社会労働委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 249 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1978/08/07
会議録
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る七月十七日、神谷信之助君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。 —————————————
○委員長(対馬孝且君) 次に、先般、当委員会が行いました社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査のための委員派遣について、派遣委員の報告を聴取をいたします。
○佐々木満君 去る七月十八日から二十日までの三日間、対馬委員長、片山理事、渡部委員、柄谷委員と私、佐々木は厚生・労働行政の実施状況の実情調査のため、青森県と北海道道南へ行ってまいりました。 調査は、青森、北海道における地域医療と、構造不況産業等における雇用、失業等の諸問題及び当面の労働行政の現況説明を聴取するとともに、地域医療に関連して青森県立中央病院、同つくしが丘病院、市立函館病院を、労働問題に関連して、青森缶詰株式会社、函館ドック株式会社、道立函館高等職業訓練校を視察したほか、渡島支庁において、函館、室蘭、伊達三市、及び函館製網船具、楢崎造船、志村化工の各株式会社並びに関係労働組合から意見、要望を聴取してまいりました。 まず、青森、北海道における地域医療について申し上げます。医療施設、医療従事者の現況を人口対比の全国平均に比較をいたしますと、青森県の病院、青森、北海道の診療所及び医師が全国を下回り、逆に北海道の病院、青森、北海道の病院、診療所の病床数は上回っております。また特徴といたしましては、青森の全病院の半数が国公立病院で占められていることが挙げられます。 医師の確保に対しまして、青森県においては、このところの医師年間増加数が十人以下と少なく、その結果、人口十万対比で四十九年から低下をしており、全国平均との差がますます開いてきておりまして、きわめて苦しい状況にあります。これに対し北海道では、道内三つの医科大学等から毎年三百二十名の医師が誕生し、道外流出は避けられないにしても、医師の確保について明るい見通しを持っているのが対照的でございました。しかし、青森、北海道ともに医師、病院が都市に偏在をいたし、市部と郡部との医療に格差を生じておるところであり、無医地区が青森で四十一地区、北海道は実に三百五十四地区となっております。 これら僻地医療対策の柱である僻地中核病院は青森三カ所、北海道八カ所が整備されておりますが、中核病院の計画的な整備と医師の定着を図るとともに、僻地診療所の整備、市町村保健活動の充実強化が行われる必要があると感じました。 また、救急医療体制につきましては、北海道では第三次の救命・救急センターが旭川に整備されるとともに、六カ所の救急医療センターが設置されておりますが、青森においては救急医療センター四カ所、休日・救急センター一カ所という状況でございます。青森市に本年秋、夜間急患センターの開設が予定されておりますが、救急医療体制の整備、特に夜間救急体制の整備が急務であると感じたところでございます。 地域医療において自治体病院は不可欠な役割りを果たしておりますが、多額の欠損金を抱えておることは全国的な傾向であります。青森県においては市町村立病院で十億四千万円、北海道では道立及び市町村立病院において合わせて約七十七億円のいずれも単年度赤字を出しております。 われわれが視察をいたしました、十七科、六百二十床を有し、救急医療センターである青森県立中央病院でも、単年度九億円、累積赤字は四十四億円に達しております。ここに見られる赤字の原因は、新病院を百五十億円かけて建設していることと、現在の施設が古く合理化が行えず、看護婦等の人員を多く必要としているにもかかわらず、診療報酬がそれに見合っていないためであります。同時に視察をいたしました本病院の精神科を受け持つつくしが丘病院におきましても、手厚い看護を行っていましたが、看護料がそれに見合っていないとのことでございました。一方、十七科、九百十三床を持つ南北海道のセンター病院であります市立の函館病院は、百十八年の歴史を持ち患者が多く、病床回転率もよく、また、四十九年に病院特例債の発行及び所有地の売却により不良債務を解消しておるため、五十二年度五億三千万円の黒字を計上しております。 これらに関しまして、青森県から、公的病院の財政措置及び僻地国保直営診療施設の整備、充実、北海道からは国と地方公共団体の役割りの分担、僻地中核病院の指定と運営の適正化等の要望を受けました。 次に労働問題に移りまして、まず、青森県北海道の雇用、失業の現況について申し上げます。 青森では、最近企業の整備倒産及び北洋漁業規制に関連した離職者が多数発生し、今年四月の有効求人倍率は〇・二〇倍となり、前年同月比を〇・〇二倍下回り、新規求人は前年比三〇・二%と大幅に減少し、雇用、失業情勢は全国でも最も厳しいものとなっております。 北海道におきましても、長期にわたる不況、急激かつ大幅な円高などにより雇用、失業情勢はなお厳しく、特に造船、鉄鋼など構造不況業種及び円高関連業種などの雇用、失業問題が深刻であります。このような動向を反映し、月間有効求人倍率は公共事業の早期発注により季節労働者への求人が四月に集中したため、五、六月は減少しているが、六月は〇・四九倍と前年同月比で〇・〇七倍下回っております。このため同月の月間雇用保険受給者は四万六千人で、前年同月比で二・七%上回り、常用の月間有効求職者は七万二千人になっております。 構造不況産業においては、造船業の造船部門の経営が落ち込み、昨年七月以降函館八百九十八人、室蘭三百二十九人、計千二百二十七人の造船関連離職者が出ており、鉄鋼業についても、新日鉄室蘭製鉄所の粗鋼生産量、日本製鋼所室蘭製作所の手持ち受注高がピーク時の六〇%あるいはそれ以下の状況にあり、両社とも一斉一時帰休を実施し、その下請企業にも影響が出ております。 次に、特定不況業種離職者及び漁業離職者臨時措置法の適用状況を見ますと、青森では特定不況業種離職者は縫製及びメリヤス製造業などから出ており、求職手帳受給者は百二十八人で、措置の対象者は百八人に上り再就職がきわめて厳しい状況にあります。 漁業離職者で求職申込者は千二百二十九人で、このうち再就職者は五百七十二人、未就職者は六百五十七人となっており、ほとんどの者が海への再就職を望んでおります。 北海道におきましては、特定不況業種で求職手帳受給者は千三百九十二人で有効求職者は千百五十九名を数え、青森と同様再就職の道の厳しいことをあらわしております。なお有効求職者の七二%は造船業からの離職者であります。 また、日ソ漁業交渉による第一次、第二次減船七百十三隻により、漁業離職者は四千三百五十七名に上り、このうち対策を要する者は五百七十二人であります。 今後の問題として、北洋サケ・マス漁獲量の削減などにより水産関係企業の雇用、失業への影響が懸念されておりました。このような状況のもと、青森では雇用安定事業の給付の活用、職業相談を行うほか、青森県海洋法関係離職者対策本部を設置し、緊急労働対策及び公共事業への失業者雇用確保対策実施要領と相まって解雇の防止、再就職の促進、離職者の生活安定策を進めており、また北海道では副知事を長とする雇用対策本部、公労使の代表からなる雇用問題協議会及び地方雇用問題協議会において諸対策が行われ、当面の対策として、求人開拓班による求人の確保、臨時職業相談が実施されておりました。 これらに関連して、青森県からは雇用安定確保のためのより強力な、より効果的な措置への特段の配慮について、北海道からは特定不況業種離職者対策について就職促進手当支給のための速やかな業種指定及び適用事業所の範囲を二次下請事業所までの拡大、また、特定地域に対する公共事業の重点的配分について要望がありました。 次に、私どもが視察をいたしました青森缶詰株式会社、函館ドック株式会社の経営及び雇用管理の実情について申し上げます。 缶詰業界では、大手を除いては上位の青森缶詰は、円高による輸出の不振、漁獲量の減少による原料の高騰、国民の魚離れなどによって、今年に入って経営が悪化し、現在十四億円の在庫を抱えております。例年は冬期に三十分の労働時間を短縮してきましたが、今年はリンゴジュースの需要が伸びているため、夏期に六日から十日の休暇を組合と交渉中でありました。使用者側から中小企業為替変動対策緊急融資制度の限度額二千万円の引き上げ、利率の引き下げ、償還期限の延長等の要望がありました。 一方、造船業界で準大手の函館ドックにおいては、オイルショックに端を発した世界的な造船不況、さらに昨年末以降の円高によって、五十二年度の売上高は前年の七一%に、受注高に至っては前年の五〇%に落ち込み、造船部門の手持ち工事量はあと数カ月でなくなり、来年は三千トンの商船一隻という状況にあります。このため、四十九年の従業員四千三百三十五人を現在までに千四百四十五人削減し、陸上工事部門に比重を移していましたが、昨年暮れの五百四名の合理化に続き、四月に第二次合理化五百名について組合と交渉中でありました。 労働組合から雇用創出事業の創設への配慮、特定不況地域振興臨時措置法(仮称)の次期国会成立と函館・室蘭両市をその指定地域にされたいこと及び職業転換促進のための訓練設備、科目の拡大等について、労使双方からは官庁関係船及び陸上工事の優先発注、政府系金融機関の借入金の経減措置、金融面の弾力的運用等についてそれぞれ要望がありました。 次に渡島支庁において函館、室蘭、伊達三市及び函館製網船具、楢崎造船、志村化工各株式会社並びに関係組合から説明、要望を聴取いたしましたが、その主なる要望を整理をいたしますと、函館市、室蘭市、楢崎造船関係労働組合から特定不況産業地域振興臨時措置法(仮称)の早期制定と地域指定、地元造船業への事業量の確保、公共事業の拡大と傾斜配分について、室蘭市からは雇用安定事業の再指定による指定期間の延長及び指定業種の二次以降下請への適用範囲の拡大について、また、楢崎造船労使双方からは海造審答申の実施に当たっては、造船労働者の雇用確保への配慮及び地域的特殊事情への考慮についてそれぞれ要望がありました。 函館製網船具労使の要望は、沿岸漁業振興策の推進と有効利用計画の早期確立、漁獲規制による各種補償及び漁業資材の輸出振興であります。 また、伊達市及び志村化工労働組合からは、ニッケルの国家買い上げ備蓄計画策、ニッケル産業に対する抜本策及び伊達新電解工場の建設促進について要望がありました。 次に職業訓練について申し上げます。 青森、北海道において、最近の雇用情勢に対処するため、職業訓練の機動的な実施が行われているとともに、雇用需要の変化に応じた訓練科目の見直しが検討されているところであります。しかし、高校進学率の上昇に伴い職業訓練校の入校率が低下をしており、全国的な傾向にこれはあります。私どもが、視察をしました道立函館高等職業訓練校におきましても、入校率は毎年低下をし、現在六三・五%と低くなっております。その原因の一つは、近くに雇用促進事業団立の総合高等訓練校があり、総訓は訓練期間が二年であることから進学を兼ねて総訓の方に入校してしまうためであります。 不況下において多くの離職者があり、再就職が困難な状況にあることにかんがみ、今後の能力再開発訓練の促進の必要性を痛感したところでありますが、これにつきましては、訓練校からさきの職業訓練法の改正の施行に期待している旨の意見が述べられました。 次に、季節労働、出かせぎ労働の現況についてであります。 青森県における季節労働者は、降雪寒冷のため季節需要の変動をする県内季節労働者と県外出かせぎ労働者とがあり、両者半数ずつの割合で合わせて約十三万七千人であります。県外出かせぎ労働者数は四十九年をピークに減少をし、働く時期によって夏型と冬型に分けられ、夏型が逐年減少をいたしております。 北海道の季節労働者、出かせぎ労働者は約三十三万五千人であり、北海道における季節労働者は、いわゆる専業季節労働者でありまして、青森や他県の農業等の兼業労働者と本質的に異なるところであります。したがって、季節労働者は約二十八万人おりますが、雇用保険受給者で見ると、冬季間循環的に離職をする者は実に全体の九四%で二十四万人を占めております。また出かせぎ労働者は、労働力過剰時代を迎え、毎年減少傾向にあり、五十二年度は五万三千人で、四十八年ピーク時、六万六千人の八〇%になっております。 これらの対策として、青森では県費により就労経路の正常化、出かせぎ労働者の建設機械運転技能講習などが実施されておりました。また、昨年制度化された積雪寒冷地冬期雇用促進給付金の支給状況を見ますと、北海道で冬期に約七万五千人に支給されました。なお、北海道よりこの積寒給付金の適用業種を七業種から北海道関連十五業種に拡大されたいこと、冬期施行公共事業の拡大及び通年雇用奨励金の増額について要望がありました。 終わりに、今回の厚生・労働行政の実情調査をいたし感じました点について申し上げます。 地域医療を推進するためには、医療従事者の養成確保、医療施設の体系的な整備、自治体病院の運営の健全化、及び僻地医療、救急医療対策の充実が重要な課題であります。したがって、これらに対する国の施策の整備、拡充が行われる必要があると感じました。 また、労働問題では、青森、北海道の雇用、失業情勢は厳しく、今後も円高の進行、北洋漁業のサケ・マス等の捕獲量の減量などにより、構造不況業種、水産関係企業等の雇用、失業情勢の悪化が予想されるところであります。このような状況から、失業の未然防止、離職者に対する再就職の促進等の措置が必要でありますが、何といいましても雇用の創出が重要な課題であります。青森におきましては前述の緊急労働対策要領を策定し検討されていますが、工業の進展がおくれ高度化が進んでいないため、雇用創出に決め手を欠いている状況にあります。北海道においては函館、室蘭に公共事業等の失業者吸収率制度が適用されていますが、これといった雇用創出事業がないという状況であります。したがって、国、地方公共団体の連携を密にし、自治体が主体となって雇用創出に当たる必要があると感じた次第であります。 以上で報告を終わりますが、青森県、北海道、市及び関係企業並びに関係労働組合から提出されました要望事項等の会議録の末尾掲載方を御了承いただきたいと存じます。 終わります。
○委員長(対馬孝且君) 以上をもちまして派遣委員からの報告は終了いたします。 なお、佐々木君の報告中に御要望のありました道当局等からの要望事項を、本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいをいたします。 —————————————
○委員長(対馬孝且君) 次に、労働問題に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田幸一君 いま、調査の結果の報告があったわけですけれども、聞いておりまして、非常に厳しい雇用の実態にあるわけですが、労働省として、この厳しい状況のもとで、全国の雇用、失業の状態がどうなっておるかという実態の御説明を願いたいと思います。 なお、通産省の方もおいでになっておるわけですが、企業の収益の動向はどうなっておるか、これも概要をまず御報告をいただきたいと思います。
○説明員(細野正君) お尋ねの雇用、失業情勢でございますが、お話ございましたように、現在なお非常に厳しい情勢が続いておるわけでございます。ことしの六月現在で就業者自体は五千五百五十万人ということで、前年同月に比べまして百十万人ほど増加をしておるわけでございますけれども、完全失業そのものは百二十六万人で、失業率、これは季節修正をいたしたもので二・三九%と、かなり高い水準にあるわけでございます。また、有効求人倍率でございますが、これも季節修正をいたしまして〇・五四倍というふうに、依然として大幅な求職超過が続いているという状況でございます。 こういうふうな情勢でございまして、加えまして、いわゆる構造不況業種からの離職者が引き続き発生する公算が非常に強いということと、それから、これも御指摘ございましたように、円高の影響という問題がさらに強く出てきておりますので、そういう影響を受けやすい業種からの雇用問題というようなものも、今後一層厳しくなることが懸念されるわけでございます。 全般的に、今後の経済情勢の先行きとも関連しまして、しばらく楽観を許さない状況が続くんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○説明員(杉山弘君) お尋ねのございました企業収益の状況につきましてお答え申し上げます。 日本銀行が毎四半期やっております短期経済観測によりますと、五十二年度の下期の企業の売上高経常利益率は、製造業では二・八二%、非製造業では一・五二%というふうになっております。これは五十二年度の上期に比べますと、製造業が上期三・〇一%でございましたので、若干の悪化でございます。非製造業につきましては、上期が一・四四%でございましたので、若干の改善ということでございますが、おしなべますと下期は上期のほぼ横ばいというふうに御理解いただいてよろしいのではないかと思います。 それで、この九月期でございますが、これにつきましても、同じ日銀の短期経済観測によりますと、製造業は二・九三%、非製造業は一・二九%でございます。製造業につきましては、五十三年度上期は五十二年度の下期に比べまして若干の改善、非製造業はむしろ上期は悪化する、こういうような結果が出ております。
○広田幸一君 五十三年度の予算の審議の段階から、政府は、公共事業に重点を置いた景気回復と雇用の安定ということを強調してきたわけですけれども、私どもは、公共事業一本では景気は回復をしないし雇用の創出もそれほど期待できない、こういうふうに言ってきたわけですけれども、労働省、通産省両省として、公共事業というものが実際中身のある景気回復と雇用の安定につながっておると、こういうふうに言えるかどうか、明確に簡単に御答弁を願いたいと思います。 それから、ちょっと通産省の方にお尋ねしますけれども、一般的に最近景気が回復したかのごとく言われておるわけです。いまの数字によっても、われわれが言うよりも若干数字の上では改善をされておるというふうに聞こえるわけですけれども、私は中身はかなり企業においては、人員を整理をするとか、あるいは企業努力、いろんな節約をするとか、非常に無理なやり方をしてそういうふうな決算状況になっておるのではないか、こういうふうに見ておりまして、付加価値が高くて経営がよくなったとかそういうことではなくて、非常に無理をした内容のそういう決算になっておるのではないか。だから、その数字だけの説明によって経済が安定をしたというふうには言えない、こういうふうに思うんですが、それらの点について御答弁を願いたい。
○説明員(細野正君) 公共事業の雇用効果についてのお尋ねでございますが、先生も御存じのように、公共事業関連の建設業等におきましては、就業者数にしても、雇用者数にしても、増加の状況にございます。求人も当然増加をいたしておるわけでございます。問題は、他の産業への波及の問題でございますが、求人関係等で見ますと、建設業はもちろんですが、その他の業種におきましても、製造業を除きますと、本年の初めから求人が対前年に比べて増加の傾向にございます。最近、ようやく製造業も一、二カ月、対前年に比べて求人が増の傾向がちょっと出てきております。そういうふうな状況でございまして、ある程度効果はそれなりに上がってきているというふうに考えている次第でございます。
○説明員(杉山弘君) 二点お尋ねがございましたのでお答え申し上げます。 第一点は、公共事業の景気に対する効果というお尋ねでございますが、ただいま雇用問題について労働省の方からお答えがございましたが、景気に対する公共事業の影響といたしまして、私どもの方も公共事業の拡大というのはそれなりの効果を上げているというふうに理解をいたしております。たとえば、セメント製造業で申しますと、公共事業拡大の効果によりまして、最近では前年同月に対して十数%、二〇%近い生産の増加を来しておりますし、それから建設機械製造業等におきましても、非常に好調でございます。従来までは残念ながらそういった直接の効果が中心でございまして、それが他の産業分野に波及効果を及ぼすというまでには至っておりませんでしたが、この原因は先生十分御存じのことと思いますが、むしろ従来、他の産業分野で過剰在庫を相当抱えておりまして、在庫調整の過程にあったためその効果が局限されていた。最近では、この在庫調整もおおむね一段落をしているように思いますので、これから公共事業の効果というものが従来にまして他の産業分野にも波及効果を及ぼすものというふうに理解をいたしております。 それから第二点、企業の経営内容につきましては、従来までの企業の減量努力といったものが相当これに効果を及ぼしているんではないかという御指摘でございますが、私どももそのように理解しております。ただ、減量経営以外に、たとえば数次にわたります公定歩合の引き下げに伴います金利負担の軽減、それから最近の円高が卸売物価の安定、前年同月比では大体最近では二%ぐらいのマイナスになっておりますが、そういった卸売物価の安定というものを通じた原料コストの低減、そういった面からの影響もあわせて出ておりまして、ただいまお答え申し上げましたような利益の状況になっている、こういうふうに理解をいたしております。
○広田幸一君 これはそれぞれの見解があるところでして、先ほど調査の報告にもありましたように、北海道等の一部の地域でありますけれども、決していい報告ではないわけでして、特に最近の円高によるところの関連企業、中小企業とかそういうところにはもうもっと急速に構造の転換を迫られておると、そういう感じがするわけでありまして、まあわれわれとしては若干いまの報告の分析には賛成しがたいわけですけれども、それはそれとして、このいまの失業の状態、雇用創出について労働省として積極的な取り組みがされなければならないと思うんですけれども、先般——先般といいましても、五月に労働省の次官通達、それから六月に基準局長の通知ですか、そういうものが各県の基準局長なり都道府の知事に向かって出されておるわけです。私もそれを地方の局に行ってこの間もらいましていろいろ見ました。確かに、内容的にはりっぱなことが書いてあるわけですけれども、果たしてこれを行政指導することによって、いま言われる雇用創出というものがどの程度期待できるのか。こういう点を非常に感ずるわけでございますけれども、これは昨年の十一月でございますか、基準審議会が出した建議に基づいてこういうものが出されたというふうな内容になっておるようでございますけれども、ひとつこういうもののねらいでございますね、そして期待、そこらのところちょっとわかるように御説明を願いたいと思います。大臣にひとつ答弁を願います。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用の安定のために新たな雇用機会を創出していくということは、現下の私は労働行政の大切な内容になってくると思うのでありまして、その面においてわれわれいろいろ現在関係省庁と連絡を密にいたしまして、先般通産大臣と、第一回目でありますけれども、定期的な会合をしようと。やはり、雇用の場は企業が提供してくるわけでありますから、その企業の行政指導なり、監督官庁である通産省と密接な連絡をとって、これからの経済政策の展開は雇用安定に最大の配慮をしてもらった経済政策の展開ということを特に私の方から強調いたしまして、基本的に了解をしてもらったと確信をいたしております。そういう線でやりながら、同時に時間対策の進め方につきましては、御指摘のごとく、去年の十一月の下旬に中央労働基準審議会からの建議を受けました。同時に五月の二十三、四日、衆参両院の本会議において決議をいただいたあの趣旨を踏まえて、長期的に私はやはり仕事を分け合うという、ワークシェアリングの考え方を踏まえて、推進するというのが第一であります。 それから、やはり労働者の生活のゆとり、心の潤いといいますか、そういった点を踏まえないと、中高年齢者の時代に入ったきょう今日、中高年齢者の活力のある労働力というものを求めなければならぬということになりますから、そういう点も一つ。 それからやはり、国際協調という面において、とかく日本人は働き過ぎだという、こういったことも耳にするわけでございまして、ここまで経済力が強くなった日本としては、世界の中の日本という立場において、国際的協調を踏まえてやっていかなければならぬ、これまた時間対策を進める場合に大切な背景であると、このように考えまして、今後努力をいたしたい。このように思います。
○広田幸一君 この二つの通達、通知は、ざっと見まして、現在あるところの基準法、そういうものが正しく守られておるかどうかと、そういう面のいわゆるこの法律内の行政指導というものの範囲を出てないと思うんですよ。そうですね。そういうふうに思うんですよ。新しくこれから基準法を改正をしていこうとか、そういうふうなものはない。いまの法律の範囲で、労使が正しい法律の施行をやっておるかどうかということを、これから細かく見て行政指導していく、その中に雇用創出を図っていくと、こういうことがうたわれておるわけですから、私はこのことはそれなりに意味がありますけれども、それほど大きな期待ができないんではないかということを心配をするわけです。 そこでもう一つは、この中に一番大切なことは、労使の合意といいますか、話し合い、理解というものが進まないと、この内容はなかなかうまくいかないと、そういう感じがするわけですね。そこで、そこらの労使の関係をどう理解し合っていくかということが、私はこれをずっと見まして、将来心配になるわけですが、そこらの関係はこれは審議会が公労使になっておりますから、労働者側の代表、それから使側の代表の方も出ておられるでしょう。ですから、その建議でございますから、そういう代表の権威ある人たちの合議になってこのようなものが出ておるとは思うんですけれども、そこなんかの分析というか、労働省としてはどういうふうに、いやうまくいきますと、そういう線に従って労使が話し合いをしていきますと、こういうふうに分析をしていらっしゃるかどうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のごとく、このたびの労働時間対策の進め方は、公労使三者構成の中央労働基準審議会の建議を受けまして、その建議の中に行政指導によってこれが推進方を図るようにという、こういう提言でございます。したがって、われわれはこれを行政指導でやるというのは、現実に考えましても現在非常に不況でありまして、構造不況業種あるいは円高不況の業種、そうでない企業もありますから、企業間、産業間の格差というのが相当大きいと、現実を踏まえながらこれが行政指導をやっていくのが適切であると、このように考えたわけでございます。同時に、考え方の私は背景には、これからも経済成長を遂げなければならず、生産性の向上を進めていかなきゃなりませんが、そういった生産性向上の成果を踏まえて、従来私は、労働条件の改善の中心がベースアップということのみを、と言うと言葉が過ぎますけれども、それを労働時間の短縮という、こういう問題と両方踏まえて、ベースアップと労働時間というものを両方踏まえて、いかにして生産性の成果をうまく分配するかと、こういうことになりますから、やはり労使のコンセンサスということを前提に進めなければならぬ。そのためには行政指導でやっていく、こういうふうに考えたわけでございます。
○広田幸一君 いま大臣は、労働時間の短縮という話をお話しになったわけですけれども、よくわかるわけです。ただ、現実問題は、ずっと最近を歴史的に見ますと、高度経済成長の時代は時間短縮というものがかなり伸びてきておるわけですね。伸びておるというのは言い方があれですけれども、そういう時間を短縮していこうという傾向はあったわけですけれども、最近の三年前ですか一九七五年、その辺以降はむしろ労働時間が延びておるわけですね。大臣が言われるような、逆な方向にいっておるというふうに数字としては出ておるわけです。それは恐らく不況ということが影響して、企業経営者としては時間を短縮すればコストが高くつきますから、これは企業経営者は好まない。また労働者の方は賃金が上がらないから、時間外によっていわゆる生活費を補っていこう、こういうような考え、いろいろな要素があっておるわけですね。ですから、私はねらいとしてはわかるわけですけれども、現実としては実態は逆な方向にいっておるということは、労働省の方もお認めになっておると思うんですね。ですから、私はそこらのところが結局は労使の話し合い、いま大臣がおっしゃったような意味における労使の十分な理解が必要である、こういうふうに思うわけです。 そこで、私は言葉をとるんじゃないんですけれども、先ほど申し上げました公労使の合意だということで思っておるわけですけれども、使側の代表とも言うべき日経連の櫻田会長ですか、権威ある櫻田会長が言っておられることで、実はこういうことを私も思いながらあの新聞記事を読んだんですけれども、週休二日制をやって雇用の増大にはならない、こういうことを櫻田会長はおっしゃっておるわけですね。それから、日本人は働き過ぎだと、こう言うけれども、これはいわゆる羨望だと、こういうふうなこともおっしゃっておるわけですね。ですから私はそこらのところがどうも理解できない。 ここに、総理府の統計局が出しました昭和五十二年の「就業構造基本調査」というのがございます。労働省の方もこれをお調べになっておるかどうか知りませんが、これをざっと見まして、非常にこういう企業の経営の苦しいときですからわかるんですよ。わかるんですけれども、非常に大企業の少し横暴が過ぎるんじゃないかと、こういうふうな感じがするわけです。たとえば、常用の増加率というものが低いのに対して、臨時、日雇い、こういった者の増加率が非常に高くなっていますね。これはやっぱりぐっと抑えてきておるわけですよね。それから、大企業は、大規模の企業は雇用を増加させないで、むしろ中小企業の方にそういう雇用率が増加になっておると思います。これはやっぱり下請企業に対するしわ寄せがきておると思うんですね。それから、大企業から小企業への転職が比較的多くなっておる、こういうことは雇用の不安定化の原因の一つが、全部とは言いませんよ。しかし、大企業の身勝手なやり方が私はあると思う。苦しいから、みんなが苦しいから何とかして生き延びようとしておることはわかるわけですね。しかし、力のあるものが、いわゆる弱肉強食といいますか、弱いところに弱いところにそのしわ寄せを持ってこようとする、そういうもののあらわれが、私はこの基本調査の中をざっと見まして言えると思うんですよ。ですから、中央労働基準審議会が出しました構想は、私も読んでみまして非常にいいことだと思いますし、大臣のおっしゃるようなことでいかなけりゃならぬと、現実を処理していく上には、わかるんですけれども、どうも私は使の側に少し無理があるんじゃないかというふうに思いますし、それから労側としましても、やはりこういう基準法というようなものは正しく守ってもらいたい、労働者の健康を管理する、生活を明るくするという意味においても基準法は正しく守ってもらいたい、年次有給休暇もやっぱりとってもらいたい、それから週休二日制もやってもらいたい、定年も延長して中高年者の生活を守ってもらいたい、そういうことは労働組合としては当然言うわけですね。ですから、私はこれを見まして、私も先般地元の基準局や職業安定課に行きまして、本当にこういうものが実るような道はないものかといって、二時間、三時間話し合ったんですけれども、現場の実態というのはなかなかそうはいかない、そういう苦しいものがあるわけですね。まあそういうようなところをやっぱり労働省としては知っていると思いますけれども、こういうものを出したことによって、行政指導によってすぐ効果が上がるというふうな御認識では、雇用の創出ということは、失業の解決ということはなかなかむずかしいと、こういうふうに考えるわけですが、私が述べたことについて労働省としての言い分もあろうかと思いますけれども、ひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま広田委員から御指摘の認識ですね、私も全くそのとおりだと思います。先ほど日経連のお話が出ましたが、日経連の櫻田会長、関係者とは先般恒例によりまして労働省関係者会いました。そして、時間対策の進め方について私からるる説明いたしまして、認識は完全に一致していると確信しております。ただ問題は、御指摘のごとく、現在不況のさなかでありまして、これを進める場合、なかなかこの理想と現実というものがうまくかみ合わないというこの悩みは、その衝に当たっている私自身も痛感をいたしておるわけでございますけれども、しかし目標はやはり掲げて努力していくということ、そして具体的な実例を産業別、企業別ないし地域別に積極的にわれわれは情報を提供いたしまして、そうして労使のコンセンサスを得る環境づくりに一層努力したい、そういうことによって年を追うて前進する、これがこういうものを出したから一遍にすぐ、明くる年は改善されるというような、こういった短兵急な考え方はもちろん持っておりません。それだけに粘り強く全力を尽くして努力する、こういうことで今後も進めさせていただきたい、このように思うわけでございます。
