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85回国会衆議院1978/10/13

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
58
登壇者
6
会派数
3
開催日
1978/10/13

会議録

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。加藤自治大臣。     —————————————  地方公共団体の議会の議会及び長の選挙期日等  の臨時特例に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  御承知のように、都道府県及び市区町村を通じて、全国多数の地方公共団体におきましては、議会の議員または長の任期が明年三月、四月または五月中に満了することになるのでありまして、現行法によりますと、その任期満了前三十日以内にこれらの地方選挙が集中して行われることになるのであります。  政府といたしましては、前例にもかんがみ、これらの選挙の円滑な執行と執行経費の節減を期するとともに、国民の地方選挙に対する関心を高める意味において、これらの選挙の期日を統一する必要があると考えます。  以上が、この法律案を提出いたしました理由でございます。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  第一に、期日を統一する選挙の範囲につきましては、(一)明年三月から五月までの間に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長について、その任期満了による選挙を三月以降に行う場合、(二)これらの議会の議員または長について、任期満了による選挙以外の選挙を行うべき事由が発生し、三月から五月の間に選挙を行うこととなる場合及び(三)明年三月から五月までの間に任期が満了することが予定されていない地方公共団体の議会の議員または長について、選挙を行うべき事由が発生し、三月から五月の間にその選挙を行うこととなる場合について、これらの選挙の期日を統一することといたしております。  第二に、選挙の期日につきましては、四月中に任期が満了するものが最も集中していること、年度末の地方議会の会期、選挙運動期間等の諸事情を考慮して、都道府県及び指定都市の議会の議員及び長の選挙につきましてはこれをまとめまして四月八日とし、指定都市以外の市、町村及び特別区の議会の議員及び長の選挙につきましてはこれをまとめまして四月二十二日とし、いずれの期日も、選挙人の便宜、投票所施設の確保の必要性等を配慮して日曜日といたしております。  第三に、この法律の規定により統一した期日に行われる各選挙は、同時選挙の手続によって行うものとして選挙管理事務の簡素化を図るとともに、都道府県の選挙の候補者となった者は、関係地域において行われる市区町村の選挙の候補者となることができないこととして重複立候補による弊害を除くことといたしております。また、任期満了による選挙について、後援団体に関する寄付等の禁止期間を各選挙の期日前九十日から選挙の期日までの期間とすることとしたほか、都道府県の議会の議員の選挙に立候補するため、昭和五十四年三月二十七日から同月末までに退職する市区町村の議会の議員について共済給付金の計算上不利がないようにいたしております。  なお、この法律の規定の適用を受ける選挙が行われることに伴い必要とされる事項につきましては、政令で必要な規定を設けることができるものとし、選挙の円滑な執行を図ることといたした次第でございます。  以上が、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ただいま提案されました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案につきまして、若干の御質問をいたしたいと思います。  この議案について特に異を唱えるものではございませんが、その中の若干の問題点について明らかにいたしておきたいと思うわけであります。  まず、統一選挙は昭和二十二年以来四年ごとに行われまして、この方法についてはそれ相当の評価はされてまいったわけでありまして、それなりの成果は上げておると思いますけれども、昭和二十二年の統一地方選挙以来、今日まですでに三十年を超えております。統一の意義が選挙の種類によってかなり違ってきておる事実があるようであります。都道府県の議会については九三%でありますけれども、知事については三一%、指定都市の長については、九つのうちですでに七つは異なった期日になっておる。それから市町村についても、議会はそれほどでもありませんけれども、長についてはかなりまちまちになっておるわけでありまして、この統一地方選挙ということについて、いままでどおりでこれからやるべきであるかどうかについて、一つの検討の時期になっておるのではないかというような気がするわけでありますが、その点について一つ。  それから、この時期でありますが、最初の地方自治法施行当時の四月選挙、これが起点になっておりまして、それ以来四年ごとにいわゆる四月選挙と言われておるわけでありますが、この四月という時期が果たして選挙の時期として適当であるかどうかという問題があります。実は、これは地域的には必ずしも同じでないと思いますけれども、ちょうど四月の時期というものが農家にとって非常に忙しい。特に果樹農家については開花時期で大変忙しいわけであります。そういう点で地域の人たちから、果樹農家はこの時期に選挙をやられると大変な打撃を受けるというようなことを最近聞いておるわけでありますけれども、そういった点、それから地方自治体におきましては、年度末、年度初めで職員が非常に忙しいのでありますが、これに加えて地方選挙が四年に一回でありますけれども集中的に行われる。特に都道府県の場合などは、議会、知事、政令都市の場合であれば四つの選挙が重なるというようなことがありますので、そういった点の問題はどうであるかという幾つかの問題点があるわけでありますが、これらについてまずお伺いをいたします。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 昭和二十二年に地方自治法が施行されまして以来三十二年を経過いたしておるのでございまして、御指摘がございましたように、三十二年前には一斉に四月に首長も、また議員も選挙を行ったのでありますけれども、この間種々の事情によりまして大変なばらつきが生じていることは事実でございまして、議会の議員の場合はそうではございませんけれども、首長の場合は御指摘のように大変なばらつきでございます。そこで検討の時期に来ておるのではないか、かような御指摘でございまして、私もそういう感じを強く持つのでございますけれども、が、しかし、だからといって、いまこの期日をいかに調整し、どういうぐあいに変更するかにつきましてなかなか名案がないままに今日に至っておる、かようなことでございます。