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84回国会参議院1978/03/08

予算委員会 第5号

発言数
421
登壇者
37
会派数
4
開催日
1978/03/08

会議録

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任を行います。  委員の異動に伴い理事一名が欠員となっております。理事の補欠選任については、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に内藤功君を指名いたします。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 昭和五十三年度一般会計予算  昭和五十三年度特別会計予算  昭和五十三年度政府関係機関予算  以上三案を一括して議題といたします。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) まず、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りをいたします。  昭和五十三年度一般会計予算外二案の審査のため、来る三月二十三日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認めます。  つきましては、公聴会の問題公述人の数及び選定等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、理事会において協議決定いたしました事項について御報告いたします。  総括質疑は七日間分とすること、質疑割り当て時間は原則として片道時間方式とし、質疑時間総計は九百七十六分とする、各会派への割り当ては、自由民主党・自由国民会議及び日本社会党おのおの二百八十四分、公明党百五十八分、日本共産党九十四分、民社党六十三分、第二院クラブ、新自由クラブ及び社会民主連合それぞれ三十一分とすること、質疑順位についてはドント方式を原則とするが、各党互譲の精神にのっとり、お手元の順位とすること、質疑者等についてもお手元の質疑通告表のとおりとすること、関連質疑については各党良識を持ってこれを行い、その運用については委員長に一任すること。以上でございます。  右、理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  昭和五十三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁森永貞一郎君及び株式会社日興リサーチセンター理事長宍戸寿雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、出席時刻等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) それでは、これより総括質疑を行います。藤田進君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いよいよ本日から、当院におきますかってない大型予算の審議に入るわけでございますが、質疑に入ります前に一言総理にお伺いをし、御回答をいただきたいのですが、今回の予算については衆議院の段階におきまして約三千四百億の修正を見ていると聞くのであります。昨年も同様にこの修正が行われてまいりましたが、これは当然に原案の一部修正として本院に送られてきたわけであります。今回見ますと、何らの修正なしに送られてまいりましたことはまことに遺憾だと思うのであります。これについて政府の御見解をまず承っておきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) お答え申し上げます。  自由民主党及び野党間で、約三千億に上る減税、それから約四百億に上る低所得者対策等が公党間で取り決められたわけでございますが、これは国会における関係委員会の審議を経た上で具体的に決めるということでございます。政府といたしましては、いま御提出申し上げている案がベストだと考えているのでございますけれども、立法府でそのような決定をいたされますれば、政府としてもそれに対処することは当然でございます。まだその具体的な項目あるいはその金額が現時点においては確定しておりませんので、そのようなわけで予算を修正いたしていない次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理にお伺いしているのです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま大蔵大臣から申し上げたとおりでございますが、なおつけ加えますと、衆議院における御論議、これが多少時間はかかるだろうと思うのです。これを待って予算の修正をする、こういうことにいたしますと、予算の成立がそれだけ遅くなる。そういたしますと暫定予算というような事態にもなり、いま私どもは、各党でもそうだと思いますが、これは景気問題ですね、非常に心配をしておるわけです。その景気に対しましてこの予算は非常に重大な影響があるわけであります。恐らく皆さんは一刻も早く成立させたいと、こういう御意向かと思うのでありまして、そういうことを考えますと、衆議院における御論議を待ち、予算の修正をするというようなことになりますとかなり時間がかかる。とにかく国家全体の立場から言いまして、取り急ぎ予算が成立をし、その後の措置として考える、この方がよかろう、こういうふうに考えた次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは総理の方が正直だと思うのです。大蔵大臣、そういうこじつけたことを言わないで、これから私は約三時間の質疑応答をするわけですが、もっと真実を答弁していただきたいです。  いま総理が言われたような事情であることも聞いております。それにいたしましても、簡潔な方法による修正の手続をしていただきませんと、衆議院の段階と違って本院は何らこれに院としてのタッチはしておりません。実態は御承知のとおりであります。今後ひとつ、ぜひこういう際には修正の上参議院に送付していただきたいことをお願いしておきたいと思います。よろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御趣旨は十分心得てやります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 次に、福田内閣、特に総理の政治に取り組みます姿勢について、若干の批判を含めてお伺いをいたしたいと思います。  福田総理は、たしか若かりしころすでに農林大臣を初め、一時期を除いては、ほとんど内閣の一員として重要な地位についてこられ、特に三木内閣におきましても経済担当の企画庁長官として非常な熱意を示され、また国民も期待したところであります。しかしながら、今日のようにまことに冷え切った日本列島冬景色、まことにいまの状況を言うのではないか。大型の倒産あるいは失業あるいはまた病気で休んでいる、あるいは入院している人たち、母子家庭等々を見ますと、今日ほど自殺率の高い時期はありません。ある人は住宅ローンが返せないので、おとといでしたか五人の家族が心中するという事態さえ起きております。こういう過去を翻ってみて、政治に責任を持つ人としての総理の御所見をぜひ冒頭にお伺いをしておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘のように、私は佐藤内閣以来ずうっと一時期を除きまして国家枢要の地位にあったわけであります。そういう中で、私も与えられたその立場におきまして全力を尽くしております。  さあ実績はどうだと、こういうことになりますと、とにかくわが国の経済は世界でも屈指のというような立場になってきた。国際社会における発言、これも非常に大きなものになってきた。そういうことにつきまして、私もいささか貢献をしたという考えを持っておりますけれども、しかし同時に、私も過ちがなかったというわけではございません。ことに福田内閣になりましてからの経済、これは基本的には昨年九月末に起こりました円高現象、急激な円の暴騰であります。これは私は率直に申し上げますが、全く予測できなかったのです。これが不明であるということでありますれば、まさに私はその予見し得なかったことについての不明はおわびしなければなりませんけれども、大体において私は、わが国の経済運営の大筋においては間違うところがなかったんじゃないか。  今後は、その急激なドルショック、それによりましてわが国の景気回復が大変おくれてきた。私は、一年ぐらいのおくれを来しておるんじゃないか、そんなふうに思いますが、昭和五十三年度、この年こそは五十二年度初頭に展望いたしました、本年中には景気を安定成長軌道に乗せたい、こういうことでございましたが、それは一年おくれにはなりましたものの、五十三年度においてそれを実現をしていきたい、これが私の責任である、このように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 石油ショックとか急激な円高ドル安ということを言われるのですが、今日のわが国の内閣の組織構造をして、一国の総理大臣が全く予見し得なかったというところに私は問題があると思うのであります。これだけ重大な問題、すでに昨年の当初、そして漸次急速に上げてきた九月までに、民間商社ではこのことを察知して、伝えられるところでは、日商岩井は数十億、この円高ドル安を見込んで手を打った、利益を上げているんです。こういう民間の商社は、不備な情報の中においてもちゃんと手を打ってきているんであります。こう考えてまいりますと、これから先が非常に思いやられる。私は円高ドル安についても後で触れますが、なかなか二百四十円前後でおさまりそうにないと思うのであります。  昨年の三月二十六日、本院のこの場所から、景気対策について私は総理といろいろやりとりをいたしました。速記録もいま持ってきておりますが、当時、ちょうどいまのような公共投資、特にいまよりももっと生活関連、身近な公共投資をおやりなさいと、昭和六、七、八年の世界的大恐慌時代の時局匡救土木事業はこうでしたよ、総理はどこにいましたか、ロンドンにいたというようなことを思い出していただきたい。まさにいま御回答がございましたように、手おくれ手おくれになっています。一年以上手おくれになっているんであります。しかし、このことは今日、昭和五十四年度以降についても、この五十三年度予算の中身から見て、さらに手おくれと。期待される七%実質成長なり黒字幅を六十億ドルに縮めていくということは後ほど触れますが、これは至難な問題だと思う。私は経済成長約七%のその成長率自体について反対ではありません。今日の雇用状況等から見て、何としてもやり遂げなきゃなりませんが、これをなし遂げるだけの予算なりあるいは施政に対する取り組みというものが欠けている、こう思われてなりません。  特に福田総理の場合、いろいろ慎重な発言ではあるのでしょうが、言われますことがたちまちにして消えていく、これでは政治に対する信頼を国民から求めるわけにはまいりますまい。昨年の場合も、景気はもう五十二年度予算でよくなると言うが、よくなっていくどころか大変悪くなっていくという状態の中で、行政改革についてもお約束なさった。これも国土庁長官と建設大臣をひとつ兼ねさせようとか、あるいは経済担当国務大臣を置こうとかいうことで一件落着のように見受けられ、あとは継続して審議しようということになってしまった。膨大な行政機構改革と大臣の建設あるいは経済担当を置くということとは異質のものであります。あるいはまた華々しく打ち出されたデノミ、時間がないので一々指摘いたしませんが、総理の胸のうちにはあると思う。これはやっぱり慎重に考え、そうして打ち出されたことについては実行が伴わなきゃならぬと思うのであります。この点いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 政治は有言実行をする、そういうことでなけりゃならぬと、こういうふうに思います。  いまいろいろ具体的な御指摘でございますが、行政機構の問題、これはなかなか容易な問題じゃございません。しかし、出先の機関をとにかく千数カ所にわたりまして整理しましょうと、こういう方針を打ち出す。あるいは皆さんからは渡り鳥だ何だといろいろ御批判のありました外郭団体、特殊法人の役員の制度に関する問題、これも新しい規制の方針を打ち出しておることは御承知のとおりであります。さらに許認可、これもなかなかむずかしい問題でありまするが、これを大幅に整理をいたしますとか、あるいは国家公務員自体について定年制を準備いたしますとか、これは相当のことをやっているんです。  ただ、中央機構につきまして、これは何とかしたいという考えを持っておりました。しかし、よく考えてみますると、これはかなり騒動の大きくなる問題なのでありますが、いま中央機構をどうするかということになりますと、これは経済官庁、これの関係官庁が問題になる。ところが、経済官庁はいま未曾有の深刻な不況問題と一生懸命に取り組んでおる。そういう際に、あえて混乱を押し切って機構改革をやるかどうか、私はいろいろ考えてみましたけれども、これはそういうことにしないで、事実上、ただいまお話しのような建設方式でやっていくとか、あるいは、したがって定員を一人浮かして無任所国務大臣を新設をするとか、そういうことを考えたわけでありまして、決してこの行政改革、これは言いっ放しであると、そんなようなことじゃございません。  デノミにいたしましても、私は、十数年来、大蔵大臣に私が初めて就任したそのとき以来申し上げておるわけで、その同じことを申し上げておるわけでありまして、私はこれを出したり引っ込めたりということはないのでありますが、要するに私は、とにかく日本丸、これは激動の世界の中で非常に厳しい状態に置かれておる、こういうふうに思います。その中におきましてこの日本丸の進路、これを誤たしめない、これは何と申しましても私のとにかく重大な責任である、このように考えまして、とにかく全力投球でこの政務に取り組んでおるということだけは御理解願いたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ発言がずさんで不用意だともとれるし、いまの御答弁を聞きますと、あるいは総理自体にまさにリーダーシップがないということを自認されるようにもとれるわけでありますが、この際、行政改革に触れましたので行管長官、これからどういう行政改革について総理に進言なさるのか御答弁いただきたい。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) これはいま総理から御答弁がありましたが、なかなか大変な問題でございます。いま一番大切なことは、何といっても景気の問題だと思うのです、景気を浮揚させるかどうかという。そういう点からいたしまして、いま藤田さんのおっしゃるような中央の省庁の統廃合というような問題等があると思いますのですが、こういう問題に余り混乱を起こすようなことをいたしますと、かえっていま景気浮揚あるいは円高の問題、そういうような問題に影響があると思います。したがいまして、慎重にいろいろのことをやってみたいと思っております。  それからなお、いま総理がお答えになりましたが、かなり思い切った、昨年の暮れの閣議で決めた問題で、農林省を農林水産省に変えるというような問題あるいは中央省庁の課等を五十一切るというような問題それから地方出先の機関の支所、出張所、これを千カ所整理をいたします。なおまた、今後三年間において二万八千人の定員の削減をいたします。なおまた定年制の導入を実行いたします。この定年制の問題もなかなか大変な問題でございますが実行いたします。  なお、いろいろ議論がありまして、特殊法人の整理をしなくちゃならない。特殊法人は現在合計二十一を対象に整理統合をするようにいたしております。なお、特殊法人の退職金が非常に一般の官庁とアンバランスであるというような問題からいたしまして、退職金は二割削減をいたします。なお、審議会四十八を整理いたします。なお、補助金につきましては千四百二十二億を、これを縮小させる、切るということであります。なお、許可、認可というような問題につきましては千二百四十事項に対しまして廃止いたします。また簡素化いたします。  なお、これで十分とは思っておりませんが、いま御指摘のように税金のむだ遣いをしないように、ひとつ整理統合、合理化、こういう問題について真剣に取り組んでみたいと思っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いろいろ並べられますが、不況対策であるだけに、いまの縦割り行政の弊害を救済しつつ臨機即応のできる、一〇〇%機能を発揮できる体制をむしろ整える必要があるんじゃないでしょうか。  さて、さらに問題は、過去の政治献金、昨年もちょうど三月二十六日触れたわけでありますが、依然として政治献金は花盛り、今度この予算を執行されるに当たっては、かつてなく公共投資が多いだけに、とりあえず、国民の血税並びに大きな借金――今度の実質三七%という国債に頼る予算であるだけに、建設業界から政治献金を吸い上げるということは、これはまず総理・総裁である自由民主党――私調査していますか、時間の都合で一々内容は申し上げませんが、かなり莫大なものが大手、中小に至るまでことごとく献金が吸い上げられております。そういう献金は取っていない政党も数ございます。しかし自由民主党におかれては、少なくともこれでいいのかと思われる内容を持っております。これが国会あるいは地方政界等々含めてまいりますと、ゆゆしいこれは事態だと思うのであります。このように、公共事業を行うに当たって、これが請負業者から政治献金を吸い上げるということは、これはひとつ思いとどまっていただけないだろうか。出します方もいろいろ調べてまいりました。これはもう大変、お手上げだと言っているんです。政党のみならず、また中央のみならず地方にかけて、そして昨年レセプションをやりますという御答弁でしたが、これも三万円前後のようですが、一企業で一枚ではないそうであります。まあ五十枚、百枚。そして一人行く――あるいは二人行くんだから一人五十万円ぐらいの会費になります、とてもたまったものじゃない。今度まあ公聴会をやるから出ていただけますかいうと、これはなかなか、それに出ると仕事がもらえなくなるという仕組みになっておるそうであります。ですから、これは何としても政治家あるいは政党が自粛する以外にないと思うのであります。いかがでしょう、特に今度の公共投資の関連財源等から見て、これが吸い上げる政治献金はこれを中止、やめるということをひとつお約束いただきたいのです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、自由民主党総裁、総理大臣就任以来、総理大臣としてはとにかく当面のこの経済困難を克服することであります。それから党総裁としては、自由民主党を清潔で公明な、そういうたくましい政党に体質改善を行うことだと、こういうことを宣言し、そのために努力をいたしてきておるわけでありますが、私は、自由民主党のみならず政界全体といたしまして、一昨年のあのロッキード問題というような問題が起きたこの契機に、政界のあり方というものを反省し、間違いがあればこれを正すということをすることが、これは国民に対する責任である、このように考えておるわけであります。  そういう考え方の中で、自民党を一体どうするんだといいますと、いままで、とにかく諸悪の根源は総裁選挙にある、こういうことに言われておりましたので、その総裁選挙を、これを広く各界各層の多数の党員に依存をする、こういうようなことにする。  それから、第二に党の財政です。率直に言いまして、いま御指摘もありましたが、わが自由民主党の財政体質、これは企業に依存する、それが偏重というような形で運営されてきたと、このように思うのです。私はその企業献金、これをすべて悪だというふうにはきめつけません。しかし、この企業に偏重する財政体質、そういう中で何となく過ちを犯しやすい傾向になってくるだろうというととを憂慮いたしまして、そういう企業偏重という財政体質を、これを党員または党友に依存をするという方向に改めるというので、いま御承知のとおり党員の拡張運動、それからまた党友、自由国民会議会員の獲得運動、これを展開をいたしておるわけでありまして、これは私は相当大きな実績を上げることができる、こういうふうに考えております。それからさらに、自由民主党の組織自体、財政体質と相並行いたしまして、これはいままで閉ざされた自由民主党といいますか、議員、またそれを取り巻く一部の政治プロと申しますか、政治愛好者、そういう人の集団であった感の深い党の体質を、これを国民次元に拡大をする、こういうこと、そういうことを目指してやっておるわけですが、そういう中で政治資金という問題、これはかなり私は改善をされてくる、こういうふうに思います。新政治資金規正法、これはかなり厳しいものでありまして、これを厳格にやっていくということにいたしますれば、私は各政党のただいま申し上げましたような努力と相まちまして、政界はかなりきれいになっていくであろう、またそうさせたい、こういうふうに考えておるわけです。  いま具体的に御指摘の建設会社からの寄付は一切これをやめたらどうだと、こういうような御所見でございまするが、企業体も一つの社会単位でございまするから、その献金というものを全部否定するという必要は私はないと思うのです。要は、これは節度の問題でありモラルの問題である、そういうふうに考えますので、その節度、モラルの面につきましては、これはひとり建設業ばかりじゃありません、あらゆる企業に対しましてその方向を堅持してまいりたい、このように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは、各党がとおっしゃいますから申し上げますが、私はいろいろ調べてまいりましたが、各党にわたっていないのであります。建設業からもらっていない政党は、社会党、公明党、共産党は全然出ておりません。そこで、いまのように御努力なさるのであれば、なおさらのこと大きな国民の借金で建設事業をやっていく、公共投資をするわけですから、しかも他の企業、一連の企業と同質に物を考えるところに根本的に間違いがある。今日の入札契約との関連、入札指名の関係等から、建設業に関する限りは非常に弱い面を企業は持っています。わかりますか、それは。ですから、言えば出さざるを得ない、指名がいただけない。いやそれは出さなくても指名するんだというのは口だけのことである、そうして入札にはすべて一〇〇%と言っていい談合がつきものになっていることは御承知のとおり。衆議院でも指摘されていました。公明党の坂口議員でございましたかね、事実を挙げて指摘していた。私はそのとおりだと思う。それであるだけに、とりあえず大きな公共投資をするに当たって――道路が一千メーターつくものが六百メーターしかつかないんじゃないか、これだけ政治資金に取ってしまえば。そういうものなんですよ。ですから、他のいわゆる清潔な政治資金とは違うという認識のもとに私は再度お伺いしたいのであります。やめていただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたように、政治資金は全体としてこれを扱うのに峻厳な姿勢でなけりゃならぬ、そういうふうに思いますが、ただ、特定の会社からの献金は特別に規制する、こういうような考え方はいかがなものだろうか、こういうふうに思うのです。すでに政治資金規正法というものがありまして、この請負、大建設会社の政治資金の拠出の方法、これはかなり窮屈なことになっておりますので、この法律を遵守するということで大方の問題は解決していくんじゃないか、そのように思います。特定のそういう業種を限って特定の扱いをすると、こういう考え方、これはまあいかがなものでしょうか。これは国会で御論議を願いまして立法でもできますと、こういうことになれば格別でありますよ。しかし、これを一つの申し合わせみたいなことで、一つの政党だけがやっていくというのは、これはなかなか困難な問題である、そのように思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 簡単に申し上げます。じゃ従来どおりお取りになるわけですね。特定企業と言われますが、時間がないのでこれ以上申し上げませんが、建設請負契約の関係は特別な事情にあることを申し上げた。従来どおりお取りになるならなる、はっきりしていただきます。それは世論がまた何らかの評価をするでございましょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 建設会社といえども、これは政治資金規正法を厳重に適用いたしまして対処をする、そういう考えであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、政治資金規正法を守るとかでなしに、取るんですか取らないんですかというんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 自由民主党の政治がよくなれと念願してこの拠出をするという人の好意は、これをお受けいたしたいと、かように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 三木前総理は、これは自由民主党の総裁でもあり、政治資金規正法改正に当たって、五年先には企業献金はこれを取りやめますという声明をされているわけで、あと二年余りになったわけであります。福田総理・総裁はいかがいたされますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 改正政治資金規正法にありますように、五年たったら政治資金のあり方を再検討する、こういうことになっておる。私も、その際にこの政治資金のあり方というもの、五年間の経過を踏んまえまして再検討するということは大賛成であります。皆さんと相談をいたしたいと、このように存ずる次第でございます。しかし、自由民主党に関する限りは、先ほども申し上げましたけれども、党員の拡大、党友の新設、そういうようなことを通じまして、企業献金、これに依存をするという体制は、五年を待たず、もう今日から大きく変化してくるであろうと、こういうふうに考えるわけでありまして、いわゆる五年後という問題、それはそれといたしまして、自民党といたしましては、とにかく財政体質、これを企業偏重から個人に中心という方向へ移行さしたいと、このように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、ポイントは、五年後は企業献金は取りやめるという当時の三木総理・総裁の言明は受け継がれて実行されるのかどうかという点であります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、五年後になりまして企業献金を取りやめるということは申し上げません。企業献金を、これを取りやめるという考え方は持っておりません。企業も、これは一つの有力なる社会単位でありますから、これが何がしかの社会活動をする、これはもう当然のことである。ただ、これに多くを依存する、そういうことがいけないんだ。その依存をする過程においていろいろな問題が起きる、こういう可能性が多いわけでありますから、私は企業献金は、これは差しとめはしませんけれども、しかし企業献金に党財政の主力を依存するというような、そういう体質につきましてはこれを改革したいと、こういうふうに考えまして、いま党員の拡大だとかあるいは党友の獲得――党友制度の新設でありますとか、そういうことをただいま自由民主党としてはやっておる。まあ法律にうたってありますが、あの法律が改正されましてから五年たったその時点におきまして、政治資金を制度としてどういうふうに扱うかということにつきましては、これはただいま申し上げましたように、企業献金は悪としてこれは全部廃止するということじゃないけれども、これに多くを依存するという状態はよくない、こういうふうに考えますので、そういう方向でぜひ皆さんとともに合意を得て、そうして改革をしたい、かように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いろいろ言われますが、三木内閣におきましては企業献金取りやめの声明をされ、実行を国民は期待していたところですが、これはさっぱり捨てておると。五十二年度――昨年度、自由民主党の献金は、発表によりますと八十三億約五千万円であります。こういう政党は日本にはないと思う。政治権力を持って、そうして公共事業を実行するに当たって建設業からも取るというし、不景気はばらまくし、失業者は出すし、これでは国民はたまったものじゃないです。反省してもらいたいと私は思うのです。  そこで、さらにロッキード問題、いわゆる灰色高官なるものはもう灰色から真っ黒になってしまったんです。これはロッキード特別委員会をつくっていても証人に出さないと、こういうことはあってはならぬことであります。総理は衆議院段階でも、これは各会派で相談してくれというところへ逃げ込んでいますが、もっと党内にもそのリーダーシップを発揮されて、疑惑を解いていく、またあるものはあるもので事態を明らかにしていく。さらに、日韓についても地下鉄二号線までが今度火がついていることは事実であります。これについては法務大臣からもお答えいただきますが、一連の資料を検察当局に渡しておこうくらいの姿勢なんです。これがやはり法を守り、そうして犯罪を予防し摘発する任務にある検察庁並びにこれが統括をしております法務大臣としていかがなものであろうか。総理としてまたこういう事態は率先して事態の究明に当たるべきではないかと思う。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ソウルの地下鉄問題につきましては、衆議院におきまして、今国会におきまして大変いろいろな御指摘があるんです。ああいう御指摘があります以上、この真相を明らかにする、これは私はもう本当に好ましいことであり願わしいことであると、このように考えて、政府としてもいろいろの角度からこの問題の調査をいたしておりまするけれども、何分にも強制的な調査をするという立場にない政府として、突っ込んだところまで調査がいきかねるというような状態であります。そこで、国会の御審議の過程で皆さんの方からいろいろ御質疑もある。その御質疑に対しましては、少なくともできる限りお答えしょうというので、これも精力的に調査をいたしておるわけでありますが、まだ必ずしも皆さんの御納得を全部は――全部ですね、お受けしておらぬと、こういうような状態でございまするが、お含みおき願いたいのは、これは強制調査権がない、そういう政府といたしまして、とにかく、かなりその制約の中では突っ込んだ調査をいたしておるわけでありますが、なお御質問等がありますれば、それを手がかりといたしまして、さらにこの調査を進めるということにつきましては決してやぶさかではございません。何とかして真相を明らかにした方がよかろうと、このように考えておる次第でございます。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) ソウルの地下鉄問題等について、何か法務省が放任しているような印象を受ける御質問がありましたが、そういうことではございません。この問題に限らず、あるいは国会、マスコミ等でいろんな問題が取り上げられる場合がありますが、そういう場合には、法務省、検察としては深い関心を持つことは、これは当然でございます。ただ、御承知のとおりに、犯罪であるかどうかの見当をつけなければいわゆる捜査に入るわけにまいりません。この問題については、深い関心を持って各種の資料を調査、検討を進めておる。これ以上いま申し上げるということはかえって適切でないと思いますから、詳細については申し上げないということにいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 瀬戸山法務大臣のお答えがどうもさっぱりよくわかりませんが、要するに、検察当局に対して法務大臣としてもこれが調査について督励をするという姿勢なのか、どうにもならぬからほっとくというのか、そこが聞きたいんです。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 法務大臣としては個々の事件について指揮はいたしません。指揮はいたしませんが、そういう犯罪性のあるものについては、検察当局が全力を挙げて捜査をすることは常に指揮をしておるわけでございます。ただ、この問題については、いま申し上げましたように、いろいろ国会でもあるいは新聞等でも取り上げておりますから、その状態を明らかにすると、こういう意味で資料の収集、各種の検討をしておると、こういう段階でありまして、犯罪の嫌疑ありという状況にはまだ今日報告になっておらないわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 大蔵大臣、国税庁等はどういう態度ですか。これは第一、第二地下鉄等を通じて不当な利益を上げ、あるいはロッキードについても、これは時効という説もあるのかもしれませんが、零細な庶民については大変な徴税強化でありますが、こういう大きな問題が時効待ちの形は許されないと思うのであります。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 地下鉄の問題につきましては、いま国税庁の方で調査中だと聞いているわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 国税庁は来ているのかな。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 来ていないようです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 呼んでもらいたい。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) それじゃ国税庁長官を呼びます。その間どうぞ。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その間、他の問題に触れてまいりますが、四月三十日、総理は日本を立ってアメリカに行き、カーター大統領と会うと、この日程は総理みずからの強い要望でこういう時期になったと言われております。そのとおりですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 率直に申し上げまして、アメリカでは六月中旬ぐらいが向こうとして一番いいし、またそういうことでありますれば、カーター大統領は西海岸に出向きまして、太平洋の波打ち際で太平洋の諸問題を含めまして私と会談することができると、こういうふうに言っておったのでありますが、私どもの方にも私どもの方として政治上のいろいろな日程等がありまするし、そういうことを考えまするときに、まあ五月上旬でありますれば、ちょうど連休の時期になる、国会の方でもさぞお許しを願えるんじゃないか、そのように考えまして、アメリカもその私の考え方を了といたしましてそのように決定されたと、こういうことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 さらに、国連の核軍縮を中心とするハイレベルの構成で総会が持たれることになりました。これは総理、意外な熱意で、二月十八日のテレビ朝日における総理の談話等々見ましても、みずから乗り込んでいって核軍縮に相当重大な役割りを演ずるかのような御発言でしたが、これは事実でございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国連の軍縮会議が開かれる、その機会にわが国としてだれが代表として出向くかと、こういう問題があるわけでありますが、これは国連でわが国に発言を割り当てるその日取りの問題がひとつはあるわけであります。  それからわが国といたしましては、わが国は五月といいますれば国会の問題がありまするから、そう心う関係も考慮しなけりゃならぬ。そういうことでございまするが、すべての関係がある。  それからさらにもう一つあるのです。これは主要国が一体軍縮会議に対しましてどういうふうな対処をするか、つまり大統領、首相がこの会議にどういう状態で対処するかということでございますが、そういう諸般の関係を見まして、日本の首相がここへ行くのが妥当であるということでありますれば、そこへ出向きまして、そしてわが国の平和に対する、軍縮に対する基本的な考え方を大いに国際社会に対しまして申し述べてみたいと、そのように考えています。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それではカーター大統領と会い、また一時帰国されて、この国連総会に臨まれるというわけでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) カーター大統領と五月初旬に会談をする、その前後にということはないんです。これは恐らく国連の会議が開かれますのが五月中旬以降じゃないかと、こういうふうに思いますから、もし出向くといたしますれば、日米首脳会談から一度国に帰りまして、それから出直すと、こういうことになろうかと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 では、国連の核軍縮を中心とする総会には出席するという方向でいま日程を組んでいらっしゃるのですか。もう一度重ねてお伺いします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまのところ全然白紙であります。諸般の情勢を見てどうするか、私が参りますか、あるいは園田外務大臣が参りますか、それを決めると。ただいまは白紙である、このように御理解願います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しかしいま指摘したように、二月中旬ごろから特に国連の核軍縮にはみずから乗り込んでいくんだという、これはデノミなり行革なり、言うこととやることが違うんだというのがそろそろ定評にはなりつつあるとは言いながら、まだ一カ月もしないうちに、まだ白紙だなんて、そんな白紙のようなことをなぜ堂々とテレビその他で発表したりするんですか。はっきりしてくださいよ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いままでどこの場でありましても、私はただいま申し上げたようなことを言っておるんです。国連側の日本代表受け入れの準備もある。またわが国の方の政治日程のこともある。それから各国がどういうふうにこの会議に対処するかという出方も見なけりゃならぬ。そういうことを総合いたしまして、日本の総理大臣の出席かどうかということを決めるんだと。行くことになれば、わが国といたしましては、わが国の平和外交路線ということを中外に向かって堂々と主張するんだと。これはいつもそういうふうに申し上げているわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私が聞いていて、それはうそですよ。それはあなた、核軍縮総会に乗り込んでいくということは、もうだれが見ても明白な発言をされている。ですから五月二日、カーターと会いたいというわが方の日程を、いわゆる五月上旬に決めないで、この国連総会と合わすようになぜ言えなかったのか、そこのところをお伺いいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そういう考え方も一つとれると思いますけれども、アメリカの方の都合のことも日米会談といえば考えなければならぬ。わが方だけの都合で決めるわけにいかないですから、アメリカの方の都合から言いますと六月の中旬がいいんだと、こういうことなんですよ。それを国連総会、わが国の都合、これと合わしてどうのこうのという、そういうこともなかなかむずかしい。そこで五月上旬日米会談というふうに決められましたので、これは何かいろいろ腹があってそういうふうにしたような、そういうニュアンスのお尋ねでございますが、腹中何もありません。もう本当に日米会談として、いかなるタイミングがこれは日米双方にとっていいかというだけの立場で決めたわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 腹があるようにというのは、みずからにあるからちらちら出るんでございましょうが、五月上旬にこだわったのですよ、あなたはカーターと会うのを。アメリカの都合があるにかかわらず、六月だというのに上旬だ上旬だ。これを受け入れたんです。間違いなくそうなんです。それならば上旬じゃなくて、国連総会がある下旬に設定をなぜしなかった。国内政治日程もありということですが、何があるんですか、これを聞きましょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は国会尊重主義者であります。そこで国会に一番支障のない時期と言えば、五月の連休の時期ではないでしょうか。恐らく五月の連休の時期と言えば国会の方でもそう御異存はないところであろう。国会尊重主義、そういう一念から五月上旬説を主張したと、こういうふうに御理解を願いたいのであります。  さて、国連の軍縮会議といいますと、まだ私は詳細に確認はしておりませんけれども、日本側を受け入れる、日本の代表が総会において演説をする、そういう時期は五月の月末ぐらいのタイミングになるんじゃないか、そのように考えられるわけであります。五月の下旬というタイミングはどういうタイミングになりますかというと、私は、この国会が順調に進みまして、もう会期どおりこれが終了するということを念願をしておりまするし、またそう信じてはおりまするけれども、そうなることとは信じておりますけれども、しかし場合によって、国会のことでありまするから、皆さんが会期を少し延長するなんというようなことを言い出さないとも限らないと、こういうふうに思うわけであります。その辺のこともとにかく配慮しますと、国会尊重第一主義だと、その私といたしましては、五月中この日程をとる、決めるということは、これは妥当じゃないんじゃないかというような感じを持っている次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣、国連総会はいつでしたか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 国連総会の開会日、終了日は後で詳しく申し上げますが、予定されておる演説の日にちは五月三十日でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ間違いだらけですが、これは冒頭、大蔵大臣はでたらめ言うが、総理はわりに正直だと思ったが、この辺からどうもおかしくなってきて、国会尊重だと言ったって五月十七日で国会は終わりですよ。私どもは、この不況の中に何とか、余りいい予算ではないけれども、それはそれなりに成立させようと努力しておることは御承知のとおりなんです。いわんやこの五月十七日以降大幅に延長して、月末の五月三十日の、総理が出ていければ行ける、そのときまで国会を延ばしていこうなんて考えてない。いつも与党なり政府が会期の大幅延長をやる、こういうことなんです。ですからそれは理由になりません。したがって、言われているのは衆議院の解散日程をとったのだと、こういう不景気の中で、しかもだんだん景気はどん底に落ち込んでいく、失業者はふえる、企業倒産はふえる、そのまだまだどん底までいかないうちに解散しなきゃこれは総理のいすがどうなるかわからないというところなんでしょう、あなたの考えというのは。解散をやるんですか、やらないのですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま頭の中がこの不況克服をどうするか、これでいっぱいなんです。またその背景といたしましては、世界の経済を落ちつけなければならぬ、これでまた頭がいっぱいである。内外がそういうふうに難問山積している際に国会を解散して、そうしてエネルギーをその方面に使うというようなことは、これは私は国家的な考え方じゃない。このように考えまして、ただいま頭のどこのすみにも解散のかの字もございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、ただいまというのが、いつも後へいくと速記録を見てくれ、ただいまと言ってた、あの日のことなんだと、何遍もだまされてきたんだ、私は。ですから、いまの御発言はただいまじゃなくて、この不況乗り切りのために、そういう福田個人の総理のいすにつくためにここで解散するなんていうようなことは、それはそうですとは言われないことはこれはよく承知しておりますよ。しかし、まあそうであるように世は伝えているんですね。総裁選挙を控えて、この際だから二カ月の空白をとったんだと。しかしいまではなくて、頭の中にいずれにしてもこの不況を克服していくということが、これは最大の政治課題でなきゃなりません。そうである以上、総理も言うように、衆議院解散というものがこの五月なり六月にあり得るはずはないと、こう考えてよろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そのとおり御理解願って結構でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 日銀の森永総裁にお見えいただいて、日程もあるようでございますからお伺いしますが、私どもの調査なりいろいろ玄人筋の見解等を見ましても、下手をすると円高はさらに進みまして、対ドル二百二十円ぐらいまではいく可能性があるということが、かなりの権威のある発言として伝えられております。まさに二百三十五円十五銭ですか、きのう、ニューヨークとロンドンで多少の差はありますが、こういうときに金融関係についても、これはこの間買い支えは何か断念されたように伝えられてもおりますが、四億ドルでとめたとか、これからこのドル安円高に対して金融の元締めの総裁としてどう対応されるのか。その一環として伝えられている公定歩合、これをどのように対処されるのか。  それから一方また、景気だけとられていましても漸次これは二月、先月あたりからどうも物価上昇――建設関係を中心に消費者物価に波及するいわば物価高、インフレの傾向もこれは安心しておれない事態があるように私は思います。そうだとすれば、今度の大型国債について相当の日銀引き受け、あるいは銀行はこれを売りたいというような点からもインフレの大きな要因になるような気がしてなりません。  それから次は、金利がここまできて国税庁等は郵便局征伐をいまやっているわけでありますが、財投の財源等から見ても郵便局の機能はかなりこれは評価しなきゃなりませんが、いわゆる郵便貯金です。公定歩合が下がって貸出金利と連動して零細預金金利まで下がっていく。物価は上がる。この差というものは大きくなってくるように思うのです。  以上についてまずお答えをいただきたい。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) お答えいたします。  公定歩合の引き下げにつきましては、今後の経済情勢の推移いかんにもよることでございますが、目下のところこれをさらに引き下げることは考えておりません。御指摘がございましたように、円高の問題がございます。変動相場制でございますので、為替相場の形成は市場の需給にゆだねるのが基本でございますけれども、私どもといたしましては、余り急激にかつ大幅な円高が続くというようなことになりますと、輸出産業にも影響をいたしますのみならず、マクロ的にやはりデフレ的な傾向が増強されるわけでございまして、日本経済の景気回復にとってもかなり問題になるわけでございますので、できるだけ為替相場が安定的に推移いたしますようにということをこいねがっている次第でございます。  それにつきましては、もちろん基本方針としては、やはり経常収支の黒字幅が早く縮小することが望ましいわけでございますが、その間、投機的な要因等によりまして為替市場に激変が、激動が起こるような場合には、従来同様断固として介入をちゅうちょしないつもりで運用しておる次第でございます。  国内景気の回復の状況、これが円高の関係から公定歩合の引き下げの問題が盛んに取り上げられておるわけでございますが、それにつきましては、目下のところは何も考えていないわけでございますが、一般論として申し上げますと、仮に公定歩合を引き下げますような場合には、預貯金の金利を全然無視できないような場合が多いということは確かでございます。預貯金が国民の貯蓄手段の中での一番重要なものでございますので、その金利の持つ意義はきわめて重要な意味があるわけでございますので、その辺はわれわれとしても配慮しなければならないわけでございますけれども、預貯金金利といえども、やはり金利体系の一部をなすきわめて重要な金利でございますので、金融政策上どうしても下げなければならぬという場合には、やはり預貯金金利についても考えを及ぼしていかなければならない場合が多いわけでございます。その辺のところは御了承をお願いしたいわけでございます。  以上でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これも目下のところという表現ですが、今月いっぱいないわけですか、公定歩合。それから、伝えられるところによると政府は非常にせっかちに考えているようですが、〇・七五とか〇・五とか、これは今回の場合はその程度であれば郵便貯金まで連動するのかどうか、預金金利にですね、いかがですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) 一般論として申し上げるわけでございますが……

