社会労働委員会 第14号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/05/11
会議録
○委員長(和田静夫君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者、衆議院社会労働委員長、木野晴夫君から趣旨説明を聴取いたします。木野君。
○衆議院議員(木野晴夫君) ただいま議題となりました社会保険労務士法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。 社会保険労務士法が制定されてから十年を迎え、現在、社会保険労務士免許取得者は約五万九千名に達し、うち開業者は一万五千余名に及んでおります。 これら社会保険労務士は、企業の内外において、関係行政機関との密接な連係のもとに、主として中小企業を中心に、増大する労働及び社会保険関係事務の処理等に従事しておりますが、その果たす役割りについての社会的評価は逐年高まりつつあります。 特に、最近の産業、社会事情の変化と労働社会保険諸法令の整備充実に伴い、社会保険労務士に対する社会の要請は、量的にも質的にも著しく拡大してきております。 このような情勢に即応し、社会保険労務士制度の一層の充実と発展を図るため、本案を作成し、提出した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。第一は、社会保険労務士の行う事務の範囲の拡大でありまして、事業主等が行政機関等に提出する書類について、その提出手続の代行業務を加えることといたしております。 第二は、社会保険労務士の団体を法定化することでありまして、社会保険労務士の資質の向上等を図るため、都道府県ごとに一個の社会保険労務士会を、全国に一個の全国社会保険労務士会連合会を設立することができることといたしております。 第三は、これらの団体の行政機関への協力でありまして、行政機関は、広報、調査等について、社会保険労務士会または全国社会保険労務士会連合会に協力を求めることができることといたしております。 第四は、社会保険労務士試験の科目に、国民年金法及び通算年金通則法を加えることといたしております。 なお、この法律は、昭和五十三年九月一日から施行することといたしております。 以上が、本案の提案理由及び内容であります。何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(和田静夫君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言願います。——別に御発言もないようでありますから、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田静夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
○高杉廸忠君 ただいま可決されました社会保険労務士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。 案文を朗読いたします。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案に 対する附帯決議(案) 社会保険労務士制度の現状にかんがみ、次の 事項について改善を図るものとする。 一、社会保険労務士の免許制度については、社 会保険労務士会の組織状況、全国社会保険労 務士会連合会の事務処理能力等を勘案し、で きるだけ早い機会に、全国社会保険労務士会 連合会による登録制度への移行措置を講ずる ものとすること。 二、社会保険労務士と行政書士のそれぞれの資 格制度及び業務分野の独自性にかんがみ、す でに行政書士の資格を得ている者を除いて は、近い将来、社会保険労務士の業務と行政 書士の業務の完全な分離を図る措置を講ずる ものとすること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(和田静夫君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(和田静夫君) 速記を起こしてください。 ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田静夫君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの附帯決議に対し、厚生大臣及び労働大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。小沢厚生大臣。
○国務大臣(小沢辰男君) ただいまの附帯決議につきましては、厚生省といたしましてその趣旨を尊重し、社会保険労務士の団体の育成と社会保険労務士の一層の資質の向上等を図るよう努力する所存でございます。
○委員長(和田静夫君) 藤井労働大臣。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいまの御決議につきましては、労働省としてはその趣旨を尊重し、社会保険労務士の団体の育成と社会保険労務士の一層の資質の向上等を図るよう努力する所存であります。
○委員長(和田静夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(和田静夫君) 労働基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者小笠原貞子君から趣旨説明を聴取いたします。小笠原君。
○小笠原貞子君 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となりました労働基準法の一部を改正する法律案についてその提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 日本経済の構造的危機のもとでいま失業者の増大が大きな社会問題となっております。完全失業者は昨年一月に百万人台を超えて以来十五カ月間連続し、本年三月には百四十一万人に達しております。こうした深刻な雇用・失業の事態にもかかわらず、大企業においては減量経営を目指し、解雇、配転、出向など一方的な人減らしを進めようとしております。 フランス、イタリア、西ドイツなどの諸国では、週四十時間労働制、週休二日制は相当以前から実施され、制度としては国際的常識となっております。わが国の労働者の長時間労働、劣悪な労働条件は国際的にも批判されているところでありながら、過剰雇用を口実にした減量経営は劣悪な労働条件を固定化するだけでなく、失業情勢を一層深刻化させるものであり、同時に、日本経済の危機打開を一層困難にするものであります。こうした中で政府は失業の防止、雇用の安定と拡大について効果的な施策を実施していないのであります。 日本共産党が本法案を提案する理由は、労働時間の短縮、週休二日制の実施、残業時間の規制等により国際的にも立ちおくれているわが国の労働者の労働条件を向上させるとともに、失業防止、雇用の拡大についても積極的な効果を上げ得ることと確信するからであります。 次に、この改正案の内容について御説明申し上げます。 第一は、労働時間の短縮についてであります。現行の週四十八時間労働制は労働基準法制定以来、三十年余も続いてきたものであり、この間の経済的、社会的変化に対応し、週四十時間労働制を確立するものであります。 第二は、週休二日制についてであります。週休は一日とするとしているのを改め、週休を二日とするものであります。 第三は、残業時間等の規制についてであります。現行法第三十六条では、労使間におけるいわゆる三・六協定によって、所定時間外、休日などの労働時間の延長は無制限に可能とされるものを改め、一日につき一時間、四週間で十時間を超えてはならないものとし、休日の労働についても代替休日を設けるべきこととするものであります。なお、同時に残業に伴う割り増し賃金についての引き上げを行うことといたしております。 第四は、改正法の施行についてであります。中小企業主等については経過措置期間を設けることとし一割り増し賃金についての第三十七条を除いて、昭和五十五年四月一日から施行するものとすることとしております。同時に、改正法附則において、事業主が労働時間短縮を理由とする従前の労働者の賃金を引き下げてはならないものであることといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(和田静夫君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の自後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(和田静夫君) 雇用における男女の平等取扱いの促進に関する法律案を議題といたします。 発議者田中寿美子君から趣旨説明を聴取いたします。田中君。
○委員以外の議員(田中寿美子君) 私は日本社会党を代表いたしまして、雇用における男女の平等取扱いの促進に関する法律案を提案させていただきたいと思います。 お手元に配付してございます提案理由説明によりまして御説明さしていただきます。 ただいま議題となりました雇用における男女の平等取扱いの促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 個人の尊厳と男女の平等は、国連憲章、世界人権宣言にうたわれております人類普遍の原理であります。わが国の憲法におきましても、すべて国民は個人として尊重され、法のもとに平等であって、性別によって政治的、経済的または社会的関係において差別されることがない旨を明定しております。この趣意に基づき、わが国における法制も雇用の分野を含めまして漸次整備されてきてはおりますが、実際に男女の平等を確保する上で遺憾ながらいまだ不十分であることは否めません。 最近、アメリカでは雇用機会平等法を、イギリスでは性差別禁止法を制定して、雇用の分野における女子の地位の平等化を目指して、国が積極的に対応していく意思を持っていることを明らかにしております。また一九七五年の国際婦人年世界会議で採択された世界行動計画及びメキシコ宣言並びに同年のILO総会で採択された行動計画は、いずれも女子の労働における平等の権利を確認し、かつ、強調しておりますし、さらにILO総会の行動計画は、女子労働者の労働の機会及び待遇の均等を促進するため、国の制度として女子の参加を含む三者構成の委員会を設立すべきことを勧告しております。 ところで、わが国におきまする女子労働者の地位が、憲法の趣意に照らしおよそ満足すべきものとは程遠い状況にありますことは申し上げるまでもありません。こうした実情に有効に対処し、かつ、また前叙のように女子の労働における地位の平等化を目指して活発な努力を示している国際的動向にも対応するため、国は当面の優先的政策課題として、雇用の分野における女子の差別的取り扱いを禁止するとともに、その差別的取り扱いからの救済制度を設けることにより、女子労働者の地位の平等化の促進を図る施策を推進していくべきものと考えます。さきに政府は国内行動計画を策定し、雇用における男女平等の確保のため関係法令の検討を行う旨を約束しておりますが、遺憾ながらいまだ具体策は提示されるに至っておりません。そこで、われわれはここに雇用における男女の平等取り扱いの促進に関する法律案を提案し、如上の政策課題に対応すべく、われわれの態度を明らかにすべきであるとの結論に達しました。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、この法律案の骨子は、使用者等が女子を差別的に取り扱うことを法律上禁止する旨を明定することと、女子をそうした差別的取り扱いから救済するための制度を設けることの二点であります。なお、ここで重要でありますことは、この救済制度は、労働基準法において予定されておりますような官憲的保護により労働条件の適正化を図っていこうとするものと異なり、雇用における男女の平等は、女子労働者及び使用者双方のたゆみない自主的な努力によって実現されていくべきことを期待しつつ、それを補う支柱として、女子から申し立てがあった場合には、迅速かつ適正な手続により救済をしていこうとするものであることであります。 第二に、差別的取り扱いの禁止については、まず労働条件等について「使用者は、労働者が女子であることを理由として、募集若しくは採用又は賃金、昇進、定年、退職その他の労働条件について、男子と差別してはならない。」と規定し、その他職業紹介、職業訓練等についての差別的取り扱いをも禁止する旨を定めております。具体的にどういう行為が差別的取り扱いであるかを判断していく上に必要な指針は、別に中央雇用平等委員会が定める準則において漸次展開されていくことが予定されております。 第三に、救済機関であります雇用平等委員会は、中央に国家行政組織法第三条の委員会として中央雇用平等委員会を、都道府県に地方雇用平等委員会を設置し、それぞれの雇用平等委員会は、使用者委員、労働者委員及び公益委員の三者構成とし、各側委員の二分の一以上は女子でなければならないこととし、さらに中央雇用平等委員会の公益委員の任命につきましては、両議院の同意を得なければならないことといたしております。現行の労働委員会に類似した組織でありますが、二分の一以上の女子委員を含まなければならないこととしている点が大きな特徴であります。 第四に、差別的取り扱いからの救済手続は、次のとおりであります。 原則として二審制を採用し、初審は地方雇用平等委員会が、再審査は中央雇用平等委員会が行うことといたしております。手続は、女子労働者から管轄地方雇用平等委員会に救済の申し立てがあった時に開始いたします。以後当事者の立ち合いのもとに審問を行い、証拠調べ、事実の調査を経て、申し立てに理由があると認められるときは、当該地方雇用平等委員会はその裁量により原職復帰、バック・ペイの支払い等、女子労働者を差別的取り扱いから救済するために必要な措置を決定で命ずべきことにいたしております。この地方雇用平等委員会の決定に不服がある当事者は、さらに中央雇用平等委員会へ再審査の申し立てができることといたしております。なお、初審及び再審査いずれの手続におきましても、使用者委員、労働者委員は審問に参与できることにいたしております。また救済の申し立ての相手方当事者が職業安定機関等の行政機関であります場合には、決定にかえて勧告をすることにいたしております。 第五に、取り消しの訴えとの関係についてでありますが、地方雇用平等委員会の決定に対しては出訴を認めず、ただ中央雇用平等委員会の決定に対してのみ東京高等裁判所へ取り消しの訴えを提起できることといたしました。そもそも女子労働者の差別的取り扱いからの救済の制度としては、使用者委員、労働者委員双方の参与のもとの審問手続が予定されている行政委員会方式が合理的であるとの判断から、こうした雇用平等委員会による救済の制度を設けました以上は、地方雇用平等委員会の決定に対し直ちに出訴の道を開くのは妥当でなく、中央雇用平等委員会による再審査を経由させるべきである、との趣意に出るものにほかなりません。 このほか、中央雇用平等委員会の重要な権限の一つとして、雇用における男女の平等取り扱いの促進に関し講ずべき施策につき労働大臣に建議ができることにいたしております。また、中央雇用平等委員会による国会への事務処理状況の報告、地方雇用平等委員会による苦情相談に関する事務処理の取り扱い、啓発宣伝活動、不利益取り扱いの禁止等に関し所要の規定を整備いたしております。なお、公労法上の五現業及び地方公営企業に勤務する女子職員につきましては、不当労働行為に関し公労委または労働委員会による救済が与えられることになっておりますのと同様、差別的取り扱いに関しましても、雇用平等委員会の決定により原職復帰等の救済が与えられることにいたしております。最後に、救済手続の実効性を確保するため罰則を設けております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(和田静夫君) 以上をもって、趣旨説明の聴取は終わりました。 本案の事後の審査は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(和田静夫君) 労働問題に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○石本茂君 当局にお尋ねをしたいわけでございますが、 〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕問題を大きく二つに分けまして、割り当てていただきました時間が短うございますので、項目を二つに分けまして中身を一緒にお尋ねします。 まず第一点は、勤労婦人対策に関しますことでございまして、その一つが育児休業に関することでございます。 その第一点は、昭和四十七年に制定されました勤労婦人福祉法によりまして、その第十一条の定めによります育児休業制度の普及促進ということで、このことについては施策の面でいろいろ具体的に今日進めていただいておるところでございますが、この中で私がぜひお願いしたいといいますか、促進してほしいことの一つ、現在ただいまこの育児休業の促進ということで、出産をいたしました後、育児を希望する雇用者に対しまして、雇い主に対しますいわゆる奨励金が施策の中で決めてございます。これは大変結構なことで高く評価しているところでございますが、一事業所につきまして一番最初に出産があった場合にのみ奨励金がいま十万円を超えているかと思うんですが、行われておりますけれども、これを何とかもう少し幅を広げていただけないだろうかという気持ちが一点ございます。というのは、いま育児休業制度の拡充強化ということが大きく叫ばれておるときでございますけれども、私は法の制定そのものよりも、今日まで労働省が手をつけてこられましたように、施策の面で大きく深みと幅を広げてほしい。ですから、一事業所について初めての出産があったときに奨励金を差し上げますよという、これも結構でございますが、出産の件数ごとにそれを実現できないものでしょうか。これを一点お尋ねいたします。 それから二つ目は、いまちょっと申しました育児休業法というものが、これはその後に、昭和五十年に制定されまして、現在義務教育の場におります女子教員あるいは看護職あるいは福祉の場で働く女子等につきましては適用されております。大変これも高く評価し、みんなその従業員は喜んでいるわけですが、この制度を今後幾つかの職種、できますれば全部と言いたいのですが、前段で申しましたような時点を踏まえて、今後さらに幾つかの職種に拡大していただくわけにはいかないだろうか、これもぜひひとつ実現方を図ってほしいという、これは私の願いでございますし、多くの者の希望でございます。 それから三点目は、中高年労働者、これは先般来いろいろ先生方からも質問があったわけですが、私はその中で特に今日非常に労働市場から締め出しを食っているのが中高年の婦人でございます。この婦人対策につきまして、いろいろ御勘考をいただいているところでございまして、先日の職業訓練法の一部改正等をめぐりましても、かなり大幅に対策を講じていただいているわけですが、この訓練を受けました者があるいは受けつつあります者がどういう実態なのか。それから、訓練を受けました結果の成果と申しますのは就労でございますが、これがどの程度効果を上げているのか、パーセンテージで結構です。それから、特に子育てをいたしております寡婦でございますが、この人方の勤めております場所はほとんど零細企業でございます。そうなりますと、雇用条件も余り確立いたしておりませんし、大変みじめな思いをして悲しみの中で日々就労しているのが現実でございます。それさえもがあしたいつ首になるかわからないというような状況でございますので、このことに対してどういうようなお考えを持っていらっしゃるのか、現在どういう対策を講じていてくださるのか、かつてはこの子育ての寡婦の就業促進法という法律をぜひおつくり願いたいということを提起したことがございました。しかし、法律をつくる以前に施策の面で具体的にこれを増強してまいりますということで種々御勘考いただき、今日いろんなものを取り入れて、かなり大きく進行しているわけでございますが、やはり現実は厳しゅうございますので、その辺をさらにどう考えていらっしゃるか。 それから、四つ目といいますか、内職労働者の問題でございますが、こういうふうに世の中が景気がだんだん落ち込んでまいりますと、内職そのものの、種類はふえたようでございますが、工賃が非常に低うございますし、しかもその仕事すらもなかなかあり得ないということで、いろいろ労働省、背景にあります内職あっせん事業所等においては気をつけていただいておりますけれども、内職をしております者の立場になりますと、外に行かなくてよい、子育てをしながら仕事ができるという利点はございますけれども、これまた非常に不確定な現状にございますので、やはり聞いてみますと、実態を調べてみますと、これではどうしようもないなというものが幾つも出てきておりますので、以上のことにつきまして私、お尋ねをします。 それで、つけ加えましてもう一つ、今日なお若年退職が女性の上に大きく振りかかってきておりますので、先ほど来提案もありましたが、男女平等ということを踏まえましても一般労働者並みということを考えましても、なぜ女子労働者だけがこんなに早く若年定年ということが押し寄せてくるのか、今日の時点におきまして私としても納得できませんので、いま申しました五つのことについて、まずお尋ねをいたします。
○政府委員(森山眞弓君) まず育児休業の問題についてお答え申し上げます。 育児休業につきましては、先生御指摘のとおり昭和四十七年に制定されました勤労婦人福祉法に基づきまして、その後も引き続き普及促進に努めているところでございます。昭和五十年度から特に産業、職業にかかわりなく、全事業主を対象にいたしまして一定の要件を備えました育児休業を実施する事業主に対して、奨励金を支給するというやり方で普及を促進しているわけでございます。しかし、なかなかこの普及はかばかしくございませんで、少しずつ進んでおりまして、昭和五十一年の統計によりますと六・三%ということで、最初全くゼロであったときから比べますと少しずつ進んではおりますけれども、まだまだ普及の促進ということに力を入れていかなければいけない、制度の周知あるいは導入を促進するというところに重点を置くべきであるというふうに考えているわけでございまして、この奨励金は、先生おっしゃいましたように、その制度が導入されたときに、それを導入するためにいろいろと物心さまざまな支出がございますので、そういうものを多少でも補う、そして導入に踏み切らせるというための呼び水的な意味がございます。したがいまして、その趣旨から最初にそういうケースが起こったときということでいまは運用しております。さらに、昭和五十年につくられましたいわゆる育児休業法は、特定の職種についてそういうケースが起こりましたとき、一人一人について見ているものでございまして、先生の御指摘のようにそれぞれ違った趣旨ではございますが、育児休業の一層の普及ということに役に立っているとは思うわけでございます。さらに、これを進めていくために、私どもといたしましても今後いろいろと検計してまいりたいと考えておりまして、先生御指摘のような問題も検討さしていただきたいと考えております。
○政府委員(桑原敬一君) 家内労働者の問題でございますけれども、対象者の数が百五十万、補助者を入れますと百六十万という大変な数でございます。私どもも昭和四十五年に家内労働法を制定いたしまして、鋭意保護の万全を期してやってまいっておりますけれども、申し上げますように、なかなか家庭の中でやっておられる方たちもございまして、保護が完全にまだいっていないという点も認めざるを得ないと思っております。私ども、この施策は、やはりお話しのように工賃を積極的に引き上げていき、またそういった内職が切れないようにするというような問題、あるいは手帳制度というものを普及させて、何か問題があったときにはその手帳というものを中心にしてトラブルを早急に解消していくというようなことをいろいろやっておりますが、いまも家内労働審議会で、今後こういった家内労働者の保護についてなお十分に手を打つべき問題はたくさんあるんではないかというようなことで御議論いただいております。私どもは現在、家内労働旬間でございますが、そういう機にまた心を新たにして努力をしてまいりたいと、こういうふうに思います。
○政府委員(岩崎隆造君) 中高年婦人に対する職業訓練の実情についてお答え申し上げます。 中高年婦人等、婦人を対象とする訓練につきましては、婦人専門の訓練校は全国に八校ございます。そのほかにもしかし一般の職業訓練校で、たとえば洋裁あるいはタイプ、一般事務等のまあどちらかというと婦人の受講者が多いというような訓練科目を多数設けておりまして、婦人の離転職あるいは新しい職域につくための職業訓練を実施しております。さらに、昭和五十二年度から未成年の子女を有します寡婦等につきまして、新たに職業安定所の指示を受けて訓練を受講する場合について、いままでたとえば雇用保険の受給者が訓練を受ける場合、あるいは四十五歳以上の中高年者が受講をする場合受けておりますような訓練手当と同様の訓練手当を支給する措置をとりました。これはまだ五十二年度から発足でございますので、五十二年度の実績はまあ千に満たない数字でございますが、さらに五十三年度におきましては、訓練校の中で訓練を受けるだけでなしに、たとえば専修学校とか各種学校とかその他の民間教育訓練施設に訓練校が委託をして、そして受講をする寡婦等の方についても訓練手当が出せるというような措置をとりましたので、これでさらに受講者が多くなると思っております。実は女子の専門の職種につきましては、さらに専門校をつくりたいというような道府県が幾つかありますし、それから訓練科目につきましても、今後とも婦人対象の訓練科目を増設、あるいは新しい訓練種目を開発していきたいというように考えております。 それから、訓練を受けました者がどの程度の就職になっているかというお尋ねでございますが、この点につきまして、実は婦人だけについての数字がございませんが、一般に離転職のための訓練を受けた中高年者につきましては、七〇ないし八〇%の就職率があるというふうにつかんでおります。
○石本茂君 いろいろ御説明をいただきました。森山局長さんのお話しの中に、私まだ勤労婦人福祉法の第十一条の問題については、さらに普及促進を図らなきゃいけないんだというふうに受けとめたわけですが、これは年々増強しているんじゃないかと思うのですけれども、私の方でやはり小事業所などに聞きますと、そんなこと知りませんというのがかなりあるのですね、そういうものがあるということを。それはやっぱり何らかの方法でよく知らせていただきたい。知らないということになると、これはもう促進以前の問題になりますので、何とか、もう十年近くなりますから、これをさらに一層深めるためにはどうしたらいいかということで、どういう手を一体打っていらっしゃるのか。ただ、地方の婦人少年室に任せてあるのか、そうじゃなくどうしているのかということが一点さらに聞きたいわけです。 それからもう一つ、やはりお答えがありましたが、現在ただいま五十年に設けられました育児休業法の枠を広げる意思があるのかないのか、これをちょっと確かめることができませんでした。これは時間がありませんので、局長さんに簡単にお答えいただきたいし、あわせて、以上私が聞きましたことについて、大臣がどのような勤労婦人対策について御所見をお持ちなのか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府委員(森山眞弓君) 育児休業制度のPRのことについてでございますが、私どもといたしましては、この新しい制度が発足いたしましたとき、それからその後も引き続きまして、まず婦人少年室にPR用の資料を多数配りまして、適宜たくさんの方にできるだけお知らせしてもらうようにやってもらっております。そのほかに中央におきましても、中央段階での使用者団体あるいは勤労婦人のさまざまなグループの方に御説明を申し上げ、あるいはマスコミを通じまして適宜何度かPRをさしていただいたわけでございます。もちろん、これで十分というわけではございませんで、今後ともその面で努力をいたしてまいりたいと考えます。 それから、各種現在の制度をさらに拡充する気持ちがあるかどうかという御質問でございますが、勤労婦人が家庭生活と職業生活を両立させて、有意義な職業生活を営んでいきますためには、この育児休業制度の充実ということは非常に重要であると私どもは考えております。今後ともこの制度を何らかの意味で一層進展さしていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(藤井勝志君) 御案内のことと思いますが、労働婦人、婦人労働者の数は千二百五十一万人と承知いたしております。したがって、労働者の全体の三分の一労働をしておられる、労働者として働いておられる。しかもその中、既婚の婦人が三分の二、約八百万人は既婚の婦人である。そういう面から考えまして、やはり家庭生活と職生活との調和という問題、これは非常に大切な問題でありまして、そういう観点から育児休暇の問題、同時にまた育児休業制度という問題、これについては私は前向きでやはり充実をしていくべきである。いままでも漸進的に改善されております。いろいろ御鞭撻、御指示を受けて努力しておるわけでございますけれども、今後とも私は引き続き前進をさしたいと、このように考えておるわけでございまして、特に育児休業制度については格別な配慮を今後も続けていきたいと、このように思っております。 それから、そういう労働者の中における婦人の活躍といいますか、大いに国内行動計画の線に沿うてやってもらわなければなりませんから、そういう面において婦人の職業訓練についてもその時代のニーズに合った対応の仕方を、今度せっかく職業訓練法の改正をやってもらったわけでありますから、ひとつ積極的に対応していきたい。 それから、家内労働の問題、これは家庭の中で仕事をしているということで、世間と直接触れ合いが少ないということで、これまたやはりよくPRを積極的にやっていく必要があると同時に、仕事を与える方の側の、委託者側の教育といいますか、こういったことも一層配慮してまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○石本茂君 どうもありがとうございました。 今後一層御配慮をいただきながら、勤労婦人、特にいまお話しもありましたけれども、子育てをしながら働く女性——これは働く婦人の幸せだけじゃございませんで、一番大事な人間育成という意味での問題が大きくはさまっておりますので、休業制度につきましては、ぜひ一層特段の配慮をお願いしたいと、この機会にお願いしておきます。 次にお尋ねしたいのは、昨年の六月にジュネーブで開かれましたILOの第六十三回の総会におきまして、はからずも採択されましたのが、一つに看護職員の雇用及び労働条件に関する条約と、それと同じ名前の勧告があったわけでございます。このことにつきましては、もうすでにILOの事務局から正式にわが国政府にも手続を終了しているのじゃないかと私は思っておりますが、もしそういたしますと、一年以内にこれが国会に——恐らく外務委員会だろうと思うのですが、かかるわけでございますが、その時点におきまして、このILOの条約、勧告のすべて、どれ一つとりましても、問題は大きくはまり込んでいくのが、現在わが国が実施し施行しております国内法の中の、特に労働基準法に大きく関連してきているように私思うわけでございます。 特に、この労基法の第三十二条には、一般労働者の労働時間が示してございまして、一日八時間、週四十八時間云々ということが書いてあるわけです。ところが、看護職等の場合におきましては、この労基法の施行規則第二十七条の規定によりまして読みかえが出ております。一日九時間、一週間について五十四時間の労働をさせることができるというような読みかえ規定があるわけでございますが、今日労働時間は四十時間、週休二日制ということがやかましくちまたで言われているときに、なぜ看護職等を一日九時間、そうして五十四時間というような——これは不当な労働条件だと私は常日ごろこのことについてたびたび当局にお願いしてきたこともあるわけでございますが、今日なおそのままになっております。そして、このたび出されたILOの勧告、条約等を見ておりますと、やはり問題点になってさらされて出てきているのは、週当たりの労働時間を一般労働者並みにまず均衡を図れ、そのためにはこれは国内法の整備でございます、これが大きく打ち出されております。 二つ目には、週四十時間労働への漸進的なことを図るべきじゃないかということも出ております。 それから三つ目には、連続四十八時間の週休、いわゆる二日制でございますが、これも示されております。 四つ目には、四週間の年次有給休暇というものの充実を図るべきじゃないかというようなことが出ておりまして、たくさん問題がありますが、特にいま私が挙げました四点が労働省の所管の中に入っていく問題だというふうに私は思っております。これについて労働省当局、どのようなお考えを持っておられますのか、まず労基法の問題から派生いたしまして御所見を承りたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) お話のように、労働基準法では、看護婦の方々あるいは商業サービスみたいな公共的な職業につきましては、特例が認められておることはお話しのとおりでございます。私ども基本的には、労働条件が特定の職種だけがおくれているということについては、その改善に努めなきゃならぬという基本的な考え方を持っております。 看護婦の問題につきましては、私どももいろいろ実態を調べてみますと、やはり基本的には非常に看護婦さんが足りないというような実態があって、やむを得ずそういった労働時間あるいは時間外労働をせざるを得ないというようなかっこうになっております。先ほど申し上げました基本的な考え方に基づいて、この看護婦さんの労働条件の引き上げということについては、やはり再検討しなきゃならぬという考え方を持っております。しかし、申し上げましたように、いろいろな諸条件の整備というものがあわせてなされませんと、法律は直したわ、違反だらけだということであっては、結果的には実態的によくなるわけでございませんので、やっぱり諸条件を整備しながら、私は労働条件の引き上げに努力しなきゃならないと思っております。そういった意味で、特に労働時間問題は労働基準審議会の中でも非常に御議論がございまして、看護婦を含めた特例業種についても実態調査を早急にやって、どういうところに問題点があって、それをどういうふうに条件の整備をすればどう直るのかというようなことの、私どもの課題も持っておりますので、ことしから来年にかけてそういった実態調査をし、具体的な作業に入りたい、こういうふうに思っております。
