけでございます。  今回の措置は――たとえば御存じの不況業種離職者臨時措置法によりますと、その指定業種に属する企業はもちろん、これはもちろん大小問わずになりますが、それからその業種に属さないものでも、いわゆる下請関係になるものについてはこれを救うというかっこうになりていたわけでございます。ところが、今回の場合には、二次、三次以下の方々についても間接的にかなりの影響が出ている。それから一方において、二次、三次の方々になってくると、当該問題業種の工場の前にある一般的な取引関係だけの企業、たとえば文房具屋さんがあるとか食堂があるとか、そういうところは工場がおかしくなると影響を受ける、そういうところと、二次、三次あるいは四次というような下請関係のところとは、どっちが影響が大きいかというのは非常に論じがたいことであります。しかしながら、現実に集中的にいろいろな影響を受けてその町全体が非常におかしくなっている、こういう状況でございます。したがって、これを業種差別そのものとして救うことは困難なのですけれども、いわばこれに準じて、若干手当ての仕方については異なるところがあるにしても、これに準じた施策をとっていこうという考え方が今回の地域対策法になるわけでございます。そういう意味で、そこにまた、逆に言いますと、両者の扱いに若干の違いが出てくる一つの根拠にもなっているわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そんなこと言ってもそれはだめですよ。まずもとから考えてみると、これは企業城下町と言われているところの問題でしょう。まず大企業がどかっと座っておって、羽ぶりのいいときにはたくさん関連企業があって、そしてまた関連をしてサービス業も含めていろいろ商店等もずっとあったわけですね。今度羽ぶりが悪くなって、その中核企業が事業の規模の縮小とか廃止とかそういうものをやるわけでしょう。それで、肝心の中核企業の方は離職者法で失業者も含めて救済をされている、あと、むしろ企業と直接の関連のなかった、しかし実際にはずいぶん被害を受けた、先ほどの例で言えば、たとえば食堂みたいなところとか、あるいはその企業が具体的に需要があったから、その必要な資材を納めるために、商店は拡張したりいろいろ設備投資をしてきた。肝心のところは離職者法で救済をされて、あと今度は、そういう城下町に住んでいるその他の失業者はそのまま放置というのはもともとおかしいので、むしろ、これは言うなれば中核企業のしりぬぐいをする法案のように考えるなら、少なくとも同じように扱わなければ、同じ失業者、同じ労働者として、私は、そういう意味でずいぶん差別があるような気がしてならないのです。  いま局長、答弁がありましたように、たとえば再就職の困難度合い等をを考えた、こう言われるわけですが、では、どっちが本当に困難度合いが深刻なのかということになれば、私は、ある意味ではかえって、造船なら造船の関連企業以外のところの失業者の方が深刻だという場合もずいぶんあると思うのです。いずれにしても、離職者法と今回の法案との関係ではその制度の差があり過ぎる、もっと是正をしなければならぬという感じが私はしてならぬわけです。     〔委員長退席、越智(伊)委員長代理着席〕 とにかく離職者法では、離職しますと求職手帳を発給されて、そして個別延長の九十日というのは、先ほど申し上げましたように四十歳以上は一足先に実施をされている。この分については、個別延長については初めて今度の法案で出てくるわけでありますが、申し上げましたように、あなた方の思想は四十五歳からというのが発案だったわけです。指摘をされて、ようやく四十歳という形の法案になっている。これなんか説明がつかないでしょう。現に失業者がおる、しかも所定の給付日数が過ぎている、片方では九十日延長する、やはり就職ができない、こういうのは他の離職者についてはいままでなかったわけですから。しかし、ようやくこの九十日延長ということが出てきましたけれども、今度は年齢で差をつけていく、説明がつきますか、そんなことで。私は、同じ労働者として、また失業者を扱う労働省としてこの点はずいぶん問題があると思うのです。  それから、今度のは訓練等が具体的に行われるわけですね。同じように訓練を受けて訓練手当を出さないのですよ。もう一回この点について、あなたは私に納得のいくように説明してください。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 主として御指摘は促進手当とか訓練手当等の職業転換給付金にかかわる問題、そのほかもございましたが、そこを中心にお答え申し上げますと、先ほど申し上げましたように、転換給付金等の対象になるのは、国の施策に直接基づいて行われる合理化に伴う離職者に限る、こういう考え方になっているわけでございます。したがって、先ほどから申し上げておりますように、特定不況業種離職者臨時措置法の対象業種については、少なくとも国が直接的に積極的な指導をやって合理化をやっていただいておるというところまで広げましたけれども、そこまで含めてやっている。ところがそういうことになると、先ほど申しましたけれども、直接の下請のところまではそいうことが言えるにしても、二次、三次以降になると、国が直接手を出した合理化であるとはなかなか言えなくなるだろう。しかし、先生もお話がございましたように、影響を受けていることは事実でございますから、そこのところを準じた施策として救っていこうじゃないか。つまり、同じ施策というわけにはいかないけれども、準じた施策で救っていこうじゃないか。そこで、保険の延長とか安定資金とか、そういう点について、その業種を、いままで別にやってきた特定不況業種等についての対策、ほぼこれに近いものとして、その地域全体に広げる。しかし転換給付のところだけは、先ほど申しましたような理由で、この地域全体に、それこそ極論を申し上げますと、飲食店等に至るまで全部その適用になるわけでございますから、そこまでやるわけにはなかなかいくまい、こういうことになったわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 国の施策に基づいたものとそうでないものとの差だ、こう言われたわけですが、今度は地域でくくるのでしょう、地域でくくって、具体的に中小企業について、通産省が国の施策を明確にしたわけですから、いままではあなたの理論でよかったかもしれないが、今度は通産省が、中小企業対策ではありますけれども、ちゃんと地域でくくって指定をしたわけでしょう。いままでの根拠のなかったのとは違いますよ。はっきり国の意思じゃないですか。  それから、あなたの説明では、これは時間を食って仕方がないけれども、同じように訓練を受けて、中核企業の人は訓練手当がついて、片一方は訓練手当がつかないなんというばかなことがありますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほど国の施策というふうに申し上げたわけでございますが、たとえば今度の中小企業対策の場合には、いわゆる合理化のためということではなくて、経営の安定を図るためにやっておられる施策として地域指定をしておられるわけでございますから、先ほど申しましたようなそれに基づく合理化という施策とは違うというふうに私どもは理解をしているわけでございます。  それから二番目の、同じ訓練を受けながら差がつくというお話でございますが、これは一般の離職者の方と炭鉱離職者の方が同じ訓練所に入った場合に、片一方に手当がつき、片一方に手当がつかなかったということで、それは先ほど来申し上げておりますように、その場合に、たとえば中高年措置法の対象として、年齢等によって特別の施策があるという人については訓練手当が出る場合がある、あるいは業種別の合理化対策というようなものの直接的な影響のある場合には出る、それからそうでない人には出ないということで、いままでにおいてもそういう例はあったということを申し上げたわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 納得できません。したがって、私としては、なるべく近い将来に、離職者法と足並みをそろえるように強く要求をしておきます。この辺に、私は労働省の姿勢というものが出ていると思う。  たとえば、これまでの十六カ所の通産省の指定地域の中で、造船が十三入っていますね、たしか十三カ所ぐらいでしょう。これを考えてみますと、たとえば、けさ御質問なさいました越智委員のところの今治市あたりは、造船業界についてはいつかの委員会でも私が指摘をしましたように、労働時間の延長をしているのですよ。全般的には、いま困っている造船所は、定年制をたとえばせっかく五十八にしたのをまた五十七に下げるとか、早く首を切るのです。時間延長をすれば当然労働者は少なくて済みますから、これも、所定の労働時間で働いた場合よりも余分に失業者が出たはずです。定年年齢は引き下げるわ、時間延長はするわで、したいほうだいのことをしているのですよ。ぼくはしばしば口が酸っぱくなるほど指摘をしましたけれども、労働省は有効な指導をしましたか。定年延長なんというのは、藤井労働大臣も、どうしてもやらなければならぬ、労働省も一生懸命がんばっておる、こういうことをしばしばおっしゃってきておるのですね。ところが実際には、いま申し上げましたように定年年齢の問題あるいは時間の延長、これは時代逆行ですね、いまは時間短縮の方向にあるのですから。あえて時代逆行をして失業者を余分に出しておいて、あなた方は有効な指導をなさらない。そうして、出た離職者についてはほかの離職者と差別をするということでは、せっかく先ほど労働大臣がいい答弁をされても、局長、逆じゃないですか。定年年齢の引き下げについて具体的にどういう指導をなさいましたか。それから、私がしばしば指摘をしておるように造船の業界では時間延長がありますよ。しかも手当のつかない時間延長ですからね。こういう時代逆行をどうしますか。これだけ国が手厚い施策を講じているのにもかかわらず、応じようとしない業界をどう指導するのですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 総括的にいろいろなお話がございましたので、あるいは補足的に基準局長からもお答えいただくのが適当かとも思いますが、まずその企業自体が生き延びれるかどうかという基本的な事態に直面した場合には、やはりその企業における労使、特に造船等の場合にはりっぱな労働組合が存在しておられるわけですから、その労使にその企業の実情に応じて基本的に話し合いをしていただいて、その話し合いに沿って事態に対処していただくというのが一番必要なことでございまして、そういう前提の上に、私どもも一般的な問題として定年延長を御協力いただくとかその他の御指導を申し上げておる、こういうことでございまして、したがって労使がそういう実情に応じて、たとえばいまのように勤務延長等、従来やっていたものについてのそれを一部緩和するというふうな事例も御指摘のように確かにございますが、そういう措置をとられたとすると、これはよほど極端なもの以外はやむを得ないと見ざるを得ないのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そのために、つまり定年年齢の引き下げそれから所定労働時間の延長、それによって、それをしないことよりも失業者がふえることについては認めますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほど申し上げましたように、その企業の中でどういうことをやればどういう結果になるかということは労使の方が一番よく御存じで、労働組合もこれはやむを得ないと御判断になった場合に、よほど極端な例でない限り、第三者が余り批判的に申し上げるということは適切じゃないんじゃないかな、こういうふうに私どもとしては考えておるわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 それなら何も指導しないのですか。第一、労働組合のないところもあるよ。関係労使、関係労使と言うけれども、それは労働組合のないところも場合によってはあると思うし、それから、やむを得ないと言うけれども、あなたは聞いてなかったのかもしれないが、いつの委員会か忘れましたけれども、通常国会だったと思います。一つの会社だけが時間延長をするなら、それはなるほどコストダウンにつながるから、よその会社に負けないようになるかもしらぬ、つまり競争力がつくかもわからぬが、結果として、気がついてみたら、たとえば今治なら今治のあの造船団地の労働者が皆同じように労働時間が延長になって、結局何のことはない、自分の会社だけが生き延びようという形にはなっていないのですよ。あえて言えば国際的な競争力ということはあるかもしれぬけれども。私はこの辺に労働省の姿勢があるように思うのです。なるほど労使が話をすることは正しいですよ。しかし、それが間違っていれば直させなければいけないのでしょう。あなたの理論でいけば、佐世保重工でこの間指摘をされた係長さん以上の講習というのですか、深夜にまで及んで労働基準法違反もはなはだしいというので、投書があったのか何か知りませんけれども、あなたのところは労基署を通じて具体的に指導をしているじゃないですか。いずれにしても、その辺になってくると、生き延びるためには仕方がないとか、そんなことで済むのですか。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 いま先生御指摘の点ですが、たとえば労働時間の延長というふうに御指摘になりましたが、私ども労働基準法の観点から申しますと、先生御案内のように労働基準法の最低限、たとえば一週間四十八時間、一日平均八時間というようなものを上回るまで所定労働時間を延長するというようなことは、もちろん基準法の違反を招きますので、これは厳重に監督指導しなければならぬということでございますが、一般的に私どもが事前に伺っておりますのは、たとえば週四十四時間、一日七時間とか七時間半とかいうようなものを八時間以内の限度で、あるいは週四十八時間の限度で所定労働時間を延長するということになりますと、直接的には基準法の違反という事態を生じないわけでございます。もちろん、そのようなことも一般的な労働条件の低下ということを招きますことは御指摘のとおりでございますので、それについては、事前に把握ができたものについては監督署が指導をするということはもちろんやっております。ただ、具体的には労働基準法違反にまでいかないことでございますので、いま安定局長からもお話し申し上げたようなことで、労使が自主的に、その経営の実態なりを見て、これは非常に短期的な観点かもしれませんが、そういう観点から労使がお決めになったものということを私どもは第一義的には考えざるを得ない、このように考えておるわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間がありませんから、議論はすれ違いになりましたけれども、ひとつその辺は実情を把握をして、慎重に対処してもらいたい。大体週休二日制あるいは時間短縮というものは、国民的な合意ができればむしろ先進国に近づけるべきで、そのことがやはり雇用安定につながるわけですから、ここのところの基本だけはしっかり踏まえて、これからも行政指導をしてくださいよ。  時間がないので、もうちょっと指摘をしたかった問題があるのですが、幾つか省略をしますが、一つだけ労働省にお伺いをしておきたいのは、今回も雇用・失業情勢に即応して法案をお出しになったわけで、それはいいのですけれども、現在ある制度でまだ十分活用されてないものがずいぶんあるんですね。時間の関係で一つだけ例を申し上げますと、例の雇用安定資金の金が余っているんですね。今度は保険料率を下げようなどと言い出した。これも、私は慎重に扱っていただきたいと思いますけれども、ざっと見ますと、景気変動等雇用調整事業の方はまあまあある程度消化をされておるのですね。それでも、中高年齢者雇用開発給付金等は、ことしの七月現在でまだ三千人くらいしか適用されていませんから、これは制度がまだ未成熟の点もありますからこれからだろうと思いますけれども、全般的に言えば、景気変動の方はどうやら消化されといると見てもいいと思うのですが、問題は、事業転換等雇用調整事業の方はほとんど消化をされていないと見てもいいわけですね。金額もほとんど出ておりません。金が残るはずですよ。これはどこに原因があるのですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 一つには、五十二年度の実績につきましては事業転換等雇用調整給付金が昨年の十月から始まったという、そういう経緯もございまして、これについてのよく知られていなかったというような面、あるいは制度ができたばかりでよく実情に合わない点もあったというふうなこと、あるいは一般の景気変動等に比べますと、事業転換のところは、事業主側の方でも、これを活用するについては事前に相当計画的な対処が必要であったというふうな、いろいろな原因が考えられるわけであります。その中で、制度が発足当初で事態に非常に合いにくかったというような面につきましては、ことしの十月一日から労使の御意見をよく聞きまして、かなり大幅な要件緩和なり、実情に合った制度改正をいたしております。  現在、五十三年度はまだ途中ですけれども、五十二年度に比べますとかなり消化も進みつつあるというような状況でございますのと、先ほど申しましたように要件緩和をしたこと、それから今回の法案によりまして地域全体にこれを適用するようにするということで、今年度はかなりこれが使われるのではないかという期待もし、またその周知、普及の努力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 いずれにしても、現行制度、特に雇用安定資金制度等については、せっかく制度ができても、うまくこなされていないきらいがありますので、この際もう一回再検討していただきまして、今回も、十月一日からかなり要件緩和等なさっておられまして、評価をいたします。したがって、それにいたしましてもまだ決して十分とは申し上げられませんので、ぜひひとつ項目別にチェックをしていただきまして、より一層その制度の活用が図れるよう対策を講じていただきたいと要望しておきます。  次に地域の指定ですけれども、先ほどの論議を聞きますと、二十八カ所というのは決まったわけじゃない、こういうことでありますけれども、しかしそうかといって、十六カ所でないこともはっきりしておるのです。こういうのがあるのですよ。すでに新聞で何カ所か地域が出ておるのです。たとえば、これは五十三年九月三十日の読売新聞、たしか朝刊だったと思いますけれども、九月二十九日に、臨時国会に提出する特定不況地域中小企業対策臨時措置法案が閣議決定をされたということに関する記事ですけれども、前回の十六市町村に加えてということで、こういう記事が載っております。「現在、候補に上っているのは、釧路、稚内などの水産基地、神岡町など鉱山都市や、前回の指定のさい基準に達しなかった伊万里などの造船都市などで、今年中には総計二十五-三十地域を指定したい意向である。」こうなっています。具体的に町村の名前が挙がっております。  それから同じ日の朝日新聞でも「遠洋漁業の基地になっている釧路など市町村も不況地域の対象となり」こうなっておるわけです。すでに事前に名前が出ておるのです。まずそこいらについて、通産省、多分あなたのところから資料が出たのだろうと思うけれども、これは当たっておるのですか、当たってないのですか。少なくとも読売新聞、朝日新聞といえば天下の大新聞です。いいかげんなニュースを流すとはとうてい考えられない。信感性の非常に高いものだとは思うけれども、いま申し上げました幾つか地名が出ましたね。これはそのとおり検討の対象になっておるのですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 新聞の記事は推測でございますことは明らかでございますが、いま具体的にやったところ、メンションされたところが一応内々の検討をしていることは事実でございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 それだけ聞けば十分です。そこで、数がふえるということについてははっきり想像ができるわけでございますけれども、私どもも、ここである程度具体的に地域の指定については考えてみる必要がある。  そこで、労働省にお伺いするわけでありますが、たとえば有効求人倍率、これは安定所管内の雇用・失業情勢を見るのにりっぱな指標だと思うのです。あるいはその就職率、さらには雇用保険の受給率、これらはいずれも、その土地の雇用情勢を判断する上に大きな指標になってくると思うのです。だから、工業出荷類等もありましょうし、円高で被害を受けている地域、あるいは二百海里時代になりまして漁業や水産加工で被害を受けている地域、そういった経済的な側面も当然見なければいけませんけれども、私は、労働省は、少なくともいま申し上げましたようなこの三つの基準というものを当然当てはめて、地域指定について積極的に通産省と協議をしていくべきである、こういうように考えるのですが、いかがですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 具体的な基準につきましては、先生も御存じのように、当然法成立後に審議会に諮って決めていく、こういうことになるわけでございます。  ただ、一般論として申し上げますと、いろいろな基準を見て、どれかが該当していればいいというわけにもなかなかまいらないという面が一つありますのと、それから、全部満たさなければならないということになると、かえって適用が狭められるという面がございますから、やはりできることならば、一番実情に即したものをとって、それを中心に考えていくというやり方が一番いいのじゃないかな、こういうふうに考えているわけでございます。

森井忠良日本社会党

○森井委員 だから一般論として、私の言ったことにあなたもあえて反対はしないわけでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 どれかにウエートを置いてということでございますれば、全くおっしゃるとおりじゃないかなと思っております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 そこで、ちょっと私の方も、五月、六月、七月の三カ月間の平均をとってみた。これは全国の主要都市だけで全部じゃないのですけれども、通産省もきょう呼んでいることでもありますので、重要な参考として挙げてみたいと思うのです。  有効求人倍率、就職率、それから雇用保険の受給率、つまりこういった雇用の指標から三つとも全国平均を上回るというような地域、これは深刻なところですね。いま申し上げました三つのポイントがすべて全国平均を上回っている、上回っているといいますか、要するに全国平均より悪いわけですね。これを挙げてみますと、先ほど私が新聞記事の幾つか名前を挙げましたけれども、それ以外に、いま私が持っているところだけでも十七カ所くらいあるのです。北海道の函館、小樽、釧路、秋田の能代、大館、山形の鶴岡、三重の伊勢、熊野、兵庫の尼崎、岡山の玉野、山口の下関、高知市、これは職安の管内ですけれども、福岡の八幡、戸畑、若松、門司、それから宮崎の日向。そのほかにも、先ほど局長が言いましたような主要指標で問題点を挙げてみますと、それ以外に十九カ所くらいになりますよ。これは私どもも真剣に検討した結果、雇用情勢が非常に厳しいところです。まだ地名を申し上げていないところもありますが、雇用情勢から考えるならそういう形になる。これはどうでしょうか、通産省、参考になる意見でしょうか、参考にならない意見でしょうか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 労働関係の指標につきましては、労働省及び関係審議会で御議論いただくことを尊重してということになりますが、一般的に申し上げますれば大変参考になると思います。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間があとわずかになりましたから、そこで最後に自治省にお伺いをしたいわけでありますが、今回の通産省の中小企業対策法には、都道府県知事の意見を聞くようになっていないのです。特定不況地域離職者臨時措置法案については都道府県知事の意見を聞くようになっている。この点について自治省の見解はどうか、これが第一であります。  時間がありませんから一緒に御質問申し上げますが、これは通産関係になってくるのですけれども、今回の法案で税に対する配慮が幾つか出ていますね。そのために、具体的に地方税の減収等が出てくると思うのです。こういったものについては地方交付税で措置をしてもらいたいという関係自治体の声があります。この点についてどう考えるか。  それから、不況対策事業として、特定不況地域に指定をされた市や町は、どうしたってやはり特別の持ち出しをしなきゃならぬと思うのです。こういった問題について自治省は市町村に対してどのような援助措置をするのか、それが三つ目の質問です。  それから、公共事業への傾斜配分が、まあ新自由クラブ等の話では三百五十億ということでありますが、先ほど村山委員の質問にもありましたように、自治省独自でも別に指定されて、ここにもある程度公共事業の傾斜配分をするという形になっていますから、それに対する措置をどうするのか。具体的には、いずれにいたしましても裏負担の問題が当然出てまいりますけれども、これはやはり同じように、たとえば基準財政需要額等に算入して手厚い措置をするのかどうなのか、この辺についてお伺いをしたいと思うわけであります。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 第一の点でございますが、原則的に申し上げれば、特定の区域を限って特別の措置を講ずるという場合には、関係地方公共団体の意思を十分聞いてそれを反映させることが必要であるかと思いますが、今回の法律に基づきます地域指定の場合には、政令によって地域を定めるということがございますので、その際に関係地方公共団体の意見は十分に反映するようにしてまいりたいと考えております。  それから二番目の、税収の減に伴う地方交付税での補てん措置はどうかということでございますが、言われますように、法人関係税につきましては、地域の経済不振とともに、各種の税法上の特例措置を講じた場合に、税収減が生じてまいりますが、これにつきましては翌年度の措置になりますが、交付税で補てん措置を講じてまいりたいというふうに考えております。  それから、公共事業の裏負担についてでございますが、今回の国の補正予算に係るものにつきましては一〇〇%地方債でもって措置を講じたい、したがいまして、さしあたって、地方公共団体につきましては持ち出しはない、後年度の償還費につきましてはその相当部分を普通交付税でもって措置してまいりたいというふうに考えております。  それから次に、地方団体独自での公共事業の傾斜配分ということでございますが、これは、都道府県の中でそのような配慮をされるというようなことはあろうかと思いますが、私どもの方で特に考えておりますのは、単独事業を重点的に実施してもらいたいというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、単独事業は、道路とか河川事業とかと違いまして、どちらかと言いますと労働力を非常に多く使うものが多くございます。それからまた、資材につきましても、その地域内での調達度が高いものが非常に多くございます。したがいまして、地域に対しての経済効果が大きいというようなことから、大規模な維持補修、それから単独事業による教育文化施設の整備あるいは細かな道路の整備、維持補修、こういったものが入るわけでございますが、こういったようなものについて積極的に進めてもらいたい。これにつきましては、適債事業につきましては十分その幅を広げまして、地方交付税で十分の措置を講じてまいりたい、また物によりましては特別交付税によっても措置を講じてまいりたい、このように考えております。

