外務委員会 第23号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/05/30
会議録
○委員長(安孫子藤吉君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 この際、参考への出席要求に関する件について、お諮りをいたします。 航空業務に関する日本国とイラク共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件審査中、必要に応じ、新東京国際空港公団の役職員に参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安孫子藤吉君) 御異議ないと認め、さように決定をいたします。 ―――――――――――――
○委員長(安孫子藤吉君) 航空業務に関する日本国とイラク共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○戸叶武君 この協定に関しては、衆議院で非常に慎重審議されたので、参議院ではそれに従って簡略にという意見本ありましたが、何しろあのように成田空港における異常な出来事もありますし、成田空港が開かれたらばすぐにというようなお話もあって、この協定は幾つかの国からの要請かあったか、イの一番にイラクということになったんだということですか、えらく骨が折れた事件でしたけれども、これから安全かどうかということも心配なので、その点を含めていままでの経緯において各国とのそれとそれほど違わないものとは思いますが、イラクを特に早く選んだ根拠はどこにあるのですか、承りたいと思います。
○政府委員(愛野興一郎君) まず、イラクと航空協定を締結するに至った理由は、もう先生御承知のように、一九七二年十二月以来イラク共和国から申し入れがあったのを、羽田の逼迫した事情から今日まで再三にわたり向こう側は要請をしておったわけでありますが、延び延びになってきておったわけであります。 先にイラクと締結した理由といたしましては、日本・イラク間の経済及び経済協力関係の重要性、それから両国間の航空輸送需要が定期航空業務の開設を正当化するものであること、年間約六千人のイラクからの需要があるわけであります。また、わが国際航空企業もイラクへの乗り入れ計画を有しておるというようなことを考慮いたしまして、今回、他国に優先をいたしまして日本・イラク間の航空協定を結んだ、こういうわけであります。
○戸叶武君 去年の十二月に仮署名をして、ことしの三月バグダッドで本署名をやり、三月三十日からというのがおくれて今日に至ったのですが、イラクからの航空便はいつから事実上開始されておりますか。
○説明員(山田隆英君) イラク航空は四月の二十二日から東京へ週一便乗り入れております。
○戸叶武君 イラクからは週一度でしょうか、二度ですか。日本航空はヨーロッパ便が一度寄るということですが、それも一度寄るのでしょうか、二度寄るのでしょうか、それはどうなっておりますか。
○説明員(山田隆英君) イラク航空は週一便でございます。 それから、日本航空に、現在、南回り欧州線というのを週五便やっておりますが、ことしの秋ごろから、そのうちの便もしくは二便をバグダッドへ寄港させる予定にしております。
○戸叶武君 政務次官の御報告によるとお客は六千人の予想といいますか、いままでは五千人前後というふうに予想しておったのですが、六千人と上乗せしたのは、現在においてそういう五千人を突破して六千人に至る公算があるのでしょうか。
○説明員(山田隆英君) 日本とイラク間の航空輸送需要につきましては算定の根拠がいろいろあるわけでございますが、一応、従来の直接の航空路がなかった時代、日本からイラクへ行く人及びイラクから日本へ来る人がどれくらいあったかということを見ますと、一九七五年に約二千二百人、それから一九七六年に四千人、一九七七年に約四千七百人となっております。この傾向が続きますと、ことしはさらにふえるであろうということ。さらに、それからまた直通航空路か開かれることによって従来の傾向以上にふえるであろうというようなことを勘案いたしまして、大体、本年は六千人程度ではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
○戸叶武君 航空協定の際に、いつも問題になるのは、日本とアメリカとの航空協定の条件のアンバランスな面をとういうふうに是正するかということがいままでも懸案になっているんですが、それとこれとは違うとは言いながらも、やはり航空協定というものをノーマルな形において是正していかなければならない段階に来ていると思いますが、それに対しては当局はどのように対処しようと考えておりますか。
○政府委員(中島敏次郎君) お尋ねの日米の航空交渉につきましては、御指摘のように、日米間の航空権益の不均衡というものが存在しておるというのがわが方の立場でありまして、この不均衡を是正するために、昭和五十一年十月以来、累次にわたる交渉を行ってきております。最近におきましては、ことしの三月十五日から約一週間ワシントンにおきまして第六回目の協議を行った次第でございます。 しかしながら、まことに遺憾なことでありますが、いままでのところ、その不均衡是正のための交渉の妥協には至っておらないわけでございますが、前回までの交渉において明らかになりました双方の立場をお互いにそれぞれ検討して、ことしの秋に改めて交渉を再開するということになっております。政府といたしましては、来る秋の再開交渉におきまして、何とかこの不均衡の是正のために全力を挙げたい、毅然とした態度で交渉を続けたいというふうに考えておる次第でございます。
○戸叶武君 その交渉の難問題になっている点は、一言にして言えば、どういう点ですか、以遠権の問題ですか。
○政府委員(中島敏次郎君) まず、現在の航空権益の不均衡と申します点につきまして、私どもといたしまして主として三つの点で不均衡が存在すると考えております。 一つは、まず路線権につきまして、アメリカ側の企業が米国内の十一の地点からわが国に乗り入れておりますけれども、わが企業は米国内の七地点にしか乗り入れられていない、こういう点が第一点であります。 それから第二点といたしまして以遠権の問題でありますけれども、米側の企業はわが国から無制限の以遠権を認められている。これに対してわが国の企業はニューヨーク以遠欧州の以遠権しか認められていないというのが現状であります。 第三の問題といたしまして、輸送力の問題につきまして、基本的に輸送力は各航空会社の判断にゆだねられているために複数の企業を有する米側に有利な状況がある、こういうのが主たる問題点でございます。 ところで、この三月の交渉におきましては、これらの不均衡の問題を勘案しながら、かつ、当面、成田の新空港におきますところの離着陸の能力、枠が向こう三年間ぐらいはほぼ拡大しない、現状から余り変わらないという事態を前提におきまして、その三年間程度の暫定的な取り決めをつくって、そこでわが方の若干の米側地点への乗り入れを認めさせることによって暫定的な取り決めをつくろうということを交渉したわけでございます。しかしながら、アメリカ側では成田の空港における増便枠の明確な保証を欲しいというようなこと、また、さらにはもっと基本的にアメリカ側はチャーター便の自由化とか低運賃の実現という政策の変更を求めておりまして、ついに暫定的な取り決めに関する三月の交渉は妥結に至らなかった、こういう状況でございます。
○戸叶武君 航空協定の問題で、日本とアメリカには過去の経緯もあるでしょうが、余りに不均衡な状態が是正されないまま放置されておくと、今後において日本はアメリカに対しては非常に卑屈たが、よその国に対しては非常に強い要求を出しているおかしな国だという印象を私は受けないとも限らないと思うのですが、見通しはどうですか。
○政府委員(中島敏次郎君) アメリカ側の航空政策は日本に関するのみたらず、グローバリに世界どの国に対しても非常な自由化という立場に基づいた航空交渉を行っておると理解いたしておりまして、そういう意味で、たとえばいま申しましたチャーター便の自由化とか、それから低運賃の実現などという点につきましてはそれぞれにメリットがあるとは言うものの、わが国といたしまして、そういう徹底した政策に踏み切るためには相当の問題点と時間が必要でありますし、そういう意味でアメリカ側との交渉妥結がそう簡単でないという、また従来の権益の不均衡の是正の点につきましても、彼我の市場がそう簡単に接近し得ないという事態がございます。 しかしながら、わが国といたしましてに、アメリカもことしの秋に交渉を再開するということに同意している次第でもございますし、今後とも、この不均衡の是正、日米間のその交渉の妥結に向かって最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
