予算委員会第五分科会 第2号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/03/30
会議録
○主査(戸塚進也君) ただいまから予算委員会第五分科会を開会いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨二十九日、安恒良一君、赤桐操君及び相沢武彦君が分科担当委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君、村沢牧君及び内田善利君が選任されました。 —————————————
○主査(戸塚進也君) 昭和五十三年度総予算中、国土庁所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○内田善利君 私は、国土庁所管の奄美群島の振興のことについてお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、奄美群島は昭和二十九年復帰後、土十九年から三十九年まで復興法、三十九年から四十九年まで振興法、四十九年から五十三年まで振興開発法というふうに約二十五年間にわたって奄美の振興をしてきたわけでございますが、まず最初に、本年度で期限が切れるわけですけれども地元鹿児島県で目下この振興法の延長について煮詰めておるようでございますが、地元鹿児島県から要望があった段階でこの振興法を存続、充実を図られるのかどうか、当然そうされると思いますけれども、確認のためお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 奄美群島振興開発特別措置法は、お尋ねのように昭和五十三年度末で期限が切れることとなっておりますが、五十四年度以降の奄美群島に対する措置につきましては、奄美群島振興開発基金の存続等も含めて五十二年度に県が実施いたしました奄美群島振興開発総合調査の調査結果や、昭和五十三年度末の振興開発事業の成果見込み等をもとに奄美群島振興開発審議会の意見を十分聞くとともに、昭和四十九年の特別措置法改正に際しての国会の附帯決議の趣旨を踏まえて、実情に即した、納得の得られるような対応をしてまいりたいと思います。
○内田善利君 奄美群島は鹿児島市から奄美本島の名瀬市まで三百八十三キロ、そして名瀬市から南端の与論島まで二百キロと、こういうことで外洋性離島でございますし非常に隔絶されている。そういうことで二十五年間にわたる振興措置がとられてきたにもかかわらず、非常に内容の充実した面もございますが、まだまだ本土あるいは鹿児島県に比べて、あるいは沖繩県に比べてあらゆる面で満足すべき状態ではないと、そういうふうに私どもは受けとめておるわけです。去る二月の二十日前後、私も公明党調査団を組織しまして行ってまいりましたが、非常に多岐にわたってまだまだ不十分な点が多い。 特にいまからお伺いしたいことは、所得、それから生活保護の実態、それから市町村の財政力指数、こういった面について全国平均とそれから沖繩県、鹿児島県と比較してどういう状態にあるのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 奄美と沖繩とにおきましてはその地域の希望とかいろいろな面で事情を異にいたしておりますので、 〔主査退席、副主査着席〕 単純に比較することが必ずしも適当であるとは言いにくいわけでございますが、奄美が復帰いたしましてから相当年月もたっていろいろな事業もしてまいったわけでございますけれども、たとえば国民所得一人当たりで見ますと、奄美は全国に対しまして、五十年度でございますが六〇・三%というふうなことでございます。ついでに申し上げますと、同じ鹿児島県民所得に対して七二・六%といったようなことでございまして、全般的に格差が所得の面で縮まっておるとも言いがたい。縮まってはきておりますけれどもまだ完全に埋められていないといったような状況でございます。また生活保護法による保護状況を見ましても、奄美の場合はこれは五十年度でございますが五・三%というような状況でございます。まあ一般的にも生活保護世帯が多いといったようなことが比較的な意味で言えるのではなかろうかと思っておるわけでございます。ただ、最後に言われました財政力指数等になりますと、個々の市町村を平均的に言っていいのかどうか、そこらのこともございまして、詳細にそこらを比較したような指数というものは手元には持っておりません。
○内田善利君 非常に簡略にお話しになったんですが、生活保護法による保護状況は、全国平均が千分比で一二ですね、十二人。それから沖繩県が二五・九、鹿児島が二三・四。ところが奄美群島になりますと五三・五になるわけですね。生活保護世帯が非常に多いということ。それから財政力指数も比較にならないと言われますが、一応平均してみても、昭和五十年度では全国の平均で〇・五一、それから鹿児島県が〇・二六、奄美群島になりますと〇・一〇、沖繩で〇・二四、こういう状態なんです。格差が縮まっておると言われますけれども非常にひどい、非常におくれている、このように思うわけですが、これは政府の努力は認めますけれども、現在では沖繩と比べてみますと、まず国庫補助の総額が奄美群島の場合は二十年間で約六百七十億、それから沖繩の方は昭和四十七年から五十二年の五年間で一兆二千億、このように国庫補助の総額の面においても非常に違いが多いわけです。これは面積その他あるかもしれませんけれども、同じ外洋の離島でありますしこれは余りにも違い過ぎると思うのです。人口一人当たりで比較してみましても、奄美の場合は四十五万円、沖繩の場合は百三十二万円と、このように人口一人当たりを比較してみても沖繩の方が三倍、こういう実態になっておりますのですが、この実態を踏まえて、今度の奄美振興法をどうするか、五十四年度以降はどうするかということに生かしていかなければならないと思うのですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 奄美群島の実情については局長から御答弁を申し上げた点、あるいはただいま御質問の御趣旨のように、まだ本土やあるいは鹿児島県、沖繩県に比較して相当おくれておる。したがいまして、先ほどお答えしたように期限切れになる法律につきましては、審議会の意見も十分聞きまして、また附帯決議もございまするから前向きに検討をいたし、奄美群島の振興の上に今後とも努力をしてまいりたいと思います。
○内田善利君 奄美群島と言いますと、どうしても鹿児島県の一郡、一離島という感じ、そういうとらえ方が国民全般にもそうでしょうし、また行政府の方でも何となく奄美と言ったら鹿児島の一離島だというような考えが強過ぎるように思うのです。 私は、一番最初に申しましたように鹿児島市から三百八十三キロも離れておりますし、しかも二百キロにわたり島々が横たわっておる。むしろ沖繩の方に近いわけですが、そういった離島でありますし、同じように米軍の占領下にあって、一方は八年後、一方はずっとおくれて復帰しておると、そういうことから沖繩ではいろんな社会基盤、生活基盤が整った上での振興法適用であったと、そういった面から考えましても、何となく奄美群島というと鹿児島県の一離島だというような感じがあるんじゃないかと思うのですが、私はせめて沖繩と同じように奄美県というような感じで措置していかないとこの格差はどんどん広がっていく一方じゃないか、このような進歩する社会におきましては格差は広がる一方じゃないか、このように思うわけです。補助率の問題にいたしましても、現地の要望は沖繩並みにしていただきたいというのが要望であるわけですが、昭和二十九年の復興法当時は現在の沖繩並みの補助率であったわけですね。ところが現状は先ほども述べましたように非常に格差が出てきておる、これは厳然として大きな開きでございます。だから沖繩並みの補助率にしないと、いまのこの格差を是正していくことはできないんじゃないか、このように思うのですが、この点はいかがでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) 特別措置の内容を検討してまいりますと、御指摘のとおりのような差があることは認めます。そういう形についてはそれぞれ特別な背景や経緯に基づいたもので、それなりに意味があったと、こう思うのでありますが、 〔副主査退席、主査着席〕 それよりも実態がなお非常におくれておるということに私どもは関心を持たなきゃならないと思います。そこで五十三年度の予算措置に際しましても、離島全体の平均よりは相当大幅な、前年度に比較しましても四六%の予算をお願いするということでございます。また本土との格差が解消されてないという点につきましては、確かにそういう点もありますので、今後も引き続き奄美群島の振興開発について強力に推進のできるように協力をしてまいりたいと思います。
○内田善利君 同じく国土庁の直接所管であります奄美群島振興開発基金の問題についてお聞きしたいと思います。 保証業務のうち、保証基金の造成の方では国は承継債権としての五億一千六百二十七万一千円のほかに、昭和三十一年に現金出資として二千五百万円を出資しただけでございますが、私はこの奄美群島振興開発基金の問題について、存続拡充についての基本的な国土庁の方針をこの際お伺いしておきたいと思うのですが、この点いかがでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) いまお話しのございました振興開発基金は、群島の産業振興に必要な金融の円滑化を図るために三十年に設置をされまして、お話のございました保証業務、融資業務の両方を進めてまいったわけでございます。保証業務等については非常に出資も少ない、そしてガリオア、エロアの承継債権を基礎につくっておるので基盤もまた薄弱ではないかといったような仰せでございますが、私どもといたしましては、特にこの保証業務におきましては、奄美群島におきます各種企業等の経営規模が非常に零細でもございますし、またこの生産性も余り高くないということもございます。そして信用力、担保力も弱いということでございますので、この保証利用度というのはきわめて高いという現実の姿を踏まえながら、今後ともその役割りが十分果たせるように拡充をしていきたいと思っております。 融資業務においても、御承知のような基幹産業に重点を置きまして、第一次産業ではサトウキビとか、第二次、三次産業では大島つむぎ、観光といったような大島の特性を生かした産業に対して長期低利の資金の融資を行うということにいたしておるわけでございます。そういったことで、五十三年度予算案におきましては保証計画が六十三億五千七百万、貸付計画が二十九億七千万ということを予定して、保証計画では二七・三%増というような計画を立てておるわけでございます。こういったことで基金は群島の金融の円滑化のために必要で重要な機関だというふうに考えており、また事実そのように機能しておると私どもは信じておりますので、先ほど大臣からお答えがございましたこの特別措置法の延長の問題とも絡んで、その点については私どももかなり積極的な姿勢で向かっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○内田善利君 奄美大島に行きまして感じますことは、二百海里時代を迎えてもう少し漁業の振興開発をすべきじゃないか、周辺には相当な漁業の宝庫を持っておりながら漁協が二つしかない。そういうようなことで、漁業の振興について十分これはやっていくべきじゃないかという声も多いわけですが、二百海里時代を迎えて、奄美群島の漁業振興についてどのように対策を講じていかれるおつもりなのか、その辺のことについて水産庁としての考えをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(鶴岡俊彦君) おっしゃるとおり、奄美群島周辺は天然の魚礁等に恵まれまして、魚族の宝庫になっております。また、いま御指摘がありましたように、二百海里時代を迎えまして、たん白資源の供給のためにも水産業の振興、沿岸漁業の振興というのがとりわけ大事になっておるわけでございます。奄美群島はこれは離島一般の特性でございますけれども、漁港が整備されてない。また、いま指摘がありましたように、漁協は十三ありますけれども、市場が名瀬本島について二つしかありませんけれども、まあ漁港の整備がおくれている。あるいは必然的な条件から流通条件が本土に比べてきわめて問題があるというようなこともございまして、その辺の不利を補整しながら恵まれた沿岸資源の開発をやっていきたいということで、昭和五十年度を初年度といたします第六次漁港整備計画を現在やっておるわけでございますけれども、現在、漁港は奄美地区で二十三ヵ所ありますけれども、そのうち重要な漁港四ヵ所につきましては修築事業を実施する。さらにまた本年度改修事業あるいは局部改修事業につきまして十ヵ所、合わせて十四ヵ所につきまして現在整備をやっておるわけでございます。また、事業を実施するに際しましては、奄美群島振興開発特別措置法に基づきまして、本土より高い補助率で事業の円滑な実施を期するということを考えておるわけでございます。 また、離島という立地条件の不利からどうしても流通条件が不利であるというようなこともございまして、五十二年度からちょうどあの地域で沿岸漁業構造改善事業を実施しておるわけでございますけれども、その中で製氷、冷蔵施設の整備あるいは荷さばき所の整備等の流通改善施設の整備をやる。また奄美本島周辺の漁場につきましてさらに漁場を造成するというようなことから、沿岸漁業整備開発事業によりまして、並み型でありますとか大型というような魚礁の設置を県と相談しながら実施しておるわけでございます。そういう施策を今後とも鹿児島県当局と相談しながら逐次実施しましてできるだけ立地条件の不利あるいは自然条件の不利を解消しまして漁業の振興を図ってまいりたい、さように考えておるわけでございます。
○内田善利君 特に流通条件をよくするという意味で漁業の機能的に必要な冷蔵庫の建物施設ですね、あるいはあそこはリーフが非常に多いわけですね。そのために漁港整備の隘路といいますか、そういった面。それからオニヒトデが非常に多いわけですが、これに対する対策、そういうことについてはどのようにお考えですか。
○説明員(鶴岡俊彦君) 先ほども御説明いたしましたように、流通条件の不利を補整するということから、流通施設の整備につきましては冷蔵施設の整備を中心に考えておるわけでございまして、五十二年度も県からの要望に従いまして二ヵ所で実施する。さらに五十三年度以降につきましても逐次要望を聞きながら実施してまいる。ただ、奄美の漁業振興の場合に、島内消費というよりもむしろ鹿児島本土に輸送するということを考えないと、どうしても漁業振興には限界があるということから、全島にそういう流通施設を配備するのが、むしろ拠点的に配備してその不利を補整していくというようなこともございまして、そういう県の計画に基づきまして逐次整備を考えておるわけでございます。 それから漁港整備につきましては、二十三港のうち四港が離島その他避難港というような重要な施設になっております。その四港につきましては第六次整備計画で五十二年度から修築事業ということで基幹施設あるいは機能施設の整備をやっておるわけでございます。そのほかの施設のうち、また繰り返しになりますけれども、改良あるいは局部改良等につきまして十ヵ所の整備を進めているわけでございます。 オニヒトデの問題については、私ども残念ながら承知してないわけでございますけれども、有害動物の駆除につきましてはそういう対策もございますし、地元から要望がありましたら検討したいと思っております。
○内田善利君 次に、気象庁にお伺いしたいのですが、私も災害対策特別委員会の一員として先ほどの台風の場合に視察に行ってきたわけですけれども、その前に昭和四十何年でしたか、台風のときにも一番現地の人たちが心配していたのは、気象庁の予報の前に台風が来たということなんですね。今回も沖永良部に参りましたところが、あそこの町長さんのお話では、気象庁の予報の三時間ないし四時間前に台風が来てしまった、こういうことがあったんですが、これは何回災害があってもこのままでは済まされない、そういう気がするわけでございますが、この沖永良部台風の教訓を踏まえて奄美群島地区の予報体制について、予報官の問題、測候所を気象台に昇格していただきたいというような要望、あるいは予報官を一人だけではどうにもならないのでふやしていただきたいという要望、それからアメダス装置の件にしても、現在は三ヵ所ですが、十ヵ所ぐらいは欲しいという要望等、速報体制などについて具体的にどうやっていくと、いつそれが完成すると、台風が来ても大丈夫ですというのはいつか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(有住直介君) お答え申し上げます。 先生のお話のとおり、台風に際しまして昨年も九号台風で大変な被害を受けまして、地元の方々には大変われわれとしては遺憾なんでございます。島の方々は大変お気の毒だと思います。それで私ども反省をいたしまして、何とかそういうことはもう二度とないようにしたいということで検討をいたして、それを具体的に進めたいと思っております。やはり測候所の機能を強化するということが先決であると私ども思っておりまして、第一には、静止気象衛星も上がりましたので、この「ひまわり」の受画装置を名瀬の測候所に設置いたしまして、気象衛星の組む画像を台風時には直接受画してそして利用できるようにするということをまず考えたい。このためにこの機械につきましては早速発送いたしまして二、三日中には現地に着く予定でございます。あるいはもう今明日あたり着くかもしれません。それを整備いたしましてことしの台風時期までには十分活用ができるようにしたい、そういうふうに思っております。 それから、勢力の強い台風が奄美諸島の方に接近のおそれがあるという場合には本庁から技術職員を派遣しまして、台風情報などの充実というものを図っていきたい、そういうふうに考えております。また名瀬にはレーダーがございまして運用しておりますが、これをもう少し情報に積極的に利用したい。台風の中心位置というものについて、従来本庁がやはり責任を持ってやるんだということでやっておりました。これは中心位置を決める官署が何ヵ所かございますと、情報の出どころが二ヵ所あって中心位置が違うというようなことが昔ございまして非常に問題になったことがありまして、東京の本庁で中心位置を決めるということでやっておりましたが、そのためにやはり若干の時間のロスがある。そこでレーダー情報をもとにして中心位置の緯度、経度で何度何分ということまでは決めなくても、防災上非常に重要な暴風雨半径の大きさだとか、あるいは瞬間最大風速はどのくらいが予想されるとか、そういうような具体的に防災にお役に立つようなものをいち早くきめ細かい形でお流しした方がいい、そういうことにしようとしております。 それから、また昨年の九月に日中との間で覚書と申しますか取り決めを行いまして、日中回線の開設があったわけですが、昨年の暮れからそれが運用をいたしておりますので、台風情報あるいは台風警報というようなものが早く入手できるようになりましたので、それも情報に組み込んで大いに利用していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。具体的に名瀬につきましてはそういうことをやろうとしております。 それから、昨年の反省をいたしますと、一つは情報が遅かったということ、先生御指摘のように作業がどうも遅かったということ、それから情報を伝えるのに時間がかかっておるというようなことがございますので、その点を反省いたしまして、本庁におきましての台風臨時体制というものを強化いたしまして、たとえば毎時指示報というものを一時間ごとに出す。それをいままでよりはうんと時間を短縮する、いろんな方法、できる限りの具体的方法を考慮をいたしましてできるだけ短縮する。そしてそれをいち早く地方官署の方に流す。また、奄美諸島につきまして前回のときいろいろ反省いたしました結果は、放送局でございますけれども、鹿児島の放送局しか受けれない地域と、それから沖繩のテレビしか受けれない地域と両方ございます。そういうことがございますので、奄美諸島は鹿児島県ではあるけれども鹿児島の情報だけではだめなので、必ず奄美諸島に対しましては台風その他の情報は沖繩からも絶えず流す。それから鹿児島からも同時に流してオーバーラップいたしまして、島の方々が鹿児島の方を聞いておっても沖繩のテレビを聞いておってもどちらからでも必ず情報が入るというオーバーラップさせることにいたしました。そういうことでやりまして、このことに関しましてはNHKとの打ち合わせを行いました結果、NHKでもそれに喜んで協力しましょうということで進められることになりました。 そういうことでございまして、私どもとしてはできる限りこの奄美の諸島に対してバックアップし、測候所そのものもできるだけ強化していく。何せ私どもの仕事は予報がやはり生命でございまして、精度のいい予報をいち早く流すということがどうしても必要でございますので、それにつきまして全力投球をいたしております。これからも特に予報精度の向上ということに関しましては、研究所あるいは本庁の担当の課におきまして、いままでも精力的にいかにして精度を上げるかということで努力いたしております。たとえば現在レーダーを全国に展開してやっておりますが、これをデジタル化と申しまして、数字の形でエコーをあらわしまして、それを計算機処理をして全国的な視野に立ってフルに利用して、それで精度を上げようというようなことも考えております。今後とも大いに努力したいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
○内田善利君 大体よくわかりましたが、もう一回お聞きしますと、「ひまわり」の受画装置を設置するということですが、「ひまわり」自体の故障はもう直ったのかどうか、この辺をひとつお聞きしておきたいと思います。 それから、気象台昇格については御答弁がありませんでしたが、予報官の増員ということとつながると思いますが、先ほどから申し上げておりますように、鹿児島県の一郡ということではなくて、一つの外洋離島でございますし、これは特別に気象台に昇格して予報官をふやすことが私はいままでの体験からどうしても必要だと、こう思うのですが、こういうことはできないものかどうか、国土庁長官にお聞きしたいと思いますが。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御質問を聞いておりまして、奄美群島における気象観測体制の強化の必要性は私もそのように受けとめた次第でございますが、この気象台への昇格ということになりますと行政機構の問題になり、行管などの意見も十分聞いて検討しなければならない問題だと思いまするので、きょうのところなかなか即答を申し上げるわけにはいかないと思いますが、きょうの御意見は私も念頭に置いて今後よく行管とも相談してみたいと思います。
○政府委員(有住直介君) ただいま「ひまわり」の故障についてのお話がございましたが、「ひまわり」につきましてはいままでに三回ほど主なものを挙げますと故障がございました。これは一つは図形がひずむという現象が起きたわけでございます。これは衛星が実際に上で回転しておりますが、その回転が機械軸とその回転している軸とが約二度ばかりずれたということでございます。これは本当に予想外のことでございまして、それに対しましてはこの図を正常の丸い形に直すという作業をいま検討してやっておりまして、この直すにつきましてもいろいろ技術的な検討がございまして、何しろ球は飛んで上がってしまっておるものですから、実際にどういうふうにどこで故障があったのかということを的確につかむということがいまでもまだできていないわけでございます。それでございますから、上の機械について直すということは不可能でございますので、実際に受画した図を地上の装置でもって直すということで進めております。この機械につきましてはアメリカのいろんな技術というようなものもございますので、そういうところの関係もありまして、四月いっぱいくらいには——最初三月いっぱいと私ども考えておったのですけれども、ちょっと時間が延びまして四月いっぱいぐらいには直せるというめどで進めております。 それから、あと二回の故障というのは、これはレンズがございまして、結局地球の状態をそのレンズの焦点に結びまして、その焦点にセンサーがございまして、それではかっているわけでございます。温度それから光の量、そういうものをはかっているわけでございますが、そのセンサーというものが可視光線につきましては八つございますのですが、そのうちの二つにつきまして電源的な故障が起きた、しかし八つのうち二つが故障を起こしましたが、実際に使うのは四つでございまして、四つが生き残っておればまずまず大丈夫でございますので、いまのところ写真を撮り仕事を進めるという上について不都合は起こっていないわけでございます。ひずみの問題も含めまして地上でこれを処理いたしますと運用上差し支えございませんので、その点はまだ当分運用としては完全に進められると、そういうふうに考えておるわけでございます。 それから予報官の増でございますけれども、これにつきましては先ほどもお話をしましたが、とりあえず勢力の強い台風が奄美諸島に接近するおそれがあるときには本庁から技術職員を派遣しまして情報をよくしたい、そういうふうに考えております。
