商工委員会 第17号
- 発言数
- 323 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1978/05/30
会議録
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 本委員会では、日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案を議題とし、審議を続けております。 本日は、理事会の申し合わせにより、本案に関連して竹島問題について集中審議を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○下条進一郎君 本案の取り扱いの問題をまず最初に伺いたいんでありますが、東京都内においても、あるいは地方におきましても、この大陸だなの法案がきわめて大事なものだろうという認識は国民の中にかなりあるわけでございます。しかしながら、かなり知識人と思わしき方々の中にもこの大陸だな法案がなぜ大事なのか、そしてまた野党の方々がなぜあれほどまで反対しておられるのか、そしてこれに対して自由民主党あるいは政府が一生懸命何とかして通さなきゃならない、このように努力している、その争点と、そしてそれをもう少しわかりやすく国民に御説明していただくのが私は必要じゃないかと、こう思うわけでございます。 きょう、わざわざ外務大臣代理の福田総理がお出ましでございますので、この機会をとらえまして、どうか国民にわかりやすく、そしてこれだからどうしても通さなきゃならないんだという趣旨をぜひ御説明いただきたい、お願いいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓大陸だな協定は、これは四年前に締結されておるわけなんです。しかも協定の国会承認、これが昨年終わっておる。四年もたって批准ができないということは、国際信義からいって大変これは問題である。しかも大陸だなには、わが国としては欠くことのできない石油、この資源がある。こういう状態で、これは一刻も早く批准を了してそしてこの開発を進める、そういう必要がある、こういうふうに御理解を願います。
○下条進一郎君 いまの御説明、きわめて概括的なことで、われわれはわかるわけでございます。しかしながら、それではなぜ四年間放置されていたか。あるいはまたなぜその間に野党が強硬に反対しておられるか。そして今回どうしてもと言ってわざわざ延長しなければならない、それはただ信義だけの問題なのか、あるいは日本の国民に対して、あるいは一般の庶民に対してこうなんだと、私たちはどうしても必要なんだということをもう少し砕いて、一般の人たちでもわかるようにもう少し、くどいようですけれども御説明いただきたいと思うのでございます。
○国務大臣(福田赳夫君) 条約なり協定というものは、これが調印をされましたら批准をしなけりゃならぬ。これが大陸だな協定は、野党の一部の反対もありますが、四年間批准なしで放置されておる。これは国際信義の上からいって、わが国といたしましては耐え得ざるところである。また韓国の方でもこれを強く求めておる、国際信義を貫けという韓国の要請はわれわれとしてもよくわかるわけであります。 また同時に、大陸だな協定を結んだ、これはどういうことかと申しますると、これはわが国とするとどうしても中東依存の石油依存体制、これを分散させる必要がある。たまたまエカフェの調査で日韓大陸だなに豊富な油田がある、こういうことでありますので、これは大変結構なことだ、わが国としてはぜひわが国の石油対策、この見地から早く批准を了して開発に着手したい、こういうことであります。私は、国民もよく理解してくれるのじゃないか、そのように考えます。
○下条進一郎君 ただいまの御説明でかなり明らかにはなったと思います。 それでは、それに関連して竹島のことをひとつ伺いたいと思います。 私たちの理解――まあこの問題に関連している人は、かなり明確に竹島問題を尖閣列島の問題とは違うのだという認識は持っていると思うのでございます。たとえば北方領土の問題。北方領土の問題というのは、ソ連が実力においてそれをすでに掌握しておるというと同じように、竹島の問題はすでにマッカーサーラインから李ラインに移りまして、そして事実上日本の力が及んでいないという事態においては北方領土と同じであります。一方、尖閣列島はそうではないというようなことが、それぞれ意味合いにおいて違うということがわかっておるわけでありますが、その点がどうもやっぱり民間一般の方々から見ると、何でも皆、島は日本のものであって、取られているのはけしからぬ、政府は何しておると、こういう議論にすぐつながりがちでございます。その意味におきまして、今回のこの大陸だなの開発に関連いたしまして、竹島という問題、これを一体政府はどのように理解していらっしゃるか、そしてそれがこの問題とどのように理解の上で問題がないというふうに解釈されるのか、そこらを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島の問題は、これは多年にわたる日韓間の紛争問題である、このように理解していただいて結構だと思います。この竹島は私の理解では、歴史的に見ましてもわが国の固有の領土である、アメリカにおいてもそれを確認をしておるというような性格のものでありますが、残念ながら、戦後のあのごたごたした時期、そういう時期におきまして韓国があそこに事実上の支配を及ぼすような状態になった。そういう状態で日韓基本条約が締結されるということになったのです。 そこで、その機会にこの問題が解決されると非常によかったのでございまするけれども、とにかく事は領土の問題である、日韓双方とも主張を譲らない、そういうようなことがあって、結局この問題は、これは紛争地帯としてお互いに平和的に処理しようじゃないかということになったわけであります。とにかく最初外交的なルートで話し合いましょう、それで決着がつかなければ、これは調停という手もあるじゃないかというような結末になって今日に至っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、日韓間のこれは紛争案件であるということでありますので、これはそれなりにいずれは決着をつけなければならぬ問題である。ただし私は、これは日韓の関係から見まして、これはどこまでも平和的に解決しなければならぬというふうに考えておるわけでありますが、ときたまたまこの大陸だな問題が起こっておる、大陸だな問題は先ほど申し上げましたようないきさつで一刻を争う問題である、この問題はこの問題としてまた処理しなけりゃならぬ、竹島の問題は竹島の問題といたしまして処理しなけりゃならぬ、これは絡ませて論ずべき問題じゃない、日韓両国間に横たわるところの問題ではありまするけれども、解決は絡ませてするということは妥当でないと、かような見解でございます。
○下条進一郎君 そういうことであるならば、もう一つ基本的にお尋ね申し上げたいのは、それではこのように大事な大陸だなの法案をわれわれが審議しておるわけでございますが、その基本である日本と韓国の外交状態あるいは親善関係、それは一体どのように認識していらっしゃるか。いまのような紛争問題が解決されないままに一つは残っておると、その関連でこの間のイカ取りの漁船の問題がちょっとクローズアップされた時期もございました。しかし、それらを含めて、それでは一体日韓というのはいまどういう状況にあるのか、それをやはり一般にわかりやすく御説明いただきたいと思うのであります。
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓関係はわが国から見ますと、わが国は善隣友好、どこの国とも仲よくしようと言っておりまするけれども、地理的に見ましても歴史的に見ましても、わが国と最も近い立場にあるのは韓国であります。わが国は韓国ばかりじゃありません。あるいは中国もある、あるいはソビエト連邦もある、ASEANの諸国もあります。いろんな国々とそれぞれ仲よくしなけりゃならぬ。また、もとよりアメリカとの間の親善友好関係、あるいはヨーロッパの方の先進工業国、これらの国々との間の関係、これは本当に親善友好関係を保たなければなりませんけれども、とりあえず足元と言うか、まあ一衣帯水の最も近い隣組である韓国、この韓国との間に親善友好の関係が確立し、定着する、これはわが国外交にとりまして本当に緊要なことであると、このように考えております。 その一番近い一衣帯水の韓国との間の親善もできないというような状態で、どうしてそれよりも遠い国々と親善関係が打ち立てることができますか。私は、とにかくわが国は全世界に向かって全方位平和外交を展開する、そういう方針でございまするけれども、まず何よりも一番近い韓国との間の友好関係を、これを定着させる。これに成功しないで私どもの考え方はなかなかこれは進ませにくいような状態かと、このように思うんです。韓国も恐らく、韓国にとりまして一番歴史的にも地理的にも近い国は日本であると、こういう認識であろうと、こういうふうに思います。そういうことでありますので、日韓関係が安定しないというはずは私はないと思うんです。また現に十三年前に日韓基本条約が締結された。その上に乗って日韓関係は円滑に動いておるわけです。近いから近いだけにいろいろ小さな出来事はありますよ。小さなと言うとまた異論があるかもしらぬけれども、いろいろの出来事は起きてきます。きますけれども、基本的に日韓関係が私は微動だもしないという状態にこれを置くことは、私は日本として非常に大事なことであり、またこれを脅かすような状態に日韓関係はなっておらぬと、このように認識しております。
○下条進一郎君 それでは韓国のいろんな懸案問題、これは総理のお言葉の中からも、平和的にしんぼう強く交渉しながら解決していく、そして善隣の友好関係を基本としていきたいというお気持ちが明々白々と出ておるわけでございますが、一般の世論というのはどこまで本当の世論かわかりませんけれども、街で聞く限りにおきましては、イカ漁船の話にいたしましても、何か日本が弱腰であると。最近アメリカの国会のしぶりを見ますと、例の元駐米大使の証言問題に関連いたしまして、韓国がアメリカの政府に協力しないというのであるならばアメリカとしては経済援助もカットするかもしれないというような一つの決議をしたということが報道されておるわけでございます。日本としては武力を使うことのできない国であることはもう明らかでありますけれども、やはり外交折衝というものはただ口で言うだけじゃなくして、やはり何らかの手段というものもあわせてやることが必要ではないかという素人くさい議論も街にあるわけでございますが、そこらはやはり大国である日本はやらないとおっしゃるのか、そういう経済援助問題、これもことしの秋にはまた開始されるかと思いますけれども、そういう会議の場において、こういう紛争問題、未解決の問題は別にたな上げしていくのか、やはりそれと絡ませるのか、どんなようなことになるのか、そこをちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島問題につきましては、私が最初申し上げましたようにこれを平和的に処理したい、こういうふうに考えておるんです。韓国においてもそのような考えだと、こういうふうに確信をいたしております。そこで日韓関係というものは、これは先ほども申し上げましたように、わが国といたしましては非常に大事な問題と私は受けとめておるんです。韓国としてもそうだろうと、こういうふうに思うんです。そういう大事な関係が、近い国でありますからいろんな問題が起こってくるかもしらぬ、そういう間にこれが損なわれるというようなことがあってもまたならぬということに配慮していかなければならぬと、そのように考えておるわけであります。決して韓国に対して弱腰であるとかなんとかという、そんな卑屈な態度はとっておりません。これはわが国として主張すべき点は堂々と主張する。 現に竹島につきましても、わが国のこれは固有の領土であるという立場に立ってのこの主張は堂々と展開し、話し合いをしますけれども、どこまでもこれは平和的に処理するんだと、これしなけりゃこうやるんだというような、何というか肩をいからせたようなそういう行き方もありましょうけれども、当面、とにかく私は平和的に処理すると、こういうことで事に臨んでまいりたいと、こういうふうに考えております。秋になると日韓定期閣僚会議、こういうこともあります。そういう際には外務大臣同士が話し合うとか、いろいろそういうことに当然私はなると思いますが、とにかく折りに触れ機会をつくって、そしてこの問題を平和的になるべく早く処理したい、そのように考えております。
○下条進一郎君 大国の襟度を持って当たっていかれる、しかも平和的手段でやっていかれる、まことに結構なことだと存じますが、大変にしんぼう要ることだと思いますけれども、やはり国民は一生懸命本問題が基本的に解決することを望んでおりますので、今後もどうか努力をしていただきたい、このようにお願いする次第でございます。 それから通産大臣にひとつお尋ね申し上げたいんでありますが、いままで日本でこのような海洋等においての大きな石油の資源開発、これが幾つか行われてきたわけでございます。ところが私が聞いている限りにおきましては、どうも金はつぎ込んだけれどもなかなか成功しておらぬと、大変に大きな事業であって成功率も大変に少ないと、このように聞いておりますが、一体いままで国はどのくらい金を出して一体どのくらい成功したのか、そこらのことを一度明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) わが国のエネルギー政策のうち、石油政策が中心でございますが、石油政策は開発、節約、備蓄と、この三本柱で進めております。これまでも、開発につきましては石油開発公団を通じまして相当多額の投資をしてまいりました。世界各国で開発を進めておりますが、私は開発の成功率は世界全体の平均よりも相当いいと思っております。その詳細につきましてはエネルギー庁の長官から答弁をいたします。
○政府委員(橋本利一君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、わが国の石油開発企業は昭和三十年代から開発事業に着手しております。特に昭和四十二年に石油開発公団が発足してから非常に活発になっておりまして、五十二年度末時点におきまして投融資額は約三千三百億になっております。それから、債務保証残高は同じく五十二年度末で二千三百三十五億円になっております。かような開発事業の結果といたしまして、現在、いわゆる自主開発原油、そのうち日本の取り分といたしましては七十万バレル・パー・デー、年産の能力にいたしまして約四千二百万キロリッターに達しております。このうち輸入いたしておりますのは、年によって若干の相違がございますが、二千三百ないし二千四百万キロリッターでございまして、全輸入量の八ないし九%程度ということでございます。特に周辺の大陸だなにおきましては常盤沖と阿賀沖で成功いたしておりまして、阿賀沖につきましてはすでに二年ほど前から商業生産に入っておる、こういう段階でございます。
○下条進一郎君 大変にいい面は浮き彫りにされておるわけでございますが、やはりいままで計画的におやりになった中では、ある社によってはもう全然当たらずに全部パーである、という会社もあるわけでございます。したがって、非常にむずかしい。いまおっしゃった金額でも、すばらしい巨額な金が使われているわけでありますが、今度の大陸だなの埋蔵量につきましてはエカフェのときの予想とかあるいはその他の、また政府のお見込みというものが少しずつずれておるわけでありますけれども、ここらが一体、まあわからぬといえばわからぬではありましょうが、これだけの大きな計画をされるに当たっては大体概略どのくらいの幅で物を見ていらっしゃるか、この大陸だなの開発について鉱区の中でどのくらいの量を一応予想しておられるか、そしてそれに対して一体どの程度の資金の手当てを考えていらっしゃるか、これを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 下条委員御承知のように、埋蔵量できるだけ正確に確認するためには、いわゆる物理探査、試掘、探鉱といったような準備が必要であるわけでございますが、五十一年の十一月に石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会、いわゆるPEACでございますが、この審議会で試算いたしましたところでは、日本周辺には原油に換算いたしまして約十三億キロリッターの究極可採埋蔵量がある。そのうち約七億キロリッターが東シナ海にある可能性がある、こういう試算をいたしております。直接この共同開発地域についての試算をやっておりませんが、いま申し上げましたPEACの資料を根拠にいたしまして通産省で試算いたしましたところ、共同開発地域が約三億七千六百万キロリッターの埋蔵量がある可能性があるというふうに判断いたしております。 それからなお、投資額につきましては、今後いろいろと事前調査をやった上でないと確定的なことは申し上げられないわけでございますが、北海油田の中にニニアンという油田がございますが、これは可採埋蔵量約一億六千万キロリッターといわれているんでございますが、これに要した開発資金は約二十三億ドルということになっております。さようなところから、この程度の油田が発見されれば二十数億ドルの開発資金が必要になろう、こういうふうに見ておるわけでございまして、なお、先ほど申し上げました阿賀沖油田につきましては可採埋蔵量一千万キロリッター、これに対する投資額は三百億でございますので、海の深さだとか、あるいは埋蔵量等によって異ってまいりますが、大体究極可採埋蔵量キロリッター当たり三千円から三千数百円というところが適正な投資規模になるんではなかろうか、かように推測しておるわけでございます。
○下条進一郎君 概略のお話はそれでわかるわけでありますが、通産大臣に伺いたいと思うのでありますが、この地域が一体国際的に、領土と申しましょうか、その施政権が及ぶと申しましょうか、そういうものの判断の観点から見た場合に、一体日本と韓国の場合は前からも御説明ありましたように、領土的な問題は一応たな上げにしてあの地域を一応設定をしたということになっておりますが、中国との関係は一体それじゃどういうふうに見ておられるのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この問題はむしろ私は外務省の方から明らかにされた方がいいと思いますが、日本といたしましてはこれは中国の権益を決して侵すものではないと、こういうふうな認識の上に立っております。現在中国側から異議が出ておりますけれども、必要とあらば日本政府としては幾らでもこれに対して十分な説明をいたしますと、こういうことを繰り返し言っておるわけでございます。
○下条進一郎君 私が質問申し上げる趣旨はこういうことでございます。先ほど資源エネルギー庁長官からお話がありましたように、量はかなりの量を見込まれる。しかしながら海底三百メーター以下のいろんな試掘から初まっていくわけでありますから大変な金がかかると。その場合に、まあこれから外務省の御説明も必要だと思いますけれども、この前のたしか五十年か、衆議院の方で附帯決議がついておりまして、その地域に対して紛争のおそれがある場合にはこれは政府資金が使えないと、こういうような決議があるわけでございます。私の感じではこれはもうべらぼうな投資でありますから、民間の資金で一体できるのかできないのか、その点がひとつ問題になりますので、一体紛争がないということになれば、すぐにいまの石油開発公団の資金が使えてその開発ができるわけでありますが、もしそういうおそれがあると外務省が判断されるならば、これは使えないと。そうするとコストが非常に高いことで、一体通産省はそれはやれるとお考えなのかどうなのか、その点を外務省、また通産大臣の方から、両方からお答えいただきたいと思うのです。
○国務大臣(河本敏夫君) いまお話にもございましたが、昭和五十年の初めに石油開発公団法の改正が行われましたが、その内容は、石油開発公団の業務の拡大でございます。外国の政府並びに政府機関に対する投融資が可能になるということ。それから日本近海における開発に対して投融資を可能にするということ。この二点についての改正が行われたわけでございますが、それに関連をいたしまして国会の方で附帯決議がされておりまして、紛争の起こっている地域、または紛争のおそれのある地域に対しては石油開発公団からは投融資をしないと、こういう附帯決議がつけられております。なお、附帯決議の説明の際に日韓共同開発地域、今回の大陸だなについてはこれは中国側から異議が出ている間はこれは投融資をしないんだと、こういう趣旨の説明もされております。それを受けまして私は同趣旨のことをこの委員会でも申したのでございます。 そこでいまお尋ねの件は、相当多額の開発資金が必要だが、この法律が国会で認められる、そしてこの大陸だな条約の批准が正式に行われいよいよ開発といった場合にお金の方は大丈夫か、資金の方は大丈夫かと、こういうことでございますが、特別鉱業権者を認定をいたします場合にどういう条件でこれを認めるかといいますと、一つは資金の面で十分力を持っておるところと、それから技術的に十分な力を持っておるところ、この二つの条件を十分考慮いたしまして認めるように考えております。でありますので、まあさしあたり一遍にこの金が要るわけじゃございませんで、数年間にわたりまして要るわけでありますし、かつまた中国に対して日本政府といたしましても積極的に、これは中国の権益を害するものではないということを引き続き説明をするつもりでございます。そして幸いに中国側が理解を示しますならば、その時点においては当然政府資金も出しますと、こういういきさつがございますので、開発そのものには何ら支障は来たさない、こういうつもりで進めていきたいと考えております。
○政府委員(中江要介君) ただいま通産大臣の御説明のとおりでございますが、外務省といたしましても今回の日韓大陸だな協定の南部の共同開発に関する部分が中国の主権的権利を害しているかという点については、害しているものではないと、国際法的に見ましてもそういう権利侵害はないという立場につきましては確信を持っておるということを申し上げられると思います。
○下条進一郎君 いまのお話で、それでは紛争はいまのところはこの問題には関係ないという御解釈にも承りますが、いずれにいたしましてもこの法案が一刻も早く成立いたしまして、先ほど総理がおっしゃったように国際信義のためにも一刻も早く成立することを私たちも期待するわけでございます。 なお、それに関連して、先ほど来話が出ておりました韓国との竹島問題を含めての未解決の問題なり、あるいは中国との大陸だなの最終的ないろんなおそれもある問題等につきましては、これからもひとつ腰を落ちつけて平和的な手段によって解決していただくように努力していただきたい、このようにお願いして私の質問を終わります。
○対馬孝且君 先ほど委員長から、本日の会議の持ち方につきまして明確に宣言をされておりますように、竹島問題に集中をして本日総理の出席のもとに会議を開かれておりますから、私はまずこの竹島問題にひとつ限定をして、これからの質問を基本問題を中心に総理に質問を申し上げたいと思います。 まず最初に、竹島問題の解決に対する総理の決意をひとつ明らかにしていただきたいと思います。それは、竹島の領有をめぐる日韓両国の紛争は、先ほども総理お答え願いましたが、一九六五年――昭和四十年の日韓国交正常化の際の協定ができております。これは非常にあいまいな決着に起因していることいまさら言うまでもありません。私も簡単にこの経過を申し上げておきたいのでありますが、日韓交渉の当初は、日本政府は竹島問題を含めて一括解決の方針を明らかにいたしました。この問題を解決しないままで交渉を妥結することは絶対あり得ない、これも当時の日韓の国会の記録の中に明らかに残っております。その後全般的な交渉が進んでまいりますと、政府の方針は解決のめどをつけるという表現に変わり、交渉が煮詰まった段階では日本の政府は急速に後退をいたしまして、最終的には竹島の名前さえ明記されない段階に至りました。先ほどもお答えありましたが、紛争の解決に関する交換公文という形で懸案処理を将来に残し、ともかく日韓国交正常化を優先させたということは、当時の国会情勢で明らかであります。このような日韓交渉における竹島問題の取り扱いは、いわば日本側にとりましては一方的な譲歩に終わっているということを指摘しなければなりません。そのことが今日までわが国の外交の重大な一つは汚点を残して尾を引いていると言っても過言ではないと思うのであります。 そこでこの竹島の領有問題につきまして、先ほど来何回も平和的に平和的にとおっしゃっていますが、この段階ではやっぱり総理として決意を持って決着をする段階に来ている、私はこう判断をいたしておるわけであります。いま日韓大陸だな共同開発を自民党が行おうとしているわけでありますが、こういった過去の悪例をいま一度繰り返してはならないと、こう私は総理に率直に指摘をしなければなりません。そういう点からまいりまして、過去四半世紀にわたっての不法占拠、事実上韓国が竹島に実力行使を行っているというこの一つ一つの事実の積み重ね、こういった問題を判断をした場合に、わが国としてはもはや今日的段階としては竹島は事実上放棄したのではないかというくらいに諸外国に印象を与えております。したがって総理大臣として、いま竹島問題にはっきり黒白をつける段階に来ている、こういう基本的な態度につきまして総理としてはどうお考えになっておるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島は、先ほど申し上げましたようにわが国の固有の領土であると、こういう認識でございます。御承知のように、事実一九〇五年――明治三十八年島根県に編入をされておると、こういういきさつでありますね。またアメリカ政府も戦争終結直後にそれを確認をいたしておるというようないきさつもあるわけであります。私は私の考え方に間違いはないと、このように考えます。ところが、戦後数年間に及ぶわが国の世界における立場、そういうようなこと等のいきさつから今日のような状態が出てしまったこと、これは私はまことに残念なことである、このように考えておるわけであります。 この問題の決着をつける時期は一体どうであったかということにつきましては、私は日韓基本条約ができるあの際に決着がつけばよかったなあと、こういうふうに考えておりますが、とにかく領土の問題でありまするから、両国の意見が対立するということになると、なかなか一致点が見られない。そこで当時は日韓間に紛争があれば、その紛争案件は外交交渉によって処理しましょう、外交交渉で処理できないそういう案件につきましては調停で処理しましょうと、こういう合意になっておるわけでございますが、そういう経過を経て今日のような状態になっておる。この状態をクリアするということ、これは私はわが国政府として当然しなければならぬことである、そのように考えておりますので、いずれこれは外交ルートを通じまして日韓間で話し合いをする、その際にはわが国の固有の領土であるという竹島に対する基本的な認識、その上に立って事を処理したい、このように考えております。これが私の不動の姿勢でございます。