ことに、四月が適当かどうかという御指摘でございまして、農家、ことに果樹や園芸をやっていらっしゃる地域におきましては、まさに農繁のさなかでございますから、大変な御迷惑でありますことはよく承知をいたしておるのでございますけれども、しかし、よく御理解をいただきまして御協力を願わなければ、かような感じを持っておるようなことでございます。  それから、年度の切れ目でありますことも御指摘のとおりでございます。年度当初において議会や首長の選挙を行うのがよろしいのか、あるいは年度中、あるいは年度の終わりで選挙を行うのがよろしいのか、かようなことについてもいろいろ議論のありますことは承知をいたしておるわけでありますけれども、何せ三十二年にわたりまする慣例と相なっておりますので、今回も前例に従いまして四月に統一選挙を行いたい、かような御提案を申し上げたようなことでございます。  ことに、御指摘がございました政令都市につきましては、川崎市及び札幌市、前回までは横浜がそうでございましたけれども、今回はそうではなく、川崎、札幌両市におきましては、四つの選挙を同日にやらなければならぬ、かようなこともあるわけでございまして、この点が議論の分かれるところでもございましょうけれども、ただ、政令市の場合には、首長の選挙運動期日が二十日間、かようなことで、他の選挙との重複なんかを勘案いたしましたし、また、選挙事務の合理化等も勘案いたしまして、都道府県の選挙と政令都市の選挙は同一期日、かような取り決めをいたさざるを得なかった、その点の御理解はぜひいただきたい、かように思う次第であります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 大臣も一部認めていらっしゃるようでありますので、今回ということではなく、ひとつ四年間の課題としていただきたいわけであります。  次に、この特例の中で、選挙を一斉に行うために、長い時期ではありませんけれども、一時期自治体の機関が欠ける、長あるいは議会が欠けるという事態が起こるわけでありまして、これは、不測の事態によって自治体の機関が欠ける、なくなるということはありますけれども、法律、立法によって、いわば制度的に機関が欠けるというような結果になる、そういう法律になっておりますけれども、そういう場合には、短い期間でありますけれども、対処の措置が必要なのではないかと思いますが、その点について伺いたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 極端な場合を想定いたしますと、三月一日に任期が満了いたします場合は、一カ月有余、二カ月近くの空白が生ずる、かような結果が心配をされるのでございまして、新村議員の御指摘はまさにこの点であっただろうと思います。が、しかし、今回のこの統一選挙の特例法におきましても、三月末までに任期の満了されます方は、二月中に選挙を行いますならば、この特例によらずして選挙が行い得る、かようなことでございます。具体的な幾つかの市町村にも当たってみたのでありますけれども、おれのところは三月四日に首長の任期が満了する、だから、地方統一選挙のこの立法によって四月に選挙をやってもいいのだけれども、しかし空白が生ずるおそれもあることだし、二月中に選挙を終わるよと、かような市町村もあります実例を承知をいたしておるのでありますから、さような措置をとることによりまして、各地方団体の判断によって空白を最小限度にとどめ得る、かような措置もできることになっておるのでありますから、おのおの地方団体におきましてさような工夫が願えるものと理解をいたしておるところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 これは細かい議論になりますけれども、制度的に機関が欠けるというような立法が果たして理屈の上からいって妥当であるかどうかということであります。過去においても、制度的に長が欠ける、あるいはその法律の趣旨を実現をするために、長あるいは議会の任期を延長したというような実例もあるわけであります。町村合併促進法の中にはそういう規定があったようでありますけれども、そういうふうに長が欠けるというような措置をとった場合には、その間だけは任期延長の措置をするとか、そういったことをすることが法律の全体の整合性からいってもいいのではないか、そういう趣旨でお伺いをいたしておるわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 理論的には、三月に任期の満了を迎えます首長や議員を四月まで任期を延長し、あるいは五月に任期を迎える方を四月ということで短縮をいたすことも考えられないことはないと思うのでございますけれども、しかし、首長や議員が選ばれます際には、四年の任期、かようなことで選ばれておることもございますし、その他にいろいろ影響する面もございますから、任期の延長は、理論的には考えられましても、実際問題としてはなかなか困難なことでございましょうし、まして五月任期満了の方を四月に短縮いたしますこともなかなか困難なことであろうかと考えるのでございます。そこで、若干の空白なりあるいは重複は目をつむらざるを得なかった、かようなことでありますことの御理解もまたいただきたい、かように思う次第であります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 選挙をするときに四年間の約束であるということはそのとおりでありますけれども、そういう中にあって、その法律の趣旨を生かすために、そういう短期間の延長を行った実例もあるわけであります。また、任期の短縮ということはしないわけでありますけれども、共済組合の適用についてはその措置をとっておるわけでありますから、短縮する方については法的な措置をとっておられる、機関が空白になる、欠ける措置はとっておられないということについては若干の疑問があるわけでありますけれども、この点についてはひとつ今後の御考慮の課題にお願いをしたいと思います。  次に、重複立候補禁止の規定がございますが、選挙権、被選挙権は、これは私ども国民の基本的な権利、最も重要な権利であると思います。この重複立候補禁止の趣旨は、考え方はわかるのでありますけれども、基本的な権利を軽々に制限することが果たしていいかどうかという疑問も同時にあるわけであります。こういう問題は、売名のために立候補する、あるいは次の選挙を有利にするために売名のためにやるということもあるいはあろうかと思います。