予算委員会 第15号
- 発言数
- 436 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/03/20
会議録
○委員長(鍋島直紹君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 昭和五十三年度一般会計予算 昭和五十三年度特別会計予算 昭和五十三年度政府関係機関予算 以上三案を一括して議題といたします。 それでは、これより渡部通子君の一般質疑を行います。渡部君。
○渡部通子君 日中問題について外務大臣に若干お尋ねをいたします。 総理及び外務大臣は、中国側が示しました四項目について矢野書記長の話を聞いてから評価したい、こう仰せでございました。十七日の午後、矢野書記長から前後の事情を聞いて中国側の四項目についてどのように評価をなさるのか、前進したという認識をお持ちかどうか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。 矢野書記長の訪中によって、矢野書記長が、外交交渉は政府、自分たちは外からこれを推進するという立場を貫かれたことを評価をいたしております。 矢野書記長に示された四項目というのは、中国の政府から日本の政府に託された伝言であると承っております。この四項目の内容は、先方が申し述べたと言われるように、いままで政府間交渉で示された向こうの立場を整理して言われたものであると理解をいたしておりますが、いずれにいたしましても、いずれの国とも友好関係を維持するという日本側の基本姿勢に対しては中国側も理解されたところでありますので、この点を今後どのように政府間交渉で進めていくかということが問題であると考えております。
○渡部通子君 前進したという認識の評価でございますか。
○国務大臣(園田直君) 矢野書記長の訪中によって示された四項目は、これ自体はいままで政府間交渉で中国側が言ったことでございますから新しい点はないとは存じますけれども、しかし中国側の意向が正式に明確になった点について今後交渉はしやすいとは考えております。
○渡部通子君 覇権条項の取り扱いについてでございますけれども、中国政府見解の第三項、これから考えましても政治的な決着の見通しが開かれたと思いますが、外務大臣はどう認識をしておられるのか。部分的にはしばしば覇権条項についての御見解は承っておりますけれども、この際、ひとつ基本的に覇権条項に対する政府の考え方、こういったものがもうそろそろ明らかにされてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(園田直君) 覇権に対しては、しばしば申し上げておりますとおり、日中共同声明の立場を一貫してこちらは貫くという方針でございます。中国がソ連に対して厳しい批判的態度をとっておることば、これは従来からも明らかなところでございまして、しかしこれは中国側の立場ということでありまして、これは中国の決める問題でございます。また中国側の立場によって日本のソ連に対する態度が影響を受けるということはあり得ないと存じます。日本はソ連を含むいずれの国とも友好関係を維持すると、こういう方針を堅持しておりますので、これは日本の国が決めることでございます。中国側も日中両国がそれぞれ独自の外交政策を持つと述べておるとおりでございます。しかし、いずれにいたしましても、交渉が始まればこの問題が一番重点になるとは想像いたしておりますので、覇権問題についてはこれ以上申し上げるわけにはまいりません。
○渡部通子君 相手のあることですから、そのお立場もよくわかるのですけれども、これ以上のものはもう政治決着以前には出てこないのではないか、こう思われるのは常識だと思います。そういう意味からも政治的決着の見通しがついたというふうにその点で多少なりとも前進をした、腹づもりで結構でございますが、外務大臣のお気持ちをお聞かせください。
○国務大臣(園田直君) 御発言のとおり中国側は自分の立場をぎりぎりまで申し述べておりますし、私の方は私の方でこれによってソ連との影響を受けるべきものではないということでこれ以上は進展いたさない、あとは全く交渉によるものと考えます。したがいまして、交渉が始まってからこの問題がどのように解決されるかということでございますので、これについては、いま私が今日想像をして、推察をしてお答えすべき問題ではないと考えておりますので、お許しを願いたいと存じます。
○渡部通子君 全くそのとおりだと思うんですが、そこで、それでは佐藤・韓念竜第三次会談について、その訓令はもうお出しになったのでしょうか、いつ開かれる見通し、いつ開きたいという希望をお持ちなのか、今週中なのか来週になるのか、その辺はいかがですか。
○国務大臣(園田直君) いつ交渉再開になるのか、いつどこでやるのか、これは今後の具体的ないわゆる本当の段取りのことでございますので、これは今後の両方の話し合いによることでございます。佐藤大使に対する新しい訓令はまだ出してはおりません。
○渡部通子君 その訓令はいつごろお出しになりますか。
○国務大臣(園田直君) これはこちら側にもいろいろ手順、段取りがあるわけでありますから、まだいつと申し上げるわけにはまいりません。
○渡部通子君 第三次佐藤・韓会談、これは新聞等でも開かれるというふうに報道はされておるようでございますが、これによって交渉再開という可能性はあると理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(園田直君) 推測されるのは結構でございます。
○渡部通子君 中国政府見解第四項では、園田外務大臣の訪中を歓迎するとございます。これはこの間の委員会のお話にも出ましたが、まことに異例な御好意だと思います。で、これは中国側の日中条約に対するいわゆる熱意と、これに加えて外務大臣に対する好意のあらわれであろうかとも思います。外務大臣はこれをどのように評価されているのか、その期待をしょっていつごろ大体訪中するおつもりであるのか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 今度の矢野書記長と向こうの会談の中で、外務大臣が訪中する意思があれば歓迎するということを正式に言われたことは一番われわれが評価しているところであります。内内はそういう意向もあったわけでありますが、正式に向こうから言い出された、これは非常に大きな問題でございます。おっしゃるとおり、これは日中友好条約締結に中国が非常な熱意を示しておる、日中両国の親善、友好に積極的である、こういう証拠でございます。私個人に対する信頼ではないと思いますけれども、しかし外務大臣としてはこれは非常にありがたいことでありまして、だんだん手順、段取り等詰めてそういうことにしたいと考えておるわけであります。
○渡部通子君 もう政治決着しかないというのは、いま外務大臣の御答弁にあったとおりでございます。国民の側から見れば何をこういつまでももたもたしなきゃならないのかというような疑念がどうしてもあります。もちろんソ連に対することもございましょうけれども、もうここまで来てしまった以上は、あとは決断しかないわけでございまして、そういった意味からも、もう外相訪中という政治日程がそろそろ上がってこなきやならないわけでございまして、大体それがどの辺になるのかというようなこと、今月中は無理でも来月に入ったらというような、そういうことがお聞かせ願えればお願いをしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ただいま、もうそろそろ決断をしろという仰せでございますけれども、実は総理はすでに決断をされております。したがって、決断をされた上いよいよ具体的にどのように交渉再開をするかということについての腹組みをいま検討されているところでありまして、矢野書記長の御訪問も参考にしつつ政府は既定の方針どおりに進めているところでございます。仰せのとおり余りぐずぐずしておると大変でございますけれども、また逆に生煮えのところになべのふたをあけると、これが何とか米みたいで、やわいところとかたいところが出てきますから、ここまで来たらもう間違いない路線は決まったわけでありますから、準備を周到にしてやりたいと考えております。
○渡部通子君 次に、円高の件について若干お尋ねをいたします。 公定歩合がまた引き下げになりまして、預貯金金利の引き下げは私たち庶民にとっては増税と同じことでございます。政府は、どうしても庶民の預貯金の目減りに対する大幅な救済措置が必要だと思うのですが、大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
○委員長(鍋島直紹君) 外務大臣は用事があるそうでございますから、よろしゅうございますか。
○渡部通子君 はい、結構です。
○国務大臣(村山達雄君) 公定歩合の引き下げは、この前もお話し申し上げましたように、今後の景気対策上、財政措置と並びまして大きな役割りを担うものと考えておるわけでございます。それと預貯金の金利との関係でございますが、公定歩合を下げるということは、貸出金利を下げることによりまして景気を浮揚しようというわけでございます。現在の金融機関の預金と貸付金の金利差は、いまは都銀の方はほとんどもうマイナスになっているわけでございますので、ある程度預金の金利を下げないと、公定歩合を下げたことによる景気政策の遂行ができない状況でございます。その限りにおきまして、預金者の金利が下がりますので、従来よりも利回りが悪くなることは御承知のとおりでございますが、二つ考えておりまして、一つは、いま消費者物価が大体四%台になってきたと、これが一つのちょうどやるチャンスではなかろうかと。それから第二には、下がるのはいままでの分が下がるのでございませんので、今後預けるものから下がるということでございますので、目減りという問題は直接には生じてこないんじゃなかろうか、もし四%台というものが維持できるならば。しかし、同時にまた第三点といたしまして、零細ないわゆる福祉預金というものがございます。この人たちの預金につきましては、前回も六・七五という預金金利をそのまま据え置いたのでございますが、今回も引き続き据え置こうと、こういうことでございまして、景気対策上実施いたしましたこの公定歩合の引き下げが、それにしても預貯金金利の引き下げに伴う弊害をできるだけ除去していこうと、こういうふうに考えているわけでございます。
○渡部通子君 経企庁に伺いますが、円高差益を国民に還元する対策、これについてはしばしば論じられてもまいりましたし、緩やかながらそれが行われているというふうな御答弁も聞いておりますけれども、やはりこれだけ円高が問題になってまいりますと、もう少し国民の実感に迫るような、確かにこういったメリットもあるんだということがわかってこなければ、やはり生活不安というのはつのるばかりでございます。この還元の対策についての経企庁の見通しと御決意、これを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 円高が国民生活に直接に利益として大きく感じられないということが議論になりますときに、よくマルクとの比較が出るわけでございます。しかし、この点の一番違いますのは、渡部委員もよく御承知のとおり、マルクの場合には、マルクが上がったということは市民が翌日青物市場で感じる、つまりフランスのセロリでありますとか、あるいはデンマークのランチョンミートでありますとか、アフリカの果物でありますとか、そういうものが毎日毎日のマーケットへ出てまいります。そこへすぐにマルク高というものが消費者につながって感じられる。つまり、一番消費者の関心の深い季節商品にマルク高というものがすぐに感じられるわけでございますけれども、わが国は残念ながらそういうことになっておりません。またそういうことにするといたしますれば、これはもう大変にいろんな問題につながるわけでございますから、この点はにわかにそういうことにならないということは、私はある意味ではやむを得ないであろうと思います。 しかしながら、それ以外の方法と申しますか、もっと時間をかけた方法ではいろんな形でこれは消費者につながっておるわけでありまして、一番端的な形は、たとえば卸売物価がすでに対前年比でマイナス一・七になっておるということは、これはやがて一般の消費者物価に影響せざるを得ないことであります。直接にもう少し消費者が感じる点といたしますれば、たとえば輸入が比較的すぐに消費につながりやすい灯油の価格でありますとか、あるいは電力料金でありますとか、ガス料金でありますとか、消費物資ではありませんが配合飼料でありますとか、こういうものにはいろんな形ですでに影響が出ておりますことは御承知のとおりてありますし、まず流通経路の長さ、複雑さもございまして、十分とは申しがたく、また時間もかかりますけれども、かなりいろんな形であらわれつつある。ただマルクのように端的な形であらわれないというのは、わが国の経済構造からいたしましてある程度やむを得ないことであろう。私どもとしましては、すでに何度か円高が輸入価格を通じ消費者価格に、小売価格にどれだけ反映しているかいないかということを追跡調査をいたしました。その上で、何かの理由でそれが素直に反映していないと考えられるものにつきましては発表もいたしましたし、関係省庁に対して行政指導方をお願いをいたしているところでございます。
○渡部通子君 特に既契約分の住宅ローン金利、これは高いのは九・一八%でございまして、新規分の七%台と比べますと非常に差が大きくなっております。高利のため解約や自殺が増加しているというような世相もございます。大蔵省はどうしてもこの既契約分の住宅ローン金利の引き下げに努力をしていただきたいと思いますが、御答弁願います。
○国務大臣(村山達雄君) 金利を決めますときには、その時々の採算で決めるわけでございますものですから、なかなか長期金利について既往にさかのぼるということは非常にむずかしいわけでございます。普通の金利でございますと三ヵ月の手形が回ってまいりますれば、すぐ新しい金利が適用になるということでございますが、何しろ普通二十年間とってやっているわけでございます。したがって、そのもとで金利を決めて、預貯金なり貸し出しの金利を決めているのでございますので、一般的に下げさせるということは私はかなり無理ではなかろうか。しかし、金融機関も当然その資金の供給者としてできるだけのサービスをすることは当然でございますので、いま住宅ローンに関する相談所をつくらせておりまして、そして非常にお困りになる方あるいは条件を変更したいという方には、ケース・バイ・ケースで御相談に応ずるように指導しているところでございます、
○矢追秀彦君 関連。
○委員長(鍋島直紹君) 関連質疑を許します。矢追秀彦君。
○矢追秀彦君 関連ですから簡単にお伺いします。 宮澤長官にお伺いをいたしますが、IMFの新協定が今週から発効されると伺っておりますが、この新協定が発効した後どういうふうなことになっていくのか、予想についてお伺いしたいと思うのですが、私は今後の大きな日程としてはIMFの暫定委員会、それから日米首脳会談、さらに先進国首脳会議、さらにIMFの秋の総会と、こう続いていくと思うのですが、やはり問題は各国の協調によるこの通貨管理をどうしていくか、言うなればより管理された通貨体制ということが現実に議論がされてくると私は思いますが、それに対して長官はどうお考えか。それに伴いまして、土曜日の本予算委員会でも長官からお示しになりましたいわゆる緩やかなローザ構想、これについていま各国とどの程度の話をお詰めになっておるのか、これに対して特にアメリカはどういう態度に出てくると予想されるのか。大体こういったことが仮にできるといたしますと、どういうふうなところでどういうふうな形で議論がされて、いま申し上げたようなIMF総会ぐらいまではかかるのか、それとももっと早い時期にこういったことがまとまっていくのか、そういった点の感触、さらに宮澤長官の構想の中にはある程度の相場の値段といいますか、ガイドライン的なものが示されるのかどうか、現在変動相場ですけれども、固定相場にならなくても、ある程度の幅を持った変動相場制的なものになるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) IMFなり通貨なりの問題は、本来大蔵大臣の御所管の問題でございますけれども、お尋ねでございますので私の私見ということで申し上げたいと思います。 IMFの新協定は、たしか八十カ国、投票権にして八〇%でございますか、批准が集まりましたときに発効をする。間もなくそういう時期が来るというふうに聞いておりますが、その結果いわゆる現在のフロートというものがIMFの規約上正式に認められると申しますか、そういうことになると思います。そのことは、しかし事実が先行しておりますから、そのこと自身が特段に目先の意味を持つものではないと思いますけれども、やがてIMFの主要の二十カ国の大蔵大臣、中央銀行総裁等々がお集まりの機会もあるように承っております。で、ただいまのフロートというものが、御承知のようにいろいろな問題を起こしておるわけでございますから、このフロートをうまくやる方法というのは何かないだろうかということは、多くの国がぼつぼつ考え始めているところではないかと私は想像いたしておりますものですから、そういうお集まりの機会があれば、あるいはそういう御議論もあるのであろうか、どうであろうか。これは私、有権的に申し上げることができませんけれども、各国が問題を意識し始めていることは確かであると思います。 それで、先週ちょっと私が私見として申し上げましたことについてのお尋ねでございましたが、ある段階では、私は、アメリカ自身の中に円というものをどう考えているかということについて必ずしも明確でない点がございました。つまり、御承知のようにドルというのは二重の役割りを持っておりますわけで、多くのアメリカ人にとっては、ドルは国内通貨であるという認識しかないわけでございますけれども、為政者は基軸通貨であるということは、それは知ってはおります。知ってはおりますけれども、やはりその意識というもの、あるいはそれに伴う責任感というものが果たしてどれほどのものであるかということになりますと、従来は私、ある程度それを疑っておった段階がございました、率直に申しまして。しかしここに参りまして、それはアメリカ自身にもいろんな事情があったと思います。たとえば石炭ストライキでありますとか、冬が非常に寒かったとか、エネルギー法案がどうであるとかいろいろ理由はあるにしても、どうも基軸通貨としてのアメリカの責任というものがこのままでいいのかというような議論がここへ来ましてかなり出てきておりますし、そのことはアメリカ人の立場から言えば、米国のリーダーシップというものを本当に考えるとすれば、それはこういう問題をも含むものではないかというような自問自答の形で起こってきておるように思いますし、国内でもインフレというような問題についての議論がこの問題を契機に起こり始めている。そういうことでございますから、このフロートというものをできるだけ障害が少ない形で進めていくべきではないかという意識が、ぼつぼつアメリカ自身にも生まれ始めているのではないかという観察を私は最近になりましていたすようになりまして、西ドイツやスイスにはそういう感覚がございますことは、これは前から御承知のとおりでございますけれども、幾らかそういう意識をアメリカが持ち始めるようになったと、こう感じられるものであります。 それであったらば、何カ国かの主要通貨の間でごく緩い形でのフロートの安定的な維持という合意がぼつぼつ生まれる空気があるのではないだろうか。しかし、だれもまだ明確にそういうことを言い出しておらないわけでございますから、みんながその気にならなければできないことではございますものの、やはりそういうことはしかるべき場でだんだん話があってしかるべきではないかと私自身は考えまして、先だってのようなことを申し上げたわけでございますが、もともと問題は大蔵大臣の御所管の問題でございますので、私見として今日もお答えをさしていただくわけでございます。
○矢追秀彦君 関連ですから終わりますが、いま長官のおっしゃったことに対して大蔵大臣はどういうお考えをお持ちですか。 それが一つと、これは経企庁長官になりますか、大蔵大臣になりますか、本来ならば通産大臣かとも思いますが、きょうお見えでございませんのて、どちらかにお答えいただきたいと思いますが、日本とECの通商協議が大詰めになっております。二十三日も共同声明が発表されると、こういうようですが、EC側は共同声明に、わが国の経済成長率はおろか六十億ドルの黒字目標や製品輸入比率などの具体的数字まで織り込むことを大変強く要求していると聞いておりますが、この辺はどのようになるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 前段の問題についてお答えいたします。 やはりいまの世界の先進国の共通の問題は、石油ショック後の先進国あるいは世界の経済の立ち直りをどうしたらいいのか、これがもう何といっても第一のテーマであると思うのでございます。その間にありまして国際収支の偏在と申しますか、偏り、ある国は非常に黒字になり、ある国は赤字になっておる、その問題をどう評価するかという問題と、それからいまのフロート制によるところの急激なる為替相場の変動と相関連している問題だと思うのでございます。その中で国際収支の偏りというものがやはり変動相場の中心だという考え方を強くとりますと、その是正の方にいきましょうし、いや、それにしてもやはり乱高下は好ましくないと、だから何らかのいまの変動為替相場のもとで、それにしてもできるだけ安定的な方向が望ましいと、こういう立場に立ちますと、ローザ構想のようなものが出てくるわけでございますが、しかしあのローザ構想のような三国だけでやるというようなことは、いまほとんど実現の可能性はないということは、恐らく国際的な通貨当局ではまず認識は一致しておるのじゃなかろうか。それよりももっと緩い形の、先般ECなりあるいは欧州における蔵相会議で言われましたように、もっと多くの国がそれぞれ分に応じて一ころ新聞に言われましたような船団方式とか何か言われましたけれども、もう少し緩やかな形でそれぞれがやるべきではないか、こういう議論が繰り返されておるわけでございます。問題はやはり経済の立て直しの問題と国際収支の均衡の問題、各国の均衡の問題と、それから為替相場のできるだけの安定と、その間が求められているわけでございましょう。で、われわれは、アメリカもこれはもう貿易収支の比率が非常に少ないわけでございまして、五%くらいしかないわけでございますし、しかもドルというのは本来が国内通貨でございますから、一般の人がわれわれが為替相場について感ずるほど感じてないことは確かであろうと思うのでございます。しかし、この間の西独との協定にもあらわれておりますように、これはやはりアメリカの一つの態度の私は前進だと思っておるのでございます。したがいまして、アメリカもやはり基軸通貨としての、つまり国際経済におけるアメリカの役割りというものをだんだん認識しつつある。特に為政者の方面、政治に携わっておる者、あるいは連銀方面ではその意見がだんだん強くなりつつあるわけでございまして、ですから実現可能な何らかの方法をやはりもうそろそろお互いに相談すべきときであると思うわけでございます。 私たちは、機会あるごとにアメリカの世界経済における重要性、特にドル価値の安定について強く求めているわけでございます。問題はやはり認識の私は一致にあると思うのでございます。その認識が一致いたしますれば、とるべき方策というものはおのずからそれぞれ決まってくるわけでございますけれども、各国の共通の認識、それがまだ定着していないところに最大の問題がある。さっき申し上げた三つの問題はそれぞれ関連いたしますけれども、またそれはそれなりに一つ一つ意味のある問題でございますから、それらの問題について世界の主要国の認識が一致いたしますと、私はとるべき手段はおのずから決まってくるんじゃないだろうか、そういう意味でまず認識の一致を求めるという方向に今後最大の努力をしてまいりたい、かように思っておるところでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) ECのハフェルカンプ代表と私まだ直接に会っておりませんので、従来の経緯は聞いて知っておるということでございますけれども、ECとしては幾つかの問題を持ってきておるわけでありまして、たとえば航空機の輸入でありますとか、あるいは何がしかの関税品目の関税率の引き下げでありますとか、あるいはセーフガードの問題でありますとかいったようなものが報道されておるわけであります。また、わが国が東京ラウンドに提案いたしましたオアァーは、これは当然のことながら、実行税率からではなく、協定税率から、譲許税率からの引き下げを考えておるわけですが、それは実行税率からでなければならないというような主張、これは私は無理な主張だと思いますけれども、そういうことも考えておるように聞いております。 そのほかに、矢追委員の言われました、わが国の経済運営について共同声明等で何か言いたいという立場のように承知しておるわけですが、恐らくECの委員会といたしましては、域内国をまとめる上で委員会としてもかなりの強い主張と申しますか、内部に向かって言えるような主張を共同声明に盛り込んでおきたいという、そういう立場でいろいろ考えを述べておるようでございますから、そのこともある程度は私は考えておいてやらないといけないと思います。しかしながら、われわれが七%等々の経済運営を考えておりますのは、これはわれわれ独自の、日本として好ましいと考えてやっておるわけでございますので、そのことをよそに対していわば約束をするというような性格のものではない。これはしばしば本委員会において申し上げておることでございます。でありますから、その最後のところはそのあたりの表現の問題になろうかと考えておりますけれども、私自身直接ハフェルカンプの主張をまだ聞いておりませんので、聞きました上で最終的に各関係大臣とも御相談をしていきたいと思っております。
○渡部通子君 塩ビモノマー含有の殺虫剤スプレーの回収処理の問題についてお尋ねをいたします。 厚生大臣、塩ビモノマーというのは人体にどんな影響を与えるものでしょうか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 塩ビモノマーにつきましては、主としてアメリカで発がん性を疑わしめる報告がございまして、厚生省といたしましては、中央薬事審議会でこの問題を検討していただきまして、その御意見に基づきまして、昭和四十九年六月に、これを含有します当該製品、まあエアゾールですが、その製造販売を中止、回収措置を講じたところでございます。回収されましたスプレー剤の本数は当時約二千万本でございました。
○渡部通子君 人体の影響をいま伺ったんです。要するに発がん性の危険がある、発がん性の事実があったと、こういうものでございます。 四十九年六月に禁止されたと言いますが、それまでにどれほどの会社がどのくらい生産販売し、何年ぐらい使われたものでございますか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 対象となりましたメーカーでございますが、これは三十一社でございますが、大体十年ほど前から使用されたものでございまして、使用した国といたしましては、日本とアメリカが主であるというふうに聞いております。
○渡部通子君 四十九年六月に禁止をしてちょうど四年近くなっているわけですが、それまでの回収処理、この状況はどうでございますか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 ただいまお答えいたしましたように、その当時回収されましたものが厚生省側の確認数字では約二千万本でございます。この処理につきましては、その化学的な処理方法といたしまして、塩素化法と水中燃焼法という二つの方法が考えられたわけでございますけれども、この塩素化法による処理は、主として埼玉にございますある工場で行いました。水中処理の方式につきましては、実はその立地条件等の問題ございまして、これが実現に至りませんで、主として進行しましたものは、埼玉にございます塩素化法による処理でございます。これが大体今日までに九百万本が処理をされまして、これは残念ながら、埼玉におきますところの塩素を使用します処理のために県当局の数量の規制がかかっております。現在残されている方法といたしましては、その残存の千百万本を洋上処理という方法で処理をいたすことを考え、また精力的にこれを進めているところでございます。
○渡部通子君 消防庁のつかんでおられる実情は、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(林忠雄君) お答えいたします。 対象において大体合っております。消防がつかんでおりますのは、塩ビモノマーのうちで、一定の数量以上になりますとわれわれの規制の対象になりますので、その小さな集積がつかまえていないという点もありますから、数字的に細部には合わないわけでございますが、おおむねいま厚生省のお答えの二千万本に該当するその時点でわれわれがつかんでおるのが千八百数十万本でございます。ですから恐らく厚生省のおつかみになっている数字は正確なものと存じております。
○渡部通子君 厚生省の資料によりますと、五十三年の二月末で千百二十三万本、それから五十二年の十二月の場合には千四百二十八万本です。二カ月間で大体三百万本の差がございますけれども、それは処理能力からいってほとんど処理されたというふうに私は判断をいたしません。そういう意味で無許可施設にあるのではないかと、こう考えられますが、いかがでございますか。
○政府委員(中野徹雄君) 数字といたしましては、先生御指摘のとおりに三カ月間で約三百万本の相違が出ております。これは一つには、埼玉における処理もございましたし、それから千百万本というのは、やや私のお答えの言葉が足りなかったかもしれませんが、これは保管されている数量でございます。洋上処理につきましては、大体月に百万本ぐらいの本数のものを船舶に搭載をいたしまして洋上処理を行うわけでございますので、この差は保管されている数量の差、つまり船舶に搭載をいたしましてすでに公海上に出航したものは含まれていないと、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
○渡部通子君 処理の問題については後ほどにまた触れたいと思っております。 本数でだけいま伺いましたけれども、厚生省のお出しになった三十社、そのすべての中で処理数量がゼロの会社が十九社いまだにございます。私は全部電話で確認をいたしまして、そのとおりでございますが、この実態は御存じですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 その点は先生御指摘のとおりでございまして、洋上処理を待って現在いまだ貯蔵中と、こういう形のものでございます。この洋上処理は、ただいま申し上げましたように大体船舶に月百万本ぐらい積む、この処理能力を今後高めていきたいと思っておるわけでございますが、この処理能力を高めることによりまして現在の見通しとしましては、現在まだ手をつけていないものも含めまして来年の夏ぐらいまでには完全な処理を終わりたい、それを急ぎたいと、かように考えておるところでございます。