○石本茂君 何かこう私、いまの局長のお言葉、いささか腹に据えかねるわけでございますけれども、この問題は早くから出ておることでございまして、言われますのは、たびたびいまと同じように看護婦が足りないという言葉をしばしば使われますけれども、これは一看護婦だけじゃございません。看護職というのは、看護補助者も含まれておりますし、それから補助看護職も含まれておるわけでございまして、それで看護婦は一方——きょう厚生省出てきておりませんけれども、看護婦の増員対策はどしどし進めてきているわけでございます。 今日、労働組合等のあります事業所等はほとんど全部と言っていいぐらい八時間になってきました。問題は、残っている開業医等の姿勢、私的な病院等にいる者がこの労働条件にさらされて、非常に不当な条件の中にあえいでいると言っていいと思うんです。私は、そういうことがあるために、今度のこのILOが取り上げまして、そして百四十九号の条約とそれから百五十七号の勧告が出たわけでございますので、ぜひこのことは早急に詰めていただきたい。もちろん、関連するのは厚生省でございますので、労働省から厚生省にやかましく、一体需給対策をどうしているのかということを——今日までにそういう、どう言いますか、厚生当局への勧告と言っちゃおかしいんですけれども、そういうことがあったのかどうか、厚生省が何とかするまでじっと見ていればいいということでなおざりにされてきたのか。私はいまから調査をするとおっしゃることがちょっと不服なんでございますが、どうでございましょうか。
○説明員(小粥義朗君) 看護職員の労働時間は、先生御指摘のように、その要員確保の問題にもつながりますので、厚生省との間では、私ども事務レベルでは平常時にも接触の機会を持ちまして、たとえば予算要求の段階では、労働基準法上は九時間の特例になっておりますが、できるだけ八時間で勤務できる体制での予算の確保をしてほしいというような形のお願いも厚生省にいたしております。 伺うところでは、近くまた第二次の看護婦確保計画というものを立てられるように伺っておりますので、さらにそうした面の要請を強めていきたいと考えております。
○石本茂君 確かに、さっき局長申されましたように、いま現場の中の労基法違反というのは、非常に多く病院がしております。病院の中でも看護職が最高に多いです、もう九〇%を超えております。しかし、だから仕方がないということではこれはもうどうしようもないんじゃないか。この辺、大臣どうお考えでございますか。仕方がない、人が足りないから、労働条件は悪くてもいいじゃないかというような労働省の御見解のように私承るわけですが、どうも納得できませんが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のように、去年の六月でございますか、ILOの第六十三回総会において採択をされたこの事柄をひとつ契機に、長年問題になっております、特に看護婦の人たちの労働条件の改善、これはなるほど厚生省との話し合いということが必要でございましょうけれども、労働条件の改善という面から言うと、労働省がひとつ主体的に取り組むという必要が私はあると思います。 したがって、ぜひ御趣旨の線を踏まえて、こちらから積極的に看護婦の労働条件改善に関してひとつ働きかける、こういうふうな努力をいたしたいと、このように思うわけでございまして、ただまあ看護婦の養成あたりの環境整備が相当時間がかかると思うんでありますが、時間がかかるからというんで、御指摘のようにまあやむを得ずというイージーゴーイングなやり方は、この際、ILOの勧告、この採択されたのを契機に、しかもまた国内行動計画のこういった精神から言いましても、ひとつ大いに今後積極的に問題の改善に努力をしなけりゃならない、このように思っております。
○石本茂君 これは最後にお願いでございますが、離職対策につきましては、厚生当局もかなり力を入れてきたわけでございますが、いま私が申しましたように、職場のやはり労働条件ですね、国の定めているものの中に、もはやあいまいなといいますよりか、他の労働者に比べて非常に落ち込みが出ている。そんなところへだれが一体、じゃ自分の青春をなげうってそして厳しい子育てをしながらとどまるであろうかということが言えるわけでございますので、大臣、お言葉をくださいましたように、ぜひひとつ労働省が、働く労働者のやはり条件整備ということは、これは何としてでも九時間は八時間にしていただきたいと私願うわけです。八時間になれば、やはり超過勤務手当ということで、別視点からの体制が出てくるわけでございますので、なぜそういうことを今日まで三十年以上ほうってきたのか、私は非常に、これはもうずっと昔から言い張ってきたことで、こういう場所でも、かつては二院クラブにいたときに言ったこともございますけれども、言ったら言いっ放しということになっておりますが、いよいよ大詰めのところに来たような気がしますので、私は、このILO条約がいきなり批准できると考えておりません。いまお願いしておりますような国内各関係法規が整備されません限りは、そんなものは批准されるものじゃないと思いますけれども、批准できる可能性を見つけていろいろお手配くださるのか、そんなものはできないということでほったらかしにしていくのかという、いま二つの分かれ道が来ているわけでございますので、やはり一番問題を所管されます労働省の心構えといいますか、お気持ちが、今度のこの批准をめぐりましての分かれ道になっていく。将来批准する方向に向かって努力しますということになるのか、いや、とてもそんなものは手がつかぬということになりますのか、そういうことがありますので、今日聞いたわけでございます。ぜひひとつお願いいたしますのは、前進する方向に向かって、やがて必ず近い将来に整備しますというお返事をいただきたいのでございますが、無理でございましょうか、お尋ねいたします。そして終わります。
○国務大臣(藤井勝志君) 石本先生、ほんとに御熱心な御提言をしばしばされておることも、私、議事録で拝見をいたしております。特にこれからの雇用問題という観点からも、私は積極的に取り組むべきだと。労働条件の改善はもちろんでありますけれども、やはり日本人の生活の質を向上さすという、こういう面でやはり雇用の拡大を求めていくという、雇用の創出を図るべきであるという、こういう観点からも、私は御提言はひとつまともに取り組みたい。厚生省があるということ、また看護婦の養成という相当長期の対策が必要だということ、これは踏まえながらも、やはりイージーゴーイングでない線でぜひ積極的に努力をしていきたい、このように考えております。
○石本茂君 大臣、ありがとうございました。どうか局長さん初め当局の皆様も、このことにつきましてよろしく進める方向に向かってお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。終わります。
○高杉廸忠君 私は雇用需要拡大のための労働時間短縮問題並びに鉄鋼構造姓策における製作工場の認定について、労働大臣を初め建設省、通産省、中小企業庁の関係省庁にお伺いをいたしたいと思います。 まず、労働大臣に伺います。わが党が今国会に週休二日制実施のための労働基準法の一部改正案を提出いたしております。この提案の趣旨は、労働者の健康増進等に資することのほか、労働条件の国際的な動向に対処すること及び雇用機会の増大に資するためのものであります。今日、完全失業者のほかに潜在的な失業者あるいは半失業者とも言うべき人々が、すなわち一年未満の契約の臨時雇い二百四万。日雇い労働者百二十四万。常用雇用者ではありますが、週十五時間以下の就労者が三十万人、等々が潜在をしております。これらの人々の就職機会の拡大を図るためには労働時間の短縮、週休二日制の実施等が当面の緊急課題となっています。改めて、労働時間の短縮等について緊急に措置を講ずべきだとの現状認識についての、労働大臣の御見解をまず承りたいと存じます。
○国務大臣(藤井勝志君) 労働時間対策の進め方につきましては、すでに私もこの場でお答えをさしていただいたことがございますけれども、去年の暮れ公労使一致した建議をいただきまして、そしてこの週休二日制を含む労働時間短縮、またこれが対策、こういったことについての建議を受けたわけでございまして、私はやはり日本人のいままでの働き方といいますか、そういった面についてやはり工夫をこらして、お互いが生きがいを感じながら、同時にまた、高度成長から安定成長に入らなければならぬ将来を展望いたしますと、やはり限られた仕事を分かち合うという、こういう面からも、また特に国際的な協調という面からも、日本人の働き過ぎというのが目についておるという指摘もあるわけでございますから、ぜひ前向きで前進をしなきゃならぬ。ただ、これを一律に法によって規制すると、基準法の改正によってこれを実現するということは、これは私は産業、企業の実態を考えてこの対応をしなければ、やはり角をためて牛を殺すという結果になってもいけないというふうなことがございますので、やはり建議の線に従って行政指導によってやっていくと、このように考えているわけでございまして、すでにお答えをしましたように、五月中には地方局長あてに通牒を出して、産業別労働時間対策の進め方について具体的な検討をしてもらう。そして、この問題はやはり労使の自主的な話し合いということが前提にならなければなりませんから、そういう方向で今後進めてまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
○高杉廸忠君 労働基準審議会の建議も行われておりますが、それで衆議院の大蔵委員会においては銀行法第十八条改正のための決議も行われております。労働時間短縮についての積極的な方向が示されていますが、この問題については労働組合側もこれの措置については強く要望が今日なされているわけですね。特に注目されるのは、四月に労働省が発表いたしました五十二年労働時間制度調査結果でありますけれども、その中で、週休二日制のまだ実施をしていない企業の理由、これが挙げられております。これを見ますと、取引上の都合等が四八・八%、大臣も御承知だろうと思うんです。二番目は生産、販売量を減退させないためという理由で二八・三%、三番目として同業他社が実施していない、これが二六%と上位を占めているわけです。これに対しまして人件費コスト上昇のためという理由については一五・三%になっています。労働省も、時間短縮等について行政指導を強化し、各方面への働きかけについては、いま大臣からの御説明もありました。その指導内容、具体的なこれからの、それじゃいままで示されました実績等について、ぜひこの機会にお示しをいただきたいと思うんです。
○政府委員(桑原敬一君) 私どもは、この労働時間問題、非常に重要だというふうに考えまして、従来からその指導はやってきておったわけでございますが、大臣のお答えにございましたように、昨年の暮れの建議を起点にいたしまして、体系的に、計画的にこの問題を進めていきたい、こういうふうに考えて、現在その進行中でございますが、まず十二月の段階で、全国的に業種を選びまして、調査的な監督と申しましょうか、時間外がどういうふうになっているか、あるいは週休二日制がどういうふうに進んでおるか、あるいは年休をどういうふうにとっておるだろうかというような、特に建議で問題になっていますこの三点についての実態の調査を進めてまいっております。大体まとまりましたので、今月中ぐらいには整理ができるんではないかというふうに思っております。 それから、いま先生のお話しのように、この問題はお互いによそを見合っているという関係も非常にございます。私どもは昭和三十五、六年でございましたでしょうか、現在の基準法の週休制の問題につきましても、問屋街とかああいうところでなかなか進まなかった経緯がございます。やはり、それはよそがやっていないからやらないというようなこともございまして、そういう地域的な総ぐるみでこの問題を処理していきたいというような経過がございまして、うまくまいった実績を持っておりますが、したがって地域的な、その産地ごとに週休二日なり、年休の進め方等についての話し合いの場をつくる、あるいは大きな企業につきましては、産業別に労使の会議を私どもがおぜん立てをして、そこでそういった週休二日なり年休の推進についてのコンセンサスをつくっていくというような、何と申しますか、行政づくりというようなこともやってまいりたいというようなことで、そういったいろいろな行政手法の幾つかをいまいろいろ検討いたしまして、大臣お答え申しましたように、五月中には中央、地方を通じて一つの統一した見解のもとにこの問題を進めてまいりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
○高杉廸忠君 週休二日制の実施について伺いたいと思いますけれども、アメリカ及びイギリスですね、それから西欧諸国と比較した場合に、日本は極端におくれていると、こう比較されるわけですね。ことに、金融機関、公務員、これらの点で見ますと、ヨーロッパ関係では九十数%も実施しているんですね。これに反して日本は試行の程度という状況ですね。金融機関及び公務員等の週休二日制の実施というのは、他のまだ実施をしていない企業への影響というのは大きいんですよね。これについては、何としても早急に実施するということを、とりあえずできるところからやるという方向で私はやっぱり取り組むべきだと、こう思うんです。特に、五月の四日の日経新聞によりますと、たとえば外務省が最近在外公館を通じて各国の週休二日制の実施状況、普及状況を調べたところが、欧米諸国だけではなくて、発展途上国である国々の週休二日制がかなり普及していると、こういう結果が出たと、こう報じています。このために、援助国である日本よりも、援助を受けている途上国の方が週休二日制が普及しているといった奇妙な現象も起きていると、こう報じているわけです。こういう諸外国なり発展途上国との比較にしても非常におくれている。したがって、私は困難な問題であると思いますけれども、しばしば検討ということも使われますけれども、私はやっぱり実施の時期という目安をつけて、それで積極的、具体的な措置というものを講じていかなければならない、こういうふうに思います。これについては大臣どうでしょう。
○国務大臣(藤井勝志君) 御趣旨は私も本当によくわかるんでございますけれども、実施の時期を定めるというところまでまだ準備が整っておらないと、残念ながらそのようなお答えしかできないわけでございますけれども、たまたま私は大臣就任のその直後に、時間対策について週休二日制を含んで建議を受けたという、こういったいきさつもございまして、御指摘のように日本がここまで経済が力がつきまして、しかるに欧米先進国と比較して週休二日制が行われてないというのはもうほとんど欧米先進国ではないと、私の承知している範囲ではスペイン、ポルトガル、ないしはイタリアがどうなっているか、もうイタリアは実施しているという話も最近聞いたわけでありますけれども、そこら辺、何もかっこうをよくするという意味でなくて、やはり一番きちんと日本人の労働時間対策は先進国並みになっているということを天下に知らせる一番いい姿勢でございますから、何とかしてひとつ早くこれが実現に努力をいたしたいと、このように考えております。 いま御指摘の銀行法の問題、これがいま銀行制度調査会において検討されておりますけれども、私は何とかしてこの中で週休二日制の部分だけピックアップして、銀行が完全週休二日制に踏み切れるようなひとつ工夫はできないもんかと、いろいろ役所の中でも検討させ、大蔵省とも事務的に接触もさしておると、こういう状況でございまして、ただ行政機構簡素化というような問題から、総定員法との関係で交代要員の必要な現場の職員の勤務状況、こういったものと兼ね合い、いろいろ総合的に考えなきゃなりませんが、やはり銀行方面を中心に週休二日制の突破口を開く工夫をすべきであると、いま一生懸命に検討をさしていただいている最中でございます。
○高杉廸忠君 このほか、労働基準法においては残業規制についても十分なものになっていない。それから、有給休暇制度についての消化率の低いことなど、実態上から諸外国に比して問題となっていると思うんですね。これらの諸点についても早急に、前向きだと言われるならば改善措置というものを具体的に講ずべきであると考えるのです。この点はどうでしょう。
○政府委員(桑原敬一君) 現在の法制といたしましては、三十六条協定によって労使がお話をしていただいて、その限度で残業すると、こういうふうな仕組みになっております。私どもの方針といたしましては、超勤をしなければもう全体が経営されていかないというようなそういう超勤は、私ども好ましくないというふうに思っておるわけであります。本当に臨時繁忙のときに超勤していただく、それに対して労使が話し合って限度を決めていくと、こういうような法律的な仕組みになっておるかと思います。しかし、実態は必ずしもそうでございませんので、私どもの近く出します方針の中には、こういう三十六条協定についての一つのモデル的な協定のあり方と申しますか、そういったものについても具体的な方針を出してまいりたいというふうに思っております。 それから、年次休暇につきましても、非常に残念ながら消化率が悪いという面もございます。これは労働者本人が請求されるというような一つの前提がございまして、非常にとりにくい環境にあるということもあるかと思いますけれども、使用者が与えないということではなくて、請求されないというような雰囲気もありますので、そういった非常に現実具体的な問題が個々にあろうかと思いますので、それはやはり労使の会議の中でその辺は具体的にとりやすいような環境をつくっていくというようなことが必要ではないか、こういうふうに思います。
○高杉廸忠君 三六協定のモデル的な締結等もわかりますが、私はいま幾つか申し上げました点については、具体的な法改正の必要があると思うんです。三六協定の厳格な締結と、遵守をさせるということもこれも当然ですね。モデル的な三六協定も当然だと思うんです。私は残業規制時間のガイドラインの設定なんかもあると思うんです。 それから、長時間残業企業、それから年次有給休暇の消化率の低い企業、これらを、例を挙げて言うなら公表するとか、厳しい監督行政的な規制を、極端に長時間労働を強いているような企業、こういうものへの社会的な批判等を加える、そういうものを行う、こういうような意見も一部では出ているわけですね。こういう具体的ないま申し上げました幾つかの問題、これについての処置、これについては大臣どういうような御所見を持っておられますか。
○政府委員(桑原敬一君) ちょっと技術的な答弁をしたいと思います。 私どもは労働基準監督機関という一つの権限を持っておる機関でございますので、その権限行使については、非常に強い権限であればあるほど、司法警察権を持っておりますので、厳粛に行使しなければならぬというような態度を持っております。したがって、法違反であれば徹底的に私どもはその厳正な是正を求め、それができなければ司法処分にして送検をすると、こういうたてまえになっておりますので、法に違反していないより望ましい基準の中で問題を処理するということにつきましては、やはりそういった限度の中においてこの問題を処理しなきゃならぬという、私どもの監督機関の一つのたてまえがございますので、御理解いただきたいと思います。
○高杉廸忠君 残業時間のところ、どうですか。
○政府委員(桑原敬一君) したがいまして、残業時間と申しますか、労使が話し合って決めますものにつきましては、一つの考え方を近く出します通達に出したいと思っておりますけれども、やはり残業時間というのは、その個々の企業企業によって具体的に必要に迫られて行われるものでございますから、たとえば年末の非常に繁忙期のときに、五時間やらぬとどうしてもお得意さんにどうにもならぬときに、二時間でやらなきゃだめだと、こういうことが言えるかどうかという問題もございますので、それやはり労使、特に労働組合というものもあるわけでございますから、その立場の中において具体的に提案をしていただいて、社会的に公正な範囲内で残業が行われるように私どもは期待をいたしますし、またそういう指導はやってまいりたいと、こういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(藤井勝志君) 私からも念のためにお答えをいたしておきます。 労働省といたしましては、建議の線に沿いまして過重な時間外労働に対してはこれを削減をする、圧縮をしてもらう、それから、年次有給休暇の完全消化に向かって努力をしてもらう。それに週休二日制、この問題は、やはりこれからひとつ積極的に産業別労使の会合をしてもらいまして、そしてその方向に向かって着実に積極的に事柄が進むように配慮をしていきたい、行政指導をしてまいりたいと、このように考えております。
○高杉廸忠君 公共事業を民間企業への発注等に当たって、 〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 発注企業に対して残業時間の規制だとか有給休暇の消化等の義務づけ、あるいは極端に長時間労働を強いている企業への、これは極端なことかもしれませんが契約の取り消し、これは一例でありますけれども、こういうような雇用確保のための措置というのが、具体的な問題が意見として出ているわけですね。これらの、いま大臣からも指導については強化をいただく、あるいは局長からは監督等についての強化というものについての方向も言われましたが、いま申し上げました点、民間企業への公共事業の発注等における問題についてはどうでしょう。
○政府委員(桑原敬一君) 従来から私ども、公共事業についての発注につきまして、特に悪質な基準法違反でございますが、特に安全衛生法違反で人を死亡させるというようなことにつきましては、建設省と通報制度というのを持っておりまして、入札その他について配慮をするということになっております。また、それが非常に大きな効果を上げて災害が減っておるというふうな実態もございます。いま御指摘の問題につきましては、初めての御提案で私ども今後検討してまいりたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、基準法違反というような問題については、相当私どもとしても強い態度で臨み得るわけでありますけれども、雇用確保のために、たとえば労働時間を法定以内に短くしろと、そういう指導はなかなか一般的にはむずかしいんではないかというふうに思います。また、政策的な観点を変えて、雇用政策上どうするかという問題はまた別個の問題でありますけれども、それは基準行政ともう少し次元の違うところで検討すべき問題であるかと思いますが、初めての御提案でございますので、検討してみたいと思います。
○高杉廸忠君 局長、違うんですよ。私の言っているのは残業時間の規制というものはないだろうかということです。それから二つ目で言っているのは、有給休暇の消化率ということについて、非常に低いところについてのそういう企業に対して具体的に公共事業の発注について、あなたのところは少し残業時間というのも規制する、あるいは年次有給休暇というものを消化するような方向の御指導というのはいただけないかと言っているんであって、労働時間を法で縛るものを私は言っているんじゃない。残業時間と有給休暇のことを申し上げているんで、別にむずかしいことじゃないと思うんですがね。
○政府委員(桑原敬一君) 具体的なケースによりますので、なかなか判断できませんけれども、特に不当に労働時間が長く行われているということで、非常に働いている労働者の健康に被害が出てきているというような問題が出てまいりました場合に、私どもは強力な行政指導をしてまいりたいと思いますけれども、一般的に公共事業の発注のときに、こうこうこうすべきではないかとなりますと、その辺はやはり所管省の建設省と十分相談をして、きちっとした考え方で臨まなきゃならぬのではないか、こういうふうに思うわけでございます。また、工期その他の問題も絡んでまいりましょうから、事業官庁ともその辺については連絡をとりながら、不当に長いものについては指導をしてまいりたい、こういうふうに思います。
○高杉廸忠君 厳しい雇用、失業情勢についてのどうも認識がまだちょっと甘いんじゃないかと思うんです。したがって雇用対策も十分じゃないという批判が出てくるのは私は当然だと思っているんです。雇用機会の創出とか拡大のためには、大臣思い切った施策というものが必要と私は思うんです。いままで私は質疑を通じて幾つかの提言をいたしました。政府の積極的な措置を私はこの際強く要望をするものでありますけれども、週休二日制、雇用拡大等について労働大臣の、私の要望も含めて御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) これからの日本の経済の方向が、いわゆる低成長と申しますか、安定成長と申しますか、どうしてもやはり雇用の安定確保を図るためにはやはりワークシェアリングという、これは消極的な構えでありますけれども、これを導入をしていく、こういう考え方を取り入れざるを得ない。ただ問題は、これは長期的にやはり構えなければ短兵急になかなかやれない。現在非常に不況のさなかでございますから、それこそ雇用不安に落ち込むという危険性もありますから、基本の路線をそこに置きながらも、やはり現実に対応してこれを処理する、こういうことでありまして、御提言の趣旨は、労働基準局長という立場から言うと、先ほどもしばしば答弁しておりますように、一つの法的な権限を持った行政ということになりますから、これはまた別の次元で、先ほど私がお答えしたような方向で労使が産業別な会合を、地域別な会合をして、実態に即して積極的にひとつ行政指導をやっていきたい、このように考えるわけでございます。
○高杉廸忠君 ぜひひとつ、大臣思い切った施策をお願いをいたしておきます。 この際私は、ちょっと角度を変えまして、先ほど前段で申し上げました鉄鋼構造建築における製作工場認定等に対して、建設省、通産省、中小企業庁にこの際伺いたいと思いますが、まず建設省に伺いたいと思います。 住宅局長来ておられると思いますけれども、去る昭和四十五年に「溶接継目強度を母材と同強度にできるための鉄骨加工業者資格基準」として住宅局建築指導通達第三四四号が出ているんですね。この通達の趣旨というのはいかなる目的で出されたものか、またその運用というのは一体どのように行われておりますか、まず伺います。
○説明員(大田敏彦君) お答えいたします。 この告示通達は、建築基準法令に基づいて発せられたものでございますが、御案内のとおり、建築基準法令は建築物の構造等に関します最低の基準を定めて、その安全性を確保しようとするものでございまして、特に鉄骨造建築物の鋼材あるいは溶接部分の許容応力度につきましては、同法施行令第九十条及び第九十二条に規定されております。ただし、この規定は古くから用いられております一般構造用鋼材について定めたものでございまして、その後の技術革新により高強度の鋼材が使われ出したために、昭和四十五年建設省告示第千三百八号によりまして新種の高強度の鋼材につきまして、鋼材自体と、それから溶接部分の両方の許容応力度を新たに定めたものでございます。特に、溶接部分は慎重な扱いを必要とするため、このような高水準の材料、技術を認める条件としまして、その許容応力度につきましては、溶接技術者の技術、工場設備により、品質に非常に差が出やすいものでございますため、高度の品質を確保できる溶接作業の場合と、その他の場合と分けて、二種類の数値を区別して定めました。 同時に、その点の運用につきまして建築指導課長通達第三百四十四号を発しまして、先ほどの告示の高度の品質を確保ができる溶接作業の判定の基準となるべき事項も定めております。その趣旨は、告示に基づきまして、建築物の構造上、安全上の観点から定めたものでございまして、業者の営業や業務に関するものではございません。 これの運用でございますけれども、こういった高強度の鋼材を使用する建築物の建築確認に当たりまして、課長通達に盛られた基準を参考にして現地で建築主事が適正に運用しております。