○内田善利君 次に、大島つむぎのことについてお伺いしたいと思います。 いわゆる韓国産のつむぎによって本場大島産のつむぎが非常に大きな被害をこうむっていることはもう皆さんも御承知のとおりでございますが、通産省と韓国との取り決めで三万六千五百反の輸入に抑えるということになっておるわけですね。これが現在守られているのかどうかという点についてまずお聞きしたいと思います。
○説明員(脇山俊君) これにつきまして私どもの方でつかんでいる数字では、おおむね月産三千反前後の輸入が行われている模様でございまして、五十二年度の三万六千五百反という規制枠、大体それにおさまっているのではないかというふうに私どもは了解しております。
○内田善利君 この月産三千反の輸入ということですが、三万六千五百反が守られておるということですけれども、市場におきましては非常に多いということなんですね。これは韓国の自主規制ということであって歯どめができているのかどうか、どこでこれを規制しているのか、もしこれ以上を輸入してきているとすれば約束違反でございますから強い規制をとるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点はどのようになっておりましょうか。
○説明員(脇山俊君) これにつきましては、たとえば観光客がみやげ物として持ち帰るものであるとか、そういうもので若干の余分の輸入があるというふうにも聞いておりますが、私どもの方でこれも通関の方で調査いたしましたところ、大島つむぎ類似品のみやげ物の持ち帰りはサンプル調査でございますからはっきりしたことはわからないのですけれども、それほど大量のものではないのではないかというふうに考えております。 なお規制の遵守につきましては、韓国政府に対してしばしばこれを申し入れておるわけでございまして、今後ともなおそのようにやっていきたいというふうに考えております。
○内田善利君 これは韓国に現実に調査に行った人の話ですけれども、韓国には機織り機が八万五千台あるそうですね。ですから八万五千台の機織り機があれば大体推定して約二十万反の生産が可能だということなんですが、韓国産輸入三万六千五百反というのはどうも信ぜられないと、この大島つむぎを消費するのは日本国民だけであって韓国では使ってないそうなので、八万五千台の機織り機から二十万反ぐらいの生産が可能であるとすれば、相当日本に入ってきているんじゃないかということなんですけれども、その事実調査といいますか、そういった実態の把握とかということは通産省ではできていないわけですか。
○説明員(脇山俊君) 韓国の国内における生産能力等については、通産省として直接これを調査する立場にございませんのでなかなか困難な面がございます。ただ二十万反とか何十万反という数字の中に、直接大島つむぎと競合するような大島つむぎ類似品ということになりますと、その中のまた一部になると考えられますので、現在のところ実際韓国の生産能力が何万反であるか、これを直直接には把握できていないというのが実情でございます。
○内田善利君 国内の伝統品産業を守るという意味からもう少し政府の強い姿勢が望まれるのですけれども、この点は国土庁長官どのようにお考えでしょう。奄美大島の伝統的産業をどうやって守っていくかという今後の対策についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大島つむぎ、またもう少し広い意味で国内産伝統品を守ると、これは私ども閣僚として当然の責務だと思います。なお、この振興特別措置法の四十九年国会通過の折に、衆議院におきましても参議院におきましても附帯決議でこの大島つむぎの問題に触れられておりますので、私としては、せっかく通産省が韓国との間で自主規制を取り決めておられるのでありますから、これらの遵守を強く望んでまいりたいと思います。
○内田善利君 通産省としては今後の対策をどのようにお考えですか。
○説明員(脇山俊君) これにつきましては、韓国に対しましてなおこの規制の遵守、それから規制枠の適正化、こういうものについて今後とも強力に交渉を続けていくということが第一でございまして、それから伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づきまして大島つむぎの産地の振興、後継者の育成、それから韓国類似品に対抗するためにこれが本当の本場大島つむぎであるということを表示する表示制度の拡充強化、こういうことを伝統的工芸品産業振興法の一環として実施しているわけでございまして、今後ともこれを強力にやっていきたいというふうに考えております。
○内田善利君 以上で質問を終わりますが、最後に国土庁長官にもう一度お伺いしたいと思いますけれども、この奄美振興法の補助率が一般公共事業、それから離島振興法並みにいまなっているわけですね。決して特別措置法ではないということでございます。それで県あるいは市町村の負担が重くなって財政を圧迫しているという状態でございます。沖繩特別措置法並みの補助率が現在適用されていないという点なんですけれども、先ほどから申しますように、鹿児島の一離島という考えじゃなくて、沖繩県と同じような、一つの奄美県というような考えで今後振興を図っていただきたいと、そのように思うわけですが、追って鹿児島県から要望が出てくると思いますけれども、十分審議していただいて審議会の答申等も得た上で、延長に当たってはこれまでの措置に対する厳しい反省に立って、せめて五年間の延長をしていただきたい、補助率も沖繩並みの補助率でやっていただきたい、このように要望して私の質問を終わるわけですが、長官の御意見を最後にお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 現在の奄美群島の特別措置法は、いわばちょうど沖繩と離島との中間にあると思うのですね。細かくは申し上げませんが離島よりは補助率はよくなっておると思います。もちろん同じものもございますが、全部を通じて見ますれば奄美特別措置法の方が若干よくなっておると私は思うのであります。 それで、ただいまの御質問は、今度期限が来て仮に延長するとするならばいまの補助率なども考えてやれという御趣旨であったと思います。先ほど特別措置法の延長については前向きに考えたいということを申し上げておるわけでございますが、その機会に関係省庁とよく検討をいたしまして、できる限り御趣旨の線に多少でも沿いたいと、こう思います。
○主査(戸塚進也君) 以上で内田善利君の質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(戸塚進也君) 速記を起こして。 —————————————
○主査(戸塚進也君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。本日、瀬谷英行が分科担当委員を辞任され、その補欠として大塚喬君が選任されました。 —————————————
○立木洋君 御承知のように、ことしの冬は二十数年ぶりの大雪とかということで非常に雪害も生じまして、この雪害地帯における方々の中からこれに対する対策を拡充強化していただきたいという要望が多く出されてきている点については長官も十分に御承知のことだろうと思いますが、その点に関連して本日は幾つかお尋ねしたいと思います。 最初に、特別豪雪地帯の指定の問題につきまして、去る五十二年の五月十九日、衆議院の災害対策特別委員会で決議がなされました。現在その指定基準の見直しの作業が小委員会で行われておるというふうに承知しているわけですが、その審議の状況についての主な点を最初に御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま審議会の小委員会での経過を言えとの御質問でございました。 特別豪雪地帯の指定基準の見直しに当たっては、衆議院災害対策特別委員会の決議の趣旨に即して、積雪の度の要件については、最近年次までの積雪の実態をできるだけ反映させる必要があると考えており、また、積雪による住民の生活の支障の要件についても、最近における道路除雪の実態等を考慮して適切なものとする必要があると考えております。私としては審議会の早急な検討結果を待ちまして、関係各省と協議をして適切に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○立木洋君 自治省の方にお尋ねしたいのですが、この基準要件となる積雪データの調査が五十三年度の予算で見込まれておるわけですが、これらの調査が終わって基準の決定がなされる見通しですね、大体いつごろになりそうでしょうか。
○説明員(柳庸夫君) いま御指摘がございましたように、昭和五十三年度の予算におきまして、積雪地域の級地区分の見直しのための必要な経費が計上されているところでございますが、この調査につきましては、最近のデータをもとにいたしまして財団法人日本気象協会に委託をいたしまして、累年平均積雪積算値というものの地図をつくっていただく必要があるわけでございます。このための委託につきましては、予算が成立次第、直ちに日本気象協会と契約を結びたいということで準備作業を進めているところでございまして、そのための事前の打ち合わせもいろいろやっているのでございますが、私どもの聞いておりますところでは、日本気象協会におきますところの見直し作業につきましては大体八ヵ月間ぐらい必要なのではないかということでございます。したがいまして、作業が順調に進みましたならば、大体十一月末ごろには報告書を提出していただくことができるのではなかろうか。それを受けまして、私どもといたしましては早急に作業をやって新しい級地を決めるということになるわけでございます。
○立木洋君 八ヵ月間ぐらいの期間が必要だ、その後自治省の方で検討される。そうすると五十三年度内に大体決められるというふうなことでよろしいですか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほど大臣から大体の報告を申し上げたわけでございますが、御承知のように指定基準の改正は、豪雪地帯対策審議会の議決を経て総理大臣が決めることになっておりますので、一つにはこの積雪量の問題でございますけれども、自治省でやっておられます交付税上の積雪度をそのままとっておるものでございますから、ただいま来年度の予算で要求をされて、それに基づいてある程度時間をかけておやりいただく。それからもう一つの要件として、積雪度のほかに大臣から申し上げましたような生活の支障の要件、この二つが合わなければ特別豪雪地帯には指定されないということで、そちらの方の基準については、たとえば現行の自動車通行不能の要件、自動車の通行不能日数が三十日以上のところが全集落の一五%以上なければならぬといったようなことが、果たしてそれでいいのかどうかといったような問題とか、財政力等の関係とかいうようなものを順次検討していただいて、すでに三回小委員会を開いておるわけでございます。そういうものを順次詰めながら、自治省のいまの御検討ができてまいりますと、それによって新しい級地の見直し等ができるわけでございます。それを含めて私どもとしてはできれば今年いっぱいぐらいになるわけでございますけれども、次の年明けていつも降ってまいります雪の時期までには見直しを終えたいなということで作業を進めておると、こういうことでございます。
○立木洋君 長官、いまお聞きのような状況なんですけれども、豪雪地帯の方々にとってみれば一刻でも早く決めていただきたい、見直しをしていただきたいという要望が強いわけであります。それで十分に審査していただかなければならない点はそのとおりでございますけれども、五十四年度にまたずれ込むというふうなことのないように、十分に審査をされた上でもできるだけ早く決めていただくということで、大臣ひとつよろしくお願いしたいと思いますが、いいですか、その点は。
○国務大臣(櫻内義雄君) この冬の降雪期に際しまして、北海道その他の御要請が幾つもございまして、私も先ほど御答弁申し上げたように審議会の結論が早急に出ることを期待しておるわけでございますが、関係の自治省の御答弁もございまして、級地の検討については大体秋ごろには調査が終わるように承っておりますし、その他の点につきましては局長が申し上げたわけで、次の降雪期までには私としては審議会の結論が出て検討ができるように期待をしておるわけであります。
○立木洋君 それで、この件に関連しまして北海道知事、青森県知事、秋田県知事の三者の連名で去る二月の十三日に要望がなされておると思うのですが、私たちの方からも小笠原議員等も繰り返し国土庁の方にお願いに上がっているわけですが、そこでは特別豪雪地帯の指定基準を早急に改正し、指定市町村を拡大されるよう特別の御配慮を賜りたく要望いたしますということで出されておりますが、この件についてはとのようにお考えでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどお話し申し上げましたような積雪の度合いという点については、御承知のように四十四年までしかその雪の量を調査の対象にしていないというようなこともございまして、どうしても新しい最近の状況というものを反映さしてもらいたい。それによって見直してもらいたいということでございます。したがいまして、私どもとしては自治省にお願いもいたしまして、ああいった調査で新しい量を四十五年以降のものも含めて検討していただく、これは非常に客観的に平均積雪積算値というものは決まるわけでございますから、どの年次までとればいいかということは今後の問題でございますけれども、そこの第一の要件は客観的にそういう点から決まってくる。したがいまして、全体を見てみませんとどの程度どういうことになるかはわからない。ただ、一方では非常に積雪量は多いけれども第二の要件の生活の不便度の面で落ちておるといったようなこともございます。この調査も四十四年の農林業センサスに基づいて四十五年に調査したわけで、これも古い時期のものでもございます。そういった点からの見直し等もございますから、若干全体としてはふえる可能性はあるであろうというふうに思っておりますが、どの程度どうふやしてどうというような、そういっためどまでつけておるわけではございませんが、御納得のいくような形で合理的な方向で見直しをしたいというふうに考えておるわけでございます。
○立木洋君 この要望書の内容はごらんになっておわかりのように、地方交付税四級地以上の市町村の数、北海道の場合には百二十三で、そのうち特別豪雪地帯として指定されておる市町村の数が五十四、その比率が四四%というふうふうになっております。青森の場合が四一%、秋田県の場合が四九%、その他の豪雪地帯と言われておる県十県の状態を見ますと大体八〇%以上にその比率はなっているわけで、これも十分にいま申し述べられたような点で御検討いただいて前向きに対処していただきたいというふうに思いますが、その点はよろしいわけですね。
○政府委員(土屋佳照君) 実は御承知のように、この累年平均積雪積算値というものの数値によって決まるわけでございますが、この基準というのが三つあるわけでございます。しかし原則的な面で申しますと、昭和二十五年から四十四年までの二十年間に平均一万五千センチメートルデー以上ということになっておるわけでございまして、そういった数値が示されておるわけでございますが、地方交付税の寒冷補正におきます級地の積雪度という場合は、四級地は実はこの一万から一万五千センチ未満ということになっておるわけでございます。そういった点から見ますと、実は四級地というのは原則的には入らない方向になっておるわけでございます。まあ五級地以上が入るということでございまして、実はそういう点で見ますと、各県で示されておる数値は四級地を含めての数でございますけれども、たとえば北海道でございますと、仰せのとおり五十四市町村が特別豪雪地帯でございますが、もう五級地以上は五十八ということでございまして、そこに若干の県でおっしゃる点ではずれがあると思うのでございます。ただ、もちろん私どもの方といたしましても四級地で全然入ってないとは申せないわけでございまして、たとえば四十八年に新しい基準がつけ加わったところは、最高が二万センチメートルデー以上で、最低が五千センチメートルデー以上で、中間の平均が一万センチメートルデー以上あればいいんだと、こういう基準に照らしては若干浮かび上がってくるとか、それから五十一年に十六市町村を追加いたしましたところは、いろいろな事情で、実際四級地ではあるんだけれども全体的な関連で山地の方の実態が反映されていないとかいろんなことがございまして、メッシュマップをつくって補整をしたりした、そういったこともございまして、五級地以上でなければいかぬということにはなっておりませんけれども、ただ一般的にはその級地の数がそういうことになっておるものですから、四級地は当然入るという形にはなっていないという点だけは御了解を願いたいと思うのでございます。
○立木洋君 四級地がすべて入っているというふうには承知していないわけで、しかし入っておる県も大分あるわけで、そこらあたりの度合いというのが、生活支障の要件とも兼ね合わせてそういうふうになっているんだろうと思いますけれども、三月の二十五日に滝川市の議会で特別豪雪地帯の指定に関する意見書というのが満場一致採択されているわけですが、そこの状態を見ますと、先ほどお話がありましたいわゆる積雪度の要件という三つの条件ですね。ここでは二十年間における累年平均積雪積算値ということで出されておりますが、この滝川市の場合、この意見書によりますと、ここでは積雪データとしては気象官署または観測の委託を受ける条件になっているが、滝川通報所は昭和三十五年一月に観測開始で、それ以前のデータがないというふうなことがあるわけですが、ここも国鉄滝川保線区のデータを見てみますと、ここは昭和三十二年から昭和五十一年までのデータでは、この積算値が一万六千四百二十六センチメートル日になっているわけですね。わずか二年間ぐらい足らない。それは観測開始がおくれたためにそういう前の二年間のデータがないということもありますし、ここでの滝川市の場合の生活支障の要件について言いますと、集落九十三のうち二十九が通行不能になる、つまり三一%。不能の日数が三十日以上の集落数が一五%以上ということが要件ですから、ここでも生活支障という面から見てもこれは要件になっているんではないか、こういうふうな点に関しては、滝川市なんかの場合には当然特別豪雪地帯の指定に加えてもいいんではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 基準をつくります場合はどうしてもある程度のところで割り切って考えるということになりますので、ただいまおっしゃいましたように、観測点が設置されたのが若干後であったとかといういろいろな問題が起こってくるだろうと思っておりますが、それはそれといたしまして、私どもがこういった積算値をとります場合はどうしてもその公信性のあるところの数値を使わなければならぬと、しかも短期間に変動するところでなくて、ある程度長期間にわたっての数値をとるといったようなこともございますので、勢いいまのような基準になるわけでございます。したがいまして、いろいろなデータを見ればこういうデータもあるんだとかとおっしゃるのは、それはそれなりでの御意見でもあろうと思うのでございますけれども、私どもとしては全国の豪雪地帯を通じましてこういった形でやったらどうであろうかという基準をつくります場合は、やはり現在とっております二千ヵ所を超える公信性のあるところの数値を重要視したいというふうに考えております。もちろんこれは気象官署の観測所だけでなくて、いろいろなもっと、公共団体の持っておるものとか申し出のあるもので、それだけの能力のあるものは利用するようにしておるわけでございますけれども、大体全般的にはそういう場所で観測したものを利用しておるということでございます。 ただ、お話しのございますように、周辺の状況等を見ても、自分たちがいろいろ生活の実感として受けておる点からも、どうしても特豪地帯に入るべきではないかというお考えのところもいろいろあるわけでございます。そういった意味で、先ほど申し上げましたように、新しい雪もとって、そしてそこらでどの程度新しいものを含めてどの期間をとったらいいのか、新しいその基準というものを追加をいたしましてそこで見直す機会はつくりたいということでございます。その点では、見直すという点は仰せのようなのでできるだろうと思っております。結果がどうなるかはちょっとまだ予断を持って申し上げることはできないわけでございます。
○立木洋君 いま申し上げたこの北海道の空知支庁管内は十市十六町一村あるわけですが、そこでは四市五町一村が指定されているわけですね。そこの状況をいろいろ聞いてみましても、どうしてここの町が入ってこちらの町が入っていないんだろうかとかというふうなことがなかなかわかりにくい面があるわけですね。途中に山があるわけでもないし川があるわけでもないし、気象条件は全く変わりがないと。たとえば新十津川町の場合には前回入りましたけれども、同じすぐ隣の雨竜町は入っていない。雨竜町の場合にはこの指定で見ますと、ここでは六級地になっているわけですね。新十津川町も同じ六級地である。隣り合わせの同じ町でありながら片一方が入って片一方が入っていないというふうな問題もありますし、さらには北の方に参りますと余市町、仁木町あるいは古平町というところはこれは五級地であるけれどもこれも入っていない。これは具体的にはこういう町村の場合にはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども御説明申し上げましたように、この基準の中には積雪度が一定量以上なきゃならぬという要件と「かつ」というかっこうで二号要件というのがございまして、これが「生活の支障度」ということになっておるわけでございますが、いまお話しのございましたようなこの雨竜町あたりは六級で余市あたりは五級地ということで、量においてはおっしゃるとおり条件を満たしておった。しかしその「かつ」という方の二号要件の方が、交通支障の度合いというのが四十四年の農林業センサスに基づいて四十五年に調査した時点においては満たされていなかった。それからまたその二号要件のうちでもいまの「自動車の通行不能の日数が三〇日以上である集落数の割合が一五パーセント以上」という基準のほかに、もう一つ「医療、義務教育および郵便物の集配の確保の困難性」ということが選択的なかっこうで条件としてあるわけでございます。そっちの方の要件にも当時の調査では該当していなかった。そういったことからこれは認められていなかったということでございます。ただ、こういった点につきましても、先ほど申し上げましたように、一号、二号を通じまして最近の実情に合うように、率直に申し上げまして、いまの交通状況から見ますと、三十日以上も孤立するようなものがそうたくさんあるとも思われませんし、そういった状況なりあるいはこの生活の不便度についても、あるいは新しい時点のものがとれればそれによる見直しということもできると存じます。そういった点で、十分実態に即した見直しをいたしたいというふうに考えております。
○立木洋君 長官、いまお聞きのような状況なんですけれども、先ほど長官から御説明がありましたように、国会で決議されている点ですね、それに積極的にこたえる形で検討したいというお話がございましたが、この積雪データの二十年間ということになると、今回の場合は四十四年までだったわけですから、その後条件もいろいろ変わっておる、そういうことも当然御検討いただかなければならないし、また先ほど言われた生活支障要件といいましても、「自動車の通行不能の日数が三〇日以上である集落数の割合が一五パーセント以上である市町村であること。」これはなかなか現在の状態から言えば、三十日間も通行ができない部落があるなんといったら、そこでどんなにして生きていくかというふうな問題にもなってくるわけですから、そういうふうなことも当然見直していただかなければならないし、いま述べたように大変な事態が起こっているわけですから、もちろんいま特豪地帯に指定されているところを減らしてなんということは毛頭これはあってはいけないことですけれども、さらに積極的にそういう具体的な検討をいただいて、いま私が御説明申し上げたようなところについては前向きに検討していただくというふうな積極的な姿勢をお願いいたしたいわけですけれども、長官いかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 恐らくこの豪雪地帯対策審議会の小委員会におきまして、立木委員のおっしゃっておるような点を十分検討していただいておるものと思います。そして「積雪の度の要件」あるいは「積雪による住民の生活の支障の要件」などにつきまして、審議会としての御見解をちょうだいできるものと思いますので、その要件によって見直すというのが一番適切ではないかと思うのであります。