○対馬孝且君 いま総理大臣から不動の姿勢として外交ルートを通して話し合いをつけたいと、こういう、これは十三年前と一向に変わっておりませんね。さっぱり進んでいないですな。率直に言って私はこういったなまぬるい解決ではもはや解決はならないという点を、具体的にこれからお伺いをしてみたいと思うんです。 そこで、さきの竹島周辺で起こった日本漁船に対する韓国政府の退去命令事件がありました。これに関連いたしまして園田外務大臣から、韓国に対する経済協力等も一切を含めてこの際解決をする段階に来ているということをこの間の四月十六日の参議院外務委員会で園田外務大臣は同僚議員に対して答えております。それから、あらゆる時期をとらえてあらゆる手段で領有を主張してまいりたい、これも五月十一日の参議院外務委員会で園田外務大臣がお答えをされております。したがって、竹島は領土紛争として抜本的に取り組む時期に来ているということも、中江アジア局長もここにおりますが、まさにそういう意味では若干従来の姿勢と異なった、私の印象としては一歩前進をしたような印象での答えが国会でなされております。 したがって、いままでの姿勢というのは非常になまぬるかったと、こういう結果になるわけでありますが、いま総理の答えを聞きましてもどうも私は納得できないのは、外交ルート、外交ルートと言って十三年になっているわけです。その間に政府は五十回口上書を出したと。五十回口上書を出したって一向に問題が解決するどころか、現在の竹島の状態というのは韓国の警備隊が配置をされている。警備宿舎があって、しかも韓国国旗が明確に竹島に残っているという、ここに私は竹島のあれ持っております。こういう実効支配がすでに韓国の中でされている。事実は一つ一つ実力行使をもって積み重なっている。この実態を踏まえた場合に、総理が言う、いまなお外交ルートを通して何とか解決をしたいと言うだけで一体解決になるんでしょうか。 もう一歩突っ込んでそれじゃお伺いします。外交ルートというと、いま言ったように交渉の外交ルートを通じて解決を見ない場合は調停を行うことができるということがあります。一日本政府は第三者に対して調停を依頼すべきであるということを私は主張したいんでありますが、第三者にこの段階では調停を依頼して解決に踏み切るべきであると、こう考えますが、総理大臣いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ外交ルートということは、力づくでとかけんか腰でということでなくって、外務省またはその頂点であるところの外務大臣、これが中心になってこの問題を韓国の当該機構と話し合うと、こういうことなんです。まあ、確かに私はこの問題は日韓基本条約ができてから十三年になる。ちょっとこの問題の処理、こう長引いておるというふうに思いまするけれども、領土の問題でありまするから、なかなかこれはむずかしい問題なんです。 そこで私が申し上げておりますのは、思いを新たにいたしましてこの問題の処理解決に当たりたいと、こういうことでございます。しかし、思いを新たにいたしましても、やっぱりとにかくやるこの手段というようなことは何かと、こういうことになりますれば、これはもう外交ルートを通じてやるほかはないんです。ほかにだれが交渉しますか。外交ルートを通ずるほかにないんであります。平和的に処理するとすればそれより道はないと、まあその道を進めます。しかし、まだ私は第三者に調停を依頼するという段階には来ておらぬというのが私の認識でございます。
○対馬孝且君 外交ルート外交ルートと言うけれども、外交ルートはいままで幾たびかやっておられるわけじゃないですか、何回も。なおかつ十三年たっても解決をしないという今日の段階を迎え、しかも実効的支配がどんどん既成の事実が高まっていっている。こういう状態で総理も先ほど認められておるように、私はこういう新しい事実を政府は知っているのかどうか知りませんけれども、こういう事実が明らかになっているんじゃありませんか。 最近のこれはアメリカが出した国務省覚書、私はとってまいりましたが、これをずっと申し上げますと、最近、一九五一年の米外交文書が公表された。楊駐米韓国大使が竹島の領有権を主張したのに対して時のダレス国務長官は、われわれの情報によれば、竹島は一九〇五年ごろから韓国の一部として扱われたことはなく、島根県の管轄下に置かれている。それ以前においても韓国は領有を主張したことはないと、日本の固有の領土であることを韓国側に通告をしている――五十一年八月十日、国務省覚書。というのがあるわけですよ。私はこれを通して客観的事実としてここまで明らかになった限り、外交ルート外交ルートと言ったって解決しないんだから、もはやこの段階ではやっぱり率直に調停の段階に踏み切っていくという根拠があるじゃないですか。アメリカ側の明確なこの国務省覚書があるとするならば、これを盾にとって、日本政府としては調停の段階に踏み切るという段階が当然あってしかるべきじゃないですか、これ。どうも総理のいままでのお答えを聞きますと、もう弱腰の姿勢で、何か韓国にどうしても義理を立てなくちゃならないというような印象がぬぐい去れないんですがね。日本の本当の固有の領土と先ほど総理が主張されるのであれば、固有の領土という基本の立場を守るとするならば、この段階で当然調停の段階に踏み切るという基本姿勢があってしかるべきだと、こう思うんですが、いかがでしょうか。論拠があるんですよ、このとおり。
○国務大臣(福田赳夫君) 調停方式、これはもう両国で合意されていることで、これは時至らばこれを援用すると、これはもう当然そういうことを考えておるわけでございまするけれども、私はこの機会に思いを新たにしてひとつ外交ルートによる交渉をしてみたいと、このように考えているということを申し上げておるわけです。それでどうも片づかぬということになれば、これは調停ということでありますが、調停と言っても、いまアメリカのお話が出ましたが、アメリカにひとつ調停をお願いしますと申し上げましても、アメリカは最近外国の領土紛争には介入しないと、こういうような方針を強く打ち出しておるので、なかなかそう簡単にはいきませんけれども、いずれにしても両国の間で外交ルートによる決着がつかない、そういう際におきましては調停方式に移行すると、こういうことが合意されているんですからね、私は思いを新たにして外交交渉を進めます。進めて、そうしてこれが成功しないという客観的な見通しが出てくるという際におきましては、何とかして、どこかしかるべき調停国を見つけて、その調停をこれを依頼するということにするということではなかろうかと、かように考えております。
○対馬孝且君 総理、思いを新たにしてということは、これいままでのようなやり方ではだめだということじゃないですか。これは日本語的な総理のいま答えを聞きますとね。思いを新たにするということは、もう十三年間外交ルートでずいぶんやってきたが、もうこれでは解決の道は開けないと、そこで思いを新たにするということは、何らかの具体的な解決策に対する手だてが出てこなければ国民は納得できないんじゃないですか。このたびの退去命令の問題にしてもだね、もう漁民は怒り心頭に達していますよ、島根県や鳥取の漁民は。こういう固有の領土に対して、先ほども何回も質問するように、実効支配的な既成の事実をどんどんどんどん認めておって、そして外交ルートだ、外交ルートだと言ったって、具体的にそれじゃお伺いしますよ、私は。 外交ルートと言うならば、この交換公文の中に載っているじゃありませんか、先ほども総理もお答えになっていますけれども。ところが、これははっきり申し上げますけれども、当時の日韓条約を締結した段階での韓国の国会で時の韓国の外務大臣がどういう答えをしていますか。交換公文の中の解釈というのは領土問題について双方の違いがあったとしても、竹島については全部解決済みである、これはっきり時の、これ私持っておりますがね、佐藤総理大臣がわが党の松本七郎議員の衆議院での質問に答えているんですよ。その答えとしてはっきりしていることは、韓国はもう竹島については解決済みであるから、固有の韓国の領土であるから、交換公文の内容としての対象にはならない、しかもはっきりしておるのは日本の佐藤首相、椎名時の外務大臣はこれを了解しているということについて質問しているじゃありませんか。こういう事実があるんですよ。だから総理はずいぶん交換公文の中で、外交ルートでと言われているんでありますが、もはや十三年間そういうことを外交ルート、交換公文やってきたが、ただの一度もこの問題についての解決の目指しは一つもしてないわけであります。結果的にそうじゃないですか。 そうだとするならば、私の言いたいのは、この段階で思いを新たにしてと国民におっしゃるならば、この漁民の怒り心頭、韓国のあのきわまりない、私に言わせればですよ、はっきり申し上げて。いま日韓大陸だな協定が国内法審議しているから、恐らく日本の国民の、政府を刺激してはならぬというかっこうで私は退去命令――日本側自主的に下がったけれども、現在彼らの行動というのはそういうことになっていると思うんですよ。日本大陸だなを意図しての今回の竹島におけるああいう漁船に対する刺激の一歩後退したような印象を与えながら、平和的なかっこうにはしておりますけれども、これが再び日韓問題が決着ついたら、また実力行使の体制に入るということについてはいま現に島根県の漁民、島根に住む国民は非常に心配しているのはそこなんです。 そういうところに来て、思いを新たにしてとおっしゃるならば、私はいまの段階から一歩前進しなけりゃならないんじゃないかと思う。前進する立場で、客観的条件が出てきたときに調停に踏み切るということではなくて、いまの段階でもはや韓国のこれ以上の行動は許されないという、総理のやっぱり決断に立たなければならないんじゃないかということを私はあえて言いたいのは、園田外務大臣さえこう言っているんですよ。これ、間違いであれば別ですが、指摘願っていいんですが、外務大臣のこの間の外務委員会に対する答えも明確になっているんですよ。経済問題を含めて、私から言わせれば経済封鎖、経済協力の中止、あるいは私はこの間衆議院の外務委員会に二十六日行ってまいりましたが、あえて、日韓閣僚会議がことしの九月にあるけれども、その閣僚会議で問題にすると言ったら、直ちに韓国側からはね返ってきて、園田外務大臣の発言はおかしいと、これはわが党の同僚の土井議員が衆議院で質問しました。もし韓国がそう言うんであれば、ことしの秋の閣僚会議開いてもそれは無意味である、明確に園田外務大臣がお答えになっているんですよ。こういう外務大臣さえこの姿勢を堅持して、やっぱり一歩強く踏み込まなきゃならぬという姿勢になっているときに、どうも総理大臣が思いを新たにしてと言っているけれども、相変わらず外交ルート外交ルートの従来ペースでは、どうも外務大臣と違った総理大臣の姿勢をお持ちなのかどうか、どうぞその点をもう一回ひとつ明らかにしてください。外務大臣の言っていることは間違いなのかどうか、この点をひとつはっきりしてください。
○国務大臣(福田赳夫君) 外務大臣と私の間には、別に意見の相違はございません。外務大臣はこの問題の解決につきまして積極的な姿勢を打ち出しておるということでございまして、私も思いを新たにしてという表現でそのことを申し上げておるわけなんです。ただこれ、いま日韓間で大陸だな協定批准問題がある。協定は調印をされた。しかし、四年間も日本側の事情によって批准というものが行われない。これに対しましては、韓国は非常に不満の意を持っておるわけであります。まあ私は、日韓大陸だな協定が批准というようなことになることは、日韓間の当面横たわっておるところの少しのきしみ、これを除去する上におきまして大きな影響があるだろうと、このように見ておりますが、とにかくこの竹島の問題、これは重要な問題でありまするから、今後も十分努力をしなけりゃなりませんけれども、そういう日韓友好的な話し合い、それを阻害するような要因、これにつきましても私は格別の配慮を払う必要がある、このように考えておるのであります。繰り返して申し上げますが、この問題は非常に大事な問題である。思いを新たにして取り組みます。
○対馬孝且君 いま私は、後でこれ、この問題をきちっと整理しますけれども、総理の最終的な結論を求めたいと思いますが、信頼関係がないで何が共同開発だと私は言いたいんですよ。根本はそこでしょう。二国間の相互信頼がなくて、どんどん向こうは実力行使をしてきて、竹島を不法占拠をして、しかも日本の漁民を追い出して、そういう状態に対して何が信頼関係ですか、私に言わせれば。そういう信頼関係がつくられないで、何が共同開発ができるかということですよ。共同開発がうまくいくわけないじゃないですか、こんなものは。これは後で私は最後にきちっといたします。 その前に私は、先ほど思いを新たにして、客観的な条件が出れば調停に踏み切ると、こう言いましたね。そういうふうに理解していいですか。
○国務大臣(福田赳夫君) え、何ですか。
○対馬孝且君 いや、先ほど総理が、客観的にそういう情勢が外交ルートを通してやっても、なおかつそういう段階がくれば調停の段階に移行せざるを得ないと、こういう決意をお持ちだというふうに理解をしていいかどうかということを私は聞きたい。
○国務大臣(福田赳夫君) そのように考えております。
○対馬孝且君 ああ、そうですか。それではひとつ調停の段階に踏み切るという、その段階では移行するという、まあ総理もそのとおりでございますということですから、ちょっと具体的に聞きたいんですが、私はまず入り口の問題としていま日韓両国で竹島問題を紛争として認め合う必要が一番あると思うんです。総理どうでしょうか、いま一番大事なことは紛争の状態を二国間が認め合う、韓国と日本と認め合うということが一番最大の条件じゃないですか。なぜこれを言うかといいますと、韓国は紛争の状態では竹島はないと、こう言ってるんだから、いま大事なことは紛争の状態を認め合うという姿勢が二カ国間で一番必要なことじゃないですか。私はそう思うんです。 そこでひとつちょっと申し上げます。そこで、そういう状態であるとすれば、竹島問題の交換公文の対象に含まれる紛争であるかどうかの判断自体は調停に付してみなければ私は合意ということが出てこないんじゃないか、ここなんですよ、分かれ道は。総理は踏み切るとは言ってるんだが、それを直ちに調停を起こさなければ、相手は紛争の対象ではないと言うし、こっちは紛争の対象だとこう言うし、これは交換公文の中の取り決めなんだがこれは守られていないんですよ。私は守られていないということは、明らかにこの条約に対する韓国は不履行であるという見解を持っているんですが、いかがなものでしょうか、条約不履行である……。
○国務大臣(福田赳夫君) 対馬さんの御所見は、まず調停に付してみろと、こういうお話ですが、調停もこれは韓国が応じないと、こういうようなことであれば付しようがないわけであります。でありまするから、これはどこまでもこの問題はこれは交換公文、この両国の合意に基づいてやっていくほかはない。そういうことで考えます場合に、やはり御指摘のように竹島問題は両国のこの紛争問題の一つである、こういうことにならなけりゃ外交ルートによる話し合い、それがつかない場合には調停という、そういう路線には乗ってこないんですがね。この問題につきましては、日本政府といたしましては、竹島は現に――とにかく両国の主張が折り合わないんですからこれは紛争問題である、こういう理解であります。この理解、これがどうも打ち立てられないという限りにおきましては、非常に問題の処理はむずかしいんですが、私は日韓両国は先ほど下条委員にも申し上げましたが、これはわが国とすると大変大事な関係である、韓国から見ましても大事な日韓関係であると、こういうふうに思いますので、まあ両国はそういう観点に立ちましてこの問題を処理するという道を選ぶ、これはもう当然そうなけりゃならぬところである、こういうふうに思うんです。 その処理に臨むわが国の基本方針は、これはいま御指摘がありましたアメリカの見解もあります。しかし、事実といたしまして一九〇五年、明治三十八年以来わが国が島根県の一部としてやってきておる、この歴史的な事実、これも十分踏まえまして交渉をしなけりゃならぬ案件であると、このように考えます。
○対馬孝且君 いま歴史的な事実を踏まえて、まずこの交換公文の紛争の状態を認めさせるかどうかということが基本であるということは、総理も確認したようでありますから、それはそのとおりだと思うんです。 そこで私は、そうなってきますと、韓国としては条約不履行の状態を行っているんではないのかと、条約不履行したのは日本ではなくて韓国だということは明らかでないですか。これは去年の、私もちょっと調べてみたんですが、去年の予算委員会でもやっていますね、これは。予算委員会の中で鳩山外務大臣は、これは条約不履行であるということを言っていますね、やっぱり。総理どうですか、これ。条約不履行であるかないかということを、ここでまず明らかにしてもらいましょうか、いまの韓国の状態というのを。
○政府委員(中江要介君) 御質問の条約というのは、この交換公文のことを指しておっしゃっておることだろうと思いますが、日本政府の立場は先ほど来総理もおっしゃっておりますように、日本政府としては竹島の領有権に絡まる見解の相違は日韓間の国際紛争であるから、この紛争解決の交換公文にのっとって、まず外交上の経路を通じて解決を図るということで臨んでおるけれども、他方韓国側はいま対馬先生がおっしゃいましたように、日韓正常化の際の韓国の国会における説明に見られますように、必ずしもそういうふうにはっきりとはこれを認識していないということがございます。したがいまして、当然の帰結としてまずこの紛争解決の交換公文にのっとって解決するためには、前提としてこれがはっきり日韓間の紛争であるという認識から出発しなけりゃならないという御指摘がありまして、総理もそのとおりだとおっしゃいましたのは、過去の事実に即して正しい認識だろうと思います。で、いまの段階では、それではすでに韓国は交換公文の義務違反かどうかという点につきましては、日本政府の少なくとも外務省で見ております限り、まだ交換公文の義務違反だと決めつけるほどにまでも、外交交渉が熟していない、中身に入っていない。 したがって、その点を総理がおっしゃいましたように、思いを新たにして外交上の経路を通じての解決に努力していく、その努力の仕方にはいろいろあるでしょう。しかし、ただ一つ守らなければならないのは平和的に解決するという道があるという、おきてがある。したがって平和的に解決するためには、やはり相手との間に平和的に話し合う雰囲気というものが必要なので、いままで五十回近く抗議の口上書を交わしているというけれども、何ら外交上の、外交経路を通じての交渉らしい交渉はないじゃないかと、こうおっしゃいますけれども、私どもは目的は外交交渉に入ることだけではなくて、外交交渉に入って解決のめどが得られるということが一番大事なことである。目的はやはりこの紛争を解決することでありますので、これにはおのずから政治的に判断していい時期というものがあるわけで、これは政治的な御判断を仰ぎながら、日韓間でこの交換公文にのっとった話し合いが行われる時期を選んでいくと、こういうことになろうかと思います。
○対馬孝且君 アジア局長ね、これはあなたはそういうお答えをしているんだけれども、これは予算委員会で私どもの同僚議員が質問して、私が聞いているのは、あなたもいまお認めになったでしょう。交換公文の考え方からいくと、紛争状態であるということを認め合うということがあの協定の、条約の基本方針でないですかと、こう言っているんですよ。あなたもいま認めましたよね、その紛争状態にあるかどうかということを認め合わなければならない。ところが、それが守られてないということですよ、私が言いたいのは。守られてないでしょう、現実に。守られてないとすれば、当時の日韓条約のこれは不履行じゃないですか。この点を聞いているんであって、これ素直に答えてもらえればいいんですよ。条約が守られているのか、条約不履行なのか、どうなんですか、これ端的にお聞きしますよ。そこを聞いているんだよ、私は。
○政府委員(中江要介君) これは私先ほど申し上げましたように、この紛争に関する交換公文ができました経緯から考えまして、日本政府としては、これは当時の椎名外務大臣も日韓正常化のときの国会で御説明になっておりますけれども、これはどこから見ても、この交換公文の対象に竹島の領有権争いが含まれていないという理由はないと、こういう立場でございますが、他方韓国の方は、これは先ほど先生も御指摘になりましたように、竹島ということが明記されていないということで、国内の国会における、韓国議会における説明におきましては、これは必ずしも竹島を意味していないと、こういうことを言っておりまして、そもそもこれが国際紛争であるかどうか、仮に紛争であったとしてもこの交換公文の対象であるかどうかということも含めまして、外交上の経路でまずそこをはっきりさせなければ争点が明確にならないと、こういう事情にあるわけでございます。
○対馬孝且君 アジア局長ね、あなたは韓国のアジア局長じゃないですな、日本のアジア局長でしょう。そうであれば、何も韓国側に立って答弁することないじゃないか。私が聞いているのは、日韓条約が守られてないのか守られているのか、そこだけを聞いているんだよ。日本の外務省として、守られてないなら守られてないと、こういう態度でいいじゃないですか。それを韓国がこうだとかああだとか言って、韓国の主張があったにしても日本側の態度としてどうなんだと、条約が不履行なのか、守られているのか、履行しているのか、この点聞きたいんですよ、どうなんですか。
○政府委員(中江要介君) 冒頭に、私は日本国外務省のアジア局長でございます。(笑声) それで、先ほどの私の御説明にも申し上げましたように、これが守られているか守られてないかということを判断するにはまだ時期が早いということを申し上げております。判断する時期が早いゆえんのものは、日本と韓国で考え方が必ずしも合致していないということを申し上げておるわけで、私は何も韓国の言っていることが正しいとは一言も言っておらないわけで、ただ客観的に見まして、やはり紛争を解決するという以上はお互いに相手の立場についてよく認識して、問題の所在を整理してはっきりさせた上でなければ解決ができないということを申しておるわけでございます。
○対馬孝且君 まだその判断に来ていないと言うけれどね、いま現実にあんたあそこに灯台があって、警備隊を置いて、しかも警備舎がつくられて、韓国の国旗がちゃんとあって、しかもそういう無線装置までつくって、まさに実効的支配が及んでいるわけでしょう、はっきり。それに対してまだ判断できないと、こんなことでどうするのですか。条約不履行じゃないですか、これは明らかに。韓国はこの交換公文の条約を守ってないということは明らかじゃないですか。私はそういう既定の事実に立って条約が守られているか、守られていないのかということを言っているのであって、事実行為として実効支配に対して、実効支配も及んでいないのですか、いま。それだけを聞きます、それじゃ。アジア局長、どうですか。今日も竹島に対して韓国の実効支配は及んでいないんですか。
○政府委員(中江要介君) これは再三申しておりますように、韓国が事実上の支配を及ぼしております。それを日本側から見ますと、これは不法占拠であると、こういうふうにいつも申しておるわけでございます。
○対馬孝且君 そういうふうにはっきり言えばいいんだよ。不法占拠だとなれば、条約が守られていないということじゃないですか、明らかに。それであるならば、日本政府としてこれは不法占拠だとあなたがいま認めたんだから、不法占拠の実態があるとするならば、これに対して日本政府としては当然報復措置があっていいんじゃないか。どうして報復措置がとられないか、これがわからないんです、私が言いたいことは。日本国民として当然な不法占拠であり、条約が守られていない韓国に対して、当然とるべき措置があるんじゃないですか。報復措置として、たとえば日韓の経済協力を一時中止をするとか、いまも総理から出ましたけれども、ことしの秋に開かれる日韓の閣僚会議を延期するとか、あるいは大陸だな共同開発を打ち切るとか、そういう報復的な態度をとってしかるべきだと私は思うんですよ。それが本当の日本国民の、日本政府がとるべき態度は私はそこにあると思うんですよ。それがどうして行われないのかということが私はどうもわからないんだ。そこが何かやっぱり韓国とのいろいろなことがうわさされるようなことがあるのか。そういう弱腰をとらなきゃならないものが政府にあるのか、そういうことを疑われてもしようがないんじゃないんですか、この問題については。どうしてそういう報復的な態度がとれないかどうか、これは明らかにしてください。
○政府委員(中江要介君) 韓国の不法占拠と日本側のそれに対する報復措置というつながり方は私どもの考えておりますところと少し距離が違うように思います。といいますのは、韓国の竹島に対する不法占拠というのは日韓正常化のときにすでにそういう状況があったわけでございまして、それを是正する、もとに戻すという努力がなされましたけれども、結局落ちつきましたのは、その問題は紛争解決に関する交換公文によって、将来日韓間で紛争の解決として処理していくということでありまして、平穏無事に日本の領域で、領土であるところにいきなり韓国が何の根拠もなしに不法上陸して占拠したという、そういう不法占拠とは趣が違うわけでございまして、日韓間におきましてはこれは紛争として平和的に処理していくということのその約束は交換公文であるわけでございます。韓国も日本政府に対しまして公に、公式にこの紛争解決に関する交換公文は全く竹島とは関係がないということを最近でも言ってくるという事態はございません。したがいまして、日韓間の雰囲気の改善に伴いまして、この交換公文の精神にのっとった話し合いというものが結局日韓正常化以来両国が今後竹島の問題について考えている筋道だろうと思います。 したがいまして、紛争の解決に関する交換公文も全くなくて、また正常化のときにも何の疑問もなくて、古来の日本の固有の領土に突如韓国が不法上陸して不法占拠した、そういうときにとる報復措置というようなものが、いま竹島に日本側からとれるかといいますと、これは私ども事務当局といたしましては、日韓正常化のときの筋道からは外れるものではないか、こういう判断でございます。
○対馬孝且君 韓国の、さっきからちょっと一貫して聞いておりますと、日本側の政府としての態度を堅持するんじゃなくて、韓国の主張だけ強調するんだよ。どうもそこがさっきから私が言っているように、それは韓国側に立っておるか、日本側に立っておるか、私が質問するのはそういうことを聞いているんだよ。不法占拠だとあなたがお認めになったんだよ。不法占拠であるとすれば、当然わが国としては報復の措置をする権利が発生しているじゃないか、当然じゃないですか、これ。不正常な状態なんだから。不正常な状態に対してわが国が当然報復の、対抗の措置の権利を発生するのは当然じゃないですか。その権利の発生が当然あるんですから、われわれとしてとるべき態度をここに来たらとっていいじゃないか。それはもちろん経済協力の中止もあるだろうし、二十六日の衆議院外務委員会で、同僚の土井たか子議員の質問に対して園田外務大臣もはっきり言っていますよ。あなたもおったでしょう。ことしの秋に開かれる日韓閣僚会議は、もしそれが韓国でもって議題にすることについて問題があるとするならば、それは無意味だと。明確に答えていますよ、これは。 たとえば日韓閣僚会議を、そういう韓国の状態であるとするならば無期延期するとか、あるいは大陸だなの今回の問題については国内法は解消するとか、それぐらいの日本政府の姿勢がなくてどうしてこれからの日本の主権を守り、竹島を固有の領土と言い切れますか、それじゃ。こういう態度について、私は局長よりも総理大臣にひとつお伺いしたいと思います。この段階で。
○国務大臣(福田赳夫君) 私の考えは先ほども申し上げましたが、日韓関係というものはわが国にとりまして最も大事な外交関係である、このようにいま考えております。韓国も恐らくそう考えておるであろう、こういうふうに考えます。 そういう基本的な認識の上に立ちまして、初めてこの竹島というようなむずかしい問題も相互に話し合いが行われ、また妥当な結論が得られるものであろうと、このように考えますが、事を話し合い以外の路線でただいまやるべきではない。話し合い――これはいままで何といいますか、ずっと十三年もたった問題でございまするけれども、日韓大陸だな協定締結問題というものはある、この際、思いを新たにしてこれを推し進めてまいりたいと、これが私の考え方であります。
○対馬孝且君 先ほどの答えより一歩も出てないんですがね。これは外務大臣がはっきり、ことしの秋の閣僚会議は、韓国がそういう主張をするのであれば、これはもうこういう閣僚会議は無意味だということを、暗にこれは延期をするあるいは対抗的な措置というふうに考えていいんじゃないですか。これは先ほど、外務大臣と表裏一体だと総理はおっしゃっているんですが、何らかのやっぱり行動をしなければならぬという段階では、外務大臣も衆参の外務委員会を通しまして言明しておるんですよ。私はそれを聞いているわけですよ。その点が、たとえば、ぼくは園田外務大臣の言うとおりだと思うんですよ。閣僚会議で話すと言ったら、いや、そんな話は必要ないと、韓国がはね返ってきた。はね返ってきたら、そんな閣僚会議を持つのは無意味じゃないか。これは全く日本政府として自然なことであって、当然のことじゃないですか、これ。せめてそういう態度ぐらいとれないのかということを私は聞きたいんです。外務大臣と同じ行動ぐらい……。
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓閣僚会議がこの秋行われるという見込みでございますが、その際、両国の外務大臣が顔を合わせるわけですから、私は非常にいい機会であると、その機会に外務大臣間で本件の話し合いをする、これは私は妥当なことである、こういうふうに考えておりますので、外務大臣にさような接触をさせるという考えであります。
