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84回国会参議院1978/04/07

科学技術振興対策特別委員会 第5号

発言数
86
登壇者
10
会派数
3
開催日
1978/04/07

会議録

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それではまず、先日の委員会でお尋ねをいたしました原子力衛星、人工衛星等の問題について最初にお聞きをいたしたいと思います。  先日の報道によりますと、十四年前にアメリカの原子力衛星が大気圏に落下をいたしまして放射性物質がまき散らされたということが国連に報告をされた。しかし、当時、六十四年でありますが、この事故が起きましたときに、アメリカ政府は事故を発表したということになっているわけでありますが、このいわゆる六十四年の四月に上げられましたアメリカの原子力衛星の落下について、当時の日本の政府はアメリカ政府並びに国連に対しましてどういうような態度で臨んだのか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 先生御指摘の一九六四年に打ち上げに失敗しまして落下しました衛星、トランシットまたは別名ナブサットと、こう呼ばれておりますけれども、これは従来からアメリカの航空宇宙に関する大統領報告というものの中で明らかにされておりまして、今回また特に、先般のコスモス954号に関連いたしまして、国連の宇宙空間平和利用委員会に正式に報告をしているということから新たな報道がされたものと理解いたしておりますが、当時、このトランシット衛星はロケットの故障によりまして軌道に乗らずに、マダガスカル北方の西インド洋の上空約百二十キロメートルで大気圏に突入したということでございまして、米国の原子力委員会の健康安全実験所というのが世界的にその影響の調査をしたということが報告されておりまして、その結果によりますと、燃料に使いましたプルトニウムは上層大気中で完全に燃え尽きたということが確認された、こういうふうに報告がされておるわけでございます。したがいまして、当時、本件につきましては、日本といたしまして特段の国連に対する働きかけ等は行われなかったものと承知いたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 先般、ソ連のコスモスが落下をいたしましたときに、国連の宇宙空間利用小委員会等に対しまして、日本の政府は新たな原子力衛星の規制問題を提起をいたしております。今回のこのコスモスの落下に際しましては、そういう提起がなされているにもかかわらず、なぜこの当時、一九六四年、放射性物質を積んだ原子力衛星が落下したにもかかわらず、そういった問題を提起しなかったのはどういうわけか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 今回のコスモス954号につきましては、御承知のように現実にカナダにその破片等が落下しているという状況がございまして、それを契機といたしまして、非常にわが国もこの問題を重要視いたしまして国連に対する働きかけ等を行ったわけでございますが、恐らく当時の考え方につきましては、推測でございますけれども、これが上空で完全に燃え尽きたということによって、当時から一般的に理解されておりました、衛星というものは落ちてくるときにはほとんど燃え尽きてしまって特段の影響を与えないのだということで一般的に理解していたためではないかと、このように理解いたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、当時は、放射性物質を積んだ原子力衛星がそういう事故を起こしました場合にも、被害はほとんどないという認識で事を処しておったという理解に立っていいのですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 一般的に、人工衛星が寿命が尽きまして軌道が下がってまいりますと落下するということはよく承知されておったわけでございまして、その間に燃え尽きてしまうということで、この放射性物質を積んだアメリカのナブサットにつきましても、恐らく一般的な問題として理解されたのではないかと、このように考える次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、十四年前の原子力衛星に対する考え方というものが、いまの時代に比較をいたしますと、非常に甘い考え方を持っておったということが私は言えるのではないだろうかと思うのであります。そういう甘い考え方があったにいたしましても、日本の政府といたしましては、たとえばアメリカ政府に対しまして、今後かかる事故のないようにしてもらいたいとか、あるいは最近提起いたしましたような原子力衛星の飛行を禁止させるとか、抗議を内容にするかどうかは別にして、少なくとも何らかのアメリカ政府に対する規制措置を求めるのが私は妥当ではなかったかと思うのでありますが、それがもしもなされなかったといたしまするならば、いま局長が言われるように、燃え尽きてしまうのだという、そういう前提のもとに事を処置しておった。それが今度は逆にコスモス954になりますると、燃え尽きるどころか、核燃料物質そのものが地上に落下をしておる、ロケットの一部も落下をしておるというようなことがもう明らかになったのでありまして、十四年前の考え方がいかに私はあいまいというか甘いというか、非常にもこたる考え方のもとに人工衛星に対し日本の政府は処置をしておったというふうに見ざるを得ないわけであります。  そこでこの問題について重ねていまお尋ねいたしますが、当時アメリカ政府に対しまして何らかのそういった規制措置を求めるとか、あるいは今後の安全措置を、安全保障を求めるとか、あるいはまた今後のいわゆるこういった問題についての通報体制、前回の委員会でも私は通報体制の問題をお尋ねをいたしておりますが、通報体制について万全を期するように申し入れるとか、何らかのことを私は当時すべきではなかったかというふうに思うのでありますが、その点についての科学技術庁としての——十四年前皆さん方は当時の責任者ではございませんけれども、なぜなされなかったのか、もう一遍重ねてお尋ねいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、私ども当時の事情よく現在承知しておるわけではございませんけれども、恐らくは、十四年前と申しますと初めての人工衛星が打ち上げられてからまだ六、七年後のことでございますし、宇宙一般あるいは人工衛星というものに対する知識もまだそれほど進んでおった状態ではございませんし、また今日のように地球の周りを四千数百個の人工物体が回っているという状態でもなかったわけでございますので、恐らく非常にまれなことといたしまして、しかもそれが上空で燃え尽きたということでございますので、その辺に対して特段の問題意識を厳しくは持ち得ない情勢にあったのではないかと、このように推定する次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ、一九六一年以来アメリカは原子力衛星等の人工衛星を二十二個打ち上げている。その内訳は、原子力衛星一個——この間の委員会では局長は二十一個、そのうち一個は原子力というお話でありましたが、まあこれは一個落ちているわけですから二十一ということになるわけであります。そこで、いま非常に数が少なかったから云々というお話がありましたが、それでは一九六四年当時、人工物体と称するもの——まあロケットの範囲にもいろいろなものがありますが、四千数百というお話がありましたが、当時はどのくらいだったと推定できるんですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 現在正確な数字を持っておりませんが、最初に打ち上げられました人工衛星が、御承知のように一九五七年でございましたか、ソ連のスプートニクでございまして、当時は最初の二、三年というものは数個ないし数十個というのが限度でございましたと思いますので、恐らく一九六四年というような時点を考えますと、宇宙空間を飛んでおりましたものは数百個というようなオーダーではなかったかと、このように推量いたします。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまの御答弁等からいたしますと、当時認識が非常に薄かったということを私は指摘することができるのではないかと思うのであります。  最後にこの問題について長官にお尋ねをいたしておきたいと思いますが、さきの委員会でもお聞きになっておりまするので詳細は省きます。この問題はやはり大国の横暴さというものがこういった事故を引き起こしているのでありまするから、言うならば、こうした人工衛星——これは原子力衛星も含めまして、人工衛星等の規制、特に原子炉を積んだ衛星の禁止というものを積極的に強く私は国連に向けて訴えるべきだ、現に行われておりまするけれども、まだその実現には日が遠い。しかし積極的に私は働きかけていくべきだと思うのでありますが、長官の決意のほどをお聞きいたしたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 先般のソ連の原子力衛星がカナダに墜落した事件を契機といたしまして、わが国といたしましても、御承知の経過のように、外務省から国連の場を通じまして強くいろいろな規制を要求しているところでありますが、なかなかその結果がはかばかしくないことも御承知のところでございます。今後ともこの問題につきましては、何とでもしまして、そういう安全の確保を得られますように、問題が解決いたしますまで粘り強い折衝をしていただくように努める決意でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 次に、私は、原子力開発の利用に関する長期計画の改訂問題についてお尋ねをいたしておきたいと思います。  この問題は、昭和五十一年三月十九日に原子力委員会が決定をいたしまして、さらに同年三月二十六日内閣総理大臣が決定をいたしました「昭和五十一年度原子力開発利用基本計画」の中で、その第二章で「計画の大綱」が示され、原子力開発利用に関する長期計画の改訂問題が爼上に上っているわけであります。