こういった点については、法的な規制というよりはむしろ有権者の批判にまつ方が正しいのであるし、そういう考え方の方が、民主主義の育成という点からいっても、あるいは選挙の基本的な理念というか考え方からいってもその方が正しいのではないかと思いますけれども、その点について御見解を伺いたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 基本的な権利、立候補いたします、選ばれる権利の若干の制限を行う、かような結果になっておりますことについては御意見もあろうし、また御批判もあろうかと思うのでございますけれども、単に選挙民の良識にまつということだけでは解決のつかない問題もまたありますことは、御理解をいただけると思うのでありまして、かえって選挙民に混乱、混迷を与える、かような弊もなきにしもあらず、かような考え方も持ちまして、御提案申し上げておりますような重複立候補を禁止いたす、かような処置をとらざるを得なかったのでありまして、この点もまた御理解いただきたいと思う次第であります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この場合に、議員に立候補する場合には重複立候補ができない。これは完全にできないわけですね。首長の場合には地域を変えればできるわけですね。そういう点はどうでしょうか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 法律にございますように、地域の重複した選挙という条文でございますので、地域が重複しておりますならば、長、議員を通じて重複立候補を禁止する。ただ、御質問にはございませんが、地域が重複しないところで立つ場合は、議員、長を通じて立候補が可能でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ですから、千葉県で県会議員の選挙をやって、埼玉の市長に立つのは構わないわけですね。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 さようでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そういうことになると、むしろ重複立候補を禁止するのであれば、その方も禁止をしないとこれはどうでしょうか。長については地域を変えればできる、議員だけは絶対できないということでありますと、何か割り切れないような気がするわけでありますが、その点はいかがでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 希有の例ではあるかもしれませんけれども、いま御指摘がございましたようなことで、選挙区を異にいたしまして立候補する場合も想像できるのでありますけれども、そういう場合にこそ選挙民が賢明な判断をなさると思うのでございまして、先ほど申しましたように、同じ選挙区で行います場合は、選挙民に非常な混迷を与える。この点から重複立候補の禁止をいたしておるのでございますから、選挙区、地域を異にいたします場合はその混迷は避け得ましょうけれども、しかし、それだけ選挙民の批判はまた強いであろう、かように考える次第であります。そこにまで重複立候補の禁止をいたしますのはいかがであろうか、かようなことで、いま選挙部長が答弁いたしましたようなことは理論的には可能である、かようなことにいたしておるところであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 その間の理論がちょっと混乱をしているような気がするわけでありますけれども、それはそれほど大きな問題ではないと思いますので、その程度にとどめておきたいと思います。  次に、統一地方選挙に関係をいたしまして、いま地方自治体の議員定数と有権者の比率が非常にアンバランスになっておるというようなことで、特に都市化の激しい都道府県等では問題になっておるようであります。これについては、さきに国会議員の選挙については最高裁の判示がありまして、当時四・九九対一は違憲であるというような最高裁の判示がございました。ところが、地方自治体、都道府県でありますけれども、現に四・九九対一以上の格差があるところが存在するようでありますが、その問題について、やはり法のもとの平等ということになれば、国政選挙であろうが自治体の選挙であろうが同じだと思いますが、御見解をいただきたい。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 衆議院議員の選挙につきまして、御承知のとおり、法のもとに平等でなければならぬという観点からの判決が出ておりますことは御指摘のとおりでございます。そこで、法のもとに平等であります原則につきましては、地方公共団体の議員につきましても、また同様の原則が尊重されなければならぬと私も思います。  ただ、国の場合と地方の場合で若干性格を異にいたしておりますのは、都道府県会議員の選挙は御承知のように郡市を単位にいたしますことをたてまえにいたしておるものでございまして、その地域の実情を都道府県政に反映いたす、これがねらいであろうと思いますのと、いま一つは、地方団体は都道府県と市町村、かような二重の自治構造組織になっておるのでありまして、都道府県はいわば地域住民に最も密着をしております市町村の行政を補完する、かような意味もあろうかと思うのでございますから、さような意味からいたしまして、原則は尊重されながらも、現在のアンバランスが必ずしも法のもとに平等であるという原則を打ち壊しておる、かようには理解をいたしておらないことでございますから、この点につきましてもまた御理解をいただけるとありがたいと思います。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 ただいまの大臣の御見解ですと、地方団体、特に都道府県の性格の問題になってまいりまして、これはいろいろ議論のあるところだと思いますけれども、都道府県といえどもとにかく地方自治体として統一的な存在でありますから、議会の代議制の中で、国と本質的に違った性格が代表民主主義の制度の中に含まれているというふうに解することは少し無理ではないかと思うのであります。都道府県の議員は、仮に選挙区が分かれておりましても、その選挙区の代表だけではなくて、県民全体の代表であるということが、自治法あるいはほかの法令の中にもそういう明文がございますので、地方団体については定数と有権者あるいは人口とのアンバランスがあってもいいということにはならないと思うのでありますけれども、その点について、もう一回お伺いしておきます。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 アンバランスのないことを理想といたしております点では国の場合と同様であろうと思うのでございますけれども、しかし、現行制度が郡市を選挙区といたしますことをたてまえといたしておりますのは、広域行政の観点からいたしましてもあるいは地方自治体の性格という観点からいたしましても、国の場合と全く同様でなければならぬとは考えなくてもよろしい理由があるのではないかと考えております。しかし、理想といたしましては、アンバラのないことを理想といたすのでありますから、そういう方向で絶えず努めていく必要はある、かように考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 その点については今後十分御検討を賜りたいと思います。  そろそろ時間でありますので、以上で終わります。ありがとうございました。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

