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第84回国会参議院1977/12/21

予算委員会 第1号

発言数
206 件
登壇者
27 名
会派数
9
開催日
1977/12/21

会議録

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても予算の執行状況に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  理事会において協議決定いたしました事項について御報告いたします。  質疑日は本二十一日とすること、案件は主として当面の日本経済に関する件とすること、委員会の運営につきましては、まず牛場国務大臣から先般のアメリカ及び欧州共同体における経済協議の結果についての報告を聴取し、その後質疑を行うこと、質疑時間は総計二百二十分とし、各会派への割り当ては、日本社会党九十分、公明党五十分、日本共産党三十分、民社党二十分、第二院クラブ、新自由クラブ及び無所属クラブそれぞれ各十分とし、これらはすべて往復時間とすること、質疑順位及び質疑者はお手元の質疑通告表のとおりとすること。以上でございます。  右、理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、この際、委員長から特に申し上げますが、本日は予算編成期のごく限られた時間で質疑を行うことで各党の意見が一致いたしておりますので、議事進行につきましては、委員各位の特段の御協力をお願い申し上げます。     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人の人選及び出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) それでは、まず牛場国務大臣から報告を聴取いたします。牛場国務大臣。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 私は、去る十二月の十二日から四日間にわたりまして、アメリカのワシントンに参りまして、去る九月以来行われておりました経済問題に関する一連の日米間の協議の一環といたしまして、日米両国間に存在する各種の経済問題、日米両国が世界経済に対して果たし得る役割りなどにつきまして、米国側政府の首脳、議会要人、産業界代表などと話し合いを行ってまいりました。アメリカ側との会談は延べ十五回行いまして、最後にカーター大統領にも表敬をしてまいった次第でございます。  また、十二月十六日には、アメリカからヨーロッパに回りまして、ブラッセルにおきまして欧州共同体の首脳部と意見の交換をいたしてまいりました。  アメリカとの会談におきましては、私より、わが国の困難な実情につきましてよく説明をいたしました。また、去る六日に改定いたされました対外経済対策につきまして十分な説明を行い、これまでの一連の協議をできるだけ早く一段落させるべきである旨を主張いたしました。アメリカ側も、協議を早く収束しなければならぬということにつきましては共通の認識を持っておる次第でございますが、しかし、わが方が今回通報いたしました一連の措置の効果につきましては、先方の期待との間に相当隔たりがあるということを申した次第でございます。  アメリカ側は、特に現在輸入制限にかかっております一定の産物につきましての自由化ないし枠の拡大、それから東京ラウンド、つまり関税引き下げのガットの交渉でございますが、このラウンドにおきまして日本が思い切った関税の引き下げをすること、それから政府調達の開放化につきまして具体的な措置をとってもらいたいということにつきまして、そのようなことにつきまして大きな関心を持っておる次第でございます。  ただ、アメリカに滞在しておりました最後の日に、政府におきまして明年度の経済成長の目標を七%とするということが決定されました。これは早速私から交渉の相手方でありますストラウス大使、また同氏を通じまして大統領に早速この旨を伝えまして、先方も非常にこれを多とした次第でございます。そしてこれが日本の経常収支の黒字の削減に非常に役立つであろうという期待を表明しておった次第でございます。  現在、アメリカにおきましては、意思決定のプロセスが非常に多角化いたしておりまして、特に議会の行政府に対する立場が強化されております結果、日米協議と申しましても、協議の相手方が非常に多数になっておるということが認められました。これが対米折衝上における困難を増しておることは否定できないと思うのでございます。その中にありまして、私の当の相手でございます通商特別代表ストラウスス大使という人が非常に強い影響力を持っておる。これは行政府に対しても、また議会に対しても強い影響力を持っておりまして、わが方といたしましては、この人との間の話し合いによりまして、できるだけ早くこの局面を収拾いたしたいと考えておる次第なんでございます。  アメリカにおきます対日空気は、私が想像いたしておりましたよりは厳しいものがあるということは、これは御報告申し上げざるを得ないと思うのでございます。これをほうっておきますと、現在経済問題として取り扱われております問題が他の分野にも波及してまいるというおそれもございますので、それだけに早い収拾が必要でありますし、また、それが非常に日米関係の将来の全般にわたって影響を持つということは認識してまいらなきゃならないということを痛感した次第でございます。  私どもといたしましては、もちろんわが国の国内事情にかんがみまして、先方の要求を全部のむというようなことはとてもできない、また、経常収支の黒字の削減ということは相当時間もかかるということを申したわけでございますが、今回の訪米におきましては合意に至らなかったということははなはだ遺憾でございまして、この点、私といたしましても責任を痛感しておる次第でございます。いずれにいたしましても、この日米の関係を早く修復いたしまして、これによって世界的に広がりつつある保護貿易の主潮にストップをかけるということが非常に必要である。この点につきましては日米間にも基本的な意見の一致があると思いますので、その線に沿いまして、今後、一層努力をいたしてまいりたいと思っておる次第でございます。  ヨーロッパ共同体との話し合いはわずか半日でございましたけれども、先方は、日本側がアメリカとだけ話をしてヨーロッパを後回しにしておるということにつきまして相当強い懸念を持っておりました。その懸念を解くように努めてまいりました。欧州共同体の委員会の委員長ジェンキンズ氏が十月にわが方に参っておることもございまして、先方も日本の立場につきまして相当理解を深めてきておる点が認められたことははなはだ喜ばしいと思うのでございます。  具体的な措置につきましては、もちろんいろいろ先方にも注文がございました。ただ、保護貿易思想を抑えて自由世界の経済を守り立てていこうという点については、欧州共同体も非常に強い考え方を持っているんだから、今後とも日本と一層協力してまいりたいということで、今回の会談は結んでまいった次第でございます。  以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 報告は終わりました。     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) これより順次質疑を行います。山崎昇君。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま、牛場大臣からきわめて短い時間でありましたが、アメリカ並びにECとの話し合いの経過について御報告がありました。しかし、これを聞いておりましても、ほとんど中身がございませんで、単に理解を求めた程度の今度の訪米なり訪欧であったんではないかと思います。  そこで、私も、きょうそう時間がございませんから、二、三の点だけお聞きをしておきたいと思うのです。  今日までの状況をずっと見ておりますというと、私なりに理解をして、いまも報告がありましたが、アメリカが強く日本に要望しているのは、大体、四点にまとまるんではないだろうか。  第一点は、いまお話がありました関税の引き下げという点が第一であろうと思う。それから第二点は、残存輸入制限品目の自由化ということ。言うならば、関税の引き下げを中心にいたしまして、それらの問題が大変大きくなってきているんじゃないか。第三点は、非関税障壁の撤廃の問題。これはいま大臣からは政府の調達をふやせというような趣旨で御報告がございましたが、これが第三番目ぐらいであろうと思っています。第四点が、一番これから議論になるであろう成長率とも関連して、内需の拡大の問題になるんじゃないだろうか。  こう私は思うのですが、ほとんど内容らしいものがいま説明がございませんで、単にすらっと、行ってきたという程度でありましたが、できれば、この内容についてもう少し詳しく聞きたいということが第一点。  それから第二点は、お話をされたんですが、一体、アメリカは、先般の予算委員会でも議論になりましたように、アメリカの赤字を解消するのにどういう努力をしているのか、あるいはアメリカの輸出の増大等についてアメリカ自身がどういう努力をしているというのか、そういう点についてあなたがどういうお話し合いをなされたか、もしわかればひとつその点についてまずお聞きしておきたい、これが第二です。  それから第三点は、いま申し上げましたように、七%という成長率はこれからの問題でありますが、これは日本として約束をしてきたことなのか、単にそういう政策をとるという説明だけに終わって帰られたのか、その三点についてお聞きをしておきます。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) アメリカの要求の要点は、いま先生からお示しになったところであると思います。そのおのおのにつきまして、わが方といたしましてはできるだけの処置をとりまして、今回、アメリカに対して提案もいたしましたし、また説明もいたしてまいったということでございまして、決して単なる話し合いに行ったというわけじゃないんでございます。  関税につきましては、御承知のとおり、これは先般も発表いたしましたが、相当多数の品目につきましていわゆる前倒しの引き下げを行うということを申しました。これはわが方の決定的な通知として向こう側に通報してございます。  それから、残存輸入制限につきましては、これにつきましても、わが方としては一定の提案をいたしました。それで、これはすでにもう発表されておるところでございますが、先方はこれにつきましては満足しておらないわけですけれども、提案をいたしております。  非関税障壁につきましては、これはいろいろございまして、これはたしか十二月五日でございますか、決定になりましたいわゆる八項目の中に全部盛られておりまして、これも決定的なわが方の提案として申し入れたわけでございます。  それから、成長率の問題は、これはもう初めからわが方ははっきりしておるんですけれども、外国と交渉して決める問題ではない、日本が直接自主的に決める問題であるということでございまして、その趣旨におきまして政府において決定をいたしました次第でございまして、これをアメリカ側は非常に多としたというのが実情でございまして、もちろんこれがわが方の経常収支の黒字の削減につながるという意味におきまして、アメリカだけではございません、世界的にも注目されておるところでありまして、日本がこれだけのあらゆる困難を冒して高度成長を目指す、七%の目標を立てたということがアメリカにおいても大いに多とされておるというのが実情なんでございます。  それから、御質問の第二でございますが、アメリカの赤字はいま相当程度石油の輸入の増大によって醸されておることは、これは申すまでもないことでありまして、アメリカといたしましては、石油の輸入を何とかして、とにかくふえることをとめるだけじゃなく、減らしたいという努力をしておることは、今回、参りまして、先方もいろいろ私どもに説明をいたしたところでございます。今年が非常にふえまして、昨年に比べて三割方ふえたのでございますが、内容といたしましては、若干はいわゆる備蓄をやっておることも認められます。しかし、現在アメリカの国内のエネルギー生産が停滞しておりますために、アメリカのエネルギー需要の増大はすべて輸入石油によって賄うということになりますと、昨年はたしかエネルギーの総需要が四%ほどふえておりますから、石油の輸入が結局二割近くふえるということに計算上なるわけでございまして、そういうことが続いちゃ困るということを私の方からも強く申しまして、来年は、ことしよりは石油輸入がふえないように措置したいということを先方は申しているわけでございます。  ただ、先方のいまのエネルギー法案というものが議会にひっかかっておりまして、なかなか通らないわけでございます。これが通らないと具体的な措置がなかなかとりにくいということで、いまカーター政権の一番の政策目標として努力をしておる、議会との関係でなかなか思うようにいかないわけでございますけれども、努力をしておるということでございます。  また、アメリカの輸出努力ということにつきましては、これは私どもも今度も強く言ってまいりまして、先方でもって努力してくれなきゃなかなか輸出がふえないんだと、輸出入というのは結局取引でございますから、パーティが二つなきゃ成り立たないわけで、これがうまくいくかいかないかは、少なくとも半分は輸出業者の方の責任なんだから、その点は考えてくれなきゃ困るということを申しまして、先方もこの点は徐々に自覚して努力しておる。それについて日本の輸入体制というものがもう少し自由化されることを期待する、こういうのが先方の態度でございます。  それから、七%成長につきまして、先方に約束したとかそういうことは全然ございません。これは先ほど申しましたように、日本が独自に日本政府の政策として決めるべきことでございまして、交渉の対象にはなっておらない。これは先方もよく自覚しておりまして、七%成長について議論する場合にも、これは決して日米の交渉の対象でないということはよく知っているがという前提で話をしてまいったということでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私がいま七%問題で約束かどうかということをお尋ねしたのは、実は、福田さんが総理になりまして、ロンドン会議で六・七%というものを説明したというので約束して帰ってまいりました。現実はそうなりませんでした。そういうことから端を発して一層国際的な不興といいますか不信というものを買っていることはもう御存じのとおりであります。  そうして、あなたが七%という説明をされて、これはもちろん日本自体で決めることですが、すでに日本の国内では、きょう夕方決まるんだそうでありますから、また大蔵も経企もおりませんから、内容は私は申し上げませんが、一部新聞の報道するところによりますというと、すでに民間のそれぞれの研究機関等では、もはやこの七%はもう不可能である、言うならば四%かよくて五%前後である、それも所得減税をやったり、かなりな内需の拡大を考えてもそれしかできない。こういうのが一致した報道になっているようでありますが、私が読んだ限りでは、経済に関する学者の意見もほぼそういう方向にあるんじゃないだろうか。  そうしますと、あなたがアメリカへ行ってやっておられることと国内の情勢というのは相当なずれがあるのではないか。再び日本はその成長率の問題から追い込められてくるという状況になるんじゃないだろうか、こう思うものですから、これは今後の予算委員会でも最大の論点になると私は思うのでいま触れたんですが、あなたは約束でない、単なる説明だと言うけれども、説明したからには向こうに約束ととられるおそれは私はあるんじゃないかと思うので、そういう意味で、もう一度、この七%の件についてあなたの見解を聞いておきたい。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 成長率の問題といいますのは、これは私はちょっと専門外でございますので、そのこと自体についてお答えする立場にはないのでございますが、これが対外約束であるかどうかということになりますれば、私はこれはやはり約束でないと申し上げて差し支えないと思うのでございます。  ただ、もちろん、このお話は対米関係のみならず世界的にも伝わっておりますし、今後OECDなどにおきましても日本のこの経済計画というものが非常に注目されておりますから、そこで日本政府の見解として述べるわけでございまして、それがうまくいかないということ、もしそれに狂いが出てくるということになりますれば、おのずからそこでいろいろ議論も出てまいるでありましょうし、また、国際的あるいは日米間などにおきまして、日本経済の今後たどる道筋というものをみんなが注目して、いろいろ注文も出してくるということはあると思うんです。そういう程度におきましては、日本としてもちろん当然これを重要視しなければならない次第でございますけれども、国際的な約束ということではないということは申し上げられると思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 通産大臣に二、三お聞きをしたいんですが、いま牛場大臣の報告がありましたように、関税の引き下げについては、これは私の把握に間違いがなければ、五千二百三十一品目のうち三百十八品目ほど今回前倒しで下げた。平均で二三%程度とこう言われているんですが、東京ラウンドでさらにこれを引き下げるという考え方があるのかどうか。なぜかと言えば、かなり関税の引き下げについてはアメリカも実は理解を示したと言われますが、反面、かなりな不満も示しているとも言われております。したがって関税の引き下げについて、今後、通産省としてはどういうふうにとられるのか、まず第一点。  それから第二点は、日本の国内におきましても、こういう一つの批判があります。それは日本は国外の国際会議に行くと保護貿易は反対である、自由貿易だということについてずいぶん強調する。だが、日本の国内で言えば、自由貿易の原理を適用していると言いながら、実態は輸入について管理して利益を上げている。言うならば、実質的な保護貿易と同様の措置をとっているではないか。こういう批判が日本国内にも多少あると私ども聞いております。したがいまして自由貿易というものと保護貿易というものについて本当に通産としてはどういうふうにお考えになっていくのか、第二として聞いておきたい。  それから第三は、円高の問題がいま少し落ちついているようでありますが、かなりまた乱高下の状況にあります。そこで、これがこのまま続いてまいりますというと、先般の予算委員会でもかなり議論がありましたが、実は、産業の再編成ということが促進をされてくるんではないか。物すごい勢いでやらなければついていけないような状況になるんじゃないか。片や円高によっても生き延びていくという企業と猛烈につぶされていくという企業と色分けされてくる度合いというものが激しくなってくるのではないか。そういう意味では産業の再編成というのが大変急がれてくるのではないか。そういう意味で、産業の再編成というものについて、一体、通産大臣はどういうお考えを持つのか、これを第三としてお聞きをしておきたい。  それから第四は、関税障壁と関連をいたしまして、仮に関税を下げたとしても、流通機構という問題が大変また議論になってくる。従来から、政府機関であります物価問題懇談会でありますとか、あるいはその他の審議会でありますとかをまぜまして、私の記憶では、今日まで流通機構改善について約三十回ぐらいの提言がされていると思っております。これは主として国内の物価に関連しての提言でありますが、その都度共通して言われることは流通機構改善ということになっている。しかし、今日まで、これが全然改善されない。そしていまや流通機構問題というのは国際問題にまで、言うならば、批判される対象になってきている。こう考えますときに、通産大臣として流通機構の改善というものについてどういうお考えをとられようとするのか、第四として聞きます。  それから第五は、先ほども相当程度の関税の引き下げがあったんでありますが、これがほとんどと言っていいぐらい物価にはね返らない、何にも物が安くなってまいりません。どこがどうもうけているのか。これは流通機構と関連いたしますが、一つも物価にはね返らないというところに私は問題があると思う。そこで、通産大臣としては、関税の引き下げと物価というものについてどういうお考えをとるのか、まず五点ほどお聞きをしておきたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず、東京ラウンドに臨む政府の態度でございますが、来年の一月十五日には日本としての最終の態度を決定する予定でございます。全部の品目についてどうするかという最終決定をするつもりでございますが、いまその準備をしておるところでございます。今回の関税引き下げは、東京ラウンド、一月十五日に臨む全体としての引き下げの一部の前倒しである、このように御理解賜りたいと思います。  それから、第二のお尋ねの、日本は非関税障壁等があって実際は保護貿易的な傾向をやっておるではないかというお尋ねでございますが、今回の日米交渉でも、この非関税障壁の問題が課題になっておりますが、先般決定いたしました八項目の中におきましても、非関税障壁に対する日本としての対応策、つまりそういうものはだんだんなくしていこう、こういうことを決めておるわけであります。  それから、円高に伴う産業界の再編成の問題でありますが、これは円高という問題もありますけれども、長い間の不況で日本にはいわゆる構造不況業種というものがございますし、中小企業も全体として非常に大きな打撃を受けております。それに今回の円高という追い打ちがあったわけでありますから、どうしても産業の再編成という方向に行かざるを得ないわけであります。それを助けるために、政府も、円高に伴う中小企業の緊急の救済対策を内容とする緊急立法をいまお願いすべく準備をしておるところでございますし、かつまた、構造不況業種対策は一体どうするのかということに対しましても対応策をいま検討中でございまして、これも何らかの立法措置が必要でなかろうか、かように考えております。そういう対策を通じまして産業構造の転換をある程度指導していきたいと考えております。  それからまた、流通機構について御指摘がございましたが、流通機構問題は日本経済の最大の課題でございまして、これまでも何回か指摘がされました。特に最近は、本年の七月でありましたけれども、産業構造審議会からこの問題に対して何らかの対応策を立てるべきである、こういう強い御指摘がございまして、通産省といたしましても、それを受けまして、五十三年度中には業種ごとに流通機構の改善の具体策をつくり上げたいと考えまして、目下、準備をしておるところでございます。  それから、さらにまた、最近の円高等に伴って当然物価が下がるはずだが一向に物価が下がらぬではないか、こういう御指摘でございますが、確かにこの問題はございます。これの一つの理由は、日本の輸入物資が八割までは原材料でありまして二割が製品である、こういう輸入構造にもありますが、しかし、なお、この面における政府の行政指導も私は十分でなかったと考えております。そこで、これからは、一体この円高による値下げのメリットが現実にどのように実現されつつあるのかという調査をもう少し頻繁にする必要があるのではないか。現在は、調査が半年ぐらいの間隔でしかなされていないように思うのであります。もう少し頻繁にやる必要があろうと思います。そうして流通機構の改善と相まちまして、なお私は値下げの余地は相当あるのではないか、こういう点につきまして今後も十分調査をし対処していきたいと考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 きょうは本当に時間がありませんので、内容的に詰めることができませんで大変私の方も恐縮に思っているのですが、いま通産大臣から、不況業種の問題と関連をしまして、産業の再編成等については別な立法を考えなければならぬというようなお話がありました。どういう構想なのか、まだそれはいかないのかもしれませんが、これは大変企業は心配をしておりますから、もう少し具体的にもし述べられるなら、方針を聞いておきたいと思うのが一点。  それから、関税の引き下げについては一月の十五日に最終決定すると、聞きようによっては東京ラウンドでさらに引き下げることもあり得るんだというふうにもとれますし、いま前倒し程度だ、こう言われておりますから、もっと下がるんではないかというふうに考えられますが、そういうふうに私ども確認しておいていいのかどうかというのを第二として重ねて聞いておきます。  それから、流通機構の改善については、五十三年度中に業種別にやりたいと、これは本当に今日まで物価の問題が議論されるたびにこの流通機構改善というのが叫ばれますが、一つもできなかった。どういう構想でどうなるのか、まあ通産の方でも検討中だと言いますから、きょうはこれ以上申し上げませんが、もう少し、できれば突っ込んだ説明があればと思います。  それから、私は、日本ではなかなか実務的に困難な点があると思うのですが、アメリカ等におきましては物の値段と税金というのを別々に表示してあります。だから仮に関税が下がったり、あるいはいま日本に多少物品税がありますが、そういうものが下がるというと、その物の値段が下がるということに直結してきます。ところが、日本の場合には、品物の値段の中に税金がどれぐらい入っているか買う方は全くわかりません。だから仮に物品税が下がったとしても、それが中間マージンになってしまって何にも物価に影響してこない。私は、きょう確認をしてくるのを忘れまして大変恐縮ですが、かつて大蔵委員会で議論したときに、日本の税法の中でも別々に表示することに規定されていると考えているんです。そういう意味で言うならば、何とかそういうことについても工夫をして、税金が下がったら物価はそれに伴って安くなるというふうなことをお考えできないものかどうか、この点、重ねてお聞きをしたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 東京ラウンドに臨む基本的な方針につきましては、これまでその交渉に当たっております日本の代表が、原則として四〇%の引き下げをやりたい、こういうことを先般も申し述べました。これは八年間にこれだけやると、こういうことであります。今回、日米交渉で日本側から示しました引き下げ案、また、牛場さんがECに行かれまして示されました引き下げ案、こういうものはその一部を前倒しいたしまして実行していく、こういう趣旨でございます。  それから、私が先ほど産業構造の転換問題について申し述べましたが、それは別に産業構造転換のための法律をつくるということではありませんで、構造不況業種再建のための緊急立法あるいは中小企業再建のための緊急立法、こういうものを用意しておりますので、それらの緊急立法を通じまして、ある程度の産業構造の転換が行われるであろう、こういう趣旨のことを申し上げたわけであります。  