○高杉廸忠君 時間がありませんから、限られた時間でありますから、簡潔にひとつこれからはお答えをいただきたいと思うのですが、通産省に対して伺いますが、現在わが国の鉄鋼加工業者というのは一体どのぐらいあるのですか。その数、もしおわかりでしたらお示しをいただきたいと思います。
○説明員(鈴木直道君) 先生御存じのとおり、鉄構物の生産をされておるメーカーは中小企業のウエートが非常に高うございます。非常に零細の方も入っておられまして、正確な数字を完全に把握することは非常にむずかしいようでございますが、概して一万ぐらいおられるというのが通念となっておると聞いております。
○高杉廸忠君 中小企業の鉄鋼加工業者で組織しています社団法人全国鉄構工業連合会ですか、全構連ですね。これはいま一万と言われましたけれども、そのうちどのくらい、何社ぐらいが加盟されておりますか。
○説明員(鈴木直道君) 現段階におきますその先ほどのメーカーの数字は、通念よりやや減少しておるのではないかと思っておりますのでございますが、現在私どもは、おっしゃいました連合会でカバーしております企業はほぼ五割ぐらいであろうというふうに一応考えております。 先生御存じのとおり、連合会でございますので、連合会傘下に各府県ごとに協同組合、あるいはまた工業会がございまして、そのメンバーという形でその下に入ってくるということでございます。
○高杉廸忠君 先ほど建設省の指導課長の方からの通達についての内が説明されましたね。通産省ではその全構連、この一月から始めている鉄構造物製作工場認定基準なるものについて、それじゃ通産省の方ではどういうように評価をしているのですか、あるいはどのようにまた指導をしてこられたんでしょうか。
○説明員(鈴木直道君) 先ほど申し上げましたとおり、鉄構物のメーカーは非常に中小零細でございます。したがいまして、やはりお互いに協力し合って技術のレベルアップを図る、あるいは経営をよくするということがどうしても必要でございますし、そういう形で受注をしていくということに相なろうと思います。そういう意味で、この協同組合なり連合会は相互に協力し合う団体として活躍しているわけでございまして、私どもはやはりその中小企業の方々がお互いに助け合うという意味におきまして、大いに活躍、活動していただきたいと思っているわけでございます。 さらに、御指摘なさいました制度についてでございますが、皆さん中小企業の方々はどのようにお互いにレベルアップするかということでやっているわけではございますが、外の発注者から見ますと、中小企業といいますのは、一般的にどうしても技術水準が低いと思われてしまいがちでございます。特に、最近といいますか、かねがねだと思いますが、品質の問題、あるいは地震の問題等等から安全の問題等で非常にいいものをつくるという要請が高うなっておりまして、中小企業お互いに努力しているわけでございますが、単に中小企業というだけで注文がとれないということは非常に残念でございますので、お互いに自分の技術水準を表示し合いまして、その上でわれわれはこれだけ中小企業でありながら技術はあるんだ、こういうことで今後とも大いに活躍をしていきたい。こういうのが今回の制度の基本的な趣旨だと思っておりますので、私どもは中小企業お互いに努力し合っておられるという面を非常に評価をしていかなくちゃいけない、こういうように考えているわけでございます。
○高杉廸忠君 いまのお答えになるとちょっと納得がいかないのですね。中小企業のためというけれども、具体的な工場認定基準というものを見ますと、もう御承知だろうと思うのですが、ハイクラス、ミドルクラス、レギュラーと、こう三つの段階に分けて点数でやって、むしろたとえばこの認定基準の中には——全構連がやっている中身を見ましたよ。敷地については千平米なければできない、こういうことでしょう。それから、道路についても、この工場の利用する前面の道路は幅が六メーターなければ、工場認定のいわゆるいま申し上げた三段階あるレギュラーにも入らない。言うなら、あなたは中小企業のためと言うけれども、工場認定しておくことは、それだけの能力なりあるいは規模なりという、これは別の問題として、規模で大企業だけでなければ——中小企業、零細企業はできないという基準認定が内容じゃないのですか。そうすると、どうも建設省の方の御指導、その辺の通達が通産省の段階ではちょっと生かされていない。安全性とか、製品の質を問うなら別ですけれども、企業主義的な考えで大企業だけはやってよろしいけれども、小、零細企業は切り捨てていくような中身になっているのですよ。いま申し上げましたたとえば敷地にしても千平米でしょう。道路についても、工場の前に六メーターなければ構造物ができないという、そういう基準認定を出して、これに合格しなければあたかも仕事ができないような内容になっているわけでしょう。私は中小企業のためと言っているいまのその中身は、中小企業のためじゃなくて、中小企業を切り捨てていこうというような中身じゃないですか。
○説明員(鈴木直道君) ちょっと制度の御説明をしたいと存じますが、いまおっしゃいました点数制度でございまして、これは工場のおっしゃいましたような条件とか、技術者の数だとか、あるいはどんな設備を持っているかとか、いろいろなその点を点数にして表示をしていこうということでございまして、おっしゃいましたように、千平米なければ点数をあげないと、こういうことには決してなっておりません。もちろん千平米ございましたら、ある程度の点数が与えられるということでございますけれども、それは基本的な点ではございませんで、むしろどんな技術者を持っているか、どんな優秀な技能者を持っているかというような、いろいろな点を総合いたしまして点数を設定して、それにふさわしいような仕事がとれるようにしていく。むしろ、先ほど申し上げましたように、中小企業であるがゆえに、もともと技能がないと思われがちなんで、むしろこういう方に技能を持っているというのを、いろいろな観点で点数で表示して皆さん発注者側にわかってもらうようにしたい、こういうことでございまして、大きいものでなければだめだというような発想は基盤になってないというふうに御理解いただきたいと思います。
○高杉廸忠君 それはあなたの方が具体的な実態を知らないからですよ。全国的に見てこの認定制度が、全構連がやったとはいえ、直接指導されているのは通産省の機械課になりますか。そうしますと、あなたの方の行政指導が的確に適正に行われてないという結果じゃないですか。たとえば東京については、これは現物主義でいこうというから企業主義じゃないんです。その認定についてはこれ返上しようという空気ですよ、東京都は。そうでしょう。あなたも知っておられるでしょう。新潟県については、ランクづけというのはこれはもうけしからぬ、憲法違反じゃないかというような疑いまであるというふうなことを言っているんです。なぜかといえば、いま言ったようにハイクラスとかミドルクラスとか、あるいはレギュラーとかというランクづけをされるでしょう。それ以外は鋼構造の溶接関係についてはできないということを基準として認める。しかも、これは住宅局長に私はちょっと申し上げたいんですけれども、その指導課長さんが出された趣旨についてはわかったんですが、いまのように資格基準というような通達内容なんです。これは恐らく資格基準とか認定とか資格にかかわる重要な、中小企業になれば死活の問題になるような基準について、私は一体指導課長の通達でそれでいいのだろうかどうか、これはきわめて疑問だと思うんです。だから、そういう意味で建設省が責任を負うとなれば、局長通達かあるいは次官なりそういうものでなければならぬと思うんですけれども、この点については住宅局長の方からお答えをいただき、それから中小企業のいまのやっている全構連の工場認定については、時間がありませんから私はこれからの問題としてこの際要望もし、ぜひ実現をしていただきたいと思うのは、通産省と、あるいはいまのように労働省も雇用創出とかあるいは雇用拡大とか言われるこの不況時代に、ただでさえ中小企業がつぶれ、失業者が増大をしていく。雇用でも先ほど労働大臣がしばしばお答えいただいているように大変な時期だと、こう言われているんです。これは労働大臣にすれば、私に言わせれば逆行ですよ。中小企業が工場認定受けて、いまのように三つのクラスから落とされた中小零細企業は仕事ができなくなる。仕事ができなくなったら失業になる。雇用拡大どころか、私は失業者を増大していくような方向にあるいまの通産省、あるいは御指導いただいているいまの実態ですから、こういうことで私は、労働大臣いいでしょうかということを問わざるを得ない。したがって、いま申し上げましたが住宅局長からも、あるいは中小企業政策についても、中小企業庁からこの際一言私はいただきたいんですが、こういうような中小企業の育成強化、雇用の拡大を言っているけれども、現実にはいま申し上げましたような実態なんです。これは私は逆行だと思うんです。そういうことで中小企業庁としても、私はこれからの対応としても、いまのような内容ならばこれを改善をしていく、そういう行政措置なり行政指導なりというのは必要ですから、私はこの際関係省庁が十分御連携をとって、そして十分な雇用創出、雇用拡大、失業の防止あるいは中小企業の指導、育成強化、こういう点について改善をすべきだと思うんです。この際、改善をしていただくことをお約束いただきたいと思うんです。したがって、いま申し上げました住宅局長あるいは中小企業庁、それから労働大臣からいま申し上げましたことについてお答えをいただいて、残念ながら時間がございませんから、もし不満足な場合は私は改めて機会を得て、これをまた問題に供したいと思います。 以上です。
○政府委員(救仁郷斉君) まず、指導課長通達の問題でございますが、これはあくまで基準と書いてございますが、通達の内容をごらんいただきますと、これを参考にしていただきたいというような通達になっております。これはなぜかと申しますと、先生御指摘のように零細な工場であっても本当に良心的な仕事をすればこれは可能でございます。そういった意味で参考に現地で判断してもらいたいという趣旨で出してあるわけでございます。それからそういった全構連の認定の制度、私どもは特に鉄骨につきましては溶接は後から検査がなかなかできません。したがいまして、そういった意味で建築物の安全性という問題から、最近のいろいろ指摘されております欠陥建築、欠陥住宅というふうな問題を踏まえまして、こういったことが自主的にそういった技術の向上ということを図っていただくということは非常に好ましいと私は考えております。ただ、これが先生御指摘のように中小企業の締め出しとか、あるいは鉄鋼価格の引き上げとか、そういったようなことに利用されるとすれば、これは好ましいことではございませんので、通産省とも相談いたしまして、改善するところがあれば改善させたいというふうに考えております。
○説明員(鈴木直道君) 本制度は、やはり中小企業がお互いに協力し合ってちゃんと仕事をとっていくというのが本旨でございますので、先生おっしゃいますように、中小企業のための制度であるという趣旨にのっとるように、遺憾なきように指導してまいりたいと思います。
○説明員(鬼塚博視君) 中小企業庁といたしましても、この個別具体的な問題につきましてはまだ検討いたしておりませんが、御趣旨に従いまして関係省庁と十分に検討いたしてまいりたいと思っております。
○政府委員(細野正君) この基準の趣旨自体は、品質と安全の確保というふうなことでございますので、そのこと自体は必要なことかと思うんでございますけれども、先生御懸念のようないろいろな運用上の問題もあるようでございますので、よく私どもも関係省と連絡をとりまして、その上で運用の適正をお願いをしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 私は与えられました時間が五十分ありますが、ちょうど昼の休みの時間にもかかりますので、テーマが二つありまして、一つのテーマは、ゴム産業に働く労働者の問題であります。それから第二番目の問題は、林業労働者のチェーンソーの特別教育の問題についていろいろ関係大臣並びに関係の所管庁から承りたいわけですが、午前中はゴム産業問題だけに限定をして少しお聞きをしたいと思います。 すでにこの問題は、二月二十八日に衆議院の予算委員会で同僚の水田委員から、さらに私は三月三十日、参議院の予算委員会におきまして、通産大臣、関係局長、これは労働省、通産省にわたって問題の提起をいたしました。そのときに私は、近い将来にゴム産業労働者に大きな合理化が出るだろうと、こういうことを懸念をしていろんなことの質問をしました。残念ながらその懸念どおりに実は月星化成、これはゴム履物のメーカーとしましてはシェアからいきますと大体日本ゴム、月星、これが二大メーカーでありまして、その中における千名の希望退職を募る、その他現行賃金の一〇%切り下げであるとか、労働時間の一〇%延長であるとか、こういう厳しい合理化案が経営者側から提起をされている。加えて、月星がそういう状態になりますと、系列といいますか、下請といいますか、関係会社というような関係で、アイバンシューズにおいて九百人の従業員中約百人を指名解雇したい、そして同じように賃金や労働時間の切り下げ、延長が提起をされている。ユニ・スター、ここも、従業員七百名でありますが、そのうちから百五十名の人員を削減をしたい、こういうような合理化提案が相次いでそれぞれの経営者から出されまして、そこで働いている労働者は自分の雇用不安定について大変重大な問題を持っています。その後も、私は委員会で質問をしただけでなくて、久留米市議会が超党派でこの問題を決議をされて、自民党初め各党の議員の協力を得ながら、通産省なり労働省に対して市議会の交渉が行われましたし、さらに福岡県にとっても非常に重大なことでありますから、福岡県評の労働組合の代表、当該月星の労働組合の代表等が上京されて、それぞれ労働省、通産省に問題の解決について陳情、要請があったと思います。きのうも私は労働省の職安局長とこの問題についていろいろお話し合いをしたのでありますが、改めてきょうは正式にこの委員会の中で次のことを労働大臣並びに通産省にお聞きをしたいんでありますが、私はこのゴム履物の今日のこのような問題について、御承知のように四十八年のオイルショック以降、急激にゴム履物の企業の経営が悪化をしてきている、そういうような状況の中で、今日ゴム履物産業の経営の悪化の主要な原因は何かというと、一つは輸入増による値崩れであります。いま一つは国内における不況、こういうこと等が影響いたしまして、売り上げの不振だと。しかし、その中でも特に大きい問題になりますのは、台湾それから韓国からの輸入、これが非常に大きくなっている。大体現在、国内消費量の三五%をすでに超えている。このままでいくと五〇%にも達するだろう、こういうようなことから私は、この問題を解決する措置として三つのことを提起しました。 一つは、ゴム履物製品の輸入規制について、できれば二国間協定などがアメリカの事例にならってできないのかどうか、そういう点についてぜひひとつ取り組んでもらいたいということ。それから、第二番目に要望しましたことは、ゴム履物産業における雇用安定のための具体的な措置をひとつ講じてもらいたい。それから第三番目には、特定不況業種離職者臨時措置法、これは昨年の十二月に成立したわけでありますが、これの対象に当ててもらいたい、こういうことを提起をいたしました。そして、恒常的な対策といたしましては、ゴム履物産業のあり方について全体的に研究をするために、ゴム履物の労働者、経営者、学識経験者等を含めた研究会を早急につくって、その中において、いま申し上げた輸入問題その他についても、ひとつ速やかな措置をしてもらいたい、こういうことを河本通産大臣にも当時要望いたしました。研究会の設置について前向きに努力をしたい、こういう御答弁もいただいたと思うのであります。でありますから、まず最初に恒常的な問題として、いま言ったような基本的に問題を解決をしなきゃならないと思うんでありますが、ゴム履物産業研究会の設置の問題については、どの程度進んでいるのか、どういうふうに、いつごろから具体的に実現をするのか、このことについて通産省にまずお聞きをしたいと思います。
○政府委員(藤原一郎君) お答えを申し上げます。いま先生からるるゴム履物業界の基本的な問題について御質問があったわけでございますが、いまお話にもありましたように、先般来、再々委員会等でもお答え申し上げましたとおりでございますが、その中でいまお話しになりました研究委員会でございますが、ゴム履物業界全般の問題をどう持って行けばいいかと。確かに輸入の問題、それから国内の需要にマッチする問題、業界の全体としての組織の問題、その他非常に各般の問題を含んでおりますので、各般の関係者を集めまして研究委員会を早急に発足をいたしたいと、このように思っておるわけでございますが、明日、実は研究委員会のためのいわば準備会とでも言いましょうか、ゴム履物協会の理事会を開催いたしまして、その方向に進めるということで大体、内々私どもといたしましては研究委員会の発足を明日どういうふうに進めるかということを決めることができるんではないか、こういう段階にまいっておるわけでございます。
○安恒良一君 私が提起しました研究委員会の準備会があしたあるということでありますから、結構なことでありますから、私はあしたの準備会を通じて直ちに研究委員会の発足をして、総体的な結論をおろしてもらいたい。でなければ、研究委員会が発足がおくれればおくれるほど、ゴム履物労働者のいわゆる首切りを初め、労働条件の切り下げ等々が出てくると思いますので、そういう点についてぜひ明日もう準備会を持つということでありますから、この前も言いましたように、なかなかこの業界というのは非常に意見が複雑多岐なのでありますから、自由主義経済でありますが、私は監督官庁であります通産省がかなりある程度リーダーシップを持ってやっていただかないと、なかなか私は研究会の発足一つですらおくれると思うんですね。すでにこのことは、私はもう三月の予算委員会でお願いをしておりまして、もういま五月なんですから、その意味から言ってぜひ早急にあしたの準備会でこのゴム履物産業全体をどうしていくのか。そして、その中で労働者の雇用安定をどうするのか。さらに、こういうものの国内の需要をどのようにして充たしていくのか。こういうような問題点について、早急にそのゴム履物研究会が発足をし、中身の議論ができるようにしていただきたいと思います。 そこで、次に質問したいんでありますが、ゴム履物業種を特定不況業種離職者臨時措置法の適用ができるようにと、こういうことについてこれをお願いしておきました。その方向に沿って努力をしたいということの御回答をいただいておりましたが、実はきのう労働省の職安局長と地元からお見えになった代表との間にこの話し合いが持たれまして、私も立ち会ったわけでありますが、労働省の御見解としましては、率直に言ってこれは労働省だけでできる問題じゃないんだ。通産省との合議が必要なんだ。ところが、どうも通産省側では、ゴム履物産業に一部黒字が出ている、こういうような、状況の中から、その特定不況業種に指定をすることを通産省が渋っておられると、こういう話を職安局長から聞いたわけでありますが、まず最初に通産省にお聞きをしましょう。 通産省側として、この特定不況業種離職者臨時措置法の適用について、かねがね私たちは要望しておったのでありますが、この問題がどこまで作業が進んでいるのか。どういうふうにしようとされているのか。まず通産省の考えをお聞かせを願いたいと同時に、このことはひとつやっぱり労働大臣にもお聞きをしておかなきゃいかぬと思いますが、特定不況業種離職者臨時措置法、せっかくいろんな経緯があって成立をさしたわけでありますから、こういうもののコム履物業種に——私はゴム業種全体と言っているわけじゃありませんからこれは誤解のないように。ゴム履物業種についての認定についてどうお考えになっているのか、この二つの点について通産省と労働大臣に質問します。
○政府委員(藤原一郎君) 特定不況業種離職者臨時措置法の指定に関してでございますが、これは私ども、先生いまおっしゃいましたところでございますが、決して指定を渋っているわけではございませんので、なるべくこれが指定できればよいということで、鋭意その方向へ努力をしたいと思っておるわけでございますが、御承知のとおり、この法律には法律上の要件があるわけでございまして、「法令に基づく行為又は国の施策に基づき事業規模若しくは事業活動の縮小又は事業の転換若しくは廃止がなされ」る業種であることというのが条件でございます。したがって、単に月星化成というふうな一会社ではなくて、業種としてそういう統一したものがないとこの指定ができない、こういう関係でございます。私どもといたしましては、もっぱら業種としての統一的な方法がとれますように、鋭意行政指導をいたしておるわけでございますが、先生も先ほどお示しのように、この業界、非常にむずかしい事情がいろいろあるわけでございまして、簡単に統一した足並みがそろいにくいという面がございます。したがいまして、先ほどお話し申し上げました研究委員会というふうなものを母体にいたしまして、そういう方向へ取り進めていく。その上で、労働省の方にお願いをいたしまして、指定の方向へ進みたいと、こういうことでございます。私どもとしては、決して黒字だから渋っているとかなんとか、そういうことじゃございませんので、極力その方向に努力をいたしたいということで、いま指導をいたしておる段階であるというふうに御了解いただきたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま通産省の方からお答えがございましたが、労働省としては何といってもこの労働者の雇用の安定確保という、こういうことがわれわれの使命でございますから、通産省の方の準備が整いますならば、われわれはこれに積極的に対応していきたいと、このように考えております。
○安恒良一君 きょうは通産省の方も、その方向に従って極力努力をしているんだと。しかし、法律の要件から言うとゴム履物業界全体の意思がまとまらなければと、こういうことであると。ただ、そこで私は労働大臣にも通産省にもお聞きしたいんですが、研究会の準備会がやっとあした発足をする。そして、その中でいろいろ研究されていく。そして、ゴム履物業界の意思統一に時間がかかる。しかし一方、すでに私が申し上げたように、具体的に会社側からは合理化提案が出されているわけですね。それで、研究の結論がいつ出るのかと、これが明らかにならない前にどんどんどんどん人が首を切られていったらどうにもならないわけですよ。そこで、私は研究委員会というものはゴム履物産業全体の問題についてどうあるべきかということを結論するために、たとえばあした準備会ができたからといって、すぐ二日や三日で結論が出るはずない、一週間で出るはずないと思うんですね。やはり数カ月なら数カ月私はかかるだろうと思う、研究するために。そうすると、その間のつなぎをどうするかということなんですね。一方、数カ月もしもかかるとすると、具体的にいま合理化提案がされているところにおいて、合理化がどんどんどんどん進んでいったんでは、私はこれは意味がないと思う。 そこで、私はこれは労働大臣にも通産省にもお聞きしたいんですが、そういう研究会が発足をし、そしてゴム履物問題全体について議論が労使それから公益委員といいますか、学識経験者、監督官庁が入ってやっていると、そういう間に、いわゆる希望退職を初め、もしくは強制的な首切り等が行われないような、これは行政的な指導をやっぱりしていただかないと、私は労働者を救済することにはならないと思う。もちろん、自由主義経済でありますから、通産省や労働省に命令権があるとは思ってません。統制経済でありません。しかし、少なくともそういうことであるならば。それはなぜかと言うと、御承知のように今回出されている、たとえば久留米の場合でありますと、人口二十万の都市です。そういうところで大量の、重要な産業というのはゴム産業以外ないんです。あとは付近の農村地域でありますから、農村のいわゆる商業都市として栄えている。それから、福岡県全体を考えましても、御承知のように福岡県は北九州に重工業地帯がありますが、これはもう非常に陳腐化している。そこで、君津に転出をするとか、堺に転出をするということで、北九州重工業地帯自体においても労働力の過剰を来たしているということで、非常にたとえば重電機における希望退職の募集なんてあって、福岡県全体としては、簡単に職業訓練を受けたからどこか行くところがあるかと言ったらないんですよ、こういう状況。それからまたこの場合、千名のうち氏家で七百名と、こう言われている。これはこっちへ持ってくるんだというけれども、氏家から七百名久留米の方に持ってこれるはずはないんです。そうすると、そこでも千名のうちの七百名が。氏家の経済環境を見ましても、これまた七百名の人間がどこか再就職できるかというと、再就職できる経済情勢にはないわけですね。そうしますと、当面のつなぎをやっぱりどうするのかということについて、私はせっかくそういう研究会が設けられるということであるならば、それらの結論を待つまで、いま提起されているようなことについては、これはいわゆる凍結をすると、こういうことについて考えていただかないと、せっかく通産大臣や労働大臣がこういう問題を非常に重要視をして、研究会などを設けてゴム産業のあり方について十分議論をするという間に、どんどんと合理化が進行していったらこれは意味がないわけですが、こういう点についてどのようにお考えですか、労働大臣並びに通産省にお聞きします。
○国務大臣(藤井勝志君) すでに、去年の末に久留米市におきましては、現地で職業安定所が中心になりまして、いわゆる雇用対策協議会という、これによりまして現地の情報を的確にとらえて、極力雇用不安を来さないような対応策について常時本省の方にも連絡をいたしております。われわれは福岡県あるいは久留米市、こういった自治体と密接な連絡をとりながら、現在一刻も早く通産省の方針が決まり、特定不況業種としての雇用対策がこれが対応できるようにする、これを期待しておりますけれども、それが間に合わないと、こういった場合は、現在のいわゆる雇用対策のもろもろの施策をこれに対応さしていく。特にまた、中高年齢者の場合、これを雇い入れる事業主に対する助成の制度とか、こういったことについて新しい職場転換ができないもんかと、いろいろ工夫をこらさなければならぬ。もちろん、公共事業の失業者吸収率制度と、こういったことを考えることは当然でありますけれども、われわれとしては現地と密接な連絡をとって、現在の制度の上に立ってできる限りの対応策で雇用安定を図りたいと、このように考えております。
○政府委員(藤原一郎君) いまお話ございましたような御趣旨はよくわかるわけでございます。私どもとしては、先ほども申し上げましたようなことで、ゴム履物業界全体の構造改善問題というものに取り組むということが、何よりも緊急の課題だというふうに思っておるわけでございます。個別企業の経営につきまして直接介入いたしますことは、やはり非常に問題が多いかというふうに考えておる次第でございます。
○安恒良一君 いや、私は個別企業の経営に介入をしろと、こう言っているのじゃないんですよ。構造改善をやるまでの間のつなぎをどうするのかと。いやそれはもう個別企業で考えればいいんだと、個別の労使で考えればいいということでは政治というのは要らないじゃないか。だから、私が言っているのは、構造改善を含めて研究会が発足をすると。そして、そこで数カ月後に結論をおろす。それまでの間に合理化が進行しないような歯どめをかけていくと、こういう問題について、通産省がいわゆる業界の指導をやられることについては、何もこれは個別企業の介入ではないわけですよ。一応において歯どめをかけておかないと、せっかく構造改善のための研究会が設けられても、その結論が出たころには、もうほとんどかなりの労働者は職場を失って路頭に迷っておったということじゃ、何のために研究会をつくるのかということになるわけですから、そういう意味で研究会をつくるという話はないわけでしょう。ですから、そういう指導について私は関係の業界を呼んで研究委員会を発足させる、そしてこれは数カ月なら数カ月後に結論出る、その間は現状で、合理化なんか進めないようにということを話されることは、何にもこれはいわゆる介入でもなければ、自由主義経済の原則を侵すわけでもないわけなんですから、そういうことをやっぱり積極的に、これは労働大臣も通産大臣もひとつやっていただかないと、どうも労働大臣のお答え聞きましても、もろもろの施策と言われますけれども、抽象的なんです。というのは、どうも私はもう何回も心配しているんですが、失業が出たならば現在ある法律でそれを救済すればいいじゃないかということに聞こえるわけですね。去年の十月から雇用安定資金が発足しましたし、特定不況産業は十二月からできた、一般の雇用保険法がある、そういう中で中高年齢の場合に、たとえば五十五歳以上の人であればこれは一年ぐらいは何とか雇用保険でつないでいける制度になってます。しかし、ゴム産業で働いている人はみんな五十五歳超えている人ばかりじゃないんでありますから、女子の労働者で大体平均年齢が三十二、三歳だと、こういう人がかなり多いわけですね。そういう場合に、当然失業した場合に現行法に基づいて救済をしていく、これはあたりまえなんです。それだけではだめなんですよ。やはり、新しい働き口をどう見つけるかということが必要なんです。そうすると、そこになるともろもろの施策ということで、しかも福岡県においてなかなか新しく、もしくは氏家において新しい就職口を見つけることは大変困難だ。たとえば、石炭の場合には、皆さん方はこれは積極的に通産省、労働省が協力して産炭地振興法というのをつくって、企業誘致までして、そして石炭労働者の離職を一時的にでも切りかえをしていく、こういうようなことをやったし、駐留軍労務者の場合も、駐留軍労務者の臨時安定措置法というものをつくって、漸次切りかえをやっていたことは事実なんです。ところがこのような、まあ率直に言ってゴム履物業界自体が日本の産業全体で見ると中小零細企業なんです。月星が大きいとか日本ゴムが大きいといったって、やっぱり中小の方に入るわけですね。ですから、たとえば呉造船の問題であるならば、いま大蔵省から関係省、運輸大臣まで動いてどうするのかと、呉造船の問題について。私はやられていることが悪いとは言っていませんよ。永大問題が起こったとき、倒産した場合にも、これまた私どもの党の中にも特別対策委員会を設けましたが、政府みずから通産省、大蔵省、林野庁、関係庁が全部集まって、できるだけ永大の再建についてはいろんな協議をする。いわゆる大企業の場合にはそういう手厚い保護政策について関係官庁が一斉に動く。ところが、中小零細になるとそういうことを見殺しにしているというふうに私は思うわけです。それでは政治というものはないと思う。むしろ、中小零細こそ見殺しにしなくて手当てをするのが、私は政治ではないかと思うんです。そうしますと、少なくとも労働大臣、いまあなたも言われたように、研究会の結論が一日も早く出るのを待っていると、こういうことであるならば、その間どうするのかと。労働大臣としても研究会の結論が出るまでは、不当な解雇や合理化なんかは進めないでほしいと、こういうことを労働大臣みずからが月星の社長なりを呼び、いろんなことをしてやられることは何にも介入じゃないわけなんですよね。ですから、何となく首を切れば、現行法で手当てをすればいいということでは労働行政ではないわけなんですから、そこのところについてひとつ大臣のお考えを聞かしてもらいたい。
