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84回国会参議院1978/03/30

逓信委員会 第5号

発言数
86
登壇者
13
会派数
4
開催日
1978/03/30

会議録

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十八日、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。     —————————————

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私は、NHKに関する質問を申し上げます前に、まず郵政当局にお尋ねをいたしますけれども、長年懸案になっておりましたVHFをUHFに全面移行するという問題でございます。このたびこれを断念されたということが発表になりましたが、この経緯につきまして御説明いただきたいと思います。

平野正雄郵政省電波監理局長

○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。V−U移行問題につきましては、かねてから青島先生からもいろいろ御指摘をいただいてまいったわけでございますけれども、種々検討を続けてまいりました結果、近年における電波技術の進歩発達によりまして、UHF帯の電波の移動通信用への利用可能分野、これが大きく開けたわけでございまして、今後はUHF帯の利用によりまして、重要無線の需要に十分対処し得る見通しが得られましたので、V−U移行は行わないということにしたわけでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 過日もこの問題で、当委員会で中野委員から質問がありまして、私もそれをつぶさにお伺いいたしましたが、中野委員も、どうも省のお答えには釈然となさっていない部分がおありのように私、お見受けいたしました。私も当然のことのように考えまして、月日のたつのは早いものと申しますか、私も当委員会に発言の機会を得るようになりまして、やがて九年から十年になろうとしていますが、当初から、技術的に見ましても政治的に見ましても、あるいは経済的に見ましても、全面的にVをあけてUに移行するということは無理なんではなかろうかという懸念がかなりありました。そういうふうな疑念を持っておる者の一人でございまして、毎回、私、発言の機会を得ますごとに、この問題についてその疑念を晴らすべくいろいろ御質問申し上げてまいりまして、思い起こせば大体五代ぐらいの大臣にその都度御質問申し上げまして、その都度郵政当局からも同じようなお答えをいただいておりました。  私も私なりにUに全面移行する場合の経済的な負担がどの程度民放並びにNHKにかかるか、技術的な疑点がどの程度あるか、それから一般の聴視者、国民の皆さん方にどう御理解を求め、どう協力を得ていくのかという政治的な手だてにつきましても、さまざま私なりに論証をいたしまして、とてもこれは無理なんじゃないかということを当初から申し上げておりました。しかし、一向にらちが明かないと申しますか、ついには私も業を煮やしまして、論理的な明快な御回答がないものですから、ついにはもうこれ以上論理性のないことで突っ張るのは悪強情だというふうに、当委員会において用います表現といたしましては多少穏当を欠くようなことまでも言わなきゃならないような羽目になりまして、それ以来今日に至っております。  しかし、この辺のところを大臣、お察しいただきたいんですけれども、十年間にわたってサギをカラスと言いくるめてきて、そして時間切れぎりぎりになって、最近になって事情が変わったからやめたんだ、御了承いただきたいというようなことで、中野さんたらずともだれしも何か釈然としない気分になるというのは、これは否めない事実だと思うのですけれども、その辺につきまして、日ごろ大臣の御発言、御言動を伺っておりまして、大変明快率直に心情を御発表なさっていらっしゃるのを敬服しておりますので、端的にひとつお答えになっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょう。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) もう率直に申し上げて不可解の一語に尽きると思います。これはどのような理由をつけてみても、全く相手に納得していただけるような理論を見出せないところに大きな問題があったと思います。  そこで私は、そういった過去の行政のあり方に深く反省の必要があるという立場をとり、全関係幹部を集めて、こういった問題が十年前に——いまの関係幹部は当時はまだそれこそ係長ぐらいで、余りこういった重要な問題の会議にも出なかったと思うんでありまするが、しかしよくよくこの苦い経験を再び繰り返さないように、今後の行政のあり方について真剣に取り組んでもらいたいということを、実はけさも私はそういった打ち合わせ会で幹部に強く申し渡しました。こういったことを言う大臣の気持ちも、今度は青島先生、ひとつ御理解願いたいと思うのであります。今後はこういった問題については——まあ全く理論的な裏づけがなかったとは言い切れないにしても、決して適切な措置であったとはこれまた言い切れないと私は率直に認めております。したがいまして、いつまでもこういった問題が論議の種になって、このとうとい時間を割くこともどうかと考えまして、いろいろと相談の結果、もう本当に過去のいきさつにこだわることなく、もうすっきりする時期が来たというので、あえて私が就任早々にこの結末をつけたというふうに御理解いただいても結構と思う次第でございます。大変長い間不愉快な思いをさせたことは、この機会に深くおわび申し上げて了解を得たい、かように思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 大臣も率直にお認めいただきまして、わびてくださるという態度で反省の色を深くあらわしてくださいましたことに関しては、私もむしろ敬服いたします。  で、こういうことがこのまま続いていたということは、私どもは、閣議で話題になったこととか、あるいは閣議決定、あるいは話し合いの済んだことというものに対しては、何か私どものはかり知れない制約とか重圧とかいうものが省の中にあるのじゃないか。あるいは郵政省というもの自体の体質が、至上命令みたいなものとして受けとめたら、それはもう理屈なしに押し通すという体質を持っているのではなかろうか。もしそんなことでもあれば、これは大変な事態になるのではないかということで、そういう姿勢が、労使の問題にいたしましても、あるいは郵便貯金金利の引き下げだとかその他実際に利用者の方々と接する場面におきましても、不信感を抱かせたり、あるいはむだなトラブルを引き起こしたりすることのゆえんだと思いまして、率直明快にこれはまずかったと、申しわけないという姿勢があっても、私は省の威信にかかわったりする問題ではないと思うわけです。ですから、いま率直に大臣がそういう御感想を御披瀝いただきましたので、私もすっきりいたしましたが、そういう疑念は私どもずっと抱き続けていたわけです。  でもそれは氷解いたしまして、今後そういうふうにしていただきたいと思うのですが、しかしそれにしては、重ねてこの上で申し上げるのも何でございますが、この御発表のあり方が、前質問者の中野さんも釈然としなかったというのは、都合でこうなったというような、そこに反省とかあるいは迷惑をかけた向きに対する陳謝——陳謝というと政治的には、政界では特に陳謝というのは総辞職か首の手前というぐらいで、せいぜい言って遺憾の意でしょうけれども、遺憾の意を示すぐらいのことがあっても、国民とかあるいはその他、その問題についていろいろ計画を立てたり、それなりの対応を民放も、NHKも、あるいは放送に関係なくても、一般の視聴者にしても、それぞれの対応を強いられていた部分があります。そういう方々に対する遺憾の意をあらわすぐらいのお言葉があってもよかったのではないかというふうな気がいたしますけれども、それもまあ大臣の率直なお話で氷解しましたので結構でございますけれども、今後は省の中におきましても、こういうだれが見ても徒労に終わるような議論が蒸し返されるようなことのないようにひとつ特段の御指導を仰ぎたいと思いますし、担当者としての局長からも一言、別に重ねて陳謝しろという意味で申し上げているのじゃございませんけれども、一般の郵政省とかかわり合う方々の中に誤解のないように、あるいはそういう姿勢を貫きたいのだという意味合いを込めてもの御発言で結構でございますが。

平野正雄郵政省電波監理局長

○政府委員(平野正雄君) 私といたしましても、ただいま服部大臣がお答えを申し上げたとおりでございまして、いまから振り返ってみますと、先を見る目が十分ではなかったのではないかと深く反省をしておる次第でございます。今後は電波行政一層の発展のために、前向きに前進をしてまいりたいという覚悟でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 さて、それではNHKの問題に移らせていただきますけれども、NHKが実際に国民のものという意識が国民の間に広まるためには、本当に国民の考え方を吸収し、反映するような組織でなければならないはずだと思いますし、そのためには経営委員会のあり方を少し改善する必要があるのじゃないかということを私もかねがね持論として持っております。と申しますのは、いまの経営委員の任命のあり方というのは、常日ごろどういう方が適当であろうかということを内閣で選考に当たりまして、そして推薦して、衆参両院で承認をいただいてその任に就いていただくということになっておりますけれども、これは間接民主主義みたいなかっこうで、大方の聴視者、現在の時点ではもう聴視者も国民も同じことだと思いますけれども、国民の皆様方の意思を反映するというかっこうにはなっておるんだという御説明をしばしばいただくわけですけれども、実際には視聴者の方々が、ほんとにわれわれの意見を具現し、代表する方が経営委員の任に当たっておられるという意識を持ってないと思うんですね。  ですから、せっかく率直な御意見がいただけました上、重ねてのお考えをお聞かせいただきたいんですけれども、私はかねがねNHKの聴視料の領収書を、聴視料支払いの領収書をもって一票の権利として経営委員の方々を公選にしたらどうだろうと。そうすれば、とにかくわれわれの負託を担って出かけていった方が運営の任に当たっておられる、われわれのNHKだという覚悟ができれば、これに否やを言うまい。もう契約したからには受信料もちゃんと率先払おうじゃないかというようなかっこうになって、実際にほんとに国民のための放送なんだという自覚を人々がお持ちになれば、民放と違ってまたこれ必要なんだということで、NHKの基盤を一層固めこそすれ、間違った方向に導かれることはないと、多少の試行錯誤があったりするかもしれませんね、当初。しかし、そういう考えはどうだろうということを再三私も述べまして、一部マスコミの方々からも賛成の御意見などもいただいているように、散見するようにこのごろは思うんですけれども、法規上申しますと、先ほど来のお話じゃございませんが、どうも法律の上から申しましてこのかっこうはなじまないものであると思いますと、ただそれだけでけられてしまうわけですが、法規上どうするかとか、すぐそれを取り入れてどうこうということではなくて、こういう基本的な考え方についてはどのようなお考えをお持ちになりますか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 現在のNHKの経営委員の選出方法は、青島先生御指摘のとおりの手続で進めております。いろいろの見方がありまするが、おのおのの職域または地域代表の方々が、それなりにNHKの経営のあり方について真剣に御検討いただいて、それなりの効果を上げていただいているものと、私は現時点ではそのように理解をいたしておりまするが、私も大臣就任以来、NHKの今後の経営のあり方、また経営基盤の確立、また公共放送の存在の必要性、いろいろと考えて真剣に取り組んでいるつもりでありまするが、ただいまの御提案は私は検討に値すると思います、率直に申し上げて。  それほど今後のNHKの経営はきわめて深刻であるという立場から、何といっても経営の基盤である料金収納は、国民の理解と信頼の上に立って初めて基盤の確立が図れるとなりますると、かなり効果的な方法である、制度のあり方であると。いろいろと、先生も御承知のとおりに、なかなか役所仕事というのは、いかにいいことでも、われわれ民間の事業家のようにてきぱきと処理することは困難でありまするが、ひとつ検討の中に、私は、先ほど申し上げておりますとおりに、真剣にNHKの経営と取り組んでおりますという私の立場から申しますると、いろいろな角度から検討いたしておりまする中にひとつ取り入れて勉強をしてみたい、かように考えている次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 大臣と私と、NHKの基盤のあり方については、認識はいささかも変わりがないように私も感じましたし、ですからそう申し上げているわけでして、実際にいま経営委員のどなたが不適任でどなたが適格であるとかということを一々私申す立場でもございませんし、そんなことを云々するわけじゃございませんけれども、しかし、実際にたとえば著名な作家だとか音楽家だとか、あるいは映画監督だとか、ふだんなじみがあって、どういうことを考えて、どういう業績を持っている人かということを多くの人が承知していらっしゃるという方が何人か経営委員の中に参加なすっていて、その中でかんかんがくがくNHKのあり方について議論が行われるということが公に表につまびらかになるというようなことがあれば、それは何回かの選挙を経るというようなかっこうでだんだんコンセンサスが得られてくるのじゃないか、そういう気がするわけです。  いまの経営委員の方のあり方、任命のあり方を見ますと、人格高潔で識見、学識ともに豊かで、不偏不党の方というんですけれどもね、私、そんな理想の方、神様みたいな方、おいでにならないと思いますしね、もしそういう方が十人もおいでになったら、その方に行政から立法まで全部お任せすればいいんじゃないかという感じがするくらいでしてね、そういうまやかしの理論の上に成り立っているNHKというのは、やっぱり国民の信頼を得るものではないという気がするんです。それよりむしろ、この中でも、民主主義というのはそうですけれども、それこそ頑迷なる独断と偏見が、それぞれそういう意見を持ち寄って、それぞれの意見というのはよって来るところで培われてくるわけですから、それが議論をし合ったり、そしてお互いにどれだけ説得できるか、お互いをどれだけ理解できるかということが私は民主主義の鉄則だと思います。ですから、不偏不党な人がいる必要はないし、そこで独断と偏見をがんこに構えた方々が熱戦を闘わせるということをはたで見ていた方がどんなにか私は信頼できると思うんですね。  ですから、いまのあり方というのは、だれにでも表面何となくかっこいいけれども、だれからも真の理解と共感を得ないというのが実態で、だれが運営しているかわからない、お役所仕事みたいなNHKに金を払うのはいやだ、おれはNHKは見ないから払わないよという人が出てくるのも私はけだし当然だと思うんですね、こういうかっこうをのんべんだらりんと継続していたら。  ですから、いま大臣もそのように検討に値するということですから、私も公選制が必ずしもいいとは申しません、これも一つのアイデアだろうと思います。ですから、省内に法律的にもあるいはそういうことに関してもお詳しい方が大ぜいおいでいただけるはずですし、場合によっては民放、NHKの方々から参考意見を得られることもいいと思いますし、現にいま経営委員会のメンバーを戴いて、その下で事業を行っているNHKのだれかれに、今後経営委員会のあり方をどうすればいいかということを諮問するのもなかなかむずかしい問題かもしれませんが、しかし、意見聴取ぐらいのことはできるでしょうし、そういうことを多方面にわたって聴取なさいまして、どういうやり方が一番実態に即していて、しかも実現性があって、しかも一般聴視者の方々の御意見がそのまま出てくるようであって、しかも理解と協力が得られるかっこうにできるかということを真剣に経営委員会のあり方について御検討いただきたいと思いますので、重ねて御決意をいただきたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 私は、NHKの経営基盤の確立、有能な方々が長年の歴史の上に生み出されて、内容も、一昨日の委員会でも御指摘があったとおりに、きわめて優秀な技術または構成、すべてすぐれている面も率直に認めているわけでありまするから、今後は経営基盤の確立こそ急務中の急務だと考えている私が、当然この経営のあり方について真剣に取り組まねばならないということ、これはもう論をまちません。  したがいまして、いま青島先生の御指摘のとおりの方法をそのまま採用いたしますとは、ちょっとこれは軽々に申しかねまするが、それも含めて、どういった方法がよいか、当然経営基盤の確立は経営のあり方でありまするから真剣に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ありがとうございます。そのように御返答いただきたいし、御努力いただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  さて、それはその程度にいたしまして、NHKにお尋ねいたしますけれども、最近、固有名詞の発音のあり方について、これはどこか支局かあるいはNHK本局かわかりませんが、特に人の名前の問題ですけれども、訴訟事件になっているというようなふうに伺っておりますけれども、その詳細を簡単で結構でございますけれどもお知らせいただきたいと思います。

