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84回国会参議院1978/03/30

予算委員会第二分科会 第2号

発言数
206
登壇者
22
会派数
5
開催日
1978/03/30

会議録

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  昨二十九日、馬場富君が分科担当委員を辞任され、その補欠として峯山昭範君が分科担当委員に選任されました。また、本日、柳澤錬造君が分科担当委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十三年度総予算中、通商産業省所管審査のため、本日の分科会に参考人として電源開発株式会社理事石野弘君の出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 昭和五十三年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私の時間は二十分ですから、お答えの方もひとつ簡明にお願いをしたいと思います。  大臣にお伺いしたいと思いますが、この不況の中で、そして国際情勢が大変いろいろ変わってきている、あるいは途上国のキャッチアップというようなこともあるわけでありまして、産業構造の転換ということをかなり積極的にやっていかないといけないように私は思います。  今度通産省で出されております不況業種の転換対策の特別措置にいたしましても、どちらかと言えば積極的に転換を進めるんじゃなくて、できたら昔の形へ返っていく、そういう空気が私は非常に強いように思うんです。たとえば設備にしても、初めは廃棄というような言葉が盛んに使われましたけれども、最近は凍結などという形にどうも移ってきつつある。こういうふうになりますと、景気がよくなってくる場合にはやはり昔の形に返って、産業構造の転換の時期を早めるんじゃなくて、おくらしていってしまう。そしてそのときの選択の幅というのはますます狭くなってくる、こういうことに私はなるんじゃないかと思うんですけれども、通産大臣として、産業構造の転換をどういうふうに考えているか。ただ企業がやるのに任しておくのか、あるいは積極的に通産省としてそういうものを打ち出していくのか、どうもそういう積極的に打ち出すという意欲が少ないんじゃないだろうか、このことが私は痛感されてなりませんけれども、通産大臣はその辺はどうお考えになるんですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず、産業構造の転換についての基本的な考え方でございますが、オイルショックが起こりました翌年、昭和四十九年に通産大臣の諮問機関であります産業構造審議会の意見を聞きながら、昭和六十年を目標とする産業構造の新しいビジョンについて答申を受けました。しかしながら、激動の時代でございますので、五十年、五十一年と、いわゆるローリングプランで若干の見直しをしていただいたわけであります。五十二年は見直しをしなかったのでありますが、ことしはどうしても見直しをしていただかなければならぬということで、いま諮問をしておるところでございます。  その背景は、すでにもう御案内のように、省エネルギー、省資源あるいは公害対策、それから新しい産業、たとえば原子力機器あるいは宇宙開発、海洋開発、コンピューター、こういう新しい時代の産業が起こってまいりましたが、そういうことにどう対処するかというようなことを含めまして、さらにまた最近の発展途上国、特に近隣諸国の追い上げ、こういうことを背景といたしまして見直しをするわけでございますが、さてそれでは見直しができたならば、それがスムーズにいくかといいますと、私はもう現在のような経済情勢のもとでは幾らりっぱな案をつくりましても、なかなかそれは円滑に進まないと思います。  やはり自由経済のもとにおきましては、産業がある程度の活力がございませんと絵にかいたモチでございまして、なかなかそれだけの気力というものは生まれてこない。したがいましてプランをつくることも必要でありますが、それにも増して大事なことは、そのプランを実行できる背景をつくるということ、そしてその背景から各企業がやってみようという気力が生まれるということ、そういう客観情勢を政府自身がつくるということが何よりも先決条件だと考えております。そういう意味におきまして、ことしの七%成長達成という目標は、単にことしだけの目標ではございませんで、これを来年に引き継ぎ再来年に引き継ぎまして、早く日本の経済の活力を回復する、そして産業構造の転換をスムーズに進めたい、こういう考え方でございます。  それから構造不況業種について、こういう法律の中身を見ると、産業構造の転換などと言っておるけれども、後ずさりをしておるのではないか、こういう御意見でございますが、これは中期的あるいは長期的に立った産業構造の転換ということよりも、むしろ現時点におきましてオイルショック以降、特に困窮状態に陥りましたいわゆる構造不況業種というものが過剰設備を抱え込みまして非常に深刻な状態になっておる。場合によれば業界全体が倒れてしまう、こういう状態になりつつございますので、そこで、業種ごとに過剰設備の量は違います、ある業界では二割、三割、ある業界では五割、六割と、こういうように設備が余っておるわけでございますが、これを廃棄をいたしまして、そしてバランスを取り返しまして業界ぐるみで倒れるのを防ぎたい、こういうことでございまして、これは中期的、長期的な産業構造の転換とは若干趣を異にするものでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも私は大臣のおっしゃっていることは逆だと思うんです。産業構造の転換と言ったってそう簡単に私は転換できるものだとは思わないんですね。  いまの不況、特に企業マインドが冷えているということは一般的に言われているんだけれども、これは結局何に投資をしたら将来やっていけるのか、企業が発展できるのか、その辺に対する不安といいますか不透明といいますか、そういうものがあってなかなか今度の場合には——たびたび経企庁あたりでは景気はもう明るさが見えてきたとか、きょうの新聞あたりにしても先行指標は六〇%だとか、こういうようなことが発表されているんだけれども、それがそのまま設備投資へとつながっていかないということでありますから、私は、こういう時期にこそ産業構造の転換ということについてもっと真剣に取り組んでもらわないと、たとえば平電炉業界なんか見てみますと、去年の秋ごろからことしの初めにかけてはまさに平電炉というのは不況業種の典型と、こう言われて、通産省でもそういう御説明をわれわれにしてこられたわけですよ。ところが、いまやどうなのか、小棒はむしろ足りない、だから閉めようとしたのがむしろ復活をしてくる、こういう事態です。これは私はほかの方でも同じようなことというのは起き得ると思うんです。それがまた六%なら六%、六・五%なら六・五%の成長がこれからずっと続くというものならいいわけですけれども、これだってわかりませんわな、率直に言って。来年度の公共投資がどうなるか、これだってだれだって、あなた自体だってもそう明確に示せるような状況じゃなくて、まさにその日暮らしという状態の中なんです。  ですから、私はこういう時期にこそむしろそうした産業構造の転換というものに対してもっと真剣に取り組んでもらいたい。私もその産構審の答申をまとめたものを読み、そして通産省からも御説明をいただいたんだけれども、どうも非常にぼうっとしたものではわかるけれども、たとえば知識集約産業の方向へ行くんだというぼうっとしたことにはわかるんだけれども、ただ、それだけではやはり企業マインドを成長させていく上においては私は無理だろう、こういうふうに思うんです。だから、その面に対する通産省の取り組みは私は逆ではないか、こう思うんですが、大臣どうでしょうか。あなたの方は何か早く景気を回復して、そして成長の中でなければ産業構造の転換はむずかしいと、確かにそうだと思うんです。しかし、それまでの準備段階というものは私はあるんだろうと思うんです。特に通産省はいろいろな形での情報もたくさんお持ちになっているし、あるいは企業の中で動き始めている情報も十分キャッチしていらっしゃるわけでありますから、そうしたものをまとめて構造転換への大きな旗振りというものをやっていかないと、将来に行けば行くほど私はそういう意味では途上国の選択もその中には入ってくるでありましょうし、むしろますます選択ができなくなる。だから、その辺はもう少しお考え直しをいただきたいと私は思うんです。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この産業構造転換の目標でございますが、先ほど申し上げましたように、昨年は見直しの目標をつくることを休んだのでございますが、ことしはやはり六十年を目標にいたしましてつくるつもりでございます。で、ある程度の指標を示すつもりでございます。  ただ、しかし、漠然としておるということでございますが、ある意味においては漠然としておるとも言えると思うんですが、これは自由主義経済でございますから、大体の産業構造のあり方の方向を示すことによりまして、それじゃ具体的に企業、企業が最終の選択をする場合にはそれぞれの企業の意思決定に任せる、こういうことでございまして、各企業を指導いたしまして、あなたのところはこうしなさい、あなたのところはこちらに来なさいとか、そういうわけにはまいりませんので、そういう意味においてはある程度漠然としておると言えばそういうことは言えないこともないと思いますが、大体の方向、こういう方向に行くんですよという大体のアウトラインを示しておるわけでございます。  それから、私が申し上げましたのは、幾らりっぱなアウトラインを示しましても、それだけの力がありませんと、それはやれませんですから、そういう意味におきまして経済の活力を回復する、つまり景気が回復するということがある程度の前提条件である。もちろん景気が少々悪くてもやれるだけの力を持っておる企業もありますが、全体としてはそういうことが言えるのではないかということを申し上げたわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大臣が言う個々の企業におまえこうしなさいと言うことは、これはむずかしいだろうと思うんです。余りそれでやっていきますと、今度は当たらなかった場合にはその損失補償を要求してくるということになりますから、それは個々の企業におまえこれしなさい、あれしなさいという、そこまでの指導というのはこれはむずかしかろうと思うんです。  しかし、こういう業種がこういう形でこういうふうに進んでいるんだ、こういうものはこういう方向に行っているんだというようなものは私はもう少しまとめて企業家に示す必要があると思うんですよ。少なくともわれわれはいまのところそういうまとめたものを正直言って受け取っていないわけでありますが、かなり通産省内部ではそういうようなものがある程度研究はされている、こういうふうに私は受け取りますけれども、その辺はどうでしょう。

山口和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(山口和男君) ただいま産業構造審議会にお諮りする長期ビジョンの作業について、先ほど大臣からお話しございましたように、進めておるわけでございますが、この中でローリングプランとして各産業についての将来のビジョンというものをつくるべくやっておりますが、これは大体ただいまのところ六、七月ごろにその作業を仕上げていくという目標で進めております。その中で、ただいま先生の御指摘にございましたような問題点をできるだけ織り込んで出してみたいと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 余りよくわかりませんけれども、七月を期待しているけれども、しかし、またぼやっとした、かすみがかかって何が何だかわからぬようなものを出されたんじゃこれは意味ないし、これは景気の回復にもそれでは役に立たない、私はかなり明確なものを出すことを要求しておきます。  それから、そういう事態であるだけに、きのういただきました通産省のいろんな予算書を見ましても私一番不満なことは、研究開発に対する金の出し方というのはどうもけちっている、こういう気がしてしようがないわけです。全体ではつじつまを合わせてというふうに先ほどもお話を聞いたんですけれども、どうも試験研究の金というのは、私はこういう時期であるし、そういうところにもっと金を使っていくべきだと思うんです。  あるいはそれは成功しない場合もあると思うんです、不透明な中ですから。私は成功しなくてもいいと思うんですよ。それがだめだということがわかるだけだってこれは価値があるわけです。そういう意味であちらこちら見ますと、たとえば重要技術開発費とか、あるいはサンシャイン計画、こういうのはもっと力を入れなくちゃならぬ。あるいは省エネルギーにいたしましても私は少な過ぎる、いまこそこういうところに金を使って新しい技術を開発していかないと、私は日本の立場というのは非常に苦しい立場に追い込まれると思うんです。  率直に言って、いままではアメリカの技術を導入して、その技術を日本的に手先を変えてやることによって、日本の高度成長というものがある程度技術革新によって新しい設備投資、こうしたものも起きてきたわけですですけれども、一般に言われておりますし、私もそう思いますけれども、もうアメリカからもらう技術というのは私は余りないと思う。日本みずからがいままでの高い教育程度、勤勉な国民性そして優秀な頭脳、ブレーンですね、こうしたものを使っていまこそ日本が世界各国に対しても協力できるような新しい技術水準というものをつくるべき時期に日本は来ていると思うんですよ。もちろん、こういうものは通産省だけの技術の研究開発費だけでは私はないと思いますし、文部省もあるでしょうし、あるいはその他の部面もあると思うんですけれども、しかし、やはり技術革新という問題を考える上においては、何と言っても私は通産省のそうした技術開発の研究費というものはもっとたくさん持っていかなければ十分なそういうものに対応はできない、おくれてしまう、こういうふうになると思うんですが、その辺が私は非常に少ないと思うんですが、どうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 一時に比べますと、若干はふえておるんですけれども、確かに御指摘のように技術開発のための資金及び投資というものは日本は非常に少ないわけであります。アメリカに比べては一けた違いますし、ドイツに比べても非常に違う、こういう状態でございます。この点は私はもっともっと改善をしなければならぬと思います。  特に、資源やエネルギーがいろいろ重大な時期に差しかかっておりますので、こういうときにこそ資源のない日本といたしましては思い切った技術開発等をいたしまして、そうして新しい資源を頭脳によってつくり出していく、それぐらいの気魄を持って取り組んでいかなければならぬと考えておるのでございます。地球が有限でありますから、その意味においては資源とエネルギーは当然ある意味では有限だと思いますけれども、人間の知恵と技術というものは無限でありますから、その方面にわが国としては大きな投資をしていかなければならない、これはもう一番大事な点ではなかろうかと思います。そういう意味におきまして、今後とも、通産省といたしましては大いなる努力というものを続けていかなければならぬと考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その点では私と意見が一致したんですから、ひとつこれからも飛躍的に大きくしてもらいたいと思うんです。  それに、失敗を私は恐れちゃいかぬと思うんですよ、技術研究については。失敗を恐れちゃいかぬと思うんです。失敗があっていいんです。それを恐れる余り、余りつけてもどうも成功しなかったという批判は一部にはあると思うんです。そうした批判は私はむしろ当たらない、こう思いますから、ひとつその点を十分お願いをいたしたいというふうに思います。  それからもう一つ、東南アジア関係の開発協力、これは何も物を持っていくとか、すぐに一つのプラントをつくるということではなしに、そういう面でもう少し私は協力する費用というものを計上していいんではないか。そうして、一体、何がそこに適した開発なのか、どういう方向へ向けていけばいいのかという基礎的なもの、プラントそのものに至る前の基礎的な調査というようなものも私はあると思うんですね。これはアジア経済研究所あたりがかなりやっていただいているだろうとは思いますけれども、こちらだけではなくて、やっぱり現地を含めて、そういう開発の基礎的な協力、こうしたものももっとふやしたらどうかと思いますが。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 東南アジア経済を見ますと、大体、その貿易のおよそ三分の一が日本に依存をしております。半分近く依存をしておるところもあれば、あるいは二割ぐらいのところもありますから、平均をいたしますと、およそ三分の一になります。それだけ日本経済と非常に密接不可分の関係にあるわけでございまして、わが国がアジアにおける唯一の先進工業国である、しかも経済的にもアメリカに次いで第二位の立場にあるということ等を考慮いたしますならば、いまお話がございましたように、アジア諸国、特に東南アジア諸国との経済協力関係というものを私は量質とももっと飛躍的に拡大していかなければならぬと考えております。  昨年、福田総理がASEAN五ヵ国並びにビルマを訪問せられて、ある程度の路線は敷かれたわけでありますが、さらに、その後、中国の代表も東南アジアを回っておりますし、アメリカのモンデール副大統領も四月には東南アジア各地を回るようでございますし、ソ連の外務次官もまたASEAN各国を回っております。そういう動きを見ますと、やはり世界各国とも大きな関心を払っておるわけでございます。そういうさなかにおきまして、日本といたしまして福田総理の設定をされました路線をさらにフォローアップすると同時に、これを強化していく必要があろうと考えております。  そういう意味におきまして、経済協力をさらに量質ともに飛躍的に発展させる、これは非常に大事な点だと考えます。いまその点につきましても、いろいろ政府部内で関係者が相談をしておるところでございます。

窪田雅男工業技術院長

○政府委員(窪田雅男君) 工業技術におきましては、特に研究開発の面で協力を進めておりまして、たとえば標準化関係とか、あるいは未利用資源の開発利用といったようなことで、たくさんのテーマを掲げましてお互いに人の交流をいたしております。つい最近も、数名の、たとえば鉱山局長とかあるいは、これは東南アジア関係でございますけれども、そういう人たちを呼びまして、いろいろ今後の研究開発の進め方について打ち合わせをするとか、あるいは当方から職員が出向きまして研究開発をするというようなことも進めておりますので、今後とも、活発にこれを推進していきたいというふうに考えております。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、竹田四郎君が分科担当委員を辞任され、その補欠として安恒良一君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 実は、私は、ゴム履物に関する問題を大臣以下関係局長に御質問をしたいということで用意をいたしておりましたが、大変遺憾な事態が出ましたので、通産省の勤務の状態ということについて、まず大臣に質問をしなければならぬことを大変遺憾に思いながら質問をしたいと思います。  実は、私は、きょうゴム履物問題に対していろいろ質問をしますので、昨日、生活産業局長の藤原さんとぜひ話をしたい、こういうことで政府委員室を通じて申し入れをしておきました。きのう二つの分科会をかけ持ちをしましたから、夕方、夜遅くなるので、けさでどうだろうということだったのですが、九時という約束が取りつけられました。そこで、私は九時に自分の部屋におって待っておったわけです。ところが、九時になってお見えにならないで、一事務官が突然おいでになりまして、私に、きょうはちょっと局長が都合が悪いので私がかわりに来ましたと、これだけなんです。どういう都合が悪いかという理由も明らかにされません。  そこで、私は九時十一分まで待って電話を局長秘書のところにかけました。局長秘書は九時十一分まで来ておりません。その後、局長秘書が来ましたから、局長秘書に対してどうしたんだと言ったら、いや局長は診療所に寄っている、こういうことなんです。連絡つき次第連絡をしますと。それから政府委員室にも九時から何回か電話をしましたが、女の子しかいません、連絡はとれません。そこで私はやむを得ませんから九時五十分までお待ちします、九時五十分になったら部屋を出ます、こう言って部屋を出かけたところ、いわゆる古谷さん、国会連絡調整官、それから官房審議官が飛んでおいでになりまして、大変手落ちがありましたと、こういうことなんですね。  そして局長には、いまさっき会いました。局長は、いまさっき行ったときは、自分は体が悪かったと。私は、人間生身ですから、体が悪かったら電話という便利なものがあるわけですから、体が悪いからということを一言言っていただいて、かわりの人をよこしていただければ、私は権威主義じゃありません、必ずしも局長にこだわりません、審議官でも結構です、課長でも結構なんです。ところが、そういうことは全然ないわけです。そしてもういまの直前になって局長が見えられて、実は体が悪かったと。これでは、自分の通したい法律のときには朝駆け夜駆けで人のところを訪ねる、こちら側が来てくれというときには、そしていまになって、いや総務課長がぼくと連絡をすることを仰せつかって私の手落ちです。じゃどうして九時から私が何回も電話を通産省にかけたり政府委員室にかけているときに総務課長が飛んできて中身の話を聞かないんでしょう、どうしてもわかりません。一生懸命やろう内閣だということで大臣は張り切っている。大臣は張り切っているというけれども、肝心の局長以下が——私とのいまのやりとりを聞かれて、大臣どうお思いになりますか。私は決して無理なことを言わないんです。私は御病気だったら御病気で結構だから連絡いただいてかわりの人をよこしていただければいいわけです。それができないんです。そして私が大声で騒ぎ出して、あわてていろんな人が来る、こういうことを大臣どうお考えになりますか。私はこういうことを国会の議事録に残すことは本当に残念ですけれども、やむを得ません。ひとつお考えを聞かしてください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま事情をお聞きをいたしますと、全く申しわけのないことでございまして、もし約束の時間に行けないということであれば、当然、電話でお断りをするとか、あるいは電話でお話をすることをお許しをいただきたいということで電話で話をするとか、そこは礼を尽くしてやるべきだと私も痛感をいたします。重々の手落ちでございまして、まことに申しわけないと思います。今後、そういうことのないように十分注意をいたしましてやるつもりでございますから、よろしく御了解賜りたいと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大臣がおわびをされましたので、じゃこの問題はこれぐらいにして、どうか今後そういう連絡のあれがないようにぜひやっていただきたいということをお願いをしまして、中身に入りたいと思います。  私は、わが国のこのゴム履物産業についていろいろこれからお聞きをしたいんでありますが、その実態につきましては、すでに五十三年の二月の二十八日開催の衆議院予算委員会第四分科会においてわが党の水田委員が述べられておりますから、いまここで実態を聞こうと思いません。  その中でいわゆる問題点となりました点は、まず典型的な労働集約産業であるこのゴム産業が、今日、猛烈な発展途上国の追い上げによって国際競争力を失っている。いわゆる輸入の増大を招きまして、輸入の増大、さらに今日の円高、これが追い打ちをかけています。そしていまや構造問題になって、そしてこのことがゴム産業における労働者の大きい雇用問題に発展をしているのであります。一方、ゴム履物というのは国民の生活必需品でありますから、どうしても一定量は私はわが国の国内において生産をし、安定供給をさせなきゃならぬと思う。これは一つは国内産業の保護、さらに雇用の確保、それから物価安定という角度からも考えなきゃならぬ点だと思います。  三番目には、そういう状態にもかかわらず、業界が非常にまとまりが悪い、こういう状況にあります。ですから、どうしても私は政府としてのこれらの問題に対する積極的、具体的な指導が必要だと思うのでありますが、以上のような認識を、実は、この前の水田さんと大臣並びに局長との間のやりとりの中で私は考えました。  そこで、次のような点についてまず御質問をしたいと思います。  藤原政府委員の答弁におきまして、こういうことがあります。業界におきまして体質強化のための適切な対応を図ってまいりました。さらに非常にまとまりのむずかしい業界である。政府としては中小企業の諸般の施策に乗れるように、まとまりができるように期待している、こういう御答弁をされています。私は政府が業界指導に対してどうも受動的ではないか、受け身ではないか、積極的な指導方針がないのではないかと思います。業界自身の秩序ある輸入や体質の改善のための自分みずからの努力がされる、これは当然のこと、またしなきゃならぬと思います。しかし、それに対して具体的にどのように業界に対する指導をしていくのか、ここのところが衆議院の水田議員と局長とのやりとりの間では明確でありませんから、具体的にどういう指導をしていこうとお考えになっているのか、その点を局長から聞かしていただきたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 冒頭、先ほど大臣からも申し上げましたが、私ども連絡不行き届きの点につきまして、深くおわびを申し上げたいと思います。  いまお示しのゴム履物業界におきますところの問題点につきまして、どういう具体的な指導をしておるかと、こういう御質問かと存じます。いま先生からお話ございまして、また、私、衆議院の方でもお答えしましたように、ゴム履物業界は非常に確かにまとまりが悪うございまして、何とかこれをうまくまとめて、中小企業施策に乗れるようになることが一番望ましいわけでございますが、ただ手をつかねて待っておるというのはやはり不十分であろうと思います。中小企業庁並びに福岡の通産局を通じまして、主としてあの地区が大きな問題でございますので、中小企業に関する諸般の施策に乗れますような指導を、特に業界のまとまりという点に重点を置きましてやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 やはり衆議院の御答弁の域を出ておりません。  そこで、私は、具体的に少しお聞きしたいと思いますが、政府としては構造改善事業に対しては受け身ではなく、わが国のゴム産業を存立をさせるために、もしくはどうしても存立のできない企業に対してはスムーズに事業転換が図られるような具体的さまざまな問題を討議して、方向づけを行う必要があると思うのであります。すなわち、そういうことが実際できるような受けざらといいますか、そういう場所を私はつくる必要があると思うんです。そこで、そのためには構造改善問題等を含めて審議するための場として、政府、使用者、労働者、それから知識人といいますか公益委員といいますか、こういう人々による作業委員会を設置をさして、そして具体的な中身の審議を促進させる、こういうアプローチが私は急務だと思いますが、この点について大臣どうなんでしょうか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) いま御提案の作業委員会の件でございますが、私どもの方で、実は、昭和五十一年度におきまして、特定産業競争力調査というものの中で特にゴム履物につきましてこれの競争力というもの、それから今後のあり方について一応の万般にわたります調査を行いまして、今後の将来につきましての一応の結論を得てはおるわけでございますが、いまお話しございましたように、今後の諸般の問題につきましてさらにお示しのような意味合いの作業委員会というふうなことも一案であろうかというふうには考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 一案であろうかということではなくして、それじゃ角度を変えて聞きたいと思いますが、協会側がいわゆるそういう受けざらをつくる、政府もぜひ出てもらいたい、こういうときには政府も積極的に出られて、たとえば調査をしていただいた大学の先生なんかを含めて構造改善問題について十分な議論が政府、労働組合、使用者、それからいろいろ調査なんかに携わった先生方と、こういうことで進めていただくことはいいでしょうか。そういう受けざらを業界みずからがやはりつくって、政府にもそういうことを持ち込みをする、そういう中で前向きに取り組んでもらいたいと思いますが、局長、そこはどうですか。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 内容としてどういうふうなメンバーで、どういうふうな構成でというふうなことにつきましてはまた今後の問題かとも思いますが、考え方として、そういう受けざらができまして基本的な検討がされるということは結構なことだと思います。それに政府がどういう形で入りますかというふうなことは、あるいはアドバイザーとか何とかあるかと思いますけれども、その辺はそういうふうな受けざらができます段階でまた考えてまいりたいというふうに思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、この点だけちょっと大臣にお願いをしておきたいんですが、いま申し上げたように、どうしてもやはり国内産業として残すもの、それからどうしても国内産業で存立できないもので構造改善をしなきゃならぬものというのがあるわけでありますから、いま申し上げたようないわゆる受けざら、構成の中身何人何人と、こんな細かいことは後でいいですから、そういう場合にはひとつ積極的な政府もその中の一員としていわゆる作業委員会の中で構造改善問題を含めて議論をする、そういうことの御指導をぜひ大臣にお願いしたいと思いますが、この点は大臣から御答弁をお願いしておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 具体的なやり方は別といたしまして、御趣旨はよくわかっておりますので、実効が上がるような方向で進めます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どうも大臣の前向きの御答弁ありがとうございました。  それじゃ、その次にまいります。  そこでひとつ、受けざらの問題について御答弁いただいたわけですが、典型的な労働集約産業であるこのゴム履物はいま非常に大きい雇用問題を抱えております。しかも、それに加えて今日急激な円高によってゴムの輸入はさらに増大の一途をたどっています。このままでまいりますとゴム産業は全面的に崩壊をしてしまう、そういう状況にある。しかも、それは、いまも局長が言われましたように、非常に地域性が高いわけです。地域性が高い地場産業で、久留米なら久留米という地域にあるわけです。そういう中にあるゴム企業が倒産をすれば重大な社会問題になります。たとえば、この久留米地区だけでゴム産業に従事する労働者が約四万人存在をする、こういう状態がございまして、すでに、たとえば久留米におけるところの月星ゴムに対して、ことしはベースアップもやらぬし昇給もやらない、こういうような提起が使用者側から出されて、久留米では超党派で、市議会がこれは大変なことだということで近く陳情団が久留米市議会として東京に上京され河本大臣以下にお会いをして問題について訴えられる、こういうことも聞いております。そういう状態が一つあるわけです。  ところが、そういう状態があるにもかかわらずに、世界のゴムの最大供給国は韓国でございまして、一九七七年輸出産業の第五位に同国の中ではランキングされています。皮革を含めまして五億一千五百万ドル、対前年の伸びが二三・四%ですね。さらに一九七八年、韓国全体の輸出目標は百二十五億ドルですが、そのうちのゴム履物は、皮革を除き五億五千万ドルですね。対前年比二八%の伸びと、脅威的な輸出を伸ばす目標を掲げておるのであります。そして一九八一年の時点では二億七千万足を輸出目標にしておる。これは一九七五年の二・三倍に当たるわけです。  こういうことから見ますと、わが国のゴム産業は何らかの具体的な貿易対策というものを持たないと壊滅をしてしまうんじゃないかというふうに私は思う。業界が来る五月二十九日から台湾、韓国、香港、日本の四ヵ国が生産者国際会議を開催する、で貿易問題を話し合われる予定になっておるということを私は聞いていますが、なかなか、率直なことを言って、業界だけではしょせん利害が相反するものですから、具体的な成果が得られないと私は思うわけです。そこで、今日、私は、わが国が、ゴム履物が淘汰され、労働者の失業が増大する、生活必需品であるゴムの履物の供給が海外に依存することは、前段で申し上げた物価政策から言っても問題がある、こういうふうに考えるわけです。ですから、問題は、こういうような展望が現実にあるわけですから、これをどのように政府としては打開をし指導しようとするのか、この点についてひとつお聞かせを願いたい。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) ゴム履物関係の輸入の問題でございます。確かに韓国側は——特に韓国でございますが、非常に大きな輸出を目指しておるということは事実でございます。で、わが国のゴム履物の輸入につきましては、最近、ここ数年非常な増大傾向を示しておりまして、そういう意味合いから、一つのゴム履物業界の危機であるということはお話のとおりかと思います。  ただ、ゴム履物業界の輸入形態につきましては若干他のものと違う点がございまして、ゴム履物の輸入が増大いたしておりますが、そのうち六割から七割見当が実はわが国メーカーの輸入でございまして、この部分につきましては、ある意味では一体的な生産体制ができつつあるというふうに考えざるを得ないかと思います。で伸び率を見ましても、どちらかというと一般の輸入よりはメーカー輸入の伸び率が高いという傾向も見てとれるわけでございますが、そういうふうなことから、いまお話ございました東南アジア関係生産国間の協議というものは、これはある意味ではその辺の輸出入の問題をなだらかに解決するためには非常に私はいい機会ではなかろうかと思っております。  ゴム履物に限らないわけでございますが、韓国、台湾、香港というふうな近隣諸国との貿易問題に関連しまして、私どもといたしましては、できればなるべく強制的な手段を講じませずに、民間のいろんな話し合いを政府が、まあ陰ながらと言いますと変でございますが、バックアップしていくという形で解決をしていくというのが一番好ましいんではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、ゴム履物につきましても、私どもそういうふうな考え方で貿易問題の解決には努力していきたいというふうに考えています。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 きょうの新聞を見ますと、二百二十一円幾らという円高を迎えているわけです。ですから、商社や、それからいわゆるナショナルスーパー等々のゴムの履物の輸入促進の動きがあります。加えて、いま局長が指摘されたように、業界みずからの輸入が約六〇%あることも私は知っているわけです。ですから、まずこういう業界みずからが自粛をしなければならぬということは私もそのとおりだと思います。私も業界にはそれは言っておるわけであります。  しかし、やはり業界自体の体質を改善をしなければならぬ。その場合に、アウトサイダーがどんどん輸入をしてくれば意味がないわけです。特に円高になればどうしても商社や大型スーパーがこれに目をつけるわけです。そこで私はこういうふうに思うわけですが、いまおっしゃったように業界みずからが努力する。それから構造改善にはやはり四、五年かかる、この間、どうするのかというのが問題だ。そこで私は具体的なやり方といたしまして、もうすでに米国、カナダ、EC諸国は、台湾、韓国の製品に輸入制限を行っています。ですから、私は、わが国だけが自由貿易を標榜するだけでいいのかどうかというところに今日来ていると思う。  そこで、具体的な施策として、私はお聞きしたいんですが、たとえば政府ベースによる二国間協定、アメリカでは非ゴム履物のOMA協定によって厳しく総量を規制をし、自国内の業界、労働者の失業を食いとめています。ですから、わが国の場合も、以上のような経過からいたしまして、この二国間貿易協定を五年程度の時限的な措置として成立をさせ、この間において私は業界の構造改善を進めていったらどうだろうか、こういうふうに考えるわけであります。民間ベースだけに貿易調整を任しておっても私はなかなかそうはいかない。特に韓国や台湾の国情の限界がありますし、またアウトサイダーの動きもあります。だから私はこの際はむしろ政府がリーダーシップを発揮すべきときじゃないだろうか、こういうふうに考えますが、以上の点についてひとつ、これは大きい問題でもございますので、大臣並びに局長の御見解をいま申し上げたことについてお聞かせを願いたいと思います。

