商工委員会 第3号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1978/03/02
会議録
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二月十四日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が、二月二十二日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として長谷川信君が、二月二十七日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が、また、本日、浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として宮之原貞光君が、それぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(楠正俊君) この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に安武洋子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(楠正俊君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。河本通産大臣。
○国務大臣(河本敏夫君) ここに、通商産業行政に対する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を仰ぎたいと存じます。 わが国経済の現状は、長期にわたる内需不振に加え、昨年後半以降の急激かつ大幅な円高により、輸出関連中小企業、構造不況業種を初めとして、産業全体が深刻な打撃を受け、企業体力の低下と雇用不安の深刻化が危惧されております。 他方、対外的には、欧米諸国の雇用情勢の悪化とこれに伴う保護主義の高まりを背景として、わが国の国際収支の大幅黒字に対する厳しい批判が高まっており、わが国経済は、内外においてまさに戦後最大の危機とも言うべき状況に直面しております。 私は、このような認識のもとに、国民生活の安定向上と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政に全力を挙げてまいる所存であります。 その第一は、内需の振興により、深刻な事態に立ち至っている景気の回復を図ることであります。このため、公共投資の拡大を軸とし、財政、金融、税制面で各種の措置を講じ、また有効と考えられるあらゆる施策を実施していく考えであります。 また、いわゆる構造不況業種につきましては、民間の自主的な努力を前提とし一過剰設備処理の推進、債務保証制度の創設を初め、各業種の実情に即応したきめ細かい措置を講じていくこととしております。このため、特定不況産業安定臨時措置法案を提出いたしておりますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 第二は、対外経済政策の適確な遂行であります。 世界経済の発展なくしてわが国経済の発展はないという基本認識のもとに、東京ラウンドに積極的に取り組むとともに、関税の前倒し引下げ、残存輸入制限品目の部分自由化等、対外経済政策面で一連の積極的な対応策を打ち出したところでありますが、今後とも内需拡大を通じて輸入を拡大する一方、市場開放への一層の努力を傾注することにより経常収支黒字の着実な減少を図る所存であります。 こうした努力を通じ、自由貿易体制を堅持しつつ、国際協調の促進に努めるとともに、経済協力の計画的拡充、一次産品問題への積極的な対応等南北問題の解決に積極的に取り組んで行く所存であります。 第三は、中小企業対策であります。 中小企業が直面する厳しい事態に対処して、昨年来、各種の対策を実施しているところでありますが、特に、円高対策につきましては、今般早急な御審議をいただき、成立の運びとなりました円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法に基づき、関連中小企業の経営の安定に万全を期してまいる所存であります。 また、中小企業の経営安定対策につきましては、中小企業金融三機関の所要資金の確保、小企業等経営改善資金の充実等を図るとともに、新たに中小企業経営安定資金助成制度を創設することとしております。さらに、第八十二国会において成立した中小企業倒産防止共済法の施行を急ぎ、中小企業の連鎖倒産を防止するための共済制度を五十三年度早々にスタートすることとしております。 このほか、中小企業の近代化、高度化の推進、下請取引の適正化等各般のきめ細かな施策を講ずるとともに、大型店舗進出に伴う中小小売商業との調整問題に関しましても小売問題懇談会等の審議を踏まえつつ所要の施策を講じてまいる考えであります。 第四は、資源エネルギー政策の推進であります。このため、昨年の総合エネルギー調査会の中間とりまとめの方向に沿って実効性と整合性のある政策を強力に推進することとしております。 具体的には、原子力、石炭等の石油代替エネルギーの積極的開発導入、電源立地の促進を図るほか、強力な省エネルギー対策を実施することとしております。このため、エネルギー使用の合理化を推進するための法律案を今通常国会に提出する予定でありますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 一方、石油対策につきましては、産油国に対する経済協力を初めとする積極的な対外資源政策の展開に努力するほか、石油開発公団による石油備蓄、石油貯蔵施設の立地の円滑化のための交付金制度の創設等各種施策の一層の推進を図ることとしており、これら石油対策の充実に必要な財源の確保を図るため、新設予定の石油税収入を一般会計から石炭及び石油対策特別会計に繰り入れることとしております。このため、所要の法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。 また、継続審査となっております日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案につきましてもよろしく御審議のほどお願いをいたします。 第五は、技術開発の促進と次期先導産業の育成であります。 このため、喫緊の課題であるエネルギー政策の一環として、サンシャイン計画を引き続き推進するとともに、新たに省エネルギー技術開発を促進するためのムーンライト計画を発足させるほか、国民生活に密接に関連する各種重要技術の研究開発を一層推進していく所存であります。 さらに、わが国の技術開発の基盤をなす工業所有権制度については、その国際化の進展に対処し、特許協力条約を実施するため、所要の法律案を提出する予定でありますので、よろしく御審議のほどをお願いをいたします。 また、次の世代を担うべき電子計算機産業、ソフトウエア産業、航空機産業等の次期先導産業については、引き続きその育成、強化を図ることとしておりますが、これに関連して現行の特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法の失効に伴い、新たな法制の整備を図り、所要の法律案を提出する予定であります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。 第六は、消費生活の安定向上と立地・環境対策の推進であります。 このため、消費者対策、工業の再配置対策、環境・安全対策等を一層推進する所存であります。 特に、LPガス消費者保安対策については、その拡充強化を図るため、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。 最後に、計量行政の一層の整備を図るため、計量法の一部を改正する法律案を提出することとしておりますので、あわせてよろしく御審議のほどをお願いいたします。 以上、通商産業省が当面展開すべき施策について申し述べましたが、私は、これらの施策を積極的に展開し、この難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。 委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜わりますようお願いを申し上げます。
○委員長(楠正俊君) 経済計画等の基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いたします。宮澤経済企画庁長官。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国経済の当面する課題とこれに対処する諸施策につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでございますが、当委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し上げたいと存じます。 当面する経済運営の最大の課題は、景気の着実な回復を図り、国民生活安定の基盤である雇用の安定を確保することであります。 御承知のとおり、石油危機を契機として内外の経済が大きな混乱に陥って以来、政府は物価の安定、景気の回復と雇用の確保及び国際収支の均衡を目指してあらゆる政策努力を重ねてまいりました。この間、物価の安定については、国民各位の御理解と御協力のもとに、物価抑制のためのこれまでの努力が着実にその効果を上げつつあります。他方、政府は、経済活動の減退に対しましても、累次にわたる景気対策を実施してこれに対処してまいりました。 しかしながら、昨年の経済を振り返りますと秋以降の急激な円高もあって、民間需要は盛り上がりに乏しく、この結果、企業の設備稼働率は低水準にとどまっており、生産活動も一進一退を続けました。こうした中で雇用情勢の改善がおくれ、現在、完全失業者が百万人を超えていることに加え、倒産が依然高水準で推移しているほか、構造不況業種を初めとして厳しい雇用調整を迫られているものも少なくありません。さらに、通商問題の激化に見られるように、対外均衡の確保を図ることも緊要の課題となっております。 こうした困難な経済情勢を打開するためには、ここで景気浮揚のための施策を強力に展開することにより需要の一段の喚起を促し、可能な限りの高い成長を実現することが当面の急務であります。政府は、このため総力を挙げてこれに取り組んでまいる所存であります。 まず、経済の現状が供給力超過の基調にあるもとで、この際としては、第一に財政を通じる需要の創出を図ることが重要であることにかんがみ、最大限の財政努力を払うことによって、景気回復の起動力としての効果が大きく、かつ、長期的に見ても国民生活と経済社会の基盤の充実に役立つ公共事業費等を主軸として、思い切った財政運営を行うことといたしました。 今後、本年度第一次補正予算の効果が引き続き期待されることに加え、第二次補正予算を速やかに執行していくことにより、五十三年度にかけて間断のない財政執行が行われ、さらに、これに引き続いて五十三年度予算が着実に実効を上げることを通じて、景気の回復に主導的な役割りを果たし得るものと確信しております。 同時に、国民経済の大宗を占める民間需要の喚起を図るため、政府は、住宅金融公庫の融資の拡充、住宅取得控除制度の拡充、投資促進税制の実施等各般の施策を講じることにより、需要の均衡ある回復を目指しているところであります。 さらに、これらの諸施策を通じて総需要の拡大を図ることに加え、特に雇用対策に遺憾なきを期するとともに、中小企業対策、一構造不況業種対策に新しい措置を講じる等、当面している課題に個別的にも十分対応していくこととしております。 私は、以上申し述べました施策の効果が今後逐次浸透するに伴って、五十三年度後半には民間需要も回復の基調を強め、景気は次第に本格的な回復の過程をたどっていくものと期待しております。現在、在庫その他各般の調整が進行していると見られるほか、生産や稼働率の動きにもこのところやや明るさが出てきております。これらを背景に、昭和五十三年度のわが国経済は、政府が目指している実質七%程度の成長を達成し、内においては雇用の確保、失業の防止を図りつつ、対外均衡の回復にも大きく寄与するものと考えます。 次に、昭和五十年代前期経済計画につきましては、策定以来約二年を経過いたしましたが、設備投資等の民間需要や財政収支等、計画の想定しているところと異なった推移を示している点も少なくありません。このような状況を踏まえて、先般、経済審議会企画委員会において、五十五年度経済の姿について暫定的な試算が行われたところであります。同試算によれば、五十三年度において七%成長を目指して強力な内需振興を図ることによって、五十年度から五十五年度の間で平均六%強の実質経済成長が実現し、雇用、物価及び国際収支に係る計画の基本的目標が達成されるもとで、安定成長路線へ移行していく姿が描かれております。政府としてはこのような計画の諸目標を達成し得るよう、今後とも中長期的展望の上に立った政策運営を図ってまいる考えであります。 さて、経済運営に当たって常に留意すべきは物価の問題であります。物価の安定を確保することは、景気対策を思い切って進めていく上でもぜひとも必要であります。 最近の物価動向を見ますと、まず卸売物価は為替相場の円高傾向、国内需給の緩和等を背景にきわめて低い水準で推移しております。また、消費者物価もこのような卸売物価の動向等を反映して安定化基調を強めており、特に、昨年秋以降野菜等季節商品の作柄が良好であったこともあって、昨年十二月の対前年上昇率は五年ぶりに四%台にとどまりました。 このような物価の落ちつき基調を一層確実なものとするため、政府は、今後とも国民生活に密接な関連を有する生活必需物資について、その価格動向を監視するとともに、安定的供給の確保等、各般の価格安定対策を講じてまいります。また、円高による輸入品価格低下の効果を、極力国内販売価格に反映させるよう一層努力してまいる所存であります。 さらに、中長期的観点に立って、輸入政策の積極的活用、低生産性部門及び流通機構の近代化の促進、競争政策の推進等の施策を着実に推進してまいります。 なお、公共料金につきましては、経営の合理化の徹底に努めることを前提としつつ、受益者負担の原則により、適時適正な水準に定められるべきであると考えます。もとよりその改定が国民生活や物価に及ぼす影響についても十分配慮してまいります。 このような諸施策を講じることにより、五十三年度の物価動向につきましては、卸売物価は景気の回復に伴いある程度の上昇が見込まれますが、消費者物価につきましては本年度に比し六%台の上昇にとどめたいと考えております。 以上、わが国経済の現状と、政府としてこれに取り組む決意と対策について申し上げました。 本委員会の皆様方の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。
○委員長(楠正俊君) 昭和五十二年における公正取引委員会の業務の概要について、公正取引委員長から説明を聴取いたします。橋口公正取引委員会委員長。
○政府委員(橋口收君) 昭和五十二年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。 昨年のわが国経済は、依然として停滞状況を脱することなく推移いたしましたが、公正取引委員会といたしましては、このような状況のもとで独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。その中で特筆すべきことは、画期的な独占禁止法の改正法が国会を通過、成立し、六月三日に公布され、十二月二日から施行になったことであります。 この改正独占禁止法の施行に当たりましては、施行令を初めとする四件の政令の制定、改正が行われ、同時に四件の公正取引委員会規則を制定、改正いたしますとともに、独占的状態の定義規定のうち事業分野に関する考え方及び価格の同調的引上げの規定に関する運用基準を作成、公表いたしました。公正取引委員会といたしましては、改正法の成立に至るまでの経緯、国会におきます審議、国民各層に展開された論議等を十分踏まえ、さらに、今日わが国経済が直面している状況を勘案しつつ、長期的な展望のもとで厳正な法運用に努めてまいる所存でおります。 次に、昨年における独占禁止法の運用状況でありますが、昭和五十二年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は、百七十一件、同年中に審査を終了した事件は百二十九件であり、そのうち、法に基づき排除措置を勧告したものは十九件でありました。 これら十九件のうち、カルテル事件が十四件を占めており、段ボールシート・ケース、ヒューム管等の販売価格についての協定事件のほか、シャッター工事、軽量気泡コンクリート製品等の受注調整行為を含む事件が四件ありました。 このほか、不公正な取引方法に関する事件が五件あり、排他条件つき取引等について必要な排除措置を講じました。 次に、認可、届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併、営業譲り受けにつきましては、昭和五十二年中に、それぞれ九百七十一件、五百八十二件、合わせて千五百五十三件の届け出があり、一昨年より若干の増となりました。これらの中には、不況の中で企業体質の改善を目的とする合併、営業譲り受けとして、総合商社二社の合併、合繊メーカーの共販会社設立に関する営業譲り受けがありましたが、慎重に審査した結果、競争を実質的に制限するものではないと判断しました。そのほかは、内容的にほとんどが中小企業等の合併、営業譲り受けであり、特に問題となるものはありませんでした。 事業者団体については、昭和五十二年中に、成立届等千八百二十四件の届け出がなされておりますが、事業者団体の活動が競争制限に結びつきやすいところから、事業者団体に対して違反予防のための種々の指導を行うとともに、事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指導基準の作成を検討しております。 また、国際契約等につきましては、昭和五十二年中に、四千八百九十五件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取扱制限条項等を含む三百四十一件について、これを是正するよう指導いたしました。 なお、円高を輸入品価格の低下に反映させるための対策の一つとして、並行輸入に関する実態調査を行い、独占禁止法違反の疑いが強い事例について審査を開始するとともに、国際航空運賃について関係省庁に是正指導を要望いたしました。 独占禁止法の適用除外関係では、まず、再販制度につきましては、昭和四十九年九月の再販指定商品の大幅縮小以降、実施事業者数、商品数とも漸減の傾向にありますが、残された再販商品につきましても、弊害が生ずることのないよう指導及び監視に努めております。 独占禁止法上の不況カルテルにつきましては、需給のバランスを失い、経営が著しく悪化している不況業種からの認可申請が相次ぎ、小形棒鋼、梳毛糸、短繊維紡績糸、塩化ビニール樹脂等八品目について実施されました。小形棒鋼については、同業界の深刻な不況事態を生産数量カルテルのみでは克服し得ないとして価格カルテルの申請がありましたので、必要な限度を超えることがないよう慎重に審査を行い、認可いたしました。 また、独占禁止法に基づく合理化カルテルは、昭和五十年以降実施されたものはありませんでしたが、昨年、小麦粉の無漂白化に係る合理化カルテルを認可いたしました。 さらに、独占禁止法の適用除外を受けているカルテルについてでありますが、その総計は、昭和五十二年末現在で五百三十八件となっております。これらのうち、独占禁止法によるもの以外の不況カルテルとして、昨年、主務大臣の協議等に新たに応じたものは、中小企業団体の組織に関する法律に基づく鉄筋用小形棒鋼、普通合板等のカルテルがありました。 次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申しますと、長引く不況のもとで、下請事業者からの申告件数、中小企業庁長官からの措置請求件数が増加し、違反行為の続発が懸念されましたので、昨年は一万一千五百五十四件の親事業者に対して調査を行い、千七十三件について支払い改善等の措置を講じさせまして、下請事業者の保護に努めました。 不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申しますと、昭和五十二年に公正取引委員会が同法違反の疑いで取り上げた事件は千七百二十一件でありまして、このうち排除命令を行いましたものは二十件、警告により是正させましたものは九百二十二件でありました。 また、都道府県の行いました違反事件の処理件数は五千二百三十三件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。 次に、昨年は、一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限等五件の告示を制定又は改正し、過大な景品類の提供行為の規制基準を整備いたしました。 公正競争規約につきましては、新たにしょうゆ業における景品類の提供の制限に関するもの、乳酸菌飲料の表示に関するもの等十件について認定し、昭和五十二年末現在における公正競争規約の総数は、六十七件となっております。 以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。 今後ともよろしく御指導のほどをお願いいたします。
