物価等対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/04/12
会議録
○委員長(斎藤栄三郎君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました物価対策の基本方針及び公正取引委員会の物価対策関係業務等に対し質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山東昭子君 きょうは円高差益の還元問題についてお伺いしたいと思います。 物価の現状については、卸売物価はこのところ鎮静しておりますし、消費者物価も三月の東京都区域を見ましても、昨年同月比で四・八%上昇と、近来になく低いようです。経済企画庁では、この原因の一つとして円高を挙げておられるようですが、一〇%の円高で卸売物価が約一%下がるといわれているわけですが、あれだけ円高、円高と騒がれているわけですから、それには卸売物価、消費者物価とももっと下がってもよいという意見が強いんですけれども、経済企画庁の御見解はいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総体的にまず申し上げてみますと、御承知のようにわが国の場合には生鮮食料品でございますとか、完成品でございますとか、直接消費者に直ちに関係の出てまいります輸入が総体として少のうございまして、原材料の輸入が八割方ございますので、そういう意味で円高のメリットが消費者にすぐにつながらないという問題がございます。西ドイツなどに比べますと、この点はかなり顕著な違いでございまして、御承知のように、毎朝主婦が、野菜にいたしましても、果物にいたしましても、肉にいたしましても、西ドイツの場合にはマーケットでECの域内であるとか、アフリカ等から市場に届いてまいります。原産地を表示して届いてまいりますと、これはすぐにマルク高が消費者の利益になるということになるわけでございますが、わが国の場合、それがそうなっていないという点が、これはまあ農業等々に関する複雑な問題の結果でございますので、やむを得ない点がございますけれども、それがやはり一番わが国の場合円高の利益を消費者がじきじきに感じないという一つの原因であろうと思います。したがいまして、たとえば比較的消費者にすぐつながりやすい灯油でございますとか、ガソリンでございますとかいうようなのは、わりに早く円高の利益が目に見えるわけでございますし、あるいはまた、直接消費者ではございませんが、配合飼料のようなものは値下げがすぐ農家、利用者にわかるというような感じになっておりますが、その他のものはなかなかそうまいらないわけでございます。 私ども、過去において二度円高の価格への反映の追跡調査をいたしてみたわけでございますが、概して申し上げられますことは、自由競争が行われ、自由化ができておる分野では比較的早く円高のメリットが価格に出てまいりますけれども、そうでない場合にそれが非常に出にくいという傾向がございます。再度、しばらくのうちに三度目の調査をやってみたいと思っておりますが、一つはこれは消費者に実態を知ってもらって、消費者にもいわゆるPRをしたいという気持ちがございますし、どうも納得がいかないというものについては、行政を通じて円高の反映を価格にさせるように指導をしてもらうということもいたしておるわけでございます。 それから、もう一つの分野、すなわち自由化あるいは自由競争が行われにくいという物資やサービスの中に、政府関係あるいは政府が何かの形で関与をしておるものというのはやはり市場経済の外に置かれておりますので、これもひとつわれわれが十分注意をしなければならない分野でございます。政府が直接取り扱っております物資のほか、たとえば公益事業でございますが、電力、ガスのたぐい、これはいわゆる自由競争は行われていない分野でございますし、そういうようなものを含めまして、政府自身がいかにすべきかという問題をそういう部分には含んでおりますので、それらについては、今回理由があって還元されないものはその理由を国民に明らかにすべきであると思いますし、還元し得るものは還元し得るように努力をいたしたい。 総体として申し上げますと、以上のようなことが申し上げられると思います。 なお、もとより現在卸売物価が前年対比でマイナス一・六とか一・七とかいうことになっておりますのは、これはやはり基本的に円高を反映しておることは間違いがございません。そのことは、多少時間がかかりますけれども消費者物価の安定につながっておることは申し上げても間違いでないと思っております。 以上、大体総体についての見方を申し上げた次第でございます。
○山東昭子君 続いて、円高差益の発生状況の問題ですが、石油、電力、ガス、また食料品につきましては小麦、牛肉等、主要輸入業種について具体的に数字をお知らせいただきたい。通産省と、食料品だけ農林省の方。
○政府委員(古田徳昌君) 石油についての御説明をさしていただきたいと思います。 石油の為替差益につきましては、二つのとらえ方がございまして、一つはいわゆるユーザンス差益という形のものでございます。これは原油の購入時点と実際の支払い時期とのずれによります差益の発生についての計算でございます。それからもう一つは、円建ての原油価格が下がりますことからきますコスト引き下げ効果というとらえ方でございます。 最初のユーザンス差益につきましては、石油会社の経理上明確にされておりますので御説明いたしますと、五十二年度上期におきましては、石油企業全体としまして九百四十二億円のプラスが出ております。下期につきましても、これを若干上回る程度のものになろうかという推測をいたしております。 それから二番目の、コスト引き下げの効果でございますが、最近の原油価格をもとに計算してみますと、為替レートが一円円高になりますとキロリットル当たり八十六円コストが低下することになります。したがいまして、五十二年度中の平均の為替レートが二百五十九円前後のようでございますが、それを用いて試算しますと、五十二年度全体につきまして約七千八百億円のメリットが出たということになります。他方、原油につきましては、御存じのとおり昨年の一月と七月にOPECが価格の引き上げをしておりますので、その関係からくる原油価格の引き上げ影響があります。さらに、これに備蓄や防災関係のコスト増を入れますと、大体私どもの試算としまして七千二百億円程度が計上されるわけでございますが、両者勘案してみますと若干のメリットが残るわけでございますが、御存じのとおり、昨年の終わりごろから石油製品価格が全体として非常に大きく値下がりしておりますので、この点を勘案しますと、コスト引き下げ効果の面から見ました円高差益につきましては、製品価格の下落という形で相殺されているというふうに考えております。
○説明員(廣重和夫君) お答えいたします。 輸入小麦につきましては、国際価格の低下だとか円高等によりまして、食管会計で現在のところ総額約八百四十億円の利益が見込まれておりますが、そのうち、お尋ねの為替レートに伴う差益につきましては約百七十億円と見込んでおります。 それから輸入牛肉につきましては、現在畜産振興事業団の輸入牛肉の売買差益金が五十二年度で約三百六十億円ぐらいになるんじゃないかと見込まれておりまして、このうち、円高といいますか、為替差益レートについてラフな試算をいたしましたところ、昨年四月から本年一月時点までで約十八億円というふうに見込まれております。
○説明員(上杉一雄君) 電力会社に発生しています為替差益の額につきましては、私ども五十一年に料金の査定をしたときに用いました平均為替レート二百九十九円、それと最近までの実勢レートとの差、これに五十二年度の燃料計画に基づく数量、こういうものを勘案して試算いたしますと、五十二年度におきましておおむね一千億円の為替差益が出ていると考えます。ただ、これは燃料計画に基づく試算でございまして、その後実際の燃料消費というものを勘案せなければいけませんが、まだ実績がはっきりつかめておりませんので、それで推定でいきますとその場合は九百億円、おおむね一千億円前後というふうに考えております。
○説明員(内田禎夫君) ガスにつきましては、大手三社、東京瓦斯、大阪瓦斯、東邦瓦斯のこの大手三社のみに為替差益が発生しておるわけでございます。で、この三社の為替差益の状況について申し上げますと、ただいまの電力と同様に五十二年度の当初の計画に基づきまして、その計画で見込んでおりました原材料の使用額、それに対しまして発生しているという形で計算されます為替差益はほぼ百八十億円でございます。これはガスの料金算定の基礎になっております総括原価の中で占める割合は二・七%ということになっておるわけでございます。 ただ、ただいまの電力の話と同様にガスにつきましても、その後実際の原材料の使用料等が若干変わっておりますので、それにつきまして改めて計算はいまやり直しておるところでございますが、若干これより減るんではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○山東昭子君 とにかく電力の一千億を初めといたしまして、膨大な利益があるわけでございますけれども、特に庶民にとっては牛肉、小麦といったものに非常に関心が深いわけですけれども、この二つに関しまして、還元をするということは長官お考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま関係各省におきまして政府関係の——ただいま御指摘になりましたのは両方とも政府の関係しておる物資でございますけれども、政府関係の物資サービスにつきまして、還元の余地があるかないかについて各省に検討をお願いしておるところでございまして、実は昨日も閣議におきまして、関係大臣にじきじき関心を持っていただくように協力をお願いいたしたところでございます。ただ、このうち麦価につきましては、せんだって今年度の麦価の決定をいたしておりますので、すぐにどうということはむずかしいのではないかと存じておりますけれども、牛肉等につきましては、いろいろ何とかして消費者に少しでもこれを安く供給しようという努力は農林当局においてやっておられます。 総体といたしまして、私は、それらのものについて幾らかでも還元をしてもらえば、多ければ多いほど消費者としてはよろしいわけでございますから、それをお願いするとともに、理由があってそれができないということであれば、その理由をはっきり国民にお伝えをして国民の批判を仰ぐと、こういうことでなければならないと思っておりまして、そういう努力をただいまいたしておるところでございます。
○山東昭子君 いまのお話を伺いますと、大変よい方向に向かいそうなニュアンスでございますけれども、そういたしますと結論はいつごろでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、余りよい方向に向かわないかもしれないという危惧を私は持っておるのでございますが、と申しますのは、御承知のように食管会計が大きな赤字を出しておるとか、いろいろそれなりの理由があるわけでございますが、いずれにいたしましても、ここ一週間ぐらいのうちにはそれらの事態をはっきりさせたいと思っております。
○山東昭子君 そのほかのものに関しましても、その円高差益の使途についての指導方針というものを今後どのように考えていらっしゃいましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのほか政府が関係しておりますものはまだ幾つかございまして、国際電話料金でありますとか、あるいは航空賃でございますとか、たばこでございますとか——外国の輸入たばこでございますが、幾つかございますので、それらにつきましても、いま各省で検討をお願いしておるところでございますが、なかなかいろいろな理由がございまして、これはしかし多少世の中でできるはずではないかと言っておられることについて、こうこうこういう理由があるというようなことを申し上げることも大事なことでございますから、少なくともそういうところまでは、この一週間のうちにおのおのの物資にいって検討いたしてみたいと思っておるわけでございます。
○山東昭子君 先日の新聞によりますと、日銀の森永総裁が、公共料金の引き下げをするところがあってもよいとの発言が伝えられておりますが、長官のお考えは……。
○国務大臣(宮澤喜一君) ごもっともなお話だというふうに感じております。それも一つの理由になりまして各省に検討をお願いをいたしておるわけでございますが、その結果できるものはもうまことにできれば結構でございますし、できないものについては、なぜかということを解明をいたしておきたいとこう思っております。
○山東昭子君 東京電力は料金の据え置きを発表いたしましたし、通産次官は、引き下げよりも長期的な据え置きの方がよいと発言していらっしゃるようですが、経済企画庁はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これも実は改めていま通産省に御検討を願っておるところでございますが、従来私が国会でお答えを申し上げてまいりましたのは、仮に東京あたりの一世帯の電灯・電力料金が二千円ぐらいといたしますと、還元し得る金額が三十円ぐらいではないかという試算が出ております。そういたしますと、将来電力の発電のコストが上がっていきますことは明らかでございますし、また、電力会社として今年は特に設備投資の前倒しを考えてもらっておるといったようにいろいろなことがございますので、一世帯三十円ぐらいのものでございましたら、これはむしろ電力会社が内部に留保して、将来の電力需要に適切に対処するということの方が国民経済全体として見てよろしいのではないだろうかということを、従来今日まで私は国会でお答えを申し上げておるわけでございますが、その反面は、ただいま山東委員が言われましたように、しばらくの間据え置くという事実上の約束を取りつけるということになるわけでございますが、もう一度ただいま通産省で検討をお願いしておるところでございます。
○山東昭子君 電力の一千億というものに関しましては、これはまた設備投資というようなことでまあ少しは理解できるんでございますけれども、大手のガスについては余り設備投資というものにもお金がかからないような感じを持つんでございます。何かガスについては引き下げができるんではないかというような感じなんでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明興(内田禎夫君) お答え申し上げます。 ただいまガスについては引き下げができるんではないかという山東委員のお話でございますけれども、やはり先生も御承知のように、ガス会社につきましても、ただいまいろいろ、電力会社とは規模が非常に違いますけれども、やはり同様にかなりお金がかかる設備投資をやっております。たとえばただいまガスにつきましては、東京、大阪、名古屋の三大地区につきましてはLNGの導入という形で、従来石油を使ってガスを製造しておったわけでございますが、この数年間LNGを導入いたしましてこれによって天然ガスによるガスに置きかえていく、これがLNGの受け入れ基地であるとか、あるいはそのLNGを送るための導管であるとか、かなり大幅な設備投資もやっておるわけでございます。したがいまして、電力と規模の差こそあれ同様の事情がございます。もちろん私ども、このガス料金につきましてはいろいろ消費者の立場は十分考えまして、適正な処置をしなければならないというふうに考えておるわけでございますが、やはりガスも電力と同様に公共料金でございますので、私どもの考え方といたしましては、頻繁に為替変動によりまして動かすよりも、やはり長期的に安定的なガス料金を設定いたしまして、それにより一方必要な設備投資もするし、まあ消費者の方には安定した料金でガスを供給する、こういう立場で考えておるわけでございまして、料金安定という立場から、先ごろ電力と同様に一年間の据え置きということを指導いたしました。またその後においても、これはできるだけ長く現行料金を維持するようにということで指導に努めておるわけでございます。 なお、ただいまの宮津長官からのいろいろお話もございましたけれども、また現在、私ども最近の情勢を考慮いたしまして、いろいろその据え置き期間につきまして、どの程度まで据え置けるかというようなことも含めまして検討している最中でございます。 以上でございます。
○山東昭子君 最近は、お酒を飲む方でも日本酒よりも洋酒党という方が大分ふえてきたように思うんですけれども、洋酒に関しましては一部値下げということもずいぶんあるんでございますけれども、まだまだ引き下げができるんではないかというような声も多いんでございますけれども、その辺のところはいかがでございましょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 輸入の消費財につきまして、いままで二回調査をいたしておりますが、昨年十二月時点で調べましたところで見ますと、ウイスキーについては実は円建ての輸入価格は少し上がっております。それは輸出国の方で物価の上昇等がございましたりして、ドル建ての輸出価格を上げているわけでございます。しかし、一方で、大幅な円高の進行がございますので、それをかなり打ち消してはおりますけれども、最終的に通関した価格で見ますと五%ほど上がっているわけでございます。しかし、国内におきましては非常に現在競争が激しうございますし、それからウイスキーについては、いわゆる総代理店契約のほかに並行輸入が行われておりますので、それがかなり価格形成に影響を与えておりますので、私どもの調べたところでは、一年間で約二%から八%程度の値下がりがウイスキーについて見られるということでございまして、現状においてはかなり円高の効果に加えて、そういう市場条件が非常に厳しくなっていることから、それが小売価格にかなり反映しているグループに入るのではないかと考えております。
○山東昭子君 それから、これは円高以外の問題としてお伺いしたんでございますけれども、景気対策としての公共事業の促進に伴いまして、セメントなどの資材の値上がりがひどいということを聞いておりますけれども、実態はどうなんでございましょうか。また、需給の適正化あるいは価格の安定化を図るために行政指導をすべきではないかと思うんでございますけれども、数字とそうしたお考えをお伺いしたいと思います。
○説明員(大高英男君) お答え申し上げます。 セメントの市況につきましては五十年以降低迷を続けておりまして、その販売価格が平均生産費を下回るという状態が続きましたために、昨年六月末から十二月末まで独禁法によります不況カルテルを実施いたしたわけでございます。このカルテルによりましてセメントの在庫調整が一巡いたしましたところへ公共事業の活発化によりまして需要が増大したというふうなこともございまして、昨年秋以降徐々に改善されております。現時点では、建設物価調査会の数字によりますと、東京地区でバラセメントは一万一千五百円という数字が出ておりますが、この状態は一応コスト割れの状況は解消したものと考えております。現在セメントの価格は弱含み、横ばいといった感じで推移いたしております。 今後につきましては、公共事業の執行がセメントの市況に好影響を与えるものと考えられるわけでございますけれども、供給余力が十分あることもございまして、需給逼迫によりまして価格が大幅に上がるといったような事態は考えられないと存じます。 通産省といたしましては、セメントの建設基礎資材としての重要性にかんがみまして、その需給、価格その他の動向につきまして引き続き十分注視してまいりますとともに、必要に応じて業界を指導していきたいと、このように考えております。
○山東昭子君 せっかく庶民の住宅建設に融資などの配慮をされても、このように資材のひどい値上がりということを招いては、そうした配慮も無意味になってしまうんではないかと思います。そういう意味でのお考えというのは長官いかがでございましょうか、これからの行政指導といったものに対して。
○国務大臣(宮澤喜一君) セメントの価格は、長い間の不況カルテルもいたしておったような状況を脱したわけでございますので、それだけの値上がりということでは確かにございますけれども、ただいま通産省からお話のありましたように、現在は弱含みになっておるようでございます。これはしかし、もともと当然でございまして、セメントの生産能力は、能力だけから言えば恐らく一億トンぐらいは何もかも動員いたしますとあるのではないかと思われますので、需要が出てまいりますれば供給はそれに十分対応できる姿勢にございます。ただ、生コンになりますと、これは輸送距離に制約がございますために、地域によっていっとき地域独占が発生しそうな心配がございましたので、通産省でも行政指導をされましたし、公取でも十分それは気をつけておられるように承知をいたしております。 それから、あと建築資材で丸棒でございますけれども、これも長い間の不況でございまして、ただいま恐らく一万円ぐらい市況を回復したのではないかと思いますが、これも大きな操短をしておる業種でございますから、供給能力にはまず問題がない。あと、アスファルトのようなものも一部の輸送の問題の手当てをすれば片づくというふうに考えますので、おしなべて申しまして、不況カルテルをしなければならないような業種の製品が多少正常値に戻って、カルテルをやめるというようなところへいくあたりは、私は国民経済全体から見てそれは間違った方向ではないと考えておりますので、ただ、それを超えまして、何かの事情で供給能力があるにもかかわらず上がるというようなことになりますと、これは行政指導をしていかなければならないということになると思って見ております。 塩ビ関係、これも不況業種でございますから供給能力に心配があるとは思えませんし、ガラスも同様でございます。木材もしかりでございますから、まずまず——それは不況のどん底に比べますと幾らか上がるということはこれは避けられないと思いますけれども、建築がふえるので建築関係の資材が暴騰を続けるというような私は需給関係ではないというふうに考えております。
○山東昭子君 円高差益の還元について、長官からもう少し色よい返事がちょうだいできるのではないかと思ったのでございますけれども、余りちょうだいできないのが残念でございます。しかし、宮澤長官は昔から女性ファンが多くていらっしゃるんですから、ガス、電力など公共料金をたまには下げていただいて、やっぱり宮澤さんは私たちの味方だなと大向こうをうならせていただくことを期待をいたしまして、時間がちょっと中途半端でございますけれども、この辺で質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○穐山篤君 いまの円高の問題に関連をするわけですが、いま、どなたに聞きましても、物価に対する注文というのは二通りぐらいあるのじゃないかと思うのです。一つは、ストレートに円高メリットというものをどう日常の生活の中に生かしていくか、政治がどれだけそれに機能してくれるだろうかという大いに期待をしているわけですね、あるいは関心を持っていると思います。 それからもう一つは、よく政府が物価は鎮静をしたということを宣伝をしておりますし、確かにCPIなんかの統計からいいますと、傾向的には鎮静していることは認めます。しかし、現実に生活をしている人の立場からいうと、消費者物価指数を食っているわけではなくして具体的に毎日買い物をする値段で生活をしているわけです。その見地から見ますと、消費者物価指数と現実の生活実感というのはずいぶん格差があります。そういうことについての関心や注文や不満が非常に多いというふうに感ずるわけです。 さてそこで、いまもお話がありましたが、円高メリットをどう生活に生かしていくかということにつきまして、私は昨日大蔵委員会で、石油とかガスとかそういうことについて政府の見解を伺ったわけですが、慎重に検討中だというようなことで、胸を打つような答えはなかった。後ほど具体的に聞きますが、どうしてこの種問題について政府の決断が遅いのか、どうしておくれるのかということについて、具体的にお答えをまずいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府が関係しております物あるいはサービスの価格は、これが市場経済で自由競争のものでございますと、競争の結果としてつらくとも値段を下げなければならないという要因が十分に働くわけでございますけれども、政府関係のものになりますとなかなかそれが働きにくい。それは、政府が管掌するのでございますけれども、それにはそれなりの何かの理由があってやっておるのでございますから、何でも自由にしてしまうというわけにいかないそれなりの理由があるわけでございますが、しかしその反面で、自由競争が行われにくいということは、やはりこの競争の結果としての価格低落ということを妨げることになっておる面がありますことも、やはり否定できないというふうに私は考えております。