○国務大臣(藤井勝志君) いろいろ御心配されての御熱心な御意見でございまして、われわれも十分久留米市の、特にゴム企業の現状を踏まえまして、できるだけ雇用不安を起こさないように、われわれとしても手の打てる範囲の努力はいたします。ただ、従来の雇用政策、これだけでは行政ではないではないかという、こういうお話でございますけれども、私はやはりこういう事態を考えて、雇用安定資金制度であるとかあるいは雇用保険制度であるとか、こういったものが一応皆さんの御意見を踏まえて施行されておると、このこと自体まさに雇用行政の一環であると、こういうふうなことはひとつ御理解いただきたいと、こう思います。
○安恒良一君 いや、私はそういうものは雇用政策の一環であるということを何も否定をしていないんです。しかし、それだけでは救えないのが現実に出てきているからどうするのかと。そうすると、やはりもうゴム履物業界については、構造改善問題を含めて全体で議論しなきゃならぬということ、それの結論が出るのには数カ月かかるという。しかし、その数カ月間にどんどんと労働者の合理化が進んでいったならば、現行法によってそれは失業保険の給付であるとか職業訓練転換であるとか、いろんなことを受けても、それにはある一定の期日が切られておって、それが終わるとちまたにほうり出されるわけなんですね。ほうり出された場合に、その人々が働く職場があるならばそれは一つの方法なんですよ。職業訓練を受けて転換を受けて、またそういう人を雇用する経営者に資金等を出して。しかし、いま久留米とか氏家における雇用状況と福岡県の状況を考えると、それをほかに転換できない状況にあるんだと。だから、その場合における労働行政というのは、現行にある三つの問題だけでは不十分ではないか。 そこで、私は労働大臣にお願いをしているのは、いま何としてもゴム産業というのは一社だけの問題じゃなくて、全体の問題を考えなきゃならぬから、その結論が出る間のいわゆるつなぎの措置について、労働大臣として、いま起こっている合理化問題等について、もちろん、恐らく労働組合側はそういう合理化をのまないで徹底的に闘うことになるでしょう。そうすれば、ますますゴム履物問題というのは大混乱になるわけですよ。だから、そういう研究委員会の結論が出るまでの間、そういうことが起こらないような歯どめをかけることについて、労働大臣なり通産大臣は業界を呼んでお話し合いをするぐらいのことは、それも政治の重要なことではないでしょうかと、こう言っているわけですよ。その点をひとつやってくださいよ。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の趣旨はよく了解をいたします。通産省とも十二分に連絡をいたしまして、現地の実情に対応して雇用の不安をできるだけ最小限度に、でき得べくんば、雇用不安なく企業が新しく再建の道を考えるとか、あるいはまた再就職がスムーズにいけると、こういう方向へ最善の配慮をしていきたい、このように考えます。
○安恒良一君 それじゃ、午前中はこれで終わりますが、もう一回要望しておきますが、きょうは通産大臣の御出席もお願いしたがったんですが、ほかの関係委員会との間がありますから、この前河本大臣には予算委員会で申し上げておきましたから、どうか労働大臣と通産大臣との御協力のもとで、いま私が言ったようなことについて一段と取り組んでいただきたいということをお願いをいたしまして、午前中の質問を終わりたいと思います。
○委員長(和田静夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 —————・————— 午後一時四十五分開会 〔理事佐々木満君委員長席に着く〕
○理事(佐々木満君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。質疑を続けます。質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 私は、労働省と林野庁にお聞きをしたいのでありますが、五十二年の十月の労働安全衛生規則の一部改正に伴いまして、いわゆるチェーンソーの特別教育が二年間の範囲内で行われることになっているのでありますが、その実施状況が今日までどうなっているのかと、こういうことが一つ。 それから、労働安全衛生法第五十九条及び六十条の安全衛生教育は、労働者がその業務に従事する場合、労働災害の防止を図るために、事業主の責任において実施されなきゃならぬというふうに明らかにされていると思いますが、その場合、このチェーンソーの特別教育を受ける場合のいわゆる受講料、それから受講手当というものが出されるというふうに聞いておりますが、そういうような問題点はどのような状況で実施をされているのか。 このことについて労働省並びに林野庁にお伺いをしたいと思います。
○政府委員(野原石松君) ただいま先生がおっしゃいましたように、このチェーンソー作業従事者の方々に、一定の知識、技能を身につけていただくということは、振動障害を防ぐために非常に大事なことでございます。 そこで、先ほどお話ありましたように、昨年の十月に労働安全衛生規則が一部改正されまして、チェーンソー作業従事者に対する特別教育の実施が事業者に義務づけられたわけであります。この規定は、実はことしの十月一日から動き出すことになっておりますが、一遍に多くの方々を教育するということもなかなかむずかしい面もございますので、林野庁の方におきまして、この施行に先立って、国の補助事業として、チェーンソー作業従事者特別教育促進事業というものを実施されることになりまして、すでに昨年からこの補助事業が実施に移され、これは全国的に行われますので、対象の方々が計画的にこの講習に、教育に参加をしていただいておるということで、有効期間の間には全部の方々がこの教育を受けていただくと、こういう運びで現在進んでおるわけであります。 それから第二の御質問の点でありますが、この特別の教育というのは、先ほど申し上げましたように、事業者が、その業務につく方々に前もって一定の知識、技能を授けると、こういう趣旨でございますので、当然事業者の負担において行うというのが筋合いでございます。 ただ、林業の場合には、中小の企業が多いということもございまして、ある団体がそういった教育を行い、そこへ対象の方々を参加させると、こういうパターンをとっておりますが、したがいまして、それは事業者みずから行う分をそこに委託をすると、こういう形になりますので、それに伴う経費、たとえば派遣費あるいは受講料、あるいは、それは所定の労働時間に行うというのがたてまえでありますので、それに対する手当、こういったものは一切事業者負担と、こういう考え方をとり、そのように指導しております。 〔理事佐々木満君退席、理事片山甚市君着席〕
○安恒良一君 林野庁どうですか。
○説明員(相賀幸雄君) チェーンソーの作業従事者の特別教育促進事業の概況につきましては、ただいま労働省の方からお話があったわけでございますけれども、これは先生も御承知のとおり、労働安全衛生規則等の改正に伴いまして、チェーンソー作業にかかる特別教育の規定が強化されたわけでございまして、短期間に大量のチェーンソー作業従事者の特別教育を実施する必要が生じたことに伴いまして行うものでございまして、特に林業労働災害防止協会が講習会を実施する経費の一部を助成しておるわけでございます。 それで、事業の実施に当たりましては、講習会に必要な経費のうち、国の助成対象にならないものがある。それからまた、補助率が二分の一であることから、最小限の受講料を徴することを認めておるわけでございますけれども、本来、この特別教育は事業主に義務づけられているものでございますので、受講料は事業主が負担するよう従前から指導しておるわけでございます。 それから、先ほどの実績の問題でございますけれども、五十二年度の受講者につきましては集計中でございますけれども、概数約一万五千人でございます。 それから、講習会の経費の補助でございますが、先ほど申し上げましたように、講習会費といたしましては二分の一補助、それから受講者の手当の補助といたしましては四分の一の補助をいたしております。
○安恒良一君 いま労働省も林野庁も言われましたように、これは事業主の責任においてやるということになっているわけですが、和歌山県で、いわゆる労働者から受講料を取った、こういうような事実が発生をしておりますが、そういうことについての事実を御承知でしょうか。
○政府委員(野原石松君) ただいま先生御指摘の事例は、先ほど申し上げましたこの補助事業として、林野庁の方においていち早く手がけられましたこの特別の教育の実施過程において、ということは昭和五十二年度のことでございますが、一部の地域に、いまお話がありました和歌山地区におきまして確かに見られたのでございます。ただ、これは労働者に受講料を負担さしたということよりも、本来事業者が払うべきところを一時労働者に立てかえさした、こういうふうに私ども解釈をしております。それにしても、余り望ましいことではありませんので、現在、現地の労働基準局、それから県、それから講習を実際に行いました林業労働災害防止協会、さらに林野庁、この四者の間におきまして、早急に、この雇用労働者が支払った分につきましては本人にその分を引き取っていただくと、こういうことで所要の手続を進めておるのでございます。
○安恒良一君 私は、ここに和歌山県の林業労災——労働災害防止協会が出した通達を持っておるんですが、改正後二年以内に特別教育をすべての対象者に行うこと。及びこの特別教育終了者でないとチェーンソーによる造材作業はできないことになりますと。なお、この教育を受講しないでチェーンソー作業に従事した場合には罰則があります。こういう、いわゆる誤解を受ける、もしくは誤った通達を、和歌山県の林業労働災害防止協会が出した。そこで、和歌山県下の林業労働者は、これは大変だということで一斉に申し込みをした。だから、たとえば、私はここに古座町の申し入れの名簿を持っておりますけれども、一斉にこれは申し入れをしているわけですね。そして、その申し入れをした人から、いわゆる受講料を取っている。そして、受講手当は逆に支払われない。こういう現象が起きて、そこで県下の社会党であるとか労働組合であるとかいうのがいろいろ問題にした。たとえば、罰せられるというのは、労働者が罰せられるんじゃなくして、事業主が罰せられる、そういうことを後から通達で出す。ところが、どうも和歌山の場合には、その後にも通達を出しているものの中に、いま言われたそこの当然事業主の責任において行うということでありまして、受講料等は本人が持たないでいいのでありますが、受講通知表というものをその後、問題になった後にも出したやつをここに持っておりますが、その中においても、受講料を忘れずに御持参ください、こう書いてあるわけですね。忘れずに御持参ください。そして、このことは和歌山県下では問題になって、和歌山県の労働基準局長の通達も出ているわけですが、そこで、私はお聞きをしたいんですが、このようなことは、ほかの県では、大体私どもの調査ではそういうトラブルは起こってないわけですよね。和歌山県に限ってこういう問題が起こっておるんですが、まずお聞きをしたいことは、いま少し、こういうものの指導について、林業労働災害防止協会和歌山県支部のとった態度というのは全くけしからぬと思うんです、私から言わせれば。これは管轄は林野庁だろうと思いますが、私から言わせますと、なぜこういう混乱が起きたのかということになると、一つは、事業主側がこの問題について責任感がない。ですから、林災防自体も事業主と同じで、全く、ややいいかげんな態度を和歌山県においてとっているのじゃないだろうか。 それから、和歌山県当局のこれに対する指導もきわめて弱い。事業主の自覚不足を改めさせるようなことを県当局も指導をされていない。それから県基準局も、こちらが騒いで問題にするまでは知らぬ顔をしている。だから、基準局自体もどうも責任回避をして、逃げ回っている。問題がやかましくなって地区の労働組合や革新勢力から突き上げられると、あわてて通達を出している。でありますから、総じて、いわゆる事業主、県、基準局全体が責任感がないところに、こんな問題が起きたんじゃないかというふうに私は思います。 そこでお聞きしたいのですが、いまも言われましたが、まず受講料というものは本人負担じゃないですから、これは返してもらわなければいかぬ。それから、同じく受講手当というものも支給されることになっていますから、返してもらわなきゃいかぬ。ところが、県の防災会から言わせると、中央から来る補助金に枠がある、予算の枠があるからと。それならば、何も、一遍にみんなが検査を受けなくていいように示達を出せばいいのに、受けないと罰せられますよというようなこと、仕事ができませんよというようなことで、わっと来させて、そうして補助金がおりてくる金額よりも人が多いから出せないということでは、私は全く誤っていると思うんですね。ですから、そういうことについて。 それから、いま一つ善処を願いたいのは、一人親方の問題ですね。この一人親方というものも、これも林業労働者の場合には、現在は雇用されていない。ですから、これは、県下における一人親方というのは雇用——ああいう季節的な仕事でもありますから。しかし、こういう通達が出るもんですから、一斉にこれは受けておかなきゃ大変だということで殺倒して受けたというのが現実ですから、そういう一人親方についても私は他の府県を調べましたら、そういうものについては、やはり一人親方についても国、地方自治体、それから県の林災防等で一緒になって支払われている。たとえば、兵庫県の場合はいわゆる個人の申し込みについても一日二千七百円、二日は五千四百円を手当として戻している。こういうふうに兵庫県の場合なんかきちっとやられているところもあるし、石川県の場合もそういうふうにやられている。ところが、和歌山県だけは一人親方問題については、県としてはその後県会で問題になったから、善処いたしますということで検討させてくれと、こういうことになっていますが、私は、やはり林業における一人親方の性格から言うと、これは最初から最後まで一人親方でやっているわけじゃなくして、たまたまいま働いていないということであって、しかしこの講習は受けておかないと今後働けなくなる、こういうことだけの話なんですから、そういう問題についてもぜひ善処をしていただきたいと思いますが、特に和歌山県ではこういう混乱が起きている事実は御承知だと思いますから、労働省、林野庁としてこういう混乱をなくする、そうしていわゆる受講料は、いま申されたように、国、県、それから事業主、これが責任を持って、最終的には事業主の責任でありますが、受講料は払われる、それから受講手当というものについてはきちっと支払われる、こういうふうにしていただきたいと思いますが、その点どうでしょうか。
○政府委員(野原石松君) 実は、この種の教育は昭和四十七年労働安全衛生法が制定されたとき以来やっていることでありまして、かなり定着をしておるというふうに私ども考えておったのでありますが、先ほど先生が御指摘のように、ややPRにオーバーな点があり、また受講料を労働者に立てかえさせるといったような不手際な点もございますので、それが、なぜ、和歌山地域にそういったことが行われたのかということにつきましては、現在も調査中でありますが、その原因を明らかにいたしまして、同種の事案が再び起こらないようにいたしたいと、所要の措置を講じたいというふうに考えております。 と同時に、他の地域についてもこういったことがないかどうかをこの際明らかにすることもいたしたい。それから、この種の教育は今後引き続いて行われますので、少なくとも再度こういったことがないように、この際、講習の計画をきちっと組む、またその際の受講料の支払いはこういう手順でやるんだというあたりを明確にいたしまして、その実施を確認してまいりたいというふうに考えております。 それから、一人親方の件につきましては、後ほど林野庁からもお話があろうかと思いますが、私どもとしてはやはり特別の教育が必要だということは、一人親方であろうとも同じでございますので、講習にはぜひ参加していただきたいというふうに思っておりますが、ただ、受講料の負担につきましては、非常にむずかしい面もあるように考えております。しかしながら、一人親方の方でも、ときには労働者になられると、こういうふうに非常に出入りが激しい実態も考えますと、その辺は先生御指摘のように、もっと配慮する余地があるんではないかというふうにも考えますので、林野庁とも相談をしながらその方向で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(相賀幸雄君) ただいま先生からの御指摘のございました和歌山県の問題でございますが、これは五十二年の補助事業実施に当たりまして、林災協の和歌山支部で受講料を、一日受講者と二日受講者とおるわけでございますが、一日受講者につきましては二千五百円、二日受講者につきましては四千円を事業主負担で徴収したわけでございますが、現在その雇用関係にない者についても本人が負担するのはおかしいということで、山林労働組合の方から問題として取り上げられた問題でございますが、その結果、当面は本人が負担しておいて、雇用関係に至った際に事業主が肩がわりをするということで、この問題につきましては労使の間で話し合いがついてございます。 和歌山県の問題といたしましては以上のとおりでございますが、先ほどお話しのございましたように一人親方の問題、それから現在雇用されていない労働者が、将来求職に当たって不利を招かないという意味で、前もって受講する場合もあるわけでございます。その場合には、受講料を労働者がみずから立てかえておいて支払っているとみなしまして、その者を雇用した事業主がその時点で負担するという等の措置を講ずるよう、これにつきましては五十三年の五月十一日、たまたま本日でございますが、私の方から都道府県に通達を出しまして指導し、それから明日都道府県の林業労働担当者会議というものを持っておりますので、その趣旨を十分徹底してまいりたいと考えております。 なお、一人親方として雇用関係のないままにチェーンノー作業に従事していましても、その後雇用された場合には同様の取り扱いをいたしたいと、かように考えております。
○安恒良一君 たとえば、和歌山県の本宮町ですか、受講者が二百八十二人のうち、会社側が受講料を負担したのは十八人にしかすぎないわけですね、これは十八人にしか、これは。あなたの言い分で言うと、何かごく一部の人が手前で自腹切ったように言われていますが、そうでないんですよ、これは。現にこれ、私新聞の切り抜きここへ持ってきた。そこで、労働大臣にお願いしておきたいんですが、結果的にいわゆる一人親方というのが、率直に言って林業労働者の場合に自前で一人でやっているということはほとんどあり得ないんです。たまたま季節的な仕事でもありますから、いまは雇用されてないと。しかし、将来は雇用されて働くという人がもう大半なんです。ほとんどと言ってもいい。そういう意味から言いますと、この基準法の精神から言いましても、私はこれの受講料、それから受講手当というのは国の補助、さらに国と県の補助、そして事業主の出資、いわゆる責任においてやらせると、こういうことでぜひとも善処してもらいたい。特に、その扱いがいまむずかしいのは、現在雇用はされてないと。そして、これを一人親方と、こうみなしているわけですね。しかし、いま申し上げたように、仕事の性格から言って、いわゆる大工さんや左官屋さんのような一人親方とは違うんですよ、林業労働者の俗に言われる一人親方というのは。でありますから、その意味から言いますと、私は基準法の精神に基づいて、いま申し上げたようにこのチェーンソーの特別教育については国、県の補助、そして事業主の出資によって、事業主が金を出してそして教育を受けさせる、これが正しい行政のあり方だと思いますから、特に和歌山——私のところに来ている資料は和歌山県の資料でありますが、ほかの県においてももしもそういうことが行われてはいけませんので、労働大臣としてぜひこういうことについて善処をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 林業労働者の雇用実態というものが、御指摘のごとく特殊な条件に置かれておるということは、まさにそのとおりでございます。 〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕 したがって、われわれは絶えず労働者の福祉の向上、生活の安定という、こういった面から十分配慮しなければならず、またこの講習を受けた、受講された場合、そういった問題は主管庁である林野庁と十分連絡を密にして、実態に合うようにわれわれの方の立場からもできるだけの努力をしていきたいと、このように考えておるわけでございます。
○安恒良一君 それじゃ時間がありませんから、林野庁の方もよろしゅうございますね。いま私が申し上げたようなことで、一人親方を含めて善処すると、こういうことでよろしゅうございますね。
○説明員(相賀幸雄君) 労働省の方とも十分連絡をとりまして指導してまいりたいと、かように考えております。
○安恒良一君 それじゃ終わります。
○小平芳平君 初めに、宮崎県の旧松尾鉱山の元従業員の診断サービスの結果について質問をいたしたいと思います。この問題につきましては、再三この委員会で質問もし、また問題を提起もしてまいりました。また、労働省としましても診断サービスという特別な計らいを実施して今日に至っているというような経過、そういうような点についてはすべて省略をいたしまして、労働省が実施してくださった健康調査の結果でありますが、五十二年三月十四日から十一月十日までに調査しました第二次健康調査の結果が、それぞれ個人個人に通知があったということでありますが、この点について労働省から発表していただきたい。
○説明員(原敏治君) 先生御指摘の松尾鉱山の元労働者に対しますところの診断サービスの結果につきまして申し上げますと、この診断サービスは昨年の三月から昨年の十一月にかけまして三十二名の元労働者の方々について実施したものでございます。その結果は、本年の三月二十九日付で冬受診者の方々に通知をいたしております。三十二名の方々のうち、症状が全然見られませず異常がないという方が四名ございました。慢性砒素中毒の疑いがあるという健診結果が出ました者が七名ございます。慢性砒素中毒のこの七名のうち、続発性気管支炎で要治療と認められる者が五名ございました。慢性砒素中毒以外の疾病としましてはじん肺関係がございますが、じん肺関係で管理四に該当すると認められた方々が七名ございました。それから、じん肺関係でさらに精密検査を実施する必要があると認められた方が三名ございます。このほか、直接慢性砒素中毒なりじん肺との関係はございませんことでございますが、振動障害との関係で精密検査を要するという方々が二名出ております。その他約十名の方々、重複している方がございますが、実際の数字としては九名の方が残りますが、九名の方々については一般疾病として業務上の疾病と関係ない疾病が認められておりまして、精密検査を必要とすると認められております。計三十二名の内訳がこのような形になっております。
○小平芳平君 もう職場が閉鎖されてから何十年とたっているわけでありますが、なおかつ相当の被害者がいるということですね。一般疾病要治療という方につきましても、これはここで繰り返しませんけれども、果たして砒素の中毒による疾病がどの範囲までかということについてのいろんな意見があるということ、もっとより検討すべきであるという意見を私たちは主張しておりますが、したがって、一般疾病としてけりをつけていいものかどうか疑問のある人が先ほどの発表で十名いらっしゃるということですね。そのほか、とにかく三十二名のうちそれぞれ砒素中毒あるいはじん肺その他の症状がなおかつ認められるという結果でありますから、したがいまして、私がいまここで二つの点をきょうは問題提起をし、また要請もしたいわけであります。 その一つは、要経過観察あるいは要精検、こういうふうに診断区分をしてくださるけれども、その後何をやったかということですね。昭和四十七年四月から九月にわたる第一回健診の結果、六十一名の方が健診を受けましたが、その中にもやはり要経過観察という方が相当数いらっしゃるわけですが、果たしてどれだけの経過を観察してきたのかどうかですね、だれがどこで観察をしてきたのかどうか。それから、今回の健診の結果でも要精検あるいは経過観察という方に対してだれがどこでどういうふうな観察をしていくかということです。こういう点についても、せっかく労働省として診断サービスまで踏み切っていらっしゃる、しかももう何十年も前に職場は閉鎖されているわけですから、きわめて恵まれない環境にほうり出されたこれらの元従業員に対する経過観察あるいは精密検査を労働省としてもっと温かく手を差し伸べて続けていただきたいということが第一点です。 それから、第二点としては、労働省として、確かに基準局なり基準監督署に対しては再三被害者の方がいろんな要請、陳情に行っているわけですが、また地元にいらっしゃる方はある程度どういう職場環境であったか、あるいは地域の状態が、砒素を掘り出し、砒素を焼くという作業環境についてもある程度のことがわかってくるわけですが、果たして労働本省でどれだけ実態を把握しておられるのかということに対する、地元としては本省ではよくわかってないじゃないかということがあるわけなんです。したがいまして、必要があれば労働省本省から直接人が行くなりして、よく過去の職場環境を調べてほしい、また現在の被害者についての観察も続けてほしい、こういう二点についてでありますが、いかがですか。
○政府委員(桑原敬一君) 私どもといたしましては、松尾鉱山における元労働者のいろんな問題につきまして親切に手厚くやらなきゃならぬという基本的な方針は前からも持っておりますし、これからもやってまいりたいと思っております。今回三十二名の方についていろいろ結果はわかったわけでありますけれども、特に療養される方につきましては親切に、私どもはいろいろと医療機関と連絡をとりながらやっていかなきゃなりませんし、それから要観察あるいは要精密検査をやらなきゃならぬという方については、引き続き健診を受けられるように御本人にも指導していかなきゃならぬと思っておりますし、それからまた引き続き健診を心配だから受けられたいという方につきましては、積極的に私どもも対応いたしまして国費でめんどうを見ていきたい、こういうふうに思っております。本省といたしましても、逐次この問題についてはたくさん案件ございますけれども、この問題について特に配慮しながら、中央から具体的な指示をし、また向こうからも相談を受ける、それからまた中央の権威ある先生方によく相談するということで、むしろ直接指揮をしているようなかっこうでございます。必要に応じてまた職員を、いままでもやりましたけれども、現地に派遣をし、十分本省としても実態はこれからも把握してまいりたい、こういうふうに思います。
○小平芳平君 基準局長がおっしゃるように、直接本省から指示をし、またやってこられたことも、私もよく承知いたしております。労働省として、特に基準局として御存じだと思いますけれども、一つはこの職場環境についての元従業員の労働災害としての問題提起と、それからもう一つが環境汚染としての問題提起と、この両面があるわけでありまして、環境汚染の方は県といい環境庁といい余り進まないわけですが、労働省の方はとにかくこうして健診が、二回にわたって診断サービスが行われたということに対しての非常に期待があるわけであります。まあ環境汚染でありませんから、元従業員という対象は限られた方でありますけれども、これだけ健診を進めてくださっているということに対する期待がありますので、ですから何か一つのきっかけがあれば——県も何か動こうとしてもちょっときっかけがないというようなきらいもあるわけでありまして、労働省として要するに先ほど来申し上げるような過去における職場環境について、現在における被害者の実態について、何かしらいまわかってないことがあるかと言うと、それはわかっているとおっしゃるでしょうけれども、もう一つ実態を明らかにし、それでこの問題がそう永続する問題じゃないわけですから、もう元従業員という限られた方たちが対象なんでありますから、ひとつできたらそういうふうな現地へ行って調査をしてくるとか、もう一つ力を入れていただきたいということを現地の要請があるんですが、いかがでしょう。
○政府委員(桑原敬一君) 私ども、前々からも現地の実態の把握には努めております。せっかくのお申し出でございますので、現地の局長ともよく連絡をとりながら、必要に応じて調査をいたしたいと、こういうふうに思います。
○小平芳平君 次に、雇用対策について質問をいたします。雇用対策としまして、特に雇用保険法の関連、あるいは特定不況業種の関係、そんなことにつきまして非常にいろんな法律ができまして、いろんな手当てができまして、それが実際にどの程度周知され、また実際の効果を上げ、運用されているかというような点について若干、限られた時間ですが、質問していきたいと考えます。 まず、三段階に分けまして、第一段階としては、雇用を維持し失業を防止するという段階、第二には、発生した失業者に生活安定を図り、再就職を促進するという段階、第三には、再就職の困難な失業者に対し、特別に雇用機会を創出する段階というふうに分けて考えた場合に、まず、第一の失業させないため、あるいは失業しないための施策として、いろんな施策があるわけでありますね。これは私の方で、時間の関係上申し上げますと、第一には生産調整、事業転換、事業の縮小を迫られている事業主の方、こういう方に対する施策として、どういう施策がありますか。