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、具体論ですよ、これは。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) まだ公定歩合の引き下げのタイミングないしはこの幅その他につきましては具体的に考えておりませんので、郵便貯金との関係を具体的に申し上げかねるのでございますが、先ほど申し上げましたように、預貯金金利の、問題をやはり全然無視することはできないことになる場合が多いのでございまして、そういたしますと、やはりひとしく零細預貯金を扱っておりまする民間金融機関と郵便局とのバランスというような問題もどうしても出てくるわけでございますので、やはり何しろ三十兆というような世界一の大金融、貯蓄機構でございます郵便局の問題が当然この預貯金金利を考えます場合に、その中に入ってくることはやむを得ないのではないかと考えております。以上は一般論でございますから。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理はいかがですか。何か衆議院ではかなり公定歩合に深くタッチされた発言があったようですが、いまの円高の状況下においてどうあるべきか、お伺いいたします。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 衆議院の予算委員会でいろいろ公定歩合に触れての御質問がありました。ありましたが、私は、いま新聞等で伝えられている目前の公定歩合論議ですね、これに対しまして私の考え方を示したことはございませんです。私は、これから景気が一体どういうふうになっていくか、それに応じてどういう対策をとっていくのかという御質問がありまして、その質問に対しまして、いま今日とっている施策は財政中心であるけれども、今後は財政ばかりじゃない、景気を動かす手段というものはいろいろあるんだ、金融政策もあればその他のいろいろなもろもろの施策がある、それら全部を見回しまして、その当該時点においてどの政策を選択するがいいか、そういう判断をしなければならぬが、要するに今後経済の動き、これを見て、それに対しまして政府といたしましては積極かつ大胆に対処する、こういうことを申し上げておるわけでありまして、当面のこの公定歩合論議につきましては私は触れることはいたしておりませんし、きょうせっかくのお尋ねでございまするけれども、これも控えさしていただきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 森永総裁に再度伺いますが、これはマスコミ――新聞その他を通じてもごらんでしょうけれども、総理はいまここではあんなことを言っていますが、かなり昨日の二百三十円台については焦慮されているように私は伺っております。これはもう当然のことだと思うのですよ。それを受けて公定歩合等についての所見があったように思うわけですが、内閣と日銀総裁との間に多少その辺のニュアンスの差があるわけでしょうか。いま聞きますと、一切目下考えていないということのようですが、相当なセンスに開きがあるように思いますが、いかがですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) 経済情勢全般につきましては政府、特に大蔵省と常時緊密な連絡をとっておる次第でございまして、そのときどきの情勢判断につきましては、極力思想の統一を図っているつもりでございます。特にこの為替の問題は影響するところ大きいわけでございますので、その日その日の情勢につきまして情報を交換し、対処策等につきましても緊密に協議をいたしておるのが実情でございます。  当面の公定歩合の問題につきましては、新聞紙上その他大変にぎやかになってまいっておりますけれども、基本的な対処方針等につきましては、大蔵省と申しますか、政府と申しますか、と私どもとの間に意見の食い違いはないと信じております。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 日銀総裁、まことにありがとうございました。以上で御退席をいただいて結構でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そこで、国税庁長官が来たようですから保留した問題に触れますが、議論は日韓癒着と言われている衆議院段階でかなり明確になった地下鉄問題、第一、第二地下鉄等について、不当な利益を上げ、あるいは相当な所得というものがあったにかかわらず、国税庁は一体何をやっているかというのが、これが一つであります。  もう一つは、特に昨年から企業、特に建設業に使途不明金処理約三百億、これが出てきた。これについて一部は調査をしたようですし、実態が明らかになったようでありますが、その後のこれが調査の状況もあわせて承りたい。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 先生御質問のまず第一点のソウルの地下鉄問題に関連する税務調査の問題でありますけれども、これは東京国税局並びに大阪国税局が所管しておりまして鋭意調査をしているところでございます。衆議院でも御答弁申し上げましたけれども、関西方面の二社につきましては、当該問題に関する調査というものは終了しております。それから東京の二社につきましては現在調査続行中でございまして、可及的速やかに結論を得たいと考えております。  それから、その次のいわゆる使途不明金の問題でございますけれども、これは御指摘のように、税務調査に当たりまして、いわゆる使途不明金というものがある、それに対しまして私たち税務官吏といたしましては、その使途を明確にするためにその支払い先等につきまして追及してまいるわけでございますけれども、遺憾ながらわれわれの実績では、いわゆる使途不明金のうちの使途先あるいはその性質等が解明されたものは約一〇%足らずというところでございます。したがいまして、そういった場合には、使途が明らかでない場合には、当該支出しました法人等につきましての経費性を否認いたしまして、法人税によってこれを負担してもらうという処理をしたわけでございますけれども、しかし税務全般の立場から考えますと、ただ単に法人税として負担すればそれでいいというものではございませんで、やはり負担の公平、税務の適正な執行という観点から、この使途不明金の追及については今後ともわれわれは努力してまいるつもりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまソウル地下鉄問題の調査対象はどこになっていますか。

磯邊律男国税庁長官

○政府委員(磯邊律男君) 商社側につきましては、東京におきましては三菱商事、三井物産、それから関西方面におきましては丸紅、日商岩井の四社でございます。それから、さらにまた問題になっております、いろいろと御指摘を受けております日立製作所、それも広い意味におきましてこの問題の調査の対象となっている法人でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間がございませんので、そこでもとへ返しますが、総理は五月二日のカーターとの会見は一体何をお話しになるんですか。どうもこの中身がはっきりしない。まあ円高ドル安、あるいはまた何だかいま九十何名が、約百五十億ドルくらい、三井物産の社長が団長でおいでになっているようですが、物事が逆なように思うです。いまは売り手市場ではないわけですから、アメリカへ行って探さなくても、買ってほしければ日本に来たらいいんですよ、アメリカはね。これはストラウス・牛場会談等の結果として出てきているデレゲーションですから、いまさらやめろとは言いませんが、どうも姿勢が逆なように思うです。その反面にECとか、特にニュージーランドの総理大臣が来てもすげないようなことで、そのはね返りがやってきておるというんですが、カーターと会った場合に一体何を話そうとしているのか、どうもさっぱりわかりませんので、詳しくひとつ。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国とアメリカ、この両国は特殊な関係にあるわけであります。この特殊な関係にある両国の首脳が、まあ年に一回ぐらいは会談いたしまして、そしてお互いに意思の疎通をしておくということはそれ自体私は必要である、このように考えるわけであります。わが国はまた、世界全体に対しまして大きな責任のある立場に今日なってきておるわけであります。いま世界は経済的な非常に混乱時である、その中におきましてアメリカは何と申しましても世界第一の経済大国である、わが日本は自由社会におきましてアメリカに次いで第二の工業力を持っている国であります。その経済が世界的に混乱をしておる。そういう中でアメリカと日本、この両国がどういう立場をとるかということは世界の経済に非常に大きな影響がある。しかも、いまこの世界経済が一体どうなるかということはそれは経済だけの問題じゃないんです。これはやがて政治に非常に大きな関係を持ってくることであろう、こういうふうに思うわけであります。そういうことから考えまして、国会の都合等を見計らいまして五月上旬に会談をいたしたい、こういうふうにいたしたわけでございます。  したがいまして、日米両国の首脳が会談をして話し合う問題というものは、これはもとより、いま最大の世界問題であるこの経済問題をどうするか、これはもう通商の問題もあり、通貨の問題もあり、あるいは発展途上国に対する問題もあり、あるいは自由貿易体制をどうするかというような問題もあり、各般でございまするが、とにかく世界経済、そういう問題。それからもう一つは、とにかく私ども日本はアジアの一国である。アメリカもアジアに対しましては重大な関心を持っておる。そういう立場からこのアジア問題またさらにはアジアばかりじゃない、これはただいま申し上げましたような大きな立場にある日米両国のことでありまするから、あるいは中東問題につきましても、あるいはアフリカの問題につきましても、あるいは南米の問題につきましても、あるいはECの問題につきましても、それぞれ当面する諸問題につきまして意見の交換をする、こういうようにいま考えておる次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ときには会っていろいろお茶飲み話をするというふうに聞こえるわけですが、日本は重大な局面に立っている時期であるだけに、国民の納得のいく内容をひっ提げて乗り込んでいくということでなくちゃなりません。ただ荷物を背負って帰ってくるということであってはなりませんのでお伺いしたわけでありますが、どうも広範な問題のようでありますけれども、煮詰めてみると、経済問題については、アメリカはまた関税の切り下げとかいろんな――今度自動車問題が私は出てくるように思いますが、そういうものをむしろ逆に提案してくるようにも思われるわけで、ドル安、世界のキーカレンシーであるドルがこんなていたらくでありますから、もっとわが方のまとまった世論を背景にカーターにぶつけてもらいたいと思うわけですが、その心構えがございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私が海外に旅行する、特にアメリカへ行くということになりますと、よくみやげはどうだ、また荷物はどうだというような御議論がありますが、そういうようなみやげ、荷物というような感覚で私は行ってくるんじゃありません。  とにかく一番大きな問題は、いま本当に世界は経済危機であります。この経済危機に対しまして、とにかくアメリカは世界第一の経済大国である。わが日本は自由社会で第二の経済、工業力を持っておる。そういう国でありまするから、この二つの国がどういう対処をするかで世界の動きというものは相当大きく変わってくるんですよ。そういう立場におきまして、わが国の黒字過剰の問題、またアメリカのドル不安の問題、こういう問題はひとりアメリカの問題でもなく、わが日本だけの問題でもないんです。これは世界全体に大きな影響を持っておる問題ですから、そういう問題についてお互いにどういうふうにするかというようなことを話し合いすることはきわめて私は世界のために大事なことである、こういうふうに考えておりまして、それらのことを中心といたしまして、世界全般の平和、繁栄をどうするか、また一つ一つの問題、これにつきましても時間の許す限り日米双方が腹蔵のない意見をぶつけ合いまして、そして世界のために貢献をしていく、これが私の考えでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 随行は、閣僚についてはどういう方が一緒にお行きになるんですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま外務大臣、牛場国務大臣、この両者が同行する、このように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま時期的に無理かもわかりませんが、さっぱり内容はない、荷物は背負ってこないということは、荷物は持っていかないということでしょうが、世界の経済、もちろん今日の世界経済の一環としてのわが国ですから、これは重要な意義を持つし関連を持つことは百も承知しておりますが、なかんずく、わが日本の経済実態というものはまことに憂慮すべき状態であることはもう御承知のとおりであります。それだけにカーターと会う以上、わが国の利益、パーソナルインタレストの立場に立った外交なり折衝をしていただきたいことを申し上げておきたいと思います。  さて、当面する不況対策と財政についてでございますが、構造不況産業、これは造船なりあるいは紡績、綿なり化繊等々かなり広範にわたっていることは御承知のとおりであります。これに対処するに公共投資ということでございますし、あるいは住宅対策を大きな柱にしていることも承知いたしておりますが、さて今度のこのような政策における波及効果、やがて景気が、総理の発言をしてするならば、トンネルから出始めるのだ、明かりに出るところなんだ、五十三年度は、ということですが、私は非常に暗い見通しを持っております。したがって、構造不況対策、今度法案が出されておりますが、これでは救済に十分とは言えないと思うのでありますが、さらに、この際、本院におきましてその構想を、今後に対処する予算のみならず、経済政策全般についてお伺いいたしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまわが国の経済の実態を率直に申し上げますと、基本的にはよく言われますがデフレギャップがある、つまり設備過剰、こういう状態になっておる、こういうことであろうと思うのです。その設備過剰の状態が一体どの程度のものであるか、これはいろいろ見方があるようでございまするけれども、私は大体非常に大ざっぱに言いまして一〇%ぐらいの設備、これが過剰状態が改善されませんと、経済、景気の状態というものは正常な状態というふうに言えないと思うのです。今度、公共事業を中心といたしまして、そして大いに需要を喚起する、これはデフレギャップというか、それを埋める。つまり裏返して言いますと、企業の操業度を上げる、こういうことでございますが、この施策がどうしてもいまわが国の経済を正常化するというために必要であるというふうに考えております。  しかし、同時にこれだけで十分であるかというとそうじゃない。いまお話もありましたけれども、構造不況という問題があるのです。これは日本経済の発展度をかさ上げをする、そういう需要拡大政策だけじゃとても救い切れない。いわゆる構造不況と言われる業種以外の業種は、日本経済のいわゆるデフレギャップ、つまり設備過剰状態を解消するということによって解消されるということになりまするけれども、構造不況業種はそれだけの一般的な施策ではこれは事が解決し切れない、そういう深刻な問題を抱えておるわけで、つまりかなりの設備過剰の状態、これは一般的なデフレギャップの解消というような政策ではとても解決できないくらい深刻な過剰状態を抱えておる。そこで、過剰状態に対しましてこれをどうするか、そういう別の施策が必要になってくる。その両建てです。一般的な経済のスケールをかさ上げしようというそういう政策と、それからもう一つは、それで救い切れない業種に対しまして設備の凍結でありますとか設備の廃棄でありますとか、その他のいろんな施策を講じましてその再建を図る、こういう二つの政策が両々並行いたしまして初めて日本経済は安定をする、こういうふうな見解でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私ども、ずっと長年過去を知っていていろいろ論議してきた者といたしましては、いわゆる高度経済成長は、私は、当時から日本の景気は投資が投資を呼ぶいわば投資景気だと、このために大企業中心に租税特別措置あるいは地方税の免除あるいは社会資本の投資等広範な保護政策をとってやってきた。いまや稼働率も八〇ないし八五程度、ばらつきがあるとしても、そんなような状態になり、かつ設備を廃棄するというようなこの一連のものを見るときに、もはやわが国のような資源その他から見ても非常に困難な情勢下にある中で、人口密度が高いわけでありますから、ティピカルな自由主義、資本主義の政策そのもので、私はわが国の経済運営というものができるはずはない。外国大公使会議等かなり前に持たれた模様も私は現地でも聞いたが、日本はいまのような状態は続きませんと言っているのは、これらの人たちであったわけであります。私は、いまここでいわゆる社会主義政策に切りかえろと、そういうことではなくて、資本主義というか自由主義とおっしゃる経済においても、もっと緻密な、きめの細かい計画性を持たした施策を実行されなきゃならない。  アメリカの予算にいたしましても、五十三年度予算には五十四年度がほぼ骨格がくっついてくる。ドイツについて予算を見ますと、数年の予算という見通しがついてきて、これを逐次アジャストして単年度予算に直していくというやり方をしております。そして産業その他の社会化がかなりドイツも進んでいるわけであります。わが国だけが、政府が何を決めようと、中期長期計画を決めようと、問題は財界がどうするか、財界統制経済に入っていると私は思うのであります。こういういわば基本的なわが国の経済運営あるいはその組織構造自身をそれなりに計画性を持たせるということ、しかも実行力のあるものにしなきゃならない。去年ここで、もっと計画性を持たせなさいと、例として陸上輸送についてのことも申し上げましたが、いやそれは統制になると。統制のことは考えておりません、非常にむだが多いんです。こういうことで、私は、この際、こういう危機に立っていて、高度成長そして深刻な長期不況、これは循環不況ではないと思う、構造不況だと定義されているだけに運営の方向を変えていくべきではないかと思うが、いかがでございましょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 経済運営の基本的な仕組みといたしまして、計画経済がいいのかあるいは自由経済がいいのかということになると、私はもうこれは自由経済、この方が文句なしにいい、こういうふうに思います。  世界じゅうを見回してみましても、同じような実力を持っている国が計画経済でやっているあるいは自由主義経済でやっている、それを比べてみたときに、自由経済体制の国の方がはるかに私はよくやっておる、このように考えますので、その辺は文句ないんですけれども、しかし、自由体制だ社会主義体制だと言っても、これは私は絶対的なものじゃないと思うんです。社会主義体制の中でいい点があれば自由主義体制の中でもこれを取り入れていったらいいし、社会主義体制を謳歌する人におきましても自由主義体制でいいところはどんどんつまみ食いしたらいいんじゃないか、このように思います。要するに、私は、計画経済だ社会主義経済だ、あるいは他方自由主義経済だ資本主義経済だと一方にきめつける必要はないと思うのです。お互いにいいところはあるんですから、いいところをとって、そして活力もあり、また展望につきましても、確かな展望というものが立て得るような、そういう経済体制というものをつくり上げていったらいいんじゃないか、こういうふうに思います。  私は、基本としては自由主義体制がいいと思いまするけれども、それで自由放任になっちゃ困るんで、またその自由が行き過ぎまして、そして他人の利益は顧みないというようなことになっても困る。その辺につきましては十分配慮しながら、節度ある秩序の正しい自由主義経済体制というものを建設していくべきである、さように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまこの定義がないからかみ合わないと思うんですが、総理が計画経済とおっしゃるのは何ですか。私どもの理解は、いわゆる世にいう計画経済というのは社会主義計画経済。私が申し上げて指摘しているのは、そういうものではなくて、いま自民党、福田総理にそういう意味の計画経済に切りかえろと言ってみたってそういうセンスのない人ですから、あなた自身が、これは無理な話ですよ。ですから、そうじゃなくて、いま資本主義――放任主義とまで言うか言わないかは別として、まあ放任主義ですよ、これは。書いたものが皆もう中期経済計画だ、三全総だと言ったって、これはまあそれはそれ、やっていることは別、これでは資本主義でもやっていけないことは当然のことだ。この連係をきちっと計画の上に、レールに乗せて、そして行政指導もする、そういう計画性を持たせたらいかがですか。余りにもない。ないから現在こういうことになってしまっておる、構造不況になってきている。  これは世界各国全部と言われますが、日本ほどのところがどこかありますか。物価が上がっているのはそれはありますよ、イギリスとかその他。けれども、これほどの倒産や、日本の場合、最近百二十六万ぐらいになっているんじゃないですか、失業者も。日本の特殊事情で潜在失業者はまあ二百三十万ぐらいでしょうか、私はそう見ています。そうしますと、失業率は大体六%を超えているんです。ここで反省が必要ではないでしょうかと申し上げておる。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま世界が非常な転換期でありまして、世界じゅうの国が困っておるんです。いま日本が一番困っているようなお話でございますが、これは逆です。私の見るところでは、世界はずいぶん困っておりますが、その中におきましてわが国はまあまあよくその中ではいっておる方である。  とにかく、わが国の経済体質は一体どういう体質かというと、主要エネルギーのほとんどを海外に依存している日本ですよ。特に石油は九割九分七厘まで海外に依存している。その石油につきまして五年前にああいう事態が起こった。わが日本なんか大変な影響を受けなきゃならぬ国であり、現に受けた。世界はもうさあ高度日本の終えんかと、こういう見方まであったわけでありますが、それがどうですか、国際収支はあの直後には百三十億ドルの大赤字だったのが、いま逆に百億ドルを超える黒字になっちゃって世界じゅうから逆に批判を受けているという状態です。物価は狂乱と言われたんです。それが今日どういう状態か。卸、売物価は昨年の水準よりはもうもっと低いという状態なんです。消費者物価だって四・五%の年間上昇率、もうショック前の水準じゃありませんか。経済成長だって五・三%、大体それが実現できる見通しですからね。世界で、この先進国の中でこれだけの成長をした国がどこかほかにありますか、ありはしない。わが日本だけだ。そういうことを考えてみますと、わが日本の状態というのは藤田さんがおっしゃるような状態じゃありません。これは内部的にはいろんな問題がありますものの、国際社会の中におきましてはまあまあよくやっている方である、このように私は考えておるわけであります。  それにいたしましても、いま経済は非常な転換期である、世界的な転換期である。その中におけるわが日本経済でありまするから、これは四方八方に目を配ってこの転換期の乗り切りに万遺憾なきを期さなけりゃならぬ、このように考えますが、そういう中で非常に先の見通しがむずかしい、不透明な時代ですよ。不透明な時代ですから、それだけに先々をよくにらんで、そして誤りなきを期していかなけりゃならぬ、このように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあそういう気持ちだから安易感、どこの国よりもいいような……。これは経済成長それ自体はまあ戦前、戦争に次ぐ戦争という形で――社会資本だって日本か一番おくれていますよ、舗装率にしたって下水道普及率にしたって。第一、国民所得はどうですか、一人当たりの。社会保障の国民所得に対するこの割合はどうですか。国民所得にしても、これは政府から最近出ている資料ですが、世界で十八番目じゃないですか。第二の世界経済大国だと言われている日本が、どこがそんなにすぐれていますか。肝心なところのやっぱり国民所得なり消費性向が高められて、そして憲法に言う豊かな安心して暮らせる社会を築いていこうと、だから福祉元年が生まれてきたりした。で、ことしは福祉予算は一般の予算の伸び率より抑えてきたじゃないですか、あなたはね。どこよりもいいなんていうのは、どういうところから出ているのか、具体的に挙げてみてもらいたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) とにかく国の経済の体質を判断する、それは物価であり、それから国際収支であり、それから成長でしょう。その三つ、どこをとらえてみたって、わが日本が世界の中でこれは悪いという、そういう状態じゃないです。国際収支なんかもうよ過ぎて世界から文句を言われる、こういう状態じゃありませんか。それから成長だって、ことし五十三年度は七%、五十二年度は五・三でありまするが、これは先進諸国の中で第一である。物価はどうかというと、これも第一位になっておりますか、第二位になっておりますか、とにかく第一クラスの安定度であるということだけは間違いはないわけであります。そういうことで、何もそんなに日本、日本と言うて日本を卑下する必要はないんでありまして、私は、そういう世界の苦しい中でありまするけれども、とにかく日本はここまで来ておるんだと、また、こういう水準の経済運営が行われておるんだと、そういう自信の上に立って、そうしてわが国の運営をやっていってしかるべきではあるまいか、そのように考えるのであります。  いま一人当たりをとってみますると十八位だとか十九位だとか、そういうお話でございまするが、しかし、あの一人当たりの計算というのは、これはたとえばアブダビでありますとか、ああいう石油がうんと出る、人口はもう日本の中都市、そういうような国々、そういうものを入れての話なんでありまして、世界の先進国を入れたら、一体、日本は第何番目になりますか、先進国だけの考え方で。そういうことも考えなけりゃならぬし、また、とにかく、わが国の社会保障がどうもいま進んでない、進んでないというようなお話でございまするけれども、社会保障だって大変な、いまわが国は水準に来ようとしておるんです。ただ、その金目からしますと、老齢化が進んでおりませんものですから、進もうとはしておるんだけれども、まだ進み切っておりませんものですから、金目の方は少ないというだけの話なんで、まあかなり進んでおるということにつきましては、これは日本人の寿命、世界的水準の中で、女の方は世界第一位だと言われるじゃないですか、男の方は世界第二位だと言われるじゃありませんか。そこまでわが国の医療、社会保障体制というものは進んできておるわけなんです。さあ教育はどうだと言えば、先進諸国の中で就学率の多いのは、これはアメリカとともにわが日本が世界第一位なんですから、そういうような点を考えますと、決して日本が悪いんだ、この国はだめだ、そんなような考え方を持つ必要はないと思うのです。誇りを持って、自信を持ってやっていくべきである、そのように考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 日本がだめだ何だと言うんじゃなくてね、あなた、日本が一番いいように言われますが、国民から見れば、外貨がそれは二月が二百四十一億ドルですか、いま保有高がね、それがむしろ害をなしてきているんですね。だから六十億ドルに縮めていかなきゃならぬ。国民のいわゆる家計経済から見れば、そういうことよりも、もっと可処分所得をふやしてもらいたい、そして物が買えるようにしてもらいたい。教育費が高過ぎる、老後が心配だ、病気になったらどうするか、これが貯蓄率になってあらわれてきているんです。物価がいかにも福田内閣の政策で抑制されたようなことをおっしゃるが、私はそうとは思っていない。  この不況の中で失業者がふえていく、先行き不安が社会保障の面についてもどこを取り上げてみても――日本の社会保障だってそうじゃありませんか、制度こそあっても、その裏づけとなる予算というものが低いんですよ。ですから、私は、いまの消費者物価というものは冷え込んで上げようがない、これはもう購買力が落ちていますからね、上げようがないから上がらないというだけなんです。しかし、これも、卸売物価が、いま発表しておりませんが、二月あたりから相当もう反騰に転じていると私は思いますよ、これは引き金が建設その他からこうやってくると思うですがね。ですから、もっとそこのところの考え方なり基本認識を改めてもらいたいです。日本はいいんだから、どうでもいいんだと、もうこれで日本はいいんだ、国民が苦しむのはあたりまえだ、ぐらいに聞こえますわけで。わが国は決して世界の先進国に比較して国民の生活がいいと私思ってない。福祉においてしかり、いま申し上げたとおりであります。したがって資本主義経済であっても、もっと計画性のあるものでやっていくべきではないかという提案をしているわけであります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 藤田さんのおっしゃること、最後になってよくわかりましたがね。(「最後にならぬとわからぬか」と呼ぶ者あり)まあ最初のうちは、日本の国はもうなっちょらぬと、また、なっちょらぬことやってる、というようなお話でしたが、そうじゃないんだということを申し上げたわけなんであります。  これから世界が非常に変わってくる、低成長時代になってくる、そういう際におきまして、よほどこのかじ取りというものは工夫しないといかぬだろう、こういうことにつきましては私も全くそのとおりに思います。ことに高度成長期には、まあ所得の少ない人もこの高度成長の風潮の中でそれに均てんするということでありましたけれども、これから先、低成長時代だ、そうなりますと、やはり弱き者、小さい者、そういう人の立場に対しましてはよほど格別の配慮をしなければならぬだろう、こういうふうに思うのです。五十三年度予算でさっき御指摘がありましたけれども、あれは、藤田さんは、今度うんとふやす公共事業とそれから一般の経費を一緒にいたしまして、その平均の伸び率よりも社会保障費の伸びが少ないと、こういうことなんでありまして、この一般の経費の中では格別にそういう方面には、社会保障だとか文教だとかそういう方面には配慮してあるわけなんであります。これから先々の経済につきましては長期展望を持って、そうしてその中において特にこの力の弱い人、弱い立場の人、そういう人々に対しまする配慮、こういうものをしなけりゃならぬ。やっぱり私はこの社会は自由社会の方がいいと思うのですが、これをほうっておきますと、やっぱり力のある者がどんどんと先へ出ちゃう、それをほうっておいちゃいけないんですから、そこで政府はそういう問題には介入いたしまして、社会全体のつり合いをとっていくということでなければならぬ、そのようにしたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 さて、今度の大きなポイントである経済成長実質七%、あるいは黒字減らしほぼ六十億ドル、この達成について予算編成当時とかなり状況が変わってきているように思うのです。特に円高は極端な変わり方だと思うですね。それから、いまの経常収支の実績等を見ても、当時百億ドル程度と言われたのが、いますでに百二十六億ドルぐらいになっているんじゃないでしょうか、この三月に入って。だんだん政府見通しが逐次崩れていっている、残念ながら崩れていっているわけでありますから、それはそれなりに対応せざるを得ないんじゃないだろうかと私も思うわけなんです。どう手を打ちますか。補正を早急にやるとか、いろいろなことが衆議院で言われたように聞いておりますが、この方策を明らかにしていただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ことし五十三年度の経済につきましては、成長七%程度、それから経常黒字六十億程度、こういう二つの大きな見当を打ち出しておるわけなんです。予算を編成いたしましてから若干円高というような空気が出てきております。今日この時点ではそうです。  しかし、この円高問題は、これから先々ドルが一体どういう基調になっていくかというような問題とも関連をいたしますので、変動為替制のもとにおきましては予断を許しませんが、二百四十円・一ドルが二百三十五円・一ドルになったということは事実なんですが、それはそれなりにそれだけの影響が出てきておるとは思いまするけれども、しかし、経済運営の基本として二つの大きな目標を示し、それを実現するため、の手法といたしまして、公共投資を中心とするところの予算、これを中軸といたし、これを支うるに各種の開放体制、こういうようなことになっておるわけでございまするけれども、この基本姿勢を着実に推し進めていきますれば、成長の方も大体七%程度のことは実現できる、このように思いまするし、また六十億ドル黒字、これもとにかく輸出が円高でかなり減ってくるんです、一般的に。ことに雑貨なんかはかなりの影響を受けるだろう。それからさらに輸出の主力であるところの鉄鋼はどうだというと、アメリカで今度はトリガー方式というのがとられる、あの影響をぐうんと受けるわけです。それからテレビはどうかというと、去年数量規則、これをアメリカと約束をいたしまして、その影響がことしはフルに出てくる。自動車につきましては自主規制をかなりやっておる。こういうようなことであり、またもう一つ大きな問題は造船です。これの輸出ががくんと減るんじゃあるまいか。そのように見ておるもので、輸出がかなり減るというように考えられます。  輸入は、国内経済が上昇過程へ転ずる、それにつれましてふえるかどうかというと、これはそう急にいかぬと思うのです。原材料のストックなんかありますから、そういうようなことを考えると急にはいかぬが、徐々にそれが輸入の増加となって響いてくると同時に、政府におきましても、輸入につきましていろいろな工夫をいましておるわけです。緊急輸入、これは本当に各般にわたっての努力をしておりますので、なんとかいたしまして国際社会で非常に期待をして注目をしておる六十億経常黒字、これにつきましては万難を排してこれを実現をするようにいたしたい。これができませんと、国際社会でわが国は大きな口がきけないんです。これができて、そして国際社会に物が言えるということになれば、私は世界のために非常にいいことをいろいろ言えるというふうに思うんでありまするが、それが言えないというようなことになるこの六十億ドル問題、これはもう何が何でも実現しなけりゃならぬ、実現をする、こういう考えで諸施策を進めておる、このように御理解願います。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時から委員会を再開し、藤田君の質疑を続行いたします。  これにて暫時休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時開会