それからなお、物価問題につきましては、御指摘ごもっともでございますので、担当の官庁であります企画庁とも十分相談をいたします。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 最後に、農林大臣にひとつ三点ほどお聞きをしたいと思うのです。  今度、牛場大臣が行かれまして、いろいろ説明されたり、向こうと折衝もされた中で、日本の経常収支の黒字を取り崩す問題に関してだけで言えば、農産物の輸入拡大というのは大した金額にもならないし、私は、そうこの問題の解決策とは受け取れない面もあるのじゃないかと、こう考えるのです。しかし、向こうがどうしても農産物の輸入について固執をしてくるといいますか、強力に押してくるという背景は一体何なんだろうか。私は、一つには、カーター大統領の誕生をめぐる政治背景というものを日本が考えなければ、この問題は単に経常収支の黒字減らしという観点からだけではいかない問題を持っているのじゃないか、そういう意味では大変これは大きな課題になってくるのではないかと考えますが、それについての農林大臣の見解をまず一つ聞きます。  それから第二点は、この牛肉あるいはその他農産物等の輸入の問題と関連いたしまして、一体、国内の農業問題なり畜産関係とどういう点でこれが調整を図られるのか、そういう点について、今後、一体農林大臣としてはどういう見解をお持ちになっていくのか。  それから第三点に、私はこれはぜひ別な観点からお聞きをしたいと思うのですが、最近、三全総が閣議決定になりました。私は北海道出身でありますが、いま北海道の開発計画についても北海道開発庁で議論されております。総論だけ出ましたが、各論は出ませんので、私も審議会の委員でありますが、まだ具体的な討論をしておりませんが、どうもひとつ見ますと、地域分業論的になってまいりまして、北海道だけで言うならば、かつての食糧基地という規定が酪農基地にだんだん転換されていくというような状況になってくる。言うならば、国内の政策としてはそういう方向をとるのでありますけれども、片やこの畜産物を中心とする農産物の輸入拡大というものとの政策をどこでどう調整をして、この開発というものを進めていくのか。これは、私は、一生懸命国内で酪農家をいっぱいつくってやりますけれども、やがてそれがしぼんでいかなければならぬというような政策はとるべき筋合いのものではない。そういう意味で、農林大臣は、一体、今後これらの政策をどう調整をされるというのか。さらに、御案内のとおり、いま日本では米の生産調整の問題が大変大きな課題になっておりまして、農業政策というものと関連をしてどういう考え方をお持ちなのか、お聞きをしておきたいと思う。  それからなお、これは新聞でありますからよくわかりませんが、けさの読売新聞の報道によりますというと、牛場大臣の方は、輸入拡大を公式表明じたと、こう言う。農林大臣は、自由化は絶対だめだという発言だった。一体、どちらが本当なのか、どういう調整をされているのか、最後に牛場大臣の見解を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) まず第一番目に、アメリカの農産物輸入とドルの関係でございますが、御指摘のように、若干というよりは、仮に二十二品目全部自由化してみても五億ドルと言われるぐらいでございますし、言われているような自由化がされましても本当に少ないものでございますから、経常収支に与える影響というのは非常に少ない、改善についての影響は少ないということがまず言えます。  そのほかに、アメリカと日本との関係では、農産物については大変な輸入国でございまして、日本の貿易の輸入のうちの約半分は農産物、これは木材やトウモロコシや大豆や麦、言ってみればアメリカの大きなお客さんでございますから、農産物について私はアメリカから言われるゆえんはないのではないか。しかるに、アメリカでなぜそのように出てくるかというと、まあ二十二品目は多いではないかという抽象的なことに対する反発が一つあろうかと存じます。この二十二品目は、確かに多いといえば多いのでありますけれども、ヨーロッパあるいはアメリカ等でも、やはり農産物は保護政策を講じなければなりませんので、そう違いのない非自由化品目を持っておりますから、特に日本は北から沖繩まで非常に地域が広いといいますか南北に長いものですから、基幹作物についてもあるいは地域農産物においても数が多いのもこれは理解をしてもらわなければいかぬところだと存じます。  こういうようなことで、言われるゆえんはないとは思っておりますが、やはりアメリカでも農村——牛肉とかあるいはオレンジ等の議員さん方が非常に多い。また、その背景には選挙民もついておる。これは日本でも間々あり得ることでございますので、そういった力が非常に政府を動かし、アメリカのいま世論ともなって日本に風当たりが強くなっておる、こう見ていいのではないかと存じます。  次に、牛肉の問題でございますが、牛肉についてもアメリカが非常に関心が強いことは事実でございますが、ただ、アメリカも実は輸入国でございます。最大の生産国であると同時に輸入国でもある。でありますから、この自由化ということになりますと、アメリカ自体にも問題があって、アメリカからは自由化については余り強く言ってきておりません。むしろ輸入枠の拡大、特に良質のホテルで使うようないいものを広げてもらいたい。これと国内農業との関係でございますが、私が考えておりますのは、ただ日本の牛肉も少し高過ぎる、これは一般大衆の手の届かないものである、これを何とか国際並みに大衆が台所で常時使えるようなものにしたい。それには牛肉の価格を下げることがまず第一である。価格を下げるに当たっては、一つは、生産コストを下げることの工夫がさらにできまいか、もう一つは、流通経費について流通過程を合理化することによって消費者価格を下げられないか、こういう工夫を思い切りやってみて、そうして大衆が牛肉をもっともっと消費できる、ごうすれば、後に触れます北海道等の酪農地帯の肉の生産も、安定的に、しかも見通しが立って希望を持ってできるであろう、かたがた輸入の枠の拡大にも貢献するであろう、こういう意味で牛肉に対処してまいりたい、こう思うわけでございます。  次に、北海道でございますが、北海道はいままで米が相当とれまして、ことしも——来年でございますが、三五%の生産調整で、まあ適地適作からいくならば、やはり北海道のようなところは酪農を中心にして、耐寒地帯といいますか、耐寒性も強いわけですからやっていきたいということには変わりありませんし、いま申し上げましたように、北海道を初めとする酪農地帯を犠牲にして外国の牛肉を入れようというようなことは考えておりませんので、生産性を上げてやはり国際競争にも勝てるような、そうして消費者からも喜ばれるような酪農振興を図っていきたい、こう思うわけでございます。  なお、農業政策に当たりまして根本的にいま大変な問題は、米が余ることによって農政が革命的な転換——過剰ぎみであります米、しかも神代以来つくっておりました米を全国で約一五%面積の上で減反をし、百七十万トンという莫大な量の生産調整をしなきゃならぬ。そしてその約四十万町歩にわたる転換した跡地は、自給率の低い農作物あるいは畜産物によってこれを穴埋めして総合食糧政策をやっていきたい。いままさに際どい転換期でございます。この転換期に自由化がまいりますと、農村は、一体、何ということだろうかと、せっかく転換しろと言われるのに自由化という冷や水をかけられてはと、こういう農村の声があるのは当然でございますので、自由化については慎重を期したい。しかし、二十二品目のうち、部分ではありますけれども、総合農政に支障のないものについては、部分ではありますけれども、十一ほどの自由化について協力をし、日本の姿勢を示してアメリカその他の国々の御理解を得たい、こういうことでございます。  なお、牛場大臣と私の考え方に違いがあるということでございますが、アメリカが農産物の輸入の拡大について非常な強い関心を持っておるということも事実でございます。その中には、枠の拡大のほかに、自由化によっての拡大も含まれておるようでございますが、先ほど来申し上げましたように、もう出せるだけの自由化はいたしたところでございまして、これ以上自由化をやれと言われましても、自由化をやれるようなものはどこからたたいてみてもないと、こう思っております。牛場大臣との間にも意見の違いはないはずだと思いますので、御了承願います。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) いま農林大臣の言われたとおりでございまして、私も日本の農政がいま非常な転換期に差しかかっておるということはよく承って参りまして、アメリカでもよく説明してまいりました。先方は、結局、ですから枠の拡大というところに重点を置いて要求を出してくるんじゃないかと考えておる次第であります。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 山崎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、小柳勇君の質疑を行います。小柳君。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 牛場大臣に一問だけ質問いたします。山崎君の質問の答弁を聞いて問題が相当ありますけれども、時間がありませんので一問だけ。  それは七%の成長が日本の政府から伝わってきて、これを大統領に伝えたとおっしゃいましたが、どういう経路で、だれが大臣に日本政府の七%成長を伝えたのか、それでどういう方法で大統領にお伝えになったのか、これだけ確かめておきたいんです。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) こちらで政府におきまして決定がありました直後に、外務省の方から私の方へ電話で通知がございまして、それをストラウス代表に伝えましたところが、ストラウス代表が、それではすぐ大統領に伝えるということで非常に早く向こうに伝わった次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その問題が、今後、この予算委員会で一番論争の焦点になると思います。問題はたくさんありますが、通告の問題がありますから、牛場大臣の問題は以上で打ち切ります。  先般来、欠陥住宅の問題が新聞報道されまして、昨日、建設省、住宅公団にも具体的に欠陥住宅の例を示しておきました。  私がなぜ取り上げたかという問題でありますが、これから、政府は、住宅建設を中心に公共事業の財政投資によって景気を刺激しようとしている。ところが、ここ三年来、同じような方法をもって景気刺激しようとしたけれども、それが失敗している。なお、今回、これに輪をかけて赤字国債を発行して住宅建設に力を入れるが、一体、それが消化可能であるか。設計の技術の問題あるいは設計者の問題あるいは施工者の問題あるいは労働者の問題などいろいろ考えて、政府が考えているようなそういう方向に住宅建設が進まないのではないか。  過去、四十六年ごろからここに資料がありますが、欠陥住宅、特にプレハブ住宅で非常に大きな欠陥が出ている。私のところに七十件の具体的な欠陥の指摘があります。ちゃんと資料をつけて持ってきてある。なお、政府や住宅公団が苦情処理を十分に聞かないので、みずから自発的に「プレハブ住宅をよくする会」という会をつくって、昨年だけで八十五件の苦情を受け付けしておられて、百七十七万円の積立金をもって苦情を解決しているという団体もあります。  したがって、まず、私は、通産大臣は最近まで自民党の政調会長でもございました。これからとろうとする政策で、住宅建設など公共事業を中心にする景気刺激策というものが完全に消化できるかどうか、通産大臣並びに建設大臣からお聞きをしたいと思います。時間の都合がありますから、なるべく要領よく簡単に御答弁願います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今度、政府がとろうとしております政策の一番の基本は、来年度七%成長を達成をいたしまして景気の回復を図っていこう、こういうことでありますが、それに関連をして公共事業や住宅建設等が中心になるはずだが、消化できるかどうかということであります。  私の担当しております範囲は、主としてその資材の部門であります。資材の部門に関しましては、十分調査をいたしておりますが、その点から消化ができないと、こういうことではありませんで、換言をいたしますと、現在の生産状況には相当大きな需給ギャップがございまして、生産余力は十分ありますので、資材の面からは十分それに対応できる所存でございます。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 小柳委員の大変御心配な趣でございますが、私の手元で統計を見ますると、公営住宅は四十六年、この辺がピークです。あるいは公庫住宅にしても四十七年ぐらいがピークで、当時の戸数から比較いたしますると、今回の予算要求の戸数は十分消化でき得るものと思うのであります。もとより景気刺激の大きな一つの中心施策でありまするから、これが実施の上に欠くることのないよう、設計能力、施工能力、用地問題等、これらについて万全の対策を講じてまいりたい、このように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 住宅公団の総裁、いいですね、同様の意図です。特に地域的な偏在が非常にあります。東京周辺なりあるいは大阪、京都周辺なり、いま大きなハイツができます。ところが、九州、北海道などは、もちろん地理的なものもありましょうけれども、地域的な偏在がある。特に技術者あるいは労働者の偏在もございましょう。そういうものでこれから住宅建設を中心にして政府が景気刺激をしようとしておるが、住宅公団総裁としては、こういう問題についてどういうような御見解でございますか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 政府の景気刺激政策は非常に大事なものと認識いたしておりまして、私ども、住宅公団といたしましても、公的な住宅供給の分野におきまして最善の努力をいたす覚悟でございます。需要にマッチした住宅を供給するために現在全力を挙げておるわけでございまして、設計能力あるいは施工能力、用地問題等いろいろございますけれども、十分これに対処してまいりたいと存じておる次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 建設大臣に質問です。  私は、ここに七カ所の団地の資料を持ってまいりました。これは七十カ所のうちの七カ所、川崎市の宮前平グリーンハイツ、京都市の向島市営団地、日本住宅公団では、びわ湖美空団地、京都府の日本住宅公団男山団地、東京都住宅供給公社の多摩ニュータウン落合団地、茅ケ崎グリーンハイツ、狭山グリーンハイツ、ここに資料がございます。  これはただ抽象論でなくて、具体的に欠陥を写真で撮って、しかも施工に関係する者の証言もとって調べてあります。これを持ってきております。きのう建設省に通告しておりますし、先日来から新聞紙にこういうふうな欠陥住宅の問題が出ております。現状を建設大臣並びに公団総裁はどう把握しておられるのか、認識しておられるか。苦情処理など、さっき申し上げましたように、団地に住居しておる皆さんがみずからの組織をつくって、あるいは消費者連盟などの皆さんがみずからの金を出し合って、それらの苦情を公団に交渉したり、あるいは供給公社に交渉したり、あるいは民間の会社に交渉しています。そういう実態について、建設大臣は、一体、どういうふうに把握、承知しておられるのか、まずそのことからお聞きしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 民間建築についての直接の監督、これは自治体が中心であろうと思うのであります。それで、その自治体がどのように建築を検査しているか、見ているかということが一つの問題点でございますが、今度の御指摘になっておる分の中で構造的な欠陥が一、二示されております。これにつきましては、実際上、どうであるかということのいまだ確認ができておらないようでありますが、しかし、その構造的な欠陥が仮に建設省所管の住宅公団の建てたものの中にあるということになってまいりますれば、これは大変な問題でございます。  それらの点について常に細心の注意を払う、あるいは検査官をしてそういうことのないように常にこの監督をするというようなことが常識的に考えられるわけでありまするが、幾つかの団地でいろいろ苦情がある、事故があるということも新聞で私拝見しておりまするが、これらのことは、住居者として当初二年なら二年の間当然そういうことを言える立場にありますね、法律上の当然の権利といいましょうか、それもあるんでありますから、いろいろそういう苦情を承ってそれを改めていくということは、これはもうやるべきことをやるということだと思うんです。それで、私ども、雨漏りがするとか、どうも取りつけが悪いとかいうようなことは、これはそれぞれ施工者なり何なりが十分注意をしてどんどんどんどん改めていく、これがもう当然の道筋である、こういうふうに見ております。  したがって二つに分けられると思うんですね、建築上非常に問題があること、そういうことについて一体どうするか、それから、いまのような住居をしておる者にいろいろ希望が出る、あるいは苦情が出る、それはもうそれで解決していく道がございますから、問題は、その前段の方のことであると思いまするが、構造欠陥のようなことで居住者に不安を与えるというようなことは、これはもう絶対にそういうことがあってはいけませんので、こういう点についてはわれわれのなし得る監督をしてまいりたい、このように考えております。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 大筋は、ただいま大臣から申し上げましたとおりと存じますが、私、今度の問題を新聞で見まして、大急ぎで現場その他の検査監督体制というようなものを勉強いたしました。非常に気を使ってやっておることを私は率直に認めるのでございますが、実際におきましては、いろいろ苦情が起こるわけでございます。それで、その都度、そういう苦情なり補修を要する問題等については具体的に対処いたしておりまして、直しておるわけでございますが、今度の問題になりましたような構造的なものになりますと、いま急遽調査中でございますが、すぐにはわかりません。しかし、そういうものがありましたら、これも急遽徹底的に直す、こういうつもりで、現在、鋭意それに対処いたしておるところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま建設大臣がおっしゃいました問題、現在たくさん苦情が出ているもの、それから再検査しなきゃならぬもの、それから、これからこういう欠陥住宅が出ないように対処しなきゃならぬ、三つの部面があるわけです。だから三つの部面について簡単に質問していきますよ。  一つは、いま苦情が出ています。私も七件だけはもう建設省に通告しておきましたね。これは再検査をして、それぞれ、たとえば公団住宅もあります、あるいは個人住宅もありますが、建設行政として、これらの欠陥住宅を個人の負担でなくて政府の施策として苦情を処理する決意がございますか。  第二点は、いま現在できている団地に対して再検討する機関なり委員会を設置して検討する決意がございますか。この二点を建設大臣から聞きたい。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 小柳委員十分御承知のことと思うんでありますが、民間のことにつきましては、これはそれぞれ工事を請け負った責任者があるんでありますから、問題があれば、当然、その請け負った者が処理をしていく、また公団のもので問題があれば公団が適切な処理をしていく、こういうことになりますので、いま御希望も入れてのことでございましょうが、政府が直接どうするということにつきましては、今度の問題の中ではそういうものは私はないんじゃないか。それぞれその責任の衝にあるものがあるんではないか、このように思うんであります。それから、今度の問題にかんがみまして、すでにいろいろ調査をさせております。具体的に検討させておりまするから、問題があるときに、そのときどき検討するということはやぶさかではありません。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 先ほど申し上げましたように、公団は、工事の事前の監督検査には非常に力を入れておりまして、万全を期しておるのでありますが、さらにお客さんの皆さんに対しましては、入居なり分譲を受けられる場合に、確認書というのをお出し願って、そこに入居者自身の観察によるいろんな御指摘を願うわけでございます。こういう二重のチェックをいたしまして万全を期しておる次第でございまして、これで欠陥を極力防げるものと思いますけれども、その上でなお欠陥が起こりますれば、これはもう当然業者に改善を命ずるわけでございます。ただ、一定期間過ぎて発見されたというような場合には、これは公団がやる場合もありますし、業者と相談して処理する場合もございます。そういう事前とそれから事後との体制に万全を期しておるような次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 建設大臣、きのう住宅局長が見えまして、新聞の部面を調査したけれども、全部補修してありますという答弁でした。新聞の回答でも、そう出ておりましたから。  具体的に申しておきます。これは宮前平グリーンハイツの十九棟に、基礎立ち上がり部分のコンクリートの中に木材が入っているという点。それから二十一棟、これも基礎工事立ち上がり階段側打設コンクリートの基礎しんがずれておるのを側面からモルタルで塗ってあるという点、きのうこれは質問通告にしておきませんでした。したがって、こういうようなものが不安がありますから、方々の苦情が専門家でないとわからない、また専門的に検査しないとわからない。せっかく住んでおりながら明るい生活ができないという面がありますから、全般的に建築行政として再検討する、何らかの方法で民間の建て家についても行政として指導する。たとえば供給公社などは自治体の責任でございますけれども、直接責任はないにいたしましても、主体は自治体でありますから、そういうものについて自治省と打ち合わせながら再検討するという点については約束していただけますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) 大枠の建設行政上からの監督の仕方はあると思うんですね。しかし、御指摘の末端における一つ一つの具体的な問題までそういう能力を持ち得るかどうかということについては、私はなかなか困難だと思うんです。で、構造上の問題などについて非常に不安がある、こういうようなことで自治体に対しての指導でもするというようなことは、これはこういうことはまずいぞ、こういうことは避けろよというようなことは考えられるかと思いまするが、要するに、いまの御質問については、私としては、大きな行政、大枠のところは考えられるが、   〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕 個々の具体的なところまでいき得るかどうかということについてはなかなかむずかしい、こういうふうにお答えをさしていただきます。  なお、直接その衝に当たっておる局長あるいは住宅公団の方から、お答えさしてもよろしいかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的なものは後で矢田部委員がやりますから、そのときにまとめて答弁してもらいましょう。  私は、最後に、今後の建設行政としての一番の問題点は、冒頭に申しましたように、たくさんの金を使って景気刺激——もちろんそれは景気刺激だけじゃありません、いまは住宅不足でありますから、住宅はうんとつくってもらわなきゃなりません。ただ、工期に迫られて手抜き工事をしたり、あるいはやるべきところを承知しながら違った建築をしてはならぬわけでしょう。と同時に、それには技術者も必要でありますし、熟練した労働者も必要であります。金をつくると同時に、そういう施工する態勢をつくっていかなきゃならぬと思うんです。建設省としては一番問題ではないか。ただ金だけつけるから三六%公共事業がふえましたよと、それだけでは公共事業はできないと思うんです。  いま、もう県庁の職員でも市役所の職員でも手を上げています。金は来ますけれども、設計しても施工できないと、予算年度を過ごしますとその責任になりますと言って、手を上げています。それを、ただ自民党あるいは内閣のこの刺激政策といいましょうか、さっきの七%の問題と関連しますけれども、そのために金さえやればできるのではありませんですから、こういう技術的なもの、あるいは検査体制——会計検査院長は後でお見えになるようでありますけれども、検査体制などが完備しなければ、私はもう本当に住宅政策というものは失敗だと思います。  したがって、まず政府が責任を持って過去のものについても検討する、チェックする、指導する。それから、もう住めないようなものについては、金を若干は政府が予算をつけてもいいではないですか。公団の方にももちろんそういう質問をいたしますけれども、同時に、将来は、欠陥住宅は最小限度に食いとめるように人的配置もしましょう、技術訓練もしましょう、そういう体制を政府はやらなきゃならぬと思うんですが、建設大臣、いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御指摘のいろいろな点や御意見は私ども十分考えていかなければならないところだと思います。金だけつければそれでいいんだということでなく、現実にこれが実行される、しかも、それが利用者にとって本当によかったということでなければ本来の政治のあり方ではございませんから、ただいまいろいろお話がございました建設省としてやるべきことにつきましては、私として、最善の努力を払ってまいりたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 公団総裁からひとつ決意を。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) ただいまの御趣旨まことにごもっともと存じます。公団といたしましても、欠陥住宅というような指摘を受けないように全力を尽くしてまいりたいと思いますし、と同時に、たとえば下請等に仕事を出す場合の監督等、末端まで行き届くような、これは建設次官通達というのが出ておりますけれども、そういう趣旨にのっとりまして、そういう体制の面についてもいろいろ工夫をし、努力をしてまいりたいと存じております。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 以上で小柳君の質疑は終了いたしました。     —————————————