○戸叶武君 この不均衡の是正というものは、たかだか過去のいろいろな実績の経緯もあって一朝一夕には簡単にいかない面もあるかと思いますが、アメリカはグローバルな時代において世界に向かって関税障壁を設けないように自由化の方向へ積極的に取り組めという命令をしておりながら、自国においては必ずしもそうではない。 貿易関係の不均衡是正のために、日本がドルを蓄積し過ぎるからドル減らしをやれ、アメリカの穀物か余っているから日本では麦なんかつくらないてアメリカの麦を買え、肉の方もそうだ、果物もそうだ、黙っていりゃ際限ない一つの他国に対する干渉がましいことをやる。そのときの大義名分は自由化を守ることだと言っておりますが、日本の歴代内閣が余りにも卑屈にアメリカの言うなりになってきたので今日の事態を招いてきたんじゃないかと思うんです。 私は、いまでは岸さんは評判が芳しくないけれども、総理大臣になった当初のときのダレスとの交渉に乗り込んだときにははっきり物を言っているので、私はやはり岸というのは頭がいいだけじゃなく腹もなかなかできた男かなと錯覚を感じたほどでありますが、そのときに岸さんの言った主張というものは、第一に、日米間の貿易のアンバランスを是正してもらいたい、このアンバランスを是正しないと日本の経済は立ち直らない。それから、貿易関係の不均衡の是正だけでなく、たとえば日本においては輸送に必要な船腹もある。アメリカからの品物をアメリカの船で送って、そうして往復ともやるというのでなくて、少なくとも帰りには日本の船を使うとか何とかという形において、日本の貿易外収入としての船の問題も考慮してもらいたいと、具体的に列挙して日米間の不平等の是正ということを説いたんです。 そのとき、ダレスという男と、あれはダッチ系統ですから、岸さんを見ると、片方は何か山口県あたりの小人のような感じで、片方はダッチ特有の大柄な男で、スズメがタカに見おろされているようなかっこうで、これじゃ岸さんも体の改造をやらないうちはなかなかダレスと取り組めないんじゃないかとすら私は感じたんです。 しかも、私はちょうどセネター・グリーンとセネター・ワイレーが外務委員長をやっていた関係で知っておりますから、案内で国会の中で聞いておりましたが、国会だけでなくて、ニューヨークの日米協会においても、あるいはプレスクラブの演説においても、岸さんのは、いままで私はアメリカを訪問した列国の首脳者の中であれほどシャープに物を表現できる人は少ないんじゃないかと、そのときに岸というものも捨てたもんじゃないなと思っておりましたが、いつの間にか岸さんも向こう岸の方へ漂流してしまって、そうして結局岸さんのそのときの演説でも三カ条ほどの不平等の是正を要求した後で拍手が一つも起きない、どっからも起きない。そうしてダレスの威圧のもとに小スズメのような、小バトのような――ハトにしちゃ余り上品じゃないが、そういう状態だ。それがこれじゃだめだと岸さんが感じてか、国際共産主義の脅威に対しては日本は断固として自由主義国家にくみしてこれを防衛するという演説と、やはり防衛に対する協力を誓う安保への方向づけを言ったときにのみ拍手です。 アメリカは自分の要請するものが入れられればいい、これはアメリカとしては当然でありましょうが、日本の外交というものは、強いものに巻かれろ、仕方ないやという卑屈な形で、自分の初心を貫くという性格がない。これが日本外交の一番アメリカにばかにされた原因じゃないかと思うんですか、私は今日においては、なかなか牛場さんなんかもおとなしい顔をしているが、言うべきところは言っている。言っているけれども、何か押しが足りない。また、福田さんが大切な出るべきところへは出ないで、出なくてもいいようなところへはちょこちょこ出る。この出処進退において、一国の政治家として、たとえば今度の国連の軍縮会議のようなとき、戦争への危機を払いのけるために全世界が協力してアメリカとソ連のひとりよがりと妥協を抑えようというところ衣で気合いがかかったときに、大切なとぎには空気が抜けて、福田さんは何か中学時代の修学旅行のような思い出が飛鳥のあたりであったなんて、何をのんきなことを言っているか、こういう状態。 私は、どこか日本の政治の中枢にいる人の焦点がぼけちゃっているんじゃないかと思うんですが、今度のこれはいろいろな問題がありますが、いまのようなぶざまで、アメリカの言うことに道理があるならばそれに従っていくべきであるし、また道理に合わないようなことに対しては、アメリカのためにも日本が強くそれを――パートナーというのは相手の立場をもやはり考慮しながら物申すだけの気魄と見識を持たなければ、アメリカのためにもならないし日本のためにもならない。航空の問題なんか当然是正さるべきであるが、いまだに是正されない根本的な理由はどこにあるんですか。 アメリカの政治は、あのロッキードとグラマンの競争を見てもわかりますように、ニクソンだってロッキードから援助を受けていて踊っていた政治家である。ニクソンと田中さんか組めば天下にこの秘密は漏れないと思っても、ちゃんと秘密は漏れていくようになっている。いろいろな奇っ怪な出来事がいま世界を揺すぶっているんですが、飛行機の問題はアメリカにおいてはエネルギーの問題と同様に非常に重要であります。一番アメリカとの間の不均衡か是正できないという理由をもっと明快に私はお伝え願いたいと思います。
○政府委員(中島敏次郎君) 航空交渉は、御承知のように、伝統的に他の二国間の関係の分野から切り離して、航空権益に関するそれぞれの国の利害関係を相当赤裸々にぶつけ合って交渉を行う、こういう分野であろうかと思います。そういう意味におきまして、いまこの航空交渉におけるわが方の態度が何かわが国の対米関係の一般的な姿勢に根差すものではないかというような種類のお尋ねではあったのでございますが、私どもは、この航空交渉は日米関係に――もちろん日米関係の一端ではございますけれども、航空交渉におけるところの航空権益の不均衡は、それなりに不均衡としてこれを是正するという態度で従来交渉に臨んできているわけでございます。 もちろん、その不均衡が基本的に現存の航空協定が平和条約の発効前後に最初の交渉が行われてでき上がったというような点に根差すところの問題がないわけではありませんけれども、一般的に言いまして、この不均衡の問題は不均衡の問題として何とか是正するという態度で従来交渉を行ってきたわけで、されば昭和五十一年に交渉を始めて以来六回にわたる協議を行ってきたわけでありまして、私どもといたしましては、わが方の立場は強力にこれを主張して、その主張の実現のために努力をしてきたつもりでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、双方の利害関係、それから双方の考え方というものが相当開いているということがありまして、この妥結がまことに容易でない、見通しといたしましても簡単にこの見通しがつけ得る状況ではないということはまことに遺憾だとは思いますが、私どもといたしましては、この交渉の妥結のために今後とも毅然とした態度で粘り強い交渉を続けていきたいというふうに考えて、いるわけでございます。
○戸叶武君 それはこれ以上いくと押し問答になるから注意の喚起にとどめておきましょう。 航空事業において一番重要なのは、人命の尊重の問題であり、安全性の問題でありますが、成田空港の問題は予想しないような出来事がいろいろ起きてきていると言うが、今後も私は起きないとは断言できないんじゃないかと思います。起きないほどよいことはないのでありますが、なぜあのような話し合いを十分しないで――話し合いはやったと言っておりますが、安全性を確保するためにも、非常な不自由さと悪い条件が累積しているような地帯に無理押しをしてどうしてああいうふうな空港をつくり上げたか、このことはあなたたちに聞いてみても過去のいろいろな経緯で答えられないと思いますが、問題は将来への転換と展望でありますが、簡単に言うならば、あんなごたごたな騒ぎをするぐらいなら、後から出た考えと言われるかもしれないけれども、当初からわれわれは主張しておったんですが、羽田空港を東京湾の埋め立てによって十分拡大することは可能であり、それによって空港の安全性をも保ち得るのに、いろんな連中があそこの土地の利権と絡みついて、そうして成田空港に定着させた。 土地のたたりというのは、神代の昔から神話にもあるように必ずたたりがあるんです。そういう形において成田空港におけるたたりというものは、人間の政治か腐敗陥落したたたりを地の神から授かったたたりでありまして、今後も、私は、これは佐倉宗吾どころの騒ぎじゃない、あの荒い神様の成田山の不動さんもあるんだから、不動の明王ですらこれを容認しているんでしょうから、とにかく容易なことじゃないと思うんです。これは神様だってわからないことだから私もそれ以上は言いませんが、できたことは仕方がないと言えばそれも一つの論理です。 しかしながら、万一のことをいつも考え、将来の航空事業の発展ということをも考え、日本が陸から追い詰められ、海をも封じ込められ、空を飛ぶより手がないというそらぞらしい時代にわれわれはいま到来しておるんですが、空の自由だけでも確保するためには、羽田空港の拡張ということを断念しないで、やはり羽田をして国際空港として十分間に合うような施設、この間の新聞をにぎわしているのでも、ごみを捨ててためただけでも日比谷公園の何十倍大きい埋め立てが可能だという時代に、そういうことをやらないで、べらぼうなむだ金を使って、そして人命を損ねて、得るものは何もないというようなばかげた政治はそろそろもうはやらなくなるんじゃないかと思いますが、そういう点もどういうふうな配慮を持って対処しておりますか。
○説明員(山田隆英君) ただいまの御質問について、大変恐縮ですが、私直接担当でないものですから多少正確を欠く点があるかと思いますが、お答えいたします。 現在、航空局といたしましては、国際空港としては成田を整備していくという考えに立っております。また、羽田につきましても拡張計画はございますが、これは現存の羽田空港か国内線だけでもやがていっぱいになるのではないかということで、今後、羽田を拡張いたしましても、それはやはり主として国内線に使用するということで考えております。御承知のように、成田は現在は滑走路が一本でございますか、将来、これを三本にいたしまして今後の国際線の需要増に対応していきたい、こういうふうに考えております。
