災害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/05/12
会議録
○委員長(村田秀三君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 大規模地震対策特別措置法案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○勝又武一君 まず長官にお伺いいたしますが、本法案の提案理由を拝見をいたしますと、地震の予知、強化地域の指定、観測体制の整備、それから予知に伴う地震防災応急対策の実施、こういうように重点的にありますが、これを拝見いたしますと、予知が本法案の主眼であるというように理解されますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 今回の立法措置の前提といたしましては、ただいま勝又委員がおっしゃいましたように、予知技術の進歩によりましてマグニチュード8程度のものは予測できると、こういうことから、また現実に東海地域において地震の発生のおそれがあると、ここ二、三年来言われておる折からでございまして、予測のできるものであるならばそれに応じた特別措置をとったらどうかという、そういうことが一つのねらいであったことは、ただいまの御質問のとおりであると思います。
○勝又武一君 そういたしますと、この予知体制整備の問題でありますが、地震予知連絡会の事務局は国土地理院にある。それから東海地域判定会の事務局は気象庁にある。それから行政機関相互の連絡調整を図る地震予知推進本部の事務局は科学技術庁に置かれている。このてんでんばらばらと言いますか、この辺のことを私たち考えますと、地震にかかわるもの、たとえば地震関係機関、こういうものを一元化する必要があるというふうに思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 予知についての技術開発と申しましょうか、研究と申しましょうか、そういうことにつきましては、関係の各省庁が各省の機関と申しましょうか、それから大学等において鋭意努められておるところでございますが、予知につきましては、これは最終的には気象庁へ全部集中しております。今回の立法の背景になった大規模な地震についての予知はでき得るんだという場合のその予知情報は、気象庁へ全部一元されておるわけでございまして、その一元の前提として、先ほど申し上げた大学や各省庁関係の地震予知についての情報の交換とか、専門的判断が地震予知連絡会である。また、その中で特に地震のおそれがあると見られておる東海地域においては、東海地域の判定会が気象庁のもとに置かれておる。しかし、あらゆるデータは気象庁長官のもとに集中されるわけであります。 それから、お話のありました予知推進本部のことは、これは今後予知技術のもっと積極的な開発をすべきである。こういうことで、内閣の決定によりまして科学技術庁長官が長となっての予知推進本部を置きまして、鋭意予知技術の開発に努力をすると、こういうことでございます。
○勝又武一君 地震予知の責任官庁が気象庁である、こういうお話はお話としてわかりました。 私がお聞きしているのは、この法案は地震の予知だけではないと思いますね。地震の予知、そして強化地域の指定、観測体制の整備、そして予知から出てきた地震防災応急対策の実施と、これがすべてばらばらでないはずです。だから特別措置法をつくっているはずなんです。だとすれば、この四つを全部総合的にひっくるんだ責任官庁はどこなんですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 災害につきましては、御承知のように災害対策基本法がございまして、そうして中央防災会議が設けられておるわけであります。災害につきましてはそういうふうに一元されておるわけでございまして、その事務的な処理につきましては国土庁が担当しておるわけでございます。 今回の大規模地震の措置法におきましては、この法案が成案を見ますと、ただいま申し上げました中央防災会議に諮りまして、そして強化地域の決定が行われます。そうすると、その強化地域におきましては、国あるいは県、市町村、それぞれの立場におきまして、あるいは地震防災に対する基本計画を立てる、あるいはこの地震防災強化計画の作成をすると、こういうことで事前にそれらの措置がとられる、そしていつでもこの予知情報が出たときに対応する準備をする、こういうたてまえになっております。
○勝又武一君 どうもお聞きしていることと一致しないのでありますが、逆に、こういうようにお聞きをいたします。 法第十条によりますと、臨時に警戒本部を設置する、こうなるわけですね。そうしてそれはまさに一元化し、臨時的であっても機能的に統一される。だとするならば、その事前のものも一元化できないという理由がないのではないか。ここがわからないわけです。ですから、もっと簡単に言ってしまえば、たとえばいまあるものをすべて——一例ですけれども、地震局、こういうようなものを新設をして、総合的かつ機能的な常設機関としてできないのか、こういうことをお伺いをしているわけです。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御質問にありました警戒本部の設置、これは、予知情報がございまして、総理大臣が閣議に諮って警戒宣言を行ったときに地震災害警戒本部の設置ということになりますから、これはもう緊急に事態が迫っておるというときの措置でございます。 そこで、いま、そうでなく、常時地震局のようなもの、そういう必要があるのじゃないかと。これは私どももその必要性がないというような立場はとっておりません。しかし、文部省の測地学審議会の方で従来予知情報などについてのいろいろ建議が行われてまいりまして、第四次の建議が近く行われる、こういうことで、そういうような建議の行われた後において、機構について必要があるならばそのときによく考えたいと。 今回の場合は、いわゆる特別措置法でございまして、こういう法案によって——いま東海大地震が起こるんではないか、あるいは観測強化地域である南関東とか東海地域について、早く対応すべきではないかということにこたえておるわけでございまして、普通でありますと中央防災会議がそれに当たっていくべきでありますが、予知の可能性がはっきりしたこういう段階でございますので、先ほど申し上げたような予知に伴う、また予知が出たときの事前措置はどうか、いよいよ警戒宣言が行われたときにはどうするかということを法案に盛り込んだ次第でございます。
○勝又武一君 どうも、一元化できないという理由としては残念ながら納得できません。特別措置法だからというお話でありますが、まさにこれは臨時的なものではなくて、必ず来る問題についての特別措置法だと思うんですね。ですから、ぜひひとつ、必要ないとは思わないという意味の御見解もございましたので、引き続き、私は何としても地震局のようなすべての総合的な機能的な統括された局——名称は不適切かもしれませんけれども、そういうものをやっぱりぜひ常設される必要があるんじゃないかというように思いますので、この点はぜひ引き続き御検討をいただきたいというように思います。 そこで、次の問題といたしまして、先ほど観測体制は気象庁が責任官庁というお話がございましたが、一番いま観測密度の高いと言われております東海地域、この方面の観測体制というものは十分だというふうにお考えなんでしょうか。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 東海地区に対しましては、すでに昭和四十九年に地震予知連絡会で観測強化地域ということに指定されまして以来、皆様の御支援、御負担によりまして相当稠密な観測体制がしかれております。しかし、私ども決してこれで十分と思っているわけではございませんで、御審議願っておりますこの法案の成立というようなことになりますれば、さらに皆様の御理解を得て、この観測体制ということを飛躍的にやはり強化しなければならない、こう思っておるわけでございますが、現時点におきましても、約二十六カ所の観測所がすべて気象庁にテレメーターで集中しておりまして、私ども昼夜の常時監視体制を図っておるわけでございますので、今後ともこれをさらに強化するということで努力してまいるつもりでございます。
○勝又武一君 五十三年度のこの点に関する予算は、お幾らになっているでしょうか。
○説明員(末広重二君) 五十二年度に比べますと、五十三年度は飛躍的にお認めいただきましたわけでございまして、関係の観測を全部総合いたしますと、約五十億でございます。私ども気象庁に関しましては、五十二年度と五十三年度とを比べますと、ほとんど倍増の予算をお認めいただいたわけでございまして、約十五億というわけでございます。
○勝又武一君 飛躍的に拡大したのが五十億というお話でありました。ほかの関連からいきますと、まさに私は大変少ない金額じゃないかというように思わざるを得ません。 静岡県にあります例の御前崎の異常の結果というのが測量をされておりまして、その状況によりますと、容積のひずみ計あるいは傾斜計等を二十キロメーター間隔ぐらいに精密に設置しますと、予知において大変役立つことになってくる、こういうようにお聞きをしているわけですが、この辺についての御見解と、その辺の検討といいましょうか、その必要性というか、こういう点についてはどうでしょうか。
○説明員(末広重二君) 御指摘の点でございますが、私ども御前崎を中心といたしまして増強を図ってきたわけでございますが、御指摘の、二十キロ間隔でさらに観測網の密度を増すということは御指摘のとおりでございまして、ただいま御審議願っております法案等を踏まえまして、六月あるいは七月に測地学審議会の建議が出るという段階に来ておりますので、その中で、たとえばひずみ計の増設ということも盛り込まれるように伺っておりますので、これはぜひ五十四年度の予算で皆様の御理解を得たいと思っているわけでございます。
○勝又武一君 これ、ぜひひとつ長官、関連してお願いしたいんですけれども、よろしゅうございますか。 いまお聞きしたように、飛躍的にふやして五十億だとおっしゃっている。そして、たとえば二十キロメーター間隔でひずみ計等の測量を密度にすることはきわめて——いま御答弁がありましたように、御指摘のとおりだというように思っていらっしゃる。そして、お諮りをして五十四年度にやっていきたいとおっしゃっている。これ、あしたくるかもわからぬという話と、やや長期になるかもしらぬという話と、両方ありますけれども、どうなんでしょうか。五十億の話と、五十四年度でやるという話じゃなくて、額が、いまトータルで五十億という答弁なんですから、せめてこの程度のものは、特別立法ができたら直ちぐらいに予備費の使用とか何とか、そのくらいのものがなくて国民が納得するでしょうか。私は、ぜひこの点についてはそういう意味の前向きの一歩前進、こういうお図りを、予算的な面でも予備費を使うとか、具体的にこういう点についての、長官、先ほど統一化された官庁はどこかということでお聞きしたのはその辺にもあるんですが、きょうはひとつ長官の御意見を承りたいわけです。
○国務大臣(櫻内義雄君) 最初にお答えしたように、観測強化地域の中でも特に東海地域につきましては、地震の予知ができると確信の持てる状況にまで予知体制はできておるわけでございます。また、関東南部につきましても、予知の体制は相当強化されておるわけでございますが、ただ、関東南部の場合を考えてみますと、現在の状況ではマグニチュード8程度の地震の可能性は少ないんじゃないか、直下型、マグニチュード7程度のものが考えられるんじゃないかというような状況にございますが、いずれにしても観測強化地域についての予知体制はできておると申し上げてよいと思うのであります。 この法の三十三条によりまして、今後の予知についての予算措置についても、法案の中で明らかになっておるわけでございまして、現在ある特定観測地域などを中心にする強化地域をも入れた九つの地域について、御質問にもありましたような、非常に各方面に分かれての予知の研究や観測や、そういう面でこれら九つの地域に対して、より一層強化するための予算措置をもするということは、これはもうおっしゃるとおりだと思います。ただ、この当面の強化地域の問題について、立法措置が成案された後に、すぐ予備費を使用して強化しなきゃならない点があるかどうかという点につきましては、一応東海地域の観測体制は整っている。しかし、技術面からこれだけのことをせよと、緊急に必要だと、こういうときには、それは私の立場で取り上げ得られるものは取り上げてまいりたいと思います。
○勝又武一君 衆議院の会議録も勉強さしてもらいましたが、この中で、先ほどちょっと触れました判定会の問題ですね、この東海地域判定会自体、このことが本法案の中には全く触れられていない。ですから、予知情報のもとの一番の根本であるこの問題が、きわめて位置づけもあいまいだという印象を受けます。あるいは判定会を招集した時点でどういうようにすべきだという点についても、法案の中の規定もございませんし、政令への委任の事項もない。だとすれば、この問題は一体どういうようにお考えになっているのか、この点についてだけ、簡単でいいですから。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 この予知体制のいまの判定会ということでございますけれども、行政的な責任はあくまで気象庁長官が負うということでございまして、ただ、その予知技術の水準から見まして、やはり学識経験者の方のお知恵をどうしても拝借するというところでございますので、そういう意味で、判定会の御意見を尊重して行政的な責任をとるということでございまして、御審議願っております本法案は、ある意味では出発点でございますので、今後の予知技術の発展を踏まえまして、これをあるいは法案に書き入れた方がいいかどうかということについては、今後とも検討を進めてまいりたいと思っております。
○勝又武一君 ちょっと一番おしまいの個所がわからなかったんですが、法案の中に書き入れていいかどうか検討するということですか。その辺、何でしょうか、最後のところ。
○説明員(末広重二君) 行政的責任は気象庁がとらせていただくわけでございますけれども、判定会の組織を今後どういうふうに持っていったらいいかということは、立法ということも踏まえまして検討さしていただくというわけでございます。
○勝又武一君 これも、衆議院段階での会議録の中におきます参考人等の意見の中に幾つか見られました点ですが、中国に見習ったらどうかという点が随所に出てまいりますね。五回のうち四回は大地震の予知をしたという問題もございますし、特に、私がその中で強く感じましたのは二つありまして、一つは車群結合、専門家と国民との結びつき、あるいは大衆が自発的に観測に取り組んでいるといいますか、こういうことが非常に出てきておりますね。大衆観測あるいは自作の観測器、こういうような問題について、そのことが国の体制の違いは別にして、非常に大きなやはり教育活動になってきている。つまり地震の啓蒙活動の発展になってきている。私はここが非常に重要だと思う。だから、学校段階、学校教育の形にもこれが非常に進展をしていっている。児童、生徒の取り組みがきわめて活発だという問題が出てきているわけですね。ですから、この点はぜひ国土庁でもお考えいただきたいけれど、文部省あたりでもぜひ考えていただきたい。そういう意味で、特に特別措置法ができる段階でありますから、国土庁でお考えいただくと同時に、文部省あたりでも学校教育活動に地震予知という問題——いまのように官庁だけ、行政機構だけが取り組むのではなくて、国民全体が取り組むような気風といいますか、それが日常的に活発になるような、そういう意味での学校教育活動の強化ということも重要と思いますけど、この辺は文部省でお答えをいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(上田一郎君) 従前から小学校の理科におきましては、第五学年、第六学年におきまして、「地球と宇宙」という事項を設けまして地質に関する指導を行っております。中学校理科におきましては、第二分野におきまして、「地殻の変化と地表の歴史」という事項で指導を行う。高校におきましては地学1におきまして、「宇宙における地球の環境」等の事項において指導を行ってまいっておりますが、今回の小・中学校の学習指導要領の改定におきましても、一層その趣旨、内容を継承して充実してまいりたいというふうに考えております。
○勝又武一君 私もそのことは承知をしておりますが、私はそれで政府の——くどいですけれども、また統一化ということを言い出すわけですけれども、私が一元化ということを言いたいのは、そういう意味なんですよ。こっちは文部省だ、こっちは国土庁だということではいけないということが初めから大前提にあるわけですね。つまり小学校、中学、高等学校のカリキュラムの中で、どう教室で教えているかということではなくて、児童、生徒が観測も含めた学校教育活動全般として生活の中に取り組むということが中国ではやられておるわけでしょう。それが日常的な活動になっているわけです。観測ということも含めて、自分たちがいろいろなものを持ち込んできて工夫をしている。教育というものはそういうものではないでしょうか。教室で先生が教えればいい問題だけではない。だからこのことをぜひ——どこに要望しますかね、一元化されてないのだから政府に要望するしかない。もっとそういう意味の取り組みを強化をしていただきたい、そういう意味で質問したのですが。 そのことはひとつ別にいたしまして、非常にそのことにかかわってもくるのですけれども、特に伊豆の地震の中での教訓として、活断層、この点に関する調査が非常に不十分だったというように私は思いますけれども、その辺の反省はいかがでしょう。関係する官庁の方、地層、地質、その辺に関係してくる方に。
○説明員(山中正美君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、活断層図につきましてはいろいろ問題もあったわけでございますけれども、私ども数年来地質調査所におきまして活断層図の作成を急いできたわけでございまして、この四月の末日に、一応活断層図をつくりまして発表したわけでございます。
○勝又武一君 五月二日に長官はまたおいでいただいたわけですね。現地を御視察くださいましたからよくおわかりと思いますが、住宅なり学校なり公共施設なり、特に長官がごらんになった稲取トンネル、例の伊豆急行のトンネルでありますが、ここにおける温泉余土なり活断層というような問題については、もう識者が指摘しているとおりだというように私も思います。そういう意味で、伊豆地震と活断層の影響ということを思いますし、同時に伊豆半島というのを見ますと、天城を境にいたしまして、北と南で非常に地質あるいは地層が違っているということを私は感ずるわけですね。そういう意味で地質学と地震という関係について再認識をすべきだというように思いますが、この点についてはどんな見解を持たれますか。
○説明員(山中正美君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもも地質調査におきまして地震関係のものを非常に充実してまいりまして、今回も本年度からさらに地震関係の課を一課ふやす等、組織体制あるいは予算においても充実に努めておるところでございますが、今後一層努力していきたい、こういうふうに考えております。
○勝又武一君 地質図というのがあるんですね。私、いろいろ勉強さしていただこうと思って関係のところにお聞きをしたんですけれども、この程度のものしかないんですよね。地質図は、普通最も利用しやすいといいますか、五万分の一というのがあるわけですね、普通の地図と同じように。この五万分の一の地質図というのは、どうなんでしょうか、通産省工業技術院の地質調査所ですか、そこが所管になっているんでしょうか。そして、この五万分の一の地質図の発行というのは東京地学協会が一般に販売している、こういうように聞いていますが、そうなんでしょうか。
○説明員(山中正美君) 工業技術院の地質調査所の所管業務の中には、地質調査に関することというのがございまして、地質図作製とはっきり明記しているわけじゃございませんけれども、地質調査の結果粗い分布図ができてくるわけでございまして、それを一応研究結果の報告というかっこうで現在公表しておりまして、それを先生御指摘の地学協会において発行しているわけでございます。
○勝又武一君 文部省の方にお伺いをしますが、この地質図は、先ほど御説明ありましたように、小学校、中学、高校等を通じて地学あるいは地学的な指導で学校教育にとってもきわめて重要だというように私も思いますし、教師の研究資料としてもきわめて重要だ、こういう資料だというように思いますが、文部省の見解はいかがですか。
○説明員(上田一郎君) 先生方の教授、研究のためにお使いいただく資料としてはきわめて貴重なものであると考えております。
○勝又武一君 そこで、これはまた皮肉ではありません。長官にお聞きするしか、あるいは国土庁といいますか、責任官庁にお聞きしますが、この伊豆地域の五万分の一の地質図、これが一回発行されただけで現在再発行されていない。小学校、中学、高校等の、地質学を勉強する地学の教員が勉強しようと思っても手に入らない、これは一体どういうことなんでしょうか。こういうことが許されていていいんでしょうか。私は、少なくとも在庫がない——これはたしか販売されたときには数百円で販売されたというようにお聞きをしているんですけれども、いろいろ事情をお聞きしますと、何かいろいろの理由があって再発行できないんだというお話なんですよ。地質図の作製というのは、先ほども通産省の御答弁がありましたように、明確に何か文章表現はないというお話でしたが、お聞きをすれば、少なくともこの工業技術院地質調査所でやられているわけでありますから、これは当然国の責任をもってこういう国家事業にかかわるもの、せめてこういう地質図ぐらいは、何というんでしょうか、何年という長期間にわたって、ほしい者の手に一枚も渡らないなんということじゃなくてやられるということがあってしかるべきじゃないか、こう思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 基本的には、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、観測あるいはそういった予知関係のいままでの資料の整備、あるいは今後の施設の整備につきまして必要性があるという御判断のもとに、それぞれ対応措置がとられることになろうと思いますけれども、大変恐縮でございますけれども、いままで地質調査所でこういうものをおつくりいただきましたのは、いわば地質調査所の標準予算の業務の中ででき上がった成果というものをそれなりの予算の仕組みの中で印刷されたという、そういう仕組みでございまして、いま勝又先生がおっしゃるように、それが強化地域になることによって、さらに行政サイドあるいは住民サイドでそういったものがいろいろの対策に必要になるじゃないか、そのときにはやはり必要ではないか、こういう御趣旨だろうと思います。その点につきましても、強化地域の指定あるいはその後の対策の状況等関係省庁ともどもよく協議いたしまして、必要があればそれなりの充実なりあるいはバックアップなりということを検討してみたいと思います。
○勝又武一君 違うんですよ。文部省にもお伺いをしましたけど、私は強化地域になったから、そこの地域だけ何か検討していただいて地質図を発行したらいいんじゃないかというような、してもらいたいというようなけちなことをお伺いしているんじゃないんです。伊豆の問題は伊豆の問題として一例を挙げただけにすぎない。伊豆だけですか、地震が起きそうなのは。特別措置法が考える強化地域という指定はあるにいたしましても、私が中国の例をくどく言っているのはそういうところにもあるんです。どういうことなんですか、これ。版権はどこにあるんですか。費用はどこなんですか。文部省も学校教育上認めるとおっしゃるなら、むしろそういうようにいま地震という問題が国民的な共感あるいは国民的な大きな影響を持っておるだけに、何か強化地域に指定されたところだけを考えてやるんだというような論法ではなくて、私はむしろ、版権が国に属しているんでしょうから、よく知りませんけれども、その辺は。専門的にはわかりませんけど、地質調査をやり地質図をつくっている、そういう意味からいけば、もっと抜本的にこういう問題については通産省なり文部省なりあるいはそれを統合するどこかなりが責任を持ってやるべきだ。だから、くどいですけど、この一元化ということを一番最初から言っているわけですよ。ぜひこの辺は、何かもう少し責任ある答弁してくれませんか。