藤原一郎通商産業省生活産業局長

○政府委員(藤原一郎君) 先に私の方から答弁をさせていただきます。  いま申し上げましたように、ゴム履物関係の輸入問題というのは、そういうふうなちょっと特殊な状態にあるわけで、私どもとしては、ある程度の民間ベースのコントロールができるではないかと思っているわけでございますが、お話しのようにスーパーあるいはその他の小売の段階からのストレート輸入ということはもちろん考えられないわけではございません。特に円高傾向の中でそういう傾向がないとは言えないわけでございますが、いままで見てまいりましたところでは、大体、メーカー輸入と一般の輸入との比率は安定的に推移いたしておりますし、いましばらくこの推移を見たいと考えておりますし、またOMAというものをやります際にも、実は、双方の業界内の足並みがそろいませんと、OMA協定というのはなかなか実効が上げにくいという問題は民間ベースの場合と同じようなことがございます。  それと、一般的に言いまして、現在の日本の置かれまし貿易バランスの実情から申しまして、これは私から申し上げるのはいかがかと存じますが、非常にむずかしい問題があるということでございますので、私どもとしては可能な限りの行政指導ベースでこれをなだらかなものにしてまいりたい、このように考えているわけでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来の質疑応答にございますように、この業界はメーカー輸入が六割という特殊な事情にもございますし、いま局長が繰り返し答弁しておりますように、もう少し事態の推移を見ることが必要ではないか。そしてその間は行政指導をしていくということが適当ではないかと考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 もう少し、もう少しと言われていますけれども、私は総体の輸入量が五〇%を超えると、もうその業界は壊滅をしてしまうような状況になると思うのです。そういう状況に近くいま来ているわけです。ですから、もちろん私は業界の六〇%輸入の自粛は当然なことですが、それだけではもう片づかないところに来ていると思います。ですから、もう少し様子を見ておったら元も子もなくなったんではこれはどうにもなりませんから、どうかこれらの点については前向きにぜひ御検討をお願いしたい。特に韓国がいま私が前段に申し上げたような大きな輸出促進目標を掲げて、いまや進めているわけですから、この点は大臣並びに関係局長にぜひお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、最後の質問でありますが、いわゆるゴム履物産業は大中小の零細企業が混在をしております。しかし、体質的に見ますと、とても大企業などと言えるものではなくて、中小零細企業的な体質を持っていると私は思います。過去において、たとえば通産省の調査でも一九七〇年から一九七五年までの間にゴム履物の従事者が四三・四%減少しています。雇用人口で言いますと、四十三年に五万二千人おった労働者が五十三年では二万五千四百人ということで約半減をしているわけであります。しかも、私が前段で申し上げましたように、すでにゴム履物の業界の中心でありますところの月星の会社が、ことしはベアもない、昇給も延伸だと、こういうことを提起をして非常に大きな地区の問題となっているわけです。こういう状況でございますから、どうか私は構造不況産業として改善をされる必要がある。そういうことから、しかし、どうしても失業をせざるを得ない場合が出てくると思います。いままでも出てきましたが、出てくると思います。  そういう場合に、これは労働省にお聞きしたいのですが、特定不況業種離職者臨時措置法などを初めとした一連の雇用安定の法の恩典が受けられるように、政府としても処置をすべきだと思いますが、この特定不況業種離職者臨時措置法の適用など、それからさらに雇用安定についてどのようにお考えになっているのか、ひとつ労働省側から、まずお答えを願いたいと思います。