○穐山篤君 去年の第一次補正予算のときはたしか円レートは二百六十七円前後であったと思うのですが、その第一次の補正予算を上げる時期には二百四十円台に上がっていたわけです。私どもは、幸か不幸かわかりませんが、いまの状況でいけば二百二十円まで上がるかもしらないぞというふうに警告をしておいたつもりです。言いかえてみれば、その当時からこの差益をストレートに還元するということを含めていろんなやり方があるわけでありまして、当然、政府がかんでおります公共料金についての還元の方法や、あるいは民間コマーシャルの物品についての価格を十分に調整をする、あるいは消費者の手元に渡るときにできるだけ円高メリットを生かしていくような指導というものはあってしかるべきじゃなかったか。いまから半年以上前に私どもはそういう注文をつけておった。しかし依然としてまだ、目下検討中。先ほどの長官のお話によりますと、あと一週間ぐらい時間をかしてほしいというふうなお話ですが、非常に政治の対応が遅いわけですね。これでは、本当の意味で国民生活を安定をするとか、あるいは円高メリットを十分に生かしていくということにはならない。抽象的にはいま長官の言われることはわからないわけでもないんです。しかし、国民の気持ちからいえば、一日も早く、一時間も早く何とかしてほしい、こういう希望が強いわけです。その希望に具体的にこたえていくというのが私は政治ではないかというふうに考えるわけです。先ほどの御答弁ではきわめて抽象的です。もう少し具体的に、政府がかんでおります公共料金一般についてあるいは民間の取引のものについて、価格の調整あるいは円高メリットを十分に生かす方法についてなぜ手が十分に打てなかったのか、あるいは打とうとしていなかったのか——ということはないでしょうけれども、なぜおくれているか、そのことをもう少し深くお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 民間で自由競争が行われております分野につきましては、私ども過去二回にわたっていたしました追跡調査、その結果を公表するということが、消費者の側から見ましても供給者の側から見ましても一番有効な方法であるというふうに考えておりまして、その結果、輸入価格が下がっておるけれども小売価格が逆に上がっておるというようなものについて、これは魚類なんかにそういうことが見られたわけでございますが、そういうことは消費者にもすぐ知ってもらえば、消費者の側としても事柄はわかられるわけですからよろしいわけですし、また、水産庁からも行政指導をしてもらっている。私はこれはこういう体制でいくのが一番いいだろうと思っておるのでございますが、たとえば政府関係のものになりますと、それがなかなかそういかない。具体的な例で考えてみますと、たとえば外国から輸入するたばこであるとか、あるいは小麦であるとか、あるいは肉であるとか、これらのものは、もしこれが全く民間経済で完全に扱われておったといたしますならば、私は違う結果が出てくる可能性はかなりあると思うのでございますが、申し上げるまでもないいろいろな理由によってこれらのものが政府の直接管掌する物資、物になっておる。これは価格面だけから言えば、恐らくほっぽらかしましたら、完全に自由化を仮にいたしましたら、違う結果が出てくるであろうということは想像にかたくないのでありますけれども、別の理由でこれはやはり政府が管掌しておかなければならないということがございますので、そこで問題は、そうではあるけれども行政の範囲内で何かできないかというのがやはり問題になっているのだと思います。したがいまして、基本的にはこれらのものについて自由化、自由競争が何かの理由で行い得ないというところにあるのではないかというふうに私は見ておるわけでございます。
○穐山篤君 たとえば石油について具体的に申し上げますが、石油については、石油連盟の会長が、政府がしっかりした石油政策というものが示されるならば、われわれは円高差益の還元について積極的に協力しましょう、こういうふうに内外に明らかにしたわけです。言ってみれば、石油業界は政府にボールを投げたわけですね。ですから、政府がそれに対して具体的にこたえる順番になっている。私は、石油業界の発言についても多少問題にしたいと思いますけれども、そういうふうに民間業界が積極的にやる、やってもいいぞというものに対して、政府が政治的に決断ができない、しないということは非常にこれは問題があるんじゃないか、まず第一にその点を指摘をしておきたいと思います。これは昨日も私しつこく大蔵委員会で質問しましたが、十分なお答えをいただけなかった。業界は協力しますよと言っている。政府がしっかりした石油政策というものを明示するならば、十分に業界はそれにこたえましょうとわざわざ言っていただいているわけですね。それに対して政府がこたえられない、こたえないというのは、何か特別の理由があるんだろうというふうに勘ぐるのは当然だと思うんです。その点についての御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(古田徳昌君) 石連会長のおっしゃる石油政策が何を意味するか、私どもはっきり承知いたしておりませんが、石油製品価格につきましては、従来から私ども非常にその安定につきまして、あるいは需給の安定といった観点から配慮してきたつもりでございますが、昨年の暮れOPECが総会を開きまして、本年一月以降の原油価格の据え置きということで方向を出したわけでございますが、それを受けまして、その当時の為替相場の変動等も見まして、為替によるメリットが消費者にも還元するようにということで、これは灯油についてでございますけれども、各元売り会社に対して文書によって強く要請したわけでございます。この要請を受けまして、石油会社としましても灯油について二千円という引き下げを発表いたしましたけれども、本年になりましてから、さらに別の有力企業が石油製品全体について平均して二千円下げるというふうな方針も打ち出したわけでございます。このような方針を反映いたしまして、現実に石油製品価格は昨年終わりごろから急速に値下がり傾向を示しているわけでございます。 さらに、ナフサにつきましても、石油業界と需要業界との間で非常に交渉が難航していたわけでございますが、これにつきましても、昨年の末に、当事者同士で十分実情を考慮しながらその交渉の妥結を急ぐようにということを、これも文書によりまして要請したわけでございますが、その結果、本年に入りまして、昨年十−十二月につきましてのナフサ価格も実質三千円下げというふうなことで決着を見ているわけでございます。今後につきましても、私どもとしましては石油製品価格の動向を十分注視しまして、為替相場の変動、動向との関連で必要に応じまして適切な手を打ってまいりたいと思っております。
○穐山篤君 きのう私は円高差益の還元について質問したときに、まだ検討中だというお話があったんですが、仄聞するところによりますと、その質問している前後に閣議が行われまして、円高の問題について議論がされた。新聞によりますと、宮澤長官の談話が出ているわけです。まあしっかりしたものは一週間程度時間がかかるということは、時間的によくわかりますけれども、きのうの段階でなお慎重に検討中だという程度のお話では私としては非常に不満であります。現実に、先ほど長官言われましたように、公共料金にしましてもあるいは航空運賃、国際電話、外国たばこというふうな広範な品物についてある程度——ある程度といいますか、具体的なものを議論をしているわけですね。ですから、その議論というのは、国民の立場からいえば、どういうものが決まっただろうか、あるいはいつごろからやってくれるんだ.ろうか、どういう範囲でやってくれるだろうかというふうに首を長くして待っているわけですね。ですから、そういう国民の期待にこたえて直ちに政府があらゆる施策というものについて発表する、あるいは実行の方式について国民の前に明らかにするというのが私は当然ではないかというふうに思うわけです。その意味では、私は政府の答弁というのが常に抽象論であることについて非常に不満を持ちます。 それから、たとえば国際航空運賃なんかはたしか二百九十何円かでレート決まっているんじゃないかというふうに思いますね。しかし、現実にアメリカなんかは諸般の事情を考えて値下げを行っている。非常に機敏な対応をしているわけです。もちろんこういうものにはIATAの取り決めもあるだろうし、あるいは国際電話につきましてもそういう取り決めがありますから、なかなかそう簡単にいかないことはよくわかります。わかるけれども、率先をして日本としては航空運賃についてあるいは国際電話についてこうありたいというのを積極的に発表して、諸外国とのコンセンサスを得ていくことが私は一番妥当な線ではないかというふうに考えるわけですけれども、よそから言われなければ応じないというふうな姿勢が見えるわけですね。この点についても具体的にお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 国際航空運賃につきましては、いまおっしゃったようにIATAの協定の関係がございますが、昨年の秋に円高が大分進んだときに、従来三百八円時代の名残がございまして、四%のサーチャージが課せられていたわけでございますが、ともかくそれを撤廃しようということで運輸省の方から強力な申し入れをいたしまして、IATAの揚で何とかその四%の撤廃というところまではまず実施することができたわけでございます。その後の問題については、いまおっしゃったような形で、特に米国との関係におきましてはかなりの格差があるわけでございまして、今回政府関与物資についていろいろ検討する中に、国際航空運賃も含めてやっているわけでございます。そういうことでございまして、いろいろIATA等の国際関係、十分配慮しながらやっていかなければならない事項でございますけれども、この問題につきましては、来週の全体の政府関与物資についての取り扱いの中で方針を決めることになるわけでございます。それまでお時間をいただきたいと思います。
○穐山篤君 それじゃ長官、具体的にこれから閣議で相談をするということになるわけですが、基本の筋は、還元の仕方はいろいろあるだろうと思いますけれども、政府に関係したあるいは政府がかんでいる一般的な公共料金というものについては還元をする、したいということが基本になっているんですか、その点をしっかりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) たとえば国際航空運賃につきまして、円高の結果、たとえば日本航空でございますが、非常な大きな利益を得ているというふうなことになりますれば、これはやはり還元をすべきではないか、あるいは国際電話について国際電電が円高の結果大きな利益を得ているのならばこれは下げるべきではないかというようなことに私はなるべきだと考えておるんでございますけれども、実態がそうでないと、世間はそういう印象を少なくとも持っておるわけでございますから、実態がそうでないならばそうでないということを明らかにしなければならない、こう考えておるわけでございます。
○穐山篤君 まだはっきりしないんですが、先ほどからの議論でも、円高メリットを生活に生かしてください、これが国民の意見で、できるかどうかわからないけれども十分に研究をして、できないものは国民の前になぜできないか公表しようと。利益を蓄積するつもりならば、これは円高の差益の還元ということは絶対にできないことなんですね。そこに政府の強力な指導あるいは監督というものが働いて、差益の還元をしようじゃないかというふうに積極的な姿勢を示さない限り、こんなものは国民に還元するなんという業界はないですよ。ですから私は、原則として円高のメリットを返す、還元をするというふうに政府が腹を決めて具体的な品物について当たっていくのか、そうでないのかということをお伺いしているわけです。
○国務大臣(宮澤喜一君) そこのところでございます。たとえば円の対ドルレートがここまできたと、二百九十円に比べましても七十円ほど上がっておるわけでございますから、ごっそりそれが独占企業体でありますところの、事実上の独占企業でありますところの国際電電であるとかあるいは日本航空であるとかというところに利益として上がってきておるということであれば、これはやはり料金というものは、IATAとかいろいろなことがございますけれども、下げていいではないかという理屈になっていくわけですが、果たしてそうであるかどうかということを、実は私どもいま経営の経理の中に立ち入りまして調べておるところでございます。私がいま受けましたごくざっとした印象は、どうも世間で考えているようなふうではないらしいということでございますけれども、しかし、それはそれなりにもう少しはっきりさせまして、もしそうであればそうであるということをやはり世間に言ってもらう必要があると考えます。
○穐山篤君 非常に私としましては納得しがたい話です。先ほど私は石油の話をしました。で、業界が値下げしてもいいあるいは還元をしてもよろしい、こう言っている。政府が還元しなくてもよろしいということにはならないと思いますね。政府だって当然それに対応して還元をしていただきましょう、協力してもらいましょう、こうなるのが順当の道だと思うんです。業界が言うように還元をするというふうなことになった場合に、計算上一世帯当たり二けたの数字だからごく小さいものになってしまう、だから直接家庭に還元をしないで価格据え置きで還元をするというふうなことがしばしば言われているわけです。しかし、国民の立場からいうと、まあ微々たるものであったにしてみてもそれは十分に還元をしてもらいたい。一例ですけれども、たとえば幼稚園であるとか、学校であるとか、病院であるとか、そういうふうな福祉関係の事業体に対して、電力料金あるいはガス料金、そういうものについて還元をしていくというのも私は一つの方法だろうと思うし、また、世間ではそういうものを期待をしているのが大きいわけです。その点についていかがですか。
○説明員(上杉一雄君) 電力料金につきましては電気事業法による規制がございまして、その規制の原則としましては公平の原則というのがうたってあるわけでございます。特定のものを特別な扱いをしないという趣旨でございまして、いまおっしゃいましたように福祉世帯あるいは施設に限っての還元というようなことは、その原則に抵触すると思っております。そういう意味では非常にむずかしい問題だと思っております。
○穐山篤君 都合のいいときに公平の原則というのが使われるのは全くけしからぬと思うんですね。たとえば、場違いな話か知りませんけれども、医師の優遇税について、ああいうものについては口にチャックをしておいて、ここの点だけは規則があって下げるわけにいかないと、これは政治じゃないですよ、そんな考え方では。この点はまたさらに細かく後ほどお伺いしますが、いま福祉型で還元をしてほしい、これを私は指摘をしました。それから、先ほど長官も言われましたが、十二不況業種の中には、電力料金が高いために、あるいは電力消費が多いために結局市場を喪失をして倒産をしているという業種がたくさんあるわけですね。産業界の方から言えば一定の時期還元をしてほしい、これもこういう不況を脱出するためには、あるいは不況業種を何とか救済をするためには、時と場合によっては必要なことではないかと私どもは考えるわけですが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 電力料金といったようなものについて、ある場合に免除をするとか割引をするとかいうようなことは、私は基本的にはなるべくしない方がいいという気持ちを持っております。私は自身で行政をするわけではございませんので、私の立場からの感じでございますけれども、たとえば産業用の電力を非常に安くするという理由はあるとしまして、いたしました場合には、それは民生用の電灯料金の負担において行われるということにやはりどうしてもなるわけでございましょうから、不況業種であるとかあるいは福祉の方の施設であるとか、それなりにその面からの理由はよくわかりますけれども、なるべくそういうことは私は少なくしていった方がいいのではないかという総体的な感じを私としては実は持っております。
○大森昭君 先ほどから聞いておりまして、いろいろ抽象的な議論しておりますが、少し具体的にひとつ聞きたいんですが、せんだって宮城県の細倉鉱山に私行ってまいりましたけれども、この円高の問題をめぐって差益を還元するとかいろんな議論がされておりますが、まさに今日の政府の無為無策で、ここ一、二年いたしますと非鉄金属の鉱山は全部崩壊をするというふうに私は考えますけれども、一体今日非鉄金属鉱業が置かれておる現状をどのように把握をしておりますか。
○説明員(福原元一君) お答えいたします。 国内の特に鉛、亜鉛鉱山あるいは銅鉱山が、現在コストを下回る価格の低迷によりまして非常にその経営の危機にさらされているということは、先生の御指摘のとおりでございます。これは一つには世界的な需給の不均衝ということがございまして、銅で申しますと、現在世界で約二百万トンの在庫がある、そのうちの百五十万トンが過剰在庫であるといわれております。亜鉛で申しますと百四十万トンの在庫がございますが、そのうちの百万トンが過剰な在庫であるといわれております。これは、国内におきましては最近になりましてようやくその生産と出荷のバランスはとれてまいりましたわけでございますけれども、在庫を調整するという段階にはまだ至っていないというのが銅、亜鉛につきまして言える現状でございます。したがいまして、価格は世界的な過剰傾向を反映いたしまして非常な低落の状態にあるわけでございますけれども、これは非鉄金属の価格と申しますのは、銅でございますとロンドンの取引所で決められた価格がそのまま国内の価格に投影される、亜鉛につきましてはヨーロッパの生産者価格というものがそのまま国内の建て値に投影されるということで、ロンドンの取引所の価格あるいはヨーロッパ生産者価格、これらが非常に低落の傾向にございまして、したがいまして国内の製錬業者あるいは鉱山もその価格で売らざる得ない。さらに、円高の関係といたしましては、このようなロンドンあるいはヨーロッパで決まります価格が円高の影響を受けまして、銅で申しますと一円円高になりますと銅の価格で千二百円下がる。亜鉛で申しますと一円の円高に対して七百円の価格が下がる。そういう影響を受けまして、この国内鉱山が非常な苦況に立っているということは、先生御指摘のとおりでございます。
○大森昭君 けさほどからいろいろ議論しておりますが、いずれにしても今日国民の大多数の人が、全く一体政府は今日のこの経済状況の中で何をするのかということを最大の——この経済政策が後押し後押しまさに何もやっておらない。まさに国民全体がこれだけの経済の状況の中で苦しんでいる状態をわかっているのかわかっていないのかというのが端的な意見ですよ、正直に申し上げて。しかもいま答弁ありましたけれども、いろんなことを言われますが、現実問題として石炭産業の今日のような状況と同じように、非鉄金属の鉱山関係も再び全部閉山という状態になることがもう目に見えているのに、むずかしい話ばかりしておって、一体具体的に、短期的にも長期的にもどういう政策をとるということが具体的にあるんですか。
○説明員(福原元一君) 私どもといたしましては、五十三年度予算、先ごろ御承認いただきました予算に基づまして、鉱山対策といたしましては特に探鉱部門に力を入れておりますが、広域調査、精密調査あるいは中小鉱山に対します探鉱費の補助金というものを拡充することをお認めいただきました。これの予算の執行を早期になるべく実施するということと同時に、それから、同じく予算でお認めいただきました非鉄金属の備蓄、これは五十一年度から実施しておりますが、今年度百五十一億円の積み増しをお認めいただきましたので、これもなるべく早いうちに実施をするということを考えております。 そのほか、現在の関税制度を利用いたしまして、国内鉱山に対しまして若干のコスト補てんを実施しておるところでございますが、そのほかに緊急避難の対策といたしまして、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法あるいは離職者法あるいは雇用保険法、これらの対象業種に鉱山あるいは製錬所を指定業種に指定いたしまして、国内鉱山あるいは製錬所に対する助成の施策の一つとして現在行っておるところでございますが、さらに、長期的な対策といたしましては、昨年の夏以降鉱業審議会の鉱業政策懇談会というものを設けまして、すでに数回の御議論をいただいておるわけでございます。現在その結論の取りまとめの段階に至っておりますが、これによりまして、単に短期のみならず中期的なビジョンを含めまして新しい鉱業政策を考えたい、こう思っております。
○大森昭君 関連の質問ですからこの辺でやめておきますが、いずれにいたしましても今日いろんな討論をされておりまして、ある程度時期が来たらまたその価格が調整できる状態もあるだろうし、自然に、長官の話じゃないけれども、自由競争だとか民間企業だとかむずかしい状態もあってなんということで事が済む問題もありますけれどもね、私がきょう特に関連で質問している鉱山の問題というのは、そういう状態じゃないんですよね。もう私が言うまでもなく、鉱山が一たん閉山をすれば、その鉱山を再開をするのには膨大な資金とまた特殊な技術を持ってやらなければ再開ができないんですよ。ですから、少なくともそういう問題は何をさておいてもやるということにしませんと、ウイスキーもたばこも小麦も大事ですよ、それは価格がもちろん安定してその差益を還元してもらうのは。しかし、こういう鉱山のような政策はいち早くやってもらわなければどうにもならないじゃないですか。あなた方に質問すれば、どの省も決まっているんですよ、お役所の仕事というのは。審議会を持っています、懇談会を持っています、答申を待っています、そうでしょう。物によっては、それは審議会でもって学者先生集めて一年も二年もやってもらうのもいいですよ。しかし、こういう緊急かつ重大な問題を審議会でもっていま検討していますなんという状態じゃないでしょう。きょうあなたから具体的に私は聞いておりませんがね、もうことしに入りましてもすでに松木、新宮鉱山は閉山したでしょう、この間。今月中には紀州の鉱山が閉山すると決まったんですよ。もう次々と鉱山は閉山を余儀なくされているんですから、どうかひとつそういう意味合いで長官、きょう答弁要りませんが、もう少し今日置かれている状態を深刻にとらえて、そしてまた緊急かつやらなきゃならないものは速やかにやるという政府の英断を持ってしてもらわなければ、審議会だとか懇談会だとか、そういう委員会逃れをやってもらっちゃ困りますから、どうかひとつ最後にお願いをいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○穐山篤君 さて、この円高差益さらに続けますけれども、政府の決断が非常におくれているということについて、私ども非常に不満を持ちます。時間がたっていきますと、これから二通りの問題が予想されますね。二百十円台が二百円台にさらに円が上がっていくという傾向を一つは想定をせざるを得ない。それからもう一つは、アメリカもいま引き締めに入っておりますから、ドル安というものが逐次回復をする可能性も全くないわけではない。特に後ほど申し上げますけれども、いまアメリカの経済の中では、インフレという問題が政治的な課題になっているわけですね。そのことがどういうふうに価格に、具体的に日本に影響があるかということはむずかしい議論でありますけれども、二通りの道が予想されるわけです。 そこで、ドル安が逐次回復をして、まあドルが高くなると言うんですか、そういうことになってきますと、必然的に円の価格は低下をしていく。そうしますと、理屈の上からは差益というものはなくなってしまったと、あるいはなくなりつつあるという理屈が当然出てくるわけですね。時間が長くたてばたつほどそういう問題が私は出ると思うわけです。また、業界もそういうことを十分腹の中に入れて、還元しようにもドルショックから十分立ち直っていないとかという理屈をつけて還元をしないということが想定をされるわけです。そのことについて、まあ研究はされていると思いますが、どんな態度でしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まさにそういう要素が考えられるわけでございますから、円高の差益というのを、どの辺の円の価格をいわばかなりの期間恒常的にまず続くものとして考えるかということに結局帰着するわけでありまして、極端に申して、きのうが二百十九円であったから二百十九円までというようなわけには、これはまいらないと思うんでございます。つまり、このぐらいまでは常識的に考えて想定してもいいのではないかといったような、そういう現実的にまず間違いないという線を引いていかなければならないであろうと思います。
○穐山篤君 これもまた抽象的でよくわからないんですが、通常、円高差益を還元しろという国民の声あるいは国会の中の主張というものは、少なくとも二〇%円が上がったと、こういうものを標準にしてお互いに物を言っているというふうに思います。それを何年何月から何年何月までだというふうにはなかなか固定はしづらいと思いますけれども、先ほどお話がありましたように、どれだけ差益が出ているかということについて、それぞれの業種、機関に対して十分な資料を求めて研究しているというお話があったわけですが、いわゆる円高差益というのはいつからいつまでの期間を指して還元の対象にしようとしているのか、その点詳しくひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) たとえば先般行われました輸入品価格動向調査などにおきましては、昨年の六月と十二月にいたしたわけですが、十二月時点での円レートをストレートに使うことはなかなかむずかしいという問題はございます。たとえば在庫がございますとか、それから、そのときのレートで契約して入ってくるまでの時間等の問題もありますけれども、その段階におきましてはそういう制約がございますけれども、一応まあ十二月時点のレートが五十二年の一月のレートに比べてどのくらい上がっているかということを算定いたしまして、それとの比較で議論をいたしております。 それから、たとえば電力とかガスのような場合でございますれば、先ほど御説明のあった数字というのは、大体三月ぐらいまでのレートを想定いたしまして、五十二年度中に幾らぐらいの差益が出たかということを計算いたしまして、それで為替差益の還元のいろいろな検討を行っているわけでございます。たとえば電力で千億円といいます場合には、一応三月時点でのレートというものを想定いたしまして、それに基づいて年間のレートを平均として出している。そういうことで、それぞれについて検討作業を行っておるわけでございまして、具体的なレートにつきましては日々変わっている問題がございますので、やはり一応客観的に想定して妥当と考えられる期間、そういうことでございますと、現在の段階では一応五十二年度中の差益の処理については五十二年度の平均的なところ、五十三年度のこれからの問題につきましては、いまのところどのレートをとるかということについては非常に、先ほどの御指摘のありましたような、レートの先行きについて見通しが変わるという点もございますので、その計算をいたします時点の少し前の期間、まあそれを一カ月とか二カ月とかいうことにいたしますればある程度の見当がつきますので、直前の一カ月か二カ月ぐらいのところを見て判断をしてやっていいのではないかと思っております。
○穐山篤君 まあいずれも十分なお答えをいただけなかったんですけれども、少なくとも政府がかんでいる公共料金あるいは公共料金的な価格、料金というものについては、還元をするというのが政府の政治姿勢だと、それを基準に置いてどういう隘路があるのか、その隘路をどうやったらば解消して還元ができるかというふうな態度をぜひとっていただきたいということを、特に私は主張しておきたいというふうに思います。 さて、その次に、いまお話がありました輸入品の価格の問題でありますが、具体的なことをお伺いする前に、五十二年度、まだ三月分は出ていないと思いますけれども、日本が諸外国から輸入をしたものの中で、原材料とその他製品、非原材料ですね、その割合はどのくらいなんでしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 五十二年度の数字がまだ出ておりませんけれども、大体五十一年度ぐらいの数字から推計いたしますと、製品輸入に類するものが約二割、それから原材料関係の輸入が八割ということでございます。