○政府委員(細野正君) 失業の予防ないし雇用の維持関係の施策としましては、その基本をなしますのは御存じの安定資金制度でございまして、これによりましていわゆる景気変動、一時的な問題に対する雇用の維持、それから事業転換雇用調整事業関係で、どうしても事業規模を縮小しなければならぬという場合につきましての、失業という事態を経ないで、円滑に職業転換を労働者が図っていけるようにするための施策、さらにそのほかの施策としましても、たとえば高年齢者についての定年延長の促進というふうな施策も、これも御指摘の失業の予防、雇用の維持という面での役割りを果たしているのじゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 いま申し上げるようなことが労働省として整理がついているのか、整理がついていないのか、その点をまず答弁していただきたい。失業をあらかじめ予防しようという趣旨において、第一には、生産調整、事業転換、事業の縮小、そういうことが第一に考えられるケース、第二には、不況産業からの離職者、高年齢者、心身障害者、寡婦などを雇い入れるという、そういう立場の雇用主、事業主、それから第三には、定年延長、再雇用など、それを行う事業主の立場の方、それから第四には、離職する予定の労働者に訓練を行おう、そういう計画を持っている事業主の方、第五には、近く退職が予定される方、これは退職される方の方ですね、これらの方々に対する給付、どういう給付があるか、その実績はどういう実績になっているか、そういうことが出ますか。
○政府委員(細野正君) それぞれについての実績は、たとえば五十二年度分が無理で五十一年度分になるとかいうふうなものもございますけれども、実績それ自体は把握をしてるわけでございます。ただ、急のお尋ねでございますので、手元にそろえてございませんので、ものによっては手元にないものもあるかと思いますが、たとえば雇用調整給付金関係で申し上げますと、現在指定されている業種が百十八で、対象事業所数が二十万八千、対象労働者数が三百三十四万八千人というふうな状況でございます。それから、事業転換等雇用調整事業の対象関係で申し上げますと、これも五月一日現在でございますが、業種の数で八十七、対象事業所数が二十二万七千、対象労働者数が二百六十六万四千でございます。それから、特定不況業種臨時措置法の対象関係では、指定業種が現在三十二業種になっております。なお、これに基づきまして、たとえば再就職援助計画等の認定状況について申し上げますと、申請件数が二千百六十三件で、認定をしましたものが二千百二十六件、これに基づきまして手帳を現在発給をいたしておりますのが一万二千九百四件というふうな状況でございます。
○小平芳平君 労働大臣にこういう細かいことをお尋ねしませんけれども、大臣、こうした、いま局長が二、三答弁をされましたが、私が先ほど読み上げました、第一の生産調整、事業転換、事業の縮小を迫られている事業主の方に対しましては、休業を行う場合には雇用調整給付金、教育訓練を行う場合には訓練調整給付金、出向を行う場合には事業転換等出向給付金、こういうことがございますか。あるいは特定不況業種からの離職者、高年齢者、心身障害者、寡婦などを雇い入れる事業主の方には、特定不況業種離職者雇用促進助成金、高年齢者雇用安定給付金、心身障害者・寡婦雇用奨励金、こういうものがございます。ですから、きわめて複雑になりまして、ちょっと事業主の方あるいは一般働いていらっしゃる方にわからないですね。どういうふうにして皆さんによくわかってもらって利用していただくか。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま御指摘がございました内容に私もなっておると心得ておりますが、ただ、われわれとしてはこのいわゆる雇用安定資金制度、これが二つの範疇に分類をいたしまして、第一は景気変動等雇用調整事業、その中に雇用調整給付金、訓練調整給付金、訓練調整助成金、それから高年齢者雇用安定給付金と、こういった分類でございますが、第二は事業転換等雇用調整事業、これが事業転換等訓練給付金、事業転換等訓練助成金、事業転換等休業給付金いわゆる休業手当、それから事業転換等出向給付金、それから特定不況業種離職者雇用促進助成金、それから事業転換等離職者雇用促進助成金と、こういったことでありまして、この制度の利用は、職業安定所を通じてそういう状態に置かれてきておる労働者は制度を十二分に活用されておると、このように心得ておるわけでございます。
○小平芳平君 大臣は十分活用しているとおっしゃいますので、後から具体的な方を申し上げまして、この方が十分活用すればどうなるかということを労働省にお尋ねいたしますから。 それはそれとしまして、次に、不幸にして失業した場合、再就職の促進のためにどういう給付なり手当がありますか。
○政府委員(細野正君) 一般的な制度と特別な制度と大きく分けまして二つございまして、一般的な制度につきましては御存じの雇用保険の中の失業給付という制度があるわけでございます。この失業給付自体も所定給付日数のものとそれから職業訓練を受ける場合の訓練延長等あるいは高年齢者についての個別延長の問題等があるわけでございますが、そういうふうな各種の諸手当がそれによって支給をされるわけであります。 それから、特別な方の制度としましては、これは特定不況業種離職者臨時措置法の対象業種その他の特別なものにつきまして、保険がない場合あるいは保険が切れた場合等につきましての促進手当なりあるいは訓練手当なりあるいは訓練待機手当なり、そういうふうなものと、それから非常に地域的に失業の多発地域等の場合につきまして、広く安定所の管内を離れて就職される方のための各種の広域紹介にかかわる手当等がございまして、たとえば地域を離れて求職活動をされる方に対する広域求職活動費の支給とか、あるいは引っ越しされて就職される場合の移転費の支給とか、そういうふうなものがあるわけでございます。 それから、先ほど先生の御指摘ございましたように、就職の困難な方について、それらの方々が再就職する場合に、雇用奨励金等を事業主の方に支給することによって、その就職を促進するというふうな制度もあるわけでございます。これらの諸制度というものを総合的、有機的に活用して対処をしているというのが現状でございます。
○小平芳平君 失業した場合には、いま局長が答弁なさったように、一般的な失業給付、それから特定不況業種から離職した場合の延長、それから訓練待機手当、訓練手当、中高年齢者など就職が困難な者の場合には就職指導手当、訓練待機手当、訓練手当、こういうような点についてはいま概略の御説明がありました。 そこで、何かわかりやすく——大臣はきわめてわかりやすいんだというふうにお話しなさいますが、わかりやすく事業主に対しては、あるいは従業員、労働者に対して、あるいは現に失業していらっしゃる方に対しわかりやすいものをつくっておいた方がいいんではないですか。それが一つ。 それからもう一つは、実績ですね、実績といいますか、どういうふうに運用されているか、とにかくもうたくさんの手当があるわけですが、それらのものがどういう結果になっているかということを、資料として御提出いただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、個別に手当の種類を挙げますと非常に複雑で、しかも似通ったのがいろいろあるというような御指摘も確かにあるわけでございますが、大きく分けますと、さっき申しましたように、労働者の方自体が非常に高年齢である方だとか、あるいは身体障害のある方とか、そういうふうに個人が就職が非常に困難な方に対する手当と、それから地域的に失業多発地域である場合に、それに対する手当と、それからもう一つは、当該産業が非常に問題があって、そこから特定不況業種みたいに出てくる離職者に対する手当というふうに、大きく分けるとその三つのものが特別に払われる手当としてはあるわけでございまして、それぞれの方々に応じて、こういう種類の手当がございますというふうな、そういう意味でのパンフレットみたいなものはつくっておりまして、安定所へおいでになれば、たとえばそういうそれぞれの態様に応じた手当がどういうものがあるかというパンフレットを、おいでいただけた場合に差し上げられるようにはなっておるわけであります。それから特に、特定不況業種なり、それから事業転換なり、景気変動なりというような業種の指定関係になるものは、業界がまず事業の適用という関係で安定所なり私どもの方に接触が参りますので、したがいまして、個別にそういう安定所の窓口を通じてお知らせするほかに、その業界自体によく知っていただいて、業界内部でもそういう点についてのPRの徹底を図っていただくというふうなことも可能なわけでありまして、それぞれの手段を通じて利用が十分行われるように努力はしているつもりでございますが、今後なお一層努力したいと思います。 それからなお、最後にお尋ねのございました各種の手当類等についての支給の実績等につきましては、後ほど資料としてお届けするようにしたいと、こういうふうに考えております。
○国務大臣(藤井勝志君) 私からもちょっとお答えをさしていただきます。 私は失業しないための雇用対策としての雇用安定資金制度、これはきわめてはっきりしているというふうに申し上げましたけれども、いろいろ承っております問題点、確かにメリットを受ける労働者並びにこれを雇い入れる事業主に対してわかりやすい資料というものを、これを安定所の窓口だけでなくて、事業主側にもPRする、これが労働者の雇用安定につながるということの必要性は痛感しております。一層工夫をいたしまして、御指摘に沿うように努力をいたしたいと、このように考えます。
○小平芳平君 いまの大臣の御発言はよく了解もいたしますし、またそのように要請したいと考えます。 これは、特定不況業種につきまして、社会労働委員会で大阪、兵庫へ現地調査に行ったときのお話でありますが、この特定不況業種離職者臨時措置法によって業種指定を受け、求職手帳の発給を受けるという方ですね。要するに特定不況業種の問題、それから先ほどの雇用調整給付金もしくは訓練調整給付金というようなケースですね、条件があるわけですね、それぞれ法律を実施する場合ですから、無制限にだれでもというわけではもちろんない、条件がそれぞれ決まっているわけですが、弾力的運用、これは労働省もよくそういう要請を受けていらっしゃると思うんですが、どうもいろんな、たとえば不況の実態から言いましても何%操業短縮と言われた場合に、すでに基本になるときに操業短縮やっているものだから、それ以上短縮するというパーセントが出ようがないとか、そういうような点について当委員会が大阪、兵庫へ行った場合もそういう御意見がありましたし、また絶えず私たちが受ける要請、陳情の中にも弾力的運用ということがありますが、この点についてはいかがでしょう。
○政府委員(細野正君) 先生御指摘にございましたように、弾力的に適用しろという御要望が非常に強いことは事実でございます。一方、この基準を安定審議会におかけしましたときも、安定審議会の委員さん方からもそういう点についての御要望がございまして、それで原案をかなり審議会の御意見によって弾力的に直しているわけでございますが、さらにそうして決まった基準そのものにつきましても、たとえば比較をする時点の問題とか、あるいは業種の幅のとり方の問題とか、あるいは現在そこまで落ちてなくても、近い将来必ず落ちるというような見込みがはっきりしているような場合には見込みででもやるとか、これは基準そのものにも書いてあるわけですけれども、そういうふうないろいろなやり方で実情に沿ったような運用を従来も心がけてまいりましたが、いろいろまた個別な御意見も伺った上で、それぞれについての適用上もできるだけ弾力的に実態に合わしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 まあ弾力的にできているということにつきまして、そういうようないきさつがあったことも了解できます。了解できますが、実際上、弾力的につくってあるはずだけれども、実際上該当ゼロというようなことがあるかどうかですね。そういう点はやはりゼロというのは極端過ぎますけれども、実際のある基準があると、しかしほとんど該当する業種なり対象労働者が出てこないと、出てきてもごくわずかというようなことがあるかどうかということも、先ほどの資料が大事だと思うんですね、資料が。ちょっと私たちも——私たちというか、私も見当がつきかねるわけです。余りにも手当の種類が多い、給付の種類が多いものですから。果たして本当に順調にここで法律をつくり、労働省がまた施行していく上において十分な効果が上がっているかどうかという点についてちょっとここで見当つきかねるから、いま問題提起しているような次第であります。たとえば、ここでお尋ねしますが造船会社とします、この離職した人が四十二歳、ということは四十歳を過ぎているとします。造船会社を離職した、年齢が四十二歳だと。この方はその退職証明書を持って安定所へ行って、特定不況業種離職者として認定され、求職手帳を発給されたと。この求職手帳の発給も何か時期的におくれるというような苦情もありましたが、その点はここでは別としまして、求職手帳を発給された方が再就職できるまでにどのような措置がとられるかという、いかがでしょうか。
○政府委員(細野正君) まず雇用保険自体は、四十二歳の方でございますと百八十日ということになります。それに造船の場合ですと特定不況業種に指定をされておりますので、それに九十日の延長がつくわけでございます。さらに、訓練所へお入りになるという場合に、まず訓練所に入るのに現在入所の時期等についてかなり弾力的にするようにしておりますけれども、それでもなお待たされるというふうな場合には、その待っている期間について先ほど申し上げました訓練待機手当が支給をされ、それから訓練所に入っている間職業訓練手当が支給をされるというふうな筋道になるわけでございます。
○小平芳平君 職場適用訓練はどうですか。
○政府委員(細野正君) いま申し上げました職業訓練というふうに申し上げましたけれども、これは職場適用訓練を選ばれれば、もちろんその職場適用訓練を受けておられる期間中、職業訓練手当が求職者の方に支払われ、それからその職場適用訓練の経費が事業主側に支払われると、こういう形になるわけでございます。
○小平芳平君 それだけのことが、造船関係の労働者の方がわかっておると思いますか。
○政府委員(細野正君) 個々の労働者が一人一人ということになると確かに問題があるかと思いますけれども、少なくとも全国的な造船業界の団体、それから各県の団体、それから関係の労働組合の本部やそれから各支部等におきましては、いま申し上げましたようなことよりももっと詳しく御存じになっているというふうに私は考えております。
○小平芳平君 それでは、今度は繊維産業、繊維工場を離職した、二十一歳とします。この方にはどういうことが期待できますか。
○政府委員(細野正君) 二十一歳の方でございますと、雇用保険の失業給付自体は九十日ということになるわけでございますが、しかし職業訓練を受けられる場合には訓練延長の適用対象にはなるという状況でございます。
○小平芳平君 もう少し詳しく、さっきのように詳しく言ってください。
○政府委員(細野正君) 九十日間雇用保険の失業給付の支給があるわけでございますが、その保険の期間中に職業訓練あるいは職場適用訓練を受けられる場合には、雇用保険を延長をして給付を続けると、こういうことになるわけでございます。
○小平芳平君 同じように訓練待機手当、訓練手当、職場適用訓練、そういうことですね。
○政府委員(細野正君) 繊維は全部特定不況業種に指定されているとはちょっと言い切れませんので、そこは省略しましたけれども、特定不況業種に指定をされている場合には、おっしゃるとおりに訓練待機手当、訓練手当等が支給が当然あるわけでございます。
○小平芳平君 もう一つの例で、今度は建設会社に技術者として勤めていた五十八歳の人が定年退職をしたとします。この方が建設会社で技術者で五十八歳で定年退職という場合に、新しい職場を見つけ、自分の技術を生かしていこうという場合、この方の場合はどうでしょう。
○政府委員(細野正君) 雇用保険そのものは三百日ということに五十五歳以上でございますからなるわけであります。さらに、定年退職をされる前に定年退職前の訓練等をお受けになる場合には、その労働者に対してとそれから事業主と両方に奨励金ないし経費的なものを支給するというシステムになっているわけでございます。
○小平芳平君 もう少し詳しく言うといろいろあるでしょう。余りちょっとそこまでは——要するにわかりやすく、行き当たりばったりでなくて、仮に定年退職なさるという方はあらかじめもう予想もつくわけでありますから、その定年退職なさる方に対してはこれこれこういう措置が——しかも、最近ますます特定不況業種等、いろんなケースがふえているわけですから、したがって、わかりやすくあなたの場合はこうだということがわかるようにしてほしいと、これは局長当然じゃないですか。
○政府委員(細野正君) 先ほども申し上げましたけれども、そういう種類のパンフレット等はすでにつくって各安定所に置いてございますし、それから、いまも新しく新年度の予算に基づくものももうすでにできているんですけれども、さらに、もう少し何といいますか、一般の方が見てもわかりやすい物をつくろうということで、現在準備中という状況でございます。
○小平芳平君 じゃ、その一番これならばきわめてよくできているというパンフットを社会労働委員にください。 それから、次に、雇用機会を創出するということについても、この委員会でいろんなケースがまた各委員の方から取り上げられましたが、時間の関係で三つに分けてお尋ねをいたしますが、雇用機会創出につきまして、第一に民間の雇用機会を開発するという、この点についてはいかがですか。
○政府委員(細野正君) 一つの民間のその雇用を刺激し開発するという制度としまして、雇用奨励金という制度がございまして、これは毎月一万三千円程度のものを一年間支給するというふうな、そういう仕組みになっているわけであります。そのほかに、本年度から新たに高年齢者を、五十五歳以上の方を雇い入れる場合については六カ月、それから四十五歳以上の方の場合には三カ月間賃金の三分の二、二分の一を支給すると。この三分の二というのは中小企業が雇われる場合、それから二分の一というのは中小企業以外のところが雇われる場合に支給をするという制度でございまして、こちらの方が短い期間に比較的多額の金額を比較的手続簡単に支給できるということで、そういう意味で業界等の御要望等も前からありましたので、そういう点を考えて雇用奨励金制度とは別途にいまのような新しい制度を設けてみたわけでございまして、これは高年については昨年の秋から始めましたけれども、中年を含め、かつ高年の期間を長くしたものをこの新年度から始めたばかりでございまして、したがいまして、ちょっとやったばかりでまだ実績等について明確な判断が下せない状況でございますけれども、私どもとしては、最近ようやく景気回復のにおいが浸透しつつございますので、そういう状況の中でいまの助成金制度というものが活用されることを強く期待をしているというふうな状況でございます。
○小平芳平君 まあ、労働省としては助成金制度程度でありますか。この円高不況下の新雇用対策というところには、民間の雇用機会の開発を積極的に進めるというふうになっておりますが、そうした点についての——まあ文章だけはそうなっているけれど、具体的には給付金程度ですか。
○政府委員(細野正君) 給付金のほかに私どもとして考えられますのは、たとえば最近の職業の動向というものを分析いたしまして、そういうことから今後も伸びることが——現在まで伸びてきつつあるし、しかも今後も伸びると期待される職業というようなものの情報を的確に把握をするというようなこと、それから当然職種別の求人求職倍率というようなものが安定所で把握ができるわけでございますから、そういうふうなものと、それからその産業、官庁等におけるそのそれぞれの所管行政における伸びる業種等についての情報の把握、そういうことと、私どもの職業訓練や職業紹介というものを結合さしていく、あるいは先ほどの御指摘の助成金等についても、そういう可能性のあるところに特にPRなりその活用方についての積極的な働きかけをしていくというふうな形で、紹介、訓練、それといまの助成金というようなものが円滑に活用されるように努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 まあ、ほとんど毎回のように労働時間短縮、週休二日制というふうな指摘が各委員から出ますけれども、局長からはそういう答弁がないということですね。——まあ、ないということで次へ進みますから。 次に、公共事業の雇用吸収についてはいかがですか。
○政府委員(細野正君) 公共事業への吸収につきましては、まずそのそれぞれの事業主体、施行主体が実施をするその場所とその事業の種類と、それから人がどのくらい要るかということの事前把握ということが非常に重要でございますので、したがいましてその各県、各安定所の段階におきましてそういう公共事業の施行の事前把握ということの徹底をまず図るということが一つでございます。 それからもう一つの問題は、もちろん法律的な吸収率の制度が適用がなくても、その失業者が出ている場合で希望者がある場合には、そういうことをやらなきゃいけませんけれども、なかんずく中高年法なりあるいは特定不況業種離職者臨時措置法なりにおける特定地域なり指定地域というものの指定によりまして、その点の義務を明確にした上で雇用の吸収を図っていくというための地域の指定をできるだけ弾力的に——弾力的にと申しますのも、できるだけ実情に合わしてやるのみならず、従来年一回程度しかやっていなかったものを随時やれるような体制に持っていこうというふうなやり方で、そういう意味での地域を指定し、そういうことによってその公共事業への就労を希望される方と公共事業との結合を積極的に図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○小平芳平君 まあ、この点についても毎回のように離職者中高年齢者雇用促進特別措置法、特定不況業種離職者臨時措置法、沖繩振興開発特別措置法と、この点につきましては毎回のように出ておりますから、重ねて質問は繰り返しません。 次に、最後に、一昨日の当委員会の決議にあります失対事業就労者の問題でありますが、この失対事業就労者の問題につきましては、労働大臣からやむを得ずやりましょうというふうな御発言だったんですが、これはどういうふうにおやりになりますか。
○政府委員(細見元君) ただいま先生から御質問がございましたように、所得減税に対応いたしまして、失対事業の就労者に対しては就労日数の増加の措置を講ずべきであるという御決議をいただきまして、私どもといたしましては関係官庁と相談をいたしながら、ほぼ昨年の例に準じまして就労日数を増加いたしまして所得の増加を図りたいと思っております。
○小平芳平君 所得の増加を図るということが結論になるわけでありますが、決議の趣旨はそうでありますが、この失対事業の抱えている問題点でありますね、これは四十六年以降の現状、それからまたいろんな事情が重なり重なって今日の失対事業になっているわけでありますが、とても説明している時間はありませんが、この問題点の中で、特別にこういう点が実際働いていらっしゃる方からも、実施していらっしゃる方からも、この点は特に改善したいと、改善を迫られているというような点はありませんか。
○政府委員(細見元君) 第一点といたしましては、常に失対賃金の増額の問題が出てまいるわけでございますけれども、これにつきましては、今年度はすでに五十三年度予算で一〇・二%という、前年に比べまして賃金のアップが図られておりますし、さらに先生お尋ねのございました就労日数の増加によりましても、年間の所得額がさらに増加するということになっておるわけでございます。 それから次の問題といたしまして、御承知と思いますけれども、現在失業対策事業の就労者は、その平均年齢は六十二歳余に達しておりまして、高齢者の方が非常に多いという問題がございまして、高齢者に適した作業、適した内容の仕事を考えるべきではないかという問題もございましたけれども、この問題につきましては、五十一年度から失業対策事業の中身を甲事業、乙事業という二つの事業に区分いたしまして、六十五歳程度以上の方については甲事業と、それ以下の方については乙事業。甲事業の内容につきましては老人向きな屋内作業等も十分考慮する。さらに、労働時間につきましても、従来一律に八時間でやってまいりましたものを、乙事業については七時間、甲事業につきましては、六十五歳以上の方につきましては六時間に短縮するというような措置も講じまして、この問題も、ほぼ各事業主体において老人向きのいろいろな作業の内容も考えていただいておりまして、順調に進んでまいっております。ただ現在、就労者側からの一つの問題提起といたしましては、さらに高年齢に達した場合、退職するような時期に、何らかの多少まとまった退職金的な給付というものが考えられないかということが、現在就労者側からの一つの強い希望になっております。
○小平芳平君 きわめて大ざっぱな質問で終わりますが、要するに、雇用対策について今国会の当初以来ずっと社会労働委員会で問題が論議されてまいりましたが、余りにも問題が深刻になり、あるいは広範にもなり、あるいはまた施策もきめ細かくなりということになりまして、よほどこれからも積極的な雇用に取り組む施策が必要であろうという趣旨で取り上げたわけでありますので、きめ細かい施策、積極的な施策を要請いたしまして、質問終わります。
○片山甚市君 私は、一つは労働安全衛生法に関係する問題についてまず御質問を申し、二つ目に和歌山のベンジジンに関する問題を懸案事項についてお聞きをし、最後に有料職業紹介事業に関する私のかねてからの質問に対して、引き続き本日所見をただしたいと存じます。 まず、昭和五十二年の、昨年の五月に大変な御苦労を願って実は労働安全衛生法の一部を改正しました。そのとき御承知のように、有害物質の調査の結果公表の問題、守秘義務について罰則規定もつけました。大変な困難の中でこれがいわゆる研究した人たちのために被害が及ぶんでないか、こういうことについてどちらを優先するのかという議論をしてまいりました。このことについてもう一度思いを新たにして、各協力者がやはり人命を大事にするという立場から物事を進めてもらいたい、そういうことであろうと思っています。反論があれば反論してもらいますが、そういうことで慎重の上にも労働者のいわゆる健康を守り、命を守っていく、こういうことであろうと、こう思っておるんです。その立場から言いますと、今回私が提起しようというのは、いま社会的問題であるいわゆる放射線の被曝の問題です。労災という立場から言えば、これは当然未然に防がれておると思うのですが、どのような措置をして放射線被曝については対策をされておるか、まずお聞きをいたします。
○政府委員(桑原敬一君) 安全衛生法の改正の問題につきましては、昨年の国会で非常に各委員におかれまして御協力いただきましてありがとうございました。この法律の施行は、来年の六月三十日までにやるということになっておりまして、この委員会におかれましていろいろと御質問、御主張につきましては、私どももあくまでも労働者の健康を守るという立場から施行の準備をしてまいりたいと思っておりますし、関係審議会におきましては、この国会の審議の経過を十分報告しながら、その施行準備にとりかかっておるようなわけでございます。 御質問の放射線被害の問題でございますけれども、先生も御承知のように電離放射線障害防止規則という規定を持っておりまして、私どもはこういった被害が現実に起こりますと大変なことでございますので、予防に最重点を置いて進めておるようなわけでございます。具体的には専門の安全衛生部長に答弁をさしたいと思います。
○政府委員(野原石松君) ただいま桑原局長が申し上げましたように、原子力発電所等における放射線被曝の問題につきましては、労働省としても非常にこれを重視いたしまして、電離放射線障害防止規則を中心に管理区域の設定あるいは被曝線量の測定、さらには被曝防止措置あるいは関係作業者に対する健康診断、こういった措置を積極的に進めてきておるわけでありますが、最近一部のこれは原子力発電所でありますが、被曝線量の増大を見ておると、こういう非常に憂慮すべき事態が生じておりますので、しかもその対象は定期検査とかあるいは修理とか、こういう作業に従事される、えてして下請事業の労働者の方々が多いという実情もございますので、昭和五十三年度の行政運営方針の中では特にこの問題を取り上げまして、定期検査とかあるいは修理に従事する下請事業の労働者の方々を重点的に、被曝防止措置の強化を図るように監督指導の充実整備を図っているところでございます。
○片山甚市君 毎日新聞の五月八日の記事によりますと、アメリカでは一九四四年から七二年まで、二十九年間に調査をした結果、労働者が二万四千九百三十九人のうち、死者が三千七百十人、そのうちでがん——白血病を含むんですが、で死んだのは六百七十名。そこの労働者全体の二・七%だと、こういうふうに書かれておりまして、いわゆる非常に微量な放射線であるけれども、これでこれだけの事故があると書かれております。これについて労働省は、労働者のいわゆる安全衛生の立場から、この疫学調査の結果についてどのような所見を持たれるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(野原石松君) ただいま先生が御指摘の報告は、アメリカの最大の原子力施設と言われておりますハンフォード原子力センターに一九四四年から二十九年間に勤務した約二万五千名の方方を追跡した調査結果でございますが、その結果から、倍加線量と申しておりますが、これは通常のがんの発生率を平常時の二倍に押し上げる放射線量、こういうことでございますが、この値として非常に低い、従来の常識から考えるとかなり低いデータ、数値を推計をいたしております。そういう意味合いにおきましては、非常に参考になるデータでございますが、ただ、日本におきましては、被曝線量の限度等はICRP、これは国際放射線防護委員会の略でありますが、この勧告に基づいて決めておりますので、直ちにこの調査結果によって従来の規制を変えるということはむずかしいというふうに考えておりますが、とにかく早急に、この報告そのものを入手いたしまして、調査方法等をしさいに検討し、今後の行政指導の上に活用してまいりたい、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 私は、アメリカが二十九年もかかって疫学調査をした結果でありますから、日本の政府がそんな熱心にやると思われません。金がないとか、人が死んだらいいとか思いたがるのがくせでありますから、そういうような、言葉では、人命は地球より重いなどという首相がおりますけれども、言葉では。実際そうかどうかわかりません、私、本当に。ですから、いまちょっと質問をしたいのは何かといいますと、いわゆる科学技術庁は、このアメリカの疫学調査の結果については検討の対象にしたい、こう言っておるわけです。こういうものが出ましたのは、実は、二十五日の日に伊方原発の判決が松山で出ています。そうすると、いまおっしゃるように、国際的な機関で決めた基準でつくっておるんだから、これは安全だ、こういうように言っておるんです。私は、災害の絶滅というか、人間の命を大事にする立場から言えば、直ちに資料を入手されて、そして厚生省とも十分に相談することでありますが、これは科学技術庁がやりたくないでしょう。出したら大変だから。だけど、労働省としてはこの調査を始めて、微量であってもこれだけのことが起こるというものが、どういうように展開されたのかということについては国民に知らせながら、新しく原子力発電所が世界でもこんな小さいところで一番多くつくられようとする政策を持つ国でありますから、第一に努力されるべきじゃないか。私は、労働省が労働者を守るというか、人間を大事にする政治場面だと考えますからもう一度聞きますが、これについて検討に値するんじゃなくて、むしろ進んでこれを入手して、共同的にもやってもらいたい。特に、これは国益的に言えばエネルギーがない。いわゆる新しい代替のエネルギーとして、どうしても原子力発電所をつくりたい。そのためには、こういうものをみんなに見せつけたら反対が起こるだろうなどということから、もみ消すのが常套手段の政府機関でありますが、そういうことにならないようにやられるかどうか、ちょっとお聞きをします。