○委員長(楠正俊君) 以上をもちまして、両大臣の所信及び公正取引委員長からの説明は終わりました。 なお、この際申し上げます。昭和五十三年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算の説明につきましては、お手元に配付の資料で御了承を願います。 これより大臣の所信に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮之原貞光君 時間の都合上、大島つむぎにかかわりますところの韓国つむぎの諸問題についてお聞きをいたしたいと思います。 御承知のように、発展途上国の追い上げ、並びにまた不況、円高という中で、わが国の繊維産業が非常に苦境にあるということは皆周知の事実でございますけれども、大島つむぎの問題も決してその例外ではないわけでございます。 この点では、先般、円高関連中小企業対策臨時措置法の審議の際にも、もちろんこの問題は同法の対象業種ではございませんでしたけれども、実情を把握をしていただきまして、別途に金融面での行政措置をしてもらいましたことは、関係者としてはひとまず愁眉を開いたところの経緯もございますだけに、この点、行政措置に対しまして、とりあえずまあ感謝を申し上げておきたいと思いますが、しかし問題はこれで解決をしたわけではもちろんないわけでございます。 と申しますのは、河本通産大臣は何回もこの問題については予算委員会その他でお聞き及びかと思いますけれども、さらにその後も、韓国つむぎの大量また加速度的な流入によりまして、非常にやはり国内の市場が荒らされているということは、これは厳然たる事実でございますし、その点につきましては、いままでの本委員会におきましても各委員から指摘をされたところでございますけれども、実は円高という事態の牛で、ますますこの低廉な韓国つむぎが国内市場を大きく荒らしているということも、これは事実であるわけでございます。したがいまして、現状の大島つむぎの総生産量は五十一年度が両産地におき事して九十七万一千九十反でございましたけれども、五十二年は八十二万六千三百反と、約十五万反減少いたしまして、前年比にいたしまして一五%の減産になっております。しかもまた値段の問題あるいは不況という事態の中から五十二年十一月現在の滞貨状態は両産地で十七万四千三百九反、金額にいたしまして百八億九千万円というような状態であるわけでございます。 こういう事情でございますから、普通の企業であれば相当倒産の企業も出てくるわけでございますが、御承知のように大島つむぎは非常に零細な業者が多いわけでございまして、したがって、たとえばその中に従事いたしておりますところの締め工とかあるいは織り工あるいは加工業者あるいは染色業者は自分の生活を守るためにはそれ以外に生きる道がない。したがって、まあいままでの賃金を切り下げられても、それにしがみつかなければならないというのが実態なんです。したがって、この問題については、実は昨年に比しまして一五%もこの賃金の面を逆に切り下げながら、細々と生活をしているというのがその実態であるわけでございます。今日、不況ということは国民全体が受けるところの共通の問題でございますけれども、円高という中で、輸出産業ではないこの種の業種が、やはりいま申し上げたように非常なしわ寄せを受けておるというような状況でございます。しかしながら、いわゆる先ほど申し上げたところの円高に伴うところの輸出産業の面では手だてがあるけれども、いわゆる輸入によって非常に、また必要以上に不況の状態に追い込まれているところのこの問題については、何ら具体的な救済措置がないというのが現状なんです。 そこで、私はまずお尋ねを申し上げたい点は、いわゆる円高に伴うところの韓国産のつむぎと、国内のこのつむぎとの価格面での状態はどういう状態にあるかということを、当局としてはどのように理解をしておるか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) 韓国から輸入されますところの大島つむぎと、国産のつむぎとの価格差というお話でございますが、大島つむぎ——実は韓国から輸入されますつむぎの中で、どれを大島つむぎと言うかということは、ある意味では非常に境目がはっきりしない面も実はあるわけでございますが、現状で見ます限り、特に極端に輸入品が値下がりしてきているというふうには考えられないようでございます。
○宮之原貞光君 まあそのような認識があるところに、まず第一私は大きな問題があると思うんですよ。 たとえばこれは男物の亀甲というんですが、八十山、これが国内産の卸値は十一万から十一万五千円なんです。ところが韓国で同じような柄としてつくられてくるところの卸値は三万円なんですね、御承知のように。円高によってさらにまた差ができたんですよ。あるいはこれは女物の五マルキのいわゆる有色の品ですがね、これは国内産の卸値は九万五千円から十万円、ところが韓国産のものは四万七千円なんですね。これ実に、品質の問題別にいたしましても、素人目から見れば仕分けはつかないという状態の中では、従来よく言われたところのいわゆる労働者の賃金だけじゃないんです。言うならば四分の一前後の価格の違いが出てくるんです、これ。こういうような状態なんですね。ですからたとえば鹿児島産地は主として緯絣(よこそ)、横がすりをずっと織る主生産地でございますけれども、ここでは大部分が、韓国のものが緯絣関係をたくさんつくるところの関係上、非常な脅威を受けておるんですよ。 ここが、局長のさきの答弁ではそう大きな違いはないみたいにおっしゃいますけれども、まさに国内産の四分の一の値段で入ってくるのです、これ、いま申し上げているように。しかも、よこその主産地であるところの鹿児島産地の場合には、そのことでやはり脅威的な打撃を受けておるということば、これは厳然たるところの事実なんですね。ですからこの売れ行き不振のために値崩れが始まっておる。したがって反当たり二千円前後の採算割れをしなければ、これは商いできないという状況になっているんですね。ですから特に鹿児島の産地では、昨年で二〇%の減産をやらなきゃならないという状態なんです。こういうものに対して一体どういうふうに、やはり同じ中小企業対策としてやっていくかというような問題から見れば、これはもう仕方がないんだと言って放置するわけには私はまいらないと思うのです。一体こういうような状態に対してどういうような、やっぱり救済対策と申しますかね、それを考えておられるのかと、このことを私はまずお聞きしたいんですよね。 たとえば金融の面で申し上げますれば、御承知のように構造改善事業の対象になるものは二・四から二・七%前後の金利でやっぱり金融面の措置があるわけです。しかし、残念ながらこれは手織りでございますからね、だからこの救済の対象にならぬのですよ。したがって、大部分は伝産法の適用のものとしかなっていない。御承知のように伝産法のできた当時は、高度経済成長時代のものですから金利の面でも余り優遇措置はない。ようやく去年の、御承知のように九月から設備で七・一%あるいは運転資金で七・六%という面がようやく出てきております。しかしながら、構造改善事業の中小企業関係の問題から見れば比ぶべくもないわけなんですね。こういうようなやっぱり状態に私は放置しておいて、大したところの値の崩れはございませんと、こう局長の方から御答弁なんですけれども、私は、これは余りにも現実の認識が違い過ぎておると思う。このまま私は放置するわけにいかないと思うのですね。 いま、いわゆる輸入産業で輸出産業でないからというようなかっこうで、輸入面で具体的にこういうしわ寄せを受けておるところの中小企業、たとえばつむぎ業界の問題についてどう一体処理をしていただくのか。これはやっぱり関係業者あるいはまたこれで非常な経済的な影響を受けておるところの鹿児島県全体から見れば、非常に大きな問題点なんですね。これ一体どういうふうに処置をしなきゃなりませんでしょうかね。むしろ私はこれは今後の、現在の手だてはないわけなんですから、むしろこれは大臣にお聞きしたいんですがね。このまま私は放置するわけにまいらないと思うんですがね。大臣この点いかがお考えになるでしょうか。
○政府委員(藤原一郎君) それでは、先に私の方から若干細かい点について御答弁申し上げたいと思いますが、いまお話ございましたように、確かに輸入品と、それから国産品との格差が非常にあるということは、申し上げるまでもなくそれが問題点の最大点でございます。円高以来の価格の値下がりというものについて、認識が浅いというおしかりなんでございますが、確かに影響はあることは私どもも認めております。 それから、これからどうするかというふうなことで、先生すでによく御承知のとおり、当面われわれの持っております手だてといたしましては、伝統産業振興法が一番大きな手だてなんでございますので、その振興計画を立てていただきまして、伝統的なわが国の製品として、これを振興していきたいと、こういう立場からやっておるわけでございます。 また、輸入につきましても、韓国との間では二国間協定を結びまして、五十二年度におきましては、五十一年度よりもさらに切り込んだ姿で、非常な無理をいたしまして協定を結んだような次第で、輸入につきましても極力抑えるという立場をとっておるわけでございます。 ただ、先生も御高承のとおり大島つむぎの生産高と申しますものが四十五年以来非常に急増いたしておりまして、四十五年当時六十八万反程度でございましたものが九十万反を超える生産量になっておるわけでございまして、これは日本の繊維産業全体が過剰生産に悩み、やはり何とか過剰生産を抑えたい、抑えないことにはなかなかうまくいかないということとやはり軌を一にした問題がございまして、五十二年は、五十一年よりいま先生がお示しのように減っておりますけれども、五十一年というのは空前の百万反に近い生産をやったわけでございまして、やはりそこには過剰生産のとがめというものも否定できないものがございまして、その辺にも基本的な問題があるように私は考えております。 ただ、これが、大島つむぎがお話にございましたように非常に零細な基盤に立っておりますし、それぞれ、それしかやっていく仕事のないような部面での産業でございますので、一概に断定しにくい面がございまして、やはり何とかこれが伝統産業としてうまく生きていけますような方途を、今後とも考えていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(河本敏夫君) この大島つむぎの問題につきましては、ここ数年来、宮之原先生から予算委員会その他を通じましてもう何回も問題点を指摘されまして、質疑応答を続けてきたところでございますが、いまも局長が申し上げましたように、要は韓国との間の輸入数量の協定をできるだけ低く抑えるように、毎年努力をしておるわけでございます。現在は三万六千五百反というような数字に抑えられておりますが、引き続いてこれをできるだけ低く抑えていくと、こういう交渉を続けるということが第一だと思います。 それから、やはり大島つむぎは伝統的な日本の産品であるということで、例の伝産品のマークをとにかく徹底をしていく、これが大島つむぎですよということを明らかにするためのやはり努力を続けていくということ、それから、金融面での措置等もいろいろ、国も県もいろいろ考えておりますし、それから後継者の育成、これもいろいろ工夫もし、援助もしておるところでございますが、いずれにいたしましても、経営が困難な事情であるということは私どもも十分理解をいたしておりますので、現地の方々の意見をさらに聞きまして、何とか経営の安定に引き続いて努力をしていきたいと、このように考えております。
○宮之原貞光君 大臣も局長も、輸入の問題について今後さらに抑えることに努力したいという話ですが、そんならそのことは、現在三万六千五百反ですね、やがて交渉が始まるわけですから、それをじゃその三万反なら三万反に、ぎりぎりまたその面では抑えていくという努力をされるという意味なんですかね、どうなのか。そこの点をまず一つお聞かせ願いたい。確かに大臣がおっしゃいましたところの宣伝、後継者づくり、それは大事なことだと思うんです。 ただそこで、もう一点は、過剰生産云々だと。これは、やっぱり高度経済成長政策時代の中では、すべてのものがそうなんです。しかしながら、じゃ一般の繊維産業は過剰生産で過剰設備だったと。だからそれを整理するためにこうやりなさいと、そのためには資金を融資しましょう、あるいは補助金をよこしましょうと言って、過剰設備に対してはどんどんやられておるでしょう、手だてが。それなら、この手織り産業であるところの大島つむぎに、そういう手だでがありますか、そんなら。ないでしょうが。いわゆる機械で織っているところのつむぎには、それはいろんな整理の問題について一機幾らという融資がある。けれども、これは手機ですからね。それ全然構造改善事業の対象になっていかぬのでしょう。それでいて他の一般産業同様に、これは過剰設備でございますからと、こういうわけにはまいらないんじゃないですか。それならば、そういうあなた方が言う過剰生産というものに対して、その施設に対して、縮小する場合には具体的に手だてとしてどういう手だてがございますか。国の資金上の援助の面について、私はその面もお聞かせ願わなければ困ると思うんです。 それから、融資の面では、それは先ほどもちょっと例申し上げたように、先般いわゆるいままで市中から借りておったのを商中の方に肩がわりさせてもらうということで、一時的なやはり六億前後の年度を明けての処置というものをされておりました。しかしながら、先ほど来申し上げますように、たとえば構造改善の問題については、利率はきわめて低いんだけれども、伝産法の関係者は依然として七%前後だと、こういう状況の中では、これ具体的にやはり救済策になっていかないんですよ。これはいわゆる去年前後の話ですから、だんだんだんだんこう、追い詰められていくところの状態の中では、もっと他の輸出産業の面で、中小企業で輸出産業の問題は非常に手厚い法あるんですから、五・五というのがね。それに近づけしむるところの何かがあるというなら、私は皆さん方の施策としては、一歩ずつこれは前進をしているという理解できるのですけれども、いまの御答弁の中で、これらの問題について何ら具体的な方策は示されておらない。 しかも、それは大臣の話では、現地の御意向を聞いてと、こう申されておりますが、私は現地の意向を聞いておるからいま代弁をして、委員会でこう申し上げておるんです。もう少し具体的に、それらの問題についてお答え願いたい。
○政府委員(藤原一郎君) お尋ねの点についてお答え申し上げます。 まず最初に、輸入規制の関係で、韓国との協定の関係の問題でございますが、実はこれ、昨年韓国との間の絹織物一般に関します繊維の二国間協定の中で、絹織物全体を前年度実績よりも削減するという非常に無理な交渉をいたしまして、通常こういう二国間で貿易協定をやります際に、通常の常識でいいますと、前年比六%ぐらい増というのが常識でございまして、それを切り込むというのはまことに異例の交渉でございます。しかし、まあ昨年度わが国も非常は絹織物全体の不況ということで、また、韓国からの流入が最大の問題であるというふうなことから、絹織物全体について前年実績を切り込む協定をいたしまして、特に大島つむぎにつきましては特定いたしまして減量する協定を結んだわけでございます。 その後の、これから五十三年度の協定の交渉を開始する段階でございますが、そういうことで、昨年度非常な無理をした協定をやりました関係もございまして、どこまでやれますか、私どもできるだけ努力はいたしたいと思っておりますが、数字についていま目標を申し上げるということはちょっと御容赦願いたいと思います。両国の需給状態、生糸、絹糸その他全体を含めまして考えざるを得ない問題でございますので、数量目標というものは、いま申し上げるのは差し控えさせていただきたい、このように思う次第でございます。 それから、先ほど過剰生産の点に触れまして先生からお声ございましたように、共同廃棄計画というものにつきましては、大島つむぎにつきましては、手機でございますし、登録制度というふうな協同組合関係のしっかりした制度もなかなかできにくいということから、確かにむずかしい問題はございます。まあ鹿児島県全体について見ますと、絹織機につきましての廃棄はある程度進んでおるわけでございますけれども、手機につきまして、おっしゃいましたような、ほかのような登録制度に基づいたような廃棄ということば、なかなか現段階ではむずかしい状態でございます。ただ、中で、協同組合奄美大島紬総合セッターというところで、いろんな計画は進めて滞るわけでございます。構造改善事業につきましてはその方向で進めておるわけでございまして、染色整理、織布ということを対象にいたしまして、特に新デザイン計画分野の開発によりますところの商品の多様化とか、品質向上につきましての構造改善資金の融資ということも行われることになっておるようでございます。 それから、先ほどもう一点、円高に関する融資、低金利の問題のお話でございますが、これは輸出産業ではないものですから、ストレートにこれを適用するということは確かに非常にむずかしゅうございまして、お話のような、若干の、県の方で御努力を願うという形に相なっておるわけでございますが、今後ともそういう面につきまして、あるいは全般の振興対策につきましては、やはり伝統産業振興法を軸にいたしましてやっていくのが、一番望ましい方向ではないかと思っておる次第でございます。
○宮之原貞光君 昨年、韓国との交渉の中で非常に皆さんが粘り強い交渉をされて、四万反から三万六千五百反まで持っていかれた努力はもう非常に感謝をしたいと思う。しかしながら、いま申し上げましたところの事態というのは、昨年より、より深刻になっているわけなんですよね。だから、私は、ここで目標どれだけやりますということをはっきり言ってもらいたいと、こう言っているのじゃない。少なくともやっぱり減少するところの方向で、不退転の決意でやってもらうぐらいの決意の表明ぐらいはあってしかるべきじゃないだろうかと、こう思うんですよ、その面については。一体、局長としてどういうお考えなのか。抽象的な言い回しでもいいですけれども、その点をまずお聞きしたいのですが。 なお、言葉じりをとらえるわけじゃないですけれども、過剰生産ぎみだというのに、品質の向上の対策のためにいろんな金をやっておるというのでは、これは解決なりませんわな。それも大事ですけれども、過剰生産なら過剰生産させないように、縮小させるための手だてをやっぱり講じてもらわなければこれはできませんからね。したがって、ちょっといまの答弁は腑に落ちないということだけは申し上げておきますよ。時間がありませんから、多くは申しませんけれども、その点はもう一回考えてもらいたい。 しかも、資金面でも、普通の伝産法関係のものから一歩も出ないというのじゃ——伝産法の中には、御承知のように、それは伝統的な産業であるけれども、外国から入ってこないものもある。しかも大島つむぎみたいな伝統産業というのは、これは和装産業で日本人しか着ないわけでしょう。外国にも送れぬところのものなんですよ。こういうことになってまいりますと、国内のそういうものを保護するという立場に立って、あるいは国内の業界を、何とか手だてを講じていくとするならば、そこから一歩踏み出したところの、やはり皆さんの処置というものが私はなければならぬと思うのですよ。その件については、私はやっぱり検討してもらいたいと思うんです。きょうは最後のその話は聞きませんけれども、改めてまたお聞きしますけれどもね、その検討の結果を。その検討をすることの約束だけはしていただきたいと思うんですがね、いかがなもんでしょう。
○政府委員(藤原一郎君) 伝統産業として、私どもはこれを軸にやっていきたいと思っておるわけでございますが、いまお話しの御趣旨につきましては、私ども検討さしていただきたいと思います。
○宮之原貞光君 さっきのやつはどうなんですか、日韓のやつは。大事なところをひとつ言ってくださいよ。
○政府委員(藤原一郎君) 大変失礼いたしました。 日韓の協定につきましては、私どもいま全体のスケールについて検討を加えているところでございますので、その検討の上、対処方針をはっきりしたいと思っておりますので、いましばらく御容赦願いたいと思います。
○宮之原貞光君 もう今月の中旬から始まるわけなんでしょう、第一回目が、これは例年よりも遅いわけですけれども。しかし、これを減少するような方向でやるものか、現状でやるものか、それさえも態度が決まらぬというのはちょっと納得できませんね、これ。そうでしょう。これは具体的にとこまで持っていけるかどうか、それは交渉でわかりませんしね、また数字を出すということも、相手があることですから、それはまずいということはわかりますよ。しかし、物の考え方としては、去年以上に——努力をしてもらったものを感謝しながらも、先ほど申し上げたように、さらにやっぱり円高によるところのしわ寄せを受けておる、それならば円高によるところのしわ寄せについて、金融面についても特別の配慮がないとするならば、ますます入ってくるものを防いでもらわぬことには、これはやっていけませんよ。それなら物の考え方として、さらに減少させるところの方向でやるという、方向性だけは明確にできるのじゃありませんか。これも検討課題ですか。
○政府委員(藤原一郎君) 大変申しにくいことでございますが、極力努力をいたしますということでひとつ御容赦願いたいと思います。
○宮之原貞光君 これはきわめて不満ですね、どういう努力をされるかわかりませんけれども。 第一、皆さんはあれじゃないですか、この大島つむぎの韓国から入ってくるところの問題について、いろいろいままでのお話をお聞きしますと、三万六千五百反きりしか入ってきておらないという認識に立っておられるんじゃないですか。実はいろいろな方法で入ってくるところの流入の状況というものの認識に私は非常にずれがあるというところに問題点を感ずるんですよ。お役所の関係上、いわゆる別枠のルートから入ってくるということはあり得ないという考えかもしれませんけれども、現実に入ってきておる。あるいはまた、入ってきてからの通関時のいろいろな経緯も、後から申し上げますけれども、問題がある。その流入の状況についての認識の開きというものが私は非常に問題があると思うのです。 それならお尋ねしますが、皆さんは韓国におきますところのつむぎ織物の生産状態というものを、どう見ておられますかね。たとえば通関統計を見ましても、昨年は他の絹織物は減少しておると書いてある、しぼりも。しかしながら、つむぎ織物関係は一〇%も増しておると通関統計にも出ておるのですよ。現地でのやはりつむぎ類のいわゆる生産状況をどういうふうに見ておられますか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(藤原一郎君) つむぎ類全体でございますね。これの一九七七年、昨年の暦年の通関量は確かに前年よりはふえております。これは約四十万反でございます。 で、韓国におきますところのつむぎの生産量につきましては、現在私ども手元に数字がちょっとございません。
○宮之原貞光君 しかし、韓国でつくるところのつむぎ物というものは、みんな日本に入ってくるのでしょう。韓国人が着物着るわけじゃありませんからね。そういう状態も把握できぬで日韓交渉されるんですか。おたくからどれだけ入ってきていますよ、おたくはこういう生産状況でしょう、だから減らしてもらわなければ困りますという交渉は、向こうの中身を知っておって初めてできるんじゃないでしょうか。それがわかりませんという御答弁で、私は納得いきませんがね。少なくともつむぎ織物は、昨年は約一〇%増加したと通関統計のここにも出ておるわけですね。あとのしぼりとかその他の織物は減っておりますが。そうすると、韓国での大島つむぎを含めたところのつむぎ関係の織物が、さらに生産量がふえておるということは事実でしょうが。そういう実情というものを私は皆さんは御存じだと思うんですよ。それを知らないでおって、二国間の折衝に入れましょうかね。これはぼくらの常識から考えればできませんね。どうなんですか、そこらあたり。
○政府委員(藤原一郎君) いま申し上げましたのは、手元にちょっとその数字を持ってきておりませんので、正確な数字を申し上げられないと申したわけでございまして、もちろん二国間交渉の際には、双方需給を突き合わせるわけでございますので、両国の生産数量を突き合わせるわけでございますから、その際にははっきりいたすわけでございます。