○広田幸一君 そういうことでお互いが努力していかなけりゃならぬと思いますが、この時間短縮とか年休の完全実施とか週休二日制、こういうことでいろいろ総評とか専門家の人が、たとえば週休二日制を実施した場合にはこうなるとか、それから年次有給休暇を実際やった場合にはどうなるとか、一週間に二時間の労働時間を短縮した場合にはこうなるとかというような数字を単純に出していらっしゃいますけれども、あれは単純計算でありますから、とてもそんなことにはならぬと思います。あんなことが簡単にできれば、もういまの日本の雇用対策というものは、もうたちどころに解消すると思うんですけれども、ああいった数字を労働省としては何か一つの基準とかそういうものに、何か行政指導の目標にされておるというようなことはございませんか。
○説明員(岩崎隆造君) 先生いま御指摘のように、民間の調査機関でいろいろな数字をお出しになっている面があると思います。私ども、いろいろなそういった面での経済学者の学説とか、いろいろなものを調べてみましても、直ちにそういうふうに、先生もおっしゃるとおり何万人とか何十万人とかいうような時間を短縮すれば、総計でそれだけの時間分を人で割れば、これだけの雇用増になるじゃないかというようなことになかなかなりませんので、したがいまして、私どもが直ちに地方に行政指導をする場合の考え方といたしましても、そのようなことを単純に計算したものとして物差しを出しているというようなことはございません。
○広田幸一君 結局、なかなか雇用問題はむずかしいんですが、七月の二十日でございますか、労働大臣の諮問機関でございます中期労働政策懇談会が答申を出しております。私はこれを見まして、特に取り上げたいと思いますことは、いわゆるこれまでの高度経済成長下における経済政策が先行して、雇用政策が追従しておったと、そういうパターンを今度変えて、そして逆に雇用安定によって高い優先度を置く経済政策とその運営という、そういう運営に持っていくパターンに切りかえていくと、こういうことが懇談会の中に書いてあるわけですけれども、一つの私は前進だと思いますし、こういうことでなけらねば雇用の創出、拡大はできないと思うんですけれども、労働大臣はこの労働政策懇談会の答申に対してどういうふうに基本的にお考えになっておるかということを聞きたいわけです。 それから、通産省の方もおられますけれども、それはまあ通産大臣に聞けば一番いいわけですけれども、恐らく、これは先ほど大臣が言われましたように、通産省とも話し合いをしていきたいということでありますし、日経連の櫻田会長とも話をしてきておるということでございますから、こういうような答申に対して、企業経営を指導しておる通産省としては、このような答申に対してどのような見解をお持ちであるか、それぞれお聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 去る七月の二十日でございましたか、私が委縮しております中期労働政策懇談会という諮問機関から提言がございまして、ただいま御指摘のような内容でございまして、私は端的にあの提言を受けまして、わが意を得たりと、こういうことでございまして、したがって、あの提言を踏まえて通産大臣とも第一回目の会合をしたわけでございまして、大いに今後あの提言の線を、特に五十四年度の予算編成を目下精力的にやっておりますけれども、できるだけひとつ各省庁とも連絡をとって、これが前進するように全力を尽くしたいと、このように考えております。
○説明員(山下正秀君) 御説明いたします。 雇用問題に高い優先度を置いた経済政策運営ということにつきましては、河本大臣もかねて述べておりますとおり、完全雇用の達成がいかなる場合におきましても経済政策を運営する上において最も重要な政策目標であるというふうに通産省としても認識しております。その点については全く異議がございません。その中で、通産省としては当面雇用問題を考えます上におきましても、万全の景気対策を講じて七%の経済成長を確保する、達成するということに全力を注ぎたいと思っておりますし、及びその中にありましても、構造不況業種あるいは円高の影響を受ける輸出関連中小企業、あるいは地域の中核企業の不振によって地域社会が著しく影響を受けるような不況地域、こういったものに対する対策を特に重点的に講じてまいりたいと思っておりますし、これが雇用問題解決の上からも非常に重要なことと認識しております。
○広田幸一君 結局、いままでは経営政策、経営ということがまず優先的に考えられて、それから次に雇用ということが追従したわけですから、それを今度は逆にして——まるっきり逆ではないでしょうけれども、やっぱり雇用ということを優先に考えて経営をやるということですから、私は非常にいいことだと思っております。 そこで、これはいままでもそれぞれの委員の皆さんがおっしゃってきたわけですけれども、私はやっぱり労働省というのは、大臣にえらい口幅ったいようですけれども、ほんとにだれかがおっしゃったように、出しゃばっていくと、そういうことにならなければ、従来のような縦割りの線で気がねをしながら、通産省にあるいは文部省にあるいは厚生省に連絡をとって要請を求めるというようなことでは、私はこれだけ深刻な、しかも緊急を要する労働行政、いわゆる雇用、失業問題がやっぱり解決をしない、労働大臣が本当に中心になってやるという姿勢が望まれると思うのですが、そういう意味では本当に出しゃばって、本当に出しゃばるほどやられて結構だと私はそう思っておりますし、一般的にもそういうふうに思われているんじゃなかろうかと思いますので、私も環境行政の万の委員をしておりますけれども、少し向こうの方が出しゃばらぬので、いろいろ世の中から批判を受けておりますけれども、労働省はひとつ出しゃばってがんばってもらいたいと思うのです。 そこで、これは五月か四月かの委員会であったと思うのですけれども、私のそういうことが大臣の方から答弁が出ると思うのですけれどもね、やっぱり政府の中には雇用問題の懇談会ですか、雇用問題閣僚会議というのがあるわけですけれども、私たちが聞いておるのでは、あんまり大した力がないと。ですから、だれかが言いましたように、やっぱり雇用対策本部長というようなものをつくり、そこには総理大臣がなり、事務局長には労働大臣がなって、各省庁を横に網羅をした強い組織をつくっていくと、こういうことを提案をされたと思いますし、大臣もそのとおりですと、そういうふうに提言をしていくというふうに言われたわけですけれども、そういうものができておるかどうか、できたような話も聞いておりませんが、やっぱりいま私が言いましたように、労働省が中心になってやるという構えからするならば、そういうものができておらなきゃならぬと思うのですけれども、どうなっていますか、その点は。
○国務大臣(藤井勝志君) 物の進め方としては、いまの御指摘されました運び方も私はいい行き方だと思うのです。ただ、現状は三月の二十五日に経済対策閣僚会議と雇用問題閣僚懇談会の合同会議を開きまして、その後、ボン会議を前後しまして、問題はいわゆる外貨減らし、国際経常収支の改善あるいは円高対策、こういったものが大きくクローズアップしたために、表の動きとしては組織をつくったり、いま御指摘のような機構をつくるということよりも、実質的に雇用創出に対して、私も自分の立場を乗り越えて、運輸大臣の所管の問題あるいはまた通産大臣の所管の問題、厚生省の所管の問題、こういったものをいろいろ経済対策閣僚会議において積極的な発言をしております。先般、通産大臣とやりましたが、この十一日が厚生大臣と会談をいたします。それから下旬でございますが、文部大臣とも会談をいたしまして、その会談を踏まえて総理大臣とも労働大臣は会談をしたいというんで、現在時間的な日取りをセットしてもらっておると、こういう状況でございまして、機構こそ御指摘のようなものにはまだいっておりませんけれども、中身の点においては精神を十分踏まえて努力をいたしたいと、微力ながら全力を尽くしたいと、このように考えております。
○広田幸一君 いまおっしゃったような機構はまだできていないけれども、すでに通産大臣とも会い、関係相とも会うということでございますから、そこまで私も責めませんが、そうなりますと労働大臣がことしの五月の十二日に労働大臣の雇用創出対策についての試案が出ておるわけですね。私もこれを見せていただきまして、非常にいい試案だと、大臣をほめることばっかしのようですけれども、非常にこの内容はユニークな前進したものだと思っておるわけです。問題は、これをどう実行していくかということでありますけれども、特にこの中で「福祉型産業構造を支える職業」ということがございまして、社会福祉、文化、教育、健康、医療などの分野に積極的に雇用進出を図っていくと、こういうことになっておるわけですが、この点について、いま通産大臣と話をしたと、今度は十一日には厚生大臣、下旬にはこうと、こういうことでございますが、計画的にこの内容に沿った前提での話を進めると、こういうことでございますか。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のとおりでございます。 労働大臣という公の立場でなくして、いわゆる労働大臣であると同時に国務大臣として実は取りまとめたのが御指摘の試案でございますけれども、やはり政府与党でございますから、各省にまたがる問題でございますから、私は党の方へ持ち込みました。党の政調会長と相談いたしまして、党の雇用対策小委員会で私の案を踏み台にして、相当また中身を充実してもらいまして、党の正式機関の決定をもうすでに見たはずでございます。そういうものを踏まえまして、いずれ五十四年度の予算編成にはこれを踏まえて政府与党で案をつくってもらおうと、このように考えておりますから、いまのような考え方を貫いていきたいと、このように思います。
○広田幸一君 五十四年度の予算案の要求をつくるのは八月いっぱいというふうに聞いておるわけですが、そうしますと、今月いっぱいには一応五十四年度に向かって実質こういういま試案にあるような内容を盛り込んだ雇用創出の案が盛られていくと、それは各省との連絡の上でできると、こういうふうに確認といいますか、そういうふうに期待していいんですか。
○国務大臣(藤井勝志君) 一応の労働省としての案は、御指摘のような目標をもってつくりたい。ただ、これから今度は大蔵省との折衝がございますし、最終的に予算案ができ上がるというのはまだ相当先でございますから、やはり基本的な構えは従来の発想から中期雇用政策懇談会の提言を踏まえながら推進していきたいと、このように考えます。
○広田幸一君 労働省の財政当局の関係があるでしょうけれども、いま大臣がおっしゃったようなことでは、せっかくの案ができまして財政当局でオミットされてしまったらまた半年、一年かかるわけですよ。ですから、私が先ほど申し上げましたように、私この間地方に帰ってみましたが、本当に深刻ですよ。雇用問題はもうすべての政策に優先をして政府が中心になってやっていかなければならない、本当に深刻ですよ。それはもう職がなくて困っておる人のことを、職が安定をしておる役人の人が決めるわけでは深刻さがないと思うんですよ。もうあすの生活がないという深刻な気持ちでもって、それは暑くてもがんばってもらわなきゃならぬと思うんですよ。ですから、私は大臣がおっしゃったように、五十四年度に向かって要求していくけれども、財政当局があるので場合によってはどうなるかわからないというようなことではいけないと思うんですよ。ここにも書いてありますように、私もよくわかるんですけども、「老人ホーム、身障者施設など社会福祉施設の増設」というようなことがありますね。大臣もよく御承知になっていると思うんですけれども、養護老人ホームがあります。そこに行きましても介護人の数は本当に少ないんですよ。これは金がないということで抑えられておる。国立病院の精神科に行っても、もう六十、七十のお年寄りの精神患者がいらっしゃる。一対一の看護婦が必要なんですよ。それを一人の看護婦さんが二人も三人も持っておるというようなことなんです。それを病院の病院長や事務長にわれわれが話をしましても、総定員法でどうにもなりませんと、本当に気の毒ですと。学校に行きましても、最近は非行化が非常に進んでおるわけですよ。小学校でも四十五人の定員でなくて、もっと少なくせよということは言われておるわけですよ。だけども、やらないわけでしょう。ですから私は、各省というのはどこに問題があるということは知っておるわけです。やる気になっていけばそういうものはすぐ私は各省からそのようなものが出てくる。それを労働省がまとめて、そしてそれを大きな力としてやっぱり財政当局に要求していくと、そういうことにならないと、せっかく大臣が苦労されてこんなりっぱなものができておっても、また半年委員会で同じようなことを繰り返し繰り返し言わなければならない、こういうことになると思うんですよ。ですから、もっとこの点は責任を持って五十四年度にはいままで問題がある、あなたがおっしゃっておるようなことについて確実にこれは要求してまいりますと、こういうことを約束してもらわなきゃいけないと思いますね。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の点、私も十分考えて全力を尽くしたいと思います。ただ、予算編成の過程において、毎年ある大蔵省査定ということがございますから、これを私は申し上げて、決してそれだから作文をつくって一巻の終わりだというふうな、こういう考え方は持っておりません。ただ、そういう過程を経て、相手がありますし、財政という問題を踏まえた予算編成でございますから、そういうものを踏まえながらもひとつ目標に向かって全力を尽くしますと、これが私の気持ちでございます。
○広田幸一君 まあ、総理大臣にも会われるということですから、これはもう与野党に限らず、これはやらなきゃならないことですから、大臣のそういう御健闘を期待をします。 それで九月の補正予算、きのう新聞見たんですけれども、補正予算の中にも大蔵省としては、この公共事業の土木、建設だけでなしに、今度は福祉、文教の方面にも予算を組むらしいと、こういうことが載っておりましたので、私はここらも労働省の考え方がまとまって大蔵省当局に行っておると、ですから九月の補正予算にもこのものが出るというふうに思っておるわけですが、ですから九月の補正予算に乗れば、その考え方は継続をして五十四年度、五十五年度のそういう予算に出てくると思うんですけれども、この九月の補正予算についてもぜひそういうものが組まれるような一つの道をあけてもらいたい、つくってもらいたい、こういうように思います。どうですか。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のとおりと考えております。
○広田幸一君 与えられた時間がもうあとわずかしかございませんが、私は社会党が提案しております、これは継続審議になっておりますが、地方行政委員会の審議の問題になると思うんですけれども、雇用創出のために地方公共団体に臨時交付税の交付に関する法案について、労働省としてはどういうふうに積極的に働きかけをしておられるかということを聞きたいんですが、その前に、これもきのうの新聞でございますが、労働省の発表によりますと、五十二年度の雇用労働力の移動状況についての調査を明らかにされているわけですね。そうですね。きのうの新聞にありまして、これはかなり大きなスペースで出ておりました、どの新聞にも。特徴的なことはじゃどこなんですか。大体新聞でわかるが、どこに特徴的なものがあるのかですね。
○説明員(細野正君) 五十二年における一年間の雇用の動きというものの分析をしたものの結果が発表になったわけでございますが、その中の一番やはり特徴点は、その労働力移動自体が全体として鎮静化しているということだと思います。すなわち、入職、離職ともにその数が景気のいいとき等に比べて減り、また前年に比べても減っているということかと思います。 それから、もう一つの特色は、やはりたとえばその労働力移動のした方のたとえば企業規模間の動きとか、それから賃金の動きとかを分析してみました場合に、依然としてたとえば賃金が上がった方が多いという点は変わってないんですけれども、その上がっている割合が減り、それから下がった人の割合がふえている。まだ全体としては上がったという人の方が多いんですけれども、いま申しましたように、その割合がやや悪化してきたというふうな特色が、これは当然不況というものの影響を反映してそういう状況が出ているというふうなところが主な特色点ではないかというふうに考えております。
○広田幸一君 ちょっと急ぐようですけれども、私はざっと新聞見まして、こういう時期ですから定着してきたという、まあ景気が悪けりゃ悪いなりに定着してきたと、こういうふうなことが非常に印象に残ったわけですが、それでこの点、私はいままで人口流出しておった地方ですね、そういうところに最近Uターンが非常にふえておる、こういう現象は確かにあります。私は鳥取県で、全国で一番小さい県でございますけれども、あすこは現在五十六万ぐらいの人口で、昭和六十年を目標に六十万ということであったわけですけれども、もうすでに五十九万何ぼになっておるわけですね。それほど経済が豊かになって、企業が来て、労働力がふえた、人口がふえたということではないわけですね。田舎へ帰ってくると、そういう人たちは農村でやっぱり何かしておるわけですね。そういう状況がありますね。ですから私は、社会党が言っておりますところの雇用創出のための交付税というものを地方に流せと。これは私の県の方に行って聞いたんですけれども、やはりそういうものが出てくれば、地方は地方なりにそれなりの仕事をするというわけです。たくさんの労働力があるというんですね。ですから私は、これはもう雇用問題ですから、これは自治省だけに任せるということではなくて、さっき大臣がおっしゃったように、関係省庁とも連絡をとっていくわけですから、ひとつこの点についてはどういうふうになっておるかということと、もう一つ、まあこれは社会党が出しておりますので、いろいろ抵抗があるのかもしれませんが、私は一つの試みだと思っておるわけですよ、これは。ですから大臣に、そういう機会をとらえてこの問題については実態を調査をしてもらう。やっぱり、労働省には地方の機関があるわけですから、本当にそういうものができるのかどうなのかというようなことをひとつ調べてもらいたいというふうに考えるわけでありますが、この点について大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 自治体における雇用創出のための交付金法案というのが、社会党から御提出になっておるということは承知いたしております。まあ、これは議員立法でございますから、国会でどのように御審議されるか、この推移をわれわれは十分見守るという態度でいくのが当然でありますが、ただ、いま御指摘のように、地方自治体に新しいいわゆる失対事業といいますか、失業対策に対する事業を興すということが、過去においては再就職へつながらなかったという経験がございますから、そこら辺を十分配慮しながら、御指摘のように各地方の実態はわれわれとしても当然よく把握しなきゃなりませんから、ひとつその点も踏まえまして、地方の自治体と密接な連絡をとりたいと、このように考えております。
○広田幸一君 時間が参りましたので、最後に大臣にちょっと要望しておきたいと思うんですけれども、まあ先ほど来から短い時間でございましたが、私もいろいろ述べてきましたし、この委員会でも雇用創出、失業問題については、いろいろ論議がございましたし、それからこの間終わりました八十四通常国会の最後の日には、衆議院でも参議院でも雇用創出についての特別決議がされたと、こういう経過があるわけでございまして、労働省もそれに対応すべく今日まで非常に努力されてきたという点は私も認めます。大臣からもかなりきょうは前向きの、特に各省との連絡をとって予算も組んでいくというような、非常に前進した努力というものは認めるわけですけれども、ただ、このことによって今日の雇用という問題が、そう簡単に解決するものではない。もっとこれから力強く、さっき申し上げましたように労働省が出しゃばって、そうして雇用創出に努力してもらいたいと思うんですが、私はやっぱり雇用創出のためのプロジェクトのような、そういう構想と、それからこの労働力を吸収できる産業構造のビジョン、そういうものをひとつ労働省で考えてもらって、それを各方面に出していく、そして国民のコンセンサスというか、意見を聞く、こういうようなことを、発想をひとつしてみられたらどうか、労働省は。そういう本当に時期に来ておると思うんですけれども、そのような発想について大臣はどのようにお考えになりますか、これで私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用安定の決議をいただきましたわれわれとしては、これは決議をいただくまでもなく、当然やらなきゃならぬ現在の時代の要請だと思います。したがって、雇用創出を中心として積極的にいろいろ施策を進めていきたいと思っておりますが、その方法としていまのような、ひとつ労働省としてキャンペーンといいますか、問題提起をする、そして反応を見たらどうかという御趣旨でございますが、十分ひとつ参考意見として私もよくお考えを踏まえて対処したいと、このように思います。
○高杉廸忠君 私は、労働行政並びに主要な諸施策について、大臣を初め関係当局にお伺いをいたしたいと思いますが、まず第一に、現状における雇用、失業情勢とその対策について、いままでわが党の広田委員からも指摘されましたし、御説明もありましたから、できるだけ重複を避けて伺いたいと思います。第二に、労働安全衛生対策、第三に労働基準法等に基づく監督の結果、第四に労働事案等の早期審決について、以上のように順次お伺いをいたしたいと思います。 まず第一に、現状における雇用、失業情勢とその対策について伺いますが、先ほどの御説明もありました、さきに総理府が発表した六月の労働力調査結果報告、これを見ても完全失業者は百二十六万、完全失業率は二・三九、前月比で三万人増、前年同月比で十五万人の増加という、きわめて厳しい雇用、失業情勢となっていることは先ほどの御答弁でも明らかであります。最近、労働力の需給面にやや明るい兆しが出てきていると言われましたが、現実には先ほどの調査結果でも明らかなように、造船業など構造不況産業を中心に多数の雇用調整が行われるという状況、これは現実の問題であります。さらに、先ほどの通産省からのお答えもありましたが、六月の鉱工業生産動向によりますと生産は落ち込んで七、八月製造工業生産予測指数、これもやや横ばいだと、こういうことですね。さらに九月以降の生産、これはなかなか困難だという御答弁もありました。そこで、今年度の政府の見通しの達成、いわゆる成長を含めてむずかしいとこう指摘をしていると思うんです。大臣にお伺いしますが、このような深刻な状況下にある雇用、失業の現状、これを福田内閣、政府としてどういうふうに受けとめてこれから深刻な状況を乗り切ろうとするのか、あるいは今後の見通しについて、まず大臣の御所見を確認をする意味で伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用、失業情勢の認識は、御指摘のとおりと私も心得ております。したがって、この現政府といたしましては、何といってもこの公共事業を主軸として積局的な財政運営をやることによってどうしても七%の実質経済成長を遂げたいと、これを踏まえて雇用問題の背景をつくるわけでございまして、それに具体的には雇用安定資金制度あるいは雇用保険制度の積極的活用であるとか、また、特定不況業種離職者臨時措置法、こういったものをフルに活動しながら、時代の要請にこたえた職業訓練、あるいはまたことしの一月新しい雇用政策として提言をいたしまして、四月から実施しておる中高年齢者の雇用創出制度、こういったものを積極的に今後推進したい。のみならず、特に造船不況等の地域的に失業者が多発する問題に対しましては、やはり緊急、応急対策として、それぞれの業種の特徴を生かして、たとえば造船企業であれば官公庁船のやはり建造の促進、あるいは海上浮体物の構築、いわゆるプラント・バージ、こういったものをやる、あるいはまた遊休船舶の解体事業、こういったこと、あるいは石油備蓄基地を地元の協力を仰いでやっていくと、こういうことをいろいろやって応急対策を進めたいと、このように考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 ただいま労働大臣からの御所見をいただきましたが、さらに大臣に伺いますが、労働力調査結果とともに発表されました労働力特別調査報告、これによりますと、第一に、三カ月以上失業しているものが全体の五割を占めている、しかも失業期間が長期化している、これを指摘していますね。それから二つ目として、企業の人員整理、倒産による離職者が全体の六割を超えている。三つ目として、中高年齢者の再就職は困難で、失業により収入の道が断たれている世帯が二十一万にも上る。こういうように深刻な実態が明らかにされているわけですね。 そこで、大臣、積極かつ速やかに、先ほどからしばしば御答弁をいただいておりますけれども、雇用確保対策、これはもう緊急重要課題であるし、どうしてもやり遂げなければならない問題であります。これは、先ほどからの広田委員への御答弁もまだまだ不十分であろうと思うので、この際、政府の具体的な施策、これを具体的にひとつ示していただきたいと、こういうように思うんです。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用創出対策を一層強化しようと、こういう御意見でございまして、われわれもその線に沿うて全力を尽くさなければならぬと、このように思っております。 先般の通産大臣との会談のとき、通産大臣の方から話が出ておりますのが、この発電バージ——発電所を船の上につくるという、これが現実に産油国の方から引き合いが来ているということでありまして、こういったこともひとつ積極的にやっていただくことによって、緊急対策として造船不況の現状に対して雇用問題の解決に当たりたいと、このように私は非常にこの問題を期待をしております。 そのほか、先ほどもいろいろ申し上げましたような具体的な問題をひとつ推進すべく、関係方面と連絡をする。同時に、厚生省との関係は、これは私は、中長期的な対策として、日本の産業構造の基調を変えるというこの問題との絡みでありますから、そう短兵急にはなかなか実現がむずかしい、したがって、これはこれとして構えをしたいと、このように思うわけでございます。
○高杉廸忠君 さらに、大臣に伺いますけれども、政府と与党間に意見の相違が若干見られますけれども、福田総理は九月中旬にも臨時国会を召集したいと、こういうように言っております。すでに、補正予算の提出のための準備作業に着手しているとも言われております。わが党は、本年度の補正予算及び来年度予算編成に当たっては、大幅減税、雇用対策等の推進などを柱とした重点要求の申し入れも行っておることは、先ほど広田委員からも指摘されたとおりであります。 先ほど、広田委員からも質問がありました中期労働政策懇談会の提言でも、大臣からお答えあったように、従来労働行政が経済政策追随型であったことから脱却をして、逆に、雇用の安定によって優先度を置く経済政策、その運営というパターンに切りかえていく必要がある、こういうように大臣もお答えになったと思うし、提言でもそう指摘しているわけであります。そのことは、政府の経済政策の全体が雇用問題を中心に据えたものであるというふうに私は理解できると思うんですが、この際、特に臨時国会に向けての雇用労働政策の具体的な取り組み、そしてその具体的な裏づけ、その方針、これをひとつ大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 九月の二日に経済対策閣僚会議をやる予定になっております。そのとき補正予算をどう取り扱うかと、やることは大体決まっておりますけれども、どういう規模でいつ臨時国会を召集していただくようになるかと、こういった問題について九月の二日に経済対策閣僚会議を開くことになっているわけでございますから、そのいずれ開かれるであろう補正予算審議の国会におきましては、いま御指摘のような、いわゆるこれからの雇用政策、労働政策の進め方ということについては、やはり御指摘のような考え方を強く打ち出してもらうべく関係省庁とも連絡をし、同時に、総理にも私はお会いするときは、それをひとつ大前提によくお話を申し上げたいと、このように考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 先ほど、広田委員からも要望を入れて大臣に話がありましたし、それから中期労政懇の提言についても大臣からお答えをいただきました。 私はこの際、確認の意味で、いま大臣が言われました臨時国会に向けて強く実現をしていくその御決意について確認をいたしたいのですけれども、先ほど幾つかの広田委員の提言もありましたから、これを入れて、通産省を初め関係各省庁との連携強化によって、何としても臨時国会には雇用を重点にしたこれを実現すると、こういう構え、同時に決意で臨むということについて、私は、大臣のひとつ確認になりますが、御決意をいただきたいし、その実現に向けての約束をひとつここでいただきたい、こういうふうに思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用安定に関する決議というのが衆参両院の本会議で決定していただいたということは、これは私は、私の知っておる範囲、衆議院が、あるいはこの国会において画期的なことではないかと思うんです。これは与野党一致した線であります。そこへちゃんと、雇用創出というものを現下の最大課題である、政治課題であるというふうに認識をされた決議でありまして、私はその認識を踏まえて、政府の労働問題、雇用問題を預かる責任者として全力を尽くすのは当然だと思います。 そこで、臨時国会、補正予算の場合、できるだけ私はこの考え方を反映をしたいというふうに決意しておるわけでございますが、問題は、それに続く五十四年度の予算編成という、これがやはり一つの大きな発足する基礎固めになると思いますから、まあ補正予算は補正予算として全力を尽くしますけれども、全体の内閣の方向がそういう方向へ向かうのには、相当国会側の御声援も得ながら私は私で努力しますし、関係省庁の理解ある協力も仰ぐ、そして、私としては、先ほど広田委員から御指摘のように、出しゃばることをあえて認識して、大いに、背に腹はかえられない、しりに火のついた雇用問題を抱えた労働大臣としては、あえて物を言わしてもらう、こういうことで今後も言動をしたいと、このように思います。
○高杉廸忠君 大臣から御決意を賜りまして、ぜひそのとおり緊急かつ積極的にお取り組みいただき、私はその実現を期待をいたしております。 次に、労働白書が指摘している問題について伺いたいと思いますが、五十二年度の労働白書においては、製造業部門の雇用が停滞している中で、なお公共サービス、それから中小規模企業の部門、第三次産業、これを中心に就業者の増加というものを見ております。その中身では、全体として常用の雇用労働者より、臨時、日雇い、パートタイム労働者の増加率が高いという特徴、これを指摘しているわけであります。また、高年齢労働者は雇用比率の低い中小企業、この増加率が高い、このことを示して、それから、賃金というのはむしろ低下していると、こういうふうに白書は述べているわけでありますね。長期不況及び急激な円の高騰、円高によって、経済状況下においては低賃金で、しかもいつでも整理のできる臨時、パートといった雇用型、雇用形態というものを拡大していると、こういうふうに白書も言っているわけです。これは、大臣のさっきの御決意も含めて、全体の雇用情勢というのは悪化しているというふうに私は考えるわけであります。したがって、第三次産業の雇用拡大を図るに当たっては、特にこのようなマイナス点について十分な対策というものを講じていくべきである。こういうふうに私は考えるわけであります。この点についてはどうですか。
○説明員(細野正君) 第三次産業につきましては、たとえば、規模が小さきゃいいなどというのは、これ第三次産業の特色でございまして、規模の小さいこと自体がすぐ小零細へということに必ずしも結びつかない面もございますけれども、しかし、先生御指摘のように、いろいろ懸念される問題があるのも事実でございまして、そういう意味で、三次産業が今後伸びていく過程におきまして、そういう労働条件の面の問題もあれば、雇用形態の問題もあれば、そういうふうなことについて新しく起きているいろんな事態ともよく即応しながら、そういう点についての見きわめをしつつ、指導をしながら進めていくということが大切であるというふうに私どもも考えているわけでございます。
