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85回国会衆議院1978/10/20

建設委員会 第2号

発言数
140
登壇者
19
会派数
6
開催日
1978/10/20

会議録

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 これより会議を開きます。  本日の請願日程全部を議題といたします。  審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の内容につきましては、文書表等で御承知のことと存じますし、また、理事会で御検討を願いましたので、この際、各請願について紹介議員からの説明聴取は省略し、直ちに採決を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  請願日程中、第三、第六五ないし第七四及び第八八の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 この際、御報告いたします。  本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配付してありますとおり十四件であります。      ————◇—————

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 次に、閉会中、審査申し出の件についてお諮りいたします。  岡本富夫君外二名提出、公営住宅法の一部を改正する法律案  下平正一君外六名提出、住宅保障法案  岡本富夫君外二名提出、日本住宅公団法の一部を改正する法律案 及び  福岡義登君外七名提出、駅前自転車置場等の整備に関する法律案 並びに  建設行政の華本施策に関する件  都市計画に関する件  河川に関する件  道路に関する件  住宅に関する件  建築に関する件  国土行政の基本施策に関する件 について、閉会中もなお審査を行うため、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合、本会期中設置いたしました住宅宅地問題に関する小委員会及び中小建設業振興に関する小委員会は、閉会中もなお存置することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査のため、委員会及び小委員会において、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、日時、人選その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として日本住宅公団総裁澤田悌君、理事澤田光英君、理事有賀虎之進君及び本州四国連絡橋公団副総裁蓑輪健二郎君に御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 質疑の申し出がありますので順次これを許します。井上泉君。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大臣、衆議院議員櫻内義雄の発言と建設大臣櫻内義雄の発言とは、これは発言の重みというものが違うと思うわけです。大臣の発言というものは一つの大きな政治責任であると同時に行政責任も伴うものだと思うわけですが、その点、大臣は十分理解をしておると思うのですが、なお見解を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 おっしゃるとおりでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そのことは、大臣がたとえ十二月に交代をされても、大臣任期中に発言されたことは、後の建設大臣あるいは建設省の事務に引き継がれるものですか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 諸情勢に変化のなき限り引き継がれてしかるべきものだと私は思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それは諸情勢の変化という判断が、また逃げ道になるわけですが、しかし、大臣が言われたことは、やはり引き継がれるべきものであるという解釈の上に、われわれは立つわけです。  そこで大臣に伺いますが、本四の児島−坂出ルートの起工式が盛大に行われ、大臣の晴れやかな顔というものが全国の国民にテレビで映し出されて、ことに関係の府県の国民にとりましても、大変期待といろいろな感慨を込めて大臣の記者会見の模様を承知をしたわけでありますが、その記者会見という場で聞こえよがしの発言であってはならないわけでありますので、その記者会見で言われたことを要約して、ひとつ、どういうことを言われたのか、お話を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 要約とおっしゃっておられますので、もしお気づき、あるいは何か不足ということがありますれば、どうぞお尋ねをいただきたいと思います。  記者会見での発言は、第一は、一ルート三橋後の着工計画についてのお尋ねがございまして、大三島橋が五十三年度末完成することなどによって新たに地域開発橋としては伯方・大島大橋の事業に着手するよう考えておる。それで、この問題については五十四年度の予算要求をしておるところだということが一つです。  それから、環境問題についての記者諸君のお尋ねで、環境保全対策には環境保全基金の設置、関係市町と締結した環境保全に関する基本協定等に基づき誠意を持って十分配慮をするということを申し上げております。  また、児島−坂出ルート供用時、大体六十二年時点を頭に置いてでございますが、関連道路である山陽自動車道、四国横断道、坂出丸亀バイパス等の直接関係ある区間については同時に供用するよう建設を進めるなどが主な点でございました。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 およそ、そのような内容のことを言われたわけですが、そこで大臣、この間、徳島での政経パーティーで、これは大臣でないわけですけれども、あなたの最も関係の深い中曾根総務会長が、明石−鳴門で鳴門の大橋は併用橋で十九日の鉄道建設審議会にかけてやるんだ、こういう話をされたように新聞で報道されたわけでありますし、そしてまた、あちこちで大臣の談話として聞くところも、やはり大鳴門は併用橋でやるんだ、こういう話を聞いたわけですけれども、その方針で進んでおるのかどうか、その点を、この場で承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 まず事実報告をしておきたいと思います。  昨日の鉄建審におきましては、大鳴門橋問題については何ら触れておらないようです。ただ記者会見の折に、併用橋の方針は変わらぬということを言われた、こういうことを聞いております。  それから私としては、過去のずっと経緯がございまして、これは四十八年の十月二十六日でございますね、建設、運輸両大臣は明石海峡大橋及び大鳴門橋を道路鉄道併用橋として工事実施計画を認可したことになっております。ところが石油危機に伴って起工が延期されましたが、その後一ルート三橋の建設方針の決定により五十一年の七月二日大鳴門橋着工の運びとなって、現在鋭意、下部工事を進めていることは御承知のところだと思います。  それから、今年の三月二十五日に公共事業施行促進の立場から本四架橋事業を推進する旨の決定がございまして、私としては、その方針どおりに本日までまいっておりますし、また、お尋ねの中にあったように、各地で記者会見などがありますと、そのとおりのことを申しておるわけでございます。  ただ、一方におきまして、こういう事実のあることを否定することはできません。それは併用橋として建設するについて運輸省から特に鉄道の費用負担問題の解決が提起されておるということであります。目下関係省と折衝を続けている段階でございます。  そういう経緯はございますが、工事のおくれを極力カバーするため、上部工に手戻りを生じない範囲内でのアンカレジ工事を十月下旬にも、さらに発注をしたい、こういうことで臨んでおるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大鳴門橋の併用橋の問題については何かあいまいとした、すっきりした答弁でないわけですが、これは運輸省にお尋ねするわけですけれども、この併用橋をやるについて、運輸大臣も併用橋というようなことを言われておるし、建設大臣も、もちろんそういうことを言われておった。それから中曾根総務会長、鉄建審議会の会長も併用橋でと言われた。そういう場合に地元に負担金を要求するとかなんとかというような話もされておるのですが、そういうことを考えて、それができなければ併用橋をやめるというのですか。その点。

山地進運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山地政府委員 本日は局長が参るところ、運輸委員会の方に出席しておりましたので、私が答弁いたします。  ただいま建設大臣から御答弁がございましたように、十九日の鉄道建設審議会では、この大鳴門の問題は議題にされなかったわけでございますが、その理由の一つは、鉄道建設審議会にかけますのは、併用橋にするということは建設審議会にお諮りいただいたわけです……

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 もうそのことはいいですから、やるかやらぬかという、ぼくの質問に簡単に答えてください、時間がないから。

山地進運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山地政府委員 わかりました。  したがって、十九日は何もなかったわけでございます。それから記者会見で中曾根総務会長が申し上げたのは、併用橋については、そういうことで議論されなかったということを述べられたと私は了承しております。それから、運輸大臣は併用橋にするということを何か決めたということはおっしゃっておらないと私どもは了解しております。したがって私どもといたしましては、いま建設大臣がおっしゃられたように鉄道の負担をどうやったら少なくするかということで三省の間で話を続けておるということでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それから地元に一部食掛を要求しておる、そういうことはあるのですか。

山地進運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山地政府委員 そのことは八月の末に徳島県知事と高知県知事を鉄道監督局長のところにお呼びいたしまして、お話を申し上げました。これはこういうふうに鉄道の負担分を縮小するなり、あるいは今後、鉄道の負担分が起こる場合には国に何とか持ってもらいたいと私どもとしては心中お願いしておるわけでございますが、その場合に、大蔵省と各方面といろいろ議論するときに、国だけが持たないで、そういうものは地方が持ったらどうかということが当然議論されるのじゃないだろうか。そういうときに県の方で一体どんな心構えがあるのかということを、あらかじめ私どもとしては知っておきたい、こういう意味で両県知事にいろいろ御感触を承ったということでございまして、その席上では、両知事とも現在の地方財政再建促進特別措置法という法律のたてまえから言うと、そういうことを出すのは非常にむずかしいんだというような御説明がございました。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 できない相談をするということは、やらぬつもりで相談を持ちかけておるんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、運輸省としては、それが仮にできなかった場合には、できない場合でも、やはり既定方針どおり併用橋いう線は崩すということにはならぬでしょう。

山地進運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山地政府委員 私どもとしては、いま申し上げましたとおり、どうやったら負担を少なくするかという、いろいろの方途を研究しておる段階でございまして、県あるいは自治省あるいは財政当局あるいは建設省と何らかの方法を探したいということでございまして、いま申し上げましたのは単独橋がだめで併用橋になった場合には負担をどういうふうにするのかということを申し上げましたので、単独橋か併用橋か、依然として私どもとしては最良の方法を探っているということでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 あなたに併用橋でどうかということを幾ら詰めたところで、これはしようのない問題ですが、少なくとも自民党総裁、総理を望む中曾根総務会長が併用橋でやるのだ、こういう談話まで発表しておるのですから、そのことはやはりしかと踏まえて、併用橋でやるという考え方の上で仕事を進めてもらいたいと思います。  そこで、本四架橋によって、たとえば八千四百億も、あるいは一兆円とか二兆円とかいうような経済効果が言われておるわけですが、私は、その経済効果の前に、いま大臣の言われた記者会見での四国、中国の道路整備ということでありますが、これが六十二年度までに同じように完成をさすようなことで、建設省の道路局としては、いまの道路整備五カ年計画の手直しもしなければいかぬと私は思うわけですが、十分それにこたえることができるのかどうか、その点、道路局からお答え願います。

山根孟建設省道路局長

○山根政府委員 お答え申し上げます。  児島−坂出ルート、瀬戸大橋に直接関連する道路といたしましては、先ほど大臣が申し上げましたように四国横断自動車道、坂出丸亀バイパス、これに接続いたします善通寺バイパス、本州側では山陽自動車道、こういった道路が挙げられるわけでございますが、これらのそれぞれの道路につきましには、瀬戸大橋の昭和六十二年の完成に合わせて共用ができますように事業の促進を図ってまいりたい、かように考えております。  若干詳しく申し上げますと、四国横断自動車道の善通寺−川之江間、三十六キロございます。及び山陽自動車道岡山−福山間七十二キロにつきましては、現在全区間において地元協議を進めますとともに、一部の区間では用地買収に着手しておりまして、瀬戸大橋の完成までには供用できるもの、こういうぐあいに考えております。  それから坂出丸亀バイパスでありますが、現在鋭意、事業を進捗しておりまして、第八次道路整備五カ年計画期間内に順次、主要区間の暫定供用を図ってまいりたい、こう考えております。  さらに善通寺バイパスにつきましては、これは四国横断自動車道の方に接続をいたすことになりますので……(井上(泉)委員「時間がないから、高知まではできるかできぬか」と呼ぶ)そこで、瀬戸大橋と南四国を連結する四国横断自動車道につきましては、大豊−南国の間は現在、用地買収をやっております。残余の区間につきましても、審議会にお諮りをいたしまして整備計画を策定して供用できるように最善の努力を払ってまいりたい、かように考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 いま、あなたの言われたことは、できるところだけ先に言って、できそうもないところは努力をするということでごまかしておるのですが、それじゃ、とても大臣の言ったことと一貫性がないわけですから、やはり本四架橋の坂出−児島ルートができ上がるまでには、四国、中国これこれの道路はこういうふうにできますよ、そういう青写真を国民の前に提示をしてもらいたいと思うので、そのことを要望しておきたいと思います。  そこで、また鉄道の運輸省の方に戻るわけですが、四国循環鉄道というものが四国にはまだ完成されてないわけですが、これはあなたに、そのことを言うのも無理かと思うわけですけれども、やはりルートが完成するまでに四国循環鉄道というものは完成さるべきだと思うわけですが、運輸省部内では、それについてどう考えておられるのか。