これを受けまして、昭和五十二年四月二十六日に原子力委員会が「原子力開発利用長期計画の改訂について」ということを実は決定をいたしているわけであります。したがって、長期計画専門部会を設置いたしまして改訂計画を作成するということになっておりますが、一年近く経過をいたしておりまする今日、その改訂作業はどの程度進んでいるのか、また改訂の視点というものはどういうものなのか、そのことをまず第一にお尋ねいたします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 原子力開発利用の長期計画につきましては、御指摘のとおり、昨年の四月に原子力委員会で今後の改訂作業につきまして決定をいたしまして、それ以来約一年間検討を進めてまいっておるわけでございますが、その間どういう点に着目して検討したかということでございますが、昨今非常に大事な核燃料サイクルの問題それから新型動力炉の開発の進め方、また主要研究開発プロジェクトの開発状況の確認、さらに今後の原子力研究開発の所要資金についての見通し、あるいは米国の核不拡散政策等を中心にしました原子力開発利用を取り巻く国際情勢といったふうな、もろもろの観点から審議を重ねておるわけでございます。その間、別途原子力委員会の中に設けられております新型動力炉開発専門部会でございますとか、あるいは核燃料サイクル問題懇談会でございますとか、そういう関連の専門部会等の審議結果、審議経過といったふうなのもあわせ、この長計改訂部会に持ち込みまして御審議を願っておるところでございまして、大体ことしの夏ぐらいまでには成案を得たいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 実はいま申し上げました原子力委員会の決定事項の中の3の(6)に「審議期間は約一ケ年とするが、必要に応じ中間報告をとりまとめる。」、夏というお話でありますと、一年以上経過するわけでありまして、中間報告をまずおとりになって、その後に詳細ないわば完成したものの報告を求めるというような形をおとりになることが妥当ではないかというふうに思うのでありますが、この決定の約一年ということと、いまお話のありました夏だということとの関連についてお尋ねいたします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 当初約一年間の審議期間を予定したのでございますが、その間、例の日米原子力交渉でございますとか、あるいは国際核燃料サイクル評価計画でございますとか、あるいは最近の核不拡散法の成立といった非常に目まぐるしい原子力を取り巻く内外の諸情勢の変化があったわけでございまして、そういったふうな問題を全部取り込みまして、今後相当の期間にわたる長期的な計画をまとめるためには、この四月では決着を見るに至らなかったわけでございまして、若干期間を延ばしまして、ことしの夏までにしたわけでございます。  その間、中間報告をとりまとめるといったふうなことももちろん不可能ではございませんが、現在特に中間報告をまとめることは考えておりませんで、この夏までに成案を得たいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 この決定の中で「原子力開発利用を推進する上での指針として、必らずしも実態にそぐわない面も見られるに至っている。」ということが改訂の大きな理由になっているわけでありますが、このいわゆる「必らずしも実態にそぐわない面も見られるに至っている。」という点について、二、三指摘していただきたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 最も大きな問題は、原子力発電計画の見通しでございます。これは昭和四十七年の長計におきましては、昭和六十年度の原発規模を六千万キロワットというふうに見ておったわけでございますが、その後立地推進のおくれによりまして、この六千万キロワットというのが不可能になったといったふうなことがございます。これが最も大きな問題であろうかと存じます。  それから、さらに昭和四十七年から五年を経過したわけでございますが、その間各種の大型研究開発計画が進展をいたしてまいりまして、この進展に応じて計画を見直すという必要も出てまいったわけでございます。  それから第三に大きな問題といたしましては、研究開発のための所要資金が膨大になったということでございまして、これは昭和四十七年長計当時に考えておりましたよりも、はるかに開発所要資金が膨大化したということがあるわけでございまして、このような資金対策をどうするかというまた新たな問題も提起されておるわけでございます。こういったふうな問題がこの長計改訂の中における大きな問題かと存じます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、いま一番大きな問題が、要するに原子力発電の計画の見通しの誤りということに実はなるわけでありますが、そこで、私、この原子力年報を実は拝見をいたしたわけでありますが、その原子力年報の中で三ページの下段の方に「原子力発電をより一層強力に推進した場合で三千三百万キロワット、対策を現状維持とした場合で二千六百万キロワット」というような報告がなされているわけでありますが、具体的に、「一層強力に推進した場合」とはどういうことを指すのか、また「対策を現状維持とした場合」とはどういう具体的なことを指すのか、このことをちょっとお尋ねいたしたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘の問題は、通産省の総合エネルギー調査会のお出しになった中間報告、これを昨年の九月でございましたか、総合エネルギー対策推進閣僚会議に報告されまして了承されました中身に御指摘のようなことがあろうかと存じますが、対策促進ケースと申しておりますのは、官民を挙げて最大限の努力と協力を前提にして将来の需給見通しを示した場合というのを対策促進ケースというふうに言われておるわけでございまして、その間、この官民を挙げてどうするかという問題につきましては、同じく閣僚会議で審議されておりますが、関係省庁間の協力を密にする問題でございますとか、あるいは中央省庁からしかるべき方々が地元に出向きまして、いろいろ地元の方々と話し合いをする問題でございますとか、さらには、出先におきます協力体制、また非常に数の多い許認可事務の簡素化といったふうなことが挙げられております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは、私非常に重要な報告だと思うのであります。いまお話がありましたように、長期計画の改訂の一番の原因は原子力発電の計画の狂いだということをいま御答弁なさったわけでありまして、当然科学技術庁といたしましては、そういう総合エネルギー調査会の部会のいろんな報告だとか、あるいはそういった内容だとかを参考にしつつ、一層やはり強力に原発なら原発を推進をするという立場に役目上はお立ちになるのが妥当ではなかっただろうかというふうに私は思うわけであります。私ども自身は原子力発電に対しまして批判的立場をとるのでありますが、年報を基礎にいたしまして前提といたしました場合の想定として申し上げているわけであります。  そこで、さらにちょっと詳しいことを私はお尋ねいたしたいのでありますが、現在運転中が十四基で七百九十九万四千キロワット、建設中十基で九百十四万一千キロワット、電調審決定済みでまだ建設に着手されないものが五基、四百七十五万六千キロワットであります。これを合計いたしましても二十九基、二千百八十九万一千キロワットであります。この電調審で決定済みの五基は大体昭和六十年度程度に運転が行われる計画になっておりますが、今日までの経緯等をながめてみますると、その計画は延びるということが実績において示されております、過去の原子力発電の建設の経過からまいりまして。等々を考えてまいりますと、たとえば対策を現状維持とした場合で昭和六十年度二千六百万キロワットとされているというような報告は、やや私は実情と合っていないというようなことを感ずるわけでありますが、この点は通産省の武田さんの方からお答えを願った方がいいのではないかと思いますが。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 現在運転中のもの、それから建設中のもの並びに電源開発調整審議会の議を経まして準備中のものというのは、先ほど先生御指摘のとおりでございますが、実は三月の下旬の電源開発調整審議会で一地点二基、たしか百七十二万キロワットでございますけれども、これが電源開発調整審議会の議を経ましたので、きょう現在ではちょっと数字が変わりまして、現在運転中のものが十四基、八百万キロワット、それから試運転中のものが四基、それを含めまして建設中のものが十一基、九百七十万キロワット、それから建設準備中のものが六基、五百九十四万キロワット、合計いたしまして二千三百六十四万キロワットというのが現状でございます。で、二千二百万から二千四百万近くになりましたけれども、先生御指摘のとおり、その数字ではなお二千六百万キロワットにも達しないし、もちろん三千三百万キロワットとの間には約九百万キロワットの差がございます。ただ、昭和六十年度ときょう現在とを比較いたしますと、たとえばことしじゅうに電源開発調整審議会の議を経、その後が順調に進展すれば、あるいは来年におきまして電源開発調整審議会の議を経てその先が順調に進行すれば六十年度に間に合う可能性がなお残っているわけでございます。私の方といたしましては、先ほど山野局長からも、官民を挙げて一層の努力をし全力を尽くしてという前提で三千三百万キロワットというお話ございましたけれども、全くそれと同じでございまして、重要電源の指定であるとか、各省庁間の連絡の強化であるとか、あるいは中央と地元の地方公共団体との連携強化、それから一方では、電源三法によります地元交付金のさらに一層の充実というような対策を加えまして、そうしてこれから来年にかけまして、できるだけ多数の原子力発電所を電源開発調整審議会にかかるような状態にいたしまして、三千三百万キロワットという目標を達成するように最大限の努力をしたいということで、いまもろもろの対策を含めまして努力をしているところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 実際の発電、営業運転のできるもの、それから計画のものといろいろ差はございますが、計画に無理があれば、数字に合わせようとすれば実際の実施計画に支障を来たすということにもなるわけでありまして、こういった問題につきまして、私は相当慎重な配慮をする必要もありまするし、また、具体的可能な数字というものを計上していく必要があるというふうに私は思うのであります。  