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十三年度総予算三案を一括して議題とし、藤田進君の質疑を続けます。藤田君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 午前に引き続きまして質疑をいたしたいと思いますが、構造不況対策に対する御答弁で終わっているわけでありますが、さて、時間の都合でかいつまんでこれから申し上げたいと思います。  世界的に、特にアメリカから指弾を受ける問題としては、やはりドル減らし、六十億ドルを目標にされておりますが、諸般のファクターを入れて私どもグループ研究その他を経てみますと、いまの傾向では五十三年度八十五億ドルぐらい、幾ら努力しても。お説のように、かなり輸出も減るでございましょうしいたしますが、かといって輸入がそれほど伸びない。時間の都合で数字は省略しますが、したがって八十五億ドル程度いくことには相当な努力を必要とする。したがって六十億ドルは大変問題だと思うのですが、現時点におきまして政府はいかに考えておられるか、企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出が減っていくであろうという要因については、午前中総理が御答弁になられたわけでございますが、他方で輸入がふえていくかということがただいま藤田委員の御指摘でありまして、まさしく私どもその点に非常な関心を持っておるわけでございます。  もともと経済見通しを立てましたときに、財政主導の経済の運営が下半期において民間の経済活動を刺激するであろうと考えておりますだけに、もともと上半期において、ことに原材料を中心にした大きな輸入増を期待することは無理ではなかろうかと思っております。下半期におきましては、経済が考えておりますとおり運営されていきますならば、ある程度の輸入増になっていく。他方で、そういう状況でもございますから、政府といたしましては、新年度の予算執行とともに遅滞なく、政府また主としては民間になりますが、いわゆるこの際わが国として輸入し得るもの、輸入することに意義のあるものはできるだけ輸入を促進するという対策を五十二年度に引き続いて講じてまいる必要があろうと存じておりまして、それらのことをあわせまして、まずまず年度間を通じて経常収支を六十億ドルぐらいまでには持っていけるのではないか、そのようにただいまといたしましては考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ、そうなるこうなると言っても、いまの時点ではいわゆる水かけ論になってしまおうかと思いますが、それにしても、七%経済成長といい、黒字幅の減額にしろ重大な結果をもたらすわけでありますが、これがかなりいわば経済政策が予想より崩れた場合には、もうこの際やっぱり内閣は、総理、責任をとるという背水の陣をしいて対処しなきゃならぬと私は思うんであります。いかがでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は組閣当初から、これからの福田内閣の課題は経済問題を解決するぞと、これにあると、こういうふうに申し上げてきておるわけです。五十二年度においてはそれが実現はできなかったわけですが、五十三年度におきましては何とかこれが実現を図りたい、こういうことで、これは私責任を持ってやり通す考えでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その結果をいま論じているわけですが、そう思うようにいかないということになれば、程度問題でもありますが、わが国の経済がアメリカを初めECその他からかなり制約を受けるような状態になれば、もう内閣は責任をとるくらいなことは、これはやっぱりはっきりしていただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 経済問題には政府は責任を持って取り組んでおるということをはっきり申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、それはもう何遍も聞いたんです。それが失敗した場合にはもう総辞職ぐらいかけなさいよ、それを言っているんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 責任を持って経済問題の打開に当たりますから、さよう御理解のほどをお願い申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その結果、思うようにいかないということになれば、総理のいすにかじりついているようなことはよもやないとは思うが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 何回でも申し上げますけれども、この福田内閣の最大の課題は経済問題を打開し解決する、こういうことです。これはもう責任を持ってこの問題の打開に当たるということをはっきり申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 何遍聞いても非常に政権への執着が、お聞きの皆さんおわかりのようでありますが、それが大体事態を混迷に陥れている。出処進退を明らかにして、政治家である以上、余り政権にこだわり過ぎると、わが国自体を危殆に陥れるように思いますので、注意申し上げておきたいと思うのであります。  内需の振興が何としても、これは政府自身もこのことは言ってきたところですが、これを喚起しませんと、国内消費がここまで冷え込んでしまうとこれはどうしようもないと思うんであります。じゃどうするかというので公共事業と、波及効果も大きいということですが、私どもいろいろ波及効果についても検討をいたしました。高度経済成長下におきましては公共事業の波及効果もかなり指数は出てきます。政府が言っている程度のものはわれわれもこれを了といたしますが、こういう不況下におきましては、好況下とは違った、一%台の波及効果に落ちてしまいます。したがって減税――需給ギャップ等から見ても、今日の購買力の冷え込み等から見ても、せめて二兆円だが、しかし、とりあえず五十三年度一兆円は減税をすることによって、初年度、二年度、三年度にははるかに公共事業よりも波及効果をあらわしてくるわけであります。宮澤長官は、まあ即効的にということも衆議院で言っていたように思うんですが、即効と言ってみても、これまだこれから設計あるいは契約、実施ということになればかなりおくれてくるわけでありますが、したがって公共事業も即効性については疑わしい面もある。したがって、いずれ補正等によって五十三年度早急に手直しをする必要があろうかと思うのでありますが、その際に、以上申し上げたことを加味できるのかどうか、総理に。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私どもは、今度の御審議願っておる予算、これを主軸とする景気対策、これによりまして七%成長の実現は可能である、こういうふうに考えておりますので、いまから先々第二次の対策を打ち出すんだとか、そんなようなことは全然考えておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それでは、これで来年三月三十一日、年度末までいこう、一切手直しもしない、こういうことでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまこのところはそのように考えております。しかし、激動する世界情勢の中の日本経済でありまするから、どういう変化があるかもしれない。その変化が出てまいりまして、七%成長または六十億ドル経常収支黒字、これに大きな狂いが出てくるというようなことがありますれば、その際の時点におきまして、そして最も妥当と思われるところの補強のための施策をとる、これはもう当然そのように考えておりまするし、また、そういう際におきましては、その補強のための施策、これは大胆かつ積極的なものにしたい、そのように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 わが国の国内消費が非常に落ち込み、かつ貯蓄率が高いという理由は、内閣の世論調査表でもわかるように、先行き不安ですね、これはまあ学費が高い、あるいは病気、年とった、あるいは母子家庭になる等、諸般の要素があります。つまり社会保障に対する給付というものが非常に低い、国際的に見てもこれは非常に低いわけであります。そこへいまの失業の心配、現実の失業者といったようなことでありますので、もっと可処分所得をふやし、そして社会保障制度に対する予算の裏づけ等によってもっと振替所得をふやしていく。物が買えるような状態を家計経済につくっていくことが必要だと思うのでありますが、このことについて一段の努力をしていただきたい。大胆な補正というのはいやなようでございますから、やがて早晩これ手直しせざるを得ないでしょう、この予算は。その際には、そういう面もやはり強化することが大切だと思うんであります。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま五十三年度において第二回目の補強政策が必要であるというふうには考えません。したがって、その際にどういう手段をとるのかなんというようなことは、いまこの時点においては考えておりませんけれども、まあもし――先ほども申し上げましたか、とにかく世界が揺らいでおるんですから、わが国の経済も揺らぎます。その揺らぐ日本経済が、政府が申し上げておりまする七%程度の成長、また六十億程度の黒字、この基調に大きな変化があるというような際におきましては、これはもう当然第二の補強対策をとるということはこれはもう当然のことであり、その際には私は時を移さず果敢に大胆に政策を積極的に打ち出していきたい、このように考えておりますが、その際に、いまお話がありました消費力を国民につけろと、こういうような施策、これは頭に置かなければならぬだろうと、こういうお話でございますが、そういうことももちろん考えないというふうに申し上げませんけれども、要は、その時点においてどういう施策が最も適切であるか、こういう判断によるべきだ、こういうふうに思うのです。  藤田さんは、どうも貯蓄がこう出てくる、これについて何か危惧の念をお持ちのようでありまするが、やっぱり貯蓄はとにかく出てくるような状態でありませんと、これは国家経営はできません。いまは国債をこんなに出しておる、これはどうやって消化されていくんだと、もしこれが消化されなかったら、これは大変なことになるわけです。貯蓄があって初めてこれが消化されるわけでありまして、ですから、人為的に家庭の消費を刺激するというような考え方を余り強く出すと、これはまた逆効果があるわけでありまして、やっぱり消費力というもの、消費意欲というものは、経済全体がこうかさ上げされて、そしてみんなが働く場が十分に確保される、また賃金も保障される、そういう中でまたいろんな大小の企業が栄えていくでしょう、企業の利潤もふえる、そういうことで自然に購買力がついて、そういう反射的作用として自然になだらかに消費が伸びていく、これはもう非常に私は好ましいことで、ぜひそういうふうにしたいと思いまするけれども、ことさらに政策手段を講じて、そうしてビールを飲んでください、何何何を消費してくださいというような政策をとることは、これまたどうであろうかと、こういうふうに思うのです。ことに、いまの国家財政の非常に窮乏しておるこのさなかにおいて、当分の間赤字財政というか公債財政、これをとっていかなければならぬ。その公債の消化ということを考えましても、さあ貯蓄はこれは悪である、消費は美徳であるというようなところまで発展するような施策は妥当でない、そのように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまの貯蓄率が非常に――国連統計から見ても二五%を超えるというのはないですよ、どこの国でも。これはあり余って持っていくところがないから貯蓄をするというんではないんです。総理のそんなような基本認識では国内消費は高まりませんよ。公共事業一本でいってこの景気はよくなりません。欲しい物は買える、また買いたい物は即座に買う態勢をつくってやる、これがやはり政治じゃないんでしょうかね。貯蓄で、それを財投に回したり、そういうことばっかりねらっていたのでは、これは日本はいつまでたってもよくなりません。景気もよくなりません。世界で婦人の自殺率ももう一番高い。十万人で十人超しているんじゃありませんかね。そういう状態の中で、税外負担が非常に大きい、不安だから倹約してでも貯蓄をするというのが貯蓄率の高い実態で、これは内閣の世論調査の統計でも出ているんですよ、先行き不安からくる貯蓄であることがね。お説のようであれば、社会保障にはなるべく金をつけない。そうなってはきていますがね。あなたの基本理念のように。なるべく国民を困るようにして、先行き困るから貯金をするだろう、その金をもって財投に回そう、これはもう本末転倒した政策ですよ。ですから、これはいつまでたっても平行線だろうと思うのです。  そこで、今度の景気対策にすべてが傾いて、インフレ問題がなおざりになるのではないだろうか。冷え込みからくる物価がかなり安定に指向しておりますが、これはしかし、今度の公共投資を契機に、下手をすると冷え込みかあるいは非常に過熱するか、大きな二つの分かれ道になるように私は思うわけであります。物価対策については、ぜひひとつこれは大きな柱の一つとして、景気対策と相並ぶ政策として運営していただきたい。いかがですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御説はまことにごもっともでありまして、その点につきましては私は藤田さんと回しような考え方を持っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 次に、外交問題でございますが、日韓関係について諸般の問題がございますが、特に竹島問題これは昨年の三月二十六日、本院で私が総理との間に、外交交渉に移しますと、鳩山外務大臣がこれを受けて、外交交渉に移しますという約束になっていて、その後どうなったか確たる連絡はないわけでございますが、今日、当該地域は占拠されておりますし、また韓国、日本のあるいは安保といいますか、そういった問題も出ておりますので、外務大臣からお答えいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 竹島は、繰り返すようでありますが、歴史的事実に照らしても、国際法上も、わが国の領土であることは明白であります。わが方は終始変わらぬ一貫した立場でこれを通しておりますが、韓国政府の不法占拠によって、政府は従来から海上保安庁の巡視船による竹島周辺の海上巡視の実施等を行い、また、繰り返し韓国政府に対し文書または口頭によって抗議を行うとともに、両国で平和的に話し合って解決をしようということを言っておるわけでありますから、折を見てこれを主張しているわけでございます。先般も、この点について私が発言をいたした次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 関連。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 関連質問を許します。野田哲君。

野田哲日本社会党

○野田哲君 去る二月の中旬に韓国の朴東鎮外務部長官が訪日をして、外務大臣、総理大臣と会談をされているわけですが、この会談の結果について新聞報道では、大陸だなの国内法の早期成立、あるいは九月に日韓閣僚会談を開くこと、あるいは漁業問題のトラブルの解決、あるいは竹島問題等々が話し合われたということが報道されているわけでありますけれども、これ以外にかなり重要な問題が話し合われていたのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。総理と外務大臣に。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  この際は普通の会談と違いまして、韓国の外務部長官がアジア・アフリカ公館長会議に出向く途中寄って、しばしば会っておりますが、私が外務大臣に就任してから初めてでございますから、表敬も兼ねて会いたいということでやった会談でありますから、喫茶室で行った会談であります。  この会談では、向こうの方から出しましたのは、大陸だなをよろしく頼むという大陸だなの話題が出ただけでありまして、あとは私の方からいろいろ質問をしたり話題を出したわけでありますが、いま言われたようなことのほかの重要な話題はございませんでした。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 韓国の外務部長官は、園田外務大臣との会談の後で、私に対して表敬訪問をしております。会談はいたしません。いたしませんが、その際、大陸だなに関連する日本の国内法ですね、これの早期成立、引き続いて大陸だな協定の批准、これが正確に確実に早期に実現するようにということを強く主張しておりました。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ここに韓国の二月の十八日から二十日ごろにかけての新聞が出ているわけです。これは朴東鎮外務部長官が訪日をした後の記事なんですけれども、これによると、この会談では日本と韓国との安全保障体制をどうつくるかということについて話し合われたと、東北アジアにおいて日本とアメリカと韓国との三国の集団安全保障体制をつくることが話し合われたと大々的に報道されているし、総理との会談の場面の写真も載っているわけです。この事実はいかがなんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私との会談では全然その話は出ておりません。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する表敬訪問の際も、そのような話は一切出ておりませんです。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これだけの……

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) それじゃ時間が来ておりますから、簡単に。

野田哲日本社会党

○野田哲君 韓国の新聞では、これは見てもらっていいんですが、こんな活字で一面トップですよ、それぞれ。韓国ではこの外相会談の模様について、これだけ安全保障体制について話し会われたと、こういうことが大々的に報道されている。日本では当事者が否定されるということでは、一体、これはどういうことなんですか。そうすると、韓国でこの朴外務部長官が発表していることを全面的にこれは否定をされますか、いかがですか。  それからもう一つは、福田内閣は、このような集団安全保障体制について、あなた方の方ではなかったと言うんですけれども、現行憲法体制のもとで、こういう韓国側からの問題の提起に対しては、もしあったとしたら、どういうふうに考えておられますか。そのことを明確にお答えいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 責任を持ってお答えをいたしますが、その問題は私との間では全然出ておりません。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げたとおりなんです。私に対しては表敬訪問であり、しかし、表敬訪問のその際に、大陸だな協定の批准問題について強い意見が述べられた。そのほかは一切事務上の問題はございませんです。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一言。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 簡単に願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 先ほどの、あなた方の方は全面的にそんなことはなかったということで否定されるんですが、韓国は明らかにこういう構想を持っていることはここに報道されているとおりなんです。そういう問題が持ちかけられたとした場合に、先ほど聞きましたが、集団安全保障体制というものについて現行憲法のもとで一体どういう構想があるのか、全面的に否定されるのか、この構想、考え方を明らかにしていただきたいと思うのです。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) ただいま外務大臣及び総理大臣からお答えがございましたように、先方からそういうお話は全然なかったそうでございますので、全くの仮定の問題としてお答えせざるを得ないわけでございますけれども、仮定の問題といたしまして、仮に先方から集団的な安全保障体制の話があったとした場合におきましても、わが国の憲法といたしましては、個別的自衛権は憲法でも認められておるというふうに従来から解釈しております反面、いわゆる集団的自衛権なるものは日本の憲法は行使することができないと、禁じておるというふうに考えられておりますので、そういうお話が仮にあっても、そういう形の集団的自衛権を日本が行使するような場面が想定されるような体制には、お話し合いに乗るはずがございません。憲法が禁止しております。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 日本の政府は憲法をかたく遵守いたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 日韓の問題では、日韓条約当時からして、こういったもう全く同じ問題が韓国と日本とでは違った状態にあるわけで、いまだにそれが解決されていないことはまことに遺憾であります。  日中平和友好条約についてですが、いまだ覇権問題等の表現等で開きがあるということで停滞しているやに伝えられておりますが、その真相はいかがですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日中友好条約締結の再開のための話し合いは、いま北京の日本の佐藤大使と韓念竜副部長の間で進められておるわけでありますが、ただいま段取り等について話し合いをいたしておりまするし、総理から言われましたとおりに、条約再開の基本的な姿勢についても打診等をいたしておる関係でありまして、話し合いはだんだん進んでおるような状態でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、問題点は何にあるんですか。段取りにあるんですか、それとも内容、覇権問題とか、どこにありますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 段取りを詰めておる段階でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 段取りというのはどんなことなんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 両方が大体意見を交換して、そして交渉を再開するかどうか、すればどうするかということについて話し合いを詰めておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 どうもわからないのですが、それがどうしてこんなに時間がかかるのです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いままでだんだんやっておったわけでありますが、政府間交渉を始めたのは、御承知のとおりに正月から始めたわけでございますから、そこで両方がだんだん歩み寄りをして話を詰めておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 よくわかりませんが、その段取り、スケジュール等でそんなに時間がかかるとは思いませんが、その際、やはり日ソ関係にいろいろ問題が波及するようにも思われるわけでありますが、政府はいかに考えていますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日本の外交方針は、しばしば御報告申し上げておりますとおりに、日中は日中、日ソは日ソでありまして、ソ連の方ではいろいろ発言をされておるようでありますが、私、モスクワに行きましたときにも、日本と中国の関係は日本と中国の関係、こういう説明をし、御理解を願うよう努力をしておるところでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 全方位外交と言われる内閣でもあるし、ことさらに日中は日中、日ソは日ソだと余り強調する必要はないので、全体としてうまくいく中での平和友好条約の締結へこぎつけていただきたいと思います。  次は、防衛問題ですが、防衛力の限界について、これは際限のない限界、要するに限界ではない限界になってしまっているわけでありますが、本院ではまだお伺いしておりませんので、政府統一見解について御説明をいただきたい。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 問題は、憲法第九条の解釈に関連するわけでございまするけれども、憲法第九条第二項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と書いてございます。書いてございますけれども、しかし、わが国は固有の独立国家として固有の自衛権を持っていること、これはもう異論のないところでございまして、したがいまして、わが国が独立国として持っておる自衛権の裏づけとなる、あるいはこれを担保するための必要な措置として自衛力を持つ、これも憲法は禁止していないであろうというふうにわれわれはかねてから考えておるわけでございます。  問題は、限界ということでございますが、かねてから申しておりますように、これは自衛のために必要な最小限度を超えてはいけないというのが一つの歯どめでございます。ただ、残念なことには、はなはだ抽象的でございまして、数字をもってその限界を示すことはできない。これはもう事の性質上やむを得ないところであろうと、こう思います。そのことは歴代の総理大臣からもたびたびおっしゃっておりまして、そのときどきにおける国際情勢なり軍事科学の進歩なりに応じて変化し得るものである、相対的なものであるというふうにおっしゃっておられます。  しかし、いかに相対的なものであっても、やはり先ほども申しました自衛のために必要な最小限度を超えてはいけないという歯どめははっきりあるわけでございまして、また、特に核兵器につきましては、仮に自衛のために必要な非常に防御的な小型な核兵器が開発されましても、これはもう御存じのとおり、非常三原則は国会でも御決議になっておりますし、また国内法としましては原子力基本法もございますし、あるいは国際的にはいわゆる核防条約の加盟国でもございますので、いかに小型なものであっても核兵器は持つことができない。また、全体として、通常兵器も含めて自衛のために必要な最小限度を超える自衛力は持つことができない、そういうふうに考えております。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) ただいま法制局長官が申し上げたことで尽きると私は思うわけでございますが、ただ私は五・一五事件、二・二六事件、満州事変、支那事変、それから大東亜戦争――第二次世界大戦、そうして敗戦というこの経過をたどりまして、日本はこのようなことを二度と繰り返してはいけないということが平和憲法をつくっておるゆえんであろうと思いますし、また、現実に日本国民すべての人が戦争は絶対やってはならないという考え方でおると思うわけであります。  そういう面で、現在、予算の上で、F15の問題やあるいはP3Cの問題等で、歯どめがないじゃないかという問題もあるわけでありますが、私は、その前に、その御議論も十二分に尽くしていただくことは当然だけれども、いわゆる文民統制という立場から考えるならば、政治家の姿勢だと。これは福田内閣の姿勢もそうでありましょう、あるいは防衛庁長官の姿勢もそうでありましょう、国会全体の先生方の姿勢も、いわゆるシビリアンコントロール、これにどういうように政治家が対処していくかというところに私は今後の大きな問題点がある。そこで、私も、いろいろ一般の国民の人には法律的な言葉を使っておるものですからなかなかなじまない、解釈に苦しむ、こういう面もあるし、誤解を招く面もあると私は思うのでありますが、そこはひとつ政府もあるいは防衛庁も、また国会の先生方にも英知をしぼっていただいて、二度と日本陸軍あるいは日本海軍のあのようなことのないようなことを考えていく。そのためには、防衛委員会をつくるとか、あるいはシビリアンコントロールという問題の委員会をつくるとか、そうして本当になるほどこれじゃ安心だというものをつくっておかなければならぬということは、私、骨の髄までしみ込んでおるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 本来、憲法九条を持っていて、これを解釈憲法でもって再軍備していこうとするところに根本的な問題がある、無理があるのです、これは。  本来、防衛力に限界があったりすること自体も本当はおかしいので、相手次第だと言った方が――これは本当の戦争を考えた諸君は、これはもう相手以上のものを持たなければ戦争になりませんよ。日本の戦車が生きているのに敵前上陸してくるような、そんな戦争になりません。それはもう三十二年前に経験したところなんです。憲法もそのままほっておいて再軍備はやろうというところに、現内閣を初め、従来の内閣の矛盾が出てきている。保安隊時代はいざ知らず、今日のように軍事科学が進んで、これが兵器化されている段階では、これはやっぱり根本的な問題が憲法九条によって伏在するように思うわけであります。  時間がないので次に移りますが、アメリカへ丸山防衛庁事務次官がハワイ会談に行った、そうしていろいろな話をしてきたそうですが、何を話したんですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 丸山次官とそれから外務省の高島審議官を長といたします日米間の事務レベルの会議が一月の十六日と十七日にホノルルで開かれております。この事務レベルの会議といいますのは、御承知のように大臣同士の会議といいますか協議を通じまして意思疎通を図っているわけでございますが、それぞれのレベルにおいて常にお互いの意思を確認し合うということで率直な意見を交換する会議でございます。  したがいまして、この内容については公表しないことになっておりますが、今回の会合におきましては、西太平洋におきます最近の軍事情勢につきまして意見を交換し、また、この地域におきます米軍の配備の状況、体制、そういったものについて説明を受け、さらに、在日米軍施設区域に関するいろいろな問題について意見を交換してまいっております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 では、その内容は、わが方はどういう意見を持ち込んだのですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 意見の交換でございまして、その内容については公開しないという約束になっておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 先月二十八日に、工業クラブで、丸山事務次官は、わが国をめぐる石油輸送路の確保とか、空を守れとか、だんだんとアメリカの方からの注文が加重してくるという発言をしているのですが、これは事実ですか。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 二月の二十八日に、事務次官が、ハワイで開催された日米安保事務レベルの協議の内容について講演をしたというようなことが新聞で報道されております。で、私も事務次官に確かめましたし、当日出席いたしました方のお話も聞いたわけでございますが、その内容を話したのではなく、日米間でいろいろ話し合ったそういったことが、その後、御承知のように国防報告、あるいはブラウン長官が二月の二十日でございましたか、ロサンゼルスで講演をやっております、で、この講演の内容について説明をいたしておるわけでございまして、いま御指摘のございましたような点につきましては、この国防報告の中にございます、ソ連の軍事力の増強の中にもやはり一つの弱点がある、それは補給線であるということをアメリカの国防報告に書いてございますが、そういうことを紹介したものでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、わざわざ紹介しなくてもそれはわかっていることなんだが、それをわが国の事務次官が受けて、わが国の政策としてこれを実行段階に移そうとしている姿勢が問題なんです。これはどうなんです。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) そういうものを受けて実行するというような姿勢は毛頭ないわけでございまして、私どもが、本年、予算でお願いいたしておりますF15あるいはP3Cにつきましては、それぞれ国防会議でお決めいただいております防衛計画の大綱に基づきまして、寿命が参りましてだんだん減ってまいります飛行機の近代化のために交代する飛行機として選んでおりまして、これは先ほど長官からも御説明申し上げましたが、いわゆる自衛のための必要な機能として、航空自衛隊は防空任務を持っております、海上自衛隊は沿岸警備それから海上交通路の確保、あるいはまた陸上自衛隊は上陸してくる侵略軍に対しまして抵抗する、そういった機能を果たすための必要な近代化ということで努力をしているわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間の都合で、同和対策事業特別措置法についてお伺いいたします。  昨年の同意――私、総理と時の総務長官に、五十三年に決めますという約束になっているわけですが、衆議院段階のことは繰り返しませんが、これは何としても自治体は来年度予算要求等を含めて早急にこれが強化、延長について決着をつけなきゃなりません。それで各党話し合って決めたいということのようでありますが、これは一体だれが呼びかけてどうするのか、何としてもこの会期中少し早目に、調整の時間がかかると思いますので、早速、総務長官がその調整者になるのか、各党に働きかけるのか、成案を得て、早くこれが強化かつ延長について決着をつけていただきたいと私は思います。いかがです。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) お答えいたします。  同和対策につきましては、残事業が相当残っておりますし、また、地方公共団体等からも延長を強く要望されております。また、同和対策協議会の中の特別委員会のその経過報告も受けておりますが、政府としましては延長すべきものと考えておりますが、ただし、過去の経過もございますので、各政党間の意見を聞きまして、最終的な判断をいたしたい、こういうふうに考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、それはいつやるかということを聞いている。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) いま申し上げたように、各政党間では窓口ができておりまして、そこがこれから詰めていかれる、こういうふうに考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、政府ではなくて、大会派であり与党である自民党からの呼びかけで、早急にその会合が持たれ、成案を得て提案をする、こういう段取りでしょうか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) お答えいたします。  自民党の方も窓口ができました。そういう意味で、どの政党が中心になるかということについては、これは政党間のことでございますから、私はここで申し上げるというわけにはまいらぬと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、しかし所管大臣ですから、意見を聞くのはよろしいが、政府は政府なりのやはり結論を持たなきゃなりません。そうして、限りあるこの国会に調整の結果を提案し、前回も政府提出になっていますから、そうしてこの国会中に成立させるということが大切であることはもういま総務長官も言うとおりなんで、それには確信が持てますか、この国会中。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、同和対策の残事業というものは相当残っておると承知いたしております。そういう意味から、これは延長すべきものであるという、こういう判断に立っておるわけでございますが、くどいようでございますが、各政党間の意見を聞き、最終的な判断をしたいと、こういうように思っておりまして、それではこの国会にどうかと、こうお尋ねになられますけれども、恐らく政党の方もこの必要性を痛感されておられる、こういうふうに思いますので、恐らく急速に進むのではないか、こういうふうに考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だから、前回と同じように、そういう日程はとることとし、最終的には政府提案ということであるのではないのでしょうか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 政府提案であるということは間違いございませんが、先ほど来申し上げましたように、やはり各政党間の過去のこの法律ができ上がったときの経過等々も十分に私は参酌をしなきゃならぬ、こういう意味で申し上げておるわけでございまして、これはあくまでも政府提案である、こういうことに申し上げておきたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうであれば、政府が主体になって、各党の意見――一堂に会する、あるいは個別という形でまとめていかなければ、ほっておいて、最後に転がり込んでくれば提出をするという姿勢には間違いがあるんです。もっと積極的に政府主導型でいくべきではないですか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) その重要性にかんがみ誠心誠意努力いたしておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だからまとめて、政府提出にする、その誠心誠意なのか。何ですか、それ。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) 何回も申し上げておりますように、あくまでも政府提案であると、こういったことを踏まえて、誠心誠意一層の努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 じゃ、政府が責任を持って提案する以上、この国会に間に合うように、しかも成立するようにという大前提のもとにおやりになることも間違いありませんか。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) そういうふうに受けとめていただいても結構だと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 責任は内閣の責任で総理大臣ですが、間違いございませんか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 大体、この問題は政府提案の法律案という形で処理されるということになるんじゃないかと思いますが、この法律ができたときのいきさつなんかもありますので、そこで各党の意見を承るという手順を考えておるわけでありますが、とにかく政府といたしましては皆さんのお気持ちはよくわかっております、大体わかっております。なるべく速やかにこの法案に対する態度が決まるというふうに考えながら、いま努力をいたしておるということでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 速やかに成案を得て提出されるように政府にも要望いたしておきます。  次は、私学振興、特に助成問題ですが、私学と国公立との格差その他の実態についてはもう申し上げるまでもないと思いますが、漸次、私学振興助成法等の後を受け、経営費補助も、遅々としているが、増額については認めるところでありますが、これをさらに強化する必要があろうかと思います。特に大学の学費負担のために父兄は非常な今日困窮している、二重負担を教育費についてはしている実態。そして、もし国立大学のような学費その他の条件で私学がいくとすれば、この間、文部省に事務的な計算をしていただきますと、国は二兆円出さなければ収支が償わない、私学に二兆円出さなければ。それくらい学費差がついているわけでありますし、事態はこれ以上許すわけにいきません。助成額をふやすと同時に、今日、この配分が、産業にたとえれば景気産業に莫大な助成をして、構造不況産業は全く顧みないというような結果が出ている。大きいところは恐らく年間七十億ぐらいの助成です。後発大学等では一億かあるいは五億か、こういうことで、いつまでたっても谷底からはい上がることができないというのが実態。これはぜひひとつ再検討していただきたいと思うが、いかがですか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) 御指摘のように、私大の助成につきましては、五十三年度予算でも相当な改善を図り得たところでございまして、私学振興助成法が期待をしております専任教員の給与費も二分の一、教員経費も二分の一、学生経費も二分の一、こういう位置まで五十三年度予算で達したわけでございますが、ただいま御指摘の配分方法でございます。私学振興助成法、その施行細則に基づきまして補助金を執行いたします日本私学振興財団が配分基準を設けて各大学への配分を行っております。  この配分の基準でございますけれども、やはり私立大学の中で充実度の高いところに多くの金額が配分されるいまの施行細則の仕組みに相なっておりまして、現在の補助金の配分方法、私は適切な方法がとられておるとは考えますけれども、将来、状況の変化等を勘案いたしまして、なお一層改善すべき事項がございましたならば、ひとつ特段の努力をしてまいりたい、かように考えるものでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、だからこれは配分は特に見返って再検討する必要があると思うが、再検討していますか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) 現在の施行細則に決められております配分方法は、原則的には私は適切な配分方法が決められているということを確信をいたすものでございます。ただ、将来の問題といたしましては、まだこの助成度を高めてまいる努力をしてまいらなけりゃなりませんから、その中におきましてもう一度ひとつ努力をしてみたい、かように考えるものでございます。基本的な根本的な改革は、私は今日のあの施行細則に決められております配分方法は、適切な配分方法が決められている、公正であるというふうに承知をいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、これは相当時間を要しますので、これ以上時間をとりませんが、適正であるかどうかはもっと議論を必要とするところだと思うのであります。  さて、次は農林水産関係でございますが、特にいわゆる減反政策を中心に農民は非常に困っている事態に立っておりますが、特にこの転作作物の価格安定、流通問題があるようでございますが、これに対する対応策をお聞きいたしたい。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 昭和四十五、六年ごろから米が過剰となりまして五年計画でやってまいりました。すでに八年たつわけでございますが、さらに過剰状態が強くなりまして、四百六十万トンぐらいの政府手持ちとなり、さらに単年度で百七十万トンは生産を調整しないとますます在庫が大きくなるという異常事態となりまして、昭和五十三年度から単年のこの余り米が生じないようにという政策を講じ、前回とは違いまして、単なる緊急避難ではなくして、自給力の少ない麦あるいは飼料作物、大豆、甘味資源の作物、こういったものの自給率を高めるという総合的な政策をしたいということでございます。しかも、今回は、奨励金等の措置を手厚くしたり、あるいは転作しやすいための土地改良、あるいは転作対策特別事業というようなものをきめ細かくやって、転作しても農家として成り立つという仕組みも配慮しながら取り組んでおるところでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 関連。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 関連質問を許します。目黒今朝次郎君。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 いま農林大臣から話がありましたけども、北海道、東北などを歩いてみますと、昨年の二倍強の今度の転作という点で非常に苦しんでいらっしゃる。具体的に話を聞いてみると、転作に対する農民の声を全然聞かない。二つ目には、転作された農産物の価格保障が米と比べて非常に低い。三つ目には、作付に失敗した場合に全然農民のめんどうを見てくれない。そういう三つの点が非常に問題になっておりますが、この三つの点の解決が私は先決だと、こう思うのですが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 第一番目の農家の意見を聞いておらないということでございますが、実は、昨年の三月から、できればおととしと思っておりましたが、昨年の三月から農業団体あるいは都道府県知事あるいはブロック会議等々の会議をずいぶんやってまいりまして、昨年の十一月結論を得て、県を通じ、町村を通じ、現在、農家に行っている段階でございます。したがいまして、相談せずにやったのではなくして、農家を代表する農業団体とも十分話し合ってやったところでございますし、現在、まだ理解しない方もおりますが、作付までにはまだ相当期間もあり、農家の不安な点は、これを解消して、理解を得て協力できるようにさらに努力をしていきたいと存じます。  二番目の他の作物に転換をした場合、農家の収入がどうなるかと、作物によっては違いますが、大体四万円から七万円の奨励金を差し上げることによって米並みの収入は得られると、全国ばらつきがありますから例外その他はありましょうけれども、平均的に見て米をやめてほかの物をつくったから損をするというような仕組みにはなっておらないわけでございます。  第三番目の、それでもなおかつ農家がおかしくなった場合めんどうを見ないということでございますが、そうではございませんで、農業については、金融なり価格対策なり、畑、米、あるいは転作された方を含めて農家の経済がおかしくならないように、これまた手厚く最善を尽くして対処してまいりたい、こう思う次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 そうは言っても、この前の北海道公聴会の段階では、あなた自身の北海道で農林大臣の言うことは信用ならぬ、ちっとも実態に合ってないじゃないかと、こう言っているんですが、これはどうですか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 北海道は、かつて二五%の生産調整でございましたが、今回、約倍になるということで心配をしておりましたが、三五%、それでも日本一高い転作率でございますから非常な関心を持っておりますが、中には理解してくれないという人もおりますが、大方の方は、四万から七万出してくれるならば、この際、余っておるところであるから、やっぱり適地適作でやるのがいいのではないかと大方の方は理解していただいておりますし、理解しておりません方も、逐次、理解してくれるものと確信をいたしております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 最後に、もう一つ。  この山荒らしの問題で、北海道の営林局四つを廃止するという案ですが、時間がありませんから、私は北海道の問題については言いません。ただ私は、あのような案では山荒らしをさらに拡大する、永大産業の倒産じゃありませんが、そういうものをますます助勢する措置だと、こう思うのですが、撤回方を要請します。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) いま日本の民有林も、永大産業に見られるように、山の方もあるいは製材、造材、合板、すべてが苦しいときでございます。御同様に国有林も経営が苦しく、一般会計から林道、造林等の費用を資金導入をしなければならないぐらい厳しいわけでございます。同時に、国有林野の合理化というものも必要ではないか。北海道に営林局が五つもある。他の行政に比べて面積は広いにしても、道庁あるいは開発局あるいは陸運行政、他の行政とのバランスから言っても、一つに統合しなければならないし、そのことがまさに国有林をよくし、山がおかしくならないために――山をおかしくするためではなくて、山をよくするために必要最小限の措置である、こう思っておるわけでございますので、御理解いただきたいと存じます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 地方財政を中心にお伺いをいたしたいと思います。  特に、国の予算を受けて地方予算が逐次組まれてまいりましたが、ことに都道府県債といったものが膨大にふえてまいりまして、自主財源はごくわずかな、あるところでは三五、六%といったような状態の中で、若干の手当て等は承知いたしておりますが、さらにこれはもう少し地方財政を自主財政として、地方分権の今日であるだけに、自主財源でその他を強化する方向で、次の、総理の言う恐らくいまの補正といったようなときには、見返ってみる必要があるんではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 地方財政がきわめて財政的に苦しい状況であることは御承知のとおりでございまして、その中におきまして自主財源を強化してまいりますことはきわめて必要な大きな課題だと、かように考えております。ただ、わが国の全体を見てみますときに、税源が余りにも偏り過ぎておる。したがいまして自主財源を強化いたしまして地方財源にその多くを付与いたしますことが、結果といたしましては、各団体間の不均衡を生じてはならぬと、かような問題もあるのでありますけれども、しかし、地方自主財源の強化ということは、大方向といたしましては、まさにそのとおりでなければならぬ、かように考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 関連。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 特に関連を許します。志苫裕君。時間が来ておりますので、簡単に。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 地方財政が大変厳しい状況にありますので、税率の改定が強く要求されておったんですが、政府の言い分を聞いておると、景気の動向がまだ定かでないからそれが落ちつくまで模様を見る、こういうことでいわゆる制度改正というものを提起をしておるんですが、法の精神から言えば、そういう変動の状況に機敏に対応をして、そして悪い影響を遮断するというのがむしろ法の精神で、政府のやっていることはあべこべの手の打ち方ではないか、こう思うのですが、いかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) 五十三年度の地方財政は、本年度に引き続きまして相当の財源不足を生ずることになりました。そこで、かような状況の場合には、法は二つの場合を予定いたしておるのでありまして、その一つは、交付税率の引き上げをもって充当いたす、このことでございますけれども、きわめて流動的な昨今の財政状況のもとにおきましては、そのことが困難な結果に相なったのでございます。そこで、いま一つの道は地方行財政制度の改正でございますけれども、御承知のように、特別会計におきまして、一部は臨特で賄えますけれども、相当部分を借入金によらざるを得ない、かようなことでございまして、当分の制度ではございますけれども、いわゆるルール化を行って処置をいたした、かようなことであります。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 税率の改定をしないで、足りない分を借り入れて、その借入金の半分を国が返すときにめんどうを見る、これが制度改正だと言うんでありますが、問題は、しからばその借入金の額はどうして決まるのかというルールがいわば定まっておらない、毎年毎年ふらふらしておる、こういう状況が問題なんであります。  現行制度では、御存じのように、国税の一定割合というものを法定化をして、あらかじめ地方財源を約束しておるというところに特徴があるんでありますが、もし、今度税率の改定をしないで交付税会計に借り入れる、いわゆる借入金を交付税総額を確保する制度の一つだと言うのであれば、当然、借入金はどのようなルールで決まるのかということを定めておいて、あらかじめ地方財源を約束するというルールがなければ制度改正とは言えない、これは非常に私は大きな問題点だと思うのでありますが、いかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(加藤武徳君) ルール改正の中身につきましていろいろ議論のあるところではございますけれども、ただいまの御質問のポイントは、特会で借り入れますものの借り入れのルールを定めたらどうかと、かような御趣旨であったと思うのでございます。  ところが、実際問題といたしましては、地方財政計画を策定するに当たりまして、歳入を計算いたし、かつまた歳出をはかりまして、その間に幾らの財源不足が生ずるか、かようなことでございまして、そして五十三年度の場合は三兆五百億円の財源不足が生じた、そのうち一兆三千五百億円はいわゆる起債を充当しなければならぬ、かようなことでございましたが、残りの一兆七千億円につきましては、一部を臨特で処置をいたしますと同時に、その不足額を借り入れたのでございまして、年度年度によりまして借入額が相当の変動があることが予想されるのでありますから、私は今回のルール化を行った、また制度改正を行った、かような趣旨を申しておりますのは、国からの借入金に対しまして、実質上、その半分に相当いたしますものを国で負担をいたす、このことでルール化ができ、制度改正ができたと、かように思っておるのでありまして、借入金を毎年度どのようにするかというところにまでは及んでおらず、また、そのことは実際問題で非常にむずかしい、かように考えざるを得ないのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 時間の制約もございますので、意を尽くし得ませんでしたが、不況対策を初め、内外問題に真剣に私どもも取り組んでまいりたいと思っておりますが、政府におかれても、どうか今後の情勢の推移を十分見きわめられて責任ある行政の担当をしていただきたいことを要望して終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で藤田君の総括質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、中山太郎君の総括質疑を行います。中山君。  なお、参考人の日銀総裁がお見えになっております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府に本年度予算並びに関連した問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。  まず第一に総理にお尋ねをいたしたい。四十八年の石油ショック以来世界は大変な一つの経済恐慌というものに見舞われた。資源のないわが国にとりまして、資源保有国というものからの圧力というものは外交上非常に強くなってきた。こういう中で、総理は、日本のこれからの行き方、しかも資源のないわが国の国民を指導していく、引っ張っていくという自由民主党の政府としては、これからひとつ資源有限時代に備えて日本の国の体質転換を図らなければならない、こういうことを国民に向かって訴えてこられた。それに関して、ひとつ今年の予算を踏まえて、これからの日本の国家目標、そういうものとこの予算との関連というものは一体どういうふうにお考えになって国会に提出されたのか、その点について総理のお考えをお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 確かに、お話しのように、世界が非常な大きな転換期でございます。私はこの転換はこれはもう人類始まって以来の大きな転換かとも思うくらいでございますが、いままで人類は資源エネルギー、そういうものにつきまして何の心配もなしに暮らしてきた。それがそういうことを心配しなけりゃならぬという時代でありますから、これは大きな変化の時代だと思います。そういう中で、わが日本という国は、資源的に見ますると、あるいはエネルギーのことを考えましても、これはもう本当に資源エネルギー小国と、こういうふうに申した方が適当かと思うのです。そのわが国といたしますと、いままでのようないわゆる高度成長思潮、その中で生きていくわけにはいかぬと思います。世界情勢を大きく展望いたしまして、そして資源エネルギーの確保、それのできる範囲内においてのまたこの国の運営ということを考えなけりゃならぬ時期に来ておる。もっとも、資源エネルギー、これが窮屈だ窮屈だというだけにとらわれている必要はないと思うのです。われわれは新しい資源エネルギーを生み出す、そういう努力を必要とすると、こういうふうに思いますが、そういう努力をするということを前提といたしまして、そういう中においてのわれわれの国家経営また家庭の経営、それを設計しなければならぬだろうと、こういうふうに思います。しかし、これからの世界情勢を考えてみますと、まあとにかく、あるいは石油問題に見られるがごとく、あるいは二百海里時代に見られるがごとく、これから先々は非常に変化の時代であり、また不安動揺の時代であろうと、国際的にはそう見るべきだというふうに思うのです。そういう中で、日本丸が本当に沈没せずにまた座礁もせずに難破もしないでこれを安全航行できるということはどういうことかと言いますれば、私は、資源小国であるわが日本といたしますと、これはやはり日本人一人一人に着目をしなけりゃならぬだろうと、このように思うのです。幾ら変転する世界情勢でありましても、わが一億一千万人おる日本人の一人一人が世界じゅうでどの一人一人に比べましてもすぐれた一人一人であるということになりますれば、そのとき私は幾ら世界に変化が起こりましてもそれに対応する知恵が必ず生み出されると、そのように思うのでありまして、私はいま当面経済問題が非常に大事な段階だ、これを克服しなけりゃなりませんけれども、国づくりの基本を忘れちゃならぬ。この国づくりの基本というものはやっぱり人づくりである。私は経済克服、これに全力をいま集中しておりまするけれども、こういう長い国づくり、その中において大事なものは人づくりである。この人づくりに成功しますれば、日本の長い航海、これは安全航海であり得ると、このように考えまして、その辺につきましては五十三年度予算におきましても怠りなくいろいろな布石をしておる、このように御理解願います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 総理もおっしゃったように、日本は資源有限だと、石油の値段が四倍になったと、これから国のあり方というものは大変ですよということをよく国民に訴えられた。非常に教育水準の高い日本の国民はこれに敏感に反応してきたわけです。これは資源がなかなかなくなる、さあ少し節約をせなくちゃいけない、こういうことで、二枚買おうと思っておったものも一枚にちょっとしようかと、こういうことで商品の消費というものが落ちてくる。売り上げは減ってくる。そうなると滞貨が起こる。滞貨が起こると、工場で生産しても売れない。そこで生産率が下がってくると、こういうふうな経過が出てくる。操業率を下げると、何といいますか、金回りが悪くなる。銀行には土地、工場の担保を入れて金を借りてしまっておる。そこで、雇用の問題に経営者というものは入っていく。まず合理化をやらにゃいかぬと。そこで、不要な人員もある程度整理しなくちゃいけない。そこで失業者が出てくる。今日では百十万人ぐらい出ておるわけです。これが、もう一方の面から見ると、東南アジアの各国が戦後工業化をして、中華人民共和国は絹を日本にどんどん出してくる、あるいは綿製品を出してくる。あるいはシンガポール、あるいは香港、韓国、まあ造船業なんというものは日本の船台は五月になったらもう一隻も船がないと言われても、韓国は昼夜兼行、造船に励んで外貨をかせいでいる。こういうふうな一つの日本の大きな課題というものが今日出てきている。一体これからの日本はどうなるんだろうかと、こういうふうに思っている経営者もたくさんおります。働く人たちは新しい職場を求めてもなかなか苦労する。解雇される者は大体定年近い人たちに肩たたきというものが行われている。肩たたきされた人はどこへ行くか、これがいまの日本の大きな悩みだろうと思うのです。  そこで、やはりこの時期では、この予算を通じて当面の不況対策というものはこうやるんだと、国民の皆さん方は御心配要りませんよと、この不況を脱出した暁に日本は二十一世紀に向けていままでの高度経済成長時代に見られたような工業生産中心から新しい知識産業の国家産業に向かって転向していくんだと、そういうふうな布石というものが国民に明確にお示しいただけなければ、国民は一体どうなるんだろうか。私は、この日本の大きな歴史の流れの中に立つ福田内閣、また世界を見ても人類の大きな変化が起こっておるこの中で、やっぱり歴史的な政治の一ページを飾る福田内閣というものは、国民に福田内閣は日本をこうするんだということを具体的に予算と政策を通じてはっきりと説明してやる責任というものが私は現在要求されていると思うのであります。その点についてひとつ重ねて、どっちへ向けて日本を持っていくんだという長期の問題の志向、国家目標というものについてもこの際総理からお答えを願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、今日のこの瞬間はわが国の国づくりの一こまであると、こういうふうに思い、その国づくりの基本は人づくりにあるということを申し上げましたが、いま事を経済社会、その方面に限局してのお話でございますが、今日経済的に見ますと、私は日本の経済というのは五年来トンネルの中にあると、こういうふうに見ておるんです。当面のわが国の経済対策の目標というものは、このトンネルから一刻も早く抜け出すことである。それはどういうことかというと、結局企業の操業度が非常に低くなっているんです。つまり、デフレギャップというものが非常に多い。私は、大観いたしまして、一〇%ぐらい操業度を盛り上げませんと平常な状態に来ないのじゃないかというふうに思いますが、その企業操業度をとにかく一般的な平均的な企業におきましてはまあまあ採算がとれるというところまで早く持っていかなけりゃならぬ。そのためには需要を造成するという必要がある。その需要を造成する早道は何だといいますれば、これはやっぱりいろいろ御議論はあり得まするけれども、即効的であり、かつ国家的見地からその効果を考えてみるときには、これはもう公共投資、社会開発投資、これにすぐるものはないと、このように考えまして、公共投資中心の景気政策、これによって企業操業度を持ち上げる。操業度が適正な水準に来ますれば、これはもう設備投資も始まってくるし、また国民生活全体としてゆとりが出てくるというような状態になる。五十三年度予算はそういう考え方のもとに、まあとにかくトンネルの出口が見えるところまで持っていく。製造業稼働率指数でまあ九五までぐらい本当は行きたいんですが、やっぱり五十三年度を展望してみると九二、三までぐらいしか行かないんです。そこで、私は、五十三年度という年はトンネルを抜け出るというまで言い切らない、トンネルの出口が見えるというところにとどめておるわけでありまするが、そういう状態にとにかく五十三年度という年はぜひしてみたいと、このようにいま考えております。  同時に、そのトンネルを抜け出た後は一体どうなるんだと、こういうことでございますが、これはやはり国民によく御理解願わなきゃならぬと思いますのは、夢よもう一度というか、高度成長時代がまた復元してくるというふうに思っておったらこれは大変な間違いであると、このように思うわけであります。世界の情勢を見回しますると、わが国はああいう行き方はもう再び許されない。やはりかなり低い経済成長。しかし、低い経済成長でありまするけれども、その中で静かでつり合いのとれた、また生きがいを人々が感ずるような社会を実現するということは必ずできると、そういうふうに思いますが、そのような社会を目指してトンネルを抜け出ていかなければならぬだろうと、こういうふうに思うのですが、その辺につきまして、国民の皆さんには、先々に展望を持ち、同時に、しかしながら過大な展望、こういうことにならないようによくお願いをしなければならないと、このように考えているんです。  したがいまして、このトンネルを抜け出た後とトンネルの五年間とはこれは世の中が相当変わってくるんです。定着した低成長時代というか、そういう時代になってくる。そうなりますと、そこに、企業でも、家庭でも、あるいは国でもそうです、地方公共団体でもそうです、皆、時代の対応転換というものを考えなけりゃならぬだろうと、このように考えるわけでありますが、この対応転換、これができるかできないか、またどの程度にできるかということが私はこのトンネルを抜け出た先の日本社会がどの程度落ちついた社会になり得るかということを決める物差しであろうと、こういうふうに思い、家庭もそういう社会経済情勢の中でいままでと違ったたたずまいをしなきゃならぬ、企業もまたそれぞれそういう考え方の運営をしなけりゃならぬ。国、地方公共団体、これももとよりでございますが、そういう中で一つ一つの企業がいま中山さんがおっしゃるようにどういうふうな展望を持っていったらいいのかということにつきましては、いま政府は、通産省を中心といたしまして、こういう社会情勢、経済情勢になりますよと、たとえば省資源・省エネルギー産業、あるいは高度技術化産業、こういうものがありますよと、こういうものが求められているんですよと、逆に、この時代になりますとこういう産業がいわゆる構造改善処置を必要とされる産業ですよということを逐次お示ししながら対処していきたいと思っておるわけでありますが、非常な転換期でありまするから、お話しのように、国民にもよほどその辺の事の実態というものを御理解願わなければならぬだろうかと、かように考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 重ねて総理にお尋ねしますが、私ども参議院の自由民主党・自由国民会議は、今年度の衆議院の予算委員会の審議を見ておって、当面の経済問題あるいは国債発行に伴うその国債の償還の問題を中心にした国の財政の問題を中心に論議をされておりましたが、私ども参議院自由民主党・自由国民会議の立場では、やはり任期も長いし、絶えず日本の将来、日本の国家というものは将来どうしていくべきかということについてわれわれ参議院側は絶えず考えて相談をしておる。そういう意味で、いま総理からお答えがございましたが、われわれの国が、いまおっしゃったように、技術中心型の知識集約型産業国家にその国家の方向を向けるということを総理は国家のリーダーとしてお考えでございますか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国全体としてもそうです。また企業一つ一つにとりましてもそうですが、これはもう時代の流れとともに、省資源・省エネルギー、これはひとつこれからの企業がぜひ忘れてならぬ問題である。それから同時に、高技術といいますか知識集約といいますか、そういうような産業、これがこれからのわが国の産業として求められていると、こういうこともまた篤と心得ておかなけりゃならぬだろうと、こういうふうに思うのです。それに伴いまして、またそれと相並行いたしまして、国の施策ですね、それもそういう方向を目指して前進していかなければならぬだろうと、このように考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 それでは、当面今年度の予算そのものに関して大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  けさの午前のいわゆる終わり値は外国為替市場のドルの値段は幾らになっておりますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) きのうの……