山地進運輸省鉄道監督局国有鉄道部長

○山地政府委員 阿佐線とそれから宿毛線の二線が循環線の中で開通してないわけでございますが、これを合わせると両方で二百キロぐらいでございます。現在開通しているのは十八キロぐらいでございますが、この両方の線を合わせると建設費が合計で八百三十億ぐらいかかるわけでございます。現在こういうAB線の予算というのが、三十九線ぐらいございますがトータルで三百五十億でございますので、こういう台所の苦しい中で、こういった八百三十億のプロジェクトを推進するとなると、いろいろな橋等の開通に間に合わせるのには非常な困難があるだろう、かように考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 非常に困難があるけれども予算をつければできる、こういうことだろう。  そこで、本四架橋に関係をして、これは大型の工事でありますから、俗に言う大手建設業者がやられるのが大半だと思うわけですけれども、このことによって中小企業の建設業、まあ中小企業というとピンからキリまであるわけですけれども、おおよそ常識的に言われる中小建設業者というものが、この本四架橋の工事に大体どの程度に参画できるのか、公団の方から御説明ください。

蓑輪健二郎本州四国連絡橋公団副総裁

○蓑輪参考人 私たちの本州四国連絡橋の建設工事の発注については、工事の難易度とか発注の規模、業界の能力を勘案いたしまして中小建設業が受注する機会をできるだけふやすように考えております。特に陸上部につきましては現在、大三島その他でやっておりますが、できるだけ工区を分けまして地元の中小企業に発注できるように配慮しておる次第でございまして、今後Dルートの陸上部についても、そういうことをしたいというふうに考えております。Dルート全体の八千四百億の中で中小企業がとにかく、どれくらい割り当てられるかという数字はいま出しておりませんが、海上についても、できるようなものは、あるいは下請という形で活用もできますし、いま言いましたように陸上について、できるだけ中小企業に発注の機会が与えられるように配慮したいというように考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 それから、この間、起工式をやった児島−坂出ルートというのは、これも予算さえつけば目標とする六十二年度までには十分完成されることについては確信が持てるかどうか、その点。

蓑輪健二郎本州四国連絡橋公団副総裁

○蓑輪参考人 いまの児島−坂出ルートの建設については技術的には確信を持っております。やはり今後、予算の措置その他があると思います。ただ、技術的には非常にむずかしい問題がございますので、私たち、その功を焦らずに技術的に慎重な態度でやっていけば事故なく十分やれるという自信を持っております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 この記者会見の際に大臣が、明石−鳴門のなにについては、この児島−坂出ルートの工事の経験を踏まえて、どうするのかは決める、こういうことを言われたように私は承知をしたのですが、そう言われておるとするならば明石−鳴門間の大橋については、はるか先こういうことになるんですか。それに対する見通しは建設大臣としてはどう考えておられるのか、その点。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 私は、明石海峡大橋については児島−坂出ルートでの技術的経験及び橋梁技術の進歩等を勘案して、その枠を尽くしてやりたい、こう言っておるんで、この着工の時期については言っておらないのです。本四架橋の幾つかの橋をやっているうちに、それらの経験、と言う方があっさりしていいと思うのですが、その経験から、世界でも一番の長大橋ですね、それに技術の粋を集めてやろう。これは経済社会の動向などを考えながら着工するということで、全部済まなければやらぬとか、そういうことを言っておるのじゃないのです。だから現在でも調査もしておりますし、環境アセスメントもやっておりますし、諸情勢が許せば着工の段階を迎える、こういうことで、私としても明石大橋はいつごろやるんだということについては、いま判断しかねておるわけです。しかし、間違いのないところでやりたい、その準備を進めたい、こういうことです。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そういう慎重な答弁で、慎重にということですが、いまやっておるのは、明石・鳴門大橋も併用橋として調査を進めておるのか、単独橋として調査を進めておるのか、その点、調査の主体である本四公団の方ではどういう調査の仕方をしているのですか、目標としては。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 本四公団の方がどういうふうに進めておるかは別として、私としては現在は併用橋の方針であることは間違いないのです。ただ、先ほども申し上げたように、いろいろな経験、技術の粋を集めてやる、また、その間に環境調査などに伴って情勢の変化などがあれば、それはそのときに考えてもいい問題ではないか。しかし併用橋の方針で現在進んできておることは、これは否定はできないと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 結局三ルートがいつかは実現をする。これはぼく自身が生きておる時分にできるかどうか、想像できぬわけですけれども、恐らくできぬのじゃないか、こう思うわけです。そこで、一日も早く本四を結びつけるために、あっちも手をつけ、こっちも手をつけという形で工事が十年先が二十年先になるというようなことでなしに、速やかに本四の間を結ぶルートを、早くどこかの線を——そう言えば、結局いまのところは坂出−児島ルートが優先されるじゃないか、優先をされるような条件にあるのではないか、こういうふうに思うわけです。  これについては、いま本四公団の副総裁が、九年の間に十分仕上げるようにやりたい、こういうことを言われておるわけですが、政府としては、これを仕上げさすという決意を持って臨んでおるのかどうか、その点、大臣としての御見解を承りたいということと、さらに、本四架橋という大工事が始まることによって、大手の建設業者でなければできない仕事であるから、何も中小企業がそれに割り込むというわけじゃないのだけれども、しかし、やはり中小企業というものが今日置かれておる状態の中で、できるだけ受注の機会を与えて仕事を均衡化する。本四の架橋、高速自動車道でも大手が独占をするというようなことにならないように、そういう受注の機会を与えていく方針を立てられるのが当然の姿ではないかと思うので、その点について大臣の見解を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 一ルート三橋が決定したことは、井上委員のおっしゃる趣旨であったと思うのです。何しろ一ルートは早期に完成しよう。一現在六十二年を目標でございますが、これには六橋もかけるので、一遍にこうやればもっと早くいける方法もあるかと思いますが、現在の瀬戸内海の利用状況などを考えると、まず六十二年までに一ルートは完成する、これは私としては間違いなくやらなければならぬということであります。  それから、工事の発注について、大型プロジェクトのために大手業者に元請をさせることになってまいりますが、今後この一ルートのほかに地域開発としての三橋、さらに伯方・大島大橋を考えるということになってまいりますと相当な工事量になりますので、その場合、仮に元請が大手でありましても、おっしゃるとおりに中小企業者あるいは地元関係業者にできるだけの発注をするということについては、私としても、それを推進してまいりたいと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 最後に、山陰から四国へ、橋ができることによって大きく、距離が縮まることになるわけですが、道路整備については非常に消極的なというか、いま説明を聞くと、絶対的にこれを進めるという確信が余りないようです。これは事務当局ですから当然だと思うわけですけれども、橋を六十二年までにやるのであれば道路も六十二年までに仕上げるというレールを大臣として敷いてもらいたいと思うわけですが、大臣の決意を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 事務当局の説明は少し詳しいから歯切れが悪かったと思いますけれども、少なくとも児島−坂出ルートをやるについては、これに関連する主要道路は六十二年までに供用を開始するということは、その方針を確固としてやりたいと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私は、去る六月十四日の本委員会において、いわゆる二線引き畦畔に関する問題について質問をいたしましたが、その意を十分尽くすことができませんでしたので、引き続き質問をしたいと思います。  そこで、実態をよく長官に知っていただくために写真を持ってきましたから、よく見ていただきたいと思います。最初に国土庁にお伺いいたしますが、現在、地籍調査を完了したところは全部でどのくらいあるでしょうか。また二線引き畦畔問題が介在しているため事務を進めることが困難になっているのは、どのくらいあるか。さらに二線引き畦畔に属する土地は推定して全国でどのくらいの面積になるのか。また、そのうち所有権をめぐって争いの出るおそれのあるものはどのくらいあるか。さらにその筆数と申しますか件数と申しますか、それは推定してどのくらいになるかをお答え願いたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地籍調査の終了いたしましたものは、昭和二十六年から五十二年度までの間で五万八千二百九、平方キロメートルでございます。五十三年度にも予定がございまして整々と進んでおりますので、六万二千九平方キロというところまでまいるかと思っております。これは全国の面積に対しましては一六・八%、それから特に国有林等を除きまして、ぜひとも早急に終わりたいと思っております要調査面積に対しましては二二・一%という進捗率でございます。  それから、先生のお話の中でございました二線引き畦畔の問題に関する面積が、どれほどあるのかということでございますが、申しわけございませんが実は正確に把握をいたしておりません。これは地籍調査の段階に当たりまして、実施の段階で二線引き畦畔にわたる問題が相当多いと思っております。多いと思っておりますが、最終的に承認ということで上がってまいります実際の成果につきましては、最終的には、はっきりしないものには筆界未定の取り扱い、それから所有権が明らかになったものにつきましては、その結果が地図または簿冊に上がってくるわけでございまして、それ以前が二線引き畦畔であったというようなことについての注記もございませんので、中央といたしまして実際、全体の処理を把握していないというきらいがございます。ただ、先生がおっしゃいますように、二線引き畦畔が全国でどれくらいあるのかという問題もございましたけれども、これにつきましても、実際の調査に当たりまして公図に当たって調べるというのが実績でございまして、事前にどれぐらいあるかということを実は把握をしておらないわけでございます。  ただ、ちょうど十年ほど前でございますけれども、そういうふうな地籍調査の実施を推進するに当たりまして、二線引き畦畔というものがどれくらいあるかということにつきまして、神奈川、静岡、三重、京都等につきまして一遍、調査をしたことがあるようでございます。ただ、そのときには二線引き畦畔が分布するような市町村数と申しますか、そういうようなものを主として調べておりまして、二線引き畦畔の公図上の面積がどれくらいあるとかいうような細目は調査をいたしておりません。そのときの神奈川県、静岡県、三重県、京都府等について見ますと、当時の市町村数等から見まして、現在では合併その他で相当変わっておりますので、直ちには比較できないわけでございますけれども、相当の部分が二線引き畦畔を持っておる市町村であったという結果が出ておる次第でございます。  詳しい数字を申し上げられなくて恐縮でございますが、二線引き畦畔の状況把握については以上のようでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 二線引き畦畔の面積が把握されていないと申されましたけれども、この間NHKが「あぜ道はだれのものか」というタイトルで放送した中で、二線引き畦畔の面積は、推定するに大体山梨県の広さほどあると言っておられるわけです。NHKがそういう把握をしておるのに、その調査の最も拠点たる国土庁が、おおよその見当もつけられないということは職務の怠慢ではないか、こういうふうに私は思うのですが、件数も全然推定できない、こういうことで、これからの調査事務をどう進めるおつもりなのか。京都の田辺町の例を見ても、これはそこだけでも件数が約一万件と言われておるわけです。しかも、その面積が十一平方キロメートル、こういうふうに言われておるわけでございます。しかも聞くところによると、昭和四十二、三年ごろ各都道府県から、その調査の報告をさせたように仄聞しておるわけですが、そういうものは全く忘れられているのではないか、こういうふうに思うのですが、その点、お伺いいたします。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 NHKの方で申された話につきまして、私、実は聞かなかったわけでございますけれども、ちょっと思い当たることがございます。と申しますのは、実は、これは所管が違いまして、私が申し上げる筋かどうかわかりませんが、私、以前、建設省の会計課長をしておったことがございます。建設省は、御案内のとおり法定外の公共用財産の所管をしておる省でございます。その所管が会計課長でございます。したがいまして、その当時いろいろなことについて調査をしたわけでございますが、全国の都道府県のうちから十数県、たしか十六であったと思いますが、県を抜き出しまして、その中の法定外公共用財産についての調査を行ったことがあるやに記憶いたしております。それはもちろん二線引き畦畔だけではございませんで、里道、水路、それから水面、みぞ、そういうものを全部含めた数字でございます。そのときに、トータルをしてみると、正確な数字を覚えておりませんが、ああ、山梨県分ぐらいあるなという話をしたことを覚えております。したがいまして、NHKの方で引用されましたのは恐らくそういうことではなかろうかと思います。  この法定外の公共用のものにつきましては、これはいずれも、その実際の調査の段階におきまして公図と照らし合わせて確認をするということでございまして、これは参議院の決算委員会でも前に一応問題になったことがございます。これも以前の話で恐縮でございますが、私がやはり建設省の会計課長時代のことでございました。その当時、参議院の決算委員会からも、そういう強い資料要求がございまして、事情を申し上げまして、それぞれの事業実施の段階もしくは地籍調査実施の段階等に初めて出てくるものであって、それについての事前の調査については御容赦願いたい。全国的にすごい調査になるわけでございまして、抜き取り調査みたいなものは今後できるかもわかりませんが、オールジャパンにつきましては御容赦願いたいと言って、御容赦いただいた経緯もございます。  二線引き畦畔等がいろいろの問題の中で出てまいりますので、私ども、いろいろな意味のできる限りの調査を今後してみたいと思っておりますが、現在のところ手持ちがないというのが実情でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 それでは次に大蔵省にお伺いいたしますが、畦畔というのはいつごろからできたと思いますか。まず、そこからお願いします。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 二線引き畦畔とおっしゃいますのは、公図の上で二線で画されて、番地が付されてなくて、そして登記簿にも登載されてない、こういうものと思います。  これが、いつごろから生じたかというお話でございますが、古い話でございまして、まず明治維新になりまして日本の近代的所有権というものがどういう過程で確立をしていったか、こういうところから始まるわけでございますが、明治五年に地所永代売買の解禁という太政官布告ができまして、それによりまして日本の土地についての近代的所有権が確立をしたということになっております。そしてそのときに、自分のものだと思うものは……