そこで、もう一度最後に重ねてこの問題についてお尋ねいたしておきますが、先ほど長計改訂の問題については中間報告を求めない、一挙に改訂の最終計画をつくる、その時期は六月ごろだというお話がありましたが、これが何らかの事情によって延長される、つまり最終計画が決定される日時が延びる可能性はありますか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 私、先ほど本年度を目標にしてと若干あいまいなことを申し上げておりますのは、まだ最終成案を得る期日を確定していないためにそういう表現をしておるわけでございまして、私どもとしましてはなるべく延びないような方向で努力したいというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 延びない方向で努力するというんでなくて、昨年のこの原子力委員会の決定は約一カ年という審議の期間というものを明示しているんです。そして、必要があらば中間報告を求めなさい、こう書いてあるんです。この趣旨からいけば——先ほど、日米交渉があろうとか何があるとかというお話がございましたが、私は原子力委員会の権威ある決定がそういうことを口実として延びること自体がまず不本意だと思うのであります。そうだとすれば、私は中間報告をとりあえず求めて、その上で最終的な計画をつくることの方が原子力委員会の決定の趣旨に沿うのではないかという立場でお話を申し上げておるのであります。私は、努力するんでなくて、延びるならやっぱり中間報告なら中間報告を出すように考えてもらわなくちゃ困ると思うのであります。いわゆる原子力委員会の決定の趣旨と、いま申し上げた最終の計画の策定時期との関連について、あなた方の責任ある答弁を私は要求します。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 中間報告の扱いにつきましては、先生の御指摘のあった趣旨は原子力委員会にもよく伝えまして、原子力委員会としても検討していただくということにしたいと存じますが、私どもとしましては、いろいろ先ほど申し上げましたような諸問題もあるわけでございますので、もちろんできるだけ所期の期日のうちに成案を得るというのが最も望ましいわけでございますが、かといって拙速にならないようにという点にも注意しなければならないわけでございまして、その辺を踏まえ、かつまた先生の御提言を踏まえて検討したいというふうに考えます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 原子力委員会に伝えるということは形式論でありまして、この決定の中にも、事務の処理は原子力局と原子力安全局が当たると、こう書いてあるんでありますから、きょう両局長の決意いかんによって、最終の計画をいつまでにするということはこれは事務的に判断できる問題なんです。この決定、先に読みましょうか。「計画改訂に係る事務は、原子力局及び原子力安全局において処理する。」のですから、これは両局長の事務的な裁量権でやれるはずなんです。その最終的な時期を長官が原子力委員長として原子力委員会に諮って、高所の立場から判断すべきものは判断するということになるわけなんです。これ間違いですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 私どもが原子力委員会の事務局を務めておるのは、まさに御指摘のとおりでございますが、これはあくまでも事務局機能でございまして、意思決定をされるのは原子力委員長以下原子力委員会そのものでございますので、私ども両局長が決心したらそのとおりになるという話ではないのでございまして、その点は十分御理解をいただきたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 先ほど来からの御発言を承っておりまして、中間報告のおくれている点、あるいはまた、一年間という発表をいたしまして、それがはっきりまだ時期等示されないといったような問題につきましては、御指摘のとおりでございまして、その点は率直に認めまして、その御趣旨に沿うように努めたいと、このように考えております。  なおまた、この原子力の発電所の問題でございますが、これがなかなか十分な見通しが立たない。立てなければ困るわけでありますが、それが現実には立たないというのにつきましては、やはり実際に原子力発電所の立地がおくれている、これが根本の原因かと思うわけでございます。これにつきましてはいろいろの原因がありますけれども、やはり現実的に一番有力な原因は、やはり立地問題が非常に大きなネックになっていると、こういうことでありまして、従来からもそうでありますし、このままにしてまいりますと、結局、計画として申し上げてもなかなかそれに届かないというようなことが起こりがちであるかと思うのでございます。この立地問題の推進のおくれの大きな原因は、やはり地元の住民の方々に十分な御信頼を得るような段階に届きかねている、こういうことが一番深い原因かと思うわけであります。これにつきましては、やはりいろいろ考えてみましても、次から次へいろいろな問題が出てくるわけでありまして、要はやはり安全性ということにつきまして十分の御信頼を得る、こういうことでなければなりませんので、これにつきましては毎年の予算におきまして、さらに安全研究についての相当の費用を計上しましてその安全研究の推進を図ってまいりますとともに、法令等の問題につきましても、一昨年原子力安全局の御設置をお認め願ったわけでございますが、さらに今回、原子力基本法等の改正をお願いいたしまして、原子力安全委員会を独立した一つのしっかりした機関にして、これによって安全審査を行うのだということによって、少しでもまた信頼性を高めてまいりたいという考えを持っておるわけでございます。  それからさらに、従来は比較的顧みられなかったわけでございますが、つまり地元におきます本当の御信頼を固めていくという点については、なお不十分だった点もございますので、これにつきましては立地問題推進懇談会という組織をつくりまして、今後その組織を通じまして、現在大体了解していただいて受け入れていただいております各府県なりあるいは市町村なりの代表者といろいろ検討を重ねまして、その間に少しの不安や疑念もないようなそういう体制を固めてまいりまして、反対のための反対、あるいは十分わかっていないための反対、そういう疑念といったものに対処してまいりまして、立地難を少しでも緩和しながら目的を達するように進めてまいりたい、このような考えであります。いろいろそういう点について、いまの計画の明示でありますとか、あるいは実際の推進でありますとか、お目ざわりの点は十分おありになるかと存じますが、一層ひとつそういう点を努力いたしまして、何とかして目標に到達するようにやってまいりたいと、このように考えているわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いま大臣からいろいろ御答弁がありましたので、この質問はこの点で終わっておきます。  次に原子炉に基づきまする被曝放射線量が急増しておるというような実情下におきまして、その対策並びにその実情についてお尋ねをいたしておきたいと思います。  昭和五十一年度の「発電用原子炉施設における被曝実績」というのが、先日科学技術庁で一般公開をされたわけであります。その中で一・三レム以上三レム未満、まあ比較的高い被曝の実績は、この一年間を通じまして総合計四百三十五人になっているわけであります。特に問題になりますのは、比較的建設が古くそうして長期間運転をしてきた原子炉関係にやや多発の傾向が見られるという点であります。最たるものは東京電力株式会社福島第一原子力発電所あるいは日本原子力発電の東海発電所、あるいは日本原子力発電の敦賀発電所というようなところにやや多発的な傾向があることを指摘することができるわけであります。  そこで、いわゆる運転の期間が長ければ長いほど放射能の影響を受ける度合いが大きいということは、単純計算の上から計算できるのでありますが、そういう単純計算以外に何らかの問題点があってこういうような傾向になってくるのか、その点について、たとえば東京電力の福島第一原子力発電所を一つの例にとりまして具体的にお答えをいただければ幸いだと思うのであります。つまり、運転期間が長ければ放射能を浴びる機会が多くなるという原則というものは、この原子力発電の施設において一つの方程式と申しますか、概念と申しますか、いうふうに理解していいのかどうか、そのことを最初にお尋ねします。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 一般的に申し上げまして、原子炉の圧力容器近傍の機材等の持っております比放射能というものは、運転が長期間になれば漸次高くなってくることは事実でございますが、ただいま先生の御指摘の従業者の被曝との関連におきましては、私どもの方の見解といたしましては、定期検査等におきまして、従業員の方が炉心内に入りましていろいろな作業をするわけでございます。機器の修理、点検等に従事する際に、そういうような際に従業者の方がその環境にございます放射線を受けて被曝をするわけでございまして、その時間が長くなる、あるいは非常に修理等で高いレベルのところの作業をする機会がふえたということが最も大きな原因ではなかろうかと、かように考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういうことになりますと、こういうような運転の期間がこれからだんだん長くなる原子炉が非常にふえるわけでありますが、ただ単に被曝の機会が多くなるというだけではなく、いわゆる運転期間の長くなる原子炉がふえつつある状況にありますときに、何らかの安全対策と申しますか、防止策と申しますか、というものが必要になってくるのではないかと思うのでありますが、そういう点についてはどういう考え方をお持ちになっているのか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 原子力発電所の基数の増加に伴いまして、先生おっしゃいますように、たとえばその定検等の作業をいたしました放射線下の従業者の数が四十九年度には約一万二千人強でございますが、これが五十一年度には二万人に近い数にふえておるわけでございます。