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 次に、矢田部理君の質疑を行います。矢田部君。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 小柳委員から基本的な問題の指摘がありましたので、私はずばり各論的な質問をしたいと存じます。  最初に伺いたいのでありますが、住宅公団等の住宅建設に絡んで、全国的に資材不良、欠陥手抜き工事等が非常に目立ってきているわけであります。特にこれはかねてから居住されておる人々より非常な苦情が出てきた経過があるわけでありますが、それも部分的な補修で可能だというようなものはまだしも、構造的な欠陥、躯体そのものに本質的な問題があるということになりますれば、生活の安全そのものが大きく損なわれる危険すら生じかねない状況だと私は思います。そういう立場で問題点を幾つか指摘しておきたいと思います。  ここに京都の男山団地あるいはびわ湖美空団地等々について、建設をした、あるいは資材を供給した人たちの内部的な点検その他をした資料がございます。それによりますと、いま建設にはPC板が多く使われているわけでありますが、たとえばこういうデータがございます。これは男山団地の例でありますが、男山団地の三十号棟、ここに使われているPC板等の資材について全面的な追跡調査をしました。総点検をしたと言ってもいいと思いますが、八十八枚のPC板について点検をしたところ、実にその九五%に欠陥、不良があると、こういう指摘が内部でもうすでに明らかになっているわけであります。その具体的な内容については、時間の関係もありますので十分指摘し切れませんけれども、たとえば仕上げ時にもう不良であった。さらにはストック時に欠けが出た、あるいはピンホールがあると、大変な指摘が内部的にもなされているわけでありますが、まず公団総裁、こういう実情についてどの程度把握をしておられるか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) ただいま御指摘の点につきまして新聞報道等がございました。私の方といたしましても、いま鋭意事実を調査中でございますが、詳細については担当の江里口参考人から申し上げたいと思います。

江里口富久也日本住宅公団理事

○参考人(江里口富久也君) 御答弁いたします。  ただいま先生からの質問でございますが、先生からの御質問の内容は、内部で品質管理をよりよくしようということで、いろいろ追跡調査いたしました資料だと私はいま考えておりますが、こういうPC板というのは、工場で品質管理をして、そしていいものと悪いものと分けまして、つくったメーカーが検査をいたしまして、その検査の内容は、住宅公団の場合は住宅公団の設計仕様書によって、たとえばクラックが入ったどういうものはどういう補修をしなさい、どういうものは破棄しなければならないというようなことで仕様書にうたってございます。それから補修方法も指示しております。そういうようなことで工場で識別し、現場に運んで参ります。現場に運んで参りましたら公団の監督員が、これは構造上の問題でございますから、全数チェック、重点チェックをいたします。そうしてその中で悪いものはのけますし、また補修で使えるものは補修させて使っております。ですから、現在建設され管理をしておるものについては構造上危険のないものという判断でおります。以上でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 検査しチェックしているから大丈夫だと。それは部分的にはやるでしょうが、きのうも私が公団の方から承ったけれども、それは時折チェックするのであって、持ち込まれた、運び込まれた資材を全部チェックするなんということは物理的にも不可能なんだ。しかもそういう中で、チェックされたと言われている製品が持ち込まれる。持ち込まれた中で九〇%以上も何らかの不良がある。これはゆゆしきことだと思うのですよ。あなたのように、より品質をよくするためのチェックだなどといって構えて、ゆっくり構えておられるような状況じゃないんじゃありませんか。チェックそのものに、公団総裁、厳しさがないんじゃありませんか。このまとめの結論としても、この調査報告によれば、工場内での補修不完全品がそのまま出荷されていると、いいですか、その企業自身が認めているわけですよ。こういう事態があることを何ら知らずして、一応チェックしているから大丈夫ですと、安全ですという姿勢がまさに問われているんじゃありませんか。総裁、いかがですか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) ただいま担当の理事の江里口参考人からお話し申し上げましたように、このPC板につきまして現場で運び込まれたものを公団がチェックすると申しますのは、これはでき上がりのぐあいを見るわけでございます。そこで、先ほど申しましたように、そこで補修のできるものは補修して使う、そうでないものははねるということを厳重にやっておるという体制を申し上げたわけでございまして、工場の中でいろいろチェックするのは、その製造の過程において自主管理をいたしておるわけでございます。私どもそこを分けて申し上げたような次第でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 だから、その一般論をいま聞いているんじゃありません。そういうチェック体制をしいているにもかかわらず、現に後で追跡調査をしてみたらいまのような不良品が現に建築資材として使われてしまっている。そこで、そのチェック体制そのものに問題があるのではないか。  たとえば、もう一つのびわ湖美空団地、これも資材を納入した業者そのものの内部の報告書でありますが、「かけ及クラック報告書」と題するここに資料がございます。ここでも大変な数の欠けやクラックが問題にされているわけです。建設大臣、時間の都合があるようでありますから、こういうものがほとんどチェックされないまま、あるいはチェックしたと言っておるにもかかわらず、現実に建築資材として使われてしまっていると、こういうことがまさに問題になっているわけです。あなたは公団を監督する立場にあるわけです。一々個々の問題をなかなか監督し切れない部分もあるかもしれませんが、ただその九〇%ぐらいの資材に何らかの意味で問題になるということになれば、これはゆゆしき事態でありますから、具体的にどう処置すべきか今後の対策について見解を伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまおっしゃるように、私が住宅公団に対する監督の責任を持っておるのでありまするから、必要があれば命令を出すことも当然だと思います。  ただいまの御指摘の点について、いろいろ問題があって、そしてその使われたものがもし将来にわたって大きな問題をそこに醸しておるとか、不安感を与えておるとかということになれば、これはなかなか大変な問題だと私は率直に思います。ただ、私どもの住宅局長にちょっと御答弁さしていただきたいと思いますが、私どもの方の調査では、確かにいろいろ指摘をされておるが、その根本的な、私がいま心配しておるようなことになるかならぬかということにつきましては、多少私どもの見方がございますので、ちょっと局長に答弁させます。

救仁郷斉建設省住宅局長

○政府委員(救仁郷斉君) 私ども、昨日来、御指摘の七団地につきまして全部調査しております。  御指摘の公団の二団地につきましては、確かに部内の報告書がございます。ただし、この報告書のいわゆる欠陥というのは、構造上の問題ではないと私ども考えております。あそこに書いてございますピンホールあるいはヘアクラックというのは、構造上の問題でなくて、むしろ仕上がりの問題として、仕上がりの問題でございましても、これは公団の住宅でございますから、当然その補修を必要といたしますが、そういう補修を工場でやるべきだったのか、あるいは現場でやるべきだったのかという、どちらでやるべきだったのかというようなことの部内の調査報告でございまして、構造上の問題ではございませんと確信しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 住宅局長が確信されても結果が大変なことになれば、それでは済まされなくなるわけですね。とりわけいますぐに住むこと自体に問題が起こらないとしても、たとえば耐震性が一体どうなのか、ピンホールや欠けが、あるいはひずみが入っているようなPC板が、検査体制をしいているにもかかわらず持ち込まれている、内部的にもやっぱり問題にされていると、こういう事態なんだから、いま構造上は問題ありませんという説明だけでは済まされないわけでしょう。ピンホールが拡大をして、やがて何か災害があった場合に、それが大きな影響を持つという危険性をやっぱり私たちは厳重に警告しておきたいと思うわけです。  ところで、建設大臣は何か時間の都合がありますから、通産大臣に伺います。  このPC板等についてはJIS規格ということになっているわけです。通産省としても、そういう品質の安全性とか製品の質とかいうことに当然関心を持たなきゃならぬ立場にあるわけでありますが、こういう製品の製造工程あるいは製品の質そのものについてはどういう考え方、あるいは問題意識を持っておられるか、それをちょっと伺っておきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 住宅建設に使われております建材につきましては、そのほとんどに、いまお述べになりましたようなJISが制定されております。通産省におきましては、この基準を達成をするために、各工場ごとに工場審査等を行いまして指導をいたしております。  それから、JISが制定をされていない新しい建材につきましても、新建材認証制度があるわけでありますが、この制度によりまして品質のチェックを行っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それはわかりますが、現実にこういう問題が出てきた場合に、もう一回その製品について全面的にやっぱり点検してみると、あるいは問題があれば、JIS規格を外すというようなことも含めて検討の余地がありませんか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) そこで、こういう御指摘がございますので、これまでのやり方等につきましてもう一回再検討をいたします。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 公団総裁に伺いますが、評価が、あなた方と私どもは若干の違いがあるかもわかりませんが、しかし内部的にもやっぱり問題にされているような製品、構造には問題はないが、よりよく製品をするためだというお話をしておりますが、その姿勢が問題なんですね。そういうことのない製品だということで今日まで売られてきたわけでありますから、その点で、いままでの検査なり、公団としてのチェックする体制に問題なしとしないと思うのでありますが、全く気づいておられなかったわけでしょう、チェックしておったにもかかわらず。その辺について今後の対策をどう考えるか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) これだけいろいろと問題にされ、御指摘のある点でございます。私どもはいま一層厳重な検査なり監督の体制をとる、場合によっては、製造過程においても注意をしてもらうような姿勢を示すということによって、一層注意してまいりたいと存じております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで、いま資材不良について問題にしたわけでありますが、全国的にかなりの住宅、これは公団住宅だけではありませんが、問題が出ております。  その一つを取り上げてみたいと思いますが、東京日野市の高幡台団地であります。これは御承知のように、四十五年の七月に入居をしました。分譲住宅です。一年後にバルコニーに亀裂が生じた。とりわけその中で、一号棟、九号棟、十号棟、十一号棟等に非常にベランダそのものに問題があった。これを後で、たとえばベランダを全部壊して補修工事などをやった部分もあるようであります。ところが、この直後から天井、床等にきしみ、ゆがみができてきた。ふすまが倒れる、場合によっては動きがつかなくなる。階上の水がそのまま階下に流れる。どうにもならなくなってしまった。私もきのう現地へ行って見てきましたが、九号棟の全世帯を他の団地に移して総点検をせざるを得ないというような状態になってしまった。ここでもまだ公団の対応が非常に問題なんであります。全国的にも、ベランダが落ちるとか、大変な亀裂が出て危検だとかというやつがかねてから問題にされておった時期があります。総裁、こういう事態をどういうふうに考えますか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 高幡台団地につきましては、御指摘のような欠陥が生じまして、新聞にも大きく取り上げられた。四十七年ころであると思います。その後公団は、この問題に鋭意対応策をとって、苦心をして検討中で、住民の御満足のいくように計らいたいと努力をしておるところでございまして、詳しくは担当の理事から申し上げますけれども、こういうことのないように努力しなければならないということは、もう申すまでもないところと存じております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 通産大臣は結構です。  単なる亀裂が入った、ひび割れがあった、幾らか天井がゆがんだということではなくて、全居住者を他に移転してまで問題を明らかにしなければならぬほど事態は深刻な状況なんですね。こういうことがやっぱり起こり得る可能性を方々で持っているわけですよ。ベランダや天井の問題だけではなくて、その他の幾つかの問題があります。まだ原因の究明はできないのですか。どこに原因があったとお考えなんですか。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 江里口参考人からお答えを申し上げます。

江里口富久也日本住宅公団理事

○参考人(江里口富久也君) お答えいたします。  いまの御質問でございますが、こういう事態が起きたことは非常に残念に思っておりますし、反省しております。前にもたびたび新聞に出まして、原因等も出ておりましたけれども、弁解がましいことを言うようでございますが、非常に建設の大量になされたころでございまして、私どもの方でもその当時十分な監督体制、検査体制をしいたつもりでございましたが、たまたまこの高幡台団地のスラブ問題については、予想される原因はコンクリートのスラブを支えておりますサポートを盛りかえるという作業がございます。その盛りかえの時期及び盛りかえの仕方、それから、その上で作業は何日間していけないとか、そういういろんな規定がございますが、そういう点が業者と公団との間で打ち合わせしたとおり行われていなかったということが主なる原因だと、そのように考えております。その後、やはりそういう工事量が大量に出たときの労務者の技術力不足だとか、そういうことに対処して管理体制を十分強化し、そしてそういうことが二度と起こらないような体制を現在しいて監督、検査を行ってまいってきております。  以上でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 さらに詳しく伺いますが、四十五年に入居して、一年後からいろんな問題が出た。それなりに対症療法的な補修はした。それでも片がつかない。そこで去年の三月に別の団地に全戸数を移住させた。いま空き家になっていますね。危ないから近寄らないでくださいという立て札が立っていました。現状はどうなっているんですか。

江里口富久也日本住宅公団理事

○参考人(江里口富久也君) お答えいたします。  ただいま先生のお話では、危険であるから近寄らないでくれという立て札があったということは、残念ながら私は確認しておりませんが、それは建物が現在すぐ倒壊しそうだというような不安ではございません。ただ、他に移したということは、スラブのたわみというのは相当調査するのに長年月かかります。そして実際に調査をいたしましたが、入居者との協議の上で、十分調査してほしい、また詳細に調査する上においては、人が住んでおったのでは詳細に調査できないということから、協議の上で別に住宅を建て、引っ越していただいて現在その調査を続行中でございます。そういう状態でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 見通しは。

江里口富久也日本住宅公団理事

○参考人(江里口富久也君) 見通しは、これはクリープの問題でございますから、ほぼ一年、一両年の間に結論を出して、居住者とその補修方法の対策を講じたいと考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 せっかくお金を出して買った分譲住宅が、わずかの期間入っただけで、欠陥住宅でいろんな補修をしても直らない、最終的には別の団地で仮住まいをしている。きのう団地の方々に何人か会ってきました。その仮住まいがいつ解消されるのか公団からほとんど説明らしい説明がない。どうしてくれるのでしょうかという住民の人たちの強い気持ちですよ。ここまで問題が明らかになったら、それはそれとしてきちっとやっぱり建てかえるなりして、その原因究明もさることながら、何年もかかる原因究明で待たせておること自体が問題じゃありませんか。私は直ちに解約を認める、あるいは新たに別な場所に全部建てかえて提供するとか、そういうことをやるのが公団じゃありませんか。原因究明まで仮住まいで、ほかのところで待っていてくれ。その期間はすでに二年近くたっていますが、まだ何年かかかりそうな話では一体住民はどうするんですか。とりわけ公団の分譲契約などに非常に問題がある。  ここに契約書が一つありますが、欠陥住宅等について、住宅に瑕疵があった場合についても、公団としては瑕疵担保責任を負わない。こういう契約まで分譲者との間に取り交わしているんですね。こんな責任の取り方がありますか。総裁どうですか、総裁として基本姿勢を示してもらいたいんですよ。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) よく居住者の皆さんともお話し合いをして、最善の解決を図りたい、全力を尽くしてまいるつもりでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 全力を尽くすだけじゃだめなんですよ、具体的に生活が困っているわけでありますから。  会計検査院、こういう工事の欠陥取引あるいは問題点等について、どういう検査を今日までしてこられましたか。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○説明員(東島駿治君) お答えいたします。  住宅の出来形ということは、居住者の安全に非常に関係がございますので、われわれはできるだけ多くの団地が完成したときには見ているつもりでございます。ただ全部の団地にということはなかなかできませんが、いま問題になりました高幡台団地につきましても、早速検査の見直しをやっておりまして、原因調査の進みぐあいと並行しまして、われわれは今後の検査の参考にしていきたい、このように思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 時間がないから詰めが十分でありませんが、会計検査院の検査報告を見ていると、これだけ全国的に住宅欠陥が目立っている、バルコニーは落ちる、天井が大きくゆがむ、あるいは全部引っ越しまでしなきゃならないという深刻な事態があるにもかかわらず、検査報告の中にはその種の具体的な指摘がほとんどない、皆無に近いわけでしょう。私は接待行政をかねてから問題にしてきているわけでありますが、どうもやっぱり検査に対する姿勢が緩いのではないのですか。この質問だけで終わりますが、その点もう一回はっきりさしていただきたい。特にこの高幡台団地の居住者を全部第二百草団地に移した。そこだけには人を入れているが、その第二百草団地は、去年の三月段階でほかにもたくさんの棟が建ち並んでいる、新築の団地があるにもかかわらず一人も居住者を入れてない。これは住宅公団、どういうわけですか。その二つについて答弁を求めて終わります。  最後に委員長にお願いをしておきたいことは、欠陥住宅問題が建設会社も絡んで非常に深刻な問題としてあります。したがって、今後関係者を参考人として当委員会にも呼んでいただいて、全面的な審査なり問題点の解明をしていきたいと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いいたしたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 理事会に諮って善処します。