○宮之原貞光君 何も私はここで突然質問しておるんじゃないんですよ。きのう皆さんの国会班の人がお聞きになったから、韓国のつむぎの生産状況も調べておきなさいと、こう申し上げたのですよ。しかし、それがいま調べてないというなら仕方がありませんがね。 私は韓国側の資料とか、あるいは日本からの調査団の報告から判断いたしますと、つむぎ類の対日輸出の始まったのは昭和四十四年からですね。この当時は輸出額は七千六百ドルなんです。しかし、五十年に入りますと一躍二千二百万ドルにはね上がってきておるんですね。非常に急速に伸びてきておる、昭和五十年代になってね。しかも、いま先ほど申し上げた通関の中でも二〇%ふえておるわけなんですから、さらに当時よりもふえておる、これは事実なんですよ。しかも、織物をやるところの会社は二十三社ありますよ。織機が一万四千台から一万四千七百台ある。その中で稼働しておるのも現実には一万二千台は確実に稼働されておると、こう言っております。そしたら概算すればわかるでしょう。大体一月二・五反ぐらいはつくりますよ。そうすると韓国でつくられておる物がどれだけだぐらいは数字すぐ出やしませんか、いかがですか、これ。
○政府委員(藤原一郎君) 大体の数字はわかるわけでございますが、正確な数字はちょっと統計に当たらないとわからないわけでございます。
○宮之原貞光君 おおよそでいいですよ。
○政府委員(藤原一郎君) 概算いたしますと、日本に輸出されております昨年度について見ますと四十万反という数字があるわけでございますが、これはやはり相当、二、三割増しぐらいの生産であろうという推定でございます。
○宮之原貞光君 実はこの件につきまして、韓国絹織物原糸輸出組合の常勤副理事長の尹英鐘さんですか、これは鹿児島、奄美の両産地の代表団が参りました際に、会見の中で明確に言っているんですよ。絹織物商社の二十三社の稼働台数は一万二千台、月平均織り上げ反数は一台につき二・五反で、そうするとやっぱり三十六万反というのが大体出てくる。しかも重大なのは、そのうちの半分前後は大島つむぎだと理解してよろしゅうございますと、こう言っておるんです。この年間の織り上げ反数というのは先ほど出ましたところの、この通関から出てくるいわゆるつむぎ類の反数ですね。これは大体いま局長がおっしゃったように四十万反前後という数に一致するんです。ただ問題は、一致しないのは、大島つむぎの生産量をなかなか皆さんは認知しておらない、向こうの状態について。現地では、半分ぐらいは大島つむぎだと理解されてもよろしゅうございますよと、こう言っておるんですよ。このことをたとえば陳情団の皆さんが当局に言ったら、それは日韓の交渉を有利に展開させようというところの向こうの誇大宣伝ですよと、こう事もなげにその事実の報告を否定されたそうですけれども、それを否定されるぐらいの根拠がありますか、根拠があったらそれをお聞かせ願いたいと思います。 私は現地の報告書も読みました。いろんなものも見ましたけれども、御承知のようにもう大島つむぎの中では従来のような下級品だけじゃないんですよ。中級の上でも上位な五マルキのものをやっているんですよ。その会社が六つあるんです。それで丁寧にも紬委員会というのをつくっておりますね、韓国ではすでに。そして紬委員会をつくって原料の輸入、生産、販売価格面で全般にわたるところのものを、この大島つむぎの問題について、もうそれぞれの会社が提携しながらやっておるんですよ。しかも、締め機が三百台もあって一貫作業までもやっているところの工場ができておる。こういう事実から見て、先ほど紹介しましたところの尹氏の、これは何もはったりだけだとは思いませんよ、これ。大体業界あたりの判断から見ますと、いわゆる同じつむぎでも、村山よりも大島の方が付加価値が高いわけですから、日本に持ってくれば。当然そこの方に移行していくということがこれは必然の経済の原則でしょうが。だからもう入れるのは、十五万反から十六万反はその中でも大島つむぎだというのは、もう常識になっているんですがね。これ局長どうですか、この見方。否定されますか、肯定されますか。どういうふうに見られますか。
○政府委員(藤原一郎君) 大島つむぎの輸入問題につきましては、確かに先生のお話のようにいろいろむずかしい問題がございます。ただ、私ども公式に交渉いたします韓国政府の立場から、あるいは韓国政府から提供されるデータといいますものは、実はなかなか十分なものが得られませんで、現在その統計その他につきましても、必ずしも正確性を期しがたい点がございます。で、協定を結ぶに当たりましてさらに詰めるよりほかないという韓国政府側の資料的な原因もございまして、はっきりしたことを申し上げかねておるわけでございます。 なお、輸入量の中で大島つむぎは非常に大きな量を占めるではないかというお話でございますが、私ども昨年の協定によりますと、大島つむぎにつきましてこれを大島つむぎということでビザを発行するということで、その累計が現在のところ四月−十一月の累計が二万六千九百八十反でございまして、大体月平均三千三百七十反というベースでビザの発給がされておりまして、それを確認しておるわけでございますが、その線でいきます限り、協定量の中におさまるという考え方を持っておるわけでございます。もちろんいろいろお示しのような考え方があることは承知いたしております。
○宮之原貞光君 皆さんはビザだけで、それだけでこの問題とらえるところに先ほど申し上げたように、非常に実情からかけ離れた——官庁方式から一遍もう出て、本当にこの物の現実を見ようとしないところの姿勢があるんですよ。これは申し上げるまでもないことですけれども、交渉やるんですから、相手の実情がちゃんとのみ込めんでおって交渉はできないはずでしょう。 私はいま十五、六万反と申し上げましたけれども、たとえばこの資料はこれは昭和四十九年の韓国つむぎの日本の輸入状況ですがね。絹織物の輸入産業の一覧表がありますけれども、四十九年で韓国産の大島つむぎは、この統計によりましても実に大手商社の四十一社の輸入総量が十二万四千九百四十ピース、それからその他の中小五十一社がいわゆる一万飛び飛び三十ピース。そうするとこのピースを一応反と見て、これは衆議院の委員会では一ピースを反と見るか匹で見るかで、大分いろいろあったようですが、一応おたくの説をとって反と見てみましょう。それでも十三万四千九百七十反が昭和四十九年の実態では入ってきているわけです。それはもちろんその後の取り決めによって、減ったということは言えるかもしれない。しかしながら、今度はつむぎ関係全体のものは相当生産量が伸びておると、こういう状況から見ますれば、十四、五反というこれは数は無理じゃないんですよ。むちゃじゃないんですよ、皆さん。ここの認識を皆さんがなされないというところに私は問題があると思う。単に通関統計の中で三万六千反の中に入りますから大丈夫ですと、こう言えないところに問題があるんですよ。その点は私はまた理解してもらわなきゃ困ると思うのです。 第一不思議に思いませんかね。たとえば昨年度、五十一年の四月からの実績、五十一年の輸出総量は、絹織物は一千二百五十五万平米でしたね。これは着尺換算で言えば何万反になりますか。——じゃいいでしょう。計算で言えば、実はいわゆる一反物として四・四七平米でずっと換算をしてきますと二百八十万七千六百飛んで六反になっていくのですよ。こうしてつむぎ統計、それとここにありますところのこの通関統計とをこう見ますと、韓国から、その中でつむぎ関係のものが三十五万四千六百七十二反入ってきておる、これがね。 しかし問題は、その中に大島つむぎが幾らあるかというのが問題になるわけですけれども、これを四万反でしたと、五十一年は、明確に言い切るところの自信ありますか。あるいは、たとえば五十二年にいたしましても、これの計算でまいりますと三十九万二千九百十七反入ってきておる、つむぎ類は、通関統計見ましても。それがいま御答弁いただきましたように三万六千五百反でいいですと、こう言えますか。実はここに私は問題があると思うんです。通関統計で入ってくる自体のところに、私はすでに問題点があると思う。 もう一つは、それ以外で枠外のものがあるというところに私は皆さんの注意を喚起しておきたいんです。たとえば尋ねますけれども、つむぎ織物の中には御承知のように村山大島、一十日町つむぎ、あるいは小千谷つむぎというものがございますね。しかし、これは専門の人でなければなかなか見分けつかないんですよ。たとえば送り状を村山だと偽って大島つむぎが入ってきたってわかりますか。私はここに見本持ってきたんですよ。これを見ていただきたいんですが、どっちが村山でどっちが大島か、同じ韓国でつくられたものです。これは局長も、それから委員長も見ていただきたいと思うんですがね。これはわずかに、村山だけ手織り何とかって書いてあるから、これが村山かと思っただけの話なんです。そういうものを一々仕分けして大島つむぎは三万六千五百反でござるとこう胸を張って言えますか、率直に聞きますけれども。それぐらいのまた関税におけるところの能力はあるでしょうか。 私は公取にも聞きたいんですが、村山とか、あるいは十日町つむぎというのは、あれば原産地表示があって入ってくるんでしょうか、どうでしょうか。それもお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) お示しのように、この二つ並べられまして、どちらが大島、どちらが村山かと言われましても私ども素人には何とも確かに。そもそも商品知識の欠乏といいますか、これを見て、ちょっと素人にはわかりかねるということは確かでございます。したがいまして、その判別というものは、やはり専門家ないし相当熟練をした人でないとできないと私を思います。 したがいまして、当然そのためにはそれを輸入チェックするためには、やはりラベルとか、あるいは双方信頼のもとに発行いたしますビザというふうなものを信頼するよりほか実はないんだろうと、こういうふうに考えておるわけでございまして、これにつけられました表示とか、あるいは向こうの、大島つむぎとして輸出してまいりますもののビザを信頼してやるよりほかないだろうというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。 私どもはどういうふうにこのつむぎができてきているか聞きたいと思います。
○宮之原貞光君 いやいや、公正取引委員会に聞いているのは、大島つむぎの方はいろんな経過の中から原産地表示をやりなさいということで言うていますね。で、村山とか十日町つむぎはありますかありませんか。やっておられるんですか、どうですか。
○政府委員(長谷川古君) やっておりません。
○宮之原貞光君 局長聞いてくださいよ、大臣も。いま御答弁いただいたように、いまあなたさえも見分けがつかないという品物を、大島つむぎだけは韓国つむぎと原産地国の表示をしなさいとある。ところが、村山大島とか、あるいは十日町つむぎというものないんですよ。じゃあ入れるときにみんなないままに村山の中に入ってきて、大島が入ってきたら、これは大島だってチェックできますか、できないでしょう。ここにもしり抜けがあるんですよ。平等にするというなら村山もみんな原産地表示をさせて厳密にするというのならわかりますよ。しかも同じ入関物でも、これは明確に確かに韓国産と書いてある。メイド・イン・コーリアと書いてある。入ってくるところのものには。しかしこれは巻かれておるんですよね、巻かれて。そうしたところ、これが巻いたところの中には驚くなかれ、本場大島と書いてあるんです。この巻きの中の方には書いてある。 そうすると、国内ではそれを受け取って、この韓国つむぎの表示を切っちゃって、これを国内産として国内の産元のところへ行って、たとえば鹿児島の産地のところへ行って、こういうように証明書をもらって市場に流せば、これは堂々と大島つむぎで通っていくんです。ところが、やっぱりたまたまこれは頭隠してしり隠さずでしょうね。これを張って検査するところの場所へ持ってきた。ところが検査官が見たら、本来ならば切り取るべき表示がこのまま残っている。このメード・イン・コーリアが。それで、これはおかしいということで摘発されたのです、これは。これが衣料のいわゆる三万六千五百反の中に入ってくるんですよ。こういうものが入ってきておる。 これは先ほど申し上げたように、両方切っちゃって、あとのたれだけうんと残しておけば、こちらに来ても何の表示のものでも、村山大島だと偽ってくればいいんですから、送り状を。それでパスしてきて、ここで本場大島つむぎと書かれたらどうします。こういうことがやっぱりやられておるんです、現実に。それだけに皆さんは、いや三万六千五百反は守られていますよ、守られていますよと、こう言うけれども、守られておらないところに問題があるんです。首かしげられたって、見てごらんなさい、現実にはっきりしているでしょう。これ持っていってくださいよ。大臣に見せてください。そして、これが通関通らないやつです。いわゆるバイヤーが持ってくる。あるいはまた旅行者が持ってくる。これは韓国物ですけれども、韓国から持ってきながら、ここにちゃんと「本場大島紬」と書いてあるのです、ここに。「本場大島紬」と。これを旅行者が持ってくるんですよ。持ってきてから国内の原産地へ持っていって表示すればこれは堂々と日本物で通っちゃうんですね。 こういうところに、皆さんはチェックしているから大丈夫だとおっしゃるけれども、チェック自体しり抜けなんです。しかも外からいろんなものが入ってくる。いわゆる枠外で入ってくるところは、陳情を皆さん受けられておるから御承知だと思いますけれども、こういうものをこのままにしておいて、三万六千五百反ですから韓国の脅威はありませんと、こう言えるでしょうか。あるいはまた、それは国内の業者が悪いんだから、悪徳業者が。と言ってすべてを業界になすりつけるわけにまいらないでしょうが。こういう事態を私はこのままにするわけにはまいらないと思うのです。 それだけに、先ほど申し上げたところの交渉で皆さんに減らしてもらいたいと思うのです。できないとするならば、別途の方法として、どういうふうにして国内産を、生産を助けていくかという、そこのところを中心的にやらなけりゃ、——そのことでお尋ねしますと、それは一般の伝産法の指導でやってくださいと、こう逃げられる。一体業界どうなりましょうかね、このものは。どうですか、局長。その点どう思いますか。
○政府委員(藤原一郎君) いまお話ございました、非常にいわば詐欺的な行為といいましょうか、反物の一端に韓国製と書き、一端の巻いた方にそういうふうな仕組みがしてあるというケース、私も前に見たことがございますが、非常に残念だと思います。ただ、その問題はむしろそういうふうな商行為上の非常にずるい問題でございまして、先生おっしゃいましたように、三万六千五百反という数量規制をいたしましても、その中に紛れ込んでくるというお話でございますので、数量問題とは一応切り離しまして、その問題につきましてはいろんな手だてを講じたいと思っております。特にそれにつきましては相当私どもそれぞれ産地にも御協力をいただく必要のある問題もあるかと思いまして、その辺いろいろ現地都道府県とも協力いたしまして、そういうことのないように極力努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○宮之原貞光君 それは、私は産地のそれぞれの中には、悪徳商人がおるというごとは否定しませんよ。それはやっぱりやらなけりゃいけないと思うんです。モラルの問題ですから。しかし、そのために一部の善良なる業界がみんなしわ寄せを受けたんではたまらぬでしょう。しかも、あなたは三万六千五百反とは別にとおっしゃいますけれども、じゃ先ほど質問いたしましたあれはどうしますか。村山だと偽ってきて、向こうの送り状があったときにはどういうふうに鑑別できますか。だって表示しないんですからね、村山やほかのものは。これを厳重にやろうと思えば村山も表示をしてもらう、何も表示をしてもらうというところに初めて入ってくるんですよ。あの税関の皆さんが専門家きゃならないのに、いやこれは村山だ、これは大島だとわかりますか。 しかもこれは、いまさっきありましたけれども、一番巻きの末尾に「本場大島紬」むぎと書いておいて、あとは何も書かないでおいて入ってきて、村山だという送り状でやったらどうしますか、それは。入ってきたら裏返せばいいんですから。裏返せば付加価値の高いところの本場大島になるんですから。こういう問題についても具体的に処置されぬでおって、いわゆる通関の問題は別にしてとおっしゃいますけれども、それでは解決つきませんよ、これ、どうですか、公取の皆さん。この問題については私は検討してもらいたいと思いますが、どうお考えになりますか。
○政府委員(橋口收君) 現在の景表法、それからそれに基づく告示の枠内で申し上げますと、明らかに韓国産のものについて、日本品とか、あるいはメード・イン・ジャパン、こういう表示をしたものについての取り締まりは可能でございますし、それから従来も排除命令等の措置をとったことはございますけれども、いまお示しのように表示がないもの、あるいは表示をしないという行為について、直ちに措置をとるということは、現在の景表法では困難であるというふうに考えます。
○宮之原貞光君 公取委員長ができないとこうおっしゃっているんです。それならば、やっぱり通関のやつもきちっとできないでしょう。だから私は申し上げておる、最初に返りますけれども。 そういうことで、韓国ではどんどんやっぱりつむぎ類は大島つむぎを含めて生産が高まってきておる。片一方減らしたと言いながら、別の名前の本場物がどんどん入ってくる。しかも、別のつむぎ類は表示が要らぬわけですから、表示が。それだけに現地の皆さんが、問題がある、問題があるというのはそこなんです。いままでは皆さんはそれは通関のものは別として、いわゆるみやげ品とかいろんなもので入ってくるところの問題についての防止策はないかということはお聞きになったと思います。それだけでは済まされぬという問題なんです、これは。もう時間がありませんから多くを申しませんけれども、またこの続きは次の予算委員会かどこかでやりますからね。そのときまたきちっと答えられるようにしてくださいよ、方策を。 そうせぬことには、皆さんはそれでいいかもしれませんけれども、ただ韓国政府を信頼しますということで。私はそうはいきませんよ、これ。しかも金融上の特別措置もしてくれない、踏んだりけったりじゃございませんか。なるほど私は貿易というものは、それぞれの国々がずうっと補うということはりっぱなことだと思うんです。しかしながら、やっぱり国内の関係業者を極度の生活不安に陥れておいて、国際貿易でござる、日韓友好でござるというわけにまいらないでしょう、これ。総合的に対策があるとするならば、金融の面、その面も私はやっぱりやってもらわなきゃならぬと思う。いかがでしょう大臣、いろいろのやりとりをお聞きになられておって、これどういう方向に持っていかれようと思っておられるか、最後に私は大臣から御見解を承りたいと思いますがね。
○国務大臣(河本敏夫君) いま御指摘のような事実は、大島つむぎだけではありませんで、実はほかの業種にも相当あるんです。そこで対策に頭を痛めておるわけでございますが、いずれにいたしましても、本日は幾つかの問題点を提案をされましたので、私ども関係者寄りましてよく相談をいたしまして、適当な対処策を検討してみたいと思います。
○宮之原貞光君 あと一分ぐらいありますから。 それはすぐに結論は出ないかもしれませんけれども、大臣ね、河本大臣は通産の最ベテランだし、何回もまたこの問題についてはお話をお聞き願っているわけですから、十分御存じだと思いますけれども、他の産品にもあるんだと、したがってこれは仕方ないんだということじゃなくて、他の産品にもある、しかしながら、これをどのようにしてやっぱりそういうことのないように解決をしていくか、排除をしていくかと、この問題を私は前向きにひとつ考えていただいて、善処していただきたいと思うんです。これはもう今月の中旬から交渉が始まりますから、そのときにも強く関係者主張されると同時に、金融上の問題も含めて、私はやっぱり早急に対策を立てていただきたいと、こういうことを強く御要望申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(楠正俊君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 —————・————— 午後二時二十一分開会
○委員長(楠正俊君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として田原武雄君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(楠正俊君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、大臣の所信に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馬場富君 公共事業の景気浮揚について質問いたします。 午前中の大臣並びに長官の所信表明にもございましたように、五十三年度予算のやはり景気回復の主体というのは、公共事業にそのポイントが置かれておることがうかがわれるわけでございますが、たとえばこれによりまして、民間設備投資の増加が考えられるかどうか、あるいは地方自治体め負担増加に対する心配な点、あるいは設計監理等の技術者の確保、あるいはこれに伴う資材や土地の高騰等の種々の問題点が実は懸念されておるわけでございます。そのために、この公共事業に対する評価という問題に対する疑問点が非常に多いわけでございますが、これに対しまして宮澤経企庁長官はどのような考え方を持ってみえるか、質問いたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 公共事業の投資乗数効果がどのくらいかということは、いろいろモデルなどで研究いたしておりますけれども、石油危機以前の時代と現在の時代とでは、あるいは波及効果が多少少なくなっているのではないかというふうに見られまして、初年度で申すと一・三ぐらいの、かつては一・九ぐらいあったということでございますけど、乗数効果ではないかというふうに一般に言われております。それが今度は、設備投資にどのように影響してくるかということになりますと、これは、ますますそのときの経済情勢によるわけでございまして、ただいまのように現在ある設備の稼働率が相当低いときには、これは新しい設備投資の需要にならないことは、容易に想像ができますし、また設備がフルに動いておりますときでしたら、恐らく新しい設備投資を呼ぶということになろうと存じます。 まあ、いずれにしてもいまのような段階でございますと、何がしかのそれは設備投資の需要増加がある。たとえばパワーシャベルでありますとか、ブルドーザーでありますとか、そういうことは想像できますけれども、一般的に申しまして、非常に大きな効果が突然出てくる、五十三年度中に非常に大きく出てくるという情勢ではないのではないかと思っております。