○高杉廸忠君 次に、高齢化社会に対応する労働政策等について伺いますけれども、急速な高齢化の進展に伴う定年の延長問題ですね。まず六十歳まで延長をし、さらに六十五歳定年問題に取り組むことが必要である、こういうふうに白書でも言っております。これに対する政府の対応というのは十分でないんじゃないかというふうなことも若干指摘をされているわけですね。定年延長の推進に当たって、従来の雇用、賃金管理のあり方、特に賃金及び退職金のあり方について根本的に見直しを行って、その隘路となっている点の改善をすべきだというふうに私は考えるわけであります。これらの問題指摘というのはきわめて重要な意味を持つわけです、これから。これに対する関係当局の今後の具体的な施策についてまず伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 高齢者社会に入りました現在、雇用問題で一番中心は中高年齢者の雇用対策だと思います。その中でやはり定年制の延長問題というのがこれが中核をなすものだと心得ております。したがって、定年延長問題については積極的にこれが改善をしなければなりません。それには、やはり従来の日本の雇用労働慣行、年功序列型の賃金体系というのは、私は労使のコンセンサスというものが必要でございます。したがって、労働省としてはいろいろな具体的ないい例を情報として労使にお伝えをして、そしてこの労使の話し合いを踏まえながら、定年延長がとりあえず六十歳をできるだけ早い機会に実現をし、六十歳が到達でさましたら六十五歳というものをめどにしたい。そして、これが年金制度とリンクしていく、そして退職後は年金によって安定した老後が確保できる、こういう方向へ尽くすのが妥当ではないか、そのつもりで今後努力したい、このように思います。
○高杉廸忠君 次に、労働安全衛生対策について伺います。 さきに発表されました白書によりますと、昨年の労働災害による死傷者、休業四日以上、これは前年度より四%も増加をしているし、長期不況下において増加の傾向というものを見せておりますね。まず、昨年度の労働災害における死傷者数、平均労働損失日数、産業別、企業規模別等の発生状況、できればその発生状況をいま申し上げました別ですね、それと、その要因について伺います。
○説明員(野原石松君) いま、先生御指摘のように、労働災害、昭和五十年までは順調に減少を示しておったのでありますが、五十一年以降残念ながら全体としては対前年比で四%くらいアップを示しております。 また、死亡災害につきましては、減少傾向は一応維持しておりますが、やはり減少の度合いがかなり低下をしてきているという一極のかげり現象を示しているわけであります。 そこで、一体どういう業種に特に災害が多いのかということでありますが、死傷災害、全体としては製造業がやはりトップでありまして、全体の三四%、それから次が建設業、これが三二%、この二つが双壁ということになります。 それから、死亡災害につきましては、建設業がトップで全体の四四%、今度は二番手が製造業、こういうことで、いずれにしてもこの二つの業種に対しまして今後さらに重点的な対策を講じていく必要があるのではなかろうかと思っております。 それから、なぜそれではそういうふうに増加傾向、こういった経済情勢の中で示してきておるのかということでありますが、業種的に分析をしてみますと、ふえているのがやはり建設業、それとサービス業、この二つが特に目立つわけであります。建設業につきましては、特に、中小規模の現場における災害の多発が顕著でありまして、これは建設業の現場というのは非常に変化が激しいわけでありますが、それに対しまして現場の管理体制が十分でないために、その変化に対応した形での安全管理対策が進められていない、こういう点が問題として指摘されるかと思います。 それから、サービス業につきましては、いわゆる清掃業あるいはビルメンテナンス業等が特に災害の増加が目立っておりますが、これらの業種におきましては作業量が非常にふえてきている、このところ。さらには、中高年齢化が目立っておるわけでありますが、そういった状況の変化と、それに見合う安全管理の施策との間にずれがある、こういうことが背景的問題として指摘されるようであります。
○高杉廸忠君 長期不況下における労働災害の増加というこの現状ですね。特に、注目されるのは、企業が減量経営を追求する余り、安全管理に目をつぶって、安全については手抜きをしているんではないだろうか。ことに、危険な仕事の下請をしていく。経営合理化の中で安全管理費を削減をする。企業第一主義による労働者の犠牲の増加というのが白書でも指摘をしているわけでありますが、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。今日、最も重要なことは、景気の動向に左右されない安全管理体制、対策というものの確立に私はあると思うのです。この点について、省の方の御見解をまず受けます。
○説明員(野原石松君) この減量経営下におきまして、そのしわ寄せが安全衛生管理の面にいっているのではないかということを私どもも懸念をいたしまして、絶えずそういった情報を収集しているわけでありますが、構造不況業種の一つである造船業等におきまして、かなり規模の大きい事業場におきましても、たとえば安全衛生管理機構を縮小するとかいったような面が事例的には見られないわけではございませんが、全体としてそういった傾向が各業種にあるというようなことはないんではないかというふうに考えております。 私どもといたしましては、この安全衛生活動というのは、やはり何というか、設備とかあるいは仕事の進め方、こういうものを本来の姿に戻すことにあるんだ、つまり安全と生産活動即一体だと、こういうふうに考えておりまして、したがいまして、今後の経済の安定成長をもたらすためには、何といっても安全衛生活動を従来以上に積極的に進めることが必要ではなかろうか、こういう姿勢で関係事業場を指導をし、もしそのようなことを考えるならば、事前に必ず私どもの方へ知らしてもらいたい、こういうことで、そういった減量経営下における安全衛生活動の切り下げについてはきちっとした歯どめをかけておるわけでございます。
○高杉廸忠君 次に、先ほど説明がありました建設業の関係でお尋ねをしておきますけれども、建設業の労働者数というのは全産業の一〇%でありますね。その死亡率は先ほど御答弁にありました四四%、これを占めている。建設業については元請と下請の企業の関係というのが何段階もあるわけですね、現実のいまの日本の建設業というのは。その中で安全管理の責任体制というものが若干私はおろそかにされている傾向があるんではないか、こういうように思うのです。ことに、政府が推進している景気回復のための公共事業の増大、これに伴う建設工事量の増加というこのことは、労働災害の多発ということもこれは予想され、憂慮されます。これに対する安全管理体制の早急な改善というものをしていくべきだという、白書でもそういう要望があるわけです。これらの安全管理、災害防止のためには、特に先ほど重点業種というようなお話もありましたから、建設業についてはどのような今後の具体策というものをおとりになるのか伺います。
○説明員(野原石松君) 先ほど申し上げましたように、建設業は災害全体としても、また死亡災害だけを取り出してみましても、非常に多くのシェアを一人で受け持っている業種であります。したがいまして、私どもかねてからこの建設業に対しまして監督指導上の重点を指向しておるわけでありますが、一つには工事の設計、計画の段階で安全衛生上十分な配慮がされていない、そのために本番の工事のさなかに大きな事故をもたらす、こういうこともございますので、そういう事前の設計の段階で十分に安全面かちチェックをする、こういうことをきちっとやらせる。そのためにはやはり発注者側の協力が非常に大事でありますので、特に国の発注機関、これに対してはみずから模範を示していただきたいということで、現在建設省その他の国の発注機関と中央レベルでこういった面についての連絡会議を持っているところであります。この体制をさらに強化をしていきたいというふうに考えております。 それから、施工面におきましては、先ほど御指摘のように、建設業というのは一次、二次、三次とずっと下の方へ仕事がおりていく、こういう実態があり、それなりにいろいろ問題がありますので、そういった場合、やはり何といっても一番上位の元方事業場レベルにおいてきちっとした指導をし、しかるべき援助をする、こういうことが大事でありますので、労働安全衛生法の中でも元方事業者に対して必要な義務が課されておるわけでありますが、これをさらに強力に推進するとともに、特に一つの現場に多くの下請事業場が混在をしている、そういったことが災害の温床になる場合があるわけでございますので、そういう混在して仕事をしている現場についての総合的な安全管理、これについても従来以上に強力にその推進を図っていきたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 次に伺いますけれども、労働災害の発生が百人未満の中小零細といいますか企業において特に多くなっておりますね。これは大企業が危険有害な仕事を中小企業等に回しているというふうに思われます。さらに、離転職の中高年齢者の被災害率というのは高くなっているわけですね。しかも、臨時やパートによる仕事になれない労働者における在来型の災害で、きわめて初歩的なミスから起こるこのものが、災害として多くなっていることも指摘しているわけです。 こういうような状況から見て、労働者の安全を守るということは、私は瞬時もゆるがせにすることができない緊急の課題であることは言うまでもありません。すでに、五十三年度を初年度として第五次労働災害防止五カ年計画というものを策定されていると思われますが、単なる私は計画であってはならないと思うのです。したがって、災害の後追い対策から脱皮をして安全の先取り、災害発生に先手を打つことが私は必要であると考えます。安全の事前評価、セーフティーアセスメント、こういうものも重視する必要がある。既設の設備や作業等、こういうものへの配慮、こういうことで積極的な私はそういう安全の先取りをしていく、このことについて必要があると思いますけれども、この点について所見を伺い、また労働省が進めておられる五カ年計画について、その内容について御説明をいただきたいと思います。
○説明員(野原石松君) この安全衛生の先取りにつきましては、私どもも全く同感でありまして、昨年の全国安全週間のスローガンの中にも、この先取りということを特に強調をしておるわけでありますが、そのほか先ほどお話がありましたセーフティーアセスメント、これにつきましても、かねがねそのことを強調してきたのですが、具体的にどういつだ手法でやったらいいのかというところでいつもぶち当たっておりましたので、当面一番問題の多い化学プラントにつきまして、第一号としてガイドラインを設定し、現在、建設業につきましてもこの種のガイドラインの設定を急いでおるわけであります。 そういうことで、とにかく事故が起きてから問題の所在に気がつくというのでは遅いので、問題点をいち早く検出をし、その段階で手を打っていく、こういう先取りの方向に向かって今後さらに監督指導を進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、いま御指摘のありました第五次の労働災害防止計画でありますが、この計画の中では、実は当面の問題として五つ指摘をしております。その一つは死亡とか大型災害、これは何としても防ぎたい、これが第一。 第二には、墜落とかあるいは機械にはさまれるといったたぐいの、いわゆる在来型災害の防止。それから第三には、中小企業における安全衛生対策、これがおくれておりますので、これをさらに進めていきたい。それから、第四としては、職業性疾病の防止対策、これをさらに強力に進める。第五が、中高年齢労働者の方々に対する安全衛生の確保でございますが、この五つの課題に対しましてそれぞれ目標を設定し、さらにその目標を達成するための具体的な施策をこの計画の中で示しております。これは、国が立てた計画でありますので、国が措置する事項が主でありますが、その中でやはり災害を防ぐには団体とか企業レベルの活動が非常に大事でありますので、団体なり企業に対して期待する事項もあわせて示しておるわけであります。今後は、これは長期の計画でありますので、これを踏まえまして、具体的な年次計画を立て、その推進を図ってまいりたい。国としても必要な調査、研究あるいは監督、指導、さらには中小企業等に対する指導、援助策を従来以上に強力に進めていくことにいたしておる次第でございます。
○高杉廸忠君 次に、労働基準法等に基づく監督の結果についてお伺いをいたしたいと思います。 五十二年の労働基準法等に基づく監督の結果、これを、いただきました資料で見ますと、労働基準法の違反というものを、事業場が六二%に達しているという驚くべき実情が明らかにされているわけです。この調査内容について、特に労働基準法及び労働安全衛生法に関する違反の特徴等について結果の御説明をいただきたいと、こういうふうに思います。
○説明員(小粥義朗君) 昭和五十二年に労働基準監督官が事業場を臨検監督いたしました件数として、定期監督あるいは申告監督等を含めまして約十七万を超える件数が上がっているわけでございます。 そのうち労働基準法、それと労働安全衛生法、さらには最低賃金法、そうした関係の法律に何らかの形で違反があったものというのは、いま先生御指摘のとおり、六一、二%の数字が上がっているわけでございます。その中身を見ますと、これは違反の数としては圧倒的に労働安全衛生法の違反が多うございました。その中でも、たとえば安全衛生管理体制の問題であるとか、それから具体的な安全基準あるいは衛生基準の違反、さらに健康診断に関する規定の違反、そういったところが件数としては多く上がっております。 なお、労働基準法の関係で申し上げますと、関係の条項いろいろございますが、その中で比較的多いと思われますのが労働時間に関する規定の違反、それから就業規則に関する規定の違反、そうしたところが目立っている事項でございます。
○高杉廸忠君 御説明ありましたように、労働安全衛生法第二十条から二十四条に規定する安全衛生基準の違反というのは、これを見ますと四万六千件ですね。大変な数なんです。特に作業主任者、安全衛生管理者の選任、危険機械類に関しては定期自主検査、就業規則制限等の違反が多いわけですね。このことは現行の安全衛生管理の不十分さというものを示していると思うんです。労働省としては先ほども御答弁がありましたように、重点監督業種というものを設定をして、具体的な対策というものを実施する方針であると、こういうようなお答えですから、その具体的にはどういうような御指導、あるいはどういうような業種ということにやられるのか。確認の意味でもう一度お答えをいただきたいと、こう思います。
○説明員(小粥義朗君) 労働安全衛生法、さらには労働基準法の違反が比較的多い業種が幾つかございます。そこで、労働基準行政としては、毎年年度が始まります前に、行政の運営方針というものを関係の都道府県労働基準局あるいは監督署の方に示しまして、その中でこの年度で取り上げる重点業種としてこういうものを取り上げていくといったようなことを必要に応じて示しておるわけでございます。 その際、労働安全衛生関係で申しますと、たとえば、ことしであれば公共事業の量もふえるということから、建設業を特に重点を置いてやっていくとか、あるいは労働基準法の関係ですと、これは業種としては比較的小さい規模ですが、比較的問題の多い、たとえば社会福祉施設関係であるとか、あるいは新聞配達関係であるとか、そういったような業種を指摘し、それを都道府県基準局あるいは労働基準監督署がそれぞれ監督計画を立てる際に、織り込んで監督に当たると、こういう形をとっております。
○高杉廸忠君 労働基準行政においては、大きな問題がこの白書でも指摘をされております。その経緯から見ても、取り締まりから指導へと重点が移り、昭和三十一年ですか、特にまた低成長下において薄められているんではないかと、こういう実情であると私は思うのです。たとえば、労働基準監督官の数というものは若干ずつは増加しているけれども微々たるものであろうと。それで、適用事業というのはもう高度成長期にずっと広がって多く出てきたわけでありますね。そういう現在の監督体制でいきますと、基準体制でいきますと、十年に一回しか調査できないような割合になるんじゃないだろうかと、こういうように憂慮されるわけです。私は、実効性確保のためのこれは大臣、増員というのは思い切ってやるべきだと思うのです。これは私は労働省をそういう意味では激励をしているわけですから、またこの労働基準行政へのこれは労働者の参加制度、それから罰則制度等について積極的な改善、これは必要であると思うのです。 大臣にひとつこの御所見を伺いたいのですが、この際労働安全衛生及び監督行政について全面的にひとつ御検討をいただいて、実効性のあるものにその内容というものを強化をしていく、こういう方向にすべきだと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 労働安全衛生対策につきましては、種々御指摘を受けました。私は御指摘のとおりと思います。ただ私は、この際特に建設関係がその中心だと思いますけれども、労働安全衛生対策費というものを別枠にして、そして物事が進まぬであろうかと。やはり、全部ひっくるめてあるから減量経営の犠牲になるとか、いろいろありますから、これは先般私はアメリカのマーシャル労働長官と会ったときに、先方からもその話が出まして、国際労働基準の公正な設定という場合に、いまの労働安全衛生対策費というものを、これを別枠で進めていくということの必要性を彼も強調いたしました。私も全く同感でございました。これは今後のわれわれは検討課題として前向きで処置いたしたいと、このように考えておりますことを申し添えます。 それから、やはり労働行政は労働基準行政、職業安定行政、どれをとってもマン・ツー・マンでありますから、人手というものが絶対必要でございます。その問題について私が就任早々の五十三年の予算において、いままでは行政機構を簡素化、行政簡素化という大方針のもとにずっと減員、実際に二けたないしは三けたの減員をもたらしておったわけでありますが、これはどうやら食いとめられました。五十三年度は実減員において三名ということになりました。今度は、五十四年度の予算においては、ひとつ時代の要請にこたえて、雇用も大切であり、労働基準行政も積極的にやらなきゃならぬという、これを踏まえまして、増員に向かって今後は努力したい、このように考えております。
○高杉廸忠君 余り持ち時間がありませんので、先ほど指摘しました次に労働事案というものの早期審決について伺いたいと思います。 前国会において、不当労働行為事件等の増加に伴って労働組合法を改正して各種委員会、各委員会の委員定数の増加を行いました。その際、当委員会においても審査手続等のあり方の検討、審議の促進、円満な労使慣行の醸成等について配慮することの附帯決議を行いました。その後、労働委員会における審議等はどのように推進をされ、あるいは改善をされておりますか、まず伺います。
○説明員(桑原敬一君) さきの国会で定数の増を見まして、それぞれその準備をいたしております。また、私どもはこの不当労働行為事案がその審議促進のために、私どもといたしましては、側面的にいろいろと準備をしておかなければならぬ、こういうふうに思っております。 私といたしましては、特に本省では労使関係法研究会におきまして、不当労働行為の審査促進について何らかの道筋をつけたいということで、おおむね一年ぐらいをめどに、早急に学者先生の御意見をいただいて結論を出してみたいと、こういうふうに思っております。やはり問題は、不当労働行為事案が頻発しないということが大前提でございますので、私どもはやはり本省、地方、力合わせて、そういった企業の中において法に違反するような不当労働行為が発生しないように、積極的な行政指導をこれからも進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○高杉廸忠君 長期不況下において、不当労働行為事件というのはさらに増加するんじゃないだろうかと、こう心配するわけですね。特に、言い方が適当であるかどうか、悪質なものの増加というものが懸念をされるわけですけれども、それはどういうふうにお考えになりますか。 それから、時間がありませんからもう一つ。悪質な不当労働行為事件について、労働委員会が再三呼び出しているにもかかわらず出頭しない経営者のために、いたずらに事件、紛争が長期化している事例というのは私も二、三承知をしております。これは単に労働委員会のみではなくて、容易に解決しないような場合、一体どのような措置なり具体的な手だてというものがおありなのか。労働省としても行政指導、この実態、それと限界といいますか、行政指導の限界、大変むずかしいだろうと思うんですけれども、具体的にはいま申し上げましたようなことがあった場合に、どの程度までの御指導がいただけるのか、行政指導の範囲内でできることをひとつお答えいただきたいと思います。 それから最後に、このこともあわせてお聞かせいただきたいんですが、事件の長期化に伴って会社側が労働組合というものを脱退するようにという働きかけをしている会社も二、三あるわけです。最終的には労働組合をつぶしにかかっている。企業の合理化を推進していくための手だてというふうに、こういうような、多発することが非常に私はあるんじゃないだろうかと考えられるんです。 最後に、大臣にも要望をいたしますけれども、こういうような長期不況下において特に正常な労使関係の維持、確立、そして発生した事件についての公正かつ迅速な解決、こういうことをぜひひとつ大臣にこの際行政指導、監督行政の積極的な取り組みについて御所見をいただき、あるいはいま申し上げました二、三の点についてはお答えをいただき、私の質問を終わりたいと思います。
○説明員(桑原敬一君) 御指摘のように、確かに最近の不況等を反映いたしまして、こういった事案がふえてきておりますし、また審査も手間取っておるというのは事実でございます。なかなか理解を得られない使用者もございます。したがって、私どもはできるだけ、労働委員会自体は第三者機関でございますから、直接に労働省で個別事案について指揮命令できませんけれども、やはり労政課を通じましてそこの社長、しかるべき責任者という者に、そういう審問に応じる、あるいは調停に応じるというような御協力をいただくような環境整備はしていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。 現実に、そういった不当労働行為がたくさん出てまいりますが、私どもは積極的にやはり地労委というものを活用していただいて、明らかに法違反でございますればそういうような不当労働行為になるわけでございますから、そういった機能を活用していただきたい。ただ、お話しのように審査事案の複雑化に伴いまして時間がかかるというような面もございますので、先ほど申し上げましたような制度的ないろいろな補強というものもあわせて研究してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
○国務大臣(藤井勝志君) この厳しい経済環境のもとでは、私は本来ならば労使が一体となって難局を切り抜けるということが今日ほど必要なことはないと、このように思います。それが現実には逆のいま御指摘の点がございまして、したがいまして、十二分にこの点は是は是、非は非として行政指導に当たりたいと、このように考えております。
○片山甚市君 雇用問題を中心に質疑をしたいと思います。 まず、総理府でございますが、七月二十八日の閣議で六月の労働力調査結果の報告をされております。また三月に行った労働力特別調査報告等もあわせて、現在どのような特徴的な動向を持っておるのか、まず御説明を願いたいと思います。
○説明員(水谷弘君) 労働力調査結果について御説明申し上げます。 労働力調査はわが国十五歳以上人口の中で就業者、完全失業者等について調査しておりますが、まず就業者について申し上げますと、六月の就業者は五千五百五十万人で、前年同月に比べまして百十万人ふえております。この百十万人のふえ方はかなり大幅でございまして、五月に引き続きまして前年同月百万人台の増加が続いております。この百十万人増加したうちの男女別の内訳は、男子が二十八万人、女子が八十二万人となっております。 産業別に見ますと、いずれの産業も増加しておりまして、特に建設業は前年同月に比べて二十一万人の増加、傾向で見ましてもことしに入ってから増加を続けております。また製造業も前年同月に比べて十六万人の増加でございまして、大体昭和五十年程度の水準でございますが、最近三カ月ほど顕著に回復を示してきております。 それから、就業者のうち雇用者の増加は五十万人でございまして、そのうち非農林業雇用者は四十七万人でございますが、そのうち四十五万人は三十人未満の小規模企業の雇用者で吸収されております。また、完全失業者につきましては、完全失業者は三月に百四十一万人を記録いたしましたが、その後、四月百二十三万人、五月百二十三万人、それから六月百二十六万人と、ほぼ横ばいを続けております。ただ、六月の百二十六万人は、六月としては比較的高い水準でございまして、季節調整をいたしました結果では、前月を〇・〇九ポイント上回っております。なお、就業時間の方は、五十年の初め以来順調にふえてきております。以上が、大体六月分の結果でございます。 それから、ことし三月に行いました特別調査の結果でございますが、この特別調査は、完全失業者が百四十一万人を記録いたしました時点におきまして、完全失業者の中身を中心として調査したものでございます。完全失業者の中には——完全失業者と申しますのは、仕事がなくて仕事を探している者でございますが、仕事を探している理由として、職をやめて職を探している者、それから学校を卒業してまだ職がない。あるいは新たに収入を得る必要が生じた——いろいろな理由がございます。この中で、離職者、つまり仕事をやめて仕事を探している人が、完全失業者百四十一万人のうち八十七万人、六二%でございます。男女別に見ますと、この割合が、男子が七一%で高くなっております。それから、これを年齢別に見ますと、高年齢層ほど離職して仕事を探している人の比率が高くなっております。それから、離職して職を探している完全失業者につきまして、その離職した理由を見ますと、まあ人員整理、会社倒産など、それから事業不振その他、それから定年、いろいろな理由がございます。これらは、仕事をやめたのではなくて、むしろやめさせられたと申しますか、非自発的な理由によってやめた人たちで、この割合が、離職した完全失業者のうち五五%を占めております。ただ、これを男女別に見ますと、この非自発的な理由で離職した人の割合が、男では六三%、これに対して女子の方は、まあ家事、通学、健康上の理由とか、あるいはよりよい条件の仕事を探すためという自発的な理由によってやめた人が三分の二を占めております。年齢別に見ますと、高年齢層ほど非自発的な理由によってやめた人の割合が多くなっております。それから、失業者の、職がなくて職を探しているというのは、これは一カ月未満の非常に短期な方もいますし、それから三カ月、六カ月、中には一年以上の者がありますが、大きく三カ月で切って見ますと、大体五一%と四九%の割合になっております。この中で、人員整理、会社倒産とか定年等でやめた人の三カ月以上仕事を探しているという人たちの割合がいずれも三分の二以上を占めて、長くなっております。それから……
○委員長(対馬孝且君) まとめて簡潔に言ってくれ、まとめて簡潔に。
○説明員(水谷弘君) はい。 あと仕事を探している方法でございます。主な方法として、公共職業安定所に申し込んでいる、あるいは事業所に直接応募している、あるいは公共職業安定所以外の職業紹介、学校、知人などにあっせんを依頼している、あるいは自分で求人を探している、いろいろございますが、この中で、公共職業安定所を主な求職方法としている人は三六%でございます。ただ、この中で、人員整理、会社倒産あるいは定年等で離職した人の職安優先依存率は高くなっております。 それから、失業者のうち、二人以上の世帯の世帯主、これは世帯員を養っていかなければならない人ですが、これが完全失業者百四十一万人のうち五十二万人を占めております。その世帯主について見ますと、やはり離職者の割合が高く、離職者の中でも、まあ人員整理、会社倒産、定年等の非自発的理由による離職が多くなっております。 なお、完全失業者の収入の状況について見ますと、失業者ですから、仕事からの収入はないわけですが、財産収入、恩給、年金あるいは雇用保険金等の何らかの収入のある人が百四十一万人のうち三六%の五十一万人おります。
○片山甚市君 もうよろしいわ、書いてあるから……。
○委員長(対馬孝且君) まとめて要点だけでいいよ。
○説明員(水谷弘君) 特徴は大体以上のとおりでございます。
○片山甚市君 総理府の方がもう少し要領よくまとめてもらえると思って聞いたのですが、実は同じ日の二十八日の閣議で、大臣は有効求人倍率が前月比〇・〇一倍の微増で、このまま推移すれば雇用情勢の改善の見通しが出てきたと、楽観的な発言をされた。総理府も失業率の高さそのものが景気回復の否定的な材料ではないと言っておるのですが、そのとおり理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(藤井勝志君) 中身については、また局長から詳しくお答えをさしてもよろしゅうございますが、いまのこの報道は、これは私の真意を伝えておりません。私は、有効求人倍率〇・五四倍になりましたと。しかし、中身は深刻であると、こういう付言をしておるわけでございますから、その点はひとつ違うということを御認識いただきたいと思います。
○片山甚市君 新聞記事を信用したのでなくて、大臣の答弁を求めましたので、それでいいと思う。 そこで、総理府の発表を見ますと、失業者の失業期間の長期化の傾向、一つ。それから、企業の都合で離職した人の割合が多いのでありますが、これはどうなっておるか。特に、中高年齢層の再就職の状況はどうなっておるのか。職業訓練を受けた者が再就職するについて、大幅に現在改善されておるかどうか。五つ目に、就業者がふえたというけれども、前年同月比の就業者の百十万人増のうち、八十二万人が女子であるということです。これは一家を支える基幹労働者が再就職できずに、低賃金、劣悪条件のもとで、パートとか補助的労働として臨時に就業せざるを得なくなっておる、こういうふうになっておって、先ほど高杉委員、広田委員からも言われたように、雇用の状態は労働者にとって今日よくなっておらない、こういうのが六月の報告だ、こういうふうに思うので、いま言った五つの問題、失業の期間が長くなっておる問題、あるいは企業の都合で離職した問題等について、局の方から若干説明してください。
○説明員(細野正君) ただいま、先生から御指摘ございましたように、失業しておられる方の中で、高年齢者の方の割合が総体的に高まってきつつある、あるいは期間がやや長期化の傾向が出ている、あるいは就職される先について、規模が小さいところが多くなってきつつあるというふうな点は、傾向としてはいずれも先生御指摘のとおりでございまして、したがいまして有効求人倍率等につきましても、高年齢者になるほど倍率が非常に、求人倍率でいけば低くなるという傾向でございまして、特にまあ五十歳ぐらいを超えたところにおいては、非常に求職が大幅な超過になっておるという点も御指摘のとおりでございます。 そういうことで、全般的になかなか良質の求人を確保することがむずかしゅうございますので、非常に努力はしているのでございますけれども、そういう意味での再就職の期間もやや停滞をしてきているというふうなことは、それぞれ先生の御指摘のとおりでございまして、私どもも求人開拓等について積極的な努力をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○片山甚市君 それは先ほど佐々木理事の方からも、社会労働委員会派遣の調査報告にもありましたけれども、青森では有効求人倍率は〇・二〇倍、前年同月比において〇・〇二倍下回り、北海道でも〇・四九倍ですが、昨年と比べると〇・〇七倍下回っておる。これから見ても、地方では雇用問題は景気動向と同時に、より深刻化して、対策を強めなきゃならぬ、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 現在のこの雇用、失業情勢が地域的に私は集中してきておると。全体的には就業構造、先ほど話が出ておりましたが、五千五百五十万人の就業者が出ておると。去年同月比から見れば百十万人ふえておると、こういう指数は確かにありますけれども、やはりこの完全失業者の数というものは、ずっと百二十万台を現在続けておるということ。しかも、その失業、雇用情勢が地域的に集中しておるという、こういう問題が社会的に非常に深刻な雇用、失業問題になっておると、このような認識を持っているわけでございまして、全般的な面から言うと、多少明るい兆しが出ておるという見方もありますけれども、私はやはり深刻な社会問題化しつつある雇用、失業対策に対して万全を期さなきゃならぬと、このように思うわけでございます。