○対馬孝且君 総理、向こうはそれはだめだと言っているんですよ。答えは簡単なんですよ。ことしの秋の閣僚会議で竹島問題を議題にすることはだめだと、こう言っているわけですから、だめだと言うなら園田外務大臣はことしの秋の閣僚会議を開いたって無意味じゃないか、と。これは当然のことなんだね。私が聞きたいのはその態度を堅持なさるんですかということを私は聞いているのであって、それ以上の過大のことを聞いているわけでも何でもないですよ。 いまお聞きをすると、どうも、もう一回外務大臣によい機会だから話し合ってみたらどうだと、こう言うんだけれども、向こうはだめだと言うておるんですよ。だめだと言っておるから、園田外務大臣が答えたように、それじゃしようがないじゃないか、韓国がそう言うんだったらこの会議を開いたって無意味じゃないか、延期しようじゃないか、こう出るのが当然じゃないですか。総理、そのことをもう一回だけはっきりしておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 定期閣僚会議の議題とするというと、これはいろいろ理屈がついてくるわけであります。閣僚会議はそういう非常に基本的な問題を論議する場所じゃないんじゃないかというような議論もありましょうし、いろいろ意見はあると思いますし、同時に、議題とする以上相手国と話し合って決めなきゃならぬ、そういう性格のものであります。 私が申し上げておりますのは、日韓定期閣僚会議が開かれる、この際には韓国の外務部長官と園田外務大臣が顔を合わせる、こういうことになりますから、これは大変いい機会だ、この機会には竹島問題を園田外務大臣をしてひとつ話し合いをさせる、こういうことを申し上げているんです。少しも矛盾はないと思います。
○対馬孝且君 いや、矛盾はないとおっしゃいますが、総理、矛盾を感じますよ。 園田外務大臣は、ことしの秋の閣僚会議は開く必要はない、こういう意味のことを衆議院でお答えになっているし、総理は、韓国はだめだと言っているにもかかわらずもう一回共同閣僚会議の場で話し合ってみたらどうか。これは矛盾を感じますね。しかし、それ以上出ないとすれば、これは外務大臣の見解と総理大臣の考え方は違うということだけはここで明らかになったというふうに私は考えざるを得ません。
○国務大臣(福田赳夫君) ちょっと、補足説明があるそうです。
○政府委員(中江要介君) いまの対馬先生の御質問の前提に、韓国側が今度の閣僚会議でこれを議題とすることに反対である、そういうことは認められないと言ったということを前提にして、外務大臣がそういうことでは意味がないというふうに御答弁になったというふうな御引用でございましたけれども、私どもの承知しております限り、今度の秋の定期閣僚会議につきましては、そういう見込みはございますけれども具体的に韓国政府とまだ話をしておらないわけでございまして、議題にするかしないかというようなことは、いろいろ推測に基づく報道その他はあるかもしれませんけれども、これから韓国側と話をしていく問題でございますので、いまこの段階で韓国は閣僚会議で取り上げないと言っておる、それでどうするかというようなところまで、私どもは態度を決めなければならないような状態でないというのが認識でございます。 したがいまして、いま総理も言われましたように、いよいよ具体的に日程に上ってまいりますれば議題の打ち合わせもございますし、また閣僚会議の機会にそれぞれの担当大臣同士の話しの内容についても打ち合わせが始まる、そういうことでございまして、いまこの時期に、どうだ、反対か賛成かということについて韓国側の意向がはっきりしているかということですと、はっきりしていないということだけは申し上げておきたいと思います。
○対馬孝且君 局長、これは園田外務大臣が参議院の外務委員会で答えているんですけれども、そのときのわれわれの同僚の戸叶先生の質問にも答えていますけれども、問題はあれでしょう、いま私が聞いているのは、韓国側がことしの秋の閣僚会議の議題にはしないと言っているんですよ。これはスポークスマンも発表しているじゃないですか。これはマスコミもちゃんと書いているじゃないですか。向こうがそういう問題はだめだと、こう言っているのだから、仮定の話を私は言っているんじゃないんだよ。そういうアクションがはっきりしているにかかわらず、韓国側の姿勢が明らかになっているにかかわらず、まだ閣僚会議でこれをやらなければならないという日本側の姿勢というものは一体どういうことなんだ。むしろ、だめだと言うならこの会議は開かない、こう日本の政府が出ていくのが当然のことじゃないですか。そういう意味での園田外務大臣の発言というのは全く当然過ぎるぐらいの当然のことを言っただけだと、私はこう思っているんですよ。 この点聞いてみると、あなたはどう出てくるかわからない、仮定の話だと逃げているのだけれども、そういう逃げの答弁ではだめですよ。韓国がもしそういうことではっきりしたら、これは総理大臣に聞きたいんだけれども、韓国がそういう態度をとるんであれば、日本の総理大臣としてはことしの秋の閣僚会議は開かない、あるいは延期するというような態度をお持ちになっていいんじゃないですか、もう一回お伺いします。
○政府委員(中江要介君) 私は決して逃げているわけでも何でもなくて、客観的な事実を申し上げておるわけで、日本政府は韓国政府に対しまして秋の日韓定期閣僚会議につきまして、具体的な申し入れはまだ一切しておらないんでございますから、それに対して韓国が賛成も反対もあるわけはないんで、どういう報道がなされましても私どもは外交チャンネルを通じて正式の話し合いを申し入れて、そして日韓間で次の段取りを考えていくということでありますので、いまの段階で日本側が仮に申し入れても韓国は反対するだろうというようなことまでおもんばかるようなことは私どもはしていないと、こういうことを言っているわけでございます。
○対馬孝且君 総理大臣。
○国務大臣(福田赳夫君) 秋に日韓閣僚会議を予定しておるわけです。その閣僚会議の議題として竹島問題というのを取り上げるかどうか、これはまあ定期閣僚会議としては荷が重過ぎやしないかとかいろいろこれは議論はありましょう。ありましょうが、議題とするかどうかはこれから相談をしなけりゃならぬ問題です。しかしいずれにしてもと、私は申し上げておるわけです。いずれにいたしましても、両国の外務大臣が顔を合わせる機会であることは間違いないんですから、議題であろうとなかろうと竹島問題につきましては、これは話し合いをさせる、こういう考えであるということを申し上げておるわけであります。
○対馬孝且君 この問題で、次の問題ありますから時間をかけるわけにいきませんが、総理ね、私の感触ではやっぱり園田外務大臣としてはもうこの段階ではだめだと、外交ルートだけではだめだと、何らかのやっぱり行動を起こさなければならないという発言しているんです。これは衆参の外務委員会で、先ほど私が申し上げたとおり。それに対して総理は、いまなお話し合い話し合いということで、やっぱり一歩どうも弱腰の姿勢で、前に出るというあれはないんだなと、こういう感触をちょっといま受けたんですがね、これは申し上げておきますよ。やっぱり結論的には外務大臣と総理の考えは違うということはこの委員会で明らかになったということだけはひとつ明確にしておきます。 そこで次に、私は竹島問題を国際司法裁判所にこの際提訴をするべきであるという考え方を持っているんですがね、それはどういうことかと申しますと、紛争の解決に関する交換公文、先ほど出ましたが、竹島問題を解決するための方法は外交経路による解決をするか、調停による解決に限られているわけです。しかし、もし調停による解決が不調に終わったという段階では外交ルートですが、一つ私は三原則だと思うんです。外交上の紛争の解決には三つの原則がある。一つはやっぱり外交ルートを通して平和的に話し合った。話し合っても解決ない場合には調停に、第三者もしくは個々の調停に委託をする、委嘱をする。これがだめな場合は第三の道としては国際司法裁判所にこの問題を提起する。これが私は今日の領土問題を解決する国際紛争の基本的条件でなければならないと、私ははっきり申し上げます。したがって、そういう考えに立つとするならば、私が申し上げたいのは、この国際司法裁判所の第三の道を選ぶ以外にないんではないか。それは恐らく政府の答弁としては、いやそれは相手国が同意しない限りはできないとか、相手国の合意を見なければできないとかいろんなことをおっしゃるでしょう。しかし私はそうではないと。この問題に対して、政府側としてまずどういうお考えを持っているか、まず冒頭にお聞かせ願います。
○政府委員(中江要介君) 調停というものの国際法上の性格から言いまして、もし双方がその手続について合意いたしまして調停にかけられますと、これは最終的にはその調停者の意見によって解決が見られるという、そういう仕組みになっておるわけです。したがいまして、調停でも解決できないときはというのは、仲裁裁判とかそういったほかの手続ならともかく、調停というものにかけました以上は、これはその両方の言い分をよく聞いてその第三者の言い分で両方が納得するということですので、最終的に解決を見るという前提で調停に入るということが一般論として予見されております。ところが、他方この紛争の解決に関する交換公文は、いま御指摘のような国際司法裁判所に本件を付託することの道をそれでは完全にふさいでいるかというとそうではなくて、これはこの交換公文の冒頭にございますように、「両国政府は、別段の合意がある場合を除くほか、」――別段の合意がある場合を除くほか、まず外交上の経路と、それでもだめなら調停と、こうなっておるわけですから、この外交上の経路とか調停という以外に別段の合意をいたしますれば、これは国際司法裁判所であれあるいはその他の国際判断の手続であれとれるわけでございます。 そこで、国際司法裁判所にこの問題を持っていくことは調停の結果を待たなければできないかというとそうではないわけで、いま私が申し上げましたように、韓国政府がその気になるのでありますれば、私どもは昭和二十九年にもすでに正式に提案いたしましたように、国際司法裁判所でこの問題の決着をつけるという態度は日本政府としてすでに決断したことでございますから、韓国政府が国際司法裁判所に行こうという気になりますれば、いまの段階でもこの「別段の合意」ということで国際司法裁判所に持っていくということは可能であると、こういうふうに考えております。
○対馬孝且君 アジア局長ね、いまあなたのお答えでいくと、合意がない限り国際司法裁判所には持っていかれないということですよ。これ国際司法裁判所の提訴方法については三つの方法がありますな。これ間違いであれば御指摘願っていいんだけれども、国際司法裁判所の提訴の仕方に三つの方式がある。一つは合意付託、いまあなたが言ったことですよ。合意付託の場合は、確かに第四十条にあって、相手国との合意によって紛争を付託する方法で、通常はこの方法による。この合意を付託合意書特別合意裁判の契約などという説があるというので、一般的には合意、こう言っているわけですよ。すると、それ以外にできないのかどうか、この点どうですか。これ以外の方法よりないのかどうか。私はあるというふうに考えているんですが、いかがなものですか。これ以外の方法がある。国際司法裁判所に当然日本の国有の領土とあなた方が強調し、私も固有の領土と考える限り、当然この道はある、これ以外の方法はあると、裁判所の中で解決する道はあるというふうに考えるがいかがですか。
○政府委員(中江要介君) 私どもの承知いたしております限り、ただいま先生がおっしゃいました裁判所に付託する案件についての合意を必要とするというその前提といたしまして、韓国が国際司法裁判所に紛争を提起する資格があるかどうか、逆に言いますと、国際司法裁判所が国連の加盟国でない韓国に、国連の加盟国でないからしたがいまして国際司法裁判所の規程には当然には当事国になっておらない韓国が、それでは全く国際司法裁判所に出ていけないかというと、その場合には国際連合憲章――国際連合の加盟国でなくても国際司法裁判所規程の当事国にだけなるという道が開かれております。これが一つで、そういうふうにして韓国が自分の意思で国際司法裁判所規程の当事国になった上で、なおかつこの本件のような問題について今度は日本が提訴したときに、当然義務として応訴しなければならないような立場に立ち得るかどうかということにつきましては、これは裁判所規程の三十六条二項だったと思いますが、あそこに列挙されております選択的な問題についてはあらかじめ義務的に国際司法裁判所の管轄権を受諾するという一般的な選択、義務的管轄権宣言というものを韓国が行うというようなことを行いますれば、韓国にも国際司法裁判所は開放されるわけでございますけれども、私どもの承知いたします限り、いま申し上げましたようなどの経路をとるにいたしましても、これは韓国側がそういう意思決定をしませんと、一方的に日本が提訴して韓国をこれに応訴させるというその道はいまのところはない、こういう認識でございます。
○対馬孝且君 これ国際司法裁判所の提訴方法の規程第四十条、先ほど私が申し上げたとおりでありますが、合意しなくても裁判慣行としてやった例があるんです。これ現実にどういう例があるかと申しますと、はっきり申し上げますけれども、これはイギリスとフランスの事件でもって一九五三年十一月十七日、国際司法裁判所の判決が下されております。マンキエエクルオ諸島事件というのがあるんでありますが、これはイギリスとフランスが争った事件であります。この事件の中でこういうのがあるんです。裁判慣行を通して確立した方法としてはフォルム・プロロガチューム方式というのがありまして、これは日本語に訳しますと、応訴管轄権という慣行がございます。したがって、相手国が何らかの合意の意思がない場合でも、一方の当事国が訴えを一方的に提起し、他方が後に本訴で争う形で応訴する方式というのがあります。これが裁判所規程に明文の規定がないが、裁判慣行として確立した方式が、私がいま言った方式はあるわけであります。 これがどうして日本政府として、やってみなきゃわからぬとか相手がどうなるかわからぬとかいうような、そういう消極姿勢でなくて、本当に問題を解決しようとするならば、私がいま申し上げましたように、応訴管轄という、つまりフォルム・プロロガチューム方式でもって解決できるんじゃないか。まず一回出してみるということが大事じゃないのか、国際司法裁判所に。訴えを起こしてもって一方的な措置ができるんですから、後ろからこれは本訴の中で争うということもあり得るでしょう。しかし、現実にこの問題について成功した事実がある。これは英国とフランスの関係で出されているんでありますが、こういう問題について政府側として検討されたことがないのか、あるいはそういう方式がないのか、この点ひとつ明らかにしてください。
○政府委員(村田良平君) 先ほど先生御指摘の英仏の一九五三年のケースは、これはそのケース自体はいわゆる合意付託でございますが、先例といたしましては、最も有名なのは一九四七年のイギリスとアルバニアとのコルフ海峡事件、これがただいまおっしゃいましたフォーラム・プロロガートムという慣行によって事件が国際司法裁判所に付託されたという案件でございます。このフォーラム・プロロガートムと申しますのは、本来はローマ法の概念でございまして、ローマ法におきまして特定の裁判所がある事件を審理する権能がないという場合におきましても、当事者がいわば任意的に合意をいたしまして、本来権能のない裁判所においてもその特定の事件を扱わせる、こういう制度がローマ法であったわけでございまして、これと似たような考え方はすでに常設国際司法裁判所においてもとられたことがございますけれども、本格的にこの制度が定着と申しますか、慣行になったのは、先ほど申し上げましたコルフ海峡事件のとき以来でございます。 これはどういうことかと申しますと、国際司法裁判所に関して申し上げますと、一方の紛争当事国が問題になっております紛争の含むような範囲の裁判の管轄権の受諾を行っていないという場合、かつその国がいわば被告といたしまして国際司法裁判所に出ていく意思があるかどうかわからないというふうな場合に、その訴えを提起したいと考えております国、つまり原告の立場にある一方の紛争当事国が相手国との事前の合意を待ちませんで、一方的に請求するという形で事件を司法裁判所に付託する、こういう形であるわけでございます。しかしながら、その場合におきましても被告となる立場にございます相手当事国がその後におきまして、いわば事後的でございますけれども、裁判所の管轄権を受諾するという場合におきましては、裁判所がその案件に対しまして両当事国の合意に基づくということで管轄権を行使する、これがフォーラム・プロロガートムの原則というものでございます。 それでいまの竹島問題に関して申し上げますと、そもそも国際司法裁判所は、先ほどアジア局長からも説明もございましたように、韓国に対してはいわば開放されてはおらないわけでございまして、開放される事態になるには三つの方法がございまして、第一は韓国が幸いにして国際連合の加盟国になるという場合でございます。それから第二番目は、現在スイスがそうでありますように、国連総会の出します条件に基づきまして国際司法裁判所規程の当事国になるということでございます。それから第三番目は、これは一九四六年の十月に安保理が決議をいたしておりますけれども、その決議に従った宣言を韓国が行う。この三つのいずれかの事態におきまして初めて韓国に対して国際司法裁判所は開放される、こういう事態になるわけでございます。さらにその後特定の事件に関しまして、たとえばわが国と韓国との間でございましたら、この竹島問題について合意書をつくるというふうな手続があるわけでございます。したがいまして、このフォーラム・プロロガートム原則というものに基づいてわが国が一方的に提訴をするということは、これはもちろん可能ではございましょうけれども、その場合におきましても、あくまで相手国である韓国が紛争当事者としてこれに事後に同意するという手続が必要なわけでございまして、その同意がない限りにおきましては国際司法裁判所の管轄権は及ばない、こういうことでございます。
○対馬孝且君 ちょっと認識違うようだけれども、これはいまあなたもお認めになったように、相手の合意がなくても日本国が一方的に出すことができるわけですよね、それはお認めになった。しかし、それは本訴の段階で合意が必要だと、こういうわけですよ。まず一方的に日本はいま言った応訴管轄方式によって提起をすると、向こうが当然――あなた、これ常識じゃないですか、裁判所としては当然相手国、韓国を呼ぶんじゃないですか。そういうところからどういうふうに裁判が発展していくかということは国内の裁判見たってこれ常識じゃないですか、そんなことは。そこで、あなたちょっと私認識違うのは、私が先ほど言った一九五三年十一月十七日の国際司法裁判所の判決が下されたマンキエエクルオ諸島事件の場合はこういうことですよ。英仏が原始的権原及び実効的権原に基づいてマンキエエクルオ諸島に対する領域主権の存在をそれぞれ主張したのに対し、裁判所が双方の当事国によって援用される諸事実についてそれらの証拠価値の相対性評価を行った結果、実効的占有に基づく権原に決定的な重要性を認めて英国の領域主権の存在を認めた判決を下した判例である。これがいままでの判例の一つですね。これは根源はどこかというと、私が言ったように、一方的に当事国が出して、結果的にそれが相手国が応ぜざるを得ないというケースを言っているわけですよ、私は。しかもそれでイギリス領ということで判決が下った。 ぼくはその後が大事だと思うんですよ。その判決を下した判事の意見というのを――日本がこんなことをやって解決にならないということは、私これをなぜ提起するかといいますと、五十回口上書を出したと言うんだ。さっき総理大臣も言っているし、局長も言っている。五十回何ぼそんなものをペーパーで通告したってそんなもの意味ないということだよ。意味ないということは、この判決のときに明確に申し上げてこういうことを言っていますよ。これはカルネイロ判事、ブラジルでありますが、この判事が次のように答えているんですよ。フランス政府はペーパープロテストをなすことで満足した、――フランスが負けたんですから、イギリスが勝ったんですから、この裁判は。フランスがなぜ負けたかということは、フランスは先ほど指摘したように、ペーパープロテストだけ何回もやっておった。ところがなぜフランスは少なくともイギリスが行ったように裁判所に対し紛争を付託されるべきことを提案しなかったのだろうか。そうした提案をしなかったことはその請求権から大部分の力を奪うものであり、それを失効させてさえしまったのである。つまりこのことは外交的抗議――ペーパープロテスト、この一方法と言える――を繰り返すだけでは、たとえ不法占有であってもそれに基づく権原の取得阻止に十分な対抗措置をとることは困難であるということを明確に判事に立ったブラジルの判事が言っているわけだ。 日本は同じことをやっておる。いま何回も五十回もペーパープロテストをやっておって、これじゃ解決しないから外交ルートだという、外交ルートでは解決をしない、こんなことを十三年間やってきたんだよ。なおかつ解決しないとして私がいま言ったこの応訴管轄権に伴った、イギリスが勝利をした、こういう教訓に立った場合の判事の所見がそこにある。そうすると、やっぱりこの際、日本国として国際司法裁判所に慣行としてこれを提起をしていくということは、当然この問題、本当に竹島問題が日本民族の願いとして解決するのであれば、その道を選ぶべきが当然ではないか、こういうことを私は言っているわけです。ここで、あなたじゃなくて総理大臣に、いまの論争をお聞きと思いますのでお伺いします。
○政府委員(村田良平君) 総理の御答弁の前に、二点ほど明確にさしていただきたいんでございますけれども、先生の御論点には二つの点があると思うわけでございます。 一つは、フォーラム・プロロガートム原則というものがあるのではないかという点でございまして、御指摘のマンキエ事件は、先ほど私申しましたように、これは合意付託による事件でございまして、英、仏のいずれかが一方的に提訴した事件ではないということを申し上げたわけでございます。その先例は、まさに英国、アルバニアのコルフ海峡事件である、これが一つの点でございます。 それからもう一つの先生の御論点は、先ほどの御質問にはなかった点でございますけれども、たまたまこのマンキエ事件等におきまして、単にその抗議を繰り返すだけでは不十分ではないかという点を御指摘になったわけでございますけれども、他国との間で領有権について紛争があるというふうな領域に関しまして、抗議を繰り返して行うということはもちろん必要でございますし、それからそれなりの効果があるわけでございます。それならば、どのような場合に抗議以外の方法、たとえば裁判所に提訴する等の措置が必要であるかということは、具体的な個々の案件に即しまして各国が判断することだと存じますけれども、韓国による竹島の不法占拠に関しましては、わが国は単に厳重な抗議を再三にわたって行っておるということのみではございませんで、まさに昭和二十九年には国際司法裁判所に本件を提訴しようということを韓国側に言っておるわけでございます。したがいまして、そういった点で、単なる抗議を繰り返しているということにとどまらず、一歩踏み出したわが国の態度というものが明確になっている、このように考える次第でございます。
○国務大臣(福田赳夫君) わが国もいま御指摘の司法裁判所提訴ということを考えまして、それを提唱したわけなんです。これは韓国がこれに応じない、こういうことでさたやみになって今日に至っておる、こういうことでございますが、これは裁判所に提訴するという問題は、これは相手国がこれを了承するというか、応じないと、これはなかなかむずかしいんじゃないかと思うんです。つまり、裁判所自体がわが国の提訴を受理するかしないかという、そういう問題まであるというふうに思うわけでございまするが、いずれにいたしましても、わが国の立場としてはそういう手、つまり司法裁判所に提訴するという手はこれは非常に有力な手であるというふうな見解である、これはもう当初からそう考えておるわけなんです。しかし、いまとにかく口上書は何十回も出しておるというわけでございまするけれども、まあこの問題が話し合いというところへ乗ってこなかった。この話し合いの路線に乗っけるということが大事じゃないかと思うんです。そのための最善の努力をしてみたいというのが私の考えでありまして、その機会はあると、このように考えております。
○対馬孝且君 いま総理ね、総理ちょっとまだ内容をつかんでいらっしゃらないようですが、私言っているのは、このフォルム・プロロガチューム方式というのはわが国だけで一方的になし得る措置なんだということを私は言ってるんですよ。もちろん、本訴の段階で相手が出てくるというのは当然ですよ。そこでまずこれを、応訴管轄権というものを一回やってみたらどうですかと、こう言っているわけですよ。応訴管轄を一回やって、その中に、――本訴の段階で出てくるかどうかということは別にしても、大事なことはここなんです。さっき言った、ブラジルの判事が大事なことを言ってるわけだ。何ぼペーパープロテスト何回やったって、そんなもの効果はないんだと、この衝に当たった判事が言ってるんですよ。カルネイロ判事が明確に言ってるわけだ。何ぼペーパープロテストをやるよりも、まず土俵に上げさせるためには裁判所に訴えることが先決なんだと。イギリスが訴えたと、先に。イギリスは何回もそのことを提訴したと、そのことが今日の結果を生んだんだという結論になっているわけだ。 私が言いたいのは、そういう段階であるとするならば、この際一回それをやってみたらどうですかと、やるという決意を固めたらどうなんですかということを言っているんでありまして、まあ有効な手段であるということは、国際裁判所があれだということは、総理の意見はわかりました。有効な手段であるとしてはこういう方式も一つは考えられると、これをひとつ研究なさってみたらどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 御指摘の点はまことに私はごもっともなことだと、このように考えます。いずれにいたしましても近くこの交換公文というか、両国の合意に基づいてこの問題の話し合いをすると、こういうふうにいたしますが、その推移を見た上、司法裁判所に提訴するかどうかという問題もこれは一つの大きな手であるというふうに考えまして、検討してみたいと、このように存じます。
○対馬孝且君 私はひとつはっきり申し上げまして、こういう国際的な応訴管轄権というものがあって、先ほど申しましたようにイギリスとフランスが争われたけれども、結果的にはイギリスの勝利に終わったと、マンキエ事件というのは勝利してると、決してこれは両当事者間で行ったものでなくて、最初はイギリスから出発をしてると、こういう教訓に立ってひとつ総理ね、これからもひとつ積極的に国際司法裁判所の問題は、合意ができなければできないんだということでなしに、一方的にできる道があるんだと、この応訴管轄権というものを一回考えてみたらどうですかと、こう私言ってるんですから、これひとつ積極的に検討してみるということだけもう一回お答え願います。
○国務大臣(福田赳夫君) そのように考えます。まことに御所見ごもっともだと思います。
○対馬孝且君 まあ、御所見ごもっともで、検討するということだけ言ったから、そのことをひとつ期待をして、次に進みます。 時間も参りましたので、私の持ち時間が参りましたから、一つだけお聞きしておきますが、先ほど私は率直に申し上げて、この現在の竹島問題については非常にやっぱりこれは両国間の私は正常な段階ではない。さっき不正常という言葉を使いました。不正常な段階であるということは、これは政府側もお認め願ってるわけであります。そこで不正常であるとするならば、私は総理ね、両国間の相互信頼というものが非常にやっぱり大事でないでしょうか、両国の相互信頼ということは。その国と国との間にいま共同開発をやろうというわけですよ。共同開発をやろうとするならば、少なくとも私はいま竹島のああいう実効的支配、あるいはこの軍艦による実力行使、漁民を追っ払う、生活権の問題、こういったことを、この既定事実を一つ一つ積み重ねていって、実態的にはもうこれは諸外国から見れば日本の領有権は及んでないと、韓国のものではないかと言われるくらいの今日の実態になってしまってる。そうだとすれば私は、この相互信頼関係という国と国との関係が非常にやっぱり大事なんではないかと。ところが、一方の韓国がどんどんそういうことをやってる、日本はあくまでも外交平和ルートだといま総理がおっしゃる。私も基本的には賛成ですよ、原則的には賛成です、日本の平和憲法なんですから。平和憲法によって行ってるんですから、賛成です。ただ問題は、それだけでいいのかどうかという段階に来てるということをさっき何回も言ってるんですが。私はあえてこの段階ですからはっきり申し上げますが、相互信頼関係というものを国と国との関係で私はどうしても交換公文の中にもありますように基本的な条件であるというふうに考えますが、いかがでしょう、その点。
○国務大臣(福田赳夫君) 確かに日韓関係は問題があるわけです。その最大の問題は私は日韓大陸だなの問題じゃないかと思うんです。四年前に協定は調印をした、そうしてまあ昨年はその協定の国会承認が得られたと、しかしそれを日本政府はなお今日批准を了しないという状態にあること、これは私は確かに日韓間の状態が完全に正常であるという状態と言い切れないと思うんです。そういう問題も全部クリアをすると。それから竹島問題、これは十三年越しの、あるいはもっとさかのぼる問題ではありまするけれども、この問題がまだ今日このような形で放置されておる、これも私は決着をつけなけりゃならぬ問題であると。そういう問題を一つ一つ片づけて、そこで初めて日韓関係というものは本当に波風も立たないと、こういう状態になるのではないか、そのように考えまして、日韓大陸だな協定につきましてはひとつその前提となる国内法、批准のための前提となるところの国内法、これをもう早くひとつ成立させていただきたいと思うんです。同時にこの長い長い懸案の竹島の問題、これにつきましては、政府は思いを新たにして取り組んでまいりたいということを、くどいようでありますが決意を申し上げます。