森井忠良日本社会党

○森井委員 時間が参りましたので、終わります。

越智伊平自由民主党

○越智(伊)委員長代理 次に、田口一男君。

田口一男日本社会党

○田口委員 なるべく重複を避けて質問をしたいと思うのですが、まず、労働省をほめるのじゃないのですけれども、制度としての雇用対策ということを見てまいりますと、私は、いまのわが国労働省が持っておる雇用制度、これほど精緻なものはないと思います。昨年八十三臨時国会で成立をしたいわゆる離職者法というもの、それからいま審議をしております特定不況地域の離職者法が通ったといたしますと、まだあと一つ二つを除いて、言うならば、およそ考えられる限りのものはすべて取り入れておると言ってもいいのではないか、私はこれは皮肉じゃなくて、本当にそう思います。  たとえば離職防止のための措置で、そこの労働者または事業主に対して出しておる給付金、奨励金、こういった種類をこの間も勘定してみたのですが、私の勘定した限りでは二十種類ぐらいあるのですね。それから、不幸にして離職した労働者に対する手当とか給付金の種類も十六種類、まあこれ以上あると思うのですが、私の勘定では十六種類ある。そして、離職をした労働者が仮に再就職が可能であるということを前提にして、大体一年半から二年ぐらいは給付または手当を受けることができる、たてまえとしてですね。  ここで大臣にお聞きをしたいのですが、これほどあなたの部下が、労働官僚が考えられた精緻をきわめた雇用対策、網の目のように張っておると言ってもいいのですけれども、こういう状態にあるのに、なぜ雇用不安というのから抜け切れぬのか、ここが私は不思議でならぬのですね。これだけ至れり尽くせりという状態になっておりながら、なぜ雇用不安が解消できぬのだろう。これは  一体大臣どういうふうに思っていますか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 これはやはり、何といっても日本の不況がずっと続いておって、かつては高度成長を続けておって、経済政策さえよろしきを得れば雇用問題は心配なかったという、こういったときとは全く事情が一変をいたしまして、そして、雇用の場が景気の沈下とともに狭まってきているというバックグラウンド、背景ということがあるわけでございまして、労働省としてそれに備えて知恵のめぐる範囲、できるだけいろいろな面において雇用安定の施策を進めておる、御指摘のごとく努力をしておるわけでございますけれども、背景そのものが、そういうふうな地盤沈下をしているという、ここに雇用不安の原因がひそんでおる、こういうふうに思うわけでございます。  そういう観点から、政府は、やはりこの際、積極的な財政政策を公共事業を中心にやり、今度は補正予算において、相当別の観点から雇用の機会を新しくつくり出す配慮をしてきておる、こういう点でございますから、背景はやはり日本の経済の成長が回復をしておらないというところに大きな原因がある、決して責任を転嫁するわけではございませんけれども、そのように御理解いただきたい、このように思うわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 確かにバックグラウンドがそういうことは私もわかるのですが、ちょっと皮肉っぽい言い方をしますと、さっき前の委員の御質問に対して、大臣は、雇用の機会を与えるのは企業だ、なるほどそうだと思うのです。その雇用の機会を与える企業がいまおっしゃったような状態なので、なかなか吸収ができない、そういうこともあると思うのですが、企業に解雇の決め手を与えておるのも、このきめ細かい雇用対策のためじゃないのか。もっと言うならば、労使に解雇の問題についてのフリーハンドを与えるような状態は、雇用対策が余り至れり尽くせりだからそうなっている、こうも思うのですが、どうですか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 先ほど御指摘がございましたように、雇用安定対策の制度としていろいろな制度をしておるにかかわらず、この不況下においてやはり雇用調整の動きがあるではないか、それに対してなぜ放置しておるか、こういう御指摘でございまして、確かに、この不況を乗り切るために企業がいわゆる減量経営ということをやらざるを得ない、こういうふうな観点から、えてして御指摘のような方向に走りやすい。しかし、その点については先ほど基準局長もお答えをいたしましたように、やはり労働基準法の決められた範囲内において、これが法制上の的確な監督指導をしておる。     〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕 その範囲内において、企業が生き延びるためにはどのような方策をやっていいか、労働条件をどのように話し合っていくべきか、こういったことについては労使の話し合いということにゆだねざるを得ない、このように考えるわけでございまして、あくまでその点においてもそれを放置するというわけではございませんけれども、監督下においていまのような配慮をしておるということでございます。  もう一つ。実は先般の特定不況業種離職者臨時措置法の運用で、再就職の援助計画なり、あるいは休業する場合の安定資金制度のいわゆる休業制度、これを活用する場合労使が話し合って決める、こういうことにしておりますが、こういったところもやはりもう少し労働省が行政指導をやるべきではないか、こういったもどかしき感じを私はお持ちになっておるかと思いますけれども、これまた、企業の実態に即して労使で話し合いをしてもらうということが一番いい、実態に沿うゆえんである、決して野放しにしているわけではない、このように御理解をいただきたいと思うわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そこでいまの雇用制度は、言うまでもないと思うのですが、離職をした場合に一定の資格、そういったものを備えておれば、一定の期間、一定額を手当なり給付金として支給をする、こうなっておるわけですね。しかし、いま大臣がおっしゃったように、経済情勢というものは再就職がなかなかむずかしい、いろいろな手当ては尽くしておるけれども大変困難だ。しかしそうなってくると、この特定不況地域の問題にいたしましても、特定不況業種にいたしましても、他の問題にいたしましても、いわゆる離職者の期限切れは当然起こるわけですね、二年なり三年なりたったら。その期限切れということを、まあ二年先、三年先には何とかなるだろうということなら別ですよ。しかし、やはり離職をした労働者の生活を安定させる、再就職を容易ならしめるということからすると、期限切れ後の状態についても一応の考えがなければならぬのじゃないか。  そこで、これはもう御存じだと思うのですが、本年三月現在の総理府の労働力調査特別調査報告というのがございます。これを見ますと、完全失業者の収入状況の調査の項があるのですが、完全失業者百四十一万、この総理府の調査では雇用保険金をもらっておるのが三十三万ということになっておるのですが、労働省の雇用保険事業月報によりますと七十万四千、完全失業者のうちで約半分が何も収入がない、こういうざっとしたことが言えると思うのです。  細かく分析をされておるのですが、世帯主が完全失業者、これは二十一万人ありますけれども、その世帯の他の者に就業者がなしというのが全部で二十九万ある。この中には、生活保護に入っておるかどうかは詳しくは載っておりませんけれども、雇用保険の関係のこういった手だてを受けていながらも、期限が切れて、その世帯のうちで収入を得る者が全然ないという状態のものがいずれ出てくることは、この表を見てもわかる。それに対して、やはりいま何らかの方法を考えておく時期に来ておるんじゃないか。たとえば失業手当といいますか、何らの条件もつけずに、いままでずっと来たものが、四十歳であれ五十歳であれ、一切の手段を尽くした、訓練延長もした、何もやった、しかし不幸にして就職の機会がない、この後さらに就職の機会を見つけるために努力をする期間、無収入じゃできませんから、この間何らかの措置をとることも考えていい時期に来ておるのじゃないか。どうでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 雇用保険の保険切れの問題についてのお尋ねでございますが、先生御指摘のように、わが国の場合には、雇用保険について御存じの個別延長の制度とか訓練延長の制度、そういう各種の実情に応じた延長制度を用意しているわけでございます。さらには、特定不況業秘離職者臨時措置法なり、今回御審議いただいている地域離職者臨時措置法ににおきましても、一定年齢以上の方についての就職が困難であるということから、給付の延長をやっておるわけです。  こういう形で、それぞれ実情に即しまして給付の延長をやっているわけでございますから、これが切れた上でなおかつその上に何らかの手当をという制度につきましては、現在の制度が、冒頭先生からもお話がございましたように、各国の事情と比べてみてもかなり進んだ保険制度になっておるわけでございますから、これに加えてさらに失業手当を給付するというようなことは、ちょっと当面考えられぬのじゃなかろうかと考えておるわけでございます。  それじゃ現実にどうするかというお尋ねかと思うのでございますけれども、この辺につきましては、たとえば今回の法案におきまして、特定不況地域につきましては公共事業を重点的に実施するとともに、それに対して、個々の離職者についてはとにかく全員を吸収率の対象にしていくという制度を設けているわけでございます。こういう制度を活用して、何らかの収入源を得ていただくということについても配慮をしているという状況でございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 これは議論をするとちょっと長くなりますけれども、前の委員の質問に対する大臣の答弁で、いろいろな産業転換、第三次産業、福祉産業といいますか、そういった転換をもっとしなければならぬ、こういうことはわかるのですが、通産省の方にちょっとお聞きしたいのですが、じゃ一体、今度の特定不況地域の法案の有効期限内に必ず産業転換ができるんだという自信があって、期限を切っておるのか、こうも言いたくなるのです。私は、自分で言いながら内部矛盾を感じるのは、そういった期限が切れた後、また半年なり一年なりの失業手当をつくった、そうすると、通産省の方では、ああ手当があるのだからどんどん減量しなさい、その間ぽかんと見ているということにもなると思うのですね。労働者のことは労働省が何とかめんどうを見てくれるじゃないか、だから企業の方を監督する通産省としてはどんどん減量しなさい、減量で吐き出された労働者は労働省の方で手当がありますよ、こういう指導の立場で、中身は何もないと私は思う。ですから言う方も矛盾を感じるのですが、切られた労働者はたまったものではないですね。切れたらどうするのか、といって、再就職がかつてのようにあるのなら刑ですよ。それも中高年なんかは特にむずかしい。だから私は、矛盾をした言い方と自分でも感じながらも、切れた後の一定期間に対する何らの条件なしの手当ということも、そろそろ考えるべきではないのかと言っておるわけです。ただ、それをやれば、のんべんだらりと、その間ずっと求職活動もせずに、それに依存するじゃないか、それは間々あるでしょう、ないとは言いませんけれども、総体的な流れとしては、労働者の立場に立って見た場合に、多少とも不安を緩和することができる。もう来年の一月、四月には相当期限切れが出てくるですね。どうしようか、そこらのところを考えてもらいたい。これは後でまとめて答弁をいただくことにして、次の質問に移ります。  いまの雇用対策に関連いたしまして、先般社会労働委員会が長崎、福岡両県の調査に行ってまいりました。その報告は団長からあったとおりでありますけれども、その状況を見ましてこういう事実かわかりました。  調査に行った長崎、福岡の企業がそうだというのじゃなくて、そこを特定するのじゃありませんけれども、大体そうだと思うのですが、不況対策のいきさつを聞くと、まず外注、協力工といった下請が真っ先に首を切られておる。ある企業の不況対策ということで、本工の数と協力工の数を見てまいりますと、本工は昭和四十八年には六千六百九十五名おりました。それが昭和五十三年には四千八百四十名で、いわゆる削減率を見ると二七・七%、ところが協力工は、昭和四十八年に三千七十人おりましたけれども、五十三年度は八百七十人で、削減率は七一・六、だから大ざっぱに言って、本工は三割首を切っておるけれども下請は七割首を切っておる。  そういうことを頭に入れてこの離職者対策を考えますと、当然のことながら、雇用保険の適用者であることが九十日延長の前提となるわけですね。そうなってくると、雇用保険に入っていなければ九十日だ、六十日だという延長は何もならぬ、関係がない。ですから、これから指定をしていこうとする不況地域内にある中小企業なんかは、一体雇用保険がどの程度適用されておるのか、未適用の状況はどのくらいあるのか、こういう問題をどうつかんでみえるのか。そして、えてしてそういった中小下請の場合は臨時工、日雇い工が多いのですから、この臨時、日雇い工に対する特定不況地域の離職者対策は一体どうなるのか。これは訓練とか紹介はありますけれども、雇用対策の恩恵は全くこうむらないのじゃないか。そういう点はいかがでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 保険の未適関係につきましては、大ざっぱに申しまして、製造業で言いますと約一〇%程度が未適という状況で、残りの九割は大体適用になっておる、こういう状況でございます。  それから、法的には、御存じのように、一部の農林水産業等を除きますと、全面適用になっているわけでございますが、実際に適用の手続がとられていないという問題が御指摘のようにあるわけでございます。  そこで、そういう人たちについてどうするんだというお尋ねであったわけでありますが、これにつきましては、零細企業についてはこれを個別につかまえるのがなかなか困難なものですから、まず事業主を集団的にとらえていくという形で、事務組合という方式でこれを把握し適用していく、こういうことで現在適用の促進をいたしておるわけであります。  しかし、それにしても、さっき申しましたように、比較的適用が進んでおる製造業でも、まだ一割ぐらい未適があるわけでございます。そこのところで解雇等が起きたらどうなるかという問題が残るわけでございます。これにつきましては、現在保険の手続がとられていなくても、本来手続がとられているならば保険の適用を受けたであろう人、これは安定所で、求職の申し込みをいただいて相談をする段階でそのことが明らかになってまいりますので、その段階で把握して、それらの方々については保険の適用をする。ですから、実際的には給付がもらえるという形で現在に対処をしているわけでございます。  そういう形で、御指摘のような諸問題について、保護に遺憾のないように現在までもやってきておりますが、こういう地域については、さらに一層そういうことを徹底してまいりたいというふうに思っておるわけであります。

田口一男日本社会党

○田口委員 その手だてなども最後にちょっとまとめて聞きたいのですが、次に、最前から問題になっております特定不況地域の決め方、指定の仕方について、これはダブりますけれども、もう一遍念のため聞きたいのですが、こういう組み立て方になっておるのですか、ちょっと念を押しますけれども、まず、通産側の特定不況地域中小企業対策臨時措置法、これの第二条第三項で、特定不況業種が所在する市町村、これは政令指定ということですが、これと、その次に、市町村内にある事業所が特定事業所に相当程度依存している、この二つの条件をまず定めますね。ですから、これはよく新聞で言っていますように企業城下町、「親ガメこけたら子ガメもこけた」という状態が濃厚でなければならぬ。それに二条銅四項で、離職者の状況であるとか雇用状況を考える。  ここでちょっと労働省に聞きますが、政令で定められた市町村に居住する労働者、またはその市町村に通勤ということも入るかどうかということですね。つまり企業がA町にあって、A町が指定になった、B町、C町からA町へ通勤をしておる労働者も、当然に離職ということがあれば、労働省の側の法律が適用になるのかどうか、そういうふうな組み立てになっておるのかどうか、ちょっとだめを押しておきます。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 若干体系的に御説明させていただきますと、いま先生お話しのように、中小企業対策臨時措置法のところで、核になる市町村が指定をされるわけです。その市町村の指定の条件が、さっき先生がお読みになりましたように、構造不況業種等への依存度とか、下請への影響度とか、そういう条件が経営面としてあって、もう一つの面としては、失業の発生状況とか求人、求職の関係というような雇用面の指標を見て、そういう二つの要素を合わせて、市町村が決まります。そこまでが中小企業対策臨時措置法、そちらで言う特定不況地域なわけです。  今度は、現在御審議いただいておる特定不況地域離職者臨時措置法の特定不況地域、これは、いま申し上げた中小企業対策臨時措置法で決まった市町村を核として、中に含めたその周りの地域を管轄している安定所単位に、労働大臣がお決めになる、こういう二つのたてまえになっておるわけです。ですから、先ほど来御議論がありますように、全く違うところをお互いに指定することはなくて、まず核になる市町村を通産省と労働省が相談して決めて、最後に、離職者対策の対象になる地域は、もう一遍その核になる市町村を含む安定所の管轄区域を労働大臣がお決めになる、こういう二段構えになっておるわけです。  その場合、今度の法案の対象になる離職者の中に、その安定所の管轄区域内に居住する離職者のみならず、外から通勤してそこへ通っていて、そこで首切られた人も入るか、これが最後のお尋ねだったわけですが、それは入るわけでございます。  その入るというのはどこに書いてあるかと申しますと、この地域離職者臨時措置法の二条の三項に、この法律で特定不況地域離職者というのは次の者を言うんだ、一号で「特定不況地域内に居住する離職者」ということで、これは先生の最初にお尋ねになった居住する離職者、それから二番目に「前号に掲げる離職者以外の離職者」つまり居住していない離職者であっても「特定不況地域内に所在する事業所において事業主により雇用されていたもの」つまりそこへ通勤して通っていて雇われていた人は、そこで離職をした場合には、たとえその居住地が地域内でなくてもよろしいと書いてあるわけなんです。  そういうことで、後段の方のお尋ねの、通勤して離職した者は適用になるかという点は、なりますと、こういうお答えになるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そこで、さっきの下請、臨時ということに関連するのですが、じゃ核になった市町村で通勤も含めて離職をした、その離職をした労働者を大別すると、一方は雇用保険の適用事業所から離職した、これをAとします。一方のBの方は雇用保険の適用じゃない離職者、これをBとします。Aの方は、第七条で結局延長給付があるわけですね。そうすると、Bの離職者については、この法案の第五条、第六条の職業訓練と職業紹介だけということになるのか。厳密に言うとどうなんですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほど申しましたように、本来手続さえやっていれば保険の適用対象であった人が、手続だけが行われていないために保険の適用になっていない、こういう方については、それが確認されれば保険の適用をいたしますということを先ほども申し上げましたが、そういう方についてはここで言っている延長の対象にもなるということでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 じゃ、今度は通産に、さっきの森井委員の質問とダブりますけれども、もう一遍念のためにお聞きをしたいのです。  新聞の情報なんですが、当初この地域に指定してもらいたいという希望の市町村が百カ所程度あった、それを行政措置として十六カ所、法律制定以前に指定をしたという話ですね、さっきの話では。百ぐらいあったんだけれども、行政措置で十六指定した。その十六の指定をした基準というのは、今度の法案の二条三項に言っておるようなことをさっきから何回も答弁をされておるのですが、その百の希望があったうちから十六指定をした。それが、先般の自由民主党と新自由クラブとの合意によって、二十八に伸ばしておるということなんであります。  そこでもう一遍お尋ねをしますが、百も希望があったうちから、しぼりにしぼって行政措置によって十六の地域を指定した、その際の基準と、今度の両党の合意による二十八ということの基準とは常識から考えても当然違いますね。二十八の方が緩くなければいかぬ。どういう点を緩くしたのか、ちょっとお答えをいただきたい。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 まず最初におっしゃいました百の希望があったということは、私、お答えしませんでしたし、事実もそういうことはございませんでした。百希望があったということはありません。  それから次に、十六を決めた基準と二十八という基準はどう違うのかというお話でございます。率直に申しまして、二十八というものは、われわれ通産省、あるいはほかの省もそうかもしれませんが、具体的に二十八にするとか、役所の方から申し出たわけではありません。したがって、二十八の基準というものはわれわれは別に確立したわけでもございません。むしろ基準というのは、行政措置でやった場合に、ある程度の公平性を保つために一定の物差しは持ちましたけれども、先ほども答弁いたしましたようにそう厳密なものではなかった、ただそんなに不公平なものでもないというふうには思って、やったわけです。今度法律を施行いたしますと、関係省あるいは関係審議会と御相談がありまして、そして政府一体として一つの基準を決めて、それに適用することになると思います。そういうことでございますから、十六の基準と二十八の基準というのは、ちょっとお答えしにくいといいますか、できないわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 百というのはさっきの答弁にはなかったのですが、新聞の情報によると「通産省によると、同法の対象地域として現在全国で百市町村を超える立候補があり、これを八月、ようやく十六市町にまでしぼり込んだいきさつがある。」百かどうか知らぬけれども、相当の数から十六にしぼり込んだいきさつはあるだろうと思うのですね。そのときの行政措置をとった基準と、二十八の関係はおれは知らぬというような言い方だけれども、これは公党の申し合わせですからね、二十八は最低限決めなければならぬ。そうすると、十六で決めた基準よりも十二多いのですから、その分だけ基準を緩めぬことには、今度は法律が通るのですから、あいまいもことした基準では困るでしょう、となると、政令事項は行政府の専管事項でございますなんということでなしに、その基準をここでぴしっと言ったらどうですか。まだ言えませんか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 百というのは全く誤報だと思います。  それから、二十八というか、基準ですが、基準は法律施行後きちっと決めなければいけませんが、先ほどからるる申し上げておりますように、実は関係省と御相談しなければいけませんし、また労働省の方では関係審議会にも御意見を求めることになっておりまして、いま私がこの席でこういう基準にすると言うのは、ちょっと越権だと思うのでございます。したがって、法律の施行後可及的速やかに調整をいたしまして、基準なり地域指定なりを行うというふうに御理解願いたいのでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 なぜ私が、ここで、森井委員の質問で大体のことを言っておるのにつけ加えるかといいますと、これはオイルショック以前の問題ですが、かつて通産省の関係で、新産業都市の指定ということがありましたね。これもわんさわんさとお百度を踏んで陳情をして、新産都市に指定になったといういきさつがある。これは今日有名ですね。今度は新産都市ではないのですが、うちは不況の町ですよ、不況の城下町ですよというふうなことで、それは名誉なことじゃないのですが、指定してもらうと、公共事業や何だかんだで、他の市町村に比べてちょっぴり有利になる。そこで、私ども、長崎、福岡に行った際にも、それから地元の市町村からも、もうすでに陳情がございます。その陳情の強いか弱いかで、もっと言わせてもらえば、その地域におる政治家の力が強いか弱いかということによって指定になるんじゃないか、こういう心配があるわけですよ、強い政治家のところにおる労働者は九十日もらえるけれども、私みたいな陣がさのところの者は九十日もらえないじゃないかという、これは笑い話じゃないのですよ。ですから、そういう不明瞭なことじゃなくて、やはり――現に通産省は出しておるでしょう。村山委員が質問をした際にも出ておりますけれども、本年法律二号の円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法、これで五%以上取引が減少したとかどうとかということが書いてあるし、本年七月の政令二百七十五号、二百七十六号、さらに法定四業種というふうに決められておるような特定不況産業安定臨時措置法による業種、こういったところで数字が出ておるのですから、今度の場合も政令によってというふうにぼかすのではなくて、もう新聞に二十八という数字も出たのですから、最低二十八、二十八からは割らない、こういう基準で二十八になる、三十になるということはこの委員会で言ってもいいんじゃないか、こう思うのです。これは無理な要求ですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 指定が恣意的になるというのはわれわれ役人としても最も好ましくないところでございまして、もちろんそういうことのないように措置する所存であります。実際問題としても、AとBとあって、どうしてAが基準に合格してBが合格しないんだというときには、営々と申し開きが――申し開きというとおかしいのですが、説明ができなければわれわれとしても職務が保てませんので、そういう意味では、がっちりした基準を関係省あるいは関係審議会に相談して決めたいと思っております。そういうことで、いまここで具体的な基準を提示しろというのは御容赦願いたいと思うわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 胸の内はわかりますけれども、二十八という数字、これは周知の事実なんですから、これだけは言えませんか。この十六という当初の話が、われわれの関知せぬところで二十八に決まってしまった。いい悪いは別として、二十八に合わせるような基準をつくらなければなりませんね。そういった基準で、結局二十八という数字にこだわるのかこだわらないのか、いい意味で言えば二十八よりも上になることもあるでしょう、こういうことはどうですか、言えますか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 自由民主党と新自由クラブのお話で、二十八をめどというのはわれわれも聞いておるわけです。したがって、そういう御意向も踏まえる必要があるとは思いますけれども、先ほど申しましたようにいま現在基準をつくっているわけではありませんし、それからまた、仮に基準を決めておりましても経済の実態というのは変わってくるわけでございます。つまり、雇用情勢とかあるいは操業短縮の状況とかいうのは変動いたしますから、二十八というものに固定するのはむずかしいとわれわれ思っております。  それで、可能性を申せとおっしゃるならば、二十八よりふえる可能性はもちろんある、こういうふうにわれわれの方は理解しておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 それ以上言いません。  自治省にお尋ねしたいのですが、今度要綱で、特定不況地域振興総合対策というのが九月十八日付で出ておるのです。  ここで言われております当該不況業種を抱える市町村の行財政対策、これは森井委員の質問もありましてダブるようですけれども、すでに御存じのように税収が落ち込んでいる、そして、その自治体のたとえば市役所、町役場などの人件費だって出てこない。私が知っているある町村なんですが、鉱山が廃山になって、三分の一吏員の首を切らなければならぬ、そういった状態も出てきておるのですけれども、その行財政対策はここに書いてあるだけで、新規の対策というもの、新しい交付税を同じ枠内でなしに別枠でやるというふうな考えはないのかどうか。別枠という意味は、おたくの方から出された総合対策を読んでみますと、最後の項にちょっぴり書いてあるのですけれども「公共事業及び大規模な改修事業を含む単独事業に対する地方債の弾力的運用その他必要な税財政上の措置を講ずる」、この「その他必要な」というのは特別交付税ぐらいしか考えられぬのですけれども、これだって地方債の枠が決まっておる。だから、指定地域に十をやろうと思えば、指定地域じゃないところから持ってこなければならぬのですね。それから特交だって枠が決まっておるのですから、本来ならばここにもやりたいけれども、指定地域になったからここにやりたいというふうなことになってくるんじゃないか、内部で彼此流用ということですから。だからそれとは違う別枠で、こういった法律ができるのですから、自治省としても、地方公共団体に対する財源措置として、別枠のことは考えられないか。これ、いかがですか。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 不況対策のために特別に講ぜられる公共事業あるいは単独事業に必要となります地方負担につきまして、国として特別の措置を講ずるかどうかということでございますが、そういった必要性はあるというふうに考えております。ただ、今回の措置におきましてはそれは含めておりませんが、今後検討してまいりたいというふうに考えております。  なお、起債についてでございますが、今回の補正措置におきまして、不況地域対策に対する措置をも含めまして、全体で約五千九百億、単独事業ではその中で二千七百億ほど追加措置をしておりますが、これは不況対策措置をも考えてこの枠を確保してございます。  それから、次に特別交付税の枠でございますが、これは交付税の総額の六%というふうに限られておりますので、確かに言われるように枠内の問題ではございますが、本年度におきましては、昨年に比べまして二三%特別交付税の枠が増加しておりますので、なお、本年度におきましての特別交付税としての要素、現在の状況からいたしますと、不況地域対策のための地方公共団体の特別の財政需要に対しては、十分にこれによって対処し得るというふうに考えております。

