商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、公害対策及び環境保全特別委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1978/06/07
会議録
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、公害対策及び環境保全特別委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案を議題といたします。 本案についての趣旨説明はお手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川村清一君 私は、農林水産委員会の立場から若干御質問申し上げます。 時間がわずか四十分しか与えられておりませんので、御答弁はぜひ率直に、しかも簡明にお願いを申し上げたいと存じます。 まず第一にお尋ねしたいことは、国際法的に大陸だなというものは何か、「大陸棚の定義」をひとつお示しいただきたいと存じます。これは大臣でなくても条約局長その他の方で結構でございます。
○政府委員(村田良平君) 国際法的な「大陸棚の定義」といたしましては、一九五八年の大陸だな条約第一条に規定がございます。その部分を読みますと、「この条約の適用上、「大陸棚」とは、次の海底をいう。」と、「(a)海岸に隣接しているが領海の外にある海底区域であって、水深が二百メートルまでであるもの又は水深がこの限度をこえているがその天然資源の開発を可能にする限度までであるものの海底」、それから「(b)島の海岸に隣接している同様の海底区域の海底」と、こういうのが一九五八年当時の大陸だなに関する国際的な考え方でございましたが、その後若干考え方の進展がございまして、現在行われております国連の海洋法会議におきましては、このいま読み上げました水深二行メートルというふうな基準はもはや現実的ではないということで、より広い大陸だなという考え方が出ておるわけでございますが、国連海洋法会議がまだ決着を見ておりませんので、現在のところ、この五八年条約以上に国際的に確立した概念というものはまだ定まっておらないということでございます。
○川村清一君 現在国連海洋法会議でいろいろ議論されておる事項については御説明をまだお願いしておらないわけでありまして、現行の海洋法会議で決定しておりますところの大陸だな条約の定義をお示ししていただけば結構であったわけであります。 そこでお尋ねしますが、一九五八年に第一次のジュネーブ会議でこれが決定いたしましてから、日本政府はとうとうこれには加盟なさっておらない、これはどういうわけですか。
○政府委員(村田良平君) 当時の大陸だな条約と申しますものは、それまでの大陸だなに関します国際法をいわば法典化したという部分と、それから立法的な内容というものが両方入りまじって入っておったわけでございます。特にわが国におきましては、大陸だな条約で海底の定着性生物資源まで大陸だな資源に含めるという規定が五八年条約にございますので、これは当時のわが国の海洋資源、特に定着性生物資源に対する考え方と合致いたしませんので、わが国はこの条約を批准しなかったということでございます。
○川村清一君 その第一次の海洋法会議で決定されました国際条約である大陸だな条約に日本政府は加盟しなかった。世界じゅうの国を見ますというと、相当の国が加盟国しておる。アメリカもソ連も全部加盟しておる、日本だけ加盟しておらない。その大陸だな条約に加盟しない日本がいま大陸だなの石油開発計画というようなものを韓国との間に協定を結んだ、ちょっと矛盾を感ずるのですが、この辺はどういうふうに御説明なされますか。
○政府委員(村田良平君) 国際法上の大陸だなと申します制度は、一九四五年のトルーマン宣言以来始まった制度でございまして、この大陸だな条約に加入するか否かということにかかわりなく、大陸だなという制度はすでに一般国際法上の制度として慣行上四五年以後徐々につくり上げられておったわけでございます。したがいまして、この条約にわが国が加入しないでも、当然わが国としては、わが国に属すると申しますか、わが国が主権的な権利を行使し得る大陸だなというものを持つという立場であったわけでございます。そういう立場に基づきまして韓国側と話し合ったと、こういうことでございます。
○川村清一君 さらにお尋ねしますが、一九五六年に締結されました日ソ漁業条約、御承知のように、これは北西太平洋上における資源を維持し、培養し、さらに永続的な漁業ができるようにと、そういう目的のもとに締結された。そこで、その条約におけるところの規制魚種としては、これまた御存じのように、サケ・マス、そしてニシンが入りカニと、この種類であったわけであります。ところが、それがだんだん、ソ連の方は大陸だな条約に入っておるといったような関連もあって、カニ資源についてはこれは大陸だな資源であるということを主張いたしまして、いままではこの日ソ漁業交渉というものが東京で、あるいはモスクワで交互に毎年行われておったが、ある時点からその会議においてはカニ資源というものを離して、カニだけ別の交渉をやったということは御承知のとおりだと思うわけであります。そのときに日本政府はどうしたか。日本は大陸だな条約に加盟しておらない、したがって、ソ連がカニ資源を大陸だな条約といって主張することは認めることができないと言って相当抵抗したということがありますね。そのように、いまあなたのお話を聞いておるというと、一九五八年のこの大陸だな条約というものは、地下資源だけでなくて、いわゆる水中にいる大陸だな資源、カニであるとかエビであるとか、こういったようなものをも規制するようなことがあるということで認められないといったように受け取ったのですが、私は、同じようにこの日ソ漁業交渉からカニ資源を離したときに農林水産委員会でいろいろと質疑をしたことがある。しかし、ついにソ連にこれは押し切られてそういうことになったわけであります。ですから、大陸だな条約というものは、加盟しなくても、あったのだというようなことは、ちょっと論理が飛躍しているのではないかと思う。そういう観点から言えば、私は、この韓国との間に大陸だなの資源共同開発という、こういう協定を結んで計画を立てておるということは、どうも腑に落ちないのです。もう一度納得するように御説明を願いたい。
○政府委員(村田良平君) 先ほど申し上げましたように、この大陸だな条約と申しますのは、立法的な内容と、それからそれまでの国際慣習を法典化したという二つの内容があったわけでございます。この条約の仕組みといたしまして、第一条から第三条までは留保をつけてはならないということになっておりまして、これは恐らくこの一条から三条までを採択した際の考え方といたしまして、これはその当時の一般国際法的な考え方であるという物の考え方が非常に強く出たものであろうと思われるわけでございますが、当時わが国の立場といたしましては、この第一条から第三条までに定められておりますことのうちの幾つかの点につきましては、すでにそれが国際法のルールであるというふうに考えておったわけでございます。たとえば第二条の第二項に——一項及び二項がございますが、第一項におきまして「沿岸国は、大陸棚に対し、これを探査し及びその天然資源を開発するための主権的な権利」を有する、これは明らかにその五八年当時におきましても一般国際法上のルールであるという認識を私どもも持っておったわけでございます。それから、その第二項でございますけれども、「1の権利は、沿岸国が大陸棚を探査しておらず又はその天然資源を開発していない場合においても、当該沿岸国の明示的な同意を得ることなしにこれらの活動を行ない又は当該大陸棚に対して権利を主張することができないという意味において、排他的である。」と、この辺も国際法のルールと考えたわけでございます。ただし、この中の第二条の第四項には、先ほど先生御指摘のように、「海底の鉱物」に加えまして「その他の非生物資源並びに定着性の種族に属する生物」という表現があったわけでございまして、この「定着性の種族に属する生物」というのは、当時のわが国の考え方としては、これは大陸だな資源ではないという立場をとったわけで、まさに御指摘のとおり、その後の日ソ交渉におきましてもカニだけは別の取り組みにしたと、こういうことでございます。 いずれにいたしましても、この第二条にも定めがございますが、大陸だなに対する沿岸国の権利というものは「実効的な若しくは名目上の先占又は明示的な宣言に依存するものでない。」ということでございますので、わが国が特別に日本の周辺のこれこれの区域は日本の大陸だなであるというふうなことを宣言するとか、あるいはそういう法律を定めるということはなくても、国際法のルールによりまして、領海の外にある一定の海底というものは当然わが国が主権的権利を行使し得る、その意味におきまして日本の大陸だなというものはそもそも備わっておったと、こういうことでございます。
○川村清一君 いささか三百代言的な説明だと思うのですが、国際的なルールというものはわかっておる、尊重しておるんだと。では、何で大陸だな条約に加盟しなかったか。そうすると、いまのあなたのおっしゃっていることは、第二条の第四、項、いわゆる生物資源というものが入っているからこれは認められないと、こういう論理になるわけです。それで、あとは全部認めておる。これ一つのために大陸だな条約に加盟しなかった、これはちょっとへ理屈ではないかと思う。 それじゃ、もう議論を進めますが、時間がありませんから。いま第三次国連海洋法会議の第七会期が終わったわけでありますね、残念ながらまだまとまらないと。そこで、その大陸だなというものに対する定義、考え方、それはどこが変わったかというと、あなたが最初申し上げましたように、水深二百メートルというところがとれただけだと、こういうことなんですね。しかし、いまの第三次の海洋法会議というものはこの結論が出てない。そうすると、二百メートルというものは生きておる。そこで、この私が入手した資料をこう見ているわけですが、水深二百メートルというところから東シナ海を見たときに、日本側にはもう大陸だなはないじゃないですか。ただ、九州の北部の五島列島から南西に延びる線にあるけれども、ほとんどの大陸だなは、これはもちろん韓国の方からもあるけれども、中国大陸から続くほとんど大陸だなが東シナ海の大陸だなではございませんか。私の言っていることに間違いがあるかどうか。海上保安庁の方にお願いしてありましたが、おりましたら、その水深を示した海図をもって御説明願いたい。
○説明員(茂木昭夫君) お答えいたします。 ここに海図を持ってまいりましたが、この区域の水深は一番浅いところで七十一メーター、一番深いところで千七十メーターでございます。
○川村清一君 それで、日本列島のいわゆる九州の南から奄美大島、琉球列島にかけて日本側の方には大陸だながどれだけあるか、示してください。
○説明員(茂木昭夫君) ただいまの水深を訂正いたします。千百七十メーターでございます。 日本列島から続いている大陸だなは、南西諸島沿いにずっと続いておりますものと、それからもう一つは五島列島、男女群島の周辺に大陸だながつながっているというふうに考えられます。
○川村清一君 ですから、先ほど私が申し上げましたように、五鳥列島から南西に向けて大陸だなは延びておる。しかし、この南西諸島のどこに大陸だながあるんですか。ちょっとあなた、指でこう示してください。
○説明員(茂木昭夫君) 水深二百メーターの線は九州からずっとこういうふうに取り巻いております。それから、島伝いに島の周辺に大陸だなが取り巻いております。それから、西の方は水深二百メーターの線はこういうふうに走っておりまして、ここが男女群島で、ここが五島列島でございます。
○川村清一君 ですから、東シナ海の大陸だなというのは、これから延びているここに若干あるのと、あとちょこちょこっとあるだけであって、この中国大陸から全部これが大陸だなになっているでしょう、これは。それから、もちろん韓国済州島からの大陸だなが延びていますが、ほとんどはここの東シナ海の大陸だなというのは中国大陸から延びている大陸だなじゃないですか、どうですか。
○説明員(茂木昭夫君) 九州とそれから朝鮮半島、それから中国とは大陸だなでつながっておりますので、日本の大陸だなと外国との大陸だなの境はわかりません。
○川村清一君 海溝はないですか。
○説明員(茂木昭夫君) 海溝は沖繩の東側にございまして、この内側は舟状海盆と言っております。
○川村清一君 それじゃ、昨年、二百海里水域というものを決めたし、領海十二海里というものを決めた。そうしたら、日本のいま開発しようとする区域に一番近い日本の基線から十二海里領海をはかったら、その中に入りますか、入りませんか。
○説明員(茂木昭夫君) 十二海里の一部は入りますが、全部は入らないと思います。
○川村清一君 全部が入ったら大変でしょう。一部でも入っていますね。
○説明員(茂木昭夫君) はい。
○川村清一君 それじゃ、二百海里の線を引いたらどの辺までいくんですか。いまの何ですか、共同開発区域というのがありますね。その区域のどの辺まで二百海里を引いていったら入りますか。
○説明員(茂木昭夫君) 二百海里の線は、日本側から——正確にはちょっとわかりません。
○川村清一君 それで、私は、夕べ、ここへ来て質問せいということを言われたものだから、準備を整える時間がなかったから、けさ委員部を通じて海上保安庁の方に連絡して、水深を書いた海図を持ってきて説明してくださいということを保安庁の方に連絡してくださいということをお願いし、そうしたら、そこへ親切にそのいまの共同開発区域というのはどの辺にあるかというぐらい書いて持ってきてくれるのがあなた親切というものだよ。それじゃ、わからぬじゃないですか。
○委員長(楠正俊君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(楠正俊君) 速記を起こして。
○政府委員(村田良平君) ちょっと見づらいかと思いますけれども、この緑色の線でこう引いてある線がございますが、これが非常に大ざっぱでございますけれども、わが国から二百海里をとった線でございます。 それから、御参考までに、この黄色になっておりますのは中国からの二百海里、それから紫色に塗ってありますのは朝鮮半島から二百海里でございます。こういうことでございます。
○川村清一君 領海十二海里はどこに入りますか。いまの開発区域の中にどこに入りますか。
○政府委員(村田良平君) わが国からの領海十二海里で開発区域に入りますところは、座標十五−十六と、それから十六−十七という線がございますけれども、そこにわずかに領海十二海里がはみ出しておる、こういうことでございます。
○川村清一君 はい、いいです。 それで、外務大臣、これは条約担当の大臣ですからお尋ねするわけでありますが、一部であっても、日本の領海の中に何で日本と韓国の両国による共同開発区域をつくらなければならないのですか。これはわが国の主権の及ぶ領土に何で共同でそんなものをやらなければならないのですか。あなたは、領土出題としては、北方領土の問題を抱え、あるいは尖閣列島の問題を抱え、竹島の問題を抱えているでしょう。この領土というもの、わが国の主権の及ぶ領土の中に何で韓国と共同開発をする区域を、たとえ一部であっても、つくらなければならないのか。尖閣列島なんというのは全く人のいない島じゃないですか。それほど領土というものは大事なものでしょう。この点を明らかにしてください。
○政府委員(中江要介君) 先ほど地図をもってお示しいたしました部分は、この共同開発区域を定めますときには、日本も韓国も領海三海里の制度のもとで定められておったわけでございます。その後、御承知のように、日本が領海を十二海里に拡張した。その結果、共同開発区域の一部が、先ほど御指摘のように、日本の十二海里の領海内に含まれるということが測量いたしまして明らかになりましたので、これはいま先生がおっしゃいましたとおり、日本の領海を共同開発するというようなことはとても考えられないことであります。ところが、他方、この共同開発区域は、日韓双方にまたがる大陸だなの部分の相互共同開発、こういうことになっておりまして、一体、領海内に入った部分が大陸だなであるかどうかという理論上の問題があるわけでございます。 で、本日の審議の冒頭に条約局の村田参事官が説明いたしましたように、大陸だなというのは、これは一九五八年の大陸だな条約によっても明らかなように、まず陸地から領海部分があって、領海の外に公の海に向かって延びている大陸だなに対して沿岸国が主権的権利を行使できるかどうかという、そういう制度でございますから、本質的に、本来的に領海の外が大陸だなであって、領海になった部分はもはや国際法上の大陸だなの制度には服さない、これが国際法の通念でございますので、この点については、韓国側にも誤解がないように、昨年の二月でしたか、韓国との間で、日本が領海十二海里に拡張した結果、共同開発区域の一部が日本の領海に入る、領海に入った当然の帰結として大陸だなでなくなる、したがって、幾ら線で囲みましても、大陸だなでないものは共同開発協定の対象にならないということについて確認をいたしまして、それは韓国との間で、口頭の確認では不十分だという御意見もございまして、口上書を交換いたしまして、共同開発区域のうち日本の領海になった部分は、これは共同開発の対象にならないということを確認してございます。
○川村清一君 五八年の大陸だな条約の第一条に、先ほど参事官か審議官から御説明があったように、いまのお話と同じなんですよ。沿岸に隣接している領海の外にある海域、いわゆる公海ですよ。これが大陸だななんだ。ところが、当時は領海三海里であった、その後十二海里になったから、領海の中にこれを設けることはいかぬので、韓国の方にそれを言って、そうして口上書でこれをどうとかといういまのお話ですね。そこで、口上書というものの外交上の価値というもの——条約、協定いろいろありますね。口上書というのは国際法上外交的にどれだけの価値があるものかということをはっきりひとつさせていただきたいことと、その次に、そうであるならば、当然、われわれの方に提示してくれておる共同開発区域という何かあるでしょう、区画を書いたものをくれているでしょう。ここを削らぬといかぬでしょう。そうでしょう。 その次に、私はあえて指摘したいのですが、この日韓の大陸だなの共同開発というものを日本と韓国と話し合ったのは一九七二年でしょう。七二年から始まったんでしょう。日韓閣僚会議をやって、そして七三年に最終案ができて、その後、金大中事件などが起きて日韓の関係がいろいろ問題、トラブル等があったので、最終的な署名というものは七四年に行われておるわけでしょう、七四年の一月の三十日に。もちろん、この間は領海は三海里でありました。私などは十年前から十二海里を主張してきたが、歴代の内閣はやらないで、とうとう昨年になって、これもアメリカや、特にソ連の最高会議幹部会令が出て、七七年の三月三十日でこうなるといったようなことで、そういったようなことから世界の海洋秩序というものは変わっちゃったわけですよ。そして、日本も領海十二海里を決定し、さらに二百海里水域というものを決めたわけでしょう。このように世界の海洋秩序というものが全く変わったんだから、十二海里だとか二百海里だとか、そしてまた、いままでなかった概念として経済水域なんというものが出てきた。これはいつ出てきたか、これは七四年の第三次国連海洋法会議第一会期において出てきた考え方ですよ。そして七四年の第三次海洋法会議第一期会議から問題は全然いままでとは大きく変わっちゃったんだよ。こういう海洋の秩序の大きく変わったときに、七二年に日韓で話し合ったことをそのままやっていくという、まだ海洋法会議というものは結論が出ておらない、これはどう変わっていくかわからない。それを今後五十年にわたってやっていこうとする、そういう協定を結ぶことが果たして妥当であるかどうか。これは問題ですよ。 それから、これは外務大臣に申し上げたいのですが、実は私は海洋法会議の単一草案をちょっと参考にしたいと思いまして、夕べ水産庁に頼んだら、水産庁の方はそれは外務省にある、こういうことですから、外務省の皆さんにお願いしたわけです。外務省の方に単一草案をひとつ出してくれないかということを言いましたら、けさ、私のところにこういうものが来たわけですよ。これは全然残念ながら学がなくて読めないわけですよ、私は。それもうんと時間をかければ、いろいろ人に頼んで教えてもらえますが、夕べ頼んでけさ持ってきたものですが、外務大臣、これを上げますから、ひとっこれを読んで、あなたが答弁してください。とても私の学ではそれを読めないわけですよ。そういうようなことは別な話としまして、そういうふうに世界の海洋秩序というものが全く変わったときに、七二年のときにやったものをどうしてもやらなければならないというのは私にもわからないのですよ。しかも、これは必ず今後に出てくる問題は、さっき海上保安庁の皆さんがここで説明くださったあの海図を見るというと、もちろん、これは韓国の大陸だなも延びてきています。日本の大陸だなも五島列島の方から南西にこう延びていっています。しかし、東シナ海の大陸だなというものは大方が中国大陸の大陸だなですよ。水深二百メートル以内でずうっと延びている。二、百メートルにとらわれないとしたら、もっともっとくるわけだ。日本列島までくるわけですよ、この二百メートルにとらわれないと。これははっきり五八年のこの海洋法の大陸だなの条約の中にも、それから、いま国連でやっているこの単一草案の中にも、そういうところはいわゆる中間線、等距離における中間線でやるということがあるわけですね。しかも、五八年の条約にもあるわけですが、今度のこれと同じことなんですが、ちょっと読んでみますよ。沿岸国の権利、「(イ) 沿岸国は、大陸棚に対し、これを探査し及びその天然資源を開発するための主権的権利を行使する。」、これはわかりますね。その次に「(イ)の権利は、沿岸国が大陸棚を探査しておらず、又はその天然資源を開発していない場合においても、当該沿岸国の明示的な同意を得ることなしにこれらの活動を行うことができないという意味において、排他的である。」と書いてある。そうすれば、当然中国の明示的な同意を得ることなしにこれはできないわけですよ、この条約からいって、精神からいって。そうでしょう。何も日本と韓国だけの大陸だなではないわけでしょう。日本領土の中に共同開発区域を設けてみたり、そうして大陸だながいま私が申し上げましたように非常に入り組んでおるんだ。こういうところにしゃにむにやるということは、将来必ず問題を起こすこれは火種になるでしょう。ですから中国の方からも何か言ってきているでしょう。抗議が来ているでしょう。いま日中の平和友好条約を締結するというこの段階に何でそんなことを急いでやらなければならないか。矛盾がたくさんあるわけですよ。どうですか。私は時間がないからこのくらいしか言えないのだけれども、これをひとつ明快に答えてください。
○国務大臣(園田直君) 答弁する前に外務大臣としておわびをいたします。 ただいま私に委員からお渡しいただきました資料、外務省は国会における審議の便宜に進んで協力するのは当然であります。原文の英文をそのまま委員の方に突きつけるなどとは非礼千万であります。もし仮訳あるいは要約等がなければ、持っていって委員に説明するのが外務省の当然の責任でありまして、軽くおしかりでございましたが、外務大臣は重大にこれを受けとめ、ここに謝罪をいたし、今後十分監督いたします。 あとは事務当局からお答えいたさせます。