久野忠治自由民主党

○久野委員長 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ただいま可決をされました法案に付随して二、三点質問をさせていただきたいというふうに思います。  今度の法案は、その趣旨に述べられておりますように、統一地方選挙を通して有権者の政治的啓蒙を図り、同時にまた、時日的にこれを集約して選挙費用の経費の節減を図る、こういうことがこの趣旨になっているわけでありますが、私は、この統一地方選挙でこの趣旨にもとるといいましょうか、趣旨を必ずしも反映していない、そういう点の指摘を幾つかまずしておきたいと思うのであります。  統一地方選挙で一番多くやる場合は、四つの選挙を同一日に投票するという事態が起きるわけであります。法の改正にもありましたように、四月の八日は、私の当該府県でありますと、まず神奈川県知事の選挙をします。県議会議員の選挙を行います。その次に、特別市が二つありまして、大臣の答弁にもありましたように、横浜の特別市は今度は除かれましたが、川崎は特別市ですから市長選挙と市会議員選挙が同時に行われるわけであります。この四つの選挙を一回に行うということは、有権者の側から見ますると必ずしも政治啓蒙の問題にはなっていかない。たとえば県会議員と市会議員との区別というものが一体どこでなされていくのでしょうか。確かにポスターにはそう書いてありますし、公報には市会、県会という肩書き、立候補者の所信などが出ておりますから、これをしっかり見る人は可能でありましょうけれども、多くの有権者の中でこの問題に全部目を通しているという人は全員ではない、私はこんな気がしているのであります。  特に、たとえば市会議員から県会にかわった、あるいは従来市会議員をやっておりまして仮に市長に立候補した、この場合に、従来のその候補者の所信なり立候補の位置からいきますと、有権者の側から見れば、この人は今度は市会として立候補したんだから市の行政、政治に対する委託をする者として投票した、しかし結果として県会議員としてその人が当選をする、こういう事態が起きかねないのであります。特に私は、特別市における統一地方選挙に対してのそういう本旨からもとるような条件について、自治省、特にこの指導をされている行政当局の御見解をお聞きしたい、こう思うのです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 ただいま御指摘がありましたように、指定都市の選挙と都道府県の選挙を同日に今回も行うことになっております。四つの選挙が同時に行われるのは札幌市及びそれを含む北海道、それから川崎市及びそれを含むところの神奈川県でございます。  指定都市を都道府県と一緒にやるのがいいか、市区町村と一緒にやるのがいいかということは、実は三十年以来常に県と一緒にはやっておりますけれども、いままでも問題になっていたということは御指摘のとおりでございます。  ただ、これにつきましては、先ほど大臣からお答え申し上げたと思いますが、指定都市の長につきましては選挙期間が二十日、議員については十二日ということでございますので、市区町村の方に合わせますと、まず市長の二十日では、二週間の差では完全にダブってしまう。それから議員の十二日でも、開票が終わり選挙会があるということでありますと、実際はほとんどその後余裕がない。したがいまして指定都市をやはり県と一緒に行った方が市区町村との関係において実際の処理ができやすいという問題が一つございます。  それから選挙民そのものについて、そういう候補者について誤解するという問題はないだろうかということでございます。一つは選挙民の問題もありますが、その事務に携わる選挙管理委員会等が、そういう選挙公営なりあるいはその他の趣旨の徹底にどのくらいの力が発揮できるかということでございます。御承知のとおり、指定都市には市の選挙管理委員会のほかに区ごとに選挙管理委員会がございます。したがいましてそのような市の選挙管理委員会、区の選挙管理委員会あるいはそれぞれの県の選挙管理委員会が総力を合わせて、御趣旨のとおり、趣旨の徹底を図ることができるようにしたいと思っている次第でございます。  なお、先ほど申し上げましたように、指定都市を県と一緒にやるということは第三回の昭和三十年からずっとそういう形になっておりまして、私どもはいままでの経験で、さらにはそれぞれの選挙管理委員会の経験を承りましたところ、それによって非常な支障を来したことはないというふうに聞いておりますので今回もこのような形で提案さしていただいたので、よろしく御了承願いたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 趣旨に書いてありますように、統一地方選挙は「選挙の円滑な執行」あるいは「執行経費の節減」、そういう面から見てぼくは支障がなかったのだと思うのですよ。有権者の立場から見て支障があったかという問題は、私は率直に言って行政サイドから上がってこないと思う。先ほど大臣もこう言われたでしょう。統一地方選挙で重複立候補については選挙民の混乱があるから法で禁止しているんです、こういう答弁がありましたね。同じことじゃないですか。私は重複立候補とは言いませんけれども、市会の人が県会になった、あるいは県会議員が川崎の市長に立候補した、この場合に選挙民における混乱というのは、私は重複立候補の条件と同じ条件だろうと思うのです。ですから私は、一方で重複立候補を禁止しているならば、統一地方選挙に対しては少なくともそこの部分をやはり何らかの形で調整をすべきじゃないかと思うのです。逆に今度は、いま確かに市町村は別ですね。二週間の間を置いているということですが、もしあなたがおっしゃるようなことならば、市町村段階でも統一地方選挙に全部期日を合わせる、それだって可能だと私は思うのですよ。たとえば町にとってみますれば、町長、町会議員それから県知事と県会でしょう。四つです。川崎は特別市だから分離しているだけの話で、四つの選挙を同一日に行うということだって可能ですよ。問題は、自治省のいわゆる選挙を誘導される各問題点のとらえ方が問題だと思うのです。「円滑な執行と執行経費の節減」に重点を置いてそういう方向をとられるのか、それとも有権者が政治的な判断ができ得る、そういう機会とチャンス、そういうものをこの選挙法の中でとらえてこれからの改正問題として取り組むのか、どちらに重点を置くのか、ぼくはまずそこの姿勢を聞いておきたい、こう思うのです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 ただいま初めにお話ございました重複立候補の禁止との関係で矛盾しているのではないかというお話でございます。  先ほど大臣が申し上げましたとおりでございまして、八日と二十二日ということで、いわゆるスケジュールどおり選挙が行われますと、後の方の市区町村に立候補する予定の人がまず当然のごとく八日の方の県段階の選挙に出るであろう。