予算委員会 第21号
- 発言数
- 329 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/03/29
会議録
○委員長(鍋島直紹君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、理事補欠選任に関する件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事一名が欠員となっております。理事補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に矢原秀男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(鍋島直紹君) 昭和五十三年度一般会計予算 昭和五十三年度特別会計予算 昭和五十三年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(鍋島直紹君) 質疑に入るに先立ち、昨日委員長に一任されました分科担当委員の選任につきましては、お手元の分科担当委員氏名表のとおりに指名をいたします。 —————————————
○委員長(鍋島直紹君) それでは、野末陳平君の一般質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 いわゆる医師優遇税制というものが、世論として、これは不公平である、不合理だ、よくないんだという批判が強いのは御承知のとおりですが、しかし、この実態がいま一つ鮮明になっていないと思うのですね。これからこれをどう是正するかという問題を考えるのに、やはり実態を正しくよく理解しておかなくては是正する案もナンセンスになるだろうと思いますので、私はこの優遇税制について四つの角度から考えてみたいと思うのです。 まず最初は、医者の所得水準はどの程度であるかという問題です。二番目の問題は、必要経費の中身はどうなっているかということです。それから三番目は、この特例による減税の実態がどうであるかということです。それから四番目の問題は、診療報酬が適正化しているかどうか。この四つの角度からこの問題を質問していきたいと思います。 まず厚生大臣にお伺いしますが、お医者さんの所得水準の実態をどう見るかですが、お医者さんの広告、あるいは「日医ニュース」などを見ますと、医者は非常に貧しいんだと、苦しい生活とか、あるいは奴隷的低賃金とか、あるいは不当なる安い報酬でとか、いろいろオーバーな表現があるんですよ。どうも一般常識とかけ違う。これほど医者の所得は低いのかどうか、厚生大臣の認識はどうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 御承知のように、世界的にドクターというものは相当高い地位を持っているわけでございまして、社会的な地位なりあるいは社会的な評価というものは高いわけでございますから、それに相応して収入もある程度高くなければならない、あるいはまた高い現実があるということは認識しておりますが、収入についてどういう実態であるかということは、これは大蔵省の方が適当じゃないかと思うので、私はそう資料をたくさん持っているわけでございませんで、お許しをいただきたいと思うわけでございます。
○野末陳平君 じゃ、これからぼつぼつ実態を明らかにしていきたいと思いますが、その前に、大蔵大臣に、これは基本的常識ですが、この優遇税制が二十九年に創設された当時、税調の答申などを見ますと、診療報酬の水準が低かったからそれと相まって税制による所得水準についての配慮を行ったんだと、こういうふうになっておりますね。ですから、この優遇措置というのは、診療報酬とそれから所得水準と、この両面を考えて創設されたんだと、こういうふうに理解するのですが、これでよろしいですか、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) 私も当時政府部内におったわけでございますが、そのとおりでございます。特に問題になりましたのは、一点単価が低いということが直接の原因であったと、このように記憶しております。
○野末陳平君 そこで、それでは医者の所得水準について具体的な数字を挙げたいのですが、先ごろは、大蔵省が、この二十九年当時と比べて、一般の営業所得が五・三倍で、サラリーマンの平均給与が八・四倍なのに、医者は二十四・二倍だという数字もありました。 別の面からサラリーマンとお医者さんの所得水準を比較したいと思うのですね。まず、現在の収入ベースで考えたいのですが、大蔵省に伺いますが、お医者さんの収入階層別の分布状況、この数字を一千万、二千万、三千万、四千万というふうにランク別にパーセンテージで示してほしいんです。
○国務大臣(村山達雄君) 政府委員から答弁いたします。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 ただいま御質問の数字は、国税庁では持ち合わせておりません。
○野末陳平君 いや、持ち合わせていないといっても、大蔵省で、一千万、二千万、お医者さんがどのくらいの社保収入のベースでもって——あるのじゃないかと思うのですけれども、どうなんでしょうかね。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、私どもは、所得階級別あるいは所得種類別というものは持っておるのですが、その所得種類別という場合には、事業所得だとか、不動産所得だとか、そういう数字でございまして、その中におきます医療保険業の所得階層別というのは実は持ち合わせておらぬわけであります。
○野末陳平君 じゃ、もっと細かくというか、区切って質問しましょう。 サラリーマンと医者を比較するのがねらいですから、あえて階層を限りまして、社保収入——社会保険診療報酬の収入が一千万円未満の医者の割合はどうなっているか、せめてそのパーセンテージだけでも。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま国税庁次長がお答えいたしましたように、税務統計上は収入区分別の統計が現在ございませんし、したがいまして社会保険診療報酬収入の収入区分別というものもないわけでございます。ただ、私ども主税局としまして、この措置による減収額が一体どれくらいになるであろうかという計算はこれはいたさなくてはならない、また、国会に資料としてお出ししているわけでございますので、その基礎に使いました私どもなりの調査はございます。ただ、これを収入階級区分別に公表することにつきましては、先般、大蔵委員会で他の委員からも御質問がございました際、理事会でのお取り扱いとしては、これは公表を適当でないと考えるというお取り扱いになっておりますので、全体を申し上げるのはひとつ御勘弁願いたいのでございますが、しかし、一千万で区切ってみた場合ということでございますと、私どもの調査したものから推測いたしますと、まあ一六、七%、一千万以下の方が、というように御理解いただいて結構かと思います。
○野末陳平君 社保収入一千万未満のお医者さんが一六、七%ということは、一千万円以上社保収入を得ているお医者さんは八三、四%ということになるわけですね。これに自由診療分の収入が上積みされるわけですから、社保収入だけとってみても一千万以上のお医者さんが八三、四%というのは、もうかなり一般水準に比べてお医者さんの所得水準は高くなっていくのじゃないかと推測は当然されるわけです。ちなみに、サラリーマンの年収一千万円以上、一千万円以上の年収を上げているサラリーマンというのは一体どれだけいるか、これはわかると思いますので、国税庁。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 年収一千万円以上のサラリーマンでございますが、国税庁としては、現在、全サラリーマンについて調査したものは持ち合わせておらぬのでありますけれども、国税庁が毎年実施しております民間給与の実態調査というのをやっておるのですが、その民間給与の実態調査によりますと、昭和五十一年において年収一千万円超となったサラリーマンは約八万七千人であり、この数は一年を通じて勤務をいたしました全サラリーマン約三千百万人に対しまして〇・二八%となっております。ちなみに、民間給与実態調査と申しますのは、その言葉のとおりに、官公庁あるいは政府関係機関の職員を除くとか、いわゆる民間の給与実態調査でございますので、念のため申し添えます。
○野末陳平君 そうすると、お医者さんが八三、四%でサラリーマンが〇・二八でというこれを同列に比較しても、必要経費その他条件が違いますから同列比較は無理なんですが、さて、この比較にならぬこの収入差が、一千万でラインを引いた場合に、この収入差がどういうふうに所得に反映しているかと、ここが問題だろうと思うのですね。毎年公示される所得一千万円以上の高額所得者の中でお医者さんが多いとだれしもが感じているところですが、一体どのくらいいるか、全国平均あるいは各県平均でも結構ですが、この数字が国税庁でわかったならば教えてほしい。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 ただいま御質問の公示所得金額一千万円でございますが、一千万円を超えるお医者さんの数はどのくらいかという御質問でございましたが、私どもは公示しております申告の所得金額の納税者につきましてはこれは統計をとっておりませんので、したがってお医者さんの数もわからないわけであります。
○野末陳平君 わからなければ、今度はこちらが調べた数字を確かめてもらうにも非常に困るのですけれども、じゃ一応私個人の調べでもって聞いていただきますが、公示された一千万円以上の所得者の中でお医者さんが占める割合ですけれども、たとえば私の友人が医者をやっている秋田県、ここは千七十八人の高額所得者のうちお医者さんが四九%の五百三十三人いるんですよ。それから福田総理のおひざ元の群馬県は二千三百三十二人の高額所得者のうちの三三%に当たる七百七十一人がお医者さんなんですよ。それから田中角榮さんのところの新潟県は二千六百八十四人の高額所得者の中で三六%に当たる九百七十六人がお医者さんなんですよ。それからぼくの郷里である静岡県では五千四百七十七人のうち二三%に当たる千二百六十八人がお医者さんと、こういうようにいわゆる所得番付に顔を出すお医者さんというのはかなりの率だと思うんで、感触としては全国的に大体こんなものでしょう、国税庁の感触としては。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたように、私ども統計は持っておりませんけれども、ただいまお述べになりました税務署の所在地は言葉は適当でありませんけれども、比較的地方にあります署が多かったと思っておりますが、多分そういう署におきましては仰せのような実態であろうかと思っております。
○野末陳平君 私は所得番付にお医者さんが多く顔を出しているから問題だとは全然言っていないわけですね。大蔵大臣にお伺いしますけれども、お医者さんのうちのどれだけが高額所得者であるかと、そっちの方にむしろ所得水準を考える場合には問題がいくだろうと思うんですよ。そのデータですけれども、いまの秋田県ではお医者さんのうちの三三%が所得番付に顔を出していると、群馬県では二九%、新潟県では二六%、静岡県は三〇%、それから広島県が三一%で、大平さんのところの香川県が三三%でと、こういうようにどの県もほぼお医者さんの三割が所得一千万円以上で公示メンバーの中に名を連ねていると、こういうことなんです。大都市ではもっと多いのかもしれませんがね。 そこで、国税庁にじゃ別の角度から聞きたいんですよ。お医者さんの業界ではそのほぼ三割が一千万円以上の高額所得者であると。一般レベルで一千万円以上の高額所得者というのはどのくらいいるものですか。
○政府委員(谷口昇君) お答えを申し上げます。 公示人員として特に調査したものは先ほど申しましたようにございませんけれども、申告納税額があります納税者について取りまとめた税務統計によりますと、昭和五十一年分では所得一千万円を超えているという分類がございます。その所得一千万円を超えている者は約十九万四千人でございまして、納税者総数約四百九十四万人の三・九%であります。
○野末陳平君 ですから、この三・九%を考えますと、お医者さんだけでほぼ三割、三〇%近くが高額所得者だというのはやっぱり異常な数字じゃないかと思うんで、大蔵大臣、七二%という高い必要経費率を認めていながらお医者さんの所得はこんなに高いわけですよ。そうすると、これが七二%というのが外れまして、まあいろいろな実際経費率はそれより低い人が多いのですが、七二が外れると、医者の所得というのはもっと高くなって、所得番付にもっと顔を出して、そのかわり税金も高くたくさん払ってもらうと、こういうふうになるわけですね。そう考えていいでしょう、大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃるとおりになると思います。
○野末陳平君 そうなると、先ほど最初に大蔵大臣にお聞きしましたが、昭和二十九年にこの優遇税制が創設された当時と現在におけるいろいろな比較、大蔵省の方ではサラリーマンとお医者の比較で先ほどちょっと私も言いましたが、そういう問題も含め、いま私の言ったデータも含めて、お医者さんの所得水準はもうかなりいい線に来ていると、だからもはや税制によって配慮する必要はないと、税調の答申はそうはっきり言っているわけですね。これは所得水準に関する限りこの税調の答申はまさにこのとおりであると理解して、大蔵大臣もまたそうなさっていると思うのですが、いいですね。
○国務大臣(村山達雄君) 現行所得税法の計算、本法による計算に関する限り、そのとおりであろうと思うわけでございます。
○野末陳平君 そこで、厚生大臣にお聞きするのですが、こうなると、現行税制におけると大蔵大臣もはっきり言いました。その現行税制に優遇税制がはっきりあるわけですが、いまやこの特例というのは、税制それ自体の観点から基本的に見直す時期に来ていると税調ははっきり答申しているんですが、いわゆる税制それ自体の観点から基本的にこの制度を見直さなきゃいかぬと、こういう税調の結論にもう異議は差しはさむ余地はないと思うんですよ。厚生大臣の考えはどうですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 税制の問題は私の実は所管でございませんで、税制はそれぞれの階層についてあるいは職種についてどうあるべきかということは、税の当局者が考えるべき問題でございます。ただ、御承知のとおり、先ほど野末委員もおっしゃいましたように、特に診療報酬の中における技術料の評価についてどうも不十分な点が多いから、そこで診療報酬の算定に当たってこの二八%問題というのが特例措置として国会の与野党一致した御見解でできたものでございます。総体的な医師の収入ということが当時非常に低かったもんだからそこで医師の収入が低いことを考えに入れてこの税制ができたものとは私どもは見ていなかったわけでございます。診療報酬単価というものが一応計算の単位ではありましても十円で、しかもその計算の単位というものが十円であっても、これはもう点数そのものの相乗効果でございますから、点数が合理的に妥当な点数で表示してあれば恐らくこういう問題は起こらなかったのだろうと思うのでございますけれども、やはり技術料の評価についての点数の決定が正しい医療技術を評価していないというところから出発してこういう問題が起こったのだろうと思うのでございまして、私は、医師の総体の収入ということよりは、診療報酬を一点単価を十円と計算単位に置きまして見た場合の技術料のそれぞれの評価の点数が十分ではないという結果こういうような特例措置ができたのだろうと思うのでございます。したがいまして、それらの方で今日の医学医術の水準その他から見て点数によって表示される技術料の評価がもうすでに十分妥当性を持っているかどうかがポイントではないかと、かように考えております。