堀四志男日本放送協会専務理事

○参考人(堀四志男君) お答えいたします。  訴訟事件の経緯は、北九州市小倉区に住む牧師、崔昌華、まあ私の発音はもちろん悪いと思いますが、チォエ・チャン・ホァ氏が九月三日にNHK北九州局を訪れまして——おととしでございますか——九月一日に放送した韓国人牧師らが市長に公開質問状を提出したというニュースの中で、自分の名前をサイショウカと日本語読みにしたが、私の名前はチォエ・チャン・ホアであると抗議して、そしてこの名前で読んでほしいということを言いまして、次いでわれわれはそういうことは実際上容認できない、人格を傷つけたり人権を無視したりするつもりは全くないが、実際上できないということで、それが訴訟になりまして、第一審において私たちの言い分が認められて、そして現在さらに控訴しているという段階でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 そうすると、この事犯はなお係争中ということですか。

堀四志男日本放送協会専務理事

○参考人(堀四志男君) 形式的にはそういうことになります。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 そういうことですと、はっきりした御意見を伺ったりすることもちょっと差し控えなければならない部分もあるかと思うんですけれども、これは私も考えますに、単にNHKだけの問題ではないように思いますし、どうなんでしょうね。確かに私は青島幸男と申します。これもサチオさんですかと言われるとやっぱりユキオですと言いますし、チンタオさんですかと言われたら違いますと言うでしょうね。ですから、たまたま私どもが使っております漢字が、もとは中国のものを借りているわけですから、それを勝手に違った使い方をしている。その漢字によって表記されている人の名前を勝手にこちら側で読んでこちら側の認識を持っているわけですね。ですから、たとえばの話ですが、別にこれは作為があって申し上げるわけじゃありません。いま名前が思い当たらないのでたまたま申し上げますから誤解のないようにお願いしたいんですが、金大中と書いてあれば私ども新聞でもキンダイチューと読んで、キンダイチューさんがとたとえば放送の中で言われれば、あああの方かという認識を得ますけれども、むしろキム・デイ・ジュンと言うのが本当だとすれば、キム・デイ・ジュンさんと言われた方が混同するかもしれないですね。  それは単に使っておる記号が同一で、違った使い方をしているからという問題なんでしょうか。これは活字メディアの方も全部表音文字としてかたかながわが国にあるわけですからそれを使うべきものなのか、あるいはこれはどうも郵政省にお尋ねしてもNHKにお尋ねしても何だと思うんですが、これは少なくとも放送の分野におきましては大臣所管ですからね。その国の人の固有の名前を違った呼び方をするということは、やっぱり訴えられた方がおいでになるように、私はそういう名前ではない、だから私の名前はこう発音してほしい、それは私の人格に対する冒涜だというようなことを言う人がいたとしてもそれも妥当だと思うんですね。ですから、この辺はどうしたものでしょうね。たとえばなるべくならその人の名前はその人が本来そうだと認識している固有の呼び方、あるいはそれに近い発言で呼ぶべきだというふうな指導をするべきなのか、あるいはマスコミュニケーションの活字の分野も含めて全部がそういう事態にならない限りはなかなか直らないだろう、しかしそういう方向に行かなきゃならない、それまで待つんだというような、これ、もう少し問題が大きくなってまいりましたとしたときにどう対処したものでしょうね。いかがでございましょうか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 残念ながらぼくは法律の専門家でございませんので、専門的な知識の上に立って適正な答弁はなかなか容易でないと思いますし、またいま裁判で係争中だという堀参考人からの答弁にもありましたとおり、私がいまこのことについてとかく言うことそのものにも一つの問題があるやにも感ずるわけでございます。ただ、自分の名前、氏名が正しく報道されていないときに、それは違います、私の名前はこういう呼び方が正しいんですという御指摘をされることも私は当然な権利の主張だと思います。しかし、私はその要求された方の権利は当然認めねばならない。が、これ以上前になりますると法律的にむずかしい問題ではありまするが、そういう点については青島先生と同感であるという程度でひとつ御理解をいただきます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私にも本当のことを言ってよくわからないわけです。それで、ほかの横文字の国につきましても、フランス語の新聞に英語名前が書かれた場合に、それはフランス人は勝手に自分の母国語の発音で読むでしょうし、そうすると、それはじゃどういう問題になるのかというところまで話を広げますと実際私にもわからないし、NHKはこの問題で困惑していらっしゃるという事情もよくわかるんです。しかし、これはいつしか明確にしなきゃならない問題だろうと思いますので、NHKも、その訴訟を起こされてこういう事態になったからといって、また先ほどの話じゃありませんが、変にメンツにこだわったりして先々悔いを残さないような対処の仕方をしていただきたいと思いますし、先々どういうことになるのか、やっぱりこれはフリートーキングの際などに皆さんのお力もおかりして検討していただきたいというふうなことを委員長にもお願いいたしまして、ちょうど時間にもなりましたので、私、この程度でやめさしていただきたい。ありがとうございました。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 まず第一点は、五十三年度は五十一年から五十三年、この経営計画の最終年度でございます。そこで、この経営計画の実施状況についてまず御説明をお願いしたいと思います。

川原正人日本放送協会専務理事

○参考人(川原正人君) 五十一年度から五十三年度までの経営計画につきましては、総じて申し上げれば事業計画としては順調に推移をいたしております。ただ財政的な面から見ますと、当初この三年計画をつくりましたときの収入の面から申しますと、御承知のように五十一年度暫定予算という事態を迎えまして、この結果百十数億の減収、そのほかに、私ども鋭意努力はいたしておりますけれども、契約の面でやや計画のそごを来しまして減収という事態を招いております。それに対しまして、私どもとしましては、事業計画の大宗はそのまま変更しないで、極力業務の効率的な運営等によりまして事業支出を削減いたしました。  なお、加えて、その後の経済情勢の変化等にも幸いな影響を受けまして、事業支出の方を約二%削減することに成功いたしました。財政的には、当初の計画にあります三年間における財政の均衡を図るということは達成できるというふうに見ております。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 第二点は、五十三年度の収支予算を見ておりますと、事業収入の対前年度伸び率が二・五%に対し、事業の支出は一一・二%となっております。この結果、単年度収支では二十九億三千六百万円の赤字。この赤字は五十一年度と五十二年度からの繰越金の一部で補てんをし、残余の繰越金八十八億九千四百万円も全額債務償還に充てられてしまうことになるわけです。  そこで、五十四年度以降の財政の見通し、どのように見ているのか伺いたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 御承知のように、この委員会でもたびたび御説明申し上げましたように、五十四年度以降につきましてはさらに赤字の増大ということは考えざるを得ない状況でございまして、資料として五十三年度から五十五年度の経営の見通しの試案を御提出いたしましたような次第で、したがいまして、それに基づきますと大体二年間で約八百億の赤字を現時点において計上せざるを得ないという状況でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 第三点は、郵政大臣は意見書において、「長期的展望に立って事業運営の刷新、効率化を図るとともに、国民生活に及ぼす影響を考慮し、受信料の改定を極力抑制するよう努めるべきである。」こういう意見を付しております。まず、郵政大臣よりその趣旨を伺いたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) かねがね、私はこういった機会をとらえて、きわめて過去にない厳しい姿勢でこの事業計画、資金計画に対する意見書を付したわけでございます。その理由は、先生も十二分に御承知のとおりに、わが国でただ一つの公共放送のNHKの経営が、きわめて厳しい状態に立ち至っております現実の姿を私は大変憂慮いたしまして、ここで会長以下経営の責任にある役員並びに全職員が一丸となって経営の合理化、企業努力によって事に処していただきたいという気持ちからでありますとともに、このNHKは、御承知のとおりに財源は料金収納以外にほとんど求めることは困難な状態であることも御案内のとおりであります。私は、経営が行き詰まったからすぐに国民の負担に帰す料金値上げでこれを賄っていくという姿勢は、いわゆる事業経営の責任者としては最も安易な方法ではあるかもしれないが、私は、公共放送という立場から言って、これはそう軽々に認めるわけにはいかないというので、強く料金値上げを抑制する意思を伝えながら、ただ企業努力によってそういった困難を克服をしてもらいたい。  先生御指摘のとおりに、五十一年に料金値上げを先生方の御理解と御協力でお認め願って、五十一、二でやっと百十八億の金ができると、今度は五十三年度それを全部繰り入れて、なおかつ五十五年には八百九億の赤字が出るんだというこの考え方、私は、予算の編成というものは、現有の状態を基礎に積算していけばそのとおりにこう上がっていくのは当然でありまして、これは数字の羅列だ。いわゆる現体制における経営のあり方はどうなのかということ。たとえば物品一つ購入するに際しましても、私ははっきり言って、どういう方法で買っているかというところまで研究していますがね。そういう厳しい姿勢で、現在の経営のあり方をどのように改善すれば、もしこのように改善するならば今度は答えが変わってくる、かように理解をいたしておるところでありまして、そういう立場から過去にない厳しい意見書を付したのが私の考え方に基づく意見書でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 第四点は、坂本会長は、ただいま答弁をいただきました郵政大臣の意見書をどのように受けとめていらっしゃるのか、それが一点。  また、五十四年度以降における受信料はどのように考えていらっしゃるのか。簡単で結構でございますので、明確に答えていただきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 私は、郵政大臣の意見書並びにその御指摘になっている点は十分理解いたしておるつもりでございますし、そういう点で経営に当たらなければならないというふうに決心もし覚悟もしておる次第でございます。ただ五十四年度以降の問題につきましては、したがいまして、安易に受信料改定、赤字になったから受信料改定をお願いしたいというような状況でないということも十分理解しておるつもりでございます。ただし、郵政大臣も御指摘になりましたように、NHKの経営を支えるものは受信料以外現法律のもとにおいてはございませんので、経営努力を第一にするということはもう言うまでもございませんけれども、いずれのときにか、その受信料改定をお願いするということも当然お考え願わなければならない事態もある、これはひとつNHKの財政の基盤ということを御理解いただいた上で、さらに御理解賜りたいと思っておる次第でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 第五点は、ただいま坂本会長より経営努力という決意のほどを伺ったわけでございますが、具体的にちょっと伺いますが、受信料の滞納件数、二番目には契約拒否の件数、どの程度か伺いたいと思います。また、三番目には未収金額はどの程度なのか、この点お伺いしたいと思います。