○対馬孝且君 時間も参りましたので、思いを新たにしてということでありますが、私はむしろ竹島問題の解決なくして大陸だなの共同開発はあり得ないと、こういうことです、一番基本は。それは何かと言えば、やっぱり日韓の間に相互信頼関係がないのに、その最大のものは何かと言えば竹島問題ですよ。総理が何回も強調するように固有の領土であるとするならば、まず固有の領土に対して双方が交換公文書までつくってそういう解決をすることになっているにかかわらず、これはこの交換公文の対象ではないというふうな韓国の姿勢あるいは竹島に見られるような実力行使、実効支配、こういった客観的な事実を考えれば、私は竹島問題を解決することが先決であって、大陸だなは消えてなくなるわけじゃないんですから、これらのエネルギー源については将来的に十分に精査検討すればいいことであって、消えてなくなるわけでもないし、海の底にあるものがあしたなくなるわけじゃないんだから、どうして急いでこういうことをやらなきゃならないか。その前に日本と韓国との相互信頼である竹島問題の解決があってこそ初めて大陸だなの共同開発が信頼的にできるものであろうと、このことをひとつ明らかにしておきたいと思います。この点ひとつもう一回総理の考え方を伺います。
○国務大臣(福田赳夫君) わが国と諸外国との関係で領土問題が介在するというケースが幾つかあるわけなんです。一番大きな問題は北方四島、つまりソビエト連邦との関係でございまするが、しかしあの問題は御承知のような残念な状態になっております。おりますが、さらばといって、ここで日ソの経済協力は全部これはやらないんだというようなことをやってはおらぬし、またやるべきではないと、こういうことで日ソ経済協力、これなんかは円滑に進んでおるという状態ですが、日韓間のこの不幸な問題、これは平和的処理、そういう大方針のもとに、くどいようですが思いを新たにして努力をいたします。しかし他の日韓間の諸問題、これはこれと切り離してひとつ国益を踏まえてやっていただきたい、これが私の念願でございます。
○対馬孝且君 時間が参りましたから一問で終わります。 いまお答え願ったけれども、基本的な韓国との間の認識が総理はやっぱり違っている。少なくとも竹島問題の民族的課題を解決をして、しかる後に信頼関係が取り戻ったならば、大陸だなの問題について基本的に解明すべきであるというのが私の主張でありますから、この点は答弁については保留をいたします。したがってこのことを強く申し上げまして慎重な検討をされることを申し上げて私の質問を終わります。 以上です。
○大塚喬君 先ほどからの本委員会の審議の経過、総理の答弁、これらをお聞きいたしておりまして率直に感じますことは、この竹島問題の解決は大陸だな関係の法案、これを片づけて、その後で竹島問題を解決すると、こういうふうに理解をいたしたところでございますが、そのとおりでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、領土問題というのは国にとりまして非常に深刻な問題であるという認識を持っております。したがいまして、竹島問題の処理につきましては精力的に取り組んでまいるつもりでございます。しかし、さらばといってこの領土問題と、この竹島問題と違ったもろもろの問題、これは日韓両国の間にあるわけであります。その問題を島の問題と絡めて考えるという考え方をとりますると、私は日韓両国の関係、これは私は円滑に進まないと、こういうふうに見るわけであります。これはひとり日韓両国の間だけではございません。何か一つの問題が片づかなけれど他の問題はこれは進行させないと、こういうような考え方をとりましたならば、私は韓国ばかりでなくってほかのいろいろな国々がそういうような関係をわが国と持っておる、そういう国々との関係を一体どうするのだということにもなってくるわけでございます。私は領土問題という問題と他の友好関係というもの、これは截然と切り離して処理すべきものである、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 いま総理にお答えいただいたそのこと自体がやっぱり疑惑のもとになる、そしてどうしても釈然としない、こういう不信感を国民に与えておるものと、私はどうしてもそういうふうな感じがしてなりません。日韓大陸だな協定、この海底油田の共同開発は、いろいろ問題はあるけれども、ともかく日韓両国が双方手を握って、そしてその開発をしよう、こういうものでありますが、現実に竹島問題は日本の固有の領土である、こういう主張を日本政府は繰り返しこのことを強調されております。そして先ごろのあの問題は武装警備艇による強制的な日本漁船の退去命令であります。このことはあなたが平和的にこの問題を解決をされると、こういう事実と韓国政府のとった態度というのは明らかに相反する、そういうものであろうと思います。日本の総理大臣である福田さんに握手を求めておる、そうして片方の手で突然げんこつで頭を殴りつけるような、こういうものではありませんか。 私はこれらの問題に対して日本政府の従来までとってきたこの竹島問題に関する取り扱いは、態度は、まことに遺憾なものであり、そして日本国民にこの大陸だな協定や日韓関係のいろいろの諸般の問題に関する疑惑の根源になっておる、私はそういうふうに感ぜられてなりません。まことに不自然な私は韓国側の態度であり、これに対応する日本の外務省の態度もまた不自然であると、こういうふうに考えるわけであります。共同開発を仲よくしよう、仲よくやろう、まずもってそのためにはこの竹島の領有権問題で両国がお互いにいま手を引っ込めて、そしてこれを平和的に解決する、日本の政府が平和的に解決しよう、こうおっしゃっておるわけですから、当然韓国政府としてもそのような態度をとってしかるべきだと思う。しかるに現実はそれとは正反対の態度をとってくる。このことに対して現在の日本政府のとっておる態度というのは明らかに日本国民に大きな失望感を与え、期待を裏切る、こういうものであろうと思うわけでありますが、総理の見解はいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 領土問題というものは、これはどこの国にとりましても非常に深刻な重大な問題です。これを解決する、これはなかなか時間のかかる問題であることは大塚さん御承知のとおりでございますが、それが解決されなければ、この他の経済案件、こういうものは進めないんだというような考え方をとったら一体どうなるんだ。現に、北方領土問題、多年日ソ間でこれは紛争があるところ。ところがわが国は、他方において、それはそれとして、天然ガスの開発なんていう大変大きなプロジェクトにつきましては、日ソ協力をしてこれが開発に当たる、こういうようなことをやっておるんです。その方が現実的、実際的な行き方じゃないかという判断に基づくわけであります。日韓間の問題だからこれは特別だと、こういうわけには私はいかぬと思うし、日韓というのは、先ほどから力説いたしておりまするとおり、わが国とすると、最も歴史的にもまた地理的にも近い国なんです。この関係が安定し、定着しないで、わが国が世界に向かって外交政策を展開する、このようなことはできませんよ。足元でぐらぐらしているという状態で、何で地球のすみずみに向かってわが国が外交を展開することができましょうか。 そういうことを考えますと、なおさら私は、この問題は、平和的にではあるけれども、早急に処理しなければならぬ、こういうふうに思いますが、同時に、この領土の問題と切り離して他の案件は処理すると、こういう考え方をとるのが実際的、現実的ではあるまいか、そのように考えておりまするし、また現に日韓大陸だな協定、これはもう国会が協定自体は承認しているんですよ。その承認しておる協定の批准の前提となる国内法、これはもう当然、私は、皆さんの御理解を得てしかるべきものじゃないかと、こういうふうに考えるわけでありまして、どうかひとつ、この竹島の問題と日韓大陸だな問題、これは別個の問題である、こういう認識で考えていただきたい。
○大塚喬君 北方四島の問題がこの竹島問題の解決に引き合いに出されましたが、これは明らかに北方四島の問題と、現実的な支配をされておるその北方四島の問題と、これは事実関係において大きな相違があるのではないですか。ここの問題の引き合いに出す問題とは、私は、妥当なそういうことにはならないと思います。これはアジア局長からひとつ後ほど答弁をいただきたい。 それから、大陸だな協定がすでに国会で承認をされた――参議院ではこの大陸だな協定は承認いたしておりません。これだけはもうはっきり政府としても明確に御認識をいただきたい。会期延長で自然成立、こういう事態が現実の姿であります。 で、いま総理のお答えをいただいたことは、もうすでに協定が成立して、このことを実行しなければ日本が国際信義に反する、こういうようなお答えの意味であったと私は受けとめたわけでありますが、国際信義というもの、これは韓国が竹島を、日本の固有の領土であるというこの竹島を不法占拠しておる、このことは国際信義に反しないのですか。そういうふうに日本の総理大臣として福田さんはお認めになっておるわけですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど政府委員からお答え申し上げましたように、これはわが国と韓国との間に話し合いをずっと続けておって、そして突如として韓国がその間不法占拠に出てきたと、こういうケースと違うんです。私が先ほど申し上げましたように、終戦直後数年間にわたるわが国の置かれておった立場、そういう中から生まれ出た非常に不幸な事態である、こういうふうなことだと考えておるわけでありまして、そのことはちょうど北方領土と私は似ていると思うんですよ。 〔委員長退席、理事福岡日出麿君着席〕 わが国の固有領土に対しまして、事実上の支配権実力行使をソビエト連邦がしてきておる。これに対してわが国はいま固有の領土だというたてまえに立ちまして、その権利の回復を求めておるわけなんです。さらばと言って、日ソ間の他の両国のためになるいろんな企画をストップさせなければならぬかというと、私はそうは考えないんです。やっぱり領土問題は領土問題として、これはもう強力に解決の方向へ進めなければなりませんけれども、しかし両国の利益に合致するような諸案件につきましては、それはそれ、これはこれ、という形において処理をされておる、それが常識的な行き方じゃあるまいか、そのように考えるのであります。 日韓関係につきまして、私は特別に考える必要はないのみならず、日韓という関係は非常にわが国としては大事な関係だと、この大事な関係を損なってはならぬというふうに考えますので、まあとにかく四年前に結んだ条約でありますから、これは批准をさしていただくというようにぜひお願いしたい。同時に、この竹島の問題につきましては、これはわが国の固有の領土でありますから、そういうたてまえを踏まえまして積極的にこれが処理に当たりたい、このように考えております。
○政府委員(中江要介君) ただいま総理もすでにお触れになったと思いますが、日本の固有の領土が日本の国以外の国によって事実上支配されているという意味では、竹島も北方領土も同じであると、こういう認識でございます。
○大塚喬君 総理に重ねてお尋ねをいたしますが、竹島の不法占拠、これは繰り返し、外務大臣を兼任されております福田総理にもお答えをいただいておりますし、外務省の各局長にもそういうお答えをいただいておるわけですが、韓国側のこの竹島の不法占拠、これは国際信義に反しておるとお思いになりますか、国際信義に合っておると、合致をしておると、こうお思いになりますか。いかがですか。
○政府委員(中江要介君) 委員長……。
○大塚喬君 いや、総理に聞いている、総理に。あなたはその後にしてください。
○政府委員(中江要介君) 私、先ほどの説明のところで、日本国以外の国が事実上支配しているという点では同じだと申し上げましたことを、もう一言、いまの先生の御質問の用語に即しますと、北方領土も竹島も日本国以外の国によって不法占拠されているという点でも同じである、こういうことでございまして、国際信義の問題は、これは不法占拠というもののよって来たるゆえんから見まして、日本が独自の外交権を復活したときにすでにそういう状況にあった。そこから先が北方領土と竹島とは当然でございますが少し趣が違っておりまして、竹島につきましては日韓間の正常化交渉の過程で種々議論があった結果、いま紛争解決に関する交換公文ということで、両方がこれを話し合いによって解決しようという道に到達しているわけでございますので、この線に従って解決していくということが守られておりますれば、これは国際信義に反するということには直接にはならないと、こういうふうに思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まことに遺憾な事態であると、このように考えております。それを表立って、これは信義に反するのだとかなんとかというような、事を荒立てるようなことを私が言うのは妥当でない、このように考えます。日韓両国の関係というものは非常に大事な関係だ。大事な関係ということを踏まえ、かつわが国益を踏まえまして、この問題を平和裏に解決する、これが大道である、こういうふうに考えます。
○大塚喬君 そうしますと、 〔理事福岡日出麿君退席、委員長着席〕 ただいまの総理の答弁から言えば、竹島を不法占拠されたことは国益に反しない、国益に合致しておると、こういうお答えになるわけですね。そうではありませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国益には合致しないから、国益に合致するように話し合いをしたいと、こういうふうに申し上げておるのでありまして、それを逆さまにとらえていただくことは私の意に反するところであります。
○大塚喬君 総理のお答えは、いろいろ理屈は申されますけれども、はれものにさわるように、もうだだっ子、――泣く子と地頭には勝たれないという、そういうことの日本国民の封建的なそういうことを率直にあらわしておるのか、何かその陰に、この竹島問題に関してあるいは韓国に関して日本政府のとっておる一連の態度が国民に大きな疑惑を持たせておると、こういうことになるとはお思いになりませんか。どうしても私はいまの福田総理のお答えは、理屈に合わないへ理屈だと私は率直にそういう感じがいたします。いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓関係につきまして、わが日本国の側から見まして、別にやましいところがあるなんということはこれは全然考えておりません。これは正々堂々の日韓関係でございます。私が申し上げておりますのは、韓国という国はわが国にとりまして歴史的に見ましても、地理的に見ましても、最も近い関係にある国である、この国との間の関係が不安定であるというような状態で、わが国が何で世界に向かって外交を進めることができましょうやということを申し上げておるんで、まあこの両国の間は一つ一つ問題は解決していく、大陸だな協定の問題はこれはもう四年越しの問題である。これを批准できないという状態は、これは非常に重大な問題であるというふうに考えておるわけであります。 竹島の問題、これはまあまことに遺憾な問題、事態である、そういう認識に立ちまして、これから日韓基本条約締結当時の方式に従いまして、外交的にこれを処理するということを、積極的に考えておる、こういうことで、私は別に裏に何かあるから弱腰だなんて疑われるような、そういういわれは一切ないということをはっきり申し上げます。
○大塚喬君 総理もこの竹島問題の今回の紛争についてはよく内容を御承知のことと思いますが、ともかく日本漁船が強制退去をされた、そして、竹島には韓国の武装警備隊が常駐をしておると、こういう事実はすでに御認識のことと思うわけですが、これらのことは先ほどから答弁をいただいております韓国側がこの問題の解決に平和的に終始をされておる、平和的な態度をとっておられると、とっておると、こういうふうに総理は御認識でございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御指摘のような遺憾な状態は、これはもう昭和二十八年、終戦後の、なんですね、ごたごたといいますか、わが国が平和条約によって独立を承認されたと、そういう前後から続いておる問題でありまして、今日になって突如韓国の官憲がやってきてというような問題じゃないんです。そこが非常に違う点なんでありますが、私は日韓基本条約でこの問題は外交ルートでひとつ相談しましょう、それが整わなければ調停に移りましょうと、こういうことを約束しているんですから、そのルートに従ってこの問題の処理を急ぐ、これが大道でなければならぬ、このように考えるわけであります。
○大塚喬君 この問題に関してはもう一九五三年、この当時からこの問題がクローズアップされたわけでありますので、二十数年の年月を経過いたしておるわけでありますし、その後日韓条約の問題、こういう経過を見てからも数年の年月を経ておるわけであります。で、平和的にと、こういうふうにおっしゃることの中身というのは、総理がいろいろ答弁をされても日本国民を納得させる、こういう現実の日本の外交、こういうことにはならないと私は信じておるわけですが、この竹島の漁業の問題で一つ、二つお尋ねをいたします。 現在、竹島周辺の漁業問題は一応の解決を見ておるようであります。五月、六月、これは漁業の最盛期でもあり、何よりも竹島周辺の安全操業を確保するということは大事な問題であることは承知をいたしておって、現在このような小康状態にあるということは一応歓迎するところであろうと思います。しかし、韓国監視艇が竹島の十二海里外に引き揚げ、態度を軟化させたと、こういうことは先ごろの新聞報道の自民党筋の情報によればと、こういうことで、これは現在、本委員会で審議中のたな法案、その悪影響の出ることを懸念した措置であったと、こういうことを自民党筋の情報として新聞に報道されておるわけでございますが、そういうふうに総理も現在御認識でございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) ああいうような状態、つまり韓国側の漁船があの竹島の領海から出ていくということですね。それはどういう意図で出たものか、これは私は韓国側のことでありまするからわかりません。わかりませんが、結果においては、韓国側も竹島問題を平和的に処理するということになったと、このように理解し、大変私はよかったと、かように考えております。
○大塚喬君 まあ総理は私の質問に対して肯定的な御返事がいただけなかったわけでありますが、自民党筋の情報、この情報は私は相当信憑性のある報道であろうと、このように個人的に理解をいたしておるところでありますが、もしそうだといたしますならば、たな法案がもし片づかなかったと、こういうことになれば、韓国側の態度は現在より以上に強い態度に出てくる、こういうおそれがあろうと思います。そういう段階で、果たして政府が言うように、この日韓大陸だな関係の法案の済んだ後で、この竹島問題のいわゆる交換公文の線に立ち返って韓国と平和的な話し合いに入る、こういうことが本当にできるとお考えになっておりますか。政府は確信を持ってこのことについて国会で言明をいただき、確約をいただけますか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ他の法案が片づかなければ韓国側は何か変な挙動に出ると、こういうような御見解でありましたが、これはどういうふうな態度をとるか、これは韓国に聞いてみなければわかりませんし、聞いてみてもなかなか答弁を得ることはむずかしい問題だろう、こういうふうに私は考えます。しかし、日韓関係全体として見まして、大塚さんのおっしゃる他の法案というのは大陸だな、この法案のことだろうと思いますが、これが成立し、そして協定が批准をされるということは、日韓関係に大変いい影響を及ぼすであろうと、このように考えるわけであります。私といたしましては先ほどからるる申し上げておりますように、これは日韓基本条約、前の交換公文に決められている線に従いまして、平和的に処理するというための話し合いを韓国とやるということははっきり申し上げます。
○大塚喬君 いまの総理のお答えで、悪い影響は出ないだろう、いい影響が出るのではないかと、こういう期待感を含めたお答えのように私はお聞きをいたしましたが、もしそうだといたしますと、竹島の領有問題で、これは交換公文にあります「両国間の紛争」である、わが国は、先ほどのお答えで紛争の関係にある、こういうことに政府の見解があるように聞いたわけでありますが、韓国側が果たして紛争と認め、話し合いの土俵の中に上がってくる、こういう確たる保証はございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) まだこの問題は話し合いを始めておるわけじゃありませんから、韓国がどういうふうな挙に出るか、これは私から申し上げる限りじゃございませんけれども、日本政府の立場といたしましては、竹島は日韓間の紛争の案件である、そういう認識のもとに、これを平和的に処理するための外交交渉を行う、こういう方針でいこうと思うんです。これは明確に申し上げておきます。
○大塚喬君 アジア局長、韓国側はこのことに関して、いままでの交渉の経過の中で紛争ということで認めておらないわけですね。この間の内容を少し明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 私、冒頭のところで申し上げたと記憶いたしますが、日韓正常化のための交渉の際に、竹島問題の突っ込んだ議論が双方で行われまして、これの決着をつけることが大変むずかしかったときに、先ほど来話の出ております紛争解決に関する交換公文というものがつくられて、それで日韓正常化全体に決着がつけられた、こういう経緯がございます。で、それを受けまして日本側は、これは当然竹島のことを念頭に置いてつくった交換公文であるから、竹島の問題はこの交換公文で処理されていくという認識である、に対しまして、韓国が韓国の議会において行っております政府側の説明の中で、竹島は韓国固有の領土であるから、これはそもそも紛争として話し合うべきようなものではないという基本的な考え方を述べております。それを受けまして、韓国の議会ではこういうふうに言っているではないかということが日本の国会でも議論になりました。そのときに日本側の答弁では、これは、韓国が自国の議会で何と言おうと、日韓正常化のときの経緯、また、日韓正常化のときに結ばれました基本関係条約、漁業協定、請求権協定、そういったものにはそれぞれに紛争解決の手続があるわけでございますから、それ以外に何を紛争解決の交換公文というものを別途設けたかということを考えれば、これは当然竹島を念頭に置いたればこそこういうことになったんだと、したがって、これには日本側としてはこの認識に間違いがないと、こういうことでございます。 それ以降韓国側が、間接的にあるいは推測、憶測の記事、そういったところでは紛争ではないということは言っておりますけれども、公式に日本と韓国との間で竹島の問題について、これが紛争であるかないかということを議論したことはございませんし、日本側といたしましては、議論するまでもなく、これは紛争の解決に関する交換公文の対象であるという立場で、韓国側のいろいろ竹島に対する不法占拠に絡まる行動、言動については、一々反駁し、抗議をしているということは従来申しておりますのみならず、たとえば昨年の定期閣僚会議のときに、わが方外務大臣と先方の外務大臣との間でもこの話が出ておりますし、先般朴東鎮外務部長官が東京に立ち寄りましたときに、わが方園田外務大臣からこの話を持ち出しております。そのときに韓国側は、じゃ、すぐひとつ外交経路の話をしましょうということを申していないということは事実でございますが、紛争解決の交換公文のそもそも対象にならないという、そういうはっきりした公式見解はまだ――まだと言うか、その後は聞いていない。したがって、先ほど来総理も申しておられますように、大陸だな協定が発効するような事態にもなりまして、韓国側も、日本がすでに四年前に約束した協定を実施する手続を完了したという、そういう機をとらえて、思いを新たにしてもう一度韓国側に交換公文の線にのっとってこの話を持ち出そうと、こういう準備をしているということでございます。
○大塚喬君 いまの答弁お聞きして、全く子供だましの答弁を国会で政府当局が平然としてこうされておるということに、私は大変大きな不信、憤りを感ずるものであります。 もともとこの交換公文、これはいまお答えいただいたように、当時解決できなかった竹島の問題について、ここに韓国側の書簡にありますように、「両国政府は、別段の合意がある場合を除くほか、両国間の紛争は、まず外交上の経路を通じて解決するものとし、これにより解決することができなかった場合は、両国政府が合意する手続に従って調停によって解決をはかるものとする。」と、当時韓国外務部長官李東元、日本国外務大臣椎名悦三郎閣下ということで書簡が出ており、また日本の椎名外務大臣から大韓民国外務部長官李東元閣下ということで、一九六五年六月二十二日、それぞれの日付でこの文書が出されておる。このことはいま起きた問題でなくて、もう多年の時日的な経過があるわけですが、いまのアジア局長の答弁は、そういうことは一切ほおかぶりをして、これから大変希望的な、子供だましのような、その場限りのそういう答弁をいただいておるわけですので、これではとてもそんなことで私どもは納得できませんし、何かごまかされておる、その場限りの答弁で逃げ口上をされておると、こういうふうにしか理解をされないわけであります。 この漁業協定の問題についてもう少しくお尋ねをいたしますが、いま水産庁の説明によりますと、イカつりを中心にして、現在百余隻の日本漁船が自主的判断で竹島の十二海里以内で操業を始めておると、こういうことが聞かされたわけでありますが、この間に、政府間で正式取り決めはこの安全操業に関して行われておるのかどうか。単なる暗黙の了解で日本漁船の自主的な判断と、こういうことで日本の固有の領土である竹島の十二海里以内のところで操業をされておるのか。それらの交渉の経過、ひとつ詳細に明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 竹島周辺におきます漁業操業の問題と申しますのは、これは竹島の領有権についての争いが解決されないままで正常化されました一九六五年以降、日韓の漁業協定に基づいて、その一つの枠内で安全操業が事実上行われてきているということでございまして、これについて政府間で正式に話をして取り決めができるかと申しますと、これは、そもそもの領有権について意見の一致のない状態のもとではそういうことはできない。少なくとも過去十三年間続いてまいりました事実上の安全操業が継続していくということを確保する。それが確保されるということに重点を置いていくことが、結局漁業操業という面でなし得る問題ではなかろうか。それをさらに突っ込んではっきりした形にしようとすればするほど、領有権の問題が前面に出てまいりまして、これは非常に領土争いというのは解決がむずかしい。その間日本の漁民の活動が阻害されるようなことがあってはならないし、韓国の漁民も日韓漁業協定のもとで操業しておるわけでございますので、そういった事実上守られてきた安全操業秩序というものの回復、そういうもののためには政府のみならず、あらゆる面でさまざまの努力がなされたことはございますけれども、その詳細をここで申し上げるということは、これはなかなかむずかしくて私どもにはそれはできない、こういうことでございます。