○野末陳平君 それでは技術料を含めた診療報酬については後でお伺いしますから、診療報酬と所得水準、この両面のうちの所得についていまもう少し意見を聞いてほしいと思います。二番目に、所得水準はほぼいい線に行っているということについては大蔵大臣もお認めになりましたが、今度は必要経費の中身というのが非常に問題だ。なぜ問題かというと、会計検査院それから大蔵省が、特例を受けている開業医の平均経費率はほぼ五二%であるという数字を発表しているんですが、その内訳がどうなっているか、これが聞きたいわけで、会計検査院にこの五二の内訳を簡単に説明してほしいと思います。
○説明員(前田泰男君) われわれが調査いたしましたのは所得一千万円以上のお医者さんの平均でございまするが、その五二%の内訳は、薬価原価一九%、人件費一四%、減価償却費二%、その他一七%となっております。
○野末陳平君 ところが、日本医師会がこうやって大きい新聞広告を出しているのですが、この医師会の必要経費を見ますと、社保収入ですが、全収入の四〇%ないし四五%が薬代であると、それからさらに三五%ないし四〇%が光熱費とか家賃とか人件費とかというふうに、合計七五から八五%が必要経費と広告でうたっているわけですよ。新聞広告ですからね、医師会ははっきり。そうなると、いまの検査院の数字と医師会の数字がえらい違うのですが、大蔵省の調査ではこの必要経費の中身はどうなっているか、これが聞きたいんです。
○政府委員(大倉眞隆君) 先ほどの収入部分と同様でございまして、税務統計上は御質問のような統計はないわけでございます。私どもが先ほど申し上げた目的で別途調査いたしましたものには、かなりのぱらつきがございますが、ある程度の平均的な率は出ておりますけれども、それもやはり先ほど申し上げましたようにこれを公表するのは必ずしも適当でないというお扱いになるものでございますので、数字をもってお答えするということは差し控えさせていただきたいと思いますが、会計検査院の調査方法は私どもも承知しておりまして、会計検査院からただいま御報告のあったものとそう大差はないと御理解いただいて結構だと思います。
○野末陳平君 そうなると、大蔵省の数字も大差がないとなれば、薬代は会計検査院は一九%と、大蔵省もほぼこの程度であるとまあ認めたと思いますね。そうすると、医師会は四〇から四五%は薬代だというんだから、余りにもこれは開いている、二倍以上。この差は一体どうなんですか。どうしてこんな差が出ているかわからないんですよ。ちょっと厚生大臣、解説をしてほしい。
○国務大臣(小沢辰男君) 社会保険の診療報酬の中で薬価というものがどの程度占めているかということをマクロで見ますと、大体三割七分ぐらいでございます。私ども健康保険制度を扱っている厚生省が、健康保険制度の中で、入院、外来いろいろ違いがありますけれども、全体を一応見てみまして、大体三七ぐらいと見ておるわけでございますが、それ以外の薬価等もありますから、あるいは医師会の調査でそういうのが出ているのかもしれませんけれども、したがって、やっぱりこの税制問題を考える場合には、本来、物と技術というものが分離されたようなそういうあり方が理想だと私は思っておりますけれども、そういうようなところがはっきり出てきまして、技術料と物というものを分けて考えてみますと、技術料の評価についてたとえば諸外国と比較してみて果たして日本の技術料が高いかというと、実は必ずしもそうじゃない。御承知のように、手術料は今度は相当上げましたけれども、まだ外国と比べてみますと、人間の生命を守る大事な医療行為そのものの点数評価というものは実は日本はまだまだ低いわけでございまして、ただ、そこに物が入ってきたときの医療経済全体がいろいろ個々によって違いますけれども、それらのところにいろいろと矛盾が出てきている面もあるのじゃないかとは思いますけれども、技術料そのものからいいますと、まだまだ適正な医学医術の水準による評価が行われているかどうかということについては、まだ私ども自信を持って十分だというところまで行っていないと思っております。
○野末陳平君 だから、ぼくは技術料のことをいまお聞きしているのではなくて、大臣はすぐ技術料と一緒に絡めますから話は複雑になるんで、薬代は大蔵省、検査院は一九%しかかかっていないと、ところが医師会は四〇、四五もかかっていると、厚生省のこのベースだと三七だと、こんなばらばらであって、一体必要経費としてはどういうふうに考えたらいいのか、どの数字が正しいか、ここにくるんですよ。そこで、どの程度が必要経費としての薬代と見るか、どちらを正しいと見るか、実態に近いと見るか、それなんですよ。
○政府委員(八木哲夫君) 医療費の中で占めます薬剤費の比率につきましては、調査の時期でございますとか、方法でございますとか、対象医療機関の数、いろいろな面でそれぞれの要素が重なっておりますのでいろいろな数字が出てくるということはあり得ると思います。そこで、厚生省の方で総医療費の中で見ますと、三七%というのが一つの調査の結果出た数字でございますし、さらに、先般の診療報酬の改定の際に、必要な経費につきまして積算をしました場合に、各項目について見ました場合に、薬品費につきましては病院が二六%、一般診療所は三五%というような数字を基礎にしているところでございます。
○野末陳平君 それは要するに支払いベースの問題なんでしょう。そうですね、大臣。そうすると……
○政府委員(八木哲夫君) 総医療費に占めます薬剤費の三七%というのは、これは支払いベースなり請求ベースでございます。しかし、診療報酬の改定の基礎にしました経費につきましては、支払いベースではございませんで、経費の基礎でございます。
○野末陳平君 ところが、日本医師会が調査している、これは「国民医療年鑑」に出ている数字ですが、そこでは薬品材料費は二四・七%と、これは内輪のあれでしょうね、こういう数字もあるんです。そこで、結局、先へ急ぎますけれども、なぜこういう医師会の広告と検査院、大蔵省が考える薬の必要経費率というのがこんなに離れたかというと、要するにお医者さんたちは請求ベース——支払いをもらう請求ベースで言うと四〇とか四五にもなる。ところが、実際に仕入れるベースでいくと検査院や大蔵省が調べる一九%になると、こういうことだろうと思うんですよ。この必要経費を言う場合に、仕入れと請求ベースとどっちが経費ということなのか、そこをはっきりしてほしいんですよ、大蔵省に。
○政府委員(谷口昇君) お答え申し上げます。 所得計算上の薬代の問題でございますが、これは御承知のとおりに、措置法を適用いたしましたいわゆる社会保険診療報酬の場合には、七二%中に含まれますので個別の計算をしておらぬわけでありますが、所得計算の原則論でありますいわゆる所得税法本来の考え方でございますと、これは実際の仕入れ価格でございます。
○野末陳平君 それではっきりわかってきたんですがね。要するに、仕入れでいけばあくまでも一九%ぐらいなんで、これが必要経費なんですよ。ところが、お医者さんたちは、請求して支払いをもらうそのベースで四〇−四五というのを必要経費だと、こう言っているんで、水増しなんですよ、こっちは。ですから、厚生大臣に薬だけについてお伺いしますけれども、お医者さんたちが言う七五も八五も経費がかかっていると言ってわれわれにこうやって広告で訴えるけれども、それは水増し経費率で実態ではない。少なくも薬の仕入れに関する限りは、一九%あたり、あるいは医師会の調査による、五十一年ベースですが、二四・七と、これが実態だと、こう言いたいんですよ。それはおわかりでしょう。
○国務大臣(小沢辰男君) 社会保険における薬価というのは、御承知のとおり薬価基準というものを決めまして、これが薬価基準として公示されますと、その基準価格に基づいて請求をするということになっております。実勢価格とこの薬価基準の価格との乖離が常に問題になるわけでございまして、私どもは毎年一回いろいろな自計調査、他計調査等をやりましてこの薬価基準というものをいわば保険で認めております公定価格というものを実勢価格に近づける努力をいたしておるわけでございまして、今年も御承知のとおり五・何%薬価基準の引き下げを行った。しかし、まだ世の中の実態はこの薬価基準と実勢価格との開きがあるという現実を否定はなかなかできない。したがって、私どもは努力をしましてできるだけ実勢価格に近づけるような努力をまたことしもやろうと、そのために、調査の方法等についてもできるだけの正確を期するような調査をやりたいと考えているわけでございまして、それが今度の、まあ大蔵省の調査はどの程度であったか私はまだよく正確には存じませんけれども、会計検査院の調査等を予算委員会で聞いてみますと、全体の三分の一のまたさらに三分の一ぐらいでございますから、全体の六分の一程度の方々の調査のようでございますから、それをもって全部を推しはかるというわけにはなかなかいかぬだろうと思うんで、たまたまそういう実例があるということは非常に参考になりますけれども、それをもってすべてを律するわけにもなかなかいかぬだろうと思うのでございまして、この辺のところは私も着任しましてから今度はひとつよくどういうような実態にあるかということを調べてみたいという大事なポイントの一つに考えているところでございますが、いまのところその内容が会計検査院の調査あるいは国税局の調査というものがあるだけでございますので、どれをとったら本当に正しい実態に近づけるのか、これがいまのところはつかめておりませんものですから、将来の努力だろうと思っておるところでございます。
○野末陳平君 何か厚生大臣の発言は、部分的にどうも医師会の立場に近いような気がしますね。検査院のは一部であって全体を出していないと言われればまあそのとおりかもしれませんが、しかし、いま私が言っているのは、必要経費の面から言って平均は五二であると。しかしこれはあくまで平均であるからわからぬが、いまの法定の経費率七二より低い数字のお医者さんがたくさんいながら、これが一律七二で認められているここにいろいろな不公平、不合理が生まれてくるんだと、これは優遇税制の問題を論じているわけですから、その点をはっきりしてほしいんです。 そこで、まあ平均五二%としまして、法定七二、この二〇%の差というものが減税面で結果としてどういう数字になっているかということを明らかにしたいわけですよ。この間の検査院の数字は、一人当たり七百万円の平均減税を受けているというような記事がありました。もちろん厚生大臣にしてみればそれは一部の数字だから全体ではないとおっしゃるかもしれませんが、あの記事を読んだとき厚生大臣はどういう感じを持ったか。
○国務大臣(小沢辰男君) 調査の結果をそのままお出しになったんですから、それが不正確であるとかどうだとかということには私ども批判の余地はないわけでございます。ただ、医業とかあるいは医師法に基づきます医業というものに果たして一般の税制だけの考え方の経費という観念を当てはめていいかどうかということについては、今後一年かかって医師優遇税制の廃止をやり、かつ別の医業に対する税制を確立していく際には、やはりその経費というものの見方として医業、医師法の特殊性というものを本当に考えないでいいのかどうかという点については若干私も専門家として疑義があるわけでございまして、ただ仕入れと販売のその差をもって、それからまた仕入れの経費だけを、すなわち物の経費だけを経費と見ていいのか、そのほかいろいろな実は社会的な活動による経費、あるいは米価の中にも算定しておりますようないろいろ医師として常に終生研修をしていっていただかなけりゃいけないようなそういうものをどういうふうに経費として見ていったらいいのか、いろいろな問題があると思うのでございまして、これらを一年かかって十分よく検討したいと、そして正しい税制のあり方を求めていきたいというのが私の考え方でございます。
○野末陳平君 しかし、大臣ね、お医者さんがいろいろな特殊な事情があることはわかりますが、そういう社会的ないろいろな条件を勘案して税制を考えると、またまた不公平になるんですよ。税は公平で、そんなことを言ったらサラリーマンだって必要経費を認めろとか言い出して、現に言っておりますが、その主張もまたお医者さんと同時にサラリーマンの税制を考えるときには勘案しなきゃならない。そうなりますと、税制はもうあらゆるところで公平さを失ってくるんですよ。だから、余りにもお医者さんを特殊な職業だから税制も特殊であっていいというような考え方はだめで、まあこれからの検討課題だとおっしゃいましたけれども、いま問題にしたのは優遇税制というものがいかにいけないかということなんですよ。 そこで、減税の実態を検査院に聞きます。 検査院の調査は確かにほんの一握りというようなお医者さんかもしれませんが、調査で一番多かった社保収入の規模、これは五千万から一億円、この階層が検査院の調査では一番お医者さんの数として多い。そこで、この人たちはどれだけの減税を受けていることになるか、特例によって。七二%適用の場合の税額が幾らで、実際の経費率を当てはめた場合に税額は幾らと出て、その差、つまり特例があるがために恩恵を受けたという減税額、これをちょっと示してください。
○説明員(前田泰男君) お答え申し上げます。 ただいま先生のおっしゃいました社会保険診療収入の規模別、五千万以上でよろしゅうございますか。
○野末陳平君 五千万から一億のベルトのところ。
○説明員(前田泰男君) われわれの場合、一億円以上と、五千万以上一億円未満と、こう二つに分けたわけでございますが、そういうふうに分けてお答え……
○野末陳平君 いや、先に五千万−一億だけやってください。一緒にやられるとわからなくなりますので。
○説明員(前田泰男君) それでは五千万以上一億円未満の階層でございますが、この計算は、一応配遇者並びに扶養家族二人という平均家庭をとりましてそれで計算したものでございますが、これに該当いたしますわれわれの調査対象は七百七十九件あったわけでございます。それで、もし課税の特例がないとした場合の税額は一千三百九十五万円となるところでございまするが、特例がございまするので六百三十七万円、したがいまして軽減の税額は七百五十七万ということに相なります。約七百五十八万でございます。
○野末陳平君 しかし、同時に一億円以上というお医者さんもかなりいるわけですね。大体検査院の調べを見ますと社保収入が三千万から一億円のベルトにお医者さんの大多数がかたまっているように思うのですけれども、同時に、一億円以上社保収入のあるお医者さんもかなりのパーセンテージいるわけですね。そちらがお調べになった千六百九十六人の中で、一億円以上の社保収入のあるお医者さんが二百十八人ですか。ですから、約十三%ですね。この人たちの減税額も同じようにひとつ教えてください。
○説明員(前田泰男君) お答え申し上げます。 この場合には、課税の特例がないとした場合の税額が三千六百七万二千円。それから七二%適用いたしますと税額は一千八百六十七万八千円でございますから、約一千八百六十八万、その差額は一千七百三十九万円と、こういうことに相なります。
○野末陳平君 そうしますと、社保収入が一億円以上あるお医者さんはこの特例によって千七百三十九万円の減税、恩恵を受けていると、こういうことですね、大蔵大臣ね。 そこで、さっきから一人七百万円の減税だということで新聞記事を読んでいたわけですが、さっきからの説明を聞きますと、それはあくまで平均ですから、上には上があるんもんだというふうに思われるわけですね。そこで、一億円以上のお医者さんについてもう少し詳細に聞きたいのですが、平均は確かに千七百三十九万円の減税だとおっしゃいましたが、この上があるのか、どの程度まで上があるのかということを参考までにお伺いしたいので、三千万円以上の減税を受けているお医者さんはいるのか、いるならば何人いるか、まず人数だけ教えてください。
○説明員(前田泰男君) お答え申し上げます。 三千万以上の総数でございますか。
○野末陳平君 ええ、そうです。減税を受けているお医者さんの数。
○説明員(前田泰男君) そうしますと、三千万円以上の軽減を受けられている方が二十七名おられます。われわれの一千六百九十六人の調査の中でございます。