中塚昌胤日本放送協会専務理事

○参考人(中塚昌胤君) 昭和五十二年九月末、今年度の上半期末の滞納の件数は全体で八十二万件でございます。それから契約拒否、要するにNHKの経営姿勢に対して批判的であるとか、あるいは番組が気に入らない、あるいは番組を見ていない、あるいは罰則がないからというふうな理由で意識的に契約を拒否される、そういう方の数字は約八万件でございます。それから受信料の未収金の額でございますが、これは五十年度分の受信料、これは五十一年度にもその未収金の回収の努力をいたしております。で、この五十年度分の受信料の五十一年度末における未収金額は三十二億六千五百万円、それから五十一年度分の未収金、これは現在も、五十二年度もこれの回収に努力しておりますけれども、五十二年度末における見込みといたしましては約四十五億円程度になるというふうに見込んでおります。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 第六点目でございますけれども、いま中塚さんから御報告いただきますと、かなりの金額となっております。NHKの今後の回収対策をどうするのかということ、また契約拒否に対しては罰則もない、これは周知のとおりでございますが、受信料の滞納者に対してサービスの供給停止措置もできない。このままでは受信料負担の公平という見地からも問題があろうかと思います。で、これは善悪ともにいろんな賛否ともどものものがあると思うわけでございますが、具体的な対応措置、もちろん考えていらっしゃると思いますし、当委員会でもいままでに何回も質疑が交わされたと思うわけでございますが、非常に大事な問題でございますので、重ねてお伺いをするわけでございますが、具体的な対応措置、そうして郵政省、NHK、あわせての見解はどうか、こういう点をお伺いいたします。

中塚昌胤日本放送協会専務理事

○参考人(中塚昌胤君) まずNHKとしてお答え申し上げます。  先ほど全体の滞納件数が五十二年九月末で八十二万件と申し上げましたが、この中で理由別に大別いたしますと、一番多いのが常時不在である。いつ行っても留守であるという、そういう世帯、これが約五十二万件余り、それから先ほど申し上げましたNHKに対して非常に批判的で、番組を見ていない、気に入らない、罰則がないというふうな理由をもって支払われないというのが約二十万件。そのほか航空騒音あるいは都市の受信障害、そういうのを理由にして払われない方が約九万件ございます。  で、これのそれぞれの過去からのふえ方、これを見てみますと、昭和四十七年から五年間を見てみますと、全体の八十二万件という数が、四十七年度に比べまして二・三倍になっております。そして常時不在を理由にして払われない方の数は、これも二・三倍というふうになっております。それから航空騒音あるいは受信障害、そういう理由によって払われない方は一・五倍でございます。ところが先ほど申し上げましたような理由によって意識的に支払われない、私どもはこれを無理解という言い方をしておりますけれども、これが三・六倍、このふえ方が一番多いわけでございます。  これに対する対策といたしましては、常時不在者、こういう方々に対しましては、私どもの訪問の仕方、これを夜間であるとかあるいは日曜、祭日であるとか、そういう休日にできるだけ多く訪問をして面接の率を高めるというやり方を強化いたしました。で、昨年の十月からスタートいたしました営業特別対策員、これは東京と大阪を中心に配置したわけでございますけれども、大都市におけるこういう常時不在家庭への訪問、これをできるだけ強化するというやり方をとっております。  それから航空騒音あるいは都市の受信障害、これにつきましてはもちろん原因者の責任でこれの解決を図っていただくということが第一でございますけれども、そのための技術的な協力、調査等につきまして、私どもといたしましてもできる限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。  それから一番ふえ方の多い無理解者に対する対策、これは私ども経営の任に当たる者が、NHKの使命、責任、これを十分自覚いたしまして、視聴者、国民の意向を反映する業務の運営をしていくということがまず基本でございますが、そしてできる限り視聴者の意向を吸収する。そのために昨年からスタートいたしました視聴者会議あるいは視聴者懇談会あるいは視聴者センター、そういうものを通じまして、可能な限り視聴者の意向を吸収して事業の運営に反映さしていく、そういうことに努める。それから番組につきましてもさらに充実をして、視聴者の共感と感動を呼ぶようなそういう番組を視聴者にできる限り見ていただくという努力を続けることがまず第一かと思います。そういう業務の運営をやりまして、私どもの担当いたしております営業の部門におきましては、営業の全職員、委託の集金の方々、そういう営業の部門に従事いたします全員が、できる限り視聴者に対してNHKの存在意義なり、使命なり、そういうものを御説明をして、納得をし、理解をしていただくという努力を続けたいと、このように考えております。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 御承知のように、現行の受信料制度は、受信者とNHKとの信頼関係を基礎として、NHKが必要とする経費を受信者が、まあ国民がですね、公平に負担することをたてまえといたしておりまして、この制度が長い間国民に定着したものとなっておりますことは御承知のとおりでありまして、受信料不払いにつきまして、NHKが国民の理解と信頼を得ることによって解決をしていくというのがこれがたてまえでございまするが、もちろんNHKは一層の努力を払わねばならないと思うわけであります。  しかしながら、先ほども先生御指摘のとおりに、NHKの経営のすべてが聴視料によって賄われているという立場、しかもいま中塚参考人からお答え申し上げたとおりに、大変な額の未収、契約拒否、滞納、これがNHKの経営基盤にかなりな影響を与えていることも否めない事実でございます。私は現在のNHK財政を支える国民の公平な負担の観点からもこれは大きな問題であると。これほど不平等、不公平な現象はこれ以上率直に申し上げて見逃すわけにはまいらない、こういった考えも一部に持ちながら、なおこれにどのように、この法律を制定された当時の趣旨を生かしながら検討を進めていくかということについても真剣に取り組んでいるところでございます。たしか昭和四十一年でございましたか、この放送法の改正をお願いいたしまして、いろいろと御論議をいただきましたが、残念ながらあのような状態で今日に至っておりまするが、この放送法制の改正を検討いたす場合においても、この料金制度のあり方については、かなり重要な項目の一つでございますことはこれはまた御理解を願っていると思う次第でございます。  私は、片や料金の値上げは極力抑止しなさいと言っている、この立場をとっている私といたしましては、やはり十二分にこの問題を検討せねばならない義務、責任もあると、現実の姿を。しかし、また片やもっと努力しなさい、企業努力をしなさいと、強く求めている。この矛盾は私なりに非常に悩み苦しんでおりまするが、先ほど申し上げたとおりに、何としてもわが国でただ一つの公共放送、これはもう存在の必要を国民全体も認めておりまするし、先生方にも大変御心配をかけておることでございまするから、私はこの問題を総合的にいろいろと今後も検討を加え、また先生方の御意見を聞きながら、きわめて早い時期に最も国民の理解を得られる状態の内容で解決の道を開きたい、かように考えている次第でございます。

矢原秀男公明党

○矢原秀男君 私もいま予算委員会の方に入っておりますので、質疑の前後、十分心得ておりませんけれども、おとといこちらに参りましたときに、郵政大臣は、国民の理解を得るという立場の中で三点考えているんだというようなお話がございましたが、明確に答えていただきたいと思います。いま私も率直な意見としまして、大臣、悩み苦しんでいると言われておりましたが、私は余り苦しんでおられないのではないかなと思っているわけです、失礼でございますが。そういうふうな感じがするんですけれども、おとといは三点の点を考えているという抽象的な面だけでございましたが、深く三点はどういうように考えていらっしゃるのか、明確にしていただきたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 一昨日もちょうど先生の御質問のような内容の御質問を受けまして、いま私は真剣に検討を加えている段階でありまして、この内容を申し上げることはひとつ差し控えたいということで一昨日も御理解を得たわけでございます。  と申しますのは、かなり私がNHKに厳しい姿勢で臨んでおりまするから、先生方の中にはそういった、君は苦しんでおらないというふうに受けとめられているかもしれませんけれども、厳しい姿勢で臨むだけに一周の苦しみを感じているわけでありまして、私がこのNHKの将来がどうなろうとままよという考えであれば、これほど苦しい道を求めて歩く必要はないと考えております。したがいまして、三つの点についても、私は率直に申し上げて今後の御理解と御協力を得たいのはもう十分考えられることでありまするが、何せかなり先ほど来説明しておりますとおりに、契約拒否、こういった方々の動きも十二分に重視せねばならないわけでありまして、まことに意に沿わない答弁になるかもしれませんが、ひとつこの内容の具体的な報告については、この時点では御了承を賜りたいと存ずる次第でございます。

中野明公明党

○中野明君 関連して、一、二お尋ねしておきます。先ほど中塚さんから視聴者会議のことについてちょっとお話が出ましたが、この視聴者会議委員の選び方ですね。これはどういう基準でお選びになっておられるのか、関係者からお聞きをいたします。

反町正喜日本放送協会理事

○参考人(反町正喜君) お答え申し上げます。  視聴者会議は、先生御承知のように昨年から発足いたしましたのですけれども、大体各県、全国五十三カ所、大体一カ所当たり二十名ぐらいの先生方をお願いいたしております。その大体二十名の先生方、各界の代表と申しますか、学術文化でありますとか、経済、農業、農林、産業、それから婦人団体、消費者団体あるいは労働組合、そういう各界の方から識見のある方をお願いするということにいたしております。ただもう一つ、やはりこれがなるべく同じ方でありましたらなるべく若い方と、まあ年の問題がございます。もう一つは、やはり各界各層をやはり相当代表できるような方で、これはもう一つはお住まいがうちの局舎に余り近いところに集中しては困りますので、各局の圏内の大体バランスをとりまして、遠いところの方も、近いところの方もまんべんなくというようなところも基準にして選定している次第でございます。

中野明公明党

○中野明君 私も、資料として会議委員のメンバーを何カ所かいただいてみたわけなんですが、いつも感じるんですが、農協の会長さんとか、商工会議所の副会頭さんとか、あるいは市長さんとか、非常にお忙しい、重要な仕事をなさっている方を選ばれているような、いつの場合も——番組審議会も同様だろうと思うんですが、その辺の考え方が、実際にテレビを見ている生の声といいますか、私も先般申し上げたように、意外にわれわれが想像している以上に理解をしていただいてない人たちも多いわけです。たとえて言えば、天気予報のことを言いましたけれども、天気予報の予想が違ったらNHKが悪いと、こういう受け取り方の人もかなりおるわけであります。だけど実際は、御承知のとおり気象庁のあれを発表なさっているわけですから、NHKには何ら責任がないわけですけれども、そのような受け取り方をしている人もたくさんおるということです。そうしますと、いま申されたように、地位があり、肩書きがあるりっぱな人の中に、一人や二人そういう人が入っておったとしてもなかなか意見が言えるような雰囲気じゃないだろう、こう思うわけです。  私、こういう話を聞いたことがあります。NHKの朝のテレビ小説ですか、いまは非常に評判がよろしいですけれども、前回のときでしたか、俳優さんのことを言うのはどうかと思いますが、日ごろもう年じゅう悪役専門の人がおられたわけですが、たまたまその方がNHKの朝のドラマで非常にいい役をなさっているわけです。ところが、それを見ているうちに、こう、もともとみんなのイメージがそういうふうになっているものですから、いつ悪いことをするだろうかというので番組がひとつおもしろくなった。いつあの人が寝返って悪いことをするかという、そういう受けとめ方の人もかなりおられるということです。そういう話は恐らく農協の会長さんとか、市長さんとか、そういうような人たちがメンバーで集まっているところではなかなか出ぬのじゃないだろうか、そういうような感じがします。  それから、メンバーを見せていただいて、女性が非常に少ない、二十人の中で恐らく一人か二人だろうと思うのです。この辺も、やはりせっかく国民の放送としてこれから捲土重来でNHKが新しく、どういうのですか、姿勢を持っていこうと、審判の問題についてもNHKらしくやっていこうというときでありますので、そういう人選の仕方といいますかね、その辺を、何かNHKに選んでもらうと型にはまってしまって、そういう人しか選ばぬのじゃないだろうかという感じがするわけです。もちろんお話を聞いてみますと、視聴者会議委員になっていただいたので、それからは熱心にテレビをごらんになっているようですという返事が返ってきますけれども、市長とか、そういう要職にあり、すごく忙しい人がなかなかテレビを見る間はないだろうという気もしますし、それから、昼間、やはり主婦の人がたくさん見ていると思います。あるいは最近の青年男女の風潮、考え方、どういう見方をしているか、その辺を知るためには、やはりそういう代表も出していただかないといかぬのじゃないか。ところが、現在いただいた資料では、非常にそういう面では年齢層も高いし、地位とそういう肩書きのある人ばかりがそろえられているような気がしてなりません。  いずれこれは任期があるんでしょうから、いま申し上げたこと、ぜひそうしろというような生意気なことを私も言う気持ちはありませんが、参考の一つにしていただいて、そうしてみんなでNHKをよりよいNHKにしていく空気というものをやはりつくっていっていただきたい、そういう気がするのですが、御意見を。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 大変適切な御指摘をいただきましてありがとうございます。  ただ、一つ、言いわけめくのでございますけれども、視聴者会議というのは、いま申し上げましたような形で各界の一応有識者という物差しで選ばせていただいておるわけでございますけれども、NHKはそのほかに視聴者懇談会というのを実施いたしておりまして、それはむしろ先生がおっしゃるように、団地にお伺いして、団地の奥様方にお集まりいただいて御意見を承るとか、あるいは学校等に近所の青年などにお集まりいただいて御意見を承るというようなことを、これは回数にいたしますと大体毎日、NHKのどっかの局で必ず県下で一カ所ないし二カ所でやっている。年間を通じまして千回ぐらいになるかと思うのでございますけれども、そういういわゆる会議形式と申しますよりか、懇談会形式というようなことで先様にお邪魔して御意見を承るというようなこともあわせてやっておりますので、もちろん、視聴者会議のメンバーの中に先生御指摘のような考慮をするということは大事かと思いますけれども、あわせてそういう懇談会も実施いたしておりますということをこの際一言御報告させていただきたいと思う次第でございます。