○戸叶武君 この問題は、また大臣でも出たときに突き詰めて追求することにいたします。 イラクに転じますが、中近東から油が出る、砂漠から油が出る、日本は油がないから大抵無理をしても油の国と結びついていかなけりゃならないというので、みんな油、油ということで綱渡りしながらそれを求めていくようですが、中にはイランやイラクなんかの中近東の国情も知らないで、日本の天皇家とそれらの国々とを結びつけてきわめて不穏当な言動を大臣あたりもやるので、私は何が愛国者か何があれだかわからないが、その後においてエチオピアの王室も吹っ飛んじゃったり、イラクの王様もたしか殺されたんでしょうな、それからまたいまのアフガニスタンにおいてもえらい出来事か起きているでしょう。イランにおいてもアメリカの留学生は王様に反対している。だからごっちゃにしたらえらいことになるので、私はいつか衆議院の内閣委員会で中曽根君の不見識な言動を聞いて、参議院であんなことを言ったらおれは引きずりおろしてやるからそのつもりでいろということを自民党の理事の人に通告したら、苦労人がいて中曽根さんは珍しく非常に謙虚な形で参議院では答弁に当たりましたが、私は日本のいまの、世界が右向けになったから右向けになって天下取りするんだなんてヒトラーのような気違いみたいのまねをするような政治家には危なくて一本は預けておけないと思っています。 いまファシズムの台頭期で、思想検事上がりの人がもう一度夢を復活して、一高、東大の秀才だったなんてエリート意識を持って日本の新憲法の持っている意義というものがわからないで、べらぼうな発言をすると同様、政治家の中においても憲法を無視する非常に不見識な言動というものがはやっておるし、福田さんもどっち向いているのかわからないような、群馬あたりの変なだるまがはやっていますか、全くこれは不見議です。一国の総理大臣としてこんな不見識な総理大臣は私はいまだかつて見ないと思うんですが、こんなことで私は国際外交ができると思ったら大間違いだと思うんです。みずからの主体性を確立して――革新陣営の中においても主体性という言葉だけ言っているけれども、一つの言動において主体性を持たないようでは主権者としての国民からの支持は私は受けられたいと思います。これは自民党たると革新政党たるとを問わず、どういう形において日本が対外政策をやっていかなけりゃならないか、小細工の権謀術策でなくて、再びわれわれは戦争にしないんだ、軍備は拡大しないんだ、軍縮の方に踏み切るんだ、平和憲法なり非核三原則なり拡散防止条約によってわれわれは外交の基本的な方向づけを内外に示しているんだ、こういううそをつかない国民としての見識を示さないと、私はいまこのあらしの中において突風にさらわれて日本はえらいところへ吹っ飛ばされる危険性があると思うんです。心配で夜もろくに眠れないから朝の四時から起きているんですが、これは本当に困ったものです。もう愛国を押しつけているやつが亡国の一番最初の旗振りです。これは全く困って、もうすでに天皇が退位しなくても元号の何とか令なんて昔は電光石火で問題が片づいたんだが、よけいなことをかついでは波乱を起こして選挙運動に幾らかなるかなというようなこの卑しさが日本をしていよいよ混迷に陥れるんだと思いますが、これは少し問題を広げ過ぎたからもっと翼を折って結論の方へ入ります。 やはり先ほどの政務次官の答弁の中にも正直にあったように、石油産油国として日本との経済関係もきわめて大切なところだから、特に配慮してイラク航空協定もやったんだという、このことはいいと思いますが、いまのイラクにおける言動を見ても、表と裏とは違うからそのまま言葉を受け取れないが、えらい反米主義的な言動です。何かアメリカがやはり恨まれるようなこともあったんでしょう。それと同時に、いま宥和政策の方向へ踏み切ったPLOの動きなりサダトの動きなんかに対して猛烈な攻撃をも加えております。私はびっくりして日本も幅が広くなったたあ、こういうふうに右からでも左からでもどっちからでもこいという形でイデオロギー抜きに構えができているならば安心だが、知らないでいろいろなことの混迷の中にいろんな足を突っ込んじゃって動きがとれないようなことになったら大変だがなあという心配もありますが、その方向は何の心配もありませんか。この間、外務省の専門家からいろんな知識を聞きましたが、外務省は外務省なりに慎重に正確に物を見ているようですが、航空関係のつかさの方においては翼の方は安全ですか、そこいらの情報は正確に――問題が起きてからじゃ間に合いませんからね。中近東は問題が起きる本場ですから、台風の起きる。どうですか、そういうときにはどう対処するかという万端の準備ができておりますか。
○政府委員(愛野興一郎君) ただいまの先生の御心配はまことに御識見の高いことでありますけれども、少なくとも両国間の航空協定を結ぶということは、根本的に日本が平和と民主主義に徹した基礎を根底といたしまして、そうしてあらゆる情勢分析、それから両国間の航空上の権益の問題等々万全の確信を持って結んだというふうに確信をいたしておりますので、十分今後ともそういうアラブ中近東の情勢を分析しながら遺憾のないように努めていきたい、こういうふうに考えておるところであります。
○戸叶武君 バグダッドはかつて赤軍の舞台ともなったところであります。いつ何どき、日本からじゃなくて、いろいろなヨーロッパにも大分感染度が強くなっておりますが、ゲリラその他の襲撃が行われたような場合においても、先のことまで余り心配すると頭がはげてしまうかもしれませんか、万一に備えて、日本は謝りさえすればいいという形で安全確保のための対策というものが十分できていないというと非常に笑われますが、向こうは向こうであり、成田は成田、できたことはしようがない、そういう自由放任的な、処置なき、できたことはできたことでしようがないというふうに成り行き任せで、いま流れるに任して対処しているんでしょうか、そうじゃないでしょう。どういうふうに安全確保に対して日本は考えているか、その点も私は責任ある答弁を求めたいんですが、きょうは大臣が来ていないから無理でしょう、よろしゅうございます、答えるべき責任者がいないんですから、後で改めて質問いたします。 お役所仕事で、ただこういうふうに流れ作業でスムーズにものをやったというのはかっこうはいいけれども、かっこうだけできて魂のできない協定ですから、後で問題が起きたときにはそこに混乱が起きることは必至でありますから、われわれ政治家としては万一ということを考えたときに、それを無責任体制の航空行政のあり方に対して一つの注文も出さないでこれを見逃したというそしりを受けないために、やはり改めてまた、この問題だけのことじゃありませんから、航空行政に対しては、決まりのない、成田空港の開設に対しても示されたような、あるいは問題か起きたときにおいてもそれに対処する姿勢ができていないようないいかげんな態度というものは、いままでは許されたかしれないが、今後、国際的な信義にももとるのであって、なかなか厳しくなると思いますので、そういう問題に対してもしかと構えができてほしいと思っているんですが、大体、抽象的ですが、万端それだけの心得は心得て対処しているのでしょうか、どうでしょうか。その程度の質問でとどめますが、どうですか。
○政府委員(愛野興一郎君) この航空協定の締結に当たりましては、将来ハイジャックあるいはゲリラ事件等々が起きた場合の相互の警戒、保障措置と申しますか、そういったものを相互に確認をしてやっておる問題でありますから、将来ともにそういったことのないよう両国間で十分連絡を緊密にしながら、この航空協定にのっとって安全なる航空輸送をやっていくというふうな努力をしていきたい、こういうふうに考えておるところであります。
○戸叶武君 最後に、人事交流と文化交流というものがやはり親善とってはなくてならない一つの動きになっておりますが、技術協力、経済協力と同時に、いろんな文化協力の問題では、航空協定に結びついて、当面、何をいま考えておりますか。それは役所としては別な役割りですか。
○政府委員(千葉一夫君) 先般、日本とイラクの間の文化協定を国会で御承認いただいたわけでございますが、たまたまこの航空協定の交渉と並行いたしまして文化協定の交渉もやっておった次第でございます。別に両者を特に結びつけたわけではございませんが、やはりイラクと日本との間には、ただいま御指摘のとおり、ただ単に経済ないしは運輸だけではなくて、そういう文化面の方の関係も深めていきたい、そういう意図で締結したわけでございます。
○戸叶武君 私は、バビロン文化をフランスで研究した人から、バビロンの塔の、バビロンの町の入り口にあった大きな十六の菊の紋の紋章が汽車で運べないので五個を船で運んで、アメリカのシカゴ大学の博物館にあるから、それを見てきてくれというように頼まれて、二度ほど、シカゴ大学にいる私の門下生の一人の文化人類学を勉強している夫婦の案内でそれを見てきたんですが、私は、十六の菊の紋も、菊を表徴したものかヒマワリを表徴したものか、いろんな説があるが、私の見るところでは、やはり十六弁の菊の紋であるが、アラビア的な数字、紋章学の発達から四、四、十六という形で割り切った一つの紋章であり、菊の花とか、あるいはキリの花とか、あるいはその他いろいろなバビロンからトルコ、ギリシャにかけて、十字軍の後でナイトたちの盾の紋章としてヨーロッパにも入りましたけれども、非常にチグリス・ユーフラテス一文化というものが、もうすでに奈良朝の時代に正倉院にまで通ずるガンダーラ文化だけでなく一つの流れがあった。 いまのそりの問題たんかでも騒いでおりますが、古代の舟なり、石を運ぶのには皆あのそりの様式で、コンスタンチノープルを陥れビザンチン帝国を陥れたときのトルコの戦略というものは、山を舟で乗って、背面から入ったということで、やはり海洋族と騎馬民族と合体した一つの攻略作戦が成功したのが事実でありますが、日本だけの狭い領域における人類学やあるいは考古学の字句的な解釈だけでなく、日本も考古学が非常に発達しておって、やはり米でも麦でもブドウ酒でもビールでも皆淵源がチグリス・ユーフラテスにあったと言われるあの人類の源流にメスを入れて、もっと世界――さっきもグローバルという言葉か出ましたが、グローバルな時代に世知辛い日本人としてでなく、雄大な世界的気宇を持っての一つの文化交流を活発にさせて、そうしてもう一度、ああいうふうにあれだけの文化を持って、あれだけの美人がいながら、どうして滅んでいってしまったのか、停滞した政治、権力に依存して発想力のない政治、働くことを忘れて怠けた習慣、賄賂政治、いまの日本と同じようなものが文明破壊の源流であったということを発掘するだけでも、日本の自覚めとして非常に参考になるんじゃないかと思いますが、この間の民族衣装を着ての美人の、流行の何かを見せびらかすような踊りにはどこに芸術があるんか、何でこんなになっちゃったのか、魅力のない美人、何でこういうふうになってしまったのかと憤りを感ぜざるを得ないようなものに私は打たれました。