○渡部通子君 スプレーかんの寿命は四、五年というふうに業者の方は言っております。そうすると、もう耐用年数というものは限界に来ているわけです。事実兵庫県のある会社では回収したかんが腐食してきてしまって七千本を詰めかえたと、こういう話でございます。 それから、私は神奈川県の伊勢原にある倉庫に行ってまいりましたけれども、全部こう野積みをされているわけなんです。集められたスプレーかんというものが野積みをされております。テントはかけてあるんですけれども、人家の近くでこういう何といいますか、ごみと一緒になったような形になっています。段ボール箱に入っておりますけれども、段ボール箱がもうあちこち破れてきているというような実情でございました。ここにもう二年間こうして積まれているわけです。ですから、私はかんが腐食をしている、ここに地震でも起きたり、あるいは火災でもあったりしたならば第二次災害が当然考えられる。こういう状況でいまだに三十社中十九社は一本も処理をしていない。そういう現況にあるのを一体厚生省がどう掌握をしていらっしゃるのか。この実態を消防庁は御存じなのか、それを確認しておきたいと思います。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、実は立地等の問題がございまして、この塩ビモノマーの処理に相当年数を要したことは私どもとしても非常に残念だと思っているところでございます。もちろん野積みになっている場合にはこれにビニールシート等をかけまして、先生御心配のような万が一の事態を避けたいと、かように考えておるところでございますが、先生御指摘のようなものにつきましてわれわれとしては実態を把握しているつもりでございますし、またそのようなものを最優先に洋上処理の方に回しまして、一刻も早くそのような状態をなくしたい、かように考えておるところでございます。今後とも保管をいたしておりますところの業者に対しましては緊密な連絡をとりまして一刻も早く事態の解決を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○政府委員(林忠雄君) 実態としてはつかんでおるつもりでございます。四十九年、最初に調査いたしましたときは、主として許可分だけでございましたので、最初につかんでおった数字が少なかったのでございますが、その後さらに調査を詳細にいたしまして、約七百万本ほど無許可施設にあることを把握いたしまして、それを消防法上の手続をとってちゃんと管理するようにいたしておりますので、実態としてそれぞれの消防機関で自分の管内のものは現在はっきりつかんでいる、こういうふうに考えております。 いま御指摘のような状況があるといたしますれば、その地元にも十分注意をさらに喚起いたしまして、そのかんの耐用年数が来るのにそのままほったらかしておかれるというような状態がないよう、さらに厚生省ともよく連絡して、十分な指導監督をしたいと存じております。
○渡部通子君 危険物として消防庁としても実態調査をさらにきちっとやっていただきたいことをお願いいたします。 それから薬務局長、残念です、これから一生懸命洋上処理をやりますと、こう言われますが、残念ですじゃ済まない問題だと私は思うのです。洋上処理、洋上処理と余りおっしゃいますから、私は処理問題について伺いますが、洋上処理ということにおいて厚生省は責任持てるのですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 先ほど御説明いたしましたように水中燃焼法という方法があるわけでございますが、これが立地等の問題からしてこれを受け入れる条件が全くなかったということでございまして、現在の時点におきましてまた種々の客観情勢、アメリカのように全部砂漠に埋めてしまうというふうなことが日本では不可能でございますから、現状といたしましては、公海上の処理ということが、法規上も何らの問題がないように検討済みでございますし、残された最善の方法であるというふうに考えるところでございます。
○渡部通子君 洋上処理で責任を持つという厚生省のお答えであります。確かにいまおっしゃるとおり、処理方法というのは非常に困った問題だと私も思います。決していじめようと言っているわけではなくて、私自身も、この人体に非常に危険の多いというものをどうやったら一体処理できるのかということを実際この問題を調査しながら悩みました。アメリカでは土に埋めているという。しかし、日本の国ではそれは住民の反対もございましてなかなかやりにくい。それから塩素化法というものは埼玉県で九百万本処理した――私の調査では五百五十万本程度です。ですけれども、それ以上は絶対やってくれるなという自治体の反対もございます。結局処理法というのは、最初厚生省が指示したのは塩素化法か、そっちだったわけでしょう。それがだめで洋上処理に移ったんです。洋上処理というのは一体どういう状況で行われているか御存じですか。どういう船に積んでいますか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 現在のところK&Lという会社の所有にかかわりますところの約一千トンの船に、先ほど御説明をいたしましたように百万本ぐらい一度に搭載をいたしまして、これを公海上で、気密の装置の中で塩ビモノマー自身を抜き出しまして、これをその船の航行と同時に風下に向かって拡散させ、この塩ビモノマーを大気中の日光の光線によります紫外線によりまして分解すると、こういう過程をとっているわけでございます。
○渡部通子君 船は何という船ですか。
○政府委員(中野徹雄君) 船の固有名詞は山辰丸という船舶だそうでございます。
○渡部通子君 それは九百トンの船なんです。で、先ほど処理能力月百万本と言われましたけれども、とうていそうはいかない、せいぜい半数だろうと思います。私も乗ってみたんです。ですからよくわかります。そして日本船舶明細書によりますと、この船はいま係船中ということになっておりますし、建造されてから十七年以上たっているわけなんです。私は、やっぱりこういった十七年もたった船で事故が起きなければいいけれども、従業員に対する安全対策、危険物の運搬処理に対する保安対策、こういった指導が現実に行われていない。乗組員自体も不安を感じているそういう実態を知りました。そういう意味で、大体二万から三万本ぐらいしか一日に積んでません。そうすると一カ月に百万本の処理能力はとうてい無理だろう。ですから、何とか来年の夏までにと、こうおっしゃっておりますけれども、この一隻の船で、しかも十七年も一たった船で、風向きによって処理をしているんですから、空中にばらまいて歩いているわけですから、そういうことが果たして可能なのか、責任が持てるのかということを念を押します。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 確かにこの処理本数につきましては、現在のところは一日に一万五千本ぐらいの処理状況でございます。これを目標としまして一日三万本ぐらいまでの水準に高めまして、これは気候の問題もございまして今後処理スピードは上がってまいるというふうに考えるわけでございますが、当然この件につきましては運輸省の許可も得まして行っていることでございまして、この作業工程そのものは、私らの方の係官を派遣をいたしまして現実にチェックをいたしております。 なお、先生御指摘のようないわば不測の事態の起こらないように、今後とも指導あるいはその作業のチェック等については万全の努力をいたしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○渡部通子君 大変矛盾したことをおっしゃっているんですよ。現在一万五千しか積めないものを三万ぐらい積むようにしたい、しかも船は古いんです。それで万全を、安全を期したいというのは矛盾じゃありませんか。そんなよけいな無理な仕事をさせたらこの船はひっくり返るかもしれないですよ。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 多少私の御説明が不十分だったかもしれませんが、大体一ヵ月ぐらいの航海でございまして、私が申し上げましたのは、一日の処理本数が現在一万五千本ぐらいのレベルで、一日当たりの処理本数を三万本ぐらいに高めたい。で、積みます場合には、これは先生御承知のとおりに非常に軽いものでございまして、大体百万本ぐらいを搭載をいたしまして洋上処理に出かけていくという形でございます。処理本数と搭載本数とは別でございまして、ちょっとその点私の御説明が足りなかったかと存じます。 それで、今後の問題といたしまして、われわれも係官を派遣をいたしまして作業状況はチェックいたしたわけでございますが、その結論としては、一応、作業環境と申しますか、乗組員についても現時点において安全であるという結論に達しておりますけれども、先生の御指摘も含めまして、さらにその指導なり作業の工程のチェックについては努力をいたしたい、かように考えております。
○渡部通子君 処理業者ですね、これは製薬会社から委託をされているという形ですけれども、それは幾つあって、いつごろ設立された会社ですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 現在、処理を現実に行っております会社は、先ほど先生の御指摘もありました埼玉の小池化学という会社がございますが、これはその処理本数の制限がございまして、現在行っております洋上処理の方につきましては、会社名はK&Lという会社一社でございます。設立年月日は昭和四十八年六月一日でございまして、ここの所有いたします船及び若干の提供を受けます作業員を使いまして、この洋上処理そのものはメーカーそのものの責任において、いわばその船なり施設を借りたというかっこうで行うという形で処理をいたしておるところでございます。
○渡部通子君 私もその会社の登記簿をここへ持っておりますけれども、四十八年六月の設立なんですね。だから、この処理を請け負うころにはわずかまだ一年足らず、設立してまだ一年というような会社なんです。従業員もきわめて少ない。資本金に至っても小さな会社です。都道府県知事の認可も得ておりません。そこへいきなりこんな国家的な関心の大きな事業を請け負わせるということは、ちょっと常識では考えにくいことでございます。しかも、一社とおっしゃったが、私はもう一つあると思うのです。その片方では、A社の方ではB社がやっております、B社の方に聞けばA社がやっております、というようなことを現実におっしゃっております。これで一体本当に実態は進んでいるのかどうか、その会社に対する責任というか保証、それが持てるのか伺いたいんです。これはメーカーが勝手に契約したと、こうおっしゃいますけれども、メーカー側にしてみれば、厚生省のお墨つきとは言わないまでも、やっぱり総会や会議に一緒に厚生省も同席していらっしゃれば、厚生省が認めている会社なんだなと、こういう形で契約をしたと、みんなそう言っております。それでも厚生省に責任はないとおっしゃるのか、選び方に問題はなかったのか、この点を伺います。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 先生御指摘のもう一つの業者とは恐らく首都環境のことだと思いますが、これは水中燃焼法のノーハウを持っておりまして、これの関係で最初この処理方法の実施に関係してきたわけでございます。現在ではこの洋上処理は、名目的には首都環境も関係いたしておりますけれども、主としてこのK&Lがその所有の船でこれを実施しているということでございます。その安全性の問題、これはあくまでもメーカーの自主的な責任においていわば船を借り多少の人手を借りて行わせるということでございますので、このメーカーが協議会をつくりまして、そこで技術的な問題、その危険性の問題、安全性の問題等を十分協議し、このメーカーとこのK&Lの契約関係でこの事態を処理したという形でございます。 もちろん、ポイントはそういう形のものでございますけれども、私たちといたしましては当然住民の安全、あるいは場合によってはその作業環境上の問題も含むような問題でございますので、私たちとして係官を派遣し、この進捗状況を十分な注意を持って見守っていく、現在のところはこの方法以外の代案があり得ないということと、また現在この解体作業自身が一応順調に進捗しつつある、今後さらにその処理本数の実績を高めまして、一刻も早くこの問題の全面解消を図りたいという立場であるわけでございます。
○渡部通子君 順調に進みつつあるという、そういう話ですが、その処理業者の会社のK&Lですか、その会社にお金はあるんですか。それからこれから処理をしていくだけのお金があるんですか、メーカー側は出しているんですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、この会社の資本金もさほど大きな会社ではございません。で、あくまでもこれはメーカーが自主責任におきましてこの処理を行う、その際にこのK&Lの船を使うという形のものでございまして、その一切の費用はいわばこの塩ビモノマーを含みましたスプレー剤のメーカー側にあるわけでございます。これはあくまでもメーカーとこのK&Lの会社の間の話し合いと申しますか契約関係で処理をすることでございまして、その契約関係の費用問題につきましてはは厚生省としてはこれに関係はいたしておらない、こういう実情でございます。
○渡部通子君 この保管を依頼している倉庫料が払えないというような実情にあることを御存じかと私は聞きたいんです。メーカー側でも最近は余りお金を出してない、そんなことで、前渡し金三分の一を受け取ったということですけれども、それを受け取ったはずの処理業者がすでに保管の倉庫料が払えないと言っているような実情でございます。ですから、こういう裏を知ってみると、なかなか処理は進むものじゃないな、一体回収したものをどうするんだろう、宙に浮いてしまうじゃないかというのが実際の実情でございます。ですから、もしも厚生省が順調だとおっしゃるんならば、一回メーカーをお集めになってその実情をお聞きになる必要があると思います。そして、本当にそれを処理させるならさせるように、メーカー側は協議会をつくっているんですが、その協議会はいま進んでいません。そこからお金を出させて、そして処理業者がやるならやるというふうにちゃんと指導しなければ第二次災害が危ぶまれますと、こう申し上げているわけです。厚生大臣はお聞きになっていかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 大変この処理がおくれておることについては私も責任を感じております。私が環境庁長官のときの二年前から、実はこの問題は国会で議論を聞いておりましたので、したがって、いま先生がおっしゃるように協議会のメンバーをできる、だけ早く私も招致いたしまして、この処理についてどこがネックなのか、もう洋上処理しかちょっといまのところ方法がございませんものですから、できるだけ船をふやす方法があるのかないのか、まあいろんな角度から検討してみまして、できるだけ努力をし、できるだけ早い機会にこのようなものを処理していかなければいかぬだろうと思っております。御承知のように原因者負担でございますから、国が経費を持つというわけにいきませんが、メーカー側も相当の犠牲を払っているわけでございますので、何かそれについていろんなネックがあるようでしたら、国も融資その他でお手伝いをしてもこの問題の早期解決が図られるような努力を私もいたします。きょう渡部先生の質問があるということで、初めて私、二年前にあれだけいろんな公害委員会やその他で問題になったものがまだなのかなあというふうに実は驚いたわけでございまして、できるだけ早くひとつ処理するように努力をいたします。
○渡部通子君 もう一点聞いておきます。 これは産業廃棄物ですか、それとも一般危険物ですか。
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。 法律の解釈上は恐らく産業廃棄物という解釈になり得るかと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、これはメーカーの側の自主責任においてこのK&Lの船を使いながらメーカー側の自主処理をするという形のものでございまして、その点から申せば産廃関係の法律は問題はないというふうに考えておるわけでございます。
○渡部通子君 産業廃棄物ならそれらしくひとつお願いをしたい。と申しますのも、処理業者が産業廃棄物の届け出の許可をとっておりません。それから洋上処理が一体産廃物の場合には法的に矛盾しないのかどうか、その辺の御検討をお願いしたいと思います。そして洋上処理しかないという御判断でしたら、ひとついま厚生大臣のお話しのように、それを促進して、やはりこれ以上問題が広がらないようにぜひやっていただきたいと思うのです。産廃物となりますと、やはり住民対策、処理方法、こういったところで大変現場の人は困っています。それを何とか行政側として助けてあげていただきたいと思うわけです。この処理方法もはっきりしないで回収をさせたり許可をしたのは厚生省です。回収を命じたのも厚生省です。その段階において処理方法が結局一転二転して洋上処理しかなくなった、それの能力が限界に来ている、メーカーも困っている、一番被害を受けるのは国民である、こういう状況がこの問題に限らず、PCBの問題にしてもたくさんあるわけでございます。こういうことにもっと対応を機敏に、それから思い切ってやっていただかなければ日本の国には危険がいっぱいあるという意味で強く要望をいたしたいと思います。速やかに対策をお願いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 御存じのように、これがアメリカで発がん性の危険があるというようなデータが出ましたものですから、中央薬事審議会で検討の結果、これは大事をとるべきだというので早急に回収命令を出しまして、そして一定の保管をさしておきました。 一方、処理方法についての検討をやったわけでございますが、処理方法について三つの方法がどうやらこれなら大丈夫だろうということで確定をいたしますまでに相当の時間もかかっておるわけでございます。この三つの方法が決まりましたので、一部先ほど申し上げましたような埼玉において処理を始めたわけでございますが、それもいろいろ他の公害との関係あるいは住民との関係で行き詰まってまいりましたので洋上処理の方法に移ったと、こういうことでございまして、大変こういう問題の処理がおくれまして恐縮でございますが、アメリカのような広大な地域でございますと、地中に埋没さすという方法もございますけれども、日本はそういうわけにいきません。しかも、その船が普通の船でございますと、マストがあったり、処理その他にいろんな支障がございますので、そういうような船でないものを探さなきゃいけなかったといういろいろな事情等がございますのですが、おっしゃるようにこれはもう早急に片づけなきゃいかぬ問題でございますから、関係省庁とも相談をいたしまして、できるだけの努力はいたします。
○渡部通子君 医療問題について伺いたいと思います。 まず基本的な考え方を伺う前に、厚生省に過去五年から将来五年にかけての国民医療費の推移のデータがございましたら発表してください。さらに、その中で国庫負担の割合の推移、医療費の中に占める薬代、これについてもお願いします。
○政府委員(八木哲夫君) お答え申し上げます。 国民医療費につきましては昭和五十三年度の推計で約十兆四千億と見ております。それから将来の医療費推計につきまして、いろんな複雑な要素が入りますので、なかなか見通しがむずかしいわけでございますけれども、過去の実績等から一定の仮定を置きまして試算しました結果によりますと、昭和五十八年度につきましては二十兆二千億ということを予想しております。 それから、現在国民医療費に占めております薬剤費の比率につきましては、最近の数字でございますと三七%台というふうに考えております。 それから、国庫補助につきましては昭和五十三年度の医療保険関係につきましては約二兆でございます。五十八年度につきましては現在の率のままで推移したということで考えますと、三兆九千四百億というふうに考えられます。
○渡部通子君 大蔵大臣、いまですら十兆円と言われる医療費、これを国民一人に直すと一人九万円です。標準世帯ですと一年間で三十六万円、これを国民が医療費として負担をしているということになります。それが五年後には二十兆、国庫負担は四兆円にもなると言いますが、この驚くべきような現実、これを財政当局としてどうごらんになりますか。
○国務大臣(村山達雄君) いま厚生省の方からお答えになりましたように、五十三年度の約十兆四千億の医療費のうち、五十三年度予算におきましての国庫補助は大体三兆五百億でございます。したがいまして、社会保障関係費の四五%ぐらい占めているわけでございます。各国の比較をとってみますと、医療費補助でこのような多額な、あるいはこんなに高い割合で国庫補助をやっておるところは非常に珍しいんじゃないかという感じがいたすわけでございます。したがいまして、今後年金の関係を含めまして社会保障関係が非常に増大するわけでございますので、医療制度のあり方あるいはそれに対する負担の持ち方、これはなかなか大問題だと思っているわけでございまして、いませっかく厚生省でいろいろ根本的な検討を進めているわけでございますので、その結果を待ちまして、財政当局も対処してまいりたい。いずれにしても、非常に大きな問題であるというふうに考えているわけでございます。
○渡部通子君 その社会保障給付費の財源は税で賄うべきか、保険が妥当なのか、その基本的なお考えも伺っておきたいと思います。国庫負担は今後ふやすのか減らしたいのか、維持しかないのか、その辺も伺いたい。これは大蔵大臣にちょっと財政の立場から伺っておきたいのです。
○国務大臣(村山達雄君) これは本来厚生大臣の方でお考えになっていただくのがあれだと思いますが、われわれいままでの討議で承っておりますと、今後は、普通の患者につきましてはある程度受益者負担を求め、そしてまた、高額の差額ベッドであるとか、高額のものについてはこれは大変だから、自己負担でなくてできるだけ保険財政の方で賄っていきたいということを伺っているわけでございまして、まあ基本的には私たちはその方向に賛成でございます。 それから、財政負担ということになりますと、税金で果たしてやることが適当なのかどうか、世界の中で全部税金で賄っているところがあることは御承知のとおりでございますが、そうでなくて、日本の場合は西独とかあるいはフランスと一番よく似ておるわけでございますから、だからそういったところに比べますと非常に国庫補助の割合が高い、それはどんなものであろうかという非常に大きな関心を持っているわけでございます。したがいまして、財政負担の割合をこれ以上高めることはどんなものであろうかという疑問を持っております。
○渡部通子君 減らしたいですか、減らすおつもりですか。
○国務大臣(村山達雄君) 減らすような仕組みができればそれにこしたことないと思っています。
○渡部通子君 経企庁長官に伺いますが、経企庁長官はこの医療費の伸びというものをどうごらんになるか、それで政管の保険料負担、これも五十八年度には現在の二・三倍にもなると言われております。その当時において国民は負担に耐えられるだけの所得が一体確保されるとお考えなのか、所得の伸びをどう推計されるか伺います。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私は門外漢でございますので、正確なお答えができるかどうかと思いますけれども、いまお話しのような医療費の伸びというのはやはり大変な問題だと思っております。それ自身はもとより悪いことではございませんけれども、国民がいろんなニーズを持っておりますし、国民経済にもいろんなニーズがあるので、こういうことはいつまでも行っていいものであろうかということは私なりに考えます。国民所得で申しますと、先ほど五十三年度が十兆余りとおっしゃいましたから、六%ちょっと割るかもしれませんが、それに近いものになります。そして五十八年度に二十兆二千億と言われましたか、そうしますと、まあ国民所得の伸びが順調でありましても六・五%に近いのではないかと思いますので、いろいろな話も聞いてみますと、どうもこういうことは非常に健全な姿なのかなあどうかなあということは、私かねがね実は思っております。
○渡部通子君 国庫負担も大変だ、国民負担も大変だ、お聞きのとおりでございます。こうなるとやはり現在の医療費の中にむだを省き、矛盾をなくし、運営を適正にすること、これが一番先決の問題になってくると思います。厚生大臣もしばしばそういう答弁を繰り返していらっしゃるようでございますが、厚生大臣に伺いますが、何がむだで、どんなところが矛盾で、どんな不適正な運営が行われているのか、それをだんだん解消していくという決意とともに、ひとつそれを挙げてみていただきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) どこがむだであるかということになりますと、これは人によっていろいろな見解があります。まあ率直に言いまして、技術料はどうも安いんじゃないかと、それをどうも物でカバーをしているんじゃないかというのがほぼいろいろな方々の御意見の大体一致しているようなところのように思われるわけでございまして、現在は薬の占める割合が三七%を超えている、かつて四十数%であったわけでありますが、こういうような問題についてできるだけやはり考えていかなければならないと思います。 それともう一つは、やはり私は医療保険制度というものをとる以上は、負担の公平と同時に給付の公平というものを考えていかなきゃいかぬだろう。いま健康保険組合、大企業を中心にして行われております保険料の大体平均は千分の七十六でございます。中小企業を中心にしている方々、政府管掌をとりますと千分の八十だと、こういうことでございます。それから一番低所得の方々に対する保険が国保と言われております、あるいは日雇健保、これらの点は、これを国庫負担四割というような高額の負担で、いわば財政調整をやっている、こういうことでございます。したがって、やっぱり将来の制度としては一億一千万の国民が、渡部先生の方の党でいわゆる福祉のトータルプランをお出しになったように、全報酬を基準にして、公平な率による、それぞれ所得の高い者は高く負担をし、所得の少ない人は少なく負担をし、そして給付もフラットでいくということがやっぱり一番理想じゃないか。その場合に、私どもはできるだけ医療にむだがないように、保険制度の運営についての合理化と効率化というものを図っていかなければならない。一番の問題点は、やはり物の面にあるんではないか、いまのところは物の面にあるんじゃないか。同時に、私は大部分はまじめにやっておられるお医者さんと思いますが、もし不正不当というような問題があれば、これはひとつ全体のために監査を徹底してそういうものがないようにしていく仕組みだけは、保険制度であるがゆえによけい考えていかなければならないのではないか、かように考えます。
○渡部通子君 その一つとして、先日、武田の抗生物質、センセファリンカプセル五百ミリ、あれが現品添付つき販売を行ったとして四月一日から薬価基準から削除されました。これは当然のことだと思いますが、削除に期間が決められておりませんが、これは一体永久削除なのか、それともいつかまたお戻しになるのか、この点ちょっと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) 数年前にやりましたのは三ヵ月という期間を切ったわけでございますが、今度は期間を切りませんで、その後のメーカーの自粛等の様子をよく見なきゃいけませんものですから、期間を定めていないわけでございまして、その方がより私どもとしては行政措置として適当ではないかと、かように考えたわけでございます。
○渡部通子君 その期間を定めてないということは三カ月以内であるということもまた逆に言えるわけでございまして、その意味で私が永久削除かと伺ったわけですけれども、その辺をひとつ厳しくやっていただきたい。一罰百戒の意味があるならば、この際、むしろ現品添付についての実態調査をおやりになるべきではなかろうかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私もそう思いまして実態調査はできるかと言ったんですが、なかなか実態調査というのは非常にめんどうなんですね。たとえばメーカー側で生産数量を調査し、それが問屋さんの調査で販売数量との食い違いを見て、それでそれはどこに行ったんだという追及の仕方しかないと思って、それを事務当局に指示してみました。ところがメーカー側の生産数量、出荷数量というものは、大体そのときにそういうもし事実があるとすれば、添付というようなものあるいは試供品というような名目でやるとしますと、大体販売価格面の操作によってやっておるような実情でございますので、添付がどこにどういうように行われたかという実態把握がなかなかできないわけでございます。しかし、いろいろな方法があろうかと思いますので、この点は、近く私は代表的なメーカーを全部集めまして、訓示になるので実効が上がるかと言われるかもしれませんが、自粛を十分ひとつ訴えよう、そしてお互い同士、みんなそれぞれ商売でございますから、自粛し合う、あるいは相互に牽制といいますか、チェックし合うというような方法をまずとっていってみたい。どういう調査の方法があるか、実態把握の方法があるかということは、なお医療機関側ともあわせましてよく検討をしてみたいと思います。方法があれば私どもとしてこれをやるのにやぶさかではないわけでございます。
○渡部通子君 医療は治療より予防とよくこう言われておりますが、厚生省は医療に対する基本構想、あるいは施策の中に予防医療がどの程度盛り込まれていらっしゃるとお考えでございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 予防医療と言われますと、いまの健康保険制度では遺憾ながらその予防措置についての給付はない、健康診断についての給付もございません。しかし、一般の公衆衛生行政の中で、私どもは疾病の予防措置というものを一番大事にして今日まで来ております。したがいまして、それが各県の衛生部と連絡をとり、あるいは保健所の機能というものを強化しながら予防活動というものをやってきているわけでございまして、なお、具体的なもし点がありましたらまた専門家からお答えをいたします。
○渡部通子君 その予防の前にまだ健康保持というか健康医学というものがあるわけでございまして、いまの国民の関心事というものは、非常にこの健康というところに涙ぐましいまでの努力を払っていると思います。やせるために医学のコントロールなしにランニングし過ぎて死人が出てみたり、あるいはルームランナーみたいなものがよく売れたり、それから人間ドッグとか公的以外の健康診断だとか、あるいは漢方、はり、きゅう、あんま、マッサージ、こういったことが保険のきかないところで非常に行われているわけでございます。こういった費用もばかにならないものでございまして、治療の費用から見れば安いかもしれませんけれども、こういう現代の実情というものを厚生大臣はどうごらんになりますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 本来、やっぱり健康は自分でひとつ健康増進をやっていただくということの自覚がないと、これはどうしても他動的にはやっていけないと思うのでございます。しかし、戦後のわが国の公衆衛生行政というものの力による面が非常に具体的にあらわれておりますのは、乳幼児死亡率というものは世界一少なくなりました。また、平均寿命ももういまは世界第一位になってきているわけでございまして、そういう意味においては、今後私どもとしてなお一層この公衆衛生の予防と健康増進の面に力を入れていきたい。そこで今度は、健康増進のための二百三億の予算を計上した。いままで七十億しかなかったものを一挙に二百億の予算を計上しまして、保健センターを中心にして、その上に指導的に保健所というものがございますけれども、両々相まってひとつ健康増進運動をどんどん普及していこう、こう思っているわけでございますが、これらについていま直ちに保険給付の中に予防給付を入れていくというところまでは、なかなか保険財政の今日から見ましていかないというのは残念でございますけれども、一般の公衆衛生行政のひとつ普及によりまして、また充実によって解決をしていきたいと思っております。