また、故障、トラブル等の修理あるいは点検の機会が当然ふえてくるわけでございますので、そのような作業に従事される方ができるだけ放射線を受ける量を防ぐということはきわめて大事なことであると考えております。  この問題につきましては、原子力委員会でも非常に関心を持っておりまして、いろいろな検討が加えられております。その具体的な項目といたしましては、こういうようなところで作業をする方の遮蔽を十分に行う方法をとること、あるいは作業の自動化であるとか遠隔化を図るというようなこと、また、炉心内の放射線レベルを決めます一つの大きな要素といたしまして冷却水の持っております放射能レベルを低減するということも非常に大きなことでございますので、冷却水の濃度管理を、不純物の濃度管理を十分に行う、こういうようなことが必要であろうかと考えておりまして、この実際の実施につきましては、通産省当局がいろいろ電力業界を指導しておるところでございます。このようなことを行うとともに、また、これからは定期修理等に当たりまして、できるだけ作業のしやすいような合理化された原子炉を積極的につくっていくというようなことも一つの大きなこれからの重要な事項でないかと、かように考えております。また、私どもといたしましては、こういうようなところで働いておられる方が、電力会社の従業員以外に、メーカーであるとか、その下請の方々が数多くこれに参加しておるわけでございますので、これらの方々が放射能を許容量以上絶対受けないような対策といたしまして、ごく最近、昨年度の末に発足いたしたわけでございますが、従業員の被曝を管理いたします登録センターを発足いたしまして、統一的に原子力施設で働く方の放射線を受けた量を登録管理する制度も発足させて、側面から従業員の方の被曝の低減化を図るというような措置も講じておる次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまお話しがありましたが、もう二万人の中でほとんど九〇%ぐらいの社員外の請負従業員の方々が被曝をしているわけであります。社員の方々は一番低い〇・五レム以下の被曝の方々が多いわけでありまして、事実上は発電炉施設における被曝の実態からまいりますと、請負をした下請企業の従業員が大きな危険にさらされているということを指摘することができると思うのであります。そこで、何かこの登録管理を行うために放射線従事者中央登録センターというものがつくられたというふうに聞いておるのでありますが、これは年報によりますと、それを昭和五十二年十一月一日に設立した、こう書いてあるんですが、最近業務を開始したとお聞きいたしておりますが、なぜこんなにおくれたんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 御指摘のように、設立いたしましたのは昨年度でございましたけれども、設立以降各事業所からの放射線の被曝の履歴を電送して計算機に収録し整理するための機器の整備等に若干の時間がかかりまして、昨年度末にその整備が完了いたしました。したがいまして、業務の開始は本年度早々、もう間もなく開始できるものと考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは年報の中に、実は放射線の被曝に対する安全対策の一環としてこういうものがつくられたということが記載されているのてありまするから、記載されて一年たって、まだ今日実際の業務が行い得ないということは余りにも熱意のなさ、つまり、私が申し上げたように、こういう二万人を超す被曝の実態が、しかも請負の従業員にほとんど被曝の実態があるときに、こういうような働く人を守る中央登録センターがこのような実態では私は大変残念なことであると思います。時間がありませんので、私、次の機会にまた詳しくお尋ねするといたしまして、原発の稼働率の問題を中心にいたしまして二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。  まず第一に、ごく最近の新しい数字で結構ですが、何か二月末とかに通産省では、現在営業運転中の原子力発電は四基しか動いていないというようなことを発表なさったとかなさらなかったとか聞いておりますが、ごく最近の新しい時点における現在の営業運転中の原子炉で何基運転をし、何基は定期検査、何基は定期検査以外の故障で停止しておるのか、ちょっと御報告いただきたいと思います。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) きょう現在の数字でございますけれども、営業運転に入っているものが十四基、約八百万キロワットでございまして、そのうち稼働しているものが七基、四百二十万キロワット、それから停止しておりますものが七基、三百七十九万キロワットでございます。なお、停止は定期検査でございますけれども、御承知の美浜一号だけは別の理由でとまっているわけでございます。それからなおこのほかに、試運転に入っておりますものが四基、三百八十四万キロワットございます。で、試運転中のものを含めますと、全部で十八基、千百八十三万キロワットというのがきょうの朝現在の数字でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、稼働率の問題につきまして、五十二年度は相当低くなる、そういう予想がなされておりまして、四〇%台を維持することが果たして可能かどうかという実は議論がなされている。五十年の稼働率が四一%何がしでありまして、この五十年の稼働率すら割る可能性があるのではないだろうかというふうに言われておりますが、稼働率の見通しについて、五十二年度はどの程度になるとお考えになっているのかお尋ねいたします。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 五十二年度の稼働率につきまして正確な数字が出ておりますのは二月末まででございまして、二月末まででまいりますと、平均時間稼働率が四五・九%でございます。ちなみに、いままで一番低かったのが昭和五十年度でございまして、これは年度計で四八・二、時間稼働率四八・四%ということでございまして、それと比較しますと、二月末までの数字がちょっと低いわけでございます。それで、三月末の集計、いまやっているところのようでございますが、五十年度ととんとんか、場合によれば少し低くなるかというような感じで私自身はいま思っている次第でございます。正確な数字、端数までついたものはもうしばらくすると勘定ができるようでございますので、こうなりましたという御報告はちょっと後にさしていただければと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 時間稼働率でなくて、年間稼働率言ってください。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 稼働率の勘定は二つございまして、一つがどれだけの時間動いてたか、もう一つはどれだけの出力を出していたかというようなことで、設備利用率と私ども言っておりますけれども、これは五十年度が四一・九%でございまして、ことしの最終集計出ておりませんけれども、それとほぼ同じ、ちょっと下回るのか、ちょっと上回るのか、その辺の感じをいましておるところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまお話がありましたように、年間の設備利用率が五十年度を上回るか、下回るかというように、原子力発電が発足して以来最低の年間設備利用率になる見通しは濃いのでありますが、なぜそういうふうに設備利用率が減ったのか、この理由についてどうお考えになっているか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 稼働率につきまして、十四台動いておるわけでございますが、発電所ごとにながめますと、稼働率のいいもの、悪いものいろいろございます。たとえば一番悪い例で申し上げますと、先ほどとまっているうちの一台と申しました美浜の第一号というのは動かなかったわけでございますから稼働率、どんな勘定してもゼロということでございます。一方、稼働率のいいものの中には七割、八割というような動き方をしているものもございます。で、そういったものの集計でございますが、稼働率の低かったものをきわめて単純に申し上げますと、定期検査を毎年やるわけでございますが、定期検査のときに発電所の中の機器等々の各部の点検をいたします。点検をいたしますと——昨年からことしにかけまして、この委員会でも何回か御報告したと思いますけれども、たとえば給水ノズルの修理をしなければいけない、あるいは配管の修理をしなければいけない、または取りかえをしなければいけないというようなのが、発電所ごとにそれぞれ違いますけれども出てまいりまして、そういうもの一つ修理するのに二月、三月かかる。これは放射線下作業でもございますし、物の大きさ等々によりましていろいろ変わるわけでございますが、そういったことが、ある発電所については二つ、三つ重なる。そういたしますと、まあ半年近く手直しにかかってしまうというような現象が起こりまして、もっぱら相当部分は手直しに時間がかかっていて、その時間のかかった発電所につきましてはいわば定期検査期間が長引いて、結果として稼働率という計算をいたしますと、たとえばゼロというのは極端でございますけれども、三〇%とか四〇とか、そんなたぐいの発電所が幾つかあった。したがいまして、幾らいい発電所でも七割とか八割とか、そういう数字でございますので、平均をいたしますと、さっき申し上げたような五〇とか、五〇を下回る四〇台というような数字になってしまったというのが実態でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、定期検査のために設備利用率が落ちたというのではなく、定期検査の際にいわゆる事故あるいは故障部分が発見をされて、その修理、保全のために運転を中止するために設備利用率が落ちた、そういう理解でいいですか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 大体そういうことでございますが、ちょっと少し細かく申し上げさせていただきますと、定期検査そのもの、何も手直しの部分が発見されなかった、あるいは小さな手直しなので通常の定期検査期間内に済むという程度のものであったという場合には、定期検査が三カ月とか四カ月とか、その範囲でございます。