谷口隆志労働大臣官房審議官

○政府委員(谷口隆志君) ゴム関係の産業におきまして従業者数が減っておりますことは、ただいも御指摘のとおりでございまして、そういうゴム産業の離職者につきまして特定不況業種離職者臨時措置法の適用をするかどうか。そういう業種をこの業種に指定するかどうかの点でございますけれども、御承知のように特定不況業種離職者臨時措置法の業種指定をいたします要件としては、まず需給のギャップがわが国の経済基調の変化とか、国際経済環境の変化等の経済的な事情によるものであるということと、それによりまして製品、役務の供給能力が過剰になっている、あるいは過剰が見込まれる、そういう需給のギャップがあること。そのために事業の転換とか縮小とかを行うわけでございますが、これが法令に基づく行為とか国の施策によって行われるものである、それでこの事業の規模の縮小に伴いまして相当数の離職者が発生し、また発生することが見込まれる、こういう要件がございます。  で、この中で特に問題になりますのが法令に基づく行為または国の施策によりまして事業規模の縮小等が行われるかどうかという点でございまして、この点につきましては、もう先生も御承知のとおりでございますけれども、特定不況業種離職者臨時措置法で指定しました業種から出てきた離職者につきましては、雇用保険の失業給付の四十歳以上については九十日延長するとか、あるいは職業転換します場合に転換のための給付金を支給する、こういう一般の離職者よりも手厚い措置をすることになっておるわけでございまして、その区別をする基準として事業規模の縮小等が国の施策または法令に基づいて行われる、こういうことになっておるわけでございます。  したがいまして、御指摘の産業をこの特定不況業種離職者臨時措置法に基づきます業種指定にするかどうかということにつきましては、この産業の事業転換なりあるいは規模の縮小ということにつきまして、何らかの国の施策が出るということが前提となろうかと思います。その点につきましては、通産省ともよく連携をとりながら、今後、検討することになろうかと思います。  なお、雇用安定事業におきます事業転換等雇用調整事業につきましては、履物関係は業種指定をされておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 後段言われた、適用になっていることは承知しています。  そこで、どうかこれは通産省と労働省の間で御協議をぜひ願いたい。  というのは、いま申し上げたように、もう産業構造全体としても、いわゆる付加価値の高い、製品価値のあるものにある程度転換をせざるを得ないところに業界も追い込まれていますし、それから、御承知のように、韓国や台湾からの追い上げによって大変な状況になっていることは事実なんですね。ですから、そういう意味から言いますと、労働省だけではお答えができないと思いますから、どうか、ここにも産業局長、通産大臣もおいででございますので、そういう問題について——でなければ、非常に地域性が高くてそこで大量に人が失業するおそれがあるわけです。しかも、ここで働いておる人というのは大体年齢構成が比較的高い。昔はゴム産業は若い女子の労働者が多かったわけですが、いまは非常に年齢構成も高いわけです。それが地域的に出てくるということになる。しかも、現状維持ではできない。産業構造を少し構造改善をしていかなければならぬということは事実なんですから、大臣にぜひお願いをしておきたいのは、日本の重化学工業等の転換から見ると、業界自体が小さい業界です。しかし、私は、政治というものはやはりこういうものについても温かく保護をするときには保護をする、産業転換がスムーズにできるようにするものはする、これが私は政治だと思いますから、どうかそういう点でこの問題につきまして通産省と労働省の間で前向きにぜひ御検討していただきますことをお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 私は、エネルギーに関連して若干の質問をこの機会にいたしたいと思います。  まず第一に、電源立地に関してでございますが、政府は、総理を長とする総合エネルギー対策推進閣僚会議、通産大臣を長とする電源立地推進特別会議などをつくられて電源立地の促進に努めておられますが、電源立地の確保はまさに日本のエネルギー政策の当面する重要課題の一つでございます。   〔主査退席、浅野拡君着席〕  そこで、まず第一に伺いたいのは、総合エネルギー対策閣僚会議で電源立地重要地点が決められました。それは二十二重要地点を初めとする電源立地でございまするが、その進捗状況がどうであるか。これは電源立地が非常におくれているということはもう国民の間でもよく知られておるわけでございますが、たとえば東北の岩手県におきましても、東北電力が火力発電をつくろうとしてもう何年か計画を立てて地元と折衝しておりますが、こういう火力発電、従来の重油を使うそういう発電所ですらなかなか立地が進んでいない。ましてや原子力に至っては非常に大きな障害がある、こういうことでございますので、まず、この電源立地の進捗状況がどうであるか。そしてこれに関連して、先日通産省は、二千万キロワットを五十三年度末までに電源開発調整審議会にかけてこれを実現の段階に持っていく、こういうことを発表されておりますが、果たしていまの現状でこれが可能であるのかどうか、その辺の見通し、自信について、まず通産大臣から伺っておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これまでは、大体、電源立地問題は、電力会社が地元と話し合いをいたしまして問題を処理解決していくという基本姿勢で進めておったのであります。しかしながら、どうも最近の事情を見ますと、思うように問題が解決できませんし、こういう情勢が続きますと三、四年後には日本全体で大きな電力不足が想定をされます。そういうことになりますと産業全体に非常に大きな影響が出てまいりますし、かつまた、当面の課題を考えましても、電力開発ということが景気対策上非常に大きなウエートを占めておるということ等もございますので、政府といたしましても、電力会社だけに任しておかないでもっと積極的に側面から立地問題解決のために援助していこうというのがいまの姿勢でございます。単に通産省だけでなく、政府全体がいま申し上げましたような姿勢で全力を挙げて取り組んでいきたいということで一生懸命にやっておるところでございますが、そういう体制のもとにおきまして、何とかことしの目標——五十二年度の目標は残念ながら若干下回りましたが、五十三年度の目標は前広に準備をいたしまして、何とか目鼻をつけたいと考えておるのが現状でございます。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 決意のほどがわかりますが、なかなかこれは政府だけではできない問題でございまするから、官民一体となってという進め方が必要、だろうと思います。  特に、今回は、石油新税も設けて、そうしてエネルギー対策の財源がある程度一つの基礎を得てくる状態にあるわけでございますから、こういうものを十分に活用するということはすでに予算でも計上されてありますが、私は特に電源立地の中でも原子力発電所はこれは今後ますます進めなければならない重要な課題の一つであると思いまするが、先ほど申した二千万キロワットの中には原子力発電はどの程度予定されているか、これは長官でもひとつ。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 五十三年度中に電調審に上程いたしたいと考えております二千万キロワットの中で原子力発電施設といたしましては、高浜の三、四号、共和・泊、あるいは川内の二号、こういった地点を予定いたしておるわけでございます。このうち高浜の三号、四号につきましては三月二十四日に開催された電調審によりまして決定を見ておるわけでございます。今後、その他の地点につきましても、それぞれの実情に応じたきめの細かい対応をしてまいりたい、かように考えております。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 たとえば柏崎あたりで何か保安林の解除とかなんとかで騒動を起こしていますね。ああいったようなことがあちこちに出ているんですが、どうしていかれますかね、これ。大変私は政府としてもあるいは電力業界としても困っている、あるいは地元の県も困っていると思うのです。こういう問題もうまくやっていかなければいかぬですが、どうなんですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 立地難の問題といたしましては二つの面がございまして、一つは、電調審に上程するまで難航しておるケースと、二つ目は、電調審を通過しながら現実の着工に至らないケースがあるわけでございます。ただいま御指摘の柏崎のケースは後者の方でございます。電調審の方ではもう済んでおるわけでございますが、地元の最終的な納得が得られないということで難航いたしておるわけでございますが、われわれといたしましては、当然のことでございますが、安全、環境対策に十分意を用いると同時に、地元の理解を得るように努力いたしたいと考えております。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 従来とも同じことばっかり答弁として政府の姿勢も出ているんですけれども、本当にこれは官民一体となってやらなければいけないし、また世間の論調も十分な安全性と信頼性についての理解を進めるということで、政府のサイドから十分なPRをしていかなければならない。そのためにいろいろな予算も計上されていますが、なおまだ私はきわめて不十分だと考えております。これらの国民への理解、これに対しては今後どのように対処されるか伺いたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 地元の実情に即応して十分お話をする必要があろうかと思いますが、特に五十三年度におきましては現在の流通センターの中にエネルギー関係のPA部門を設けまして、ここを通じましてPRをやる、あるいは地方自治体の職員の研修を行うといったようなことで一段と地元の理解を進めてまいりたいと思っております。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 それも結構ですね。私はかねてからいろんな機会に長官にもお話ししたりなんかしているんですが、たとえばエネルギー博物館、原子力だけでなくて、原子力を初め水から石炭からあらゆるエネルギー源、そういったようなものをひとつ総合したエネルギー博物館といったようなものを東京、大阪あたりにつくって、修学旅行のコースにして、そうして十分な理解を子供のころからひとつ体得していくというようなことも今後考えていくべき一つのPRの方法といいますか理解への道ではないかと思うんですが、これらについても、この前もいつか国会で私質問したと思うんですが、全然それについては何ら調査費も取ろうともしておられないんですが、どうですか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 私ども二、三原子力発電所を見たわけでございますが、そういった原子力のサイドにおきまして、御指摘のような、規模は小さいわけでございますが、展示室などがございますし、あるいは大阪の科学技術センターの中にも御指摘のようなものがあるわけでございます。国として積極的にそういった面での対応ということは御指摘のように立ちおくれていると思うので、今後、一つの対策として検討してまいりたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 大臣ね、いまの点はひとつ前向きに五十四年度予算には何とかひとつ予算が計上できるような方向で御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 各国の状況なども一回調べてみましょう。それからいま長官が言っておりましたが、日本で一体それに類したものが幾らあるのか、それでもしやるとすりゃ一体どういうものがいいのか、こういうことを一回よく調べてみたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 各国といいますけれども、日本が特に原子力に対してはアレルギーを持っておりますから、そういう意味において、しかも資源のない日本ということはもう周知の事実ですから、それらは子供のころから教育の場、社会教育の場に引っ張り込んでおくということが必要だと思いますので、ぜひ前向きに御検討をいただきたいと思います。よろしゅうございますね。  そこで、原子力の安全性を確保するためにはいろんな施策が必要でありまするから、これに対して五十三年度は特にどういう点に重点を置いておられるかという点を伺いたいと思います。と同時に、私は、電力の設備投資は景気対策の重要な柱である、特に民間投資として非常に大きなウエートを占める、こういう点で通産大臣もきわめて積極的にこの問題に取り組んでおられると伺っておるわけでありますが、たとえば電源開発のために三兆二千億円というような予定がされておりますが、さらにこれを大幅にふやしていこう、それによって景気対策をさらに強化しよう、こういうお考えもあるようでございますが、この点について大臣の今後の対応策はどうお考えになっているか、これも伺っておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) これまで電力業界と打ち合わせをいたしました工事費は大体三兆二千億ぐらいであります。それから五十四年度以降のいろんな械機の繰り上げ発注、これはいままでに決まっておりますのが一兆円強であります。しかしながら、電力会社に対しましては、立地問題の促進作業の過程におきまして、さらに増額をしてもらいたいということを要請をしておりまして、通産省といたしましては、工事量それから繰り上げ発注双方を通じまして、何とかこれを五兆円までぐらいに引き上げたい、こういうことでいま取り組んでおるところでございます。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 そのようにいけば大変結構でございますが、ぜひ五兆円目標を達成していただくように一層の御努力を御要望申し上げておきます。  そこで時間もありませんので、石油問題について若干伺っておきたいと思います。  まず、石油の需給状況が問題であろうかと思いますが、経済の不況、そしてまた暖冬というようなことから五十二年度の需給の実績は当初計画からかなり下回ったものと思いますが、その実績の推定は一体どうなっているのか。それから、そのようなものを踏まえまして、来月早々にも五十三年度の石油の供給計画が出されるわけでございまするが、この五十三年度の石油需給バランスを作成するに当たりましては、石油価格の混乱という現実の問題、あるいはまた省エネルギー政策を推進するという問題、そして経済成長七%を達成しなければならないというまた一つの大きな命題、これらが絡み合ってなかなかむずかしい問題が多いと思いまするが、さらばと言って余りにも机上の需給計画を立てたのでは、ますます石油を通しての価格の混乱状態が起こってくる、あるいはガソリンの流通問題に大きな問題を生ずる、こういうことにもなってまいると思います。さような観点から私は七%という経済成長の目標と、それからそれに対応する数理的な数字はおよそ四%と承知をいたしておりますが、四%ということではとうてい現実の需給とは合わない。この現実の需給と合わせるためには大体どの程度を考えていくべきか、この辺について通産省の所見を伺っておきたい。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) まず、五十二年度の需給実績でございますが、これは二つ目の御指摘の五十三年度の供給計画をどうつくるかということと兼ねて、現在、詰めておるところでございますが、ただいまお話のございましたように、産業需要の停滞あるいは暖冬による灯油の消費の減といったことを反映いたしまして、現在で私たちの判断は燃料油だけでございますが、対前年度、五十一年度に比べまして〇・一%増程度と見込んでおるわけでございまして、約千二百万キロリッター当初計画に比較いたしまして減少してまいる。二億二千八百万キロリッター程度ではなかろうかと考えております。   〔主査代理浅野拡君退席、主査着席〕 これに対しまして、石油製品の燃料油の生産も、当初計画よりも約千百五十万キロリッター程度減少するのではないかという見通しでございます。  それから五十三年度の見通しでございますが、まさに御指摘のように非常にむずかしい問題を抱えておるわけでございます。御承知のように石油供給計画を策定するに当たりましては、それぞれの石油製品の需要を積み上げてまいりまして、それを全体としてマクロ面からチェックするという方式をとっております。具体的に申し上げますと、電力用のC重油等につきましては、五十三年度につきまして現在試運転中の原子力が五基程度年度間を通じまして新しく参入してくる、あるいはアブダビ、インドネシア等から輸入いたしておりますLNGが五十三年度は平年度化してくる、こういった石油にかわるべき燃料の増加といったようなことも考慮いたしまして策定いたすわけでございます。  供給計画といたしましては五十三年度間を通じて策定いたすわけでございますが、需給の実勢を見ながら上期、下期に弾力的に運用していくというようなことも必要かと思います。いずれにいたしましても、需給を適正な水準に維持するような形で計画を策定したい、かように考えております。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 できるだけ実態に合った需給計画をお立てにならないと、いろいろな混乱が生ずると思います。そこで上期、下期に分けるということでありますが、さらに、私は、景気の動向などを見ながらやる必要もありましょうから、できれば四半期ごとの計画ぐらいにさらに実態に合ってやっていかれるお考えがあるかどうか。それから、さらに、おおよそ私は一%台程度しか増は見込めないんではないかと考えますが、その辺についての所見をひとつ伺っておきたいと思います。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 先ほど私は上期、下期と申し上げましたが、運用上の問題でございますので、当然、四半期ごとにも十分に実態をトレースしてまいりたいと思います。それから一〇%程度ではなかろうかという御指摘でございますが、現在まだ作業中でございますが、大体近い線ではなかろうかという気がいたしております。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 そこで、大臣ね、そういう需給計画に基づいて今度は石油価格の問題が一つ浮かび上がってくると思うんです。現在、石油価格というものが果たして現状のままでいいかどうかという点について基本的な姿勢をこの機会に伺っておきたいと思うんです。  石油新税が今度新しく設けられて、そしてこれは当然転嫁をされる性質の税であります。一方において為替差益というものがあるから何とかそれはもう転嫁させないで済むじゃないかという経済論はあるかもしれませんが、税の本質は転嫁が基本であります。したがって、その転嫁ということを踏まえながら現在の石油価格体系は果たしてこれでいいのかどうか。  ガソリン高の重油安という一般用語、そして灯油が政策的に低く抑えられているということ、あるいはナフサの問題、こういったようなこと。一方において不況下にあって重油を使っていく産業の立場というもの、さらにまたそのもとを供給している石油精製企業の経営の実態、備蓄をしていかなければならないという一つの国家的な目標、その責任を持っている企業、こういったようなことを絡み合わせてまいると、非常に複雑であって、容易な問題ではないと思いまするが、この石油価格体系を現在の状況においてどうお考えになるか、この基本認識を大臣から伺っておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 価格の問題につきましては、基本的には最近の急激な円高等もございます。そこで、円高メリット、円高による差益を消費者に還元すべしという声がだんだん強くなってきております。この問題を一体どう取り扱うのかという問題もありまするし、いまお話しの灯油、ナフサ等のバランスが崩れておるという問題等もございまして、今回新しい税も認められることになりましたので、そういう法律の成立等も実現するのを機会に、やはりこの際はある程度全面的に検討してみる必要があるのではないかと考えておりまして、いま省内におきまして関係者がいろいろ相談をしておるところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、きょうは特にエネルギー問題について質問をしたいと思っております。  初めに、大臣、特に最近円高の問題が大きな問題になりつつあります。きのうきょう二百二十一円というような大変な状況にあるわけですが、特に大阪、近畿地方では中小零細企業の輸出業者が非常に多いわけですが、一体、円はどこら辺で安定をするのかということについてはかねがねから非常に心配をしておるわけです。大臣、これは所管の大臣としてこの問題についてどういうふうにお考えなのか。政府としてもやっぱりこれは毅然たる態度でこの問題に取り組まないと、本当に私はもう中小零細企業が大変な情勢になってしまう、非常に心配をしております。この点について初めに大臣のお考えをお伺いしたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この一月に、円高に伴う中小企業の緊急対策、新しい法律をつくっていただいたわけでありますが、そのときの背景は二百四十円という水準で私どもはいろいろ作業をしたわけであります。ところが、昨今のような事情でございますから、先般来急いで最近における水準からくる影響はどうかということについて調査をいたしております。で、調査の結果は大体見当がついておりますけれども、ごく近日、結果がわかりますので、その結果いかんによってさらに中小企業に対する援助というものを強化していかなければならぬのではないかと考えておるところでございます。  それから円高に通産省としてどう対処する方針であるかということでありますが、この円高の背景は、一つは日本の大幅な黒字、それから一つはアメリカの大幅な赤字、この二つがあるわけでございまして、わが国の大幅な黒字に対しましては、輸出に対しましては数量横並びにいくように強力に行政指導を始めたところでございまして、それから輸入につきましては、昨今の状態から見まして相当思い切った緊急輸入を決定する必要があるのではないかと考えております。三月十一日には四項目からの若干の緊急輸入対策を決めましたが、昨今の状態から見ればこれはきわめて不十分であると考えております。さらに飛躍的な緊急輸入対策がどうしても必要だということを痛感をいたしております。しかも、それを急いでやらなければいかぬと考えておりまして、いま関係各省との間で相談をしておるところでございます。何とか来週の中ごろぐらいまでには、予算が通過する前後には、ぜひともひとつ結論を出したいということを目標にいたしまして、いろいろ作業中でございます。  それから、抜本的には内需の拡大ということが根本でございますが、これには時間もかかることでありますので、やはり緊急輸入と、それからアメリカに対して、日本としてもやるだけのことをやった後は、ドルの価格維持ということについての何らかの要請をする必要があろうかと思いますが、やはりその前には日本としてやるべきことをやることが大事でございまして、それをやらないでアメリカに文句を言ったのでは、向こうも何か当然言うでしょうから、そういうことのないように十分準備をして話し合いをすることが必要だと思います。来月の中旬までには牛場大臣もジュネーブでストラウス・アメリカ通商代表に会われる予定のようでありますし、それから来月に入りますとアメリカからシュルツ氏がやってくるようでありますが、総理も宮澤大臣も会われまして、この話し合いをなされるようであります。でありますから、そういういわば福田・カーター会談が行われますまでの間に幾つかの根回しをいたしまして、そしてアメリカ側と一体どうするんだということについて根本的に話し合いをするということがどうしても必要だと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはぜひ緊急な問題として政府としても真剣に取り組んでいただきたいと思います。  それからもう一点は、これはかねがねから、私、何回もエネルギー庁長官に言っているわけですけれども、特に円高差益の還元という問題です。先ほど大臣からも御答弁がございましたが、これは二百二十円台ということになりますと、これは相当なやっぱり差益が出てくる。これは国民の円高差益を国民に還元せよという声は日々高まっている、そういうふうに思います。  そういうような観点からも、私はかねがね予算委員会の総括でもちょっとやりましたが、あのときにも、一件当たりに直すと非常に少ない金額である、したがってできるだけ料金を長い間凍結をする、こういうふうな方向で話がありましたけれども、実際に値上げを凍結するということを明言しているところは三社ですね、いまね。そうしますと、まだまだそれ以外のところもありましょうし、また会社によっては事情の違うところもあると思うんですが、これは通産省としてもやっぱり何らかの指導、何らかの体制を従来とは違って見直して行政指導なり何なりする必要があるんじゃないか、こういうふうに考えておりますが、この点どうでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 御指摘のような事情からいたしまして、九電力会社に対しまして少なくとも一年間は現行料金を据え置くようにということを指導いたしたわけでございます。それに対しまして九社の社長はその方向に即して了承しておるというのが実情でございます。  ただ、なお円レートがどうなるかという問題もございますが、今後、そういった実勢をよく見ながら、あるいはOPECにおける原油価格の動向も勘案いたしまして、状況によりましては一年を超えてさらに据え置きができるように指導してまいりたいと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、大臣、エネルギー問題の中で特に私はきょうは水力の問題について質問したいのでありますが、原子力、火力発電、さらに水力発電、とこうある中で、大臣は水力に対してはどういうふうにお考えでしょうか、将来の見通しとあわせて。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 水力につきましては、戦後三十年の間に相当開発をいたしましたが、まだ水力エネルギーの資源は相当残っておるようであります。したがいまして、これは国産エネルギーでありますから、水力エネルギー、それから地熱エネルギー、これはもうできるだけ開発をしていきたい、こういう考え方でございます。しかしながら、やはり採算的にもいろんなことを考えなければなりませんので、採算ということを考慮いたしますと、おのずから若干の限界はあろうかと思いますが、根本姿勢といたしましては、基本姿勢といたしましては、できるだけ開発をしていこう、こういう考え方でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、大臣、やはり国内のいろんな情勢から考えてみまして、戦後三十年やっぱり水力発電というのが一番先に開発されて、重要なエネルギー源として現在までその役目を果たしてきているわけです。それで大臣はいままだ資源も相当残っている、こういうふうにおっしゃっておりますが、私そのとおりだろうと思うんです。  大臣の答弁のそのすぐ裏に、できるだけ開発していきたいが、いわゆる採算の問題がある、こうおっしゃっております。確かに採算の問題もあると思うんです、私はね。しかし、先ほどから原子力の問題や火力の問題や、そういうふうな問題で立地の問題が非常に大きな問題となってくる。特に最近は電力会社一社ではその問題の解決は不可能である、そういうような事態に立ち至っておるわけですね。国としてもこの問題に取り組まなければならない。  そういうような中で、私は、電源開発の中の特にこの水力発電についてはやはり高度成長期にさんざん発電の設備をつくってきた。現在から考えればとてもできないというような情勢の中で発電所をつくってきたいきさつが私はあると思うんです。そういうふうな意味からいきますと、私は特に水力発電のいわゆるオーバーフォローといいますか、初めは一生懸命やるけれども、発電所ができてしまうと、その後のいわゆるフォローがうまくいってない。したがって今後の開発にも影響を及ぼしてくる、こういうふうな点が多々あるんじゃないか。この点非常に心配しているわけです。この点について大臣どうお考えです。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点は、水力開発に伴う環境対策、環境保全の御指摘かと思います。先ほど大臣が申し上げましたほかに、水力開発を行う場合には十分環境問題に配慮しなければならない、こういう御指摘かと思うわけでございます。  私たちといたしましては、省議決定に基づきまして、水力発電を建設する場合に、水質の変化あるいは自然の改変など環境への影響を事前に十分把握するために、電気事業者に対しまして環境影響調査なるものを実施させ、その報告書を提出させることにいたしております。その報告書に基づきまして環境審査顧問会の意見を聞きまして所要の指導を行っておるというのが実情でございます。また、この調査報告書は地元で公開して縦覧に供する、あるいは地元の意見を求めまして、適切な意見についてはこれを計画に反映させていく、かような形で指導いたしておるわけでございます。今後も、この方向に即応いたしまして、水力開発に当たりましては環境保全に万全を期したい、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 長官ね、環境影響調査なんという言葉自体が最近特に重要視されてきた問題でありましてね、実際問題として昭和三十年代の初期、そういうときにもやはり環境影響調査というのを相当慎重にやって、その報告をとっているんですか、実際問題として。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 当時は、環境影響調査報告書はとっておりません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはいつごろからとり始めたわけですか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(服部典徳君) 環境影響調査報告書という形で私どもとりましたのは、去年の夏からでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 したがって、この問題は昔は確かにとってなかったんだろうと私は思うんですよね。  それで、現実の問題として、きょう、私は特に奈良、和歌山、三重三県にわたって相当たくさんの発電所がつくられておりますが、その中の特に新宮川水系、昔は熊野川と言いましたが、この水系の発電所の問題についてきょうお伺いしたい。  私も地元でございますから、何回も、この河川のことにつきましては昔からよく知っております。大臣も御存じのように、吉野熊野国立公園の中心になっておりますし、昔から山紫水明、そして景勝絶景の地ということで皆さん御存じのあの瀞八丁とか非常にきれいなところであります。それで、この新宮川の水は昔からやっぱり濁ったわけです。これは私もよく知っております。これは濁るというのは、台風が来たり、また相当な豪雨があったり、そうしますと水が濁ります。これは当然のことだと私は思うんですね。しかし、濁りましても、あと何日かたちますと非常にきれいな水に返る。これは現実の姿であります。  私の手元にあります濁度の分類表によりますと、昭和三十三年度から五十一年度までの濁度の分類表があるわけですが、昭和三十七年までは濁度がゼロというような日にちがいずれも百日以上、いわゆる本当に透明なきれいな水が流れる日にちが一年のうち百日ぐらいあった。ところが、三十八年からは全くなくなってしまった。川の水がずうっとそれ以来濁りっ放しなわけです。この濁る原因について、まずそれぞれの関係者はどのようにお考えでございましょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 御指摘の新宮川系につきましては、昭和三十年から四十年にかけまして電発が九地点、約七十万キロワットの水力発電所を開発したわけでございます。その後、四十六年以降になりまして台風の後御指摘の濁水の期間が長くなってきたというふうに承知いたしております。  したがいまして、直接の原因はどこにあるかという問題もあろうかと思いますが、ダムをつくった後、そういった台風におきまして上流で大量の雨が降る、そのために上流部における土砂が水の中に入ってまいります。それがダムに滞留し、発電に応じて放流する場合に下流域に流れていくといったところに大きな原因があるのではなかろうか、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 建設省はきょうお見えになっていますね。——建設省はこれはダムをつくるについて、このダムの近辺並びに特に十津川水系、こういう水系の土質というのはどういうふうな土質で、これはどういうふうな状況になっているのか、一遍概略説明していただけますか。

堀和夫建設省河川局開発課長

○説明員(堀和夫君) お答えいたします。  新宮川は十津川と北山川の支川に分かれるわけでございますが、紀伊半島を横断いたします中央構造線というものが紀ノ川、それから吉野川を抜けて九州中部に抜けておるわけでございます。そういうわけでございまして、特に十津川筋におきましては、中央構造線を中心といたしましてかなりの地質変化を受けておるということでございまして、濁水、濁りが従前から発生しやすい地質を持っておるという認識をしておるわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは建設省の方も余り専門でないかもしれませんが、非常に土壌がやわらかくて、私たち見ておりましても雨が降るともう一斉にどろが流れ込んでダムが本当に濁ってしまう、そのダムの中へ流れ込んだ水はもうよほどのことがないと澄むなんということはあり得ない。したがってダムの水をずっと放流しているわけですから濁った水が一年じゅう流れてしまう、まあそれは一年じゅうというのは多少オーバーかもしれませんが、ダムの水が澄まない以上は要するにきれいな水は流れない、こういう実情にあるわけですね。これは原因はいろいろあろうと思いますが。  次に、林野庁はきょうお見えになっていますか。——林野庁の方としましても、これはもうダムの周辺や上流地域では山林の崩壊個所というのが相当あるわけですが、この問題については、特に私は治山事業といいますか、そういうような問題が余り進んでいない、こういうふうに思っているんですが、この辺のところについてはどうお考えですか。

江藤素彦林野庁指導部治山課長

○説明員(江藤素彦君) お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘の新宮川の水系流域につきましての治山事業でございますが、この点につきましてかねてから新宮川濁水調査委員会というものを設置いたしておりますが、その濁水調査委員会の中に実は林野庁側といたしましても大阪営林局の経営部長を委員といたしまして参加させておりまして、その実態把握に努めておるところでございます  治山事業につきましては、そういう実態把握に基づきまして鋭意行っているつもりでございますけれども、特に昭和四十七年から五十一年までが第四次の治山事業五ヵ年計画が遂行された時代でございまして、この第四次治山事業五ヵ年計画の中で約十億円の治山事業の推進をして、この流域内だけでございますが、やってきております。で実は、今回、五十二年度からことしの五十三年度で第二年目に入りますが、第五次の治山事業五ヵ年計画が策定されておりまして、この五ヵ年計画によりまして目下治山事業の推進を図っているところでございますけれども、第五次の五ヵ年計画につきましては、第四次五ヵ年計画の約一・七九倍ということで計画を立てまして、したがいまして相当大きな規模で、この五ヵ年の間に全計画といたしましては一兆三百億円というのを全体計画で推進しておりますが、いま申し上げましたように、全国計画は第四次と第五次の比率が一・七九倍でございますが、この新宮川流域につきましては、特にこの流域だけの事業を取り上げますと一・八八倍、約一・九倍ぐらいの全国平均よりも高い伸び率をもって推進してまいりたい、このような考え方でこの新宮川流域についての治山事業の推進を十分にやってまいりたい、このように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私、先日も風屋ダム、二津野ダムというダムをずっと見てまいりましたが、最近、ダムの湖の周りですね、大分いわゆる土壌が崩壊して水の中へ流れ込んでいる状況がずいぶん至るところに見られるわけですね。こういうような問題については、実際問題としてこれはダムそのものをつくること自体についても、やはりこれは大臣が初めおっしゃいますように、私はエネルギー問題としては重要ですから、ダムをつくって発電するということについてはそれはそれなりの意味があると思うんですが、こういうふうにだんだん崩壊していく様子を見ておりますと、これはそれぞれ関係者はこの問題についてどういうふうに対策を立てようとしていらっしゃるのか。こういうような問題を解決しなければ新宮川が清流に返りませんので、それで私はお伺いするわけですが、この問題についてはどうお考えでしょうか。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) お話しのように、本来的には治山対策、砂防対策というものを十分にやる必要があろうかと思いますが、その間といえども、たとえば選択取水装置を設置するとか、あるいは貯水池の放流量を調整するといったような対応も必要かと思います。電発といたしましてもさような対応をいたしているわけでございます。  幸いと申しますか、ことしの二月に新宮川水質汚濁防止連絡協議会というものが発足いたしまして、昨年の四月に決まりましたところの濁水防止対策の実施方針を具体的に実行に移していくための連絡協議会ということになったわけでございます。さらに現地の市町村長にも参加いただいておりますので、現実に即応した防止対策が今後一段と進展していくものと期待しております。われわれ関係各省庁とも十分連絡いたしまして、できるだけ早くこの濁水問題を解決するように努めたいと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 長官、実は新宮川濁水調査委員会というのをつくっていただいて、その結論が調査報告書というような形で一昨年ですか、出されたわけですね。ところが、実際問題、具体策というのは何にもありませんでして、やはりこれからそれぞれの省庁でよほど対策をがっちりやっていただかないとどうしようもない。特にそれぞれの省庁に分かれている、そういうような意味ではやっぱりどこかの省庁できちっとまとめていただいて、一本化して国としても相当強烈にこの対策を立てていただかないといけない、こういうふうに思っているわけです。  そこで、まだ幾つかの問題がありますので、とりあえず指摘をしておきたいと思うんですが、それから上水道の問題があるんですね。これは上水道の問題については、特に新宮川を水源として取っているいわゆる地元の新宮市とか周りの市町村ですね、これはやっぱり従来から濁っている日もあったんだと、そう言われればそれは仕方がありませんけれども、やはりきれいな水を取っていた市町村が濁った水をいわゆる上水道に取らなければならない。そのためにはやはり今度は浄水の相当な施設が必要になってくる。この問題については私の手元にもずいぶん資料が来ておりますが、電発の方も相当いろんな支援をしているようではありますけれども、それでもまだまだ足りない、そういう実情にあります。そういう点、特に上水道の問題については、これはどこが担当ですか。きょう厚生省は来ていないようですから、電発の方からそれじゃ状況を説明していただけますか。

石野弘電源開発株式会社理事

○参考人(石野弘君) 新宮市の上水道につきましては、先ほど御指摘の汚濁の長期化に伴いまして、浄水設備の増強という事態が生じましたので、それに対しまして、私ども市の方といろいろと御協議申し上げまして、その設備の一部を私どもで負担させていただきまして、ただいま市の方で上水道の設備工事をやっておる状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これもね、私は、これはやはり国としてエネルギー問題を重要な課題としてとらえるからには、やはり国の方が力を入れて、これは長官ね、やっぱり相当力を入れてやっていただかないと、いままで好意的で協力的であった市町村でも、やっぱりそういうような問題がだんだん重なってくると、これは態度も変わってくるし、話し合いも十分できなくなってくる。そういうような意味では、私はもうただ採算とかそういうふうな問題ではなくて、地元の住民の福祉、厚生ということをうんと考えて、そして地元の市町村に対してもそれ相応の対応をしていかなければいけない、こういうふうに思うんです。この点どうでしょう。

橋本利一資源エネルギー庁長官

○政府委員(橋本利一君) 全く御指摘のとおりだと思います。地元の理解と協力を得るためにも、その前提として信頼関係が失われておるということでは一歩も前進いたしませんので、御指摘のような方向で電発を指導してまいりたいと考えます。また、私たちとしましても、関係の省庁ともよく連絡をしたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 水産庁、きょうお見えになっていますか。——これはもうあんまり時間がございませんので端的に申し上げますが、新宮川の汚染によりまして、要するにかねがね透明できれいな水の流れておった川がこれだけ汚濁してまいりますと、特にアユを初め、これはそういうような面でのいわゆる河川の荒廃という問題が出てまいります。さらには、濁水が流れてくるわけですから、汚泥がたまるわけですね。これで非常に地元の漁民の皆さんが難儀しているわけです。特に天然アユというのは激減している実情なんですね。そういうような意味で、この問題については、水産庁としては何かやっていらっしゃるのか、ここら辺の取り組みについてはどういうふうに考えていらっしゃるか、一遍お伺いしておきたい。