そうすると、本当にそちらの方にという感じではなくして、むしろ県段階の選挙運動、それから市町村段階の選挙運動も両方できるならば、初めからそちらの方に出ておこうというような形になって、選挙の立候補の自由とはまた別の問題としまして、選挙の公正という面においてやはり支障を来すということで重複立候補の禁止をしている面があるわけであります。ただ、重複立候補というような形では混乱が起こるという懸念というのは、要するに執行事務における混乱というだけの問題ではなくして、選挙自身が公正に行われることが期待しがたいのじゃないかということで、法律では重複立候補は禁止しているわけでございます。したがいまして、もう一つ、市区町村と一緒にするか、それから府県と一緒にするかという問題は、先ほど言いましたようにいろいろ議論のあるところであります。その理由は先ほど申し上げたとおりでございますが、それならば市区町村も一緒にやってしまったらどうかというお話でございます。実はこれも私どもの一つの研究課題でございまして、かつて地方制度調査会におきまして自治の日を設定して、その日に地方選挙を統一して全部やるというような御答申をいただいたこともございますが、やはりその場合におきまして、指定都市とか、あるいはそれを含む県のようなところはよろしゅうございますが、市区町村段階では、なかなか四つなり三つの選挙を同一日にやるというような体制が整っていない。したがって、やはり市町村段階と府県段階は別にするというのが現代の事務体制ではいいのではないかということでそのようになっているわけでございます。もちろん住民そのものの啓発ということから言いますと、多くの選挙を一緒にやって、そうして一般の報道とか、あるいは言論ということによって、地方選挙における意識というものが高まるという中で選挙が一斉に行われるということも、非常に大きな意義があると考えております。いまのいろいろの御質問でございますが、現段階でわれわれが以上のような考えで、やはり指定都市は県と一緒にする。そして事務的にはまだまだちょっとそこまでの体制がないので、従来どおり市区町村は県段階と離して行うというふうに提案させていただいたわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 各党一致してまとまった法律ですから、それ自身、今度やることについては私は異議をはさんでいるものではないのです。先ほども大臣から答弁がありましたように、いろいろ矛盾があります。たとえば郡市別によって定数の是正の問題なども最近は相当問題になっているわけですね。そういうことから判断をして、今度もし選挙法の改正をするときに、どちらに重点を置かれるのですか。いま言ったように、執行経費の節減あるいは事務的能力の対応の仕方ができませんとかいう、そこに重点を置くならば、全部を統一地方選挙にしてもそんなに問題は起きないと思うのです。政令の問題は後で少し確かめますけれども。そうじゃなくて、国民の地方選挙に対する関心を高める目的あるいは候補者の政策、所見、そういうものを有権者に知らしめる、そこを中心に置いて選挙法の改正をするとするならば、いま言った——私は一緒にしろということを言っているのじゃないのです。そうじゃなくて、一緒にしていることに対して、いまの後半の点で矛盾が起きるから、その辺はこれからの改正に取り組む姿勢として中心を置いて、ひとつ配慮してもらう方がよいのではないか、こう言っているわけなんです。取り違いをしないようにしてほしいのですが、その姿勢をひとつ聞きたいのです。  それから、そういうことに関連してですけれども、選挙をやる場合の任意制公営の問題ですね。これもひとつ確かめておかなければいけないと思うのですけれども、いま言いました四つの選挙を同一日にやる場合には公営選挙の完全な活用ができませんね。政令によっていろいろそのうちの一つを選定して行いなさい——任意ですから政条令で決めればそれでいいのでしょうけれども、実際問題としてはできませんですね。たとえば川崎市の市長選挙の立会演説会と神奈川県知事の立会演説会を、日にちもダブるわけですから、ことによるとそれは川崎で行われる可能性というのはあるわけですね。これは一緒にできますか、どうでしょう。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 前段のことでございますが、選挙はまさに住民がみずからの代表を選ぶということでございますから、その意識を高めるということが重点に置かれるということが第一であろうかと思います。したがって、そういう観点から、一体離す方がいいのか、あるいは一緒に行うのがいいのかということから検討さるべきであるという御趣旨には全く賛成でございます。  ただ問題は、そういうふうに一緒にした方がいいという場合においても、今度選挙管理をする事務体制が整わなければ、結果的には選挙民に迷惑をかけるということになります。選挙民がりっぱな、十分な知識を持って投票するということの目的を達しないということにもなりかねません。したがって、現段階では、二十二年以来大きく二つに分けて執行しているということでございます。選挙民の意識の高揚ということが第一であるということについては、私も全く同様に考えております。  それから、政令で四つをやった場合につきましては御指摘のとおりでございまして、いま公営のポスター掲示場、それから立会演説会、それから選挙公報の制度というものが任意制で行われているわけであります。実際に選挙をやります場合におきましては、四つの選挙をたとえやるような場合において、すべての公営をやるということは事実上困難だと思います。したがいまして、政令では、いずれかそれぞれの団体で選んだところの一つの任意制のものによってやるということの方が実際に円滑にいくのではないかということを考えたわけでございます。実例から見ますと、実は幾つかの選挙が行われていますが、二以上の任意制の選挙公営というものをやっております。したがって、今度の条文によっていずれかの選択をするということは、神奈川県における川崎市の議会議員の問題ということでございます。前回におきましては、神奈川県の横浜市と川崎市がそれぞれこれに該当いたしましたが、今回は、先ほど言いましたように、神奈川県と川崎市、したがいまして、前回につきましては、選挙公報という方法によってその趣旨の徹底を図られたようでございます。これも私らが考えて一体どちらがいいのか、全く別々にやってしまって、任意制の選挙公営なら選挙公営を完全にやらせるのがいいのか、あるいは同時選挙を行うことによって、むしろ一般的な報道とか言論とかその他を通じて、もっといわゆる単なる地方選挙だけではなく、国政にも重要な影響のある地方選挙に対する住民の意識の高揚のどちらをねらったらいいのかという問題もあろうかと思います。ただいままでのところでは、二十二年以来、やはり期日を統一することによる意識の高揚というものに重点を置くということから、あわせて少なくとも最低限度の三つだけは選挙任意制の効用を残すというような案で御提案させていただきました。