したがいまして、大きな故障とか事故とか手直しとかいうものがなければ、まあ六〇%台あるいは七〇%というような結果になる勘定でございます。したがいまして、一〇〇とその七〇近く、六〇幾つとの差、これは定期検査とお考えいただき、六〇幾つかと四〇幾つの差、これは定期検査の期間中に見つけた直すべき場所を直すための時間というふうに御理解いただければと思います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあ私、この年報をもとにいたしまして、原子力産業会議が発行したこの原子力ポケットブック等を参考にいたしまして、五十年度の原子力発電所の原子炉の問題について二、三調査をしてみますると、たとえば日本原子力発電所の東海発電所におきましては、五十年九月十二日から五十年の十月二十六日が定期検査で一カ月十五日、これは十六万六千キロワットの小さな炉でありますが、比較的私は順調に定期検査が行われ、いま武田さんが言われましたような故障のなかった一つの私は証左ではないかと思うんであります。ところが、次に敦賀発電所をながめてみますると、定期検査が五十年三月六日から行われましたところ、これはスプレー等のひび割れが発見をされまして、約七カ月問五十年十月十三日まで運転が停止をされております。あるいは東京電力の福島第一発電所の第一号炉四十六万キロワットは、四十九年九月十五日に定期検査が行われました後、これもいわゆる若干のスプレーのひび割れ等が発見をされまして、五十一年二月五日まで約一年五カ月間炉の運転が停止をされております。さらに、同じように東京電力福島第一原子力発電所第二号炉七十八万四千キロワットも、五十年四月一日に定期検査でありますが、これまたいわゆる若干のひび割れ等が発見をされまして、五十一年一月二十四日までおよそ九カ月問、十カ月近く炉の運転が休止をされております。まあ関西電力の美浜一号炉は、もう先ほどから申し上げたように、これは例外でありますが、美浜二号炉も、五十万キロワット、これも五十年一月十三日に定期検査が行われまして、これまた損傷部分が発見をされました結果、約十一カ月間、五十年の十二月二十七日まで運転が実は休止をされております。あるいは関西電力高浜一号炉も、五十年十一月二十八日の定期検査で故障を発見をされまして、これまた五十一年九月十六日まで約十カ月間、炉の運転が実は休止をされているわけであります。これは昭和五十二年、一九七七年に入りましても、いま申し上げた炉は同じような傾向が見られるわけであります。  こういうことを考えてまいりますと、私は実際の原子力発電所におけるいまの運転の実態をながめてみますると、運転のいわゆる休止期間が長いのは定期検査の結果ではなく、定期検査の結果発見をされた故障修繕をするための時間に要したために、設備稼働率が落ちているということを指摘せざるを得ないと思うのでありますが、この点についてはどうお考えですか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) いまおっしゃったような意味では先生御指摘のとおりでございまして、正常な運転というとおかしいのでございますが、私どもが目標としております稼働率六〇数%もしくは七〇%というものをベースにいたしまして、御指摘のように定期検査そのものというよりは、その間に見つけました故障等の手直しに時間がかかっておるわけでございます。なお、ただ定期検査そのものは、実はこういう機械を一年も運転をいたしますと、あちこちに手直しすべき場所が生ずるというのが、過去数十年来の火力発電所の経験等からわかっておりまして、原子力発電所もそういうものを見つけるんだということで、毎年のように定期検査をいたしております。したがいまして、見つけることそのものはいいんでございますが、ただ大物が見つかっておるものでございますので、先生御指摘のように、それが稼働率の低下につながると、こういうことでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、つまり原子力発電は経済性に富む、火力発電よりも発電単価が安いという点が大きく国民にアピールをされておる点からまいりますと、実際問題といたしまして、稼働率が四〇%台に低迷をいたしますると、火力発電の設備利用率現下七〇%が標準の発電単価だと言われておりますが、そういう点から考えてまいりますると、非常に原子力発電は高い発電コストになる可能性がある。これはもう円高影響あるいは逆に濃縮ウラン等の値段の高騰等が勘案をされて今後の数字が出されるわけでありますが、とりあえず、いま申し上げた原子力産業会議の計算によりましても、昭和五十五年度は少なくとも原子力発電の設備利用率が四二%程度にならなければ火力発電のコストと同等でない、つまり高くなる。六十年度に至りましては大体四四%程度、六十五年に至りますれば、四七%程度の設備利用率を持たなければ火力発電よりも単価が高くなるという一連の計画図案が示されております。  そのことは抜きにいたしまして、時間がございませんが、そこで、設備利用率の低いのは定期検査に時間がかかるからだという理由をもとにいたしまして、最近通産省は、財団法人発電用熱機関協会に検査を移管いたしまして組織的な点検をする、そして定期検査の期間を短くするんだというような御構想をお持ちになっていると思うのでありますが、これはいま私が指摘をいたしましたように問題があると思うのであります。定期検査の結果によって設備利用率が落ちているわけではございませんから、私はこういうような外郭団体に定期検査を委嘱なさるということは、安全チェックの問題から問題が残るのではないかと思うのでありますが、こういうお考え方があるのかないのか、仮にあるとした場合に、安全チェックの点は、現行の点と比較をいたしまして安全な措置を期することができるかどうか、この二点をお尋ねします。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 通産省の諮問機関といたしまして、総合エネルギー調査会というものがございますのは御承知のとおりだと思いますが、その中に原子力の関係をいろいろ検討していただく原子力部会というのがございます。昨年の八月に中間答申がございまして、またその後も検討を続けておりますけれども、その中間答申の中では、原子力プラントの諸検査、この諸検査というのは役所でやるものもございますが、電気事業者自身がやるものもございますけれども、そういった点検、検査をもっと厳格にかつ効率的にやるために、中立機関の活用というのもひとつ考えられるんじゃないかというふうなことを言っておりまして、そういう意味では、役所の検査それから電気事業者自身が点検するもの、こういったものをひっくるめた点検ということでは、将来にわたりましては、ある意味の中立機関を育てていくことが必要かと考えております。ただ、いまご指摘の熱機関協会云々というものに、原子力につきまして、私どもがやっている検査を私どもがやめてしまってそういうところにやらせるという考え方はきょう現在持っておりません。むしろ原子力発電所の設備を役所も見ておりますし、電気事業者自身自分の設備でございますので、いろいろ点検、検査をしておるわけでございますが、そういった全体をひっくるめました点検、検査、これをもっと——発電所もふえるわけでございますから、もっと的確効率的にやるというために、ある意味のそういう専門屋さんが将来育ってくれるということを期待したいというのが私どものいま現在のポジションでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは最後に、警察庁からおいでをいただいておりますので、核ジャック対策につきまして警察の立場からお答えいただきたいと思います。  これは私からちょうちょうなんなんとお話を申し上げることございませんが、各電力会社も協力いたしまして出資をされまして、特別の警備保障会社等おつくりになっておやりになっている。核ジャックを防ぐためにはまず第一に特別な知識が必要だ、ただ単に暴徒を鎮圧するだけではなく、原子力に対する知識も必要になってくる。それから、たとえば原子力発電所が爆破されるとか、それによって放射性物質が飛散するとかというような場合に、機材の関係ではどうなるとか、あるいは警察官自体としてそういう場合にはどう措置をとるのか、いろいろな私は核ジャックに対する警備体制というのが多様的な立場で問題を考えていかなければならぬのではないかと思います。現に伝えられるところによりますと、警察庁は特殊部隊と申しますか、この表現は仮の表現でありますが、特殊部隊を編成をいたしまして、核ジャックに対する警備体制の万全を期するというように一部報道されているようでありますが、核ジャックに対しまする警備体制について、いま申し上げた多様化するいわゆる対策が必要だという観点からお答えをいただきたいと思います。

若田末人警察庁警備局警備課長