○大塚喬君 時間がなくなって大変遺憾でありますが、最後に一つ、総理にお尋ねをいたします。 竹島問題について韓国と平和的に話し合いをし、これの解決を図るというのが現実に政府の基本的な態度であるということをお聞かせいただきました。 ところで韓国側が、話し合いで解決を図ろう、こういう意思が一体あるのか。政府はそういうことに確信をお持ちなのか。もし私はあるとするならば――武装警備艇、そして武装警備隊員を常駐させて不法占拠をしておる、このことは明らかに実効的な支配を継続し、先ほど対馬委員からも質問がありました実効的な支配を現実に確立しよう、こういうことの意図以外の何ものでもない。私は、この平和的な解決を図るという政府の方針は、単なる口先だけにしかすぎないのではないか、こういう疑問を持つわけでありますが、したがってこの日韓大陸だな協定、竹島不法占拠という事実が継続される間はこの協定の批准は絶対になすべきではない。私は、そういう主張は国民の間にも大きく広がっておる。総理から、この大陸だな協定の批准、そのことはこの竹島問題の解決を見るまでの間は批准をしてはならない、批准をしない、こういうことについて明快な見解をここでお答えをいただきたいと思いますし、韓国側はこの竹島問題について絶対に平和的な解決、日本政府の言うようなそのとおりの平和的な解決に乗ってくる、こういう見通しがあるのかどうか。この二つの点をお尋ねいたしまして私の質問を終わりといたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 大陸だな協定と竹島問題を絡めて考えるというそういう行き方はとらない。そのことにつきましては先ほどからるる申し上げておるとおりであります。竹島問題は、これは領土問題でありますからなかなかむずかしい問題である。他面、大陸だな協定はもう四年前に調印をいたしまして、しかもその協定につきましては昨年もうすでに国会において承認が得られておる、そういう案件でございます。それがなお批准ができない、この国内法のゆえに批准ができないということは、これは私は非常に重大な問題であると、このように考えておるわけでありまして、領土問題につきましては、これは両国で合意されました方針に従いましてこれは話し合いをしますよ。粘り強くやります。やりまするけれども、この大陸だな協定の批准、それと絡ませてこれを考えるという行き方は実際的ではないのじゃあるまいか、そのような見解でございます。
○大塚喬君 あともう一つ答弁を。平和的に……。(「総理、答弁漏れ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(福田赳夫君) さて、そのような私の考え方に対しまして韓国がどういうふうに応じてくるか、こういうことにつきましては先ほど申し上げておるとおり、日韓関係はわが国としても非常に重大な問題である、韓国においても私は同様の意識であろうと思うのであります。でありまするから、私の考え方、これはぜひひとつ押し貫かなければならぬと存じますが、韓国も同じような考え方になるであろうということにつきまして、私はこれを深く期待をいたしております。
○大塚喬君 一言言わせてください。 いままでの答弁は全くひとりよがりな、犬の遠ぼえのようなそういう感じで、私はそのことが日本の国益を重大に害する、そういう態度としか現在の福田内閣のとっておる態度はとれません。 ひとつ厳重に反省をいただいて、この問題について国民の期待に背かないように努力をされることを強く要望申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(楠正俊君) 再開は午後三時五十分とし、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ―――――・――――― 午後三時五十分開会
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井恒男君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が委員に選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(楠正俊君) 午前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○峯山昭範君 きょうは午前中から竹島の問題について、総理の所信についてはいろいろとお伺いをいたしました。しかし、この竹島領有権の問題につきましては、それぞれ外務委員会なりいろんなところで何回か議論をされておりますけれども、具体的な進展が全くないということであります。 そこで、その一方で、この韓国側の実情をいろんな報道機関や調査によってわれわれがわかっておりますことは、現実の問題として警備隊が竹島に常駐をしたり、あるいはいろんな施設を構築をしたり、あるいは先日の四月三十日からの領海十二海里の設定とともに、竹島周辺の海域から日本漁船を追い出す。それもただ単にあれではなくて、警備艇――向こうの軍艦が乗り出して追い出す。こういうような既成事実を現実の問題として着々と積み重ねているわけです。 これに対しまして、結局日本の政府は一体何をしているのかというのが、現実の問題として、国民が見てどうも政府の姿勢は弱腰である、まことに遺憾であるというのが私は一般的な見方であろうと思うんです。 総理は先ほども、これは平和的、外交的手段によってこの問題を解決をするということをたびたびおっしゃっておりますが、それだけではこの問題は解決しないんじゃないか、やはり韓国に対する強い外交姿勢というものがどうしても必要なんじゃないか。そういうふうな意味で、現実の問題として韓国が既成事実をどんどん積み重ねていますね。これに対しての態度というものはまことに遺憾であるということで、やはり厳しい姿勢を総理自身が示さなければならないと、そう思うんです。実際問題として。 まず、この一連の竹島の問題について、総理は基本的にどういうふうに考えていらっしゃるか、この点についてお伺いをします。
○国務大臣(福田赳夫君) 午前中も申し上げたところでございますが、わが国として見た場合に、世界じゅうに向かって平和外交路線を展開しておる。そういう中で、韓国はわが国の一衣帯水の隣組である。また、歴史的にも非常に関係の深い国である。そういうことからだんだんと深い結びつきができてきておることは御承知のとおりでございます。その大事な韓国でありまするから、その韓国との間に国交が不安定になるというような事態がありましたならば、これはわが国として大変なことなんです。恐らく韓国としても同様に考えておるだろう、こういうふうに思いますが、この基本的な関係が維持されるということを踏まえまして日韓間の問題は処置しなければならぬというのが私の基本的な考えであります。 この竹島の問題につきましては大変残念なことになっておる。これは、終戦直後の数年間におけるわが国の置かれている立場から由来したものであり、当時の状態が延々と今日まで続いておるわけでございますが、私は、竹島はわが国の固有の領土であるという認識でございます。その認識を踏まえましてこの問題は処理しなければならない、こういうふうに考えておるわけでありますが、いま御指摘がありましたように、今月初め、まことに好ましからざる現象が起こってきた。憂慮をしておったわけでありまするけれども、これが韓国側の自発的な動きによって静かになってくるというようなことでほっとしておりますけれども、とにかく、大事な韓国との間に竹島問題という問題が未解決で残されておるということは、これは両国の関係を安定させるために妥当でない、こういうふうに考えますので、あくまでも日韓基本条約の際に両国で合意されましたこの問題の解決方式にのっとりましてこの問題を処理したい。決して弱腰だとか、そんなような態度じゃございません。 領土の問題は国民の非常に関心を持つ問題でありますので、竹島はわが国の固有の領土であるというたてまえは厳として踏んまえまして、韓国側とまず外交上の交渉をしてみる。それができない、そういう際におきましては、これは調停という手もあるわけでありまするから、そういうことも考えなきゃならぬと思いまするけれども、さしあたり強力な外交ルートによるところの話し合いをいたしてみたい、これが基本的な考えであります。
○峯山昭範君 いま総理のおっしゃるようなことで相当長年もう経過してきたわけですね。ですから総理、交換公文でうたわれているように、外交的手段によって解決をすると、そういうことに基本的にはなっておりましても、現実の問題として韓国は、たとえば国際司法裁判所の提訴の問題にいたしましても、韓国側から拒否しているわけですね。結局そういうふうないろんな問題、今回の問題にしましても、実力行使をもってこの竹島の実効的な支配を確立しようとしているわけですね。そういうふうな点、これはこちらが幾ら平和外交路線だ何だかんだと言ったにしてもですね、私は総理がおっしゃるように、善隣友好あるいは一衣帯水という意味から言いましても、これは当然総理のおっしゃるとおりだろうと思います。しかしながら、実際問題として、相手はそういうふうに思っていない。もっと端的な言葉で言いますと、韓国のいままでとってきた態度、ことしの態度というものは、わが国に対して少なくとも友好的なものではない、こういうふうに認識せざるを得ないと私は思うんです。 ですから私は、いまちょっと総理の発言の中に、今回のいろんな事件に関連をして、韓国の自発的な動きがあってほっとしているというお話がちらっといまありましたけれども、これは何を指してそうおっしゃっているのか私知りません。が、いずれにしましても今回の一連の動きが、これはわが国に対して友好的な動きであるなんていうことは、だれが見たってそういうふうにならないと私は思うんです。この点について総理、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 日韓両国は近い国であります。それだけにまた問題がいろいろある。その問題をお互いに、これはお互いにということでありますが、お互いに荒立ててはならぬと、こういうふうに考える。わが国としてはわが国の立場は厳然と踏まえまするけれども、近い国として起こり得るいろんな問題について、これを荒立てて日韓の基本の関係を傷つけるというようなことがあっては、これは元も子もないことじゃあるまいかと、このように考える次第でございます。 いずれにいたしましても、外交ルートを通じまして強力な交渉を開始したいと、このように考えておるわけであります。それ以外にどうも道はないんじゃないか、そのように考える次第でございます。
○峯山昭範君 ぜひこれは総理がいまおっしゃったように、強力な外交交渉を開始すると、これはそういうふうに叫びながらもう何年か経過してきたわけですよね。そういうふうな意味で私は、総理のそれだけでは、とてもじゃないけど今回の問題はこれは解決しないと思うし、相当やっぱり具体的におっしゃっていただかないといけない。 たとえば現実の問題として、尖閣列島の周辺海域に中国の漁船が先般領海侵犯問題で相当問題になりました。あのとき、福田さんの自民党を初め政府部内でもそうだったと思うんですが、相当大きな問題になりましたですね。そしてこの問題を解決しなければ、日中条約の交渉は再開すべきではないというような強力ないろんな意見が現実の問題として起きてまいりましたですね。ところが竹島の問題では、韓国側が現実の問題として実力行使をし、日本の漁船が追い出され、いろんな問題になってきても、そういうふうな話し合いにならない。要するに自民党の中が、本来なら竹島の問題がぱっと起きてきたら、ああとんでもない、大陸だななんかいまやっているときじゃない、そんなものたな上げにしてこの問題解決しろといういわゆる話が出てこなきゃおかしいわけですね。だから、私たちはこの商工委員会でわざわざこの問題について集中審議をやろうということになったわけです。 そういうふうな意味での政府・与党に対する、与党がこの竹島の問題を不問にしておると、これが私はどうも合点がいかないし、対韓弱腰外交と言われる、ぼくが直接言うわけじゃありませんが、そういうふうに言う人がいるわけです、現実に、そういうふうに言われてもしようがないということになるわけですがね。やっぱりそういうような観点から見て、この韓国が、竹島の問題について過去何回か日本は話し合いをしようということでいろんなことをやっているわけです。いままで一回も具体的に話し合いに応じようとはしてないんじゃないですか。そういう点から言っても、総理自身がこれはよほどの腹を決めてこの問題に取り組んでもらわなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、この点についてどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 再三申し上げておりますが、思いを新たにしてこの問題の解決に取り組みたいと、このように考えております。
○峯山昭範君 思いを新たにしてということでありますから、ぜひいままで過去のいろんな問題とは別に、本当に思いを新たにしてこの問題に取り組もうとしていらしゃると、そういうふうに私はとります。そうすると、具体的には総理はどういうことを考えていらっしゃいますか。思いを新たと言うんですから、いままでやってきたこととは別に、こういうことを私は具体的にやろうと思っていると、その点一遍総理の所信をお伺いしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) これは竹島問題につきましては、文書による口上書ですね、これを数十回出しておるということでありますが、なかなか話し合いというルート、これは日韓協定で外交ルートによって話し合おうということになっておりまするけれども、そのルートに乗ってくることができなかったんです。私はそれを話し合いのルートに乗せたいと、こういうふうに考えておると、このことを申し上げておるわけです。
○峯山昭範君 総理、話し合いのルートに乗せるということですが、これは実際問題として竹島は、この交換公文で言ういわゆる両国間の紛争であると、こういうふうに御認識をしていらっしゃるんだと思うんですが、まずこの点ちょっとどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおり理解しております。
○峯山昭範君 そこが、日本側の総理大臣はそういうふうに認識をしていらっしゃる。ところが、これは私余り重ねては言いませんが、韓国側はそういう認識がないんじゃないでしょうか、アジア局長、どうです。
○政府委員(中江要介君) 日韓正常化の際の、紛争の解決に関する交換公文を韓国の議会で説明する場合には、いまおっしゃいましたように韓国側はこれが、これがというのは竹島に絡まる領土、領有権争いというのがこの交換公文の対象になっている紛争ではないという立場で、韓国議会では説明しているという事実はございます。
○峯山昭範君 総理、そうしますと韓国側は、竹島は紛争のあれになってないと、こういう御認識なんですね。そうしますと、これは日本側の総理だけそういうぐあいに思っていて向こうはそうじゃないというんじゃ、これはいつまでもこの問題は日本側がいままで国際司法裁判所に提訴した、いろんなことをいままで続けてきたわけですね、口上書も何回か出していらっしゃいます。そういうようないろんなことを続けてきたけれども、これに対してがんとして韓国政府は応じようとしていないわけです。ですから、これだけ応じようとしてないというこの韓国の姿勢、これに対して総理どう思いますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは一口で言うと遺憾なことであると、こう申し上げるほかありません。私は日韓間の安定した関係を傷つけるようなことは、これはだんだんと排除していかなきゃならぬ。まあとにかく一番急いでしなきゃならぬ問題は、これはやっぱり大陸だな協定、これについての批准をすることである、このように考えておるんです。何といっても四年前に調印をしておいて、そして批准をしないということでは、これは私は外交上重大問題であると、このように考えます。そういう問題もここで解決をする、そうして日韓間の環境をよりよいものにして、その上に立ってこの竹島の問題もとくと話し合おう、こういうことにして初めて私はこの問題は前進をする、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 どうして総理、そこで大陸だなにぽっとつながるんですかね。要するに、この問題については日本がいろんな角度から話し合いの問題についてお願いをし、また竹島の問題を解決するためにいろんな手段を講じてきた、抗議もし、いろんなことをやってきた。すべてこの韓国側のこれに応じようとしない態度、まことに遺憾である、こうおっしゃるわけですね。まことに遺憾であったら――本来なら、韓国側はその話し合いに全く応じないで既成事実をどんどんどんどん積み重ねていって、いわゆる違法な行為そのものが権利を生む、そういうふうなおそれがあるわけです。したがって、外交的手段で解決すると言うんですけれども、これは外交的な手段を具体的に講ずる、これはやはりいろんな措置がいっぱい私はあると思うんですけれどね、強硬な外交的措置というのをとっていかないとこの問題は解決をしない。ただ単にたなの国内法が通っちゃえば今度はもっと強硬に出てきますよ。私そう思います、実際問題。いま、たなの問題、国内法の問題があるから、総理が言ったように、自発的に動いてそっとして、ほっとしたなんて言ってますけど、実際はそうじゃない。国内法が通っちゃうと今度は強硬に出てくる。対抗手段なんて全くなくなってしまう、こうなっちゃうんじゃないかと私たちは現実の問題として心配をしているわけです。そうじゃありませんか、総理。
○国務大臣(福田赳夫君) その辺は認識の問題でございますが、私は、大陸だなが調印されたが批准されないままに四年も放置されておるということに対しまして、韓国側は大変これを不満としている、こういう状態だと思うんです。この問題が解決するということになりますと、竹島問題に限らず日韓間の関係は環境が改善される、こういうふうに思っております。されはそれといたしまして、竹島問題につきましては、どうしても外交手段によってひとつ決着をつける、そのための努力をこれはやってみたい、このように考えております。
○峯山昭範君 それはぜひ私はこの竹島の問題といまのたなの問題との、たなの問題の信義という問題を議論をすれば、これは総理、やはり日本は独立国なんですから、こんなことをわざわざ私が言う必要はないわけですけれども、日本と韓国の関係もあるでしょう、それと同じように日本と中国の関係もあるし、日本と北朝鮮の関係も、それぞれみんなあるわけですね。信義と言えばそれぞれみんな信義があるはずなんです。総理がわざわざ韓国とだけの信義があって、そのほかとの信義はないなんて言うわけは私はないと思うんですね。そういうようなことで、その問題について議論すれば幾らでも出てきますので、その問題はたな上げしまして、外交的手段として、具体的な問題として少なくともこの領有権がまずかちっと解決をされるまで、韓国の警備隊や、あるいは向こうのいろんな施設をいっぱいやっているそうですが、そういう施設を撤去をしてもらいたいとか、原状回復ですね、こういうことを韓国に徹底して要求をする、そしてそういうような竹島の問題について具体的に話し合いに応じなければ、日本としていろんなできる限りの措置をとる、たとえば経済協力も中止する、日韓閣僚会議もやめる、そのぐらいのあれをいまやっておかないと、もう来年、再来年になっちゃうとね、今度は向こうから、いややらなくて結構というふうになっちゃいますよ。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)ですから、そういうふうな意味では相当強力にこの問題に取り組んで解決していただかないと、本当にもういまが限度であると、和はいろんな情勢から見てそういうふうに思いますが、総理の御所見を伺いたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 私が申し上げておりますのは竹島問題、これにつきましては思いを新たにして外交折衝いたしますと、こういうことを申し上げているんですよ。しかし、いま国会に御審議をお願いしておる大陸だなの問題は、それはそれと、竹島の問題は竹島の問題としてひとつ早急に御審議を願い、また御承認願いたいということをお願いしているんです。こういうことであります。
○峯山昭範君 午前中もこの問題については相当議論がございました。総理は午前中もそうでしたが、始めから終わりまで同じような答弁をしておられました。思いを新たにして外交交渉を行う、何遍かおっしゃいました。ぜひこれは、思いを新たにしてという中身も詳細にお伺いしたいのでありますが、時間の関係上きょうはちょっと違う角度であと質問したいと思います。 まず、内閣法制局長官にお伺いをいたします。 漁業法で言う、いわゆる漁業権、それから鉱業法で言う鉱業権というものがあります。この漁業法で言う漁業権並びに鉱業法で言う鉱業権というものは憲法第二十九条三項で言う、いわゆる私有財産に当たるかどうか、この点の御所見をお伺いしたい。
○政府委員(真田秀夫君) お答え申し上げたいと思いますが、漁業法によって国民が得た漁業権あるいは鉱業法によって国民が得た鉱業権、これはもちろん財産権の一種でございます。
○峯山昭範君 それでは、それをまず前提にしてお伺いをいたします。 まず、農林省にお伺いをいたします。農林省、水産庁長官お見えになっていますか。――まず、竹島におきましては、漁業法に基づくいわゆる漁業権というものは、竹島の漁業権、これはどういうふうな漁業権が設定をされているか具体的にお伺いしたい。
○政府委員(森整治君) 島根県で漁業権設定しておりますが、竹島には現実には漁業権はないわけでございます。
○峯山昭範君 いわゆる島根県のどっかの漁業協同組合が、竹島のいわゆる回りですね、要するに沿岸なり何なりの漁業権というのを設定してないかと言っているわけですよ。
○政府委員(森整治君) 知事の承認漁業としてやっております。
○峯山昭範君 知事の承認漁業というのは、漁業法で言う第何条の何項に基づいてどういうふうにやっているのか、一遍詳細に説明してもらいたい。
○政府委員(森整治君) いま条文の方は、ちょっとお待ちいただきたいのですが、島根県の免許を受けた漁業権がございまして、隠岐島漁業協同組合連合会、それから漁業の種類といたしましては、ワカメ漁業、イワノリ漁業、テングサ漁業、アワビ漁業、サザエ漁業でございます。 いま条文はちょっと調べまして。
○峯山昭範君 この共同漁業権というのは、漁業法で言うあれじゃないのか、ちゃんと。漁業法第十条の規定により、この第一種共同漁業権というものが隠岐島漁業協同組合連合会に与えられているのではないの。
○政府委員(森整治君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 私の手元にはちゃんとその写しが来ていまして詳細がある。何となくわからないような説明では困る。この漁業権というものは、過去どういうような経緯によってこの漁業権が設定されているのか。
○政府委員(森整治君) 昭和二十八年に竹島の最大高潮時海岸線から五百メートル以内の海域に第一種漁業権が免許されております。
○峯山昭範君 それは要するに昭和三十八年の六月十九日、漁業法第十条の規定に基づいて、この漁業法第六条第五項第一の第一種共同漁業の漁業権というものが、要するにこの隠岐島漁業協同組合連合会に認可になっているわけですね。
○政府委員(森整治君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 その漁業の区域は竹島の沿岸線からいま説明がありましたが、五百メートル以内ですね、そのとおりですか。
○政府委員(森整治君) そのとおりであります。
○峯山昭範君 そこではそれぞれどういうふうなものが取れるわけですか。
○政府委員(森整治君) ワカメ、イワノリ、テングサ、アワビ、サザエ、その他もございますが。
○峯山昭範君 それではそれだけの漁業権が設定されているわけでありますが、これは地元の皆さん方が実際にアワビ、サザエ、ワカメ等の採取を行ったのは最近ではいつですか。
○政府委員(森整治君) 戦前では取っておりましたようでございますが、戦後はそういう報告は、昭和二十九年にいまのワカメ、アワビ、サザエ等を採取したという記録がございます。
○峯山昭範君 さて、いま話ございましたように、昭和二十九年の五星三日、私の手元にあります記録によりますと、五箇村漁協が竹島でアワビ、サザエ、ワカメ等を採取をしたという記録があります。 それ以来、実際問題として竹島で漁業ができない。何でできないのですか。水産庁は竹島は日本の国だと思っているわけでしょう。どうして行ったらいかぬのですか。行きたいと思っているのですが、実際。
○政府委員(森整治君) まさに御指摘のとおりでございますが、この記録によりますと、その後五月二十三日には標識が撤去をされまして、七月下旬以降は韓国側が警備員を竹島に駐とんさせたということによりまして、まあ私どもの漁船は近寄っていないようでございます。
○峯山昭範君 近寄ってないといっても、そんなことを聞いているんではなくてね、漁業権も県の方から正式に認可をもらい、共同漁業権が設定されているわけなんですよ、ね。これからあしたでも行きたいと思っているんですがね、これ行っていいんですか。
○政府委員(森整治君) 私どもは、行ってはいけないという指導をした覚えはございません、一度も。
○峯山昭範君 行ってはいけないと指導した覚えはない、全くね。行っていいんですね。許可していただきまして行っていいんですね。
○政府委員(森整治君) まあ同じ答えになりますけれども、行ってはいけないという指導をした覚えはございません。したがって……
○峯山昭範君 だから行っていいのかと。はっきりしてくれよ、そんな……
○政府委員(森整治君) よろしいと思います。
○峯山昭範君 外務大臣、それから総理、行きますよ。(笑声)これは行っていいんですね、総理。これやっぱり日本の国ですからね、これは私どうしても行かにゃいかぬのですよ、これ。もう漁業権も許可もらっているんですから、政府からちゃんとしたもう許可証。しかも沿岸じゃないんですよ。竹島の陸地から五百メーターなんですから。近寄っていいということじゃないですよ、五百メーターの範囲内に行かにゃいかぬのだ、これね。水産庁長官行っていいということです。外務大臣どうですか、これ。
○政府委員(中江要介君) 純粋に法律的に申しますと、峯山先生のおっしゃいますように、日本の固有の領土でございますから、そこに行くことには何ら差し支えがない。したがって、日本政府としてそれを差しとめる理由はない。ただ問題は、先ほど来申しておりますように、日韓正常化のとき以来、事実上韓国が支配をしているという事実関係がございますので、その事実関係をどういうふうに踏まえて法律上の主張に基づいて行動するかということは、これは事実の問題としていろいろ考慮があろうかと思います。ただ、理論的にどうかと言われれば、これを差しとめる理由はないと、水産庁長官のおっしゃっているとおりだと、こう思います。
○峯山昭範君 これ、ですから、したがって総理行っていいんですね。これは総理大臣の口からこれはっきりしてもらわないとね、これはもう困りますよ、総理。これはもうはっきり総理大臣が行っていいと言うんなら行くんですよ、もう現実に。私は漁協の皆さんとも連絡ついているんですから。(笑声)総理はっきりしてくださいよ、これ。笑いごとじゃありませんよ。はっきりしてください。
○政府委員(中江要介君) その点は、私いま申し上げましたことのもう一つの側面になりますが、日本の法律的に固有の領土であるから、当然そこでは、日本の本土と同じ権利が主張できるということで権利を行使いたします。しかし事実上、日本でない国がその地域に支配を及ぼしている、また、そういう支配を及ぼしているということを承知の上で、紛争の解決についてはこういうふうにしようという合意をして、日韓正常化している。またそういうことを前提として漁業協定も結ばれている、こういうことでありますならば、単に純然たる日本の領域に出漁なり操業に出かける、あるいは上陸するという場合とはおのずから違ってくる。で、平穏無事に日本が完全に実効支配しておりますところに上陸していくのをだれかが妨げるということなら、これは大問題でございますが、日韓正常化のときに、すでにそういう、事実上韓国が支配しているということを承知した上で、その問題の解決は紛争解決に関する交換公文で解決していくと、そういう前提のもとに日韓正常化しているということを考慮に入れる必要があろうかと、こういうことでございます。
○峯山昭範君 それなら交換公文があるから行けない、まあ行くのを待ってもらいたいということですか、どういうことなんです。
○政府委員(中江要介君) 交換公文がございますので、日本の権利に基づいて十分な権利主張をして、たとえば具体的な行動として漁業操業いたしまして、それに対して韓国は韓国の立場があるということは日本も知っておるわけですから、韓国の立場からしますと、自国の領域に対する侵犯だと、こういうことを韓国は言うわけです。それは認められないと言って、先般も日本側はすぐその場で抗議を返しておると、そういうことでございます。
○峯山昭範君 それならここで法制局長官にお伺いしたい。憲法二十九条三項でいう「私有財産」というものは、いわゆる日韓基本条約の交換公文とどちらが優先するんですか。
○政府委員(真田秀夫君) 憲法二十九条三項は、「私有財産は、正当な補償の下に、」これは公のために使ってよろしいという規定でございますし、紛争の解決に関する日韓の交換公文は、いまその名前のごとく、両国間の外交関係上の紛争は話し合いで解決しようという規定でございまして、どちらが優先とか、どちらがまさる、どちらが劣るというような関係にあるようなものではございません。