○説明員(山中正美君) お答え申し上げます。 五万分の一の地質図につきましては、先生御指摘のように、確かに一部品切れの点がございます。ただ六百数十の五万分の一の地質図があるわけでございますけれども、その中で年度の古いものも一部ございまして、それにつきましては、新しい知見等を入れましてさらに再発行したいというふうに考えているわけでございますけれども、研究所の立場といたしますと、知見だけではやはり地質図の作製上精粗が一定してこないものですから、再度もう一度調査をし直すというケースが間々あるわけでございまして、その関係で一応再発行というのがおくれているわけでございますけれども、その間は二十万分の一ないしは五十万分の一の地質図で一応代替していただくというかっこうの体制をとっているわけでございます。 なお、先生御指摘のように、五万分の一の地質図につきましても非常に要望が強うございますので、今後再発行の方向で検討してまいりたい、こういうように考えております。 以上でございます。
○勝又武一君 これは、ちょっと時間がなくなって大変残念ですけれども、重要だと思いますからくどくお聞きしますけれども、文部省の方ね、これ二十万分の一、五十万分の一のこれでいいんですか。これ、高校の地学の先生が教えるのに、中学の先生が教えるのにいいんですか、これで。ぼくは現場の教員から聞いているんだ、ぼくもいささかわかるから。非常に不十分なんですよ、これじゃ。二十万分の一、五十万分の一というこの地質図ではね。だから、せめて五万分の一というのはやってほしい。再発行できるようにしてほしい。できない理由は何かと聞いているんですよ。技術的にできないのか、金がないのか、あるいはその順番がこないからというのか。いまお聞きすると、何か順番みたいな話もありますけどね。さっき聞いたら五十億程度の額、そういうのが、飛躍的な額が五十億なんだと。もっともっと特別措置法とおっしゃるなら、せめてこの辺のことについてやっぱりもっと前進していいんじゃないですか。再発行できない理由、何が一番ネックなのか、お聞かせいただきたい。
○説明員(上田一郎君) 学校教育サイドの面だけについてお答え申し上げます。 教師の研修あるいは授業のための準備ということで、いろんな資料をお使いいただいておるわけでありますけれども、少なくとも教科書については、これはもう主たる教材として全部の学校で使わなきゃならない。その他の教材につきましては、各教育委員会とか学校においてそれぞれ選ぶことになっております。 先生御指摘のその地質図の問題は、少なくとも対児童、生徒として使用する教材としては現在ほとんど使われていないかと思いますけれども、教師の自分の研修用としては必要を感ずる先生もおられると。ただ、それを一律的にどの程度配布するかということは、これはむしろ各教育委員会なりあるいは学校、高等学校においてそれが必要であれば、それぞれそれに応じてお求めをいただくというような体制になろうかと思います。
○勝又武一君 買おうとしても、売ってないんですよ。
○説明員(山中正美君) 先ほども御説明申し上げましたように、再発行するのはそう金かかるわけじゃございませんので、発行したいとは思っておりますけれども、学問としてやはり新しい知見をぜひ加えたいというのが研究者の強い要望でございますので、その辺の兼ね合いが非常にむずかしゅうございますけれども、確かに地震問題については非常に大問題でございますので、再発行の方向で検討していきたい、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○勝又武一君 それでは、二、三法案の内容でお伺いいたします。 第三条の強化地域の指定という問題がございますが、この場合の東海地域という場合、その範囲はどの辺まで考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 具体的には、中央防災会議の先生方の御意見と関係都道府県知事、市町村長等の御意見を聞かなければ決まりませんけれども、現在非常に大まかに想定しているところで申し上げますと、静岡県を中心といたしまして、これに隣接いたします愛知県あるいは神奈川県、さらには山梨、長野等の一部が入るかと思います。具体的にはそれらの県につきまして、先ほど申し上げたことを聞きまして、市町村単位に指定します。
○勝又武一君 この指定の時期はいつごろになりますか。
○政府委員(四柳修君) この法律施行後とりあえず東海地域を目標に、できれば年内でございますけれども、遅くとも年度内には終わりたいと思っております。
○勝又武一君 七条関係の地震防災応急計画というのは、立てるのはどなたになるでしょうか。そしてまた、この東海地域が指定された場合の、東海地方をまとめるというのは一体だれになるのか。こういう点から先にひとつ……。
○政府委員(四柳修君) 七条関係の地震防災応急計画につきましては、ここにございますように、強化地域がいま申し上げた形で指定になりますと、関係地域内にございます各号列記の施設の管理者等に当該都道府県等を通じまして指導していただきまして、一応関係省庁が八条その他で、何といいますか、予防規程等がございますものはそちらの方で指導いたしますけれども、一応そういった形で作成の指導をしてまとめていく形になろうと思います。
○勝又武一君 この警戒宣言が発せられたとき、電気事業法あるいはガス事業法、そういう関連の中で、たとえば都市ガスをとめるとか、プロパンガスの対策とか、ガソリンスタンドとか、火薬類の販売とか、こういうような非常に日常生活に関連をするものの措置を一体どうするのか。あるいは、もっと大きな原子力発電所とか、水力ダムとか、こういうような関係についても、どうされるのか触れられていないんですが、この辺については一体どういうようになっていくんでしょうか。 この法律は、特に政令によるというところがきわめて多いように思うんですが、そういう意味でいえば、この法案の論議とあわせて、この政令の内容ですね、これこれは皆政令に譲るんだということではなくて、むしろ法案の議論とあわせてそういう具体的な諸問題について、政令内容等についても明らかにしていくべきだと、私はそういうふうに思いますけれども、この二点についてどうでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 前段の点でございますけれども、一般的には第八条の各号列記の各予防規程、保安規程等に、今回の地震関係の部分の保安措置等は、それぞれの省令等の改正によりましてつけ加えることになろうかと思います。 それから後段の、原子力エトセトラという話でございますけれども、その点につきましては、大変恐縮でございますけれども第七条のところをごらんいただきますと、「強化地域内において次に掲げる施設又は事業で政令で定めるもの」云々と書いてございますが、そこでそれぞれの各施設、事業の規模なり範囲というものをある程度規定いたしまして、それぞれのその当該事業の規模、範囲によりまして、先ほど申し上げました各種の規程等を考えていくと。その場合に、原子力云々というお話がございましたが、第七条第一項第二号に「石油類、火薬類、高圧ガスその他政令で定めるもの」という表現がございます。そこに原子力関係を一応政令で定めることを予定しております。
○勝又武一君 その後段の質問です。政令によるという問題が随所にたくさんあるんですけれども、この法案論議の過程の中で、むしろそういう政令の内容についても明らかにしていくべきじゃないかと、そういうことが明らかにならない限り、この重要な特別措置法を簡単に決めるというわけにはいかないんじゃないか、こういう点についてはどうですか。
○政府委員(四柳修君) 大変失礼いたしました。政令の点につきましては、いずれこの法律ができますと、細かい内容につきましては関係省庁等と詰めなければなりませんけれども、基本的な物の考え方といいますか、主だったところにつきましては、一応項目的には整理してございますので、追って資料の形で出させていただきたいと思います。
○勝又武一君 それでは、時間の関係もございますので、次の問題に移りたいと思います。 予知関係を中心にお伺いをしてまいったんですが、次にお伺いをいたしたいのは、この本法案は名称どおり大規模地震対策特別措置法、こういうわけでありますから、この予知対策だけでは不十分だというように思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 冒頭の先生の御質問のところで、予知云々がねらいではないかという幾つかのお話ございまして、そのときに大臣の御答弁で、それもねらいの重点の一つでございますという形で御答弁申し上げたと思いますけれども、やはりそれだけの技術水準になった予知というものを前提としまして、それを受けて、その予知情報伝達と、それから地震防災応急措置という形、あるいは事前の計画策定なり訓練なりと、そういったものはいわば一つのセットという形でこの法律というものを形づくっておるわけでございます。
○勝又武一君 私が冒頭お伺いしたのは、文章になっております提案理由を拝見する限りでは、提案理由の文章は、まさに予知対策がほとんどというように書かれているわけです。それを指摘したかったわけです。特にこの法案の第一条の目的を見ますと、まさに「地震防災対策の強化」という個所がございます。これは、具体的には私はやはり災害を未然に防ぐということが、いま御意見にありましたように基本だというように私も考えます。だとすれば、たとえば一例ですが、危険個所に対する調査をして抜本的な改修を図るとか、あるいは津波の対策について考えるというようなことも当然しかるべきだというように思うわけですね。そういう意味で、特に危険個所問題と津波対策の問題について少しお伺いをしたいと思います。 そこで、長官も伊豆地域は御承知でありますし、先ほども強化地域指定の主眼点が静岡県だという御答弁もありましたので、二、三この点でお聞きをいたしますが、再三地震があった。地震の災害を受けていて、そのたびに十分な危険個所の調査、そしてそれに対する対応ということがされるべきだったというように思いますけれども、この点がいつも後手後手で、この点について不十分だったというように私も思うんですけれども、これらについての長官としての反省はいかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 防災対策というものにはなかなか限度がない、十分やれるだけのことをやる、そのことが大切だと思うんでございますから、今回の伊豆大島沖の地震による実情からして、従来防災対策に欠けるところがあったんではないか、こういう御批判を受けますと、十分でなかったということについては私も認めざるを得ないと、こう思います。 それからまた、この貴重な経験にかんがみまして、これからの防災計画についてどうするかということにつきましては、この措置法成案とともに、先ほどから申し上げておる事前措置としての地震防災強化計画の作成を県、市町村で行いますので、その際に、地域住民の皆さんの安心のできるような計画を望むものでございますが、同時に、現に地震があって被害を受けて、それぞれの地域で問題があるわけでございまして、それはそれぞれ現在講ぜられるべきことにつきましては鋭意努力をしておるということを申し上げておきたいと思います。
○勝又武一君 五月二日に長官が、伊豆の東海岸を主に御視察になっていらっしゃると思います。そこで、片側通行になっておりますが、例の修善寺から天城を越して下田に出る——これは国道ではありませんが、まさに伊豆の幹線であります。一番重要な道路。これがちょっと片側通行できたかと思うと六十ミリぐらいの雨が降ればすぐ不通になるということで、依然としていままだ不通であります。天城のトンネルを越えて例の伊豆の踊り子のあの道は行けないのであります。もう一月十四日からまさに五カ月たつわけですね。私は事故の起きました天城のトンネルの北側と南側のあの問題を考えれば考えるほど、もう地震にも耐えられるような抜本的な対策を立てるべきだということを、前回の本委員会でも再三強調してまいりましたから、この点に考えが違うわけではございません。ただ、そういう抜本的な工事と同時に、やはり一日も早く、片側通行でもいいから天城を越して修善寺から下田へ、このことが非常に望まれているわけでありますが、この点について、依然として不通であるという問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○説明員(井沢健二君) お答えいたします。 伊豆地震によりまして、特に先生御指摘の主要地方道の修善寺——下田線が大きな被害を受けたわけでございますが、全体で今回の災害は百二十億に上っております。特に、この地域におきましては断層がかなり来ておるというふうなことで災害の中心になったわけでございまして、災害以来半年になるわけでございますが、すでに災害の査定は全部済ませまして、現在、非常に工法がむずかしいものでございますから、その実施の工法を検討をいたしておりまして、実際の事業に、本工事の事業にかかっておるのもございます。現在ようやく御指摘のようにシートパイル等打ちましたり、あるいはのり等の手当てをある程度いたしまして、仮復旧に努めたわけでございますが、現在、いま先生御指摘のように、その後の地震であるとか、あるいはそういう少々の雨等で崩れるというふうなことでしょっちゅうとまっておるというのは事実でございまして、非常に遺憾だと思っておりますが、さらにその詳細をよく調べまして、そういう地点につきましてさらに応急手当てを加えて、そして一日も早く開通するように、道路管理者の方に要望をいたしております。現在現地におきましても特別の事務所をつくりまして、専任の、県の土木部長の次の技官を責任者といたしましたそういうふうな体制をつくりまして、現在一生懸命努めている最中でございます。
○勝又武一君 地震の後遺症という言葉が現地ではよく使われておりまして、この連休中に私も現地しへ参りまた。まさに激震地以上の損害だというわけですね。あの天城のふもとに湯ケ島温泉というのがございます。この湯ケ島温泉が、この大型飛び石九日間連休、まさにいつもですと半年ぐらい前に申し込まなければ泊まれない旅館が、収入が平年度の三割、七割減、こういう状況ですね。それから、あそこに浄蓮の滝という滝がありますが、この横のみやげ物店なり食堂などに至っては、この連休中全部を通して一割以下の売り上げ。天城のトンネルのすぐ手前に猪村というイノシシとタヌキを飼っている個所がありますが、ここなども一カ月の申込人員が平年度の一日の利用者という程度、まさに壊滅的な状況、つまり大変な収入減に見舞われている。そのもとは何かと言えば、あの修善寺のふもとに天城は通れません、こういう通行どめが道路に大きく書いてある。だから、これは湯ケ島にも行けないというふうに皆思って全部行かない。地震の直接的な心配よりは天城を越して下田へ行けないという、このことが決定的な条件になっているということは間違いないというふうに思うわけですね。これは一例にすぎませんが。 そういう意味で、私が強調したいのは、この地震が終わった後のそういう抜本的な改修とあわせて、せめてそういうきわめて生活的な幹線道路については、片側通行でいいから一日も早く通れるようにすべきだ。何か聞き及びますと、雨が少し降るとすぐ業者がいなくなるとかどうとか、大変な話がいろいろ、公表できない程度のような話もあるようです。ですから、ぜひひとつ一日も早くこの道路の開通できるようにお願いをしたい。 もう一つは、当然この特別措置法によります強化地域になるわけでありますから、危険個所ですね、当然地震が来たらすぐにもつぶれそうだというようなところはずいぶんと調査もされているわけでありますから、この辺ひとつ総点検をして、そのための予防措置といいますか、事前の工事、できるならば地震が来ても壊れないような、そういう点を、特にこの措置法ができる段階でありますから御検討いただきたいというように思いますが、この辺はどうでしょうか。
○説明員(井沢健二君) 建設省におきましては、あのロサンゼルス地震の後、全国的にそういう耐震性につきまして主要な構造物等を主体にいたしまして点検を実施いたしたわけでございます。これは四十六年であったわけでございますが、これが大体手当てを済ませておりますが、その後の使用に伴います老朽度の進展であるとかあるいは経済情勢の進展に伴いまして、やはりもう一度見直さなくちゃいけないというふうなことで、特に橋梁等につきましては五十一年度にさらに全国的な見直しをやりまして、今般決まりました道路の五カ年計画については、そういうものを取り入れまして措置をするというふうなことにいたしております。 その他の施設につきましても、現在その再点検の方法であるとかいろんなことを討議いたしておりますので、そういう結果を踏まえまして全国的な再検討もいたしたいというふうに考えております。
○勝又武一君 長官にお伺いいたしますが、「この法律は、大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護する」そういうための特別の措置だと、第一条の目的で明らかでありますが、だとすれば、この特別の措置をするための財政的な措置というのをどの程度お考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) この特別措置法成案後の県段階、市町村段階あるいは国の基本計画、このそれぞれの防災強化計画ができます。その計画に伴いまして所要の措置につきまして、国としての予算措置は第二十九条に明らかにしておるところでございまして、その計画に伴いまして事業内容や事業量がはっきりし、所要経費が明白になると思うので、その段階で関係省庁との間で十分検討していこうと、こういう考えに立っております。
○勝又武一君 四月十九日の衆議院の同様の会議録を拝見をいたしますと、静岡県知事が参考人として出席をして、国がやらないなら県独自でやると、約三千二百億ぐらいの試算をしている、こういうようなことを表明されておりますが、一体そういうことを知事が言い出すというのは那辺にあるのでしょうか。つまり、大蔵省にもこの点はお伺いしたいと思いますが、本当に特別措置法というのをしてやるならば、くどくなりますけれども、できた後関係省庁との検討とか政令によるとかいろいろ、そういうようなことではなくて、この辺がもっと具体的でないから、たとえば一県の知事がそういうことを衆議院の参考人として言わざるを得ないというように私は読み取りましたが、この辺はどうなんでしょうか。
○説明員(柏谷光司君) 先生の御指摘のあったうちの、まず地震防災等に対して緊急に整備すべき事業につきましては、これは実は従来から所要の財政措置を相当とっております。しかしながら、今度の新しい法律におきまして、これはとにかくまず強化地域が指定されて、指定されてから後、これは先ほど長官がおっしゃいましたように、各地方公共団体が行うべき事業の内容とかあるいは事務量、こういうものをつくると思います。それからあとどのくらい要るかという所要資金を算定しまして、それについて財源はどうかという話がありましてから、私どもといたしましては、これは国土庁初め主要官庁と十分協議の上善処したいと、そう考えております。
○勝又武一君 長官、これ具体的にどの程度の補助をなさろうとしているのか。つまり特別措置法ができた意義ですね、そして強化地域に指定をされるという状況、こういう点からいけば、当然その財政措置というのは普通の常識の額程度以上にずっと上回っていいんじゃないかというように考えますけれども、たとえば人口急増地の場合、こ れは学校教育のような場合にも三分の二とかいうことが一つありますけれども、こういうような点について、一体その財政措置というのはどの程度くらいまでのものを——ここに「予算の範囲内において」云々というのがありますけれども、この補助ですね、これについてはどの程度までされようとしているのか、この辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 知事さんが静岡県の場合をおっしゃって、三千二百億円かかるということを言われておりますが、われわれが大蔵省との間で責任を持って交渉する上におきましては、やはりその前提となる、どういう事業をやる、それは幾らかかると、こういうものが出て初めて具体的な話になる、そういう順序は御了承いただけると思うんです。そこで、一体今回の強化地域、東海地域あるいは関東南部、どういう地域まで中央防災会議が最終的に決定されるものか、またそれに伴っての計画はどうかということを見て、私として責任ある御答弁を申し上げなければならないと思うのであります。しかし、こういう緊急事態に対処しようというのでありまするから、恐らく御質問の御趣旨はそれに対応して十分な措置をとれと、こういうお考えで言われておることと思うのでございまして、その点は私も十分その御趣旨を踏まえて考えたいと思います。またそういうことを言っておると、何だ計画ができてそれから予算で、そうなれば一年先、二年先——いつになるんだというようなことになりますが、しかし、現状におきましても中央防災会議の決定に伴いまして、大都市については大都市に対する応急対策措置をいろいろとっておるわけでございます。で、避難地や避難路ですね、消防用施設等の整備で急ぐものについては、それはもう当然こういう特別措置法に伴っていろいろ考えるべきことと並行して、緊急なことについては、これはもう予算配分を求めなければならない、こう思います。
○勝又武一君 それでは、津波の問題に移ります。 警戒宣言が出された場合に、何メートルの津波が来ると想定をされていますか。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 この東海地区で発生のおそれがあると私ども心配しております地震は、約百五十年前でございますけれども……
○勝又武一君 何メートルか、簡単に言ってください。
○説明員(末広重二君) はい。想定されます津波は、伊豆半島の西の海岸から西へ向かいまして、約五メーターか六メーターの津波がやはり予想されると存じます。
○勝又武一君 東大地震学研究所の資料によりますと、四メーターから六メーターの津波の場合、家屋の破壊や人命の損傷が起きる、こうありますが、この辺についてはどう思われますか。
○説明員(末広重二君) 御指摘のとおりでございまして、いま申し上げました伊豆半島の西から紀伊半島の東岸にかけましては、奥詰まりの湾につきましては四、五メーターの津波ということをやはり覚悟しなければならないと思っております。
○勝又武一君 この資料を拝見しますと、津波警報が出たらまず逃げろ、こう指導しておりますが、直下型の場合に、地震と同時または五分程度、長くて二十分ぐらいで津波襲来、こういう解説でありますが、この点もそういうように理解してよろしいでしょうか。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 やはり東海地区におきまして地震が起こりましてから津波が来襲するまでは、御指摘のとおり時間が二十分の場合もございますけれども、場所によりましては、もう地震が起こりましてから五分、十分で津波の来襲ということも考えられますので、私ども津波警報という作業はいたしておりますけれども、やはりそういう海岸にお住まいの方は、大きな地震があった場合にはすぐ津波の来襲ということを御想定いただきまして、避難していただくということをお願いしているわけでございます。