○説明員(若田末人君) 御指摘のように、核ジャックがもし仮に起きました場合には大変な影響が出てまいりますので、非常に重要な認識のもとに諸対策を警察庁といたしましては進めておりますのは事実でございます。で、実際に防護をする立場から見ますと、そういう核施設を守りますとともに、また核の輸送の途中の警備、大きく分けまして二つの段階に分かれると思います。警察が特に意を用いなければならないのは核輸送の途中の問題でございまして、核施設につきましては、それぞれ施設の方とも連絡をとり、関係官庁とも連絡をとり、まずやはり専門的な知識によりまして、物理的にこれを外部から侵入できないというふうに、いろいろ諸規定にもなっておるようでございます。また、先生御指摘のとおりに、警察官ももちろんこういう面にタッチする警察官は特別な知識が必要かと思いますけれども、物理的に、内部的にまず自主警備をしっかりやっていただきまして、そしてその外に現在原子力発電所におきましては、それぞれそういう特別な知識を持ったガードマン会社もつくっておるようでございます。そういうもので内部を固めていただきまして、現在の状況ではそういう施設につきましては外部を警察が守る。もちろん御指摘のように、こういうものに従事する部隊につきましては、そういう知識もおいおい持ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。また、現に核の輸送につきましては保秘の面にも十分注意をいたしまして、関係官庁あるいは会社等々と連絡をとりまして、十分の体制で守っておるというようなところが実情でございます。  なお、御指摘の特殊部隊等につきましては、現に各県におきまして機動隊の中に特殊部隊というのはすでにございまして、これは単に原発等の警備だけ、単にその目的だけではございませんで、前にも起きましたハイジャックの問題、その他の問題、特殊なこういう知識を要するところにやや多面的に活動する部隊が各県すでにでき上がっております。そういうものをさらにこういう面に発展的にいろいろな知識あるいは装備というものを充実、強化してまいりたいというようなことで、関係官庁あるいは会社等とも連絡をとりまして、総合的な警備体制を現在検討中のところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 終わります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 最初に「むつ」の問題についてお尋ねいたします。  「むつ」の修理を行うかどうかで問題になっております佐世保重工が非常に経営がピンチであると、こういうことが新聞に報道されて、私たちも非常に心配をしておるわけであります。ここは六千数百人の従業員を抱え、佐世保市の出荷額全体の半分以上を佐世保重工が占め、しかも固定資産税は年間六億円近くを佐世保市に納めておる、こういうことで、佐世保重工の問題は地域経済に及ぼす影響も非常に大なるものがあると思うのであります。  そこで、一部の報道によりますと、「むつ」の修理を受け入れる、こういう条件で政府が佐世保重工の救済に乗り出すと決定をしたというように聞いておるわけでありますが、こういうことは事実であるのかどうか。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 佐世保重工の現状につきましては、大体御発言のような様子かと考えます。それにつきまして、佐世保重工の救済を条件として「むつ」の入港を引き受けるという話があるがどうかと、こういうお尋ねかと考えますが、結論から申しますと、別にそういう事実はございません。ただ、この問題で非常に佐世保の市長が御心配されまして、上京されてそれぞれの関係筋と折衝をされているわけでありますが、従来からの関係で科学技術庁にもおいでになりまして、ひとつ何とかして救済に手をかせということでございますので、その趣旨は十分御了承申し上げまして、御協力を約束したわけでございますが、ただ、科学技術庁が「むつ」問題等を通じまして協力できます限度で、佐世保重工業が非常な危機から脱却できるといったような、それほど重大な強力な影響があるわけでもございませんので、いま申し上げたような程度でできるだけ御協力するということは申し上げましたし、仮に受け入れていただくとすれば、具体的にまたいろいろな御援助も御協力もできるのではないかと思っております。ただ、当面、この佐世保重工の問題は運輸省の所管でございますので、先ほど申しました趣旨から、運輸大臣にもいろいろ事情を申し上げてお願いしましたところ、運輸大臣とされましては、造船・海運関係の所管の立場から、全力を挙げてひとつそういう大きな波及結果が及ばないようにいま考慮中であるというお話でございましたから、私の方からも、ひとつよろしくお願い申し上げたい、こういうことを申し上げましたし、同様のことは通産大臣にもお願いしているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、まだそういう方向が決定したというわけではないけれども、いずれにしても佐世保重工を何とか救済をしたい、また一方、「むつ」の受け入れも政府の方針どおり進めたい、そういうような方向でいま努力をしておる段階であると、こう判断していいわけですね。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) お話しのとおりでございまして、何とかしてひとつ「むつ」が佐世保において修理ができますように、いろいろ努力をしていることはもう申し上げているとおりであります。  それから、たまたまそれに関連して——関連とは言えないかもしれませんが、佐世保の死命を制するような佐世保重工業の窮状につきましては、われわれとしてできるだけ御協力の手を差し伸べたい、このように考えているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 造船界が非常に構造的に大変なことはすでに御存じのとおりで、いまさら説明をするまでもないと思いますが、佐世保重工の危機回避の状況はどうなのか、運輸省としてはどういう支援を今後行い、また、長期的な見通しと申しますか、世界的に造船の受注は非常に急速に低下をして、なかなかそう簡単には回復しないように思われるわけでありますが、そういう点をどう認識されておるのか、承っておきたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 造船界の現況、あるいは海運界の現況、こういう問題については科学技術庁は大変弱いわけでございまして、また、ことにこの佐世保重工の具体的な問題につきましては、詳細に申し上げるだけの知識はありませんが、当面やはり相当の資金を得られなければ、あるいは退職者の手当でありますとか、あるいは手形の決済等について非常な支障があるというように承っております。  それで、これに関連しまして、当面、そういう資金その他の手当てで切り抜けるとしましても、先の展望がなければ救済ということはむずかしいと考えるわけでございますが、その点は、とりあえず、佐世保重工におきまして相当の数の人員整理ということを実行されるようでございまして、その後の点につきましては、運輸省におきまして将来に対する展望を十分御検討になり、あるいはそういう展望に立った計画を実施してまいりますのについて、大株主等の支援体制を取りつけるようにお話をされるものと思っておりますので、実情は、私はこれ以上わかりませんが、やはり運輸省ないしはこれに通産省あたりも、不況業種という立場から御関心をお寄せになることと思いますので、両面からひとつ何とかしてその立ち直りを極力考えていただくべきではないかと、このように考えております。

赤岩昭滋運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(赤岩昭滋君) 佐世保重工に対します支援の問題につきましては、関係者にいろいろと運輸省の方からも呼びかけておりますし、きょう現在も大株主等に対しまして、運輸省がこの危機回避と言いますか、につきましていろいろ努力している最中でございまして、具体的にどういうことをするかという問題につきましては、現在そういう状況でございまして、ここで申し上げる状況に至っていないというふうに申し上げたいと思います。  それから、造船業の長期的な問題につきましてでございます。佐世保重工の問題は、造船業全体の不況の中での問題でございますので、佐世保だけをどうのこうのということじゃなくて、造船業全体が今後どのように考えていくかという問題になろうかと思います。その問題につきましては、現在、運輸省にございます海運造船合理化審議会で検討していただいているわけでございまして、できるだけ早い時期にそれについての答申を得たいということで目下努力している最中でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 今度五十三年度予算も成立をして、いろいろ海上保安庁等の船の計画もあるやに聞いておるわけでありますが、さらには現在の海上保安庁の老朽船を回収あるいは建造するために、早急にやはり補正予算を組むべきではないかと、こういう意見もあるわけで、私も広島におります関係で、造船業界の現状もつぶさにはだで感じておるわけでありますが、さらに補正予算も組んで、この際老朽船を増強する、そして二百海里時代にも対応していく、こういうことも必要じゃないかと思うんですが、そういう点はどういう方向にあるのか、しかも、その中において佐世保重工というのはどういう立場にあるのか、これを承っておきます。

赤岩昭滋運輸省船舶局首席船舶検査官

○説明員(赤岩昭滋君) ただいまの海上保安庁等の船舶について老朽船を早く代替したらというような御意見かと思いますが、五十三年度予算が成立したばかりでございますので、まずそれの実行というものが先決だと思いますが、この問題についてはいろいろと各方面から御意見が出ているかと思います。これは海上保安庁の担当になるわけでございまして、そちらの方で現在検討されているのじゃないかと私は思います。  それから、佐世保重工に重点的にというようなお話でございますが、こういうような船は、やはり競争入札というような形で決められることになるかと思いますので、特定のところに特にどうという話はいささかむずかしいのじゃないかと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私たちも「むつ」のことを考えますと、佐世保重工もぜひ立ち直ってもらわなくてはならないわけですけれども、ただ、佐世保重工が経営危機であるということにつけ込んで押し込んでしまうということでは非常によくないんじゃないか。今後の原子力行政のことを考えますと、やはり長崎県民の納得のいく処置でなければなりませんし、また日本全体から見ても、納得のいく問題でなければならないんではないかと思います。したがって、造船業界は佐世保重工だけではなしに、全体が大変なわけでございまして、そういう中で、佐世保重工の再建問題は、やはり再建問題として真剣に取り組んでもらいたいし、また一方、「むつ」の受け入れの問題については、またそれは独立した一つの問題として、長崎県民——まあ漁業組合もあるわけですし、そういう納得のいく処置を示してもらいたい。これを長官に要望しておきたいんですけれども……。