伊賀原弥一郎水産庁研究開発部漁場保全課長

○説明員(伊賀原弥一郎君) お答え申し上げます。  全国でいろんな形で工事なんかの関係で影響が出てきたり、あるいは漁獲の関係が変化してくるという事態がございますけれども、原因と申しますか、そういういろんな工事だとかなんかに関係します部署で、影響とかそういう調査をやっていただくというのが基本的な考えになっております。国といたしましては、この種の影響というものはなかなか学問的にもむずかしい問題がありまして、わかりにくい点があるわけでございますけれども、基本的には、全国でいろんなところで出てまいりますので、こうしたいわゆる影響調査とかそういうもののやり方と申しますか、そういう点を検討したり調査をしたりということをいたしまして、それによって都道府県等を指導してまいるというのが基本になっております。  で、この新宮川系統の問題につきましては、ほかの省庁関係で協議会等もつくられまして調査をやっておられるということを聞いておりまして、私どもといたしましては、必要に応じ都道府県の水産試験場等を指導しておるという段階でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 時間がございませんので、これで終わりますが、大臣、これは私はこれからまだまだ開発の余地もあると思うんですね、またいろんな問題もあると思うんですが、そういうふうな観点から二つお願いをしたいと思うんです。  まず一つは、このいわゆる実態調査ですね、やっぱり現地を正確につかんで、そして指導をするっていうのが大事な問題だと私は思います。そういうふうな意味で、漁業の問題もありましょうし、また上水道の問題もありますし、また治山治水という問題もそれぞれかかわってくると思います。そういうふうな観点から、具体的な被害についての実態調査を正確にしてもらうというのがまず一つ。  それからもう一つは、電発の皆さんはしょっちゅう担当者が向こうへ行っていらっしゃるわけですけれども、国のそれぞれの担当者っていうのはもうとてもめったに現地へ行くっていうことはないわけです。そういうふうな意味から、私はやっぱり本省の担当者なりそういう専門家の皆さん方が現地へ行って、実態調査なり、きちっとしたそういうふうなものを掌握していただく、そしてやっていただくことが将来のためにもいい、私はこういうふうに思っておりますんですが、この二点について大臣から御答弁をいただきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 問題点は大分はっきりしましたので、総合的な実態調査をやるようにいたします。  それから、本省からもだれか派遣をいたしまして、調査をいたします。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうもありがとうございました。結構です。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 以上をもちまして通商産業省所管に関する質疑は終了いたしました。  午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      —————・—————    午後一時十分開会