○野末陳平君 そうすると、三千万円以上も一年で税額をまけてもらっているというお医者さんが二十七人も、わずかな調査で二十七人もいる。これは厚生大臣風に言うと、わずかな調査だから全体はわからないと言うけれども、しかし、この数字もかなりじゃないかとぼくは思いますね。 そこで、三千万円以上まけてもらっている、減税を受けているお医者さんが二十七人いるけれども、これをもっと細分化してランク別に示したらどうなるんですか、上はどの辺までいくんですか、そこまでちょっと参考までに。
○説明員(前田泰男君) いまの二十七人の方の内訳でございますが、軽減額が一億円以上になります方が一人でございます。それから五千万から一億円の間の方が八人、それから三千万から五千万の間の方が十八人と、こういうことに相なっております。
○野末陳平君 これはまた一人七百万というと、それだって物すごいですよ、一年で一人で七百万円の減税。ところが、いま聞いたら、一億円以上が一人に、五千万から一億円の減税が八人で、三千万−五千万が十八人ですか、この数字は、いかに一部のお医者さんを対象に検査院が調査したとはいえども、実にすさまじい優遇ではないか。これが税制のために優遇が起こっていると、こういうふうになると、ちょっと異常な感じを持つんですよ。どうです、率直な感想は。
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、私も先ほどこの調査について、調査自体は正しいだろうと思うので、いま承って先生と同じように数千万以上の減税の恩典を受けるということは、世の中全体から見ると決して公平だとは私は考えません、全く考えておりません。ただ、私どもは、診療報酬全体が果たして適正であるかどうかということが私どもの任務で、税制の問題については税務当局が公平な税のあり方ということを御検討願うわけでございますので、私どもは診療報酬にできるだけむだのないように、国民に対して大事な社会保険でございますから正しい運営をやるようにと、こういうことを常に心がけていかなければならない、かように考えております。
○野末陳平君 厚生大臣はすぐ診療報酬へ逃げちゃうけれども、もちろんそれも大事で、この適正化云々はこれからお聞きしますよ。しかし、いまは税制の問題をやっているんですからね。そこで、厚生大臣、いままでの数字などを考えて、ここには二重のゆがみというか二重の不公平があると思うんですよ、優遇税制によって。一つは、お医者さんの中でもこれは不公平になっていると思うんですよ、減税額があんなに違うわけです。それは税制のいたずらもあるんですね。累進税率の構造が働くから、ばらつきが上の方にぐっと厚くなって下に薄いとか、いろいろな面もあるとは思うんですよ。そうですね、大蔵大臣。そうなんですが、しかし、一律七二%控除というのがお医者さんの中においても非常な不公平を生んでいるんだと。もちろん、御存じのとおり、七二%以上実際に経費がかかっているお医者さんはこれがそのまま認められておるわけですから、この特例はとりあえず無関係ですね。そうすると、この人たちにとっても、現実に八〇も九〇も必要経費がかかっている人たちにとってもこれは不公平なんですよ。ですから、お医者さんの中で見ても非常にこれは不公平なゆがんだ税制なんですよ。診療報酬の問題もあるが、しかしそれはおいでおいで、お医者さんのためにもこれは不公平税制として一日も早く直すべきだと厚生大臣が思わなければだめですよ。税制は別ですというのはぼくはちょっと通用しないと思うんですよ。いかがですか、お医者さんのために早く直さなければいけないですよ。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、先ほども申し上げましたように、五十三年度いっぱいでこの税制というものは改めるという政府・与党の方針が決まっておりますものですから、それはもう十分心得ているつもりでございます。したがって、どこにおいても私は申し上げておりますが、税の面からはあくまで特例であったことは事実なんですから、正しい税制に戻ることは、これは当然のことだろうと思っておると、この点は一つも先生の意見と変わっておりません。 ただ、どういう税制のあり方がいいのかということについては、一年かけてそれぞれ大蔵、厚生当局でよく検討をして正しい税制のあり方を求めろと、こういう決定になっておりますものですから、今年度いっぱいかけてその点は十分検討して正しい結論を出したいと、かように考えておるわけでございます。
○野末陳平君 ですから、今後正しい税制、まあ正しいという言葉はいろいろありますが、とにかくどう税制を変えるかということを研究するためにも実態をよく知らなければいけないですよ。だから、実態でわからない部分を少しでもここで明らかにしたいと思っているわけです。 そこで、二重のゆがみ、二重の不公平と先ほど言いましたが、医者仲間ではまあ厚生大臣もそのままお感じになっているようですが、大蔵大臣には一般人と比べてこれが度が過ぎるというのはこれはもう言うを待たない。もちろん大蔵大臣もきのう大蔵委員会で五十三年度限りにしたいということをはっきりおっしゃっています。五十三年度限りって、ぼくは今度の租税特別措置の改正案の中にこれが入っていないのは不思議でしようがない。何で入っていなんだ。議員立法に政府は逃げ込んでいるけれどもとんでもない間違いだと、こう思っているくらいですから。 大蔵大臣に聞きますよ。議員立法の動きはどうなっていますか、今国会中に出そうですか。やはり自民党の中のことはぼくは全然わかりませんから、ちょっとお願いします。
○国務大臣(村山達雄君) わが党で五十三年度限りにするということは、すでに党議決定しているところでございます。今国会中に出るかどうか、いまのところわかりませんが、恐らく私の想像では、なかなかこれ、いろいろな論議を呼ぶわけでございますから、今国会中というのはあるいはむずかしいかもしれぬと、こんな観測を持っております。
○野末陳平君 もういまからむずかしいと言われると絶望的になっちゃうのですが、ことしじゅうはもう絶対大丈夫なんですか、じゃ。
○国務大臣(村山達雄君) 個人については五十三年分、それから医療法人については五十三年度ということでございますので、来年の通常国会に出せば間に合うわけでございます。
○野末陳平君 だんだん来年に話がなっちゃったのですけれども、それでは一日も早くこの議員立法を自民党の皆さんから出していただいて、私もそれに賛成して、しかも五十四年度からは国民、納税者が納得するような税制に早く検討したい。いまから検討もしなきゃ間に合いませんしね。そういう意味で、厚生大臣が先ほどからおっしゃっている診療報酬の適正化ということについてこれから質問さしていただきましょう。 いままでの質疑で私が感じることは、当然ながら所得水準は決して低くないんだと、その配慮を税制でやる必要は全くないんだということは言っているんですね。それから二番目は、優遇の受け方が非常に異常である。一部の調査だから全体は違うという言い逃れはちょっとできないような気もしますよ。そこで、この特例の廃止が当然だと。いままで続いたのは、本当に政治的ないろいろなむずかしい問題があるとは言いながら、納税者に対して政治不信を招く原因になっていると思っているんです。ところが、日本医師会はこういうことを言っているんですよ。税制に手をつけるならば一点単価をいまは十円だけれどもそれを二十五円にしろというんです。「日医ニュース」に、いまより二倍半に医療費を上げろと、それならば七十二を少し外してもいいなんて、こういうふざけたことを言っている。厚生大臣、どう思いますか、これを。
○国務大臣(小沢辰男君) とてもいまの医療費を二倍半に上げろなんと言われても私はもう責任を持てませんので、この点はもうびっくりして発言もできないような状況でございます。現在の医療費を二倍半にしなきゃいかぬと言われましてもですね。恐らくその意見は、私は拝見しておりませんが、技術料の評価についての問題で、単価というものはこれはもう計算単位ですからね。だから技術料の評価についてのお話じゃないかと思うのですが、よく拝見しておりませんので何とも私は申し上げられません。
○野末陳平君 いや、それだったらおかしいんだ。この「日医ニュース」は、いいですか、厚生大臣、「税制に手をつけるならば、一点単価を二十五円にすべきであるということを通告ずみである。」というんだ。じゃ、これはうそですか。「通告ずみ」となっていますよ、ここに。うそならうそでいい。
○国務大臣(小沢辰男君) 私ども医師会から正式にそういう通告を受けたことはございません。私はまあ前から社労関係もやっておりますので、いろいろな話の中に、二十九年当時はもし特例がないとすれば医療費の技術料の評価を一・五倍ぐらいにしなきゃならぬという計算だったが、今日の計算でそれを直してみると二・五倍ぐらいの点数表にしなければならぬのだというような話を聞いたことはありますけれども、厚生省に正式に通告を得た例はいま事務当局に聞きましてもないようでございます。
○野末陳平君 大体日本医師会は少しオーバーなこと、おどかしが過ぎる点もありますから、「通告ずみ」というのはじゃうそだと、あるいは医師会の勝手な独断だというふうにしておきますが、少なくもこういうばかなことを言わせるというのはおかしいですよ。税制に手をつけるならばいまの単価を十円を二十五円に上げろと厚生大臣に突きつけてくるというこの医師会に対して、厚生大臣はぴしゃっと言わなきゃだめですよ。きょうあたり会うんでしょう、武見さんに。会うときにやっぱり言わなくちゃ。いや、本当に。大体武見さんが言っていることは世論を逆なでするようなことを言っていますけれども、特にこの税制に手をつけるならこっちをやれなんていうこれはやくざ風のおどかしですよ。厚生大臣もおっしゃった、とうていできるはずがないと。はずがないことをこうやっておどしをかけてきて、税制を既得権のように守ろうとする、こういうような医師会、あるいは武見さんに対して、厚生大臣がずばっと言わないから——言わないんでしょう、大体。言っているんですか。そこが問題なんですよ。もっと毅然たる態度で迫ってもらわなきゃわれわれは救いがない、本当に。どうなんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 今度の点数表の改定でも、幾らですかな、約二十何%上げなきゃいかぬとか、あるいは最低でも一八%上げなきゃいかぬとかというようないろいろな要求がありましたが、私はちゃんと合理的な計算で九・六%に抑えているわけでございまして、一々「日医ニュース」について私がそれを取り上げて云々する必要はないんで、一つ一つ私の責任において、行政をやる場合には国民全体のことも考えてきちっとやっていきますから、その点はどうぞ御心配なく。
○野末陳平君 それでは安心しておりますが、それにしてもやっぱり医師会寄りとかいろいろなことを言われないようにひとつ頼みますよ。 問題は、診療報酬の適正化が実現したかどうかということです。この租税特別措置のただし書きに常にありまして、診療報酬の適正化が実現するまでの暫定措置であると。これをとらえて、この制度に賛成する人は、報酬が低いんだと、適正化がまだ実現していないんだと、だからこの税制はあってあたりまえなんだという主張をするんですね。そこで、厚生大臣にずばりお聞きしますが、この時点において診療報酬の適正化は実現しているのか、それともまだなのか。先ほどのお答えでは技術料の評価については二、三疑問があるようにおっしゃいましたが、ひとつ全体で診療報酬の適正化は実現したかしないか、どちらか、これをお願いします。
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、二月一日から実施しました新しい診療報酬の体系は、これは今日の現在の状況においては適正なものであると、かように考えております。
○野末陳平君 じゃ、適正化が実現しているのに、何でこれが適正化が実現するまでの暫定措置だというこの税制が続いているんですか、どこがおかしくて続いているんですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 先ほども申し上げましたように、技術料の評価につきましてはまだ私どもは十分なものとは考えていません。たとえば初診料千円という場合に、外国と比べてどうか、あるいは再診の場合の費用、あるいは手術料等々いろいろ考えてみますと、技術的に見てこの評価というものが今日現在十分であるという自信はございません。ただ、総体的に医業収入というものは考えていかなければなりませんから、したがって私どもは、物価の動向、賃金の動向、これらをきちっと合理的に計算をして、そして毎回の医療費の引き上げをやっていると、こういうことでございまして、私は本来の姿としては物と技術を分離してそして技術料の正当な評価をやると、そして保険というものはいわば出来高払いになっておりますから、そこにむだのないような努力をきちっとしていくと、こういうことになれば、私は正しい全体の診療報酬体系に戻っていくのじゃないかと、かように考えております。
○野末陳平君 わかりました。技術料の点において問題があると。でも総体的には適正化しているんだけれども、技術料が問題だからということですよね。 そこで、じゃ、適正化したかどうかというのは、いま初診料の問題も出ましたから、ひとつ総理大臣も交えて、具体的に議論してみなきゃならないとぼくは感じるわけで、医師会をまた引き合いに出すわけじゃないけれども、彼らは不当に安い診察料、不当に安い手術料といろいろ言っている。そこで、厚生大臣も、技術料はまだいろいろな問題があるとおっしゃったから、一番問題のあるのを具体的に資料で示してください。それはできるでしょう、初診料も含めて。
○国務大臣(小沢辰男君) この点はいろいろな考え方があると思います。それから具体的に国会でも御質疑をいただいて、これで非常に低いじゃないかというような参議院の委員会だったと思いますが、いろいろ御指摘をいただいた点もたくさんございます。これらをいま整理をいたしております。技術料として正しい評価であるか、まだ足りないか、一体どれぐらいまで本当に評価すれば技術に応ずる正しい評価であるかということについて、厚生省として十分検討しておくということでいま個々の診療行為別に検討さしております。それによってでき上がりましたら御提示を申し上げます。
○野末陳平君 時間が大分かかりますか。いつまでも待っていられない。
○国務大臣(小沢辰男君) これの評価についてはいろいろな意見がありますから、ただ厚生省としてこれが諸外国その他と比較してみてまあまあ高いとか安いとか、そういうようなことは出ますけれども、正しい評価になりますと、なかなかこれは相当の医療関係の技術者等の意見も聞かなきゃわかりませんものですから、したがって、専門委員会で医療経済も含めた相当の議論をやっていただいておりますので、これらの結論も待たなきゃいかぬと思いますが、しかし、わかりやすく例を引いて見当をつけるということならば、比較的そう時間はかからぬと思いますが、全般的な正しい技術料の評価というものはいかにあるべきかということは、これは相当検討を要する問題だと思っています。
○野末陳平君 まさしくそれは専門的で、私が資料をいただいてもわかりませんから、わかりやすい例を引いて、たとえば初診料が千円という数字が具体的に出ましたから、厚生大臣、わかりやすい例を、初診料も含めて幾つか示していただいて、それを総理のいらっしゃるところで診療報酬あるいは技術料が適正化したかどうかという問題を二、三やってみたいと思うんですよ。そういう意味の資料ですね。二十九年ころはこうだった、そして三十何年ごろはこうだった、現在はこうであると、こういうわかりやすい例を幾つかで結構ですから、それを幾つか出していただいて、それで議論をさしてほしいと思いますが、それは大丈夫ですね。大丈夫かどうか、これを聞いて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 時期的にどういう時期をおっしゃっているのかよくわかりませんが……