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 けさ、午前中です。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 私は寄りつきを聞いたのでございますが、二百三十五円三十銭、終わり値が十五銭でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 今年度、公共予算を大幅に組んで景気刺激をやられるということでございますが、いま、中小企業あるいは経済関係の人たちは、一体ドルはどこまで安くなるのか、円はどこまで高くなるんだと、二百十円ぐらいまでいくんじゃないかと、そういう心配をしている人たちがほとんどであります。それに関連して、公共投資をやってみても果たして不況から脱出できるかというのがこれは本当の生の声だと思うのでございますけれども、それについて、もしこれ以上いわゆるドルが安くなって輸出に対するブレーキがかかってくるということになれば、公定歩合の引き下げというものを早急にやらなければならない。これはいつも後手後手になると言われていますけれども、これはひとつどこまで来たら思い切ってやるんだというぐらいの腹を持って国民に安心を与えるようなことがやっぱり必要なんじゃないかと、その点についてひとつ大蔵大臣と日銀総裁からお答えを願いたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 公定歩合の問題につきましては、日銀総裁の所管事項でございますので後ほど日銀総裁からお答えがあると思いますが、あえて私見を求められますと、円高という問題と公定歩合の引き下げというものをすぐ直結して考えるかどうか、これはなかなか問題の多いところであろうと思うのでございます。御承知のように、昨年の秋、わが国は総合対策を樹立しまして、そして公定歩合も下げたわけでございます。しかし、やはり円高の傾向はとうとうとして続きまして、そのかきねを全部越えたことは御承知のとおりでございます。また、ごく最近では、スイスが公定歩合を一%、史上最低に下げましたし、それから外国からの預金に対しましては逆日歩をつけたわけでございます。しかし、それにもかかわらず、やはりスイスフランは史上最高値を呼んだのでございます。もしそのようなことでございますと、逆に挫折感が非常にふえるということもまた考えなければならぬのでございます。そういう意味で、もとより現在円高の傾向というものは非常にマイナス面をたくさん持っておるわけでございますけれども、それにはそれなりの原因があっていっているわけでございまして、それにいかに対処すべきか、また対処できるか、これはその問題として考えていくべきであろうと思うのでございまして、直ちにそれが公定歩合の引き下げに直結するというふうには私個人は考えていないのでございます。

森永貞一郎日本銀行総裁

○参考人(森永貞一郎君) 年初来大分落ちついておりましたのが、二月の半ばぐらいからまたドル安が始まりまして円高になりました。特に今週になりましてからその傾向がにわかに高じまして、二百三十五円台の相場になっておりますことは、お話しのとおりでございます。私ども、こういう円高が今後一体どういう動向をたどるのか、またその影響はどういうことであろうかということでございますが、まあ何分にも今週始まってからの極端な円高でございますので、この二、三日の動向だけで今後どうなるか、あるいは影響はどうなるかということをいま断定することはなかなかむずかしいのじゃないかとは思っております。  しかし、いずれにいたしましても、このような円高傾向が続きますということは、心理的にもまたマクロ的な意味でもデフレ傾向を促すというような意味でやはり大きな影響が起こるわけでございますので、私どもといたしましては、極力この為替相場が安定裏に推移することを心からこいねがっておる次第でございます。それにつきましては、何といいましても経常収支の黒字幅の縮小ということが何よりも喫緊でございまして、その意味での御努力を政府においても大いに続けておられる次第でございましてその効果に期待する次第でございますが、他面、今回のこの円高は多分にドルの弱体化ということに起因しておるわけでございまして、そうしますと、やっぱりアメリカの国際収支がどうなるかというような基本問題がございますし、またアメリカ自身がもっとドルの価値維持に努力をしていただきたいというようなことにもつながっていくわけでございます。特に今度の場合、投機筋がかなり活発に動いたというようなこともございまして、それが円高につながったというようなこともございますので、私どもといたしましては、そういう投機による円高に対しましては、それによる日本の円相場の激変に対しましては、やはりならす意味での介入が必要だと思うわけでございまして、現にその方針で臨んでおる次第でございます。いずれにいたしましても、極力円相場が安定裏に推移することを心からこいねがっておる次第でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 参考人にはどうもありがとうございました。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 日銀総裁はよろしゅうございますか、退席願って。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 ええ。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 日銀総裁にはまことにありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 大蔵大臣にお尋ねしたいと思うのですが、国債の発行及びその償還をめぐって、やがてこの両三年後あたりにはいわゆる歳入の欠陥が相当出てくる。歳入の欠陥が出て、そして、やはりこの経済を刺激するという政策を維持しなければならない。つまり、いま民間では、ことしは大変大型な公共投資予算を組んだ、しかしこれで景気が回復するか、民間設備投資が出てくるかというと、民間の業者は、来年度一、再来年度の公共投資が一体政府はどれぐらい考えているのかと、それがわからなければいま設備投資なんてできないよと、操業率をいっぱいに上げた方が企業にとっては有利じゃないか、コストがアップしてくるからと、こういうことがやっぱり民間のほとんどの考え方なんですね。それをどのような考えでこれから財政を運営されていくのか、それをひとつよく国民にわかるようにお話しをいただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 来年以降の財政計画をどうするかという問題は、今年度の経済の推移等を考えまして具体的に考えねばならぬところでございますので、計画としてこうやるということは申し上げかねるのでございますが、その手がかりといたしまして、先般、衆議院の予算委員会でございますが、現在の財政状況を改善しつつ、しかも企画庁の前期経済計画の線に沿ってやるにはどのような計画、どんな試算があるかということをお示ししたわけでございまして、これは一つの試算でございますが、しかし、この試算を手がかりにいたしまして国民的な論議がどんどん起きまして、また国会におきましても活発な議論が展開されることをわれわれは心から望んでおるものでございます。  ただ、この試算、特にAからEまで示しましたけれども、企画庁の前期経済計画と最も整合しているのはCケースでございますのでそれについて申し上げますと、五十四年度、五十五年度の名目成長率が一二・五の場合、公共投資の方は一三・八でございます。それから五十六年、五十七年度は名目成長率を一一・五と仮定している場合に一二・八でございますから、まあいずれもこれはある程度の経費の節減とある種の租税負担、増税を求めざるを得ないという前提に立っても、なおかつかなりの刺激的な公共予算の数字が組めると、こういう意味で試算をお示ししているところでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 経済企画庁長官のお考えはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま大蔵大臣の御説明になりましたとおりでございますが、五十年代の前期計画におきましても一定のいわゆる政府による投資を想定をしておりますし、先ほどお話しのこれからの財政計画においても、歳入に相当の困難があってもなおただいま大蔵大臣の言われました年々十数%の公共投資、政府投資の伸びを投資部門で考えざるを得ないというお考えでありまして、またそうしていただきませんと、わが国のようないわゆる貧弱な生活関連施設の現状――住宅等を含めまして――から言いましても、また、先ほどからお話しの雇用問題から申しましても、それがどうしても前提にならなければならない。もとより、この五十三年度のような一遍限りのまことに異例なことを何度もやっていただくわけにはまいらないと思いますが、さりとて、ただいま大蔵大臣の言われました程度の政府による投資部門の投資はぜひとも必要であるというふうに考えます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 いま民間の産業をやっておる人たちの頭の中にあるのは、政府が七%成長を必ずやると。ところが、民間の経済調査の関係の機関の人たちは、それはできないと、あるいは四%だとか、あるいは三%だとか、こう言っているわけです。そうすると、去年の昭和五十二年度の経済成長率が六%だというのがこの間五・三%に修正された。そこで、きょうは、参考人には大変お忙しいのにわざわざ来ていただいていますが、今年度の予算でどういうふうに今年度の景気が出ていくか、一国民の方は、財政は組んでもらった、しかしこの景気の気、気持ちがこれからよくなるぞというところをしないと、設備に対する意欲は起こってこない。参考人にひとつ忌憚のない御意見を伺いたいと思います。

宍戸寿雄株式会社日興リサーチセンター理事長

○参考人(宍戸寿雄君) ただいま御質問がございました、民間の研究機関はどのように景気を見ておるかということでございますが、私のところも民間の研究機関といたしまして五十三年度の景気見通し、経済の成長率を測定いたしておりますが、その中ではいろいろまだ今後の政策の進展が不明なところもございますし、あるいは春闘におきます賃金上昇率その他不確かなところもございますので、若干不明なところもございますが、実質経済成長率が五・一%と見ております。そのことは、政府の経済見通し七%程度というのに比べましてどこが違いますかと申し上げますれば、消費支出が、消費者の購買力と申しますか、購買意欲が意外に落ちついておりますことや、あるいは円高によりまして輸出が意外に伸びないであろうとか、あるいは企業の設備投資意欲もいま中山先生のおっしゃいましたような慎重ムードと申しましょうか減量経営ムードが進展いたしますところから、政府の積極的な公共事業費の拡大によりましてもその程度しか実現できないのではないかというふうに私のところは考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 これがいまの日本の国民感情の中で一番大きなポイントなんです。政府は七%でやっている。民間の調査機関は全部五ないし四あるいは三と、こう言う。だから、政府は、七%経済成長を約束すると、それに向かって全力投球するんだということを見解を発表された。その明くる日に民間の調査機関が、三社でしたか、発表した。大きな食い違いがある。そのとき、政府は、民間の言っていることは民間の言っていることだけれども、国民に必ず七%の成長をやるように財政投資をやるんだということを明確に明言しないと、国民の方は、本当かなあ、これが私はやっぱり商売人の気持ちだと思う。その点ひとつ改めてここではっきりと所見を述べていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) この点は、過般、昨日まで衆議院で行われました予算御審議においても申し上げてまいりましたし、また参議院におきましてもぜひ申し上げて政府の考えていることをお聞き取りいただきたいわけでございますが、一般的にこれだけ大きな政府主導型の財政をいたしましても七%程度の成長はむずかしいのではないかと世間が考えております一つの大きな理由は、昨年も政府はそうしたではないかと、しかしそれは予定どおりの成長に導かなかったではないかということがあろうと思います。そこで、昨年起こったことを考えてみますと、やはり何といっても国民経済各分野における各種の在庫、資本財にいたしましても生産財にいたしましても、消費財にいたしましてすらそうでございますが、そのような在庫が工場にあり、流通経路にあり、家庭にあるというようなことで、結局公共投資の波及効果がそこで吸収されてしまったというふうに考えられます。及び、秋に入りまして思わざる円高があったということも国民心理を冷やしたと思います。そういうことに比べますと、今年度五十三年度の公共投資は格段に大きいものでありますし、しかもそれは昨年行われました公共投資の累積効果の上に乗っておるわけでございますから、これだけ政府の公共投資が続いて在庫の壁が少しも動かないということはないはずであるというふうに私ども考えておりました。果たせるかなとはまだ申しにくいわけでございますけれども、正月ごろからかなり在庫の動きが出てまいっております。これはただいまのところいわゆる建設関連のものが先に出ておりますけれども、そればかりでなく、原材料在庫を除きましてはかなり動きがある。このことはやはり昨年からの公共投資の累積効果であることは私は間違いないと思いますし、そこへ政府の公共投資がこれから本格的に切れ目なく出てまいりますと、これはもう在庫というものは確かに従来の波及効果を吸収したいわゆるそういう意味での阻害効果というものは確かに今回は違ったものになるに違いない、こう考えております。この点は、どなたも、幾ら公共投資を続けても在庫がなくなるはずはないと言っていらっしゃる方はないので、その時期がいつでどのような態様であろうかということだけが問題なわけでありますが、私どもはもうそういうことがすでに始まっておるというふうに考えておるわけであります。  しかしながら、他方でいわゆる構造不況産業というものがございます。これは政府の公共投資あるいは景気全体の向上とは関係なくそれ自身の問題を持っておりますから、これはこれとして処置をいたさなければなりませんし、また他方で在庫が非常に減りましても従来のようにそれっといって在庫積み増しが急速に起こるというにしては企業家の心理は余りに慎重でありますから、そういうことは大きな幅では起こらないであろう。いわんやまだ稼働率指数が八七、八のところでございますから、設備投資というものがこの五十三年度内に大きく起こるということは製造業については考えにくい。それからまた企業が相当のいわば過剰雇用を抱えておりますから、五十三年度単年度では完全失業者の数が大きく減るということも残念ながら期待しにくい。それらのことは、私ども五十三年度に非常に過大な期待をかけておるという意味ではございません。すなわち、大きな設備投資が起こるとか、完全失業が減るとか、過大な効果は考えておりませんけれども、在庫の調整がつくことによって公共投資というものが確かに国民経済の各分野に波及をしていく公算はきわめて大である。そうして恐らく五十三年度の下半期には、民間の企業家もあるいは民間の消費者も、従来失っていた将来についての信頼というものをある程度は回復してまいるというふうに私は考えておるわけであります。  先ほど宍戸理事長の言われましたもう一つの点は消費であったわけでございます。この点は、やはり何といいましても消費者の気持ちとしては、御自分あるいは御自分の御主人がもう首になる心配はない、それからひょっとしたら多少ずつは残業手当も減る方向ではない、ふえる方向だなというところへいきませんと、なかなか消費者は落ちついて消費を始めるということにならないであううというふうに考えておりますし、現在の段階では生産関係の指標には少しずついいものが出ておりますけれども、消費関係の指標には余りいいものが出ておりません。消費者はまだまだ非常に用心深いというふうに考えるべきだと思いますが、先ほど申しましたような経済運営をいたしてまいりますと、ある段階から消費者がわが国の経済の先行きについてまあまあこれで最悪の事態は過ぎたというふうに考え出すに至るのではないだろうか。そういたしますと、消費もそう大きなことは期待をいたしませんけれども、順調な消費態度に変わっていくのではないかというふうに考えております。  数字を申し上げますともう少し詳しく申し上げられますが、長くなりますので、大まかにはそう考えておりまして、私は七%程度の経済成長というものが達成されても別段不思議はないぐらいに実は思っておるのでございます。ただいまなかなかこれは少数意見で、まだまだ国民の大多数、あるいはことに経済専門家はそうだとは考えておられないようですが、この一月半余りの間にも多少ずつそこに政府の言うことも聞いてみようかなぐらいな専門家の間のお気持ちの変化があるように見ておりまして、この七%程度の成長の実現にはある程度私は自信を持っております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 景気の回復の進行度が当初なかなかはかばしくいかないという場合には、やはりこれは政府はさらに補正を組むというぐらいの覚悟で、国民にまずこれから景気はよくなるぞ、ひとつ商売も盛んになると、こういうふうな勇気を持たせるようなことが大変大切だろうと思うのです。ひとつ、総理から、この点、国民に対して、心配ない、必ず責任を持って福田内閣はこの不況を脱出してみせると、はっきり決意のほどをお示し願いたいと思います。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、いま内閣といたしまして最大の課題は、何といたしましてもこの不況の克服だと、こういうふうに考えておるわけであります。そのための施策をいま打ち出し、その主軸といたしましてただいま五十三年度予算の御審議を願っておると、こういうことでございますが、国際情勢でございまするからいろいろな変化が起きてくるだろうと、こういうふうに思います。そういう変化を受けましてわが国の経済も何がしかの影響を受ける、こういうことになると思いまするけれども、五十三年度というこの年度ですね、これはまあとにかく五年不況が続くわけでございます。そういうことで、この不況というか、この異常な景気情勢、これは何といたしましても五十三年度をもって打ち切りといたしたいと、こういうふうに考えます。五十三年度末においては長い五年越しのトンネル、その出口が見えるようにはぜひしてみたいと、このように考えておるんです。  それで、まあいろいろ異変がありましたならば、その際その異変の状態を見まして、それに適応する正しい政策を大胆にかつ時を移さず果敢にとっていくという考えでございますので、どうかひとつ御支援のほどをお願い申し上げます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 いまの総理の御答弁でひとつ政府としては大いに国民が安心できるような財政運営というものに努力をしていき、後手後手にならないような経済政策を打っていただきたいということをこの機会に特にお願いをしておきたいと思います。  なお、大蔵大臣に、先ほどのいわゆる歳入欠陥の問題、この問題のお答えがなかったようですから、ひとつどの程度の歳入欠陥を持っているか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) これも試算でもって申し上げざるを得ないと思うのでございますが、Cケースでたとえば五十四年度、五十五年度で申し上げてみたいと思うのでございます。  Cケースは、これは歳出を相当詰めるとともに、相当の増税をし、しかも経済企画庁で考えておる中期計画の成長率を達成する、こういう前提でできている試算でございます。このときの五十四年度でございますが、特例公債が大体歳入欠陥になるわけでございますが、五十四年度では六兆四千億でございます。それから五十五年度には五兆一千七百億程度でございます。これは五十七年度には特例公債を発行しない、こういう前提でできている数字でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 その歳入欠陥を予測する場合に、一体それじゃどういうふうな歳入のための具体的な政策をとろうとされますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) これは今年から実は通常経費についはすでにもう実行に移しているわけでございまして、極力切り詰める一方、しかし公共投資を中心とする投資部門にうんと重点を置いているわけでございます。来年度も引き続きその方向でいかなければ、歳出についてはできるだけ節減してまいるとともに、やはり一般的の負担の増を求めざるを得ないであろうと、こういうことでございます。ただ、具体的に負担増を求めるときに、それを既存の税制の枠組みの中でやるのか、あるいは新税でやるのか、こういう問題になりますと、これはこれからの検討事項でございます。いずれにいたしましても、負担増を求めない限り日本の財政は非常に状況が悪くなりまして、ちょっと諸外国とは比較もできないほど悪くなるわけでございます。この五十七年度で特例公債を脱却すると申しましても、最後の五十七年度のところの国債の残高が、相当の増税をいたし、そうして歳出を切り詰めましても、九十三兆六千億という公債残高が残るという試算でございますから、ぜひともこれは実現してまいりたい、かように思っておるところでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 いま大蔵大臣の御答弁を聞いておると、とにかく国民に負担を求めなければこの歳入欠陥というものを補てんはできないということを明言された。それに対して増税にするのか新税をつくるのかということはこれからの検討事項だと。しかし、国民のサイドから見ると、納得のできないことがあるわけです。なるほど二百一万四千円が標準世帯で課税最低限、これはもう自由先進諸国でもまれに見る優遇措置ですね。しかし、それではやっていけなくなる。国民の方が欲求が過大になって、どこでもだれでもいつでも医療は無料でやってもらいたい、こういうふうな欲望が国民に浸透しておる。やっていけないわけです。社会保険料あるいは税の引き上げがないとやっていけない。こういう中で、しかし増税をやる前にひとつこのことだけは政府が腹を据えてやるべきじゃないかということが二つばかりあるんじゃないかと思うのです。  その一番大きな問題は行政改革です。いま国民は何と言っているかというと、おもしろいことを言うんです。徳川時代は士農工商と言った。お侍が一番権力が強くて、切り捨て御免だ。その次はお百姓が大切にされた。それから生産者だ。あとは商売人だ。いまもそうじゃないかと。行政改革をやると言ったって首切りをしないことを前提に行政改革をやる。お百姓は作付転換の奨励金をもらえる。不況構造業種もなかなか思うような手当てができなくて失業者がふえる。商売人だったら手形の不渡りで連鎖倒産でやられてしまう。いまも徳川幕府も一緒じゃないかと、こういうことを言っている国民もいる。だから、やっぱり政府は思い切った行政改革をやって、政府もこれだけぜい肉を落としました、高度成長時代に水ぶくれした役人の数も行政機構もこれだけ思い切って削減するから国民の皆さんどうかひとつこの財政歳入欠陥に対しても一御協力をいただきたいと。この姿勢が本物でなければ、私は納税者というのは納得できないと思う。親方日の丸だ。これ福田内閣は去年八月にやると言ってできなかった。かつて総評のラッパを吹いた人、この人は首切り反対の親玉だった。その人が人員整理をしないで行政改革をやるなんて笑い物じゃありませんかということを新聞で発表している。ロッキードで男を売った荒舩行政管理庁長官、どうですか。何がこれできないんですか。ひとつ国民に向かってはっきり言ってください。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) おっしゃることまことにごもっともでございます。やっぱり行政のコストを引き下げなくちゃならないことは当然でございます。しかし、これは当面の厳しい内外の情勢、また経済の問題、余り大手術をやるとなかなかいろいろの方面に波及してまいりますので、まあ考えてもおりますけれどもなかなか実行できない。また、国会議員の皆さんは総論じゃみんな賛成なんですよ。だけれども、おれの方はこれ切っちゃ困る、おれの方のこれはやっちゃ困ると。これはもうそういう御意見で大変なんです。これは実際の問題です。しかし、何としても国民の税をむだ遣いをしてはならない、行政改革をしなけりゃならない、行政のコストダウンをしなくちゃならぬ、そういうつもりで一生懸命やっておりますが、後で御質問等があれば、こういうことをやりました、ああいうことをやりましたということを申し上げたいと思いますが、私の考えといたしましては、一生懸命行政改革をやりますから、どうぞ御安心をいただきたい。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 民間企業では、商売がうまくいかない、そうなってくるとまず機構の整備をやるわけです。民間の経営者というのは命がけですから。自分の財産を担保に置いて会社を経営しているわけです。その次はやっぱり残業をやめるわけですね。それからボーナスを減らしていく。それでどうしようもなかったら、もう気の毒だけれども遊んでいる機械を動かすことのない職工にはひとつ休んでくれ、やめてくれと、こう言うんですよ。国民の方はそうやっている。政府は高度成長時代と同じ人員を抱えてやっているんでしょう。これはもう労働組合は首切り反対、労働組合から推薦されている政党の人たちも反対なんだ。役人も反対なんだ。どうするんですか、これ。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) 御意見まことにごもっともでございます。さっき申し上げるとおり、これはなかなかおっしゃることはそのとおりでございまして、そのとおりしっかりやろうと思っておりますが、しかし、いろいろな問題でいま一番大切なことは何としても景気浮揚です。景気を直すということです。それになるべく妨害にならないような手術をしていきたいと思っております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 総理はお聞きであろうと思いますが、国民の中で、経済政策については福田総理が一生懸命やっていると。おれは明治三十八年生まれで明治三十八歳だ、おれに任しておけと、こう言っているわけです。国民はそれに期待している・わけです。しかし、あの人がやりたいと思ってできないこと、みんな関係者が反対するのは行政改革。何とかして福田さんにやってもらいたいというのが国民の声ですよ。ひとつここで国民に向かって、これは何としてもみんなの理解を求めて、国民が納得できるような、納税者が喜んで歳入欠陥の補てんに応ずるような増税あるいは新税をもしか政府が考えても、あれだけ政府がやっているんだという気持ちになるように、ひとつ決意のほどをここでお示しをいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 行政改革、これは中山さんが力説されるように私はどうしても必要だと思うのですよ。つまり、私が先ほど申し上げた時勢が非常に変わってきたんだ、家庭も姿勢を変えなきゃならぬが企業も変えなきゃならぬ、むしろ国や地方公共団体が率先してこれはやらなきゃならぬ。そういう角度で私はこの問題を非常に重要視いたしておるわけであります。しかし、これはなかなか実行ということになりまするとそう簡単にいかぬ。去年の夏ですね、新聞に中央行政機構の改革案というものが流布された。あれは政府で別に決めたわけでもありませんけれども、ああいう構想があるらしいということが流布されただけでも大変な混乱なんです。もう一時、とにかく経済官庁の機能がストップするかというくらいな情勢でありまして、まあ一つの問題を取り上げても簡単じゃございませんけれども、とにかくできる限りのことはしなきゃならぬというので、出先機関ですね、これは出張所等も含めまして千数カ所の整理を今度するんです。これはそのうち法律案として御審議をお願いしなきゃならぬ。ぜひひとつ御賛同願いたいと思うのです。  それから長い間言われておりました渡り鳥問題、これも終止符を打とうと、こういうことから特殊法人の役員の給与問題退職金の問題、それなんかは初めて手をつけるんです。それから公務員の定年制の問題、これも言われて古い問題でございまするけれども、これも決着をつけましょうと。  それから、もう二十数年来の問題で決着がつかない問題があるんです。これは地方事務官問題という、これも一挙に三省の分をやってしまうというわけにはいかない。いきませんけれども、運輸省の分だけ五十三年度でやってしまいましょうと、こういうことでいま法律案の御審議をお願いするための準備をいたしておるわけでございますが、その他のものも二年ぐらいのタイミングで処置しましょうという方針を決めるとか、とにかくいろんなことをやっているんです。  ただ、私がとにかく一部の人の思惑と違いますのは中央省庁の問題なんでございますが、これも私もいろいろ考えた。考えたけれども、いま景気対策に国を挙げて、政府を挙げて取り組んでおる。そういう際に経済官庁がこの機構問題でその問題をおろそかにする、この景気問題がお留守になるというような状態でもまた困るなあと、こういうふうに考えまして、そして機構としての改正は一時見送ったのです。しかし、それと同じような趣旨のもとに、とにかく建設大臣と国土庁長官の兼摂を行う、これはやる。あるいは国際経済外交、これが手薄であるというので新たに無任所大臣を設置いたしまして、しかもこれは定員内でやるんですから、そして対外経済問題を処理せしめるというふうにいたしますとか、まあ地味ではありまするけれども、その実はちゃんと挙げているんです。しかし、この上とも政府が率先して時代の変化に対応する、この姿勢はどうしてもやってのけなきゃならぬ問題でありまするから、昨年暮れの閣議決定、これもそうでございまするけれども、その上、さらに情勢の推移を見ながら、政府機構につきましてはさらにさらに効率化、合理化という趣旨の改革を進めてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 まあひとつ、快刀乱麻を断つという言葉がございますが、この問題については、総理、ひとつ腹を決めてぜひ国民の期待にこたえていただきたいと思います。  もう一つ、それじゃ行政改革に関係して専売公社の問題をお尋ねしたい。世界じゅうで政府が塩、たばこ――塩を政府か売っているという国はとれぐらい百五十カ国の中であるか、ひとつお尋ねしたい。