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私の聞いているのは、畦畔がいつからできたのだと聞いているのですよ。二線引き畦畔がいつからできたということじゃない。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 わかりました。  そういうときに、明治の初年に、自分の所有と思うものは申請をいたしまして、出時、技術は相当劣っていたと思いますが、自分の土地について測量して申請をいたしまして、それで地券というものをもらって、それが自分のものであるということになっておるわけでございます。  それで、そのときに、この畦畔の問題が、その地券の対象面積といいますか、それに入ってなかったということで、その後、測量につきましてはいろいろやっておるわけでございますが、その、長い段階において民有地に入らなかったということでございますので、明治初年からこの問題は生じてきた、こういうふうに思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私の聞いているのは畦畔というものはいつからできたんだと聞いているんですよ。その概念を聞いているんじゃないんです。畦畔というのは田畑ができたときから、できているんですよ。これは明治じゃないんです。もう田畑ができたときから畦畔はできているんだから、あるいは二千万年前かもしれないのですよ。そういう質問の内容をよく聞いて答弁していただきたいのです。  それじゃ、この畦畔は何のためにできたかということについてお答え願いたいと思います。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 概念の話ではないというお話でございますので、事実上の話で畦畔というものがどうしてできたかということだと思いますが、たとえば傾斜地に畑をつくるというと、畑は平面でございますので、上と下との畑の間はがけ地というものが当然できるわけでございますので、そういうことで、できたんだと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 帰らないで、そこでひとつ答えてください、どんどん一問一答式でやりますから。  田畑と独立して、その畦畔は考えられますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 その独立という意味でございますが、どういう意味でございましょうか。物理的には独立して考えられます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 田畑と畦畔を切り離して、畦畔だけが独立してあるということが考えられますかということなんです。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 畦畔は田畑があるところにある、畦畔だけ別にあるというものはないと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうでしょう。  徳川時代を含めたいわゆる封建時代は田畑の所有権はだれに帰属しておったと思いますか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 徳川時代には、先ほど申し上げましたように、いまの概念でいって、だれに属するかという近代的な所有という概念はなかったと思います。したがって、だれに属したということは、いまの考え方では割り切れないんではないかと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうすると、あなたは近代的な所有権が確立する以前は所有権はなかったというふうに考えておられるようですが、実際に近代的所有権ができる歴史的な過程というものを調べてみますと、私も国会図書館で調べさせましたが、そうすると封建時代には、いわゆる領主の所有権と農民の所有権とが重複して作用して、そこに一つの所有権の完全な形態ができておる、こういうふうに見ていいわけですよ。ところが、いまあなたは近代的所有権のないところには所有権がないとおっしゃる。それじゃ、その土地は天から降ってきたのか。法律が先にできて実体が後から生まれたのかと言わざるを得ないわけです。そういうことではないと私は思うのですが、ひとつ、その点をお聞かせ願いたい。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 徳川時代には領主による領有権と実際に土地を使用している人の使用収益権というものを当時はっきり分けておったかどうかは別でございますが、現在の考え方で言えば、領主による領有権、その制限のもとにおいて農民が土地の使用収益権を持っておった、こういうふうに考えられます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 土地の所有権というのは農民は所有権として持たないで使用収益権だけだった、こういうふうに言われますが、それじゃ土地が国の所有に、いつから属するようになったのか。いつから国の所有だと認定できるようになったのか。その点について。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 先ほど申し上げましたように、明治初年の永代売買の解禁によりまして近代的所有権という考え方が確立をした。そこで同じころでございますが、地所名称区別というのが明治六年にできております。これによりますと、民有にあらざる土地は官有地とするということが出ておりますので、そのときにおいて国の所有になった、こういうふうに私は考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 民有にないものは官有しかないわけですから、それは当然なことで、ただ、この二線引き畦畔はもともと民有である地ということが問題になっているわけなんで、そこで二線引き畦畔ができた、そもそもの由来というのは、免租地として、この畦畔というものを残した。したがって免租地であるから税金の対象にならない畦畔というものは何も登録する必要がない。そこで無番地、無登記というふうな形で残ったと見るのが妥当だと思うわけですが、いかがでしょうか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 明治以来の土地制度のあれを見ますと、そういう畦畔は本地に編入をするという扱いが出ております。したがって、そういうものは本地に編入をいたしまして、それで畦畔も民有地として所有権が確認をされておるというのがございます。もちろん明治の初年においては地租をいかにして取るかという問題がございますので、事柄は税金の話から始まったのかと思いますが、途中の段階におきまして、そういう所有権という問題が出ておりますので、そういう畦畔も本地に編入をする、こういうことになっておりますので、そういうものは民有地として確認をされておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そういうものは民有地としてというけれども、これ、あなたの方で出した「国有畦畔について昭和三十年九月二十六日蔵管第三千百三十一号」の中に、その三の「沿革」というところに「明治初年の地租改正に際し権利思想の発達した一部の地方においては「内畦畔」又は「外畦畔」として整理され民有地として取り扱われ課税の対象からは除かれていた。その他の地方においては前記一に述べた、澗地、青地、土手代等として国有存置されたものである」と一方的に書いているのです。したがって、最初は権利意識のあったところは外畦畔、内畦畔という形で、これを民有地に編入したけれども、そうでないところは、そのまま残った、こういう解釈をしておるわけで、そうすると問題は、この畦畔というのは本来そういう免租地であったということを、ここで裏書きしているんじゃないでしょうか。

迫田泰章大蔵省理財局次長

○迫田政府委員 先ほども先生おっしゃいましたように、そこに書いてありますが、民有地であっても畦畔は外がきとか内がきと書いてある例がございます。したがって、それは民有地であっても免租の地でございまして、免租である地であるから、どうこうという問題ではないと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これは時間がありませんので、もっともっと詰めて話さないとわかりませんが、私は、そういう自分たちの出した通達をいかに合理化しようかという考え方にはどうしても納得できません。  そこで、もう時間がありませんから国土庁長官にお伺いいたしますが、いま国土庁が進めておる地籍調査は、先ほど山岡局長から言われましたように、非常に進まないでおるわけです。しかもパーセンテージからいっても問題にならないような状態でありまして、これは本当に遺憾な状態と言わざるを得ません。そこで、この調査に当たっている現地の役場からは、二線引き畦畔の取り扱いで事務の遂行が困難となっておる。いまやこれが社会的あるいは政治的問題にまで発展しているという苦情が出されておるのは御承知のとおりだと思います。  しかも二線引き畦畔なるものについて国は時効完成の一定期間どころか、初めから権利の行使をしてこなかったのであります。したがって、権利の行使のないところに所有権の主張は現行法のもとでは断じて許されるものではないと思います。そこで政府は、取得時効確認の手続を指導したり無償払い下げなどの方法をとって、二線引き畦畔を所有権主張者に取得せしめてきた経緯もあるわけです。結果的に国は所有権を主張したことによって何らの利益を受けていないのであります。また、受けないのであります。それどころか、逆にはかり知れないほどの莫大な損失を受けていると言って過言でありません。山梨県に匹敵する面積と何百万件に及ぶかわからないほどの膨大な事務量と、これに要する人的、物的諸経費はまた、はかり知れないのであります。  たとえば京都の田辺町だけでも、先ほど言いましたような十一平方キロの中に約一万筆の二線引き畦畔があるとされておるわけです。仮にこれを取得時効確認の申請をさせようとすれば、一件について、およそ、どんなに安く免租もっても三、四万の金がかかるだろうと思います。しかも、この手続には、実測から登記簿の謄本から皆その要件が備わっておるわけですから、それらの費用は商売人に頼んで整備したとすれば十万近い金がかかるのではないだろうか。そうなると、これはこの町だけでも約一億円から十億円の経費がかかるということが言えるわけであります。そういうふうに考えてまいりますと、これは一坪何百万円で売るような人は別といたしまして、一般の人ならば、わざわざ経費をかけて、みずから自分の所有権が危うくなるような訴えをする者はいないわけです。これは黙っておっても裁判になれば座して勝つことが明らかな案件なのでございます。そういうふうに考えてまいりますと、国の方から勝ち目のない訴訟を起こして決着をつけながら地籍調査を進めていかない限り、どうすることもできないという筋が考えられてまいります。これでは国土行政は行き詰まりであると言っても過言ではないと思います。  したがって、このことを考えますならば、長官は大物大臣として大蔵省に対して協力を要請し、もって政治的解決を図るべきだと思うのでございます。私の言う政治的解決とは、つまり公的機関が法に基づいてなす地籍調査は、そのもの自体が権威を持ち信頼さるべきものとして、これを尊重し、二線引き畦畔にして争いあるものについては、その実体の精査は調査機関に任せて、その結果を国土調査の成果として認めるということであります。こうすれば関係国民は大いに喜ぶばかりか、国に対する信頼も回復し、国土調査事務そのものも、ちょうどゲレンデを滑るスキーのように走り出すものと思うのでありますが、長官の所信のほどをお聞かせ願いたいのであります。  さらに、いままでの議論の中で大半御理解はいただけたと思いますが、実は大蔵省が二線引き畦畔について昭和三十五年八月二十五日付で関東財務局長より東京法務局長あてに通牒を出されたことに端を発して今日の混乱を引き起こしておるわけでございます。しかも大蔵省の主張する、二線引き畦畔が国有地であるという唯一の根拠は、二線引き畦畔は無登記、無番地だから所有者がないと直ちに決めつけて、民法二百三十九条第二項の無主の不動産は国属するという条項を適用して国有を主張しておるものであります。  ところが、法律学全集「物権法」舟橋諄一氏の著書によれば、「無主物とは、現に所有者のない物をいう。」と明確に述べておられるのであります。これは現在の法律学者の一致した見解であると思うのでございます。つまり、現に所有者のないものということは、所有権をめぐって争いのないということでありますことは御輿解いただけると思います。ところが二線引き畦畔につきましては、その歴史的経過からしても明らかなように、現に所有権を主張し、占有し続けている者がおるのでございます。だとすれば、これは無主物ではないのではありませんか。登記は直ちに所有権の絶対的要件でないことは御承知だと思いますが、しかも、この手続の基礎はあくまでも申請によるものであり、第三者対抗要件を備えるだけでありまして、所有権そのものと不可分ではないのであります。したがって、この二線引き畦畔をめぐる所有を主張する地権者と国との関係は、国が今日まで国有財産として権利を行使してこなかった三線引き畦畔について、その所有権を主張するためには、その土地について所有権を主張する者がないということを確認することであるわけでありまして、これは権利を主張する者としての国の責任においてなされなければならない事柄ではないでしょうか。しかるに国は、現にその土地を一定期間以上占有している者から、つまり所有権を主張する者から取得時効確認の手続をとってこいという姿勢は、まさに権力をかさに着たやり方であって、民主政治の中では断じて許せないやり方だと思うのであります。もし、どうしても国が二線引き畦畔の所有を主張し続けるならば、国から訴訟などを起こして決着をつけるべきではないでしょうか。先祖伝来平穏無事に占有し続けてきたものに対し、高いお金を使って好んで争いを起こす者がおるでしょうか。訴訟になれば座して勝つのでありますから、この平和の夢をかき消された怒りは、今日国に対する大きな不信と変わってきておるのであります。このことを思うときに、この大蔵官僚の自分勝手な言い分を唯々諾々と聞いているだけでなしに、これに対して一つの断固とした態度をとって早急にこの問題を解決すべきだと思いますが、ひとつ御所見をお伺いしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 二線引き畦畔について渡部委員が日ごろ非常な御造詣を持っておられることを承知しておるわけでございまして、私がそれについて準備なく、いろいろ、ここで御論議申し上げることは、かえって失礼だと思うのであります。  ただ、ただいま、いろいろ御指摘がございまして、これはわれわれとしても、また大蔵当局におきましても十分精査すべき諸点である、こう思います。ただ私として、いま申し上げられることは、第一は地籍調査の実情についての御批判がございました。まことに遅々たるものであるということにつきましては、これはわれわれとして努力しなければならない点だと思うのであります。  それから、一応所見を述べろということでございますので申し上げますなら、まず地籍調査は、その性格上、権利の変動をもたらすものではなく、既存の権利状態を正確に調査し、確認するものではないか、こう思うのであります。しかし地籍調査の測量の結果は二線引き畦畔の時効取得の申請において活用されておるわけでございますので、今後ともこの調査を実施することによって、そして、ただいま御指摘のあった事務の繁雑化と申しましょうか、また大変な費用もかかるでないかというような点について今後、事務の円滑化あるいは簡素化につきましては極力私としては努力したい、こういうふうに思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 古川雅司君。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 三十分という限られた持ち時間でございますので、きわめて断片的になりますが、私は建設及び国土行政にわたりまして若干御質問申し上げたいと思います。  最初に、国道二号線の三原バイパスについてでございますが、この問題点につきましては、昨年の十月二十六日の本委員会で比較的詳細にわたってお伺いをしたわけでございますが、そのとき浅井前道路局長の答弁は「しっかりしたアセスメントをやって、ルートについて完全な御理解をいただいた上で、ぜひ早くこのバイパスの完成をしたいというふうに考えておりますが、その前の段階に県、市、地元関係者の御理解と協力を得てバイパスの都市計画決定をまずやらなければいけませんので、早くそういう段階に持ち込みたいというふうに考えております。このバイパスの総事業費は三百七十億程度でございまして、その着工の時期とか事業の進み方等につきましては、この八次の五カ年計画で十分検討したいというふうに考えております。」というふうに御答弁をいただいておるわけでございます。  この懸案だった本年度内の都市計画さえ現在危ぶまれているわけでございますが、これは来年度早々に都市計画決定がなされたとしても完成は六十二年ないし六十三年ごろになるというふうに言われておりますので、前回の委員会で御質問申し上げましたとおり、現在この国道三号線の三原市部分のいわゆるラッシュ時における交通渋滞というのは極限状態にきておりまして、したがいまして市民にとってはこれは非常に重大な課題になっております。  そこで局長にお伺いいたしますが、本年度内の都市計画決定の見通しはいかがでございましょう。