○野末陳平君 来週の締めくくり総括質問。
○国務大臣(小沢辰男君) いやいや、とてもできません。二、三日中にはそれはとてもできません。
○野末陳平君 じゃ、初診料だけ。だって初診料だけならできるでしょう。初診料と、あと一、二の手術料はできるでしょう。
○国務大臣(小沢辰男君) それはひとつ帰って検討してみます。
○野末陳平君 できますよ、そんなものは。
○国務大臣(小沢辰男君) 私は技術屋でありませんから、いまここで二、三日中にそれができるという答えを責任を持ってできませんので……
○野末陳平君 いや、できるできる。だって初診料のことを言ったんだもの、厚生大臣は。
○国務大臣(小沢辰男君) できるだけひとつやってみましょう。
○野末陳平君 二、三でいいですよ。それができなきゃ、もうそんなばかな話はないんだから。
○委員長(鍋島直紹君) 以上で野末君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(鍋島直紹君) 次に、秦豊君の一般質疑を行います。秦君。
○秦豊君 官房長官、成田についての政府声明ときょうの本会議の緊急質問全体を通じての印象だが、責任は一〇〇%過激派にあり、政府には反省のかけらもないというのが私の印象だが、あなたの見解はどうですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 成田の新空港を建設するということはもちろん政府の責任でありますし、そのためには全力を尽くしておるわけでございます。ああいった不祥な事件が起こったということはまことに残念であります。これをさらに政府としては全力を尽くして、過激派のああした反秩序的な妨害を排除して、新空港の開港はどうしても行わなきゃならぬ、その責任は政府にあると考えております。
○秦豊君 こういう巨大なプロジェクト、たとえばドゴール空港、ダラス、あるいはモントリオール、すべてうまくいっているんですね。なぜ成田だけが例外的に紛争に紛争を重ねたのか。どうお考えです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、これまで成田に新空港を建設するということが決まってから以来のいろいろな経緯があることはもちろんよく御承知のとおりでありますし、そういう中にあって反対運動というのがだんだん大きくなり、そうして一部の左翼暴力分子がこの反対運動の中心になってああした騒擾的な事件にまでいったということを私は感じております。
○秦豊君 官房長官ね、あなたはいま政府を代表する立場です。去る十六日の総括質問でも私がしつこく言ったんだけれども、総理にもじくじたる思いの一片だにない。要は、私も言ったように、ボタンの第一ボタンからのかけ違いなんです、成田問題というのは。それについてはどういう認識をお持ちです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは、あらゆる情勢を判断した後に成田新空港の計画が決定をしたわけでありますし、それから今日までもちろん順調にいかなかったという点は確かにあるわけでございますが、その原因についてはいろいろあると思うわけでありまして、政府としても、あれだけの大きなプロジェクトを実現をするわけでありますからいろいろな困難はありますし、今日これが続いておるわけですが、ともかくも国家的な行事でありますから、どんな妨害でも排除して、これは空港の開港というものにはどんなことがあってもこぎつけなきゃならぬという決意を新たにいたしておるわけです。
○秦豊君 それはやっぱりピント外れの決意なんですね。 私は何もああいうグループの行動を是認しているわけじゃないんですよね。しかし、成田問題の原点とは一体何かというと行政の怠慢です。そうはお思いになりませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いろいろと問題はあったことは事実でありますが、三月三十一日の少なくとも開港がおくれたということは左翼暴力分子の破壊活動によることだけははっきりしております。
○秦豊君 いまの政府側は世論を背にして好機至れりとばかり治安路線をばく進しようとしている、きわめて危険だとぼくは思う。勇気ある民主主義とか見識というのは、ボタンはかけ違っておりました、行政は怠慢でした、傲慢でした、これを認めるところから発すると私は思うんだが、重ねて長官……
○国務大臣(安倍晋太郎君) おくれたことは事実でありますが、あらゆる問題を解決する、三月三十一日は完全に開港ができる、そうして四月二日からは運航を開始できるというところまでこぎつけたわけでありますが、それができなかったということは、これはもう挙げて左翼暴力分子の破壊活動による以外にはないと、私はそういうふうに感じております。
○秦豊君 どうも私とあなたの距離も遠いな。かけ違いのままで強硬策一辺倒の場合には、怨念と抵抗はむしろ強まるばかりなんですよ。そういう感受性がないんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) どうも私は質問の御趣旨がわからないんですが、とにかく、ああいうふうな事態を起こしたのは、これはもう一部の左翼過激分子であることは明らかでありますから、そういう妨害を断固として排除すれば開港は完全にできることは間違いない、私はそういうふうに思っております。
○秦豊君 じゃ伺いますが、警備を最大限強化して、法律の適用、武器の使用基準を緩めるということによって、本当にあなた方が目指す解決に近づくのか、その点どうなんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 方法はいろいろあると思いますけれども、あるいは現法制のもとで行われるのか、あるいは新しい立法措置をとらなきゃならぬのか、いろいろとこれは研究しなきゃならぬ問題であると思いますが、少なくとも開港がおくれた、何といっても最大ともあるいは唯一とも言うべき原因は左翼暴力分子の破壊活動でありますから、これを排除すれば開港は絶対にできるわけであります。
○秦豊君 どうしても認めたがらない。 じゃ安倍長官、行政の発想、アプローチ、システム、集中力等に対して、あなた方は十全であり得たと誇れますか、完璧だったと言えますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろんいままでのプロジェクトについてもおくれた面もずいぶんありますし、混乱とか問題が起こって現在それが実施できないという面、それはいろいろとあるわけでございますが、少なくとも国際空港については、これまで確かに長引いたといういろいろな原因もあるわけでありますが、今日とにかく開港というところまで来ているわけですから、その開港が阻止されたということは、これはもう原因ははっきりしておる。それはもう左翼革命分子のああいう暴動的な行動であると、これはまたはっきりしているんじゃないかと私は思うわけです。
○秦豊君 あなた方政府は、内需喚起、黒字減らしの七項目を打ち上げているんだが、あそこにもさまざま大きなアイテムがある、巨大プロジェクトが。 じゃ長官、あなたにもう一問聞きますが、巨大プロジェクトを進める上でのシステム、行政の基本的な構想、姿勢、これを何らか改めなければ、共感を呼ぶ、合意を呼ぶ巨大な国家事業は、公共事業は今後は進まないんだという危惧とおそれはお持ちじゃないですか。じゃどうすればいいとお思いですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 大きなプロジェクトを推進するためには、これは行政の面でもしっかりした、各省間の連絡を緊密にしなきゃならぬことは当然でもありますし、行政もしっかりしなきゃならぬと思いますし、同時にまた、地方の公共団体あるいは地方住民との間にも話し合いを十分尽くして、その理解を得なければならない。政府としても今日までそういう姿勢でやっておるわけでありますし、今後とも巨大プロジェクト等を実現する上においては、そうしたこれからも姿勢のもとにこれを実現するために努力していく、こういうふうに私は思うわけです。
○秦豊君 少なくとも西ドイツやイギリスの場合には、プランニングで三年ぐらい、それでフィードバック——原案を市民、住民におろす、吸い上げる、まとめる。だから決まるまでは長いが決まったら一瀉千里に進む、こういうありようは、じゃ参考にされるわけですね。
○国務大臣(安倍晋太郎君) もちろん日本には日本の実情というのがあるわけですが、そうした外国の例というものは参考としてこの日本のプロジェクトの実現には生かしていかなきゃならぬ、私はそういうふうに考えるわけです。
○秦豊君 運輸大臣、福田総理は日米会談に行かれますけれども、御出発は成田空港からですか。
○国務大臣(福永健司君) それにお答えすると、もう大体開港の日がいつかということにつながるわけでございます。現時点では、まだ遺憾ながら秦さんの御質問に対して、成田空港であるとか、成田は無理だろうとかと言うわけにまいりませんが、いずれにいたしましても、私どもは、すでに国会に対して明らかにいたしましたように、いま一生懸命でしているところでございます。ちょうどその出発されるというようなあたりが、その後先かによりまして、いま国民また外国の人も注視しているその開港の日とまあ大差ないというように一般に見られておる——私がそうだというのじゃございません。そういうことでございますので、どうぞ、ただいまの時点ではまだどちらの空港からということは申し上げられないことを御了承いただきます。
○秦豊君 政府は、あすかあさってのうちには一応の線をお出しになれますか。
○国務大臣(福永健司君) あさっての朝の閣議ではそれを決めたい、こういうように考えておりますし、その考えのもとにいま、そういうことになるように備えるための作業を万般進めておる次第でございます。
○秦豊君 あなた方の好きな言葉を使えば、国家の威信がかかっているそうだが、余り小出しにして次々に延ばすと、ぶざまですよ。吸い上げる情報は完璧で、あさって決めれば牢固としているのか、しっかり決まるのか。その辺どうなんです。
○国務大臣(福永健司君) 小出しにしているのでなくて、事ほどさように慎重に対処して、鋭意間違いのないことを期しているという次第でございまして、あさって決めれば、それによってすべてを進行せしめる、こういう所存でおります。
○秦豊君 運輸省は、損害は意外に軽微だということを言っているようだが、本当は幾日くらいで直るんですか。
○国務大臣(福永健司君) 軽微とか軽微でないかというのは、物差しの当て方で大変違うわけでございまして、考えようによっては決して軽微であるとは申しがたいとも思うのでございますが、初めに非常に膨大な受け取り方がされておりましたので、それから申しますとまあそれほどでもないという、こういうような意味で私は表現をいたしましたのでございます。 私が発表いたしましたように、四月半ばごろには、いま申しました技術的な観点からの措置は何とかなる、こういうことでございますが、私どもはそのほかにもいろいろ考えて、安全確保ということは四月の半ばごろまでにおおむねいいと思っておりますけれども、この際は念を入れて、念には念をさらに入れて対処することが必要であろう、そういう観点からそのことも考えて明後日決定をいたしたいと、そう考えておるわけです。
○秦豊君 大塚さん、壊されたのはどっちかといえば端末の部分でしょう。
○参考人(大塚茂君) 十六階は実は航空局の施設が大部分でございまして、公団の施設は三つしかございません。これは、おっしゃられるように端末の部分でございます。
○秦豊君 航空局長、テレビでいえば主調整室、マスターがやられたんじゃない。サブなんですよね、そうでしょう。
○政府委員(高橋寿夫君) 航空管制の心臓部というべきところは無傷でございまして、その端末機械が破壊されたわけでございます。
○秦豊君 これは大事な点ですよ。情報が躍り上がった面がある、やられたというふうなことで、第一報がね。あなた方もそれを多分に利用しようとした瞬間もあるんだが、その端末の部分だけ直すにしては、一カ月近く延ばすというのはどういう了見ですか。何に基づくんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 管制卓あるいはパラボラアンテナ、マイクロウェーブの送受信装置等々の被害状況を調べまして、この復旧の日数をはじいた結果、これを完全に近い形でもとの部品に戻しまして、もとの姿にいたしまして、なおそれに対して一つのテストといいますか慣熟といいますか、行いまして、それでさっき大臣が申し上げたように、来月半ばぐらいになればそういった面では全部済みますということでございますから、私どもは一カ月もかかると思っておりません。約二週間ぐらいと思っております。
○秦豊君 その答弁はちょっとおかしくないかな、高橋さん、フライングテストは終わっているんですよ。端末、ジョイントすればいいんじゃないの。違いますか。
○政府委員(高橋寿夫君) フライトチェックの意味じゃございませんで、やはり前の、たとえば管制卓でも、前の卓が全部壊れまして、新しい卓を据えつけるわけでございますから、新しい卓が前の卓と同じように作動するかどうかということを調べる、これはまあせいぜい三日、四日あれば足りると思います。それから電波関係は、やはりあすこで受けていまして、ほかのマイクロウエーブの中継基地から三つ四つ中継しまして、どこかへ行くと、こういう回線全部をチェックしてみるというふうなことでございますが、それもせいぜい三、四日で済むと思います。それらを含めまして、大臣が申し上げたように、来月半ばには完全にその辺は終わる、こういう意味でございます。
○秦豊君 大臣、じゃかなり早く開港できそうですね。
○国務大臣(福永健司君) いろいろお答えしておりますように、専門技術的観点からすれば、それなりの結論がございますが、何しろかつてない、世界に類例を見ないようなこういう事態が発生いたしましたことにかんがみまして、単なる技術的観点からの考慮のみならず、まあ秦さんは本心で言っておられるのかどうかわからぬが、もっと早くできるじゃないかというふうに聞こえるようなことをおっしゃっていますが、これはまあ聞き方、なかなか気をつけないと、後でどういうことになるとも限らないのでありますが、一応素直にそういうように受け取りましても、専門的な観点からいたしますと、いままで申し上げたようなこともございますが、この際にまたほかの人たちからは、ちっとばかり急いでまた間違ったら大変だぞと言って、前もっておしかりをいただいておるのでございますが、そういうおしかりを受けなければならぬような事態にならぬようにと思って、先ほども申し上げましたように、念には念を入れた措置を講じなきゃならぬと、こういうように考えております。そういう観点から、まあいろいろの立場の者が集まりまして、総合的判断においていかにすべきかということを明後日決めようというわけでございます。それは一カ月ぐらいになるというようなことを申しているわけじゃございません。いま技術的にはこうと言ったのに対して、一部一カ月ぐらいかかるんじゃないかというような御観測でいろいろ出ておりますが、私どもといたしましては、そういう観点からの考え方もあわせ明後日判断をいたしたいと、こういうことでございます。
○秦豊君 官房長官、そもそもこの成田事件の責任というのはどこにあるんですか。最高の責任はどこ、責任はどこまで及ぶんですか。そういう責任はどういう機会に表明されるんですか。伺っておきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今回の成田空港の開港、それから運航がともかくできなかったということは、何といっても左翼暴力分子の破壊活動以外に何もないわけでありますから、左翼暴力分子の破壊活動を今後排除していけば、とにかく開港寸前までこぎつけているわけですから、これはいま運輸大臣のおっしゃるように、近々開港はできるというふうに確信をいたしておるわけです。