○片山甚市君 実は、大阪総評が大阪阿倍野職業安定所管内及び東大阪市を中心に——御承知だと思いますが、阿倍野職業安定所管内というのは造船、鉄鋼(平電炉)などの構造不況業種が多いところです。東大阪は伸線業が多くて、不況業種の指定を受けた地域でありますが、それを調査した結果、阿倍野職業安定所の資料によると、六月の有効求人倍率は〇・二七倍で、新規求人の規模別状況は中小企業が中心で、特に二十九人以下の企業の比率は求人の五六%に当たりました。 総評は、この阿倍野職業安定所の窓口を尋ねた離職者に直接聞き取り調査を七百十八名に実施をした結果、四十五歳以上の中高年の男子が全体の六三・三%あり、その七〇%以上の離職者の理由は企業の都合、すなわち倒産、整理であります。 中高年齢層の求職者は、これらの条件の中で希望する職種は選べずに、低賃金に甘んじて再就職してもまた失職するという不安定な雇用関係にありますけれども、勤続年数の短さ、大体十年以下が約五〇%あります。ですから、これで二、三回転職いたしますと、そのたびに賃金の水準が一回ごとに五万円ずつ下がる、こう言われるような、条件を切り下げなければ就職はできない、こういうような状態であります。 公共職業訓練所への期待はどうかというと、全体の一七・七%は希望しているけれども、希望する科目があると答えた者はそのうちでわずかに三十人、二四%でした。訓練後の再就職、その間の生活に大きな不安があるということを示されました。全体の六八%の者が失業給付を延長してほしいと訴えているのです。決して失業する自由を求めてそう言っておるのではなく、何としても食べていかなきゃならぬ、こう言っておる状態でありますが、労働省から見て、その事情についてどういう所感を持たれますか。
○説明員(細野正君) 大阪地評の調査の結果につきましては、私どもも承知をいたしているわけでございますが、その中で、窓口等における調査の結果として、給付日数の延長についての御希望がかなりあるという点についても私ども承知をいたしているわけであります。 この給付日数の延長の問題につきましては、雇用保険制度におきまして、年齢等によって再就職の難易度を見まして給付日数をすでに長くしているという点が一つ、それからもう一つは、高年齢者につきまして、御承知の個別延長というふうな制度を設けております。あるいは御存じの特定不況業種離職者臨時措置法によりまして、四十歳以上の手帳所持者について九十日の給付延長を行うというふうに、いろいろな個々の被保険者の方々の実情に応じまして、またその就職の難易度に応じていろいろな措置を講じてきているわけでございまして、かなり従来に比べ、あるいは諸外国等と比べましても整備拡充されたものになっているんではないかというふうに考えている次第でございます。
○片山甚市君 非常に困難な事態になりまして、その調査の結果は、企業が安易に人員整理など強行しているという現状が明らかになりました。雇用安定事業、高齢者の雇用確保などの諸制度の有効性が疑われておるので、これを強化してほしい。新たな解雇規制の制度の確立をしてもらいたい。すなわち、会社の都合だけで解雇されない社会的ないわゆる保障をしてもらいたい。これが一つであります。 二に目には、雇用保険等現行制度が完全に活用されているかというと、必ずしもそういうことを言い切れませんから、その宣伝や指導を強めてもらう。 それから三つ目には、高齢者の問題として、雇用問題だけでは解決せずに、年金の問題、生活保護の問題について、全体としてバランスをとらないと、雇用だけでは解決できない。調査の結果、そういうふうに。そういうことで、雇用、失業問題は、雇用問題だけでなく、解決を求める限界としては、あろうと思います。ですから、財政、金融、経済全般の施策としてこれを解決しなければ、抜本的な対策にならないだろう、こう思います。 そういう意味から、私たちとしては政府に聞きたいのは、今度の、いわゆる五十三年度の補正予算に、特に先ほどからお答えがありますけれども、雇用安定のために最も力を入れていく問題として、いわゆる雇用を創出する場合に社会福祉を中心として力を入れてもらえるかどうか。これは特に厚生省との関係ありますけれども、労働省からの御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 労働省といたしましては、従来の産業構造が物をつくって輸出をするということに偏り過ぎているんではないかと、こういう認識の上に、やはり内需の拡大の中身も、いま御指摘のような問題を踏まえて、簡単に言いますと福祉型産業構造に日本の社会構造を、基調を変化をするような方向に努力をいたしたい。 そして、いまいろいろ具体的な提言がございましたが、まさに関係省庁との政策の整合性というものを十分踏まえて今後努力をいたしたい、このように考えます。
○片山甚市君 大臣にもう一度お伺いするんですが、個別延長制度の完全な適用、適用範囲の拡大、雇用保険制度の一〇〇%の加入達成。と申しますのは、いわゆる事業主は雇用保険に入ってない者もおりまして、このために給付を受けられないというのが窓口でわかりました。ですから、これは大変な問題でありますけれども、雇用保険に加入をきちんとさせるための努力を、いわゆる労働省としてもこの際力を入れてもらわないと困る、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 現在のこの厳しい雇用情勢を考えますとき、従来の雇用安定資金制度の内容の充実、あるいはまたそのほかの雇用安定対策については、ひとつ十分時代の要請に沿い得るような方向で検討いたしたい、このように考えます。 それから、いまの雇用保険制度の運用面でありますが、未加入事業所の問題でありますが、これはやはり積極的に労働省としてもPRのためのパンフレット、こういったものを外に出しまして、十二分に雇用保険制度の趣旨というものを徹底したいと、このように考えております。
○片山甚市君 高齢者の雇用問題は、特に先ほど申しましたように年金問題と生活保護の対策、万般にわたりますけれども二つあろうと思います。これについて、いわゆる労働省が雇用安定というのは生活安定ということにつながることでありますから、先ほどから大臣が力を入れておっしゃっていますから、そのように強く要望しておきます。もうお答えがありましたから、疑っておるんじゃなくて、それをやってもらわないとこの地域は困ると思うんです。 次に、東大阪市における調査では、阿倍野の管内の状況とともに五十二年度の離職者のうち七七・三五%が現在雇用保険の受給者で、いわゆる失業中であります。求職について言えば、再就職の紹介は、知人、友人が五〇・二%、親戚が一二・四%、新聞広告などが二九・五%、合計九二・一%で、何らかの個人的解決策で解決して、公共職業紹介が決定的に弱いという結果が出ておる。非常に残念だと思うんです。いわゆる公共職業紹介についての役割りが非常に弱い。データはまだまだ多くの問題を指摘しておるんですけれども、たとえばそういうことを見ていくときに、史上最大の経常利益、二百六十四億円を上げておるところの大阪瓦斯の身体障害者雇用率は、一・五%に対してわずか〇・五%の達成率です。また五十五歳以上の雇用率については、六%に対して三・二%の達成率です。ということは、雇用創出ということになりましても、大企業が自分らだけにいい者を雇っている、こういうようなふまじめな態度をとることについては非常に残念だと思う。いま円高差益で攻撃を受けている電気、ガスの一つの、たとえば私の出身の大阪で言えば、大阪瓦斯が二百六十四億円も為替差益でもうけておる。為替差益だけではありませんけれども、相当利益を今日受けておる。それにかかわらず身体障害者雇用率も、高齢者に対する中高年齢者の雇用率も達成しない。こんなものを放置しておいては何にもならぬと思う。先ほどから言うように、いわゆる東大阪における人たちは知人を頼り、親類を頼り、新聞広告を頼る、公共職業紹介について頼り切れない、こういうことについては労働省としては十分に考える必要があろう。一つの例でありますから、これは全部ではありませんよ。ただ大阪瓦斯が憎いなどと言っておるんじゃない。たとえば、私が調査したらそうなっておるんですから、これはこの国会を通じて明確にしておきたいと思うんですが、まず大臣から、私の言いよることについてはどうです。
○国務大臣(藤井勝志君) 具体的な実例を踏まえて御指摘がございました。私は実はそういう実情について初めていまお聞きして認識を新たにするわけでございまして、もしそのような事実があるならば、われわれは行政指導をする責任の立場として、高齢者の雇用の拡大のために吸収率制度、あるいは身障者の吸収率制度、こういったものをひとつ積極的にPRしたい、行政指導したい。同時に、公共職業安定所が物の役に立っていないではないかという、こういうふうな多少御批判が感じられたんですけれども、まあこれはやはり利用者側ももう少し積極的に職業安定所の窓口を訪ねていただけるように、われわれはわれわれでそういう窓口に来ていただけるようなひとつPRを積極的にやりたいと、このように考えますから、一層の御鞭撻また御指導を願いたいと思います。
○片山甚市君 職業安定の仕事をしておる人たちが怠けておるなどといっておるんじゃなくて、信頼の度合い、仕事のぐあいということになると、これは東大阪の場合は四国、九州の方々を高度成長のときに集めてきましたから、全部田舎へ次三男坊で帰ってしまっておる。追跡調査をしました。ですから、そういうときにも、いわゆる頼っていくところがそこしかないということですから、大変不幸なことが重なるということを例として申し上げた。 私は、大臣がそういうようにおっしゃっておるんですが、定年延長や時間短縮、週休二日制の実施、年休消化の指導も耳ざわりとしてはよろしいんですが、現実には雇用主が非常に深刻な状況であって、即効的ないわゆる対策が必要だと思う。指導といっても具体的にどのような職種にどのようにして人を雇っていくのかということを明確にしなければ、指導、指導で明け暮れて解決はできないと思う。ですから、今度の補正予算を組まれるときに、どのような方向でどのようにいわゆる就職をする機会、就業する機会をつくると、こういうことで明示をしていただけるように、大臣いかがですか。
○国務大臣(藤井勝志君) 労働時間対策の進め方につきましては、先ほどから私お答えをしたわけでございますが、具体的にどういうふうに今後進めるかの事務的な問題につきましては、局長からお答えをさせます。
○説明員(岩崎隆造君) ただいま私のお答え申し上げる範囲は、労働時間短縮あるいは週休二日制等についての業種別にどのようなものに重点的に指導を指向していくかというお話でございます。 先ほど大臣からもほかの先生の御質問にお答え申し上げたところですが、労働時間問題につきまして労働基準審議会から建議をいただきまして、私ども事務次官通達ないし局長通達をもって都道府県ないし基準局で労使に重点を指向しまして、コンセンサスを得ながら進めていきたいということでございます。現在、中央段階におきましては、その基準審議会の御建議にもありましたことを踏まえまして、幾つかの業種につきまして産業別にまず労使の会議を持ちたいということで、それぞれ業界の労使に対しまして働きかけを行っているところでありまして、まだ具体的にどこがどういうふうに進められるかということをこの場でお答え申し上げる段階に至っておりません。それからさらに、その成果を踏まえまして、各地方におきましてはその産地、その地方における特有産地あるいは業種等に対しまして業界を中心に、事業所を中心にいたします指導を具体的に進めていきたいということで、これまた中央のそういった業種別の労使会議の進展を待って指導してまいりたい、このような段階でございます。
○片山甚市君 私の質問が十分でなかったですから、お答えもそうなりましたが、そういうようないわゆる時間短縮、週休二日制の実施、年休消化などということについてはよくわかるんですが、それよりも具体的に解雇を規制するとか、どのように雇用をつくり上げていくかというような問題についてのいわゆる具体策を示さなければならぬと思います。そのいま申しましたところの問題について、定年延長あるいは時短、週休二日制などについて反対ではありません。しかし、それは即効的にいま役にすぐに立つようにならない。これはいま困ったものだというお話をしたんであります。ですから、いま困っているものについて具体的に措置をとるように、努力すると大臣おっしゃっておるんですから、今度は五十三年度補正予算を組むときに、そのような方向に向けて公共投資だとか公共事業の前倒しだなどということでなくて、具体的に仕事をつくるようにしてもらいたい。意見が対立するんじゃありません。どこに重点を置くかと言った。いますぐにどうするかということをやりながら、中長期の問題を考えてもらいたい。こういうことについては意見が対立しないと思いますから、いかがでしょう、大臣。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のとおりでございまして、労働時間対策は、これは私は中長期的な構えで処理せざるを得ないと。応急対策としては、たとえば造船の場合には、新しく船をつくるとか、あるいはまたプラント・バージを積極的に開拓していくとか、こういったことによって応急対策をやっていく。もちろん、公共事業への失業者吸収率制度も、これも当然推進しなければならぬと、このように思うわけでございます。
○片山甚市君 去る六月の十四日、奈良県評雇用対策委員会と、いわゆる奈良総合職業訓練校、県立総合訓練校当局及び訓練生との間で現状の問題点と今後の改善策について意見の交換をしたときに、次のような意見が確認されたようであります。 一つは、労働者の希望に基づく訓練職種の拡大を図ること。特に、中高年齢層に対する訓練は、訓練が生きる実感がない。訓練後の再就職に生かせるものをつくってほしい。三つ目に、施設の改善、環境の整備を図ってもらいたい。非常に不十分なようであります。四つ目に、養成、能力開発の合同授業の改善を図ってもらいたい。五つ目に、指導員の増員、これは非常に切実であります。六つ目に、訓練内容の質的改善。七つ目に、卒業生の就職完全保障。これは大変困難なようでありますが。八つ目に、企業の雇用義務。特に大企業の雇用責任の明確化。先ほど大阪瓦斯のことを言いましたけれども。 そのようなことで、私たちとしては、せんだって職業訓練法の一部改正をするときに、いわゆるこの訓練法の改正が、養成ということに重点があったのを、むしろ能力開発といいますか、中高年齢者に対する就職を、就業できる機会をつくろうということになった。本委員会の四月二十七日の附帯決議について、速やかに実施ができるようにひとつ努力してもらいたい、こう思います。いかがですか。
○説明員(石井甲二君) 職業訓練につきましては、先ほどの国会で成立いたしました改正案によりまして、現在進めておるところでございますが、現在のところ、御指摘のように、従来の職業訓練の体制を変えまして、一つは、いわゆる離転職者訓練というものを大きく中心に置くということに変えたいということで現在進めております。その中で、ただいま幾つかの御指摘がございましたが、大きく分けて三つであろうかと思います。一つは、職種につきまして、いわゆる希望する職種、まあ端的に言いますと、ニーズに対応した、職種に対する一つの弾力的な対応がおくれているんじゃないかということ。第二は施設の問題であります。第三は指導員の増員の問題。大きく言って三つになろうかと思います。 まず、第一の職種の弾力的な対応につきましては、これは確かに大きな問題でございます。特に、現在のいわゆる指導員の問題、あるいは職種という問題を考えますと、非常に固定的な性格を持っておりますから、これに対してどう対応するかということは、かなり大きな問題でございます。 それから、施設の問題につきましては、私ども順次それを改善をいたしたいと思います。指導員の問題についてもそうでありますが。 そこで、現在考えておりますのは、いわゆる職種の転換あるいは従来必要でない職種の廃止ということについて、五十三年度におきましては、六十五科目につきましてその改廃を行うよう準備を整えております。また、将来につきましては、今度の訓練法の改正によりますように、従来の公共職業訓練だけではなしに、たとえば従来の各種学校、現在専修校でありますが、そういうところ、あるいは事業内の認定訓練、そういうところをいわゆる訓練の受けざらとして委託訓練をすることができるように、今度の法律で改正をされました。そういうことを兼ねながら、現状に適するように、また離転職者が実際自分の希望する職種を大きく広げるように、また就職もそれに対応するように今後とも努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○片山甚市君 大体、奈良のようなところで、構造不況に該当するような鉄鋼や金属の訓練を受けましてもどうにもならない。実は、御承知のように、あおによし奈良の都はという、造園のこともできるところでありますから、大都市にとって貴重な——大臣おっしゃるように、第三次産業にひとつ足を入れようということになれば、中高年齢者で、全部ではありませんけれども、そんなこともできるので、そういうことすらないのです、職業訓練。皆さんの方は、方針だけはいろいろあるんですが、目の前の、みんなしてほしいことについて、皆さんが役人として、やったことないことはやらないというのでしょうけれども、少しそういう点では思い切った努力をしていただきたい。御回答はまとめていただきますが、とにかくそういうように思いますから、私の意見に反対であればこれは別ですが、とにかく具体的に言えば、大都市の周辺では造園といいますか、園芸というか、そういうものに、年がいった人はできるのでありますから、そういうことで、ひとつ考えてほしい。これは私から言うまでもなく、考えておられると思うのです。大臣、ひとつ検討してくれませんか。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の点は全く私も同感でございます。十年越しの改正ができたのですから、この機会に時代の要請にこたえるべく全力を尽くしたい。御指摘の点全く同感であります。
○片山甚市君 実は、せんだって佐々木理事を初め委員長、委員で調査に行きました函館を中心とした問題ですが、雇用創出の問題については、大臣から、相当の決意を持ってやると、こうおっしゃっていますから繰り返しませんが、特定不況産業の雇用の問題について、函館ドック、楢崎造船は報告のとおり、三月現在で千二百二十七人の離職者が出ておりますが、これが再就職は皆無に等しい状態です。そのために、十月から実は十二月にかけて失業保険が切れますので、失業保険給付の再延長をしてほしい、こういうような意見があります。先ほどから言いますように、失業保険をいただきたいのでなくて、就職する機会を早くつくってほしいという言葉とうらはらでありますから、その点について善処を願いたい。 それから、その他再就職促進の具体化をできるだけ全体的にやってもらいたいと思うのですが、先ほど大臣も言うように、地域的にいわゆる離職者が発生しておりますから、困難なことはわかりますけれども、道と国とが力を合わせて、まず努力をしてもらいたい。これが一つであります。 二つ目には、いわゆる何らかの形で九十日給付の、北海道の季節労働者と本州の季節労働者は違うということについて、出かせぎについてわかっておると思いますが、いわゆる九十日給付の確保を措置してほしいという陳情を受け、それについてもやむを得ないものがあると思うのですが、これについて御回答願いたい。そのかわりに冬期間の、いわゆる冬の期間の仕事の場の確保のために、特別交付金を含めた市町村の事業を促進をしていただきたい。そのための積寒給付金の拡大等を図ってもらい、現行の七万六千円を十万円台に増額してもらい、指定業種を先ほど報告していますように、七業種から十五業種にふやしてもらい、そうして、さらに企業組合の育成強化を弾力的に運用してほしい、こういうような私たち話を聞いてきました。省として、政府として、できるだけその線に沿う諸問題についての御努力を願いたいと思って質問をするわけです。
○説明員(細野正君) いろいろな点についてのお尋ねがございましたが、まず、構造不況関係の離職者の再就職の促進等の問題につきましては、これは先ほど来大臣からもお答えがございましたように、特に特定の地域においてはいろいろな問題が起きておりますので、そういう地域に対する対策というものを私ども関係省と連絡をとりながら充実してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、北海道の冬期の季節出かせぎの方々に対する対策でございますが、九十日をもう一遍戻すということは、それは先生も御存じのような事情で、非常に困難でございますので、むしろ私どもとしましては、積寒給付金等の改善等に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 法律的なことがあって問題がある初めの九十日の問題については、むずかしいという御答弁がありましたかわりに、積寒給付金等の拡大についてはせっかく努力をいただき、私たちの申し上げておることについて趣旨に沿うようように努力をしていただけますか。
○説明員(細野正君) しばしば関係の労働組合の方ともお打ち合わせをしておるわけでございまして、そういう点で実情に沿って私どもも直せるものは直してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 時間がないものですから、本来これだけで大体三十分から四十分ぐらいお話をする方が、労働大臣にとっても私たちの報告がわかるんでありますが、少し簡略にすぎましたけれども、もう一度報告をお読みいただいて、私たちがその地域の痛みをどのように国会の場で解決するかということの話だとひとつ受け取っていただいて、四十日を九十日にもとに返すことについて困難だと言われたことについて了承するよりも、それなら積寒対策だろうと何だろうと失業しないで働けるようにする、その方に重点を置くからしばらく待ってくれと言ったことに私は解釈する。四十日を九十日にしてくれと言った、それはできないと、そのかわりその趣旨はよくわかるから積寒対策などいわゆる仕事ができるような体制をできるだけとるからしばらく見てくれと、こういう趣旨だということにとりますが、局長いかがですか。
○説明員(細野正君) 制度の問題としては、私どもは九十日というのは非常に困難な問題だというふうに考えておりますが、しかし北海道の事情等もございまして、そういう積雪寒冷地の給付金等が実情に即して行われるようにできるだけ努力するというふうに私どもはやってまいりたいと思っております。
○片山甚市君 大臣、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(藤井勝志君) 私は北海道へ訪れる機会がございまして、ほんの部分的でございましたけれども、北海道の季節労働者の諸君の事情につきまして認識を深めさしてもらったと思います。やはり、ともかく北海道は雪に覆われて半年近くどうにもならぬ。しかし、その期間やはり何か工夫はできないかという、ただやむを得ず仕事につかないで手当をもらうというのは、労働者のお気持ちとしてもそぐわないと思うんです。だから、冬できる仕事をどう見つけ出すか。たまたま私は対馬委員長からもお話を聞きまして、たとえば河川砂利取りの問題、こういうふうなひとつ冬でもできるような仕事が何とかして事務的なペースに乗るように工夫をしたいということで、現在事務当局にこの問題の解決について検討をさしておるわけでございまして、要するに、ひとつ北国において何とかして仕事を創出するということに知恵をしぼりたい、このように考えておるわけでございます。
○片山甚市君 にわかにいい話はできませんでも、とにかくいま大臣がおっしゃるように一歩でも前へ進めるようにお願いをしたいと思います。 実は、行政管理庁が民営職業紹介事業等の指導監督に関する行政監察結果に基づく勧告というものを出しております。これはもう時間がありませんから、私の意見を述べて、大臣の簡単な所見を求めたい。 第三次産業による雇用拡大を図る以外に、今日では構造不況の問題を解決する道はないというお話があります。先ほどビルメンテナンスの話を聞くと、労働災害は最高に多くなってきておる。ところが、これは民営職業紹介事業というのができたそうでありますが、私が第八十回国会でも言いましたように、有料職業紹介事業のいわゆる規制の枠の中の問題だと思うのです。公共職業紹介事業というものがもう少し枠を大きくして、このような人たちを吸収すべきだという考えに立ちます。 そこで、今度の報告は職安法を変えてやれというようにとれるんでありますが、そういうことを私は認めるわけにいかない。法律が間違っておるから、いわゆる法律を改めろというようにとれる勧告だと思いますが、それはいかがでしょう。
○説明員(細野正君) 行管の勧告は、先生いま御指摘のように、指定職業の範囲とかあるいは補償金の限度額とか差額基準等につきまして、事業の実態を踏まえまして見直しをしなさいと、こういう点が一点。 それからもう一つは、事業の運営に対する指導監督を徹底して、無許可の事業所の実態を把握して指導しなさい。 この辺が一番中心点かと思われるわけでございますが、私どもとしましても、まず、できるだけこういうものの実態を把握しまして指導監督の強化をし、問題に対処する。これは当然のことだというふうに考えておるわけでございますが、この規制措置のあり方につきまして、なお、私どもとしましても実態の把握を十分やった上で、その結果に基づいて今後慎重に検討したいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 実は、有料職業紹介の問題については改めて議論をしたい。民営職業紹介事業というようなものを法律的にどこに規定するのか、こういうことについても議論をしたい。私が見たのではそういう文章は職安法にはないように思うのです。それから、職安法に民営職業紹介事業というような対象になっていない。認可をするようになっておるように思います。 そこで、その問題については私の意見として、行管の方でこのことについて職安法を変えるような形で出されるとすれば反対である。むしろ、職安法をもう少しきちんと実行できるように、そして国際条約に基づいて有料職業紹介所がなくなっていくような形をとるべきだと思う。これはもう特にプロダクションの問題を含めて大変な事件があるのでありますから。ここで時間がありませんから触れません。 最後に一つだけ。労災事故ですが、実は九州の方で大塚守一さんという人からかたかなのタイプライターできておることですが、この方の趣旨は、労災一級——重度被災者は年金をもらっておるんですが、全国で約二万人ぐらいおると思います。これらの被災者は三年から九年以上も社会復帰ができずに病院や自宅で療養をして待っておる。そして年もいってまいりますから、その家族が、年金をもらっておる方ですが、介護して疲れたときにその年金を引き続きもらえるようにしてもらいたいということで、そのためには、きょうお話をするのは簡単に言いますと、その実態調査をしてもらいたい。重度の一級から三級までの労災による障害年金をもらっておる人の生活実態を調査をして、どういうような介護を必要として、この介護しておる人たちは、主としてこの人が言っておるのは、奥さんとかあるいはお父さんとかお母さんとかいう人が見ておるんですが、それをしてもらいたい。こういうような要求があるんですが、もっともだ、実態を調査せずに要求を解決するわけにいきませんから、一級から三級までの労災による被災者に対する生活状態、そしてその介護しておる人たちもいわゆる老齢化しますね、一緒におばあさんになる。そういうときには、その人に年金をいただきたいというこの人たちの長年の意見があります。 これについての御意見を賜りたいと思います。終わります。
○説明員(岩崎隆造君) ただいま先生御指摘のような調査を、実は昭和五十年度に婦人少年局で一度調査をした——私は実は実物を存じませんので恐縮なんですが——ということでございますが、この点につきましては私どもも先生の御指摘の点がわかりますので、必要に応じまして実態調査等もするような方向で検討をいたしたいと思います。 ただ、労災保険のたてまえそのものが、労働者が労働災害によって失った稼得能力をてん補することを目的として保険給付を行うということになっておりますので、死亡者に対します年金を遺族に支給するということは当然でございますが、御提案のような障害年金を給付していた方がなくなられた、その遺族に対して引き続き年金の形で給付を継続するという形のものは、労災保険において措置するということは制度のたてまえからいって困難であろうというように一応考えられるわけでございます。
○片山甚市君 いや、よくわかりました、その説は。しかし、労災の年金をいただいておる方の介護をしておる人がおるという現実、その人たちが年いったときに国民年金なのか何なのかということを調べてもらうと、その人は何ももらえなくなるんですね。生活保護の手当しかもらえなくなると思いますから、そういうことについては大変片手落ちだと思うので、それを変えるためにも、法律がいまのままでできないから言っておるのでありまして、法律ができるのならここで言いません、言葉で済むのですから。これは抜本的に労災補償についてのあり方を考えてもらいたい、こういうことで本日は意見を終わります。
○委員長(対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分再開することとし、休憩をいたします。 午後一時休憩 —————・————— 午後一時四十四分再開
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開をいたします。 午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○下村泰君 委員長を初めといたしまして、委員の各位にお礼を申し上げます。私ごとといっても実は公のことなんでございますけれども、実は私の与えられた質問の時間にちょうど席を外しますので、順序を入れかえさせていただきました。ありがとうございました。 身体障害者の雇用問題についてお伺いいたしますが、身体障害者といいましても、それぞれ異なったケースがあります。一概にどれがどれというふうにまとめることはできません。特に、重度の身体障害者や精神薄弱者の適職というものを見つけることは、これは容易なことではありません。しかし、このような立場に置かれた人々の社会参加の場を確保することが、最近になりまして大きな問題となっております。 そこで、大臣に伺いますが、こういう方々の雇用問題について、大臣、基本的にどういうふうにお考えでしょうか。まず大臣のお気持ちを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 非常に厳しい雇用環境の中で、特に身体障害者の皆さん方の労働、雇用問題というのは、われわれとしては立場がお立場だけに、一層きめの細かい配慮をしなければならぬと、基本的にこのように考えております。
○下村泰君 ありがとうございます。 労働省の方に伺いますけれども、ある小冊子に「これからの障害福祉」という小冊子がございまして、それに、これは昨年の調査なんですけれども、「五十二年三月末に都立の特殊教育諸学校を卒業する障害児のうち、就職、施設入所など行く先が決まっているのは五十一年末現在で四分の一にすぎない」、こういうことが出ておりますけれども、ことしの調査が私はわからないのですけれども、今年度の状態はどういうふうになっておりますか。つかんでいらっしゃいましょうか。ありませんか。
○説明員(細野正君) 一般的には昨年よりもややいいんじゃないかというふうに考えておりますが、具体的なデータは手元にございませんので……。
○説明員(田淵孝輔君) 先生御指摘の雑誌の記事等私ども拝見しまして、早速その後東京都を通じて調べておりましたところ、昨年よりは若干上回っておる結果は出ておりますが、手元に正確な数字は持ち合わせてございません。