大槻章雄大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(大槻章雄君) お答えいたします。  たばこにつきましては、専売制をとっている国または地域は世界で二十一ほどあるわけでございますが、先進国では、日本のほかでございますが、フランス、イタリー、オーストリアでございます。  それから塩につきましては、世界で十七ほど専売制をとっておりますが、先進国では、日本のほかは、イタリー、オーストリアというところでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 塩をやっている国をもう一つはっきり言ってください。塩を政府が独占で商売をやっている国、国名挙げてください。

大槻章雄大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(大槻章雄君) 先進国でなくて全部でございますか。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 はい、全部。

大槻章雄大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(大槻章雄君) お答えいたします。  塩の専売の国または地域は、台湾、ビルマ、キューバ、コロンビア、ペルー、オーストリア、イタリア、ギリシャ、チェコスロバキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、シリア、トルコ、エジプト、アルジェリア、スーダンと、そういうとごろでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 総理、行政管理庁長官、お聞きのとおりです。先進国なんというものはイタリー一つですよ。あとは全部後進国、開発途上国なんです。どうですか、行管長官のお感じは。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) 専売事業は、専売公社がたばこと塩をやっている、それから通産省がアルコールの専売監督しております。そこで、これは世界じゅうのことを調べてみたんです。果たして日本がどうしたらいいかというところで、いま内閣の中に公共企業体等基本問題会議がございます。そこで研究さしておりまして、果たして専売がいいかどうかということでいま研究しておりますから、しばらくお待ち願いたいと思います。間違うと大変ですから、一生懸命やっておりますから、どうぞよろしくお願いします。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 それじゃ、塩業に関する答申が昭和四十六年ぐらいに出ていますね。それはどうなっていますか。

大槻章雄大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(大槻章雄君) 四十六年に塩業審議会の答申が出ていることは、先生御指摘のとおりでございます。その四十六年一月の塩業審議会の答申におきましては、「塩産業の将来展望」ということにつきまして「近代化が達成された暁において、塩専売制度は廃止されるべきものと考えられるが、塩の需給調整、価格安定等のため必要な措置を含めて、この問題の取扱い方については、政府において慎重に検討すべきものであると考える。」と、こういう趣旨の答申がなされておるわけでございます。それで、四十六年のときにおきましては、塩の収納価格につきまして――このときは、先生御案内のように、従来の塩田の整備が行われまして、イオン交換膜製法が導入されて、七社の企業によるいわゆる化学的な製塩の制度がスタートした年でございますので、価格の問題につきましては四十六年から五十年度までの五年間を期間を考えまして、合理化目標として五十年の価格を、原塩をもとにいたしましての煎熬塩とそれから輸入原塩を粉砕した粉砕塩との加重平均値というものを五年後に想定いたしまして、四十六年から年間トン当たり千百円ずつ下がっていくという合理化計画を策定して、収納価格もそれに沿って決めていこうということでスタートしたわけでございますが、先生御案内のとおり、四十六、四十七、四十八年はその線に沿って合理化が行われていったわけでございますが、例のオイル・ショックによりましていろいろエネルギー費等の高騰によりましてこの合理化目標価格でもっては収納できないということになったわけでございます。そこで、その後のもちろん目標といたしましては国際価格に近づけていくという従来の方針を踏襲し、四十六年の五カ年計画に策定しましたときの原単位等もろもろの要素をその後の経済事情の変動に合わせまして修正いたしまして、その線で将来とも国際価格にさや寄せすることを指向いたしまして毎年の収納価格を策定するということできたわけでございます。しかし、その間の推移を見ますと、収納価格とその合理化価格というものの開きは、四十五年当時の五千五百円からいまは千五百円程度までは縮まっておるわけでございますから、オイル・ショックによる経済的な撹乱要因があったことは事実でございますけれども、国際価格の方にさや寄せするという方向でだんだんその目標価格というもの、まあ最近時点においては見直しの目標価格ということになるわけでございますけれども、それと実際の収納価格との差は縮まってきつつあるということでございます。ただし、煎熬塩とそれから粉砕塩との加重平均でもってその目標価格を設定するということにつきましては、この両者の理論計算値が四十五年当時には千五百円程度でございましたが、最近におきましてはエネルギー費が非常に高まってきておりますので、先生御案内のように塩の煎熬塩の場合には電気料あるいは燃料費というエネルギー費が非常に大きなウエートを占めますので粉砕塩と煎熬塩との差が非常に開いておりますので、それを単純に加重平均するということについてはいかがなものかと、今後の価格体系のあり方を検討するようにという昨年の塩業審議会の方の御意見もございまして、いま塩業審議会を開きまして今後の価格のあり方をどうするか、そして粉砕塩の分野というものとそれから煎熬塩の分野をどう考えるかということを目下鋭意検討していると、そういう段階でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 政府が商売していると、そういう答弁になると思うのですね。これは去年私のところへ、「しょうゆ製造用塩に対する自己輸入の取扱い方に対する陳情書 全国塩業政治連盟元売関係」と、こう書いてある。これが署名を取りに来たんですよ。これはいわゆる零細なしょうゆ業者が直接に自由の貿易によって外国から塩を買いたいと、それをとめるのが専売公社なんです。これは役人商売なんですよ。こんなことで零細なしょうゆ業者が納得して自由民主党政府を支持しないと私は思うのですね。どうです、荒舩行政管理庁長官、この塩業審議会の答申もこれは民営にしなさいとはっきり昭和四十六年に出しているわけです。ロッキードのようにばさっといけないですか。

荒舩清十郎自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(荒舩清十郎君) ロッキードとはこれは違いますよ。この問題は私のところへもそういう陳情も来ておりますし、いまさっき申し上げるように公共企業体等基本問題会議で研究しておりますから、しばらくお待ちください。いまあなたのおっしゃるような意見も大変あります。まあ塩の問題ばかしじゃなく、たばこの問題もあるし、アルコールの問題等もあります。いろいろありますが、ひとついま研究している最中ですから、しばらくお待ちを願いたいと思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 酒、たばこの専売――塩についてはいま詳細言いましたから、時間の関係でたばこの方はあんまり言いません。しかし、たばこは有害でございますと言って政府がたばこの箱に判こを押して印刷して国民に売っているわけです。いま先進国の中でたばこを政府が売っている国というのは、重ねてひとつそれじゃ専売公社は言ってごらんなさい。

大槻章雄大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○政府委員(大槻章雄君) お答えいたします。  たばこにつきまして専売制度をとっている国または地域でございますが、フランス、イタリア、オーストリア、スペイン、アイスランド、韓国、タイ、台湾、トルコ、イラン、イラク、レバノン、シリア、アフガニスタン、アルジェリア、チュニジア、モロッコ、リビア、エチオピア、マリ、ギニア、以上でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 総理、お聞きのようなことでございます。どうかひとつできるだけ政府のぜい肉を落として、そして構造不況で一体これからどんな商売をしたらいいのかということを経営者はいま模索しているわけです。不況産業で解雇されて、二年なら二年、三年なら三年政府の手厚い失業対策によっても、それから先の生活はどうなるかと思っている国民が今日百十万人以上いるわけです。そういう人たちに国営企業というものをどんどん民間におろして、そして新しい職業と事業というものをこの自由経済社会においておろしていくということが私は自由経済を基本とした福田内閣の最大のやっぱり一つの哲学でなくてはいかぬと、このように思っております。ひとつその線に沿っても十分御検討を願いたいと思います。  次に、外交問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  外務大臣にまず日本の外交の基本姿勢、それについてひとりお答えをお願いしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日本外交の基本姿勢は国会で私が外交方針演説で申し上げたとおりでございますが、さらにそれを要約して申し上げますと、日本の外交はまず世界の平和、繁栄に貢献するという一貫した目標があるわけであります。その中で問題としては世界的な問題で、現在の世界経済不況からどのように脱却するかという問題、南北問題、こういう問題に国際的な協力をする。  したがって、第一に、日本は平和に徹し、平和国家としての立場から日米関係を基軸として国際関係の安定化に寄与する。  第二番目には、先進民主主義国として、世界の繁栄に積極的に貢献をする。  第三に、政治体制のいかんを問わず、国の大小を問わず、遠近を問わず、広く世界の国々との間に交流を深め、意思の疎通を図る。  こういうことに一貫をして外交方針並びにこれに基づく姿勢を固めてまいりたいと存じます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 日中の平和友好条約、この問題がとにかく連日国民の話題、特にこのごろ新聞を朝あけて見たら一面から二面、三面まで全部中共の記事でございます。私は結構なことだと思いますけれども、一きのう、きょうあたりは憲法の一条一条全部書いてある。世界じゅうで外国の憲法を詳細に紹介して、それの解説する国の新聞というのは日本ぐらいのものだと思っているんです。実に変わった行き方だと思いますが、私は日中平和友好条約を締結するということは大切な政治課題だと思う。しかし、ここでわれわれはやはり慎重に考えてそれを進めなければいかぬ。  われわれ過去四十年の中国の歴史を見ても、蒋介石が政治をやっておった時代、軍閥割拠した中国大陸、それから八路軍を中心とした毛沢東の軍団、そういうものがおった。そこへ日支事変が起こる。日支事変が起こったときに共産軍と蒋介石の国民軍が一緒になって国共合作して日本軍を、抗日戦線を形成して日本を追い出す。その後、すぐに今度は共産軍はソ連から武器援助を受けて国民政府をたたく。国民軍は負けて台湾に逃げていく。  こういう中でじっと見ておると、昭和四十年過ぎでしたか、亡くなられたあの浅沼社会党の委員長が北京に行かれたときは、共同声明の中に、米帝国主義は日中共同の敵である、こういう声明があった。有名な文章であります。それからしばらくして、今度はソ連の技術者が引き揚げる。引き揚げるだけじゃない。今度は中ソ国境に緊張が起こって紛争が起こる。この間、ニクソン大統領の側近が獄中で書いた本の中に、ソ連は核攻撃をかけて中共を一発でやってしまおうか、こういうふうな状態が起こった。その国といま国交は正常化したけれども、日中平和友好条約という名前が一つの大きな政治課題として出てきている。こういう中で自由世界と東の共産圏社会主義国の間の緊張というのはどうか。  私はアメリカの外交を見ておって、やはりアメリカというものは世界をべたっと一枚に見て、アフリカあるいはヨーロッパ、東ヨーロッパあるいはアジア、南米、こういうところを全部で見て、どこにどういうふうなバランスがとれているかということで総合的にバランス・オブ・パワーという政策の中にアメリカの外交路線というものは展開されておる。日本はやっぱりアジアの中で非常に重要な国でありますけれども、この国がこのバランスの中でどうするかということが、これがやはりわれわれ日本自由民主党・自由国民会議を支持して、選挙のたびにやっぱり自民党でなかったらいかぬと、こう思って応援してくれている有権者、その人たちの中には、ソ連と中共はけんかしたけれども、別に自由経済国家に変換したわけじゃない。やっぱり毛路線を中心に共産主義革命を推進するということが新聞報道に載っておる。その国と平和友好条約を結んだ場合の日本の利益、国益と不利益というものがどのようなことがあるかということをひとつ外務大臣にお答えを願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ただいまの御発言に対していささか所見を交えてお答えをいたします。  いろいろ問題がございますけれども、日本の産業構造は世界の平和の中にのみ発展し得るという構造に変わっておるわけでありますが、しばしば国会で論議される日本の国の安全と防衛という問題についても、いろいろ議論はありますけれども、もし両大国の中に戦争が起こった場合の日本の実情を想像すると、どうやって生きていくか。憲法とかあるいはその他が通用するかどうか。まさに地理的囚人というか、両方の間にはさまれた日本は、右にも左にも動けばやられるし、動かなくてもやられる、こういうかっこうでありますから、日本は何としても戦争を起こさしてならぬということは、これは政党を超え、思想を超えた問題でなければならぬと私は強く考えております。  そこで、いま世界情勢は確かにおっしゃるとおりでございまして、力の関係から逐次平和共存の世界に移ろうとして努力をしておることは事実であります。米国の方もソ連の方も、ここにはいろいろわがままがあったり問題がありますけれども、お互いに抑止力を持って戦争なしに平和を維持しようという努力はこれはわれわれは買うべきであると考えておるわけであります。  そこで、いまは力の関係から平和共存に移る段階でございますから、力が五分かあるいは経済が五分か、平和と力の五分五分でありますが、逐次年ごとにこれが平和共存の方向へ向かっていくことは当然であると私は考えております。  そういう意味から、まず日本は自分の安全を考え、アジアの繁栄と平和を考えることが大事であって、これはブロックイズムではなくて、そのアジアの平和を世界の平和に推し広げていくことがきわめて大事であると思います。  それからもう一つは、主義、政治形態の違う中国と日本が友好関係を深めていくことは、資本主義の末端である日本と社会主義の末端である中国がどうやってうまく生きていくかということは、私は今後政治家として、日本を守る人間として、どのような苦労があろうともこれは通さなきゃならぬ問題であると思っておるわけであります。  そこで本論に入りまするが、どのような利益があるかと、こういうことでありますが、いろいろ問題がありますが、第一はアジアの平和と安定、第二番目には資源供給源の多様化、次には全方位外交の総理がおっしゃる足固めという三つの問題あると思いますけれども、いずれにいたしましても、日中友好条約を締結することがメリットがあるかデメリットがあるか、これは一にこれを行うわれわれ政治家の心構えである、日本民族の心の持ち方であると、私はこのように考えて話を進めておるわけであります。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 重ねて外務大臣にお尋ねしますが、おとといですか、新聞に、尖閣列島の土地所有権者が死亡された、もちろん日本人です。こういうことがおとといの新聞に載っておりますが、日中平和友好条約の外交交渉の中では明らかにそれをしないと、やはり今度は竹島は一体どうなっているか、竹島は日本古来の領土であると、こうなっている。現在は日本人はあそこに一人もいない。いるのは韓国の警察部隊であります。北方領土の問題、われわれは言うべきことを堂々と言い、相手がいやがることも堂々と言って初めて外交というものは両国の間で話し合いができるんじゃないか。ひとつそういう点も含めて、これからはわが国の領土は必ず政府としてはこれを厳しく守り、主張していくという決意をここでひとつ御披瀝をいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。  お言葉ではありますが、日本の領土の問題で北方四島と竹島と尖閣列島は、それぞれ性質を異にしておると私は解釈をいたします。  北方四島は、御承知のような状態で戦後未解決の問題、そしてこれは解決しようということになっております。これは固有の領土であります。それが占拠をされて主権が行使できない状態でございますから、これはあくまでわれわれは一貫してやらなければならぬ。  竹島は、これは歴史的にも現実的にも日本の固有領土でありますが、連合軍の一つの区域の限界から、これは韓国のものであるといって不法占拠しているわけであります。したがって、これは話し合いで解決するということになっておるわけでありますが、これもいつまででもほっておくわけにいかぬので、話し合いを進めていかなければならぬと思っております。  尖閣列島は全然別でありまして、これはいままで日本の固有の領土であるということにはだれも異存はなかったわけでありますが、あそこに石油が出るとかどうかという話があってから、台湾の方からおれのものだと言い、中国の方もおっつけて言われたわけであります。しかし、尖閣列島は現在わが方が領土権があり、しかも主権の行使をやっている島でありまして、他の二つとはそういう意味においては違うわけでございます。しかし、問題があるならばこれはちゃんとしなければならぬと思いますけれども、今度の友好条約で解決すべき問題ではない。地主さんが亡くなられても領土権の変更はいささかもあるはずはございません。これはあくまでわが方の領土であると言い、われわれは主権の行使をやっておるわけでありますから、それを北海道はわが領土であると、こう言って他国と折衝するということはわが国の国益を守る道ではない、このように考えておりますので、いまの御発言とはいささか外務大臣は見解を異にしておるわけでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 大変明確な御答弁がございました。ひとつ外交において十分御活動願いたい。  次に、日本を敵視した中ソ防衛条約、これの廃棄というものが日中平和友好条約の交渉を進める上で絶対条件じゃないか。中共は名存実亡とこう言っておる。どうですか、その点のお考えは。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 蛇足になりますが、ソ連でもこの話を私はいたしました。中国の話が出てまいりましたときに、そもそもあなたと中国はきょうだいの国であって、中ソ同盟条約を結んで日本を敵と決めつけられておる。そのきょうだいが争いをされて、二人で争わずに、わが日本が飛ばっちりを受けることは迷惑千万である。したがって中ソ同盟条約を、ソ連の方にですよ、続けられるか、あるいはやめられるのか、これは内政干渉にわたるから私は申しません。ただし、日本を敵とする敵視条項だけは削除を願わなければ本当の善隣友好の関係はできませんと、こういう意見を言ってきたわけでありますが、中国の方では実情は御存じのとおりであり、すでにこれは名存実亡であると表現もしておられるわけでありますが、これは訪中をされた方に申されたことであって、政府同士の話ではないわけでございます。したがいまして、この中ソ同盟条約をどうされるかこうされるか、これは私はやっぱり内政干渉にわたることでありますから私から意見を言うべきことではない。もちろん日本も中国と条約を結んだら、他の国ともまた条約を結ぶわけでありますから、お互いに両締約国が他の国との外交関係を干渉されることはわが好まざるところでございます。しかしながら、その中ソ同盟条約敵視条項については、日本国民が、それでは中国の友好条約はどうなんだということでありますから、これは何らかの場面で何らかの方法で日本国民が納得されるような中国の意図は承るべきであると考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 政府は、中ソの現在の激しい対立というものが将来とも続くというふうにお考えでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 近き将来においてこの関係が変わるとは考えておりません。しかもソ連の体制、中国の体制から考えると、なかなか厳しいものがございます。ただ、私がモスコーに参りまして中国の話をいたしましても、ソ連の方は言葉激しく中国のことを公開の席上では非難攻撃をされません。それから中国はまた、いままでは覇権主義を攻撃をし断固として闘う、こういうことを言っておられたわけでありますが、今度の政治報告では方針は一つも変わらずに、あくまでわれわれは闘うんだということではあるが、その言葉の表現の中に、ソ連と中国の中には長い間培ってきた友情があるなどという言葉が出てきたということは、未来永劫にこのままであるとは考えられません。しかし近き将来において、予見し得る時期においてこの関係が変わるとは私は判断いたしておりません。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 将来、日中平和友好条約が締結をもしされるということがあった場合には、アジア諸国には一つの大きな変化が起こるわけでございます。これはどういうふうな受けとめ方をされておりますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 先般総理のお供をして、ASEANを総理が訪問されたとき、ASEANの国々は中国のASEANに対する影響力の大きいことをひとしく感じております。また、特に大陸のマレーシア、ビルマあるいはタイ、このように国境を接して紛争が起こっているところでは非常に不安を持っているわけであります。不安は持っておるが、かといって中国を差しのけてアジアの本当の平和は来ない。こういうところでありますから、日本が友好条約を結び、ASEANの国々と足並みをそろえて話し合うことは、今度の友好条約が締結されることはASEANの国々も決して反対をされたりすることではなくて、むしろ心の中ではほっと歓迎されることではなかろうかと想像いたしておりますので、これによって悪い影響がアジア地帯にあるとは考えておりません。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 この日中平和友好条約の外交交渉に当たって、わが国の安全を保障している米国政府との話し合いというものは十分なされておりますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 外交上のたてまえから申し上げますが、日本が他の国と外交交渉する場合に、第三国と相談をしたり、あるいは指図を受けたりすべきものではないということは、私が固くとりたいところでございます。しかし、日米は外交の基軸でありますから、先般総理が参られましたときにもこの話題が出ましたし、アメリカとしても日本が友好条約を進めていくことはむしろ歓迎をされる、心の中で喜ばれるという状態の理解はすでにアメリカにある、このようにお答えをいたします。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 日米関係において、最近経済問題を中心にしたいろんな問題が起こっておる。牛場大臣にずいぶん御苦労をいただいておるようでありますが、長らく駐米大使としても活躍された大臣、この本当の問題というのは一体どこにあるのか御見解を承りたい。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 日米間はただいま経済問題が一番焦点になっておりますけれども、アメリカ政府は、これは終始一貫保護貿易反対、自由貿易擁護という立場を立てておりまして、その立場から言いまして、日本に対する一番の不満が、日本の大きな経常収支の黒字ということになっておるわけでございまして、これは日本の黒字というものがOPECの黒字と加わりまして、結局世界経済に対して非常に重荷になっておるということでございます。そして、その黒字の出た原因としまして、この日本の社会が依然として外部に対して閉鎖的である。また、日本の経済政策の運営が輸出振興を主としておって、輸入の方をとかく抑圧的にやってきた、こういうことを言っておるわけでございまして、これはしかしすべてグローバルな立場からそういうことを言っておるわけでございます。これはアメリカの議会あるいは業界ないしは労働組合ということになりますと大分また話が違ってまいりまして、彼らの不満は第一に日米間の貿易収支というものが非常にアメリカにとって赤字になっている。そして、日本からの製品輸入がふえて、それがアメリカの失業の原因になっておる、こういうことを非常に言うわけでございます。  それともう一つ、同じことでございますけれども、日本に対する輸出が非常にむずかしい、こういうことを言っておりまして、これは主として日米間の場合の関係についての不満が多いわけでございます。その中には、日本から見まして相当的を外れておる、ないしはアンフェアな批判もあるわけでございますけれども、全体としまして日本のグローバルな意味における黒字が一番の原因になっておるということは否定できませんし、それにつきましてはわれわれもこれを何とかして減らそう、減らさなきゃならぬということにつきましては、アメリカ政府と同意見なわけでございます。この日米の貿易のアンバランス、これは実は政府が七五年には日本の輸出超過というのは十七億ドル、わずかというと悪いですが十七億ドルだったんですが、これが七六年には五十一億ドルになりまして、それから七六年には八十一億ドルとこうはね上がったわけでございます。どうしてこの二年間にこんなにふえたかということでございますが、これは結局日米の間の景気のすれ違いなんですね、大きな原因が。ですから、これはもう今後日本の景気がよくなってくれば、二、三年のうちには七五年程度には回復すると私ども思っておりますけれども、何分にも現在非常にアンバランスが大きいものでございますから、とかく不満の原因になりやすい。そういうことをすべてひっくるめまして、一般の人の間にも日本のやり方が非常に不公正である、アンフェアであるという空気があるわけでございます。そして、そういう空気は特に議会方面に強く反映いたしまして、議会の方面におきまして相当強い対日不満があるということは、これはどうも否定できないところなんでございます。  しかし他面におきまして、日本の品物に対するアメリカ人の好みでございますね、これは非常に強いのでございますね。日本の悪口を言う人でも、自動車を買うといえば、日本の車を買うということは、これは至るところで起こっておる現象でございまして、これは、この間もストラウス大使がアメリカ上院の公聴会で、アメリカ人が日本の品物を好むということは、これは否定できないんだ、アメリカの消費者の利益というものはやっぱりわれわれは考えなければいかぬ。それを急に変えるなんということは、そういう考え方を急に変えるなんということはできないのだということを申しております。アメリカの政府の人でそういうことを議会に言った人はいままで余りないのでございますけれども、そういう点はアメリカ人もだんだん理解をしてきているところでございます。今後は、ですから具体的に日本の経常収支の黒字をグローバルな意味におきましても、できたら対米関係におきましても減らしていくという実績を上げてまいれば、私は先方の不満もおのずから緩和してまいるというふうに考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 外務大臣も申されたように、日米関係というのは日本外交の基軸、日本の国家の安全保障にとってもこの国を抜きに考えられないような現実であります。私は一月末から個人の立場で、個人と言いましても自由民主党の所属の参議院議員であるということを明らかにして、アメリカの上下両院の国会議員に対して意見の聴取を求めたことがあります。その返事がこれだけ返ってきております、上下両院から。その上下両院の返事をくれた人たちの中で、私はどういうことを尋ねたか。あなたはかつてワシントンにある日本の大使館から何らかの書類を受け取ったことがありますか。また、あなたはだれか大使館員とお話をされたことがありますか。あるいはまた、あなたは日本に来られたことがありますかと、こういう設問をしてみた。そして、あなたが日本とアメリカの関係の中で防衛問題、外交政策、通商あるいは海洋問題、この四つの中でどれに一番関心をお持ちか。その次の問題は、アジアの国、たとえば中共あるいは韓国、台湾、フィリピン、日本、インドネシア、タイ、シンガポール、この中でどれに一番自分は関心をお持ちか。その次には、地球のほかの地域で、たとえばアジア、ソ連圏それから中近東、東ヨーロッパ、この国の中でどれに一番重大なアメリカの外交政策があるというふうにお考えかということを尋ねてみたところが、その返事を集計しますと、日米間の最大の関心事は第一番が通商であります。いま牛場さんが言われたように通商問題、第二が防衛問題でございます。また、アジアにおいて最も関心のある国は日本が第一であります。第二は韓国、第三が中共であります。また、米国の外交にとって一番精力的にいま力を入れている地域はどこかというと、一番が中近東、少し数が少なかったのですけれどもソ連と、こういうふうに明確に責任を持って署名入りで返信がやってきた。  私は、このアメリカ上下両院の国会議員の諸君に、自分の責任でこういう答弁をしてくれたわけで大変感謝をしておりますけれども、この中で一番私は残念に思ったことは、日本の大使館から何の書類も受け取ったことがないという米国の上下院の議員がおられたということは、私は日本の国民の利益を代表する国会議員としては、自由民主党としてもはなはだ残念に思っています。また、日本の大使館員とも接触したことがない、訪ねて来られたこともないという人が何人かおられます。そういう人たちでも日本には来たというふうに書いておられます。  私は、政府に特にお願いをしておきたいと思いますけれども、ワシントンにある日本大使館をしっかり督促をされて、われわれの国家が、二人とない一番大切な友人の国民の利益を代表する国会議員には、少なくともわれわれの日本の現状、またこの中には私も驚いたのですが、考えてもいなかったイルカを日本が殺している、それがアメリカの新聞に大きく載っているわけです。ここに写真がありますけれども、これをわざわざ送ってきた。これを見て、日本のわれわれは漁場を荒らすやつはどんどんやっつけろという感覚ですけれども、アメリカはこれを新聞に載せて日本というのはこんな国だというふうなことまで言っているということを送ってくるわけでありますから、日本大使館というものはもう少し力を入れてアメリカの議員各位に日本のあるべき状況、また今後の日米関係については格段の努力をしていただくように、この機会に特に政府にお願いをしておきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりでございます。  在外公館が政府間交渉に重点を置きまして、行政府だけに目をつけておったという欠点は各所に出ております。しかも、アメリカの議会は御承知のとおりに転換期でありまして、いままでは数名の幹部の方と話をすれば済んだものが、いまや各所に若い意見がどんどん出てきているわけでありますから、これについては議員の方々の交流を願う、それから大使館にはアメリカの国会班を組織をして、それぞれ国会議員の方々を適宜適所に在外公館の館員が責任を持ってこれを進めていくように指示をし、ただいますでに手配を終わっておるところでございます。十分今後も注意いたします。  イルカの問題は、アメリカばかりでなくて、ヨーロッパからも盛んにやられておりまして、これは頭が痛い問題でありますが、これに対してはそれぞれ実情を調査して釈明をするという対応策を講じておるところでございます。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 委員長、関連。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 関連質問を許します。岩動君。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 高邁な識見とさわやかな弁舌の中山委員の質問の途中に割り込むことをお許しいただきたいと思いますが、私は中東問題を中心として若干の関連質問をさしていただきたいと思います。  まず第一に、サダト・エジプト大統領のイスラエル訪問に始まる非常に劇的な、流動的な中東情勢に対して、政府がどのような対処をしていかれるかということを中心にしたいと思いますが、まず園田外務大臣がそのような中において中東の若干の国を訪問されたことはきわめて意義が深いと、心から敬意を払う次第でありますが、この流動的な中東問題について、特に和平の見通しとわが国の役割りはどうであるか。そういう中において中心的な問題はパレスチナの問題でございます。この問題について政府として基本的な姿勢がどうあるか。さらにパレスチナの代表の問題とすればPLOがパレスチナ人の正当な代表であると、これは本委員会においても先年宮澤外務大臣で御確認をいただいておるわけでございまするが、その基本的なステータスは変わっていないかどうかということもこの機会にお尋ねをいたしたい。  なお、このような中東和平に関する基本的な認識あるいはまたサダト大統領のきわめて勇気のある行動、これらに対して総理大臣はどのようにこれを認識し、評価をされるか。  さらにまた、総理としては、このような中東諸国、アラブ諸国においでになって、そうして首脳と心を触れ合う、そういう首脳会議をお持ちになってはいかがか。この時期につきましては、私はあえて注文はしませんが、アメリカに訪問をされる、その後ボンで先進国首脳会議が持たれる、その間若干――国会の終了の予定日が五月の十七日でございます、そして先進国首脳会議の間に日がございます。きょうあたりの新聞によりますと、そのころに解散をやるのではないかということで、具体的に六月の十一日が投票日ではないか、しかし、これはうまの日が暦の上で重なるからよろしくないと、六月の十八日が適当ではないかというような、まことしやかなうわさも流れ飛んでおります。この内閣におられる大部分の大臣は、選挙の洗礼を受けなければならないかもしれない。そうなりますと、国政はきわめて渋滞をする。ただいま中山委員が言われたように、総理もお答えになったように、この経済が非常に重大なときにおいて、解散などを私はしておっては国民に申しわけがない。そういうことで、そういううわさを消すためにも、あるいはアメリカへ訪問されて、その後国会が終わって先進国首脳会議の間においでになるならば、そのような無用なうわさも消えるのではないか、このような時期が適当ではないかとも考えるわけでありますが、この点について総理の御所見を承りたい。  そして中東の問題は、悪くすれば、いま政治委員会が中断をいたしております。そのようなことから振り出しに戻る可能性がないとは言えない。そうなってくると、和平ではなくて、あるいは戦争に向かうかもしれない。すでにエジプトはアメリカから武器の援助の要請をいたして、それが了解されているようであります。一方において、イスラエルも武器の援助の要請をしているという伝えもございます。そういうようなことで、中東情勢はきわめて危険な状態に陥らんとも限らぬ。そうなってくると、日本のエネルギーの問題、そして世界経済の問題、非常に大きな影響がございます。かような意味からも、総理の中東への訪問ということは非常に大きな意義があると思いますので、どうか実現をお願いをいたしたい、かように考えるわけであります。  なお、アラブ諸国への協力体制につきましては、日本は石橋をたたいても渡らないと、こういうことがよく伝えられております。この経済協力を強力にアラブ諸国等に対して進めていただくように、特にこの点については通産大臣あるいは経企庁長官、外務大臣あるいは牛場大臣等の御努力を期待するわけでございまするが、この点についての御所見を承りたい。  なお、文化交流も必要でございます。かような意味におきまして、アラブ文化センターというような構想をぜひ実現すべきではないかと思いまするが、この点についての政府の御所見も承りたいと思います。  これに関連しまして、石油新税が設けられる予定になっておりますが、この税の本質は転嫁を目的とした税であると、性格であると私は理解をいたしております。為替差益によって吸収すべきものはこれは経済問題であって、税の本質ではない、かようなことから、この転嫁をどのように考え、どのようにこれを石油価格に反映させてまいるか、これによって石油価格の新しい体系というものをこの機会につくっていくべきではないだろうか。非常にばらついた石油価格になっているのが現状でございます。このような点から、政府の御所見をこの機会に承っておきたいと思います。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 岩動君、関連質問の時間をオーバーしておりますので、簡単に願います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議