それでいいんだと、人形遣い的な意味において、芸者やキーサンを観賞すような眼で、古代の貴族文化を鑑賞するのも趣味としては結構かと思いますが、何か日本自身も大切なものが抜けてきちゃったんじゃないかという感じがしますが、秀才の多い外務省の方の人たちやなにかはあれを見て美人だなあと感じただけでしょうか、私は非常にわびしさを感じました。民族が滅びていくときはこういうものかなという何か寒々としたものを感じましたが、それを感じるだけでも非常に参考にはなったと思います。 どうですか、これはもっと本格的なバビロン文化と日本の原点に戻っての文化交流の仕方もあるんじゃないか。それぞれの言語学者なり考古学者が日本にも出ているんだから、文化人類学なんかでは私のところの田中さんなんかもなかなかの権威ですけれども、やっぱりそういうふうにひとつ真剣になって憂いをともにして、あれほどのバビロンの文化がなぜ崩壊していったのかということにまでメスを入れるぐらいの見識を持たないと、日本も笑われるんじゃないですか。いろいろな発掘物をイギリスやフランスやアメリカに運んじゃって博物館に並べておいただけじゃ、あの化石が今度は目を見開いて、おまえたち略奪者にだまされないぞというような一喝をくれる時代が必ず私は出てくると思うので、参考のためにいまのうちにフランスやロシアやアメリカの略奪職のまねをしないで、もっとアラブの文化の中に埋没していった文明に生気を与えるような一つの文化交流を私はしてほしいと思うんですが、まだそこまではいきませんかな。
○政府委員(千葉一夫君) ただいま御指摘のとおり、イラクの歴史は深くかつ非常に豊かなものでございまして、私ともも今日の先生御指摘のアラブ文化の所産でありますイラクとの文化交流を通じまして、その奥にあります巨大な世界にも目を向けていかねばならないと思っております。幸い、日本には世界的なオリエント学者あるいは考古学者の方もおられますし、外務省にも長年養成いたしましたアラビストも多数おりますので、できるだけただいまの先生のお教えに沿いまして、深くかつ豊かなつき合いをやっていきたいと思っております。
○戸叶武君 私は、最後に、いまベトナムと中国との争い、ソ連との争い、またアフリカにおけるカーターさんとブレジネフさんたちの行き方のそこ、またキューバの動きとフランスの動き、世界じゅうがどうかしているのじゃないかと思うほど戦争の前夜を思わせるような険しい世相になっております。このときに日本が変な思い上がった考えを起こさないで、世界の人々に二度と再び原爆の洗礼を受けなければならないような悲劇を受けさせまいと努力するのが日本の憲法なり日本の外交なり政治の役割りだと思うんです。 いま国連軍縮総会になぜ福田さんか出ないんだろうというので各国がいぶかっております。まあ福田さんよりも園田さんの方かはっきり物を言う習慣がこのごろはできてきたから幾らかましかもしれませんが、こういう日本の外交姿勢だと、どんなにうまいことを言っても、日本人の頭脳は二重構造であって、上げぶたがあるから一ふたあけてまた次のふたを取ってのぞいて見なければ腹の中がわからない、日本人というのは腹黒とは断定できないけれども、腹のわからない国民だという印象を世界の人々に印象づけると思うのであります。政治家にやはり大切なのは行動において示すことです。真心において示すことです。マテリアルな時代というが、権謀術策よりもやはり光明に背面なしで、真っすぐの考えを述べて、日本人というものは全人類のためによかれと祈っているんだということを相手にわからせなければ、何だか日本人というのはわからない。色も余り白いわけじゃないが、黄色人種よりは少し変わってきたような感じも、食べ物のせいか、とにかく何とも言えない西洋か東洋かどっちつかずのぬえ的民族に変わりつつあるというふうな印象を直観的に外国が受けるんじゃないかと私は思うんです。 あの東京裁判において無罪論を展開したパール博士に私かアジア社会党大会に出るときにカルカッタで送られたときもそうです。パール博士は、日本が帝政ロシアのパルテック艦隊を撃ち破ってくれたときに、本当にアジアはいままで白人の帝国主義の横暴に従わざるを得なかったが、日本が撃ち砕いたことによって、ナポレオンすら敗れた帝政ロシアを撃ち破ったことによってアジアの解放が成るというふうに自分たちは感激して、大半で三日二晩寝ずにストームをやって荒れ回ったものだ。だが、その日本がドイツやイギリスのまねして隣国朝鮮を合併し、中国から満州を横取りし、ドイツあるいはイギリス以上の帝国主義的な姿をもって近隣諸国を脅かすに至ったときに、ああ自分たちが尊敬した日本が何というざまだということを考えて慨嘆したが、今日天罰が当たって日本は無条件降伏でその責任者は栽かれているが、しかし、裁く米ソ側においても日本以上の悪いことをやった連中が過去を知らぬ顔をして日本の戦犯だけを裁く資格があるかという形において、私は、日本の戦争犯罪人を弁護するのでなくて、米ソ両国にそれを栽く道義的な資格がないということを指摘するために無罪論を展開したんだと私に告げてくれました。 私たちは、外国から指摘されるんじゃなくて、日本自身がもうああいうばかげた戦争をやって自分の国を滅ぼし、人の国にも迷惑をかけるようなことはしまいと誓い合った。天皇自身も、天皇は当時は主権者であったでしょうが、恥も外聞も命も何もかも忘れて、再び戦争をしない、このような悲惨な出来事をさせたくない、もう軍備など戦争手段に使わない、そう誓っておいた人をちょいくらとまただまして、そうして憲法改正でもやったとするならば、憲法改正の法理論的な思いつき議論はでき得るけれども、世界のだれがそれを信用しますか。それを一身をなげうって世界に宣言した天皇は即座に退位しなければならないからいま元号の問題を論じているんでしょうけれども、はなはだ失礼なやつらですよ、何を考えているのか、私は本当に日本の政治がでたらめもいいかげんにしろというところまで来たと思うんです。愛国を名として亡国の幻影をつくり、天皇を利用して、さらに天皇に辱めを与えようとするような不届き至極の政治家が続々として輩出するような、徳川の元禄時代よりもひどいこの廃退した状況というものを見るに忍びないものが私たちにはあるんです。 どうぞ外務当局においても、空を飛ぶ航空事業に対しての責任を持つ行政当局においても、グローバルな時代に、世界の人々の心をかち取るような外交なり行政指導をしないと、日本はナチ以上のひどい目に遭って、私は再び悔いの多い悲劇を繰り返す危険性があると思いますんで、問題は人類文化の発祥の地とも言われるいま荒廃し切ったイラクが石油が出るおかげでいろいろもてはやされておるけれども、このバビロンの文化の崩壊していった過去をしのびながら、この土地の人民に対してより平和と繁栄と幸福とをもたらすような役割りをするのが日本の役割りだと思いますので、石油が出るところだから大切にしろ、うまく取り扱えというようなへなちょこ外交をやられた日には私は日本人として本当に恥ずかしいと思うのです。 われわれはそれがために原爆をもつくり得る能力がありながらも、拡散防止条約批准に踏み切り、フリーハンド論を撃砕し、そして平和共存の体制をつくり上げつつあるのに、大切な外交権を持つと称する政府が人民に逆らい、日本憲法に逆らって不届き至極の行為に出たときにおいては、これはいままでの憲法擁護の運動とは違って、人民に政治を返せ、人民の手によって政府を裁くというところにまで厳しい私は息吹が吹き上がってくることは必至だと思うのであります。それを待つがごとく狂喜乱舞しておるのでありましょうが、ふざけちゃいけない。日本が滅びるか生き返るか、世界を破滅させるか破滅させないか、この問題に対して具体的な回答を世界が求めているときに、その重大な課題に対して回答ができないような一国の総理大臣なり政府を持っているということは恥ずかしい次第です。 私は、そういう意味において、私の尊敬する田中正造は主権者であった当時の天皇に直訴したが、私は今日の主権者である人民に直訴して、人民と事を図らなきゃならないところにまで来たと思いますので、これはよけいな宣言ですが、今後において、いまの国会議員が血眼になって地盤擁護に狂奔しているときに、国民の中からおまえらは要らないんだという声がもうすでに底辺においてわいているんです。その怒りにふるえている人民の声を聞き取れたいような狂喜乱舞のざまは何とも言えない亡国の民の一つの奇現象です。私は一言居士じゃない、殺されるまで叫びます。日本の民族の魂を守るために私たちは時の権力に対して、ふざけた権力に対して、よこしまな権力に対して叫び続けなきゃならないと思うんで、あらゆる機会を使って、これは航空事業ですが、何の機会を使っても私たちはやはり叫び続けて、日本民族をして世界の人々から信用され尊敬されるような民族につくり上げたいというのが私たちの悲願ですから、私たちの声は空飛ぶ飛行機にもきっと、鳥だってわかるんだから、翼もて飛ぶものにもわかると思うんであります。 どうぞそういう意味において、航空関係を通じて世界との交流をつかさどっている責任者の人は、ただグラマン、ロッキードの売り込みの汚さなんかの中に翻弄される悲しい過去を清算して、祖国と人類のためを考えながら航空事業を発展させていただかれんことをお願いし、質問でなく、この言葉を皆さんにささげて、私の質問をこれで打ち切ることにします。