中野明公明党

○中野明君 そういうお話が出ると思っておりましたが、あえてせっかく苦しい中から予算を割いて会議を開いておられるわけですから、何か私、感じますのに、いま会長がおっしゃった懇談会ですね、そちらの方は本当の声が聞けるんじゃないかという気がして、かえってこの視聴者会議というのは、何か余りどういうのですかね、形式的になってしまっているんじゃないかなという感じもしてなりません。実際に、やはりいまおっしゃった、私もよく承知しておりますが、その方が本当の声を吸い上げてきて大きな今後の参考になるんじゃないか、こういう気がしております。いずれにしましても、こういう問題について、いままでと違った一つの新しい曲がり角に来ているような気がします。NHKも、このままで、いままでの惰性で行っておったら大変なことになるという気持ちは私一人ではないと思います。そういう面で、あらゆる点で努力をしていただいて、公共放送としてのNHKとして大きく責任を果たしていただきたい、こういう気持ちでございます。  以上で終わります。どうもありがとうございました。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時に再開することとし、休憩をいたします。    午前十一時十八分休憩      —————・—————    午後二時九分開会

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、大木正吾君及び神谷信之介君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君及び下田京子君が選任されました。     —————————————

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 最後の質問になります。  まず冒頭に、今回提出をされております承認に関するこの件につきまして、日本放送協会の資金計画説明書等、私は決算に関する委員会等で、わかりやすく国民に理解ができるように配慮をすべきだと何点か指摘をいたしました。それを受けて一定の配慮がされていることについてまず評価を申し上げておきたいと思います。  まず、私は、時間の関係がありますから、今日まで三日間にわたって同僚議員から問題点をしぼりつつ御意見が出されました。重複をできるだけ避けて、なおもう一歩詰めたいと思う問題等について整理をしてお伺いをしたいと思います。  まず総論の部分でありますが、最初に坂本会長にお尋ねをいたします。  この三日間の本年度、五十三年度の予算案審議を通じて一番焦点になったのは、今日のNHKの置かれている経営上の事情というもの、これらについて、先行き展望も含めてきわめて多くの意見が集中いたしました。私はここで坂本会長に、まず、衆参両院の委員会を通じていろいろ論議をされましたが、会長自身として今日のNHKの経営上の問題についてどのように現状認識を持っておられるのか、経営運営上の問題点は何なのか、そしてこれに対して理事者として、理事者を代表する坂本会長としてはどう取り組もうとしているのか、実はこれは整理をしてひとつ御見解をお聞かせをいただきたいと思います。この現状認識をひとつ統一をしたい、そういう意味でまずお伺いをさしていただきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 案納先生の御指摘にお答えしたいと思います。  NHKは、言うまでもなく国民のために国民によって支えられた国民の放送局、そういう位置づけで、私といたしましては、豊かですぐれた放送番組を全国あまねく受信できるように放送するという放送法に示された基本的な使命をもとといたしまして、国民の負託にこたえるということがまず第一の私に課せられた責務であるというふうに考えております。しかし、先生御指摘のように、最近の経営の現状を考えますと、事業活動の基礎となる受信料収入というのは、テレビジョンの受信機の普及伸展に伴いまして、現状のままでは今後ほとんど増収は期待できない、年々増加率も低減の傾向が予測されるということでございます。したがいまして、収支の基本構造、それを通常的な措置のみによって改善していくということはなかなか困難な現状であるというふうに認識しておる次第でございます。しかしながら、NHKを取り巻きます経営環境には非常に厳しいものがございますので、楽観的な見通しは持ち得ないという、そういう認識に立っておる次第でございます。しかし、私どもといたしましては、国民の福祉のために公共放送事業に従事するものとしての信念と誇りを持ってやはりこの難関に当たっていくという、そういう気構えと申しますか、決意を持って事に当たらなければならないというふうに考えております。  そのためには、業務運営に当たりまして特に業務の合理的、効率的な運営を推進いたしまして、できるだけ経費の効率的な、計画的な使用をいたしまして節減を図るということは当然のことかと思います。しかし、また一方、視聴者との、国民とNHKの結びつきにつきまして、日常活動を通じて一層強化を図って、NHKの存在の基盤であり、言論の自由、報道の自由を守るためにわれわれは守らなければならないと考えております受信料制度の維持、確立に不断の努力を傾注する考えでございます。そのためには、NHKは、何と申しましても根幹となる放送番組、これを視聴者の意向を積極的に受けとめまして、視聴態様の変化等に対応いたしまして共感を呼ぶ番組編成、それを充実いたしまして、国民の放送局としての存在意義を明らかにしていきたいというふうに考える次第でございます。  ここのところ衆参両院でいろいろと御指摘あるいは御叱正いただきました事柄を通じまして、現在私が認識しておりますところを申し上げる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 よくわかりました。  そこで私はお尋ねしますが、いま言われたように、NHKの経営運営上の基本なる受信料の収入というのが、まさに収支の基本構造自身が崩れてきている、そういう立場での厳しい経営環境にある、この認識は私はそのとおりだと思うんです。そこで私はお尋ねするんです。そうならば、今回の五十三年度の予算案を承認を求めるに当たって、五十一年度の三カ年計画を提示をして、その最終年度に出たります。そうしますと、確かに三年間のトータルでいきますと、NHKの予算については当初の五十一年度の見通しは一応そのとおり遂行されてきたと評価をしていいと思うんです。そのことを私はここでとかく言う気はありません。しかし、それでは五十四年度からどういう状態になるのか。収支の基本構造が崩れてくるこの段階で、NHKの理事者としてはこれらの先行きの展望というものをしっかり持って、その前提に立って実は五十三年度、この中期の五十一年度からの締めくくりの予算の承認を求めるのが本当じゃないでしょうか。私はその点で実は大変同僚議員の質問を聞いていて不満を感じるのであります。  確かに五十三年度−五十五年度経営見通し試案について提案をされています。二十八日の審議も中野同僚議員、あるいは二十三日はまたそれぞれ各与野党の議員の先生からこの問題の指摘がありました。私はここでお聞きをしたいのですが、この五十三年度の経営見通しの試案について、坂本会長からの答弁を聞きますと、私が先ほど申し上げました、まず今回五十三年度の予算案の承認を求める前提に当たっての実は中身が何もないわけであります、聞いている限り。この五十三年度の経営見通しについてはあなたたちの意思は全く入っていない、表現をされてない、数字の羅列にしかすぎないのであります。私は、これでは果たしていま会長が言われたような認識によって、NHKの理事者が本当に経営の今日置かれている状態というものをしっかり把握をして承認を求めてきているのかどうか疑わざるを得ない。  したがって、私はこの点についてもう一回お尋ねしますが、この五十三年度−五十五年度、五十三年度の今回の承認を求めるに当たってここに出されている経営見通し、今後の展望について、今後どのように、どこの時期で、どういう場で国民の前に共感と協力を求めていく手だてをしていくつもりなのか、その辺をまずお答えをいただきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) その点はこの委員会でもたびたび私から御報告申し上げましたように、御提出した試案につきましては、先生御指摘のようなそういう次第でございますので、私といたしましては当然それをさらに事業計画として具体的なものに練り上げまして、そしてもう一度御提出するということでございます。ただその時期につきましては、この五十三年度予算を御承認いただきましたら、直ちに私としては精力的に取りかかるつもりでございますが、なお一言、多少言いわけめいて恐縮でございますけれども、そのことは各役員にプロジェクトを与えまして、この予算を御提出するのと並行して現在検討を進めておりますので、できるだけ早い機会にコンクリートにしたものを御提出するというふうに努力したいと考えておる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、いま答弁されまして、今日の段階ではやむを得ないと思います。私は、まさに、大臣じゃありませんが、NHKの理事者が従来の惰性を抜け切れずにぬるま湯的存在にまだある。この三、四年の間、大きな変動が起こっています。たとえば報道の自由、言論の自由、政治権力の不介入問題。小野前会長がやめるといった事態も、新しい新生NHKという期待をかけられたときなんです。私は、それ以上にいま厳しい事態にある。週刊誌ではひやかされています。四月三日から新しい番組になるそうだ、そのドラマは赤字に至るNHKこの二十五年、いずれにしても新しい放送法体制に入ってのNHKをドラマにすれば受けるんじゃないかと、こうひやかされています。私は、こういう中で、今後国民に理解と協力を求めていかなくちゃならないNHKのあり方としては、これにどうこたえるか、大変重要だと思う。私は、速やかにこのことを明らかにすべきだと思います。  で、最後にお尋ねしますが、速やかにそれらについての展望を明らかにして、少なくとも本委員会の逓信委員には、この法案が承認をされまして、そして一定の国会の承認事項が終わりましたら、直ちにこれらについてNHK理事者として将来の展望を国民に語りかけるというそういう中身について資料を提出をし、委員会にそのことを提示をしていただきたい、いかがでございますか。というのは、従来でしたら五十四年度の予算案のときぐらいしか出てこない。こういうことでは私ども納得しませんので、この辺についてお約束をいただきたい。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 大変厳しい御指摘でございますけれども、私どもといたしましてはできるだけ早くそういう準備を完了しなきゃいけないというふうに考えておりますけれども、その日時等につきましてはいましばらくお時間をいただきたいと思う次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 早急にその体制をつくって、できたら提示をしていただく、よろしゅうございますね。  じゃあ、一たんここでこの問題を打ち切らせていただいて、大臣に二点ほど分けてお聞きいたします。  大臣は本委員会で、この三日間、私もじっくり聞かしていただきました。NHKの経営、そういう点について常に理事者は厳しい姿勢で努力をしなくちゃいかぬ。極力経費を節減をしなさい。一番気になるのは一万六千五百名の職責の人たちが、今後の先行きについての不安をなくさないように実は心配をするのだ。そして、いま現状努力をすることによって七年ないし十年の経営安定が得られるだろうと、繰り返し申された。私もあなたの答弁を最初はそれとなくメモしていたんですが、だんだんメモするに従ってこれは聞き逃すことができないと思いまして、正確にメモをしてきていますが、よくわかるような気がするんです、気持ちは。しかし、私はどう聞いても、何回聞いても、実は大臣は厳しく厳しくと言っています。同じことを実は言われている。つけ加えていくと、在来のような日銭の上にあぐらをかく態度はいけない。あるいは拡大より縮小だと。これは木島質問に答えて、真意は理事者の決意にあるという答弁をされた。あるいは、厳しくなければ経営基盤の確立はない。今日NHKが安易に取り組んだところに問題があり、機構のマンモス化に拡大をしてきたこういう問題にも留意しなくちゃいけない、こういうふうに言っている。しかし、言っていることは抽象的で、実は厳しく厳しいということだけが先に出て、中身は何を言おうとしているのか実はよくわからない。  そこで、大臣がそういうお話をされるならば、これは放送法で言う大臣の権限というのは決められています。そして、ここで意見を出して国会の承認を求められている。その立場での大臣の言われる厳しい姿勢で厳しい姿勢でと同じことを繰り返す、言葉の表現の問題でなくして、具体的に大臣は何を言おうとしているのか。いま言うところの収支構造の基本的構造がくずれている。この中で、従来のパターンの繰り返しではもはやNHKの将来展望はないとするならば、これらについてどういう措置をとらなくちゃならないと意見を言われるのか。あるいは、マンモス化について、自分はこういうふうに考える、これについて、という具体的なものが私はあってしかるべきだと思うのですが、まずこの点を第一点にお尋ねをいたしたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) お答えいたします。  私は、五十三年度の予算承認に対する大臣の意見書、大変厳しい文言で意見書を付しましたことは御指摘のとおりでございます。また、衆参両院の委員会の質疑を通じても、経営姿勢を厳しく批判し、また経営企業努力を要求いたしておりますことはまことに御指摘のとおりでございます。私は、一つの確固不動の基盤の上に立ってこういった措置をとりつつありまするが、十二分に意を尽くす答弁、または質疑の中でできなかったために、案納先生にいま改めて問題がどこにあるのか、どうしようと考えるのかという御指摘でありますので、ここで御理解を得るためにはっきりと申し上げたいと存じます。  まず第一は、経営基盤の確立でございます。経営基盤の確立とは、いま案納先生の御指摘のとおりに一万六千数百人の職員を擁していることはこれは御案内のとおりであります。この家族を入れますると約中都市、いわゆる法律で五万以上で市制がしかれるという一つの市の形態をなしているわけであります。私は、この今日のNHKを取り巻く環境は、かつてのテレビが急速に普及していた時代とは全く異った状況にありますことはこれまた御案内のとおりであります。この際必要なのは、この厳しい環境に対応するような経営体質の改善こそ急務中の急務である、かように考えて、経営基盤の確立のためのいわゆる合理化また効率化、能率化、いろんな点について会長以下経営者が真剣に取り組んでもらいたいためでございます。安易に赤字と値上げを繰り返してまいりますると、近い将来に国民のNHK批判が高まり、NHKの必要性自体が問題にされる事態を招きますると、私が先ほど申し上げたとおりに、案納先生御指摘のとおりに、大変な社会問題がここに起きてくることを懸念している一人でございます。  先ほど来御指摘されましたいわゆるこの五十三年度の経営見通しについてでございまするが、私はこの際あえてお許しを得て発言をいたしたいと思いますのは、この三カ年経営見通しを見ますと、現状のままを将来に延長した形のいわゆる見通しでは、服部郵政大臣が、長期展望に立ってしっかりやってくれと言うことは、果たして言い過ぎでございましょうか。私はこの点は案納先生も十二分に御理解が賜れるものと思うのでございます。したがいまして、この経営基盤の確立があってこそ国民に理解と協力を得ることができる。国民に理解と協力を得ることができることにおいて、すなわち、料金収納にも大きな影響力を持つと私は確信を持つからでございます。  しかしながら、何といいましても、このNHKの経営はいわゆる国民の負担において成り立っていることは、これはもう御案内のとおりでありまして、私はこう言って一方で厳しい姿勢をとる傍ら、先ほど来も申し上げておりますとおりに、一昨日の中野先生にもお答えいたしましたとおり、私なりに経営基盤の確立のための料金収納の対策についても真剣に取り組んでおりますと、はっきりと明言をいたしております。もちろんこれは私ひとりではいかんともしがたい問題でございまして、当然考えがついた時点で先生方に御報告を申し上げて、御理解と御協力を得ねばならないことは十分承知いたしておりまするが、こういった問題とも並行して取り組んでいるわけでございます。  最終的に私が要約いたしますると、まず経営基盤の確立、ここに職を求めている方々の不安の除去、また、ただ一つの公共放送機関であるNHKが国民から信頼される体制の確立、こういった点に力点を置いて、今後も力の限りがんばり抜きたいと考えている次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣ね、大臣の気持ちよくわかります。しかし私は、また問題点も余り変わらないと思う。ただ、ここで私は大臣に、この一連の衆参両院の本案についての審査で、大臣のいま言われる力の限りというその意欲はよくわかった上で、言葉じりをとるわけではありませんが、きわめて重大な問題を含んでいることがたくさんあるんです。私もこの二日間、大臣の言葉をメモをとりながら、実はそれがあるんでメモを正確にとってきたんです。  たとえば、大臣がまず衆議院の逓信委員会で三月二日、島本委員に答えられてNHKの経営について発言をされています。この発言の中は、私は要約するならば、経営委員の方々を全部私の名においてある場所に集めて、私は口で言っているだけじゃありません、本当に自分自身もやっているんですという、答弁するばかりではありません、私はこうしていますという中で、NHKの問題について、料金不払い等の問題を含めて経営委員の意見を聞き、突っ込んで言わしてもらった、経営委員に全員お集りをお願いして私は、ということですね、そういう措置をしたということを述べられています。  さらに二十三日あるいは二十八日の質疑の中で、実は放送法上の、大臣が途中で補足をした言葉等の中で、本来放送法は、不偏不党、政府や権力や何人からも介入されない自主運営をしていくというところにNHKの存在理由が今日あるわけです。