○政府委員(野原石松君) これはアメリカのピッツバーグ大学で長年にわたって調査した結果でございますが、先ほど申し上げましたように、非常に警告に値するというか、低い数値でも危険だというようなことを示唆しておりますので、そういう意味では、私どもこの調査結果に着目したいというふうに考えております。ただ、アメリカにおける原子力発電所の実情と日本の実情が若干違う点もございますし、また、この調査方法がどういうふうなものが採用されたかというようなこともしさいに検討しませんと、その辺のところを、直ちにこれによって現在の規制の態様に変更を加えるということはむずかしいと思いますので、先ほど申し上げましたように、早急にこの論文そのものを入手いたしまして、しさいに検討し、積極的に、先生御指摘のように、今後の行政指導の上に活用していきたい、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 いまお答えいただきましたから、その結果というか、それについての内容について、新聞記事程度でなくて、われわれのような者にもわかるように、翻訳をして知らしてもらいたい。大体、そんなことには金がかかってもいいんですから、地球より人命が重いんだから。これはなぜかというと、あなたたちの政府は、私たちの政府というのか、日本政府はごり押しにして原子力発電所をつくろうとしておるのですから、これは大丈夫だと、こうならないと大変だと思う。口の先ではないんです。こういうものが出たら、それについて具体的に知らしてもらう。われわれも検討する。読めたり考えたりする人間もおるんです。政府だけが考えるんではないんですよ。御安心ください。 そこで、昭和三十三年から、いま言うように、放射線に対するいわゆる認定の作業をやってきた、こういうことになっておるのですが、大体そこのところでどういうような放射線障害について、いままで把握されていますか。なければよろしい。私、通告してないですから。どうでしょう。
○説明員(原敏治君) 電離放射線障害に伴うところの労災の認定の実情につきまして、実は、私どもの方の把握しております資料は、四十六年の四月からのしかございませんが、それで見てみますと、四十六年四月から五十二年三月までの間に把握したものの総件数は二十二件になっております。うち死亡が三件に上っております。 その細部の分類を申し上げてみますと、急性放射線症が二件でございます。それから、放射線皮膚障害が十二件ございました。それから三番目に、再生不良性貧血が一件、それから造血機能障害が一件、白血病が三件、この三件はすべて死亡になっております。それから、皮膚がんが二件、それからがん疾患で白内障が一件。これだけ、合計二十二件の認定件数が把握されております。これらの認定された放射線障害は、現在のところでは原子力発電所の関係の労働者は一件も入っておりません。電離放射線を使っておりますところの非破壊検査なり、あるいは工場での検査業務なり、あるいは病院のレントゲン技師、そういうところの労働者から発生している実情でございます。
○片山甚市君 たくさん使っておる原発の場所はまだ調べられていない、こうおっしゃっておるのでありますが、そうすると、労働安全衛生法によるところの有害物質から、労働者の安全と健康を守るということで労働省は考えられてきたということになれば、国のいわゆる問題として、国内の問題として、まず原発の施設に働く労働者、住民のいわゆる安全というようなことから考えて、原発に対するいわゆる労働省としての安全性の確認はだれがやられておるんですか。
○政府委員(野原石松君) この原子力発電所につきましては、実は関係官庁がいろいろございまして、科学技術庁、それから通産省、それぞれ関係あるわけでありますが、労働省といたしましては電離放射線障害防止規則、これは労働安全衛生法に基づく省令でありますが、これがありますので、それを中心に先ほど申し上げましたようにこの被曝防護についての設備がどうなっているかとか、あるいは作業環境の測定、つまり所内の空気が限度以上に汚染されていないかどうか、こういうことのチェック、あるいは作業者が放射線の被曝を受けますが、それが所定の限度を超えないかどうか、さらにはこの健康診断によって異常の早期発見が行われているかどうか、こういうことのフォローを行っているわけであります。これはそういう基準に基づきまして、主として現地第一線の労働基準監督署におります労働基準監督官なりあるいは安全・衛生専門官、こういう職員が実際に足を運んで現場についてそういった状況をチェックをし、必要な助言、指導をしている、是正措置を講じさせている、こういうことでございます。
○片山甚市君 そうすると、有害物質の場合は発生源あるいは工程などにメスを入れるという立場でありますから、本来ですと労働省は、発電所の中でそういうようなものになっておるのかどうかということは調査をする権利はあるんですか。
○政府委員(野原石松君) ございます。それは随時立ち入って施設の実態がどうなっているかどうか、あるいは管理がどのように行われているかどうか、こういうことをチェックすることができるわけであります。
○片山甚市君 そうすると、どのぐらいいままで調査をされましたか。
○政府委員(桑原敬一君) 原子力発電所、全国にたしか七カ所かございますが、私ども毎年その所轄の基準局の最重点事業所として指定をいたしまして、そして必ず監督をするようにいたしております。したがって、毎年最低一回はやると。それから、一番監督しやすいのは、いわゆる原発自体が休止をして定期検査みたいなことやることがございますが、そういうときに一斉に下請を含めて労働者のそういった放射線に対する防護状況その他を監督をしていると、こういうことでございます。
○片山甚市君 先ほどお話がありましたように、今日では被曝をする線量が非常に急増をしたと、こういうふうにおっしゃっておるんですが、どのような状態ですか。
○政府委員(野原石松君) これはすべての原子力発電所がそうだということではございませんが、一つの例で申し上げますと、これは東京電力の福島原子力発電所でございますが、実は私どもそういった被曝の状況を把握するために、電離放射線障害防止規則に基づきまして、毎年上期と下期二回に健康診断の結果報告というのをとりまして、その中で放射線量がどういうふうになっているか、その被曝の分布状況ですね、これを調べることにいたしております。その調査結果によりますと、昭和五十年の下期におきましては被曝線量が、これはレムであらわすことになっておりますが、一レム以下の者が九八・六%、一レムを超えて三レム以下と、こういう方々が残りの一・四%と、こういうことになっておったのであります。ところが、一年後の昭和五十一年の下期になりますと、これ一レム以下が九五・九%、若干減りまして、その分だけ一レムを超え三レム以下という方がふえたわけであります。これは四・一%。この被曝の限度というのは三カ月に三レムと、したがいまして六カ月では六レムと、こうなるわけでありますので、その限界以内におさまっているということでありますが、こういうふうにやはり年を追って被曝の線量がふえているということは非常に注目に値いたすわけであります。そのよって来るところは何かと、いろいろ検討いたしてみますと、一つには、やはり定期検査とか修理、そういうときに炉をとめて中へ入っていろいろ作業をするわけでありますが、そういうときにかなり被曝する量が多いということがありますので、それは多くの場合に下請事業の方々がやっているということでございますので、そういう方々の被曝の低減、これを重点として、そのためにはやはり発注する原子力発電所自体がその気になってもらわぬと困りますので、その元請であるというか、発注者である原子力発電所を軸として、そういう下請の関係者の方のすべてを含めての安全衛生管理の推進、こういうことを強力に進めているわけでございます。
○片山甚市君 それはあなたの方は数字がないと、思って私にそんなことをおっしゃるが、田舎の言葉ではぬかすと言うんだ。それはおかしいね。東京電力は〇・一三未満が三百二十八人、〇・一三から〇・四までが百十一人であったのが、昭和五十二年には、一年たつと、それが四百十八人ですね。〇・一三レムまでが四百十八人になっておる。そうして〇・一三以上から〇・四までが百三十人、こういうことでふえておる。ところが関西電力、これはいまおっしゃるけれども二百七十から二百八十五になっておる。こういうように微量の方がふえておるわけです。高いところは確かに減っておる——減っておるというか急増してない。先ほど言うように微量が大変危険だと言われておるわけですね。このぐらいならいいだろう、このぐらいならいいだろうということで、原爆実験場などに起こってきておるアメリカの調査によると、じわじわと来るのが大変だと言っておるわけです。あなたの方は、学者というのは偉い人がおるから、学者の言うことを何でもまともだということにしようとするけれども、学者が言うのは説ですからね、一つの。そんなものは仮説ですよ。神様みたいに言うけれども、そんなものないんですよ。誤解のないようにしてください。 私はいまのところ、なぜそうなるのかと言えば、しょっちゅう炉をとめなきゃならぬ、しょっちゅう事故を検査せなきゃならぬというふうなことから起こっておるんでありまして、ずっととめなんだらこんなことにならない。しょっちゅう故障の起こるものを買うてきて、動かして、で、一年の半分も動かぬで、しょっちゅうビスを変えたりなんかしておる。そのためにけがするんですよ。それは下請だって、どういうことですか。こんな言葉使っては困る。大体営業上のことじゃないですか。労働者に下請も何もあるか。大体なまいきだよね。下請といったら本社員よりもこれは——何言うとるか、東京電力でも関西電力でもそんなことして搾取しよる。大変な仕事ですよ。専門的に必要ですよ。そういう点では労働省がこんなところで、下請があるから何じゃという話をされると大変いやですよ。それは利潤の追求ですよ。人様のことは、本社員が助かっておれば、下請で転がしておる人間なんか芋ころじゃ、踏んでしまえ、こういうことでしょうが、こんなことじゃ納得できませんね。私が言いたいのは、アメリカが少量でこないなったと、微量だと、二十九年したらこうなっておるというんなら、われわれの国はどんどんどんどんと物好きにも原子力発電所をつくりたいというおじさま、おばさまがいろいろおる。それについて御心配ございませんか、曾孫ぐらいは、全部だめになりますよと言わなきゃならぬ。言う前に調査をせなきゃならぬ。こういうふうに思ったのがきょうの質問です。ですから、問題は東京電力だけがじゃなくて、見てみますとおおむねどこも低い方がたくさん、微量の方がふえておって、そして高いところの方は確かにそれはふえてませんよね。それはそうでしょう、大変だから。そういうようなことを考えますと、一段とこれについては注意を喚起をしたいんですが、特に御発言願いたいんです。
○政府委員(野原石松君) 私どもも先生御指摘のように、決して被曝限度内であればそれでいいんだというふうな気持ちは毛頭持っておりません。これはもうできるだけ減らしたい、数値は低い方にこしたことはない、こういうことで監督指導をしておるわけでありまして、先ほど東京電力の福島発電所の場合は、たまたま高い方が問題だと申し上げましたが、そのほかの発電所——実はここにリストがあるわけでありますが、これをいま見ますと、先生御指導のように、ほかの発電所ではむしろ一レム以下の方がふえている、こういうところもかなりございます。それはそれでやはり非常に問題でございます。したがいまして、数値が高い低い、高いから問題があり、低いからどうということは決してなくて、その高低にかかわらず、とにかく被曝の現実があるということを直視いたしまして、できるだけこれを低い方に持っていこう、こういう努力を私どももやりますし、また発電所、さらにはそれをコントロールする本社等にもそれぞれアプローチいたしまして、そういった措置の促進を図っていきたい、こういうふうに考えております。 それから、先ほど下請事業の労働者のことについて御指摘ございましたが、実は私が申し上げたのは、えてしてそういう方々が被曝されるケースが多いので、むしろ私どもとしてはそこを重視をしている、こういう観点から申し上げたのでありまして、そのためにはやはり発電所自体にその気になってもらわぬと困りますので、その発電所を中心としてそこへ入り込むすべての作業者の方々の被曝の低減を図るんだと、こういう総合的な努力を今後とも推進していきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○片山甚市君 四月二十五日に、先ほど言いました松山の地裁で伊方原発の訴訟の判決が出ました。それについて私はここで評価をするつもりはありませんけれども、この判決は双方のいわゆる意見を並べて判断するというよりは、国の政策、国の主張が妥当かどうかというようなことを優位に用いて、重点に置いて結論を出そうとしておると見られる。そういう点で、住民側についてはいわゆる疑問と不安とは晴れておりません。ですから、内容は恐らく控訴の中で明らかになるでしょうからここでは言いませんけれども、実は大阪の配管職人と書かれておる岩佐嘉寿幸さんがせんだってから、これは日本原子力発電会社でございますが、原発被曝訴訟をしておる。これについて二通りの意見があるんでありますが、担当医は当然これは原発被曝のことである。そして政府が専門医として鑑定をさした人、これは土屋武彦先生ですが、この人は「経過、組織標本などからみて、放射線被ばくによるものとは考えがたい」、こう言っておるんでありますが、とにもかくにもこういうような状態がこれから起こってくるし、この問題の解明をしなきゃならぬと思うんですが、これについてはいかが考えますか。
○説明員(原敏治君) 大阪の岩佐さんの災害補償、労災補償請求につきましては、実は五十年の三月に福井原発の関係で敦賀の労働基準監督署長あてに労災請求が出ていたケースがございます。関西電力との関係での民事訴訟が行われておりますのも、実はそれと関連を持ちながらやっておるように私ども承知しております。ただ、この労災認定の方で私ども承知しておりますところによりますと、請求がありましてからつぶさに現地の実情等を所轄の監督署が調査をいたしまして検討しましたところ、業務との起因性はなかったということで不支給決定がなされておりまして、その後、審査官のところに不服審査が出ておって、不服審査の段階でも実は本人の主張が入れられませんでして、原処分が認められた形になっております。さらに、本人はこれを不服といたしまして、中央にございます労働保険審査会に現在不服を申し立てておりまして、審理中でございます。審査会で審理が係属しておりますところでございますので、私どもとしてはこれに対しての見解は差し控えたいと思っておりますが、経過はそのような形になっております。
○片山甚市君 私が取り上げました主体は、日本原子力発電会社を相手取ってのいわゆる訴訟ですが、この人が五百レム以上という放射線を受けると色素が沈着するということになるにもかかわらず、岩佐さんは身につけたポケットの線量計が〇・〇〇一レムしか示しておらない、こう言っておるんですが、先ほどから申しますように、微量でもなっていくというアメリカの疫学調査の結果がありますから、そういうようにもうこれだけのいわゆる放射線がなければ、全くそういうような被曝することはないんだという言い方は、私は間違いだ。もう少し確かめてもらわなきゃならぬ。確かに、たくさんの医師、関係者が集まって判定したんだから間違いはない、こういうようにおっしゃるかもわかりませんけれども、いまの段階ではやはり原子力発電所に関する限りは必要以上に厳しい被曝防護をしていく、こういうことは必要でありますから、この問題について私はいま結論を求めておるんじゃなくて、いま出されておる〇・〇〇一レムしか示しておらなかったという、いわゆる表示が正しいかどうかは別としても、それでもなおかつそういう危険があることについて警告をしておきたい。いままでわれわれが言うときには、大体大したことないと言って、どんな場合でも、スモンの病気であろうとイタイイタイ病であろうといろんなものが出る場合には、それは関係がないと言って、最後になると何か関係があったように落ちつける、こういうことですね。そんならもっと早くからちゃんと対策をすればいいんであります。人間の命にかかわるような問題については、少し、いい意味で大げさに心配をしながら対処しないんじゃないか。機械のことだったら、財産のことになったらえらい心配して、株が上がったの下がったの、円が高くなったの低くなったの、こんなこと言ったって死にはせぬのですよ、円が高くなろうと低くなろうと。しかし、人間の命というのはその日その日やられるんでありますから、こういう点では、労働省という立場ですからね。通産省なら人が死んでもいいから金もうけたいと思うけれども、労働省はそう思っていないんでしょう。思っていないと思うんです、それは労働大臣以下。とにかく、人間を大事にして労働力をきちっと使えるようにしよう、こういうことになれば、この問題についてはさらに努力をしてもらいたい。こう申しますのは、実は米国ではこれまで絶対安全と言われてきた核実験場における被曝者が出てきておる。核実験場ではそういう被曝者が出ないということを言っておったのが出ておる。従来公認されてきた許容基準が実に危険なものだということで、先ほどから言うように次々と明らかになったという疫学調査の結果もあらわれてきた。わが国ではそういうことをすると、ますますいわゆる反対が起こるだろうと思っておるんですけれども、日本の国は御承知のように非核三原則というのがあって、御承知のようにこの目標を立てておるわけです。一番大きい問題は公開ということがありましょう。私たちはこの場合に、原子力発電所の内容がもっともっと公開されるべき、原子力を使われておるところは公開されるべき、民主的にされるべき要素を持っておると思うんです。その点では、先ほど言った一年に一遍と言われるけど、もっと立ち入って、もっと機会を得て、それで労働者がどういうように安全であるかということについて保障するように、年一回というのをもう少し一歩進めて、何回行ったらいいと言いませんけれども、力を入れてもらいたいと思うんですが、局長どうでしょう。
○政府委員(桑原敬一君) 先生御指摘のように、この問題は本当に予防というのが一番大事なことでございますし、したがって私どもは、こういった事業所に対しては特にそういった先取り的な行政をしなきゃならぬという事業所じゃないかと思っております。したがって、先ほども最低一回と申し上げたつもりでございますけれども、できるだけその回数をふやしてまいりたい。また、非常に専門的なこういった監督をしなきゃなりませんので、方々、職員の資質の向上、研修も努めておるようなわけでございます。
○片山甚市君 いま言ったように、民主あるいは公開と言いましたけれども、日本の国は自主できてないんです。アメリカさんに大変お世話になって、物が言えないから、公開や何やいうてもインチキになっておるんですが。 そこで、被曝線量登録管理制度というのがあるんでありますが、それはどういう機能を果たしているんですか。
○政府委員(野原石松君) 放射線被曝の場合には、それが体内に順次蓄積されていくと、こういう非常に恐ろしい面がありますので、その被曝歴というものをやはりそれぞれの作業者について追っかけていく、こういうことが非常に健康管理上大事なわけであります。つまり、背番号システムというようなものを考えて、それぞれの作業者についての被曝の状況が常にわかるようにしておいて、それに見合うような健康管理をやっていく、こういうことでございますが、実はそういうことに寄与するために、これは科学技術庁の方が中心になって、そういう被曝管理の登録をし、それに基づいて健康管理をやるというようなシステムをつくり、これは当面は原子力発電所その他四つぐらいのところが対象になるようでありますが、将来はそれをやはり広げていって、被曝のおそれのある作業者につきましてはすべてそれに打ち込んで、いつでもその被曝の経歴というものが明らかになり、それに見合う健康管理が確立されるように持っていくべきではなかろうかというふうに私ども自身も考え、科学技術庁と常にそういった点について提携をしながら進めてきておるわけでございます。
○片山甚市君 そうすると、原子力発電所で働く労働者の被曝線量というものは、少なくとも最近は増加したところもあるし、増加しておる——これは科学技術庁の原子力安全局も認めておるところですが、そうすると、先ほどお答えをいただいたように、五十一年度の問題を取り上げてみても、許容線量のぎりぎりまでの人が、大体東京電力の福島第一原発ですが、でも二百人というふうに言われておるんです。そういうことでありますが、大体各電力会社とも、基準以下に抑えておるんだからうちは違反をしてない、こういうような考えを改めてもらいたい。許容量がいいんだ、確かに排気ガスもそうですが、許容量はいいんだと、工場排水の汚濁の問題もですね、このぐらいならうちはいいんだと言ってるけど、集めてみて、長いこと蓄積してみて、これは私から言わたくてもわかるとおり、放射線というのは備蓄をするというか、体の中に、骨の脊髄にたまるんでありますから。ためるんですよ、これ、貯金するんです。われわれみたいに、郵便貯金したと思ったらすぐに明くる日下げるようなばかなことしないんです。ですから、それを教えてほしいわけです。放射線というのは、レントゲンをばっばっとつけとるけど、そんなんしよったら背中にたまるのよ、本当に。歯を診たる言うて、しよったら、いつの間にかこれから入っとるんだよ。歯を診てやろうというたら、すぐにレントゲンを使ったりする、何でもレントゲンする。それは一生涯で幾らするとどういうふうになるんだということについて、私はもう少し、危険だというよりも、防護をするための知識、理解、そして、それについてどうするのかということがなければ、今日のような原子力の問題についての対策については非常に危険だと思う。いかがでしょう、私の意見は。
○政府委員(野原石松君) この放射線被曝の問題につきましては、一つには、放射線によって環境汚染されないと、そういう状況をつくり上げることがもちろん大事でありますが、同時に、いま先生もお話がありましたように、個々の作業者の体内に蓄積してまいりますから、これを極力抑えていく、それに見合うような対策を常にかみ合わしていくと、こういうマンツーマン的な管理が非常に大事ではないかというふうに考えております。そういう観点から、発電所その他、エックス線装置なんかを使う現場においても同じような問題がありますので、そういった事業者に対しては、そういう観点から監督をし、また必要な助言、指導もしておると、こういうことでございます。
○片山甚市君 先ほど、放射線の被曝者の実数二十二件、死亡二件ということを聞いたんですが、今後原発事故というものが起こった場合は、そういうことで、起こっても同じような体制で十分な補償をされることになるんですか。
○説明員(原敏治君) 電離放射線関係で障害を受けました労働者の補償の方針につきましては、それぞれ専門の先生方に集まっていただきまして、認定基準というものをつくっております。一番現在やっておりますところの新しい認定基準は五十一年に改定されたものでございますが、当時のわが国におきますところの専門的な知識とともに、諸外国の知識をすべて集約をいたしまして、その時点で国際的にも認められている時点での医学的な見解に基づきましてこの認定基準を定めているところでございます。その基準によりますと、特に電離放射線関係の障害で最も注目されますところの白血病等につきましては、これはほとんど制限的な要件というものは掲げておりませんでして、概括的に申しますと、電離放射線業務一年以上従事している者が白血病にかかった場合には、業務との因果関係があるということで、業務上補償をするような形の認定基準になっております。そういう形でございますので、いまの認定基準でも被害者の救済については十分なところであろうかと思いますが、この分野におきますところの医学的な研究は世界的にもますます進んでいるところでございますし、先ほど先生御指摘のような疫学的な調査の結果もアメリカ等で報告されております。そういうものによりまして、さらにこれらの認定基準の見直しが必要になってまいりました場合には、それに応じて認定基準の見直しをしていただく形で臨んでおるところでございます。
○片山甚市君 そうすると、原子力発電所等で被曝をされるということになれば、当然万全の措置ということで措置をとられるものと御発言があったことにしておきます、きちんと。私、ほかの一般論は聞いてない、わかってますから。原子力発電所を中心として聞いていますから。よろしいか。
○説明員(原敏治君) 原子力発電所の関係の従業員におきますところの電離放射線障害につきましては、そのような形で認定基準に基づきまして補償の万全を期している次第でございます。
○片山甚市君 大体、一年おらなくとも、一瞬で被曝するんですから。一年も働かなくてもね、事故があればすぐにするんですからね。働いたか働かなかったということはわかりましたけれども。その条件——あなたの方は立ち入り自由なんだ、公開しとるんだから。日本の国は、自主、民主——自分で自立をして、原子力発電というのは、核は公開をするようになっとるんですからね。どんどんと入っていってもらって、その安全を確かめてもらわにゃいかぬと、こういうことで。先ほど申しましたように、被曝線量登録管理制度ができ、あるいは対象企業も、対象者も、目的も、決まってますわね、これ、先ほど言ったように。そうでしょう。繰り返したら長くなるから私の方から言う。それに基づいてやられるんですけれども、いま一番大切なことは、レントゲンだろうと何だろうと、放射線というものは蓄積するんだという前提で、安易にお医者さんが使われることも困る。それはわれわれもそういうことをしたら困るんだと。それがなしに、いま痛くなければ傷がないんだという日本人の考え方ですよ。なぐられたらわかるけれども、光線入れられたらわからぬというようなことにはならぬようにしてもらいたい。これは日本語で言うとるわけです。普通の人が言うてもわかる、そないに。それほど目に見えないものだけに、後で気がついたら。白血病になったりしたら、治ると言うのか、治らぬと言うのか、そんなこと言うたらいけませんよ、大変なことになっとるんでしょう。ですから、恐ろしくてよう言いません。そんなになったら何とかしましょうって、白血病になるのと違うんです。いろんなことがあります、そういうことを申し上げておきます。まあしかし、日本の国は財産の方が大切で、人間の命は粗末にするの好きだからと思って、心配します。 次に、和歌山のベンジジンの話ですが、第八十回国会で和歌山のベンジジンの問題について私の方から取り上げてもらいました。おかげで労働省の努力で幾つかの改善が見られたことについて、この席上をかりて感謝いたしますが、その場合ベンジジンのいわゆる労災にかかった人の健康診断のことですが、あれは六カ月に一回ということになっておるんですが、労使間ではどのような健康診断になっておるか。労使間というのは、先ほど言うように、労働組合と資本家との間で話をすれば、どのぐらいの回数でとにかく健康診断しておるのか。あなたの方は、政府は、零細でそんなことのできぬところには六カ月でいいと言う。ところが、しっかりした会社の方は、六カ月に一遍でしょうか。ひとつ質問しますから、きりきりと発言してください。
○政府委員(野原石松君) ベンジジンというのはすでに製造、取り扱いを禁止されておりまして、現在は扱っていないのでありますが、過去にそういった業務に従事された方がまだ在職中だという場合には、当然これは労働安全衛生法の規定によりまして健康診断をやっていただく、これは法律上は六カ月に一回と、いま先生御指摘のような間隔になっておるわけでありますが、これを労使間協定によって期間を短縮すると、その方が望ましいわけでありますが、そういうことはあるように私ども承知しております。 実際、これは和歌山の県内での十事業場についての調査でありますが、労使間協定によって六カ月よりももっと短い期間でやっているという事例は一件ございます。ただし、その協定によって六カ月をオーバーしてやると、これはもちろん法律違反になりますので、そのようなことはないと考えておりますし、また、先ほど申し上げました十事業場の調査の結果から見ましても、延長するという方はゼロでございました。
○片山甚市君 あなた方は非常に熱心でないですね。住友化学の場合は一カ月に二回、三井化学合化大牟田が一カ月に二回、本州化学の場合は二カ月に一回、それから田岡化学の場合は一カ月に一回、大栄化工の場合は毎月一回、そういうことにして、大阪合同和歌山精化三カ月に一回、保土谷化学原則として年四回、大阪合同大東化学三カ月ごとに一回、こういうことでやっておる。もう少しやれという要求もしておるようです。これはいろいろとありますけれども、私が申し上げたいのは、実は本州化学の離職者の中、例を言うと六カ月検診でやっておったんですが、発見ができずに膀胱全摘手術をした例があります。 そういうことで、実はきょうお話しをしたいのは、六カ月に一回というのはいいのですけれども——そのいいというのは、あなたの方はそうでしょうけれども、私たちとしてはもうそれならば三カ月に一回、労使協定のあることころは別として、金もない何もないというか、もう弱り切っておるところでは、国か三カ月に一回の健診ができるように検討してもらえないだろうか。というのは、数が多くないでしょう、もう。もう金を惜しむね。それほど惜しいかな、本当に、しみったれだね。だから、私は、数が多くて労働省がつぶれるような、日本政府がつぶれるような、税金が多くなるようになったらちょっと心配するんだけれども、このぐらいのことは大したことないから検討してもらいたいということを申し上げます。私は労使協定がこういうふうにあるということは、あなたの方がうそを言っておるなどと言っておるのと違うんですよ。私の方ではこういうような労働組合があるところでは必ずそういうことになっておるんだから、そういう措置をひとつ努力してもらえないかと。いますぐに必ずしますと言わなくても、こういうことはしてもらった方が——でしょう、もう年寄りです、わかりますか、意味。
○政府委員(桑原敬一君) はいわかります。 こういったがんになりやすいような原因のものにつきましては、できるだけ回数多く健診する必要があることは私ども十分承知をいたします。法律的には六カ月に一回でございますが、せっかくの御提案でございますので十分研究をしてまいりたいと思います。