○渡部通子君 文部大臣、健康維持はみずからのと、こう言われますが、そのためにはもう学問の体系の中にそういうものが組み込まれてこなきゃならないのではないか、あるいは大学の学部あたりにあってもいいんではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(砂田重民君) 医学の教育研究の中でもっと予防医学、そういった学問的な体系が確立されるべきだ――お説のとおりでございます。医学部の予防医学に関します教育研究は、いままで衛生学と公衆衛生学と二つの講座を医学部の必須科目に、必須講座にしてございますけれども、どうもそれだけでは足りないということから、医学部の設置基準を改めまして、臨床医学とあわせて予防医学を含めます社会医学、基礎医学の必要講座を増加をすることに道を開きました。そしてまた、講座の名称や編成の方法等、相当弾力化をいたしましたところが、その結果が好ましい形で出てまいりまして、新設の医科大学等におきましては、予防医学講座あるいは保健管理学講座、環境保健医学講座など、最近の予防医学の成果を取り入れた新しい講座が次々に開設をされてまいりました。また、これから先の計画も各大学はずいぶん数多く持つようになってまいりました。また、臨床医学の講座の中でも早期発見でありますとか予防でありますとか、そういうことを臨床学の講座の中でも非常に幅広く取り入れて教育研究がなされるようになってまいりました。ちなみに申しますと、昭和四十八年程度にはこういう道へ進む学生の志望が大変少のうございました。六十五、六名だったわけですが、五十二年度でそれが百三十名ばかりのところまでふやしてくることができました。なお、これの充実のためにさらに努力を続けてまいりたいと考えております。
○渡部通子君 一部に健康大学などという構想もあるやに聞いておりますが、それに関しての文部大臣の御所見も伺っておきたいと思います。 それからもう一つ、兵庫県ではかつて姫路に女子医大をという構想がございました。しかしこれはだめになりました。私はつぶしてしまうにはもったいない話だなあと思ったことがございます。女医さんというのはもっとたくさんいてもいいものだなあと私は常々思っていますし、それからりっぱな看護婦さんで、その看護婦さんから医者への道を開くと、こういう人のためにも女子を主体とした医科大学という道はあってもいいんじゃないかと思います。もちろん低医療を女にという、これは困るのですけれども、むしろ男の人も入りたい人は含めてということで、こういう構想がだめになったのは残念だと思いますが、これに対する文部大臣の御見解も伺っておきたいと思います。
○国務大臣(砂田重民君) 渡部委員も私も兵庫県出身でございますので同じように関心を持っているものでございますが、大学の医学部が女子に対してその入学に制限を設けているわけではございません。男子も女子も各大学医学部とも同じ扱いと申しますか、受け入れ体制はとれているわけでございます。先ほど御指摘がありました姫路の女子医大構想というのは、県自身もそこら辺のところも御考慮になって引っ込められたようでございますが、かわりの健康保険大学構想というものもお持ちでございまして、大変魅力のある構想だと受けとめて私もおりました。ただいま検討をいたしておるところでございます。
○渡部通子君 制度改革についてお尋ねをいたします。 去る三日に示されたという医療保険制度改革要綱案と健康保険法抜本改正案はその後いろいろな動きがあるようでございますが、それも含めて一体どうなっているのか、健康保険改正案は四月といいますが、四月のいつごろお出しになる御予定ですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 渡部委員が先ほど来言われましたように、医療だけを考えないで、保健指導あるいは予防公衆衛生活動、こういうものと医療というものが一体になって、しかもそれがコミュニティー活動に結びつくというような方向で、全国民一本化の医療保険制度という提案を私も前から実は考えておったわけでございますが、たまたま武見構想というようなもので出てまいりました。これが理想だろうと私は思っておりますが、そうでないと、この増大する医療費をチェックする方法はないだろうと思うのであります。すなわち予防と保健指導というものが一体になってこそ初めて私は医療費の増高というものがとまってくるんじゃないかと思っておるわけでございます。しかし、これを一挙に実現するにはいろんな制約がございます。したがいまして、それを一つの最終的な理想像と考えまして、それに近づけるために一歩一歩改正というものを考えていきたい。 当面は、財政上の問題等もありますし、いろいろなこともございますので、まず給付の統一化、一元化を図ることをやりたい。それと、職域関係の保険につきましては逐次財政調整をやって、一元的な運営ができるような方向をとっていきたい。それから保険料の拠出については、大体全体が同じような、できれば総報酬制と考えておりますけれども、これも公明党さんの最終案では総報酬制というものを提案をいたしておられるわけでございますが、それが理想だとは思いますけれども、先般の健康保険法の改正の経過等もございますので、それらを勘案の上で、保険料の統一的な運営を図られるような方途を見出すような改正を考えておるわけでございます。大体この辺を中心にいたしまして、いま成案を得べく努力中でございます。したがって審議会等もございますので、これらのことを考えますと、今月中はとても無理だろうと思いますが、できるだけ早く成案を得て、関係審議会の御意見も聞いて国会に提出をいたしたい、かような構想でございます。
○渡部通子君 中身を若干伺います。 で、給付格差の解消をおっしゃいますが、給付率はどう引き上げられるんでしょうか。それから国民健康保険と組合健保との格差、この是正もどんなことが考えられているのか、その点をちょっと。
○国務大臣(小沢辰男君) いま職域健康保険の被保険者そのものは一応十割給付で、一部負担が若干ございますけれども、家族は七割給付、こういうことになっております。国保は全部七割給付ということになっております。ところが、勤務員から見ますと、奥さんの病気も家計負担はみんな一緒なわけでございますから、したがってこれらはひとつ被保険者であろうと家族であろうと、国民としては給付の一体化を図っていくべきじゃなかろうか、かように考えておるわけでございますが、さて、その給付を、いま十割給付でできますかといいますと、なかなかこれは困難でございますので、したがって基本としては、家計に非常な負担のかかるようなものは、これは保険で全部見ていきまして、その他のもの、現在の所得の水準から見て、まあまあこの辺ならがまんできるなという低額のものは皆さんで負担をしていただくという基本的な考えで、給付率をどうすべきかということをいま考えているところでございます。
○渡部通子君 もう一つ伺いますが、保険料算定の基礎となる報酬ですね、その中に通勤手当が入っているわけなんです。そうしますと、いま通勤距離がどんどん遠くなっている。それから毎年運賃が上がると、そのたんびに結局保険料負担もふえるということになって、これは非常に私は矛盾だと思いますが、報酬から通勤費は除外されるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 通勤手当というのは、本来は、実費弁償だろうと思うんですね。しかし、私どもは将来の方向として総報酬制、一カ月の収入に応じて一定率をみんなで負担をし合うということが実現できた際には、これはもう当然そういう実費弁償的なものは入れるべきじゃないと思っておりますけれども、現在は、健康保険だけではなくて各種のところでこれを入れまして、実際のその月の現物給付等も全部入れて報酬というものを把握をいたしておりますものですから、いま直ちにやめろとおっしゃると、非常に私どもは財政上困るわけでございますが、おっしゃるように、方向としては、これはその保険料から実費弁償的なものは、しかも無税になっておるゆえんもそこにあるだろうと思いますので、そういうおっしゃるような方向だろうと思いますが、いま直ちにそれはなかなかできないわけでございまして、報酬のあり方、それについての保険料の徴収のあり方の根本が決まりましたときに、それらの問題については合理化を図っていくべきじゃないか、かように考えております。
○渡部通子君 いま直ちに無理でも、ぜひこれはお願いをしたいと思います。 もう一点、訪問看護についてのお考えを聞いておきたいんですけれども、訪問看護制がヨーロッパや米国ではどのように根づいているか、あるいは日本でその点はどの程度事例がございますかどうか、いかがでしょう。
○政府委員(佐分利輝彦君) 歴史の最も古いのはイギリスでございますけれども、イギリスにおいてはローカル・ヘルス・オーソリティーと申しておりますけれども、地方衛生当局が実施いたしておりまして、主体は六十五歳以上の老人が主体になっておりますが、そのほかの者も場合によってはやっております。 その次に、アメリカが非常にユニークなやり方をやっておりますが、地方公共団体が約六割をやっておりますけれども、そのほかに訪問看護協会だとか篤志団体だとか、また病院自身が訪問看護をやるというような方法もとっておりまして、これは特に老人だけということではございません。家庭で療養中の患者ということで、サービスの内容としては熟練した高度の看護ケアとか診療の補助とか療養上の指導、こういったことをやっております。 日本におきましても、老人を中心にして二十一の市町村ぐらいでやっているように考えておりますけれども、そのほかのものについては、特に大きな都市、川崎市だとか神戸市、そういったところがモデル的実験的に実施をしているという現状でございます。
○渡部通子君 欧米の方が当然非常に根づいているわけですけれども、これは医療費問題にも大きな貢献をしているというふうに私は伺っております。そしてやはりこれから老齢化社会にも入ってまいりますし、住宅が核家族化してきておりますから、そういう中でホームヘルパー制とあわせて訪問看護という、こういう制度というものは日本の国で当然検討されていいのではないか。これからすべての老人を病院やホームに収容するというわけにもいきませんし、また在宅ということが一番人間にとっても幸せですし、それから女性の職業などという面から考えても非常に生きがいのある仕事にもなってくると思います。こういった意味で、こういう制度を日本の国に一般化するために、前向きに取り組んでいかれるおつもりがおありかどうか、大臣に伺います。
○国務大臣(小沢辰男君) 一面においては渡部委員のおっしゃるように非常に有意義な事業だろうと思うんですが、効果も否定できない面があると思いますけれども、これをいま直ちにやるには非常にいろんな問題がございます。 本来、医業というもの、あるいは人間の身体的な欠陥についての管理というものは、医師がやりませんと、不幸にして悪化したり、あるいはまたその人の生命の危険にまで及ぶような事例も出てまいりますおそれがございますものですから、看護婦さんがいまそこまでの資質を持っておりませんので、そういう点から見ますと、むしろ在宅の老人の方については、家族が療養の看護をする場合の看護の指導的な面での訪問看護を国の費用で若干いま社会福祉系統の予算で見ておりますけれども、これを諸外国のようなところまで持っていくには、これは国民のそれに対するいろいろな考え方の訓練等の問題もございますし、患者さんを責任を持って取り扱っていく医師との連係という問題をどうやっていくかという問題もございます。したがいまして、これらは今日直ちに、私は、せっかくの御提言でありますが、実行するということにはいろんな難点があるんじゃないかと思っております。 将来、いろいろ根本改正、先ほど言いましたようなコミュニティーのヘルスケアというものが全般的に医療と保健指導と合わさっていくような事態になってまいりますと、これは一つの大きな制度あるいは問題として考えていかなければならぬのではないかと思いますので、将来の検討にまたしていただきたいと思います。
○渡部通子君 研究はひとつ始めていただきたい、こう思うわけでございます。特に老人、難病、こういつたことは大事だと思います。 最後の問題に移りますが、生活保護について、生活保護費は、現在、十五歳を過ぎますと男性と女性でどのくらいの格差が出てくるか、厚生大臣御存じでしょうか。
○政府委員(上村一君) 男女の差がございますのは、生活扶助基準の第一類、十五歳以上でございますが、十五歳から十七歳までで三千四百円、それから十八歳から十九歳までで三千八十円、二十歳から四十歳までで三千八百十円、それから四十一歳から五十九歳までで三千四百九十円、それから六十歳から六十四歳までで三千四百六十円、六十五歳以上三千四百四十円、これはただいま御審議いただいております五十三年度予算が成立をしました場合の五十三年度からの計算になるわけでございます。
○渡部通子君 いまお聞きのように、特に十五を過ぎると、生活保護の基準というものが男女で差別が出てくるわけでございます。特に二十歳から四十歳になりますと四千円近い差が出てくるわけです。きっとここにいらっしゃる方々もそんなことは御存じなかったんじゃないかしらというふうに思うんですが、なぜそんな差がつくんですか。
○政府委員(上村一君) いま御答弁申し上げましたように、男女差がございますのは生活扶助基準の第一類でございまして、その大半が飲食物費でございます。この飲食物費を決めるに当たりましては、栄養審議会の答申に基づきまして、男子と女子との間で栄養所要量に差がある、必要なカロリーに差がある、そういう点に着目をした差でございます。
○渡部通子君 もう私は笑い話だと思うんですね。女が男よりカロリーが少なくていいから生活保護基準の算定基礎になるものが変わってくる、これは非常に矛盾だと思うんです。 なぜかならば、それは生活実態に合っておりません。外食した場合に、じゃ女用のどんぶりと男用のどんぶりが分けられていて、一食分が多少安くなっているかというと、これはもうとんでもない話ですし、そんなことで分けるのならば、男女差で分けるなら、目方で分けた方が合理的ではないか、重量差の方がいまは問題ではなかろうかというふうに思うわけです。ただでさえ低い生活保護費に男女差を設けて、しかも十二段階という年齢差、合理的にこれは間違っているんではないかと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 渡部委員おっしゃいましたように、重量差で設けろと、大体、それが一般的に男女差の栄養といいますか、カロリー差を計算する場合にあらわれてきている、結果的にあらわれてきている。私の家内と私ともし生活保護世帯であったとしますと、私の家内と私ではやっぱり所要カロリーは、どうしても目方から見ましても、あるいはいろんなあれから見ても違ってくる。この差を見、それぞれやはり、逆の場合ももちろん例外的にはあるだろと思いますけれども、そういう点を考えますと、現実には飲食物を中心にした一類の関係になりますと、やはりそうじゃないか。しかし、外国ではおっしゃるようにそういう差を設けておらないところが多いようでございますので、これは検討事項だとは思いますが、やはり従来からカロリー計算を主にしてこの飲食物費を計算しているという点から見ますと、どうしても科学的にそういう差が出てくるわけでございますので、なお検討をひとつさせていただきます。
○渡部通子君 とんでもない話だと思うんですよ。私、重量差と言ったのはそれは冗談でございましてね、昭和二十五年当時のカロリー計算がいまだに延々と続いている。しかも段階が細か過ぎます。二歳別に、二歳を超えるごとにこういう決め方をやっておりますと、執行上の実務担当者の中の困難というのも当然出てくると思うんですが、そろそろこの辺は、昭和二十五年の規定ならば洗い直したらいかがですか。
○政府委員(上村一君) 生活保護の中で、生活保護基準を決めます場合に、年齢別、性別、地域別を考慮して決めるというふうなことがございまして、それに基づいて生活扶助基準を決めておるわけでございます。二歳区分がございますのは、育ち盛りの十五歳から十七歳あるいは十八歳、十九歳というところで、少し年をとりますと二十歳から四十歳と二十歳ぐらいの刻みになっておるわけでございます。
○渡部通子君 今日、賃金においても男女間の同一賃金、同一労働と、こういう時代でございます。それを生計費において男女差を前提とする、むしろこれは時代から考えれば逆行だと思いますが、総理府長官、この点いかがお考えになりますか。
○委員長(鍋島直紹君) 渡部君、時間が来ました。
○国務大臣(稻村左近四郎君) お答えをいたします。 婦人問題というのは大変重要な問題でございまして、婦人問題企画推進本部を設置いたしまして、本部長には内閣総理大臣、副本部長には総理府総務長官と、鋭意努力をいたしております。特に、昨年の一月には、国内行動計画をつくりまして、一つずつ具体的に解決をいたしております。特に、婦人のあらゆる場においての参加と婦人の地位の向上、こういうことについて全力を注いでおりまして、きょうも、実は、婦人の地位の向上、こういう意味から具体的に赤松対策室長の方から少しだけ答弁をさせていただきたいと思います。
○渡部通子君 いえいえ、いま聞いていることは、三千八百円の差のことを聞いているんです。それをどう思いますか。
○国務大臣(稻村左近四郎君) これはそういう問題についても、具体的に解決のできる面があれば、各省庁連絡をとりながら解決をしなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
○委員長(鍋島直紹君) 簡単に願います。
○渡部通子君 私は、非常に御答弁が御両所とも後ろ向きだと思うんです。これはどなたが考えてみても、いま生活保護に男だから女だからといって、ちょうど成年に達したら四千円近い差が出てくるなどということはもってのほかで、まあ総理府長官は一生懸命やるとおっしゃっているけれども、休日をつくるのも結構かもしれませんけれども、そういうことよりも、こういう制度の中にしみ込んで、だれも気がつかないようなこういう女性の問題というものを一つ一つじみちに取り上げていただく、これが本当の意味の私たちの望む女性問題でございます。こういうことにこそ率直に速やかに取り組んでいただきたい。お祭り騒ぎの休日をつくるのも結構だけれども、私は、こういうところで一つ一つ実績を上げていただくことが婦人問題の解決だと思います。厚生大臣と総理府長官に重ねて御意見を伺います。厚生大臣ももう少し考えてください、こういうところを。
○国務大臣(小沢辰男君) 御意見は私はわからぬこともないんですが、国会でおつくりになりました法律で、地域差、年齢差、性別によって保護基準については決めろと、こうなっておるわけでございます。で、私は、飲食物費というものを中心にして第一類で計算する場合には、やはりこのカロリー計算というものが基礎にならぬといかぬと思うのでございまして、それがもし具体的な調査の結果、おっしゃるように平等な数値である、あるべきだという見解が出てくれば、私どもはこれに従って直すのにやぶさかではないわけでございますが、遺憾ながら、まだ日本の調査によりますと明らかに相当の開きがございますので、この点直ちにと言われましても、なかなか困難でございますから、いましばらく時をかしていただきたいと思います。
○国務大臣(稻村左近四郎君) 厚生大臣と連絡をとりながら、解決の方向に努力をしてまいりたいと思います。 なお、ちょっと赤松対策室長の方から。
○説明員(赤松良子君) 国内行動計画が昨年一月に作成されて、その後、国内行動計画の前期重点目標が明らかにされたわけでございます。この中でいろんな面に触れているわけでございますが、これに触れていない点につきましても、対策本部員になられております各省庁に検討、調査、研究等をお願いしているところでございますので、柔軟かつ前進的にお取り組みいただけるものと期待しているわけでございます。
○渡部通子君 終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(鍋島直紹君) 以上で渡部君の一般質疑は終了いたしました。 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後は、一時間後、十二時五十五分より委員会を再開し、安恒君の一般質疑を行います。 これにて休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ―――――・――――― 午後零時五十七分開会
○委員長(鍋島直紹君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十三年度総予算三案を一括して議題とし、安恒良一君の一般質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 まず最初に環境庁長官に質問をいたします。 私は昨日環境庁で発生した事態を大変実は遺憾に思います。というのは、水俣病患者が国の具体的解決策を求めて二十三日間にわたって環境庁に座り込みを続けている、その水俣病の患者並びに支援団体の八十名に対しまして、環境庁は突如として昨日、警官隊や同庁の職員、守衛を動員して強制排除に踏み切ったと、こういうことが報道されています。このようなやり方については、環境庁の中の職員の多くからも「環境庁はついに三月倒産した」と、こういうつぶやきが出ているというふうに報じられています。また、強制排除の際に患者の中には激しいけいれんの発作が起こったということも報じられています。大変遺憾なことだと思いますが、この点について環境庁長官からの説明を求めたいと思います。
○国務大臣(山田久就君) お答えします。 あのような結果になることは、これはわれわれとして最も好まないところであったということを申し上げたいと思います。そもそも最初、患者及ば支援団体グループが環境庁に参りましたときに、われわれとの会見は自分の方の根本的な要求が入れられなければ会見しないということに対して、話し合いというものを拒否するという理由はないじゃないかと、話し合いはぜひ行うようにむしろわれわれの方から強く要求いたしまして、そうして話し合いに入ったわけでございます。その後の経過におきましては、やはり先方の要求が抜本的な解決策、これを受諾しなければ居座って動かない、こういうことでございましたので、われわれとしては話し合いは喜んでこれを続ける意思がある、しかしながら、この居座りというような、いわば実力を使ったような形でのその交渉という正常じゃない形、これは一つに患者の健康上の問題もあるし、そういう形はひとつやめてほしい、解いてほしい、そうして正常な形で相談に入ろうじゃないかということを繰り返し求めましたけれども、そういうことが聞き入れられない形で、依然としてその根本問題についてのいわばわれわれとして受諾不能な形においての要求、そういうことで居座りが続けられたということは、私は非常に残念であったと考えております。 最後まで、先ほど申し上げましたように、患者の健康その他のことを考えて、正常な形でひとつ話し合いに入るようにということを要望しておったわけでございまするけれども、結局それに応じないまま、いまのそういうような状態が――これは患者の健康から見ても非常に私は好ましくないと同時に、占拠ということによっていろいろ他にも御迷惑をかける、こういうままで推移することは困難じゃないかというふうな状況があったわけでございます。たまたま十八日の日によそでいわば支援大会というようなものが開かれて、その後に再び環境庁に押し寄せてくるというようなそういうような情報もありまして、入門規制ということをやりまして、非常にいわば緊張激化してくるというような状況でございましたので、関係方面ともいろいろ打ち合わした結果、万一の場合には私はこういうような事態になるからということで繰り返し要求しましたけれども、そういうことがないので結局ああいうような結果に終わった。これも非常に私は残念なことであったと思いまするけれども、しかし、まあそういうような形、実力行使の居座りでの要求というような形を最後まで続けた、これは健康の点からもいろいろな角度からも私は非常に残念であったと、こう思っております。
○安恒良一君 話し合いを強調されましたが、二十三日間患者が座り込みをしている間に、長官みずからは何回お話し合いをされましたか。
○国務大臣(山田久就君) 私はそれまでの間、その回数をいまここで申し上げられませんけれども、二回ぐらいだったかと思います。しかしながら、私の方の部下に対して繰り返し繰り返しいろいろな交渉というものは続けてやっておりました。これは文字どおり続けてやっておりましたし、その間において、先ほど申し上げましたように、もしも正常な形においてやられるならば喜んでわれわれもいろんな話し合いができると思います。あの不正常な形、いわば実力というものを背景にしたような形では、そういう普通の形の話し合い、こういうことは求めても私は不可能という判断でございました。
○安恒良一君 大臣、あなたは二十三日の間にたった一回しかお会いになってないんじゃないですか。あなたの記憶違いでしょう。私は、正常とか不正常を言われれば、環境庁の長官としてなぜもっと誠意を持ってひざを突き合わしてお話し合いをされないんですか。そしていまのような事態を避ける努力をなぜされなかったんですか。
○国務大臣(山田久就君) いま申し上げましたように、われわれは十分誠意を持って話し合いをしたい、そういう熱意で終始しておったと確信しております。ただし、そのためには普通の形で話し合う、そういう状況、正常な状況、このことをわれわれは強く訴えていたわけでございまして、あの状況ではそういう話は私はこれは望んでも不可能な状況であった、こう考えております。
○安恒良一君 望んでも不可能だと、やってみなくてどうしてわかるんですか。二十三日の座り込みの間にあなたはたった一回しか会っていない。患者が大変な苦しみをしていることはあなたも御承知だ。環境庁というのは患者の立場に立つ省じゃないでしょうか。そういう点は大変遺憾に思います。 続いて、警察庁長官にお聞きしたいんです。自治大臣にもお聞きしたいんですが、十八日の夜、環境庁内で水俣患者と新聞記者の公式記者会見があった。その席上に私服の警官がもぐり込んでおった。しかも身分を偽った。問い詰められたところフリーの記者だと、こういうようなまことに不祥事が起こっていますが、この状態について説明をしていただくと同時に考え方を聞かしてもらいたい。
○政府委員(三井脩君) 十八日の事態についてでありますが、いま環境庁長官からもちょっと話がございましたように、集会を終わった人たちが管理者である環境庁側の制止を押し切って中に不法に侵入をしたわけであります。その状況を監視、視察に当たっておりました警察官が追尾をいたしまして、その一階の状況を見ておったわけでありますが、彼らがいままで占拠しておりました一階の会議室の中へ皆が入っていきましたので、この警察官も中に入って様子を見ておった。そしたら記者会見が始まった。その状況を彼はメモしておったところ、おまえだれだと言われたので、とっさにフリーだと、こう言ったわけでありますが、相手方はフリーと言えばフリーの新聞記者と、あるいは雑誌記者と、こういうふうにとったのかと思いますけれども、これが身分を偽ったのではないかという指摘でありますが、警察官は直ちに、これ以上おっては問題が起こって混乱しちゃいかぬということで、直ちにそこを出たわけでありますが、今度は数名にこれが取り押さえられまして中に引っ張り込まれたということで、新聞等で報ぜられておるような事態になったわけであります。なるほど記者会見が始まった席にわれわれが無断で入ったということについて、これが記者会見の性質上そういうものではないと、こういうことでありますので、この点についてはわれわれは謝ったわけでありますが、この警察官としては不法侵入者、その不法侵入の事態、この事実を十分に把握するために行ったということでございます。
○安恒良一君 私が聞いているのは、いわゆる公式の記者会見の席上に入っておったということ、しかも、フリーの記者ですということを答えて、すでに所轄の警察署長は記者クラブに陳謝をしているではないですか。国家公安委員長に対して、このことについての見解を求めます。
○国務大臣(加藤武徳君) 座り込み事件を警察的に分析をいたしてみますと、最初から座り込んでおられました方々に対しましては、退去命令が出ましてからはいわゆる不退去者、不退去罪、かようなことになろうかと思うのでございますけれども、いわゆる支援グループが、許可を得ずして侵入いたしました者はあるいは不法侵入と、かようにも言えようかと思うのでございます。 そこで、かような状況下におきまして、警察が警備態勢をとることは当然のことであろうと思うのでありますけれども、ただ記者会見の席に出ておりましたことにつきましては、いま警備局長が報告をいたしましたように、必ずしも適当とは思えないのでございまして、そこで、麹町警察署長といたしましては一応の陳謝をいたしたのでございますけれども、しかしそのことが必ずしも適正な警察行為ではなかったと、かようなことには結論づけられないのであります。しかしトラブルは極力避けなければならぬのでございますから、今後、不法と思われることはもとよりでございますけれども、不当と思われますような行為をも慎しむように警察によく申したいと、かように考えておるところであります。
○高杉廸忠君 委員長、関連。
○委員長(鍋島直紹君) 関連質疑を許します。高杉廸忠君。
○高杉廸忠君 私は、ただいま安恒委員の質問に対しまして、関連として環境庁の長官にまずお伺いをいたしたいと思います。 長官も御存じのように、この認定業務の著しい遅延につきましては、去る昭和五十一年十二月に、熊本地方裁判所で不作為の違法確認の判決が出ている。したがって水俣病の認定業務を促進させる、一日も早く不作為の違法状態を収束させることは、迅速かつ公正な救済を目的とする法の趣旨からして緊急課題であると思います。いま長官は安恒委員の御質問に対して、お話し合いを続けます、こういう姿勢が示されました。ならば、きょうも患者さん方がやむにやまれず上京をしているこの実態であります。何も好きこのんで座り込んだわけじゃございません。認定がおくれているからです。だから、お話し合いの上で長官が誠意を持って進めるというならば、患者さん方から会見の申し入れがありましたら直ちにお話し合いをする用意がありますか、どうでしょうか。同時に、また私は、安恒委員も指摘しましたように、私は患者さんを守る立場で環境庁長官はその認定をしなければならないと思うんです。刑法は疑わしきは罰せずという精神があるようでありますが、人の命や健康や事安全については、疑わしきはこれは救済をし認定をしていくというその趣旨、人の命を大切にするというその精神を生かすもとだと思っている。したがって、認定については早期に、長官みずからがお話し合いの上で、それぞれ前向きの形の中で御決定いただくように、まず姿勢を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(山田久就君) われわれはこの話し合いの中、それもわれわれの考えでは正常を欠いたような状況のもとではございましたけれども、この認定の問題はわれわれとしても非常に一生懸命になって努力しているところでございます。御承知のように、裁判所の判決の後、直ちにわれわれとしてどうするかという問題について、政府当局においても県の方と連絡いたしましてその態勢を整えました。したがいまして、関係閣僚会議の議も経まして、昨年十月からその態勢に入ったことは御承知のとおりでございます。しかも、御案内のごとくこの認定は特殊な医者の技術、その方面の人数の問題いろいろございます。したがってわれわれとしては、にもかかわらず少しでもこの認定を促進する道がないかということについては、われわれとしても内部でいろんな検討はこれを進めております。したがって、患者を含めての皆さん方にも、そういうことでわれわれもその問題についてはできるだけの努力をしたい。ただしこの問題は一挙に片づけると言っても物理的な制約のある問題であるので、したがってもっと正常な形で話し合おうじゃないかということを申し上げた次第です。 私は、今度の事件が結局正常での話し合いにということでございまするので、いろいろまた退去といいますか、実力居座りという形でされた、そんな形の話し合いはよそうじやないかとわれわれが申し上げている事情で、そういう形が変わったのでなければ、いますぐ私が会ってやるということは私は不適当であると、こう考えている次第でございます。繰り返して申しますけれども、環境庁としては、いわば公害、そういう問題については一生懸命になってやるわれわれの責任と立場にある、そういう認識は私ははっきり持っているつもりです。ただ、これをやるについては、やはりこの問題解決の、いま御指摘のような認定促進というようなことは、本当に私は何とか方法を考えてやらなきゃいかぬと一生懸命にこのことは考えております。また今度の事件にかかわらず、引き続きこのことは政府部内及び県当局とも考えて、そして進めてまいる、そういう所存で私はおります。ただそれだけに、どうか私としては普通の形でそのことが話し合えるように、そのことを改めて衷心私は熱望をしている、そういう立場でございます。どうか御理解をいただきたいと思います。