○秦豊君 ちょっと解せませんよ。じゃ、政府側の責任はゼロという発想なんですか。そんなことをあなたは発言されていいんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) まあ、責任といったような問題につきましては、これはもちろん開港する、あるいは運航を実現するということは、もちろん政府の責任でありますから、そういう意味においての政府の責任はあるわけでありますから、こういう事態が起こった限りにおいては、一日も早く開港にこぎつけるというのが、これが政府のとらなければならない全責任であると、こういうふうに思うわけです。
○秦豊君 かつて毎日政治部の敏腕記者としてあられたあなたが、クラブを一緒にしたこともあるけれど、大政治家になっちゃって、その答弁は解せませんよ。もう一回、そんなのは通じませんよ。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府は、もう全責任を感じてこの事態を解決して、一日も早く開港にこぎつけたいと、こういうことです。
○秦豊君 あなたは、わざとポイントをかわしているんです。何もかもわかっていて、政治的過ぎる。つまり、ここまでこうなったボタンのかけ違い以来の責任、十二年半の。これを感じるところから出発すべきではないかと言っているんですよ。開港することが責任、それはすりかえ。だめ、納得できない。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今日までとにかく長い時間かかったと、これはやはり政府にも一半の責任はあるわけでありますし、そういう責任を政府は感じて、とにかく一日も早く開港にこぎつけなければならぬということで、全力を挙げて今日に至っておるわけでございます。ですから、このような不祥な事態が今後起こらないように全力を尽くしてこういう事態を排除していく、そうして開港にこぎつけるということが、私は政府の今日の与えられた全責任ではないかと、こういうふうに思うわけです。
○秦豊君 ようやく私にもわかり始めた、鈍感な私にも。いま福田政権は四面楚歌にある。これで成田空港延伸の責任、円高の責任、全部やれば解散どころか総辞職に追い込まれる。大番頭としては醜の御楯になりたい。その気持ちがようやくありありとわかってきた。そういう心境からでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) どういうふうにお答えしていいかわからないのです。秦さんの質問の意味がよくわからないのですが、政府の責任と言えば、開港を一日も早く行うということが私は政府の責任じゃないか。ですから、ああした不祥事態が今後二度と起こらないように全責任を持って対処していくということです。
○秦豊君 公安委員長、あなたの受け取り方はどうなんですか。どの辺に責任があるのですか。どの辺が範囲なんですか。
○国務大臣(加藤武徳君) 極左暴力集団が第八ゲートや第九ゲートから侵入しようといたしまして、これは阻止することはできたのでありますけれども、しかし、マンホールからあらわれました約二十名の赤ヘル部隊のうち、五名は逃走いたしましたが、あとの十五名は逮捕し得ましたものの、しかし管制塔に侵入いたしましてあのような破壊行為を行った、そのことが今日開港をおくらしめた最大の原因でございますから、この限りにおきましては非常に責任を痛感いたしております。
○秦豊君 あなたに重ねて伺いたいのだけれども、さっき本会議で拝聴しておりましたら、反対同盟の戸村一作氏の発言は教唆扇動に当たるかどうかを検討せねばならぬというようなことを発言しておられたと思うのだが、あんなことを軽々しく言われていいんですか。
○国務大臣(加藤武徳君) 戸村一作氏が委員長をいたしております反対同盟の会員数は二百名そこそこでございまして、私はその大部分の方々は、こんなにとんでもない闘争を展開してくれて本当に困るんだ、かような気持ちを持っておると思うのでございますけれども、しかし戸村一作氏個人といたしましては、新聞等で報道されておりますようなきわめて激越な演説等をいたしておるのでございまして、そうしてそれが影響を与えまして二十六日のような行動が行われたといたしますならば、まさに教唆扇動に値するのではないか、こう私は判断いたしておりますが、しかし慎重に情報等を集めまして対処いたしてまいる、かようなつもりであります。
○秦豊君 じゃ、公安委員長の先ほどの答弁は先走ったわけですか。
○国務大臣(加藤武徳君) 私は、午前中の本会議におきまして、いま申し上げたとほぼ同様の言い方をいたしたのでございまして、もし教唆扇動の事実がありますならば厳重に追及していかなければならぬ、かような考え方であります。
○秦豊君 具体的には調べ始めるということになるわけですね。
○国務大臣(加藤武徳君) 今日までも戸村一作氏の言動につきましては厳重に注意をいたしておるのでございますけれども、しかし今後もさらに厳重に注意をいたしまして、諸資料等を収集いたしまして厳正に対処いたしてまいらなければならぬ、かように考えております。
○秦豊君 加藤さんにもう一問。専門家の意見を聞くと、二週間程度で大体修復されるらしい。安全は至上命題だろう。それはわかる。だが一カ月以上もあるいは延ばそうとするのは何か魂胆がありげに見えて仕方がない。この際、治安路線強化というふうなものじゃないんでしょうね。
○国務大臣(加藤武徳君) 治安路線強化とおっしゃるのが、いかなる意味かは正確には私にはいま直ちには理解ができませんけれども、しかし、開港を迎えるに当たりましては警備の万全の体制をとってまいらなければならぬのでございまして、この点につきましては最大の努力をいたしまして万全の処置をとる、かような決意であります。
○秦豊君 安倍官房長官、お互い古い時代のことをちょっと思い返しましょうか。イソップ物語、北風と太陽。旅人とマント。あなた方の政府路線というのは北風路線、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 北風路線をとらなかったから、むしろ太陽路線をとっておったからこういう事態になったんじゃないかとも言う人もずいぶんあるわけで、私もああした左翼暴力分子に対して手ぬるいという批判もずいぶんあるわけでありまして、そういう意味で今回の事件を十分反省をして、やはり現行法制の中でやれる限界、あるいはそれができなかった場合は国会の御審議を得て新しい立法をつくるなどして、ああした左翼暴力分子に対しては対決をしなければこうした事態を解決することはできないと考えております。
○秦豊君 運輸大臣ね、さっきあなたはわれわれも十二年間に数々の教訓を得たと答弁されましたね。どんなことなんですか。
○国務大臣(福永健司君) 枚挙にいとまない多くの事々でございます。
○秦豊君 出し惜しみをしないで幾つか具体的に言ってください。
○国務大臣(福永健司君) まあ十二年前からのことを申しますとかなり時間がかかるわけでございますが、いろんなことがございましたが、特に私が強調したいのは、その中でもこのたびのことということを言いたかったんでありますが、しかし、よく考えてみると、類似のことも、またもっと違うこともたくさんございました。いたずらに羅列することは恐縮でございますから申し上げませんが、いろいろございましたし、なかんずく今度のようなこともございましたのでと、こういうような気持ちで申し上げたことでございます。
○秦豊君 大塚さん、タカ派路線もいいですよ。安倍さんは太陽路線を履き違えているからね、あの解釈は間違っている。あなたに聞きたいんですけれども、反対派と粘り強く新たに話し合いを始めていますよということで、世界じゅうに見える方が諸外国から成田の信用を高めるゆえんとはお考えになりませんか。
○参考人(大塚茂君) 一口に反対派と言うのでございますが、私どもは反対農民、いわゆる反対同盟そのものの大部分の構成員についてはもういつでも話をしたいということでございますし、全部の者と一堂に会してということはいたしておりませんけれども、そのうちのあるグループ等については話をして、移転の話し合いがついて十二人が集団的に移転をしたというような事例も最近ございます。ただ今回の闖入事件は、これはそれとは私どもは別個のいわゆる過激派暴力集団の行為である、これとは私どもが幾ら話してももう話のつく問題ではないというふうに考えております。
○秦豊君 それではあれですか、今後土地収用の対象になっている十数戸の所有権者とも話し合いはなさらないということなんですか。そんなふうに受け取っていいのかしら。
○参考人(大塚茂君) ただいま申し上げましたように、反対同盟に入っておる農民の方とは私どもはもういつでも話し合うし、話し合いによって問題を解決をいたしたいと考えておりますので、十七軒の方々ともいつでも話し合いをいたしたいというふうに考えております。
○秦豊君 運輸大臣、あなたは非常にいいことをされかかりましたね、準備されましたね。成田の、たとえば特定の幹部とひそかに一人でも会おうという捨て身の何か準備をなすったことがありましたね。
○国務大臣(福永健司君) このことも最後までいってみないと、いまいいことをしかけたとおっしゃいましたが、どうなるかわかりませんけれども、そこまでお話しでございますと私申し上げますが、確かに農民の方、私がだれとだれとと言ったのじゃございません。切に私と会いたいというお話で、そういうことでございまするならばという前提のもとに、いまあなたのおっしゃったようなことが確かにありましたというか、ありかけましたというか、いろんなことが。昨日も実は本会議のああした進行が、前々から必ずしも確実に予定されてはいなかったのでございます。数十名の農民の各位が運輸省に見えまして、事前に私にも連絡がございました。そこで私は、過去いろいろなことがあったが、それはともかくというか、あるいはまた過去にいろいろのことがあってなおかつうまくいかなかったという現実に立って、私は私なりの考えで誠意を尽くしたい、こういう所存でございましたが、まあ夕刻までこちらの会議がいろいろかかりましたのと、まあ率直に言いますと、私はその前二日ばかりほとんど寝ておりません。こんなことはあたりまえで、このぐらいのことに対処するのには二日や三日じゃない、もっとがんばるべきであることは当然でございます。私はそんなことはちっともいといません。そこで、多少まあ正直言うと意気地のない話で、幾らか年をとったのかどうかわかりませんが、ふらふらいたしましたので、医務局へ参りましたら、こんな血圧の高い——大体福永健司そんなに高くないはずのものがというんで、何時間か休めと言って医者にずいぶんしかられました。 しかし、この際私みたいなけちな者が一人ぐらいどうでもいいという心境もございますので、余り休まずになにしたんですが、そして連絡をいたしましたら、まあまあその間に何時間か時間が国会の会議との関連でかかりましたので、私にかわって事務次官等にねんごろにお話を伺うようにと言って申しつけておきましたら、三十分ぐらいでという予定が二時間ぐらいかかったそうでございます。しかし、まあ満足とはいかなかったでしょうが、かわりに会った者も、こういうことでということで、それはそれなりにわかってくれた人もあったようでございますし、事務次官もいろいろわかったようです。この点についてはどちらがどうとは申しません。役人の諸君等もこの種の事に当たりますと間々進んでというところまでなかなかいきにくいのでございますが、しかし、昨日の場合はある程度そういうことになったし、私は強く進んでそうすべきである、ぼくが行けないからぼくにかわってそうしろということを申しました。そんなことで、もういろいろ申さなくてもよく御存じでございましょう。しかし、このこと自体どれをお指しになるのか、その一つはこれだと思うんですが、こういうこと等につきましては、今後も私は私なりに一生懸命に誠意を尽くして対処していきたい、そう存ずる次第でございます。
○秦豊君 大変結構な姿勢だと思うんですよ。私が参考人にお呼びしようとした人もその中に含まれていると思う。的は一つ。大いにそのパイプを積み上げていただきたい。きのうはやや聞きおく的に終わったかもしれない。ぼくがあなた方を、官房長官や運輸大臣にそう言ったからといって、あなた方をのみ責めるというふうなものじゃない。やはり政党、あらゆる政治全体が成田問題の解決から顔を背けてはいけない。逃避してはいけない。解決のためには超党派の特別協議会あたりを衆参両院につくるべき時期だと思う。政府も対策本部を恒久的につくるおつもりはないのか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この成田新空港は何としても国家的な問題でございますので、かねてから担当閣僚としては運輸大臣がなっておるわけで、その中で閣僚会議も常設をいたしておりますし、あるいは次官等を中心にした幹事会もつくっておるわけでございますので、運輸大臣を中心にいたしまして、これから問題に対処していけば私は十分であると、こういうふうに考えております。
○秦豊君 それから福永大臣、せっかくあなたがこう開かれかかった道を具体的に積み重ねていくという、具体的な展開、これはすでに構想の中にございますか。
○国務大臣(福永健司君) これから後どうということにつきましては、この際私も言葉を慎むべきであると思うのでございますが、何とぞ、先刻申しました誠意を尽くして善処したいという私の気持ちを御了承いただきたいと存じます。
○秦豊君 航空局長、今度の事件の第一報を聞いて、外国のパイロットやマネージャーはこれでバック・トウ・ノーマルだと、こう言ったらしいんだ。成田へ行くことがアブノーマルで、羽田にそのままいることがノーマルだという解釈らしいんだが、あなたはそれを聞いてどうなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 大変残念な事態が起こったという気持ちでいっぱいでございまして、何とか、次の開港日を決めるに当たりましては、単に航空の技術的な安全の問題ではなくて、空港を取り巻く諸般の情勢も含めた一つの安定というものを確保できる事態になって初めて空港を開くということにしないと、いま御指摘のようなパイロットあるいは外国のエアライン等の不信をぬぐうことはむずかしいという心境でございます。
○秦豊君 総理も大変だ大変だと言うんです。羽田はパンク寸前だ、火を噴くと。いま何便なんですか。航空法による安全の基準を超えていますか、どうなんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) 羽田につきましては、一日、計器飛行による飛行機の発着回数四百六十回で抑えております。これは安全に管制官が管制誘導できる技術的な限界というところで、管制官の技術的な見解ももとにいたしましてつくりました。したがって、一時間の発着数は三十四回まで、さらに連続三時間では八十六回までと、そういうふうに一時間、三時間、さらに一日というところで限界を設けております。航空法上は特に何日ということは書いてございませんけれども、これは現場の管制技術との関連での限界値でございます。現在この限界値まで運用をされております。
○秦豊君 結局運輸大臣、こうなると思うんです。成田が機能するというのは——もう欠陥論争はやめましょうね、欠陥論争はわかり切っているから。成田が完全に機能するというのは、少なくとも順調にいって三年かかるとぼくは思う。そこで政治家の責務は、特に運輸大臣はやはりこのつなぎをいまから考える。先取りする。やっぱり羽田の拡張以外に具体案はないでしょう。