山根孟建設省道路局長

○山根政府委員 お答え申し上げます。  このルートの中で、ちょうど東側の部分でございますが、地質が大変悪いところがございます。崖錐地帯でありますので、実は、その地質調査のために現地に入りましていろいろ調査をいたす必要が、ルートを選定する前の段階で必要不可欠になっております。実は現在のところ、この調査のために地元の方々に立ち入りの申し入れを行っているところでございますが、実は、まだ了解が得られていないような状況になっております。一番の問題、一つの大きな問題はそこにありまして、私どもといたしましては、この現地立ち入りに対する御理解を得まして地質調査を実施をいたしましてルートを決定し、このルートについて、ひとつ都市計画決定をいたして事業の促進をしてまいりたい、こういうふうに考えておりまして、地元の御理解をどう得るかということで、いま一生懸命やっておるところでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 したがって、本年度内の都市計画決定の見通しはどうかということを、まず最初にお伺いしたわけでございまして、その点について、はっきり御答弁をいただきたいと思います。  建設省としての、いわゆる正式決定はしていないわけでございますが、いま御答弁のありました予定のルートについては、すでに糸崎町から中之町、頼兼町、新倉町に至る九・一キロ、その中で中之町と頼兼町にインターチェンジを予定しておるわけでございますが、なかなかこのルートの決定がむずかしい。これに対して住民の方側から、いわゆる二つのルート案が提示をされているわけでございます。山側ルートの方は、これは深町を経由するものでありまして、これに対して建設省の福山工事事務所は、これはバイパスの機能から外れるという理由で反論をいたしております。海側ルートの方のいわゆる海岸沿いに高架を通って沼田川の南岸に至る、この考え方について、これは建設省が、非常に工費がかさむという理由で、これまた反論をいたしております。  こうした住民側が提示している別のルート案、この辺の話し合いもっかないということになりますと、これは全く都市計画の決定なんというのは遠い遠い先になってしまうのではないか。その辺についての建設省と地元県、市並びに住民との間の折衝がきわめて遅滞に過ぎるんじゃないかという感じがするわけでございますが、その点いかがでございますか。

山根孟建設省道路局長

○山根政府委員 都市計画決定のもとになりますルートをどうするか、こういう問題でございますが、いま御指摘のありました山側ルート、海側ルートそれぞれいろいろ検討をいたしてみますと、先ほど先生おっしゃいましたとおりでございます。四十六年に一応ルートを設定をいたしまして、その後なるべく移転民家が少ないようなルート、環境対策のためのいろいろな方策等によってルートの修正をいたして今日に至っているわけでありまして、それについて先ほど申し上げました地質調査で最終的なルートを確定をいたす、こういう基本的な考え方で現在、県、市当局とも鋭意話を詰め、住民の方々ともお話を一層進めてまいりたい、こう考えておるわけであります。  私どもといたしましては今年度中には何とかこぎつけたい、こう考えておりますが、いまのような若干の点が残されておりますので、あるいは来年度に持ち越しになるかもしれぬ。私どもとしては、できるだけ早く住民の方々ともお話し合いをいたしまして都市計画決定に持ち込めるようにいたしたい、かように考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 その住民の方々の御意見でございますが、いわゆる絶対反対というのではなくて、建設省と実質的な話し合いをしたい。そしてルート決定あるいは生活環境を破壊する問題等について、はっきりした建設省の腹を聞きたいんだという側の住民の方々が、田中繁明さんを会長とする中之町住民福祉協議会、約七百二十世帯を擁しているわけでございますが、この団体におきましては、最近に至りまして市側そしてまた建設省側との、これまでの話し合いを白紙に戻すというところまで態度を硬化させているわけでございまして、それも、こうした大気汚染などの環境問題についての実質的な話し合いが、これまで全くできなかったということが大きな理由でございます。これにどう対応していくのか。  そしてまた一方、吉永龍次郎さんを会長とする三原バイパス建設促進期成同盟会、この会は昨年五万人の署名を集めまして建設省に陳情も申し上げているところでございますが、今日の事態に至りまして、この同照会の方々は、民間レベルでは、できることはもうすべてやり尽くした。これ以上は、あとは行政の決断、そして行政のまじめな取り組みに期待するしかないという言い方をいたしております。こうした住民サイドの声をどう受けとめていくのか。年度内の都市計画決定まで何とかこぎつけたいという期待を述べられたわけでございますが、もし年度内にできないとすれば、来年早々と私たちは見通しをつけてもいいのか。そこまで本腰で、この問題に取り組んでいただけるのかどうか、その点お答えいただきたいと思います。