○高杉廸忠君 続いて長官に伺いますが、これまた新聞報道でありますが、三月十八日の新聞報道によれば準認定制度というものをお考えのようであります。私どもが心配するのは、いま認定か棄却かの中間がございませんから準認定制度という新しい救済方法をお考えになる、これは非常に結構だと思います。しかし問題は、その準認定制度によって患者さん方を切り捨てていくということであれば、これはけしからぬ制度だと思います。その点について、患者さん方の認定を促進するため、救済するためということの準認定制度についてはどういうようなお気持ち、どういうような制度、どういうような救済、これを具体的にお答えいただきたいと思います。 それから二つ目は、長官は先ほども健康上の理由で正常なとおっしゃいましたから、患者さん方の代表が正常にあなたに会見を申し入れられて、そしてお話し合いができるとなれば、あなたは会見されますか。 それから、この際ですから国家公安委員長の方へ私は念を押しますけれども、再びこういうような場に警察官を侵入させるような行為は繰り返してはならない。そのことがかえって正常でなくしているわけでありますから、そういうことは厳に繰り返さないというお約束をいただきたい。そして患者さん方が正常に、しかも長官とはお話し合いが進むように、ぜひそういうことを長官にお取り計らいをいただきたい。 それから先ほども申し上げましたように、疑わしきは認定をしていくという姿勢、人の命を大切にするというその基本姿勢については、長官が健康上の理由も申されましたから、患者さん方が好きこのんで出てきているわけではない、しかもきのうの状態は女の方がけいれんを起こすような状態、実力行使をしたからそういう健康もはなはだしく阻害をされているわけでありますから、そういう繰り返しをしないということを長官はお約束をいただきたいと思います。
○委員長(鍋島直紹君) 高杉君、時間が来ております。
○国務大臣(山田久就君) いまの御指摘の準認定制度という問題でございまするけれども、私が先ほど申し上げましたように、この認定促進ということの手段方法、これは関係するところが非常に多うございますし、環境庁でどうのこうのということをいま申し上げられることができない。これはいまの段階ではいろんな手段方法を一生懸命になって検討しておるという以上には私は申し上げることができないことはひとつお許しいただきたいと思います。
○高杉廸忠君 救済をしていくということを約束してくださいよ。切り捨てじゃ困るじゃないですか。
○国務大臣(山田久就君) いまいろんな制度というものはいろんなものを含めて私が検討中という以上のことは申し上げるわけにはまいらぬと思います。 また、いま御指摘のような全部承認せいと、初めから結論をつけての問題、これはまだ仮定の問題でございまするので、そういう問題については私はお答えするということは差し控えさしていただくのが適当かと思います。まあ先ほど来申し上げましたように、要は合理的、客観的はことでこの問題については誠意を持って対処いたしたいと考えております。
○高杉廸忠君 会見するんですか、しないんですか。(「正常であればいつでも会うのか」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(山田久就君) 正常な形、そういうことで、正常なあれで両方の話し合いでその機会を持つ、そういう形であれば、われわれはいつでも会う用意を持っております。
○国務大臣(加藤武徳君) 警察は申すまでもなく治安を維持する責務を背負っておるのでございまして、したがって、犯罪のありますところこれを看過するわけには断じてまいらないのでございます。 そこで、たとえば営造物を不法に占拠いたしますような場合でも、管理者が退去を要求いたしました場合には直ちに不退去罪が成立することは申すまでもないことでございますし、また管理者の意に反して不法に侵入することも、これまた許されないのでございます。しかし、犯罪を犯します者がおりました場合にも警察力の行使は最小限にとどめなければならぬ、これは根本の考えではございますけれども、だからと言って不法状態の生じますところ警察が出動いたさないと、かようなことは断じて許されない、かように信じているところであります。
○安恒良一君 私は、国民にとって欠くことのできない生活基盤であるところの交通問題について、特にその中でも、この国会の中においていままで余り議論をされておりません私鉄バスの問題について質問をしたいと思います。 今日ほど公的機能の拡充が強く望まれているときはないと思います。しかし現状は過疎過密、モータリゼーションの中で公共交通の本来の使命が著しく阻害をされていると思います。しかし省資源、環境問題、安全の上からも国民優先の交通の抜本政策の確立が急がれなきゃならないと私は考えるわけであります。以上の前提の中でまず運輸大臣に質問をいたしますが、民営鉄道軌道、バスの国内旅客輸送に果たしている役割りについて質問をします。 第一は、五十一年度鉄道関係輸送量は、国鉄、私鉄の別に見るとどのようになっておりますか。
○国務大臣(福永健司君) 安恒さんがただいま御指摘のように、この種の交通機関が非常に大切であるという認識においては全く同様でございます。したがって、これと関連する幾多の問題の解決についてわれわれは鋭意努力すべきことは当然でございます。ただいまお話しになりました点については、やや詳細にわたってお答えしなければならぬことになるわけでございますが、民鉄及び乗り合いバスは、昭和五十一年度で数を見てみますと、わが国の全輸送人員四百六十七億人のそれぞれ二二%及び一九%に当たる百四億人及び八十八億人を輸送している。これを要するに、地域の交通に非常に大きな役割りを果たしております。これを特に陸上公共交通機関による輸送人員中に占める割合で見ますと、それぞれ三五%及び二九%であり、わが国陸上交通機関による輸送のおよそ三分の一弱を担当している、こういう現状、現状と言いましても五十一年の数字について申し上げたのであります。これは冒頭に申し上げましたように非常に重要な使命を果たしているものである、こういう認識を私どもは深くいたしておるわけであります。
○安恒良一君 質問を正確に聞いていただきたいのですが、私はバスと鉄道を分けて質問しています。もう一遍言いますと、五十一年度鉄道関係輸送量の中で、国鉄と私鉄の別に見るとどうなっているか。 続いて第二問を重ねて質問しますが、その鉄道軌道の場合に、首都圏、中京圏、京阪神圏等の大都市における鉄道部門の私鉄のシェアはどうなっているか。
○国務大臣(福永健司君) 私は、まずいまの御質問の点について、その種の交通機関の重要性について私どもの認識をまず申し上げるつもりで申し上げたのであります。 ただいまお話しの数字等につきましては、事務当局から正確にお答えさせることにいたします。
○政府委員(真島健君) ただいまの数字を申し上げます。 五十一年度の鉄道の輸送人員、これを国鉄と民鉄に分けて申し上げますと、国鉄が七十一億八千万人、民鉄が百四億二百万人となっております。 それから、三大都市圏における民鉄の旅客輸送量及びバスの輸送量を申し上げます。五十年度の数字がいまございますが、首都圏におきます民鉄の旅客輸送量は九十四億八千八百万人、バスはこれは貸し切り、自家用も含んでおりますが……
○安恒良一君 バスはまだ聞いておりません。 私の質問に対する答えがまだ正確じゃないんですが。首都圏、中京圏、京阪神圏等における大都市の鉄道部門の輸送量と私鉄のシェアについて聞いた。
○政府委員(真島健君) 失礼いたしました。 五十年度の三大都市圏における民鉄の旅客輸送量についてそれぞれの圏別に申し上げますと、首都圏が五十四億四百万人、中京圏が七億六千六百万人、京阪神圏が三十三億一千九百万人、分担率といたしましては、首都圏が三四%、中京圏が二五%、京阪神圏が四二%、こういう数字になっております。
○安恒良一君 次に自動車輸送、特にこれは輸送関係の私鉄の輸送人員とシェアはどうなっていますか。これは国内全体です。
○政府委員(真島健君) 五十一年度の数字で申し上げます。 乗り合いバス、貸し切り、自家用、このバスの輸送人員は、五十一年度で乗り合いバス八十七億七千三百万人、貸し切り一億七千六百万人、自家用十二億八千二百万人でございまして、輸送分担率といたしましては、乗り合いバス一九%、貸し切りはほとんどパーセントに上がらない程度でございます。自家用バスが三%、このような数字になっております。
○安恒良一君 次に、三大交通圏における全輸送機関に占める割合、その割合を私鉄、これは地下鉄を含みます。それからバス、これは民営、公営を含みますが、三大交通圏における全輸送機関に占める割合について示してください。
○政府委員(真島健君) 三大都市圏における全輸送人員に占める民鉄の旅客輸送のシェアでございますが、これは三五%、それからバスの方が占めます比率は一六%でございます。
○安恒良一君 私が聞きましたのは、五十年なら五十年の統計しかないだろうと思いますが、三大都市圏におけるいま申し上げましたように全体の輸送機関ですね、これは自家用の方も輸送機関に入るんですが、それらを含めました輸送人員、それからそれの中に占める私鉄、これはただし地下鉄を含む、それからバスの割合が三大交通圏ことにどうなっているかと、こういうことなんです。
○政府委員(真島健君) 五十年度の数字で申し上げます。圏内の全輸送人員、これが二百六十九億一一千四百万人でございます。このうちで首都圏について申し上げますと、先ほど申し上げました民鉄のパーセンテージ、これが五十年で首都圏は三四%、中京圏は二五%、京阪神圏は四二%になっております。さらにバスにつきましては首都圏で一六%、中京圏で一九%、京阪神圏で一五%と、こういう数字になっております。
○安恒良一君 以上の説明で私鉄軌道、バス部門がいかに大きな交通の役割りを果たしているかということが明らかになったと思います。 そこで私は、このような役割りを果たしている私鉄バスに対する国の助成と補助金についてひとつ伺いたいと思うのでありますが、このような大きな役割りを受け持っている私鉄に対する国の助成というのは、まず鉄道軌道についてでありますが、どうなっていますか。
○政府委員(真島健君) 民鉄関係につきましての国の助成額でございますが、五十二年度は五百四億円、いま御審議いただいております五十三年度予算案では五百九十二億円でございます。
○安恒良一君 国鉄のいわゆる助成を、対比をするために報告してください。
○政府委員(真島健君) 国鉄の金額を申し上げますと、五十二年度四千四百五十七億円。五十三年度予算案につきましては五千四百一億円になっております。
○安恒良一君 その次にお聞きしたいのは補助金についてですが、この補助金についても国鉄、私鉄、それから地方バスの補助金、これは五十三年度、五十二年度等について説明していただきたいと思います。
○政府委員(真島健君) 最初に国鉄について申し上げます。五十三年度の予算案について申し上げます。工事費補助金千三百九億八千百万円、地方交通線特別交付金三百三十七億円、地方交通線特別貸付金三百十九億円、特別施設運営費補助金三十六億八千百万円、この中に地方バスと大都市交通施設の補助が含まれております。合理化促進特別交付金三十二億円、臨時補給金四百七十一億一千二百万円、特別施設整備費補助金三百二十三億八千五百万円、防災事業費補助金九十二億五千万円、特別退職手当補給金三十七億八千三百万円、財政再建利子補給金千七百五十九億一千七百万円、財政再建貸付金六百八十一億五千四百万円、合計で五千四百億ちょっとになるわけでございます。 次に民営鉄道について申し上げます。五十三年度予算案について申し上げます。ニュータウンの鉄道建設費補助金三億六千百万円、地方鉄道軌道近代化施設整備費補助金四億一千五百万円、踏切保安設備整備費補助三億六千九百万円、鉄建公団方式によります助成金といたしまして十一億八千二百万円、欠損補助七億二千八百万円、地下鉄の建設費補助五百六十一億八千三百万円でございます。 最後にバスについて申し上げます。 生活路線維持費補助金六十九億九千四百万円、廃止路線代替バスに対する補助金三億五千六百万円、新住宅地バス路線の開設関連補助金一億一千八百万円。 以上でございます。
○安恒良一君 以上のような数字のとおりに、私は国鉄に対して手厚い助成が行われることについては意見があるわけでないんでありますが、それに比べても、輸送の果たしている割合から体して、私鉄に対するいわゆる助成、補助が余りにも少ない、こういうことが大変目立つと思いますが、この点運輸大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(福永健司君) いまお話しのようなことはある程度言えると私も思います。ただ、その事業の性質上なかなかそう思うような助成もできずにいるところもある程度あるわけでございまして、一面において、そういう私鉄その他バス等においてはその事業のそれぞれの自主性というものも尊重しなければならぬ。同時に、いまお話しのございますように、その事業の持つ公共性を発揮せしめるように配意しなければならぬ、こういうようなところもあるわけで、なかなか運輸省としてもこの行政はむずかしいと、こう思うのでありますが、率直な話、もうちっと補助ができるようなら私としてはまことにありがたいのでございますが、なかなかいまの日本の実情ではそうしたことが思うようにまいりませんところに悩みがあるわけでございます。したがって、悩みがあればあるほど、その少ない額ではあるがこれを生かすべく努力するという、こういうことに大いに意を用いなければならぬというのが現状でございます。
○安恒良一君 大臣もその点については認められましたので、今後とも格段の努力をお願いをしておきたいと思います。 そこで、きょうはその中でも特に問題になっています中小私鉄とバスについてさらに質問を続けたいと思います。まず中小私鉄についてお聞きをしますが、敗戦直後百九十四社あった中小私鉄は現在どのようになっていますか。
○政府委員(住田正二君) 昭和五十一年度で百四社、千百十九キロでございます。内訳といたしましては、地方鉄道が八十三社、九百九十三キロ、軌道が二十一社、百二十六キロでございます。
○安恒良一君 過去十ヵ年の輸送量の推移はどうなっていますか。また最近五カ年間の営業収益、これは鉄道についてどうなっていますか。ひとつそれを年次別に答えてください。
○政府委員(住田正二君) 最近五カ年間の輸送量の推移でございますが、四十六年が……
○安恒良一君 過去十年。
○政府委員(住田正二君) 四十二年が十億三千四百万人、四十三年が十億七千四百万人、四十四年が十億七千五百万人、四十五年が十一億二千八百万人、四十六年が十億八千五百万人、四十七年が十億七千五百万人、四十八年が十億九千六百万人、四十九年が十一億三千二百万、五十年が十一億一千二百万、ちょっと減ったりふえたりしておりますが、四十二年に比較しますと若干ふえております。五十一年が十億九千七百万でございます。 それから、過去五年間の中小民鉄の収支状況でございますが、赤字の会社もあれば黒字を出している会社もございます。全部を足しました数字でございますが、昭和四十七年度では全体で二十三億二千八百万円の赤字を出しています。四十八年が三十五億六千三百万、四十九年が七十三億四千四百万、五十年が三十五億四千百万、五十一年度が十六億四千四百万でございます。いま申し上げました赤字には、先ほど来お話が出ております助成金はまだ交付してない前の数字でございます。
○安恒良一君 最初にお答えくださった過去十年の輸送量の推移は中小私鉄だけ聞いたんですが、間違いないですか。
○政府委員(住田正二君) 中小私鉄だけでございます。
○安恒良一君 私は、この輸送量の推移というのが四十三年が一つの区切り、さらに四十六年が一つの区切りで、非常に輸送量が大きく減っているというふうに思うのでありますが、こういうような状況の中で今後もインフレが進行する、そして経営は慢性的な赤字を示しています。こういうような状態で非常に中小私鉄が深刻な状態に立ち至っていますが、国民の足を守るという観点で、こういう問題の解決について運輸大臣としてどうお考えになるのか。 さらに、地方交通を守るという角度から言いますと、やはり各都道府県もその責任があると思いますが、自治大臣はこの点についてどう考えられるのか。お二人の大臣に御質問をいたします。
○国務大臣(福永健司君) 非常に大事な使命を果たしていただいておるものであり、したがって、それなりに国においてもいろいろ考えなければならぬということは従来も考えてはまいりましたが、一層検討を進めてまいりたいというように考えます。 なお、国だけでという問題ではないことは、私どもの方からも考えているわけでございまして、都道府県等あるいは大都市等、地方自治体等ともよく相談をして対処しなければならない、そういうように考えております。
○国務大臣(加藤武徳君) バスや私鉄はいわば大衆の足であるのでありますから、大都会におきましてももとより必要でございますし、ことに町村の過疎地域におきましては、代替します交通手段がないのでありますから非常に重要だと思っておるところでございます。そこで運輸省に対しましてもできるだけの助成をお願いしてまいっておるのでありますし、地方団体におきましても、またおのおのその立場において助成をいたしておると、かような状況であります。
○安恒良一君 どうもお二人のお答えが大変抽象的なんですが、いままでのやり方としては、運賃値上げによる増収によってこういう地方鉄道を守っていく、もしくは現行法による補助ということでやられていますが、私はもう運賃を上げればさらにお客が逃げていく、こういうこと。それから物価問題の観点からもう限界が来ている。また現行のような補助だけではとても補助がし切れなくなっている。こういうことでありますが、こういう問題についてどのように運輸大臣はお考えになりますか。
○国務大臣(福永健司君) お話しのようなところが私どもの悩みでもあるわけでございますが、必ずしも上げたからみんな逃げてしまうというほどではございませんが、事ほどさように、そういう表現があるほどに、利用者は運賃が上がれば上がったで苦労をしなければならぬということでもある実情、これはこれでわれわれは把握していかなければならぬわけでございまして、私どもといたしますと、幾つか悩みがある中の一つではございますが、結局私鉄の経営者あるいは従業員の各位、こういう人たちや、また一面において、いまお話しがあったような点等について、地方の住民各位の理解も得つつ何とかしのいでいかなければならないというのが現状でございまして、ここで思い切って飛躍的に抜本的にというわけにはなかなかまいらない、その悩みのままを申し上げて恐縮でございますが、それが現実でございます。
○安恒良一君 どうも大変抽象的ですが、時間の関係がありますからまたその点をお聞きしたいと思います。 次はバス事業についてです。一般路線バスの最盛期は四十五年だったと思いますが、四十六年以降五十一年までの輸送人員の推移について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(中村四郎君) 乗り合いバスにおきまして、四十五年は百億七千四百万人の輸送量を確保しておりましたが、その後旅客輸送量の減少に伴いまして、五十一年度におきまして八十七億七千三百万人という状態でございます。
○安恒良一君 保有台数三十両以上の全国二百十七社の昭和五十一年度の収支状況はどうでしょうか。
○政府委員(中村四郎君) 三十両未満の事業者を除きました、私ども標準原価を探求する場合の基礎事業者といたしておるものを対象にした収支率を五十一年度で申し上げますと、民営事業九六・三%、公営事業八三・二%でございまして、全体として九二・九%の収支率でございます。
○安恒良一君 過去四年間の年次別の経常の損失、これを公営、民営の別にひとつ報告してください。
○政府委員(中村四郎君) 過去四年間について申し上げますと、四十八年度におきまして四百八十二億、四十九年度一千四億、五十年度七百十九億、五十一年度五百八十四億の損失となっておりまして、これは民営、公営を合算したものでございます。
○安恒良一君 その別を言ってください。
○政府委員(中村四郎君) 四十八年度におきまして、民営事業二百四億、公営事業二百七十八億、四十九年度民営事業四百八十三億、公営事業五百二十一億、五十年度民営事業二百十四億、公営事業五百五億、五十一年度民営事業二百二十一億、公営事業三百六十二億でございます。
○安恒良一君 このようにバスも衰退の一途をたどり、しかも慢性的な赤字が続いておりますが、これらの衰退の原因は何にあると考えますか、運輸大臣にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 地方によりいろいろの事情の差はもちろんございましょうが、一般的に申しますといろんな事情がございまして、一概に申すということは恐縮ながらなかなか困難なことであると、こういうように思いますが、実際に事務を扱っております観点からまずお答えをお聞きいただきたいと思います。
○政府委員(中村四郎君) 先ほど過去四年間の標準事業の経常損失の推移を申し上げましたが、この数字でもわかりますように、石油ショックを受けました後の四十九年度の収支が最悪でございまして、五十年度、五十一年度と民営事業につきましてはやや改善と申しますか、持ち直して四十八年度以前の収支率に戻っていっておるような状況でございます。ただ、人口の過疎化現象あるいはモータリゼーションの進展によりまして、地方バスにおきましてはその経営の維持ということに非常に苦難の道を歩んでおる状況でございます。
○安恒良一君 衰退の原因は、いま言われたほかに私はインフレの進行に伴う諸資材、動力費等の上昇があると思いますが、そのことはさておきまして、次に路線の休廃止状況についてお伺いをしたいと思います。 これは鉄道軌道、バス等を含めてでありますが、まず四十年から五十一年までの十二年間の鉄道軌道の廃止、バス路線の廃止、休止はどういう状況になっていますか。
○政府委員(真島健君) 最初にマクロに申し上げます。中小民鉄の営業キロでございますが、これが昭和四十二年度から五十一年度までの十年間に一千百十一キロ減少をいたしております。昭和四十一年度末の免許キロに対しまして約三二・五%の減少ということになります。また乗り合いバスにつきまして、同じように免許キロで見ますると、この十年間に五千百三十二キロ免許キロが減少をいたしております。
○安恒良一君 どうも私の発言が悪いのか聞き取り方が悪いのかわかりませんが、私は四十年から五十一、二年までの十二年間、しかもバスについては路線の廃止と休止はどうなっているかと、こういうことも聞いているわけですから。
○政府委員(真島健君) 四十二年度から五十一年までの数字について申し上げますと、中小民鉄についての数字は先ほど申し上げました数字と同じでございます。乗り合いバスの休止状況について最初に申し上げます。 四十二年八千五百八十一キロ、四十三年八千七百六十一キロ、四十四年一万二百四十三キロ、四十五年一万八百八十キロ、四十六年一万三百五十一キロ、四十七年一万八百六十九キロ、四十八年九千六百二十三キロ、四十九年九千四百四十七キロ、五十年一万二百六十四キロ、五十一年九千二百七十七キロでございます。 なお、廃止キロにつきましては四十二年から四十四年までちょっと資料がございませんので不明でございます。四十五年二千七百七十七キロ、四十六年三千六百三十キロ、四十七年四千八百九十キロ、四十八年三千八百三十五キロ、四十九年三千二百六十二キロ、五十年二千八十六キロ、五十一年二千四百三十七キロ、こういう数字になっております。
○安恒良一君 後でこの問題についてはそれに伴う人員削減についてお聞きしますから、この程度にとめます。 その次に補助制度の実態と問題点について少しお聞きしたいのでありますが、第一は、私鉄バスに対する財政金融の特別措置のうち、中小私鉄バスについて問題をしぼって質問をします。まず地方鉄道軌道整備法に基づく補助の現状について説明してください。
○政府委員(住田正二君) 中小私鉄に対します助成は三つの項目がございます。一つは近代化補助でございます。これが五十二年度が二億五千六百万、五十三年度予算案では四億一千五百万でございます。それから二番目に欠損補助でございますが、五十二年度が九億三千八百万、五十三年度予算案では七億二千八百万でございます。三番目に踏切保安設備整備費補助でございますが、五十二年度が二億八千八百万、五十三年度が三億六千九百万でございます。
○安恒良一君 私はこの補助を出す際かなり厳しい要件があるように聞いていますが、具体的な要件、こういう点について少しお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げました助成の基準でございますけれども、まず最初に近代化補助でございますが、鉄軌道部門で赤字であって、かつ全事業で固定資産経常利益率が五%以下のものを対象にいたしております。助成の率は地方公共団体が同枠を負担する場合には国が二〇%、地方公共団体が二〇%。地方公共団体が負担しない場合には一〇%ということになっております。それから踏切保安設備の補助でございますが、固定資産営業利益率が鉄軌道部門で七%以下であって全事業で一〇%以下のものにつきまして国が設備費の二分の一、地方公共団体が三分の一を補助いたすことになっております。欠損補助の方は、当該年度の鉄道部門の収支が赤字であり、また全事業でも赤字であるというものを対象にいたしております。鉄道事業では赤字ではあるけれども全事業では黒字であるというものは対象にいたしておりません。
○安恒良一君 そのほかに十キロ以上、それから輸送人員八千人以下、それからラッシュ時一時間の輸送人員千人以上、こういう条件が一つついているんじゃないですか。
○政府委員(住田正二君) 欠損補助につきましては、いま御指摘ございましたように八千人以上の輸送密度があれば大体黒字経営はできるんじゃないかということで対象外にいたしております。また、輸送密度がラッシュ時間に千人以下のものにつきましては、これはむしろ他の輸送機関、バス等の輸送機関によった方がいいということで対象外にいたしております。
○安恒良一君 具体的に聞きますが、紀州鉄道は補助を受けてないんですが、これはどういう理由でしょうか。また紀州鉄道のような鉄道がどのくらいあるでしょうか。
○政府委員(住田正二君) 紀州鉄道がどういう理由で対象外になっているかちょっと調べてみませんとわかりませんが、ただいま申し上げましたどちらかの要件に該当しないと……
○安恒良一君 答えにならない、どちらかでは。
○政府委員(住田正二君) ……ということではないかと思います。また、紀州鉄道以外の同じような事業者がどれくらいあるかということにつきましても手元に資料がございませんので、後ほど調べまして御報告いたします。
○安恒良一君 答えになりません、いまの点は。
○委員長(鍋島直紹君) 後で調査して提出されますか。
○政府委員(住田正二君) 後ほど調査いたしまして御報告いたします。
○安恒良一君 それじゃ提出をしてもらうことにします。 私はこれはどうも条件が厳し過ぎると、やはり要件を緩和する必要があるというふうに考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(住田正二君) 先ほど数字で申し上げましたように、中小民鉄の欠損は四十九年のオイルショク以降次第に減ってきております。また欠損補助も、先ほど申し上げましたように五十二年度と五十三年度を比較いたしますと減少いたしております。というのは、やはり経営内容がかなり改善されてきているということではないかと思います。経営内容が改善されてきている理由といたしましては、不採算の路線の整理をしたということと、先ほど申し上げました近代化施設の助成の効果が逐次出てきてまいっておりまして、そのために欠損が減っていると、また運賃値上げによりまして欠損が減ってきているということで、欠損額自体は縮小の傾向にあるわけでございまして、私どもといたしましては、欠損助成ということはできれば避けるといいますか、そういう助成はむしろ減らしていって、近代化とかそういう方向で会社の力をつけていくというのが、私企業に対する助成の本来のあり方ではないかというように考えているわけでございます。
○安恒良一君 この点は紀州鉄道の調査が出てこないとわかりませんから、後にしますが、銚子電鉄は十キロ未満の鉄道ですが助成を受けています。これはどういうことでしょう。
○政府委員(住田正二君) 銚子鉄道に対しましては助成をいたしております。
○安恒良一君 十キロ未満ですが、助成している理由。十キロという一つの制限条項があるでしょう、それを聞いているわけです。
○政府委員(住田正二君) 十キロ以下のものは助成対象に取り上げないという規則はございません。
○安恒良一君 確認をしておきます。 次に、中小民鉄に対する融資についてお聞きしますが、五十三年度の予算要求に当たって、中小民鉄の融資に対して運輸省はどういう方針をとられたのか、また具体的要求はどのようにされたのか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(住田正二君) 中小民鉄に対する融資は開発銀行とそれから北東公庫等があるわけでございますが、要求といたしましては特利といいますか、利子の引き下げの要求と融資率の引き上げの要求とをいたしたわけでございますけれども、予算査定に当たりまして現状維持ということになっております。
○安恒良一君 五十三年度予算要求の中で中小民鉄分として二十七億三千九百万円を要求されているんじゃないでしょうか。間違いありませんか。
○政府委員(住田正二君) 予算要求といたしましては、開銀が二十六億円、北東開発公庫が一億円、計二十七億円でございます。
○安恒良一君 それが昨年十二月段階で大蔵省の査定の結果削減をされたというふうに聞いていますが、削減をした理由は何でしょうか、大蔵省。
○政府委員(住田正二君) 要求は先ほど申し上げましたように二十七億円要求いたしているわけでございますが、査定としては開発銀行全体の枠の中で見ると、あるいは北東開発公庫全体の枠の中で見るということでございまして、実際に幾ら……