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) いま御発言にありましたような趣旨につきましては、先般もここでお尋ねやら私のお答えやらをしたかと思いますし、先ほども申し上げましたように、直接関係はございませんということを申し上げたはずでございまして、救済問題と受け入れ問題とは本質的には別個であるという考え方でこの問題を進めてまいりますことは、繰り返して申し上げるところでございます。私どもとしましてはこの佐世保重工の問題のみならず、受け入れた場合に、国は、あるいは新幹線の問題とか、あるいは漁民に対する問題とかをこうせい、ああせいというふうなお話も、公式ではありませんが承っておりますけれども、しかし、国の政策を受け入れていただきます限りは、われわれとしてはもちろん最善のまた御協力をするのにやぶさかではありませんが、何としても、支障ない、心配ないものだから受け入れてやるという御結論をいただきますことが先決問題でありまして、ただし、そういうたてまえで受け入れたが、いろいろの関係もあるから、せっかく国策に協力して受け入れた長崎県なり佐世保に対して国としてこういうことをひとつやれ、ああいうことを要請すると言われた場合には、まじめに強力にひとつ考えてまいりたいと思っております。しかし話の順序、話の本筋は、初めからそういうふうに間違わないで、今日といえどもなお厳守して問題の処理に当たりたい、このように考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから、長崎県知事が、核燃料を封印したまま修理するように関係者に働きかけていると、このように報道されておるわけでありますが、長崎県は核燃料を別にしてやるような決議がなされておったわけでありますが、そういう点は長崎県知事としても、かなり科学技術庁の意図に協力的になってきておると、このように理解していいわけですか。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) これも先般申し上げたかと存じますが、とにかく非常にむずかしいが、何か受け入れられる方法があればひとつ考えてみようという御返事はいただいておりますので、そういういろいろな点を長崎県において研究、検討されている段階であると、このように心得ております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、次に原子力発電所の稼働率の問題でありますが、先ほど森下委員からいろいろ質問もあり、答弁もお聞きしたわけでありますが、五十二年度の時間稼働率あるいは設備利用率等は、もうすでに五十二年度が経過したわけでありますが、先ほどのお話では、やはり五十年の時間稼働率よりもさらに下がる見通しが非常に強いと、このように判断していいわけですね。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) いままで数字が出ておりますのは、五十二年四月からこの二月末までの平均時間稼働率で、四五・九という数字でございまして、それ自身は、五十年度の時間稼働率四八・四に比べまして二・五%ほど低いわけでございます。三月はもう少しいい数字になると思っておりますけれども、平均値になりますとそれより下がってしまうかなあというのが私のいま持っている感じでございまして、ただ、いずれにしても〇・何%とか一%とか、そんなようなオーダーの差でございますので、どんぴしゃどうなるという数字は、ちゃんと事務局の方で計算をして、私のところにも報告が来てから申し上げさせていただきたいと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大体いま原子力発電所の営業運転が十四基ですからね。だからそんなのはぱっぱっと自分の大体の状況は——もう四月きょう何日ですか、何日かたっておるわけですから、もうちょっとそういう点は速やかに現状を把握してそうして次の対策を立てる、こういう点で、もうちょっとこれはスピーディーに——きのうから申し上げておるわけですからね。この程度のことがはっきりわからないということはまことに私は納得できない。このことを申し上げておきます。  それから、稼働率を上げるために、電力業界等においても先ほどお話ありました発電用熱機関協会の問題、これは先ほど答弁がありましたのでよろしゅうございますが、さらに定期検査を二年に一回にしたいとか、こういうような意向もある、このように聞いておるわけでありますが、外国では定期検査を二年に一回にやっているところもあるようですけれども、そのあたりの真意はどこにあるのか、これに対する通産省の考えはどうであるのか、簡単にお願いします。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 定期検査のやり方につきましては、私ども日本でのやり方とそれから外国のやり方、これは役所の検査という観点から見ましても電力会社自身が自分で点検するという観点から見ましても、少しずつ国によって違いがございます。そういうことで、外国でこうやっている、日本でこうやっているというのは、やはり少し差があるわけでございますが、一般的には外国の方が所要日数が少し短いというようなのが実績ベースの数字でございますけれども、これは考え方なりやり方なりの差もあることでございますから、外国にそのまま右へならえしなきゃいかぬというようなことではないと私ども思っております。  それから、いま毎年やっているけれども、二年に一回という要望があるというふうなお話でございましたが、私ども自身電気事業者から、原子力発電所の定期検査を二年に一遍にしてくれというような要望を受けておりません。ただ、定期検査、これは電力会社自身の点検も含めてでございますが、より合理的にしなければいけないし、それから、実は稼働率低下の要因でございます手直し、修理等々をもう少し能率的、効率的にやらなければいけないし、それより以上に、そういう手直しが必要になるもとを除去しなければいけないというような一連の対策を一生懸命考えなければいけないなというのが電気事業者の考え方だと思っておりますし、私どもも安全点検をより一層充実しながら、しかしもっと合理的にするというようなことは考えなければいけないということでございまして、そういったような意味で、総合エネルギー調査会原子力部会の会合でも検討はしてもらっておりますし、またそれよりも私ども自身も、将来に向かっていかに故障なり何なりがないようにするか、それから点検に必要な日数を減らすか、たとえば原子力発電所機器の構成を——構成といいますかアレンジも含めまして、被曝が少ないようなことにできますと扱いが容易になりますので、結果的には全く同じ安全レベルあるいは現在以上の安全レベルを維持しながら、点検の日数は減らすというようなことが可能でもございますので、そういったものを含め、もろもろのことを含めて総合的には考えなければいけないと思い、また検討している次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 大臣が、衆議院の本会議がありまして、十分前にはここを出られなければならないそうでございますので、ちょっと順序は逆ですけれども長官にひとつお尋ねしたいと思うのですが、米国の最高裁判所が、原子力発電所を中止するかどうかという判断は政府がやるべきである、こういう判断を下したということを新聞で拝見をしたわけでありますが、政府としてはこの判決をどう評価するか、これを伺いたいわけであります。もちろんこういう問題は、第一義的には政府が責任を持ってやるべき問題ではありますが、しかし、わが国においては政府に対するいわゆる不信感というものが非常に強いわけですね。そういうわけで、当然こういう問題が直ちに裁判の場で争われるということは非常に技術的にもむずかしい問題でございまして、しかし一方政府に対する不信もある、そういう意味で環境アセスメントと申しますか、われわれの党が主張している環境アセスメントといういうのは、政府とは別個のいわゆる公正取引委員会みたいな審査機関を置いて、そして国民から信頼される判断をしていく、こういうことを提案しておるわけでありますが、そういうことをぜひ実現すべきではないか、このように思うわけでありますが、この二点についての御見解を承っておきます。簡単で結構ですから。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 第一の問題の、政府が責任を持つべきだという御発言の趣旨、全くそのとおりでございまして、御承知のように、原子力の安全に責任を持たねばならぬ法律的な義務があるわけでございますし、政府に対するいろいろ不信もあるというお話でございますが、そういう点があるとしますと、政府としては厳に反省しまして、そしてどこまでもそういう不信を払拭することに努めまして、政府としての責任を果たしてまいらねばならぬ、どこまでも政府が責任を持たねばならぬということをはっきりここで申し上げる次第でございます。  それから、安全に対する信頼性を確立するために環境アセスメントとかいろいろなお話がございますが、こういう点につきましては、今後それに限らず、常に不断にいろいろな御提言を十分に検討いたしまして、安全対策を推進してそれに対する国民の皆様のあるいは地元の皆様の不信あるいは疑念が解明するように不断に努めてまいらねばならぬと、このように思っておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いや大臣、私は米国の最高裁の判決を支持しているのではないのですよ。こういうものを最高裁が逃げたということは、やはりこれはわれわれとしても日本の現状から見て非常によくないわけでありまして、この米国の最高裁の判決について、長官がこの判決の結果を支持するのか支持しないのか、そのあたりをちょっと伺っておきたいのです。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 大変私にとってむずかしいお尋ねでございますので、どうも正確にお答えができるかどうかわかりませんが、アメリカの最高裁が政府が責任を持つべきだという判決を下したということに対しまして、ストレートな批評ということはちょっと私としてはできかねると思いますが、ただそれにつきましても、いまそれとは一応関係なしに、安全に対する責任はどこまでも国が持たねばならぬ。