○立木洋君 重ねて前向きに御検討いただけるように御要望しておきたいと思います。 次に、保安要員の問題等についてですが、先ほど申し上げましたように、大変な大雪で、たとえば北海道の場合を見てみますと、ことしの冬でこの雪害のために亡くなられた方が十名も出ておるというふうなことも聞きましたし、けがをされた方も大分おられるというお話ですし、また落雪事故が三十六件もあったというふうに伺っているわけです。こういうふうな状態、特にこれはお年寄りの方が多いということですし、これらの対策のために市町村では積極的に屋根の雪除けや道づけなどの援助をする要員制度に対していろいろやっておるようでありますけれども、こういう屋根の雪除けだとか道づけなどの援助を国としてもできるだけ補助ができるように御検討いただきたいと思いますし、特に北海道の場合には季節労働者の方が冬の期間ほとんど仕事がないということで、道内において二十九万人に上る季節労働者の方がいますし、そういう方々の仕事という問題を考えても、こういう対策をとることは非常に意義があることではないかというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお話のあったのは、冬期における孤立集落対策の件であろうと存じますが、こういった点につきましては、地域の実情に応じましてそれぞれいろいろな工夫がされておるわけでございますが、お尋ねのこの保安要員制度は、新潟県が昭和五十年度からその一つの手法として試行的に実施をされてきているものでございまして、それはそれなりに評価できるものだと思っておるわけでございます。しかし、こうした制度は非常に自然的、社会的条件、その他各地の実情に対応しましていろいろな仕組みや方法が地方団体ごとあるいは集落ごとに考慮をされるべきものでございまして、一律に国庫補助事業とするということはなじみにくいというようなことでございます。特に、こういった職員と申しますか、人件費補助的なものは一律補助ということはなかなかなじみにくいし、そういう点が特に強調されるべきものではなかろうというふうに私は考えておるわけでございます。 ただ、冬期孤立集落対策そのものは全般的な問題として当然いろいろな対策が考慮をされるべきものであると思います。私どもといたしましてもいろいろな方法を考えてみたわけでございます。まあ国会あたりにおいてもいろいろな方の御意見等もございました。とりあえず五十三年度から国土庁のモデル事業といたしまして、新たに冬期孤立集落の機能維持施設整備事業という制度を創設をするということにいたしまして、予算案で六ヵ所分をお願いをしておるところでございますが、いろいろな御意見の中から、なかなかこの人件費補助的なものがなじまないなら、もっと別ないろいろな角度から検討しようということでこたえたつもりではございます。もちろん、まだ緒についたばかりでございますから、こういったことを通じながら孤立集落対策というもの、いまるる出かせぎ者対策等のこと等も含めてのお話でございましたが、私どもも十分検討も進めていきたいというふうに考えております。
○立木洋君 次に、合わせて三点ほどお伺いしたいのですが、一つはいまおっしゃった冬期孤立集落機能維持施設整備事業費の問題ですが、これは国土庁の対象とされているのは比較的大規模な集落に対しての補助ということになっているんではないだろうかということから、たとえば北海道の場合には集落が非常に散在しておる。で、あそこでの酪農なんかの場合だったら一キロから二キロぐらい離れておるし、畑作の場合でもあれだということで、そういう散在しておる点から対象にならないのではないかというふうな不安を持っているわけですね。この点についてはひとつ弾力的に対応していただきたいということが一点でございます。 次の二点目は、歩道の除雪ですね。これは歩道わきの排雪等についてまでは、これは建設省の方の質問になるかと思いますが、わきの排雪までについては若干の補助がなされておると思いますけれども、その補助をさらにふやす見通しはないのかどうか。それから歩道の除雪ですね。この歩道わきの排雪と言いましても、行って見てみますと雪が山のように両方に積まれて真ん中を通るのは、もう自動車が大変で事故を起こすのではないかというふうな事態というのを常に見るわけで、こういう歩道の除雪についても補助の対象にすべきではないだろうかというふうに思いますが、この点についてはいかがか。 それから最後は、建設省と国土庁と両方になるかと思いますけれども、流雪溝ですか、あの水の流れの一定にある、また水の十分にあるところでは、そこで排雪の雪を落としてどんどん流していく、こういうのが比較的いい方法としてそういう条件のあるところでは取り入れられておるわけです。これについても一定の補助はなされておると思うのですけれども、今後そういうふうな条件があるところで、積極的な要望が自治体からあればこたえていくというふうな姿勢をとっていただけるかどうか。その三点をちょっとまとめてお伺いしたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほど申し上げました冬期孤立集落機能維持施設整備事業制度でございますが、とりあえず六ヵ所を計上しておりますけれども、これはたとえば最近ずっとやってきておりました基礎集落圏の防雪対策事業と違いまして、かなり規模としては小さいものを考えておるわけでございます。まあ二千万で補助が千万ということでございますから、もう単年度でつくってしまおうということで、これは管理棟みたいなもののほかに除排雪車、そういったものとか、照明灯とか、そういうものも全部広く買えるようにして、かつまたそこの場所だけでなくて、たとえばその集落の近くで道がとだえた、本部へ連絡をするその通信施設というものを、途中の道でも利用できるそういう施設をつくるとか、いろいろな方法を考えながら、かなり幅広く、離れた集落対策にもなるように実は工夫をしていこうと思っております。わずか六ヵ所でございますけれども、今後そういう試行錯誤を重ねながら、よりいい機能を果たせるようなものを探っていこうというのがこのモデル事業の性格でもございますので、御趣旨の点は十分今後生かせるように検討してまいりたいと思っております。 なお、除雪の問題は建設省からお答えをいただくことにいたしまして、流雪溝の問題等についても、これも全般的には建設省としての道路対策でいろいろやっていただいておると思いますが、関連して一言だけ申し上げますと、私ども、この三全総ができました後のいろいろな地方都市整備の関連におきまして、いろいろな具体的な問題についてもパイロット事業として一つずつモデル的なものを手がけていきたいということの中に、実はこの積雪寒冷都市のモデル街区整備事業ということで、ただいまお話しのございましたような、ある特定の街区を取り上げまして、流雪溝なり屋根雪の共同処理施設といったようなこと等を検討される、その計画に対して補助をしていこうということで、できるだけそういったところから整備の有効な方法というものを模索していきたいという、そういう事業等も若干手がけた、これは小さいものでございますが、そういう姿勢で今後とも取り組んでいきたいというふうに考えております。
○説明員(渡辺修自君) 歩道の除雪を補助でやってほしいという強い御要望は私どもも重々承知をいたしております。ただ歩道と申しますのは、いろいろ占用物件がございましたりといったことで障害物が多い、あるいは屋根雪をおろすときはちょうど歩道におろすというようなことで、その除雪のタイミングの問題、それから、そういう狭いところで使えるいわゆる小回りのきく小型の除雪機械を開発しなきゃいかぬというようないろいろな問題がございますので、五十二年度から、実は建設省が直轄で管理しております国道につきまして、歩道除雪の試験的施行ということで、これが延長が二百キロメートルでございますが、これが認められまして実施をいたしました。その結果を現在取りまとめておる最中でございます。五十三年度予算案原案におきましても、今度は県知事さんが管理しておられます、いわゆる私ども補助国道と言っておりますが、この国道につきましても試験的施行が百キロメートル認められておるところでございます。そういった結果を踏まえまして、今後歩道除雪の方向に進んでまいりたいと思っております。 なお、機械除雪が不可能な場合、たとえば人家連櫓地で非常に狭い歩道というような場合、これはどうしてもやはり沿道の方々に車道まで雪を出していただかなきゃいかぬと思うのですが、そういった場合につきましては、車道部のたまった雪を運搬排雪するということに力を注いでいきたいと思っております。 それから流雪溝でございますが、水が豊富なところでは非常に有効な施設でございます。現五十二年度末の設置延長が百二十九キロメートルございますが、五十三年度から始まる五ヵ年計画におきましても、いまのところ二百二十キロメートルぐらいを整備しようという予定にしておるところでございます。
○主査(戸塚進也君) 立木君、時間が参りました、簡単に。
○立木洋君 最後に厚生省の方と、それから大臣に御決意をお伺いしたいのですが、実は具体的な例なんですけれども、新潟県の東頸城郡松之山町で二月の二十三日午前九時に火事があった。この点については御承知かと思いますが、そこでは三人の死者が発生しました。ここの場合には当時五メートル近い積雪があって避難口や窓がすべて雪で閉ざされてしまっていた、玄関しか出入りができないような状態であったために逃げおくれて焼死したというふうに資料によっても見ることができるわけです。これは雪との因果関係もあるわけですし、自然災害であるというふうに見れるので、県当局としても厚生省にその点強く災害弔慰金を支給してもらえないかという要望が出されておると思いますが、この点について厚生省の方から御見解を賜りたい。もう時間がございませんが、豪雪地帯の対策の拡充強化という問題がたくさんあるわけです。きょうは時間がないのでさらに申し上げることができないわけですが、幾つか述べた点についても十分御検討いただいて、積極的に取り組んでいただきたいということを長官に要望申し上げ、長官の決意のほどをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(山内豊徳君) 亡くなられた方のことを前に申し上げますこと、心づらい面もございますが、端的に申し上げまして、現在の災害弔慰金の支給に関する法律の規定の上で、はっきり「異常な自然現象により被害が生ずる」ということを書いてあるわけでございますが、これにつきましては先生御指摘のような考え方もあろうかと思いますが、火災による死亡の方はやはり一応従来の運用の例としましても全く外してきているわけでございます。立法論としてはいろんな議論も可能かと思いますが、やはりこれは何と申しましても年間二千人近い火事による焼死者とのバランスと申しますか、そんなこともあって立法段階から各種の自然災害による直接的な被害に限っておるんじゃないかと思っております。県の方からも事務的なお問い合わせはいただいておりますけれども、同じ県内で昨年もやはり火災事故ございまして、これは弔慰金の支給対象外にしたということもございまして、はっきり申し上げまして、法律の解釈としてちょっと国庫負担の対象にできないというのが実情でございます。
○国務大臣(櫻内義雄君) 本日の御質問の第一は指定基準の見直しでございます。また個々の実情等についてもお話がございました。これらは審議会の結論をまちまして、新たなる基準のもとに誠意を持って考えてまいりたいと思います。 それから、保安要員制度とともに豪雪地帯に対する国の施策についていろいろな角度からの御要望でございました。また担当局長より国土庁のとっておる現状についても御理解をちょうだいしたと思いますが、今後とも豪雪地帯対策につきまして前向きな施策を充当、拡充してまいりたいと思います。 なお、豪雪に伴う道路除雪の問題、歩道の排雪やあるいは流雪溝の問題をお取り上げでございましたが、これらの点につきましては、建設省の方から具体的に申し上げておる次第でございまして、新たな道路整備五ヵ年計画の中にはこれらの問題を積極的に取り上げることにいたしておりますので、今後とも御要望の線に沿って努力をしてまいりたいと思います。
○主査(戸塚進也君) 以上をもちまして、国土庁所管に対する質疑は終了いたしました。 午後二時三十分まで休憩いたします。 午前十一時三十九分休憩 —————・————— 午後二時三十分開会
○主査(戸塚進也君) ただいまから予算委員会第五分科会を再開いたします。 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、内田善利君が分科担当委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○主査(戸塚進也君) 参考人の出席要求についてお諮りいたします。 昭和五十三年度総予算中、建設省所管審査のため、本日の分科会に参考人として、日本道路公団理事吉田喜市君、同公団理事森田松仁君及び住宅金融公庫総裁大津留温君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(戸塚進也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○主査(戸塚進也君) 昭和五十三年度総予算中、建設省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次発言願います。
○村沢牧君 私は高速道路に関連をして二つの質問をいたしますけれども、時間が限られておりますから、大変失礼ですが、答弁は核心に触れて簡潔にいただきますように最初に要望しておきます。 高速道路は建設大臣の施行命令によって着工するわけでありますけれども、特に環境問題については、工事を施行する道路公団はもとよりのこと、建設省も十分これを配慮していかねばならないというふうに思います。道路はそのルートやあるいは構造によっても公害が左右されるというふうに言っておりますから、したがって、実施計画を作成する公団も、それを認可をする建設省も、設計段階において慎重に検討をするとともに、工事中はもちろんのこと、工事完成後においても、住民に被害を与えるような環境が生じた場合におきましては、これを取り除くために全力を尽くさねばならないというふうに思いますけれども、大臣にお尋ねいたしますけれども、建設省はこうした環境問題に対してどのように配慮をし、あるいはまた道路公団に指導、指示を与え、最終的にはいかなる責任を持っておられますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先般御審議をちょうだいいたしました新しい道路整備五ヵ年計画の中におきましては、いま御質問をちょうだいいたしました環境問題については特に注意をいたしておるところでございます。申すまでもなく、高速度道路建設の上で、これが認可を与える上におきましてはそれらの点も当然勘案していかなければならないと、このように思っております。
○村沢牧君 いま大臣の答弁にありました第八次道路整備五ヵ年計画におきましても環境問題については十分配慮していくというお話があったわけでありますけれども、聞くところによると、この計画に基づいて沿道環境整備研究会というようなものも発足さして具体的な作業に入りたいということも聞いておりますが、そのように考えておるのですか。
○政府委員(浅井新一郎君) お話のありました沿道環境研究会というのはどれに当たるかちょっとわかりませんが、環境問題に関しましては、ただいま大臣からのお答えがありましたように、五ヵ年計画でも最大の柱として取り組んでおりまして、これの各種の施策につきましては省内にいろいろな研究グループをつくっていろいろ検討しておるわけでございまして、今後も、中身が非常に複雑な問題でありますし、今後の道路整備の大きな課題でもございますので、前向きに十分取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 具体的な問題について伺ってまいります。 中央道西宮線阿知川大橋は、昭和四十五年九月に着工をいたしまして、五十年の八月に供用開始になりました。この橋は、長さが三百九十二メートル、高さが二十メートルという長大橋でありまして、この橋の真下には十六世帯の民家があるわけであります。これらの人たちは、この長大橋の着工以前から、すなわち設計協議の段階から、公害の発生を恐れてルートの変更を要求してきたのでありますけれども、公団は、公団の技術を信頼せよ、あるいは公害を発生することがないようにするということで押し切って工事に着工したわけであります。そうして、住民の頭上にこの巨大な橋梁が姿をあらわすに及びまして、住民は、安眠を妨害され、振動、騒音、日照不足に悩まされるようになったわけなんです。工事期間中はもちろんのこと、工事完成後も、日常生活を脅かすようなこうした事態が発生をいたしまして、道路公団にその対策を要求し続けてきたところでありますが、公団も一部改良工事は行ったことは認めますけれども、後ほど指摘いたしますように公害の除去になっておりません。 そこで、まずお伺いすることは、このようなルートを設計したことについて無理があったのではないか、それから人家の移転対策も考えずにこのような工事を行ったことは誤りではなかったか、最初にお伺いしたいんです。
○参考人(吉田喜市君) 中央道の現在阿知川の橋梁の個所でございますが、あの個所は、阿知川筋の山合いの非常に狭いところでございまして、国道の百五十三号と並行している個所でございます。飯田側から参りますとあの先恵那山トンネルというところに入るわけでございまして、線形的に距離的にながめましてやはりあの場所を通らざるを得なかった、かように考えるわけでございます。 それで、次に、その下に家があるじゃないかという御質問でございますが、路線を引きました当時におきましてはその直接家の敷地の上をかすめるという形になったわけでございまして、道路敷そのものに家がかからなかったということで家屋の買収移転を行わなかったわけでございます。その後、先生いま御指摘のように、供用開始後低周波問題という新しい公害問題が起きているというのが現状でございます。
○村沢牧君 この橋の下に住んでいた公務員の水上康儀さんという方の奥さんの冬子さんは、病弱のため自宅療養しておったのでありますけれども、中央道の振動や騒音に加えて日照不足という三重苦に悩まされ、また、水上さんから公団に要求していた住宅移転の解決が長引いたことなどが重なりまして、供用開始後十ヵ月たった五十一年六月二十五日に自宅で自殺を図り、このときは未遂であったわけでありますけれども、十日後の七月四日には入院先の病院で飛びおり自殺をいたしております。この婦人は、解決が長引く公害の被害に疲れた、命をかけて公団に抗議をすると、このように生前家人に言っていたということであります。自殺の最大の原因は道路公害にあるということは、衆目の一致するところであります。道路公団の後手後手に回る対策がこのように人命を犠牲にしたんです。公団は、一体、このことについて責任を感じておりますか。
○参考人(吉田喜市君) 阿知川の橋梁の下にありました水上家の主婦が入院先の病院でみずから命を絶たれたということ、この方は先生いまお話しの低周波問題で悩んでおられたということを聞いております。公団といたしましては、水上家そのものをひとつ試験家屋として使いたい、この家を買収いたしましてそこで受音点の各種の調査をしようということでお話をしておったわけでございます。その買収単価がなかなか妥結を見ませんで、ようやく仮契約を済ませた段階でいまお話しのように奥様が命を絶たれたわけで、私は非常に悲しいことであると、こういうふうに考えております。いまお話もありましたように、亡くなられた方は体が余り丈夫でなかったとも聞いておりますし、また、確かにお亡くなりになった方についてのすべての原因が低周波問題であったかどうかは別として、少なくともその一因であったとは考えられます。大変お気の毒に思い、心から御冥福をお祈りしております。
○村沢牧君 低周波空気振動にあるということはいまお認めになったところでございますけれども、しかし、この公害対策については、自殺者が出る前から、すなわち工事着工当時から、地域住民から、あるいは村当局から、県から、強い対策が要求されておったことなんです。ところが、公団は容易にこれらの要求にこたえようとはしなかったのであります。自殺者が出てから、世論の高まりもあって、ようやく音圧振動について観測、実態把握、あるいは若干の改良工事を行ったわけでありますけれども、これらの観測の結果と改良工事の結果はどうなっているのか、説明してください。
○参考人(吉田喜市君) あそこの個所の供用を開始いたしましたのは五十年の秋でございまして、工事中あそこを工事用車両を通すことによって大きな振動が生じたということで、五十年の一月から実態の調査、それから五十年の十二月、暮れには水上家を初めとしあの付近の家屋の実情の調査を行ったわけでございます。それで、五十年の八月から逐次その対応の措置をとってまいりました。いまお話のありましたように、まず発生源の対策として橋梁の継手部分の前後の舗装を平坦性にする、滑らかにするというような補修工事を第一に行い、二番目には橋梁そのものの振動を少なくするということで橋梁の端、端部と申しますか、端部を補強いたしまして橋の剛度を高めることによって振動を低減さす、こういうふうな方法、それからまた、けたそのものの振動を少なくするためにけたの側方にダンパーを取りつける、それからまた、橋梁の下におきましては反射音を吸収さすために家屋の前面に植栽工事を行うと、こういうことを発生源の対策として実施いたしました。 また、受音点の対策といたしましては、とりあえず家にパテあるいはピンチブロックなどをセットいたしまして、戸あるいは障子、建具のガタ鳴りを減少さしたり、こういうことを行いました。その結果、ガタ鳴りはかなり減っております。 それからまた、橋梁の振動そのものがどうなったかということですが、その後の調査をいたしますと、大体三ないし五デシベル振動は低下しておるということで、橋梁対策工事をいたしましたことは一応の成果があったというふうに考えております。
○村沢牧君 いま、公団の方では成果があったというふうに言われておるわけでありますけれども、しかし、この橋の下に住む人たちは依然として苦痛を訴えているわけなんです。たとえば、橋の上を通る車の音がうるさいし、それから夜も艦砲射撃のような音圧感がずっと響いてきてなかなか眠られない。何となくいらいらして体にさわる。したがって、今日まで工事はしたけれども、その結果として公害をなくしていくことができなかったんです。今後はどうしようとされるのですか、なくすことができますか。
○参考人(吉田喜市君) いまお話しの低周波の空気振動というものは非常に新しい問題でございまして、この対応策につきましては、中央の政府におきましても、低周波空気振動調査検討会というものをお設けになって、そのメカニズムあるいはそれに対する対応の基準などを現在御検討中というふうに伺っております。私たちといたしましては、まず、先ほど申しました発生源の対策を行いました。それから二番目には受音点の対策としてとりあえずピンチブロックその他をセットしたわけでございますが、これからは、水上さんのお宅を試験家屋といたしまして、そこで建具の改良その他を行うことによって受音点におけるより効果的な方法がないかということを調査研究してまいりたいと考えております。そして、十分地元の皆様方と協議をし、また、先ほど申しましたように関係の行政機関の方々の御指導を得たいと、かように考えております。
○村沢牧君 公団に、道路技術課長の斎木さん、あるいはまた構造技術課の課長代理の毛戸さん、いらっしゃいますね。この御両人が、ここに「公害と対策」という本がありますけれども、これは低周波に対する特集号です。これに阿知川の問題について貴重な資料と文献を発表しているわけですけれども、その中で、低周波のあることはもちろん認めて、 建具等に対する防止策が間接的であるのに対し、音源対策としては直接的方法といえるものである。 これの考え方は、音圧レベルが橋梁の剛性に影響されることに注目して、剛度を増加しようとするもので、考えられる方法としてはつぎのようなものがある。 (一)新たに橋脚等を設置して橋梁の支間長を半減することによって橋梁全体の剛度を高める方法。 (二)伸縮継手部の音圧レベルが高いことに注目して、橋梁の横桁、床版の剛度を高める方法。 これをやったわけですね。
○参考人(吉田喜市君) はい。
○村沢牧君 こういうふうに発表されているわけです。しかし、これをやることによって、いずれの方法をとっても低周波音を消滅させることは不可能であるというふうなことに近いことを言っているわけですね。 では、お伺いしますけれども、(一)の、なおこれからなくしていくために、この橋梁の間に支柱をつくって半減することができるのかどうか、公団自体もこういうことを言っているのですが、どのようにお考えですか。
○参考人(吉田喜市君) いまの御指摘の点は一つの解決方法であろうかと思いますが、現在、公団といたしましては、先ほども申しました受音点における対策をもう少しより効果的なものを考えてまいりたい。その上で、さらに次の段階として——一応私たち現在のところで発生源の対策としてはまず効果があるのじゃないか。さっき申し上げましたように、三ないし五デシベル、効果があらわれております。次はやはり受音点対策をもう少し重点にしぼりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 いま答弁のあったことについて、これから対策を講じていって発生源をなくすことができるという自信をお持ちですか、いまの技術の中において。