○勝又武一君 一八五四年、ちょうど百二十年前になりますが、安政の東海津波、これをいろいろ拝見しますと五メーターから七メーターというように書かれておりまして、まさに外房から浦賀、駿河湾内一帯、伊勢、志摩、熊野灘、きわめて被害甚大であります。まさに百二十年前でありますから、当時と私はいろいろの違いがあると思います。しかし、この辺一帯の海岸線を見ますと、まさに当時と同じ海岸線のところが相当数ある。 そこでお聞きしますのは、安政の東海津波のときの被害状況を資料で見ますと、津波の大変なことを感ずるわけでありますが、ちょうど先ほど御答弁のありました警戒宣言が出た場合の五メーターから六メーター、こうなると大体類似した状況も考えられるわけですね。そういう意味で、一体五メーターから六メーターの津波が来た場合のこの房総から熊野灘にわたる非常に長い海岸線、これについての対応策というのを、どんなふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(四柳修君) 先ほど御答弁申し上げました強化地域を指定する際には、ただいま先生御心配の津波の被害を受けるおそれのある地域も一応明確にして指定する予定でございます。その限りにおきましては、先ほど申し上げました府県、あるいはさらにそれより遠い県が、海岸沿いが一部帯状にその区域だけを限定して指定することもあろうかと思います。それから、そういった点は一応関係地方公共団体の作成します地震防災強化計画の中でも書いておきまして、警戒宣言等が出た場合に、御心配のような時間的余裕もございませんから、その段階から避難するところも事前に計画に書いておくと、そういうことになろうかと思います。
○勝又武一君 そこで私なりに、これは当該の建設省ですか、建設省のうちの河川、道路、あるいは運輸省のうちの港湾、この辺でしょうか、農林省の場合の水産庁ですか、この関係の方々にお伺いをいたしますと、事務局段階ですが、たとえば建設省の場合には自分の管轄するところの八割程度の防波堤が完了している、こういう御答弁が返ってくるわけですね。そこにも一元化の問題があるわけです。確かに建設省という枠の中で見ると、自分の責任範囲の八割は防波堤ができているんだ、こういうお話なんです。ところが、皆さん本当にそう思われますか。私は少なくとも伊豆から浜名湖までは一番よく知っているつもりなんです。そして、安政の東海津波の大きかったところのお寺や海岸線や、一々全部資料で当たってみたんです。三百メーター、五百メーター川を逆流をしてきている個所、お寺の何メーターも高いところの鳥居のところまで津波が来ているという個所、こういう個所が随所にいまそのままですよ。伊豆からずっと見てください。建設省がおっしゃるのによれば、その自分の官庁の責任範囲のうちの八割は防波堤ができている、こういうお話ですけど、実際あの伊豆の海岸全部防波堤ができていますか。だから私が言いたい意味は——大変なことだと思うんです。大変なことだと思うんですけれど、こういう特別措置法ができる段階ですから、官庁の中で、私のところは八割はできていますよというようなことじゃなくて、もっとやっぱり抜本的な津波対策ということを考えるべきじゃないか。 駿河湾の中を全部防波堤をつくる——夢みたいな話ですよね、五メーター、六メーターの津波に耐え得る——ところが、私はやはり一つはエネルギーの問題がありますね、電源開発の問題で波力、波の力を利用した電源を開発すべきだということを非常にいま言っていらっしゃる向きもありますね。それはまさにまだ研究段階だというお話もある。ところが、あの構想の中には、たとえば波力を利用した電源をするには日本列島に全部防波堤をつくれと。それは、そういう電力のエネルギー開発と同時に津波対策になるんだという指摘もあるわけですね。それは私はまさに、いま諸官庁の皆さんは夢のような話だというようにおっしゃられるかもしらぬ。ですけど、くどくなりますけど、港のうちの一部に防波堤をつくるんじゃなくて、まさに安政の津波の被害の個所を一つずつ見ますと——これ挙げれば切りがありませんよ、伊豆の松崎から仁科から戸田から土肥から、沼津の静浦から清水から焼津から、あるいは浜名湖の周辺に至るまで一つとして安心なところありませんよ。まさにそれは房総から伊勢、志摩にまで及ぶと思いますけど、強化地域に指定をされる個所の、特に五メーターから六メーターとおっしゃっているんですから、津波対策についてはぜひひとつ、夢のような話でしょうけど、壮大な抜本的対策というものに着手してもらいたいというふうに思いますけど、いかがでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 関係省庁多数ございますものですから、とりあえずまとめて御答弁申し上げますけれども、ただいま先生御心配の点、私どもの方も五十二年度の調整費によりまして、東海地域の震災対策調査の一環といたしまして、主要の港湾等につきまして津波の被害想定を予測いたしまして、それによりまして、震災によりまして一つは陸上部分の交通が不可能になるという個所もあろうかと思います。そういう場合にはどうしても海上交通に依存せざるを得ない、そういう場合での震災時の緊急交通路を確保する、そういうことのためにもということで、関係省庁それぞれ、事業によります公共施設の整備を前提としました調査費を関係省庁に配分してお願いしておるところでございます。
○勝又武一君 まさにこの問題はここで、短い時間の中で尽きる話ではありません。ですから打ち切りますけれども、できるなら一つずつ、建設省なりあるいは運輸省の港湾の方に、あるいは気象庁の方々、通産省の方にそれぞれお聞きをしたいと思いましたが、時間がなくなりましたので、おいでいただいた方々には大変申しわけありませんが、ぜひいまお話がありましたように、私が一元化と言う一番の意味はそこにあるわけですよ。冒頭から申しましておりますように、各省庁ばらばらのことではなくて、やっぱりひとつ津波対策というのは、夢のような無理な話だという結論はあると思うのですよ、おっしゃられることは。ところが、そうであってはいけないというように、くどいですけれども思いますので、その辺をこの特別措置法ができたのを契機に、ぜひ地震局という構想を検討いただきたいということを申し上げましたが、ぜひそれをまとめる官庁の責任ある御検討をいただきたいというように、この点は御要望いたします。 最後に、時間がありませんから、自衛隊の災害派遣問題について二、三お伺いしたいと思うのです。 この点は、すでに一昨日の村沢委員の問題もありましたから、それらと重複を避けますが、第一に伺いたいのは、この法案の十三条二項の規定によりますと、「防衛庁長官に対し」「部隊等の派遣を要請することができる。」こうあります。他方、自衛隊法の八十三条でも、都道府県知事の要請によって天変地変等の場合、同様に部隊の派遣要請が規定をされています。こういうように災害派遣の規定が別にあるにもかかわらず、本法案で規定を必要とする理由は、端的に言って何でしょうか。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 現在の自衛隊法八十三条にあります災害派遣の要件は「天災地変その他の災害に際し」、とありまして、この場合には「天災地変その他の災害」がすでに発生をしているか、あるいはまだ発生しておらなくても、具体的な何らかの事象によって発生の直前であるということが合理的に理解できるというような場合に、都道府県知事の要請を受けて派遣されるものでございます。 これに対しまして、今回の地震防災派遣は、地震予知情報に基づいて警戒宣言が発せられておりますけれども、まだ災害が発生したわけではありませんで、発生前であるという意味で、八十三条の要件とは全く異なるわけでございまして、このために行動ごとに規定を設けて手続、要件を明らかにするという意味で新しい八十三条の二という規定を設けた次第でございます。
○勝又武一君 自衛隊が事前活動をする必要性は何なんでしょうか、この辺がわからない。そして、この地震が発生するまでの間、事前に出かけていって、その間に的確かつ迅速に実施するために必要な自衛隊の活動、それは一体何なのか、これを教えてください。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 地震防災派遣は、地震警戒本部長が「地震防災応急対策を的確かつ迅速に実施するため、自衛隊の支援を求める必要があると認めるとき」に要請があって、その要請を受けて地震防災派遣が行われるものでございます。 そこで、自衛隊の活動する内容につきましては、今後地震防災強化区域が指定され、その区域ごとに作成される地震防災強化計画の中において定められることになりますので、現在のところ具体的にどれとどれということを申し上げかねるわけでございますけれども、この法律に即しまして、地震防災応急対策の中で申し上げますと、いま考えられますのは、たとえば航空機による広報あるいは情報の収集、通信連絡、応急水防措置、避難等のための人員の艦艇、航空機による輸送あるいは物資の輸送、そういうようなものが考えられるのではないかと私どもは考えております。
○勝又武一君 そうすると、いまの点では、治安の維持に必要な活動というのは、いまおっしゃっている中には入っておりませんね。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 地震防災派遣は、ただいま申し上げましたように、地震防災応急対策をそれぞれの機関が実施されるに当たりまして、その支援をするのが任務でございまして、国内における治安維持のための警察活動の補完としての行動であります治安的な行動、これはいたさないということでございます。
○勝又武一君 地震発生後の災害の応援活動、これは本部長の事前出動要請だけで、そのまま何らの手続がなくて従事することができるのかどうなのか。その事前から出かけていっていましてね、あるいはまた——それだけ先に答えてください。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 地震防災派遣中に地震が発生をして被害を生じたというような場合には、八十三条の災害派遣の「天災地変その他の災害」が発生したわけでございますので、この八十三条の規定が適用になります。したがいまして、都道府県知事の要請が恐らく陸上自衛隊方面総監に参るかと思いますが、方面総監が要請を受け、長官の指揮監督のもとに、要請をされた知事と調整の上、活動内容を決めて救援活動を実施するということで、その間に災害派遣の要請に関する手続が適用されるという一つの段階がございます。
○勝又武一君 もう一つお伺いいたしますが、自衛隊法の第九十四条、この規定を改正して、本法案の十三条第二項の規定により派遣要請をされた自衛隊の部隊等に準用し、そして警職法第四条及び第六条の規定を準用することとしているわけですが、この規定を改正している理由は何でしょうか。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 現在、災害派遣の場合には、その災害によって著しい混乱が生ずる、あるいは危険物が爆発するとか工作物が損壊する等の理由によりまして、人の生命、身体または財産に危害を生ずるおそれがある、こういう場合に警察官職務執行法の一部を準用いたしまして、警察官がその場にいない場合に限って避難誘導とか、避難等の措置あるいは立ち入りというようなことをできるようにしてございますが、地震防災派遣中におきましても、災害派遣の災害発生時と同様に、大地震が迫っているということで避難しようとする市民による極端な雑踏等危険な事態も予想されるので、同様の考え方で、九十四条の規定と同様の規定を地震防災派遣中にも設けた次第でございます。
○勝又武一君 終わります。
○戸塚進也君 質問に先立ちまして、大臣にお尋ねいたしますが、先ほど勝又委員からも組織の問題、一元化の問題お話ございました。私もやはり最終的には地震庁とかあるいは地震局とか、何らかの形でこの組織を統合して一元化を図っていくべきだ、これは私も全く同感でございます。 質問はなるべく重複を避けますが、ただ、当面においていわゆる地震大臣、つまり地震において総括的な責任を負われる大臣という場合は、私は国土庁長官をして地震大臣、こういうふうに考えてきょうもこれから質問を進めたい、こう考えておりますが、そう考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 国土庁としては、災害対策の企画、立案、推進の責任を有する官庁でございまして、中央防災会議の事務をも担当しておるのでございまするから、当面戸塚委員のそういう御見地で御質問をいただく場合に、私もまたそれに応じてお答えをいたします。
○戸塚進也君 そのような前向きな御発言を伺えて、まことに幸せでございますが、この法律ができまして動き始めたという時点でも、やはりいろいろ各省にまたがってはおります。もちろん国土庁長官だけに全部責任を負えと言っているわけじゃないのでございますが、やはり地震大臣という国土庁長官だと、こういうふうに私どもは当面考えて、また、それに何か問題があればやはりその点はいろいろ閣議等で御相談いただいて、しかとその責任体制を固めていただくという必要があると思いますが、この点について、もう一度お尋ねしたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 地震に関しましては、いよいよ予知情報の報告があって閣議で警戒宣言が出されますと、地震災害警戒本部が設置されまして、その本部長は内閣総理大臣であることはすでに御説明を申し上げておるわけでございますし、また、中央防災会議におきましても内閣総理大臣が会長でございますので、最高の責任は内閣総理大臣がおとりになりますが、中央防災会議の関係からすれば内閣総理大臣を補佐申し上げる、あるいは地震につきましては国土庁の持っておる職務上からいたしまして総理大臣を補佐申し上げる、こういうことで、その範囲における私どもの責任を遂行してまいりたいと、こう思います。
○戸塚進也君 それでは、一応地震担当大臣として私は重大なことを承りたいし、また防衛庁に承りたいんでありますが、それは過般相当市中に、東京都内には特に出回っております一般の夕刊紙に、大地震が起きたら真っ先に逃げ出すのが総理大臣、それから宮家、VIP、真っ先に逃げ出すと。その真っ先きに逃げ出すお手伝いをするのが防衛庁。こういうことが大きな見出しとともに発表されました。これがもし事実とするならばこれは重大なことだ。これはもう私は国民に与えたこの新聞の影響は大変大きいと思うが、そういう事実がありますか、防衛庁に承りたい。また、そういう事実があるとするならば、それはどういう法律、どういう防衛庁の計画に基づいてそうなっているのか承りたい。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 いま先生御指摘の、防衛庁の作成した計画というのは、四十六年三月に大震火災が発生した場合の自衛隊の災害派遣計画として作成をし、当時発表したものでございます。この計画は、具体的には関東の南部に大震火災が発生した場合におきます自衛隊の災害派遣計画でありまして、その内容に、情報収集であるとか、救援のための指揮連絡、人命救助、被災者の救援、道路啓開、人員・物資の輸送、その他救援活動が行われるように計画をしてございます。 で、いま御指摘の、一部の報道がございます個所は、その計画の中に「航空機による指揮、連絡」という項がありまして、「VIPの緊急輸送」として、いま御指摘のようなことが書いてございます。で、この「航空機による指揮、連絡」という事項は、項目といたしまして、災害が発生した場合に自衛隊は任務として災害派遣を当然命ぜられるであろうということを考えまして、自衛隊内部における指揮、通信関係、それから政府各機関がそれぞれ災害対処のための措置を行われるであろうと思われますが、その際に、たとえば総理あるいはそのほかの国務大臣等政府関係者等が災害の状況を視察されるとか、あるいは災害が発生した時点で東京におられないというような場合もございます。そういうような必要のために、要請があれば自衛隊の航空機を提供して使っていただくと、こういうような趣旨でこの計画をこの中に盛り込んだわけでございます。したがいまして、これは総理大臣とか宮家とか一、二例示がございますが、これは特定の方を限定して、その方々に限って航空輸送をするというものでもなく、また、災害に対する災害対策を実施する上での必要な指示であるとか調査であるとかいうようなことをするために航空機が利用されるということを考えましたものでございまして、避難をするということは、この計画のこの部分には全く関係のないことでございます。 それから、大災害が生じました場合に、住民の救助として避難の方はどういうふうになっているかと申しますと、一つは、種々の救出活動をするというふうになっておりますが、たとえば被災された住民の方々、あるいはまだ被災されておらなくても危険が迫っている住民の救助として、たとえば陸海空自衛隊の基地約二十、そのほか訓練所を含めまして約三万人を収容するとか、あるいは自衛隊の艦艇、航空機を利用して安全な場所に避難されるということで……
○戸塚進也君 簡単に願います。
○説明員(児玉良雄君) 艦艇約四十隻とか航空機約百五十機とかいうように、自衛隊の持っております装備を活用して避難できるようにするということが別の項目のところに記載されてございます。
○戸塚進也君 わかりました。
○説明員(児玉良雄君) したがいまして、総理が大災害が起こった場合に真っ先に自衛隊機で避難されるというのは——避難されるという一部の報道がございますが、これは全く誤解に基づくものであるというふうに考えております。
○戸塚進也君 先ほど国土庁長官——地震担当大臣が、その本部長、最高責任者は総理大臣だと、その総理大臣が真っ先に逃げ出すなんていうことを国民にPRされたんじゃたまったものじゃない。すると、いま防衛庁の答弁を聞くとそれは全くの誤解だと。誤解ならば、少なくとも発表した書類ですから、昭和四十六年ですか、それならこの委員会へその計画は全部出せるはずですね。また、私は委員長に要望して理事会で諮っていただいて、何も機密じゃないと思う、発表しているんですから。それはひとつここへ出していただいて、各委員の了解のもとに、それは全く誤解だと、総理大臣がよそにおられたときに、対策本部へお連れするのに非常に時間がかかって大変だから飛行機でお連れするとか、あるいは現に官邸が完全にやられちゃったらどっか本部を移さなきゃならぬ、そのときにはその本部へ移すとか、そういう意味での緊急輸送じゃありませんか、もう一遍確認します。 それから、その資料は出せるものですか。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 内閣総理大臣が、自衛隊機を利用していずれかの場所に移動されるというその目的は、いま戸塚先生御指摘の目的のためでございまして、おっしゃるとおりでございます。 それから、この計画につきましては、手続を経まして御提出いたしたいと思います。
○戸塚進也君 では、防衛庁当局もそう言っておりますから、委員長にお願いしますが、理事会でお諮りになっていただいて、各委員にひとつそれをはっきり提示していただくようにお願いいたします。 そこで、国土庁長官、こういうことが一部報道機関とはいえやはり多くの国民なり都民なりが関心を持っているときに、真っ先に逃げ出すのが総理大臣。それは報道は自由ですけれども、全くそれを違えたようなことを言われることは非常に困ると思うんです。閣議等でもお諮りになっていただくなりしかるべくしていただいて、やはりその新聞については訂正をしていただくべきだと思うが、大臣いかがでございますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 私は、そういう大事なことにまことにうかつで恐縮でございますが、その新聞を読んでおりませんが、もし戸塚委員の御指摘のとおりのことでありますれば、国民を惑わすものでありますので、適切な措置をとりたいと思いますが、まずその新聞をよく検討をいたしまして、そうしてその後の措置を考えたいと思います。
○戸塚進也君 では、宮内庁おられますね。——宮内庁、宮家につきましては、これは別に対策本部長でもないし、これは安全な場所に避難をしていただくこと、これはすこぶる当然なことだと思うのです。これについては、先ほどの防衛庁のこの計画とか、あるいは宮内庁としてもこれはきちんとしているわけですね。
○説明員(藤巻清太郎君) 陛下や宮様方の御身辺の御安泰をということにつきましては、われわれも常時念頭にあるわけでございまして、とりわけそれの直接の任に当たります皇宮警察それから警察庁、関係都道府県警察、こういったものとは絶えず緊密な連絡をとりながら御安泰の確保ということに努めているわけでございます。 大災害に際しての措置というのも、当然こういうことの一環として考えるわけでございますが、大災害が起こった場合に、御避難とか御移動とかということよりは、むしろ原則的にはできるだけ現在居住されているところにとどまっていただいて、そうしてその中で御安泰を図るというのが検討の方向でございます。と申しますのも、やはり民心に与えます影響とか、それから皇室の一貫したお気持ちでありますところの国民と苦楽をともにされる、特に苦労を分かち合うというお心持ち、さらには災害が起こった後でのいろいろな御公務もあると思いますので、そういうことを考えますと、軽々しく御避難とか御移動とかということは厳に慎みたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。とは申しましても、たとえば御旅行先で事が起こる、あるいは非常に急迫直接の侵害があるとか、こういうことになりましたときには、それは当然いろいろ考えておるわけでございますが、これらは態様も千差万別でございます。臨機応変の措置をとるように心がけておりまして、絶えずその研究をしております。
○戸塚進也君 宮内庁、結構です。 そこで、二点伺いますが、たとえば最近新宿副都心大地震、こういうようなことが一部学者から言われ、指摘をされているときです。たとえば対策本部長が総理大臣であるとするならば、総理大臣が恐らくおられるあの首相官邸あたりが本部になるんだろうと私は仄聞するが、それはそうなのか。もしその場合に官邸が完全にやられてしまった、こういう場合には、一体どこへ対策本部を移して国家的な指揮をしようとしているのか、これが一点。 二点目は、いろいろ先ほどの計画を立てて非常の場合にあっちこっち動かしてくださるという防衛庁自身が、たとえばあの防衛庁の統合幕僚本部、あれが壊滅状態になったと、こういうときにはどうしてその指揮をとるということはきちんと決められているのかいないのか、それを、二点承りたい。
○政府委員(四柳修君) 前段の点お答え申し上げます。 いま戸塚委員は、首相官邸という例示を挙げられましたけれども、どちらかといいますと、首相官邸よりは国土庁の方が地盤その他安全でございますから、都心の場合にはそちらの方を考えております。 ただ、都心等が交通麻痺その他いろいろ支障があります場合に、いわば都心の本部が機能が発揮できなくなりました場合には、やはり本部の代替的機能をあわせ有する周辺の中核基地、多摩方面なりあるいはその他のところの候補地を一応想定しておりますけれども、そちらの方にも予備的な機能というものを整備するよう検討中でございます。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 緊急事態におきます防衛庁の中央指揮機能につきましては、必ずしも現在万全であると言いかねる点もございますので、そういう認識のもとに現在研究をしておるところでございます。 大災害がもし発生をした場合に、防衛庁長官室のある檜町駐とん地が機能しなくなったときの代替措置については、一、二考えてはおりますけれども、まだ具体的にすべての面について整備されているわけではございませんので、御指摘のように、今後もう少し勉強を進めていかなければならないと考えております。