この背景に基本的な性格をなしているのは受信料制度。もちろん受信料制度についてはどうするかというのはいま大臣からもいろいろ意見出されておりますから、私は後ほど意見言います。この受信料制度で支えられているのは、他の国に例を見ないわが国の公共放送の性格を規定しているわけですね。そういう中で、一国の郵政大臣として、郵政大臣の置かれている立場から、私はその熱意はわかるとしても、介入と考えられるがごとき、あるいは郵政大臣が、その権限がNHKの自主運営の中に影響が出てくるかのような言辞や言動というのは私は聞き捨てにはできないのであります。この経営委員を呼び集めた——私は行き過ぎだと言うんです、これは。大臣は事業報告を受けて、そして法によってその手続を電波審議会等に諮って意見を言うことはできます。しかしながら、本来的に国民の中から選ばれたという形になっている経営委員、経営委員会の民主化等は多く意見がありますけれども、大臣が直接そういう措置をすることについては私は慎重でなくちゃならぬと思います。  あるいはオリンピック問題でも、おとといの木島先生の質問に答えて、たてまえとしてできないんだが自分は直接入っていってと、こういうことだった。私は今日のNHKの置かれている基盤、公共放送としての性格、機能から言って、こういったことに実は敏感に国民は反応をするのであります。小野さんの問題にしてもしかりであります。あるいは、かつてこの四年間、いろいろこの委員会で私も参加をして審議をいたしました。政党の介入あるいは権力の介入等について国民は敏感な反応を公共放送に対してする。そのことがひいては公共放送の基本的土台まで揺すぶるという状態も避けられないという危険性を私ども感じるんです。一体大臣はそれらについてどう考えておられるのか、私はお聞きしたいのであります。  もう一つは、大臣のこの気負った——私は、大臣とこうやって委員会で公式に質疑をやるのは初めてであります。大臣が就任されて初めて参議院の逓信委員会で、いまから各法案の審議等に入るわけであります。大臣の答弁を聞いてみますと、ここに先輩議員の与党の先生方がたくさん並んでおられる。私は多くの与党の先生にも友達がおります。自由に議員としての発言をする場合と、大臣として、今日の憲法の中での内閣の一員としての責任ある発言をする場合は、私はおのずと違うと思います。  たとえば二十三日の大木質問に対する大臣答弁、十一月の中波の周波数移行に伴う問題についての質問に対して、大臣の答弁というのは、実は大臣答弁かと耳を疑わざるを得なかったのであります。一々申し上げません。気負うのはいいけれども、その点について、大臣のきわめて私は反省を求めざるを得ない。また、たとえば大森発言について、辺地難視聴問題についての質問に、いまから金をつけて調査をするんだという答弁なんです。難視聴問題の調査委員会の調査は、すでに一定の調査を行った上で、難視対策の問題に郵政省側としてはいま取り組んでおられるのではありませんか。これらは今日まで当委員会でも何回も明らかにしてきた事実であります。私はもっと正確に答えてもらいたい。もっと別な意味での大臣の言い分なり、大胆のお考えなりをお聞かせいただきたい。  私はそういう面で、今日まで歴代の大臣におつき合いをさしていただきましたが、まことに言葉が過ぎましたらお許しをいただきたいんですが、この種の放送、言論の問題については慎重に取り扱ってこられました。オリンピック問題なども、これはもう民放の今後あるべき問題にかかわる問題だけに、私は慎重であってしかるべきだと思います。そういう点について、私は大臣の御見解を明確にひとつこの際お聞かせをいただきたい。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 就任間もなく、大変私の答弁のあり方について御親切なアドバイスをちょうだいいたしまして、大変感激をいたしております。これはもう心から御礼を申し上げたいと思います。ただ、こういう性格で、直情径行型といいましょうか、自分でも絶えずもう少し穏やかになんて考えている間に、自分が全くその渦中に入ってしまう癖は十分認識いたしておりました。ただいまのアドバイスは、私にとっては今後定められた期間中に大きな参考になり、とうとい体験であったと、かように存じて喜んでおります。  さて、そこで、いろいろと御指摘いただきました点を順を追ってお答えいたしまするが、先般の衆議院または参議院の逓信委員会において、私が経営委員の方々と会合をいたしましたことについて、それは介入ではないかという御指摘でございまするが、私は決してそのようには理解はいたしておりません。と申しますのは、私から、これをやりなさい、あれをやりなさい、このようにやりなさいという指示は一度もしたことはございませんし、ただ御委嘱申し上げて御苦労願っております委員各位に、私も所管大臣としていろいろと御懇談の機会を一度設けて、先ほど来御論議をいただいておりますきわめて厳しいNHKの経営のあり方について、逆にお話を聞きたい。また何といたしましても、先生も後ほど御指摘があろうかと思いまするが、料金体系についても、何としてもわが郵政省でNHKと緊密な連携をとりながら、一つの案をつくって先生方に御審議願うわけでありまするから、そういった問題とも関連を持つ意味から私が御参集願ったのでございます。  しかし、その内容については、ここに経営委員長の工藤委員長もお見えになっておりまするが、また御指名いただいても結構ですが、私はまず、その日の論議は、なぜ料金収納が努力はしてもこのように下降の一途をたどるかという点について、今日まで経営委員の各位におかれてはどのような措置をおとりいただいたでありましょうかというような、いわゆる厳しい経営環境にかんがみて、そういった御説明を聞くことが私の今後の情熱を燃やしているNHKの基盤確立という点にあるわけでございまして、決して介入——微妙なことも万々承知いたしておりまして、私なりに慎重に参考にしたいために御意見を聞く会合であったと御理解いただきたいと思う次第でございます。  なお、難視聴対策に調査費云々という言葉があったじゃないかという、確かにそのとおりでございます。これは私の舌足らずであったかもしれませんが、実は私は難視聴解消、特に僻地の恵まれない地域の方々のために、就任と同時にいろいろと、何といいましょうか、役所内で勉強いたしまして、まず私は難視聴解消、もうこれは急務中の急務だということは、すべての文化はひとしく享受する権利を国民が有するという立場から勉強させていただいたところ、正直申し上げて、もうほとんどNHKにすべてを任せているような現実を知ったわけであります。私はもう端的に申し上げて御理解を得たいと思うんですが、端的過ぎる点でいろいろまた問題があろうかと思いまするが、NHKだけの責任にあらずというふうに私なりに解釈いたしました。経営の苦しい状態でもありますし、すべての文化は国民ひとしく享受というならば、国の責任だと。  そこで、一体どうなっているかということをNHKの研究所にも参り、またわが部内でも関係局長以下、関係部課長から説明を受けたわけでありまするが、対策はあるが、個々のいわゆる措置をする手だてが、まだ資料が集まっていない。NHKの研究所で、実はちょっと答弁が長くなりまするが、お許しいただいて——研究所に行って私はいろいろとミニサテとか中継所、いろんなことを、現実のいわゆる模型とか、現物で説明、勉強をいたしました。そのときに、しからば全国でこの個所が何カ所あるんですかと聞いたら、それはわからない。個所がわからないということは、いわゆる計画が立たないことにつながるではないかと。また、私の考えでは、ミニサテは難視聴解消に大変な効果を上げる。しかし、現在のような状態であれば大変高価である。二百五十万かかる。これを大量生産システムに持ち込むと、かなりコストダウンができるんじゃないか。しからば全国で何カ所要るかと。たとえば十万カ所要るとか、十五万カ所要れば、この統計が出れば、資料が出れば、これを大量生産システムに切りかえることにおいてかなりなコストダウンを図れるということで、いわゆる国民に利便を供することにつながると。そこで私は、今後、こういったいわゆる詳細なデータをつくるための調査を電波監理局の所管でNHK、民放の協力を得て実行に移してみたいという考え方を十二分に説明することなく予算措置を講じてと言ったことが、ただいま案納先生の御指摘を受けた問題につながるように感じまするが、私は、真意はそこにあることもひとつ御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。  なお、拡大より縮小という点についてでございまするが、私は決して拡大も好みませんが、縮小も求めたのではございません。いわゆるやるべきことはどんどん意欲的にやりなさいと。しかし、やらなくても済むことはなるたけ経費節減につながる方途を講じてください、こういった意味の私の説明でございましたので、この点もあわせて御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。答弁のさなかで余り熱心の余りに真剣に取り組み過ぎて、大変いろいろと不愉快な思いをおさせしたかもしれませんが、決してそういう意味ではございません。先生方同様、先ほど来数回申し上げておりますとおりに、意欲に燃える余りの結果であるというふうに御理解想いただくならばこの上もない幸せと存ずる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大木発言の中における大臣の、私に言わせるならば適切でないといいますか、これは私はこのまま容認をするわけにはいかないんです。どうされますか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 失礼しました。一つ答弁漏れしました。大木先生のときの私の発言につきまして、昨日の木島先生からも御忠告をいただいて、私がそれに対する行き過ぎであった発言の旨の御了解を求めたわけでございまするが、あえて、これまたお許しを得て申し上げたいのでありまするが、実は、率直に申し上げますると、私がかねがね国民のサイドに立って電波行政をとり行ってまいりたいという私の考え方、たとえばFMの問題にいたしましても、現在、東京、名古屋、大阪、福岡、一都三府県に民放がございます。これが実はいま試験放送かとただすと、いやもう実用放送であると。実用放送ということは、もうすべての研究、すべての試験が終わって、これは国民に供用開始において非常にメリットがあるという立場からとっているわけでありまするが、十一月に周波数のあれが決まらないと、とてもその検討には入れないと。これはもうはっきり部内の内容にわたりまするが、申し上げます。  そこで私は、たとえば、この国際会議のことは決して軽視しているのではございませんが、御承知のとおりに、十一月を待って、完璧にいわゆる周波数の移行ができるのかどうか、この解決がつけられる確率度はどうなのかと。これは決して的確に解決がつくという見通しはございません。また、正直申し上げて、この利用の考え方についても、おのずから違っている状態でございますので、私はまずそのことにこだわり過ぎて、いわゆる混信による難視聴地域の解決とか、またその他すぐれたFMの利用価値というものをじんぜん日を延ばすことは決してよいことではない。だから、こういう立場から、私は部内でいろいろとこの問題についての論議のさなかのやりとりが、すぐにこの委員会で御指摘を受けて、ああいった御答弁の発言になったわけでございまして、決して他意のあるものでもございません。一昨日、木島先生にも答弁の行き過ぎを率直に認めて御了解を願ったような次第でございますので、どうぞ案納先生におかれても、ひとつこの私の真意をおくみ取りいただいて、国民に公平に喜びを分かち合いたいという一念からのああいった内容の答弁につながったという点で御理解を願いたいと存ずる次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣ね、真意はわかったにしても、十一月のことは余り重きを置いてないと。しかし、これは周波数の切りかえでしょう、国際間の。国際間の混信をできるだけ国際間において解消していこうということで、十キロヘルツのアジア地域では割り当てをしていままできたわけですからね。それで、これを一律に九キロヘルツにするということで、きわめて重大な会議なんだ。郵政省はがんばった会議なんだ、これはある意味では日本を代表して。それを余り重きを置いていないとかいったそういうことが、実は逓信委員会の中で、心情はわかるとしても、大臣として不謹慎ですよ。  私はもう一つつけ加えますがね、そのことを私は心配するんですよ。たとえば大臣は、一説によれば、受信料は五〇%程度しか取られてないと。これは余り追及する気はありませんがね。こういう点を努力すれば七、八年は安定経営の基盤ができるはずだという言い方をされた。私は、もし仮に、それは私は事実だとは思いません。いままでの討論の中、いままで私も四年にわたっておつき合いをさしていただいた経過の中で。今日なお要するに経営基盤が、収入構造が崩れたといいながらも、私はそういう状態じゃないと思う。しかし大臣が、そういうのがぽんと出てきますと、国民はどう受けますか。それは、そんなNHKならという——まだNHKが独占時代ならいいですよ、先ほど大臣言ったように。この収入基盤を崩している最大のは民放ですよ。そういう中でそういう言葉が飛び出してくるというのに、私は大臣の気はわからぬではないが、慎重にしてもらいたいと言うんですよ。この問題だって、こういうものを、私どもは、はいそうですか、大臣の気持ちはわかりましたでは、私はそうはいきません、議事録に載っていきますから。この点、大臣どう思われますか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) これも私の熱心の余りに、私なりに聞いていることをここで率直に発言したためにそういった結果を招いたことは、これはもう素直に認めたいと思います。もちろん先生方を含め、私も含めて、少しでもよい、いわゆる現時点ではNHKのこれをよくしたいという気持ちには変わりはないわけでございまして、そういう点からいたしましても、国民に与える影響を今後も十二分に考慮に入れつつ慎重に取り扱ってまいりたい、かように考えている次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、このまま議事録に残しておきますか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) これも、まあ率直に申し上げまするが、実はけさほど木島先生並びに委員長、大木先生には朝から方々連絡をつけておりますが、いまだに残念ながら連絡はついておりません。そこで、私は何とか先生方の御了解を得て、この不穏当な部分の是正をお願いいたしたいと、かように考えております。しかし、これまあ一挙に関係の先生方にお話しすることも不可能でありまして、私は、いま大木先生を、朝からずいぶん秘書官を通じて行方を探してるんですが、残念ながら行き違いになって、まだ連絡ついておりませんので、委員長においてよろしくお願いいたしたいと考えているところでございます。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) ただいまの問題、郵政大臣から申し出がございました点につきましては、委員長において速記録を調査の上、適当に処置いたしたいと存じます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣ね、大変失礼なことを申しましたが、NHKの予算を審議し、しかも、今日までNHKが、多くの国民の信頼を回復をして、その共感と協力の中で、NHKが公共放送の使命を果たしていくという立場で、今日まで審議を私ども国会議員という立場でやってきたわけです。ぜひひとつ、今日世界に冠たると言われますが、今日の放送法、多くの問題があります。だから、当委員会もフリートーキングをやろうという話になっているぐらいなんです。問題ないとは言いませんが、今日の放送法の中で、NHKという公共放送が本当に国民の基盤に支えられていくということは、政府もあるいはわれわれ自身も含めて、やはりそれの取り扱いについて、特に所管の郵政大臣という立場では、かりそめにも国民から誤解を受けたり、あるいはそういうことについての指摘がされないような配慮を私は今後やっていただきたいと思うんです。慎重な配慮をしていただきたい。自主運営を貫いていく、そして言論、出版、編集の自由を守り通していくという意味で、経営の改善問題等についても、そういう立場で大臣は対処をしていただきたい、私はこのことを特にお願いをしておきます。  そこで、きょうは工藤経営委員長には、大変日ごろお疲れのところをお運びいただきまして、ありがとうございます。もういままで当委員会では再三お目にかかって、私の真意というのは今日までも申し上げてきておりますが、ここで実は工藤委員長にお伺いしたいんです。工藤委員長として、今日先ほどから会長及び大臣等の見解をお聞きになったと思いますが、いま置かれているNHK、まさに私は最大の曲がり角だと思います。岐路だと言ってもいいんじゃないかと思う。経営委員会というのは、もういまさら申すまでもなく、国民の立場で、受信者を代表する立場で自主運営を行う最高の機関だ。ところが、せんだって工藤委員長おいでになったときにも私申し上げたんですが、往々にしてこの種の機関には業務の実態から遊離をして、期待される機能を果たし得ないという場合もあるということがしばしば指摘をされている。私はそうあってはならない、こういうことで、せんだって、五十一年のときにも申し上げたと思いますし、昨年も工藤委員長にそういう意味での私の考え方を申し上げたことがある。  で、そういう経営委員会という立場で、この問題をどういうふうに理解をし、しかも、先ほど私、指摘をいたしましたように、今回の、五十三年度の予算の承認に当たって、その先行き、本当に展望もなく、まさにその数字の羅列だけで実は出されてきてることに不満を申し上げました。国民を代表する最高の機関の経営委員長あるいは経営委員会、どう取り組んでおられるのか、どういうふうに対処をされようと考えておられるのか、御見解をお聞かせいただきたい。