○参考人(吉田喜市君) それは、先ほど申しました低周波空気振動調査検討会あたりにおきましても、低周発生のメカニズム、それから発生した場合の許容基準と申しましょうか、こういうものについての現在検討をなさっていらっしゃいます。その辺の結果を相見て、その上に踏んまえてさらに次の対策を講じてまいりたい、かように考えております。
○村沢牧君 環境庁、おりますね。公団は、低周波空気振動については、いま答弁があったように、諸基準の整備と相まって解決されるということを文書でもって地元にも示しておるのです。つまり、環境庁が低周波振動に対する基準を設けるのを待って、それ以上ならば何とかしなければいけないし、それ以下ならこれはやる必要がないという意思であろうというふうに私は思うのです。低周波振動は、ただ障子や戸をガタガタ鳴らすだけでなくて、人体にも大きな影響があるということは多くの学者の証明するところなんです。この低周波に対して、加害者や行政の第一の逃げ手は、基準がないということなんです。基準がないから、幾ら住民が要求しても、あるいは陳情しても、何にもやらない。したがって、最後には住民はそこから逃げ出すか泣き寝入りするしかないんです。 そこで、環境庁は、この阿知川大橋の低周波空気振動について承知をしているかどうか、これが一つですね。 それから低周波空気振動というのは全国的にも問題になっているのですけれども、今日までどのような調査をし、あるいは将来どのような対策を立てていこうとされるのか。 いま諸基準ということがあったのですけれども、この基準はいつごろつくるのか、このことをお聞きしたいと同時に、たとえ環境庁が基準を示さないとしても、発生源はわかっている、原因者はわかっているのですから、この発生源をなくするために、あるいはどうしてもなくすことはできないとするならば、また別の角度で抜本的な対策を立てなければならない、それが工事施行者の責任だというふうに思うのですけれども、環境庁はどのように考えますか。
○説明員(波多秀夫君) 阿知川におきます低周波空気振動公害の問題につきましては、環境庁としても十分承知をいたしておるところでございまして、この低周波空気振動につきましては、発生源は多種多様である、また防止対策の確立がまだ十分になされていないというふうな状況でございまして、そのため環境庁におきまして五十一年度におきまして代表的な発生源につきまして被害の程度、発生源、生活環境等への影響などの実態調査を実施いたしたところでございます。五十二年度からは低周波空気振動の生理的影響等につきまして実験研究を進めておるところでございます。この低周波空気振動のレベルと物的な影響あるいは心理的、生理的影響等との相関につきましては、個人差が大きいというふうな問題もございまして、基準等の設定につきましては相当の年月を要するのではないかというふうに考えておる状況でございます。しかしながら、現実に苦情あるいは被害が発生しておることにかんがみまして、環境庁といたしましては、五十三年度からは、対策が明らかになっておるものにつきまして、その内容を調査いたしまして、低周波空気振動の被害の防止に資することといたしておるわけでございます。 基準等の設定につきましては相当の年月を要するというふうに考えられるわけでございますが、対策につきましては、この基準等の設定を待つことなく、誠意を持ってできるものから実現していくべきものであると、かように考えておるところでございます。
○村沢牧君 私は、公団が、指摘をいたしましたように、地元に対しても文書で回答しておりますけれども、それでいつも言っていることは、諸基準の制定と相まって何とかするということを言っているわけですね。いま説明のあったように、基準をつくるのはなかなか相当の期間がかかるということなんですよ。私ももちろん現地をよく知っていますけれども、素人判断で見ても、あの地形の中でなかなかなくするというのは大変困難であろうというふうに思うんですよ。したがって、公団は、何とか言ってこれを逃げ切ろうとしているのか。いま中央道は御承知のとおり全線開通ではないわけです。現在一日五千台の通行量ですけれども、近く全線開通になるでしょうけれども、全線開通になれば一万二千台になるというふうに言われているですね。そうなればますますこの公害は多くなるというふうに思うんですよ。 そこで、大臣にお伺いしますが、このようにお聞きになっても、いろいろなるほど手段は尽くしておるけれども、どうしても公害を除去することができない、環境庁の基準もなかなか出てこない、こういう場合には、公団から相談があった場合には建設省としてはどういう指示を与えるのですか。
○政府委員(浅井新一郎君) 従来、道路公団が行います高速自動車国道の建設につきましては、これは大臣からの施行命令が出てやっておるものでございます。計画段階において、周辺地域の環境に及ぼす影響の内容だとかその程度、環境保全対策等の検討を行わせることに所要の措置を講ずるようにいま指導をしてまいってきているわけでございます。今回のこういった阿知川大橋の例のような低周波公害というのは、実はなかなか計画時点では予知できなかった新しい種類の公害でありまして、今後十分前向きに対応していかなければならぬと思っておるわけでございます。普通の騒音ですと、遮音壁というようなことでかなり防げるわけでございますが、こういった効果の大きい対策がまだ十分解明されていない。そこで、先ほど公団から説明のありましたようないろいろ応急的な手法を講じてかなりの効果は上げておるわけでございますが、今後やはり非常にはっきりしない点が多いということでございますので、環境庁の基準が出るまでの間も、われわれとしても、先ほど実験家屋というようなお話もございました、それから内部では検討会というようなものつくっておりますし、こういうもので十分中身を解明しながら、環境基準が出ないからどうということじゃなくて、対策としてできるものからできるだけ前向きにやるように指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 いろいろ手段を尽くすことは当然のことですけれども、手段を尽くしたけれどもなおかつ除去することができなかった、その場合にはどうするんですか。地域の住民は、公害を除去することができなかったならば、最終的には全戸移転をしてくれと、こういう要望もあるんですよ。それにこたえていくような用意を持っておられますか。
○参考人(吉田喜市君) 現在の段階では、全戸の家屋移転をするということは非常に困難であるというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、受音点対策としてよりよい効果が得られるものは何かというものを現在模索中でございまして、まずこれを行ってみたい。それから先ほどもおっしゃるように、発生源の問題も一応受音点のことが完全になればあるいはもう少し防げるのではないかと考えておりますが、その際にはあるいはさらにもう一本橋脚にピアを立てた方がいいじゃないかというふうなお話もございました。そういうことを含めてまだこれからの検討が必要だと思います。
○村沢牧君 それではもう一点だけ重ねて伺うのですけれども、いろいろな手段を尽くして除去するために努める、その期間はいつまで待てばいいんですか、いつまで待ったら皆さん方の方針なりあるいは除去するための具体的な対策が出るんですか、一口で答えてください。
○参考人(吉田喜市君) ここで、一年後に出します、あるいは二年後に出しますということが非常に明言するのはむずかしゅうございます。十分検討して、なるべく早い時期に皆様にもう一度こういうことをしますということで御相談を申し上げたい、かように思います
○村沢牧君 ともかく、先ほど私が指摘するように、この公害によって自殺者も出たんですよ。それに対しては大変に遺憾だと言っているけれども、こういう自殺者も出たような公害に対していまあったような答弁では私は納得することができないんですよ。もっと積極的にこの対策を講じてもらいたいし、時間がないからまた改めてこの問題はいずれかの委員会において私は追及いたします。 それから次ですが、建設省や道路公団の行う道路工事の施行中に、歴史上やあるいは学術上価値の高いと思われるような遺跡が発見された場合においては、道路施行者はどのような措置を行いますか。 また、文化庁は、文化財保護法の規定する文化財に適用すると思われるような価値のある遺跡が発見された場合、そのものがたとえ国の指定前であっても、その現状を変えようとし、あるいは保存に影響を及ぼすような行為をする者があった場合には、どのような措置をとられますか、簡単に答えてください。
○政府委員(浅井新一郎君) 高速道路に限らず道路全般でございますが、路線工事中あるいは計画中にいろいろな重要な遺跡、文化財等と遭遇した場合につきましては、従来ともできるだけその保存等については前向きの姿勢をとってまいってきておるわけでございますが、高速道路建設に当たりましては、路線選定段階で都道府県教育委員会に分布調査を委嘱しまして、その結果に基づいて文化財を極力避けるように配慮をまずしておるわけでございます。この段階でなるべく避けるのが本筋かと思うわけでございますが、しかし、実際やってみて調査が十分できなかったことも原因になって、どうしてもやっている途中で出てくるという文化財がございます。そういったやむを得ず道路工事にかかる文化財につきましては、文化庁それから都道府県と十分に協議して発掘調査を行って、記録保存を図るとともに、工事方法の点でも十分配慮をするというようなことで対応しておるわけでございます。
○政府委員(吉久勝美君) 道路工事と文化財の関係でございますが、まず史跡の指定地といたしましては、これは当然文化財保護法第八条による許可ないしは同意が必要でございます。この場合には、おおむね史跡の重要性に基づきまして路線の変更等をしていただく、あるいはその他工事方法等を文化財の保護との関係で調整をしていただくという措置をいたしておるわけでございますが、問題は、埋蔵文化財包蔵地の場合かと存じます。この場合につきましては、文化財が完全には掘ってみなければわからないということでございますので、私どもといたしましては、事前の発掘調査を実施するということを例といたしておるわけでございますが、相なるべくはそういう文化財包蔵地を避けて道路の路線が敷かれるということが望ましいわけでございますので、それらの計画の決定の事前の段階におきまして、埋蔵文化財包蔵地があると認められるものにつきましては事前協議をしていただくということにいまいたしておるわけでございまして、文化財保護法が五十年に改正されましたその以前におきましても文化庁と道路公団及び建設省と協議をいたし覚書をつくりまして事前協議制をしいております。保護法制定後は事前協議制をやっておりまして路線を避けていただく。しかし、掘ってみなければわからないということで、ないと思っておりましたところを掘ってみたらあったという場合におきましては、道路公団と協議をいたしましてその保存方法につきましていろいろ御相談願って、できるだけ調整をいたした上で処置をするということにいたしておるわけでございますが、これはケース・バイ・ケースによって違うわけでございます。
○村沢牧君 中央道西宮線に関連いたしまして、長野県の諏訪郡にあります阿久遺跡ですね、この遺跡については、歴史上、学術上貴重な価値を有する遺跡であるということが、今日まで多くの学者を初めあるいは文化庁も現地調査をしているわけですけれども、報道されているわけでございますけれども、文化庁はこの遺跡の特色、価値をどのように評価されていますか。
○政府委員(吉久勝美君) この遺跡につきましての調査につきましては五十三年度まで継続されるわけでございますが、ただいまのところ昨年の十二月段階で調査者である長野県の教育委員会から報告が参っております。この報告及び文化庁の担当官が昨年の十一月段階で実地調査いたしましたところを総合いたしますと、この遺跡は縄文時代前期から平安時代に及ぶ集落跡でございまして、特に縄文時代の前期の集落跡はこれまでに例を見ないほどの大規模なものであるというように認められるわけでございます。なお、遺跡には方形配列の土拡群やあるいは環状集積群が多数存在するというような特徴が見られるということでございまして、私どもといたしましてもこれまでのところの調査結果では非常に重要な遺跡ではないかというふうに、まだ結論ではございませんが、一応そういうふうに考えるわけでございます。
○村沢牧君 文化庁の方でもこの遺跡について高く評価をいたしておるところでございますけれども、それからまた地元の原村、長野県当局も、保存をしようという意思と要望を持っているわけなんです。特に長野県の県会は、三月の定例県会におきまして、この道路の建設と遺跡の保存の調和を図って史跡に指定して保護することが必要である、このような意見書を全会一致で可決して、政府にも要求いたしておるところなんです。 そこで、当然公団もこの遺跡の保存については異議がないというふうに思うのですけれども、しかし工事は手前まで進んでいるわけですね。手前まで進んでいる工事を現在はストップさしておりますが、これは冬季期間であるからストップしているのか、それとも遺跡があったからストップさしているのか、文化庁との協議が整うまでずっとストップさしていくのかどうか、その辺の見解についてお聞きをしたいと思います。
○参考人(吉田喜市君) 御指摘の阿久遺跡の付近については、現在工事が約七五%進捗いたしております。それで、遺跡の部分を除きまして土工構造物というものがほとんどでき上がっているわけでございます。昨年の十一月に、県の教育委員会から、重要遺跡であるからひとつ遺跡の保護について検討していただきたいという申し出をいただいております。したがいまして、現在工事は中止をしておる、かようなことになっております。 今後の問題は、文化庁の遺跡保存に対する御見解を待って文化庁及び県の教育委員会と協議をして対処をしてまいりたいと、かように考えております。
○村沢牧君 その協議が整うまでは工事はストップさしていくというふうに理解していいですね。
○参考人(吉田喜市君) はい、そういうことです。
○村沢牧君 この遺跡の保存について考古学会を初め多くの文化人は全面保存を強く要求をしているわけです。ところが、道路公団は全面保存は困難だと思われるような態度をとっていることは、いまさら路線の変更はできないとか、金がかかり過ぎるというような、こういう考え方があるのではないかというように思うのです。ルートを迂回しなくても構造上の変更によって保存することができないかどうか、全国的にはその例も幾つかあるわけです。公団が実施した仕事の中において幾つもある。したがって、この場合、そのような検討をされているのかどうか、あるいはそのことは実現が可能であるかどうか。
○参考人(吉田喜市君) いまお話のありましたように、この阿久遺跡を現在調査しております範囲内のものを全面的に保存をするということになりますと、一番目にはやはりお話のありました平面的に遺跡部分を迂回するという方法、これと、それからもう一つは、いまのお話のありました道路の計画高さを変更する、要するに縦断線形を変えると、この二つの方法があるわけでございます。 第一点の平面的な迂回をするということは、この付近にはやはり昔の八ヶ岳の山ろくで多数の同じような重要な遺跡があるというふうに私たちは伺っております。したがって、新しい路線を敷くことによって完全にそれが通り得るや否や。現在の路線につきましても県の教育委員会等の分布調査の結果に基づいて一応路線を設定したという経緯がございます。しかし、現実にやってみますといまのような問題が出ている。それをさらに迂回をして云々が、果たしてそれが可能であるかどうかということが非常に問題になるし、かつまた新しいそこで協議事項が出ましてまた数年の時間がかかるのじゃないかというふうな気がいたしております。やはり中央道の早期完成を望む声もかなり強うございまして、こういうことを考えますと、平面的に変えるということは非常にむずかしいのじゃないかというふうに考えます。 次に、縦断的な問題でございますが、普通おっしゃる個所についてはその辺は盛り土区間でございますと上を高架にするとか何かでこれは物が残ると思います。ところが、ここの個所は、大体四メーターばかり切り土をする切り土の個所でございます。したがいまして、これをトンネルにするということになりますと、現在から地下十メーターあるいは極端な場合は三十メーターぐらい下げないとこの個所が通れない個所になろうかと思います。そういうふうにいたしますと、その前後に八ヶ岳から参ります河川がございます、たとえば阿久川とか大早川という川がございます、こういうふうな河川の交差をどうするか。さらに河川の河床を切り下げなければならぬという問題が出てまいりまして、こういうことは河川を切り下げますと防災上の問題がございますが、それ以上にその川からの灌漑の問題、灌漑用水の問題が大変大きな問題になってくるのじゃないか。それから同時に、二十メーター、三十メーター切り下げましてトンネルにしますと、トンネルの部分だけじゃなくて前後が切り下がるわけでございますから、当然周辺の地下水が低下いたします。また、井戸水の枯渇の問題も出てくるのじゃないかというふうに、こういうふうなやはり土地利用上からの用水問題が新しく出てくるのじゃないかと懸念をいたします。また、もう一つ、じゃしからば上へ上げればいいじゃないか、橋梁にすればいいじゃないかというお話もございます。橋梁にする場合も、あそこをあの遺跡の中に一つも橋脚をつくらないで飛べ得るかどうかというような問題が一つあろうかと思います。それからまた、かなり高さが高くなりますから、その構造物の前後が非常に高い盛り土になります。盛り土になりますと、当然そこで新しい通風阻害の問題、通風の問題、こういうことがやはり農産物への影響が出てくるのじゃないかということを考えておりますし、またあの前後に柏木の南遺跡それから中阿久遺跡というふうな数件の遺跡がございます。こういうものをどういうふうにするかということがあろうかというふうに思いまして、以上の点からいままでの周辺、沿道の方々との設計協議その他のことを考えますと、やはり路線を変更することはきわめて困難であると思われるということを申し上げているわけでございます。
○村沢牧君 文化庁にお尋ねしたいのですが、文化庁はこの遺跡の指定についてどのように考えていらっしゃいますか。正式指定は審議会の開催時期等があって時間はかかるといたしましても、あるいはまた指定のための法律事項は別といたしましても、すでに文化庁も調査をされている、あるいはまた全国的な運動にも盛り上がってきているわけでありますけれども、いま公団の方でも文化庁と協議をするというお話があったのですけれども、文化庁の最終的な方針が出るのはいつごろになりますか。もちろん文化庁はいま公団から言われたような高速道路の設計変更は不可能だ、こんな判断に立って決めるべきものではないと私は思うのですけれども、この遺跡の指定について何か条件があるのか、条件があったら示してもらいたいと思います。 それから時間が参りましたから続いて申し上げますけれども、いまお話がありましたように、文化財を守るという立場からも、中央道を早く建設する立場からも、また、地元では、何か農道のつけかえ工事をやって保護するのではないかというようなことも言われているわけです。そうすると、一番負担をかけるのは農民に負担をかけるということになるわけなんです。公団は農民に負担をかけてみずからの道路だけはつくっていこうという意思があるというように私は思うのですけれども、いずれにいたしましても阿久遺跡をどのように保存をしていくかということの文化庁の方針決定は私は急がれているというふうに思うのです。早くやらなければいけないというふうに思うのです。かつて、こうした問題について、きょうは長官は文教委員会でこっちへ来られないということで残念ですけれども、次長がいらっしゃいますけれども、長官が現地を調査して結論を出したという例もあるわけなんです。現に二月二十八日の衆議院予算委員会の分科会で、原茂代議士の質問に答えて、長官は、状況によってはいつでも私は参りたいというふうに思いますという答弁をされているのですけれども、長官がみずから出ていって現地を見、あるいはいろいろ状況を聞く中で、早急にやっぱり指導性を発揮すべきだというふうに思いますけれども、どのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(吉久勝美君) まず当遺跡を指定するかどうかということでございますが、先ほど来申し上げましたように、現在までの調査の結果では、この遺跡につきましての重要性は私ども認めるところでございますが、これがどのような遺跡であるかどうかにつきましては、なお周辺部分を含めた全体の調査の確認をした上で、その性格なりあるいは重要性等が判断されるべきであるというように思うわけでありまして、その点につきましては私ども五十三年度におきましてこれをできるだけ早急に実施した上で最終判断をいたしたい、その上で指定すべきものかどうかの判断を急いでいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、この史跡の指定云々の問題の前に、この史跡の保存の問題につきましては、先ほど来道路公団側からいろいろお話がございましたが、文化庁といたしましてはいままでのところは長野県教育委員会を通じて現地での遺跡保存の可能性についてのいろいろな話し合いをさしてきたわけでございますが、この問題につきましてはいろいろ困難な事情もあるようでございます。最近、長野県教育委員会からそこらあたりの検討の結果の報告があるようでございますので、それらの報告の結果を待ってこの問題については本庁と道路公団本部との間で話し合いする必要があると認めておるわけでございまして、早急に本庁、本部同士の話し合いをいたしたいと思うわけでございます。話し合いをするにつきましては、十分現地の状況等を知悉する必要もございますので、昨年の十一月段階で調査官を派遣いたしておりますが、なお担当課で必要な職員等を早急に派遣をさせまして、本部、本庁同士の話し合いに備えたいと思いますし、私どもの最終的な腹固めをいたしたいと思うわけでございます。 長官が、この前の御質問におきまして、状況に応じて必要に応じて現地調査をするというふうにお答えいたしておるところでございますが、私、次長といたしましてもまだ現地を見ておりませんし、いろいろ担当官に見させますし、その上での道路公団側との話し合いの過程におきまして必要に応じて私ども調査をいたしたい。その上で十分な話し合いができるように努力をいたしたいと思っておるわけでございます。 それから指定についての条件の云々がございましたが、これにつきましては指定をするかどうか、指定をする際のいろいろな話の中身として当然出てくる問題であろうかと思いますので、今後私どもとしましては検討さしていただきたいと思っておるわけでございます。
○村沢牧君 時間ですから終わります。
○主査(戸塚進也君) 以上で村沢牧君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○主査(戸塚進也君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、村沢牧君が分科担当委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(戸塚進也君) 速記を起こして。 —————————————
○松本英一君 同和対策の問題を論ずる場合に、まず冒頭に、同和地区が貧困であり、困窮な生活をしておるから差別があるのではありません。差別のために貧困な生活を強いられ、困窮な生活にあえいでおるということをまず冒頭に御認識をいただきたいと思います。 なおまた、私の出身県は福岡県であります。福岡県の博多に生まれてまいりました。櫻内建設大臣の御出身の県は島根県でありますが、島根県の安来市に流れておる川はハカタガワ、その上流にあるのがハカタチョウ、これは大臣御承知と思いますけれども、次の機会による地名総鑑の問題、狭山裁判反対の闘争、そういう問題を含めての関連がありまするので、御確認の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大変恐縮ですが、何を確認するんでしょう。
○松本英一君 ハカタガワがあり、ハカタチョウという町があるのを御承知ですか。安来市のことです。
○国務大臣(櫻内義雄君) あ、わかりました。それは、ハクタガワ(伯太川)、ハクタチョウ(伯太町)のことでございますね、よく承知しております。
○松本英一君 同和対策審議会の答申が出されまして十二年、同和対策事業特別措置法が制定されまして九年をけみしました。今日、同和対策事業特別措置法の目的とする同和地区住民の生活の安定と福祉の向上が図られ、差別の実態が解消したとは思いません。私たちの実態調査では、生活環境の改善を中心に一定の成果は住宅問題等々において上げてまいりましたが、それは全国的な部落問題の中ではほんの一部にとどまっているにすぎません。全体としては、依然としてなお、劣悪な生活環境のまま、放置されたままであり、加えて、最近の深刻な不況下で、教育、労働、人権等等のあらゆる点で差別はますます厳しくなっております。私は、このような厳しい環境の中で期限切れを一年後に控えた同和対策事業特別措置法の延長問題を中心に質問をいたしたいと思います。 まず、特別措置法制定以来、同和対策長期計画に基づいて政府が実施されてきました同和対策事業の実績、総事業費、国費支出額等を報告願います。 次に、五十三年度は、特別措置法による最終年度に当たりますが、その予算額及びその中における建設関係予算について御説明を願います。