○穐山篤君 この前大蔵委員会で決まり、あるいは本会議で決まりました関税引き下げの前倒しの議論の際に、私どもの方から、関税を前倒しをすることによって諸外国からの製品輸入というものはふえるだろうと、またそれも価格に十分にいい影響を与えるだろうと、日本の国民全体の生活安定の立場からいえばいい結果をもたらしてもらいたい、まあこういう議論がありまして、特に私の方から、輸入品についての価格調査を、前回行いましたものにつけ加えて、今年度準備をしてもらいたいという注文を申し上げておいたわけですが、前回行いましたような調査をさらに継続をされるおつもりがあるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる輸入品の円高との関連における価格の調査を二度いたしましたが、新しい年度にもなりましたし、現在こういう情勢でございますから、もう一度やってみたいと実は考えております。
○穐山篤君 ぜひそれはお願いをしたいと思います。 さて、そこで、この前企画庁から輸入品の価格動向調査の結果というのが、第一次と第二次分を含めて発表されております。この概況表を読めばわかるわけですけれども、これにもありますように、輸入価格が下がり小売価格とも下落をした、これは当然のことだと思うんです。輸入価格が非常に下落したけれども小売価格は上がっている、ここは非常に問題のところですね。それから第三番目に、輸入価格が上がっているけれども日本における小売価格というのはわりあいに安定している、これも国民生活の上からいえばいいことだと思うんです。四番目に、輸入価格が非常に上がって国内における小売価格も上昇したと、これは一般的にはそういうことなんだろうと思いますけれども、後ほど質問しますけれども、いずれもこれらは輸入価格と同時に日本の流通段階——商的流通あるいは物的流通に非常に大きなかかわり合いがあって、消費者価格にいろんなケースがあらわれているわけです。その概況について、特色といいますかというものを明らかにしていただきたいし、いま、それぞれ私が問題にしましたものについてどういう対策を立てていけば、たとえば第二番目のような問題ですね、輸入価格が下落しているけれども小売価格は上がっている、こういうものについては幾つかの隘路があってこういう結果になっているわけですが、そういうものについてはどういう対応をされようとしているのか、あるいは現にされているのか。その点、特徴的な物品で結構でありますけれども、お話を承りたいと思います。
○政府委員(藤井直樹君) 第二回の調査でございますが、輸入価格が下がったものが二十一品目あって、そのうち小売価格も下がっているものが十五ございます。小売価格が上がっているか、横ばいというものが六品目あったわけでございます。その内容につきましては、三種類ぐらいの区分けができるかと思いますが、一つはめがねフレームとか化粧品のようなものでございまして、これは輸入品に対する高級品イメージといいますか、そういうものが非常に強いという関係がございまして、なかなか価格の引き下げにつながるというようなことが出てこないということでございます。それからマグロとかエビのような国内水産物につきましては、輸入品全部でカバーしているわけでございませんので、国内品との価格の関係があって、国内の価格の方に引きずられてなかなか下がらないというようなことが考えられます。それからもう一つ、落花生というものがございますが、こういうものは多少加工の段階があったりしますのでタイムラグがあるだろうと思うわけでございますけれども、そういうものが一つございます。 それぞれにつきましていろいろ理由があるわけでございますが、この高級品というイメージがあるようなものについては、やはり消費者の方にも十分監視を強めていただいて、できるだけその安いものを買うというような形で対応していただきたいわけでございますが、現実にめがねフレーム等につきましては、通産省の方でもいろいろお話をされておりまして、業界の方でも何らかのそういう問題に対する研究をしようというような体制ができかかっているようでございます。それから水産物につきましては、卸から中卸、それから小売に至るいわゆる流通機構に深くかかわる問題でございますので、これについては相当腰を据えた対応が必要かと思いますが、当面政府としましては、こういうようなものにつきまして、生産者と卸業者と小売業者が一体となって、この際水産物価格について少し安い価格で提供するような方向の運動をしようじゃないかということで、三月、四月にかけまして、魚の関係では初めての安売りデーというようなものを設けて、現在いろいろその安売り事業についての業務を進めている段階でございまして、こういうような形がすでに牛肉等についてはかなり頻繁に行われておりますけれども、何らかの刺激になるということを期待しているわけでございます。
○穐山篤君 それで製品輸入の場合に、総代理店を通して輸入をするというケースと、それから並行輸入というようなケース等幾つかあるわけですね。その割合について大ざっぱにどの程度でしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 総代理店契約でやっているものが非常に多いわけでございます。ここ数年間の円高、スミソニアン協定の時代から何とか並行輸入を進めようじゃないかというような動きが出てまいりまして進んでまいっておりますけれども、まだ輸入の何割というところまで到達しておりません。品目として見ますと、ウイスキーとか腕時計とか、いろいろ品目についてはかなり並行輸入の対象範囲が広がっておりますが、数字的にはいろいろな障害があってそう大きなものにはまだなっておりません。ただ、現実に今回の輸入品調査をいたしましたときにもそうですし、公取の方で並行輸入の促進のためのいろいろな取り締まりその他をやっておられますけれども、その段階でわかっておりますことは、総代理店契約によるものとそれから並行輸入によるものとの間では、価格の間に相当大きな開きがある。一般的に言いますれば三割ぐらい並行輸入の方が安いのではないかというような調査結果も出ておるわけでございまして、昨年来の円高対策の中でも並行輸入の促進というのを大きな柱として、いろいろ対策をとっているところでございます。
○穐山篤君 並行輸入が微々たるものだということですけれども、ある種の品物について、たとえばウイスキーにしろチョコレートにしろその他にしろ、総代理店の方から圧力がかかって並行輸入が非常にむずかしい、あるいは困難になっているというふうな現実に問題が生じているわけですね。国民の立場からいうならばいい品物で安い、あるいは国内産業に重大な打撃を与えるようなことになるならば、その点十分な調整をしなければなりませんけれども、原則的には並行輸入の方が小売価格は安いわけですね。その総代理店が並行輸入について非常に圧力をかけている。言いかえてみれば代理店輸入の方は独占禁止法にかかるのではないかというふうに考えます。公取の方おいでいただいているわけですが、この輸入の場合に、どの程度のそれぞれのシェアがあれば、これは独占禁止法にかかるとかかからないとかというものの判断はどうなされておりますか。
○政府委員(妹尾明君) 並行輸入は、先生御指摘のように独占禁止法上大変問題ある行為でございまして、私ども独占禁止法第六条によりまして国際的契約、輸入総代理店契約もこの一つになるわけでございますけれども——でございますと、これはすべて届け出してもらうようになるのでありまして、届け出ございますと、六条で、不当な取引制限に該当する事項あるいは不公正な取引方法に該当する事項は禁止されておりまして、そういうものがないかどうかということを審査しておるわけでございます。その審査の基準といたしまして、輸入総代理店契約等における不公正な取引方法に関する認定基準というもの、これは一種のガイドラインでございますけれども、それをつくりまして、その中におきまして、並行輸入を不当に阻害する行為は、独占禁止法に禁止されております不公正な取引方法に該当するおそれがある行為であるということで、規制の対象にいたしておるわけでございます。 したがいまして、輸入総代理店契約を届け出になりまして、その中に並行輸入を不当に阻害するような条項が入っておりますと、それもその段階で、これは独禁法上問題があるということでやめてもらっておるということでございます。 それから契約後におきましても、事後におきまして、並行輸入業者であるとか、国内の輸入業者が並行輸入を行いました場合に、これを輸入総代理店が阻害するような行為がございますと、独占禁止法違反になる行為ということで調査いたしまして、不当な阻害事実がございますれば、これは不公正な取引法に該当するということで禁止措置をとっている。これは昨年も現にウイスキーのある業者につきましてそういう措置をとったわけで、本年に入りまして正式に勧告をいたしておりますということでございます。 ただ、シェアにつきましては、特に何%を超えればどうだということにはいたしておりませんで、ある程度業者が、有力な銘柄商品につきまして、そういう事例があれば大体問題があるということで調査をいたしております。そういうことでございます。
○穐山篤君 いま言われておりますように、わかりやすい品物でブランデー、ウイスキー、輸入量の中ではイギリスから輸入するものがほとんど大多数になっているわけですが、国民によくわかるようにするために、ウイスキーの点で具体的にお伺いしたいと思うんです。 代理店が輸入する場合、船に載っかって横浜なりどこかに入るわけですね。その場合の、ウイスキーを一つ特定をしてもらいたいんですが、船の上に載っかっている場合のときの価格と、代理店契約の価格と、それから並行輸入の場合の価格と具体的にどれだけ違うんですか。
○政府委員(妹尾明君) 昨年十一月とことしの一月に、私どもは、輸入総代理店ルートとそれから並行輸入業者の取り扱いのものと、価格の調査をいたしたわけでございますけれども、実は仕入れ価格については把握をいたしておりませんで、その点はちょっとお答えいたしかねるのでございますけれども、小売価格につきましては、これは先ほど物価局長の方からお話ございましたように、かなり、二割か三割の差があるのが実情でございます。
○穐山篤君 やっぱり調査をしていただくときには船に載っかっているときの取引価格ですね、当然、高級ウイスキーですから従価で税金をかけることになるわけですね。そうしますと、それは価格に対してかけるわけです。関税は同じ率になりますよ。しかし、代理店が契約する金額が、ウイスキー一本について、同じ物についてずいぶん値段が違うわけですよ。違うわけですね。そうして関税をかけて輸入業者あるいは並行輸入の者がそれぞれ受け取って、幾つかの流通段階を通って市販されるわけです。市販されたときに値段がずいぶんまた違うわけですね。そうすると、外国のウイスキーを飲みたいという人の立場からいえば、並行輸入のイギリスからのウイスキーというものをぜひたくさんほしいというのは当然だと思うんです。しかし、現実にそれを抑えつけている。総代理店が、並行輸入はけしからぬと言っていろんな圧力をかけるわけですね。うわさに聞けば、イギリスの出荷をする店に行って、そこでもうこういう業者には絶対出さないようにというふうな圧力までかけているという話を聞くわけですよ。これは大変な事態だと思うんですね。 それは何もウイスキーだけじゃないですね、国民生活にかかわるすべての物品がそういうことで抑えられている。ウイスキーだけでなくて、それ以外の品物についても調べられたと思いますから、これはちょっと明らかにしてもらいたい。
○政府委員(妹尾明君) 先生の御指摘、確かに疑問のあるところではございますけれども、独占禁止法で不公正な取引方法として問題といたす場合には、実は原価は直接の要件にかかわりある問題でございませんので、ちょっとその辺は、私どもとしましてどこまで立ち入って調べられるかという点は問題があるわけでございます。 それで、一般的に申し上げますと、並行輸入の問題は、特に消費者利益との関係で問題になりますと言いますのは、輸入総代理店というのは、これは日本なら日本におきましてその業者だけに取り扱いを任せる。大体輸入品は、消費財の場合には高級ブランドあるいは有名ブランドといいますか、値段というよりも、どちらかと言いますとブランドで売られる商品が多いわけでございます。したがいまして、非常に価格維持が行われやすいと。しかも日本の場合は、具体的な数字をつかんだというわけじゃございませんけれども、一般に流通マージンが高いと、輸入価格と小売価格の間の差が非常に大きいというふうに聞いておるわけでございますけれども、並行輸入の場合は、もっぱら値段の安さというものを売り物にしているという点でございまして、その点が結局輸入総代理店ルートにおける価格の維持の妨げになるということでいろいろ圧力をかける、そういう行為が自由な競争、公正なる競争に反するということで独禁法上これを規制していると、こういう関係でございまして、ちょっと輸入価格幾らかということについての正確なあれは、私の立場としては申し上げにくいんでございますけれども……。
○穐山篤君 公取さんに取引価格を、元の値段を全部調べろと言うのは無理かもしれません。いずれ、別の部局の方に十分確かめていきたいと思います。 長官、いずれにしましても、いま代表的にウイスキーの問題で議論されましたように、代理店契約の場合と並行輸入契約の場合では、現実に消費者が買う場合の値段がずいぶん違う。品物によっては二割も三割も違うという現実があるわけですね。国民の立場からいえばいい品物で安い物をほしい、これは当然だと思うんですね。ですから、この輸入のシステムといいますか、契約のあり方について改善をしなければならぬじゃないかというふうに考えますが、その点いかがですか。
○政府委員(妹尾明君) 外国の輸出業者が行う行為につきましては、日本の独禁法を適用するには限界がございまして、大体日本において輸入総代理店契約を行って輸出しているような場合ですと、これは外国に対しても大体そういうふうな販売方法をとっている場合が多いわけでございます。それで、それぞれの国ごとにテリトリーといいますか、販売分野を決めまして、ある特定の業者に任している。こういうのをきちんと励行されますと実は非常にむずかしいわけでございます。そういったこと自体は、ちょっと先ほど申し上げましたわが国の業者との間の国際契約、輸入総代理店契約でそういうふうに出てまいります。あるいは日本の輸入業者、あるいは日本の小売店、あるいは卸売業者等が並行輸入を阻害するような行為がございますと、日本の独禁法で規制できますけれども、日本の国外におきまして外国の輸出業者がやる場合には、ちょっと手が及びかねるというところでございます。
○穐山篤君 いま言われておりますように、国外、たとえばイギリスで、総代理店の方には品物を出すけれども、こちらの並行輸入の方には品物を出さない、それはけしからぬじゃないかというふうに言うのはなかなかむずかしいと思いますよ、それは。しかし現実の問題として、それと、それからもう一つは、国内に上陸する——上陸といいますか、輸入した場合に、おまえのところの品物については何月ごろから売り始めろと、おれの方は何月ごろから売るぞというふうな、時期をずらして売らせるというふうな、これまた圧力なんですね。ですから、規則は規則にいたしましても、輸入のあり方、やり方、ケースを十分に考えませんと、いま申し上げたような幾つかの例がたくさんあるわけです。きょう具体的な数字は申し上げませんけれども、そういう例があるわけですね。ですから、並行輸入について、それぞれの代理店が業界と手を組んで圧力をかけるようなことがないように、あれば直ちに対応してもらうということがなければならぬじゃないかというふうに思います。 さてその次に、総理大臣も施政方針の中で言われたわけですが、いま、産業構造の変化といいますか、改善といいますか、それとあわせて流通機構の改善というのはいまや重要な課題だというふうに言われております。なお、アメリカにしろ、ECからもその点非常に厳しく言われております。この資料にもありますように、だれが見ても大変むずかしい流通経路をたどって最終的に消費者に来ているような状況ですね。私は直ちにこの中間のたとえば第一次、第二次——問屋、仲買いをつぶせというようなことを言うつもりはありません。それは、そういうところを淘汰をすれば直ちに失業という問題が起きますので、そう簡単に言い切るつもりはありませんけれども、しかし、いずれにしてみてもこの流通経路、流通システムというものが非常にややこしいということは、外国から指摘をされるまでもないと思います。時々産地直輸入というふうなサービスをやっておりますけれども、これはもう大した量じゃないんですね。基本的にはこの流通のシステムというものを改善をしなければならない。それも各業種、産業、あるいは物品によって大変な違いがあるわけです。こういう物的流通、商的流通のシステムを大いに改善をしない限り、依然として製品輸入はむずかしい、大量に買い付けることは非常にむずかしいというふうに一方では判断をしますし、それから、一方では消費者は高いものを買わされるという結果に相なっているわけですね。現実に調査をされましたそれぞれのケースを見ても、全部そうなっているわけなんです。何か具体的に、施政方針で言われたわけですから、こういう分野についてはこういう目標で流通経路というものをできるだけ単純にする、あるいは改善をしていくというふうな計画はお持ちなんでしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 今度の調査は、特に第二回目の調査からは輸入品の流通の経路についてある程度の実態をつかんで、そしてこれを公表しようということにしたわけでございます。御指摘のように、かなり高級品に類するものほど流通マージンが大きいものが出てきております。 それで、こういう流通機構についてどう対応するかということでございますけれども、御指摘もありましたような、この流通部門に従事している人間の数が非常に多いというようなこともあって、一気にこれをショートカットするということはなかなかむずかしい問題があるわけでございますが、当面私どもができる問題としては、やはり製品輸入をできるだけ多くのルートで行うと、そういう意味で、何と申しましても現在必要なことは並行輸入をできるだけ促進していくと、そういう形で、いわば従来のルートに並行した、いわばバイパス的なものがつくり上げられていくことが、既存のルートに対する刺激となって、そしてまた価格の低下にも向かっていくのではないか、そういうふうに思っているわけでございます。 それから、こういうような調査自体によりまして、輸入価格がどういう形で決まっていくか、そして、それが最終段階までどうその価格が波及していくかということについての情報が得られますれば、そういうものを公表するというような手段によりまして、一般の監視の目もきつくなるというような効果もあるのではないかと思うわけでございます。 そういうようなことを今回の調査の結果によりまして私ども感じ取ったわけでございますが、基本的な問題として、さらに、業種ごとにどうこういう流通機構の問題を詰めていくかということについては、今後の検討にまたなければならないと思っております。
○穐山篤君 国会の中でもしばしば議論になっております農産物関係、その流通というのが非常に複雑怪奇で、マージンを何回も取りながら上乗せをして、結局消費者のところに出てくる。これは具体的に牛肉でも過日指摘をされたところです。そのほかの農産物につきましても、この表にありますように、大変な流通経路をとっているわけです。しかし、この中にも、見ましたところ、図に載っていないものもあるんです。現実に行ったり来たりしているものがこの図の中には入っていないんです。特に、農産物関係の流通の問題については政治議論としてもたくさん出されているわけですから、代表的な問題として、流通についてはこういうふうな改善をするつもりだと、あるいはこういう方向で研究をしている、あるいは業界との間にコンセンサスを得るように目下話し中だというふうなことになっているんですか、なっていないんですか。
○政府委員(藤井直樹君) 農産物の中で、牛肉について申し上げますと、現在牛肉の価格問題が、いろいろ議論されている中で一番大きな問題の一つですが、卸売価格が下がっても小売価格がそれに連動して動かないというところにあるわけでございます。そういう問題についてどう対応するかということでございますけれども、二つには、特に牛肉のような、最初の生体から枝肉を経て部分肉、それから最後の精肉というような、非常に変化の多い流通過程をたどっているものについては、この途中の段階について、できるだけ価格形成の過程が明らかになることが必要でございますが、現状においては枝肉までのところと最後の精肉のところはわかっておりますけれども、部分肉についてはなかなかわからない。そういうことで、何とか部分肉についての市場を育成して、価格の形成の仕方というものが一般にわかるようにする必要があるのではないか。そういうことで、ことしから農林省の方で部分肉センターというものを新しくつくるというようなことを始めているわけでございますが、もう一つの問題としまして、当面やっておりますことは、先ほどもちょっと申し上げましたいわゆる非常にバイパス的な考え方を実現することが必要ではないかということでございまして、ことしの一月から始めておりますのは、小売店の方々が個別に材料を仕入れるのではなくて、共同して仕入れる、つまり共同仕入れルートというものを新しくつくっていこうということで、いわゆる朝市というようなものを毎日開きまして、そこで大量の取引を行うようにしていこう。そういうことで結果的には小売価格が一割ぐらいは下がるのではないかということで、東京に限って現在行っているわけでございます。 それから、もう一つのやり方としては、産地の生産者と消費地の小売団体とが一緒になりまして共同事業をやろうということでございますが、これは昨年からやっておりまして、この辺は週に一遍ぐらい、二割ぐらい安い価格で提供するようなことができないかということで現在やっているわけでございます。 そのほかのルートとしては、生活協同組合がやはり産地の団体と一緒になって安い牛肉の提供をしたらどうかということで、これも現在行われておりますが、今後さらに拡大されるであろうと思います。その場合、必要な資金については、畜産振興事業団の輸入差益の中からそれを充てて、そうして差益の処理について消費者還元ということを言われておりますので、そういう形で実施していこうということで、現在いろいろな形で牛肉についての流通段階の合理化に取り組んでいるところでございます。
○穐山篤君 時間が来ましたので、個々の品物についてはきょうは控えたいと思います。 さて、まとめとして長官にお伺いをしたいわけですが、日本とアメリカとの経済関係というのは非常に重要な立場を占めているわけです。そこで、経常収支からいいますと日本は黒字、アメリカは去年の実績でいきますと二百億ドルの赤字。しかしながら、それほど、経常収支が赤になっておりましても、われわれが考えるほどアメリカは心配をしていないというふうな印象が非常に強いわけですね。 それから一方では、数字を見てみますと、最近アメリカの経済的な傾向としましては、非常にインフレぎみであるというふうに数字の上からは判断をされるわけです。アメリカ自身のことですからなかなか私どもわかりづらいわけですが、アメリカとしてはこれから経常収支をできるだけ少なくしていく、ドルを高くしていくということについての政策だとか、あるいはたとえば消費者物価でいきますと、対前年で六・八%というふうに、日本に比べましてかなり高い数字を示しているわけですね。こういうインフレについて、長官としてはどんなふうにアメリカ経済を見られているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 米国の経常収支が、ただいまお話のように赤字が非常に大きくなっておることは、やはり何といっても端的に一番原因になっておりますのは石油の大きな輸入でございますから、私どもの了解しておりますところでは、この石油の輸入を何とかこれ以上ふえないように、あるいはだんだん減らしていくようにということが当面の施策の焦点になっておるようでございます。そのためには、エネルギー法案の早期の成立を大統領が議会に幾たびか要請をしておるということでございますが、これが成立いたしますとしましても、もういまの形はかなり骨抜きと申しますか、変わった形になっておりますので、当初期待したほどの効果がこの法律によって上げられるかどうか、場合によって補完的な措置が要るものであるかどうかというようなことすら実は議論になっておるわけでございます。しかし、いずれにしてもこの石油の輸入をどれだけ抑制していけるかという、これが一つの問題であることは、米国内で一致しているところではないかと思います。そのほかに、たとえば農産物の非常に高い支持価格であるとか、あるいは連邦政府の官吏のベースアップについてある程度の削減、多少の削減を行うとか、そういったようなことが当面の米国の対策のようでございますが、そうではございますけれども、他方で失業状態が相当悪い、六.二%というふうなところでございますけれども、しかし、年齢層あるいは人種的に、地域的にもっと高いところもあるというようなことから、十分思い切ったインフレ対策に踏み切れるものであるかどうか、やはり何がしかの疑問が私はあるように実は思っておりますので、大統領がインフレを主体にした施策を打ち出されるということ自身は、ドルの対内的な、ひいては対外的な価格維持ということを政治の課題に取り上げたという点で私は意味がある、十分意味があることとは思いますものの、すべてはこれからの実行にかかるということになるのではないかと、そういう見方をしております。