山根孟建設省道路局長

○山根政府委員 三原市内におきます交通混雑、これに伴います交通公害等から考えますと、この計画の決定を急ぎたい、こういう気持ちでいっぱいなわけでございます。そのために先ほど先生がおっしゃいました方々と具体的にお話し合いを詰めてまいりませんと、やはり合憲に達することができないと思います。これまでも、そういう考え方でやっておりますが、御指摘のように、これまで以上にお話し合いを進めまして問題点を明らかにし、対応策を検討して都市計画決定の運びになるように努力をいたしたいと考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 この点については、ぜひ大臣からもひとつ御決意を伺っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 バイパスの必要性、また関係地域住民の方々が、そのバイパスがなければ非常な影響を受けておるという事実にかんがみまして、ただいま道路局長がお答えをしておるとおり、われわれとしての、でき得る限りの努力と措置をしてまいりたいと思います。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 次に、公共事業に関する問題点について若干お伺いをいたしたいと思います。  昭和五十三年度の八月末の公共事業等の契約状況につきまして、時間がございませんので、こちらから申し上げますけれども、政府の資料によりますと、公共事業の全体の契約状況は六六・六%、昨年度は六五・三%ですから若干上回っておりますが、これが建設省所管の公共事業になりますと六三・七%、昨年度が六四・六%でございますから約〇・九%減になっております。今国会の政府答弁を伺っておりますと、政府はこの契約率について満足すべき状況だというふうに受けとめておられるようでございますが、一方、地方自治体等の公共事業の予算執行に当たっては、数々の当面している問題点が指摘をされてきているわけでございます。  これは私の方で簡単なアンケートをとりまして、九月から十月にわたり各県から御回答いただきました。大体、県の財政担当課長から慎重な、しかも厳しい現況について回答が寄せられているわけでございます。その詳細を一つ一つ読み上げるとよろしいのですが、これまた時間の都合でできませんので、私の方で取りまとめたものを局長のところにお届けをしてございます。そこで私たち非常に目につくことは、政府関係の公共事業が非常に大型化するに伴いまして、これは質量ともに大型化しているわけでございますが、それを受けて、また自治体におきましても設計の技術者あるいは労務技術者等の不足あるいは資材の高騰、そういった問題に非常に大きく悩まされております。そういう現状を考えますと、政府の答弁に見られるような満足すべき状況と言い切っていいものかどうか、その辺の見解について、まずお伺いいたしたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 八月末までの契約状況につきましては先生がお述べになりました数字のとおりでございます。建設省関係が昨年の契約率より若干落ちておりますが、上期の契約目標が昨年が七一・六に対しまして七〇・七と落ちておりますので、そういうことを勘案すれば、まずまずの成績であり、かつ上半期すなわち九月末におきましては目標の七〇・七%を上回る七三%以上の契約が確保できるものと考えております。  また、先生の方で諸調査をなさいまして、各公共団体の状況、要望等をお調べになったわけでございますが、それも拝見をいたしております。確かに技術関係の職員につきましては五十三年度は当初、昨年の当初に比べまして一七%増の一人出たりの事業費になっておりまして、かなりのオーバーロードになっていることは事実でございますが、それに対しましては建設省も、本年の一月四日に対策本部をつくりまして、補助金関係の事務の簡素化でございますとか、あるいは技術職員のオーバーロードを省くために標準設計の活用とかコンサルタントの活用、自主的施行の活用、推進等を図ってまいっておりまして、そういう点で努力をいたしました結果、お示しのような数字の契約率の達成をしたものと考えております。なお、今後とも地方公共団体との関係につきましては密接に連絡を保ちつつ、要望に対して十分沿えるような措置を講じながら目標の達成に努力をいたす考えでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 契約率の数字という点から見れば満足すべき状態だということを通されるのでしょうが、問題点から考えると、公共事業の執行の上で、こうした現実の問題が指摘されていろということ、これは見逃すことができないと思うわけでございます。これもその調査によって一層浮き彫りにされたわけでございますが、たとえば分割発注の問題につきましても、これは新聞報道もなされておりますけれども、「建設省は、中小企業の受注増大を目的とした公共事業のいわゆる“コマ切れ”発注方式を見直す意向を固めた。」ということは、建設省が地方建設局等を通して発注をする河川やあるいは道路、そういった直轄事業一件当たりの工事規模を見てまいりましても、そういう分割発注を控える、大型化していくという傾向が、このごろ非常に大きく目につくわけでございまして、これは大臣の所信表明の一つの柱でもありました中小建設業の受注確保の機会を阻害することになるんじゃないか。したがって、この報道にあるように、あるいは、それぞれ自治体から指摘されているように、こうした分割発注を見直すという建設省の姿勢そのものが、これまた一つ大きな問題になるんじゃないかと思いますが、この点いかがでございますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 古川委員のいまの御所見は、私どもとしては、そういう方針は全然とっておらないのですね。中小建設業者の受注機会の確保を図るため、発注標準の遵守、分割発注及び共同請負制度の活用を図るよう関係機関を指導しておって、今後とも、この方針を変更する考えはございません。もし問題があるとすれば、分割発注について、工事の性質、建設労働者の確保、建設資材の調達等を考慮した上で地元建設業者等中小企業者の活用を図ろう、こういうことで、仮にいま申し上げたような点で欠ける点があって何か御不満を持つ向きがあるとすれば、これは私どもとしてはやむを得ないことだと思うのですが、分割発注の方針を変えるというような考えはございません。分割発注の状況についての実績なども出ておりますが、相当に成果を上げてきておる、こう思う次第でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 しかし現実には、道路や河川などの工事を幾つかに分割していく、いわゆる分割発注の方式は、工事単価を非常に上げるという考え、それから公共事業の景気刺激効果を、そのために、そぐというおそれがある、あるいは工事の設計施工の管理等が非常に複雑になって、公共事業の円滑な執行を阻害するという考え方が建設省には根強くあるのではないか。したがって大臣の御答弁で、分割発注を阻止するような、そういうことは考えていないとはっきりおっしゃるのはまことに結構でありますけれども、先ほど私が指摘したとおり、直轄事業一件当たりの工事規模が非常に大きくなっているという現実は見逃せないわけでございまして、そういう点、くどいようでございますが、中小建設業の受注確保の機会というものは、こうした長期の不況のさなかにあっては、より一層ひとつ決意を強く持って、この方針を貫いていただきたい、御要望申し上げる次第でございます。  同じくこうした問題点の一つとして、請負工事費の積算の問題がございますが、こうした大量の公共事業が発注されてまいりますと、建設資材の価格が非常に高騰するわけでございます。それが工事請負費の積算の上に敏感に反映されていないということが指摘されておりまして、公共工事の発注機関が積算をする場合には、資材価格は発注時の現場納入の単価が原則になっているわけでございますが、なかなかこれが、特に一次、二次、三次といった重層の下請業者の段階になりますと、そうした資材の高騰によるタイムラグというものが中に見込まれない。時には設計変更であるとか、そういう事態の中でも非常に下請が泣いているわけでございます。もちろん元請と下請の間には、きちんとした契約約款が取り交わされるような仕組みにはなっておりますが、これも契約書も、あるいは見積書も実際には提示されない。口頭で取り交わされているような場合もきわめて多いわけでございまして、こうした状況の変化による工事請負費の積算の実態、このあり方によって、きわめてこうした中小建設業が痛手を受けているという現実があちらこちらに出てきております。これ等についてどうお考えになるか。  まことに小さな一例で、例としては、これはふさわしくないことかもしれませんが、たとえばこの十二月一日から道交法の施行令が改正になります。トラック等のいわゆる過積載の取り締まりが強化されるわけでございます。業界は、これまで、こうした規制に対しては、あえて違反をしながら過重な輸送を行っていたわけでございますが、この取り締まりが厳しくなることによって、いわゆる正常な、規制に基づいた輸送体系になるわけでございます。これはいままでとは違った、大変奇妙な意味合いではございますけれども、輸送コストの上昇という結果を招くわけでございまして、この辺も決してばかにならない、いわゆる請負工事費の上昇という結果を招くわけでございます。こういった点も、もっとクリアな、はっきりとした根拠に基づいて、正確な積算をし、そしてまた発注をし、元請と下請との間の関係をさらに厳重に注意をして見守っていかなければならない、このように考えるわけでございますが、いかがでございますか。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 御指摘の発注価格の問題でございますが、建設省の直轄工事におきましては、資材価格あるいは積算等につきましては実勢を忠実に反映するという方針をとっておりまして、その根拠資料といたしましては、公益法人でございます建設物価調査会の物価版、経済調査会の積算資料によりまして積算をいたしておるところでございます。これらの資料は毎月、また場合によりましては十日に一回そのときの実勢を反映した資料を登載いたしておりますので、それに従ってやっておるところでございます。いずれにいたしましても、実勢に反した積算が行われないように十分配慮してまいりたいと考えております。  それから最後に御指摘ございましたダンプトラックの過積載の制限に伴う問題でございますけれども、これは道路交通法のたてまえから、また発注者としても非常に好ましい措置でございますけれども、これによって積算価格が実情に合わないということがあってはならないことは当然でございますので、これらの過積載制限によりまして、当然これらの措置が積算資料に反映をしてくるものと思っております。その反映をされた実勢につきましては、あくまでもこれを尊重して積算してまいりたいと考えております。

丸山良仁建設省計画局長

○丸山政府委員 元請が増額されたにもかかわらず下請に金が回らないという問題でございますが、この問題につきましては石油ショックの際に大問題になったわけでございます。したがいまして、そのときも強力な手段をしたわけでございますけれども、昭和五十二年の四月に中央建設業審議会が勧告しました下請契約約款におきましては、特に二十二条に新たな規定を設けまして、元請が契約変更で増額を受けた場合には下請から増額の請求ができる、こういう規定を入れたわけでございます。したがいまして、この規定に基づきまして今後とも強力に指導してまいりたいと考えております。  ただし、元請が増額されたからといって、直ちにあらゆる工事が下請に増額になるというものではないと私は考えております。と申しますのは、工事全体を増額するわけでございますが、下請はその一部分、増額に関係のないところを請負っている場合もあるわけでございますから、そういう点につきましては実態に即して指導してまいりたい、このように考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 現実には先ほども申し上げましたとおり、元請と下請の間に、そうした正式な契約さえとり行われないで公共工事が進められているという例が、まだまだ非常に多く目立つわけでございまして、それがこうした実勢単価の変動も反映されない。あるいは前委員会で私が御指摘申し上げました前払い金の制度であるとか、あるいはまた契約変更に伴う、こうした請負工事価格の増額とか、そういうものが全く下に届かない。それでなくとも元請によって、かなりうまみを吸い取られた後が二次、三次、ひどいときには四次というふうに下請におりておるわけでございまして、こうした積算が正確に徹底しないということは、直接、中小建設業の倒産にまで結びついているという、この点にさらに御留意をいただきたいと思うのでございます。  時間が限られてまいりました。三全総について詳しくお伺いをする予定でございましたが、一点だけ伺って私の質問を終わらしていただきたいと思います。  昨年の十一月に閣議決定をいたしました三全総につきましては、その実施のための具体的な諸施策をいま検討中であると聞いております。これは定住圏整備に関する関係省庁の連絡会議、現在は懇談会の段階だそうでございますが、この連絡会議で合意を得た場合に、実施の責任省庁は一体どこになるのか。特に自治省から国土庁に対して、いわゆる新広域市町村圏構想というものの実現の申し入れが行われておる。したがって、ここに、いま国土庁が考えている地方定住圏というものと、それから既存の広域市町村圏、これは自治省の管轄でございますが三百二十九、それから地方生活圏百六十八、これは建設省の所管でございます。そういったものをそのまま生かして線引きをしていくのか。あるいは国土庁独自で設定をしていくのか。自治省、建設省等との関連について、お考えをお示しいただきたいと思います。  全総、新全総に伴う、こうしたゾーンにつきましては、ようやく地域社会に定着をしてきたところでありまして、この線引きいかんによっては無用な混乱と不安を招くわけでございまして、自治体も非常に不信感を持つようになってくるのではないかと思います。既存のゾーンにつきましては、たとえば広島県では広島広域都市圏あるいは備後地区工業整備特別地域といった二つの開発計画を持っているわけでございますが、たとえでございますが備後工特等について今後どういうふうな取り扱いをしていくのか。新全総では工業開発を主軸とした方針で事業を進めてきたわけでございますが、これに環境保全とか、あるいは生活関連の施設整備といった考えを盛り込みながら、さらに強力に進めていくのか。あるいはこうした全総、新全総における考え方というのは当然ここで打ち切るとか、あるいは影をひそめるとか、そういう運命にあるのか。その辺の見通しについてお伺いをしたいと思います。