○下村泰君 大変これは調査しにくいものだと私もわきまえておりますので、御無理は申しませんが、こういった身体障害者を主体にした国での共同作業所というのは、一体どのくらいあるんでしょうか、お教え願いたいと思います。
○説明員(田淵孝輔君) 国が直接に共同作業所を実施しているケースはございませんで、社会福祉法人が大型授産所等を運営する場合に、国から補助金が出るとか、そういう制度が厚生省の民生サイドの制度としてございます。労働省としましては、こういう共同作業所あるいは授産所等につきましては、私どもの所管事項ではないということで、特に実施はいたしておりません。
○下村泰君 それがとにかく実態だということですね。 そこで、こういったお子さん方を持つあるいはそういう方々が、篤志家でございますとか、あるいはある種のそういった慈善団体でありますとか、あるいはそういうお子さんを持っている親御さんでありますとか、あるいは本人たちによりまして共同作業所をつくっておるようですけれども、その実態調査をなさったことがおありでしょうか。ありましたらばその数などをお知らせ願いたい。どのくらい労働省では握っておりましょうか。
○説明員(田淵孝輔君) 先ほども申し上げましたように、労働省としては一応雇用労働者とそれから事業主という形で行政を進めておりますので、そういう問題についてはかなりふえてきているということを承知いたしておりますが、労働省として実態を調査して正確な数字を把握しておりません。
○下村泰君 実は、共同作業所全国連絡会という会がございまして、ここで調査している結果には、全国に五十カ所以上の共同作業所が誕生している。あるいは個人の家々でやっているのを入れますと、大体全国で二百五十以上、三百近くあるのではないか。これも実際のことを言って、あるのではないかということであって、個人がその家々でやっておる状態までつかみ切れないものですから、いまのところ全国に五十カ所以上ということになっております。この方たちが、一番こういうところにいて喜びを感じているということは、同じ障害を持っている人たちがそこに集まり、そこで仕事をする。私たちでもこういうふうに働くことができる、それから働く喜びを得られるのだというのがほとんどの方のお気持ちなんですね。 ここに「障全協新聞」というのがありまして、この中にも書かれておりますけれども、これは京都の「まいづる共同作業所」の方の書いた一文ですが、ちょっと読ませていただきます。「私たちの作業所には、現在二十五名の仲間たちが、自宅や病院から元気に通所し、四人の指導員と共に力いっぱい働いています。 昨年九月の開所以来どうにか続いていた下請作業も、この春から急速にへり、かねて懸案の自主作業にとりかゝり始めました。竹ぼうき作りや、端布利用のペンケース作りです。」これは恐らく万年筆でありますとか、ボールペンを入れるケースだと思いますが、あるいは筆箱のようなものだと思いますが、「畑にはさつまいもや豆を植え、秋の収獲を楽しみにしています。 精神に障害のある人の比重が高く、自分のカラに閉じこもりがちだった仲間も、養護学校出の若い人がふえるにつれ、次第に明るくなり、一定の規律も生まれ、最近やっと仲間の会を組織できるようになりました。 しかし、一日三百円の日給では交通費にも不足する有様、六月には通所補助費をと市会請願もしました。」これは恐らく京都市だろうと思いますが、「毎日働く仲間たち、「作業所は生きがいだ」という仲間たち、彼らが夢と希望をもち、真に生きることの喜びを味わえるように、もっともっとがんばらねば、と思います。どんなに重い障害者にも、幸せに生きる権利のあることを、行政に、社会に、訴えたいと思います。」 こういう文章が載っておるのですけれども、この方たちに本当に働く場所を与えるということは、これは容易なことじゃないと思います。そして、この方たちがこういったようなことを政府に対してお願いをしたい。これ一番彼らが、この間も陳情を受けまして聞いたのですが、いわゆる雇用促進納付金という制度がございます。その納付金の制度で、前に小平先生からもいろいろとお尋ねがございましたが、五十三年度は大変な何ですか、予算になっているようで百五十九億七千万、五十三年度の納付金がこういうふうに予定されております。こういうふうな納付金、もちろんこれはいろいろと使い道、この中にも私、これ詳細に書かれたものを持っておるんですけれども、こういう納付金をこういう共同作業所、これはもちろん民間でございますので、なかなかその実態はつかみにくいでしょうし、そういうところへ簡単に助成金を出すというわけにもいきませんでしょうけれども、労働省としてはこういうことを少しでもお考えくださる御意向がありましょうかどうか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のごとく、私は心身障害者の福祉というか幸せというのは、やはり働く適当な場を得て生きがいを感じてもらうということ、これが基本だと思います。そういう面から、いま具体的な例を、手紙を通じて御説明をいただきまして、まさにさもありなんという気がするわけでございまして、ただ問題は、納付金制度というのは御承知のごとく身障者の雇用率促進の一環として制度を設けており、その納付金を原資といたしまして身障者の雇用の拡大を図ろうと、こういうことでありまして、ただ共同作業所とそれから身障者との間の雇用関係というものがないとむずかしいという、こういう事務的な取り扱いが一つのネックになっておるわけでございまして、私はひとついい工夫があれば、事務的な取り扱いもさることながら、やはり身障者の本当の意味の福祉をつくり上げるために、同じ立場の人がみんな寄って仕事をするという、こういうことに対してまさに身障者の雇用拡大のための原資を、納付金の原資をひとつ活用するということについて検討したいと私は考えております。
○下村泰君 そうしますと、いま大臣のお言葉から——私の方が勝手に推察をするわけですけれども、いずれはその納付金というものの使い方も、ある程度そういう方向に考えるというふうに受け取ってよろしいですか。
○国務大臣(藤井勝志君) まだそこまで事務的な、検討をする事情も私は知っております。ただ、心情的にいま下村委員の御指摘のような気持ちも私もきわめて同感である、何か分別はないものかと、こう考えておる、こういう状況でございます。
○下村泰君 ありがとうございます。 実はこんなもの、大臣恐らくごらんになったことはないと思うんですけれども、私は目黒区に住んでおりますので、目黒区ではどういうような作業をしておるのか、その実態もよく見てみなければ、またいままでもよくこういう作業所に伺ったことがあるんですけれども、労働省の恐らく上役の方は御存じないと思う。下の方の方はよくこういう現場へお出かけになるからおわかりになると思うんです。もしなんでしたら、これ、ちょっとお見せをいたしたいと思いますけれども、目黒区では比較的こういう問題に対していわゆる前向きという言葉がありますが、大変、横を向かないで、前向きですな、取り組んでおります。調べましたところ、たとえば福祉実習所をつくるにしても適当な土地がなかったために、三階建ての母子寮を、二階三階に母子の方に逃げていただいて、一階をその作業所にしているというような実態。それから上目黒というところにもつくりまして、最初にできましたのが東が丘というところなんですが、この御近所にたしか福田総理がお住みになっていらっしゃいます。この東が丘というところを拝見しますと、一番若いのが十九歳の男の子です。そして一番上が五十二歳の女性です。それから上目黒の福祉実習所の方を調べますと、四十二歳の男、これが一番上です。そして十七歳が最低と、こういうふうになっています。仕事の量を見ますと、ことしの六月でございますけれども、この六月に十六人の収容されている——収容されているというよりも、ここで働いていらっしゃる方々がいるんです。その内訳、細かく申し上げますと大変お時間がかかりますが、簡単に言えば、脳性麻痺と精神発達の遅滞——おくれていらっしゃる方ですね、こういう方々で十六名。六月の一人平均のかせぎ高が二千九百二十円、十六人ですから四万六千七百二十円、これが一カ月のかせいだ平均額です。働く子は一人で七千二十二円かせいでいる、動けない子は九百二円しかかせげない——一カ月やりましてね。上目黒の福祉実習所の方の平均をとりますと、ここでは収容されているのが十八人、一人亡くなりましていま十七人になっております。六月、十七人で働いた総額が五万七千九百九十二円、そして最高に働いた人が五千八百八十八円、最低が千四百七十六円、みんなの平均が三千四百十一円となっております。 じゃ、一体どういう仕事をするのかと申しますと、ここに持ってきましたけれど、これは高圧線の電線なんですね、これ。この中に銅線が入っている。これをただ皮を外すだけなんですよ。ちょっとここに資料があります。これが、これを実際に剥線機という機械でやりますと、一日に一人でこれ、二トンできますこれが。この短い方ですね。これが大体太い方でこれが百二、三十グラムあるんです。これを機械にかけますと、一発でこの皮がむけてしまうんです、べろっと。こうなっちゃうんです。これが全部一回ですぽんとむけるようになっています。むけちゃったんじゃ、これ、仕事にならないんですね、身障者の方へは。それで何となくむけるところまで押しつぶす。あとはこれ、ふっとこう出ていっちゃうんです。こっちも同じくこう出てくるんです、送りますと、これ、むけてくるんです。ちょっと体の丈夫なやつが引っぱればすぐむける。こちらが大体百グラムでこちらが百二、三十、これを一日にいま機械を使えば二トンできる。これを昭和線材加工という会社がありまして、これは川崎にあるんです。これは昭和電線の下請会社です。これを一キロ二十円で請け負うわけです、実習所の方が。ですから、この細く長い方、これだと十本ですか、これ二十円、百グラムですからちょうど一キロです。こういうふうなのをやりまして、一回に二トン持ってくるんだそうです、この作業所へ。そうしますと四万円なんです、全部むきまして。一カ月でとにかく二トンやってくれればいいというので、これを作業所へ持ってくるわけなんです。これを身障者の方々が仕事をするわけです。そのほかには、ボルトにナットを回すわけなんですけれども、それも両方の手が使えませんから、机の上にちょうどナットの入るような四角い穴をつくってそこへ回すとか、そういうものを合わせて、いま申し上げたような額になるわけなんです。 ところが、この仕事が率のいい方なんだそうです、これが。そのために、この様子を聞きつけた東京二十三区がウの目タカの目で、こういうことをやっている各区のいわゆる福祉関係の人が、この仕事を出している会社へ出かけて行ったらしいんですね。ところが、この会社といたしましては、何ですか目黒区のこの施設をつくるについては大変ないろいろと事情がありまして、ことに目黒区長の娘さんとこの会社の社長の娘さんとがお友達同士で、その関係でこういう仕事をいただいたらしいんです。ですから、もしこの二十三区のこういった施設をつくっているところがわっと押しかけてこの値段でやられたら、今度は会社がつぶれちゃいます、特別に出しているわけですからね。こういうふうにして、大ぜいの善意でこういうところが支えられていると、こういうことになるんです。 私、いつもこういうお話をするときにおかしいなと思うんですけれども、いまもお答えをいただきましたけれども、一体厚生省がやるべきことなのか、労働省がやるべきことなのか、大臣、ここの区分がちっともはっきりしていないと思うんですよ。たとえば、軽度の方で普通の会社なんかの仕事ができるという人は労働省の扱いで、それで全然まあ動けないといったら仕事になりませんけれども、ある程度動ける人で、いま申し上げましたようにこういう仕事をする人、こういうのは厚生省関係、いわゆる授産所ということ。そうすると、一体どこからどこまでがどういうふうなけじめをつけるのか。大臣、これもうそろそろこういったことははっきりしなきゃならない時代が私は来ているんじゃないかと思うんです。日本という国は、縦割り行政はまことにびしりできています。ところが、横さまになると全然連絡がない。それでこういう問題が起きると、いやそれは厚生省、いやこれは労働省、ここからこっちは私の方だが、ここから向こうは厚生省、こういうことになりますと、普通の健常者と違いまして、こういう方々の置かれた立場というものは全然違うと思うんです。一つお願いをしたいんですけれども、縦割り行政にとらわれずに、私らの考え方がちょっととっぴかもわかりませんけれども、労働省から何人か出る、厚生省から何人か出るして、こういう当面する問題を担当する、こういう問題を処理する一つの場所が、あるいは課ができてもいいんじゃないかというように私は考えるのですけれども、大臣いかがでしょう。
○国務大臣(藤井勝志君) 確かに、御指摘のようにこの現実ですね、やはり働く場を得て、生きがいを感じて生涯を送るという身障者、これが厚生省で扱う従来のあり方だけで問題が解決できるかという、私自身も疑問を持っております。そこで私は、この際受ける側の立場はどちらの役所であろうといいんですから、やはり相互に緊密な連絡をとってケース・バイ・ケースで私は問題処理に当たらざるを得ぬではないかと。はっきりした区分をつければ、かえってそれが障害になって縦割り行政の弊害が依然として続くということになりますから、簡単に言えば相互乗り入れですね、ということで具体的なケース、ケースで対応する。たとえば、例は違いますけれども、保育所の問題あたりが、私はいわゆる既婚婦人の労働力が非常にずっと多くなってきたんですが、いわゆる既婚婦人の労働力確保という面において、むしろいままでは保育所は厚生省であり、幼稚園は文部省ということだけに限られておる。むしろ保育所の問題についても労働省は積極的に話し合いを持ち込むべきだと、私は厚生大臣と今度十一日に会いますが、その時分には、いま保育所の問題だけを考えておりましたけど、いまの話も私は具体的に相談をしたいと、このように思っております。
○下村泰君 大変な私はそれ進歩だと思います。と申しますのは、よく行政改革、行政改革と言われますけども、必ずしも行政改革は役人の数を減らすだけが目的じゃないと思うんですね。こういうところに私は本当の意味の国民のための、庶民のための行政改革というのがあるんではないかと思うんです。余りにもそういうことに対していままで勇気がなさ過ぎたんじゃないかというような気がします。ことにお役人同士になりますと、なわ張り争いといいますかね、まるで広域暴力団みたいな感じで、(笑声)やれ、おれの方のなわ張を荒らすなとか、やれ、おれの方まで手を出すなとか、いま話を聞いておりまして、たとえば厚生省、労働省、ここまでは何とかということになりますと、何のことはない、広域暴力団のシマ争いみたいなものなんですよ、私らの感覚から言わせれば。なぜ、そういうところでもう少し一つの行政ができないのかというのは、これはもう本当に国民一般の私は偽らざる心境だと思います。私はそれを代弁しておるつもりです。ですから、どうぞひとついまの大臣のお答えくださったような方向に進んでいただくことを本当にお願いします。 まだ時間余っているでしょうけれども、私はこれで失礼させていただきます、すばらしいお答えが出ましたので。大臣うそ言わないでくださいよ。ありがとうございました。
○小平芳平君 雇用対策について伺いますけれども、今日の雇用問題は深刻な状況にあると、朝来のずっとこの審議の過程でそういう点が明らかにされてきております。その原因はといえば、これもすでに何回となく当委員会でも明らかにされておりますように、不況が長引いていること、それにまた最近のこの急激な円高傾向というようなものが追い打ちをかけていること、それらの点が明らかにされております。 それで、第一に労働大臣に伺いたいと思いますことは、五十三年度予算の審議の過程で減税か公共投資かというような議論が起き、そして雇用の創出には公共投資なんだということで、ずいぶんと福田総理を初め相当の強硬姿勢で一貫していたというふうに言えるんじゃないかと思います。この過程で、衆議院予算委員会に、じゃどれだけの公共投資によって新しい雇用創出があるのかというのに対して、政府が十七万人の新規雇用が見込めるとか、そのような点を資料として提出をした、あるいは説明をなさったというようなことがあったことは御承知のとおりなんであります。それから、何カ月かたちました今日、昭和五十三年度予算も動き出して数カ月を経るわけでありますが、果たして労働大臣としてごらんになった場合に、公共投資による雇用の創出ということが予想どおりに動いているかどうか、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のように、この五十三年度予算編成、引き続き予算委員会の審議、各委員会の審議を通じまして、公共事業を積極的にふやして景気を回復することによって、公共事業への失業者の吸収を図るというこの基本線、これは午前中も局長からの答弁をいたしたわけでございますが、私はある程度成果は上がっておるというふうに理解します。ただ、それだけでは十分でないという考え方は、私はすでに一月の二十日、新雇用政策の提案をいたしました。四月から実施しているのが中高年齢者の雇用創出の制度でありまして、それに引き続き、特に造船不況、構造不況業種、こういった事態の推移を見ながら、日本の産業構造そのものの基調変化に対応した雇用基調の変化、これを踏まえて、やはり新しい雇用創出を考えなければならぬ。また同時に、職業訓練体制も、その移り変わりの必要に対応しなければならない。こういうことで、逐次、ただ公共事業だけでは問題が解決しないという、こういったことを具体的に労働省としては提言として進めておるというのが現状でございまして、私は、公共事業一辺倒は、もうすでに全体的にも理解が変わってきたと、このように思っております。
○小平芳平君 大変、大臣から大局的に御答弁いただきましたので、私の時間もきわめて限られておりますから、このように大局的にお話しいただければ大変結構なんであります。 公共事業一辺倒ということで、雇用の創出、現在の雇用不安の解消はあり得ないということ、それは私も同感であります。 ところで、先ほどの御答弁にも出ておりましたが、九月二日の会議においては、すでに補正予算を組もうというところまでは恐らく話がいっているというふうに受けとめられるような御発言をなさっておられましたが、この点についてすでに五十三年度予算に対する補正が現実の課題になっているというふうに大臣からの御発言がありましたが、その点に対する大臣の御意見はいかがですか。補正予算が組まれるという現実問題に対して、どういう態度をおとりになるか。
○国務大臣(藤井勝志君) 五十四年度の予算編成を待つまでもなく、この次行われるであろう補正予算の中には、やはり雇用安定に十二分に配慮した予算編成でなければならぬと、このように考えております。したがって、現在、関係省庁と連絡をとっておりますが、そういったことを踏まえて、再度私は総理にもこの月の後半、強く労働大臣としてお願いをしたい。これは、五月の二十三日、四日のあの両院における決議もさることながら、大いに今後の問題を積極的に推進をしていきたいと、このように思います。
○小平芳平君 大臣から総理に対するお話がありましたが、これはごらんになっていらっしゃると思うのですが、労働白書が発表になった直後のこれは新聞の社説でありますが、「定年見直しを訴える労働白書」として、ずっといろいろ労働白書の中身について論じております。最後のところが、いま大臣の言われた総理の態度です。欧米諸国では民主主義の危機の問題として、首相や大統領がじきじきに労働問題、雇用問題に取り組んでいるが、どうもわが国の総理大臣はそういう積極さがないじゃないかということで結んでおります。われわれの見るところの、あるいはこの社説が指摘するところの福田総理の労働問題、雇用問題に対する姿勢、これはきわめてなまぬるい姿勢であって、不満足なものであるというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(藤井勝志君) これは総理を補佐するのが大臣の役割りでございまして、むしろ私の方の努力がまだ十分足りない、実らない、こういうように考えております。引き続き皆さん方の御理解ある御鞭撻のでき得るような体制に、現在の内閣の雇用対策を進めていくべく労働大臣は全力を尽くしたいと、このように考えております。
○小平芳平君 先ほどの補正予算の編成、そしてまた昭和五十四年度予算の編成、そういうことに対しましても、労働大臣がけさ来のお考えを貫き通すための十分なひとつ予算を要求する、そういうまた総理大臣に対しても各閣僚に対しても、雇用の安定ということをきわめて重大な施策として要求していくということを貫いていただきたい、このように希望をいたします。 さしあたりの問題としては、第一には、こうした不況業種、あるいは円高による乗り切りがたい産業、こうした業種や産業に対しまして、さしあたりは離職者対策があります。 それからさらには、長期的な展望に立つ産業構造の変化に伴う就業者の移動に対しどう対処するか、取り組むかという点があろうかと思います。 この二点についてお答えいただきたい。 それから、特に産業構造云々については通産省からも御答弁をいただきたい。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用政策としては、御案内のごとく、まず、できれば失業者を出さないように雇用安定資金制度の積極的活用をやっていく。どうしてもそれで持ちこたえられなくなって離職者を出す、これには雇用保険制度の活用、あるいは特定不況業種臨時措置法、そういったものと、職業あっせんを積極的にやり、職業訓練体制を整備する、こういったことでありますが、同時に、中長期にわたって、御指摘の産業構造の基調の変化に対応して、これに向かってやはり雇用の機会をつくり出すということが必要でありまして、特に第三次産業——サービス経済化と、こういう面については日本は欧米の諸国と比較して非常におくれておるわけでございますから、こういった点はひとつ一石二鳥で大いに今後推進したいと、このように考えております。
○説明員(山下正秀君) 御説明いたします。 産業構造の変化に伴いまして、今後の雇用問題をどのように全体として解決していくかということでございますが、当面緊急に対策を要しますものといたしましては、いわゆる構造不況業種、あるいは円高の影響を受けます輸出関連中小企業、あるいはいわゆる不況地域——地域の中核企業の業種の衰退によりまして地域社会が沈滞するような不況地域、これらにつきまして万全の対策を講じていきたいと考えておりますが、より中長期の産業構造変化の中におきましては、通産省といたしましては、完全雇用の達成というものに十分配慮をしながら、いわゆる八〇年代の通商産業政策のビジョンをこれから本格的な検討に入ろうとしているところでございまして、産業構造変化を十分に見通しながら、その中で完全雇用をどのように達成していくかということについての長期的なビジョンをつくるべく努力をしているところでございます。
○小平芳平君 失業者を出さないことが本来の労働行政の目標であるという点、まことにそのとおりであると思います。ところが、先ほど来申し上げますように、また大臣からもお話がありますように、公共事業による雇用の拡大ということは限度があって、それについてちょっと労働省に明らかにしていただきたいことは、確かに就業者数はふえている。これは先ほど総理府からも御説明があったように、就業者数はふえておりますが、その内容は日雇いがふえているんですね。ですから、確かに公共事業による就業者の増大はあり得る、また確かにある。結果は常用雇用が思うようにふえるんではなくて、日雇い労働者がふえたんだということがきわめて統計上にもはっきりしているんでしょうが、いかがですか。
○説明員(細野正君) 公共事業の雇用効果につきましては、建設業関係等のように直接的なものと、それからそれが及ぼす全産業への影響と二つあるわけでございますが、まずその建設関係につきましては、これはその事業の性格上当然有期事業でございますから、有期の雇用というかっこうになるものが多いのは、これは当然なわけでございます。しかしながら、それでも最近の統計では、建設業関係でも常用が若干ふえる傾向になってきているということが一つ指摘を申し上げられるわけであります。 さらに、全般的な就業者なり雇用者の増でも、これも御指摘のように、ふえ方としては臨時、日雇いというふうな形態の方がかなりウエートを占めているわけでございますが、それにしても、これも常用のふえ方も増になっているというふうなことでございまして、いずれも御指摘のように、雇用形態の臨時、日雇い形態のものがかなり高いウエートではございますけれども、常用雇用自体もふえているということが申し上げられるかと思うわけであります。
○小平芳平君 総理府統計局労働力調査、これによりますと、昭和五十三年二月以降、二月、三月、四月、五月にわたりまして常用労働者は対前年同月比減ってるんですね。臨時、日雇いがふえているんですね。
○説明員(細野正君) 先生御指摘のように、労働力調査によりまして、二月から五月までわずかながら非農林業の常用形態のものは減ってるわけでございますが、六月に至っては一・二%ほど増に転じたという状況でございます。
○小平芳平君 いや、私が言うように、二、三、四、五の四カ月は続けて常用労働者が減り、臨時、日雇い労働者がふえている、統計、この資料ではそうなっているわけです。六月はいまおっしゃったようになっている。ですから、確かに公共事業だからといって、公共土木だけじゃないですから、波及するところは。ですから、労働市場全般に影響が出ることは当然考えられますが、さしあたり大きな影響が出ているところは臨時、日雇いであったということは間違いないところでしょう。
○説明員(細野正君) 先生お話しのように、即効的に出てくるのは建設関係でございますから、したがってそういうような即効的な効果がいまおっしゃったような形になって出てくる点は御指摘のとおりかと思います。
○小平芳平君 それから労働大臣は、午前中のお話にもありましたが、通産大臣とお話をし合ったということですね、雇用対策につきまして。この点は私が次に続けていく質問でもそうですが、縦割り行政の弊害によってうまくいかない点は、速やかに直していかなくちゃいけないという観点から質問するわけであります。 通産大臣とお話をしたということ、これについては労働省は何を話しされたのか、通産省は何を話しされたのか。すでにやったその内容はどういう内容か、これからまたどういうふうにやっていかれるか、ごく大まかな大綱で結構ですからお答えいただきたい。
○国務大臣(藤井勝志君) 申し上げるまでもございませんが、やはり企業が雇用を提供する、企業の行政指導なり監督官庁は通産省でございます。したがって、いま産業構造が基調的に変化しいてる、こういったときに当たって、通産政策と労働政策というのがまさに密接不可離の関係において問題に当たるということが私は必要だということを常々感じておりまして、それに先般労働大臣の私的な諮問機関である中期雇用政策懇談会の提言を受けまして、従来のあり方を百八十度転換すべきだという趣旨の、いわゆる経済政策先行・雇用政策追従型のあり方はひとつ変えて、雇用安定に最善の配慮を持った経済政策の展開が必要だ、こういう提言を受けました。私はまさにそのとおりだというふうな考えを持って、通産省幹部、労働省幹部、大臣両者話をした最初の基本は、いまのような考え方をまずこちらから申し述べたのであります。基本的に了承と。それで随時今度は通産、労働は事務ベースでも話し合いをして、必要な場合また大臣同士で話をしよう、こういうふうな方向へ——まず最初の会合でありまして、とりあえずは一般的な話が中心でありました。 ただ、具体的には造船不況問題については、けさ方御答弁いたしましたようなプラント・バージ、たとえば船の上に発電所をつくるという、こういった仕掛けもやろうではないかとか、あるいは石油備蓄問題も全国各方面から要請がある、それについては雇用問題と結びつくような建設地を選んで配慮してもらいたい、こういうようなことを話した次第でございます。
○小平芳平君 いまの点について、通産省からお話がありますか。
○説明員(山下正秀君) 御説明いたします。 今後の経済政策を、特に雇用問題に重点を置いて進めていくということ、及び完全雇用の達成が当面政策運営の最高目標であるということは、河本大臣がかねて述べておられるとおりでございまして、このために労働省側からこのたび御提案がありまして、通産政策と労働政策の連携、整合性を今後とも従来に増して一層高めていくために、常日ごろから意思疎通を図るということが必要である。われわれもこれに賛成をいたしまして、先ごろ会合を開いたわけでございます。今後とも、こういう形で両省間の連携を密接にしながら進めていくということにおいては、全く同一でございます。
○小平芳平君 次に、この点についても午前中お話がありましたが、五十二年十一月二十九日、中央労働基準審議会の建議についてであります。 ことしに入って、五月二十五日、事務次官から、六月二十三日、労働基準局長からの通知が出ております。この点について、労働時間を短縮して新しい雇用を創出しようという、そういう点について基準局長の、これは投書ですか、労働時間を短縮しよう、国際社会での協調確保にも必要と、岩崎さんの文章が載っております。こういう点について午前中にもお話がありましたわけですが、何だかもう一つぴんとこない面があろうかと思うんですね。それはなぜかと言いますと、労働時間を短縮したら雇用労働者がふえるかと言えば、企業の側にとってはどういうことがあるか、それは減量経営、低成長体制への対応あるいは省力化、そういうことが、企業は当面する課題を抱えているわけであります。 それからさらには、今度は、これは新聞の投書欄で私は見たんですが、日本人は働き過ぎるという批判は当たってないという考えですね。日本人はもともと勤勉なんだと、勤勉が何が悪いかという、こういうとらえ方もあろうと、そういう投書が新聞に載るわけでありますから、そういうふうな点についてどういうふうに考えますか。
○説明員(岩崎隆造君) 中央労働基準審議会で、これは公労使一致の御建議をいただいたわけでありますが、労働時間の短縮、それから有給休暇の消化の促進あるいはまた週休二日制の推進ということを、当面行政指導で進めるべきであるという御建議をいただきまして、私ども午前中に、大臣もおっしゃいましたが、そのねらいというのはもちろん労働時間を短縮することによって健康な、そして充実した生活を享受するという基本のこの福祉的な観点、それから高齢者社会に向かっての問題、それに長期的に見て雇用吸収ないし雇用創出ということに結びつく効果、それから国際的な、いまおっしゃいました働き過ぎと申しますか、先進の西独あるいはアメリカ、イギリス、フランス等に対しましても、もう賃金は大方アメリカ、ドイツにほとんど並ぶようになり、イギリス、フランス等はとうに追い越しているというような状況ですが、今度はその労働時間あるいは週休二日、年次休暇というような面につきまして、まだ若干日本の方が長い、あるいは年次休暇のとり方が細切れ的で、長期休暇をとらないというような状況があるわけでございますので、そういったことを労使のコンセンサスあるいは国民の広い理解のもとに着実に進めていこうという観点で、労働事務次官通達ないし基準局長名での通達をして推進をしていこうと、こういうことでございます。 働き過ぎというのに対して、いや決して働き過ぎというより、むしろ働くのが当然だというような批判があるということ、私、実は欧米の場合に労働時間が少ない、あるいは休みが長いと申しましても、その単位時間当たりの、あるいは働くときには徹底的に働くというようなことにおいて、わが国の場合に、いまおっしゃいますような観点から働くべき時間に集中的に働くということが何で悪いのかといえば、まさにそれこそ当然なわけでございますが、だらだらといたずらに長いというような働き方、そして休むべきときにはきちっと休むというようなけじめのつく労働のあり方というものは当然必要ではないかと、こういうような観点からは、やはり働き過ぎが何が悪いかということについては、時間が長きをもってとうといということではないというふうにお答えをしたいと思っておりますけれども。
○小平芳平君 これは労働大臣、労働省だけの課題でもないし、ましてや基準局長だけの課題でもなかろうと思います。それはわれわれも当然責任があることでもありますし、また国民的な課題であろうと思います。ということは、残業をなくする、あるいはきわめて少なくするということ、そして有給休暇は十分とるべきである、あるいは週休二日制を広範に実施すべきであるという点、ただ長い時間働いていさえすればいいんだという問題ではなくて、その労働の質が問題だという点、あるいは機械化していきますから、これはもう何年前、昔のことを考えれば、肉体労働が減るのはこれまた当然の成り行きでもあろう。とにかく夏休みは十分とる、有給休暇はなるべくとるようにと、労働省はどうですかね。有給休暇は大分とっているようですか。あるいはきょうあたり八月七日ですから、大体夏休みが多いところだと思いますが、その八月七日に委員会開いて有給休暇をとるべきだと、夏は休むべきだなんて言っていることもちょっと何か自分でもしっくりこないわけなんですが。(笑声)したがって、基準局長だけの課題ではなかろうというふうに申し上げているわけであります。結局、労働省の取り組むことが数多い中の、非常に重要な課題であろうと思います、この建議が。ですから、労働大臣のお考えはいかがですか、そういう点の。