○安恒良一君 いや、大蔵省に聞いている、削減した大蔵省に。
○政府委員(住田正二君) 幾らつくかということがわかりませんと減るかどうかわからないと……
○安恒良一君 関係はありません、あなたは。削減をした大蔵省に聞いている。
○政府委員(長岡賢君) お答え申し上げます。 財政投融資の問題でございまして、担当は理財局長でございますので私からは的確なお答えはいたしかねますが、恐らく開発銀行の中の地方開発の融資枠の中でやりくりができるということでお認めしなかったのではないかというふうに推察はいたしますが、担当者が来ておりませんのでお許しをいただきたいと思います。
○安恒良一君 推察では困ります。
○委員長(鍋島直紹君) それでは理財局長を呼びますから、後で御質問願いたいと思います。
○安恒良一君 私はこういう問題について一つ一つの何局長までは通告していません。件名は通告してあります。だから、全部その関係局長は用意してもらわなきゃ困ります。
○委員長(鍋島直紹君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鍋島直紹君) 速記を起こして。
○政府委員(住田正二君) 先ほど申し上げましたように、中小民鉄に対しましては二十七億円の財投の融資をお願いいたしているわけでございます。これにつきましては、査定の段階で何億という査定はございませんで、五十三年度に入りまして開銀あるいは北東開発公庫の枠の中で処理をしていただくということになっております。ただ、金利の引き上げあるいは融資比率の引き上げにつきましては現状どおりという査定を受けております。
○安恒良一君 それでは、一応おいでになっていなかったことに遺憾の意を表して、早急にお見えになるそうですから次に進めていきます。 次はバスについてですが、バスの補助制度について、地方バス路線運行維持要綱に基づく補助が行われていると思いますが、これについてまず説明をしてください。
○政府委員(中村四郎君) 地方バスの補助につきましては、昭和四十七年から補助制度を確立したわけでございますが、現在行われております補助は五十年度から実施しておるわけでありまして、その内容といたしましては生活路線維持にかかわる補助でございまして、乗車密度五人以上十五人以下の路線、これにつきまして運行に伴う欠損補助、それから車両購入費補助を行っており、また乗車密度五人未満の路線の運行に伴う欠損につきまして補助を実施いたしております。
○安恒良一君 それならば、まずこの制度は四十一年のいわゆる車両購入費から始まっているように思いますが、この四十一年以降地方バス路線維持費補助金交付、実績について年次別に説明してください。
○政府委員(中村四郎君) 四十一年度四百八十一万一千円、四十二年度千五百三十万六千円、四十三年度二千二百九十万二千円、四十四年度六千七百十六万七千円、四十五年度九千七百十三万六千円、四十六年度一億三千八百七十二万四千円、四十七年度四億七千三百八十三万六千円、四十八年度十二億四千八百五十二万四千円、四十九年度二十一億九千四百四万七千円、五十年度五十四億九百五十五万五千円、五十一年度五十九億四千七百三十九万六千円でございます。
○安恒良一君 五十年度以降未消化があるというふうに聞いていますが、その金額と理由を聞かしてください。
○政府委員(中村四郎君) 五十年度におきまして予算額五十七億八千二百万に対しまして約三億ほど、五十一年度、予算額六十八億五千万に対しまして約九億ほどの未実行に相なっております。
○安恒良一君 五十三年度の見通しはどうですか。
○政府委員(中村四郎君) 五十三年度につきましては予算案御審議中でございますので、その後の状況でございますが、五十二年度につきましては予算額七十二億一千百十六万一千円につきまして現在検討いたしておりますが、この予算額を消化し得る程度の状況と思っております。
○安恒良一君 その未消化の理由を聞いたんです。
○政府委員(中村四郎君) 未消化の理由につきましては、いろいろ個別企業との関係で事情があるわけでありますが、総じて申しますならば、地方公共団体と国とでこの補助要綱に従ってその要件になかなか充足できない、こういう状況から未消化の額が出てまいったというふうに思っております。
○安恒良一君 そうしますと、地方財政の危機とそれから合理化を条件としているんだが、それがなかなかうまくいかないから未消化と、こういうふうに承っていいんでしょうか。
○政府委員(中村四郎君) 補助要綱に基づく要件を定めておりますので、その要件を充足し得るような企業の経営の実態と相なっているかどうか、そこの乖離から出てきたものというふうに思います。
○安恒良一君 地方財政危機の問題はありませんか。
○政府委員(中村四郎君) 私どもから直接お答えするのはなかなかむずかしいのでございますが、国と地方公共団体とが相提携して助成するということになっておりまして、一部におきましては地方公共団体において御自分の地域の実態に合わせる交付の仕方をしておるところもございます。また単独で逆に上乗せと申しますか、私どもの方の助成額を超えておるものも中にございます。
○安恒良一君 それでは自治大臣にお聞きしますが、いわゆる五十年度が三億七千万円、五十一年度が九億一千万円の未消化、五十二年度も私どもの調査では未消化が出るんじゃないかと言われていますが、その理由の中に地方財政の危機という問題がよく挙げられていますが、自治大臣としては関知をされていますか。そういう場合にどういう態度をおとりになるんでしょうか。
○国務大臣(加藤武徳君) 国が助成をいたします金額と同額を都道府県が予算を計上いたしまして市町村へ補助いたしておるのでございますから、各団体によりまして個々の事情があろうかと思うのでございますけれども、詳細は担当者から答弁さしていただきます。
○政府委員(砂子田隆君) ただいま大臣からお答えをしたとおりでございまして、公共団体それぞれの事情があると思いますが、お手元にあるいは資料があるかも存じませんけれども、公営バス全体につきまして私の方といたしましては交付税の措置をいたしておりまして、都道府県、市町村にそれぞれ八割の算入をいたしましたり、単独分につきましては本年度から六割算入をいたしておりますので、それほどきつい財政上の措置ということはなかろうと存じます。
○安恒良一君 これもまた質問に的確にお答えになっていないんですが、民営バスに対する補助金が地方財政の危機の理由で地方自治体が出されない、こういう中から未消化があるというふうに聞いているんですが、その点についてお聞きをしているんです。民営バスの場合ですね。
○政府委員(砂子田隆君) ただいま公営バスについてもお答え申し上げましたが、民営バスにつきましても都道府県が出すものあるいは市町村が出すものについては公営バスと同様の措置をとっておりますので、そのようなことはなかろうと存じます。
○安恒良一君 次に、補助金交付に当たっての運輸省の方針が、一つは五十年九月を境にある程度変わっているように思います。ですから、この方針の変化について説明をしてもらいたいと思います。前と後。
○政府委員(中村四郎君) 五十年度におきまして、基本的には地方バスの現状を踏まえましてこれに助成を強化していくという考え方は変わっておりませんが、五十年度、先ほど申し上げました予算額でおわかりのように、非常に増額をいたして、そしてこれをどういうふうにやっていくかというときに、事業者の方におきまして適正運賃とそれから経営の能率化を図っていくという前提で経営改善計画というものを策定し、都道府県と運輸省がこれを承認しまして、そしてそれに即して実行をお願いし、また助成を強化していくということで今日に参っておるわけでございます。
○安恒良一君 経営改善五カ年計画の実施を義務づけていると思いますが、その中身について話してください。
○政府委員(中村四郎君) これも地方バスの補助要綱におきまして改善計画というものを提出していただき、先ほど申し上げましたように、運輸大臣と都道府県知事が承認いたします。そうしまして、これを実施に努めていただくということが要件に相なっておりまして、この内容といたしましては、その経営を、企業体によって持っていき方はそれぞれ違うわけでございますが、たとえば系統別のワンマン化率とか、期末の実在車当たりの従業員数とか、運転者数とか、それから第三種生活路線を今後どうしていくかとか、そういうものを内容にしまして、実体的に事業の経営の改善ができるようにということにいたしております。
○安恒良一君 いま言われたような、合理化の達成によって補助金の交付を見直すという厳しい方針となっているというふうに聞いていますが、そうですか。
○政府委員(中村四郎君) 経営改善計画につきましては、事業者がそれぞれの企業体において関係者とよく協議して、そして将来の会社のあり方なりあるいは再建の方法なり、これを詰めまして私どもの方へ出てまいる、出てまいりました改善計画については、特別の事情がありまして、これがやはり無理であってできないという場合を除きましてはその遂行に全力を挙げていただく、こういう仕組みにいたしております。
○安恒良一君 関係者とよく協議をしてと言われましたが、関係者というのは会社と私は労働者、労働組合があれば労働組合だと思いますが、いま経営改善計画について関係者とよく協議をしてと言われましたが、実際に協議がされているというふうにおとりになっていますか。
○政府委員(中村四郎君) 現実的に実効あるものといたすためには、やはり経営者サイドとそれから従業員サイドとの意思の合致ということでありませんとなかなか実現がむずかしいと、こういうことでございますので、私どもの方としてはそういった手だてをろ過して出てくるというふうに理解しております。
○安恒良一君 そういう手だてを経て出てくるということですが、事前協議がされたかどうか、こういう点についてチェックをされましたか。チェックされておりましたなら、どの程度事前協議ないしろ過がされているというふうに、たとえば五十一年度申請会社何社のうちにどうだ、こういうことについておわかりだったら教えてください、五十二年度なら五十二年度でも結構ですから。
○政府委員(中村四郎君) 私どもとしては、会社の責任者からそういう計画の提出がございますので、実態としてその事前にどういう手だてであったかということのチェックはいたしておりません。
○安恒良一君 チェックをいたしてなくて、どうして関係者同士の協議というのがわかるんですか。
○政府委員(中村四郎君) 私どもの方としては、経営責任者から当該会社としての意思表示で出てまいりますので、そういう事前の手だてというものが講ぜられているというふうに思うわけでございます。
○安恒良一君 思うわけでは困るんです。大臣にお聞きします。事前の協議がされてなかったときはどうしますか。
○国務大臣(福永健司君) 御質問の趣旨、私は十分に把握しているかどうかよくわかりませんが、いま局長が申しましたようなぐあいに、局長は局長の立場においていまお答えしたようなことで、彼は彼なりに万全を期しているようでありますが、もしそうならばということになりますと、ちょっと答えがなかなかむずかしいのでございますけれども、なおそういうことについては御質問の趣旨に合うように私もよく研究してみたいと存じます。
○安恒良一君 いや、私の調査では残念ながら事前協議がほとんどされてないんです。ですから局長は、関係者がよく話し合った上で計画が出てきておる、そしてこれは会社が出していることだろうと、こういうことになるわけです。そこで私がお聞きしているのは、事前協議がなされてないということがはっきりわかった場合にどうするんですかと、こう言うのです。
○国務大臣(福永健司君) はっきりわかった場合にどうするかというお話でございますが、その辺を調べてみたい、こういうように思っておるわけでございます。
○安恒良一君 それじゃこの点は保留しておきます、答えになっていません、事前協議がされてないんですから。それでは後でこれはまたやります。 続いて、このような合理化の強要によってバスの労働者がどれだけ減少したのか、四十六年以降五十一年まで、年次別にバス関係労働者がどのように減少したかをお示し願いたい。
○政府委員(中村四郎君) 四十六年におきましては十九万七千七百九十七人、五十一年度におきまして十七万二千三百七十六人と相なっております。
○安恒良一君 四十六年以降五十一年まで年次別にどれだけバスの労働者が減少したか、その数を言ってくださいと言っているんです。質問をよく聞いてください。
○政府委員(中村四郎君) 先ほど申し上げましたように、四十六年度末におきまして十九万七千七百九十七人、四十七年度十八万七千三百九十八人、四十八年度十八万一千七百八十五人、四十九年度十七万九千十六人、五十年度十七万六千百三十七人、五十一年度十七万二千三百七十六人でございます。
○安恒良一君 の減少ですか。
○政府委員(中村四郎君) の実員でございまして……
○安恒良一君 ちょっと委員長、私の言うことを正確に聞いて答弁するように言ってください。時間がたってしょうがないですよ、こんなことでは。
○政府委員(中村四郎君) 四十六年度と四十七年度におきまして約一万人、四十七年度-四十八年度におきまして約六千人、四十八年度-四十九年度対比におきまして二千七百人、四十九年度-五十年度二千八百人、五十年度-五十一年度約三千八百人の減少でございます。
○委員長(鍋島直紹君) 質問を聞いて、正確に答えてください。委員長より要望いたします。
○安恒良一君 五十三年度要求の中で、運輸省がこのバスの補助金交付に当たっての制度改正を大蔵省に要求したというふうに聞いていますが、それを説明してください。
○政府委員(中村四郎君) 五十三年度要求におきまして、補助対象事業者の要件の緩和、それから補助限度額の引き上げ、補助率の適用区分の変更、それからまた、地方において機動的な対応ができるようにというのでデマンドバス施設整備費補助の要求等をいたしました。
○安恒良一君 いま少し、これは後から大蔵省に答弁してもらう関係がありますから、中身を正確に言ってください。
○政府委員(中村四郎君) 補助対象事業者の要件といたしまして、車両購入費補助について甲種、乙種、丙種という事業区分がございますが、乙、丙種等につきまして、甲種事業者と同じようにバス事業のみが一定の赤字である場合には、これも補助対象につけ加えてほしいということが第一点でございます。それから車両購入費補助につきまして補助率の適用区分の変更、これは種別によりまして補助率が変わっておりますのでそれを直すということ。それから補助限度額の引き上げを車両購入費補助等について考えたわけでございまして、そのほかに新しいものとして、パイロット的にデマンド施設を整備する場合のその整備費補助、これを内容にいたしたわけでございます。
○安恒良一君 補助対象経費の引き上げを要求しておりはしませんですか、デマンドバス以外に。補助対象経費の引き上げ、甲乙丙のいろいろ区分がありますね、それはしていませんか。
○政府委員(中村四郎君) 補助対象経費につきましては、毎年、その経費の高騰等に合わせまして増加要求をいたしておりますので、先まど特に申し上げましたのは、新しい制度改定という意味で申し上げました。
○安恒良一君 それでは、それらの問題を含めて、いま申し上げた補助対象経費の引き上げを含めてあなたたちが要求をした中で、実現をしたもの、しなかったものを詳しく言ってください。
○政府委員(中村四郎君) 補助対象経費の増加につきましては、私どもの要求どおりではございませんが、ほぼそれを満たしております。それから補助限度額につきましても、それぞれ実態に応じまして車両購入費の引き上げを行っております。それから補助区分に応じての補助率の適用区分変更というものにつきましては、これも実現をいたしたわけでございまして、さらにデマンド施設整備についてもパイロット的に実施するということが認められた内容になっております。
○安恒良一君 補助対象経費の引き上げは、私の手元にある資料では、現行と同じということになっていますし、それから第三種生活路線補助費については、これは第三種をなくすということであるので、なくなったと思う。運輸省の要求になかったんですが、大蔵省は現行と同じと、こういうふうになっていますが、この点は間違いありませんか。
○政府委員(中村四郎君) 補助対象経費で、第二種生活路線の運行費の場合を申し上げますと、キロ当たり単価の引き上げ、それから第三種生活路線運行費につきましても、キロ当たり単価の引き上げというものを内容に含んでおります。
○安恒良一君 大蔵省にお聞きをしたいのですが、これは逆に、運輸省から第二種生活路線の運行補助費についていろいろ要求がありますが、その中で認めたもの、認めなかったもの――認めなかったものについての理由を聞かしてください。
○政府委員(長岡賢君) お答え申し上げます。 単価の査定は若干やっておるようでございますけれども、項目につきましては、御要望はお認めをしておるように伺っております。ただ、ただいま御審議をお願い申し上げております予算は政府の予算案でございまして、大蔵省の案を御審議いただいているわけではございませんので、どういう問題についていかなる角度から議論をし合ってどういう結論を出したかという点につきましては、運輸省とは十分お話し合いを済ませた上での姿になっておると存じております。
○安恒良一君 いや、あとのことはちょっと要らぬことだと思うのは、われわれが運輸省に行くと、こういう要求を出したけれども大蔵省で削減をされた、こういう話があるから、そうするとこれは聞かざるを得ない。だからそんな要らぬことを言う必要はない。 次に、地方バスの補助制度をどういうふうに改正をしていけばいいのか。どうも私はこれでは十分でないと思うし、いまのことは一応五十四年度までというふうになっておるんだが、地方バスの補助制度をどのように改正していこうというお考えをお持ちなのか、運輸大臣からお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) いろいろ細かいむずかしい問題等もございまして、私も十分承知はいたしておりませんので、自動車局長からお答えさせます。
○政府委員(中村四郎君) 現在の補助制度を五十年度から五十四年度ということで実施に入っておるわけでありますが、私ども昨年度におきましても、たとえば営業収支を対象にしておりましたものを経常収支に改善するとか、また本年度予算でも、先ほど申し上げました新しい制度というのを入れておるわけであります。今後の問題としましてはバス事業の実態というものをよく踏まえまして、私ども、生活路線の維持のための補助ということでございますので、そういう目標に沿えるように努力していきたいというふうに思っております。
○委員長(鍋島直紹君) ちょっと安恒さんお待ちください。 先ほどの運輸省側の答弁を求めます。紀州鉄道の件。住田鉄道監督局長。
○政府委員(住田正二君) 先ほどお尋ねの紀州鉄道の件でございますが、ラッシュアワー一時間の乗客数が三百六十一人ということで千人以下という要件に該当するということで対象外にいたしております。
○安恒良一君 紀州鉄道のような地方鉄道はどのくらいあるかということもあわせて聞いていますよ。
○政府委員(住田正二君) 紀州鉄道のようなという意味でございますが、鉄道事業が赤字であって欠損補助の対象にしてないという意味で理解いたしまして、その会社は紀州鉄道を含めまして十二社でございます。
○安恒良一君 どうも地方バスの補助要綱の改正が、大変抽象的なお答えですから、こちらから聞いていきたいと思いますが、単に補助要綱ではなくて法律化が必要だと思いますが、どうでしょうか。これは大臣にお聞きしたい。
○国務大臣(福永健司君) どうも安恒さんの質問は私苦手でございまして、法律化ということでございますが、私が概括的に思いますことは、この種のことで法律化するということは、言葉それ自体そういうことにして促進を図るという意味においてはそういう必要があるかとも思いますが、問題の処理というものは、法律化するよりも弾力的にいろいろ対処していくという必要等のこともございまして、具体的にこの問題についてどうすべきかということは、ただいま御質問等も伺いましたし、私もさらに研究をさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 次は基礎施設です。インフラストラクチュアという言葉を使われていますが、それから車両、ターミナル施設等は公費負担にすべきだと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(中村四郎君) バスの基礎施設と申しますと、やはり営業所あるいは車庫、それの用地に相なりまして、またターミナルというものについてもこれは転回点として必要でございますし、そういったものにつきましてこれを助成対象としていくかどうかということについては、なお慎重に検討したいと思います。
○安恒良一君 いわゆる合理化がかなり条件づけられていますが、私は合理化というのは地域の条件によってやるべきであって、画一的にやるべきでないと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(中村四郎君) 仰せのとおり、一律に機械的に各事業についてこうするということはなかなかむずかしいと思います、路線の配置の状況とか、それから需要の動向とかいろいろなファクターがあるわけでありますので。しかしながら、目標的なものは掲げ、そして個々の事業者の実態に応じて実情に合うように考えていくという方針でございます。
○安恒良一君 合理化推進と補助をセットにすべきでない。いわゆるペナルティー制度の導入は問題だと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(中村四郎君) バス事業の運営を健全に維持していくという場合には、やはり運賃の適正化の問題と、それから経営の能率化ということは切り離せないわけでありまして、そういう前提に立って運営をし、なおかつ路線維持のためにそこに欠損が生じてくる、これについて助成していこうという考え方でございますので、企業自体としてもその経営の向上改善を図るという計画を必要とします。したがって、いまのような考え方で私どもおるわけでございます。
○安恒良一君 運輸大臣、いま、以上四つの要件を聞きましたが、答え方がかなり矛盾をしていますし、私は地方バスの補助要綱についてはぜひ再検討をお願いをしたいと思います。 続いて、今度は税制問題についてお聞きをしたいのでありますが、租税特別措置について、公営、準公営、民営の順でいろいろ差がつけられていますが、その現状はどうなっているでしょうか。
○政府委員(福田幸弘君) お答えいたします。 国鉄、公営、営団、私鉄等に対する取り扱いがどうなっておるかという趣旨でございますが、それに対しましては、関連の税目がどうなっておるかというその範囲の問題でございますが、大まかに申し上げまして、法人税といった直接税についてはこれは差異がございます。ほかの間接税の範囲でございますけれども、自動車重量税、石油ガス税あたりが国税では関係いたしますけれども、これにつきましては、いまの区分に対して差がない一律の扱いをいたしております。ただ、印紙税と登録免許税につきましては、国、地方公共団体、国鉄、営団については非課税の扱いをいたしておりますが、私鉄は課税ということでございます。
○安恒良一君 自治省。
○政府委員(森岡敞君) 地方税におきましては、まず車体課税、燃料課税について申しますと、自動車取得税、軽油引取税、両者とも道路損傷負担的税でございますので、民営、公営、国鉄いずれも課税いたしております。ただ自動車取得税につきましては、いわゆる過疎バスについては非課税措置をとっております。 次に、保有課税であります自動車税につきましては、公営バスは非課税、国鉄及び民営バスは課税でございます。これは国、地方公共団体は、自動車税につきましては人格的非課税という制度をとっておることによるものでございます。なお住民税、事業税、あるいは事業所税、特別土地保有税というような各種の税につきましては、公営と国鉄バスは非課税になっております。これは公共法人としての性格からそのような措置がとられております。民営バスは課税されておりますが、これは国鉄なり地方公共団体のような公共法人ではないという性格上の相違に基づくものでございます。
○安恒良一君 非課税の理由はよくわかりませんが、後からそれはやることにしまして、民営営業バス関係諸税の納付実績、四十八年から五十一年度まで国税、地方税を含めてお答えを願いたいと思います。
○政府委員(森岡敞君) 納付実績につきましては、ただいま手元に資料がございませんので、後刻御報告さしていただきたいと思います。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 いまのバスの件でございますが、バスですと軽油引取税が主力になろうかと思いますので、国税としての関係で、どの税目でどの税金という数字は持っておりません。
○安恒良一君 二つともそれでは答弁になりません。私は、これは税制問題についてお聞きをするということをきのう通告しておりますから、答弁をしてください。
○政府委員(森岡敞君) ただいま早急に取り調べまして御報告いたしたいと思います。
○政府委員(福田幸弘君) バス会社だけの間接税のどの分の税収という数字は統計上ございません。
○安恒良一君 自治省関係であるでしょう、それを早急に出してください。
○政府委員(森岡敞君) 大変繰り返して恐縮でございますが、いま急いで調べておりますので、後刻御報告いたしたいと思います。
○委員長(鍋島直紹君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鍋島直紹君) 速記を起こして。 理事会の結果を申し上げます。 安恒君の質問は以上をもって留保せられます。 なお、資料要求については詳しくひとつ御連絡を願い、また、各省ともそれに応ずるように的確に資料の提出を特に委員長としてお願いをいたしておきます。 以上で安恒君の一般質疑を留保いたします。 ―――――――――――――
○委員長(鍋島直紹君) 次に、秦野章君の一般質疑を行います。秦野君。
○秦野章君 文部大臣、学園の暴力の問題で私は多少後から角度を変えて問題提起もしてみたいし、質問をお願いしたいと思うのですが、最初に、学園の暴力というものの実態を、質問する前に、ちょっと概略を不法占拠だとか暴力だとかそういうものを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(砂田重民君) 全国の国立大学の場合、五十二年度中に、施設の使用の不正常が見られるものが十三大学二十件、過激派学生によります教職員、学生に対する暴力事件が十四大学の三十六件、授業妨害が三大学四十三件と相なっております。
○秦野章君 不法占拠の部分だけ、特に東大と京都の場合、局長でいいですから、一応説明してください。
○政府委員(佐野文一郎君) 東京大学におきましては、医学部附属病院の精神神経科病棟の占拠が長期にわたって続いているものが一件でございます。さらに、農学部の附属演習林本部事務室がやはり占拠されております。 京都大学におきましては、経済学部長室、農学部の中戸教授の研究室、工学部の土木系教官の主任室、工学部土木工学教室の第三非常勤講師室、教養部の第十一演習室、教養部の三号館三百八号室、以上の六件がなお占拠の状況にございます。
○秦野章君 不法占拠の問題でも、たとえば東京大学では文学部長の部屋が不法占拠されているようですけれども、これは報告はないですか。 それから京都の場合、記念館といいますか、尚賢館という建物が全くもう占拠されているという実情があるんですが、これはどうですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 文学部長室は、三月の二日に東京大学はこれを排除いたしましたが、その後三月の八日に至って一部また学生が座り込みを始めております。ただ、この状況は、教職員の立ち入りが不可能であるというふうな状況ではございませんが、いずれにしても不正常な状況でございますので、できるだけ早く排除するように大学側に要請をいたしております。 京都大学におけるただいまの御指摘のケースは、いわゆる不法占拠と申しますよりも、学生の自治会室、あるいはサークルの部室、あるいは寮、そういった本来学生の用に供するための施設でありながら、しかも実態はそこの使用の状況について大学側が完全にチェックできない、あるいは教職員が立ち入りできないというような不正常な使用状況にあるものでございます。
○秦野章君 やっぱりそれは不法占拠とも言うべき状態だと言わざるを得ないというふうに思うのですが、なお、暴力事件につきまして、学生間の暴力というものはもう数限りなくあるんだけれども、やっぱりわれわれが一番問題だと思うのは教官に対する暴力ですね。教官に対する暴力が非常にあるというこの事実の大まかなものをちょっと報告してもらえませんか。
○政府委員(佐野文一郎君) 東京大学におきまして、九月に四回にわたって経済学部の教授が学生によりいわゆるつるし上げを受けたケースがございます。京都大学におきましては、竹本元助手の処分に引き続く経過ではございますけれども、経済学部の教授が、学生に授業を中止させられ、めがねを取られたり、あるいは教室から外に連れ出されて赤インキをかけられたりするような暴行を受けているケースがございます。
○秦野章君 東京大学でも、たとえば、文学部長が、つるし上げられて、その後腹を殴られたり、のどを人さし指で突かれたり、まあさっきペンキをぶっかけられて外へ引きずり出されたというような問題もありますけれども、そのほかに、東大では、いわゆる演習林の職組の問題でこれがまた浅野林長が室外に強制連行されるというようなこと、これは文部省にこういった教授に対する暴行だとか、あるいは職員に対してもあるんですけれども、こういったものが全部が全部報告が来ていない。また報告がしにくいという実情もわからぬではない、学校側の弱い立場に立ちますとね。これは暴力の事実はいっぱいあるんですけれども、大学当局が必ずしも詳細には報告できないというような状況にあるということは理解をされていますかどうですか。 〔委員長退席、理事中村太郎君着席〕
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように、私どもの掌握している数字は大学の報告に基づくものでございますし、その数字と実態との間にずれがあるということは私どもも意識をしております。
○秦野章君 そういう暴力の問題で、これはいまに始まったのじゃありませんけれども、京都大学は恐らく昭和三十年代、東京大学は四十年代、そのころから学生暴力というものがあっても大学はほとんど処分していない、行政処分はできないという実情にあると思うのですが、これはいかがですか。
○政府委員(佐野文一郎君) 五十年度、五十一年度で学園紛争による不正常な状況に対して処分を行っているものは、五十年度で国立大学が七校、私立大学が三校、計十校、対象者は四十七名、五十一年度は国立大学で二校、私立大学で一校、対象者は計三名でございますが、御指摘のように東京大学あるいは京都大学におきましては紛争前は処分をしたケースがございますが、紛争後においてはいまのようないわゆる学園紛争と申しますか学生の暴力行為等に対して処分が行われているケースはないと承知をしております。