田口一男日本社会党

○田口委員 では最後に、行政管理庁いらっしゃいますか。――ここで大臣、一番初めの私の質問を思い起こしていただきたいのですが、皮肉じゃなくて、至れり尽くせり、考えられるだけの雇用対策は制度上とってきておる。こういう中で、バックグラウンドがこういった状態ですからなお雇用不安が消え切れない、こういうお答えであったのですけれども、法は人が運用するという御答弁もありまして、そういうことを前提にして、この法律なんかを施行していく、運用していく職員の問題についてお尋ねをしたいのです。  その前に、午前中またさっきの質問に対してお答えがあったように、第三次産業、特に福祉部門なんかに雇用を伸ばす必要がある、この点、大変大臣強調してみえました。この福祉の問題で、厚生省おりますか。――今度の補正予算ではすぐに効果は出てこないと思うのですけれども、相当額社会福祉について補正をしております。こういった傾向からいって、わが国の福祉部門の従事者数、こういったものが国と民間でここ数年どのように推移をしておるか、大体でいいですから、お答え願いたい。

山内豊徳厚生省社会局施設課長

○山内説明員 公立、民間を含めました福祉施設の職員数の最近の傾向という御指摘だと思いますが、現在、新しい統計で四十二万人ほどの施設職員という数字が出ております。大体、一年間の増加数が二万人を超えますのがここ数年の通例となっておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 そこで行政管理庁にお尋ねをしたいのですが、そういう福祉部門をどんどん強調しなければならぬ。そこで、九月二日の総合経済対策でも触れておるのですけれども、国で管理をしておる、国で管理をするというより、もっと正確に言うと、国で経営をしておるこういった福祉部門の職員数、公立病院であるとかいろいろございますが、こういったところに働いておる職員は総定員法、今度三・二%ですね、その削減率を掛けるのは問題があるんじゃないかと思うのですが、行政管理庁としての見解はどうでしょう。

百崎英行政管理庁行政管理局管理官

○百崎説明員 先生御指摘の、国立病院あるいは療養所それから社会福祉施設の職員につきましては、医療あるいは福祉の重要性という観点から、非常に厳しい定員事情の中で、私どもも特別の配慮をしてまいっているつもりでございます。  すなわち、定員削減の面におきましては、これら医療機関の医師、看護婦あるいは社会福祉施設の看護職員等につきましては、職責分類上の削減率をゼロにする、つまり定員削減率を掛けない、こういうことにしておりまして、これら機関あるいは施設の削減率は、全省庁の平均削減率と比べてみますとかなり低くなっております。  それからまた、一方増員の面におきましても、医療あるいは福祉の需要の増大ということに対応いたしまして、私どももこれらの機関には重点的に定員を配置する、こういうことにしておりまして、四十三年度に定員削減計画が始まりまして以来、ここ十一年間で、医療機関につきましては六千四百三人、それから福祉施設の職員につきましては七十二人、これは沖繩を除いておりますけれども、合計六千四百七十五人の増員を図ってきております。  先生御指摘の、これらの機関の職員を定員削減の対象から外したらどうか、こういうことでございますけれども、私どもといたしましては、定員削減計画の趣旨にかんがみまして、一応これらの職員につきましても削減計画の対象にしながら、先ほど御説明しましたような、これら職員の業務の特殊性という点につきまして特別な配慮をいたしますと同時に、増員の面におきましても、これらの機関の需要に即応できるように必要なところには増員措置を図ってまいる、こういう考えでおりますので、非常に厳しい定員事情の折から、ひとつ御理解願いたいと存じます。

田口一男日本社会党

○田口委員 では労働省の関係でひとつ大臣に、さっきからいながら失礼しておったのですが、いままで本委員会で一つの法案が通るたびに附帯決議をつけて、実施体制を充実強化しなさいと、近いところから挙げましても、特定不況業種離職者臨時措置法案に関する附帯決議でも、それは触れておりますね。今度もこれが通った場合当然またつけねばならぬと思うのです。隗より始めよということがあるのですから、ほかでどんどん使ってくださいよ、自分のところは厳しいから切りますよということじゃ、大臣、これは紺屋の白ばかまですね。大臣の決意、どうでしょう。  それと、安定所の細かい数字なんですが、こういうふうな附帯決議の中に盛り込んでおるけれども、特に職業安定所を中心にして、労働省の定員は一体どういうふえ方をしておるのか。これについても具体的な数字を示していただきたいし、その上に立っての大臣の考え方を……。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 安定所の職員の定員でございますが、五十三年度におきまして一万二千九百五十三人でございます。これは沖繩県を除いております。定員削減開始前の四十二年度に比べますと、この十年間で約一割、千六百三十二人減少している、こういう状況でございます。  それで、先生御指摘のように最近雇用情勢が厳しくなりまして、安定所の業務量も増加をしているわけでございますが、職員の増加につきましては、この五十年以降、特に私ども最重点事項として努力をしてきているわけでございます。     〔委員長退席、羽生田委員長代理着席〕 昨年度は非常に財政事情が厳しい中で、関係省庁の御理解を得まして、また特定不況業種離職者法の関連で、国会の諸先生方の御鞭撻、御協力も得まして、かなりの増員が認められたわけでございます。しかし、それにもかかわらず、安定所単位で見ますと定員削減がかなり大きかったものでございますから、実質で減少になっているというふうな状況でございます。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 労働行政は、労働基準行政にいたしましても職業安定行政にいたしましても、いわゆるマン・ツー・マンの仕事でございまして、人が仕事を担ってやるわけでございますから、定員の削減という、これは行政簡素化の大方針から言えば、一応この線に従わなければなりませんけれども、やはり労働行政の特殊性、特に最近の雇用情勢というものを踏まえまして、五十三年度におきましては、その前の年までは二けたないし三けたの実人員の削減を受けておりましたけれども、ただいま局長からも報告いたしましたような関係省庁の御理解、また議会方面の御鞭撻を得まして、一応ことしは大体従来の傾向がようやくとまった、五十四年度におきましてはひとつ一層の理解を関係省庁に訴えて、労働行政の遂行に万遺憾なきを期したい、このように考えておるわけでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 私は、人が多ければそれでいいのだという簡単な考えじゃないのですよ、行政管理庁に聞いてほしいのは。社会労働委員会ですから労働省、厚生省の肩を持つという意味じゃなしに、こういった重要な法案の審議の際に、労働省の四十三年度から五十三年度までの定員の動きをずっと見てまいりますと、確かに大臣がおっしゃったように・五十三年度の三角印は一けたに終わっておることは事実ですね。しかし、四十三年度から五十三年度までの減員数のトータルは、言うなら九州全域の労働省の出先全部をなくしたのと同じ数字ですよ。こういった傾向になっておる。しかも、中身を見ると、一方でこういう法律ができたから増員する、一方ではそれとは関係なしに削減をする、そしてプラマイゼロならいいのですが、この傾向はマイナスですね。そうなってくると、今度のこの特定不況地域離職者法案が通ったときに、私が一番心配するのは、いままでの職安の窓口の諸君は、広域紹介とかいろいろなことで、また機械化もあって、御苦労は同じですけれども多少はまんべん化しておった。ところが、今度は集中するわけですね、たとえば長崎なり佐世保なりという職安に。そこで、さっきの局長の御答弁じゃないのですが、訓練延長なり何なりを行ったら、必ず再就職に結びつけなきゃならぬ。その就職の予約も職業安定所の諸君がとらなければならぬ。いままではまんべんなく全国の職安でやっておったものが、今度は集中的にあらわれるわけですね。そうでしょう。それを、特定不況地域の離職者対策だから地名を挙げて恐縮ですが、例と思っていただきたいのですが、長崎の職安に全く関係のないよその職安の定員を持ってきている。こういうやり方ではだめだと思うのですね。あっちは指定されてないからと、非指定の地域の職安からこちらへ持ってきて、ここを何とか切り抜けるのじゃなくて、いまでもえらいのだから、特定地域になったところが支障なくやれるような定員配置ということを考えなきゃならぬ、こういう希望を私は持っておるのですが、同じ一升ますの中でやろうとしておるのか、一升ますを一升五合にしようと考えておるのか、大臣、この法律が通ったものとして、まずそこのところをもう一遍……。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 前段においての御指摘、人をふやしただけで事足れりとすべきではない、私はそのとおりだと思います。われわれはやはりあくまでもチープガバメント、行政簡素化という大方針は踏まえながらも、必要最小限度の陣容で能率を上げていく、基本的にはやはりこういったことを踏まえなければなりませんが、労働行政におきましては、何しろ最近の厳しい雇用・失業情勢でございますから、必要な人員を適正に配置して、御指摘の問題点についても十分配慮して万全を期していきたい、このように考えます。

田口一男日本社会党

○田口委員 では、いまの私の質問に対して行管の方の考え方を……。

武智敏夫行政管理庁行政管理局管理官

○武智説明員 ただいまの御質問にお答えしたいと思います。  現在御審議願っておりますこの法案が成立した場合の定員問題でございますけれども、現在予算作業中でございますので、具体的な内容につきましてはまだ申し述べる段階ではないと考えておりますけれども、今後この法案が施行される場合におきます新規の業務増の問題、その程度の問題ですとか、あるいはその不況地域に指定されることが予定されておる安定所の職務態様の問題、そういったものにつきまして、労働省初め関係省庁と鋭意検討を深めまして、適切に対応して、まさに安定所の業務が円滑にいくように対処いたしたいという考えでございます。

田口一男日本社会党

○田口委員 終わります。

羽生田進自由民主党

○羽生田委員長代理 次に、川本敏美君。

川本敏美日本社会党

○川本委員 先ほど来、すでに社会党の三人の先輩があらゆる角度からこの問題について質問をされました。私は、若干角度を変えていろいろお聞きをいたしたいと思うのです。  一番最初にお聞きいたしたいことは、去る十月三日の毎日新聞に、経済部の小島徹さんという記者が「記者の目」という欄で、こういう労働省批判の記事を書いておる。ごらんいただいたと思います。この内容を見ますと、日ごろ利害の合わない福田総理を初め政、労、使の三者が口をそろえて、雇用の維持確保が最重要課題であると言っておるのに、今日働く者の暮らしを守る肝心の労働省が惰眠をむさぼっておる。こう書いてある。労働指標のデータも不備で、雇用政策の今後のビジョンも全くない。さらにその後、労働省は大蔵、通産に遠慮があり過ぎるのではないか、その底に流れるものは労働省の失業問題に対する先行き楽観論があるからだ、こういう決めつけ方をしておるわけです。先ほど来の質疑の中でも出ておりますように、どうも通産に追随しておるのではないかとか、いろいろな意見が出てくる原因は、やはり根差すところは、この新聞の小島記者が言っていることと同じだと私は思うわけです。多くの国民も、この記事を読んで全く同感だと思っておると思うのです。私は、労働省の最高幹部である各局長さんに、この新聞の読後の感想を一分程度に要領よくまとめて答弁いただきたいと思っておったのですが、時間の関係もあってどうしてもということですので、まず代表して基準局長と安定局長から、読後感を一分程度簡単にひとつお聞きしたいと思います。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 それでは、初めに御指名でございますので。  私、基準局長でございますが、この記事の問題は、いま先生も御指摘のように雇用対策中心に書かれておりますが、私、目にとまりました中で、労働省の使命はすでに昭和三十五、六年で終わっているというような御発言もあるわけで、その事実が、そのとおりの御発言かどうかはわかりませんが、私どもといたしましては、この認識のなさについてあるいはこの取り上げ方について、普通の言葉で言う遺憾という言葉を通り越したような感じを、率直に申し上げまして抱かせられます。  特に労働基準行政につきましては、その後安全衛生対策、災害防止対策を中心にいたしまして、労働安全衛生法あるいは作業環境測定法、その他諸種の法律の御整備をいただいて、私ども鋭意推進してまいっておりますし、また労働者の福祉という面からは、財産形成法あるいは賃金不払いの立てかえ払い法というような一連の法律もその後制定しておりまして、労働者の福祉、それから最近の問題といたしましては、雇用の長期的な展望に立って、労働時間短縮あるいは週休二日制の普及促進というようなことも推進をしておるわけでございます。  しかし、この認識が一部の方にでもこういうことがあったり、あるいは認識不足というものがありますれば、その点は、私どもにもまだ力の足りない点があろうかなということも一面感じますが、今後ともに、私どもは自信を持って私どもの担当の行政を推進していきたい、このように考えております。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 御指摘の記事の中にございます労働省が休眠をしているとか、雇用・失業情勢について楽観的であるという記述につきましては、先般来の御議論でもすでに明らかになっておりますように、現在の情勢に対しまして、私ども労働省が持っておりますその厳しい認識、あるいはその改善のために努力している、あるいは制度の改善のためにいろいろとやっている、この事実とはかなり異なっているものではなかろうか、こういうふうに感ずるわけでございまして、むしろ、先ほど来申し上げておりますようなこういう事態の改善のために、たくさんの労働省の職員が日夜奮闘しているわけでございまして、そういう人たちから見ますと、むしろきわめて心外な事態であると、その職員の人たちは感ずるのではなかろうかというふうに思うわけでございます。  従来も、労働省としまして、こういう深刻な情勢に対処する前にいろいろと施策を、朝方来御議論いただいております中で明らかになりましたように、改善のために重ねてきておるわけでございますが、なお一層、今後の情勢の改善のための努力をさらに進めて、こういう誤解がないように努力してまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 この記事は、労働省の職員全体を指して言っておるのではないと私は思う。いわゆる課長、局長クラスの中堅幹部の方々への叱咤激励も兼ねて、こういう意見があるということをいろいろ書いておられるのだと思うのです。日経連の松崎専務は「いま、私が労働省にいたら、たいした仕事もないのに月給もらって悪いなと思うね」「厚生省と一緒にして、社会政策省にでもした方がよいのではないか」、この松崎さんは労働省のエリート官僚の大先輩ですが、そういうふうに言っている。そういう極論は別として、大多数の国民の中にいまそういうようなことが考えられておるとしたら、これは大変なことだと思う。  そこで、こういうことになってきますと、いま両局長は、私たちは一生懸命国民の期待にこたえるためにやっておるというお言葉です。そういうことになると、ここで労働省が大蔵省や通産省に遠慮気がねをして、そして今日労働行政が休眠状態に陥っておるという、その張本人は労働大臣だということになってくるわけです。ひとつ労働大臣の所感をお聞きしたい。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 せっかくの発言の場をお与えいただいたから、私もあの記事に対する発言をさせていただきたいと思いますけれども、私は本来は、あの記事に対して発言の価値なし、こう考えておったのであります。事それほど事実の認識が足らないということ。  まず、労働省は楽観論がその底流にある、これは、私も労働大臣になりまして日が浅いわけでありますが、労働省の職員は局長、部長、課長、職員に至るまで全力投球している、厳しい雇用情勢に対して真剣に対応している、こう私は信じております。それに対するあの記事は、それは日本は言論の自由国であり、表現の自由国であり、新聞記者諸君は切り捨てごめんでやられますけれども、余りにも認識不足であり、名誉棄損である、このように私は思います。ただ法律上、名誉棄損で訴えるとかどうという大人げないことはいたしませんけれども、たとえば、私がたまたま経団連と日経連をとり間違えた、これは確かに私のミステークでありまして、前の晩ちょっと徹夜をいたしまして、そういう関係で頭がもうろうとして、最後まで日経連と言ったと思ったところが、経団連と私が発言しておった。それをああいうふうなとらえ方というのは、全く次元が違う大人げない記事である。私としては、御質問があったから答える気になりましたけれども、こんな問題は取り上げる性格のものではない。事それほど労働省は堕落はしておらない。真剣に取り組んでおる。このように御理解いただきたいと思うのであります。