そのために、先ほど申しましたように、安全はもうここまででいいという絶対的な限界はないわけですから、もうあらゆる方法を不断に推進しまして、そして安全第一というモットーを確立していかねばならぬと、このように考えるわけでございます。満足な御答弁になりましたかどうかわかりませんが、この程度でお答えさせていただきます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その点、局長さんどうですか。やはり最高裁はそういう判断をせにゃいかぬ場合も当然あるわけでありまして、しかし、願わくは政府として国民の納得のいく判断を下して、こういうことが裁判で争われなければならないようなことを招かないように、わが国においても環境アセスメント法を確立するとか、そういうことにやはりもっと政府は努力すべきだ。日本政府の場合は政府に対する信頼が非常にない。その上に、もしこういうような判決が出た場合には、本当に地域住民、環境に心配を持つ人たちの救える道はないわけでありまして、そういう立場から私は申しているわけなんですが、それについての見解を承っておきます。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 米国の判決につきましては、これは私どもまだ新聞報道によって知ったのみでございまして、十分詳しい内容を承知しておるわけではございませんけれども、判決の内容につきましては、新聞報道等によりますと、最高裁におきまして、法律に基づいて行われた原子力発電所の安全性等につきましては、裁判所はごく限られた範囲しか関与できないんだというふうな考え方からこのような判決が出たように聞いておりますけれども、先生御指摘のように、この判決にいたしましても、これは米国のことでございますし、もちろん法律体系も異なる米国の判断でございますので、それが直ちに日本に当てはまるとは考えられないわけでございます。また、この訴訟の中で非常に大事なことは、先生御指摘のように、原子力の安全を心配されている方がいろいろな面でその意見を聞いて発表し、また、それに対する答えを得られない上で政府が決断しておるというようなことも含まれた裁判の内容かとも聞いておりますので、私どもといたしましては、ただいま基本法の改正等をお願いして安全委員会の設置等を国会に出しておるわけでございますが、今後の原子力発電の設置許可等に当たりまして、十分地元の意見を聞くようなことを実行上ぜひやっていきたい。具体的に申し上げますと、私どもいま考えておりますのは、新しい体制下におきまして二段階の公聴会あるいはヒヤリングと申しますか、の制度を設けて、地元のお声を聴取していくような方式を考えておる次第でございます。そのような公聴会制度等を十分行う等を踏まえまして、国民の理解を得ていくような線でこれからの行政を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 先ほどの問題に返りまして通産省にお尋ねしますが、私は、現段階においてはそういう定期点検のあり方等も、できるだけその時間を短くして稼働率を上げるような方向に努力することは決して悪いとは申しませんけれども、もっと大事なことは、そういう故障の本質的な原因の解明に努力をすべきであると、このように思うわけでありますが、そういう点は異存はないと思うんですけど、これは異存ないですね。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 先ほど稼働率について申し上げましたのは、稼働率を上げるために点検をはしょるとか、そういうことじゃ全くございませんで、定期点検、これは役所のやるのも会社のやるのもございますが、それらを充実強化し、しかし、同時に合理的なものにするということで、もし合理的なものになり充実されれば結果的に稼働率が上がるであろうということを申し上げたわけでございます。で、充実されればという前提は先生御指摘のとおりでございまして、もちろん故障なり何なりがないような措置、いままで起こっておりますたとえば燃料棒の問題なり、あるいは加圧水型でございますと蒸気発生器の問題、または沸騰水型でございますと配管のひび割れとか等々の問題、これは現在までに発生したものにつきましてはそれぞれ原因を究明してしかるべき処置、たとえばその部分を取りかえるとか、あるいは取りかえの仕方で材料を変えるとか、水管理を変えるとか、またはその溶接の方法に工夫をこらすとかいうようなことで一つずつ除去してきておりまして、まだ完全な実績にはなっておりませんけれども、そういったものを除去し、いわば故障なり手直しの要因をなくすというのが一番大切なことであろうかと思います。それで、その結果としてそういったものが再発しなければ、あるいは再発の頻度が下がりますと結果として稼働率が上がってくる、こういうことでございまして、稼働率にいろいろ各方面から関心を持たれて、何十何点何%になるというような数字を毎月のように発表をするようなことになっているわけでございますが、その数字自身がどうこうということでございませんで、先生がいま御指摘になりましたように、その数字のベースになった安全の度合いはどうなのか、あるいは故障の度合いはどうなのか、そういったものが今後同じようなことで再発するのか、またはもっとふえるのか減るのか。で、方法としては、そういったもの、同じことを二度と繰り返さない。ただ何分機械でございますので、二度と繰り返さないではなくて頻度が下がるということであろうかと思いますけれども、そういうことこそ大切なことであろうと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いままで私たちが理解している範囲では、蒸気発生器の細管に穴があく、あるいは一次冷却水のパイプのクラックと、こういうような問題ですね。これが非常に共通して起きているわけでありますが、こういう問題は、それぞれ原子力研究所その他で研究をやっておられるわけでありますが、大体これはもう解決の見通しというか、対策はできたのかどうか。  それともう一つは、五十三年度は大体設備利用率、時間稼働率等は最低何%ぐらいはいく確信があるのか、さらに五十四年、五十五年の目標というか、そういうものはどうなっているのか、これを最後にお伺いします。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 先生御指摘のございました故障の方でございますが、たとえば加圧水型の蒸気発生器細管に穴があく、あるいは沸騰水型のパイプのクラックというような問題につきましては一応の原因の解明を終わりまして、たとえば蒸気発生器細管でございますと水処理の問題で水処理の方法を変えたというようなこと、それからパイプの方でございますと材質なり水管理なりあるいは溶接の方法を工夫したというようなことの手当てをいたしております。ただ、たとえば加圧水型蒸気発生器でございますと、発電所の運転を始めているものについてやっているわけでございますので、運転当初におきましてこういう水処理をしていた、その残渣が完全にゼロになったわけではございません。そういうような意味で、その残渣が今後ともいたずらをするということは数としてあり得ることでございまして、頻度は減ると思っておりますが、完全にゼロになったのかどうかという点になりますと、ここはもう少し経過を見なければいけないというようなことで、なお、処置はしたものの残渣が残っているというような部分が、これは加圧水型であろうと沸騰水型であろうと両方ともあるわけでございます、現在運転中のものにつきましては。ただし、いま建設しておりますものについては、あらかじめそういう処置をできるものは取り入れる。それから、これからデザインをし、つくるというものにつきましては、改良標準化作業等もいたしておりますけれども、過去の経験を組み入れ得るものはできるだけ組み入れるということで、いま申し上げられますことは、二度と同じ故障、トラブル、事故を起こさないということでは必ずしもございませんで、その頻度が格段に下がるというようなことでございます。  それで、そういったものを前提にし、また運転方法等々もいろいろ工夫することによりまして、五十三年度、これはちょうど始まったばかりでございますが、本年度の稼働率は昨年度よりよくなるのはもちろんでございますが、私どもといたしましてはもちろん五〇%を超すことを考えたいと思っておりますし、目標としては六〇%台のものがこれから二年、三年先までに向かっての目標でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それじゃ、一応五十三年度は全体で設備利用率を六割ぐらいはいきたいと、そういうようないま御答弁だったんでございますか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 先ほど、五〇を超すのはもちろんですし、それから二年、三年で六〇%台ということを申し上げましたが、私の期待が入りますけれども、五十三年度は六〇という数字にはなりたいなと、こう思っているのがやや期待を含めての目標でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いますでに四基試運転をしておるわけですね。これはやがて営業運転に入ると思うのですが、この四基についてはかなりいろんな点がフィードバックされておるわけで、これはどの程度いくように考えているんですか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) いま試運転中の四台の機械が営業運転に入りますのには、それぞれ機械によって違いますが、しばらく時間がかかります。私が期待しておりますのは、それが動き出せば、ある非常に短い点検期間、たとえば一週間とか、そういうようなとまりがあるかと思いますけれども、事故がなければ五十三年度を通じて大分動いてくれるだろうという期待はいたしております。

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 速記とめて。   〔速記中止〕

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 速記を起こして。本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時四分散会

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