○岩動道行君 はい。  以上で、私の総括的なまとめた質問を終わります。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御質問のうち、私の関係からお答えをいたします。  まず、パレスチナ問題でございますが、これは中東紛争の核心でございまして、これの平和確立のためには安保理事会決議二百四十二の早急かつ全面的な実施とともに、パレスチナ人の民族自決権を含む国連憲章に基づく正当な権利が承認、尊重されるという立場、それからPLOについては、わが国はこれをパレスチナ人を代表するものと認識しているという見解は以前のとおりでございます。  文化交流センターは、この前参りましたときに具体的に話をいたしまして、まず語学の交流をやる。向こうの方から要求が出て武道の指導もやってもらいたいということで、これはサウジアラビアの方とすでに文化交流センターの設立については具体的に話し合いを進めておるところでございます。  なお、アラブ諸国に対する経済協力及び特に技術協力の問題でありますが、イランの総理大臣は、現在の経済、技術の協力を未来の協力に切りかえる必要があると、こう言っておりましたが、今度参りまして、各国それぞれ立場が違います。産油国、それから非産油国、産油国でもイランのように鉄鉱も石油もその他の資源もあるところ、それぞれかゆいところが違っておりますから、これについて検討し、向こうの意思等も聞いてまいりましたから、ただいま検討中でありまして、総理がおいでになるころには具体的な話が向こうからあれば、総理から御返答願えるような準備をしておるところでありまして、いままでの経済協力に対する、あるいは中東に対する日本の関心が少なかったという点は、これは奮発をして取り返す所存でございます。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) サダト大統領のイスラエル国との直接和平折衝、これは私は内外であれだけの反対があるのを押し切ってサダト大統領は踏ん切りをつけたわけでありまして、大変その勇気ある行動に対しまして敬意を表しておるわけなのであります。これがきっかけとなって中東に新しい動きが始まってきておるわけでありますが、私は何とかしていい機会が、一つきっかけができたんでございまするから、このきっかけを契機といたしまして、何とか永続的な和平が中東に訪れるということになるといいがなあと思って念願をいたし、わが国としてもそういう方向につきまして何かできることがありますればいたしたいと、このように考えておる次第でございます。  なお、私が中東へ出かけるということについてのお尋ねでございますが、実は園田外務大臣が正月、かの地へ参りまして、帰ってからの私に対する進言でございまするけれども、ぜひ総理大臣、中東へあなた自身も行ってもらいたい、こういうお話であります。しかし、ただ単にぷらっと行く一わけにはまいりませんで、相手方の国情、これも見なきゃいかぬ、また、わが国の政治日程ということも考えなきゃならぬと、こういうことで、いまこの問題はこれからそういう内外をにらんで検討をするということにいたしておるわけでありますが、外務大臣からお話がありましたが、中東もどちらかといいますと、わが国といたしますと、あれだけ大事な関係のある中東であるにかかわらず、ちょっと手抜きであったのじゃないかというような感じがいたすわけであります。私が行くか行かないかこれからの問題といたしまして、それは別といたしましても、中東関係につきましてはさらに関心を高め、そしてこれらの地域との関係をとにかく緊密にして揺るぎないものにいたしてまいりたいと、このように考えております。  なお、私が中東を訪問する時期についてのいろんな御示唆、御提案がありましたが、謹んで拝聴いたしました次第でございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 中東諸国はわが国にとりまして非常に大事な地域であるから積極的に経済協力をせよと、こういうお話でございます。現にこれまで相当積極的にやってまいりました。もうすでにスタートを切りまして建設中の大きなプロジェクトも幾つかございます。それから、長い間懸案でございましたが、ようやく最近機運が熟しまして調査段階に入りまして近くスタートさせようと、こういうものもございます。今後も積極的に経済協力は中東諸国と進めていきたいと考えております。  それから石油税の問題でございますが、今回、石油税を新設することになりまして、いま国会に御審議をお願いをしておるわけでございますが、これは石油政策を進めるためにこの新税をお願いしておるわけでございます。石油はわが国のエネルギーの一番の中心でございますが、外国から九九・七%も買っておると、こういう状態でございます。ところが、この一番肝心の石油でありますが、財源の関係で積極的な石油政策を進めることができなかったのであります。大変私どもも心配をしておりましたが、今回、このように新しい税金をつくりまして思い切った石油政策を進めていこうと、こういうことになったわけでございます。この税がいよいよ実施に移されますと、これを財源といたしまして幾つかの石油政策を展開してまいりたいと思っております。いまお示しがございました石油産業の構造改善事業、これもその一つでございます。あるいはそれを背景とする石油価格のアンバランスの修正、これもその一つでございますが、その他幾つかの石油政策の課題がございます。これらを積極的に進めてまいりたいと存じております。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 石油税は今国会に御審議をお願いすべく準備しているわけでございますが、価格に対しまして三・五%ということでございます。現在の石油関税のうちの百十円分を吸収したい、財源はいま通産大臣が申しましたように、石油政策をこれから展開するためでございます。税の性質としましては消費税でございますから、当然価格に、消費者に転嫁されることを予定しているものでございます。しかし現実の価格がどう動くか、これはいろんな要素がございますから、必ずしもそれによってその分だけ値上げするということには限らないことは当然でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 次に、防衛問題をひとつ防衛庁長官にお伺いしたいと思います。  ソ連が日本海でのサケ・マスの漁獲についても厳重な意見を申し入れてきておる。一番この問題で心配をしておるのはやはり漁民だろうと思うのです。そういう漁民たちを含めてわれわれの領海、そういうものを、漁業専管水域というものに対して防衛庁としてこれらの漁民の保護には十分の配慮をするという御決意があるかどうか、ひとつはっきりお答え願いたいと思います。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 二百海里時代になってまいりましたので、海上自衛隊といたしましては、任務を遂行する上におきまして調査活動を主に、航空機あるいは艦艇をもちまして日本周辺を航行する艦艇等につきまして監視をし、一例を申しますと日本海では飛行機によって一日一回巡視をいたしておるわけでありますが、その巡視の中にわが国の法令に反するという事態が出ました場合は、海上自衛隊としてはこれを海上保安庁に直ちに連絡をとって対処していくという合意ができておるわけであります。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 GNP一%と防衛費の対比という問題が衆議院でも絶えず論議になる。あるいはまた、昨年行われたロンドンの先進国首脳会議でもこの問題が持ち出されて、日本は一%以下じゃないかという批判を受けた。一%ということが一体何を根拠に、どこで決められたものか、これはまことに話がもとに戻るような話でありますけれども、それをひとつお尋ねをいたしたいと思います。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) 防衛庁の予算につきまして、当面一%以内と決まりましたのは三木内閣の、五十一年十一月ですか、国防会議で決まったわけでありますが、それを決めるにつきましては、いままでの何年かの防衛庁の予算の内容を見た上で、これでは一%内でいけるなというような一つの感じの中で国防会議で決まったという話を私は承知いたしておるわけでありますが、その詳細につきましては経理局長から説明をさせます。

原徹防衛庁経理局長

○政府委員(原徹君) お答えいたします。  五十一年の十一月でございますが、例の一%以内というのが決まりましたが、その前に防衛計画の大綱が決まったわけでございます。それからたしか一週間か十日後に一%以内というのが決まった。と申しまするのは、結局防衛計画の大綱ではいまの現有の勢力をそれほど拡大しないということが前提になっておりますが、そういたしますと、防衛費の中の五五%程度が人件費でございますが、これは大体現在の水準――と申しますのは、まあGNPと同じだけ防衛費が伸びますればそれが〇・九%だけでございますが、その水準で大体やっていけるだろうと、五五%の人件費についてはそういうふうに考えて、それからあと維持費がございますが、油だとかそういうものがございますが、これもその水準でもやっていけると。結局、研究開発とかあるいは施設、これは大変おくれておりますので、それは今後ふやしていかなきゃなりませんが、研究開発は大体百九十億、施設が四百億でございますから、全体の規模の中ではふやしてもそう大きな伸びにはならない。そうなりますと、結局装備をどうするかという問題になりますが、これもやはりGNPが六%程度伸びるという、当時あの一%が決まりましたときにはそういう五十年代前期経済計画がございましたが、それが背景になっておりますが、そういうことであれば何とかやっていけると、そういう見通しがありましたものですから、一%以内ということにいたしましたわけでございますが、これはあの当時の三次防とか四次防は絶対額が二兆三千億とか四兆六千億とか、そういう数字が入っておりましたが、今度防衛計画の大綱ではそういう数字が入っておりません。年々にやると。そういたしますと、何か今度の防衛計画の大綱を決めることによって非常に際限なくと申しますか、無限にふえていくのではないかというような御心配をする向きがございます。だから、大体従来の線でやれるのだということを示すためにああいう決定をしたわけでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 三木内閣当時にこれが国防会議で決まったということでございますが、それは国内で決めた話でありまして、外国の国際会議、先進国首脳会議、七月十五日に西ドイツでまた行われるわけで、そこへ行かれる総理、外務大臣、大蔵大臣、また列国首脳から、いや西ドイツに次いで――ドイツは三百億ドルですか、日本は二百億ドル超した、防衛は日米安保、核のかさの下で一%以下でとめておく、こういうことがまた列国から批判を受け、しかもどんどん輸出はやると、ヨーロッパは失業者がふえて困る、この批判がまた出てくるということを私は大変実は心配をいたしておるのであります。私は軍国主義者でも何でもない。私は、そういう国際環境の中で一%というものがどういう意味を持つのか、ここがやっぱり一つの大きな問題だろうと思います。一体、軍人恩給というのは今年度の予算でどれだけ組まれておりますか、それをお尋ねしたい。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(稻村左近四郎君) お答えいたします。  本年度の予算における旧軍人関係の恩給費は九千四百七十六億円であります。また、ただいま御審議をいただいております昭和五十三年度予算案においては、一兆八百七十二億円であります。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 この一兆を超える軍人恩給というものは、あのNATOの加盟国、つまり先進国に集まってくる国の総理の頭の中には、軍人恩給を入れた計算を彼らはしているわけですね、NATO方程式でやっておるわけだから。日本の場合はこれを社会保障費に入れているわけです。純自衛隊の防衛費だけでGNP対比で一%以下だと、これを一々解説しなきゃいかぬ。私は、ここにやはり今日豊かになったわが国の政府というものが外国から集中的に攻撃を受けている一つの大きな原因がある。私は昨年、党員として総理のお供をしてロンドン首脳会議の現場でじきじきその論争をし、それでいま外国におられる有田審議官がずいぶん苦労をされた。そういうことを見ておると、やはり将来国際連合の場で各国のこの防衛費とGNP対比の方程式というものは統一すべきだ。そうしなければいつも日本は苦境に立たされる。こういう点についての御見解をひとつ総理と防衛庁長官から伺いたい。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) ただいまのお話を承れば、恩給が入っておらないというようなことで日本の防衛費が少ないというような批判を受ける。お話はもっともに承るわけでありますが、まあ防衛という問題につきましては国民も非常に関心の強い問題でありますから、私はこの問題は十二分にひとつ検討させていただきたいと、こう考えております。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 貴重な御指摘だと思いますので、十分検討いたしまして結論を出すことにいたします。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 防衛問題の最後に、先日、ソ連の原子炉衛星ですか、あいつがカナダの田舎に落っこった。それが下手すると日本のところへ落ちてくるかもわからなかったということが後からわかったわけです。しかし、現在防衛庁でこの世界のいわゆる危険な軍事秘密衛星というものの飛行をどの程度調査把握できるのか、ひとつお答えを願いたい。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) 現在宇宙を飛んでおります人工衛星を把握するということは、防衛庁としてはその能力は持っておりません。しかし、いわゆる日米安保体制によりましていろいろ情報を交換いたしておりますが、アメリカの方から必要な情報というのをもらっている現状でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 科学技術庁の宇宙開発事業団というのがロケットの打ち上げをやっていますね。また東大の宇宙研究所があります。自分の国の上げた衛星の静止状態とかいろいろ見ているわけです。これはどうして日本で、別に攻撃兵器でもない、世界の軍事衛星のいわゆる探知をするレーダーシステムというのは持てないのか、これをひとつ防衛庁長官からお答え願いたい。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) お答えいたします。  先生御指摘の宇宙開発事業団におきまして人工衛星の追跡をやっております。これは宇宙開発事業団及び東京大学が打ち上げます人工衛星の追跡をいたしておるわけでございますが、これは非常に限られた能力でございまして、いずれも宇宙事業団あるいは東京大学が打ち上げます人工衛星が出しております電波をつかまえて追跡をするわけでございます。したがいまして、電波が出ていないと追跡ができませんし、また出している電波も非常に限られたものでございますので、そういう機能を対象にいたしておるわけでございます。これをあらゆる電波を出しているもの、あるいは出していないもの全体を追跡する、把握するということになりますと、非常に大規模な施設が必要かと思っております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 エレクトロニクスで世界一のこの国でそういう設備ができない、これは大変なことだと思うのです。私は国民にとっては大変なことだと思うのです。これその日米安保と、こう言って永久にこの安保をアメリカ側が続けてくれると思っておったら、そんな人は恐らく私はずいぶん考え方が変わっているんじゃないかと思う。アメリカだってこれだけの赤字を抱えて日米安保、そんなことはわれわれとしては将来考え方を変えるかもわからない、自分でやりなさいと、こう言われたとき一体どうするんですか。この間大統領補佐官が書いた手記にも載っていますね。日本人はもし中ソ国境で核攻撃が起こったら、注意をしなかったら全員が放射能汚染で死んだであろうということを言ったというんですね、それでニクソンが反対した。  われわれは戦争を好まない。平和でなければ資源のないわが国は生きていけない。しかし、よその国の人たちはそんなことは考えていないんです。永世中立を叫んでいるスイスでも全国民に「民間防衛」という本を配って、そして他国からの侵略、放射能汚染に対していかに備えるべきかということをスイス五百万の国民に全部知らしているわけです。スイス国家警察庁発行ですよ。これ一体政府はどういうふうにお考えですか、日本国民の生命を守るために。こういう科学技術戦争の時代になってくると、自分だけが平和だ、平和憲法があるからよそは攻めてこないと思っておっても、空気に乗ってやってくるやつにはかなわぬのですから。こういう考え方を、ひとつこれから慎重に政府としては一億国民のために考えることが私は必要なんじゃないか。いかがでしょうか、政府の見解は。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) この核防護の問題というのは、自衛隊といたしましては、いわゆる科学探知機材等は多少持っておりますが、日本全体としての防護のやり方等につきましては、やはり政府全体として御検討いただいて、その中で自衛隊として何ができるかということを今後考えていくべき問題だというふうに考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 これは防衛庁の局長ぐらいが答弁するような簡単な問題じゃないと思うのです。これはもう共産党の家庭の子供も御主人も「赤旗」売っている人も、社会党の旗振っている人もみんな大事なわれわれの国民なんです。その家族を、この一億の民族を救うためには、これぐらいのことは政府が責任持ってもらわないと安心してわれわれは国民に向かって自由民主党政府を支持してくれと言えませんよ。総理、ひとつこの問題については、政府は即刻この問題に対処をすることを考えるということだけ、お気持ちをひとつはっきりしていただきたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これまた重要な御指摘でございますので、よく検討いたしまして結論を出すようにいたします。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 やはり国防会議というものは、日本国民の全部の生命と安全を保障するために非常に高次元な立場で置かれているものだと思います。またわれわれもそうあるべきだと信じております。どうかひとつ総理、できるだけ早い機会の国防会議にこの問題を正式に議題に取り上げていただいて、労働運動をする人たちも、あるいはまた商売をやっておる自民党の支持者の人たちも、みんなが安心できるような防衛体制というものだけはぜひひとつやっていただきたいということを、防衛問題を質問する最後に申し上げておきたいと思います。  それでは農業問題に移りたい。  農林大臣にお伺いしますが、いわゆる古米、古々米の在庫量というものは、本年の米作と合わせてどれぐらいになるのでしょうか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 昨年十月末現在で三百六十数万トンでございます。ことしの生産事情からいって、ことしの十月には大体四百六十万トンぐらいになりますが、その中で備蓄ないしはその間の端境期に必要な米が百万トンないし二百万トンということでございますから、それを引けば三百万トン前後の余剰米があると、こういうことになります。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 関連質問を許します。夏目忠雄君。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 いま田舎では稲作転換の問題でもう毎晩寄り合いをやって大騒ぎしておるわけです。先ほども農林大臣が言われたように、反当四万円ないし七万円の奨励金を出して、大体米をつくっても豆をつくってもお百姓さんの手取りは同じだというような仕組みでおやりになっているようです。ただ、小さな問題ですが、当時それで四万円から七万円までやったものも転用作物の方の値段が当時と変わっちゃっているものがずいぶんある。ソバなんか大分当時より下がっちゃったから、あれだけの奨励金じゃとても引き合わぬなんて言ってまあ細かい問題はありまするが、そういうふうにまる抱えでもってとにかくやろうと、めんどうは一切見るんだと。まあ私はえらいことだと思いますよ。これは三年間続くそうですが、三年先には一体どうなるんだろうと思って人ごとじゃないけれども心配だ。だけれども、いままでの農林省の行き方から見れば、そこまで踏み込まなきゃとてもできないのだから、それだからいわゆる背水の陣をしいて、政府はここまでやるんだ、だから協力してくれと、こういうまあ私に言わせるとガダルカナルの戦闘だな、これは。それだけおやりになっているのに、あなたの部下の農林省のお役人さんは相変わらずガダルカナルの戦闘の中へ交通法規を持ち出している。  例を挙げますると、先ほどちょっと申し上げましたが、転作するに必要な客土だとか灌排水の事業というものは従来農林省の補助事業の例にならって二分の一補助だとやっているわけだ。おまけに一ヘクタールもしくは三ヘクタールかたまらなきゃやってやらないぞという、過去の農民の方からお願いしてやった基盤整備の補助事業と同じ考えでやっているわけです。ところが、これは無理やりに農民に頼んで転作してくれと言ってたんぼを畑に直すために客土したり灌排水をやるのだから、いわば設備の模様がえみたいなものだ。ハイカラな言葉で言えば投資だ。これを半分に値切っているわけだ、いままでのとおりに。そうすると、私に言わせると、千九百億ですかというでっかいものはまる抱えでというので背水の陣をしいてやっておるのに、わずか百何十億の方は半分ですよと言って値切っている。でっかい方をあれしておいて小さいところで値切っている。およそ政治としては私は拙劣なものだと思うが、大臣いかがです。  それで、こんなことではとても末端の市町村では消化できないから、だから互助組合をつくって足らずめをみんなで出し合ったり、それから市町村の方では、農林省はいけないと言っているけれども補助率のかさ上げをやっているわけだ。みんな持ち出しで一生懸命で何とか政府がそこまで背水の陣をしいたんだから協力しようというので今度の五十三年度の市町村の予算にはそういうかさ上げ金額もみんなのっけている市町村がいっぱいある。その例を私は農林省に届けておきましたがね。そういうことで、考えようによればこれは新しい超過負担の問題だ。ですから、こんな拙劣な、ガダルカナルの戦闘の中へ警察の交通法規を持ち込むような愚はおやめになったらいかがです。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 夏目君、質問時間を超過しておりますから。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) まさに転作は農村にとっては大変だと思うのです。気象条件からいっても土地条件からいっても日本の米は一番適している。ところが、最近生産意欲が強くなって自力開田というものが相当ふえてくる。一方消費の方は年々減退をして、かつて百二十キロから一人一年間食べておりましたものが九十キロを割り、やがて八十キロとこうなっていくわけでございます。その方も農林省の責任だと言われれば言われるところもあるのかもしれませんが、やはり消費の動向に対応した生産ということに何としても持っていかなきゃいかぬ。これは政府の責任でもあると同時に、農家や関係する団体、すべての責任ではないかということで、私は大臣に就任以来、こういう無理な生産調整がなされなくても済むように、国の主食は国家安全保障――先ほどから国防問題の議論をいたしておりますが、食糧の確保ということも国の安全保障上きわめて大事なことでございますから、一朝有事に外国から麦や大豆が来なくなったときのことを考えるならば、平生からやはり主食は米を食べろと、酒は日本酒と、こういうぐらいに、これはもう怒られながら国産品を、食糧はそれぐらいの――これはスイスなんかでもパンを三年間分、先ほどスイスの話もありましたが、三年分蓄えておいて、そして古いのから食べていって新しいのは蓄えておく。これぐらいの国防意識を持って食糧政策をやっているわけですから、どうかひとつ笑わずに日本じゅうの国民の皆さんが米を食べていただきたい。そうすれば農家も、いま言ったガダルカナルという状況もなくなりますし、一番生産性の高い、しかも米を食べれば云々と言いますけれども、私は女性にお願いしたいのは、新潟美人というのはやっぱり米どころだからではないかとさえ思うぐらい日本人に合った食糧なので、この辺で米を見直していただくと、こういうことをやると同時に、生産調整も農家の皆さんの理解と協力によってお願いしてございます。  そこで、稲作転換対策促進事業について補助率が二分の一であることはけしからぬ、全額やったらどうかという御議論でございますが、従来やっております土地改良の補助率よりはかなりいいものにしてございますし、自己負担の分につきましては二十五年というきわめて長い公庫資金で手当てをする等、かなり前向きではございますけれども、これがまた実態に合うかどうかについて、せっかくの御意見でもございますので、研究はしてまいりますが、米の転作は農林省が好きこのんでやっているものではない、消費の態様がこうなってきた非常事態でございますので、消費者の協力、生産者の協力、関係市町村、あらゆる皆さんの理解と協力によってこの問題と取り組んでいきたいと、こういうわけでございますので、どうかひとつこの上ともの御指導をお願い申し上げる次第でございます。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 もう一分いかぬですか。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 簡単に一分程度でお願いします。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 私は自分の体験から言うのですが、お役人さんが値段に介入したらろくなことはない。価格というものは経済の自律作用にお任せして、政府はせいぜい補完する立場に立つべきなんだ。ところが、農林省の方は価格価格で突っ走っちゃって、私に言わせれば本当にどろ沼に入っちゃったのがいまの農政だと思うのです。まさにガダルカナルだ。ですから、私はここで、農林大臣は勇猛果敢ですからひとつ……。ただし農民は国の基ですからこれは大切にしなきゃいかぬ。農民を大切にし、国の基本だからそれだけの配慮をしなきゃいけないけれども、個々の農産物については相当程度経済の自律作用にお任せする。こういうような方向にひとつ中川農林大臣の勇猛果敢なる実行力を切に期待するものでございます。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 農産物価格というものが、これは生産者にとってもまた消費者にとっても価格のばらつきがないように、豊作貧乏になったり、不作になって非常に高くなったりと、消費者保護と生産者保護ということで、食管の米を初め麦、大豆、あるいは肉等々、たくさんやっております。そこで、御指摘のとおり、こういうふうに政府が介入いたしますと、両方のためによかれかしとやったことが両方から恨まれる仕組みになってございます。米は高くすべきだという農村の強い要望、米作農家を苦しめているのも政府である。次の日のと言いますか、今度は消費者の方へ行けば、高い米を食わしているのは政府であり自民党である、こういうことになります。  そういうことでございますから、できれば消費者と生産者がお互いに納得のいくところで決めていただければ、両方御不満がないのでございますので、できれば価格のメカニズムは、夏目委員御指摘のとおり、米を初めとして、価格政策からは政府が手を抜いた方が両方からしかられないで済むということもありますし、両方が、納得ですからこれはあきらめると、こういう仕組みもあります。しかし消費者や農家の方々にしかられようとも、政府としてはやはり大事な食糧は安定的に供給する。そして生産者も、そういった価格のことによって、大きな振れによって農家経済が成り立たないということであってはなりませんので、まあ価格政策もある程度は維持してやっていかなきゃいかぬと思います。御指摘のように、それ以上に生産対策なりあるいは金融政策なりといったものも補完をしながら、安定した食糧が国民に確保されるよう最善を尽くしてまいりたいと存じます。

夏目忠雄自由民主党・自由国民会議

○夏目忠雄君 ありがとうございました。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 農林大臣にお伺いしますけれども、この米の消費を進めるために学校で給食をさせる、米飯を使うというふうなことがかねて自由民主党の総合農政調査会でも論議されたし、今年度そのような政策をお立てになっておりますが、なかなかこれが地方では進まない。これはどういうふうなお考えでそう進めようとされておるか、その点ひとつお答えを願いたい。   〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 農林省としては、まあかつて米のない時代にパン、牛乳で学校給食が始まっておりましたので、それはそれなりの価値がありましたが、今日米が余る時代には、やっぱり学校でまず米を食べていただく。これは学校で消費されるだけじゃなくて、児童が米になじむという意味から言っても非常に大切なことでございますので、昭和五十六年を目標に、週五回の給食になっておりますものを週二回まで米飯を導入していただくということを文部省とも連絡をとり、この点も、父兄の皆さんや学校給食会や受け入れ側の御納得がないとこれはできないことでございますので、現在御納得をいただいておるのは、週二回まではやろうということで五十六年を目標にやっておりますが、幸い計画以上にこれが進んでおります。農林省としては、二回やった上は、さらにまた受け入れ側の理解、納得がいただけるならば一食でもふやしていって、米飯というものを学童に消化をしていただき米になじんでいただくという最善の努力をしたいと思っております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 参考人にひとつお願いをいたしたいと思いますが、昭和六十年――これから先の日本の産業構造というものはどのように変わっていくというふうにお考えでございますか。

宍戸寿雄株式会社日興リサーチセンター理事長

○参考人(宍戸寿雄君) 昭和六十年と申しますと、いまから七年先のことでございまして、まあ一年先でもなかなか見通しがむずかしい局面でございますので、私のように専門的に長期見通しをやっております者につきましても、昭和六十年の産業構造がこのようになるとはっきり申し上げることはむずかしいのでございますが、すでにいろいろな調査機関あるいは産業構造審議会あたりで御審議なされておりますように、昭和六十年におきましては、恐らく経済成長率がかなり鈍化いたしますことも含めまして、高度成長下になされました重化学工業化という傾向はおさまり、製造業の中におきます重化学工業化比率は若干低下いたします。あるいは、先ほど中山先生からの御発言もございましたけれども、産業の中では、製造業の中では付加価値を増大させる高付加価値化、あるいはサービス産業へ移行いたします形で知識集約化というような傾向がさらに発展いたしまして、恐らく産業構造全体といたしましては、アメリカに近い形の産業構造になるかと思うのであります。  もちろん、その間におきます重要な問題点は、今後七年間の間に日本経済がどのような構造変革に成功するかということでございまして、成長率が鈍化いたしますことは、ただ単に伸び率が変化するだけではございませんので、現在でも問題になっております構造不況産業の需給のアンバランスが激しくなる、あるいは消費者は貯蓄をたくさんいたしますけれども、企業は設備投資に積極的になりません関係上、消費と投資のアンバランスが激化いたしております。あるいは国際収支におきましても、現在は輸出と輸入の間にアンバランスがあるというふうに考えられるわけであります。財政ももちろんその意味においては大幅な赤字でございますので不均衡でございます。現在は私たちの言葉で申し上げます安定成長という局面ではございませんので、低成長であるけれども不安定な状態の経済構造を持っておるわけでございまして、政府の積極的な構造改革が御推進なされましたときにおいて、いま申し上げましたような望ましい産業構造、あるいは先進国並みの産業構造になるかと思うのでございまして、次の七年間の間にどのような構造変革が推定されるか、あるいは実現されるかということは、一つは政府の政策の今後のあり方に大きく依存するのではないかと思っております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 宍戸参考人には長い間どうもありがとうございました。  それでは経済企画庁にお尋ねしたいと思うのですが、アジアの工業化、その中にはもちろんいま問題になっている中華人民共和国のこれからの工業の進展という問題も含めて、いまの不況構造業種がアジアの国々の工業化の進展によって打撃を受けているということは否定できない現実だろうと思うのです。たとえば造船は韓国にほとんど行ってしまう。あるいは化学繊維は、東南アジア一帯の国の総生産量が日本の生産量を上回ってしまっている。綿、絹、いろんなもの、あるいはインドネシアにできそうなアルミの製錬工場、いろんなものができてきて、だんだんだんだん中小企業というものが打撃を受ける。こういう中でアジアの工業化、これが日本に将来どういうふうな影響を及ぼしてくるか。大企業でも今日不況で倒れる時代ですけれども、その下で働いている中小企業というのはなかなか五年先というものがわからない。たとえば東南アジアに対する繊維産業の投資を見ると、全アジアの中で六五%が日本の繊維産業の資本が行っているわけですね。そして、現地の従業員を使ってつくった製品を日本に輸出してきている。国内では構造不況で倒れる。こういうブーメラン現象という現象が起こってくるわけですけれども、一体いままで日本はどの程度海外直接投資を行ったか、将来どうなるかということをひとつお答え願いたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 宍戸参考人には、御多忙中のところ本委員会に御出席くださり、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。御退席くださって結構でございます。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 現在わが国のいわゆる構造不況業種問題がこのようになっておりますときに、申し上げにくいことでありますけれども、恐らく中山委員は少し先の将来を考えておっしゃっていらっしゃると思いますので、現状を知りつつあえて申し上げるわけでございますが、私は、やはり日本の将来というのは、アジアの近隣諸国の将来を離れてはあり得ないというふうに考えております。したがいまして、われわれの将来はそういう関連において考えていかなければならないのだろうと思います。そういう意味では、とにかくわれわれ一億国民はある程度の生活水準に達しましたし、今日程度の文化水準も持っているわけでありますが、アジアの多くの人々はそうではございませんから、やはりわれわれが持っておる技術、あるいは資本等々をこのアジアの人々にいろんな形で均てんをさせるといいますか輸出をしていく、あるいは贈与をしていくということは日本の将来のために大事なことではなかろうかと思っております。  かつてわが国が高度成長を続けました時代には、たとえそれらの国々がわが国の援助あるいは提携の結果として産業の高度化をして来ましても、われわれはさらに次の高い段階へ進んで行くから、まあ向こうの頭とこちらのしっぽがときどき絡まることはあっても、まあまあ大きな衝突はないと考えてやってまいったわけですけれども、わが国のそういう経済の成長が停滞をいたしました結果、かなり先ほどから言われましたようなことになりつつあるわけであります。それが現状であることはよく存じております。したがって、この現状は現状としてわが国自身で対処をしなければならないことはそのとおりでありますけれども、しかしながら、やはり長い目で見ますと、われわれがこれだけ優秀な民族であって、これだけの教育水準を持っておるということは、われわれはさらに、はっきりはわかりませんが、いろいろな形でもっともっと先へ行ける民族であるし、それだけの経済発展の段階に達しておるというふうに、長い目で見れば私は考えていいし、そう考えるべきだと思っております。したがって、当面の問題は当面の問題で処理をしなければなりませんが、やはり周辺の国々にわれわれの持っているものを与えていく、われわれはそうしてさらに先へ進むという考え方は放棄すべきではないというふうに私は基本的には考えています。  たとえば、現在ございますような繊維産業、ただいまも言われましたが、労働集約的な産業は賃金格差が大きくございますと競争はできないということはよく言われますし、一部にはそういうことが起こっておりますが、しかし、たとえば繊維産業はアメリカにおいてもそう言われながら、やはり毎年相当伸びておりますし、ヨーロッパ各国においてもさようでございます。それは結局高い賃金でありながら高い付加価値という形で伸びていっているわけでございまして、少し時間をかせば、わが国のこれだけの国民の資質をもってすればアジアの国々とはいわゆる水平――垂直とまでは申しませんけれども、まだまだわれわれは先へ行く道があるのではないかというふうに私自身は考えています。現状が現状でございますから、いかにもこれだけ申し上げますと物を知らないようなお答えになりがちでございますけれども、少し長い目で私はやはりそう考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 それは日本の中小企業にとっては大変大切な問題だと思うのです。それで中共の人口が九億とか八億五千万とか言われますけれども、たとえばこの中で二〇%の人間が工業生産に携わるということになった場合に一体どうなってくるか、これがやっぱり大問題です。今日でも中共の綿製品はなかなかもう普通のレベルも勝てなくなってきた。韓国からも来ています。そういう中でアメリカの上下両院の人たちと話をしてみると、あの人たちは何を考えておるかというと、中国の一人当たりの一日の労働賃金、これが大体日本円で二百五、六十円でしょう。一日二百五、六十円でしょう。一カ月にして一万円足らずですね。そういう国家の国民が集団的に生産に入ってくるということになってきたときに、自由社会全体の自由経済市場の混乱が起こらないかということが、いまのアメリカの国際関係をやっておる議会の議員の心配であります。御案内のとおりであります。   〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕 そういう中で私どもは一番近いところにいる。こういうことを考えていくと、これからの日本の海外投資というものはどうなっていくか、労働大臣にお尋ねしたいのですが、一体賃金上どうしてももう勝てないという産業というのはどうですか、一東南アジアに。ひとつお答え願いたいと思います。