○渋谷邦彦君 近年、世界の距離は申すまでもなく航空機の著しい発展に伴って、その距離というものが縮まってきた感を強くするわけでございます。したがって国と国との距離が縮まるということは、人事、経済、文化、そうした交流が高まるでありましょうし、親善友好の上でもその貢献というものは非常に大きいものがあることは当然だろうというふうに思います。 ことに、いま議題とされておりますイラクとの航空協定、言うなれば戦前戦後を通じ、ほとんど絶縁状態であったこうした中東地域に新しい一つの足がかりができる、それが今回の航空協定の持つ意義であろうというふうに私は受けとめているわけでございます。今回、こうした航空協定が結ばれ、恐らくイラクのみならず、いま日本政府に対してさまざまな国が航空協定の締結あるいは日本への乗り入れというものを要望しているやにも伺っております。ただ、われわれ日本国民として非常に憂慮にたえないことは、それだけの国々の要求というものを万全を期して受け入れることのできる体制、環境というものがいま整備されているんであろうかということはだれしもが気になる問題であろうというふうに思えてなりません。 特に、五月二十日、新たに開港されました新東京国際空港の問題につきましては、さまざまな波乱を呼び、難産の末やっと開港と、しかし、私どもは依然として疑問と不安というものを残したまま現在に至っているというのが率直な受けとめ方ではなかろうかというふうに思うわけでございます。もうすでに当該委員会である運輸委員会あるいは地方行政委員会等において相当時間をかけ、さまざまな観点から議論というものがなされてきたであろうというふうに思うわけでございますけれども、開港以後におけるまた新しい問題点を通し、今後国際信用というものを本当に獲得できるのかどうか、いまの状態で誇れる国際空港として世界に示すことができるのかどうなのかというような問題をここでもう一遍洗い直しながら、新東京国際空港の持つこれからの機能、性格等々、それからまた今後の航空協定というものはいかにあるべきかというような問題を中心にして、きょうは限られた時間でありますので、その一部しか伺えないかと存じます。 きょうは、警備当局の御出席がないそうでございますので、この問題は省かしていただきたいというふうに思います。あるいは質問の順序が前後するかもしれませんけれども、流れの上から一つ一つ確認を込めて伺ってまいりたいというふうに思うわけでございます。 まず、一つは、いま私が触れた中にもあります、世界でいま日本に対して乗り入れを相当強く希望している国は一体何カ国あるのか、そして日本政府としての方針はそうした希望する国に対してどのような措置を講じていこうとするのか、その順位というものはどういう点で判断をしてつけるのか、まずこの点からお聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
○政府委員(松本操君) いまお尋ねの点、私どもが承知しております限りでは三十一カ国から航空協定の締結をいたしたいという、これは時期的に非常に古いところから最近に至るものまでいろいろと変遷はございますけれども、数字的に締めました場合に三十一カ国から申し入れがございまして、巷間三十二という数字が一時伝えられたことかございますけれども、イラクがいま御審議いただいている段階に入っておりますので、厳密な意味では三十一であろうと思います。 これにどういう態度で接していくかという点につきましては、もちろん航空協定ということになりますと、国と国との間の問題でございますので、運輸省の単独の見解というのを申し上げるのはいささかはばかりはあるわけではございますけれども、少なくとも運輸省といたしましては、当然、外務省とも御協議申し上げていくわけでございますけれども、基本的には相手国の政治、経済、外交、文化等各分野における活動の状況かわが国にとってどのような影響を持ち、あるいはこれから持とうとしている国であるのかどうかということ。それから何にも増して航空協定でございますので、両国間の航空需要の見通しあるいは路線の採算性、そういうふうなものがお互いに飛行機を飛ばし合った場合に見込みのあるものであるのかどうかというふうな問題。三番目には、やはり原則としては協定を結びます以上、相互乗り入れということがたてまえとなって願いろうかと思いますので、わが国航空企業の側から見ました乗り入れの計画あるいは路線開設に伴いますわが国航空企業に対するインパクトがどのような形で出てくるかどうか、こういうふうな点についてもしかと見きわめる必要があろうかと思います。 こういうふうなことを踏まえた上で優先の順序をつけつつ、相手の都合をも考えに入れて交渉に入るわけでございますけれども、最近のような情勢でございますので、さらにそれにつけ加えまして、たとえばハイジャックに関連する諸種の国際条約等に対し積極的に加盟をして航空の安全を保とうとしている国であるかどうかというふうなことも検討の材料には入ってまいろうかと思います。いずれもこういうふうな条件を踏まえた上で、どこからどういうふうな形で議論を始めていくかということを順次決めて取り組んでいくということにすべきであろうかと考えております。
○渋谷邦彦君 一番古いところでは何年ごろに申し入れがあって、その国はどこですか。
○政府委員(松本操君) 古いのは七年ぐらい前かと思いますが、ちょっと私いまどの国という、順序にファイルしたものを手元に持っておりませんので、申しわけございません。
○渋谷邦彦君 いずれにしても数年前に古くは申し入れがある。その国がどこの国であるかはわからないにいたしましても、やはりこれは結論が出るまではまだ相当時間がかかるであろうというふうに常識的に考えられる、いままでの経過を踏まえて考えれば。 いまこうして私の手元に一覧表があるんですけれども、いまおっしゃった検討事項ですね、四項目かいま述べられたようでございますけれども、当然、日本の立場として考えれば、相互乗り入れというのが大前提にならなくちゃならぬだろうということはこれもよく理解できる問題だと思います。その他申されたことについてももっともだろうと思います。ただ、そのような分析というもの、また相手国との話し合いというものがこれからどういうふうな形で一体進められるのか。また、非常に強い要望を出している国、あるいは国によっては政情不安定というところもございましょう。アフガニスタンなんかはその一例かもしれません。そういう国々についてはさておくといたしましても、この一覧表に見る限り、われわれの願望として、こういう国々とはできるだけ速やかに航空協定を締結して、相互間乗り入れ、それに伴う友好親善の役割りというものを果たすべきではないかと考えられるわけですけれども、今後、そうした推移というものはどういう日程的なスケジュールを組んで詰められるのか。このまま放置しておくわけですか。
○政府委員(松本操君) いま先生の仰せられましたことに直接的になかなかお答えしにくいのでございまして、と申しますのは、三十一カ国の中で、まずここから始めますとか、ここをいつごろから始めますとか、そこまでは実は固まり切っていないわけでございます。 しかし、いま先生も御指摘がありましたように、相手の国によっては、われわれの方といたしましてもむしろ積極的に話を進めていくべきではなかろうか、このように考えられるところもございますし、非常に御熱心な国であって私どもの方としてもそのお国柄からいって航空協定を結ぶことに特に反対すべき理由はなさそうに見えながらも、御案内のように航空協定というのは二国間協定が原則でございますので、わが国と相手国との間の旅客需要がどうであるかということを考えますと、実は飛行機を定期的に飛ばすほどの需要がないのではないか、むしろその中間地点とか以遠権とかいうふうなもので商売をしていくしか方法がないのじゃないかと思われるようなところも中にはございます。したがって、私どもの方といたしましては、そういった定期航空運送事業的な面から見たファクターというものも加味しながら、必ずしも昔から申し込みがあるので優先させるべきだというふうにも思えませんので、現時点において判断した優先順位というものを考えながら外務省の方と御相談をしてまいりたい、このように思います。
○渋谷邦彦君 おっしゃるとおりだと思うのですよ。以遠権等の問題、そうしたことを考慮に入れつつやった方がむしろ効果的だという場合もございましょう、あえてその国に乗り入れずとも、乗客の数の問題、利用度というものもございましょう。しかし、少なくともこうして拝見する中では、これは積極的に日本としても取り組んだらいいのではあるまいかという国がないではない。あえてその国柄を言うということになりますといろいろな点で波紋を呼び影響を与えるおそれがないではないかもしれませんので、優先順位はどうするなんということをのっけから言うことは私も避けたいと思うのです。 しかし、少なくともいままで中東地域を一つ考えてみましても、エジプトが先ごろ締結され、ようやくイラクがいま議題になっているわけでございますけれども、これで十分かどうかという問題もございましょう。もうすでにサウジアラビアなんかも申し入れをしている。あるいは、ついこの間観光憲章が発効いたし律したスペインとの関係は一体どうなるんだという問題等も、これはわれわれ素人ですから技術的な細かいことはわかりません、しかし、印象的に考えた場合、それも危険な言い方かもしれませんけれども、そうした日本にとっても決して不利益ではない、むしろ大いに、先ほどの御答弁にございましたように、積極的に取り組むべき国柄もあるのではないだろうかというようなことを整理しながら、ごく近い将来に、いま三十一カ国から申し入れがあった中で速やかに締結が可能だと思える国は一体何ぼぐらい予想しているのですか。
○政府委員(松本操君) 交渉事でございますので、いろいろとむずかしい面もございますが、いま先生が仰せられましたような国を含めまして三、四カ国と申しましょうか二、三カ国と申しましょうか、このくらいのところはわりあい早い時期に、外務省との御相談もございますが、航空協定の議論に入ってもよろしいのではなかろうか、このようには考えております。
○渋谷邦彦君 そこで、いまの答弁を受けて、外務省の方としては、一体、独自の立場でどのように分析をされ計画を進めておられますか。
○政府委員(千葉一夫君) ただいま運輸省の方から御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、相手国との関係、相手国のいろんな事情及び相手国の世界におきます地位その他をよく勘案いたしまして、運輸省と協議の上、こちらから持ちかけることもあり策すし、運輸省の方から持ちかけられたときにお答えするということもございますが、両方で協力してやっております。