○政府委員(黒川弘君) まず、全体の関係について申し上げますが、同和対策事業特別措置法が実施されました昭和四十四年以降、昭和五十二年度までに実施されました同和対策事業についてでございますが、その実績については総事業費で約八千三百十八億、国費といたしまして約四千九百九十八億円となっております。 次に、五十三年度予算におきます同和関係予算でございますが、約一千八百四十三億円ということでございます。
○政府委員(救仁郷斉君) 建設省関係の五十三年度におきます同和対策予算は、住宅関係で七百三十五億余、都市関係で百十億余、合計八百四十五億余ということになっております。
○松本英一君 五十年以後、特別措置法が期限切れとなる五十四年度までに予算措置が講じられた分を差し引くと、五十四年度以降に残る残事業量は国費分で三千三百億円に達すると言われておりますが、政府は特別措置法期限切れ後の残事業量をどの程度見積もっておられますか。
○政府委員(黒川弘君) 五十四年度以降に見込まれます残事業でございますが、国費といたしまして約三千二百六十億円、事業費で約四千六百七十億円と把握しております。
○松本英一君 国費分で三千三百億円の残事業量費が予定されるとすれば、その額は政府が十年間に支出してきた同和事業分の半分に相当しております。現在実施中の同和対策事業の著しいおくれを示すものであり、政府の怠慢を指摘しなければなりません。今後政府はどのように同和対策事業の促進を図っていかれる予定であるか、今後の方針を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(黒川弘君) 昭和五十四年度以降に見込まれる同和対策の残事業でございますが、これにつきましては何らかの方策を講じまして実施してまいる必要があるという認識を持っております。
○松本英一君 政府が五十年に発表した残事業量については、約一千に上る未指定地区の要求が積算されていない、地方自治体の超過負担もまたこれ考慮されていない、五十年以降の追加要求も入っていない、物価上昇分が積算をされていない等の問題点があるのは周知の事実であります。私たちが全国市長会が五十二年十月に発表した資料に基づいて試算した額約六兆円と大きく差がありますが、これについて政府はどのような見解に立っておられるか、説明を願いたい。
○政府委員(黒川弘君) 政府として把握いたしました数字は先ほど申し上げたとおりでございますが、このほかに市長会が調査をされましておまとめになった数字があるということも承知しております。また、その市長会の数字をもとにされまして部落解放同盟がお求めになった数字は資料として拝見しております。政府といたしましては、これを今後の参考資料とさせていただきたいというふうに考えております。
○松本英一君 建設省関係の同和対策事業について、建設大臣は五十四年度以降の残事業量及びそれを実施するため国費ベースの残事業費をどの程度見積もっておられるか、それを明確に御答弁を願います。
○政府委員(救仁郷斉君) 昭和五十年度の調査にかかわります建設省所管の残事業量は約七千四百六十二億円でございましたが、このうち五十四年度以降にかかわります残事業は事業費で約二千九百二億円、国費で約二千百八億円というように考えております。
○松本英一君 特別措置法が十ヵ年で全国の部落差別の解消を図ることを目標にしていたにもかかわらず、私が指摘をいたしてまいりましたように、政府の怠慢によって膨大な残事業が残っていることが明らかでございます。特別措置法の期限の延長及びその内容の強化が必要なことがおわかりになったと思います。対策事業を担当されておる建設大臣の期限延長及びその内容強化に対する明確な御答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 同和対策事業は、申し上げるまでもなく各省庁にまたがっておるわけでございます。また、御指摘のような残事業を相当に抱えておる状況でございますので、同和対策事業特別措置法につきましては、関係各省と協議を重ね、同和問題の解決を図るため、同法の延長問題及び内容の改善を含め、今後大いに努力を重ねてまいる考えでございます。
○松本英一君 この際、特に指摘しておきたいのは、努力をされるという御答弁でございますが、それをさらに進めるという意味からの御答弁を求めたいと思います。同和対策事業の基礎的な資料となる正確な同和地区の数、あるいは同和地区の存在する市町村等々が公表されていない事実がございます。行政側の一方的な尺度で同和対策がゆがめられた形で実施されるとすれば、政府の施策に対する同和地区の人々の十分な協力が得られないのではないかと考えます。さらに政府が真剣にこの問題の解消を図るとするのであれば、同和対策審議会の答申にもありますように、国民的問題としてこの目標達成への具体的手段が国民の前に示される必要があるのは当然であり、年次計画及び財政計画が策定されなければならないと考えますが、これに対する政府の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまお話がございましたように、同和対策事業の推進につきましては、同和対策審議会の答申、また同和対策事業特別措置法及び同和対策長期計画に基づいて実施し、その結果かなりの効果が認められるところではありますが、さらに今後の対策に関して長期計画の策定等についても各省と十分協議して取り組んでまいりたいと思います。
○松本英一君 次は、急傾斜地の問題について対策について御質問いたします。 大臣、御承知のように、島根県の江川流域にはたくさんの同和地区がございます。しかも地理的に非常に劣悪なところであり、土手の下あるいは河川の屈曲する場所にその地位が占められております。世界でも有数な災害国であるわが国は毎年このために多くの人命と資産を失っておりますが、特に最近の災害の傾向は異常なまで集中豪雨、台風、豪雨のもとでがけ崩れ、土砂流出など局地的な災害が頻発をいたしております。こうした事態に対処して、防災施策として部落周辺の急傾斜地対策を拡充することは災害常襲地帯にとっても緊急な課題となっております。特に昭和四十九年の六月災害では一時に十九名の死者を出しました香川県の小豆島内海町橘地区は、急傾斜面に張りついた集落であります。当時、橘地区は、県指定の急傾斜地崩壊危険の区域の一つとして防災工事を進めておったやさきの災害でございます。この地区の民家は急傾斜地に階段状に建てられており、最上部の沢が豪雨とともに崩れ落ち、約七十立米の土砂が民家を襲い、県道までも埋めた災害なのでございます。危険、そうして急傾斜地は勾配三十度、高さ十メートル、延長三百メートルに及び、四十六年に崩壊防止工事に着手し、当時は約五〇%が完了しておりましたが、当時の災害は施工がなされていない部分に激甚の被害が起こったのであります。この事実は、防災事業を実施すればその効果が明確にあらわれておることを示しております。これはこの同和地区におけるたった一つの例であり、たった一つの話でありますけれども、いま江川の例をとりましたように、全国の同和地区はそういうものの一つの象徴にしかすぎません。全国的にそういう災害、危険、そういうものの場所にあることをよく御認識をいただいて、今後の公共事業が膨大な伸びとなっておるこの時期にこそ、こうした防災のための事業を思い切って拡大すべきであります。そのための体制整備と監督官庁の強力な指導が必要であると考えますが、建設省の考えを改めてお伺いいたします。
○政府委員(栂野康行君) 先生おっしゃいましたように、近年の激甚な特に土砂災害の実態にかんがみまして、建設省としましては、昭和五十二年に土石流などの危険個所について再点検を行ったわけでございます。それで、現在その結果を踏まえまして土砂害対策というものを鋭意促進を図っておるわけでございますが、と同時に、特に災害の著しい地域につきましては、緊急事業あるいは砂防激特事業などをもちまして鋭意対処してきているわけでございます。予算的に御説明いたしますと、昭和五十三年度でございますけれども、総額約二千三百億円、これは対前年度比でいきますと一・四倍でございます。治水事業の全体の平均が一・三五倍でございますので、重点を置いてやっておる次第でございます。そうしまして、砂防事業、地すべり対策事業あるいは急傾斜地崩壊対策事業というものを積極的に対処していきたいということにしておるわけでございます。また、土石害の危険個所につきましては、砂防指定地、それから地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険個所の指定の促進を図っていきたい。そうしまして、警戒避難体制確立の指導を徹底してやっていく。そうしまして、人命の損傷——土石害というのは人命の損傷が一番大きい災害でございますので、人命の損傷の絶滅を図るべく強力に都道府県を指導していく方針をとっております。
○松本英一君 建設省の方針によれば、昭和四十四年七月八日の閣議了解事項として同和対策長期計画に基づいて急傾斜地崩壊事業は同和対策事業としては位置づけられてはおりません。ただ、その関連事業とされております。同和地区が傾斜地に張りついているケースが多いことを考えますと、同和対策事業そのものとして位置づけるとともに、事業採択、事業費の傾斜配分を図るのが特別措置法の趣意、法意にも沿うものと考えますが、見解をお伺いいたします。
○政府委員(栂野康行君) 急傾斜地の崩壊対策事業でございますが、これが県営事業であるということから、これを同和対策事業に取り入れたとしましても、国の補助率二分の一ということに変わりはない、いろいろなことから、特段のメリットがないということもありまして、関連事業として鋭意推進をすることとしておるわけでございます。すなわち、建設省としましては、同和地区内の危険個所に対する崩壊防止工事というものに従来からも重点を置いておるわけでございまして、都道府県からその工事の申請があった場合には最優先的に実施しております。さらに、五十三年度は、新年度でございますけれども、同和地区内の危険のおそれが高い個所につきましては、特に保全を人家戸数五戸以上を対象として取り上げていきたい。いままでは従来十戸まで採択しておったわけでございますけれども、一般地区は従来のまま十戸でございますけれども、同和地区につきましては新年度から五戸まで採択していきたい。そうしまして、今後とも極力その促進を図っていきたいというように考えております。
○松本英一君 急傾斜地崩壊危険区域として指定され、いざ急傾斜地防止工事を実施するとなると、補助対象は都道府県の施行する工事であり、補助率は工事費から受益者負担金を控除した額の二分の一となっています。この場合、通常、事業費の一〇%ないし二〇%といわれる受益者負担金の制度があるが、事業の推進をそれが拒んでいるように考えられます。知事が危険と認め、県が行う防災工事であり、これにより集落の安全を図ろうとする事業でありますから、個人の受益者負担を改める時期に来ているのではないかと考えますので、建設省の見解を伺います。
○政府委員(栂野康行君) 急傾斜地の崩壊対策事業でございますけれども、これは河川、道路などほかの公共事業に比較しましてその受益の範囲がきわめて限定されておりますので、現在受益者負担金を徴収しておるわけでございます。しかしながら、徴収率でございますけれども、種々な事情を勘案しましてその軽減に努力しておるわけでございます。その実態を御説明いたしますと、たとえば通常対策事業の分でございますけれども、そのうち公共関連事業と申しますのは、いわゆるその区域内に道路、河川等公共施設がある場合の事業でございます。そういう場合は、昭和四十七年度までは受益者負担分が二〇%でございましたけれども、それを昭和四十八年度には一〇%というふうに半分に軽減しておるわけでございます。次に、緊急対策事業分、いわゆる災害を受けた場合の崩壊地対策事業でございますけれども、これにつきまして、公共関連につきましては四十七年度までは二〇%であったのを四十八年度では一〇%、さらに四十九年度におきましては家屋半壊以上につきましては五%に特例措置として下げたわけでございます。この特例措置を五十年度以降につきましては恒久措置としまして制度化しておるわけでございます。このほか、公共関連以外のその他の緊急対策事業分につきましても、四十九年度には家屋半壊以上につきましては一〇%というふうに切り下げて、これを五十年度以降には制度化いたしたと、こういうふうにその徴収率の軽減を図っておる次第でございます。
○松本英一君 行政管理庁は、去る五十一年二月十六日に、急傾斜の安全対策について建設省、農林省、自治省に勧告を行っております。急傾斜法の担当者として建設省はその行政管理庁の勧告をどのように受けとめ、今後の防災行政に勧告内容を生かしていかれるのか、見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 急傾斜地の安全対策に関する勧告内容は、大別すると、崩壊危険区域の指定の促進、崩壊防止対策の適正化、被害防止対策の強化でございますが、建設省では、勧告内容を真剣に受けとめ、今後の防災対策に生かすべく、次のような幾つかの措置を講じております。 第一、指定の促進につきましては、地域住民に対してがけの危険性の啓蒙宣伝に努めるとともに、強力に指定を促進するよう都道府県を指導しております。 次に、崩壊防止対策の適正化につきましては、有害行為の規制に努め、崩壊防止事業を必要とするものについては極力事業の促進を図るべく大幅な予算の増大を図っております。 第三点として、被害防止対策については、建築の制限、警戒避難体制の整備について関係省庁とも緊密な連絡をとり、貴重な人命をがけ災害から守るよう、一層の努力を重ねているところでございます。
○松本英一君 総理府の方にお尋ねします。 新撰姓氏録の研究本文篇で述べてあるのは、この新撰姓氏録そのものが西暦八百十四年にできております。いま大臣にお尋ねをいたしました、ハクタ川ハクタ町ということを言われましたが、これはハカタでもハクタでも一緒であります。これは新撰姓氏録の中に確かに記載されております。新撰姓氏録は、萬多皇子という人がこれを編さんしたわけであります。この所載されております氏族の数は千百八十二氏であります。そのうち、諸蕃は、漢、百済、高麗、新羅、任那の五つに分け、その総数は三百七十四氏であります。内訳は申しません。固有日本人である神別、皇別は八百八氏であります。これに対し、諸蕃は三百七十四氏であります。約四五%が諸蕃として記載されております。ただ、この新撰姓氏録は、謄本ではありません、抄本でありますが、これは序文において一千百八十二氏とあって、現在所載の氏の数と一致いたします。抄というのは、御承知のように戸籍抄本ですから、これは氏々の本文を省略した意味でございます。氏々そのものを省略したわけではありません。したがって、氏の分布を見るには何ら差し支えないことになります。 そこで、中華人民共和国では、古代を含めて中国人の姓として二百数十の姓のあるのを百家姓と唱えております。稻村長官の姓の上の稻は何と読まれますか、御答弁願います。
○政府委員(黒川弘君) 私、先生の御質問の趣旨をとり違えているか、あるいは正確に把握しているか、まことにどうも自信がないわけでございますが、稻村の稻は、イネと読むかトウと読むか、二通りであると思います。
○松本英一君 稲作文化が入ってきましたのが西暦前二百年−二百年に板付——これは私のところの板付遺跡で明らかであります。この水稲耕作が入ってきた問題については次回に譲りたいと思います。 ただ、新撰姓氏録によれば、これらの人を、古事記あるいは日本書紀では、帰化と言い、あるいは来帰とも唱えておりますが、この渡来した中の最も多いのは、漢族、いわゆる中国の漢族の百七十八氏であります。これらの渡来人のほぼ半数を占めております。次が百済族の百二十一氏で、約三分の一であります。これは新撰姓氏録の序文にも「万邦の庶民、高貴の技葉と陳べ、三韓の諸蕃、日本の神胤と称す」とあるように、諸氏の虚構が行われていること、また「大漢三韓之族、之を諸蕃と謂う」とあるように、諸蕃のうちでも漢は特に大漢と呼んでいる当時の中国崇拝の心理的影響、それと同じように、当時、渡来人のうちでも、百済王氏からは、桓武天皇の後宮に入る者三人、嵯峨天皇のときに二人あるほど有力な氏であったことの影響などから、あるいは同じ諸蕃と称するものも、まげて大漢族と言い、あるいは好んで百済族と称するものが多かったと考えられます。しかし、このような考慮にもかかわらず、事実としてもこの二族は他の諸蕃に比べて多かったことは、先ほど申しましたように古事記並びに日本書紀の所伝からも肯定される事実であります。そして、漢人系のうちでも特に漢(アヤ)氏と秦氏が最も優勢な力を持ち、百済系では百済氏が最も有力であります。漢氏は、後漢霊帝の後裔四代の後裔阿知王と唱えて、姓氏録によると同族三十氏に及び、秦氏は二十余氏を数え、百済氏は百済王歴代の子孫と唱えて四十氏に達しております。これはこの次の機会に譲るといたしましても、新撰姓氏録をお読みになれば、日本のルーツ、いま盛んに言われております原点がおわかりになるはずと思います。 時間の制限をされておりますので、いまの質問をお聞きになってどういう感懐か、総理府の方の御答弁を求めます。
○政府委員(黒川弘君) まことに浅学でございますが、先生いま御引用になりました新撰姓氏録でございますが、これにつきまして先生のまたお教えを請いながら勉強いたしたいというふうに思います。
○主査(戸塚進也君) 以上で松本英一君の質疑は終了いたしました。
○藤原房雄君 最初に大臣に総括的なことでお伺いするわけでありますが、何といいましても現在の福田内閣の当面の施策の最重点はいろいろな柱があると思いますけれども、公共事業によって景気を回復しようという、不況脱却という最大の眼目、大きな柱があると私ども思うわけでありますが、これにつきましては今国会におきましてもずいぶんいろいろな論議があったわけでありますが、特に建設省、通産省、まあ各省にわたってきめ細かな質疑が行われたわけであります。 それらのものはそれといたしまして、私はきょうわずかな時間でございますので広範な問題についてお尋ねすることもできませんが、まず最初にお聞きしたいのは、中小企業者に対する発注、また受注の対策といいますか、配慮といいますか、櫻内実力大臣が建設大臣になられましてからこの景気浮揚ということに対しまして最大の配慮をいたしましていろいろな対策を講じられたと思うのですけれども、時間がありませんから項目だけで結構ですけれども、最初にお伺いしたいと思うのですが。
○国務大臣(櫻内義雄君) 公共事業による景気浮揚に際しまして、これが執行に当たり、中小企業者を重要視することは言うまでもございません。特に中小企業者に重点を置きますことは、これはその景気浸透を末端まで速やかにする効果があると思うのであります。そういう見地からいたしまして従来の建設省内におけるランクづけなどがございますが、このランクに見合うそれぞれの中小企業者に対しでき得る限りの発注をいたすべく努力をしているところでございます。
○藤原房雄君 具体的にお尋ねいたしますけれども、日本道路公団の発注につきまして岩手県、宮城県でいま東北自動車道の工事が進んでおるわけでありますが、この工事契約の状況を見ますと、やっぱり地元の業者を育成する、または地元に景気浮揚の一つの効果をあらわすということでいまの大臣のお言葉にはなかったのですけれどもこれは含まれておることだと思いますが、この発注をずっと見ますと非常に少ないんですね。これは一概には言えない。地元にこういう大きな工事を請け負う力のある業者がいないと言えばそれまでですけれども、決してそうばかりではないわけでございます。余りにも少な過ぎるので私は奇異に感じておるわけでありますが、契約件数二十六件のうち三件、請負業者の数から言うと三十二社のうち三社、一割にも満たない。請負代金からいきますと百三十四億七千五百万のうち九千三百万というのは〇・七%、こういうことで、東北はこういう景気といいましょうか、中央都市から見ますと非常におくれがちのところでありますから、それ相応にいま大臣のお話のように中小業者に対しての配慮ということでありますから、地元業者はもちろんのこと加味しなきゃならぬ。ところが、この実態を見ますと非常に少ないので驚いておるのですけれども、これは本当に道路公団としてこういう配慮をした上でのこのたびの発注であったのかどうか。まあ長い話は要りませんけれども、それはちゃんと配慮しましたと言うに決まっているけれども、この数字を何と見るかということ、どうでしょう。
○主査(戸塚進也君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(戸塚進也君) 速記を起こして。
○参考人(森田松仁君) 道路公団におきまして東北道にかかります工事につきましては、その契約状況につきましては先生御指摘のとおりでございます。ただ、私どもは東北地区六県におきまして先生おっしゃいます工事につきましては、まず入札参加を希望され資格登録されました業者のうちから、当該工事の規模、施工能力等を勘案いたしまして指名いたしております。したがいまして、地域別に見ます関係上、地元業者とは必ずしも県内業者だけを考えているわけではございませんので、御指摘のような結果が今回の工事では見受けられておりますが、今後は当該施行県内に適切な業者がございます場合には、極力それらの業者を活用してまいりたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 これは最初大臣のお話もございましたように、中小業者ということですが、まあ一概にいかないということは私も十分わかっておるわけですが、いま御答弁がありましたように、やっぱり十分な配慮をし、景気浮揚という、ただ工事をすればいいというのじゃなくて、このたびの公共事業というのは福田内閣の命がかかっているという非常に重要な意義を持つだけに、発注に対しては十分な配慮があってしかるべきであると、こういうことから考えて非常に差があり過ぎる。今日までも地元業者育成ということでいろいろな施策を講じてきているはずですから、そういうことからいって余りにもひど過ぎるということで申し上げておるわけです。 さらにまた、具体的なことを申し上げますが、岩手県内における道路標識の設置工事関係、これは岩手県の県内の業者というのは契約が皆無でして指名参加にも実は入っていない。ことし一社入ったということのようですけれども、標識工事というものにつきましては企業間の設備とか技術とかいうのはそんなに差がないし、また大きな資本力がなきゃならぬということではないわけなんですけれども、こういう一つのある部門、いろいろなことがあって時間がありませんから一々挙げられませんけれども、道路標識設置に関する工事というものを見ましてもこういう実態が明らかになっておる。これはぜひひとつ猛反省してもらわなきゃならぬと思いますが、どうですか。
○参考人(森田松仁君) 標識関係の工事につきましては、道路土工等のような等級によります区分を設けてはございません。したがいまして、発注いたします標識工事の規模、内容等から見まして、業者の資力、信用、実績等の施工能力を勘案いたしまして業者を選定いたしておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、今後は地元県内業者に適切な業者がおられました場合には発注してまいりたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 これからこれからと言うんですけれども、とにかくいままで福田内閣はことしだけじゃない、去年から公共事業に対しては力を入れて景気浮揚ということでやっておるわけですから、やっぱりこういう政府の指針に沿った行き方というのは道路公団だってしなきゃならないわけなんでしょう。そういうことについては建設省としても行政指導なり何なり今日までもしているのだろうと思いますし、そういう点監督官庁としてなすべきだと思うのですけれども、どうなんですか。
○政府委員(粟屋敏信君) 地元中小建設業者の活用につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、景気浮揚の効果を末端に及ぼす意味におきましても、また中小企業対策の点からも、建設省は従来から特に配慮をいたしておるところでございます。毎年予算執行通達を出しますが、その執行に当たりましては、直轄はもとより、関係公団あるいは地方公共団体に対しましても、地元中小建設業者の活用を図るように指示をいたしておりますし、その具体的な進め方としては発注標準の遵守でございますとか、分割発注の推進、さらにジョイントベンチャーの活用等を推奨をし、その実効を確保できるように努力をいたしておるところでございます。