福島量一国土庁計画・調整局長

○福島政府委員 定住圏の整備に関しましては、基本的には地方公共団体と地域住民が一体となりまして構想を固めていただく、そして主体的な立場で推進していただくということでございますが、その場合に国といたしましても、そういった動きを支援しつつ対処する必要がある。その場合の対応策をどうしたらよろしいかという点につきまして、私どもの方で各省といろいろ折衝を重ねながら考え方を取りまとめまして提示をして、いま御意見を承っておる段階でございます。  八月に関係省庁、国土庁を含めまして十四省庁でございますが、の懇談会を開催したわけでございまして、何分にも、ただいま申し上げましたように関係する省庁が非常に多岐にわたりますし、定住圏の整備自体というのが非常に広範な分野と申しますか、問題を含んでおりますから、考え方の調整には手間取るわけでございますけれども、ただいま特に御質問になりました圏域の問題につきましては、私どもといたしましては、ただいま御指摘の広域市町村圏あるいは建設省の地方生活圏、そういった既存の圏域を手がかりとして検討を進めるという考え方で、この点については各省大筋の合意は得ているものというふうに考えております。私どもが、そういった既存の圏域を無視して、全く一方的に国土庁が上から線引きをするということは毛頭考えておりません。そういったそれぞれの地域の特性に応じて、どういった方向で定住圏を整備するか、その目標と申しますか、構想に従って、各地域において自主的に決めていただきたい、こういうことでございます。  それから、自治省の新広域市町村圏構想に関してでございますが、自治省がそういう構想を持っておるということは私ども聞いておりますけれども、正式にこういったことでということについての申し入れと申しますか、あるいは説明と申しますか、そういうものはまだ承っておりません。ただ、いずれにいたしましても御指摘のように、いろいろな圏域が混在するということは、これからの広域行政というものを展開する場合に混乱を生じるおそれなしとしないということで、建設省の地方生活圏あるいは自治省の新広域市町村圏構想そういったものが、これからの定住圏構想の整備を進める上で大きな調整課題になっておるということは御指摘のとおりでございまして、私どもとしても、できるだけ関係省庁の足並みをそろえることの方が望ましいという観点から、せっかく努力してまいる所存でございます。  なお、工業整備特別地域のことにも触れられましたが、その問題と先ほどのお話に出ました在来圏域、あるいは、これから考えております定住圏圏城とは直接関係はないのでございますけれども、そういった工業整備特別地域を抱えているような地域におきます今後の整備の目標のあり方ということの中には、その工業整備を今後とも推進していくということで大きく取り込まれていくのではなかろうか。工業整備特別地域の圏域の広がりと、そこで仕組まれるであろう定住圏の圏域の広がりがどういうふうになりますか、これはまた地域、地域の実情によって違ってくるかと思いますが、いずれにいたしましても関係する圏域、定住圏にとっては工業整備特別地域の整備課題というのは大きなテーマとして位置づけられてくるのではなかろうかというふうにわれわれは予測しております。  以上でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川(雅)委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 まず住宅公団家賃の問題についてお伺いいたします。     〔委員長退席、北側委員長代理着席〕  津田公団総裁に伺いたいのでありますが、この間出ました週刊エコノミストの対談では、総裁は「公共公益負担、つまり学校だの公園だの、道路、下水、上水道など負担金がわんさとくる。」だから「当然負担すべき地方公共団体が負担するとか、政府が面倒をみてくれると公団は助かる。」「昨年」は恐らく「ことし」の誤りではないかと思いますが「全国で三〇〇億円ばかり、スズメの涙みたいなものですが予算化されました。」こうお答えになっているのですね。この三百億円でスズメの涙といたしますと、総裁はどのくらいが妥当な額とお考えなのですか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 あの記事はエコノミストの記者との対談を編集したものでございまして、用語の点あるいは数字の点等、必ずしも私の真意をそのまま伝えているというものでもございませんので、ただいまスズメの涙という御指摘がございましたが、必ずしもそういうことではなくて、不十分だが、あの予算化されたことで芽が出たわけです。これを私、非常に高く評価いたしておりまして、政府、国会の御意向を非常にありがたいと思っておるのでございますが、なおなお不十分だという意味にお受け取りいただければ幸せだと存じます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 同じく、その中で「公団は政府の金を使うわけですから、金利を引き下げてもらえば大変助かるわけですね。」ともおっしゃっているわけですね。部分、部分の表現がどうであるかは別にいたしまして、恐らくこういう対談ですからテープもとられた上での原稿だと私は思うのです。そういう上では大筋に大いな差はないと思うのですね。もしあれば当然、社会的影響も考えて訂正されるはずだと思いますが、そういう意味で金利を引き下げてもらいたいという意思は表明されたのだと思うのです。とすれば、現行金利からどのくらい引き下げてもらえばよいとお考えなんですか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 これは多々ますます弁ずと申し上げては少し語弊がございますけれども、財投の資金でわれわれ土地を買い、住宅を建てておるわけでございますから、その金利が低いほどいいのであります。今度の五十四年度の予算にも建設省におきまして、その点を配慮して金利を引き下げる要求をいたしておるわけでございますが、どの程度までいけばと言われても、なかなかここで明確にお答えすることもできませんけれども、現在の金利ではなかなかむずかしい、それで、今度の予算案にございますような要求をしておるということでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 未利用地保有の問題など、公団のいわゆるずさん経営についてなんですけれども、公団側は従来から、今回の家賃値上げに関係ない、こうおっしゃってきたわけであります。では将来とも関係ないと言い切れるのか。その未利用地に将来住宅を建設した場合、未利用地としての保有期間中にかかった金利が、そこに建てた住宅の家賃に関係しないと言い切れるのかどうか、お尋ねしたいのです。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 家賃改定問題が起きましてから、これは会計検査院等が指摘した公団の長期米利用地あるいは未入居住宅、そういうことのしわ寄せをしようとするのではないかというようないろいろな御意見がありまして、それに対しては私ども、いろいろ説明を申し上げておるわけでありますが、なかなか御理解をいただけない点もあるようでございます。家賃改定問題は御承知のように、こういう問題が起こってから出てきた問題ではない。十年も前から公団がいろいろ努力している問題でございまして、こういう問題のあるなしにかかわらず重要な問題でございます。と同時に、御指摘の問題は、家賃問題があろうとなかろうと公団の重要問題として解決しなければならない問題でございます。現在のところ決して公団の家質にしわ寄せをされておりませんし、これはむしろ政府が、いかに安く住宅を供給するか、家賃を低めるかということで、多大の補助を政府からいただいて、そして決めておる問題でございまして、所得に対する負担率等も非常に苦心をして配慮しておるところでございます。ただ、長期保有土地問題、未入居問題が今後もなお長期大量に続くということは、経済問題として公団の経理全体に影響があることは申すまでもないのでありまして、これは今度の家賃問題と別個の重要問題として、私ども全社を挙げて、その解決のために努力をいたしておるところでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 ごまかしてはいけない。ただ一点だけお答えしていただきたいのです。今回の家賃改定には関係ない、こう言われるのだから、それはさておきますが、では将来の家賃に、この長期未利用地にかかってくる金利が影響を与えるのか与えないのか、この点だけイエスかノーで答えてください。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 先ほど申しましたように、全体非常に大きい事業をいたしておりまして、政府からも、いろいろな補助をいただいておりますので、現時点では全く影響はございませんが、将来こういう問題が長く未解決のまま続くとすれば当然影響があると考えざるを得ないところでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 一月二十四日の本委員会の集中審議で、総裁は、家賃改定における入居者の合意問題について私が、どんな形でいわゆる入居者との合意を得ようとしているのですかとお尋ねしたのに対して、この家賃の改定の問題は「居住者の方々にとって重要な問題でありますから、あらゆる手段を尽くして御理解を得た上で実行いたしたい、かように考えておる次第でございます。」こうお答えになっているのですね。  そこでお尋ねいたしますが、居住者との合意についてとられてこられましたあらゆる合意の手段の内容をひとつ御説明いただきたいのです。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 ただいま御指摘のとおりでございまして、可能な限りの手段を尽くして居住者の皆さんの御理解を得るように努めてまいっておりますが、具体的に申しますと、最も公平迅速に改定の内容をお伝えできるのは書面であると思います。これを約九回にわたって皆さんに配布して御理解を願う手段をとったのであります。遺憾ながら、その一部はまとめて突っ返してこられて非常に意外に思ったのでございます。よけいなことでございますが。それから、はがきを出す。あるいは自治会あるいは自治協その他の方々がおいでになります場合には、積極的にこちらからお目にかかってお話し合いをする。これは全国で百四十回に及んでおるわけでございます。そのほか、各支社に責任者を設け、いつでも趣旨の説明に当たり、あるいは電話の増設をして、そういう面での接触を深め、今日まで努力いたしてきておるわけでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 結局、このあらゆると言われました内容は、種類で分ければ、一つは書面、一つははがき、一つは文句を言ってくれば、これに対して説明する、これだけのことなんでしょう。これで、日本語で言うあらゆるという内容なのかどうか、この点が問題だと私は思うのです。国会で約束されたことであるから、私は守る意思は持っていらっしゃるのだと思うのです。もし、この家賃改定について、なお合意を得る方法等、建設的な意見が出されるとするならば、このあらゆる手段の内容の一つとして、それには耳を傾ける用意はありますか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 家賃の決定には公団法に定められた一つのルールがございます。それによって公団の自主性が尊重されてまいるような何かうまい御提案があれば検討に値するかと思う次第でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 これもあらゆる手段の一部だと思うのですが、しかし提案された集団交渉的なことは家賃改定になじまないと拒否されていますね。それでは、恐らく公団側は何らかの形でやはり交渉の用意は持っていらっしゃると思うのですが、公団側が考えている交渉の相手は一体だれにするのか、あるいは、どういう形の交渉なら応じようというのか、今度はそちらの考えも聞きたいのです。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 御承知のように家賃というのは、公団と入居者の方との個人契約によって成り立っておるものでございます。ですから当然、最終的な合意は入居者の方と話し合うということになろうかと思いますが、それ以外に、先ほども申しましたように自治会の方、自治協の方とも意思疎通のためには私どもお話し合いを拒否しているわけでも何でもない。これは今後も従来どおりお話をし、御意見を伺って、この問題の解決に努力してまいりたいと考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 まさかとは思いますが聞いておきたいのです。このあらゆる合意を得るための手段の中に、たとえば現行家賃払いをしている人にアンペア増員工事を認めないとか、転勤者の優先入居を認めない、そういうことは入っていないでしょうね。それから、自治協役員の思想傾向の分類をするとか、所属政党の色分けを行うとか、あるいは団地居住の議員について、いろいろ分類をするとか、あるいはビラ、ステッカー等について内容を調査する、こういうことは入ってないと私は思うのですが、念のために聞いておきたいと思います。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 これは個人の主義、主張、信条等に全く無関係の問題でございますから、ただいまの御質問の内容、そういう面についてのことは全くわれわれ問題にしているわけではございません。ただ、住宅変更とか住居改良についてお触れになりましたが、住宅変更あるいは住宅改良というのは公団住宅の管理運世上のサービスとして実施しておるものでございます。これは毎年その年の方針を決めて実施するものでございまして、今年度は家賃の一斉改定というような問題がありますから、手続上いろいろトラブルが起こらないように、それについて配慮した条件をつけて実施いたしておるものであります。家賃改定のための対抗手段というような意味では全くございません。なお詳しいことは担当の有賀理事から敷衍して申し上げます。よろしゅうございますか。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 聞きたいけれども時間がないのです。  いまの話からもずっとわかりますように、やはり澤田総裁みずからが、多少言葉のあやが違っているように言われたけれども、公共公益負担は政府が持つべきものなんだ、スズメの涙と言った覚えはないというお話ですが、やっと芽が出たという表現をいま、とられたわけです。これまでは芽も出ていなかったわけです。こういうことが今回の家賃問題の一つの原点になっていることは言外に認められているわけであります。それからまた、いやおうなしに政府資金の利子というものは家賃に影響してくるから、これもやはり現行よりは低い方が望ましい、こういうこともおっしゃっているが、こういうふうな要素というものは今日の家賃決定要因としては欠かせない問題になっているわけであります。それからさらに、未利用地問題あるいは未入居住宅問題が長引けば将来の家賃にいやでもはね返る。当然はね返れば新規住宅家賃が高くなってきて、今日と同じ状態、つまりまた格差是正を名目とした総値上げということにならざるを得ないと私は思うわけです。  こういうところから、当然のことながら入居君側がいろいろと説明を求めたい、またいろいろ入居舌側の心配も聞いてもらいたい、こうなってくるのは私は当然だと思うのです。そうなってまいりますと、これも多分表現のあやの違いじゃないかと思いますが、あのエコノミスト誌に、これは公団自治協傘下の方ばかりではございませんが、今回の二十一万世帯に及んだ現行家賃払いに対して、「ゴネ得というんじゃいけませんからね。」などとおっしゃっておりますが、これが総裁の本音なのかどうか、お聞きしておきたいと思います。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 「ゴネ得」というふうな表現になっておりますが、あれは非常な俗語でございます。  今度の家賃改定、いろいろな手続を経、国会においてもお取り上げになり、私どもが見ると客観性のある妥当な値上げと思っております。その趣旨を御理解になって、すでに改定家賃で九月分を納められた方はたくさんございます。反対の方ももちろんございます。そういう意味におきまして、その間の均衡というのは十分考えなければならない、そういう趣旨に御理解を願いたいと存じます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 これは大臣に伺いたいのでありますけれども、先ほど来の論議をお聞きになったら、賢明な大臣ですから御理解いただいておると思います。今回の家賃問題というのは、単なる家主とたな子の間に起こった問題ではありません。家主は政府機関でありますし、法律上、政府に重要な監督権限も与えられておる問題であります。かつまた政府は全国民の政府であります。しかも、公団を預っている総裁の方が、三百億円、公共負担の予算が組まれたことは評価するが、これは芽が出た程度、従来はこれがゼロであった。あるいはまた金利は下げてもらいたいという要望は出されたけれども、諸般の事情で今年度も実現していない、こういう事情も明らかになっている。また公団経営のあり方は、いま申し上げましたように、しょせん影響はしている。こうなってまいりますと、この家賃構成に重要なかかわり合いを持っているのは、やはり政府の住宅政策であるということになってくるわけなんです。そうなってまいりますと、居住者と大家である公団との間の合意を見出す努力というものは、私は何はともあれ最優先で行政的手段で行われるべきである。そういうものが十分尽くされないのに、どろ沼化が予想されるよう裁判ざたということは、これは恐らく大臣の好まれるところではないと私も推察しているわけです。  そこで大臣に伺いたいのでありますが、そういうどろ沼化、長期化が予想される裁判を最良の解決方法とお考えなのか。こういう裁判によらないで円満に解決する道があるとするならば、それを最良の解決方法と考えていらっしゃるのか、どちらでしょうか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 前段の公共あるいは公益施設に対する特別な助成という問題、あるいは利子の問題、これらは断然政府の施策の上に今後とも反映をさせていきます。  今回の家質改定問題趣は、昨年以来、私が就任当時に引き継ぎを受けた問題で、その間、皆さん方からも御意見も聞き、また居住者の代表の方の御意見も聞き、そしてそれらの意見についてのわれわれの見解も示しつつ、その結果の家賃改定の申請があった。また、その後における本委員会の協議を通じて、いろいろの御所見を承って、そして決議もついた。そういう経緯にあることは御承知いただけるものと思うのであります。  そこで、これから訴訟に訴えるかどうか、こういう点について最後に念押しのようなお話でございますが、訴訟するしないは、これは公団の考えるべきことでございまして、最終的にどうしてもやむを得ないというときに、公団がその措置に出たといたしましても、それは私どもとしてとめるわけにはいかない問題ではないか。しかし、好まざるところではないか、それは当然でございます。したがって、いま一生懸命公団が挙げて居住者の皆さんの御理解を求めておるわけでありますので、私はしばらく事態の推移を見たい。またこうやっての御協議、御審議もございまして、これらのことが反映をしていくのではないか、それを期待しておるわけであります。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 これは委員長に要望——委員長代理に要望したいことなんですが、いわゆる六項目申し合わせについては、共産党の基本的見解と対立いたしましたから、私たちは反対したというのが事実経過であります。しかし、一たん申し合わせになり、大臣が尊重すると言われた以上、それは守られなければならないという立場に、われわれは変わりありません。しかも、いまも話に出てくるように、この六項目も、守った守らぬという話がやはり出てまいります。そういう点で、当委員会でわざわざこういうまとめを行い、委員長が発言されたその真意も、恐らく円満な解決を望むからこそであったと思うので、今後対立、紛争の激化は恐らく望んでいらっしゃらないだろうと思う。しかも、先ほどの澤田総裁の話の中には、公団の自主性が尊重されるならば、そういう意見であるならばという注釈はついておりますが、あらゆる手段を尽くす一環として、そういう意見には耳を傾ける、こういうお話もあります。そういう点では、ぜひひとつ住宅宅地問題小委員会がすでに設置されておりますので、これを開催して当事者の話もよく聞くなど、あるいは委員間の話し合いを進めるなど、小委員長との協議あるいは理事会での協議等、ぜひお願いしたいと思うのでありますが、いかがでしょう。