○片山甚市君 検討じゃなくて、実施をするように努力をしてもらいたいんですが、見当違いになりますからね、しょっちゅう。検討とは見当違いで、とんでもないところへ行っておったんだと、あなたたちのことだから、そういうことのないように。私は冗談みたいに言うけれども覚えておるんでね。私は国会議員やめるまで言うんです、こういうことは。一遍言ったら、だから覚えておいてください。 次に、健康管理手帳の受給者の受診率が大体五〇%程度です。なぜかおわかりですか。
○政府委員(野原石松君) 私どもこの受診率をもっともっと上げたいといつも考えておるわけですが、この一つの原因としては、やはり受診者といいますか、本人との連絡ですね、とにかく離職した後の話なものですから、この連絡がなかなかつきにくいと、こういう点があるのではなかろうかというふうに思いますので、最終に在籍した会社等を起点といたしまして、できるだけこれらの方方の現住所というものをつかんで連絡をつけて、確実に受けてもらう、こういう方向で現在指導をしておるわけであります。
○片山甚市君 それもまた違うんで、いわゆる先ほど労働組合があるところでは月に二回とか、そういうふうにやっておるのですが、賃金補償があるわけです、三千円なり四千円なり。あなたの方は、政府は交通費しか出ませんね。出ませんよ、交通費しか。先ほど言ったようなところでは八〇%から九〇%ぐらいは受診をしておるわけです。連絡がとれないという、とれてもやはり来れない、こういうようなことであることについて私の方から申し上げておきます。もうお金出してくれと言っても出しそうもないから、出してくれと言いません、物ごいをするようなことは言いませんが、相当この人たちに対しては経済的に対策をしないと困っておるというように申し上げておきたい。 それから、受診をするところが固定をしていますから、なかなか弾力がないので困っておる。膀胱がんの調査をしてくれるところは少ないので固定をしておるのですね。これを少し受診日について——受診日というのは何月何日に診る、それ以外は診ないと、こうなっていますね、受診場所というような話じゃなくて、受診日ですね、それを少し患者の都合も入れて、日にちを弾力を持たしてもらえるような指導ができないだろうか。おわかりですか。おまえ休んでおるのだから要らぬだろうというのじゃなくて、受診日、こういうことについてちょっとそれの検討——幅を少し広げてもらうようなことについてどうでしょうか。
○政府委員(野原石松君) いま先生の御指摘いただきました事項につきましては、現在通達を出しまして、健診を実施する機関——労災病院なんか多いわけですが、そういうところとの契約によって、多少弾力的に運用をしていいと、こういうことにしておりますので、先生御指摘の点については御期待に沿えるのじゃなかろうかというふうに思っております。 それから、受診率が低いというお話でございましたが、実はベンジジンという話が出ましたので、これについて調べてみますと、これは特殊健康診断の場合でありますが、これは社内の場合で申しわけないんですが、九三%と、こういうことにはなっております。ただ、健康管理手帳の関連の健康診断につきましては、確かに必ずしもこの線までいっておりませんので、先ほど申し上げたようなことでそのレベルアップを図っていると、こういうことでございます。
○片山甚市君 和歌山では九百十八人手帳をもらっておったんですが、その人たちを調べると大体五〇%程度しかやってない、私は現地の話ですから。長々とやると時間がないから省略してるんです。 そこで、せんだっていろいろとお話をして、労働省が専門家会議を開いてくれることになりました。そこで、この人たちについてですね、和歌山の山東化学などでお聞きをしたんですが、歩行あるいは言語障害、こういうものが膀胱がんから始まる問題であるので、一度専門家の皆さんに和歌山までお出ましを願えないだろうか。それで実態を見てもらってその判断についての参考にしてもらいたい。非常にりっぱな方々がやっておるのですから、そんなことはできないと言うかもわからぬけれども、一度その九百十八名ぐらいおるうち、一回に集まるのは二百名ぐらいかと思います、私が行ったら二百名ぐらい集まるのですから。そのぐらいの方々に会うかどうかわかりませんけれども、患者の状態を診てもらって、どういうことでこうなっておるのかということをお調べ願えないだろうか、努力を願いたいと思うのですが、いかがでしょう。
○政府委員(野原石松君) いま先生御指摘の専門家会議の話でありますが、これは三名の専門家の先生にお願いいたしまして、現在まで五回ばかりやっていただいておりますが、ここでは、いまお話しのように、ベンジジンと糖尿病あるいは言語障害、これらとの関連について検討をいただいておりますけれども、その過程で過去にベンジジンを取り扱った、しかし現在はほかの仕事に変っておるわけですが、とにかくその会社におられる、こういう方々について個々に健康診断の結果、あるいはそれ以外の文献、こういったものを取り寄せて検討していただくと同時に、すでに退職されました方々、それでかなり重度の健康障害を訴えておられると、こういう方々につきましては、実際にそれを健診されましたお医者さんですね、これは関西地区におられる方々ですが、三名の方々にも来ていただきましていろいろ御意見をいただいております。したがいまして、当面はこういったことを基本に検討をしていただけると思っているんですが、なお先生御指摘の現地派遣の問題につきましても、今後の進行過程の中で検討させていただきたいというふうに思っております。
○片山甚市君 じゃ、私から特にこれこそお願いをしますが、現地を一度見てやってほしい、こういうことです。手握らぬでいいですよ。行ってみて見たらわかるです、専門家だから、本当は。どんなものか立たしてみたらわかるし、物言わしたらわかるし、こう前あけさせたらわかるんですから。それでも身体障害者でないんだから、あんたの方はね。えらいりっぱなところですわ、日本の国というのは。まあしゃあない。それはもう言うても。自分らがならないんだったら痛くないです。ライシャワーという人が何か暴漢に襲われて血液が要るようになるとか何かすると、途端にいままでの売血やめて献血運動が閣議で決まるような日本の国ね、偉い人が何か起これば、だれそれさんの偉い人が来たら道路がついてみたり公園ができてみたり、涙ぐましい日本でございますな。庶民が幾ら嘆き叫んでもこたえてくれない、こういうことでありますが、こんなことじゃやっぱり働く者は生きがいを感じません。演説をしてもしょうがありませんから。 そこで、そのときにあなたの方は昭和五十二年の十一月二十九日に、ほか二名についても遺族補償をする、給付について検討をすると言っとったのはもう終わったか。それから、いま言った前の方の人工膀胱のところですが、これのやつは現物給与をしてくれるようになりましたか。二つ。
○説明員(原敏治君) 遺族補償の件につきましては、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、現地に照会をいたしまして、その結果を御報告申し上げたいと思います。 それから、尿路障害等、ベンジジンの関係で障害がございました人々に対する補償の問題特に障害補償の問題についての御指摘だろうと思いますが、この点につきましては、ベンジジンの関係は尿路関係がすべて業務との因果関係があるということで、以前から労災補償の対象にしておるところでございます。この尿路系の腫瘍につきましても良性のものと悪性のものがございまして、良性のものにつきましては若干の部分摘除または焼灼というようなことで、後遺症を残さずに治癒をするというのが相当あると聞いております。それから、悪性のものにつきましては膀胱全体を摘除いたしまして、人工膀胱等によって身体障害を残す形で治癒をするという事態があるように聞いております。このような形で人工膀胱になったような形の身体障害がございました場合は、治癒後にその障害補償という問題は出てまいりますので、請求があれば補償の対象になると私どもは考えております。
○片山甚市君 人工膀胱を使うことになっておる人には、それは補償されておるかと聞いておるんです。簡単に答えてください。
○説明員(原敏治君) 補償はすべて実施されていると存じております。
○片山甚市君 いや、されておったらいいんです。二名の方々に実は通告してありませんから、あなたの方が私の方へそのときに報告した文書に、他の二名については調査中と言うてきてから、一つも言うてこないですよ。あなたたち労働省の人たちと私会わぬからね、労働委員会でも。私、そのときにいただいておるんですよ、労働省の紙でね、その係で。これ、本当は。調査してもここで言わなんだら言わぬで、いや、私はいいです。答弁は必要でありません。 最後に、有料職業紹介事業について、昭和五十二年三月十日、当委員会において私が聞いたんですが、有料職業紹介事業についてはILOの精神に基づいてこれは第三部から第二部、第一部に移るべき問題であって、廃止をされるべきだということを言ったとき、いま直ちに廃止できないが、今後増加せないように努力すると言っておりましたが、もう減りましたか。
○政府委員(細野正君) 御指摘のILOの九十六号条約でございますが、これが批准されましたのは昭和三十一年でございまして、その当時に比較しまして労働市場の規模も構造も大きく変わってきておるわけであります。一方、労働慣行なり労働者の意識等も大幅に変化をしておるわけでございまして、そういう状況の中で有料職業紹介事業が労働市場の中での安定所の職業紹介を補完をいたしまして、特定の職種につきまして労働力の需要供給の結合に一定の役割りを果たしているという、こういう側面を否定できないところまで来ているんじゃないかというふうに考えているわけであります。ただ、有料職業紹介事業の許可に当たりましては、先生の御懸念のようないろんな問題を生じないよう、労働者に弊害が及ばないように安定審議会の御意見も十分聞きながら、厳重に審査をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○片山甚市君 後の人に迷惑かけますから、ILOの批准のときからそういう有料職業紹介事業というのについては好ましくないということになっておって、私が質問したときにも、いま直ちに廃止できないが、今後増加させないようにするとおっしゃっておって、現状どうなっておるかと言うたら、事業がふえたんだからあたりまえじゃないかと。私はそのときにも申し上げておるんですが、興業関係のプロダクションの形を見ても大変なことだと思っておるんです。たとえば、ピンクレディーの場合、年間四十億円興業収入を上げておるけれども、本人たちは月収三十万円と言われておる。プロダクションの契約関係ということと、雇用閣係がない。職業紹介ですからちゃんと雇用関係を結びつけなければいかぬ。物じゃの、何じゃのという名前で言っています。きょう演説できませんから、教えてあげますから一遍来てください。おかしいですよ。失礼な言い方をするのは、やっぱりそのようなものに弱くなっておる。私はそんなものは必要だというあなたの方の説についてけしからぬと言っておるんじゃないんです。有料職業紹介事業というのはこれとこれとはどうしても残したいが、これはそれじゃ縮小しようかという話ができないんです。私たちとしてはやはり興業界における問題などというのは好ましい方向でない。いわゆる普通の芸能人が人間として扱われておるのか、物として扱われておるのかと考えたら、悲しゅうございます。それはその人たちが言うておるんじゃないんですよ、私が見ておるんで。そういうことを幾つかのあの事件を見ておると。どの事件と言いませんよ。ですから、有料職業紹介事業というものについて、社会の要請だと言うんだから、次のときに社会的に要請されるという有料職業紹介事業の一覧表を次に出してもらいますわ、あなたが必要だというやつね。どのくらい有料か、あなた認めておるんだからね。きょうはこれで終わりますから、後でひとつ聞いて、別のまたひまができる委員会にこれだけでもとにかくやらしてもらいますから。 以上で終わります。
○小笠原貞子君 まず最初に、労災病院における院内保育所を確立するという問題についてお伺いしたいと思います。 労災病院、全国で三十四あるかと思います。その中で、院内保育所が設置されているという病院は関東、大阪、関西、東北、福島、筑豊、熊本というふうに五十三年五月なっております。そのうち関東、大阪、関西は開設主体が労働福祉事業団になって、これもテスト設置という形になっております。あとの四カ所につきましては、労働組合が開設者となっているわけです。 きょう具体的にお伺いしたいのは、福島労災病院の問題についてお伺いしたいのでございますけれども、福島労災病院の組合の方でいろいろ御調査をなすっております。本年の三月二十日に調査されておりますのを見ました。現在妊娠中の人に関する調査、妊娠中の方十五名が対象でございます。子供を預けるところは決まっていますか。決まっているという方十三名、決まっていないという方が二名でございまして、決まっている方の十三名の内訳を申しますと、両親が見てくれるというのが六名、近所の人に預けるというのが一人。それから、あゆみ保育園、これは組合が開設者になっております病院の保育所でございます。あゆみ保育園に六名という数で、あゆみ保育園以外の保育園には入る方が全然ございません。 また、次の調査を見せていただきますと、現在目標としているのは何か。安心して子供を預けて働けるように、また自己負担を少なくし一日も早く病院運営となるようにしてもらいたい、これが現在の目標でございます。これらについての問題点は何か。第一は、施設からの援助金が全くないため保育料で保母の賃金を払っている、一時金はバザーや下着販売等で補っている。二番目の問題として、保母の代休を父母が当番で出ていたが、現在は特別のことがないかぎり当番制はなしと。それから、三番目の問題として、今後園児がふえるにつれて場所が狭くなるという問題。それから四番目、弁当持参のため、夜勤や当直のときに困る。五番目、混合保育であるため、保育の内容が充実していない。 いろいろ調査の表がございますけれども、いま申し上げましたような調査の希望とか目標、問題点というのは、私はこれは労災病院で働く看護婦さんとしては当然の要求であるし、非常にいま切実な問題になっているのだということが感じられたわけでございます。 そこで、大臣にもお伺いしたいんですけれども、労働福祉事業団の監督者である労働省として、このように強い院内保育制度の確立をしてほしいという要望について、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。まずそこからお伺いしたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) 労災病院に保育所をつくってほしいという要望はかねてからございまして、福祉事業団の組合と当局側と長い間話し合いを進めてきておりまして、その中で、いまお話のようなテスト的に幾つかの病院でやっているということでございます。 それで、結局こういう問題は、当該事業所においてどの程度保育所が必要だというような議論から始めなければいけないんではないかと私ども思っております。そういうことで、私ども、労使の自主的なそういう話し合い、交渉の中からいい結論が出るようにということで、私どもはそれを見守っているというのが労働省の考え方でございます。
○小笠原貞子君 大臣にもお伺いしたいんですけれども、いま組合との話し合いということで見守っていきたいというふうなお話でございましたけれども、ただ見守っていただくだけでは困るんで、後から申し上げたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、労災病院の中で働く看護婦さん、しかも子供を抱えて保育所もないというような中で、先ほど申し上げましたようないろいろなアンケート、要望が出ております。こういう要求について、こういう院内保育所をつくってほしいという要望について、大臣としてはそれは当然だというふうにお考えいただけると思いますけれども、一言で結構でございます、御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま局長からお答えをいたしましたが、働く婦人の職業生活と家庭生活との調和という問題の一つの解決策として、保育所の設置ということが基本的には私は大切な問題だというふうに心得ております。ただ、労災病院における保育所設置の問題は、労使の話し合いということの中には労災病院の経営問題という、こういうことも含まれておりますから、したがって現地の事情を見守るというのはそういう意味でありまして、決して私は手をこまねいて傍観すると、こういう意味ではないと、このように考えておりまして、これから先保育所の使命というのは婦人が職場に大いに働いてもらうための問題解決の大切な足がかりであると、このように思います。
○小笠原貞子君 私が特に申し上げたいことは、これは必要だということはお認めになるわけでございます、原則的には。ただしと、こういう後が気に入らないわけなんですね。まあ、いろいろと予算もあるし、それから財政的な問題もあるし見守りたいと、こうおっしゃったわけですけれども、やっぱり労働福祉事業団に対して労働省としては監督の立場におありになっていらっしゃると。そして、そこで働く看護婦さんたちの問題についても、働く婦人を守るという立場である労働省といたしましては、やっぱりただ単に見守るという立場ではなくて、積極的にこれが必要だということをお認めになるならば、これが確立されるように見守るという見守り方をもっと積極的に推進するという立場に立っていただきたいと、こういうふうにまた重ねてお願いをしたいと思いますが、御所見いかがですか。
○国務大臣(藤井勝志君) 具体的なケースによって私はやはり検討すべきであると、検討する仕方というのはやはり十分保育所の使命を認識をして対応すべきだと、このように思います。
○小笠原貞子君 じゃ、ぜひその立場で御指導いただきたいと思うわけです。私、一方申しますと、同じ病院で働く看護婦さんに対して、厚生省の方は御存じだと思いますが、四十九年度から看護婦を確保する対策の一環として、院内保育所制度というのがもう制度化されておりますね。厚生省は国立病院を持っているわけですけれども、事業主責任という立場で国立病院などの院内保育所を制度的に認められたと。その制度的に認められた結果、予算も出していただいているわけでございます。五十三年度で見ますと一カ所約百九十五万円というお金がついております。国立病院だけではなくて、五十三年度から一般企業、事業所内保育所も補助をするというふうに一歩前進しているわけでございますね。そうしますと、同じ病院であって、そして働く看護婦さん、子供を育てる、働く婦人の立場から、また子供を健やかに育てるという立場からも、私は厚生省にできることができないはずはない、やっぱりやる気があればできるものだと、こういうふうに考えるわけなんですけれども、労働省側からごらんになって労働福祉事業団がおくれております。先ほど申し上げましたように、事業団開設というようなところも三カ所で、しかもテスト設置というような形をとっておりますけれども、これはなぜこういうふうにおくれたというように出てくるんでしょうか。
○説明員(増田雅一君) 労働福祉事業団におきましては、この保育所の設置問題につきまして職員の団体でございます全労災の本部と四十八年以来交渉を続けております。四十八年の十一月には、この保育所問題につきまして基本的な方針を確認いたしまして、労使による委員会を設置したわけでございます。したがいまして、両当事者ともその設置の必要性というか、あるいは将来どういう方向に持っていくかということについての認識はあるものというふうに考えておるわけでございまして、以来、先生お話しのような三病院における保育所の設置と、さらにはその運営を試験的にやってみまして、その状況によりまして本年八月までに将来の方向を両当事者でもって出すということになっておるわけでございます。
○小笠原貞子君 いろいろ委員会をおつくりになって御努力いただいているということはわかるわけですけれども、余りにも対処の仕方が非常におくれていると、先ほども挙げましたように厚生省の国立病院その他の病院に対する看護婦さんの対策に比べましてね。そういうことで、労働組合と十分協議して合意されるということについて、私も賛成でございます。期待するわけでございますけれども、そのところではっきりここできよう私が一言申し上げたいことは、やっぱり事業主責任ということの考え方でございますね。そういう事業主責任の考え方から事業団は制度化すべきだというのが私の主張なんでございます。これがはっきりしなければ、いろいろと実情を考えてみたときに、財政的な問題だとか、テスト中にいろいろああだこうだというようなことが出てくるというような不安があるわけなんですね。だから、協議なさるということ結構ですけれども、やはり事業主責任というものについての考え方、これをはっきりさせていただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。
○説明員(増田雅一君) 保育所の性格が何であるかという基本的な問題があるかと思いますが、私どもといたしましては、一応福利厚生施設というふうに考えておるわけでございます。その福利厚生施設の設置につきまして、事業主責任という問題がここにまたあるかどうかという点についても、なおかつ問題があるんではないかと思います。現実に、労働福祉事業団の労災病院において保育所設置が問題になりましたのは、当然女性の就労の場所の確保ということもあるかと思いますが、労働福祉事業団の使用者の立場といたしましては、やはり看護婦さんの不足問題ということが経営上の念頭にまず第一義に浮かんでいるということのようでございまして、この看護婦さんの不足問題ということが漸次解消に向かっております現在において、労働福祉事業団としましては、やや必要性という点について若干問題視しておるというような状況がありまして、労使のお話し合いということで保育所の設置の方向を見出したいというふうに考えているわけでございます。
○小笠原貞子君 ちょっとひっかかるんですけれどもね。そうしますと、看護婦さんの確保の必要がなくなったと、そういうようなときには、こういう保育所なんというものは要らないというふうにストレートに考えられるんですか。
○説明員(増田雅一君) ストレートにそういうふうに結びつきませんで、ちょっと言葉が足りませんで恐縮でございましたが、やはり使用者の立場といたしましては、当然労働者の福祉ということも考えなければならないというふうには思うわけでございます。ただ一方、経営上の立場からいたしますと、多少福利厚生施設というものを設けるについて、やはり基本的に経営の問題も考え合わせていかなければならないという一つの考え方を申し上げたわけでございます。
○小笠原貞子君 そういう立場が、やっぱりいままでおくれてきた大きな私は原因になると思うわけなんですよね。財政上の関係もあるから、だからということであれば、本当に看護婦さんたちが安心していい看護するということができないわけですね。だから、私といたしましては、やっぱり看護婦さんの立場に立って、そして本当に安心して看護できるような、そういう立場に立って保育所というものを位置づけていただいて、そして制度化を目指す、いろいろ一遍にはむずかしいことがあろうかと思いますけれども、やはりそういう立場に立って、院内保育所の制度化というものを常に念頭に置いて検討していただかなければならないというふうに私は主張したいんですけれども、大臣いかがでございますか。
○政府委員(桑原敬一君) 私、先ほどお答えいたしましたように、基本的な考え方は大臣お話しのような線で、労使で話し合っているわけでございます。事業団も大きな組織で、独立採算でやっている厳しい環境にある病院でございますので、やっぱり事業主は事業主なりのメリットというのをそこに見出さざるを得ないと思うわけなんです。したがって、その辺の非常に時間がかかっておりますのは、労使で非常に苦悩しながら解決策を探そうとしているわけでございますので、しばらく時間をいただきたいと、こういうふうに思います。
○小笠原貞子君 時間もありませんので、その辺にとめておきますけれども、先ほどから大臣申し上げておりますように、どうか看護婦さんがいい看護をするために子供も健やかに育つためにという立場に立って、厚生省はすでに取り組んでいるという問題でございますので、労働福祉事業団としてのいろいろな事業団としての考え方もそれはあろうかと思いますけれども、労働省として看護婦さんの、働く婦人の立場に立っての御指導を重ねてお願いしていい協議ができるようにしたいと思います。その御努力は重ねてお願いできますね。
○国務大臣(藤井勝志君) 御趣旨の点はよく私も理解できますし、御趣旨の線を体して努力をいたします。
○小笠原貞子君 それじゃ次の問題に移らせていただきたいと思います。 けさほど労働基準法の一部を改正する法律案の趣旨説明をさせていただいたわけでございますけれども、やはりいま労働時間の短縮ということは非常に大きな、そしていますぐにでも早急に取り組まなければならない問題だと思います。もう御承知のように、わが国の国民総生産、労働生産性では世界のトップクラスになっております。労働時間は長い、週休二日制の普及は非常におくれている。長時間労働、労働強化ということがいまの高度成長を遂げてきたという中で、円高の問題にもつながって国際的にも私はいまここ考えなければならない問題だと思います。低成長下での労働者の福祉、また雇用対策という面から考えても、労働時間の短縮というのは非常にせかれている問題なんです。先ほど同僚議員からも質問がございましたけれども、週休二日制の完全な実施ということは、大臣も非常にこれは積極的に取り組むというようなお答えでございました。社会党さんも労働基準の労働時間短縮の法案改正をお出しになっていらっしゃいますけれども、政府としても基準法を改正して労働時間の短縮を図るというような積極的なお考えはおありじゃないんでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 労働基準法を改正をして法律として一律に時間短縮、週休二日制を確立するということにつきましては、この問題について、すでに去年の暮れ公労使一致した建議が、行政指導によってとりあえずやるようにという提言でございまして、それと申しますのは、やはり現時点、産業、企業の実情がいろいろ違っておるわけでございまして、なかなか一律にこれがやりにくいという現状をわれわれは考えなければならぬ点でございますし、それからこれまたやはりコストアップという問題、これは決してこれを後ろ向きでまともに取り組まない、言い逃れの意味ではございません。現実に、やはりコストアップという問題もございますし、特に不況にあえいでいる現在の零細、中小企業という場合は雇用の問題にやはり響いてくる。そしてこの問題は、やはり労使の話し合いということが前提にならなきゃなりませんから、われわれとしては目標はできるだけ早く週休二日制の完全実施なり、あるいは時間短縮、こういった方向に向かって進まなきゃならぬけれども、これはあくまで産業別、地域別に会議を開いてもらって労使のコンセンサスを得て、そして前進をさしていきたいと、このように考えるわけでございまして、ちょうど私は、例が適当であるかどうか、最低賃金制度というものをわれわれが導入した、あの足跡をひとつ考えながら、できるだけ早く時間対策を世間並みにひとつやっていきたいと、このように考えているわけでございます。
○小笠原貞子君 いろいろ困難な事情があって御努力なすっているということも、私は理解できるわけでございますし、また行政指導でということも私はあながち否定するものではございません。目的は一日も早く労働時間が短縮されて、労働者の健康が守られ、人間らしい生活ができるようにと、そしてまた、現在の不況対策の面から考えてもやっていただきたいというのが主眼でございますから、あながち否定するわけではございません。ただ、問題は、行政指導をするとおっしゃるけれども、いままででも行政指導はなすっていらっしゃったと思うわけですね。しかし、これから行政指導をすると言われても、一体いつまでにどの程度それの効果が上がるかということについて、大臣自身もいろいろとお悩みもあろうかと推察申し上げるわけでございます。そういう立場から、ちょっと私、考えてみたいと思います。 たとえば、ILO条約というのがございまして、もうそちら専門でいらっしゃると思いますけれども、ILO条約の一号というのができましたのは一体いつのことでございますか。御記憶でいらっしゃると思います。
○政府委員(桑原敬一君) 一九一九年だと記憶いたしております。
○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたように、一九一九年でございますね。そうすると、いまから考えますと五十九年前、十年一昔と言いますけれども、六昔くらい前につくられているわけでございます。残念なことに、わが国は、これ、批准できておりません。年次有給休暇も非常におくれた状態でございます。年次有給休暇で見ますと、ILOの百三十二号条約では三労働週、わが国は六日から始まるというような、制度的な非常におくれがございます。五十九年前にILO条約の第一号が出されております。それから一九三五年には四十七号条約というのが出ております。これは週四十時間労働制の宣言になっているわけです。これも御承知だと思います。週四十時間労働制の宣言も、これもいまから考えますと四十三年前のことになるわけでございます。こういうふうに考えてみますと、もうちょっとこの時代にびっくりいたしますように、何十年も前に決められたことがいまだに遅々として進まないというところに、私はこれからの行政指導ということで御努力いただくとしても、非常に不安が残っているわけでございます。この第一号の批准できないという問題も、残業規制の立場がないというところから批准ができていないというふうに考えてもいいかと思いますが、果てしない残業、これを許さない考え方をしなければ、雇用拡大にもつながらない。残業の上限を法律で定めることは検討していかなければならない、こういうふうに考えるわけですね。そういたしますと、行政指導でなすって結構でございますけれども、行政指導もやみくもにはできないわけでございます。目標を持たなければならない。そうしますと、労働時間の短縮に関して、その目標はどういうふうにお持ちになっていらっしゃるんでしょうか。努力をいたしますというお気持ち、わかるんですけれども、もうちょっと具体的に、行政指導でどれくらいをめどにしてどういうふうに進むという、もうちょっと具体的なプログラムをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) お答えを申し上げる前に、先ほどいろいろ御意見がございましたが、いままでが相当時間がかかったから、やはりきちんとしなきゃ、なかなか行政指導ではやれぬではないかという、こういう御心配でございますけれども、私は、第一は労働時間対策について公労使が建議をされたというのは去年の暮れでございます。労働時間対策につきまして。したがいまして、本格的にこの問題に取り組まなきゃならないということの問題提起は、そこら辺から始まったというふうに私は理解するわけでございまして、それともう一つは、やはり高度成長から低成長へ入って、その中に、やはりワークシェアリングというような考え方であるとか、あるいは国際協調、日本人の働き過ぎという、こういう問題の導入という、考え方の導入というのは、ごく最近、私は労働省の方にも明確に認識をされたんではないか。私自身、いまそのように理解するわけでございますから、そういう点においては、従来がだらだらしたから、なかなかいかぬぜというこの御心配に対しては、何とかひとつ努力さしていただきたい、努力をしてみますと、こういうふうに答えさしていただきたい。 同時に、時間外の問題は、私は、これがなぜこれまで時間がかかったかということは、この時間外の問題というのは、やはりその企業のその時々の仕事の状況によって、私はケース・バイ・ケースで対応しなきゃならないような事情がいままであったんではないか。したがって、これは労使の話し合い、時間外労働協定の話し合いということをやはり前提に処理するのが現実に合う、こういうことで来たんではないかというふうに思うわけでございますから、しかし、さはさりながら、問題は、時間対策の進め方につきまして全部ひっくるめてひとつ行政指導をやる場合に目安を立てろという、こういうお話でございますが、とりあえず五月中に地方局に対して指示をいたしまして、労使の話し合いをしてもらう。そういう話し合いを通じて大体このくらいで目標が立っていけるであろうということは、私は、ことしその会合の結果を踏まえながら、やはりこの実現の目安を立てたい。いまの段階においては、私は、三年であるとかあるいは五年以内であるとか、そういったことがちょっと見当がなかなかむずかしい。特に、現在不況のさなかでございますから、なかなか問題を把握するのに骨が折れる、このように思うわけでございまして、決してこれは言いわけではございません。まともに取っ組みたいという気持ちは何ら変わっておりません。