川本敏美日本社会党

○川本委員 労働大臣も各局長も、一生懸命、真剣に、日本の雇用を守るためにがんばっておるというお話ですから、私どもも大いに期待したいと思うわけです。  そこで、私はもう一度労働大臣にお聞きしたいと思いますが、今日の経済情勢は、先ほど来お話がありましたようにまことに深刻なものがある。雇用情勢もまことに深刻なものがある。こういう深刻な経済情勢、雇用情勢のもとで、いま特定不況地域離職者臨時措置法が提案されておるわけですけれども、これで、今日の日本の経済情勢のもとにおける雇用対策としては完璧だと思いますか、どうですか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 私は、決して完璧だとうぬぼれてはおりません。人間の知恵から出た、また人間のつくる制度でございますから、神のつくる摂理とかいったものとは違って、必ずいろいろな問題が出てきます。特に、今度の特定不況地域離職者臨時措置法案なるものは、地域を指定する、その指定基準は一応はつくりますけれども、そこに行政区域あるいはまた職業安定所管区域、こういったところで来ますと、それからはみ出たところとの公平という問題については、必ずいろいろな問題が出てくる。しかし、それならほかに手があるか、ほかに妙案があるかというとなかなかない。そういうことになれば、やはりそうせざるを得ないんじゃないか。人間のつくる法律は万能じゃない、やはりそこに一長一短がある、よりベターなものが多ければそれに従わざるを得ない、このように考えるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 先ほど来、朝からの質問をずっと聞いておりますと、局長や通産省からもいろいろお答えはいただいておるわけですけれども、特定不況地域離職者臨時措置法、この法律については、先ほど来たくさんの方が指摘をしておられるように、全く通産サイドでこの法律が制定されるところまで来たのではないか。特に、通産省サイドの特定不況地域中小企業対策臨時措置法の第二条第三項の政令で定める地域を核として、そして労働大臣が地方自治体の長と相談しながら地域を指定していく。こういう追随するような法律の姿勢、政治姿勢といいますか、そういうものが、労働省が何か通産に遠慮しておるんじゃないかというような印象を与える大きな原因になっておると私は思うわけです。通産が十六地域と言えば十六地域、自民党と新自由クラブが二十八地域と言えば二十八地域、また仮に、今度いよいよとなりますとこれが三十地域を超えるかもわかりませんけれども、そうなると、意地でも労働大臣は、四十カ所か五十カ所指定しなければおかしくなってくるわけです。言うたとおりになったんじゃまた追随だなということになる。だから、自民党と新自由クラブで二十八地域と言うたら、労働大臣が指定するところは少なくとも三十カ所を超えなければ、労働省が主体性を持ってやったとは言えない、こういうことになろうかと私は思うのですが、その点、大臣どうですか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 大変何と申しますか、私が答える場合なかなか頭を使わなければならぬような御質問でございますが、確かに今度の法案作成の過程において、御指摘のように通産に追従したんではないかというような印象を与えたことは、またそういう受け取り方をされたということに対して、私も理解できます。  ただしかし、実態は、先ほどもお答えしたようにいろいろ経過をたどっておりまして、もう一つこの点を私は御理解いただきたいと思うのですが、雇用の場を提供するのは企業であるという、それは決して企業に追従するというわけじゃない。企業は労働によって成り立っているという、この車の両輪の関係、まず企業が問題を起こして、それに着目して、それから失業という問題に波及する、こういう現実の関係というのは私は無視するわけにはいかない。そういうところが、見方によってはいかにも通産に引っ張られているというふうに御理解されるかもわからぬけれども、少なくとも私は、三月以来、経済対策閣僚会議においても、いろいろ雇用の創出に最大の配慮をすべきであるということを力説してまいっております。今度の補正予算は、皆さんのお立場から受けとめていただくと内容は不十分きわまるかもわかりませんけれども、総理が「第三の道」ということを予算委員会においても報告されるごとく、相当中身は前進しているというふうに私は思います。  過去の予算との比較においてはそのように言えるわけでございまして、私は七月二十五日にはまず通産大臣と補正予算の前に話をいたしまして、それから厚生大臣、文部大臣、そして八月二十三日に、関係大臣と話をしたそれを踏まえて、総括的に総理に物を申したのでございます。それがまさに「第三の道」でございまして、そういう方向に向かって、微力でありますけれども藤井勝志は全力を尽くしておる、こういったことだけはひとつ御理解いただきたい、こう思うわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私の質問にはなかなか答えていただいていないわけですが、二十八カ所と決めたのは、実際は労働大臣はそれを上回る数を指定しようと心の中で思っておると思うのですが、その点についてひとつお答えいただきたいと思うのです。  私は、本来こういう地域指定というものは労働省サイドでやるとすれば、先ほど来お話があったように、いわゆる有効求人倍率とかあるいは就職率とかあるいは雇用保険の受給率、こういうものを中心に考えて、企業城下町ということだけじゃなしに、やはり雇用の状態の悪いところは特定地域として指定すべきだと思うのですよ。そういう観点から見て、二十八カ所と仮に政治的に決められても、実際そういう数字をはじいてみて三十カ所になったら三十カ所でもいいのじゃないかと私は思うのですが、大臣どうでしょう。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 私は御指摘のとおりと思います。別に二十八にこだわるという考えはない。低くなる場合もあるし大きくなる場合もある、こういうふうに考えます。要は、審議会の審議を経まして指定の基準は政令で決めますから、そのときに十分雇用の状況を踏まえて、特定不況地域離職者臨時措置法の精神に沿う決め方をいたしたい、このように思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私はそこでもう一つ指摘したいと思いますのは、今度のこの特定不況地域離職者臨時措置法、これは先ほど来もお話が出ていましたけれども、中身はいわゆる雇用保険の九十日の個別延長、あと公共投資の傾斜配分とかいろいろありますけれども、離職者に対する分としては個別延長だけが出てきておる。いわゆる雇対法上の諸給付金、諸手当、こういうものは一切出さない。これは言いかえると、政府は一文の一般財源も持ち出さずに、今度のこの法律から出てくる給付は雇用保険の財政の範囲内で賄うてしまう、こういうような政治姿勢に立って考えたから、こういうふうになったんじゃないかと私は思うわけです。私はそういういわゆる財政的な配慮から――先ほど来森井議員や村山議員やあるいは田口議員からも話があったように、一つの安定所の中で、離職者で来た人がいわゆる特定不況業種の離職者であればいろいろな措置が受けられる、ところが今度のこの特定不況地域の離職者であれば個別延長九十日だけ、こういうような差別を生ずるような、大企業から出てきた労働者と中小企業から出てきた労働者との間に、同じ労働者でありながら、離職者であっても、失業者になっても、安定所の中で差別がされるということは私は納得できないと思うわけです。そういう点についてやはりもう一度、先ほど来からお話ありましたけれども、できるだけ早い機会に、これらの労働者にも、雇用対策法上のあるいはすべての措置が受けられるように改正すべきだと思うのですけれども、その点局長さんどうでしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほどもお答え申し上げたのでございますけれども、特別対策としての職業転換給付というものにつきましては、炭鉱離職者臨時措置法以来、御存じのように国の施策に基づいて直接に事業規模の縮小等を行う場合にこれを対象とする、その合理化によって離職を余儀なくされた方々に限ってそういう手当てをする、こういうふうな仕組みになっていたわけでございます。現在でもそういう制度については変更がないわけでございますが、ただ今回の場合には、先ほどこれも申し上げましたけれども、間接的な影響であってもかなりの打撃を受けておられる方について、これを放置するのは妥当でないということから、準ずるという形での対策をとっているわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように保険の延長問題、それから各種の安定資金制度あるいは助成金制度、そういうものについての特別の手当てをいたしまして、それによって、準ずる対策をこれに講じてまいりたいということにいたした次第でございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 一般財源の持ち出しということでは全然準じていないわけですね。その辺に問題がある。準ずるというのは、片一方は雇用保険の財政だけで賄うて、片一方は一般財源も多額に持ち出すというような、その違いを正すということで、両方ともやはり同じような措置を講じなければ準ずるということにならぬと思うわけです。だから、私は、先ほど来もるるもうお話があったことですから繰り返しませんけれども、近い将来にその点を、雇用対策法上のいろいろな諸給付金あるいは諸手当が、この法律から生まれてくる離職者にも適用できるように改正すべきだ、措置すべきだ、このように思いますので、その点は申し添えておきたいと思うのです。  そこで、ちょっと観点を変えまして、厚生省の方に私がきょうお聞きしたいのは、厚生年金の問題なんです。たとえて言いますと、一般的にいわゆる離職者というのは、自分でやめる人もあるけれども、ここで問題になるのは会社の都合によって解雇された人です。そういう人が、若いときから働いていたけれども、何回か勤めたりやめたりしながら五十八歳まできた。そこで、厚生年金を掛けてきておる年数というのは十八年しか掛けていない。あと二年掛けなければ、六十になっても厚生年金の受給権が生まれない。こういう人の場合、そのまま安定所で失業保険をもらっておったのでは、六十になっても年金はもらえないのじゃないかと思うわけです。それで、その場合年金というものはどうなるのか、ひとつお聞きしたいと思うのです。

長尾立子厚生省年金局年金課長

○長尾説明員 お答え申し上げます。  先生いま御指摘になられましたように、厚生年金の被保険者であられた方が会社をおやめになりました場合は、一般的には国民年金の被保険者になっていただきまして、国民年金の保険料を掛けていただきまして、両方を通算いたしまして通算老齢年金という形の受給の方法が原則としてございますが、いま先生お話しのように、厚生年金の期間がすでに十年を超えるような期間をお持ちの方につきましては、御自分がお申し出をいただきますと、任意継続という形で厚生年金の被保険者としてとどまっていただくということができるようになっておりまして、必要な資格期間を満たした場合には厚生年金の老齢年金が受けられる、こういうふうになっておるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 任意継続の加入者という方法ですね。ところが、その場合の掛金というのは、労働者として企業で働いているときは、二分の一が企業負担で二分の一が本人負担ですけれども、それが任意継続ということになると、企業の負担分もあわせて失業者が掛けなければいけないことになるのじゃないかと私は思うのですけれども、どうでしょう。

長尾立子厚生省年金局年金課長

○長尾説明員 お話のとおりでございまして、第四種と言っておりますが、任意継続の被保険者になられました場合には、その方の最終の標準報酬、つまり月給でございますが、これに第一種の方の料率、現在千分の九十一でございますが、これを掛けましたものを御本人が、従来は事業主の方が負担しておられました分も加えましてお支払いいただく、こういうふうになるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 国民健康保険の問題についてお聞きしたいのですが、企業をやめると、今度は政管健保から町の国民健保にかわらなければいけない、失業者になりますとですね。その場合、仮に三月三十一日で首を切られたということになると、四月一日から国民健康保険に入らなければいけない。その場合のいわゆる国民健康保険税というのは、所得割とか均等割とか資産割とかに分かれておると思うのですけれども、その所得割というのは、前年度の働いた所得がそのまま課税の対象になってくるのではないか。失業しておるにもかかわらず、前年度の所得のあったときの所得によって翌年度の国民健康保険税が算定される、こういうことになるのではないかと私は思うのですが、どうでしょう。

黒木武弘厚生省保険局国民健康保険課長

○黒木(武)説明員 先生御指摘のとおりでございまして、国民健康保険税あるいは保険料につきましては、前年所得あるいは、場合によりましては、市町村民税に根拠を持って賦課しておるところもございますので、前々年の所得ということもあり得ますけれども、一般的には御指摘のとおり前年の所得にかかりますので、そういうことになろうかと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 もう一度お聞きします。  それなら、月給二十万程度で年間百万円程度のボーナスをもらっておった人が失業した場合、翌年度にかかってくる国民健康保険税というのは、四人家族であれば全国平均で一カ月どのくらいかかってくるのですか。

黒木武弘厚生省保険局国民健康保険課長

○黒木(武)説明員 国民健康保険の保険料につきましては、市町村によって非常に格差があるわけでございます。そういう意味で、平均的な保険料というのは非常に算出しにくいわけでございますけれども、一般的に、標準的な医療費のところで平均的な保険料額になっているようなところの状況を見てみますと、月一万円程度の保険料額になろうかというふうに考えられます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 自治省おいでいただいておりますね。――自治省の方には地方税のことで聞きたいのです。  これも三月三十一日で仮に解雇されたとしますと、やはり地方税というのは前年度の所得に比例して課税されるようになっておるんじゃなかろうか、住民税、市町村民税あるいは県民税というものは。それはどういうふうになっておるのですか。

丸山高満自治省税務局市町村税課長

○丸山説明員 お答え申し上げます。  住民税の所得割の税額を計算いたします際には、原則といたしまして、前年にその方が得られました所得を課税標準として計算をいたします。したがいまして、退職手当につきましては、これは分離課税と申しまして、別個に特別徴収、つまり退職手当から天引きをされますので問題はございませんが、御指摘のような、退職をされました方で前年に所得がありました方は課税される原則になっております。ただし、その年に所得がなくて、あるいは著しく所得が減少いたしまして生活に困るような場合には、これを減免しなさいという通達を出しております。特に退職者、失業者の場合には十分な配慮をするようにという指導をいたしておりまして、市町村の条例でそういう措置をとりますれば、そういう方々には、前年に所得がございましても住民税はかからない仕組みになっております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そこで、いま安定所の窓口で離職票を持って求職に来ておる人たちに出会って聞きますと、いま申し上げた年金の問題、国民健保の問題あるいは住民税の問題、これらが当面一番重荷になっておるようなんです。こういう離職者が一番困っておる切実な問題については、どこのお役所が所管すべきことなんでしょう。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 いま保険、税金等につきましては、それぞれお答え申し上げましたように各所管庁の問題でございます。私ども、問題がございますれば、その点についてはそれぞれの担当各省と、労働者の福祉という観点から、十分な働きかけをして調整をしてまいりたい、このように考えます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 これは労働大臣にお聞きしたいのですが、失業者というのは労働者の範疇に入るのですか。失業者というのは労働者でしょうか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 これは統計をとるときとか法律上とかでいろいろ定義がございます。たとえば労働組合法では労働者の中に失業者は当然含まれる。ですからそれぞれの法律なり定義によってでございまして、一般的に労働者の中に失業者が入るとか入らないという概念ではないと思うのでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私はやはり失業労働者だと思うのですよ。労働者であるけれども仕事がないというだけで、失業労働者だ。ところが、労働省設置法で見ますと、第三条の第二号あるいは第七号で「労働者の保護」とか「労働者の福祉の増進」というようなことは労働省の業務になっておる。ところが、いろいろ今日まで聞きますと、労働者の保護というのは労働基準法上の保護を指すんだとかいうような意見があるわけです。労働基準法というのは、仕事をしておる、作業中だけですね。労働者というのは、作業中だけが労働者で、家へ帰ったら労働者でなくなるわけじゃないのですから、二十四時間労働者だ。ましてそれが失業しても、失業労働者だ。言いかえれば、こういう問題はやはり大きな、広い意味における労働省がめんどうを見なければならぬ仕事の範疇に入るけれども、残念ながらこれを所管する機関といいますか、そういうものがないために、気がついておっても、これは厚生省がやるべきだ、これは自治省がやるべきだということで放置されて、今日まで来ておると私は思うのです。こういう特定不況地域の離職者の臨時措置法をつくるのなら、それとあわせて、やはりいま言った、首切られて六十になっても年金がもらえなくなっておる、その間任意継続で掛けたいけれどもお金がない、会社の負担分も掛けなければいかぬ、あるいは国民健康保険税が多額にかかってくる、地方税も多額にかかってくる、自治省では免除の措置をする規定があっても、何らかの手続がなければ免除もできない、こういう問題については、やはり労働大臣が先頭に立って各省庁に働きかけて、離職者であってもその生計が維持できるあるいは六十歳になったら年金をもらえるようにしてやるために――首を切られた労働者は何も好きで首を切られておるのと違うのですから、本人の責任でないことは明らかです。ところが、つぶれてしまった企業に継続して年金負担分を掛けろと言ったって、これは無理。そういうことになると、少なくとも企業負担相当額ぐらいは政府がめんどうを見るとか、いろいろな措置があると私は思うわけです。それが文字どおり温かい血の通う政治というものだと思うのです。労働大臣、ひとつ積極的に働きかけて、責任を持ってそういうことをやります。温かい血の通う政治をやりますということを労働大臣からお答えいただきたいと思うのですが……。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 御指摘のように労働省の役割りというのは、いわゆる労働者の暮らし向きを安定させ福祉を向上させる、こういった使命があるわけでございますから、あらゆる問題に関係がございます。ただ、いま御指摘のような問題は、それぞれの具体的な政策については所管省があるわけでございまして、役所はそれぞれの所管を忠実に執行しておるわけで、ただ、いろいろな問題について気を配って愛情のある配慮をすべきではないかという御指摘はごもっともと思います。なかなか力足らずで、気持ちはあっても十分手配ができないようなことが多いわけでございますけれども、雇用創出については先ほど申し上げたようないろいろな関係方面と話をいたしましたが、きょう御指摘のような問題についても、今後十分気を配って、関係省庁と密接な連絡をとり、労働省の本来の使命に沿えるように努力をいたしたい、このように思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 大臣から温かい答弁をいただきましたので了承したいと思うのです。  そこで、今度の臨時措置法の九十日の個別延長の措置について、実は私は、中身が薄いんじゃないかと思うわけです。いわゆる雇用保険事業年報というのが出されておるわけですが、その昭和五十一年分を見てみますと、雇用保険受給者総数が六十四万八千八百十九人、その中で個別延長の措置を受けた者は六千七百五十一人と報告されておる。そうなりますと、雇用保険をもらいにいった人の中で個別延長をもらうところまでいった人は大体一・〇四%ぐらいですから、大体百人に一人ぐらいしか個別延長まではいかぬということです。五十三年五月分の職業安定業務月報を見てみますと、中高年齢者の月間有効求職者数は六十六万七千八百七十二人になっておるわけです。そのうち雇用保険の受給者が四十七万八千七百三十四人。そのうちで中高年法とか離対法等の手帳を受け取った人が三百七十二人、これは率にしますと〇・二七%。月末現在で個別延長その他の措置を受けておる人の数が二千九百七十九人。二千九百七十九人というのは、中高年者月間有効求職者数で計算しますと〇・四五%。そうすると、これは二百人に一人ぐらいしか個別延長は受けていないということです。個別延長を受けておる人の数が離職者の中でこんなにわずかしかいないということになると、今度のこの特定不況地域離職者臨時措置法で九十日の個別延長をしますよと言っても、果たして何人がその恩典にあずかれるのか。こんなのは全く私は空手形だと思うのです。この法律は。名前はでかいけれども、中身はせいぜい、年間千人までの人しか個別延長の恩典にあずかれる人はないのじゃないかと思うわけです。その点、局長さん、どうでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 今回の法案に盛り込まれております延長給付の点についてのお尋ねでございますが、この延長給付は、特定不況業種離職者臨時措置法でも同様の措置をとっておるわけでございまして、あれと同じやり方でやりたいというふうに考えているわけでございます。したがいまして、四十歳以上で特定不況地域の離職者に該当する、この定義は先ほど来御説明したとおりでございます。そういう方については、省令で一定の要件に属するものというのがございますけれども、これは再就職の援助の必要があって、かつ再就職等を正当な理由がなく拒否したことがないという、いわばあたりまえのことだけを書くつもりでございまして、したがって対象者を特段に限定する考えは毛頭ございませんので、したがって、四十歳以上の特定不況地域離職者については原則として九十日の延長給付の対象になるというふうに考えているわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 いままでの年報や月報で出ておる数字はこれは間違いないのでしょう。局長さん、これは間違いないわけでしょう。現実はこのとおりでしょう。