○藤原房雄君 いまちょっとお話が出ましたけれども、ジョイントベンチャーというやつがまたちょっと問題なんですけれども、確かにメリット、デメリット両方あるわけなんで、完全無欠なんという方法はなかなかこれは人知をしてはかりがたいことだと思うのですけれども、ジョイントベンチャーでやっぱり完成後の責任体制とかいろいろな問題が出ていて、それは私がくどくど述べるまでもないことだと思うのでありますが、こういうジョイントベンチャーの仕方も、一社ではできないような大きなものとか、それからまた大手業者と地元の業者とが組むとか、やり方はメリットとしてそうあるべきだという形もいろいろあるだろうと思うのです。ですから、私は全面的にこれは否定するものじゃありませんが、現在もう御存じのとおり大手に一括ジョイントベンチャーで発注する。その中身が実際は巷間言われておりますようなペ−パージョイントとか、それから裏ジョイントとかいう、こんな言葉がございますが、そういう形で実際これを景気浮揚とか公共事業をただ誇示するのじゃなくて、これが経済的にどれだけの効果を生むかとか、雇用面でどういうふうになるのかという、こういうことがいま真剣に問われているのですけれども、現実問題、そういう面では生かされていない実情になっているという、こういうことが非常に多いわけなんですけれども、こういうことについて建設省としてこのジョイントベンチャーのあり方についていろいろ御検討なさって、今日までも行政指導なり何なりなさっていると思うのですけれども、これは長々お話しいただくともう時間なくなるからあれですが、どういう点について御検討いただいてどうなっているのか、ちょっとお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(粟屋敏信君) いま先生お話しのように、ジョイントベンチャーは、本来大規模工事については高度の技術を必要としますために、技術力を結集するという意味でJVを組む。それから先ほど私が申し上げました中小企業者の活用の問題といたしましては、中小企業者がジョイントベンチャーを組むことによっていわゆる登録する際の点数等が高くなるわけでございます。そういうことで受注機会の確保を図る、そういうことが一つの筋道であろうと思っております。 いま御指摘になりましたような裏ジョイントとか、あるいはペ−パージョイントとか、こういうことが発生いたしましたならば、本来のジョイントベンチャーの趣旨に反するものでございますので、われわれといたしましては適正なジョイントベンチャーが組まれるように行政指導をいたしておるところでございます。特に直轄関係の工事につきましては、内部で研究会を設けまして、ジョイントベンチャーのいろいろな態様について検討を進め、その適正化を図っておるところでございます。
○藤原房雄君 これは四十七年ですか、建設省の事務次官通達で分離発注の指導をなさっておりますね。いまお話があり、私どもも十分理解しておるわけですけれども、ジョイントベンチャーのいい面はいい面としまして生かしていただくということと、最近はどっちかというと弊害の方が大きく出ておる。そういう点では厳しく見ていただいて、それとともに、分離発注ということにつきましても、これは部内でも相当な検討した上で四十七年の事務次官通達になったのだろうと思いますが、しかし、現実に現場を見ますとなかなか進んでいないのが現実でして、一片の通達ではなくして、やっぱりこういう形で行政指導また実効上がるような形になすべきではないか。これは何も今日まで事務次官が御決定になるのに至りましては中央建設業審議会ですか、こういうところからの答申もあり、これらにいろいろなところでの論議があってこういう形にしたわけでありますから、ただ、これはお役人さんとしては非常に事務量が多くなるということで、ことしのようなこういう短期間に発注しなければならぬということで、設計とかなんとかになりますとこれはとてもじゃない、現在の体制ではでき得ないということで、そういうことから安易な方向に流れがちである。とてもこんな手の込んだことをやっておりますと、せっかく予算をいただいたものが消化し切れなくなるという、こういうことや、人手が足りないためにどうしても安易な方向に流れがちになる。そういうことをしますと、福田内閣の最大の眼目であります不況克服、景気浮揚ということと相反することになるわけであります。そこらあたりは非常にむずかしいところだろうと思うのですけれども、しかしこれは常日ごろからきちっと癖をつけておきませんと、ことしになってから急にやれとなっても大変なことだと思うのですが、こういうことで分離発注ということに対して次官通達を出し、今日まで少なくとも五年間経過をいたしておるわけでありますが、建設省としては、指導の結果に対してどういうふうに評価しておるかということや今後に対しての考え方をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(粟屋敏信君) 先生いま御指摘の分離発注は、質的に分けられる工事については分離をして発注するということでございます。そのほかに、道路工事等で工区が分けられるものについてはできる限り中小企業者の受注の機会を確保できるように分けてやる、これを分割発注と申しておりますが、前者の分離発注につきましては、御指摘のような事務次官通達に基づきまして関係機関を指導をいたしておるところでございます。ちなみに、建設省の直轄工事の発注についてみますと、建築工事につきましては設備工事の分離をできるだけ推進をするようにいたしておりまして、電気設備工事、受変電設備工事、暖冷房衛生設備工事、機械設備工事等の工事種別を設けまして、これらについては分離発注をいたすことにいたしております。実績を見てまいりますと、建築一般と申しますか、いわゆる躯体工事とそれから一括発注する小規模な工事もございますが、その工事金額とさっき申し上げましたような分離発注をした専門工事の合計額等を見てまいりますと、分離発注をした金額の方が五十年で建築一般としてやりましたものの一・八四倍、五十一年におきましても大体同程度の数字になっておりますので、かなりの程度分離発注の推進をしているというふうに私どもは評価をいたしておる次第でございます。さらに私さっき申しました分割発注につきましては、五十二年の実績を見ますと、分離前の工事が大体千二百十八億、これが本来なら二百八十七件の工事でございますけれども、これを分割発注をいたしました結果、千三百二十一件に分割をいたしております。そして、そのうち七百件が中小建設業者に行っておるわけでございますので、そういう点で努力をいたしておるわけでございます。ただ、先生が御質問の中でおっしゃいましたように、余りにも分割し過ぎると、特に工事の早期発注という観点から問題があるわけでございますが、その辺は私どもといたしましては中小建設業者の育成という点を基本に据えつつ、発注事務の的確な円滑化を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○藤原房雄君 大きな業者でなければできないお仕事はひとつしっかりしていただくとして、中小業者に対しての配慮、いま伺った分割発注また分離発注ですか、これは各参議院、衆議院それぞれ附帯決議にもなっておるわけでありますから、当然ひとつ、いま相当実効が上がっているということですが、これはいろいろないきさつがあるから一遍にはいかないかもしれませんが、こういう時節柄でございますから、ひとつ最大の御努力は払っていただきたいと思います。また、これは分離発注のことについてはアメリカでもいま大きな話題になって検討されており、いろいろなデータを私どもも見ておりますが、相当な工事費の節約ですか、こんなものにもつながるとか、いろいろなことを利点だけ申し上げて申しわけないですけれども言われておるわけでありますから、ぜひひとつやっていただくというか、景気浮揚ということのために、しかも各地元における中小企業というものの育成またはそれらに対する景気浮揚効果、こういうことをも考えあわせて五十三年度はしっかりやってもらいたいと思うのですが、いま説明もございましたけれども、大臣、このことについて御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど来御説明申し上げたような分離発注、分割発注、それぞれ建設省としてこういうやり方が適当ではないかという工夫をいたしながら次官通達を出し、でき得る限り中小企業者の受注の機会をつくっておるわけでございまして、御質問の御趣旨は今後ともでき得る限り反映さしていきたいと思います。
○藤原房雄君 それからさっきもちょっとお話しいたしましたが、ペーパージョイントとか裏ジョイントとかというようなこういういかがわしいことも言われておるわけですが、こういうことに対しましては建設省としてはどのようにお考えなんですか。
○政府委員(大富宏君) 先ほど来説明ございましたように、ジョイントベンチャーについては、大規模工事についてはやはり相当高度の技術を結集するという意味の大手大手のジョイントもあるわけでございますが、そもそも建設省がジョイントベンチャーを推奨したゆえんは、中小建設業者の施工能力を上げると、こういう意味でジョイントベンチャーを推奨いたしまして、ジョイントベンチャーを構成した中小企業の施工能力を高める、しかも受注機会を確保するという目的でスタートをいたしたわけでございます。先ほど御指摘のように、最近このジョイントベンチャーが非常に誤解を招く、あるいは悪用されるいろいろな点が指摘されておるわけでございますが、特にいわゆるペ−パージョイントと称する言葉があるわけでございますが、ジョイントベンチャーはそういうぐあいに構成する建設業者が共同で責任を持って一つの工事を全うするということでございますので、およそペ−パージョイントというのははなはだ遺憾な事態でございます。先ほど計画局長名をもってこういうことがないように厳重に通達を出したところでございます。今後とも発注機関等を十分指導いたしまして、ジョイントベンチャーの的確な使い方がなされるように今後とも努力いたしたいと思っております。
○藤原房雄君 建設省のお話を聞いていると、本当にすばらしい方針のもとにこの実効が上がったら景気なんかすぐよくなる、こういう感じがするんですけれども、さっきの次官通達、まあなかなかこれは浸透しない。今度のことにいたしましてもなかなかこれは実効ということになりますとむずかしい。最大の御努力を払っていただいて、何といっても福田内閣の屋台骨を支えているのは建設省、大きなその一翼を担っている、こういうふうに思うわけでありますけれども、こういう点を十分に御配慮いただきたいものだと思います。 次に、入札の参加申請書というのがあるわけですけれども、建設工事入札参加資格審査申請書ですか、これは担当の方にお聞きしますと各省庁ごとにそれぞれ違っておる。同じ省庁でも地方局、地方に持っている方はそれぞれ違う。これは役所もそうだし、電電のような公社、公団、そういうところも同じ。また県ごとにもみな違っている。市町村ごとにも違っている。これは一本化するということはなかなかむずかしいことかもしれませんが、しかし、こういうことについて事務量の繁雑さということがよく言われるわけでありますけれども、省庁、自治体、こういうのを通じて何千種類とあるということですから、書式といいますか、申請書の統一化というか、ある程度統一できる面もあるのじゃないかと私は思うのです。いろいろな種類を見ましてそういうことも感ずるわけですけれども、お役所仕事なんということを言われないように、改善できることは改善するという、こういう積極的な姿勢でこの問題もぜひひとつ、これは建設省が中心になるのかどこが中心になるのかわかりませんけれども、通産かとも思いますけれども、ぜひひとつ改善して、やっぱり仕事は公平に、そしてまた、中央の大手だけではなくて、地方の中小企業にも、そしてまた、この申請のあり方等につきましても、画一化、統一化されたそういう申請書のもとに申請が出される、こういうようにすべきじゃないかと思いますが、どうでしょう。
○政府委員(大富宏君) 御指摘のように、入札資格の審査というのは各発注機関が個別に行うものでございますから、各機関ごとにばらばらに行われるということがあるわけでございます。しかし、そういうことは建設業者にとっては大変繁雑でもあります。負担が大変だという問題もございまして、これは実は建設業法に基づきますところの中央建設業審議会においてもこれの統一方の勧告がなされております。そこで、建設省では、各省庁あるいは各都道府県といった建設工事の大手発注関係部局と十分相談をいたしまして、その意見調整を得た上で四十年に統一様式をつくったわけでございます。これが四十年でございますが、その際は十六様式に統一したわけでございますが、四十五年にはさらにこれを半減、八様式まで統一を図りまして、極力こういった審査様式を簡素化する、統一を図るという努力をしてまいったわけでございます。さらに、五十二年の七月、閣議において決定されました五十二年度の中小企業者に関する国等の契約の方針中に、資格審査手続の簡素化を行うということが定められておりますので、これを受けまして、建設省、中小企業庁が連名で十二月二十八日に、従来資格審査申請書を含め八様式であったものをさらにこれを五様式に簡素化するとともに、また、その内容も簡素化して様式を定めまして各公共発注機関にその採用方を依頼しているわけでございます。 一方、行政管理庁がやはりこの関係の実態調査を行いまして、それに基づきまして関係省庁が入札資格審査の様式の簡素化につきまして改善案を検討した結果、五十二年の二月、競争契約参加資格審査手続の簡素化に関する申し合わせを行っている次第でございます。建設省の直轄工事にありましてはこの申し合わせにつきまして実施しているわけでございますが、次期の定期審査期の昭和五十四年度の資格審査からはこれを早急に実施に移すように目下準備を進めている段階でございます。今後とも十分こういった様式の統一化と簡素化については努力いたしたいと思っております。
○藤原房雄君 もう時間が幾らもなくなってしまいましたが、ぜひひとついまお話しございました諸問題、大臣、しっかりお願いします。 さて、それではちょっと北へ飛びまして、北海道のことでございますが、五十年の八月、石狩川が相当な豪雨がございまして被害をもたらしたわけですが、その後の復旧状況はどうでしょう。
○政府委員(栂野康行君) 石狩川は、先生おっしゃいますように、五十年の八月に、三十五年だったと思いますがに引き続きまして大破堤を受けたわけでございます。それで、災害復旧につきましては、直轄区域につきましては二ヵ年で、補助河川につきましては三ヵ年で、非常に災害のひどいときにおきましては災害関連とかあるいは助成事業につきまして鋭意その復旧を図っておるところでございます。と同時に、石狩川というのは北海道の母なる川ということで、災害復旧のみならず、改良事業につきましても百億以上の金をつけましてその促進をも図っておるところでございます。 以上でございます。
○藤原房雄君 いまお話しございましたように、石狩川は北海道の三分一の流域面積があるとも言われております大きな川であります。しかし、明治以来今日までこの治水対策はこつこつと工事を積み重ねて大きな災害の起きないような状態になってきた。これは私どもも関係者の努力には敬意を表するわけでございますが、しかし、それと同時に、また別な心配といいますか、それは、一つは、国土地理院の発表を見ましても、かつて三百六十五キロですか、この石狩川が七十年の間にショートカットいたしまして、二百六十一・九キロですか、おおよそ百三キロ縮まったということですね。これがどういう影響をもたらすか、昔のような感覚で見ておりますと、これはえらいことでして、同じ雨量、同じ台風が通過いたしましてもいままでにないまた別の面の影響が出てきた。それだけに、明治以来のこつこつやってきた計画というものがそのままでいいとは決して言えない。そういう点では建設省としてもいろいろ計画を立て直したり、今日まで工事を進めてきたのだろうと思います。百キロから違うということですから、これは大変です。昔の方に聞きますと、私ども子供のころ、旭川で水が出たなんて、二日か三日ぐらいすると江別、石狩にくる。今はもうすぐですから、こういうことを見ましても大変な問題だろうと思います。 最近の工事の状況を見ますと、江別以北といいますか、人口密集地帯は比較的、それからいまお話がありましたように災害があると災害復旧ということですぐ手当てをする、こういうことはなされるわけですけれども、やっぱり石狩川全体を見まして、将来何かまた大きな被害をもたらすことはないかという全体観の上に立って、まあ考えていないわけじゃないかもしれませんが、手抜かりというか、そういう点が私ども二、三気がついたことがあるわけですけれども、どうしても被害があると、そこに応急処置、また災害復旧工事、こういうことで、そのほか年次計画でやっておるものはやっておるのでしょうけれども、その一つが石狩河口の石狩市街地、ここの状況というのは、ほかのところと比較しましても、また現状を見ましても、また五十年八月のあの水害の後行ってみましても、河口部分の計画、そしてまた築堤、こういうものは非常におくれておる。さっきも申し上げたように百キロもショートカットされたものですから、勢いよく水が流れてまいりますと、この前も、まあこんなことを言ってどうかわかりませんが、月形とか、北村とか、この前水があふれ出ました。まあストレートには来なかったかもしれませんが、しかし渡船場を中心といたしまして被害があったことはもう御存じのとおりです。あれがもしストレートにまいりましたら、あのぐらいの雨量でも大変だった。こういうことで、石狩川の江別から河口までの計画は、そういう点では、自然河川に近い上流部の人口密集地帯から見ますと非常におくれておる。これはぜひひとつ計画の中に入れていただいて早急に対策を講じませんと、しかも、石狩町の市街地のところにつきましては、これは築堤工事をしっかりいたしませんと、いつ大きな惨事を招くかはかり知れない。そのためには、遊水池ですか、こんなことでいろいろやっていることはわれわれも知っているわけですけれども、そんなことではとても対応できないのです。しかも、土砂がどんどん流れてきまして、河口部分がだんだん狭まってきておる。極端な人は、あの母なる大河が河口部分ではもうまたげるぐらに狭まっておると、そんなことも言う人もおります。極端なことかもしれませんけれども、この石狩川全体を見ますと、河口部分に対して、特に江別市以南——以南というか、川下につきましては非常におくれておるし、またこんなことでは大惨事を再び招く。災害があって初めてそれに対する対策という、こういう後追い行政ではならぬということで、ぜひひとつ新しい計画の中に組み入れて進めるべきだと、このようにわれわれは痛感をするのですけれども、どうでしょう。
○政府委員(栂野康行君) いま先生おっしゃいましたように、石狩地区——石狩町の地区でございますけれども、河口部でございまして、上流の洪水を受けるというかっこうになっておるわけでございます。それで、この市街地地区でございますが、従来無堤地区でございましたので、右岸につきましては昭和四十六年度から、左岸は昭和四十七年度からそれぞれ用地買収に着手しまして、現在まで引き続き築堤工事の進捗を図ってきておるところでございます。 それで、第五次五ヵ年計画におきましても引き続き事業の進捗を図るとしております。しかしながら、何分にも市街地の改修工事でございますので、多くの用地買収あるいは家屋移転というのがございますので、地元関係者の協力を得まして今後とも工事を実施してまいりたいというふうに考えてございます。第五次五ヵ年計画ではこの地区の堤防につきましては概成を図っていきたいというふうに考えております。
○藤原房雄君 私ども、八幡町を中心にして土地買収、いろいろやっておることも聞いておるわけですけれども、大臣ね、洪水がありましたそのときの資料を見ましても、これはいまもお話しございましたけれども、河口部分ですね、無堤ということなんですね。これはどんな理由がありましても、一たん被害がありますと、これは人命にかかわる、財産にもかかわる重大な問題ですから、治水計画が相当進んでおる段階でこの位置が北海道の三分の一という流域の水量が集中する河口部分がこういうおくれをしておるようなことでは、これは本当に心配でならない。いまもお話がございましたけれども、第五次治水五ヵ年計画ですか、ぜひこれに入れていただいて、長期にそしてまた具体的にこれの計画を進めて万遺漏なきように対策を講ずべきであると、このように私は切望するわけでございますが、そのようになっているとかしますとかなんとか言うのですけれども、大臣、これだけはしっかり、何も私は忠告するわけじゃないのだけれども、洪水が一たびありますと、えらいことになります。この前もこの河口部分の渡船場のところであの増水のために決壊していることは御存じだと思いますけれども、そういう点で、この市街地、特に江別から河口部分について、これを緊急に検討していただきまして、具体的な、そしてまた、まあことし一年ですぐやれなんて言ってもできるわけはないでしょうから、何年計画なら計画の中で着実に早急に進めていく、こういうようにやっていただきたいと思いますが、最後にもう時間ないから大臣から御決意というかそれに対する御所見を伺って、これで私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 藤原委員からの御指摘、御要望、これは私どもとしても誠意をもって努力をいたします。第五次五ヵ年計画によりまして五十六年度末までには概成をいたしたい。何分にも多くの用地買収、家屋補償等があるので、御承知のようにわれわれも非常に苦労しておるところでございますが、ぜひ促進をして目的どおりに概成したいと思っております。
○主査(戸塚進也君) 以上で藤原房雄君の質疑は終了いたしました。
○立木洋君 二つの点についてお尋ねしたいと思います。 一つは下水の問題ですが、これは人口急増地帯では住民の強い要望になっておりまして、五十三年度の下水道予算では五三%という高い伸び率を示しておるわけですが、実際にいろいろ現地でお話を聞いてみますと、やはりいろいろ問題があるようだというふうに伺っているわけです。それで、きょうは、人口急増県であります埼玉県の流域下水道の問題についてお尋ねしたいと思います。 最初に、荒川右岸流域下水道についての事業の進捗状況、それから供用開始の時期、それから供用開始された時期の和光終末処理場の処理能力について簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小林幸雄君) 荒川右岸流域下水道は、全体計画といたしまして、御案内のように、処理人口百七十四万人、処理水量百二十八万トン・パー・デー、管渠延長が八十九キロメートルという計画でございまして、この事業費は千五百七十億を予定しております。 その内訳は、処理場が約千百億円……
○立木洋君 簡単で結構です。その部分はわかっていますから。
○政府委員(小林幸雄君) そこで、この供用開始の見込みでございますが、これは地元から非常に強い要望も来ておりますので、できるだけ早く供用開始をしたいということでやっておりますが、今次の五ヵ年計画末、すなわち五十五年でございますけれども、そこまでに一部供用開始するのは非常に問題がございますけれども、何とかそこまで持っていきたい。その場合の処理能力は一系列八万トン・パー・デーということを予定しております。
○立木洋君 五十五年までの計画によって荒川右岸の流域下水道が一部供用開始できるということを待っているわけですが、それでこの時期の対象地域の処理量というのは一体どれぐらいになるでしょうか。
○政府委員(小林幸雄君) いま申し上げましたように、処理能力八万トン・パー・デーということでございます。
○立木洋君 いや、その場合に入ってくる処理しなければならない量ですね、現実に。処理能力ではなくて処理量の方です。
○政府委員(小林幸雄君) これは現実に処理しなければならない量に対しまして相当のアローアンスがございます。まあちょっと一系列でございますのでこれより縮めるわけにいかないということで、現実に処理しなきゃならぬ量に比べますと率直に申しまして過大であると。過大と言うとあれですが、十分に余裕があるということでございます。
○立木洋君 その時点では十分に余裕があるというお話なんですが、私行って視察して見てきたんですけれど、同流域下水道が新河岸川幹線それから柳瀬川幹線がすでに完了しているわけですが、五十五年まで建設予定の和光終末処理場から志木の宗岡地内までの幹線を若干延長して、すでにできている幹線と接続させる。また、富士見の南畑地内のポンプ場の建設が行われますと、上福岡、富士見、大井、三芳等々の一部も処理することができるというふうなことでこの地域は下水の問題で大きな問題になっておりまして、自治体の方からも要望書が繰り返し出されておるということは局長も御承知だろうと思いますけれども、これを接続するようなことを何とか今度の五ヵ年計画内にやっていただきたいというふうに要望が強くなされておるのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(小林幸雄君) いま御指摘のポンプ場に相当金がかかるために、いままでのところ五ヵ年以内に供用開始できるようにつなぐということはなかなかむずかしい問題もあったわけでございますが、いま御指摘のような地元の非常に強い要望も踏まえまして、今後埼玉県とも協議しまして、何とかつなぐような方向で五ヵ年内にその部分を完成させるように積極的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○立木洋君 ぜひお願いしたいと思うのです。 それから、いま川越と上福岡の境まで管渠が来ているわけですが、すでに建設済みの新河岸川幹線を川越地内にまで若干でも延ばしていただけないかという要望もありますし、また所沢市が進めておる柳瀬四号幹線、これと接続できるように、いまあそこの英橋まで建設がすでにできているわけですから、これを若干所沢地内に延長してもきわめて短い距離だと思うんです。これも今度の五ヵ年計画に入れていただきたいという地元からの要望が出ておると思うんですが、この点についての見通しはいかがでしょうか。