○国務大臣(福永健司君) ただいま話題になっております点からも、それから成田が完全に機能する、そういう事態以後においても、羽田をさらに拡大して空港としての使命を全きを得しめるとともに、あの地帯を別の意味で、たとえば一部そういうことに転用し得るとするならば、公園等にもしたいというようなこと等を含めまして、私はすでに東京都知事や区の代表者の皆さんと何回か会っております。おりますが、その種のことは相当欠陥が出てから、ないし出ることは確かであるという段階になってから言うのがいいと思って、なるべく伏せておったのでございます。まあそういう御質問でございますから、私はこのことも着々進めまして、いま御指摘のような意味からも、さらにもう少し違った都民福祉という観点等からさらに進めたい、こういうように存じておりまして、これは私は私なりに、よく話し合っていけば絶対可能であるというように希望を持っておる次第でございます。
○秦豊君 警備の問題も伺っておきたいんだが、これまで成田闘争に動員された警備側の動員回数、延べ人員、それに要した経費の概算を念のために。
○政府委員(山田英雄君) お答えいたします。 成田闘争の警備体制及び費用、お尋ねの点でございますが、費用につきましては闘争が現在も継続中でございます。それから警備のみならず周辺の刑事、防犯、交通等全部門が一体となって活動しておりますので、これに要した経費を区分集計することが事実上大変むずかしいわけでございます。しかし、予算上の点を申し上げますれば、警察官一人を動員いたしますと、日帰りでございますれば約千円、一泊を要しますれば約三千五百円の経費が必要となるわけでございます。 動員回数、延べ人員でございますが、こことりあえず一週間を取り上げて見ますれば、延べ人員約八万人を要しておるわけでございます。
○秦豊君 ちょっと官房長、答弁がずさん過ぎて納得できない。成田闘争が始まって十年をけみそうとするときに、有権者の皆さんの関心としても高過ぎた授業料という声があるんだから、これまでの動員回数、延べ人員、総経費を積算して提示してもらいたい。できますか。
○政府委員(山田英雄君) 動員数につきましては、警備対策上の配慮もございますので、詳細には申し上げかねるわけでございますが、概数につきましては検討いたしまして御要望にこたえたいと思います。
○秦豊君 金の話を連ねたいが、千葉県の申し入れが政府側と空港公団に来ていますね。今度の成田警備というのは警察法施行令第二条の国費の負担という条項に該当しますか。
○政府委員(山田英雄君) 警備に要する経費は警察法施行令第二条第七号という規定がございますが、部隊の出動旅費等は国庫支弁ということでございます。ただ、それに動員した警察官に要します人件費等につきましては、負担区分から言いまして県費負担でございます。
○秦豊君 だから、具体的に聞けば、開港時の警備費用だけで千葉県負担分五億はとても賄い切れぬから、政府が、公団が払ってくれと言っている。政府はどう対応するんですか。
○政府委員(高橋寿夫君) しさいに検討をいたしておりませんけれども、私ども航空行政の立場から申しますと、いま飛行場の建設整備に要する費用はすべて空港特別会計で賄っております。これは原則として飛行機が着陸するたびに取る着陸料、あるいは特別着陸料、あるいは燃料税、それから間接には通行税という形で入ってくる、こういったいわゆる利用者負担の形で空港の整備費用は全部賄われておりますが、私は、それは通常の状態において空港が運営される場合の費用のことであると考えております。したがいまして、警備の費用まで私ども空港整備の枠の中で支弁することは適当ではないと考えております。
○秦豊君 じゃ、千葉県の申し入れは一応検討はされたわけですね、公式に。
○政府委員(高橋寿夫君) 運輸省としては、その御要望に対しては応ずることはできないという考え方でございます。
○秦豊君 それは警察側も全く同じですか。
○政府委員(山田英雄君) ただいまお尋ねのございました千葉県知事の申し入れなるものについては、警察庁は全く関知しておりません。私どもとしましては、先ほど申し上げました出動に要する経費で国費支弁の分につきましては十分に配分いたすつもりでございますし、その他の経費につきましても、警察法上補助金を交付することができるわけでございます。できる限りの努力を尽くして県の負担の軽減に努めてまいりたいと、かように存じております。
○秦豊君 加藤公安委員長、どうなんですか。
○国務大臣(加藤武徳君) 警備に要します費用は、いま官房長が答弁いたしましたように国費で支弁されるのがたてまえでございますけれども、しかし、動員されまする警察官は地方費支弁であることは御承知のとおりでございます。ことに千葉県におきましては空港が開設されるに伴いまして相当数の人員増を行わなければならぬ、かようなことになっておるのでございますから、この限りにおきましては、地方財政でそれだけの財政需要を必要といたしますので、財政計画に計上いたしまして処置をいたしましたり、なおかつ目に見えないいろいろの経費が要りますことも事実でございまして、きょうも先ほどまで成田の市長がやってまいりまして、特交につきまして特別の配慮をいただいてありがとうございましたと、かような礼を言って帰られたようなことでございますけれども、さような処置も県や地元の市町村に対しましてやっていかなければならぬ、かように考えております。
○秦豊君 きのう来の政府のあれを聞いていくとわからないんだが、現行法制内での最強、最高の警備をやるのか、瀬戸山さんがちらちらやるようにやはり新立法か、本当はどっちなんです。
○国務大臣(加藤武徳君) 警察といたしましては、当面の警備体制をとるに当たりましては、できるだけの配意をいたしながら万全を期していかなければならぬのでございまして、同時にまた対処する具体的な方法といたしましては、現行法のもとにおいて最大の処置をいたしてまいって対処いたすと、かような基本の考えでございます。しかし、現行法制でもし足らざるところありといたしますならば新立法も検討していかなければならぬ、これが法務省の考え方のようでございますから、私どもも関係省庁と連携をとりながら、その必要ありや否や、このことについて検討はいたしてまいらなければならぬ、かように考えております。
○秦豊君 公安委員長としては、いま一番痛感しているのは警職法第七条の規定ですか。そうであるとすれば、どう変えるんですか。
○国務大臣(加藤武徳君) 警職法は、緊急避難を超えますような行動がありましたり、あるいは正当防衛を逸脱しますようなことがあってはならぬという基本の考え方のもとに厳重な制約を設けておるのでございますけれども、しかし、そのことが直ちに、いま動員されておりまする警察官の諸君が一部所持をしております盾でありますとか、あるいは放水車でありますとか、あるいはガス弾等に限られるという解釈はいたす必要はないと思うのでございますから、ですから、さような装備をいかようにするか、そしていかなる場合にその装備を使用するか、このことはきわめて慎重に研究をいたしてまいる、かような考え方であります。
○秦豊君 慎重は決まり文句なんだが、結局、武器使用基準を緩めるのが焦点ですね、当面の。
○国務大臣(加藤武徳君) 慎重にいたしました結果、そのことが必要であるという結論に到達いたしますならば、これまたやむを得ないと、かように考えておりますが、ともあれ、直ちに拳銃を使い、これをぶっ放すなんというような荒らっぽい議論は決して考えておらないのでございますから、きわめて慎重に対処すべきだと、かように考えております。
○秦豊君 当然でしょうね。じゃ、いつごろまでにこの警職法についてはまず作業を終えるのか、警職法を変えるのか、解釈、運用を変えるのか、その点を念のために。
○国務大臣(加藤武徳君) 仮に装備を充実しなければならぬという結論が出てまいりましても、直ちに警職法第七条を改正する必要はなく、実際の運用で対処し得ると、かような解釈をいたしております。
○秦豊君 実際の運用というと現場指揮官の裁量を拡大するのか、隊員個々の裁量を拡大するのか、どちらです。
○政府委員(山田英雄君) お答えいたします。 拳銃使用の点についてのお尋ねでございますが、警職法七条によって警察官は拳銃使用を行うことを認められておりますが、使用の判断は原則として個々の警察官が行うことになっております。ただ、部隊使用の場合につきましては、国家公安委員会規則において部隊指揮官の命令によらなければならない。しかし、この場合でも、状況が急迫で命令を受けるいとまがない場合には、個々の警察官の判断で十分であるということになっております。ただいまの問題は、凶悪な極左暴力集団の集団行動、ゲリラ行動を鎮圧、検挙するためにはいかなる手段が適当かという現場での判断であろうと思います。従来やってまいりましたように、ガス銃、催涙ガス、放水で鎮圧できる場合もございますし、きわめて先鋭度が高くなりました場合には拳銃の使用をもって行う場合も必要になるわけでございます。過般の成田事件の場合でも、拳銃使用によって鎮圧、検挙を果たしている局面もあるわけでございます。したがいまして、警察庁といたしましては、そのいかなる手段を選択するか、現場における現場指揮官あるいは個々の警察官の心構え、これについて、慎重に現状を踏まえて、極左暴力集団の凶悪度を踏まえて心構えをつくっておくべきであると、かように考えております。
○秦豊君 警察庁としては、いつごろまでにその方針を固めるんです。
○政府委員(山田英雄君) 拳銃使用の問題につきましては、ただいま御答弁申し上げた方針を現在もとっております。当面の極左暴力集団対策につきましては、庁内に対策委員会を設けまして、一両日中に結論を出したいと、かように存じております。
○秦豊君 真田長官、いま警職法がテーマになっていますね。ほかに現在の法制を最大限にというと、どういう法律にまたがりますかね。すでに御相談がありましたか。
○政府委員(真田秀夫君) 突然のお尋ねでございますが、極左暴力集団を鎮圧するためには、もちろん警職法という手段がございますが、そのほかに、それがもし犯罪を構成すれば刑事訴訟法の強制捜査の規定が用いられることになると思います。
○秦豊君 これからまず開港まで、Xデーまで警察側としてはどんな警備体制を考えているのか、開港後はどうなのか。
○政府委員(三井脩君) ただいま、その点につきましては先般来の事案を教訓といたしまして目下検討中でございます。
○秦豊君 三井さんにしてはテンポが遅いね。いつごろまでに練るんです。
○政府委員(三井脩君) 開港時期の決定等と見合いながら、できるだけ早く決定をいたしたいと思っております。
○秦豊君 しかし、ああいう大きな事件があったんだから、いままでのようなマンネリ的な警備ではいけない、それは当然踏まえて、何か新しいポイントを当然盛り込むんでしょうな。
○政府委員(三井脩君) あの教訓を十分にかみしめて考えたいと思っております。
○秦豊君 防衛庁はいらっしゃいますね。 先般来の応酬の中でF15の方が航続距離、燃料搭載量、対地攻撃能力、そのすべてにおいてファントムより強力であるということはお互いに確認できたんだが、それは変わっていないでしょうな。
○政府委員(伊藤圭一君) ファントムという飛行機は一九六〇年に配備された飛行機でございます。したがいまして、それから十七年たっておりますので、あらゆる点で性能が上がっているということは、比べた場合には事実でございます。しかしながら、その中で特に性能が上がっておりますのは要撃機能である飛行性能というふうに私どもは考えているわけでございます。
○秦豊君 国会の外にわかりやすいように答えてもらいたいんだが、ただでさえ足の長いF15には給油装置をつけたままということは、脅威が相対的である以上、相手国、周辺国がこれを見た場合には、当然これを一種の脅威と感ずるのではないか、その点どうですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 距離だけで脅威というのを感ずるというふうに私どもは考えていないわけでございます。で、この要撃戦闘そのものが、86の時代、104の時代、ファントムの時代というふうに、飛行機の性能の向上によりましてそれに対応する作戦というものがあるわけでございまして、それに有効に対処するために、必要性からそれぞれ航続距離というのを延ばしてきているという点がございますので、その距離だけで脅威を感ずるというふうには考えてないわけでございます。
○秦豊君 それはそうでしょうね。防衛庁長官、私も性能諸元からだけ考えません。常識。だけどF15のような戦闘機を百機も配備された場合に、周辺国は果たしてそれを戦力と見ず、脅威と感じないでしょうか、どうでしょう。
○国務大臣(金丸信君) 私は要撃戦闘機——たびたび申し上げていることですが、相対的といういま伊藤防衛局長からも話がありましたように、私は脅威には感じないということは、まずもって日本はいわゆる攻めない、また攻められないようにもすると、いわゆる侵さず侵されずという考え方の中で、憲法がそう決めているんですから、その憲法でもし侵すということになったらこれは重大問題だと、こう私は考えております。
○秦豊君 あなた方はF15の持っている能力の一つの側面だけを強調したがる。この前のレバノン南部の報復爆撃はF15イーグルの編隊ですよ。五百ポンド爆弾の雨を降らした。きわめて的確に強力な攻撃ができた。アメリカの国防長官は、F15は侵攻作戦において最も有効であると、こう言っているんで、日本のような使い方がむしろ変則なんだ、伊藤さん、違いますか。
○政府委員(伊藤圭一君) それは私はそうは考えていないわけでございます。これは御承知のように、F15を開発する決心をアメリカがいたしましたのは、ベトナム戦闘におきましてファントムがミグ21と戦っております。そしてこれに対応はできましたけれども、今後のミグという戦闘機の第三世代、第四世代にわたる能力向上、それに対応するものではファントムというものは対応できないというようなところからF15の開発に努めているわけでございまして、いま先生がおっしゃいますように、浸透作戦を主にするとするならば、いわゆる地上攻撃能力はファントムより私は下がっているというふうに判断いたしておりますが、その一つの理由は、核爆弾が積めないということ、それから空対地の誘導弾が積めないということ。あれだけの新しい戦闘機、あれだけの性能を持った飛行機に、もし地上攻撃という任務を主にするならば、そういうものを外すということはアメリカの戦略、戦術から考えて全くあり得ないというふうに判断しているわけでございます。したがいまして、特に空中におきます格闘戦能力、そういうものを重視した飛行機であるというふうに考えているわけでございます。
○委員長(鍋島直紹君) 大塚空港公団総裁にはありがとうございました。御退席いただいて結構です。
○秦豊君 防衛庁、そうすると、あなた方に本音を求めるのはむなしいんだが、かつて野党の追及の中でファントムの空中給油装置を外した、あれがそもそもナンセンスであった、間違いだったんじゃないですか、違いますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 実はあのときの国会におきます御論議というのが、いわゆる空中給油装置を使って地上で二点給油をするから有利だというような観点からの御議論であったわけでございます。その空中給油装置を使って二点給油をしたときと一点給油の場合との時間の差、そういったのが具体的になりまして、あの時代、私どもはファントムが活躍をする時代に、空中給油装置を使って空中で待機するということが、CAP体制をとるというようなことが要撃作戦上有利であるということは判断をいたしておりましたけれども、これが不可欠のものであるというふうな判断は当時なかったわけでございます。したがいまして、地上給油で二点給油が必要であるならば、空中給油ができないような、地上給油ができるような形のものに改修したらいいではないかということで改修をしたわけでございます。
○秦豊君 国防会議事務局長の時間の都合がありますので、ちょっと質問の構成を変えます。一問だけ伺います。 国防会議は十分に機能していない、これは坂田道太氏の意見です、ごく最近です。私の意見を申し上げますから答えていただきたいんだが、国防会議をこう変えてみたらどうか。つまり専任のスタッフを置きなさい、それから承認権のみでなくて計画の作成権を持ってはどうか。初歩的にこう考えるが、どうでしょう。