藤井勝志自由民主党労働大臣

○国務大臣(藤井勝志君) お答えの前に、アジア各地の製造業に従事する生産労働者の賃金について、ILOの資料によりますと、単純に年平均の為替レートを用いて日本の賃金と比較してみますと、昭和五十年において韓国は日本の賃金の約一六%、香港は約二〇%、フィリピンが約九%、シンガポールは約二一%、こういった大変な賃金の格差を踏まえつつ、先ほどからいろいろ御指摘のような発展途上国は設備の点においても技術の点においても、日本の経済協力を背景にしても相当進んでおるわけでございまして、私はやはり一番厳しい試練を受けなければならぬ日本側の産業は、いわゆる労働集約型産業、繊維産業あたりはその中心ではないかと思うのでございまして、その後、軽電機関係あるいは玩具、こういったいわゆる中小企業、零細企業の日本で携わっている産業が一番大きな打撃を受ける。しかし、この問題は後ろ向きでこれに対応すべきでなくして、かつてわれわれが通ってきた道を発展途上国は通ってきておる、われわれはやはり前にも向いて前進しなければならぬ。したがって、先ほどからいろいろお話が出ておりますように、知識集約型産業、一口に申しまして。そういったものや、これから向かうべき、日本の国はいわゆる福祉国家、こういった面からの人手がそちらの方に向かっていく第三次産業、こういった方向へ問題を解決すべきではないかと、このように思います。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 OECDの五十一年の報告書を見ると、一九八五年の日本の海外直接投資は三百億ドルに達すると予測しておりますがね。いま二百三十億ドル、昭和二十六年から今日まで二百三十億ドル。まだ七十億ドルぐらいの金が直接投資で出ていく。これがやっぱり日本の産業に影響を与えている。特にもう海運業なんというものは、労働組合の運動が激しい、労働賃金が上がって、今日、日本人の船員を使ったら合わないと、こういう現状が出てきているわけでしょう。こういうものを踏まえて、中小企業者にはなかなか景気の三年先、四年先、五年先というものは、これはわからないですね。やはり、政府が適時適切に、将来はこういう産業はもうだめになりますよということを警告を発してやる責任が自由経済社会ではあると思うのです。社会主義であればこれは国営企業ですから決めた労働賃金で働きゃいいんです。そうはいかない。  そこで私は、これから五年後あるいは十年内に、発展途上国があと日本の技術水準にどのような商品が追いつくかということをお答え願いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来いろいろ質疑応答がございますが、やはり繊維、それから雑貨、造船などの労働集約型の産業、そういうものはこれからわが国の近隣諸国で大いに伸びていくであろう、わが国の産業が圧迫を受けるであろうと、このように考えております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 私は、これは日本経済の資料ですけれども、政府になかなかこういう資料がないようですが、日本経済でのこの新聞の記事によると、あと五年でモーター、発電機、コンデンサー、半導体、鉄道車両、自動車部品、バルブ、電卓、あと五年から十年内に腕時計、通信機器、カメラ、ボイラー、家庭用ミシン、旋盤、電気計測器、こういうことをはっきり報道していますね。やはりこういう産業に従事している人たちの生活を守ってやることが政治の責任だと思います。はっきり予測ができるものについては、経営者には新しい仕事への転換を政府が助成する、あるいは働いている人たちには新しい事業場をあっせんしてやるだけの政策誘導がなければ、今日の激動する経済社会では政治責任を持った政府は適切な行政ができないだろうと思っています。そういう意味で、十分にひとつ今後配慮を願い、政策の誘導をしていただくように特にお願いをしておきたいと思います。  その次に、文部大臣にお伺いしますけれども、日本にアジア各国からどれぐらい留学生が来ておりますか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) わが国の大学で学んでおります外国人留学生は、昭和五十一年五月現在の数字が判明をいたしておりまして、約五千七百人でございます。そのうち国費留学生が千三十七名。そのうちのアジアからの留学生が約四千四百名、国費留学生が四千四百名のうちの六百二十名でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 国費留学生と私費留学生に対する政府の助成はどうなっておりますか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) 国費留学生の待遇につきましては、年々改善を図ってまいりまして、昭和五十三年度の御審議いただいております予算におきましては、奨学金といたしまして、その内訳は、研究留学生におきまして十四万六千円、学部留学生が月額十万七千円に増額をいたしております。授業料は免除でございます。日本への往復に要します旅費はこちら持ちであります。渡日の一時金が二万五千円、研究旅費年額四万二千円を支給いたしますほか、下宿料の補助を月額平均一万一千円以内、医療費補助が八割、以上が国費留学生に対します処遇でございます。  私費留学生につきましては、従来から医療費の八割補助、留学生の多い私立大学に対します経常費の補助等を行っておりますけれども、五十三年度におきまして、大学院に進学をいたしました私費留学生の中から国費留学生を採用する道を新たに開きまして、さらに、大学学部三年次以上に在学いたします成績優秀な私費留学生に対しまして月額四万円の学習奨励費を支給をする、これを財団法人日本国際教育協会において実施することと、五十三年度予算で新たな措置を講じたわけでございます。  以上のほか、国立大学に留学をいたしております留学生は、国費、私費を問わずに、日本人学生と同じように学生経費を計上をいたしております。そのほかに、日本語の課外補導、あるいは学生同士の中でのチューターによります個別指導とそれの特別指導費を私費留学生についても措置をいたしております。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 私はここで、政府は、せっかく去年総理がASEANへ行かれて、これからの日本とアジアの各国との心のつながりということで、方々に植樹をされて芽を出そうと、しかし、留学生の問題については私は寒心にたえません。米国に一体幾ら行っていると思われますか、アジア各国から。米国への一九七二年から七三年への留学生は五万三千五百六十二人です。一九七三年から七四年については五万三千五百七人です。日本の何倍になるんでしょう。みんな東京経由でアメリカへ行くんです。この原因は一体どこにあるか、文部大臣いかがですか。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) いろんな原因があろうかと思うのです。日本でやっぱり勉強いたしますのに、日本語という一つの関門、障害がある。たとえばASEAN各国では、ほとんどの国が英語をもまた公用語に使っております関係から、英語国へ留学する希望者が多い。受け入れの態勢の側は、民間の奨学金の制度が非常に発達をいたしておりますアメリカ、そしてそういう外国の留学生を受け入れることにまだふなれな日本の社会、こういうことも原因をしているであろうと思います。  御指摘のとおり、心のつながり、特に若い世代の者同士が、若いときから交流を深めていくということはきわめて重要なことでございますから、留学生の受け入れ態勢についても、まだまだ拡充をしてまいらなければならないその責任は痛感をいたしているところでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 毎日為替市場で告げられる円のレート、そうして東南アジアから仕送りを受けている日本で勉強しようとしてやってきた留学生の苦労、そういうものを考えるときに、アメリカへ五万四千人も毎年行っているわけでしょう。そうして大学の生活を一緒にした人たちが、やがてアジア各国にリーダーとなって帰ってくるわけです。その八分の一が日本へ来て、日本で勉強したけれどもどうもしょうがなかったと、うまく政府も補助してくれなかったし、奨学金もうまくいかなかった、これで総理や福田内閣が念願しているアジアに心のつながりが生まれましょうか。これに対して文部大臣、一体何が原因だと思われますか、もう少し突っ込んだところでは。

砂田重民自由民主党文部大臣

○国務大臣(砂田重民君) 先ほどお答えをいたしましたように、その原因は各種各様あると思うのです。ですけれども、五十三年度予算で措置をいたしました一いままでのようなことで留学生に対応をしていてはならないという反省の上に立っての五十三年度予算の新しい道を講じましたり、日本に留学をして帰った元留学生の皆さんに対しますフォローアップと申しますか、こういうことも、たとえばASEAN各国に五十三年度だけで、五カ国全部に元日本留学生の同窓会組織の事務所を提供する、こういう事業を、おっしゃるように金目はわずかかもしれませんが、わずかなことでありましても、それだけの改善を見ただけで、その反応はきわめて速く、また大きなものがございます。たとえば、これはもう中山委員も御承知でございますが、アスコジャのことしの総会はジャカルタでございます。その二月前に当然ジャカルタでその準備のためのガバナー会議が開かれるわけでございましたけれども、日本の朝野にわたっての留学生に対する対応の仕方が変わってきたということを非常に敏感に察知をして、アスコジャの皆さんが大変喜ばれまして、ジャカルタでのことしのガバナー会議を取りやめて四月に東京で開く、外務大臣と文部大臣にそういう申し入れがあったわけでございます。どれだけわずかなことででも、心のつながりというものは大きな反応があるかということを肝に銘じさせられましたので、なおこれの拡充に努めてまいる決意でございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 これはやはり日本の学位が自分の国に帰ったときのいわゆる社会における地位にどれだけの効果をもたらすかということが一番大きな問題でございます。はっきり指摘をしておきます。  もう一つは、むずかしい日本語を習って初めて学校で勉強できるという悩み、私は、将来やはり早急に、五万何千人東京経由でアメリカへ勉強に行く東南アジアの将来の若い指導者のために、せめて二万人ぐらいは当日本で勉強しようという人が出てきてもらっても、そのために日本が相当な努力をしても決して恥ずかしくない。それがやっぱりアジアのためにこれから尽くそうという日本の姿勢だと、福田総理の念願だろうと思うのです。どうかひとつその点で総理、この点について十分な善処されることをひとつお答えをいただきたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、中山さんが御指摘されるまでもなく、この留学生問題、これはもう非常に関心を持っているんです。これは、わが国が今日ある、これは占領政策の中でわが国の青年がずいぶんアメリカで勉強してきた。それを身につけて、そして国際性ある活動ができた、これが私はずいぶん今日の日本の国づくりに物を言っていると思うのです。とにかく、そういう過程を経まして、わが国は今日この立場まで来たんです。そのような、これはひっくり返しになりまするけれども、わが国の持っておる知識、また技術、そいういものをアジアの友邦に分け与えるということ、これは非常に大事なことだろうと、こういうふうに思うのです。  それから、私はもう一つ、心と心との触れ合いのアジア関係ということを言っておるわけでありますが、それを一体どういうふうに実現するかというと、これはいろいろの道がありまするけれども、やっぱりアジアの青年たちにわが国に来てもらって、そして、わが国の青年たち、またわが国の国民一般と本当に心打ち解けた関係を結ぶ、こういうことが非常に有効である、このようにわが国、また相手国の立場、双方の立場から考えまして大変大事なことであると、このように考えまして、そしてこれから大いにアジア諸国との間に学生の、また学徒の受け入れを進めていくという考え方をいまとっているわけでございますると同時に、いままでかつてわが国に留学したことのある青年たちが今日りっぱな地位にもあり、また年ごろにもなっておるんです。その人たちのフォローアップということ、これもまた非常に大事だろう、こういうふうに考えまして、ただいま文部大臣からアスコジャというお話がありました。つまり、かつて日本に留学したことのある学生の協議会でございます。それの結成を大いにいま協力して差し上げまして、いまこれがかなり私はこれから物を言うようなときになりそうな気がします。とにかく、この学徒を受け入れまして、それによりましてアジア諸国の交流に資し、同時に、日本とこれからの国々との間の本当のつながりを固めていくということは非常に大事なことだと、こういうふうに思いまして、これはもう一生懸命進めていきたい、そういう考えでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 文部大臣、特に、お願いしておきますが、ぜひ英語で教育を受けられる留学生のための大学を日本につくるべきです。そうすれば多くの人たちが日本へ来て、自分の母国語で日本のすぐれた学問を学んで自分の国を興すごとに働けるだろう、私はそれを特にこの機会に要望しておきたいと思います。  文部大臣、日本の大学政策の中で、国立大学の授業料を今年幾ら――これは大蔵大臣ですね、幾らお上げになりましたですか。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 中山君、五時十二分まででございますから……。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(村山達雄君) 大学の五十三年度新入学から、月額八千円を五割上げまして一万二千円に改定するわけでございます。

中山太郎自由民主党・自由国民会議

○中山太郎君 私は、時間が来ましたから、大学政策の中で一番大事なことを指摘しておきたいと思います。年間九万六千円であった国立大学の授業料が今年から十四万四千円、その上げ幅は実に五〇%であります。しかも、生産に携わらない国立大学、日本を将来背負う学生たちに五〇%の授業料を値上げするとういことはまことに残念、これに見合うくらいのいわゆる奨学金か何かを福田内閣は国立大学の学生に考えてやるべきです。私はちなみにヨーロッパ各国の国立大学の授業料を調べてみました。外貨保有高世界一、個人所得百三十一万、その国の国立大学の授業料はなしであります、ゼロ。イタリーが六千二百五十円、オランダが一万八千円、スウェーデンはゼロ、デンマーク、ゼロ、日本が十四万四千円になります。ここいらに私は、日本の大学政策がはっきりした基本に基づいて国の将来の学術の振興というものを考えていないんじゃないか。ここいらの点はひとつ政府においても十分今後若い学生のために考えてやってもらいたい。日本の国立大学の学生というものは、こういうものについて家からの仕送りで生活をしておる。これらの人たちのことを十分配慮した、若い人たちのためにも配慮のある自由民主党であってもらいたい、自由民主党政府であってもらいたいということを私は要望申し上げて、私の質問を終わらしていただきたいと思います。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で中山君の総括質疑は終了いたしました。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、峯山昭範君の総括質疑を行います。峯山君。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、初めに憲法と核の問題についてお伺いをいたします。  この問題につきましては、もうすでに従来から政府の姿勢はずっと変わっておりませんし、また先日来の衆議院における質疑も十分になされております。それを十分承知の上で、それを踏まえた上で、きょうは総理にお伺いをしたいと思います。  まず、総理にお伺いをいたしますが、非核三原則という問題でございます。この非核三原則に対する総理の御所見を初めにお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 非核三原則は、これは政府の核政策についての非常に大事な方針であると同時に、国会におきましてもその御決議があるわけであります。そういう性格のものでありますので、これはわが国国政運営上非常に大事な原則である。よく私は憲法にも似たわが国の基本政策であるというところまで考えておるんだと、こういうふうに申し上げておりますが、これは非常に重視しております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 福田総理は、いまもおっしゃいましたが、この非核三原則の問題につきましては憲法的国是であると、こういう言葉をかねがね使っておられます。いまもそれに似た言葉をお使いになりました。これは、憲法的国是ということは、憲法に匹敵する重要な問題であると、そういうふうにとられていると、こういうふうに解釈してよろしゅうございましょうか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 内閣は憲法を遵守する、その姿勢と同じような姿勢でこの非核三原則は守っていくというつもりであるということを申し上げておるわけであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総理の姿勢はそれでわかりました。  そこで、まず私がきょう問題にしたいのはこれまでの政府の見解でございますが、これは法制局長官もきょういらっしゃいますから、私のこれから申し上げることが間違っておれば訂正をしていただきたいと思います。  政府のこれまでの見解としましては、核兵器も防衛的なものであれば憲法上持てる、それで憲法第九条は自衛権を否定しておらない、したがって必要最小限度の防衛力は保持できる、したがって核兵器も例外ではない、しかし非核三原則、原子力基本法、それから核防条約等で核兵器は持たない方針である、こういうふうに従来から御答弁になりました。これはもうこのとおりだと私は思うのですが、このとおりでございますか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げます。  大体そのとおりでございますが、非核三原則で持たない方針であるという部分は、実は憲法第九条第二項の適用上は禁止されておらないものであっても非核三原則によって政府の姿勢としてはもう断固として持たないという意味でございまして、自衛のために必要な限度を超える兵器である核兵器につきましては、これは非核三原則をまつまでもなく憲法自身が禁止しておると、こういうふうに申し上げる方が正確だと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 わかりました。そうしますと、核兵器は憲法上持てるというのは、これは従来の政府の解釈でございますが、核兵器は憲法上持てないと、こういうふうに解釈することは憲法の解釈として憲法を歪曲していることになるかどうか、この点はどうですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) その点はこの前衆議院の内閣委員会でも申し上げたわけでございますが、およそ法律というものの解釈につきましては憲法を含めていろいろな解釈態度というものがあるわけでございまして、これはこの憲法九条には限りません。いろいろな条文につきまして賛成説、反対説、あるいは甲説、己説、いろいろな説がありますので、一説を信奉している者が他の説をそれはお前は歪曲しているんだというふうにきめつけるという態度は私はとりたくないわけでございます。ただ、政府といたしましては、先ほど申しましたような解釈が最も正しいというふうに信じているというふうに御理解願いたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、憲法の解釈として核兵器は持てると現在日本の政府が解釈をしている。そこで、それは仮定の問題になりますけれども、新しい政権、自民党の内閣とは違う新しい政権ができてきた場合に、核兵器は憲法上持てないと解釈する、そういうことは現実としてあり得るわけですね。それで、持てないと解釈したからといってそのことが憲法違反になるとかいろいろな問題に当たるということにはならないわけですね。これはどうです。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) どうもお答えをしにくい御質問の仕方でございますのでなかなかむずかしいわけですが、仮にそういう解釈をおとりになるという場合に、それはその解釈をおとりになる方から見ればその解釈が正しいとお思いになるわけでございますので、それと違う解釈を持つからといって、その者の目から見て新しい解釈がそれは憲法違反だと、歪曲しているんだというふうにきめつけるということは私はとらないところでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 最終的な判断はどこがするわけですか。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) それは、現在の憲法のシステムのもとにおきましては、何らかの形で司法裁判所に事件が係属して最高裁判所の確定判決が出れば、それが一番権威のある憲法解釈ということに相なります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そうしますと、これは、これから先は総理で結構です。総理、いま法制局長官が御答弁になりましたように、憲法上持てる持てないということについての最終的な判断は最高裁がすると。そうしますと、現在の時点では最高裁はこういう問題についての判断はしていないわけですね。そうしますと、総理は、要するに、最高裁の判断がないんですけれども政府として現在核兵器は持てると解釈しているわけです。これはこのとおりですね。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 核兵器は持てるというのは私は正確じゃないと思うのです。持てる場合があるというのが正確だろう、こういうことですね。政府といたしましては、そのように考え、最高裁も恐らくこれを支持してくれると、かように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、これは総理、憲法上核兵器を持てるか持てないかということについてはそのときの政府によって両方の解釈をすることができるというのが法制局長官の答弁です。いろいろな内容はあるにしても、その政府の判断で両方できると。その場合、現在の福田内閣が核兵器は持てないとの解釈を現在とれるにもかかわらず――これはとれるんです。それで核兵器は持てないと、そういうふうに解釈することはできるわけです。したがって違反じゃないわけですから、最高裁の判断もないわけですから。そういうときに、核兵器は持てるという解釈を現在の政府がどうしてもとらなければならない理由、これはどういうことです。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) 考え方の順序についてまず申し上げます。まだ最高裁判所の判断がないのに政府がそういうことを権威を持って言う根拠は何かというお考えでございますが、最高裁判所の判例はなるほどまだ出ておりません。おりませんが、それはちょうど二十八条の労働基本権の解釈についての過去の経過などをお考えになればおわかりになると思うのですが、最高裁判所の判決が出る前においても、政府としてはそれは二十八条によってすべて労働基本権が公務員なり三公社の労働者にみんなあるというふうには考えておらなかったわけなんで、それはそう信じておったわけでございまして、それと同じでありまして、まだ最高裁判所の判例がないからといって、政府がそういう憲法九条第二項の解釈を先ほど申しましたようなつまり防御的なものであれば憲法九条二項は禁止しておらないということを信じ主張することは一向に構わないわけでございまして、その理由は何かとおっしゃいますと、これからが本論に入るわけでございますが、まず憲法九条第一項では自衛権を否定しているものではないと、これはもう異論がないところでございます。したがいまして、異論のない自衛権、国が独立国として持っている固有の個別的自衛権、これはただ自衛権があるあるというだけでは現実的でありませんのであって、それを裏づけるための必要最小限度の措置はとれるという、これは最高裁判所の判例があるわけなんです。そういう必要な措置として必要最小限度の自衛力を持つことは憲法第九条二項に違反しないというのが政府の解釈であり、従来からの一貫した主張でございます

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 全然違いますよ、総理。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、内閣総理大臣であると同時に、自由民主党の総裁であります。自由民主党内閣が続く限りにおきましてこの解釈にいささかの変化があると、こういうことは想像できません。また同時に、自由民主党内閣と違った内閣か――仮にですよ、仮にできてきたといたしましても、私はこの憲法解釈、これと違った解釈が出てくるであろうと、このようには考えません。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総理、ちょっと食い違っていますので元へ戻しますが、要するに、憲法の解釈には持てるという解釈と持てないという両方の解釈があるということは、これはわかりますね。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 解釈ですから、いろいろな解釈をする人があろうと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 したがって、この持てる持てないということについてはいろいろな解釈がありましょう、当然ですね。政府ができて当然二つの解釈があります。そういうようなときに、日本の政府としては持てるというふうな解釈をしているということは、これから先が問題なんですが、やっぱり総理が持てるという解釈の点をとった。二つあるわけですね、持てるというのと持てないというのと。この二つの中で持てるという解釈を自民党内閣がとっているということは、国民の意思がそちらの方へ向いているということ、国民の意思が核兵器は持たないんだという判断をもし国民がしたならば、やっぱり自民党内閣としては持てないというその解釈の方をとるのが正しいでしょう。政治の姿勢としてどうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 憲法の解釈ですね、終局的にはこれは最高裁判所がこれを決めるということですわね。しかし、それが出ていないという今日の段階においてその解釈にいろいろ違うものが出てくるという場合に、何が有権的であるかとこういうと、やっぱり多数の国民がどう考えるかということ、これはその有権性を決める重要な指標になるのじゃないかと、そのように考えますが、さてそれならば多数の国民はどう考えるかということをどういうふうに測定するかといいますれば、間接選挙、間接民主主義の体制のわが国の現状におきましては、これは国会議員がどう考えるか、こういうことによって決まると、このように考えます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 真田長官の入れ知恵でいまおっしゃったようですが、これは非常に重大な問題でありまして、総理は間接選挙、間接民主主義、その両方をおっしゃいました。これは国民の意思がやっぱり核兵器は持つべきではないと、こういうふうに判断をしていたならば、当然その意思に従うというのが総理のいまのお考えですね。どうです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは憲法解釈の問題と実際の核政策の問題とを混同した議論じゃないかというふうに思いますが、これは截然と分けなければいかぬ。憲法解釈の問題といたしましては、これは核兵器を持つことができる場合もあるし、持てない場合もあると、このように言うべきだと思うのです。それから政策の問題ですね、この問題を考える場合におきましては、これはやっぱり国民の考え方なんかよく見てそして決定すべきものである。非核三原則、これのごときは、国民の動向もこれを支持すると、こういうふうに存じまして政府といたしましてそういう考え方を打ち出しておりまするし、同時に国会におきましても、これは超党派というか、満場一致をもって御決議があると、こういうことでありますので、政策論としては、私は、非核三原則は国民から支持され、またそれは形式的に国会においてもそれが立証されておると、こういうふうに考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは総理ね、ただ単に解釈論だけの問題ではない。憲法の解釈は確かに二つある。日本の政府は、持てるという方を支持する、持てないという方は支持しない。法制局長官の答弁でいきますと、持てるという方が正しいと、日本の政府はと、こうおっしゃいましたよ。そうしますと、これはなお一層問題になってくる。ただ単に解釈論だけの問題ではない。その政府の政策いかんによってこの問題が決定されていく。そうしますと、日本の政府が政策上この問題についてどう判断をしているかということにもなってくる。ですから、総理ね、(「違う」と呼ぶ者あり)それは違わない。これは、そういうような点からいきますと、現実の問題として、国民のいわゆる判断――選挙とも先ほどおっしゃいました。国会の判断というのは、現実の問題として非核三原則は決議されています。原子力基本法もある。核防条約もある。国会できちっと決議している。これは、要するに、核兵器は持たないという方向が、世界でただ唯一の被爆国民としても国民の意思というのははっきりしていると思う。にもかかわらず、日本の政府が憲法上核兵器は持てると解釈することは――持てるという解釈しかないんなら別ですよ。持てるという解釈と持てないという解釈と両方あって片っ方をとるということは、これはやっぱり政策上非常に大きな問題である。福田内閣の姿勢にもかかわる、また自民党の政策そのものにもかかわる、こう思うのですが、これはどうです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) どうも、峯山さんの話を聞いていますと、憲法の解釈論とそれから政策論とを混同しているような感じがするんですよ。解釈論は解釈論で純粋に、政策問題を抜きにいたしましてこれは論じなければならぬ問題です。解釈論として二つある。二つありますが、それの中で政府といたしましては持てるという考え方をとっておると、そういうことなんです。そういう中で、今夏は政策論として一体どうするかということになると、非核三原則政策をとると、こういうことなんです。はっきり分けなければならない。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、福田さん、あなたが混同しているんです。憲法上、解釈が、持てる持てないという両方がある。日本の政府は持てるという方をとっていると、それが一番正しいと思っていると法制局長官は答弁していますよ。政策と解釈と混同していると言うんなら、政府が混同しているのです。どうなんです。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私の申し上げたことには混同はないように私は思います。つまり、憲法解釈ですね、核兵器は国として持てる場合があると、こういう説をいま内閣はとっておるわけです。それに対して、持てないという説もあると、これはお話しのとおりであります。しかし、それはあるなしにかかわらず、政府といたしましては持てるという説をとっておるんです。その理由は、さっき法制局長官からるる申し上げたとおりであります。しかし、持てるというけれども、政策論といたしまして、さあ持てるけれども持つことがいいのか悪いのかという問題がある。その政策論といたしまして非核三原則というものをとっておるということで、きわめて論理明快であると思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 全然明快じゃありません。それなら、日本の政府が持てないという解釈を支持してもいいんじゃないですか、総理の言うとおりなら。そうなるんじゃないですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは憲法の解釈と政策とはこれはもう別の問題ですよ。純粋の憲法解釈、これにつきましてはいろいろ意見があるそうでありまするけれども、政府といたしましては、これは持てると、こういう考え方、解釈をとっておるわけなんです。にもかかわらず、政策論としては憲法上持つことを許されておるけれども非核三原則をとるがゆえにそれを持たぬというだけの話でありまして、論理きわめて明快であります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは私は全然納得できません。要するに、ただ解釈論だけじゃない。総理ね、両方の解釈があって日本の政府がどちらもとってないんならいい。日本の政府が持てるという方をとっている以上は、その理由をはっきりしない以上は、持てるという解釈が一番正しいということは、日本の政府が政策上それを解釈していることですよ。日本の政府が混同しているんじゃないですか。困ります。

真田秀夫内閣法制局長官

○政府委員(真田秀夫君) いまの問題は、冷静にお考えになると、純粋な法律の解釈と運用とはこれは別なんですよ。核兵器であっても防衛的なものは憲法九条二項は禁止しておらないと。――持てとは言ってないんですよ。禁止しておらない。それで政策上の選択として非核三原則というのを堅持して持たないという政策を立てていると。これはもう解釈と運用とは別問題でございます。これは明瞭に別問題でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いや、違います。いや、納得できません、私はそれは。そんなばかな答弁はないです。持てないというふうにとるんならいいけれども、これはおかしいですよ。政府がとってないんならいい。――この問題については政府のきちっとした見解を文書で求めます。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 政府、よろしゅうございますか。それじゃ、政府は了承いたしました。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それではこの問題については明日に議論を譲りたいと思います。  それでは、ロッキード事件についてお伺いをいたします。  これは去る六日の元丸紅秘書課長副島氏の証言でいわゆる灰色高官に対する金の受け渡しが明らかになったわけです。灰色高官と言われる方々はほとんど否定をしていらっしゃいます。  そこで、総理、先日の衆議院の予算委員会におきまして、予算委員会の真っ最中でございましたが、当時の丸紅の大久保証人が証言をされました。あのときに、総理は、大久保証人が証言をしたことに対しまして総理の答弁は、大久保証人は例の四人の方にお金を渡したと、こうは証言していない、要するに大久保さんはそういう渡すという計画があったということを伝聞していると、こう答弁されて、伝聞だから伝聞なんというものに正確に答弁する必要はないと――ないとはおっしゃいませんが、それに近いような御答弁だったわけです。ところが、今回は、渡した本人が私がこの人に渡したと言っているわけです。これは総理のいままでの答弁とは全く違う現実の問題が出てきたわけです。これに対するお考えを一遍お伺いしたい。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 公判進行中のケースでありますので、私からこの問題について感想を申し上げるということは何かと支障があるのじゃあるまいか、そのように考えますが、いずれにいたしましても、あの六人の中で二人は被告になっておりますから、これは裁判所において事態は解明されるであろう、あとの四人につきましては、これは被告の関係がありませんものですから、なかなかその真相を解明するということがむずかしいのじゃないかと、このように考えますが、いずれにいたしましても、これは裁判所の問題ではなくなるわけです。やっぱり、これを解明するということになると、これは国政調査権、そういうような場でということになるのじゃあるまいか、そのように思います。いろいろな制約はあります。ありまするけれども、政府といたしましては、この事態の解明のためにはできる限り国政調査に協力をするという考えです。しかし、申し上げたとおり、いろいろ制約はある。公判進行中であるという制約、また個人の秘密というような――個人の名誉ですね、名誉にかかわると、こういうような問題もある。そういう制約はありまするけれども、基本的な姿勢といたしましては、国政調査権には政府はできる限りの協力をする、このように考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、総理、真実は一つしかないわけです。そういうふうな意味では、この真相を明らかにするということがいわゆる灰色高官の名誉を守ることにも逆に言えばなるわけですね。そういうふうな意味では、私は、一つは、政府・自民党としても、野党からずいぶん要求をされておりますが、証人喚問に積極的にやっぱり応じるべきだ、特に公判中の人は除いてですね、そのように思いますが、どうでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 証人喚問問題につきましては、これは衆議院のロッキード委員会において問題になっておるようでありますが、私は各党間でよく相談してもらいたいと、こう言っておるんです。私は自民党総裁でありまするから、私の出先である自民党の議員がいろいろ相談をする、その結果私に意見を求めるということになりますれば、私はその節自民党の議員に対しまして意見を申し述べると、こういうふうにしたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 やっぱり総理に積極的に応援をしてもらいたいと思うのですが、どうでしょう。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私のこの問題に対する姿勢は、先ほど申し上げたとおり、国政調査にはできる限りの協力をする。ただし、この問題はいま公判係属中であるという問題もある。また個人の名誉をどういうふうにカバーするかという問題もあるわけです。そういう制約の中で国政調査にどういうふうに協力できるかということは、いろいろな角度から検討さるべき問題であり、各党間で検討いたしまして、そうしてその過程において自由民主党の出先から私の意見を求めるということになりますれば、私は私なりの判断を示す、こういう考えでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 それでは、ぜひともその問題については総理から積極的に御支援をいただきたい。  そこで、ちょっと問題を変えましてロッキードの中の特にP3Cの問題について質問をしたいと思います。  まず、P3Cにつきましては、もうすでに今年度の予算の中に組み込まれておりますが、このP3C決定に至る経過について簡単に説明をいただきたい。