○峯山昭範君 そんなこと聞いているんじゃなくてね、長官ね、要するに交換公文というものが私有財産を制限できるのかというんです。簡単に答えてくださいよ、簡単に。
○政府委員(真田秀夫君) いま申しましたように規律している面が違うんですから、こちらがこちらを制限するというような関係のものではございません。
○峯山昭範君 現実に制限しているんじゃないですか。そういうふうな長官の答弁は詭弁ですよ。そんないいかげんな答弁じゃ困ります。 現実の問題として総理、これは非常に私時間ございませんので、もう一つ提言をいたします。 この問題と同じ問題がもう一つあります。これは通産省にお伺いしますが、竹島に鉱山法に基づく鉱業権というのが設定されていますね。これはどうですか。
○政府委員(橋本利一君) 昭和二十九年の三月に燐鉱を対象としての採掘権の設定登録が行われております。
○峯山昭範君 それは現在も継続されていますね。
○政府委員(橋本利一君) 採掘権は存続いたしております。
○峯山昭範君 そこで警察庁来ていますか。―― お伺いしますが、鉱業権が設定されている。しかもその鉱業権というのは憲法で規定された私有財産であるということはもう先ほど明らかであります。そこでこの私有財産であるこの鉱業権が設定され、その鉱業権の中身は何ですか、何という鉱石ですか。
○政府委員(橋本利一君) 燐鉱でございます。
○峯山昭範君 この燐鉱が、要するに現実にこの竹島にあるわけです。それで警察庁ですね、その燐鉱石が現実にありまして、露天掘りをするということで、その燐鉱石の量も大体四十万トンとか五十万トンとか、もうこれ明らかになっております。ところが、この鉱業権者の認可、いわゆる鉱業権者に断わりもなく、日本の国土である竹島のその鉱業権者のいわゆる許可も何にもなく、黙って韓国の一兵隊がその燐鉱石を全部盗んでいったというんだ、現実の問題として。これはどういうことですか。警察庁としてはそういうふうな事件が現実にもう起きて、そうしてそういうふうになっているわけですね。これはこの問題について、もしこの地元から、これは鉱業法で言う提訴がなされた場合に、警察庁はどういうふうな動きをしますか。
○説明員(加藤晶君) ただいま先生の御指摘になりましたようなことにつきましては、実は警察としては全くまだ承知しておらないところでございます。それで、御質問の中に御指摘のありましたような事項につきましては、これはさらに関係の個人あるいは官庁等につきましてもよく事情を聞くなどいたしました上で、判断しなければならない問題であろうと思っております。
○峯山昭範君 いや、もう時間がございませんから簡単に言いますがね。現実の問題として、提訴されたら警察庁なり捜査官は、竹島に行かないとだめでしょう。竹島に行ってちゃんと捜査してきてくださいよ、現実の問題として。そうしないといけないでしょう、現場へ行って。
○説明員(加藤晶君) 仮に犯罪であるというふうなことで法律に定めまする有効な告訴なり告発なりがございますれば、警察といたしましては刑事訴訟法の定めるところに従いまして所要の措置をとることになると思います。
○峯山昭範君 それじゃ、そうすると正式の提訴があれば、竹島へ行くということですね。
○説明員(加藤晶君) 捜査の方法、そういう告訴、告発の処理につきましてはいろいろなやり方があろうと思いますので、それは現実にその告訴、告発を受けましたときにその辺のことを勘案いたしまして、やるべきことはやるということでございます。
○峯山昭範君 やるべきことはやるということですから、現場へ行くということでしょう。 そこで総理、これはこういうふうにずっと見てまいりますと、現実の問題として、これは先ほどの漁業権の問題に入りますが、これは私は憲法上の議論はさておきます。憲法上の議論はさておきますが、現実の問題として漁民が竹島へ、漁業権に基づいて貝類とか、そういうワカメとかあるいはアワビを取りに行くと、行くということについては、これは水産庁はいいと言っているわけです。外務省の方はちょっと待ってくれと言っているわけですよ。要するに交換公文があるからちょっと待ってほしいと、こう言っているわけです。しかもそういうふうな中で、これは現実の問題として、これは法務省が御存じだと思いますが、この間、鉱石の問題について裁判がございました。その裁判の判決の一番最後のところに、総理、こういうふうになっております。これは法務省の方も一遍私の言うのを聞いておいてもらいたいんですが、「本件において、原告が日韓両国間の国際紛争上の被害者であり、犠牲者であることは明らかである。」と。これは現実の問題、総理そうだろうと思うんですよ。 そうしますとね、私はこれは少なくともこういう漁民の皆さん方はいわゆる漁業権に基づいて漁業をやりたいんですけれども、政府の方からのお願いですな、言うたら、これは。要するに紛争が起きると、起きてもらっては困るということがあるから、いろんな問題があって現実の問題として行けない。そうしますと、こういうふうな漁民の皆さんやあるいは鉱業権を持っている皆さんに対して、政府は一体何をしようというのか。何にもしないでいままでほったらかしてきた。そうではありませんか、総理。ここら辺の実情はどういうふうになっていますか。
○政府委員(中江要介君) 午前の委員会で私御説明したことと思いますが、日韓正常化以降あの周辺における漁業操業は、韓国の立場に立ちますと韓国は自国周辺の操業になりますし、日本の立場に立ちますと日本の島の周辺の操業ということであったわけでございますが、これを領有権の問題として決着をつけるという道は、先ほど来申しておりますように交換公文にのっとって解決していく。その間、漁業は日本も韓国もともに相手国の主権下で操業するという側面からとらえますと、どちらも紛争の種になる操業ということになるわけです。したがいまして、日本政府がいままでやってまいりましたことは、領有権の最終的な決着がつくまでの間、少なくとも漁業については安全操業が確保されるための努力はしなければいけないということで、一九六五年以来いままで、最近の事件が起きますまで竹島周辺では日韓双方の漁船がお互いにけんかをしないで安全に操業するということが確保されてきておりますし、事実上の問題としてはそれを引き続き確保するということの努力はしております。他方、それはどちらかというと暫定的な安全操業でございますから、これを完全なものにするためにはこれは領有権の問題に決着をつけなければならないというところに戻ってくると、こういう関係だと思います。
○峯山昭範君 アジア局長ね、あなたの言うのは本当に――日本のアジア局長なんですからね。私は要するに日本の漁民が現実の問題としてあなた方の交換公文によって漁ができない。安全操業云々といいますけれども現実にあれでしょう、日本の漁民がいま船を仕立ててそこへアワビを取りに行ったら、日本の海上保安庁や警察はどうするんですか。行くなととめるんですか。とめる権利はないんでしょう。とめる権利はない。そうすると、日本の漁民を守らないといけないわけでしょう。紛争が起きても行きますよ、もう。そこまで来ているんですから。日本の漁民を海上保安庁は守らなくちゃいけない。警察も守らなくちゃいけない。そのために、いや、いま行ってもらったら あなたの立場からいえば、韓国の人たちもしんぼうしているんだ、ですから日本の漁民の皆さんもしんぼうしてもらいたいと言うからには、その漁民の皆さん方に迷惑をかけたというのは、これは裁判所も現実に認めているわけです。その迷惑をかけた漁民の皆さんやそういう鉱業権者の皆さん方に、日本の政府は一体何をしてきたかと私は聞いているんです。私の質問に、もう時間はないんですから、ぴたっと当てはまるように答弁してもらいたいんですよ。
○政府委員(中江要介君) どうも外務省の立場からは、外交的努力でございますので先ほどのようなことを申し上げましたし、韓国側がそういう今度のような事件がありますれば、当然のことといたしまして韓国に対して抗議をし、またその原状回復について努力をする、それが日本国内の問題としてどう処理されるかと、これは外務省ではちょっと……
○峯山昭範君 あなたの答弁するあれじゃないですよ。総理、これ実際問題として具体的な問題を私指摘しているわけですから、もう外務省のアジア局長の言うあれじゃないですよ。現実の問題としてこういう具体的な問題がある。国としても現実に行かないでほしいと、行ってもらうと――水産庁長官は行ってもいいと言いましたね。言いましたが、水産庁長官が行っていいと言ったんですから行くかもわかりませんよ、総理。だけれども総理としては、いや、いま行ってもらったら日韓関係もあるし問題も起きる、何とかこの問題が外交交渉で平和裏に解決できるまで行かないでほしいという願望が総理になくちゃいけませんよ、ほんま言うたら。もしあるとするならば、それじゃ過去何年間がんばってきたこの問題について、一体日本の政府は何をしたのか。いままで何にもしてないわけですよ。してないんなら、それじゃそういう漁民の皆さん方に、これからでも遅くないですよ、政府としては何らかの手を打たなくちゃいけないというふうなことになりませんか。これは総理、やっぱり総理からこの問題についてきちっと御答弁をいただきたい、現実の問題として。私は抽象的な議論をしているんじゃありません。 きょうは私四十分までですから、私の持ち時間もうありませんのでこれ以上しゃべりませんが、改めてこの続きは一日の日にやりますが、いずれにしましてもこういうふうな実情になってきているわけです。われわれとしては、私は交換公文と憲法とどちらが優先するかなんというのは、こういう議論は日本国内ではみんな憲法の方が優先するというのは――法制局長官は、あなたがそばにいるからなかなか本当に、ちゃんとあれ言いませんが、こんなこと常識じゃないですか。こんなこと常識になっているのに、あの法制局長官本当に何考えているのかわかりませんけれども、それでは困る。そこの議論はさておいたとしても、少なくともこれはきちっとした決着のつけ方をしていただかないと、また日本の政府としても、この問題を将来安全操業という面でぴちっと解決するためには、漁民の皆さん方やあるいは竹島に関係のある皆さん方に、やっぱりきちっとした手続をしておかないといけない。そうじゃありませんか。そのことを私は総理の口からやはり、この問題は確かに重要な問題であるということを御認識になって、そして今後この問題についても、やっぱりきちっと取り組んでいただきたいということを私は申し上げたいわけです。どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島の問題は、正常な状態にある竹島でありませんものですから、そこで考え方が非常にむずかしくなるわけでありますが、終戦直後のあの数年間のわが国の置かれた地位、立場、そういうことから今日のような遺憾な状態になっておりますが、そこから御指摘のような諸問題も起こってくる。 そこで、この問題決着をつけなきゃならぬ、こういうふうに思うんです。その決着をつけなきゃならぬその問題の第一は、何といっても安全操業の問題である、そういうふうにいま思います。同時に、その安全操業を本当に定着した安全操業ということにするためには、領土問題について決着をつけなければならない。このように存じますが、それらを含めまして、思いを新たにしてひとつ外交ルートによる交渉をしてみたい、こういうことを申し上げておるわけです。
○峯山昭範君 これで終わりますが、総理、この安全操業という面で決着をつけなくちゃならないと、こうおっしゃってますけれども、現実の問題としてやっぱり総理の口から、こういうことで非常に苦労し、あるいはいろんな事情はありますね、その事情はもう議論しませんが、総理の認識と私の認識、そんなに変わりませんから、いろんな事情はもう議論はしませんが、いずれにしてもそのことで非常にいわゆる漁業権とか、鉱業権とか、そういうものを行使できない、そういう人たちが現実にいるというのは確かですね。こういう人たちのことをやっぱり何らかの方法で救済をするなり、これは私はどうせいとは言いません。当然そういう問題についても政府としても考えざるを得ないところまで来ているんではないか。そこのところをやっぱり一言総理からおっしゃっていただかないと、これはきょうは私は納得できないのですが、そこのところをちょっと総理やっぱりね………。
○国務大臣(福田赳夫君) 一番大事なことは、これは現実の問題とすると安全操業という問題だろうと思いますが、これを何よりも優先をいたしまして話し合いをしなければならない、このように考えております。 その他いろいろ御指摘がありましたが、御指摘の問題はなお調査をいたしまして、政府としてはできることがありますれば、善処をする、このように考えます。
○峯山昭範君 これで終わりますが、ぜひ総理、この問題については真剣に取り組んでいただきたいと思うし、日本の国の竹島であるということをぜひ御認識になって、総理は口先で言うこととは違って、現実にそういうような人たちがいっぱいいるわけですから、そこら辺の認識を新たにして、この問題にぜひ取り組んでいただきたいということを御要望して、とりあえず私の質問を終わります。
○安武洋子君 私は、竹島の問題について集中審議をさしていただきます。 最初にお伺いいたしますけれども、韓国は四月の三十日に領海十二海里を実施いたしまして、五月の九日から十日にかけて軍艦、警備艇、これが出てきてイカ釣り漁船に対しまして、韓国の領海侵犯だから即刻退去を命ずる、こういうことがあったということでございますが、事実は間違いございませんか。端的にお答えください。
○政府委員(中江要介君) 四月三十日に韓国は領海法を実施いたしまして、韓国が領海を十二海里にしたということはおっしゃるとおりでございます。 竹島周辺の問題につきましては、五月の八日にソウルの韓国の外務部からわが方の韓国大使館に対しまして、口頭でわが国の漁船二十数隻が前日の五月七日から竹島周辺で操業していることについて、これが領海侵犯であるといって抗議をしてまいるとともに、それらの漁船の退去を要求してまいりました。 これに対しまして、わが国の在韓大使館の公使から即刻その場で、竹島は日本固有の領土であるので韓国の言い分を認めるわけにはまいらない、韓国側に対して、韓国が抗議を申してきたことに対して抗議すると言って反駁いたしました。その間、現場では韓国の警備艇が日本漁船に対しまして、十二海里の外に退去をするようにというふうに求めてまいりましたので、日本漁船は現場では不測の事態を避けるために、とりあえず十二海里の外に退去いたしました。 その後いろいろ経緯がありまして、現在ではそれがもとの状況に復していると、こういうことが経緯でございます。
○安武洋子君 国会答弁で五月二十五日に竹島周辺の漁業問題については、園田外相は、事態は好転している、こういう御答弁でございますけれども、好転しているという中身は具体的に何なのでしょうか、お答えください。
○政府委員(中江要介君) これは、竹島周辺におけるわが国漁船の操業のあり方が、今回五月八日に申し入れを受けたような事件の起きる前の状況に復しているというふうに、これは事実の問題としてそういう情報を受けているということでございます。
○安武洋子君 では竹島周辺にわが日本漁船が入っていると、こういうことでございますか。韓国の外務省当局者は直ちに翌日に、竹島周辺にもし日本漁船が侵犯したならば韓国の法律に従い罰せられよう、こういうふうな発表をいたしておりますが、これはどういうことでございますか。
○政府委員(中江要介君) 事実の問題でございますので、事実関係は所管の水産庁の方から御説明いただいた方が正確だと思いますが、要するに、この事件の起きました前の状況に復しているというそういう事実を情報として外務省は承知しているということでございます。 他方、韓国の方で竹島の十二海里内に入ってきた漁船は、これは法律に従って措置するということは、これは韓国のとっておりますたてまえからいたしますとそういうことになる。それがそもそも最初、わが方に抗議を申し入れてまいりましたときの韓国側の立場であって、その立場は日本としては認めることができない。日本として認めることができない韓国の立場を韓国が言っていると、こういうふうに御理解いただければいいかと思います。
○安武洋子君 水産庁長官はお酒にお酔いになって退席なさったと聞いておりますが、本当ですか。
○政府委員(恩田幸雄君) 水産庁次長でございます。 いまのような事実はございません。
○安武洋子君 長官は。
○政府委員(恩田幸雄君) 用がありましていま出ております。(「国会審議よりももっと大事なあれがあるのか」と呼ぶ者あり)
○安武洋子君 答えさせますと向こうがおっしゃるからですよ。
○政府委員(恩田幸雄君) 長官は水産庁には出席要求がなかったものですから――いま出てまいりましたが。
○安武洋子君 答えさせますとおっしゃったから御答弁を求めているんです。しかし、先ほどから何だかお酒に酔って云々ということが耳に入ってまいりましたから私は申し上げたわけです。国会答弁であやふやなことをおっしゃっていただいたらいけないのです。 日本の漁民の方は、いま十二海里の中に入れないというのが現実の問題でありませんか。地元の方たちがそうおっしゃっている。韓国の漁船の方は日本の十二海里の中に入ってきてそして漁具を荒らしたり侵犯したりしていると、こういうことに対して一体日本政府はだれが責任をお持ちなんですか。竹島の十二海里の中に入ってもし事故が起こったというふうなことについては、総理、責任をお持ちになりますか。御答弁いただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島は非常に、先ほども申し上げたように不正常な状態にあるわけなんです。ですから、わが国の権利といたしましては、あそこで出漁できるこういうたてまえではございまするけれども、残念ながら終戦直後のごたごた以来韓国の官憲が出張ってそして事実上の支配をしておると、こういう状態です。そういう中でどうするかというと、まあ水産庁が言うように、出ていくことはこれはもうできる、そういうことでございますが、これは法律上そうだと、こういうことであります。出ていった場合にどういう不測の事態が起こるかはこれはわかりませんから、これはその辺はよくわきまえながら行動してもらいたいという私は気持ちでございまするが、万一不測の事態が起こるというようなことになりますれば、これはわが国の政府においてこれをどういうふうに処置するかということについては責任を持たなけりゃならぬ、そういう立場にあると、こういうふうに考えております。
○安武洋子君 自分の領土の近辺に出て漁をするのに、不測の事態が起こるかもわからないけれども、それに責任が持てないというのは、大変情けない状態ではございませんか、一国の首相として。 私はここでお伺いいたしますけれども、いま竹島はどういう状態になっているのか。昨年八月三十一日に竹島に巡視艇が近づいて視察をされておられますけれども、そのときの状況をひとつ具体的におっしゃっていただきとうございます。
○政府委員(薗村泰彦君) ただいま安武先生から御質問ございました昨年八月三十一日に巡視艇「くずりゆう」で竹島の調査を、外務省の要請に基づきまして行いましたときの状況を御報告いたします。 竹島は東島と西島とからなっておりますが、そのうちの東島には、灯台一基、見張り所二カ所、小屋三棟、宿舎と思われるもの一棟、各種アンテナ、石碑、銘板などが主な施設としてあり、その一年前に調査したときと比べて新たに頂上に銃座が一基新設されているのが確認されました。西島には小屋二棟があり、岩はだに韓国文字が記入されていました。なお、東島には韓国の警備隊員と思われる者が十三人視認されました。 以上です。
○安武洋子君 そのときに、十三名のうち九名が武装していたと、こういう事実は間違いございませんね。 それから、竹島から八・五海里離れた海上で、八月三十一日、ファントム戦闘機であろうと推定される韓国軍用機二機が巡視艇の上空に飛来したと、こういうことも間違いございませんか。
○政府委員(薗村泰彦君) 先生いま推定されるとおっしゃいましたが、その事実、推定される事実は間違いはございません。
○安武洋子君 こういうふうに私はグラビアを持ってまいりましたが、週刊誌の。こういうふうに韓国の国旗がちゃんとコンクリートでつくられている、そして「韓国領」というふうに書かれている、こういう事実も確認されておりますか。
○政府委員(薗村泰彦君) 私どもは実は「くずりゆう」から見ましたときは船から見るので、御承知のとおり水面すれすれのところから視認する方法しかございません。なお、島はかなり岩壁が直立と申しますか、海岸にそびえ立っておりますので、その上の物件について船から視認することは困難でございます。
○安武洋子君 五月の十九日に私どもの党の渡辺議員が竹島問題で運輸省に対しまして申し入れをさしていただきました。そのとき薗村海上保安庁長官は、韓国の軍用機が飛んできてマストすれすれに飛んだと、こういうことを明らかにされておりますが、これは事実でございますか。
○政府委員(薗村泰彦君) 先ほども申し上げておりますように、軍用機とおぼしきものが飛んできたと。私どもはひょっとするとそうじゃないかなと思っておる事実はそのとおりでございます。私そのとおりのことを渡辺先生に申し上げました。
○安武洋子君 じゃ、またそのときに、巡視艇が竹島に二百メートルから三百メートルに近づいたときに、韓国の警備兵は巡視艇に対してどのような対応をしたのでしょうか。
○政府委員(薗村泰彦君) 先生のお話は、陸上の警備隊員がわが方に向かって銃を向けたという事実をおっしゃっているのだと思いますが、そのとおりでございます。
○安武洋子君 そのほかにもまだございませんか。
○政府委員(薗村泰彦君) ちょっと何を、先生何のことか私わかりませんが、大体もう事情はいまのお話でほとんど出たように思います。私別に隠していること、ほかにはございません。
○安武洋子君 では、この事実を確認いたしますが、警備兵が鉄砲を向けて威嚇したと同時に信号筒を打ち上げた、こういう事実も間違いございませんか。
○政府委員(薗村泰彦君) そのとおりでございます。
○安武洋子君 竹島にいままで上陸して調査をなさったことはございますか。
○政府委員(薗村泰彦君) 先ほどからもお話が出ておりますように、私どもとしても残念なことでございますが、恐らく二十年代の終わりごろ以来、わが方が有効的に施政を行い得ない状態に立ち至っておりますので、上陸をして調査したということはございません。
○安武洋子君 三十八年の八月の六日に上陸をなさって、「島根県穏地郡五箇庄村竹島」という標柱を立てた、こういう事実はございますね。そうして四十三年に海上保安庁としては竹島に対する通常警備、これをやめて、年一回、周辺の調査だけに変えた、こういう事実がございますね。いかがでしょうか。
○政府委員(薗村泰彦君) ちょっといますぐのお話なものですから、私年代を正確にあれしておりませんけれども、事実先ほどからもお話が出ておりますように、有効的な施政が及ばないということになった現状に基づいて、私記憶しておりますごく最近の数年間は、年に一回ないし二回、外務省と連絡をして船を出して海上から調査するということになっております。
○安武洋子君 竹島の問題の発端といいますのは、これは昭和二十七年に李承晩ラインと称して、韓国が一方的に竹島を韓国の領土だとこういう主張をし始めた、ことにあると思うのです。このとき韓国は軍艦を出動させたりしております。この当時、韓国側による日本漁船あるいは巡視艇に対しまして発砲事件があったと思うのです。これは一九五四年九月二十五日付で、外務省は同島の現況調査に派遣された日本巡視艇が同島より突然砲撃を受け損害をこうむるに至った、こういう口上書を韓国に送っておられますが、これは事実かどうかということを確認いたしとうございます。そのほかにも、この口上書の事件以外に発砲事件があったかなかったか、このことをお答えいただきとうございます。
○政府委員(中江要介君) 昭和二十九年の抗議の口上書の中で、海上保安庁の巡視船が銃撃されたということを抗議の中に入れていることは事実でございます。それ以外に発砲事件はなかったかと申されますと、先ほどちょっとお触れになりました昭和二十八年に、つまりその口上書で抗議をしますその前にも、昭和二十八年に巡視に赴いた海上保安庁の巡視船が韓国艦艇により銃撃を受けるという事件がございました。銃撃発砲の事件はそれ以後聞いておりません。
○安武洋子君 総理、いまはっきりしたように、総理は先ほどから占領後のごたごたの中で云々というふうなことをおっしゃいましたけれども、アメリカが占領を解いたときに明らかにこれは竹島は日本の領土だ、こう言っているわけです。そうして総理自身も日本固有の領土であるということを明言されておられるわけです。ここに日本は巡視艇が近づいても韓国から発砲される、こういう事件がいま御答弁にありましたように三件もあるわけなんです。こういう状態というのは、明らかに竹島が韓国の武力行使によって占領されている、こういう事態ではありませんか、いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) おっしゃるとおり、韓国政府が竹島を実力をもって支配しておると、これはもうそのとおりでございます。ただ、そういう状態がどうしてできたかといいますれば、占領後わが国の立場が非常に弱い立場にあった、そして李承晩ラインというようなこともある、マッカーサーラインというようなこともある、そういうようなことで、一つの非常に不幸な事件として竹島が韓国の官憲の支配すると、こういうようなところになってきちゃったわけなんです。それで今日に至っておる。しかし、アメリカ政府が言うように、わが国は、これはもう固有の領土であるというこの立場につきましてはいささかも変わるところはないわけでありまして、これをいつの日にか正常化しなきゃならぬ、こういうことでございますが、まあそれが、じんぜん今日に至っておりまするけれども、先ほどから何回も申し上げております――竹島問題を、両国の間に合意があるわけですから、その合意の線に従って処理すると、こういう考えでございます。
○安武洋子君 総理いかにおっしゃっても、日韓条約、これを締結されたときに、私は竹島を放棄なさったというふうには思っておりません。それからもういま十八年、これだけの日時がたっておりますし、竹島が占拠されてから二十六年です。いま韓国の武力行使によって明らかに侵略されている、こういう竹島の状態について総理は一体どうお考えなのでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) まことに遺憾な事態であると、このように存ずるわけですが、何といたしましても、わが国の固有の領土であるというたてまえは貫き通さなけりゃならぬ問題である、それに精を出さなけりゃならぬ、そのように考えております。
○安武洋子君 総理はいま、竹島が韓国によって侵略をされているという事実をお認めでございました。 では、この竹島の領土回復については総理はどのようになさいますでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは私どもの立場としますと、日韓基本協定の際両国の間に合意があるわけなんです。つまり日韓両国の間の紛争案件、これは外交ルートによって話し合いを行う、もしそれで片づかなければ調停に依頼をする、こういうことでありますが、その線にのっとって、この外交交渉、これを積極的にやってみたいと、そのように考えております。
○安武洋子君 一国の総理が、わが国の領土を侵略されながら外交ルートだ、ルートだとおっしゃいますけれども、相手が外交ルートに乗ってこないというのは、午前中の討議の中でもはっきりしているわけなんです。一つのテーブルに相手が着こうとしないのに、総理は思いを新たにして外交ルートだと、こうおっしゃる。では、私は伺いますけれども、思いを新たにされるという、その中身は何なんでしょうか、具体的におっしゃっていただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ一番急がなけりゃならぬ問題は安全操業の問題である、漁業の方の安全操業の問題である、それから領土権のわが国の主張を貫き通すということである、この二つを踏んまえまして韓国政府と外交上の折衝を行う、こういうことが私の考えておるこれからのとる手段の内容でございます。
○安武洋子君 園田外務大臣は、経済協力の打ち切りも含めて考える、こういう御答弁を国会でなさっていらっしゃいます。総理の思いも新たの中身にはこのことも含まれておりましょうか、そのことを確認いたします。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、園田外務大臣も外交――日韓経済関係を断ち切るとか、そんな私は物騒なことを言ってるんじゃないと思います。非常に積極的にこの問題を処理したいと、こういう意図を表明しておるんじゃないかと、こういうふうに考えますが、とにかく日韓関係全体は、先ほど申し上げましたように非常にわが国にとって大事な関係なんです。韓国に至ってもまた大事な関係だろうと思うんです。その関係が亀裂を生ずるというようなことになりゃこれは元も子もありませんよ。そういう日韓関係の重大なこと、これを頭に置きながら、この日韓関係全体の関係をどういうふうに安定させるかという中においてこの問題を処理すると、こういう趣旨のことを外務大臣はおっしゃったんだろうと、こういうふうに思いますが、そういう趣旨でありますれば私もそのとおりだと、このように考えます。