○政府委員(久保卓也君) 国防会議のあり方につきましては、田中総理以下三代の総理がお考えになっておりまして、従来のあり方でよろしいとは思っておいでになりません。そこで、私どもは事務的に検討しているわけですけれども、本来国防会議というものは文民統制の一つの機関でありまして、政治が軍事を統制するということでありますから、私個人の考え方、行政官が発想するというよりも、私どもはいろいろな案なり内容なりを準備いたしまするけれども、政治の方から発想され、イニシアチブをとっていただきたいというふうに実は考えておるわけです。 そこでおっしゃいまするように、国防会議をどういうふうに持っていくかということによりまして、現在のスタッフでよろしいのか、あるいはまたさらに専任の者を入れるのか、あるいはまた各省に担当者を置くのか、これは外国にそういう例がございますけれども。したがいまして、問題は国防会議にどういう権限を与え、どういう内容を審議させるのが適当であるか。内閣制度の関係上、アメリカの国家安全保障会議とは憲法上性格が違いますから、同じようにはまいりませんが、いままでのとおりでよろしいとも言いにくいと思います。したがいまして、運用上どの程度改正し得るのか、あるいはそれに限界があるとすれば、法律をいじってどのようにするのかということが問題でありまして、先生のおっしゃったようなことも私ども事務的な検討の中に入っておりますが、いろいろなことを考えた上で各政治の分野からひとつ御発議をお願いしたいと切に思っているわけであります。
○秦豊君 久保さんもう一点、専任スタッフを置いて企画立案権を持つ、中期、長期の見積もりは国防会議が担うべきではないかと、幕ではなくて。どうでしょう。
○政府委員(久保卓也君) 現在の内閣法のたてまえから言いますると、各省が縦割り行政で権限を持っておるわけです。したがいまして、調整もしくはいまおっしゃったのは調整以上に縦割りの行政権限を持ってはどうかということになるわけでして、そのことはこれは決心次第でそういうふうにするのがよろしかろうと思うのです。ただし、長中期の前に、私どもの感じでは、むしろ防衛庁が防衛計画を立案するその前に、国家としての意思あるいは国家の戦略というようなものがあった方が望ましい。これは私ども防衛庁の中におりましてそういう印象を持つわけでありますが、防衛、安全保障に関する意思が政治から示されて、そうして各省が動くということが望ましい。したがって、長中期という時間的なものの以前のもっと基本的なものがあった方がいいんじゃないか。たとえば国防の基本方針というのが決められておりまするけれども、ああいったものが基本路線としてはよろしいわけですけれども、それがさらに具体化されて意思が那辺にあるかというものがあった方が望ましいのじゃないか。そういうもののもとに長期的な、中期はどうか知りませんが、長期的な見方、たとえば民防の問題もありましょうし、それから備蓄の問題もありましょうし、もちろん外交の問題もあるかもしれませんが、そういったものがその次に出てくるというふうに考えてはいかがかというふうに思います。
○秦豊君 伊藤さん、じゃ、空中給油のあなた方の考えている案がいかに非現実かをやりましょうよ、いまから。 いま空中給油を実用しているのはどんな国がありますか。
○政府委員(伊藤圭一君) いま空中給油を実際に行っているというのは、これは戦闘状態にあるところはないわけでございまして、また要撃戦闘のためにCAPを行っているところはないわけでございまして、通常の場合、空中給油というのは、遠くに移動するようなときにこれを使ってやっているという以外には、空中給油を現実に行っているところはないというふうに承知しております。
○秦豊君 そのとおりでね。アメリカ、ソビエト、イギリス、フランス、イスラエルなど七カ国ぐらいは進攻用に使っているんですよね、足を伸ばす。違いますか。
○政府委員(伊藤圭一君) これは遠くに移動するような場合に使うということはあるわけでございますけれども、アメリカ、ソビエト等は使っていることは承知しておりますけれども、たとえば他に持っている幾つかの国がそういう状況で使ったというふうには承知していないわけでございます。
○秦豊君 それはもう少し情報を幕から吸い上げたらいいでしょう。進攻用、攻撃距離を伸ばすために実用しています、運用しています。日本のように防空用という運用がそもそも希有なんです。違いますか。
○政府委員(伊藤圭一君) それは私は必ずしもそう思わないわけでございまして、たとえばアメリカのような場合には、爆撃機等が攻撃に来る、それを迎え撃つためにCAPをしなければならないという必要は余りない国でございます。これはいわゆる要撃ということがああいう大陸として非常に離れておりますので、早くから情報を得るということが可能でございます。したがいまして、そういった運用というのは、日本のような場合に比べますと、はるかに少ないということは事実だろうと思います。したがいまして世界戦略を考えておりますアメリカがこの空中給油機能を使う場合には、やはり前方展開の場合とか、そういうことになろうかと思います。 しかしながら、御承知のように、日本はいわゆる隣国に非常に近いところ、しかも周りが海であるということ、したがって侵攻してくる飛行機に対する情報をキャッチするのはきわめて時間が限られるわけでございます。そういうところの運用というものは、当然、このCAPというようなことが考えられるでございましょうし、また仮にヨーロッパで紛争が起きたようなときには、それぞれの国はやはりCAP体制というものをとっておかなければ、要撃戦闘というものを完全に遂行することは不可能だというふうに考えられるところでございます。
○秦豊君 ここでは仮に百歩譲りましょう、議論をするために。じゃ防空用に使おうとすれば、戦闘機と同様に給油母機というものも空中待機または緊急待機が当然運用上必要ですね。
○政府委員(伊藤圭一君) それも情勢によるかと思うんでございます。非常に緊張した状況になったときにCAPをやらなければならない。そのときに空中給油機を直ちに空中において待機させておかなければならない場合もあるでございましょうし、また、現実に紛争が起きまして、きわめて地上におりるということが、特に戦闘機におきましては紛争状態になった場合に地上に置きますと、これは全くいわゆる戦闘能力を持たないものになりますから、なるべく地上に置かない方が有効に使用できるというような場合には、やはり空中給油機というものを空に飛ばしておいて必要なときに給油しなければならぬというような場面も出てくるかというふうに考えております。
○秦豊君 空中給油のことを簡単にあなた方は言い過ぎるんだけれども、委員長、計算した資料を防衛庁側に見せていいですか。
○委員長(鍋島直紹君) どうぞ。
○秦豊君 これをちょっと見てください。簡単に言うけれども、こういう能力が高まるということ、条件を書いてあるから、ちょっと検討して、長官にも見せてください。それはゆっくり御検討ください。 仮にF15に空中給油をするとしますか、その場合、航空自衛隊が母機を持つんですか、念のために。
○政府委員(伊藤圭一君) その計画は現在持っておりません。
○秦豊君 ならば、アメリカ空軍の支援を受けるという考えならば、すでに相当話し合いがなされた、日米間の空中給油規定、これはもうできている、あるいは準備している、この段階ですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 現在、予算を御審議いただいている最中でございまして、いまそういった協定というようなことはまだもちろんやっておりません。
○秦豊君 ところで、F15を私は千歳と新田原に配備と思って計算をしたんだが、大体そうなるんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) まだ配備の場所まで決定しているわけではございませんが、現在持っておりますファントムあるいは104を配備しているところに配備することになろうかと思います。しかし、特に北の方というものは重視しなきゃならないというふうに考えているわけでございます。
○秦豊君 だから、いまは言いにくくても千歳あるいは南に新田原、そう非現実じゃありませんな。
○政府委員(伊藤圭一君) 考えられ得る配置の場所でございます。
○秦豊君 千歳から発進し、空中給油を一回受けた場合、新田原から発進し受けた場合、書いてあります。後で見ていただきたいと思いますが、もうカムチャツカの内陸部深々と入ることができる。空中待機どころじゃないんです、防空どころじゃないんです、大変な足を持っている。しかもF15イーグルの空中給油装置は情勢が変わったから持つんだ、ファントムは外したんだ、だから戦力じゃない、脅威じゃない、この言い方はいかにも納得ができない。違いますか。
○政府委員(伊藤圭一君) まず、その点につきましては、二つの点から御説明申し上げたいと思いますが、空中給油ができるということと、空中給油をやればどこまでも飛べるということはこれはおのずから違うわけでございます。私は戦争中にパイロットの経験がございますが、御承知のように単座の飛行機に乗りまして操縦をいたしますときには、これは二時間も飛ぶと大変疲労が重なるわけでございます。ですから何回も——一回空中給油をして、そのまま真っすぐ行って再び作戦行動ができるということは、それはなかなかむずかしいわけでございまして、私どもが考えております空中給油のやり方にいたしましても、CAPをやっておって、そして空中給油をして戦闘を行って帰ってくるというのがせいぜいだろうと思います。そういったいわゆる人間的な要素から、そう遠くまでなかなか飛んで行けないということが一つございます。 それから、もう一つは、空中給油をやる場所でございますが、これは当然日本の防空圏の中でやる必要があるわけでございまして、その防空圏を離れますと空中給油機そのものがもうやられちゃうわけでございますから、そういった点から考えますと、物理的に延びるというだけで、その先がどこまで行くというふうには単純には言えないというふうに考えているわけでございます。
○秦豊君 それにしても新田原と千歳に配備したとした場合に、嘉手納のKC135では使い物になりませんわな、常識でしょう。
○政府委員(伊藤圭一君) 嘉手納に置いてある限りにおいては、使えないということでございます。
○秦豊君 一点だけ素直に意見が合ったんだがね、この前の私の質問に対して、あなた方は空中給油には日米双方が指揮権を持つんだと、これじゃ運用上混乱して大変ですよ。しかもKC135はSAC、戦略空軍の指揮系統でしょう。できますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 現在、日米協力の問題につきましては、防衛協力小委員会において研究をいたしております。で、したがって指揮系統が一つでなければ空中給油ができないというふうには私どもは考えていないわけでございまして、米側は空中給油機に対して日本の戦闘機に空中給油をせよという命令を受けてくるでしょうし、うちの方はまたそれで空中給油を受けよということであれば、空中において給油を受けるということはそうむずかしいことではないというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 わかりやすいことを答弁をもう一回求めたいんだが、ファントムの空中給油装置は外しました、野党がうるさかったら。もっと足の長い、搭載力の大きい、爆撃にも使える、精度もいい、燃料消費率も少ない、こういうF15イーグルの空中給油装置は外さないんです。百機装備しても、金丸さんのように、戦力ではありません、脅威ではありません、こんな解釈が、二月十四日の政府の統一見解みたいなものが一体通用すると思っているのかどうか、これが問題だと思う。非常に主観的、独断的だと思うんです。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもは、ファントムの際に、空中給油装置を地上給油用に改修した夫は、野党がうるさかったからだというふうに理解はいたしておりません。あのときにはファントムが主力戦闘機として任務につく期間というものは、空中給油をするということができれば、これはベターであるけれども、現在F15に空中給油装置が必要になるほどの必要性はなかったという判断であるわけでございます。さらにまたいま先生が百機持って脅威でないということでございますが、日本のように縦に長い、こういった地形のところで、私どもは百機でも十分かどうかということを懸念しているわけでございまして、そのことが相手に脅威を与えるというようなことは全くないというふうに考えているわけでございます。
○秦豊君 法制局長官は、この二月十四日の政府の統一見解、15、P3Cは戦力でないという統一見解づくりにどの程度かかわりましたか。
○政府委員(真田秀夫君) 私自身は、伊藤防衛局長から役所で直接御説明は聞いておりません。私の役所の担当参事官が説明を聞いて、その報告を受けております。 それから、国防会議の席上で、大体ただいま答弁されたと同じような趣旨の御説明を伊藤局長がおやりになりまして、私はそれは直接拝聴いたしまして、別に従来の政府の見解に照らしてみて憲法違反にはならないという判断をいたしまして、国防会議の席上、法制局長官として異論を申し述べるというようなことはいたしませんでした。
○秦豊君 それでは二月十四日の統一見解の第一項、「その時々の国際情勢、軍事技術の水準」その次、「その他の諸条件」というのを念のためにあなたの解釈を伺っておきたい。
○政府委員(真田秀夫君) 「その時々の国際情勢、軍事技術の水務その他の諸条件」、これは国力、国情といいますか、国の他の政策に対する影響等を考えているわけでございます。
○秦豊君 それは日本なら日本の防衛政策の変更をも含んでいますか。
○委員長(鍋島直紹君) もう一遍意味を教えてください。
○秦豊君 日本の時の行政当局が防衛政策を変える、そういうこともこの中に入っているんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 防衛政策を変えるかどうかということは、これはどうも私の所掌ではございませんのでお答えする限りではございませんが……
○秦豊君 いや、その他の条件に入っているんですか。
○政府委員(真田秀夫君) この文句として、防衛政策を変えることを意味しているとは、私はそうは理解しておりません。
○秦豊君 防衛政策を変えるというふうなケースも当然含まれるんでしょう。
○政府委員(真田秀夫君) ここのところのくだりは、結局、憲法の制約のもとにおいて保持を許される自衛力の限度のことを言っているわけですから、あるいはおっしゃるように、そのときどきの国際情勢なり軍事技術の水準その他の諸条件によって相対的に決まるものだと言っているわけですから、だから、この結果、具体的な自衛力の限度が変わるということはあり得ます。それを指して防衛政策の変更とおっしゃるならば、そういうことになろうかと思います。
○秦豊君 わかりました。 防衛局長は、どういうことを意味しているんですか、その他の条件というのは。
○政府委員(伊藤圭一君) いま法制局長官から申されましたように、国のその他の施策との関連ということも一つございますし、また、私どもといたしましては、防衛構想の中で専守防衛という考え方をとっているわけでございますが、それとそのいわゆる科学技術の進歩、国際情勢の変化によって、その専守防衛の中でというような条件というものも当然入ってくるというふうに理解いたしておるわけでございます。
○秦豊君 最近、防衛大学を間もなくやめられる猪木正道氏が、防衛費の対GNP比は最大二%であるべきではないか、これが一つ。これは関係ない、憲法解釈では、国連平和維持軍をかつて侵略したアジアはだめ、第三世界、中東、アフリカに派遣した場合には——むしろ派遣すべきではないか、国のイメージを高めるために。こういう発言をされていますが、これは憲法の枠の中に入っているんですか。