澤田悌日本住宅公団総裁

○参考人(澤田悌君) 百草団地の関係についての御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、現在一棟について移っていただいて、徹底的な調査をいたしておるわけでございます。それによってどういう結論が出ますか、その場合にほかの棟の人も移りたいというような問題が起こるかもしれません。これはこういう問題が起こったので申しわけないわけでありますから、そういうことのために予備としていま留保してあるというのが実情でございます。

東島駿治会計検査院事務総局第五局長

○説明員(東島駿治君) お答えします。  先生御指摘のとおり、出来形についての検査報告は残念ながらいままで掲示をしておりませんが、これはわれわれの能力不足ということもあると思いますが、われわれはどちらかというと家賃へのはね返りを非常に心配しまして、予定価格の積算ということにいままで重点を置き過ぎておったというきらいもございますので、今後はそういう出来形、構造上の欠陥、そういう点もまた厳重に検査していきたいと、このように考えております。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 以上で矢田部君の質疑は終了いたしました。(拍手)  澤田参考人及び江里口参考人には御多忙中のところ当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。退席くださって結構でございます。     —————————————

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 次に、多田省吾君の質疑を行います。多田君。

多田省吾公明党

○多田省吾君 私は、まず牛場対外経済相に三問初めに質問いたします。  今回の一連の訪問で大変奮闘されたわけでございますが、政府のアメリカ側に対する事前の調査分析が不十分であったように思われます。大臣は帰ってくるとすぐ個別対策にもっと力点を置くべきであった、そんなに大事だとは日本にいる間はわからなかったとか、あるいは議会が非常に強くなっている、また保護主義も強くなっている、またアメリカ側が日本を非常に閉鎖的でフェアでないと言っている、あるいは一本化していない。こういったことを述べられたわけでございますが、まあ日米接触がかなりあったのに、政府や民間人の会議で日本から肝心なことを言ってなかったのではないかというような姿もあるわけですが、そのようなことをどのように感じられますか。  また第二点は、今回の交渉は、マクロ的には日本の経済見通し、特に経常収支の黒字減らしの問題、ミクロ的にはいわゆる農産物の輸入拡大や自由化、あるいは工業製品の関税引き上げ等の個別対策の問題だと思います。まず、マクロ的ないわゆる経常収支を赤字にする問題では、アメリカはその時期の明示を相当しつこく本気で要求してきたわけです。牛場大臣は、日本の決めた七%成長を伝えたときに、来年度六十億ドルまで経常収支を半減するということも一緒に伝えられたと思いますが、それに対してアメリカの感触はどうなのか。  第三点は日程の問題です。牛場大臣のいままでの発言から見ますと、クリスマスの前にアメリカからの再要求があるだろう、そして話し合いの結果で、何としてもアメリカ議会が再開される一月の十九日前に合意できるようにしたい、またその前にストラウス氏の来日を求めたいというようなことでありましょうけれども、その合意の見通しと日程をお尋ねしたいと思います。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) ただいま御質問になりましたアメリカの実情につきまして、調査その他が不十分であったのではないかという御質問、私は帰りましてからそういうようなことを申したこともございますけれども、あれは主として私自身の勉強が不足であったということを申しましたので、アメリカの状況につきましては外務省その他を通じましていろいろ聞いておりました。ただ、私も過去の経験から申しまして、まあそんなことはないだろうという考えは若干持って参ったのでございますけれども、行ってみますと、いろいろの報告を受けておりました状況に近いものが相当ありまして、どうもアメリカも変わったものだという感じを実は持ったわけなのでございます。  ことに議会の力というものが政府に対して非常に強くなってきておる。また、これは議会人自身が、自分たちが強いのだ、自分たちが力を持っているのだということを私どもにも繰り返し申しまして、だから議会と話をしなきゃだめですよということを言うわけでございまして、私がおりました——これはニクソン大統領のころでございますけれども、とはよほど違った状況でございます。それからまた議会でも、私がおりましたころはいわゆる強力な指導者がおりまして、その人が大体この通商問題に関しての意見などをまとめてくれたものでございますが、そういうことがなくなってしまったようでございます。これはアメリカの元来の姿に返ったというようなこともないかもしれませんですけれども、カーター大統領になりましてから、そういう点は大部変わってまいったということを感じた次第でございます。もちろん政府の調査は十分だったと、全部万全だったということではございませんけれども、しかし、いろいろな情報は私はもらっておりまして、ただ私自身の考え方がどうも少し甘かったということを反省しているという意味で、そういうことを話したことがある次第でございます。  日本のやり方、日本のいまの姿勢につきましてアンフェアだという考え方がアメリカの国内、これは相当下の方も上の方も非常に浸透していることは事実でございまして、それの一番のあらわれが日本の閉鎖的な対外経済姿勢だということでございまして、これは非常な大きな誤解もございます。これは確かにあるのですけれども、そういうものはやはり具体的な事実によってだんだん反駁していかなければならない。これは相当時間のかかる問題でもあるし、そういう点におきまして、今後の対米外交のやり方というものも十分考え直していかなくちゃいけない。これは私の個人の感じでございますけれども、そういう感じも持ってまいった次第でございます。  それから今回の対米協議の上における重点でございますが、確かにマクロとミクロとございまして、当初はマクロの点だけが実は問題になっておったわけでございまして、それがそのうちにだんだん具体的にアメリカの物を買ってもらいたいとか、アメリカの対日輸出の機会を多く与えてもらいたいというような方に重点が移ってまいったことは事実でございます。このマクロの点につきまして、七%の成長、これは先方が大いに多とした次第でございますが、その七%成長を必要とするゆえんは、日本の経常収支の黒字をできるだけ減らすという点にあったわけでございまして、ここにアメリカ並びに世界の関心もあるわけなのでございますが、これをどれぐらい減らせるだろうというようなことにつきましては、私がおりますうちは東京からの指示もございませんでしたし、相当目立った削減ができると思うということを申しただけで、数字は一切申しておりませんです。しかし、向こうも一応いままでの日本の経済の動向などから判断いたしまして、この程度は減るだろうという考えは持っておるようでございました。かれこれ合わせまして、七%成長ということは非常に日本経済のためにも、世界のためにも、日米関係のためにも結構だということは申しておった次第でございます。  それから、ミクロの問題につきましては、結局、具体的にはお示しになりましたように、関税の引き下げと、それからいま輸入制限にかかっております品物の輸入の増大、あるいはできれば自由化と、こういうことが要求として出ておったわけでございますが、関税につきましては相当多数の品目につきまして前倒しを約束した。それからさらに、今後東京ラウンド、つまりガットの交渉でございますが、その場におきまして日本がさらに相当の引き下げを行うということを向こうに伝えました。もちろんこの日本の引き下げというものは、当然東京ラウンドにおける日本の貢献度としてカウントされるとそれだけまた相手方から譲歩を得られるということになるわけでございますので、カウントすることは当然のことでございますけれども、そういうような態度につきましてはアメリカとしても大体了解しているというところでございます。ヨーロッパの方でもそういうような感じでございます。そういうことになりまして、結局輸入制限品目の枠の拡大ということが問題として残っておるというのが現在の状況でございます。  それから日程につきましては、これは相手がありますのでなかなかはっきりしたことは申し上げられませんですが、できれば来年一月十九日のアメリカ議会の再会前に、いまの段階における協議というものは一応一段落をつけたいというのが日米の共通の考え方でございまして、そのためには年末から来年の初めにかけて恐らく先方からも要求が出てまいるでございましょうし、われわれとしてそれに対応する策を立てなきゃならないというのが現在の状況でございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 牛場大臣は、七%の成長の見通しは伝えたけれども、いわゆる来年は黒字半減、六十億ドルの経常収支にするということは、数字は言ってなかったとおっしゃいましたが、その六十億ドル程度でアメリカが納得するという感触は得ていますか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) さっきもお答え申しましたように、アメリカの方でも、日本の経済が実質七%伸びれば大体どれだけ経常収支に影響があるだろうということは計算していると思うのでございます。それから、さらに今回の政府の決定は、七%経済成長の大部分を国内経済の拡大によって達成すると、こういう考え方でございますから、そのことを申しましたので、先方としてはある程度の相当詰めた数字を持っているかもしれません。しかし、それは私も聞いておりませんし、私の方から何も申さなかったということなのでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 アメリカからの再要求は、それはもちろんいまはわかりませんけれども、感触では関税の引き下げを要求してくるということが考えられますが、東京ラウンド以前に、たとえば電子計算機を一三・五%から一〇・五%にした、あるいはカラーフィルムの関税率を一六%から一一%にした。それを含めてその他の品目の関税の再引き下げの要求に対しましても、河本通産大臣の方ではアメリカとの話し合いの結果の合意が得られる見通しがあるというお考えでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今回の日米交渉におきまして、日本側から東京ラウンドの関税の前倒しの率について先方に伝えておりますが、通産省の関係の物資につきましては合意は得られると確信しております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 その際は、東京ラウンドで一括してまた引き下げの項目を決めるわけでございますが、その前にもこのアメリカの再要求に対しては話し合いをしていくということでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 東京ラウンドの前倒しをどうするかということにつきましては、具体的に品目ごとにそれぞれ数字を先方に伝えてあります。そのことについては先方も了解をするであろうと確信をしておるわけでございますが、別に東京ラウンド全体に対してどう対処するかということでありますけれども、これは来年の一月十五日に最終の態度を決定されるわけでありますけれども、この分は日本として今後八年間にどれだけ対応するかということを決めるわけであります。これまで日本側の代表が申しておりましたことは、およそ四〇%を八年間にやっていこう、こういうことを言ってきたわけでありますが、大体その前後になるのではないかと考えております。今回の分はその分の前倒しである、こういうことでございます。

多田省吾公明党

○多田省吾君 ですから、私がお聞きしたのは、その東京ラウンドの前倒しの分についてさらにアメリカから再要求があった場合に、その話し合いの見通しはどうかという問題です。

矢野俊比古通商産業省通商政策局長

○政府委員(矢野俊比古君) 東京ラウンドの交渉は、いま大臣がお答えいたしましたとおり一月十五日から始まるわけでございます。今回の前倒しがさらにこれからその東京ラウンドに絡めて出てくるかという点は、この交渉問題でございまして、いまのところ私どもからはっきりお答えはできるわけではございません。

多田省吾公明党

○多田省吾君 クリスマス前にもアメリカからの個別的な再要求があるだろうと言われておりますが、特に農産物に相当圧力がかかってくると思います。牛肉につきましては、いわゆる一般的なものではなくて、ホテル用の高級牛肉のみだと言われておりますが、それもストラウス氏等は一万トンを要求する。千トンを二千トンにしたのにさらに追加要求をしてきそうだ、あるいはオレンジの季節外自由化とか、あるいは枠の拡大ということも当然要求してきそうでございますが、そういった点について農林大臣としてはアメリカと合意する見通しがあると、そのように決意しておりますか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 牛場大臣が向こうへ参りまして、関心品目は牛肉、しかも牛肉の中でもホテル枠の問題と、それからオレンジ並びに果汁ということに関心があるということを聞いております。しかし、どのぐらいの数字、あるいはオレンジの季節自由化ということについてまだ具体的に聞いておりません。聞いた上で対処できるものはしたいと、こう思っております。しかし、なかなかいまの状況では牛肉のホテル枠も限界もありますし、またオレンジに関連するミカンの生産事情というものは非常に厳しくありますから、どの程度協力できるかは慎重に検討したいと思っております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 経企庁の宮崎調整局長に二、三点お聞きしたいのでございますが、牛場大臣がアメリカから帰ってくる寸前に来年度の経済見通しを成長率七%、あるいは黒字六十億ドルということを言ったのでアメリカの空気が変わったということが言われておりますが、これはもしできなかったらもう大変だと思います。ところが、私はこの七%の成長率というのはどうもIMFから八%ないし九%にしろとか、あるいはアメリカの強い要求に押されて六・二、三%考えていたのに突如七%にしたようなどろなわ式の決定のように考えられるわけでございます。七%と言いましても、先ほど御指摘がありましたように、一般の民間調査機関ではもう大体四%台、政府が今度考えているような大規模な予算にしても大体五%台ということでございますが、いままでなら民間調査でも一、二は政府の見通しと合致していたものがあったのですが、今回は全部政府の見通しと違っている。これは大変なことだと思います。たとえば、総理も言っておりますが、海外経常余剰の伸び率をゼロにするという問題にしましても、何だか数字でつじつまを合わせたにすぎないような姿があるわけです。われわれは、七%にするには、もっと土地に関係のない老朽校舎の建てかえとか、生産関連の公共事業をもっと効率的に大きく運用するとか、あるいは福祉の飛躍的な拡大、年金の拡大によって振替所得を増大させるとか、あるいは一兆円以上の所得減税を行うとか、そういうことをしなければ個人消費も上向かないし、また内需拡大にもつながらない、ましてや七%の成長なんというのは及びもつかない、このように思っておりますが、政府のいままでの考えですとそうでもないようだ。数字のごまかしのように思えるわけです。私は、この海外経常余剰の伸び率の問題でも輸出及び輸入等のデフレーターとか、あるいは五十年春闘のベア率、あるいは雇用者所得の伸び率、あるいは五十三年度途中の円レートをどう考えているか、これは閣議決定の前ですから、はっきりした数字は言えないと思いますけれども、そういったものと整合性があるのかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。  それから第二点は、五十年前期経済計画。これは党首会談の結果においても、また、きのうの経済審議会の報告においても見直しせよということになっております。また総理からも改定の指示がありましたけれども、どうも通産省と経企庁のお考えが違うように思いますが、この中期計画の見直しについて経企庁はどう考えているのか。  また最後に、円高メリットを国民に還元する問題で、経企庁としてどう考えているのか。河本通産大臣も、値下げ調査も半年間隔じゃなくて、もっと頻繁に開くべきじゃないかという意見を先ほど述べられたわけでございますが、せっかく輸入の自由化あるいは関税引き下げ、輸入拡大の措置をとったにもかかわらず、国民に少しも還元されていないという点、これをどうするか。この三点をお伺いしたいと思います。

宮崎勇経済企画庁調整局長

○政府委員(宮崎勇君) お答えいたします。  最初に、五十三年度の経済成長率を七%と決めたことにつきましてのお答えでございますが、ただいま先生御指摘のように、IMFあるいはOECD、あるいはアメリカ政府その他が日本の成長率についてできるだけ高い方が好ましいというようなことを言っているのは事実でございますし、私どももそういう声は十分に聞いているわけでございますけれども、七%の成長を決めました一番基本的な問題は、やはり日本の国内において稼働率が非常に低く、そのために雇用情勢が非常に悪化している、こういう状況をいま何とかしなければいけないということで七%を設定しているわけでございます。  先生御指摘のように、これまで民間でいろいろ明年度の実質成長率について予測が出ております。私どもも、公表されているもの、あるいは公表されていないものを含めまして、いろいろ検討いたしております。御指摘のように、大部分のものは四%ですとか五%でございまして、政府の七%に近い予測では、経団連の政策努力を織り込んだ場合に六・五%というのがございます。それから電力中央研究所というところがございまして、これはちょうど七%の成長を見込んでおります。しかし、私どもが検討いたしました結果、必ずしも政府の七%とすぐに比較できないということではないかという、いまの段階ではそういうことでございます。つまり五十三年度の経済予測をやるに当たりまして、その土台になる五十二年度の見方がいろいろの研究機関において違っておりますので、それをまず合わせなけりゃいけない。それから多くの機関が共通して来年は財政が中心にならなければいけないということを指摘しておりまして、私どももそういうふうに考えておりますが、その財政の規模につきまして必ずしも明確ではない。一般会計が三十四兆とか三十五兆とかというふうに前提にはされておりますけれども、それが投資的な部門と経費的な部門にどういうふうに配分されるかということが明らかでございませんので、必ずしも民間の予測というものを政府の七%と比較するということにはまいりません。  それから七%成長をいたしますのに何がリーダーになるかと申しますと、私どもは政府支出だというふうに考えておりまして、公共支出を特に社会開発を中心にして行う、あるいはその公共支出の方が減税よりは景気の浮揚効果は大きいということで、公共投資中心の景気浮揚の予算、それを前提にして七%を見込んでいるわけでございます。  それから輸出輸入のデフレーターのお話がございましたが、経常収支につきましては、先ほど牛場大臣とのお話にもございましたように、大体六十億ドル程度というふうに見込んでおりますが、国民経済計算の場合にはそれを円に換算いたしまして、そして寄与度として成長率の中でどれぐらいあるかということを計算いたしますが、それによりますと、海外経常余剰という部分は来年度の七%の成長に対してはほとんど寄与しない、つまり輸入がふえるということによって輸出が相殺されるという形になっております。  なお、中期計画の改定、物価の関係につきましては、関係の担当官が来ておりますので、そちらの方から答えさせていただきます。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○説明員(水田治雄君) 御質問の円高による円建て輸入の価格低下の効果を国内の販売価格にできるだけ反映させるということにつきましてお答え申し上げます。  この問題は物価政策の重要な問題でございますが、卸売価格につきましては、輸入原材料の価格が低下しておる、あるいは輸入原材料の需要者が価格交渉力が非常に強いということがございまして、一月から十月ごろぐらいまでに一・八%ぐらい低下しております。問題は消費者物価でございますが、これは卸売物価の低下の影響がだんだん及んでくると思いますが、消費者は価格交渉力に乏しいものですから、去年の十二月と六月の比較をやりまして、三十五品目を調べまして発表いたしましたことは御承知のとおりでございます。それから十月十四日に物価担当官会議を開きまして、そこで政府関与物資と並行しまして、民間取り扱い物資につきまして通産省の方から輸入団体あるいは流通団体に通達を出していただきました。それから輸入総代理店契約の並行輸入につきまして公取の方で非常に厳しく監視をしていただいておるところでございます。第二回の調査につきましては、年明け遠からず、できるだけ早く、間を置かずに第二回の調査結果を出しまして情報提供をやりたいということを考えております。今後も一層力を入れてやっていきたいと思っております。

柳井昭司経済企画庁物価局審議官

○説明員(柳井昭司君) 五十年代前期経済計画についてお答え申し上げます。  昨日、経済審議会におきまして五十年代前期経済計画の推進に関する五十二年度報告が具申されたわけでございますが、この報告の中におきましては、今後五十五年までの間におきまして六%強の成長を図り、完全雇用の確保、物価の安定、国際収支の均衡、こういった計画の基本的な目標につきましてはこれを堅持して、そのために総需要管理政策等を中心といたしましてその達成に努めていくべきであると、こういうことを申しておるわけでございます。  なお、民間設備投資とか、あるいは財政収支バランス等につきましては、計画の想定とある程度異なるということが予想されますので、近く適当な方法でその点については姿を示すという答申をいただいておりますので、政府といたしましてはそういう方向に沿いまして経済運営をやってまいりたいと、こう考えております。