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  本日、峯山昭範君及び小野明君が分科担当委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君及び対馬孝且君が分科担当委員に選任されました。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 昭和五十三年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 初めに円高問題についてお伺いをいたしますが、昨日の大変な急騰、きょうは少しはきのうより落ちついておるというようなことでございます。とめどもないという表現が適当な感じがするわけです。また来るところまで来た、こういう感じもいたしますが、この二、三日の動きを長官はどのようにごらんになっておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 円の相場がドルと円との購買力の相対性を反映していないとも申し上げられない、それと無関係であるとは当然申し上げられないわけですけれども、しかし、やはり相場でございますから相場としての一面を持っていることも私は確かだと思いますし、ことに円がずうっと上がり続けてまいりましたから、いわゆるリーズ・アンド・ラグズも生まれたと思います。それから次に、わが国にとっては年度末でございますので、企業にいたしましても金融機関にいたしましても決算対策というものが当然ございます。そういうこととの関連も私はかなり最近の相場にはあったのではないかと見ておりまして、実勢という言葉がよく使われますけれども、それとは大分かけ離れたものがあらわれてきておったのではないかという感じを持っておりますけれども、年度が変わりましてどのようなことになりますか、相場のことでございますので予測は困難でございますが、この数日間というものは、私はちょっと普通でない要素がかなり出ておったのではないかと感じております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお答えの中でいろいろなことをおっしゃいましたが、ということはスペキュレーションというものはそうこの中には入っていない、こう受け取ってよろしゅうございますか。いま言われた年度末のこと、リーズ・アンド・ラグズのこと、そういったことがむしろ主体であってスペキュレーションというもの、いわゆる投機というものはそう入っていない。実勢とは違うけれども、それは必ずしも投機がすべてというか大部分でない、こういうお答えのように思いますが、その点はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 三月の初めのころにはかなりスペキュレーション、投機筋が入ったような印象を持っておりますけれども、この数日というのはまた別の事情、別の思惑とでも申しますか、ということではなかったかと、分けて申し上げることもむずかしいことでございますけれども、ごく大ざっぱにお尋ねでございますので感じを申し上げますとそんなことではないかと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そうなりますと、一日が土曜日で来週ですね、来週になりますと新年度に入るわけです。予算もいずれ通過をするわけですが、ということは来週になりますとやや落ちつく方向にあると、これはわかりませんけれども、長官のお話を聞いていますとそういう感じを受けるんですが、私もそうでなければまた困ると思いますけれども、その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) このように連日上げ幅が大きいというふうなことは、これは大変異常なことでそう何度も私は繰り返されることではないような印象を持ちます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これはいろいろ原因等がありまして、私も予算委員会の総括でも触れましたし、また集中審議等でも触れてまいりましたけれども、まずわれわれの方の側、特に日本側という立場に立っての対策について申し上げたいと思いますけれども、昨年来いろいろ施策を講じてこられました。補正予算も第一次を組み、またその後円の急騰によって第二次補正、総合経済対策、さらに三月二十五日には七項目にわたる対策が講じられたわけでございますけれども、こういう対策が一向に効果をもたらさなかったと言えると思います。結果論的ですけれども、円高という点だけを取り上げますと。これはこういった対策が実際現実にいろいろ行われていない。たとえば緊急輸入にしてもまだまだウラン鉱を初めとしてまだ進んでいない。そういう対策として声だけ上げられて実際にその対策が進んでいないからこういうふうなことで依然として円高ドル安ということになってきておるのか。それとももうこういった対策は幾ら国内的にやってもなおかつそれ以上にドル安といいますか、アメリカがドル防衛をしないあるいはまたアメリカの石油の輸入が多過ぎる、また石油を使い過ぎておる、そういうふうなことが日本の国内対策を講じた以上に強い力でこのようになってきておるのか、その点はどのように長官は分析をされておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 政府も幾たびか対策を決定してまいりまして、それは対内及び対外両面にわたるものでございますが、対外はやはりわが国の経済の基調を変えようというのでございますから、当然相当長期の長い時間かかりまして効果のあらわれる種類のものでありますし、いわゆる緊急輸入にいたしましてもある程度のものは実行は行われたわけですけれども、これもいざ輸入に統計上立ちますのにはかなりの時間がかかることでございます。そういう意味でこの日々の相場というのはジャーナリズムの表現によりますと、政府がきのうこういうことを決定したがそれをあざ笑うようにきょうこういう相場になったという表現でございますが、それはやや相場の方が政府のやっていることと無縁といいますか、無関係に別の事情で動いておったような感じを私は持っています。しかし、これは少し時間をかければ政府のやっております対策がわが国の経済の基調を少しずつ変えていくわけでございますから、地合いとしては時間がたてば相場を安定させる効果を持つと私は思っております。政府のやっております中でも緊急輸入というのは非常に早く大きく何か効果的な手があればこれは相場にも反映いたしますでありましょうけれども、不幸にしてなかなかそういうかっこうなものがございません。それもございまして、相場は相場でこの年度末ことに動いたということではなかったかと思います。いまずっととっております対策はしたがって必ずある時間がたちますと体系を変えてくる要素になってくると私は考えています。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 ただ昨年の末から数えますとかなりたっているわけですね。十月、十一月、十二月、一月、二月、三月と半年近くたってきてなおかつまだ余り効果が出ていない。いま長官は時間がたてばとおっしゃいました。それは物によっては一年ぐらいかかるのもあるかもわかりません。しかし半年たったわけですからかなり出てきてもいいのではないか。それにしては私は遅過ぎるような気がしてならぬわけです。その点についてはどうお考えなのか。またいま時間がたてばと言われたのは大体どの辺を目安とされておるのか。本年度予算が施行されてかなり前倒しでいろいろやられると思いますので、大体五月あるいは夏ごろそういった点が目標とされておるのか、その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) こうやって連日また円高というようなことが新聞やテレビのトップをにぎわすような事態というものは、私はもうぼつぼつ終わるのではないかという感じすら持っております。これは何も政府の施策がそこで全面的に功を奏したからというばかりの理由で申し上げているのではございませんので、先ほど申し上げましたような一時的な要因というものがなくなってまいりますから、それとあわせまして予算を御承認いただきまして、この執行が本格的に行われる新年度、それもそう遅くない時期に円相場というものがこれほど毎日の話題になるというようなことは変わってくるのではないかというふうに私は考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 緊急輸入の件ですけれども、これも政府が目標を出しても実際やるのは民間ですから、なかなか民間の思惑等もありまして大変むずかしい問題が多いわけです。またこの七項目の対策の中でも緊急輸入を言われておりますが、これもいままでの結果から見ますとかなりかけ声倒れになっておる、しかもやってもそう大してドルが減らない、それよりむしろどんどんドルが売られて、それを買うことによってそっちの方でどんどんたまってしまう、まあ極端に言えば買えども買えどもまたたまってくると、こういう事態になってくると結局むだなものばかり買ってしまって結局何にもならなかった、そういう危険も私は大変出てくるのではないか、こう思うわけです。これに対して、いま言われた対策がずうっと効いてくるということと、緊急輸入をして少しでも減らすこと、それだけでは私は何かむずかしいような気がする。  そうすると、あと残された手は何なのかということを考えますと、私はこれはいいという意味で言うのじゃありませんけれども、最終的には何かインフレでも起こさないと円高がおさまらないのじゃないか、そんな気がしてならぬわけです。アメリカのドル安の中にもやはりアメリカのインフレというのが一つの原因になっていると私は思っておりますが、その点どう長官は考えられるか。アメリカのインフレがドル安にどの程度影響を及ぼしているか。またわが国があと残る手段はもうインフレをやるしかないというふうなことになってしまったらこれは大変なことになると思う。せっかくこの円高も一つの影響として、それだけではありませんけれども一応物価はいま鎮静ぎみですが、しかし物によっては上がっておるのもありますけれども、この点非常に私は憂えているわけです。こういう勘ぐりはよくないかもわかりませんが、政府は最後の手段としてインフレを考えているのではないか、こういう気さえしないでもないんですよ。その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) せんだって報道で読んだことでございますが、恐らくほぼ正確ではないかと思いますのは、アメリカの連邦準備制度のミラー議長が、昨年の九月以降からのドルの減価というものによって米国の消費者物価に〇・七五ぐらいの影響があるということを言ったように記憶しております。これはわれわれが考えておりますよりはこの数字は小さいのでございますけれども、恐らく米国の主たる一番近い貿易相手はカナダであり中南米でございますので、それらの通貨と米国ドルとの関係はマルクや円に対するほど変化しておりませんから、総合的な答えとしてはそんなことになるのかもしれませんが、しかし、これはドルの対外価値が米国自身のインフレーションにかなり影響を及ぼしているということを言うために言った発言のようでございます。  したがって、基軸通貨国としての云々ということはアメリカの大衆にはわからない問題でありますことはいつぞやも矢追委員にも申し上げましたが、自分自身のインフレの問題としてかなり政治の課題、大きな優先順位の高い問題になりつつあることは事実でございますので、いろいろなことから判断いたしますと、総合的なインフレ対策というようなものをアメリカとしても恐らく考える段階に来ておるのではないかと想像いたすわけでございます。それは確かにドルの対内対外価値の立て直しには効果があると思いますので、早くそういうことをアメリカとしても考えてほしいと私自身も考えておりますが、他方で、しかしわが国がインフレーションの危険をはらんでおるかということでございますけれども、私はいまそういうふうに考えておりません。かつて一九七二年でございますか、過剰流動性という問題がございましたけれども、いまそういう状況になるとは考えられませんし、もとより政府が意識的にそういう状況をつくり出して問題を解決しようというようなことはもちろん一切考えておりません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 そういうことを考えられると大変私も困りますので申し上げているわけですが、いま過剰流動性は心配ない、これはしばしば政府の御答弁として出てきておりますが、確かにM2についてはそんなにふえていないことは事実です。しかしM2に出てこない、いわゆる表には出てこない過剰流動性というのがかなりいま多いのではないかと、こう思っておるわけです。一つは、これだけ円高になり輸出産業等が大打撃を受けながらも株式市場では大変いま株価が上がっておりまして、昨日も大変な状況でございます。この株の動きを長官はどう分析をされておりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) どうもそのことになりますとますますよくわかりませんのですが、そもそもいまの日銀のと申しますか、いわゆる円高から来る流動性の発生以前に、設備意欲が非常にございませんから金融は極端に緩慢になっておったわけでございます。そこで機関投資家としてはどういう投資をするかということになりますと、土地というものはもう御承知のようなことでございますから、これは一種のいろいろな意味でのタブーになってしまっておりますからこの道はない。雑穀とか貴金属とかいうものはこれは機関投資家としては投資対象になりませんし、そういうことが根本にあったのではないかと思います。それから、確かにいま御指摘になりました流動性の発生ということと無関係ではないだろうと私も思っております。  もう一つ、私としては、わが国の経済が最悪の事態をどうも脱するのではないかという一種の先見性と申したいところですけれども、これは多少手前みそになるかもしれませんが、そんなような要素ではないかと思っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 この株の動きですが、私も余り株をやったことがないので株のことは詳しくわからないのですけれども、こういうふうな急激な上がり方の後はやはりまた急に暴落ということが出てくるわけですので、それだけにこういった不安定な状況というのは一日も早く脱出をしなければいけないのじゃないかと、こう思うわけです。したがいまして、それだけにいろいろな対策を私はきちんとしていただきたいと思う。というのは、いま株がいろいろされておるのも、もちろん個人が買っているのもあると思いますが、むしろ企業側がこういうふうに値段をつり上げてきておる。いま長官も触れられましたが、実際に資金需要というのは余りない、銀行は国債をその分たくさん買わされている、また企業も金がどんどんたまってくる、だから株でもやろうか。というのは、土地の方は、以前のニクソンショックの後は土地の方に動いたわけですけれども、土地もいま場所によっては上がりつつありますが、あのときほど強烈な上がり方はまだしてないので、だから今度は株の方に行っておる、あるいは金の方もいま大分相場が動いているような感じですけれども、そういうのは非常に私は健全な経済の動きではないように思うわけでして、これは何とかしなければならぬのじゃないか。しかし株をどうしても抑えるというようなこともできないでしょうから、私はそういった意味で、政府が国民に、特に企業の側にいわゆる見通しというものをきちんと、なかなかむずかしい問題だと思いますけれども示すことによって、大体こういうプログラムでこういうふうになるからこういった点でこう安定するんだとやってもらわないと、不信感というのがあってこういうところへ行くと私は思いますので、その点は切に要望するわけです。その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) すでに東京証券取引所理事長等々が過度の動きがないようにということは言っておられるように承知しておりますし、私は直接大蔵当局に確かめたわけではございませんけれども、一般投資家が不慮の災いをこうむらないようにということは政府としても注意をしておるように承知しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それから、先ほども少し申し上げました過剰流動性ですが、表に出てこない過剰流動性というのはかなり進んでいると思われますか。その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 計算上、どうしてもやはりそういうものが発生しておると考えなければ計算が合わないとは存じております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 それで今後の特にインフレヘの危険性というのは、やはり数字に出てこなくてもそれがどんどんふえればインフレに連動する、こうお考えになっておりますか。もしそうお考えになるとすれば、それを防ぐためにはどうすればいいのか、その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いまのようなわが国の経済の状況でございますから、いわゆるインフレというようなことになるというふうには私は全く考えておりません。生じました流動性を内部で処理をするというようなことになるのであろうと思いますが、私は直接その方の所管でございませんので、有権的にお答えを申し上げることがまことに恐縮ですができません。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 けさの新聞報道ですが、ストラウス代表が二十八日デトロイトで講演をしたという記事が出ておりまして、エネルギー対策あるいはインフレヘの懸念、これは先ほど申し上げた点ですが、もう一つむだ遣いをしない、こういうようなことを言っておるわけです。新聞報道だけの中身で簡単には判断はできませんが、何か深刻さといいますか、これぐらいの講演であればまだ本気になってドル防衛をする気はないんじゃないか。私もしばしば申し上げ、長官もアメリカのドル防衛に対しては最近ようやくその気になったようなことをしばしば言われておりますが、二十八日現在でもなおかつ私が受ける感想は、この講演の新聞に出た範囲内での感想で、ほかのいろいろな文献はまだ見ておりませんのでほかの人がどういうふうに言っておるかわかりませんけれども、少なくともストラウスというのはかなりな立場の人ですから、その人にしてまだこういうことを言っておるようじゃまだまだ日本に対して攻撃を加える可能性もあるんじゃないか、こういうふうに私は感じたわけですが、長官はどうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 私もそれは報道で読みました。要するにストラウス氏が、つまりドルの対外価値ということについてアメリカの大衆は無関心でございますから、あなた方はそうであろうけれどもこれはヨーロッパやドイツや日本ではもうドルはどんどん値打ちが下がっているんだぞ、ひいてそれはわれわれのインフレにも関係があるんだぞということを話しておるようでございます。確かにアメリカの大衆はそういうことを話さないとわからないぐらいこの問題には無関心であるということの証左だと思いますが、ああいう人とかその他政府の要路の人がだんだんああいう形でアメリカ国民に話しかけていくというのは大切なことだと思います。というのは、そこからドルの価値を守ろう、守らなければという政治上の課題が国民意識の中に生まれてくるわけでございますから、必要なことだと思いますが、逆に言えば、いまさらそんなことを言わなければならないほどのその程度なのかとおっしゃいますことも、まさにその程度でございます。残念ながらその程度でありまして、したがって、あれはきっとエネルギー法案の援護射撃であり、何らかのインフレ対策が必要だということのPRであろうと私は読んでおるわけで、それはわれわれにとって決して悪い方向ではないと思います。  もう少し円をやっつけるかというような云々ということをいま言われましたが、最近はそういうことはどうも正直ないようでございます。昨年のある段階ではあったのではないかと私は疑っておりますけれども、最近はさすがにそういうことではない。ただ、そうかといって、それならば大いに力を合わせて何か一生懸命急いでやろうというところまでも行き切らない。どうやら方向はよろしいのですが、われわれが考えている十分なところまでまだ来ていないというのが空気ではないかと思うのでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまの講演に関連しまして、エネルギー法案が通らないからというようなことがよく言われておりますけれども、仮にエネルギー法案が通過をしたといたしましても、いまいろんな備蓄を言われておりますし、実際炭鉱があのような状況であったから石油をたくさん買わなければならぬという必然性、両方含めてかなり油を買っておるわけですが、これが通ったからといって明くる日から油を買うのががたんと減っていわゆるアメリカの国際収支がよくなっていくという方向まで行くのかどうか、私は大変疑問に思っているわけです。アメリカだってインフレをある程度抑えまた成長もさしていけば、仮にエネルギー法案が通過をしたとしてもそれ以上のまた需要が出てくる可能性だってあるわけです。そうなりますとエネルギー法案が通過したら円高はおさまるだろう、あるいはドル安は減るだろうというのは私はこれも甘いのじゃないかと思うわけです。そういうことで、むだ遣いをやめろなんと言っているのもそういった点にあるのかなと思うのです。いま長官、まだまだそういう程度だというアメリカの姿勢というものがよくわかりましたけれども、エネルギー法案が通過した後どのようになっていくというお見通しか、それをお伺いしたいと思うのです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 確かにエネルギー法案が通りましてもいまの情勢から判断いたしますと、カーター大統領が当初考えておった内容とはずいぶん——いわば骨抜きの形になりますので、むろんこれが長いことの懸案でありますから通るということは一つの時期を画することにはなりましょうけれども、即効がすぐにあるという種類のものでは私はないであろう、早く通ってほしいとは思いますが、通ったからこれで物事が片づくというようなわけにはまいらないではないかと、矢追委員のおっしゃいますことは私もそのように存じます。  そこで、これは私確たる根拠があって申し上げるわけではありませんけれども、最近のいろいろなアメリカの要人の報道されております発言等を見ますと、やはり何かの総合的なインフレ対策というものがいろいろに議論されておるのではないかという想像をいたしておりますわけで、エネルギー法案の成立だけではなかなか問題の解決に十分だとは申しにくいということは米国の中でもだんだん議論されつつあるのではないかと想像しておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 アメリカのいわゆるドルたれ流し、かつてベトナム戦争当時は大変なドルのたれ流し、それがニクソンショックという形になったとよく言われておるわけですけれども、現在のドルたれ流しですね、あれとは大分違うと思います。特に発展途上国に対するいろいろなコミットメント、これが返ってこない。要するに貸し出ししたままでなかなかそれが取れない。そういった点でかなりドルがたれ流されておる。これも言われておるわけですけれども、これはドル安にどれぐらいの影響をしておるというふうに長官は見ておられますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ドルのたれ流しでございますが、一応バランスの上では産油国のドル収入のかなりのものがアメリカに返ってきておること。そして今後はともかくといたしまして、どうもサウジなどを中心にいたしまして、やはりこれはドルという形でアメリカに保管しておくことが一番危険の少ない方法であるというふうに考えられておるようでございます。これはいろいろな私は政治的なほかの要素も入っておると思いますけれども、そういうことでございますから、アメリカとしては一応そういう形では還流と申すのでしょうか、そういうものとして受け取っておるようでございます。  発展途上国の問題はアメリカの銀行筋にある程度あるわけでございますけれども、そしてこれはあるときはちょっと大きな問題になるかと思われましたが、何とか処理をしたようでございますし、アメリカの発展途上国に対する公的な債権につきましてはUNCTAD等の場で、まあ最貧国には何とか免除をしようというような動きがあるくらいでございますから、余り大きな影響はないのではないかというふうに思われます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いまのお話だと、いわゆるオーバーコミットメントなるものは何と考えられますか。いわゆる世界にいろんな基地を置き艦隊を派遣したりしている、そういった点も昔よりはずいぶん減っているわけですから、その点のオーバーコミットメントというのは私は前ほどではないと思います。そうすると、さっき言われた、もちろん還流はしておりますけれども、産油国にたまっておることが一番ある意味ではたれ流しなのか、その点はどのように判断されますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) カーター大統領及びその周辺の人たちの説明によりますと、アメリカの経済は成長も順当であるし、強い経済、したがってエネルギー法案等々が成立し、またアメリカ国民が先ほどのストラウスの言うぜいたくというのは、恐らく一つはガソリンの消費を言ったと思いますが、そういうことについてある程度歯どめがかかりということであれば、ドルは本来強い通貨であって、過小評価されておる、まさに矢追委員の言われましたような論理の推理であります。確かにオーバーコミットメントというものはかつてのようにはないわけでございますから、アメリカの成長のテンポと他の国のそういう成長とのすれ違いというものが直ってくればこれはもうますますドルが強いのであるという、こういうことを言っておるわけであります。他方で、ただ最近アメリカに対する各国の資本投下というものは実は少し減ってきているぞという説がありまして、これはまた別の事情であろうと思います。つまりアメリカの労働の質であるとかなんとかということと関係があるんではないかと思うのでございますが、そういう要素は大統領その他の人は申しませんけれども、あるのはあるように思います。けれども、全体としてはやはりいま矢追委員の言われましたような、私がまた追加して御説明申し上げましたような大筋で考えていいのではないかと私は存じます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 産油国の姿勢ですけれども、こうやってドルが安くなってきたということで、値上げの問題になりますけれども、まあイラクとクウェート、あるいはサウジ、イラン、いろいろ態度が違うようでございますけれども、全体的に見ましてドル安を補うための値上げということは可能性はかなりある。こうなるとまたいろいろな問題が出てくると思うわけです。また中東の和平ということも影響がゼロではございませんので、予測しにくいことですけれども、その点はどういう見通しをお持ちになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは真相がわかりませんので、委員会で申し上げるほど権威のある解釈ができるわけではございませんが、そういうものとしてお聞き取りいただくといたしますならば、やはりサウジが何といってもOPECの中で主導権を持っておりますから、そのサウジとしてアメリカからいまF15でございますか、この供与を受けるか受けないかということが非常に大きな問題のように思われます。そうして、このことはイスラエルとエジプトとサウジヘの戦闘機供与というのが米国の議会で一括案件として議論されておる関係もありまして、必ずしもサウジにとって楽観を許さない状況でございます。そういたしますと、そのこととの関連において、サウジはやはりある程度アメリカといろいろな意味で取引をしなきゃならない状態にあるのではないだろうか。もっと端的に申しますならば、そのディールができるということであればサウジとしても云々と、こういうことになっていくのではないかと思いますので、それが片方でハリド国王の書簡というものがうわさされながら、他方で今度はプリンス・ファハドがワシントンのサウジ大使館を通じて、自分の方はあくまでドルでいくんだというようなことを声明をさせたというような、どうもその辺のことをいろいろ総合して考えますと、いまのようなアメリカとサウジとの関係がございますから、サウジとしてはOPECでは何とか各国が値上げに走らないように努力をする、他方でそれに対してアメリカからも当然期待するものを期待する、こういう関係になっておるんではないかと、これはまことにただの想像でございますけれども、そういう感じを私は持っております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、長官が前々からいろいろお出しになっておりますいわゆる緩やかなローザ構想といいますか、宮澤構想、これしばしば私も質問を申し上げまして長官の趣旨はよくわかっておりますけれども、まあ今日の事態ですね、こういうふうな状況になって、ある新聞報道によりますとなかなかむずかしいのではないかというふうな記事も出ておりました。あるいはまた、第二外為会計ということも考えられているというようなことが出ておりますけれども、あくまでも長官は長官のお考えを進められる、またそれだけの自信はおありなのか、その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは前にも矢追委員に申し上げたと記憶いたしますけれども、結局アメリカにもわが国、西ドイツに起こっておることをよく認識をしてもらわなければなりません。それが何といっても問題解決の最初の段階でありますけれども、ぼつぼつそういうところが出てまいりました、まだ十分ではありませんけれども。これから総理大臣の訪米の機会までの間に、あるいはその機会を利用してとにかくお互いに共通の問題として対処しないとお互いに困るではないか、あるいは世界の先進国がみんな困るではないかというようなことまではとにかく米国の首脳部にもわかってもらった状態で、七月のボンの首脳会議につなぎたいと考えておるわけでございます。これは私の個人的な考えでございます。  で、恐らくボンに集まります先進国は、アメリカを除きまして、多かれ少なかれこの問題で苦労をしておるわけでございますから、やはり通貨というものはどうしてもあの先進国首脳会議の議題の一つとして落とすわけにはいかないという雰囲気になってまいると思います。そうしますと、アメリカはまあどっちかと言えば、いやいやながらと申しますか、一緒に物を考えなければならないということになっていくように持っていかなければならないのではないか。しかし、その際に恐らくアメリカは固定制度でありますとかいわゆるローザ構想であるとかいうものは、ことにボンドを発行するというようなことは、とてもそこまで考えるということにはなりますまいと思いますので、そうしますと、首脳が仮に通貨について各国が共同の関心を持とう、共同の努力をしようという抽象的な合意ができましても、何をするのかということは、それまでに何となく何かを考えておかなければ言葉だけに終わってしまうおそれがございます。何でもよろしいのでございますけれども、各国が共通にひとつこういうことをやってみようではないかということはぼつぼつ下図を考えておきませんと、言葉の上だけの合意に終わってしまいますから、そういうことをぼんやり頭に描いて申し上げておるわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま総理訪米のお話が出ました。もちろん長官も同行されると思いますが、されない場合は総理にすべてを託されると思いますけれども、もちろん大統領だけではなくて相当な要人ともお会いになると思いますが、いま長官がいろいろ言われた構想ですね、これは総理はもちろん賛成をした上できちんと長官の構想等も入れて訪米して米政府と折衝すると、これは間違いないと踏んでよろしゅうございますか。長官もお行きになったらいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる宮澤構想とジャーナリズムで呼ばれましたようなものは、そう具体的なものがあるわけではございませんからそれとして、総理にこれでお願いしますというようなことは申し上げたことはございませんが、ただいま申し上げましたような道筋でございます、そういう道筋を考え、その上でひとつ総理にも——実は訪米に始まりますより以前に、四月十日過ぎにはシュルツ経済諮問委員長が見えますので、この問題を中心に個別に表敬の機会に話を総理からしていただきたいと思っております。その後に総理には、ワシントンに行かれました後できるならばやはりそういう個別の機会もつくって総理のお考え、日本の実情をお話しいただきたいと思っておるわけでございます。しかしこれはもう先進国両国かの共同の合意が要るわけでございますからその段階で結論が出るわけではありませんで、そういうことを固めていきまして、ボンでそういう合意というものを先進国の首脳の間でしていただきたいと、その中身はともかくといたしまして、やはり共同で対処しなければならないという問題の確認でございます。そういう道筋につきましては総理の御承認を得ております。積極的にそのように総理大臣としてお運びいただけるお考えだと承知をいたしております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 これはまた総理もおられる締めくくり総括で詰めた方がいい問題かと思いますけれども、長官に感想として伺っておきます。  私はもう昨年の円の急騰のときにも予算委員会で総理に、アメリカに対して強いドル防衛をやるように要請をしたわけですけれども、そのときの総理の答弁というのは、まあアメリカとは絶えず接触をしておるから心配ないんだというふうな、そう強くアメリカにぱちっと言うというふうなそういう感じじゃなかったわけです。ところが今年に入りまして、この参議院の予算委員会では相当総理の態度は変わってきたように私は思うのです。かなり強い姿勢で物を言うと。しかし、首脳会談でどうかという私の質問に対しては、余り強くアメリカに対してドル防衛を要請するというニュアンスは、昨年度よりはまあ強くなっていますけれども、いま宮澤長官の言われたようなふうなことではまだないんじゃないかなと。そういう点で私はちょっと一抹の不安といいますか、アメリカへ行ってカーターさんと会うと何となくやられてしまいそうな感じがないでもありませんので、長官が行かれるならいいですけれども、お行きにならないということですから、相当総理に強い要請をしておいていただきたいと、これは締めくくりでも私は詰めたいと思っておりますけれども、そう思うのですけれども、その点いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 総理はやはりこの経済問題につきましても全体の立場から考えておられますから、確かにそういう問題ではあるのだが、わが国としてやはり成長の確保であるとかあるいは経常収支の黒字幅削減についてもう少しやるべきことをやはり一つ一つやっておいて、その上で言うことは言わなければならないという意識を強く持っておられる。これは私当然なことだと思います。でございますから、すぐに効果は出ないにいたしましても、先般来の内需についての対策あるいは対外的な対策等々をやはり一つ一つ決めていってその上でと、そういう手順をお考えであったようで、それが矢追委員のお受けになった印象になっておるかもしれませんけれども、私ども一つ一つ内外へそういうことをとにかく決めていっておりますので、その結果があらわれるのはこれは時間がかかってもやむを得ませんが、ベストのことは日本政府としてしつつあり、したということを踏まえてやりたいと、こういう気持ちがいままでの答弁にあらわれておったのではないかと思います。それに関する限り現在でも確かにそういう両面から総理が考えておられるというふうに私も観察しております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 次に、これもいろいろ出た問題ですけれども、三月十三日のアメリカと西独の間の合意、いわゆるドル防衛に関する話し合いがまとまりましたけれども、日本との間にはこういうのはないわけでして、アメリカは西ドイツならこういうふうなことをやる、日本とはやらないということは、まだ日本の円は低いと見ておるからこういうふうなことなのか、あるいは日本に対してまた西ドイツとは違った見方をしているのか、その点私はよくわからないんですけれども、仮に日本とアメリカの間の貿易のバランスがある程度とれてきて、なおかつまだドルが安くて円が強くなってきた場合においてはこういうふうなこともあり得るのかどうか。スワップあるいはまたSDRの件ですね。アメリカのSDRを買って日本が円を向こうへ出すというようなことですね。そういうことが出てくるのかどうか。この点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) あのときの週末の西ドイツとアメリカとのディールが西ドイツにとって満足すべきものであったのかどうかということは、はっきりわかりませんけれども、どうも私は必ずしもそうではなかったのではないかという印象を持っております。スワップでありましたら前からやっておることでありますし、わが国もやっておることでございます。で、SDRをあの程度のものを売るということは、言ってみれば資産処分をしたと言えば姿がいいようなものの、それ自身で実はそう大きな意味を持つわけでもない。たとえばボンドを出したというようなこととは格段の違いでございますから、あれが西ドイツ側から見て満足すべき解決であったかどうかは、ちょっと情報もありませんけれども私は少しどうかなと思っている点がございます。ですから、そういう意味ではアメリカと西ドイツとのこの問題についての完全な意思の疎通が満足な状態でできたというのではないのではないかという感じを私は持っております。それでもわが国に比べますと、先ほど御指摘のように、西ドイツは一九七七年の対米黒字はたしか十億マルク程度でございますから、ドルにしますと五億ドルぐらいなものでございます、わが国とはかなり違います。それにマルクの持っております地位が円の持っております地位ともいろいろ違いますから、恐らくマルクの方の優先度がアメリカにとって高い、これはまあ客観的にやむを得ないことだろうと思いますが、先ほど申しましたように、しかし、だんだんアメリカも一般的にドルの対外価値ということについて各国から言われ、自分の国のインフレもあることで気がつき始めておりますから、先ほど申し上げましたような道筋で七月の頂上会談までの一つ一つステップを運んでいきますと、その場で何かの合意ができてくるのではないか。これはいわゆる先進七ヵ国でございますか、の間でできてくるんではないかと期待しているわけでございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 日本はこの円高になって大変騒ぎが大きい、もちろんそれなりに影響を受けておる業種も大変多いわけでして、私はこれに対する対策は政府自身が怠慢であったと、こういう点は非常に重要な問題だと思います。私は西ドイツやスイスの深い詳しい状況はよくわからないのですけれども、日本のような騒ぎ方といいますか、そういうことをやっていないのではないか。というのは、もちろん最近の急騰のような形でマルクやスイスフランが上がってはきておりませんけれども、上がり方についてはかなりマルクもスイスフランも高いことは事実です。それはやっぱり一つに、国民の側から見た場合、西ドイツの場合はマルク高というものは直ちにその日のうちにその相場が消費者物価にはね返っているという、これが国民から見ればマルクは高くなった、強くなったんだ、いいことではないかと。けさはハムエッグが安く食べられたと、こういうことになっているわけです。ところが日本の場合はそっちはないわ、輸出はやられてしまうわということで、結局マイナス面しか強調されてこない。大変この騒ぎがますます大きくなって、何かよけいそれがまた拍車がかかって変な方向に行ってしまって、私がいま言った株価に見られるような異常な現象、またそれを何とかしなきゃならぬということで、また政府も公共事業一本やりでそっちの方だけがどんどん伸びて、これまた偏った経済運営になってしまう。  したがって、私はこの円高の差益還元、昨日も日銀総裁が公共料金の方にも及ぼしてもらいたい、暗に電力、ガスの値下げという点にも言及されたやに新聞報道で伺っておりますけれども、これはひとつ真剣に長官も取り組んできておられると思いますけれども、まだ具体的に本当に下がっているという実感が国民にはないわけです。航空運賃もそうですね。それから牛肉も下がってはいますけれども、物によっちゃまだ輸入肉が上がっている面もあるんです、現実の一般の方では。それから特に洋書ですね。これはまだ交換率がたしか三百二十円ですか。依然として五十三年二月米ドル書籍換算率は三百二十円ですね。こんな状況で洋書なんかも下がっていない。徐々には換算率は変わってきていますけれども、実勢とはもう百円違いがある。こういうふうなことがどうしてこうてきぱきできないのか、いろいろな問題あると思うのですけれども。  これはひとつ長官は英断をふるっていただいて、消費者が本当に円高でもいいんだと、これはもうしようがないんだと、こういう国際情勢の中だから、しかしこれだけプラスがある、マイナス面はみんなで知恵を出して補ってやっていこうと。これをやっぱり指導していくのが政府だと思うのですけれども、その点が足りないからこの円高騒ぎというのが大変な騒ぎになっていく。これは下手をすると、非常にこれからを心配をするわけです。パニックにならぬとは思います、なったら大変ですけれども、そういう点、ひとつ強力な指導を——言われておりますけれども現実に出てきていない、ガソリン、だって下がってないとは言いませんよ、少しは下がっているんです。しかし実際この一年間の上がり幅から比べてまだまだだめである。それはやっぱり国民の間に不満になりそれが政治に対する不信ということで出てきているわけですから、この点をひとつお願いしたいと思いますので、具体的にきちんとお願いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の貿易構造につきましてはよく御存じでございますから繰り返して申し上げませんが、それを前提にいたしまして、しかしやはり円高がうまく還元されているかいないかということは、自由化が進んでいる分野、その中でしかも自由競争が行われている分野で一番はっきりしておりまして、そうでない場合に一番これがあらわれない。先ほど言われました、まさに勤労者にとって朝のマーケットの野菜であるとか肉であるとかいう、ECの域内あるいはECの域外から入ってくる物がマルク高によって安くなっている、そういうことはわが国の場合実際に見られないわけでございます。これは農業問題というのはむずかしい問題との関連もあって急にどうなるわけでもございませんけれども、そこがやはり消費者にとっては円高というものが一方的なデメリットとして映りやすい根本のところだろうと思います。しかし、それでも自由化されている分野はもう相当広うございますから、その中で十分に競争条件が整うように追跡調査などもいたしまして国民にも消費者にもそれを知ってもらう努力は従来からも少しずついたしてまいりましたが、これからもいたすつもりでございます。やはり円高というものが、第一に雇用をこれ以上脅かさないという、第二にそれが国内の物価の低下によって消費者に利益をもたらすように、その二つのことは私どもの役所としても全力を挙げてこれからやってまいらなければならない問題だと考えております。最善を尽くしたいと思います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 最後に、こういうふうな時代になりましたので再々言われながらできておらない産業構造の転換、こういうことを含めて通産省では長期ビジョンが毎年出されておりますけれども、私は余り変わったものが出てきたように思っておりませんし、また政府もいわゆる長期の経済見通しといいますか、経済計画、これもいまのところは変える方針はないという総理の答弁です。そのほかいろいろな各五ヵ年計画とかいろいろございます。こういうのをひっくるめまして、また財政収支試算等は大蔵省から試算として出ておりますけれども、こういった段階に入ったんですから、やはり中長期ビジョンというものをもう少しきちんとした形で出さなければ、いま大臣の言われた雇用不安の問題だってこれはますますつのってくるわけです。これはもう早急に手をつけて出していかなければならないと思うのです。そうしないと本当に見通しのない船のようなものでして、羅針盤のない船が日本の現在の状態ですから、これは一番企画庁が主導権を持ってやられることだと思いますので、これはある程度円が落ちついたら、あるいは景気がある程度安定——ということは五十三年度予算でトンネルを脱出した暁に新しいものをつくられるのか、あるいはそのトンネルの脱出の中にもう方向づけを私はしなきゃいかぬと思うわけで、私は早急にいままでのものを全部見直して、そうして新たなビジョンというものをつくる必要が迫られていると思う。それがまた国民に対して安心感を与えることだと思うのです。その点はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) トンネルを抜けるということにいま苦労をしておるわけでございますけれども、どうやらこれは抜けられそうだという感じを持っておりますが、その後がどういう景色になるかということがもう一つはっきり実はいたさないものでありますから、いま考えておりますことは、この五十三年度の経済運営がまずまず私どもの考えておりますようにいくかいかないかということは、夏を過ぎますとほぼ私ははっきりすると思います。  そこで、いくといたしまして、そうなりますと先々、今度トンネルの後のいわゆる石油危機からまあ大体離脱したなという後のわが国の姿というものをどうしても考えなければならないし、そうなりましたら、多少景色が開けてきて考えられるのではないかと思って期待しておるのでございますが、そういうときになりましたらいま矢追委員の言われましたような問題をやはり考えてみなければならないんではないかと思っております。その時期は、したがって五十三年度完全にトンネルを抜けてからということでありますよりは、むしろそこのところがかなりはっきりしてまいりました時期ごろからぼつぼつ考えなければならぬのではないかと、こう思っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まず最初に、今回の政府がとりました内需拡大の対策を含めまして、三月の二十五日に開かれました経済対策閣僚会議で七項目が打ち出されましたね。われわれは何といっても基本的には内需を拡大することが最優先と、こういうふうに考えておるわけであります。  そこで問題は、この内容を見ますと、一つは公共事業の促進、それから二つ目は金利等の引き下げ、三つ目は民間投資の促進、四つ目は雇用対策の推進、五番目が構造不況業種対策、六番目が中小企業対策の推進、七番目が対外取引の円滑化等と、こういうふうに出されているわけであります。これを見ますと、やっぱり一から三までは大体内需拡大対策が中心になるのではないか。それから四ないし六までは摩擦対策、あえて私に言わせれば摩擦不況対策ということの対策になるのではないか。そして七が少々直接的な黒字減らし対策と、大筋の対策を見まして、いま私が申し上げたように三つに分かれた対策になっているのではないか。  そこで問題は、何といっても内需拡大が果たして可能なのかどうか、あるいはこの七%経済成長というのは、結果的にはこの足取りが重くなって七%経済達成は非常に危ぶまれる、こういう結果になるのではないか。傍ら米国、ECなどの経常の収支を何とかひとつ圧縮をしなさいと、こういう強い諸般の要請が行われている。また相変わらず円高はきょうも二百二十二円という連日記録を、最高の円強さを出しました。こういう状況等から判断しまして、行政当局の一部の中では、通産大臣あたりが輸出の法的規制はすべきでないと、できるだけ調和をとりながらというようなことを言っているわけですが、現実の問題として河本通産大臣がおっしゃるように投資費用が前年度の五%減、約一兆円だと、輸出額が減少した場合にこれは経済成長が一%低下をすることになるから雇用不安に重大な影響を与える、これも見方によっては一理があるわけでありますが、さればといってこのままずうっと円が強含みでいったら、二十四日の予算委員会でも私は申し上げましたが、現に繊維、合板、輸出中小企業関係はかん詰め工場を初めもうきわめて打撃が大きい、まさに壊滅的状態になるおそれがある、こう輸出関連中小企業は切実に訴えているわけです。  そういたしますと、長官に私はきょう基本的にお聞きしたいことは次のことであります。なるほど内需拡大の中で、本四施工以外の大型プロジェクトの年度内着工は可能性があるということを言っているわけでありますが、こういう意味から言って、果たしてこの内需拡大で実際に乗数効果があらわれるのかどうか。それと円高の二百二十二円台という結果の状態の中では、そういった意味で言うと、逆に中小企業産業は非常に壊滅的打撃を受ける。そうすると、内需拡大ということを言ったってなかなかそういかないんじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点長官はどのようにお考えになっているか、まずこれを冒頭にお伺いしましよう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお話しのございました当面の経済対策のうちで、いわゆる政府が財政主導によりまして早速に取りかかりたいと考えておりますような種類のものが、公共事業の前倒しでありますとか大型プロジェクトでありますとか、ついでに金利も含めますが、それとか住宅金融公庫による住宅の建設、電源、石油基地等々になるわけでございますが、これはやはり御審議願っております予算の中の中心になる幾つかの項目でございますから、年度が始まりまして予算の執行が可能になりましたら直ちに日限を切って取りかかりたい。一年のうちいつかやればいいというようなのんきな経済の状況でございませんから、早くやればやるほどそれだけ波及効果が大きいわけで、その準備をしかも日限を切っていたそうというのがただいま申し上げましたような幾つかの項目の趣旨でございます。他方で対馬委員の言われますように、雇用対策、構造不況業種対策、中小企業対策等々は、いわゆる摩擦をいかにして最小限にとどめるかということに関係をいたしておるわけでございます。  そこで円高というものが出てきて、政府の公共事業の波及効果がいろんな意味で妨げられるのではないか、したがって七%の成長もと、こういうお尋ねの御趣旨でありますが、それは確かに円高というものがことに急激に起こり、かつ将来が不安であるということは、撹乱要素であることはもう間違いございません。しかしながら、これだけ政府が主導を取りますということは、やはりこれはこれなりに国民経済に相当な大きな影響を与えるのでございますから、多少の撹乱要素はございますけれども、私はやはり当初期待していった効果に近いものを上げてくるのではないかと思っておるわけでございます。他方で円高というものに対処することは、わが国のことに中小企業輸出関連企業にとってはもう容易なことではありませんから、これを軽々しく考えるわけにはまいりませんが、同時にしかし何とか対処しなければならないという、本当に血の出るような努力も他方でなされておるということも事実でございますから、そういう努力と相まって何とか所期の経済成長を当初は政府が主導をとりまして達成いたしたいと考えていますし、それは可能であるというふうに私は現在信じておるわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 まあ、必ずやれると信じなければこれは政策達成はできないわけですから、そのとおりなんでしょうけれども、問題は、具体的にちょっとお伺いしますが、われわれは基本的には本四施工とか大型プロジェクトは反対であります。生活関連投資を優先をすべきだという基本に立っていますから、公共投資のやり方については反対でありますけれども、それは別にしまして本四施工はともかく確かにこれは年度内着工という可能性で現在やっておるのですが、後のプロジェクトを見ますとほとんど調査段階にあるわけでしょう。調査段階のものがどうして内需拡大に一体つながっていくのか、私はそこは盲点だと思っているのですよ。言葉では七%を達成したいとか拡大は可能であるとずいぶん言うのですが、実際に私が調べた中ではやっぱり本四施工以外はほとんど調査段階である。そうすると着工の段階にならないのじゃないか、それでどうして投資効果が出るんだろうかと、これが一つ。  それから二つ目は、住宅投資につきましても、毎年建設戸数が約七割を占めている一番大事な民間自力の建設分について今回は何らの対策がとられていないわけですよ。確かに住宅ローンその他の問題がありますよ。住宅金融公庫あるいは公社の問題がありますけれども、しかし七割という民間自力の建設分についてはどういうふうにそれじゃ具体的に目標達成ができるのか。こういう問題についてはやっぱり困難があるのではないか、こういうふうに考えますので、この点ひとつはっきりしてもらいたい。ただ決意だけで、気構えだけでいや達成したいとか、いややりたいとかと言ったって、そんなものはしょせんマスターベーションであって、やっぱり客観的にも主観的にも裏打ちできる、なるほど国民がそうだということにならなければ私は七%にしたって内需拡大にしたってならないのじゃないか。それはいままでそれ相当に政府がやってきた結果がそうなっているんじゃないか。私は口が悪い方だからずばり申し上げるのだが、その点ひとつ率直にお伺いします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 当面の経済対策についての中で、たとえばただいま御指摘になりましたのは整備新幹線であるとか新関西国際空港であるとか、こういうものは五十三年度において少しも内需拡大に貢献しないではないかとお尋ねでございましたが、そのとおりでございます。これらのものは五十三年度の経済運営に直接の拡大効果を及ぼすものではございませんが、実はこれらのことは従来政府部内においていろいろに議論されながら、一体具体的にどのようにしてやるのか、むしろやるのかやらないのかすらいろいろ問題になっておったわけでございますので、この際将来に向かって整備新幹線については九月の末まででございますかに基本的な具体的な計画を作成しようということを決定いたしております。関西新空港につきましてはそれほど日限をはっきりさしておりませんけれども、これは五十三年度の問題と申しますよりは、将来に向かってこういうものをやっていくという意思の決定をこの際いたしたということでございます。五十三年度に即効がないということは、これはもう対馬委員の仰せのとおりであります。  それから住宅でございますが、住宅金融公庫の貸付条件等々かなり緩和をし、戸数もふやしておりますことは御承知のとおりですし、他方で住宅減税も新たに盛り込んだということもございまして、百六十万戸程度の達成を期するということで建設省を中心に非常に努力をしていただいておりまして、これは可能であると考えておるわけでございますけれども、なお関係の建設省の方から御説明があるかと存じます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま長官は、結果的には調査段階で単年度としての効果ということにはならないという私の意見をお認めになった、まさにそのとおりで反論はしませんが、私はやっぱり住宅投資にしたっていま長官がおっしゃっていますけれども、これは七割ですよ民間の占めるシェアが。この七割に対してやっぱり差額の利子補給制度ぐらいやらなければこれは実際に効果は出せませんよ、はっきり申し上げて。私はここで明言しておきます。再び来年の予算委員会であなたに会って、一体長官どうなったのかということを確認します、そのとおりいったのかということを確かめますけれども、これははっきり申し上げてそうなりませんよ。ぼくは自分のことを言っているのではなくて実際に聞いてみたんです、民間のそういう建設業界を含めて。ところがそれは話になりませんと言うのですね。結果的にはやっぱり利子補給その他の差額を見てもらわなければ民間の住宅の設備投資のあれは出てこないと、それはやっぱり官僚的発想だということではっきり言われましたけれども、ここらあたりも実際にどういうお考えを持っているのかということを対策を含めてお伺いします。  それからもう一つは、民間設備投資の関係は、時間もありませんから長い答弁は要りませんが、民間設備投資の問題でもそうでありますが、電力投資を政府は重要視している。特に五十二年度は三兆円前後に対しまして五十三年度は五兆円見当という話まで出ているわけです。そこで増加率が大体六七%になっているのですが、これは日本開発銀行の間違いじゃない、開発銀行がうそを言えば別としましても、開発銀行が出しているのです。これ、開発銀行が電力投資につきまして。これを見ますと、日本開発銀行が発表したアンケート調査によると電力会社筋では五十三年度当初増加率は二四%の答えであるということを言っているわけです。これは日本開発銀行ですよ、まやかし物じゃありませんからお見せします。政府計画は余りに過大ではないのか。ここらあたりからも私は率直に申し上げると民間設備投資についての政府計画はなかなか達成困難じゃないかという判断をしているのですが、これらの対策を判断も含めてお伺いします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 民間のローンによる住宅建設について、利子補給をすべきかどうかということは予算編成の過程で実は議論になったわけでございますが、そのような利子補給を銀行に対してするということはいろいろやはり問題がありそうに私ども思います。また、私どもばかりでなくこれは世の中にもいろいろな御議論があるのではないかと思います。したがいまして、現実にそういうことをする個人に対して税制上の減税措置を講じた方が社会的にも公平で有効ではないかということで税制の方で処置をすることにいたしたわけでございます。  それからいまの電力投資でございますが、三兆一千六百億円余りが私どもの見通しでございますが、これは五十二年度の実績見込み二兆四千八百億円に対して二七%の伸び率、これが私どもの積算の根拠でございますが、これ自身はいまや三兆一千六百億は固い数字であるということはほぼ各方面で私は議論がないのではないか、九電力、電発等々全部合わせましてこういう数字は間違いがなくて、むしろこれに何がしかの上積みができるかどうかというのが議論になっておると考えますので、この点についての見通しに過大はないと考えております。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(服部典徳君) ただいまの経済企画庁長官の御説明を若干補足して申し上げます。  五十二年度の全電気事業設備投資の見込みを最近時点において調べましたところ、私どもは大体二兆六千億弱という数字を把握いたしております。それに対しまして五十三年度は約三兆二千億ということで大体二〇%増加というのが見込まれているわけでございます。先生御指摘になりました五兆というのは、この三兆二千億の設備投資のほかに五十四年度以降の設備投資分を五十三年度に繰り上げまして発注を行う、これが現在一兆強見込まれております。これを電源立地を円滑に進める方策をとることによりましてさらにこれを上積みいたしまして設備投資額及び繰り上げ発注額を合計した額が五兆という額に到達するように、これが目標でございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そうしたら結果的にどうかというと、いま通産省の考えていることの実態もそうですが、私もこの間九州の佐賀県まで原発等のあれで行ってきましたし、全国的にずいぶん見て歩いていますけれども、これは政府判断どおりいきませんよ、私の見通しでは。かなりいま原発に対する安全性を中心とする国民世論が変な方にいかなければいいなと思っている、成田の二の舞いになるようなことがあったら大変なことになると思っているのだが、しかしだんだんエスカレート——私は北海道ですけれども、現に北海道共和町に原発計画をしてから何だかんだ言ってもう足かけ四年になるわけです。こういう問題について計画はそうだろうけれども、実態的に見ていくとそういう計画になっていかないんじゃないかということを実際に歩いて目で見た判断として私は申し上げておるわけですよ、聞いた判断として。だからそういう点からいけば、私が言っているのは仮に繰り上げをして五兆円と、その増加率でいくと六七%になるわけですが、仮に長官が言うようなことだったとしましても、私は五十三年度の投資増加率というのはまさに日本開発銀行が出している二四%あたりというのが最高のところじゃないかと、こういうことを率直に私は言っているのです。だからそういう判断をしていかないと、いきなり拡大々々というようなことだけ言ってしまって、出た答えが全く縮小だったということになったらこれは大変なことになるのじゃないかという危惧の念をいたすものですから申し上げているわけでありまして、この点ひとつそういうふうにならないように強く申し上げておきたいと思います。後ほどありましたらひとつお答えを願いたいと思います。  次に、経常収支目標について、政府はさきに行われましたECとの通商協議におきまして、五十三年度の経常収支の黒字が前年度実績見込みに対しまして大体三分の一程度圧縮する見込みである、こういうことを一応出されました。まあ三分の一ということになりますと、五十二年度の実績見込み、当初百億ドルと見込んでいるようでありましたが、今日の段階でどのくらいになるとお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 百億ドルという政府の見通しでございましたが、もうぼつぼつ年度も終わりになってまいりまして、申しわけないことでありますが、政府が過小見通しをしておりましたことはもう明らかであります。三十億ドル以上の過小見通しでなかったかと考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そうしますと、結果的に五十三年度ECとの、つまり三分の一程度圧縮するということが、政府の当初の方針は六十億ドルですから、このままで行くと大体百三十億ドルと、これに対する三分の一圧縮するということになれば、これは結果論でありますけれども九十億ドル前後が大体の見通しということになるんでしょうか。そうすると、結果的には六十億ドルはいまの時点からもう修正をせざるを得ない、こういう結果になりませんか。つまり、このままでいくと百三十億ドルになる。当初は七%、経常収支は六十億というのが政府の大方針ですね。同時に国際的な方針でもあるわけだ。しかし、結果的にはECとの間に三分の一圧縮するということをあなた方が国際的にも合意しているんだが、そうしますと三分の一というのは、百億に対する三分の一というならわかりますよ、百三十億ドルに対する三分の一ということになると約九十億近くになるんじゃないですか。もはや経常収支六十億ドルというのは今日の段階で見誤りをしたと、やっぱり修正はせざるを得ないと、こういう段階に来ていることを率直に内外にぼくは言うべきではないかと思うんだな。何かわかったようなわからないようなことを言って三分の一という表現でごまかしているわけでありますけれども、結果的に三分の一と称するのは、これは子供でもわかることなんで、百三十億ドルに達したとするならば約九十億ドル近くにいくんじゃないか、こういうことになりませんか、この点どうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 予算委員会におきまして牛場大臣が御説明になられましたとおり、ECとしてはわが国の経常収支の黒字幅、ECとの関係でのグローバルな黒字幅、ECとの関係での黒字幅等について具体的な数字をこの共同声明に述べたいということをずっと言っておったわけでございますけれども、これはもともとわが国の問題でございますし、事柄の性質上数字で述べられるものではないというのがわれわれの基本的な考え方でございます。しかし、向こうも九ヵ国を代表する委員会としていろいろ対内的な立場もあるというようなことでございますから、まあ交渉を壊してしまうことは得策でないと考えましたので、ある程度先方の立場も考えまして、このコミュニケの表現は、したがって所によって余りすっきりしていない表現が使われておりますことは事実でございますけれども、ここで私どもが申しておりますことは、いまの百三十億ドルとか百四十億ドルとかということを申しておるわけではございませんで、一応政府の見通しである百億ドルというものを基本に考えてこういう表現をした、こういうふうにお受け取りをいただきたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いや、長官どう言おうと、ECとしてはとにかく経常収支六十億ドル、七%ということをあえて、つまり共同声明をしたいということだったんでしょう。それがかなり裏話を聞いておりますけれども、相当な日本側の強いあれもあって、しかしまとまったところは三分の一なんだ、これはどう言おうと。これはECとの合意の基本というのは三分の一、国際的に。  私が言いたいのは、三分の一と言った限り、われわれは七%、六十億というのが一つの基本方針にあるけれども、今日の時点でもう百三十億ドルという状態になるんじゃないか、はっきりしているじゃないか、ごまかしたってしようがないでしょう。しかしヨーロッパ人だろうとアメリカ人だろうと、三分の一ということにECが合意した限り、日本の経常収支の最後のツケは、結論はやっぱり三分の一というのを基本に置いているのだから、その答えが九十億ドルになりましたというのじゃ、これは約束を裏切ったことになるんじゃないですか、これはどんなこと言ったって。そういう問題については、そういうあいまいなことではなくて、結果的に百三十億ドルになると。なぜこれを私が強く言うかと申しますと、経常収支が変わってくるということは成長率を変えなければならぬでしょう、はっきり申し上げて。だから経常収支が誤ったことは成長率を修正せざるを得ないというところに来ているので、この段階でやっぱり政府はきちっと、もう見通しはついているのだから、そういうことに対応した今日の段階で、成長を達成するためのどういう手だて、対策が必要なのかということを国際的にもやっぱりきちっとしないと、成田で国際的な信用を失って、この問題でまた国際的なECとの約束を結果的には裏切ったことになるようなことは私は避けるべきだ、こう思うものだから、三分の一と称するは私の判断が間違いなのかどうか、結果的にそうなるんじないですかと私は申し上げているんです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そもそもECが日本の経常収支の黒字幅について何か約束のようなことをしてほしいと言っておるその立場は私どもは認めることができない、事柄はそういうものではないのでありますから。私どもはとにかく自分たちの見通しは持っている、それについて全力は尽くすと、それだけのことを言えばいいのであって、それ以上のことをECが要求するということは筋道が通らない、こういうふうに考えておりましたし、いまも考えております。したがって、われわれはこういう見通しをした、通貨の状況でいろいろむずかしいことはあるけれども、これはできるだけ到達するために全力を尽くすということを述べておるわけでありまして、ここに私どもが言っておりますのは、政府見通し百億ドルに対して三分の一程度の縮小を図るというのがわれわれの考え方である、そのために全力を尽くすということを申しておけばわれわれとしての誠意は尽くしたことになる、こう考えたわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それは長官ね、対外的に国際的にそうなりませんよ。やっぱり結果の数字ですから。それはあなたがそう言ったって七%、六十億ドルというのは単に国内的なコンセンサスだけでなくて国際的にも発表しているわけですから、どう言ったって。そうでしょう。それが至上命題で、いま達成しようと五十三年度予算でこれだけ全力を挙げてやっているわけですからね。そういうときにあなたがそう言ったって、私は結果を言っているわけですよ。大体百三十億というのは今日もう既定の事実になってしまったんじゃないか、それの三分の一とは一体何だとなれば、結果的に九十億ドルじゃないですか。そういうことを、いや私らそう思ってないとか、いや日本は当初の方針どおり六十億ドル達成する——それは結構なんだが、結果的には九十億ドルになってしまう、経常収支が六十億ドルじゃない、こういう結果になることについて、ECとの間の三分の一という合意に達したことについてどういうふうに政府として考えるべきなのか、ここを言っているんですよ。これは非常に大事なところじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 対馬委員の言われますことは、結果として政府見通しにかかわらず、仮に五十二年度の経常収支が百二、三十億ドルになるということはもう明らかであるから、その三分の一減らすということは九十億ドルにするということに結果としてはなるではないか、そこでもし九十億ドルになれば、対馬委員の御主張によればそれで問題はないが、さらにそれを下回ったときにはということであれば、ECとしてはわれわれの日本の国際経常収支の黒字幅をもっと小さくしろという考えを持っておるわけでございますから、そのこと自身は別に問題になることではなく、対馬委員の御推論によればその九十億ドルすら達成できないときには問題になるぞと、こういうお話であるといたしますと、政府はもともと六十億ドルにしようと考えておりますから、むしろそれよりも大きな努力を政府自身は国会にも申し上げ努力目標にしておるということでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それならわかるんだよ。だから私が言っているのはそれを言っているんだ。六十億ドルではあるけれども、今日の段階では百三十億ドルもしくは百四十億ドルになるだろうと、その結果三分の一といったら九十億ドルになってしまうんじゃないですかと、そうした場合に政府は一体どうするんだということ。ぼくがなぜそう言うかというと、逆にEC関係から再び円の圧力、アメリカを含めてそういう円高の圧力の傾向になったら大変だと、こういう次のことをぼくは、心配するから言うんですよ、これはそうでしょう。いま問題になっているのは国際収支の関係で円高になっているんだから、それをあなた方は全力を挙げていまやっているわけだ。それが結果的に九十億ドルになったとするならば、再びまたあなたがどう言おうと二百二十円台にも、結果的には二百二十円を割るような最悪の円高の攻撃が加えられてくるのではないのかと、そういう先のことをぼくは心配しているんだ。そういうことを含めて、この際政府としてはそういう認識を踏まえたこれからの対策というものを示す必要があるのではないか、このことを言っているわけです。長官どうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますとおり、五十三年度の経常収支の黒字幅が九十億ドルとなりましては私ども困るわけでございますから、六十億ドルという目標達成のために、先ほども御質問のありました内需についての決定をし、また対外的の決定は従来もいたしてまいりましたし、これからも必要なものをいたしてまいりたい、それによりまして六十億ドルの経常収支の黒字幅というものの達成に全力を尽くさなければならないと思っておるわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 そういう長官のひとつ認識をしていただくということについては私もそれなりの理解はしますけれども、ただ私は結果的にはどう言おうと三分の一というこのECの認識というのは、やがて九十億トータルになった場合、これは再び円高の攻撃にさらされる、こういう最悪の事態を何とか政府として避けなければならぬというひとつ異常な決意で対処してもらいたいことを強く要望しておきます。  こればかりやっているわけにもいきません。時間も参りましたが、実は先ほどもちょっと出ました円高差益の消費者還元につきまして具体的に私はお伺いをしたいと思います。  これは去年の予算委員会で当時の倉成長官にお伺いいたしましたし、十月二十日の予算委員会でも申し上げているのであります。つまり円高差益に伴って、先ほども出ましたけれども円が強くなったって国民の暮らしはさっぱり楽にならないじゃないかと、これは素朴な国民の声ですね、率直に言って。だから円は強い強いと言ったって、逆にあなた中小企業は袋だたきに遭って壊滅的な打撃を受けて失業者はふえ、国民は預貯金の金利のこれまた目減りが来る、そしてまた物価ではさっぱり潤いがない、全くもう往復びんたを張られたようなもんじゃないかというのがいま率直な国民の声、円が強い強いと言ったってわれわれには何のあれもないじゃないかというのが素朴な国民の声です。  第一点にお伺いしたいことは、一つは石油業界、まあ電力業界もそうでありますが膨大な為替差益を得ているわけです。これは何も企業が努力して汗水流して得た金ではないんで、あえて言うならば円高差益による不労所得であると、こう断定してもいいくらいじゃないかと、こう思うわけです。きょうも日銀の総裁も言っているわけでありますけれども、そこで政府としてはこの機会に円が強くなったことは国民にこれだけの誇りを持ってもらいたいと、日本国民は誇りを持つべきだと常に総理もおっしゃるのだけれども、そう言われるならひとつせめて物価ぐらい下げて、これだけ日本の円が強くなったことによって国民の生活はこれだけ楽になりましたよということを証明しなければ、これは私は政府のやっぱりマスターベーションに陥って、それだけのことだというふうに国民は理解しておりませんよ。  そこで長官、基本的なことをひとつお伺いするのでありますが、この円高差益に対して、これは通産省も来ておりますけれども、電気料金はこれは日銀総裁も言っていたけれども、私も去年の四月四日の予算委員会で申し上げております。それから十月二十日の予算委員会でも総理大臣に答弁してもらっているんでありますが、できるだけ差益を国民に還元するようにしたいという、こういう基本政策が抽象論で出ていますけれども、抽象的なことを言ってもしょうがありませんから、どうですか、思い切って電力、ガスは二年間据え置くと、これが第一点。第二点は、やっぱり福祉年金受給者あるいは生活保護者、母子家庭、こういう家庭には現行電力料金については下げると、こういう二つの思い切った対策をこの際政府として打ち出すべきであると、こう考えますが、いかがなものでしょうか。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(服部典徳君) 長官のお答えの前に私から御説明申し上げますが、九電力、大手ガス三社、この料金は五十一年度に改定になりまして、その際に五十三年三月末までが原価計算期間ということで、その期間まで原価の高騰をはじき出しまして料金改定を行ったということでございますが、この三月でその原価計算期間が切れるわけでございますが、その原価計算期間内におきます為替差益は、私どもの一定の前提を置きまして試算をいたしますと、電力につきましては約一千億、全体の原価の中で約一・八%ということでございます。またガスにつきましては約百八十億、二・七%という数字でございます。これだけの為替差益が出ているわけでございますが、先ほど申しましたように、原価計算期間がこの三月で切れまして、今後の、原価の高騰要因というのをどう見るかという問題がございます。資本費を初めといたしまして人件費あるいは修繕費等の諸経費がどれだけ上がるか、あるいは今後の原油価格の動向がどういうふうになるかといった問題がございます。また、為替レートが現在のような急テンポで円高になっておりますが、これがどういう傾向で今後推移するのか、この推移も注意深く見詰める必要があろうかと思っております。そういった情勢を踏まえまして私どもといたしましては電気、ガスの料金はやはり何と申しましても安定性が重要なことではないかということで、料金を今後できるだけ長く据え置くことによって為替差益の還元を消費者に図っていく、こういう方向で原価計算期間終了後少なくとも一年間は現行料金を据え置くと、さらにその後においてもできる限り長く現行料金の据え置きを図るものとすると、こういう方針で業界を指導したところでございます。  御指摘のございましたように、この一年というのをさらに二年据え置くわけにまいらぬかという御指摘でございますが、先ほど申しましたように、原価の事情が今後どういうふうに推移するかという問題と、それから為替差益の出方が各社必ずしも一様ではございません。そういった事情をにらみまして、先ほど申しましたように、一年は最低据え置く、その後もできる限り長く据え置き期間を延長するように努力する、こういう方向で指導しているところでございます。  なお、生活保護世帯について福祉料金制度を取り入れたらどうか、こういう御指摘もございましたが、電気料金、ガス料金のたてまえといたしまして、需要家に対して公平の原則というのがございまして公平に取り扱いをしなければいかぬということでございます。特定の需要家に対して差別的に有利または不利な取り扱いをすることは許されておりません。そういうたてまえから申しまして、いま御指摘のございましたような福祉料金制度というのは現在のところ採用するつもりはございません。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 通産省としての考え方はいま通産省側からお話があったわけでございます。私ども一般的に円高の差益を国民に還元するということは、できるだけのことをしてまいらなければならないと思っておりますことは先ほども申し上げたとおりでございますが、電力などについて考えてみますと、今後の発電コストというのはどうしても上がっていかざるを得ない。相当の供給予備率を確保するために新しい地点を開発しなければならないということはもう否定し得ないところでございます。そういたしますと、ある程度の蓄積を電力会社が持っておるということは、これは大切なことであろう、もとよりこれは非常に厳しい国の監査のもとにあるわけでございますから、それが浪費されるというようなことはこれはあり得ないことであると考えますので、したがって、いま相当の額でございますればともかくでございますが、非常にわずかな額を消費者に還元すると、現在はそれで仮によろしいとして、将来しかし供給予備率が減っていくということを考えますと、そのことが全体のエネルギー政策としていいか悪いかということは、これはやはりいろいろ問題があるところであろうと考えておりますので、通産省の御検討に待ちたいと考えておるわけでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま通産省、長官を含めて一年据え置き、できるだけ長くという、これは五十二年度の態度決定ですからね。私が調べているのは五十二年度、この前、私は十月二十日の予算委員会でやっているんですが、このときは全体で石油の為替差益の場合五千億ということが出ましたね、エネルギー庁長官から。そうしてその後のあれをずっと見ますと、大体通産省試算でいっても七百四十億なんですよ。通産省、おたくの試算でいっても七百四十億になる。このままずうっといくと約一千億になるだろう。そうすると、これからのこの見通しとかいろいろなことをおっしゃるんだけれども、ここがやっぱり政治決断だと思うのですよ。いま政治決断をしなけりゃするときがないじゃないですか。つまり二百二十円という今日の段階に来て、前回二百四十円、この話が出たときは二百四十円ですよ、正直に申し上げて、通産省が決定した段階というのは。二百四十円レートの段階で一年据え置きを出したんだから、それでできるだけ長くと、こう言っているんだから。しかもそれから二百二十円台になった、二十円を割っているわけだ、そうでしょう。一〇%割っているんですよ、はっきり言って。そうなった段階で、少なくともこれからまた長期に見通しを決めてとか、その点あたり消費者に還元をする、消費者に返すということの姿勢について私はどうも納得できないんだね。ただし業界のことなら積極的にやると、ナフサで行政指導には積極的に乗り出していくと、しかし消費者の場合はさっぱり下がらないと、こういうやり方は全くこれ企業癒着と言われてもやむを得ないんじゃないですか。その点どうですか、もう一回。