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 この前の統一地方選挙で、神奈川県の場合に横浜も入ったのですが、横浜の市長選挙と市長の立会演説会、それから神奈川県知事の立会演説会は横浜市で行われましたか。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 ただいま御指摘ありました中で、今度は議会の議員だけがその制限になりますので、市長の関係については制限の対象になりません。したがいまして、市長につきましては、公営の立会演説会、選挙公報、ポスター掲示場というものが行われております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ぼくはやったかやらないかを聞いているのです。川崎の場合も同様に、もしお答えがいただければ……。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 ちょっと質問の意味を取り違えているかと思いますが、前回におきましては、横浜市、川崎市の市議会につきましては、選挙公報の発行をいたしております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は首長のことを実は聞いているのですが、おっしゃるように地方議会、県会、市会議員、これは公報で公営を済ましている。首長は確かに違うわけです。しかし、首長も同一時期に選挙をやるわけですから、同じ公営を拡大をするという方向で立会演説会も同様に行われる、私は確かめておりませんから、もし行われていれば結構なんですが、少なくとも、首長はそう候補者も多くないわけですから、立会演説会などをさせる。一般的な選挙ではやっていますね。しかし、統一地方選挙になってくると、その面が実は先ほど言った選挙事務の関係その他を含めて不可能だということでチェックされる。今日あれば私は非常にいいと思うのですが、公営選挙は拡大をするという方向が国の政治の中でもとられているわけですから、そういう方向をできる限り自治省としては、これは県会、市会も含めて拡大する方向を指導されるべきだというふうに思うのです。その見解だけをひとつ承っておきたいと思うのです。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 先ほどのことでございますが、それぞれの啓発の趣旨が徹底するような意味から、やはり任意制の公営でも最小限であるべきだという考えから、議会のみに制限いたしまして、市長はこの部分の任意制の制限に入っておりません。したがいまして、それぞれ前回の市長選挙におきましても川崎市、横浜市いずれも公営の立会演説会等は行っております。それから、今回は川崎市だけでございますが、現在私たちが承知しているところでは、恐らく川崎市は市長については選挙公営をやるようであるというふうに考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私が一貫して言いたかったのは、具体例を二、三挙げましたけれども、問題は経費の節減、円滑な執行に余り重心を置き過ぎると形式的な選挙になってしまって、本来有権者が求める政策なりあるいはその人が持つ所信といいましょうか、あるいは期待する期待像というものが浮かび上がってこない。したがって、統一地方選挙で期日を一定に定めて幾つかの選挙をやることについては、その角度からひとつ改正の要点というものをつかんで検討していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。  それから、先般、高裁で衆議院選挙に対する判決が九月十一日、九月十三日に安藤裁判官、安岡裁判官のもとで出されました。これは、もう内容を説明するまでもなく、違憲と合憲という全く違った判決が、しかも短期日の中に出たものですから、国民の側から見ると実は大変戸惑っているというのが私は率直な感じではないかと思うのです。これは新聞論調を見ましても、あるいは投書などを見ましても、違憲、合憲それぞれの御意見があります。しかし、総じて言えることは、どちらが正しいのだろうか、あるいはどちらがいま求め得られる有権者の一票の重みなんだろうか、私はそういうことだと思うのです。そういうことが違憲とか合憲とかという内容以前の問題として実は生まれているのではなかろうか、こう思うのです。  それから、いま一つ、あの判決を見まして、有権者の側から見て、自分たちの一票の重みというものが最終的にどこで決まるのだろうか。今度の場合には、御承知のように各選挙管理委員会が被告ですね。しかし、選挙管理委員会は、御案内のように選挙の技術的な面から見てその当選者に対する是非を求める場所であって、定数の是正という中から来る、たとえば違憲という判決を基礎にして見れば、その議員に有効な票として作用したのかどうかということについては、それを受けとめられる被告ではないわけですね。  私は、これは大臣がいれば大臣にお聞きしたかったのですが、次官にお聞きしたいと思うのですけれども、最高裁の前回の判決がありました。今度この判決が合憲、違憲両方の判決が出たのですが、一体自治省はあの判決を受けとめられまして、内部の討論でもいいのですが、どういう統一的な見解をお持ちなのか、それをまず第一にお聞きしておきたいと思うのです。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○染谷政府委員 これらの判決につきましては、自治省の内部におきましてもいろいろ討議された問題でありますが、それぞれ関係当事者から上告がされておりますので、結論としては、最高裁におけるこの裁判の今後の成り行きを見守っていきたい、このように考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 そういう答弁しかできないのかなと実は私は思うのですが、しかし私が言いたいのは、私はここで法律論争をやろうとは思ってないわけです。やはり一番小さな選挙区と一番大きな選挙区との一票の重みが一対三がいいか一対五がいいかという、あるいは過疎地の問題を政治的に受けとめる国政の場として議員定数というものを配慮すべきだという、そういう法律論争をやろうとは思いませんけれども、少なくとも違憲、合憲という二つの判決が出て、しかもその上には最高裁の一対五という、国会の裁量権としては許容できない範囲としての一つの方向性というものが出ているわけです。その中で生まれた今度の判決、この総体としての問題は一体自治省はどうとらえているのだろう。今度出た安藤判決、安岡判決そのものを私は問題にしている。いや、それは上告しているのですからいずれその段階でというのではなくて、そういう一定の流れているその一票の重みというものに対して、行政の所管であります自治省ないしはその長である大臣はこれをどう受けとめておられるのだろうか、ここが聞きたいのです。どうでしょうか。