○政府委員(中江要介君) いろいろの角度からの問題の御提起でございましたので、私が問題点だと思いました点を簡潔に一つずつ御説明したいと思いますが、まず口上書とは何かという御質問ですが、口上書は外交文書の一種でございます。外交文書の一種で、一つの種類でございますから、これは公の外交文書でございますが、その口上書が条約と呼ばれたり、協定と呼ばれたり、交換公文と呼ばれたり、議定書と呼ばれたり、いろいろございます。そういうものとどう違うかというのは、簡単に一口で言いますと、名前が違うということで、その持っている外交文書の持つ性格は、その内容によるわけでございます。したがいまして、口上書によって約束をすることもございますし、口上書によって見解を表明するにとどめることもあると、こういうことが口上書の一般的な性格でございます。 それから、その次に共同開発区域の一部が日本の領海の中に、領海がそこまで延びたのだから、これはこの線で囲った部分は修正するなり何なりする必要があるのではないかという御疑問でございますが、これはこの協定の第二条の第一項をごらんいただきますと、「共同開発区域は、次の座標の各点を順次に結ぶ直線によって囲まれる大陸棚の区域とする。」と、こうなっておりまして、順次に結ぶ直線によって囲まれる区域は先ほど来御指摘の角張って結ばれた区域でございますが、その大陸だなの区域ということでございますので、国際法上大陸だなでなくなった部分は幾ら線で囲みましてもこの共同開発区域にはなり得ないという国際法の一般原則に基づいてこれを解釈すれば当然そうなるということですが、念のために韓国との間で口上書によってそういう認識に違いがないかということを確認したということを先ほど申し上げたわけで、口上書を交換することによってそうなったのではなくて、国際法上当然そうなるということを口上書によって念のために確認した、こういうふうに御理解いただきたいと思います。 それからもう一つ、大陸だな制度も含めて海洋法秩序が大きく一九七四年の海洋法会議を契機として動いているじゃないか、そういうことがわかっているのに、七二年から始まった協定をそのまま署名して、そのまま発効させようとするのはいかがなものかという問題点でございますが、この大陸だな制度というのは、先ほども説明がございましたが、国連海洋法会議の審議をまつまでもなく、古来存在する国際法上ほとんど確立した国際慣習法としての大陸だな制度というものがあるわけで、この大陸だな制度というのは、いまの国連海洋法会議においても厳然として存続し続けているということでございます。 他方、ここから先は政策の問題ですが、日本としてこの日本に非常に近い地域にある大陸だなの資源開発をすることが急を要する問題であるかどうかという判断の問題でございまして、当時の日本政府、そしてその後引き続き日本政府といたしましては、この地域の石油資源はできるだけ早く開発することが日本の国の利益になるという、こういう考え方でございます。そういう考え方に基づきますと、そのときそのときに有効な国際法秩序に合った形で開発するということが一番正しいというので締結されたのがこの協定でございます。 最後に、御指摘のこの大陸だなは中国から延びているじゃないか、したがって、中国の同意なしに勝手に開発していいのかという問題点でございますが、大陸だなが中国大陸から延びてきているということと、したがって、そこは中華人民共和国が主権的権利をもっぱら主張し得る大陸だなであるということとは違うわけでございまして、中国大陸から大陸だなが延びておりましても、この大陸だなに幾つかの国が接しておりますと、これは境界を画定してそれぞれが主権的権利を主張して開発する、これが国際慣行でございます。日韓大陸だな協定は、中国大陸から延びております大陸だなのうち韓国と日本とが主権的権利を主張し得る部分に限って協定を結んだわけで、中国が主権的権利を主張し得る部分には触れていないと、これが日本政府が何度も御説明しているところでございます。
○川村清一君 時間がないですから、私の意見だけ言って終わりますよ。 いまおっしゃっていることは、私は了解できない。まず後の方を申し上げますと、もちろん大陸だなを宣言するならば、それじゃその大陸だなの領有権というもの、主権の及ぶ範囲というものを決めなければならない。ところが中国の方は決まっていないと。私が聞いておるというと、あなたの意見は韓国の方と日本の方は決まっているように受け取れるような発言ですが、それじゃ日本の大陸だなはここまでですよと、韓国が領有する大陸だなはこれだけですよという領有宣言というものは何もないでしょう。それで、冒頭あなたが言っておるように、大陸だなというものは、いまの国連の海洋法会議では自然延長を二百メートルにとらわれないでずっと行くんだと、どこまで行くんだかわからないけれども、ずっと行くんだというような、もちろん二百海里まではその国のものでしょう。だから、領有権を言うなら二百海里ですよ、そうでしょう。ところが、いまの第三次の海洋法会議の大陸だなの考え方は、自然延長でずっと大陸だなが続く、また、そこに大陸だなが切れても続くところはあるところまで続くといったような、そういう考え方、ところが第七会期ではソ連がこれに対してやっぱり反対をした。二百海里からさらに延びるところは百海里を限度とするというソ連の第七会期における主張ですよ。こういう主張もあるわけですよ。とにかく変わるんですよ。ですから、いまあなたが何も変わらぬと言うけれども、これはやはり大変な変わりであって、これから必ず中国の方からいろいろな問題が出てくる。その中国とはまだ平和友好条約が締結されないとか、どうとかこうとか言っていますが、それができた場合に必ず火種になるということを私は申し上げているのであって、しかも、今度は冒頭あなたは、口上書というものはどういう地位を持っているのかと言ったら、条約、協定皆同じだと、皆同じだったらこれは当然国会の批准が必要でしょう。条約と協定は批准を要請されるけれども、後は交換公文とか、そんなものはないでしょう。そういうようにやっぱり違うんですよ。そういうことを聞いているのだ。もう時間がないから、答弁はいいですよ。 最後に、農林大臣、私はこれだけ申し上げておきますから、よく考えてください。東シナ海水域においては、昭和五十一年で百四十四万六千トンの漁獲量を上げておりますよ。それから共同開発水域ですね、五万七千四百トンの漁獲量を上げておりますよ。この漁業というものと今度の開発とは非常に大きな関係がありますから、時間があればいろいろ申し上げたいと思いますが、時間がありませんからこれだけ申し上げておきますので、こういう問題に対処して、これからの水産行政は、特に東シナ海や共同開発周辺における漁業に対してどう対処するかということを十分考えておいていただきたいと思います。
○原田立君 質問の冒頭でありますが、委員長にお願いしたいのでありますが、私の割り当て時間は三十二分でありますが、渋谷委員と打ち合わせしまして、若干時間を食い込んで私が行うようにあらかじめ相談しております。その点はひとつ、多少オーバーになったからといってとめないようにまずもってお願いしておきたいのでありますが、よろしいでしょうか。
○委員長(楠正俊君) 了解しました。
○原田立君 それでは質問に入りたいと思います。 まず通産大臣、今回の法律によりますと、天然資源ということについての定義が第二条で行われておりますけれども、この日韓大陸だなの地域は、この開発が漁業に与える影響が非常に大きい、これはもう十分御承知であろうと思うのであります。魚介類は天然資源であり、日本人の栄養源で非常に重要である。すなわち、天然資源の中に入ると、こう私は思うのであります。その点、一般論的な質問ではありますけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 当然魚介類も天然資源でありますが、そこで、この地域の開発をいたします場合に、漁業に対しましては特別の配慮をすることになっております。この特別措置法でも数カ条にわたりまして具体的に取り決めておりますが、同時に、あわせまして現実にさらに鉱山保安法を適用することになっておりますので、その面からも幾つかの規制が加えられる、このようになっております。
○原田立君 天然資源である、それに対する処置を法案の中にも織り込んである、こういうことでありますけれども、この影響度というか被害度というか、その点については非常に重要であります。ただいまもお話がありました、また私も指摘しましたが、この法案の第二条では「「天然資源」とは、石油及び可燃性天然ガスをいう。」というふうに定義をされておりますけれども、この両国に隣接する大陸だなの天然資源は、石油あるいは天然ガスにしても魚介類にしても、同等の取り扱いがなされてしかるべきであろうと、こう思いますが、どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) いま御審議をお願いをしておりますこの特別措置法案は、これは石油と天然ガスを開発するための法律でございまして、その場合に漁業に悪い影響が出ては困りますので、そこで特別の規定を設けまして、漁業に対しまして十分これを保護していく、こういうことを決めておるわけでございます。
○原田立君 じゃ、現在この法案の中で決められていることによって漁業者に与える重大な損害、被害は補えると、こういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) これは数カ条にわたりまして具体的な対応策が決められております。そして漁業者との間に協定ができまして初めて開発ができる、そのように取り計らっていくつもりでございます。
○原田立君 第二十一条三項あるいは第三十六条三項の中には「農林大臣に協議しなければならない。」と、こういうふうにしてあるわけでありますが、この解釈を表面的にとらえると、通商産業大臣の指示によって農林大臣が動くという、通産大臣の一方的方向の強さが強く出ているように受け取られるわけでありますけれども、この点どういうふうにお考えですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点は、共同開発事業契約あるいは重要な魚礁の存在する地域の指定といった点にかかわることかと思います。先ほど来御指摘のように、漁業との調整と申しますか、漁業の利益の保全ということにつきましては、協定並びにこの特別措置法案を通じて非常に配慮をいたしているところでございます。共同開発を実施するためには、まず日韓両方の鉱業権者が共同開発事業契約を結ぶ、その中の必須事項といたしまして漁業との調整に関する事項を規定いたしているわけでございます。私たちといたしましては、その事項につきましては、たとえばそれぞれの開発権者は自国の漁業権者との調整をつける、漁業権者との調整がつくまでは着工しない、あるいは盛漁期だとか産卵期等にはボーリングを実施しない、こういった事項を漁業との調整に関する事項として記載するように指導いたしたい。この事項につきましては、共同開発事業契約は通産大臣の認可を得て発効するわけでございますが、ただいま申し上げた事項につきましては農林大臣と十分協議をする、あるいは重要な魚礁の存在する地域を指定するに当たりましては農林大臣とも協議し、また、この指定地域内で事業をする場合に通産大臣の許可を必要とするわけでございますが、その場合といえども農林大臣と協議するということでございまして、農林大臣を通じて十全に漁業者の利益を保護するというふうに規定いたしておるわけでございます。
○原田立君 漁業者の立場からすると、農林大臣の立場は弱い立場に立たされているのではないかと私は思うのであります。やはり同等の主張があってしかるべきだと、こう考えます。すなわち、農林大臣の許可とか認可を受けるくらいの表現があってもよいと思うのでありますけれども、どうですか。
○政府委員(橋本利一君) ただいまお答えいたしましたよううに、法律技術的に、通産大臣が農林大臣と協議するということではございますが、別途農林省とも十分話し合いをいたしまして、農林大臣からの御意見を十全に受け入れてこの法律を実施するというふうに考えております。たとえば重要な魚礁地域を指定する場合、農林大臣からそういったお話がございましたら、通産大臣はこれを受けて必ず重要地域として指定する、こういうふうに法律を運用してまいりたいと考えておるわけでございます。
○原田立君 中川農林大臣、また農水委員会でお伺いすることがあるだろうと思うのでありますが、いまのように、通産大臣から合い議があったと、それに対してまさか農林大臣はイエスマンで何でもかんでもイエスだなんということはまずなかろうと、こう思いますけれども、あなたの農林水産省の立場が弱くなっては困る、こう思う立場でお聞きするのですけれども、あなたの所感はいかがですか。
○国務大臣(中川一郎君) 協議を受けるわけでございますから、弱い立場になるのじゃないかと御心配いただきまして、まことにありがとうございました。私はむしろ強い立場にあるわけでありまして、協議をされた場合には、イエス・オア・ノーの権限は私にありますから、漁民がおかしくなるようなときはイエスを与えない、協議に応じないということで漁民の権益は守ってまいるつもりでございます。
○原田立君 そういう御返事がひとつ必ず実現できる方向に御努力願いたいと思うのであります。 はなはだ序文的に申し上げたわけでありますが、何といっても最大の問題は事故を起こしてはならない、事故をいかにして起こさないかという点が非常に重要であろうと思うのであります。当然、万全の体制で臨むと思うのでありますけれども、一体どういうように対処されておられますか、お伺いします。
○政府委員(左近友三郎君) この事故防止につきましては各段階でいろいろな規制を設けておりますが、最初から申しますと、まず施業案を認可する段階で十分漁業との調整を考え、被害を生じないような措置を配慮するということになっておりますので、その計画のところでまず第一段階をチェックするわけでございます。 それから、実際の操業に当たりましては鉱山保安法が適用されるということになっておりますが、具体的には保安法に基づきます石油鉱山保安規則というものがこれまた作業の各段階にわたって詳細に保安の基準を決めております。まず最初に、海洋で掘削作業、試掘をやる場合には噴出防止装置の設置等々のいろいろな装置の設置の義務づけを決めておりますし、最終作業に移りました後も、この海洋のプラットホーム、パイプラインというようなものの強度の確保その他を決めておりまして、事故の起こらないようにいたしております。 一方、この保安体制の確立のために、国家試験に合格いたしました一定の経験を持つ保安技術管理者が必ずその衝に当たるということも決めておりますし、その他噴出時のための防災訓練を絶えず実施するというような義務もつけております。 それからまた、万一この原油が海上に流出するということになりますときに備えまして、オイルフェンスだとかスキマーというふうな対策の資材を設置することも義務づけております。 以上のように、各段にわたって保安法及びそれに基づく規則によって事故防止に万全を期するという体制を整えておるわけでございます。
○原田立君 農林省にお伺いしますけれども、この両国間に隣接する大陸だなは漁業資源の宝庫と聞いておりますが、魚種及び漁獲量の実態をわかったらばお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 今度の日韓大陸だな協定に基づきます共同開発区域におきましては、以西底びき網漁業、大中型まき網漁業、釣りはえなわ漁業等が行われておりまして、昭和五十一年におきましては五万七千四百トンが漁獲されております。主な魚種はアジ、サバ、タイ、グチ、タチウオ等であります。
○原田立君 この区域で約五万七千四百トンの漁獲量があるという、これは大変量が多い、こう思うのであります。この地域が今回の日韓の油田の開発等によって破損されやしないか、あるいは漁獲の面で非常にマイナスになりはしないか、こういうふうな心配をするわけなんでありますが、それをお聞きする前に、この大陸だな及びその周辺の魚礁の分布状況、これなんかをおわかりでしたらば御説明願いたいと思うのであります。
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、この地域は非常に重要な漁場及び産卵場としてすぐれた海域でございまして、海底の地形につきましては、先ほどの図面で言いますと、南東部に水深千メートル前後の海溝がございますが、その上部を流れる暖流の影響によりまして栄養分に富んだ海水の湧昇、湧き上がるという現象が起きておりまして、それから水深二百メートルの等水深線、これが大体中央を南北に縦断をしておりまして、ここに多くの魚礁が帯状に分布をしているわけでございます。そこで暖流がそこを通過するという場合に複雑な渦を起こすという、そういう域が形成をされまして、いろいろレンコダイ等の産卵適地となっているわけでございます。その左側、中央から左側にかけましては今度は平たんな地形になっておりまして、ここで以西底びき網の漁業が盛んに行われる、そういう漁場であることは間違いございません。
○原田立君 以西底びき網漁業をやっておるということは聞いてわかっておるんですよ。そうじゃなくて、魚礁の分布状況、これはどうですかということを聞いている。いま水深は千メートル、それからまた二百メートルという二つの数字があったけれども、その地域はおおむね水深何メートルのところが、何というのですか、広さがあってというような、そういうことの状況はわかりますか。
○政府委員(恩田幸雄君) 先ほども長官から御答弁申し上げましたが、大体共同開発区域の西側約三分の二、これが二百メーター以浅の比較的平たんな漁場になっております。なお、東側の三分の一の地域が二百メーターから約手メーターまでの比較的傾斜の急な斜面である、こういうことでございます。
○原田立君 優秀な漁場であるということがいまのようなことでよく推測することができるわけでありますけれども、さて、そこでこれから第十条に決められている探査権というようなことでいろいろと今度は調べに入るわけですね。第十条の探査権は登録の日から八年間、採掘権は三十年間、必要に応じ五年ずつ延長するなど、きわめて長期にわたり探査あるいは採掘が行われることになるわけでありますが、この大陸だな及び周辺は、ただいまも話があったように、大変な魚介類の宝庫であり、五十一年度の漁獲量は、先ほど農林大臣から話があったように、五万七千四百トンの漁獲となっており、本格的に二百海里時代における大事な漁場を簡単に失うことは許されないことじゃないかと思うのです。それは通産大臣の立場から言えば、原油の方の確保をするのが大事なんだと言うかも知らぬけれども、そっちの方ばかり強く言って、こういう二百海里時代に入ったときのこの重大な漁場の宝庫をむざむざと壊すようなことがあってはならない、こう思うのですけれども、大臣、そこのところはどうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) そこで、先ほども申し上げましたように、この法律の何ヵ所かで漁業に対しましては万全の配慮をしなきゃならぬ、こういう規定を設けまして、漁業に及ぼす影響の少ないようにやっていかなければならぬと考えております。
○原田立君 先ほどから河本通産大臣はもう同じことばかりしか答弁しない。何カ条か決められていることがあるからちゃんと漁業者は保護しているのだなんて、それだけなんですけれどもね。その前にですよ、その前にもっと実際の漁業のそういうようなこと、探査あるいは採掘、それらの工事をやると一体どのぐらいなマイナス度があるのか、そういうような調査は一体なさったのですか。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど来お答えいたしておりますように、漁業との利益の調整ということは十全の努力をいたしたいと思いますが、御参考までに、日本の周辺大陸だなでは過去約百本の試掘を実施いたしておりますが、海上汚染といったような事故はいまだ一件も発生しておらないということでございます。今後ともそういったことの事故の発生しないように、法律の規定は当然のことといたしまして、十分に指導してまいりたいと思っております。
○原田立君 百本掘っている、事故はない、だから心配は要らない、じゃ起きたらどうするのですか。起きたらば、じゃ、それに対する補償問題等はちゃんともう整備はきちっとできているのですか。
○政府委員(橋本利一君) いわゆる事故ということは発生さしてはならないということは当然でございますが、万一この日韓の共同開発地域におきまして探査あるいは採掘の事業に伴う事故が発生し、あるいは被害を及ぼすといったような事態があった場合には両国の鉱業権者が連帯いたしまして無過失の賠償責任に応ずることになっております。また、被害者はいずれの裁判所に訴え出てもいいわけでございますけれども、日本側である場合は日本の裁判所に訴えるということにもなろうかと思います。 それから、この法律に基づきまして特定鉱業権者の許可という行為がございますが、その段階におきまして、技術的能力のほかに、この事業を円滑に遂行し得るに足る資金的、経営的能力があるかどうかということも審査いたすわけでございます。この段階におきまして、仮に万が一漁業者に対して被害を及ぼすような事故が発生した段階において十分これを補償し得るに足る経営的、資金的能力があるかどうかということも判断をいたしたいと思います。しかし、先ほどからも申し上げておりますように、かようなことのないように未然に十分の対応をいたしたいと考えております。
○原田立君 魚礁帯は完全に避けるとか、盛漁期は作業しないなど、漁業資源への影響を最小限に食いとめるべきだ、こう思うのであります。先ほどは、たしか説明の中に、盛漁期は外すということを明言なさったけれども、これはきちっとそうなっていますか。
○政府委員(橋本利一君) 先ほど漁業との調整に関する事項につきまして二、三例示いたしました。ただいま御指摘のありましたように、盛漁期あるいは産卵期等においてはボーリング等の事業を避けるということにつきましては、この法案を国会に提出する際にも農林省と十分確認し合っている事項でございますし、そういった確認事項である以上に、漁業者の利益を保護するために、さようなことのないように指導いたしたい。また、さようなことを共同事業契約の中に記載していない場合には通産大臣はその事業契約を認可しない、認可しないということは事業に着手できないということでございますので、十分法的にも担保し得るものと考えております。(「韓国の場合はどうなる」と呼ぶ者あり)
○原田立君 長官ね、私はそんなことを聞いているのじゃないのですよ。盛漁期は作業しないということが先ほど例としてちょっとお話があったんです。それは間違いないですかと聞いているのです。
○政府委員(橋本利一君) ただいま御指摘になったような事項を共同開発事業契約の必須事項として漁業との利益の調整の中に書かせるということでございます。 これが韓国の場合どうかということでございますが、韓国とも同じ事業契約を結ぶわけで、同一の事業契約について両当事者が契約するわけでございますから、通産大臣がその契約を認可しない限り発効しないということでございまして、韓国の方がそれに従わない場合にも当然そういった契約は認可されないということになるわけでございます。
○原田立君 認可しなければ仕事はできない、それはそのとおりですよね。私の聞いているのは、盛漁期は作業しないということをはっきりとうたわれるようになるのですかと。要するに、もう少し具体的に言えば、盛漁期は避けて閑漁期にその仕事はやらせる、こういうふうにきちっと網がかぶせられるのですかと聞いているのです。
○政府委員(橋本利一君) 私の表現が不十分なのかもしれませんが、まさに委員が御指摘のとおりのことを事業契約書の中に書かせると、こういうことでございます。