服部典徳資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(服部典徳君) 先生からいま御指摘のございましたように、電力会社につきまして一年間据え置きというのは、その時点におきまして為替レートが二百四十円台ということは御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、先ほども御答弁申し上げましたように、現在の急テンポの為替レートの変動というのは一体今後どういうふうになるだろうかと、その推移をやはり見きわめませんとならないのではないか、そこに一つのポイントがあるわけでございます。われわれとしても、今後円高の傾向というものがどういうふうに推移するか注意深く見守ってまいりたい、こう考えております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いや事業部長、見守るはいいが、見守るだけではなくて、いつの時点で踏み切るのかと聞いているんだ。少なくともただ長くと抽象論を言わないで、この二百二十円という段階だから私は言っているんだよ。私が十月二十日の予算委員会で言ったときには、将来これ以上下がることあれば——長官の答弁にありますよ、これ以上円高で下がっていく状態であればこれは十分にその時点で対処します、こうなっているんだ。いまの時点で対処しなかったらどうするんだ。これからまた様子を見て、もう一回ながめてなんて言っている余裕なんかないでしょう。少なくともいまの段階で政府がやっぱり決断をするということが緊急に必要じゃないですか。これは事業部長だけじゃなくて長官どうですか、こういう事態を踏まえて経済閣僚の最高責任者として、物価担当大臣として、この時点でやっぱり二百二十円台を迎えてのレートの段階で検討してみると、こういうことはどうでしょうか。   〔主査退席、下条進一郎君着席〕