○国務大臣(藤井勝志君) 長期的には、先ほどもお話がございましたように、いわゆるワークシェアリングという、仕事を分け合うという、こういう観点からこの問題を受けとめると同時に、やはりいままではわれわれは生産性の成果を、経済成長の成果をベースアップだけに比重がかかり過ぎておったんではないか。やはりベースアップもさることながら、労働時間、まさにタイム・イズ・マネーという、時は金なりという、この時間の問題も踏まえ、労働時間の問題も踏まえてこの問題をどう対応していくかと、これはまず労使の間においてのコンセンサス、広くは国民全体のコンセンサスと、こういうことに私はこの問題を認識をして、粘り強く今後労働省としては行政指導に訴えてこの方向を進めたい、このように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 では次に、いろんな法律が次々とできて、いろんな制度がまた次々とできていっております。それで、前の国会で私がそのような点で離職した方、就職する方に対する問題をちょっとまとめて質問したことがございました。いまここではその繰り返しではありませんでして、いまここでまたお答えいただきたいことは、特定離職者法に基づいて室蘭、尾道等五地域が特定地域として指定された、その新規事業等の具体的内容はどうかという点、これが一点です。 それから次に、十二道府県六十四カ所の特定地域が指定されておる、公共事業等への四〇%の吸収率が定められているが、その達成状況はどうかという点です。それから次に、高年齢者について民間企業に対して六%の雇用率が定められているが、その達成率はどうかという点。それから、八十四国会において特定不況産業安定臨時措置法が制定されたが、その具体的な動き出しはどうか。以上の点ですが、ごく簡単で結構ですからお答えいただきたい。それで、詳しくは資料としていただきたい。
○説明員(細野正君) 御指摘ございました特定不況業種離職者臨時措置法等によります公共事業への失業者の吸収率の施行の状況でございますが、四月から六月までのこれらの地域におきます施行通知書の届け出の件数が二千七百五十二件、これは御存じのように、公共職業安定所への届け出でございます。これにかかります吸収人員は延べで二十六万七千人目ばかりという状況でございます。 それから、もう一つお尋ねございました高年齢者の実際の雇用の割合がどうなっているか、こういうお尋ねでございますが、これは先生御存じのように、毎年六月一日現在で調査をいたすことになっておりまして、昨年の状況は、先生御存じのように、六%をかなり平均的に割っているという状況でございますが、本年につきましては六月一日現在で調査中でございますので、新しい数字についてはしばらく御猶予をいただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから、まことに恐縮ですが、もう一つ何かお尋ねがあったと思いますがちょっと聞き取れませんでしたので、お教えいただければ大変ありがたいと思います。
○小平芳平君 離職者法に基づく室蘭、尾道等五地域の地域指定です。
○説明員(細野正君) お尋ねのその五地域については、公共事業への失業者の吸収率が課せられることになるというのが地域指定の特色でございますので、その意味で先ほど公共事業の吸収率の施行状況をお答え申し上げたわけでございます。
○小平芳平君 その問題と、特定地域として指定が行われたということと、それから六十四カ所の特定地域がすでに指定されて公共事業等への四〇%の吸収率が定められているという問題と二点ありますので、詳しいことは資料で出していただければいいです。
○説明員(細野正君) 資料で提出いたします。
○渡部通子君 私は、婦人労働者の雇用問題についてお尋ねをしたいと思います。 先日、五十二年度の労働白書も発表されたわけでございますけれども、その資料によりますと、男子雇用者が停滞しているのに対して、女子雇用者の増加が著しい、こういう傾向が示されております。しかしながら、その女子雇用者を雇用形態別に見ますと、臨時、日雇い、パート、こういったものがやはり多い。きのうあたりの報道によりますと、婦人のパートも頭打ちだという様子でございますけれども、その中身の賃金、労働条件、こういったものもむしろ悪化しているという傾向のようでございますが、労働省はこういったことをどのように掌握をなさっていらっしゃるのか、まずお伺いいたします。
○説明員(森山眞弓君) 雇用、失業情勢は、仰せのとおり、全体として依然厳しい状態でございますが、その中で女子の雇用労働者につきましてもいろいろな問題があることは事実でございます。 しかし、女子は男子に比べまして、一般的に申しますと景気変動の影響を受けやすいということでございまして、景気が悪くなりますときには不利な状態に早くなりますし、また景気が回復に向かいます場合には雇用の増加が男性よりもやや早くあらわれるという傾向がございます。 そのようなことから、五十一年、それから五十二年には、前の年に比べまして三・一%、それから四・〇%と、男子よりも一歩先に上回る増加率を示しております。しかし、いわゆる構造不況業種、あるいは最近の円高の影響等で、これは男女を問わず労働者すべてに対して深刻な影響があるかと考えられますが、そのような業種の中では、婦人の場合も男性に比べて回復が早い等の状況を考えることはできませんで、特に深刻な状況があらわれるのではないかと懸念されるわけでございます。
○渡部通子君 いまの御答弁にもございましたように、女子の方がやはり深刻な影響を受けやすい、この前提に立って私は対策をお願いしたいというのがきょうの質問の趣旨でございます。 ある電機産業に働く婦人のパートタイマーの実態調査というのがございました。二千人近くの方の結果でございますけれども、その中でパートの実情というものが、実働時間が七時間以上が全体の五〇%、それから勤続年数も三年以上が約四〇%、しかも賃金は一時間当たり四百円から四百九十円、これが五〇%という実情が報告をされておりました。こういう実情を見ますと、本来こうした労働者は常用労働者として雇用すべきものではないかと思われるわけです。低賃金でいつでも雇用調整のできる臨時、日雇い、パート、こういう採用をどんどん拡大していっているという、こうした形態による婦人労働者の増大というものは、決して好ましいことではないと思います。また、全体の雇用情勢をもそれで悪化をさせるものだと、こう思いますが、これに対する大臣の御所見、それから労働省としての対応策をお聞きしたいと思います。
○説明員(森山眞弓君) いま先生のお言葉の中にございましたパートタイム雇用でございますが、一般にパートタイム雇用という言葉がよく使われますけれども、私どもの方の統計その他で使います場合には、その事業所の一般労働者に比べて就業時間の短いものということを定義といたしましてパートタイム労働者と申しております。 ですから、先生が挙げられましたものは、仮にその事業所が八時間労働であるとすれば、七時間でもパートタイム労働者に考えられますけれども、そのパートタイム労働者という言葉は、ほかの場合には大変簡単に使われまして、必ずしもそのような定義に当てはまらないものもたくさん入っているかと存じます。 統計調査上はパートタイム雇用を把握しますときに、いま申しましたような定義でとらえるわけでございますが、また別の観点から労働者数を把握し、あるいは常用労働者、日雇い労働者というような区分で、常用、臨時、日雇いというような区分で把握いたしますときには、必ずしもそのパートタイム労働者がすべて臨時、日雇いとなるわけではございませんので、統計上は複雑に入り組んでいることを御承知おきいただきたいと思ったわけでございます。
○国務大臣(藤井勝志君) 先般出された労働白書の中にも、特に婦人労働者のパートタイムの問題が指摘されて、その労働条件の改善の必要性ということについて指摘をしておるわけでございまして、私は特に、最近婦人労働力がずっとふえてきているという、こういう面から考えましても、婦人対策というものは雇用政策としてこれが改善を図る必要がある。実は毎年やっておりますが、特に五十二年策定された国内行動計画に沿って婦人対策というものを進めるべく、現在この線に沿うて対策が行われておるわけでございまして、五十三年、五十四年、五十五年、こういった年次別の計画的な婦人対策に沿うて今後も予算措置をいたしたい、このように思います。
○渡部通子君 パートタイムのいま御説明がありました。私もその点は複雑であるということは承知をしているつもりなんです。確かに、どこからどこまでを指してパートと言うのかということは、いろいろと私の調べた資料に関する限り、私も結論を出さずにおりました。そちらの資料によれば、パートタイムの労働者とは、一日の所定労働時間または一週の所定労働日数が一般労働者より少ないものを言うと。ただ、それだけの規定では契約なんかどういうことになるんですか。私がいま例を出しましたのは、一日七時間以上働いている、三年以上も働いている、これじゃ、まさに常用に近かろうと思うんですけれども、そこが八時間労働で、それより一時間も少なければこれはパートと言うのか、三年働き続けててもパートと言うのか、その三年の契約というものが一体どういう形で、二、三カ月ごとに更新をされてきたのかどうか。そういった実情は、パートというのはどうとらえればよろしいんですか。
○説明員(森山眞弓君) パートタイムにはさまざまな定義がございまして、また、事業場によっていろいろと使い方が違いますのは先生おっしゃるとおりでございます。それで、いまお挙げになりました例の場合も、どのように考えてそのパートという言葉を使っておられますかよくわかりませんけれども、私どもといたしましては、パートタイム労働者という名前で使われておりましても、実際には普通の一般の労働者とほとんど変わりのない労働条件、労働内容で就業しているものについては、労働条件、労働福祉、その他につきまして、落ちのないように十分考えるべきであるということを常に指導しているわけでございます。たとえば、社会保険などにつきましても、本当に臨時あるいは全く数日間程度のものを除きましては、社会保険の適用は当然行われるべきであるということで指導しているところでございます。
○渡部通子君 次にいかしていただきます。 女子の新規学卒者のことでございますけれども、女子労働者の雇用管理に関する調査におきましても、女子の大卒者というものを、企業は五社に一社の割合という厳しい方針をとっている、採用しないと。こういう実態が報告されているようでございます。雇われる女性側にもいろいろな問題があるということは承知はいたしておりますけれども、それはそれとしておいて、五社に一社というのは少し厳し過ぎるのではないかという気がいたします。こういった実態、今後の、来年度の就職の見通しと、それに対する対策がございましたら伺っておきたいと思います。
○説明員(細野正君) 大学卒業生の一般的な就職状況は、おおむね昨年とほぼ同様の状況で推移しておりまして、したがいまして、卒業生の就職希望者中八割以上ぐらいが就職はできると、こういうふうな状況にあるわけでございます。その中で、御指摘のように、特に女子の四年制卒業の人に対する産業界の求人態度がかなり厳しい情勢にあることは御指摘のとおりであると思います。これは、先生もいまちょっとお話ございましたように、女子の学卒の方々の就職される際の、あるいは就職されてから後の就労の状況による面も確かにあるわけでございまして、そういう意味で私どもとしましても、会社側の採用についてのいろんな物の考え方を、できるだけ男女というものについての正しい考え方に立ってやっていただくということの指導を、婦人少年局と一緒になってやらなきゃいかぬというふうに思っているわけですが、同時に学生側についても、学校当局等とも協力して、そういう産業サイドの方が指摘をしているような問題についても改めていただくという、両面のあれが必要なんじゃないかというふうに考えているわけでございます。 なお、来年度につきましても全般的には多少何といいますか、大学卒の就職希望者の数がことしよりもふえる見通しでございますが、同時に産業別に見ると、かなりアンバラがあるんですが、一般的にやや何といいますか、今年度採用を中止したところで、来年から再開をするというようなところもちらほら出てきておりますので、需給両方あわせてみると、おおむねまたことしぐらいの程度の就職が全般的に見ればできるのではなかろうか、こう考えておりますが、その中で女子だけの内訳ということになりますと、ちょっと私どもも来年の見通しまで申し上げられるほど具体的になっていない、こういう状況でございます。
○渡部通子君 門戸だけは開いておいてほしいと、こういう強力な指導を私はお願いをしたいと思うのです。それは女子側にもいろんな問題があるので、就業状態を見てというような御意見もありましたけれども、優秀な人だっていっぱいいるわけでございまして、それを女子お断りという態度というのは、やっぱり世界の時流に反することだと思うし、人間的観点から見ても、それは過ちな行政だと思います。ですから、門戸は開くと、それに耐え得る人はどんどん伸ばすと、そういう方向で強力に業界を指導していただきたいと思うのです。 具体的な例を一つ挙げさしていただきますと、兵庫県の神戸製鋼ですけれども、来年度の女子採用は中止という方針を出しました。私も直接聞いてみましたが、確かに女子は採らないということだそうでございます。兵庫県は造船関連業界が多うございますから、そういった点で、その業界だけでも年内に一千人近い人減らし計画をしていると、こういった実情で、厳しい状況にあることはわかっておりますけれども、それにしても女を採らないという、こういう採用中止方針というのは、私は少し厳し過ぎるのではないか。男子高校卒も採らないと、こういうことですけれども、従来毎年二百数十名の女子労働者というものをコンスタントに採っていたわけでございますから、今回のような決定というものは、ほかの労働業界に対しても、就職戦線に対しても大きな波紋を呼ぶのではないかという懸念がされるわけです。大臣も、先ほどから伺っておりますと、雇用創出対策等に大分積極的な、また構造対策まで立ち入った方針や具体策を出していくという姿勢を示されておりますけれども、たとえばこういう神戸製鋼なんかの場合に、兵庫県という地域性も加えて、具体的にどんな指導がしていただけるか、何かとっていただける措置があるのかどうか、伺っておきたい。
○説明員(森山眞弓君) いま先生が例に挙げられました神戸製鋼ばかりではなく、たくさんの会社がそのような態度をまだとり続けておりますのは、私といたしましても大変残念に思っているところでございます。国際婦人年以来、職場の男女平等、また採用も含めた就業における男女の平等ということをあらゆるレベルで進めたいということで、私どもといたしましては実態を調査し、それに対応する対策を検討いたしまして、逐次進めてまいっているわけでございますが、不況その他のいろいろな理由から、なかなかまだ十分な成果が上がっていないということは、まことに残念であるというふうに思います。民間の企業ばかりでなく、国家公務員あるいは地方公務員についてさえも、一部そのような例が見られますのは、私としては本当に遺憾に思っているところでございますが、そのようなことが本来の男女の平等を原則といたしましたわれわれの社会に反することであるということで、今後も民間の企業に対し、また関係の官公庁に対しましても、私どもの方から改善方を強力に申し入れていきたいと思います。 あわせて、四年制の大学、特に四年制大学を卒業する女子に対しましては、職業に対する心構え、また就業した後の働き方等につきまして大いに反省、努力をしてもらいたいということを啓発していきたいと考えております。
○国務大臣(藤井勝志君) 職場における男女平等という観点から、いま具体的な例の御指摘がございましたが、われわれとしてはぜひ男女に平等な就職のチャンスを確保したい、このために労働省としても行政指導に万全を期したいと、このように考えます。
○渡部通子君 寡婦の雇用対策についても伺っておきたいと思います。 夫の病死とか不慮の事故、こういったことで就業を必要とする寡婦等の実態は非常に厳しいものとなっておりますけれども、その寡婦の実数それから就業の実態、こういったものは大まかにどうなっておりましょうか。
○説明員(森山眞弓君) 昨年、昭和五十二年六月、労働省で寡婦等の就業実態調査を実施いたしました。これによりますと、対象寡婦のうち就業しております者が八九・六%でございまして、かなり高率でございます。また、これらの就業者を従業上の地位別に見ますと、雇用労働者が七二・九%、自営業種が一七・一%などとなっております。また、雇用者の勤めております事業所の規模別で見ますと、三十人未満の事業所が五三・〇%ということで、小企業に就業する者が多いということがあらわれております。また、就業者の勤労収入は平均九万五千円でございます。家計費は平均十一万一千円でございます。なお、雇用労働者の勤労収入は八万九千円ということになっておりますが、特に技能、資格を仕事に生かしている者の収入は比較的高く、技能、資格のない者はそれほど高くないという傾向でございます。これらの技能、資格を取得するということが有利であるということがわかるわけでございますが、寡婦になってからこれらの技能、資格を取得しようということを希望する者もございますけれども、時間的、経済的な理由で勉強に着手するめどが立っていないという者がかなりございます。さらに、最近の経済環境が低迷いたしておりますことに伴いまして、寡婦の雇用情勢も厳しい環境にあると言わざるを得ないと思います。
○渡部通子君 寡婦等雇用奨励金及び寡婦等に対する訓練手当の支給実績等、これも知りたいんですけれども、もしあれでしたらば資料として御提出願っても結構です。
○説明員(森山眞弓君) 支給実績につきましては、ただいま手持ちがございませんので、後ほど提出さしていただきます。
○渡部通子君 ただいま御報告いただきましたように、夫を亡くした女性というのは全部働かなきゃならないというのが大方のようで、しかも非常に収入が足りないというのが実態だと思うわけでございます。家計費が五万から十万未満、この家庭が三八%、十万から十五万円未満が三八%と、こういう状況で、しかもほかに家計を補う何ものもないというのが五五%、また生活保護の受給者はわずか九%、こういう状況を見ますと相当に苦しい実情にあると思うんですけれども、何か特別の処置を講ずる必要、また何か対応策、これはございますでしょうか。
○説明員(森山眞弓君) 寡婦につきましては、厚生省におきましてもその福祉についていろいろと留意をされ、対策をとっておられるところでございますが、労働省のサイドといたしましては、これらの寡婦がその適性能力にふさわしい職業について収入を確保できるようにということで、職業指導、職業紹介、職業訓練等の面で特別の配慮をするように努めてまいったところでございます。先ほど申し上げました調査結果の中にもございますように、資格、技能を持つ者につきましては収入も比較的よいというような実態でございますので、職業訓練が受けやすくなりますように、また職業相談も気軽に受けられますように相談、指導の体制を強化しているところでございます。具体的には、寡婦の職業相談員というのが今年度から新しく安定所に設けられており、また訓練手当につきましては昨年来設けられたところでございまして、逐次この対策を拡充していきたいと考えております。
○渡部通子君 職安のことに少し触れたいと思いますが、雇用先、入職経路、これが縁故知人の紹介が五七・八%、公的機関の紹介は一五・四%にすぎない、こういう報告があるようでございます。これは私などの実際に皆さんと当たっている実感からいたしますと、もっと職安に行っている人は少ないように思うのです。ここに「働く婦人の会」という会が、中高年の働く婦人の実態調査というのを昨年やりまして、ことしまとめたものがございます。これで見ますと、公的機関によって就職したという人は何と七%しかいないわけでございまして、職業安定所というのが非常に、男性よりも女性の方がなおさら敬遠されているのじゃないだろうかというような感じがいたしました。いまも相談員を置くというお話もございましたけれども、もっと公的機関のPR、こういったことが具体的にできないものだろうか、どういうふうに開拓をなさるおつもりなんだろうかとお尋ねをいたします。
○説明員(細野正君) ただいま先生から御指摘ございましたように、安定所というものの存在自体が、私どもが想像したよりももっと知られていないという事実にときどきぶつかって、私どももびっくりすることがあるわけでございますが、そういう意味で、今後とも安定所の存在またその仕事の内容等についてのPRを徹底しなければいかぬというふうに痛感をしているわけでございますが、私どもがやっております努力は、たとえば駅のターミナル等、人の非常に頻繁に通るところに安定所の出張所を出して、そこで相談あるいは求人求職等の受け付けをするとか、そういうふうないろいろな工夫をやっているわけでございますが、なお今後とも一層その点についての努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○渡部通子君 寡婦の職業専門相談員三十人を全国に配置するというお話ですけれども、それでどのくらいの行き渡り方になるのでしょうか。と申しますのは、安定所を尋ねた御婦人の話を聞きますと、やっぱり年齢制限というのがずらっと出ている。まず、それに圧倒されてしまう場合が多いわけです。それで、中高年はやはり排除されるという、そういう空気に最初からのまれてしまうというような方が非常に多いわけです。ですから、中高年あるいは寡婦等の専門相談所があるということは非常にそういう人たちにとっては足がかりがいいと思うのですけれども、三十人おつくりになってどのくらいの普及度になるのでございましょうか。
○説明員(細野正君) 現在までに入りました相談員につきましては、主として寡婦等の方々のばらつきの実態に対応しまして、したがいまして大都会の安定所を中心にそれを置いている、こういう状況になるわけでございますが、それにしましても、まだまだ少ないという感じは私どもいたしますので、引き続き毎年毎年増員を要求しておるという状況でございます。
○渡部通子君 専門相談員が置けないまでも、中高年の方は、寡婦の方はこちらの窓口へどうぞくらいな御親切な矢印一つでも置いておいていただけば、それで安心して入っていける、こういうこともあるのではないかと思うのです。ですから、予算がつかなくても、相談員が置けなくても、窓口を親切にするという方向でひとつ努力をしていただければありがたいことだと思います。それはぜひお願いをしたいと思っています。やはり、縁故等で就職をいたしますと後でトラブルも起きやすいものでございますから、公的機関をなるべく使うようにということは、私どもも指導してまいりたいと思っております。
○説明員(森山眞弓君) 御指摘のとおりだと存じますが、職業安定所に出向きますまでに、寡婦の場合はどのようにしたらいいかということで非常に迷う。まず安定所に行こうということを思いつくまでに時間がかかるということも実態ではないかと思います。そういう方々の、もっと広範囲なと言いますか、基本的な御相談に応じられるようにということで、婦人就業援助センターという制度を昨年来始めております。これは従来内職相談センターということで各県に置かれておりましたものでございますが、内職だけではなくて、さらに広い就業のためのいろいろな相談に応じて、もし内職に向く方があれば内職も御相談に応じるということで、安定所に行った方がいい方は安定所の方に御紹介するというようなことで、安定所においでになるまでの前段階の御相談ということもいま、ことし九カ所ふえまして、ぼつぼつではございますが着手しているところでございます。そのようないろいろな制度があるということを皆さんに知っていただく必要がございますので、寡婦の雇用促進特別活動というのをことしやることにいたしまして、いま一般向けのリーフレットその他相当数印刷して、これから広報に特に力を入れたいと考えているところでございます。
○渡部通子君 それから、寡婦の問題でもう一つ大きなことは、年をとるにつれて健康の問題が非常に大きなウエートを占めてくると思うんです。それは労働省の調査でも、やはり年齢が高くなるにつれて健康問題の割合が増加していることがはっきりしておりますが、先ほど申しました「働く婦人の会」の調査によりましても、やはりこれは寡婦に限ってないんですけれども、中高年の婦人、四十歳以上の婦人ですけれども、都内三千人の調査をしたアンケート結果というものは、明らかにこの健康問題というのが大きなウエートを占めております。三千人のうち何らかの症状があると答えたのが六六・八%おりまして、中身は疲れやすいとか、肩や腕が痛い、足腰が痛い、背中が痛む、目がかすむ、まさに年をとってきた証拠だなという気がするわけです。過去一年間に医者にかかったという人は、やはり三八・六%おります。心臓、高血圧、貧血、胃腸障害、成人病と、こういう内容です。医者にかかった人が四〇%近くもおりながら、全く健康診断を受けてないという人が過去一年間四五・三%、半数近くいるわけでございます。そういう中でも子宮がんとか筋腫が非常に不安だと言いながら、検診を受けたというのは一九%にとどまっておりました。ですから、忙しい点もあるでしょうし、家族等の問題もありまして、自分の健康がみすみす心配だと思いつつ、これで倒れちゃったら一家がどうしようもないなと心配しながらも働き続けていて、医者にかかるチャンスとか健康診断を受けるチャンスというのがなかなかとれないというのが寡婦の実態だろうと思うわけです。この健康管理の不十分な点、これをどう前進させたらいいかという点で、改善策なり具体策なりをお考えいただきたいし、ここでお答えをいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(藤井勝志君) 中高年齢者の労働力がずっと総体的にふえてきた今日、私はやはり中高年齢者の健康管理対策というのはきわめて重要であるというふうに内部でもいろいろ話を出しておりまして、五十四年度の予算編成においてはその裏づけができるように、いま事務方で鋭意詰めておる段階でありまして、御趣旨の点はまさに同感でございますから、ひとつできるだけ五十四年度の予算においては対策を裏づけたいと、このように考えます。
○渡部通子君 それでは予算編成において、それ、極力お願いしたいんですが、できればそこに子宮がん、筋腫の検診ということを加えていただきたいと、これは実感として非常にこの病は多いですし、それからみずから進んで検診を受ける勇気がなかなかないものでございますので、それを含めた上で御検討いただきたいとお願いをしておきます。 これ蛇足ですけれども、もう一つつけ加えておきますと、健康に障害がある、疲れる、何とか対策をとってほしいというアンケート調査の中に、夜間営業のマーケットがほしいというのがこの対策の中に出てまいりまして、これは東京都内の調査ですからこういうものが出てきたと思うんですけれども、いかに家事とか育児の負担というものが女性の側にかかっているかという一つの如実の調査だと思いますので、これは御参考までに申し上げる次第です。 それから、時間がありませんので簡単にお聞きをいたしますが、現在、継続案件となっております母子家庭の母等である勤労婦人の雇用の促進に関する特別措置法案、この中で私どもいろいろ具体的に寡婦対策というものを明らかにしているつもりでございます。大まかに言えば、官公庁に一定率以上の寡婦雇用の義務づけをするとか、一般民間企業にもそれを行うとか、あるいは職業安定所は寡婦雇用未達成の事業所に対して雇用計画の作成を命ずることができるとか、求職手帳を給付し寡婦の職業訓練をするとか、こういった具体性を盛り込んでこの法案を出しいるわけでございますが、これに対する大臣の所見を伺いたいと思います。
○説明員(細野正君) 寡婦の就労の状況は、先ほど婦人少年局長からも御説明申しましたように、その就労の割合が低いというよりも、むしろその就業の中身に問題があるというのが実態ではなかろうかというふうに思うわけでございます。そういう意味で、私どもはその就労している先の労働条件とか、あるいはそれが当然結果としてそれをもたらすところの寡婦の方の技能とか、あるいは職業に関する知識とか、そういう問題があるわけでございますので、そこで私どもは寡婦等の方にも職業訓練、あるいはもっと訓練よりもより受けやすい職場適応訓練と申しますか、そういうふうなものを充実強化する、当然訓練手当等の支給も考える、あるいは先ほど来お話しのように相談員体制というものも強化する、そちらの方に私どもの力点を置いているわけでございます。 したがいまして、これを法律でもって雇用の割合を義務づけるという点については、いま申しましたような実態から見て、むしろ技能の強化あるいは職業知識の強化、相談員体制の強化、そちらにウエートを置くべきではないかというふうに考えているわけでございます。
○渡部通子君 時間がありませんのであれですが、いまそちらの御意見はよくわかりました。それならば、それでひとつ実質的に大いに進めていただきたい。特に、今回の予算編成等についても思い切った、ひとつがんばっていただきたいと思うわけでございます。それから、きめ細かにひとつお願いをしたいと思います。技能をつけさせるとかなんとか言っても、本当に訓練校に通う暇さえない、その間の子供はどうするかというような周辺問題がたくさん女性の場合ございまして、それをひとつ細かにめんどう見ていただきませんと立ち上がれないわけでございまして、力を込めていまお答えくださったわけですから、ひとつきめ細かに進めていただきたい、こう思います。 最後に、大臣から念押しの御所見を伺って終わりますけれども、ILOの基準から見ても、日本の女子に対する労働関係法というものはおくれていると言われておりますし、それからこの間の中期労政懇あたりでも、女子労働者の職業生涯の安定充実に特に配慮する必要があると、この際既成の考え方、慣行、法制等について改めるべき点がないかどうかを検討する必要がある、こういう指摘も出ております。ですから、まあ男が働くところがないというのに、そっちの方が大変だと、こう言っていまはどうも後に押しやられるということもなきにしもあらずでございまして、やっぱりこういうつらい世の中になってまいりますと、男が失職していれば女房の方が苦しんでいるという場合も多いわけでございまして、男女の差別なく、一番風当たりの強いところからひとつ手厚い保護を与えていただきたい、こういう意味で大臣の御所見を伺って終わりにさしていただきます。
○国務大臣(藤井勝志君) 弱者を助けると言いますか、応援するということがこれが当然の私は政治の務めだと思います。したがいまして、特に職場における男女同権という厳然たる方針が確立しておるわけでございますから、従来の行きがかりはともかくとして、女子の雇用条件、あるいは職場における男女の労働条件の改善、こういった問題、特に女子の労働条件の改善ということについては労働白書の指摘もございますし、十分今後努力していきたい。まあいままでも皆さん方の御鞭撻を得まして、労働省も大分予算措置は充実しておりまして、五十年度ぐらいは婦人関係の対策費としては五億円台でありましたけれども、五十三年度の予算においては十二億四、五千万円という、こういう線に出ております。ただ、金額だけじゃなくて、中身について十分御指摘の点を配慮して今後努力してまいりたいと、このように思います。