○原田立君 それなら最初からはっきり言ってくださいよ。何度も何度も同じことばかり言わせるじゃないですか。 本四連絡架橋の場合、かなりの長期にわたって漁業資源に対する調査研究を行ったとお伺いしているわけでありますが、実態を報告されたい。
○政府委員(森整治君) 本四架橋の建設によります漁場環境の影響といたしましては、漁場の一部が喪失する、それから潮流が変化する、それから工事中の濁水による水質の悪化がある、それから岩盤掘削のための海底の発破による生物への影響が考えられる、これらが考えられるわけでございますが、四十四年以来、日本水産資源保護協会を通じまして漁業影響に関する調査を実施をいたしております。この調査は、架橋の建設が瀬戸内海の水産資源の生態や、いろいろ漁業に与える影響を把握いたしまして問題点を抽出するということ、それからその影響を最小限にとどめる工法を検討する際に参考となるべき知見を整理するという基本的な考え方で調査に当たっておるわけでございます。 水産庁といたしましては、この調査結果を参考といたしまして、架橋の建設によります漁場、漁業の影響が最小限に食いとめられるような措置が講じられて事業が進められるというように関係方面に要請をしてまいりたいということでございます。
○原田立君 いまの水産庁長官の説明の中では、水の流れの変化というものが認められるというようなことが説明されたけれども、それは魚介類の生態系に非常に大きな影響があるのじゃないでしょうか。要するに、ぼくの言いたいのは、マイナスの現象が非常に強いんじゃないだろうか、こう、心配するのですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(恩田幸雄君) 潮流の変化の問題でございますが、本四国架橋の場合には、一応橋脚をつくるわけでございまして、その橋脚によりまして潮流に変化が起きるのではないかということが一番心配されるわけで、ただ、その場合に、断面積から申し上げますと、全体の中で橋脚の断面積というものはそれほど大きなウエートは持っていないというふうに考えられますので、先生御指摘のように、生態系が全く変わるというようなことは考えられないのではないかと思います。ただ、やはり全般的に少しでも海水の動きます断面が減るわけでございます。その部分の影響は出てくるということで、そのための調査を実施している段階でございます。
○原田立君 大まかなところの話が長官からあったわけでありますけれども、また次長からもいまあったわけでありますけれども、具体的に数字の面で説明がないのだけれども、まだ数字的な掌握はできていないのですか。
○政府委員(恩田幸雄君) 本州四国連絡橋公団の設計図その他を見まして私どもの方で現在調査中でございますので、現在のところ、まだ数字的にお答えできるような資料は出ておりません。
○原田立君 数字が出ていなければこれ以上聞くのは無理と思うのでありますが、いずれにしても、マイナス面があるということは間違いないようであります。 それで、掘削などの探査作業の及ぼす影響あるいは採掘による漁業資源への影響についてはどのような調査をし、その結果は一体どうなっておるのか。大陸だな共同開発の場合、漁業資源への影響調査研究はどのように行ったのか。その場合の費用の面はどちらの負担となっているのか等々、三つお伺いしたいわけでありますけれども、お答え願いたい。
○政府委員(恩田幸雄君) 私どもが承知しております段階では、現在の共同開発につきましては、まずどの辺のところでどのような工事が行われるか、具体的な状況がわかっておりません。したがいまして、これが漁業に及ぼす影響につきましては、いまのところ具体的に調査はできない段階でございますので、やっておりませんが、ただ一般論として、先ほどもエネルギー庁長官からもお話がございましたように、従来のやり方でやる場合におきましては、特に盛漁期を外し、あるいは漁場の中でも良好な漁場はやらないとか、そのような位置、時期、方法等によりましてはそれほど大きな被害は出ないのではないかと考えておる次第でございます。
○原田立君 一番最後の余り被害は出ないのじゃないかなんというのは、その分だけよけいな話ですよ、これからやるので、わからないのですから。 それで、本四架橋のあの橋をつくった、あるいは工事をしている、これについての被害調査もまだまとまっていない。それから今度は水産庁として、漁業者の味方の立場に立って漁業資源確保という面で、ここに今度の大陸だなの問題が出てきたと、仮にこうなった場合に、一体どれだけのプラス面があるのか、マイナス面があるのか。これは机上論であろうが実際論であろうが、もっと真剣に研究すべきだと思うのです。それはやりましたか。
○政府委員(恩田幸雄君) 石油開発が行われた場合に、水産にとりましてプラスな面というのはほとんどないだろうと思っております。ただ、マイナスの面がどの程度あるかということが御指摘のように問題だろうと思っております。したがいまして、今後ある程度具体的な計画が出てまいりました段階で、その及ぼす影響につきまして早急に調査をいたしたいと考えております。
○原田立君 早急に調査するということですが、やり始めちゃってから調査した、マイナスが、デメリットがあった、これじゃ困るんですよね、本当の話が。農林大臣、あなたも閣僚の一人として、今回通産省からこの法案が出ているが、漁業に対して本当に損害、被害はないと御確信ですか。
○国務大臣(中川一郎君) 海洋におけるボーリングというのは今度初めてでありませんで、世界的にも、あるいは国内でもかなりやっております。そういった経験から見て、それほど漁業を行う上において大きな支障はないのではないか。ただ心配がありますから、事前に協議を受け、実態はどうなり、そのことは漁民にも説明をし、そして被害を与えない対策というものを十分聞き、それでもなおかつ被害があった場合には補償という措置を権利的にも認めるということであれば、漁業者に対しては十分のことであると。漁業者においては、マイナスはあってもプラスはないということでありますから、好んでいいことではありませんが、国益上必要なことであれば、この程度のことは協力するのがあたりまえのことであると、私はそう思うわけでございます。
○原田立君 今度福岡で二日に行われた地方公聴会の席上で、漁業代表の方々は非常に不安な気持ちを表明いたしております。中川農林大臣のいまの答弁は、少し甘きに失するのじゃないかというような感じを持つわけでありますが、それはまず後にして、次に補償問題についてお伺いするわけでありますが、探査などの掘削作業あるいは採掘、さらにはこれら作業船などの船舶による汚濁等、漁業資源への影響に対する補償はどのようになされるおつもりですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の点は二つあるかと思います。 先ほど事故が発生して被害が出た場合の賠償責任につきましてはお答えいたしましたので省略いたしまして、ボーリング等をやる場合に漁業者と採掘権者とでどういう話し合いが行われ、どのような補償が行われるかという問題になろうかと思います。これは先ほどもそれぞれの開発権者は自国の漁業権者との調整を図ることということを申し上げたわけでございますが、それぞれの開発権者が決まり、あるいはどの地点でいつボーリングをやるかといったようなことの決定を見た上、あるいはそれを決定する過程におきまして、関係の漁業権者と話し合いをすることになるだろうと思います。その場合、どの程度の補償料が支払われるかということは、両当事者の話し合いにまつということになろうかと思います。
○原田立君 要するに減収分の補償は考慮されているのですか、どうですか。
○政府委員(橋本利一君) いずれにいたしましても、鉱業権者と漁業者との間の話し合いになろうかと思いますが、通常そういった問題も補償の対象になるのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。
○原田立君 通常そういう問題も話し合われるということは、あなたの発言は非常にむずかしいのですけれども、減収分の補償ぐらいはあると、こういうふうに理解してよろしいのですね。
○政府委員(橋本利一君) それはあくまで両当事者の話し合いでございますので、私が見るとか見ないとかいう立場ではございませんが、従来の実績などを見ますと、そういった問題も含めまして両当事者の間において円満に話し合いがついておる、また話し合いがついた上でボーリングをやっておるというのが実態でございます。
○原田立君 円満に話し合っているから減収分の補償はあると、こういうことですね。
○政府委員(橋本利一君) いわゆる水面使用料と申しますか、そういった漁業の減収に対しての補償をなしておるというのが通常のケースであるというふうに理解いたしております。
○原田立君 昨年四月二十二日に発生したノルウェーのエコフィスク油田ですね、俗に北海油田と言っておりますが、その噴出事故の経緯及びその後の状況について簡単に説明してもらいたい。
○政府委員(三宅和助君) 事故原因につきましては、先生御指摘のとおり、この四月の二十二日に発生したわけでございます。その後、五月の三日に一応改修工事が終了いたしました。その原因につきましては、いろいろと調査が進みまして、大体三つの点が先方政府のこの調査から明らかになっております。 一つは、やはり噴出防止装置が適切に固着されていなかったということが第一でございます。それから第二点は、技術上の原因が指摘されてございます。それから第三は、事業上の組織面及び管理面での体制が安全な作業を確保する上で十分でなかったという三つの点が先方の昨年秋の十月十日の調査報告書の中で書かれております。 影響でございますが、昨年秋の最終的なノルウェー漁業省海洋調査研究所の調査資料によりますと、流出した原油——これは一万五千から二万一千トンと言われておりますが、その四〇%が蒸発し、そのうち八百ないし一千トンが機械的方法によって回収された。事故後もプランクトンの生育状況は正常であり、ブラボープラットホームの周辺のわずかな海域を除き、汚染海域の内外の間にプランクトンの分布及び構成に明白な相違は見られなかった。事故現場のエコフィスク海域はサバの産卵場の中央に位置しているが、サバの産卵は五月中旬に始まり、その後の生育も正常な状態を示している。要するに汚染海域における魚の分布及び量についても原油によると思われる明らかな影響はあらわれておらず、海洋資源に対する影響は微少である。こういうような報告がノルウェーの漁業省海洋調査研究所の調査資料から出ております。
○原田立君 いまの報告は、五十二年十月十日の報告だということでありますが、私がここに持っておるのは、五十二年五月二十五日、外務省北東アジア課の報告書なんでありますが、その中では、「五日現在、漁業関係を含め具体的被害の報告はない。海洋生物への影響については詳細な調査結果待ちである。」と、こういうふうな文書が来ているわけなんですけれども、ただいまのお話ですと、二万一千トンからの原油の流出があったけれども被害はないと、軽微であると、こういうことが十月十日の報告においては確認されたわけですか。
○政府委員(三宅和助君) 十月十日の調査は事故に関する調査でございまして、これは先生にお渡しした点でございます。それから影響につきましては、その後調べましたら、昨年の秋十月の一これは別の機会でございますが、最終調査資料が出ておりまして、最終的にこういうような影響であると、すでに私が申し上げた結果が出ておりまして、これは別な機会でございます。
○原田立君 先ほどの前段のお答えについて、ちょっと私ミスしたのですけれども、原油の流出総量二万一千トン、これで被害は軽微だったのですか。もう一遍お願いします。
○政府委員(三宅和助君) 最終報告書によりますと、流出した原油が約一万五千から二万一千トンである、その四〇%が蒸発したと。軽微と申しますのは、漁業に対する影響が軽微であるということでございます。その状況につきましては、先ほど申しましたように、プランクトンの生育状況は正常である。それからこの地域というのはサバの産卵場の中央に位置しているが、サバの産卵は五月中旬に始まり、その後の生育も正常な状態を示していると、こういうような結論になっております。
○原田立君 事故の場合は予期せぬところで発生するわけでありますが、北海油田の流出事故の場合も同様であります。大陸だな開発に当たっては注意し過ぎるということはない。もし原油の流出事故が発生した場合、黒潮本流に乗って、太平洋岸だけでなく、暖流に流されて日本海へと、日本列島の両側に被害が及ぶことになるわけであります。沖合い、沿岸漁業の死活問題、生命線をつかさどっているといっても過言ではないわけであります。事故発生時の応急措置、これは一体どういうふうになっているか。これは起きてみなきゃわからないといえばそれまでのことでありますけれども、起きた場合に一体どういうふうな補償をするのか、対策はどうするのか、その点についてお伺いしたい。
○政府委員(左近友三郎君) 事故発生の場合の対策につきましても、先ほど申し上げました鉱山保安法及びそれに基づきます規則においていろいろ定められておりまして、万一海洋施設の損傷あるいは原油の噴出というようなことによりまして原油が突発的に海上に流出いたしました場合に備えまして、オイルフェンスとかスキーマーとかいう油の流出を抑える施設を備えつけさしておりますので、それを活用してやるということでございますし、それに対しては一定の期間に絶えず訓練をしておくということも平生からさせておるわけでございます。なお、この災害が発生したときに備えまして、その際には掘削作業を中止する、それから噴出防止装置を閉鎖するというふうな、いろいろな緊急措置を定めております。 それからプラットホーム、要するに作業をしておるところから退去する場合の退去の仕方等々も定めておりまして、それからその関係機関、海上保安庁あるいは鉱山保安監督局というようなところに対する通報義務その他も定めておりますので、このような規制によりまして緊急時の対策が定められておるということでございます。
○原田立君 補償に際しては被害者に納得のいく補償がなされるべきであると思いますが、その精神でやるということでございますか。
○政府委員(橋本利一君) 事故による被害に対する補償につきましては、和解仲介の規定も準用されるわけでございますが、最終的には当然裁判に持ち出しまして争うということになろうかと思いますが、その場合、これは先ほどもお答えしたわけでございますが、日韓双方の鉱業権者が無過失で連帯の賠償責任を負うと、こういうことになっております。訴え出るべき裁判所につきましても、韓国側がオペレーターの場合でも日本側の漁業権者の選択によって日本側の裁判所にも訴え出れるというふうに規定いたしておりまして、十分納得のいく補償措置が講ぜられるものと、かように考えております。
○原田立君 納得のいく補償措置が行われるということであるので、納得のいく補償金も支払われると、こういうふうに理解したいと思うのであります。 法案に関する地方公聴会が二日の日に福岡市内で行われたわけでありますが、その中で漁業関係者は、同法案が成立すれば日中政府間漁業協定が最悪の場合廃棄されるおそれがある、そうなれば歴史的に見て拿捕や抑留の心配が出てくる、こういうふうな心配を言っております。あるいはまた北朝鮮民間協定、これらに対する影響も非常に心配されてくるわけでありますけれども、外務大臣、日中政府間漁業協定が最悪の場合廃棄されるであろう、あるいはまた北朝鮮民間協定に対する影響が重大に出てくるであろう、こう心配されるわけです。こういう意見を公聴会で言っておりました。これについていかがですか。
○政府委員(中江要介君) 先ほど来水産当局の方からも御説明がございましたが、大陸だなの開発といいますのは、これは海底資源の開発でございます。漁業といいますのは、これは申すまでもございませんが、水上、水中における生物資源の採捕という事業活動でございます。したがいまして、事業そのものが同じ場所で競合するということはないけれども、海底を開発するために水面、水中にある程度の制限が加わってくると、これは不可避的な条件でございます。したがって、これはできるだけその漁業操業に害のないようにするという十分の配慮がしてあることは、先ほど来政府側が御説明しているとおりでございます。 そこで、日中なり日朝の漁業協定に基づく漁業操業、これにどれだけの影響があるかという点でございますけれども、実態の方は水産庁の方でいろいろ御説明があろうと思います。ただ、この共同開発水域を含めまして、この地域で一番競合しておりますのは日韓の双方の漁業操業であるというふうに私ども承知しております。日韓にいたしましても、いま先生御指摘の日中にいたしましても、日朝にいたしましても、これは漁業とは直接関係のない海底の資源開発活動、それから派生する問題について十分の配慮をするということでございますので、地下資源の開発をやるから漁業操業秩序を維持している協定を廃棄するというようなことは、これはないものだというふうに私どもは信じております。にもかかわらず何かが起きますれば、これは日韓の間ですと協定に基づくいろいろの手当てがございますが、協定と関係のない国の漁船の漁業操業との関係につきましては、これは一般国際法上の問題として国際法にのっとって処理されるというのが通例であろうと、こういう認識でございます。
○原田立君 中江局長、あなたはそう言うけれども、北朝鮮で拿捕された、それは幸いにしてすぐ返してもらったということがありました。だけれども、北朝鮮も、あるいはまた中国も、この日韓大陸だな問題については非常に反対の姿勢を示しております。いま私が申し上げるように、日中政府間漁業協定が最悪の場合に廃棄されるおそれがある、その場合に拿捕とか抑留、そういうふうな心配はないのかどうか。いま、あなたは、ないよ、そんなことはないであろうというような説明だけれども、もう一遍。
○政府委員(中江要介君) まず第一に、中国の方で、もし日韓大陸だなの共同開発が始まれば日中政府間漁業協定を廃棄するぞというようなことを言うてきていることもなく、また、そういう議論が中国内にあるというような情報も私どもは全く持っていないということがまず事実の問題としてございます。 他方、今度は漁業協定を破棄したら拿捕その他が起こるじゃないかという問題でございますが、これは漁業協定が破棄されまして漁業秩序がなくなりますと、これは一般国際法に基づく公海上の漁業紛争ということになるわけでございますから、これが領海を侵犯したときに拿捕されるというようなことはあり得ましょうが、公海漁業につきましては、これは御承知のように、国際法上保護されておるわけでございます。漁業協定は、公の海の部分に関しましては、お互いに公海漁業の自由はあるけれども、その間に操業秩序を維持しようということでございますので、途端に拿捕であるとか抑留であるとかということが起こるというふうには考えるべきではない、こういうふうに思います。
○原田立君 園田大臣、いま中江局長の説明がありましたけれども、そういう点は、いま局長の説明のとおり、心配はないと、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(園田直君) そのとおりに考えますが、大陸だな協定については、中国にはさらに理解を求めるよう努力を続行するつもりでございます。
○原田立君 五月二日の公聴会のときにもう一つの点で言われたのは、ほかにもいろいろ意見がありましたけれども、しぼって申し上げれば、タンカーなどの油流出事故で過去八億九千万円の被害を受けたが補償はその二九%の二億四千万円にすぎない、ゴールデン・リーダー号の事故では、ノリは回復したがアワビはまだわからない、油汚染の心配は残ると、こう述べているわけであります。これらについての心配はいかがですか。
○政府委員(恩田幸雄君) ただいま御指摘のございましたゴールデン号につきましては、先生がおっしゃいました数字は、たしか漁業者側の要求であったというふうに理解しております。現実の被害がどの辺であったかは私どもはわかりませんが、一応現在の段階では少ないということを漁業者は申されておりますが、一応御納得いただいているような線でございますので、私どもとしては、それは民間のお話でございますので、その辺の線でおさまったものと理解しております。
○原田立君 まあ政府の方で交渉の段階で小切っちゃって、それで八億九千万円を二億四千万円に縮めちゃったんじゃないですか。私が申し上げたいことは、いずれにしても、こういう今回の五月二日の地方公聴会において、八億九千万円の被害を受けたけれども補償は二億四千万だった、二九%しか出ない、もう非常にこういうことを考えると心配だ、油汚染の心配はまだまだ残ると、こういうことを何度も何度も言っているわけなんです。これは水産庁長官か農林大臣にお答え願いたいと思うのです。
○政府委員(森整治君) 過去にいろいろ油の油濁事故がございますが、私どもの手元にありますのでも五件ございますが、いずれも結局被害者との間の交渉の結果の示談ということで一応解決をしている。未解決のものも若干あるようでございますが、そういうことでございまして、これは当事者間の結局お話し合いで示談ということで解決をしておるというのが実情でございます。
○原田立君 二億四千万円で妥結したから二億四千万円が被害総額だなんと言うのじゃないんですよ。いま長官が言っているように、示談でそうなったと言うのだから、双方が歩み寄りしてそうなったのであって、被害総額はもっと多かったに違いないのですよ、こう私は思う。いずれにしても、今回の日韓大陸だなの関係でこういうふうな事故が発生したならば非常に心配だと、こういうことで九州関係の漁業関係の代表はこぞってこの法案については反対の意思表明をしておりました。これは強く申し上げておきたいと思うのであります。 次に、この日韓両国間の開発協定の中の海洋汚染防止についてお伺いしますが、両国間の協定の第十九条「この協定に別段の定めがある場合を除くほか、一方の締約国の法令は、当該一方の締約国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する小区域において、天然資源の探査又は採掘に関連する事項について適用される。」と、こう規定されているわけでありますが、小区域に指定された操業管理者の属する国の法律とは、わが国の法令では一体どのようなものを指すのか、お伺いします。
○国務大臣(山田久就君) 韓国の海洋汚染防止法は、昨年の十二月に制定されまして、本年の七月一日から施行されることになっております。同法の細務、わが国の政省令に相当する大統領令、布令、細かい点まではまだつまびらかではないのですけれども、同法とわが国の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律と比較します限り、韓国の海洋汚染防止法においては、一つには海洋汚染による紛争の調停、それから法律違反船の停船、検索、拿捕、また海洋汚染防止諮問委員会、こういうようなものはわが国の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律にはない、そういう規定がございます。 次に、軍鑑及び非商業用政府船舶については適用されませんけれども、わが国では自衛鑑及び非商業用政府船舶についても適用されるということになっております。また罰則がわが国と比べてきわめて重い。油または廃棄物の不法排出については五年以下の懲役または二千ウォン、約一千万円以下の罰金となっておりますけれども、わが国では六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金と、こういうような点は相違が認められるのでありますけれども、海洋汚染の防止に重大な意味を持つ油及び廃棄物の排出規制あるいは流出油の防除という点につきましては、わが国とほとんど同一体系となっておると認めております。