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○染谷政府委員 この問題につきましては、昨年の第八十国会におきまして与野党それぞれ改正案を提出されまして、その後においても、自民党においても一応それぞれの問題につきまして検討を加えたわけでありますが、いずれにしても、さらに議論を煮詰めた上において、衆議院、参議院両院の公職選挙法改正に関する特別委員会の場におきまして、十分各党間で話し合いをした中で、そういう推移を見ながら結論を出していきたい、このように考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 アメリカでは判決の結果によって定数を変えるということがあるそうですけれども、わが国においては選挙管理委員会が当事者能力がないわけですから、仮にその判決が出て、あれは違憲であって定数を改正しなさいと言っても、選挙管理委員会自身はその定数を改正する当事者能力に欠けているわけですね。私は、これは私自身も含めて、国会、立法府がやはりその責任をとるべき、あるいは対応すべき被告だというふうに実は見ているわけです。被告という言葉が適切かどうか、この場合わかりませんけれども、しかし国民が求めているのは、選挙管理委員会を通さなければならない、法廷技術上の問題として、選挙管理委員会が被告ではありますけれども、しかし有権者の側から見れば、被告は——これだけの一票の重みの違い、法の上で平等であるというその平等権がここまで阻害されている、それを立法府はどう考えているのか。私は違憲の判決の内容をずっと読みまして、つまるところはやはり立法府に対してあの違憲の判決の問題を提起をしている。そういう意味では謙虚にこれをその席にある者は受けとめなければならない課題ではないか、こう実は見ているわけです。  したがって、いま御答弁にありましたように、それを代表する各政党間でその話を進めるのもよろしいと思うのです。しかしそれ以前に、そういうことが有権者の側に意思としてあるならば、それを受けとめるべき、あるいはそれをリードオフすべきところは、やはり行政官庁である自治省ではないかと思うのです。あるいはこれは委員長には大変失礼かもしれませんけれども、当委員会ではないかと実は思っているわけです。  そういう意味でいま一度、くどいようでございますけれども、この一連の流れに対して各政党間の問題あるいはその話し合いを待って、あるいは次の状況を見てというのではなくて、積極的にこういう状況の中で自治省としてはどういうリードオフを国政に対しても立法府に対しても提起をされようとしておるのか、この辺をいま一度御答弁いただきたい、こう思います。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○染谷政府委員 もちろん当委員会がこの所管というようなかっこうになるわけでありますが、いずれにしましても、この委員会そのものがやはり各党間の話し合いというようなものの推移の中において進行される形になるのではないかと思いまして、先ほどのような答弁をしたわけでございます。よろしくお願いしたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 それでは選挙部長に聞きますけれども、今度の場合の違憲判決、安岡裁判長の判決、これを認めた場合、一対三は国会の裁量権をオーバーしている問題だ、一言で言えば国会の裁量権ではない、いわゆる一対三というのは不合理なんだ、違憲なんだ、こういう判決なんですが、一対三をオーバーしている選挙区は一体どのくらいあるでしょう、定数で何人くらいでしょう。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 手元に資料がございませんので、後で御報告さしていただきます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 後で調べて教えてください。もし私の数学で間違いがなければ十二選挙区、四十四人になるのではないかと推定をしているわけです。幸いにして後で現職議員についての資格については、違憲の判決の中でも、この違憲判決を求めることによって今日の多数の人が失格、いわゆる議員としての資格がなくなる、それは国政運営上云々ということで、それ自身は棄却になりましたけれども、もし無効判決が出た場合に、これは私ごとでまことに申しわけないのですが、私自身も実はその該当者になるわけでございます。率直に言って、私はあの判決、合憲の判決、違憲の判決を見まして、合憲の点ではどこに矛盾があったのかということしか実は感じませんでした。違憲の判決が出たときに、さて私は、本来的な意味で有権者に信託をされていま国政の場にあるのだろうかという、率直に言って、自分自身に対して自問自答を実は繰り返したわけです。四十四人の人がその対象になる、私と同じような気持ちになっているんじゃないかと私は見ているわけです。  そこで、私は現職でありませんでしたから、これは少し言葉をはばからなければならないかもしれませんが、五十年七月の選挙法の改正における立法府の取り組み方というものが、最高裁の本来求めたこの一対五は、国会の裁量権を超えているものであるという、そこのものと合致していなかったのではなかろうか。いわば国政の側では、五十年七月の改正では、定数と分区の問題を童心に置きまして、やや全体をふやしてバランスをとるという、そういう方向に実は改正の焦点が移ってしまったのではなかろうか。本来持つ一票の重みあるいは有権者としての票の平等という立場での定数の是正というものではなくして、そういうことがあるならば、それぞれ一対五を一対三に縮めるために、どことどこを分区して何名定員をふやすかというその議論になってしまったのではなかろうか。相当議事録を読ましていただきましたけれども、実は議事録に出てくるものはそういう論議は余りありません。先ほど次官から御答弁があったように、各党間のという中にそういう話が埋没してしまったのかもしれないのですね。もし今度の違憲判決があるいは最高裁で再び前回の最高裁の判決と同じように、一対五になるか一対三になるかは別にしまして、法律論争的なものは別にしまして、もし国会の裁量権を超えているものであるとするならば、いま言った角度で、私どもは、今度訴訟を起こした人あるいはそれを支持をする国民の側にこたえていかなければいけないのではないか、こんな気持ちでいっぱいなんですね。したがって、立法府としてはそういう場所を早急につくる必要がある、あるいは行政府としても、そういう期待にこたえられるような討論をする場所をリードしてつくらせる、そういう必要性があるのではなかろうか。最高裁の判決が出てからということもありますけれども、この時点で、当初から申し上げておりますように、合憲、違憲という中で国民有権者の持っている払拭し切れないものをどこかで受けとめてやる、私はそれが当委員会の任務でもあるし、また行政府の任務ではなかろうか、こう思うのですが、どうでしょう、これまた大変政治的な質問ではありますけれども、次官にその辺の見解をお聞きしておきたいと思うのです。