○小笠原貞子君 五月中に通達をお出しになって、労使で話し合いをしろというようにお出しになると伺いましたけれども、ただ話し合いをしろというだけじゃなくて、いろいろとその内容についての御指示もございますんですか、その中身、もしよければお知らせください。
○政府委員(桑原敬一君) いま起案中でございますので、詳細申し上げるような準備、まだございませんけれども、やはりテーマは、一つは、週休二日の推進でございます。第二番目は、非常に長い残業時間の規制の問題。第三番目は、有給休暇の消化促進の問題。この問題について、それぞれ行政手法を書き並べたいと思っております。たとえば、残業時間についてはモデル的な三六協定の進め方と申しますか、そういうようなものも出していきたいと思いますし、年金についても御本人がなかなか請求されないという一面がございます。これは請求しないと与えるということになりませんので、そういったところもやはり環境づくりというものが非常に重要でございます。結局、私ども、ヨーロッパ先進国の先例を見ますと、やはり労使が相当ねばり強く時間をかけて、労働協約の形の中でこの週休二日が着実に進んできておりますので、やはりこういった基本線はそこに置いて、五月に出します通達の中にはそういう考え方なり、行政の手法というものを書き込んで出したい。そうして、中央、地方、同じ考え方で進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○小笠原貞子君 その内容はもう固まっているんですか。いまいろいろおっしゃいましたけれども、まだそういう案だという段階ですね。
○政府委員(桑原敬一君) いま起案中でございますので、いずれ固まります。
○小笠原貞子君 そういたしますと、五月中とおっしゃったけれども、五月中大丈夫なんですか。いま固まりつつある、固まりぐあい。
○政府委員(桑原敬一君) 二段階に分かれて通達は出るかと思います。一つは、次官通達で基本的な考え方を出し、やや詳細なやつは局長通達というふうになるかと思いますが、いずれにしろ、第一弾は五月中に出したいと思っております。
○小笠原貞子君 それじゃ、五月中にお出しになって、そしてそれを各地から集約されてまとめるというのの、大体のめどはことしじゅうということなんでございますか。
○政府委員(桑原敬一君) 地方から集約するということでございませんで、私どもの通達の線に沿って具体的なアクションを直ちに起こしてもらう、そして各産地あるいは業種別、産業別にそういった労使会議を逐次開いていっていただいて、先ほど申し上げました議題の三つについて労使の積極的なお話し合いを進めていく、こういうことでございます。
○小笠原貞子君 その積極的な話し合いを進めるという、会議を開いてということの段取りが済むのはいつごろになるんですか。
○政府委員(桑原敬一君) これは地方に通達を出しまして、具体的に動き出すのにはやはり多少準備がございますし、それから労使のそれぞれの地域における、中央はいますでに始めておりますけれども、労使の御出席その他の御依頼もしなければなりませんから、やはり一、二カ月は当然かかるんではないかというふうに考えます。
○小笠原貞子君 時間が来ましたのでもうやめなければなりませんけれども、本当に積極的に早急に、そして労使の合意が出るようにという立場を考えますと、やっぱりそこに労働省としての役割りというのは非常に大きいというふうに考えますので、ぜひそういう認識で進めていただきたいと思うわけです。 もう御承知だと思いますけれども、ECの九カ国で政府、労働者、資本家が話し合いをいたしました。そして三月の二十一日、失業対策の一環として労働時間の短縮を実施していくことで基本的に合意したということも出ておりました。やっぱり、これはもう国際的にもいま非常に大きな課題になっておりますので、去年の暮れに建議していただいたから、それから考えたんだというふうにさっきちょっと受けとれたわけですけれども、大変その認識ではちょっと困るわけで、もっともっと取り組んでいただきたかったということでございますので、その取り戻しを今後の指導の中で大いに取り上げていただいて、早急に労働時間短縮、労働者を守り、雇用の創出をするという立場で御努力をいただきたいということを重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○柄谷道一君 雇用調整の手段について、欧米の場合は整理、解雇、レイオフなどが中心で、法律上の手段がきわめて数少ないのに比べまして、わが国の場合にはそれ以外にも、残業、休日出勤の規制、配転、出向などの企業内の労働移動、希望退職、さらに採用人員の規制、再雇用条件づき一時帰休など、多様な手段が今日まで用いられてまいりました。最近では、これに加えて企業派遣、すなわち企業間の労働移動という手段が用いられるようになっております。私は、繰り返すまでもなく、わが国の雇用情勢はきわめて深刻でありますけれども、その深刻さが失業率等の労働指標に直接あらわれてこないということは、統計のとり方にも相違はございますけれども、これら多様な雇用調整手段、特に最近では造船、鉄鋼、繊維等の不況業種から、自動車産業等に対する企業派遣などのいわゆる労働移動が行われているということが、一つの大きな要因であると思うのでありますが、大臣はどのように受けとめていられますか。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま御指摘がございました現状の認識、私もそのとおりと心得ております。
○柄谷道一君 そこで、企業派遣、いわば集団派遣制度でございますが、これについては送り出し側、受け入れ側それぞれにメリットがあって、でき上がったものでありますけれども、こうした日本的な雇用調整方法が今日まで大きなトラブルもなく運営されているということは、労働組合の積極的関与というものがあずかって力があると、こう思うわけでございます。大臣としてこの企業派遣問題についてどのように実態を把握し、今日までどのような指導をしてこられたのかお伺いをいたします。
○国務大臣(藤井勝志君) 労使が御指摘のごとく話し合いをし、労働組合が非常に積極的な役割りを演じられて、いわゆる企業派遣というのが行われておるということは、私は雇用が継続するという意味において、雇用安定に寄与する面が非常にある。したがって、このような緊急やむを得ない不況が続いておるという、こういう実態については、一つの生活の知恵と申しますか、配慮であると、このように受けとめておるわけでございます。
○柄谷道一君 企業派遣は受け入れ側は研修社員、また送り出し側は出向社員などと呼ばれておりますけれども、現在は有期限、しかも短期的なものでございます。かつ実態は、いま大臣も述べられましたように、プランニングの段階から送り出し側の労使、受け入れ側の労使、そして双方の会社間、さらには双方の組合間で十分協議が積み上げられてきました。いわば労使の共同行為とも言える状態であるがために、問題なく推移していると思うのでございますが、私は法律的に見ますと、今後解明を要する問題が幾つかあると、こう思うのであります。誤解ないようにお願いいたしたいのでございますが、私はこの制度が悪いという前提に立って質問しているわけではございません。しかし、労働省の任務というのは、やはり労働者を保護する、その立場を守っていくというところにその視点があるということで、私はきょうは実例ではなくて一般論として質問をいたしたいと思うんであります。 その第一は、賃金支払いの形態についてであります。現在のシステムでは給料の支払いは受け入れ側の使用者が支払うのではなくして、送り出し側の使用者が支払うことになっているという例が多うございます。その場合、受け入れ側の賃金が低いときは、いわゆる送り出し側、派遣元の方がいわゆる補給いたします。しかし、その逆の場合は、一体その差額はどこにおさまっていくのか。基準法や職安法のたてまえは、中間搾取と営利紹介事業を禁止いたしております。この点についてはよほどの指導が必要であろうと思いますが、この点についてどう理解していらっしゃいますか。
○説明員(小粥義朗君) 企業派遣という形で出向社員が送られるケースがあるわけでございます。その場合の賃金支払いの形態、いま先生御指摘のように派遣元で支給するという形もあるようには聞いておりますけれども、むしろたとえば雇用安定事業での考え方とかいう立場では、現実の労働が派遣先で行われるわけでございますので、できるだけ派遣先でその作業の指揮、監督をする派遣先の使用者の立場から賃金も支給をされるようにということを、むしろ通例の姿として考えていたわけでございます。ただ、現実には現給保証という観点から、派遣元の方で差額分を負担し支給するというケースもあるわけでございますが、いま先生御指摘のように、逆に派遣元の方で全部まとめて払うというケースは、それは私ども具体的には承知してなかったわけでございますけれども、その場合に、派遣先での労働に対して払われるべき賃金よりも、派遣元の賃金の方が低い場合に中間搾取になるかどうかという問題が一つ出てまいるわけでございますが、これは賃金の支払いについて、たとえば派遣される労働者と会社との間の労働協約あるいは就業規則で、いずれの側の賃金基準によるべきか、これらの決め方によるわけでございます。したがって、派遣元での賃金規則あるいは賃金基準によるということになっておりますと、これは派遣元での従来の賃金水準に見合ったものが支給される。それがたまたま派遣先での実際の労働に見合う賃金よりも低い場合もあるわけでございますが、そのときに派遣先の企業がその原資を派遣先での労働に見合う報酬としての賃金を派遣元の企業に渡して、それを派遣元企業が一部差し引いた上で派遣出向社員に払うということになりますと、それは一つの利得を派遣元企業がするという形になってまいりますから、そういう場合には中間搾取云々の問題が出る可能性があろうかと思います。ただ、賃金基準としては、月月の賃金に幾ら充てるということのほかに、あるいは賞与の問題であるとか退職金の原資に引き当てるといった分もございますので、それらを総合的に見ませんと果たして中間利得があったのかどうかという点、一概に言えない面がございますが、それらを合わせてもなおかつ中間利得を派遣元会社がしているとなれば、基準法六条の問題についてなお厳密に調べる必要が出てまいろうかと思います。
○柄谷道一君 第二の問題は、現実に働く職場の規律、就業規則の適用問題でございます。労働者は派遣されて、送り出し側の会社の身分在籍のまま他の会社で働く、こういう形式をこれはとるわけでございます。それではこの派遣期間中、一体使用者はだれなのか、労働者の身分はどうなっているのか、これはどう理解すべきでしょうか。また、受け入れ側においては臨時従業員規則を適用している例が多いわけでございますが、たとえば懲戒処分のいわゆる処分権が送り出し側の経営者にあるのか、また受け入れ側の経営者にあるのか、こういう就業規則適用の問題について定かでない面が見受けられるわけでございますが、いかがでしょうか。
○説明員(小粥義朗君) 出向の場合にも、同じ在籍出向とは言いながら、出向期間中休職扱いにして出向する場合と、いま先生お話しのように休職扱いにもしない派遣社員というケースとございますので、出向というものを一律には論じ得ない点があろうかと思いますけれども、一般論として申し上げますと、一人の労働者に対して同時に二重の雇用関係が存在する、その意味では二人の使用者が存在するということはこれはあり得るわけでございます。基準法の三十八条でもそういう前提で規定もあるわけでございます。したがって、これはやはり個別の事案に即して判断をせざるを得ないということになろうかと思いますが、その場合に使用者責任はいろいろ幅がございます。たとえば、その中で賃金支払いその他についての使用者責任はいずれの使用者が負う、ところが安全衛生あるいは災害補償といった面はこちらの方の使用者が負うという形で、使用者間の取り決めというものでその辺を明確に区分するという形もございます。ですから、どちらの就業規則が適用になるかという場合も、それぞれの使用者責任の範囲において適用される規則がやはり二つ出てまいるというケースはあり得るわけでございます。そういう意味では、個別の事案ごとに整理をしなければならないという意味で、なかなか複雑な面を生じますけれども、やはり使用者責任のそれぞれの度合いあるいは範囲に応じて適用されるべき就業規則を判断する、こういうことになろうかと思います。
○柄谷道一君 第三は、労働条件の問題でございます。いろいろの形態がございますけれども、仮に賃金が受け入れ先の企業から送り出しの企業に一応渡される。そこで、送り出し側の経営者が本人に賃金を支払うということになりますと、現実の労働は派遣先において行われているわけでございます。そういたしますと、労働基準法の賃金直接払いの原則から見てこのようなシステムをとることに問題はないのか。あわせて、時間外労働の手続でございますけれども、受け入れ側に三六協定があればそれでよいと理解すべきなのか、あるいは送り出し側との間にある三六協定が即有効だという解釈がとられるべきか。また年次有給休暇につきまして、基準法上の適用というものが一体どうなるのか、こういった問題が出てくるわけでございます。簡潔にお答えを願いたい。
○説明員(小粥義朗君) 最初に、三六協定の問題あるいは年休の問題、それから賃金直接払い等の問題との関係でございますが、まず作業の指揮監督をいずれの使用者の責任においてやるのか、その作業の指揮監督に対応する労働に対して報酬をいずれの使用者が払うかという形でまず物を考えるわけでございまして、その意味では指揮監督に当たる使用者と賃金支払いの責任を負う使用者とは同じであるのが望ましいというふうに考えるわけでございます。その場合、先ほどお答えいたしましたように、事柄によっては使用者が分かれるということはあり得るわけでございますが、その場合も作業の指揮監督と賃金の支払いは同じ使用者であることが望ましいという考え方を持っております。しかしながら、たとえば作業をする場合の時間管理はどちらがやるというような形で、それぞれ細かく取り決めをされる場合もこれは率直に言ってございます。そういう場合に、たとえば作業の指揮監督を出向元が持ち、同時に賃金支払いも出向元が負うという形は、これはそれとしてあり得るわけですが、となると、行った先での出向社員の労働は、出向先企業としては何も言えないのか、このような事態も出てまいりますので、その場合には、出向元からたとえば管理監督者に当たる職員が行って、それがいわば請負みたいな形で出向先からの指示を受けて出向社員の作業の指揮監督に当たる、こういうケースもございますので、そういう形であれば、出向元が作業の指揮監督をし、同時に賃金支払いをするということもあり得るわけでございます。それを指揮監督権と賃金支払いとを分けますと、これはいろいろと問題が出てまいろうかと思います。
○柄谷道一君 第四は、苦情処理と労働者福祉の問題でございます。この問題についても、現実には双方の協定ができておりまして、現実的には送り出し側の労働組合による定期訪問等も行われているわけでございますけれども、派遣先で出た苦情——それは組合員資格を持ったまま派遣されているわけですね、そういうことになりますと、これはどういう形で苦情処理が行われるのか。たとえば、具体的には送り出し側の労働組合が派遣先の、いわゆる受け入れ先の企業と協議もしくは団体交渉を行う、そして苦情を処理していく、そういうシステムというものが一体できるのか。さらに、労災保険について、労働者の不利にならないためにどちらの賃金を基礎として保険料の納入が行われ、いずれの側の被保険者となることが望ましいのか、この点についてお伺いいたします。
○説明員(小粥義朗君) まず、苦情処理についての労働組合の問題でございますが、直接の担当ではございませんけれども、私ども承知しております限りでは、出向社員が出向元の労働組合に籍を置いて出向先の会社に行って働いているという場合、その労働に対してのいろんな問題について出向先企業と出向元の組合とで話ができるかという問題でございますが、これは、その出向社員が所属する労働組合であれば、出向先との会社でその労働組合員である出向社員の労働の中身について話をすることは、これはできる問題であろうと考えます。
○説明員(小林直之君) 後の方のお尋ねの点、出向労働者について労災保険をどちらで適用するか、その場合の保険料を算定する場合の賃金をどういうふうに見るか、こういうお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、労災保険の適用の場合は、基本になりますのは、災害補償責任がどちらにあるかという補償責任を基盤とする制度でございますんで、出向の場合に、出向にかかわりますいろんな取り決め、あるいは実際の労働関係の実態、そういうものを総合判断しまして、個々のケースごとに決めることになると思います。先生御指摘の、最近の雇用情勢に係ります大型出向の場合、私どもがいろいろ聞いております事例では、出向先で賃金を払う、労災保険の適用も出向先の事業の一部として適用しておると、こういうケースが一般的のように承知しております。
○柄谷道一君 出向先の賃金が高ければいいんですけれども、逆に賃金がダウンをして、派遣元で賃金を補給している、そこで労災事故が起きたということになりますと、労災給付もそれに見合って、それが基礎になって給付されますから、いわゆる給付の面において不利益をこうむるおそれがあると、こういうことも言い得るわけですね。それからまた、全然別個の問題でございますが、妻帯者について帰省を認める事例が多うございます。じゃ、その帰省の往復途上に交通事故等で死傷した場合、果たしてこれは労災の適用になるのかどうか、まあこの問題も出てくるわけでございます。あわせて、これは石川県で、これだけは事例が出たんでございますが、帰省——これは妻帯者の生理休暇と申しますか、それを行うために交通実費及びその必要な手当額を支給する、その場合に、それがいわゆる付加給付として課税、もしくは社会保険を掛ける基礎額になる。実態は実費弁償の色彩が強いわけであって、若干そこらに問題があるのではないかということが指摘された事例もございます。これらについて、いかがでしょう。
○説明員(小林直之君) 三点の御質問があったかと思いますが、私どもの所管しております第一点の差額についての保険料の取り扱いと、最後に御指摘になりました交通実費の取り扱いをお答え申し上げたいと思います。 私ども承知しております一般の派遣の事例では、賃金に差がある場合に、その原資を出向元が出向先に送って、出向先であわせて賃金として支給しておると。これは当然保険料の基礎にもなりますし、同時に給付の場合の算定基礎額にも算入されるわけでございます。これが一般的であろうかと思います。 それから、派遣された出向職員について、いま御指摘のような帰郷の旅費を支給する、これもいろんな事例があろうかと思いますけれども、私どもが承知している範囲では、これは先生御指摘のように実費弁償的なものと見るか、あるいは福利厚生的なものと見るか、考え方はいろいろあろうかと思いますが、現実には賃金として扱わないで、したがって、保険料の基礎にも入れてない、これが多いようでございますけれども、賃金になるかどうか、これは労働基準法上の賃金の定義、保険料の徴収に関する法律における賃金の定義、労災保険法上の賃金の定義と、全部同じような定義規定がございます。したがって、賃金になるかならぬかというのは、ほかの法律の適用にも響く話でございまして、ケースごとに具体的な中身を調べた上で判断していくと、こういう取り扱いでおります。
○政府委員(桑原敬一君) 帰省をされる場合の事故の問題でございますが、一般的にはその事業主の管理下から外れておりますから、業務上になることはまずないだろうと思います。もう一つの概念としては、通勤途上災害という一つの概念ありますけれども、これもちょっと考えられません。まあ、よく出かせぎとかいまみたいなお話で、社会的な事象としてはそういった要望がだんだん出てきておりますけれども、現在の労災保険法の解釈としてはややむずかしいんではないかと、こういうふうに思います。
○柄谷道一君 私はまあ一般論として、企業派遣の実情とその法律問題について数点、ただいままでただしたわけでございます。 私は、何回も繰り返しますように、現在の企業派遣は短期の雇用対策上の応急措置として位置づけられております。そして、会社間または労使間協定で問題処理が行われております。しかし、現在の労働基準法等の法律をまあ厳格に考え出しますと、これらの現行立法がまあこのような集団的企業派遣というものを考慮してつくられたものではないというところに、これらの疑点が出てくる根源があると私は思うのでございます。大臣も、この制度について、雇用調整として一つの有効な手段であるということは評価するということを冒頭述べられました。とするならば、私はこの際、実態というものをやはり労働省として的確に把握をされまして、解釈の基準、また適切な行政指導というものによって、労働者の不利というものを現行法内において十分保護すると、そういう指導が行われてしかるべきだと思いますし、かつまた、その検討の結果、現行法の修正、補強というものが必要だとするならば、またその手を打つべきではないか。時代は刻々変わってるわけですね。立法というものが、高度成長時代につくられた立法、それとまたいま違った社会現象というものがあらわれてきておるという現実に立てば、法ないしは労働行政の指導そのものも時代に適したやっぱり変化といいますか、前向きの変化というものがなされてしかるべきだと、こう私は思うのであります。 労働大臣に、ただいま申しましたこの実態把握と、いま指摘した問題について積極的に取り組むという御答弁をこの際いただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(藤井勝志君) 企業派遣につきましては、その実態を正確に把握して、労働者の雇用条件が、また労働条件が悪化しないように、十分行政指導をするという面においては、私は御趣旨に全く賛成いたします。そのとおりだと心得て努力をしなければなりませんが、法律改正という点につきましては、私はこの企業出向という、企業派遣という形が、これが過渡的ないまの産業構造の質的な変化という、こういうことでございますから、これを法律改正によって対応するということとはなじみにくいんではないかと、まだその必要がないではないかというふうな疑問も持つわけでございますが、同時に、労働基準法そのほか、現在の法体系において行政指導によって十分対応できるというふうにも思いますが、せっかくの御提案でありますから十分検討をさしていただきたいと、このように思います。
○柄谷道一君 過渡的な方策としては、いま大臣の言われるような方針も出てこようと思うんですが、しかしこれは、この制度が一歩進んでまいりますと、今後企業間の集団移籍という方向につながっていく可能性も出てくるわけでございます。しかし、現在の職業安定法では、職業紹介は公共機関の一手引き受けというのがたてまえになっております。有料の職業紹介については原則として禁止、無料の職業紹介ができるのは学校と労働大臣の許可を得た場合の労働組合及びその他労働大臣の許可を得たものにこれは限られております。私は現在の職業紹介に関する法律規制がつくられているのは、戦前及び戦後の強制労働あるいは中間搾取、労働者の人権無視を防止することにあったと思います。私はその原則はあくまでも守られるべきだと思いますし、民間機関の行う職業紹介というものは放任いたしますと弊害を伴うものでありますから、一定の厳格な規制を行うこともこれは当然であろうと思うのであります。しかし、最近これらの企業派遣というものに関連をして、現行法では企業をもっぱら求人者としての立場でとらえているが、現在の情勢を考えると企業の従業員、労働組合を含めた一つの人間集団としての企業として位置づけ、単なる求人者としての立場だけでなく、企業に職業紹介の機能を認め、そのメリットを生かすべきではないかとか、企業ベースでの労働移動を容易にするために職安法の改正が必要ではないか、こういう問題提起が各方面で行われているわけでございます。これに対する大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(細野正君) 先生のただいまの御質問、かなり広い角度からの御質問だったわけでございますが、とりあえずの問題として申し上げますと、現在行われております出向という形で行われる企業派遣というものが安定法上問題になるのは、在籍出向の場合ということになるわけでございますが、これにつきましては、現在安定法が禁止しておりますのは業として反復継続して行われれるものということになりますので、したがってその雇用調整の手段として緊急やむを得ない措置で行われるこの在籍出向の場合については、たとえば労働者供給事業に該当はしないということで、現在行われているものについては法違反という問題はないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。 なお、先生がいま御指摘になりましたのは、単にそういう場合だけじゃなくて、今後頻繁に日常的に企業間においてそういうことが行われてくるんじゃなかろうか、その場合にむしろそれがスムーズにいくような法体系というものを考えるべきじゃないかと、こういう御質問の点もあったわけでございますが、そういう点について今後そういう問題が本当に日常的に一般化するのかどうかという今後の動向の問題もございますし、それからもう一つには、現在の労働市場の中で安定所が占めている役割りというものと、先生御指摘のような有料職業紹介事業なり無料職業紹介事業なり、その他の第三者による紹介機能というようなものとの全体的な需給調整の中の役割りの分担、これについての今後の見きわめの問題とも絡むわけでありまして、そういう点について今後私どもも広く少し研究をしてみたいというふうに考えているわけでございまして、その中で検討さしていただきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○柄谷道一君 私も、職安法の手直しということになりますと、メリットもあればデメリットもあるわけですね、これは慎重な検討を要すると思うのでございますが、私は一度この職業安定審議会で新しい労働情勢に対応して、一体この問題に対していかなる結論、方向を出すことが適当かということについて、審議会においても十分に議を尽くしていただきたいということを要望いたしておきます。 時間が参りましたので、最後に一点御質問申し上げますが、労働省の行政機構改革に対する経過を見ますと、昭和五十年の四月二十八日に、労働省では雇用庁の新設を企図された、五十年の八月八日は現在の七審議会の統合を企画された、五十年十月二十日には職安をいわゆる雇用センターに衣がえをするという行政機構改革が議論された。そうして、五十一年の二月八日には雇用庁、労働経済局、産業安全局、このような機構を新設し、廃統合して、労働省をこれまでの労働組合に対する政府の窓口的な面が濃厚だったものを雇用政策、労働経済に重点を置いた経済官庁として脱皮していこう、こういう意欲も示されたと新聞に報道されているわけであります。これは、いずれも長谷川労働大臣時代の意欲なんですね。ところが、最近労働省のこれらの行政改革に対する意欲がないのか、冷え切ったのか、いま準備中なのか知りませんけれども、一向に話題に出てまいりません。しかし、労働情勢というものは労働省設置の時代と今日の時代とは大きな変化があるわけでございます。私は過去のことは問いません。今後、労働大臣として現下の労働情勢を踏まえて、この労働省行政機構に対してどのような前向きのお考えをお持ちなのか、このことをお伺いし、答弁だけで、時間がございませんので、答弁に対する引き続きの質問は追っての機会に譲り、私の質問を終わりたいと存じます。
○国務大臣(藤井勝志君) まさに、時代は不況克服と雇用安定という、これが最大課題である現状から考えますと、労働省の今後の行政のあり方、それをひっくるめた労働省そのものの機構の問題、御指摘のように大切な問題提起だとは思います。ただ、私はやはり現在、そのような機構の改革に手をつけるということよりも、それ以前に、当面する問題に対応していく工夫が必要である。特に現在、われわれは雇用対策本部を設けまして、職業安定あるいは職業訓練、労働基準、こういった三局が一体になって、この雇用対策に対応しておるわけでございまして、そういうふうな実際のこの行政運営の面において全力を尽くすということ、また他省との関係、各省との関係、こういったものを密にいたしまして、現在では労働省の枠組みだけでは問題は解決できない、こういう現状認識のもとに雇用問題閣僚懇談会、そういった場においても労働省の立場において提言すべきものは提言すると、こういうふうに現実に問題の処理に全力を尽くしていくと、このように考えておるわけでございまして、機構問題を表に出さないから、そういう認識においていささか十分ではないんではないかという御心配は、私はひとつその点はございませんと、このようにはっきりとお答えを申し上げておきます。
○柄谷道一君 時間が参りましたので終わります。
○委員長(和田静夫君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時十九分散会 —————・—————