多田省吾公明党

○多田省吾君 最後に、河本通産大臣に二点お聞きしたいと思います。  一つは、十二月十五日の東京外為市場において二百三十八円と、二百四十円を割り込む姿になったわけですが、これは河本通産大臣の発言がロイター電で報道された結果だと言われておりまして、ロンドン、ニューヨークで思惑を呼んだわけでございますが、これは別の形のブルメンソール発言のような姿でございまして、これは軽率ではないかと思いますが、どうですか。  それから第二点は、どうしても国内不況の克服が大事でございます。現在、円高に伴い中小企業が倒産あるいは倒産寸前に追い込まれておりますが、いわゆる各種の特別融資、緊急融資のたぐいが、いままであった通常の融資制度の枠内であるとかあるいは融資までの時間がかかり過ぎるということで、担保なんかも特別融資は弾力的にとありますけれども、実際はもう非常に厳しくなっておりますが、そういう点でやはり指導を強化して、もっと不況中小企業に対して具体的に融資できるようにできないか、その二つお願いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) まず第一の問題でありますが、最近通産省が現在の円レートで日本の全産業、中小企業に及ぼす影響について調査をいたしましたが、全産業について申し述べますと、二、三の業種を除きましてほとんど全部の産業が現在の水準ではやっていけないと、また中小企業の大部分も新しい外国からの注文がとれなくなった、年が明ければ非常な事態になるであろうと、こういう結果が出ております。そういうことから判断をいたしまして、私は、現在の円レートというものは日本の実力以上の評価になっておる、このように考えておりますが、なぜ日本の実力以上の評価になっておるかといいますと、それは貿易の黒字、経常収支の黒字が次から次へふえてまいりまして、世界経済に少なからざる影響を与えておるわけでございますが、そのためにはやはり日本として、外国から強く要請されております今後一体政策をどうするのか、またこの大幅な黒字を一体どうしていくのかということに対する的確な対応策を機敏に打ち出さなければ、再び円に対する総攻撃が始まるであろうと。そういたしますと、日本の経済というものはさらに大きな被害を受ける。何としても緊急の対応策が必要であると、こういう観点に立ちまして先般のような発言をしたわけでありますが、しかしながら、あのような発言が適当な時期であったかどうかということにつきましては、今後とも十分工夫をしていきたいと考えております。  第二点でございますが、長い間の不況に伴いまして、さらにまた今回の円高によりまして中小企業は、いまお述べになりましたように、非常に大きな打撃を受けておりまして、非常事態を迎えようとしておるわけであります。そこで、これまでの中小企業対策では不十分でありますので、この緊急事態に対応するために、中小企業をこの非常事態から守るための緊急立法をいまお願いしようということで立法の準備をしておるところでございます。中身も大分整いまして、ほぼ最終段階にまいりましたので、できるだけ早く国会に提案をいたしましてその審議をお願いをしたいと考えておりますが、その中にも、いまお述べになりました融資の拡大、条件の緩和、それから担保の見直し、幾つかの問題を含めまして、中小企業が現在の非常事態に対処できるような内容にしたいといま工夫をしておるところでございますので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 以上で多田君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 次に、峯山昭範君の質疑を行います。峯山君。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 私は、非常に短い時間でございますので、端的にお願いをいたします。特にこの最近の円高の問題につきまして、通産大臣並びに公正取引委員会の方にお伺いしたいと思います。  まず初めに、先ほどもちょっと答弁ございましたが、公正取引委員会にお伺いをいたしますが、先日の、先ほどもお話ございました物価担当官会議で問題になりました円高に伴う物価対策の推進、この中の第六項目の中にございます並行輸入の問題でございますが、この並行輸入の問題につきましてはそれぞれ問題もありますけれども、特にこの並行輸入の輸入代理店のルートですね、ここを通しました商品と、それから一般的に輸入されている商品との価格の差が相当あるというところで、先日もちょっと問題になったわけでございますが、私の調査によりますと、たとえば具体的に申し上げますと、ホワイトホース、これはウイスキーのホワイトホースですが、輸入代理店の価格ですと三千五百円、並行輸入ですと二千四百円から二千四百五十円。オールドパーですと七千五百円が五千五百円。ジョニ黒で七千五百円が五千五百円。それからフランス製のディオールのハンドバッグで三万二百六十円が二万八百円というように、この並行輸入の方が相当安くなっております。これは私の調査ですから、公正取引委員会もこういう問題について調査をされたそうですが、公正取引委員会の調査の結果について初めに御報告を願いたいと思います。

戸田嘉徳公正取引委員会事務局長

○政府委員(戸田嘉徳君) お答えいたします。  いまお尋ねのございましたように、十月十四日の物価担当官会議の申し合わせ事項に基づきまして、公正取引委員会といたしましては、まずその消費物資の輸入業者をメンバーといたしておりますところの事業者団体に対しまして、総代理店契約の届け出を励行するように、そういう指導方を要望いたしました。さらにその並行輸入が実際に妨げられているような実態があるかないか、その辺の実態も調査いたしたいということで、関連流通業者にヒヤリング調査を実施したわけでございます。  その結果の第一は、並行輸入品は総代理店のルートを通じまして供給されております商品に比べまして、かなり安く一般の消費者に提供されておる。しかしながら、その並行輸入のルートがわりと細いといいますか、その量に限界がございますので、その一般の輸入品の価格を押し下げるという効果において必ずしも十分ではないように見受けられたわけであります。  さらに、もう一点につきましては、実際にその並行輸入を妨害しているという事例が見受けられたわけでございます。これはウィスキーのオールドパーにつきまして、その輸入をいたしておりますところのオールドパー株式会社というところが、どうもその並行輸入を妨害しておるという具体的な疑いをつかんだわけでございまして、これにつきましては、今月の十三日に立入検査をいたしたわけでございます。  なお、いま先生がおっしゃいましたその価格でございますが、どの程度の開きがあったかということでございます。私ども調べたところでは、いま先生おっしゃいました大体そんなようなところでございまして、たとえばスコッチウイスキーで言いますと、オールドパーが総代理店の市価で七千五百円、これが並行輸入品の市価で五千五百円、これが大体七三・三%ぐらいになるかと思います。ジョニーウォーカーの黒、これは七千五百円が五千二百円、これが六九・三%ぐらいに相なります。ホワイトホース、これが三千五百円が二千四百五十円、七〇%。カティサークが三千五百円が二千三百円、六五・七%。それからコニャックにつきましては、レミーマルタンのVSOPというのがございます。これが一万二千円が八千五百円、七〇・八%。それからゴルフクラブで言いますと、ウィルソンというのがございます。これは十二万円が六万八千円、五六・七%でございます。ネクタイでバレンチノというのがございます。これは一万二千円が七千円、五八・三%。それから御婦人のスカーフでリシェールというのがございまして、これは一万三千円が九千円、これも六九・二%。ハンドバッグのクリスチャン・ディオールというのは五万六千円が四万二千円、七五%。こんなような状況でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 いま御報告ございましたように、確かにかなりの価格におきまして差があるということはもう歴然といたしております。ここで私は量の問題なんですけれども、量的に限界があるという前に、この並行輸入の促進ですね、この並行輸入の促進を阻んでいるその原因、そこに目を向けて、これはやっぱり相当これから具体的な並行輸入の促進ですね、これを考えるべきじゃないかと、こういうふうに思っているわけです。それで、この問題について、まず通産大臣はどういうふうにお考えですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 円高になりますと、当然輸入物資が安くなるわけでありますが、しかしながら、いま御指摘のような問題等がありまして、なかなか思うように進んでおりません。そこで並行輸入等につきましても、いま公取からもお述べになりましたが、さらにこれを積極的に進めていきまして、そしてやはりいろんなメリットを消費者に還元をする、そういう努力を今後とも積極的に払っていく必要があろうかと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 大臣のおっしゃるように、ぜひともこの円高の差益を消費者に還元をする、そういうふうな意味でこの制度をぜひとも推進をしていただきたいと思うわけです。しかしながら、先ほど公取の方がオールドパーの話をいたしました。しかし、これは実は私の手元に入っております資料によりますと、これはある雑誌に掲載をされているんですけれども、オールドパーの場合、マレーさんという社長さんが参りまして、オールドパーのいわゆる代理店の皆さん方を集めまして、そこでこんな話をしているわけです。自分の仕事は、並行輸入業者がオールドパーを手に入れることが困難ならしめることである、これまでも種々の対策を講じてきたので、他銘柄に比べて並行輸入はむずかしくなっていると明言もできると、そういうようなこと、並びに日本のオールドパーの社長は、当社の政策として、並行輸入業者だけではなくて、並行品を扱ったところには納品を控える、こういうふうに二月に言明をしたと、こういうふうなことから、まあ話はいっぱいあるんですけれども、総代理店の現在の傾向としてこういうふうな傾向にすべてあるんじゃないか。これは物価担当官会議でこれだけがっちりした取り決めをしているんですけれども、通産省が相当本気で、いま大臣がおっしゃったことに対して本気になって取り組まないと、いわゆるこの問題は解決しないと思うのです。  そこで大臣、先ほどの話を敷衍いたしまして、こういうふうな、私がいま申し上げましたような状況というのが実情だと思うのですね。その点を踏まえて大臣の答弁を再度お願いしたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この問題は、何とか前向きに解決をいたしまして、不当な利益を一部の業者が得ないように、そして広く国民の皆さんに円高の利益というものが還元されるようにしなければならぬことはもう当然でございますから、そのために、私どもと、関係の官庁がございますが、関係方面と、さらにまた公取の御意見等も聞きまして、今後ともさらに積極的に取り組んでまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 公正取引委員会の方にもお伺いしておきたいのですが、この総代理店契約ですね、これの提出状況を、これは先般の予算委員会でも私ちょっと公取の委員長に申し上げたのですけれども、いわゆるこういうふうな届け出というのが完璧になされていないというところに問題があると思うのです。そういう点についても詳細に私は取り締まりをやっていただきたい、こういうふうに思うのですが、この点について再度。

戸田嘉徳公正取引委員会事務局長

○政府委員(戸田嘉徳君) 私どもとしましては、かねがねからそういう方向で、できるだけ届け出を励行するように、こういうふうに指導いたしております。大体毎年七百件程度の代理店契約の届け出がございます。なお、いま先生のおっしゃいました線に沿いまして、その届け出の徹底につきまして今後とも十分指導ないしはこの監視を続けてまいりたいと思います。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 農林大臣にお伺いします。  先ほどから牛肉の話が出ておりますが、牛肉の輸入に関しましては、これは先日のテレビで福田総理もおっしゃっておりましたが、牛肉の輸入の自由化という問題については、そこまで行かないにしても、輸入の拡大という点についてやはり考えていかなきゃいけない、こういうふうに思っていると。そこで、福田さんがおっしゃったんですけれども、私は新しい農林大臣を任命するに当たって、牛肉を下げることに体を張ってやってもらいたい、こういうふうに私は言ったんだと、こういうふうにテレビで言っておりました。  それで実際問題として、お正月を迎えて、牛肉がわれわれ庶民の手に、先ほど大臣は高いとおっしゃいましたが、本当に安い牛肉が私たち庶民の手に入るかどうかということについては非常に大きな関心でもあるわけです。そういうような意味で、先ほどからのいろいろな答弁を聞いておりますと、具体的な牛肉を下げるための手段、方策というのはまだ御答弁ないわけですが、これはやはりそこら辺のところを具体的におっしゃっていただきたい、そういうふうに思うのです。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 総理大臣から牛肉を安くするようにと御指示のあったことも事実でございます。牛肉を安くする場合は二通りございまして、とりあえず正月に向けて安い肉を消費者に差し上げるようにということが第一点であり、もう一つは長期的に、牛肉というものが高いものだという日本の特殊事情がございますが、これを何とか消費者の手の届く安いものにしたい、こういう二つの目的がございます。  正月用につきましては、事業団の持っております牛肉を従来よりは六割程度よけい放出をいたしまして、豊富に市場に肉が回るということから値下げを工夫する。もう一つは、指定店に肉の表示をいたしまして、約百円ほどでございますが、キロ千六百四十円ぐらいでございましたか、これでいきますと豚肉とそう変わらないような牛肉になりますが、これも従来より五割ほど多くして消費者の便宜を図りたい。さらにはまた、生産者と小売業者が直結するような仕組みに助成をいたしまして、約二割程度安い肉が消費者に行くように、これはもう毎日、十二月三十一日までやらしております。あす実態がどうなっておるか見てまいりますが、かなりサービスしておるつもりでございます。  なお、長期的な問題につきましては、生産コストを引き下げる、あるいは流通段階にメスを入れる、こういうようなことをやり、ひとつ肉は安いものだという仕組みに真剣に取り組んでみたいと思います。  以上でございます。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 国民が期待いたしておりますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。  通産大臣に最後にもう一言お伺いしておきたいと思います。  これは時間がございませんので端的に申し上げますが、灯油の問題です。実は大阪地区を例にとってみますと、九月に十八リッターで七百二十円、十月に七百二十三円、十一月に七百二十三円というように十月は九月に比べて三円高、十一月は横ばいと、こういう状況です。これは私は、先日の参議院の商工委員会でもずいぶんやりましたのですが、一ドル二百七十二円のときのあれで計算をしまして四千九百億ですかのいわゆる為替差益が出ているということで、エネルギー庁長官からその当時答弁がございました。しかし、その当時からしましても現在もう二百四十円台に上がっておりまして、相当の差益がある。しかも為替差益を消費者に還元するということは当然のことであるけれども、原油の値上げとそのほかのいろんな費用等を差し引きした場合に、まだ為替差益の方が少ないんだという話が当時あったわけです。しかし、現在の計算でいきますと、一キロリッター当たり八十五・三ドルとしまして、一円高で八十五円三十銭として、二百七十二円のとき二十四円五十銭だったわけです。それで二千百円の差益があったわけです、一キロリッター当たりですね。それで二千百円の差益があったわけです。現在、一キロリッターで当時と比較して原油値上げ分が千八百円、経費増が五百円で合計二千三百円のコスト増である。そういうふうなことからマイナスだという話だったのですけれども、現在五十四円ぐらいの円高になっているわけですね。そういうふうに計算しますと、現在では四千五百九十円の差益が出てくる。それでかかった費用二千三百円を差し引きましても二千二百九十円の一キロリッター当たりのいわゆる差益が出てくる。当然こういうふうなものは庶民に還元をするということを委員会では約束をしているわけです、前の大臣も。そうしますと、当然私は、灯油とかこういう問題については年末を控えてこれから消費期に入るわけですけれども、ぜひともこういうふうな差益が現実に出ているわけですから、灯油の値下げということに何らかの行政指導、あるいは何らかの手を打つあれがあるんじゃないかと、こういうように考えるわけですけれども、大臣どうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 現在のような円高が続きますと、石油には直接大きな為替差益というものが生まれてまいります。しかし一方、OPECの総会も昨日から開かれておりまして、一両日中には値上げ問題について何らかの結論が出ると考えております。そのOPECの結論、それから最近の円高、それから暖冬によります需給の緩み、そういうことをもう少し時間をかけて総合的に判断をいたしまして、場合によれば為替差益を消費者に還元するような行政指導も必要でなかろうかと考えております。まだ最終の結論は出しておりませんが、何とかそういう結論に持っていくように工夫をしてみたいと考えております。

峯山昭範公明党

○峯山昭範君 どうもありがとうございました。(拍手)

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 以上で峯山君の質疑は終了いたしました。     —————————————