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○染谷政府委員 今後の問題としてひとつ検討してまいりたいと考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これは委員長に私はぜひともお願いをしておきたいのですが、いまの私の質問を間かれておわかりだと思うのですけれども、有権者の側から見ると、選挙管理委員会を被告にして、仮にそれが違憲の判決がおりたといたしましても、それ自身は直ちに有権者の一票の重みを拡大する、あるいは是正をする役割りというのは果たさないわけですね。したがって、それを受けとめるのは何といっても立法府でございます。したがって、それを立法府の側で、衆議院の側でもし討議をされるとすれば、当委員会しかないと私は思うのです。したがって、この際ですから、時期的な問題その他については委員長のそれぞれの各党間との話し合いがあるでしょうが、早い機会にこの問題を俎上に上げて討論をする場所をおつくりいただくように、ひとつ委員長にぜひともお願いをしておきたいと思うのです。  それから最後の質問でございますが、来年は参議院選挙になるわけですね。そうなりますと、この一対三、違憲という判決の趣旨をくんでもし参議院選挙を行うといたしますと、あれは一対三は法の上の平等を欠いているという判決内容ですから、必然的に参議院の地方区の選挙については、この違憲判決がその間に最高裁で認められるということになりますと、問題が出てくるわけですね。当然当委員会なりあるいは行政府の側でも何らかのアクションを起こさざるを得ないということになってくると思うのです。同時に、仮に今度の安岡判決が最高裁でその結論を得るまでもなく、参議院の地方区については、少なくとも最高裁の判決が今日生きていることは間違いないわけですね。そうなってまいりますと、参議院の来年の選挙については、一対五というこの格差がすでに国会の裁量権を超えている、こう言われているわけですから、判決の対象は衆議院ではありますけれども、国政全般から見れば参議院もその範疇から逃れることはできない、こう思うのですね。どうでしょう、これは来年の国勢調査によって有権者数を調べなければ正確にはわかりませんが、現在時点で、来年の参議院選挙でたとえば最高裁の一対五になるところの選挙区、オーバーする選挙区というのは幾つあるでしょうか。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 ただいま加藤万吉君から委員長に対して意見を求められました点につきましては、御承知のとおり、前回の定数の是正につきましても最高裁の判決を受けまして各党間でお互いに協議いたしまして、合意を得てあのような定数是正の措置をとったわけでございます。でありますから、今後ともこの公選法の改正の問題については、選挙の公正を期する意味からいきましても、民意をできるだけ反映するという意味からいきましても、でき得る限り各党間の合意が得られるような措置を講ずることが大切であると存じます。でありますから、扱い等につきましては、理事会に諮りまして皆さんの御意見等を十分拝聴いたしまして、その上で措置をいたしたい、かように存じます。

大橋茂二郎自治省行政局選挙部長

○大橋政府委員 ただいま御質問のありました、参議院の議員一人当たりの人口で、最小との差で五を超えるものは幾つあるかということでございますが、五十年度の国調の確定人口によりますと、東京都とそれから神奈川県がその数字になっております。  なお、先ほど御質問のありました衆議院の関係でございますが、一番小さいのは兵庫五区でございます。兵庫五区の三を超えているものは、御指摘のとおり十二選挙区、四十四人でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私は、参議院の選挙制度は、まあ全国区を持っているので衆議院の選挙制度とは趣を異にしていますから、即最高裁の判決がストレートに参議院の選挙に転用されるというふうには思いませんけれども、いま御答弁がありましたように、来年の参議院選挙で、少なくとも神奈川と東京は、最高裁が裁量権にゆだねられない範囲としている事態も生まれてくるわけですね。神奈川県の場合には一対五・二八ぐらいになりましょうか、いわゆる五を超えるわけですね。そうなりますと、先ほどの委員長の答弁にありましたように、理事間でぜひお話し合いをしてもらいたいと私は思うのですけれども、少なくとも参議院の定数是正についてはこの機会に取り組むべきだ。これは全国区の問題もあります。あるいは選挙制度そのものについても御意見があることも私は十分承知しておりますけれども、もしも現行の定数で行おうとするならば、参議院の地方区については、東京都と神奈川県はこの最高裁の判決にすら実は矛盾をしてくるわけですね。そういう意味では、先ほど委員長がお述べになりました各党間の意見を早急に調整をしてということが、参議院の定数をどう変えていくかというところを出すことによって、国民の疑問にこたえるという結果になろうかと私は思うのですね。  実はこの質問は大変むずかしくて、対象が自治省でないものですから、本来立法府の問題でありますから、勢いこれは委員長に要請をする、意見を述べるということになってしまうわけですが、最後に、この参議院の問題についていままで各党間で話し合われていることも私承知はしております、あるいは各党間でそれぞれ参議院の選挙制度改正について御意見のあることも承知をしておりますけれども、もし現行体制でやるとするならば、少なくともこの最高裁判決に対する矛盾ないしは立法府が答えを出さなければならない課題については、やはり早急に検討を加えていかれる必要があろうかと思うのです。これは行政府の次官にお尋ねするのはどうかと思いますけれども、できれば委員長の見解と、これを所管する次官から所信を承らしていただいて質問を終わりたいと思うのです。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 御質問の御趣旨については十分理解できるところでございます。しかし、この問題につきましては、従来から何回となく各党間で話し合ったときもございますし、今日まだ結論を得ていないのでございます。しかし、重要な課題でございますので、先ほども申し上げましたように理事会に諮りまして、前向きで検討させていただきたい、かように存じます。

染谷誠自由民主党自治政務次官

○染谷政府委員 これらの問題につきましては、これまでもしばしば総理もお答えを申し上げております。事柄の性格上、選挙の土俵づくりの問題でございまして、できるだけ各党間の合意に基づいて改善をしていくことが望ましい、このように考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 終わります。

久野忠治自由民主党

○久野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時十五分散会      ————◇—————

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