○戸塚進也君 それは二つとも非常に重大なんです。 それで、防衛庁さんの方はまだ具体的には恐らくこれは決まってないと思うのです。私はこれは早急に決めるべきだと思う。いつごろまでに決めていただけますか、めどとして。 また、いまの多摩の方の関係、それは大変結構です。やはりいろいろ考えて、最悪の場合に国民がみんなもう、きょうテレビもNHKでやるそうですが、きっと右往左往になってしまうんです。それが、国のいろんなアンケートを見ると、国とか県などの情報とか指導というものに従うと。つまり、大地震が起こったら、まず火を消したりいろいろして、そうしてじっとして国や県の指示に従うと言っている七割の国民がいるのです。にもかかわらず、どこで指揮しているのかわからぬ、これじゃ困る。だから、そういう非常の場合に、最悪の事態を想定して、国土庁の方はいつごろお決めになりますか。両方伺いたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 国土庁は、戸塚委員御承知であろうと思いますが、近く庁舎が移動になる予定になっておるんであります。先ほど審議官がお答え申し上げましたように、現在時点におきましては、地震災害警戒本部の必要のときに、総理官邸よりも国土庁の方が適切ではないかと。そうして国土庁につきましては、本年無線装置などについても、これは恒久的なものではございませんが、災害時に対する必要性から、いまの庁舎に設置をさしていただくようになっておるわけでございます。もちろん国土庁が新庁舎に移れば、そこが本部になるべきであるとは思いますが、その場合は総理官邸と近くなりまして、もう一つ検討の必要があるかと思いますが、現状においては、まず国土庁を中心にして活動をいたすと、こういう考えでございます。 それから、先ほどお答えを申し上げたように、国土庁がもし壊滅的な打撃を受けておるというような場合については、多摩方面についての検討を現にしておるわけでございます。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 有事におきます防衛庁の中央指揮機能につきましては、これは防衛庁としましては五十七年度に運用を開始するという計画で進んでおります。それで、それまでの間につきましては、この法律案が成立をしました暁には、この法律に基づきまして種々の計画を作成し、また規定を設けなければなりませんので、その作業の一環として、それまでの代替措置についてまとめたいと考えております。
○戸塚進也君 これは防衛庁ね、大体、不吉なことを言いたくないけれども、私どものところでは四年以内ぐらいにはもうあれがあるかもしらぬというようなことを言ってるんです。そういうことになりますと、本当に真剣に、五十七年じゃもう四年後ですからね、やっぱり少なくとも法律ができたら半年か一年ぐらいの間にはしっかりしたものを決めていただきたい。どうですか。
○説明員(児玉良雄君) お答えいたします。 お説のように、万全な中央指揮機能の整備については数年間を要する事業になると思いますが、それまでの間の代替の措置といたしましては、先生御指摘のように、この計画を作成する過程で、その一環として防衛庁としての計画を持っていきたいと思っております。
○戸塚進也君 それでは、予知の問題につきまして、警報について承りたい。これは学問的で結構であります。 いま言われております東海大地震、これの予知という場合に、いわゆる異常現象、いろいろな異常現象があると思います。とりあえず、たとえば御前崎沖なら御前崎沖を例にとりますと、非常に地殻が陥没したとか変動したとか、何か一定の、こうなればやはり警報を出さざるを得ぬだろう、あるいは長期的警報にしましても、直前警報は別にしましても、こういう状態にあれば、 〔委員長退席、理事村沢牧君着席〕 東海大地震に例をとってもひとつ警報出すべきだ、こういったような何か指針、基準みたいなもの、現在明らかにしてもいいようなものはありませんか。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 現在、東海地域にいたしましては、判定会というものが約一年前に発足いたしておりまして、これの判定機能に結びつけますために、東海地区で約二十六カ所の地点におきます各種の観測が、現在気象庁に集中しております。これを私ども昼夜の別なく見張っておりまして、現在では、地震活動とそれから地殻変動にある一定の異常があらわれました場合には、判定会の御参集をいただきまして、これが大規模地震に結びつくものであるかどうかという学問的な御判定をいただき、これを踏まえまして、気象庁の行政的な責任におきまして、この法案が成立しました暁には、総理大臣に御報告するということになるわけでございます。
○戸塚進也君 すると、それは具体的な、こうなったらという程度のこともよく検討されて一つの指針めいたもの、基準めいたもの、そういうものを含めて出されると、こういうことですね。
○説明員(末広重二君) 御指摘のとおりでございます。ある一定の基準に達した場合には、判定会の招集をお願いするというわけで、これはマニュアルにすでになっております。
○戸塚進也君 それは、今国会で仮にこの法律が成立したと仮定しました場合は、どのくらいの期間で出せますか。
○説明員(末広重二君) この直前予知、この法案が意図しておりますところは直前予知でございますけれども、地震に先立ちまして数時間から二日、三日あるいは四日というふうな時間的な前駆と申しますか、前に警戒宣言を発するというところまでいけるように、各種の措置をとっているわけでございます。
○戸塚進也君 それでは、この直前予知等の場合のことについて伺いますが、実は静岡県独自でも県政世論調査というのをやっておりまして、この中でも、実は八割の人が、空振りがあってもいいからこれは積極的にこの予知情報を出すべし、こういう意見なんです。これについては私は強く——今度の法律ができたときにですよ、そうでたらめに出されたら大変困るわけですが、しかし相当な科学的データがそろった場合は、やはり勇気を持って、ああしまったなあ、そう言えばなんて言っていないで、勇気を持って多少空振りがあっても出すと、こういうことをひとつここで明確にしていただきたい。どうですか。
○説明員(末広重二君) 技術的見地からお答えするわけでございますけれども、見逃しをしてはいかぬということが一番大事なことでございますので、見逃しをしないためには、最少ある程度の空振りも許していただくというところでやらしていただくわけでございまして、法案の中にも、警戒宣言の解除ということが明記されておりますけれども、私どもといたしましては、今後御理解をいただきまして、観測強化等によりましてなるべく空振りの回数を少なくして、しかも見逃しをしない一発必中のところへ技術を持っていきたいと、努力するつもりでございます。
○戸塚進也君 それでは、空振りの場合の補償につきましては、私どものいままでのこの法律の見解等から見て、これは役所が一生懸命になって努力をして予知情報をやった、結果において空振りだ、さあどうしてくれるというようなことについての補償ということについてはないと、こういうふうに私どもは考えておりますが、この点はいかがですか。 〔理事村沢牧君退席、委員長着席〕
○政府委員(四柳修君) 御指摘のとおり、この法律におきましては、防災応急対策をとりました方々の責任でおとりになることで、たてまえ上補償はございません。
○戸塚進也君 それでは、この予知情報が出た場合のこの国民アンケート、未来工学研究所のお話によりますと、これは外出中にもし起こった、こういう場合は半数は家へ帰っちゃう、職場へ戻る人は三分の一以下、それから仮にそこのオフィスなり何なりで執務していた、こういう人もほとんどが家へ帰っちゃう、こういうアンケートが出ております。すると、民間の会社の方が家へ帰るのは結構ですが、公務員——国家公務員とか地方公務員、消防とか、そういう関係の人が帰っちゃった、これじゃどうにもならない。これについての指導といいますか、こういうものについては、恐らく私の仄聞するところではいまだに国として——いやそれはもちろん帰っちゃいかぬとは言えないかもしれませんが、こうなったら公務員としてしかるべき職務にある者はこうするべきだというようなきちんとした指導、訓練、こういうものが必要と思いますが、この辺、ひとつ政府から伺って、その後責任大臣から伺います。
○政府委員(田中和夫君) 先生御指摘のアンケート調査の対象者の中に、どれぐらい公務員が含まれておるかということは明らかになっておらないわけであります。しかしながら地方公共団体というものは、本来災害時に住民の生命、財産を守るべき責務があるわけでございます。したがって、その職員、なかんずく地方公務員、その中でも地域地震の防災応急対策といったようなことに従事すべき公務員がその職務に専念するということは当然でありますから、公務員がそういう心構えを持つように十分今後徹底をしてまいりたい、こう考えております。 また、この法律によりまして、地方公共団体が地震防災強化計画というものを作成することになっておりますので、その計画の中でも職員の非常呼集とか、あるいは事前配備とかいうようなことも定めるわけでありますので、そういう計画の作成に当たりましても、必要な職員がそういう場合に十分確保されるように意を用いてまいりたい、こう思います。 また、このアンケートの発表がありました後に、地方の消防庁の幹部にそういうときにはどうだろうと、こう言うて話をしましたところが、いや、それはもう職場にみんな集まりますと、こういうことでございました。今後そういう心構えをさらに徹底してまいりたい、こう考えております。
○国務大臣(櫻内義雄君) 国家公務員あるいは地方公務員あるいは民間会社の管理責任に当たる者が、戸塚委員が御心配をされておるような行動に、すべての者がそういう行動に移るおそれがあるというようには私は考えません。それぞれの立場で責任感というものが当然あるわけでございまするし、ただいまも御答弁があるように、また逆にそういうような際に責任を持っておる立場というものもございますので、御心配のことはないとは思いますが、今後のそれぞれの立場における服務規定の上でいたずらな混乱の起きることのないように、また責任遂行に努力をするようにさせたいと思います。
○戸塚進也君 公務員さんも人間ですから、それは人間の心理としてそういうことがあるんだと、数時間後と言われたら、それはこのアンケートに出てくる民間の人の気持ちと変わらない面もあるかもしれませんよ。その点はまたくんであげなきゃいけないと思う。しかし、大事なことは、常日ごろそうなった場合にはこうするんだということの一つのやはり心構えと訓練ができておれば、それはやはり職務に対する、大臣のお話のとおり、忠実な方々は必ずその職務を遂行していただけると思う。 そこで提案は、一つは、民間の一般国民はこういうふうだ、しかし公務員についてはあるいは消防関係職員については、警察職員についてはこういう心理状態である、こういうアンケートもとって、そしてきちっとした——いま大臣の御答弁のとおり、必ずいい答えが出ると思います。私は確信していますよ。それを国民にひとつ新聞、テレビ等を通じてPRする。それは国民安心しますよ。どうですか。アンケート等をおとりになって、そういうことを調査されて、それでしかるべくその対策をおとりになるお気持ちはないか。 それと、やはり常々公務員さん、地方公務員さん、関係の職員、そういう人たちは、こういう大地震が起こった場合についての心構えの訓練、これを徹底的にやる。この二点についてはいかがですか。
○政府委員(田中和夫君) アンケートをとってという先生の御指摘でございますが、アンケートをとるかどうかは別といたしまして、職員の意識というものがどういうことであるかということについてはわれわれも常時把握して、それをもとにして訓練なり、指導なりをしてまいりたいと、こう考えております。
○戸塚進也君 どうも私はまだそれでは納得しませんね。それは重大なことじゃないですか。つまりこういうことがもう一般に公表されているわけですよ。すると、この中には公務員さんも含まれている。しかし大臣の御答弁のように、公務員は決してそんな気持ちはないだろう、中にはあるかもしれないけれども——というんだったら、やはりそれを国民にきちっとして大丈夫なんだという安心感を与えるということも大事なことじゃありませんか。少し私は消極的だと思う。もう一遍答弁してください。
○政府委員(田中和夫君) 先ほど申しますように、この強化地域がこの法律で指定になりますと、その強化地域におきます地方公共団体は強化計画をつくるわけでございますが、いま大臣が申されましたようにだんだん自覚も増してまいる、訓練も続けるということで、現時点でありますと、内容を十分認識してないというような点から、あるいはどういう行動をとったらいいんだろうかという点もあるかもしれませんが、十分理解をさせ、責任感を十分持ってもらい、その上でまあどういう意識状態かということはしょっちゅう責任者としては把握していかなきゃいかぬ。いま、そういうアンケート調査をやって、どういう聞き方をするかもまた問題でございますが、その聞き方の次第によっては、あるいは通勤の途中ならば家に帰るとか、どっか夜遅くならばこれはどうやって役所まで行くんだろうというようなことも、地方公務員全般について考えますとあるかもしれません。しかし、消防関係のことに限って申せば、これはそういう場合の職員の配置計画等は現在すでにできておるわけですから、そういう責任の衝にある者は必ず職場に参集すると、配置すべきところに配置するということになることはこれは間違いのないところです。そのことを信じております。
○戸塚進也君 消防さんとか、そういう関係の方じゃなくて、そういうことが起こったときには一般の災害救助関係の方々が全部やはりやっていただかなきゃならぬですよ。ですから、そういう気持ちでしっかりやっていただきたい。訓練もやっていただきたい。場合によって調査もして、ああ思ってもいなかった結果が出たといえば、やっぱりそれをどうして正していくかということについても対策を講じなきゃならぬと思う。ですから、もうこれ以上答弁は要りませんが、もう一遍強くそのことの実施を要望しておきます。 次に、災害救助法との関係について、事前適用について。 これは厚生省に承りますが、実は災害が起こった場合、現状では毛布とか、食糧とか、医薬品とか、関係の物をそれぞれ避難した人たちに配る、これは災害救助法適用によってできる。ところが地震の場合は、事前にその警報が出て、それ避難せよと言って避難をしてみて、何千人と集まったけれども、さあ食う物もない、毛布もない。自分で持ってくるのがあたりまえだと。しかし、自分で持ってくるといっても一食や二食は持ってこれても、それが二日も三日も学校などに避難しておったんじゃどうにもならぬ。そこで、この地震についてのみ、仮にそういうふうに事前に避難した場合でも、災害が起こる前でも、災害救助法の適用なりそれに準用してきちんとした対策をとる。当然のことと思うが、それができていますか。
○説明員(山内豊徳君) お答えいたします。 まず、二通りあるかと思いますが、そのような警戒宣言と申しますか、情報がございまして、ある時間ではございましょうが、引き続いて災害が不幸にして発生いたしました場合は、これはもう現行法の災害救助法をそのまま適用と申し上げていいほどの実態になろうかと思います。 そこで、そうではなくて、観念的には先ほどお話がございました空振りと申しますか、解除されただけに終わった場合があるわけでございます。その場合の災害救助法の適用については、実は立案段階で国土庁の方からもかなり頻繁に御協議をいただいたんでございますが、やはり現在の救助法そのままの形で適用なり、事前準用することには、かえっていろんな意味で無理もあろうかということで、結論的に申しますと、本法案の六条でございましたか、防災強化計画が立案されるわけでございますので、その中で最終的には国による費用負担のことも考えながら具体的に決めるように、関係省もございますが協議をしたい。したがいまして、法律的には、三十一条の財政措置に関する災害対策基本法九十四条の準用もございますので、その裏づけを、強化計画を策定される段階で関係省とも協議をして決めていきたいと考えております。
○戸塚進也君 大臣、お聞きのとおりでございますが、やはり空振りもあり得るわけでございますから、空振りであってもやはり警報のもとにみんな集まって避難した。そのときにはやはり食糧とか医薬品とか、こういったものはこれは当然いまの計画をお立てになるときに十分な措置をすべきだと、こういうふうに思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) それは当然なことだと思います。
○戸塚進也君 それを伺って安心いたしました。そのような大臣の御答弁のように、ひとつお願いいたしたいと思います。 そこで、地震保険についてお尋ねいたします。これは現在は責任限度額が国の方で八千億。確かに起こったという場合に、八千億だけについては国の方で心配しましょう、こういうことになっておりますが、この中で、現状いま保険会社が支払う限度額は二百四十万。これは二百四十万もずいぶん努力をしたように聞いています。最近上がったように聞いています。しかし、今回強化地域に指定されるような地域につきましては、どうもこれでは余りにも、二百四十万ではどうにもならぬというのが実態でございます。そこで、国のいまの責任限度額、こういうものをやはり実情に即してもっと引き上げる。場合によっては保険会社をもっと指導して、そして、保険会社も必ずしも全部もうかっているとは言いませんけれども、しかしもう少し実情に照らして考えなさい。こういうことで、せめて強化地域に指定になったところぐらいはもう少し限度額を上げるとか、そういう御指導をいただくお考えはございませんか。
○説明員(森田一君) ただいま戸塚先生が御指摘になりました地震防災対策の強化地域と、それからこれらの限度額との関係というのは、非常に重要な問題であると思いますけれども、まず第一にお答え申し上げなければならないのは、五十三年度予算におきまして、政府及び民間損保会社の総保険支払い限度額は、八千億から一兆二千億に引き上げたのでございます。この場合の計算といたしましては、過去四百六十七年間に最大の被害をもたらしました関東大震災級の地震に対応することを基本としまして計算したものでございます。すなわち、地震の規模とそれから地震の起こる位置は関東大震災の場合と同じといたしまして、発生の月と時刻は平均的に考えて計算したものに十分の安全率を見込んで算出したものでございます。そこで、今回のこの立法に伴いまして、さらに国の負担限度額を引き上げる必要はないものと考えておるのでございます。 それから、一件当たりの保険金額の限度額、建物二百四十万、家財百五十万ということになっておりますけれども、これを引き上げるべきではないかという問題につきましては、確かに現在の経済水準に照らして十分なものであるとは言えないと思います。ただ先生も先ほど申されましたように、この地震保険制度というのは、一時に巨額の損害が地域的に偏向して発生するということで、非常に保険に乗りにくいものであるという大きな障害と闘いながら運営されておるところでございます。また、実情といたしましても、現在建物、家財合わせて三百九十万円ということに対しまして、実際に保険にかかっておる金額というのは百二十九万円ということになっておりまして、この数字で見る限り大方の契約者のニーズを満たしているものと考えられるところでございます。 それで、第三の問題といたしまして、この強化地域について特別の保険金額にできないかという問題につきましては、これまた保険技術の面で非常にむずかしい問題がございます。と申しますのは、保険料を同一にいたしまして特別の地域について保険金額をふやすということにいたしますと、その発生の度数から見てもあるいは実際に発生したときの被害から考えましても、他の地域の保険者、契約者がこれを負担するということになるわけでございまして、非常にむずかしい点があろうかと思うわけでございます。他面、これらの地域については、保険金額を上げると同時に保険料を上げるということになりますと、現在におきましても地震保険の保険料というのは必ずしも安くないわけでございますけれども、どうしてもそれとの見合いにおきまして相当額保険料を上げなければならないという問題が出てこようかと思うわけでございます。そのような問題がございまして、非常に重要な観点であると思いますけれども、いま直ちにそのようなアイデアを生かすということは非常に困難があろうかと思うわけでございます。
○戸塚進也君 極力、いまの御答弁にありましたように努力をしていただきたいと思います。 次は、国家的な防災訓練。このいまの地震の立法が仮に成立したと、こういう時点ではかなり防災訓練も充実されるはずでありますが、これについては、このわが県のアンケートその他を見ますと、日曜日ならもう絶対参加するというのが六割、それからもう休んでも、勤めも何も全部休んでも参加するのが二割、計八割の人がともかくもう訓練をやれば全部参加する、めんどうだから参加しないというのは三・七%。ということは、国家的にあるいはまた地方公共団体がみんなでやるんだと言えば、それなりに国民的にも協力しましょう、それでも災害の危険から免れたい、こういう国民的な盛り上がりがあるわけです。 そこで、私はいまこそ一番必要なことは、おざなりな訓練じゃなくて、この間予算委員会で原文兵衛委員からも指摘されましたが、東京等でもこれは必要なら鉄道も自動車も全部とめると、こういうことで、全部の機能を一遍とめて、思い切って国家的な防災訓練をすべきだ。少なくともこの強化地域に当たったところぐらいは、これは県でやることでしょうじゃなくして、やっぱり国家的な指揮と指導と、また財政的援助その他いろんな各種の役所の協力によって実現すべきだと、こういうふうに思いますが、まず総括的には国土庁から、どうお考えか伺いたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) こういう非常の場合に備えて、平常時から訓練を十分やるということはもう言うまでもないと思うのであります。強化地域の指定が行われますと、国、地方公共団体、民間、それぞれ地震防災上必要な計画を作成するのでありますから、その計画の中に、警戒宣言が出された場合にその計画が迅速かつ円滑に実施に移せるかどうかということを考えますときに、平常時の訓練の必要が非常にあると思います。したがって、まあ従来、たとえば静岡県富士市においては昨年も相当規模の大きな訓練をいたしましたが、これまでの幾多の実績を踏まえつつ、訓練の強化を行いたいと。また、特に今度の法律の中では、そういう場合の交通規制なども行い得るようにお願いをした次第でございまして、東京などでも、たとえば九月一日の大地震の記念日の前後にでも、ぜひ戸塚委員のおっしゃっておるような大規模な訓練をして非常時に備えたいと思います。
○戸塚進也君 大変積極的な御意見で結構だと思います。 で、私は、一日もう二十四時間もやられたんじゃそれはみんな困ると思いますが、ある一定の、やはり二時間なら二時間とか、時間を相当区切って、しかし徹底的にやるという必要があるんじゃないか。もちろん事前的に十分なPRもしてやる必要があると思いますが、これはぜひ実現していただきたい。 そこで、警察とそれから運輸省に伺いたいんですが、いまの大臣の積極的な発言を踏まえて、この際ひとつもう自動車も全部とめる——全部といってもそれは日本じゅうとめるわけじゃありませんけれども、ある一定のその訓練をする区域については全部とめる、緊急自動車以外はですね。それから国鉄なども、この際新幹線もそれから東海道線も全部一時的にとめる、国電もとめる、そのくらいのことをできませんか、協力が。どうです。