○原田立君 以上で終わります。
○戸叶武君 この連合審査会に外務を担当する園田さん、通産の河本さん、農林の中川さんが出席し、いずれも福田内閣の中においては筋を通そうとする意欲を持っている大臣と私は認めておりますから、今回問題になっているところの日韓大陸だなの共同開発に対する特別措置法に関し質疑をするに当たって、どこに問題点があるかということを明確に見定めて今後善処されんことをお願いする次第であります。 第一に園田外務大臣にお願いいたします。 世界じゅうがいま激動変革の時代であります。海洋法一つを見ても、この十年足らずの間に世界の物の考え方がずいぶん変化しております。特に日中平和友好条約の締結というのは、日本の今後の外交路線決定の上において大きな私は影響力となり、世界の注目を浴びておると思います。そこで、今回の日韓大陸だなの問題を見るときに、政府では日韓大陸だなをばかに急ぎましたが、急ぎ過ぎてつまずいている形でありますが、現在の状況においては、これは日中平和友好条約と動きのとれないほど絡みついたのも事実だと思います。これは天のなせるわざと思いますが、やはり権謀術策よりも、まともに外交を進めていくという構えを持たないと、えらい私はつまずきにもなる危険性があると思います。最近は歴代の総理大臣が話し合いでということに前提を設けながらも、一人で話しただけでもって、本当に周辺の人ともまた内閣の重立った人とも問題を煮詰めずに独走する傾きがあるので、どっちを向いて日本外交というものが走っているのか閣僚にもわからない、与党にもわからない、いわんや国民全体が大きな不安感を抱いて、それが政治不信と結びついているのが事実だと思います。 園田さんは、この間国連の軍縮会議に参りました。私は、ある程度園田さんの言動は高く評価してよいと思います。人によってはけなす人もありますが、政治の世界は非情だから、これは仕方がないと思います。問題ははっきり申し述べて、そうして世界に訴えて、「光明に背面なし」という気構えで、小手先の小策を弄することなく前進しないと、世界じゅうから日本という国はわけがわからない国だ、不気味な国だというふうに見られると思うのですが、特に日中平和友好条約の締結の前に当たって、あるいは日韓大陸だなをあわただしくいま暴走寸前というところにあって、この結果というものが日本人というものはわけのわからない国民だ、政府だという印象づけを行ったら大変だと思いますが、あなたは、この日中平和友好条約の締結と日韓大陸だなの間に板ばさみになって、どういう外交路線をこれから切り開いていくつもりか、それから承りたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 大陸だな協定と日中関係の問題は、御発言のとおり、やはり重大な影響があると判断をいたしております。しかし、外交は現実と将来の目標に向かっての調節をしながら進めていくことが大事でありまして、正直に申しますると、この協定実施に当たっては、関係の三国である韓国、中国、日本が話し合ってやることが理想であると存じております。そこで、過ぎ去ったことではありますが、日本政府は中国に事の成り行き及び中国の主権を侵犯しているものではない、なお、将来にわたっては中国とも相談をしていきたいと、こういう話し合いを進めておるわけでありますが、これについては、なお中国の理解を得るに至っていないことはまことに残念であります。今後とも中国に対してはこの理解を進めるべく最善の努力をしたいと考えておりますが、一方、日中友好条約締結の問題は、これまたきわめて重大な問題でありまして、先般黄華外務部長とも会いましたときに、政治上の会談はしないということでしたわけでありますが、しかし、その中でも大事な点は、日本と中国の友好条約の締結は、単に日本と中国の問題ばかりでなく、アジアの平和と繁栄に重大な関係があり、ひいては世界の平和に関係をする重大な問題であるから、二国間にはいろいろありますが、この問題は大局的に処していきましょうと、こういうふうに申し上げ、向こうもそうだということを言われたわけであります。したがいまして、協定が批准が終わり、すでに国内関連法案の御審議をお願いしている段階——見方はいろいろありましょうけれども、私としては、一日も早くこれにけりをつけてもらい、中国の理解を求めるべく最善の努力をしながら日中友好条約は速やかに進めていきたいと、こういう考え方でおるわけでございます。
○戸叶武君 園田外相は、政治はきわめて現実的なものであるが将来的な展望を踏まえて、本来ならばこの問題は日本、中国、韓国とが十分話し合って問題の解決に当たるべきであるが、実情はそう必ずしもなっておりませんが、しかし、ここで日本と中国とは、日中平和友好条約というものはきわめて世界環視の中にある重大な問題であって、この問題は日本と中国だけでなく、アジアの問題、世界の問題に大きな関連があるのだから、これの解決に当たりながら、お互いにさらに了解を深めていこうという態度で当たっているが、なかなか前途は私は波乱に富んだものがあると思います。しかし、いま中国もアヘン戦争以来苦悩に苦悩を続けてきた民族の指導者が平和建設の方向へ前進しようと模索しているのは事実であります。 一九五九年に浅沼君が北京に行ったときに、ソ連に突き放されて日本だけに本当に理解してもらいたいと訴えたときの中国の周恩来さんや廖承志君からの話を聞いたとき、私は一九六〇年の安保条約阻止国民会議の訪中代表団長として訪れましたが、本当に胸を打たれるものがありました。多く日本の国内では、浅沼が社会党か共産党かわからないようなアメリカ帝国主義は日中共同の敵だなんてぶち上げて、えらいことやってしまって次の選挙も思いやられるというような声もありましたが、浅沼君は単純のように見えて任侠の士です。素朴な大アジア主義的な考えを持っていて、中国の人々が苦悩の限りを尽くして日本にすがってきたときに、これを突き放すことができない。ここで浅沼は死のうということを私は覚悟してあの発言はして、あの発言の裏には言外の意味に無限のものが含まれていると思いましたから、私は浅沼発言を取り消すことなく、もっと中国も成長していくという信念のもとに浅沼発言というものの取り消しをしないできたのです。今日覇権問題が大きな障害になっていると思いますが、中国には言葉の裏とか表とかというのじゃないが、の底にひそんでいる地下三千尺の心をくみ取る人、憶測の情を持っている人、それが知己と言えるので、自分だけのひとりよがりでなく、中国人の持っている現在の苦悩というものをくみ取ってくれる知己を求めているのであって、別に中国に無条件で雷同する必要はない。日本は日本の立場、中国は中国の立場から、友遠方より来たるじゃなくて、隣接している友として、しかも、いろいろな過ちを犯した日本として、その罪をあがなう意味においても多少日本がどろをかぶってでも新しく立ち上がって、アジアの復興の主柱となるものはやはり日本と中国で、最大の責任があるということを受けとめて政治をやることが目下の私は急務だと思います。下手な表現をすると黄禍主義ととられるかもしれませんけれども、われわれは、やはり日本と中国がみずから覇権主義を戒めると同時に、日本と中国がおのれを捨ててアジアの平和共存体制をつくり上げ、世界の平和共存の方向に貢献しようという出発点がこの日中平和友好条約の基本的な魂だと思うんです。やはり日本人が功利打算でなく、権謀術策を捨てて真っ裸になって中国と結びつかなければ、私は百年の悔いを将来に残すことになると思います。そういう意味において、園田さんもすでに体を張っていこうという構えを——私は国連の軍縮会議の会議場のあの演説を聞いても、われわれが下手な権謀術策をやることよりも、みずからの魂を、体をぶっつけてやらなけりゃこの難問題は解決しないという危機の中に立つ政治家の心構えをあなたは持ち切ったと思うのです。どうぞ浅沼のように殺したくはないけれども、時と場合によっちゃやむを得ませんから、それだけの決心を持って日中平和友好条約と取っ組んでいくならば、私はこの大陸だなの問題はずいぶん細かいことをみんな心配しております。これが国民の代表者の声です。しかし、人民の声は、主権者としての国民の声はこれを達成させることにあります。まっしぐらに行くならば、皆さんのいろいろの心配事というのは雲散霧消すると思います。楽観じゃない。本当にみずからが苦悩の限りを尽くした者でなければ哲学はない。本で読んで文字を書いて哲学を論ずるやつに哲学はない。私は、中国の中には、日本の本当の政治の中におけるこの人なら大丈夫だという——中国のモラルの根底は信義です。見てごらんなさい、いままでも。つらいことでも矛盾はあるけれども守ろうと努めています。そういう意味において手練手管で興亡の歴史を四千年積み重ねた中国のいま外交の基本には、自分が信ずべき人間を頼っているのです。どうぞそういう意味において、これは一に園田さんだけというのじゃないが、今後日本の政治をまともにやろうとするのにはそれだけの私は構えが必要だと思うのでありまして、一般は非常に心配しておりますが、日韓大陸だなの問題、日本と中国において本当に話し合いを煮詰めて成果を得るならば、韓国にも少しまともな政治家があって、こんなこっぱずかしいことをやっていちゃ笑われるということで、出した変な謀略の手も引っ込めることもあり得ると思うのです。人間とサルの違いは、サルはなかなかチェンジができない、人間はみずから変えることができるのです。革命の源泉はみずから自分の恥ずかしさを変えていく見識と勇気を持つことです。その点で園田さんはいろいろな線を通じて中国側にも訴えるべきものは訴え、線は通じており、外務省もずいぶんこのごろは細かく走り回っていろいろな取りつけをやっているようですが、どうぞこの日韓大陸だなの問題の見通しですけれども、余り日韓大陸だけにおぼれていると、シカを追う者山を見ずというのがあります。このごろの自民党の実力者たちは中原のシカを追うために山を見ないで馬ごと山へぶつけているような状態ですが、いま国家の安危の決するようなときに解散だとか総裁選挙だとか、こんな小人のやることで、大したことじゃありません。どうぞこの日中平和友好条約だけはまっすぐに日本がこれを貫かなければ、これは一福田さんだけじゃなく、日本の政治家を世界が信用しなくなると思いますが、これはあなたの私見でもいいですが、あなたはどういうふうにこれを考えておりますか。
○国務大臣(園田直君) きわめて価値高き哲学を十分拝承いたしました。なかなか今日混沌とした状態でむずかしい状態ではありますが、二国間で話をする場合に、国益も大事ではありますけれども、自我の主張をして利害関係だけでやっていくと二国間の関係はうまくいくものではないと、短い体験ではありますが、痛感をいたしております。日中問題についてもそのとおりでありまして、いろいろ利害相反することもあるかもわかりませんけれども、日中二国間の問題がいかにアジアのためにあり、いかに世界のためにあるかということを目標にして二国間で十分話し合うことが私は成果を上げることであると思い、これはまたいま発言された戸叶先生の哲学であると考えて、せっかく努力をする所存でございます。
○戸叶武君 この日韓大陸だな共同開発問題がこのようにこじれた最大の原因は、第一は、韓国が大陸だなの境界を画定する場合に、まず隣接国と話し合いをし、その合意を得た上で決めるという国際慣習法を無視し、日本に何らの相談なく大陸だなを決め、既成事実をつくった上に日本と話し合って共同開発にまで持ち込んだところにあります。その第二は、日韓両国が大陸だなの画定について隣国の中国に一言も相談することなく、韓国が日本に対してとった不法行為を次には日韓両国が中国に対してぐるになって行ったという印象を相手国に与えていることであります。この問題に対しては率直に園田さんが、本来はやはり日本と中国と韓国と話し合いをすべきものであった、だが、それができていないところに今日の険しい道を打開しなければならない運命に置かれていると受けとめておりますから、その打開の方式をこれから承りたいと思いますが、具体的にこじれてしまった。行き詰まったこの打開をどういうところから始めようとしておりますか。
○政府委員(中江要介君) 政策的な判断につきましては大臣が御説明になると思いますが、事務的に考えますと、日本と中国との間の大陸だなについての話し合いといいますのは、この日韓大陸だな協定についての話し合いが主ではなくて、この南にまだ広く広がっている大きな大陸だながあるわけでございます。この部分こそは日中間が話し合ってその開発の仕方についても相談をしていかなければならない。それにつけましても、こういった問題は主権的権利の主張の調整という非常にむずかしい問題でありますだけに、その話し合う両当事者が十分な信頼関係にないと、円満な話し合い、また満足すべき結果には到達し得ないというふうに幾多の先例から見ても私どもは考えるわけでございます。したがいまして、日中間でこの大きなまだ南、西に広がっております大陸だなの話をするにつけましても、日中関係が共同声明で出発いたしました新しい関係が定着いたしまして、日中両国に十分な信頼関係が打ち立てられる、そういうことを踏まえて、なお一層この資源の開発の問題についてもお互いに理解を深めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 しかし、そうかといって、日韓大陸だな協定がこのままで、中国が十分理解していないのに、いいのかという疑問は確かに残ります。この疑問を私どもが受けとめていないわけではないわけです。この面での一番の難点は、韓国と中国との間に話し合う雰囲気が残念ながらまだ生まれていないということであります。したがいまして、この面について完全な国際法上の画定した境界を定めるには、やはり朝鮮半島の問題が平和共存であるか、あるいは話し合いによる統一であるか、あるいは連邦であるか、これは朝鮮半島の人たちがお決めになることでありますけれども、いずれにしても周辺諸国、少なくとも日本や中国やソ連が納得できるような朝鮮半島の落ちつき方というものがやはり基礎になりませんと、この協定の問題についても十分な結論に達することは実際問題としてむずかしいだろうと思います。そういう意味で、いまの協定は資源開発と資源の有効利用というところに着目しております。しかし、国際制度としてのこの東シナ海大陸だな全体のあるべき姿は、やはり国際環境が熟しまして関係諸国間に信頼関係が生まれたところで円満な話ができると、こういうふうに見通すべきではないか、こういうふうに思います。
○戸叶武君 次に、河本通産大臣に承ります。 一九七〇年代に入ってから、アメリカでも航空機や核兵器以上に、もう核戦争はできないと思ったからでしょうが、エネルギー問題と食糧問題に真っ正面から取っ組んで、これを戦略物資として規定づけたのであります。特に石油ショック以後におけるあの世界のショックというものは非常に大きかったので、日本としても韓国としても、この海底油田というものに非常な熱意を燃やしているのは事実だと思いますが、事の起こりは、国連のエカフェの調査によって、これをきっかけとして韓国では国内法、海底鉱物資源開発法を制定し鉱業権を設定したのであります。そうして、その後直ちにというような勢いで米糸企業と結びついてシェルやガルフ等に租鉱権を与えることになったのですけれども、そうしてこの既成事実を勝手につくり上げたのでありますが、アメリカの企業というものはいずれも多国籍的な巨大な企業だと思いますが、こういう契約を韓国とやるならば日本や中国に衝撃を与えるということを配慮なしにやったものかどうか、その常識を疑うんですが、通産省でキャッチしているところのこの経緯はどんな形においてなされたのでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) まず最初に、わが国といたしましてこの地区における石油並びに天然ガスの開発についての基本的な考え方について若干申し述べてみたいと思いますが、現在日本は石油に依存すること全エネルギーのうち約八〇%でございます。これを十年計画でだんだんと減少をいたしまして六五%見当まで下げたいということをまず考えております。 それから、同時に現在は大部分を中近東から輸入をしておりますが、これもだんだんと中近東からの依存率を引き下げまして、中国、それから東南アジア地区、それから日本近海、この三地区からの供給というものを増量をしていきたいと考えております。と申しますのは、いま世界各国で石油開発公団を通じまして開発事業を進めておりますけれども、大規模に成功をいたしました場合には、最近のナショナリズム、国有化傾向等が非常に顕著になっておりまして、たいていは国有化されてしまうわけであります。小さいものは別でありますが、大規模なものはたいてい国有化される。そういうことがございますので、今後は石油開発地点をできるだけ日本近海に集中していきたいと、このように考えております。日本近海の中におきましても、さしあたり有望な地域がいまお願いをいたしております今回の共同開発地域でございますが、さらに、先ほども外務省から御説明がございましたが、この共同開発地域の西南方に非常に広大な大陸だな地帯が存在をしておりまして、当然これは中国との間に十分な話し合いをいたしまして中国との共同開発という方向に持っていきたいと私どもも考えておりますが、こういうものを全部含めまして日本近海からの石油の供給というものを将来できるだけふやしていきたい、そうしてエネルギー面での安全というものを考えていきたい、かように考えております。 どこに開発をやらせるかということにつきましては、この法律を通していただきまして、協定が批准をされ、さらにこの協定に基づきまして特定鉱業権者というものを設定をすることになっております。その特定鉱業権者を設定をいたします場合には、さしあたりは石油開発公団から投融資をいたしませんので、認可の条件といたしまして、経理的にしっかりした基礎のあるところ、さらにまた技術的にしっかりした基礎のあるところ、この二つの条件を整えておるところを対象にいたしまして特定鉱業権というものを認可をしたいと、このように考えておりまして、その場合にメジャーが共同事業者として入ってくるかどうかということは、これからの課題であると考えております。
○戸叶武君 韓国が国内法をつくったのは一九六九年四月で、いまから九年前に閣議決定し、その年の十二月には国会で可決成立させ、一九七〇年一月一日に国内法を公布したのであります。日本政府が、韓国がこの地域に大陸だなを設定した際に、わが方の権利主張をその半年後に向こう側に伝達した模様でありますが、なぜこのようにおくれたのでしょうか。外務省として、その経緯を述べてください。
○政府委員(中江要介君) まず韓国自身が国際法に基づいて当然に主権的権利を一方的に主張し得る大陸だなを持っているということは、これは事実の問題として認めなければならぬわけでございます。したがいまして、いま御指摘の一九六九年ごろに韓国がいよいよ自国の大陸だなを開発する国内法の整備をするらしいという情報を私どもはキャッチいたしまして、自国の大陸だなを自国の国内法で開発することにはこれは何ら問題がないわけですが、ひょっとして日本もその地域には大陸だなを主張する、また現に韓国における申請より先に日本国内でも鉱業法に基づく申請、出願があったわけでございますから、日本といたしましてもその地域の大陸だなには関心があったわけで、したがって、韓国がどういう区域を自国の大陸だなとして開発しようとし、国内法の準備をしているのかということについて情報を収集いたしまして、いま先生がおっしゃいましたように、法律が六九年の末にできて、七〇年の初めに発効いたしまして、それに基づく大統領令だったと思いますが、具体的な鉱区を見ますと、これが何と日本の九州の近くにまで及んでいたわけです。それで、そういうことがあるから、日本としてはかねがね関心を持っているということを申し入れておって、いま九州の近くまで設定されたその鉱区は日本としては認めるわけにまいらないということを先方に申し入れました。ところが先方の言い分は、あの沖繩海溝のところまでは自分の大陸だななのであるから、日本からとやかく言われる筋合いはない、したがって、韓国は韓国のよって立つ国際法上の根拠を根拠として国内法をつくり、その準備をしていた、こういうことでございまして、根は国内法の問題ではなくて国際法上大陸だなをどう認識するかという問題にあったわけでございまして、そこで日本は、そういう一方的な国内法で日本が主張しているところにまで及ぼすわけにまいらぬということで、早速韓国が国内法に基づく開発に着手することを自制するようにと強く要望いたしまして、そして日韓間の話し合いに入ったわけでございます。そこで法律論争を繰り返していまのような形に落ちついた、こういう経緯でございます。
○戸叶武君 韓国側の主張するところの自然延長論と日本側の主張した中間線論の論争というものは相当なものであったということは承っておりますが、海洋法の発展過程において韓国の主張するような独善的な主張には限界があることを悟って中間線論に結局はまとまったのだと思いますが、韓国の場合と違って日本と中国との関係は、園田さんもこれから頭が痛い問題じゃないかと思いますが、心臓の方はしっかりしているようですから大丈夫だと思いますけれども、これは押しの一手だけじゃなく、あなたは一歩誤ると命取りになる——いままでも大分取られようとしていたようですけれども、よほど中国側から信頼はあるようですが、周りに足を引っ張る人も相当ありますから、その辺はいまの冷酷非情な政界にあって国のためによほどしっかりやらないと大変と思いますが、国民は見ておるのです。いま外交権は内閣にあります。しかし内閣は、日本は議院内閣制でありまして、議会民主主義のルールによって最高機関の国会においてつくられるのであります。歴代の総理大臣が総理大臣になった以上は一度伝家の宝刀を抜いてみたいというこの変な誘惑にとらわれるが、だれも抜けなかったところに日本の民主主義は未成熟ながら成長している。伝家の宝刀は抜くときには自分も腹を切る覚悟でなければ抜けないのです。外交の問題も、内閣が外交権を持っておるけれども、重大な平和条約の問題は国民の合意を得られずして成功はしないのです。死活権は主権者である国民が握っているのであります。いまの日本の国民は、マスコミの発達により若干の害も受けておりますが、健全です。政府が主権者である国民の言うことを聞かないときには、尾崎さんが護憲運動で袞竜のそでに隠れる者を討ったのと違って、主権者の意思を無視した内閣なんかはぶちこわせという怒りが私はほうはいとして起きると思うのです。昔の護憲運動よりは、国民的な抵抗によって今度はふざけた内閣をつぶしてみようという勢いがふつふつとして国民の中に流れております。野党がだらしないから自民党にこういう暴走をさせておくのだという声もありますが、それはこれから与党と野党に対して国民から半年以内に、恐らくはこの十月、十一月あたりには気合いがかかることは必然です。自民党が福田さんと一緒に玉砕するならばこれもお好みだから勝手だが、福田さんに対してはあなたはきわめて忠実な人だというが、一内閣よりも一福田さんよりも、日本の国の運命を決するようなときには、重盛のようなひ弱な男でも平清盛に迫ったように、私は、やはり国のためには決然として立つだけの勇気、これはあなたに言うと、戸叶にそそのかされたなんて誤解を受けると悪いから、あなたではなく、河本さんもいるし山田さんもいるし、山田さんも本来は外交官だがソ連に行って相当苦労もしてきているし、外務省に言ってもいるのだが、いま本当に日本の魂の入っていない政治を国民が見守っています。日本を取り巻く周辺が、日本なり中国なりがしっかりするならば、韓国も朝鮮民主主義共和国も、つまらないその国に対する応援団を繰り込まなくとも自主的にみずから自立して私は自分の道を切り開いていくと思うのです。革命は輸出すべからず、輸入すべからざるものであって、その国の人民の自主的な責任において国の大きな改革は断行すべきであって、まず私はアジアにおいてみずからの主体性を確立するために脱皮しなければならないのはこの日本だと思います。その一番最初に脱皮する可能性があるのは園田さんや河本さんだと思いますが、御両人いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 戸叶先生の御意見に感激をして、まともに答えると仕事をやる前に命がなくなりますから、十分覚悟して努力をいたします。