○穐山篤君 一九七六年、一たんアメリカは消費者物価は前年に比べて下がりました。しかし七七年にいきますと対前年で六・五一、ことしの一月には六・六一というふうにインフレ傾向ですね。アメリカはアメリカなりに鎮静の努力はされるんでしょうけれども、この状況でいきますと、私どもが考える以上にアメリカのインフレというのは進行するんじゃないかという懸念を持つわけです。そうなりますと、日本への影響というものはかなり私はあるんじゃないか。製品輸入にいたしましても、その他のことについても相当波及をしてくるんじゃないかと思いますが、その点についての見通しはどんなものでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) たとえば農産物の一部、大豆などでございますけれども、これはかなり価格が上がってきておりますので、そんな影響は多少はあろうかと存じますが、わが国から申しますと、逆に円高ということがございますので、ただいまのところはむしろ相殺すれば、円高からくる、何と申しますか、価格低落要因の方がまだ相殺しても残るのではないかというふうに私は思っておりまして、むしろアメリカのインフレが進行いたしますと、われわれができるだけ輸出を余りふやさないようにしたいと思っております努力が、結局アメリカのインフレでなかなか思うようにまいらないことになりかねませんので、ドルの価値維持の問題と別に、もう一つそういう問題が出てきそうであります。その辺を懸念しなければならないのではないかと思っております。
○委員長(斎藤栄三郎君) 午前の質疑はこの程度にいたします。 本会議散会後直ちに再開することといたし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 —————・————— 午後三時十九分開会 〔理事西村尚治君委員長席に着く〕
○理事(西村尚治君) ただいまから物価等対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡部通子君 最初に、円高メリットの消費者還元について、若干お伺いをしたいと思います。 午前中の質疑がずっと行われておりましたので、大体御答弁の概要等もみんなわかったわけでございますけれども、やはり私はこういう際でございますので、何とかもう少し、少しでも現実に消費者にわかるような形でこれが還元できるようにしていただきたいというのが願いでございます。もう底流として御答弁一貫しておりますものがやはりむずかしいと、その御議論はよくわかるんですけれども、それはそれとしておいて、いま政治の信頼を取り戻す上でも、それから国民生活の上に多少なりとも希望を与えるといった、そういうような大きな政治効果の上から申しましても、消費者還元というこの大きな政治課題に何とか一歩前進の足跡をつけてほしい、これが私の質問する念願でございます。こういう立場で、円高メリットの還元については、どうしても政府自身がそれを明確にしていただくということが何といっても眼目だと思います。その意味からまいりますと、やはり政府が関与しております価格、そういったものがもう少しはっきりわかるような形にしていただきたいと思うわけです。質疑は大体午前中に出ておりますので、加える形になりますが、何点か御質問申し上げます。 大きな公共料金、電力、ガス料金、こういったものが先ほども一千億という差益が出ているんだという御報告でございました。ですから、これがもう少し何とかならないかということです。もしどうしても引き下げが無理であったならば、会社別にひとつ据え置き期間を明示していただきたい、会社別にでございます。 それから、低所得者あるいは福祉施設、こういったものに対する割引料金を採用するお考えはないか、この二点をまず伺います。電気とガス料金についてです。
○説明員(上杉一雄君) 電気会社に発生しております為替差益、五十二年度におきまして約一千億前後というふうに考えますが、これは電気料金といいますか、電気の総コストに対しまして大体一・七、八%のウエートかと考えます。通産省としましては、今後の設備投資その他による資本費の増加、あるいは人件費、修繕費等の諸経費の増加というものを勘案し、あるいは今後のたとえば原油価格の高騰、円レートの高騰と、こういうものもかなり不確定であるということを勘案いたしまして、御承知のように、一月の二十日に九電力に対し、少なくとも一年間の電気料金を据え置くことによって為替差益を消費者に還元する、あるいはさらに、できるならばその後も事態の推移を見ながら一層長く据え置くよう指導するということでやってきておりまして、今後最近の一層の円高の進行にかんがみまして、この指導方針をさらに強化していきたいというふうに考えております。 それから、特定の方に料金を割り引くということは、きょう午前中にも申し上げましたけれども、現在の法律上のたてまえから、すべての需要家、消費者を均等に扱うという公平の原則がうたわれておりまして、これに抵触していかがなものかというふうに考えております。
○渡部通子君 東京、中部、関西、この三社は五十四年度までの据え置きということに言われておりますね。ほかの会社についても、こういうはっきりしたものはまだ出ませんか。それならば、いつごろはっきりさせていただけるか。
○説明員(上杉一雄君) 東京ほか中央三社におきましては、現在の状況が変わらなければ五十四年度いっぱいを目途として努力すると、こういうことを発表したかと思っておりますが、この方針は、先ほども申しました私どもの、一年間据え置き、さらにその後もできるだけ長く据え置くと、この方針にのっとって態度を表明したことかと思います。為替差益の発生の状況は、各社によって当然ながら違いますので、ほかの各社についてはいまのところそういう表明はされていないと思っております。
○渡部通子君 大臣にもその点一点伺っておきたいのですが、やはり円高差益というものは国民のものだと思うのです。ですから、企業内の事情がいろいろあるでしょうけれども、やはり国民のものである以上は国民に還元をするというルールというか、姿勢というか、それをはっきりしておくことの方が大事ではないかと思います。百円未満の小額だからと言いますけれども、公共料金としての波及効果、それから、確かにわずかであってもそれが電気、ガス、それからもろもろの石油製品、そういったものがやはり半年、一年間積み重なった家計に占めるウエートというものも決してばかにすることではないと思うのです。そういう意味から考えて、大臣のこれに対するもう一歩積極的な姿勢を、ぜひ伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 公益事業の料金認可をいたしますときには、原価の計算をしてあるわけでありまして、そのときの円レートを幾らにしたかということは計算上明らかになっているはずでございます。したがって、その円レートが、もうすでに過ぎ去った期間において少なくともそれより幾ら低かったかというようなことからどれだけのそこに差益が出てきたかということは、これまた明らかになるはずのものでございます。そこで、それだけは言ってみれば査定のときに過剰のコストを勘定したということになるわけでございますから、そこで、それを利用者に返せという御主張は、私は御主張としてわからないわけではございません。が、先ほども申しましたように、それが実は非常にわずかな額であるということ、しかし、集めておけば将来の電源開発コストをそれだけやはり保留を多くすることによって抑えることもできますし、設備の前倒し等々もやってもらいたいと思っておるときでございますから、そういうことの役にも立つと、どちらが国民経済としていいだろうかというふうに考えまして、私は、従来それは留保をしてもらっておいた方がいいのではないかと、従来はそう考えてまいりました。今般もう一遍通産大臣にお考えを、どういうことであるか承りたいと思っておるわけでございます。 そういういきさつから申しますと、やはり一定の条件のもとで、そういう条件が満たされれば将来このくらいの期間は捉え置くことができるというようなことは、当事者からやはりはっきり聞きたいものだと、むろん条件が崩れますればこれは別のことでございますが、もう少しはっきり聞きたい。会社によっては、いやそれは現在の条件のままでも一年以上はできないというところもあるかもしれません。それはもうそれでやむを得ないことでございますから、その辺はもう少しはっきりさせておきたいなという希望を私は持っておりまして、通産大臣にも、それをそのようにお願いをいたしたいと思っておるところでございますが、どのように通産省がお考えになりますか、それを承って私どもの考え方も申し上げたいと、こう思っております。
○渡部通子君 小麦について伺います。 輸入麦勘定は莫大な黒字、先ほど八百四十億という利益があるということでございました。まあ値下げは非常にむずかしい。お米に気がねして麦が下がらないということでございましょうが、それならば、小麦の引き下げが困難であるのならば、消費者米価の据え置き、せめてそれあたりでも検討して、そして、国民に発表していただくというわけにはまいりませんか、同じ食管会計の中ですから。
○国務大臣(宮澤喜一君) 麦については、まさに御指摘のようなことから据え置きということに私どもも最終的には同意をいたしたわけでございますが、そこで、それだけのことで、それなら米を、消費者米価を据え置けということになりますと、ちょうどエビでタイというのと反対の、こういうのは何と申しますんでしょうか——というような感じをあるいは食糧庁の方々持たれるのではないかと思います。ですが、ことしの消費者米価をどうするかということは、実はもっといろいろな要因から議論になってくるのではないかと思っておりまして、私、農林大臣がただいまどういうお考えであるか承っておりませんが、農林大臣としては米の消費を何とかふやしたいと非常に御熱心に考えておられるところでもございますし、食管赤字のこともさることながら、その辺をどういうふうにお考えになりますか、ただいま御意見のありましたことは、私どもからも農林大臣にお伝えをいたしておきたいと思います。
○渡部通子君 牛肉は大体十円引き下げたことがございますが、これは現在二百二十円が割れるという状況でございますから、第二回、第三回で牛肉の引き下げは検討できますでしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) 昨年、輸入牛肉につきましては二回の引き下げを行っております。その理由は、円高の進展ということもありますと同時に、現地の輸出価格が下がったということもあったわけでございまして、十一月の引き下げのときには十円の引き下げをいたしております。 で、今後の問題をどうするかということは、現在検討中でございますが、先ほど申し上げました輸出価格について現地の方の事情から若干の値上がりが最近出ておりまして、そういうことで、計算上、円高のメリットが現地の輸出価格の上昇によって打ち消されるというような状況になってくるというふうに聞いているわけでございますが、その辺も含めまして現在農林省と検討しているところでございます。
○渡部通子君 もう一つ伺います。 やはり輸入たばこ、昨年の秋値下げをいたしましたけれども、そのときが大体二百六十円台のときでありました。この再度の引き下げは考えられますでしょうか。
○政府委員(藤井直樹君) たばこにつきまして、昨年の十月の段階で米国たばこ、英国たばこについて輸入価格と小売価格との関係を調べたわけでございますが、その時点では、英国たばこについては値下げが可能であるということで、一二%程度の値下げを行いました。米国たばこにつきましては、実は、現在のこの料金を決めました五十年の十二月からの推移を見ますと、非常にアメリカにおきます輸出価格が上がっておりまして、五十年の十二月から昨年の十二月ぐらいまでの段階でございますと、約二一%程度現地で上がっていたわけでございます。そういうことで、一方円高効果が出たわけですけれども、それが全部——全部といいますか、FOB価格の上昇によって打ち消されるということになりましたので、値下げの余裕はないということになって据え置いたわけでございます。 で、今後の問題、現状においてどうかということについても、他の物資と一緒に現在大蔵省等と検討をしておるところでございますが、そういう、ちょっと牛肉で申し上げましたような現地での価格上昇というのがたばこについても相当見られる傾向もあるものですから、その辺を含めて検討していきたいと思います。
○渋谷邦彦君 先ほどカーターの演説要旨を聞いておりまして、非常に心配だなと思った印象があるわけです。それは、アメリカ国民はもとより日本国民も少なからず関心を呼んでおりますインフレ対策、それからエネルギー法案の成立の方向について一言も触れてなかった。これはどういう意図があったのかはわかりません。恐らくまだ経企庁でもその点の分析は、つい先ほどのことでございますので、十分なされておりませんから、いまどうこうという即断的な結論を得たいとは思っておりません。しかし、もしアメリカの姿勢がそうしたような方向にこれからさらに続くということが考えられるならば、円高という問題もこれはまた考え直していかなければならない。一体どの辺で歯どめがあるんだろう。これは一概に歯どめと言っても、国際経済の環境の中ですから、なかなかその知恵も浮かんでこない。そういった点について、決して全くないと言い切れない、むしろ可能性が十分にあり得るということを考えた場合に、長官としてその辺の判断をどういうふうに持たれるのか。それから、この円高というものの今後の行方について、また、日本としてなし得るその歯どめというものは何か。いままでもドル減らしの問題を初めとしていろいろな方途というものは言われてきましたけれども、一向にそれが進まない。ひょっとするとこれは二百円台を割るんではないかというような心配が大変私どもとしてはするわけでございますが、何せ、いま聞いたばかりの話でございますので、非常に唐突かもしれませんけれども、お答えをいただければお願いをしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) カーター大統領の演説につきましては、その背景がまだはっきりわかっておりませんので、十分な用意のもとにお答えを申し上げることはまだできない状況でございますが、一応その演説を読みまして感じましたことは、ともかくインフレというものがこの際アメリカとしては真剣に取り組まなければならない問題であるということを、一応大統領の意思として述べられたということは、これは従来に比べますと一つの意味があると思っておるわけでございます。 なお、具体的には、一つは財政の赤字について、これがインフレの一つの要因であるということから、財政赤字をさらに増大するような法案については、場合によって拒否権を発動するというようなことを述べておられるようであります。これは、財政の赤字がインフレの一つの要因であるという認識に基づくものと思われます。 それから、もう一つはエネルギー、ことに石油の膨大な輸入というものがドルの価値を内外に疑わしめておるということの認識もございますが、恐らくこれについては、いま議会が審議をしている最中であることを考慮して、その法案が通らないときには具体的に何をする、あるいは通らないうちに何をするというようなことを言えば、ますます法案の通過が困難になるということから、多少そこは遠慮をして、そういう考慮から述べておられるのではないかと考えられます。もし審議がおくれる場合には何かの行政措置云々ということがございますけれども、世間ではそれは輸入課徴金でもするのではないかということが前々から言われておるわけですが、そうは明確に述べておりませんのは、恐らく、かえってそれによって法案の通過を困難にするという配慮であろうかと思われます。 そのようなことが目につく幾つかの特色でございますけれども、やはり根本的には雇用とインフレとどちらに重点を置くかということについて、どちらにも軍配を上げられないというような判断がにじみ出ているように思いますので、そういう意味では、恐らく米国の内外で期待をしておりました筋からは、具体的な内容に乏しいという評価を受けることになったのではないか。すべては、これから具体的に何を、どういう施策を打ち出すかという、これからの問題でございますけれども、やや期待に沿っていないということから、さしずめ為替市場にそれが影響いたしたのではないかと思っておるわけでございます。 で、そこで今後の為替市場、円市場でございますけれども、私自身は、この二月中旬以後のきわめて急激な円の棒上げというものはこれはやはり相場的な要因が大きい、こんなことがいつまでも続くはずはないという感じを持って見てまいったわけでございます。いまもそういう感じは持っております。ですから、このカーター演説による一、二日の直接の反響はともかくといたしまして、少し長い目で見れば、もう円は確かに評価されるところまで評価されたと言うべきではないか、そういうような意見を述べる人も、わが国ばかりでなくよそにもだんだん出てまいっておりますから、そう考えるのが穏当なところではないかと私は存じております。
○渋谷邦彦君 確かに、いまおっしゃられた点を考えますと、まだ不安感というものが果たして除去されるんだろうかという、大変含みを持ったいまお答えだったんではないかというふうに感ずるわけでございます。日本の円が国際的にもまあ評価されつつある、もしそうであれば大変好ましい現象だろうというふうに私どもも受けとめたいところでございます。ただし、いまお述べになった中にもございますように、アメリカ国民の中でも大変厳しい評価がなされている。ということは、裏返しにした場合に、果たして、カーターのこれからの指導性ということも問題があるんだろうと思いますけれども、果たしてこれからどういう推移をするんだろう。少なくとも大統領就任して今日までの経過を振り返ってみるまでもなく、果たしてどうだったんだろうと。国際経済の中に及ぼす影響あるいは波及効果、あながちにすべてがだめだというわけにはまいらないにしても、むしろ指導的な役割りを果たすべきアメリカの立場というものが、余りにも影が薄くなっているんではないだろうか。そうしたことを考えますと、これからもいろんな投機的なそういうような働きというものが世界のどっかで行われた場合に、また、基軸通貨の中に入れてもらえた日本の円もまたいろんな変動をそこで示すだろうと、あるいはマルクとの関係もございましょう。それから、近くは東京ラウンドの会合等も持たれる。また、そういったもののいろんな動きの中で果たしてどうだろうと。いま、関連でございますから多くを申し上げるわけにまいりませんけれども、いまおっしゃったとおり、日本の円については、今後まず円高、そして二百円台を割るというような危険性はないだろうと、こういうふうに一応いまの御答弁の中から私ども判断してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 相場のことでございますので、相場に聞けということになるのでございましょうけれども、少なくとも私はここまでまいりました円がさらに高くなっていくということは、常識的に考えて自然な動きではないように存じます。 昨日、前のアメリカの連銀の委員長でございましたバーンズ氏がちょうど東京に来ておられますけれども、お話しましたときにも、バーンズ氏も、かつては円が過小評価であると自分も考えておった時代があると、しかし、ここまでくるとそういうことはもう言えないように思うということを話をしておられました。したがって、それはある程度消息に深い人もそう見ている向きもあるということではなかろうかと思ったんでございますが、私自身は、先ほど申しましたように考えております。
○渋谷邦彦君 もう一点だけ、済みません。 次に、午前中からも為替差益についての還元問題、大分議論になったようであります。ただ、いろいろ私どもが消費者の方々にお目にかかって感じますことは、やはり差益については還元していただくところに本来の政治の姿があるんじゃないかと。われわれも言われるとなるほどごもっともだと。先ほど石油の問題あるいは電力の問題等々、いろいろ現状における差益の数字が出されました。ですから国民感情としては、それは企業体ですからある程度残しておかなければ、備蓄しておかなければならない、あるいは設備投資ということもございましょう。それに必要なお金も当然関連するわけですので、残すものは残して、返すものは返すと、こういった操作が本当にできないもんかどうかですね。やっぱり一千億だとか何百億とか何千億というふうになると、国民の受けるその感情、感じというものは、やっぱり返してもらうことによって多少でも消費生活が助かると、こういう印象を持つことは、皆さん方も奥様方に聞いていただければ私はよく実感としてその反応が返ってくるんじゃないかと思うんです。われわれも同じ、ここにいらっしゃる方全部そうだとぼく思うんです。そういうことは全くできないのか。先ほど選別的にはこれとこれとこれはできるというお話もあったようです。しかし、一番もうけ頭といわれるような、あるいはその電力料金なら電力料金据え置くのも結構ですよ。それを持続的に二年とか三年、ある程度の約束をしていただけるとか、あるいは実際この料金を下げる、あるいはその価格を下げるということで、なるほど日本の経済というものは安定してきたなと、またここにも一つの政治の恩恵というものにあずかれるかという意識を非常に高めるということは、むしろ経済安定の上から逆の面での効果があるんではないかというふうに思うんですけれども、それだけを伺って、関連ですから終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の場合、基本が市場経済でございますので、したがって、市場経済を通じて、卸売り物価はもとよりでございますけれども、消費者物価がかなりこの何カ月か落ち着いてきたということ、このことが、私はやはり円高からくる消費者に対する一番大きなメリットの還元であるというふうに考えておるわけでございます。これは余りに一般的と申しますか、基本的なことでございますので、具体的に何が下がった、あれが下がったというほどこう話題になりにくうございますけれども、どうも消費者物価がこれだけ落ち着いているということは、これはやはり一番大きな円高のメリットの還元だというふうに考えておるわけでございます。 そこで、私どもが問題にしておりますのは、それにしても個々の物資について、自由経済の中でそれが本当に輸入価格の値下がりほど消費者価格に、最終価格に響いておるかどうかというようなことは、追跡調査で過去にも明らかにいたしましたし、これからも明らかにして、半ば消費者に対する情報としても提供したいと思っておるわけでございますが、政府のかかわりますもの、直接、間接にかかわりますものは、一番自由競争等が行われていない分野でございますから、それについて果たしてどうなのであろうかということで、各省に再検討をお願いしておるということでございます。 そのうち、電力につきましては、私は従来こう考えておりましたということは、渡部委員に申し上げたところでございますが、実は石油につきましてどう考えるべきかということを、私も少し所管大臣の御方針を承りたいと思っております。と申しますのは、灯油の価格が七百円を割り込んだというようなこと、あるいはレギュラーガソリンが百円を割っておるというようなことは、確かにこれは円高の反映だと思っておるんでございますけれども、たとえばナフサでございますとか、その他石油精製会社にも、いろいろ公害とか環境問題とかそのコストの要因はあると思いますのですが、かなりの差益があるということは間違いございませんので、その辺をエネルギー行政の立場から通産大臣がどういうふうにお考えになるかということは、近いうちに伺ってみたいと考えておりまして、通産省でも、恐らくただいまいろいろ検討していらっしゃるのではないかと思います。
○渡部通子君 ここで委員長にお願いをしたいと思います。 議論をずっとお聞きになってもうわかるように、なかなか消費者への円高のメリット還元といってもできにくいというような状況でございまして、何とか力を合わせて国も私たちも働いて、少しでも国民生活の上にプラスになるような方向にぜひ持っていかなければならないと思うのです。 そこで、当委員会としての決議を提案したいと思うのですが、こうした電力、ガス会社の料金、こういったものを初めとして輸入物資、こういったことについて、政府が速やかに価格の引き下げ等の行政指導をすべきであると、こういった旨の決議を当委員会として行うべきではなかろうか。これを提案させていただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいを願いたいと思います。
○理事(西村尚治君) 渡部委員、これは後でまた理事会でよく相談をいたしまして、趣旨は結構だと思いますけれども、いま社会党の理事もいらっしゃいませんし、御相談してからにいたしたいと思います。
○渡部通子君 結構でございます。 次に、製造物責任の点について、多少御意見を伺っておきたいと思います。私は製造物責任の立法の促進を願う立場から、若干質問をいたします。 消費者安全、こういったことは、私がここでいまさら申し上げるまでもなく大事なことはおわかりのとおりでございまして、具体的には五十一年度の消費者保護会議で消費者被害の救済のため、国民生活審議会の「消費者被害の救済について」を参考としつつ、売り手危険負担の考え方を原則とする総合的な消費者被害救済制度の検討を進めることと、こういうことが言われておりますが、正直言ってなかなか検討が進んでいないというような実情でございますが、どんな問題があるためなのか、しょっぱなですか、大臣から御意見伺えますか。