○政府委員(小林幸雄君) 先生よく御承知のとおり、あそこのいま述べました幹線は、これは道路の用地が先行といいますか、道路の方に先行してもらいまして、そこでそれを埋めておるわけでして、いま先の方へ延ばしていく点につきましても、バイパスの用地の進捗いかんにかかっておるわけでございます。今後道路局の方にもお願いをし県の方にも協力を要請しまして、道路バイパスの用地の進捗がいまお話しのようなところまで進んでいくことが可能であるならば、何とかそれに合わせて相当無理はございますけれども延ばしていくような方向で考えたいというふうに思っております。
○立木洋君 それから次に荒川左岸なんですが、この南部幹線の事業が若干おくれているようだという話を行って聞いてきたんですが、あそこの南部幹線に特に関係があります浦和市の藤右衛門川が毎年のように雨が降ると水浸しになるというふうな状態で、地元の住民から強い要望がありまして、今回はあそこの藤右衛門川の川幅を拡張するというふうな工事を進めていただいて地元の人たちは喜んでいるわけですが、しかし、これを現実的に解決するためにはどうしても流域下水道の南部幹線を至急やっていただきたい、そうしないと、何しろトイレが全部水浸しになりまして全くトイレが使えないというふうなことをあそこの主婦の方々が強く訴えられていたわけですが、この南部幹線の進捗状況と、ここにはどういう問題があるのか、その見通し等をお尋ねします。
○政府委員(小林幸雄君) これも実は先ほどのと似たようなことでございまして、道路の外郭環状線の用地買収の進捗状況が実はポイントでございます。私どもとしましても、これもまた道路局にもお願いし、また地元でも協力をしてもらいまして、これが早く進んでいくならば、少なくもこれまた多少無理であってもこれに合わせて延ばしていきたいというふうに考えております。
○立木洋君 それから次に、中川流域下水道の事業なんですけれども、これは何か一年間くらいちょっとおくれて開始されておるという状況ですが、今度の五ヵ年計画内になかなかここの供用開始というのが無理だというふうな事情を聞きまして、これはきわめて残念なわけですが、これは次の五ヵ年計画ということになるだろうと思うのですけれども、この中川流域下水道でのいまの見通し、それから今回の五ヵ年計画の時点では供用開始までどれぐらいの事業量が残るのか。それから実際に次の五ヵ年計画、まだ問題になっていませんけれども、なるとしたらどのくらいの期間で可能になるのだろうかということもあわせてお尋ねしたいのです
○政府委員(小林幸雄君) 御案内のように、この処理場は昭和五十二年度に基礎に着工したという段階でございまして、まあこれからということでございます。しかし地元の要望も非常に強うございますので、なるべく早くオープンしたいということでいろいろなことを実は考えておるわけです。たとえばパイプにしましても五メートルぐらいの大きなものを本来は最初から入れる計画なんでございますけれども、これを三メーターぐらいのものを二本入れるというふうに変更して、とりあえず小さいものを一本入れるとか、あるいは処理場の沈砂池につきましてもとりあえず二期工事に回すというふうなことで、早く処理開始をしたいというふうなことで工夫をいろいろしておるわけでございます。それにいたしましても、どうも金の問題というわけじゃございませんで、工程の問題がございまして、今次五ヵ年中にはオープンは無理である、次の五ヵ年のなるべく早い時期にこれを供用開始したいというふうに考えております。
○立木洋君 その次の五ヵ年計画のなるべく早い時期という点で、今度の五ヵ年計画でどれくらいの事業量が実際には残るんだろうか。そうすると、それが次の五ヵ年計画のどのあたりで見込みがつくんだろうかという点ですね、もうちょっと説明をいただきたいんです。
○政府委員(小林幸雄君) いま金は余り問題ないと申し上げましたが、これは予算が全体として十分ついたならばということでございまして、これから毎年度の概算要求をし、そのまた予算のつき方というふうなものもやはり関係してまいりますので、私どもとしましては、いまどれくらいまでこの五ヵ年中にでき上がって次期五ヵ年にどのくらい事業なり金目で残るかということは、実は相当の仮定を置かないと申し上げられませんので、ひとつなるべく早い時期に供用開始したいということで御了解をお願いしたいと思います。
○立木洋君 大臣、いま局長から答弁をいただいて大体のことはわかったわけですが、この流域下水道の問題については埼玉県の中で非常に強い要望があって、ぜひ計画内に供用開始していただきたいと。その点ではいろいろ無理があるだろうけれども、できる限り努力をして何とかしたいというお話だったんですが、五十三年度はこの下水道については五三%予算が伸びましたけれども、しかし、実際に今度の五ヵ年計画全体から見てみますと、三年たった今日では四五%だという状態ですし、道路なんかの事業の場合ですと、その五ヵ年計画の中でもさらに見直しをしてどんどんふやして、五ヵ年以内に達成するというふうな努力もされてきているわけです。この流域下水道の問題についてもぜひ積極的なそういう予算の面からも検討していただいて、建設省としての努力をいただきたいということで、この点について、いま局長の答弁を踏まえていただいた上で大臣の御意見を伺いたいんです。
○国務大臣(櫻内義雄君) 埼玉県が非常に下水道問題に熱心に取り組んでおられるということは、これはとりもなおさず人口急増地域においては本当に差し迫った問題だと思うのであります。本年一度大幅な予算増加を要請したわけでありますが、しかしそれをもっていたしましても、ただいま三ヵ地点の下水道状況についていろいろ御要望やまた御説明を申し上げたわけでございますが、十分に御要請にこたえることができないということはきわめて遺憾に存ずるわけであります。しかし、下水道が重要であるということで予算措置の上では重点的にやっておりますし、また七兆五千億円の五ヵ年計画の遂行に鋭意努めておる折からでございますので、きょうの埼玉県下の各地点につきましてせいぜい努力をいたし、おこたえをしていくつもりでございます。
○立木洋君 ぜひ、いまの大臣のお言葉を十分に実現していただくように重ねて要望しておきたい思います。二つ目の点に移らしていただきます。二つ目の点は、北海道の帯広市の帯広川と札内川の間にはさまれた敷地境界の問題についてでありますが、この境界問題をめぐりまして、現在北海道開発局とそれから内田さんを初め数十名の住民の方々との間での主張の食い違いが出ておるというふうに伺っているわけです。これはどういうふうな争いの経過になっているかと申しますと、昭和二十三年に農林省から農地として売り払いを受けた住民の方々の民有地の境界に対して、開発局の方としては四十七年になりまして境界にくいを打とうとし始めて境界の食い違いが発覚したというふうに聞いております。ところが、これは時期はもうすでに昭和二十三年のことですから、農林省が農地として売ってすでにもう三十年たっているわけですから、二十数年たった今日、昭和四十七年に初めて問題化したものだということであるならば、民法の第百六十二条、所有権の取得時効の項目に照らして、所有権の取得時効ということになるのではないかというふうに考えられるわけですが、会計検査院の御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(三原英孝君) 会計検査院に対しまして、本件につきまして審査の要求が出てまいりまして、これにつきまして昨年の十一月に審査の結果の通知を出しているわけでございますけれども、本件審査要求につきまして、時効成立の有無につきましては開発局とそれから審査要求人との間の論点になっていないのであります。御承知のとおり取得時効の成立につきましては、一定期間平穏かつ公然に占有を継続することが要件となっているわけでございまして、そのような事実の立証もございませんでしたので、会計検査院といたしましては、これにつきましては判断をいたしておりません。 もっとも、本件係争地は行政財産でございまして、行政財産につきましては取得時効が成立するか否かにつきましては学説、判例が大きく分かれております。したがいまして、仮にこの点につきまして会計検査院に判断を求められたといたしましても、やはり審査といたしましては判定を下し得なかったのではないか、かように考えます。
○立木洋君 行政財産に時効が成立するかどうかというのは意見が分かれるところだというふうにおっしゃいましたけれども、行政財産の場合でも、所有者の取得の時効が確認されたというふうな判例もないわけではございませんし、そういう判例も幾つか、きょうは持ってまいりませんでしたけれどもあるわけです。ここでの場合は、事実の経過として大正十三年、それから昭和十五年にかけて帯広市の所有地になった。そして昭和二十三年に農林省がそれを買収し同年そこの住民の方方に売却をした。そして昭和四十一年に帯広川が一級河川に昇格し、それに伴って北海道から建設省に管理が引き継がれた。そして係争地の測量が昭和四十七年ですか、開始されて問題にされたという、そういう事実に経過としてはなっておると思いますが、この事実経過については間違いないでしょうか。どういうふうになっているんでしょうか、何か御意見があればL3。
○説明員(三原英孝君) その点につきまして、審査要求人の方あるいは北海道開発局からいろいろ意見を聞いたり資料を出していただいているわけでございますが、四十七年に開発局が境界標を建植したという点につきましてはお互いの間に意見が分かれておりまして、開発局の方では昭和三十九年に境界標を建植したと。四十六年にくいを建値いたしてございますが、これは公用廃止のために自分のところの国有地の中にくいを打っていたと、こういうふうに聞いております。
○立木洋君 昭和四十一年に管理を引き継ぐときには問題になっていないと思うんですね。それも北海道庁の方から出された書類によりましても、事実上いま述べたような経過に間違いないというふうな証明が昭和四十七年十月二十八日、北海道知事の確認の文書があるわけですし、こういう形では問題がないと思います。それから現在に至っても、帯広の法務局では北海道が管理していたというそういう住民の方々の主張と同じような内容になっており、境界のまま登記がされておる、この点も問題がないだろうと思います。さらにいま意見の食い違っている問題点としてありますいわゆる河川敷の地であったという点についても、この査定処分が適確に行われたかどうかという意味になるわけですが、これを明確に立証できる内容もないのではないかというふうに考えられるわけですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(三原英孝君) この審査の要求で争われておりますのは、審査要求人の方は大正十三年に内務省が河川敷地としてこの辺の一帯の土地を買収したわけでございますが、そのときの図面を基礎にしましてそれを境界線として主張しているわけでございます。 一方、北海道開発局の方は、昭和十二年に旧国有財産法に基づきまして、境界査定処分が行われたといたしまして、そのときの図面をもとにして境界線を主張しているわけでございまして、両者の間に境界線に食い違いがあるということにつきましては明らかでございます。どちらが境界線として優先するかという問題でございますが、会計検査院は審査におきましてこの点につきまして判断いたしますに、境界査定処分はこれは旧国有財産法に基づく行政処分でございまして、これが有効に確定いたしますと、一般的な効力といたしまして、特に重大かつ明白な瑕疵がない限りは何人もその効力を疑うことはできない、争うことはできないと、こういう効力があるというふうに考えております。そこで、昭和十二年に境界査定処分が行われたと開発局は言っておりますが、これが適正にかつ真実行われたかどうか、この辺が結局ポイントであろうかというふうに考えたわけでございますが、大変困ったことに、昭和十二年に境界査定処分が行われたときのその処分そのものに関する関係資料が現在一切ないわけでございます。また、昭和十二年に行われたのであれば、現在残ってもよさそうに思われます当時の境界標でございますが、これが一本も残っていないと、こういうふうな事情でございまして、昭和十二年に境界査定処分が適正に行われたかどうか、これを判断する決め手というものがないわけでございまして、結局そのような事情を踏まえまして、会計検査院といたしましては、どちらの境界線が正当であるかということにつきましては会計検査院の判断を超えた問題であるということで、どちらとも判定しなかった次第でございます。
○立木洋君 建設省にお尋ねしたいのですが、いま会計検査院の方からお話がありました十二年の査定処分の問題ですが、これについては立証できるものがないというふうなお話であるわけですが、これは立証できるというふうに建設省の方としてはお考えになっておられるのかどうなのか。それから、いま幾つか私の方から述べた点について、また建設省の方としての何らかの見解があれば、それもあわせて答弁していただきたいと思います。
○政府委員(栂野康行君) 昭和十二年に行われました境界査定処分でございますけれども、非常に古い時代のものでございまして、いろいろ調査したわけでございます。その結果、境界査定副図、それに境界査定通知書、個人とかあるいは帯広市長に対する境界査定の通知書が現在あるわけでございます。 それから、さらに関係人に対する説示を指示しました北海道拓植部長から帯広市長あての文書も現存しておる次第でございます。これらのことから勘案しますと、当該査定というものは正規の手続を経て行われたものというふうに認めざるを得ないというふうに考えるわけでございます。先ほど会計検査院の方から御答弁がありましたけれども、こういう査定処分を行った事実につきましては、一応境界査定処分が施行されたという推定は成立し得るものと思われるというふうな御回答も得ておるわけでございます。
○立木洋君 これは五十二年十一月八日、会計検査院長の文書によりましても、当該処分が前記の手続を適法に経て行われたものであるか否かについては、適法に行われたことを直接立証する書類となるところの承認書、それから立会書、それから査定調査など、境界査定処分の手続の進行に伴い作成あるいは徴取される関係書類が関係機関において発見できなかったと、こういうふうに述べて、是非の要否の判定をしがたいものと認めたという結論になっていると思うんですね。ですから結局査定処分というのはどうだったのかというのは立会書もないし承認書もないし、あるいはくいも現実に打たれていないというふうなことになりますと、これはいま建設省のおっしゃったような点では、なかなか困難ではないんではないでしょうか。
○政府委員(栂野康行君) 先ほど申し上げましたように、そういう立会書とか、その一部分は紛失して現在ないというのは事実でございます。しかしながら、先ほどから申し上げましたように、いわゆる境界査定の副図というものがある。それから境界査定通知書が現存しておる。それからまた北海道拓植部長から帯広市長あての説示の文書も現存しておる。この帯広市長あての文書の内容でございますが、今般国有財産法に基づく査定を行い、関係地主へはおのおの通知いたしたけれども、関係人において疑義を抱き伺い出などがある場合にはその旨説示相なりたく申し添えるというふうな説示の文書も現存しておるわけでございます。そういうように総合的に考えますと、いま先生おっしゃいましたように、一部の書類というものは紛失して見当たりませんけれども、総合的に勘案しますと、正規の手続を経て行われたというふうに考えるわけでございます。
○立木洋君 副図というのはあれであって、結局正図がないといけないと思うのですね、証明される場合には。そうして、それは先ほど申しました北海道庁の方の証明の文書というものもあるわけですから、これは建設省がおっしゃっているようなことでは十分ではないのではないかというふうにどうしても思わざるを得ないわけです。 余り時間がないので、これを突っ込んでやっていくということはなかなかむずかしいわけですが、次に、査定処分に瑕疵がある場合の無効という問題についてお尋ねしたいのですが、北海道庁は、昭和十二年に行われたと言われる査定処分の査定図、第三百八号と第三百十一号による官民境界処分に瑕疵があるというふうに指摘をされておりますが、これらの三百八号、三百十一号図は結局そういうことであるならば無効になるというふうに考えられるのではないでしょうか。検査院の方にひとつ。
○説明員(三原英孝君) 確かにただいま先生おっしゃいましたように、北海道からの文書では瑕疵があるというふうな意見が出されております。しかしながら、同じ北海道知事が昭和四十八年七月に北海道開発局長あてに出した文書がございます。これはこの問題につきましてお互いに質疑をした文書でございますが、この文書によりますと、当時査定処分が行われたことは推定されるが、査定台帳、査定調書などの関係書類がないため瑕疵の有無については不明でありますと、このような表現がございます。会計検査院といたしましてはこれと同様の考え方をとっておるということでございます。結局北海道といたしましては、査定処分が行われる前の図面と比較いたしまして相違があると、こういうことから瑕疵があるというふうに言ったようでございますけれども、問題はなぜ相違があるに至ったかということでございまして、そこのところが関係資料がないためにわからないということで、結局本当に瑕疵があったのかどうか、あるいはあったといたしましても査定処分を無効とするほどの重大な瑕疵であるかどうか、その辺につきましては判断できなかったということでございます。
○立木洋君 当初北海道の方で瑕疵があるというふうに言われたのは昭和四十九年の十二月十二日付だと思うのですね。その後、いまあなたがおっしゃったように、それは認められないという話になった。ところが会計検査院の方の先ほど出された文書の後、これは昭和五十二年十二月九日、そこの住民の方々が北海道庁にこの問題について問いただしているわけですが、その文面を見てみますと、三百八号記載の右の境界線は明らかに誤りであると考えますが、いかがですか。なおこの点に関して、すでに北海道農務部長から第三百八号記載の右の境界線は瑕疵あるものと解するとの回答を得ていますが、この回答を維持されますかという問いに対して、先ほど言いました知事名によりますと、関係機関の資料を総合的に判断すると貴見のとおりと考えますというのがその後昭和五十二年の十二月九日に出されているんですが、この点は御存じですか。
○説明員(三原英孝君) 承知いたしております。
○立木洋君 だとすると、この点については、北海道の、これは前に言われたことを根拠にするということには当たらないんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(三原英孝君) 会計検査院といたしましては、北海道の意見いかんにかかわらず基本的にこの査定処分が適正に行われたかどうかにつきましては、その当時の関係資料そのものがございませんので判断がつかない、こういう立場をとっているわけでございます。 ただいまの北海道の瑕疵があるというそういう文書でございますけれども、これも関係資料と照合して判断するということでございまして、これは要するにただいま申し上げましたように査定処分が行われる前の図面と比較して食い違いがあるということから瑕疵があるというふうに判断しているようでございまして、その点につきましてはなぜそうなったかがわからないと瑕疵かどうかわからないというのが検査院の考えでございます。
○立木洋君 次に、もう一つ問題になっている点で建設省の方にお尋ねしたいんですが、係争地の測量の問題、先ほどお話が出ましたけれども、これは測量の問題が昭和三十九年九月から四十年三月にかけて行われたというふうに建設省の方の文書ではなっているわけですが、これは事実なんでしょうか。
○政府委員(栂野康行君) 事実だと聞いております。
○立木洋君 時間がないので急ぎますけれども、この図面を正規に復元する場合、隣接所有者の立ち会い並びに承認書が必要である。また三十九年に測量したのならば、それを実証できるような立会簿あるいは承認書の調書ですね、それから成果表を提出できるというふうに思いますけれども、その点はどうなっているのか。それからもう一つは、三十九年当時、隣接所有者の方々は現在でも皆生存されているわけですけれども、立ち会いに立ち会いもしていなければ承諾書も一切書いていないというふうにお話を賜っているわけですが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(大橋斉君) ただいまお尋ねの三十九年当時の測量の証拠書類的なものでございますが、われわれの方が北海道開発局から聞いているところによりますと、その当時の契約書は存在するというふうに聞いております。そのほかのものは存在はしていないというふうに聞いております。
○立木洋君 それは後で御提出いただきたいと思います。
○説明員(大橋斉君) はい。
○立木洋君 主査、それをお願いします。 それから、実際に三十九年度に測量をやられたのかどうかというのも一つの問題になっているわけですが、これがもしやられていないとするならば、この建設省から出されている文書、事実測量されておるというふうなことが非常に疑わなければならないというふうなことにも結果的にならざるを得ないわけですが、この点、十分に調査をしていただきたいと思うんですが、これはいかがでしょうか。
○主査(戸塚進也君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(戸塚進也君) 速記を起こして。
○説明員(大橋斉君) 先ほども申し上げましたように契約書は提出できます。
○主査(戸塚進也君) では、いまの立木委員の答弁をお願いします。
○説明員(大橋斉君) いま申し上げましたように、契約書の写しは提出できるわけでございますが、そのほかのものは現存しないと聞いておりますから提出できません。
○立木洋君 いや、もしか実際にやっていないとするならばこの文書は偽造の疑いが出てくるんではないかというふうに思われる、もしやっていないとしたらですよ。ですから、その点は調査をしていただきたいというもう一つの要求ですけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(大橋斉君) この点につきましては、先ほど申し上げましたように三十九年から四十年にかけて調査をいたしまして、その調査の発注の契約書の写しは現存しているわけでございますけれども、そのほかの図面はございません。ただ、その場合、調査をいたしますと直ちにそれに基づきまして、その当時、開発局長はその区間の直轄工事の施行主体として事業用地の測量をやったわけでございますが、それを事業用地の調査図面として成果品としてつくっております。それからそれをもとにいたしまして四十一年の四月一日から河川管理者になったわけでございます。河川管理者になりまして四十三年になりましてから河川現況台帳をつくっております。その付属図面がございます。ただいまではその契約書の写しと、それからそれをもとにいたしましてつくりました事業用地の調査図面、それからただいま持っております現況台帳の写しというものはございますから、それは提出できます。それで、そのことによってわれわれは当時の測量が行われ、それが台帳に記載されているというふうに考えております。
○立木洋君 大臣、いまお聞きになったような状況でございます。北海道開発局と住民の方々の間の境界に関する意見の食い違いがある、農林省としては農地として売却したと、しかしそれは河川敷であったというふうな一方での主張もございますし、これは北海道の方ともいろいろ各行政機関との間でもいろいろな意見の違いがあるわけで、この点については十分によく話し合いをして、事実がどうなっているのかという形で適切な解決をなさることがどうしても必要になってくるんじゃないかと思うんですが、それはそういう行政間で意見の違いがあるというのをいつまでもそのまま放置しておるというのは好ましくないわけですから、その点についての大臣の御意見と御所見をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどから建設省の考えとしては、建設省としての調査の結果はいろいろの点から勘案しまして当該査定は正規の手続を経て行われたものと認めざるを得ないということを局長から申し上げておる次第でございます。そこで、私も承っておりまして、いろいろ論争を要する諸点があるように思いますが、現在のところ建設省の立場は局長から申し上げたような立場をとっておりますので、きょうの速記録などをよく検討いたしまして、どういうところに問題点があるのか、御指摘の点はどうなのか、研究してみたいと思います。