○小笠原貞子君 まず大臣にお伺いしたいと思います。 不況下で失業問題、そして雇用問題というのは、いま労働行政の中で最も緊急で重要な問題だという認識については、大臣初め政府側の皆さん、そしてわれわれとも認識は同じ立場であったと、そう思います。また大臣にも、この問題は非常に深刻に考えて積極的に努力するというような御決意を伺ったわけでございますけれども、まあ大臣が幾ら御決意なさいましても、その決意を実践するという具体的な面が裏づけになりませんと、御決意だけに終わってしまうというふうに考えられるわけでございます。何よりもまず雇用を創出しなければならないという点については、この前の委員会でも職業安定所の問題を私取り上げまして、職業安定所がまず求職してきた人たちに対処するというだけではなくて、雇用創出のためにも積極的に努力したいというような立場から、職業安定所の充実をということでお願いもいたしましたわけでございますけれども、またきょうはそれと同じような立場で、労働基準監督署の問題についてお伺いしたいと思うわけでございます。 先ほど大臣の御答弁の中で、監督署なども強化しなければならないと、いろいろとその人員増についても、五十三年度までは減員だったけれども、五十四年度からは増員に回してというようなことをちょっとおっしゃっておりましたけれども、そういうように大臣の決意、いま政府がしようとするという問題を具体化する立場の出先機関の充実というような問題、特に私はきょう労働基準監督署の問題についてお伺いするわけですけれども、そういう問題について、大臣はどういうふうな御決意でもって対処なさるおつもりであるか、まずその御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用安定が現下の最大課題だというこの面から考えましても、またあるいは労働安全衛生対策というものの必要性、私は労働省としては相当人をふやさなきゃならぬという情勢にあると。たまたま私が労働大臣になりましたとき、毎年減員しておった。去年が七十名ぐらいだったですね、実減員が。その前の年は百何名ですよ、実際に減っている、三けた減ってるんですから。これは大変だというので、一応五十三年度予算編成に当たって、私としては全力を尽くしまして、ようやく食いとめられたという現状であります。これからは、ひとつ時代の要請に対応した人員の拡充を労働省はひとつ強く訴えたいと、このように思います。ただ、相手のある話だということでありますが、相手のある話を言い過ぎますと、何だ労働大臣は消極的だというふうに言われますし、余りこっちが勢いよくやっても、これまたこう、なかなかそこら辺のかげんがむずかしんですが、私としては全力を尽くしたい、人の問題が労働行政の中心である、このように考えております。
○小笠原貞子君 いま大臣おっしゃったとおり、まず具体的に行政サービスするという機関の充実ということが、私は非常にいま必要な段階にきたと思うわけでございます。 その意味で、具体的に札幌労働基準監督署の問題についてお伺いしたいと思うわけでございますが、この前の職安の問題でもお話をいたしましたけれども、札幌というのは非常に人口の急増地帯でございまして、昭和四十年から四十五年の人口増加率というのは二三%でございます。他の十大政令都市が平均三・九%。それから四十五年から五十年を調べてみますと、他の十大都市では二・五%の人口伸びに対して、札幌は二二・八%の伸びでございます。で、現在の人口というのは百三十万を超える。今後とも北海道開発計画などの結果から見るとますます増大していくというような、非常に特殊な、他の政令都市と比べて特殊な人口急増伸び率を示している。その結果、事業場の伸びというものも相当伸び率が多くなっておりますし、全道の事業場の伸び率の四分の一は札幌が占めているというような状態でございまして、これは、この前職安の問題でお話ししたときと同じ観点でございますけれども、そういうような中で、私、実は地元に帰りまして、いろいろ失業、雇用の問題とか、それに対処する監督署の体制はどうなのかということを調査をいたしました。 数字で雇用問題が大切だというのはわかりますけれども、実際に入ってみると、もう非常にこれは深刻な状態だということはおわかりいただけると思うんです。ところが、それに対処する監督署というのを見てまいりますと、これはまた非常に不十分だというような状態になっているわけでございます。具体的に申しますと、まあ申し込まれたものというような、持ち込まれたものについての対処ということは何とかこう、やらなければならないからやっているけれども、もうこれ全国的だと思いますけれども、対象事業場というのを調べてみても、例のごとく十年に一回ぐらいだというような状態で、たまたまその機会をとらえて監督官が派遣されていっても、御承知のように毎年毎年の技術の進歩などで、たとえば建築現場へ行けば、機械も変わってる、それから建材なんかも変わってる、そういうものに対処して実際に監督官としての任務を果たそうというような場合にも、それに対処できるだけの自分としても研究するというようなこともできない、という悩みも訴えられました。そしてまた、できた事故だとか問題について対処するのではなくて、まあ予防措置ですね、そういうような指導もしたいと思っても、それもできないというようなことを、いろいろ時間がありませんので申し上げませんけれども、御承知だと思います。 そういうような状態で、この札幌の労働基準監督署というものを、何としてもいまの規模ではもうやっていけない、十分な行政サービスができない、何としても二署つくってもらいたいと、これも職安と同じなんですけれども。私もこれは調べまして、本当にこれは妥当な要求だというふうに見てまいりましたけれども、こういう要求についてどのようにお考えいただけるか、善処をされるかという点について簡単にお答えいただきたいと思います。
○説明員(岩崎隆造君) 札幌の監督署の分割——二つにしろという御要求のあることは私ども十分存じております。私ども、まあ全国をにらんでいろいろと統廃合というようなかっこうでやっていくのが本来でございますけれども、現在、政府の方針といたしましては、できるだけ行政機構を簡素、効率的なものにしたいということで、地方支分局につきましても新設は原則として一切認めないというような非常に強い態度があります。したがいまして私どもは、一方において新設あるいは分割ということを考えつつも、しかしそれが非常にむずかしい状況の中で、できるだけいま仰せのようなお話に対処していくためには、札幌の場合ですと、昭和四十八年当時と比べますと五年間に数名の署員の増置と。これまあ全国で、先ほど大臣もおっしゃるとおり、全国的に毎年減っていった中での増員でございますので、まあ私どもとしてはできるだけ現地の状況に相応したような重点的な人員配置をしたいということでやっておりますし、また、たとえば車をふやすとか、そういうような機動力をつけるというような措置もとってまいっております。それから監督官、それから職員の技術革新その他に対応いたします教育、訓練というようなことになりますと、私ども研修所で何年に一遍かずつ職員がローテーションで研修を受けられるというような形で、できるだけ時代に対応した資質の向上に努めてまいっておりますが、今後ともに一層の努力をしてまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 確かに、いろいろの行政改革の中で御苦労がおありだろうと思いますけれども、やっぱり実情に照らして、たとえば二分割が無理であっても、また来年度も増員するというような立場で、一般の職場などの労働者も本当に行政サービスが受けられるように、引き続いて御努力を願いたいと、そう思います。それで、建物を二つに分けるということができなくても、いまの建物でも、いまの人数でも、もっとより効果的な相談業務や監督業務ができるという道をまた考えなければいけないんじゃないかと、そう思うわけなんです。 それで、私、ずっと行っておりまして気がつきましたのは、非常に騒音がひどいんですね。びっくりしたわけです。それで、これについてどういうふうに調査が出ているかと思って伺いましたところが、事務所内二十七カ所の騒音の測定を、組合がことしの四月に二回やっておりました。それで結果はどうなんだといいますと、最大値が八十三ホンでございます。最低で六十三ホンということですから、普通の事務所、事業所としては大変な、うるさいというような騒音でございました。それからまた、それに加えまして電話の交換機がないわけなんですよ。だから、全体としてのひどい騒音の中に、絶えずだれだれさん電話何番というようなのが、全部その建物の中に大きく響いてくるというような中で、そこでいろいろ労働災害だとか賃金未払い、労働基準法違反というような問題を持ち込まれても、その騒音と電話だとかいうので、落ちついて十分相談に乗れないというような状態でございました。これも御承知だと思います。 それで、ずっと長いこと調査しておりましたので、ちょっと失礼してトイレに行こうと思いましたら、このトイレがまた男女共用のものになっているわけですね。私くらいの心臓になりますと何とか入ってまいりますけれども、やっぱり同じ場所で狭いところに男女共用の便所ということになりますと、大変にこれまたぐあい悪いわけですね。そういうことでございますので、せめて建物とか騒音とか、そういうような便所を分けるとか、電話交換機をつけるというような問題については、これはもう善処できるのではないかというふうに考えて、ぜひお願いしたいと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○説明員(岩崎隆造君) いま先生の御指摘の点は、どうもまさにそうであったようでございまして、私調べましたところ、便所の男女の問題につきましてはすでに改善をしておるようでございます。現時点において。 それから、電話の交換につきましても先生おっしゃるとおりでございまして、旧式の電話機でありましたもので、最新式の簡易交換式と申しますか、そういうことにいたすべくそれは発注を行っております。したがいまして、夏を過ぎたころには新しいものが入って、その面での騒音は解消されると考えております。
○小笠原貞子君 全体の騒音をなくすための建物なんか、どう考えておりますか。
○説明員(岩崎隆造君) 実は建物につきましては、昭和四十一年の暮れに新築いたしましたものですから、その点の配慮はある程度できていると思っておりますんですが、もう一度実態をよく調べまして、しかるべき措置すべきものがあれば検討いたしたいと思います。
○小笠原貞子君 実情をまたいろいろ御調査いただきまして、せめてその機構の中でも十分な業務がとれるような問題として御処理いただきたいと思います。 それでは次に、ひとつ具体的になりますが、漁業関係の問題についてお伺いしたいと思います。 昨年の北洋漁業の減船に伴いまして離職者が出ている。先ほどちょっとお話ございましたけれども、大体漁業減船で四千三百五十七人という数字が出ました。今年また北洋サケ・マスの減船というようなことになります。それで、今年度の離職者が予想される数字というのはどれくらいを見ていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(細野正君) 五十三年度の減船に伴う離職者の見込みでございますが、水産庁の推定によりますと、約四千弱ぐらいの離職者の発生が推定をされておるわけであります。
○小笠原貞子君 大変、数としてもだんだんふえてくるというような問題でございます。漁業離職者法に基づきまして就職促進手当というものが出されるわけですけれども、これが期限としては二年六カ月ということで、いまはその二年六カ月の中に入りますから何とか食いとめていけるというような状態だろうと思います。きょう、ちょっと私早目にこの問題を提起するわけですけれども、その二年六カ月が過ぎますと、これは非常に大きな問題として具体的に出てくるわけでございます。そういう意味で船員局の方にお伺いしたいんですけれども、その船員離職者の希望の圧倒的なものは、やっぱり海に勤めたいという希望になっていると思いますけれども、そういうような希望にこたえられるというような状態ではないと思いますが、その辺どう見ていらっしゃるか。また水産庁としても、その離職者は海に残りたいというのが圧倒的な希望でございますので、その圧倒的希望に沿うために、また日本の二百海里時代の漁業生産をどういうふうにふやしていくかということになりますれば、いろいろと資源の調整をしたり大規模な増養殖を考えていかなければならないというようなそういう二つの面から、つまり漁業をどう発展させていくかという問題と、漁業離職者の受け入れという立場から水産庁としてはどういうふうな考えを持っていらっしゃるか、それをまずお伺いしたいと思います。
○説明員(松木洋三君) 船員局からお答え申し上げますが、ただいま御指摘の漁業離職者の方々ですが、七月の初めの段階で私どもの方へ四千二百名ほどの離職者の方があらわれております。いま先生がおっしゃいますように、二年半という比較的長い給付金支給の期間があるわけでございまして、私どもといたしましては、非常に雇用情勢が悪い中でございますけれども、何とかこの期間内にそれぞれ再就職をしていただくという努力をするということがまずもって肝要ではないかということで努力をいたしておるところでございます。おっしゃるように、海上の職場は非常に全体が狭まっておりますので再就職ということは容易でないわけでございますが、私どもとしては、気持ちといたしましては、やはり陸上の方への職業転換ということを少し個々の離職者の方々にももっと考えていただいて、早目にまた転換をしていただく、こういう努力も私どももしなければいけないと思っておりますが、いまの段階で私どもに入っておりますのは、この四千二百の方々のうち、約二千三百名程度の方はとりあえずまた海の方の職業についておられるようでございまして、これ自体が永続的な再就職ということかどうかということはまた一つ大きな問題でございますが、私どもとしても、海へ再就職したいという御希望の方については、さらに紹介の努力をしてまいりたいというふうにいまのところ考えているわけでございます。
○説明員(鶴岡俊彦君) 先生御案内のように、わが国水産業は沿岸から沖合い、沖合いから遠洋ということで、それぞれの漁場を最高度に活用するということでいままで発展したわけでございまして、なかなか遠洋で減船した乗組員を、全部沿岸に吸収するというのはとうていむずかしいことではございますけれども、ただ従来から水産で働いている、なお相当な技術もあるわけですから、できれば水産で使うというのは、水産業の立場から言っても必要であると思います。また、最近沿岸漁業の労働力構成を見ましても、かなり老齢化等進んでおりまして、若い活力ある労働者を確保していくというのは、また漁業振興にとっても重要であるというようなことから、私ども沿岸漁業の整備開発でありますとか、来年度からまた新しく沿岸漁業構造改善事業の次期対策をスタートすることにしております。また、サケ・マスその他栽培漁業によりまして資源の増大ということも図っているわけでございます。そういう中で、遠洋漁業の離職者が沿岸、沖合いに就業の場を求めるということになりますと、地域地域によってどれだけ抱えられるか、またどういうようなかっこうで抱えるか、いろいろ問題はありますけれども、そういうようなものを話し合いしながら、できるだけ就業の場を確保するということに努力はいたしたい、かように考えておるわけです。
○小笠原貞子君 いろいろ船員局としても、水産庁の方としても御努力いただいていると思いますけれども、見通しとしては非常に困難だというふうにいまのお答えでも伺えたと思うわけでございます。 そこで、労働大臣にもお伺いしたいと思いますけれども、やっぱり海でなかなか吸収できないという場合には、当然おかに上がっての失業者という形になってまいりますので、ちょっといまから私申し上げておきたいわけなんですけれども、運輸省船員局などともお話をなさりながら、やっぱりこの推移を見守って、そのときになってこれは大変だというような結果が起きないように、ぜひ御配慮いただきたいということでお願いをしておきたいと思います。 なお、お答えはいただかなくてもしていただけると思いますのでよろしく、いいですね。
○国務大臣(藤井勝志君) はい。
○小笠原貞子君 よろしくお願いいたします。 そこで、今度具体的な問題でお伺いしたいと思いますけれども、日ソ漁業交渉の結果に伴う北洋漁業の減船補償金というのが交付されております。これは決して船員や船主の関係ではなく、日ソ交渉の結果というような状態の中での余儀なくされた減船でございますから、当然補償される交付金というのも船主、船員などの生活保障のための交付金というふうに思いますが、当然そうでございましょうね、簡単に、一言で。
○説明員(鶴岡俊彦君) 日ソ交渉の結果、どうしても減船を余儀なくされる場合に、従来あります雇用関係その他権利関係がございます。その辺の関係を円滑に処理して、新しく再出発できるという手助けのための助成金でございます。
○小笠原貞子君 確かに、そういう立場でお出しいただいたんだろうと思いますけれども、そこで八月の二十三日にお出しになりました水産庁からの通達でございます。これは「北洋漁業減船漁業者救済費交付金の内訳について」というのでございますけれども、ここで交付金の算定の考え方というようなものが書かれているわけです。その中で、特に労務費についてはさらに細かく具体的な算定の根拠が示されているわけでございますけれども、この労務費の支払いというものについては、ここに具体的に出されておりますこれに準じて支払われるものだと考えてよろしいのでございましょうか。
○説明員(鶴岡俊彦君) 先ほど申し上げましたように、減船に伴います転廃業を円滑に進めるという点から出しているわけでございまして、労務費につきましては従来から漁業者と乗組員の間にあります雇用関係、それに従いまして支払われることを私ども期待しておるわけでございます。ただ、減船になりますとその間漁業収益ございませんので、それの支払いを円滑にするために一応そういう労務費を救済金の中に織り込んだわけでございます。そういうことで、あくまでこれは経費の補てん金なり特別救済金の考え方を示すために、関係団体あるいは関係都道府県知事に通達したものでございまして、あくまで参考に供するということで、これ自体を支払えというようなことではございません。
○小笠原貞子君 確かに、一つ一つ非常に細かく具体的な問題になりますので、きちっとした算定額というような方式はとれないということはそうだろうと思います。しかし、労務費というのはいいかげんつかみ金でぽんと出すというような算定ではなくて、一応いまおっしゃったような具体的に出されているというのが、これできちっとした、ぴちっとしたものにならなくても、社会通念上常識的な立場でというような参考になるというふうなものだというふうに考えるのは当然だと思うのですが。
○説明員(鶴岡俊彦君) 漁業の種類によりまして、先生御案内のとおり年間操業のやつもあります。それから、また季節操業のやつもございます。それから、給与体系につきましても月給制のものあるいは歩合制のもの、あるいはそれを併用してやるもの、いろいろございます。それからまた、準備期間等もございます。それからまた、ちょうどこれにつきましては日ソ交渉によりまして減船に伴う救済でございますけれども、たとえば魚種によっては若干出漁を自主的にとめさせた期間もございます。そういうことから、これはモデル的なケースを想定して一応経費として織り込んだわけでございます。あくまで私どもは、現実にそれぞれ雇用関係違うわけでございますから、雇用関係に従って必要な措置がとられるということを期待して、それが裏打ちできるようなかっこうで、一応モデル的に織り込んだということでございます。
○小笠原貞子君 そういうお考え方でお出しになったということで、これがそういうお考えのもとに支払われるということになっていればいいわけですけれども、その前に一つの問題としてお伺いしたいんですけれども、こういうような大体交付金の内訳についてという通達が出されたわけですけれども、これは船主側には行っているわけですね。しかし、その船員の一人一人には行っていないわけですわね。
○説明員(鶴岡俊彦君) これは、私ども出しましたのは関係県知事、それと漁業関係の団体、これを通じまして漁業者に——漁業者とはいわゆる船主だと思いますけれども——に出したわけでございます。船員の方につきましては、その漁業者の方と雇用関係にあるわけですから、その雇用関係が適切に履行されれば足りるということで、その履行をできるだけしやすいという意味でこういう経費を組んだわけでございますので、そういうことから関係知事と関係団体を通じまして漁業者に出したわけでございます。
○小笠原貞子君 確かに、そういうふうにお出しになったとおっしゃると思いますけれども、船員の方の組合があるとか、組織されていますれば、これは非常に通っていくわけですけれども、そういう組織されていないというような場合には、船主側は知っていても、これは知らされていないというのが現実でございます。水産庁としても、この通達によってある一つのモデル的なものは出したと。だから、それで労使で話し合って円満に処理されるようにという御趣旨であろうと思いますけれども、その労使の関係というのが本当に問題でございまして、組織されているわけでもございませんし、話をするのにも対等で話し合えるというような簡単なものではございません。非常に前近代的な労使関係という中で、これからお伺いしたい問題というのが出てきているわけなんです。こういう混乱が起こるというのは、私予想されましたものですから、だからこの点については行政上も非常に考えてもらいたいと、私はいままで再三再四御努力をお願いしてきたわけでございますけれども、具体的にこれが大きな問題が起きております。 たとえば、以南ニシン、エビかご。地域で言えば古平、余市、岩内というようなあの地域に問題が起きてきています。それは、水産庁としてお出しになった一応のモデル的なものという交付金が出されているにもかかわらず、実際問題は非常に低い価格でしか出ていないというようなのが物すごく出てきているのです。一つ一つ出せればいいんですけれども、もしもこれをどこの船主がだれにどれくらい払ったというようなことを出しますと、前近代的な労使関係ですから、とたんにこれは仕事を干されてしまう、現に首切りされたのもおります。というようなことですから、私は調べてありますけれども、残念ながらこれは出せないんです、きょうの段階では。というような事態でございますので、水産庁としてもこれは相当具体的にお入りいただいて行政指導をしていただかなければならないと思います。 これが大きな問題になりまして、道とも交渉いたしました。そしてまた私も調査いたしまして、そしていよいよこれは水産庁としての責任をはっきりさせなければいけないと、だから質問するよということで調査行きましたものですから、船主側も大分あわてまして、幸いなことに四日に船主とそれから漁船員との話し合いというのが古平で行われたわけです。それによりまして、船主側がこれだけしか払われないという、先ほどモデルとして出された、社会通念上交付金というようなものの中に含まれているであろうその費用から見ると、もう非常に低い額で、ある人によってはもうつかみ金の三、四十万ぐらいで投げ出されたというような者も——首振っていらっしゃるけれども、実際出ているんです。そういうような問題について、協会側が一方的に非常に低い算定をした分については、これはもう基準としないと、取り下げて新たに考えると。そして二番目に、通達を基本として船主側は検討したいと。三番目に、第二回目の交渉を八月十五日にするということが、四日、船主と船員側とやっと同じテーブルで話し合いが始まったわけでございます。それまでは全然対等に話し合いしようというような場がなかったわけなんです。 いままでどういうような労使関係かということを、ずっと入って調べますと、中央からちょっと行って調べたくらいじゃわかりませんよ、首振ったり笑っていらっしゃるけれども。実際に行って、そして一人一人の問題聞いてみますと、私はテーブルについたとはいっても、これから先の成り行きというのは非常に憂慮しているわけでございます。 そういう意味で、やはり交付金というのは、これは国庫から支出されているわけですよね、だからもう一隻について一億——以南ニシンの場合だと一億百九万の交付金が出ております。それから、エビかごの場合に、周年操業の場合には一億五百万でしょう。季節の場合にはその半額というようなことで、これはもう国庫から出ているわけですから、これがお出しになった趣旨に従って、趣旨が生かされるような配分というものがされなければ、これはもう非常に大きな問題になると思うわけです。 そういう意味で、水産庁としても引き続いて強力に見守って適切な行政指導をしていただきたいということを私は強く要望をしたいと思います。そういう立場でやっていただけますか。
○説明員(鶴岡俊彦君) 給与等の労務費支払いにつきましては、先ほどの通達出したのも一つの指導でございますし、それからやっぱり円満に問題が解決していくと、現地で話し合いによって、いろいろ業態が違いますので、私ども一律に押しつけるわけにはいきませんし、給与の水準ですからなかなか役所が介入するわけにはいきませんけれども、できるだけ現場現場で実態に即した解決が望ましいので、そういう方向で指導しておるわけでございます。 先ほど、四日の話もございましたけれども、これも先ほど先生御指摘のように、道庁にも参りますし、私どもの方にも来まして、そういうこともございまして、私どもの側の方からも話し合いの場を持たせたわけでございます。結果につきましては、ちょっと詳細にまだ承知していませんけれども、後に問題を残したようなことだということで聞いていますけれども、具体的な詳細なことは聞いていませんけれども、これからまだ話し合いがなお必要ではなかろうかと。いずれにしましても、これは知事許可漁業でございまして、減船の確認でありますとかあるいは意見書の添付とか、全部道知事を通じてやってもらっています。 それからまた、やっぱり間に入っていろいろ話し合いをするのは、よく漁業を知っている方が、現場をよく知っている方がいいのではないかということで、道と相談しながら、水産庁は逃げるわけでございませんし、水産庁としてもできるだけ円満解決を図りたいと思います。 ただ、先ほどから御説明しておりますけれども、一応この通達の趣旨というものは、あくまで雇用関係に即した賃金が払われるということで、その裏打ちとしてこういうのをして払いやすくしているということでございますので、これによってやれという意味ではございませんことをつけ加えさせていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 それで具体的にまた気をつけていただきたいんですけれども、七月の十一日に北海道道庁でその地元の船員たちが八十名くらい集まって、そして実態どうなっているのだと、われわれがもらったのはこういうものだというようなことで、少しおかしいじゃないかというようなことで、いろいろ話も聞きたいというようなことで船員たちが行ったわけですね。その行きます前の日に、ある船主です、これも名前出せません、ある船主はその前日に船員全体を集めて、交渉に参加するなというおどかしをかけているわけです。しかし、正当な権利として自分が納得いくように聞きたいという立場で行くのはいいじゃないかと言って参加した。その漁船員の二人が解雇になっているわけですね。こういうことは普通の陸の場合で考えれば、こういうことはまさに労働基準法違反もいいところだと、そういうことで参加したからというので首になっちゃうというのも、これはまさに前近代的労使関係を裏づけるひどいやり方だという点があります。だから、こういう点についても調べて指導をしていただきたいと思います。 それからもう一つ、たとえば日ソ交渉が行われている過程で、これは四月段階だったと思いますけれども、船員局の方でいま日ソ交渉が動いている経過だから、だから、その結果を待って補償だの何だのというものが出るから、だから、それを待ってほしいと、その前に首切りというようなことはしないでほしいというような船員局の指導があったというふうに見ているわけです。ということがあったというふうに言っておりました。しかし、そういう船員局からの日ソ交渉の推移を見守るようにという指導があったにもかかわらず、具体的に四月段階で首にしてしまったわけですね。しかし、交付金をもらうという申請のときには、その人数も数えて交付金をもらうと、それで交付金がおりてきたと。そうすると、もう払うべき人は首切っちゃったからいないというようなことで、払うにも相手がいないから払えないというように公言をしているという船主もいるというような問題も出てきているわけでございます。こういうようなもろもろの具体的な事例につきまして、これは決して交付金をお出しになった趣旨にも反しますし、またそういう形で解雇される、仕事を干されるというようなことが引き続いて行われますならば、労使関係円満に話し合ってということが土台が崩れていってしまうわけですから、いま二つの具体的な例を出しました。この問題についてもお調べいただいて、善処する指導をしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(鶴岡俊彦君) 私どもの方としましては、せんだって一部の方々が東京に来られましてお話がありました直後、道庁と相談しまして、これは現在乗組員の方々はほかのイカ等の船に乗っておりますので、すぐ全船を調べることは容易ではないんですけれども、何割かの船を対象にしましてそういう実態を調べております。それに即しまして必要な指導はいたしたい、かように考えております。
○小笠原貞子君 水産庁に船主の方から提出されている賃金支払い明細報告書というものがあるはずですね。その報告書には各船員本人の判が押されているわけです。しかし、船員に聞いてみると、そんな判押した覚えないということが出てくるわけです。つまり、船主が船員の判を勝手に押しちゃったと、そして交付金の要求をして、もらっているというようなものが出てきているわけなんですね。つまり、報告書のその中身で言えば、報告書に書き入れた金額と実際支払われたのを報告書に書いて、そして交付金をもらったと。しかし、その交付金の中で、さっき言ったように、もうすでに首にしちゃっているから、払うべき相手がいないよというようなことで、支払われた額というものが非常に違っているというようなことが具体的に出てくるわけです。これは国庫支出金という立場から、性格から考えても、非常に問題になると思います。そういう意味で、この点についても厳重に調査をしていただきたいということです。一点。 それからもう一点は、いろいろ調査をしていらっしゃるということでございますけれども、その調査も本当に実態がわかるような調査してもらいたいわけです。たとえば、船主さんにしてみれば、調査されるだろう船員集めて一杯飲ますとか、いろいろな手でもって船主に都合のいいような、そういうアンケートの結果が出ますと、実際問題としては正しい結果が出ませんので、せっかく御調査なさいますときには、そういう心配がないような調査をしていただきたい。漁協としても源泉徴収票とアンケートのみでは確定的な調査は不可能だというふうにも言っておりましたし、だから、その調査の方法についても、きちっとした結果が正しく出るような調査をしていただきたいということを重ねて要望したいと思います。
○説明員(鶴岡俊彦君) ちょっと誤解があってはいけないので御説明さしていただきますけれども、船主からとります賃金の報告書、これは報告書をもらってから交付金を出すのではございません。一応交付金はああいうモデルケースで計算しておりますので、かかった経費について補てんするというんではなくて、とにかく大体想定される経費はあの程度かかるんであろうと。うまくやっている人はあれより若干少ないかもわかりませんし、たくさん金をかけて、いろいろ船とかに金かけている方はもう少しかかるかもわからない。あくまでモデルケースでございますので、かかった金を支弁するという観点で報告しておるわけでございまして、それは労務費につきましても、先ほど来説明しておるように同じようなことでございまして、あくまで交付金を出す、出した結果労務費について幾ら支払ったか、それは私どもその実態を知っておきたいし、またそれを求めることが、船主側が乗組員に対してできるだけ円滑な支払いをやる、報告しなきゃいけないので支払いをするんでないかということでとっておるわけでございますので、あれをとったからやるということではございません。 それから、印鑑の件でございますけれども、これは中に、率直に申しまして、支払ってはおるけど受領印を押していない方もございます。そういうことから、私どもは、印鑑を押してきている報告書につきましては、一応本人が押した、あるいは、われわれも給料をもらうときには、一応印鑑預けて給料をもらうようなこともありますので、そういう十分な話し合いができてから判を押して報告されたんではないかと。あくまで、それを出さなければ罰則をかけるとか、交付金を減すとかということでございませんので、私どもとしては一応正当な報告はあるんではなかろうかというふうに理解しておるわけでございますけれども、先ほど先生お話ございましたように、一部の地域の方で問題になっております。そういうこともございますので、なお私どもとしましては道庁と相談しながら、抽出ではございますけれども、乗組員と船主側両方について調べて突合してみるというのを事例的にやってみようということで、いま計画しておるわけでございます。