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 次に、渡辺武君の質疑を行います。渡辺君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 牛場対外経済大臣にまず伺いたいと思いますが、大臣がアメリカに行かれて日本側のいろんな提案をされた中で、アメリカ側が七%の経済成長率については、先ほどの大臣の御答弁によりますと、これを多としたということになっているようでございますが、この来年度の経済成長率については、今年度目標の六・七%すら維持できないんじゃないかということで、閣議などでもそれぞれ閣僚間の意見が違っていたということを私ども聞いております。それがにわかに七%というちょっと考えられないような高い成長率が決まって、しかも牛場さんがアメリカにおられた一番最終日に連絡があったと先ほどのお話でございました。  ところで、この経緯ですけれども、この間わが党の宮本委員長が福田総理大臣と会談をしましたときに、総理大臣の方から、この七%経済成長率というのはアメリカ大使館から申し入れがあったんだという趣旨のことを言われております。アメリカから要求があって、そうしてまだ閣内で意見不統一のところをにわかに七%と決めて、そうして対米交渉に間に合うように牛場さんのところに連絡がいくと、こういうようなことでは私はやはりアメリカに対して余りにも追随的な態度ではなかろうかと思います。こういう交渉のあり方、これはわが国として好ましくないと思いますが、その点どうでしょうか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 私はワシントンにおりまして東京からの連絡を受けたものでございますので、七%の経済成長が決まった経緯というものは実は存じておりませんので、その点はお答えいたしかねるわけでございますが、いずれにしましても、福田総理も前々から申しておりましたとおり、一国の経済の成長率というようなものは外国との交渉の対象にはならないということでございます。そういうことでございますから、私はこれはもう日本の政府として、内閣として決めたものというふうに向こうに伝えた次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう一点伺いたいと思いますが、関税や通商政策というのは、これは一国の主権に属することだと思うんです。特に関税の問題などについては、ガットの場での関税交渉でも、たとえばわが国が関税率を引き下げるという場合には、相手国にそれなりの譲許を要求して、そうして双方のバランスのとれたような形で関税率を引き下げるというのが普通の姿だと思うのですね。ところが、このたびの関税率の引き下げなどを見てみますと、東京ラウンドを待たずして日本だけが前倒しで関税の引き下げをやる、こういう形になっている。それもアメリカからの強い要求があってそういう態度をとっているわけで、これまたまことにアメリカに対する追随的な態度をあらわしているんじゃないかというふうに思います。その点どう思われるか。  それからもう一点ついでに、このたびの円高、これの一つの国際的な要因としては、やはりアメリカの国際収支の大幅な赤字という問題があると思うのです。よく言われておりますように、アメリカの急速な石油の輸入の増大と、それに加えて、アメリカ政府が依然として世界各国に軍事基地を置き対外軍事経済援助をやっているというようなところが、アメリカの国際収支の主要な赤字の原因だろうというふうに私考えます。今度の日米交渉でアメリカ側に対して、アメリカ自身の国際収支の赤字、アメリカ自身のドルの低落、これについて措置をやれという要求をされたかどうか、されたとすれば具体的にはどういう内容であったのか、その点伺いたい。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 関税の引き下げは、これはもちろん終局的にはガットの交渉におきまして、いわゆる東京ラウンドの交渉におきまして相互に等価な利益を交換するということで決着がつくわけでございますが、今回関税の前倒しをいたしましたのは、日本の経常収支の黒字が非常に大きくなりまして、これが単に日本として困るのみならず、世界の経済にとって非常に困る、これはわれわれとして認めざるを得ないので、そのためには輸入をふやすことによって経常収支の黒字を減らすということが一番オーソドックスなやり方でございますから、それを助ける意味において前倒しをいたしたわけでございます。しかし、この前倒しの効果というものは、必ず来るべき東京ラウンドの交渉におきまして先方は十分これを評価するという約束ができておりますから、決してわれわれだけが勝手に損をしたというわけではございません。  それから一般的に申しまして、最近の世界の状況というのは、御承知のとおり各国がお互いに政策を調整し合う、いわゆる相互依存の世の中になってきていることは申すまでもないことでございまして、ことにこれが工業先進国の間におきましては必要である。それによって初めていまの世界経済の不況とかあるいは保護主義の台頭というものに対応できるということになっておるわけでございまして、その点におきまして、日本のような国柄から申しますればますますそういう点に意をいたしていかなければならないということでございますので、そういうふうにしてわれわれも考えておりますことを御了承願いたいと思うのでございます。  それからアメリカの国際収支の問題は、これはもちろん今回の交渉の直接の枠内ではございませんけれども、世界的に問題になっていることでございますし、ことに円高ということにも影響があるということで、先方の方針についてただすことは私どももいたしてまいった次第でございます。それからヨーロッパの諸国におきましても、アメリカの現在の赤字につきましては、これを早く直してくれなければ困るという要求が出ておることも御承知のとおりでございますが、焦点になっておりますのは、ただいま御質問の中にありましたようなことでありませんで、アメリカのエネルギー消費というものが非常に伸びておるし、またその伸びている分をすべて輸入石油によって賄うと、こういうかっこうになっておりますために、非常に石油の輸入がふえている、この調子でいかれたのでは困る、これが一番の問題になっておる点でございまして、この点につきましては、アメリカ政府としましても、現在いわゆるエネルギー法案というものを議会を通すべく最大の努力をしておる。これはなかなか通らないわけでございますが、来年の一月か二月ごろには恐らく成立すると思われます。そういうことによって石油の輸入を来年はことしよりはふやさない、少なくともふやさないようなところまで持っていきたいということを申しておる次第でございまして、そういう話はしてまいった次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 牛場さんは今後ともアメリカとの間の経済交渉の恐らく担当者になられるだろうと思いますが、自主的な態度で、毅然として、やはり言うべきことは言うという態度を堅持してくださることを強く要望する次第です。  それから具体的な問題に移りますが、オレンジ、それから果汁、それからホテル用の牛肉など農産物の輸入拡大についてわが国が提案をして、それに対してアメリカが非常に不満だという態度だと新聞などには書かれているわけですが、アメリカは日本の提案にもかかわらずどのくらいの要求をしているのか。それからまた、そのアメリカの要求をもし仮に日本がのんだ場合どのくらいの黒字減らしになるのか。その点を伺いたいと思います。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) アメリカ側は一応、この間のわれわれの提案では彼らの期待に比べて著しく不足しているということは申しましたけれども、具体的な数字はまだ出してきておりませんので、いまのところその問題はちょっとお答えしかねる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ここに日本農業新聞という新聞を私は持ってまいりました。これを見てみますと、自民党の畜産議員連盟の山中貞則会長がその連盟の会議で報告したという記事があるのですが、その中に、中尾栄一議員——総理大臣からアメリカに派遣されているわけですが、その中尾栄一議員からの連絡として、「米国は牛肉のホテルわくは一万トン、」これは新聞などに出ております。それから「オレンジ、果汁の輸入わくは金額にして六千万ドルを要求しているし、」さらに「わが国のホテルへの需要量は全体で四千トンで、現状でも米国はその半分を占める。一万トンなら供給過剰で当然横流しやヤミに流れる。オレンジ、果汁にしても現行で五百万ドルなので十二倍にせよと要求している。これは断じて認められないものだ」と山中さんが話したという記事が出ているのです。ホテル用の牛肉一万トンというのは一般の新聞にも出ておりますが、オレンジ、果汁の輸入枠ですね、金額にして六千万ドル、現在の十二倍という数字は、牛場さんも恐らく聞かれていると思うのですけれども、どうですか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 私も実は昨日その会合に参りまして、山中さんのお話も伺いましたのですけれども、どうもそういう話は私はいままで聞いたことがございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 あなたがアメリカ側とアメリカで折衝した方ですとね、向こうは不満だと言っているんですよ。こちらの提起した数字について不満だと言っているわけですから、やはり向こうとしてもこれこれぐらいのことは輸入せよということは当然言ったと思うし、あなたも交渉の責任者として行っているわけですから、それくらいのことは私は聞いてくる、これは当然のことだと思いますがね、どうですか、はっきり言ってください。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) そういう数字は聞いておりません。アメリカの方でもこれはやはり部内の検討の時間もございますし、まだ私に対して言うような段階に達しておらなかったわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 通産大臣に伺いたいと思うのです。  いまのこの円問題の一つの中心ですね、これは日米交渉の一つの中心と言ってもいいと思うのですが、大企業のやはり集中豪雨的な輸出、これが一つの重要な原因になっていること、これは否定できないと思うのです。ところが、その大企業の集中豪雨的輸出で日本の経常収支が黒字になっている。それを何とかするということで農民が波をかぶらなければならぬ。この点については農民は大変な不満を持っております。私は農業団体やら、それから後から問題にしたいと思いますが、ミカンの産地である愛媛県へ行きまして農家の方方にも聞きましたが、同じような意見ですよ。大企業が集中豪雨的な輸出をやった、そのしりを何で農民がぬぐわなければならぬのか、こういうことなんです。私は、こうした集中豪雨的な輸出の一つの重要な原因は日本資本主義の特別な低賃金、低福祉の構造にあるんじゃないかというふうに考えます。ここに数字は持ってきておりますが、詳しく言う時間はありませんけれども、たとえば一九七五年の数字です。製造業生産労働者の時間当たり労働費用ですね、日本を一〇〇とすると、アメリカは一七五・四と、こういうことになっております。それから、これは一九七三年の数字ですが、輸出商品価格に占める労賃の比率は、日本の場合はトヨタと日産を平均しますと七・七六%、アメリカの場合ですと、GM、フォード、クライスラーを平均しまして二七・二二%。日本の労働者の賃金が国際的にどれほど低いか、こうした状況を土台として異常な国際競争力が生み出されているとしか見られない。そのほか特別な低福祉の状態、あるいはまた国の施策による特別な減税、免税、あるいはまた職場の中の物すごい合理化、これも労働強化やあるいはまた先進的な活動家に対する差別待遇等々を含めて非常に深刻ですよ。こういう問題を是正すること、これが円問題解決の一つの重要なかぎになるんじゃないかと思いますが、その決意がおありかどうか伺いたい。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日本の賃金水準というものは、これはアメリカに比べますとやや低い水準にあると思いますけれども、いまではヨーロッパ各国に比べましてもさほど遜色のないところまで私はいっておると思います。  それから、さらに自動車産業における工賃の占める比率について比較がございました、日本に比べてアメリカは四倍である、こういうお話がございましたけれども、これは賃金水準の差も若干あるかもわかりませんが、むしろ私は、日本の自動車産業というものが努力をいたしまして、近代的な生産に切りかえて合理化を徹底した、そういうところにあるのではないかと思います。  鉄鋼などをとってみましても、鉄鋼などにおきましては、さらにその差は大きくなっておると思うのです。つまり、先方は労働賃金の占める比重というものが非常に大きくて、日本の場合は非常に少ない。これは必ずしも賃金水準だけの問題ではないと思いますが、しかし最近の傾向を見ますと、だんだんと日本の賃金水準も上がっておりますので、一挙にはアメリカに近づくということはできませんけれども、しかしながら、その差は私はだんだん縮まっていくであろうと、こう思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この問題はまた改めて議論したいと思います。  農林大臣に伺いますが、先ほど大臣はわが国の農産物の輸入制限、と言っても残存輸入制限品目ですね、これは決して国際的にも遜色がないのだということもおっしゃいましたし、それからわが国は最大の農産物輸入国だというお話もされました。私それはもう全く賛成ですよ。  それで、いま申しましたように、中尾議員からの報告で、ホテル用の牛肉は一万トンにしろ、それからまたオレンジ、果汁、これは六千万ドル、従来の十二倍くらいにしろという要求が出ているというのです。恐らくこれはうそじゃないと思うのです。間もなく、ストラウスが来年早々には来る。それまでには日本側の態度を決めなきゃならぬという事態になっていると思いますけれども、こういうアメリカの要求について、大臣はどういう態度で臨まれますか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) まずその数字については、牛場大臣が申されたとおり、定かなものではありませんが、両品目について非常な関心のあることは事実のようでございます。また、数字が仮にそうであったとしても、ホテル枠につきましては、需要が全部で四千トンでございますから、そこへ一万トンのめと言われてものみようがないということで対処してまいりたいと存じます。  また、オレンジ関係につきましては、ことしはミカンが異常に安い。生産農家が塗炭の苦しみをしていらっしゃるこの際でございますから、このミカンの値段に、あるいは消費の拡大に重大な支障のあるようなオレンジの輸入枠の拡大にはこれはこたえることはどうしてもできない。やはり日本の生産農民、畜産農家が傷のつかない範囲内での御協力はいたしたいと思いますが、そういった過酷なものであるとするならば、これには対応は遺憾ながらできないという態度でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 大いに日本の農業を守るという立場で臨んでいただきたいと思うのですけれども、特に農家の方々がいま非常に心配しているのは、日本側の提案の輸入枠の拡大ですよ。農家の人たちは輸入枠の拡大は自由化の第一歩だと、こういうことを言っているのです。  前回、たとえばグレープフルーツの自由化の場合でも、自由化は絶対いたしませんと農民に約束しておきながら、参議院選挙が済んだらすぱっと自由化したという経緯も農民ははっきり知っているんですね。そうしてレモンにしましても、それからグレープフルーツにしましても、自由化してから物すごい勢いで輸入がふえている。そしてレモンの場合で言いますと、瀬戸内海沿岸のレモンをつくっていた農家はもう全滅でしょう。グレープフルーツの影響というのはまだそれほど大きくないように見えるけれども、今度オレンジの輸入枠の拡大、果汁の輸入枠拡大、これは大変なことだと思うのですね。私は特にそういう点で、やはり日本の農民に打撃を与えるような輸入枠の拡大、これは絶対にすべきでないと思いますが、どうですか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 申し上げましたように、生産農家が大変なことになるような拡大や、ましてや自由化には対処できない。ただ、私どもアメリカのそういったあるいは国際的な要請よりは、むしろ国内に安い牛肉が食いたい自由化したらどうだ、安いオレンジが食いたい自由化したらどうだという声の方が、むしろ私どもにとっては切ないところであって、生産農家はもちろん大事にしなければなりませんが、大衆消費者ということも考えなければいけない。でありますからといって自由化するわけじゃありませんが、消費者対策もやはり農林行政の一つの考え方として取り組んでいかなきゃいかぬ。こういうことでございまして、決して外国から言われて農民に圧迫を加える、こういう姿勢はとらないところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 全然輸入するなと私どもも申しているわけじゃないのです。農家に打撃がある、打撃を与えないようにしてもらわなきゃならぬということですね。それで特に、もう農林大臣御存じのように、ミカンはいま過剰生産で値段が暴落して、この間、私が大分県に行きましたら、ミカンをつくっている農家の方が二人も自殺しているんですね、あの国東半島で。非常に深刻ですよ。そのためにいま政府の指導もあって晩柑にずっと生産転換をやっている。ところが、このオレンジの輸入枠の拡大あるいは自由化でもしたら大変ですがね、アメリカの方は恐らくブラジルのオレンジとの競争もあるから自由化ということは意外と言わないだろうと思うのですね、輸入枠の拡大でくると思う。その中にアメリカの比率を圧倒的なものにして日本に押しつけてくるということだと思うのですが、これですと、せっかくいま借金をしてやっと芽が出そうになってきている晩柑生産、これに一番の大きな打撃がくるんじゃないか、その点どう思われますか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 柑橘農家、特にミカン農家の現状が非常に厳しいことは承知いたしておりまして、頭を痛くしておるところでございます。したがって、果実、ジュースにしたものなどに対する対策も考えてこの難局を乗り切りたい、こう思っております。特に晩柑が最近ふえておりますので、季節自由化なんということがありまして、ミカンの時期と外してやったらどうだという意見もありますが、そうなりますと晩柑にも影響してまいりますし、また、日本のミカンその他の果実の貯蔵期間というものも相当長くなっておりますし、あるいはオレンジを入れました場合、オレンジの貯蔵期間も非常に長くなっておるということで、晩柑のみならずミカンそのものにも影響を与える。こういうことも配慮して対処してまいりたい、こう思っておるところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 特に果汁の輸入枠の拡大ですね、私はこれは非常に深刻な問題を提起しているというふうに考えざるを得ないんです。いま国内でポンジュースに代表されるミカンのジュース生産がぼちぼち進んでいる。全国二十二工場ですか、ということなんですけれども、これの持っている役割りですね、過剰生産で市場に売っても引き合わない、あるいは出せないというものをジュースにしてやっと農民が息をついでいるというのが実情だと思うのですね。そうしてまた、原料になるミカンの価格、これがいわば生食になるミカンの価格の下支えの役割りをしている。だからこのジュース生産がもし大きな打撃を受ければ、いまのミカンは一番重要な支えを失って私は崩壊する可能性がある、危険があるというふうに考えているわけです。そういう意味で、この果汁の自由化、これについてはできるだけ厳しい態度をとっていただきたい。これが第一点。  それから、時間がないから重ねて申しますけれども、いま加工原料用果実価格安定対策事業というのがありますね、それで私は調べてみました。現在は保証基準価格が二十九円九十八銭というところになっております。愛媛県などではこれに若干上乗せしまして三十七円というところまで保証価格を引き上げているのです。で、五十三年度は三十四円十八銭、国の方はですね、という予定で予算要求をしているそうでありますけれども、現地の農家の人たちはできたら四十四、五円ぐらいにしてくれないかと、そうすればある程度生産費も償えて、そしてミカンの価格暴落を下から支えて、そして経営を安定させることができるんだと、非常に強い要望です。この点どう思われますか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のとおりでございまして、この保証基準価格を引き上げるべしということで、来年度予算で約一一・四%値上げをいたしておりますし、もう一つは補てん率がいままで〇・八だったものを〇・九まで引き上げるという要求もあわせていたしております。したがいまして、これだけはどうしても実現いたしたいと思いますが、今後の事情を見ながら、これの引き上げについては相当工夫をして、厳しいミカン農家に対処したいと、こういう姿勢でおるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間がないのでかためて伺います。  それからもう一つは、ことしは特に表年で非常な過剰生産ですね。ジュース工場のフル操業をやってつくっているわけです。そういう状態で、このジュースの調整保管に対する倉敷料や金利、これに対する国の補助を制度化してほしいという強い要望があります。この点についてどうなさるおつもりか伺いたい。  それから晩柑の共同貯蔵庫の建設、これに対してもぜひ国が補助してほしいという強い要望があります。  それからもう一点、ジュースの輸出ですね、愛媛県の農家の人たちが苦労をしてサウジアラビアその他に市場を開拓して、ポンジュースがどうやら輸出できるようになっているが、この円高で大きな打撃を受けて、輸出量が減ってきている。そこに商社が乗り込みまして、そして台湾あたりからもジュースを仕込む、それから長崎その他からも仕込んで、そうして中近東にジュースを売る、こういうことで大きな痛手を受けているんです。農家の人たちの要望では、これは農家が共同してつくっている輸出会社ですね。ですから、ぜひこれに一本化して、この輸出をできるようにしてほしいという強い要望がありますし、同時に国も補助をしてほしいという要望がございますが、その点どうでしょう。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 調整保管につきましての金利、倉敷、これについては予算措置で対処してまいりたいと思っております。  それから中近東に対する輸出でございますが、この方面は……

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 制度化してくれと言っている。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) まあ制度化の前に、非常に需要量が少なくてそう大きな期待がかけられない。むしろ東南アジア、広く輸出できる方法ないかなと思って工夫いたしておるのでありますが、何分にもまだ需要が少ないということでございます。今後そういった輸出についても何らか方法はないか、研究してみたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 運輸省に、時間がないので一まとめにして伺います。  この間、今治の波止浜造船が倒産をいたしました。それで、その波止浜造船の構内下請として働いている業者、これは一人親方で、数人の人を連れて構内で作業をするという本当に小さな下請ですけれども、この人たちが下請代金を受け取れないままで、会社は更生法の適用を受けて、非常に困っているんですね。それで実例としては、会社更生法が適用された後でも、たとえば五十二年の八月に倒産しました朝日造船の場合で言いますと、その後で会社が寮の維持費とか下請代金支払いなどについて裁判所に申し出て、そうして裁判所がそれを認めたという例もあります。したがって、運輸省としてこうした零細な業者の苦境を救うために、会社に対してそういう措置をとるように行政指導をすることはできないか、その点が一つ。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 時間が参りましたので簡潔に。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 簡潔にやります。  それからもう一つ、関連下請ですね、関連下請については非常にこれまた苦境に落ち込んでおりますけれども、通産省それから運輸省その他が現地に行きまして発表された融資制度、あれではとてもいまの窮状は救えないというので、非常に強い要望があるのは、もう一度現状を調べに来てくれ、そうして現状に合ったような措置を至急に立ててくれという要望です。その要望をぜひ満たしていただきたいと思います。特に先日、これは円高の中小企業の場合ですけれども、東京都が特別な融資制度をやりまして、詳しく説明はしませんけれども、一年間利子は据え置いて、そして利子補給をして大体実質四・五%ぐらいの金利で中小企業に金を貸すという制度をつくりましたが、そのくらいの安い金利で金を貸し付けられるような制度、これを考えるべきじゃないかと思います。その点どうでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 最後の部分だけ私が先にお答えをいたしますが、東京都の制度は私も承知しております。そこで、先ほど来申し上げております円高に伴う中小企業の緊急救済対策に、できるだけ金額も大きく、金利も安くいたしまして、何とか救済対策を織り込みたいということで、いま最終の作業をしておるところでございまして、近くまとまる予定でございます。  その他の案件につきましては、通産省の問題につきましては、中小企業庁の長官から答弁をいたします。

謝敷宗登運輸省船舶局長

○政府委員(謝敷宗登君) 先生御質問の二点についてお答えをいたします。  波止浜造船の構内下請としましては、現在、波止浜工場で三百人、それから多渡津工場で三百人、約六百人ほどございます。現在まで下請賃金の支払いについては未済のものはないと聞いておりますが、ただ問題はその五〇%が手形で出ております。その手形の期限を延長して資金繰りをつけるということで、先般、中小企業庁、私ども、労働省で調査団が出ました後で、一般の市中金融機関の手形の返済について弾力的な取り扱いをしていただくということと、それからその他関係の中小企業関連対策を立てるというのが基本でございます。ただ、先ほど先生御指摘になりました会社更生法の後でもいろいろなケースがございますので、裁判所の決定に待たなきゃいけませんが、その内容に従って指導をするというのが一点と、それから特に私ども船舶振興会から中小企業向けの融資をやっておりますが、この点についても借りかえ等の機会に検討したいと、こう考えております。  それから第二点目の関連工業につきましては、これは中小企業につきましては、先ほど通産大臣がお答えになりましたとおりでございまして、中小企業一般の関連倒産防止の対策として検討していきたいと、こう考えております。  以上でございます。

岸田文武中小企業庁長官

○政府委員(岸田文武君) 波止浜造船の倒産は、金額も非常に大きいものでございますから、私どもとしても早速現地に調査団を派遣し実情の調査に当たった次第でございます。今後の対策は現地に設けられております本部が中心になって行われることになるかと思いますが、私どもとしても絶えずその実情の把握に努めてまいりたいと思っているところでございます。本日、たしか現地で下請関係者を集めて広域的な仕事のあっせんの会合が行われる予定になっておりますが、その際にも中小企業庁から職員を派遣して、現地の実情の把握及び指導を行うようにいたしておるところでございます。

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 以上で渡辺君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