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 円が二百二十円で落ちつくということは、上下いずれから考えましても別にただいま保証があるわけではございませんから、いきなり二百二十円で物を考えるわけには私はいかないのではないかと思います。基本的には先ほど申し上げましたように、仮に電力会社の円高差益を消費者に還元するとしてどのぐらいのものになるであろうか。試算によりますと一世帯で三十円ぐらい、月々の電灯料金は二千円余りというような試算があるそうでございますけれども、そういうことをすることがいいのか、あるいは将来の供給予備率が明らかに危険になっておるときに、やはりそういう金は蓄積をしてエネルギーの安定的な確保を図る方がいいのかということになりますれば、それは私はエネルギー政策を担当する通産省が主体になって考えられるべきことであろう、私はそういう考えを持っております。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いや、考えるのはいいんだけれども、物価担当大臣としてこれはただ通産省にお任せしますというのでは、経済企画庁長官は要らないんだ、そんなものは。歴代長官にずいぶんぼくは質問しているけれども、やっぱりある時期には物価担当大臣として決断をするということはなきゃならぬでしょう。亡くなった内田経済企画庁長官は、当時灯油問題で決断したんだよ。標準価格という問題をどうするかというときに、やっぱりそれなりに決断したんだよ。それは通産省ペースでお任せします、通産省は企業に癒着しているというような中で、そんなことあんた、いま消費者にどうするかということを聞いているんだから、物価担当の長官としてこの事態をどういうふうに認識してどう対処すべきなのか、いや通産省がそういう現状なんだからやむを得ませんというようなことでは経済企画庁長官は要らない。少なくとも物価を鎮静するためにどうしたらいいか。しかも現実に日本銀行の総裁でさえ、この段階で少なくとも国民に円高の利益を返すべきなんだと。やっぱり実感のこもったことを政府はやらなければだめなんだ、ぼくの言いたいことは。  しかも、これは私何回も言うように、昨年の十月二十日の予算委員会で、これ以上円高で下がって長期的にいくとするならばこれは再検討しますとなっているんだよ。それがどうしていまできないんだとぼくは言っているんだよ。いまの時期でできないで後からできるわけないじゃないか、ぼくに言わせたら。その点もう一遍答弁してくださいよ。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 物価というのは経済全体の動きの象徴的なものでございますから、やはり経済政策全体を考えていくということが私は大事であると思います。ですからこの際問題になりますのは、電力の将来の供給ということをやはり考えておかなければならない。これはエネルギー庁のお仕事でありますけれども、私どもの経済企画庁の仕事でもあるわけでありまして、そのために電力会社にある程度の内部留保をさせておくこと、このことの必要性と、それからこの際消費者にどれだけ還元できるか、その金額が相当大きな額であって消費者の家計を助けるということであれば、これはまたこれでどっちをとるかということは検討いたさなければならないわけでございますけれども、仮に二千円の電灯代で三十円の還元があるというようなことであるといたしますならば、それは私はそのような金は消費者の家計で有効に使われるとは考えにくい。そうであれば、やはりそれは散逸させずに将来の逓減する供給予備率を確保するために留保させておく方が国民経済全体として、ひいては国民全体にとっていいかもしれない。その辺のところはやはり総合的に判断をしなければならないところだと考えておるわけであります。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 長官ね、大事な点はここだと思うのですよ。当時十月の段階で二百四十円のレートであったと、そのときに大体五千億の為替差益がある。そのときに大体出た答えは、これは私の試算でいっても大体二十七、八円下がるという、当時は大体そのぐらいのが出たんですが、その後二百二十円になった、一〇%を割っているんだから、この差益というのがいまの段階でも通産省試算で七百四十億程度は出ているというんです。それはプラスしていいんじゃないかと、わかるでしょう。私らがこうずっと試算をしていくと、このままの状態で大体ことしの五月ころまで行きますと差益は一千億を超えるんですよ。そうすると、さらにこれをプラスしていった場合に、あなたは二十円とおっしゃるけれども、大体四十円前後の値下がりはできる、私らの試算でいくと。ただ、その段階だから私の言うのは何も下げろ下げろと言っているんじゃなくて、私の言っているのは据え置き期間一年というものは二年にしたらどうだと、まずこれが一つ。それから福祉的な政策を導入していったらどうなんだと、この二つを申し上げておるんです。だから直ちにもうあしたからすぐ電力料金を三十円下げろとか五十円下げろとか、一キロリットル三円下げろとか一キロワットを二円下げろとかと言っているんじゃなくて、そういう政策を導入する段階に来てるんじゃないかと、本当に日本国民の誇りとして、円が強くなったよと、生活にはね返っているよということを国民に示さなければ、何ぼ大臣閣僚が言葉で百万陀羅言ったってそんなものを国民は信用しないと言うんだ、ぼくが言っているのは。それがやっぱり円高差益に対する方針にならなきゃならないんじゃないかと、このことを聞いているんです、どうなんですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そこで公益事業を監督される立場からこのような円の推移であれば、電力料金がなお将来に向かってより長い期間安定させることが可能であると御判断になれば、私は恐らく公益事業当局としてはさらに長い間にわたる電力料金の据え置きということについて業界を指導されるであろうと思いますし、私はそれは期待をいたします。好ましいことであると存じます。なお、いわゆる福祉家庭についての割引につきましては、先ほど公益事業部からお答えがございまして法律との関連を御指摘になったわけでございますけれども、これは私どもその辺ちょっとつまびらかでございませんので、よく一緒になりまして検討いたしてみたいと思います。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 いま長官からこの時点で、そういう福祉的なものを含めて検討をしたいと、こういうお答えでございますから、まあひとつ積極的に検討していただいて、国民にいまの時点でこたえる。それこそ政府の言う七%あるいはこの景気回復、それは現実の問題として国民の預貯金が目減りしているわけでしょう、さっき言ったように国民は犠牲を強要されて、ことしの賃上げだって、これは率直に申し上げるけれども、そういい数字が出ないというのは常識になっているじゃないですか。そうすると実質賃金は上がらない、預貯金ではたたかれる、円高ではさっぱり物価は下がってこないと、これでは国民は踏んだりけったりでしょう。私は無理なことを言っているんじゃないんだ、ないのを出せと言っているんじゃないんだよ。通産省の試算でさえ七百四十億が今日の段階でもうありますと、さらにこれが続いていけば一千億超えるでしょうと、こう私は言っているわけです。この時点で政府の態度をお決めになってくださいと、こう言っているわけです。いま長官からひとつまあその点は検討させていただきたいという答えがありましたから了とします。ひとつ積極的にこれを早い時期に決断をされるよう特に要望をしておきます。  それから次に、同じくこれは差益の中で、灯油問題を含めて相変わらず北海道の場合はプロパンガスが、これは私の手元に二月の北海道消費者協会の調べが来ておりますが、何も下がってないんです。灯油が下がったとかいろいろなことを言ってますけれども、これは北海道の消費者協会で出したデータですが、七円ですよ、昨年の並みから下がったというのはこれ率直に申し上げますとたった七円です。それから逆にあんたプロパンは十キロボンベは平均でもって千九百十八円、相変わらず本州との差額が四百十八円あるいは三百円あります。これは毎回私は申し上げるんだが、北海道価格は言葉では解消します、福田総理もそう言っているんだよ、私に去年の四月四日の予算委で、対馬先生のおっしゃるとおりもう積極的に一日も早く北海道価格はなくするように二、三年の間に段階的に解消しますと総理は約束をしている。ところが格差解消じゃないんだよ、プロパンは逆に広まっているんです。以前は百五十円だったんですよ、五十一年の段階は。今日は十キロボンベで三百円か四百円に拡大しておるんですよ。それ灯油が下がった下がったと、石油部長が来ているから言うけれども、消費者協会の調べが間違いであれば別にして、これは昨年より七円下がっただけですよ、七千四百十八円、これは後で出すようにしますが、道庁がやっておるわけですから。こういう実態について、現実にこれからどういうふうに二百二十円台を含めて対処していくのか、これをひとつお伺いします。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(古田徳昌君) LPガスの価格につきましては、先生御指摘のとおり北海道格差というのがあるわけでございます。これにつきましては、従来から本州との格差がありましたが、最近に至りましても依然として存在していることは事実でございます。この要因につきましては、先生御存じのとおりLPガスの元売仕切り価格は北海道向けと本州向けとでは同じであるということを考えますと、結局これは北海道内部の流通段階におけるコスト高の要因に起因するものと思われます。たとえば販売量が一口当たり少量であるとか、あるいは配送のための距離が長いことというふうな事情があるかと思います。したがいまして、この格差の是正は流通段階の問題ということでもございますので非常に困難が伴うわけでございますが、私どもとしましては、今後とも元売の仕切り価格につきましては、十分本州向け価格に比しまして割高とならないような努力を続けていきたいと思います。同時に、この北海道のプロパンガス価格の問題につきましては、北海道庁を中心にしまして、従来から北海道プロパンガス問題協議会が開かれてその検討が行われているわけでございまして、その検討結果も踏まえて適切な手を打ってまいりたいと思うわけでございます。なお現在、北海道庁と通産局で道内の一部のLPガスの販売業者につきまして、価格についての報告を求め実態調査も実施しているところでございます。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 これは何回も言ってあれですけれども、いまだに実績が上がってないんだね。毎回の答弁を聞くと去年の四月の予算委員会以来何も変わっていないんだよ。北海道庁を通して改善していきますとかいろいろなことを言っているがね。これはやっぱり思い切った手を打たなければ改善できませんよ、流通機構だから。流通機構はどれだけ複雑かということは私も専門的にやっているからわかるけれども、ぼくはこの前もちょっとあなたに申し上げているんだけれども、たとえば業界が協同組合的に、協同組合化してそしてある程度これは消費者にサービスをしていくと、こういう傾向は留萌なんかで出てきたわけです。ところが逆に、留萌が出てきたらこれを今度は卸売業の段階でメーカーの段階からたたかれているわけだ。そんなことをやってはいかぬと、値段を安くするとこれはまたメーカーが圧力をかけるんだよ。これじゃあなた北海道の価格差が縮まるわけないでしょう。   〔主査代理下条進一郎君退席、主査着席〕  ぼくははっきり申し上げるけれども、留萌方式のように、たとえば消費協同組合あるいは石油販売協同組合、こういう協同組合化によって、協業化によってある程度値段が下げていっていると。たとえば千九百五十円台に留萌としてはしたいと。こういうものに対して通産省は積極的に行政指導していく。言うならば留萌方式というものでどんどん北海道全体を協同組合化して、そして値引きをする行政指導をするということを当面やっていかない限り下がるわけないじゃないですか。そこらあたりになるとなかなか消極的になって、どうも通産省というのは一体消費者側の立場に立っているのか業界の立場についているのか、国民に言わせればもう業界の立場に立っている通産行政だと、こうすぐ消費者団体は言うんだ。ぼくに言わせれば当然のことだと思う。そういうことを言われる筋があるというのは、そういう消費者の立場に立って迅速的確に手を打っていないところに、やっぱり通産行政は業界寄りだと指摘される要因があると思うのです。時間が参りましたので申し上げませんが、ひとつそういう問題について積極的にむしろ協同組合化をして、できるだけ消費者にサービスをすると、こういう行政指導を通産省は積極的にやってもらいたい。これはいかがでしょう。

古田徳昌資源エネルギー庁石油部長

○政府委員(古田徳昌君) 実は現在プロパンガスの販売事業につきましては、中小企業の近促法によります構造改善業種として指定を受けたらどうかというふうなことで検討中でございます。北海道のプロパンガス協会におきましても指定の希望があるというふうに伺っておるわけでございますが、その点も踏まえまして、先生御指摘の諸点について、十分私どもとしても検討し努力してみたいと、このように思っています。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 それじゃ時間が参りましたので、最後にこの円高差益の問題をひとつ長官、情勢をながめるとかいろいろなことを言わずに、やっぱりその時点時点で国民の胸にすとんとこたえるような物価に還元をしていくということ、長官は何といっても政府最高の物価担当大臣なんですから、これは横の関係も大事だろうけれどもやっぱり経済企画庁長官の決断によってそれが運ばれると、こういうことを強く、要請します。  最後にお答えを願って終わりにします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 円高は確かに運用、使用によりまして国民、消費者に利益を与えるはずのものでございますが、それが従来いろいろな理由がありますものの十分に還元されていないのは事実であります。私どもとしては、制度の問題等を含めまして、それが少しでも国民の一般の利益に還元されますように今後とも努力をいたしたいと思っています。