○戸叶武君 河本さん、あなたは思慮の深い人だから、やはり腹の決めどころですね。
○国務大臣(河本敏夫君) 御教訓、よくわかりました。
○戸叶武君 では、大体受けとめたと認めまして、ちょうど時間となりましたからこれで下がります。
○立木洋君 私は、先般日韓大陸だな協定のときにも、この問題については幾つかお尋ねをしました。主権の問題、経済権益の問題、その他幾多の問題をお尋ねしたのですが、十分な納得のいく回答が得られなかったし、大変な問題が残されておるという点で、本日は二つの点にしぼってお尋ねをしたいと思うのです。 それで、この日韓大陸だなの共同開発についての問題ですが、南部の境界画定をめぐる問題で、いわゆる沖繩海盆までが韓国の大陸だなだ、ですから、そこまでを大陸だなの外縁だと韓国が主張していたように記憶しているわけですが、韓国がそういうふうに述べた根拠について改めてお尋ねしたいと思うのです。
○政府委員(中江要介君) これは韓国がいろんな材料を持ち出して主張したのでございますけれども、それを要約して私どもが受けとめましたのは、あの地域の大陸だなは朝鮮半島と日本及び琉球列島との間に一つの大陸だなが横たわっているのではなくて、いま立木先生の御指摘の沖繩海溝があの深さとあの幅でもって広がっているところから見ると、これはどう見ても朝鮮半島から来る自然の延長はあの海溝で終わっていると見るのが妥当である、こういう立論であったわけでございます。
○立木洋君 それでは、つまり共同開発の南限にある沖繩海盆ですね、これは水深がどのぐらいあるのか、その点について。
○政府委員(村田良平君) 場所によっていろいろでございますが、最も深いところが二千メートル程度と承知しております。
○立木洋君 それでは、北部の境界画定をやった場合ですね、いわゆる韓国寄りのところにある、対馬海峡の北東部に対馬海盆がありますが、この海盆の概要について説明してください。
○政府委員(中江要介君) 先生のおっしゃいます対馬海盆というのは、対馬舟状海盆と通常言われております対馬の北西部にある一種の溝のようなところ、それをもし指しておられるといたしますと、その部分は一番深いところで二百二十八メートルというふうに理解しております。そうではなくて、もっと北の方のいわゆる対馬海盆の方でございますと、これは海溝、みぞではなくて、両方から均等にスロープとして深くなっておるわけでございまして、この部分はたしか一番深いところが二千メートル、こういうふうに承知しております。
○立木洋君 南部の境界画定の問題をめぐっては、先ほど言いましたように、韓国側は、いわゆる沖繩海盆、二千メートルの水深がある部分までが韓国の大陸だなであるという主張をした。北部の境界画定の問題をめぐっては、いわゆるこの対馬海盆というのは全然問題にならなかったのかどうなのか、その点はいかがですか。
○政府委員(中江要介君) 南部の場合に深さが問題になりましたのは、そのみぞが大陸だなを割って、つまり大陸だながそこで終わっているかどうかという観点からその深さが問題になりました。いま北部の協定で問題になっておりますところは、これは大陸だなに切れ込んだみぞというのではなくて、朝鮮半島及び日本列島双方から徐々に対称的に深くなっていって、その一番深いところがあの付近で二千メートルである、こういうふうなことでございますので、この二千メートルを大陸だなを割っている海溝と見るかどうかという観点からは北部の場合には適用されなかった、考慮されなかった、こういうことでございます。
○立木洋君 いま中江さんは、沖繩の場合には海峡と言われ、対馬の場合には海盆と言われたけれども、これは沖繩の場合にも海盆と書かれてあるんですよ、これは外務省からいただいた地図だと思うのですけれども。しかし、南部の場合には、その自然延長を唱える韓国側の主張としてここまでが韓国の大陸だなだと、だから共同開発をやるべきではないかという形で主張した。しかし、対馬海盆というのは、いわゆる韓国から出て少しのところでそういう海盆がありますが、これも深さが二千メートルですよね。この問題は全然問題にしないで、北部の場合にはいわゆる中間線で境界を画定する。そしてその韓国寄りの側に海盆があるにもかかわらず、そのことが全然問題にされない。南部の開発の場合には、その境界画定の問題をめぐっては大変な議論になりながら、事実上韓国の主張を受け入れる形でその地域の共同開発をやる、これはきわめて矛盾ではないかと思うのですけれども、大臣、その点いかがお考えですか。
○政府委員(中江要介君) 南部の場合は、毎度申し上げておりますように、一つのいわゆる古典的な意味といいますか、一九五八年の「大陸棚に関する条約」ですらすでにはっきりしておりましたような大陸だなの存在について、それが一つであるか、真ん中で割れて日本側にないかという論争でありました。北の方は、これは仮に深さが二千メートルであれ、あるいは千五百メートルであれ、それが両方から深くなっていく、それをどこまで大陸だなと主張するかというのは、これはもはや地質学上の大陸だなというのではなくて、この深さにかかわりなく、もし大陸だなを主張するとすればこれは中間線になるだろうと、こういう発想であったわけで、南部の場合に海溝が問題になったのは東シナ海大陸だなの中にみぞが入っているからでありまして、北の方は、海盆とは言われておりますけれども、これは深い日本海に向かっていく一つの深まりであるということで、一つの大陸だなの中にたまたま深いところが入り込んで、どこからどこまでがどちらかという議論になじむような切れ込みでないと、この地形の存在の仕方からきておるわけで、ただ深さだけで大陸だなであるかないかということは一概には言えないのじゃないかというのが私どもの立場であったわけでございます。
○立木洋君 それは韓国の側に立てばそういう主張も私は成り立つだろうと思うのですね。いま海洋法会議でいろいろ議論されている大陸だなのいわゆる地質的な形成をどういうふうに判断するかというのはいろいろ議論があると思う。これは問題があるということはわかるわけですよ、いま海洋法会議で問題になっているわけです。しかし、事実上こういう形で海盆が現実に対馬海峡にある、対馬海盆がある。韓国側が主張しておる南部の場合には、沖繩海盆があるからといってそこまでの大陸だなを主張した。この問題に関しては、いわゆる北部の境界画定の場合にも当然日本側としては、あなた方がそうおっしゃるならば、いろいろ地質学的にはこの対馬海盆があるではないかと、この問題については一体どういうふうに考えているのかということは、当然日本側としてはそういう主張をして、相手の誤まった点に対する批判を行うことは私は可能であると思うのですけれども、その点について全く述べないというふうなことでは、一体どういう外交交渉をしたのか。北部の境界画定でも韓国側に有利なように、南部の共同開発の問題をめぐる問題についても事実上こういう屈辱的な形で条約を受けるというかっこうになっているわけですから、これはまさにこの問題点については非常に韓国側に有利な形で外交交渉がやられてきたという結果と見られても仕方がないのではないかと思うのですけれども、この点についての最後の質問ですから、大臣、その点の見解を述べていただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 前提のところでちょっと私ども先生の御議論と認識を異にしておりますのは、南部は海溝が入っているからそこまで韓国のものだと認めたかというと、これを認めなかったということは御認識いただけると思うのです。これは日本として認めるわけにまいらぬ。しかし、韓国はそこまで自分のものだと主張した。つまり、この海溝が入っているから大陸だなが切れているという立場を日本はとらなかったわけでございまして、日本は、海溝は飛び越え得る、一つの大陸だなであるから、これに境界を設けるならばこれは中間線が妥当である、こういう考え方でありますから、北の方もその深さがいかようであれ、もしそこに一つの大陸だなをはさんで相対して存在しているならば中間線が妥当であるという日本の主張を貫いておりまして、いまでこそ協定は二本になっておりますけれども、この日韓交渉は日韓の間に横たわる大陸だなの境界画定ということで、日本の主張は北から南まで全部中間線一本できちんと分けよう、こういう主張であったわけですね。それに対しまして南の方は、これはどう見ても地形から見て沖繩海溝までは朝鮮半島から延びた大陸だなだと向こうが言い、またそれに相当の根拠がある。あの地形に即して日本の中間線論だけが唯一絶対の正しい基準であると言い切れるほど国際法が熟していなかった。そこで双方で重なったところを共同開発する、半分ずつ譲り合うということになったのが共同開発の協定でございますので、日本の主張は、にもかかわらず、絶えず北から南まで中間線一本で分けるべきであるという立場をいまでも貫いておるわけでございます。
○国務大臣(園田直君) 過去の事実でありますから、事務当局から間違いなしに答えさせましたが、いま答弁いたしましたとおり、韓国の理屈をこちらがのんだわけではなくて、韓国は大陸自然延長、日本は中間線、そこで両方ともが言った法的理論を損ねることなしに共同開発ということで妥協したと承っております。
○立木洋君 それは、先ほど言われたように、韓国側が自然延長を南部で主張した、もちろん日本政府としてはそれを認めたわけではない。しかし、相手の主張にそれ相当のやっぱり根拠が認められるということで共同開発に踏み切った。しかし、南部の場合だって事実上境界は画定されていないわけですからね、この問題は残されている。北部の場合には、先ほど言ったように、対馬海盆というものがありながら、この問題については何ら交渉の過程では説明しない。しかも、中間線論だということになると、事実上これは南部の問題と北部の問題と関連して考えてみると、きわめて矛盾して、韓国に有利な形で現実的にはこういう形になっておると言わざるを私は得ないと思うのですよ。その点については、それは中江さんは外務省の立場ですから、いろいろ言いわけをなさるでしょうけれども、事実としてはそうなっておるということだけははっきり私は指摘をしておきたいと思う。 それで、次の問題ですが、それでは北部の境界画定の問題ですけれども、最初に事実的な問題点だけ確認しておきたいのですが、この境界は日韓の中間線で画定されていると言われますが、そのとおり事実間違いないでしょうか。
○政府委員(中江要介君) これは北部の境界画定に関する協定をごらんになるとはっきりいたすと思いますが、「日本国と大韓民国は、両国の間に存在する友好関係を助長することを希望し、」と前文がいろいろございまして、結論のところに何と書いてあるかといいますと、「鉱物資源の探査及び採掘のために国本国と大韓民国がそれぞれ主権的権利を行使する両国に隣接する大陸棚の北部の境界を画定することを希望して、次のとおり協定した。」ということでございまして、その境界線は第一条の第一項にありますように、「次の座標の各点を順次に結ぶ直線」であるということでありまして、中間線であるということは協定上は明記されておらない。そこで、この座標はどうして選んだんだということに対しましては、日本は、この地形は両方からの大陸だなのその地形のあり方が南部とは違いまして、特に大陸だなをどこかで区切らなきゃならないとか、そういうことがないので、等距離中間線の座標を結んでこの第一条第一項の座標ができているということで、一つの基準として中間線理論を採用したということでございまして、一つ一つの座標は、これは日本側のここに合意議事録にも引用してあったと思いますが、日本国政府の海上保安庁の水路部の地図によりまして測定して決めていったと、こういうことでございます。
○立木洋君 その大体のことはわかるのですけれども、この座標一から座標三十五までですね、これは正確を期しておきたいので、若干その点技術的な点もお尋ねしたいのですが、この座標一、二、三というふうなのを決めていくのは、いわゆる日本と韓国のそれぞれの基点から等距離の間において座標一を決め、その線を引っ張っていきながら次に基点となり得る地点が生じた場合には、その地点が今度韓国側と、相手側の同基点との間での等距離ということで座標二とし、それを結んでいくという形になっているのかどうなのか、その点についてちょっと技術的な点かもしれませんけれども、お尋ねしたいのです。
○政府委員(中江要介君) これは、あのときに作図に参加いたしました技術の専門家の方に説明していただくと、きっともっと正確な御説明があったと思うのですけれども、私がそばで見ていて承知しております限りは、両方で海図上のいろいろの島だとか湾の入り組み方だとか、そういったものを順次沿岸に沿ってはかりながらその等距離中間の地点を一つずつ決めていったと。その間を直線で結ぶ、その結果として完全にいろいろと入り組んだ等距離の一つ一つの点を全部結んで、恐らく本当の中間線というのは曲線になると思うのですが、それを便宜上、主たる基点からの中間点を拾って、それを順次結んでいってつくったものと。他方、これは大陸だなの開発を目指しておるわけでございますので、日本と韓国とのまたがる水域全部を二つに分けるのではなくて、大陸だなを開発するに必要な限度において分ける、つまり余り深いところまでやってみても意味がないということは他方考慮に入れられていたと思います。
○立木洋君 海上保安庁の方、おいでになっているかと思いますけれども、座標三十四はどの地点とどの地点を基点として決められたのか、その点について。
○説明員(佐藤任弘君) 座標三十四の基点は、韓国側は江沙里と読むのでしょうか、よく発音はわかりませんが、それから日本側は児島でございます。
○立木洋君 じゃ、座標三十五はどことどこを基点にして決めたのでしょうか。
○説明員(佐藤任弘君) 座標三十五は、三十四からその中間線を延長して、そして北緯三十六度十分の線と交差する点を座標三十五としたわけでございます。
○立木洋君 座標三十五を決める場合の日本側の主張と韓国側の主張ということは、それぞれ意見を出し合って三十五という形に決まったのでしょうか。その点については討論の経過は御存じですか。
○説明員(佐藤任弘君) 存じません。
○立木洋君 中江さん、座標三十五を決めたときの韓国側の主張と日本側の主張というのは、どういうふうな主張をそれぞれなさったのか、あるいは問題なくそういうふうになったのか、その点についていかがでしょう。
○政府委員(中江要介君) これは実際に作業を私自身がいたしませんでしたので、あるいは正確であったかどうかわかりませんが、先ほど私が申し上げましたように、どの辺まで引こうかということが実は最初に問題であったわけです。どの辺までというのは、どの辺まで境界線を引いておけばこれからこの日本海における大陸だなの資源開発の場合に境界として日韓両国ではっきりするだろうか。極端なことを言いますと、三十八度線をずっと東にいっぱいに延ばしたところまでこの線を引っ張る必要があるんだろうかというふうなことになるわけですが、私どもの当時考えておりましたのは、この地域での石油資源開発の実際的な要望、経済的要望というのは実は非常に手前の方でございまして、まだそれほど奥の方まで行かない。ところが、韓国の方では、先ほどちょっと言われました三十六度十分でございましたか、このいまの座標三十五がございますが、その辺まで引こうという希望があったというふうに思います。それで、そこまで引いても別に手前でとめなきやならぬ理由もないし、そこから先を引いて悪いことはないけれども、大体その辺のところまで引いておけば経済的に海底の資源を開発するには十分であろうという判断があったというふうに私は記憶しております。そこで、その三十五をどうしてどういうふうにこの点を決めたかという点は、これはたしか、韓国と日本が持っております小さな島をそれぞれ探しまして、そこから等距離の地点であったというふうに私は記憶しております。
○立木洋君 座標三十五というのは、竹島とは関係がないのですか。
○政府委員(中江要介君) 距離的にはかりますと、竹島からの距離が他のそれぞれ日韓双方が当時はかつておりました島との距離に比べまして、必ずしも三点から等距離というわけではなかったようでございます。
○立木洋君 海上保安庁の方、この座標三十五というのは、いわゆる韓国側の基点とした江沙里からの距離がどれだけなのか、それから日本の基点とした児島からの座標三十五までの距離がどれだけになっているのか、それから竹島から座標三十五までの距離はどれだけになっているのか。
○説明員(佐藤任弘君) 海図上で、図上ではかりますと、三十五と見島だったですか、児島までの距離は約百五十三キロ、それから座標三十五と韓国側の江沙里との距離は同じく百五十三キロです。それから、座標三十五と竹島までの距離は約百三十一キロです。
○立木洋君 大臣、竹島というのは、日本政府の主張はこれは日本の領土ですね、間違いなく。これは韓国の領土であるということを日本政府は認めたことはございませんね。——「うん」じゃ困るのですけれども、その点はっきりと、今後の外交交渉の問題もあるのですから、もう一度確認をしておきたいと思うのです。
○国務大臣(園田直君) 御発言のとおりであります。
○立木洋君 そうすると、いま海上保安庁の方が言われたように、竹島から座標三十五までの地点というのは百三十一キロですよ。これが日本の領土だと主張するならば、等距離中間線を引くならば、いまの等距離中間地点としての座標三十五という地点は、これは全く変わってこなければならない。そして、もしか仮に韓国の基点江沙里からいわゆる基点見島までの等距離と竹島にかかわりない地点までの線の引き方ならば、これはそれなりにまた政府の主張も通るでしょうけれども、しかし、現、実に竹島という問題がかかわる地点にまで来ている。これは地図を見ていただいた方がよくおわかりになると思うので——委員長、ちょっと地図を見てもらいますから。 この地図を見ていただいたらわかりますように、江沙里からと見島からの基点、これは三十四と書いてありますが、座標三十四、これは等距離としてこの座標三十四がつくられたと。しかし、いまの座標三十五をどう決めたかと言えば、それは竹島の問題が一切問題にならなくて、どこまで引けば今後の共同開発でやり得るだろうかという今後のことを考えた上で一応三十五までの地点にした。ところが、座標三十五というのはまさに領土問題としていま問題になっている竹島から言うならば百三十一キロと、こういうことであるならば、この中間線と言われる主張自身がこれは問題になるのじゃないですか、まさに中間線ではないと。いかがでしょうか。
○政府委員(中江要介君) 先ほど私が申し上げましたように、この中間線というのが一つの基準になって、そして便宜上一つ一つ点を結んでいったということでございまして、一番最後のところは、立木先生がおっしゃいますように、竹島を考慮に入れますと、座標三十五の手前六海里のところで日本がもし竹島をカウントすれば左の方にもう一つ線が出てくると、これはもう当時私どもも十分承知しておりました。ところで問題は、竹島というあの島が大陸だなの境界画定の場合に十分基点として主張し得る島かどうかということについて、御承知のように、一九五八年の大陸だなの条約では島も大陸だなを持つと、こういうことになっておりますが、そのときの大陸だなといいますのは、水深二百メートルまで及び開発可能の限度までということでございますから、あの竹島という、絶海に突如として下から、非常に深いところから出てきている岩礁の島でございますので、それ自身が持つ大陸だなというのは非常に限られておる。したがって、竹島周辺の大陸だなを開発するということになりますときには、その大陸だなそのものはいずれの国とも相対していない形の大陸だなではなかったかと、もし一九五八年の大陸だなの条約のとおりの大陸だなの、あるいはその島が持つ大陸だなの性格でございますね、ということではなかったかと、こういうことが一つ。それからもう一つは、いまの海洋法会議で大陸だなの幅を測定する、あるいは大陸だなの境界を画定する、そういうときにどの程度の島を基点として採用するかということについては、いま議論がまだまとまっていない。確かに日本はあらゆる島を勘定に入れるべきであるという主張をしていることは御承知のとおりです。しかし、これはまだ国際法典化されていないということでございまして、この竹島の扱いにつきましては、この竹島のような絶海の岩礁の島を大陸だなを主張する基点として使用し得るかどうかということについては問題があったわけでございます。そこで、三十四と三十五の——三十五というのは先ほど御指摘の北緯三十六度十分でしたか、そのところで切りますと、三十三から三十四の線を引き続き見島と江沙里との等距離の線を延長して、そしてその交差したところでとめるということで合意に達したわけでございまして、この実際上の開発の必要性と竹島という島を大陸だなを主張し得る島と見るかどうかという点、それから境界を画定するときの基点として竹島のような島を勘定し得るかどうかという点、そういう点について国際法的にも、また実際上の必要性から見ても、これ以上のところで右に振れ左に振れということは決めかねるということでありましたので、三十三から三十四の線を延長して、そして区切りのいいところで三十五でとめたと、こういうのが経緯だったと私は記憶しております。
○立木洋君 それは大変おかしなことなんですよね。中江さん、大陸だなの条約として現在有効なのは、御承知のように、五八年ですよ、まだ変わっていないのだから。あなたは、外務委員会でも商工委員会でも、現行の場合には、われわれがいま海洋法会議で問題になっている問題点を出しますと、結局、いま決まっておるのは五八年の大陸だなの条約でございますから、それに基づいてやるのでございますという答弁をなさっておる。だから、この当時の大陸だな条約を見ていただければわかるように、これはもういわゆる相対する沿岸を有する国、隣接する国の間の大陸だなを決める問題については一、二、三と書かれてある。もう長くて読みませんけれども、それの第三のところには、大陸だなの境界画定に際し、一及び二に定める原則に従って引かれる線は、特定の日に存在する海図及び地形を参照して定めなければならず、これは海図、地形、ちゃんと島というふうになっているのですからね。また、陸上に固定した恒久的な識別し得る地点に関連しなければならない、竹島は明確に識別し得る地点になっているわけです。だから、五八年の大陸だな条約に基づくならば、竹島ということがいわゆる座標での地点を決める場合には当然問題にならなければならない。それからさらに、この海洋法条約ですね。これは領海及び接続水域に関する条約の島というところにでも、「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。」と。だから、高潮のときだってちゃんと水面上にあるわけですから、竹島というのは。一方では、いわゆる先ほど座標三十四を決めた地点というのは児島なんです。これも島なんですよね。この島というのが高さがどれだけかと言えば百八十二と。竹島がどれだけかと言ったら百五十七です。見島が基点となる理由があって竹島が基点となる理由がなぜないのか。ましてや、これは日本の領土だというふうに主張をしておきながら、それを全く無視した形で中間線を引くというふうなことは、この北部境界の画定の線引きというのは日本の領域である竹島問題を全く無視して中間線を引いた、これは重大な瑕疵のある条約じゃないですか。日本としては、竹島は日本の領土でないという形で線を引くことを認めたんですか。