○馬場富君 いま長官のお話聞きますと、その効果率がかつては一・八%以上だったが、現状は一・三%程度に効果率が下がっておると。そういう点で従来のような考え方はできぬという御了解のようですが、五十三年度の立案に当たってのいろんなやはり経済指数等の状況からしまして、そういう一・八的な要素の内容がかなり含まれてのやはり景気効果というものを、対策立てられているように私たちは見受けるわけですよ。そういう点で、現状下は先ほど長官のおっしゃったように効果率は一・三と、よく見ても見なければならぬ実情から推しまして、やはり非常に長年続いたこの不況下で、いま減量経営を実は企業はやっております。そこへ持ってきまして、たとえば一時的に公共事業がふえたとしても、やはり先行きが全然考えられなければ、設備投資ということはかなり手控えになってくると。この点が、いまやはり公共事業中心の景気対策の一番不安な点でございますが、もう一度その点について、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年来、相当の在庫をわが国経済は抱えておる状態でございますから、昨年と今年と相当大きな公共事業を国が行うということによって、まずその在庫の相当な調整というものは期待できるというふうに考えておりますけれども、そうしますと、設備の稼働率は私ども昭和五十四年の三月、年度の終わりには稼働率実数で九二ぐらいという予想をしておるわけでございますが、それにいたしましても稼働率にしますと八二、三ということでございますから、一般にそういう状況の中で大きな設備投資が出てくるとは、単年度といたしましては考えにくい。しかしながら、そうやって在庫の壁が取れるということは、公共投資が国内経済に波及するのを妨げておりました要因が、かなりなくなるということでございますので、民間の経済活動も、これによってある程度刺激することができますし、またお尋ねになりましたことは、私重要な点だと思いますのは、五十四年にはもう政府は公共投資をしないんだというようなことになれば、これはいっときだけの注文でございますと、業界はそれになかなか対応できないわけでございますが、総理大臣も、五十四年度も七%に近い成長を考えたいと言っておられることでもわかりますように、やはり相当の公共投資は、政府は引き続いてやっていかなければならぬ。この五十三年度のような極端なことは別でございますけれども、当然やっていかなければなりませんし、またわが国の社会資本の不足という状況は依然として変わらないのでございますから、やはり設備投資は相当なものを五十四年度もやっていくということは、この際はっきり申し上げておく必要が確かにございます。そのつもりでおります。
○馬場富君 確かにいま長官がおっしゃった点はうなづけますが、五十三年度には、いまの答弁でいきますと成功したとか、上昇路線をたどったという点の私は問題に立ってのことだと思うんですね。よしんば五十三年度がもし景気浮揚ができなかったとしたらば、五十四年度が追い打ちができるかどうか、国の財政的に、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十二年度に引き続きまして、五十三年度これだけの大きな公共投資を、財政が主導であるということになりますと、私はこれは国内の経済に影響を与えないはずはないというぐらいに実は考えておりまして、世の中では、七%というのは夢のような数字だというふうに思っておられる方がまだ多数ではないかと思いますけれども、私は、これはできても別に不思議はない。これぐらい大きな公共投資を二年、ことに五十三年度の場合はもう異常な財政の主導でございますから、私は必ず経済は上向いていって、そして五十四年度の、もう少し正常な形での拡大均衡を呼ぶであろうというふうに考えておるわけでございます。
○馬場富君 じゃ次に、特にこの公共事業につきましては、地方自治体の負担がもう徹底的に多くなってきます。まあ打ち続く長期不況のために財源不足から本当に毎年毎年借金財政で、実は地方自治体は進んできております。ちょうどいま各県市とも五十三年度の予算審議がみんな行われておりますけれども、そのほとんどの質問を見ましても、これ以上の借金して大丈夫かという質問が圧倒的に多いわけですね。そういう点で、このような地方自治体の深刻化の状況を、長官はどのように受けとめて、この景気対策を考えてみえるか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は私ともも事前に問題は十分存じておりましたので、予算編成に際しまして、地方財政の財源不足三兆五百億くらいの見込みについては、地方債の増発で一兆三千五百億でございますか、残りの一兆七千億について交付税措置をとったということでございますが、なお、自治省からお見えになっておられますので……。
○馬場富君 次に、自治省にお願いしたいと思います、その点。
○説明員(関根則之君) 御指摘のように、地方財政は大変な借金を抱えておるわけでございます。公共事業を積極的に施行していかなきゃならないわけでございますが、その予算編成に絡みまして、各都道府県なり市町村でこれ以上借金をしていいのかといった心配が起こってくるのも当然だと思いますけれども、幸いなことに、まだ地方の歳入に占めます地方債の依存度は、五十三年度の地方財政計画におきまして一一・七という水準で間に合っておるというような状況でございまして、直ちにこれが地方財政の破綻を招くというところまではまだいってないというふうに私どもは考えておるわけでございます。今年度の公共事業を実施いたします際の地方負担額につきましては、原則として九五%まで起債を充当するということにいたしておりますので、直接事業執行に、地方団体が資金繰りで苦労するということはまずないものと考えております。 またしかし、借金によるわけでございますから、その元利償還をどうするのかという問題も出てくると思いますが、先ほど企画庁長官のお答えにありましたように、今年度財源不足対策債といたしまして五十三年度に一兆三千五百億円の起債を発行いたしますが、これにつきましてはおおむね八割程度のものを発行いたしました地方団体に対して、元利償還金について地方交付税で基準財政需要額に算入いたしまして配分をすると、そういう制度もとっておりますし、そもそも地方団体が起こしました地方債の元利償還金については、全額を将来の償還の行われる年度におきます地方財政計画の歳出に立てまして、もし仮に今年度と同じように不足額が出るということでありますれば、自治省の方におきまして責任を持ってこれを補てんするということを申し上げておりますし、従来もまたそういうことで実施をしてきたわけでございます。したがって、そういう財源措置をちゃんととりますので、地方団体に対しましても、まあまあ今年度の公共事業に関する限り心配しないで、将来の償還財源を心配をしないで実施をしていただきたいということを申し上げておるような次第でございます。
○馬場富君 次に、やはり同じく自治省にお尋ねいたしますが、五十三年度から、特にそういう点では、その予算措置が、地方債が多くなってくると、こういう点が圧倒的でございますが、この地方債についてのやはり政府資金の基準を、このように考えてみえるかをお尋ねします。
○説明員(関根則之君) 政府資金は、かつて昭和五十年度の当初の段階までは、地方債計画全体の六〇%ほどを政府資金でカバーできたわけでございますが、今年度五十三年度の地方債計画におきましては、三九・三%までしか政府資金はもらっておりません。したがって、五十年度までに比べますと政府資金のウエートは低いわけでございますけれども、たまたま今年度公営企業金融公庫の改組も一部実現をいたしまして、道路整備債その他につきまして、比較的金利の低い公庫資金を充当することができるということになっておるわけでございます。そういう措置もとりましたので、私どもとしては、できるだけ債券を発行する起債能力の弱い市町村に対しまして重点的に政府資金を配分することによって、事業の円滑な消化ができますように配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
○馬場富君 いま三九・三%とおっしゃいましたけれども、実質は私どもの調べではやはり起債が一〇%以下のところはずいぶんあるわけですよ。そういう点で、やはりその他はみんな縁故債によってかなり利息的にも上回ったものを実際は使っておるわけですね。こういう状況でございますが、特に五十三年度は何かそういう点で配慮される考えがあるかどうか。
○説明員(関根則之君) 地方債における縁故債の割合が一時に比べまして大分上がってきておることは確かなことでございます。今年度二兆二千億ほどの縁故債を銀行等から借りてこなきゃならぬと、そういうことになっておるわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、たとえば財源対策債の一兆三千五百億円につきましては、市町村の発行する分については原則として、全額政府資金を充当するというような措置をとっておりますので、幸いなことに最近は比較的市中金融が緩んでおりますので、規模の大きな大都市であるとかあるいは府県の段階では、ほぼ縁故債の消化にそれほど苦労をしない。金利も比較的下がっておりますので、まあまあほどほどの条件で借り入れができると、こういう状況になっておるわけでございます。 また、具体的にそうは言いましても、個別の団体等で借り入れが困難を生じておると、こういうような事態が生じました場合には、実は五十三年度の地方財政対策を決定するに当たりまして、自治、大蔵両省間で覚書が交換してありまして、両大臣が協力して縁故債の消化に努める、こういうことになっておるわけでございます。自治省と大蔵省とで協力をいたしまして、個別の問題が起きましたときには対応して、何らかの打開策を講じていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○馬場富君 特に、いまの都道府県関係についてはその点が顕著です。そういう点で、いま各都道府県については良質なやはり地方債資金の要望を強力にしておるわけですから、前向きにひとつ、この点は御検討願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(関根則之君) 地方債計画はすでに五十三年度分でき上がっておりまして、その資金の充当をどういう形でするかということも、枠がもう決まっておるわけでございます。したがって後残されておりますのは、その用意いたしました枠をどういう形で配分していくかということでございます。先生、都道府県で縁故債の消化等がちょっと厳しい状況にあるところについて配慮をすべきであるというお話でございますが、もちろん都道府県にもピンからキリまでございまして、非常に力の強いところと弱いところがございます。したがって、われわれとしては限られた良質資金の配分に当たっては、まず弱小の町村というようなものを最優先に配分をしていかざるを得ないわけでございますが、都道府県につきましても、比較的力の弱い都道府県につきましては、できるだけの重点的な配分を図っていきたいというふうに考えております。
○馬場富君 次に、地方自治関係で問題になっておるのは、公共事業に対する設計監理と技術者の確保の問題でございますが、これについては第一次補正で精いっぱいで、第二次補正についてはかなり人員不足が起こってくるのじゃないか。まして五十三年度については、現場での、自治体での実感というのは約倍という感じですね、仕事量が。かえってそのために人を急にふやすわけにいかぬと、こういうような状況から、いろんな工事が粗悪になるおそれということの心配すら起こっておるわけですが、これに対して自治省と建設省のひとつ見解をお願いしたいです。
○説明員(関根則之君) 確かに五十三年度の事業量は非常に伸びてはおりますが、私どもの計算によりますと、五十二年度の最終補正、二次補正まで含めまして、地方団体の普通会計におきます投資総額は十一兆四百六億になるわけでございますが、来年が十二兆六千五百九十四億ということでございますので、率にいたしますと、まあ最終補正と比較しますと一五%ちょっと切れる程度のものでございます。倍にはならない。もちろん、団体によりまして単独事業等で倍近く伸ばしているところは確かにございます。しかし、いずれにしろ相当大きな伸びであることは間違いないわけでございまして、そのために技術職員の確保等いろいろ問題があると思います。 具体的な技術職員の確保につきましては、建設省にお願いをしているところでございますが、私どもとしては、御指摘のありましたように、すぐに技術職員を雇い入れると言ったって、現実の問題として人がいるかという問題がございます。それからまた一度人を採ってしまいますと、なかなか後の処遇に困るというような問題も、小さな規模の地方団体では起こってまいりますので、できるだけ配置転換等によって、重点的に職員の配置をやり直すというやり方をしていただきたい。また、民間のコンサルタント等をできるだけ活用していただいて、この場を何とかしのいでいっていただきたい、こういうことをお願いをしている状況でございます。
○政府委員(加瀬正蔵君) 地方公共団体の事業量がふえまして、私どもの推計では明年度実質で約一六・七%ぐらい一人当たりの事業消化量がふえると考えられておりますが、私どもではこれを完全消化を図るために、補助金関係の事務の簡素化とあわせまして、国、地方を通じまして標準設計等の活用、あるいは自主施工体制といいますか、責任施工体制の活用とか、あるいは設計施工監理におきますコンサルタントの活用とかいうことを進めまして、事業執行の合理化により、完全消化を図りたいと考えております。ただいま自治省からもお話のございました、地方公共団体がたとえば設計等を外注する場合の経費につきましては、これを事業費の補助対象とするようなことも進めたいと考えております。
○馬場富君 次に、この五十三年度のいわゆる空前の公共事業の拡大に伴いまして、まあ各地ではそのために資材の高騰の動きすら出てきております。まあかつての時代とは違いまして、長期不況のために生産業者が非常に手控えが強い。そういう点で、ある程度まで安定のやはり価格の上昇がなければ、生産に移らないという一つは特殊性が出てきております。そのために、ややもすると、五十三年度の後期になってきますと、これがやはり爆発的な上昇ということも懸念されておりますが、これに対しまして通産大臣はいかに配慮されておるか、お尋ねいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十三年度の公共事業を進めます場合に、一番大きな課題は、資材の需給関係と価格の動向でございます。これは予算案を決定するときも、特にこの点に注意しなければならないということが同時に閣議決定をされておるのでございます。そういう観点に立ちましてずっとこの二つの動き、需給関係と価格動向を監視をしておりますが、先般来一部のものが若干騰貴をする、品不足になる、こういう傾向がございましたので、必要な対策を、先般講じたところでございます。
○馬場富君 特に骨材である砂利等の不足がかなり目立ってきておりますけれども、そういう点で建設省は、五億三千万立方メートルの需要が五十三年度には必要だと、こういう目標を立てておりますけれども、これに対しまして政府はどのように確保されておるか、通産、建設の立場からひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) 砂利についてお答え申し上げます。 砂利につきましては、いまお話ございましたように、若干市況が締まってまいっておりますが、生産の面から申しますと、まだ十分に余裕がございまして、七%成長という程度の成長率でこれが不足するようなことはないであろうと思っております。ただ砂利につきましては、問題は輸送の問題がございまして、地域別にやや問題が生ずる可能性はございます。したがいまして地域別な問題、輸送問題が起きないように、最大の注意を払う必要があろうかと思います。主としてダンプトラックによって輸送されておるわけでございますが、現在、五十一年末で見まして土砂運搬用の大型トラックの台数が十八万八千台程度でございまして、最近やや台数の減少傾向にございます。したがって、その運行回数の増加とか、一般土砂運搬車の転用等その他の方法によりまして、支障の生ずることのないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 次に、技術者の不足の関係では、特に鉄筋工の不足が非常に目立ってきておるわけです。こういう技術労働者というのはなかなか簡単に養成ができない、五年もかかるというふうに言われているわけですけれども、こういう点についての人集めの対策はどのように考えておるか、建設省にお願いします。
○説明員(楢崎泰道君) 鉄筋工、型枠工などのいわゆる技能工につきましては、四十八年以降の建設投資の落ち込みに伴いまして、数が減りつつあるという状況にあるのは、御指摘のとおりでございます。ただ、資材と同じように、季節によりまして、それから時期によりまして工事が集中する、こういうような場合には不足現象があらわれる。しかしながらただいま現在一——三月は工事量が比較的少ない、こういうような時期でございますので、そういうときには緩んでおる、そういうふうな季節要因もございます。 五十三年度につきましては、相当量の事業が発注されるということで、やはり工事の集中時期におきます不足現象というものが心配されるわけでございますので、それに備えまして、建設業界におきまして、確保の努力、あるいは単純労働者を短期訓練してそれを活用する、そういうふうなことなどの対策をあらかじめとるように、労働省、関係省とも密接な連絡をとって積極的な措置を講じてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○馬場富君 それに関連いたしまして、実際構造不況の関係で一造船業界においてはかなり技術工が余っておるという状況です。そういう点で、造船の技術者は橋梁や、やっぱりビルの建設にそのまま一つは技術者となる、こういう点が非常にあるわけです。そういう点で、造船業界の二万五千人の過剰雇用、これに対して政府が実現に取り組んでみたらどうかと思うわけですが、この点はどうでしょう。
○説明員(楢崎泰道君) 御指摘の点は、非常に重要な検討課題であると私どもも思っておりまして、建設業界の方でもそういう方面のアプローチを若干進めているような状況にもございます。ただ、建設業の特に鉄筋、型枠等の労働者という労働条件と、それから造船等の労働条件といろいろ違いがございまして、スムーズにはいかない面もございますけれども、今後の検討課題ということで、関係省庁とも十分連絡をとって進めてまいりたいと思っております。
○馬場富君 次に景気対策の一つのポイントになっております電力設備の投資の問題でございますが、政府は七%の成長率、これのやはり中心が民間設備投資を二十五兆六千五百億と、こう踏んでいらっしゃいますけれども、この中で電力業が三兆二千億という全体の一二%を占めておるわけでございますが、この達成が七%に非常に大きい影響力がある、こういうふうに見るわけでございますが、通産大臣は、電力業界との懇談会で五兆円程度の設備投資を実は要望されたと聞いておりますが、この点につきまして、景気浮揚の効果とあわせまして、この五兆円程度の設備投資について見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十三年度に九電力及び電源開発会社、この十企業から設備投資の概要を聞きましたところ、合計で約三兆二千億のいま設備投資をする、こういう報告を受けております。それから、あわせて五十四年度以降のいろんな機械類の発注等につきまして、約一兆円繰り上げて五十三年度に発注をしたい、こういう報告も受けております。 しかし、政府といたしましては、立地問題を解決するために、電力業界に対して積極的に協力をしていきたいと考えております。その理由の一つは、今後数年後には電力の不足が考えられること。過去二、三年間は電力投資がややもするとおくれがちになっておりましたので、数年後には電力事情は悪化するであろう、この対策を立てなければならぬということが一つと、それから電力投資の波及も非常に大きいですし、景気に及ぼす影響等も非常に大きい。こういうことから、特に五十三年度はその投資を促進をしたい、こういう考え方に立ちまして、なお立地問題の解決の進みぐあいを見て、ある程度繰り上げ発注というものを上乗せをしてもらいたい、こういうことを要請をしておるわけでございます。大体さらに一兆円ぐらいの繰り上げ発注というものを立地問題の解決、進行の状態を見て上乗せをするように、こういう要請をいたしております。これはまだ未定でございます。 で、五兆円という数字は、いま申し上げましたものを全部入れますと約五兆になるわけでありますが、確定しておるものは四兆二千億でありまして、五兆にするためには、若干の立地問題の解決のための努力が必要である、こういうことでございます。
○馬場富君 そのやっぱり関連でございますが、懇談の内容なんかも新聞で報道されておりますと、電源立地の推進だとか、あるいは設備投資の促進だとか、料金の安定という点に焦点があったようでございますけれども、現在は、電力業界も長期不況によって電力事業の伸び悩みが一つはあるわけです。そこであわせまして、電源立地の確保難という問題が非常に大きくのしかかってきていると思います。そういう点では電源開発計画が全面的に遅延しておる、こういうふうな状況に私は見ておりますけれども、その点、果たしてこの効果が出るかどうかという大臣のそこらあたりの事情を説明してもらいたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 三兆二千億のうち、約三兆円は現在すでに前から建設途上の発電所が全国で約六十カ所ございます。大小さまざまありますが、約六十カ所ございまして、その六十カ所の五十三年度の工事量が約三兆円になっております。それから、新規に五十三年度に着工するものが若干あるわけでありますが、この新しく着工する発電所の工事量が約二千億を想定をしております。したがいまして、ほとんど大部分はもうすでに前から着工して、現在工事が進行中の、五十三年分の工事量でございますから、三兆二千億という工事は十二分に達成できると確信をしております。
○馬場富君 それにあわせまして、やはり電源立地促進の支援策として、電源三法に基づく地元市町村への交付金を四月一日から倍増するというような情報が出ておりますが、これはどうでしょうか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘のとおり、五十三年度から電源立地促進交付金制度を拡充いたしたいと思っております。原則として単価は五〇%アップ、特に電源につきまして五十三年度中に着工するもの、あるいは五十三年度中に電調審で決定を見た上、五十四年度末までに着工するものにつきましては基準単価を倍額にするといったような拡充を考えておりまして、現在予算案として御審議いただいておるわけでございます。
○馬場富君 次に経企庁長官に、この電力設備投資の景気への波及効果率は、長官はどのように見ておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 電力の設備投資の波及効果だけを切り離していたしますのは、ちょっと、あるいは専門家が数字を持っておりますかもしれませんが、先ほど言われましたように、設備投資全体の一二%ちょっとのところでございますから、非常に大きい期待を寄せでおるわけでございます。それだけを別に波及効果が……。それは専門家もちょっと計算はできないようでございます。