○秦野章君 文部大臣ね、暴力というものが学園の中でばっこしているという事態に対して実は機動隊とか刑罰権の行使といったようなものが作用するということも無論必要なんだけれども、むしろそれに先行して行政的な処置が行われるということがまあ自然の姿というか当然の姿というか、そういうものだと思うのだけれども、学校の行政管理の機能というものがそういう意味においては全く動いていないという点について、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(砂田重民君) 東大の建物の占拠のあの問題にいたしましても、京大等のいわゆる紛争の問題にいたしましても、きわめて遺憾な事態でございます。いま秦野委員が御指摘になりました学校の管理運営の能力ありやという御趣旨での御質問だろうと思いますけれども、これはもう秦野委員もよく御経験になったところでございますが、四十三年あたりの非常に激しい紛争も、当時国会で大学紛争に関する臨時措置法が成立をいたしまして、それに基づいて各大学当局の非常な努力によって一般的に見れば平穏化してきた。しかし、最近の事態は、過激派セクトによる事件がふえてきている。様子が変わってはきておりますけれども、大学の学長が文部大臣から委任を受けてその責任を果たさなければならない管理運営、そしてまた、いかなる理由によれ学園に暴力が横行するがごときは断じて許されるべきではございません。私はどこまでもやはりあの臨時措置法が発令されましたときもそうでありましたように、学問の自由という線を守りながらも大学当局が自主的にこれが解決に当たってくれるように、また、一部の暴力に恐れを持つような大学当局であってはなりませんので、そういう意味を込めての指導助言を強めてまいりたい、かように考えるものでございます。
○秦野章君 四十年代から今日までの状況が、私もかつてそういった対応の経験を持っているのですけれども、どうも旧帝大に持続的にこういうものが続いているということについて、何かそこに原因があるのではなかろうか、まあ直接の原因ということだけじゃなくて何か深い原因があるかどうかといったような問題も、今日社会科学がいろいろなものが発達をしているのですから、やっぱりそういった光を当ててもっと徹底的に調査をしてみる。文部省への報告なんかもとてもじゃないけれども当てになりませんから、根源というようなものについて何かお考えはありませんか。そしてまた、それをもう少し科学的に追求して調べ上げる。文部省の手で調べられなければ第三者機関をつくるなり。学校当局はとても無理ですね。こういうものが十年も十五年も続いているということで、これからほうっておいて時間がたてば自然に直るといったようなものなのか、あるいはそうじゃなくて、これが拡大再生産されるという可能性もあるのか。私は、明治百年、この旧帝大が、いま、東京と京都それから東北がごちゃごちゃしているわけでしょう、ほかの大学にもあることはあるけれども持続的にこういう暴力がばっこする、そして学園当局が行政的な処置をほとんどできないという事態をもう放置する時期は去ったんだと、そんなら何をするかといった場合に、やっぱりその深い原因というものをどうしても徹底的に追求し、調べ上げていかなきゃならぬと、そう思うのですが、この点について文部大臣の方で何か具体的なお考えはありませんか。
○国務大臣(砂田重民君) 冒頭に私がお答えをいたしました、施設の不法占拠あるいは暴力事件の件数を申しましたけれども、あの中にやはり旧七帝大での事件が非常に多いのであります。そのことはもう御指摘のとおりでございます。私どもが警察等から情報として聞いておりますところでは、私立、国立合わせていわゆる過激派のセクト集団が一万一千程度あるのではないか、その中で国立大学の内部に大体二千人ぐらいあるのではないか。私どもは、この数字は、活動家が全部ではなくて、シンパあるいは一度何かの騒動に付和雷同してついて行った者も含めての数字だと思っておりますけれども、現実問題として旧帝大に多い。このことは、こういった過激派セクトの学生の数が大学生全体の中では比較的少ない数なものでございますから、一般の大学においては学内での集団行動をするだけの数がない。ところが、学生数が大変多い旧帝大系の大学におきましては、それぞれの学内に集団行動を起こすだけの数を持っている。ここに私は旧帝大系にこのような事件が大学の内部での事件数が多いのではないだろうか、かように考えるのでございますが、大学からの文部省が受けております報告等も警察から聞かされます数字とずいぶん違った数字が出てきておりますが、これを放置しておくわけにまいりません。大学が抱えますこの種の問題をあからさまにその実態の報告を文部省までもらいますように大学当局に要請をいたしましてこの問題と取り組んでまいりたいと考えておるものでございます。
○秦野章君 東京大学も確かに定員がふえてきたけれども、しかし、いわゆるマンモス大学、数が多いという段になりますと、私学なんかべらぼうな数を持っているし、東大は一万数千か二万でしょう。数が多いからこういう問題が起きるという理解は、私は実は理解できない。数の問題じゃなくて、質の問題だろう、その質とは何だろうというようなことに問題があるのじゃなかろうか。数だということだと、やっぱり数を減らせば問題が起きないかというと、私はそうでもないという感じがしておるわけです。だから、ある意味ではエリート意識の裏返しみたいなものがそこに出ているということもあるかもしらぬし、それから百年の伝統の中で東大の特に学園紛争の発端になった医学部の問題なんというものは、意外と学校が封鎖的になっていて、ある意味ではよく言えばファミリー的なんだけれども悪く言えば封鎖的でもあるし、徒弟制度的でもあるし、そこにやっぱり古いさびがくっついちまったというのが実は京都とか東京にはあるのだろうと思うんですよ。そういうものはもちろん決定的な原因ではないにしても、かなり大きな側面をなしているのではないかというふうに私は自分の見てきた経験からもそう思うし、やっぱり量の問題で理解しますとこの問題を解決する政策を導き出すようなあれは出てこないというふうに思うのですが、どうですか。
○国務大臣(砂田重民君) 私は数だけにその原因を負わせているわけではありません。しかし、事件の起こっております大学と学生の数等を見ますと、そこにも一つの原因があると思うわけなんです。ただ、秦野委員や私どもの学生時代を振り返ってみましても、当時から今日に至るまで、旧帝大というものは、少しは風通しはよくなりましたけれども、徒弟制度的であり、あるいは社会に対して封鎖的であり、その気風は今日なお依然として残っていることは非常によく私にも理解のできることでありますし、そこにこういった事件の起こる一つの原因があるということも私は同感だとお答えをいたしておきたいと思います。
○秦野章君 封鎖性という意味は、主として教授、教官の側にあって、ほとんど大学間の教授の交流といったようなものもないわけですね。ダイレクトに問題を処理するという方法もむろん大事でありますけれども、迂回作戦というか、いろいろな角度から攻めていくべき筋合いのものだろうと私は思うのですけれども、そういう意味では、いわば大学の教授の各大学間の交流というものが非常にありませんね。これは特に有名大学について国立の場合は顕著だと思うのですが、事実はどうなっていますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 具体的な数字をもってお答えすることができないわけでございますが、確かに最近は大学の間における教官の交流というものは従前よりは進んできておりますけれども、旧帝国大学の場合には、どちらかというと定年に達した方が他の大学へ行くというようなケースがむしろ多い。ほかの大学から旧帝大に入ってくるという人たちは、それぞれの地方の大学で非常に優秀な業績を上げた者が旧帝大に入ってくるというようなケースの方が多い。そういういわばどちらかというと片道というような性格の交流がまだ多いということは言えようかと存じます。しかし、そういったこととは別に、たとえば各大学間の単位の互換でございますとか、あるいは各大学の公開講座でございますとか、そういった形でできるだけ大学間の流動を進め、あるいは大学を地域に開かれたものにしていこうという努力は近年非常に各大学の間に高まっていることは事実でございます。
○秦野章君 やっぱり、教授団の活力の問題――行政処分なんかできない、だんだん暴力に追い込まれて萎縮してしまうのはそういうことに一つはあるのだろうと思うのです。そんなことも考えながら一つ問題を考えてみる場合に、先進国の中で日本の官公立大学は外国人を教授にできない。これは日本だけのようでありますけれども、明治の初めのころには外国人が主任教授でその下に日本人の教授がおってまあ言うならば日本の文明開化を促進した。その後、日本がだんだん独立して、日本の教授が中心になって、外国人はだんだん追っ払っちゃって、いまは言うならば雇い教授ということでかなりの数は各大学におりますけれども、まあ私立大学なんか学長とか理事長が外国人というところもありますわね。問題は、国公立大学で外国人のまともな教授が任用できなかったという、これは法理的にそうであったというのが従来の解釈だったし、それはわからぬでもないが、その点について、法制局長官、その法理なるものをちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(真田秀夫君) お答えを申し上げます。 日本の大学がいわゆる国際的に開かれた大学として外国から優秀な学者を招いて教育なりあるいは研究に従事していただくということは、特に最近のような国際情勢のもとにおいては、そういう教育、研究等の国際交流というのは非常に大事なことだろうと思うわけなんです。それを実現するための制度としてどうなっているかということになるわけでございますけれども、国立大学について申し上げますと、国家公務員法の第二条第七項に、「政府又はその機関と外国人の間に、個人的基礎においてなされる勤務の契約」という制度があることが書いてございますので、この制度を活用して日本の国立大学で教育に従事してもらうという手はあるわけなんですが、それはしかし何といっても当該御本人の身分が不安定ではないかというような欠点もございますし、何とか正規の教授にできないものだろうかという御質問だろうと思うわけなんですが、一方、わが国の公務員制度といたしまして、公権力の行使とかあるいは国家意思の形成に関与するという仕事、そういうポストにつくためには、これは日本国民つまり日本の国籍を持っている者に限るんだという考え方があるわけなんで、法制局といたしましても多年にわたってそういう考え方で各省庁からの御照会にお答えもしておりますし、また、各省での運用もそういうふうな線に沿ってなされておるのだろうと思います。 そこで、もし国立大学の正規の教授として外国人をお迎えした場合には、現在の法制でいきますと、当然教授会のメンバーになられます。そして、御承知のことと思いますけれども、教育公務員特例法という法律がございまして、教授会はいろいろ大学の人事だとか運営を決定する、審査する、いろんな権限が与えられておりますので、そのことと、先ほど申しました国家意思の形成には関与していただくわけにいかないんだという考え方とをどうマッチするか、調整するかということに帰するわけなんですね。その方法としましては、教授会の権能からそういう人事とか大学の運営なんというようなことを取り去っちゃってもっぱら教育のあり方についてだけ仕事をしていただくというようなことも一つの方法として考えられますが、これはまた大学の自治という大変な重要な問題に関連いたしますので、とてもいろいろなむずかしい問題が出てくるのだろうと思うのです。 そこで、そういう手荒なこともできませんので、それでは外国人である教授の方は国家意思の形成に関与するというようなそういうことだけ遠慮していただく、そして教育なり研究なりそういうことに専念していただくというような道が開かれれば両方の要請が満たされるということになろうかと思いますので、そういう方向でいろいろ検討してみる価値はあるだろうというふうに考えます。
○秦野章君 念を押して伺いますが、そうすると、日本の国籍がなくても、公権力の行使あるいは国家意思の形成に参与しないという立法をとれば、学問、研究そのものに従事するというまともな教授、そういうものに採用するということは、先進国がやっているように日本でもできるんだという立法論としての意見は、いま私が申し上げたとおりでよろしいわけですな。
○政府委員(真田秀夫君) 法律の改正が必要かと思いますけれども、おっしゃいますような方法は、これは別に憲法違反とかそういうことはないので、立法論の問題であろうというふうに考えます。
○秦野章君 そこで、文部大臣にお尋ねしますが、学問、研究というものに国境をあんまり構えることはよろしくない。それから日本では頭脳が流出するということをすでに大変長い間言われておるのですけれども、頭脳は流出はするが流入をさせないというのは、教育における一種の保護貿易とでも言うべき事態だろうと思うのですよね。それは国公立大学だけがそういう構え方をしている。国公立大学だけがそういう封鎖的な国際的に立場をとっているということは先進国で日本だけなんだけれども、これはやっぱり是正した方がいい。法律を変えればいいのですから。そして、日本人も頭がいいから、あんまり頭のりっぱでないような者を何も呼ぶ必要はないので、ノーベル賞をとったりノーベル賞候補になるような優秀な外国の頭脳を国公立が――私学はある程度やっているので、国公立がやるというその窓口を開くというのは、立法府なり政府のとるべき態度としてこれは何人も異論はなかろうというぐらいの当然のことだろうと私は思う。むしろ遅きに失すると思うのです。いままで、いわゆる学長が契約して、外国人の雇い入れ教授というものを、雇い教授といいますか、先生といいますか、客員教授だとか講師だとか助手だとかあるわけですけれども、その制度はその制度なりに安易に大学が呼べるといったような制度もこれも尊重しながら、しかし、もっと正規の、国立ですから日本の国が、あるいは公立なら自治体が登用できるというまともな教授を、若干のその制約はもちろんいま法制局長官のおっしゃるように法的にして、ぜひこのことは実現することが学問、研究を国際化することになるし、それからまた、ひいてはそういった姿勢をとることがこれからの国際化の中で学問、研究についてある種の国境を取っ払って進んでいくということは平和への一つの保障にもなるだろう。どう考えてもこれはあんまりマイナスはないだろう。そして、採る採らぬは大学が自治の中で考えたらいいし、どういう先生がいいかはいろいろ研究したらいい。そこらのところはけじめをつけて、政府なり立法府としてはそういう窓口を開くということが絶対必要だと、いまやもう必要な時期に来ているというふうに思いますので、ぜひひとつ、東大を初めそういう国公立大学にその窓口を開くということについて文部大臣の決断を私は求めたいし、また、国会の方も恐らく与野党話し合いができるだろうと、こう思うのでございますが、その点についての所見を承りたい。
○国務大臣(砂田重民君) 外国人教師あるいは外国人講師の数をできるだけふやしていく、そしてまたその待遇を改善していくという努力は従来続けてきたところでありますけれども、 〔理事中村太郎君退席、委員長着席〕 それらの方々を教授にするということが国家公務員のあり方の根幹に触れる問題だということでそれが壁になっていたわけでございます。大学が国際的にも開かれた大学として発展していくことこそ望ましいことでございますので、私といたしましては、法制局長官から初めて前向きの解説を伺ったわけでございますから、いま申し上げましたように、好ましい大学教授の外国からの受け入れということで大学当局とも積極的に話し合いを進めまして検討をさせていただきたいと思います。
○秦野章君 検討だけじゃちょっとまずいので、ぜひひとつなるべく早く実現をする方向に、これは教育公務員特例法ですかその他若干いろいろ手当ての問題その他も出てくるかもしれませんけれども、そうむずかしい問題ではない。それから定員の問題が出てくると思いますけれども、さしあたってその窓口を開くということですから、いますぐに定員をふやせといったようなことを言うこともないと思うんですよね。だから、ひとつ単なる検討ということよりも、場合によったら議員立法もしたいくらいのわれわれは気持ちを持っております。政府ができればそれも結構。いずれにせよ、日本の国が先進国の中でそういうおくれた態度をとっていることを是正することについてはもっと勇断ある発言を求めたいと思うのです。
○国務大臣(砂田重民君) 大学が国際的にも開かれた大学として充実をしていくことが好ましいことだと申し上げたのでございますから、実現をさせるためにはまず検討をいたさなければならないという意味でお答えをいたしたと御理解をいただきたいと思います。
○秦野章君 もちろん検討して実現するわけですけれども、法制局長官が言ったように法理的には問題がないと。だから、法理的に問題がないから制度としてそういうものをつくっていくんだということはいいわけですな。それはやっていこうと、こういうお気持ちですか。
○国務大臣(砂田重民君) 従来まで、文部省とい足しましては、外人教師を教授に採用いたしますことは国家公務員法の根幹に触れる問題だという聞かされ方を法制局からも聞かされ続けてきたわけでございますから、きょうここで真田法制局長官の大変前向きの解説を私は初めて伺ったのでございますから、ひとつ前向きに実現を頭に置きながら検討させていただきたいとお答えをいたしておるわけでございます。
○秦野章君 文部省の事務当局は、いままでも天下の法理が公務員法でそうなっているからむずかしいというふうに言ってきた。そのことがわからぬではない。しかし、法理的には法律を改正すればできることですから、大変しつこいようだけれども、これはひとつわれわれも協力をしなきゃならぬと思いますが、文部当局も積極的な姿勢で臨んでいただきたい。 それから次に、これはやっぱり大学の問題で一つ考えてみたいことは、国公立大学で夜間の授業に開放している学校はまずどのぐらいありますか。
○政府委員(佐野文一郎君) 五十二年度現在で、九つの大学に十三の夜間学部を設けまして、入学定員は千二百七十名でございます。
○秦野章君 大学の授業を夜間開放するということになれば、もちろんある程度先生も必要になってくるわけですけれども、まあいろいろな条件があろうと思いますけれども、新しく大学をつくることもさることながら、既存の優秀な大学が夜間授業という体制を、つまりそういう開放体制をとるということによって、定員の数を五割ふやす、六割ふやすということになるというと、これは非常に経済的にも効率的にもいいし、それから受験難の実質的な解消の方向にかなり貢献するだろう。そういうことで、新しい大学をつくることもさることながら、既存の大学の夜間に授業ができるような方向でいま少し前進した措置がとれないものであろうか。私は、この問題は、いまお話しのように、国公立で夜間の授業をやっているところも一部あるんだけれども、問題はやっぱり旧帝大なんですよね。ここは全然やらない。一体、旧帝大だけができなくてほかの国公立はできるという特殊の理由があるのなら、その理由を聞かしていただきたい。このことば、実はある意味で学生がふえるんですよ。しかし、私は、学園紛争というものは学生がふえるから起きるという問題じゃなくて、ある意味でもってやっぱり大学というものを開かれた大学にするという側面があっていいので、そのことに役立つであろうというふうに思うのですが、旧帝大は断固としてこれができないと言うのなら、その理由はどこにあるのか、これをちょっと聞かしてもらいたい。
○政府委員(佐野文一郎君) まず大学でどのような教育、研究の組織をとるかというのは、これはそれぞれの大学において検討をし、その結果を当方へ持ち込んできていただいて、両方で十分に相談をして進めていくということであろうと思います。夜間部の場合は、正直に申しまして、純然たる夜間学部というものを現在と同じような形でさらに拡充をしていっていいかどうかについては、最近夜間部に入ってくる者の学生の質が変わってきたり、あるいは夜間部の学生の間に昼間部の学生に対するある種のコンプレックスが見られて、必ずしも学校の運営上問題なしとしない点が出てきていること等がございます。したがって、私たちは、夜間部についてももちろん条件の整っているところはなお拡充を進めておりますし、来年度の予算におきましてもそれをお願いしているわけですが、むしろそれよりは、昼夜を通じての就学形態の弾力化というものを考えていくことができないか、いわゆる昼夜開講制というものをもっと進めることができないかということを考えているわけでございます。これについては、旧帝大はございませんけれども、千葉大学なり、あるいは五十三年度からは福島大学でそれを試みようとしているわけでございます。ただ、昼夜開講の制度のもとで就学形態を弾力化していくという場合であっても、これはなかなか一挙にはできないところがございます。学生を受け入れる場合に昼でも夜でもいいということを単純に実施をいたしますと、昼間部において準備をすべき講座なりあるいは教官の数というものが非常に多くなることも予想しなければなりませんし、必ずしも学生が昼夜に合理的に分かれて授業を受けてくれるということが一挙には実現しない面がございます。現在は、したがって、主として夜間で勉強をするコース、主として昼間で勉強するコースというような形でこれを試み的に進めているわけでございます。こういった意味での就学形態の弾力化というのはもちろん旧帝大についても望ましいととであるし、先ほど最初に申しましたように、どういう形で教育、研究の組織をこれから整えていくかというのはそれぞれの大学がまず検討していただかなければならないことではございますけれども、各大学の検討の結果、そういう前向きの計画が出てくれば、私たちも旧帝大を含めまして、それに対しては積極的に対応してまいりたいと考えております。
○秦野章君 いまの昼夜開放体制、大変いいんですよ。夜と昼と差別しないでどっちでも単位を取ればいいんだというかっこうの昼夜開放体制、そのことがたとえば千葉大でできるが旧帝大でできないのはどういうわけかということを聞いているわけです。
○政府委員(佐野文一郎君) これはなかなかお答えになりませんけれども、つまるところ、旧帝大と申しますか、七大学の側にそのような計画がないということでございます。
○秦野章君 大学というのはやっぱり悪い意味の保守的だから、なかなか大学から持ち上げるということはできないと思うが、そこへ一石を投じて、理由もないのならばまず旧帝大がそういうことをやるということだと日本じゅうが一遍に気分が変わっちゃうのよ。定時制高校まで気分が変わりますよ。私自身が昼の学校というのは余り行っていないから言うわけじゃないけれども、やっぱりポイントは旧帝大なのよ。これがどういう態度をとるかということが非常に影響が大きいんで、昼夜開放体制が千葉大はできるが旧帝大はできないという理由があるかと言ったら、その答えが全然出ないわけ。文部大臣、どうですか。
○国務大臣(砂田重民君) 大学局長が大変答弁がしにくいようでございましたけれども、千葉大や福島大学のような新しい大学が非常に私ども好ましいと考えております。また、秦野委員もそれがいいんだとおっしゃってくださる昼夜開講制に踏み切れたのに、旧帝大が踏み切れない。それは、私は、旧帝大系の大学のあり方が、また大学の理事者側も学校当局も、保守的であり閉鎖的である気分が抜けていないから、ほかに原因はないと思う。ただ、こういう新しい大学が新しい好ましい体制をとってきたことでございますから、それが刺激になっていることは間違いがない。その刺激をもっとかき立たせるような努力を私どもはやらなければならないのだと考えております。そういう方向で、旧帝大系に対しても、この千葉大、福島大の踏み切った昼夜開講制についても、より刺激を感じなさいよという指導助言を強めていきたいと考えます。
○秦野章君 もちろんこれは強制できない問題ですから、ぜひひとつそういうことをいま大臣がおっしゃったように進めていって、そうして大学当局が、じゃやろうという方向にぜひひとつ持っていってもらう。これは恐らく法律問題はないだろうし、憲法も法律も関係ない問題で、予算とか、あるいは教官の部屋がちっと足らなくなるとか、教授が足らなくなるという問題はある。だけれども、国公立大学というのは何と言っても数は大学全体からすれば非常に少ないんですよね。だから、数からいけば少ないけれども、国公立大学というものは月謝も安いし、まあ要するに頭のいいのが比較的いるわけでしょう。私は、そういうところの窓口をぐんと開くことによって、言うならば受験地獄などと言われているものの部分を実質的にかなり解消して世論にこたえていくであろうと、こう思うわけです。予算もそうかからないし、どうも聞いてみると大学の教授の卵もずいぶんたまっているようですから、そういうことの役にも立つだろうし、ぜひひとつ一石を投じ、また国立大学協会とかいろいろな手がおありでしょうから、文部大臣の政治力でそういう方向に持っていっていただきたい。どうも障害は決定的な障害はなさそうだというふうに私どもいまのお話を伺って、大学局長のお話を伺っても、ただ言いにくいとか、それはあるわけでしょう、大学というのは学問の自治で外の干渉を非常にいやがりますから。しかし、いいことならそれを導いていく、誘導していくということはまさに文部大臣の責任だろうと、こう思いますので、重ねてひとつその点の決断をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(砂田重民君) いま秦野委員も御指摘になりましたように、教育組織そのものはやはり大学当局の決断がこれはもう必要でございます。しかし、そういう決断をしていただけるような努力を続けてまいります。ただ、もう一つ実はやっておかなければならないことがあります。それは、昼夜開講制といっても、昼に重点を置くか夜に重点を置くか、それぞれ重点の置き方の違う学生たちが学窓を巣立っていくわけでございますから、それを受け入れてくれる社会の側が学歴偏重というような従来のような姿勢でいてもらったのではたまったものではありません。そうではなくて、学歴に誤った偏重姿勢を社会自身、企業がとらずに、学歴よりは実力ということで会社への採用等を考えてくれる、そこへの努力を私どもの努力をもう一つつけ加えませんと、大学の昼夜開講制という開放的な大学づくりが生きてこないのではないか、このこともあわせて努力をしてまいる決意でございます。
○秦野章君 夜間部とか二部とかというのはなるべく避けてもらって、昼夜開放体制というのは、夜間の講座も幾つもある、昼もあると、それは学生の選択だと、選択権の範囲をぐんと広げるという、まあ高度先進工業国になったんですから、選択権の範囲を広げるというような意味の夜間体制が一番理想だと思うのです。これが千葉大の試みだと思うのですね。そういう方向のものがほしいい。夜間部だ、二部だというと、これは受け取り側が差別するという問題が私は非常に困ったものだと思うのだけれども、現にまた国立大学でも夜間部、二部というのがあって、会社側がなかなかその差別をやめないといった問題についてはまた別に働きかけをしてもらわなければなりませんけれども、基本的には今度は学校側が、文部省側が、昼夜の開放体制なんだと、別に夜とか昼とか定時制とかなんとかというものをくっつけないんだということが基本的だと思うんですよ。今日のような世の中になりますと、何も八時や九時に寝るような若者はいないんで、みんな十時ごろまで起きているんですから、十時まで授業やったっていいんですから。教室は電気さえつければ使えるんですからね、電灯さえつければ。そういうふうに、夜間開放体制というものを、昼と夜を区別をしない、そういう新しい方式を千葉大がせっかくやろうという、私は非常にいい試みだと思う。これは文部省がそれだけバックされたと思うのだけれども、そういう方向でやってもらう。夜間部だ、二部だ、こういうのはもう時代おくれだと、私はそういうふうに思う。特に大学に至れば、一年留年すれば四年が五年なんというのはかなりいるんだし、まあかなり単位を取っていればいいということになれば、一週五日制というものも進んできますし、やってできないことはない。そこに一つの試みも出たようでありますから、これはひとつ、もう御答弁は結構ですけれども、問題は旧帝大だというふうに思いますので、御尽力のほどをお願いいたします。 それから最後に、麻薬の問題で厚生大臣にちょっと……。日本で麻薬はこのごろそうふえているという状況でも実情を聞くとなさそうで、これは厚生省の麻薬官の努力なり警察の方の努力が非常にあって、国際的にも日本のそういった麻薬に対する取り締まりの態度というものは高く評価されていると思います。その点は心からわれわれも感謝しているわけです。ところが、この麻薬の源泉は一体どこなんだろうと言うと、これは常識になって平凡社の百科事典にも出ていますけれども、これはもう昔からの常識で、要するにアジア、まあそれはメキシコとか南米なんかにも若干ありますけれども、アジアのラオス、ビルマ、タイの国境にある例の三角地帯ですね、ここがもとだということはだれでも定説になっているわけですよ。定説になっているんですけれども、いずれにしても被害がアジア、東南アジアなんかにずいぶん被害が出てきているということもまあ前からのことなんですけれども、われわれもアジアの一員として、この麻薬の問題について、日本は国連の経済社会理事会の一員でございます。それで、麻薬委員会とかあるいは統制委員会に厚生省から係官が出て、国際的な協力はある程度している。ある程度しているんですけれども、問題は、これは「週刊文春」の五十三年二月九日号以下続いて中国における麻薬の生態についてのレポートがあるんですよね。それで、このレポートは、もちろん海外のことですから、日本自身がどこまで調査をしているかと言えば、これはなかなかそこまでの機能はないわけでございますけれども、この三角地帯の問題は、昔から雲南省が麻薬の栽培ということを言われていますね。これの調査によると、雲南省だけじゃなくて、ずいぶん広く麻薬が栽培されているというふうに言われている。私どもは確たる証拠はありませんけれども、いろいろな情報があって、やっぱり国際政治に麻薬が使われたというのは、人類の歴史の中でアヘン戦争以来もしばしばあったわけですね。そんなことで、麻薬については、麻薬に関する単一条約というのが一九六一年に国連でもってできているわけです。そういう点でなぜ中国は単一条約に入らないのかという問題があるんですよ。これは国連の経済社会理事会の一員でもある日本がやはり国連の場でなるべくこの麻薬のような人類に害悪を及ぼすものについては国際条約に入って、お互いに監視をしてもらおう、監視をしよう、そして人類に爆弾以上に害悪を流すアヘンについてはお互いに協力をして行かなきゃ行かぬじゃないかという国際的な努力をいま一歩すべきだというふうに思うのです。時間がなくなりましたので、そういう外務省との連携をとっての努力を私はお願いしたいと思います。
○国務大臣(小沢辰男君) わが国は麻薬に関する単一条約の加盟国でもありますし、麻薬委員会に学識経験者を一名参加させたり、国際的な麻薬類の取り締まりに関しましては非常に協力をしている国だと思います。いまお話しのように、私もそれの記事は非常に興味深く拝見した一員でありますが、外交問題については外務省の所管だと思いますが、私どもは麻薬のわが国に対する弊害の防除に当たる責任者でもございますので、おっしゃる御趣旨は十分わかっておりますから、これを体しまして外務大臣とも相談をいたしてみたい、積極的に努力をいたしたいと、かように考えます。
○岩動道行君 関連。
○委員長(鍋島直紹君) 関連質疑を許します。岩動道行君。