内藤誉三郎自由民主党・自由国民会議

○理事(内藤誉三郎君) 次に、栗林卓司君の質疑を行います。栗林君。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私は、いまわれわれに問われているものは一体何なんだろうかという角度で牛場大臣にまずお尋ねをしたいと思います。  これは以前この委員会で一遍引用した例なんですけれども、アメリカの大統領経済諮問委員会委員長のシュルツ氏が新聞で語っている話として、こう言っているんです。「米国の貿易赤字はすぐ減る見通しはない。理由は何かというと、一つは原油輸入の急増である。もう一つは、米国と主な貿易相手国との成長率の差。いわばアメリカはちょっと景気がよかった、よってもってこう赤字がふえたけれども、この程度の赤字は米国にとって大した問題もなしに賄うことができる。」つけ加えて言ったのは、「しかし、このような大幅な赤字を抱えることは政治的諸問題を引き起こして、本来は別の理由による保護貿易論を力づける。」私はこのシュルツさんが言われたことはそのとおりだと思うのです。円高というのを足し算、引き算の経済問題だと理解すると対応を間違えるのでありまして、これは政治問題だと理解すべきではないのか。その底にあるものは、何といっても失業問題だと思います。  米国の失業がどうかというと、最近手にした資料によりますと、全米の平均失業率が七%、それ自体も深刻な数字でありますけれども、もう少し内容に立ち入りますと、白人の失業率が六・一%、黒人が一五%、実に二倍半であります。さらにもっと立ち入ってながめますと、白人の若者の失業率が一四・八%、黒人の若者に至っては実に失業率四〇%。結局、例の公民権問題以来、黒人の教育機会をふやしてきた。その若者たちが学校を巣立って、待っていたのが二人に一人が職をあぶれるというこの失業状態。まあ米国にとりますと、相当にいらいらした国内問題を抱えていると考えざるを得ません。  では、一体、日本はどうかと言いますと、表面の失業率は二%前後でありますけれども、潜在失業を加えますと約六・五%。平均で大してアメリカと違うわけじゃない。しかも、日本の失業の中心は中高年でありますから、事態はもっと深刻だという言い方ができるかもしらぬ。ただ、私が申し上げたいのは、アメリカはそうかもしらぬけれども日本はこうだと抗弁することに意味があるのだろうか。  先日、東京で社会主義インターの首脳会議が開かれました。各国代表の話を聞いていると、各国代表が口をそろえて言ったのは、それぞれの国のそれぞれに深刻な失業問題でありました。議長を務めましたウィリー・ブラント氏がさすがに触れられたように、「いま直面しているこの不況、構造的な経済危機というのは、資本主義経済がかつて経験したことのない種類でありましょうし、かといって社会主義の経験をもってしても的確な解答は出せない。」まことにもって大きな困難に直面したと言わざるを得ません。  円高問題にしても、こういう環境の中で起こった事件だと私は思います。では、一体、これにどう対応するか。たまたまEC副委員長のハーファーカンプ氏がやはり会議に出ておられました。その方の言われた言葉が、私は世界の指導者がいま悩んでいる気持ちを非常によく言っていると思うのです。引用しますと、「大きな変革に世界が直面している」と前置きをしながら、「全面的な変化の時代には不安や恐怖が大きくなる。だれでも保護を望むから、保護主義の危険は大きくなる。しかし、一国による保護主義的手段は、他国からの報復をもたらす。保護主義はナショナリズムの復活につながる。保護主義は雇用を守るかわりに雇用をかえって危険にさらす。われわれは三〇年代——かつての戦争であります——三〇年代の経験に学ぶべきである。」と、こう言っておられました。  こうやって見てまいりますと、実はいまわれわれに問われているのは、保護貿易主義の機運とどうやって闘うのか。逆に日本に置き直しますと、日本として保護貿易主義の機運にどう闘いながら世界にどう貢献するのか、私はこれがいまの問題ではないのだろうかと思いますが、牛場大臣の御所見を伺います。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) どうも私からお答えするのは余り的確でない御質問といいますか御意見だと思うのでございますけれども、私も確かにいま保護貿易と闘うことが一番の急務だと思います。また、その保護貿易の起こってくるもとには失業問題があることもこれは確かなことであると思うのであります。ただ、私は、戦争前と比べてみますと、いまは何と申しましても通貨の問題にしましても通商の問題にしましても国際的なルールというものが一応確立しておりまして、これによって各国が一もちろんこのルールというのはいまだ共産圏には及んでおりませんけれども、少なくとも自由諸国の間におきましてはそういうルールが確立しておりまして、それに従って各国が行動している、これが昔と非常に違うところであって、それだからこそいままで保護貿易の台頭も抑えてくることができたと思う次第なんであります。現在、日本の問題としまして、やはり日本のどこから見ても非常に急激な国際収支の黒字の堆積ということがこのルールを守ることを各国に対して非常に困難にしているという事実、これはどうも認めざるを得ない次第でありまして、これに対して対策をとるということが、結局、日本のためにもいいことであるし、また世界経済にとっても必要なことである、こういう観点からわれわれとしてはこの問題に取り組んでおるというふうに考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 農林大臣にお尋ねをするのですけれども、大変むずかしい問題があることは私も承知しております。ただ、大臣の問題意識として、保護貿易主義の機運にどう対応していくのか、きわめて大きな今日的な問題であるという問題意識はお持ちかどうか、その点だけまず伺っておきます。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 今日の対米のみならず国際経済は非常な厳しい時期でございまして、特にアメリカの保護貿易主義というものの台頭は非常に恐ろしいことである、何としてもこれに対処して解決して自由貿易が今後とも発展するようにしていかなければならぬ、こう思っております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 そこで、そのために、では日本として何をなすべきか。まあ問題が広いのであえて大胆に三つに対策を区切って言いますと、一つは、やはり農産物の自由化だと私は思います。二番目は何かと言うと、複雑かつ迷路のような流通機構をどう改善するか。三番目は、相手国に不安とか恐怖を与えるような輸出態度をどう是正するか。私はこの三つではないかと思うのです。  そこで、さらに問題をしぼりながらお尋ねをしたいのですけれども、まず農産物の自由化あるいは枠の拡大の問題について大臣にお尋ねしたいのは、日本の畜産がどうなってもいいなどという立場で牛肉を私は取り上げません。ただし、日本の畜産をどうやって育成するのかという立場から政策をお立てになるのか、六十万と言われている畜産農家そのものを守ることを目的にして政策をお立てになるのか、ここは私は政策を立てる場合の重要な分かれ道だと思います。お立場を伺います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) 現在、農業が置かれている立場にむずかしい相矛盾する問題もあるわけでございます。一つは、食糧の自給率を高めよと、国民の食糧は国の内でつくりなさいという問題が一つございます。一つは、国際競争力に打ちかつようにし、また、できない部分は外国に開放したらいいではないかという問題。もう一つは、やはり農家の経済ということ、農家の生活安定ということもやっていかなきゃいけない。この三つの相矛盾する問題をいかに調和をとっていくかということが農政の一番むずかしいところでございまして、どれに重点を置いてもいけない、またどれを欠かしてもいけない、何とかこの接点を求めてやっていかなきゃいけないというのがいまの農政の厳しい点だと考えておるところでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 簡潔に要約しますと、足して二で割りたいという御答弁なんですが、なかなかそう私はいかないと思うのです。たとえば牛の場合に、裸で国際競争をしろと言ったってそうはいきません。やっぱり補助金であるハンディをつけながらしっかりがんばってくれということが立場だと思いますけれども、それは、結果として、いまの畜肉業生産を上回るあるいは畜産規模になるかもしらぬ、だけれども農家とすると十万戸か二十万戸になるかもしらぬ、そういう変化というものを想定していかないと、行く行く世界とのかかわり合いで日本の畜産も食糧自給も重要でありますから守りたいと言ったって、やっぱりその道を選択せざるを得ない。というと、枠ではなくて、補助金を使いながら日本の畜産農家をどうするかという議論になりますし、片や六十万戸の家計が大変だということになると、輸入枠という形で今日のきわめて不健全、不自然なことによらざるを得ない。しかも、それは私は決断が迫られているのじゃないか。農家がどうなってもいいとは言いませんけれども、たとえば構造不況業種に働く四百万のうちの一割、四十万は職を失うかもしれないという大きな激動の中で、ともどもに日本丸の一員として農業をどうするか、あるいは農家をどうするかという問題でありますから、足して二で割るではなくて、やはりどこかにアクセントをかけて大胆に取り組まざるを得ないのじゃないかと思います。重ねて伺います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) そういったむずかしい中で肉に一体どう対処するかということでございますが、先ほど来申し上げたように、日本の肉が高いということで消費が伸びない、世界一肉の消費量が少ないということでございますので、何とか生産段階について国が手当てをして、農家の皆さんの御協力をいただいて合理化をして、根っこの値段を安くするようにしなければならない。もう一つは、流通コストが非常に高過ぎる、複雑である。ここにもメスを入れることによって消費者の要望にこたえ、消費の拡大を図る。結果、生産農家の方々も安んじて生産に従業することができる。かたがた国際的な輸入に対してもこれは期待にこたえることができるのではないかと、こういう苦しい中で三つが成り立つ道があるはずだということで苦悩をいたしておるところでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 時間がありませんから別の機会に譲りますけれども、ただ、この円高にどう対応するかと考えますと、なかなか名案がないんですね。そのときに非常にシンボリックでぴたっとくるのがやっぱり実は農業自由化になってしまう。その意味ではなかなかに重い荷物をしょわれながら、しかも時間の制限というのを持ちながらの仕事だということを十分お考えの上で、それこそ国のための仕事をお願いしたいと思います。  時間がないので、はしょりながらお尋ねしますけれども、これは通産大臣にお尋ねします。流通機構がまことに複雑かつ迷路のようである。よってもって映えないではないかという声も間々聞くわけでありますけれども、この問題は深くは立ち入りませんが、そういう流通機構を育てている原因の少なからざる部分が私は許認可行政ではないのか、さらにまた、金融制度全般の余りに自由化されていない現状ではないのか、かねがねそう考えてまいりました。  後段の部分は、後ほど別な機会に担当大臣にお尋ねをするとして、許認可行政問題について、国務大臣として、実は行政改革という問題も絡んでいるわけでありますけれども、ここは大胆にひとつ国際社会に通用するような行政、そしてまた流通機構という意味ではこれも大胆に私は踏み込んでいかなきゃいかぬのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) ことしの七月に、産業構造審議会から、現在の日本の流通機構を何とか改善しなければならぬということについて指摘を受けました。まあ来年じゅうには長年の懸案でございますから何とか業種ごとに目鼻をつけたいということでいま省内でも作業をしておりますが、その場合に、いま御指摘の許認可を簡素化することによってもし流通機構の改善に役立つことがありとするならば、これは当然断行しなければならぬと考えます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 仮に、だとすればしなければいけないと思いますというお答えにしては、ちょっと事態が切迫しているのではないのか。その意味で、くどいようでありますけども、ひとつ行政改革の方も、あれは福田内閣がずいぶん前からしょっちまって、いまだに不渡りになっているわけでありますから、本当は来年早々ぐらいまでにこれは決めなければいかぬ。かねてあのむずかしい問題に日本政府がいよいよ取り組むのかということも、私は、仮に日米関係の問題に置き直すのなら、向こうに対する一つは理解を求める材料ではないか、急ぐ必要があろうかと思いますが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 許認可の問題に関連しての行政改革の問題でありますが、これはこの対米交渉の決め手ではない、これは日本独自の問題である、こう私は思いますが、ただ、この流通機構を改善することによって国内の輸入価格が安くなる、そうすれば当然外国から輸入品がふえるわけでありますから、そういう意味での流通機構の改善であり、また許認可事項の問題であり、また行政改革の問題である。やはり当面の緊急の課題は別にあると、このように理解をしております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 時間の制約がありますから急ぎます。  先ほど申し上げた三番目ですけども、相手国に不安とか恐怖を与えないような輸出態度をどうやってつくっていくのか。これも広い問題でありますけれども、さしあたって急がれるものが実は内需の拡大であることは言うまでもありません。そこで、よってもって七%になるのですけれども、七%、これを本気に達成しようとしますと、一ドル二百四十円じゃどうにもならないのじゃないか。一ドル二百四十円で日本を締めつけておいて世界でよろしいのかということは言い続けていかないとだめなんじゃないか。といって、これは幾らがいいかは、相場に聞けという話があるわけですから、議論だけで決着はつきませんけども、こんな急速な為替レートの変更で一ドル二百四十円なんてやられたら日本経済はまいってしまうし、世界のためにもアメリカのためにもならぬ。アメリカがやったとは言わないけれども、二百四十円はきわめて日本政府としては不満であるというようなことは、これは、牛場大臣、言い続けていかないといけないのではないでしょうか。御所見いかがですか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 私ども全くそのとおりに存じます。現在言われておりますのは、一方において日本の経常黒字が非常に大きい、他方においてアメリカの経常赤字が非常に大きい。この黒字と赤字との大き過ぎるやつがだんだん減ってこないとなかなか通貨の安定は期せられないと、まあ一般的にはそう言われておる次第でありますけれども、われわれとしては、とにかく円がどんどん上がるということはもう国内的にも非常に困ることですから、その点はもう機会あるごとに各国、各方面に対して印象づけてまいりたいと思っております。   〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 同様趣旨で通産大臣にお尋ねをするのですけども、先般のある会合での御発言というのは、いわば危機感からお出になったんだろうと私も理解します。ただ、心配するのは、まあ二百四十円になっちゃったからどうしようかという心配も片方でしなければいけませんけれども、ついこの間まで当時の経済企画庁長官が、日本の危機ラインは二百六十円だと言っていたのであります。それが二百五十円を突破して、二百四十円でも何とかまあ生きている。これが外国に与えるけげんな印象というのは、国際社会で仕事をする場合に決して小さな要素ではないのじゃないか。したがって、前の御発言をとりたてて言いませんけども、通産大臣とすると、いわば経営のミクロの経済に対して一番詳しいわけでありますから、その意味で、二百四十円ではとてもではないということはもっと機会のあるごとに内外にやはり表明していただくことがいまの時期には必要ではないかと思いますけども、いかがでしょう。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 通産省の最近の調査におきましても、現在の円レートの水準でやっていける産業というものはごくわずかでございまして、二、三にすぎません。大部分の産業というものは致命的な打撃を受けておるというのが現状でございます。ましてや、いま主だった産地産業が全国で七十九ございます。もちろんこれは中小企業中心でありますが、これらの調査におきましても、一月以降はほとんど注文がとだえておる、外国からの取引が成立をしない、こういう状態でありますので、実は通産省といたしましては一月以降の大きな影響を大変恐れておるわけであります。そのためにいま緊急立法を用意いたしまして、この円高ショックから何とか中小企業を守らなければならぬ、また構造不況業種も守らなければならぬというので、これも新しい立法を用意中でございますが、いずれ国会で御審議をお願いすることにもなるわけでございますが、そういう緊急対策は立てますけれども、しかしながら、現在の水準でやっていけないということは、これは円が実力以上に評価されておる、こういうことにはなるわけでありますから、私もそれは機会あるごとに強調をしておるところでございまして、先般もプレスセンターで外人記者クラブとの懇談がございましたが、その際も、現在の水準というものは日本の実力以上の評価である、どの水準が妥当かということは言えないけれども、とにかく過大な評価を受けておると、こういうことは強調したところでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 七%の問題に触れたいのですけども、時間がありません。  最後に、一つだけお尋ねしますけども、円とウォンの関係は固定平価でございまして、したがって、ドルに対して円が二十数%切り上がったということは、円がウォンに対しても同率で切り上がったということに等しいと思います。隣国でありますから仲よく一緒ということはあるとしても、それやこれやを考えたときに、東京ラウンドはとにかく下げりゃいいんだと一本調子なんだろうか、元来が多国間の問題を二国間の問題にすりかえ過ぎていないか。その意味では、前向きに自由を求めながら、なおかつ慎重な対処が東京ラウンドでも私は必要だと思いますが、その点だけ御所見を伺います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 日本の場合は、いま緊急の課題が二つあると思うのですが、一つは、いま御答弁いたしました円のレートの問題の背景は、これは世界全体に対する余りにも大きな経常収支、ここに問題があります。それからもう一つは、特にアメリカとの間には貿易の不均衡というものが非常に大きな数字になっておる。この二つの問題を十分考慮しながら東京ラウンドに当然臨まなければならぬわけでありますが、その基本的な精神というものは、あくまで日本が自由貿易の原則を堅持しなければならぬ。もしこれが保護貿易になれば、世界経済全体の縮小均衡につながりまして、そしてそれはまた日本の経済の縮小均衡にもなる、失業問題が起こってくると、こういうことになりますので、あくまで自由貿易の原則を堅持していくためには日本としてどう対応すべきかということを念頭に置きながら臨んでいきたいと考えております。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で栗林君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まず、せんだって十一月十日の予算委員会で、第二院クラブの市川議員が、円高差益の問題につきまして、これが一向に消費者に還元されているという状況がないという趣旨から、灯油あるいはガス、電気料金の値下げを行政指導すべきだと、こういう主張をいたしました。その際、通産大臣は、物価担当官会議の第五項で、石油製品をも含めて民間取り扱い物資について必要に応じて適切な対応を図ることになっておると、こういうお答えをいただいたわけでございまして、またエネルギー庁長官は、灯油については、今後のレートの推移もあるし、あるいは十二月に予定されておりますOPECの総会の状況なんかも見ながら適切に対処したいと、こういう答弁をなされたわけですが、あれ以来一カ月以上たっておりますけれども、事態は一向に変わっていないということで、消費者の中には、円高差益が莫大にあるはずの石油業界から、少しも消費者に還元するという形が見えないではないかという不満を大きく持っているという事態は一向に変わっていないと思うのですけれども、この辺につきましてまず御所見を承りたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 円高に伴いまして石油業界に大きな為替差益が出ておるということは、これは事実であります。しかし、この問題に対して最終的にどう判断を下すかということにつきましては、実は昨日から開かれておりますOPECの結論がどう出るかということを見まして最終的な判断をしたいと考えております。特に御指摘のございました灯油につきましては、これは国民生活の必需物資にもなっておりますので、条件が整えば何とか値下げの行政指導ができないものか、いま検討をしておるところでございますが、近くその結論を出したいと思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ガスあるいは電気料金となりますと、多少違った要素も含まれてまいりますので、灯油をあえて取り上げますのは、一番国民生活に身近な物資でもございますし、石油に直接結びついてわかりやすいという点から取り上げるわけでございますけれども、円高の状況も一向に変わっていない。しかも、気象異常と申しますか、これは世界的な規模でそうだと言われておりますが、日本も暖冬異変というのですか、大変に気温が高くて灯油の消費がうんと落ちておりますね。ですから、灯油が現在はだぶついているという状況ですね。通産省の調べによりましても、九月末で六百三十八万キロリットルあった在庫が、十月末には七百万キロリットルになっている。石油会社の中には、もう灯油を貯蔵するタンクがないので原油のタンクの中にもう一度戻して貯蔵するということしか方法がないというようなことまでとっているところもあるというふうに伺っておりますし、実際に店頭に灯油がないということはございませんので売り惜しみという事態ではございませんけれども、しかし、そういう暖冬で消費が減っている、しかもたくさん在庫がある上で円高の実情は変わらない、こうなりますと、ますます円高の差益が石油業界にだぶついてしまうのではないか。こういう事態を全くほうりっ放しにしておいて、国民生活を無視したあり方ではないか。いま、OPECの状況について判断を下さなきゃならないというお話ですけれども、世界的な環境から申しましてそう大幅な値上がりはないのではないかというような予測が大方なされているようですけれども、その辺からも絡めまして、もう早急に何とか対処していただかないと、政府に対する一般の国民の信頼感さえも失われてしまうのではないかということを私は懸念するわけでして、一刻も早く何とか手だてを講じていただきたいというふうに考えるわけですけれども、重ねて御所見を承ります。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) OPECの結論もここ一両日中には出ると思います。したがいまして、その他の幾つかの要素もありますが、それらも全部含めまして総合的な判断を近く下しまして、できるならばこういう情勢でありますから値下げの方向に行政指導をしていきたいと、こう思っておりますが、その最終の結論はもうしばらくお待ちいただきたいと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 そのOPECの結論でございますけれども、それも世界的な環境の中から大した大幅な値上げはないのではないかという予測がなされるということの一つの事実は、自民党税制調査会が石油新税の設定を決定したということでもわかると思うのですね。実際にそんな大幅な値上がりがないであろう、だから新税をかけても大丈夫なんではないかということでこの考え方が出てきたんだと思うのですけれども、一方では、もし原価が値上がりすれば、いま値下げをしてしまえば業界が困るではないかという御議論を持ちながら、一方では当分原油の値上がりがないだろうから新税をつくろうじゃないかと、こういうことになりますと、国民の側といたしましては、値下げはしないで税金だけで国民に還元するというかっこうで業界から吸い上げるというのははなはだ一方的ではないかという見方も当然あるわけですし、また石油業界の方の発言を見ますと、そういうふうな税金を課せられたのではこれは石油製品を値上げすることによって相償ってもらうことよりしょうがないじゃないかという発言までしているわけですね。ですから、ますますもって国民は踏んだりけったりという状況に追い込まれるわけでして、こういう状況を踏まえまして、ですから、大臣も申されましたように、早いところ処置をすべきだというふうに考えておるという御発言を私は信頼いたしますけれども、もう少し早目に国民に納得のいくような説明を少なくともお出しになるとかいうことでないと説得力を失うのでないかと思いますが、その点重ねて御答弁をお願いします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 今回の石油新税は、これは日本のエネルギー政策の中心は当分の間はあくまで石油でありますので、石油に全部還元をいたしまして石油政策を強化していくということで進んでおるわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても金額は二千億前後でございます。まあそういう負担は新規には出てはまいりますけれども、しかしながら、一方において、先ほど来繰り返しておりますような大幅な円高もありますし、OPECの動向等もありますから、そういう動きを全部総合的に判断をいたしまして、できるだけ早く何らかの目鼻をつけたいと、こう思っておるところでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 通産省がまとめました小売価格の発表がございましたけれども、これはまあ消費者モニターの報告に基づいて調査したものだというお話でございますけれども、十一月来店頭価格が十八リットル当たり全国平均で七百十七円と、前月比わずか一円安。その後日を追って下がるはずの石油が全く下がっていない。というのは、キロリットル当たり三万二千八百円の元売りを業界が固守してこれを崩そうとしないというところに問題があるということで、消費者の団体などは二十二日に全国的に統一行動を起こそうというところまで事態は来ておるわけでして、ですから、この仕切り価格を二千円キロリットル当たり下げれば、一かん当たり三十六円から五円ぐらい下がるのじゃないか。実際、ことしは、暖冬でもございますけれども、これからなんですね、灯油を必要とするのは。一番生活に密着した問題でございますので、この辺から説得力のある行政指導をなさっていかないと、先ほど来申しておりますように、国民からも政府の信頼さえも覆されてしまうということでございますので、重ねて大臣に御努力がいただけるように少なくとも一番象徴的な部分を私は取り上げて申し上げているつもりなんです。先ほども申し上げましたが、ガス、電気の料金と別で、わりあい直接的にわかりやすいという点で一番国民に納得しやすいと思うんで、その点再三申し上げておるわけですけれども、御決意のほどはわかりました。早急に具体的な対策を講じていただきまして、はっきり国民生活のためにわれわれは努力しておるんだという姿勢を政府がお示しになることがまず第一に肝要だというようなことを申し上げまして私は質問を終わりますけれども、もし御所見を承れましたら、まだ一分ございますので承りたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) いま、灯油は、国民生活にとりまして米と同じぐらい重要な比重を占めていると思います。そういう重要な商品でありますから、いまお述べになりました御趣旨は十分わかっておりますので、できるだけ早く総合的な判断をいたしまして方向を明らかにしたいと思います。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で青島君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、柿沢弘治君の質疑を行います。柿沢君。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私に与えられた時間はわずか十分でございますので、簡潔に御答弁をいただければ結構でございます。  牛場大臣、アメリカとECとに回ってこられた。いずれについても日本の五十三年度の七%成長率を高く評価したと言われておりますが、これはこれからの日本の経済運営にとって不可欠のといいますか、至上命題、対外経済関係を円滑にするための至上命題というふうに考えてよろしゅうございますでしょうか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) 私は、先ほどからも申しておるのでございますけれども、日本政府の決めました来年の目標を伝えたということだけでございまして、それを向こうが高く評価したということでございます。もちろん、伝えました以上は、これは日本政府として実現のために努力するということも入っておりますけれども、それは決して対外的な公約という意味ではございません。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 しかし、福田総理がロンドン会議へ行って七億ドルの赤字、六・七%の成長率というのを約束してきた。それが実現されなかったということが現在の円高やアメリカ側の日本に対する不満の根源になっていると考えられますが、それにもかかわらず、公約でない、実行できなくても大きな問題にはならないというふうにお考えでしょうか、その認識を伺いたいと思います。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) ロンドン会議での各国の経済成長率の見通しは、アメリカもしくじりましたしドイツももちろん実現していないということで、日本の六・七%というものも不幸にして実現いたしませんでしたけれども、これは別に公約違反とかそういうふうには世の中で受け取られておらないと思うのでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 まあその程度の、西ドイツやヨーロッパ諸国も成長率を達成できなかったんだから、わが国も達成できなくても決してそう謝ることではないという程度の認識で経済政策をやっていらっしゃるから、いまのような大幅な黒字が出るのではないでしょうか。もしも七%もその程度のものだ、一%程度の変更は決してアメリカに対する責任にはならないというお考えであれば、七%をあれだけ大きく宣伝をし国際的に評価をしてもらったと言って喜ぶ姿勢は逆におかしいと思います。私は、七%が実現しない場合には、それが貿易収支の黒字幅の拡大その他の面でいろいろな意味で大きな問題を引き起こす、対米的にも問題を引き起こす。もしそうお考えにならないのであれば、六か七かというような数字の遊びに余りこだわるべきではない。特にきょうは総理大臣はおいでになっておりませんけれども、一%前後の数字にこだわっておられるというのは私どもには奇異に感じます。しかし、政府全体がそういうふうにこだわっておられますので、私もその七%が実現するかどうかという点に焦点を当てて御質問をしたいと思いますが、河本大臣は特に三大臣会議で高い成長率七%を主張したと聞いておりますが、そのとおりでしょうか。そして、それは実現可能だというふうに考えておられるのでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、昭和五十二年、ことし予想外の大幅な貿易収支の黒字、ひいては経常収支の黒字になりまして、世界全体の経済にわが国が非常に大きな影響を及ぼしたというその根底は、わが国の景気が思うとおり回復しなかったことにあると思っております。つまり、六・七%という経済成長が、相当大幅に目標を引き下げざるを得なかったというところに大きな原因があると考えております。  そこで、いま日本としては世界じゅうで飛び抜けたこれだけの黒字を出しておるわけでありますから、どうしても日本経済がいま世界に及ぼしておる影響というものについての責任を感じておるわけでありますが、そのためにはやはり日本として可能な限りの高い成長、つまり景気の回復、内需の拡大というものを進めまして、そしてそのことによって経常収支の黒字というものをできるだけ減らしていくという方向にしなければならぬ、このように思っております。したがいまして、実現可能な最大限の成長を目標にすべきである、こういうことを私はかねがね強く主張しておるわけでありますが、三大臣の会議におきましても当然その主張をしたわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 私、時間を節約する意味でメモを書いてまいりましたが、来年度七%の実質成長率を達成するためには、このメモの下の方ですけれども、需要項目別に見ると、個人消費で一二%程度の伸び率にしなければいけない、名目です。これはことしの個人消費支出の一一・四に比べてそれを上回るようなものです。これは、果たして来年の春闘——ベースアップがことしよりも大きくなるというふうにお考えなんだろうか、もしくは貯蓄性向が下がって消費に回るというふうにお考えなんだろうか。私はこの一二%は過大だと思います。それから民間住宅建設もことし七・五に対して一四を見込んでおられる。これも政策努力だということなんでしょうが、容易な数字ではない。それから設備投資に至っては、ことしは当初見通しの六・三を三%に下げたにもかかわらず、来年は一〇%も伸びるという見通しを立てておられる。どうしたらいまの構造不況業種を大きく抱えた民間の企業が一〇%も設備投資を伸ばせるのだろうか。果たして、企業家でもいらっしゃる通産大臣、これが荒唐無稽でないという理由があるのだろうか。さらに民間在庫投資に至っては、ことし三%の伸びでございますが、来年は何と二五%も伸びるということになっておる。それは不可能な数字ではないか。それから政府支出−財政で景気を引っ張り上げるということを政府の方はおっしゃっておりますが、ことしも政府支出全体、公共事業と経常支出を加えますと一六%程度しか伸びないと見込まれております、これはGNPベースですけれども。そうすると、ことしが一四・七ですから、わずかに伸び率のアップは一・三しかない。ことしと大差のない財政支出の拡大で果たしてエンジンになり得るか、これも私は疑問だと思います。そういう意味で、需要項目別に調整して見てみますと、とても七は達成できない。むしろ荒唐無稽の数字だという感じがいたします。  さらに、それを四半期別で考えてみますと、五十二年度の四−六月、七−九月期。これが七−九月期が速報が出て〇・五%、つまり年率で二%の成長のカーブです。その後、ことしの改定見通しである五・三にいくためには、十−十二月期と一−三月期と一・四%の伸び率、つまり年率で五・六%、六%近い成長のラインに乗らなければいけないということを政府は見通しておられますが、ことしの下期にそんなに大きな成長が見込めるのか。そして、来年は年率で八%の成長を年度当初から最後まで続ける。そしてやっと年度間で七になるわけです。八%の成長というのが果たして期待できるのだろうか。特にことしの十−十二月、来年の一−三月について政府のような強気な見通しをしないで、七−九月の年率二%成長がずうっと横に続く、二%成長ラインでいくとすると、ことしの成長率は五・三ではなくて四・六になります。四・六からスタートして来年七%の成長を達成するには、各四半期で二・五%の成長、つまり年率で一〇%、実質成長率一〇%の成長を年度の最初から最後まで続けるということが必要になってくる。この需要項目別のチェックと四半期別のチェックから見て、八%という数字は非常に実行不可能な数字だと思います。  時間がなくなりそうなので申し上げることだけ先に申し上げてしまいますと、どうも不況になると幻を売る産業がふえてくる。ネッシーが出てきたり、パンダのお産が出てきたり、政府もそれにならって幻ばかりをことし売り続けてきたのじゃないか。行政改革も幻、医師税制も幻、そして最近では牛肉の値下げも幻、そして来年また七%成長という幻を売ろうとしている。いわば、七%成長路線というのは、パンダのお産みたいなものである、実現しないというふうに考えざるを得ないわけですが、パンダに子供を産ませる方法が果たしてあるのか……