工藤信一良日本放送協会経営委員会委員長

○参考人(工藤信一良君) お答えいたします。  経営委員会が御指摘のように非常に重大な責任を持っておるという点に関しては、御指摘のとおりでございまして、これが、まあ委員会制度というものが非常にいい点もございますが、何せ常勤の委員というものではございませんで、非常勤の委員で月に三回なり四回なり会議を持つということで、ややもすれば実情から疎くなるという弊害があることは、私もちょうど八年間経営委員をやっておりまして痛感いたしております。それで、これを何とか是正しなくちゃいけないと、われわれ委員の中でも再三協議いたしております。  まず、この経営委員の一番大きな仕事は、これはもう御承知のとおり会長の任命でございます。で、信頼できる会長を任命して、そして、その会長を中心にした執行部が実務に当たると、そして最後の決定を経営委員会がするというのが仕組みになっておると思うんですが、その会長の任命。その次は私はやっぱり執行部への助言。それからその次は執行部との調整と申しますか、執行部と意見が違った場合にこれを調整する。で、最後は、執行部の出してきた案を可否を決するというわけですが、これは助言と調整がうまくいくならば、最後はこれを基本にするという段階をとるべきものではなかろうかと、それが経営委員としてはあとう限りのやり方ではないかと存じまして、この助言と調整を一生懸命にやってみるという点に重点を置きまして、予算の場合も、いままでは執行部が予算を提出してきました段階で検討に入るのを、執行部が予算をつくっておる段階からこれを一緒にまあ助言し、かつ調整をしながら最後の予算をつくり上げると、事業計画もそのようでございますが、そういうふうにしてやりたいというふうに念願いたしておりまして、まあ今回の予算もそういうふうなことでつくり上げてきたのでございます。  それでも最後の段階においてやっぱり非常に不満な点が多々出てまいりまして、つまり、NHKの先行きを見通しまして、一体この予算でいいのかというやっぱり考えが、委員の中にもそういう疑念もありまして、御承知のように、最初の二カ年間で百二十億円の赤が出たのを三年間で取り戻そうという努力は非常に多といたしましたけれども、なおかつ三十億円近い赤字を残しておるという点については、もう一つ、もう一踏ん張り執行部にがんばってほしいということを最後に注文をつけて、まあ承認をして、そして国会に承認をお願いをしておるようなわけでございまして、今後とも経営委員会の態度としましては、執行部に助言し、執行部と協調して、NHKの制度を、本当にりっぱな、世界に冠たるNHKの制度を守っていきたいというふうに存じております。そのあらわれとしまして、四月早々、十一日にわれわれ会議を持ちまして、この予算を通していただきましたならば、もう来年度の予算、再来年度の予算に対して四月の十一日から取り組む。特にそれは、この経営委員会の正式のような形式をとらずに、会長、副会長と経営委員とでとことん懇談をしてみようというふうな手はずになっております。いま案納さんから、長期計画と申しますか、来年度、再来年度の予算についてどうだという話がございました。当然、それはその席上でも大いに話題になり、検討の目標となるものでございまして、それを煮詰めていきまして、会長が先ほど約束されたように、見通しについて、本当の具体的な、また、努力のこもった見通しが報告されることであろうと存じます。  それが経営委員会のことなんでございますが、NHKの制度というものに対して私が考えておりますことをちょっと簡単に申させていただきたいと思います。  私は、NHKが、国民の基盤に立って、国民の皆さんから聴視料をいただいて経営をしておる。その傍ら、広告の収入によってある民間放送が、日本のように非常に優勢に存在しておる。これは私は非常にいいことだと思います。共存——共栄というわけにはちょっといかない、NHKは商売できませんから。NHKが栄える、利益を得るということはできませんが、共存は、これは必ずできるものだと思います。また、共存すべきものであり、NHKの存在価値というものは十分にあるものである。全国にわたる五波のラジオ・テレビの放送を持っておるこの組織体というものは、これはなかなかつくろうとしてもそう急につくり上げられるものでもなし、またこれがあるために、天災地変の起こったような場合に本当に大きな働きをするものであり、また、公正な言論を維持していく上においてはなくてはならない存在であろうと思います。  しかし、あくまでこれは国民の信頼と国民の愛情、この二つの上に立っておるものだと思います。国民の信頼はどうやって得るかと申しますと、これは公正妥当な不偏の報道と教養番組、それからその他の、国民の知育を高める番組において国民の信頼を得る、国民の愛情を得なけりゃならない。それには、非常に健全な娯楽番組あるいはスポーツの中継番組とかいうふうなもので、国民に愛されるNHKになる。その国民の信頼と愛情の上に立ってのみNHKが存在するのでございまして、それは番組、施設その他を通じてNHKがその使命を果たしていかなければならぬというふうに存じております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま、番組の点についての御見解含めましてお聞きいたしました。ぜひひとつ、経営委員会の問題をめぐっていろいろ意見が今日までありましたように、きわめて重大な時期だけに、経営委員会の機能が本当に果たせますよう、特段の御努力をお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで私は、これは会長及び大臣に簡単にお答えをいただきたい。  いままでいろいろ皆さんの御意見をお聞きをし、御見解をお聞きをいたしてまいりました。私はここでひとつ大臣の御見解もあわせてお聞きしたい。というのは、第一点は、すでに先ほど会長も言いましたが、NHKの収入基本構造が崩れているということですね。NHKがまだ独占時代は確かによかった。さらにまた、かつて、現放送法になる前は、受信機を置く場合は国の許可が要ったわけですから、それで契約を結んで受信料を払う。だからまあこれは強制力があるわけです。ところが、いまはどこに受信機をつけてもいいわけです。それの調査権はないわけです、特別に立ち入ってとか。しかも契約を結ばなくちゃならぬという、徴収権をNHKは与えられている。それで独占時代ならまだよかったのですが、今日受信料を徴収しない民放が各地方に多く存在をしてきました。  それで大臣、これは時間がないので別な面で、きょうは積み残しがたくさんあると思います、電波放送行政について。これは改めてやるとして、民放のネットワーク化がこれだけ進んできますと、すでに国民は自由に選択ができる。NHK見なくたって——恩典は一つも感じないままに、やれ受信料払いなさいと言ったって、今日の時代の中で一〇〇%受信料が入ってくるなんてまずありません。八〇%入ればいいところじゃないかと私は思うんです。ここに基本的に受信料の収入構造というのは崩れてきた、私はそう見るべきだと思うんです。  それからもう一つは、もうすでに各世帯がカラーテレビ満杯状態。ちょうど瓶詰が満杯になって伸び悩んだのと同じ。一たん買ったら四、五年、あるいは場合によっては私の家のテレビでも七、八年使える。そういうことになると、新しい伸びというのはこの予算にあるように二%程度しか伸びてこない。支出の方は、今日の物価高は一応横ばいと言いながら七%から七・五%、政府統計が。実感としては一〇%ぐらいあるわけですが、そういう諸物価の値上がりはこれはまたそれで続いていく。そうすると、収支の方は一〇%あるいはことしの場合一一%ということのこの構造的問題というのは解決をしないわけです、今日幾らやったって。そこで受信料満杯、全部取っても実は解決しない問題がこの構造上にあるわけです。これは木島先生が構造的な問題だと言われた。私そのとおりだと思います。そこでなお大臣は経営の効率化を言われる。私もそのことは否定しません。しかし、私は経費の節減についても限度があると思います。経営の効率のみに終始をしていきますと、私はきわめて大きな誤りを犯すことになりかねないんじゃないかと思う。現場を無視した効率化主義、こういうもので画一的なやり方をしますと、逆にNHKを死滅させる、その道へ歩かせる結果になりはしないか、私はその点を大変心配をするのです。  そういう面で、なおかつ受信料問題がここへ出てきますが、これは大臣が繰り返し申されていますから後ほどちょっと簡単に触れるだけとして、私はこれは慎重にやってもらいたいという気があるんです。受信料制度で成り立っているいまのNHKの性格、これが崩れるようなことになってはならぬということが、私はまだ実は、どういう形をとるにしても、このことだけは守っていかなくちゃいけないというところが、簡単に罰則へと、こうストレートにいけない、この辺を十分に私は大臣もここで検討をしていただきたいんです。  それとあわせてはっきりさせなくちゃいかぬのは、NHKの負担増というものをできるだけ軽減するという意味で、国民の負担を軽減するという意味で当然政府がやらなくちゃならぬやつ、あるいは軽減を図ってしかるべき問題等については、私は徹底的に大臣が厳しくやると言うようにやってもらいたいんです。私は、昨年のちょうどあしたになりますか、三十一日の質問の際に、相当前の大臣も厳しいこと言われました。しかし、言ったならば郵政省はやるべきことやってくれと、こう言ったわけです。それは国際放送の問題があります。国際放送は国のプロパガンダであります。日本の方針を各外国へ伝達をし、そのことを通じてわが国を理解をしてもらう、そういう放送です。ところが、いま大臣は、二四%増ぐらいになったと、こう言われるんです。土台が低いんですから、私は、これは大臣、まさにそれこそ大臣のきわめて熱意のあるのを買っていますから、満額までとは言いませんよ、NHKという——一部やらにゃいかぬと思いますから、せめて一〇%ぐらいはNHKで、九〇%ぐらいはニュース、報道、私はこの分野に限っていいと思います。娯楽はNHKやらなくていいと思います。そのくらいの国として国際放送に力を入れてもらいたいと思います。  それから受信料免除の問題であります。これは後ほど触れます。  さらには、大臣の先ほど言われた辺地都市の難視聴対策であります。あるいは財政基盤確立のために、私はこれは意見があるところだと思うんですが、特に新谷先生の御意見もあると思います。多角経営のやり方をもう少し考えたらどうかと、確かにNHKの独自性を守るためにスポンサーはだめと、こうなっています、広告は。それはスポンサーの影響力を排除するため、あるいは政府からの交付金やその他はだめとなっています。政府からの権力を排除するためである。しかし、私は金をもらうんじゃなくて、一定のNHKの財源を使って、たとえばテープを、あるいは出版物を、こういうものを通じての多角経営というのは、NHKの性格を守るならそういうことができるのじゃないか。微々たるものかもしれませんが、考えてしかるべきだと思います。  こういう問題について、大臣、本当にいまから本気になって、政府が行うもの、省が行うもの、NHKの経営をするなら、NHKもまた内部において経営努力をし、構造的な問題については全体で対処していくという、そういう姿勢をいまこそ私は確立するときだと思います。そこの上に立って国民の協力を求め、大胆に国民にもう少し受信料を上げてくれというやり方が私は生まれてくるんじゃないでしょうか。大臣から言われたから経費節減、合理化だと、それだけ追求していって、そして逆に、そのことが逆効果になって国民から批判を受けたりなんかすると私は大変なことになると思うんです。もっとやっぱり、いま言ったようなするべきこと、それで、構造的な問題は構造的同順としてみんなが一致して解決するという、その上に立って、国民にこれだけのという出し方を大胆に私は出していく、そういう姿勢がいま大事じゃないでしょうか。  私は、今回長期計画を立てるに当たっても、遠慮なくそのことは、そのかわり、いままでみたいに——国民は知らないんですから、受信料払っている者が、おれたちがNHKを守っている、おれたちのNHKだというのがわからないでしょう。本当にわかっている人どのくらいいますか。どれだけ国民の間に対話をNHK自身がやっていますか。視聴者会議をやりました、何やりましたと言ったって、それは一部に限られているじゃありませんか。