北側義一公明党

○北側委員長代理 ただいまの瀬崎君のお申し入れに対しましては、後刻理事会でお諮りしたいと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 残り少ないのでありますが、悪徳土地商法の規制問題について伺いたいと思います。  これは、もうすでに「赤旗」等でずいぶんキャンペーンが張られて、よく御存じだと思いますが、無料招待旅行に誘いまして、これに応じますと、北海道の山林原野を開発可能であるかのように説得し、半ば強制的に取得価格の百五、六十倍から三百倍で売りつけるという悪徳土地商法の横行であります。この種の悪徳土地会社は、私どもの調査だけでも数グループ、約四十社に上っております。  そこで、かねて共産党国会議員団、私が代表して申し入れを行ってまいりました。第一は、悪徳土地会社の実態を調査し、宅建業法に基づく行政通達を出すこと。第二に悪質な業者に対しては業法に基づく行政処分を行うこと。第三に、被害者を早急に救済すること。こういうことでありました。     〔北側委員長代理退席、委員長着席〕  そこで伺いたいのですが、建設省はその後どのような行政措置あるいは処分をしてこられたのか。それからさらに今後とも被害者が発生すると思いますが、これについても速やかに解決のための行政指導を行われるのかどうか、こういう点を伺っておきたいのです。

丸山良仁建設省計画局長

○丸山政府委員 いま先生からお話のありましたように、一部の旅行業者が箱根に招待をしまして北海道の土地を売りつけた、こういう事実があるわけでございます。その場合、箱根に招待することにつきまして、土地を売るということをはっきり言わないで連れていった、こういう事実がございまして、これは宅地建物取引業法の第六十五条第一項第二号に該当するものでございますから、厳重に監督処分をする考えでございまして、後ほど申し上げますが、これに関しましては、こういう事例が今後起こらないように、五十三年十月三日付をもちまして各都道府県の担当部長に厳重に指導、監督方を通知した次第でございます。  それから三番目の問題といたしまして、この業者の処分でございますが、これは十月三日付をもちまして、やはり宅建業法六十五条第一項の規定に基づき、監督処分としての指示処分を行っております。  なお、救済の問題でございますが、現在、苦情を申し込まれた方は三十五名でございますが、そのうち二十一名は解決を見ております。したがいまして、今後四名の方につきましても、なお努力を重ねたい、このように考えておる次第でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 最後であります。  これは政府に渡してあるはずなんですが、委員長の許可を得て、まだであればお渡しします。  これは琵琶湖の南、大津市の瀬田町というところで、西武鉄道株式会社が昭和三十三年ごろからゴルフ場あるいは宅地分譲を目的に百十八ヘクタールの土地買収を行ったわけであります。ちょうどその真ん中あたりに、図面ではAと記してありますが、そこに二十年来、小さな製材所、下さんという人の製材所がありました。それまでの所有者の公然かつ平穏な土地所有の経過を踏まえて、四十九番地の二として合法的に買い取り、製材所を建て、十数人の労働者が働いて今日に至っているわけであります。登記面では四十九番地の二、山林三千百三十三平米、約九百五十坪となっており、大津市もこの面積で固定資産税を下さんに課しているわけであります。その隣のBは西武が買っている土地であります。奥村さんという人から買い取り、四十七番地の一、二として百四十五坪、坪百五十円、ただみたいなものですが、それで買っている。このA、B境界については、売った奥村さんが西武の社員と立ち会いで現地で指示したわけであります。ところが、たまたま公図が、A部分と思われるところだけに着目しますと、これが四十九の二でなしに四十七の一、二のように見えるのであります。これを手がかりといいますか、われわれから言えば言いがかりとして、Aも四十七番の一、二である、だからこれは西武の土地だ、明け渡せという裁判が行われ、十年来のことになっているのです。  そこで、もちろんこれは裁判ざたですから、一体この土地が何番地になるのか、私、意見を差しはさむ気はありません。ただ問題は、公然かつ平穏に占有されてきた土地が、周辺を買い占めた大手不動産業者によって、本人は気づかない不正確な公図によりどころを求め、言いがかりを求めて半ば強制的に取り上げられていく。こういうことがまかり通ってきますと、自分の土地だと思っていても、公図と一致してない場合には、よほど気をつけないと大変なことになる、こういうことになるのですね。社会的に見ても、プロ球団の買収に十数億円かけ得るような大西武が、百十八ヘクタール全部を坪百五十円で買ったら、わずか五千万足らずなんです。ただ同然と言ってもいいのですが、そういう大企業がわずか千坪足らずの土地の取得のために十カ年以上の年月と莫大な裁判費用をかけてくる。これは西武だからできることなんです。これに応戦している方は大変だと思うのです。零細業者の場合あるいはまた、そこに働く労働者の場合。表面上は裁判という手段がありますから合法的には見えますけれども……

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 瀬崎さん、時間がないので結論を出してください。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 はい、わかりました。  結果的には強制的な追い出しという形になってまいります。そこで、法律的なものを言いたいのでありますが、一応、建設省は西武側の言い分は聞かれたようでありますから、もし一方の当事者、下さんの方から申し出があった場合には、せめて、その事情ぐらいは聞いておくべきだと思うのでありますが、いかがでありますか。

丸山良仁建設省計画局長

○丸山政府委員 簡単に御答弁いたしますが、本件につきましては昭和五十二年九月二十二日最高裁において西武が勝訴をしております。したがいまして建設省といたしましては、現在のところこれに介入する考えはございません。しかしながら、下さんの方から積極的においでいただいた場合にわれわれがお会いすることを拒否する考えはございません。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 伊藤公介君。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は、いま問題になっております公団家賃の改定について重ねて御質問をさしていただきたいと思います。  九月分の改定家賃の不払い者は御存じのとおり入居者の六割、二十一万人の方々が不払い、しかも事態は法廷闘争までという声も聞かれる事態になったわけでございます。本来で言えば、たな子と大家の関係は、昔であれば落語の小ばなしも生まれるような、そんな人情味の細やかな関係でなければならないと私は思うわけでございますけれども、まさに事態は全面対立の様相を呈しているわけでありまして、問題をきちっと明らかにしていただかなければならないと思うわけでございます。  私は、入居者の皆さんの生の声を集約をいたしますと、今度の家賃改定に当たって、一点は、十分な説明がなかったという点、もう一つは、家賃改定をする根拠、その原因が、いろいろ考えても十分理解ができない。こういう点を明らかにしていただかなければいけないというふうに思うわけであります。  すでに未利用地あるいは四万戸を数える空き家の問題については本委員会でも御議論をしていただいてきたわけでありますが、私は以前に公団からいただいた資料と一昨日いただいた資料を、いろいろ比較をしてみました。そうしますと、まず具体的に住宅公団の未入居住宅についてでありますが、数字を追ってまいりますと、未入居の中には、募集をしたけれども入居をされないという未入居と、公団のいろいろ、たとえば道路の問題だとか下水の問題等によって募集すらもできなくて空き家になっている、この二種類があるわけでありますが、この募集をしたけれども入居がなかったという未入居の分に関しましては確かに数字は減っておりますし、公団の努力というものも一方では理解ができるわけでございます。しかし、この保守管理住宅と言われる、つまり住宅公団がつくった、しかし道路が不備だ、あるいは下水道が完備されてないということで店頭にも出せないという空き家がそのままになっている。これが以前にいただいた資料では三万六千百四十五戸、一昨日、私が手元にいただいた資料では、これがさらに一千戸以上もふえて二万七千四百二十八戸になっているわけであります。  私も素人なりに実はこれをいろいろ計算をしてみました。四万戸に近い空き家をいろいろ計算をいたしますと、昭和五十二年度の公庫分の賃貸住宅の、平均家賃は大体三万九千九百円、これが三万七千戸ということでありますから、賃貸の空き家住宅の二万七千戸分は月に十億ということになるわけであります。年に面三十億であります。同じ分譲住宅を計算をしてみますと、大体五十二年度の平均価格が一千四百二十六万ということでありますから、これが一万三千百、そうすると下八百億、これに利息を加えると膨大な額になるわけでございます。保守管理住宅は、公団の十分な配慮がなくて入居の募集すらできないという住宅でありますから、問題は少しも好転をしていない、むしろ保守管理住宅に関しましては後退をしていると言わざるを得ませんけれども、この事情について、まずお尋ねをいたしたいと思います。

澤田光英日本住宅公団理事

○澤田(光)参考人 御指摘のとおり保守管理住宅はややふえております。この保守管理の話は、先生が先ほど申しましたように、もちろん関連公共が整わないというようなものもまざっております。昔、数年前までは、その方が大部分でございました。しかし最近はそうではなしに、むしろどっちかというと、たとえば募集をいたしました団地で空き家がある。そのところにさらに竣工してきた。手直しにもかかわらず、このまま、すぐには出すわけにいかない、需要、待ちのようなものが相当ふえてきておる、かような傾向でございますが、トータルで合わせますと四万戸を上下をする。すなわち、一ころの非常に急激に伸びてきた、いわゆる米入居の数というものがだんだんと緩和をされて頭を打っていろ。まだまだこういう情勢は多少続きますけれども、しかし、これ以上大幅にふえる事態がないというところに来ていると私ども思うのでございますが、しかし、これのもとは、やはり私どもが現在十万戸を超します工事中のストックを持っております。これは一ころには十三万、十四万ということでございましたが、これにつきまして一年有半にわたりまして見直しを行い、工事をとめまして、二戸一にするとか、あるいは用地の利用率を上げるとか、あるいは高層で計画していたものを低層に切りかえるとか、いろいろやりましてストックの解消をいたしております。  しかし、いずれにいたしましても、そのストックから竣工されて出てくるものがございます。そういうものが手直しの結果だんだんと需要に合ったものに後ほどなってまいります。そういうことで、ただいまのような保守管理の戸数は現在多少ふえておりますけれども、トータルでは頭を打ち、漸次好転に向かう、かような情勢になっておる次第でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は、この空き家住宅については早急に具体的な方法を考えて、依然として減らない四万戸の空き家住宅に関しては十分御検討をいただきたいと思うわけでございます。この家賃改定に当たって、こうした空き家が一方においては少しも減少していかない。あるいは御議論がずいぶんありましたけれども、千六百ヘクタールの利用のできない土地を抱えている。こうした、たとえば利息がかさんで、あるいは公団の内部の借入金等によって、そのしわ寄せが今度の家賃改定になったのではないか、こうした不満が非常に充満をしている。こういうことは、やはり理解を求めていただかなければならないと私は思うわけでありますけれども、先ほども少しお話がありましたけれども、こうした今度の家賃改定に当たっては、未入居の問題あるいは未利用地のこうした問題が家賃改定とはいささかの関係もないのだということを、御説明をきちっといただきたいと思います。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 先ほども申し上げましたように、家賃改定問題は、家賃というものが二十年以上も改定されないでおるということが、そう申してはなんでありますが、不自然な経済現象でありまして、むしろ、そのしわが現在出てきておるということではないかと私、経済人としては考えるのでありますが、修理費も満足に払えないような状況になってきておる。新しく建てた住宅は非常に高い値段になります。先ほど来いろいろ議論がございましたように、公共公益負担等が高くなってまいります。そういう住宅の修理費等を積み立てるべきものを古い方へ回しても、なおうまくいかないというような状況に差しかかっておりますので、これはどうしても公団のそのほかの問題、新しく出てきました、いま御指摘のような諸問題と無関係に、以前から改定を計画されたものでございますが、今日まで実現せずに参っておったのであります。それから見ても明らかなように、この問題は未利用地とか空き家とかというもののしわが現に寄ったからということでは全然ないわけでございまして、むしろ政府は、そういうしわを寄せないように補給金を出し、いろいろ補助手段を講じてくださっておるわけでございます。そういう意味から申し上げまして、総体的に言って現時点において今度の値上げはそのしわのためではないということははっきり申し上げられるのでありますが、しかし御指摘のように、これは別個の問題として、公団の大問題でございますから、家賃にしわが寄る、寄らぬというような問題を離れて、この米利用地なり空き家問題なりの解決には目下全力を挙げて努力をいたしておるところでございまして、その点はいつも申しておるのでありますが、そういう事情を御了察願いたいと存じます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 今回の家賃改定には、いささかの関係もないという御答弁をいただいたわけでありますが、私は認識を異にしているわけでありますが、それはともかく、将来も、こういうことはいろいろ起こり得ることでありますけれども、こうした空き家によって、あるいは未利用地によって、いろいろ起きてくる問題、こういうことのしわ寄せが将来とも関係をしない、こうはっきり言い切れるかどうか、御答弁を願いたいと思います。