○小笠原貞子君 もう一問。 具体的にぜひお願いします。時間があれば——私名前出せませんけれども、具体的な明細書とそれから支払った分というのが非常に矛盾しているというのもあるわけですから、だからそれはさっき言ったように、出しますと首になりますから、だから、おたくの方ではきちっとそれくらいはつかんで善処していただきたいということを重ねてお願いします。 それから、最後に簡単にお伺いしたいんですけれども、雇用促進住宅の問題なんでございますけれども、これは従来二DKでございまして、大変狭いというような問題でございます。どうしてもこれは三DKというふうにしてもらいたいというようなことなので、そういう趣旨を生かして考えていただけると思いますけれども、その点ひとつお伺いしたいということです。 それから、北海道の場合は炭鉱離職者もあり、各地域の振興の立場からもどうしても建設はやっぱり年々ふやしていただきたいというような要望もございます。ところで、五十四年度の建設希望としてまとめて札幌、稚内、根室、函館、苫小牧、夕張、留萌、上砂川というようなところから希望が出ているわけです。夕張と苫小牧は五十三年度も要望しておりましたが、これが落ちたわけですね。五十三年度の補正予算必至というような情勢の中でございますので、補正も含めて国民本位の公共事業ということにもつながりますので、ぜひ広い三DKでこういう地域の要望にこたえて雇用促進事業団の住宅を建てていただきたいというような問題について御見解を伺って質問を終わりたいと思います。
○説明員(細野正君) 雇用促進住宅につきましては、御指摘のように二DKで狭過ぎるという、そういう御意見かなりございますので、本年度につきましては半々ずつにいたしたわけでございますが、来年度に向かってこれをできれば全部三DKにするというふうな形で漸次改善をしてまいりたいというふうに考えております。 なお、北海道における雇用促進住宅の建設につきましては、非常に最近急激に御要望が強くなってきておるわけでございまして、私どもとしましても道庁とよく連絡とりまして、その意向を聞きながらそういう点についての配慮をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○柄谷道一君 最初に経企庁にお伺いいたします。 五十三年度のわが国の実質経済成長率を七%にする、それは前国会において内閣が国民に公約したところでもありますし、過般の先進国首脳会談で国際的な公約ともなっているところでございます。私は、この経済成長率の達成は雇用問題にも重大な関連を持つものだと当然思うわけでございます。 私たち民社党としましては、その中期計画で、五十三、五十四の両年度成長率七%、五十五年度から五十七年度の成長率を六%程度といたしまして、その他これに関連する諸政策を充実させることにより、そうした政策展開の結果、五十七年度の失業率を一・五%、有効求人倍率を一・〇程度まで引き上げることが可能ではないか、こういうことを試算し、かつ提言をいたしておるわけでございます。そこで、経企庁として、中期、すなわち今後五年間経済成長率の目標をどのように設定されておられるのか、まずお伺いします。
○説明員(赤羽隆夫君) 政府といたしましては、今年度の経済成長率を七%、こういうことはすでに決定していることでございます。そして、ことしに入ってからの動きを見ましても、ほぼわれわれが想定した線で推移をしている、こういうふうに理解しておりますけれども、五十四年度以降の動きにつきましては、現在の五十年代前期経済計画、この動きがその後の策定以後の動きによりまして若干の乖離をしている、このフォローアップも含めましてこれから検討をする、こういうふうな状況でございます。 私、所管も違っておりますので、この中期的な見通しについては後ほどまた機会を見て担当局の方からお答えをいたしたいと思います。
○柄谷道一君 ただいまの御答弁では、五十三年度経済成長率七%は順当に推移している、こういうお答えでございましたけれども、経企庁が三日、現行の政府の見通しについて、経常黒字六十億ドルから百六十億ドル以上にかさ上げをせざるを得ない。さらに宮澤長官は、輸出が数量的に落ち込む可能性が出てきたことによって、七%成長ということに対しては追加措置の必要が高まっている、こういうことを指摘されております。 端的にお伺いしますが、七%達成は自信がございますか。
○説明員(赤羽隆夫君) ただいまお答えいたしましたように、ことしに入ってからの経済の動きを見ますと、一−三月期の実質GNPというのは、十−十二月期に比べまして二・五%拡大をいたしました。この情勢が一年間続く、すなわち年率計算をいたしますと一〇・四%、二けた台の伸びになっております。ただ、四−六月期に入りまして、鉱工業生産の動きなどから判定をいたしますと、若干のスローダウンがあった、こういうふうに私どもは認識をしております。ただ、最近におきまして耐久消費財、すなわちエアコンでありますとか自動車の販売でありますとか、こういったようなものが非常に好調に推移しております。さらに、公共工事も順調に契約が進んでいるということでございます。一つだけ数字を申し上げますと、六月の公共事業の契約といいますのは、昨年の六月と比べまして三二・六%、七月になりますとこれが去年の七月と比べて五三・七%、こういうふうに順調に推移しておるわけでございます。したがいまして、全体として見て、やや一−三月の動きから見てスローダウンはあるというふうに認定をしておりますけれども、おおむね当初予想の線に沿って経済が拡大をしている、景気が回復をしている、こういうふうに認識をしております。ただ、先生も御指摘のように、最近におきます非常に急激な円高、これが輸出に対して及ぼす影響と、こういったようなことが心配されておりますので、現在私どもとしては七%成長、こういうふうな政府の見通し、今年度の見通しをより確実なものにする。こういう観点から、九月の二日に経済対策閣僚会議を開いて、当面の経済情勢について検討を行うとともに、必要な場合には追加措置をとる、こういうことで作業を進めている段階でございます。 さらに、先生が御指摘になりました百六十億ドルと、経済企画庁がそういうふうな試算をしているという報道がございましたけれども、まだそこまで検討が進んでおりません。私ども公式の数字としてそういう数字をすでに改定の数字として持っているわけではない、こういうことをお答え申し上げたいと思います。
○柄谷道一君 私は六月ぐらいまでの時点の統計を見れば、いま言われたような見方もできると、こう思うわけです。それで私は実際に全国を回ってみまして、たとえば富山県の染色のような場合、急速な円高で百八十円台に突入した、ということでもう十月——ここは輸出中心の繊維産業の地場産業地域でございます。もう九月の終わりから十月以降、これは全く成約がございません。このように急速な円高というものは予想以上の大きな打撃を与えている。これはもう実態なんですね。したがって、早期に臨時国会を開いて補正予算等の追加措置を講ずる必要がある。これはもう時の大きな声であり客観的な事実であろうと、こう思うんです。それはそれとして、そういう政策展開を必要とするわけでございますけれども、今後経企庁として五十三年度の追加措置及びいま検討中だと言われております中期的な計画の策定、これに当たっては当然雇用の創出、拡大、安定、こういうものが中核として据えられた視点からその検討が行われるべきものと、こう理解してよろしいわけですか。
○説明員(赤羽隆夫君) 今年度の経済見通し、これを文章にしております経済運営の基本的態度、これの第一の課題といたしまして、雇用の安定ということを挙げておるわけでございます。経済運営の基本的な目標というのは雇用の安定、これに加えまして物価の安定でございますとか、あるいは国際収支の均衡の確保と、こういうのがあるわけでありますけれども、最も重要なことは、やはり皆さんに働く場を与える、こういうことで経済成長を遂げることによって雇用を安定させる、こういうふうなものであるということを私ども十分認識してございます。
○柄谷道一君 そこで、労働大臣にお伺いいたしますけれども、現下の深刻な雇用情勢につきましては、多くの委員から指摘されたところでございます。特に、特定不況業種が地域産業の中心になっております地域におきます情勢の深刻さにつきましては、派遣委員の報告の中で十分指摘されているところでございます。 大臣は、ただいままでの質問の中で雇用対策、雇用の安定こそあらゆる経済政策の中心に据えられなければならない、こういう決意を表明されました。全くそれは同感でございますし、かつ先般の委員会で私は大臣の雇用創出試案について評価し、むしろこれを激励する立場の質問を行ってきたところでございます。その後大臣が、通産大臣との会談、引き続いて厚生、文部など関係閣僚との会談や、最終的には総理との会談も予定し、かつ与党である政策審議会にもこの問題を持ち込んでおられる。その精力的な行動については高く評価するものでございますけれども、私は端的にお伺いいたしますが、そういう会談を通じて概算要求の中に大臣のお心が政府として十分に織り込まれると、こういう確信ございますか。
○国務大臣(藤井勝志君) そこまで突っ込んだ御質問に対してお答えを申し上げる私の立場としては、全力を尽くすという以外答えようがないんでありまして、しかし私は、経済企画庁からもいま答弁がありましたけれども、全体的にやはり雇用の安定こそ現下の最大課題であるということが院議をもって決定されているというこの事実。同時に、現実に公共事業が積極的に進められておる今日、やはり完全失業者の数、雇用情勢、こういったものを考えると、これからの経済政策というのは、やはり私が主張してまいるまでもなく、内閣全体のそのような理解、予算編成に協力してもらえるに違いない、このように期待をいたしております。
○柄谷道一君 私は、これは労働大臣の政治生命をかけた大事業だとこれ思うんです。悪い意味じゃなくてですよ。しかし、この問題の最終決断は、やはり総理の決断にかかってくると、こう思います。もちろん、大臣は総理との会談の中でこのことを強調されることと思いますし、総理もまた院議を踏まえてそのような姿勢を示されるものと思いますけれども、私は総理との会談の中で、これは先ほどの質問の中にも出ておったわけです。私、さきの委員会で、このための強力なプロジェクトの編成、特に場合によっては担当国務大臣、重要ないま対外経済を控えて牛場さんを担当国務大臣として外務大臣を補佐すると、こういう体制をとられましたと同様の考え方を、まあ大臣一人だけでは私は頼りないという意味ではございません。より各関係省庁とのこれは緊密な連携を必要とする問題であるだけに、そういう専任国務大臣の設置を含めた、総理としての決断を求められるべきではないだろうかと、こう思うんですがいかがですか。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいまの御意見はまことに示唆に富んだ私は御提言だと思います。十分御意見のあるところを踏まえまして、総理とひとつじっくり話したい。じっくりといいましても、時間がどの程度とられますか、十二分に私は話していきたいと思います。
○柄谷道一君 概算要求に対する姿勢、大いに心強く思ったわけでございますが、しかしこの雇用情勢を考えますと、五十四年度予算も当然でございます。それは今度の追加予算の中でも当然その一部を先取りしなければならない緊急性をこれは持っているとこう思うわけです。その点いかがでしょう。
○国務大臣(藤井勝志君) 確かに、補正予算があるとすれば、それが先行的な役割りをなし得るような内容でなければならぬと、このように思います。 ただひとつ、私が多少気がかりなのは、今度の補正予算というのが、円高ですね。それと経常収支の依然として黒字が続いていると、こういう経済的な要因が、やはり特に差し迫った問題と、ボン会議以来ですね、そこにどの程度の内容が雇用の面から盛られるかということについては、いまの客観情勢と時間的な問題とを踏まえますと、まあ御期待にこたえられる十分な成果が上がるかどうか、いまから弱音を吐いてはいけませんけれども、多少その点は気遣いでございます。しかし、全力を尽くして前進あるのみと、こう考えております。
○柄谷道一君 私は大臣の雇用創出策を熟読いたしますと、五つの柱からなっているんですね。一つは浮体空港の建設、巡視艇の建造、大規模な見本市、博覧会の開催など、いわゆる直接的かつ即効性を求める雇用創出策、これが第一の柱ですね。二番目は福祉型産業構造を支える職業分野の拡大、これによる雇用創出を強調されている。三番目は、国際的な経済協力と国際交流を強化するということを通じての雇用創出。四番目は、エネルギー、資源開発、航空機など先端的大型研究開発プロジェクトを、国の力によって強力に推進することによって、これを速やかに企業化していく、そのことによる雇用創出。五番目の問題は後で質問いたしますけれども、五つの柱から成っている。 そこで、これは各省庁間とも、全部これはまたがっているわけですね。どの程度これ調整が進んでいるんでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) この問題につきましては、各省庁にまたがる問題でありますから、労働省だけできりきり舞いしてもなかなか問題が前進しないというので、私は党の方へ持ち込みました。五月の初旬でございますけれども、政調会の方へ持ち込みました。政調会は、これを受けて雇用対策小委員会をつくってもらっておりましたが、それで審議をいたしまして、党としてもすでに政調段階においては結論が出ております。むしろ、私が出した提案よりもより肉づけられて、内容もよくなっているというふうに承知いたしておりますから、これは本格的には、五十四年度予算編成の場合、この雇用安定を踏まえた経済政策の展開に非常にバックアップしてもらえる——それに、院議をもった雇用安定の決議もありますから、一応いろいろな考えられる条件は整備しつつあると、このように考えております。
○柄谷道一君 そういたしますと、私の挙げました四つの雇用創出策は、いずれも相当高度の技術を要する問題なんですね。まあ、前通常国会で職業訓練法の改正は実現いたしましたけれども、しかし、いま大臣の言われましたような姿勢でこれから新しい雇用創出に取りかかっていく——たとえば、福祉要員の養成と一言で言いましても、いまの職業訓練手当一年以内ということですね、訓練手当の支給延長というようなものが。そうしますと、現在の職業訓練体制とか雇用安定資金制度で、これらの大臣の雄大な構想というものに適応していくための訓練が果たして完全にできるのであろうかどうか。私は、本筋は、失業給付の延長、これによってカバーしていくということよりも、むしろ、再就職——新しい雇用創出に向かってその労働力が有効に使われていく、そのための職業訓練体制こそこれからの最大の課題であろうと、こう思うんです。 そうしますと、前通常国会時には、百八十円時代というようなことは、これはまだ想定もできなかった問題ですね。情勢は刻々と激しく変化しているわけです。私は、そういう点を考えますと、現在の安定資金制度、そしてさらに、職業訓練のためのあらゆる専門教育機関の活用という問題についても、この際もう一度洗い直して、補うべきは次の通常国会でこれを補っていく、そういう立場に立つことが、より積極的な労働行政の展開ではなかろうかと、こう思うのでございますが、いかがでございますか。
○説明員(細野正君) 大臣の御構想にあります雇用の創出対策というのは、たとえば、いまいる離職者の方をすぐ持っていける場合もありますし、それからそうではなくて、たとえばそれぞれ相当長い期間かかって養成しなきゃならぬような専門職員については、それぞれ専門のところで、たとえば学卒者を養成するというふうなかっこうで、若年の流れていく方向というものをそういうふうに方向づけることによって、本来若年を採るべき予定のところに中高年齢者を採っていただくとか、いろいろな仕組みがあるわけでございます。したがいまして、あそこで言っておりますものを全部を、たとえば安定資金制度内でもって処理するとか、あるいはいまの訓練所の体制の中だけで処理するということはなかなかむずかしゅうございます。たとえば、学校の先生でございますと、これは訓練所というよりも、それぞれ専門の養成の施設があるわけでございます。そういうものをそれぞれに応じて展開していこうという考え方でございますが、しかし、それにしても現在の安定資金制度とかそういうものが、あるいは訓練制度にしても、現状の多様な要求というものにこたえがたい面があるじゃないかという点は御指摘のとおりでございます。そういう意味で、私どもも早急にその安定資金制度等の要件とか、あるいはその内容等について、できるものは改善をしてまいりたいというふうに検討しているわけでございます。
○説明員(石井甲二君) 職業訓練の体制の問題でございまして、まさに先生御指摘のように、新しい構造の変化、しかも労働大臣が試案で示しましたように福祉型の構造に変革をするという方向でございます。ただいまのところ、今後の検討にまたなくちゃいけませんけれども、一つは、やはり福祉関係部門、あるいは健康医療部門、あるいは生活部門、あるいは情報部門、教育部門、大ざっぱに言いましてそのような方向が一つの新しい雇用創出の場であろうかと思います。 これに対して職業訓練の体制でございますが、この前の法律改正によりまして、従来公共職業訓練の訓練校の体制だけではとてもこういう体制には追いつきませんので、この際、もちろん公共職業訓練体制は充実をいたしますけれども、そのほかに委託訓練、すなわち各種学校その他いろんな養成機関がありますけれども、そういう部門に対応するような一つの場がある場合には、積極的にこれへ委託していくという考え方をとりまして、すなわち現実の需要とそれから将来のあるべき需要に対してそういう多様化した訓練の受けざらを求めるという方向をこの前の法律で改正をいたしたわけであります。さらに、現在の総合職業訓練校、つまり雇用促進事業団でやっております訓練校につきましては、いわゆる養成部門を一応将来の方向としてはこれを発展的にむしろ離転職者のための訓練、あるいは事業内の労働者に対する向上訓練ということで位置づけをいたしまして、これに対する対応をいたしたいというふうに考えているわけでございます。ただ、将来の雇用の創出の場の問題につきましては、一つの方向として第二次試案で示されておりますが、それをさらに具体的にどういう職種なり、あるいはどういう発展の方向の分野なりということについては、さらに検討をいたしながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 大臣、総理はよく、これからの日本人は国際社会に堂々と出ていかなければならぬ、こう言っておられるわけですね。高学歴社会になっているわけでございますから、いま局長が言われましたように、労働大臣のこの雇用創出策はすべてが雇用、いわゆる離転職者対策のみに限られるものではない、これは十分知っておりますけれども、しかし、その新しい雇用創造の中にまた離転職者が相当のウエートを占めるものだということもこれまた事実であろうと、こう思うわけです。 私、時間がありませんので多くを語れないのが残念なんですけれども、たとえば第三次産業への吸収といいましても、語学をもっと専攻して、国際社会に堂々と乗り出せる人材を養う、そういう能力を持つ方もあろう、こう思いますし、コンピューターなどの専門技術を習得する、そういう訓練もまた必要であろう。私は、ぜひ大臣の出されましたこの雇用創出策と、それから現在の職業訓練体制、さらには現在の雇用保険法の中にうたわれておりますたとえば訓練期間の長さの問題、こういった問題も新しい時代に対応して、これ全省を挙げて取り組んでいこうといま大臣言われたわけですから、やはりこれに相対応する労働行政というものについても、この際見直しをぜひしていただいて、必要な部分についてはその補充、補完を行っていただきたいと、こう強く希望するわけでございますが、御決意だけをお伺いします。
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま御指摘になりました点、私も全く同感に考えます。特に、私はこの雇用対策と職業訓練体制というものは、これはまさに表裏一体である、こういう認識でいままでもまいりましたし、今度の問題提起に当たっては、それを一層深めて、政策の整合性、また労働省内部の行政の整合性というものを十分考えて前進したいと、このように思います。
○柄谷道一君 次に、定年制の問題についてお伺いをいたします。 六十歳定年制という問題は、労働白書でも明示されているところでございます。また中期労政懇でも当面の目標を六十歳とすべきである、このような提言もされております。すでに、六十歳定年制を早急に実現しなければならぬというのは時代の要請であり、かつ国民の合意でもあろうと、こう思うんです。ところが、六月二十五日に労働省が発表されました雇用管理調査の結果を見ますと、定年の平均は五十七・六歳、徐々に延びてはいるというものの、二年間で〇・三歳しか延びていない、こういう結果が発表されております。 そこで、私はさきの委員会で六十歳定年制の法制化の問題について質問をいたしました。その際、大臣はやはり労使の自主交渉を通じてそれは実現に移されていくべきではなかろうか。労働行政としてはそれを側面からいわゆる援助するといいますか、PRその他の援助策を講じていく、そういう配置にしたい、こういう趣旨の御答弁があったわけです。 ところが、七月二十日から富士吉田市で日経連の経営トップセミナーが開かれました。そこに出席いたしました宮田IMF・JC議長は、最終的には六十五歳定年を目指すが、当面六十歳定年はぜひ必要だ。その場合、労働組合の年功序列賃金や現在の昇進制度の見直しを受け入れる必要があろう。こう述べておりますし、天池同盟会長も、定年が延長されれば現在の賃金体系を変更するのは当然の帰趨ではないか、こう述べております。労働側としましては、きわめて民間産業は柔軟な姿勢を示すことをこのセミナーで意見を述べているわけですね。櫻田日経連会長も、仕事の内容や賃金の変更を労組が受け入れるなら、できるだけ定年を延長するのが経営者の責任である、こういうことで労働組合首脳の考えに対して基本的に賛成である旨の意見を述べておるわけです。この内外経済環境の変化に対応した労働政策の中期的課題と展開の方向に関する提言、中期労働政策懇談会、この提言を見ましても、定年制延長を行う場合に解決しなければならない問題というのは、もう明白に浮き彫りにされているわけでございます。私はこういう状態を考えますと、直ちにということになりますと問題はありますけれども、一定期間を置いて、この時期から定年六十歳制を法制化する、それまでの間に労使は団体交渉においてそれぞれの問題点の解決に当たるべきだ、こういうむしろ終点を押さえての強力な労働行政というものが必要なのではないだろうか、こう思うわけでございます。そうしませんと、現在の深刻な経済状態の中で、各企業がいわゆる減量経営というものに必死になっている。そして、その減量経営の結果は、中高年齢層に過重にしわ寄せが来ている。たとえば、日経ビジネス誌が実施した終身雇用制度に関する意識調査の結果を見ますと、いま定年制はあっても、その従業員の三分の一は、果たして定年までおれるだろうかという不安を抱いているという結果が、意識調査の結果出てきておるわけですね。私は、そのような視点に立ちますと、定年制延長をちゅうちょする時期ではないし、政府が強力にそういう施策を打ち出せば、労使間のコンセンサスは得られる、これが現状ではないかと私は認識するのでございます。前回の答弁をもう一歩進めて、一定期間後に定年六十歳が実現しなければ法制化を考慮すると、ここまでの答弁ができませんでしょうか。
○国務大臣(藤井勝志君) 高齢者社会になりましたきょう今日、中高年齢者の雇用対策が現下の大切な問題だと。その中でも定年制延長という問題は、その中心的な課題であるというこの認識と、同時に定年延長の環境はもう整備されておると、この認識は私はまさに柄谷委員と一致しておると思います。ただ、これが実現の方法につきましては、やはり法制化するということは諸外国の前例もございませんし、むしろ現在われわれは高年齢者雇用開発協会というのを最近つくりました。これは使用者側をその編成に置いておるわけでございますけれども、いまのようなお話の客観的な情勢は、労使間においてもすでに熟しておるという、こういうことでありますから、定年六十歳を目標の実現は現下の緊急課題だと、こう私は受けとめまして、今後より一層強力な行政指導に当たりたいと、このように思います。
○柄谷道一君 前回の答弁より足踏みをしているわけでございますけれども、外国に例はないといわれましたけれども、アメリカには現に七十歳を年齢とする年齢差別禁止法というものの制定もあるわけでございますね。私は時の流れのままに、深刻な経済状態の中で政府が助成をしていっても、なかなか六十歳の線に到達するというのは時間がかかる。しかも、わが国の老齢化現象はそれを待ってはくれない。昭和八十五年には六十歳以上の人口が二四%を超えるわけです。これは年金財政の面からいきましても重大な問題が惹起してまいります。私はここで論議しておってもしようがありませんが、ぜひ労使の交渉というものが問題点が明らかになり、かつ基本的な合意がありながら前へ進まないという場合は、行政当局としては当然法制化の勇断をふるって、この問題の解決に当たるべきであるという私の意見だけを申し上げて、次に問題を進めたいと思います。 時間がありませんので、ワークシェアリングの問題と、せっかく婦人局長来ていただきましたが、婦人問題の点はまた次の機会に譲ることといたしまして、申しわけないんですが質問を省略さしていただきまして、最後に通産省にお伺いをいたします。 通産省は、特定不況地域対策法案の検討を急いでおられると聞いております。そしてその法案を裏づけるものとして、緊急対策、補正予算、そして五十三年度予算という三段構えでこの対策に、いわゆる予算的裏づけをしていこう、こういう趣旨だと聞いておりますが、時間の関係で簡単に答えてください。まず、その地域指定ですね。県単位を考えておられますのか、市町村単位を考えておられますのか。
○説明員(山口務君) まず、現在地方通産局、地方公共団体等と密接な連絡をとりまして、御指摘の不況地域の実態の把握を急いでおるところでございまして、同時にこれら地域の中小企業に対する総合的な対策について、具体策を検討しておるという状態でございます。しかし、当面、事態の緊急性にかんがみまして、特別融資の実施等行政措置だけで対応し得る対策につきましては、本格的な対策とは一応切り離しまして、できるだけ速やかに実施に移す方向で関係省庁と調整を急いでおります。なお、引き続きまして補正予算、立法措置を伴う対策についても、現在その検討を行っておるところでございます。 そこで、いま御質問の地域指定の問題は、これは法律の問題になろうかと思いますが、したがいまして現在検討中でございますが、一応の考え方では市町村単位が適当ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、ぜひ原則は市町村単位、しかし函館にわれわれが行きましたその調査結果から見ましても、該当する市町村と緊密に関連している周辺市町村、これらのものは包括して考えていきませんとなかなか問題が解決されないと、こう思うわけでございます。その点につきましては、立案の過程で十分に御配慮を願いたい。 それから、労働大臣、大臣の雇用対策とこの地域対策臨時措置法とは密接不可分の関連にあるわけですね。だれが考えましても、今後の法案、内容はまだ検討中ということでございますけれども、柱は四つか五つ出てくると思うのです。 一つは、それらの不況地域の地域振興計画を国、市町村そして労使、公益側委員等も参加する体制の中から、その振興計画というものをいかに確立していくか、これが一つの柱であり、これと相関連する公共投資なり職業訓練なりという一貫したものが出てくるわけですね。 それから二番目は、公共事業をいわゆる傾斜配分といいますか、重点配分を行うことによって、公共事業を通じて地域対策及び雇用対策を進めていく、これが第二の柱になろうかと思います。 第三の柱は、中小企業、その地域内の特に中小企業に対する税制、金融上の措置をどうカバーしていくのかという特別措置であろうかと思います。 それから第四番目は、その地域に新しい企業を誘致し、もしくは誘導する。誘致、誘導がしやすいような施策をこの法律上にどう織り込んでいくか。 さらに、最後の第五番目は、この地域に対する特別雇用対策として何が考えられるか、こういう私は五つばかりの問題がこの臨時措置法の骨格になり、これに対する十分の財政的裏づけと強力なる行政指導というものが加味されることによって、初めて特定不況業種を多く抱える地域の雇用対策というものが前進を見ることができるのではないかと、こう思うのでございます。その点、これは通産省立案の法案ではございますけれども、労働省としては無関心で看過すべき問題ではない、こう思うわけです。雇用対策という視点から、今日まで通産省とこの立法に関しどのようなお話し合いをされてこられたのか。また大臣として、今後この立法内容について通産省との間にどういうお考えで詰めをされていこうとしておるのか、この点をお伺いいたします。
○説明員(細野正君) 現在伝えられております通産省でお考えの法案の内容等については、先ほど通産省の方からお答えがありましたように、まだよく詰まってない段階でありまして、しかしその検討過程で、私どもも何回か内容等についても検討のプロセス等の御説明をいただいたり、それから私どもとの雇用対策との関係等についての議論なんかも内々はやっているわけでございますが、しかしまあいま申しましたように、通産省の方での御検討の方も詰まっておりませんし、私どもの方の検討もまだ検討の最中で、とても表立ったところで申し上げるところまでまだいってないわけでございますが、いずれにしてもいままでも何回も事務的にも、それから先ほどお話ありましたように、大臣同士もお会いいただいてそれぞれの連絡、意思疎通をやっておるわけでございますが、引き続き、また私どもも通産とよく連絡をとりながら、それぞれの内容の整合性なりあるいは落ちのないように検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○柄谷道一君 私は最後にこれは大臣にお伺いするのでございますが、これは単なる産業対策としての法案であっては画竜点睛を欠くと思うんですね。したがって、特定地域が指定される、その指定された地域に対して雇用保険法にどういう特例を認めていくのか、これは労働省サイドとしても重要な問題だろうと思います。さらに、昨年末成立しました特定不況業種離職者対策臨時措置法はいわゆるこれ、業種指定でございます。しかし、私は地域全体が有効求人倍率を見ましても失業率を見ましても、他の地域以上にこれは深刻な状態にあるわけですから、一つの考え方としては、その臨時措置法に基づく雇用促進手当とか訓練待期手当、さらに職業訓練の問題などに対する臨時措置法の適用を、業種指定に加えていわゆるこの次につくられるであろう法案によって指定される地域には地域指定の方法も配慮して、いわゆる二本立てで進んでいくという発想も生まれてくると思うのでございます。いずれにいたしましても、私は通産省の立案を待って労働省が横から話をするというのじゃなくて、むしろ立法の段階からより積極的な労働省としての参加を求めたいと、こう思いますし、あわせて、民社党はあす対外的にこれに対する正式な見解を公表いたしますけれども、各政党みんな御意見をお持ちだと思うんですね。一遍、国務大臣として、これ、きわめて深刻な問題でございますから、各政党の政審担当者との間に話をされまして、こんなものは超党派でそれらの地域の対策というのをいかにすべきか、やはり意見を野党とも十分その意見を聴取して、そして政府がその立案に当たられる、これが望ましいのではなかろうかと、こう思うわけでございます。 以上、二点に対する質問をいたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。
○国務大臣(藤井勝志君) 不況が非常に地域ぐるみに対策を求めているというこの実情、まさに企業城下町というような言葉で最近言われております。このような地域に対しては、御指摘のとおり、もうすでに労働省は通産省と事務的レベルで接触をいたしております。通産ができ上がってから、待っているというのでなくて、事務的な接触をいたしておりまして、すでに中間的な報告は受けておるわけでございまして、ただいまお話しのように、雇用安定資金制度の運用の面あるいはまた雇用保険制度の運用の面、こういうような面もやはり地域全体を踏まえて対応策が必要ではないか、このように私も実はまだ中身を十分検討する時間的な状況ではございませんけれども、同じような気持ちを持って対応しなきゃならぬではないかというふうに考えておるわけでございます。 各政党間の政調関係の方々との御意見も、きょうの御提案十分踏まえまして今後に処したいと、こう思います。
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会 —————・—————