○説明員(福島静雄君) 大地震が発生いたしました場合には、その被害を最小限度に食いとめるという観点から、警察といたしましても、現実の震災発生時を想定いたしました総合的な訓練が大いに必要であるというふうに考えているところでございます。特に、御指摘のように、現在のような大量自動車交通時代におきましては、この交通規制の面におきましても、できるだけ広域的にかつまた実践的な態様での訓練を行いたいというのが私どもの考え方の基本でございます。 そこで、こういった訓練を広域にわたって実施する場合には、住民の方々への権利への影響というふうな配慮も必要であるわけでございまして、また、この交通規制訓練につきましても、他の防災訓練と共同いたしまして総合的な態様で行うという必要があり、またその方が効果的であるというふうな事情もございます。そういった観点もいろいろ考慮いたしまして、今後関係地域の府県警察とも十分協議いたしまして、実際の発災時に即応した方法、規模の訓練計画を練り上げたい。それに基づきまして一般住民の方々にも十分周知を図りまして御協力を得まして、その上でできるだけ広域にわたる、そうして実効の上がる交通規制訓練、これを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○説明員(神戸勉君) 地震あるいは災害等の発生時に対して、列車及び旅客の安全に対しまして的確な処置がとれるようにするためには、常日ごろから関係住民全員に対して十分な教育なり訓練なりを行っていくことは必要でございますので、運輸省としましては、そういうような災害に対応する教育訓練というものを常日ごろ着実に実施するように指導しているところではございますけれど、列車を休止するということになりますと、輸送に及ぼす影響というのは非常に範囲が広くなりますし、時間的にも相当の時間になりますので、いろいろのむずかしい問題があるとは思いますけれど、この際、災害の対応体制の整備という中で再検討していきたいと思っておる次第でございます。
○戸塚進也君 ぜひひとついまの、国土庁長官、担当大臣が九月一日なら一日一斉にやりたい、こういう場合について要請を求められたら、これはできる限りひとつ協力をして、そうして訓練が本当に成功して、いざというときに最小限の被害で済むように、関係者の御協力を切に要望したいと思います。 そこで、次は原子力発電で、科学技術庁さんいらっしゃいますか。——この原子力発電と大地震の問題でございますが、実は私の県には御案内のとおり浜岡原発がございます。現在地元としてもいろいろ慎重に話し合いの中で、三号炉の、三号基の受け入れについて、非常に前向きな話し合いが行われているわけです。この場合に、住民からの非常な心配は、最近例の東海大地震というものが起こってきましたから、その東海大地震とこの原子力発電所というのが非常に危険があるのではないかとか、国の方の指導がしっかりしているのかとか、責任体制はどうなっているのかということを非常に心配する。これは場合によると必要以上の心配かもしれません。しかし、やはりこの安全性について、あるいはそうなった場合のことを予期して十分国が指導している、こういうことをこういう場で明らかにしていただく必要があると思う。この際、これがどうなっているか、ひとつ現状とそれから責任体制を承りたい。
○説明員(中戸弘之君) 先生御存じのように、原子力発電所の安全性につきましては、原子力委員会の下に原子炉安全専門審査会というのがございまして、ここに日本の最高の権威者を集めまして厳重な審査をしておるわけでございます。で、御指摘のように、地震と申しますのは、日本が有数の地震国であります関係上、この安全審査の過程では最も重要視して審査をしているポイントでございます。 それで、この考え方をまず最初に申し上げますと、ある原子力発電所につきまして過去の地震歴をずっと調べまして、そこの、将来その敷地で起こり得るかもしれない最大の地震力というものを想定いたしまして、これを上回る地震に十分に耐え得るように、そういう考えで設計されているかどうかということをチェックするのがポイントでございます。 それで、具体的にこの浜岡発電所につきましては、いま先生おっしゃいましたように、すでに一号炉が運転中でございます。さらに二号炉が建設中である。それで、伝えられるところによりますと三号炉が計画中である。こういう段階でございますが、この一号炉、二号炉につきまして、過去にどういう安全審査をしたかということを申し上げますと、まず、この敷地周辺の、被害を与えた過去の歴史的な地震がございますので、それをずうっと調べ上げたわけでございます。たとえば西暦一〇九六年に起こりました永長地震、それから一四九八年に起こりました明応地震、それから近くは一八五四年に起こりました安政地震と、こういったようなものをずうっとその規模等を調べ上げまして、それで将来起こり得るかもしれぬ最大の地震としては恐らく安政地震が最大級のものであろうと、こういう想定をいたしまして、この原発の耐震設計につきましては、この安政地震を上回る地震について十分な強度を有する、こういう角度から審査をしたわけでございます。 それで、具体的な想定地震といたしましてはマグニチュード8・2の大きさの地震、これは安政地震というのは大体マグニチュード8ぐらいと、こういうことを言われておりますので、それを上回ります8・2の地震が浜岡から六十キロに起こったと、こういう想定をいたしまして、そのときにサイトの地盤にどれくらい地震力がかかるか、これを計算いたしました。これは計算によりまして二百八十五ガルと、ちょっと専門的な単位になりますが、こういう計算結果が出ております。で、この設計強度といたしましては、さらにこの安全を見込みまして三百ガルという地震動に耐え得るようになっております。さらに、原子炉の中で重要機器がございますが、これに対しましてはさらに一・五倍、すなわち四百五十ガルの地震に耐え得るような形で設計の安全性が確認されているわけでございます。それからさらに、いま申し上げましたのは動的強度でございますが、さらに静的強度につきましては、建築基準法に定めます三倍の地震動に耐え得るように、こういうチェックがなされております。 以上が、安全審査に対します私どもの審査の過程でございますが、なお、実際の原子力発電所におきましては、大きな地震が発生した場合にはこれを自動的にとめるような装置、緊急停止装置がついておりまして、これは恐らく震度四ないし五ぐらいの地震が来ましたら安全確実に原子炉を遮断すると、こういう装置がついておりますので、こういうことによりまして、地震に対する原子力発電所の安全性を担保しているわけでございます。
○戸塚進也君 ありがとうございました。 そこで、時間がなくなってきましたから、大臣にひとつ一括してちょっと伺いたい。 それは、組織や予算につきましては各委員から十分お話がありましたから、私は屋上屋は重ねません。ただ、この間中国へ行ってきたり、あるいはまた専門の学者等がいろんなことを言われたことを判断して、静岡県当局などでは、気象庁、国土地理院の現在の職員さんのほかに、国にもう二百名この地震予知、地震関係についての職員がどうしても必要だということ。それから地震予知の予算は最低百億、これはどうしても欲しい。現在は四十一億ぐらいだと思いましたが、これは百億はどうしても欲しい、こういう学者さんたちの要望、意見がある、こういうこと。それから非常に大事なこととして、がんじがらめになった予算じゃしようがない。つまり調整費的なものがせめて十億ぐらい欲しい。この調整費十億というのは、どこかで何か変動が起こりそうだ、何かちょっと危ない、危険がありそうだというときにはその専門の。プロジェクトなり何なり観測班というようなものを組織して、その人たちがその地域へいわゆる移動観測班という、こういうふうな形で飛んで行って重点的な観測もできる。こういったような予算というのがどうしても要るというのが実は専門家の意見であります。特にこの最後の部分について、長官どうお考えになっていらっしゃるか。これは五十三年度の補正あるいは四年度以降の問題だと思いますが、この点等総括的にどんなふうにお考えか承りたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 現在、予知関係で専門的にやっておられる方あるいはその他を入れて千六百名ぐらいな人員になっておると思うのでありますが、どういう前提で二百人が必要かということについての詳細を存じませんが、それは十分検討をさせていただきたいと思います。 それから、調整費のようなものの必要性につきましては、現在科学技術庁の方にそういうものが一応は確保されておりまして、五十三年度におきましては六億二千万ほどになっておりますが、これをさらにふやし、特に予知対策上のお考えで言われたことと思うんでありますが、十億ぐらいは必要だというお話でございましたが、私どももそういう調整費のようなものの必要性は認めて、現にその措置はとっておるところでございますから、十億につきましてはこれは計数の内容を検討させていただきまして、今後の予算折衝の上に生かしていきたいと思います。
○戸塚進也君 いまの千六百名というのは、そういった関係役所を全部集めればということでありまして、私の申し上げた二百名は、地震予知なら地震予知専門についての職員がもう二百人必要だと、こういうことでございます。調整費につきましても、大臣の御答弁わかりますが、もう少し本当にそれが機動的に使えるような、移動観測班のようなものがぱっぱっぱっと飛んで行って使えるようなそういうものが要るんだと、こういうような意味でございます。しかし、大臣の前向きな御答弁がありましたから、それで結構でございます。 そこでもう一点。実は、もし東海大地震が起こる、こういうようなことがさらに逼迫してきたとなりますと、静岡県としてはこれについての対策費におおよそ三千二百億、三千二百八十七億と踏んでいるんです。危険地域の防災事業が六百九十六億、建築物や施設の耐震、不燃化が千六百九十四億、避難地とかあるいは避難路等の整備が五百三億、消防、給水あるいは無線通信施設の整備が二百六十三億、防災の機材等の整備が百三十一億、この中で、国で心配していただけるだろうというのが二百三十七億、県が千百八十八億、市町村が千五百九十九億、これだけ負担しないと東海大地震が起こったときに最小限の被害で済まない。静岡県の五十三年度の当初予算は四千億少しであります。そうすると、三千二百八十七億というような巨額の、ひっくり返りそうなお金を、特に県、市町村がそのうちの二千七百億を持たなければならぬというようなことでは、とうていこれは静岡県そのものは地震だけ以外に何にもやれないというようなことになってまいります。そこでやはり、仮にもし非常に近々そういうことが起こりそうだというような、長期的にいたしましても警報等が出された場合、いろんなことを想定して、国のやはりこうした場合の緊急な財源措置、さらにまた由比の地すべり等緊急にやらなければならないような問題の補助率の検討、こういう点について、まず所管大臣としてどうお考えか。自治省にも来ていただいたんですが、時間がありませんから大臣に一括伺えれば結構です。それから大蔵省から一言承りたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) かねて静岡県が知事さんのお言葉でそういう必要性のあることを承っておるわけでありますが、いま戸塚委員からある程度の概略の内容のお示しがございましたが、今回の特別措置法の成案に伴いまして、県段階における地震防災強化計画が作成される、市町村の地震防災強化計画の作成もされると、そういうことによりましてより一層具体的内容というものが明白になると思いますので、それらの事業内容、それから予算等を踏まえて、関係省庁としてどの範囲に助成ができ得るか、もとより非常な大きな災害を前提にしておるんでありますから、そのことを念頭に置いての折衝をしなければならないと思いますが、現実に予算要求の上におきまして、そういう順序を踏まざるを得ないということは戸塚委員も御了承をいただけると思うんであります。しかし、それだからといって戸塚委員の想定でいけば四年後ぐらいと、こういうときに計画ができてから順序よくやればいいと、そういうことだけで済まされるものではないのでありまして、従来でも避難地、避難路あるいは消防施設などにつきましては、逐次補助措置も講じながらやってまいっておるわけでございますから、それらの点は緊急事態を前提にしての努力をしながら、そしてこの計画に伴う各関係省庁の協力による具体的な措置を講じたいと、このように思います。
○戸塚進也君 時間がありませんから、大蔵省さんはもう聞いていただいたら結構です。——大臣に最後に一言。 先般、伊豆沖の地震の事後状況について、大臣みずから視察していただきました。非常にありがたいことです。私は政治家としてその態度に心から敬服いたします。その際に地元から、たとえば鉄道等で山崩れが起こってきたら鉄道会社つぶれちゃいそうだと、こういう点については考えてもらいたいとか、あるいは中小企業対策、あるいはまた道路の復旧の根本的な対策、お話があったと思います。ここでは一々所感は結構でございます。最後に一言だけ、そのときにお感じになったことを承って質問を終わります。
○国務大臣(櫻内義雄君) この伊豆大島沖の地震に伴う伊豆半島の被災の状況につきましては、かねてここで御指摘がありますように、特異の地質の状況からいたしまして、想像以上の被害を受けておるということを目のあたりに見たわけでございます。また、そのことは今後の水害とかあるいは地震とかにつきまして、非常な危険な状態にさらされておるということも十分認識をいたしました。そういうような想像以上の特殊な状況にあるために修善寺——下田間の主要地方道の開通も、私が行く折には通れるようにするというのが、現実には通れない。しかし、それはもし無理をして通しても非常な危険性を伴うという現実の問題からいたしまして、なお一層のあの道路の整備をしなければならないということを痛感したわけでありますが、これらの各種の事情に伴って、たとえば修善寺——下田間の道路についてはトンネルを抜かなければならないとか、あるいは特殊な構築をしてやらなきゃならないとかというように、鋭意努力をしておりまして、多少の時日の遷延はございましても、それらの措置によって安心のできる特殊の地質に応ずる道路というものができるのではないかと、こう思うのであります。 それから、一例として挙げられました稲取トンネルの活断層が横切っておるその地域におけるトンネルの状況というものは、非常な伊豆急の御努力によって近く開通の状況にまで至っておるのを見ましたが、その御苦労は非常に察するに余りがあります。また、財政負担も大きかったということから、これについては何か配慮をする必要があるのではないか。 また、そのほかの具体的ないろんな問題につきましては、それぞれ関係各省にさらに従来以上のこの検討をするように指示をしておるところでございまして、ただ、長期にわたる後遺症のために、いまだに伊豆半島一帯のあのみごとな観光地というものが、これがほとんど休眠状態であるということはまことに遺憾なことでございまして、さらに一層の復旧の上に努力をいたしたいと思います。
○委員長(村田秀三君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後一時三分開会 〔理事村沢牧君委員長席に着く〕
○理事(村沢牧君) ただいまから災害対策特別委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、大規模地震対策特別措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○原田立君 私は前回、本法案の中心課題である予知問題につき質問をしたのでありますが、時間が足らなかったので、引き続きまたそれらに関連してお伺いしたいと思います。 まず最初に、日本列島の大部分の地域は周期的に大地震の発生する可能性が強いことが、多くの学者等によって指摘されているわけでありますけれども、現在特定地域に指定されている地域というのは全国で九カ所でありますが、その特定地域に指定されていない地域に対する観測、調査、これはどのように実施されているのか、この点はいかがですか。
○説明員(末広重二君) お答え申し上げます。 御指摘の特定地域というのが九カ所ございまして、この中には二つの観測強化地域を含むわけでございますが、そもそも日本はどこにおきましても地震の災害の危険があるわけでございまして、全国を対象といたしまして、地震活動それから地殻変動ということで全国的な規模の観測も怠りないようにやっているわけでございまして、今後ともこれは強化してまいるつもりでございます。
○原田立君 その場合の強化していくということ、それは当然なことだと思うのでありますけれども、現在どんなふうな経費、予算ではなしに経費ですね、実質どんなふうなところまで充実されているんですか。
○説明員(末広重二君) 地震予知に対します手法は、やはり各種の観測の総合的検討ということでございますので、測地学審議会の場で総合的にどういうふうに観測を進めていったらいいかということで建議をいただきまして、現在第三次の予知計画に従って施策を進めてまいりましたが、この昭和五十三年度に対しましては約五十億の予算をいただきまして、これはもちろん東海あるいは南関東というところには重点的に配備はしておりますけれども、やはり全国対象ということにも相当額の経費をつぎ込んでやっているわけでございます。
○原田立君 伊豆方面について、東海地域について約五十億ということですけれども、いまもお話のあったように全国的にはどのぐらいの経費になっているんですか。
○説明員(末広重二君) いま申し上げました約五十億というのは、東海、南関東を含みまして、全国を対象としての経費でございます。
○原田立君 では、いままでに、過去十年あるいは十五年、こうずっと累積してきた投資額は一体どのぐらいになっているんですか。
○説明員(清水眞金君) お答え申し上げます。 いま末広参事官の方からお答え申し上げましたように、地震予知の研究観測は測地学審議会の三次にわたる計画に基づいて行われているわけでございますけれども、現在進められております第三次計画に投資いたしました金額は、五十三年度の予算も含めまして約百五十億、正確には百五十億をちょっとオーバーする額が投資されております。
○原田立君 先ほどからの議論でも、五十億という予算では非常に少ないのじゃないかということが指摘されているわけでありますけれども、いま聞いてみれば、まだいままでの累計投資額においても百五十億であるということでは余りに貧弱ではないかと、当局としてはこんなような状態で満足しているとは思わないと思うのですが、それとも逆にそんな程度でもう結構だと、こう思っているのですか、その点はどちらですか。
○説明員(清水眞金君) おっしゃるように、予算の拡充は非常に重要な問題でございますけれども、いままで昭和四十年から始まりましたこの三次にわたる計画に沿いまして、必要な研究観測の強化とかあるいはデータの集中、そういうふうなものを進めてきたわけでございますが、特に一昨年東海大地震の危険が指摘された時点から、政府としても非常にこれを強力に進めるというふうな形で取り組んでおりまして、特に先生方の御助力を得て五十二年度におきましては前年度の約六〇%増という大幅な伸びを見たわけでございます。それからさらに、五十三年度におきましても約三〇%増というふうな形で、四十七億円の予算がついたということで、ここ数年非常に大きな伸びを見せておるわけでございます。これによりまして、主に東海地域等の地域につきまして必要な観測網の整備とかデータの集中、それから常時監視の強化というふうな施策を講じたことによりまして、今回の法案が前提としております予知情報が一応出せるようになったというふうに考えておるわけでございます。これを今後ともこの法案をさらにより実効性のあるようなものにするために、さらに予知の充実が必要であるというように考えておりますので、五十四年度以降におきましては、現在測地学審議会におきまして第四次計画が審議されておるわけでございます。この計画で相当規模の研究観測と予算が想定されておりますので、これが正式に建議されますれば、関係機関と十分に連携をとりまして、必要な予算の確保に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 特定観測地域あるいは強化地域指定の前提ともなる観測——測地、測量について、測地学審議会は四十八年六月「地震予知の推進に関する第三次計画の実施について」という建議の中で、日本全域にわたる基本測量の必要性を強調し、この建議に沿って国土地理院は日本列島精密測地網計画を作成、三角測量については全国にある一、二等三角点六千カ所を五年周期で測量、次の五年間が終わる五十八年度までに全国を二回測量し終えるとされておりますが、この第三次地震予知計画の最終年度である現在、測地作業の実施状況は一体どのようになっているのか。また、当然おくれているんだろうと思いますが、このおくれている原因を明確にするとともに、今後の見通し、方策等についてお伺いしたい。
○説明員(清水眞金君) 本来、国土地理院の方からお答えいたすべきかもしれませんが、ちょっとかわりまして御答弁申し上げます。 御指摘のように、第三次計画では、水準測量を全国にわたりまして二万キロを五年で改測するというふうに予定されております。さらに、精密測地網一次基準点測量といたしまして六千点を五年で改測するということが決められております。これの実施状況でございますが、一昨日も答弁がございましたように、約五〇%あるいはそれを多少下回る程度にしか行われていないというのが実情でございます。 それの原因でございますけれども、これは測量単価等の上昇によりまして、なかなか思うとおりにいってないというのが実情であるというふうに伺っております。ただ、実施状況の中身を少し見てみますと、逐次達成率が上がっておりまして、特にここ一、二年は、ほぼ当年度分の予定としているところはカバーしつつあるというふうに聞いております。
○原田立君 長官、いまのように、第三次計画が予定の五〇%にも達していないというのが現状ですけれども、大体、計画を立案してその年度にちゃんと完成するようにするのが政府の責任じゃないですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) もとよりおっしゃることが原則かと思います。ただ、この予知関係の予算実施状況は、しばしば御説明を申し上げておるように、科学技術庁、文部省、通産省、運輸省、建設省あるいはまた大学などでやっておりますので、一概に、進行状況が、どういうところに問題があるかということについて、にわかに判断しかねるところでございます。しかし、計画を立て、一次計画、二次計画、三次計画と遂行してまいったのが、その計画に十分沿っておらないということは御批判のとおりだと思います。
○原田立君 大臣も就任してまだわずかだけど、もしこの計画を立案しているうちに地震が起きたら一体どうするんですか。災害が起きなかったから——伊豆の地震が起きたのは事実なんでありますけれども、それ以外の、大都市においては起きていなかったからいいようなものの、もし起きてたならば、この予知体制ができなかった、物価が上がって予算がつかなかった、各省庁ばらばらだからよくわからなかったなんて、地震大臣である長官がそんな答弁をなさって世間に済むとは思わないんですよ。だから、当然この計画をしたものがちゃんとやっぱり実現するようにしなければいけない、こう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) しばしば御説明申し上げましたように、予知体制と予知技術の開発、その辺を分けてお考えいただきますと、もちろん予知というものが、基本的に予知技術が非常に進んでその結果であることは言うまでもございませんが、現在の予知技術の中で、地震との関連で予知体制を強化することの必要性はもう当然でありますが、その予知体制からいくと、全国の九つの地域の中で観測強化地域を二つにしぼっておる。それでその観測強化地域というのは、いままでのいろんなデータからして地震の発生のおそれがある、特にその中ではマグニチュード8の予想のできるところもある、こういうことで、そしてそこは特に万遺漏なきよう強化をいたして、その結果東海地域においては判定会を設けて、そして予知はできる、こういうところへ来たわけですね。 それで、御質問の御趣旨に沿って考えてみまして、それはもう全国的に完全に予知のできるような状況に速やかに持っていくと、これはもう理想ではございますがなかなかそこまでは行かない。そうすると、当面私どもの責任からいえば、そういう観測強化地域についての予算をこれは確保して、そしてまず遺漏のないようにするというようなことが、これが予算を要求どおり全部取れるような国家財政の状況、また、もう観測地域全部についてそこまでやらなきゃならない緊急性があるかどうかというような判断からいくと、ただいま御批判をちょうだいしておるような問題がございますが、しかし、私としては、この観測強化地域についてはまず予算措置も大体とっておる、こういうことでございます。