○主査(戸塚進也君) 以上で立木洋君の質疑は終了いたしました。
○野末陳平君 住宅問題についてごく初歩的なことをいろいろお尋ねしたいし、勉強さしていただくようなつもりでやりますのでL3。 まず最初に、いま一番住宅を求めている層はどういうところかという基本的なことを、大体勘ではわかるのですけれども、何か最新の調査で出ておりましたら、まずそれを参考に教えてください。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは総理府で行われたものでございますが、大都市地域における住宅地価に関する世論調査、昭和五十二年十月実施のものでございますが、借家居住者のうち持ち家取得計画を持っている世帯は、年齢、階層では、三十歳代が四六・二%を占めております。職業別では被用者、すなわちサラリーマンでございまして、これが八三・二%。年収別では二百万円台が一番多く、これが四〇・九%を占めておる次第でございます。
○野末陳平君 ということは、いまのでいきますと、ぼくたちも大体勘で当てをつけるのですけれども、首都圏というより大都市圏ですか、大都市圏のサラリーマンで、三十代が中心のそのあたりと、こんなような見当ですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) そのとおりでございます。
○野末陳平君 今度は、じゃ、その層が公庫の制度をどの程度利用しているかということが知りたいわけです。率直に言いまして、公庫は非常によくなっていると思うのです。金額とか、それから戸数とか、いろいろな面でぼくは非常に充実してきたと思ってはいるのですが、いま一番家を求めている層がどれだけ公庫を利用しているかという、そのあたりを何か数字で教えていただけますか。
○参考人(大津留温君) 公庫の利用者を調査いたしました結果、年齢では平均が三十八・四歳ということになっております。収入では、年収が三百九万六千円。大部分がサラリーマンでございます。そういうところから押しますと、公庫を御利用になって持ち家をお建てになる方々は、先ほど建設大臣が申されました住宅を希望する階層、収入別あるいは年齢別から申しまして、大体これにあたっているのじゃないかというふうに考えます。
○野末陳平君 収入と年齢は当たっているようですが、全国的にばらつきがあるだろうと思うので、問題は大都市圏というそこにどの程度、ここらが一番知りたいのですが、どうでしょうか。
○参考人(大津留温君) 利用者の地域別分布を区部、市部、郡部というふうに分けて集計してみたのですが、大都市の区部にお建てになった方は九・六%、それから市部が六一・四%、郡部が二九%でございます。この区部、市部、郡部を人口別で申しますと、区部が二〇・八%……
○野末陳平君 人口別というのはどういうようなことですか。
○参考人(大津留温君) 区部にお住まいの人口です。ですから、人口の割合から言いますと、もっと区部に建ててしかるべきだと思うのです、二〇%の人口がおられますから。それが九・六%ということで確かに区部にお建てになった方は比較的少ない。しかし、市部を見ますと、人口から言うと五五%お住まいの方が、市部には六一・四%お建てになった、そういう傾向が見られます。
○野末陳平君 いまの区部という分け方はちょっとぼくたちの常識と一致するかどうか、そこのところわからないのですけれども、やや少ないというお答えでしたけれども、それは何か特別な理由が考えられますか。やはり土地が高いから手に入らないとか、そんなようなことでいいんですか。
○参考人(大津留温君) 全くおっしゃるとおりでございまして、区部はすでに利用されたいわば既成市街地が大部分ですから、そこに宅地を求めてお建てになる、こういうのはなかなかむずかしいわけですね。まあ絶対量が少ない。それから高い。したがって、郊外の市、町に行くということですか。反面から言いますと、そういう大都市に対しましてはマンション購入融資というようなことで高度利用された住宅をお求めになるのを援助すると、こういう施策をとっているわけです。
○野末陳平君 現状ではほぼ妥当ではないかと思うのですけれども、いまの区分に関して一つお聞きしますけれども、都会地に住んでいて、それで家は近県といいますかちょっと田舎の方に安いところに建てる、これはどちらの数字の中に入るんですか。いままで借家や何かに住んでいた、東京なら東京で。で、千葉か埼玉の方に家を建てた。これはどの区分に入りますか。
○参考人(大津留温君) いま申し上げましたのはその家が建った場所ごとの数字でございます。
○野末陳平君 そこで、マンションなども当然対象になっていいんですけれども、大臣にちょっとお伺いしますけれども、公庫の場合などもやはり土地持ちというのが資格というか条件になっていますね。ですから、そこら辺で、いままで利用されている方はかつて何らかのことで土地を手に入れたとか、まあそんなことで家も建つんでしょうけれども、いままだ土地を手に入れていないと、今後何とかしなきゃならぬというような、先ほど言いました三十代を中心としたサラリーマン層ですね、これは公庫の制度がいかに充実してきてもおのずから土地入手という点で限界が出てくるという感じがするんですが、その辺で、問題はもちろん宅地政策になるのですけれども、公庫の今後の見通しですよね。要するに、このままで充実すればするほど、土地がない人にとっては全然手が出なくなっていく、何らかの意味で土地がある、あるいは建てかえるという人にとっては非常にありがたい制度になるというような、いままでとは違う不公平が出てくるという不安があるわけで、その辺の見通しなどをちょっとL3。
○政府委員(救仁郷斉君) 確かに、住宅問題は土地問題だと言われるような状況でございまして、したがいまして、私どもは、住宅を新しくお求めになる方、この方々は土地と住宅と一緒に最初からお求めになるということでございまして、そういったために、従来、先ほど公庫総裁からもお答え申し上げましたマンション購入のほかに、分譲住宅とか、そういう土地と建物と一緒になったものをお買いいただくと、そういうものに住宅金融公庫が御融資するというような形のものを拡大してきているわけでございまして、ただ、従来よく住宅金融公庫は土地を持っている者しか貸さないというようなそういったことがございましたが、五十三年度からやはりそういったことでなくて、土地もお求めになる方にもお貸ししよういうことで、五十三年度から一般の宅地造成された土地をお買いになった方、これはただ余りミニ開発的な土地では困りますので、計画的な宅地造成された土地をお買いになって、その上に建物をお建てになる方には土地費もあわせてお貸ししましょうというような制度を五十三年度からとっているところでございます。ただ、問題は、土地だけの融資ということになりますと、土地の仮需要とかいろいろな問題が発生いたしますので、来年度から行いますものは、来年度に家を建てられる方について二年前までに土地をすでにお買いになった方についてはさかのぼって土地もお貸ししましょうというような形にいたしたいというように考えております。今後、先生の御指摘のように、やはりこれから土地も一緒に建物も欲しいという方々に対して、そういった分譲住宅の制度とか、あるいはいま申し上げましたような土地つき融資の制度とか、こういったものに力を入れていかなけりゃならないのじゃないかというような感じを持っております。
○野末陳平君 そのとおりなんでしょうけれども、しかし、公庫に土地から家から、土地と家は別々というのもおかしいんですけれども、何でも期待するというのもどうかと思うし、それから万能であるはずもないですからね。その意味で、いまの分譲住宅あるいは土地を買って二年ですか、そういう人たちに対して融資するというのもいいと思うのですが、どうでしょう、分譲住宅にしたって、そんなにどんどんできているとは思えないわけですね、いままでの数字もおありでしょうけれども。 それからもう一つは、土地を手当てしてから公庫を借りた人にはさかのぼって融資があるといっても、まず最初に土地を買わなきゃならないわけですから、後から幾らか補てんを受けても最初の段階では自力ですよね、いわば。そういうことを考えますと、精いっぱいの公庫の努力もやはり限界があって、それによって一番家を求めている都市部のサラリーマンが恩恵を受けるというところまでちょっと期待できそうもないのですけれども、もちろん徐々にその効果は出ると思いますよ。でも、どうなんでしょう、それ以上にはいまのところ無理だということでしょうかね。
○政府委員(救仁郷斉君) 御承知のように、現在のたとえば東京を考えますと、一般のサラリーマンの方が標準的な六十坪というような土地を買ってその上に家をお建てになるということは、これは実際問題として不可能かというような感じがしております。したがって、現段階では、一般のサラリーマンの方々が新しく家を求めようとされる場合には、東京でございますとマンション的なものにしか手が届かないのじゃないだろうかというようなことを考えております。ただ、将来にわたりましては、いろいろな土地政策を展開しまして、現在落ちついております土地価格をもうこれ以上に上げていかないという政策をとりまして、所得の方はある程度は、低成長と言いながら上がってまいりますでしょうから、そういった地価と所得とのバランス、そういったものをできるだけ早く回復させたいというような考えを持っている次第でございます。
○野末陳平君 東京で土地をなんということは、もうちょっと無理ですよね。でも、通勤圏と言われるような埼玉、千葉あたりいまずいぶん開発されているようですけれども、あのあたりに持つのもなかなかむずかしいだろうと思うんですよ。問題は、いま土地政策をいろいろな方面に展開してというようなことをお答えありましたけれども、まさにこの辺が今後の課題として早く具体的な政策、宅地政策ですかね、特に都市圏のサラリーマンのための、あるいは都市圏サラリーマンのための住宅政策といいますか、そこら辺を重点に置いた政策ができないとだめじゃないかと思っているんですよ。 建設大臣にこれから少し先の話まで含めてお伺いしょうと思っているんです。さっきも言いましたように、ぼくは公庫は非常にいいと思っていますから、かなり低収入でも土地さえあれば公庫の力で家も建てられるようになっているような感じもしますし、いいんですけれども、さて、大臣、宅地の問題ですけれども、一番初めにお答えいただきました、年齢が三十代、そして収入が年収二百万円台あるいは三百万円台という、この層がこれからますますふえますね。しかし、公庫が幾らがんばってもその人たちの需要を満たすというところにはなかなかいかないだろうし、まず宅地がネックになるだろうしと、こう思いますと、そちらで構想中の宅地開発公社ですか、それは具体的にいま私が一番関心を持っている層のために何かこうでかい団地でもつくるとか、団地といったっていままでのと違う一戸建ての家が並んでいるような、あるいはまた別のビジネスシティーみたいなものですか、何かそんなようなことでもしようというような構想があるんですか。
○政府委員(大富宏君) 今後宅地政策をどう進めるかという問題に帰着するのじゃないかと思いますが、今度の国土庁で発表いたしました三全総によりましても、やはり昭和六十年段階あるいは昭和六十五年段階でまだ人口がわが国では一千百万とか一千五百万ふえる。なかなか定住構想を進めたにいたしましても、その増加人口のうちの約五〇%ぐらいは大都市圏、特にやはり東京圏、大阪圏に集中するわけです。東京、大阪だけに限定いたしましても昭和六十年段階、あと十年でございますけれども、やはり三万七千ヘクタールぐらい土地が要る。それから六十五年、あと十五年ぐらいでございますけれども五万五千ヘクタールぐらいの新しい新市街地が要るということになっているわけです。五万五千ヘクタールといったら、ちょうど東京の二十三区の面積に匹敵するような土地でございます。これを一体どのように出していくかという問題になるわけでございますが、やはり計画的に宅地開発をしていくというのが一番肝心なことでございますが、なかなか計画的宅地開発がいろいろな障害のためにうまくいかない。いま、はやりの、非常に居住環境が悪い、都市環境上も問題である、防災上問題であるという、ミニ開発に走りやすい。そこで、この計画的宅地開発をどう推進するかという問題になりますと、先ほど御指摘もございましたけれども、従来そういった宅地供給の大きい供給機関というのは、公的機関と民間と、それからもう一つ宅地供給では、住宅と違う供給機関は区画整理という方法でございます。これはもっぱら民間と公的、両方が合わさって組合をつくってやる手法でございましょうが、この中で、何といいましても民間のシェアが非常に大きいわけでございます。住宅公団、あるいは宅地開発公団、あるいは供給公社という公的開発機関もございますけれども、せいぜいこれは二〇%台でございます。あと民間と区画整理に依存するだろうと思います。そういう中で、こういった民間、公的機関のデベロッパーにもう少し事業意欲を出させてやらせるためには一体どういう問題があるかといえば、私は大体三つあろうかと思いますが、非常に地価が暴騰しておった昔に比べますと、幸いにいたしまして地価が鎮静している。これは一面非常に結構なことでございますけれども、宅地供給する場合に土地をいじる不動産業というのは非常に懐妊期間が長い、大きいものになりますと十年くらいかかる、金利にも追いつかないという問題もございまして事業意欲が停滞しているわけでございまたから、そういう面で、そういった宅地供給に使うところの原資を低利の金を用意するということがやはり一つのポイントだと思います。そういう意味では、現在、国の政策金融機関としては住宅金融公庫それから開発銀行がございますが、これは公定歩合の引き下げに伴いまして勢い相当低くはなってまいりました。それにいたしましても、現在、金融公庫で七分五厘、開発銀行で七分六厘、民間でございます。公的機関におきましては金融公庫は七分三厘という程度でございますので、もう少しその金利の低下は考えられないかという問題が一つ。もう一つは、現在、この計画的宅地開発の推進に一番やはりネックとなっておりますのは、関連公共公益施設に大変金がかかるという問題が一つございます。これらがすべて、いまお述べになりました最終需要者の方に転嫁される、こういう仕組みでございますので、この辺を軽減するためには関連公共公益施設について相当思い切った施策が必要であるということで、従来ともいろいろな施策をやってきたわけでございますが、五十三年度は新たに通常の補助ベースのほかに三百億という別枠の補助金がついたわけでございますが、いままでのいろいろな諸制度も適用いたしまして、そういった関連公共公益施設の整備というものを、地方公共団体の財政負担の軽減ということもありますけれども、最終需要者に転嫁されるこの部分について相当の軽減の措置を図らなければいかぬという問題があろうかとおります。 もう一つは、やはり土地税制というものが基本にあろうかと思います。土地政策にとりまして土地税制というのは補完的役割りだということではございますけれども、土地を流動化する、宅地供給を促進するという意味で土地税制の持っている役割りは大きいわけです。今回も法人の譲渡益重課の緩和の措置があったわけでございますが、こういったいま申し上げました金利、関連公共公益施設の整備の問題、土地税制の問題、その他もいろいろあろうと思いますけれども、こういう問題についていろいろなネックを克服しながら計画的宅地開発供給を進めていくということが基本であろうかと思っております。
○野末陳平君 いまの三つの点は、それぞれいま問題になっているように思うのですが、すべて民間ベースというか、民間に主にこの問題を任せた場合にはそういう点も大事なんですけれども、ぼくは、大臣ね、やはり土地の公有化部分というものを今後どう考えていくかということじゃないかと思うのです。別に私有権を制限とかそういうことを言うのじゃないんですが、何か土地が、こういうふうに、ミニ開発についてはもちろん弊害が出ていますけれども、細分化されていくと、結局もう土地は全部ばらばらになっていくんで、まとまった使い方ができないために、後でえらい問題も起きてくるのじゃないか。要するに、公有地といいますか、やはり公が所有する土地というのが少しでも広くなっていく方向というのが宅地問題の場合に一つ考えてもいいのじゃないかと思うんですよ。これはすぐ土地の私有権を制限してとかいろいろな問題に結びつけられちゃうのでなかなかすぐに議論が進んでいかないのですけれども、どうなんでしょうか、民間にばかりこう依存するわけじゃないでしょうけれども、民間を中心とした行き方も大事ですけれども、公有地というものをいわゆる宅地のために広げていくというか、その方向について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。将来当然それが重要なポイントになるのじゃないかというふうに思うんですよ。
○国務大臣(櫻内義雄君) 野末委員のおっしゃっておるような考えを持たれる方も相当おると思います。現に、政治家の中にもおりますし、役所の中にもおります。これは参考にしていかなければならないことと思いますが、野末委員御承知のように、現在市街化区域内に農地としてABC農地は相当ございます。これらのものが宅地として利用されていく余地が十分ありますし、また政府関係機関としては宅地開発公団や住宅公団やあるいは供給公社など、先ほど局長よりこの供給が二〇%見当ということを申し上げておりますが、こういう公的機関で大いにやる。また、民間に対しましては三つの点を局長が申し上げまして、それによって供給を促進すると、こういうことで、まだ野末委員の御主張のようなところまで私は考えずにいけるものであると、現に宅地供給について五ヵ年で六万六千ヘクタールという五ヵ年計画を持っております。それで、この計画でいえば、年間一万二千ヘクタールは必要になってくるのですが、五十一年、五十二年の実績は一万ヘクタール程度の実績は上げておりますので、いま申し上げたような公的あるいは民間の供給についていろいろ施策を講ずることによってまだやり得るというふうに私は考えております。
○野末陳平君 私も勉強さしていただいているようなものですから、いろいろと御意見をお聞きしてまた改めて次の機会にいろいろお聞きしたいと思っておりますが、時間もないのですけれども、最初の話にちょっと戻ってきますけれども、マンションの話がちょっと出ましたけれども、どうでしょうね、大臣、これからの、目先四、五年でもいいんですけれども、どうもいろいろな調査を見てみると、日本人は庭つきの一戸建てを求めるような感じもするのですね。二十代後半あるいは三十代のサラリーマンも、子供のことを考えたりなんぞしているのか、やはり一戸建てを求めるわけです。だから、マンションというのはどうも家族向きじゃなくて、やはり本命は一戸建てであるという感じがしまして、住宅政策はどっちに重点を置くかといっても、これは需要によって変わるんでしょうが、マンションは、まあ都会ではある程度まで民間でどんどん建てていきますけれども、国が考える場合に一戸建てという方向が中心で、そうなると、また宅地ということになるのですがね。どうでしょうか、一戸建てを主にいままではずっと公庫も考えていた。しかし都会地のサラリーマンについてはマンションの方で補うというお答えが最初あったわけですが、このマンションの方にさらにこれがふえていく傾向にあると、あるいはふやしたいということなのか、それともこれは当座マンションで補っているけれども、やはり一戸建てが本命だなあということなんですか、最終的にはどっちになるんでしょう。
○政府委員(救仁郷斉君) 全国は別にしまして、少なくとも東京、大阪というような都市圏を考えました場合に、所得が上がり、すべての東京、大阪に住んでおられる方がたとえば環境のいいと申しますと、少なくとも五、六十坪になりますが、そういった庭つきの家にお住みになるということは、これは物理的に不可能でございます。したがいまして、東京とか大阪とかというような大都市になりました場合には、都心と申しますか、少なくとも山手線の中とかというようなところは土地を高度利用にしてマンション的なもので利用しなければ、これはもう収容できないということになるのじゃないかと思います。したがいまして、もちろん私ども住宅政策上はそういった郊外の庭つきも否定はしませんが、むしろどちらかというと、東京、大阪の場合にはそういったマンション的なものに重点を置いていくべきじゃないかと考えております。 ただ、先生御指摘のように、現在のマンションというのがそういった家族向きでないじゃないかというようなことでございますが、確かに現在のマンションというのは面積的にそう大きな広いものがございません。しかし、これがもっと広いマンションでございますと、十分これは家族向けでもいけるのじゃないかというように考えておりますし、現にアメリカあるいはヨーロッパ等でございますと、むしろ金持ちの方が都心の広いマンションにお住まいになっているというような傾向がございます。したがいまして、決してマンションが家族向きでないということにはならないのじゃないか、現在の日本のマンションが非常に狭いものですからそういうような感じになるのじゃないかというようなことを考えております。
○野末陳平君 もちろん住む方が選ぶわけで、都心に庭つきとかなんとか、そんなばかなことを考えてもできっこないのもわかっているでしょうから、おのずからマンションか一戸建てかというのは希望と現実は違ってくると思いますよ。ただ、一つ心配なのは、要するに国の誘導政策のようなものとして都会地にマンションをどんどん建てていくのか、いまのお答えだと何となくそんな感じもするんですがね。要するに、東京に、東京というか都会に住みたい人はマンションに入れよと言うんですがね。そのためには、都市計画その他から言って非常にいろいろな問題が出てくるわけでしょう。それだったら、思い切って、またこれはいろいろ線引きとかなんとかうるさいことに最終的になるのかもしれませんが、中心部に二階だか三階だかの低いのがあって日照権の問題でとかそういうばかなことがあるうちはなかなかそうもいかないでしょう。だから、そういう意味で、ぼくはあれやこれやとまとまりなく考えているから、住宅政策がこういう方向だなんていうことは全然個人的に考えられないんですがね。やっぱり、マンションをもし建てよう、ふやそうということになればどうなんでしょう、都市計画そのものと相当関連してきて、最終的にはこの中は少なくももう低い家はだめとか、そういうところまで本格的に考えていかないと、何年か先に実現を見越してですよ。そこまでいかないと、だめなんじゃないんですか。そうした方がいいと思うんですがね。
○政府委員(救仁郷斉君) 確かに先生のおっしゃることのとおりでございまして、現在のマンションがあっちこっちに勝手に建っておりますが、あれが決して理想的な姿だとわれわれも考えておりません。むしろ先生のおっしゃるように、現在のたとえば東京の山手線の中、こういった平屋とか、二階建てがぎっしり建っておりますが、あのままで環境がよくなるはずはございませんし、また収容能力も非常に低いわけでございます。したがって、そういうところを都市計画的に計画的に再開発していく、これが最終の理想の姿ではないかというように考えております。また、そういった中で、現行制度上も都市計画でそういった高度地区なり何なりというような制限のもとにあるいろいろな先生のおっしゃるような一戸建て、二階建ては建てさせないというような、そういう仕組みは一応とってございますが、なかなか現実の問題としてそこまで住民のコンセンサス等が得られないということでございます。しかし、長い都市計画という立場に立ってそういった方向に今後どんどん進んでいくような努力をすべきだということは、これは当然だというようにわれわれは考えております。
○野末陳平君 計画的な再開発というのは当然必要だなと思って、そのためにはもちろんいろいろな角度からの問題を解決しなきゃならぬと思うんですが、どうでしょうか、大臣、そのために努力という言葉が出ていましたけれども、努力じゃなくて、計画的な都市の再開発ということを本格的に建設省が考えて、そっちの方向へ踏み切って早くやらないと、この問題はやっぱり五年なら五年先をめどにとかというところまで考えていかなきゃだめなんじゃないかと思うのですが、最後にその点について大臣にお聞きして、またの機会にいろいろとこちらも勉強さしていただいてから質問したいと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) 大都市におきまして野末委員のおっしゃるようなそういうことを念頭におきまして、今後の都市開発に努力をするということにつきましては、これは方針として非常に結構だと思います。
○主査(戸塚進也君) 以上をもちまして建設省所管に対する質疑は終了いたしました。 明三十一日は午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十五分散会 —————・—————