○政府委員(井川博君) いま、進んでいないというお話でございましたけれども、経済企画庁といたしましては、各種の調査あるいは行政的な処置、拡充等について努力をいたしているわけでございます。 御案内のように、被害者救済のやり方といたしまして、一つは現実的な解決という問題がございます。その現実的な解決のうち、これは直接事業者へ言っていって相対ずくで物事を解決する、これが一番基礎的な問題でございますが、それがうまくいかない場合にどうするかというのが被害者救済の問題でございますので、われわれ行政側といたしましては、行政がその苦情を受け付けられやすいようにすべきである。そういう意味で、全国でそうした商品に関連するいろいろな苦情、欠陥商品の問題も含めまして、苦情が受け付けられやすいような行政体制をとるということで年来努力をいたしておりますけれども、特にここ数年、地方公共団体等の地方生活情報センターといったようなものの拡充強化を図ってまいったわけでございます。だんだん整備してまいりまして、現段階では全国で百七十二の地方生活情報センターができ上がっているということになっておりますが、われわれとしては今後とも拡充していくと同時に、この質的整備を図るということで努力をいたしてまいりたいと思います。 それからさらには、消費者にそうした被害関係の情報とか、あるいは基本的に商品の知識というふうなものを情報として提供することが大切である、そういうことで、国の関係機関であります特殊法人の国民生活センターにおきましては、一つはそうした試験施設を拡充するために、四十二年から三年がかりで、いまの比較テスト等が倍増して実施できるというふうな試験センターというふうなものの建設を進めているわけでございますし、それから、さらには危害情報——どういう商品はどういう危害を受けるのかというふうなのを全国から情報を集めて、これを消費者にお知らせする、こういうシステムを確立すべきだということで、特に昨年から力を入れ、そのシステムの拡充強化を図るというふうなことをいたしてまいっておるわけでございます。これが苦情面の処置でございます。 他面、それでは消費者のそうした欠陥商品による被害の実態というのは案外のところわかっておりません。いろいろ言われますけれどわかっておりません。それで五十二年度におきましては、経済企画庁におきましてそうした被害の実態調査、これは商品による火災も含めまして火災関係、それからもう一つは、約二万件を対象にして一体欠陥商品等による被害をどういうふうに受けたかというふうな調査をやったわけでございまして、これも先月公表をいたしたわけでございます。 それと同時に、いま先生のお話の中間答申の中にも、海外の先進諸国の状況を十分いろいろ調査をしながら、日本的なそうした被害者救済の制度の検討をすべきである、こういうふうな結論になっておりますが、その海外の調査のために、昨年の秋、関係四省庁から成る調査団を欧米に派遣をいたしまして、最近の実情をつぶさに調査をしてまいった、これも先般公表をいたしたわけでございまして、こういうふうにいたしまして、われわれといたしましてはわが国における消費者被害の実態、それから欧米がそれにどういうふうな対応をしているかというふうな内容の調査をすると同時に、行政的な処置の強化を着々と図っておるというのが現状でございます。
○渡部通子君 いまおっしゃられたようなことは私も認めます。私が申し上げたのは法制化がなかなか進まないと、これを申し上げたわけでございまして、法務省に伺いますが、製造物責任の立法は方法論としては現行民法の改正、新規の特別立法、現行薬事法等の改正などいろいろ考えられると思いますが、消費者の立場からすれば、民法を改正してすべてのものについて製造物責任を明確化してもらうのが一番だと思いますし、あわせて、被害者の挙証責任等を免責するのができればそれにこしたことはないと思うのですが、法務省としてはこの種の民法の改正についてはお考えがおありかどうか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(青山正明君) わが国の現行民法は、御承知のように、損害の発生につきまして故意または過失があった者のみがその賠償の責任を負うという、過失責任の原則を採用しているわけでございます。したがいまして、欠陥商品によって被害を受けた消費者が、その商品の製造者に対しまして損害賠償を請求するためには、製造者に故意または過失があったということを主張し、それを立証する必要があるわけでございます。しかし、故意または過失の立証というのは実際問題といたしましてはなはだ困難である場合もございますし、場合によっては故意も過失もなかったということになって、結局損害賠償が請求できないということになる場合も考えられるのでございます。そういう意味で、消費者の被害を救済するために、過失責任の原則を貫いたのでは十分でないというところから、欠陥商品による被害の救済について無過失責任を導入すべきであるということが議論されているのでございまして、この問題は検討を要する問題であろうと考えておりますけれども、しかしながら、民法が採用しております過失責任の原則というものは、国民が注意を払って行動しさえすれば損害賠償責任を負わされることはないということでございますので、個人の自由活発な活動を保障するという機能を持っているわけでございます。そういう意味で、この過失責任の原則というのは合理性があるわけでございまして、基本法である民法において、この過失責任の原則を修正して無過失責任の原則をとるということは、これは当を得ないのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。一口に欠陥商品と申しましても、商品の種類それからその欠陥の態様、それによって生ずる被害の程度、これらは実に千差万別でございまして、こういうものを全部一括して一律に無過失責任を問うというのははなはだ困難であろうと思うわけでございまして、無過失責任の原則の導入を検討するとするならば、そのような商品の種類、態様、欠陥の態様等、個々具体的に検討いたしまして、無過失責任の導入の可否を検討しなければならないのではないか、そのように考えておるわけでございます。
○渡部通子君 法務省、ありがとうございました。私もきょうは考え方だけを伺っておきたいという気持ちでございまして、今後の検討課題としてひとつよろしくお願いをしたいと思います。 厚生省に伺いますが、現行法ではわずかに労働者災害補償保険法あるいは自動車損害賠償保障法、こういったものが製造物責任の考え方を少し導入しておりますけれども、その対象は非常に狭いと思います。森永砒素ミルク、サリドマイド、スモン、これらは薬事法を改正して、製造物責任制度を導入して消費者被害の救済に当たることはできないものかどうか、厚生省の御意見を伺っておきたいと思います。 それから、来年の通常国会に提出が予定されているという薬事法の改正、医薬品の副作用による被害救済制度の導入、ここにはこの種の制度が導入されると思ってよろしいのかどうかも伺っておきたいと思います。厚生省さんお願いします。
○説明員(代田久米雄君) ただいまの御質問でございますが、その辺の問題がまさに一番の検討の課題でございまして、現在、救済法の内容あるいは今後の改正の内容につきましては、慎重に検討を行っている段階でございまして、それについてはまだ結論を得ておりません。したがって、この点につきましてはもう少し検討を続けたいと思います。
○渡部通子君 通産省に伺いますが、製品安全法、特定化学物質の安全に関する法律、ガス事業法、こういったもので消費者の危害予防に関する法律が通産省の所管の中には非常に多いと思いますが、これらの法律をこの際見直しをして、できるだけ早い時期にこの責任制度を明記する考えはございませんでしょうか、伺っておきたいと思います。
○説明員(野崎紀君) 御承知のように、通産省の所管しております物資につきまして、従来から消費生活用製品安全法、それから電気用品取締法、ガス事業法その他二、三の法律によりまして、安全性の確保という点について努力をしてまいったわけでございますけれども、このうち、一定の基準を定めまして、これに該当するものでなければ売ってはいけないという規制をやっておりますのが一般的な規制の様式でございますけれども、消費生活用製品安全法におきましては、それに付加いたしまして、被害が起こった場合に一定限度の損害賠償を行い得る保険制度をその中に取り入れたSGマーク制度というのを、認可法人である製品安全協会というところでやるように、法律に基づいてこれやるようにしておるわけでございますが、こういった実際的な消費者に対する損害の救済ということを、これからも大いに進めていきたいというのが基本的な考え方でございます。 ただいま消費生活用製品安全法によりますSGマーク制度の対象となっておりますのは、全体で三十八品目でございます。これは順次拡大されておりまして、今後とも漸次品目を追加をしてまいりたい。 それからさらに、そういった現在の被害救済の限度額というのが一千万円ということになっておりますが、こういった最高限度額というものも、できれば上げたいということで検討をしておるところでございます。 なお、製造物責任というのを、過失責任原則を全く変えて、無過失責任原則を取り入れるという形で新たな立法をするという問題につきましては、この通産所管物資ということのみではなくて、全体の問題としていろいろな整合性も考えないといけないし、あらゆる点から慎重な検討を加えた上で行う必要があろうかと存ずる次第でございます。
○渡部通子君 企画庁に伺いますが、製造物責任立法の考え方として、対象範囲の問題でございますが、対象を製造物にのみ限定するのか、それからサービスも対象にするのか、この点いかがでしょう。もし対象を製造物に限定した場合、医療過誤等の救済はどうなりましょうか。
○政府委員(井川博君) いま各省の御答弁をお聞きいただきましたように、製造物責任の法制自体について、どういうかっこうでどういうふうにやるのかというふうなところまでいっていない。実情としましては、まさにそういうことを、これからいいのか悪いのかということを検討しなくてはならぬ時期でございます。したがって、われわれとして、いま先生おっしゃいましたようなサービスが入る入らぬというところまで議論に至っておりませんために、これ大変ヨーロッパでEC指令案等が出ておりまして、われわれとしても参考になるわけでございますが、ヨーロッパあたりでもそういうものの検討にまだまだ日子がかかるような状況でございまして、たとえば人身に危害が加わるようなものだけに限るのか、それとも一般的な商品に持っていくのか、さらにサービスまで入るのかというふうな問題がございます。大体の考え方として、医療となりますとちょっと別ではないかという考え方が従来強いようでございますけれども、しかし、この製造物責任立法という問題に関しましては、ちょっとわれわれ日本においてどう考えるか、そこまで検討の段階が進んでいない、もう少しその前の基礎的な調査をやっている段階である、こういうふうなところでございます。
○渡部通子君 そういう段階であるということは私もよくわかります。ただ、これからそういった時代の流れとして当然大きな課題になってくるであろうというところから、法制化を前向きに取り組んでいただきたいという見地で少しお尋ねをしたわけでございます。 あと細かいこと、じゃ聞くのはやめますけれども、製造物責任、これ立法化されてくるようになってまいりますと、やはりどうしても考慮していただきたいことは、中小企業者への配慮、こういったこともございますので、これは一点老婆心ながら申し上げさしていただきたいと思います。 いまもまだ調査の段階だということでございますけれども、最近の一般紙の論説、社説あたりにも、かなりこの問題は取り上げられております。本年に入ってからだけでも一月の二十四日の朝日、これはもう「製造物責任立法化を準備せよ」です。二月十九日、朝日はやはり「消費者被害救済対策の推進を」と。二十四日の日経は「消費者被害の実態と対策」三月十一日には読売、毎日、朝日一斉に、カネミ油症の判決に関連してこの問題を取り上げているという、大変国民的な関心の大きな問題になってきたと思います。 私、確かに日本の国の実情になじむかどうかといった点でも、この検討も必要だとも思いますし、これからのことだとは思いますけれども、早晩、消費者被害が泣き寝入りで終わってはならないし、火災まで起こっているというような実情もありますので、しかも、そういった中で立証責任が常に消費者に置かれていると、こういう状況というのはやはり行政が手を差し伸べなければならないと思います。ですから、ぜひ立法化を積極的に取り組んでいただきたいし、これが一体具体的に踏み出していただけるのはいつごろになるのか。調査の段階を終えてそうなるというのはいつごろになるのか。これが見通しがあれば伺いたいと思うし、また、それに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(井川博君) われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、まだまだ調査すべき内容が残っております。たとえば現実問題として、そうした被害が起きたときに事業者の現実の対応の程度がどの程度かというふうなことも調査をしたいと思いますし、それから、何でもとにかく消費者が困っているんだから事業者がどうであろうと損害は必ずやれと言ってそれで終わりの問題ではございません。その裏には、たとえば事業者を支える保険制度か、あるいは危険制度の整備という問題がある。現実にそういうふうな対応を事業者としてはどの程度やっているか、そして今後どういうふうに考えていかなくちゃならぬかというふうな問題がございます。そういう調査もやらなくちゃならないと考えております。したがいまして、実はこの間の調査団の報告あたりも、その一番肝心なところは、実は欧米へ回ってきて日本より一歩進んでいるというものの、ヨーロッパもアメリカも、やはり社会的な公平性感覚とコモンセンスが一番大事であると、行きつ戻りつしながら議論しているのでございますが、わが国の場合にも、この問題について国民的なコンセンサスというものが非常に大事だと思うのでございます。いまお話のございましたような各種の裁判を通じて非常に国民的な関心が高まっている時期でございますが、そういうふうな状況を十分注視をしながら、われわれは現実のこの問題についての調査を十分やっていきたい。したがいまして、時期いつ云々というのは、ただいまの段階では申し上げられませんけれども、そうした調査はしっかりやっていくと同時に、われわれ行政が、いま現実に手の打てる行政的解決の方法について整備強化を図ってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 立法についてのお尋ねであったわけでございますけれども、先ほど法務省の方からお話がございましたが、私も民法というようなものの原則を変えるということは、恐らくよくないのであろう。故意、過失がなければ自由に行動をしていいというのがこれは憲法で保障された自由であろうと思いますので、どうも民法を変えるということは、私自身消極的でございます。そこで、そうなりますと単行法になるわけでございますが、先ほども新聞の社説などについて御言及がございました。結局そういうことが重なっていきまして、関係者がこれはもうやはり結局世の中の移り変わりということで、この程度のことは受け入れざるを得ないというふうになる時期というものが私は恐らく来るであろう。そういうことを私どもとしてはなるべく促進いたしたいと考えるわけでございますが、決してただ実が熟するのを待つというようなつもりではありません。できるだけそういう空気を醸成していきたいと、その上でと考えておるのでございますが。そうでございませんと、いかにも何か自由であるとか、主権であるとかいうものに、不当にある目的のために、目的そのものは私はいい目的だと思いますけれども、ある目的のために一方的なことをやったということでは、なかなか将来動いていかないと思いますので、そのような機運を醸成してまいりたいと思いますし、その中でやはり考えていくと、こうあるべきじゃないかと思っております。
○渡部通子君 じゃあ、この問題は考え方を伺ったということにして、今後の課題として残したいと思います。 もう一つ、鶏卵についてひとつ問題提起をして伺いたいと思います。鶏の卵でございます。私どもはさきの衆議院予算委員会で食肉から抗生物質が検出された事実を指摘いたしました。また、参議院の予算委員会においても魚が薬づけにされているおそれが大きいということを言ってまいりました。きょう私はここに卵に抗生物質が検出された件、これについての対応を伺っておきたい。食品行政のあり方に再考を促したいと思う次第なんです。 で、鶏卵について、常時抗生物質等の動物用医薬品の残留検査、これは行っているものでしょうか、厚生省に伺いますが。
○説明員(岡部祥治君) 食品中の抗生物質につきましては、食品衛生法で、先生御存じのように、食品中には抗生物質を含まれてはならないという基準をつくっておるわけでございます。それで、これらに対しまして各都道府県におきましては、他の食品の規格基準と同じように、随時必要に応じ検査をいたしておるところでございます。それで特に畜産食品中に含まれる抗生物質の検査につきましては、いろいろ技術的な問題もございまして、実は昨年一つの統一的な検査方法を定めまして、各都道府県に通知をいたしまして、随時必要に応じ収去検査をするということにしておるわけでございます。先生御指摘の、卵から抗生物質が検出されたという具体的な例につきましては、私どもその都道府県におきます例では承知しておりません。
○渡部通子君 いま承知しておりませんとおっしゃったんですか。
○説明員(岡部祥治君) はい。
○渡部通子君 私、ここにいま農林省の動物医薬品検査所年報というものを持っているんですが、それの一九七五年版ですが、その四十ページに「養鶏場から入手した新鮮鶏卵中にはエリスロマイシンの検出されたものがあった。」と報告されておりますが、この報告は承知していらっしゃいませんですか。
○説明員(岡部祥治君) ただいま私御答弁申し上げたのは、各都道府県で収去検査をした結果について、そういう検出したという例を聞いていないということを申し上げたのでございまして、御指摘の文献につきましては承知しております。
○渡部通子君 とにかく卵の中に抗生物質があったということについては、じゃあ承知していたということでございますね。そういう話は、承知しているとかしていないとかというのじゃなくて、ショッキングな話なんです、私たちが聞きますと。さもやありなんと思います。確かに配合飼料の中には、ちょっと鶏がぐあいが悪いからといえば大量に使われていそうだなんという現実は目の当たりにいたしておりますので、卵の中から出ても不思議はなかろうとは思いますけれども、それが正式な農林省の書類なんかで出てまいりますと、非常にショックなものです。 承知をなさってから、農林省並びに厚生省はどんな対策を講じられたんですか。
○説明員(小山国治君) ただいまお話のございました動物医薬品検査所におきます食肉及び食卵中における残留抗生物質の実態調査の成績の中で、一部の種鶏場で採取いたしましたこれは種卵でございますけれども、ここにいま先生おっしゃいましたようなエリスロマイシンが検出されたという事例が報告されております。この成績は、実は昭和四十六年に動物医薬品検査所で行われました調査でございまして、私どもこのような姿を見まして、早急に対策を講じなければならないというようなことから、従前は鶏についての抗生物質等は野放しと申しますか、そういう形で使われておったわけでございます。それを、薬事法の規制の中で要指示医薬品という制度がございますけれども、その要指示医薬品の対象の動物に鶏を加えまして、そして抗生物質がそれ以前のように乱用をされるということを防ぐようにいたしたわけでございます。 要指示医薬品の制度と申しますのは、獣医師がその鶏を診察しまして、その結果発行いたします処方せんまたは指示書に基づいて家畜の所有者が薬を購入いたしまして使う、本来は獣医師がみずからまたはその指導のもとに使うということでございまして、そのような規制を昭和四十年にいたしております。 さらに、その指示の中で、投薬中または投薬直後に、卵に残留しているということが疑われるような畜産物につきましては、つまり鶏卵につきましては、その出荷をとめるような指示もいたしております。 さらに、飼料添加物につきましても、飼料の安全性の確保及び品質改善に関する法律の中で、飼料に添加いたします抗生物質につきましては、その種類を厳しく限定いたしますとともに、使用量であるとかあるいは使用の期間等につきましても規制いたしまして、そのような畜産物に抗生物質が残留するというようなことのないように、安全な畜産物の生産を指導するようにいたしております。
○渡部通子君 そういう法的な規制があるということは私も承知しておりますが、それが現実に守られているかどうかということの方が大事な話ではないかと思うんです。ともかく食品衛生法によれば、抗生物質を含有してはならないということに規格基準があるわけでございますから、たとえ卵五個からでも何個からでも抗生物質が出てきたということは、これは大変なことでございまして、それに対する認識がまず一番甘いというので私は驚いたんですよ。 いまおっしゃるように、何ですか、薬事法で要指示薬としての範囲の中に入れたという処置の仕方でございますね、それは厳格に守られておりますか。
○説明員(小山国治君) 制度的にはそのような措置をいたしまして、その厳しい厳格な実施を私どもとしては望んでいるわけでございます。ただ、ごく一部の獣医師あるいはごく一部の製薬会社のプロパーと申しますか、販売を担当する者が、薬を売らんかなといった姿勢から指示書を乱発するといったような事例もないわけではないというように聞いておりまして、大変心を痛めております。 要指示薬に対する指導につきましては、再三畜産局長通達をもちまして各都道府県知事を通じ指導しているところでございますけれども、昭和五十三年におきましても、要指示医薬品の適正使用特別指導事業というものを組みまして、現場におります獣医師あるいは動物用の医薬品を販売いたします販売業者等を指導するようにいたしております。 さらに一方では、従来の薬に頼っておりました畜産から、努めて薬に依存しない畜産の経営を推進するというようなことから、家畜飼養衛生環境の改善事業というようなものも組みまして、五十三年度から指導するようにいたしております。
○渡部通子君 そういう指示がなくても売るようなのがあるように聞いておるというような話ですが、もう新聞などで報道されているように、指示書が乱発されているとか、あるいは現実になくても売ってくれるんですよね。これは衆議院の予算委員会でも出ました、繰り返しになりますけれども。現に私ども買いに行きましても、豚がかぜ引いたと言えばちゃんと売ってくれるわけです。抗生物質の入った飼料なり薬なりを売ってくれるわけですし、魚にでも家畜にでも大量にちょっとしたことで全部食べさせているというのは、ごくあたりまえの事実になっておりますから、獣医さんが現実に診断をして、その診断に基づいて指示書をこしらえて、その指示書があって初めて売ってもらえるなどというようなことは、本当に制度の上だけというか、紙に書いてあるだけの指示でございまして、現実にはそれは守られていないというのが実情なんです。だから、卵にでも魚にでも肉にでも抗生物質が入っているというような実態がいまだにあるわけでございますから、この点についてはひとつ厳格な指導をしていただきたい。これをお願いするわけです。 そして、鶏専門の獣医師というのはいるんですか。いるというと、全国でどのくらいいるわけですか。
○説明員(小山国治君) 従来、鶏と申しますのは獣医技術の診療の対象に非常になりにくいという事情がございます。したがいまして、鶏を専門にいたしております獣医師というのは、むしろ皆無に近いと申し上げてもよろしいかと思います。しかしながら、獣医大学のカリキュラムの中で、牛、馬あるいは犬、ネコと同様に鶏につきます衛生上のいろいろな教育が行われておりますから、その中から鶏に対する診療と申しますか、昨今におきましてはそういう獣医師が出てまいりまして、いろいろとめんどう見ているというような実情でございます。 さらに、実際の野外におきます獣医技術者の活動がそういうことでございますので、各都道府県におきましては、家畜保健衛生所等に鶏の病気のよくわかる獣医師を配置いたしておりまして、養鶏家の需要にこたえているというような状況でございます。 先生お求めの、したがいまして鶏を専門にしている獣医師の数というのは、正確には非常に少ないということしかお答えできません。ただ、それも含めまして、実際に野外の産業動物を対象にいたしております獣医師は、約五千名ほどおるということでございます。
○渡部通子君 全農は飼料の販売等を行っているんでしょうか。その場合に、家畜診療所は何カ所で、獣医師は何名ぐらいいるんですか。
○説明員(鈴木一郎君) 全農は飼料を販売しております。
○渡部通子君 わかりませんか、家畜診療所は何カ所ぐらいあるのか。
○説明員(小山国治君) 全農の家畜診療所というのは、私ども承知しておりません。ただ、各都道府県にございます家畜保健衛生所は全国で二百二カ所ございます。職員の数は約二千百名前後かと記憶しております。
○渡部通子君 それは職員ですね、獣医師さんではありませんね。
○説明員(小山国治君) 職員で、しかも獣医師でございます。
○渡部通子君 飼料メーカーサイドの家畜診療所は、何カ所あるかはおわかりですか。
○説明員(鈴木一郎君) 飼料メーカーサイドにおいて家畜の診療所を経営しているという実情を、私ども承知しておりません。
○渡部通子君 全国の家畜診療所の数と獣医師の人数、こういったものがおわかりでしょうかしら。
○説明員(小山国治君) 現在正確な数字を押さえておりませんので、いずれ調べまして御報告できるかと思いますけれども、そのようにしてよろしゅうございましょうか。
○渡部通子君 結構でございます。お願いします。 私がなぜこんな数をお願いしたかというと、かなりの比率で飼料製造業者あるいは販売業者の診療所と獣医師が、指示書を発行しているというのが現実だと思うんですね。ですから、指示書の乱発がうわさされる背景にこういったことがないだろうか、これを懸念するので伺いました。 それから、獣医師さんの良心を信頼すべきことは当然でございますけれども、指示書の乱発という話を聞きますと、そういった人たちの立場の利害関係、こういったものも勘ぐれば勘ぐれるわけでございます。ですから、私は数を問題にするのではなくして、かなりの数があるはずでございますから、そういった方たちの立場、利害関係、指示書の乱発、こういったことの姿勢を正していただきたい、何らかの処置を講ずべきではないかというのが質問の趣旨なんです。それにお答えいただけますか。
○説明輿(小山国治君) 従前から、獣医師あるいは医薬品の販売業者等に対しまして、再三各種の指導を行ってきております。先ほど申し上げましたように、昭和五十三年度におきましても家畜飼養衛生環境特別指導事業というものも組んでおりますし、また要指示医薬品適正使用特別対策事業といったようなものも組んでおりますので、この事業を通じまして、いま先生お求めのような指導を濃密にやってまいりたいというように考えております。
○渡部通子君 養鶏農家が薬品を購入して飼料にまぜる、いわゆる自家配合を継続的に行っている場合は、これは飼料安全法による飼料製造業者とみなされるわけですか。
○説明員(鈴木一郎君) 仰せのとおりでございます。