○政府委員(真田秀夫君) ただいま御提起になった問題は、以前から国会においていわゆる海外派兵ということで御論議されておったわけなんですが、もともと海外派兵という言葉は法令、法律用語じゃございませんが、従来、国会で海外派兵が許されるかどうかということが御論議になったときの海外派兵ということの意味、内容は、それは自衛隊の部隊が武力を行使する目的を持って外国の領土、領域あるいは領空へ出かけていくことだ、そういう意味、内容のものとして御論議になっておったわけでございますので、もしおっしゃるような国連警察軍ですか……
○秦豊君 平和維持軍です。
○政府委員(真田秀夫君) 国連平和維持軍というものに日本の自衛隊が参加することが憲法上許されるかどうかということを決める場合には、その名前はもう実は問題じゃないのであって、そこの平和維持軍なら平和維持軍の目的が武力を行使することがあるというようなものであれば、これは先ほど申し上げましたように、憲法上許されないということに相なろうかと思います。
○秦豊君 じゃ停戦監視機能ぐらいだったら、まあ許される範囲ということですね、当然。
○政府委員(真田秀夫君) 停戦監視機能とか、あるいは国際的な管理、監督のもとで住民投票を行う、それを監視するとか、要するに、その武力を行使する目的を持って自衛隊の部隊が出かけるかどうかというそれがもう実は分かれ目のポイントになるわけでございます。
○秦豊君 あなたへの質問はこれが最後ですが、国際赤十字条約に加盟している日本ですよね、この国は。日本に要請があった場合、その場合に防疫活動、医療部隊を海外に派遣する場合に自衛隊がその輸送を担当する、これは全く合法なんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 御質問は、日本の赤十字社の医療……
○秦豊君 自衛隊の医療部隊。
○政府委員(真田秀夫君) 自衛隊の医療部隊でございますか。
○秦豊君 ええ。
○政府委員(真田秀夫君) 自衛隊の医療部隊が要請を受けて外国へ出かけていくということは、それは先ほど申しました原理原則に従って武力を用いることを目的とするものではないと思われますので、憲法上は問題はないかもしれませんが、現在の自衛隊法にはそういうことを任務として行ってよろしいという規定がございませんので、現実の問題として自衛隊法上許されない、こういうことになろうかと思います。
○秦豊君 二月十四日の戦力見解は、これはきょうはとても煮詰まらないから、もう一遍やりましょう、また。 で、何か内藤先生も心配されていて、時間が時間のようなんで、なるべく早く終わりたいんですけれども、園田外務大臣、公明党矢野書記長によってもたらされた中国側の感触の中で、あれを見て私がとっさに思ったのは、日本側と中国側の案の隔たりを埋める試案がすでに去年の秋のたとえば二階堂案というふうなところに散見されるのではないかと私は思ったんだが、あれは一顧だに値しないようなものなのか、なかなかいまにして見ると味わい深い提唱なのか、その点どうなんでしょう。
○国務大臣(園田直君) 政府としては、これから交渉すべき案文について意見の交換を行ったことはございません。したがって中国の案文は案文として、日本がどのようなことを考えているかということも意思表示したことはございません。二階堂先生が訪中されたときに意見の交換をされたという話は伺っておりますが、その際、二階堂案というものがあったということも聞いておりません。いずれにいたしましても、これは今後の交渉の内容に属する問題でございます。
○秦豊君 あなたも果たして来月中旬ぐらいに行けるかどうかちょっと心もとないような情勢でもあるようだけれども、あなたが訪中される最大の役割りは何でしょう。
○国務大臣(園田直君) 私の訪中は、今後向こうとだんだん交渉再開ということが許されるならば、そのときにいつごろどうなるかということで、まだ訪中自体も決まっているわけではありません。したがいまして、訪中したら、どういう目的であるか、そのときに総理からこういう目的を持って訪中し、このような問題を片づけてこいと、こういうことであろうと存じます。
○秦豊君 たとえば日本側の考えとされる、この条約は日中両国の平和友好関係の樹立、発展のためであり、第三国に対するものではない、もう一つ中国案とされているもの、中国両国の平和友好関係の樹立、発展は第三国に対するものではない、この両案の隔たりは決定的なものでしょうかね。
○国務大臣(園田直君) ただいま申し上げましたとおりに、秦さんは中国案、日本案とおっしゃいますけれども……
○秦豊君 いわゆる。
○国務大臣(園田直君) 日本は、案というものの意見交換をした覚えもなければ、出した覚えもありません。これは与党の議員の方にも話した覚えはございません。いわゆるとか、たとえばとかということでお答えをする段階ではございません。
○秦豊君 それでは観点を変えましょう。国内的な手順、段取り、それから対中国の交渉再開についての手順、段取り、これはまだ残っているんですか。残っているとすれば何でしょう。
○国務大臣(園田直君) 政府としては、交渉再開のための既定方針に従って手順、段取りを整えつつただいま最善の努力をしているところであります。国内の手順、段取り等はいろいろございます。与党の理解を求めることもそうでありまするし、各党の御理解と御協力を得ることもその一つでありましょう。そのほか、いよいよ再開するとなると、もろもろの問題があるわけであります。
○秦豊君 国内は何となくわかるんですがね、御苦労のほどが。対北京ではほとんどこの段階で何が残っているんです。
○国務大臣(園田直君) いよいよ交渉再開ということになれば、これは相手のあることでありますから、どういうふうにどういうことから始めようか、あるいはだれとだれの話し合いから始めようかという、そういう折衝があるわけでございます。
○秦豊君 多少の手順、段取りが残っていても、あなたは一種のあなたの判断を優先さして訪中されるのか、一〇〇%すべて国内、対北京終わらなければ飛行機に乗らないのか、その点どうなんです。
○国務大臣(園田直君) これは国内もそれから相手の中国の方も両方が合意をして、そうして初めてやるわけでありますから、合意がなければ、総理の命令があっても、私が飛んで行って、北京の上空で滞空をしなきゃならぬかっこうになりますから、これは当然両方が合意してから行くことになります。
○秦豊君 韓念竜氏はカンボジア訪問から帰ったと思うんですがね、佐藤・韓念竜第三回会談はもう終わったんですか。
○国務大臣(園田直君) まだでございます。
○秦豊君 何か今週中というふうな報道もあったが、それが対中手順、段取りではおしまいなんでしょうね。
○国務大臣(園田直君) 今週中であろうなどということはいささかも言った覚えはないわけでありますが……
○秦豊君 いや、あなたが言っているわけじゃない。
○国務大臣(園田直君) いろいろ取材をされて、そういうふうな推測が出てくるわけであります。今度の第三回目で終わりか、あるいはどうかということを申し上げると、これはまさに推測がつくわけでありますから、推測がつかないようなときでも推測をされていろいろ書かれる段階でありますから、お答えはいたしません。
○秦豊君 宮澤さん、お待たせしました。 いまの円のこのとんでもない高さ、これは実勢なんですかね、それともいわゆる過剰流動性、国際通貨市場、円はねらい撃ちという中でのあおりなんですか、どっちが強いんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 円とドルの相場がおのおのの購買力の相対性と無関係であるとは私思いませんけれども、しかし、相場でございますので、やはり株式相場が持っておりますような一面を持っておることは私否定できないと思います。それから次に、将来が高いと考えますときにはいわゆるリーズ・アンド・ラグズが起こるということがございますし、それから第三に、ただいまたまたま年度末でございますので、企業、商社等が年度末対策をいろいろしなければならない時期であるということとも関連があろうと存じますので、したがって、その実勢とは何かということの定義は私は非常にむずかしいのではないかと考えます。
○秦豊君 通産大臣、第二外為会計ですね、特別会計、これはニッケルとかクロムとかウラン、白金ですね、貴金属を一種の国家備蓄という案をあなた方はかなり力を入れて進めようとされている。金額にしてどのあたりを想定していらっしゃるんですか、あるいは計算していらっしゃるのか。
○国務大臣(河本敏夫君) そういう話がどっかで研究されておるということは私も新聞でちらっと見ましたが、正式にはどっからも聞いておりません。
○秦豊君 河本さんね、日中の二百億ドル八年協定、このポイントは油一千五百万トンの受け入れができるかどうか、その現実化、もう一つは長期プラントの私は金利であると思う。それが焦点でしょうね。
○国務大臣(河本敏夫君) そのとおりでございます。いまお述べになりました二点が焦点でございます。
○秦豊君 そうすると、この重質油——重い油、この精製をするために、あなた方の七項目にもちょっと顔を出しているんだが、これをあなたが踏み切り、政府を説き、国家の基本投資として長い先を見て重質油の転換精製には大いに金を使うんだというふうな意気込みはお持ちですか。
○国務大臣(河本敏夫君) そのつもりで、いま研究を進めております。
○秦豊君 六月までに、その具体的な案はできるんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 関係者に大体六月ごろに結論を出していただきたいということでお願いをいたしております。
○秦豊君 それは既存のものも使うという、そういうものも含まれるわけですね、新たにつくるほかに。
○国務大臣(河本敏夫君) 既存のもののほかにナショナルプロジェクトとしてもっと大規模なものを考えたい、こういうことでございます。
○秦豊君 世界的にも油は重くなる、重質油がふえる傾向、インドネシアだけでなくて、中国だけじゃなくて。だから基本投資をするというのはぼくは正しいという前提で言っているんです。大いにやってもらいたいという前提で言っているんです。 で、もう一つの焦点の金利なんだけれども、大蔵大臣、OECDの一つの枠がありますわね、あれはなかなか越えがたいハードルですか。
○国務大臣(村山達雄君) あれはOECDのガイドラインでございまして、これはなかなか越えがたいものでございます。
○秦豊君 その点で河本さんと息がちょっと合わないやに私には見えるんだ。つまりOECDの輸出金利カルテルの条件というのは、たとえば二年−五年であれば七・二五とか枠があるでしょう。それで通産としては日中協定を推進する立場だから、金利低減条項をむしろ適用してもらいたいぐらいにお考えなんじゃないですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先方の御意見もよく聞きまして、国内で関係者が相談をいたしまして、何とか打開の道を考えていきたいと考えております。
○秦豊君 その場合でも、大蔵大臣は、やっぱりあなたの立場があるだろうから、一種の特例措置として考えたくないと、やっぱりプロジェクトごとの個別審査にどうしてもこだわりますか、どうです。
○国務大臣(村山達雄君) まだ具体的な話が参っておりません。したがいまして具体的な話が参りましたときに、もちろんこれはナショナルプロジェクトでございますから、われわれとしてもできるだけ協力してまいりたいのでございますが、ガイドラインを破るというわけにはまいらないのでございます。
○秦豊君 通産大臣ね、この中国原油の千五百万トンというのは、最終の段階で、稲山さんと土光さんの一つの判断でボーンと上乗せされたというふうないきさつも伝えられているかに私は思うんだけれども、これをこなせるかどうかはもう重質油の転換装置だと、精製の。金利の問題がそういう調子だとなかなかかみ合いませんね。実現のめどというのは非常におぼつかないんじゃないでしょうか、大丈夫なんですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 二月十六日に日中協定ができたわけでございますが、それに対応する政府の基本方針は二つございます。 一つは、この協定が円滑に推進できるように、側面的にあらゆる援助をしていこう、こういう考え方でございます。第二点は、将来、この協定が拡大するような方向でいろいろ支援をしていこう、この二点でございます。
○秦豊君 あなた方のタンカー備蓄、いわゆる洋上備蓄という表現をしていますね、七項目では。あれは五百万というと、当然二十五万トンの船で二十杯と、こうなるんだが、そうすると、停泊地が大変問題になるんだが、予算に顔を出したくらいだから、もう決まっているんでしょうな。
○国務大臣(河本敏夫君) いま、だんだんと具体化をしております。
○秦豊君 きわめて緩やかなテンポだと思うんだが、あれはやっぱり入札の方式になるんですか。
○政府委員(橋本利一君) 現在、入札方式でやるか随契でやるか検討中でございます。ある場合、船団を組む必要もあろうかと思います。その場合に、安全防災対策を考慮した管理システムも必要だろうと思いますが、そういった観点も入れて、現在、検討中でございます。
○秦豊君 橋本さんね、それにしても大体どの辺のどんな湾が適当なんでしょうね。幾つかなきゃ話になりませんよ。
○政府委員(橋本利一君) 御承知のように、タンカー備蓄をやる場合、大きく分けて三つの方式があると思います。係船方式、錨泊方式あるいは遊よく方式。御指摘の点は、錨泊方式を指しておられるんだろうと思いますが、このためには気象・海象条件あるいはその港の広さあるいは水深、そのほかに交通量あるいは漁業活動の状況、こういった自然的、社会的条件というものも十分に吟味する必要があろうかと思います。 昨年の秋以来、関係省庁の協力を得まして、既存の資料をもって点検してまいったわけでございます。去る二月の十日に、日本タンカー石油備蓄協会が発足いたしましたので、その中から数カ地点をしぼりまして、その協会に委託して、現地について具体的な調査、あるいは地元とのコンタクトに入っておるというような段階でございまして、いまの段階で、まだ申し上げるところまでは至ってはおりません。
○秦豊君 それにしても、タンカー業界の当面の救済策には私はなると思うんですがね。これが内需喚起、黒字減らしと一体どこでどう結びつくのかどうもわかりにくい。 いずれにしても、河本さん、また橋本さん、重ねて聞きたいが、恒久策じゃない、つなぎ、当面ですよね、違いますか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおりでございまして、いわゆる国家備蓄と申しますか、石油公団による備蓄体制が整うまでの間と申しますのは、陸上タンクあるいは海上備蓄体制といった恒久的な設備が整うまでの間、そのつなぎとしてタンカー備蓄を実施したい、こういう考えで準備をいたしております。
○秦豊君 そうしますと、専門家に聞いてみると、一年ぐらいは何とか大丈夫だが、一年半ぐらいからどうも自信がないと言うんですよ。そうすると、陸上のキャパシティーがそれまで十全に補えるかどうかを含めて、非常に私はびほう策だと思うんだが、大丈夫なんですか。
○委員長(鍋島直紹君) 秦君、時間が来ております。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点は、二つのポイントがあるかと思います。一つは、その間、油の質が悪くならないかどうか。もう一つの点は、いわゆる船舶の定期検査の問題かと思います。 前者につきましては、かつてドイツで八年間もストックをしておったというようなことがございまして、問題ないと思います。後者につきましては、できるだけ定期点検の済んだものを扱う、あるいは場合によって一時的に陸上タンクに移しかえるといったような方法も当然考えるべきだと思います。
○秦豊君 終わります。(拍手)
○委員長(鍋島直紹君) 以上で秦君の一般質疑は終了いたしました。 これにて一般質疑の通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十五分散会