対馬孝且日本社会党

○対馬孝且君 終わります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 昭和五十二年度の経済成長率の見通しが当初六・七でございましたけれども、これが五・三に修正になった、恐らく五%前後で落ちつくのではあるまいかと言われているわけです。ということは結局ことしの一−三月の伸びが非常に落ちてきたということだと思います。五十二年度当初の六・七の想定から見ますと、円高を原因にしながら伸び率が落ちてきた。そこでそれをスタートにして五十三年度は対五十二年度比で七%伸ばしたいということは、五十三年度の各四半期の瞬間風速で見ると八%に近い成長率を持たないとそういう結果にならないんじゃないか、こう思いますけれども、その点はいかがですか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 五十二年度の経済見通しにつきましては、ただいま先生御指摘のように当初の六・七%から五・三%に下方修正したわけでございます。その後国民所得統計の第三・四半期、つまり昨年の十−十二月がわかりまして、その統計によりますと、その前の四半期は前期に対して〇・四%の上昇にとどまっておりましたが、十−十二月になりまして一%と増加をしております。  もちろん、この一%の第三・四半期における上昇は、私どもが当初、特に四半期別の予想をしていたわけではございませんけれども、見通しをつくりました段階からいたしますと若干低い数字ではございます。ただし七−九月に比べましてかなり回復をしてきているということで、五十三年の一−三月、つまり五十二年度の最終の四半期はかなり回復するんではないかというふうに期待しております。いままでの四−六月、七−九月、十−十二月の実績が出ているわけでございますが、それをもとにいたしまして五・三%の政府の見通しに達するためにはこの一−三月は約二%ほど上昇いたさなければいけないわけですが、従来も昨年の一−三月、あるいは一昨年の一−三月も二%程度の上昇を見ておりまして、今回も昨年以降の総合対策の結果もありますし、十分にその程度はいくんじゃないかというふうに考えております。  したがって、五%強の五十二年度の実績から七%成長へつながっていくわけでございますが、私どもは当初七%を考えた大体のコースを行っているというふうに考えております。四半期別に細かい予測をしているわけではございませんので、瞬間風速としてどれぐらいになるかということはなかなか判断しにくうございますが、この一−三月は少なくとも瞬間風速では八%程度になるということも不可能ではない。その後は七%程度に向けて成長いたしますので、大体上半期、下半期平均いたしますと三・七、八%の上昇かと思われます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 これは結局げたの問題、げたが低くなりますと当然その次は急ぎ足で走らなければいかぬ。これは一−三月はまだ実績がわからないわけですけれども、ずうっと円高が引き続いていることから考えると、四半期の五十三年度ですと瞬間風速で見ると七を上回った伸びを一つ想定しておいた方が判断としては間違いがないということは言えるわけでしょう。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) いま調整局長が申し上げたようなことでございますので、昨年の一−三月が二・一でありました。その一年前の一−三月は二・三でございますから、この一−三月、いま過ぎようとする一−三月ですが、まあ二%程度は経済の運営から言いまして、確かにいまの栗林委員の言われましたように円高の問題が、これは二月途中からでございますから、一−三にどれだけ影響したか、まあまあ私は二%ぐらいのものはあるのではないかと。そうしますと、単純に計算いたしますと年率で八になりますが、これはちょっと年率にすぐ直してしまうのには一−三が高過ぎる感じいたします。ですからげたはちょうどいいところに来るのではないか。しかしその後の四半期ごとにはこれいろいろ変化がございますから、場合によりまして年率にしますと八%というような四半期もなければならないことになろうかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いずれにしても荷が重い話だと思います。  そこで、これはもう出た質問かもしれませんけれども、円高が成長率に対してこれは引き下げる効果を当然持つと思いますけれども、どのぐらいのめどで考えておいてよろしいでしょうか。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 円高が経済の成長率にどういうふうに影響するかということにつきましては、この円高がどの程度のスピードでどれぐらい続くかということによるわけでございますので、五十三年度につきましてはわからないわけでございますが、直接的には円高がもしこのような状況で続いていくといたしますと、輸出の数量が現在のところはふえておりますけれども、やがて鈍化していくというようなこともございますし、また心理的に企業家が設備投資を始めようとするところに先行き不確実性が増大するわけでございますのでマイナス要因になるという一面は持っております。ただし、政府は昨年の暮れから拡大政策を積極的にとっておりまして、五十二年度については補正予算を組み、さらにいま御審議願っております予算が通過いたしますと、せんだって決定いたしました内需の拡大策が実行に移されるわけでございますので、私どもの見通しでは当初のとおり七%成長というのは十分にいくのではないかというふうに考えております。ただ項目別にいろいろの動きをいたしますし、またモデルを使いまして、たとえば十円高くなったら幾らだというような機械的な計算は一応できますが、実際の問題としては七%成長という目標を変える必要はないし、実際に達成できるというふうにいまの段階では考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いや、目標は変えなくて結構なんです。ただ、二百四十五円をおおむね想定しながら予算の基礎の見積もりをお立てになったわけですけれども、現在二百二十円前後ですね。まあそれ以上になっていないけれども。二百二十円ぐらいとして、これがそれだけを抜き出してみるとどれぐらいの成長制約要因になるんだろうか。たしか西ドイツのシュミット氏だと思いましたけれども、こうマルクが高くなったんじゃ三・五は無理だと新聞で言ったと伝えられておりますし、正直な発言だと思います。そのほかにいろいろな政策があるわけですよ。ただ円高だけ抜き出しました場合に二百四十五円から二百二十円、それはどれぐらい成長率を押し下げるかということはやっぱり考えておかなきゃいけないと思うのです。下がったら下がったで何か追加的なことをしなきゃいかぬという意味で、どれぐらいのめどを持っておけばいいのかということなんです。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) 一つのめどといたしましては経済モデルを使って計算することができますが、これもいろいろの条件が前提になっておりますので一概に申し上げることはできませんが、仮に十五円ぐらい動きますと実質の成長率が初年度では〇・五%程度影響するというような試算ができます。ただし、これは政策の手をどういうふうに打っていくかということによってかなり影響が違いますし、仮に公共投資を繰り上げて実施するというようなことであれば、その影響はかなり緩和できるというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 公算のことまでお伺いしておりません。十五円だったら〇・五と、当たるかどうかは別にしてそのぐらいのめどは置いておいたらどうかということで伺っておきます。二百四十五円から二百二十円ですから二十五円、そうすると幾らかという単純な比例計算はできませんけれども、何がしかの数になるなあと思います。  そこで、従来のお答えを伺っていますと、そうは言っても過剰在庫の整理がついてきたら乗数効果が期待できる。これまでだって相当な金をつぎ込んでいるんだからこの影響が出ないはずはないということが五十三年度を見通した場合の経企庁としての一番強い見通しにかかわる部分だと。そこで過剰在庫はいつごろ——というのは、お伺いしている意味は乗数効果が出てくるほどに過剰在庫が解消するのはいつごろと見ておられますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これも何度か申し上げてきたことでありますけれども、たとえば非鉄金属関係でありますとかあるいは石油などはこれは備蓄をいたしておるぐらいでございますから、ここらのいわゆる過剰在庫はこれはなお問題が残るといたしまして、ことに製品在庫を中心にしてはもう大体私は勝負がつきかかっているという感じを持っております。建築資材関係は、これはまた特殊でございますからこれだけを申し上げることも適当でないのでありますけれども、大体こう四月から予算が執行になりますその波及効果は、昨年のように食われることはない。かなりその程度には在庫水準は低くなっておると考えていいのではないかと思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 それで、そこのところが民間の見通しと一番大きく食い違っている場所だろうと思うのです。いずれにしてもこれは実績を見ないとわからないわけですけれども、四月から予算で公共事業を始めていくわけですし、上期のうちの前半三ヵ月に相当分をやってもらいたいという御注文もついているようでありますけれども、これがこれまでみたいに期待するほど乗数効果が出なかったというのではなくて今度は期待できそうだと。本当に期待できたかどうかがわかるのはいつでしょうか。お尋ねしていますのは、いややっぱりだめだったと気がついたら遅かったということになりはすまいか。これは結果が出てみないとわからないわけです。したがって、対策を急ぐのだったらあらかじめそのはだ合いで判断しながら追加的な政策を出していくのか。やっぱり四、五、六ぐらい見まして、というと二ヵ月ぐらいまたいろんなデータが集まってくるのにかかるわけですから、そうすると夏場にならないと判断ができない。それまでには日米首脳会談もあるいは七月の首脳会談も終わってしまう。その辺のところで何がしか追加的な対策を求められるかもしらぬ大変つらい政策選択の時期にかかるんじゃないか。そこで四月から予算が執行されるので去年みたいなことはないと思いますとおっしゃるのですが、それが確認できるのはいつごろなのか、これはめどで結構ですからお尋ねしておきたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 鉱工業生産の指数は毎月統計上出ますし、それから在庫も出ます。で、稼働率指数が少しおくれてですが毎月出ます。ですから比較的その辺からは推測がわりに早くつくと思うのでございます。それから、それとやはり商品市況でございますとか、私どもが足による調査、日本銀行もそういうことをいたしますが、そういうことで大体もう夏にはわかるだろうと私は思います。正確に申しますと、五十三年度の四−六月の四半期のいわゆる速報値は九月になるわけでございますけれども、これはそれを待ちませんでも大体の見当は私はもう夏にはつくんではないかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 すると、おおむね八月前後ということだと思いますけれども、それで気になりますのは秋口になってアメリカがどういう対応を示してくるか。なかなか政府の威令行われずでありまして、議会は強くなってしまったし、いろいろな諸団体は諸団体で強くなったと、私の在任中とはずいぶん変わったというのは牛場さんが去年帰国されての印象だったようでございますし、こちらから見ておりましてもそんな感じがします。で、秋口になるとまたAFL・CIOが何がしかのことを言ってくるんじゃないか。恐らく保護貿易的な機運も高まってくる。それは起こしてはいけないというのはあに日本の国益だけではない。そうすると、やはりそういったことを見ながら遅くも夏ごろにはもし必要だとしたら追加的な対策をとっておかなきゃいけない。ところが、とるかとるまいかといっても八月にならないとわからない。ちょっと遅い気がするんですが、その辺の感触はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) その追加的な対策でございますけれども、国会の御審議を経なければならないものと、それから政府自身だけで、たとえば公共事業予備費でございますとか財投の弾力条項でございますとか発動のできる部分もございますので、これはいつでも総理のいわゆる臨機な処置はその範囲ではできるようにしておりますが、なおそれを超えるものでございましたらこれは国会の御審議を仰がなければならないわけでございますが、そのころまでの時期でございますと、ただいまのような弾力性は御審議いただいております予算の中に含まれておりますからそれでやっていけるのではないか、もし必要があれば、と考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 すると、いまお話しの予備費と弾力条項を全部使ったとして幾らぐらいになるんだろうかということが一つ。それからもう一つは、これもいろいろ昨今議論が出ているわけですけれども、いろいろな政策を総合して当たらなきゃだめじゃないか。まあ公共投資だ減税だという議論を繰り返すつもりはないけれども、いろいろなことをセットにしてやらないとこの急場はしのげそうもない。いまのお話は、やっぱり一番大きいのは弾力条項の方だと思いますから、公共投資の追加をするかしないか。だけれどもそれだけで政策が十分かということもやっぱり一緒に考えておかなきゃいけないという点についてはいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 公共事業予備費は二千ぐらい、弾力条項は五割でございますか、大体そんな規模でございます。ただ、せっかく御質問の途中で申しわけないと思いますが、何となく私の感じはこれで結構いけるという感じを一つ持っておりますもので、仮に夏までとしますと、それらの弾力的な措置をいっぱいいっぱいに発動する、どうしてもそういう状況だということほど事態が、はっきり言えば悲観的なそういう傾向を示すことはないのではないかと思ってはおります。それだけつけ加えさしていただきます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 その辺が最大の問題ですね。そうなればいいなあと本当に思いますけれども、ただこれも結果が出てからのことですから、対策が早く打てるような御工夫はこれはもう当然のことでございましょうけれども、お願いしておきたいと思います。  そこで、本当にそういくかどうかということをもうちょっと立ち入ってお尋ねしたいのですけれども、じゃ設備投資が出てくるだろうかと考えてみると、投資をする側から見ると、その投資をして一体幾らもうかるかという期待利益率がやっぱり大きな判断基準じゃないだろうかと思います。で、期待利益率を計算する場合に、やっぱりじゃ一体税金にどれぐらい持っていかれちゃうんだろうかということも一つの判断の要素になる。大蔵当局の方はこれだけの赤字を抱えてどうしてくれるんだということばかりおっしゃるわけですけれども、片一方その投資という面から見ると、税金をこれからどんなあんばいでさばいていくかということがやはりあらかじめはっきりしている方がこれは設備投資もやりやすいということでお尋ねをするんですけれども、よく貯蓄と投資の差と海外余剰の議論がございます。で、貯蓄と投資に差がある場合には、国際収支が黒字になるか公的部門が赤字を背負うかその二つに一つしかない。これからは国際収支の黒字でということは、それはなかなか許されない。というと貯蓄と投資の差がある限りは結果として公債発行残高が幾らになろうと、財政がどう苦しかろうとやはり公的部門ががんばらざるを得ない。というと貯蓄と投資の差がそんなに公的部門ががんばらなくてもいいように接近するのはいつなのか。これはどうごらんになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) まず昭和五十四年の三月ごろの稼働率が八二ぐらいであるといたしますと、電力などは別にいたしましてそんなに大きな、ことに製造業の投資が行われるとは考えられませんので、そういう意味での資金需要、また在庫も調整が終わりましても大きな積み増しがあるとは考えられません。等々の資金需要は大きくなるとはしたがって考えられないわけでございます。他方で消費性向は五十三年度中に多少は高まることを期待いたしておりますけれども、それでも貯蓄性向としてはやはり二二、三というものは下ることはないだろうと考えられますから、五十三年度中にただいま栗林委員の言われましたような事態はどうも起こりそうもないので、むしろ五十三年度の経済運営が成功いたしましたら五十四年度になりましてそういう傾向が幾らか出てくるかという程度ではないかと存じます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そうしますと、五十四年度につきましてもなかなか軽々な見通しは立ちづらいのですけれども、いまの貯蓄、投資の差、これは何らかのかっこうで埋めざるを得ない、埋めないとデフレギャップにつながっていくだけです。というと五十四年度というのはやはり財政赤字が負担をしながら運営していかざるを得ない。五十五年度になったらどうなのか。そこまでの議論をやはりある程度国民に示していかないと予測の立ちようがない。五十五年度はどう、五十四年度は私はいま勝手に言っちゃったんですが、含めて五十四、五十五はどうごらんになりますか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) その辺になりますと、かねて御議論のあります特例国債というものをいつまで無制限に出すのかという問題が非常に顕在化してまいりますから、何かの形で税収の補てんをしなければならないということを政府としては、やはり根本的には国会の御意向にかかわることですが考えざるを得ない時期だということではなかろうかと存じます。ただ、先ほどから言われますように、投資家の立場から申しますと直接税の負担が非常にある段階からふえるというようなことがございますと、これは投資の方の計算は成り立ちません。どのような税収の補強をいたしますかは最終的に決まったことではございませんけれども、いまわが国の全体の経済のあり方から考えますと、やはり何かの形の間接税の方が可能性が、それもやさしいことではございませんけれども可能性が高いのではないだろうか。つまり逆に申しまして、直接税の負担にさらに大きなものを加えるということはいろいろな意味から困難性があるのではないかと私自身は考えておりますけれども、政府としてその点最終的に方針を決定したわけではございません。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私がお尋ねしているのは、こんなに特例債を含めて、特例債は関心の中心でありますけれども、ふえたんじゃとてもたまらない、したがって増税をして特例債を減らしたい、こうなるわけですけれども、特例債だろうとあるいは四条国債だろうと同じことでございます、金融マーケットに出て行けば。で、投資と貯蓄の差があったら、どうやって財政が赤字になっていようとそれはやっぱり公的資金で埋めていかなきゃいかぬ。だからこれを減らすために増税をという議論の前に、公債を一体幾ら出してこの市場を健全化するかという判断が先にきちゃう。これが解決されない限りいつまでたったって公債を出さざるを得ないわけですから、増税という議論は出てくる余地がない、こうなりませんか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そこはまさにどっちが先どっちが後ということになると存じますけれども、政府としては一応特例債というものを昭和五十七年度をもって打ち切ろうと、これはああいう性格の国債でございますから、何とかそういうためにはどのような経済運営が可能であるかということが先般御議論になりました財政の試算であるわけでございます。で、これも財政の都合だけを考えておるわけにはまいりませんので、政府としての中期計画のいろいろ達成したい目標はございますから、その達成を不可能にならしめるようなものであってはなりません。したがって、その辺のことを全体を整合的にどういうことが可能であるかというふうに考えるよりほかはないので、そういう上でやはり五十七年ぐらいには特例国債をもうやめてしまいたい、そのためにはある程度の国民負担の増加ということはやむを得ないわけでありますが、それにしましても、これもまた経済全体の運営を損なうようなものであってはなりませんから、その辺の兼ね合いになってくるのではないかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 まさにその兼ね合いなんです。これだけ赤字が出て特例債は七兆になる、困ったということだけで議論ができない。増税で一体財政の再建はいつするかということは、貯蓄と投資の差だけをいま取り上げて申し上げておりますけれども、それだけ見たって、これがやっぱり改善されてこないと、増税をして、可処分所得を減らして、それでこいつをというわけにいかないわけですから、どうしても公債発行が経済政策としては出てこざるを得ない。そうすると、いつ増税ができるんだろうかと思うのですけれども、それは貯蓄と投資の差の話をしているわけですから、それは投資がふえたとき、そのときには金融市場でクラウディングアウトが起こる。そうなったら公債はいやでも減らさざるを得ない。しかもクラウディングアウトのおそれがあるときというのは、大体景気が悪くすると過熱化するか、あるいは抑圧されていたコストプッシュインフレが出てくる時期、その時期が一番増税じゃないかと、やるとしたらその時期しかないんじゃないかと。これがいつかということは見通しでありますけれども、せめてそこまでの整理をしたお話をしていただけますと、わりあい今度国民の方も自分で判断ができる。  私がいま申し上げたように、増税の時期というのは、平たく言うとクラウディングアウトの危機がある時期、物価上昇がというよりインフレの対策が心配になる時期に、片方では経済成長を持続させながら引き締め政策とらざるを得ないそのときに初めて増税が登場するんではないかと思いますけれども、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そういうことになりますが、恐らくクラウディングアウトになるほどの資金需要が出てまいりましたら、正常な状態でしたらそれが一期ぐらい後には税収の増加になってくると考える理由になると思いますので、したがってそのときに考えられる増税の内容にいたしましても、自然増という言葉はちょっとルースですが、ルースな意味で使わせていただきます。それも勘案しながらのもので考えてよろしいのではないかということになるかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 全くおっしゃるとおりでありまして、循環的赤字が幾らあるかというのは、これも事後的に確かめるしかない。というと、いまおっしゃったのは循環的な赤字が減ってくる過程、それを見ながら構造的な赤字をこれはもう増税によらざるを得ないということになって初めて本当の政策になるんじゃないか。ですから、おっしゃったとおりでございまして、ただそういったものをわかるように整理をしてぜひ出していただきたい。これはもう毎年この議論をしながら、なかなか経済企画庁のお仕事と大蔵省のお仕事と、今度金融マーケットを見ている日銀の仕事というのがくっつかないんですよ。みんなめいめいになっておりましてね、その意味ではこれをひっくるめた整合性のある議論をしてもらいたい、大臣にお願いしますと、その都度御担当の大臣がそのとおりだとおっしゃりながら、なかなかなんでございまして、こういう時期になると、それもきちんと詰めておくことが、話が遠いようですけれども結局は期待利益率の計算ができるようになるし、それぞれが自分の計算で設備投資ができるようになる。それがないと従来だったら九〇%の稼働率だったら再投資をしようかというのが九五になっても考えちゃっている、冷え込みになっているだけにぜひよろしくお願いしたい。  今度は個人の家計で考えますと、個人消費もやっぱり伸ばしていかなきゃならぬ、伸ばしてもらいたい、こういう御期待がありますけれども、その不安感を何で消していったらいいか、これはさっきの貯蓄とも絡むわけですけれども、何で収入がある意味では豊かでないのに二五%近くの貯蓄性向を持っているんだろうか、これはもう大臣御承知のとおり老後の問題とか住宅とかなんとかということが常に貯蓄の目標になり、近ごろの不況のさなかにあってさらに貯蓄性向が加速化されておるんだろうかと考えますと、私はこんな気がするんです。いま半均寿命は男女含めて七十歳を超しました。いわば人生七十年もしくは八十年と言っていいと思うのですけれども、昔は人生五十年、そこまでの変化を何と二十年そこそこでやっちゃっている、ということは、いま日本の持っております年金制度というのは制度として見るとりっぱなんだとおっしゃいます、私もそうだと思います。ただ制度の成熟を待っていられない。また片方で住宅をと考えますと、これも御承知のことですけれども、明治初頭はせいぜい三千万ちょっと、現在一億一千万、それだけの変化を何と百年そこそこでやっちゃった。通常の住宅政策では間に合わない。しかも四倍にふえてきた中で、産業立地をめぐって民族大移動が起きた。年金にしても住宅にしても、いま国民は必死になって貯金しているけれども、とうていそれではどうにもならぬ。  これに対してやっぱり私は政治が答えを出していかなきゃならない。公共投資優先だというと乗数効果の話ばっかり出るのだけれども、なぜ年金とか住宅——住宅は今回は重点的にお考えのようでありますけれども、年金を含めて思い切った提案が野党から出るかというと結局いまの話なんです。年金制度にしても時間がたてば成熟するんです。したがって、モデルは幾らって話をされますけれども、わずか二十年そこそこで人生五十年から人生七、八十年になっちゃう、とうてい対応ができない。そうすると年金にしても住宅にしても、あわせて中長期の政府としての国民にわかる計画を立てていかなきゃならない、医療にしても同じだと思います。医療になりますと、これから高齢化社会に入ってきます。ほうっておいたって一人当たりの医療費はやがて二、三十年もしてまいりますと現在の一・八倍になる、一体どうするんだと国民だれでも考えたらわかる。だけれども答えが出てこない。そういうものがさらに貯蓄性向を高めて、いまの不景気の足を引っ張っている。同じようにそれもこれも含めた経済政策、その意味で昭和五十年代前期経済計画を見てやはりいけないなと思ったのは、それまでは経済社会基本計画と言っている。五十年代前期は社会を落っことしちゃった。やはり五十年代前期経済社会計画と、今度見直しをするときにはタイトルも変えながら中身はいま申し上げた庶民の関心事について政府としてはこういったプログラムです、五年たったらこうなりますということもやはりお書きになる必要がある。それも景気対策ではなかろうかと思いますが、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) わが国にはかつて福祉元年とお互いに言ったような時代がありましたし、そのころには年金などについても長期計画をやっぱり立てるべきだということを多くの人がずいぶん真剣に議論をいたしました。またそのころまで貯蓄性向も二〇%を割りまして一八%ぐらいまで行った段階もあったわけであります。そこで石油危機が起こりまして、いろんなことがすっかりどう申しますか、後戻りというのも適当な表現でございませんけれども、何となくこの期にどうやって対処するかということであれから何年間か明け暮れた感じがいたします。五十年代前期計画というのは実はそのころの子供でございまして、したがって、いまおっしゃいましたようないろいろなことについての目標は述べておりますけれども、腰を落ちつけてちゃんとこれでいけるという計画を立てられるような環境でなかったというのが私は事実ではないかと思います。でございますから、もし幸いにしてこの五十三年度うまく経済運営をやっていくことができましたら、ほぼその石油危機の後遺症というものを脱却できて、将来に向かってのわれわれの社会のあり方というものを、石油危機以前に戻ってと言うとちょっと語弊がございますけれども、そのぐらいの落ちつきと正確度をもって考えられるのではないかと、そうなりたいと思っておりますのが五十三年度でございますから、いま言われましたような課題はその後に必ずこなければならない課題で、ぜひそういうところへ持っていきたいと考えています。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ぜひ御奮闘をいただきたいと思います。  では、円ドルレートについて若干お尋ねいたします。これは繰り返し出た質問だろうと思いますけれどもやはり伺います。いま二百二十幾らというレートですけれども、これの水準に対してどう評価をされておられますか。なかなかこれについては物を言わない方がいいという雰囲気があるのですけれども、ここまでなりますとカーターでさえドルが過大評価であるとかないとかということを言っているし、言っていることが意味をまた持っている。その意味で現在の水準はごらんになって評価として適正かどうかという点、いかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 結論としまして、私はこの一両日の円の動きというのは異常であると考えます。もちろん円ドルの相場が立っておるわけですから、それが両方の通貨の相対的な購買力に無関係だとは申し上げられませんが、しかし相場という要素もまたこれ否定できません。第三に、円がずうっと高くなってまいりましたからリーズアンド・ラグズが相当に働いた。これは輸出、輸入の関係でも働きましたでしょうし、決済なんかでも私は働いたと思います。それから第四に、ちょうど時期が多くの企業や金融機関にとりまして決算期になりました。決算期の対策というものがこの数日あるいは一、二週間の相場にかなり影響をしたと思いますので、したがって、ただいまのこの数日間の円の異常な連日の高騰というのは私は異常なものだと、正常な姿ではないと考えます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 その場合に、よくこれは外国筋から言われる話のようですけれども、スミソニアンから比べてマルクと円の切り上がり率を見ますと、マルク並みに上がったとすると二百二十円いいところじゃないか、こういう荒っぽい議論が結構何がしかの信憑性を持って言われているのですが、こういうことに対してはどうお考えですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) スミソニアンのときの決まり方がそもそもマルクと円との関係で非常な合理性を持っておったという証明はございませんし、両方の持っている経済の体質ももとより違いますし、いろいろでございますから、私はスミソニアンからの切り上げ率というのは余り根拠のある話ではないとかねがね思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 結構でございます。  それで続けてお尋ねしたいのは、よくJカーブという言葉、切り上げ、切り下げそれぞれに働くんだと言われているようでありまして、これは御承知のことですけれども、円が切り上がりますと輸出が減るかというと力いっぱい死にもの狂いになって輸出をやってしまう。輸入がふえるかというと、この場合円としますと円高のデフレ効果で輸入は伸びない。国際収支の黒字は通貨を切り上げながらむしろふえてしまう、こういうのがJカーブというのだそうですけれども、それと似た話がやはり日本でも現実に起こっている。それをどう反映したかは別にして、今日のおっしゃったように非常に異常な相場になっている。問題はこのJカーブというのが今後どれぐらい続くのか、まずこれが一つ。私はせいぜいそんなに長いものじゃないでしょうから、やはり年の暮れにかけて私は円安に向かうのじゃないかと思いますけれども、その辺の観測はいかがですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 相場の予測を私どもしてはなりませんので、直接にお答えを申し上げることは避けなければなりませんけれども、まさにリーズ・アンド・ラグズの形でJカーブをわれわれは経験しつつあると考えておりますので、したがってきのうきょうと申しますか、つまり円高ドル安というものがJカーブの曲がり角を過ぎまして輸入増になり輸出減になるというときはそれは必ず来るはずで、それがしかも一年かかるというようなふうにはこれは考えられない、もっと早く来るはずだと私は思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 では、今度はもう少し長い目で見てまあ円ドルなら円ドルで結構ですけれども、どういう趨勢だろうか、これは見通しという意味ではなくてお尋ねするんですけれども、確かにそのときにはインフレ率の差がやはりきいてくると思います。  そこで、現在アメリカは御案内のとおりインフレの方に目をつぶりながら失業率をどうやって低くするかということに腐心しているわけでありますし、それからヨーロッパと日本の方は物価が落ちつきかげんである。よってもってマルクが高くなる、円が高くなるということの一つの背景になっていると思います。そこで、この物価なんですけれども、政府の再々のお答えとしてオイルショック以来物価はおかげさまで順調に安定の方向に来たとおっしゃるんですが、いま抱えている大きな需給ギャップを考えますと、需給ギャップを裏側に持って見かけの物価が安定しているというのはちょっとやっぱりおかしいんじゃないか。需給関係がバランスを失った段階で物価が幾らだと、それはわかります。大きな需給ギャップがあるときに物価が下がったというのは、見かけ下がったんであって、その物価も実は正常な水準ではないんじゃないか。そう見ておいた方が間違いないと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいます意味は、需給ギャップがあって潜在的な供給力が動いていない、そういう状況における物価というものは一種の需給が均衡した状態における物価ほど安定したものではないとでもおっしゃる意味、そうでございましたら……

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 本当にある物価よりも安く出過ぎてないかと言うんです。不況で物が売れませんでしょう。本来だったらコストに利潤をくっつけてというのが……

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) そういう部分もございますけれども、多くの装置産業のように操業が採算点を割っておる場合には、むしろ操業度が高まりました方がコストが下がるという要因がございますから、そこは経済全体として何とも言えないのではないかと思いますが、ただ、落ちついた姿でないということだけは私もそう思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 なぜお尋ねしたかと言いますと、これで四年続きで大きな需給ギャップの谷間の中で呻吟してきたわけですけれども、そこの中で卸売物価はいろんなコストアップ要因、操業度が下がったことも含めて、それがありながら寝ちゃった、消費者物価は別ですよ。これはいいことなのかというと、実はそれそのものが不況のあらわれじゃないかという批判もずいぶんとある。私が心配しますのは物価は下がりゃいいという議論をしていて産業がもつんだろうか。たしか五十二年度の見通しもそうだったと思いますけれども、経企庁がおつくりになった内容というのは卸売物価を高めにアップ率を見てありました。消費者物価はむしろ抑えぎみにしながら、これで何とか企業の収益性を確保していかないといけないというのが本音なんですとおっしゃっていましたけれども、ここのところはやっぱり率直に見詰めていかないと、ただ物価は下がりゃいいんだときれいごとをやっていたんじゃ私はだめじゃないかと、その意味でお尋ねしたんです。本当は物価水準——卸売物価ですから輸出入にきいてくるのは、それが余り低い水準になっていると、それは企業の採算から言って耐えられない。ところが見かけのこれは物価上昇率ですから、それが外国とのインフレ率格差ということになって、さらに円高をしょい込むということになると、いいはなしはちっともない。だから需給ギャップが解消していく過程で物価水準もやはり正常に復帰する、それは見かけは一部値上がりに見えるかもしれないということも想定しながら、これから経済運営をしていかないといけないし、そうじゃないとインフレ格差を頭に置いた円ドルレートの関係がますます日本に不利に働いてくるという気がするものですからお尋ねしたんです。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 五十二年度の当初見通しで卸売物価をかなり高く結果より見ておったということは、確かに栗林委員の言われますように、もう少し経済活動が動いてということを考えておったことの反映じゃないかと、私もそう思います。私そのときに見通しに参加いたしませんでしたけれども、そういう要素があると思います。ですから、その限りでおっしゃっていらっしゃるとおりですし、予想に反して卸売物価がマイナス一・六とか七とかなったことは、五十二年度中における経済活動が私どもの思ったようには動かなかった。それが見通しを下方修正したゆえんでありますけれども、そうであろうと思います。そこはそれでお答えは終わってもいいわけでございますけれども、たまたましかし別の要素が入ってまいりまして円高になった、円高になったことによって試算によりますと卸売物価を二・四下げる影響が計算上あるそうでございます。そういたしますと、それはまた今度は全然別の要素がそこへもう一つ入ってきているということになるかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 確かに円高が輸入価格を引き下げて卸売物価に好ましい影響を与えることは事実だろうと思います。したがって、いまの卸売物価がべらぼうに上がるということをいま申し上げているわけじゃないんですけれども、ただ物の見方として大きな需給ギャップを背景にして形成された価格でありますから、経済が景気回復に向かうに伴って、いわば正常化への危機という価格の動きがあるだろう。しかし、それは見かけ国民には値上がりに映るというややこしい問題が一つあると申し上げているんです。片方では原油はどうかといいますと、それはサウジアラビア等々の国の判断でしょうけれども、これはもう中長期に見て高くなることは覚悟した方がこれは正確であります。というと、その面でも今度は為替レートの関係ではなくてじかにコストを引き上げる要因になる。そこでも卸売物価が上がってくる。それも国民には値上がりと映る。これをどうさばいていったらいいんだろうか。そうなりますと、これはもうよく御承知のことでございますけれども、卸売物価と消費者物価の乖離はもうほうってはおけない。卸売物価は上がっても消費者物価はそう上がらないという関係にしていかないと、国民感情がざらざらして仕方がないとなると思うのです。これまでは高度経済成長の過程で卸売物価に対して消費者物価の上がり率が高かった。わが国だけの特異現象でありますと、こうやってまいりましたけれども、これからはそうはいかない。で、消費者物価を押し上げている二大原因者が何かというと流通部門と農業部門です。流通と農業はどうしても近代化、合理化せざるを得ない。これが中長期に物価を含めて見た場合に政府が逃げられない課題だと思う。しかも複雑な政治問題化している、しかしやらなければいかぬという点についてどうお考えになるか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘の点はまさに問題そのものをずばりとおっしゃっていらっしゃるので、私が以前この仕事をしておりましたときは、その問題は完全雇用の状態に近づけることによって解決できると思っておったのでございます、正直を申しまして。しかし、それがまたそれから離れて、もう有効求人倍率が〇・五とかいうことになってまいりましたから、まさにそこに問題がございますけれども、このような雇用状況で問題解決には非常に環境は悪くなっておるということをどうも考えざるを得ません。そういたしますと、大変そこから話がちょっと飛ぶようで申しわけありませんけれども、やはりいままで第三次産業と漠然と考えられておりました分野に新しい国民のニーズに基づく職業がたくさんあるはずであって、しかしにわかに一日や二日でそっちへ転職できる種類の職業ではない、そのための教育訓練等も必要といたしますから、どうしてもそこからやっぱり始めていくしかないのではないかと、ちょっとそこは迂遠な感じでございますけれども、そういう方向ではないかと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そこで、全くおっしゃるとおりでございまして、じゃ教育訓練をやろうかというとその機会もない。で、福祉関係で新しい雇用が相当要るはずだとおっしゃるのだけど、じゃ福祉関係の——聞いた話ですからあるいは不正確かもしれません、福祉関係の学科を大学に置こうというと認めてくれない。その付帯のものが全部そろってない。おっしゃるように、教育から社会の仕組みから暮らし方から全部ひっくるめていかないと流通と農業部門は私は解決ができない。流通というと、零細小売商店がやっぱり一千万近くある。どうするのかというと、まさに文化の根源に触れる話になってくる。したがって、教育問題は当然出てまいりますし、よほど腰を据えた仕事として政府が取りかかっていかないといけない。片手間というわけにはいかない。  そこで最後に、私がいまの質問を申し上げた本当の理由は何かと言いますと、縦割り行政ではいよいよ何ともかんとも対策が打てない時期に来た、といっていまの行政機構をくっつけろ、離せと言っているわけではありません。ただ、そこの中で調整部署としての経済企画庁の任務は非常に大きくなる。いろんな各部署、民間の活動も含めた整合性をどうやって持たせていくか。したがって、文部省が教育だと言わないで、それを含めた広がりの中で私は経済企画庁が仕事をしていくのは、実は円ドル問題だし景気問題だし福祉問題だと、かように思います。その点についての大臣の御見解だけ伺って質問を終わります。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 問題の御指摘はよくわかって拝聴いたしました。なかなか非力でございまして十分なことはできませんけれども、先ほどもお話がございましたこのトンネルを抜けることとの関連でいずれにしてもこれから五年なり何なりの新しい青写真をかかなければならない時代が来ると思います。そのときにはいま言われましたようなことを十分考えまして、各省ともよく打ち合わせをし協力を得て何かそういう方向を示唆するものを出していかなければならない、そういうふうに考えます。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○主査(中村太郎君) 以上をもちまして経済企画庁所管に関する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三分散会      —————・—————

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