○原田立君 五〇%にも満たないで十分とっていますだなんて、大臣それは失言じゃないでしょうか。またいままでの、たとえば大阪の千日前デパートの火事があっときなんかも、まあこれは火事の話ですけれども、あれなんかも実際問題もっと前もって手を打っておけばよかったものを、やってなかったがゆえにああいう大災害を起こした。熊本の大洋デパートも同じじゃないですか。災害だなんというのは大抵手の打ち方が遅かったがゆえにみんな起きている。もし地震もいままでに、伊豆地震があって急速に伸びてきたわけでありますけれども、東京あるいは南関東関係も大きな地震があると、こういうふうにもう前々から言われている。そのためにちゃんとそれぞれの機関において第三次計画というのはぴしゃっとつくったわけなんですから。そうして国民に対してアピールしたんです。責任持ってこういうふうにやって予知体制を十分こしらえますと、こう約束したんですよ、大臣。それがいまになって、当年度になって五〇%にも満たない、完成率がですよ。それで十分とは言わないけれどもある程度やったなんて、そんなことは失言じゃないですか、大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) いや、これおしかりですけれども、たとえばいま申し上げる観測強化地域について予知ができるという、その確信のもとにこの立法をお願いしておるんですから、私が不十分でございます——そんな不十分なものを前提にしてたんだということの方が問題であって、それで御説明したように、おっしゃるように全体としての五〇%はどうか、それは私はもうそのとおりだということを先ほど申し上げておるわけです。ただしかし、この予知予算というものを全般的に見て、この技術開発の面、研究の面もある。そして現在観測地域九つだけれども二つは重要観測地域となっておると。それについてはこの予知体制としてはまずできると、特に東海地域については大規模なものについては予知ができるというところまできたと、そのことを申し上げておるんで、他の足らざる面は多々ある、またそれは大いにやらなきゃならぬということはもうおっしゃるとおりですよ。しかし、いま私どもの強化地域のことについては、あるいはそれは御批判があろうかと思いますが、まずここの方の予知体制というものは、全体は五〇%だけれども強化地域についてはまず無難であると、こういうことを申し上げたわけです。
○原田立君 さっき、第四次計画というのを何かこれから策定するというようなお話があったけれども、それについて簡単で結構ですから……。
○説明員(清水眞金君) 直接御質問にお答えいたします前に、多少誤解を招くような答弁をいたしましたので、ちょっと訂正させていただきたいと思いますが、五〇%と申し上げましたのは、先生が御質問ございましたいわゆる全国的な水準測量の部分だけでございまして、三次計画自身につきましてはそのようなことはございません。いわゆる三次計画の中で言われておりますことは、まず全国的な観測に関しましても大・中・小地震観測、それから検潮、それからさらに水準測量、精密測量、海底地震計等の計画が挙げられているわけでございます。それからさらに特定の、特別の地域における観測といたしまして、改めて精密な測地網測量を行うべきであると、それから微小地震観測を行うべきだ、さらに深井戸観測を行うというふうなことが計画に掲げられておるわけでございます。それからさらに、計画では新しい観測方法の開発といたしまして、地下水の調査とかあるいは地殻応力測定の研究とかそういうふうなもの、さらにそのデータの集中、そういうことがうたわれておるわけでございます。この計画全体の達成がどうかということに関しましては、先ほど申し上げました全国的な測地測量の一部を除きまして、ほぼ一〇〇%達成しているというふうに考えております。 それで、この水準測量に関しましても、必要なところは重点的に測量を進めておるわけでございまして、全国をベタにやれば、もちろんおくれているところもございますけれども、計画を進めるに当たりましては、非常にむずかしいところはと申しますか、必要なところは重点的に、優先的に扱っておりますので、そうこのおくれが大きな問題を提起するおそれがあるというふうには考えておりません。しかも延べでございますので、計画が発足いたしました当初にかなりおくれがあった。先ほどここでも御答弁申し上げましたように、五十一年以降かなり力を入れて進めておりますので、五十一年度以降につきましては、その達成率も年度でとりますれば相当なところにいっておるというふうに考えておるわけでございます。 それから、先ほど御質問の第四次計画の問題でございますが、内容でございますけれども、これはむしろ文部省さんの方からお答えいただきたいと思います。
○説明員(植木浩君) お答え申し上げます。 ただいま先生からお話がございましたように、現在、測地学審議会におきましては第四次地震予知計画を策定中でございます。先ほど来お話が出ております第一次から第三次までの今日までの地震予知の技術水準の向上その他を踏まえまして、いまいろいろと議論をしておる最中でございます。 概要といたしましては、第三次地震予知計画が五十三年度に、今年度に終わりますので、昭和五十四年度を初年度にいたしまして五ヵ年計画ということで審議をいたしております。目下のところ、やはり先ほど来話が出ております測地測量あるいは地震観測、そういった長期的な予知に有効な観測研究を大いに拡充強化しなければならない。それから短期的な予知に有効な各種の観測研究を拡充強化するとともに、その観測の結果を集中をし、常時監視等の体制を整備をするということが現在いろいろと議論されております。また、これらの具体的な観測等の基礎になります、いわば地震予知の基盤となる地震発生機構の解明、いわば基礎研究とでも言いましょうか、そういう点につきましても大いにこれを推進する必要がある。こういうことで現在審議をいたしておりまして、大体七月ごろには建議ができるのではないかという段取りで進んでおることでございます。
○原田立君 予算規模は。
○説明員(植木浩君) 先ほど来百数十億という第三次計画の金額の規模が出ました。いまのところ、規模につきましてはまだ正確にはじいておるわけではございませんけれども、大体現段階でおおむねの試算などをいたしておりますと、その百数十億という第三次計画の五ヵ年の数字に対しまして、恐らく数倍にはなるのではないか。これはまだ決して正確な数字ではございませんが、そんな感じを持っておるわけでございます。
○原田立君 他に問題を移しますが、警戒宣言とともにしかれる警戒体制の期間の長期化は、社会心理、社会経済上のパニックを発生させ、より困難な問題が生ずる危険性があるわけでありますが、警戒宣言を発するタイミングについては非常にむずかしい問題を含んでおりますが、地震発生前どのぐらいの日時を想定して出そうとなさるんですか。
○政府委員(四柳修君) 予知側の方で予知情報をいただけます前提というのが、現在の技術水準ですと、発生の数時間ないし数日前ということでございます。そういう前提に立ちますと、異常が発見されまして気象庁の方にデータが集中し、判定会が開かれ、気象庁長官から内閣総理大臣に御報告をいただき、そこで内閣総理大臣が警戒宣言を発せられますのが、大体気象庁の方で異常を端末で発見してから一時間半ないし二時間程度の時間になろうかと、それが最も短い場合でございます。それ以降若干の変動があった場合にはかかると思います。
○原田立君 宣言を発した後、地震が起こらず、なお前兆現象が断続的に続くような場合、警戒体制を存続させるか、または解除宣言を出すかで、その判断はきわめてむずかしいわけでありますが、地震発生の危険性を残したまま社会経済的パニック防止のためやむを得ず解除宣言を発する際の対応策として、何か特別な措置を考えておられるかどうか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘のように、異常を発見されましてそれに基づいて警戒宣言を発し、あらかじめ計画で準備をしたいろいろの対応措置をとるわけでございますが、その間にいろいろと住民その他御迷惑、制限がかかると。そうなりますと、いまの段階では、先ほど申し上げましたように数時間ないし数日の前兆ということでございますから、その間にその後の異常の変化等が出てまいりまして、当初予定しました異常状態というものが、何といいますか、より緊迫感を持ってくるというか、より確度を高めてくるということになりますと、これはその時間にかかわらずやはり解除はできないと思います。しかしそういった状態が、例に挙げては大変恐縮でございますけれども、たとえばせんだって有珠山の噴火予知連につきましての統一見解の御発表がございました。それらの点を考えますと、やはりどこかの段階で、判定会の方からその後の前兆現象、自然現象の変化というものを御判断いただいて、それで警戒宣言を解除するに足る自然現象の落ち着きといいますか、そういうものが出るまでは、やはりたてまえとしては解除はできないと思います。
○原田立君 地震予知には、現在の技術上一〇〇%の確率は無理であろうと思うんでありますが、先ほど来、また私も先日申し上げましたが、当然空振りあるいは見送りが予想されるわけでありますが、警戒宣言を発するに当たり、気象庁長官が気象庁から報告された予知情報を閣議にかける場合の閣議内容はどのようなものになるのか、宣言発令のための政策判断、基準、また配慮すべき点、具体的にお伺いしたい。
○政府委員(四柳修君) 御指摘のように、気象庁長官から総理大臣が報告を受けますと閣議を開くわけでございますが、その場合に、気象庁長官はその専門技術的なお立場から、強化地域に大規模な地震が発生するおそれがあると、こういう前提で御報告をいただきます。その報告を受けました総理大臣は、その地震予知情報につきまして、当然のことながら、専門技術的な面からの再検討という問題ではなくて、その報告にかかわります地震予知情報の確度なりその地震発生の逼迫性、こういった点につきましては、やはり予知側の責任をお持ちでございます科学技術庁長官あるいは運輸大臣等の御意見もあろうかと思います。さらには、これを警戒宣言という形で取り上げますと、その災害防止のための幾つかの防災応急対策を講ずるわけでございますが、その他の点につきましては、関係各省庁いろいろの計画どおりでございまして、それらの点につきまして一応既定計画どおり、あるいは既定計画で特にどこを重視すべきか、あるいは地域的にどういう偏りがあるかとか、そういったようなことも参考的に御判断してくださるものだと思います。
○原田立君 警戒宣言が発せられた際の防災応急対策の実施、確保についてお伺いするんでありますが、この法律案では、応急対策を実施しない者に対しては市町村長の指示や勧告程度にとどまっており、強制力も罰則もありません。本法案のもとで、果たして各機関、各企業の同時かつ適切な応急対策の円滑実施が可能であるのかどうか、その点の見解はいかがですか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点、私どももこの法律をつくりますときに、たてまえとしまして、それぞれの国、県、市町村あるいは企業の段階でそれぞれの計画どおりやっていただいて、それに対して責任を持っていただくという仕組みでございまして、その点が御指摘のような、何といいますか、責任のない形で保証されませんと、どこか欠ける形になります。そういった点につきましては、もちろん関係地方公共団体、関係監督省庁等の指導監督もあろうかと思いますけれども、それらの点につきましても、日ごろの訓練等の積み重ねあるいはPR等の徹底によりまして、御心配のないように、私どもも十分関係省庁ともども指導してまいらなくちゃならないと考えております。
○原田立君 審議官、そんな精神論ばかり言ったってだめですよ。現実にこの法案の中には、指示や勧告程度にとどまって強制力も罰則もないんですから、やらなかったらそれでおしまいでしょう。そんなようなことで、ここでそれだけの答弁では、実際問題この法案は骨抜きになってしまうおそれがあるんじゃないでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点につきましては、たてまえは、計画で定めたとおりそれぞれの防災責任者がやっていただくたてまえでございますけども、その計画どおりやらない者につきましては市町村長は指示をする、あるいは市町村長にかわって知事、警察当局等が指示をする、その指示に従わない場合に、場合によりましては代執行もすると、そういうような形での一応措置はしております。
○原田立君 警戒宣言が空振りに終わったような場合、本法案の罰則規定に違反した者に対する取り扱いや、営業活動の停止によってもたらされる事実上の企業損失等について、行政上非常にむずかしい問題が残ると思いますが、この点についての見解はどうですか。
○政府委員(四柳修君) 確かに警戒宣言が空振りになった場合に、あらかじめそれぞれの御計画に基づいておとりになった措置とはいえ、やはり何らかの経済的な負担をこうむると、特に期間が長くなった場合にやはりいろいろ問題があると、そういった点につきましては、この法律におきましては防災応急対策はそれぞれの責任とは決めておりますけれども、そのような事態が生じました場合には、いわゆる広義の間接的被害と申しますか、そういったような観点から、その時点において検討すべき課題ではないだろうかと考えております。
○原田立君 検討すべき課題じゃなくて、実際損失が出たわけですよね、出たわけだ。だから、それは先ほどほかの委員から質問があったけど、こんな場合はもう補償なんかしないんだと、こうはっきりしちゃうんですか。
○政府委員(四柳修君) たてまえ上、その防災応急措置をおとりになった分につきましては、それぞれの責任でおやりになったわけでございますから、その点につきましては、いわば大変恐縮でございますけども、一つの訓練という形もございまして、そういった形の対応かと思いますけれども、そのことによりましてたとえばお買いになった生鮮食料品が腐ってしまったとか、あるいは取引関係のそのいろいろの契約に対しましていろいろの予想外の支障が生じたとか、そういったいわば、たとえば例に挙げてこれまた恐縮でございますけども、有珠山の場合に、温泉街におきましてお客さんがキャンセルで来れなくなったというような営業上というか、まあ収入上の問題につきまして、金融的な災害並みの配慮をしたと、そういうような形でのやはり対応というものが一つの課題ではないだろうかということで、いまどういう形でとれるということは、まあその被害の実態にもよると思いますものですから、具体的な答弁は避けさせていただきたいと思います。
○原田立君 要するに、ぼくは金額がどうのこうのじゃなくて、じゃ損失補償はするんだと、そういう方向に進んでいるんだと、こう理解していいのかと聞いているんです。
○政府委員(四柳修君) 損失補償という形ではございませんけども、営業上こうむられたいろんな間接的被害等についてみて、金融的な配慮というものが一つの課題だろうとは考えております。
○原田立君 金融というのは、借金を何か融資するというんであって、それじゃ何にもならないですよ、そんなのは。損失補償というのは弁償みたいなもので、くれてやっちゃうものですからね、それと金融とは全然違いますよ。もう一遍御答弁願いたいと思う。
○政府委員(四柳修君) 原則的には補償はいたしません。
○原田立君 まあ一々一々補償していたら財政が破綻しちゃうんだろうとは思うけども、あんまりそっけない御返事で、ちょっと何となくじくじたるものがあるんだけど、まあいいでしょう。 地震予知情報の伝達は、その方法、内容、手段、技術的な面でなお多くの問題を残しており、場合によっては社会心理的パニックから混乱を増幅させるおそれがあるわけでありますが、この法案には、予知情報の伝達に関してその方法、内容、手段等明確に示されておりませんが、この点どのように考えているのか、具体的にお伺いしたい。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点につきましては、第九条で警戒宣言が出された場合の点につきまして、一つは強化地域内の関係の居住者等に対します警戒態勢をとるべき旨の公示と、もう一つは指定公共機関、都道府県知事に対する防災応急対策をとるべき旨の通知という書き方にしてございますけども、その二つのルートで、具体的に申し上げますと、前段の点は、強化地域内の住民等へ対しまして、もっぱら報道機関の御協力を得ましてそのとるべき措置等をPRすると。後段の二号の点につきましては、内閣総理大臣から関係都道府県知事あるいは関係指定公共機関に通知し、その通知を受けた知事が関係市町村長等に通知をし、市町村長等は住民等に対しましては、通常の広報車あるいはその他の通信手段によりまして、一応伝える仕組みになろうかと考えております。
○原田立君 NHKとかあるいはその地方地方のラジオ局、テレビ局、これなんかを適宜利用して順次情報は提供していく、こういうふうなことは考えているんですか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点につきましては、報道機関が、たとえばNHKは国の指定公共機関でございますし、民放の場合は一部地方の指定公共機関になっております。それぞれがそれぞれの防災会議等のメンバーにおきまして、いろいろ御協力もいただいておりますが、それはそれとしまして、やはり私どもの方も、先般の伊豆の教訓等もございますものですから、それぞれのマスメディアに応じまして一つのマニュアルを決めまして、それをたとえばテレビの場合にどういう用語でどういう時間帯にどういう表示をするかということを、できるならば各マスメディアとも同じ形でできないだろうかということを、よりより協議しているところでございます。もしそういったことにつきまして、これは報道側の一つの主体性もあろうかと思いますけれども、御協力が得られるならば、そういった形でのやはり整合性なり秩序というものを御協力をお願いしたいと考えております。
○原田立君 大臣、いまの審議官の答えでは、民放なんかの協力を得られればと、こういうふうな話が前提になっているんだけれども、そうじゃなくて、もっとそこは強力に働きかけていくようなそういう姿勢、態勢にすべきじゃないでしょうか。その点はどうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 内閣総理大臣は、警戒宣言を発したときに、法律の定めるところによりまして、直ちに当該地震予知情報の内容について国民に対し周知させる措置をとらなければならない、こういう責任がございますので、当然、報道機関を通じてそういう周知徹底の措置をとるのでありますが、審議官の説明は、この法案が成立すれば、そういうときの発表の仕方、周知徹底の仕方について何らかの一つの形をはっきりさせておいて、まちまちの形でなく、なるほどこれが政府の正式の発表であるという認識、国民の安心のできるような形をとりたいという御説明を申し上げたのであって、報道機関を使ってそして周知徹底する、きわめて重要なことでございますから、それについては本部長は当然責任を持っておるわけであります。
○原田立君 ちょっと同じようなことになると思いますが、地震予知の社会経済やあるいは住民心理に与える影響調査の実施は、アメリカではかなり進んでいるやに聞いておりますが、予知情報の伝達に際しては、伝達の方法や住民の受けとめ方に慎重な配慮が必要であるが、わが国におけるこの方面の研究はどの程度進んでおるんですか。
○説明員(清水眞金君) お答え申し上げます。 御指摘の地震予知情報の出し方、あるいは出したことによる影響をどのようにより少なくするかというふうなことにつきまして、研究が必要であるということでございます。政府といたしましても、昨年十月以来、未来工学研究所というところに委託いたしまして、地震予知情報伝達システムに関する研究というのを実施しておるところでございます。これは五十二年度と五十三年度、一応二カ年でとりあえず進めておりまして、約四千万円の予算で、情報伝達ルートあるいは伝達すべき事柄、それからその事前のPRの方法、もちろんすでに必要なルートあるいは伝達事項等はあるわけでございますけれども、これをよりよくするためにどういうふうにしたらいいかというところを、さらに研究を進めておるということでございます。
○原田立君 本法案の六条第二項、七条第五項には、防災強化計画は防災基本計画を基本とし、防災応急計画は防災強化計画と矛盾、抵触してはならないとありますが、提出される地震防災計画の内容については厳重にチェックし、内容いかんによっては改善を求める必要があると思うんでありますが、この点についてはどのような方法でおやりになるんですか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点、私どももせっかく計画をつくって、それで企業の責任で安全を確保してもらうものですから、十分配慮したいと考えております。 具体的には、強化地域内で、たとえば危険物等を取り扱います事業者等が作成いたします地震防災応急計画につきましては、政令で、それぞれの企業、業態等の状況を見まして、計画と内容となるべき事項を定めるほか、関係の監督省庁におきましても、さらに具体的な計画の内容につきまして、それぞれの業態別の、いわば作成マニュアルとも申すべきものを定めまして、それによりまして行政指導をし、その結果、企業側の方でおつくりになりました問題につきまして、いま先生御指摘のような不十分な点があった場合には、やはり十分指導をしながら直していくと、そういったことを一応予定しております。
○原田立君 指導をし、直していく、これは当然なことだと思うんであります。 ところで、法案では、防災応急計画の作成については知事への届け出制になっており、作成届け出のない者に対しては勧告または公表による社会的制裁を加えることでその実効を期待しているようでありますけれども、それでもなおかつ違反する者があった場合には、その処置はどうするのですか。
○政府委員(四柳修君) せっかく、御指摘のような形で企業の責任をもって届け出をしていただき、届け出がない場合に期間を定めて公表するという形をとっておりますが、やはりそれらの者につきましては、その後の訓練等の場合におきましても、いろいろ具体的な対応の仕方が変わってまいるかと思います。それらの状況を踏まえながら、再度いろいろ指導をするとかという形で、それ以上の措置ということは、やはりここに書いてございますような繰り返しなり何なりという形での対応しか考えられないと思います。
○原田立君 それではちょっと弱いんじゃないんですか。あるところはやって、あるところはやらなかったと、怠けたと。やっぱり怠けたところは厳重にこつんとげんこつくれてやるべきではないかと思うんですがね、どうですか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点、十分わかりますけれども、そういうような形での、何といいますか、罰則ないしは制裁的な発想ではなくて、やはり勧告なり、その勧告に応じない者に対します公表ということは、公表することによって、一つの社会的な緊迫感なり要請というものに基づいて、計画を作成しない事業者も反省をしていただいて、御自分の責任において計画をつくっていただくということでございまして、御指摘の点がないように、やはり指導してまいりたいと思っております。
○原田立君 本当にそういうふうなことがないように、よく指導、監督をしてもらいたいと思うんであります。 本法案の自衛隊の事前出動は、従来の事後出動と異なり、地震予知段階で出動要請を行うことになりますが、このように災害の起こらない状態での派遣先、区域、期間、部隊の規模、活動内容等はどのように考えられているか。