○政府委員(中江要介君) 竹島が日本の固有の領土であるという立場を一度も日本政府は変更、修正、譲歩したことはないということはいつも申しておるとおりです。したがって、いまでも竹島は日本固有の領土であるという立場をとっております。これが第一点。 それから、竹島は島ではないか、これは先生御指摘のとおり、竹島は島であるわけです。そこで問題は、その見島とか江沙里島というのは、これは本土なり半島の付属島嶼として散在しておるわけでございまして、竹島が絶海の孤島のような姿で存在しておりますので、そういう島が大陸だなを持ち得るのかどうかということが、これは島であることとは別に、一つの問題点であるわけでございまして、したがって、竹島を基点として、つまり竹島も含んだ大陸だなというふうな認識になるかというと、そこはやはりあの地形から見まして、竹島が大陸だなの上に浮いている島で、乗っかっている島である、したがって、これは境界画定の基点になるべきであるという主張は非常にむずかしいということであったわけでございまして、竹島自身が絶対に大陸だなを持たない、これはもうカウントしなくていいのだという国際法がないのと同じように、必ずこれはカウントしなければならないということにもなっていなかったわけでございますので、これは竹島の日本の固有の領土であるということに影響の及ばない議論のところで三十五で決めたと、こういうことでございます。
○立木洋君 仮に、中江さん、今度の第三次海洋法会議で出されているあれを見ましても、この島の制度については述べられてありますよ。ここに書かれてあるのは、大陸だなを持たないという規定については、人が生活し得ないか、またはそれ自体経済活動が行えない岩は、それ自身の排他的経済水域または大陸だなを持たないというふうに書いてあるのです。単一草案に。ところが、御承知のように、竹島には燐鉱石の鉱業権の問題があったわけでしょう。設立されているわけでしょう。あそこには漁業権が、いわゆるワカメやエビ、アワビ、サザエなど漁業権が五百メートルから二百メートルにわたってあるわけですから、ここは明確に大陸だなを持たないなんということは、今回の単一草案から考えたって、竹島は当然基点にしなければならないのですよ。大陸だなを画定する場合に、その大陸だなを画定しなければならない竹島、しかも、それが日本の領土でありながら、そのことを全く無視して中間線を引いたというのは、これは重大な瑕疵じゃないですか。日本の領土でないというふうに言われるならば、これは話は変わる。もしか、それはなぜ竹島を基点とし得ないのかということが論理的にもっと明確にされるならば、それも結構でしょう。両方とも成り立っていないのだ、あなたのお話は。だから、これは中間線の引き方ではない。これは重大な問題だと思うのですが、その点改めて端的に、もう時間がなくなりますからね。
○政府委員(中江要介君) 私、冒頭から申し上げましたように、すべて中間線というものが等距離中間の地点のみで構成されているものでないということは申し上げたつもりでございまして、それからもう一つ、この地域の大陸だなを開発する実際上の経済的必要性ということも一つの考慮であったということも申し上げました。そのほかに、いまの島の取り扱いの問題点もあったと。そういうこともありまして三十五のところでとめたというのが経緯であるということを先ほど来申しておるわけでございます。
○立木洋君 そうすると、いままでの国会で答弁なさってきたというのは大変な偽りがあったということになりますよ、中江さん。参議院の外務委員会で五十二年五月二十四日、あなたが述べられている。これは「北部協定の方は、これは一つの大陸だなが韓国と日本の間にべったりとつながっておりますので、これは中間線をもって境界とする。これはしたがいまして綿密に距離を測定して中間線を引いたわけでございます。」と。大体なんということは、あなたは言っていないでしょう。そうすると、明確に中間線を引いたと言って国会で答弁してきて、それによっていままで議論されてきた。いまになってそういうふうに中間線ではございませんなんと言ったら、あなた、これは国会を愚弄したことになるじゃないですか。 もう一つは、これは伊達政府委員が述べた衆議院の外務委員会、五十一年五月七日、すなわち、座標三十五までの線は竹島を無視して引いたものでございますと明確に国会でこう答弁してますよ。いまになったら、そういう問題は、それはなり得るかどうかといって、あなたは答弁を変えられた。そうすると、これは国会でこの答弁に基づいてわれわれは質疑をしてきたのだ。問題点を明らかにするという形でやってきたのです。それがここで言われているように、「綿密に距離を測定して中間線」と言っているのですから、片一方では全く竹島は無視して、竹島が日本の領土でないと、そういう立場で当時は中間線を決めたのか。大変な問題になると思うのですがね。この点について大臣の御見解を伺いたい。
○政府委員(中江要介君) 私は、先ほど来申しておりますように、座標の一つ一つは綿密に等距離の地点を結んできたのだと、こういうことを一つ申し上げまして、それが三十四まで参っております。これはそのとおりでございます。それから三十五のところは、先ほど来申しておりますように、竹島が日本の固有の領土である、ないということでなくて、この竹島を基点として採用していない結果として、見島と江沙里との中間線、等距離の地点として三十五があるということを申し上げたわけで、これは伊達参事官が答弁したとおりで、結果として竹島が三十四と五の、三十五の手前の六海里の地点から先のところで、竹島がカウントされてないと。しかし、それは基点としてカウントしてないということであって、これが日本の領土でないということでは絶対にない、これはもう明らかなことでございます。
○立木洋君 大臣。
○国務大臣(園田直君) 過去に行われた折衝の中間線を引いた現、実の経過を申し述べているわけでありますから、大臣としては、事務当局の申し述べること、それを信じて申し上げる以外にございません。
○立木洋君 私が先ほど指摘しましたのは、これは単に話を聞いてそういう説明があったということじゃないのですよね。国会で議論をし、重大な審議の問題点になった点がそういうふうに答弁が食い違ってきている。これは明確に距離を測定して中間線を引いたと書いてあるのですから、綿密に。一方では竹島ということは全く無視して決めたと言っているわけですから。これは竹島は日本の領土だということを先ほど確認された。今後交渉によって明確に韓国側ともやるのだというふうに言われているわけですから、いまの答弁では絶対私は納得できないですよ。 この点については、委員長の方で諮っていただいて、政府に明確に、この前回の議事録が誤りなのかどうなのか、その点についてと、それから竹島の問題を含まないで基点三十五を決めたということが北部境界画定の上でこれは重大な瑕疵になるのではないかという私の意見について、見解を明確にしていただきたい。それはたとえば商工委員会でなされるなり、どこでされても結構ですけれども、至急に政府として、事務当局がおっしゃるだけですということではなくて、大臣も明確に調べてその点に対する見解を出していただきたいということを最後に、もう時間がありませんから、委員長にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(楠正俊君) はい、了解しました。
○坂倉藤吾君 私は、公害対策並びに環境保全の立場から質問を申し上げたいと思いますが、この法案提案に当たって、環境庁山田長官、どの程度この環境保全の立場で御相談があったのか、まずその点からお尋ねをしたい。
○国務大臣(山田久就君) 環境庁といたしましては、万一の場合に生ずる汚染、そういう点を考慮いたしまして、したがって、わが方としてこれについての対処すべき体制を整えるという点で、−係各省との連絡、そういう立場からの要請を行いますとともに、同時にまた、韓国側においてのそういう面についての法体系の整備等につきまして、われわれといたしましても、この点についての要望を行いまして、その体制の実現方に努力してまいったような次第でございます。
○坂倉藤吾君 そういう御答弁をいただきましたが、この法案を見ますと、漁業との調整は一応不満足ながらも明らかに出ているわけですね。ただ、環境の常々問題になっております事前評価等の関係については、一切これは触れられておりません。触れられていないということになりますと、今日ある公害に関する国内法でもってこの辺は十分だという御判断に立たれたのだろうと思うのですが、その辺明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(山田久就君) いろいろ御懸念の点、いま御指摘がございましたけれども、この点については、事前の環境評価という問題よりもむしろ事故防止ということ、これが中心問題をなす、こういうような認識に立ちまして、その点について特にわれわれといたしましては注意を喚起したわけでございまして、いわば、通常の場合の事前のアセスメントということについては、必ずしもなじまない問題じゃないかと、こういう見地に立っている次第でございます。
○坂倉藤吾君 事故防止が中心であって、環境のどういうふうに影響するかということについては問題がないと、こういう御答弁で、大変これは不満であります。大陸だなの石油開発ということになれば、当然、その作業自体の問題もありますし、同時にまた、そこに一つの給油基地、こういうふうなことも将来考えるわけでありまして、相当大型のタンカーその他もそこには常時行き来をすることにもなってまいります。そういう事情からいけば、当然これは海面あるいは海中に対するところの自然環境がきわめて大きく影響されるという事態が発生することは明らかであります。したがって、それらの影響をどういうふうに事前に調査をし、その影響に対する具体的なあらわれ方に対して、自然を保持をし、さらには漁業の大きな基地でありますから、そういう立場でも影響を防止をする、こういう問題が当然考えられてこなければならぬというふうに考えるわけですが、そういう意味合いで、これは通産省にお尋ねをいたしますが、いま山田長官から答弁のありましたように、環境アセスについては余り重点を置かなかったという、こういう問題に対して、通産省としては、どういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(左近友三郎君) この大陸だなの開発につきましては、この法案によりまして鉱山保安法が適用されることになっておりますが、これによりますと、鉱害の防止のためには、掘削の段階、それから採取の段階あるいは事故防止の段階、各段階におきまして詳細な関係規則がございまして、それに対する取り締まりが決められておりますし、施設を設置する場合にはやはり認可制になっております。したがいまして、この操業の各段階において規則によってチェックされる、そして鉱害が起こらないようにするということになっておりますので、この制度に従いまして鉱業を実施をすれば問題がないのではないかというふうにわれわれ考えておりますし、また不幸にして事故が起こりましたら、またそれに対する対策も規則で決められておりますので、それに対する対策をとるということでこの事業を実施するのを監督いたしたいというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、再度お尋ねをしますが、現在鉱山保安法はわが国の国内で相当以前からずっとこれは施行されていますね。そうしますと、この法案の施行されて以降日本の国内の中で鉱山における鉱害は発生していない、こう断言できるのですか。
○政府委員(左近友三郎君) 鉱害発生を未然防止するための対策といたしまして、鉱山保安法で規則を定めておるところでございます。現在までの大陸だな開発につきましては幸いにして事故はないというのが現在でございます。しかしながら、これは大いに注意をいたしましても、陸上でも事故は発生していることは事実でございますが、それに対しては、またその後の対策を保安法で措置をするということをやっておりますので、この法律をつくって、あるいは規則をつくったから絶対事故が発生しないと言うことはできませんけれども、十分事前の措置、あるいは事故が発生した場合の事後措置というもので処理をしていきたいというふうに考えておるわけであります。
○坂倉藤吾君 したがって、現在法律があって、それを守るようになり、その守る前提からいけば当然事故は防げる、これが前提になっているわけですね。にもかかわらず、日本のしかも内陸部でもって、そこでさえもなおかつ事故が発生をし、しかも、鉱害被害というものが具体的になって出てきている。まして海洋で、これは言うならば人が立って歩けない、こういう状況の中で作業が進められていくという状態になるわけでありまして、当然そうしたことの中で事故防止については陸上以上の大変な配慮が必要であろうと思うし、万一発生をした場合の防除措置等についても、きわめて慎重にこの問題については対処せざるを得ない、こういう状況にあろうと思うのです。そういう重要な段階にありながら、具体的には事前にそれらに対するところの評価すらも行われないで、ただ事故防止に重点を置かれた、こういう形では納得できないのですが、じゃ、逆に聞き直しまして、これはもう一度山田長官にお願いをしますが、事故防止の対策を行ってきて具体的には事故が発生をしない、こういう自信と確信がお持ちいただけるところまでいったのかどうか。
○政府委員(二瓶博君) 大臣がお答えする前にちょっとアセスの関係につきましてお答えを申し上げます。 現在、アセスにつきましては、開発行為等によりまして環境に影響を受けるというような場合に、事前に調査予測評価をやるということでございますが、その際もあくまで正常な事業活動ということを前提にしてのものということで考えておるわけでございます。ただいまお話がございましたように、今回のこの共同開発区域でやります開発行為という問題になりますと、これはやはり事故というものの未然防止ということが一番の重点でございます。したがいまして、そういう面について事故が万々一にも発生せぬようにということで点検なり、そういうことの徹底をやってもらうということであろうということで、アセスの対象には実はやっておらないということでございます。 問題は、事故の防止という面につきましては、先ほども通産省の担当局長からもお答えがございましたように、これにつきましては最善の措置をとるということでございますので、環境庁といたしましても、万々一にもそういう事故が出ぬように、安全には念には念を入れてということを要請をするということで対処すれば十分ではないかと、かように考えたわけでございます。
○国務大臣(山田久就君) 当方の趣旨は大体においておわかりいただけたかと思いまするけれども、われわれといたしましては、できるだけ万一の事故防止、事故によっての海難、いろいろな汚染ということが一番問題である。こういう観点に立ちまして、したがって、ノーマルな点の開発事業につきましては鉱山保安法、先ほど通産の方からもお答えがありましたけれども、この規定によって万全な措置を事前に講ずると。しかしながら、いわゆる海難事故という点については、特に韓国側との共同開発でもありますし、わが方としての対策とともに韓国側もこれに応じた対策を講じてもらわなきやならない。そういう意味におきまして、わが方の関係省、外務省あるいは通産省等とも協力いたしまして、そして韓国側においてこれに対処する体制というものについてできるだけ万全の措置を講ずるようにと、そういう立場に立って努力してまいってきたつもりでございまして、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 答弁を聞きましてもすっきりしません。ただ、これからこの法案が仮に成立するということになりますと、当然これは次に具体的な探査、試掘、採掘と、こう進んでいくわけですね。したがって、その段階段階で具体的な影響をやはりきちっととらえていかなければならぬ、こういう課題ができるわけであります。しかも、この探査、試掘あるいは採掘等について、今日この置かれておる状況からいえば、韓国側の法令適用になるもの、あるいは日本側の法令適用になるもの、それぞれの同じ共同区域でありましても、そこのいわゆる操業管理者になる立場のものがどの国と契約を成立をさしておるかによって法令適用の問題が変わってくるはずですね。したがって、そうなったときに具体的にこの事故防止その他について、一体、全体としてどう調整を図っていくのか、この辺はきわめて私は疑問に感ずるのです。したがって、これは外務省の所管になろうと思いますが、韓国側の対応としては一体どうなっておるのだろうか。日本側のいま御答弁いただきました、不満ながらも幾つかの問題がありますが、日本側の対応と韓国側の対応というものが法律的な立場あるいは具体的な立場の中でどうこれが整理をされていくのか、この辺についてひとつ御答弁いただきたい。
○政府委員(村田良平君) この協定の仕組みといたしまして、ただいま先生御指摘のような問題がどのように処理されるかという点について御説明を申し上げたいと思います。 いま問題になっておりますところは、この協定の第十九条で定めるような仕組みによりまして両国の法令の適用が行われるということでございます。すなわち、鉱山保安法でございますとか、あるいは海洋汚染の防止に関する法令であるとか、そういったたぐいのものは、この協定の他の条項で特段の定めはございませんので、この第十九条による、この仕組みによるわけでございます。もっとも、海洋汚染の防止、除去に関しましては別途交換公文がございますので、この交換公文に定める基準を最低限度守る国内法をそれぞれがつくるという義務を負っておる、こういうことでございます。しかしながら、両国の法令はそれぞれの国の社会的背景等を基礎といたしておりますので、個々の規定におきまして完全に同一でないという事態は、もちろんあり得るわけでございます。そのような状況を考えまして、この協定の第二十五条に共同委員会、この協定に基づいてつくられる共同委員会の任務がいろいろ定めてあるわけでございますが、その第一項の(e)というところに「この協定の効力発生の時に予想されなかった問題(両締約国の法令の適用に関連する問題を含む。)について研究し及び、必要と認めるときは、それらの問題を解決するための適当な措置について締約国に勧告すること。」という定めがございまして、具体的には、たとえば先ほどの鉱山保安法なら鉱山保安法の適用におきまして、この協定の目的を実現するのにこういう措置をとったら適当ではないかというふうな意見を日韓両国の政府の代表が話し合うという場がここに設けられておるわけでございます。また、一般的に二十九条の協議の条項というものがございますので、いかなる問題に関しましても「いずれか一方の締約国の要請があったときは、この協定の実施について協議を行う。」と、このような仕組みにもなっておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 いま答弁がありました中の交換公文ですが、この交換公文は、たとえば開発の手法あるいは技法、あるいは鉱害防除措置等について具体的に基準になるべきものは示されていないで、それぞれ各国の整理をするいわゆる法令の中でお互いがこれをやっていこうと、こういうことになるわけですね、その申し合わせであろうと。 そうしますと、具体的に判定をする、いわゆる拘束をする法令は、それぞれの国で大体近寄らせてということはわかるわけでありますが、必ずしも同一にならない、これが一つであります。それからもう一つの問題は、結局、それぞれの国の法令で規制をされたものが適用される場合に、ここはおかしいじゃないかという指摘が相互にできるのかできないのか、これが二つ目の問題。さらにもう一つは、具体的に問題が提起をされたときに、その判定基準というのは、韓国側の場合は韓国が判断をすることになるだろうし、日本側の場合は日本が判断をすることになるだろうし、その判断基準がこれまた相違をしたのではトラブル発生のもとになると思う。この三つの関係についてどのように整理がされるのか、具体的にひとつお教えをもらいたい。
○政府委員(村田良平君) 個々の具体的な問題点につきましては、確かに各国の国内立法等に任されるということは御指摘のとおりでございますけれども、環境保全にとって最も重要な海洋の汚染の防止及び除去に関する点につきましては、交換公文によって相当詳細な規定が置かれておるわけでございまして、これを基準にして両国の国内法令が整備されるということでございますから、その間に非常に大きいそごがあるというふうなことは、そもそもあり得ないような仕組みになっておるわけでございます。 それから具体的に、それではその法令を適用していくというふうなときにそごがあって困るではないかという御指摘でございますけれども、先ほどの答弁の繰り返しになりますが、まさにそのような事態があり得ることも予想いたしまして、この共同委員会の重要な任務の一つといたしまして法令の適用に関することということを定めておるわけでございますので、もちろん、それぞれの立場からいろいろな主張の異なるところも出てまいりましょうけれども、このような種類の協定を実施するという場合には、それぞれ日韓双方の基本的な信頼関係というものに立ちまして、この環境保全、海洋の汚染の防止というふうな目的に照らして、両国が協力するという精神にのっとってやるわけでございますから、協議条項ないしこの共同委員会の活用ということによってそういった事態は回避されるというふうに考える次第でございます。
○坂倉藤吾君 問題点を変えて質問を申し上げますが、この大陸だなの特別法じゃなくて、協定締結の場合の国会論議を若干さかのぼって見ていきますと、先ほど原田委員の方から少し触れられました北海油田の関係がひとつ技術の水準の問題として、大陸だな開発に対するところの基準として当てはめられる。したがって、それでいけば事故が起こらぬのではないのかというのが当時の政府答弁の中に明らかになっているわけであります。この際、サンタバーバラ沖の噴出事故の問題を指摘をしたものについて、これまた政府答弁では、サンタバーバラ沖の噴出事故の問題は技術が低下をしておって、したがって、言うならば起こるべくして起こったような事故、それに引きかえて北海油田の場合は技術水準も研究開発をされて上がってきている、事故は起こらぬであろうという立場になっておったのが具体的には北海油田が噴出事故を発生をさして大騒ぎになった。この問題が実はしり切れトンボになっているように私としては判断をするわけであります。いま法案審議の中で、今日の技術水準でこの北海油田の事故のようなものが発生しないという保証は具体的にできるのかできないのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(左近友三郎君) 北海油田の事故については、その後原因も判明をしておりまして、作業の、ミスということになっておりますけれども、われわれの方の規則によりましては、作業者についても保安教育その他を実施する、それから作業者の資格も国家試験に合格した者にするというふうなこと、あるいは訓練を実施するというふうなことによりましてそういう作業ミスのないような十分な措置を講じておるわけでございます。ただ実施に当たりましては、絶えずこういう保安の場合には教育が必要であるということは鉱山保安全般について言えることでございます。ことにこの海上の問題は、一たん事故が起こりますと影響も甚大になります。したがいまして、今後はそういう規則の運用面について鉱山保安監督局を通じて絶えず監視させる、それから事業者自身にも自主保安の趣旨を徹底せしめるというふうな各般の措置を講ずれば、この北海に起こったような人為的ミスによる事故というものは防げるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 努力をすることによって事故は防げるであろうという期待でありまして、絶対に事故は起こらないという保証ではない。これはまた絶対に事故は起こりませんと言い切りましても、起こった場合はどうにもしようがないことでして、したがって、そういう起こる可能性を持ちながらそれを最大限できる限り防除体制を強化をして努力をしよう、これが今日の私は限界であろうと思うのですね。したがって、万一事故が発生をした場合の防除体制、防災体制というものはなるべく完璧を期していかなきゃならぬ、こういう配慮が当然必要になってくるわけでございます。そういう意味からいきますと、私はひとつ具体的に、この防災体制といいますか、それを実行をされる立場にある海上保安庁にお聞きをしたいのですが、先ほど例に挙げました北海油田のような噴出事故が万一この大陸だなで発生をした場合に海上保安庁としての防災体制、これは一体どうなっておるのだろうか。同時に、体制ばかりでなくて、今日海上保安庁が設備をしております設備能力、この関係にも触れて説明をいただきたいと思います。