伊藤圭一防衛庁防衛局長

○政府委員(伊藤圭一君) すでに、P3Cにつきましては、昨年の八月二十六日、いろいろなケースを検討いたしました結果、防衛庁として概算要求をお願いいたしました。その際、八月二十六日に国防会議を開いていただきまして、この決定に至る過程につきまして御説明申し上げました。すなわち、現用機の更新、近代化の必要性、候補機種につきまして検討しました結果、あるいは価格、費用対効果、全体の規模、ロッキード事件との関連で指摘されている問題点、そういうものについて御説明したわけでございます。さらに、十二月になりましてから四回国防会議を開いていただきまして、再びこの必要性、それから整備の規模、それから問題点で解明をいたしました結果等々につきまして御説明申し上げ、国防会議におきまして御審議をいただきました結果、来年度の予算といたしまして全体の四十五機の規模の中で八機を予算化して計上するという御決定をいただいたわけでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、特にロッキード社にP3Cを注文するということについては、まだまだ問題が山積していると、こういうふうに思います。まず、この問題のP3Cに関する契約の経過についてはいまお伺いをいたしました。その際、ロッキード社から誓約書を取っております。その誓約書の中で、特にこのP3Cの問題について関係の誓約書でございますが、その中のまず第一項の初めのところをちょっとどういうふうに書いているのか一遍読んでいただきたい。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) お答えいたします。  昨年の八月、ロッキード社に対して私どもの方から誓約書の提供を要求したわけでございますが、その冒頭部分でございますか。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 一項目。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君)  1 次の文書の誓約書を提出すること。   当社又は当社の代理店等(コンサルタント等を含む。)は、P-3Cの販売契約の獲得又はその履行に関して、有利な取扱いを受けるため贈賄又は不当な影響力を及ぼす金品の提供等の販売工作を行ったことがなく、又今後も行いません。   もし、当社又は当社代理店等が上記に違反する行為を行った場合は、防衛庁又は防衛庁が発注した者(ライセンス・メーカー)が当該契約を解除し、又は贈賄額又は提供された金品の額に相当する金額を、当社から防衛庁が徴収することについて、何ら異議を申し立てず又何らの請求も致しません。   以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 総理ね、まずロッキード社から誓約書を取った、P3Cを発注するに当たってですね。この誓約書は、いま読んでいただきましたが、私の手元にもございますが、要するに、   P-3Cに関する日本との販売契約の獲得に関し不当な影響力を及ぼす、あるいは有利な取扱いを受けることとなる賄賂を伴ういかなる販売努力又は関連する工作にも従事したことはありませんし、いかなる代理店又はコンサルタントにもかかる行為に従事するよう指示し説得し又は示唆したこともありません。  と、こういうふうになっているわけですよね。誓約書の私の手元にあるのはそうなっている。ということは、一体、ロッキード社は、児玉との契約で、現実の問題として契約は残っていますね。あるいは丸紅との実際代理店契約でも相当な賄賂を払うというようなことを書いています。コンペンセーションという名前になっておりますが、これは一体何だと。こんなことをしたことはありませんという誓約書ですね、逆に言えば。こんなばかなことはない。確かに金銭の授受はなかった、裁判上問題になる点はなかったかもしらないけれども、現実にこういうふうな不正なことをしていることは事実です。私は、この点については、この誓約書自身がやはりおかしい、こういうふうに言わざるを得ないのですが、この点についてはどうお考えですか。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) P3Cの選定あるいは導入に関しては、そういうことはしたことはないというふうに私どもは思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんな答弁は納得できませんよ。P3Cに僕するそのことをやったことはないと言うかもしれませんが、ロッキードに対して契約があるじゃないか、現実の問題として。丸紅の契約があるじゃないか。これは一体何ですか。現実の問題としてこういうようなことをしているじゃないですか。契約もしたこともない、コンサルタントを頼んだこともない、こんなばかなことは通用しませんよ。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) コンサルタントを頼んだことはないとは書いてないわけでございまして、コンサルタントなどを通じて不正なことをしたことがないと、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 不正なことをしたことはないと言いましても、不正なことをしようと現実にこの誓約書をつくっているのじゃないですか。この文書がそのまま私は誓約書の中身として納得できるものではない。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) ロッキード社と児玉との間の契約によりまして、いろいろの情報提供あるいは活動といったようなものを依頼した契約はあるわけでございまして、その意味においては、何と申しますか、仕掛けと申しますか構造といったようなものはできておったわけでございますが、それは動かなかったと、こう思っております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 そんないいかげんなことでどうしますか。実際問題として総理にお伺いしますが、ロッキード社は、たとえば日本で言えば――建設大臣にちょっと一遍お伺いします。建設省はよく御存じですからお伺いしますが、建設大臣、ある特定の会社が賄賂を贈り、日本国じゅうが大騒ぎになったというような建設会社があったとします。その会社はどういう処理を受けますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 突然の御質問でちょっと判断しかねますが、法に触れたような会社を指名をすることはないと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 当然ですね。総理大臣、これは日本のいわゆる予決令によりましてもこういうふうな不正な商行為ということについては禁じられているわけですね。たとえば、建設大臣にもう一回お伺いしますが、その一つの会社が、これはただ単に一つの市町村とかちょっとの問題じゃないわけです。要するに、こっち側でつくっているたとえば自動車、まあ建設省ですから家ですね、住宅。こっち側では賄賂はなかった、こっち側では賄賂があった。その場合、これは両方通用しますか。要するに片一方はいいんだと、片一方はいかぬのだと、そういうふうな分け方はできないでしょう、実際問題として。そうじゃなくて、会社そのものに対してやっぱり一つの制裁が行われるのが当然でしょう。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) そこまで突っ込んだ御質問になりますと、ちょっと専門的な見解が必要となるのです。というのは、技術的にどうしてもやむを得ないという場合におきまして特例がございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 技術的にね、それはわかります。  これは、総理、実際問題としてそこのところの問題は確かにひっかかりますね、どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この問題は、ロッキード事件というものがありました関係で、P3Cを調達するにいたしましても、そのロッキード事件があったというあの関係、これはクリアしておかなけりゃならぬ、今度する契約はきれいな契約でやらなけりゃならぬという配慮は、これはもう十分いたしたわけであります。これは国会の御要請もずいぶんあったわけでありまして、その点につきましてはずいぶん国防会議におきましても精査というか議論もいたしましてそして最終的にはP3Cの調達を決定すると、こういうことになったわけですが、その細かいどういうふうにしたかという点まで私は承知しておりませんけれども、これは防衛庁で十分御説明できるわけであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは、これだけ不正な行為をやり、これだけ日本国じゅうに日本国民に迷惑をかけた会社にどうしても注文しなければならないという理由はどこにあるのですか。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) 先ほども防衛局長からお答え申し上げましたように、純粋に軍事的、技術的な観点、あるいは費用対効果といったような点から考えまして、P3Cが最もすぐれたものであるという結論に基づいたものでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは実際問題、総理ね、先ほどのいわゆる誓約書の問題にしろ、いまの技術上どうしてもやむを得なかったという問題にしろ、全く国民がそれを聞いて納得できる問題ではないと私は思うのです。総理から一遍説明してみてください、わかるように。なぜ買わなければならなかったか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この点はもう十分精査し、国防会議にも報告されておるわけでありますので、防衛庁当局から篤とそれを御聴取のほどをお願い申し上げます。十分御説明申し上げます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これは私は時間がございませんからもうこれ以上できませんが、それじゃ、防衛庁は、技術上どうしてもこれはやむを得なかったと、防衛の必要上どうしてもやむを得なかったということですね。長官。

金丸信自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(金丸信君) いろいろのいきさつはあったわけであります。苦々しいけれどもこれが一番精査してりっぱな飛行機だと、防衛上必要だと、こういうことであります。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ロッキードは何をつくっている会社ですか。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) 航空機及び搭載の電子機器等でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 ロッキードで搭載の中の電子機器もつくっておるんですか。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) システムのオーガナイザーとしてハードでなくてソフトをつくっておると、こういうことでございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 当然、ハードな面を言うのが当然でしょう。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) ハードな面といたしましては、ほかにミサイルなども製造しております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 これはロッキードは現実の問題として航空機しかつくっていないわけです、総理ね。航空機が中心なんです、P3Cで言えば。P3Cの中のいわゆる電子情報処理装置、これは別の会社でつくっているわけです。私の手元にもその資料が全部ございますが。そうしますと、少なくともどうしても必要なものでどうしてもP3Cを買わなければいけないというのであるならば、それなら中のものはロッキード以外から買うと。買えるわけですから、当然。飛行機はロッキード以外から買うと、こういうような手続が当然できる。にもかかわらず、そんなことをしないで、一生懸命P3Cをそのままロッキードから輸入しようと、したところに私は大きな問題がある、こう思うのですが、どうですか。

間淵直三防衛庁装備局長

○政府委員(間淵直三君) 先生御指摘のように、最初の三機というのは、ロッキードがアメリカ政府に納入したものをアメリカ政府から私どもが買うということでございますが、次のライセンス生産段階に至りますれば、私どもといたしましては、その搭載の電子機器その他といったようなのは、ロッキードでなくて、その機器のアメリカの製造業者と日本の製造業者とがライセンス生産の契約を結んだものを買うことを予定しております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、やはりいまの防衛庁の説明では十分納得できない。総理ね、実際問題としてカナダの政府が現実の問題としてP3C導入についてのいろいろなことを米国政府とやっております。こういうような例からいきますと、米国防省等のいわゆる保障を要求すると、今後こういうふうな問題を起こさないとか、またあるいはこういうような問題についてのやっぱり保障を求めると、こういう処置を現実にカナダ政府はやっていると、そういう報道が現実にあるわけですが、そういう点も含めて私はきちっと国民が納得できる体制をつくるべきではないか、こう思いますが、どうですか。

福田赳夫自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 本件は防衛庁でもずいぶん検討いたしまして、そしてこのような結論を出したわけでありますが、その間御指摘のようなロッキードがらみの問題もありますので、その点も十分配慮し手当てもいたしまして最終決定をすると、こういうことにしたので、御質問は御疑義が何かあるようなお話ですが、何でも御質問してください、何でもこれは率直にお答え申し上げます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 きょうはこれで終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 峯山君の残余の質疑は明日午前十時からの委員会で続行することといたします。  本日の総括質疑はこの程度にとどめます。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) なお、引き続き派遣委員の報告を聴取いたします。大蔵大臣、農林大臣、通産大臣、運輸大臣、労働大臣、建設大臣及び自治大臣にはお残り願います。総理大臣以下他の閣僚は御退席をいただいて結構でございます。  本委員会といたしましては、昭和五十三年度総予算審査のため、去る二月二十日及び二十一日の両日、北海道、愛知県及び広島県にそれぞれ委員を派遣し、各地において同時に地方公聴会を開催し、現地の意見をつぶさに聴取してまいりました。これよりその概要について御報告を願います。  都合によりまず中部地方公聴会につきまして宮田輝君にお願いをいたします。

宮田輝自由民主党・自由国民会議

○宮田輝君 中部地方公聴会は、戸塚、竹田の両理事、浅野、熊谷、下条、八木、太田、山中、井上の各委員、それに私宮田輝及び現地参加の森下議員を含めて、十一名が参加し、名古屋で開催いたしました。  公述は陶業、地方財政、繊維の三項目で、八名の関係者より意見が述べられました。  最初に陶業につきましては、まず日本陶業連盟専務理事三井公述人から、陶磁器生産の三分の一は輸出に依存しており、全国生産量の七〇%を占める愛知、岐阜、三重の東海三県だけで輸出の九割以上を賄っている。したがって輸出の動向は、当地方の業界に大きな影響を持っている。昨年秋以来の急激な円高のため、取引の渋滞、新規契約の減少を来した。しかし既約注文を抱えていたので、五十二年内の操業は大きな減退を見なかった。が、秋の契約時の注文減が、今年の前半に影響するのではないかと懸念している。ただ輸出の大手市場であるアメリカの見通しが暗くないことや、円高による価格上昇を、値引きや、利潤の圧縮を図っており、今後円高が更新しなければ、最悪の事態から免れることができよう。ただ、陶磁器業界として、円レートの乱高下により経営の見通しが立たなくなることを最も憂慮している。その意味から、何としても円為替レートの安定を図ってもらいたい旨述べられました。  次に、日本碍子労働組合熱田支部書記長小池公述人は、陶磁器など窯業産業は一部の大手を除けば中小零細企業が大部分で、賃金を初め、各種労働条件は、他産業に比べかなりの格差がある。ニクソンショックや石油ショックなど、そのたびごとに労働者へのしわ寄せが強められてきたが、最近の円高によっても合理化が進められている。窯業の場合、中高年齢者が多く、一たん離職すると、再就職が困難である。窯業の不況克服には、産業のあり方や、発展途上国との競合関係、業種の転換、統廃合など、広い立場から行政が指導する必要がある。窯業労働者としては、景気の動向で生活が左右されることのないよう切望している旨述べられました。  地方財政につきましては、まず愛知県副知事、篠原公述人から、愛知県も国と同様、景気浮揚の観点から五十三年度予算を編成し、特に公共事業費は前年比三〇%以上の予算を計上するなど配慮している。公共事業の執行については、五十二年度はすでに上半期で全国水準の七三%の契約を完了し、その後も順調に進捗しているが、さらに本年一月、部内に公共事業推進会議を発足させ、労働力や資材の安定的確保など、執行体制の強化に努めている。特に各自治体の技術者不足に対処するため、県より職員を派遣するなどの措置もあわせ講じている。公共事業が増加しても、若干、建設業の技能工不足の声が聞かれるほかは、一般の労働力、資材については当面困難はない。公共事業を切れ目なく推進するため、地方交付税の繰り上げ交付や、補助金の早期交付と概算払いの採用、地方債の早期許可及びこれらに伴う交付事務の簡素化などを実施されたい旨述べられました。  次に、名古屋市助役浅井公述人から、名古屋市も、五十三年度は国の方針に沿って公共事業の拡大に努める一方、中小企業金融対策の強化を初め、福祉、教育等の施策にも意を用いている。公共事業費は、前年比三〇%以上増額し、なお追加が必要の場合、国が財源措置を講ずる限り、原則として受け入れる態勢であり、事業消化能力にも問題はない。しかし公共事業優先で、補助事業は予算化しやすいが、反面、市独自の単独事業が圧迫されるおそれがある。景気浮揚を目的とする公共事業の上積み分にかかる地方負担分について、現年度及び将来にわたって、国の責任で、全面的に補てん措置を講じてほしい旨述べられました。  また、繊維につきましては、まず東亜紡織株式会社専務取締役堀口公述人から、現在、毛糸は四十五、六年に比べ、需要は六割近くに落ち込み、一キログラム当たり六百円程度の赤字となっている。企業は固定資産を売却するなどで当座をしのいでいるが、この状態が数年続くと、大型倒産が続出するおそれがある。業界では、不況カルテルを実施しているが、市況が回復しないので、紡機の封緘率を高めるとともに、設備の廃棄を進めているが、なお過剰と思われる。しかし市況が回復しない最大の原因は、実需がなくても、基準となる毛糸を生産すれば、いっでも換金できる商品取引所が存在していることである。このため、不要な毛糸の増産が行われ、市況回復の足かせとなっている旨述べられました。  次に、天龍社綿スフ織物構造改善工業組合理事長百鬼公述人は、日本の繊維業界は、四十六年の対米規制後、輸出は困難な道を歩んでいるが、加えて四十八年の石油危機以降綿織物、繊維二次製品については、国内需要の三割までが輸入されて、繊維業界を圧迫している。業界では過剰織機の共同廃棄事業を計画し、五十二年度より、三カ年で全体の二割以上に当たる七万五千台の廃棄を進めるなど、構造改善と不況対策を進めている。しかしこれらの事業も、輸入品の歯どめなくしては、無意味なものとなるおそれがあるほか、廃業に伴う六千人の家内工業従事者に対する雇用保険の除外等の問題が残っている。国はこれらの点について速やかに対策を講ずるとともに、現在の綿業界の抱える既往制度融資のたな上げや、低関税の是正などに配慮願いたい旨述べられました。  繊維産業の雇用者の立場から、まず繊維労連茶建労働組合書記長渡辺公述人は、愛知県下の繊維産業は、市況の悪化を背景に倒産も増加し、繊維産業の労働者は合理化、失業の危機に追い込まれている。現在の繊維政策は、不況カルテルや、設備廃棄等を基本としたスクラップ政策であり、労働者に職場を保障する政策となっていない。このままでは日本の繊維産業全体も、縮小から崩壊へと向かわざるを得ないことを危惧している旨述べられました。  最後にゼンセン同盟都築紡績労働組合組合長倉田公述人は、愛知県下の繊維労働者は四年間で一万五千人以上も減少しているばかりか、最近一年間でも、事業所閉鎖やレイオフなど、明らかなものだけでも三十二事業所に及ぶなど厳しい雇用環境に置かれている。消費の減退と構造不況に加え、輸入が急増していることが大きな要因である。雇用確保のため、現在三割程度の輸入量を一五%程度に抑えるとともに、低い繊維の輸入関税をアメリカやEC並みに引き上げる必要がある。国内の繊維消費の拡大には、割り高な流通コストを軽減するため、流通機構の根本的な改革が望まれるが、当面景気浮揚にも資するため、直接繊維製品の購買をふやすための施策を講じてほしい旨述べられました。  以上で中部地方公聴会の報告を終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、北海道地方公聴会につきまして吉田忠三郎君にお願いを申し上げます。

吉田忠三郎日本社会党

○吉田忠三郎君 御指名により北海道地方公聴会につきまして、便宜私から報告申し上げます。  鍋島委員長を初め亀長委員、真鍋委員、目黒委員、相沢委員並びに私は、目下当委員会に付託されている昭和五十三年度総予算の審査に資するため、去る二月二十一日、札幌市石狩会館で開催されました北海道地方公聴会に派遣され、水産業、地方財政、冬期労働、畜産業の四項目について、学識経験者など八名から意見を聴取してまいりました。これに対し各委員より熱心な質疑がありましたが、以下公述順に従い、公述人の陳述概要を御報告申し上げます。  最初に水産業について、北海道指導漁業協同組合連合会長石崎喜太郎君、斜里町水産振興会会長藤谷豊君及び北海道水産物加工協同組合連合会専務理事工藤尚志君から意見を聴取いたしました。  まず石崎公述人は、昨年来の二百海里問題に伴う諸対策に対し、全道漁業者を代表して謝意を述べるとともに、真の意味での二百海里は今年から始まるとの考えのもとに緊急対策二点、恒久対策一点につき要望が述べられました。  緊急対策を要する第一点は、現在モスクワで開催中の日ソサケ・マス交渉についてであります。ソ連は、海上におけるサケ・マス操業の抑止を打ち出してきていますが、これは北海道漁民、さらには関連産業者を含め数十万人にとって一大ショックであるばかりでなく、遡河性魚類の母川国主権を認めるか認めないかの重大問題であり、政府、国会においても国家的課題として強力な外交的努力を重ねていただきたい。万が一再度減船という事態になっても、サケ・マス業界には共補償の能力は残っていない。この事情も御賢察願いたい。  その第二点は、外国漁船、特に韓国漁船の北海道沿岸海域における操業とこれに伴う被害問題で、道内底びき漁船の禁止海域あるいは操業禁止時期に韓国のトロール船団が堂々と操業し、沿岸漁業に多大の被害を与えている状況で、とても民間レベルでの解決はむずかしく政府間交渉を期待したい。基本的な解決策としては、韓国に対しても早急にわが国二百海里法の適用を考え、ソ連漁船と同様、水域規制を行うことが急務であると考えている。  最後に、恒久的対策を要する基本問題としては、わが国水産業を国の食糧産業として位置づけた漁業基本法の制定、これに基づく関係法令等諸制度の見直し、体系化を早急に図るとともに、わが国漁業の抜本的再編成を実施し、あわせて水産専任大臣を設置すること等の必要性が述べられました。  次いで藤谷公述人は、沿岸漁民の立場から、沿岸漁業振興の一環としてのサケ・マス増殖事業の重要性を指摘し、現行北海道におけるサケ・マス人工増殖事業における国、道並びに民間機関の二元的運営の実態を述べ、今後の対策として、親魚捕獲から採卵、ふ化、放流に至るまでの一貫的事業を民間機関に移す必要性を強調し、その事業費の分担についても、沿岸定置網漁業者はもちろんのこと、母船式、独航中型、小型漁船業者に負担せしめるとともに大幅な国庫補助も必要である。また、河川遡上親魚の増産を期待することは今後むずかしくなるので、海産親魚による養殖採卵を行う方針を樹立することとするほか、現行のサケ・マスふ化事業の改編、サケ・マス漁業の民主化の必要性について陳述されました。  次に、工藤公述人は、水産加工業の立場から、昨年ソ連の二百海里設定に伴い数百の工場が操短休業に追い込まれるに至ったが、国による一連の緊急救済対策等により破局的事態は回避された旨述べるとともに、さきの日ソ漁業交渉においてスケソウダラの漁獲がわずか昭和五十一年度実績の約三分の一に当たる三十四万五千トンに規制されたほか、カニ、サケ・マスについても大幅な削減が予想されるところから、厳しい局面はまさに本年からであると受けとめている。現にスケソウ関係企業は二十五、カニ関係については三十六余の工場が施設廃棄を表明しているありさまで、ぜひとも次の三点の施策、すなわち、第一には低利運転資金の融資第二には原料ないし製品の転換促進事業に対する助成強化、第三には共同廃棄事業に対する助成措置の継続実施について特段の配慮を願いたい旨の陳述がございました。  次に、地方財政については、特に公共事業執行状況を中心として北海道副知事樫原泰明君及び夕張市長吉田久君から意見を聴取いたしました。  樫原公述人は、まず道予算の編成方針に触れ、景気浮揚、雇用拡大という国の大方針に呼応して、道においても公共事業を初めとする建設事業の積極的展開を図る一方、一般行政経費の抑制に努め、一般会計一兆一千四百六十億円、前年度当初比一九・五%増の予算を組んだが、このうち公共事業費は、補助事業費約三千百三十二億円、直轄事業負担金約二百六十三億円の合計三千三百九十五億円余、前年度当初比三五・四%増となっている。この執行に当たっては、知事を本部長とする北海道公共事業等推進本部を設置し、早期発注と冬期工事の確保、中小企業の受注機会の拡大と道産資材の積極的使用、季節労働者の雇用の拡大等に積極的に取り組むとともに、道内十四の支庁ごとに地方本部を置き、道の機構を挙げて推進することとしている。  以上、道としての施行体制を述べるとともに、国に対しては、地方財源の充実強化、地価対策、用地取得対策等について積極的な配慮を求めると同時に、国庫補助金示達事務手続等の簡素化、合理化、前払い、概算払い制度の活用、起債許可事務の迅速化等の要望が述べられました。  次に、吉田公述人は、地方自治体が行財政ともに確立されてこそ初めて国政が充実されるとの立場から、地方行財政改革のための特別な恒常的な審議会の設置を提唱するとともに、現行地方財政計画の作成時期が国の予算決定後に作成されるのは適当ではない、国の予算確定前に作成し、理論的根拠をもって予算折衝に当たれるよう改革してほしい。さらに五十年度以降本日に至るまで三、四年間の地方財政対策は全く一時的、臨時約、応急的びぼう策で、これでは地方財政は翌年度の展望もできず、手探りの対策に終始し、のみならず将来は起債の償還に押しつぶされる危険がある。そこでぜひとも五十三年度においては地方交付税率を四〇%以上に引き上げるとともに、義務教育債についてはたな上げにして国の財政で償還するよう御配慮願いたい、また年来の宿願たる超過負担につきましても完全解消を図っていただきたい旨の要望がございました。  次いで冬期労働については、北海道季節労働者組合協議会会長越前谷忠君から意見を聴取いたしました。同公述人は、北海道には現在約三十万人にも及ぶ季節労働者がおり、家族を含めると約百万人、そのほとんどが専業労働で、しかも約七二%が建設土木事業に就業している。積雪寒冷地としての本道においては民需は皆無に等しく、官需にしても特定のものしか望めず、最近の有効求人倍率は〇・〇九と最低を示し、本年より実施された積雪寒冷地冬期雇用促進給付金制度も仕事がないことにより有効な対策とはなっていない。かかる実情から本制度の改善を図るほか、雇用保険一時金の五十日分支給につき、再度これを九十日分支給に戻すか、またはそれにかわる何らかの措置をとっていただきたい旨の陳述がありました。  最後に畜産業についてホクレン農業協同組合連合会専務理事高橋節郎君及び北海道農民連盟副委員長松川牧夫君から意見を聴取いたしました。  まず、高橋公述人は当面の畜産対策に関する要請として第一に、水田利用再編成対策に伴う北海道における酪農、畜産の位置づけを明確にしてほしい。第二に、北海道における加工原料乳は五十二年度においては限度数量を十四万四千トン程度超過する見通しなので、その全量を補給金等の対象とするとともに、五十三年度の限度数量を大幅に拡大するほか、第三次酪農近代化計画に沿った年次別計画を明示するなど生産基盤の強化拡充を図っていただきたい。第三には、昨今問題となっているニュージーランド、米国、EC等からの輸入圧力に対しては、われわれは強い不安感を抱いているので、乳製品、牛肉等の輸入については国内生産を圧迫しないよう、輸入割り当てに当たってはあらかじめ生産者団体の意見を聴取するよう、さらに五十三年度上期の牛肉輸入は、国内肉牛生産回復の現状から、割り当て量は国内生産で不足するものに限定し、その受け渡しは国内市場価格が中心価格以上となるよう、また肉牛輸入は抑制するよう、輸入拡大につながる農畜産物の関税引き下げは行わないよう等々と輸入の抑制対策を強調するとともに、食糧自給ということを政治の原点に置いていただきたい旨の強い要請がありました。その他牛乳、乳製品、牛肉の需要拡大、流通合理化対策、畜産農家に対する金融対策等についても陳述が行われました。  松川公述人は、高橋公述人と同様、加工原料乳の限度数量の大幅増、これがための予算措置を要望するとともに、五十三年度農林予算編成方針において、国は農業総産出額の拡大を明示してほしい、また草地開発整備、自給飼料の生産向上を図って畜産酪農経営の基盤を確立していただきたい、加工原料乳保証価格並びに指定食肉の安定基準価格については生産費及び所得補償方式に基づく価格を算定し、もって農産物の価格安定と農業所得の確保を図っていただきたい、さらには、中下層畜産酪農経営の脱落を防止するため、経営維持資金の融通措置を講じていただきたい等、畜産農家の実情を踏まえての要望が述べられました。  以上、北海道地方公聴会の報告を終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) ありがとうございました。  最後に、中国地方公聴会につきまして中村太郎君に報告をお願いいたします。  農林大臣は御退席いただいて結構でございます。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○中村太郎君 中国地方公聴会につきまして御報告申し上げます。  中国地方公聴会は、成相委員、林委員、野田委員、藤田委員、矢追委員、安武委員及び私中村太郎の七名で構成され、二月二十一日広島市において開催してまいりました。中国地方公聴会の公述項目は、自動車産業、造船業、地方財政の三項目でありまして、それぞれの業界労使並びに地方公共団体の代表から意見を聴取し、これに対し派遣委員から熱心なる質疑がありました。  以下、公述の要旨につきまして簡単に御報告申し上げます。  まず初めに、自動車産業につきまして御報告申し上げます。自動車産業では、山崎東洋工業社長と高下東洋工業労働組合長から意見を聴取いたしました。  まず、山崎公述人は、自動車産業はオイルショック以来内外の需要低迷という厳しい環境に置かれ、経営悪化を余儀なくされた。広島県における自動車産業は、従業員数、生産高ともに一五%の高い比率を占めており、地域経済への影響大なるを自覚し、鋭意経営の改善、雇用の安定に努力した結果、業況の回復にも一応のめどがついた。本年は八十六万台の販売計画を立て、国内販売の拡大を最重点にするとともに、輸出は前年並みに抑え、節度ある輸出に努め、経営と雇用の安定を図りつつ景気浮揚に貢献したい。国においても七%経済成長の達成、輸入促進、為替相場の安定化、自動車関係諸税の軽減などの諸施策を推進されたいとの意見が述べられ、次に高下公述人から、四十九年度以降の急激な減産で余剰人員が急増し、三万七千名の従業員が二万八千名に減少した。こうした従業員削減の四年間の過程の中で、労働組合は、他県から広島への移住定着者にいまさら帰省せよとは言えぬ。経営の失敗を労働者の犠牲で乗り切るやり方は困る。人と社会に奉仕する東洋工業の首切りは社会的に害悪である。との考え方に立って、耐え得る限度の協力と対応を考え、販売店への出向、転用、賃金一時金の業界最低水準の持続など三万組合員と相談の上苦渋をなめつつ合理化に対処してきた。今後とも首切りできない雇用慣行を大切に守っていくが、国は、自動車が生活必需品化している今日、購売力をふやすために、高率な自動車関係諸税の負担軽減を図り、さらに七%成長達成による不況感の除去に当たってほしいとの意見が述べられました。  次に、造船業につきましては、吉田瀬戸内造船会長、石脇石川島播磨重工労働組合呉支部長及び木川日立造船労働組合因島支部書記長から意見を聴取いたしました。  吉田公述人は、中小造船の経営者の立場から、高度成長に乗って急速な発展を遂げてきた造船業界は、オイルショック不況と円高で決定的な打撃をこうむり、このままでは夏前後には中小を中心に倒産のどしゃ降りがくることは不可避の状況にある。中小造船の三五%を占める中国地方では、従業員を初め地域社会の不安が日増しに大きくなっている。造船は受注生産と着工に対する許認可を必当とするなど見込み生産ができず、中小では仕事があるなしのいずれかに陥ってしまうほか、職種転換も大手のように容易にできない。現状では操業短縮勧告水準に仕事を維持することもむずかしく、円高等により船価が船主の言い値になっているような状況では、企業体質、雇用責任の限界が迫ってきているのが実態である。かかる非常事態に備え労使一体となって努力するが、国においては工事量の確保、業界秩序の回復、雇用対策及び金融措置等強力な施策によって造船を壊滅のふちから救い出してほしいとの意見が述べられました。次に、石脇公述人から、造船業の受注量は四十八年ピーク時の五千万トンが五十三年度はキャンセルで四百万トンに急減し、操業度も本年五〇%、五十四年には三〇%に下がる。雇用は四十九年から五十二年までの間に三万六千名減少し、六千名が失職した。また倒産に至らないところも希望退職、雇用短縮、賃金切り下げ、社内福祉費の切り下げ等が課題となっており、このままでは倒産と失業者が急増する。いまや造船重機労働者は、雇用か賃上げかではなく、雇用か賃下げかが実態で、ある程度耐乏しても雇用を確保したいと考えている。目下組合は、みずからのために鋭意救援資金運動を進めているところであるとの意見が述べられ、さらに木川公述人から、因島地区の造船不況の実態について、中核の日立造船が本年総操業時間が百万時間ダウンする見通しであり、これは労働者五百人分の仕事が不足する勘定になる。しかも大都市と違い、地方都市では転職もむずかしく、労働組合としては乏しきを分かつという気持ちで対応しているが、中核会社が操業短縮に陥ると協力会社では倒産、離職に直結し、救済のしょうがなくなる。加えて下請中小企業振興法の適用を受けた因島の鉄工団地も造船不況の影響で年を追って受注が減少しているなど因島市における雇用保険受給者はすでに五十三年一月で四十九年平均の四倍に達しているとの意見がありました。石脇、木川両公述人から、仕事量の確保、造船不況に即応した雇用対策、公共事業の雇用を守っている企業への優先発注、中小造船従業者の解雇防止の義務化、キャンセル防止の制度化など、これまで基幹産業の役割りを担ってきた造船に対し、救済のための予算を配慮されたい旨の要望がありました。  最後に、地方財政につきましては、宮沢広島県知事、荒木広島市長並びに山田府中町長から意見を聴取いたしました。  宮沢公述人は、広島県は一九・三%増の不況対策中心の大型予算案を編成したが、最近の財政は歳入面で県税収入のシェアが四十九年度の四一%から二七・七%に落ち込んだのに対し、県債依存度が四・九%から九・四%に高まった。県債の急増は公債の質の低下、財政硬直化に直結する。税収の伸び悩みは法人税収の変動が大きいために生ずる。このため国は地方に対し、地方交付税法六条三の趣旨を没却せず、交付税率の抜本的改革の義務を果たすとともに、一般消費税導入の際には交付税算入の対象とすべきこと。地方税源の充実及び安定確保を図るほか、一外形標準課税の導入を図ること。超過負担の解消など国庫補助金の整理合理化を進めること。さらに地方債許可の一元化、政府資金割合の増加を図らせしめること等の要望があり、最後に、公共事業の消化について設計技術面での問題はあるが総力を挙げて消化を図る。また国は公共事業の消化のために国庫補助や設計協議等の簡略化を図るべきであるとの意見が述べられ、次いで荒木公述人から、広島市は政令指定都市を目指して整備を進めているが、都市化によるドーナツ化現象が著しく、交通渋滞、人口急増地域の小中学校や保育所などの新増設、合併した新市域のスプロール化などの問題を抱えている。公共事業については国の十五カ月予算に準じ補正を追加するとともに新年度二一・五%増の公共事業費を計上し、公共事業等推進本部を設け早期完全実施を図っているところである。目下広島市が最重要課題としているのは、都市計画街路の整備と大量輸送機関の整備であるが、いずれも巨額の経費を必要とするため、国庫補助の増額等特段の配慮をお願いしたい旨の意見がありました。最後に山田公述人から、府中町は東洋工業が所在するが、四十九年以来交付団体に転落し、人口増加による行政需要の急増に追われ財政は緊迫した状態にある。また、義務教育施設の整備は緊急の課題であるが、府中町は児童生徒急増指定から外されたり入ったりで財政圧迫が急激である。国におかれては、児童生徒急増非指定市町村について用地取得造成費の補助対象化、国の委任事務の手続の簡素化、地方税源の見直し等地方財政の強化などを図ってほしいとの意見が述べられました。  以上をもちまして中国地方公聴会の御報告を終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) ありがとうございました。  以上で、派遣委員の報告は終了いたしました。  明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十三分散会      ―――――・―――――

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