○政府委員(四柳修君) いまお尋ねの点、場合によりましては防衛庁側からの御答弁かもしれませんが、要請をいたします本部長の側という立場で答弁さしていただきたいと思いますけれども、防衛庁の方からもたびたび御答弁申し上げてますように、自衛隊の防災派遣をお願いいたします点は、やはり御承知のようにマグニチュード8程度の大きな地震というものが限られた時間に非常に一斉に起きる。そうしますと関係の地域が非常に広い。その間における混乱も容易でない。そういうことを事前に避けるために、あるいはその準備過程の中での社会的混乱等を避けるために、自衛隊が持っております人員なり機材なり機動力なり、そういったものをやはり防災対策の中で応援をお願いいたしたいということでございまして、具体的にはそれらの点は、関係地方公共団体の防災強化計画を定めますときに、どの段階でどういうことの支援をお願いいたしたいということを一応決めるわけでございます。その場合に、自衛隊側の方も、責任ある方が県の防災会議のメンバーになっておられます。そういう形でそれぞれ情報交換をしながら、それぞれの段階に応じた、いま御指摘のような地域なり、応援活動の態様なり、そういったものが時間も含めまして決められることになろうかと思います。
○原田立君 地震発生後は非常災害対策本部が設置され、警戒本部が廃止されることになりますが、出動中の自衛隊の派遣要請権限者等の関係、また県災害対策本部長——これは知事でありますけれども、その関係は一体どうなるのか。さらに、出動自衛隊の撤収の要請、手続はだれによってどのように行われるのか、その点はどうですか。
○政府委員(四柳修君) 御案内のように、現在の災害派遣につきましては、八十二条に決まっておりますけれども、その具体的な手続は防衛庁の省令等に決まっておりますものですから、やはり今度の場合につきましても防衛庁の省令、訓令等で具体的な詳細が決まると思いますが、いま御指摘の、事前に防災派遣になっているものが災害が起きた場合での切りかえにつきましては、八十三条によります関係都道府県知事の要請というものが直ちに知事から方面総監等に出されて措置がなされると思います。したがって、発災後の撤収につきましては、その知事の要請内容を満たした場合に、知事よりの連絡によって撤収になろうかと思います。 それから発災前で、いわば空振りになった場合でございますが、その場合につきましては、やはり要請をいたしました本部長が関係都道府県知事等とも連絡をしながら、その内容等を見て撤収の連絡等を行うようになろうかと思います。
○原田立君 警戒宣言後生ずるであろう異常な混乱は、想像を絶するものであろうと思うのでありますが、自衛隊と警察との役務関係において、治安と災害救助が混同する懸念が残るのでありますが、実際問題として、この点どのように考えておられるか、その見解をお伺いしたい。
○政府委員(四柳修君) ただいま御指摘の点も、具体的にはやはり当該地方公共団体の地震強化計画の中で支援内容を決めるわけでございまして、いま御指摘の、警察によります関係地域の治安の維持ですとかあるいは交通の規制ですとか、これらの点につきましては、たてまえ上はやはり警察の方の御責任でございまして、そこらの辺につきましても事前に計画等で整備をしておきまして、きちんとしておく予定でございます。
○原田立君 自衛隊の出動するときに、その自衛隊法の法律の中に、何か火器類ですね、火器類なんかも持って行くようになっているやに聞いているわけでありますけれども、今回の事前出動ですね、この場合においてはそういう火器の携行などということはあり得るんですか。
○政府委員(四柳修君) これまた、本来自衛隊の方から御答弁することかもしれませんけれども、かわって答弁させていただきますけれども、現在の災害派遣につきましては、「自衛隊の災害派遣に関する訓令」というものが三十七年に決められまして、それに基づきまして具体的なことが決められております。御指摘の火器の携行につきましては、その訓令の中で、十四条でございますけれども、「派遣部隊等は、火器及び弾薬を携行しないものとする。ただし、救援活動のため特に必要がある場合は、最少限度必要とする火器及び弾薬を携行することができる。」ということが、現在の災害派遣の訓令でございます。その場合に、たとえば艦艇ですとか、航空機等にいわば装着されたといいますか、つけられているものは取り外しができませんものですから、それは除くという仕組みになっております。 そこで、先般来の防衛庁側からの御答弁では、やはり今回の地震関係の防災派遣につきましても、この十四条に準じたような考え方で、火器は携行しないということを御答弁いただいております。
○原田立君 全国知事会提出の法案要綱の主要な内容は、三つの大きな柱からなっているわけでありますが、その一つである地震対策特別事業の実施について各項目にわたって要請されているわけでありますけれども、この点について、どのようにそれを取り上げたか、その点についてお伺いしたい。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点につきましては、この委員会におきましても再三御質疑がございましたように、現在の法案におきましては、第二十九条に「補助等」という形で、強化計画に基づきます施設等の整備につきまして、それが円滑に実施されますよう、「予算の範囲内において、当該事業の実施に要する経費の一部を補助」するということを、一応規定で設けております。
○原田立君 それだけですか。
○政府委員(四柳修君) 現行法案ではそういう形でございますが、この点に関連しました各委員等の御質疑の中で、大臣が御答弁申し上げていますように、この点につきまして関係地方公共団体の指定を終わり、この計画をつくり、それぞれの事業の規模あるいは負担状況等が判明した段階におきまして、関係省庁と十分協議いたしまして、しかるべき措置というものを検討したいということを御答弁申し上げております。
○原田立君 第二十九条の「補助等」いまもお話がありましたけれども、地震防災強化計画に基づく「事業が円滑に実施されるようにするため、予算の範囲内において、当該事業の実施に要する経費の一部を補助し、その他必要と認める措置を講ずることができる。」と、こういうふうに非常に抽象的な言い回しになっているのですね。この二十九条は国庫補助等の助成措置をうたったものと思うが、どうも抽象的な感じを持たざるを得ない。消極的な感じがするわけでありますが、一体その「予算の範囲」また「当該事業の実施に要する経費の一部を補助し、その他必要と認める措置」等々について、具体的には一体どういうことなんですか。
○政府委員(四柳修君) 具体的には、この法案御決定いただきまして、成立後、年内にできれば強化地域を指定いたしたいと考えておりまして、その過程の中で、この強化計画に盛るべき事業あるいは整備すべき施設等がやはり固まってまいります。そういう中で、その概算要求的なものがやはり年度いっぱいかかって一つのめどがだんだん固まってまいるかと思いますが、それらの状況と、当該団体の財政状況等を見ながら検討してまいりたいということを考えております。
○原田立君 もう時間になりましたので、これで質問を終わりにしたいと思うんでありますが、大臣、今回の大規模地震対策特別措置法によって、なお十分内容の充実した体制、予算措置等が講じられるであろう。先ほども指摘したように、計画はつくったけれども五〇%ぐらいのことじゃしようがないじゃないかという指摘をしたわけでありますけれども、その繰り返しになっては相ならない。で、この法案成立に当たっての大臣の御決意をお聞きしたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 衆議院、参議院を通じまして、非常に大きな御関心のもとにこの法案の御審議をちょうだいしたわけであります。また、国民的な関心も非常に強いことでございまして、審議の経過を顧みてみますと、なお不十分な点も相当感ぜられます。特に、事前措置を講じ、それに伴う防災上の施設などについて、一体どの程度予算上見てもらえるのかというようなことについては非常な御関心があったと思いますが、これらは、御説明申し上げたように、県、市町村、それぞれ防災強化計画を立てまして、その事業内容が明確になったところで、関係省庁協力をいたしまして予算措置も講じてまいり、事業の遂行にも当たりたいと、こういうふうに思っておる次第でございまして、この法案を契機として一層地震防災対策の強化を図りたいと思います。
○柄谷道一君 私は、当委員会で大地震対策に関しまして、予知、予報、防災及び応急対策等の視点から過去何回となく質問をしてまいりました。その中で、特に昭和五十年の六月十三日に、当委員会で、大地震に対する特別立法の制定に関し提言を含めて質問をしたわけでございますが、自後三年を経て、ようやく政府が本法案の提出に至ったことにつきましては、率直に評価したいと思います。しかし、その際指摘し、政府も前向きの検討を約束されました地震予知と防災に関する中期計画の策定について、これが確立されたとは聞いておりません。ただいままでの質問に出ましたように、地震対策は各省庁にまたがる多岐な対策を必要とするわけでございまして、これらがいかに有機的に結合し得るかということが成果を上げるゆえんではないか。総合的な中期目標と、これを達成するための年次プログラムというものが必要不可欠であろうと、こう思うのであります。 まず冒頭、今日までその中期計画策定に対して取り組んできたその経緯と、現状及び大臣の所信についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) この立法をお願いするまでの災害については、御承知のように、災害対策基本法に基づいて中央防災会議を中心に活動してまいっておるわけであります。この中央防災会議におきまして大規模地震に対する要綱のできておることも御承知のところだと思います。また、きょうも御質疑をちょうだいしたように、予知につきましては一次、二次、三次と、計画によって行われてきたところでございまして、さらには、この三大都市圏などの震災対策緊急事業計画などもいままでに五十三年度以降で第三次計画になると思うのであります。そのように、その内容等は省かしていただきますが、中、長期の計画につきましては、予知の関係、直接の震災対策につきまして鋭意努めてきたところでございます。
○柄谷道一君 その中期計画の内容が十分であるかどうかにつきましては、多くの委員から質問されましたので、後ほど私の方からは個別にまたお伺いしたいと思います。 そこで、大地震の恐れが非常に強いと言われております静岡県は、本年四月、約二十日間にわたりまして訪中地震視察団を派遣をいたしまして、地震対策の調査研究を行ってきたと報ぜられておりますが、大臣はそれを御存じでございますか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 山本知事から、中国の方へこういう視察団を出すんだということを聞いたことがございますが、その後、その御視察の結果などにつきましては、テレビなどで大規模な地震を受けた実情についての映写は見ましたけれども、報告書等は受けておりません。
○柄谷道一君 国土庁にお伺いいたしますけれども、私はこうした機会をとらえて、事前に県と連携をとって調査内容について打ち合わせるとか、適切な助言やまたは依頼を行うとか、また、調査結果につきましては積極的に国土庁として報告を求めて、これらを今後の対策の資料とする、こういった姿勢が必要ではないか。また、当然そうあるべきではないか、こう思うんでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(四柳修君) 端的に申し上げまして、実は私どもも静岡県からそういうお話を伺いまして、この法律ができ上がっておりますればそういう機会にぜひ行きたいと思ったのですけれども、こういう状況でございますもんですから、政府といたしましては消防庁の職員の方が静岡県と御一緒に行っておられます。
○柄谷道一君 私が、静岡県の正式報告の集約は、県に照会しましたところ七月いっぱいかかるとのことでございます。しかし、新聞紙上四回にわたってこの報告が詳細に報道されております。それによりますと、中国では、地震に立ち向かい、これを征服しなければならぬという意味で、地震対策を抗震と位置づけております。そして中国古来の方法と西洋の方法を結合するいわゆる土洋結合、さらに専門家と大衆の観測の協力ということでの専群結合というものの体制を整え、専門家約一万、これを補助する観測員約十五万、そういう体制を整えまして、しかも予報も長期予報、中期予報、短期予報、臨震予報の四つに区分しまして、それぞれの段階に応じた対策をきめ細かに確立している、こういう趣旨の詳細報告が出されているわけでございます。私は、もちろん中国の予報システムの中で長、中期予報の範囲が広過ぎて、わが国に置きかえた場合に対応が果たしてできるのかどうか。また、中国ではいわゆる直下型地震が多くて陸上での異常観測は比較的につかみやすいわけでございますが、わが国では海底を震源とする地震が多くて、最終的な決め手となる臨震予報のデータが果たして固められるかどうか。さらに、緊急事態の伝達につきまして、わが国のマスコミというものは発達しておりまして、スピードが速いと同時に、逆に大衆の混乱を防ぐために臨震までの情報を押さえることができるか、いわゆる情報管理のむずかしさがあるのではないか。このように、中国とわが国と比較してみた場合、直ちにこのシステムをわが国に導入するということはいろいろ問題があろうと思うのでありますけれども、しかし、少なくとも今後国土庁としては正式報告の提出を静岡に依頼いたしまして、この中でとり得るやはり教訓というものは積極的に生かしていく、こういう姿勢が必要ではないか、こう思うんです。いかがですか。
○政府委員(四柳修君) 御指摘の点、確かに日本と中国の事情の差はございますけれども、やはり学ぶべき点が幾つかあろうかと思います。そういう点、静岡県に同行いたしました消防庁の方の御報告もあろうかと思いますけれども、それはそれといたしまして、やはり消防庁なりと協議いたしまして、静岡県の方からできるだけ資料等の御提出なり御報告をいただきたいと考えております。
○柄谷道一君 私は、大地震対策を考える場合、立法ももちろん必要でございますが、それには四本柱、すなわち一つは予知、一つは予報、一つは中期的な防災、そして四つには応急対策、それが整って初めて地震対策の施策ということが言えるのではないかと、こう思うわけです。 そこで、まず予知の問題について質問したいわけでございますが、私は五十年六月十三日と二十月十二日の二回にわたりまして、予知体制の不備を具体的に指摘いたしました。その際、田島地殻調査部長は、現体制は十分でないと率直に答弁されましたし、本年四月七日にも国土庁政務次官は、今日までの予算措置は十分ではなかったという意味の答弁をされております。 また、昭和五十二年の四月に、地震予知推進本部が「地震の予知はできるか」という本を出しておりますが、それによりますと、「前兆現象を伴わない地震については、全く無力です。また、かなり明確な前兆を伴うものであっても、」「現在の観測体制ではまだまだ不十分であるといわざるを得ません。」「従って、この判定会が最初から十分機能できるわけではなく、仮に、判定を行ったとしても、判定の精度もかなり低いものとならざるを得ません。すなわち、地震の起こる場所、日時、規模等を明確にすることは難しい状況にあります。」こう述べられております。 私は、この法案三十三条に、科学技術の振興を努力目標として定めておりますけれども、これを単なる精神的条項としないためには、この予知に対する中、長期計画を再度見直しまして、飛躍的な予算を裏づけるということが必要ではないか。 五十一年、五十二年度の予知関係の予算は、おのおの三十億円足らず、五十三年度も倍増といいましても五十億円前後でございます。まさにわが国の予算規模と対比いたしますならば少な過ぎる予算ではないか、こう思うのでございます。 前回、政務次官は、長官とも十分話しまして、明年度予算では飛躍的増額を図りたいという決意を述べられたわけでございますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 予知体制を強化する必要性は、これはもうどなたも御同様に認めておるところだと思います。 そこで、予算措置をどうするかという問題でございますが、今後第四次の予知計画も測地学審議会の方から出るようでございますから、それらを踏まえて、御趣旨の線に沿って予算折衝の上に努力をしたいと思います。
○柄谷道一君 本法に関する専門家の反応でございますが、これ新聞の報ずるところによりますと、渡辺気象庁地震課長は、防災面の法案であって観測や予知の現状は変わらないと——新聞ですから真偽はわかりません——書かれております。それから、萩原予知連会長は、行政ベースでつくられたものであって、地震対策一元化のメリットはあると、こう言っております。同じく、予知連の力武先生は、予知体制がないのでがっかりしていると。そこで、この見出しは「「予知抜け」地震法案」「専門家らは、冷たい反応」と、こう報道されているわけでございます。 私は、本法の成立を契機として、いま大臣も予算上努力をしたいとこう言われましたけれども、この地震予知というものに対する基本姿勢そのものを転換をして、いわゆる発想の転換を行って、これらの専門家の批判にこたえることが本法律案の一つの意味ではないか、意義するところではないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 予知体制を整える上におきましては、予知技術がさらに進む必要があるわけでございます。 そういう点からいたしますと、国の各機関あるいは大学、予知技術の開発に鋭意努めておりますし、また、それぞれの立場で各種の観測をいたしておりますから、これらをさらに強化する上におきまして、これからの予知体制に対する長期計画をちょうだいして、そして推進してまいりたいと思うわけでございますが、私は、いまの実情というものが、そういうふうにあらゆる方面で予知技術に対して一生懸命やっていただいておる。そして、それらのものが予知連絡会へ総合される、情報の交換が行われる、こういうような形で進んでいくことは、いまの日本の実情からしてこれが必ずしもまずい体制ではないと思うんですね。こういうような体制の中に、さらに進んで、先ほどから御質問がありあるいは御批判のある向きにこたえて、さらに一層予知体制の強化を図る、こういうことがいいんではないかと見ておる次第でございます。
○柄谷道一君 私は、これ時間の関係もありますので、前回の質問を重複いたしませんけれども、いま大臣の言われました予知連そのものについても、予算がきわめて少なく、かつ専従の体制でもない。これに対する常任といいますか、そのスタッフの数もきわめて乏しい。こういう点が多くこの予知連の先生方自体から意見が出ておるわけでございます。この点につきましては、前回の質問をもう一度速記録等によって目を通していただきまして、大臣、ぜひその飛躍的拡充について御努力を願いたいと、こう思うわけです。 次に、この法案の第一条、目的には、地震観測体制の整備その他地震防災体制の整備、地震防災応急対策に関する事項について特別の措置を定める、こうなっているわけでございますが、これらは地震防災対策強化地域に指定されたところに限られていると理解すべきでございますか。
○政府委員(四柳修君) 応急対策等につきましては、その前提としまして強化地域の指定があるわけでございますけれども、強化地域の指定をいたします場合の、やはり全国的な長、中期視野から見ました異常現象といいますか、そういったことは、やはり全国的な視野で選定をいたしませんとできませんものですから、それを前提に全国的視野で考えております。
○柄谷道一君 そうすると、確認いたしますが、第四条の観測、測量の実施強化につきましては、これは地域を指定する前提でございますから、したがって、これは、いわゆる全国規模においてこれらの充実強化が行われる、こう理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(四柳修君) 第四条の規定は、強化地域指定後の観測、測量の強化という点でございまして、その前段の全国的視野の中から強化地域を選定するためのこれらの観測、測量の強化ということが、三十三条の「科学技術の振興等」という形で御理解いただきたいと思います。
○柄谷道一君 大地震が起きた場合、最も甚大な被害が予想されるのは、いわゆる大都市でございます。したがって、地域が指定されまして、その後詳細なデータをとるための観測体制の強化は当然これは必要でございますけれども、特に大都市災害を防止すると、この視点に立って、やはりこれらの体制につきましては、地域を余り小範囲に限定せずに、その観測強化の体制を推進していただきたいと、こう思います。 そこで、本法でいう大規模地震とは、マグニチュード幾ら以上のものを指しておりますか。
○政府委員(四柳修君) 現在の技術水準では、マグニチュード8程度を前提としております。
○柄谷道一君 日本の主な地震災害年表を見ますと、一八五四年の東海、東山、南海諸道地震以来、マグニチュード6・9以上の地震は十六件記載されております。しかも近く関東大地震以降の昭和に入ってからは八件ございます。しかし、そのうち、いま言われましたマグニチュード8以上の地震は七件でございます。しかし、この内容を見てみますと、マグニチュード8以下であっても多大の死者と損害を出した地震が数多くございます。決してマグニチュードの大きさと被害の大きさとは比例いたしていないということを、過去の地震の統計はこれを示しております。これはもう御承知のところであろう。ということになりますと、たとえば福井地震、マグニチュード7・2でございます。しかし、その地震によって起きました被災は、死者三千八百九十五人、全壊三万五千四百二十戸、焼失三千九百六十戸というように、マグニチュード8以上の地震よりもより大きな被害というものが出ておる。私は、こういう事例を見ますと、地震につきましては、地域の地盤の強弱、さらに都市環境によりまして被害は大になるということを過去の統計はあらわしていると、こう思うわけです。 いま、8程度以上が大規模地震だと、こう言われたわけでございますが、マグニチュード8以下であれば、石油タンク、高圧ガス、鉄道などの安全管理は大丈夫だという前提に立ってその規模を考えられたわけでございますか。
○政府委員(四柳修君) この点につきましては、現在の技術水準では、東海地域のような観測強化地域につきまして、観測機器等の集中によって、マグニチュード8程度の地震ならば空振りすることはあっても見逃すことはない。したがって、予測することはできるという前提に立ったわけでございまして、その後の専門家の、たとえば衆議院におきます参考人の御意見等によりまして、やはり技術の専門家の方々は、できればマグニチュード7程度までを目標にしてやりたいと。ただ、その場合でも、いま先生御指摘のように、その地域の地質構造によって必ずしもとらえられないところがある。たとえば南関東の場合でも、やはりマグニチュード7程度の地震が起こる危険性が言われておりますけれども、江東地区におきましては、やはり地下六キロにわたっての堆積層がございます。その六キロ下の地殻というものを、いまの技術では、直接予知するような変動をとらえることは非常に困難でございます。それらの点がやはり今後の課題としまして、いま先生が例に挙げられましたような各地域の、より規模の小さいものについての地震の前兆現象の把握というものが、今後の課題ではないだろうかと考えております。