○渡部通子君 その場合に、同法二条八によりますと、飼料製造管理者を置かなければならないということになっておりますが、全国の養鶏業者及びその養鶏農家数はどのくらいで、そこで確かに管理者が置いてあるのかどうか、その辺の実態はいかがですか。数は、わからなきゃまた後で結構ですから。
○理事(西村尚治君) それじゃ、時間もあるようですから急いでください。
○説明員(鈴木一郎君) 養鶏農家数は、いま正確なものを持ち合わせておりませんが、自家配の飼料製造管理者の届け出を受けている数は、現在七十二でございます。ただ、これが養鶏専門となりますと、私ども承知しておるので十四でございますけれども、ほかの飼料等あわせて製造しているものも相当あると思いますので、その辺は、養鶏をこの中でやっておるものが幾つあるかということについては、内容を承知しておりません。
○渡部通子君 済みません、時間が来ちゃったもので。最後にもう一つだけ伺います。 休薬期間というのがありますね。先ほども休薬期間については、それは食肉や魚の場合だとわかるんですけれども、鶏の場合にその間にも卵はどんどん産んじゃうわけですから、厳密に言えば、投薬期間は当然ですけれども、休薬期間に産んだ卵も本来ならば出荷停止ということにしなきゃならないと思うんですけれども、その辺の処置は厳格にしていただきたい。実際にそれが守られているのかどうか、その辺も一言伺っておきたいと思います。 で、それで質問は最後ですが、大臣こういったことお聞になって、一言御所感を伺って終わりにしたいと思います。とにかく抗生物質というようなものが少しずつでも食卓にある不安というものは、私どもにとっては大きいことですし、これが後世の次の時代に及ぼす影響等を考えてまいりましたときに、これはいかほど厳格に規制をしてもし過ぎるということはないと思いまして、ただいま農林省の御説明ずっと聞いておりましても、制度はあるけれども実際は全部ざるだというのが実情だと思うんです。ですから、それを行政指導でどれほど対策を講じていただけるものか。その辺、大臣からの御決意も伺っておきたいと思います。
○説明員(鈴木一郎君) 採卵鶏、つまり卵を産む鶏につきましては、卵を産む期間の鶏には抗生物質を添加した配合資料は使うことは認めておりません。いまでは幼雛期、中雛期のものに限って使うことを認めておりますので、そういう意味では採卵鶏用の配合飼料につきましては、いわゆる休薬期間というのはございません。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどからお尋ねを非常に関心を持って承っておりましたが、確かに薬の害について、直接人間がとりますものはかなりいろいろ世の中からも注意をされるようになりましたが、家畜等々を通じて及ぶ部分については、消費者にもすぐにわからないこともございまして、従来ともかく生産を確保しようというような時代が過去においてそう遠くないものでございますから、そこまで十分に行政の注意が行き届かない、あるいは家畜の飼育者自身が一応規則は知りながらも、まあ比較的のんきといいますか、に受け取っておったような傾向は、恐らくこれは常識的にだれの責任ということでなくあるであろうと思うのでございます。でございますから、だんだんそういう行政も十分にやってもらわなければなりませんし、また生産者自身、飼育者自身についてもそういう自覚も高めるようにしていかなければならないと思います。この点は、直接に薬そのものを使うことによる薬害と結果においては同じことでございますから、そこまで行政上の注意をしてまいらなければならないというふうに、ただいまお尋ねを伺っておりまして痛感をいたしました。
○小笠原貞子君 まず、大臣にお伺いをしたいと思います。 現在、物価問題を考える上で特に注意しなければならない、していただきたいのは、過剰流動性、インフレの問題だと思うわけです。すでに御承知のように、新聞などでもたびたび警告の声が出始めております。急激な円高によって日銀が買い支えた額二兆七千億にも達しているというふうにいわれております。この二兆七千億という額を見ますと、狂乱物価直前の昭和四十六年八月から十二月までの五カ月間の外為会計の払い超に匹敵するというような額になっております。さらに最近、異常な株高というのが問題になっておりますが、こういうふうに見てみますと、いまインフレの火薬庫——インフレを火薬庫と見ますと、その火薬庫に急速に充てんされてきているという危険な状態になっていると思います。もうすでに土地の上昇など危険な徴候も生まれているということも御承知のとおりだと思います。これらの過剰流動性が物資に結びついてきたならば、これは当然あの狂乱物価の再燃の可能性になるというふうに見なければならないと思います。先ほど本会議で福田総理は、インフレは政治の敵だと、インフレは絶対起こしてはならないというふうに、声を一段と張り上げて言われましたけれども、だれもインフレをつくろうとしている人はいない。インフレは抑えなければならないと個人的、心情的にはお思いになるけれども、経済というのは個人の人間で動くわけではない。とすれば、このインフレを起こす要因というものを経済の立場から冷厳に見詰めなければいけないし、このインフレの火薬庫が充てんされているという、この火薬庫にいま火をつけないということが、いまの問題として一番大事なことだと思います。 ところが、政府関係の公共料金を見ましても、まあいまは鎮静しているとおっしゃいますけれども、今後を見通せば国鉄の一四%値上げというのがいわれているし、すでに授業料が値上げ、公団家賃、先ほどもおっしゃったように、道路使用料というような、次々と公共料金がメジロ押しになって出てきております。こうしたことでは、政府みずからがインフレのその充てんされた火薬庫に火をつけることになるというふうに見なければならないと思います。そういう意味で、このインフレ対策というものを何としても手を打つべきだと思います。で、公共料金の値上げを凍結することはもちろん、円高為替差益の出ている物資を初めとして価格の引き下げをすべきだと思いますけれども、これは後で伺います。 まず、この充てんされたインフレの火薬庫に火をつけないためにも、いますぐ政府としては自分でできる公共料金のこの抑えということが大事だと私たちは思うんですけれども、大臣はそういう立場に立ってお考えになれるかどうか。時間がございません、簡単にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 額はともかくといたしまして、かなりの介入を為替市場にいたしたわけでございますから、それだけの流働性が流出したということは事実だと思います。前段言われましたことは、したがって、私は十分に気をつけるべきことだと考えておりますけれども、ただ、後段に言われましたことと、そのこととの私は結びつということになりますと、多少私なりに違った考えをしておりまして、公共料金は五十二年度、先ほど本会議でも申し上げましたように、五十二年度は比較的楽でございました。五十三年度も、ただいま小笠原委員の言われましたような幾つかのものが考えられますけれども、そう大きなものでない、五十二年度程度ではないかと思っておりますので、その点は余り今年は公共料金でむずかしい問題は起こらないであろうと思っているんでございます。 ただ、その過剰流動性の問題は、一般的にやはり需要になってどこへ出てくるかということの方の問題だと思いますので、そうなりますと、現在のわが国の稼働率、遊休施設、失業等々から見ますと、まずこの需給が非常に匹迫するような物資、サービスというのはそうそうはないのではないだろうか。土地というものは一つ考えられる投資対象でございますが、これは実は前回の土地に対する投機の後始末が全く事業家の側であるいは金融機関の側でついておりませんから、今回は同じようなことは恐らく起こらないであろうと考えていいのではないか。したがいまして、ただいまのお尋ねは、前段の点については十分私どもも注意をしてまいらなければならないということになるかと思います。
○小笠原貞子君 前段、後段、——前段はお認めになったけれども、後段の方がもっと私は大事に考えていただきたいわけなんです。公共料金の値上げはことしはそんなに大したことはないよ、そうおっしゃいますけれども、そこのところから問題の見方が大変甘いと思うんです。これ突っ込んでやっていると時間がありませんけれども、やっぱり公共料金さっき言ったようにどんどん上がっていっているわけです。これはそのものにしては少ないとおっしゃるかもしれない。いままでが多過ぎたから少ないというだけのことであって、これが誘発されてほかの物価にはね返ってくるということは当然考えなければいけないことではないか。そしてまた、大したことはないとおっしゃるのは、大臣のお暮らしの中から大したことないようにお感じになるけれども、われわれ庶民の立場からすれば決して大したものでないことはない。だから、私はこの点について、充てんされたインフレ要因、これに点火するような公共料金の値上げというその役目を本当に考えていただきたい。また、再度それは私は警告として申し上げておきたいと思います。 ちょっと残念ですけれども、時間があったらもっと聞きたいんですけれども、次に進ましていただきます。 先ほどから円高為替差益は還元すべきだということが問題になりました。この円高差益というのは全く不労所得なんですよ。一生懸命働いてもうかったというんじゃなくて、働かなくたって自然に入っちゃった。当然これは国民の側に還元すべきだと、るる同僚議員がお話になったとおりだと思います。 そういう中で、やはりきょうは政府としての立場で伺いたいんだけれども、政府が料金に許認可権を持っていらっしゃる事業、ここで為替差益が発生した場合、ここでやっぱり政府は範を示していただきたいと、そう思うわけです。 そこで、たくさんお伺いしたいんですけれども、電力についてお伺いしたいと思います。で、これは一年前にもうすでにわが党議員が問題にいたしました。その後、急激な円高のもとで、もう先ほども出ましたように、日銀総裁さえも電力料金の引き下げが当然だというふうに発言をされております。そこで、もっと電力の中を具体的にいたしまして東京電力を挙げてみたいと思うんですけれども、五十一年の八月三十一日の料金改定時の原価計算によって、現在幾らの為替差益が出ておりますか。
○説明員(上杉一雄君) お答えします。 私ども、まず初めに、為替差益と申しますのは、御承知のように実経理上発生してくるものではございませんで、私どものはあくまでも試算値、いろいろの前提を置いた試算値でございますが、東京電力につきましては、大体四百億円ぐらいの為替差益が五十二年度に試算されるということでございます。
○小笠原貞子君 通産省がかつて計算したものは、為替が一円変動すると十四億の為替差益が発生する。昨年度の平均為替レートは二百五十六円というふうに思います。昨年一年間に計算いたしますと、私の方で計算いたしました、五百八十八億の為替差益が出ているというふうに計算されたわけです。ちょっと額が違っておりますけれども、大きくは変わっていない、相当な額が出ております。これを還元するために、先ほど通産省、大臣もおっしゃいましたけれども、たとえば二千円支出する過程においては三十円くらいだ、額が小さいので効果が少ないというふうにおっしゃったわけですけれども、この三十円という計算が出ますのは、この分母には、大きく使う大口電力というものも含めての分母でございますから、だから三十円というわずかになると思います。で、私は申し上げますけれども、一般家庭用電灯料金、一般家庭用にもしこの為替差益を集中して還元するということをいたしますれば、どれだけ下げられるかということをお伺いしたいと思います。
○説明員(上杉一雄君) 先生御承知のように、電気料金につきましては法律上公平の原則というのがございます。この公平の原則といいますのは、すべての需要者に対して公平でなければならない、こういうことでございまして、いまおっしゃいましたように、出ている為替差益を消費者だけに還元するというのは私ども法律上不可能だろうと考えておりまして、特に計算をしておりません。
○小笠原貞子君 私が伺ったのは、具体的にそういう計算をしたらどうなるかと伺ったわけです。これは仮定の問題ですから、だけれども、ちょっと計算してみるということもやっぱり必要な見方じゃないかと思うんです。私ども計算いたしますと、ナショナルミニマムと言われる月使用量百二十キロワットアワーの家庭で二百三十五円、一一・六%の値下げができるということになります。百五十キロワットアワーの家庭では二百九十四円、一一・四%の値下げができるわけですね。だから、できないとおっしゃったけれども、それは抜きにして、やろうとすればこれだけの効果があるということが言えると思いますが、それは計算ですからお認めになると思います。いかがですか。やるやらないは別です。計算上でなるということはお認めになれるでしょう。
○説明員(上杉一雄君) 残念ですが、私ども試算をしておりませんので、その数字については承知しておりません。
○小笠原貞子君 こっちも基礎学力はありますから、計算いたしました数字は間違いがございませんので。大臣、もしもそういうふうに家庭に集中すればこれだけの、十何%という値下げになるということは数字として出てくるわけです。 さてそこで、やるかやらないかという問題になってくるわけでございますね。そうしますと、いま公平の原則と言われましたけれども、これは電気事業法の立場でおっしゃったと思います。つまり、おっしゃっていることは、電力の場合には個別原価主義の考え方でそういうことが言えると思うわけですけれども、私も電気事業法というものを見せていただきました。第十九条見ますと、そこまで規定していないと言えるのではないでしょうか。簡単にお答えください。
○説明員(上杉一雄君) 電気事業法第十九条の認可基準によりますと、不当な差別的な取り扱いをしてはならないということになっております。この不当あるいは逆に言いまして公平というのはどういうことであるかという問題でございますが、料金を算定する場合の合理的な算定根拠に基づいて差がつくと、こういうのは合理的でございますが、算定根拠なしの差別というものは不当に該当するというふうに考えております。
○小笠原貞子君 不当という言葉に引っかかるわけなんですね。さっきも引っかかりました。公平の原則とおっしゃったけれども、だけど本当に公平であれば困っている人たちに厚くするのが本当の公平で、すべて一緒にやるというのは公平と言わないんですよ、悪平等と言うんですよ、常識で言いますと。まあ時間かかりますからそれ言いません。 それじゃ、お伺いいたしますけれども、ガスの場合はどうなっておりますか、ガス事業法十七条。
○説明員(内田禎夫君) ガス事業法におきましても、電気事業法と同様の規定がございます。
○小笠原貞子君 で、言いたいことは、ガス事業法も電気事業法も文章は全く回しになっておりますね。調べさしていただきましたら、法文上は全く回しなんです。しかし、ガスの方は総括原価方式になっているわけです。電力の場合には個別計算をするということになっているわけですね。そういたしますと、同じ条文でも、そのやり方というのは解釈によって違ってきているわけですよね。つまり、だから私が言いたいのは、同じ法律にあるのに両方の解釈によって個別原価方式と、それから総括原価方式ということが出てると。そうすれば、そこに運用ということが当然出てきているのだと思います。 続けますけれども、電気事業法の二十三条を見ますと、通産省、本当にやる気さえあれば料金改定ができるようにちゃんと規定してあるわけです。現在の急激な円高による莫大な為替差益の発生と、一方で不況に苦しむ国民が、いま多数のもう本当に深刻な生活の中で、命まで失うというような状態になっております。こうした状態というのは、まさに二十三条でいう「電気の料金その他の供給条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、公共の利益の増進に支障がある」という言葉がございました。そのものだと私は見ていいのではないかと思います。 で、この際、直ちに電力の為替差益をその効果が著しく大きい一般家庭用電灯料金に集中的に還元するということは、やろうと思えば政府が意思をもって決定できることではないか。大臣も物価担当大臣でいらっしゃるわけですから、こういう見方とこういう考え方で、少しでも為替差益を還元するという立場に立って、通産大臣ともお話し合いをいただくというようなことはできないでしょうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が従来こう思っておりました云々ということは先ほどももう申し上げましたので、繰り返しをいたしませんが、いまの問題でございますが、公平云々という、私、条文の規定を詳しくは存じませんが、しかし、仮にそういう規定がございませんでも、円高のメリットというのは全利用者について生じさすべきなのであって、それを特定の利用者だけに返すということは、私が行政をやるといたしましたら、どうもにわかに賛成いたしがたいと思います。
○小笠原貞子君 それにもまた反論をしたくなるわけなんで、で、たとえば大口には非常に有利な低料金になっていると、一般家庭用は非常に高い。いろいろ計算の仕方があると思いますけれども、やっぱりきょうここは物価特別委員会なんです。そして、いま全国的に鎮静したとは言われても、アンケートなどで一番出てくるのは物価問題だと。そうして本当にさっきも言ったように命を落とす、事業を閉鎖しなければならないという深刻な状態なんです。だから、いまのこの時点で急激な円高によるこういう差益が出たというような場合には、そういう最も苦しんでいる国民の立場に立って考えていただくのが政治、行政の責任だと私は思います。答えはまた同じだと思いますから伺いませんけれども、その辺のところ、もう少し大臣、頭ね、もうちょっと国民の方に立っていただきたいんです。さっきから伺っていると、業界のお答えみたいに、こういう答えが出れば業界は大喜びするだろうなとそう思いました。 もう一言ちょっと言いますと、先ほど三十円くらい返したって大したことないよと、それをもう内部留保しておいて、そうしてこれからの設備投資というものに向けていった方がいいというようなお答えがありましたけれども、確かに電力でも設備投資というものはしなければならないと思います。しかし、設備投資するについても、公定歩合がずいぶん引き下がっているわけですよ。そうすると、公定歩合の引き下げによって設備投資をそこまでしなきゃならないかというのが問題一つあります。それから内部留保、内部留保ということがいまの企業にとってどれだけ大きなメリットになるかということも考えていいのではないか。そういうことから考えれば、私が先ほどから申し上げましたことは決して無理ではなくて、国民が期待し、やればできるんだという立場での私の考え方だと思うわけなんです。まあ見解の相違だとおっしゃると思いますから、時間がないから答弁いただきませんけれども、そういうことを重々考えていただきたいと、要望したいと思います。 次に、石油の場合一言お伺いしたいんですけれども、石油の場合の差益は七千八百三十三億ですか、いろいろと追求をいたしまして、昨年の十二月に差益の還元というのが行われました。一キロリットル当たり二千円を下げていただきました。これは当然のこととして評価はできるんですけれども、現在の円の切り上げ率からいえば、まだまだ不十分だと言わなければならないと思います。なぜなら、二千円値下げを発表した当時の円レートは一ドルが二百四十六円でございました。現在は一ドル二百二十円、二十六円もうすでに高くなっております。で、原油の代金一円高になるとキロ当たり八十五円安くなるということが言われておりますけれども、八十五円安くなると、これで計算をいたしますと、値下げをされた以降にさらにキロ当たり計算いたしますと、二千二百十円というものが安くなってもいいという計算になるんですけれども、この差益を還元する、下げるということについてはいかがお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(廣重博一君) 先生御指摘の、石油業界に発生しております為替差益につきましては、本委員会でも私どもの政府委員からお答えしておるかと思いますが、為替メリットとコストアップ等のデメリットを比較して議論させていただいておると思いますが、いわゆる円レートの変動に伴います為替差益、為替メリットの発生金額としては約七千八百億円という、先生の御指摘は私どもの計算でもそうなっていると存じます。で、これに対しましては、そのときお答えしておるかと思いますが、原油価格の上昇でございますとか、その他のコストアップ要因がやはり約七千二百億程度ございますので、前年度と同じ価格水準で申して約六百億円ぐらいの為替差益があると。これに対しまして先生御指摘のように、製品価格全体が五十二年度の下期当初の三カ月ぐらいで約平均キロリットル千円と存じます。それから後の三カ月につきましては、先生御指摘のとおり二千円ほど下がっているわけでございますから、これを計算いたしますと、業界トータルで二千億円を若干上回るのではないかと思います。そういった計算を私どもいたしております。 それから、最近の石油製品の価格状況でございますが、これは先生御案内のとおり、一部の季節的な商品につきましては暖冬の状況でございますとか、それから非常に消費者にもまた密着しておりますガソリン等につきましても、いわば末端のガソリンスタンドの恐らく乱売過当競争と申していいかと思いますが、そういった状況を反映しまして価格は相当下がってきておる、こういうふうに考えております。したがいまして、具体的に幾ら下げたら適当か、こういったことは申し上げませんが、いわば最近の円レートの推移の状況等と、それからもちろん基本的には製品の需給関係を反映しておるわけでございますが、常識的に下がるべきところは下がった価格水準にいっているんではないかと考えておるわけでございます。 なお、もちろんこの点につきましては、今後とも為替レートの推移等も見まして、私どもとしてもその動きについては十分見守っていきたいと考えておるところでございます。
○小笠原貞子君 下がるところまでちょうど下がったと見ていらっしゃる。で、いま私がいろいろ言いましたけれども、これからいろいろ計算をもっと正確にやってみれば、当然もっと下げられるというふうにみんなは期待しているわけですけれども、そんな期待したらだめですか。
○説明員(廣重博一君) 最近の円レート、これは非常にここ一月ほどの間に急激に変動しているわけでございますが、これが今後も引き続き定着した場合には、またいろいろとほかの条件が同じであれば、先生の御指摘のような問題が出てくるかと思っております。
○小笠原貞子君 当然下げなければなりませんよ。下げるまでこっちもがんばりますから。 それじゃ、これだけで済みませんので、次に、具体的な問題でお伺いしたいと思うんですけれども、これは北海道における地域暖房の問題なんで、大臣には直接北海道の方細かいことおわかりいただけないかと思いますけれども、どうか中身を聞いておいていただきたいと思います。 で、北海道でこのごろ地域暖房というのが大分広がってまいりました。この地域暖房の暖房費、給湯料金の値上げというのが非常に大きく生活を苦しめているわけです。具体的に例を申し上げますと、たとえば苫小牧なんかが新しくこれに加わってきたわけですけれども、昨年の一月に二四・五%値上げになりました。それから真駒内、これは私が住んでいるところなんですけれども、三DKのところでこれも三四%値上がりいたしました。あと時間がないからたくさん言えませんけれども、最高三六%の値上がりになっているわけです。で、苫小牧で、先ほど言いましたけれども、ここで見ますと暖房費というのが十一万九千六百円かかります。それに給湯費という、お湯も当然出てきますので、この給湯費というのが四万八千九百八十四円になります。合計いたしますと十六万八千五百八十四円、それにプラス家賃というのがかかってくるわけでございます。そこで家賃という、そこに住居するということで非常に財政的に生活が苦しめられているわけなんです。 そこでお伺いしたいんですけれども、公営住宅の目的から考えて、家賃というのは大体どれぐらいが適当だというふうにいままで言われておりましたでしょうか。経企庁、建設省ともにお答えいただきたいと思います。
○説明員(国吉忠君) 公営住宅の場合の家賃の負担率でございますが、五十年の八月に住宅宅地審議会から答申がなされておりまして、第一分位の所得の方の標準世帯の負担率は一五%程度というふうに答申されております。
○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたとおり、住宅宅地審議会でも一五%程度というふうにお出しになっていらっしゃるわけです。ところが、たとえば札幌に光星団地というのがございます。ここは二DKで二種の住宅でございます。これに家賃、暖房費、給湯料を合わせた料金は二種の所得制限額、つまり収入の三六・六%かかります。で、北広島団地でもほぼ回し。先ほど言いました苫小牧市営住宅でも三一・七%というふうになっているわけですね。で、公営住宅に入居する人は低所得者が多くて、その中でも二種の人は非常に所得が少ない人たちでございます。で、限度率一五%を大幅に超えるという、三六%以上というのは私はちょっとこれは問題だと思いますけれども、大臣ちょっとお聞きになっていかがでございますか。簡単でしょう、一五%というのが三六%以上も……。
○説明員(国吉忠君) 先ほど一五%とお答えいたしましたのは、これは純粋の家賃の負担率でございます。で、先生の御指摘されましたのは暖房費、特に集中暖房費と給湯費でございましたので、その負担率が即一五%を超えるからといって負担が大きいとは、直結はできないと思います。