川上忠憲労働省職業安定局雇用保険課長

○川上説明員 先生御指摘の数字は確かにございます。ただ、たとえば先ほど、昭和五十一年度につきまして一%程度しか個別延長を受けていないという御指摘等がございましたが、これは対象のとり方が受給者実人員というものでとっておるわけでございますが、個別延長の場合は延長期間が非常に短うございます。六十日が原則でございます。受給者の実人員として、基本手当の受給期間というのは長い方は三百日ございます。したがいまして、非常に薄まって数字が出てくるということになるわけでございます。別のとり方をいたしますと、初めて保険をもらった初回受給者というもので見ますと、これが倍以上になりますし、個別延長の対象でございます年齢を配慮いたしまして、五十五歳以上の初回受給者と比較いたしますと、一割程度の比率になってくるわけでございます。したがって、分母に何をとるか、どういう性格の数字で比較するかということによって数字が違ってまいりますが、私どもの感じといたしましては、五十五歳以上の初回受給者とそれから個別延長の初回受給者と比べますと一割程度になるということから、かなりの数字であるというふうに認識してございますし、また、最近におきます個別延長の受給者の数はかなりふえてきておるという状況もあることを、つけ加えて申し上げておきたいと思います。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は、これが空手形に終わったり詐欺行為にならぬように、先ほど局長がおっしゃったように、全員個別延長の対象者になるのだという心構えでやっていただくように希望しておきたいと思うのです。  そこで、私はもう一つお聞きをしたいのですが、先ほど来、いわゆる五十三年九月二十日付の中央職業安定審議会の答申のことでいろいろ問題になっていましたが、その中で、第四項目「雇用情勢も厳しい状況がかなり長期にわたり継続することが予想されるので、」という前置きで「政府は、現行の雇用対策基本計画及び経済計画を早急に見なおし、新しい計画を策定して、失業の発生の防止、失業者の再就職の促進等につき、より包括的・体系的な施策の検討を進めるとともに、」というようなことが書かれてあるわけです。  そこで、私は一つお聞きしたいのですが、現行の雇用対策法というのは昭和四十一年に制定して四十八年に改正されておるわけですけれども、この雇用対策法というのは、大体高度経済成長期にあって、当時の労働力不足あるいは賃金上昇への対応として、高齢者あるいは既婚婦人まで、こういう人たちを労働力として動員をしよう、こういうような労働力緩和を意図してこの法律が制定されたと言われておるわけです。今日の経済情勢、雇用情勢とは全く逆な状態にあるわけです。  そこで私は、こういう時期になってくると、雇用対策法をやはり見直しをしなければいかぬ時期が来ておるのではないか。特にその雇対法の中で、西欧諸国ではすでに進んでおる、いわゆる労働大臣が一定の条件をつけて大量の解雇を制限するとか、あるいは先ほど来問題になっておりました定年延長の措置、あるいは時短、週休二日制、もう指導じゃなしにこれも制度化していく、こういうような形、労働基準法も雇対法も含めてということになりますけれども、そういうような今日の経済情勢に適応した制度に変えていかなければ、今日の雇用対策としては完璧ではないのではなかろうかと私は考えておるわけです。  特に、その雇対法の第一条に、御承知のように労働者の職業選択の自由、こういうことと並べて、もう一つ事業主の雇用の管理の自主性という言葉が入っておる。これはもう全くけしからぬ話で、時代錯誤だと思うわけです。労働者の職業選択の自由というのは、これはもう世界共通の普遍的な原理だと思うのです。ところがそれと同じウエートを持って、事業主の雇用の管理の自主性というようなことをうたっておる国が世界じゅうのどこにあるか、日本だけだと思うわけです。OECDの対日報告でも、日本の政府は雇用政策に驚くほど無関心だということを言っておるわけですから、やはりこういう点を指して言っておる諸外国の批判にもこたえる意味においても、私はこういう点についてはもう一度再検討、見直しの必要があると考えるのですけれども、その点についてひとつ局長からお答えいただきたい。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 最近、高度成長からいわゆる安定成長への切りかえに伴いまして、いろいろな意味での産業構造の問題あるいは労働力の供給構造の問題とか、その他の変化があらわれておりますので、したがいまして、御指摘のように、現存の雇用対策基本計画に盛られている各種の施策、それがある程度、現在までにかなり実現をされつつあるものもございますので、そういうものをひっくるめてもう一遍見直すべきではなかろうか、あわせてまた、そのもとになっておる雇用対策法についても特に見直すべき点がないかどうか、そういう辺をひっくるめまして、この安定審議会の御答申の中にもございますように「より包括的・体系的な施策の検討」をこの計画の検討の中で引き続き実施をしてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 次に、先ほど田口議員も引用されていましたけれども、いわゆる総理府が五十三年三月に実施した労働力調査特別調査、その中で田口議員も指摘されましたが、完全失業者が百四十一万人、その中で全く収入がないというのが九十万人で六三・八%になっておる。そのうち、世帯主の完全失業者で全く収入のないのが二十一万人で、家族を含めて収入のないのが二十九万人というようなことが報告されておるわけです。私は、雇対法とか中高年法とかいろいろあるけれども、そういういろいろな措置を受けてそれで終わって、なおかつ仕事がない、働こうにも働く場所がないといって、何にも収入がなくなっている人が全国に少なくとも三十万人以上おるということは、この数字を見ても明らかだと思う。そこでこういう人たちの雇用をどうするのか、対策をどうするのかということが決まらなければ、雇用政策としてはやはり不完全だと私は思うわけです。  そこでひとつお聞きしたいのですが、その前に一つ念を押しておきたいのです。忘れておったのですが、中高年法によって、いままで特定地域開発就労事業というのが行われておりますね。あれが、今度の特定不況地域離職者臨時措置法の地域指定をされると、従来やっておった特開事業の地域指定が消えてなくなって、いままでやっておった事業もやれなくなるということを言われる人があるのですが、その点についてはどうなんでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 特定不況地域離職者臨時措置法による地域の指定を受けましても、中高年法による特定地域の指定がなくなるわけではございませんので、その点の御懸念はないというふうに考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 もう一つ局長さんにお聞きしたいのですが、中高年法、特定不況業種離職者対策法、そして今度の特定不況地域離職者対策法、同じ一つの安定所の中の労働者で三つ法律が重なってくる。私はどの法律の離職者なのか、離職者本人が知らぬ場合もあると私は思うのです。そうすると、今度は手帳も発給されないわけですから、この場合、中高年の人であれば最初から中高年の手帳を発給されるのですか、いま審議されておりますこの法律に基づく離職者で、中高年の方は、中高年法の手帳を最初から発給されるのですか、どうですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 中高年の手帳につきましては、本来中高年法の手続に従って手帳を発給するということになりますので、今度の法律によってその点についての影響はないというふうに考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 私は先ほど言いましたように、田口先生が言われましたけれども、こういう総理府統計局の数字で出ておるような、完全失業者で収入がない、仕事もない、こういう人たちには失業手当を支給することを考えなければいかぬのじゃないかという田口先生のお話でしたけれども、労働者というのは本来は、遊んで金もらうより働きたいのです。だから、労働省としてはまず働かすことを考えるべきだと私は思う。  そういうことから考えたら、特開事業とは言いませんけれども、やはりそういう人たちでも何か仕事できるような措置、これは地方自治体でやってもらってもいいし、民間でやってもらってもいいと思うけれども、少なくとも全額に近い形で国庫が負担するような形ででも、何らかの――ただその辺の事業に活を入れて、企業に活を入れて、そこで吸収するんだと言っても、一〇〇%吸収できないと思う。公共事業で吸収さすんだと言っても、公共事業で吸収できる率は微々たるものであるということは、私の調査でもわかっておるのです。  福岡県の田川市の場合、調べますと、公共事業の事業個所が三百二十六カ所ある。一日の雇用労働者数が大体千七百人で、延べ九万八千人の労働者を使う。そこで業者に失業者を吸収してもらいたいということでいろいろ話をしたところが、業者の手持ちの労働者が一日千六百五十九人おる。ましてブルドーザーを運転したり、自動車を運転したり、ユンボを運転したりというようなことになると、その日雇いの労働者では無理だ、技術が要るということで、千六百五十九人までが業者のところにおる技術者で足りるんだ。そうすると、失業者を吸収できるのはわずかに一日当たり四十一人、九万八千人のうちで三千人弱しか失業者を吸収することはできぬ、こういう回答が来ておる。これは率にしますと三%、四〇%とかいう数字とはおよそ縁が遠い。これは全国おしなべて、今日の土木事業、公共専業というものはそういう時代に入ってきておると私は思うわけです。だから、公共事業で吸収しますと言っても、これはなかなかできる相談ではない。  こういうことを考えますと、私は何らかのそういう措置が必要だ。もしそれができないというなら、中高年法のあの附則二条の問題がありますけれども、一年間だけでも暫定的にちょっと効力を停止して、緊急失対にでも入れるというような措置も考えざるを得ない時期が来るんじゃないか。そうでなければ問題が起こってくるんじゃないかと私は思うのですが、その点どうでしょう。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 雇用の場の拡大という問題につきましては、先ほど来労働大臣から申し上げておりますように、基本はやはり民間への雇用を促進するということが基本でなければいかぬと、こう考えておるわけでありまして、そういう意味でいろいろな、大きくは経済政策自体についての一定の成長率、それから稼働率等をだんだん上げていこうという施策をとっておるわけでございますが、具体的な問題としては、たとえば造船業等の地域については、今回の補正予算の中におきましても、緊急需要を確保するための各種の施策を織り込んでいただいているわけでございますし、それから御存じの、中高年齢者を雇った場合の奨励制度についても、この法案でもそれを強化するというふうな形をとっておるわけでございまして、基本的にはまずその方向でまいる。  それから一方におきまして、それでも地域とかあるいは状況によって就職がなかなかむずかしい方があるということから、確かに先生御指摘のように、公共事業の吸収効果自体は、昔に比べますとかなり機械化が進んだとかあるいは、今日のような状況でございますと、手持ち労働力もかなりあるという状況ではございますが、しかし、ある程度の収容能力というのは現在でもあるという状況でございまして、そういうものの活用を図っていくというふうに、各種のものをできるだけ活用して、全力で就労の場を見つけていくということがやはり基本的な考え方でなければいかぬ。そうでない形でやりますと、どうしても、従来のやり方から見ましても、これが再就職になかなか結びつかず、かえってマイナス要因すら出てくるという状況でございますので、やはり、いま申し上げましたような各種の施策を極力総合的にフル活用して対処するというのが、現段階の私どもの考え方なわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 そういう考え方でやると言われるのは結構ですけれども、しかし、それでもどうしても総理府の調査のように完全失業者で仕事がない、収入がないという人が滞留してきたら、これはやはりやらざるを得ない時期が来る。そうでなければ、仕事がこさえられないなら、失業手当をやらなければしようがない。これは失業手当をやって遊ばすか、仕事をあてがって働かすか、二つに一つですよ、最後は。きょう現在では局長さんそういう答弁でも、私はこれ以上言いませんが、これが来年三月になり来年のいまごろになって、なおかつ総理府の調査でこれだけの労働者、全く収入のない離職者がおるということになると、これは何らかの措置を考えざるを得ない。そうでしょう。放置できないでしょう。それでも放置できますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 統計的に出てくる方については、実態をよく私どももつかんでみないといかぬという面もあるかと思いますが、そういう意味で具体的に、たとえば安定所の窓口等においでになる方で、公共事業等についての吸収を本当に希望される方については、私どもは各省と連携して、本気になって就労についてお世話をしていきたい、これは責任をもってやりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 通産、自治、各省が、労働省と一緒になって総合的な施策を講じて、そういう人がなくなるように努力をしていただいて、どうしてもそれでもなおかっできないときには、やはり失業手当を渡して遊ばすか、何らかの制度的な仕事を考えるか、この二つの道しか残されていないと私は思うわけですので、その辺は、今日そういうことを私の意見として申し上げておきたいと思うのです。  それで最後に、先ほど田口先生が言われましたが、労働省の職員の定数の問題についてです。昨年末、五十三年度の予算編成期に私は大臣に、これはやはり仕事がふえているのだから、職員の増については大臣ひとつ責任を持ってやってくださいとお願いしておったわけです。結果的には五十三年度は増員が二百八十一人で、減員が二百八十四人。現実には三人の減らしいですけれども、先ほどお話がありましたように、統計的に見ると、四十三年から五十三年までで三千三百十四人という実質的な数が減っておるわけなのですから、私は、やはり仕事は職員がするのだから、法律をつくり制度をつくっても、人がなくては運用できないと思うわけです。そこで、五十四年度の労働省の職員の確保について労働大臣の決意のほどをお聞きしたいと思うのです。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 特に昨今の雇用・失業情勢の厳しい現状を考えますと、労働省に期待される行政需要はますますふえてくると思います。したがって、この増してくる行政需要をこなす陣容の確保ということはぜひ必要だ。私は、一応五十三年度は地すべり的な現象は歯どめをいたしました。今度は前向き、ひとつ増員の方向に向かって関係省庁の理解を求めたい、このように考えております。

川本敏美日本社会党

○川本委員 時間になっておりますが、一つだけお願いしたいと思います。  これは実は昨年の四月の十三日だったと思うのですが、私は石田労働大臣に、雇用保険の中の日雇い労働者の特例給付の日額区分の問題について御質問したわけです。結局雇用保険法では、働いておる人たちの日額給料の六〇%から八〇%を雇用保険で保障しようというのが法律の趣旨です。しかし、日雇い労働者の特例給付の場合を見てみますと、私どもの奈良県あたりでは、建設労働者でもあるいは林業労働者でも、今日八千円から一万円という人がたくさんおるわけです。ところが、いま一級が四千百円ですか、ということになると、大体五千六百か七百円ぐらいの人で六〇%を満たしておる。それ以上の人は六〇%を割れておるということになって、法の趣旨と合わない、そういうことで速やかにこれを善処してもらいたい、多段階制でいいからひとつやってもらいたい、日雇い健康保険の場合は、基本日額はきっちり八段階に分かれておるじゃないかということでお話をしたら、当時石田労働大臣は、速やかに善処します。こういうお約束をいただいておるわけです。私は、こういう前の御回答もいただいておるわけですから、これについてもやはり早急に善処してもらいたい、こう思うのですがどうでしょう。     〔羽生田委員長代理退席、委員長着席〕

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 お尋ねでございました日雇い労働求職者の給付金の日額の問題でございますが、先生も御存じのように、この五月に日雇い労働被保険者の賃金の実態に対応させるような、そういう意味で法律に基づく自動変更を行いまして、五〇%以上の引き上げを行ったというところなわけであります。したがいまして、日雇い給付金のあり方そのものにつきましては、できるだけ早い機会に結論を得るということで、今後とも検討させていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 今後とも検討では具合が悪い。前の大臣は速やかに善処しますと言ったのだから、それから後戻りしてこれから検討させてもらうではおかしいので、やはりできるだけ早く善処しますということでなければ私はおかしいと思うのですが、もう一度改めて……。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 この検討に伴いましたいろいろな問題もございますので、したがいましてそういう意味でのむずかしさもございますが、しかし、気持ちとしましては先生のおっしゃる方向で検討させていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。