○安武洋子君 総理、違います。私はここに議事録を持ってきておりますけれども、園田外務大臣は、「たとえて言えば経済協力は中止するとか、あるいはこれが議題にならないような日韓定期会議、こういったものは開かないとか、このような形をとってでも強力にそういう日本側の姿勢というものを示すべきではないか、」こういう問いに対して、「いま御発言なさいましたようなことも含めて検討しなければならぬと考えております。」と、明確に御答弁でございます。総理と外務大臣の姿勢が違っては困りますので、もう一度御答弁いただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) 園田外務大臣も、日韓関係全体を踏まえて、まあひとつこの問題をその中において処理したいと、こういうことを言ってるんだろうと私は思います。いまお読みになられたことなんかもそういう意味だろうと、こういうふうに思いますが、少しも両者の間において違いはないと、こういうふうに存じます。
○安武洋子君 総理、一国の首相として、自分の領土が侵略されている、それを回復するということは何よりも一番第一義的になさらないといけないことではないんですか。その点はいかがなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) それはもうそのとおりです。でありまするから私は、これはもう、北方領土につきましてもまあ強力な姿勢をとってその解決のために努力をしておる、また竹島に対しましても先ほどから申し上げてるとおり、思いを新たにしてやろうと、こういうふうに言っておるんです。これはもう、領土問題というのはね、非常に重大なことです。しかし、だからといって、領土問題というのは相手にとっても重大な問題なんです、これは。そう簡単に右から左というようなわけにはいかぬ、このように思いますけれども、ともかく、わが国といたしましては、竹島につきましてはわが国の固有の領土であるという立場に立ちまして、鋭意努力をしてまいると、こういう所存でございます。
○安武洋子君 いま総理は混線したことをおっしゃる。竹島は日韓条約が結ばれたときに自民党政府は放棄なさったんですか。あの千島については自民党政府がサンフランシスコ条約で放棄をなさっていらっしゃる。全然違う時点の問題をお出しです。 それで私はお伺いいたしますけれども、政府は交換公文に立ち返って紛争を解決すると、こういうことを再三繰り返していらっしゃいますけれども、韓国は竹島について交換公文に基づいて処理をしようとしているのかどうかということを明快にお答え願います。
○国務大臣(福田赳夫君) まあわが国も熱意を持って韓国と話し合うということになりますれば、韓国だって日韓関係というのはこれはもう大変大事な関係であると思うんです。わが国が日韓関係を重視する、同様に韓国においてもこれを重視するという立場にあると思うんです。ですから、必ずまあ妥当な理解を示すと、こういうふうに思います。私はそう期待しながら強力にこの交渉を進めてみたい、そのように考えます。
○安武洋子君 韓国は何も日本に領土を侵略されていないんですよ。領土を侵略されているのは日本なんです。ここで毅然とした姿勢をとらなければならないのは日本政府なんです。ですから、韓国の方は、自分の方は紛争と認めていない、あそこは自分の固有の領土だと、こう主張している。ですから、交換公文に立ち返るといっても、相手が紛争と認めていないものは、交換公文に立ち返るといっても、相手が認めないものをどうしてテーブルに着けることができるんですか。二十六年間やって、いままで解決していないじゃありませんか。総理のおっしゃるのは、二十六年前におっしゃっていることと一緒なんです。ここに私は持ってきておりますけれども、いままで竹島の問題については、こういう日韓条約が結ばれるときに当時の椎名外相だって三十数回いろいろやってみたけれども何ら反応がないと、こう答えていらっしゃる。それから相手がテーブルに着いてこないことについては時期が実らないというふうなことで、四十一年の七月にすでにお答えになっていらっしゃる。いままで何度おやりになっても、こういう交換公文に立ち返ってではこの問題は解決できないわけです。領土を侵略されて、こういうふうなときに毅然たる姿勢を示すというのは、私はその一つは園田外相が言われているように、なぜ領土を侵略されながら片方で経済協力だ、共同開発だと、こういう姿勢をお示しになるんですか、屈辱的な。私はそういうことがわかりません。断固としてこういう経済的な協力を打ち切る、共同開発を打ち切る、それで初めて領土の回復の話し合いの前提ができるんではないですか。いかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) わが国は全世界に向かって全方位平和外交を展開しておるわけです。そのわが国が、一番近いところにある、また歴史的にもあれだけの古い関係を持っておる、今日においても政治的にもあらゆる意味におきまして深い関係のある韓国、この韓国と事を構えていいんでしょうか。私はアジアの安定のために、日韓関係が乱れるということ、これは特に私は問題がある、こういうふうに思うんです。ですから、平和的手段においてこの問題を解決したいと、こういうふうに思うわけです。そのためには粘り強く強力にこの問題の解決の処理を韓国側に要請しなけりゃならぬ、このように考えます。私は熱意を持ってそういう話をいたしますれば、韓国だって日韓関係というものは大事な問題でありまするから、これは私は必ずや話に乗ってくるものに違いない、こういうふうに思いますが、私は安武さんのおっしゃること、これはどうも短兵急にどうこうせいという話で、何といいますかね、日韓関係は基本的にどうなっても構わぬというような、そういうようなお話のように受け取られてしようがないんですが、そうじゃないんです。やっぱり日韓関係は大事だ、これを壊してはならぬ、こういう認識、これも持たなけりゃならぬ。その上に立ってわが国の国益を守る、これが私は常識的な行き方ではあるまいか、そのように思います。
○安武洋子君 総理、事を荒立てているのは韓国ではありませんか。わが国の領土を侵略している、これだけははっきりしているわけなんです。そして、こういうわが国の領土を侵略してわが国の主権を侵している国、これを総理は友好国とお考えなんですか。国際的にも、自分の領土を武力侵略されながらその相手国を友好国だと、こう言っている国があるんでしょうか。日本の首相として、自分の領土を武力侵略されているんですよ、そして、その相手に対して友好国だとなおおっしゃるんですか。その点をお答えいただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) これは、あれだけの大戦争をしたわけでありまするから、その後始末はいろいろあります。これは一番大きな問題は、何といっても北方の四島の問題です。北方の四島、これはわが国の固有の領土である。これを不法にいま占拠されているという状態でありますが、これだってなかなかそう簡単に決着をつけ得るというような問題ではない。 同様の問題がこの竹島にも起こってきておるわけなんです。戦後のわが国の立場が非常に弱い立場であった、そういう中でいつしかこの韓国官憲の竹島支配という事態が出てきたわけであります。しかし、いまからでも遅くはない、その状態を是正する、そのために不退転の決意を持って臨むと、こう言っておるんですから、十分ひとつ御理解のほどをお願い申し上げます。
○安武洋子君 総理、念のためにお伺いいたしますけど、日韓条約のときに竹島を放棄なさいましたんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 竹島は放棄いたしたことはございません。
○安武洋子君 サンフランシスコ条約で千島はどうなさったんですか。自民党政府は放棄なさっていらっしゃるじゃありませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) サンフランシスコ条約におきましても北方四島は放棄いたしておりません。これは間違いなく、ひとつそういうふうに御理解を願います。
○安武洋子君 総理、いまのような御答弁、いままでの政府の歴代の御答弁と食い違いますけれども、それでもよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私の答弁が正しい答弁だと御理解を願います。
○安武洋子君 総理、サンフランシスコ条約で自民党政府が千島列島、これを放棄したということは歴史的な明らかな事実なんです。それと竹島を混同なさって、自分の領土を武力侵略されるということを合法化なさろうとする、私はそういう態度は許せないと思うんです。こういうふうに私がいま韓国が武力侵略をしている、こういう相手国が友好国と言えるのかということをすりかえて御答弁なさっていらっしゃる。私はもっと、ちゃんと私の質問に答えていただきたい、竹島の集中審議をしているんですから。私はわが国の領土を侵略しているような韓国が友好国と言えるのか、こういうことについてもう一度明確に御答弁をいただかなければ承知できないと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) あれだけの戦争をした後でございまするから、いろいろ不正常な状態がいろんな国との間に残っておるんです。その一例といたしまして、私はソビエトとの関係を申し上げたわけであります。ソビエトの北方四島、これが問題としてまだ解決にならぬ、ならぬからソビエト連邦は友好関係のない国であるかというと、そうじゃない。やっぱり千島の問題は千島の問題として解決しなきゃならぬ。しかし、この友好善隣の関係は進めていかなきゃならぬ。このように考え、御承知のようないろんな協力関係も進んでおる。こういうことなんで、同じような状態が韓国との間にもあるわけなんです。竹島問題が解決しない、これはずうっと前からですよ。日韓基本条約が締結になった、あのときも、わが国の立場は、竹島はわが国の固有の領土であると言うんだけれどもそれがはっきりした解決にならぬ、そこで紛争案件としていま相談しようと、こういうことになってきておるわけでありますが、だからといって、日韓両国はこれは非友好国だと、そういう関係に置いていいかどうか、私どもは断じてそういうことは相ならぬと、こういうふうに考えております。
○安武洋子君 非友好の状態に置いているのは相手であるから、真の友好関係を打ち立てるためには相手の侵略をやめさせなければならない。この竹島の武力侵略をやめさせるという意思は一体お持ちなんですか、どうなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) それをやめさせたいものですから交渉すると、こういうふうに言っておるんですよ。その状態は北方四島とちっとも違わないんじゃないですか。北方四島がわが国に返ってこない、だからソビエト連邦は非友好国だ、あれとつき合いはできぬというようなことをするわけにいかぬでしょう。それはそれとして、領土問題はそれはそれとして友好の諸関係は進めていくと、こういう状態で、これは韓国との間においてでも同じことであると、こういうことを申し上げておるわけであります。
○安武洋子君 私ここで千島の問題を総理と話しするつもりはありませんけれどもね、竹島の問題を急がなくちゃならないから。しかし、ずっとすりかえ答弁をなさっていらっしゃる。自民党政府は千島列島を放棄なさったんですよ。千島列島の中にはあの国後、択捉、ああいうのは皆含まれているんです。どこの国の地図にあの四島だけは別だ、千島列島全部放棄しているということははっきりしているじゃありませんか。すりかえ答弁はやめていただきます。 それから、私はいまのこの総理の友好関係に立ち返る、領土回復をするというその中身ですね、思いを新たに、思いを新たにとおっしゃっていますけれども、総理は侵略という重大な事実をお認めになって私にいろいろ答弁をなさっていらっしゃるんです。これは国際的にも大変な問題なんですよ。武力でわが国の領土の一部を侵略されている。それを回復するということは、いますぐにでも決意を持っておやりになろうと思えばできることではありませんか。片方で武力侵略されながら、片方でどうしてにこにことして経済的な援助をしたりするんですか。どうしてそういう侵略してきている相手と共同開発なんというふうなことをなさるんですか。こういうことを打ち切って、断固とした姿勢に立ってそうして竹島から占拠を解けということが、話し合いをする、平和的に物事を解決するという最前提ではありませんか。総理はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 安武さんのおっしゃるようなことをやはり現実にやっていたら日本の国ももう大変なことになりますから、韓国を非友好国のようにしちゃう、ソビエト連邦を非友好国にしちゃうとえらいことになりますよ、これは。そんなことが本当に現実にできるものですか。私はそうじゃない、領土問題は領土問題、これはむずかしい問題ですから、これは積極的にわが国の立場を踏まえて、どこの国とでもそうですが解決する、しかし友好関係、これは維持存続させるという姿勢をとらなけりゃ、一体日本の国はどうしたらいいんだろう、こういうようなことになっちゃうんじゃないでしょうか、まあ私はそう考えます。
○安武洋子君 現在非友好状態に韓国が持ち込んでいるんじゃありませんか。竹島でなぜ日本の漁民が漁業できないんですか。なぜあの島に日本の保安庁すら、警備艇すらあそこの近辺に近づけないんですか。おかしいとお思いになりませんか。非友好状態を相手が持ち込んできている。それに対して一国の総理として毅然とした態度がおとりになれない。それがいままでこの問題をこじらせてきた一番の大きな原因なんです。政府の韓国に対する卑屈な態度がこの問題の解決をおくらせているんです。ここで毅然とした態度を私は絶対におとりになるべきだと、そのことを主張します。 それから、ひとつ事実関係を確認させていただきます。 三月二十九日ですけれども、韓国は野村駐韓公使を呼んで、六月中には本法案を批准してほしい、こういうことを要請したのは事実かどうかということです。 それから四月十一日に金韓国駐日大使あるいは五月九日には須之部駐韓大使、この大使が参議院議長に一日も早い法案の成立を韓国が望んでいる、こういうふうな趣旨を伝えた、このことは間違いございませんか。
○政府委員(中江要介君) ただいま御指摘の日時に御指摘の人物の間で韓国側が、先ほど来総理も御説明になっておりますように署名をして四年たち、国会では協定そのものは批准について承認を求めるの件というものが承認されております。あとは国内法が完備されて発効を待つばかりになっておりますこの協定の問題につきまして、深い関心を持っているということをいろいろの外交ルートで伝えてまいります。私どもも外務省の出先の責任といたしましては、隣国の政府が特定の問題あるいは一般的に外交問題についてどういうことを考えているかということを本国政府に報告するのはこれは重要な職務の一つでございますので、私どもはその報告は受けております。しかし、毎回申しておりますように、これは韓国がどう言うからということでなくて、日本の国益に立脚して締結した協定でございますので、日本は日本政府の立場からこれの批准を促進する努力をしている、こういうことでございます。
○安武洋子君 事実関係で聞きますので、端的にお答えください。 昨年の秋の臨時国会で本法案が継続審議になったときに、韓国の外務部関係者が共同開発区域の単独開発をした事実がある、こういうことが言われておりますけれども、これは事実ですか。
○政府委員(中江要介君) 私どもの承知する限り事実ではございません。
○安武洋子君 では三月にはコアム、テキサコ社と結んだ協定書を改定いたしまして、探査協約書を改定して試掘を義務的に行う計画を立てて、四月には共同開発区域で試掘予定地を選定している、単独開発計画を着々と進めている、こういうことを政府は御存じですか。
○政府委員(中江要介君) 私どもの関知するところではございません。
○安武洋子君 共同開発をしようという相手が、こういうことをしようということがどんどん報道されているのに、関知をするところではございません、そういう態度でいいんですか。
○政府委員(中江要介君) 日本も韓国もこの協定を締結して、この協定に基づいて共同開発をしようとしておるわけでございますので、それが発効するまでの間にそういうことが行われるということは、私どもは考えていないわけでございます。
○安武洋子君 では、これは二十一日のNHKの国会討論会の席上でわが党の上田耕一郎議員が指摘をいたしました。そうすると安倍官房長官は、韓国はそのようなことを言ってくるかもしれない、こういうことを発言されております。これでもそういう事実を確かめようともなさらないのですか、私はまず事実を確認していただきたい、そしてそのことをこの委員会に報告していただきたい、そのことを要求します 総理にお伺いいたします。韓国からこういう単独開発、どんどん報道されているわけです。こういうことを言ってきた際に、政府はそういう開発を容認されますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 韓国が韓国だけの水域におきまして開発行為を行う、これは私はやむを得ないとこういうふうに思いますが、わが国の水域におきまして開発を行うというようなこと、これは断じて認めるわけにはまいりません。
○安武洋子君 韓国が報道しているのは、私が先ほど申し上げましたようないろんな大使を使ったり、こういうことをしてわが国会、わが国の主権に対していろいろと干渉してきている。そして、こういうことが通らない場合には単独開発を着々と進めている、こういうことを言っているわけなんです。これは共同開発区域なんです。こういう事実を私は、政府は確認をしていただかなければなりませんし、しかも私どもが共同で開発しようとしている相手が、わが国の領土を侵略している、武力侵略をしている国である、このことが一点です。しかも、こういう私どもの内政に干渉してきて、自分たちの思いどおりにならなければ単独開発をするという、竹島と同じようなわが国の主権を侵そうとすると、こういうことを公言しているのです。こういう韓国の態度に対して総理はどういうふうにお考えでございましょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 韓国政府は日韓共同の開発を希望しておるわけです。だからこそこの協定もでき、またその批准の早からんことを願っておると、こういうことであります。いま何かいろいろおっしゃいますが、そういうような考え方はあり得ざることであるとこういうふうに考えます。
○安武洋子君 韓国が予告しているように、もし単独開発をするというふうなことがあるとすれば、協定にとって、またわが国の主権にとってどういうかかわりがあるのか、こういう点をひとつお答えをいただきます。
○国務大臣(福田赳夫君) 韓国の専管水域、ここで開発するとこういうことでありますれば、それは考え得ることでありましょう。ありましょうが、韓国はそういうことはいま現実に考えていないんです。日韓双方にまたがるところの水域におきまして共同開発をしよう、こういうことを考えておりますので、共同開発を目指しておるその水域、これは明らかにわが日本の権益水域を含むわけですから、それをわが国が容認するなんということはできません。いろいろ情報があるという話でありますが、韓国政府はこの協定の批准を急ぐ、そういう気持ちはあると思いまするけれども、単独でわが国の水域まで来てそれを開発するというようなことは、これは私どもは断じてそれを容認するわけにはいかぬ、そのように考えております。
○安武洋子君 容認するわけにはいかないという総理の答弁はわかりました。しかし、韓国は再三このことを繰り返しているわけです。この事実関係については確実に調査をして報告をしていただけますね。
○政府委員(中江要介君) 報道の事実はいろいろあるかもしれませんが、先生がおっしゃるようにどんどんどんどん準備をしているとか、次から次へとそういう報道が来るというふうな受けとめ方はしておりませんので、私どもは、外交ルートで韓国政府と話をしておりますところでは、韓国政府は約束に従って共同開発をこの協定に基づいてやろうという熱意を持っているということでございますので、その韓国政府の管轄下にある韓国の業者が、勝手にやるというようなことは想像できないことである、こういうことでございます。
○安武洋子君 調査もしないでなぜわかるんですか。報道がされておりまして、安倍官房長官がテレビの討論会の中でも一部そういうことを言ってくるかもわからないというふうなことを御発言なさっていらっしゃる。私は、そういう事実関係があるのかないのかということを調査をしてくださいと申し上げている、その調査もなさらないでそういう答弁を繰り返される、ここにも私は韓国に対して大変卑屈な姿勢があると思うんです。一貫して言えることは、相手は自分たちの思いどおりにならなければ単独開発だって強行するよと、こういうふうなわが国の主権的権利の侵害または協定のじゅうりん、こういうことを予告しているわけなんです。これに対しても毅然とした態度をおとりになれないというのは、わが国の領土を侵略されているという、こういう国際的にも重大な事実をお認めになりながら、経済協力の打ち切り一つ、定期閣僚会議、こういうものの無期延期一つようお出しにならない首相のその対韓の卑屈な姿勢にあるんじゃありませんか。総理、それを改めていま直ちに経済協力の打ち切り、そして日韓大陸だな、こういう共同開発は中止する、定期閣僚会議などはこれは無期延期する、そういう態度をお出しになって、竹島の領土回復をお図りになるべきだ、こう申し上げとうございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) そのような考え方は非常に危険な考え方だと、このように思います。先ほども申し上げたのですが、日ソにも同じ問題がある、日ソ間にも。北方四島の問題が解決しなけりゃほかのソビエトとの関係は断絶せい、こういうのと同じ議論ですよ。それはもう非常に私は危険な考え方じゃないかと、このように思います。全方位平和外交、そういう広い立場に立ちまして、日韓関係はこれはわが国の立場、権益はこれは守り抜きますよ、抜きまするけれども、これは平和裏に事を解決しなけりゃならぬ、このように考えます。
○安武洋子君 総理大臣、あなたは日本の総理大臣です。日本のわが国の固有の領土である、そういうことをはっきり明言されていらっしゃる竹島を韓国に軍事侵略されている、こういう事実もお認めになりながら、その領土回復のためにはいままで繰り返してきたそういう域を一歩もお出にならない。いままで繰り返してこられたことでは領土回復はできないということは明らかになっている。ということは、あなたは一国の首相として自分の領土が軍事侵略されながらもそれは放置をし、そして韓国に屈従的な態度をとられる、こういう態度にほかならないわけです。私はそういう大臣の対韓姿勢に対して抗議を申し上げて、私はまだまだこの問題について総理にお尋ねいたしたいことがたくさんございます。総理はすりかえ答弁をたくさんなさいました、その点も明確にいたしますので、きょうは時間が参りましたけれども、この問題保留にいたしまして、きょうの質問は終わります。
○井上計君 先ほどから竹島問題につきましては、ほとんど質疑が出尽くしたという感じもいたします。大変不幸な事態が発生しておることについては私も認識をしておりますし、あるいは大変またただいまのような過激な意見も出ておりますけれども、それについては総理明確にお答えになりまして、私も安心もしましたし、また私ども全く同感でありますが、ただせっかくの機会でありますから私の所信も申し上げて、この問題等について改めてまた総理のひとつ御所見を承ってまいりたいというふうに思います。 大変認識の違い、大きな違いが質問者と総理、政府側の間にあるというふうなことを改めて実は痛感をいたしました。そこで、日韓関係についてはいま一度明確に私はしていく必要があるというふうに思います。 韓国とわが国とは歴史的にもまた地理的にも最も深い関係にある間柄もう当然でありますし、またこれからもわが国にとっては切っても切れない最も緊密なかかわり合いを持っていかなければいけない隣国であるわけでありますから、そういう認識を明確にやはり総理に改めてひとつしていただきたい、こういう一つ要望を申し上げまして意見を申し上げますが、そこで先ほど総理の御答弁にありましたけれども、終戦直後不幸にして李承晩ラインが設定をされた、それが今回の問題の発端になっておるわけでありますけれども、そのことについては若干後でひとつまたお伺いをいたしますが、国交正常化の際、竹島についての紛争の解決に関する交換公文が締結された、これはもう先ほどからお話しのとおりです。そこで、将来両国間の外交的努力によって解決する形になっておりますけれども、まだ現在まで、先ほど来いろいろ御答弁のように諸般の事情で大変むずかしい根強い問題等から、この解決の方法がいまだに見出せないで日時が経過をしておる、まあやむを得ぬことだと思いますけれども、しかし最近新しく国際的な海洋秩序の進展によって竹島問題が非常に大きなまた国民の重大関心事となっておりますので、速やかにこれらの問題等を解決をして、そうしてあわせて領土にかかわる問題を解決することがまた二百海里時代にあって将来の日韓関係、漁業秩序をさらに明確にまた明瞭に、明朗にしていくことだと思いますので、一層のひとつ努力をお願いをいたしたいというふうに思います。 ただしかし、大変先ほどから議論が出ておりますが、竹島問題については政府の態度は弱腰である、この際断固たる処置をと、先ほどから公明党の峯山委員も共産党の安武委員もはっきり申し上げて過激な、さらに新しい国際紛争を起こすかのようなずいぶん議論がされておりますが、経済協力の供与を停止するとか、あるいは日韓定期閣僚会議を中止をするとか、聞きようによっては国交断絶も辞せずと、こういうふうな意見のように実は聞いたわけでありますけれども、しかしこういうことをやって、韓国が果たしてそれによって譲歩するのかどうか、それは解決の糸口になるのかどうかというと私は全く逆だと、逆にもっともっとそれは紛争を大きくして、もうどうにもならないようなことになるんではなかろうかというふうに思いますし、また先ほど来の意見は多くの国民の意見ではない、一部の意見だというふうに私はそのような認識を持っておりますが、これらについて総理はどうお考えでありますか、先ほど来御答弁がありましたけれども、改めてひとつ明確にお願いできればというふうに思います。 それから同時に、この竹島問題が解決しなければ、両国間で署名をいたしましてすでに四年以上経過しておりますところのこの日韓大陸だな協定の批准はしてはならない、差し控えるべきだという意見はこれまた全く逆だというふうに私は考えます。特にわが国の石油資源ほとんどないわけでありますが、わが国の近い将来の問題として、国民の幸せを守るために石油資源をどうするかというのは、これまた国の防衛と同じように重大な問題だと思うんですね。それを、それらの問題をどこかに追いやってしまって、ただ竹島問題だけで日韓大陸だな協定の批准をさらにおくらすということになりますと、先ほど峯山委員は、これは協定ができるとそれこそ韓国が居直ってもう竹島問題も漁業問題もすべて全くだめになると言われましたが、私は全く逆ではないか。総理が先ほど来お話のように、やっぱり両国間によい環境をつくる、環境づくりをするために努力をする、そのためには大陸だなの早期批准が必要であるというふうな御所見全く同感でありますが、それらについてもいま一度明確にお答えをいただきたいというふうに思います。 いずれにしても日韓両国間には、安全保障の問題を初め政治的な分野においてもかかわり合いが非常に多いし、また貿易あるいは投資、経済協力等の分野においても、総合的な協力関係が今後もより一層心要であることは論を待たぬわけでありますから、そのためにも相互信頼をますます深めていく努力を両国がやっていく、これがわが国の私は真に国益上必要である、当然であるというふうに考えております。したがって、平和外交を国是とするわが国の方針――総理先ほど明言されましたけれども、それらのことを前提としてさらにひとつ、新しい考え方というお話もありましたが、その意味で毅然たる態度で今後とも御努力をいただきたい。以上、意見を述べまして要望いたします。 そこで質問に入りたいと思いますが、竹島問題の質問の前に、先ほど来安武委員から重大な実は御発言がされております。といいますのは、北方領土の問題であります。安武委員は、千島列島をサンフランシスコ条約の際わが国が放棄をした、こういうふうなことについて数回お話しになりました。これはわれわれの認識と、あるいは従来のわが国の政府が公的に言っておりますことと全く違う、こう思います。したがって重大な問題でありますので、私はこの問題について明らかにしていただく意味で、まずこの問題の質問をいたしたいというふうに思います。 北方領土の問題については、私も内閣委員会等で外務省当局に一度事実関係の質問をし、お答えをいただいたことがあります。まず、日ソ中立条約を有効期限内であるにかかわらずソ連が一方的に廃棄通告をして、――これは事実廃棄通告をしましても昭和二十一年の四月までこれは当然有効であったわけでありますけれども、その有効期限内の昭和二十年の八月に一方的に宣戦布告をして、ソ連が満州を初め樺太あるいは千島列島に武力によって侵攻してきた、そうして占拠している。これは明らかに事実関係によりますと国際法違反であり、占拠は不法占拠であるということに実はなっておる。これは明確なお答えもありましたし、私もそのように認識をしております。それに間違いがないかどうか、これはひとつ外務省からお答えをいただきます。 そこでもう一つは、サンフランシスコ条約でわが国が北方領土まで含めて放棄をしたのか。千島列島は確かに放棄をしたわけでありますけれども、その放棄した千島列島の中に北方領土が含まれているのかどうか。この点についてひとつ、質問通告してない事項でありますけれども、先ほど来の発言で重大な問題でありますから、外務省当局、この点について明らかにしていただくよう御答弁をお願いしたい、こう思います。