○説明員(村田光吉君) 共同開発区域におきましてその開発に伴いまして万一流出油事故が発生いたしました場合、私たちの所管する海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律、この体系に基づきまして御説明いたしますなれば、海洋施設の管理者等は排出された油の状況等を最寄りの海上保安庁の事務所にまず通報する、こういう義務がございます。それから同時に、直ちに排出の防除のための応急措置を講ずる、そして海洋施設の設置者は油の回収等排出油防除のために必要な措置を講ずる、そういう段取りになっております。海上保安庁といたしましては、巡視船、航空機及び防災資機材を動員するほか、必要に応じまして、その排出油防除義務者の措置が不十分であると認めた場合にはさらに防除措置命令を出すこともいたします。そして関係機関、民間の協力も得ながら、まず人命の救出あるいは付近の海上交通の船舶の警戒、あるいは排出油の防除の措置を海上保安庁みずからの手で実施する、そういう段取りになっております。
○坂倉藤吾君 具体的な器具、いま御説明がありませんが、保安庁として準備しなけりゃならぬ器具、現在備えておる器具は何か。それから同時に、施設管理者が今日の法令に基づいて具体的に備えつける器具は一体何か。
○説明員(村田光吉君) まず海上保安庁の施設から申し上げますと、全国各地に、巡視船九十六隻、巡視艇二百十六隻、合計三百十二隻、航空機三十六機の出動体制を散在さしております。油回収艇は六隻、オイルフェンス展張艇は十九隻、油回収装置は十三式、油移送装置は二式、及びオイルフェンスあるいは油吸着剤その他を配備備蓄をしております。さらに五十三年度には、油防除艇二隻あるいは油回収装置二式を整備するほか、商粘度の、非常に粘度の高い油を吸着するネット等も整備することにいたしております。当庁以外のいわゆる民間あるいは関係機関の設備でございますけれども、いま現在当庁が把握しておるのは、油回収艇が八十八隻、オイルフェンス展張船が六十隻、油回収装置が群十八式等、いつでもこれらの協力を得るという体制を整えております。
○坂倉藤吾君 全国のお話が出ましたが、大陸だなで事故が起こった場合に、たとえば北洋の警備についている船がこの大陸だなへ来るのに一体どれだけかかるのですか。それがこの大陸だなの防除体制に緊急性を持つんですかね、間に合うんですかね。
○説明員(村田光吉君) われわれ九州を主として所管しております第七管区、第十管区の巡視船につきますと、現在共同開発海域のような外洋に活躍することのできるのは二十一隻、巡視艇は五十三隻、航空機は四機、オイルフェンス展張艇が二隻、オイルフェンスが約三千メーター、油処理剤十九キロリッター、その他をこれは九州地区だけで保有いたしております。必要によりまして、あるいは被害の実態に応じまして、先ほど先生からもおっしゃいました全国的な支援体制も整えておるところでございます。
○坂倉藤吾君 どれだけの時間がかかるか、北から。
○説明員(村田光吉君) それは派遣するところによりますが、たとえば横浜からだと巡視船にして約一昼夜は要するのじゃなかろうかと思います。
○坂倉藤吾君 北洋、北海道から。
○説明員(村田光吉君) 北洋もやはりそのときの距離によりますが、北洋からだと、巡視船の速力にいたしまして一昼夜半、二昼夜はかかろうかと存じます。 なお、先生も御存じのように、最近領海警備あるいは二百海里、そういうことで非常に業務が多忙になってまいりましたので、五十二年度の補正予算並びに五十三年度でもちまして巡視船を増強していただくという計画もございます。それらをあわせまして効率的に総合的に運用したいと、このように考えております。
○坂倉藤吾君 いまの海上保安庁の巡視体制、特に北洋関係では漁民の安全操業を確保するために海上保安の体制はますます強化をしてもらいたい、こういう要望が具体的に出されておりますし、それに対して海上保安庁の方もそれにこたえるように努力をしていきたいという答弁をしておるはずであります。さらにまた、日本と韓国、あるいは日本海関係ですね、ソビエトとの関係、ここにつきましても幾つかの問題が海上保安の中であるわけであります。これはいま具体的に提起をされました七管の所管も入っていると思いますがね。そういう状況になりますと、そういう日常の業務で配置についているものが具体的な防災体制の中に——それはまあ緊急性がありますから、全部寄せれば寄せるというのですけれども、そういうものを全部数えての防災体制なんというのは私はあり得ないと思うのですね。そうしますと、そういう必要なものを最小限配置をして、なおかつ具体的に発生をした場合の対策というものがとり得る万全の措置というものが保証されてこないと安心ができないと、こういう状況になるのではないでしょうか。同時にまた、この大陸だなの石油開発というような事業からいけば、一たん発生をしますと相当大きな事故になるというのは、先ほど言いましたサンタバーバラ沖の事故でもそうですし、北海油田の事故でもそうであります。一たん発生をしたら相当大きな事故になるだけに、その体制というものはいよいよ私は強化をされなければならぬ、こういう前提にあると思う。まだその意味からいきますと、きわめて不十分であります。同時にまた、具体的なこの技術具の関係からいきまして、たとえばいま保安庁が持っておりますオイルフェンス三千メーター、こういう話なんですが、そのオイルフェンスが果たして具体的に役立つのかどうなんだろうか。今日までの実験結果から見まして、オイルフェンスがそれほどの効果を上げたという話は聞いておりません。あるいはまた油の吸着剤の問題にしましても、今日段階としてはきわめて問題があるはずであります。オイルフェンスの場合に、これは浅いところで海岸に固定をしまして、海底に固定をしてやっておる場合でも、海流との関係だとか、あるいは潮の干満の関係だとか、こういう問題が出てまいります。しかも、この大陸だなの付近は二千メーターから三千メーター、こういうところでは下へ向けて固定をさせることもできません。そうすると、宙ぶらりんで、おもしをつけながら流れないように措置をしてオイルフェンスを張るということにしかならない。しかも、事故が発生をするというのは必ずしも平穏無事な日に発生するとは限りません。私どもが一番心配をいたしますのは、むしろ大じけ、いわゆる台風その他によっていわゆる施設の弱い部分がそれらの影響によってさらに傷められて事故が発生をするような可能性というものを心配をするわけであります。そうなりますと、たとえば大暴風雨が発生をして事故がそれに重なった場合に果たして海上保安の今日の装備の中で防災体制というのがとれるのだろうか、こういうことを考えていきますと、これはもう大変私は不可能に近いほど今日の技術の中では問題があるのじゃないかというふうに考えるのが一つであります。 さらにまた、この地域は黒潮の流れが黄海に向かって進む、あるいは日本海に向かって進む、いわゆる暖流の分かれ道になって、しかも、先ほども論議がありましたように、二百海里の経済水域が中国側、韓国側、日本側と交差をしているというのですね。しかも問題になっておる大陸だなの九つに区分をいたしましたところの操業管理者に違う法律が適用されるばらばらの体制になっている。こういうところで事故が発生をしたときに、一体、国際的な関係というのはどういうことになるのだろうか。日本の責任において、日本の国が責任を持たなきゃならぬところについて、日本の責任の持ち得る地域の中できちっと措置ができるのかどうか、こういうことを考えていきますと、私は、これはもう何といいますか、まるきりこの計画自体について、こういう安全にかかわる、いわゆる環境を汚染をしない、こうした立場の措置というのは考慮をされていないのと一緒ではないのかというふうに考えるのですが、再度、環境庁長官、同時にこれは国際的な関係がありますから、外務省の方も御答弁をいただきたいと思うのです。
○国務大臣(山田久就君) いろいろな点での御懸念、われわれも、万一の場合に対してのいろいろな心配という点においては、むろん、そういう配慮から関係各省に対しても万全の措置を要求し、あるいは韓国側との協力というものについても、先ほど外務省からも答弁がございましたけれども、合同委員会等を通じての措置にさらに万全を期するという関係に立っているわけでございまして、現段階においてはわれわれの与えられた法制あるいはまた手段、そういうものによってとにかく万全を尽くすという態勢で努力すると、こういうことで臨むというわれわれの態度、まあこれ以上のことはちょっと申し上げかねますけれども、その点で御理解いただきたいと思うのであります。
○政府委員(中江要介君) 外交上とり得る措置につきましては、そのケースによっていろいろ異なってくると思いますが、まず協定上の問題点は、先ほどからすでに説明がありましたので、御了解いただいておると思いますが、協定の二十条がございます。これは「海洋の汚染の防止及び除去のためにとるべき措置について合意する。」ということで、それに基づいて交換公文がある、その交換公文の中にいろいろある中の最後のところに、一方の政府の措置が不十分なときは他の政府は必要な措置をとり得るというのがございますので、これは共同開発の精神から見まして、操業管理者が一つの国の企業が操業管理者に指定されているからといってそれ任せですべて終わらしてしまうわけではないという、その共同開発の精神がそこに生まれているかと思います。いずれにいたしましても、この日韓両国の漁民その他が被害者である場合、それから第三国の漁民が被害を受けた場合、そういった場合は、これは当然一般国際法、つまり国際司法になるかと思いますが、民事責任の追及ということがそれぞれの国のあるいは操業管理者の所属する国の法廷、裁判所に訴えるなり、そういう第一義的には司法的救済が行われる、それによって十分な満足が得られないときには今度は国際法上の責任があるかないかということが議論になると、これは一般国際法によって処理されていくというふうな仕組みになっていく、こう御了解をいただきたいわけでございます。
○坂倉藤吾君 いまの答弁では納得できませんが、時間が来ましたから終わりたいと思います。
○和田春生君 現在問題になっております日韓大陸だな協定関連の特別措置法につきまして、野党の中でただ一つ賛成をいたしております民社党の質問であります。それだけにこれはなかなか重要でございまして、しかと答えていただきませんと問題が意外なところに発展するかもわかりません。とりわけ参議院の商工委員会はいわゆる逆転委員会でございまして、わが党がキャスチングボートを握っているわけでございますから、その辺も十分考慮しながらひとつしっかりした御答弁をお願いをしたいと、まず最初に注文をいたしておきたいと思うわけであります。 で、本日の連合審査におきましてもいろいろな観点から取り上げられてきておりますが、私はこう思うのです。外交の問題にしても内政の問題におきましても、広い意味で政治的な行為というのは、よって生じた結果に責任を持たなくてはならない、そういう厳しさが必要であると思うわけであります。そういう観点から見ますと、すでに日韓大陸だな協定という外交案件につきましては、御承知のように、憲法に基づき国会の意思といたしまして承認の手続が済んでいるわけであります。しかし、まだ批准はされておりません。そして、その批准のために必要な国内法として日韓大陸だな特別措置法案が提案をされていると私どもは承知しているわけです。 まず、最初に外務大臣にお尋ねしたいのは、そうであるならば、この特別措置法案が国会で成立をしない、こういう形になると協定の批准はできない、こういう関係になると思うのですが、そのように確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(園田直君) 御発言のとおりに、国内関連法が成立をしなければ協定が批准できないわけでありまして、国際信義にもとることになるわけでございます。
○和田春生君 協定は、御承知のように、北部の大陸だなの境界を定める協定と南部の共同開発に係る協定と二つの面から成り立っているわけです。したがって、この特別措置法案が直接かかわってくるのは南部の共同開発に関する協定であり、北部の大陸だなの境界を画定する協定の方については関係をするのですかしないのですか、その点を確めておきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 理論的には、先生も御承知のように、二本立ての協定になっておりますが、対象としております大陸だなは、日本と韓国との間に横たわっている一つの大陸だなについての境界画定の問題でございますので、これは一体のものとして私どもはぜひ実効あるものにいたしたいと、こういう考え方でございます。
○和田春生君 そういたしますと、日韓大陸だな特別措置法案につきましては、まだ参議院で審議中でございまして、これはどうなるか予断を許さないわけであります。そういう状況の中でいろいろ議論をするのはむずかしい点もあろうかと思いますが、さっき申し上げましたように、よって生じた結果に責任を持つという立場に立った場合、もしこの特別措置法案が今国会でも成立をしなかった、したがって、協定は承認しているけれども批准が行えない、そうなった場合に一体どういう事態が起こるかということは審議に重要なかかわりがあると思うのです。起こり得る事態として予想されるものはどういうことがあるか、政府側がそれに対してどういう見通しを持っているか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(中江要介君) まず基本的には署名いたしました条約をいつまでも批准しないということから生じてくる国際的な責任の問題はあると思います。これは条約に関する法という、別途国際連合が作成しております条約法と通称言われておりますが、それによりましても、署名した条約を合理的な期間内に批准しないときにはその相手方はその条約に拘束されないような行為をとっても、それについてある程度の——俗っぽい言い方をしますと、免責がされるような余地が出てくると、こういうことばございます。これはその条約法を待つまでもなく、国際社会においては当然そういうことがあり得るかと思います。 その場合に、この具体的な日韓大陸だなに関する協定につきまして日本側が署名いたしまして、また協定そのものについては国会で御承認を得て、国内法だけのためにさらに批准書の交換、すなわち、効力発生が延びるということについて韓国側が非常な心配をしている、憂慮をしているということはいろいろな形で伝わってまいります。ただ、政府レベルといいますか、政府から政府の経路では、韓国側はとにかく速やかな発効を期待していると、いまや協定は御承認が得られているようだから何とか早く約束のとおりに発効させたいという強い希望を伝えてきていることは事実ですが、もしそれができなかったらどうするぞということは、これは政府レベルでは何もございません。ただ、韓国の世論では、新聞報道その他ではさまざまなことが言われております。日本政府として何を予測しているかと、これは韓国はそういう場合に何を考えるかということをこちらからいろいろ推測することは余り有益とは思いませんが、日韓関係のみならず、日本が国際社会においてどういうふうな取り扱いをしているかということは注目されているところでございますので、その点の及ぼす影響というものは、具体的な相手国である韓国がとる措置もいろいろ新聞その他で報ぜられていることもさることながら、一般的に日本の外交のあり方として注目されているということも私どもは念頭に入れなきゃならぬ、こういう姿勢で臨んでおるわけでございます。
○和田春生君 これはもう外務大圏にお伺いしたいのですけれども、いまのようなことで、なかなか政府としては何が起こるかということを相手側の出方を予測しながらああだこうだと言うことははばかれると思います。私どももそういうことを余り論議することは国益のためにならぬと思うのですね。しかし、この協定は明らかに二国間条約でありますから、多国間の条約のように参加が留保されているものでありません。調印以来すでに四年半たっております。相手国が批准をしたのから考えましても三年以上の期間を経過している。日本の国会では昨年の六月に承認の手続が終わっている。それ以来すでに一年たっている。にもかかわらず批准をされないという形になりますと、いま中江局長も説明をされましたように、重大なやはり外交問題として、日韓両国間だけではなく国際社会におきましても、外交交渉ないしは条約、協定の締結に関する日本国の態度そのものについて重大な疑惑を感ずる問題だと思います。したがって、万が一この国会で、(「国会の審議権の問題だ」と呼ぶ者あり)この特別措置法案が成立をしないという形になると、制度的に外交権を持っている日本政府としては重大な局面に立つわけです。外務大臣として、その場合にどういう責任をとられるのか、またそういう事態に対してどういうお考えを持っているのか、これはきっちり確かめておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) もろもろの場面が想像されるわけでありますが、中江局長が申しましたほかに私が一番考えておりますことは、二国間においても、いろいろ国会その他で御注意があったり問題が起こっておりますように、日韓の間には心を新たにして交渉をし、そして日本と韓国が真に自他そうあるべきであるという本当の関係に立ち直るべきだと考えて、外務大臣としてはいろいろな問題で決意を新たにしているところでございます。それが協定は済んでおるが関連法で通らぬということになれば、これに負い目が出てくるわけでありまして、なかなか心を新たにして折衝するわけにはまいらぬ。また今度は韓国でしびれを切らしてどのようなことをやるのか、これに対して具体的には申し上げられませんけれども、わが国の国益というものも非常にこの段階になってくると損失があると存じますので、ぜひ速やかに御審議をお願いしたいと考えておるわけであります。
○和田春生君 この問題について、ただいま、いわゆる不規則発言ではございますが、国会の審議権の問題だという声がちょっと聞こえましたので、その点に触れて私は申し上げておきたいと思うのです。 政府から提出された日韓大陸だな共同開発の特別措置法案の条文ないしは中身についていいとか悪いとか、こういうことが議論になって、この法案の中身そのものが重大な欠陥がある、そこで国会において否決をされたという場合には、まさにそういう欠陥法案を提出した日本国の政府の方の全面的責任だというふうに言えると思います。そういうまずい法案を否決をする、あるいは修正をするのは国会の立場であります。しかし、国会の意思というものは一つだと思うのです、私は。すでに協定については承認をしているのです。賛否の立場はあります。しかし、憲法に基づく国会の意思として有効に成立をしている。その有効に成立をしている協定というものが今度はそれに付属する共同開発のための特別措置法案というものがたな上げになって批准の手続がとれないという形になれば、ひとりこれは政府の責任だけではなく、国会もまた責任を負わなくてはならないと思うのです。一つの問題に二つの意思を示した。片方は承認をした、そして一方ではだめだと言う。これはまさに政府、国会をひっくるめた問題だと思うのです。けれども外国との外交交渉権というものは政府に所属しているわけです。そうした意味において、これは非常に重要な深刻な問題があるわけで、何が起こるかはいま具体的に言えません。しかし、その問題が起きたときにどうするかということは日本の国にとって重要な問題なんです。この日韓大陸だな協定に関する議論においてその点の論議が欠落をしていることは私は非常に不幸だと思っている。同時に、そういう点に対して明確な意思表示をしない、極力善処をしたいとか、あるいは成立することを願っておりますという政府の態度にも私は非常な不信感を持っている。一体、どういう決意があるかということを改めてお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(園田直君) いま政府として成立しない場合のことを具体的に口にするわけにまいりませんけれども、これが成立をしなければ、先ほどから申し上げましたとおり、重大な場面が出てくることは当然予想されるところでございまして、ぜひ成立するよう御審議をお願いしたいと念じておるわけでございます。