川本敏美日本社会党

○川本委員 終わります。

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 次に、草川昭三君。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 公明党・国民会議の草川であります。  今回のこの法案についての基本的な考え方を最初に申し上げておきますが、実は前国会で構造不況法案というものが成立をしたわけでございますけれども、どちらかと言えば、前回のこの法案は業種別の縦の救済対策であったわけでございまして、今回のこの不況地域の対策は、横の地域ぐるみという意味では一定の前進ではないだろうか、こういうようにまず評価を申し上げておきたいというように思うわけであります。  ところが、実際上のこの中身につきましては、前回の構造不況法案も、この法案で構造不況業種がかなり具体的なてこ入れができる、こう言われておったわけでございますが、たとえばこの造船の場合、きょう運輸委員会でも提案になっておりますように、買い上げ法案という別に新しい法律をつくらなければ前回の構造不況法案というものが実際は生きてこない、こういう問題もあるわけでありまして、そういう点をこれからぜひ私どももいろいろな機会で指摘をしていきたい、こういうように考えるわけであります。  そこで、まず最初に、この地域ぐるみのこういう対策というものができてくるわけでありますけれども、肝心の中核企業というものが立ち直らない限り、不況の脱出というものは私は困難だというように思うわけであります。ところが、この九月二十九日に総理府が出しました労働力調査報告を見ましても、完全失業者というものは相変わらず百万を突破をしておりまして、五十二年の一月から連続二十カ月続いておるわけでありまして、しかも問題は、若干の建設業ではふえておりますけれども、製造業というものは減少傾向にあるわけでありまして、特に製造業の方々の意見を聞くと、借金を減らすということと、人を減らすという減量経営をやらない限りは、今日的なこの不況が乗り切れぬと言われておるわけでありまして、一体、この失業情勢というものを当面労働省としてはどのように展望をしてみえるのか、把握をしてみえるのか、その点をまず第一にお伺いをしたい、こういうように思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 雇用・失業情勢の見方についてのお尋ねでございましたが、御案内のように経済情勢自体はある程度回復の基調には向いているのですけれども、しかし輸出の伸びの鈍化とか、円相場の急騰というふうな不安要因も抱えている、こういう状況でございまして、そういう中で緩やかな回復傾向が続いておるということでございます。しかし、残念なことに、雇用・失業情勢についてはその景気の回復傾向の反映が非常におくれておりまして、雇用・失業情勢は依然として厳しい情勢にある。先ほど御指摘のとおりでございまして、完全失業者なり完全失業率も御指摘のとおりなわけでございます。それから有効求人倍率も、ここ数カ月連続、ほんの少しずつ上向いてはおりますけれども、大勢から見れば、依然として大幅な求職超過という状態に変わりがないという状況なわけでございます。こういうところで、造船業に代表されますように、構造不況業種からの離職者も依然として発生する可能性がありますし、円高の影響というようなものも考慮しなければならぬ。こういうふうに考えますと、やはり楽観を許さない状況がここ当分続くというふうに見ざるを得ないと思っておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 楽観をするわけにはいかない、こういう展望でございますが、それだけに実は深刻だというふうに思うわけです。  そこで、私は、労働行政というものはやはり先取り行政をぜひしてもらいたいと思うわけです。ところが、残念ながら、どうしてもやはり解雇者対策という失業者対策が中心の行政ではないだろうか。こういう点が非常に不満になるわけでありまして、特に、今回のいわゆる企業城下町法案というものに対応する労働省の態度というものは非常に何か消極的でなかったのか、こういう不満があります。特に名前が企業城下町ということが適当かどうかは別といたしまして、とにかく影響力の大きい企業を中心とするその町の対策ということでございますが、やはり企業とそこで働く労働者とそれから自治体との関連づけというものが非常に重要であるわけですから、本来的に通産、自治、労働省というものから、個別対策ではなくてトータルな総合立法でこのような法案というものが出て来なければいけないのではないだろうか、本質的な問題としてそう考えるわけです。特に、これは私どもが言っておるばかりではなくて、九月の二十二日に全国の都道府県の議長会が、いま私が言ったと同じような要望を出しておるわけです。「特定不況地域振興対策に関する緊急要望」として、総合立法の早期実現を強く要望したところであるけれども、見送られたのは非常に残念だという言い方で、都道府県の議長会が出しております。この中では、経済の振興だとか中小企業経営安定対策だとか離職者だとか税あるいは財政、そういうような全体的な問題が出ておるわけですが、一体この総合立法がなぜできなかったのか、基本的な件についてお答えを願いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 私どもの現在御審議いただいております法案と、それから通産省が商工委員会で議論いただいております法案とは、立案の過程におきましても通産省、労働省がよく打ち合わせをした上で、十分協力体制の上で出しておるものでございまして、そういう意味では、地域の指定を初めその運用については、一体的な運営を考えているわけでございます。  たとえば、先ほど来御議論がございますように、単に雇用情勢が悪いというだけではその対象にならぬ、一方、単に企業の状況がある程度のウエートを持っておるというだけでは対象にならぬ、やはり両方の側面の対策が必要なものに限ってこれを発動していく、そのかわり、そこについては両方の施策を総合的に実施をしていく、こういう考え方に立っているわけでございます。  なぜ同じ法律自身の中に書かなかったか、こういうことでございますが、この辺につきましては、すでに御案内かと思いますけれども、通産省の法案の対象が中小企業ということになっておりますのと、私どもの方は、事柄の性質上、中小企業だけを対象とするわけにはいかないのでございまして、そういう意味での全般的な雇用対策を講ずることにしておりますので、ややこの法律を一本にするという点については適切でない点があるのじゃないか、こういうことで別々にそれぞれ、また、御検討いただく委員会も別に御提案を申し上げた、こういう次第なわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いずれにしても地域ぐるみというのが今回の特徴ですから、地域ぐるみということを重点に置くならば、総合立法ということについては私は十分でき得るのではないだろうか、いまの局長の答弁でありますけれども、私はそういう意見があります。  細かいことを言うわけではございませんけれども、通産が認定をしましたいわゆる雇用状況の指数というのですか、いろいろな指数がありますけれども、たとえば求職倍率というものを今回採用して、地域指定の一つの基礎にしておるというように聞いております。その求職倍率というものは労働省としてはどういうように見ておられますか、その指数の問題について。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 この法律に基づく具体的な判断基準、したがってまた、これは指定基準ということになりますが、御存じのように、法が成立後に、私どもの関係で言えば安定審議会にお諮りして決めなければならぬというものでございまして、先生の先ほどのお尋ねの中に、通産省は何か求職倍率で決めているが、それを労働省としてはどう思うかというようなお尋ねみたいだったのですけれども、実はそういうことではなくて、中小企業対策臨時措置法案の中で、経営関係の指標は通産省が御判断になり、雇用関係の指標は労働省が判断しまして、その両方の判断に合致するものを指定をします。こういうことになっているわけでございます。その指定基準について、いま申しましたように私どもの方は安定審議会にお諮りして、その上で決めていきたい。その場合にいろいろな雇用情勢を見るための指標があるわけでございますけれども、求職倍率というようなものが有力な私どもの手がかりであることは御指摘のとおりかと思うわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 私のいまの質問がちょっと舌足らずであったわけですけれども、九月に通産省はいわゆる中小企業救済策としての緊急対策をしたわけでして、その通産省の中小企業緊急対策の中で十六の地域というものを対象にした、こういうわけですね。その根拠に、いま言われたように求職倍率というものを通産省あたりは使うわけでありますけれども、この求職倍率というのは求人倍率のちょうどうらはらの数字でございまして、どちらをとったっていいようなものであります。そういう意味では、やはり労働省が、いわゆる労働統計の一審の基礎的なところでありますから、少なくとも他の省庁等についても、たとえば有効求人倍率なら有効求人倍率というものを使ってもらいたいとか、あるいは有効求人倍率というものが今日のような状況の中でいわゆるなじまないというのですか適切でないというのなら、求職倍率というような逆の数字を使うということも私はいいと思うのですが、やはり統計数字というものをその都度違うものを採用されるということは問題があるのではないか、私はこう思いますが、その点についてもう一回答弁をしてください。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 いま御質問がございました、通産省が行政措置でやっているあの地域の指定をする際には求職倍率等も使いますが、総合的に判断をしておられるわけでございます。その際に、その判断について労働省にいろいろ御相談になって、私どももそれについてある程度御相談に乗ってやっているというのが実態でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 では、次に行きます。  これは非常に細かいことになりますが、実は昨日、岐阜県の神岡鉱山の町村の方々がお見えになりまして、いろいろな陳情を受けたわけでございます。これは今後の考え方にもなるわけでありますけれども、たとえば高山の安定所管内の統計数字ではまた別な数字が出るわけですが、まさしく企業城下町としての安定所の出張所であるところの神岡の出張所だけの統計数字を出すと、もう倍以上の数字の違いがあるのだという場合に、今後どちらの、安定所管内の数字が中心になるのか、出張所管内の数字というものを重視されるのか、ひとつ判断をお聞かせ願いたい、こう思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 地域指定の根拠である中小企業対策臨時措置法の規定には、市町村とその近接の労働市場の状況というふうな書き方になっているわけでございまして、考え方としてはやや広い労働市場条件というものを判断基準にするということがうかがわれるわけでありまして、そういう意味で、公共職業安定所の単位で行う方が私どもは妥当だというふうに現在思っております。そういう意味で、分庁舎単位で指定するということは非常に困難じゃないかなとは思っておりますけれども、今後引き続き研究すべき問題じゃないかというふうに思っておるわけであります。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いわゆる地域ぐるみということが今後の重点的な施策になるわけでありますから、こういう金属鉱山のような例もあるわけでございますし、もちろん造船の場合もあるでしょうけれども、いわゆる出張所単位の判断ということもぜひ重要視をしていただきたいということを要望申し上げておきます。  その次に、問題は、企業城下町ではなくて産地対策の問題でございますが、通産省の方はいわゆる産地対策――産地という言葉がむずかしいんですけれども、私なりの解釈で言うならば、伝統的な特産品というものを産出をしておる地域、特に円高で、国外へいろいろな品物を出しておるわけでございますけれども、特定地域で集団的に生産をしておる地域だと思います。たとえば福井のめがねだとか、瀬戸の陶磁器だとか、関の食器だとか、そういうところでございますが、通産省の方は、今回この法案の中ではそれが救われておりませんので、来年の三月には産地に対する産地振興法案をという、そういうものの骨子が発表されておるわけでございますが、労働省として、この産地振興法案に見合う相互立法の要望を私はしたわけでございますが、産地対策として、今回とったような離職者法のような対応を何か特別に考えておられますか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 円高の産地等につきましては、先ほどもお答え申し上げましたけれども、造船みたいに円高対策法の対象になっているものであって、しかもこちらの方の要件に該当するものについてはこちらの対策の対象にもなる、こういうかっこうになっているわけであります。したがいまして、原因が円高であっても、出てきた結果が現在の構造不況地域対策と同様の状況になっている場合には当然それは対象にしていくし、それから、そうでない場合には対象にするのはなかなかむずかしい、こういう関係に立つかと思われるわけでございますが、なお、今後検討されます産地対策の内容につきましては、また私どももよく検討させていただきまして、それに対する対応をどういうふうにするかは今後の問題じゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 どっちにしても、通産省の方は産地という非常にわかりやすい言葉で、そこの中小企業対策というものを打ち出されてみえるわけです。労働省の場合も、いろいろな要件がございますから、何も通産省がやったことをそのまま追加するという意味じゃないと思いますが、それでも私は、産地対策ということは企業城下町とあわせて、労働省としても少なくとももう少し早急に対応策を打ち出す必要があると思うのです。それが非常に欠けておると思うし、いろいろな意味での議論もあるわけでありますから、いずれにしても、その特定地域についての調査だとか対応ができるようにお考えを願いたい、こういうように要望をいたしておきます。  その次に、いよいよ具体的なことになりますけれども、今回の法案が提出をされる場合――場合というよりも、その以前職業安定審議会の意見の内容を含めまして、保険料の値上げの問題とあわせて質問をしたい、こういうように思います。  実は労働側から、中央職業安定審議会で、地域対策ということは非常に重要だからぜひやってもらいたいけれども、保険料の引き上げとは切り離して論議をすべきだという意見があるわけです。これはまた一つの、私はそれなりの当然の意見だと思うのです。保険料の引き上げについては十二条五項の弾力条項というものをなぜ発動しないのかという意見があるわけですが、それについての労働省の考えをお聞かせください。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 今回の料率の値上げの問題につきましては、御案内のように、この地域立法の中でかなりの支出増を伴う給付延長というものを予定いたしておるわけであります。一方、保険の財政そのものは、三年間赤字が連続する等非常に困難な状況にございますので、これ以上大きな支出を伴う給付の改善を行うということでありますれば、どうしても料率の値上げをお願いせざるを得ないというふうな状況にあったわけでございます。したがいまして、この法律の中で給付の延長について規定をするのでございまして、そういうことになりますると、そういうことが非常に重要な契機となって、料率の引き上げがどうしても必要になるということでございますので、同じ法律の中で対処をさせていただくのが適切ではなかろうか、こういうふうに考えた次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま私、具体的な数字を一々申し上げるつもりはございませんけれども、これは戦後最大の不況だと言ってもいいと思うのです。今後どういうもっと大きい不況が出るかもわかりませんが、そういうことを考えるならば、いまの積み立てがゼロになっても、極端な言い方ですけれども、それぐらいになっても私は理解できるような状況だと思うのです。だけれども、私は、いまのいろいろな保険の財政上のバランスもありますから、そんな極端な意見は言いませんけれども、まだ千分の一上げるよりは、使うだけ使って、そしてとことんのところで料率を上げるべきではないだろうか、こういう意見があるのです。  それと同時に、これは使用者側の方の意見も十分聞かなければいかぬ点があると私は思うのです。使用者側の方は、何だかんだと言うけれども、三・五の方ですから、四事業の方は一千八十億でございますか、一千億を越えておるじゃないか、その金を取り崩すべきではないだろうかという意見が出たのはきわめて当然だと思うのですが、なぜ四事業についてその金が一千八十億も余っておるのか、余っておるというよりも積み立てられておるのか、この点についてお聞かせをいただきたい。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 四事業関係、なかんずく安定資金制度につきまして、当初予定したよりも積み立てのテンポが速いということだと思うわけでございますが、その理由としましては、一つは、景気変動等雇用調整事業につきましては、最近、一時的な休業という形でやる雇用調整が非常に実態面として減っているということでございます。これは労働省の雇用動向調査なんかで見ましても、一時休業という形で行われる雇用調整の実施の事業の割合が、昭和五十年ぐらいに比べると激減をしているということでございまして、そういう意味で、利用しなくなったというよりも利用の実態が減っているという面が一つございます。  それからもう一方におきまして、事業転換等雇用調整事業につきましては、これはある意味では不況業種の方で訓練をやったりとか、いろいろなことをしなければならない仕組みになっておりますから、そういう意味でなかなかむずかしい面もございます。  それから要件等につきましても、昨年の十月からスタートしたばかりでございますので、どのくらい出るかという点についての私どもの見当もつきませんので、いわば手探り的に要件等を定めていたという面もございます。そういう意味で、つい最近十月一日から、その要件等につきましてあるいは支給の幅につきまして大幅な改善をいたしまして、これはもちろん労使の御意見を伺った上でございますが、非常に使いやすくしたつもりでおるわけでございます。  それから最近の状況で申しますれば、地域法案の中でも全面適用というようなことをやることにいたしておりますので、そういう角度から見て、今後利用が広まってくるのじゃなかろうかというふうには考えておりますが、そんなふうないろいろ事情があって、私どもが当初予想したよりも安定資金の積み立てのテンポが速くなった、こういう状況でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 テンポが速いというのは見通しが悪かったということですね、裏づけて言うならば。ですから、それは過大な料率を決めたという責任があると思うのです。私はそれよりは、経営側の方もそれを承知をして払ったわけですから、使うということが大切だと思うのです。ところが、経営側の方に聞きましても、率直なことを言ってめんどうだと言うのです。中小企業の方々には、とてもじゃないけれども、もう聞いただけで頭が痛くなっておりるというわけです。私ここにこれだけ持ってきましたけれども、景気変動等雇用調整給付金支給申請書という用紙がこれだけあるんです。何枚あるんですか。一枚、二枚、三枚――数えるだけでも大変だ。これはちょっと見ただけでは、社会保険労務士の方にも見せましたけれども、よほど毎日労働省へ行ってレクを受けないと、これは現在の社会保険労務士のあれでは書けぬと言いますね。これは労働省の担当の役人の方々でも、課が違ったら実際わからぬですよ。いま一体どれだけの給付金があるのか。使ってみえるその他の鉄鋼だとか、造船だとかいろいろな人のものがありますが、よほど労務屋さんで専用の方がみえても、余裕のある会社でやはり一週間ぐらい、自分も勉強をしながら、計画を立てながらやらないと、この雇用調整給付金の申請ができないというのですよ。まして中小企業で専任の労務屋がいないところなんか、これは利用できっこないのです。こういう点を反省しない限りは、四事業の方は金が残るだけですよ。だから、経営側の方だって〇・五下げてくれ、そんなこちらの方で上げるのだったら、こっちを下げてくれと言うのは当然だと思うのです。だから、使わせるように考える。なぜ使わないのかということを真剣に一遍反省してもらいたいと思うのです。その点についてはどうですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほど申しましたように実態的な側面、それから要件等についての実情に合わなかった点、いろいろあるわけでございますが、一方においていま御指摘のように、様式等についての改善点も恐らくあろうかと思われますので、先ほど申しましたように、十月一日から要件等についてはかなり大幅に緩和しました。これは要件がなかなかむずかしいという御意見をおっしゃった労使の方からも、相当改善したというおほめをいただいたくらいでございまして、かなり大幅な要件緩和はいたしたつもりでございますが、いま御指摘の手続的な面につきましても、一層使いやすいように工夫をこらしてみたい、こういうふうに考えているわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 それから、これはきょうのこの法案とは関係がないわけでありますけれども、先ほども補正予算をめぐる与党の方からの提案の中で、経営側の負担の弾力条項というものが言われておるわけです。これはどちらかというと、中央職業安定審議会で、労使のいろいろな意見の経過から言うと、当初経営側の方が〇・五下げてくださいと言った。ところが、それは無理だからあなたの方も負担をしなさいというので、本案の方で一%上げた。ところが、これを通しておいて、弾力条項で経営側の方が〇・五、たとえばの話、将来弾力条項を採用になって下げるということになると、やはり労働側としては割り切れぬものがあると思うのです。ペテンにかけたという、そんな汚いことは言いませんけれども、話の経緯から言うと、結局、最初経営側が言われたように、〇・五だけ下げればいいじゃないかということに結果としてなっていくようなことが、来年の法案改正で出てくるのではないだろうか、こう思うのですよ。そういう点では弾力条項の問題についてはぜひ慎重に、できたら弾力条項というものを経営側に与えずに、せっかく出したものはまず使う、使っていただいて納得をするというのが本来の行政の姿勢ではないだろうか。お金がかなりあるからそれを下げるというよりは、いまこそ戦後最大の不況なんだから――私、気がつかなかったのですけれども、たとえば有給休暇何とか奨励金というのがありますね。労使が協定を結ぶと、一日千四百八十円ですかを百日間について出そうという、これなんかも、労使の方々に聞きますと、知らない方が多いですよね。構造不況法案等のいろいろなものがありますが、これはそれ以外に使えるわけですから、こんなものも大々的にいまこそ使うべきじゃないだろうか。たとえば安全の教育だとか、いろいろな教育にだって採用できるわけですから。そういう点、こんないいものがあるわけですから、労働省のPRというものが非常に欠けておるような気がしてなりません。そういう点については特に強い要望をひとつ申し上げておきたいというように思います。  時間がちょっとないので少しはしょりますが、佐世保重工のことについてちょっとお伺いをしたいと思います。  過日、社会労働委員会として私どもも調査に参加させていただいたわけでありますが、造船不況の非常に象徴的な事件だと思うのです。この再建についていろいろな経過があったわけでありますけれども、どうやらとにかく再建をされてみえるのですが、この佐世保重工の再建について労働大臣の御見解を一遍承りたいと思うのです。佐世保重工の再建についてどのようなお考えを持ってみえるのか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 局長から近況を報告させます。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 事実関係について最初にちょっと御説明を申し上げたいと思うのですが、佐世保重工の再建に関しましては、本年の七月二十五日に、会社側から労働組合に対しまして提案がございました。数項目にわたっておりますが、主なものは、たとえば基準賃金のカット、それから定期昇給、ベースアップ、一時金の三年間の凍結、研修及び能率向上に関する事項等について提案がなされたわけですが、その後、労働組合との折衝がなされておりまして、研修それから能率向上に関する事項を除いて、現在労使間で交渉中だというふうに聞いておるわけでございます。  それは事実関係でございますが、これは一般的に申しますと労働条件の低下を招く面があるということになりますが、こういうことは望ましくない。しかしながら、こういった経営再建の過程において、いわば緊急避難的なものがあるという観点から申しますと、何と申しましても、そういう共通の認識の上に立って、労使が自主的に解決をすることを私どもとしては期待をいたしておるわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 特定の企業の労使関係の内容に入るということは私どもも避けなければいかぬことでございますが、今日的な造船の状況の中から、ある程度賃金をカットしなければ再建ができないということも私はわかると思うのです。わかりますけれども、その幅が、たとえばマイナス一五%だとか、ベースアップ三年間凍結あるいはマイナスアルファとか、一時金、ボーナスの支給をしないということをずっとやってまいりますと、私どもの想定ではございますけれども、他の同様の企業に比べますと、年総収入の計算が六割ぐらいになると思うのですよ。そうしますと、六割ぐらいの賃金で工場を再建するということは、たまたま国際的な比較を見ると、韓国の労働条件と似てくると思うのです。そして、韓国の労働条件を基礎に造船界で受注競争が行われるということになると、私は大混乱を起こすのじゃないだろうかと思うのです。  その点、労働大臣は、週休二日制の採用あるいはワークシェアリングということを、非常に前進的なことを呼びかけられておられますけれども、現実に製造業が再建をしようと思うと、国際的に見て三割から四割労働条件を下げなければ再建できぬとするならば、一体その整合性をどう考えられるのか。これは基本的な問題ですが、お答え願いたいと思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 選択に非常に慎重を期さなければならぬと思うのであります。ただ、労働条件の犠牲において企業が存続すればそれでいいのだという安易な企業再建は適当でない。したがって、われわれが常識的に考えて、近代的な社会における労働条件を踏まえて、そして企業の再建を図るというのがとるべき当然の方向である。そういったことができぬのなら、むしろ一応白紙に返さざるを得ない、こういうふうに思うわけでございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま大臣の方から、労働条件を下げての再建は望ましくないという基本的な見解が出ましたので、私は、それは労働行政としてぜひ強く一本筋を通しておいていただきたいと思うわけでありますし、特に関係の通産だとか運輸だとかその他の省庁にも、機会があれば大臣としてのいまの意思を表明していただきたい、このことを強く申し入れをいたしたいと思います。  同時に、佐世保重工の中で、これは佐世保に限りませんけれども、研修会というものがやられるわけです。今日の減量経営の中で企業が生き抜くには、一般の労働者のモラルというものを上げたり、協力を求めなければ再建できないことは十分わかりますけれども、研修会のあり方について、佐世保の労働基準局は、労働基準法違反の訴えがあって、しかるべき指導をしたというように思っておりますが、研修会というものはいわゆる企業が呼びかけるので、ある程度の業務命令というものが出るわけでありますけれども、残業の問題だとか、休憩時間の問題だとか、あるいはきのうの新聞を見ますと自殺者まで、佐世保の場合はフォアマンというのですか、管理者の中から出ておるわけでございますから、かなり厳しい再建状況というのはあると思うのですが、そこら辺全体、研修会についての基準行政の考え方を聞かせていただきたい、こういうふうに思います。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 お答えいたします。  佐世保重工の研修会の問題につきましては、佐世保労働基準監督署から指導がなされたことは事実なんでございますが、やや、新聞の報道は基準法違反を指摘したというようなことになっておりまして、若干その点が事実関係は異なっております。  私どもは、教育訓練が所定内の労働時間帯で行われているか、また所定外労働時間にわたって行われているか、その辺が、この基準法の観点から言いますと、所定労働時間内で行われていることは差し支えないわけでありますが、所定外労働時間については、自由参加であるか、あるいは業務命令的なものであるかということによって、翻り増し賃金を支給するかしないかというような問題が出てまいります。  そこで、佐世保重工の研修会につきましては、その所定労働時間内で行われているものであるのか、あるいは所定外のものが自由参加という形で行われているのか、その辺が明確でないという指摘、あるいはまた、教育訓練の時間中適法な休憩時間が行われてとられているか、あるいはまた、旅費、日当等、研修参加のための所要の経費が負担されているかというような点について、疑義をただし、また指導をしたというのが実態でございます。  具体的に、佐世保重工の研修の問題につきましては、その後、そのような問題点の指摘につきまして会社側の是正があったというふうに聞いておりますので、私どもは、現時点において、そのようであれば佐世保重工の研修に関しては問題がないのではないかというふうに考えております。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 いま、研修について問題がないという答弁だったのですが、私は佐世保以外のことについても言うわけですが、創造性開発訓練だとかいろいろな訓練がございまして、大体深夜になってやる研修会というのがいま多いのです。私自身もいろいろよく知っております。いわゆる一種の洗脳をするわけでありますし、時には他のメンバーが報告者に対するつるし上げをするような場合がありまして、参加者がしまいに泣き出して、そして初めて自分の過去の行動が間違っておったというような形での、非常に厳しいというよりも、ハードな訓練というものが現実に全国的にも行われておるのです。また、そういう研修屋さんというのもいるわけです。セミナー屋さんというのもいるわけです。私は、そういうことから、気の弱い方々はずいぶんノイローゼになるというような例もありますし、また、それを乗り越えて、国際競争の非常に苦しい条件の中から、アクチブというのですか、管理者が育っていくという面もあると思うのですが、労働行政として、一回研修会の実態を的確に調査をしてもらいたいと思うのです。たとえば、残業というのですか深夜にやる場合に、国内旅費の手当さえ払えば基準法違反でないのかどうか、あるいは三六協定の対象になるのかならぬのか、こんな点は、いままで行政通達が出ておりますけれども、労働省の行政通達、これは昭和二十六年の通達ですよ。昭和二十六年当時の教育訓練と今日企業が行っておる教育訓練は、雲泥の差があるんですよ。だから、少なくとも今日的にやられておる研修会について一回見直しをして、労働基準法との関係を洗い直してもらいたいと思うのです。むちゃを言うつもりはございませんけれども、一回そういう要望を申し上げておきますが、その点についての見解を出してください。

岩崎隆造労働省労働基準局長

○岩崎政府委員 先生の御指摘の点、私どもも調査して検討してみたいと存じます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 最後になりますが、時間がございませんので、造船の下請のことについて、通産省の方お見えになりますか。――ちょっとお伺いをいたしますが、実はこの城下町法案の中にもありますように、造船というものが中心でございますが、実際はすでに下請企業というものは非常に条件が悪いところまで追い込められておりまして、造船の下請労働者が現在どこにいるのかというフォローアップもなされておりませんし、あるいは全国的に約三万から四万マイナスになっておる人たちが、現在どういうような労働条件に置かれておるかというのも、私ども正確にはつかんでいないわけです。しかし、たまたま日本造船下請協同組合というのですか、正確には日本造船協力事業団体連合会の方々が、この下請の立場に立ちまして、特にスクラップ、船舶の解撤事業ということを強く呼びかけられまして、これは運輸省の方も今度の補正予算でかなりの手当てをしておるわけです。     〔委員長退席、竹内(黎)委員長代理着席〕 さらにまた、五十四年度の予算の大綱の中にも、これは造船業全体として、とりあえず労働力というものを創出するためにも、約三百万トンの船舶のスクラップをやって、解撤をやって、そして新造船をつくろうというようなことをやられておりまして、私どもも、これは非常にいいことだと思っておるのですが、問題は、船舶を解体して、そのスクラップをどう売るかという問題について、非常にリスクがあるものですから悩みが多いわけです。そこで、日造協の方々の御意見を聞いておりますと、国は公共投資ということを言うわけですから、公共投資の材料、すなわち丸棒、伸鉄、小棒ですね、そういうものについて、造船のスクラップがそのままひもつきで流れるようなことを考えてほしいという要望を出しておみえになるようであります。実際上、私は、運営はかなりむずかしいし、あれだと思うのですが、その点について通産の考え方、特に販売面について何かバックアップできるようなお考えはないのか、ちょっとお聞かせ願いたい、こう思います。

岩崎八男通商産業省基礎産業局鉄鋼業務課長

○岩崎説明員 いまの御指摘の解撤事業につきましては、私ども、この話の最初から、造船工業会の方から逐次御説明あるいは御相談を受けておりまして、その趣旨については十分承知しているつもりでございます。  ただ、ではおっしゃるとおりそれをどう処分するかということが、何分造船工業業界の人にしてみますと初めてのことでございますし、なかなかむずかしいわけでございますが、いま御指摘の、それを何らか公共事業へのひもつきというようなことで安定化が図れないのかという点は、私どもも御相談を受けました。ただ、これはむしろ造船業界というよりは、私ども、平電炉業界という構造不況業種を抱えておりまして、昨年、そのいろいろな対応を考えましたときに、実は同様の発想をしたことがございます。実は、小棒そのものを何とか適正な値段で公共事業が安定的に買ってくれるような方策はないかという点で、むしろ考えたことがございます。ただ、結果は、現在公共事業については、そういう現物支給というような形での事業というのはほとんどございません。例外は若干ございますが、ほとんどございません。したがいまして、建設省あるいは公団、営団等が、そういう小棒をひもつきで買って、たとえばゼネコン等への給付するというような形は、現状では不可能かと思っております。したがってまた、スクラップをそういうふうに利用するということもむずかしいのだろうと思っております。  ただ、私どもとしましても、そういう解撤業の趣旨は十分承知しておるつもりでございますので、逐次相談には乗っておりまして、これは先生も御承知だと存じますけれども、幸い近々、電炉業界と造船工業界の方で、そういう発生スクラップの消化問題について直接話し合いをするような機運になっております。もちろん電炉業界もそういう構造不況の典型でございますので、余力があるというわけでもございませんし、また、片やくず鉄業界という非常に零細な、かつ多人数の業界がございます。したがいまして、やはりこれは、くず鉄の価格及び需給の安定という面を十分認識しながら、しかし、できるだけそういう発生スクラップの円滑な引き取りということを、そういう中で何とか工夫していかざるを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

草川昭三公明党・国民会議

○草川委員 実は、きょう運輸省の方を呼んで、その点の経過も聞きたいと思っていたのですが、たまたま運輸省の方も、買い上げ法案の方でちょうど採決だそうですから、私は次の機会にこの問題をぜひ取り上げさせていただきたいと思うのですが、これは労働大臣もぜひ聞いていただきたいと思うのです。  どっちにしても企業城下町は造船が中心なんですね。ところがこの造船は、彼らに言わせてみれば、六割の失業保険をもらうよりも、とにかく十割の仕事が欲しいと言っているのですから、仕事をつくらなければいかぬわけです。そうすると、新造船をつくるには、いまの事情ですから、船をスクラップにしないとそれはもうだめになることは承知ですから、スクラップにして新しい船をつくって仕事をつくる。そのためには解撤事業というものを無視できないのです。年間約百万総トンの船を解撤しますと、毎月千三百三十人の労働者がふえるのです。わずかですよ。わずかですけれども、少なくとも百万トンスクラップにしますと、大体四〇%ぐらいスクラップができるわけですけれども、そのうちに七割ぐらいが伸鉄というか、引き抜きで建築用の丸棒をつくったり、三割ぐらいは平電炉へ持っていってスクラップにするわけです。ですから、これは一つのルートというのですか、流れ作業というものを、公共投資という逆から追っていくならば、造船で仕事がふえて、下請も喜びながら、そしてできた製品というものが流通機構、マージンがなくて入っていくわけでありますから、公共投資の現物支給というようなことを通産あたりも割り切るならば、これは一つのアイデアだと私は思うのです。  私は、本来ならば労働省がこういうことを考えてもらいたいと思うのです。労働省は首を切られた人たちだけの後々ではなくて、せっかく城下町というように横で造船の地域ぐるみのことを考えるというなら、そこでどういう仕事があるのか。従来の労働行政の範囲から飛び出しますよ。飛び出すけれども、いま言ったように、百万トンならば千三百人ぐらいふえるじゃないかというならば、たとえば今度は不況業種のアルミニウムについても、何かほかのアイデアはないだろうかというようなことをやると、先ほども労働省の批判がましい新聞が出たという話も出ましたが、そんなことはくそ食らえで、どうだというようなことが言えると思うのです。そういうように積極的な前向きの話がここにあるので、きょうは時間がございませんのでこれで終わりたいと思いますけれども、ぜひそういうように、従来の発想を飛び出した労働行政をやっていただきたいということを申し上げまして、時間が来たので終わりたい、こういうように思います。どうもありがとうございました。     ―――――――――――――