○岩動道行君 私は、この機会に緊急の関連質問を一つさしていただきたいのであります。 それは、私は本日エジプト訪問を終えて先ほど帰国をいたしたのでありますが、中東和平の問題についてサレム・エジプト首相と要人と長時間にわたって話し合いをいたしてまいりました。サダト大統領の中東和平への非常な努力にもかかわらず、PLOのゲリラ行為、一般市民に対する無差別殺人行為等はきわめて遺憾でございます。その絶滅について、PLOはもちろんのこと、関係者は一層の努力をすべきでございますが、しかし、イスラエルの今月十四日に始まった、そして今日も一まだ続いている報復措置としてのレバノンの南部に国境を越え侵入し、戦闘行為を行い、そして国連憲章にも反するような占領行為、戦闘行為を行っていることは、許さるべきではないと思うのであります。国連でも本件は取り上げたのでございまするが、この際、日本政府は、イスラエルのレバノンヘの侵略行為を中止し、速やかに本日中にでもレバノンからの撤退について基本的な日本の態度を表示すべきと思いますが、政府はどう考えるのか、この点を伺いたい。(発言する者あり)また……
○委員長(鍋島直紹君) 岩動君、関連質問をしてください。
○岩動道行君 国連等を通じていかなる対応をするつもりか、この点についての外務省の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(千葉一夫君) ただいまの岩動委員御指摘のとおり、政府といたしましては深甚なる懸念を持って中近東の事態を注視いたしておりまして、ただいまおっしゃいました点につきましては、われわれとしての考え方を目下まとめつつあり、前向きにこれを発表していきたいと思っております。
○委員長(鍋島直紹君) 今後関連のある質問をお願い申し上げます。
○秦野章君 終わります。(拍手)
○委員長(鍋島直紹君) 以上で秦野君の一般質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(鍋島直紹君) 次に、柄谷道一君の一般質疑を行います。柄谷君。
○柄谷道一君 円高ドル安対策につきましては、すでに多くの委員から質問されたところでありますが、円相場は史上最高値の更新という事態が続いております。先行きさらに円高が進む可能性がある。ということは、輸出関係の企業収益を一層悪化させる一方、企業家心理を暗くし、せっかくの景気回復の足を引っ張る働きをすることは否めません。まさに円高対策の適否は不況克服と雇用安定のかぎであると思います。こうした視点に立って以下質問をいたします。 まず、昭和五十三年度の政府予算の編成及び五十三年度実質経済成長七%の設定に当たり、円相場を政府としてはどのように仮定をしたのかお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十二年度の経済見通しをつくりました際に用いました円・ドルの為替比率は、二百四十五円でございます。 これは先般も御説明申し上げたかと存じますが、五十三年度におけるレートをそのように想定したという意味ではなく、従来、為替変動の際に経済見通しをつくりますときには、見通しの直前の時期における平均レートというものを使うということになっておりますので、今回も昨年の十一月の月じゅうの平均レート――たまたま二百四十四円八十銭であったかと思いますが、それを丸めまして二百四十五円ということで、そういう仮設で作業をいたしました。このことは、しかし、五十三年度における円の動向がどうなるかということを予断をしたという意味ではございません。
○柄谷道一君 二百四十五円という仮設は円高の再燃によって現実にはすでに崩れております。こういう状態の中で実質経済成長七%の達成ということは確実に可能であるという自信が持てるのかどうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まだ年度も始まっておりませんので、この五十三年度を通じての円がどのような動向を示すかということは現在の時点で予測ができないわけでございます。が、高い、安いということもさることでありますけれども、円の先行きが不安定であるということは、いずれにいたしましても消費者にとっても企業家にとってもこれは不安要因でございますから、そういう意味で、私どもが予想しております経済の進み方、経済の運営というものは、やはりそういう不安要因によって左右されるということは、これは否定できないところであると思っております。しかし、今後の予測ということは困難でございますし、いまといたしまして成長目標でありますところの七%程度というものを変える必要はない、ただいまのところ、そういう必要はないというふうに私自身は考えております。
○柄谷道一君 将来を予測することがきわめて困難だ、それはそのとおりでございましょう。しかし、仮設の二五四十五円というところに円相場が安定するということはまず現在の状態からすると非常にむずかしい、これが実態であろう。そこで一方、円高ドル安という傾向がこう続いている中で、五十三年度経常収支の黒字を六十億ドルに減らすという公約というものが果たして達成できるのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先行きがもし不安でございますと、まず国内の経済活動というものはそれだけやはりどうしても脅かされるということになりますので、したがいまして、予想されております輸入、ことにこれは原材料が多い関係もございまして、予想されたほどの輸入がなかなか進まないという可能性はこれは考えておかなければなりません。他方で、これは輸出入を通じてでございますが、もし円が先々高いということになりますと、いわゆるそのリーズ・アンド・ラグズが起こりますことはよく御承知のとおりであります。支払いについてリーズ・アンド・ラグズが起こるのみならず、もし円が高ければ早く輸出をした方がいい、輸入はなるべく控えた方がいいという心理はこれは当然のことでございますから、その両面から見まして、円が不安定であるということは、私どもが考えております経常収支の黒字六十億ドルの達成というものに相当な影響を与えと考えるべきだと思いますが、しかし、いまのところ、それがどの程度であるから、この目標をどういうふうに変えるというような定量的、定数的に物を申し上げるまでの情勢がつかみ得ませんので、ただいま政府はその目標を変えずに努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
○柄谷道一君 通産大臣にお伺いしますが、アメリカ政府は、端的に言えば、円高が進めば日本の輸入がふえ、逆に輸出は減少して、経常収支の黒字幅は減少すると短絡的に考えているようでございますが、現実には、昨年来の円高にかかわらず、わが国の輸出額は機械類を中心に増大をし、輸入はもともとふるわなかったところに円高のデフレ効果で一層低迷する傾向を示しております。本年二月の国際収支も依然として十九億ドルという大幅の黒字であり、年間黒字は政府の予測と異なって百三十億ドルに達すると見られておりますし、二月の輸入承認届け出統計も低迷を続けております。通産大臣としての見通しをお伺いいたしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十二年度の貿易の動向は、数量的には五、六%ぐらいの伸びであろうかと思っておりましたが、最近は駆け込み輸出が若干行われておりますので、あるいは少しふえるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、ふえましてもせいぜい数量的には六、七%ぐらいだと思います。ただ、金額的には非常にふえております。これは値上げ等のためでありますが、五十三年度は全体として数量的には横並びでいこう、こういう方向でいま行政指導をしておるところでございますが、金額的には値上げが年度間を通じて平準化されますので相当ふえるであろう、こう思っております。 いずれにいたしましても、六十億ドルという経常収支の目標は、これはほっといたのではできませんので、やはりいろんな工夫と努力が必要である。工夫と努力をすれば私は達成できる、このように理解をしておりますし、また、それを達成するために近く再び関係閣僚会議も開催される、こういう予定でございまして、その方向に努力しておるところでございます。
○柄谷道一君 わが国の製造業の操業率は現在七〇%前後であるわけですね。この七〇%という操業率は企業の生命線とも言うべき低い操業率だと、こう思います。したがって内需が伸びない限り、円高によって採算性が合わないということであっても、この操業率維持のための輸出ドライブをかけざるを得ないというのが企業の実態とも見えます。 自動車は、現在、輸出依存度約五割、合繊等におきましては、品種に一よって異なりますが、六割、七割という輸出に頼っている業界もございます。こういう現在の日本の操業度の低さと輸出との関連について考えますと、通産大臣の見解はやや楽観的に過ぎるのではないか、こう思いますが、国内政策とあわせての御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 大体、輸出品を大きく分けますと、価格競争力がございまして、そして昨年来の円高に対応いたしまして数回にわたって価格の引き上げをしておる、それでも十分外国では競争力がある、こういう自動車であるとか精密機械であるとか、こういうグループの商品がございます。しかし、中には操業度を維持するために、とにかく出血を覚悟して輸出をしておるという業種も相当あるわけであります。中小企業関係の雑貨であるとか、あるいは繊維関係などはふえておりますけれども、それは操業度を維持するための輸出であろう、このように私どもは理解しております。それからさらに、昨年の年末の段階では相当急激な円高で困っておりました一部の業種も、その後数カ月間にわたりまして死にもの狂いの合理化を行いまして、やや採算的に持ち直した、こういう業種もございます。いろいろありまして、全体としては、中には若干ふえる業種もありましょうし、中には鉄鋼のようにトリガー価格などができまして減る業種もございますので、数量的にはほぼ平均いたしまして横並びと、こういう方向に持っていきたいと考えております。
○柄谷道一君 七%経済成長についても六十億ドルの経常収支目標についても、情勢の大きな変化によってきわめて大きな問題点に逢着している。一言で言うならば、政府はその対策に苦慮し、模索を続けているというのが率直な実態ではないか、こう思うんです。 そこで、これ以上円高が進めば、私は、五月三日に予定されている日米首脳会談の際には、一ドル二百二十円という最悪の状況を迎えるおそれがある。これは経済専門家も指摘しているところでございます。政府といたしまして、一ドル何円というものを目標に先行きを展望しつつ今後の具体的対策を立てようとしておるのか、その基本的な考えをお伺いいたします。
○国務大臣(村山達雄君) いま円が、御承知のように、いろんな施策にもかかわらず、じりじりと上がってきているとこでございます。それに対しまして、長期的なあるいは短期的な対策を立てておりますが、これは単なる通貨措置だけではなかなかむずかしいわけでございまして、また一国だけではなかなかこれはむずかしいのでございます。したがいまして、いまの通貨の乱高下に対しましては、われわれはやはり共通の認識を持って国際的な通貨不安というものを解消しなければならぬというコンセンサスを得ることがもう一番大事だと思っているのでございます。それと同時に、また通貨は経常収支を含む国際収支の実は反映でございますから、そういった面についても今後考えてまいらねばならぬと思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、五十三年度は七%の成長あるいは経常収支の対外均衡を図るために、鋭意努力しているところでございます。この上とも、そのような国内的、国際的努力を続けてまいりたいと思いますが、今後、どのような為替相場になるかということにつきましては、いろんな予測はございますけれども、それらの努力あるいは実勢の結果決まるわけでございます。通貨当局といたしましては、その判断をいま申し上げることは差し控えたい、かように思っておるわけでございます。
○柄谷道一君 国際的連携による通貨対策は後ほど質問することとして、国内政策として、特に輸出対策について、さきに宮澤長官は貿管令、及び大蔵大臣は輸出調整税ということは考えていないと、こういうふうに答弁を本委員会でされました。しからば、輸出入問題についてこの二つの方法によらざる他の方法によって具体的にどのように対応されようとしているのか。たとえば輸出に関してガイドラインを設け行政指導をもってこれを指導する、こういうような輸出警報体制というものをお考えになっているということはございませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど、輸出は数量的には大体横並びに行政指導をしたいということを申し上げておりましたが、鉄の方はこれは相当減る方向はもう明らかでございます。先ほど申し上げましたトリガー価格、それから今回ECとも協定が妥結をいたしましたので、これはどの程度減るかわかりませんが、ある程度残念ながら数量的には減ります。それから家電の方は、テレビを昨年解決をいたしまして、家電全体としてこれはもうすでに減っております。それから、いま昨年のいまごろに比べまして伸びておりますのはプラント類と自動車、それと先ほど申し上げました繊維雑貨、この三種類があるわけであります。 プラント類はなぜ伸びているかと言いますと、これは一年前に相当大量の契約をいたしましたが、こういう円高傾向が出てまいりましたので、できるだけ急いで早く機械を出しておきたい、こういうことで出ておるわけでありますが、これはずっと前の契約がいま急いでそれに従って機械が出されておる、こういうことでございます。それから自動車は、昨年の一-三月が少なかった。そこで、その比較においてふえておるわけでありますが、しかし、年度間全体を通じては、先ほど申し上げましたように、大体横並びということを考えております。それから繊維雑貨、これはやはり予定よりもふえておりますが、これはもう操業維持のための輸出である。 こういうことでございまして、一つ一つ細かく最近の動きを分析をいたしまして、そして先ほど申し上げますように、集中豪雨的な傾向にならないように業種ごとに細かい配慮を加えていきたい。そうして少し行き過ぎたと思う場合には、適当な行政指導でこれを抑えていく、こういうことでやっていけば十分対応できると考えております。
○柄谷道一君 行政指導を強化してということになれば、当然、そこにガイドライン的なものが必要になってくると思うんです。そういう御配慮はございませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、ほぼ五十二年度並みの数量をいま目標しにしておる、こういうことでございます。
○柄谷道一君 後ほど、またこの点に触れるとして、大き過ぎる国際収支黒字幅の圧縮を図るためには輸入問題がございます。さきに政府は緊急措置というものを発表されたわけでございますが、その効果をどのように分析をしておられるのか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 従来から、そのときどきでいわゆる正常以上のと申しますか、予定されております以上の輸入をなるべく促進しようということで、そのときどきで見直しをいたしておるわけでございますが、先般もそれをいたしまして、ただ、これはこれからのいろいろな可能性に道を開くというような要素もございますし、また、ものによりましては相手国側の事情にかかるものもございますために、全体としてどのくらいな輸入が一定の期間内に、たとえて申しますと五十三年度内ということになりましょうが、行われるかというようなことを積み上げて計算することがちょっと不可能でございまして、数字で申し上げることができにくい状況でございます。
○柄谷道一君 私は、輸入緊急措置というのは、あくまでもこれは輸入の先取りだと思うんです。したがって、これは輸入基調そのものを変えるというものではない、こう思います。 同時に、政府発表の緊急輸入対策にはいろいろな面で問題点を残しているわけです。たとえばタンカーによる五百万キロリットルの原油備蓄ということになりますと、二十五万トンタンカーといたしましても約二十隻必要だ。果たしてわが国内にそのような広い深い海域、しかも船の出入りがないというところを一体どこに見出していくべきか。しかも、これには地元住民との合意というものも成立しなければならない。こういうふうに問題を残しているわけですね。また、エアバスA300のリース方式につきましても、経済面だけではなくて技術的な維持、さらにその採算がとれるかどうか、事故が起こった場合の処理は一体どうなのか、解決しなければならない問題点がたくさん存在すると思うわけでございます。政府のこの緊急措置をめぐって、このような問題点について十分の解明が行われ、確信を持ってこの緊急輸入の措置がとられるというふうに打ち出されたのかどうかということです。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのようなこれからの決定に待つ事情もございまして、数量的になかなか申し上げられないということでございますけれども、確かに緊急輸入というものは、あるものによりましては輸入の先取りになりますけれども、あるものによりましてはしかし新しいものをつくり出す、クリエートするというような要素もございます。したがいまして全部が先取りだとも必ずしも申せないわけでございます。 ただいま具体的なお尋ねでございますが、まず原油のいわゆる備蓄五百万キロリットルにつきましては、御承知のようなタンカーによる備蓄を考えておるわけでございます。これは予算措置もすでに講じられております。で幾つか予想される泊地があるようでございますが、これにつきましては、事の性質上よほど地元との打ち合わせをいたさないと事が破れますので、それらの候補地について慎重に検討をいたしておるようでございます。これは全然望みのないものを勝手に考えているのではないかというようなことではございませんで、二十五万トンのタンカーにいたしますと二十杯ぐらいでございますが、これらのものをこの五十三年度のある時期までには泊地を確定をいたしたい、その可能性もあるというふうに承知をいたしております。 それから、いわゆる航空機の輸入でございますが、どれと限ったわけではございませんが、これは確かにある意味で繰り上げということになることでございましょうが、これについてもこのたび関係閣僚でその方針を決定いたしましたので、在来の経緯にもかんがみまして、はっきり方針の決定された段階から主管の大臣として運輸大臣がオ-ブンに関係者と話し合っていこうという御方針であの決定がございまして、運輸大臣としてはすでに関係者と話し合いを始められたというふうに承知をいたしております。
○柄谷道一君 すると、あの政府決定の緊急輸入方針はいわゆる方針であって、これと相関連してとられなければならない諸種の問題については、なお現在引き続き検討中である、したがって即効的な効果というものを期待することはできないと理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たとえば航空機の輸入にいたしましても、即効という意味いかんでございますが、それが全部五十三年度の輸入に立つわけではない。恐らくすぐに航空機が現実にございまして、その代金の支払いが行われ、それが輸入されるということではなく、やはり若干の日時がかかることでございますから、そういう意味では五十三年度の経常収支にすぐに響くものもあり、響かないものもある。 たとえば一種の希少金属類でありますとか、あるいは鉄鋼等の原材料の一部などにつきましては、これは五十三年度内に具体的に行い得ると考えておりますし、その可能性は高いと思いますが、それにいたしましても、そのための条件をどうするかというようなことは政府が基本の方針を決めませんと、業界としても具体的に話を進めがたいのでありますから、ああいうふうにいろいろな基本の方針を決めることによりまして話が動き出していく、そのうちのあるものは五十三年度の輸入になってあらわれると存じますし、また、あるものは後年度の輸入になってあらわれる、こういうふうに考えております。
○柄谷道一君 いわば緊急輸入は火種をつくったといいますか、発火点である。いろいろこれから対処しなければならない問題が数多く残されている、このように理解いたします。 そこで、大蔵大臣にお伺いいたしますが、日銀は三月十六日から公定歩合の引き下げを行いました。そして外資流入規制のための為替管理の強化を行いました。しかし、同日の東京外為市場は一時二百三十二円の最高値を更新したように、この評価というものは必ずしも高くないと言わなければならないと思うわけです。大蔵大臣として、通貨対策から見た公定歩合の引き下げ、これについてどのようにお考えかお伺いします。
○国務大臣(村山達雄君) 公定歩合の引き下げの特に円高に対する効果、それはそんなに初めから大きく期待-短期的には余り期待していなかったのでございます。これはやはりいまの財政措置と相並んで、五十三年度の景気浮揚、これに一番大きく力をかすであろうということに一番期待をつないだわけでございます。それから同時に、金融負担が企業の側で著しく改善されますので、企業の収支試算の健全化を通じまして、雇用の維持、場合によれば多少の拡大、こういつたものを期待しておりまして、その効果はやはり相当長期にわたるものであろうと思うわけでございます。 ただ、円高対策に対しましても、制度としてプラスの面は確かにあるであろう。なぜならば、今日円建て外債は相当入っておるわけでございますが、これは二つありまして、一つは円が高くなるという予測もあるかもしれませんが、同時に、金利が非常に安くなっているわけでございますから、この意味で資本の流出を促しておりまして、恐らく今年度でございますと五千億円近くいくのではなかろうかと思うのでございます。この資本の流出の傾向にやはりある程度のプラスをするであろう。これは先ほど申しましたような長期的なものよりも、やや中期的にそのことは働くであろうと思ったのでございます。 しかし、言うまでもなく、円が安くなるとか高くなるとかいうそのときどきの話は、やはり何と申しましても、そのときどきの国際収支関係が基本でございますから、その意味でわれわれは即効性はそんなにはなかろうかと思ったのでございます。ちょうどその前の十三日でございましたか、アメリカとドイツの協定が発表されました。その実施される前は大分ドルが高くなったのでございますが、発表いたした途端にまたドル安が起きた。ちょうどそれと同じことが残念ながら起きたのでございますか、中期的に考えますと、あるいは長期的に考えますと、今度の公定歩合の引き下げ並びに短期資金の流入を抑えたということは、それなりの意味はあったのではなかろうか。もう少し様子を見させていただきたい、こんな感じでおるわけでございます。
○柄谷道一君 公定歩合の引き下げは、当然、預貯金の金利引き下げに連動してくる性格を持っております。年度内に郵便貯金の金利が三回にわたって引き下げられた。このことについて郵政大臣の御所見をお伺いしたい。
○国務大臣(服部安司君) 御指摘のとおりに、五月、九月、三月と、年度内に三度の公定歩合の引き下げ、五月、九月はもうすでに連動金利の引き下げ、現在は大蔵大臣の方を通じて、公定歩合の引き下げに関連して、連動金利引き下げの交渉を受けているわけであります。 正直申し上げて、所管大臣として、庶民大衆の零細な預貯金で、しかもささやかな金利を目的とする方々のことを考えますると、もうきざな言い方をすると、苦悶状態だと言っても私は言い過ぎでないと考えているわけでありまするが、柄谷先生も御承知のとおりに、先ほど来大蔵大臣、通産大臣、経企庁長官等いろいろと御指摘されておりますとおり、きわめて厳しい経済情勢下の中で、まず雇用の安定という点について、いろいろとその立場に立って考えると、なお一層苦しみを続けている状態でございます。 柄谷先生も御承知のとおりに、この郵便貯金の金利の引き下げは、郵便貯金法第十二条で決定原則が規定されております。これは政令で定める前に、郵政大臣が郵政審議会に諮問をせねばならない、こういう決定原則がございますので、私は、民間金融機関の、いま大蔵大臣が発議されて検討されているこの金利引き下げの状況を冷静に見きわめつつ、この決定原則にのっとって慎重に対処したい、かように考えている次第でございます。
○柄谷道一君 私は、現在の金利体系というものを前提にする限り、このような現象は何回も起きてくると思うんです。 昨年四月五日、私は、この八十通常国会の予算総括委員会で、福田総理に対しまして、一定金額以下の庶民零細預金の金利とその他の金利というものを区分するという金利体系の洗い直しを、提言を含めて御質問申し上げたわけでございます。そのときに、総理は、非常に貴重な意見として検討したい、こういう趣旨の御答弁をされました。その後、こういう検討が行われたのか、それに踏み切れないとすればどういう理由があったのか、明確にお答えを願いたい。
○国務大臣(村山達雄君) 前回の総理の御答弁は、われわれも拝見しているところでございます。その後、種々なる角度から検討いたしまして、先般もお答えしましたように、現在、福祉預金という制度がございます。これにつきましては、今度の公定歩合の引き下げに伴いまして預貯金が下がる場合でも、従来どおり据え置きたい、かように考えているわけでございます。 それから、なおそれ以外にいけるかどうか、いろいろ検討したのでございますけれども、やはり預金金利というものは差を設けるということになかなかなじまないのはもう御承知のとおりでございます。そういった意味で、なかなか預貯金金利に細かい差を設けられないのを遺憾とするわけでございますが、特に零細預金が中小金融機関に集まっているわけでございますものですから、いまの間接金融を中心といたしますわが国の金融構造から考えますと、そこをもしいじりますと、貸出金利がどうしても高くならざるを得ない、こういう金融構造を持っておりますので、今度の公定歩合の引き下げに伴う預貯金金利につきましても、いろいろ検討した結果ではございますけれども、従来の福祉預金を延ばすことにとどめざるを得ないのではなかろうか、こんなふうに現在考えている段階でございます。
○柄谷道一君 私の昨年質問した段階では、すでに福祉預金というのはあったんですけれどもね。しかし、老齢者で年金によって生計を立てているとか、住宅建設のために営々として零細預金を積み重ねている、そういうものの金利が一年に三遍もダウンしている。これはまさに生活そのものを危うくするような現象がいま各地にあるわけです。いまの答弁は、検討はされたというものの、私は、もっと真剣に庶民の立場に立った検討というものがなされでしかるべきではないか。外国にもいろいろ事例があるわけですから、時間の関係できょうは触れませんけれども、この検討は十分ではないことを指摘し、今後、引き続きの検討を強く要望いたしておきたい、こう思います。 そこで、私、いままでの質問をずっとながめてまいりまして、この前のわが国の公定歩合の引き下げも、十三日行われましたアメリカ・西ドイツ間のドル防衛策につきましても、欧米の市場、日本の外為市場はきわめて冷ややかな反応を示していると言えるわけでございます。そうしてみると、これからの円高対策ということになりますと、問題は、二つあるんですね。 一つは、アメリカ自体のドル防衛のための国際的世論をいかにして喚起し、アメリカに求めていくかという問題だと思うんです。私は、アメリカのビナインネグレクトと申しますか、いんぎんなる無視といいますか、という言葉がよく使われるんでありますけれども、そういうドル放置という姿勢が存する限り、いろいろの諸策はしょせんはリップサービスにすぎない、こういう見方が各世界をいま支配しているのではないか、こういうふうに考えます。 そこで、国際世論を結集しとか、連携をとりつつという答弁はあるわけですけれども、円の安定のために、四月二十九日にはメキシコでIMFの暫定委員会が開かれます。五月三日には日米首脳会談がございます。七月には先進国首脳会談が開かれます。私は、さきの宮澤長官が一昨日ターゲットゾーンの設定という準固定相場制の考え方というものを示されたわけでございますけれども、さらに進んでニューヨーク連邦準備銀行を通じた日本銀行の委託介入や、アメリカによるスワップの発動、さらにアメリカによる中期債の発行など、約五千億ドルと言われております。ドルの過剰流動性というものをいかに縮小するか、これに対する的確な方針というものが確立されなければならないと思うわけです。宮澤長官の一昨日の見解を一歩進めて、どのような姿勢をもってこれらに対処されようとしておるのか、まず長官からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは通貨の問題でございますから、本来、大蔵大臣の御所管の問題でございます。それで、私もあえて私見という意味で一昨日申し上げたのでございますけれども、準固定相場と申しますよりは、私は、固定相場というものはなかなか簡単にそこへ復帰できるものではないと考えておりますし、また、ローザ構想というものもやはりかなりその中にきちっとしたものを考えておるようでございますから、なかなかそこまでも行き得ないので、やはり主要通貨の国国がどうもこの事態はほっておくと世界経済全体のためによくないのではないか、おのおのの国の経済にとりましてはもとよりでございますけれども、といったようなことで、まず認識の一致を見るということが大事なのではないだろうか。その認識の一致を見ますためには、しかし、何がしかの青写真というほどではありませんでも、アイデアのようなものがございませんと、漠然と討議をしておってもなかなか進まないわけでございますから、たとえばと申して一昨日のようなことをぼんやり申し上げたわけでございます。ですから、これはどれだけの国が集まって、具体的にどのようなことをいつ決めるかということに先立ちまして、そういうことで何かが要るなあというみんなのコンセンサスといいますか認識の一致ができますれば、あとどうするかということはそこから出てくるであろう。何かそのきっかけをぼつぼつつくるべきではないかという気持ちを持っているわけでございます。 先ほど、米国のビナインネグレクトということを仰せられました。確かに、従来からそういうことがしばしば言われておったわけでございますけれども、ごく最近になりまして、多少やはりアメリカ自身が現状というものはどうも問題があるのではないかと考え出しておるように私は観測をしておるものでございますから、ぼつぼつそういう時期ではなかろうかというようなことも背景に、せんだってのようなことを申し上げたわけでございます。これからどのような機会にどのような討議がなされますかは、私自身の所管の範囲では自分のしたいことを考えておりますけれども、ただいま言われましたようないろいろな機会ということになりますと、所管大臣あるいは総理大臣がむしろお答えになられるべきことでございましょうと思います。ただ、問題の性格、それからかなり差し迫った緊急性等々から考えますと、いま言われましたような機会は、いずれもそれらのことを討議するにふさわしい機会ではなかろうかというふうに考えております。