○馬場富君 エネルギー庁長官、どうですか。
○政府委員(橋本利一君) 御指摘の経済というか、景気への波及効果としては、生産誘発効果と雇用の創出効果と二つあるかと思います。いずれも定量的に把握するということは非常にむずかしいわけでございますが、いろんな前提を置きまして試算をいたしますと、電気の設備投資の生産誘発効果は約二倍程度と見ておるわけでございます。したがいまして、三兆二千億の投資に対しまして受注企業あるいは関連企業におきまして六兆五千億程度の誘発効果があるんではなかろうか。ただ、これが全部実現するために二、三年かかるんではないかと、かように考えております。 それから雇用効果の方も、これは非常に計算がむずかしいんでございますが、発露所が運転開始した後の所要人員というのは、これは必ずしも一定はいたしておりませんが、大体百万キロワットクラスの原子力の発電所で二百人程度、火力発電所で百人程度、水力発電の場合は一地点十人程度、こういうふうに見ておりますが、建設段階におきましては多数の建設作業員を必要とするほかに、機械設備の発注等に伴いまして関連企業でかなりの雇用効果が出てくるのじゃないか。これはいろいろ前提を置いての計算でございますが、建設段階で約常用ベースで十二万人程度、機械の発注段階で同じく常用ベースで十五万人程度、三兆二千億の工事に対しまして合わせて二十七万人程度の雇用効果があるんではなかろうか。何度もお断り申し上げますが、いろんな前提を置いて試算すると、一応さような数字が出ておる、こういうことでございます。
○馬場富君 次に、電力の大型設備投資で、料金へのはね返りということを非常に国民は心配しておるわけです。五十三年度は据え置きになりましたが、そういう点ではかなり業界で無理をして、一つの拡大をやっていくという立場にありまして、その後五十四年度以降については、できるだけ長期に安定するよう努力するという言葉は出ておりますけれども、その点、大臣、もしくは長官から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 電力投資のアウトラインについて申し上げますと、五十年代に十カ年計画でエネルギー投資を五十年価格で大体約七十兆円と想定をしております。若干の物価騰貴を考慮いたしますと、最終的には百兆近い金額になるのではないかと思いますが、その半分は電力投資でございます。それは六%ぐらいの成長を五十年代も続けますと、現在の発電所能力約一億キロをおよそ倍近くにしなければなりません。そういうことのためにいろいろ必要な資金でありまして、でありますから毎年数兆円の投資をするということが必要でありまして、ことしは若干の引き上げになりますけれども、そういう十カ年の年次計画でやりますから、いずれにいたしましてもそう大きな負担にはなるものではない。 しかも、先ほども申し上げましたように、過去二、三年ややもするとおくれがちでございましたので、ことしはむしろおくれを取り戻すんだと、そういうことでございますから特別の負担と、こういうことはないと思います。
○馬場富君 次に経企庁長官に質問いたしますが、政府が公共事業等の施行推進本部をつくりまして、そして公共事業のいわゆる景気への波動化を進めておるわけでございますが、先日も二月二十七日にその会合が持たれた模様が報道されておりますが、上半期におおむね七割を消化するということを目標に決められましたが、この点についての長官の見通しをお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先日、公共事業等施行推進対策本部の会議を開きましたときに、正確に申し上げますと、五十三年度は上半期に七割程度の前倒しをひとつ頭に置いて、そのためのいろいろな諸準備をいまから関係各省でやってみると、こういうことでございます。その準備が順調にいくということになりましたら、予算成立後に改めて七〇%という目標を設定いたすことになるのであろうかと存じておりますけれども、ただいまのところは、そういうことを頭に置いて態勢を予算成立までにつくっておくということでございます。
○馬場富君 あわせまして、この会議の内容の中で、特に地方自治体への補助金交付事務についての、提出書類等の簡素化が合意されたというのが出ておりますが、この簡素化についてどのような推進をなさるのか。これは長官、もしくは自治省の方でお願いします。
○政府委員(加瀬正蔵君) 私どもといたしましては、補助金事務の簡素化につきまして、過去三回ばかりの改善を行ってきたわけですが、本年度につきまして、すでに決めたものといたしましては、ヒヤリング回数を、いままで二回やっていたのを一回に減らすようなこと、あるいは工法協議、あるいは実施計画協議の際の添付図面の省略というようなこと、これは決めたわけでございます。さらに、その後、建設省におきましては、代表土木部長会議を開催いたしまして要望を聴取いたしましたが、その際に、補助金の軽微なる変更事務手続、これについての、軽微な変更の範囲の拡大ということについて、大変土木部長さん方の御要望が多いということでございましたので、端的に申しまして、現在建設省で道路局、河川局を通じまして一万二千件ほどの変更だけの事務を行っておりますが、これを半減することを目標にいま作業を進めております。今後ともそういうことで簡素化には積極的に取り組んでいきたいと、かように考えております。
○馬場富君 次に、平電炉の小棒カルテルについて一つ質問いたしますが、新聞等の報道によりますと、公取委員会では、非常に小棒の景気がよくなったから、そういう点についてはやめるべきだというような意見もございますが、実は、この平電炉業界は中小企業が多く、昨年来構造不況で大変困っておる、現在は設備廃棄をも進めておるという業界でございますが、それに対しまして、この三月末に期限切れとなっておる小棒カルテルについての考え方を御説明願いたいと思います。
○政府委員(天谷直弘君) 御指摘のとおり、小棒業界は依然として非常な経営の悪化に悩んでおります。昭和五十一年度の決算におきまして、小棒業界の五十九社平均の自己資本比率は一・一%まで悪化をいたしておりましたが、五十二年度の決算、これはまだ出ておりませんけれども、さらに悪化をしておるのではないかと、したがいまして、全社平均いたしまして債務超過というような状態になっておるのではないかと思っております。最近、小棒の市況が若干好転をいたしました。しかしながら、この好転はほとんど鉄くずの値上がりによって吸収されてしまっておりますので、平電炉業自体としては、小棒の価格の値上がりにもかかわらず、経営状況は好転いたしていないと思っております。 しかも、設備の稼働状況でございますけれども、鋼魂につきましては、二千万トンの能力に対しまして千三百万トンしか稼働いたしておりませんし、圧延部門に関しましては、月間九十八万トンの能力に対しまして、稼働いたしておるのは六十万トン強というようなところで大変な過剰設備を抱えておると、こういう状況でございます。したがいまして、現段階におきまして生産調整等のカルテルを全廃いたしますならば、再び価格は崩落し、平電炉企業の経営状態はどん底の状況といいますか、倒産続出というようなことになると考えておりますので、現在あるところのカルテルを打ち切ることは適切ではございませんし、あるいはまた、四月以降につきましてはカルテルを延長するということを検討すべきではないかと考えております。 ただ、現在のカルテルは、生産調整カルテル、価格調整カルテル、それからアウトサイダー規制命令と、三つの柱から成り立っておるのでございますが、このカルテルを三つとも四月以降も続けるのがいいかどうかということにつきましては、いろいろ検討を必要とするかと思います。状況の変化に応じまして、徴調整を行うことが必要ではないかと存じますので、公正取引委員会ともよく相談をした上、四月以降の状況に対処をいたしたいと考えております。
○馬場富君 もう一点だけ。 最後に、これの関係でございますが、特定産業不況法案の関係で、最終的にはあのアウトサイダー規制が消除されておりますけれども、設備廃棄等に対して、アウトサイダーの新増設に対するコントロールはどういうふうに考えてみえるか、通産にお伺いいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) 今度のいわゆる構造不況業種の緊急対策立法では、アウトサイダー規制は削除をいたしました。実はこの問題につきましては、アウトサイダー規制をすべきであるという強い意見もございました。しかしまた別に、この際、アウトサイダー規制をするということは行き過ぎではないかと、やはり外した方がよろしいと、こういう意見もございまして、約一カ月半ばかりいろいろ議論を重ねたわけでございますが、総合的に判断をいたしまして、結論として外すことにしたわけでございます。しかし、行政指導等によりまして、また業界の積極的な話し合いによりまして、できるだけ、その業種にとりまして効果的な対策が実現できるように、今後積極的に配慮をしたいと考えております。
○馬場富君 じゃアウトサイダー規制は削除したけれども、新増設に対しては結局行政指導でコントロールすると、こういうふうに理解していいですか。
○国務大臣(河本敏夫君) そこまでは言わなかったわけでございまして、できるだけ事が円満に、かつ、有効に運ぶようにいろいろ行政面で配慮をしたいということで、まだそう結論は出ておりません。
○市川正一君 午前中の通産大臣の所信表明は、内需の拡大によって景気を回復させるために公共投資の拡大を軸にして云々というふうに述べておられまして、公共投資の拡大を景気対策の重要な柱に据えておられます。この点に関して私はさきの本委員会で、この公共投資なるものが、従来型の産業基盤優先なのか、それとも生活密着型なのか、そこが問題である、従来型の公共投資の流れを変えていくことが、国民の購買力を高めることともに、景気回復のかなめであることを指摘し、大臣との間で若干のやりとりを行いました。御記憶のところだと思います。そうした前提に立って、かつ現実の実態に即して、私は公共投資における来年度の公共事業の発注問題について質問をいたしたい。 公共事業については上期に七割、特に第一・四半期に集中的に契約することがさきの閣議でも確認されたわけであります。ところで、午前の大臣の所信も、その第三点で中小企業対策を取り上げて、きめ細かな施策を講ずることを強調されておられます。これが言葉だけなのかどうなのかが、まさに問われるだろう、私はこう思います。 いま、すべての中小零細業者にとって最大の要求は、仕事が欲しいということです。したがって、公共事業の発注に当たっては、当然のことながら、中小企業への発注を拡大するよう特別の、最大限の努力を払うべきであると考えますが、いかがでございましょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 公共事業の発注に関しましては、数年前から特別に配慮をいたしまして、年ごとに発注の目標を設定をしてまいりました。政府全体として協力しておるわけでございますが、五十三年度ももちろんできるだけ増額するように努力を続けていく所存でございます。
○市川正一君 公共事業というのは、言うまでもございませんが、地方自治体も含めていわゆる官公需の中の大きな比重を占めております。いま大臣もおっしゃったように、官公需法に基づいて、毎年中小企業者に関する国等の契約の方針を発表されておりますが、私は、これを、特に来年度のような場合、公共事業の上期集中契約に間に合うように早期に作成し、決定する必要があると考えます。ところが、ここ十年間の契約方針が閣議決定で行われた月日を調べてみますと、いずれも七月から九月にかけてであります。最も早い時期で昭和五十年度の七月十一日、遅いときには四十三年度の九月二十日というのがございます。本来、これは年度初めに決めなければならないものだというふうに考えますが、特に、先ほど触れましたように、来年度上半期に集中的に契約が行われるというふうな場合には、なおさらであります。遅くとも四月初めには決定されるべきだと思いますが、この点の御所見を承りたい。
○政府委員(岸田文武君) 国等の中小企業向けの発注の目標を決めます場合には、実は前年の実績を各省庁から集めまして、その実績をもとに、どの部分でどのように上乗せができるかということを、一つ一つ詰めた上で最終的な目標をつくる、こういう作業をいたしておるところでございます。その意味におきまして、年度が終わりましてからできるだけ作業を急ぎましても、やはり七月にかからざるを得ないという背景がございます。ただ、そうは申しましても、各省庁とも自分の所管の実績は心得ておりますし、また、いまの情勢が少しでも中小企業向けの発注を多くしなければいけない情勢にあることはよく心得ておりますので、自分自身の実績を頭に置きながら、年度当初における発注は当然行われる、こう考えておるところでございます。
○市川正一君 いまおっしゃった実績整理とかあるいは計数整理ですね、そういうふうなことが理由で決められないというのは、これはある意味では私は怠慢と言って過言でないと思うんです。と申しますのは、いろいろ官公需の内容は、概算要求の段階を通じて、政府原案が固まった段階である程度見通しがつくはずですし、現に政治経済はそういう形で動いておるわけでありますから、もっとも、早ければ早いほどいいという早さだけが目的ではなしに、その内容が問題でありますが、とりわけこういう深刻な事態のもとで、とりあえず暫定措置として、中小企業に優先的に発注するといった基本的な方向についてだけでも、いま長官申されましたが、速やかに閣議決定をするというふうなことはできると思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(岸田文武君) いまお話のございました基本的な方針あるいは基本的な態度につきましては、まさに官公需法自身に示されておるところでございまして、この点は各省庁とも異存のないところであろうかと思います。ただ、具体的にいかなる数字を目標として用意をするかということにつきましては、数字だけを示して、後それに合うように積み上げをする、こういうやり方でございますと、結果としては目標が達成されないというようなことにもなりかねないわけでございます。私どもは、過去の実績を頭に置き、そして予算が編成された段階で個所づけが行われる、こういうような実情もそれぞれ頭に置きながら、去年はこういう事情があったからこういう程度にとどまったけれども、ことしはこういうプラスアルファの要件があり得るのではないか、この辺を中小企業庁も間に入りまして関係各省が知恵を集めて目標をつくる、こういう作業のやり方をやっておるところでございます。
○市川正一君 私の方からあえて先例を申し上げる必要もないわけですけれども、昭和五十年の二月四日の閣議了解で、「官公需についての中小企業者の受注の機会の増大について」ということが決められております。だから、その気になればやれることである。そういう意味で、両大臣がいらっしゃいますので、特に強く要望を重ねて申し上げたいというふうに考えます。 続いて、官公需の問題について具体的にお伺いしたいのでありますが、中小企業者が官公需の受注を確保する上で、いわゆる登録業者になっておくことがいわば不可欠の前提でございます。これについて、国等においては、事前登録制以外に、中小企業者について随時受け付ける方向で処理されておられますけれども、私が調べたところによると、依然として随時受け付けをやっていないところがございます。たとえば阪神高速道路公団、雇用促進事業団などがそうであります。そのほかでも定期受け付け、これは大体一月から二月になっておるようでありますが、そのときに随時受け付けも可能であることを知らせるだけという、いわば非常におざなりだと思うのですね。こういうところも少なくございません。必ずしもすべての省、庁、公社、公団等に徹底しているとは言い切れない。 この点について、私は、すべての省、庁、公社、公団に対して、中小企業者に対しては随時受け付けをしている旨を徹底させるべきである。まして、依然としてやっていない阪神高速道路公団とか雇用促進事業団などについては、直ちに随時受け付けを始めるよう指導すべきではないか、こう考えます。また、この点は、各地方自治体に対しましても、中小企業者に対して随時受け付けをするよう速やかに要請される必要があると思いますが、あわせて見解を承りたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 入札資格の受け付けについて、随時受け付けを認めるようにという点は、実は私どももそういう方向でやっていきたいと考えまして、従来から各省庁の連絡会等におきましてこの旨の要請を行ってまいったところでございます。 実はお尋ねでございましたので、各省庁一体どういう状況になっているかということを調べてみました。調べてみますと、ほとんどの発注機関において随時受け付け方式を採用しておるという実情でございまして、五十一年度の随時受け付けの件数が合計で国関係で二万六千件行われておるという実情でございます。ただ、いまお示しございましたまさに二つの組織だけがまだ取り残されておる実情が判明をいたしたところでございまして、ただ、お話ございました阪神高速道路公団及び雇用促進事業団におきましても、定期受け付けのほかに多少の弾力的な措置は講じておるようでございますので、御指摘をいただきましたことでもございますので、さらに前進を図るように、私どもからも要請をいたしたいと思っておるところでございます。 なお都道府県についてもお話がございました。私の記憶では、東京都はたしか随時受け付けをやっておると思います。そのほかの府県でも随時受け付けをやっておるのも幾つかあろうと思いますが、せっかく国の方でそのようなところまで進んでおるわけでございますから、国に準じて都道府県の方もやっていただきたい。これは私どもも希望しておるところでございまして、今後府県との連絡会等がございました際には、こういう問題について前向きに計らってもらうように、私どもからも指導をいたしたいと思っておるところでございます。
○市川正一君 いま雇用促進事業団の名が挙がったわけですが、特にここがどうこうというわけではありませんが、名が挙がりましたんで引き続いて関連してお聞きしたいんですが、ここの建設工事に関する一般競争及び指名競争の参加資格についてであります。 私どもの方へ寄せられたところによりますと、雇用促進事業団の資格審査申請書類提出要綱によりますと、資格ランクが第一種と第二種の二種類ございまして、第二種は工事規模が一億三千万円未満であって構造、設備、仕様等が複雑でない工事に限り指名することができるものを指すとなっております。そして、第一種はこれ以上のものというふうに規定されておりますが、ところがその資格は一種も二種も払い込み資本金が一千万円以上の法人であることというふうに規定しておるわけです。つまり、一千万円以下のものについては一種であろうと二種であろうと完全に排除されるという結果になるわけであります。これでは資格を得る者は大きいところだけということで、結局一千万円以下の中小零細業者は完全に排除されるわけです。これは官公需法の精神にももとるものというふうに言わざるを得ないのですが、この点について見解を承りたい。
○説明員(白井晋太郎君) お答えいたします。 いま先生がおっしゃったのは事業団の本部で登録いたしております、それから本部で請負に出します事業の基準でございまして、本部で取り扱っておりますのは八千万以上の工事についてでございまして、私の方の事業団の事業は定型化されておりまして、一つは雇用促進住宅を建てること、あとは屋内施設、体育施設その他の施設を、八千万とか一億五千万程度の施設を定型化して建てるということになっておりますので、そういうことでそういう基準を定めているというふうに事業団の方から報告を受けております。そのほか事業団の各支部でさらに金額の低い仕事とかいろんな仕事につきましては、そのような基準に偏らずにそれぞれ支部で、指名その他契約をしておるという状況になっているわけでございます。 それで、いま先生おっしゃいました趣旨は、先ほどの登録期間の年一回でなく随時行うべきだというような趣旨につきましては、先生のおっしゃる御意見は十分理解できるところでございますので、私の方からも事業団を指導いたしまして、そういうことで前向きで検討してまいりたいというふうに思っておりますが、いまの事業団の基準の方につきましてはそういうことで、私どもの方の仕事ば非常に定型化されている部分があるということを御理解いただきたいと思います。
○市川正一君 私もその点はさらに積極的方向でひとつ正しい解決を今後も一緒に詰めたいと思っていますが、この点は、参加資格が非常に官公需法その他の精神に反する形で放置されているということが少なくないという指摘をあえて行いたいんでありますが、中小企業庁が出しておられる「官公需契約の手引き」でも資格等級の格づけについて原則的な見解を明示されております。またこの資格審査は単に資本金だけでなしに、そのほかのさまざまな要素も加味して行っておられるわけで、これは資本金だけでは正当な判判ができないからであります。実際最近報道機関の伝えているころによりますと、大手と言われるところが、手抜き工事あるいは欠陥マンションということで社会的な問題になっていることは御承知のところでありますが、あるいはダミーを使って官公需をとる、あるいは単なるトンネル会社であって、そうして仕事は二次、三次の下請にやらしているというふうな事実は公然のいわば事実になっている。 こういう点からも、資格審査の窓口拡大こそは私はよき業者を選定する上でも必要なことだというふうに考えます。にもかかわらず、雇用促進事業団のように資本金が一千万円で一律に排除するということは、たとえば分割発注をするとか、いま定型、いろいろおっしゃったけれども、そうして小規模な仕事の発注を生じたとしても、結局一千万円以下の中小業者は最初から外される、仕事が回ってこない、こういう状況を放置して、先ほど来、官公需の中小企業への発注を高めるというふうにおっしゃっても、実際にやっていることとうらはらの結果になる。ですから、随時受け付けについてはいま前向きの御答弁、解決の方向を約束されましたが、資格審査についても、こうした一千万円以下の建設中小業者に道が開かれるように、私は直ちに改善をすべきだということを重ねて強調しておきたいと思います。