○政府委員(村田良平君) 先生が御指摘になりましたのは二点でございますが、まず第一点の、わが国との間の中立条約を侵犯いたしまして千島列島等に侵攻したことは不法行為であるという点は、まさに御指摘のとおりでございます。 それから第二点の問題でございますけれども、現在ソ連との間に問題になっておりますいわゆる北方領土は、わが国固有の領土でございまして、サンフランシスコ条約の第二条(C)でわが国が放棄いたしました千島列島には含まれておらない、これがわれわれの立場でございます。
○井上計君 明確にお答えをいただきまして安心をいたしました。先ほど来あのような間違った発言がありますけれども、その点については明らかにしていただくことがこれからも必要であろうというふうに思います。特にわが国とソ連との間で、この千島列島は明治初年の日露交換条約によって樺太と平和裏に交換をしたところである。したがってその千島を放棄することは、実は大変屈辱的な条約でありますけれども、あの時代にはわが国は生きるためにやむを得なかった、こういうふうな事態があったわけでありますから、これらのことから考えまして、私は竹島問題についてもあまり過激な――確かに過去は過去として非常に不幸でありますし、またわが国としては韓国の態度等については許しがたい点もありますけれども、だからと言って過激な政策は絶対とるべきでない、このように考えますが、総理いかがでございますか、先ほどの私の意見、要望等と加えてひとつお答えをいただければとこう思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 井上さんの竹島問題に関する基本的な見解はもう全く私は同感でございます。もう私がつけ加える余地のないくらい私と同じような考えであるということを明快に申し上げることができると思います。 竹島はわが国の固有の領土である、こういうかたい認識ではありまするけれども、戦後のあのごたごたといいますか、不正常なわが国を取り巻く事態の中で、竹島が不幸にして韓国官憲が出てくるというような事態になって、それが今日までずっと続いておる。私はそういう状態、これはまことに残念なことであり、これを何とか是正しなけりゃならぬ、このように考えておるわけでございまするけれども、とにかくあれだけの大戦争が展開された、そしてわが国は敗戦国になった。でありまするから、いろいろな戦後の処理の問題は、井上さんがいまいみじくも申されましたが、ああいう選択をしなけりゃならぬと、こういうようなことになったわけでございまするけれども、しかしそういう中で、北方領土の問題あるいは竹島の問題、今日なお未解決のままに残っておる、このような状態でございます。 これらの問題は、私は、戦後ああいう環境の中で出てきた問題でありまするがゆえに、そう単刀直入に一挙に解決というわけにはいかぬ問題ではございまするけれども、しかしこれはわが国の正当な主張、わが国の正当な立場、国益、これは踏んまえて粘り強くこの問題の処理に当たらなければならぬ、こういうことでずっとそういう努力は続けられてきておりまするけれども、不幸にして北方問題まだ解決にならない、竹島問題もまだ解決にならぬ、こういうことでございまするが、竹島問題につきましては日韓両国の間にいろいろな関係があるわけであります。そういう関係の中で何とかわが国の主張を貫き通したい、そのように考えておるわけであります。短兵性急にこれを処理せいという御意見が先ほど来ありましたけれども、そういうことにして果たしていいんだろうか。日韓両国というのは、わが国から見ますると、これはもう本当に切っても切れない、また切るべからざる関係にあると思うんです。わが国からは一番近い国である。また、歴史的にも最も古い関係を持っている国である。また今日、いま御指摘のようないろんな角度の関係が緊密化している両国である。 その韓国との関係が正常化しない、安定しないということで、何でわが国が世界に対しまして幅広い活動ができるんでしょうかぐらいに思っておるのであります。まず一番固めて安定させなければならぬ問題は日韓関係である、このように考えるくらいでございますから、そういう認識のもとに、日韓の基本的な親善関係はこれは崩してはならぬ、ならぬが、同時にそういう認識の上に立ってわが国の国益というものを守り抜くという考え方で、ひとつ外交上の折衝を積極的に進めてみたいと、そのように考えておるわけであります。 なおまた、大陸だな協定、これは一時たな上げにして、まず竹島問題を解決せいと、こういうお話がありまするが、私は、いま井上さんが御指摘になりましたが、逆だと思うんです。やっぱり大陸だな協定、これは早く批准を了する、そこで日韓の関係はさらに改善される、このように考えております。そういう中で竹島問題の処理なんかは、これは従来よりもよりよくわが国の主張を貫くというための環境が進んでくるのではあるまいか、そのように考えておりまして、ぜひもう速やかにこの大陸だな協定批准できるようにしていただきたい。政府といたしましても、そういうことも背景といたしましてまあ竹島問題の処理に当たりたいと、このような考えでおります。
○井上計君 総理の明確な御所見承って、私も大いに意を強ういたしました。御方針どおりさらにひとつ強力にお進めいただくことを要望しておきます。 ただ、いま総理御答弁の中で私の考えと違う、若干違うとおっしゃった、大陸だな協定をこの問題が解決をしなければ批准を急ぐべきでないと、私が言ったんじゃない。そういうふうな意見があるけれども、それは全く違う、私は大陸だな協定を早く批准することが、日韓の間にさらによりよい環境をつくることになると、こう申し上げたわけでありますから、ひとつ若干総理の答弁とちょっと違っておりましたけれども……
○国務大臣(福田赳夫君) いいえ、違わないんです。
○井上計君 ああそうですか。それなら結構でございます。 そこで、日韓大陸だな問題等につきましては、やはり国益を考えますと一日も早く批准をして開発をし、われわれが本当に血液と同じように必要な石油を、早く自前の石油を開発すべきであるということについては、これはもう当然だというふうに思います。昨年来伝えられているところによりますと、中国の鄧小平副首相は、石油問題に関して一九八五年には第三次世界大戦の起きる可能性大であると、こう言ったと伝えられておりますし、あるいはソ連においても、一九八五年においてはソ連が石油輸入国になることによって新しい紛争、これが第三次世界大戦に発展をするというふうなことも言われておると、こう聞いておりますが、それを考えると、やはり戦争を絶対起こさないという平和国家としての日本の行き方のためにも、私は国益上石油というものを早く掘り出すべきである。そのためには早く批准をすべきであるという考え方、強く持っております。 そこで、外務省当局にお伺いいたしますけれども、二国間条約で、署名後このように四年以上たっても批准ができなかったという例が過去わが国にあるんでしょうか。
○政府委員(村田良平君) 相手国側の事情によりまして、署名後長期にわたって放置されておったという例はございますけれども、わが方の事情によってそのような事態になったということは従来はございません。
○井上計君 したがって、やはり竹島も、先ほども申し上げましたし、また総理も御答弁がありましたけれども、竹島問題を絡ましてこれ以上やはり時日を遷延をするということは、ますます竹島問題の解決を私は困難にしていくということに思いますので、先ほど御答弁ありましたからもうお答え結構でありますけれども、さらに強く御方針を貫いていただいて、竹島問題の解決のためにあらゆるいい環境づくりをおやりをいただく。したがって、先ほど来他党の委員から出ておりますが、あのような言えば過激なことについては、一部の意見であるというふうにひとつこれは受けとめていただいてよろしいかというふうに思います。 以上、総理に最後もう一度いまの点を要望いたしまして、私の質問を終わります。
○柿沢弘治君 竹島問題に限定をして、質問をしたいと思います。 竹島の領有権がどちらに属するかという点について、さらに日本の領有権を回復するためにどのような対策をとらなければいけないか、いままで各委員からの質問に総理もいろいろとお答えになりました。しかし、何よりも大事なのは、韓国側に話し合いのテーブルに着いてもらうことだと思います。その意味で、話し合いのテーブルに着いてもらうために、総理は先ほど日韓定期閣僚会議の機会でもとらえて外相同士の話し合いをしてもらいたい、させてみたいというお話がございましたが、もう少し早い時期にそうしたものを実行するお気持ちはございませんか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ秋の政治日程ですね、これが特に外交案件についてずいぶんこう詰まっておりまして、そういう外交案件からして特別なテーブルをつくって韓国と話し合うということはなかなかむずかしいんじゃないかと、こういうふうに思いまして先ほど申し上げたんです。この日韓定期閣僚会議の際には、これはどうせ両国の外務大臣が顔を合わせるんだから、その機会にでも話し合うということが現実的ではなかろうかと、こういうふうに考えておるんです。でありまするが、他にうまくそういう機会がありますればもちろん考えていいんですが、いま外交日程上ちょっと繰ってみますると、なかなかそういう機会・がありそうもないというところでございます。
○柿沢弘治君 この日韓大陸だな協定の共同開発というものが、やはり相互信頼の上に成り立っている、この点についてはだれも異存がないと思います。その意味で、両国の相互信頼を前提としてやはり共同開発事業というものが実施されなければならない、もし実施をするとすれば。そういう意味では、先ほどから総理がおっしゃっているように、この大陸だな協定の批准が日韓関係の改善にプラスになり、それから竹島の話し合いにという図式、これも一つのお考えだとは思いますけれども、同時にやはり日韓大陸だな協定、それによる共同開発事業の実施のためには、相互の信頼関係を改善していく、向上していくということがやはり私は前提になるように思います。先般、韓国の国会議員の方々がいらっしゃったときにも、私は日韓大陸だなの国内法の審議の過程で、韓国側がああした強硬態度をとったということは大変残念だ、日本の国民にとってはやはり韓国というものが信頼できるパートナーかどうかということについて疑問を抱かせるような事件を起こしたということは大変残念だということを申しました。その意味では総理のお話もさることながら、私は竹島問題が大陸だな条約、協定もしくはその国内法の国内審議にいろいろな意味で影を落としていることは事実だというふうに思います。 その意味で、そうした問題を改善するためにもこの国内法がどうなりますか、これからの国会の審議の帰趨いかんによるわけでございますが、もしも批准に近い機会にこぎつけるということになる場合には、その以前に少なくとも話し合いのスタートを切るべきではないか。もちろん先方がそれに乗ってくるかどうか、その辺については確たる自信もお持ちでないようですけれども、わが方の姿勢としては、やはり批准以前にこの問題についての話し合いに先方を応じさせる、その程度の努力はすべきだと思いますけれども、その点について総理はいかがにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 大陸だな協定、これがこの国会で批准し得る状態にならないということになると、これは日韓関係は相当私は険悪な状態になるんじゃないか、竹島どころの問題じゃなくなってくるような傾向になってくるんじゃないか、そのようなことが心配で相ならないんです。ぜひとも大陸だな問題はこの国会で批准し得るように取り運び願いたいと、このように存ずる次第でございます。しかし、これと並んで韓国との間で大きな問題は竹島の問題です。これは先ほどからるる申し上げたような方針でやっていくつもりでございますが、いま御所見が述べられましたが、貴重な御所見として承らしていただきます。
○柿沢弘治君 これが、国内法が通らなければ竹島以上の大きな問題が起こるとおっしゃいましたけれども、それはやはり竹島問題の重要性というものを総理が十分に大きな問題として御認識になっていないというふうな疑問を抱かせるわけでございますが、その辺は国民感情とちょっと違うというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは聞き違いなんでしょう、竹島以上とは申しませんよ。これは日韓関係が大変険悪な状態になると。
○柿沢弘治君 竹島以上とおっしゃったですよ。
○国務大臣(福田赳夫君) こういうふうに申し上げたんでね、それは聞き違いでございますので、ひとつそれは…。
○柿沢弘治君 言い違いと言ってください、竹島以上の大きな問題が起こるとおっしゃいました。
○国務大臣(福田赳夫君) そう申しましたか。
○柿沢弘治君 はい。
○国務大臣(福田赳夫君) じゃ、言い違いでございますから、そのようにお聞き取りのほどをお願いしたいんでございますが、私は竹島問題、これは領土の問題ですからね、これはもう大変重大な問題です。その認識は間違いなくしかと踏まえてやっておるわけでありますから、先ほどの御所見の点、これは貴重な御意見として承らしていただきます。
○柿沢弘治君 国民感情としては、やはり韓国が共同事業の相手として信頼できるパートナーだということを強く感ずることが前提だと思いますので、そういう意味で私は大陸だな協定と竹島問題は関連をしている。その意味で政府として、もしくは外務省としてこれの批准以前に一歩前進をする、一つのステップをとるということが、私は協定――まあもし成立すればですけれども、その実行のために必要なことではないかと思いますので、総理からは貴重な御意見ということで言っていただきましたので、ぜひそうしたステップをとっていただきたいということをお願いをいたしておきたいと思います。それから――御答弁ございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) いや。
○柿沢弘治君 それから、将来の問題でございますが、竹島の領有権を今後どういうふうに両国の間で話し合っていくか。そもそも領有権というものは何を意味するわけでしょうか。
○政府委員(村田良平君) 通常いかなる国家も陸地から成る領土を持っておるわけでございまして、そのほかに内水あるいは領海等がそれに付随しておる場合がございます。それからその上空が領空でございますけれども、これらの領域に関しまして国家は基本的な権能を持っておるわけでございます。そういう領域に対する権能の中には、この領域を保有する権能であるとか、あるいは統治する権能であるとか、それから処分する権能というふうなものがあるわけでございまして、こういったものを全体として領有権というふうに国際法上は呼んでおるわけでございます。
○柿沢弘治君 その意味ではさまざまな便益その他を排他的に利用する権利ということだと思いますけれども、その竹島をめぐる、これは歴史的なもしくは感情的な価値というものを、これはもう日本にとって固有の領土として放棄できないものがあるわけですが、ここで経済的な価値というものをひとつ考えてみたいと思うわけですが、竹島の島としての、陸地部としての経済的価値についてはどのような見方をされているのか。耕作が可能なのか、それから居住が可能なのか、水が出るのか出ないのか、そこに漁船の避難港をつくるような可能性があるのかないのか、もしくは航路標識、電波無線の中継所として、今後竹島の陸地がある意味でわれわれにとって有効な地域として活用できる可能性があるのかどうか、その辺について総括的にいま質問をいたしましたけれども、適宜お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(中江要介君) 竹島は御承知のようにそう大きな島ではございませんで、日比谷公園ぐらいの大きさだと一般に言われております。この周囲は断崖絶壁でございまして、平地といたしましては、二つの島の間の水の通っております両側にわずかに二、三カ所の狭小な瓦れきの浜があるということでございまして、波風の激しいときには海の波が襲ってくるということでございます。また島は火山岩から成っておりまして、日本海の海風に吹きさらされまして、一株の樹木もない岩の骨の露出した不毛の裸岩となっている、したがって耕作には適しない。 いま申し述べましたような自然条件でございますので、この島には人の常駐、常に生活をするということには適さないということでございます。また淡水、つまり飲み水といいますか、水といたしましては雨水あるいは水をためるわき水などが数カ所にございますけれども、水量も貧弱でございますし、水質も悪くて飲料水としては適しない、こういうのが私どもの把握している経済的な条件でございまして、ただこれの経済的価値といいますと、これは先ほど所管の通産省の方から若干の御説明のございました鉱業権の対象になる多少の生産物、あるいは農林省、水産庁の所管でございます周辺水域の漁業の問題。さらには昔からよく言われますが、小型の漁船があらしその他、波風の激しいときにこの島陰に避難するというようなことは事実上あったと、こういうふうに思います。 いま申し上げましたように、断崖絶壁でございますので、その周辺には長い砂浜だとか大陸だなだとかそういったものは一切ない、こういう状況でございます。
○政府委員(恩田幸雄君) ただいま御質問のありました中に避難港の問題がございましたので、これは私の方からお答えさしていただきたいと思います。 ただいまも外務省の方からお話のございましたように、竹島自体が非常に小さな島でございますし、それから断崖状をなしております。さらにその周辺に相当な岩礁地帯がございまして、どうも大型漁船の接近は困難と見られますし、さらにこれに対して耐波性等を持つ防波堤をつくることも非常に技術的に困難な面があるようでございますし、さらに港をつくるに必要でございます資材等の運搬、集積地、こういうものについてもきわめて条件が悪いという状況にあると私どもでは考えておる次第でございます。
○説明員(田中真三郎君) 韓国等との間の国際通信回線の中継基地といたしまして、竹島が将来利用の可能性があるかどうかという点でございますけれども、現在、わが国と韓国との間にはマイクロ回線がすでに設置されております。二百五十七回線ございます。また、ソ連との間には日本海ケーブル及び短波回線で通信系が構成されている現状にございます。 以上のような次第でございまして、将来にわたりまして竹島に国際的な電波中継基地を設置する必要性はないものと考えております。
○柿沢弘治君 まあ、陸上部分としての竹島の価値というものについていま御説明をいただいたわけですが、さらにその周辺の漁業資源というものはどの程度のものでしょうか。漁獲高とか、金額とか、年間の収穫高、わかりましたら教えていただきたい。
○政府委員(恩田幸雄君) 竹島周辺におきます漁業の資源につきましては、先ほども出ておりましたが沿岸のいそつきのものが島の周辺に若干あるようでございますが、最近のところこれは採捕を行っておりませんので、どの程度の資源状態になっているかはわかりません。ただ、竹島周辺の漁業水域におきます漁獲を通じての漁業資源の状況について申し上げますと、漁獲量で申しますとイカ釣り漁業がイカを約一万三千トン、これは五十一年でございます。以下同じでございます。沖合い底びき網漁業がカレイ類等を約千トン、それからかご漁業でベニズワイガニを約三千トン、合計約一万七千トンという数字に相なっておるわけでございます。なお、これらを金額で推定いたしますと約六十億円ということに相なる次第でございます。
○柿沢弘治君 先ほど質問が出ました鉱業権の燐鉱石というのは、これは経済的に採掘可能なものなんでしょうか。
○政府委員(橋本利一君) 事情が許されるならば採掘可能なものと判断いたしております。
○柿沢弘治君 それの経済的な価値というのはどのぐらいに見積もっておられますか。
○政府委員(橋本利一君) いまの段階で金額的にどの程度の経済価値があるということについてはっきり把握いたしておりません。
○柿沢弘治君 もう一つ、竹島をめぐる問題としては、竹島周辺の海底の鉱物資源の有無の問題、もしくは採掘可能性の問題があろうかと思います。竹島を日本領として日韓の中間線を引いた場合の境界線、竹島を韓国領として考えた場合の日韓間の境界線、その間にある地域というものが当面問題になるわけですけれども、その線引きというものは大体どんなことになりますか、海上保安庁の方から。
○説明員(佐藤任弘君) 先生御指摘のように海図上で日韓両国の等距離線を引きますとこのようになります。で、竹島と韓国との間の等距離線はこの線でございます。それから竹島を仮に韓国領とした場合に引かれます等距離線は、この線になります。さらに竹島が全然ないものと仮に仮定した場合に引かれます日韓両国の等距離線は、この茶色のこの線になります。
○柿沢弘治君 ありがとうございます。またそれを見せていただきたいんですが、いま示されました両側に広がる線、つまりその問題の海域というものの中に、果たしてどのような海底鉱物資源があるのか、またそれが採掘可能な状態にあるのか、その辺についての御説明を伺いたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) 海底資源といった場合、鉱物資源といわゆる石油、可燃性天然ガス、こういったものがございます。この竹島周辺地域につきましては十分の探鉱活動あるいは石油の探査活動というのは行われておりませんので、率直に申し上げて明確な断定はできない、こういうことでございますが、ただ石油について申し上げますと、国の基礎調査が山陰の海岸から竹島の南東沖合い百七十キロメートルまでの間にかつて調査を実施したことがございます。この調査結果について申し上げますと、この地域に小さな堆積盆地があるということはわかっております。その堆積層の最も厚いところでせいぜい二千メートル程度、順次竹島の方向に向かいまして、その層は薄くなっていくというふうに観測されておりますので、われわれが現在知り得る限りにおきましては、必ずしも石油あるいは可燃性天然ガスの賦存可能性というのはさほど高くはないのではなかろうかというのが現段階における判断でございます。
○柿沢弘治君 竹島問題というものを、少し日韓の国民感情というものと離れて冷静に評価をしてみたいということで、いま陸上の資源的な価値、海底の価値それから漁業資源の価値を教えていただいたわけでございますが、それにつけましても幾つか気になることがございます。いまの北部協定、今度の日韓大陸だなの北部協定で引かれている線、この座標三十四から三十五の間の線ですが、この線はいまの竹島を日本領としてカウントした場合の線ではないというふうに了解をしておりますが、そう見てよろしゅうございますか。
○政府委員(中江要介君) ただいま海上保安庁の専門的な測量に基づく地図が示しておりますように、北部協定の座標三十四と三十五の間の、三十五から戻りまして約六海里ぐらいのところで竹島がカウントされますと、この中間線がぶれてくるということでございます。したがいまして、この六海里の長さの線は、これは竹島を無視した中間線である、こういうことに御認識いただきたいと思います。
○柿沢弘治君 すでに日韓大陸だな協定の中で竹島の存在というものを中立化したような線引きが行われているということが一つ事実としてございます。それから、先ほどるるお話のありました漁業の安全操業について、今後精力的に話をしていきたいということを総理もおっしゃっておられますが、そのためには領土問題についての話し合いもしていかなければいけないということもおっしゃいました。安全操業の思想というのは、やはり領土問題をたな上げにしてという意味で、領土の中立化といいますか、もしくは領土の共有思想のようなものにつながるのではないかと思いますけれども、政府の竹島をめぐる日韓の話し合いというのは、そうした形の国際法上先例があるのかどうかわかりませんけれども、竹島の中立化もしくは共有化というものへ進んでいるというふうに認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(中江要介君) 日本政府の立場といたしましては、安全操業その他実際上の実務の解決は、これは領有権の最終的決着を待つことなく必要な限度においていろいろ工夫をしておりますけれども、領有権につきましては、これはあくまでも日本の固有の領土でございますので、それを最後まで貫くという立場で臨んでいくと、これには変わりはない、こういうことでございます。
○柿沢弘治君 これは国際法上の問題としてちょっとお伺いしたいわけですが、特定の地域もしくは領土というものを二国間で分有もしくは共有している例というのがございますか。
○政府委員(村田良平君) 国際法上は、国家は通常自国の領域に関しましては本来排他的な主権を持っておるわけでございますから、したがって、二つ以上の国が、ある特定の領域に関しまして共通に主権を行使するということはないわけでございます。ただ、歴史的な背景その他いろいろな特殊な事情からきわめて例外的に、二つ以上の国が合意によりましてある地域あるいはその住民に対して共同して主権を行使するという例も全くないわけではございません。 現在について申し上げますと、最も重要なのは南西太平洋諸島のニューヘブリデス島でございまして、これに関しましては、イギリスとフランスとの間の条約によりまして、一九一四年に条約ができておりますけれども、共同して主権を行使するということになっております。ただ、このニューヘブリデス島につきましてはいずれ両三年中には独立するという話が進んでおるところでございます。それからもう一つの例といたしましては、太平洋の真ん中にございます二つの島でございまして、カントン島とエンダベリー島という島があるのでございますが、これがイギリスとアメリカとの間で領有権について若干の争いがございまして、国際航空上非常に重要な島であり得るということで飛行場をつくろうというふうな話があったものでございますから、一九三九年に米英間で話し合いまして、領土権の主張はたな上げにしまして、五十年間は米英の共有にするという合意ができておる。そういう例がございます。
○柿沢弘治君 竹島がわが国の固有の領土であるということについては疑いを入れない事実でございますから、その点についての主張は当然続けるべきだと思いますが、同時に、先ほどのような平和的解決というような前提で話し合いをする場合に、現在の竹島に絡むさまざまな経済的利益というものを両国が共通に享受していくというようなことが、中間的な経過的な過程として考えられないかというような意見も耳にすることがありますが、そうした御意見について総理の御所見を最後に伺っておきたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) これはむずかしい領土交渉ではございまするけれども、わが国の固有の領土であるというたてまえで強く、姿勢を崩すことなく、粘り強く折衝していくと、このように御理解願いたいと思います。
○委員長(楠正俊君) 他に御発言もなければ、竹島問題についての審議は本日をもって終了いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時十九分散会