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 時間が参りました。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 その点を通産大臣として御答弁いただければ幸いでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) この答弁は、私よりも経済企画庁の長官がされるのが当然だと思いますが、御質問でございますから簡単に申し上げますと、これらの項目の数字は、きょう夕方閣議が開かれまして、そこで正式の説明が企画庁の長官からあろうと思います。ただしかし、私はことしの見通しが大幅に狂いましたので、来年はこれはもうぜひ実現しなければならぬと思いますし、特に日本の成長率いかん、景気の動向いかんが世界の経済に貿易を通じまして非常に大きな影響を及ぼしておりますので、この程度のことはどうしてもやりませんと、経常収支が妥当な水準まで減りませんししますから、これはあくまで実現しなければなりませんし、またそれは可能である。そのためには、単に財政政策だけではなく、金融政策、貿易政策、産業政策、すべての力を結集しまして総力を挙げてこの実現に当たるべきである。私はむしろ柿沢さんからしっかりやれという激励を受けたかったのでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 想像妊娠でないことを期待しております。

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で柿沢君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 次に、秦豊君の質疑を行います。秦君。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 わが大会派に与えられた時間は十分、まことに貴重ですから、答弁の方もそのおつもりでよろしく。  牛場さんがクーパー国務次官に会われて、輸出でやられたら困るという大きなくぎを刺されたらしいのだけれども、通産大臣ね、現状と対比しまして、一体、対米貿易というのは、対米輸出はどの程度であれば摩擦を誘発しないのか、その辺はどう考えていらっしゃいますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 対米貿易を考えます場合には、貿易外の収支をアメリカ、日本二国間で計算をしてみますと、二十数億ドル、ときには三十億ドル近くございます。でありますから、その点をまず考慮する必要があろうかと思います。それと、アメリカの基本的な態度は、日本はどんどんアメリカに輸出してよろしい、ただしかし、それにふさわしい輸入をしてもらいたい、こういう姿勢であります。しかしながら、余りにも大きな黒字幅になりますと、これはアメリカ国内にいろいろな面での影響が出てまいりますから、その点については十分留意をしなければならぬと思いますが、いま数字を挙げましてどの程度のインバランスが妥当かということについて申し上げるのは、きわめて微妙な段階でもございますから、それはお許しをいただきたいと思います。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 しかし、なるべく早く通産としてはある指標、モデルを持つ必要がありますよ。  牛場さんにこれは伺いたいのだけれども、たしかペンシルバニア大学のクライン教授が、円の対ドルレートは二百三十円なら妥当だろう、適正だろうということを発表されています。あなたがずっとブルメンソールさんとお会いになりまして、あなたが接触された全体を通じて、一体アメリカはどのあたりの水準をねらっているというか、誘導しようとしているのか、この辺の感触は得られましたか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) レートの問題は今度余り触れませんでしたし、感じだけ申しますと、日本の円は実際十分上がったという感じがアメリカでは少なくとも物のわかった連中の間ではそういう感じがあるのじゃないかと思います。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 それから牛場さんが東京に帰られまして個別対策が大切であると表明していらっしゃいますね。それなりにあなたのお考えはわかるのですよ。具体的なところが全然わからない。たとえば、具体的に自動車、コンピューター、カラーフィルム、こういう三つの個別対策についてアメリカ側は一体どう評価したのか、どういう反応を示したのか。たとえば、あなたはこちらへ帰ったでしょう。すぐアメリカは全部スタッフを動員してコンピューター予測をやって、日本のこの個別対策程度であれば対日輸出は余りふえない、がっかりだという反応さえちらつかしているんですが、どうですか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) ただいまお示しの三つの品物についてでございますけれども、これはいま関税の前倒し引き下げをやったわけでございまして、引き続いてまた今度の東京ラウンドの関税交渉の際に日本としてどういうオファーをするか、これはまだ決まっておりませんけれども、さしあたりの反応は、カラーフィルムについてはアメリカの関税と同じ関税まで下げてもらいたい、しかし、これは一遍でなくてもいいから二、三回にわたってというのが大体の感じではないかと思います。それからコンピューターにつきましては、やはりもう少し下げてくれということでありましょう。それから自動車をゼロにしたことにつきましては非常に印象を受けたようでございますけれども、自動車については関税よりはむしろいわゆる輸入手続とか日本の流通機構とかそういうことが問題なんだということをしきりに申しますから、それはそうでないんだ、とにかく関税をゼロにするということは通関手続が非常に簡素化されることだし、個人の使用のために入れる車をすぐ転売すること——これはもちろん国内の税金は払わなければいけませんけれども、そういうこともできるようになるのだし、これは非常な緩和を意味しているんだから、もっとよく勉強してもらわなければ困るということを言ってまいりまして、これはある程度向こうも了解していると思います。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 牛場さん、大変御苦労だったけれども、やっぱり今度の交渉は牛肉が足を引っぱったと思うのですね。牛場さんに対して具体的なずばっとした要請があったんでしょう。どうも、政府側の反応を見ていると、牛肉はいろいろやられている、そしてアメリカは来年中間選挙だから、まあ圧力団体に弱い下院議員がスタンドプレーでやっているんだと、一過性だというふうなまさか浅薄な認識はお持ちでないと思うが、アメリカ五十州のうちで牧畜州というか肉をつくっている州は三十あるはずですよ。ならば、これは恒久的な圧力要因になると思うのがむしろ常識であって、風のように通り過ぎる一過性じゃないとぼくは思っている。これは中川さんと牛場さんと両方の大臣にお考えを伺っておきたい。

中川一郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(中川一郎君) まさにそういう多くの関心者が集まった結集の合意として牛肉に関心が集まっているんだろうと思います。しかし、現実四千トンしか使っておらないものにそれ以上あるいは無理なことを言われてもどうにもならぬというのが現状でございます。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) いまお示しのとおり、畜産の州というのは非常に多いのですね。そのために、それに関係している議員の数も多いということで、アメリカの政府としてはそういう連中を保護守義に走らないようにしなけりゃならぬ。そのためには日本がひとつ牛肉の輸入をふやすということで助けてくれと、こういう考えがあると思います。  それから向こうでこれは上院議員の会合の方が非常に強く出たのでございますけれども、私は十人ほどの上院議員と会合いたしまして、そのとき聞いておりますと、やっぱり牛肉に関して、これは日本の制度の誤解も相当あるんです、これはもっとよく説明しなけりゃいかぬと思いますけれども、とにかくもっと買ってくれという話でございまして、端的にホテル割り当ての量をふやしてくれと、アメリカ自身だって輸入しているじゃないかとかいろいろもうそういう理屈は抜きにしてとにかくそのホテル割り当てをふやしてくれという話でございまして、これは決して一過性ではないと私は思います。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 これは端的に牛場さんにお答え願いたいのですけれども、いまのこの状態は、やたらとドルをため込み過ぎた四十六年夏、あのロッキード・スキャンダルの起こったあの年の状態とまことに酷似しているんですよ。それで、防衛庁にも一部勇ましい意見が出ているようだが、F15とP3C対潜哨戒機については具体的にアプローチがあったのかなかったのか、その点はどうでしょう。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) その問題につきましては、今般向こう側から何も話はございませんでした。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 これは河本さんにちょっとお考えを伺っておけばこれからこの問題を考える上で裨益すると思うのですけれども、私の見方は、アメリカの基本的な考え方というのは、日本抜きでロンドンの外為市場を操作して、狭い市場を、それで今度の円高を演出したと、ぼくはそう見ている。だから、仕掛け人はアメリカの多国籍企業とアメリカ政府、応援団がAFL・CIO、そして中間選挙を控えた議員たち、こういう図式になると思うけれども、それはどうでもいいことであって、描けばそうなる。しかし、アメリカの考え方は、石油とオイルダラーのリサイクリングというものを安定的に確立をする、それから七八年の年明けにはストラウス氏がやってくる、第四週からはアメリカの議会が再開される、その辺を見据えるというか、見切った上で、今度は一転して強いドルを目指した一連の措置を打ち出してくるのではないか。それまでは通商面でぎりぎりぎりと日本側を締め上げる。だから、来年は下手をしたらドル高・円安というふうなことに追い込まれかねないという危惧を私は持っているのだが、河本さんはどうですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(河本敏夫君) 私も、先ほど来お話ししておりますように、現在の円の水準は実力以上の評価を受けておると、こういうことを言っておるわけでありますから、日本が実力にふさわしい評価を受けるようになることを期待しておるわけでありますけれども、将来の見通しにつきましていま申し上げることは不可能だと思います。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 タイムリミットのようですから、これは牛場さんにちょっとお考えを聞かしてください。アメリカは、ドルのたれ流しというか、つまり過剰ドルですね、これを処理する方法として、すでに一つの法案を通しているけれども、金約款の復活、それから一種の管理通貨体制、あるいは保護貿易とは言われないように擬装をこらしながらする一種の管理貿易、この方向へすでに踏み出しているのではないかという印象を私は持っているんですよ。三月はIMFがありますよね。そうしますと、ドル、マルク、円という三つの通貨を一種の基軸通貨のように扱って、それは三国間の定期協議やなんか随時協議で一応ある水準にフィックスする、そうしてあとはその周辺の通貨とのフローティングを認めるというふうな方向へだんだん道がつきつつあるのではないかと私は思うんですよ。牛場さんはどうですか。

牛場信彦国務大臣

○国務大臣(牛場信彦君) どうもこれは私は専門家でございませんし、お答えするのにはなはだ知識も足りないわけでございますけれども、アメリカのいま保護主義の浮上というのは労働組合が非常なもとになっていることは確かでございますね。その中には確かにいま言われました管理貿易に近いような思想もございますけれども、それは私はやはり行政府としてもないしは議会におきましてもそういうような全般的な管理貿易的なことには反対の力がまだ強いと思います。ただ、その力を強くしていく上において、ことに行政府としては対利害関係上日本の協力を得たいということでございまして、ことに個別品目対策につきましてはアメリカの要求の中にはそういう色彩が非常に強いということは確かに感じられます。

秦豊無所属クラブ

○秦豊君 終わります。(拍手)

鍋島直紹自由民主党・自由国民会議

○委員長(鍋島直紹君) 以上で質疑通告者の発言はすべて終了をいたしました。  これにて散会いたします。    午後三時五分散会

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