○小笠原貞子君 確かにそうだと思います。で、これは家賃だけではございません。しかし、ここに入りますとこの暖房をとらなければならないんですよ。この給湯をとらなければならないんですよ。だから、自分で灯油をたいて検約するという選択の自由は全くない。全くの事後独占なんですよね。強制的にこれは取られなければならないわけです。そして、共働きというのが多いと、そうすると昼間は消して普通なら検約できるけれども、検約ができない。また御承知のように、季節労働者九十日給付が五十日になりました。だから、お父ちゃんが出かせぎに行ったりしている場合には家族背負って実家に帰りたいよと——帰っているのもあるんです。私ずっと調べた。そうしたら全然いないんですよ、いなくても取られるんですよ。そこが違うところですよね。だから、単なる住宅費、燃料費というのと違うというふうな言い九では割り切れない、全く強制的に取られるということが問題だと思うわけなんです。 そこで、回し私が住んでおります真駒内団地に、地域暖房とそれから普通の自分で暖房しているというところとが並んでおります。そこで調べてみたんですよ。そうすると、強制的でなくて自分で燃料をたいているという場合は、家族が高校生もあって夜遅くまで勉強しているというようなところでも、ドラムかん三本で間に合ったというんですね。特別多いときでも五万円超えることがないと、こういう状態なんです。大体ドラムかん一本七千円ですから、三本というと二万一千円ですね。五万円超えることがないということは、いまおっしゃったように、これは家賃だけではございませんという割り切り方ができないというふうに考えなければいけないんじゃないか。強制的に、住んでいることによって取られる。いなくたって取られる。とすれば、やっぱり家賃と回しような負担になってかかってくるということは考えていいんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(国吉忠君) ただいまの、真駒内団地で十一万幾らという御指摘があったわけでございますが、私どもいろいろ団地を調べますと、八万円から十一万円ぐらいの間にそれが分布しているわけでございまして、特に公営住宅があります団地におきましては、八万円ぐらいのところが多いわけでございます。で、この八万円につきましては、従来のいろいろな石油暖房等を比べますと、先ほど五万円という御指摘でございましたが、集中暖房の場合は全室暖房であって二十四時間やっている。衛生的である。安全である。そういったいろいろのメリットもございますので、その価格だけではなくて、やはりある程度高くなるのはやむを得ないと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 ある程度高くなっても便利でということはわかるんですけれども、私住んでいるんですよ。そうすると、やっぱり大変な負担になるという、さっき言ったように、選択ができないというところでかぶさってきているというのを私は指摘したわけです。それはもう認めざるを得ないと思います。首を振っていらっしゃるからそうだと思います。 そういう中で、結局なぜこういうふうに高い暖房費というものが出て生活を圧迫しなければならないかというと、やはりそれぞれの会社に問題があるわけですね。つまり、赤字になっているということでございます。で、その赤字が一体どれぐらいになって、赤字の原因は一体何だというふうに見ていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(国吉忠君) 会社の赤字でございますが、当初四十六年度からこういった集中暖房を入れておるわけでございますが、その当時はやはり計画として料金とかそういう点は十分検討の上、これを採用したというふうに聞いております。しかし、石油ショック以後、そういった材料費、燃料費ですね、そういったものが非常に高騰したために料金が異常に上がってこういう事態になったと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○小笠原貞子君 その辺が大分ずれているんですよ。私の方で調べました。たとえば下野幌の北海道地域暖房、これは赤字十億出してます。それから日本熱エネルギー、ここは七億一千万出してます。それから光星団地二億八千万というように莫大な赤字を抱えているわけです。 そこで、営業収入とそれから減価償却とか支払い利息というものを全部調べてみたわけなんですね。そうしますと大変なことがわかったわけです。営業収入に対して支払いの利息ですね、この利息がどれだけの割合を占めているか。下野幌団地では六七%、光星団地では七三%、真駒内で五五%、北広島団地では一〇〇%なんです。つまり、収入がそのまんま利息に出ていっている。これじゃ赤字出るのあたりまえだと思う。よくまあもっているというようなとこですよ、入ったもの利息だけなんですからね。こういうところに問題がある。つまり、石油が上がったというようなものではなくて、設備投資やいろいろな金利が収入の一〇〇%まで取られていってしまうということが大きな原因なんです、調べてみましたら。そうすれば何が必要かというと、やはり利子で、金利で全部収入取られるというようなことではなくって、この金利が少なくとも低くなっていくような、そういう援助がなければならないと思うわけですけれども、これは当然なことだと思います。通産省としてはこういうオーナーに対していままでどのように指導をなすっていらしたでしょうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(柴田益男君) いま先生からお話ございましたように、北海道、特に札幌地区の熱供給事業、いずれも経営に悩んでいるのが実態でございます。当省といたしましては、特に道営住宅関連では道庁、それから札幌市の関連で札幌市、あるいは北東公庫、四者相集まりまして、昨年六月以来六回ほど会議を持ってこの改善策を協議してまいったところでございまして、基本的には、これらの住宅向けの熱供給事業につきましては、過去の債務は一応たな上げしての再編成ということで検討してきたわけでございまして、現在も関係先と何とかこの住宅向けの熱供給事業を健全の方向へ持っていきたいということで、検討している段階でございます。
○小笠原貞子君 私、いま具体的にお伺いしたかったわけなんです。つまり、金利で大変な赤字をつくっているわけですよね。だからその金利がなぜそんなにかさばるかというような問題について、もうちょっと細かく目を向けて通産省としてオーナーに御指導をいただきたいと、そう思ったわけなんです。 つまり、下野幌というところの団地は、御承知のとおり悪い中でもまあ一応安定をしているというふうに見られているわけですけれども、なぜここの下野幌が一応安定しているかといいますと、札幌市が出資金五千万円出すと、そうして融資を四十九年から毎年五億円出していると、しかも金利が三分七厘五毛という低利でございますね。それが一つと、それから市の清掃工場からの余熱を安く提供しているという、この二つがいい条件になって、まあ何とか安定しつつあるというふうに言えると思うわけなんです。 そこで、金利という問題から見ますと、ここは四十七年から四十八年当時始まったから借りたわけですね。金利が八・二ないし八・七%で一般銀行からは借りているわけなんです。しかし、住友系の銀行、その会社は住友系の資本が入っている会社ですけれども、住友系の銀行からは一〇ないし一〇・一%の金利で借りている。普通銀行よりも自分のまあ同系統の会社にこういうふうに高い金利を払っている。 それから、もう一つの日本熱エネルギー会社というのは、これは三菱系なんですけれども、この三菱系を見ましても、金利というのが他の一般銀行、長銀では九・一四%、道銀では一〇%、それなのに三菱信託銀行では一〇・一三%、三菱銀行つまり自分たちの同系のところからは一〇・三六%というように、一般の銀行よりも、自分たちの設備投資やってる、大事業やったからもうかってますよね、それなのに一般よりも高い利子を払っている。だから、金利というのが非常にかさばってくるのだと。そうすると、少なくとも一般銀行並みに、あなた同じ系統の会社じゃないですか、もっと安く金利を引き下げなさいというような御指導があってしかるべきだと思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(柴田益男君) 御指摘のような、金利が非常に高いものがあるという点につきましては、われわれとしても十分安い方向で借りるように指導してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 そういうふうに金利でもう大変なんですから、ぜひそういうふうにちょっと目を向けて御指導いただきたいと思うわけです。 それからもう一つ、私はやっぱりここに国の責任というものをはっきりさせていきたいと思うわけなんですけれども、これは熱供給事業の見通しというのが非常に甘かった、これが赤字の原因の重要な一つになっているわけです。つまり、これは地方自治体にも当然責任がございますけれども、国として責任はないかといったらあるわけですね。つまり当初の計画、何戸建ててどういうふうに需要があるかという、当初の計画と現在との違いということ、このことについてはどう考えていらっしゃいますか。
○説明員(国吉忠君) 団地をつくる場合に、計画をつくりまして年度ごとの計画戸数を立てるということでございますが、先生御指摘のように、最近住宅の建設が非常に困難になってきておりまして、年次がずれるとかそういったことがしばしばございます。それは確かに計画が実行されないわけでございますが、これはやはり周辺住民との折衝とか財政事情とか、もろもろのそういった事情からおくれているわけでございまして、われわれとしてもやむを得ないと感じておるわけでございます。
○小笠原貞子君 やむを得ないと言われればやむを得ないけど、そのしわ寄せが生活を圧迫するというのでは、やむを得ないなんてあっさり言わないでくださいよ。やっぱりそこのところをはっきりさせていかなきゃいけないと思うわけです。 熱供給事業というのは、やはりそれなりに衛生的であるとか、公害をなくすとか、防災的にもいいというメリットがあるということはたしかですよ。そこで、熱供給事業というものもきちっと国としても位置づけられて、熱供給事業法というようなものもお通しになって、そしてそれで認可をなすっていらっしゃるということだと思うわけですね。金利と一緒に、計画が非常にずれたというのが、これまた大きな原因になっているわけでございますね。 北広島の場合は、四十七年から五十六年当初計画では六千戸の予定なんですよ。それが現在熱供給しているのは一千四百六十四戸、わずかに二四%なんですね。建物として完成しているのは二千百五十三戸ございます。公団が五百六十戸道営が百戸、合わせますと六百六十戸空き家になっているんです、建っているけれども。だから、当初の計画に対してつくられるその住宅建設が非常に少なくなっている。できたんだけれども、空き家になっている。それじゃ、これ赤字の要因になるということは当然のことだと思います。真駒内でも当初計画が三千戸だったのに、現在ここはちょっと多いので千九百戸で六〇%。下野幌これは集合住宅、五百戸おくれています。個人住宅——団地の高いのじゃなくて、個人の住宅にも供給するわけです。この個人住宅に至りましては現在六十八戸しかない。何%になるかというと四%しかないわけですよ。そうすると、これはやっぱりこういう当初計画を立てるということと、現在のずれについては、やっぱり国としてもその計画について実際これができるんだろうかどうだろうか、認可するにしても、いつでも目を通しているにしても、やはりこれは自治体だけの問題ではなくて、国の責任ということも当然私は考えなければならないと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(国吉忠君) 先生の御指摘の団地でございますが、事業主体といたしまして、公営住宅、これは道なり市なりがつくるものでございますし、公団住宅あるいは供給公社の住宅、それから一般の個人の住宅、そういう全般的な住宅がございます。団地をつくる場合には、やはり地方公共団体が中心となってその団地の開発計画をし、進めるわけでございまして、国も全然無関係とは申しませんが、主として地方公共団体がそういった団地を開発していくものだと、そういうふうに考えております。
○小笠原貞子君 確かに大きくは地方公共団体の責任があろうかと思いますけれども、私が言いたいのは、国としては知らないよと言うことはできない。国としてどれくらい責任を持つかという割り振りは別にいたしまして、国としての責任というものも考えていただきたいと思うわけなんです。 〔理事西村尚治君退席、委員長着席〕 そこで大臣、お聞きいただきたいんですけれども、熱供給事業法というのが衆議院で四十七年六月二日かかって、それに、いろいろ議事録を見ましたら問題があるんですね。いいこと言っていらっしゃるんですよ。この立法趣旨は、消費者保護にあるということが熱供給事業法の立法の趣旨です。消費者保護なんです。いま、全然保護でなくて苦しめている、ここがもう一つ違うと思います。 そして四十七年六月の九日、衆議院商工委員会では附帯決議がつけられております。ここでも「料金の低減等消費者保護を図るため、適切な指導、助成を行なうこと。」という附帯決議が出されて、これもやりますとお答えになっていらっしゃるわけです。 それから、これは時の大臣田中角榮さんだったと思います。この田中さんがおっしゃっている議事録がございます。この料金は「国民が納得するものでなければならない。」云々とあります。つまり「料金水準というものは、公益事業でございますから、無制限に私益を追求するというわけにはまいりません。」云々と言っています。つまり「国民が納得するものでなければならない。」こう言っていらっしゃる。国民は納得していないんです。もう不払い運動が団地全体で本当に大きな運動になっています。これも違います。 それから、また田中角榮さんが「住民に迷惑はいささかもかけない」と言っていらっしゃいます。たくさん読むわけにはいきませんが、「地域暖房をやりますと非常に合理的な料金で算定をされる。」、「低廉で質のいいものである」と、確かに質はいいかもしれないけれども、低廉どころか大変な高値で、私が問題にしなければならないというような状態になっております。 それから、北海道の場合は燃料手当というのは石炭が基礎になっているわけなんです。そこでまたこういうふうに言っていらっしゃいます。これは当時の三宅公益事業局長ですか、がお答えになって、石炭手当と料金の設定が同じでなければお客が集まってこないと言っていらっしゃるわけです。つまり、燃料手当の基礎になる石炭と同しような、そういうくらいの額でなければお客が来ませんよというふうに言っていらっしゃるわけです。だから、この熱供給事業法ができたその四十七年では、政府はいま言ったような御答弁をなさっていらっしゃるわけです。 しかし現実に——初めはちょっと大変だろうけれども六、七年たてばだんだん安くなってきますよと、初めはちょっと高いと。これは当然のことだと思います。しかし現実に、計画のずれだとか金利の問題だとかということで、おっしゃったことと全く反対のことになっているということについて、私はだから国の責任というものがここにあるのではないかというふうに申し上げたわけですけれども、大臣は、お聞きいただいて、やはりここで国もひとつ乗り出さなければならないという責任はお感じになりますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまるる承っておりますと、一つの大きな原因は、利用者の数が当初の計画、もくろみと非常に外れたために一軒当たりのコストが大変に高くなり、それから金利負担も大きくなる、こういうことのように承りました。考えそのものは、ああいう積雪寒冷地で地域暖房をやろうというのは、衛生からいいましても、安全からいいましても、恐らくまた住宅を広く使えるという意味からも私はすぐれた考えだと思いますが、そういう計画の結局そごがあったということになるのでございましょう。それで、先ほど通産省からもお話がございましたけれども、ですから、その金利負担を何とか軽減するとか、あるいは先ほどのお話に一部市が補助をしているというようなことも承りましたので、何かそういう方法で行政上の努力をすると。もとは企業者の見込み違いではございましょうけれども、しかし、そうかといって、現に利用しておられる方には非常な負担になるわけですから、行政もできるだけのことをやっていかなければならない事態じゃないかと思います。
○小笠原貞子君 じゃ、ちょっと細かい話になりますけれども、具体的にお伺いしたいのです。 中でも一番困っていらっしゃるのは、生活保護の方なんかですが、低所得者です。厚生省にも伺いたいのだけれども、生活保護の場合に冬季加算というのがございます。しかし、それを上回るような、出ていくにも出ていけない、倹約もできないという、もう非常に強制的な形で暖房、給湯費が取られるというようなことになります。もうただでさえ生活保護費というのは低いのに、このことによって生活の費用がまた圧迫されるというようなことについて、これは特に苫小牧市なんかで市当局としても要望されておりました。この問題、生活保護者が低所得者住宅に入る場合のこの高い暖房料金などについて、生活保護費の中での冬季加算、燃料費というようなものはどういうふうにごらんになっていらっしゃるでしょうか。
○説明員(高峯一世君) 生活保護におきましては、冬季加算というのがいまお尋ねのようにございまして、特に北海道につきましては特別基準を設けまして、ある程度かなりの額を出しているわけでございます。実際に地域暖房のような住宅の場合、一般の住宅に比べまして暖房費のパターンが違いますので、需要額がかなり多くなるというような場合が考えられますけれども、私ども承知いたしております額、それから先ほど建設省の方から答弁がございましたような額の程度でございましたら、そのやりくりの範囲で何とかやっていただかなければならない。これは、特別基準と申しますのはその地域の標準的な生活に合わせまして基準をつくっておりますので、それより非常に高いものをつくりますと、地域間の住民のアンバランスを招くということでございまして、現状のような状態でございますと、その範囲でやりくりをいただきたい。これがまた極端に非常に高額になる、それで低所得者が利用できないというような事態が仮に起こるようなことがございますと、生活保護の面、サイドからそれを全面的に見るということは制度のたてまえから見てむずかしいということでございます。
○小笠原貞子君 確かに、額で見ますと、先ほどちょっと伺いました二人家族で九万何ぼですか、四人だと十一万何ぼ。それは非常にいい額だと思ったのです。しかし、それは冬季加算ですね、燃料費というわけではないわけですから、冬季は燃料はもう食べる物よりも必要だけれども、また冬でございますから着る物から履く物から、その他もろもろの費用がかかる。それを含めてですから、何とかやりくりしてもらえるというような額ではない。だから、現実にその生活保護世帯を抱えている苫小牧の市当局が、この問題について考えてほしいという要望がございました。ここですぐお答えいただけないと思いますけれども、このことについて実情をお調べになるなり、どうやったら少しはこの問題解決になるかということについても、一度御検討をいただきたいというふうに思うわけです。 それからもう一つ、これ苫小牧なんですけれども、この設備費に大変かかるわけですよね。これも苫小牧市の建築部長さんだったと思いますが、またこれもぜひ御検討いただきたい。ということは、ボイラーをたいてこう出しますよね、そして住宅行くまでの間に熱交換器というのがございます。屋外の、住宅に入るまでの、熱交換器以降屋内までについては市が工事負担をしているわけですね。そういうものについてぜひ補助をしていただきたい。そういうものについて補助をしていただきたいというのが、またこれ切実な問題として起こっているわけです。さっき大臣もおっしゃいましたように、これは非常に初め設備投資かかりますよね。そういうものについて住宅政策の一環として、生活を守る一環としてどういうふうに政府としては援助していったらいいのか、どういう援助の道があるのかということを具体的に通産省なり建設省なり、また北海道開発庁もかもうかと思いますけれども、非常に大きな問題なんです、これはもう住民運動としても。本当にいけないんですから、もうぶっ壊わしちゃって煙突立てて安い灯油やろうかなんて言っていますよ。みんな、こんな高いんだったらもう全部これやめちゃいたいなんて。そうなれば元も子もありません。何とか、いま一番つらいときですから、どうやったら少し解決の道が開かれるのかということについて御検討をいただきたいと、大臣の頭にも入れて検討課題としておいていただきたいと思います。 そこで、もう時間でございます。最後にそれじゃ具体的に、再三お伺いいたしました、再編成を三月いっぱいに行いたいというような、三社の合併というような問題もお話しになっておりましたけれども、具体的にどういうふうにこれを——このままだとどうにもなりません。どういうふうにしていったらいいでしょうか。私はたとえば北東公庫、ここから融資をする道だとか、それから金利の場合にも、公害事業団の金利を安くするとかというような金利の面ですよね、それは専門でいらっしゃいますから、私が一生懸命考えてもどうにもならない。今後はどういう方向でこの問題について解決をするというふうな見通しをお持ちでいらっしゃるかどうか。住民は非常に心配をしております。もうこれじゃ会社もやっていけないから会社手を引いちゃうというような一種脅迫みたいな動きも出ておりますので、この問題について、具体的にどういうふうに、いつごろをめどに考えていこうというふうにお考えになっていらっしゃるか、具体的な政策、お考え伺わせていただいて終わりたいと思います。
○説明員(柴田益男君) いま北海道地区の熱供給地点についての実情のお話しがございましたが、特にその中で問題になっております北広島、光星、真駒内、下野幌につきましては、先ほどもちょっと御説明の中で申し上げましたように、再編成ということで道、市と相談しているわけでございますけれども、当面一番問題になっております北広島地点につきましては、三月末道との話し合いにおきまして、道と親会社である三菱商事、高砂が新会社をつくって、それに移行していくということで検討を始めたようでございますので、その行方を注視してまいりたい。できるだけ道が早くその結論を出すようにという方向で指導してまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。 もう一つ、こういう熱供給事業につきましては、従来から固定資産税の減免だとかあるいは金利についていろいろ御指摘がございましたけれども、北海道東北開発公庫のあるいは開発銀行の特利の融資をやっておりますけれども、今後は条件さえ整えれば地方公共団体等の公的出資を含めて、北東公庫の出資も含めて、自己資本の充実という方向で体質改善を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○小笠原貞子君 そういうふうに御努力をしていただきたいと思いますけれども、大体めどとして、いつごろまでにそういうめどがつきますでしょうか。
○説明員(柴田益男君) 北広島地点につきましては、いまの予定ですと、六月前までに一応のめどをつけたいという方向で道の方と相談している段階でございます。
○小笠原貞子君 あと問題、真駒内とか、下野幌。
○説明員(柴田益男君) ほかの地点につきましては、いろいろ経営上の格差がございまして、合併の問題等もございますので、めどを申し上げるわけにはまいりませんけれども、できるだけそういう経営格差の条件が整備され次第ということで努力をしているわけでございます。
○小笠原貞子君 よろしくお願いします。
○木島則夫君 時間に制約がございますので、ひとつ簡潔にお答えをお願いを申し上げたいと思います。 いま政府は、余剰米の処理に関連をして、粉食を政策的に抑制しようとして学校給食を米飯に切りかえたり、また玄麦売り渡し量の引き締めであるとか、小麦粉への米粉混入など一連の政策を強化しようとしておりますけれど、こういったことは国民的合意によって行われているとは思えません。国民は、幸福追求の権利を持ち出すまでもなく、食べ物については自由にこれを選択したいでしょう、こう思っておりますし、また、小麦粉に米粉をまぜることが健康で文化的な生活であるとも考えていないはずでございます。 ところで、各国の一人一日当たりの食物摂取傾向を見てまいりますと、生活水準の高い国ほどでん粉摂取量が少ないわけです。牛乳、肉、卵、油脂、砂糖、果物の摂取量が多い傾向を見せております。現に、日本、アメリカ、韓国の一人当たりでん粉摂取量を比べてみても、アメリカは日本の二分の一、韓国は日本の倍に近い摂取量となっております。 こういった傾向は、こういった観点に立ちますと、日本人のでん粉摂取量は今後もまだ低下をするだろうと見られているわけでございますけれど、問題は、米食が沈下をしていく、粉食が上昇をするといった形でこれが進行をしている点にあるんじゃないかと思います。このことは、生活水準の上昇に伴う食生活の洋風化、多様化を反映した現象でありまして、国民がそれを望んでいるからにほかならないと思います。このことはたとえ政府が望むところでなくても、多くの国民がこれを望んでいる以上、政府はこの事実をやはり十分に尊重すべきではないかと思いますけれど、いかがでございましょうか。もう尊重すべきである、そうだという簡潔なお答えで結構でございます。
○説明員(小野重和君) 確かに所得水準の向上によりまして、いわゆるでん粉の比率、でん粉を食べる比率が下がり、一方ではたん白質あるいは脂肪、油脂、そういうものの摂取割合がふえるということは、これは欧米がその先進例でありますけれども、わが国においてもそういう傾向は当然あるわけであります。ただ問題は、その低下しておりますでん粉の中の米と麦とこういう問題だと思いますが、簡単にというお話でございますので、米をめぐる諸事情につきましては省略させていただきますが、私ども決してこれを強制すると、米食を強制するというようなことは考えておりません。ただ、従来米について何か誤った考え方もあるのじゃないか。よく言われておりますようにお米を食うと頭が悪くなるとか、米を食うと太るとか、そういう一種の誤解というものはこれは解かなきゃいかぬというのはもちろんあると思います。いずれにしましても、いろいろ問題は多岐にわたりますが、私どもこれを強制するということは毛頭考えておるわけではございません。