有賀虎之進日本住宅公団理事

○有賀参考人 家賃の改定に当たりましては、かねがね御説明申し上げておりますように、不均衡是正ということで公営住宅の方針を準用いたしましてやってきておるわけでございまして、なお新規の住宅の家賃の設定は、また毎年、毎年そのときの勤労者の所得の状況、こういったようなものを勘案いたしまして、公団で申し上げますと従来から中堅勤労者の所得の大体一六%前後ということでやってきておるわけでございます。そのために従来五%の金利であったものを四・五%に政府にお願いしたり、あるいは傾斜制度を改善したりということで、所得との見合いで適正な家賃水準を決めていくということでございますので、先ほど来、総裁から御説明しておりますように未入居問題あるいは土地問題いろいろありますけれども、これはこれとして重要な問題でございますが、これらのものが新しい家賃にストレートに上乗せされるとか、それによってしわ寄せがいくとか、そういった性質のものではない。家賃の決定の仕組み上からいって、そういうことはないということを御説明申し上げたいと存じますので、御理解願いたいと思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は、公団住宅についてのこうした経営あるいは起こっている事態を考えますと、将来、家賃の改定に当たって何のかかわり合いもないという御答弁を、私はそのまま将来ないであろうというように確信は持てないわけでありますけれども、ぜひ、そういうことのないように今後の経営に当たっていただきたいと思います。  時間が限られておりますから、もう一点。当初から家賃の不均衡是正ということがずいぶん言われてきたわけでありますけれども、今度の改定を具体的に見ますと、不均衡是正の基準というものが一体何なのか少しもわからない。  改定をすると言うけれども、公営住宅を基準にしてというお話もありましたけれども、たとえば具体的に申し上げますと、東京の町田市の鶴川団地の三DKの例を挙げますと、現行家賃は一万四千百円であります。今度、値上げ家賃は、値上げ幅が五千三百円、ですから一万九千四百円になるわけであります。ところが同じ町でも、地理的にもほとんど同じ状況でありますけれども、町田市の山崎団地の三DKの現行家賃は二万七千四百円、値上げ家賃が二万四千四百円、これは値上げ幅七千円であります。そうしますと、この鶴川と山崎の差は、現行家賃では三千三百円の開きがあるわけであります。ところが、改定をいたしますとこれは五千円の差になるわけですから、不均衡是正と言いながら、どうもその格差は広がっている。これは一例でありますけれども、ずいぶんそういうところがある。こういう問題はどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか。

有賀虎之進日本住宅公団理事

○有賀参考人 不均衡とは何かという問題のお尋ねかと存じますけれども、新旧不均衡といいますのは、新旧の家賃の相互間に社会的に見て、あるいは客観的に見て不相当な格差があるというような場合に不均衡がある、こういうわけでございますけれども、具体的には、現実に私どもが、公営住宅で採用しております方法によりまして、住宅の古さ、設備あるいは立地の条件等を考慮いたしましてそれを再算定いたしまして、その再算定した家賃との格差を、現実に、そこに着目して是正しているということでございます。したがいまして、それぞれの団地につきまして、いま先生のお話がございましたけれども、いま言ったような方式からやりますと、それぞれ再算定した家賃が一万円とか一万何千円とか上がるようなぐあいで出てくる場合がございます。そういった関係で、激変緩和の措置を考えて七千円で切ったということから、七千円になるものもございますし、また七千円にならないものもあるというようなことで、その間に上げる幅が出てくるということでございます。具体的には、そこの土地の用地費につきましては最新の固定資産税評価額を基準にして再算定いたしておりますし、また工事費につきましては、それぞれ、もとの工事費をもとにいたしまして、それに毎年出すところの公営住宅の家賃を改定する際、用いられる物価指数、これを基準にいたしまして再算定するということで、もともとの家賃につきましても、いろいろその、要素が違いますし、再算定した結果の家賃がまた異なるということでございまして、その間に上げ幅にいろいろな差が出てくるのは、そういった方式から出てくるところの結果であろうと存じます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 どうも私は理解できないのですけれども、具体的に御答弁いただきたいのですが、いまの鶴川団地と山崎団地の格差はなぜこうなったのか。あるいは神代団地と鶴川団地、これを見ますと、神代団地の現行家賃は一万三千八百円であります。鶴川団地は、いま申し上げたように二万四千百円。今度の値上げ家賃を見ますと、神代団地は二万八百円、鶴川団地は一万九千四百円でありますから、家賃は逆転しているわけであります。何ゆえに逆転してきているのか。あるいは鶴川団地と山崎団地の格差はなぜこう開いているか、具体的に御答弁いただきたいと存じます。

有賀虎之進日本住宅公団理事

○有賀参考人 ただいま、ここに団地ごとの具体的な資料を持っておりませんので、その数字の根拠というものは、いまここで詳細な説明をいたすことができませんけれども、私ども、いま申し上げましたように工事費につきましては、そういった指数をもとにいたしましてやっておりますし、また現実の地代につきましては、当該土地の固定資産税評価額といったものを基準にしてやっておりますので、それらの土地の事情によりまして固定資産税評価額等も違いますし、そういった関係から団地ごとに種々の計算の結果が出てくるというふうになっておるわけでございますので、御理解願いたいと思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私はどうも理解できないわけです。この問題については後刻改めて具体的なきちっとした説明をいただきたい。  つまり私が申し上げたいことは、いま入居されている個々の方々は、あるところは五千円、あるところは七千円、いままでの家賃の比率から考えていくと、どうもそれが理解できない。入居している方々に十分理解を求めて——今度の家賃改定に当たって反対、不払いをしている方々の中でも、お話を伺うと、上げることに絶対反対だとおっしゃってはいない。あるいは不均衡を少し公平化していくということにも私は反対ではありません。しかし、個々の入居されている方々に、これこれこういうわけだから上がったのだ、これだけの基準で上がったのだということを十分理解してもらうことが必要だということを申し上げたいわけでございます。  時間が来てしまいました。私は最後に建設大臣にお尋ねをいたします。  いまの問題は改めて御報告をいただきたいと思うわけでありますが、いま私がわずかの時間の中で挙げただけでも、明らかにされなければいけない、あるいは入居者に対して十分な説明と理解を求めなければならないものがあるということはおわかりだと思う。私は、以前の建設委員会で櫻内建設大臣に、当時はまだ百二十万、その後二百万以上の署名になったわけでありますが、百二十万もの署名が集められて、よく理解できない、この家賃改定には反対ですという意思表示を皆さんがされている、大臣はこれをどう思いますか、こう御質問しましたら、いや、伊藤さん、百二十万もの署名が集まったのだから、皆さんが内容はよく知っているはずですよ、理解をしているはずですよ、こういう御答弁がありました。しかし、反対をされたという意思表土小と、理解をしましたという意思表示とは違うわけであります。こうした状況をとらえられて、どういう方法にしても——あるいは、いまの住宅自治協の方々だけを対象とするかどうかには問題があるという御意見も聞いてまいりました。しかし、住宅自治協の方々も含めて、何らかの話し合いのルールというものを、こうした機会につくるべきではないのか。特に政府の名において、今後スムーズに物事を進める上でも私は必要だと思うわけでありますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 今度の家賃問題について、公団が値上げの方針をとった。あるいは、これに対して両院の決議が行われた。こういうことについては、客観的に見て、また皆さん方からの要望書とか、あるいは自治協自体の印刷物あるいは公団が何回かにわたって出しておる書面から周知徹底しておる、これによって理解が得られるものである。これは伊藤さんからもいろいろ御意見があって、しかし伊藤さんの御意見が全部取り上げられたとは思わないが、その御意見をも踏まえながら家賃申請になり、申請後の国会での協議あり、また決議が行われる、この経緯はおわかりいただけると思うのです。だから私の言っているのは、そういうことについては御理解がある。  しかし、いま具体的に各団地の値上げ幅等について、それがどういうことなのか、こういうことについては十分説明されなければならないと思います。それで、家賃の申請承認後六カ月が経過いたしまして、その間、総裁からも御説明申し上げたように、いろいろな形で理解にも努めておられるし、また、おいでになった方に対する説明を行われている。なおしかし、その努力は続けられるべきものである。その間に具体的な御不審の点は解明されてしかるべきだ、こう思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 総裁に。  いま大臣もそういうお話でございます。入居者の皆さんに十分御理解を求めるという一つのルールづくり、これはどういう形を予定されるか私もわかりませんけれども、全部の団地の方たち全部に集まってもらってやるというわけにはいかない。どういう形でか代表者を選んで皆さんに周知徹底していくというルールづくりをやるべきだ。百四十回の説明をしたと思いますけれども、百四十回どういう形で説明したのか、私もわからない。文書を送りつけたり、折り込みをしたり、投げ込む、それで理解を求めるということではなくて、きちっと本当にテーブルを囲んで理解をするということが大事だと思いますけれども、十分理解ができないという声が充満しているわけですから、この事態に対して、今後のことも考えて話し合いのルールづくりをするお考えがあるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。

澤田悌日本住宅公団総裁

○澤田(悌)参考人 最近の経過をいろいろと伺っておりますと、いわゆる話し合いの方式ということに非常に執着が強いようでございます。これはある意味ではごもっともなのでございますが、事柄の性質は、先ほど来申しておりますように賃貸契約の問題でございます。それから、たとえば自治協という団体でございますが、それと協議決定しろというような御意見も非常に強いわけでございますが、家賃の決定は、自治協というような団体と協議して決定するというような性格のものではない、これは筋違いの問題でございます。詳しく申すと長くなりますから省略いたしますが、御趣旨はよくわかるのでありまして、先ほど来御指摘のような問題の理解を深めるために、私ども、書面により、あるいは接触により話し合いをして、今後も円満に解決する努力を続けてまいりたいという気持ちは少しも変わっておりません。そうすることによって、新家賃で納められる方々がどんどんふえていけば訴訟ざたというような好ましくないことはなしに済むはずでございます。そういうことで努力を続けてまいりたいと存じておる次第でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 時間が来てしまいましたから、質問を終わらざるを得ないわけでありますけれども、まだいろいろお尋ねしたいことがあったわけですが、私は重ねて総裁に、あなたが終始一貫説明をしてきたという姿勢を変えられて、いま圧倒的多数の皆さんが理解ができないとおっしゃっているわけですから、理解を求めるルールをぜひ御提示いただいて、そして上げることに対して反対をしているわけでもないし、不均衡を正すということにも反対をしていることではないわけですから、十分理解を求められる方法を、ぜひ模索をしていただきたいということを強くお願い申し上げまして、質問を終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後一時一分散会

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