○政府委員(岸田文武君) 官公需につきまして、中小企業の発注機会を少しでも多くしようということは私どもの基本的な方向でございます。いまお話ございました点に関連をしまして私どももいろいろ実情を調べてみました。一般競争入札の参加者の資格要件につきましては、予決令で、禁治産者、不正行為者等の排除規定がございますほか、必要がある場合に各省庁の長は契約の種類ごとにその金額に応じ工事実績、従業員数、資本の額その他一般競争参加者の必要な資格を定めることができる、こういう旨の規定がございます。これに従って各省庁とも条件を付しているのが実情でございますが、問題はその条件の中身になろうかと思います。私どもは、一般的に格づけを行いまして、それに適応する入札参加者を決めるという方式は、場合によっては中小企業を守る道にもつながっていく、小さな工事に犬企業が入っていくというのを排除する効果もあり得るわけですが、それが適正を欠きますと、いま御指摘のような問題にもつながってくる、したがって運用の問題にかかってくるのではないかと思っておるところでございます。 従来から、この格づけの適正な見直しということについて関係各省にお願いをしておりまして、各省とも逐次その面の改定をしていただいておるところでございます。さらにそれに加えまして、いまお話しございましたような分割発注の推進、この面もこの数年来の不況の中で、中小企業の仕事の機会をふやそう、こういう私どものお願いを、関係各省ともかなり理解をしていただいておるように感じておりまして、分割発注もかなりふえつつあるというふうに印象づけられております。
○市川正一君 あと一問でこれに関連した質問を締めたいと思いますが、雇用促進事業団に関してはこれだけではないわけであります。具体例を申し上げますと、これは大阪の寝屋川市のことでございますが、ここに北大阪建設協業組合というのがあるんですが、この組合は出資金が四千二十万円、一級建築士もおります。ところが、過去の実績に五千万円以上の鉄筋コンクリートづくりの建築工事実績がないというだけで、資格審査の受け付けを拒否された。御承知のように、建設省その他では、実績にかかわらず受け付けをいたしております。これでは雇用促進事業団本部が、いま中小企業庁長官おっしゃったような分割発注の意思、あるいは中小零細企業者への発注の意思、最初から持たないというふうに言わざるを得ぬわけであります。私は通産大臣に、以上のようなやりとりを踏まえて、こうした状況について通産省としても当然改善の方向で雇用促進事業団に要請すべきではないかと考えますが、最後に通産大臣の所見を承りたい。
○政府委員(岸田文武君) 私どもの基本的な方針は、いまお話し申し上げたとおりでございます。個々のケースにわたりますと、いろいろ背景もよく調べてみなければならないかと思いますが、基本的な精神というものを体しましてよく相談をし、前向きに改善できるものはいたしたい、かように考えます。
○国務大臣(河本敏夫君) いま長官が申し述べたとおりでございまして、個々の例をよく調べまして、順次改善の方向に持ってまいります。
○市川正一君 こういうことを私が申し上げるのは、私どもの調査ではたとえば東北新幹線、あるいは本四架橋、苫東開発のこうした大型投資の受注実態、これ調べますと結局大企業にほとんど独占されている。そして、地元の業者は全くと言っていいほど置き去りにされている。本四架橋で大いに期待を寄せておりましたたとえばこれは徳島県の一例でありますが、地元企業がむしろ倒産がふえて、そして前年比一倍半にふえているわけです。これが実態なんです。ですから、私はあえて論争を繰り返す、蒸し返すことをここではもう時間の関係で避けますが、こういう従来型のやり方では、所信表明でおっしゃったあの意味が、結局波及効果あるいは雇用効果などのメリットもこれはほとんどない。むしろ依然として、大企業に奉仕するものだということを私は改めて指摘しながら、次の問題に移りたいと思うんであります。 永大産業の倒産問題でありますが、これについて私先般河本通産大臣に直接お会いして申し入れもさしていただきました。大臣は積極的な対策をとることをお約束されたわけでありますが、一つの問題は、二次、三次の下請の場合、非常に大きな被害をこうむっていても、直接債権あるいは取引がない場合は救済対象になっていない。これが大きな問題になっております。私自身先日関西方面に参りまして調査いたしました。関係者の生の声も聞いてまいりましたが、特に二次、三次の下請から、この点について救済対象になるよう強い要望が寄せられております。私はこの要望にこたえて、救済対象にする方向での具体的な検討を行うべきだと考えますが、この点について所見を承りたい。
○政府委員(岸田文武君) 私どもも大型な倒産が起こった場合に、それが波及をしないようにということでできるだけの手を打ってきておるつもりでございます。いまお話しの問題に、直接関係ございますのは、中小企業信用保険の特例措置の問題が出てこようかと思っておるところでございます。
○市川正一君 特に、それに関連しまして。
○政府委員(岸田文武君) これは、実は中小企業信用保険法に基づきまして、法律上、倒産企業と直接取引関係のある中小企業しか対象にできないということになっておるところでございます。その考え方としましては直接取引のある一次下請のところで倒産を食いとめるということになれば、二次、三次には広がらないで済むだろう、こういうことが基本になっておるのではないかと思っておるところでございます。ただ御承知のとおり中小企業信用保険法に基づく不況業種の指定という制度がございまして、これ声倒産企業の場合と同じように保険の別枠同額という措置が用意されておるわけでございますが、この不況業種の指定が最近非常に追加をされまして、いまでは製造業でございますと大体企業者数の五〇%までがこれの適用を受けるというところまで来ておるところでございます。したがって、二次の方あるいは三次の方でも、この不況業種に該当するというようなときには、結果として同様の措置が講ぜられ得るというような形になっておりますこと、あわせて御報告しておきたいと思います。
○市川正一君 含蓄がある御答弁というふうに承っておりますし、またやっぱり法の精神として実態に即した救済、実態に即した措置を政府として積極的にとられることを重ねて、通産大臣もいらっしゃることですから、要望したいと考えております。 で、この永大倒産に関連して、私はこの機会に、政府施策の周知徹底の方法について若干御提案も申し上げ、また御見解も承りたいんでありますが、先日、大阪の通産局にお尋ねをいたしました際に、通産局長は、実態掌握のために関係者が、四日間徹夜で大いにがんばっておるというような実情もお話がありました。いろいろやっておられることに対して、私はこの場で改めて敬意を表するわけでありますが、しかし、永大の取引先が二千三百社と申されておりますが、そのうち千六百社まではつかめたけれども、下請関連が東京、名古屋、広島、京都、兵庫など全国に広がっているために、全体として掌握し切れないということを語っておられました。実際関連企業から、消費者あるいは間接的な取引企業も含めて、全国的な規模で影響が及んでおる。実態はまだまだ掌握し切れてない。ところが、通産省にお聞きすると、周知の方法は永大産業の営業所にお知らせなるものを張り出す方法だけだと言うのです。 委員長、ちょっとこれなんですけれども、大臣にちょっと見ていただくことにさしていただきますよ。結局こういう一片のタイプで打った紙切れですね。これを永大産業の営業所にいわば張り出すということにとどまっておるわけです。これではとうてい普及徹底はもうおぼつかない。 そこでひとつ提案をいたしたいんでありますが、テレビ、ラジオなどのマスコミを活用するという方法はどうなのか。私、通産省の広報関係予算を調べますと、五十二年度十億四千三百二十万円計上されております。こうした予算のごく一部を使ってやることは可能じゃないか。実はここに会議録がございますが、これは去年の十一月十七日の本委員会で、私が緊急融資における貸付条件に関していろいろ質問いたしました際に、当時の田中龍夫通産大臣が、いろいろ政府としてやっているんだと、しかし「何とかこれを周知徹底するように十分にPRをしなきゃいかぬ、かようにも考えております。」とまあお答えになっておるわけでありますが、今後の課題としてもこのPR、特に今度のような事態の場合に、なかなか一般の零細業者の方は、相談に行ってもどこへ聞きに行ってもわからぬという場合のテレビの活用、これはぜひ検討をされる必要があると思いますが、この点、まあ大臣とはあえて申しませんが、お考えをお伺いしたい。
○政府委員(岸田文武君) 永大産業は取引先も非常に多数ございますので、実は大阪通産局以外の各通産局にも指示をいたしまして、それぞれの通産局ごとに、実態を把握するようにということを命じてございます。その結果、逐時情報が集まっておりまして、ほぼ全貌に近いところまでフォローしておるところでございます。 いまお話ございましたお知らせは、聞いてみますと約三千部ほど用意をいたしまして都道府県、それから中小企業団体、金融機関等のほか永大産業の営業所等にも配って、われわれとしてはこういう応援手段を用意しておりますということを、少しでも多くの人に知っていただこうという趣旨で通産局の方に用意をしたものでございます。 さらにそれに加えて、他の広報機関も活用してはどうかという点ごもっともでございまして、実は私どもも、お話にございましたテレビ、新聞、週刊誌等の活用を考えております。で、これは取引先が倒産したときにどういう金融措置がとり得るかというような形で編集をいたしまして、テレビについて三月七日、それから新聞は三月五日及び八日、それから週刊誌では三月六、七、八日に発売されるもの、こういった形でいま準備を進めておるところでございます。
○市川正一君 早速に具体化が進められておりますが、なおいろいろと積極的措置を期待いたします。 次に、私下請の問題について若干お伺いしたいんでありますが、いわば製造業の六割を占める下請中小企業の現状、これはきわめて深刻であります。この問題については、衆議院の予算委員会で、わが党の不破議員また革新共同の安田議員が昨日トヨタ自工の具体例を指摘いたしまして、現行下請二法の実効性について幾つかの質問、提案を行っておりましたが、私自身の調査でも、いわゆるトヨタ方式なるかんばん方式あるいは見込み生産、これは決してトヨタ自工だけの特異なケースではなくて、広く普及いたしております。そればかりか、三次、四次の下請業者の段階までいきますと、自分でつくっているのがどんな製品の部品であるのか、単価は幾らか、それすら知らない業者がおります。しかし、これで文句を言うと結局仕事がなくなってしまうと、何も言えない。 こういうことから多くの下請業者の要求となっておりますのは、下請法の実効性をいかに確保するかという問題でありますが、現在中小企業庁、公正取引委員会合わせて専任スタッフがわずか二十名という貧弱な体制では、とうてい現在の下請中小企業の無権利状態というものをこれを守り得ないというふうに考えますが、この体制整備は避けて通れない課題というふうに私考えますが、この点はいかがでございましょう。
○政府委員(岸田文武君) 中小企業の行政の中でも、下請の仕事は一面において非常に大事な仕事でありながら、同時に大変むずかしい仕事であるということを、いま痛感をいたしておるところでございます。やはり親企業と下請企業とが円満な関係を結ぶというのが理想でありながら、大企業がともすると力が強いということのために、下請の方は文句を言おうにも言いにくいと、こういうことが背景にあるわけでございます。ただそうは申しましても、日本経済の中で下請の占める役割りというものは、本当に大きなものでございまして、ここがしっかりすると否とが大変大きな問題であろうと思います。したがって、私どもは一面では少しずつ人員の増強を図って体制の整備を図っておりますが、むしろ与えられた人員の中で、どうやって実効のある仕事をするかということのために、いま一生懸命努力をいたしておるところでございます。現に下請企業に対する実態調査につきましても、毎年調査対象をふやしておりますし、その結果、是正措置の数もふえておる、こういう実情になっております。
○市川正一君 与えられた二十名で……そんなあほなこと言いなさんな。あなた中小企業零細下請のことを守ろうと思うたら、もっと積極的に要求も出し、主張もし、がんばらぬとあきまへんで。時間がないので—— 宮澤長官まことにお待たせいたしました。 長官のけさの所信において「物価の安定を確保することは、景気対策を思い切って進めていく上でも是非とも必要であります。」というふうに述べられておるわけでありますが、私は物価問題として牛乳の値上げ問題についてお伺いしたいんでありますが、最近、明治、森永、雪印などの大手乳業メーカーが飲用乳の卸売価格を引き上げるということで、先日来各系列の牛乳販売店の団体と交渉をいたしております。 牛乳は、国民生活の不況下における窮迫のためにいま消費が後退している傾向にございます。こうした中で、消費者はもちろん牛乳販売店も、また中小の乳業メーカーも値上げしない方がよいということで、共同の運動が各地で広がっている。たとえばこれは大阪でございますけれども、消費者、販売店、中小乳業メーカー、これに酪農民、これが合同で対策会議を持っておる。これには大阪府と大阪市の関係者も出席して反対決議を行っている。そういう運動が起こっておりますが、政府としてもこれらの要求にこたえて、値上げを中止するような指導を行われてはどうかと考えますが、経企庁の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も詳しいことはよくは存じませんけれども、飲用牛乳の価格は加工原料乳と違いまして、農家がまずまず採算がとれるような価格を形成し得る立場にあると考えておりますので、この飲用についてはいままで市場メカニズムで、当事者間で価格が決まっていくと、行政は直接は関与しないという態度をとってまいっております。しかるところ、昨年の春でございますが、生産者団体から値上げの申し入れがあり、業界との間で話がつきませんで、農林省があっせんをした。で、ことしの一月までの四カ月間でございますか、ある程度の金額を払うということが取り決められたようでありますけれども、その一月が期限切れになってまいりまして、他方で、おっしゃいますように需給緩和の事情もあるというようなことで、今回のような動きになったと聞いておるんでございますけれども、私どもとしては農林省と連絡をとりながら、もう少し事態を見守らせていただきたいと考えているわけでございます。
○市川正一君 最後に。私少しいろいろ調べてみますと、卸乳価の中に占めるベーカーの取り分の比率が、二百ccをとってみますと、昭和四十六年に二八・七%でございましたけれども、これが現在は三一・七%にアップしております。その中で先ほどの明治、森永、雪印という乳業大手三社の五十二年度三月期決算を見ますと、経常利益が年間百七十五億円余りになってございます。また、販売促進費、これは後で御説明申しますが、これが三社で百七十二億円。この販売促進費というのは、その使途の大部分が、大スーパーへの大型ショーケースですね、ショーウインドーのあのケース、これの無料提供とか、あるいは十ケース卸すごとに一ケースの無料添付などといったもので、結局これが大スーパーの不当廉売の原因にもなっておるという実態でございます。 大乳業メーカーは、値上げが必要であるというふうに申しておられますけれども、昨年十月の酪農民の値上げ要求に対する暫定措置を理由にされておりますが、その三社負担分は年にして約四十億円、これはさきに申し上げました利益によって十分吸収できるものだというふうに思考いたします。従来行われてきた牛乳販売価格の値上げを見てみますと、大乳業メーカーの主導のもとに、中小牛乳販売店が一方的に管理価格を押しつけられて値上げをされると、こういう経過になってございます。他方、大乳業メーカーは、大スーパーに対しては中小販売店に比べて著しく低い価格で卸しておる、大スーパーの不当廉売をここから誘発いたしておるというような状況のもとで、専売の中小牛乳販売業者の営業がますます困難になり牛乳の消費の安定した発展を妨げる、こういう諸関係のもとで、消費者の要求にもこたえ牛乳の消費を安定して発展させる、そして中小牛乳販売店の営業の安定を図るために、私は牛乳の消費者価格について、指導価格制度を実行することはどうだろうかということについて、この際、いろいろ価格政策の一助としても、消費者の要望にこたえる点からも御検討をいただきたいと考えるものでありますが、もし御見解が承れれば幸いであります。
○政府委員(藤井直樹君) 飲用牛乳につきましては、加工原料乳とちょっと性格が違うということで、従来から自主的な交渉で決められてきたわけでございます。いま御指摘の、何らかの政府の介入をして、その際指導価格ということになりますと、どうもやっぱり全体としての価格カルテル的な動きにもつながりやすいことにもなりますし、また一方、国民生活安定審議会も、かつてこの問題を検討いたしまして、国が指導価格というようなものに取り組んでやっていくことについては消費者保護の観点からも望ましくないというようなことも提言されておりますしいたしますので、私どもとしては、そういう不当な廉売等に関しては、独禁法の立場からいろいろな規制が加えられるわけでございまして、公正取引委員会におきましてもいろいろ現在監視をしておられるわけでございますので、基本的には現在のような当事者間の話し合いで決まっていく姿がいいのではないかと思っております。
○市川正一君 なお研究さしていただきますが、どうもありがとうございました。
○藤井恒男君 きょうは時間が余りございませんので、具体的な問題にしぼって大臣に承りたいと思います。 まず最初に、きょう衆議院の本会議で趣旨説明の行われました特定不況産業安定臨時措置法案に関する問題でございますが、この問題に関して私も幾つかの業界の代表とこれまで懇談を重ねてまいりました。一様に各業界が危惧しておる問題は、いわゆる指示カルテルに基づいて設備の新設、増設及び改造の制限または禁止が行われるわけであるが、この場合、アウトサイダーを野放しにしておるという状況の中で、果たしてそれぞれの業界がこの法案に基づいて申し出団体になり得るのかどうかということです。 たとえば、この場合は業種指定を行っても業界自体が申し出をすることが第一要件になっておるわけだけれども、明らかにその業界の中で不参を唱えるところがあった場合に、一体これはどうなるのだろう、指示カルテルという行為まで及ばないのではないかと。当局では、行政指導その他によって、アウトサイダー規制が今回さまざまな問題で外されるところとなったが、実態面においては全部包括されるような形もとり得るというような説明をしておる向きもあるんですが、現実問題として、業界にもさまざまな姿がありますが、きわめて小グループの業界などの場合には、仮にその中の一社が欠けてもこれは動きがとれないというようなことだってあり得るんです。 そういった面について、本当にこの法案が生まれたときに即効性を持って措置できるのかどうか、いわゆるアウトサイダー規制を外した状態においてですね。この辺、率直に大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この法律で一番大事な点が、いま御指摘のアウトサイダーの問題であります。アウトサイダーを規制するかしないかということが、もう最大の課題であります。まあ、規制すべしという説と、そこまでやらぬでもいいじゃないかという二つの説がございまして、ずいぶん各方面からいろんな意見が出てまいりました。一カ月半このために議論を費やしたわけでございますが、しかし総合的に判断をいたしまして最終的にはアウトサイダー規制を外すことにしたわけでありますが、その場合に、いまお話しのように業種指定を申し出る業界の数が若干減るおそれがあるのではないか、つまり、アウトサイダーが相当強力である、たとえば三分の二の業界の方々が、今度の緊急立法に乗っかって何らかの構造改善事業をやってみようと、こういうことを計画されても、三分の一弱の強力なアウトサイダーが存在する場合には、効果が期待できない、だからこれはとても無理だということで業種指定の申し出をしない場合も往々にしてあるであろうと、こういうお話しでございますが、そういう事態も当然私はあり得ると思います。
○藤井恒男君 非常に問題なのは、いわゆる特定不況業種の例示もなされておるけれども、それらのものが特定不況産業に指定すべき旨の申し出をすることができるものとし、その申し出があった場合において、その申し出を受けて初動動作が起こっていくわけでしょう。だから、この一番最初の段階で業界自体がもう、たまたま例示までされておるものの、実際問題として動きがとれないと、いま言ったような問題が出ればですよ。これはもう私は現実の問題として出てくると思うんですよ。だから、この辺のところはやっぱり法案を生む前に、大臣としてきちっとした形をとっておらなければ、このこと自体をもって業界が非常に困惑しておる、混乱しておるという現状ですから、もう一度お答えいただきたい。 同時に、この種の形で、仮にそれじゃ申し出をする、そして自助努力も行うが、結果的に指示カルテルに入ったと、指示カルテルに入った間、輸入問題はどうするんだと、そこが抜けておれば、せっかく指示カルテルまで置いて、しかも強力な形で設備の廃棄その他を進めようとしておるさなか、しかもそこにアウトサイダーも仮におる、そういう中で輸入がラッシュするということになった場合に、果たしてそれはどこがどのように処置するんだと、いままでどおり通産省が、輸入規制というのは、わが国の立場上できるものではないという形だけで手をこまねいておるのか。それじゃこれどうしようもないぞという第二の危惧があるんです。どうでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 一番望ましい形は、不況業種といえども、その業種が政府の力をかりないで、今度のような緊急立法の力をかりないで自主的に問題を解決をしていこうという、そういう方向で片づけていただければ一番いいわけであります。しかしながら、どうしても自主的な努力と工夫だけでは問題の解決が不可能である。若干のアウトサイダーはおるけれども、ひとつ今度の法案に乗っかってやってみようということで、三分の二以上の方々が申し出をされたといたします。その場合に政府は、その申し出の業種が、一定の要件に合っておるかどうかということ等を関係審議会の意見を聞いて決めまして、そしてさらに安定計画というものをつくるわけであります。安定計画というのは、わかりやすく言えば私はガイドラインだと思っておるんです。こういうことでやったらどうですかと、やってみなさいと、こういうガイドラインを示すわけであります。で、そのガイドライン——安定基本計画に従って業界自身の自主的な努力で問題が解決されることが非常に望ましいと思うんです。しかし、どうしても安定基本計画はできたけれども、業界の話し合いだけではこれはできないという場合には、これは指示カルテルによって設備の廃棄あるいは新増設の規制等こういうことができると、もちろんこれには公取の同意が必要となりますけれども、こういう構えになっておるわけですね。だから、三段の構えになっておるわけです。業界自身の自助努力によって問題を解決するということ、この法律に乗っかってやる場合といえども、指示カルテルを持たないで自主的な努力によって安定基本計画が達成されるということ、どうしてもこれはやはり最悪の場合にだけ指示カルテルによろうと、こういう考え方でございます。 そこで、途中でそれじゃ輸入が急増すればどうなるかということでありますが、その業界に対して致命的な影響が出てくるというような場合には、これはまた当然その場合には、対策というものを考えてこなければならぬわけでありますが、一体どの程度の影響が出てくるかということによって、その場合その場合の判断をしていくと、こういうことになろうと思います。