○渋谷邦彦君 いずれまた近い将来に三カ国ないし四カ国以上の国にあるいは及ぶかもしれないし、また、それだけ受け入れの能力というものが相当厳しく要求されてくるということを考えた場合に、さていま問題になっておりますこの新東京国際空港という評価の方がいいのか成田空港と言った方がいいのか、今日までの経過の中で評価の判断というものがいろいろ違うだろうとぼくは思うのですけれども、ともあれ、新東京国際空港が果たして五月二十日以降私どもが予想した方向に、安全性の問題、燃料の問題あるいはアクセスの問題等々を含めて予定どおり進行しているのかどうなのか、非常に総体的な問いかけでございますけれども、その辺、総合的に五月二十日以来現在に至るまでの状況についてまずお示しをいただきたいと思います。
○政府委員(松本操君) 先生いまおっしゃいましたように、五月二十日に開港いたしまして、実際に航空機の運航が開始されたのが二十一日でございます。一応の移転が終わったのが二十三日。二十四日からはほぼ正常のダイヤに入っておる。でございますので、本日五月三十日でほぼ一週間を経過したわけでございまして、御案内のように国際航空は週間何便というパターンで運航しておりますので、一週間がたったというきょうの時点は大体一回り終わったというふうに見てよろしいかと思いますが、その間におきまして、私どもが見る限りでは、運航の安全の問題、それから空港内の混雑、混乱等が起こったかどうか、あるいはよく以前に問題になっておりましたアクセスの問題、それから燃料輸送、これはおくれて二十五日から輸送が開始されましたのでまだ一週間完全にはたっておりませんけれども、燃料輸送の問題等を含めまして、総合的に私どもなりに判断をいたしますれば、おおむね当初予期したとおりの形で運営が行われておる、こういうふうに考えてもよろしいのではないかと思っております。
○渋谷邦彦君 二、三日前だったでしょうか、NHKの報道を私ずっと見ておりまして、やっぱり気になるのですよたとえば、そのときにたしか指摘されたのが空域の問題、それから当然のことながらアクセスの問題、これは依然として処理されていないのか、あるいはどういうふうにこれからその辺の問題が処理されていくのか、これをわれわれにわかりやすくひとつ御説明いただけませんか。空域の問題があるでしょう、大分重なっていますね、空域が。
○政府委員(松本操君) この空港が五月二十日に開港されます以前から、いまお話のございました空域の問題、エアスペースの問題についていろいろと御議論があったことは事実でもございますし、私どもも十分に承知をしておるわけでございますか、先生御承知と思いますが、空域と申しますのは、空の広がりの中で一つの管制機関がみずからに属する航空機を専一に管制をする空の広がり、定義的に申しますと、こういうことでございます。重なり合っておるわけではございますけれども、それは成田を出発しまたは成田に進入いたします航空機の飛行経路というものを、なるべく合理的な飛行経路、なるべく飛びやすい飛行経路、こういうふうなものをかいてみました場合に、それが成田の空域の中にきれいにおさまる。その他の空域についても、たとえば羽田の空域あるいは百里の空域というふうなものが同じような形になっておさまってしまうということであれば、空域自体が外観上一見複雑に見えましても、それのみをもって航空交通に不安をもたらすというふうに判断するのは必ずしも妥当でないのではないか、このように私は考えておるわけでございます。現実には成田とそれから羽田との間の重たり合いというものは実務上ほとんど全く問題がございません。 それから成田と百里の間の重なりにつきましては、百里の側がある特殊な運航をいたします場合、タカンアプローチと申しまして、タカンという無線標識を使って着陸するという特殊な訓練をいたしますときにだけ空域が上下に重なっているということが問題にされてもやむを得ないかと思いますが、しかし、このタカンアプローチの訓練そのものがきわめて限られた回数、つまり自衛隊のパイロットの一つの資格要件として年に何時間かこれをやらなきゃいかぬということになっておるそうでございまして、きわめて限られた個数しか行われないということと、それから仮に行われましても、先ほど申し上げました飛行経路につきましては十分に分離をしてあるという、さらにレーダーで互いに監視できるようにしてあるという、さらにその上に万が一ということをも考慮いたしまして、成田の方から民間機が引き続きしげしげと出発をするというふうな場合には、百里との間の調整によりましてタカンのアプローチをある一定の期間とめてしまうというふうなことについても、百里の管制機関と成田の管制機関との間でのローカルな地方的な合意、協定と申しておりますが、これができておるというふうなことを考えますと、まず御指摘のような危険度が存在しているというふうには私ども実は考えていないわけでございます。 この点につきましては、国際的な定期運送に従事いたしますパイロットの集まりでございますIFALPAの連中とか、あるいはIATA――これは国際航空運送協会でございますか、IATAのセーフティー関係の専門家との議論というふうなものも、昨年の秋ごろの時点でございますが、何回か繰り返しをいたしまして、これならば十分に安全に運航できるはずである、よく理解できたという形でこのコースなり空域なわを決定した上で、昨年十二月にNOTAMを出したような次第でございますので、いろいろと問題があるのではないかという御指摘はあるのでございますが、そのあることは承知はしておりますけれども、冒頭申し上げましたように、現時点において、私どもとしては、こういった御指摘にかかるような問題の起こらないように三重、四重の安全策を講じてある、こういうふうに申し上げてよろしいかと思っておるわけでございます。
○渋谷邦彦君 それはごもっともだと思うのですね。ただ、大変狭い国土、その上空ということになると限られた空域の中で、操作をしたきゃならぬ、これにわかりますね。ですから、それはもう万全の措置をとっていても雫石みたいたことがあるんですから、果たしてそうした全く事故というものがその空域間においては起き得ないという保証が完璧にということになりますと、いまおっしゃったように、まだ若干問題がないではない、その中に隠される場合もあるんではないだろうかという一つのわれわれの率直な疑問が出てくるんです。 それともう一つは、この間も滑走路を飛び立って本当ならば真っすぐ行くはずだったのがずいぶん西寄りに飛んじゃっていますね。確かに機影をずうっとテレビが追っているわけですけれども、正面向いて左方、西側というふうに表現しておりましたけれども、そういったことは空域全体の問題としてかかわり合いがないのか、何にも関係がないのかという、われわれもすぐそうした問題についてそうかなって、これは素人的な発想かもしれませんよ。乗るのは素人なんですから、やっぱりこうだから危険がないんだという、だれが見てもわかるみたいなそういう説得力のある体系というものがきちんと組まれているかどうかということについても、いま申し上げたように、どうなのかなという、そういう不安感を持つ。あれはどうしてあんなふうになるんですか。
○政府委員(松本操君) いまおっしゃいました点は、実は、非常に御説明をし出すとややっこしいので、短時間に申し上げるのはむずかしいんでございますが、滑走路の向きがございまして、これが北をゼロとしました場合に三百三十五度三十七分という、ほとんど三百三十六度の方向を向いておるわけでございます。飛行機が北向きに離陸すると申しますのは、ですから三百二十六度、北をゼロといたしました場合に三百三十六度の方向に向かって飛び立っていく。ただ、しかし、それをヘッディングで飛ぶと申すわけですが、ヘッディングだけで飛ばさせますと、横風を受けたような場合に飛行機はどっちかへ流れていってしまう、こういうことがございますので、航空無線施設のガイダンスに乗せて正確なコースをとらせるようにする。そのためにVOR/DMEという一種の仕掛けか空港の中に置いてございます。ところが、これはかさばる仕掛けなものでございますので、滑走路の中に埋め込むというわけにはいかないという問題がございまして、滑走路の西側二百五十メートルのところに実はその仕掛けが置いてございます。そこから三百三十五度二十七分なんてこんな精度はこの機械では出てまいりません。何分なんていう精度は出ないものですから、繰り上げまして三百三十六度という方向に飛んでいけと、こういうふうに実はAIPの上に指示が書いてあるわけでございます。 そこで、幾何学的な絵をかきますと、滑走路の向きといまのVOR/DMEから出ております電波の向きとの間に二百五十メートル差があるではないか、したがって滑走路を離陸した飛行機がVOR/DMEの電波に乗るためには、先生まさにおっしゃるように、西側にこうひねらなければ乗れないじゃないか、こういうことになるわけでございますが、しかし、私もその御指摘を承った後で、航空局にも専門のパイロットが何人もおりますし、その方面の専門家がたくさんおりますので直接話をいろいろ聞きましたけれども、どうもテレビの画面で、私は見ませんでしたが、たまたま見た人もおりまして、ああいうふうな飛び方になるというのはどうにも合点がいかないという話でございます。 ただし、上空で西風がある程度強い場合に、離陸後、機首を立てると言うんだそうでございますけれども、風の方向に飛行機の頭の方だけ向ける、そうして飛行機はこう飛ばないで、横向いたまま飛んでいくという飛び方があるんだそうです。これはそうしないと風に流されてしまう。そういうふうなことを見ると、どうもあれは離陸してしばらく上がったところで西風がある程度強いもんだから、その西風に逆らうために飛行機の機首を左へ向けて飛んだんではないか、それを下からああいうふうな形で望遠鏡でズームして撮ると、左へひねっていってしまったように写るのではないだろうか、こういうふうに申しまおりましたが、しかし、その程度のことで済ましておいたのでは、先ほど来先生がおっしゃる大方の方の御納得もなかなか得られないものですから、この飛行士は外へ飛んでいっちゃったものですから、帰ってくるのをつかまえて、さらにまたよく微細に聞きたいと思っております。 また、技術的になかなか飛行機というのはこうちょこっと左へ寄って、ちょこっとまた右へ寄ってというふうな飛び方はできないはずでございます。おっしゃるように、大きなコースからのずれというのはこれは出てくるはずがないんでございますけれども、そうは言っても、私ども、ただはずがないはずがないと言っておっても御納得が得られないのでは何にもなりませんので、そういう点は適当な機会にまた具体的な詰めをして、必要があれば御説明を申し上げたい、このように思っております。