○柄谷道一君 いずれにいたしましても、アメリカの姿勢に反省を求め、国際的な通貨の安定を図る、そのためにはやはり日本国内の世論というものをできる限り統一をしまして、強力な国内世論に基づいて諸会議に臨んでいくということが必要ではないか、こう思うわけです。したがいまして、きょうは短い時間でその具体的方法を議論する時間的余裕がございません。しかし、私は、そういう視点に立つならば、少なくとも総理渡米前に党首会談を開催をいたしまして、そうして各党の意見も率直に開陳しつつ、統一的な見解づくりのために努力すべきであろう、こう思うわけでございます。 きょうは一般質問で総理の出席を求められませんし、外務大臣はEC関係の会合の関係で私は国際会議が重要であるということで中退をしていただきました。そこで、私は、経済関係閣僚会議を主宰されております宮澤長官として、このような問題を積極的に党首会談の開催について閣議に問問題提起をし、具体的に総理に進言するという積極的な姿勢を期待いたしたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五月の日米首脳会談につきましては、外務大臣が御準備をなさっておられることと存じますので、私その内容をまだ存じません。外務大臣にかわりましてお答えをすることは差し控えさしていただきますが、ただ、この問題につきましては、総理を煩わすまでもなく、通貨の問題でございますが、関係閣僚みんな、あるいは関係各省、おのおのの立場で実は毎日いろいろな努力をしつつございます。情勢の変化なども非常に注意深く見ておるつもりでございます。もとより総理御自身も御心配でありますけれども、関係閣僚がおのおのの立場でそのようなことをいたしております。 事態がなお仮に未解決であるということになりますれば、恐らく、日米の首脳会談でも、これは両国経済の関係から言いましても、国際経済の関係から言いましても、当然議題になるべきほどの重要な問題でございますから、未解決である場合にはお話し合いになるであろう、常識的に私はそのように推察をいたします。総理も、したがって国内の各方面の御意見なりについては十分それを慎重に聴取せられ、そうして、その上に立って会談に臨まれるであろうということは申し上げても間違いのないことでございましょうと思いますが、それがどのような形をとりますかにつきましては、私まだ申し上げられる立場ではないと思います。
○柄谷道一君 総理ではございませんので的確な答えは無理だと思いますが、私の質問は、その必要性というものを認識し、具体的に総理に党首会談の開催等を進言される長官としてのお気持ちはございませんかということをお伺いしているわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国内におきましてのこの問題についての見方、考え方というのは、実はそんなに違った意見があるのではなくって、ほぼある一定の範囲内に集約できるものではないかというふうに私は存じておりますけれども、しかし、たびたびのお話でもございます。やはりそういうことが非常に有効であるというようなふうに考えましたら、私としても申し上げるつもりでございますが、まだ日時もございますので、もう少し御猶予をいただきたいと思います。
○柄谷道一君 私は、もう一つの円安定の方法は国内経済の動向であろうと、こう思うわけです。 通産大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、私は、国民の消費購買力を高め、内需を拡大しつつ産業貿易構造を集中豪雨的な輸出に傾かない方向で改編していく、そういう基本姿勢というものがやはり並行しなければならない、こう思うわけです。内外の一致するところ、実質経済成長七%は現在の情勢下きわめて困難であろうとこぞって指摘いたしておるところでございます。とすれば、ここに当然第二ロケットを噴射させるいわゆる補正予算の編成を急ぎ内需の振興を図っていく、そのための有効な施策をとっていくということが必要であろう、こう思うんです。通産大臣としてこの補正予算の編成に対してどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府は、ことしの経済政策の目標を幾つか掲げておるわけでございますが、これはあくまで雇用問題の解決のために、かつまた国際的な立場においてこれは解決しなければならぬことしの最大の課題でございます。単に経済問題だけではなく、政治問題であろうと私は思います。そこで、そのことの実現のために、総理大臣は本委員会におきまして、繰り返しこれを実現するために機動的に対処する、機を失せず機敏にかつ大胆に対応します、そういうことを言っておられますので、常に経済動向を分析いたしまして、必要とあらばあらゆる政策手段を集中していく、そういう御趣旨だろうと思います。したがいまして、私どもも常に情勢をよく見まして臨機応変の手段を機敏にとっていかなければならぬ、かように考えております。
○柄谷道一君 大蔵大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(村山達雄君) 総理もしばしば申し述べられておりますように、今度の五十三年度予算は幾つかの経済目標を掲げまして、内外の均衡を達成するために大丈夫だと、こう言っているわけでございます。しかし、同時に、総理は内外の経済は絶えず情勢が変化するわけでございますから、必要とあれば臨機応変にやっていく、こういうことでございます。御案内のように、財政投融資におきましては大きな五割の弾力条項を持っております。なお本年度予算におきましても、御案内のように公共事業予備費というものがありますので、絶えずその情勢をウォッチしておりまして、必要とあらば適宜所要な措置をとってまいることにおいては総理と全く同じ考えでございます。
○柄谷道一君 臨機応変にかつ大胆にと、こう言っておられるわけでございますから、私は本日のただいままでの質問を通じて、現状の中で七%の達成というのはきわめて疑問視される。とするならば、当然補正予算編成の時期を急ぐべきである、このように考えます。この点を申し上げまして、次に問題を移らしていただきます。 労働大臣にお伺いいたしますが、五十三年一月には御承知のように百二十六万の完全失業者、有効求人倍率〇・五二という深刻な状態でございます。かてて加えて、今後構改が進んでいくとすれば、そのためのいわゆる摩擦的失業というものが増大することが予測されます。あわせて今後のわが国労働力人口は五十二年の五千四百六十五万人に対して、五十七年には百九十七万人、六十年には三百二十万人労働力人口が増加していくわけでございます。現在の完全失業者、今後予想される摩擦的失業、加えての労働力の増加、この状態の中で私は完全雇用政策こそ福祉のルーツであり政策の重点目標でなければならぬ、こういう総理の御見解からいたしまして、どのような雇用の展望を持ち、具体的方針を推進していこうとされているのか、お伺いします。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のとおり、ことしの一月には完全失業者百二十六万人という、こういう状態でございまして、その後の経済情勢、最近の円高、こういった面から考えまして、なかなか不況の脱出の見通しがついておらない、こういう現状からすると、雇用情勢はますます厳しい方向にわれわれは落ち込むことを心配をいたしております。したがって、こういう雇用情勢を安定路線に乗せるということは何といっても日本の経済の回復ということ、そして不況の脱出、これが大前提でありまして、そのために経済実質成長率七%を目指して全力投球しておることは御案内のとおりであります。 公共事業を中心にして積極予算を組み、現在御審議を願っておるゆえんもそこにあるわけでございますが、そういうことを背景にしながら、何といっても雇用安定資金制度を活用して、そして失業の予防、また円滑な職業転換と、こういったことを図りながら、やむを得ず不幸にして失業を見たと、こういった場合には、先般成立して現在施行しております特定不況業種離職者臨時措置法の積極的な活用と、こういったことをやることは当然でありますが、やはり関係自治体、本当に現場の自治体とも密接な連絡をとって、そしていわゆる失業者の雇用率を高めていくということも当然でございますし、同時に、事業転換によって出される離職者に対しての受け入れ、ないしは今度新しく雇用政策として打ち出しました中高年齢者の雇用の道を切り開くために、中高年齢者を雇い入れた事業主に対しては別途これが助成をする、こういった施策を推進をしていく。こういったことによって現在の難局を労働省の立場、雇用政策においてひとつ切り開いていきたい、こういうことで目下全力を尽くしておる次第でございます。
○柄谷道一君 現行法制を活用してというのは、いわば後追いといいますか、現実的な深刻な雇用情勢に対応するいわゆる応急措置でございます。五十年代前期経済計画によりますと、五十五年失業率を一・三%にするという目標が依然として掲げられております。現在の雇用情勢と将来展望を見ると、この五十五年失業率一・三%という目標を達成するという自信を労働大臣はお持ちですか。今後、具体的に私が言いました労働力人口の増大等を含めて中期目標として労働指標をどこに置き、その目標達成のためにいかにして雇用を創出増大しようとしておられるのか、それをお伺い します。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の五十五年度一 ・三%という、これはわれわれは目標として全力を尽くすということ以外に、現在のところ、別に心の動揺といいますか、この道にひたすら尽くすという考えでございまして、この数字の今後の成り行きというものは一に日本経済内外の全体の総合経済政策の推移いかんによるわけでございますけれども、目下のところ、われわれはこれを目標に努力をしております。 そして雇用政策に対する基本的な計画を示す考えとしては第三次雇用対策基本計画というものを、これを五十一年から五十五年を目標に策定をいたしておりまして、この計画は数値ではございませず計画の基本的な考え方を示したわけでありまして、その考え方に基づいてすでに雇用安定資金制度というものが発足をいたしておりますし、あるいはまた高年齢者の雇用率制度というものも発足をいたします。また身体障害者の雇用率制度、これは納付金制度と相まちまして非常に力強く前進をしております。それにもっていって定年制の問題、こういった問題を踏まえまして、そして特に高齢者社会に入りますから、高年齢者の雇用の問題についてきめの細かい配慮をする。同時露にまた定年制は定年制で、高年齢対策に関連いたしましてこれが完璧を期していく。 そして、やはりこういったことをやりましても、御指摘のごとく、現在日本の産業構造そのものが質的に転換をしておるというこの現状を踏まえますと、なかなか御案内のような既定方針だけでは間に合わない。こういうことも十分予想されますから、これに対応いたしましては、雇用対策研究のため雇用政策研究会というのが、これは専門の人たちをもって構成しておりまして、この研究会の意見も十二分に反映をして今後に処していきたい、このように考えておるわけでございます。
○柄谷道一君 経企庁長官にお伺いいたしますが、本年度の経済成長目標七%、これはもう政府がたびたび言っておられるとおりです。しかし、中期的に経済成長をどのように見ておられるのか。たとえばわが党におきまして、本年及び五十四年度七%、そして自後六%の経済成長と仮定してコンピューターではじきましても、なかなか一・三という失業率を実現するための雇用の増大というのは非常に多くの問題点がある。労働大臣は努力目標として非常に意欲的なことは言われましたけれども、経企庁長官として、それは実現可能でございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十五年ないしは五十七年までに、昭和五十年からの平均の経済成長率を実質で六%強にいたしたいというのが前期経済計画の考え方でございますし、先般の試算でもそのことはなお可能であるということになっておるわけでございます。しかしながら、御案内のように、五十一年度の実質成長率は五・七でありましたし、五十二年度は五・三ぐらいと私ども申し上げておるわけでございますから、五十三年度に七%が実現いたすといたしましても、五十五年まで、あるいは五十七年までに六強を実現いたしますためには、今後かなりの努力をいたしてまいりませんと、そういう平均値は生まれないということになります。 そこで、先ほどからのお尋ねの五十五年度の一・三でございますけれども、私ども大体労働力人口を五千五百四十万人ぐらいと考えまして、失業を七十万ないし八十万と考えておるわけでございますが、このことの成否はやはりこれから残されました何年間かで、われわれがこの五十三年度に考えておりますような経済運営、すなわち五十三年度をとにかく財政が主導することによって後半には民間の経済活動にバトンを移していく、そういう形が今後ある程度の財政支出の裏づけを持ちながら五十五年まで続いていくということ、やはりそういう政策の成功ということが一番この雇用問題を担保するかぎになるのではないだろうかと、このように私どもは考えております。
○柄谷道一君 雇用問題と労働時間の短縮及び定年制の問題については、質問の予定でございましたが、時間の関係でこれは社労委員会で詳しく御質問をいたしたい。 ただ、私は、今後の雇用の創出という問題は、ただ単なる労働行政の範囲にとどまるものではない、こう思うわけです。財政、対外経済、産業、技術開発、地域開発、社会保障、教育、環境などと総合した施策としてこれをとらえていかなければ解決できる問題ではない。雇用安定資金と言いますけれども、訓練訓練といっても、先の明かりが見えないわけです。何を目標にして訓練を受ければいいのか、まさに情報なき現在ではないかと、こう思うわけです。 そうして考えますと、私は、関係各省庁、各政党、労働組合、経営者そして学識経験者、こういったものが参加する研究機関によってわが国の雇用情勢に対する展望を的確にとらまえ、そして諸政策がその展望に向かって連動するという体制の確立が最も必要だと思うわけです。この点に対する労働大臣の見解を伺います。
○国務大臣(藤井勝志君) 御趣旨は私も全く基本的に同感でございまして、先ほどもお話し申し上げましたように、現在の雇用政策というのは、ただ労働省の枠組みの中だけでは解決できないというこの日本の経済産業構造そのものの質的な転換を遂げておりますから、やはりいまのような各省庁、それから関係労使、あるいはまた学識経験者、こういった方々の衆知を総動員をするという、こういう体制がぜひ必要であるというふうに考えます。 ただ、現在、この問題についてすでにいろいろな機関ができておることを御参考までにお話しを申し上げますが、閣僚間においては雇用問題閣僚懇談会というのが現在ありまして、近々開いてもらう予定になっております。それから雇用審議会あるいは産労懇というのは毎月一回開いておりますが、これは産業関係の労使と、それから政府側からはそれぞれそのときの議題に応じて関係大臣が労働大臣と同席をしていただいていろいろ話をする、こういう場をつくっておりますし、それから中央職業安定審議会、それに先ほど申し上げました雇用政策調査研究会、こういうものが現在既存の制度として運営をされております。私はこれをもう一歩ひとつ本化していくような方向で御説の線に沿うような運営に持っていって雇用対策の万全を期すべきである、このように考えております。
○柄谷道一君 ぜひそのような構想の実現を強く求めておきたいと思います。 次に、問題を移しますが、昭和五十二年四月一日現在の自治省消防庁調査による各都道府県及び人口二十万以上の都市における防災資機材等の備蓄状態というのを私は拝見したわけでございますが、その量は別にして、各都道府県・都市ともに防災資機材は一応備蓄いたしております。しかし、生活必需物資、医薬品、食糧というものを備蓄している自治体はまだ一部でございます。 たとえば、東海地震の可能性が問題になっております静岡県の例を引きますと、静岡県及び清水、沼津両市は防災資機材のみ、富士市は防災資機材と食糧、静岡、浜松両市が防災資機材と食糧、生活必需物資という状態でございます。また台風常襲地帯である沖繩の備蓄状態を見ますと、これは防災資機材のみでございまして、衛生資材、食糧、生活必需物資等は備蓄されていないと調査の結果出てきております。人間軽視の対策と言っても過言ではない、こう思うわけです。 そこで、もう一度この備蓄状態を点検をいたしまして、少なくとも人命救助にかかわる衛生資材とか、毛布その他の生活必需物資、こういうものについてはやはり備蓄を義務づける。地方自治体の力だけでこれが十分でなければ必要な補助、助成を行う。また、近県間の災害が起きた場合の相互支援の態勢についてこれを体系化する、こういった諸策が必要ではないか、こう思うんであります。いかがでございましょう。
○国務大臣(加藤武徳君) 災害が生じました場合に備えまして、災害対策基本法は資機材等の備蓄を命じておるのでありまして、御指摘がございましたように、国の機関でも備蓄をいたしておりますが、公共団体におきましても防災計画を策定いたしまして、そして備蓄資機材等を明らかにいたしておるところでございます。おっしゃいましたように、食糧品や生活物資、医薬品等を計画に挙げまして、かちっとできているところもございますけれども、またそうではないところもあるのでありますから、今後の指導方針といたしましては、できるだけ備蓄をいたすような指導をいたしてまいりたい。ただ、物資によりましては、そう長期間の備蓄が困難なものもございますから、やはり民間を頼りにいたしまして、防災計画の中に、たとえば食パンについてはこの店ではランニングストックはこの程度あるからということで計画にも挙げますと同時に、ちゃんとその店等に連絡をとりまして、いざという場合には備蓄と同様の効果が生じますような態勢をとっておるところもあるのでありますから、いろいろ工夫をいたしまして、そういう処置をとってまいらなければならぬ。 それから、一都道府県だけでは不十分でございますので、いま相互の連携のことの御指摘がございました。たとえば関東地区で申しますと、関東・中部地区一都九県で協定を締結いたしておりまして、たとえば東京に災害がありました場合には、近県から直ちに備蓄資機材等が供給し得ますような、そういうこともやっておるのでありますから、こういう考え方を全国的に広げまして、たとえばブロック、ブロック等で協定が結べるような、そういう指導もいたしてまいりたい、かように思っております。 なお、補助金制度のことにもお触れになられたのでありますけれども、補助金制度ができればありがたいのでありますが、しかし、地方では災害救助法に基づきまして資金を積み立てる。これは過去三カ年間の決算の平均を求めまして、普通税の千分の五以上を積み立てろ、かような処置をとっておるのでありまして、厚生省の調査によりますと、五十一年度で百三十億円程度には到達をいたしておりますから、かような資金の活用も図っていくべきだ、かように考えております。
○柄谷道一君 私は、ランニングストックと言ってもこれは限界があると思うんです。たとえば過般の伊勢湾台風の際に、包帯、ガーゼ、脱脂綿、こういった衛材関係が非常になかった。そこでストックの供出を求め増産の指令が行われたわけですが、しかし、その工場は水浸しになっている。従業員は住宅が被災しておるのでなかなか出勤ができない。電気がとまっているので操業も不能だということで、衛材関係の非常に不足をもたらしたというのが事例としてございます。 私は、長期のストックに耐えられないものはもちろんございますけれども、最低人命を救う、守るというための備蓄というものは当然必要ではないか。治にありて乱を忘れずと、こう言いますけれども、そういう態勢強化について格段の御努力を願いたい。防災の最高責任者であります国土庁長官の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま私も自治大臣の御答弁を聞いておりましたが、私は大体自治大臣のおっしゃっておる方針でいいんではないかと思うのであります。しかし、おっしゃるように、必要な物資を十分備蓄をするようにということにつきましては、それなりに努力をすべきだと思います。 災害対策基本法では、そういう緊急事態におきましては、物資を国なり地方自治体が強制的に買い得るような強い権限も持っておるわけでございますから、第一段階としては、ある地域の間に協定を結んで融通し合うという必要がありましょう。また、それで不足するというときには、常時必要な物資につきまして、民間にどれほどあるかということを掌握をしておく。現在われわれの方といたしまして、たとえば毛布、ガーゼ、脱脂綿、乾パン、木材などについて、大体この程度あるというようなものは掌握をしておるわけであります。一番大事な米などは、御承知のように、食管法によりまして在庫量というものが明らかでございまするから、非常に広範囲に日本列島全土を襲うような災害というものはまず考えられないので、ただいま申し上げたような心組みで、時には強権も発動するということで大体いけると思うのでありまするが、しかし、おっしゃるとおり、念には念を入れて、できるだけ常時必要な物を地方公共団体等を中心に備えておくことについては、より一層努力してまいりたいと思います。
○柄谷道一君 国土庁長官、これは消防庁の資料ですけれども、いま言われましたですけれども、各自治体によって姿勢が非常に違うんですね。本当に防災資機材しか持っていないというところもありまするし、食糧、生活必需物資等、ある程度のものを備蓄しているという地方自治体もある。ということは、これは日本全体の防災という立場から考えますと、国土庁としても自治省としても、こういう全部そろえておられる都道府県もあるわけですから、そういう実態というものをチェックして、乱を忘れずという姿勢において、備蓄の少ないところ、品目が欠けておるところにはより強く指導をしていく、これがあって私は当然だと思うのです。みんながやっているということであれば、私はこんなことは言いませんよ、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 御質問の御趣旨は、私はそのとおりだと思います。災害対策基本法におきましても第四十九条で明示しておるところでございまするから、細心の注意を払いたいと思います。 ただ、先ほど、私、自治大臣の御答弁で十分要を得ておったと思いますは、ものによっては保存期間などについてなかなかむずかしい面もあるというようなことから、あるいは市町村自治体において客観的に見て不十分な点があろうかと思いまするが、それらの点については十分指導してまいりたいと思います。
○柄谷道一君 厚生大臣にお伺いしますが、現在の救急医療体制には多くの問題がまだ残されております。当院社労委員会では、昨年三月三日参考人の意見聴取を行いましたが、日本交通政策研究会の代表から傾聴すべき意見の開陳がございました。すなわち、西ドイツにおきましては、運転免許の交付には救急法修了が必須である。すべての自動車に救急箱の積載が義務づけられております。これが西ドイツの一般自動車に積載されております救急医療品でございます。この中には薬はございません。むしろ三角布、包帯という、いわば止血を行い、複雑骨折のための事前予防措置を行うという資材のみでございます。後ほどこれを見てください。 私は、一般国民が救急医療に関して一定の役割りを負担するということはきわめて必要ではないか、こう思うわけです。わが国にこういう制度を導入することについて、厚生大臣はいかがお考えでございますか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私も悪いことではないと思うんですが、まず、前提としては、救護法、救急の場合の救護の方法について十分やっぱり訓練をしておくことが大事だろうと思うんです。いま、大体救急医療につきましては、できるだけ早く医療機関に送るというのが大事だということを盛んに言われているわけでございまして、そうでありませんと、もし素人療法で、後で非常に困難を来すようなことになってもいかぬという点もありまして、ただ、こういう脱脂綿、ガーゼ、包帯というものを備えておいて、いざという場合には活用をしていくということは、これを否定しているわけじゃありませんけれども、ただ、余りそれに頼り過ぎるということになると、かえって救急の場合の処置に後での問題を起こすようなことがありますものですから、そこでドイツは両方併用しまして、救護法についてのいろいろ訓練をやる、それを義務づけ、それから初めて運転免許をやる、そうして今度運転をする場合にこういうものを備える、こうなっておりますものですから、やっぱり救護方法についての訓練を十分やることがまず大事で、その正しいあり方をのみ込んだ人たちがこういうものを備えていただくといいんでございますが、そうでないと、何でも応急処置をやればいいんだということでもっていきますと、かえってけがやなんかの場合に、後で患者さんのためにはよくない事例等も出てまいりますものですから、その点は十分気をつけていかなきゃいかぬと思っております。
○柄谷道一君 私は何もそれだけを詰めて言っているんじゃなくて、その前提はあくまでもドライバー自体が救急医療の技術を習得するというところにあるわけです。 道交法七十二条の前段には、厚生大臣、事故が起きた場合は、「直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、」云々と、いわゆる救護の義務が道交法にはうたわれているわけです。しかも、昭和五十二年五月十九日の衆議院の交通安全対策委員会及びことしの二月二十七日の衆議院予算委員会第一分科会で、消防庁も、私ども救急業務、救急搬送の立場からしましても、一般の方々が救急知識を持っていただいているということが、搬送する際、より人命救助に効果があると評価しております、こう答えております。警察庁も、交通局長は、三千五百万のドライバー全体にかかわる非常に重要な、しかも貴重な提案であるので関係機関とも十分協議して検討します、こう答えております。さらに、二月二十七日の予算委員会の分科会では、運転者に救急措置法を習得させることについては、人命尊重を基本としたドライバーの務めであり、免許取得及び更新時の機会をとらえ、その幅を広げるために今後積極的に努力したい、こう述べているわけです。そして救急箱常備については、これと並行しつつ前向きに対処したいと、これだけの答弁がそろっているわけですね。 厚生大臣のただいまの御意見は、これらの答弁に比べますと非常に冷たいといいますか、救急医療の責任大臣としてはいささか期待に反するものがあるんですが、いかがですか。
○国務大臣(小沢辰男君) 私が申し上げたのは、何も冷たい、あるいは冷淡だということでありませんで、医療の本質から見まして、まず前段で、いま先生がお読みになりましたような体制をまずとっていただくことが大前提だと申し上げているわけでございます。そうでないのに、急に救急箱設置義務をというようなことになりますと、間々弊害が起こってきて貴重な人命に影響するようなことになってもいかぬと、厚生大臣の立場としてはそっちの方が大事でございます。したがって、いま言われたような、その二省がそれぞれ答弁をしているような体制をまずつくっていただいて、それから私どもとしては協力をもちろん申し上げると、私どもの所管事項じゃありませんが、厚生省としては積極的に推進の方向をとりたいと思うのでございまして、したがって、まず一番大事なことは、正しい救護方法についてのマイカーのドライバーまで含めた講習、あるいはそれを免許取得の条件にするとかという問題は、これは交通担当者の方でお考えを願って、それが十分いったところで私どもとしてはこういう問題が進んでいく方がいいと、こう考えているだけなんでございます。
○柄谷道一君 昭和五十年の十月にこの種の運動が起きました。さきに衆議院で二回にわたる質問の経過は、いずれも関係省庁と打ち合わせの上云云でございます。しかし、この問題を実行に移そうと思いますと、厚生省薬務局、医務局、運輸省自動車局、警察庁交通局、消防庁、さらに総理府交通安全対策室、こう分かれているわけです。過去このような問題が提起されましても、いま大臣の答弁でもはしなくあらわれたんですが、キャッチボールが行われまして、そのキャッチボールの結果、結局前へは一歩も進まないという現実を繰り返してきているわけです。これらの問題を調整するのは、これは総理府であろうと思いますが、今後この種の問題を前向きに、実現を前提として進めていくに当たってどこが窓口になり、どこが主体になって検討が行われていくのか、お答えを願いたい。
○委員長(鍋島直紹君) 総理府ですか。
○国務大臣(加藤武徳君) ただいま総務長官が、警察庁が中心ではないかという指摘がございましたので、私が立ったのでございますけれども、警察はもとより取り締まりを行いますと同時に、指導も行ってまいるのでありますし、また、過去の委員会等におきまして、警察からも考え方を述べております。また、消防庁の立場も、これまた非常に関連が深いのでございますから、いま直ちに窓口がどこということは決めがたいのでありますけれども、関係省庁とよく相談をいたし、私は総理府の交通安全対策室が窓口として適当ではないかと思うのでありますけれども、私の所掌ではございませんが、とにかく関係内部におきまして、よく相談いたしてまいりたい、かように考える次第であります。
○国務大臣(稻村左近四郎君) 御指摘の点につきましては、警察庁がこの問題を検討いたしておるわけでございまして、まあ総理府といたしましても積極的に協力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○柄谷道一君 私、何のための交通安全対策室、何のための総理府かと思うんですよ。各省庁にまたがる場合に、その場づくりを行い、調整を行っていくというのが総理府が存在する理由じゃないんですか。それを運輸省がやっておりますから云云はいささか私は問題だと思います。いかがですか。
○国務大臣(稻村左近四郎君) 御指摘のとおりでございまして、所管でまとめていただいたものを、たとえば御指摘の点においては警察庁がいま検討を加えているところでございまして、それを調整をいたしてまいりますのが交通安全対策室と、こういうことでございますので、警察庁のこの検討を加えられたものにつきまして積極的に協力を申し上げていきたい、こういうふうにお答えいたしておきます。
○柄谷道一君 私も時間がありませんので、ただいまの答弁はきわめて不満であります。これは予算委員会の外ではございますけれども、私は別途折衝を政府といたしたい。不満であることだけを申し上げておきます。 最後に、時間の関係がございますので、一点伺いたいわけでございますが、いま各産業は構革が進んでいるわけです。その構革の中で転廃業を行う場合に、都市計画法に基づきまして、転廃業が非常に阻害されている面がございます。社労委員会が泉州に参りましたときに、いま百二社の廃業申し入れがあるんですけれども、うち三十二社は市街化調整区域にあるわけです。そこで工場から工場へその他の転用が非常に制限されておりますので、土地が売れない、転業ができない、廃業ができない、さらに、新しい地域の雇用創出ができない、いろいろ問題点を抱えております。立法の精神を私はよく知っておりますが、新しい構革時代を迎えて、この都市計画法の洗い直しと弾力的運用が必要であると思いますが、この点をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(櫻内義雄君) 市街化調整区域内の工場の転廃業の問題でございますが、一律に申し上げられない点がございます。都市計画法第三十四条等の規定によりますと、周辺の市街化を促進するおそれがなく、市街化区域内において行うことが困難なものについてはその許可がし得るというような条項がございまして、また法律を検討してみますると、具体的にいろいろ事例が挙がっておるわけでございます。そこで、ただいま地域の点もお示しでございまするから、一遍よく検討をさしていただきたい、こう思います。もし必要があれば、こういう場合は許可し得るという事例は、局長の方でお示しができると思います。
○柄谷道一君 改めてこの問題は実例を連絡して、御見解を承りたいと思います。 時間か参りましたから、終わります。
○委員長(鍋島直紹君) 以上で柄谷君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は、明後二十二日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十二分散会