○和田春生君 そこで、いろいろ世上伝えられておりますが、そういう風聞ないしは民間における伝言は別といたしまして、もしこの協定の批准が今国会でも有効に行えない、つまりこの関連国内法の成立が見送られる、そして日がたってきますと、恐らく臨時国会の召集がいつごろになりましょうか、未確定要素でございますが、日本の国会が承認してからも一年以上は放置される、協定締結されてから五年以上も放置されている。そこで相手側の当事国としては、その協定というものはなかったものと言っては言い過ぎかもわかりませんが、それに抱束をされない、ある程度フリーハンドを持ち得る、韓国の立場から言えば、そういうことがよしあしは別にして言えると思います。そうなった場合に起こり得る一つの、あるいは幾つかの事態の前提条件になるものは、日本と韓国との中間線から北側については、これは縦から見ても横から見ても日本側が主権的権利の主張はむずかしいと思う。ところが、中間線から南側の現在共同開発区域とされている面につきましては、日本側は中間線で主張をしてそれを譲らないのですが、向こう側も自然延長論をとっている、議論の余地のあるところである。そういうところにおいて協定を結び共同開発をしようということを決めておったが事実上御破算になった、その協定に拘束をされない、こういう形になりますと、韓国側として取り得る措置というものについては、よく言われているように、韓国政府がそういう意思を持っているかどうかは知りませんが、単独開発ということもあり得るわけです。一方、この協定は中間線より日本側であるから日本の主権を侵害をされているのだ、けしからぬという立場を日本がもし仮にとるとするならば、そうすると、いま共同開発区域に定められている地域に対して日本が主権的権利を行使して単独開発に乗り出す、こういう選択の道も、いいとか悪いとか、できるとかできぬとかということはあると思うのですね。そうなった場合には重大な国際紛争の問題にかかわってくると思います。仮に韓国側が出てきたからといって、海上保安庁や自衛隊が行って実力で追っ払う、これはますます紛争をエスカレートさせるばかりだと思います。かといって、じゃ日本側が行ってトラブルを起こす、結局それは解決をするのには話し合いをしなくてはならない、こういう問題になるのだと思いますね。 それで、どうもそういう点についてこれまでの日韓大陸だな協定に関する政府側のいろいろな説明を聞いておりますと、余りにも技術的である、あるいは資源を非常に大切にし、特に石油資源というものはのどから手が出るほど欲しいものでありますから、われわれは一刻も早く可能性のあるところについては開発をしなくてはならぬと考えている、それがわが党のこの協定を支持している大きな理由の一つなんです。しかし、両国間に紛争事項があるという問題について話し合いで解決をするという原則に立つ限り、私は、一たんまとまったものについては、どうあってもやはりそれはきちんと成立をさせるという責任が政府にあると思う。しかも、これはアメリカのように、国会と大統領、行政府の責任者が別々に選挙されるのではないのです。議院内閣制を持っている。自民党は国会における多数派である、その上に立って自民党内閣が成立をしているのですね。それを今日まで延ばしてきて、このぎりぎりのところで下手をすると大変な問題が出るかもわからぬというところまで延ばしてきたというのには、反対をしている野党に責任があるのではないと思う。内閣制のもとにおける政府与党たる自民党と政府に責任があると私は考えている。そういう点についていかがでしょうか、外務大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
○政府委員(園田直君) 起こるべき事態に対して、現在国会で審議中でございますから、韓国の方で仮に審議ができなければ単独開発するとか、いろんなことを言うことは、これは内政干渉にわたるわけでありますから、強く慎んでもらいたいと私は申し入れているところであります。しかし、いま御発言のとおりでありまして、現実にこれが仮に未成立に終わった場合には、おっしゃったとおりのような事態が出ることは当然でありまして、事きわめて重大でございます。
○和田春生君 そこで、もう一つの問題は、いま問題がこれは非常にある協定で、さらに慎重、審議をしろ、あるいは国内関連法というものはたな上げにして協定そのものについても見直せという意見も、いいか悪いかは別にして一方にあるわけですね。そういう論拠の中でしばしばこれは国会外のあるいは学者、一部の評論家、そういう中でも言われていることですが、国連海洋法会議で大陸だなに関する定めというものがまだ結論を得ていない、そういう状態の中でいまあわててこの協定を実施するということははなはだぐあいが悪いではないかというような主張があるわけなんです。そうすると、国連海洋法会議の動向というものが非常に大きな問題になってくるわけですが、国会ではその結論を待ったからといって日本に有利になるというふうには考えられぬということがよく言われているわけですね。しかし、どうもわが国は大事な問題でありながら国連海洋法会議の動向というものに対する政府のPRも足らないし、一般の国民の関心点も薄いと思うんですね。そこで結論を待ったとしてもわが国にとって有利な結果にはならぬという見通しの根拠をひとつ確認をしておきたいと思うのです。端的にこことここだということを御説明願いたいと思います。
○説明員(井口武夫君) お答え申し上げます。 第七会期がちょうど五月十九日に終わりましたが、これはまた夏会期さらに続けて行われますけれども、大陸だなの問題に関しては若干進展がございました。やはり自然延長ということが有力でございまして、これは五月十七日にこの第二委員会の報告が出ましたけれども、二百海里以遠の自然延長ということが主たる論議の対象になりまして、その場合に外縁の画定はアイルランド方式で、このコンチネンタルマージンが二百海里を超える場合にはマージンの外縁を堆積層の厚さというもので決めるか、あるいは地形学的な大陸だな斜面基部から六十海里以内の定点を結ぶ線の基準で決定するという主張と、それから二百海里にさらに加えて百海里まで追加基準を認めるという実はソ連の案がございまして、この二つが対立いたしまして結局いずれも大勢を占めるに至らなかったということで継続交渉になりました。したがって、もはや二百海里ということではなくて、それ以遠の自然延長をどう画定するかということのみが残っているわけでございます。 それから境界画定の問題に関しましても、大陸だなに関しましては次のような実は報告が出たわけでございます。それは今会期においても中間線支持派と衡平原則支持派の対立は顕著であり妥協は成立しなかった。しかし境界画定に関する措置は合意に基づき行われるべきこと、及び関連する、または特別の状況を考慮に入れて行わるべきことの二点についてはコンセンサスがあるということでございます。したがって、もはや特別の事情、関連する事情を考慮に入れて合意に基づいて境界を画定するということについてはコンセンサスだということでございまして、したがって、この国連海洋法会議の趨勢というものはもはや二百海里もしくは中間線ということではないということでございます。
○和田春生君 ただいまも説明がございましたけれども、現存する「大陸棚に関する条約」というのは、わが国も参加いたしておりませんし、批准した国もそう大して多くない、事実上たな上げになって現在国連の海洋法会議で交渉が進められている。結論は得るに至っていませんが、いまの御説明でもありますように、大勢が決したと考えてよろしかろうかと思うのです。その大勢から見ますと、自然延長論も、いわゆる大陸だなどころではなくて、コンチネンタルマージンのエッジのところですね、深海海底に接触するところの境界線をどうするかということ、堆積層の厚さによるのか、地政学的にいろいろやるのか、そこまでいっているわけですから、もう大陸だなの自然延長というのは、国連の海洋法会議に関する限り勝負があったと考えていい。その中間線という問題につきましても、現在のある古い大陸だな条約によりますと、かなり明確に中間線ということが書かれてあるけれども、現在海洋法会議で議論されている統合交渉草案によりますと、利用し得る場合にその中間線という形で、いろいろな関係で考慮しながら決めろということが大体主流になっているというふうに考えていいかと思うのです。そのことについて、私は先ほど来の論議を聞いておって、これは政府の方にも苦言を呈しながら意図をただしてみたいと思うのですが、どうも政府側の答弁を聞いていると、あるときには、現在ある、日本は参加をしていない大陸だな条約のことを引用する、あるときになると国連海洋法会議の方も引用する、どっちもこっちも、私がそういう点を静かに聞いておっても、何だか大変御都合主義的な説明に聞こえてならないのです。それともう一つは、中間線というものが大変厳密な意味で議論をされているわけです。しかし、地球の上でこれは二つの定点もしくは隣接する大圏の間には議論の余地のない中間線というのは引けると思います。しかし、三つの点があれば、それぞれの中間点を結べば、私が説明するまでもなく球面三角になってしまうわけで、それをだんだん詰めていって中間点にすれば必ずしも等距離にはならないですね、球面幾何からいっても。したがって、厳密な意味での中間点なんというものは、実際問題として二つの点か隣接する大圏の間ならあるけれども、事実上ないと。そこで領海の幅を測定する基線の設定というところにすでに擬制が入ってくるわけですね。その上に立って合理的な根拠を求め、あるいは両方の話し合いで平等の原則に立ちながら中間点ないしは中間線というものを求めていこうという形になると、これはもう厳密な意味でどこから見ても間違いない中間なんというものは神わざでも私はできないと思うのですね。そういう点で余り中間、中間、厳密には等距離、等距離、等距離と言っていると、それこそまさに自縄自縛で、これから起こり得る状態の中で政府自体が食言をすることになりはしないかと思うのです。特にこの大陸だなの韓国と中国との中間線から西と南の側、日本の沖繩列島と中国大陸との間において、まさに大陸だなの境界の画定という問題、あるいは開発に対して共同なのか単独開発なのかという問題は将来の課題として必ず起きてきます。しかも、その場合には尖閣列島が入る。尖閣列島と沖繩列島の間には、御承知のように、相当深い海溝が存在しているんです。一体、じゃ大陸の中国と沖繩列島との間で中間線を策定するという場合に、どういう方法をとるかというのは、これは大変な問題だと思う。尖閣列島の領有権は当然日本のものだという前提に立ったとしても相当むずかしい問題があるんですね。にもかかわらずだ、政府側は今回結んだ日韓大陸だな協定というものを合理的であるということを強調するの余り厳密な中間線、中間線と盛んに言っておりますね。そのときには、すでにたな上げ同然になっている古い——古いといったらいかぬ、まだ生きているのですから、大陸だな条約というものに根拠を求めながら説明をしている。どうもそういう点で日本政府の新しい海洋時代に対する大陸だなというものに対しての基本的な姿勢というものが確立していないのじゃないか、そういう感じがしてならないのです。その点をちょっと確かめてみたいと思うのです。
○政府委員(中江要介君) 非常に和田先生から精緻に私どもの発言を分析してその問題点を御指摘いただいたわけですが、「大陸棚に関する条約」一九五八年のあの条約自身は、先ほど条約局の村田参事官も説明したことでございますけれども、あの中にはすでに慣習国際法としてもう国際法化しているものと、それから将来あるべき姿として立法的な意味を込めたものとが混在しておるわけでございまして、したがいまして、「大陸棚に関する条約」のたとえば第一条から第三条までは、これは留保が許されないというようなところからも、慣習国際法として定着しておりますものは、この大陸だな条約に加盟なり批准なりしていようがいまいが、国際社会においては拘束力を持つ、そういう部分もあるわけです。だものですから、いままだ海洋法会議で新しい法典化の作業が最終的に効力を生じていない今日ただいまの時点で何が国際法かというふうに問われますと、大陸だな条約のコアの部分、つまり非常にはっきりした部分、これは条約の加盟国であると否とを問わず国際社会を拘束している。それ以外に立法的なものに関しましては、条約に加盟している国は拘束するけれども、加盟していない国は拘束されない。しかし、じゃそういうあいまいなところはどういうふうに、たとえば今度の協定のように、二国間なりあるいは複数の国で話し合うときに何を基準にするかというと、これは国連海洋法会議の趨勢というものは一つのめどにはなる、しかし拘束力はまだ持たない。そういうふうに大陸だな制度そのものが国際法的に未熟であるためにいろいろの問題が生じて、私どもが御説明しますときに、すでに拘束力を持っている部分を引用したり、あるいはあるべき姿として議論されていることを政治的にか、あるいは法律的にもある程度考慮するような場合あるいは国際判例を引用する場合、これは混在しております。おっしゃるとおりであります。したがいまして、きちんと整理して国際法上こうだというのがないことが実はいろいろ世界各地で紛争の起きるゆえんでございまして、それに気づいて国連がいま立法化を急いでおりますが、これもなかなか結論が出ない。そういう国際法秩序そのものが混在している中でいかに目的を達していくかという、この現実の解決のあり方として御審議をお願いいたしましたのが協定であったと、こういうことでございまして、その辺のたとえば中間線と言いましても、等距離と言っても、それは理論的には一つの中間線は存在するけれども、それを地図に書くとなると、それはそのとおりまいらないということは、これは私どもも実際に作図をいたしまして経験しておりますが、その辺はさらにもう少しより正確な説明をこれからも心がけたいと、こういうふうに思います。
○和田春生君 外務大臣、結局まだ決まっていないこういう問題について、わが国の主体性というものがはっきりしていないと、その都度便宜主義的な傾向に流れると思うのです。日韓関係ですが、やがて日ソ関係あるいは日中関係、あるいは北朝鮮と国交が回復すれば北朝鮮との関係、この大陸だなの端っこに乗っている日本列島ですから、なかなかむずかしい問題がたくさんある。そういう点で、やはりわが国自体がきちんとした態度を政府が持ってそれぞれ対処していくということでないといけないと思うのです。そういう点で、やはり外務大臣あるいは内閣としてきちんとやっていただきたいと思います。そういう点についての大臣の決意を確認しておきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御発言の趣旨のとおりでありまして、国会の了解を願うために便宜的な答弁は十分慎んで、将来に向かって一定の方針でやるべきことであるということを深く考えて、これに向かって邁進する所存でございます。
○和田春生君 通産大臣、とうとう御答弁の機会がなかったのですが、最後に一つだけお伺いしたいと思うのですけれども、この協定は承認したのですが、いま商工委員会にかかっております特別措置法案、これは通産大臣の所管なのですが、これが成立しないということになると、たとえてみれば結婚式は挙げたけれどもお床入りはだめというようなことになっちゃいましてね。そういう場合には、これは通産大臣のおくにの方ではやっぱり結婚も御破算になるのでしょうな。そういう問題だと思うのですよ。いまや商工委員会の論議に入っておるわけですから、ひとつ通産大臣もこの協定並びに関連法についてどういう決意で臨んでおるのか、一遍確認いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 私どもがこの特別措置法をぜひ御承認をお願いしたいと思っておりますのは、一つは外交的な立場からでございまして、その点につきましては、先ほど外務大臣並びに外務省の方から詳細なお話がございました。通産省といたしましては、さらにそれに加えましてエネルギー政策上からもぜひお願いしたいと考えておるところでございます。
○和田春生君 質問を終わります。
○田英夫君 大変時間が短いので、問題をしぼってお尋ねをしたいと思いますが、まず、ずばりお聞きして、「大陸棚の定義」についての海洋法会議で日本政府が出しておられる日本案、この提案は、先ほどから中間線論という言葉がしきりに使われておりましたけれども、むしろ正確には二百海里論というふうに言うべきではないかと思いますが、この点は外務省の当局、いかがですか。
○説明員(井口武夫君) お答え申し上げます。 田先生の御指摘の点は二つございまして、結局、大陸だなそのものの定義と、それからこれは重なった主張をしている場合に、相対している国あるいは隣接している国の間で重なったクレームがある場合に、それをどう調整するかという二つでございます。わが国はカラカスの会期以来、国連海洋法会議では確かにこの二百海里の距離ということで「大陸棚の定義」を決めて、深海海底と大陸だな二百海里の距離で区分すべきであるという主張をしております。それは実はわが国自身が二百海里を超える自然延長というものがないということで、それが一番得であるという立場から主張しておるわけでございますけれども、先ほど和田先生の御質問にお答えいたしましたとおり、大勢は違う方向に動いているわけでございます。 それから中間線に関しましては、これは……。
○田英夫君 いいです。二百海里のことだけわかれば。 いまお答えを予想したとおり、つまり基本的には二百海里なんだと。相対する国があったときは中間をとるということですから、基本は二百海里論である、こういうふうに認識すべきじゃないかと思います。しかも、それは国益上非常に苦労してそういうふうにお考えになった、このことも私はよくわかるのです。また二百海里経済水域という点とも完全に一致する、こういう意味で二百海里ということを考え出された、これも私は非常によくわかるわけです。ですから、二百海里論ということにむしろ大変理解をした上で申し上げるのですけれども、そこで、二百海里ということで韓国、日本、そして中国から線を引いてみると、これは外務委員会でも資料として使われたので外務大臣も御存じかと思いますけれども、今度の共同開発の日韓共同開発区域には完全に中国側からの二百海里の線は食い込んでくる。こういうことになると、時間がないから簡単に聞きますけれども、これは中国にも発言権があると認めざるを得ない。つまり日本案でいっても中国にも発言権があると認めざるを得ないと思いますが、外務大臣、いかがですか。
○政府委員(中江要介君) 田先生の御指摘のように、海上に単純に二百海里の弧を描きますと、それぞれが重なってくる。その重なった中国からの二百海里の弧は共同開発区域の上を通る。これは客観的にはそのとおりでございます。問題は大陸だなということでございまして、海の上からの境界画定ではなくて、海の底に沈んでいる海底の大陸だなの境界をどうするかという問題で、そこで大陸だなの法理が出てくるために物事はそう簡単にいかないということでございます。
○田英夫君 日ごろ明快な中江さんにしては、この部分については実に苦しい答弁であるということはよくわかるんです。つまり、基本的にこれはもう説明できないはずなんですね。どう線を引いたって、二百海里引いてくれば中国の基線からこっちへ食い込んでくるのですからね。しかも、客観情勢は、先ほど繰り返して言われているように、中国がまさに主張している延長論が海洋法会議の大勢になりつつある。中国は二重にそこにむしろ発言権がいま強まっていると考えざるを得ないときに、なぜ日本と韓国だけで、中国を排除してこういう協定を結ぶことができるのか。この結果、いま中国はすでに強硬な抗議を申し入れてきている事実がありますけれども、これに対して外務大臣はどういう説明をされるおつもりなのか。日中平和友好条約が締結寸前にあるというこのときに、中国に対してどういう説明をされるおつもりなのか、この基本的な姿勢を伺っておきたいと思います。——いや、これは大臣でなくちゃだめですよ。基本的な問題でしょう。
○政府委員(中江要介君) 事実につきまして、二百海里の線は中国からも韓国からも日本からも出ておるわけでございますから、中国からの線がかぶっているというのは韓国からの線ともダブっておるわけですから、大陸だなの議論を横に置きましても、韓国と中国との間は、これは韓、中で境界を画定しなければならない、それが行われていないという事実は一つございます。 それから、大陸だなの議論になりますと、これは二百海里の大陸だなとか、あるいはそれよりも自然延長でさらに遠くとかという議論を問う以前に、いつも申しておりますけれども、韓国と中国との間には一つの大陸だなが介在しておりますので、これの境界画定ということにつきましては、すでに国際法的に確立した規則がある、それを基準にしてわれわれは物事を判断している、こういうことでございます。
○田英夫君 いま私のお聞きしたことに実は答えられていないので、大臣からひとつ答えていただきたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 中国から再びこの問題で見解の表明がどのようなかっこうで、どのような意味で来るかわかりませんので、現段階でどうこう言うことは適当ではないと思いますけれども、政府としては引き続いて誠意をもって中国の理解を求めるように努力をしたいと考えております。
○田英夫君 これはそういうふうに言葉で言われるような簡単な問題じゃないんですよね。先ほどから、もしこの法案が成立しなければ国際的な信義にかかわるということが言われてきたけれども、国際的な信義は何も日本と韓国との間だけに存在するのじゃなくて、もっと大きな、そして、まさにわれわれの子孫にわたる問題として、いま日本政府は重大な過ちを犯そうとしておられるから言うのであって、これは大変なことになりますよ。 で、いろいろ申し上げたいことはたくさんありますけれども、日本案によっても中国に発言権がある。そして海洋法会議の大勢からすれば、さらに延長論という中国と韓国が主張している方向に傾こうとしているんですから、さらに中国の発言権は強化される。このことだけははっきり言っておかなければいけないと思います。 そこで、全く時間がありませんで、あと数分ですが、さっき和田委員も尖閣列島の問題を言われましたけれども、尖閣列島が日本領土であるという立場から、尖閣列島の直下から石油が出た場合にはともかくとして、その十二海里外から出た場合に、一体これはどういう判断になるのか。この石油についての日本の発言権について、政府はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(中江要介君) 御質問の前提である尖閣諸島の直下あるいは十二海里内で石油が出た場合、これは日本が主権を持っておりますから、日本が独自に探査、試掘、開発できるわけでございますが、それを越えたところで探査、試掘、いわんや経済的開発を行うということができるかというと、これはもういまや大陸だなに対する主権的権利が重複しておるわけでございますから、あの周辺につきましては日本と中国との間の主権的権利の重複する大陸だなでありますから、これは境界がはっきりしないうちは勝手に開発するということは許されない。つまり逆に言いますと、その外で石油が出た場合はどうするかではなくて、石油が出るかどうかを探査し試掘するためにも、それはもう開発のための主権的権利の行使ですから、そのためにも日本と中国との間で境界の画定の話をしなきゃならぬと、こういうふうに私どもは考えております。
○田英夫君 まさにその場合そのとおりであって、まさに日韓大陸だな協定の日中版のような形で日中で共同開発ということの話し合いを進めなけりゃならぬ。日本の大きな国益というものを考え、また数字は通産省の皆さんがよく御存じのとおりでしょうけれども、今度の日韓大陸だな協定のあの海域の海底から出るであろう石油の量とあの尖閣列島周辺から出るであろうとされている石油の量と、こういうものを比べていったときに、日本の国益から考えて、今回全く中国を度外視してあのようなことをやり、そして将来その中で尖閣列島については中国とやりましょうというようなことが言えるのかどうか、日本の国益から考えて一体この日韓大陸だな協定そのものがどういうものであったかということは、実は答えは明らかなのじゃないでしょうか。ですから、先ほどからの外務大臣のお答えにもかかわらず、私は全く納得ができないのであって、先ほど国会審議権の問題なども発言がありましたけれども、私は、やはり日本国民として将来にわたって、子孫にわたっての日本の国益ということを考えてお考え直しをいただきたい。そのための問題提起をすることにとどまりましたけれども、つまり、わずか十二分間こうやって伺っただけでも、この日韓大陸だな協定については多大の疑問があることを改めて感せざるを得ないのであって、これは目の前のことではありませんから、ひとつ日韓の問題を考えると同時に、もっと広く日本の国際社会における地位ということを考えて対処をしていただきたい。このことをお願いして質問を終わります。
○委員長(楠正俊君) 以上で予定の質疑は全部終了いたしました。 本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。よって本連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後五時三十三分散会