○渋谷邦彦君 そうした問題等々を専門的にまたお尋ねをしていきますと限りがなく、どこで結論が出るんだろうというようなことになりますけれども、若干話題を変えまして、いま開港したこの新東京国際空港に対する大変手厳しい批判は、やはりこの不完全な、欠陥性を多分に持った暫定空港ではないか、こう思いたくなるくらいにいろいろまだ不備な点がございましょう。 たとえば滑走路の問題、これもしばしば議論された問題ですね、いま一本しかないわけでしょう。少なくともどこの国際空港にいたしましても最小限度、一本は必要だということをわれわれもよく知っておりますよ。それからいまおっしゃった横風用のやつもないわけでしょう、それには今度土地の取得という問題がかかわり合いを持ってくるんでしょう。一体、今後そうした整備というものがなされるのかなされないのか、当分というのはいつごろまでその一本でもって離着陸をしなければならないのか、その点はどういうことになっているんですか。
○政府委員(松本操君) 確かに国際空港と呼ばれるほどのところで滑走路一本というのは皆無ではございません。たとえばシャルル・ドゴール空港のようなのはちょうどこの成田に似ておりまして、一期工事しか終わってないということもあって一本の滑走路で運用を開始しておるようでございますが、しかし、それは別として、横風滑走路というものは使用頻度はきわめて低うございますけれども、しかし、もちろんあった方がいい。それと、それから平行滑走路を含めて二期工事と私ども総称して呼んでおるわけでございまして、二期工事をどういう形で実施していくのかというのが実はこれからの成田空港問題にとっての非常に大きな課題になってくるわけでございます。 したがって、従来のようなパターンの繰り返しの上に二期工事が行われるということはもう絶対にあってはならないことであるというふうに私どもも理解をしておるつもりでございますので、いろいろと言われておりますたとえば反対農民とのお話し合いの中において合意を見つつ作業を進めるというふうな望ましい姿というものをこれから真剣に取り組んでいかなければならない、このようには考えておりますが、さりとていつまでたってもできないというような形のままで放置しておいてよいとも私ども思っておりませんので、計画自身たけで申し上げますと、いま私どもがやっております第三次の五カ年計画というのが五十五年に終わるわけでございますが、この五十五年までにはともかくB滑走路、C滑走路と呼んでおります二期工事分の滑走路が一応使えるという程度には作業を進めたいものだという強い願望は持っております。持っておりますが、しかし、冒頭申し上げましたように、従来のパターンの上に乗って作業をするということは考えておりませんので、前段のお話し合いというものを踏まえた上でなおかつわれわれの願望が充足されるようにあらゆる努力を払っていきたい、こう思っておる次第でございます。
○渋谷邦彦君 確かに強い願望には違いはございませんでしょうけれどもね、いまの国際空港についてだって十一年という長い年月を費やしているわけでしょう、いろんないきさつがありましたね、政治の利権が絡む。結局、ばかを見たのけ地元住民であったのか利用者であったのかそれはともかくとして、こういうばかげたことがいままで長い間時間をかけられ、そして二期工事、三期工事についても恐らくそうしたことが再び予測されるだろうというのがいま成田の大体空気であり、環境ではないかというふうに思えると、これはそう簡単に二、三年、五十五年あたりになんという、これはもうあくまでも希望的観測であって、果たしてどうだろうかという。そうすると国際空港としてのこの機能というものが果たして完全な体制で整うものであるのかどうなのか、そういうことからやはり欠陥空港という評価は免れないではないのかということを心配するわけです。 先ほどドゴール空港のことをおっしゃいましたけれども、フランスのようにオルリー空港なんかもあるということで使えるところはまだいいんです。いま羽田は全くだめでしょう、これからは、まあ緊急の場合はともかくといたしましてですね。とにかく狭い国土の中で、ほかの国とちょっと比較できないそういう条件を備えているわけでございますので、そういう発想から展開するということは非常に危険が伴うんではないか。だから、現実を踏まえて、いまの新東京国際空港というものをどう一体これからしていかなきゃならないのか。しかも、危険であるという印象までぬぐい切れない。危険だ、不便だ、高いという、恐らくこの三拍子はどこの国際空港にも余り類例を見ないんではないだろうか。確かに危険という点については、まだまだわれわれあの厳重な物々しいいまの警備体制を考え、いやらしいボデーチェックを四回も五回も受けなきゃならぬということになった場合に、いまは物珍しさも手伝っているから世界の人もがまんするかもしれないけれども、これが何年続くものやらということもございましょう。 それから、きわめて不便だという点については、もう確かに限度を超えているんじゃないかという。この間も三百人ですか乗客が取り残されちゃって、東京に帰るに帰れなくたって、それでもう一時間余りにわたって空港の職員と話し合った結果らちが明かずに、結局その近辺のホテルに収容さわたということが伝えられております。また、国際空港へ行く場合に、一番安全だという認識もあるんでしょう、速いということもあるんでしょう、便利だということもあるんでしょう、リムジンバスを利用した。ところが、もうバスがない。これからも続くだろうとぼくは思いますよ、はっきり申し上げて。 そうした点を考えた場合に、本体である空港内のその問題もさることながら、それに連動するいろんな問題点というものは果たして解消できるのかどうなのか、そして国際的にも信用というものが回復できるのかどうなのか、この点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。問題かいま申し上げたように残っているとするならば、一体、これからどういう手段を講じていつごろまでの間に全部そうした問題点の解消に努めるのか。まだありますよ、燃料問題だってそうです。あれいつまで続くんです。パイプラインなんということを考えてみたところで、これだってまだらちが明かぬわけでしょう、もうストックする燃料というのは決まっているわけですから、だからどうしても運ばなきゃならぬ。この問題についてどういうふうに一体円滑に油というものが輸送できるのかどうなのか、そういったことをこの際もう一遍確認の意味で整理をして、まとめて教えてください。
○政府委員(松本操君) 確かに先生いま列挙されましたように、成田空港についていろいろな問題点があることは私どもも十分に認識しておるつもりでございます。 当面の安全性、安全性と申しますよりも、何というんでしょう、保安体制と申しましょうか、というふうなものにつきましては、現在、機動隊の相当数が動員されておるわけでございますが、いずれこれはよく伝えられておりますように空港警備隊といったような常駐部隊に変化していくのではないか、このように考えます。いつの時点からということは私ども所管外で定かでございませんけれども、落ちついた形はそういうことであろうしたがって、それまでに空港周辺におけるいろいろないざこざというものが可能な限りおさまっていくような努力をわれわれとしてしていかなければならないんではないか。 次に、アクセスの問題でございますが、確かに御指摘のようなことが当初ございました。二つ私ども理解しておりまして、一つは、バスに乗って箱崎まで帰ってきたところが箱崎から乗るバスが出ない、こういうふうな問題があって迷惑をかけたことが一回。もう一回は、成田自身へ飛行機が着いて、通関して出てきたらバスがなくなってしまって、乗るバスがないために二時間近くお客に迷惑をかけた、こういう事件がございました。この二つの事件はいずれも初期のふなれのために起こった問題のようでございますけれども、私どもの方は、東京陸運局が直接関係者の方に指示もいたしまして、公団の方もせっかく努力をすることによりまして、そういったようなトラブルが起こらないようにということに心がけていくようにしたいと思っております。 現実に、アクセクの時間は、おかげさまで先週日曜から土曜までのフライトについて調べましたところ、大体、従前言っておりました、下り箱崎から七十分、上り箱崎まで九十分、ほとんどこの時間帯で運行しておるようでございますが、先週の金曜日でございましたか、環状線の事故が重なったこともあって、ある時間帯で百十分、まあ二時間近くかかったというようなこともあるようですが、これは建設省その他でいろいろ御配慮になっております湾岸道路の開通なり何なりをもって徐々に対抗をしていくことができるのではないか。なお、京成電鉄が、現在、当初予想いたしましたのに比べては人が乗っておりませんので、こちらの方にさらに積極的に誘導するというふうなことを考えていくことによって当面のアクセス問題というものは対処できると思いますけれども、将来的な問題ということでありますと、いろいろと議論がございまして、いまやや難渋しております成田新幹線構想にかわるべき何らかの議論、新しいネットワークなり、あるいは在来の国鉄線を延長するなりといったようなことも含めて、今後のアクセスには対応していかなければいけないのではないか、このように思っております。 したがって、全般的な問題をいつまでにどう片づけてどうするんだと、こういう御指摘に対して、私がいまここでいつまでにどういたしましてと、こうお答えできるほど簡単な問題でないことは先生も重々御承知の上の御指摘であろうかと思いますけれども、しかし、ともかくもこういう形で運用開始いたしました以上、燃料は、さしあたって現在列車輸送でやっておりますが、これは三年間でパイプラインに切りかえる。この三年という数字につきましては、これは閣議決定までして決めたことでございますので、私どもといたしましては絶対にこれに違背することがないように全力を挙げていくべきであると考えておりますし、県、市については、すでに相当の説明と理解を得ております。地元に対しても相当回数にわたって説明会を開いております。そう遠くない時期に所要の手続をなし得るのではないか、このように考えております。したがって結論的にいつまでにこうして、いつまでにこうする所存でございますと申し上げるのは、いささかいまの時点においてはつろうございますけれども、しかし、少なくとも御指摘の点を十分に認識した上で、この空港が完全に運営されていく方向へあらゆる努力を集中していきたい、このように思っております。