○柄谷道一君 私は、現在の予知に関する学問的な問題が未完成だと、よってマグニチュード8程度以上というところに一応の目安を置いているという、その事情は実態としてはわかるわけでございますが、たとえば昭和二十年に起きました三河・渥美湾北岸の地震は、これはマグニチュード6台でございます。しかし、その被害の程度というのはきわめて大きいわけですね。したがって、私は、8というものにつきましては、行政当局の姿勢としてそれでいいんだというのではなくて、より予知観測の学問的な助成、補助によって、少なくともマグニチュード7、もっと理想的に言えば、それ以下の地震についても予知が可能であるという体制を目指した一つの行政思想というものがなければならない。そうしませんと、これは大規模地震が起きる、それが8以下であっても被害はきわめて大きいことが予測されながら、この法案のいわゆる対象にならない。そして結果として大きな被害というものが国民の上にかぶさってくる、こういうことを繰り返していくんではないか、こう思うのです。大臣、そのような姿勢で積極的に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 柄谷委員のおっしゃるとおりだと思うのであります。いま、確率があるという点ではマグニチュード8ということを申し上げておりますが、気象庁あるいは科学技術庁の方におきましても、マグニチュード7程度は予測したい。そこまで早く技術を持っていきたいということは、柄谷委員のおっしゃっているとおりでございます。なおまた、法律上はこれはもうマグニチュード8を予知するのだということを書いておるわけではないんで、予知体制を強化いたしまして、速やかにマグニチュード7程度以上のものが予知のできる体制に持っていきたいと思います。
○柄谷道一君 ぜひ、そのように御努力を願いたいと思います。 次に、予報情報伝達の問題について質問いたします。 いまも指摘いたしましたように、予知が学問的に未完成な領域に現在なおある。そのことに加えて、その研究成果の水準について、国民は正確な理解と判断がまだ欠けている。この上に社会心理学的な配慮というものが、研究が十分に進んでいない。こういった事情を考えますと、いわゆる情報パニックというものを起こしやすい状態にあるということは、ここで考えておかなければなりません。 科学技術庁の委託を受けました未来工学研究所が、静岡県下の三市一町のアンケート調査を行っておりますが、直前予知情報が出ると、九割は地震は必ず来ると信ずる、こういう結果が出ております。しかもその信じた人がどう行動するのか。自宅にいる人が火の始末をやるということは、これも結構なことなんですが、いわゆる逃げ出す、持ち出し品の準備にかかる。さらに職場にいる者は、先ほどの質問にも出ておりましたけれども、家族への連絡と帰宅をまず第一に考える、こういう結果が出ているわけですね。 また、読売新聞、毎日新聞等の全国世論調査を見てみますと、そのために電話に殺到する。電話回線がパンクする。そこで情報不足がその間に出てくる。さらに、マイカーの避難規制については反対が多くて、緊急車以外の通行禁止は認めるべきであるとする者が三〇%以下であって、多くの者はやはり車を利用して家に帰り、かつ外に避難するというためにマイカーを使わせろと主張をしておる。これが率直な国民の意識なんですね。ということは、私は、パニックが起こる可能性はきわめて強いということを現状は物語っているんではないか。 そこで私は、今日までにも当委員会で、社会心理学的な研究を充実させる必要があるということを再三指摘してきたわけでございますが、どのような予算措置でいままで研究を進められてきておりますか。
○説明員(清水眞金君) 先ほども御説明申し上げましたところでございますけれども、地震予知情報伝達システムに関する研究という研究の一環として、いま先生の御指摘になりました研究を進めているわけでございます。この研究は二年間で約四千万円の予算でございます。それで、御指摘のように、この研究の推進に当たりましては、社会学者、たとえば名古屋大学の島津先生あるいは東京外語大学の安部先生とか、いわゆる社会学者の協力を得て進めているわけでございます。この研究の中におきましては、情報伝達をより的確にするにはどうしたらいいか、さらにその伝達すべき内容とかあるいは方法あるいは頻度、そういうものをどういうふうにすればいわゆるパニックが起きないようにきちんと伝えることができるか。さらにもう一つ大事なことは、事前に情報が出た場合にこういうふうなことをすべきであるとか、あるいはこういうふうな情報が出るんだと、あるいは出た場合にはどういうふうなことをやってくださいというふうな事前のPRが非常に大事なわけでございますが、そういうふうな事前のPRをどういうふうにしたらいいかということにつきまして、さらによりよいシステムを確立したいという目的でやっておるわけでございます。 先ほど先生が御指摘になりましたアンケート調査も、この研究の一環として静岡県下で行われたものでございます。この結果につきましては、とりあえず五十二年度の分に関しまして早急に取りまとめ、さらに全体を、五十二、五十三年のものが終わりました段階で、最終的なものを取りまとめるというふうに考えているわけでございます。
○柄谷道一君 当局に資料を求めたところによりますと、「予知情報の社会・経済に与える影響に関する調査」これに対する予算は昨年度わずか二百六十万円と聞いております。そこで本年度はどうかということでございますが、災害対策総合推進費約一億円の中に包括されておって、その内容についてはまだ定かでない、こういう答えでございます。私は、総合推進というものはきわめて非常に必要ではございますけれども、少なくとも伝達に関する研究、そしてそれを今後の伝達の方法の中に取り入れていくということはきわめて重要でございますから、少なくともこの一億円の一割以上のものは研究に投ずる価値あるものではないか、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(四柳修君) ただいまの先生がお挙げになりました数字は、実は私ども国土庁の方の関係の部分だけだろうと思います。先ほど科学技術庁の方からも御答弁申し上げましたように、科学技術庁にございます特別研究促進調整費もありますものですから、やはりせっかく科学技術の方でこういった御調査をいただきまして、法律成立前でございますけれども、やはりいま御指摘のような幾つかの問題点もあろうかと思いますから、関係省庁とよく協議いたしまして、私どもの方の予算ばかりでなくて、全体の中でやはりそういったものについての充実を考えてまいりたいと思います。
○柄谷道一君 まあ私くどく申しませんけれども、予知とあわして予報、情報伝達というのはこの法案のいわゆる柱なんですね。この方法に的確を欠くということになりますと、これはもうパニックが起こる、これはもうわかり切っているわけです。今日までも研究を進められていることは承知をいたしておりますけれども、やはり充実した研究を、しかも時期を早めていただきまして、せっかくこの法案ができたわけですから、その方策というものが一日も早く確立されるということこそ必要であるということを指摘いたしておきたい。 そこで私は、最近政府が「地震予知とあなたのくらし」こういうパンフレットを出されましたり、それから映画館で休憩時間を利用してスライドで防災の心得をPRされている、そういった努力については評価いたします。しかし、現在は活字文化と映像文化が同居する時代でございます。しかも映像を通じてのPR効果というものが非常に大きいというのが現在の世相ではないか、こう思います。中国ではパンフレットやポスター、スライドのほかに映画を作製いたしまして、地震の危険あると思われる地域で——これ三地区と言っておりますが、三千六百回にわたる映画会を開催をした。しかもさらに、文芸活動にも地震教育を織り込んだいわゆる目で見る教育、しかも興味深い教育ということでそのPRを徹底し、これが大きな成果があったと、これも静岡県の報告の中には記載されているわけでございます。きわめてこれ重要な問題でございますので、映画づくり、映像を通じての情報、いわゆるその教育、こういうことに対して配慮されるお気持ちはございませんか。
○政府委員(四柳修君) 中国の例をまつばかりでなく、先生御指摘の予知、予報あるいは防災応急対策、それぞれの一連の問題につきましての常日ごろからの国民一人一人の理解なり御協力がなければ、やはりこの対策というものが円滑には行われないと思います。現在、政府の方におきましては、ただいま先生映像ということを中心におっしゃいましたけれども、総理府の広報室関係でのテレビ番組、あるいは消防庁関係でのテレビ、ラジオその他、さらには科学技術庁の関係の映画の貸し出しとか、そういったものがございますほかに、あとは活字文化としまして総理府、消防庁、科学技術庁あるいは私どもと、それぞれ壁新聞なりあるいはフォトなりいろんなものを出しておりますが、せっかくこの法律ができましたことを契機にいたしまして、これらのものをやはり一つの何といいますか、いまおっしゃいましたような各対策についての理解なり、もっと言えば、各省庁いろいろそういった企画内容等もよく交換していただきまして、ある程度反復できますような形をやはり協力して研究してまいりたいと思います。
○柄谷道一君 ぜひ、この総合的な検討をしてもらいたいと思います。 それから、官庁がつくる映画とかテレビというのは、本当におもしろくないんですね。テレビというのは見る権利もありますし、スイッチを切る権利も聴視者は持っているわけでございます。まあお役所のおもしろくない映像という意味じゃなくて、国民がやはりそのことに対して関心を持ち、そのことに対して興味を持ちながら地震対策の重要性を知る、こういう配慮が必要だと思いますので、ぜひこの問題についてはやっぱり専門家等の知恵もかりられて、かた苦しい官庁映画でないような一つの企画を、ぜひこれは進めていただきたい。 そこで次に、防災問題について質問をいたします。 私は前回、四月七日、都市防災問題について質問をいたしました。しかし、都市計画というものにつきましては、土地利用の再編成とか建物の不燃化、都市改造、人口及び大都市機能の分散、再配置、さらには市街地の改造、建築物の不燃化、オープンスペースの確保など、これはきわめて時間を要し、かつ膨大な資金というものを要するわけでございます。これはこれなりに年次計画的な整備をぜひ図っていただきたいと思いますが、これは前回の質問で取り上げましたので、重複することを避けます。 そこできょうは、そのような長期で、しかも膨大な予算を要するという点も配慮して、国土庁が考えているミニ防災拠点、公式には地域防災基地計画と、こう言うのだそうでありますが、それについて御質問をしたい、こう思うわけです。 私の承知しておるところによりますと、五十一年、五十二年の二年間にわたって国土庁で調査をしてきた。その内容は、面積一ないし十ヘクタール、この役割りは平常時においてはPR、教育等の施設とする。災害時においては、第一に情報伝達の拠点。第二には水、食糧、衣料品、それから血液、衛生材料等の備蓄基地。そして第三には避難時における中継基地という役割りをこの拠点に与えていこうではないかと。形としては公民館のようなものを考える。こういう発想のようでございますが、何とこれに対する予算が、四億五千万円大蔵省に要求して、認められましたのが二億五千万円にしか過ぎない。一体二億五千万円ぐらいの予算でこのミニ防災拠点が何カ所つくられるのか。これはいわゆる計画はあっても実行を伴わずというのが現状の実態ではないか。そこで今後、川崎、大阪市から事業をやりたいという希望があるので、何らかの補助をしたいということでありますけれども、これを全面的な国の事業にするかどうかについてはこれからの決定にゆだねられているなどなど、この計画は余り大きな進展をしていないというのが実態であろう。私は、都市計画というものが完成する一つの過渡的な姿として、このミニ防災拠点というのはきわめて大地震に対して大きな役割りを果たすものと評価をしておるという立場に立って、以下数点について御質問いたします。 まず第一に、五十一、五十二年の両年度にわたって調査してきた構想を今後満たすためには、現時点でどれぐらいの予算が必要と国土庁は考えておられますか。
○政府委員(国塚武平君) 地区防災基地のお尋ねでございますが、先生御指摘になりましたように、五十一年度、五十二年度と地区防災基地計画につきまして、機能をどのように考えるか、あるいは施設構成をどのように考えるかということを中心にして検討をしてまいったわけでございます。この地区防災基地が果たします役割りにつきましては、先生が御指摘いただきましたようなことでございますが、大都市におきましては、広域避難緑地に至ります間にどうしてもこのような施設を設けることがきわめて実際的であり、また効果があるという考え方に立っておるわけでございます。 そこで基幹的には、先生御指摘になりました数ヘクタールの防災広場を確保する問題がございます。この広場は、大都市の例をいろいろ調べてみますと、相当数の配置が必要なわけでございますから、この防災広場の整備につきましては、建設省の協力を得て都市公園の整備事業の中で整備を進めていただく。また、工場跡地等の買い取りというようなことで用地の確保に、都市開発資金等を活用して確保していただくということが一番であろうかと思っております。 それからその中に、先生おっしゃいました防災センターをつくるわけでございますが、その防災センターはそういう役に立つような防災施設とか、無線施設とか、備蓄倉庫とかいうものを中に収容した建物の建築が必要なわけでございますが、さらには、必要に応じまして消防や警察官署も一緒に入ることが望ましい。また、災害時に活躍されます要員の住宅もできればほしいと、こういうことになるわけでございますが、先生が御指摘になりました五十三年度に予算化いたしました災害対策総合推進調整費の中に関係費を計上いたしておりますが、本年度は二市で実施ができる程度のものでございます。私どもはそれを全国的な大都市に広げていきたいという希望を持っているわけでございますが、この事業の推進はやはり事業官庁が一体になってやっていくということが必要でございますので、私どもの方としましては、五十三年度はモデル的にこういう施設が有効だということをわかっていただく。また公共団体にも理解をしていただく。私どもが調査しましたところでは、各市とも相当強い要望をお持ちでございますので、こういうモデル事業を推進する中で、先生が御指摘になりましたような今後の地区防災基地の多角的な建設を進めていくときの手法でございますとか、あるいは全体計画をどうとらまえるかということをやっていきたいということでございまして、先生御指摘のとおりでございます。まことに過渡的なものでございますが、今後そういう方向を目指しまして努力をいたしたいと考えているところでございます。
○柄谷道一君 大臣にこれお伺いいたしますけれども、現在大都市における地域共同体的なコミュニティーというものは崩れつつございます。地域連帯の考え方が失われている中で、いま言いましたようなミニ防災拠点をつくっていこう。そのためにはモデル的なものをつくり、大いにPRするということももちろん必要でございましょうけれども、これは防災という立場に立ちますと、きわめて有効な手段なんですね。そこで大臣に、これは国土庁だけの問題ではなくて、建設、厚生、農林、消防、警察、科学技術庁など関係する諸官庁でひとつプロジェクトを組んでいただきまして、やはりこれまた中期的な計画ですね、そしてこれをやりますと相当地方自治体でも負担をしなければならぬわけでございますから、国の直接事業とするかどうかについては問題があるとしても、相当思い切った助成措置というものを加えていかないと、この計画は全国的規模で発展をしていかないと、こう思います。その点に対して、大臣としてのひとつ今後の御努力を期待するものでございますけれども、御所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 柄谷委員からただいまのような御趣旨の御発言、まことに私としてはありがたい次第でございます。先ほど御答弁申し上げたようなモデル事業として進めておるわけでございますが、そのねらいとするところは、今後の防災上きわめて肝要なことだと思うのであります。今後関係省庁と十分協議をいたしまして、地区防災基地とも言うべき全体計画を樹立いたしまして、その整備を進めるように、もうただいまの御意見のとおり踏まえていきたいと思います。
○柄谷道一君 ぜひ、そのようにお願いをいたしたい。 次に、二十九条に国の補助規定がございますけれども、その内容は明らかにされておりません。そこで三月二十二日付の新聞を見ますと、「地震対策強化地域に指定された都道府県、市町村に対する国庫補助率を、公共施設などの耐震構造化促進のため通常より上積みすることが全国知事会などから要望されていた点は、見送られた。」と、これは真偽はわかりませんが、報道されております。私は今後全国知事会がこれらについて具体的要求をまとめた場合、これを尊重して対処するということの大臣の御確約を賜りたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) この法案の成案後に、県段階、市町村段階における地震防災強化計画がつくられまして、その事業内容や事業量が確定してまいりました段階におきまして、それをいかに実現化していくかということについて、関係各省庁と十分協議をし財政措置もしてまいりたい、こういうことを繰り返しお答え申し上げておる次第でございまして、一体どの程度の内容のものが出てくるかということが十分推定ができない段階でございますので、そういう順序を踏みながら、地震防災対策の強化に努めたいということを申し上げておる次第でございますが、必要なことでありますので、関係各省庁との間で十分対策を強化していきたいと思います。
○柄谷道一君 次に、損失の補償に関してでございますが、次のような評論がございます。「損失の補償に対して、法案要旨は二枚腰の〃逃げ道〃を用意している。第一に、行政機関、指定公共機関に策定させる緊急計画、防災上重要な民間施設に作成させる大地震防災計画、住民の責務規定の実施を文言上は義務づけている。だが、〃違反者〃への罰則規定はなく、この「義務づけ」は強制力をもたない。」よって補償の必要はないんだと、これは一つの逃げ道ではないか。「第二に、〃違反者〃に対して市町村長、都道府県知事が行う働きかけは「要請」や「勧告」であって、「命令」ではない。」このような二枚腰のいわゆる逃げ道をつくっておりまして、「現行法制の建前からいえば、強制力の裏側には賠償義務が伴うのが原則」であるので、この問題をすりかえているんではないかという批判がございます。これに対してどのようにお考えですか。
○政府委員(四柳修君) いろいろの御批判もあろうかと思いますが、この法律におきましては、たてまえ上地震予知が外れた場合には、あらかじめ定めた防災応急計画に基づきます地震防災応急措置を実施した者がこうむった損害につきましては賠償をしないということにしていますけれども、その理由は、地震防災応急計画の内容というものが、警戒宣言が発せられた場合に、その事業の実施あるいは施設の管理等を行っている者が当然実施しなければならない、いわば措置といいますか、義務というものを事前に計画の形で自主的に定めておいていただきまして、そういったいわば内在する義務というものを顕在化したということでございまして、その損失は当然計画実施者が負うべきではないだろうかという点が一つでございます。 あわせて、地震予知情報あるいは警戒宣言を発します国の側に故意、過失、違法性といったことがないことが一般的に考えられますけれども、すなわち、現在の技術水準に基づきまして出されます予知情報というものは、最高のいわば技術水準によって裏打ちされたものでございまして、そのことによって多くの人命、財産を地震災害から救い得るという、いわば高度な公益性というものを前提としているという考え方でございまして、そういう点で、御批判は御批判として承りますけれども、一つの仕組みを考えたわけでございます。
○柄谷道一君 逃げのための対策ではないと、こう言われるわけです。とすると、いままでの質問にも出たわけでございますが、私は人の性善なり、勧告をし要請をすれば大地震災害の重要性を認識して必ずそうしてくれるであろう。それは期待として持つことはいいんですよ、しかし、なかなかそのとおりいかないというのがこの現実の社会なんですね。したがって、私は今後これらの反社会的な人々または団体に対しては、ある程度これを規制し得るという法的な力というものを備えていかなければ、なかなかこの計画、せっかくの立法というものを有効に発動さしていくということがむずかしいのではないか。これはいま直ちにと私は申しませんけれども、今後の施行状況を踏まえてこれらのものについてもやはり必要に応じて検討してもらいたい、こう思うんでございます。 そこで次に、時間もありませんので、私は地域防災応急計画を策定するに当たりましては、特に病院、デパートなどではかなり判断に窮する場合が出てこようと、こう思うわけでございます。したがって、これについてはきめ細かな行政指導を積極的に行っていく、彼らに計画をつくらすということをゆだねるのではなくて、やはり積極的な指導というものがこれに伴ってこなければならないと、こう思います。 また、前回も指摘したんでございますが、仮に東京に関東大地震程度の被災が起きました場合に、日本都市センターは数十万の死者と約四十二万人に及ぶ重軽傷者が出るであろう、こういうことになりますと、先ほど指摘いたしましたミニ防災拠点の整備も必要でございますけれども、毛布、衛生材料、食糧、こういった点の備蓄体制というものをやはり計画的に整備していくということがきわめて必要なのではないか。こういう問題に対しても国のやはり補助、助成というものが当然強化されてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(田中和夫君) いまお話のございます病院とかデパート等を含めまして、一定規模以上の建物については、現在でも消防法で消防計画をつくらなければいかぬということで、消防計画の中に、地震が発生いたしました場合のいろんな対策というようなことを規定さしておるわけでありますが、これにつきましても細かい指導マニュアルをつくりまして、いままでも指導をしてまいってきておるわけでございます。今度この地震防災応急計画という事前の対策、警戒宣言の発令から地震発生までの間の事前の対策を規定させます場合にも、たとえば収容者の避難誘導の問題とか、あるいは救護を必要とする者の応急処置の問題とか、あるいは火器設備の点検の問題とか、いろいろ項目に分けて、こういうふうな規定を置いたらどうだ、それぞれの事業の特殊性もございますが、こういうことを検討し、こういうことを盛り込むべきではないかというきめの細かいマニュアルを作成して指導してまいりたいと、こう考えております。 そのほか、その次に御質問のございましたいまの備蓄関係の問題もございますが、そういった備蓄関係につきましても、現在地域防災計画等で毛布がどこにどのぐらいあるかというようなことは押さえておるわけでございますけれども、これを、こういう大震災等を想定しまして、さらにより確実に、もっと多方面に検討させまして、しっかりした計画をつくらしてまいりたい、こう考えております。
○柄谷道一君 時間が参りましたので、もう一問にとどめます。 私は、ただいままでもいろいろ指摘してきたところでございますけれども、本法案が成立いたしましても、それは決勝点ではなくて出発点でございます。今後この法案の成立を契機として、予知体制の充実、そして予報に対する技術、いわゆる手法の確立、さらに中長期的な都市防災対策及び応急対策の問題、これらはいずれも今日までも進められてきましたけれども、より新たな決意をもってこの本法案成立と同時に再スタートするというところにこそこの立法の意味があって、法案ができたからこれで地震対策は完璧なりというものとは決して言えないというのが率直な実態であり、また、立法の趣旨もまたそこにあるのではないか、こう思います。そこでこれらの体制づくり、そして予算の飛躍的な拡充、このことに対しては、従来決して放任されたとは指摘いたしませんけれども、発想を新たにその充実を期すということが何よりも必要であると思うわけでございます。大臣の御決意をお伺いいたしまして、ちょうど時間となりましたので、私の質問を終わります。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御指摘は、まさに私どもの新たな決意を要するところでございまして、いろいろ御注意をいただいたり、あるいは具体的にお話をちょうだいいたしましたが、この法案成立後に、ただいまの御趣旨の線に沿いまして、私ども関係者十分な努力に努めてまいりたいと思います。
○柄谷道一君 終わります。
○理事(村沢牧君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会