○藤井恒男君 これは、これからいずれまだ衆議院段階、そして当院においても法案の実質審議に入る期間があるわけですが、その折に論議をゆだねてもいいんですけれども、問題が非常に大きいからあえて私申し上げておるところなんです。 で、先ほどは大きな影響力のある企業がその業界から抜けた場合に、他の企業が、それが一社であろうともシェアの関係で動きがとれぬということを申しましたが、全く逆な場合もありましてね、今度の法案によりますと、その業界の三分の二以上の数、企業数、かつシェアがやっぱり大部分を占めるという両方の条件を具備しなきゃならない。ところがある業界にあっては、数はもう八〇%あると、ところがシェアはわずか三割ぐらいだと、だから残るある一部の大手がすべてを牛耳っておる。で、その数多くの業界の中の中小はこの際構造改善やりたいと、やらなきゃどうしようもないというときに、その一部の首根っこを押さえておる大手が首を縦に振らなかったら、これまた一つも動かない、こういうことになるんですよ。 だから、その辺のところは私はもうちょっとこれは弾力的に発想を変えていかなければ、現在も特定不況産業にあって、雇用調整給付金だとかいろんな恩恵を受ける手だてがあるんだけれども、通産省と労働省とのパイプがいま一つはっきりしない。したがって通産サイドから見れば当然指定を受けるべきものと思っても、地方における職業安定課に行けば、ぽんとはねられるというようなことがたくさんあるわけです。だから、まあその条文解釈でね、ここ過去三カ月の生産あるいは人員その他が対前年比何%以下でなければ受けられないよなんということになれば、この四年間に、もうしぼりにしぼっておるわけですからね、それ以上落とすということは息の根とめることになる。まあ現実と実際がなかなかうまく合ってない。したがって今回のこの法案もこれほどもめ抜いてできたわけですから、よっぽど私は考えていただきたい。 それと、いまさらっと抜けられたけれども、輸入問題もこれまでの大臣答弁あるいは当局の答弁のように、自由貿易主義でいかなければいけないという一片のお答えだけでは私は済まぬだろう、この法案がやっぱり出てくれば、世界どこを見ても古典的な自由貿易なんてないんであって、やっぱり管理された貿易、いわゆるフェアなトレードでなきゃいけない、フリートレードじゃないという発想に変わってきて、そういう動きをしておるわけですから、わが国もすべての産業ということではないけれども、この法案に基づいて特定不況業種と指定され、しかも指示カルテルが行われておるという産業の輸入問題に関しては、私は繊維にあってはたとえばMFAを発動するとか、きちっとするんだという裏打ちを形で示さなければ、私は大変な片手落ちだと思うんです。したがって、その辺も含めて輸入対策についてお答えをいただきたいと思う。
○政府委員(山口和男君) 輸入の問題でございますが、確かに先生御指摘のように、片方で設備制限までやって生産量全体を抑えていこうと、そういう状態のところにもうどんどん輸入が入ってくるということで、抜け穴になるんじゃないかという問題は当然考えられるわけでございます。ただ、この問題については、それぞれの業種によっていろいろと事情が違うんじゃないかと思われるわけでございまして、まあ繊維の場合、あるいはアルミの場合、それぞれ事情が違っておると思います。で、これらにつきましては、いずれにいたしましてもこの法案の具体的な適用になります場合には、先ほど来お話ございますように、その当該業界の大部分の申し出がある場合に産業の指定をしていくと。指定されますと、基本計画を主務大臣が関係審議会に諮りまして決めていくわけでございますが、当然その段階で輸入問題をどう見るかと、今後何年間かの見通しの段階で輸入はどうなっていくだろうかということが当然議論の対象になるんだろうと思います。 まあ、いま直ちに輸入問題に何か手をつけにゃいかぬのかどうかという点については、必ずしもそういう状態になってない業種、現状であろうと思いますが、今後それをどういうふうに見込んでいくかと、そういうことになると思います。その場合に当然いまお話ございましたように、国際経済環境について十分考えていかにゃいかぬわけでございまして、現在御案内のとおりガットにおきましても、東京ラウンドのジュネーブでの話し合いを進めておりますが、その中でも関税引き下げの問題と同時にセーフガードの見直しの問題もございます。特に繊維につきましては先生御案内のとおり、MFAの協定ができておるわけでございます。 そういった協定なりガットの規定等の考え方に沿って輸入対策というものを考えていかなきゃいかぬ日本の立場にあるわけでございますが、これをどうしても問題が起こったときに講ずる手段というのは、関税でやる場合、関税定率法にございますようなガット十九条の発動とか、あるいは貿管令の適用とか、いろいろ手段としてはそういった他に現在すでに法律があるわけでございまして、制度としてはそういった制度を活用していくと、そういう事態が起こってきた場合に、そういう制度を活用していくということになっていくんだろうと思いますが、いずれにいたしましても、輸入の問題を含めてこの基本計画の段階で、十分な議論をしていかにゃいかぬということは御指摘のとおりだと思います。
○藤井恒男君 私は、わが国の産業を守るという意味から、外国からの輸入に関して物を言っておるんだけれども、これは前に申したように、いま何も古典的な自由貿易というのはだれも国際的には通用しない、考えていないことであって、むしろわが国だけが一つ覚えのようにそれを言っておると。だからやっぱり問題はフェアでなければいけない、それはわが国が輸出する場合でも同じことであって、フェアな輸出でなければいけない。同時に輸入にあってもアンフェアな形のものについては、国際的にきちっと認められたものがあるんだから、たとえばMFAでもそうですがね。ガットで認められたルールなんだから、そいつを発動することにちゅうちょする必要はないと思うんです。ましてこのような法案でかなりな金をつぎ込んで、設備廃棄を促して立ち直りを期そうとしておるその段階ですよ、永久じゃない。その段階になお何もできないということは私はおかしいと思う。これはもうしっかりしてもらわぬと困る。 もしそれが政府主導によってどうしても政府でできないんだというなら、私は業界主導によって、通産省の出しておるこのダンピング防止制度ですね、こいつを発動したらいいと思う。これはその業界、あるいはアメリカなんかの場合には、その所属する労働団体がこれを発議しておるわけですよ。これも何もわが国だけの問題じゃない。わが国もこの問題についてはアンチダンピング国際コードに基づいてやっておるわけですから、そしてわが国自体は、アメリカからどんどんこの問題を受けておるわけですから、だから業界がこの通産省指導に基づいて実証例を挙げて申請した場合、まあ主務大臣、これは大蔵大臣になるのかわからぬけれども、きちっとこれを活用してでもいまの問題を措置するということにしなきゃならないと思うんです。その用意があるかどうか。いかがですか、大臣。
○国務大臣(河本敏夫君) まずこの安定計画をつくる最初には、輸入問題が当然議論されるということは、いま審議官が申したとおりでございますが、しかし、やっておる最中にいろんな問題が発生する、一体どうするかということでありますが、強硬な手段をとるということはこれはもういとやさしいと思うんですよ。 ただしかし、やっぱりそこには、強硬な手段をとる場合には国際的にどういう場合にはとり得るというようなコンセンサスというものがございますから、それを一方的に無視してやった場合には、これはやはり日本としてはほかの国と事情が違いまして、資源のない国で貿易立国で国の経済というものが運営されておるわけでありますから、資源のきわめて豊富な国、制限貿易が生まれてもやっていけるような国とやっぱり日本とは立場が違うと思いますので、そこはよほど慎重に配慮をしていく必要があろうと思います。 それから、いまダンピングの場合にどうだというお話がございますが、これもやはりいろいろその判断がむずかしゅうございまして、ダンピングとは何ぞやと、こういう問題もありますから、やはりよほど総合的に判断していく必要があろうかと思います。
○藤井恒男君 ダンピング、むずかしくてもちゃんと書いてあるんですよ、全部、要領も、みんな。 だから私は具体的にじゃ繊維の問題で申し上げますと、たとえばポリエステルフィラメント、この加工糸、これが台湾から五十二年の十月は輸入量が五十トン、十一月が三百十四トン、十二月が八百四十四トンですよ。二カ月間に五十トンが八百四十四トンになるんですよ。どうしてだろうかと、これは通産省による行政指導に基づいてしぼっておるわけですね。行政指導に基づくカルテルを結んでおる。通産省の指導によって四月一日から不況カルテルに移行するようだけれども、やっと需給バランスが整い始めたかといえば、こういうことになる。あるいはポリエステルのジョーゼットですね。これは韓国からのものだけれども、五十二年の七月が二万匹、一匹五十ヤードだけれども、これが一月には七万匹、七万匹ということになるとわが国の生産のジョーゼットのレギュラーで出ている数量は約五万ないし十万匹です。したがって、これは取ってかわられるということになるわけです。だからポリエステルのジョーゼットに関しては、輸出等差別化商品は生きておるけれども、レギュラーのものは全部もう韓国に置きかえられる、こういうことにこれは現になっておるわけですよ。あるいはポリエステル加工糸について言えば、一九七六年が九百九十五トン、一九七七年が千二百十二トン、ところがこのところ一月以降ほとんど一千トンのペースでしょう。こいつはざっと伸びていく。しかも値段はわが国の国内価格六百五十円に対して輸入価格は三百九十一円、これはダンピングですよ。 だからダンピングとは何ぞやと、これも国際コードに基づいて、相手国の国内価格との差額がどうなっておるか、全部調べようがあるわけですから、これに基づいて、ダンピングだという形でダンピング防止を適用するという形に出たら、これは局長受けざるを得ないでしょう、どうです。
○政府委員(藤原一郎君) 合繊の糸、綿に関します輸入についての御質問でございます。いまお話しのように、ごく最近の数字をとりますと、おっしゃいましたように急増いたしております。従来ポリエステルの加工糸あるいはステープルにつきましては主として台湾でございますが、従来七五年ぐらいまではいわば台湾からはほとんど入っていなかったというのが実態でございまして、量といたしまして、ポリエステルの加工糸について申しますと、七六年が千トン足らずと、七七年が千二百トンと、これは年間のベースでございまして、これが年の終わりの方に集中しているということも事実でございますが、生産比率から申しますと、いずれもまだ日本内地の生産比率の一%に達していない状態でございます。これが今後どういうふうに伸びるかという問題が非常にやはり心配でございまして、国内で生産調整をいたしました分を全部埋められるということであれば、確かにそれは大きな問題でございます。 ただ実態を見ますと、非常に急激に生産調整の効果があらわれたこともございまして、あわてて輸入した向きも若干ございます。品質等にもやはりまだ相当の格差があるようでございまして、実際にはなかなか簡単に品質、性能等を含めまして代替するところには私はいかないんではないかと思っておりますが、しかしまあ全般といたしまして、台湾なり韓国の追い上げというものは、お示しのとおり相当気をつけるべき問題でございまして、必要な場合にはMFAの協定というものを、これは日本国も加盟しておるわけでございますから、発動する用意は整っているわけでございます。 ただこの際、やはりちょっと考えなきゃいかぬと思います点は、合繊に関しましては日本は非常な輸出国でございまして、製品まで含めますと生産量の約七割近くを輸出しているわけでございまして、こういう輸出国におきましてMFAの協定を援用いたしまして二国間協定なり何なりを結ぶという場合には、やはり慎重なる配慮が必要だというふうに考えております。繊維工業審議会の中に貿易需給部会を設けまして、調査小委員会で実態を監視、調査いたしまして、必要な場合には動き出せるようにいたしておるわけでございます。 なお、ダンピングの問題につきましては、先ほど大臣からもお話ございましたように、ダンピングについての条件というもの、いま先生がお示しのそのパンフレットに書いてあるようなことでございまして、それを満たしておれば当然可能になるわけでございますが、現状、私どもの判断としては、まだその条件を満たすには至ってないんではないかという気がいたしておるわけでございます。
○藤井恒男君 現在の合繊の輸出比率というのは、これは御存じのように、装置産業なるがゆえにそれが紡績業などのように切ったり張ったりできないということから、不振をかこつ状況の中で出血輸出をしておる。それもデュポンあたりになぐり込みをかけられて、ほとんどもう比例費も出ないというような状況になっておることは御存じだと思います。だからその数字をもって判断することは危険だと思う。それから合繊自体非常にすそ野の広い産業であって、みずからが数十億の赤字を出しつつ、信用不安を来さないために、一村だとかあるいは蝶理だとか新名とか、こういった産元の商社関係に百億近い債務保証を行っておるわけですから、突けば倒れるというような状況になっておる。そういう状況の中で、私はいまのような点を十分配意していただきたいというふうに思います。 それから、同じことですがナフサの問題ですね。このほどやっと一年がかりでエネ庁の長官の方から調停案が出されたようでございますが、私もこの商工委員会で何回かお願い申し上げたことですけど、この二千円と千円という形ですね。これはこの形でとりあえず十二月までという形で、一月以降分けると、二段ロケット式とうかがえるんだけれども、こういう内容のものか、また現在それをめぐって供給側と需要側との間にどうなっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(橋本利一君) いまお話ございましたように、昨年十二月分のナフサ価格につきまして、プライスリーダーである出光と住友化学で話がついておる。その内容は、国産品については二千円、それから輸入品を加味いたしまして実質三千円のキロリッター当たりの値下げということで話がついたというふうに承知いたしております。その他の関係者においても大体その方向で話が決まるんじゃなかろうかと思います。ただ、一、二の企業について、まだ若干最終の詰めが終わっておらないというふうに聞いておりますが、いずれにいたしましても需給両当事者の各社の事情が区々でございますから、やはりこういった価格というものは、両当事者の交渉で決定すべきものだと、かように考えておるわけでございます。一−三月につきましては、やはり三月までの円レートの動向といったようなものを加味して、やはり両当事者間で話し合いを進めるというふうに聞いておるわけでございます。
○藤井恒男君 大臣にお伺いしますけれども、これは当初問題が出た折はたしか一ドル二百九十円ぐらい——八、九十円ぐらいのときの状態で、一キロ当たり二万九千円という値が出た。それがどんどんどんどん、いまのような状態で二百四十円を割り込んでおるという状況になると、国際価格との差がどんどん開いておるわけですね。いまもう八千円ぐらいじゃないですか。そういった中で、この内容ではとってもじゃない、私は需要側は得心できない。 いま生活産業局長おっしゃったように、たとえば合繊に例をとると七割輸出しておる、円高によってデメリット、全部、そして本来ナフサは供給側の精製会社はメリットを受け取るわけですから、しかも、どんどん国際価格と乖離が出ておる。こういう状況だから、私は三千円そこらじゃどうしようもない。しかもその三千円のうち千円は輸入価格でしょう。輸入というのはそれぞれの企業によってタンクを備えて、輸入体制が整っておるところでなきゃどうしようもないわけだから、だからこの辺はもうちょっと私は考えなければ、この話ではまとまらないと思うんですよ。これはもうエネ庁長官の立場は私わかりますがね、大変御苦労なさっておると思うんだけれども、私はやっぱり大臣マターの問題だ、大臣がぴしゃっと何か手打たぬと決まらないと思いますよ。どうでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) 確かに日本の現在の国内価格とロッテルダム渡しの価格は八千円ぐらいな相違はあると思います。ただしかし、ヨーロッパでナフサを買って日本まで持ってきましてタンクに入れると、こういうことをやりますと若干の経費もかかりますからその差は少し小さくなると思います。しかし、それにしても相当な相違でありますから、このナフサを使用する業界の圧迫というものは非常に大きなものがあると思います。 そこで、いま長官が申し込べましたように、国産ナフサの値段をある程度下げると同時に、輸入ナフサをできるだけふやしまして、そしてその双方からいろいろ工夫して捻出をいたしまして、とりあえずは三千円値段を下げさせようと、まずこういうことで、大体その方向で妥決しつつあるわけでございます。 しかし、いまおっしゃるように、なお三千円、四千円の実際は差が残るのではないかと、これはとても大変だという問題につきましては、やはりこれは現在のナフサの流通の仕組みそのものを抜本的に変えてしまわないと、これは私はむずかしいのではないか。そこで、第一段階としてはとりあえず三千円で一応目鼻をつけ、第二段階の国際価格にするためのやり方としては、抜本的な対策をやらなければなりませんので、これはやはり関係する業界も非常に多いですし、若干の日時がかかるのではないか、このように判断をしております。
○藤井恒男君 時間がもう来ておりますから、次にもう一問御質問さしていただきたいと思いますけれども、その前に、大臣ね、これは前回の委員会でも私申し上げたことだけど、いつもいつも供給業界がメリットを得るだけではいけない。だから要は、たとえばこれを使うところは、ナフサを使うところは、国際価格との、いわゆる国際競争が問題なんですから、だから国際価格が上がれば上げてもよろしい、下がれば下げたらいいんだと、こういうことなんですからね。だからロッテルダム価格というものがあるなら、たとえばドル建てで円決済という形をとれば恨みっこなしなんですよ、これ。そうすれば国際的に価格が平準化するわけですから、国際競争力はそれによって、あとはみずからの自助努力によって力をつければいい。その本体を、大宗をなすナフサが八千円も差が出たらどうしようもないです。これは。しかも、巨大なアメリカが、デュポンならデュポンが、そんな七、八千円も安いやつでつくったものでなぐり込みかけたら、もう吹っ飛んでしまう。こういうことですから、いまの言外のお言葉が、とりあえず十二月までだと、だから現に差があること——四千円、五千円さらに差があるんだからということですから、一月以降はまた別な角度で検討なさるものと私判断して、ぜひそうしていただきたいということをお願いしたいと思うんです。 最後に、これは大臣も聞いておいていただきたいんですが、これまた私ももう何回か質問申し上げたことだけど、小売問題に関してですね、現在各地でトラブルが起きておる。で、これは大型店の出店にかかわる問題です。その典型的な問題例が熊本にある。で、私は過日熊本に現地調査に再度行ってまいりました。もう御存じのように五十年の四月に五条の仮申請を出して、五十年の七月にゼロ回答、五十二年の三月に出店規模を削減して仮申請を出したけど、同じ五十二年十月に再びゼロ回答、法の趣旨を著しく曲げた回答が出ておるわけです。 しかも、この間いろいろ調べてみますと、たとえば仮五条申請が出ておるその直後に、しかも商調協が現に運営されておるにかかわらず商工会議所が反対決議をする。これは通産省から出しておる、四十九年に出した指導要綱とは全然違うわけです。だから、審議会が五条申請に対して可否を判断するに当たって商工会議所に諮問するわけです。商工会議所はそれを受けたら商調協を設定して、その商調協の意見を具備して意見を述べるということになっておる。商調協は現に動いておるのに、商工会議所が反対決議するということになったら、これはどうなんだということになる。しかも商調協委員は二年ごとに改選、そして原則として再選はしないということになっておるのに、反対する者ばっかり六人も——十何人の委員の中で六人も再選するというようなことが許されていいか。しかもそれらの委員会には通産局が二、三名参与として参画しておるにかかわらず、全然発言もさせられておらぬし、参与としての機能も果たしていない。 なおその間、消費者は県の意見調査などによって八〇%が出店賛成しておる。県の調査ですよ。あるいはその他民間団体の調査でも署名が十何万集まっておるというのにゼロ回答だと。これは消費者の意見をもう全く無視された無法地帯みたいなものなんです。だから何遍も私申し上げることだけれども、このことが一波が万波を呼んで全国に波及しておる。だから消費者の声というものが全然そこに反映しないし、消費者利益というものが全く無視されておる。あるいは都市の近代化、流通近代化もその上において阻害されておる。もっと私は通産省がこの辺について行政指導を強化しなきゃいかぬ。たまたまこの熊本県にかかわる商調協のメンバーは三月に改選されるわけですから、本当の消費者を選ぶ、あるいはそれに基づいて運用ももっと民主化するということに本腰を入れていただきたい。この辺についてよく御存じだと思いますが、審議官いかがですか。
○政府委員(山口和男君) 熊本ダイエーの件につきましては、福岡通産局を通じまして随時状況の報告を受けてまいっております。ただいま先生のお話にございましたような経緯で、昨年の三月提出されました、これは大店法の三条の届け出でございます。五条ではなくて三条の届け出でございますが……
○藤井恒男君 五条の仮申請……
○政府委員(山口和男君) はい、三条だと……それ以後商調協の検討等も進みましたが、昨年十月末の段階で一応の回答千五百平米以上の出店については反対という結論が出たというように聞いております。 この後の処理でございますが、法の手続に従いまして処理を進めていくことになろうと考えられますが、まだ最終的には出店者の方で五条の申請をどういうようにしていくかという点については決まっていないように伺っておりますが、いずれにいたしましても五条の申請ということになりますと、最終的には三カ月以内に通産大臣が審議会の意見を聞いて、必要があれば勧告をすると、こういうことになっておるわけでございまして、その審議会が商工会議所の意見を聴取する、こういう形になるわけでございます。私どもとしましては、そういった審議会の意見も諮って対処をしていくということにしたいと考えております。 商調協の委員の改選につきましては、お話のように、できるだけ改選の際に新しい人にかえるようにという指導を通産局を通じてやっておるわけでございますが、基本的にはやはり地元が一番よく実情を御存じなわけでございますので、地元の御意見というものを尊重していかざるを得ないという立場にあるわけでございますが、通産局の方でもいろいろ相談にあずかる形で臨んでまいりたいというように、局の方ともよく連絡をとっていきたいと思っております。