○渋谷邦彦君 ですから、きょうは本当はこういうわりあいにゆっくりした時間なものですから、運輸大臣のやはり政治的な判断を求めなきゃならぬ問題も実はかかわり合いがあるんです、率直に申し上げて。松本さんとしてはそれは言いにくいですよ、はっきり申し上げて。それは御心情としてはよくわかります。ただ、いままでのいろんな技術的な経過の中で大体見通しというものがなければなりませんし、当然のことながら、大体ここらあたりを目途にしているというようなことはあってもいいのではないだろうか。 そういうようなアクセスの問題は、まだタクシーの問題もございましょうし、しかも、おりてからあそこへ入るまで大変な距離、一キロ幾らですか、一キロ以上あるんでしょう。いま来月になってからようやく若干緩和されるような警備当局の方針のようですね。それにしても老人、子供、身体障害者の場合なんか重い荷物をしょって歩かなければならぬ。こうした問題なんかについても十一年の歳月を費やして何を一体検討してきたんだろうかという、われわれは本当に半ば憤慨するような気持ちもないではないんです、こんなことはいろいろ予測される問題ですからね。ゲリラの問題についてもこれは当然起こり得るであろう。いろんなそういう起こり得る条件というものを踏まえて、まず利用者に対して不便を与えないという、不愉快な思いをさせないということがやはり航空業務の本来の姿ではないんだろうかというふうに思うんですよ。 いまはもう本当に不便だらけでしょう。大体、夜着く飛行機が多いわけですから、どうしても運航時間の関係で。アメリカを飛び立っても、ヨーロッパを飛び立っても朝早く着くとか、夜集中的に、羽田の例を見るまでもなく、そういう傾向が非常に顕著であったわけです。こんなことはわかり切っておる話だ、はっきり申し上げると。日本航空の方が世界の国際空港に乗り入れるときに朝早く乗り入れる場合もある、遅く着く場合だってある、夜中になる場合だってあるかもしれない。いま騒音問題が起っている。最初検査をしたときよりもはるかにいま騒音の状態が強くなっておるわけでしょう。そうすると、また、今度何時から何時までは飛ばさないということになった場合に、では、その時間を過ぎて飛行機が来た場合に、一体、どういう対応の措置が考えられるのか、羽田へ持っていくんですか、やっぱり。いろいろそういうような問題も未整理になったままいま続いているわけでしょう。 騒音対策の問題一つにいたしましても、私が途中で申し上げたように、運輸委員会やなんかにおいてもこれは厳しく指摘された問題であろう、ですから繰り返し言いたくないのです、はっきり申し上げて。ただ、われわれの立場から申し上げたいという背景は、国際信用にかかわる問題であるだけに、こういう状態をいつまでも続けていたのではいかがなものかという憂慮があるからなんです。その点と、それからきょうはずいぶん残しちゃった問題が多過ぎるので、いま概括的に今日までの経過の中に立って疑問点をお尋ねしているわけですけれども、騒音やなんかを含めて、いま新たに提起した問題についてお答えをいただけませんか。
○政府委員(松本操君) 先ほどもお答え申し上げましたように、開港してかつかつ一週間という時点の中において、いま先生いろいろとおっしゃいましたような点があるわけでございます。そのどれをとりましても、日本唯一の国際的な表玄関としての新空港という観点からとらえますと、ゆるがせにできない問題はかりであることもまた事実でございます。 たとえば騒音のような問題は、本空港が末長く地域社会と共存共栄していくためには、どうしても解決をしていかなければならない問題でございますので、したがって、公団自身、去る二十六日から騒音の実態調査というものに一週間の予定で取り組んでおるわけでございますが、この結果、一体どのような数字が出てくるのかということを十分に踏まえて、隣接の市なり町なり、あるいは千葉県あたりとも御相談をし、現在書いてあるコンターがはなはだしく実情に合わないということはないのではないかと私ども期待はしておりますけれども、しかし、そういったコンターの狂いというものがあれば、もちろん修正するにやぶさかでないところか、むしろ積極的に直すべきでございましょう。さらにまた、騒音だけで申し上げますと、五十三年という、このことしという時点が環境庁の基準の最初の五年目標の年にもなっておるわけでございます。そこで、ここでわずかあと半年ばかりのところの処置を糊塗的にするか、それとも五十八年目標という環境基準に言いますところの最終目標を念頭に置いて、それに向かってのスタートを少し早めて切るかというふうな点についても早急に結論を出すべきではないか、このように考えております。 当面、なすべき民家防音工事なりあるいはテレビの難視聴対策なりというふうなものについては、従前の枠の中ではすでに手を打っております。さらにそれを一歩踏み込んで、たとえば防音工事で言うならば全室防音というふうな問題については、成田におきましてはすでに六戸についてモデルハウスをつくって、その状況を十分に検討した上で、できるだけ早い時期に全室防音の方向に進んでいこうというふうなことも成田については考えておるわけでございますので、したがって、いま起こっております問題を一つ一つ当面の問題は当面の問題として敏速に対応しながら、なるべく早い時点で将来の見通しを立てて、再びいまのような事態に陥らないようにということで進んでいきたい。その目標をどこに置くかと、こう言われましても、これは先ほど来御勘弁願ってまいったわけでございますが、しかし、少なくとも当面の目標というものは動き出して一カ月か二カ月たった時点では一応セットルしました、こういう形でなければこれははなはだ申しわけないことだというふうに考えております。
○渋谷邦彦君 予定された時間も大幅に過ぎておりますので、これ以上のことはきょうはお尋ねができないことを非常に残念に思うんでありますが、いま最後の御答弁を伺っておりましても、一応という御表現もございました、確かにそうだろうと私は思います、率直なお気持ちを述べられたんだろうと思います。 しかし、やはりちょっとしたことが人命に影響も与えるであろうし、あるいはまた地域の住民に思いもかけぬ迷惑を及ぼすであろうということは、これは専門家でなくても、今日までのいろんな情報を整理してみても常識的に判断できる問題であるわけですね。で、いまもいらっしゃるんですか、新東京国際空港公団に丸居さんという方が。あの方の審議会の答申あたりを見ましても、完全な新東京国際空港としての機能ができるということを断言していらっしゃいますね。しかし、その断言とはうらはらに、いまずっとやりとりを私伺っておりましても、まだまだ本当に困った問題が残っているなあという印象はぬぐい切れません、率直に申し上げて。だから、これはわれわれも日本国民である以上、日本の信用の失墜なんということは避けたいと思うし、当然のことながら、総力を挙げてやはりそういう問題解決に取り組まなくちゃならない。 ですから、私どもが率直にいまお尋ねしている点については、やはり明確にその辺を話をしていただきたいと思いますし、また、その安心感を日本国民全体に、また世界の人に向かっても誇れる空港なら誇れる空港らしく、このように完備いたしましたと。この間のIATAの連中が来たときも調査したわけでしょう、ことし開港直前に。あの調査結果の報告についても私は聞きたいし、どういうやりとりがあったのか。それから日本航空、全日空のパイロット、いわゆる機長会あたりの話なんかを聞いてみましても、成田についてはまだ不安感がぬぐい切れない、そういうような話も出ているわけでしょう。だから、そういった面についても総合的にわれわれとしてはどういうふうに考え、それを受けとめたらいいのか、また、国としてどういうふうな方向でそれに取り組んだらその問題解決につながるのか。われわれとしては、たとえ野党の立場でありましょうとも、問題をこじらせていつまでたっても不完全なその状態が続くということを好んでいるわけじゃございません。やはり皆さん方からの誠意ある答弁を通じて、じゃ、どうすれば、この内陸空港は内陸空港としてのいろんな悪条件を備えておりながらも、国際空港としての面目を発揮できるような方向へ持っていくことができるのか。これはもう言うまでもなく英知をしぼって取り組んでいかなきゃならぬ課題であることは言うまでもないわけであります。 きょうは、そうしたことを申し上げて、残余の質問については次の機会に私はさせていただきたいと思います。
○委員長(安孫子藤吉君) 本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会