NHKの持つ電波を使ったって、NHKはこうだとなぜ訴えないのですか。広告じゃないんだ、これは。そういうことを理事者も大臣も実はやっていただきたい。この辺について、会長及び大臣の御見解をひとつ承りたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 国がNHKに支出できるのは、国際放送委託料だけであります。これは不偏不党、不介入、何人からも干渉を受けないという大原則でありますが、これだけが法的に認められております。この法律が制定された当時と現在の日本の世界における地位、立場、経済力、すべてかなり大きな差が生じていることも十分理解できまするので、私は、大変相変わらずむずかしい大蔵省ではありまするけれども、もちろん、御指摘を受けるまでもなく、真剣に取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。  なお、その他NHKはいま難視聴解消に大きな法的に責任を負わされております。これはこれで経営とにらみ合わせてやってもらわねばなりませんが、国独自の立場で、こういった点でできるだけひとつ予算の獲得を図って、大いに難視聴解消のための努力を払いたい、重ねて私は強調をしておきたいと存じます。  また、NHKのいわゆる経営基盤の確立についてもいろいろと御高見を拝聴いたしましたが、私は、縮小でなく、先ほども申し上げたとおりに、できるだけ意欲的にやっていただけるような体制づくり、あわせて厳しい姿勢で、真に公共放送としての立場が堅持できるように努力したいと考えておる次第でございます。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘の受信料制度を守るということのために、私も全く同感でございまして、そのことの一点にかけて現在も努力しておるつもりでございますけれども、他方、やはり御指摘の構造的な問題ということ、これは当然放送法そのものにもかかわりのある問題になろうかと思います。この点につきましては、去る十年ほど前に、臨時放送法改正調査会でございましたか、そこで一つの試案が出まして、それに対しましてNHKとしての当時の答申、見解をお示ししてございますが、そういう方向で、さらにまたわれわれとしてもこの点を基本的に検討したいということで、当委員会にも御報告申し上げましたように、私の諮問機関として経営問題委員会の先生方を委嘱して、現在も基本的な問題の検討を続けておる次第でございます。  その他、NHKの存在理由、NHKのレーゾンデートルを十分国民に納得させるような努力が不足しているではないか。あれもやった、これもやったと言うけれども、持っている電波を通じてもっとその点を国民に理解させるべきではないかという御指摘は、大変私としては勇気づけられた次第でございます。正直に申しまして、放送事業者でございますので、公共放送として電波を通じてのPRというようなことに多少じくじたるところなしとしない面もございましたけれども、それはかえって視聴者の御理解と共感を得ることにならないというふうに判断する次第でございます。したがいまして、いわゆるPRということでなしに、NHKの存在を御理解いただくということにつながる、そういう番組を通じての努力というのは私も率先して今後努力していきたいと思う次第でございます。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) ちょっと答弁漏れしましたので。  料金問題については、御意見を十二分に踏まえつつ、これはもうきわめて重大な問題でありますので、慎重に対処したい、かように考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣からお答えありましたが、時間もありませんので、大臣、端的にひとつ。  いま大庭から御答弁ありましたこの国際放送ですね、大臣も言われたように二四%確かにふえました、郵政予算と比べてふえ方は。しかし、大体NHKの国際放送の予算は全体の一・四%ぐらいしか占めてないんですね。そして政府の出されている負担金を入れまして、全体の総予算の中の約五分の一、二〇%、二〇%が政府負担になっているわけですね。ことしは七億何ぼだったと思いますが、いま数字は……。そうすると、五分の四は実はNHKが負担をしているわけです。で、大臣、先ほど申し上げましたように、ここでは改めて私は時間がないから申し上げませんが、先ほど私は政府のプロパガンダじゃないかと、こう言いました。まさにそのとおりだと思うんですよ。しかも、それはたとえば五十三年度の国際放送の中で、ニュース、解説、約百六十時間占めるわけですね。全部が二百五十九時間ですが、これは娯楽やあるいはその他スポーツ等を入れまして、約半分以上を占める。娯楽やその他は、スポーツ等は、これは私はNHKの経費で放送法にあるようにやっていいと思うんです。しかし、少なくともニュースあるいは解説というのは、国の考え、わが国の実情を徹底をさせるというのは、政府のある意味では広報活動ですよ。この分は私は当然政府が負担をすべきだ、もっとここに力を入れるべきだ。でなければまだ依然としてわが国への理解度というのは低い。このことは臨時放送調査会でも指摘をされていますから、ぜひひとつそういう面で、この次のときには、もう毎年毎年附帯決議にはこれが出てくるんですが、附帯決議に書かないでいいように、それはどういう内閣ができようとも、私はこのことは欠かしてならない大事な仕事だと思いますので、この点はもう多く申し上げません。  たとえば、具体的にいますでにポルトガルで放送についての中継試行等が行われています。これについてもお聞きをしたいのですが、時間がありませんからこの次に回して、いずれもその点について、負担について、政府側のやるべきことについて、大臣に特段の御要望を申し上げておきたいと思う。これは大臣、よろしゅうございますね。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 先ほどもお答えいたしましたとおりに、私はきわめて重要な内容を持つ国際放送でございまするから、NHKと緊密な連係をとりつつ、最善の努力を払いたいと思います。何せまあ渋い大蔵省が交渉相手なものでございまするから、また先生方の御一層の御協力もお願いを申し上げておきたいと存じます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 ぜひ大臣の時代に、このことはもはや論議にならぬでもいいという時代になるように特にお願いをしておきたいと思うんです。  次いで、先ほど大臣が大変力を入れております辺地及び都市難視の問題なんですが、これも簡潔に要約をして御質問をいたします。  今日、大臣、先ほど私がちょっと大臣にいやみのようなことを申しましたが、郵政省がいままで何もしてなかったというのは私は怠慢——何にもしなかったというんじゃないんですよ、でしょうが、大臣が言われるような状態であったのに、いままで何していた、怠慢と言っても言い過ぎではない、こう思ってお聞きしていたんです。五十一年、五十二年に、二年にわたって実態調査をして郵政省わかっているはずだ。調査会の答申も出ているわけです。あるいは都市難視については指導要領も出ているわけです。しかし指導要領を出したら出しっぱなしで何にもしてないというのが私は現状だと、本当はきょうは少しその辺をお聞きをしようと思っておりましたが、それは省略をしますが、問題は都市難視であります。  これは二十八日の日に、同じく同僚議員であります沓脱先生から、サンシャイン60の問題が提起をされました。これを聞いていて私は不可解に思ったのは、実は先ほど大臣が言ったように、これをやるのは郵政省側、国の側が難視の対策をやらなきゃならない。ところが調査をやっている、指導をやっているのは実はNHKだという感じをどうしても抜け切れませんですね。大臣が答弁をされていますが、少なくとも国が力を入れてまずやる。それに民放やNHKに協力してもらうというそういう体制をとってもらいたいんです。  そこでお尋ねをしたいのは、原因者負担ということで、どうも二十三日、二十八日、お聞きをしていますと、その経過の中で、建設省との関係に話が移ってしまっている。建築基準法改正で何とかという話に私はどうも聞こえてならない。ところが二十八日の質疑等の中でもわかりますように、原因者負担をたてまえとしても、最近は反射障害による、さらには複合障害というようなものが広がっているわけですね。そうすると、認定の基準というのがいまないわけですよ。建築主負担だ、要するに原因者負担だと言っても、おれはどこまで負担をしていいのかという認定基準が何もない。郵政省の電波局は、要領だけ流して何ら具体的な指導はされてない、全く。そういう中で、実は都市難視というものは全く解消しないままいまいっているわけです。だから、そういう点について、私は建築基準法の改正だけでは乗り切れないと思います。  たとえば新幹線障害にしてもそう、航空障害にしてもそうです。もっと網羅をして、その上でしかるべき立法措置を明確に早急に立てるべきじゃないでしょうか。この辺について、私はこういう運輸行政、都市行政、電波行政の整合性がないところに今日大変問題があると思う。そこで、ぜひその辺について、各関係行政機関が協力して速やかな措置をとってもらう。もういままでみたいに、四年も五年も、あれは四十八年でしたか、答申が出てから今日まで、何ら具体的な進展がないというような状態、これを指導しても何ら具体的な進展がない、こういう点については大変私は問題を感じますので、この点について大臣の御見解をお聞かせをいただき、今後の特段のお取り組みをお願いしたいと思う。特にいますでにSHFのこの仮免許が東京NHKに出されている。しかしこれもまだこの実用段階というのがほとんどないような状態ですね。こういう面も含めまして、ぜひひとつこの対策を急いでいただきたい、こう思いますので、その点についての御見解を承りたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) この都市難視並びに複合障害、まあきわめて重要な問題でありまするし、御指摘のとおりに確かに指導要領も、非常に判断に——いろいろととり方見方で変わるわけでして、私も昨日の実は衆議院の逓信委員会で、東中先生の御質問があって、よくその御指摘が理解できましたので、早速役所で関係者を集めて、御指摘の問題についていろいろいま協議を進めているところでございます。  ただ、この池袋のサンシャイン60による大きな問題が起きていることも御指摘のとおりであります。これも、さてしからば、だれが真剣に、迷惑をかけている国民の立場に立って解決をするかとなると、原因者負担という大原則、指導要領にはありまするが、これ四十億、五十億かかるのに、おれのところはここまでは責任を持つ、ここのところはどうするのだということになってくると、これはなかなか徹底した解決を見出すことは困難であることも私は率直に認めざるを得ないと思います。そこで私は、まず一つ一つ状況に応じたとりあえず解決策と考えたのは、建築基準法の確認の段階で、指導要領の原因者負担の確立を図るという問題、これは櫻内建設大臣にも強く要望し、了解を得て、わが方と建設省でいま協議を重ねているところであります。これも正直申し上げて、遅々として進まずにはがゆい気持ちでございまするが、いろいろと立場を変えての協議でありますので、まことに意に沿う結果は出ておりませんが、精力的に進めていくように指導したいと思っております。  次に、いま一つ御報告申し上げたいのは、直轄事業による電波障害は、建設省の計画局の公共用地課で調査会をつくっていただいて、いまこの基準またいろいろの方策について郵政省と相談をしながら、大体この六月にこの問題の結論を出す予定にいたしております。しかし、こういったことによってすべてが解決するとは決して考えておりません。さらにまたいろいろとお知恵を借りまして総合的に判断をし、またいろいろと具体的に検討を加えて、少なくとも一日も早くこの問題の解決を図らなければならないと、かように考えている次第でございます。  さらにSHFの免許の点についてでございまするが、これ、かなり高度の専門的知識と技術的な問題がございますので、電波監理局長から答弁をさせますから御了解を願いたいと存じます。