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事大塚勝美君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 次に、古寺宏君。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 最初に、大臣にお伺いいたします。  本日より、二つの不況対策の法案の審議が行われているわけでございますが、これは将来の経済の見通しに立った抜本的な対策であるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 いま御審議を願っております。労働省の提案しております特定不況地域離職者臨時措置法案は、臨時的な、応急的な対策でございまして、集中的に失業者が多発している地帯を地域ぐるみに離職者対策をやっていこう、あくまで臨時、応急的なものでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 こういう臨時、緊急的な措置以外に、やはり根本的な救済の方途を考える必要があるのではないかと思うのですが、そういうような不況地域の振興対策でございますとか、あるいは抜本的な解決方法というものについて、政府は真剣にお考えになっておられるのですか。そしてまた、この臨時というのは、大体いつごろまでに再建できるというような見通しに立っての法案でございますか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 臨時、緊急対策でございまして、これは何といっても、日本の現在の不況を一刻も早く安定成長の路線に乗せていく、この問題の解決が急務でございまして、いま政府は、内閣を挙げて全力投球をしておりますことは御承知のとおりであります。そういったこととの関係においての見通しでございまして、いまいつごろという時間的なことを申し上げかねるわけでございまして、その点はひとつ御理解を願いたいと思います。  とりあえず応急的対策としては、先ほどお話しがございましたように、やはり仕事をつくっていくということが、特に、構造不況業種の中でも造船企業に対しては必要でございまして、そういう面において、すでに三月の下旬における経済関係閣僚会議、同時に当時開きました雇用対策関係閣僚会議におきまして、いまお話しの解撤事業、それと海上保安庁の巡視艇の増強の問題、それとプラントバージの問題、こういったものは、あの当時から積極的に推進してまいったのが、ようやく今度の補正予算においてある程度実現を見たというふうに私は理解しております。そういった、さしあたり需要をつくり出して雇用の場を拡大していくという方法と、それから中長期的には、現在産業構造自体が基調的な変化を来しておりますから、その変化に対応して、雇用の伸びていく方向に向かって、すなわち製造業は余り伸びを期待することができない、やはり第三次産業に向かって雇用の場の拡大を期待して、その方向へ向かって施設も整備し、人手もふやしていくという方向に努力していく、これがいわゆる福祉型産業構造の方向に前進をするということでございます。  また、長期的にはやはり技術開発、それが企業化されそして産業化された暁には、雇用の場を提供してくれることは、戦後の日本の経済復興がこれを雄弁に物語っておるわけでございますから、科学技術の振興ということは一国の経済の力を伸ばす大前提であるということも忘れてはいけない、このように思います。  同時に、日本の労働者が、非常に優秀な技術そして能力、勤勉さ、こういった面において広く国際的な場を求めていく。現にアルゼンチンでは、日本の漁民を迎え入れるという具体的な話が出ておりますし、また、近くは中国関係においても雇用の場が期待されておるのではないか、このように思うわけでございまして、世界に職場を求めていくという、こういったこともあわせて考えるべきではないか、このように思うわけでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 非常に大臣の構想は大きいようでございますが、私が考えるには、政府の打つ手は対症療法的な、非常に見通しがはっきりしない、そういう小手先の対策を繰り返しているように思うわけなんです。むしろ長期的な展望に立って、もっと思い切った施策というものを考えてもいいんではないか。給付日数を少しずつ延長していくような、そういう場当たり的な対策ではなくして、最初から思い切って百八十日なら百八十日と給付日数を延ばして、そして再建を図っていく、そういう考え方に立ったらどうでございますか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 雇用保険の給付日数を思い切って延ばすという、これは財源という問題もございますけれども、やはり本来人間の本質といいますか、本性といいますか、働いて自立の道を得る、これが本来の姿であって、緊急やむを得ない場合必要最小限度にとどめていくという、こういう線が適当ではないか、私はこのように思うわけでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 時間がないので次に移りながら、お尋ねをしてまいりたいと思います。  私ども不況地域を視察をしてまいりまして、そういう不況地域に行った際に特に要望されるのが、いわゆる公共事業の傾斜配分と申しますか、これを強く要請を受けてまいったわけでございます。  一例を申しますと、室蘭市でございますが、かねてから室蘭市におきましては、白鳥大橋の早期着工ということを強く要望をし、要請をしてまいったようでございます。しかし、白鳥大橋につきましてはまだ確たる見通しが立っていないようでございますが、きょうは道路公団さんにお願いをしてございますので、早期着工の見通しについて、どういうような経過になっているのか、どういうような見通しか、お尋ねをしたいと思います。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 道路公団の大塚でございます。  日本道路公団では、昭和四十九年から、札幌周辺道路の調査というものの一部といたしまして、国道三十七号のバイパスの白鳥大橋の有料道路事業としてこれがなじむかどうか、そのために各種の資料を整理いたしまして検討を始めておったところでございます。  ことし、昭和五十三年度から白鳥大橋として調査を始めることになりまして、今年度は北海道開発庁が海上部の地質調査を行いますので、その結果を踏まえて、いわゆる橋梁の上部下部の設計の検討をする予定になっております。  これが現在の道路公団のことしの調査の現状でございまして、先生の言われました着工の見通しでございますが、これは室蘭の港の入り口にかかる長大橋でございまして、これは技術的に非常に検討を要するわけでございまして、着工の見通しにつきましては、今後の調査の成果を待って決めていきたいというふうに考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 室蘭市の詳しい状況につきましては私が申し上げなくとも労働省は把握をしておると思いますが、こういう非常に不況な地域、しかもここには函館ドックの工場等もあるわけでございますし、工業都市でございます。非常にこの白鳥大橋については強い執念を持っていらっしゃる、こういう地域については特にこういうような公共投資を早急に行う必要があると思うのです。本四架橋の方はどんどん進行している、しかしこの白鳥大橋の方はただいまなお調査検討中ということでございまして、ただいまのお話でございますと不況対策には間に合わないような御答弁でございますが、そういう調査を速めてこの工事を進めるというようなことはできないのでございますか。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 ことしの調査の成り行きを見て、そして長大橋の設計が非常にむずかしいかどうか、これは湾にかかる長大橋でございますので、その地質の状況によっては非常にその設計の内容が実は変わってくるものですから、その成果を見ないと、さらに調査が必要なのかどうか、そういうような検討をその調査の成果を踏まえて決めていきたいのですが、できるだけ早く見通しを立てるように調査は進めていきたいというふうに考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 この白鳥大橋の建設省と道路公団との持ち分というのがあるそうでございますが、これは決まっているのでございますか。

大塚勝美日本道路公団理事

○大塚参考人 道路公団でやりますときには、その事業が採算上成り立つかどうかということが一つの要素でございまして、現在、四十九年から見ました資料収集による概算の検討によりますと、これは非常に金がかかりまして、採算上非常に思わしくない事業ではないかというようなことが出ております。ですから、有料道路としてやるためには、やはりこれは公共との併合といいますか、合併事業といいますか、そういうようなことも一つの方法ではないかと思いまして、今後の調査の成果を見て、北海道開発庁あるいは建設省とそういう話し合い、協議を進めていきたいというふうに考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 それではまた次へ移ります。  通産省にお尋ねいたしますが、この特定不況地域離職者臨時措置法の中の地域指定の基準という問題については、現在検討中で、将来政令で定めるということになっておりますが、この中にいわゆる北洋基地あるいは水産加工業、こういうものが含まれているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 北洋漁業につきましては特定不況業種に該当するものと考えております。したがいまして、地域経済の疲弊の状況等につきまして、他の地域と同様、法律で規定する要件に該当する場合には地域指定の対象といたしたい、こういうふうに考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 一つの例でございますか、青森県の八戸市の例でございますが、有効求人倍率はどういうふうになっておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 八戸につきましての月間の常用有効求人倍率でございますが、月別に申し上げましょうか。それとも、最近のものだけでよろしゅうございましょうか。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 最近のものだけで……。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 七月につきましては〇・三五ということでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そこでお尋ねしたいのですが、この有効求人倍率の中には、海運局関係の求職者は含まれてございますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 現時点のいま申し上げました統計の中には含まれておりません。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そうしますと、地域指定をする場合には当然海運局関係も中に含んで、その上で検討するということになりますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 そのように計算することで、運輸省との間でも話を進めております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 新聞の報道によりますと、北海道の稚内あるいは釧路がこの指定地域になるように報報がなされてございますが、通産省としては八戸市についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 八戸の実態につきましては水産庁と共同して調査中でございまして、現段階では結論をまだ得ておりませんが、検討していることは事実でございます。結論は得ておりません。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 次に、また質問が飛びますが、室蘭の場合でございますが、大型店の進出につきましていろいろと現地の中小企業から要望があったわけでございますが、先ほど通産省の通達を拝見いたしますと、駆け込み申請の許可はしない、しないというよりもそういう点については十分な指導を行って、自粛するようにという通達がなされているわけでございます。そういう点につきまして、よく現地ではこの面についての徹底がなされていないようでございますが、これはどういうわけでございますか。

伊藤敬一通商産業局産業政策局大規模小売店舗調整官

○伊藤説明員 お答えいたします。  先生御指摘のお話は、室蘭に二つの大規模小売店舗が進出をするというケースについてかと存じております。  現在、室蘭の方におきまして、こういう問題が起こりましたときは、やはり大規模小売店舗法の趣旨と申しますのは、地域民主主義の精神にのっとりまして地元で十分協議、調整を行っていただく、話し合いを行っていただくということでございまして、私ども、その地元の意向を十分に尊重してやっていきたいということで従来から運用いたしておりますし、これからも運用してまいりたいと思っておるところでございます。  先国会の末に大規模小売店舗法の改正案を政府提案いたしまして、現在まさにこの時間に、商工委員会の方でこの改正案が審議をいただいておるところでございますが、この政府案を提出いたしました六月の国会におきまして、商工委員会の特別決議がございました。まあ法改正を控えておることでもございますし、十分駆け込み出店に対して留意していくようにということでございましたので、私どもその意を体しまして、通産局、府県、関係団体等にその旨通牒を出しておるところでございまして、私どもとしては、その線に沿いまして今後とも指導を行ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 その通達はたしか私も拝見したのでございます。七月三日の日付で出ているように思いましたが、室蘭市の商工団体が、八月二十三日に、札幌の通産局へ地元から陳情に行ったわけです。それに対しまして札幌の通産局では、大臣が何と言ったか、どういう通達が出ているか、そういうことは承知していない、そういうふうに全く違う見解のお話をした、こういうのでございますが、そういたしますと、通産省は札幌の通産局に対してはそういう通達は出さなかったのですか。

伊藤敬一通商産業局産業政策局大規模小売店舗調整官

○伊藤説明員 札幌通産局に対しても同様に出しております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そうしますと、八月二十三日にはすでに通達は届いていると私は思うのです。なぜそういうような対応をしたのですか。

伊藤敬一通商産業局産業政策局大規模小売店舗調整官

○伊藤説明員 事実関係を調べてみないと何とも申しかねますけれども、先生お話しのとおりの発言がもしあったとすればきわめて遺憾でございまして、私ども早速実情を調査してみたい、かように考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 実情を調査して、そして室蘭市の商工会議所その他の方々が御心配している点について十分に解明をし、御要望の趣旨にのっとって、また通達の趣旨にのっとって指導をしていただきたいと思います。その結果につきましては後日御報告をお願いしたいと思います。

伊藤敬一通商産業局産業政策局大規模小売店舗調整官

○伊藤説明員 最初に申し上げましたとおり、私どもこの大規模小売店舗法の運用につきましては、地域民主主義という精神にのっとりまして、十分地元の意向を尊重してやってきておるところでございまして、改正案の成立を待ちまして、さらに充実した内容でやっていきたいと思っております。  先生御指摘の点につきましては、早速調査をいたしてみたいと考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 次に、これは室蘭も函館市も同じでございますが、二百海里経済水域時代に備えた巡視艇あるいは調査船の建造をぜひ発注をしていただきたいという強い要請がございまして、今度の予算にも計上されているようでございますが、函館また室蘭に対しては具体的にどのくらいの発注をなさるお考えなのか承りたいと思います。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 ただいまの御質問でございますが、海上保安庁の巡視船艇等の建造契約につきましては、会計法上競争に付することとされております。したがいまして、特定の造船所あるいは特定地域の造船所に集中発注するということは非常に困難な状況でございます。しかしながら、特定不況地域対策という非常に重要な政策もございますので、私どもといたしましては、特定不況地域の造船所に対しましてはできるだけ受注の機会を広げるというふうに努力してまいりたいと考えております。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 ただいまの答弁ではどうも不況対策が優先していないように考えられるのですが、今回は予算を七七・一%追加しているわけでございましょう。当然そういう不況業種、不況地域を優先して発注してこそ、私は成果があると思うのですが、どうなんですか。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 その点につきましては、会計法上のたてまえと不況対策との関連ということで、私どもとしましては非常に困難な立場に立つわけでございますけれども、極力特定不況地域に対する配慮をいたす努力をいたしたいということを申し上げたいと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そうしますと、室蘭は何隻とか、函館は何隻とか何トンとか、そういうことは具体的にはまだはっきりしていないわけですね。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 お説のとおりでございまして、その点は今後詰めてまいりたいということでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 これは大臣にお願いしたいのですが、仕事がなくて非常に困っているわけですね。ですから、そういう不況地域については何か優先的に発注できるような考え方で処理できないものかと思うのですが、いかがでございますか。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 御趣旨の点は十分尊重いたしまして、もともと海上保安庁の巡視艇の増強の問題は、造船業の需要の創出という観点から、関係閣僚会議でも強く推進して、今度の補正予算で実ったわけでございますから、その線に沿うようにわれわれも最善の配慮をいたしたい、運輸省とも十分連絡をとり、また海上保安庁にもよく連絡をとりたい、このように思います。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 この際、古寺君に申し上げます。  先ほどの細野職安局長の発言中、数字に誤りがあったので、訂正の発言を求めておりますので、職安局長の発言を許します。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先ほど、八戸の常用の有効求人倍率につきまして七月、〇・三五と申し上げましたが、これは一段上のものを読み間違えまして、八戸は〇・五二でございますので、まことに恐縮でございますが訂正をさせていただきます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 飛び飛びになりましたが、海上保安庁の巡視艇の問題でございます。  現在北海道は、特に室蘭の地域につきましては、非常に問題が起きているわけですね。そういうことで、巡視艇の配置をぜひしていただきたいという地元の要請が強いのでございますが、でき上がった巡視艇については、どういう管区に配置をするお考えですか。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 ただいまの点につきましては、いま先生仰せのとおり、特に北方海域、北海道周辺それから三陸周辺、あの海域がいまソ連漁船の操業が集中しておるということで、私ども海上保安庁の重点海域でございます。したがいまして、北海道と東北の太平洋側を重点的に、特に巡視艇増強分につきましては配置を考えておるわけでございます。  それと、もう一方の重点海域といたしましては、御承知のとおり例の南西海域でございます尖閣諸島それから沖繩周辺、そのあたりに重点配置するという計画でただいま検討中でございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 その中には室蘭港は入っておりますか。

堀木常雄海上保安庁経理補給部経理課長

○堀木説明員 ただいま資料を持っておりませんが、私の記憶では、たしか室蘭は入っておったと思います。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 次に通産省にお尋ねをいたします。  サキイカとかビールのつまみの珍味加工というのがございますね。この珍味加工の原料でございますところのムラサキイカ、これが最近は非常に値段が高くて加工業者が非常に困っていらっしゃる。これは現在は、商社割り当てが四〇%、需要者割り当てが六〇%になっているそうでございますが、これを需要者割り当てをもう少し比率をふやしていただいて、それからまた価格も採算に合うようにしていただきたい、こういうお話があったのですが、通産省はこの問題についてどういうふうにお考えでございますか。

篠浦光通商産業省貿易局農水産課長

○篠浦説明員 お答えいたします。  先生おっしゃいましたように、現在、イカは輸入割り当てという制度をとっておりまして、商社割り当てと需要者割り当てというのをとっているわけでございます。  輸入割り当てにつきましては本来輸入業者に割り当てる、そして消費者なり需要者に流すというのが原則でございますけれども、品目によりまして、特に先生お話しの珍味のような、あるいはスルメのような加工業者が需要するというものにつきまして、そういった人への安定的な原料を供給するということから、輸入業者に対する割り当てと別に需要者割り当てを認めておるわけでございます。  いろいろな経緯もございまして現在六割ということで割り当てておるわけでございますが、需要量なりあるいは輸入業者への割り当てのバランスなども考えながら、物資所管庁であります水産庁と毎年協議をしながらやっておりますので、十分協議しながらやってまいりたい。この場でどうこうするということは申し上げられませんけれども、水産庁と協議しながらやっておりますし、これからもやってまいりたいということでございます。  それからもう一点、価格が上がっておるということでございますが、イカの国内の湯獲量は若干減りぎみでございますが、輸入量につきましては年々枠もふやしておりますし、順調に輸入されておる。その価格でございますが、私どもCIFベース、通関ベースの価格を調査しておりますところでは、一九七六年、おととしでございますが、おととしかなり高かったわけでございますが、去年下がりましたし、最近も低下傾向にあるということで、まあまあ需要に見合った輸入が行われて、価格もまずまずのところで輸入されておるというふうに考えておるところでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 あなた、加工している現場へ行ってごらんになったり、加工業者のお話をお聞きになったことございますか。

篠浦光通商産業省貿易局農水産課長

○篠浦説明員 ございません。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 そういうふうに、実態を知らないで勝手なことをおっしゃっちゃ困るのです。  これはサキイカの場合で申し上げますよ。昭和五十二年には、でき上がった製品の卸売価格がキログラム当たり二千四百円だったのです。五十三年には少し値上がりしまして、キログラム当たり二千六百円になっている。ところが原料代の方を見ますと、製品一キログラムに対して原料が七キログラム必要なんです。五十二年には原料が千六百十円だった。それが五十三年にはキログラム当たり二千二百四十円になっているのです。製造経費は、人件費とか調味料を入れまして六百円かかるのです。これは五十二年も五十三年も同じです。それで計算しますと、五十二年には一キログラム当たり百九十円の利益があったものが、五十三年には二百四十円の赤字になっているのですよ。マイナスになっているのです。これはなぜかというと、原料代が急激に上がったからなんですよ。しかもこの原料は輸入しているんでしょう。もう、石油を初めみんな円高差益で大騒ぎしているじゃないですか。当然値下がりしなければならないものが、こういうふうに値上がりしているということが不思議でならない。これはどういうわけです。

篠浦光通商産業省貿易局農水産課長

○篠浦説明員 私どもも原料価格と言いますか、加工される方がどのくらいの価格で原料の手当てをされておるかということ、数字は持っておりませんのでちょっとお答えできないわけでございますが、輸入価格で見ます限り、一応まあまあの価格になっておるということでございます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 大臣、時間がありませんので一応このくらいで終わるのですが、ただいまの小さな水産加工業者、しかし、これは函館市のいろんなそういう不況対策にもなるわけです。そういう加工業者が非常に困っておるというような実態を通産省は全然考えずに、商社ベースでみんな決めるんですね。ですから加工業者がみんな困っておるわけです。こういう面につきましては、通産省もひとつ現地を調査するなり、水産庁からもっと具体的ないろいろな御説明をよく承って、水産加工業者が困らないような対策を考えていただかなければならないと思います。そういう面で、先ほどから、公共事業の傾斜配分の問題でございますとか造船の受注の問題でございますとか、あるいはこういう小さな水産加工の問題等を申し上げましたが、まだまだ不況地域に合った、不況地域を救済しようとするような対策が非常におくれているわけなんです。ですから、対症療法的な対策だけではなしに、やはり地域全体を振興させてあげるような対策を政府としても十分に考えてあげなければならない、私こういうふうに痛感をしてまいりましたので、大臣からひとつ今後の抱負をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 経済の仕組みは相互に関連し合っておりまして、まさに総合経済対策が適切に行われることによって、景気の回復も雇用の安定も図られるわけでございまして、いま具体的な、実際に視察をされました結果を踏まえて、いろいろ御意見を拝聴いたしました。十分意のあるところを受けとめまして、われわれも関係方面に十分気を配っていきたい、このように考えます。