○木島則夫君 ひとつ簡潔にお願いいたしますね。 農林省は、米を中心とする日本の伝統的な食様式というものが、栄養的にも非常にすぐれたものであるから日本人の米食嗜好を振興をする、その線に沿って国民の米離れというものを阻止したいと言っているようでございますけれども、戦後、政府は、米食中心の食生活というものは脂肪、たん白の摂取不足につながるから、食生活の洋風化、もう一つ入れれば多様化が望ましいと、これを奨励をしてきたはずでございます。農林省がこれに逆行をするような見解を政策として取り上げるならば、まず私は厚生省とじっくり話し合って、過去の政策をもう一度検討をしてみる、その結論を得てから国民に訴えて、合意を求めて実行に着手をするというのが民主的な手段ではないか、手順ではないか、この辺に欠けるところがあったんじゃないかというふうにも思います。で、あなたのお答えが長いものだから、私はこの辺はもう私の一方的なコメントとしてあなたに申し上げておきます。 そして、ここ数年農林省は、米食を伸ばして粉食を抑制をするといった見地から、玄麦の極端な売り渡し引き締め政策をとっているとも見られるわけであります。その結果、小麦粉市場というものは正常な買い手市場から売り手市場に移行しておりまして、小麦粉の価格は高値安定状態に推移をしている。これは五十年以降の製粉企業の経常利益が大幅にはね上がっている事実から見ても明らかだと思います。こんなことは私がいま申し上げるまでもないことでありますけれど、一定の需要に対して必要量の供給がなければ、市場構造というものが正常な買い手市場から売り手市場に移行をすることは、経済の原則からいってこれまた当然でございます。 そこで、独禁法というものは、この売り手市場を否とし買い手市場を正常とする理念に立って、公正かつ自由な取引秩序を堅持すべき旨を明らかにしているわけでございますが、農林省の玄麦売り渡し引き締め政策というものは、この独禁法の精神にも——ここで私は食管法と独禁法をごっちゃにして考えてはおりません。精神からいっても、これは問題が存するのではないかということ。さらには、農林省というものは、玄麦の売り渡し引き締め政策を緩和したらば国民の米離れというものがさらに進行するんじゃないかというような錯覚を持っていらっしゃるんじゃないだろうか。持っていらっしゃらなければ幸いであります。しかし、これは全くの誤解でありまして、現実を見ますと、菓子パンとか学校給食パン、即席めん、乾めんというものは逐次減少をしておりまして、伸びておりますのは食パンとかマカロニとかスパゲッティ、こういった範囲ですね。そして、この中の食パンの一人当たりの消費量というものも、京浜地方のような所得水準の高い都市圏から順次降下傾向を見せているということも、これは政府の、総理府の家計調査ではっきりした統計が出ております。これは間違いないと思います。このことは、国民の米離れにも一定の限界があることを示しているものでございまして、引き締め政策を緩和したら、さらに国民の米離れというものが進行するんじゃないかという、もしそういう御心配なり錯覚がおありになったとしたら、これは改めていただかなきゃならないというふうに思うわけでございます。 さて、きょう私が主題といたします、米の潜在需要喚起のための手段の一つといたしまして、小麦粉に一定量の米粉を混入させ、米の消費の拡大を図ろうという方策でございますけれど、これにはいろんな問題が付随をしておりますので、多少細かくて恐縮でございますけれど、ひとつやりとりをさしていただきたいと思います。 第一に、米が余ったからといって小麦粉に米粉をまぜて消費の拡大を図ろうという発想自体がちょっと私は安易過ぎると思いますけれど、これは長官いかがでしょうか。余っちゃった、入れようじゃないかという、この発想自体、どうも私はいただけない。
○国務大臣(宮澤喜一君) 農林大臣が非常に米のことで悩んでおられまして、いろいろ御苦心なさって考えていらっしゃるのを私は同情を持ってお見かけをしておりますけれども、しかし、もともと人間のために米があるのであって、米のために人間があるのではございませんから、これはやはりおのずからの限度というものがなければならないだろうと、率直に申しましたら私はそう思っております。
○木島則夫君 これは、伝え聞いたところで、全く推測でございますから、あるいは当たっていないかもしれません。そもそもこういうことをやろうとしたもう一つ低い、深い段階で、たとえ二%ぐらい米粉を入れたってわかるものじゃないよという発想があったやに伺っております。とするならば、これはえらいことでありまして、水道の水にちょこっと下水の水入れたってわからないじゃないか、添加物入れたって構わないじゃないかという拡大解釈のおそれもございまして——これは危惧でございます。もしそういう発想のもとに、わからないやということで行われたと——こんなことはないと思いますよ、としたら、これは大変でありますけれど、そちら様としてそういう考えは全くございませんでしたか、初めっから。
○説明員(小野重和君) 当初、当初といいますか、去年の夏ごろになりますか、この問題が食糧庁の中で検討され始めましたけれども、その際の考え方は、米についての非常に厳しい事情もございますので、何とか米の粉食形態での利用促進ということを進められないかということで、まあこれはわかるわからないということではございませんで、パンならパンの品質が変わらない最低限の量はどのぐらいのものであろうかと。これはいろいろ説がございますが、まあ二%程度ぐらいのものであれば何ら品質には影響ないんじゃないか、こういう考え方もあったことも事実であります。ただ、これは中に入っているもの、米が入っているということを隠すというようなことは毛頭考えておりませんで、それはそれなりに表示をするということは当然でございます。ただ、若干御質問の先取りをしているのかもしれませんが、そういう当初言われておりましたような製粉段階での源泉混入ということは、私ども現段階では全く考えておりません。それだけを申し上げておきます。
○木島則夫君 わかりました。 いま大変大事なことをおっしゃった。当初考えていた源泉混入はしないと、現段階では。それは技術的にも非常にむずかしいからです。私はこの技術的な問題は後ほど申し上げます。 まず、たとえば入れた場合に——いま入れないとおっしゃったからいいですけれども、入れた場合には品質が必ずしもよくならない。私はいろいろ調べた、これを。米のでん粉というものは老化が早くて、パンやめんが冷や飯のようにぼそぼそした感じになっていくわけですね、保存性がない。そして米特有の味、香りというものはパンとかめんにはなじまない。異味異臭ということを来すわけです。こういうものを解消するためには、さっき私がちょっと申し上げたように、添加物を入れてこれを糊塗をしよう、こういうことにもなりかねない。もしこれを入れた場合に、私もいろいろ実験してみた。やっぱりおいしくないという答えが圧倒的ですよ。同じ店先に——いいですか、小麦粉だけでつくったパンと米粉混入をしたパンが並んでいて、値段が同じだったらどっちを買うかというと、最初は興味と関心で買うかもしれない。しかし、やはりおいしくないという答えが返ってきているようですね。後で御議論があったらひとつ御批判をいただきたい。 まず品質の問題、価格が高くなりますね、これ、小麦粉に米粉を入れることで。食パン百四十円としましょう、これで二円です、大体。即席めん六十円で六十銭の上昇となります。二・五%混入の場合です。米粉入りは機械に適さない。技術上の問題御指摘になった、さっき。効率が落ちるために労務費とか経費が総体的に上昇をいたします。これはもう計算のやり方によって数字も違ってくるけれども、食パンで三円、即席めんで二円程度のやっぱり割り高になる、上昇になるということ、これも事実です。 技術上の問題点として、小麦は製粉後二週間以上たってから使うのが望ましいんですけれども、米粉、米の粉は私の聞いている範囲ではできるだけ早く使った方が望ましいということで、保存上一つ問題があります。 それから、現在市場にあります米粉入りのパン、めんというものは、米粉を特殊な熱処理を行ってから使っておりますが、源泉混入をいたしますと、これができないという技術的な処理的な実は難問題がここにあるわけでございます。 それから、自由競争の制限という問題も私は当然起こってくると思う。食糧管理法というものは、独禁法の適用除外であるということは私も承知の上でありますけれども、小麦不足に乗じて——乗じてという言葉はいけない言葉ですね、小麦不足の状況の中で米の使用を製粉とか二次加工に強要することは、独禁法第二条第七項第五号を持ち出すまでもなく、「自己の取引上の地位を不当に利用して相手方と取引すること。」に該当しやしないか。細かくなってまことに恐縮であります。 さらに、製粉が——いいですか、製粉が米粉の源泉混入を承認をしたといたしましても、現在の小麦粉不足の状況下では二次加工側の任意使用というものは不可能でありまして、通常小麦粉との抱き合わせによる割り当てになることは必至ではないだろうかという懸念もあるわけでございます。したがって、小麦粉への米粉源泉混入を実施することは、政府みずからが独禁法違反を奨励することになりはしないだろうかと、こんな拡大解釈という懸念も私は持っております。 それから、ここのところとても大事ですよ。政府は米を使用する製粉企業に——いいですか、原料米穀一に対してその五十、一対五十の割合で小麦を特別に割り当てますよと、政府に協力してくれた者に対しては一対五十で特別にこれを割り当てますよというようなお考えがあるやに伺っております。しかし、こういたしますと、政府の言うことを聞かないところにはいかないんだと。そして、これにはなおかつ、割り当てをした米をほかのものに使ったらあんた承知しないよ。ちゃんと罰則もある。これがまだ成文化しているかどうかは私は知らないけれども、そういうことまでどうやらお考えになっていることも風聞として私は聞いています。 それから、食生活というものは、これだけ豊かな時代になってまいりますと、価値の多様化、いいですか、価値の多様化の中で国民が味を自由に選択をする、これが本来の行き方ですね、あたりまえの話です。したがって、政府がもしも強圧的に小麦粉に米粉を混入させるようなことをしますと、憲法とかなんとか大げさなことは私は申し上げたくないんでありますけれど、国民の憲法で保障されました幸福追求権というものを否定することになりはしないか。食べ物の自由選択権を逆なでするようなことにもなりかねない。これは言ってみれば食べ物の統制ですね、こういうことにもなるわけであります。 で、よろしいですか、農林省は四百万トンの余剰米のうち、十万トンの米を源泉混入させることでその消化を図ろうといたしましたが、世論の反撃というんでしょうか、世論が厳しいものですから、ちょっと姿勢をお変えになったようでございます。これは私はあたりまえの話で、全体主義国家でもやったことのないようなことをもし強圧的におやりになったとしたら、これはゆゆしい問題でございます。また、百歩譲って、関係業界との話し合いでこれをやろうというのなら、これまた私は問題が存するところだと思います。なぜならば、粉食を欲しているのは製粉会社じゃないんです。国民なんです。ですから会社と話し合ってやったよと、だから君たちは言うことを聞いてくれというんでも、これも私は百歩譲ってもちょっと納得しかねる。そもそもこの小麦粉に米粉を源泉混入——いまのところ源泉混入させないと、しないとおっしゃっておりますから言うまでもございませんけれども、こういうことをしようという発想に無理があって、米が余ったからこれをパンなどに入れて消化をしろというのでは余りにも知恵がなさ過ぎると思います。さっき長官がおっしゃった。米のために人間があるんじゃないと、人間のために米があるんだという、まことに含蓄のあるお答えでございますね、これは。 そして、こういうことをもう一つ深く突っ込んでまいりますと、何か農林省のお考えになっていることの中に、お上的発想というものが残っていたことがはしなくも露呈をしたんじゃないだろうかと。これも言い過ぎだったらお許しをいただきたい。 それから、まだ考えられることは、米を粒のまま食するという利用、使用方法を根本的にやっぱり検討しなきゃいけませんね、これは。米を利用、使用してのバリエーションをもっともっとお考えになることが先決ではないだろうかと。 そして、私はここで申し上げたいことは、この際どうでしょうかね、小麦粉への——源泉であるか源泉でないかは別として、米粉混入は白紙に戻すお考えはないだろうかと、これが私の申し上げたいことでございます。それはさっきから申し上げているように、価格を上げる、保存性が低下をする、味を悪くする、選択の自由がなくなる。そして、安易な米処理というものは正常な農業経営の発展を妨げる。適切な米利用技術の開発を阻害するからでございます。 以上、私が申し上げたようなこういう理屈の上に立って、どうでしょうか、この際しばらく、そうであるならばもうしばらくこの問題は触れないんだと、白紙に戻そうというようなお考えはございませんでしょうか。
○説明員(小野重和君) 先ほど途中までしか申し上げなかったんですが、強制混入はいたさないということだけしか申し上げませんでしたが、おっしゃるように、この問題は広く製粉企業なりあるいは二次加工メーカーのみならず、国民、消費者一般の理解がなければ何も進まない問題でございまして、そういう意味で理解と協力を得ながらやれるものから、やれるものがあればやると、こういう基本的な考え方でございます。で、当面、もう結論だけ申し上げますと、当面どうするかということなんでございますが、いまでも米についてのいろいろ新製品がございます。たとえばワイン、米を原料とするワイン、これはもちろん小麦粉は入っておりませんが。それからめんも米だけでめんをつくる。そういうような新製品もございますし、また米と小麦粉を、それぞれの特性がございますので、それをミックスしましていろいろなビスケット類もつくる、現に市販されているのもございます。私どもはそういうことで、そういう方向をもっと進めたいということでございまして、当面そういう意味の試験というか、研究ですね、こういうものをいろいろなそれぞれ企業にアイデアがあるでしょうから、そういうのを進めていただくということを当面の目標といいますか、考え方にするということでございまして、まあいろいろ言われておりますような源泉一律混入とか、いろいろその種の話はいたさない、当面そういうような形で進むというふうに考えておるわけでございます。
○木島則夫君 最後のところとっても微妙なんですが、源泉混入というような話はいたさないんですか。心の中に思っていてもしばらくは黙っているということですか。それとも、もう少し世論を見ながら、そういうことはやりたいんだけれど、いまは世論がちょっとやかましいからしばらく引っ込めておこうということなんでしょうか、ちょっとそこら辺をもう一度確認をしたいということと、それから国民の合意を得るといって、いままでどういうことをなさいました。やはり、たとえばデパートの特別コーナーをつくってこういうものを入れました、ひとつ皆さん食していただきたい。農林省の方がそこへ行ったっていいですね。そしてアンケートをたくさんとって、十分にそういうことをなすった上でのことであるならばいいんだけれど、どうも私はその辺に、さっき言ったようにお上的発想、上から物を言う発想が働いてやしないだろうか。これはあなたにこんなことを申し上げて失礼かもしれない。これは私だけが感じていることではないようですよ、これは。そういうことは将来やりたいんだけれど、いまはなかなか世論が厳しいもんだから話をいたさないのか。いいですか、どうなんですかその辺、ちょっときちっとおっしゃってくださいよ。
○説明員(小野重和君) 先ほど申し上げましたように、理解と協力を得ながらやれるものから実施するということなんでございますが、それは決して強制をしない。源泉混入というのは一種の強制的なものになりますからそれはしない、こういうことでございます。当面はまず研究をしていただくと、いろんな新製品をそれぞれの希望に応じて開発していただくというのを進めたい、こういうことでございます。
○木島則夫君 そうすると、ここで確認をさしていただきます。 米粉の小麦粉への源泉混入はなさらないということと受け取ってよろしゅうございますね。
○説明員(小野重和君) 一律源泉混入と、こういうことではないかというふうに言われておりましたが、そういうことはいたしません。
○木島則夫君 それから、こういうものは本当は私お聞きをしないことにしたいと思っておったんですけれど、たとえばこれ骨子なるものが私の手元にあるのですけどね、「小麦粉への米粉混入試験に伴う原料米穀及び小麦の特別売却要領」という、これ骨子ですからね、五十二年の十二月十日にどうもおつくりになったようですね、これが間違っていたらお許しをいただきたい。骨子ですから、私は正文とは申し上げない。大変非公式なもので、お考えの一端としていまは受け取らしていただいております。その中に、政府の要請に協力をしてくれるならば、さっき言った「原料米穀一に対し小麦五〇の範囲内で特別売却を指示」と、こうなっているんですよ。そうして、よろしいですか、違反に対する措置として「原料米穀及び小麦を買受目的以外に処分した場合は、通常売却枠の割当削減又は停止」となっているんですよ。たとえ骨子にしても、あなた方がさっきからおっしゃってきた、そういうことは一向に考えておりませんというお話とはどうもちょっとうらはらのように思いますけれど、もうこういうものはほごになっちゃってないんでしょうね、そうすると。
○説明員(小野重和君) いろいろな過程で、いろいろなペーパーを中でつくったことは事実でございますが、現段階では、先ほど申し上げましたように、試験研究は進めたいということでございますが、ただ、いまそこにありますように一に対して五十とか、その種のことを考えておるわけではございません。
○木島則夫君 そうすると、ある段階で一応検討の対象にはしたけれど、いまはもうそういうことは考えていらっしゃらないというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○説明員(小野重和君) 試験研究は進めていただきたいということはあれでございますが、そこにあるような骨子の、私もはっきりとちょっと記憶にございませんけれども、いま読まれたような内容のことを考えておるわけではございません。
○木島則夫君 そうしますと、源泉混入でなくても、いつ幾日の日取りからやるんだというような明確な時日の指定とか、そういうものはそうすると全くいまはございませんね、お話の推移から考えて。
○説明員(小野重和君) ただ試験研究を進める場合に、やはりその原料であるお米なり、あるいはこれは小麦粉も必要でございます。それに対して、希望に応じてそれを供給するということは必要であるというふうに思っております。
○木島則夫君 そうすると、私がさっき言った骨子というのはまだ生きているようにうかがえますね。これは試験用なんですね、ある程度。つまり、試験的な段階において協力をしてくれるならば一対五〇の割合、あるいは四%では一対二五、一〇%では一対十というような数字まで挙げていらっしゃるけれど、これはそうすると生きているということになりますかね。
○説明員(小野重和君) いや、一とか五〇とか、そういうことではございませんで、希望に応じて必要な数量を供給しよう、こういうことでございます。
○木島則夫君 これ、問題なんですよ。たとえ試験的にこういうものをやりましても、あなた方に協力をしてくれるところには、試験の結果、供給をいたしましょうということになりますと、やっぱり企業としては農林省に対して弱いわけですよ。製紛、第二次加工にいたしましても、やっぱり政府がコントロールする物資でしょう、小麦粉というのはある意味で。そうすると、なかなか製紛段階とか第二次加工というのはやっぱりその御意向に従わざるを得ないというようなところも実はあるわけですよ。だから、そこのところをよほど注意してやっていただかないと、これはやっぱり問題だと私は思いますよ、本当に。そういうことは考えていないとおっしゃったけれど、試験的にはまだ生きているというようなお話です。大変しつこくて恐縮でございますけれど、これはやっぱり私は食べ物というものは自由選択できるんだということと、国民の選ぶ権利があるんだという前提に立っていま申し上げているので、しつこいと思わないでいただきたい。そういういわゆる、これは単なる全く試験的なものであるという、その段階にだけとどめるということですか。それとも、もうこういうものは一切御破算にしたい。どっちでしょう。
○説明員(小野重和君) 試験研究は進めたいということでございます。ただ、この場合に、研究をしなければ枠をしぼるとか、そういうようなことは一切考えておりません。ただ研究を進めるということだけでございます。
○木島則夫君 そうしてそれはお互いを民主的に話し合った中で、お互いにどっちが上とかどっちが下という、そういう立場でなく、民主的に研究をすると。その結果がどうであろうとも、割り当てを幾つにしようなんという考え方は全くないというふうに受け取ってよろしゅうございますね。
○説明員(小野重和君) そのとおりでございます。
○木島則夫君 ありがとうございました。本当に申しわけございません。しかし、大事な問題ですから、多少私はしつこく伺ったわけでございます。 私はいままでどうしてこういうことを伺ってきたかというと、このことは、何か米が余っちゃった、だからしょうがないから——しょうがないとは言いませんね、その一つの方法として小麦粉の中に入れて消費の拡大を図ろうじゃないか、これも一つの方法だと思います。そのやり方とか発想というものがどうも私は問題点を含んでいるように思ったものですから、御指摘を申し上げた。こういうことは、何か政治を場当たり的に印象づけることになりまして、こういうことはないとおっしゃったから私は安心をいたしましたけれど、少しぐらいならわからないであろうというようなもし発想がその下に働いていたとしたならば、ゆゆしい問題であるという御指摘の仕方を申し上げておきたいと思います。しかし、きょうは安心をいたしました、そういうことがないということでありますので。 さて、最後に長官にお伺いいたします。 パンのお話で、ずっとお聞きいただいたと思いますけれど、農業基本法にも「需要が増加する農産物の生産の増進、」とか、あるいは「需要が減少する農産物の生産の転換、外国産農産物と競争関係にある農産物の生産の合理化等農業生産の選択的な拡大を図ること。」と、こういうふうに農業基本法の中にも規定をされているにもかかわらず、いろんな推移、経過がございましたから、私は一概に批判はいたしませんけれど、米の単作農業を推進をしてきた。小麦や大豆等の非常に大事な食品の生産に壊滅的な打撃を与えてきた。国民が必要とする食糧の国内生産奨励と輸入制度の再編が、やっぱり改めて——長官が常々おっしゃっているようにやっぱり大事になってくると思います。円高の問題も、外圧の問題も、やっぱり私はこういうところにつながってくるんだろうと思うわけでございます。いままでのやりとりを踏まえた上で、ひとつ長官の御所見をお伺いをしたいと思うわけであります。いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) いま食糧庁の総務部長がお答えになっておられました背景には、やはり非常にいろいろ苦しんでおられて、どうかして現在の、これは食管だけの問題では恐らくございませんで、日本の農業といいますか、農民といいますか、どうしたらいいのかということを大変に苦しんで考えておられることが、やはりいまの御答弁の中に私出ておったと思うのでございます。その点は農林大臣からも私るる伺っていて、先ほど同情を持って云々と申し上げましたのは、決して冗談で申し上げたつもりではなかったのでございます。まあ過去二十年余りのわが国のたどってきました道から、結局いまの農業の問題、農村の問題が今日の姿になってしまったわけでございますから、いま木島委員の言われましたような輸入の問題もございますし、何かはっきりした進路を出さなければならないのであろうと思いますが、正直を申しましてなかなか自信のある総合的な考え方が出にくい状況にあるのではないか。一生懸命、農林省ばかりでなく私どもも一生懸命考えておりますけれども、将来いかにあるべきかということについての自信のある、しかも、国民がみんな納得するような政策というものが、私はまだ完成してはいないような感じがしておりまして、そのためにやはり政府部内知恵を出し合って努力をいたさなければならないというのが現状ではなかろうか。大変率直に申し上げますなら、私はそういう感じを持っております。
○木島則夫君 私はただ批判ばかりを申し上げているわけでは決してございません。私もあるべき農業の姿、日本の中で現実的にこれを見ますと非常にむずかしいということも承知をしております。私が余りにもきょうは一方的に農林省当局の方にお話を申し上げましたので、やっぱり最後にあなたがおっしゃる場がなければいかぬと思いますので、どうかひとつ農林省の方お答えをいただいて結構でございます。私の質問の中に過ちがあったとか、また行き過ぎた点がございましたら、遠慮なくひとつ御批判をいただきたいと思います。十五分までございますから、そのお時間をお使いいただいて結構であります。
○説明員(小野重和君) 米の問題に限りますと、非常に大きな悩みを持っておりまして、米の消費がどうも減退している。特に一人当たり消費の減退傾向というのはなかなか直らないと、こういう事情にございます。そこで、この原因についてとやかく申し上げません。先ほど来議論のあったところでございますので、その点については申し上げませんけれども、これは単にいまお米が三百数十万トン余っているとか、百七十万トンの生産調整をやらざるを得ない状態であるということだけの問題ではなくて、何といいますか、大げさな言葉でございますけれども、国家百年の計というようなことにかかわる問題であろうと思っております。と申しますのは、そのまま消費減退傾向が続きますと、ますます生産調整をふやさなければならないようなことになるのかもしれない。そうなりますと、一たんお米をつくらなくなった水田というものはなかなかもとへ戻らないということがございます。一方、長期的に世界的食糧需給を考えますときに、人口問題あるいは畜産物需要の増大問題あるいは異常気象問題、将来の食糧需給必ずしも安定的に推移するとは限らないという問題もございます。そこで、何と申しましても日本の国では米だけが——米だけがと言うのは言い過ぎかもしれませんが、一〇〇%自給し得るものでございますので、何とかこの消費の減退傾向というのを食いとめたいというのはもう最大の私どもの願いでございます。ただ、いまの米粉の問題にあらわれますように、これは決して強制できるものではないし、すべきものではないということはまさにおっしゃるとおりでございまして、いろいろ知恵をしぼりながらその消費拡大を図る方向に進んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと存じます。
○木島則夫君 結構でございます。
○委員長(斎藤栄三郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十三分散会