平野正雄郵政省電波監理局長

○政府委員(平野正雄君) お答え申し上げます。  十二ギガヘルツ帯を使用いたしますいわゆるSHFテレビジョン放送局につきましては、昨年の六月にその免許方針等を決定いたしまして、さきに行いました指導要領の周知指導と同じような方法で周知を図っておりますが、これは御承知のように対象地域が広く、世帯数が相当あるような場合には、有線による共同受信施設に比べまして経費が安くなるというふうに考えておりますので、聞くところによりますと、最近、地方段階ではございますけれども、関係者の関心を引きつつあるようだというようなふうに承知をいたしております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣、ひとつ御努力をいただきたいと思います。  たとえば大臣ね、建設省との話し合いの中でも、建設省の建築基準法だけ求めていくとなかなかむずかしい点が出ると思うんですよ。たとえば「伝搬障害防止区域の指定」という電波法の百二条の二、これは重要無線通信の項ですが、建物が大体百尺ですか、三十一メートルを超える場合には届けをしなくちゃならない。これに合わして要するに電波が発射されているわけですね、いまのこれに合わして。今日ほど高い建物が出てきますと、当然これは障害が出てくるのはあたりまえだ。もっとこれを高くしていくという主張がこれは建設省の方から出てきます。また、これで障害が出てきた場合の裏側、たとえば霞が関ビルにしても新宿にしてもそうですが、高いビルの裏側についての電波障害、じゃ、この間大臣が言われましたように、U局、V局の問題について一応整理をする、電波が余っているから、裏側から発射すれば、そうすれば大体八〇%、九〇%の電波障害はなくなる。そういう問題が建設省の間に出てきているはずです。だから、建設省と建築基準法を通じてやるったって、それで解決するものじゃないので、この間初日の日に新谷先生から関連質問で大臣に質問された、これは相当しかも早く政府の責任で、私はこういった点について、建築基準法などと言わずにやはりこれらについての取り扱いをはっきりさせるべきだ、こう思いますので、ひとつその点はそのように御努力をいただきたいと思います。  時間がありませんから省略します。例の受信料の問題は先ほど大臣から御答弁いただきました。  最後に、実は番組の問題についていろいろ意見がありました。私はもう時間がありませんから、番組問題についてはそのまま先行きさらに今後の課題ということにしておきたいと思う。ただNHKが、堀専務理事のお話を聞いていますと、やはり国民の視聴能様の変化というだけでなくして、感じとしてどうしても多くの人に見てもらうところに偏っていくような気がしてならない。それは必然的にそういう気持ちに理事者としてはなるかもしれません。電波を出して放送している人はよけいたくさんの人に見てもらいたい、そういう番組をつくりたい、こういうことになることは私は必然性があると思う。しかし、NHKの場合に、民放と同じように競争したのでは存在価値はないわけです、もう。国民はどのチャンネルでも選択できるわけです、いま。自分たちが払っているNHKが全く民放と同じような娯楽番組の、ミーちゃんハーちゃんと言っては悪いですが、そういうものに血の道を上げていったら、もうNHKは要らなくなるのです。NHKが五十年六月から七月にかけてアンケート調査したやつ、皆さん一番御存じでしょう。ローカル放送の拡充のほかに政治的公平の堅持、指導性の発揮などの報道番組、こういうものについての期待がきわめて大きく述べられている。それから娯楽面でも、民放と違ったNHKの独自性というものを求められている。そういう意味で、私はどうしても堀さんの答弁を聞いていても一抹の不安を感じてならない。この辺は私はきょうは宿題にしておきますが、視聴率ということにこだわってはいないと言いながらも、どうしても感じられるそれらについて、もう一回やはり、先ほど工藤委員長も言われましたが、番組の中身について、これは私どもはNHK自身の編集の自由がありますから、それぞれの番組について物を言うことはできません。しかし、本当に国民の全体が求めている番組の編成というものについて一段のもう一回、御検討なり努力をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 当方の説明の段階等において、案納先生が御指摘のような御心配をいただいたとすればまことに恐縮でございます。私どもといたしましては、NHKは何をなすべきか、NHKは何を放送すべきかということ、これは大前提として考えておかなければならないのではないかというふうに考えております。したがいまして、先生御指摘の報道番組等について格段の努力をするということはこれは言うまでもなくそのつもりでおりますし、将来ともそういう姿勢について変わるところはございません。ただし、御承知のように、世の中のいろいろな状況が変わっているというその対応に、編成的な変化というのはあろうかと思いますが、私自身といたしましては、昨日も申し上げましたように、総合、教育、これはNHKの車の両輪であるということで、そういう視点で編成に当たらせておるつもりでございますので、ひとつよろしく御了解賜りたいと思う次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 じゃ、もう時間ありませんから、最後にぜひひとつこれは大臣にもお願いを申し上げておきたいのですが、私は五十二年の四月十九日の逓信委員会で、いまのようなNHKの収入構造がもうすでに崩れてしまってきている段階で、NHKの今後の先行き経営の問題を考えるときに、新しい受信料体系というものについて新しく見直す必要がある。たとえばラジオの料金は、四十三年に廃止になった。しかしいまカーラジオは爆発的に実は御案内のような状態で全国で六千万台ですか、車は。こういう状態に、FMの放送もあり、さらにはそのラジオ放送の中身が、質や量が変化をしてきている。わが党としてもこのことについて国民の負担増につながることについてはきわめて憶病なんですが、しかし検討課題として金よりもNHKのあるいは言論、放送という、そういうものを守っていく、公共放送を守るという立場での一つの課題として私は提供をしてきたことがある。今日まで三回にわたって逓信委員会が五十三年の予算を審議をしてきましたが、私が一番最後ということになっている。もう終わりますが、ひとつこの二十三日、二十八日、本日の審議を受けて、いま出されましたこれらの問題も課題としてぜひひとつ大臣の先ほど言われました意欲に満ちた態度をもって御検討をいただきたいものだと。またNHK側も、これらのことについて安易にこれに飛びつくことについて私は反対します。しかし、そういうことも本当にどうNHK自体を、将来のNHK像をつくるかという意味で、真剣に取り組む過程で私は検討をされてしかるべきだと。そういう意味で、そういった点を最後に御検討をいただきたいということを御要望申し上げておいて本日の質疑を終わりたいと思いますが、最後に大臣の御答弁を簡単でいいですが、お聞かせをいただきたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 六千万台に及ぶカーラジオの料金徴収についての御意見は、それなりに評価をいたしたいと思います。しかし、国民から金を集めるということはそう安易に考えてはならない間胆でもございまするし、私は今後のNHKの経営内容の推移を見きわめつつ、この問題についての検討、またこれについては広く社会的コンセンサスも必要でありまするし、関係各位の意見を徴しつつひとつ検討を進めてまいりたい、かように考えております。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  案納君から発言を求められておりますので、これを許します。案納君。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、ただいま承認されました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)   政府ならびに日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。  一、放送による表現の自由を確保し、放送の不偏不党を堅持すること。  一、協会の存立基盤をなす受信料制度について国民の理解をさらに深めるよう努めるとともに、受信契約の拒否、受信料滞納について適切な対応措置を講ずること。  一、協会はいつそう事業運営の刷新効率化に努めるとともに、長期的展望にたつた財政基盤強化のため鋭意努力すること。  一、テレビ難視聴対策についてはすみやかに抜本的施策の確立を図ること。  一、国際放送の使命を再認識し、国庫交付金を大幅に増額してその充実強化を図ること。  一、受信料の免除措置の見直しをさらに積極的に進めること。  一、協会は協会の業務に従事する者の待遇改善に配意すること。   右決議する。  以上でありますが、この決議案は、先日来の委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので省略さしていただきます。  何とぞ御賛同いただきますようお願いをいたします。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) ただいま案納君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 全会一致と認めます。よって、案納君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、服部郵政大臣並びに坂本日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。服部郵政大臣。

服部安司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(服部安司君) 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、ただいま御承認をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。  ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして、今後、放送行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じております。  いろいろとありがとうございました。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 坂本日本放送協会会長。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 日本放送協会昭和五十三年度予算、事業計画、資金計画につきまして、ただいま全会一致をもって御承認いただきましたこと、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  なお、この予算の執行に当たりましては、この予算に付せられました郵政大臣の意見書の御趣旨を十分体しまして、御審議中に賜りました幾多の貴重な御見解については、業務を執行するに当たり十分参考とさせていただきたいと思う次第でございます。  また、ただいまいただきました附帯決議の中で、特に日本放送協会に関する部分につきましては、いずれも経営の根幹をなすものと存じますので、これを十分遵守するということをお誓いいたしながら、執行の万全を期したいと存ずる次第でございます。  どうもありがとうございました。

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

栗原俊夫日本社会党

○委員長(栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

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