古寺宏公明党・国民会議

○古寺委員 終わります。

竹内黎一自由民主党

○竹内(黎)委員長代理 次に、平石磨作太郎君。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 今回の不況対策の二法が提案されて、それぞれ審議に入りました。  ところで、この不況地域の離職者対策、この法案について、地域指定の基準というものは大体どのように考えておられるのか、大臣にお伺いしたいのです。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況地域の指定は政令で市町村ごとに決めるということになっておりますが、その政令を定める要件といたしましては、まず特定不況業種に属する特定の事業所が、工業出荷額等において所在の市町村の一定割合以上を占めているというようなことが第一でございます。  それから第二に、その特定事業所におきまして事業規模の縮小等が相当の規模で行われているということ、これは過去の生産水準から見てどの程度落ちているかというようなことが一つのポイントになろうかと思います。     〔竹内(黎)委員長代理退席、住委員長代理着席〕 それから、市町村におきまして相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じているというようなこと。  それから第三に、同じく離職者対策関係との絡みでございまして、特定不況事業所の所在市町村の区域及びその近隣の地域における、雇用に関する状況の程度というものを勘案する。  以上の点を総合的に勘案して決める、こういうふうになっております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 いま大体お話を承りましたが、特定不況地域というその中身につきましては、特定不況業種の一応の選定というか、政令で定めるということになっておるようですが、これは前回の産業安定についての構造不況法、これを一つの下敷きとしてやっておられるのかどうか、それも判断の中に入るかどうか、お伺いしたい。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況業種をやはり政令で決めることになっております。特定不況業種というのは俗に言えば構造不況業種ということでございますが、やや具体的に申しますと、先般の特定不況産業安定臨時措置法、それから労働省の方の特定不況業種離職者臨時措置法、こういうものに指定業種というのがございます。そういうものを下敷きにしながら、現実の適用というものもございますので、空振りになっても意味がありませんので、現実のさっき私が申し上げましたような要件とも照らし合わせながら、そういう下敷きの中、必ずしもそれにとらわれなくてもいいと思いますが、構造不況業種というのはわりと広い概念でございますから。たとえば、先ほど申しましたような北洋漁業というものも含ませていいと思いますが、一応下敷きとしては、先ほど申しました二法の指定業種あたりを下敷きにして考えていく、こういうふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 それでは、前回の指定がすでに行われておる、この法律指定あるいは政令でもって指定しておるというのが何十業種かございますが、それは一応対象に入る、こういうことですね。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特定不況業種という意味の選択の対象にはなり得る、こういうふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 そうなりますと、非常に範囲が広くなって大変結構なことですが、ところで、この九月三十日に、いままで内定と言うたらおかしいでしょうが、あるいは内定と言わなければしようがないでしょうが、十六地域というものの指定が一応新聞報道されております。そしてさらに、年内に二十五ないし三十カ所程度を指定追加していこうかというようなことも、新聞に出ておるわけです。この十六を一応内定したときは、労働省と協議の上、新聞に出たものかどうか、お伺いしたい。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 いわゆる厳密な意味の協議というと、程度はありますけれども、御相談をしているということは言えると思います。厳密にきちっと合わしたという意味ではありませんが、御相談はしております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 そういたしますと、資料として私いただいておるのですが、この十六を限って見てみますと、大体造船が主です。そしていまおっしゃったように、あるいは水産も云々といったようなこともあるいは後から加味するような形になったのだと思うのですが、この企業を見てみますと、ほとんどが造船が主であって、あるいは合成繊維等が一部入っておる、こういうようなことになっておるのですが、今度法案が成立をして、指定の作業にいまおっしゃったような基準で入るということになりますと、やはりこれにこだわってきますか、どうですか。これを一応のもとにしますか、新しい法律での指定は。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 特にこだわる必要はないわけでございまして、法律の趣旨に照らして運用するということで臨みたいと思いますが、ただ御承知のように、造船関係が結果的にはやはり落ち込みが非常に激しいということと、それからわりと大きな規模で事業をやっておるということ、一つの市町村で。そういうことでございますので、造船が比較的結果的にはウエートが、この間のようにウエートが高いかどうかは別といたしまして、相対的にウエートが高くなることはあり得ると思いますが、法律の趣旨に照らして、新しい立場から考えていくべきだと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 新しい立場で考えていかれる、こういうことで非常に結構なことですが、ところで労働省にお聞きをいたします。  労働省の今度の離職者臨時措置法は、この中に出ております特定不況地域中小企業の通産の考える措置法によって、一応それをもとにしてというようなことで、追随と言ったら言葉は悪いのですが、そういう形になっておりますが、いま通産のお答えになった指定については、労働省は十分話し合いの上でやるのか、先方で決まったからこれでいくのだという見解をとられるのかどうか、そこをお伺いしたい。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 お尋ねの件で、地域の指定というのは二度あるわけでございます。  一つは、いまお尋ねの中小企業対策臨時措置法案の方で市町村を指定します。その際には、先ほど通産省から御説明がありましたように、経営関係のあるいは事業活動関係の指標を通産省がごらんになり、それから雇用の関係の指標を私どもが見まして、両者の一致したものの市町村を指定するわけでございます。  もう一つの指定は、いま御審議いただいております特定不況地域離職者臨時措置法案の中に出てまいりまして、こちらは今度は、その中小企業対策法案の方で指定をされました市町村を含む安定所の管轄区域というものを労働大臣が御指定になって、その地域についてここに書かれておりますようないろんな諸対策を講じていく、こうなるわけでございます。  したがって、この法案による地域というのは、中小企業対策で指定をされた市町村というものを踏まえますけれども、その踏まえるべきもとの市町村を決めるときには、労働省と通産省とが相談をして決める、こういうたてまえに中小企業対策臨時措置法の方がなっておるわけでございます。そういうことで、両者が協力して同じところを決めていくということになっておることを御理解いただきたいと思うわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 そこで、大体共同作業で行われるけれども、労働省の方はいまの言う管轄区でいくということで、そこには地域の広さが違ってくる、こういう結果になってこようかと思うのですが、その地域が広い数カ村にわたっている場合、中小企業の方で指定された町村を中核としてその周辺、この中で、特定不況業種としての指定が前回のときになかったといったような企業について相当な落ち込みが出ておる、そして失業が増大しておる、こういったような状態が出ておる場合に、労働省はこれに救済措置をとるかどうか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 労働省の対策の対象としましては、結局全体としての労働市場の中で、その市場が需給関係が非常に悪いかどうかというようなことを中核に見るわけでございまして、そういう意味で、御指摘のように、いわゆる通産省で御提案になっている方の法案の市町村よりも広くなることを想定して考えているわけでございます。したがって、そういう地域として今度は広いところを指定しましたならば、その地域の中のすべての企業について安定資金も適用しますし、それから雇用保険も適用する、つまりその地域にある企業が特定不況業種等に属しているか属していないかを問わず、すべてこれを対象にしていく、こういう考え方でいるわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 非常によくわかりました。  ところで、通産の方へもう一回お伺いしておきますが、通産の場合は、この新聞報道によりますと、特定不況と、これに関連をして、その地域におけるところの小売り、商業、サービス業あるいは飲食店、パチンコ店、こういったものも影響が出ておるものについてはそれぞれ救済の対象に入れるというようなことが新聞報道になされておりますが、どうですか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 われわれのねらいといたしましては、特定の地域、特定の市町村におきまして構造不況業種が中核的といいますか、ウエートが高いということでそこがダメージを受け、その結果、直接間接でございますが、直接の下請あるいは間接的に言えば商店街あるいはサービス業というようなものが疲弊しておる。そういうものを実はいままで救う方法がなかったわけでございまして、そういうものについて金融とか税制上の手当てをしていく、こういう方針でございます。したがいまして、商業、サービス関係も含む。ただし、問題はこのツールでございますが、道具立てといたしましては、政府系の三機関とかあるいは信用保証協会とかいうものを使いますので、そこの対象になっていない一部の風俗営業とか等については実質的にはむずかしいのじゃないか、こういうふうに考えていますが、通常の商業、サービス業は対象になるというふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 通産のさっきの指定の基準の考え方でしたが、どうしても大手の不況業種、それの一つの下請、そしてそれに関連するもの、こういう形でどうも描いておるのではないか。だから私ども申し上げたいことは、もちろんそのことも結構ですが、先ほど答弁である程度わかったのですが、むしろ小さな企業が集団的にやっておる、大手の方の下請とかいったような形ではないけれども、集団的にやっておるものが、集団的にその地域において不況に落ち込んでしまった、こういったものも対象に入るということになるわけですね。どうですか。     〔住委員長代理退席、委員長着席〕

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 中核という言葉でちょっと誤解をお受けになっているかと思いますが、中核というのはでかい大企業ということだけでわれわれはとっておりませんで、中小企業の集団でも、集団としてその地域経済に大きなウエートを持っておるケースがございます。そういうものは一応この法の対象にして考える、こういう方針でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 そこで今度労働省の方へお伺いいたしますが、有効求人倍率、この面から労働指標で見てみますと、たとえて申し上げますならば、高知県のような非常に低位の地位にある、こういう地域につきましては、労働省の指標を見てみましても、日本で言うたらほとんど最低クラス、恥ずかしいのですが、沖繩とどっちいくかなというぐらいの数値を示しておる。今度の指定に当たって、一応この十六のところと比較をしてみますと、さらに低いといったような数字が見えるわけですが、一部の地域にそういったものが出ておる。しかも、この十六に指定が一応予想されておるところの地域よりもさらに労働指標が悪いというようなところについては、労働省はどう考えておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 今回の特定不況地域離職者臨時措置法の考え方は、先ほど通産省の方からも御説明がありましたように、特定の不況業種がその地域に占めている影響が非常に大きくて、その影響によって、たとえば従来産業的にも栄えていたし、雇用面でもむしろ需要地であったというようなところが急激に悪化して、そのために町全体が疲弊して混乱が起きているという事態に対処しまして、中小企業に対する経営の安定対策というものを通産省の方で講じていただく。私どもの方もそれに対応して、一緒になってその雇用の安定のためのいろいろな措置をとる。こういういわば集中的、ややどしゃ降り的に急激な変化が起きているところを臨時、応急的にこの際対処をしていこう、こういう考え方に立っているわけでございます。  したがいまして、先生も御指摘のように、たとえば雇用状況だけとってみると、ここよりも数字的に悪いところというのは日本じゅう幾らもあるわけでございます。そういうところにつきましては、今回のような臨時、応急措置で何年間でやるという対策はむしろ不向きでございまして、全般的な、その地域の産業構造を時間をかけて構造改善をしていくか、あるいは、従来もそういう地域においては、むしろ工業地帯等へ求職者の方は移転をして就職をしておられる、そういう一種のそれなりの慣行ができておりますから、そういう形で、いわば移転就職を一層促進するような方策をとっていくか、いずれかの方策か、あるいはその両方をとるという恒久対策で対応すべきものではなかろうかと考えておるわけでございます。  したがいまして、そういうふうな恒久対策を今後ともどういうふうに強化するかという問題として対処すべきであって、今回のような緊急、臨時で五年なら五年間でもって、その間に根っこにある不況業種そのものに対する対策も講ずるという、これは昨年の特定産業安定臨時措置法の方でそういう構造改善をやることになっておりますし、それからその影響に基づく中小企業については今回の通産省の方の法案でやっていく、それからそこの飛ばっちりを受けている雇用関係については労働省の法案でやっていくという臨時、応急対策等には、いまの御指摘のような地域はなじまないのじゃなかろうか、そういうふうに考えているわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 臨時と恒久対策とに分けてお話をいただいたのですけれども、今回の問題に限って申し上げますと、いま労働省の地域は広くなる。管轄区域でやっていく。その場合に、この基準の問題としては、たとえば出荷額が云々とか、あるいは落ち込みがひどかったとか、あるいは廃棄がなされておった、あるいは倒産したとか、こういったものと今度雇用の問題と、こうあるわけですが、この地域が広くて、その中の企業については一応適用する、こういう御答弁をいただいたわけですが、そうなりますと、一応特定不況ということの概念はなくなって、その地域にあればそれでいいんだ、そしてそこが雇用状態が非常に不安な状態、不安定な状態、失業が続出してきたということになりますと、この法律で決めようとしておる基準からはちょっとずれた、幅の広い一つの要件だけでいけるというように私は理解をしたのですが、そういう意味でそこができるのであるなら、指定地域についても独自に労働大臣は認定ができないかどうか。これはむずかしいですか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 先生御指摘のように、中小企業対策臨時措置法案の方で指定をする市町村の単位よりも、この地域離職者臨時措置法案で指定する地域の方が広く考えているという点は御指摘のとおりであります。ただ、その考え方はあくまでも、核になる市町村を含みましてその影響によってそこの労働市場が悪くなっているという考え方なわけでございます。ですから、一つには、その影響による労働市場の見方としては、やはり現実に求人と求職とをぶつけている安定所の管轄というところで見るのがより合理的だということが一つと、もう一つは、その中の市町村だけの統計がとりがたいものでございますから、下手に推計などするのはかえって不公平問題を起こすという両面がございまして、そういうことで広い範囲で見ることにしておりますが、それはあくまでも、申し上げておりますようにその中核的な地域の影響ということで見ておりますから、その影響抜きにほかのとろを指定するという考え方はこの法案の考え方としてはないわけでございます。  ただし、御存じかと思いますけれども、たとえば地域的に失業が非常に問題になっているところについて、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法で特定地域を指定して、そこに公共事業を集中的にやってもらって、そこの吸収率を掛けていくとか、あるいは求職倍率等の悪いところについて、五十五歳以上の年齢の方に雇用保険の延長をやる、これは全国的に五十五歳にしておりますけれども、そういう地域については四十五歳まで下げるとか、そういう意味でのいろいろな施策を全国的にやっているというまた別の制度もあるわけでございまして、そちらの方の問題として考えていくべきものではないか、こういうふうに考えているわけであります。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 それでは、もう一回一つ確認をしておきたいのです。  通産省の方にお伺いしますが、いまの労働省のお答えでは、やはり特定不況という今度の中核的な考え方から、その影響の範囲においてという形になってこようかと思うのです。仮に、私が先ほど申し上げたような地域を指定する、地域指定を通産がやるという場合に、政令で指定されておる業種、造船といったようなものに限らず、その業種に属するものであるのなら、その工業出荷額を一応トータルしてみて、地域全体の出荷額に占める位置がどの程度かというようなことを判断して、決めていきますのかどうか。

若杉和夫中小企業庁計画部長

○若杉政府委員 構造不況業種に属する業種は造船だけじゃございませんので、先ほども述べているようにわりと広く考えております。したがって、そういうものの複合地帯というのが当然ございますが、そういう複合地帯の場合の地域のウエートの高さというのは、造船だけカウントするわけじゃございませんで、造船プラスそういう構造不況型の業種の部分もカウントいたしましてウエートを考えるという方針になろうかと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 この対策についてはもちろん通産、労働の方でやっておられるわけですけれども、自治省は、やはり地域の振興ということになりますと、三位一体といいますかそういう立場で、この法案にも県とか市とか、市町村の協力義務までうたわれておるわけですが、これについて何かおりたとかいったようなことを聞きますが、なぜそういった総合的な立法という面からおりられたのか、理由をお伺いしたい。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 不況地域対策につきまして私どもが考えておりましたのは、地方公共団体が不況地域の経済振興のために総合的な計画を立てる、それにつきまして国が財政上その他必要な援助措置を講ずるという基本的な考え方を持っておったわけでございますが、この進め方あるいは国と地方公共団体との関係等につきまして、関係省庁間の調整が間に合わなかった、そういった時間的な関係もございまして、本国会への提出は見送らざるを得なかったということでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 これは、社会保障制度審議会の答申の中にもその点は指摘されておりますね。そして、自治省でいただいたのですが、要綱なるものができておるわけですが、実際その対策に市町村が独自の単独事業をやったりいろいろな振興計画を立てた場合に、法律のないこういった要綱だけで、対策に対しての手当てが自治省としてできるのかどうか、私は不安を持っておるわけですが、その点をはっきりお聞きしたいのです。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 現在、要綱で地方公共団体の総合的な対策を進める場合には、これは地方公共団体の自主的な計画でありまして、その実行につきまして国の方の万全な協力が得られるという保証は、必ずしもないものでございます。しかしながら、要綱措置によりましても、それぞれ個々の事項につきまして関係各省庁の協力を取りつけるように努力をしてもらう、私どもの方もそういったような努力をする、さらに、その実行に必要な経費につきましては、自治省といたしまして財政上の措置の万全を図っていくというつもりでおりますので、法律ほど完全な形ではございませけれども、当面緊急の対策としては、まずその目的を果たし得るものではなかろうかというふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 財政対策をとるということは、具体的にどういうことですか。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 地方公共団体の施策といたしまして、通産、労働両省で考えております雇用あるいは中小企業対策につきましても、単独の施策がいろいろございます。あるいはその他公共事業の活用に関すること、地方単独事業、大規模維持補修事業あるいは地域産業の振興策、そういったようないろいろの地方公共団体単独で行い得るものがございますので、これらにつきまして、物によりまして違ってまいりますが、地方債上の措置あるいは特別交付税による措置を講じてまいりたいというふうに考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 特別交付税あるいは起債ということでお話がありましたが、この不況の中では税収減なんかも当然出てくると思うのですが、これの補てんなんかはどういうようにしますか。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 税収の減につきましては、当然交付税によって補てん措置を講じてまいりたいというふうに考えております。ただし、これにつきましては法律に基づく減税措置に限るということになろうかと思います。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 次に、保険料の問題について労働省にお伺いいたします。  保険料が今回千分の一引き上げられるということになっておりますが、この件については労働省は、今度の臨時対策で一体どのくらいのお金が必要だと予想しておりますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 今回の臨時措置によります保険の特例措置での所要額でございますが、この補正予算の中で本年度分として約六十億、それから来年度分として平年度ベースに直して二百四十五億程度というふうに、一応私どもの方で推計をいたしております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 千分の一アップすることによって、どのくらいの収入がありますか。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 ただいまお尋ねの千分の一につきましては、約六百億ということでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 約六百億の収入が見込まれる、そして所要財源としては、補正においては今年度については六十億、それから平年度ベースで二百五、六十億、こういう状態であるのなら、一概に保険料のアップということを考えなくてもいいのでないか。だから、今回の千分の一のアップということの理由がはっきりしない、その理由を申し述べていただきたい。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 現在、雇用保険の財政自体は三年間続きの赤字でございます。御存じかと思いますが、労働保険料徴収法の中に保険の積立金とその料率との関係に関する規定がございまして、それでごく大ざっぱに申し上げますと、一年分の保険料収入に見合う積立金を不測の場合に備えて持っていなさい、それを割ったら料率を上げなさい、それから二倍、二年分ぐらいたまったらむしろ料率を下げることを考えなさい、こういう規定がございます。したがいまして、その積立金が一年分の保険料収入を割る事態というものは、財政としては危機状態というふうに考えている規定があるわけでございます。そういう考え方からいたしましても、積立金がその一年分を現在割っておりまして、先ほど来御議論ございましたように、今後の雇用・失業情勢を見ましたときに、どうも早急に改善されるというめどがなかなか立ちませんで、むしろへたをすると、保険財政はさらに悪化するというような様相を抱えているわけでございます。  したがいまして、そういういずれの観点から見ましても、ここでさらに、先ほど年間に直して二百四十五億というふうに申し上げましたけれども、そのくらいの大幅な給付改善をするとなりますと、どうしても保険財政をある程度、これ以上の悪化を防ぎながら、いま申し上げましたような給付改善というものを賄うだけの料率の値上げというものは、最低限必要ではなかろうか。  それから、先ほど申しました法律の規定等からいきますれば、むしろその改善を早急の間にやろうと思うと、私どもが当初安定審議会に御諮問申し上げましたように、千分の二が必要なぐらいの状態にあるというわけでございます。ただし、これは先生も御答申をお持ちでございますからすでに御存じのことでございますけれども、安定審議会の御審議の中で、千分の二というのもわからぬではないけれども、しかし、これを一気にやるのは、こういう経済情勢の中で無理だ、だからむしろ、今回の延長給付に伴う負担増を賄い、かつこれ以上の悪化を防ぐ程度にとどめるべきであるということで、公、労、使三者の意見の御一致をいただきまして、その実質的中身というのも千分の一だという点につきましては、文章には書いてありませんが、実質的に三者間で御了解を得て、今回の法律の中に入れさせていただいた、こういうのが経緯でございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 確かにこの会計は悪化の傾向にもありますが、受給率等を見てみましても、格別上がったような数字が出ていない。大体横ばいといったような状態です。これは古い資料かもわかりませんけれども、五十年の受給率を見ましても二・八七です。五十三年度の見込みが二・八二。こういった形で、横ばい状態ですね。だからその面から見ましても、一概にここで二百五、六十億のものに六百億もといったような、いわば便乗的に値上げをするような理由は見つからぬじゃないか。  それから、いま答弁にありましたように、積立金の問題等も、これで見てみましても確かに落ちてはおりますが、今回附則でやらなくても、来年度本質的に上げなければならぬという、経営悪化といったような面から判断をされるのであれば、いまここでやらなくても、来年やったらどうか、あるいは来年審議にかけたらどうか、こういうような気もするわけですが、その点……。

細野正労働省職業安定局長

○細野政府委員 受給率等につきましても、最近月におきましては三%を超えるほどの状況でございまして、じわじわと現在の雇用情勢の厳しさを保険の上にもあらわしつつあるわけでございます。  一方、先ほど申しましたように、積立金自体を相当食いつぶしていく、そういうたてまえではなくて、不測の事態に備えるために、積立金はむしろ一年分を準備しておきなさい、こういう法律のたてまえになっておりますので、そういう意味から言いましても、食いつぶせば少しもつではないかということにはいたしかねる。例外的に、たとえば来年あたり非常に景気が立ち直って、ことし少し食いつぶしてもすぐ回復するという見込みが立つ場合には、先生の御指摘のように、ことしは多少積立金を食いつぶすことになっても、料率値上げ等はせずに持ちこたえるということも、そこまで法律が禁じているとは考えないわけでございますが、しかし先ほど来申しましたように、現にじわじわと受給率等もふえておりますし、それから来年について見ましても、そう簡単に雇用・失業情勢が改善できるとは、と言うよりは、むしろ楽観を許さないというふうに申し上げた方が客観的ではないかと思われる情勢でございますので、そうとなりますと、さらに相当の支出を伴う措置をとるとなりますと、ここで保険の料率を改定するということは、同時に、どうしても行わなければならぬ事態であったということでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 それでは時間もございませんので、最後に労働大臣に一言。  いままでずっと午前中からもいろいろと審議がなされましたが、こういった臨時措置も結構なことでありますし、われわれとしてもこれについては賛成をするわけです。先ほど申し上げたように、一応こういったように限定的に、特定的にこういうところへ臨時対策としてやることはわかることはわかりますが、これに入らないような、不況による非常な落ち込み、あるいは円高とか、こういった一般的な不況の地域がたくさんあるわけです。そういった面についても幅を拡大していただいて、通産省とも十分話し合って、さっきの審議に出てきましたような指定基準の中から一定の数を、いままで出ておるような数にこだわらずに、通産大臣とも話し合って指定をしてもらいたい。このことをどのようにやられるか、最後にひとつお伺いをしたいと思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○藤井国務大臣 このたびの特定不況地域離職者臨時措置法案の精神を踏まえまして、御趣旨の点もよくわかりますが、ただ問題は、午前中の御質問にもお答えをしたわけでございますが、一応どこかで区切りをつけなければならぬ。しかもその区切りをつけるのは法律でやるわけでございまして、そこにはその区切りから外れたことの公平というか均衡といいますか、そういった点で確かに問題のあるところがございます。しかし、私は、法律の精神を踏まえて、集中的に離職者が多発している地域に対しては、十分この制度の恩典が取り入れられるようにできるだけの配慮をしたい、このように考えております。

平石磨作太郎公明党・国民会議

○平石委員 以上で終わります。ありがとうございました。

木野晴夫自由民主党

○木野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十七分散会      ――――◇―――――

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