○藤井恒男君 福岡とよく連絡をとってください。
○柿沢弘治君 初めに経済企画庁長官にお尋ねを申し上げたいと思います。 先般の予算委員会でも指摘したわけですが、最近の経済情勢を見ますと、公共事業中心に景気回復が図られている。その中でいろいろな指標の中で跛行状態が出てきているように思います。特に個人消費、きょうの長官の所信表明にもありましたように、国民の経済の大宗を占める民間需要を喚起するため云々というのがありますが、これは住宅金融公庫の融資、投資促進税制ということで、個人消費の喚起については特にお触れになっておられません。しかし実際の最近の指標を見ますと、個人消費の停滞が非常に顕著になっているように思いますし、その意味で五十二年度の消費の伸び一一・四%というものも達成がむずかしいのではないかと思われますが、その点についてどう見通していらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、生産関連の指標にはぼつぼついいものが出てきておるわけでございますけれども、消費の方の指標は、どうもはかばかしくないというのがただいま正直のところでございます。 で、五十三年度について考えますと、やはり経済情勢が少しずつはよくなってきたなあと。したがって雇用の問題にしても、残業手当にしても、昔ほどでなくっても、もう大抵これより悪くはならないなあという感じを消費者が持ってくれませんと、なかなか消費の伸びというのは、やはり一番遅く出てくるんじゃないかと思っております。もっとも最近の指標がふるいませんのは、一つは暖冬のようなことがありまして、事実上家計支出が節約されたと申しますか、そういう部分があったと思うのでございますけれども、まあ、消費の回復というのは、やはりそう生産関連ほど早くは出てこないのではないかと思っておるわけでございます。 五十二年度の一一・四%はどうかというお尋ねでございました。まあまあ、これぐらいはいけるのではないかなあと思っております。と申しますのは、五・三%と見ておるわけでございますので、まあまあいけるかなと思っておるのでございますが、どうもおっしゃいますように消費の関連の指標は、農家所帯は別でございますけれども、余りはかばかしくございません。
○柿沢弘治君 いよいよその意味で五十二年度の個人消費の伸びが政府見通しといいますか、改定実績見通しを下回る場合には、五十三年度の経済の全体の成長率にかなり影響を与えてくるように思います。七%成長がもうすでに五十二年度中に破綻をするという事態になるのではないかと心配をしているわけですけれども、その意味で私どもは、先ほど所信表明の中にありました国民経済の大宗を占める民間需要の喚起を図るためという形容詞の中に、なぜ所得税減税その他の個人消費の喚起のための施策が入ってこないのだろうか。財政当局の立場から言えばいろいろ財政上の制約等があるということになると思いますが、経済運営全体に責任を持っておられる経済企画庁として、もう少しその点についてはっきりした御主張があってよかったのではないだろうかという点が残念でございます。 それは特に、私も先般アメリカへ行ってまいりましたけれども、アメリカ側からも何としても公共事業の輸入促進効果というのが非常に小さいという点からも、消費刺激をしてもらいたい、そのためには二兆円規模の所得減税が必要だという声もありました。その点について無視をしたままで、果たして福田総理が日米首脳会談に出かけていって批判を受けないか。さらに先進国首脳会談で、その点についてもう一度問題にならないかという点が私の心配でございます。対外経済も見ておられます企画庁長官として、その辺いかがお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 五十二年度がうまくいかないと、五十三年度の七%がもうそこで崩れるぞという御指摘でありました。私は、五十二年度の改定見通し五・三%でございますけれども、これはまず追っつかっついけるだろうというふうに実は考えておりますんで、もっともまだいわゆるQEの十−十二月も出ておりませんので、いわんや一−三はもっともっと先でございますけれども、まあ五・三%というところはほぼいいところじゃないかなと、実はいま考えておりますものですから、したがって、七%というものはその上に築き上げられると、この点は私としては考えておるわけでございます。 それから、どうして減税のことを経済企画庁と、しては主張しなかったかというお尋ねでありました。これは真実やはりこれほど財政がいわば逆立ちをしたような努力をいたして金をつくっているわけですが、やはりわが国の社会資本の不足などから見ると、公共投資をすることの方が本当ではないかと、波及効果も考えまして、真実私もそう思いまして、減税という主張はいたさなかったわけでございます。この点はしかし、各政党においていろいろお話し合いがございますれば、政府としてはそれに当然従わなければならないと思っておりますけれども、そんな気持ちでございました。
○柿沢弘治君 公共投資の問題ですが、公共投資については三四・五%、思い切った数字で伸ばしております。しかし、私はその公共投資の中身について十分な判断があっただろうかという点に疑問があるように思います。これから中期的な意味で一体日本の国づくり、住環境、そうしたものをどうした形に持っていくのかというある意味でマスタープランがあって、その五十三年度分としてどの公共投資をどれほど伸ばさなければならないかという形で考えるべきものであって、まず規模が先にあって、それをどこでこなせるか、消化できるところへ数字を、金額をつけていくという公共投資の決め方というのは、長い目で見てむしろ禍根を残すのではないだろうか。まあ、大臣の地元でございますから、差しさわりがあるかもしれませんが、本州と四国に三本橋をかける。これは楽だから、用地買収がないからやるんだというようなことで公共投資をやられたのでは、これは砂漠にピラミッドをつくるのと全く同じわけで、たとえそれが建設公債であろうと、最後の償還は税金でしなければならないと考えれば、むだ使いはむだ使いにすぎないと思います。 その意味で、もしも公共投資を思い切って伸ばしていく、それによって経済の機関車役を果たしていくというのであれば、たとえば現在の五十年代前期経済計画、もうすでに中身についても破綻をしておりますが、その計画を見直して、これから中期的に三年、五年先の長期展望として、一体どういう国をつくるのか、そのためには公共投資としてどうした中身のものを入れていくのかという点を、はっきりと国民に提示をして、それを機関車役にしながら民間設備投資を引っ張り出すというような政策が必要なのではないだろうか。公共投資については、量が多ければいいというものではないと思います。減税の場合には一兆円の減税をする。それをどう使ってくれるかは、これは国民の判断に任せております。その意味で一つの市場原理が働いておりますが、公共投資の配分について、果たしてああいう五十三年度予算編成期のようなどたばたの中で十分な配慮がされているか。 昨年私は総理に、公共投資の哲学というのを申し上げました。高度成長時代と違った公共投資配分の哲学があっていいのではないかと申し上げましたけれども、そのとき総理は、公共投資に哲学なんてと言って、そんなオーバーな言葉をお使いなされるなという感じの答弁をいただきました。私はこれから公共投資が経済の機関車役、牽引力になるのであるとすれば中身が問題だと思います。その中身を詰めた上で、経済計画とリンクした形で五十四年度からでも長期、中期計画の見直しをし、それを国民に提示することによって、三年先、五年先のたとえばセメントは何トン、鉄鋼は何トンの需要が要るんだということを提示して、初めて設備投資が出てくるのではないか。単年度にどんなに公共投資を入れても、これは短期異例の措置でございますと言えば言うほど、需給ギャップが縮小しても、在庫が滅っても、企業は設備投資をして能力をふやそうとはしない。むしろ値上げをして、どうせまた来年減るかもしれない、増税が襲ってくるかもしれないといったのでは、これは景気刺激効果にはならないと思いますが、そうした意味で、中期計画との関連、さらには三全総との関連の中で、公共投資に関する今後の考え方をお聞かせをいただければ幸いでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和五十三年度の公共投資につきまして、確かに思い切った増額をいたしておりますので、これが円滑に施行されるためには、いろいろ努力をいたさなければならないことはこれは確かでございます。しかし、何かこう、手当たり次第にあっちこっちやられることを集めてやろうかといったほどのことではございませんで、やはり多くの公共投資は五年とかいう長期計画を持っておるわけでございますし、また、国全体としても百兆円というような枠を持って考えておるわけでございます。文教施設などについても、やはりこう、逐年この次はどこというようなことは各県も持っておりますし、文部省も持っておるということでございますので、手当たり次第に何かやったという感じでは私はないであろうと思っております。 それから、それとの関連で、たとえば五十年代前期計画のようなものの中でというお話がございました。私はこういう中期計画でございますが、これは柿沢委員も行政の御経験がおありですし、私自身も何度か中長期計画というのに関係したことがございまして、いま思いますことは、こういう経済が激動しておりますときには、なかなか何年先をきちっと数字で言うということはむずかしいことになってまいりました。ですから、むしろただいま御指摘の生活関連施設はこうこうしたい、あるいは雇用はこのように改善したい、国際収支はどうと、物価はどうというような政策目標を表に立てまして、計数は——計数がございませんと、いいことばかり並べてしまうことになりますので、計数の方で整合性をチェックしてみると、そういうようなことにだんだんなっていかざるを得ないのではないか、経済が落ちつきましたらまた別でございますけれども、そんなふうな感じを持っております。
○柿沢弘治君 私は若干その計画については意見が違いまして、いままでは、公共投資というのは、民間設備投資が非常にじゃじゃ馬のように伸びたり減ったりしますから、残余項目のような形で調整をせざるを得なかった。その点では公共投資計画というのは非常にフレキシブルでなければいけなかったと思いますが、これからの経済は、むしろ公共部門が主導の役割りを果たしていって、それに必要な資材を民間でどうやって供給するかという形で、民間設備が追随をしてくるという形になると思いますので、その意味でむしろいまこそハードについてのびしっとした数字の入った公共部門の計画が必要なのではないだろうか。それが提示できない限り、民間の設備投資は始動してこないという印象を持っております。そういう意味で申し上げたわけでございまして、その点、また機会があればじっくりと御意見を承りたいと思いますが、時間もありませんのでその程度にしておきます。 それから、ひとつ五十三年度の経済運営で心配なのは、やはり国際収支の見通しだと思います。アメリカへ参りましていろいろな人と議論してまいりましたが、七%成長はもうとても達成できないだろうとみんなあきらめておりますから、これはできなくてもそう心配はないと思いますが、やはり国際収支の黒字減らしは何としても実行してもらいたい、こういう感じでございます。六十億ドルに減ると言っておりますが、一体どのようなパターンでそうなっていくのか、四半期別の数字があれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) この七%は、来年のいまごろになりますと大体もう自然にわかってくることでございますけれども、私はできると思っておりますので、まだ世の中にどうもそういう見方は余り多くないようでございますけれども、私はそう思っております。 で、経常収支の方は、確かにかなり急に経常収支が減っていくという経済見通しを立てておりますから、どうしても上半期にはそんなに急にかたつと変化が起こるというわけにはまいりませんと思います。ことに、原材料が輸入の主たる部分でございますから、なかなかそんなに急に減っていくということはあるいはないかもしれませんが、下半期には私はかなりあらわれてくるだろうと見ておりまして、まあまあこの辺の、これはひとつ目標として六十億ドルというのは何とかやはりやっていかなきゃならぬなぁと思っております。 で、四半期ごとにこれがあるかというお尋ねでございましたけれども、これは御承知のように将来に向かって四半期ごとの試算をいたしておりませんので、お目にかける数字がございません。
○柿沢弘治君 そうしますと、上半期はやはりいまのペースで黒字が続いていく。そうしますと、為替レートがいまのまま安定していくということはちょっと期待できないのではないだろうか。その意味で、上半期中に、多分総理がアメリカへ行っていらっしゃる最中にか、また爆発をするのではないかという心配をするわけでございます。その点では、先方では日本が何かアメリカ側がドルの価値を維持する約束をしたというふうにとっているようだけれども、アメリカは人為的にドルの価値を維持するつもりは全くないということを、上院の外交委員会で財務次官が証言をしておりまして、私どもも聞いてまいりましたが、そういう点から考えて、円レートの問題がどうしてももう一回再燃するとしか思えないわけでございます。その点はいろいろ問題があると思いますが、その意味で、そのときに備えてと言いますか、その中で日米の貿易摩擦を解消する、少しでも軽くしておくためにはもう一段の国内市場の開放が必要だと思います。 その点で、通産省としてはたとえばコンピューターにしてもカラーフィルムにしても、個別の業界からのいろいろな抵抗もあって下げ渋っている。アメリカ側がアメリカ並みにと言っているのに対して、まだ引き下げ幅が非常に小さいように思いますが、その点は、やはり関心品目についてはこの際思い切って関税率の面ではイコールフッティング——アメリカ並みにするということを原則としてすべきではないかというふうに思いますが、通産大臣いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) いまお示しの、二つの業種についての関税の前倒し引き下げにつきましては今度ある程度やることに、いましておりますが、さらにもう一段引き下げるかどうかという問題につきましては、東京ラウンドの交渉の過程でこれを処理したい、こう思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと一言。 為替相場が非常に神経質でございますので、私が申し上げましたことは、六十億ドルという経常収支のツーエンドというのは主として下半期になるということを申し上げたわけでございますが、上半期にそういうことが全然ないと申し上げたわけではございませんので、これはおわかりでございましょうが、一言だけつけ加えさせていただきます。
○柿沢弘治君 企画庁長官、もう結構でございます。 東京ラウンドの中でというお話がありましたが、東京ラウンドの中では代償をどういうふうに取るか、代償についての留保をしておけばいいわけでございまして、もっとやはりアメリカの関心品目について、早々と、早目に対策を講じていくということが必要なのではないか。小出しにしていったのでは相変わらずアンフェアだという批判を免れないというふうに思います。 それから、今後アメリカからの輸入をふやすという意味で、たとえば対米輸入のミッションを出すとか、それから国内流通市場についても、いろいろ問題があるという指摘がありますし、それからさらに、たとえば自動車等の安全基準その他の問題でNTB的な障害があると言われておりますが、その辺ひっくるめて、通産省としての対応をお聞かせいただければ幸いです。
○政府委員(花岡宗助君) お答えいたします。 日本の市場の開放の問題につきましては、先ごろの日米の共同声明にも表明されておりますように、今後積極的に進めるという政府の方針は決まっておるわけでございまして、具体的には先ほど先生もおっしゃいましたような関税の前倒ししかり、あるいは十二品目の自由化あるいは牛肉等の輸入枠の拡大、ミッションの派遣あるいは標準決済制度の緩和等を実行してまいる、またその他日米の通商円滑化委員会というのがございまして、そこで個別具体的に問題ごとに解決をしていくということで、アメリカ側も、日本側のそういった政府の市場開放に対する態度ということについては十分に評価をいただいておるというふうに了解いたしております。
○柿沢弘治君 その中で、もし御説明いただければ非常にありがたいんですが、特にその国内の流通機構の問題、お答えいただく方いらっしゃいますか。——アメリカ側で私もいろんな注文を受け、聞いてきたんですが、どうも、国内の流通機構が非常に複雑で、外国の業者にとってはもう入りにくい、その点を何とかしてもらえないかという要望がいろいろなところでありました。私も日本の国内の流通機構が複雑で多段階になっていることには、それなりの特殊な事情があると思いますけれども、この機会に思い切って、やはり流通機構の改善に通産省としても取り組んで、輸入の促進にまあプラスに働かせるということが必要ではないかと思いますが、その点で具体的な施策、何らかの施策がございますでしょうか。
○政府委員(山口和男君) わが国の流通機構が一般的に流通経路が長いとか、あるいは従来からの商習慣によって、商品ごとにいろいろ流通経路が違っておるとか、細分化されている場合があるとか、いろいろ複雑であるという批判が外国からもございますし、確かにそういった問題を含んでおることは先生お話しのとおりでございます。それで私ども考えますに、ただ、そういった批判につきましても、一般的に全部がそうだということではなくて、それはやはり商品ごとに違ってきておるんじゃないかと。で、物によってはメーカー主導型、あるいはまあ小売り業者主導型で、かなり流通の短絡化というのも進んできておるものもございます。 したがいまして、どうしてもこれを近代化を少しでも進めていこうということになりますと、やはりある程度商品別に検討していく必要があるということにまあなろうかと思います。私どもは、一般的には、従来から流通近代化のためのいろんな施策、いろんなシステム化の開発をするとかいう形で一般的な施策をやってきておりますが、この全体の流通近代化の問題としましては、昨年、産業構造審議会の流通部会で答申を得ておりまして、いろんな考え方が出されておりますので、そういったものを踏まえて、さらに五十三年度からは業種別の流通近代化構想というものを詳細につくり上げていこうと、こういうことで予算化をしていただくべく要求をしている段階でございます。 特に輸入品につきましては、これまた別途貿易局でもある程度の調査をしておられますが、先ほどお話が出ましたように、日米通商円滑化委員会で、具体的にやはり取り上げて問題点を出していく、これをそういった業種別近代化構想に盛り込めれば一番いいんじゃないかというように思います。そういったことで進めたいと思います。
○柿沢弘治君 その点に関しましては、これからどういう具体策が出てくるか、また次の機会にぜひお伺いをいたしたいと思います。 最後に、残された時間で、先般二月の十六日に取り決めが成立をいたしました日中長期貿易取り決めについてお伺いをいたします。 この取り決め書の中でもそれぞれの政府の支持を受けてと書いてございますが、これに関して通産省は基本的にどのような方針で臨まれるのかお伺いをしたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 先般締結されました日中の経済協定でありますが、これに対しまして通産省として二つの基本的な方針を決めております。 一つは、この協定が円滑に実行に移されますように、政府として支援をしていくということであります。 それから第二点は、この協定が将来拡大の方向に進んでいきますように、これまた政府として支援をしていこうと、この二点を決めております。
○柿沢弘治君 問題としては二つあると思います。 一つは、これからのプラント輸出、日本側の輸出に関して言えば、プラント輸出に関する延べ払い条件その他をどのように決めていくかがプラント輸出の規模に大きく影響してくる。その点についての通産省の考え方。 それから輸入の面では、やはり原油の輸入が大宗を占めているわけでございまして、これが円滑に行われるかどうか、この点についてはすでにいろいろ議論がありますけれども、重質油の分解装置をどのような形で民間の精製会社につけていくか。それに関して、どこまでコストアップの部分を政府として助成をしていけるかという二点だと思います。その二点について、特に原油の問題については、エネルギー供給源の多様化という意味で、若干のコストアップ要因があっても何としてもこれは実現をして、取り決め量の引き取りをしていくということが必要だと思いますので、その点についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いま二つのお尋ねがございましたが、一つはこの決済方法をどうするかということでございますが、これはいま先ほど基本方針を申し上げましたが、今回の協定が円滑に実行に移されるように、政府の方は支援していくということを決めておりますので、この基本方針に従いまして、いま具体的にどうすべきかということについて関係者の間で相談をしております。近くその方向が明らかになると思いますが、まだ現時点では決まっておりません。 それから、第二の御質問は、重質油をどう処理するのかということでございますが、今度の協定は一九八一年、昭和五十六年に見直しまして、翌年度以降の日本が購入すべき主として油の数量を見直すことにしております。もちろん石炭も見直しされると思いますが、主として石油を中心に引き取り量を見直す。見直すということは増量するということでありますが、そのためには、やはり中国油は御案内のような特殊な油が非常に多いわけでありますので、これにどう対応するかということを決めなければなりません。そこで、今度政府の方で中国油に対する対応の方法、それと世界全体が重質油の方向に向かっておりますので、世界全体のそういう傾向に対する対応の方法、こういうことにつきまして研究グループをつくりまして、できるだけ早く、できればこの夏ごろまでに大体の方向を明らかにしてもらおうと思っております。 そこで、いま御指摘がございましたコストの問題をどうするかということでございますが、コストの問題につきましても、これはナショナルプロジェクトとして進めるつもりでございますから、何らかの形でこれを解決するつもりでございます。
○柿沢弘治君 もっといろいろ聞きたいことがありますが、時間でございますので……。
○委員長(楠正俊君) 他に御発言もなければ、大臣の所信に対する質疑は終了いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時六分散会 —————・—————